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平成23年11月30日文教委員会−11月30日-01号

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  1. 杉並区議会 2011-11-30
    平成23年11月30日文教委員会−11月30日-01号


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    平成23年11月30日文教委員会−11月30日-01号平成23年11月30日文教委員会  目   次 委員会記録署名委員の指名 ……………………………………………………………… 3 人事異動に伴う説明員の紹介 …………………………………………………………… 3 議案審査  (1) 議案第56号 杉並区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例 ………… 3 報告聴取  (1) 教師用指導書の買入れについて ………………………………………………… 3 議案審査  (2) 議案第57号 杉並区立健康学園条例を廃止する条例 ………………………… 6  (3) 議案第69号 杉並区高井戸温水プールの指定管理者の指定について ………34  (4) 議案第70号 杉並区上井草体育館外2施設の指定管理者の指定について …38  (5) 議案第71号 杉並区高円寺体育館外4施設の指定管理者の指定について …44  (6) 議案第74号 杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………………47  (7) 議案第75号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例     ………………………………………………………………………………………50 陳情審査
     (1) 23陳情第32号 財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情 ………50  (2) 23陳情第47号 上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情     ………………………………………………………………………………………50  (3) 23陳情第49号 「学校希望制」の見直しを求めることに関する陳情 ………52 報告聴取  (2) 放射線量等の測定結果について …………………………………………………67  (3) 「教育ビジョン2012(案)」の策定について ……………………………68  (4) 学校希望制度の申請状況について ………………………………………………70  (5) 関根文化公園プールの廃止について ……………………………………………71  (6) 平成22年度杉並区体力等調査結果について ……………………………………72  (7) 平成22年度児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査について     ………………………………………………………………………………………73 閉会中の陳情審査及び所管事項調査について …………………………………………99                 文教委員会記録  日   時 平成23年11月30日(水) 午前10時01分 〜 午後5時12分  場   所 第3・4委員会室  出席委員  委 員 長  小 川  宗次郎     副委員長  吉 田  あ い  (10名) 委  員  松 浦  芳 子     委  員  そ ね  文 子        委  員  山 本  ひろこ     委  員  今 井  ひろし        委  員  山 下 かずあき     委  員  大 熊  昌 巳        委  員  原 田  あきら     委  員  横 山  え み  欠席委員  (なし)  委員外出席 議  員  新 城  せつこ     議  員  けしば  誠 一  出席説明員 教育長     井 出 隆 安   教育委員会事務局次長                                  吉 田 順 之        教育改革担当部長渡 辺   均   教育委員会事務局参事(特命事項担当)                                  田 中   哲        庶務課長    北 風   進   教育人事企画課長佐 藤   浩        統括指導主事  白 石 高 士   教育改革推進課長齊 藤 俊 朗        学校適正配置担当課長        学務課長    日 暮 修 通                幸 内 正 治        教育委員会事務局副参事       教育委員会事務局副参事        (特命事項担当)           (特命事項担当)                正 田 智枝子           寺 井 茂 樹        社会教育スポーツ課長        科学館長    安 藤 利 貞                植 田 敏 郎        郷土博物館長事務取扱教育      済美教育センター所長        委員会事務局参事                  玉 山 雅 夫                皆 川 武 人        済美教育センター副所長       教育支援担当課長末 久 秀 子                田 中   稔        済美教育センター統括指導主事    中央図書館長  本 橋 正 敏                飯 塚 善 行        中央図書館次長 堀 川 直 美  事務局職員 事務局長    伊 藤 重 夫   議事係長    依 田 三 男        担当書記    田 嶋 賢 一 会議に付した事件  人事異動に伴う説明員の紹介  付託事項審査  1 議案審査   (1) 議案第56号 杉並区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例…原案可決   (2) 議案第57号 杉並区立健康学園条例を廃止する条例…………………原案可決   (3) 議案第69号 杉並区高井戸温水プールの指定管理者の指定について      ……………………………………………………………………………原案可決   (4) 議案第70号 杉並区上井草体育館外2施設の指定管理者の指定について      ……………………………………………………………………………原案可決   (5) 議案第71号 杉並区高円寺体育館外4施設の指定管理者の指定について      ……………………………………………………………………………原案可決   (6) 議案第74号 杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例      ……………………………………………………………………………原案可決   (7) 議案第75号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例      ……………………………………………………………………………原案可決  2 陳情審査   (1) 23陳情第32号 財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情      ………………………………………………………………………………不採択   (2) 23陳情第47号 上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情      ………………………………………………………………………………不採択   (3) 23陳情第49号 「学校希望制」の見直しを求めることに関する陳情      ……………………………………………………………………………継続審査  所管事項調査  1 報告聴取   (1) 教師用指導書の買入れについて   (2) 放射線量等の測定結果について   (3) 「教育ビジョン2012(案)」の策定について   (4) 学校希望制度の申請状況について   (5) 関根文化公園プールの廃止について   (6) 平成22年度杉並区体力等調査結果について   (7) 平成22年度児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査について  閉会中の陳情審査及び所管事項調査について…………………継続審査及び継続調査                             (午前10時01分 開会) ○小川宗次郎 委員長  ただいまから文教委員会を開会いたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○小川宗次郎 委員長  本日の委員会記録署名委員は、私のほか、今井ひろし委員をご指名しますので、よろしくお願いいたします。  また、傍聴人の方より委員会の撮影の申請が提出されましたので、これを許可いたします。  《人事異動に伴う説明員の紹介》 ○小川宗次郎 委員長  次に、人事異動に伴う説明員の紹介をお願いいたします。 ◎教育委員会事務局次長 では、11月11日付人事異動で説明員に変更がありましたので、紹介いたします。安藤利貞科学館長(統括課長)でございます。  以上でございます。
     《議案審査》   (1) 議案第56号 杉並区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例 ○小川宗次郎 委員長  これより議案審査を行います。  議案第56号杉並区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例を上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者の方から補足の説明はございますでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 本案につきましては、さきの本会議場で説明したとおりでございますが、まことに申しわけございませんでした。本議案の審査に関連しまして、本日報告を予定しております。審査に先立ち、庶務課長から説明をさせていただきたいと思います。  《報告聴取》 ○小川宗次郎 委員長  それでは、議案に関連する報告をお願いいたします。   (1) 教師用指導書の買入れについて ◎庶務課長 本議案第56号に関連をいたしますので、報告の1番目でございます教師用指導書の買い入れについてご報告をさせていただきます。  教師用指導書につきましては、教科用図書の採択が行われました年度に、授業の準備等に使用するため購入をしてきたものでございますが、この指導書の購入に当たっては、杉並区長の権限に属する事務の一部を委任する規則第1条により、契約権限が金額にかかわらず課長に委任されていることから、受任者である教育委員会事務局庶務課長が、平成21年3月1日付で4,954万8,345円、平成23年2月25日付で6,049万4,490円の契約を、相手方東京都第一教科書供給株式会社と結んだものでございます。本来は、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例により、予定価格4,000万円以上の財産の取得に該当しますことから、議会の議決を経て契約する必要がございました。そのため、今般改めて契約議案としてご提出させていただきまして、追認の議決をお願いしているところでございます。  教育長におきましては、区長等と同様に自らの責任を明らかにするため、給料を1カ月間減額することといたしたものでございます。  こうしたことは行政運営上あってはならないことでございまして、区議会及び区民の皆様に対して深くおわびを申し上げます。今後このようなことがないように自らを戒めるとともに、再発防止に万全を期してまいる所存でございますので、何とぞご理解をいただくようお願いいたします。まことに申しわけございませんでした。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆今井ひろし 委員  金額が4,000万、6,000万と高額で、教科書というのは毎年購入するわけですから、再発防止策というのは、すぐに迫った24年度に対してはどんなふうに考えているのか、お聞かせ願いたいんですが。 ◎庶務課長 教師用指導書につきましては、教科書の採択が行われまして教科書が改訂された年に購入をしてございます。ほかの年度については、持ち回りでその指導書を使っていくということになってございますけれども、今回このようなミスを犯してしまいましたので、所管といたしましては、年度初めに予算配当がございますので、金額の高いものにつきましてはリストアップする等で毎年確認をしていきたいというふうに思ってございます。  なお、区としましては、現在、契約権限が金額の定めがなくて課長におりているということで、これがミスにつながったということでもございますので、契約権限の見直しについて検討しているというふうに聞いてございます。 ◆今井ひろし 委員  そうすると、そのまま今のところはまだ課長権限で行っていくというふうな考えなんでしょうか。それとも、それは早急に見直すというお答えなんでしょうか。 ◎庶務課長 契約部門のお話では、早急に見直しを図っていくという話でございます。 ◆今井ひろし 委員  早急に見直すということであればいいんですが、この指導書というのは今度はいつの話なんでしょうかね。 ◎庶務課長 小学校の指導書については3年後でございます。 ◆今井ひろし 委員  では、3年後には、もう契約に関しては課長権限ではなく、変わっているというお答えでよろしいでしょうか。 ◎庶務課長 そのとおりでございます。 ◆原田あきら 委員  この事件といいますか、この事態が発覚したのがなぜなのかをちょっと確認しておかなければいけないなと思っています。庶務課長がかわってみたら、あっ、こんなおかしな間違いがあると自ら発見されたのか、それとも監査から指摘があったのか、なぜこの事件は発覚したんでしょうか。 ◎庶務課長 ことしの10月14日に中野区で同様の事件が新聞報道されました。これを受けて当事務局としても確認をしたところ、同様のミスがあったということが見つかったものでございます。 ◆原田あきら 委員  つまり、中野区の監査で発覚した。杉並区の監査もこの件については機能しなかったし、所管でも、これまでの教師用指導書の購入でずっとこういうことが21年より前に行われてきたということが明らかになったと。そういう点でいうと、教育委員会だけの問題ではなくて、行政全体の問題でもあるのかなと思っています。その点で区長、副区長も減給処分になったと思うんですけれども、そうはいってもうちだけの問題じゃないというわけにはいかなくて、先ほどしっかりと対処していくという発言がありましたが、改めて、議会軽視と言われないようにしっかりと対応していただきたいということについてどう答えるのか。  それから、月額報酬から100分の10に相当する額を減じた、この根拠についても一応確認しておきたいと思います。 ◎庶務課長 先ほど申し上げましたとおり、今後このようなことがないように、課長としてしっかりチェックをしていきたいというふうに思ってございます。  なお、今回の減額でございますけれども、これまでの例に倣って10分の1としたというふうに聞いてございます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  民主・社民クラブとして意見表明をいたします。  教育長として自ら責任を明らかにする上で、給料を1カ月10%減額することについては妥当であると私は判断いたします。そして賛成の意見といたします。  なお、この議案については、関連議案を総務財政委員会において我が会派より質問いたしますので、ここでは私は質問いたしません。  以上です。 ◆そね文子 委員  この議案、本来議会に諮らなければ支出できないはずの額の図書が議決を経ずに購入されていたことが後になって発覚し、その責任者である教育長の給料を減額することにより不祥事を追認するものと受けとめています。既に起きてしまったことを今さら認めないわけにもいきませんので、今回の事件を教訓として再発防止に努めていただきますよう要望し、議案には賛成といたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第56号杉並区教育委員会教育長の給料の特例に関する条例については、原案を可決すべきものと決定して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  異議ないものと認めます。よって、原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。   (2) 議案第57号 杉並区立健康学園条例を廃止する条例 ○小川宗次郎 委員長  続きまして、議案第57号杉並区立健康学園条例を廃止する条例を上程いたします。  本会議説明以外に、理事者の方から補足の説明はありますでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 つけ加えることは特段ございません。  なお、議案審査に当たりまして、補足資料をご配付させていただいておりますので、ご参考にしていただければというふうに思います。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。──質疑の方が大勢いらっしゃるので、公平を期すために、最初の質疑はおおむね15分程度とさせていただいて、改めて必要があれば、一巡した後に再度質問をしていただくよう、ご協力お願いいたします。 ◆今井ひろし 委員  前回の文教委員会でも質問したかと思うんですが、もともとは10年前に区が南伊豆健康学園を廃止するべく検討してきたわけですけれども、それが、今年の2月の文教委員会において廃止というのを10年ぶりに出してきた。それは事業仕分けに上げたというような理由もあるんですが、もともとは10年前に廃止計画を出してきているわけですから、それから10年間、ロードマップのようなものが本来はでき上がっていて、それぞれ粛々とこれをなくしていくというのが本来の筋であったと思われるんです。その間、保護者たちとの話し合いもあったかと思われるんですが、この条例に関して、10年前から考えていて今年度に廃止するというようなロードマップはあったんでしょうか。それについてお聞かせください。 ◎学務課長 委員おっしゃるとおり、10年前、教育委員会として南伊豆健康学園の廃止の方針を打ち出したところでございます。現在も、南伊豆健康学園の所期の目的は達成されたというその目的自体については、10年前と同様というふうに考えております。  10年前、その後、南伊豆健康学園の跡地の利用についてさまざまなご意見をいただきながら、教育委員会としても特区申請等を踏まえて取り組んできたところでございます。ただ、残念ながら、そういった取り組みを何年か続けた上でも、なかなか成案に至ることはなく、いたずらにというわけではございませんけれども、10年の時間が過ぎてしまったというところが事実というふうに考えております。  したがいまして、委員がおっしゃるように、本来であれば廃止に向けて一定の段階をきちんと踏んでいくというところがあってしかるべきだと思いますが、当初そういった形で、跡地利用等を踏まえた中でなかなか進めてこなかったというところが私どもの考えておるところでございます。 ◆今井ひろし 委員  またさかのぼって、12月に廃止の方針を広報で発表した段階では、利用者である保護者には事前の説明がなく、広報で知ったという方も多かったという部分は非常に保護者の方は憤りを感じていて、そこからいろいろともめたというか、いろいろとあつれきがあった経緯があるわけですから、その辺の、今後同じような轍を踏まないような弁がもらいたいんですが、いかがでしょうか。 ◎学務課長 委員ご指摘のとおり、昨年の12月16日に教育委員会で方針の決定をした後、保護者の説明が21日を予定していたんですが、ちょうどその日、同日に、広報で廃止の方針の内容を「廃止する予定」という形で載せさせていただきました。私どもとしては、保護者の説明と同日という形で、そのときにご説明できると思っていたんですが、今委員がおっしゃるように保護者のほうからも突然というようなお話をいただいたところは確かにそのとおりでございます。委員会でも、前回そういうご指摘をいただいたところでございます。  それを受けまして、私ども教育委員会としましては、その後については、きちんと信頼関係を築いて説明していくよう取り計らったところでございます。具体的には、保護者会に対しても、この間、計4回ほどご説明をさせていただいたり、校長会、それから小学校PTA協議会等、事あるごとにご説明に上がり、進捗状況も含めてご説明して、ご理解をいただいているというふうに理解しているところでございます。 ◆今井ひろし 委員  その後の経過については、信頼関係が回復できたかなというふうにも思っております。その点は評価したいと思っておりますが、その後、健康学園の目的というものが薄れてしまったというのが1つあります。転地療養までいかなくても、子どもたちを守るような施設というのは杉並区においてつくっていくというようなことも聞いておりますけれども、その意思も多少酌んで、区内に同じような施設もしくは似たような施設を考えているのであればお示しください。 ◎学務課長 先般の文教委員会のほうでご報告したところでございますけれども、区内での取り組みについては、南伊豆健康学園がこれまで担ってきた役割、成果を引き継ぐ形で取り組んでいきたいとまず思っております。  ただ、やり方としましては、区内ということもございまして、まず既存の学校での取り組み、それから、学校ではちょっと難しいような同様な課題を持つ仲間づくりですとか、あと、不登校傾向のある子どもたちの対策などについては改めて事業を立ち上げ、着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆今井ひろし 委員  保護者の方もそれをとても心配していますので、引き続き健康や心理的な部分で弱い子どもたちを守るためにセーフティーネットとしてお願いしたいと思います。これは要望でお願いいたします。  終わります。 ◆山本ひろこ 委員  可決されれば今回の質問が最後となる議案審査でございます。38年間の歴史を変える重要な審議の場となりますので、誠実な答弁をどうぞよろしくお願いいたします。  健康学園が設立された昭和49年、当時の背景として、環境問題や区内の児童の健康状態など、どのような状況の中で健康学園が待望され設立に至ったのか、当時の状況等わかりましたらお示しください。 ◎学務課長 当時、昭和でいいますと42年から45年ぐらいですね、昭和42年には、ご存じだと思うんですが、公害が多く社会で言われていまして、四日市ぜんそくで女子中学生がお亡くなりになっております。その後、昭和45年は東京立正高校で初めて光化学スモッグが出ました。こういった事件などで、いわゆる大気汚染と言われたものの顕在化を踏まえて東京都では、昭和46年に東京都病虚弱児教育整備協議会というところから、病虚弱児教育のあり方についての報告がありました。その報告を受けて東京都は、健康学園未設置区に対して設置の促進をしたところでございます。  杉並区では、こういった背景を踏まえて、昭和49年に現在の地に南伊豆健康学園をつくったというところが経過でございます。 ◆山本ひろこ 委員  38年という長い歳月の中で、健康学園で生活する多くの虚弱児童が健康を回復し、元気な姿で在籍校に通学していく姿は、親のみならず、かかわった教職員、設立した区としても何よりの喜びであったことと推察いたします。健康を回復された要因として、教育、生活プログラムなど重要視した点、今後の取り組みに生かされると思われますので、お示しいただけますでしょうか。 ◎学務課長 健康学園というところがどういうことをやってきてどういう成果を上げたかということでございますが、成果として大きく4つほど、私ども検証する中で確認しているところでございます。  具体的に申し上げれば、まず、少人数の学級であったということから、多くの大人たちが子どもたちにかかわりながら、個々の子どもたちのそれぞれのきめ細やかな指導ができたというところが1つでございます。  2つ目、体力向上に向けた取り組みでございます。これについては計画的に継続して取り組んでいくということで、例えば、肥満の子であれば着実に体重が落ちていくとかいう形で取り組んできた。また、ここは特に子どもたちが自らそういう計画を実行していくということで、子どもたちが自ら実施してきたということも大きな要因であるかというふうに考えているところでございます。  3つ目が、あわせて保健もしくは給食、食事指導という形で、寮生活になりますので、その辺についてはきちんと各学校のほうで取り組んできたところでございます。  最後、4つ目なんですが、実は今申し上げましたように寮の生活でございました。そうしますと、子どもたちは寝起きを共にすることになりますので、基本的生活習慣、それから人間関係、社会性、そういうことを自ら学んで、自ら積極的に取り組んできたということが子どもたちを大きく成長させてきた要因ではないかというふうに考えているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  このような4点にわたっての成果、今後の取り組みに生かしていただきたいと思います。  続いて、廃止理由には、設立当時と比較して区内の環境が大きく改善されたとございます。どのような改善が見られたのでしょうか。 ◎学務課長 さまざまな要因はあると思うんですが、典型的な例をご説明させていただければ、先ほど申しましたように、当時、昭和四十五、六年については、いわゆる大気汚染というもの、特に四日市などのぜんそくが大きく社会問題化されておりました。  その大きな要因がいわゆる二酸化硫黄でございます。その当時、杉並区で、昭和48年の二酸化硫黄の区役所前の測定値でございますが、0.025ppm。基準は実は0.04ですので、基準値以下なんですが、それでも0.025ppmほどございました。その数字が比較対照となる平成21年ではどうなったかというところでございますが、0.001ppm、したがいまして、96%減となっています。これ以外にも二酸化窒素、浮遊粒子状物質等、いわゆる大気汚染にかかわるものについては、その当時から比べれば大きく改善されてきたというふうに考えているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  廃止の方針決定までの経過として、10年前の平成12年から健康学園のあり方が検討され、平成22年11月15日、杉並版事業仕分け、外部評価により、事業は廃止の方向になりました。これまで10年間、さまざま検討されてきた上で決定がなされず、この事業仕分けにより廃止が決定となったということで、この大きな要因としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。 ◎学務課長 健康学園が持っていた所期の目的については達成されたというところは、12年前も現在も変わっておりません。その内容については、仕分けの中で私どもも申し上げたところでございます。ただ、この12年間の中でどのようなことを行ってきたかというところでございますが、先ほど申しましたように、あの地の跡地の利用として、例えば教育特区を使って新しいタイプの学校を設立できないかとか、そういう形で取り組みを進めたところでございます。ただ、残念ながら、そうした取り組みが成果を得るまでには至らなかったというところが、この10年間の大きなところなのかなというふうに感じております。したがいまして、考え方としては12年前と現在変わらず、所期の目的は達成されたものというふうに考えているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  健康学園の保護者の方から、3・11の東日本大震災を経験して考え方が大きく変わったと伺っております。そのような声は届いていますでしょうか。届いていましたら、確認の意味でお示しいただけますでしょうか。 ◎学務課長 3・11以降、保護者の方からいただいたお話としては、まず、当時、南伊豆健康学園は定員90名で、現在35名ですので、施設に今余裕があるというところで、その施設を被災者のために活用できないかというお話をいただいたことはあります。ただ、区全体の中で特段その必要がなかったというところでございまして、その後、特段保護者の方から、3・11以降について、健康学園そのものとのかかわりで何かご意見をいただいているということはございません。 ◆山本ひろこ 委員  今年度在籍35名の児童の現状は、肥満10名、ぜんそく4名、虚弱11名、偏食10名とございます。その中には心理的理由等による不登校児童もおられると伺っています。卒園後の児童の心情を察すると、心が痛む思いがいたします。健康面での配慮とともに、不登校児童がスムーズに原籍校に帰れるように最大の配慮がなされるべきと考えます。区の決意をお聞かせください。 ◎学務課長 今委員ご指摘のとおり、健康学園には、健康課題にあわせて、不登校等の課題をあわせ持つ子どもたちも多くいらっしゃいます。したがいまして、今後については、そういった子どもたち、区内にも同様の課題を持つ子どもが多くいらっしゃいますので、それに対してはきちんとした対応がとれるよう、教育委員会挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆山本ひろこ 委員  さらに、廃止の理由として、区内において健康学園と同様の健康面での課題を持つ児童が多く在籍し、これらすべての児童に対して健康教育等の充実が早期に図られる必要があるとされております。区内に在籍する健康教育が必要とされる児童は何人おられるのでしょうか。また、区内に在籍する不登校児童は73名でよろしいでしょうか。 ◎学務課長 区内の、南伊豆健康学園の子どもたちと同様の健康課題を抱えている子どもたちの人数でございますが、まず肥満で申し上げますと、肥満度20%以上のお子さんですが、小学校で879、中学校で478、合わせて1,357名、全体の約5%ぐらいいらっしゃいます。この方たちについてはそういった対策が必要だろうと思っております。  その他、ぜんそくでございますが、ぜんそくについてはアレルギーぜんそくのお子さんでございますが、これらについても、小学校で1,181名、中学校で330名、合わせて1,511名、全体の6.1%ほどいらっしゃるというふうな数字が出ておるところでございます。 ◎教育支援担当課長 区内の小学校の不登校の人数ですけれども、平成22年度の問題行動調査におきましては、78名となっております。ただ、このうち35名は復帰できております。 ◆山本ひろこ 委員  原籍校には通えないが健康学園には通えた、この違いはどこにあるのか。人間関係からの隔離だけではない何かがあるのだとすれば、当事者である児童の生の声に真摯に耳を傾けることで大きな一石を投じることにつながる、課題解決の糸口が見えてくるのではないでしょうか。区の認識をお示しください。 ◎学務課長 先ほど申しましたように、健康学園はさまざまなプログラムといいますか活動をしております。その中で、児童たちはそれぞれ1人1人が自分を開示というんですかね、自分を明らかにしていかないと社会性は保てないというところは自覚できたものと思っています。それに加えて、他者を理解すること。さまざまなお子さんがいます。それぞれ健康課題もしくはそれ以外の課題をお持ちのお子さんがいらっしゃいますので、そういった子どもたち同士が他者を理解していくということが、あの中で先生の指導のもと、できたのかなというふうに理解しております。その結果が大きな成果を上げたというふうには理解しておるところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  そのような教育が杉並区でもさらに広がっていくように期待をいたします。  また、廃止理由には、健康学園の施設改修費、運営経費が増大しており、学園継続には課題が大きいとございます。これまでの年間の経費をお示しください。 ◎学務課長 平成21年度の会計でご説明させていただきますと、いわゆる区の職員人件費が約1億5,000万、それは区費職員で、それ以外に都の職員も加えますと、合わせて1億8,000万程度、それから施設維持管理費で約7,000万程度、全体で約2億6,000万程度、21年度でかかっているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  最後に、不登校児童への対策として、適応指導教室、小学生対象のさざんか教室を新規設置予定と伺っておりますが、規模や設置場所等、決定されておりましたらお聞かせください。
    ◎学務課長 現在、内容等について検討しているところで、まだ設置場所等については未定でございます。ただ、内容としては、前にご説明させていただいたように、小学校版の適応指導教室というのは、まさしく小学校に復帰するための1つのステップを家庭との間につくることによって、子どもたちがスムーズに学校に戻れるということを考えておるところでございます。したがいまして、いわゆる敷居が低くて居心地がいいといいますか、自己有用感を高めることができるような、そういった施設を今後つくっていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  多少質問が重なるかもしれませんけれども、ちょっと確認のために教えていただきたいんです。廃止ということで子どもたちは原籍校に戻ると思うんですけれども、いわゆるフォロー体制というのをもう少し詳しく教えていただけますか。 ◎学務課長 子どもたちは入園期間1年でございます。したがいまして、例年でも3月卒業しますと原籍校に戻るわけなんですが、今回はとりわけ閉園ということがございます。したがいまして、これまで健康学園の中で行ってきた指導の内容及び子どもたちの様子を具体的に、各原籍校に訪問して、そこの担当の先生方にきちんと引き継ぎをしていくということが今回とりわけ重要だというふうに考えておりまして、そういう形できちんと進めていきたいというふうに思っておるところでございます。 ◆山下かずあき 委員  それは、ある一定期間付き添いとかをするんですか。それとも、4月になったらもう行っておいでと、後から教育関係の方々がフォローに、確認に行く、そういう姿勢なんでしょうか。 ◎学務課長 今申し上げましたのは、当然子どもたちが原籍校に戻る前に、その担任になる先生ときちんと南伊豆健康学園の内容について引き継ぎをしていくというところでございます。ただ、南伊豆健康学園にいる子どもたちは健康課題を抱えている子どもですので、基本的に、学校生活で何か支障が起きるということは想定しておりません。ただ、課題をあわせ持つお子さんもいらっしゃるので、そこについては、現在区のほうで持っているさまざまな手だてを使いながら、きちんと学校に通えるようにはしていきたいというふうに思っております。 ◆山下かずあき 委員  その点、しっかりやっていただきたいと思います。  それと、保護者の方からいろいろな要望が出ていると思うんですけれども、跡地利用としてセカンドスクール化ができないかというご意見があると思うんですが、その点はどのようなお考えを。 ◎学務課長 健康学園の跡地については、現在、保養地型の特別養護老人ホームの設置について検討を進めているところでございます。ですので、その検討の結果を見守りたいというのがまず第1でございます。  あと、セカンドスクールということについては、今現在でも移動教室、来年度からは私ども、フレンドシップスクールというのを計画しているところでございます。こういった、類似といいますか、私どもとして今実際自然体験学習を主としたものを考えておりますので、そのことも踏まえて今後考えていきたいというふうに思っておるところでございます。 ◆山下かずあき 委員  あともう1点、同じ保護者からの要望の中で、問題が今後起こらないような環境づくり、体制づくりという主張があると思うんですけれども、その点についてのご見解は。 ◎学務課長 まず、その手だては、前回の文教委員会でご説明させていただいた今後の区内の取り組みをいかに具体的にきちんと進めていくことができるかということにかかってくるかなというふうに考えております。したがいまして、私どもとしては、先ほど申しましたように、区教育委員会挙げて不登校対策、それから健康教育について着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  しっかりよろしくお願いいたします。  以上です。 ◆原田あきら 委員  質問をさせてもらいたいと思います。  とうとうこの議案が出てしまった。急転直下ですよね。去年の11月、突然廃止が決められ、そして今回この廃止条例が出てきたわけですけれども、はっきり言って、山田区長もここまでひどい施策はなかなか見たことなかったなというか、山田区長も真っ青のトップダウンの政治なんじゃないかと、私、言えると思うんですよ。到底ボトムアップの政治とは言えない。事業仕分けでいきなり切られて、上から廃止に向けて動けと指示が出てくる。これについて、私、教育委員会としてもこれはおかしいんじゃないのかという気持ちがなかったのか、率直に聞きたいんですけれども。 ◎教育委員会事務局次長 これまでも本会議場でもご答弁はさせていただいておりますが、廃止を決めたのは事業仕分けというふうにお話をいつもいただくんですが、もう10年も前から区教委としては廃止の方向というのは固まっております。事業仕分けに乗せた段階でも、教育委員会としては廃止をしたいということでお諮りをし、その考え方は了とするという形でございますので、トップダウンで決めているということではございません。区教委としてきちんと判断をして上げているものというふうにご理解いただければと思います。 ◆原田あきら 委員  10年前から決まっていることだと。じゃ、何で耐震補強はするということにしていたんですか。 ◎教育委員会事務局次長 区の耐震の全体の計画の中では、学校施設は平成24年までには全校耐震補強する、ないしは耐震改築するという全体の構造というのは決まってございましたので、その関連の中で南伊豆健康学園も、西田小学校の分校でございますから、そういう形で扱いをしていたということでございますが、今般、こういったような事情の中で、その辺につきましては言及をしていないということでございます。 ◆原田あきら 委員  すごくおもしろい答弁が出てきたので突っ込みたくなるんですけれども、じゃ、10年前からことしつぶすことは決めていてやってきたんだけれども、一応流れの中で耐震補強はするということにしていた、つぶすのはことしにやるんだけれども、耐震補強はするというのだけ表向きは出していた、そういうことですか。 ◎教育委員会事務局次長 まず、子どもの安全を守るという姿勢であれば、どういう施設であっても補強ないしは改築をするというのが基本的には学校で掲げているところでございます。この方針はそのとおりでございます。ただ、個別具体になって、その施設の存廃といいましょうか、そういったものが上がってきた段階では、それに対しての投資をしていくということについては極めて問題が大きいということで、今回補強はしていないということでございます。  なお、10年前からというのは、その施設自体の耐震の診断をしているわけではございませんので、10年前は、このあり方として、これにつきましてはもう廃止をしたいということで固めていたということでございます。 ◆原田あきら 委員  全くよくわからない答弁だったわけで、何を守っているのかよくわかりませんけれども、明らかにあの事業仕分けの後、急転直下この廃止が決まったというのを言い逃れることはできないと思うんです。この1点とっても、この議案が全く区民の納得を得られる議案ではないということは、まず指摘したいと思います。  代替案というものがどうなっていくのかというのが真剣な議論がされないといけないんですけれども、率直に聞いていきたいと思うんですよね。  区内の環境が大きく改善されたと先ほど答弁がありましたけれども、96%ぜんそくの原因とも言われている物質はなくなっている、そのほかのもどんどんなくなって、環境はすごくよくなったということなんですけれども、ただ、私も暇さえあれば奥多摩とか山のほうへ行くんですが、同じ東京都内でも、青梅の駅に立った時点から空気が違うわけですよ。皆さんもいろいろなところに行って、やっぱり東京とは空気が違うなとか言ったりするわけじゃないですか。これだけの違いがあると、少なからずの子どもたちに何らかの影響があるんじゃないのかなと感じるぐらいの空気の差がある、これは皆さんが実感していると思うんですよ。まさに少なくない子どもたちの中に、そうした大気汚染の実態というのが如実にあらわれてきてしまっている事態は、私、どうやっても逃げ切ることはできないんじゃないのかなと思うんですよね。  そうはいっても、今ぜんそくはすごく増えている。それについてはどういう原因があるというふうに考えているんですか。 ◎学務課長 ぜんそくの原因でございますが、ぜんそくの原因のアレルゲンというのは、今現在、ハウスダストやダニ等、いわゆるアレルギー症状としてあらわれてくるものというふうに理解しているところでございます。 ◆原田あきら 委員  そうですね、そう言われています。90%がハウスダストとも言われています。しかしながら、そもそもハウスダストでぜんそくになっていくということ自体がすごく──そうしたら、日本はほこりが増えたのかと言われれば、むしろ昔のほうがほこりなんか多かったんじゃないのかと思ったりするわけですけれども、ハウスダスト自体が、何でそこからぜんそくが起きるかといったら、やっぱりアレルギー症状。アレルギー症状の原因は何なのかといったら、結局出てくるのは、専門家が言うと、大気汚染ですとかそれからストレス。このストレスというのが、漠然とした言い方になっちゃいますけれども、これは極めて自律神経の障害を起こしてしまう、そういうことが言われています。それで、そういうことからハウスダストからぜんそくという流れがある、そういうことが言われているということも明らかです。  子どもたちの環境というのは、教員も忙しいし子どもも忙しいし、本当にストレスの多い社会ですよね。特に、受験競争なんていっても、私のころよりもはるかに今は、受験競争で勝ったとしても将来が約束もされない、そういう中で、勉強しろ、宿題をどれだけこなせるかとか、学力テストでどれだけとれるかというので、教師もたたかれて子どもたちもせかされる、そういう中で本当に子どもたちが苦しんでいく、それが身体症状としてもこうやって警告として発せられていると私は思うんですよ。  今、区内で校長先生をやっていらっしゃるんだと思いますけれども、元この学園の先生の方が、4つの魔法が健康学園にはあると言っていました。これが代替策でこれから区内でどう賄われるのか、私は率直に聞きたいと思うんです。豊かな自然というところでいうと、豊かな自然の中で子どもたちが、薬も少なくなっていくというじゃないですか。一番強いステロイド剤であった子どもが、そういうのを吸引しなくても大丈夫なぐらいあそこでは暮らしていける、その中で気兼ねなく運動ができる、そういう状況をどうやってこの区内で確保していくのか、率直に聞きたんですけれども。 ◎学務課長 杉並区内では、昨年度から学校においていわゆるアレルギー対策というのを進めております。ぜんそく児童についても同様で、主治医からきちんと管理指導表というのをいただいて、その中でどういう対応が必要なのかを踏まえて今取り組んでいるところでございます。したがいまして、ぜんそくについてはきちんとした対応が区内でも十分可能と、それは医師も認めるところだというふうに思っているところでございます。  あと、今委員おっしゃった、子どもたちがストレスからアレルギーを発症し、その結果ぜんそくに至るというようなお話でございますけれども、実際は、私ども、南伊豆健康学園の子どもたちを見ても、実はぜんそくの原因は同じアレルゲンです。つまり、ハウスダストとかそういうものでございます。したがいまして、区内においても同様な健康教育を今後進めることによって、逐次その子どもたちについても体力が増し、また、ぜんそくというのはそもそも根治する療法はございませんので、基本的には対症療法を続けていく、コントロールしていくということが主でございますので、そういう点においても、区内において十分対応していくことは可能だというふうに考えているところでございます。 ◆原田あきら 委員  そうなんです。豊かな自然をどうするんだと聞いても、今言ったような話ばかりで、答えることがこの間ずっとできていないというのが実態です。はっきり言って、杉並区では賄うことはできないんです。薬が減っていく、あるいはステロイド剤も全然使わないで薬も飲まないでも、思いっ切り運動してもぜんそくが出てこない、そういう環境はやっぱりつくれないんじゃないですか。ハウスダストだと何度も言っていますけれど、さっきも言ったんです、ハウスダストでアレルギーになる子自体が、大気汚染とストレスから来ているというのがすごくよく言われているわけですよね。そういうのに全く答えられていないなと思っています。  多くの大人が見守ってくれる、全寮制になっていて、寮に行けばまた多くの大人が指導してくれる、周りを固めてくれる、こういう中で、心身ともに本当に疲れたり傷ついたりした子が自信を持って回復していくことができる、こういう環境をどうやってこの杉並区で保障していくことができるのか、それについてお聞かせください。 ◎学務課長 私どもとしては、病虚弱という点にまず焦点を当てて、それに対して必要な手だて、いわゆる健康教育、もしくは不登校児等については不登校対策というところから取り組んでいきたいというふうに考えておりますが、その中で南伊豆健康学園が担ってきた少人数の、多くの大人がかかわる部分については、逐次その中に入れ込んでいきたいというふうには思っておるところでございます。 ◆原田あきら 委員  今回の代替案とも絡めて、具体的にそれを聞かせてください。 ◎学務課長 代替案の中で具体的にというご指摘ですので、例えば健康教育で申しますと、仲間づくりということで、仮称でございますが親子健康教室というのを設けております。ここでは、親子で健康教育に取り組んでいただく中で、友達づくりもしくは同じ悩みを抱える親御さん同士のかかわり、そういうものを培っていきたいと思っておりますので、まずそういう中で、多くの人たちの中で子どもたちの健康教育をはぐくめるというふうに思っています。  加えて、不登校対策でございますけれども、適応指導教室につきましては、特に子どもたちが自信を持って取り組んでいただく、自己有用感を高めていただきたいというところと、こもりっきりの子どもたちに社会性を理解していただきたいというところもございますので、そういう点については、必要な専門知識を持つ者が適時携わりながら子どもたちの成長をはぐくんでいくという形を進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆原田あきら 委員  本当にそれができればいいなと思うんです、正直。身体的なハンディで悩んで、時にはその身体的なハンディから、集団の中で心に体に傷をつけてしまう子どもたちがたくさんいる。さらに、まれには家庭で傷ついてくる子どもたちも中にはいました。それが、学園の中で30年受け継がれてきた指導技術というもので心を開いていって、運動するようなことができて、仲間とも信頼し合う関係がつくれていく、そういうものが豊かな自然と多くの大人に囲まれてはぐくむことができたなと私は思っていますけれども、そういう手厚い配慮というものが、今回の親子健康教室とかでどれだけ手厚く現場の保護者や子どもたちに寄り添ってやっていけるのか。とりあえずやりましたで終わっては困るんですけれども、その点の意気込みといいますか、財政的な裏づけだとか、どのようになっているのかお聞かせください。 ◎学務課長 今、健康学園のそうした取り組みについて委員のほうからお話をいただきましたけれども、私ども、今回の代替策を考える中で健康学園の検証をさせていただきました。その中で出てきた言葉は、確かに、健康学園の中でそういった少人数や手厚い大人たちのかかわりの中で子どもたちは大きく成長してきたというところは大きく認めるところである、成果であるというふうに考えますが、一方で、残念ながら健康学園は1年が入園期間でございます。義務教育9年間を考えると、卒園した後、再び不登校傾向になる子どもも少なくなかったというところも見ているところでございます。したがいまして、今後区内で行うには、9年間全体を見据えて健康教育というのを進めていく必要があるというふうに思っています。  その1つとして、先ほど申し上げたような親子健康教室、これについては今予算要求をしているところでございますので、それがご審議いただいた上で計上されれば、その内容をきちんと進めていきたいと思っております。  それ以外にも、各学校での取り組み、それから、一番基本になる子どもたちのそれぞれの健康状態を把握するための健診、そういうのを総合的に組み込みながら、9年間の中で子どもたちがきちんと育っていけるような体制をとっていきたいというふうに思っているところでございます。 ◆原田あきら 委員  戻ってきてもまた不登校になると言いますけれども、それ自体、私は本当に現場が見えてない意見だなと思うんです。  私がかかわった子どもでも、不登校になったりした子が健康学園に行って、帰ってきてからも学校に行けなかったという子がいました。しかし、全然質が違うんです。最初は、まさにナイフのようにとがって、周りの子たちに当たり散らすようなすごい子だったんですよ。その子はすごいぜんそく持ちで、常に吸引する頓服剤みたいなものを持っていて、それがすごいコンプレックスになっていたりして、まあめちゃくちゃだったと思います。その子が健康学園に行って、大丈夫かなと思ったんです。こんな全寮制に行ったら、あの子にとっても周りの子たちにとっても大変なんじゃないかと思ったら、帰ってきたときは、ちゃんとうちの子ども会とかで小さな子の面倒を見たり、すごくいいお兄さんになって帰ってくる。でも、その子は確かに原籍校には通うことはできませんでした。だから、結局帰ってきても不登校じゃないかと言っているその意見自体が、全く現場の実態が見れてないというか、それでも機能を認めると言っていますよね。  今度、12月17日でしたか、健康学園の保護者の人とか卒業生がやる講演会に成瀬さんという人がパネリストで来るらしいですけれども、うちの金子けんたろう議員や山田耕平議員も大好きな格闘家ですよね。ぜんそくなのか肥満だったのかわかりませんけれども、健康学園に入った後プロレスラーになって、すごく有名な選手になっている。その子がブログとかに書いているわけですよ、自分を育ててくれた学校だと。本当にこういうものを、さっきもお金の話が出ていましたけれども、杉並区はお金勘定とかそういうものでなくしていっていいのかということは本気で問われると思いますよ。  小集団の親子健康教室、私、これは代替策として、今まで杉並区がやったことがない施策として、とても筋のいい、よさをちょっと感じているんですけれども、ただ、これがどのように拡充していくかというのはもうちょっと聞きたいと思うんです。すごくすぐれた指導者を呼んでという話でしたけれども、どういう指導者を呼んでどういうことをやろうとしているのか教えてください。 ◎学務課長 今その事業の内容については精査させていただいているところでございますので、内容が明確になり次第、またご説明させていただきたいと思っております。 ○小川宗次郎 委員長  原田委員、おおむね15分経過したので、一巡した後に。一たんまとめてください。 ◆原田あきら 委員  その答えでしょう。これだけの成果があって、区も健康学園の機能を認めるところだから、より多くの子どもたちが享受できるように区内に施策を移すと言っておきながら、すぐれた指導者を呼ぶと言うから、じゃどんな指導者が来るんですか、どういう教育を考えているんですかと言ったら、これから考えると。本当にこんなことが杉並の区政で、教育でしょう、これから10年間かけて良好な住宅都市杉並をつくる、そのブランドを高めていくという区がやることですか。真剣に問われなければいけないと思います。  まだ質問を続けたいと思いますが、次に譲ります。 ◆そね文子 委員  重なる部分もあるので、1つだけ申し上げます。  保護者の方たちに私もきのうお話を伺いまして、本当に健康学園の成果というのを感じて、これまで保護者の方たちも、どういうところであったかというのを熱心に活動して広めてこられた、そこでの成果を伺いました。  これは表向きに病虚弱児を対象というふうにしていて、カテゴリーもそういうふうになっているんですけれども、不登校対策だとかシェルター的な役割を果たしてきた、そういう福祉的な部分を担ってきたという成果が大きかったというふうに私も聞き、また感じています。そういうところで回復していくいい機能があった、そういうところをぜひすべて明らかにして成果として残していただきたい、それを次のステップにつなげていただきたいというふうなことを私も感じています。その点を区がどうとらえ、どういった成果をちゃんと残すのかというところ、そこら辺のことをお伺いしたいんですが、よろしくお願いします。 ◎学務課長 これまで健康学園が培ってきた成果については、先ほど申しましたように、今回の代替策を検討する中で検証させていただいたところでございます。加えて、健康学園のこれまでの記録といいますか、その内容については、今健康学園に残っている紙ベースのものも含めて、ビデオで撮るなどして、実際に今後区内で展開する上ですぐ参照できるような形で記録を今とっているところでございます。したがいまして、そういう記録を区内の今後の健康教育の中に十分生かしていけるものというふうに考えているところでございます。 ◆そね文子 委員  シェルター的なところですとか、すみません、重なってしまうんですけれども、そういった部分もしっかり成果に入れていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上です。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑は。──それでは、2巡目なんですけれども、2巡目質疑ある方、挙手をお願いします。 ◆原田あきら 委員  代替案というところについてもうちょっと詳しく、一通り聞いておかなきゃいけないなと思うので質問させてもらいます。  先ほど話した、区内で校長先生をやっていて、昔ここで働いていたという方、4つの魔法の4つ目として、南伊豆の地域のサポート、これがすごく大事だと言っていたんですよね。運動会とかがあると、地域に、よく一緒にやっている南伊豆の小学校があるんですけれども、その学校へ行くと必ず運動会に呼んでくれて、そうするといつも杉並コールが起きて、頑張れと言って子どもたちを応援してくれる。まちを歩いていても、健康学園が特別支援学級だということはよくわかっていて、地域の人たちが声をかけてくれて、ちゃんと運動しているかとか食ってるかとか、温かい交流が南伊豆健康学園の周りにでき上がっている。そういう中で大人への信頼とか地域への信頼、安心というものが培われて、これはすごく大事なんだとこの先生はおっしゃっているんですよね。  こういう機能は、例えばどうやって区内で賄われているのかなと。我々大人自身がすげえ世知辛い世の中だなとついつぶやいてしまいそうな、そういう都会の中で、どうやってそういう温かい地域の見守りとかをつくっていけるのかなと。  さざんか教室というのを中学校でやっていますけれども、例えば、1つは天沼中学校の校舎の一角にありますよね。なかなか学校に行けなくなってしまった──例えば不登校の子ですよ、ここの健康学園にはぜんそくの子とか肥満の子とか、決して不登校の子たちばかりじゃないんですけれども、不登校の子についてはどうなっていくのかなと。天沼中学のように同じ学校の中にさざんか教室があって、それって少し行きにくいんじゃないのかなとか思ったりもするわけです。特に、中学校だったらまだあれかもしれないですけれども、小学生の段階になったら、その点どういう配慮が尽くされるのかなというのはすごく気になりますけれども。 ◎学務課長 委員ご指摘の地域のかかわりというところですけれども、事、今回の健康学園に限らず、すべての学校でそういうことが重要であるというふうに思っております。今それに向けて、学校支援本部もしくは地域運営学校等を立ち上げながら、地域と一体になって学校づくりを進めているところでございますので、そこは今着実に進展しているというふうに思っております。  加えて、今の中学校の適応指導教室のところの話でございますが、適応指導教室のお子さん、不登校のお子さんというのはなかなか家から出られない、なかなか人とうまく接することが難しいお子さんも多くいるという中で、特に小学生の場合、社会性といいますか、多くの大人たちのかかわりの中でこの世の中は成り立っているというところもよく理解していただく必要があるなというふうなところは、委員のご指摘をまつまでもなく、私どもも感じているところでございます。  したがいまして、小学校版の適応指導教室に当たっては、そういうところが生かせるようなものにしていきたいなというふうに思っております。多くの大人たちのかかわりとか大人たちの日々の動きを見ながら、共に一緒に同じ社会の中で生きていくんだということがわかっていただけるような形で適応指導教室が進められないものかと、今鋭意検討しているところでございます。 ◆原田あきら 委員  すみません、興奮して全然違う質問が2つ重なっちゃったんですけれども、よく答えていただきました。  地域のサポート、学校支援本部とかがどんどん充実しているので、それで賄っていきますみたいな答弁だったんですけれども、まさにそれが南伊豆健康学園にかわる地域のサポートと言われたら、ちょっと心配ですよね。それが代替策と言われても困っちゃうわけですよ、学校支援本部がかわりになるんだと。  この子たち、何も自分の責任とかそういうものでぜんそくになったり肥満になったり不登校になったりしたとは言えないというのは、みんな言えると思うんですよね。強烈なストレス、それから競争というと、皆さんは、そんな競争教育は杉並ではやっていませんと言いますけれども、そういう中で、少なからずの子に苦しみが集中する。ぜんそくにしたって、昔よりすごく環境はよくなったと言うけれども、私たち自身が感じるように、やはり都会の空気というのは違うし、その中で、すごく敏感な子はぜんそくとか体を傷めていってしまう。そういう子たちに苦しみが集中してしまうような、体的にも心的にも集中してしまった子たちにちゃんと社会が最終的な居場所をつくってあげる、その点で本当に健康学園はなくてはならないものだと私は思っているんですね。その代替策と言われて、あの南伊豆の地域のサポートのかわりは学校支援本部ですというので地域に押しつけるのでは、私は全く納得いきません。  小学校の適応指導教室についてお聞きしたいんですけれども、中学校はさざんか教室というのがあったわけですけれども、小学校版は初となりますよね。つまり、今までは、健康学園に行くか原籍校に戻ってください、基本的にはそういう構えだった。原籍校に戻れるような指導をするという構えだったと思うんです。それがいよいよ杉並区としては、杉並区が学校に通えなくなった子たちの居場所をつくるという、割と大きな変更というか施策だと思うんですよね。この点についてどういう議論が交わされたのか、教えてください。 ◎学務課長 小学生に対する不登校対策としては、現在でも既に多く取り組んでおります。具体的には、スクールカウンセラーの相談、それから、ふれあいフレンドといいまして、不登校家庭に訪問して子どもたちとコミュニケーションをとっていくというようなこととか教育相談等を行っているところでございます。これらの施策によって改善されてきた子どもたち、学校に復帰できた子どもたちも少なからずいるということは事実かなというふうに思っております。  ただ、加えて私どもが今考えているのは、そうした施策を受けてもなお、なかなか家庭から出られない子というのもいることも事実だというところを踏まえて、今回、南伊豆健康学園の廃止を契機にして、そうした不登校対策の1つの柱として小学校版の適応指導教室というものをつくっていこうというふうに思っておるところでございまして、そういう面では、これまでの施策の体系の中にあるものというふうに考えているところでございます。 ◆原田あきら 委員  ずっとやっていてもしようがないので、代替案を個別に聞いて終わりにしますけれども、健康教育の個別診断、小児生活習慣病予防健診というのを拡充するというふうに言われていますけれども、具体的にはどういうことをやるのか教えてください。 ◎学務課長 これまで小児生活習慣病予防健診というのは、採血をして、その結果を受けて特に指導が必要な子どもについては、相談室というところに親子で来ていただいて、医師、栄養士、運動指導士等が指導してきたところでございます。  今回、その拡充に当たっては、今申し上げたような相談室をさらにもう1回フォローとしてつけ加えたい。1年を通して、そういった相談や指導を受けてもなかなか食生活を改善するのは難しいというのもありまして、そういった子どもたちに、一定の期間あいた後、もう一度フォローで相談を受けることによって生活習慣及び運動習慣などをつけていただくような取り組みにしていきたいというのが内容でございます。 ◆原田あきら 委員  年1回あった小児生活習慣病予防健診を受けて、お医者さんが健康相談室というのを年1回やっていた、それが年に2回になると。1回増えたというだけで何か大きな変化があるのか、具体的に教えてください。 ◎学務課長 健康相談というのは、私も実際見てきた中でございますけれども、1人当たり30分ぐらいかかります。親子で医師から、それから栄養士からというので、内容的には非常にいい内容で、濃い内容だというふうに思っておりますが、残念ながら、それをその後ご家庭で継続するということができないケースも多々あったということで、フォローを設けたところでございます。  加えて、その相談室に具体的な体験型のものを併設したいと思います。例えば栄養であれば、料理教室といいますか、どんなお菓子をつくったらいいのかとか、そういった具体的な体験を通して、先生方から聞いた内容を体験でより理解していただくという形で、その先の家庭につながっていくようにこの健康教室をつくっていきたいなというふうに思っているところでございます。 ◆原田あきら 委員  1人につき30分。お医者さんなんですか、健康相談室の相談員は。 ◎学務課長 具体的に申しますと、ブースを3つ設けます。最初のブースに医師がつきまして、先ほど申し上げた採血の結果を見て、もしくはその家庭の状況、例えば比較的血圧系が高い家庭であるとか、そういったことを見ながら医師からアドバイスがある。それを受けて、次には栄養士から、アンケートを書いていただいて、日ごろどういう食生活をしているか、その中でどういう点を改善していったらいいんだよということを次のブースで栄養士が説明し、最後のブースでは、そうしたことを受けて、運動ですね、具体的になかなか運動する場所がないとか、それからどういうふうに運動したらいいのかわからないとか、そういうところについて、体育指導委員等が具体的なご説明をしながら、その先の家庭での取り組み等につなげていくというやり方をしているところでございます。 ◆原田あきら 委員  それはすごくいい施策ですよね。それが拡充されるということについては歓迎したいと思います。  あと、学校全体で健康教育をやっていくんだみたいな話も聞いたわけですけれども、正直、運動とか生活習慣とか食育とか、今でも学校現場はいっぱいいっぱいなわけです。いっぱいいっぱいな中で、はっきり言って、子どもたち1人1人の悩みにこたえられていないというのが実態だと思いますけれども、そこに上から、健康学園がなくなるので健康教育をやってください、これがそのモデルですと言われて渡されて、それでできると、私、到底思えないんですけれども、どうでしょう。 ◎済美教育センター副所長 今策定しています指針なんですが、指針は文字どおり参考となる基本方針を明らかにするということですので、今現在、各学校で熱心に取り組まれているものを1つ1つ拾い上げているということ、それから、今幾つかの学校で実態調査をかけています。現在の状況を踏まえたものにしていきたいということで、これは必ずしも負担をかけるというのではなくて、今やっていることをしっかりと明確にして、より個別的な子どもたちの指導に結びついていけるものにする、そういう基本方針でやってございます。 ◆原田あきら 委員  力強い答弁、ありがとうございます。しかしながら、今もう小学校2年生から午後の6時間目授業がある学校だってあるわけです。5時間授業はどの学校でも2年生から行われます。1年生からもあるかな。そのぐらい子どもたちはいっぱいいっぱい働かされるというか勉強させられる、その中で一体どこの時間に充てるんですか、その教育は。 ◎済美教育センター副所長 公教育の使命自体が、心を育てる、体を育てるということですから、今やっていることをしっかりやっていく、そして今やっていることが健康教育に結びついていくんだということをしっかり明確にしてきたいというふうに考えています。例えば、放課後の時間を使って何々をしなければならないというようなものについては、提案型のものが出てくるかもしれませんけれども、それは必ずしも負担をかけるためのものではなく、やることの意義を明確にしていくものというふうに考えております。 ◆原田あきら 委員  今既にやっていることを健康教育につなげていくというのでは、はっきり言って、健康学園の代替施策としては私は不十分だと指摘しなければならないと思います。ただ、健康とか食育とか運動とかについてしっかりと教育委員会とかが気を使っていくというのはすごく大事だと思います。その点で私は、提示された代替施策については、ぜひ新しい施策としてしっかりやっていってもらいたい。ただ、そのためには、幾つか出てきましたけれども、相談員ですとか指導者とか、今既に教育相談だけでもめちゃくちゃ手いっぱいな状況です。その人たちが悲鳴を上げているのを私は何度も聞いています。これについて、当然、こういう相談機能とかを拡充していく上では、教育委員会の相談機能というのは職員配置としても拡充されていく、そういう予算的な措置も考えていますね。 ◎教育支援担当課長 不登校の相談等につきましても、保護者の相談等、とても大事だと思っておりまして、今後、そういった相談事業につきましても拡充していくような形で検討しているところでございます。 ◆原田あきら 委員  すべて検討です。今まで聞いた中で、健康学園の機能をいろいろな子たちに、区内全体に行き渡らせるためにもと力強い言葉が、どんどん答弁が飛び交っていたんですが、結局、この廃止の事態に至っても、すべてこれから検討する、今後考えていく、そういう答弁ばかりだったなと思っています。到底この議案については認めるわけにいかない。施策としてはやっていってもらいたいけれども、健康学園の代替策だというふうには全く整っていない状態だなということを確認したところであります。  以上です。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。──それでは、議案第57号について、新城せつこ議員より委員外議員の発言の申し出がありますので、ご了承ください。  新城議員は委員外議員発言席に移動してください。  それでは、新城議員、質疑時間は理事者の答弁を含めておおむね15分ほどでまとめていただくようお願いいたします。 ◆新城せつこ 議員  限られた時間ですので、絞って質問をさせていただきます。  先ほど他の委員からも出されましたが、検討委員会を設置して4月に報告を出しますということが前回の2月の文教委員会で報告されて、今回、本日の廃止条例の審議を前にして、私がこだわってきた小学校不登校児対策の代替策がこの場で示されないのはなぜでしょうか。改めて伺います。 ◎学務課長 先般の文教委員会の中でも検討委員会の報告はして、その中でも、適応指導教室の設置については、そういう方向で進めていくというご報告はさせていただいたところでございますが。 ◆新城せつこ 議員  なぜ具体的に示されないのかということで聞いています。 ◎教育支援担当課長 先ほど検討しておりますというところは、具体的なものを検討しているというところでございまして、まだ確定してない部分についてのお答えができないということでございます。 ◆新城せつこ 議員  なかなか苦しい答弁なんですが、今回、健康学園の廃止に伴って具体的に示されないということは、教育委員会として慎重に事に当たろうというふうに私は受けとめたいのですが、一方で、10年前から方針を決めていたというふうに強弁されているわけですよね。なぜこの期に及んで代替策が検討されてこなかったんでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 今、教育支援担当課長が申しましたいわゆる不登校対策、これは現実具体的に、場所の選定も含めて、また、そこに対する職員の体制だとか相談の機能だとか、そういったようなものは具体的に検討し、これは来年の予算に反映されるものでございますので、現在その中で編成中でございます。これにつきましては、来年度の1定の議会の中で具体的な内容というのは明らかにされてくる、今それの準備行為をしているということでございます。  また、この代替策につきましても、なぜ10年前から出てこなかったのかということでございますが、先ほど来より学務課長が申していますように、跡地の活用も含めてずっと検討してきたということの中で、実際には事務局の中ではいろいろな案というものは浮かんで、その検討といいましょうか、内部ではしてきたということはございます。実際には、いろいろな検討過程の中では、保護者の方にもお話をしているということは聞いてございます。でも、その中でなかなか成案には至らなかったということでございますので、唐突に今のものが出てきたということではなくて、4病類に対しての対応を含めて、また、今回新たに不登校対策というものが出てきましたが、そこら辺のところが一番保護者の方としては不安といいましょうか、そういった材料が大きくて、そこの部分についてはきっちり今回考えてみたということでございます。 ◆新城せつこ 議員  今るる説明いただきましたけれども、私、10年前に決まったんだから10年前から報告してよというふうに言っているわけじゃないんですよ。10年間あったわけですから、この期に及んで報告できないのはなぜですかという点で私がこだわるのは、この施策が、教育委員会が決めたということではなくて、むしろ区長部局の仕分けや財政政策、行革方針に従ったということではないんでしょうかということで伺っています。 ◎教育委員会事務局次長 教育委員会の中でも、この健康学園の問題につきましては、その意義はもう薄れたということでは、12年前ですか、その方針は固めていたということでございます。トップダウンでという先ほどのご指摘もございましたが、先ほども年間2億数千万かかるということは申し上げましたが、それだけで、金がかかるからということではなくて、施設というのはその設置目的があるわけです。その設置目的に沿って運営をされるべきものでございますが、その目的が改善ないしは薄れたということであるならば、こういうものにつきましては廃止もやむなし、それは区教委として決定をしているということでございますので、先ほどもございましたが、区長部局が決めたということでは決してなくて、区教委として考えをまとめたということでございます。 ◆新城せつこ 議員  その点でいきますと、そういう答弁であれば、余りにも場当たり的だなというふうに私は改めて言わざるを得ません。
     それで、運営方針があって、もう目的が達成されたからというふうに言っているんですが、先ほども他の委員から言われましたけれども、2011年、今年度に、保護者の皆さんは耐震化のために改修が行われますよということで学園では説明をされているわけですね。なぜ突然廃止になったんですか。その点、ちょっと確認させてください。 ◎教育委員会事務局次長 これは先ほどもご説明いたしましたが、区の全体の耐震改修促進計画では、学校施設におきましては、平成24年までには耐震化をするという前提条件がございましたので、その中の一連の計画としては位置づけがございました。しかし、個々具体的にその施設を耐震化するかどうかにつきましては、その廃止というものが俎上に浮かび上がっている場合におきましては、相当慎重な判断も出てくるかというふうに思います。そういう意味では、全体の計画の中では耐震化をするということの基本方針は立ててございましたが、個々具体につきましては個別具体の中で判断をしたということでございます。 ◆新城せつこ 議員  今の答弁、納得できませんね。今回、11月10日付で、杉並区立健康学園条例を廃止する条例についてということで、私たち、2枚の報告の用紙をいただいているんですね。私、例えば2009年のスマートすぎなみ計画では、この南伊豆健康学園、どういうふうに進捗状況、取り組みが評価をされて報告されているのか、その後の、2010年になりますでしょうか、そのときにはどうだったかということを改めて見てみました。  それで、2008年でしょうかね、「『スマートすぎなみ計画』の取組成果」として、健康学園について、「杉並改革総点検の結果を踏まえ、運営方法の検討を行うとともに、耐震診断の準備を進めました。」という取り組みが書かれているんですよ、成果として。それから、その翌年は、当面の施設維持管理に必要な教育棟の、これは建物のことなんですが、屋上防水工事、非常階段補修工事、耐震診断などを行ったというふうに書いてあるんですよね。廃止が決まっているんだったら、そんなことをやる必要はないんじゃないですか。 ◎教育委員会事務局次長 耐震のお話は、子どもの安全ということもございまして、耐震度合いがどのぐらいであるのかということを把握する必要があったというふうに思っております。防水云々のお話でございますが、実際にあの施設、私も現場をずっと見てきましたが、教室内に雨がずっと落ちている状態でございまして、これは教育をやっていく上では非常に支障が出ているなというふうに思いました。また、海に近いところもございまして、非常に劣化が早いところがございます。特に、屋外の階段等についてはさびつきが非常に強いということもございましたので、緊急性のある工事につきましては行うということで判断をしたところでございます。 ◆新城せつこ 議員  南伊豆健康学園が事業仕分けの対象になるということを知った保護者に対して教育委員会が、そうした慌てて教育委員会に説明を求めてきた保護者に対して、方向性の確認だから急に廃園になることはないというふうに語ったと私は聞きました。その点で、今の答弁もありますが、そのときの教育委員会が保護者に説明した真意というのは何なんでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 教育委員会といたしましては、廃止の方向は固まっているということでございますが、事業仕分け自体は、今継続してやっている事業についてこのまま進めるのか、ないしはとめるのか、ないしは廃止をするのかといったようないろいろな観点、事業縮小ということもございましたが、そこで幾つかの区で行われている事業を対象として仕分けをしたということでございますが、教育委員会として掲げている最大の課題というのが、この南伊豆健康学園の取り扱いでございました。そういう意味では、これを、私どもとしてはこういう判断だけれどもどうかということで乗せたものでございます。  その当時どうだったかということでは、結果的には、こういう方向で来ていますよということについては、もう10年前からお話をしているということでございます。こういったような制度が出されたということに、教育委員会としても最大の課題であるということで出したということでございます。  その説明の段階でどうだったかということにつきましては、現場レベルでは、そのまま廃止を直ちに認められるかどうかということについては、若干先行きが見通せないところもあったのかもしれませんが、基本的に、大どころとしては、方向としてはこれは廃止だということでずっと説明はしてきているところでございます。 ◆新城せつこ 議員  とはいっても、それはただ単に方向性を確認するだけだからということで、保護者の皆さんはそういう説明を受けているわけですよね。今の答弁、私はやはり不誠実だと思うんですよね。  先ほど申し上げました今回の廃止の方針決定までの経過ということで、この文言どおりに言いますが、13年から19年はスマートすぎなみ計画で見直しを図る、20年から22年は運営体制について見直しを図る、効率化を図るというふうに書いてあるんですね。私、ここでは、取り組みの内容として耐震をやったとか補修をやったとか、そういう文言を何で書かないのかということでは、本当に不誠実だと思いました。その点について、教育委員会事務局、なぜでしょう。 ◎学務課長 耐震であれば、設計等もしくは診断等をしたことは事実でございます。ただ、その記載内容としてどう書くかということについては、字数の制限等がございますので、その中で必要な部分を書いたということだけでございます。 ◆新城せつこ 議員  いや、私がこの文章を見て感じるのは、もう廃止は10年前から決まっていたんですよということを言うために、そういうふうな書かれ方をしたのかなと改めて感じました。  今回、田中区長にかわって急にこの廃止条例案が出されたんですが、田中区長のボトムアップというのは一体何だったんだろうかというふうに改めて感じました。これまで財政効率化優先の山田区政ですら、この学園の現実に触れて存続せざるを得ませんでした。田中区長は、ある意味では学園のすばらしさについて触れ合うという機会がなかったんでしょうか。 ◎学務課長 区長も昨年度、南伊豆のほうに来ていただいて、学園の中を視察いただいているところでございます。 ◆新城せつこ 議員  区長が学園に行かれたというお話は聞いています。ただ、学園の子どもたちから学ぶ姿勢がなかったということでしょうか。 ◎学務課長 授業もしくは、その当時コーラス等をちょうど学園で練習していたところでございまして、区長は最後まできちんと聞いていただいて、取り組み等については十分見ていただけたというふうに理解しているところでございます。 ◆新城せつこ 議員  そのときの田中区長の姿勢が子どもたちの語りぐさになっているという状況もお話を聞いていますが、私は、これまで田中区長が、山田区政のいいところは残し、独善的な悪いところは変えていくということで、この間実践をされているんですが、とすれば、学園は前区長の独善で残されてきたのか、教育委員会は廃止を求めているんだけれども、前区長が独断でこれを存続してきたというふうなことなんでしょうか。 ◎学務課長 先ほど答弁させていただきましたように、私ども、10年前に廃止の方針を打ち出して、その後、跡地の活用についてさまざま検討してきたというところで一定の時間が経過したというふうに理解しておりますので、今委員のおっしゃるような意味とはちょっと違うのかなというふうに考えておるところでございます。 ◆新城せつこ 議員  私は、昨年の12月8日の教育委員会での報告、それから12月16日の教育委員会の報告、2月の文教委員会の報告、この報告を議事録で目を通した状況の中では、かなり教育委員会としては苦しいんだなということを感じました。教育長あるいは担当課長のいろいろなお話を聞いて、学園に対する非常な愛着というか愛情も感じますし、その点では、やはり区長部局が先行して、財政効率という面からだけ南伊豆健康学園の廃止を決めたのかなというふうに私はとらえざるを得ませんでした。その点でいきますと、こういう場で区長に対して批判がましいことを言うのは的外れだと思うんですけれども、私は、ぜひ区長には、今後機会をとらえてこの点について確認をさせていただきたいと思っています。  先ほどの12月8日の教育委員会の報告について、委員長から、突然事業仕分けで廃止の報告をされるわけですから、そのときに、保護者や学校関係者から何か意見は出なかったんですかというふうな問い合わせが出るんですね。しかし、教育委員会はこれにまともに答えないんですよ。10年前からその方向を示してきたし説明もしてきたから、一定の理解はされているというふうに言っているんです。ただ、私、保護者の皆さんのお話を聞きますと、子どもたちは泣いているんですよね。その点では、何でこういう現状を教育委員会に伝えなかったのかということでは、教育委員会事務方の皆さんの姿勢、非常に疑問を感じますが、その点についてお答えください。 ◎学務課長 この間、保護者の皆様方には何度となくご説明をさせていただいたり、ご意見をいただいたりしておるところでございます。その中で私ども、一定の理解──確かに私どもの点について納得いただけないところもございました。ただ、そこも踏まえて議論をし、ご理解をいただき、ここまで進めてきたというふうに思っておりますので、総じて言えば、こういう経過を抱えて、十分な理解を得た上で今回の条例廃止に向かうことができたというふうに感じているところでございます。 ○小川宗次郎 委員長  新城議員、おおむね15分過ぎましたので、そろそろまとめてください。 ◆新城せつこ 議員  では、最後の質問をさせていただきます。大分準備もして、いろいろなことを聞けるかなと思って期待をしていましたが、残念ながら。  これまで医療の整備という話があって、ぜんそくの児童が健康学園では薬を全く使わないで過ごしてきたというお話も聞きました。それで、先ほどハウスダストが原因だということも言われたんですが、だとしたら、健康学園でも同じようにぜんそくの発作が起きてもいいですよね。ところが、それがないというんですよね。原籍校に戻る二、三日前から吸入をさせて、異物が入っても耐えられるように保護者の皆さんは行ってきたというんですね。  学園の子どもたちは、この杉並、東京に戻ってきたときに、空気が黄色いという表現をするそうなんです。ある意味では、杉並に生まれ育った子どもたちは、この黄色い空気を背負ってこれから過ごしていかなければならないんですが、先ほどの答弁でも、ぜんそくの小中学校の児童生徒数、非常に高いという現状もわかって、本当に薬だけに頼る対処法だけでいいのかと私は疑問を抱かざるを得ません。その点についてぜひお答えいただきたいのと、最後に続けて、たぐいまれな自然環境の中で子どもたちが、4病類だけではなくて、自分に課題を課して、一歩一歩達成をして自信を取り戻してきた、この教育のあり方が学園の最もすばらしいところだと言われているんですね。自分は自分でいいのだという自分を肯定するような感性をはぐくんできたこの学園のあり方、そして成長してきたことは、本来の杉並の小中学校の教育の基本であると私は考えます。すべての教育現場で実践されるべき課題だと考えますが、先ほど施設の跡地利用についての質問もなされました。今後、この環境を使ってすべての子どもたちが享受できるような教育施設として、教育委員会が積極的にその姿勢を示していくことが私は重要だと改めて感じました。その点について姿勢を確認いたしまして、この2点、お答えいただければと思います。  終わります。 ◎学務課長 まず、1点目の児童のぜんそくのことでございますが、南伊豆健康学園に入園する児童は、ぜんそくのうち軽度なお子さんを対象としています。具体的には、先ほど申しましたように、私ども、アレルギーに係るぜんそくについては医師から管理指導表を得てやっておりますので、南伊豆についても同様な対応をとっております。その中では、当該医師からは、運動ですとかほこりもしくは動物等について、管理もしくは配慮不要という方に実際には入園いただいているところでございますので、委員がおっしゃるような重篤なお子さんが入っているということではございません。したがって、区内においても十分、現在の薬物治療といいますか、コントロールが可能ですし、南伊豆健康学園でも同様にそれは行ってきたと思っております。それが1点目。  2点目については、先ほど申しましたように、現在区では保養地型の特別養護老人ホームの検討を進めているところでございます。私どもとしては、その検討の結果を見守っていきたいというふうに考えているところでございます。 ○小川宗次郎 委員長  それでは、新城議員の質疑を終わります。  ほかに質疑はありませんか。──ないようですので、質疑を終結いたします。  それでは、これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手願います。 ◆今井ひろし 委員  南伊豆健康学園は、病虚弱児を対象とした健康改善の施設ということで38年間やってきたわけですけれども、今の都市環境も含めていろいろな環境が変わってきた、その状況を踏まえるのと、それから財政の適正執行の観点から考えますと、南伊豆健康学園の意義は薄れてきたのかなというふうにも思います。  ただし、ぜんそく、肥満児、病虚弱児、不登校に関して、区内においての対策を充実させることを前提として、この議案第57号は杉並自民区政クラブとして賛成をしたいと思います。  以上です。 ◆山本ひろこ 委員  議案第57号に対して、杉並区議会公明党として意見の開陳をさせていただきます。  これまで健康学園は、区内の病虚弱児童を対象として、38年の長きにわたり、その使命を十分に果たしてきたととらえることができます。豊かな大自然の中で生活できた経験は、健康面の改善にとどまらず、その心にかけがえのない金の宝を残したことでしょう。でき得ることならば、区内全児童に体験させてあげたい教育環境であります。  しかしながら、環境の改善、医療技術の進歩により、学園本来の使命はほぼ果たされ、3・11東日本大震災を経験し、その立地への不安、健康学園児童同様の健康課題を持つ区内在籍児童の増加による健康教育等早期充実の必要性、また、厳しい財政状況の中における存続の危うさ等、これら課題の大きさに、苦渋の決断ではありますが、存続は断念せざるを得ない状況であります。  本来ならば、健康学園も適応指導教室も必要とされず、全児童が原籍校に通える姿が理想であり、今後の課題であります。そのためには、子どもにとって最高の教育環境である母親、またそれにかかわる保護者等の家庭教育力の向上、教師のスキルアップが最大の課題であると考えます。今後、厳しい財政状況の中において、対症療法的な予算が削減されることが理想であり、子どもを取り囲む家庭への支援、地域力の向上、教師のスキルアップ等、最大の効果が得られ、それが継続されるような取り組みがなされることを願います。  今後の対応として、区内に帰った児童が原籍校にスムーズに登校でき、陰で悲しい思いをすることがないよう、学園に在籍していたときと同じ笑顔で伸び伸びと生活が送れるよう細心の配慮がなされることを求めます。来年度、新たな教育ビジョンも策定されます。すべての児童の幸福を最大の目的として計画が実施されることを願いまして、本議案には賛成いたします。 ◆山下かずあき 委員  民主・社民クラブとして意見を申し述べます。  南伊豆健康学園の設立目的は、ぜんそく、肥満、虚弱、偏食でありましたが、現在、入園理由が大きく変わりつつあることが散見されます。また、杉並区の環境が改善されたことや、医学の進歩等も十分理解ができるものであります。さらに、規則正しい生活と運動を家庭や学校で継続することで健康改善は可能であるという認識のもと、南伊豆というロケーションでの教育の必要性はないものと推察をいたします。  そして、今後の取り組みであります健康教育、不登校対策、学園の記録、原籍校への引き継ぎ等、これにしっかり取り組んでいただくことを要望した上で、議案に賛成をいたします。 ◆原田あきら 委員  議案第57号杉並区立健康学園条例を廃止する条例について、反対の立場から意見を表明します。  極めて異常な手続をもって突然の廃止とした事態は到底認めるわけにいかないと、まず指摘するものです。代替策は区教委の新施策としては歓迎し、担当職員の充実などを求めるものですが、南伊豆健康学園のかわりになるとは到底言えないことが質疑の中でも明らかになりました。これだけ重要な施設の廃止にもかかわらず、代替策とするものがすべて今後の検討と答弁する姿勢は、行政への信頼を失墜させる行為だと厳しく指摘するものです。  南伊豆健康学園には年間2億6,000万円ほどのお金がかかっているなどという答弁もありましたが、この間示されました総合計画によりますと、これから杉並区は年130億から150億円規模のお金がこの総合計画の中で使われるといいます。その中には荻窪駅前開発や都市計画道路の整備なんてものもある。これらは本当に最優先される課題なのか。ぜんそくや肥満、不登校といった病理は、いまだおさまらない大気汚染やストレス社会の被害の結果でありまして、ここに社会が最大限の保障をしなければならないのは当然のことです。心身のハンディを人生のハンディにさせない、こういう大人たちの決意としてもあらわれていた南伊豆健康学園の廃止、到底許すわけにはいかないとして、反対とします。 ◆そね文子 委員  生活者ネット・みどりの未来の意見開陳をいたします。  区内にはぜんそく、肥満、虚弱、偏食の問題を抱える児童が多く存在します。先ほど、肥満、ぜんそく児童の数、また不登校児の数をお示しいただきましたが、健康学園での23年度の在籍者は35人と少数です。これまで健康学園に使われていた経費が、区内の肥満、ぜんそく、その他健康に問題のあるすべての児童のために使われるのは、より望ましいことだと考えます。  また、健康学園が健康課題と不登校などの課題をあわせ持つ児童の受け皿としての機能も果たしてきたことを重視し、不登校への対策について庁内で真剣に議論され、適応指導教室をつくるという報告書にまとめられたことを評価しています。この支援策が行政計画に位置づけられて実現するようしっかり予算づけされることを求めて、議案第57号には賛成といたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  それでは、議案第57号につきまして、新城せつこ議員より委員外議員発言の申し出がありますので、ご了承ください。  それでは、新城議員、時間は5分以内でお願いいたします。 ◆新城せつこ 議員  無所属区民派は、議案第57号には反対をいたします。  理由の1つは、たぐいまれな豊かな自然環境を有する南伊豆健康学園は、4病類の克服にとどまらず、子どもたちに自信と自己肯定感を取り戻し、その成長をはぐくんできました。これは本来教育が達成すべき課題であり、杉並の大きな財産と言えます。これを廃止し、失うことは重大な損失であるという点です。  2つ目は、廃園の決定のされ方が、保護者や学校関係者、議会も含めて全く寝耳に水で、現在も納得が得られていないと言わざるを得ない点です。  3つ目が、とりわけセンシティブな課題を持つ児童への対策が全く見えてこないという点です。不登校等さまざまな課題を持つ児童への対策について、施設や、具体的にどのように進めるのか、1つ1つの検証が行われるなどの慎重さが要求されていました。廃園を3月に決めたことで、そのスケジュールに合わせるために場当たり的に進められている感が否めません。  以上指摘をした上で、今後、南伊豆健康学園の跡地利用として、杉並の子どもたちが使える施設の併設を求めます。今後の代替策には失敗は許されないことから、検証が徹底的に行われることや、健康学園を知る保護者に検証チームの中に入っていただくこと、以上を要望して、57号には反対をさせていただきます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第57号杉並区立健康学園条例を廃止する条例について、原案に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。   (3) 議案第69号 杉並区高井戸温水プールの指定管理者の指定について ○小川宗次郎 委員長  続きまして、議案第69号杉並区高井戸温水プールの指定管理者の指定についてを上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者の方から補足の説明はございますか。 ◎教育委員会事務局次長 特段つけ加えることはございません。よろしくご審議をお願いいたします。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆原田あきら 委員  質問します。  大新東ヒューマンサービス株式会社と株式会社協栄の共同事業体が指定管理者となると。このタッグはほかの図書館でも見られて、杉並区の図書館、どこでしたっけ、受託をしていますけれども──指定管理者の場合受託と言わないのかな、していますけれども、なぜこれは2つになっているんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 まず、高井戸地域区民センターと高齢者活動支援センター、また温水プールという3つの大きな事業がございまして、それを一体的に運営するということでございます。代表団体として大新東ヒューマンサービス、こちらはアウトソーシングの専門企業でございまして、こちらが大きく取りまとめて、温水プールに関しましては、体育施設の運営、また監視業務に専門的な知識のある協栄、この2つの企業が共同体となって、より円滑にこの一体化施設を運営するということでございます。 ◆原田あきら 委員  協栄の建物管理とかいうのは、一体具体的にはどういうことを指しているんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 まず、こちらのほう、清掃工場の余熱が使えなくなりますので、ボイラーの管理等、大きな部分での建物の管理になります。また、プールのほうの衛生面での管理ですとか監視業務等々が協栄が担う役割になります。 ◆原田あきら 委員  今回は、うちにかかっているのはプールなんですけれども、このほか、高齢者施策に関する機能と区民センターの機能、3つまとめて大新東ヒューマンサービスと協栄が指定管理を受けると。区の極めて重要な施策を民間に任せるという場合には、それなりの専門性を有した人たちがそれに当たるというふうに決められていたと思います。プール、高齢者施策、区民センター、こういうことをまとめて、共同体とはいえ、どこかの業者に指定管理を行うということは、割と他区では行われているんですか。とりあえず杉並区では初めてだと思うんですけれども。 ◎社会教育スポーツ課長 総合的な福祉センター的なものではそういう例があると伺っております。当然、区といたしましては、このような複合施設の一体化は初めてでございます。 ◆原田あきら 委員  この間、セシオン杉並の問題、それから井草地域区民センターの不当不採用事件とか起きています。区民センターの窓口の業務をやるだけでも、相当な混乱がこの間杉並区では続いていると思うんですけれども、それをひっくるめて、プールも高齢者施策も何もということをやって問題は起きないんでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 確実な事業提案を出していただいた上で、書類審査、またプレゼンテーションをした上での判断でございます。また、この後、各所管課が各事業者と綿密に事業等を詰め、杉並の施策に合っているかどうかという判断も踏まえて事業をお願いするものでございます。 ◆原田あきら 委員  今回、大新東ヒューマンサービスと協栄ですけれども、結局、すごく大きな施設でも、こうやって共同事業体になってしまえば、それぞれが専門性を有しているので一体となってうまくやっていきますみたいになって、一体どこまで民間委託というのは進んでしまうのかという事態だなと思っているんですけれども、大新東ヒューマンサービスのほうが企業体としては物すごく大きいんですよね、たしか。そうなってくると、のべつ幕なしに、専門性があろうがなかろうがどこでもとりに行って、例えば、プールとかはやったことないなと思ったら、プールをやったことのある企業をとりあえず自分の企業体だといって入れちゃって、私たちは専門性がありますといって入札に入ってくる、区はそれを検証するすべもなく、そういうところにぱぱっとお金も何も出してしまうということが進んでいってしまうんじゃないのかなという気がしてすごく怖いんですけれども、それについては、事業の実態とかいうのはどう見ていくつもりなのか教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 事業が行われた後も、常に業務報告等を出していただいて評価をしていくことになっております。また、それぞれの専門性を生かした事業者の集団でございますので、今回の選定におきましても、いかにその企業体を一本化してスムーズにするかという執行体制、また日々の連絡体制、そういうあたりのご提案をいただいて選定したものでございますから、特に心配はしていないところでございます。 ◆原田あきら 委員  いつもそういう答弁が、こういう民間委託の場合には出てくるんですが、そういう答弁のまさにそのさなかに、2カ月半にわたって給料を従業員に払わないでそのまま倒産をしてしまうという重大問題がセシオンで起きた。それを受けて、今後はしっかりとやりますと言ったにもかかわらず、今回、井草地域区民センターでは、委託がえに伴って不当不採用事件なんてものがありまして、それは不当でも何でもないと言いますけれども、実はこの間和解が成立しまして、不採用になった職員は和解の中で戻ることになって、解決金まで払われることになるという、業者自体が非を認めた事態となりました。  ぜひ区教委としては、こういう企業の、もうかれば何でもいいというふうに入ってくるんです、はっきり言って。そういうものに対してしっかりと、区民の施設を任せるわけですから、これまでとはまた違った監視体制というのが必要になると思いますが、それを聞いて終わりにします。 ◎社会教育スポーツ課長 今ご指摘のように、総合的な一体化施設として今後どう評価していくかということも含めて、事業者との連携をとって、指導等も含めて行ってまいりたいというふうに思っております。 ◆そね文子 委員  すみません、よくわからなくて。先ほどおっしゃっていたボイラーの管理、清掃工場と一体で熱利用というのは、プールではないんでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 隣接しております清掃工場も大改築の工事に入ります。その間、余熱が使えなくなりますので、高井戸温水プールに独自のボイラーを設置する必要が出たということでございます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手をお願いいたします。 ◆原田あきら 委員  日本共産党杉並区議団として、議案第69号について意見を開陳します。  区民サービスをこれから担っていく、その対象として企業が入ってくる。しかも今回はさらに、プールだけではなく、他の委員会の議案にもなりますが、区民センターと高齢者施策にかかわる業務もこの人たちが行うことになる。企業には営利優先というそもそもの本質がありまして、全くこの業務にはそぐわないという判断を下して、私たちは議案69号に反対とします。 ◆そね文子 委員  生活者ネット・みどりの未来として意見を申し上げます。  杉並区高井戸温水プールの指定管理者として、大新東ヒューマンサービス株式会社と株式会社協栄の共同事業体が管理を行うことについて、それぞれが公共施設で指定管理者として実績があることを評価し、高井戸温水プールにおいても安全管理に十分留意し業務が行われることを期待して、小松久子、市橋綾子、そね文子の3名は議案第69号に賛成といたします。  なお、奥山たえこ、すぐろ奈緒は、プールは水の事故の危険性がある施設であることから、区が責任を持って管理すべきものと考えることによって、議案第69号には反対といたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。
          〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第69号杉並区高井戸温水プールの指定管理者の指定について、原案に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  議案審査の途中でありますが、ここで午後1時まで休憩いたします。                             (午前11時58分 休憩)                             (午後 0時58分 開議) ○小川宗次郎 委員長  休憩前に引き続き委員会を再開いたします。   (4) 議案第70号 杉並区上井草体育館外2施設の指定管理者の指定について ○小川宗次郎 委員長  議案第70号杉並区上井草体育館外2施設の指定管理者の指定についてを上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者から補足の説明はありますか。 ◎教育委員会事務局次長 特段つけ加えることはございませんので、よろしくご審査のほどお願い申し上げます。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  指定管理の期間が今回5年ということになっておりますけれども、たしか前回までは3年だったと思いますが、何かこの辺の理由はあるんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 指定管理というのは歴史がまだ浅いものでございます。3年の2期をやりまして、一応、指定管理で体育施設を運営することは区民のスポーツ振興に非常に有益であるということが判断できたことが1つでございます。  もう1点といたしましては、指定管理にゆだねるに当たりまして、3年ですとなかなか初期コスト等の回収が難しいということもございますので、5年にしたものでございます。 ◆山下かずあき 委員  別段10年でも20年でもいいような気がしますけれども、5年というのは何か意味があるんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 やはり多様な事業者の競争性というのもございます。今後、将来的に考えれば、まだ指定管理者の制度は変化を遂げるかもしれませんけれども、現時点では一応5年ということで1つの区切りをつけて、再度選考するということで進めさせていただきます。 ◆山下かずあき 委員  それと、今回のTAC・FC東京・MELTECさんは継続になると思うんですけれども、これまで何か区民からの意見とか要望とかございますか。 ◎社会教育スポーツ課長 特に大きな要望等、問題はございませんが、日々の受付での対応ですとか、またグラウンドでの速やかなグループの入れかえですとか、そういうようなあたりの問題、要望はいただいているところでございます。 ◆原田あきら 委員  TAC・FC東京・MELTEC共同事業体。MELTECというのは三菱電機ビルテクノサービス。それぞれどういう事業を担うことになっているのか教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 まず、TACが東京アスレティッククラブでございまして、中野に本社を置きまして、スポーツクラブ、フィットネスクラブの企業でございます。また、FC東京は、ご存じのようにJリーグのサッカーチームの会社でございまして、サッカー教室等を中心にスポーツの普及を図っております。MELTECに関しましては、三菱を親会社とするビル建物管理の会社でございます。 ◆原田あきら 委員  この3者で共同事業体なんですけれども、さっきの大新東ヒューマンサービスと協栄でいえば、正直、大新東が中心になって、協栄がそのできない部分を担うみたいになると思うんですけれども、今回は、この上井草体育館ほか2施設、極めて重大かつ大規模な施設となりますが、そういう統括的な企業体というのはどこになるんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 TACが代表団体でございます。 ◆原田あきら 委員  継続になるんですけれども、3年前は、委託がえになってこの人たちになったんですが、ティップネスというところがこの体育館を受けていた。そのときに区民からさまざまな苦情みたいなものが幾つか区教委にも寄せられたと思うんですけれども、どういったものがあったか教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 ティップネスからTACのほうにかわったときの苦情ということでよろしいんでございますか。 ◆原田あきら 委員  いやいや、ティップネスのときに。 ◎社会教育スポーツ課長 まず、教室のほうの募集等の人数の実態と予定数の違いですとか、あと、設備に関する補修が不十分であるというようなあたりと記憶しております。 ◆原田あきら 委員  そういう指定管理をしていた団体の不備みたいなのを区が指摘するのは、実は私、いろいろなところで聞いても余りないんですけれども、ティップネスの場合は幾つか出てきた。今言われたようなことのほかにも、地域の商店街とかから、あそこの中で販売を行っていて、そういうのが商売っ気がちょっと強過ぎるんじゃないかとか、自主事業がすごく多かったという声もあり、これは区も認識していると思いますけれども、どういったことでしょう。 ◎社会教育スポーツ課長 自主事業の多さについては、申しわけございません、具体的に把握はしておりませんけれども、いずれにしろ、自主事業にしろスポーツ振興事業にしろ、区と十分な協議の上、進めていくということでございます。 ◆原田あきら 委員  そうですか。自主事業がちょっと多いというのは少し指摘のあったところで、区も認めて、今回の指定管理者の指定については、この3者に対しても、自主事業については適正に行うようにみたいな、そういう指導はしていると思っていたんですが、してないんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 実際施設でやるのは、スポーツ振興事業、また貸し出し事業、自主事業とありますので、これら3つがバランスよく、本当に区民のスポーツ振興になるように、十分事業者と協議して、自主事業の設定には慎重に対応してまいります。 ◆原田あきら 委員  自主事業の実施については慎重に対応していくと。なぜ自主事業というのは慎重に対応しなきゃいけないんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 スポーツ振興事業、貸し出し事業というのが本来の業務であり、区の施設としての本来の役割でございます。自主事業に関しましては、一応事業者の収益ということで、事業者の創意工夫を生かしての事業ということでございます。 ◆原田あきら 委員  今も少し出てきましたけれども、自主事業というのは、要はその企業が自分の、ぶっちゃけて言えば営利のためにやる事業で、そこの施設を使ってスクールとかを開くわけですよね。スクールに来た人たちはそこでお金を払う、そのお金は企業の中に入っていくという事業になるわけです。これがティップネスの場合はちょっと多かったんじゃないかとか、割と大事な時間帯に、一般区民が使いたいという時間帯にどーんと置いちゃったりとか、そういうのが問題として指摘されていたと思いますが、どうでしょう。 ◎社会教育スポーツ課長 恐れ入ります、過去のティップネスのころの資料は持ち合わせておりませんが、今のような実態であれば、当然そのような状況は起こります。 ◆原田あきら 委員  そういう声があったわけですね。それで、区としても、自主事業については慎重にというのは、今しっかりとした指導の1つになっていると思うんです。企業が、我々区民の税金でつくった施設を使って営利目的の自主事業を行っていく、これはよくよく考えると大変なことでありまして、この点は区民から理解を得ているのかどうかというと、区民はほとんど知らないんじゃないのかなと思うんですけれども、どう思いますか。 ◎社会教育スポーツ課長 実際利用される区民の方からすれば、この事業がスポーツ振興事業である、この事業が自主事業という明確な区別はなかなか難しいかと思います。  また、収益に関しましては、すべてが企業のほうに行くわけではございません。スポーツ振興事業のほうに使われるものもございますので、その面においては、十分な区民のほうへの責任を果たすことによりご理解は得られるというふうに考えております。 ◆原田あきら 委員  まあそうですね。課長はそう答弁しなければならなくなる。ただ、もしかしたら自主事業については、この契約上どこにも、どこからどこまでは自主事業にしていいとか、自主事業で入ってきた収益は幾らまで区に入れなければいけないとか、あるいは何らかの形で還元しなきゃいけないということは、何ら規定ができない状況ではないでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 指定管理制度の特徴として、民間事業者の専門性を生かすためにインセンティブを働かせる必要がございますので、その意味においては、自主事業は非常にインセンティブの高いものというふうに理解をしております。還元についての割合等の規定は特にございません。 ◆原田あきら 委員  自主事業については慎重に対応する、指導していくという答弁が先ほどあったと思いますが、具体的に、自主事業のあり方、区民への貸し出し、スポーツ振興についてどういう指導を行っていきますか。 ◎社会教育スポーツ課長 やはり限られたスペースでございますので、自主事業が増えれば増えるほど区民の方の団体利用ができなくなるわけでございます。また、区のほうが必ずやらなければいけない事業ということでスポーツ振興事業を指定しておりますが、そちらの事業にも影響を及ぼすわけでございますので、最低限、貸し出しの枠、スポーツ振興事業の枠を確保した上での創意工夫で自主事業をやっていただくような指導をしているということでございます。 ◆原田あきら 委員  では最後に。震災以降、客の足が遠のいているという話も聞きます。そもそも区の施設で客というふうに言うようになったのは山田さん以来なんですけれども、私は余りそういうのは好きじゃない、区民を客と言うのは好きじゃないと言いながら自分で言っちゃったんですけれども、向こうからすれば、正直、客が少なくなっているという、しかも節電もありましたよね、ここからここは使っちゃいけない、区民も呼んじゃいけないみたいな。それは割と、もしかしたら企業にとっては痛いのかなという気もしないでもないんですね。そういう折に、これはなかなか運営が難しいから、ちょっと一発、区民が来やすい時間帯で、少しお金の取れそうな自主事業をやらないと採算が合わないな、それはきっと区も許してくれるんじゃないのかなというような動きが今後ありかねないのかなという気がするんですけれども、どうでしょう。 ◎社会教育スポーツ課長 採算が合わないから自主事業等を認めるという考えはございません。指定管理料として採算の合わない事業もやっていただいているわけでございますので、そういう節電等の影響により運営の状況が厳しい場合は、別途協議ということになろうかと思います。 ◆そね文子 委員  朝、区民の方から、文教委員会の陳情審査に関する意見というのをいただいているんですけれども、今やっているまさに上井草スポーツセンターについてのことを書いてくださっていて、非常にこれは勉強になると思ったんですけれども、一緒に取り上げるというのはいかがでしょうか。 ○小川宗次郎 委員長  基本的には陳情と条例は違うものでありまして、例えば、もしも取り上げた場合、同じような陳情が例えば100本、200本出てきた場合、次に控えている条例について影響を受けるということが多々今後あり得ると思いますので、判断として、別々にやるというふうにさせていただきたいと思います。 ◆そね文子 委員  わかりました。  私、上井草スポーツセンター、今回見学に行きました。立地が区境で、すべての区民が利用しやすいとは言いがたい場所にあるなと思いました。利用者も練馬区民や武蔵野市民が多いのではないかというふうに思われました。トレーニングルームが400円という安い価格で1日使えるということで、それはびっくりしたんですけれども、安くないでしょうか。遠い区民は行けないわけで、不公平感があるのではないかなと思ったんですが、いかがでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 トレーニングルームの利用に関しましては、時間で設定するという方法もございますけれども、非常に多様な、個々に応じたプログラムがございますので、普通でしたら1時間、長くても2時間、ストレッチ等を入れますとそれ以上かかると思います。そういう関係で、個々の状態に合わせて効果あるトレーニングができるように、1回400円と設定したものでございます。 ◆そね文子 委員  上井草スポーツセンターは、平成21年は400万円弱、22年は1,100万円強の利益が出ていて、多過ぎるのではないでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 先ほどもほかの委員からのご質問にお答えしましたけれども、事業者としてのインセンティブを生かした、専門性を生かした事業を展開していただいた結果というふうにとらえております。 ◆そね文子 委員  利益の処理方法なんですけれども、この指定管理者は自主的に半分を杉並に返納しているんですが、規定がないのがおかしい。規定すべきではないでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 今回の上井草スポーツセンターの事業者の応募に関しても、いろいろ企業によって利益の配分方法がございます。まさにそこも事業者の工夫する、また区のほうにアピールするポイントというふうに考えておりますので、一律規定することはいかがなものかなというふうに考えております。 ◆そね文子 委員  陳情のほうに、情報の非公開部分が非常に多いということが報告されているんですが、非公開部分が利用者の人数と収入、そういうことなんですけれども、つまり利用人数と利用収入がわからない。ティップネスのときは全面開示されたと聞いているんですけれども、開示の範囲が事業者によって異なるのは、どういうふうに規定されているのでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 事業者のほうが企業情報ということで判断をされて、区と協議した結果でございまして、言うなれば、それだけ綿密に室別の利用者数等を考えながら、限られた枠を有効に使うべく、プログラム、貸出時間数の設定をしているということでございます。 ◆そね文子 委員  今回非公開とされたところは、区が委託している本来の業務、自主事業ではない部分が非公開とされているということだったので、そこはおかしいというふうに考えます。  質問を終わります。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  私もこの施設はよく利用する場所なんですけれども、引き続き区民にとってよりよい施設になるよう希望いたしまして、議案には賛成をいたします。  以上です。 ◆原田あきら 委員  区民サービスに直接かかわる施設が営利企業によって運営され、採算性が重視される、こういうことは区民サービスの低下にもつながる重大な問題として、議案第70号には反対します。 ◆そね文子 委員  生活者ネット・みどりの未来として意見を申し上げます。  講座は、そうはいってもバラエティーに富み、料金も利用しやすく設定され、これは自主事業の部分もですが、区民サービスに貢献していると受けとめています。  しかし、区民の情報公開請求に対しては、指定管理業務部分の利用内訳、収支報告書の大部分を黒塗りで提出することについて、陳情で述べられていますが、明らかにするように、先ほどと重複しますが、要望いたします。  その上で、小松久子、市橋綾子、そね文子は議案第70号に賛成します。  なお、奥山たえこ、すぐろ奈緒は、先ほど申し上げました指定管理料の算定根拠データを非開示とするなどの不透明な姿勢があり、利益の妥当性を検証することができないという理由から、議案第70号には反対とします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第70号杉並区上井草体育館外2施設の指定管理者の指定について、原案に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   (5) 議案第71号 杉並区高円寺体育館外4施設の指定管理者の指定について ○小川宗次郎 委員長  引き続き、議案第71号杉並区高円寺体育館外4施設の指定管理者の指定についてを上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者からの補足はございますでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 特段つけ加えることはございません。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手願います。 ◆山下かずあき 委員  この財団法人杉並区スポーツ振興財団は、今後、公益財団法人化を目指していると伺っておりますけれども、もし公益財団法人化されましたときには、施設の今後の運営等に何か支障等は起きないのか。 ◎社会教育スポーツ課長 公益財団法人になることによりまして、非常に税制面での優遇等がありまして、また社会的な認知度も高まります。特に大きなデメリットというのはございません。 ◆山下かずあき 委員  では、引き続きよろしくお願いいたします。  以上です。 ◆原田あきら 委員  今回、幾つかの体育館でまたスポーツ振興財団が指定管理者として指定されるわけですが、前回からすると2つぐらい減っていると思いますが、それぞれの理由を教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 高円寺体育館ほか4施設、スポーツ振興財団が選定された理由ということで…… ○小川宗次郎 委員長  いや、違います。以前スポーツ振興財団だったところで、ほかになったところをということです。 ◎社会教育スポーツ課長 失礼いたしました。  まず1点が、高井戸温水プールが減っております。こちらのほうは、先ほどご審議いただいた一体化により、別の事業者に移ったものでございます。もう1カ所が大宮前体育館でございまして、こちらのほうは、本定例会でもご審議いただくことになっておりますけれども、改築工事が始まるということで、指定管理期間が非常に短いということで減らしたものでございます。 ◆原田あきら 委員  杉並区スポーツ振興財団、平成5年からなのかな、このいわゆるスポ振が幾つかの体育館を管理運営している。私は、区の施設というものはちゃんと区の職員が、もしかしたらどこかの民間にアルバイト感覚で働かせてやれば多少安くなりますけれども、しかしながら、区民の実態、ニーズを職員が細やかにつかんでいく、そういう点で私は、こういう区の施設とか区民と直接接する場所というのは、区が行政としてしっかり責任を持って運営していくということが望ましいと考えています。それは、その瞬間は一瞬お金がかかることのように、無駄に使われているかのように思えますけれども、しかしながら、そういう窓口というのは、特にスポーツであったり区民センターの窓口であったりというのは、区民と区が直接接する場面なんですよね。その価値というものは実は物すごく大きくて、その点では、企業なんかに任すのではなく、最低限、区の準公共的な機関とか、そういうところが担っていくべきだと考えていますが、改めてスポーツ振興財団についての区の認識を、どういう財団と位置づけをしているのかお聞かせください。 ◎社会教育スポーツ課長 スポーツ振興財団に関しましては、今委員ご指摘のように、非常にスポーツをやっている当事者の方々とつながりが深くございます。体育協会の事務局等々もお願いしているものでございまして、実際に施設で区民と接して要望を吸い上げ、それをサービスにつなげていくということで、専門性を生かし、またネットワークを生かし、区民のスポーツ振興に大変力を注いでいるというふうに位置づけているところでございます。
    ◆原田あきら 委員  そうですね。地域で小中学校とかの校庭を使っていろいろなスポーツをやっている団体とか、うちの地域にもありますけれども、そういう人たちが本当に手弁当で、時には自分のお金も使ったりとかなんとかしながら、地域の子どもたちが集まったり高齢者が集まったりするような団体を頑張って盛り上げている。そういう人たちと区の職員がちゃんとつながって、有効に区の施設を使っていくというこの流れが本当に大事なわけですよね。決して、企業が入り込んで、自分たちの自主事業のために、採算性とかそういうことが一番に立って行われていってはならないと思うんです。地域の人たちがどういうニーズを持っているのか、こういう子どももおじいちゃんも一緒になってできるスポーツがあるんだけれども、地域ではやっているんだけれども、やってみないかと言われたら、そういうのにちゃんと区の施設がこたえてあげられるような、そういう流れが本当に今求められていると思うんです。スポーツ振興財団について、そうやってそういう地域の人たちと触れ合いながらスポーツ振興に努めていくという、財団ではありますけれども、区からのしっかりとした指導というものが必要になってくると思いますけれども、どうでしょう。 ◎社会教育スポーツ課長 地域とともにスポーツの振興を盛り上げていくというのは非常に重要かと思います。実際、地域の方々のお力をかりたりする交流もやっておりますので、今まで以上に地域との交流、地域の声を聞く、そういう中でよりよいサービスを目指していくように、区のほうも現場に出向き、努力してまいりたいというふうに思います。 ◆そね文子 委員  こちらも区民の方からの陳情が出ていまして、今存在意義についても伺おうと思ったんですが、そちらのほうは今お話ししていただきましたので、割愛したいと思います。  杉並区スポーツ振興財団に勤務している元区役所の職員であった方の役職と給与の水準について教えてください。あと、なぜ元職員が必要なのかということを教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 元職員というのは、退職して今振興財団にいる職員ということでよろしいですか。──1人が常務理事でございます。もう1人が局長でございます。あと、施設のほうに1人職員がいるところでございます。いずれも区の規定に沿ったものでございまして、常務理事が33万ほどから、順次給料のほうの設定をしているところでございます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  先ほどと同様でございますが、引き続き区民サービスの向上とよりよいスポーツ振興の施設となるよう希望いたしまして、議案に賛成いたします。 ◆原田あきら 委員  議案第71号について意見を開陳します。  本来は、日本共産党杉並区議団としては、指定管理者制度をこうした区の施設に導入すること自体が間違いであるという立場に立っています。しかしながら、その具体的な業者への指定についてはしっかりと賛否を明らかにしていきたい、確認をしていきたいと思っている立場で意見を表明しますが、杉並区スポーツ振興財団については、私はずばり、区が直接運営すべきだと思っておりますが、区の準公共的機関としてしっかりと、現場の生の声がちゃんとスポーツ行政に生かされていく、そして区の内部にも伝わっていくような、そのかけ橋としての機能を十分に生かしていただきたいという希望を持って、71号については賛成いたします。 ◆そね文子 委員  スポーツ振興財団が果たす役割について教えていただきましたが、区民のためのスポーツ振興に資する役割が大きいということがわかりましたので、その財団が体育施設の指定管理者になることは妥当と考え、生活者ネット・みどりの未来として、議案第71号には賛成といたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第71号杉並区高円寺体育館外4施設の指定管理者の指定については、原案を可決すべきものと決定して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  異議ないものと認めます。よって、原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。   (6) 議案第74号 杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 ○小川宗次郎 委員長  引き続きまして、議案第74号杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者から補足の説明は何かございますか。 ◎教育委員会事務局次長 特段つけ加えることはございません。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆原田あきら 委員  昨年に続いてまたもや給与が削減されていくと。ちょうど1年前のこの議会のときに、春闘ではどこの企業も割とベースアップになっていたのに、なぜ人事委員会勧告とかで行政の職員はどんどん下げられていってしまうのかというふうに質問をしましたら、大体来年度から春闘の結果とか社会の情勢は反映されるんだと言われていたんですが、結局また、少額ではあるかもしれませんけれども下げられてしまった。これはどういう動きなのか、庶務課長、去年も答弁していましたが、教えてください。 ◎庶務課長 昨年申し上げましたのは、民間給与との比較でございますけれども、給与につきましては、4月1日現在を基準にしてやっているというところで、例えば大手ですと春闘というのがございます。それについては次年度以降に反映をさせるということでございます。ただ、ご案内のとおり、このところ経済が低迷していまして、今、区の人事委員会勧告については50人以上の企業と比較してございますので、相対的にはなかなか伸びがなかった、マイナスであったという結果に終わったものでございます。 ◆原田あきら 委員  50人ぐらいの、中小というより小企業ですよね、そこと区の職員とが比べられたら、しかもそういう50人とかの小企業になると、上からの圧力で買いたたきがどんどん進んで、下請たたきとかで、割とそこら辺の企業が一番苦しみを上から与えられているところですよね。そこと比べていたら、杉並区の職員というのは4,000人ぐらいいるんですか、もう4,000人いなくなっちゃったのかな、それがそこと比べて、行政の職員の給与が減ったらまた民間人が減って、民間人が減ったらまた行政職員はそれに応じて減らしていってと、国民全体の給与がどんどんスパイラルを起こして落ちていくという状況が続いているなと思いますけれども、去年は、来年ぐらいには反映されるんじゃないでしょうかと言っていたけれども、結局また下がった。そういう事態を受けて、本当にたまらないですよねの一言ぐらいは欲しいなと思うんですけれども、どうでしょうか。 ◎庶務課長 先ほど申し上げた50人以上というのは、50人規模だけを比較しているのではなくて、50人以上ですから、この実態調査でいいますと、3,000人以上の規模も当然やっています。我々、区民の税金で給料を出していただいているということで、社会の情勢適応ということで、幅広く民間の給与と比較をしているということでございます。 ◆原田あきら 委員  去年も聞いて、何を聞かれているのか意味がよくわかりませんと切られちゃったんですけれども、人事委員会勧告について、50人以上で3,000人も入ると言いますけれども、50人ぐらいとか、そういう中小企業というものが日本全国の企業の大半を占めているわけですから、50人以上にしたらほとんどそれになるわけです。  もとは100人以上の企業と比較をして給与というのは決まっていたわけですよね。それをもとに戻せという声は上げていかないと、一瞬、区の職員だけがいい思いをする気かと区民からたたかれそうな気もしないでもないですけれども、実際は、ここが下がればあそこも下がって、どこもどんどん下がっていくという話になっているのは区民の方々にも知ってもらわないといけないし、公務員を下げたら自分たちもいずれ下がっていくんだということを知ってもらわないといけないし、どうなんですかね、人事委員会勧告を100人以上に戻せというのはだれが言えるんですか。 ◎庶務課長 団体交渉の中では、そういう職員団体側からの意見も当然出ているところでございますけれども、国の人事院を初めとして、全国の人事委員会すべて50人以上でやっているということで、我々の給料は均衡の原則というのがございますので、50人以上で今はやっているという状況でございます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手願います。 ◆原田あきら 委員  議案第74号について、反対の立場から意見を表明します。  本当にこれ以上の給与削減、これは一部の政治の怠慢がそのツケを、職員にとやっていますけれども、国民に与えているのと一緒です。これ以上デフレスパイラルを起こしていくようなこういう施策には、組合との妥結があるとはいっても反対せざるを得ないというところで、反対いたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第74号杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   (7) 議案第75号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 ○小川宗次郎 委員長  引き続き、議案第75号杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。  本会議の説明以外に、理事者から補足の説明はございますでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 特段つけ加えることはございません。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆原田あきら 委員  要旨は先ほどの議案と一緒ですので、ここでは、学校教育職員、師範館を卒塾した人たちですけれども、その議論はおいておいて、先ほどは0.2%の減だったんですけれども、学校教育職員の人たちは0.24%の減になっている、これはどういう違いで起きてくるのかを説明してください。 ◎庶務課長 私ども特別区の職員の場合には23区内の企業を相手にしてございます。東京都の職員の場合には当然東京都全体、それから各団体、東京都、それから特別区、年齢構成等の差が出てくるものでございます。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めます。  意見のある方は挙手をお願いいたします。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  これより採決いたします。  議案第75号杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について、原案に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上で議案審査を終了いたします。  《陳情審査》   (1) 23陳情第32号 財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情   (2) 23陳情第47号 上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情 ○小川宗次郎 委員長  これより陳情審査を行います。  初めに、23陳情第32号財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情及び23陳情第47号上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情、以上2件を一括上程いたします。  2件の陳情について、理事者から何かございますか。 ◎教育委員会事務局次長 特段ございません。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  これより意見の開陳を求めますが、2件について意見をお願いします。  それでは、意見のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  議案第71号の審議の際に意見を申し述べましたように、杉並区スポーツ振興財団に施設の指定管理を行わせる議案に対しては賛成の立場より、23陳情第32号は不採択といたします。  同様に、議案第70号に対して賛成の立場より、23陳情第47号は不採択といたします。  以上です。 ◆原田あきら 委員  23陳情第32号財団法人スポーツ振興財団解散に関する陳情については、議案第71号に賛成をした立場から、不採択とします。  23陳情第47号については、議案には反対をした立場なんですが、継続反対に関する陳情の趣旨の中に、企業による指定管理者制度などについては同意する旨の意見など書かれており、私たちの考えとはちょっと違う部分がその点でありますので、23陳情第47号については不採択とします。 ◆そね文子 委員  23陳情第32号財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情については、議案第71号に賛成した立場から、不採択といたします。  23陳情第47号上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情については、中で陳情者が述べている情報公開については納得するものではありますが、要望でも申し上げましたように情報公開請求についてはすべて開示するべきだと考えますが、議案第70号について賛成した立場からは、不採択といたします。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに意見はありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、意見の開陳を終結いたします。  それでは、陳情ごとに採決いたします。  23陳情第32号財団法人杉並区スポーツ振興財団解散に関する陳情について、採択に賛成の方の挙手を求めます。       〔挙手なし〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手ありません。よって、不採択とすべきものと決定いたしました。  不採択の理由は、願意に沿いがたいということでよろしいでしょうか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ○小川宗次郎 委員長  それでは、そのようにいたします。  引き続き、23陳情第47号上井草スポーツセンター指定管理者制度の継続反対に関する陳情について、採択に賛成の方の挙手を求めます。       〔挙手なし〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手ありません。よって、不採択とすべきものと決定いたしました。  不採択の理由は、願意に沿いがたいということでよろしいでしょうか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  それでは、そのようにいたします。   (3) 23陳情第49号 「学校希望制」の見直しを求めることに関する陳情 ○小川宗次郎 委員長  引き続き、23陳情第49号「学校希望制」の見直しを求めることに関する陳情を上程いたします。  初めに、陳情者より補足説明の申し出がありますので、委員会を暫時休憩し、これを受けることとしたいと思いますが、異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  異議ないものと認め、補足説明を受けることといたします。  委員会を暫時休憩いたします。                             (午後 1時46分 休憩)                             (午後 2時20分 開議) ○小川宗次郎 委員長  委員会を再開いたします。  本陳情につきまして、理事者から何かございますでしょうか。 ◎教育委員会事務局次長 特段ございません。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。 ◆山下かずあき 委員  この国を愛する精神、母校を愛する精神、そして地域を心から思う郷土愛。自信を持って、古きよき日本のふるさと、我がふるさと。小学生時代、悪いことをしたら町会のおじさん、お兄さんにしかられた思い出。野球のボールが近所の家に入ってしまい、ガラスを割って怒られはしましたが、プロ野球選手になれよという声をかけてくれた思い出。40年前の日本の原風景を取り戻したい。私たち会派は、家庭でのしつけを重んじ、孟子の、家に三声あり、そして地域に三声ありと、本当の古きよき地域をつくり上げていく、そのことを初めに申し上げて、質問させていただきます。  まず、学校希望制の開始後10年が経過いたしましたが、これまでの希望者の推移、また傾向などありましたらお聞かせください。 ◎学務課長 学校希望制度開始後の推移ということでございますが、申請者数で申し上げますと、学校希望制度は当初から、今10年を経過した中で、申請数がほぼ一定の値で来ているかなというふうに感じております。小学校でいえば全部のうちの約20%、中学校であれば25%前後ぐらいの形で推移しているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  横ばいということですか。そんなに変わらないということですね。 ◎学務課長 各年度別の申請の状況を申しますと、当初、14年度新入学の時点では、小学校の申請者数の割合は14.5%でございました。それが徐々に伸び、平成19年度で約20%を超えて、その後、大体20%を維持しているところでございます。中学校におきましても、当初、平成14年度新入学時は申請者数が15.2%程度でございました。それが大体18年から9年ごろから25%前後に伸びまして、ほぼその数字で推移しているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  当初の制度の趣旨でありました魅力ある教育活動、開かれた学校づくり等、学校の内面について切磋琢磨していく意図があったと思いますけれども、昨今は、先ほど陳情者の方もおっしゃっておりましたけれども、外面上のことばかりに目が向いているようにも見受けられますが、所管はこの辺をどのようにとらえておりますか。 ◎学務課長 学校希望制度の目標は、今、委員ご指摘の2点、開かれた学校づくりと魅力ある教育活動の推進ということを挙げてございます。私ども、現在、学校希望制度については10年を経過したということで、検証作業を続けているところでございます。その中で、その2点についてどうであったかという議論が出たわけなんですが、この2点については、この10年間の中でほぼ達成されてきたというふうな考えを持っておるところでございます。 ◆山下かずあき 委員  今の陳情にもありますように、設定当初、2000年の懇談会の答申の中で出された懸念というのがどうも最近見受けられているのかな、噴出しているように見受けられるのかなと私も思います。この陳情に対して、その趣旨を十分尊重すべきと思いますけれども、いかが思いますか。 ◎学務課長 私ども、今申しましたように、10年を経過したということを踏まえて、先ほど申し上げた目標が達成されたかどうか、及び実施後10年の中でどんな課題が生じてきたのかということを含めて今検討しているところでございまして、私どもとしては、この検討をさらに進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆原田あきら 委員  先ほどの説明者の意見、疑問、全面的に共感するところです。保護者が学校存亡のために走り回っている。和田中が学校のビラを全区的に配っていて、そのときにオールカラーで出てきて戦慄が各地域のPTAに走って、うちも何か学校存亡のために戦わなきゃいけないんじゃないかみたいな、そういう全く学校教育とは別の競争に駆り立てられる、こういう実態、本当に深刻だと思います。  この間、学校希望制については、幾つか、田中新区長になってから議会の中でも言及がありました。改めて教育委員会として、田中区長がこの間の学校希望制に対してどのような認識を持っているのか、まず答弁の内容と、それを受けとめての見解をお願いします。 ◎学務課長 この間、学校希望制度については、確かに委員のほうから幾点かご質問等をいただいているところでございます。記憶する限りでございますけれども、大きくは、先ほどお話がありました地域とのかかわりの点、それから、学校間の規模、大きさの違いといいますか、そういうのが如実にあらわれてきているのではないかというようなご指摘はいただいたところでございます。  私どもとしては、そういったことも含めまして、今検討会を立ち上げて、これまでの学校希望制度というのがどういう働きをし、かつ今どういう課題を投げかけているのかを真摯に検討していきたいとしているところでございます。 ◆原田あきら 委員  私が聞いたのは、実は区長がこの間議会で言及をしていましたよね。これについては、それを受けて教育長が、見直しについても検討していくみたいな答弁も議会で行われている。重大な答弁だったと思います。区長などとその後、教育問題ではありますけれども、教育長、話し合ったところはあるのか、検討というものをしたことがあるのか、お聞かせください。 ◎教育委員会事務局次長 区長は教育に関して言及をするということはございません。教育委員会で適切にやるというお考えというふうに承っております。  また、私ども、学校希望制につきましては、この前、本会議場でもご答弁させていただきましたが、今、学務課長が申しましたように、制度発足後約10年ということで、さまざまな声も聞こえてきます。検証、見直しが必要であるというふうにご答弁させていただいておりますし、現在、検討の協議会を持ってございます。これは、学校現場の方、PTAの方、学校の教育活動をされている方が半分、残りは我々事務局でございますが、その中で、今申されましたようないわゆる風評被害の問題だったり、子どもの数の格差であったりとか、さまざまに取り上げをしてございます。その中でこの制度をどうするのかということで、現に見直しの検討をしているというところでございます。 ◆原田あきら 委員  重要な答弁だと思います。区長は教育に介入しない、そうなんですけれども、教育の内容には介入をすべきではないと思いますが、適切な教育環境の整備というのは行政の力に頼るところもあります。その点で、学校選択自由制について区長が本会議の中で、個人的な見解とされながらも、うちの近所のマンションからも全然違うところの学校へ行っちゃうんだよなとか言ってざっくばらんにしゃべっていましたけれども、その直後に教育長の、見直しについても検討を進めていく余地があるみたいな微妙なニュアンスの答弁があったんだと思います。まだその時点では微妙なニュアンスだなあという感じがしましたけれども、今の次長の答弁は極めて、もう見直しに今いよいよ入りつつあるというところまで来たような答弁となっていますが、改めて教育長、今の検討の進捗状況など、教育長の考えなども──今、次長が、おれがしゃべるぞと身構えていますけれども、ぜひ教育長のお話も聞いておきたいなと思います。 ◎教育委員会事務局次長 今回の議会ではなくて、前の議会からも学校希望制についてのお尋ねというのは出ておりますし、見直しの時期に来ているということは答弁させていただいているところでございます。この春先からそういった検討会を設けまして、2カ月に一遍ぐらいの割合でやってきております。今の検討段階は、校長へのアンケート、それから評議員、また地域運営学校を構成される方々へのアンケート、それから保護者、PTAへのアンケート、そういったものが今大体出そろいました。現場ではどういう声があるのかということを今精査しているところでございます。そういった声を反映しながら、今後どうしていくのかというところでの考えをまとめていく、年度末、3月までにはまとめていきたいというふうに考えております。 ◆原田あきら 委員  今極めて重大な日程が出されました。3月末までに学校希望制については、既にとったアンケートをもとに区教委の方針を、考え方を出していきたい、公にしたいと。これは間違いありませんね。 ◎教育委員会事務局次長 現在、教育委員会では、教育ビジョンの改定といいましょうか新しいもの、これは区の総合計画なども踏まえながら、今その作業をしてございます。それと同時に、あわせてこの制度の見直しの検討をしているということでございますので、そういう意味では、今年度中には何とかまとめていきたいというふうには考えております。 ◆原田あきら 委員  議会でも、山田区長の時代に、私はこの学校選択自由制の問題、どんなに訴えても、競争がなかったら教育なんかできないんだぐらいの答弁が返ってきて、それについて他会派も同調するような、そういう議論がずっと続いてきてしまったというのが実態です。  ところが、ここに来て、先ほど他の委員の質疑もありましたが、多くの方から、この学校希望制の問題で他の委員からも発言、疑問などが投げかけられている状況になってきました。ぜひきょうの陳情文書については、ここで議員間討議というのはなかなかできにくい状況はあるんですけれども、他の委員におかれましては、ぜひ、継続とかそういう長引かせるようなことをせずに、3月までには区が方針を出すということですから、この議会でしっかりと我々のこの陳情に対する賛否を示していかなきゃいけないなと思いますけれども、皆さんに聞くわけにはいかないので。  他の委員も相当気合いを入れて、学校選択自由制の問題、おかしいじゃないかと言ったんですが、ずばり採択の方向で行きたいと思いますが、こういう議会の機運、盛り上がりみたいなのを受けて、改めて最後に教育長の見解を伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎教育委員会事務局次長 繰り返しになりますが、今、制度見直しのところでございますので、3月までには何とか、どういう方向で進むのかということをまとめていきたいというふうに考えております。 ◆松浦芳子 委員  学校希望制度について多くの方より意見をいただいてきました。その中で、先ほど陳情の方がされたお話も随分多く耳にしました。そしてまた一方、希望制になってきて、よりよい学校づくりに向けて各学校が、例えば学校支援本部がつくられるとかいうことで、学校と地域と保護者が一体となった活動をしていてとてもよかったという意見もあります。そしてまた、保護者が子どもが行く学校がよりよい学校になることを望む結果、今と同じですが、PTAとか学校行事への参加が高くなっているという現実もあるという話も聞きました。それからまた、学校の先生たちが学校をよくするために多くのアイデアを出され、自分の持っている力を最大限発揮して、学校を特色ある学校にしようと一丸となってきて、その結果、先生方の意識も非常に変わってきたのではないかというお母様のお話もありました。それからもう1つ、希望制のおかげでサッカーに、多分お子さんがサッカーをしているんだと思いますが、サッカーのない学校ではなく、ある学校を選べてよかったと。そしてまた、この子はいじめられている子だと思いますが、児童数が少なくて、同じ先生が担任でつらい思いをしている児童がいる、そして逃げ場がなかったが、希望制のおかげで今元気に通学しているという、メリット、デメリットというお話を聞いてきました。  そして、今思ったんですが、和田中の場合はちょっと違うと思います。和田中は非常に例外が多過ぎると聞いていますが、全区内で募集したということ、それから、私も和田中のパンフレットを見ましたけれども、かなり、あれは私学のようなパンフレットでした。教育委員会は、この行き過ぎのことに対しての指導は全くされなかったんでしょうか。 ◎学務課長 まず、学校希望制度の関係でお話しさせていただきます。  学校希望制度について、基本的には隣接学区方式をとっております。したがいまして、和田中も同様でございます。隣接学区域からの希望制をとるというだけでございまして、他の地域の方に希望制でお入りいただくという形にはなっておりません。ですから、制度としては他の学校と同様でございます。 ◆松浦芳子 委員  そうすると、全区内からは来れないんですよね。 ◎学務課長 おっしゃるとおりでございます。 ◆松浦芳子 委員  これはもしかしたらうわさかもしれませんが、自転車通学している子もいるというふうに聞いているんですが、全区内から来ているということはおかしいのではないですかね。 ◎済美教育センター副所長 本区におきましては自転車通学を認めておりませんので、その事実はないもの、あるいは違反であるというふうに思っております。 ◎学務課長 制度として、学校に入学する方法として、学校希望制度以外に指定校変更というのがございます。それは、個人の事情で、指定学校区には行けない事情があってほかの学校に行く。その場合は当然行く先についての限定をかけておりません。個別の事情に沿って教育委員会で判断させていただきます。ですから、極端な話、一番東の学区域の子が西の学校に行くということも理論上可能なわけでございます。ただ、それは個別の事情でやっているだけでございまして、基本的な制度として、学校希望制度で、今委員のおっしゃるような、どこからでも和田中学校に入れるということはございません。 ◆松浦芳子 委員  そうすると、これは後の報告のほうに入るんですけれども、きょうこういう資料をいただいていますよね、学校希望制度の申請状況について。これを見ますと、和田中だけがちょっと数字がおかしい。これは例外を認めているという状況が現実にあらわれているということだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎学務課長 申しわけございません、数字がおかしいといいますのは…… ◆松浦芳子 委員  数字が多過ぎる。 ◎学務課長 学校希望制度の受け入れについては、基本的には1学級40人程度を想定しておりますが、ただ、学校のキャパシティーといいますか、持っている容量があれば、その範囲内で学校と協議しながら受け入れ人数を決めております。したがって、学校によってその受け入れ人数の幅は出てくるというものでございます。 ◆松浦芳子 委員  ほかの学校では何人と決められてだめだったのに、和田中は大丈夫だったという話も聞いているので、ちょっとそれは違うかなと思っていますが、それ以上しつこくは言いません。  それから、学校希望制度があるために、学校を知っていただくために、和田中のパンフレットもそうですけれども、皆さんが情報公開していますよね。そして、学校の新聞を出したり、それからホームページとかつくっているんですが、各学校の新聞を出している状況とかホームページの状況はいかがでしょうか。 ◎学務課長 私ども、各学校のホームページ等は見せていただいております。また、うちのほうでそういった内容をパンフレットの形にしてお配りもしております。各学校ではこの間、学校の今取り組んでいる内容を広く、学区域の地域の方も当然含めて見て、知っていただくという努力は重ねてきているというふうには理解しております。 ◆松浦芳子 委員  私自身は、学校希望制度はメリットとデメリットがあると思いますが、希望申請者数の割合の推移を見ておりますと、先ほど答弁されていましたけれども、14.5%から20.7%まで増えて、中学校も26.5%まで増えているということは、お母様方というか保護者の間では学校希望制度を3分の1は認めているという状況に現実にありますよね。ただし、和田中のような例外をつくったために、それがマイナスに響いてしまったということはないんでしょうか。 ◎学務課長 委員、和田中について例外というお話をされていますが、先ほど申しましたように、学校希望制度の受け入れ人数は各学校のキャパシティーによって変わってくるということはご理解いただきたい。ですので、和田中は比較的キャパシティーを持っていたということでございます。ただ、私どもとして特段そこが飛び抜けて何かというふうには思っておりません。  話を戻しまして、これまでの推移のところでございますけれども、確かにここに記載のように、おおよそ2割から2割5分ぐらい、25%ぐらいの方たちが、ここ数年間ほぼずっと申請をしていただいているという現状はございます。その現状を踏まえれば、学校希望制度という制度の内容については浸透し、一定程度の方がご利用いただいているというふうに理解しております。 ◆松浦芳子 委員  今ちょうど小学校の受験の時期で、小さいお子さんが紺や黒の洋服を着たお母さんと手をつないで歩いておりますけれども、私立では約3倍から15倍の競争率で、みんな私立に行こうと受験をしております。そして、その方たちに受験料を聞いてみましたら、2万円から3万円が受験料で、その方は5つ受けたとか言っておりました。  そしてまた、なぜ私立を受けましたかとお聞きしましたら、近くの公立の中学、その人は中野区なんですけれども、公立の中学校が魅力的であれば私立には行かせなくて済むと。何が問題かと聞いたら、公立の先生方の言葉遣いが気になると。2人ぐらいのお母さんですけれども。授業料も高いので、本当は公立に入れたいということでしたので、できれば、特色ある学校なら、うちの学校はこういう先生がいますよとか、それから、特色だったら、例えばミュージカルに力を入れていますとか、論語の暗唱をしている生徒がいますとか、正しい日本語の教育に力を入れているとか、そういう特色のある学校をつくっていたかどうか、今まではどうだったんでしょうか。 ◎学務課長 私ども、すべて把握しているわけではございませんけれども、各学校でさまざまな特色を得て、例えば杉一小学校では、朝ボランティアで来ていただいた方に、たしか講話みたいなのをしていただいたりとか、それぞれの学校が地域に根差した取り組みをして一定の成果を上げていると私どもは思っております。 ◆松浦芳子 委員  どの範囲で希望制にするかとか、今周辺校と言っていましたけれども、例外もあるので、それは検討しなければならない課題ですし、それから、よい学校づくりのためにいろいろな意味で検討しなければならないということもあります。ですから、それなりに、いい意味で見直すということには反対ではありません。しかし、学校希望制となってから、先生の意識も保護者の意識も高くなっているという現実、学校に対して関心が深まっているという結果もありますので、いろいろな現実を踏まえて、しっかり時間をかけて検討していただきたいと思いますが、それについてはいかがでしょうか。 ◎学務課長 委員ご指摘のとおり、私どもも、この制度については、これまで10年間の経過をしっかり見、それから現場の声を聞いて、慎重な対応をしていきたいというふうに思っておるところでございます。 ◆原田あきら 委員  1点忘れていましたので。  部活で移動するというのがすごくあったんですけれども、私が中学校のとき、もちろん学校希望制はなかったんですが、阿佐ヶ谷中学のほうから、野球がやりたいと言ってうちの東田中学に来た子が何人もいましたよね。当時でも、部活とかそういう要求で、この学校にはないんだという場合は割と柔軟に対応していたと思いますけれども、いかがでしょう。 ◎学務課長 当時、学区域外の学校に行くとすれば、現行の制度では多分指定校変更で行かれたのかなと思いますけれども、現行、指定校変更は個々の子どもさんの事情をかんがみて必要な変更をしておりますので、今委員おっしゃったように、一定の子どもたちが隣の学校に皆さん押しなべて行けるという状況にはないと思っております。 ◆原田あきら 委員  今の質問で終わろうと思ったんですけれども、要は、部活の問題でどうしても動かなきゃいけない、希望制度とかなくなって、そこにいる子たちでやったとしても、できなくなる部活、その学校にはなくなる部活というのは確かに当時でもあったわけです。だから、そういう場合はまさに、当時の先生とかは柔軟枠みたいに言っていましたけれども、それを使ってそういう点での移動は割とあったんですね。それをちょっと確認したかっただけであります。  以上です。 ◆山本ひろこ 委員  3・11の東日本大震災発災後の対応として、学校により対応の違いがあったことは課題となっております。今回の対応として、学校希望制利用の児童生徒に特に困難なケースはあったのでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 今回の3月11日当日なんですけれども、校外に出ているお子さんも含めて、すべてのお子さんが無事に帰宅できたというようなことでございます。ただし、帰ってからお母様がまだまだなかなか帰れないというようなことで1人になったとか、そういうようなこともありましたので、今後、そのことも踏まえまして、区立学校における震災時対応の指針を設けまして、児童生徒を第一に考えた、学校一律というんでしょうかね、引き取りを原則にした対応を示していきたいというふうに考えております。 ◆山本ひろこ 委員  では、学校希望制利用の児童に限ってそういった困難なことはなかったということで。 ◎済美教育センター副所長 事実としてはございませんでした。 ◆山本ひろこ 委員  学校を核とした防災まちづくりについて、学校希望制度はそぐわないというご指摘でございますが、この点、区はどのようにとらえておりますでしょうか。 ◎学務課長 先ほど来申し上げています検討会の中でも、3・11以降の地域と学校のあり方については議論が出ているところでございます。その中でさらに具体的な方向性について定めていきたいというふうに思っているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  もう1点お願いします。陳情の中に「学校希望制度は従前の家庭訪問も学区外生徒には制限され、」という一文があったんですけれども、現在、小学校では、担任教師による以前の家庭訪問が地域訪問という形で行われていると認識しています。中学校においては、そういった家庭訪問のような取り組みはされてないというふうに私は認識しているんですけれども、希望校制により、学区外児童にはそういった家庭訪問が制限されているという事実はあるのでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 現在、小学校においては数校、そして中学校においてはほとんどの学校で、地域訪問であるとか家庭訪問が実施されていない状況です。数校の学校で地域訪問が実施されている小学校がある状況なんですけれども、ただ、やるに当たっても、保護者の希望をとったり、時間もかなり細かに担任との打ち合わせの中で行われておりますので、希望制をもって行われないというような情報は、こちらのほうではつかんでおりません。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありますか。──それでは、23陳情第49号につきまして、けしば誠一議員より委員外議員の発言の申し出がありますので、ご了承ください。  けしば議員は委員外議員発言席に移動してください。  それでは、けしば議員、質疑時間は理事者の答弁を含めておおむね15分以内でお願いをいたします。 ◆けしば誠一 議員  お疲れのところ恐れ入ります。  これまでの答弁から、この3月までに希望制の見直しが行われるという重大な現状を確認したので、その方向が極めて重大ですので、何点か質問いたします。  学校希望制あるいは選択制は、安倍内閣が掲げた教育再生の具体策として、保護者がよい学校を自由に選べるようにすれば、各学校が競争し、公教育全体の質が高くなるという中身でした。前区長が導入した希望制も、この流れの1つとして確認していいのでしょうか。 ◎学務課長 学校希望制度を導入するに当たって、杉並区では杉並の教育を考える懇談会というのを立ち上げて、そこの中でご議論いただいた経過がございます。その中での議論を見ますと、通学区域の弾力化の中で、保護者や子どもたち本人の意思が尊重される仕組みに変えていく必要があるというようなご報告をいただいて、それを具現化させていただいたというところでございます。 ◆けしば誠一 議員  内閣府の調査では、選択制賛成が67.9%、反対が10%でした。しかし、その理由はといえば、自分の子どもにふさわしい学校を選べる、いじめや学級崩壊がない学校に通わせられるという、保護者の気持ちとしてはわかります。しかし、義務教育を選択制として、ここに市場原理を導入することでは、保護者の期待にこたえられません。選択制が引き起こす学力競争とか、いわば受験とか、そういったことで学校を序列化して学校や生徒を評価する教育は、子どもの人格形成にも影響を及ぼしかねません。その後、自治体では学校選択制というのは広がっているんでしょうか。 ◎学務課長 学校選択制の状況でございますけれども、23区で申し上げますと、23区中、学校希望制度を実施している区でございますが、現時点で19区ございます。実行してない区が4区でございます。  なお、その19区のうち、これまでの間、見直しを行った区でございますが、2区ほどあるというふうに聞いてございます。 ◆けしば誠一 議員  今、東京都の現状をお聞きしたわけですが、全国的に調べると、小学校で 8.8%、中学では11.1%、必ずしも進んでいる、広がっているとは言えません。今答弁もありましたように、一たん導入した自治体で導入を見直したところ、あるいは導入しないということを決めた学校、いろいろ他区にあります。佐倉市では中止、江東区では見直し、練馬区、前橋市で見直し等々もあります。  文部科学省の「学校選択制に関する主な意見等の整理」という文書をインターネットで手に入れて見てみたんですが、極めて重要な指摘がなされています。そこでは、メリット、デメリットを十分考慮した上で慎重に事を進めるようにというふうにありますが、区にもデメリットについての認識があるんでしょうか。 ◎学務課長 先ほど申し上げました今行っている検討会の中でも、学校希望制度という制度を開始した後、新たに生じてきた課題というのはあるという形で議論をしていただいているところでございます。 ◆けしば誠一 議員  3月までに決めるというので、もう少し具体的に伺います。  文科省も学校に変化をもたらす1つの方法だということは指摘しています。ただし、教職員や保護者、地域が学校選択制のもとで学校改革に前向きに取り組める条件整備が前提だとしています。区は、この希望制にどのような条件整備をしたんですか。 ◎学務課長 学校希望制度を導入するに当たって、先ほど申しました懇談会の中でも、地域との連携等について十分配慮するようにというような附帯意見もつけているところでございます。そういうのを受けまして、当時、13年度、学校希望制度開始に当たりまして、あわせて、といいますか同時だと思いますが、学校評議員制度というものを設立して、つまり、地域の方がさまざまな形で学校の取り組みの中に参画いただけるような形をとった、そういうことをもって一定の整備を図ってきたというところでございます。 ◆けしば誠一 議員  しかし、実際に希望制を最も忠実に実行した和田中の現状は、まさに地域本部も他の学校とは全く違う現状になっているという事実があります。地域と学校とのつながりが希薄になり、自分たちの生活拠点や密着した題材を扱う学習指導を行うことに支障が生ずるとも、先ほどの文科省の文書で指摘されているんですが、この点、区の認識や現状はいかがですか。 ◎済美教育センター副所長 学習指導に関しましては、このことが何か学習活動に影響を及ぼしたということではございません。学校評議員制度あるいは地域とのかかわりの中で、この10年間、各学校では地域と連携した、あるいは地域を題材とした教育は充実しているというふうな認識をしてございます。
    ◆けしば誠一 議員  実際に、一般的には地域間格差や学校間格差が生じると心配され、導入前の、先ほどの検討報告の中でも指摘されていたものでした。結果はどうなのかということです。 ◎学務課長 その結果については、今この10年を振り返って検討会の中で検討させていただいているところでございますけれども、その中で、今私が知るところでは、学校希望制度の目的としていた学校を開かれた学校にしていこうということとか、魅力ある、特色ある学校教育を進めていこうという点については、この制度を契機として十分達成してきたというふうに理解しているところでございます。 ◆けしば誠一 議員  開かれた学校というのはどういう意味なんでしょうね。杉並区内の全域からどこからでも入れるということが開かれた学校なんでしょうか。  学校間格差という点では、例えば、いただいている資料から、2007年の段階で、いわゆるワースト1と言っては申しわけないんですけれども、外に出ていっちゃう人と、それから外から入ってくる人、この差が、中瀬中学がマイナス71、2番目に、当時、東田中学がマイナス69、そして大宮中学がマイナス54。一方、和田中は当時でプラス79ですね。それから、阿佐中がナンバー2でプラス82、それから高井戸中学が48ですか、これが3番になっていました。こういう結果が、2012年度、来年入学時にどうなるかという数字なんですけれども、和田中の場合には、他から入ってくるのが146、そして他に移って出ていく人が11、135プラスというふうにさらに膨れ上がっていくわけですよね。こうして課題のある学校の課題が解決されないでそういう問題が継続し、一方、こうした学校がどんどん増えていくということ。  先ほど40人といういわゆる指定の枠を一応区は設けているというふうに言っていましたが、これは単なるスペースだけなんでしょうか。私は、学校の中のバランス、区域内の学校と区域外とのバランスを考えた数字ではないかと。ですから、高井戸中学なんかの場合には、多くなると外から来るのは10人に絞るとか抽せんにするとかいうふうになっていくわけですね。こういうふうにしないで、なぜ和田中だけこうやって野方図に増やしてきたのか。でも、本来だったら学校選択制というのはこうなっちゃうということなんじゃないですか。 ◎学務課長 先ほど委員がおっしゃった点についてでございますけれども、希望申請者数のお話をされたのではないかと思いますが、例えば23年度、具体的に入学した児童数を見てみますと、先ほどのお話の和田中では、地域130名のうち、80名が和田中に入っております。全体の率としては60%でございます。他の学校に比べて、地域から多くの子どもも入っているということも和田中については事実でございます。キャパといいますか学校の規模から、他の地域から受け入れている人数も多いことは確かでございますけれども、一方で和田中の地域からも6割の子どもたちが和田中に行っているという事実もございます。そういう点を踏まえて私どもは考えてございまして、ただ、希望制度ですので、基本的に保護者もしくは子どもの希望をなるたけかなえてあげるということがまず第一に出てきますので、学校のキャパシティー等を踏まえた上で、各学校の受け入れ人数等については学校と話し合いながら決めているというところでございます。 ◆けしば誠一 議員  導入した前区長は、杉並区内の公立離れの傾向に、区立学校も私立学校と同じようにして公立離れをなくすということを議会で何度か私も聞きました。導入した結果、この公立離れというのはとめられたんですか。 ◎学務課長 経年の変化までは今手持ちに資料がございませんのであれなんですが、平成23年度の各エリアごとの国立、私立に行った方の人数を見ますと、小学校では全体の8%強、8.4%程度ですね。中学校が全体の35.9%という形で、中学校は国私立のほうに進学なさる方がやはり多いということは見てとれるかなと思っております。 ◆けしば誠一 議員  そういう意味では、和田中が率先した選択制、希望制は、結局私立校に多く、公立校離れということの歯止めにならなかったということだと思うんですよ。もたらした結果は、結局、むしろ学校によってはますます公立離れを加速したところもあるんじゃないですか。 ◎学務課長 申しわけございません、経年の数字を持っておりませんので、経年どういうふうに変化したかについては申し上げられないんですが、先ほど申しましたように、残念ながら、特に中学においては私立や国立に進学なさる方が35%程度いるという現状はあるというふうに考えております。 ◆けしば誠一 議員  特色ある学校づくりとは何でしょう。どんな特色が生まれましたか。 ◎済美教育センター副所長 特色ある学校づくりというのは、特色ある学校を目指すという意味ではなくて、その学校にある例えば教育資源、そして子どもたちの実情あるいは地域のさまざまな教育資源、それらに基づいた教育活動を積極的に進める中でおのずとできていく、そういうものを特色ある教育活動と私たちは言っております。 ◆けしば誠一 議員  今の済美の答えどおりだと思うんですね。特色ある学校づくりというのは、他の学校との違いを出すことを目的にすれば失敗しました。各学校が抱える課題を解決するために、その学校が置かれた地域の特色をどのように生かすか、そのためには地域のさまざまな力の支援も受けなければなりません。希望制や選択制でそれができますか。 ◎学務課長 学校希望制度は、当該学区もしくはその隣接学区から子どもを入学させるというものでございますので、それによって今委員ご指摘のようなことに支障が起きるとは思っておりません。 ◆けしば誠一 議員  文科省の先ほどの報告も、学校を選ぶ保護者は学校には余り協力しない状況があるというふうに書いています。区はその点を認識しているのか。だからこそ和田中でPTAが廃止されたんでしょう。 ◎学務課長 確かにPTAの問題については、学区内、学区外にかかわらず、さまざまな方がいらっしゃるということは聞いています。学区内であってもなかなか参加いただけない方もいれば、学区外であっても積極的に参加いただける方があるという点は、私どもも聞いているところでございます。 ◆けしば誠一 議員  特に学区外からどうだったかということをお聞きしたんですよね。  保護者は、先ほどの陳情者のお答えにもありましたように、各学校の特色ある成果を見て選択しているとは限らないんですよね。風評とか進学への有利さとか荒れているとか、あるいはどこどこの小学校から何々ちゃんという問題がある子が次にこの中学に入るからそこを避けようとか、そういったことで選んできたんですよ。多くの児童生徒が入学を希望する学校ほど望ましい取り組みをしているというふうに教育委員会は考えているんですか。 ◎学務課長 まず、学校希望制度で選んでいただいた、希望していただいた理由でございますけれども、私ども、検討会の中でアンケートをとっております。その中で見ますと、小学校では、通常の学区域の学校に行く子も、希望制度で行く子もそれほど理由は変わりません。具体的には、自宅から近い、きょうだいが在籍している、子どもの友人関係等で学校を希望しているところでございます。それは地域の学校に行く子も希望制でも変わらない。  ただ、中学については若干、今申し上げたようなこと以外に、希望制度の中では、やりたい部活動があるというような点とか、教育活動の内容で行くということもあらわれてくる。そういう意味で、小中、若干理由が違ってきているのかなというふうに思っているところでございます。 ◆けしば誠一 議員  義務教育である以上、仮に、ある学校に何らかの問題がある、そのことによって選択されないという状況があれば、その問題を克服するための行政の支援、地域の協力が必要なのではないでしょうか。希望制はその努力を困難にすることになると思いますし、実際に私は、そういう学校ほど必要な予算、人材の配置など、課題校には支援を強めるのが教育委員会の責任だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 学校希望制があるなしにかかわらず、それぞれ学校というのは、児童生徒のそのときの状況であったり教員の状況によって、それぞれ教育の内容であったり、一番わかりやすいのは学校の荒れであったりという例がありますので、その例その例に応じて適切な助言をしていく、あるいは適切な支援をしていく、これが大前提だと思っております。また、済美教育センターにつきましても、教育内容にそのような著しい子どもに不利益が生じるような差があった場合には、当然、その学校の課題を指摘させていただきまして、その実態に応じた指導助言を今しているというところでございます。 ○小川宗次郎 委員長  けしば議員、最後ですから。 ◆けしば誠一 議員  わかりました、最後にします。  そういうふうに1つ1つ対応していけば、選択制やあるいは希望制によって学校を競争させる必要なんかないわけですよね。学区域制で、例えば一緒に遊んでいる仲間が道路1つ隔てて学区が分かれちゃうというような問題もあります。また、先ほど他の委員からも出されたように、いじめだとか緊急的な対応で他の学区に行かなければいけないというようなこともあり得ると思うんですよ。ただ、そういう場合には指定校変更の手続、これは当然教育委員会の判断と指導でできることでしょう。希望制は要りませんよね、こういう問題については。どうですか。それを確認して終わります。 ◎学務課長 繰り返しの答弁で申しわけございませんが、そういった部分も含めて、今、学校希望制度について、10年を経過したことを踏まえて検討させていただいているところでございまして、その検討をさらに進めていきたいと思っております。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありませんか。 ◆今井ひろし 委員  委員長、動議を提出いたします。  学校の希望選択制につきましては、議論まだ伯仲で半ばというような感じもありますし、陳情者の松ノ木地区だけのことではありません。杉並区全体、学校でいえば66校、現在では約1,500名の方が動いている。そこの意見というか声も聞いて、我々文教委員は責任ある立場でこれに回答していかなくてはならないというふうに感じます。  本陳情につきましては、11月24日、本会議に付託されてからまだ1週間もたっておりません。その間、声を聞くというようなこともまだしておりませんので、会派の中でも十分議論することができておりません。このため、本日の委員会での議論を踏まえて、会派で十分に調査研究をしたいと思いますので、本陳情につきまして審議の継続をお願いしたいと思います。 ○小川宗次郎 委員長  ただいま今井委員から継続審査を求める動議が提出されました。議事進行上の動議ですので、直ちに議題とし、採決をいたします。  23陳情第49号「学校希望制」の見直しを求めることに関する陳情につきまして、継続審査とすることに賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手、発言する者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  挙手多数であります。よって、継続審査とすることに決定いたしました。  お静かにしてください。  以上で陳情審査を終了いたします。  ここで3時30分まで休憩いたします。                             (午後 3時09分 休憩)                             (午後 3時28分 開議) ○小川宗次郎 委員長  休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  《報告聴取》 ○小川宗次郎 委員長  続きまして、報告事項を聴取いたします。  先ほどの議案審査で教師用指導書の買入れについての報告を終えておりますので、残り6件の報告をお願いいたします。  なお、質疑は報告を一括して聴取した後に行いたいと思います。  それでは、報告を順次お願いいたします。   (2) 放射線量等の測定結果について ◎庶務課長 それでは、放射線量等の測定結果についてご報告をいたします。資料をごらんいただきたいと存じます。  まず、芝生養生シートの空間放射線量の測定結果でございますが、11月2日、堀之内小学校の体育館横で保管しておりました養生シートから、シートの中心高さ1メーターで毎時1.13マイクロシーベルトが測定され、国の対応方針における簡易な除染をする数値を超えておりましたことから、同日、当該シートを撤去するとともに、保管場所を洗浄いたしました。洗浄後は、高さ1メーターにおきまして毎時0.09マイクロシーベルトでございまして、周辺と同程度の数値であることを確認いたしますとともに、保護者説明会におきまして、これらの対応についてご説明をしたところでございます。  また、11月4日には、堀之内小学校と同様に養生シートを使用しております19校の放射線量測定をいたしまして、高さ1メーターで毎時1マイクロシーベルトを超える学校はございませんでしたが、保護者等の安心を求める気持ちに考慮いたしまして、高さ1センチで毎時1マイクロシーベルトを超えた7校につきまして、倉庫等に保管の上、土のうによる遮へいを実施いたしました。  なお、これら8校分の養生シートにつきましては、現在、買いかえの手続をしているところでございます。  次に、学校給食の放射性物質検査の結果についてご報告します。  給食食材の放射性物質検査につきましては、10月20日から週単位で実施しまして、延べ6回、全学校で2回検査を実施いたしました。実施内容でございますが、牛乳につきましては、全校同じ工場から搬入をしておりますことから月1回実施しまして、その他、食材1品、給食献立1食の検査を小、中、養護学校で実施しました。  検査結果でございますが、現在まで延べ139検体を検査しまして、そのうち干しシイタケから、国の暫定基準値以内ではございますが、放射性物質セシウムが300ベクレル検出されました。他のものについてはすべて不検出となってございます。  当該干しシイタケを食材として使用した学校につきましては、校長から保護者あて、検査結果をお知らせするとともに、1人当たりの喫食量が0.7グラムと少量でありますことから、健康に影響を及ぼすものではない旨をお伝えし、ご理解をいただいたところでございます。  これらの測定検査結果につきましては、区の公式ホームページに掲載しているところでございます。  私からは以上でございます。   (3) 「教育ビジョン2012(案)」の策定について ◎教育委員会事務局参事 大変申しわけありません、資料説明に入る前に、一部、きょうお配りしました案の冊子、3ページに誤植がございましたので、お開きいただきたいと思います。3ページの下から6行目、後段から次の行にかけて「多くのかかわりや経験を通して、」という部分があります。この部分の削除をお願いいたします。大変申しわけございませんでした。  それでは私のほうから、教育ビジョン2012(案)の策定について、資料に沿ってご説明をいたします。  この新しい教育ビジョンにつきましては骨子報告をさせていただいたところでございますけれども、その後、策定委員会のほうで検討が進みまして、このたび案がまとまりました。今後、以下のとおり策定をしていきたいと思います。  まず、本編資料、ペラ1枚のほうの資料の1番、策定の趣旨でございますけれども、記載のとおり、今後10年の杉並が目指す教育の指針として策定をしてまいるものでございます。  次に、2番の教育ビジョン2012(案)の概要でございますけれども、今ご訂正いただきました別冊の案の資料を1枚おめくりいただきたいと思います。右側に教育ビジョン2012の全体像をお示ししてございます。こうした構成になってございます。  1枚おめくりいただき、1ページの第I章「教育ビジョン2012の策定について」でございますけれども、ここでは、策定の背景、趣旨について、中身をごらんになっていただくとわかりますが、東日本大震災からだれもが学んだ教訓などに絡めまして、次代をつくり出していく主体者としてこれからの教育を考えていきましょうといったような趣旨でまとめられてございます。  続いて2ページ、第II章の「今後10年を見据えた杉並の目指す教育」のところでございますけれども、「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」というキャッチフレーズを掲げまして、生涯にわたり、だれもが学び、共に支え合い、あすの杉並をつくり出せるよう、あらゆる人々の参画と協働により学習環境を整えていきますというふうにしてまとめてございます。  次の3ページ、III章では、「目指す人間像」として2つ、1つ目が「夢に向かい、志をもって、自らの道を拓く人」、2つ目が「『かかわり』を大切にし、地域・社会・自然と共に生きる人」を掲げてございます。1つ目は自己の確立、2つ目は、他者を思いやる、あるいは地域社会への貢献といったような形でまとめられてございます。  また、そうした人を目指すためにはぐくみたい力といたしまして、4ページにかけまして5つほど、1番が「自分の持ち味を見つけ、自ら学び、考え、判断し、行動する力」、2番が「変化の時代をとらえ、たくましく生きる心と体の力」、3番が「豊かな感性をもち、感動を分かちあう力」、4番が「他者の存在を認め、多様な関係を結ぶ力」、5番が「持続可能な社会を目指し、次代を共に支えていく力」といたしまして、一個人として自ら学んでいく主体性などの力から、人との関係、社会との関係で身につけてほしい力へと、だんだんと外へ広がっていくような形でまとめてございます。  次に、4ページのIV章「目標達成に向けた取組みの視点」でございますけれども、総論的には、今後10年は、これまでの教育改革の成果として築いてきた基盤をもとにしまして、今後は質の向上へということで掲げてございます。そのもとで、学びと循環、連続性ときめ細かさ、かかわりとつながりといった3点を重視していきましょうという内容がまとめられてございます。  次に、7ページのV章「取組みの方向」でございますけれども、上記の視点を踏まえて、記載のとおり、1が子どもの豊かな人間性を育てる、より質の高い学校づくりを進める、2が家庭・地域・学校のつながりを重視した、共に支える教育を進める、3が地域とともに歩む新たな公共空間としての教育基盤を整える、4が、生涯にわたる豊かな学びや文化・スポーツ活動等を通じ、だれもが輝く地域づくりを進めるといたしまして、4つの取り組みの方向をまとめております。  なお、この方向を受けまして、今後、行動計画であるビジョン推進計画を策定していくことになります。  最後、9ページ、VI章でございますが、「教育ビジョン2012の目標実現に向けて」では、目標実現に向けての考えを、記載のとおり4点示してまとめてございます。  また1枚ペラの資料本文に戻りまして、大きな3番でございます今後の主なスケジュール(予定)でございますが、12月21日から30日間、区民等の意見提出手続の実施をいたします。1月に入りまして、いただいた区民意見をもとにしまして、策定委員会で修正案の検討を3月まで進めます。3月の教育委員会へ修正後のビジョン2012を付議して決定していくといったような流れでございます。  最後、4番、行動計画の策定でございますが、この新しいビジョンの策定に基づきまして、24年度を始期とする新たな行動計画については、区の総合計画の進捗に合わせて今後策定してまいります。  私からは以上でございます。   (4) 学校希望制度の申請状況について ◎学務課長 それでは私のほうから、24年度入学予定の学校希望制度の申請状況についてご報告させていただきます。資料のほうをごらんください。  実施に当たりましては、この7月に学校希望制度に関する制度の内容や入学までの流れを説明するパンフレットを配布し、その後、9月1日から9月30日までの期間を申請期間として、希望申請書を来年度入学予定の児童生徒の保護者あて送付し、申請を受けたところでございます。  申請状況でございますが、本年度の申請状況と過去2年の状況をあわせてお示しいたしました。資料のほうの見方でございますけれども、各年度の新入学ごとを縦に、当該学区域に居住する該当年齢の10月現在の住基人口をC、その右に、当該学区から隣接の学校へ希望申請をした者をA、隣接の学校から当該校に希望申請した者をB、及びその差をB−Aとし、表示したところでございます。  本年度の申請総数は、小学校で673件、中学校で923件で、昨年度と比較しますと、小学校で48件の減、率で約6.6%の減、また中学校では、50件の増、率で約5.7%の増となっております。  3年間の推移では、小学校で、平成22年度新入学を100とした場合、23年度新入学が101.8と微増となり、24年度新入学では95.0%と微減となっているところでございます。これは、小学校3校で希望申請枠をゼロとしたことによる影響と考えているところでございます。  一方、中学では、同じく平成22年度新入学を100とした場合、23年度新入学が101.2、24年度新入学が107.0となっており、小学校に比べ増加傾向となっているところでございます。  最後に、当該児童生徒の住基人口に占める希望申請者数の割合でございますが、資料の右上の希望申請者の割合の表をごらんください。制度開始の平成14年度からの推移を載せておりますが、小中学校ともここ数年安定しており、小学校でいえば20から22%、中学校でいえば25から26%台となっているところでございます。こうしたことから、学校希望制度は制度として浸透し、一定の利用が図られているものと認識しておるものでございます。  学校希望制度の申請状況の報告については以上でございます。   (5) 関根文化公園プールの廃止について ◎社会教育スポーツ課長 私からは、関根文化公園プールの廃止についてご説明申し上げます。資料をごらんください。  今般、東日本大震災によりまして甚大な被害が生じたことなどによりまして、以下のとおり、平成23年度末をもちまして廃止することとしたものでございます。  廃止した理由でございますが、4点ございます。まず1点目が、震災による被害が非常に大きく、修繕費用が膨大にかかるということ、また、築44年が経過していることから、老朽度が非常に激しく、維持管理費が増大傾向にあるということでございます。  2点目は、プールの利用者が減少傾向にございまして、ピーク時の半数以下になっているという状況がございます。  3点目が、都市公園法によりまして、現在のプールの面積が既存不適格ということで、現在の公園法に適合していないということでございます。  4点目が、関根文化公園プールを廃止しても、近くのプール、学校開放プール、また上井草スポーツセンターのプールの拡大により、その検討を進めていくことができるということでございます。  2番目のプール廃止後の跡地の取り扱いでございますけれども、公園に戻すことといたしまして最小限の整備工事を行い、また、整備時期、内容につきましては、今後関係課で詰めてまいる予定でございます。  今後のスケジュールに関しましては、記載のとおりでございますが、来年第1回定例会のほうに条例改正案の提出を予定しております。  私からは以上でございます。   (6) 平成22年度杉並区体力等調査結果について ◎済美教育センター副所長 私から、平成22年度杉並区体力等調査結果についてご報告いたします。資料をごらんいただければと思います。
     なお、今の時期に前年度の結果を報告しますのは、全国、都の結果との比較により詳細な調査研究を行うために、本年10月の全国、都の平成22年度調査の結果の公表を待っていたことが理由でございます。  まず、調査の概要についてご説明いたします。  本調査の目的は、児童生徒の体力、運動能力、生活習慣等の状況の把握・分析から日々の教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図ることにあります。  調査日時、対象、内容については、本文をご参照いただけたらと思います。  続きまして、2、調査結果をご説明いたします。  まず、(1)の全種目総合得点の経年経過を示したグラフにご着目ください。これらは校種別、男女別、学年別の結果を4つのグラフに分けてお示ししたものです。平成17年度の結果を比較の基準とすると、男女ともにすべての学年において平成22年度の結果が上回っていることから、本区の児童生徒の体力は改善、向上の傾向にあると考えております。  次に、ページをめくり、(2)の本区の結果を東京都、全国の結果と比較したグラフにご着目ください。まず、小学校第6学年においては、日常生活を健康的に送るために必要な生活体力がおおむね身についていると定義できる段階C、それより上位の段階A、Bを合わせた児童の割合が男女ともに全国と同程度、また東京都を上回る結果でした。今回はお示ししておりませんが、この結果は小学校の他の学年においても同様でございます。  次に、中学校第3学年において、段階A、B、Cを合計した割合が、男女とも全国を下回り、東京都を上回る結果でした。この結果は中学校の他の学年においても同様でございます。  最後に、今後の取り組みの方向性についてですが、主に記載のア−エの4点でございます。ごらんいただけたらと思います。  体力は長い人生をたくましく生きるための基盤となる力です。今後も学校、家庭、地域が一体となった取り組みを推進するとともに、小学校段階で身につけた体力を中学校でもさらに伸ばすため小中連携を図るなど、体力づくりや健康教育にかかわる施策の充実に努めてまいります。また、子どもの体力づくりにかかわる機関との連携、関係をより深めてまいりたいと思います。  以上をもちまして平成22年度杉並区体力等調査結果についての報告を終わります。   (7) 平成22年度児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査について ◎教育支援担当課長 私からは、平成22年度児童・生徒の問題行動等生活指導上の諸問題に関する調査について、区内の公立小中学校の調査結果についてご報告いたします。  本調査は、暴力行為やいじめ、不登校、生活指導上の問題について把握し、今後の生徒指導施策推進の参考とする目的で、毎年文部科学省が実施するものです。  まず、暴力行為については、発生件数は小学校が8件、中学校が67件で、それぞれ前年比10件、31件の減少となっております。いじめについては、認知件数は小中学校とも前年度比で増加しておりますけれども、解消率はともに高く、学校においていじめを発見し、解決できる力が向上しているものと考えております。不登校については、小中学校とも前年度に比べ微増しております。登校できるようになった児童生徒の比率は、小学校では国、都の結果を上回っておりますが、中学校においては下回っており、今後の課題となっております。  改善に向けた教育委員会の取り組みといたしましては、それぞれ、暴力行為については、学校サポートチームの全校設置による組織力向上と関係機関との協働の推進、いじめについては、アンケート調査の全校実施による早期発見と早期対応の促進、また不登校については、個別登校支援票を活用した指導助言や適応指導教室、ふれあいフレンドの派遣等を実施するとともに、それぞれの課題に共通して、電話や来所による相談対応とともに、スクールカウンセラーによる心理的な支援、それからスクールソーシャルワーカーによる家庭環境等の調整、また教育SATによる学校での問題解決支援を実施してまいりました。  現在、特別な支援を要する児童生徒への対応が学校においては課題になっております。これらの児童生徒は、周囲からの行動規制や注意を受けること等から、自己肯定感や自己有用感が低下し、その結果、いじめの対象や不登校状態になるなどの二次的障害があらわれる傾向があります。こういった児童生徒に対しても、今後とも済美教育センターにおいて、特別支援教育と教育相談との一層の連携により、発達障害児等への支援の充実を図ってまいりたいと存じます。  私のほうからは以上です。 ○小川宗次郎 委員長  これより質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いします。──人数が多いですので、今回もおおむね往復15分を目途に、またある方は、一巡した後に再度質問で、よろしくお願いいたします。 ◆今井ひろし 委員  時間の関係もあるので、絞ってまいりたいと思います。私のほうからは、児童生徒の問題行動について二、三質問をいたします。  暴力行為、いじめ、不登校について。  いじめ、不登校につきましては、微増というところで増えている。いじめについては、解消件数が90%と非常に高いという部分では評価──ただ、これがすべてかというと、ちょっと疑問点もありますけれども、不登校につきましては、前年度と比べてもさほど変わっていない。前年をかんがみて、対策としては余りやっていないのだろうか、何か変わったことをやってこの数字なのか、その辺をちょっと教えていただきたいんですが。 ◎教育支援担当課長 不登校については、先ほど言いましたように、小学校については学校への復帰率は高くなっているところでございますけれども、即、不登校について復帰できるというような形ではなかなか難しい部分はございます。ただ、先ほど申し上げましたように、いろいろスクールカウンセラーですとか、それから、特に中学校はスクールソーシャルワーカーが家庭とか地域との連携も含めてコーディネートしながら支援の取り組みをしているところでございます。 ◆今井ひろし 委員  午前中の南伊豆健康学園でも不登校の子がいて、そのサポートも今後行っていく、適応指導教室なんかも今後考えていくという部分では、このパーセントが余り高くないというのは、不登校についてはちょっと心配な部分もあるんですが、適応指導教室も含めて拡充をどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎教育支援担当課長 先ほど申しましたように、小学校については新たに適応指導教室を整備してまいりたいと思っているところでございます。 ◆今井ひろし 委員  中学校に関しては、スクールカウンセラーと、あとは教育SATですか、この2つのシステムと、ふれあいフレンド事業を行っていくということですが、このままの数字でいきますと、来年度も同じ30人が、増えても40いかないということであれば、これは今までの対応策が足りないのではないかというようなことも考えられますので、前向きに検討するかどうかだけでもちょっとお聞かせください。 ◎教育支援担当課長 不登校につきましては、小学校から中学校というような部分でも不登校の生徒が継続していくような部分もありますので、できる限り早期発見の対応をするということで、学校のほうでなるべく早期に発見していただいて、その対応を図っていくというような形で取り組んでまいりたいと思っているところです。  あと、今言ったように、スクールソーシャルワーカーが家庭の調整も含めましていろいろ活動しておりますので、そういったものが徐々にあらわれてくるのではないかなと思っているところでございます。 ◆今井ひろし 委員  そうはいっても、スクールソーシャルワーカーはそんなに大勢いるわけではなくて、この人数で対応がし切れているとは到底思えませんので、今後、拡充を含めて頑張っていただきたい。この解消件数をもっと上げていただきたいという要望で、終わりにしたいと思います。 ◆山本ひろこ 委員  私は、杉並区体力等調査結果について質問いたします。  先ほど、小中学校において体力が向上されている報告がございました。大変うれしいことですが、どのような取り組みの結果と受けとめておりますでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 今現在、小学校において特に向上がされているところなんですが、小学校は学校として体力向上を学校の1つの大きな特色、課題に応じた特色ですけれども、位置づけて、全校挙げてやるという取り組みがこの間行われてきました。また、私どもとしましても、小学校につきましては少し重点的に、体力づくり教室を行ったりというような形で施策を推進してきたところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  今後の取り組みの方向性というところで、体力づくりセンター校を設置されるとございます。どういった形態で実施されるのか、もう少し詳しくお願いいたします。 ◎済美教育センター副所長 具体的な学校数であるとかそういうものにつきましては、今後詰めていきますけれども、主にその地域の拠点となる学校ということで研修機能を持たせたい、そして研究開発機能を持たせたい、そして、そこでよい授業を周りの学校に見せていきたいというような思いで、センター校を研究の一環として設置していくというような形で考えております。 ◆山本ひろこ 委員  続いて、体力づくり教室とはどういったものなんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 ラグビーにつきましては親子で学ぶというようなことですけれども、まず、自分自身でさらに伸ばしたい競技があった場合に、お子さんが、私どもの主催する、そして体力向上調査委員会という、先生方が中心になっている教える方々を中心に課題を解決していくということで、主に土曜日等に行われている事業でございます。 ◆山本ひろこ 委員  この教室は全校で行われているんですか。 ◎済美教育センター副所長 申しわけございません、施策ですので、ある1カ所で、すべての学校に募集をかけましてやっているというような状況でございます。 ◆山本ひろこ 委員  ことし杉十小学校で行われました、体力DAYでしたか、文教委員会で視察をしてきました。そこで長縄グランプリも行われておりまして、私もこれは大変いい取り組みだなというふうに感じたんですけれども、小学校全校で実施されていくということですが、今後の予定、また長縄を行う意味と期待される効果など、お示しいただけたらと思います。  今、子どもたちは、習い事、サッカーや野球等、休日に試合なども入りまして、人数の調整が大変だったというような状況も伺っているんですけれども、今回実施してみての感想ですとか、そういったお声がありましたらお願いいたします。 ◎済美教育センター副所長 本年度は43校中34校が参加しているという状況です。次年度に向けまして、全校実施できるように、各学校の校長のほうに呼びかけていきたいというようなものです。  主な成果なんですけれども、これは、当日ただ跳ぶだけではなくて、毎日毎日の練習があります。それも学級単位あるいはチーム単位ということですので、まずみんなで1つの目標に向かっていくということで、社会性であったりあるいは団結の心がはぐくめます。何よりも体力向上の一番のポイントが運動の日常化です。ある意味では、この練習によって日常化が図れていく。つまり、その期間は子どもたちが朝早くから出てきまして一生懸命練習するという中で、運動時間も増えていく、運動の回数も増えていくというようなものですので、効果的であるというふうに認識しております。 ◆山本ひろこ 委員  大変期待される取り組みであると思います。今後ともよろしくお願いいたします。  最後に、済美教育センターに設置予定の体育・健康教育担当とございますが、どのようなことを目途に定められているのでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 済美教育センターには、ご存じのとおり、退職された校長先生方で、元体育の教員であったり、あるいは体育を特に専門分野として研究されてきた方がいらっしゃいますので、その方々を中心に、今ある各学校の体力の状況に応じて、そして学校ごとの課題に応じた指導助言をしていきたいというようなものでございます。そのような組織を今いる人材の中でできるだけつくっていきたい、それにまた人的なものを工夫していきたいと考えております。 ◆山本ひろこ 委員  もう1点、児童生徒の問題行動のほうで質問なんですけれども、先ほども今井委員のほうから、スクールソーシャルワーカーの人数が足りているのかということだったんですけれども、何度も私も質問しているんですが、今まで中学生にだけ対応しているということだったんですが、今後小学生への対応ということはいかがなんでしょうか。 ◎教育支援担当課長 小学校につきましても、やはりスクールソーシャルワーカーの役割というのは大事だということで、その配置についても今検討しているところでございます。 ◆山本ひろこ 委員  よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ◆山下かずあき 委員  私のほうからは、大きく分けて2項目、体力調査の件と関根プール廃止の件です。  今、山本委員のほうからあった件ですけれども、全種目総合得点の経年変化のところで、平成22年度と平成17年度を比較するとという話があって、それを上回っているというのはわかるんですけれども、表のイの中学校のところを見ますと、男子のほうですと、21年度、22年度で下がっていますよね。それで、女子に関しても22年度で下がっている。確かに17年度に比べれば高い位置にあると思うんですけれども、長い目で見ると逆に下がり傾向にあるのかなという懸念があるんですけれども、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 統計的な処理をした関係でこういう形ですけれども、今長い目でというふうなお話だったんですけれども、この時点と比較しての高さということでございます。  ただ、ご指摘のとおり、小学校に比べて、中学校のほうは体力向上についてはまだまだ解決すべき課題があると思いますので、そのあたりより丁寧な、あるいは適切な助言を加えていく、あるいはそれに向けての方法論を考えていくというようなことを思っておるところでございます。 ◆山下かずあき 委員  まさしくその点なんですけれども、17年度と比較すると高いからこれで安泰だというふうには見てほしくないと思うので、実際の学校現場を見ると、芝生の問題をまた出しちゃうんですけれども、ちゃんと運動できているのか非常に不安だ。データを見ると17年度より高いというので、いいんじゃないかというような意見が出るかと思うんですけれども、だんだん下がっているという傾向も危機感として感じなければいけない。となると、子どもたちの体力については常に注視をしていかなくてはいけないなと思っていますので、その点、ちょっとご見解を。 ◎済美教育センター副所長 今現在、平成24年度に向けての教育課程の基本的な考え方をセンターのほうでまとめているところです。第1回目の、おおよそこういう形で重点にしていくよという説明の校長会には体力向上を位置づけてあります。特に中学校のほうには、具体的なこととして、学校として体力向上を考えてもらいたい、体育の教員に任せるのではなく、学校として1つの方向を見詰めていってもらいたいというようなことを今、校長のほうに呼びかけているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  よろしくお願いします。  それと、関根プールの廃止の件です。  まず1点、根本的な話なんですけれども、震災でここは今使えない状況になっていると思うんですが、被害が大きいという状況と、あと、修繕すると一体幾らかかるのか教えていただけますか。 ◎社会教育スポーツ課長 被害の状況でございますけれども、プールの周辺が地盤沈下しておりまして、結構深いところにおきましては危険性があり、土のう等を埋めているところでございます。また壁の崩落等があり、循環ポンプの故障が見込まれているものでございます。  修繕の費用に関しましては、4,900万円ほどを見積もっているところでございます。 ◆山下かずあき 委員  結構かかるんですね。  それと、廃止の理由の(3)で、敷地の50%に適合してないという話なんですけれども、それでは、今51.8%という数字になっていますけれども、当時としては法律が違ったということですか。 ◎社会教育スポーツ課長 建設後に公園法の改正等がございまして、50%という数字が出てきまして、今後建て替える必要があれば、その50%を守らなきゃならないという規定が準用されるということでございます。 ◆山下かずあき 委員  じゃ、50%に変わったということですね。  それで、つくり直すか、全部公園にするという案もあるんでしょうけれども、バスケットコートとかテニスコートとか、そういった案というのはあるんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 今後の跡地の活用につきましては全く未定でございまして、みどり公園課の所有する土地をお借りしている状況でございますので、みどり公園課のほうを中心に関係課で検討するということになろうかと思います。 ◆山下かずあき 委員  ぜひ検討してください。  それと、代替案ということで、ここに井荻中学、荻窪中学、それから上井草スポーツセンターというご提案をされておりますが、そもそも論で、ここは小学生が使うパターンが多いと思うんです。実は私もここが地元だったので、よく使った経緯がございまして、そうすると、小学生がここに行っていたのが、いきなり上井草に行けというのは、私は余りにも遠いような気がするんですけれども、もっとほかの案がないのかなというふうに思うので、ご意見を。 ◎社会教育スポーツ課長 周辺の小学校を新たに開放できないかということでも検討したわけでございますけれども、保健所のほうの調査を受けまして、ちょっと開放プールには合わないと。浄水器がついてないとか、また更衣室の設備がないとか、そういうのがございまして、小学校の使用はできないということになりました。ですから、小さい子どもたちに関しましては、上井草プールのほうの利用を勧めていくということでお願いをする次第でございます。 ◆山下かずあき 委員  わかりました。それと、参考資料の4のところに、区民からの問い合わせということで、これは既に案内を出したということですね。いつごろ出したんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 今回、夏にプールを休止いたしましたが、その1カ月ほど前に案内を全児童のほうに配布したということでございます。 ◆山下かずあき 委員  最後に1点、これはわかればでいいんですけれども、同じ参考資料の1番のグラフの中で利用者数の推移というのがございまして、ピークが3万2,000人から、平成5年に1万6,000人とがくんと下がっているんですけれども、下がった理由というのは何かあるんですか。 ◎社会教育スポーツ課長 屋外プールの場合は、夏の気温の変動で非常に大きく左右されます。正確な情報はございませんが、恐らく気温の変化のものと思われます。 ◆原田あきら 委員  順番どおりじゃないかもしれませんけれども、まず問題行動。  この間、全国的な大学教員とか専門家の調査が行われたりしまして、特に東京都内で見てみますと、杉並区は実は、この10年間で見ると、不登校とかそういうのが増えています。この率というのが、あるいは減っていかないとかそういう率が他区に比べて非常に高い。団地が多かったりとか環境面で見た場合に、問題行動が起きそうな区とかは割とある。ところが、杉並の場合は教育をする上では割と良好な環境にある。なのにこうやって高い数字が出てくるということについて、その人たちは、研究グループとかは、こういう高い不登校率であったりいじめであったり問題行動の率が出てくるのは、主にこの10年間に教育改革みたいなのを思い切りやったところでよくそういう現象が出てくる、そういう指摘をされておりまして、本会議でも鈴木信男議員が指摘をしたところです。ひどい答弁だったような気がしたんですけれども、改めてそれについての見解をお聞かせください。 ◎済美教育センター副所長 10年間で率で見るという話なんですけれども、この率というのは、実は1人だったものが2人になれば200%で、日本一になってしまう、そのような割合になります。数字でいけば杉並区は、決して低くはありませんけれども、著しく高い、あるいは高どまっているという状況ではありません。およそ他の自治体と同じく浮き沈みがある、上ったり下がったり。  ただ、そういう中でも、先ほど委員から指摘がありましたように、幾つかの重要な施策を打っていますので、それについては下げていくことが大前提である。私どもとしましては、さまざまな教育改革と不登校の人数が何か如実に関連しているような、そういうふうな分析はしておりません。 ◆原田あきら 委員  まさにそういう分析をしっかりとしていたら、私は、こういう形ばかりの教育改革とか、先ほども和田中の問題から学校間競争の話が選択自由制の問題で出ていましたけれども、そういうことはできなくなっていくんじゃないのかなと。現場に負担とか疲労を与えてばかりの教育改革というものについて、早く改めていく必要が私はあると思うんです。  それで、不登校とかいじめとか暴力行為とかいうのは、単に減らせばいいという感覚で見ちゃいけないと思うんですね。この数字というのは子どもたちのシグナルだという受けとめが私はすごく重要だろうと思うんですけれども、それについて何か意見はありますか。 ◎統括指導主事 今ご指摘いただいた点でございますが、確かに、この数字を見て、これは子どもたちのシグナルである、そういうとらえは大変重要であるかと思っております。しかし、実際にここにある人数、子どもたちの不登校を減らしていく、これも大きな課題であると認識しております。 ◆原田あきら 委員  こういう数字から、この子たちがそれぞれどういう問題で悩んでいるのか、苦しんでいるのかというのを、本当に現場の職員というものが、教員とかになりますけれども、ちゃんと周りの教職員たちと心を砕いて話し合って、区もそれを支えていくような、そういう姿勢が私は大事だと思うんです。  ところが、本当にそれは大丈夫なのかなと思うのが、総合計画を、出てきたものを見てみたんですね。そうしたら、10年後の目標、区の姿といったら、不登校はゼロになっているという目標が出てきまして驚いたわけですよ。多分、教育をやったすべての国で不登校とかなんとかというのは、日本ではとにかく不登校をゼロにした経験なんて一度もないと思うんですけれども、10年後には不登校がゼロ%になっているというあの目標はさすがにないんじゃないかと思ったんですけれども、どう思われますか。 ◎教育支援担当課長 ご指摘のように、現実にはゼロというのはなかなか難しい部分だと思いますけれども、目標としてゼロを目指していろいろな施策を展開していくという思いでゼロにしたところでございます。 ◆原田あきら 委員  そういう答えになるんだと思うんですけれども、そもそも不登校をなくすというのを数値目標に掲げるというのが、私は、不登校の問題というのはちゃんとシグナルだと受けとめて、そこから杉並区は何をしなきゃいけないのか、施策をどんどん打ち出していくところを見せるべきであって、数値目標に掲げるというのはちょっとなじまないと思いますけれども、どうでしょう。 ◎教育支援担当課長 不登校の定義が年間30日以上の欠席児童という形になっておりますので、それ以外の、年間のもう少し少ない日数の不登校という部分についてはもちろん出てくるかと思うんですけれども、30日以上の不登校は出さないというところでの施策の展開ということで、まず、できる限り早期に発見して早期対応、特に、保護者も含めて相談対応もきちっとしていくような体制づくりをしてまいりたいと思っております。 ◆原田あきら 委員  30日以上のというのがありましたけれども、ぎりぎりだったりする子とかに、頼むから、きょう1日出てくれるだけでいいから、きょうの午前中だけ出てくる、ちょっと来るだけでもいいよみたいな、そんな情けない教育がこの数字ばかりを追って出てこないようにしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、どうでしょう。 ◎教育支援担当課長 当然そんなことはなくて、小学校でも解消率というところでは非常に高い解消になっております。それは、学校の担任の先生方、それからいろいろな支援が入っての解消率になっていると思いますので、原田委員の言ったような、そんな情けないようなことはないと思います。 ◆原田あきら 委員  そうですよね。学力テストでも、どこかの区では大問題になりましたけれども、数値目標を上から押しつけて学校間競争というのをあおったがために、足立区とかでしたっけ、勉強のできない子に来ないでくれと言ってみたりとか、すごく大変な問題が起きたりしていましたけれども、その点で、この不登校の問題について行政が本当に心を砕いて親身になっていってもらいたい、数値目標だけ追うようなことは決してないようにお願いしたいところです。  放射線量測定の結果についてなんですけれども、みんな驚きましたよね、毎時3.95マイクロシーベルト。改めて、3月20日前後に降った雨というのが相当高濃度で、それがたまってしまうところはこういうふうにミニホットスポットができてしまうんだということがよくわかったと思います。  それで、このシートの汚染が発覚したのはどういう経緯でしょうか、教えてください。 ◎庶務課長 当堀之内小学校のPTAの方が簡易測定器をお持ちになって、校長先生のほうにはからせてほしいということで、はかっていただいたところ高い数値が出たということで、当日、私どもも簡易測定器をまず持っていってはかってみたところ、やはりシート上で高い数字が出たところなので、区のほうに正式に測定をお願いしました。 ◆原田あきら 委員  今まで区の施設の中でそういった自主的な、言ってみれば民間のといいますか、測定については若干拒んできた点が教育委員会はあったと思いますけれども、今後は方針をしっかりと定めて、保護者や地域の人たちの測定についても軽視せず、参考にしていく姿勢が必要だと思いますが、どうでしょう。 ◎庶務課長 現在、簡易測定器で各学校のいろいろ水が流れるところとかをはかっているところでございます。これまでも、部外者の方が学校内に入るというのはいろいろ問題がございますので、関係者以外の方が測定することはお断りしていましたけれども、PTAの方がちょっとはかりたいというものについては随時対応してきたところでございます。 ◆原田あきら 委員  そういう姿勢に変わったんだと私は思います。当初は、保育園の保護者であったり小学校の保護者がはかりたいと言っても、園長だったり、それから校長先生とかがそれを拒んだ、もし高いのが出てきても対処できないからやめてほしいみたいな、そういう対応が各地で聞かれました。そういう声に押されて、我が党区議団も全区内の公園調査というのに乗り出したわけなんですけれども、今後はそうした保護者とかの調査についても拒まない、参考にするという答弁だったと思います。  ところで、除染のレベルは、例えばこういう高いのが出てきましたと、今回3.95とか吹っ飛んでいますから、福島並みのものですから、そういう高いものについては区で何とか対処しますという方針が出されましたけれども、今後は──例えば私、3日前、和泉の人に呼ばれて、ちょっと高そうなんだけれどもはかってくれと言われて、うちの線量計ではかったら0.9マイクロシーベルトあって、うわっと。マンションのところでしたけれども。だから、そういうのが小学校内でも多分あると思うんですね。子どもたちは土とかさわったりなんかやったりとかいろいろしますから、保育園ではさわって手とかを口にまで入れたりしますから、ちゃんと対処しないといけないと思うんですけれども、例えば高いところが出てきたら、どのぐらいで除染しますか。 ◎庶務課長 危機管理室のほうで今後の対策ということでまとめてございますけれども、地上高1メーターで毎時1マイクロシーベルトを超えた場合には除染をするという方向を出してございます。 ◆原田あきら 委員  ちょっと違うんじゃないですか。もうちょっと低い値でやるという方針、この間出たんだと思いますけれども、聞いてないんですか。 ◎庶務課長 民間の方がお申し出になった数値は0.7、区が除染するのは、区がはかって1メーター高で1マイクロシーベルトを超えた場合に除染をするということでございます。 ◆原田あきら 委員  そういう除染の基準を出したとか、そういうところは一定評価するものの、しかしながら、1マイクロシーベルト以上とか0.7マイクロシーベルト以上なんて、そねさん、びっくりしちゃう数字ですよね。普通に考えて、親御さんたちにはこれで安心できるような基準じゃないんですよ。
     うちがはかったところで、高円寺のある公園で0.3だか4だかのところで、1キログラム当たり2万ベクレルぐらいのちょっと異常な汚染の状態が出てきました。内部被曝というのにこれからは気をつけていかなきゃいけないわけで、それについて0.7じゃ高過ぎるんじゃないかと言いたいんですけれども、どうでしょう。 ◎庶務課長 教育委員会事務局がどのレベルで高い、危険だ、どうかという判断はできませんけれども、区の方針として、国が定めた1マイクロシーベルトで除染をしていくという方向でございます。 ◆原田あきら 委員  子どもを守るという立場で真剣にならなきゃいけないときだと考えています。信頼を得るためにも、ぜひその改定を求めて、教育委員会のほうから、もうちょっと区でしっかり対応してもらいたいと言わないといけないと思っています。  さっきのシイタケの問題ですけれども、1人当たり0.7グラムで、確かにそれ1個のことだけ見れば問題はないでしょう。しかしながら、これがずっと続くんですよね、この状況が。そのことが問題であって、チェルノブイリでもみんながみんながんになったわけじゃないんです。気をつけていた保護者と気をつけてなかった保護者の子どもの甲状腺のがんの発症率とかいうのに違いが出たというぐらい、なるべくこういうものを子どもたちの口に入れさせないということを気をつけていくというのが本当に大事だと思うんですけれども、その点でも、食べ物、それから区施設内の除染の基準についても、区教育委員会として、区長部局に対してはもっとしっかりした対応をしてくれと言うべきだと思いますが、それについては教育長なんかは関心はないのかしら。 ◎学務課長 まず、給食食材についてでございますが、今回ご報告させていただいたとおり、毎週検査を進めているところでございます。検査結果は記載のとおりでございますけれども、今後も引き続き検査を続けながら、安全な、安心していただける給食を提供していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆原田あきら 委員  ぱぱっと頑張りますから、もうちょっとおつき合いよろしく……  もうそろそろ10分ですかね。じゃ、あと2問残っていますけれども、そんなに長くないですけれども、かわります。 ◆そね文子 委員  私も、今の原田委員と重複するんですけれども、放射能についてお伺いしたいと思います。  現在の対処方法というのはあくまでも一時的な対処方法だと思うんですけれども、今後、出た養生シートとかは、最終処分方法はどういうところで検討されて結論が出されるのでしょうか。 ◎庶務課長 基準を超えたのは堀之内小学校だけですけれども、保護者の方の安心を考えて、1センチ高で1マイクロのところも今遮へいをしています。  今後の処分の方法なんですが、現在、危機管理対策課と協議をして検討してございます。文科省のほうからもまだ明確な答えがないという状況ですので、もうしばらく検討してから方針を決めたいというふうに考えてございます。 ◆そね文子 委員  よろしくお願いします。  干しシイタケの300ベクレルという値なんですけれども、これは乾物ですから、事前にはかれるものだと思うんですけれども、はかったけれども使ったのか、それとも、はかるのと同時に食べちゃっていたという時間的な経過が──後からわかったものなんでしょうか。 ◎学務課長 給食としては提供した後でございます。ただ、10月20日から検査をする中で、サンプル検査ということで、各学校からそれぞれ必要なものを上げていただいています。その中で、とりあえずすべての学校に検査できるような形で取り急ぎ進めた中で出てきたというところでございます。  おっしゃるとおり、干しシイタケというのはもっと事前にはかれるんじゃないかということだと思いますけれども、実はこの後もう一度干しシイタケについてははかって、大分県産だったんですが、そこについては不検出でございました。そういう形で、私ども、給食でこういった形で、基準以下であっても、そういった数字が出て保護者の方のご心配があるものについては慎重な対応をしていくというふうに考えておるところでございます。 ◆そね文子 委員  よろしくお願いします。  じゃ、この干しシイタケは大分県産ではなかったんですか。 ◎学務課長 この干しシイタケは実は複数の産地が一緒になったもの、具体的に申しますと、公表させていただきますけれども、熊本と大分と静岡でした。ですので、どこのものかというのは私ども特定することはできませんでした。その後、たまたま大分県産だけの干しシイタケについて検査できましたので、やってみたところ、先ほど申し上げたような結果だったというところでございます。 ◆そね文子 委員  内部被曝の被曝線量に閾値はないというふうにも言われています。内部被曝というのは今一番心配されるところなので、今後の使用は注意していただきたいと思います。してくださっていると思うんですが。  あと、3月からここまでいろいろなものがはかられてきて、どういったものに放射線量が多く含まれるかとかいうのも徐々にわかってきていると思います。キノコからは、いろいろな状況がありますけれども、原木で栽培されたものなんかは、関東近辺のものからはかなり高い値が出るということが確認されていますので、生についても、キノコを食べなくてもほかのものから栄養をとることもできると思うのですが、全部はかるというのは大変だと思いますので、そういうところを今の時期避けるというような方針も出されてもいいかと思います。そういうことを望みますが、いかがでしょうか。 ◎学務課長 今回検査を進めていく中で、先ほど申しました1品検査、その後、私ども、1食検査もさせていただきました。給食丸ごと1食分を検査する、それも全学校を行いましたけれども、今回の中では検出されたものはありませんでした。そういう形で、1食検査もあわせて進めることで、今委員ご指摘のご心配等を払拭できるような形で進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆そね文子 委員  そうなんですね。ただ、1食検査というのはいろいろ入っていて薄まってしまうので、下限が20ベクレルだったと思うんですが、薄まってしまうと不検出ということにもなると思うので、そこら辺は要望いたします。  次に、生徒の問題行動、諸問題に関する調査についてに移ります。  この数字なんですけれども、本当は発生件数以上に隠れている数字があると思うんですが、そのような認識をされているでしょうか。 ◎済美教育センター統括指導主事 いじめについてでございますが、かなり認知件数が多くなっております。これは、昨年度、全国でいじめを原因とするような自殺が起きまして、全校でアンケートをとったりした数でございます。軽微なものも含めて出すようにという指導で上がってきた数でございますので、それに漏れる数もあると思いますが、いじめについてはそういう対応をしてきたという経緯がございます。 ◆そね文子 委員  中身について、だれがどうしたとか、そういうことを教育委員会のほうでも把握しているんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 先ほどの答弁につけ加えなんですけれども、この170人全部、1人1人だれがどうなったかということを把握しました。すべて、教育SATの人間を1校1校派遣しまして、その学校のだれがどういう状況にあるのかということを聞き取りました。そして、それに応じた指導を行っております。その結果の96%ということになっておりますので、そこではかなりの人数が拾えたかなとは思っていますが、委員ご指摘のように、まだまだ隠れているところというのは調査だけでははかれるものではありませんから、先生方お一人お一人が見取る力というのも一方で高めていかなくてはならないということで、昨日行われました生活指導主任会のほうでも、まずはしっかり見取る力をつけてもらいたいということを、先週痛ましい事故も起きていますので、改めて確認の上、指導助言を図ったところでございます。 ◆そね文子 委員  先ほど、スクールソーシャルワーカーを増やすことを検討されている、また小学校でも導入することを検討されるということで、これまでも杉並区がスクールソーシャルワーカーをしっかり位置づけてきているのを評価しています。そちらのほうも評価いたします。スクールソーシャルワーカー、優秀な方を杉並区は認識して配置してくださっていると思うんですが、優秀なスクールソーシャルワーカーほどいろいろなことに気づいたり、また動けたりということで、業務がハードになると思うんですが、スクールソーシャルワーカーを支える体制というのも必要だと思います。また、処遇も必要だと思うんですが、そこら辺についてどのようにお考えになっていますでしょうか。 ◎教育支援担当課長 スクールソーシャルワーカーにつきましては、教育SATのチームの退職校長先生たちと一緒に連携体制をとりながら学校への支援体制を組んだりとか、あとは、週1回SAT会議というものを開いておりまして、そこでいろいろな情報を共有しながらいろいろな支援体制をとっているところでございます。  処遇につきましては、若年嘱託と、あと専門非常勤というような形で対応しておりますけれども、働き方というのもその方それぞれにいろいろありますので、できる限り処遇として本人の意向を踏まえながら対応を図っていきたいなと考えているところでございます。 ◆そね文子 委員  最後に、教育ビジョンの中にも、7ページなんですけれども、「家庭・地域・学校のつながりを重視した、共に支える教育を進めます」ということですが、学校の役割として、虐待の早期発見や家庭環境への見守りなどもされる必要があると考えますが、この中にそういったことは含まれているんでしょうか。 ◎統括指導主事 今ご指摘の点でございますが、確かに、今虐待のお話をいただきましたが、これらにつきましては、学校が子どもたちの様子を観察して異常に気づくときもあります。また、地域の中で、保護者同士のつながり、それから地域の民生委員の方々等のご協力をいただきながら発見することもあります。そういったことも含めて、つながりを重視してお互いに支えていく教育という意味でございます。 ◆そね文子 委員  じゃ、最後に補足で、関根公園のプールについてなんですが、説明会を開催するとあるんですが、これは要望なんですけれども、多くの区民の方が出やすいように、複数日、昼間と夜間の設定をお願いしたいというのを要望して、以上で終わります。 ◆松浦芳子 委員  学校給食のゲルマニウム半導体検出器による放射性物質検査結果について、1つお伺いします。  たまたまきょう保育課にご質問しようかなと思ってもらった質問があるんですが、ここは文教委員会なので、お答えできなかったら無理に答えてくださらなくても結構なんですが、学校給食は食材を大丈夫として出していますよね。保育園はどうやら、心配なお母様はお弁当を持ってきてもいいということになったらしいんですが、保育園と学校の対処が違うのはなぜかわかるでしょうか。 ◎学務課長 各学校でも、これまで私ども、給食の重要性をつとにお話しして、給食をとっていただきたいというお話をさせていただきました。ただ、その中でも、どうしてもご心配で給食を食べさせられないという保護者もいらっしゃいました。そこで、私どもとしては、各学校で再度校長のほうから、その方と十分お話しして、それでもなおお弁当にしたいという方については、お弁当をとっていただくということについてもいたし方ないというふうな考え方で対処してきたところでございます。 ◆松浦芳子 委員  教育ビジョン2012の策定についてですが、この冊子の5ページには図がかいてあります。家庭教育が横軸にあり、生涯学習・社会教育が縦軸にあって、また家庭教育が基本になっておりますが、これはとてもいい図で、どなたがつくったのかなと思います。  図としては家庭教育と書いてあるんですが、文字として家庭教育についての支援というのは書いてないんですが、この教育ビジョンは学校教育のみのことでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 今般策定する新しい教育ビジョン、学校教育に特定したものではなくて、社会教育、生涯学習分野もすべて含めた広い意味での教育に関する今後10年の指針というものでございます。 ◆松浦芳子 委員  そうしましたら、もうちょっと家庭教育の支援というのも中にあるといいかなというふうに思いましたので、これは要望とします。  それから、相変わらずこの冊子の中は「子ども」の「ども」がまぜ書きになって気になっています。杉並区では、わかりにくい片仮名語を使わないとか、漢字は正しく使うとかが区のスタンスだったはずです。そして、子供園は「子供」という漢字をきちっと使っていますが、いつから変わったのか教えてください。 ◎教育委員会事務局参事 これはなかなか、委員はいろいろなところでご質問をいただくわけですけれども、確かに区の中でも、ご指摘いただいた子供園は漢字、あるいはこども発達センターというのは平仮名でできていたりとか、いろいろまちまちの状況が現状でございます。  私どもも漢字の表記については区を挙げて一定の考え方を持ってはいますけれども、多少柔軟な対応なんですけれども、これまでの経緯を把握した中で、発行物の受け手の印象であるとか、あるいは区民のわかりやすさとか、そういったものを勘案して柔軟に対応しましょうということでございます。  今回、「子ども」の「子」は漢字、「ども」は平仮名でございますけれども、私ども、前回の旧教育ビジョンの表示もそうである、あるいはその後の推進計画もそうであるといったところを踏まえて、今回改定するビジョンについても、この表現でいっているということでございます。 ◆松浦芳子 委員  この教育ビジョンなんですが、杉並区としての特色、例えば他区とどこが違う、杉並区はこういうことを誇っているんだよというような内容はあるでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 何点かあると思いますけれども、1つ、これはIV章に掲げてございますけれども、「基盤づくりから質の向上へ」ということで、検討委員会の中でも、過去10年の杉並がやってきた教育改革の成果等の評価等もいただきながら、そうしてでき上がってきたいわゆる教育基盤、これを土台にしながら、今度はさらなる高みへ質を求めて向上していこうといったところで、今まで築いてきた、ここに書いてあります区独自教員の採用、養成とか、あるいは30人程度学級、支援本部の全校設置等々の他区よりも先進しているような基盤、これをさらに点から線へ、あるいは線から面へと質を上げていきましょうといったことが、総論的に言えば杉並の今回の特徴だというふうに言えると思います。 ◆松浦芳子 委員  子どもたちが夢に向かって進むには、気力や持久力、体力が必要だと思いますが、夢を幾ら描いても、体力がなければ実際には行動ができません。教育の中でまず大事なのは教育に向かうための体力や精神力ですが、その体力や精神力のもととなるのが毎日の食事です。杉並区は給食も米飯食を取り入れて非常にありがたいことですが、体育よりも徳育よりも知育よりもまず食育という言葉がありますが、食育がこのビジョンから抜けているのはなぜでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 言葉として食育ということが直接は出てございませんけれども、3ページに、「育みたい力」の2番目として「たくましく生きる心と体の力」というところがあります。この中で議論されたのは、例えば小学校のほうでは今、体の力と書いて体力(からだりょく)といっていろいろな取り組みをしていますけれども、いろいろな議論がされました。体力については、食育も含めて、あるいは子どもの生活習慣も含めて、あるいは健康づくりも含めて、いろいろな委員からいろいろな発想がありましたけれども、よく言われる「早寝・早起き・朝ご飯」とか、そういった議論も出ております。これはあくまで教育ビジョンでありますので、体の力の中に食育も含めてとらえておりますけれども、今後、先ほど申し上げた行動計画の中には、食育についても十分に触れていきたいというふうに考えてございます。 ◆松浦芳子 委員  食育は一番重要なので、基本ですから、ぜひ入れていただきたいと思います。  それから、この内容は全部読みましたが、余りにも漠然としておりまして、横の流れはわかるんですが、縦の流れ、例えば郷土の歴史を知りながら学ぶとか、それから先人から学ぶとかいう縦の教育理念が余り感じられないんですが、その点についてはいかがでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 そういったご指摘ですけれども、例えばI章の冒頭、策定の背景の2行目なんですけれども、大前提として、私たちは先人の知恵を継承しつつ、一方では多様な文化や個性を受けとめていくというようなこと。この中では、当然議論の中で、先人の知恵というものは文化、伝統等も含んでいくというような考えで私たちは検討委員会の中でもまとめてございます。  それから、例えば次のページですけれども、2ページのあたりには、ちょっと小さな字になりますが、人の成長期に合わせた学びの状況等が書いてありますけれども、例えば高齢期のところでは、高齢期の方々のいわゆる多くの経験を社会の財産として多様な世代に伝えていくとかそういったことを、例えば4ページあたりでは、知の連鎖であるとかあるいは「学び」と「循環」というところで、先人の知恵なんかをもちろん引き継いでいくし、また、学んだものは次の世代に引き継いでいくといったような循環、継承といったことをうたっているものでございます。また、これらを踏まえた具体の施策については、行動計画の中にまた取り込んでいきたいというふうに思ってございます。 ◆松浦芳子 委員  郷土の歴史とか、それから食育もぜひ具体的に、これは読んでいて余りにも具体性がないので、ちょっと深みを感じなかったので、ぜひ具体的に取り組んでいただきたいと思って、要望といたします。  ありがとうございます。 ○小川宗次郎 委員長  では、2巡目質問する方、挙手をお願いします。 ◆今井ひろし 委員  教育ビジョンについてでありますが、今の回答を聞いておりまして、ちょっと確認を何点かしたいと思います。  学校だけではなくて、成人期、乳幼児期も含めたトータル的な教育ビジョンであるということでありますが、以前子供園の関係で質問したときには、就学前教育ビジョンは後日出すようなことを言っておりましたが、これはそれも含めた形の教育ビジョンととらえてよろしいんでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 これは、教育委員会の言ってみれば今後10年の基本的な指針となる、区でいえば一番大きな構想に位置づけられるのがこのビジョンでございます。10年のビジョンでございます。これに対して、もちろん行動計画である推進計画をつくりますが、個別の、例えば就学前ビジョンについては前回お答えしたとおりの計画で進めますし、あるいはその他の分野、個別の分野についても、図書館の関係であるとかいろいろなものは、これを追ってまた細かな計画をしていく、そういったような関係にございます。 ◆今井ひろし 委員  ということは、就学前教育ビジョンというよりかは就学前教育行動計画というものを今後考えていきたいというお答えととらえてよろしいでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 行動計画になるかどうかは今検討の途中ですけれども、あくまで現段階では就学前教育ビジョンという名目で、その中身を今検討しているということでございます。 ◆今井ひろし 委員  区の基本構想の教育委員会版がこれだよということであれば、今後のスケジュールに関してですが、12月にパブリックコメントをとりまして、来年1月が修正案、3月が修正後のビジョンというところでは、本来であれば会派要望なんかも入れてもいいような気がするんですが、その辺についてのご所見はいかがですか。 ◎教育委員会事務局参事 私ども、この検討委員会の検討が当然そうなんですけれども、区の基本構想の審議の経過を踏まえながら、私ども事務局が適宜情報提供しながら進んできております。その中で、私どもが委員長のもとに起草というものを進めてきたわけですけれども、当然、その中で、企画のほうにいただいた教育分野あるいは子育て分野あるいは文化、スポーツといった分野の各派要望は事務局としても押さえていますので、そういった中でなるべくこの中に反映をしていきたい、これからつくる行動計画の中にも反映してきたいというふうに思ってございます。 ◆今井ひろし 委員  行動計画がないと、ちょっとこれも評価が難しいところがあるんですが、行動計画はいつごろ提示したいと思っているんでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 きょうの資料に、「区の総合計画の進捗に合わせ、」というちょっと抽象的な書き方をしていますけれども、これがあすからパブコメが始まるということで、1月以降、整理して1定に上げていくということです。私ども教育委員会がつくる行動計画は、具体的に言うと、来年度の予算内示というものを見てからでないとなかなか計画が立てづらいという実情がございますので、今のところのあくまで予定ですが、3月を目途に1カ月パブコメをしまして、その後、4月に意見調整をして、5月、連休明けぐらいには確定をしていきたいというふうに考えてございます。 ◆今井ひろし 委員  あともう1点聞きたいのが、就学前教育に関してですが、この11月に保育課のほうでは杉並区の保育の基本方針というものが策定され、配られたところです。その関係もあって、乳幼児期の教育というのは、今は子供園ですか、幼稚園がほとんどなくなっておりますので、就学前の教育というのは子供園と保育園、両方にかかってくるかと思いますが、基本構想にもありましたように、知の循環という話がここにも載っております。この図にも、学校教育から乳幼児期にかけて学びの成果の還元という循環型を考えているんですが、これが非常に見えない。具体性が、私の想像力不足なのか、ちょっと見えないところがあるんですが、これは所管を超えてまで知の循環を進めようと思っているのか、まだ具体的な行動計画ができていませんから何とも言えないでしょうけれども、その辺を簡単にご説明願いたいと思います。 ◎教育委員会事務局参事 その辺は、実は検討委員会の中でもいろいろな議論がございました。参考までに、9ページに「実現に向けて」ということで、委員さんの思い等もここに語られてありますけれども、3番目に、行政の横断的な連携を深めた施策の展開が今後必要だろうというようなご指摘もいただいてこういう記述になってございますので、委員ご指摘のような方向で、今後、このビジョンの実現に向けては、他分野との連携も進めていくべきというふうに考えてございます。 ◆今井ひろし 委員  ぜひ、所管を超えて子どもの教育の前進に向けて両方でとらえていく、就学前教育というのは余り今までも行われてこなかったので、それも行動計画にぜひ盛り込んでいただきたい。最後、その辺の所感をちょっと教えていただいて、質問を終わりにしたいと思います。 ◎教育委員会事務局参事 私ども、兼務で子供園担当とあるいは保育のほうの所管と、保健福祉部ですけれども、適宜協議、調整しながら行動計画もつくっていきますので、その中で委員のご指摘の点を十分視野に入れていきたいと思ってございます。 ◆山本ひろこ 委員  関根文化公園プールについて、1点、確認と要望をさせていただきます。  今、区立の公園はおむつが外れていないとプールには入れないという状況は変わらないですか。そのような状況をお聞かせください。 ◎社会教育スポーツ課長 衛生上の問題から、そのとおりでございます。 ◆山本ひろこ 委員  私も西荻のほうに住んでいまして、このプールに行ったとき、おむつが外れていない子は入れないということで、ちょっと残念な思いをしたんですけれども、今回このプールが廃止されるということで、小さなお子様が、夏、水場をつくって遊べるような、そういった公園にしていただけたら、木陰をつくって、お子さんとお母さんがクーラーのきいた部屋に日中ずっといるというようなことがないように、コミュニティの場としてそういった公園をつくっていただきたいなという思いで要望させていただきます。よろしくお願いいたします。 ◆原田あきら 委員  杉並区体力調査結果について、本当にこの体力調査は意味があるのかというのが問われています。現場ではすごく評判が悪いです。正直、現場の教師だったり学校が上からたたかれたりどこかからたたかれて、何とかしなきゃ、数値を上げなきゃと思って頑張れば上がっていくんです。しかしながら、基本的に授業、基礎学力のこととかですごくいっぱいだったりして、年間計画が決まっている中にこれがぐさっと入ってくるのが本当に大変らしいんですね。そういう中で、気合いを入れれば上がるし、気合いを入れないでそのまま忙しい忙しいでやっていると全然伸びていかない。だから、出た数字とかなんとかに余り右往左往しても意味がなくなってきているかなと思うんですけれども、どうでしょう。 ◎済美教育センター副所長 学力テストであれ体力調査であれ、両方とも科学的データに基づいて1つ1つ分析していく、そして、それに対して適切な施策を起こして、あるいは助言をしていくというのが杉並スタイルだなというふうには思っています。  ただし、杉並区の体力調査は昨年で終わりです。本年度から東京都体力調査という形で変わっておりますので、その中では、委員ご指摘のように、練習をしてやるというようなことが書いてありましたけれども、私どもはこれまでどおり、その通知は流しますけれども、厳しく、数字を上げるために頑張れよというような指導はしておりません。 ◆原田あきら 委員  大事な答弁だったと思います。全体的な状況というのを押さえるというのも大事かもしれませんけれども、現場の教師からすれば、その子の体力をどう上げていくかというのがすごく大事だったりして、それについては、全体的な漠然としたこういう調査をやっても、結局、私たちの手元に来たのも22年1学期中にやったデータが出てくる。これは、その子の体力をどう見るか、どう上げていくかというのにほとんど役に立たないんですよね。結果こういうのが出てきて、何となく杉並区は全都的に見るとこういう順位にあるんだと見て、じゃ、どうしようかといっても、こういうふうにしましょうといって現場に持っていくと、合う子もいれば合わない子もいて、結局余り意味がなくなってきているというのが実態だと思います。杉並区の体力調査はなくなったというのは、都もやって杉並区もやって、本当に無駄だなと思うんですけれども、それがなくなったのはよかったです。ぜひ東京都のほうについても余り、答弁ありましたけれども、厳しく数字を追わせるようなことのないようにやっていただけたらなと要望します。  関根文化公園プールの廃止についてですが、先ほど他の委員からバスケットコートだとか言われると、私なんかは、ああ、それ欲しいなと思ったりするんですけれども、ただ、水泳というのは今いろいろな人たちが取っつきやすい、すごく注目され始めたスポーツでもありますよね。ぜひ、どっちかというと増やしていくという側に立ってもらいたいなというか、減らして何かに変えるというよりか、増やしていくという立場に立ってもらいたいものだなと思うんです。  それで、何年前から利用数が減っているというのは、これを言い出したら全部施設がつぶれちゃうんじゃないかなと思うぐらいの話でして、それでも1万6,931人。これは何カ月間ぐらい開いているんでしたっけ。 ◎社会教育スポーツ課長 ほぼ子どもたちの夏休み期間でございますので、約2カ月間ほどでございます。 ◆原田あきら 委員  その間に1万6,000人ということですか。 ◎社会教育スポーツ課長 そのとおりでございます。 ◆原田あきら 委員  それ以外のときはどうなるんだと言われると確かにありますけれども、その時期においては極めて重大な利用率だなというのを感じます。これがなくなったら子どもたち悲しむんだろうなというか、私もこの年になってからプールにはほとんど行かなくなっちゃったんですけれども、子どものときは、さあプールが開くぞといったら重大ニュースというか、大変なイベントなわけですよ。待っているわけですよね、子どもたちは。これを見ると、21年度は1万2,000人だったのが、22年度は1万6,000人と4,000人増えていて、果たしてこれはつぶしていっていいのか。しかも、改修費用を聞いたら4,900万円でできるということを考えると、もうちょっと地域の方の意見とかも聞いてみたいなと。区に寄せられた意見といっても全部で4件ぐらいしか載ってなくて、本当に現地の人たちの要望を聞き取ったのか、ちょっと心配なんですけれども、その点について。 ◎社会教育スポーツ課長 先ほどの開設期間の件でございますが、ちょっと訂正させていただきます。7月1日から9月10日が開設期間でございます。  また、子どもたちの声に関しましては、先ほどほかの委員からご質問がありましたように、プールを今回休止する前に、3つの小学校の全児童に配っております。その結果、プールのほうの休止を避けてほしいという声は1件もいただいてないという状況がございます。  また、確かに水泳というものを考えますと、1年中やれるスポーツ、体力づくりのものに変わってきております。温水プールのほうは逆に利用者数が増えているという状況でございます。2年後に大宮前体育館の開設も予定しているところでございますので、関根文化公園プールに関しましては、バリアフリーの対応もできていませんし、今後できる見込みもございませんので、関根文化公園プールの費用対効果も考え、ほかの1年中使える温水プールのほうの充実というのが課題になってくるというふうに思っております。 ◆原田あきら 委員  時間がないので、次へ行きます。ぜひ地域の声、1件もないというのも、ちょっと私、微妙だなと思いますので、逆にしっかり聞き取っていないんじゃないのかなという心配もありますので、ぜひ丁寧な対応をよろしくお願いします。  教育ビジョン2012、他の委員が漠然としていると言っていましたけれども、私も、これまでの山田区長がやってきた教育改革がぼんぼん入ってくるような中からすると、ある意味で毒が抜けたような気もしないでもないんですが、ビジョンですから、そんな具体的なことが書かれるということではないんだと思うんです。  ところが、そのビジョンの中に、連続性、きめ細やかさ、それから小中一貫だけがそのままずばりと、推進するんだというのが書いてあったりする。  5ページの「人間は一歩一歩階段を上るように成長していきます。」そのとおりでして、これについては、ちゃんとその一歩一歩の階段というのを見ていかないといけないんですけれども、私、小中一貫教育で気になっているのは、9年間の教育といって、例えば和泉のほうで施設一体型の小中一貫ができる。今までは、小学校6年間の中でだんだん、後輩たちとかが出てきたりして、6学年になったら最高学年としての成長が求められたりして、僕なんか問題児だったわけですけれども、ああ、そうだよな、もう6年なんだよなとか思ったりして、そういう教育があったりしたわけです。  それが施設一体型では、例えば品川では、同じところに中学校3年生までいますから、なかなか小学校6年生になったときの最高学年という気持ちがつくられにくいというのがすごく大きな問題として取り上げられてきていますけれども、順を追った、一歩一歩階段を踏んでいくような成長というものについて阻害にならないのか、あるいはそうならないように気をつけているということがあれば教えてください。 ◎統括指導主事 今ご指摘の点でございますが、確かに、小学校から中学校へのいわゆる節目の部分、そこは非常に大切にしていきたいと考えております。しかし逆に、小学校6年生は今までは最上級生であったわけでございますが、その先に自分が進むべき中学1年、2年、3年、つまり将来を見据えることができるという点では効果があるのではないかと考えております。 ◆原田あきら 委員  じゃ、つまり、小学校6年生が最高学年になるという、かなり日本の現場では定石として行われてきたあの教育は、小中一貫教育の中ではちょっと影を潜めるということでしょうか。 ◎統括指導主事 小学校6年生が一番トップ、最上級生になって活躍する場というのは、当然、小中一貫校、いわゆる9年間一緒の校舎の中においても、工夫次第で十分可能であるかと考えております。 ◆原田あきら 委員  なるほど、工夫次第で可能になると。運動会は小学校も中学校も一緒くたになってその学校で行われるわけですけれども、そのときでも、最高学年としてのそういう教育とかというのもしっかり配慮されたりするということでしょうか。 ◎統括指導主事 運動会を小学校、中学校、いわゆる9学年の子どもたちがすべて一斉に行うということはまだ決まってはおりませんし、そのようにすることがよいかどうか、その件については、今後、小中一貫の新泉・和泉地区の協議会等でカリキュラムについては考えていきたいと思います。 ◎教育改革担当部長 先ほどのカリキュラムの関係なんですけれども、品川の場合は4・3・2制ということで、4年生、3年生、2年生と言っていますが、杉並の場合は6年、3年で考えていますから、6年で卒業と。品川の場合は4年生までと3年生と区切っていますので、6年という概念がない。そういう意味では、杉並区の場合は6・3制で行きますので、品川とは全然違う対策で行きます。 ○小川宗次郎 委員長  5時を過ぎようとしておりますが、この際委員会を続行いたしますので、ご了承願います。 ◆原田あきら 委員  割と大事な答弁だったと思います。小中一貫教育問題の中で、どうやって小学校6年生と中学校3年生の人たちが一緒の校舎でやっていくのかというのは実は物すごく悩ましい問題で、全国的にも非常に問題として指摘をされているところです。それについて、杉並区では別々に運動会をやるかもしれないとか、そういうことも検討に入ってきているんだなというふうに感じますけれども、改めて確認したいと思います。 ◎統括指導主事 平成27年度に開校予定の新泉・和泉地区の小中一貫教育校につきましては、現在、カリキュラムの作成に向けて、その前段のさまざまな教育方針等を検討しているところでございます。具体的なカリキュラムの作成、それから完成につきましてはまだ先でございますが、具体的な先行実践をしておる他の地区のそういった課題等も踏まえながら、よりよいもので考えていきたいと思っております。 ◎済美教育センター副所長 せんだって行われた研究発表ですけれども、実はある校長がこういう話をしてきました。小中一貫教育が始まって、6年間で私たちはしっかり学ぶべきことをやらせたいと。そうしたら、ある中学校の発表のほうは逆に、小学校の学びを踏まえて私たちがやるべきことが明らかになったということで、6・3制の意義というのは、逆に今回の小中一貫教育の議論の中でより明確に、そして学校自身が自らの力でつかんできたところなんですね。ですから、そういうところをどうやって整理していくかということがこれから求められていくことであって、そのためのカリキュラムであり、そのための各行事の工夫でありということで、次の段階にいよいよ進んでいく段である。統括指導主事が答弁しましたけれども、今後は、着実に進んでいる小中一貫教育をさらに一歩深めていくというような動きにいよいよ入っていく時期だというふうに考えております。
    ◆原田あきら 委員  杉並区の教育史上では前代未聞の事態でありまして、それがむしろもう設計図とかもできて、さあ何年後かにはもう行っちゃうぞという状況でまだ検討段階というところに、私は地域や子どもが実験台にされているような感を受けてしようがありません。  就学前教育の充実。これ最後ですけれども、何をもって就学前教育の充実と言っているのか、すごく心配ですね。これは自民党の議員さんからも本会議で質問がありましたけれども、私なんかは、小学校にいると、入学式のときからもう座れなかったり、わあっと破裂している子がいたりするわけですよね。就学前教育の充実というのであれば、例えば問題行動をとる子に親身になって先生や保育士がかかわる、親とも連携をとって、そういうところで1人1人の子に親身になれる、それが私なんかが考える就学前教育の充実なんです。  それが今、本当に保育園の先生たち忙しくなったりとかで、子ども相手ですから悩むんです。泣きたくなったりやめたくなったりするのを、先輩がまあまあと飲みに連れていったりご飯に連れていったりして励まして、教育というのはね、とやりながら、そういう風景があったと言っていました。それが、ここ最近はそういうのが、先輩たちもみんな本当に忙しくなって相談に乗ったりすることができない。1人で悩んで、すごく若い先生たちがぽんぽんやめていったりする現状がある。  私、そういう現場の実態に、実は就学前教育の最大の問題点があるんだろうなと思っています。いたずらに漢字や数字、英語を教えたりとか、そういうところに目立つような就学前教育をやったとしても、問題行動をかえって誘発するだけじゃないのかということを指摘したいと思いますが、いかがか、聞いて終わります。 ◎済美教育センター副所長 いたずらにという表現がありましたけれども、子ども1人1人を大切にするということがまず原点だと思っておりますので、まず就学前教育においてもそこのところをはっきりさせていくというようなことでございます。教育内容をどうしていくのかということについては、例えば漢字教育であるとか英語教育をどうするというふうな議論にまだ進んでおりませんけれども、1つは、まずは1人1人を大切にしていくことは、幼稚園、小学校、中学校あるいは子供園、保育園問わず大切にしていく、そういう意味の循環だというふうに考えております。 ◆そね文子 委員  教育ビジョン2012について伺います。  5ページの知の循環の図なんですけれども、社会教育というふうに書いてあるんですが、社会教育のことを書いてあるところが少ないと思うんですが、推進計画では具体的に記述されるんでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 最後、一番ブレークダウンしたところが、取組みの方向の4番ですね。ページでいうと8ページ、ここに「生涯にわたる」云々と書いてありますけれども、こういった方向を踏まえて、これから策定していく行動計画の中には当然、生涯学習あるいは社会教育分野、スポーツ分野の計画が盛り込まれていきます。 ◆そね文子 委員  わかりました。最後に、「図書館サービスの情報化」と8ページにあるんですけれども、今のところなんですけれども、これは何のことでしょうか。電子情報化のことか、教えてください。 ◎中央図書館次長 ここには漠然と書いてございますけれども、これから区民の皆さんに利用していただきやすいようないろいろなサービス展開をしていきたいと思っております。返却の場所であるとか、いろいろなことがありますけれども、そういったことを含めて、単純にここで一言で書ける状態ではなかったので、計画をして、10年間をかけていろいろサービスの拡大を図っていきたいと思っています。電子資料等も当然入ってまいりますけれども、それ以外のさまざまな、情報の提供の仕方とか、そういったことも含めてでございます。 ◆そね文子 委員  じゃ、最後。決算特別委員会で図書館ビジョンの策定が予定されていると聞きました。新しい図書館像が──今の答えですね、きっと。すみません。新しい図書館像が示されるものと期待しています。この教育ビジョンの中でも図書館の位置づけがされるというふうに理解して、よろしくお願いいたします。 ◆吉田あい 副委員長  すみません、簡潔に。  今、他の委員から「子ども」の「ども」について、答弁がありました。平仮名にしたのは区なりの思いがあり、受け手のイメージを考慮したもの、要はこういう答弁だったと思います。具体的に区の思いとはどのようなものでしょうか。また、受け手のイメージとはどのようなイメージをねらったものでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 先ほど、区の基本的な考え方はそういう考え方であるということです。受け手あるいは読み手の方がわかりやすく、区民にとって一番わかりやすくといったところで、私ども、実はこの間つくってきた前の教育ビジョン、この表記がどうだったか、あるいはご記憶にあるかもしれませんけれども推進計画、このあたりの言葉、これを今回改定して新教育ビジョンをつくりますので、やはり統一性というのが一番重要じゃないかというようなことを視点に、こういう仮名遣いになったということでございます。 ◆吉田あい 副委員長  以前、私も同じような、決特、予特だったかで質問させていただいたことがあります。この中で小学校の先生だったという方が何人かいらっしゃるかと思うので、ぜひその先生方にお答えいただきたいんですけれども、例えば「子供」の「供」という字は小学校6年生で習う漢字だと思います。小学校の子どもたちだったら、多分授業で習った漢字はちゃんと漢字で書きなさいと、先生にそのように指導されていると思います。その子たちがこれを見たときに、授業で習った漢字はちゃんと漢字で書けって、先生そういうふうに言ったのに、何でこれは平仮名で書いてあるの、これはどうしてと聞かれたときに、どのように子どもたちに教えますか。 ◎統括指導主事 該当者は私しかおりませんので、回答させていただきます。  子どもたちには、学校で習った漢字は使いなさいと確かに、国語の時間だけでなく、授業の中ではそのように指導しております。これを例えば子どもが読んで疑問に思うかどうかわかりませんが、ただ、さまざまな表記の方法というのは世の中にはありまして、例えば習った漢字でも使っていない表記というのは、流れの中で文章の中にあります。そのあたりを小学生に指導することが適切であるかどうか、ちょっとわかりませんが、そのような形で、漢字は習ったものはすべて使いなさいという指導は国語では行いますが、日常生活の中ではそうではないということもあるのかと思います。 ◆吉田あい 副委員長  私、これを以前聞いたときに総務課が答えてくださいまして、そのときは大人の都合というふうな答弁だったんですね。(笑声)さすがに大人の都合というのはいかがなものかなと思ってずっと今まで来たんですけれども、確かに、難しい漢字に関しては、あえて漢字を使わなくても平仮名でもいいのかなと思うときがありますが、「子供」の「供」なんていうのは簡単な字ですから、私は、こういった思いがあって、こういった信念があって、「子ども」の「ども」というのは平仮名じゃなくちゃいけないんだ、そういった特別な思いがあるんだったらともかく、そうでないんだったらちゃんと漢字を使えばいいのになと、単純にそのように思いますが、いかがでしょうか。 ◎教育委員会事務局参事 繰り返しのようなご答弁になって申しわけありませんけれども、私ども区が発行してきた教育ビジョン、推進計画、それとの関連性等も考えまして、総務課のほうの考えも、区民によりわかりやすくということで、これまで使ってきた言葉をそのまま踏襲していくというようなことで、こういった判断になりました。 ○小川宗次郎 委員長  ほかに質疑はありませんか。 ◆原田あきら 委員  委員長に要望なんですけれども、きょう5時10分を過ぎている。ただ、きょうの議題の厚みからすれば、当然もっと、教育ビジョンなんかも入っていますから、これ1本でご飯が食べられるじゃなくて、1回委員会が開けるぐらいのすごく厚いものだと思っています。だから、5時ぐらいでよく済んだなぐらいだと私は思っているんですけれども、報告案件にしても議案にしてもたくさんあり過ぎるので、今、議会改革でも問題になっていますけれども、開催回数を増やしていって、陳情などもありますので、今後やっていただけたらなと。  ただ、きょうは陳情の審議とか、すごく委員長の積極的な姿勢が見られて、その点については大変よかったなと思っております。  最後に、本日継続審査となりました学校希望制の見直しを求める陳情については、区教育委員会から、3月末までに区の方針が出ると重大な答弁がありましたので、第1回定例議会を待たずに、できれば1月早々にも、この件については陳情審議をすべく委員会を開いてほしいということを強く要望しますが、いかがでしょうか。 ○小川宗次郎 委員長  正副委員長で考えて、回答したいと思います。  ほかに質疑はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小川宗次郎 委員長  ないようですので、質疑を終結いたします。  《閉会中の陳情審査及び所管事項調査について》 ○小川宗次郎 委員長  当委員会に付託されております陳情につきましてはすべて閉会中の継続審査とし、あわせて当委員会の所管事項につきましても閉会中の継続調査といたします。  以上で文教委員会を閉会いたします。                             (午後 5時12分 閉会)...