杉並区議会 > 2010-03-10 >
平成22年予算特別委員会−03月10日-10号

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  1. 杉並区議会 2010-03-10
    平成22年予算特別委員会−03月10日-10号


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    最終取得日: 2021-09-29
    平成22年予算特別委員会−03月10日-10号平成22年予算特別委員会  目   次 委員会記録署名委員の指名 ………………………………………………………………… 5 議案審査  議案第4号〜第14号、議案第22号〜第26号   一般会計歳出第5款・第7款に対する質疑応答   杉並わくわく会議    松尾ゆり委員 ………………………………………………………………………… 5   無所属区民派    けしば誠一委員 ………………………………………………………………………11   杉並区議会公明党    川原口宏之委員 ………………………………………………………………………16    中村康弘委員 …………………………………………………………………………23    大槻城一委員 …………………………………………………………………………28    北 明範委員 …………………………………………………………………………33    横山えみ委員 …………………………………………………………………………39   自由民主党杉並区議団    吉田あい委員 …………………………………………………………………………45
       はなし俊郎委員 ………………………………………………………………………53    松浦芳子委員 …………………………………………………………………………58    伊田としゆき委員 ……………………………………………………………………64    斉藤常男委員 …………………………………………………………………………69   杉並自民議員倶楽部    大熊昌巳委員 …………………………………………………………………………76    井口かづ子委員 ………………………………………………………………………82    今井 讓委員 …………………………………………………………………………86    河野庄次郎委員 ………………………………………………………………………90 平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議 ……………………………97 議案第4号杉並区減税基金条例に対する修正案 ………………………………………103              予算特別委員会記録第10回  日   時 平成22年3月10日(水) 午前10時 〜 午後5時11分  場   所 第3・4委員会室  出席委員  委 員 長  小 泉  やすお     副委員長  青 木  さちえ  (46名) 委  員  けしば  誠 一     委  員  堀 部  やすし        委  員  松 尾  ゆ り     委  員  北 島  邦 彦        委  員  市 橋  綾 子     委  員  小 松  久 子        委  員  すぐろ  奈 緒     委  員  奥 山  たえこ        委  員  増 田  裕 一     委  員  いがらし ち よ        委  員  岩 田  いくま     委  員  中 村  康 弘        委  員  北    明 範     委  員  吉 田  あ い        委  員  はなし  俊 郎     委  員  大 熊  昌 巳        委  員  藤 本  なおや     委  員  原 田  あきら        委  員  くすやま 美 紀     委  員  小 野  清 人        委  員  安 斉  あきら     委  員  山 田  なおこ        委  員  太 田  哲 二     委  員  川原口  宏 之        委  員  大 槻  城 一     委  員  渡 辺  富士雄        委  員  松 浦  芳 子     委  員  関    昌 央        委  員  井 口  かづ子     委  員(議 長)                                 富 本    卓        委  員  河 野  庄次郎     委  員  小 倉  順 子        委  員  原 口  昭 人     委  員  藤 原  淳 一        委  員  鈴 木  信 男     委  員  小 川  宗次郎        委  員  田 代  さとし     委  員  河 津  利恵子        委  員(副議長)           委  員  横 山  え み              島 田  敏 光        委  員  大 泉  時 男     委  員  伊 田 としゆき        委  員  斉 藤  常 男     委  員  今 井    讓  欠席委員  (なし)  出席説明員 区長      山 田   宏   副区長     松 沼 信 夫        副区長     菊 池   律   教育長     井 出 隆 安        代表監査委員  四 居   誠   政策経営部長  高   和 弘        政策法務担当部長牧 島 精 一   行政管理担当部長大 藤 健一郎        企画課長事務取扱政策経営部参事   政策経営部副参事(行政改革担当)                井 口 順 司           白 垣   学        法務担当課長  中 島 正 晴   財政課長事務取扱政策経営部参事                                  田 中   哲        職員課長    宇賀神 雅 彦   政策経営部副参事(定数・組織担当)                                  安 尾 幸 治        経理課長    関 谷   隆   営繕課長事務取扱政策経営部参事                                  吉 田 順 之        区長室長    与 島 正 彦   総務課長事務取扱政策経営部参事                                  石 原 史 郎        危機管理室長政策経営部参事     防災課長    井 上 純 良        (新型インフルエンザ対策担当)                赤 井 則 夫        区民生活部長  佐 藤 博 継   区民生活部管理課長                          事務取扱区民生活部参事                                  渡 辺   均        保健福祉部長  遠 藤 雅 晴   高齢者担当部長保健福祉部参事                          (医療政策担当)                                  長 田   斎        子ども家庭担当部長         健康担当部長杉並保健所長                玉 山 雅 夫           友 松 栄 二        保健福祉部管理課長         障害者施策課長 大 森 房 子        事務取扱保健福祉部参事                黒 瀬 義 雄        地域保健課長事務取扱保健      健康推進課長  大 澤 章 彦        福祉部参事                皆 川 武 人        都市整備部長  上 原 和 義   まちづくり担当部長                                  大 塚 敏 之        土木担当部長  小 町   登   都市計画課長事務取扱都市                          整備部参事                                  大 竹 直 樹        調整担当課長  浅 井 文 彦   住宅課長    小 峰   孝        まちづくり推進課長         地区整備担当課長拠点整備担当課長                齋 木 雅 之           佐々木 孝 彦        建築課長事務取扱都市整備部参事   土木管理課長事務取扱都市整備部参事                横 山   薫           山 口 一 好        道路区域整備担当課長        建設課長    加 藤   真                友 金 幸 浩        交通対策課長  植 田 敏 郎   みどり公園課長 吉 野   稔        杉並土木事務所長大 林 俊 博   環境清掃部長  原   隆 寿        環境課長    中 村 一 郎   環境都市推進課長木 浪 るり子        会計管理室長  山 本 宗 之   会計課長    高 橋 光 明        教育委員会委員長大 藏 雄之助   教育委員会事務局次長                                  小 林 英 雄        教育改革担当部長森   仁 司   庶務課長    徳 嵩 淳 一        教育委員会事務局副参事       教育人事企画課長佐 藤   浩        (杉並師範館担当)                加 藤 和 貴        教育改革推進課長岡 本 勝 実   統括指導主事  筒 井 鉄 也        学校適正配置担当課長                齊 藤 俊 朗   学務課長    加 藤 貴 幸
           教育委員会事務局副参事       社会教育スポーツ課長        (特命事項担当)                   森 田 師 郎                正 田 智枝子        科学館長    小 林 陽 一   郷土博物館長  阿出川   潔        済美教育センター所長        済美教育センター副所長                小 澄 龍太郎           坂 田   篤        済美教育センター統括指導主事    中央図書館長  和 田 義 広                田 中   稔        中央図書館次長 末 木   栄   監査委員事務局長武 笠   茂        監査委員事務局次長                日 暮 修 通  事務局職員 事務局長    伊 藤 重 夫   事務局次長事務取扱区議                          会事務局参事                                  佐 野 宗 昭        議事係長    中 島 廣 見   担当書記    小 坂 英 樹        担当書記    田 嶋 賢 一   担当書記    島 本 有里子        担当書記    山 本 恵 実   担当書記    森 田 龍 一        担当書記    松 本 智 之 会議に付した事件  付託事項審査  1 議案審査    議案第4号 杉並区減税基金条例    議案第5号 杉並区職員定数条例の一部を改正する条例    議案第6号 杉並区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例    議案第7号 杉並区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例    議案第8号 杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例    議案第9号 杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例    議案第10号 杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例    議案第11号 杉並区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例    議案第12号 杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例    議案第13号 杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例    議案第14号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例    議案第22号 平成22年度杉並区一般会計予算    議案第23号 平成22年度杉並区国民健康保険事業会計予算    議案第24号 平成22年度杉並区老人保健医療会計予算    議案第25号 平成22年度杉並区介護保険事業会計予算    議案第26号 平成22年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算     一般会計歳出第5款・第7款……………………………………………質疑応答  2 平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議……………原案否決  3 議案第4号杉並区減税基金条例に対する修正案…………………………質疑応答                          (午前10時    開会) ○小泉やすお 委員長  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  大変お疲れでしょうが、審議はきょうが最終日でございますので、元気を出してお願いいたします。  《委員会記録署名委員の指名》 ○小泉やすお 委員長  初めに、本日の委員会記録署名委員をご指名いたします。関昌央委員にお願いいたします。  《議案審査》   議案第4号 杉並区減税基金条例   議案第5号 杉並区職員定数条例の一部を改正する条例   議案第6号 杉並区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   議案第7号 杉並区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   議案第8号 杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例   議案第9号 杉並区国民健康保険条例の一部を改正する条例   議案第10号 杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例   議案第11号 杉並区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例   議案第12号 杉並区「特別区道」道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例   議案第13号 杉並区幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   議案第14号 杉並区学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   議案第22号 平成22年度杉並区一般会計予算   議案第23号 平成22年度杉並区国民健康保険事業会計予算   議案第24号 平成22年度杉並区老人保健医療会計予算   議案第25号 平成22年度杉並区介護保険事業会計予算   議案第26号 平成22年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算     一般会計歳出第5款・第7款に対する質疑応答 ○小泉やすお 委員長  前回に引き続き、一般会計歳出第5款都市整備費、第7款教育費に対する質疑を続行いたします。  杉並わくわく会議の質疑に入ります。  それでは、松尾ゆり委員、質問項目をお願いいたします。 ◆松尾ゆり 委員  学校統廃合について、和田中民間人校長、夜スペ、地域本部について。  まず、学校統廃合について伺います。  ある中学校の保護者から、うちの学校が平成25年に廃校になることが教育委員会で決まったと聞きましたが本当ですかと聞かれました。そこで、確認したいのですが、現在の適正配置基本計画において、中学校の統廃合は俎上に上っているでしょうか。 ◎学校適正配置担当課長 現在、中学校におきましては、そういった適正配置の取り組みを進めているところはございません。基本方針を平成16年に策定した際に、5カ年ずつ年次計画を定めるということでございまして、19年に一度、学校適正配置のための再編構想というのをお出ししましたが、その際に、いわゆるPTAの分区を前提といたしましたブロックごとに、将来的に何校程度ということを示した際に、そういったことから今のようなお話が出ているものと思います。  ただ、昨年2月に基本方針を改定いたしまして、その際には、当面、著しく小規模校化した学校を最優先として取り組むこととしてございますので、小学校におきましては7学級以下、中学校におきましては4学級以下となったところを検討対象校といたしまして、そこの近隣校を含めた形の中でお話を進めるということになってございます。  そういった中で、本年度、中学校におきましては対象となった学校はございませんので、25年までの間につきましては、そういった検討対象校となった学校あるいは近隣校のところだけ対象とするような形になってございます。 ◆松尾ゆり 委員  非常に無責任なうわさだと思うんですけれども、こうしたことが流れると、保護者が動揺して、実際に入学者が減って小規模校になってしまうという現象があちこちで起きています。教育委員会としては、こうした問題についてどのように対処されているでしょうか。 ◎学校適正配置担当課長 ただいま、各地域の中でも風評によりましていろいろなうわさが飛び交っているということもございますので、きちんとその場におきまして正確な情報を伝えるような形で、お伺い等があった場合は、その都度適正にお答えして、そういったうわさにならないように取り組んでいるところでございます。 ◆松尾ゆり 委員  では、次に和田中の民間人校長について伺います。  現在の校長先生の任期は来年度いっぱいということでよろしいでしょうか。 ◎教育人事企画課長 来年度で3年が経過しますので、一応任期は3年ということになっております。ただし、2年間の継続も考えられます。 ◆松尾ゆり 委員  それは継続があるという意味でしょうか。 ◎教育人事企画課長 現段階では申し上げられませんが、継続の方向もあるということでございます。 ◆松尾ゆり 委員  これは重大なことだと思うんですが、前校長から含め8年にわたって同じ学校で、しかも同じリクルートの先輩、後輩で校長を務めておられるということで、次また藤原さんの息のかかった人物が来るのか、あるいは今の人が継続をするのかということなんですが、もう一度お願いします。 ◎教育人事企画課長 次期の校長については、現在のところ、まだ未定でございます。 ◆松尾ゆり 委員  次に、地域運営協議会について伺います。  会長はどなたでしょうか。 ◎教育改革推進課長 和田中は校長が会長をやっております。 ◆松尾ゆり 委員  藤原校長のときからずっと学校長が兼任ということで、このことは文教委員会などでも何度も指摘されてきましたが、なぜ改善されないのか。 ◎教育改革推進課長 協議会の委員の互選により決定しているものです。 ◆松尾ゆり 委員  地域運営協議会は、その趣旨からして、地元和田地域の方が会長になるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎教育改革推進課長 そうしたものも含めて協議会の中で議論がされて、互選により選任されたものと考えております。 ◆松尾ゆり 委員  次に、夜スペについて質問します。  このたび夜スペを実施する塾がかわりました。どこになりましたでしょうか。 ◎教育改革推進課長 22年の3月から東進ハイスクールになってございます。 ◆松尾ゆり 委員  東進ハイスクールというところはパソコンによる個別指導を行うと思いますが、パソコンの設備等はどうなっていますか。また、ネット環境はどうなっているでしょうか。
    教育改革推進課長 パソコンは民間企業より学校支援本部が寄附を受けて、そのパソコンを活用して夜スペを行うということです。また、施設に関しましては、回線は責任を持って私塾のほうで準備をするということでございます。 ◆松尾ゆり 委員  費用の面と、それから設置はどのようになっているかということをお聞きします。 ◎教育改革推進課長 設置にかかる費用は私塾のほうで負担するということです。 ◆松尾ゆり 委員  設備。 ◎教育改革推進課長 当然、学校の中で行いますので、設備等は学校に設置いたしますが、都度撤収して、学校支援本部において管理をするというところでございます。 ◆松尾ゆり 委員  回線は撤収されるんでしょうか。 ◎教育改革推進課長 回線自体は外から引っ張ってきますので、いわゆる機械はありますが、そこから先のパソコンにつなぐ回線は、その都度撤収するということです。 ◆松尾ゆり 委員  それは先の回線を撤収するということですね。  それと、寄附をされたというんですが、どちらからの寄附ですか。 ◎教育改革推進課長 社会貢献を行っている企業から学校支援本部に対して寄附が行われるというものです。 ◆松尾ゆり 委員  企業名及び企業の業務内容。 ◎教育改革推進課長 ファースト・ペンギンという会社になりまして、さまざまな活動を行っているというふうに認識しております。 ◆松尾ゆり 委員  さまざまじゃなくて、具体的にお願いしたいんですけれども。 ◎教育改革推進課長 社会貢献などを行っているということです。 ◆松尾ゆり 委員  社会貢献だけの会社ということはないと思うんです、企業ですから。 ◎教育改革推進課長 いろいろありますので、例えばコンサルティングのようなことも行っているというふうに認識しております。 ◆松尾ゆり 委員  藤原和博さんの関連の会社ではないんですか。 ◎教育改革推進課長 関連ということはないというふうに考えております。 ◆松尾ゆり 委員  次に行きます。  会場ですが、視聴覚室で行っているということですが、回線が設置されているということは、目的外使用のために設備が常設されたということで、これは法に違反しませんか。 ◎教育改革推進課長 使用するのは視聴覚室を予定しておりますが、設備そのものは、先ほどお話ししたとおり、毎回撤収するということになってございます。 ◆松尾ゆり 委員  ケーブルとPCは撤収するということですけれども、そのために専用の回線を引いたわけですよね。 ◎教育改革推進課長 専用回線を引くことになってございます。 ◆松尾ゆり 委員  これは学校施設にかかわる法律違反だと私は認識をしております。  次に、区を被告とする和田中夜スペ裁判の証人尋問で明らかになった事実でございますが、SAPIXの教材を校内で販売したという事実を確認いたします。いかがでしょうか。 ◎教育改革推進課長 そういうことはないというふうに考えております。 ◆松尾ゆり 委員  これは証人が宣誓をして裁判の場で証言をした事実でございます。区は知らないということですが、区の知らないところで学校内で営利活動が行われている、こういうことでよろしいんでしょうか。 ◎教育改革推進課長 それは原告の主張であって、現在まだ裁判が係属しているところです。 ◆松尾ゆり 委員  証言をしておりまして、速記録もあります。 ◎教育改革推進課長 あくまでも原告の主張ということでございます。 ◆松尾ゆり 委員  ちょっと読み上げます。  高木証人、ちょっと何個売れたかはSAPIXさんのほうであれしてもらえますか。私はちょっとわからないです。  原告、つまり、今のお答えは、地域本部だとか夜スペ実行委員会が販売したんではなくて、SAPIXが販売したんですね。  高木証人、はい。  こういう問答があるんですが。 ◎教育改革推進課長 先ほど申し上げたとおり、原告の主張というふうに受けとめております。 ◆松尾ゆり 委員  同じ証人尋問で、地域本部の本部長、衛藤さんについて指摘されております。衛藤さんは和田地域の住民でしょうか。 ◎教育改革担当部長 現在の地域本部の本部長、衛藤氏は、杉並区内に居住しておりますが、和田中の学区域内にはお住まいではございませんが、志を持って和田中の学校支援活動に取り組んでいただいているというふうに認識しております。 ◆松尾ゆり 委員  区民ではありますが、地元和田の人ではないという方ですね。  それで、同じくこの裁判で、この方は有限会社らくだメソッドの会社関係者であると指摘されていますが、そのとおりでしょうか。 ◎教育改革推進課長 個人的な会社のことまでは存じ上げておりません。 ◆松尾ゆり 委員  そして、土曜日学校、いわゆるドテラでは、らくだレンタル教材が採用されているということなんですが、このことも確認します。 ◎教育改革推進課長 具体的にどの教材を使っているかというところについては把握してございません。 ◆松尾ゆり 委員  いや、そんなはずないんですよ、決算書に出ているので。  このレンタル料ですが、承知しておられますでしょうか。 ◎教育改革推進課長 教材費として、レンタル料という形で支払っております。 ◆松尾ゆり 委員  お幾らでしょうか。 ◎教育改革推進課長 20年度決算でございますが、約2万7,000円でございます。 ◆松尾ゆり 委員  この衛藤さんという方が関係しておられる会社の商品を借りていて、そしてレンタル料を払っているということでございます。ボランティアというけれども、自分のところの会社の商品を営業なさっているのではないんですか。 ◎教育改革推進課長 失礼しました、今の金額を訂正させていただきます。27万円弱でございました。  自分の会社の、利用しているということでございますが、そうしたことではないというふうに考えております。 ◆松尾ゆり 委員  27万円ということで、ドテラでは子どもたちが参加するに際して年間5,000円の参加費を取っているんですけれども、この中からそこの会社にお金が回っているということなんですね。  同じくこの裁判で、やはり同じ証人尋問の中で中萬さんという方について語られておりますが、ご存じでしょうか。 ◎教育改革推進課長 詳しくは存じておりません。 ◆松尾ゆり 委員  この方は、横浜で中萬学院という会社というか、英語塾のようなものらしいですが、経営されている方です。前にもちょっとこのことを述べたことがあるんですが、夜スペよりもずっと前から、和田中地域本部がやっている英語コースというものを担当しておられ、また、そこに講師の派遣もしておられたという塾なんですが、そのことはご存じでしょうか。 ◎教育改革推進課長 存じておりません。 ◆松尾ゆり 委員  ご存じないということなんですが、和田中には2人目の副校長さんがいらっしゃいます。この方は地域本部のほうを主に見ていらっしゃると思うんですけれども、こういった今まで申し上げた点について、この副校長さんからのご報告というのは教育委員会のほうにはないのでしょうか。 ◎教育改革推進課長 その点についてはございません。 ◆松尾ゆり 委員  だとすると、何のための2人目の副校長だかよくわからないので、多分、教育委員会、実はご存じなんじゃないかなというふうに思いますが。  藤原さんもそうでしたけれども、民間人校長あるいは地域本部という隠れみので、夜スペだけではなくて、ほかにもいろいろな営業活動が、はっきり言ってここでうごめいているわけですよ。本来の目的からどうも外れているような気がします。公教育の守護者であるべき教育委員会が、こうした事実をすべて恐らく把握しておられると思いますが、かつ放置しておられるというのは、これはあり得ないことだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎教育改革担当部長 委員からるる、和田中の地域本部が主体的に行っているさまざまな学校支援活動についてご質問がございました。私ども教育委員会としては、学校の教育活動を内外にわたって支援する地域本部が、創意工夫しながら、外部の教育資源を有効に使いながら、学校の教育活動との相乗効果のもとで、子どもたちの学びたいという意欲にこたえた活動を行っていくことは非常に重要なことと考えております。  その際に留意すべき事項は、企業等がその際コミットしているかどうかというよりも、地域本部という主導のもとで、営利性ももちろんあってはならないことですし、そういった点等を踏まえて適切に、法的にも合致した活動が行われているかどうかということが重要と考えておりますので、教育委員会としましては、地域本部、学校のほうに、事実関係等は適切に把握しながら、そうした考え方に立って、今後も必要な支援等を行ってまいりたいと考えております。 ○小泉やすお 委員長  以上で杉並わくわく会議の質疑は終了いたしました。  引き続きまして、無所属区民派の質疑に入ります。  それでは、けしば誠一委員、質問項目をお願いいたします。 ◆けしば誠一 委員  教育憲章、師範館の今後について、それと、教科書採択に関する都教育委員会の調査研究資料の誤りについて。  委員長にお願いですが、途中でちょっと資料の提示をお願いいたします。 ○小泉やすお 委員長  はい、どうぞ。 ◆けしば誠一 委員  まず、区長にお尋ねします。  任期最後に減税自治体と杉並教育憲章制定を2本柱に掲げた理由は。 ◎区長室長 区長の前回の選挙のときの公約で、いろいろな政治家が公約を掲げているかと思いますが、区長の思いを公約として掲げ、今回提案しているものでございます。 ◆けしば誠一 委員  教育基本条例等に関する懇談会提言が全会派から批判を受け、事実上撤回されたことを区長ご自身はどう総括しているのでしょうか。 ◎総務課長 提言でございますけれども、貴重なご意見が含まれたものであると受けとめておりますが、条例化を前提とした内容については、議会を初め、皆様のさまざまなご意見をいただいたものと認識してございます。 ◆けしば誠一 委員  区長にお考えいただきたい点でありますが、教育委員会はどう総括されていますか。 ◎教育改革推進課長 懇談会の提言は、今後の杉並の教育を考える上で非常に参考となる貴重な内容が含まれているというふうに受けとめておりますが、この提言自体は、規定形式として条例を前提としたものであるというところです。また、この懇談会に対する議会の皆様などからいただいたご意見、また、区民、有識者からのご意見を踏まえ、本年度、教育委員会が憲章として制定するという方針のもと、さらに広く教育に関する知見を集めながら、現在検討を進めているところです。 ◆けしば誠一 委員  条例化、憲章ではなく、問題は内容だったわけですよね。ですから、教育憲章でまた同じことが繰り返されるのではないかと危惧します。  懇談会提言は、杉並区がこれまで教員、保護者とともにつくり上げてきた杉並の教育を全く異質なものに変えようとしたため、だからこそ、全会派から批判を浴びたのではないですか。 ◎教育改革推進課長 さまざまなご意見がありましたが、委員がおっしゃるようなことではないというふうに認識しております。 ◆けしば誠一 委員  区長ご自身がどのようなお考えを持とうが自由です。しかし、それを杉並の教育に、子や孫たちに押しつけるのはやめていただきたい。教育の普遍性とは、行政と切り離したところから保障されるのではないでしょうか。 ◎教育改革推進課長 決して押しつけるものではなく、区民の納得と共感の上に立って、普遍的な教育の理念を示していきたいというふうに考えております。 ◆けしば誠一 委員  行政の役割とは、教育環境を整えること、だれもが平等に教育を受ける自由を与えること。教育の内容に口出しすべきではないでしょう。 ◎教育改革推進課長 決して教育の内容を押しつけるというものではなく、人が大切にしたい考え方、よりよく生きていく力をはぐくんでいく、そういったことを理念としているものでございます。 ◆けしば誠一 委員  当時、文教委員として、提言の起草が座長である師範館理事の小松郁夫氏に一任されたものであることを指摘しました。間違いありませんね。 ◎教育改革推進課長 そのとおりでございます。 ◆けしば誠一 委員  議会や区民から批判が強い師範館から座長と起草者を選ぶ愚行はだれが決めたんですか。 ◎教育改革推進課長 当時、懇談会の委員の方々でご決定されたというふうに認識しております。 ◆けしば誠一 委員  区長による人選ではないんですか。 ◎教育改革推進課長 広く教育に関する知見等をお持ちの方、区民等の中から選んだものであります。 ◆けしば誠一 委員  ここでちょっと資料を。 ○小泉やすお 委員長  はい。 ◆けしば誠一 委員  区長は、雑誌「WiLL」で、師範館の設立趣意書を大変こだわってつくりましたと明言され、引用しています。間違いありませんか。 ◎区長 間違いありません。 ◆けしば誠一 委員  その引用箇所を、時間がないので残念ながら引用できませんが、「日本は今、新たな国家存亡の危機に直面している」ということから始まり、文体も内容も懇談会提言とうり二つだと思うんですが、いかがですか。 ◎教育改革推進課長 すみません、ちょっと私、手元にはございませんが、もし似ているとしても、それは別のものというふうに考えております。 ◆けしば誠一 委員  私、小松氏の文章やブログを今回初めて見たんですよね。文体や表現が全く違うんですよ。懇談会提言も区長がつくらせたものではないんですか。 ◎教育改革推進課長 地方自治法にもありますとおり、教育委員会は独立した行政機関ですので、教育委員会として作成したものでございます。 ◆けしば誠一 委員  「国柄」という言葉が出てきます。日本の伝統文化、天皇制国家、戦前は国体という言葉をあらわす和語ですよね。──意味です。 ◎庶務課長 ちょっと先ほどの答弁、訂正させていただきます。懇談会提言はあくまでも懇談会の中でまとめ上げたものでございますので、教育委員会がまとめたというのは訂正させていただきます。 ◆けしば誠一 委員  国柄というのは、行政用語とか、大体出てこないですね。  教育は国家のためなのか、子ども1人1人のために行うものか、区長の見解を求めます。
    教育改革推進課長 教育というのは、あくまでも人としてよりよく生きる力をはぐくみ、自己を確立し、社会の担い手としてあすを切り開くことが重要であるというふうに考えております。 ◆けしば誠一 委員  今回は起草は教育委員会ということなので、今の質問、大藏委員長の見解を求めます。 ◎教育改革推進課長 先ほど申し上げたとおりでございます。教育は、人としてよりよく生きる力をはぐくみ、自己を確立し、社会の担い手としてあすを切り開いていくということでございます。 ◆けしば誠一 委員  教育基本条例は、一部の党派的見解とか偏った思想を排して、だれもが納得するような内容と表現でなければなりませんでした。憲章をつくる場合に一層その点が求められますが、起草に当たり、どのような検討をしていますか。 ◎教育改革推進課長 教育委員会のもとで現在検討しているところでございます。 ◆けしば誠一 委員  起草はだれが行うんですか。 ◎教育改革推進課長 教育委員会のもとで検討し、教育委員会自らが制定するものでございます。 ◆けしば誠一 委員  さきの答弁で事務局もかかわるということですが、事務局は教育長の任命権者である区長の意向も受けねばなりません。区長からはどのような意向が出されていますか。 ◎教育改革推進課長 先ほど申し上げたとおり、教育委員会は独立した行政機関ですので、区長の関与はございません。 ◆けしば誠一 委員  さきに区長ご自身からの答弁がない以上、懇談会提言が事実上撤回されたことについて反省しているかどうか確認できません。扶桑社を採択したように、任命権者である区長の意向に従うことがないよう求めておきます。  師範館です。師範館理事長は今どなたですか。 ◎教育委員会事務局副参事(加藤) 田口佳史氏です。 ◆けしば誠一 委員  選任はだれが行うんですか。 ◎教育委員会事務局副参事(加藤) 理事会において行ってございます。 ◆けしば誠一 委員  区長がやめたのはいつですか。 ◎教育委員会事務局副参事(加藤) 21年3月31日で理事を退任してございます。 ◆けしば誠一 委員  区長にやめた理由をお尋ねします。 ◎区長 もとより、私の発意で始まったものでありますが、3年間はきちっと責任を負って道筋をつけるべき、こう考えておりました。その3年が過ぎ、区切りをつけたというものであります。 ◆けしば誠一 委員  来年の辞任とも関係あるんでしょうか。 ◎区長 来年の辞任ですか。 ◆けしば誠一 委員  はい。 ◎区長 関係ありません。 ◆けしば誠一 委員  やめた後、師範館はどうなるんですか。区長が来年、区長をおやめになった後です。 ◎教育委員会事務局副参事(加藤) 現在、教育委員会事務局内において今後の方向性について検討し、師範館と意見交換をしている段階でございます。 ◆けしば誠一 委員  師範館卒塾生教員の人数と給与総額を示してください。 ◎教育人事企画課長 平成21年度につきましては、合計で68名、総額がおよそ3億8,000万でございます。 ◆けしば誠一 委員  予算編成に当たって財源をどうされたのか、また、今後厳しい中でどうひねり出すんですか。 ◎庶務課長 教育関係の予算につきましては、これまでも、教育改革あるいは新たな施策を起こす一方で、不断の行革の取り組みということでやってまいりました。そうした中で今後とも適切に対応していくということでございます。 ◆けしば誠一 委員  新年度の新規採用を加えて120人超えますが、そうなると幾らになりますか。 ◎教育人事企画課長 およそ6億6,000万程度になります。 ◆けしば誠一 委員  新年度の予算編成でも、財調基金から60億繰り入れなければならないほどの厳しさです。いつまで採用し続けるんですか。 ◎教育委員会事務局次長 昨日もご説明しましたけれども、23年度当初に120名規模になるということで、小学校についてはかなり充実した体制がとれるという認識に立って、今後の区費教員の採用をどうするかということについては十分検討していきたいと考えています。 ◆けしば誠一 委員  これ以上財政にも負担をかける師範館入塾生募集、師範館そのもの、2011年度でストップすべきだと思いますが、いかがですか。 ◎教育委員会事務局次長 今申し上げたとおりです。 ◆けしば誠一 委員  では、教科書採択です。  都教育委員会の教科書採択資料の誤りに関して、都議会文教委員会で採択の再審議を求める請願が審査されました。認識していますか。 ◎済美教育センター副所長 詳細については認識しておりません。 ◆けしば誠一 委員  都教育委員会は、歴史上の人物など資料のある476項目を調べた結果、本文にないものが25、事項名を索引から抽出しただけが5項目、教科書に全く記載のないものが16項目あったと誤りを認めていますが、区の認識は。 ◎済美教育センター副所長 私どもも、その件につきましては認識をしております。 ◆けしば誠一 委員  昨年、本会議で私が都教育委員会に報告するよう求めましたが、その後、通知したんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 情報提供という形でお知らせ申し上げました。 ◆けしば誠一 委員  いつ、だれに、どのような方法で。 ◎済美教育センター副所長 細かな日程はちょっと記憶がございませんけれども、その後、私から指導部の管理課あてに、電話を用いまして情報提供いたしました。 ◆けしば誠一 委員  都教委は、この誤りについて、12月に請願が付託されて初めてわかった、杉並区の11月段階の報告はなかったと言っていますが、区の認識と違うのはなぜですか。 ◎済美教育センター副所長 その真意はちょっと理解できませんけれども、少なくとも私が情報提供した段階では、十分調査をするというようなお話をいただきました。 ◆けしば誠一 委員  採択の参考資料として提出されたものであり、採択に与えた影響は大きいと考えますが、区の見解は。 ◎済美教育センター副所長 こちらの都の調査研究資料につきましては、多数ある資料の中の一部でございまして、調査委員会におきましては、さまざまな資料を活用して調査研究を行っております。ですから、採択には影響なかったというふうに理解しております。 ◆けしば誠一 委員  さまざまな資料といっても、学校調査資料など他の資料では評価が低いのに、この都教委の誤った資料でのみ評価が高い扶桑社が選ばれたのはなぜですか。 ◎済美教育センター副所長 先ほどもお話し申し上げましたとおり、調査委員会は、自らの権限において、独自の調査を多角的に行っているものでございます。 ◆けしば誠一 委員  大藏教育委員長はこの資料を参考にしましたか。──大藏委員長じゃないとわからないでしょう、参考にしたのかどうか。大藏委員長に聞いているんですよ。これは大藏委員長じゃないと答えようがないでしょう、参考にしたのかどうか。 ◎教育委員会委員長 いろいろな資料を参考にしまして慎重に検討して、委員全体で協議し、そして討議した結果、決定をいたしました。 ◆けしば誠一 委員  05年採択時に扶桑社を評価した委員は、歴史上の人物を取り上げていることを語っていました。今回、自由社を評価した宮坂委員は、人物の数で自由社を1番とした都教委の資料を参考にしたためと考えられます。教科書採択のための都教委の採択資料の誤りが明らかになった以上、採択は公正公平さを欠くものであり、採択のやり直しを求めますが、いかがでしょうか。 ◎庶務課長 私ども教育委員会における教科書採択については、法に基づき、公正かつ適正に行われたものと認識してございます。 ○小泉やすお 委員長  以上で無所属区民派の質疑は終了いたしました。  引き続きまして、杉並区議会公明党の質疑に入ります。  それでは、川原口宏之委員、質問項目をお願いいたします。 ◆川原口宏之 委員  幼保一元化について、就学前の特別支援教育について、学校希望制度の中の公開抽せんについて。  まず、幼保一元化についてお聞きしますけれども、幼保一元化と幼保一体化の意味の違いを確認します。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 幼保一元化につきましては、少子化の進行や経済状況の影響等によりまして、幼稚園は定員割れが生じ、一方、保育園では待機児が増加するという状況がございまして、また、多様な保育サービス、幼児教育のニーズにこたえるという課題が生じているところから、幼稚園、保育園の根拠となる法律でありますとか設置の運営基準等を改正しまして、両方の機能を融合させた上で運営を一元化するというものでございます。  一方、幼保一体化につきましては、現行の法制度のもとで、幼稚園と保育園が例えば同一の敷地内に設置がされていて、職員や幼児の交流を行っているとか、施設の相互利用をしていくとかということで、教育的な観点から幼児の保育を進めていくものと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  OECD加盟国の中で、就学前教育が一元化されてない国はどこがあるでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) OECDの加盟国については、それぞれ行政機関等の所管の違いとかございますので、なかなか一元化ということでくくりが難しい面もございますけれども、アメリカでありますとかドイツ、そのほかフランス等も、年齢によって保育行政の所管が分かれているものと認識してございます。 ◆川原口宏之 委員  例えば、ドイツやアメリカも州によっては一元化されているというふうに聞いておりますが、そうでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員ご指摘のとおりでございます。 ◆川原口宏之 委員  日本の就学前教育は制度面で非常に遅れているというふうに言われていますけれども、区の所感はいかがでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 日本におきましては、長く厚生労働省が保育所を所管し、文部科学省が幼稚園を所管ということで制度がつくられてきておりますけれども、今般、少子化等による状況の変化に伴いまして、子どもをめぐる環境は大きく変わってきている、それにもかかわらず制度面でなかなか追いついていないという実態があると認識してございます。 ◆川原口宏之 委員  なぜ遅れているんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 子どもたちをめぐる環境におきまして、保護者のニーズについては、幼稚園では例えば保育時間の延長を求める声が大きくなっておりますし、保育所におきましては、学校に上がる前の幼児教育を充実してほしいという声があるわけですけれども、やはり所管が二元化されているということが大きいと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  昨年、厚生労働省の保育所保育指針と文部科学省の幼稚園教育要領がほぼ同時に改定をされましたけれども、どのように改定されたでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 内容につきましては、まず、幼児教育の機能の充実が大変重要であるということが明記をされておりまして、一元化の方向が明確にされたと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  聞くところによると、保育園での保育指針が幼稚園の教育指針に非常に近づいたというふうに聞いておりますけれども、そういうことなんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員ご指摘のとおりでございます。 ◆川原口宏之 委員  ということは、内容というか、ソフト面においてはほぼ一元化されつつあるということだと思うんですけれども、だったら、次は制度面の一元化なのかなというふうに思っています。同じことをやっているんだったら、やはり一緒にしたほうが効率的だし合理的だと思いますので。  国はかなりもたもたもたもたしていて、本当に見ていて歯がゆいんですけれども、だったらもういっそのこと、自治体が国に先行して一元化に向けて進むということがやっぱり必要なのかなというふうに思っています。  当区でも、子供園化を契機にそういった方向で検討しているというふうに認識をしているんですけれども、改めてその考え方をお伺いします。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員ご指摘のとおり、区では、4月から子供園2園を開園いたしまして、幼児教育の充実ということで、保護者の方の就労の形態、働くお母さん、おうちで子育てをなさっているお母さんたち、そういった子どもさんを一緒に、育成プログラムのもとでしっかり教育していきたいというふうに考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  これは教育委員会の所管になるんですか、それとも違うんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 子供園の運営につきましては、子ども家庭担当部のほうに一元化をいたします。ただ、教育の内容につきましては、教育委員会のほうとしっかり連携をとりまして、教育課程を作成して臨むものでございます。 ◆川原口宏之 委員  どっちに一元化される方向なんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 子ども家庭担当部でございます。 ◆川原口宏之 委員  ということは、保健福祉部の所管になるということでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員ご指摘のとおりでございます。 ◆川原口宏之 委員  諸外国を見ると、教育部門のほうに一元化される例のほうが多いと思うんですけれども、その点、どうなんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 今回の子供園では、幼児教育の充実ということがまず第1の目標としてございます。それで、幼稚園での教育、あと保育で培ってきた経験とを融合させて、保育の分野、子育ての分野と連携をして普及に努めていきたいという目的を持っておりますので、保健福祉部のほうで進めていきたいと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  確かに、多分、教育委員会の所管になった場合は3歳児以降のことに限られてしまうのかなという気がしますし、零歳から就学まで一貫性を持たせるということも大事なことだと思いますので、その点は理解するんですけれども、ただ、一方で小学校教育との連動性、これはどのように担保していくんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 小学校との連携につきましては、今現在、17年度から開始をしておりますけれども、幼稚園と小学校の連携、また、19年度からは保育園と小学校の連携ということで、幼小連携の取り組みは進めてきております。 ◆川原口宏之 委員  さらなる連携強化を図っていただければと思うんですけれども。  あと、私立幼稚園の事務はどこが担う方向なんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 私立幼稚園の就園の補助の事務でございますとか、そういったものも保健福祉部のほうで運用してまいります。 ◆川原口宏之 委員  では、もう区立幼稚園も私立幼稚園も保育園も子供園もすべて1つのところが所管するということになるんですね。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員のおっしゃるとおりでございます。 ◆川原口宏之 委員  保育園は保育園のまま、幼稚園は幼稚園のまま、子供園は子供園のまま、それぞれ箱の違いはあっても、そこで受けられる教育がしっかり質が一緒で、すべての子どもが同等の教育を受けられる、そういう姿が一元化の目的だと思うんですけれども、それができる体制になるんだというふうに思ってよろしいんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員のおっしゃるとおり、鋭意進めてまいりたいと考えております。 ◆川原口宏之 委員  そうであれば、これまで二元化されていたがゆえになかなかできなかった試み、さまざまあると思います。例えば、幼稚園の先生と保育園の保育士さんとの交流ですね。相互にとってとてもプラスになるというふうに聞いています。そういった取り組みも積極的にお願いしたいと思いますし、先ほどおっしゃっていましたけれども、幼小連携、保育園と小学校の保小連携、これもどんどん積極的に広げていってほしいなというふうに思います。  それに、ニーズがあれば幼小一貫教育のモデルケースなんかもさらに広げていただいて、例えば、保育園と小学校合わせて零歳から12歳までの一貫教育なんかもやろうと思えばできると思います。もっと言えば、イギリスとかオランダとかハンガリーのように5歳から義務教育にして無償化にするとか、もっと極端に言うと、アメリカの多くの州がやっているように、5歳から18歳までの13年間を義務教育にしちゃって、アメリカのどこかの州と教育交流姉妹都市関係を結ぶとか、そういったいろいろな発想が出てくると思います。そういう取り組みを広げていく方向で考えておられるのか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 委員ご指摘のとおり、いろいろな取り組み、先行事例等あると存じておりますので、今後、参考にして検討させていただきたいと考えております。 ◆川原口宏之 委員  22年度に策定予定の就学前教育振興ビジョンについても、本当に夢のある思い切った内容というか、わくわくするような内容にしていきたいなというふうに思っておりますが、ご所見をお伺いします。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 就学前の教育振興ビジョンにつきましては、区の子どもたちが、幼稚園、保育園、どういう幼児育成施設にいるか問わず、小学校にスムーズにつながっていくような、そういう教育を行っていくために、零歳からの家庭での保育、教育も含めて、こういう子どもに育てたい、こうあってほしいというビジョンを含めて、それに対して、その実現の取り組みも盛り込んで作成をしたいと考えております。こちらは庁内で横断的な組織を立ち上げまして、また、私立の幼稚園連合でありますとか保育のほうとも連携をとりながら、検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  ぜひよろしくお願いいたします。  では、次の質問に移ります。
     就学前の特別支援教育について、関連すると思いますけれども、今年度から特別支援教育の所管が済美教育センターに移管されましたけれども、その成果と課題をお伺いします。 ◎済美教育センター副所長 従前私どもが持っておりました機能の教育相談との連携によって情報共有等が非常にスムーズになったこと、また、経営支援係との情報共有によって支援体制が十分確立できるようになったこと、これが成果であるというふうに思っております。ただ、立地条件の部分で、来所者に、相談者にご苦労をかけてしまうというようなところが課題であるというふうに認識しております。 ◆川原口宏之 委員  就学前の特別支援教育については、先ほどの一元化のお話で何か変更される予定はあるんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 済美教育センターでは区立幼稚園を中心にした支援を行っているところでございます。指導力を向上するための研修であったり、また、指導教授によって区立幼稚園を中心とした巡回指導等も計画をしているところでございます。あと、ほかの私立幼稚園、保育園等につきましては、関連部局と連携をとりながら進めていっている状況でございます。 ◆川原口宏之 委員  昨年策定された杉並区特別支援教育推進計画を見ると、区立幼稚園についての記述しかないですよね。実際には、障害のある幼児の受け入れ先は区立幼稚園だけではない、保育園にも行っているし、私立幼稚園にも行っている。この私立幼稚園とか保育園についての支援計画が盛り込まれてないのはなぜなんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 区長部局のほうに就学前の要配慮児童に対する支援の検討機関がございまして、そちらと連携をしながら、私ども、特別支援教育を、学校教育の小中学校及び特別支援学校に視点を当てて、どのような形で接続をしていくのかというようなところも含めて検討しているところでございます。推進計画の中には、小中学校及び特別支援学校の視点で書いたものでございます。 ◆川原口宏之 委員  いただいた資料No.493を拝見しますと、区立幼稚園における発達障害児の受け入れ人数が今年度は一気に増えています。何か特別な理由があるんでしょうか。 ◎学務課長 今回の区立幼稚園の発達障害児の増加でございますが、発達障害児自体が全般的に近年増えてきているという傾向のほかに、保護者の間で、区立幼稚園に入った場合には介助員をつけてもらえるというような周知が広まったのではないかというふうに考えております。 ◆川原口宏之 委員  その区立幼稚園のうち2園が子供園になりますけれども、特別支援体制はこれまでどおりと考えてよろしいでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 子供園におきましても、軽度の障害をお持ちのお子さんを受け入れてまいります。 ◆川原口宏之 委員  1学年増えた分、受け入れ人数枠も増えると考えてよろしいでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 3歳児の保育を実施しますので、そのクラスでも受け入れてまいりますけれども、人数といたしましては、学級数の枠内ということで原則受け入れをしております。ただ、介助員をつけるということで、現実には複数名受け入れている状態でございます。 ◆川原口宏之 委員  いずれにしても、受け入れ先が決まらなくて困るというような状況が起きないように、くれぐれもお願いしたいと思います。  また、この資料によると、最も多い就園先は私立幼稚園なんですね。園の数が多いから当然なんですけれども、私立幼稚園の特別支援体制はどんな状況でしょうか。 ◎学務課長 私立幼稚園は全部で46園ございますので、園によりまして取り組み状況というものはそれぞれ違うところがございますけれども、幾つかの園から聞き取ったところ、積極的に取り組んでいるというようなところにつきましては、そういったお子さんを受け入れるに当たって幼稚園教諭を若干増員して対応している。例えば、預かり保育などをやったりだとか、あるいは区立幼稚園で言うところの介助員的な役割、そういったようなものも担っていただいているというようなことで聞いてございます。 ◆川原口宏之 委員  その割には、私立幼稚園からは人が欲しいと。何か補助金制度があるみたいなんですけれども、できればお金よりも人が欲しいという声が聞こえてくるんですけれども、どう受けとめますでしょうか。 ◎学務課長 そういった発達障害児のようなお子さんを受け入れるに当たっては、やはり人手が当然必要だということで、そういう声は聞いてございます。現在、区にも補助金がございますし、東京都のほうも経常費の補助金というようなものがございます。そういったものを活用しながら、増員分の幼稚園教諭の雇用に充てているというところでございますが、コスト面からいって、やはりそれだけでは十分ではないというようなところもあるというふうには聞いてございます。 ◆川原口宏之 委員  ぜひ人的な支援の強化もお願いできればと思います。  私立幼稚園での特別支援体制なんですけれども、組織の変更というか、この一元化によって何が変わるんでしょうか。 ◎教育委員会事務局副参事(正田) 所管がかわって特に変更になる点はないと考えてございます。 ◆川原口宏之 委員  区政経営計画書の148ページに、就学前の障害児指導のあり方検討をやっていくというふうに書いてありますけれども、これは具体的にどういうものなんでしょうか。 ◎障害者施策課長 近年は、身体や知的な発達の問題以外に、知的な遅れはないけれども集団の中で対人関係や行動に困難を抱えていて、集団生活や家庭での生活に何らかの個別的な配慮を要する児童の相談が急増しております。この間も、こども発達センターやそれぞれの部署で支援はしてきたんですけれども、今後さらにこういった方たちの相談が急増していくということが予測されるために、特に就学前の関係部署の連携であるとか質的な支援体制の強化も含めて検討したいということで、22年度の早々にこの検討を行って、できることからですけれども、23年度の体制強化に反映するという目的で検討するものでございます。 ◆川原口宏之 委員  すみません、大森課長にわざわざお越しいただいて恐縮でございます。トータルな視点で、さまざまな角度からの検討をお願いしたいと思います。  では、続きまして、学校希望制度の中の公開抽せんについてお聞きします。  学校希望申請が受け入れ人数枠を超えた場合、公開抽せんが行われていますけれども、その運用はどのように行われているでしょうか。 ◎学務課長 希望申請を出していただきまして、締め切った後、当初から予定していました受け入れ人数を超えた場合に、検討いたしまして、学校のキャパシティーの問題ですとか、あるいは学区域の内外からの入学者のバランス、そういったようなものを予測いたしまして公開抽せんを決定し、また当せん人数等も決定しているという状況でございます。 ◆川原口宏之 委員  確かに、公平性の面では抽せんというのもやむを得ないのかなと思いますけれども、区民からは、各家庭の事情、例えば上のお子さんと同じ学校に通わせたいとか、あるいはやりたい部活がその学校にしかないとか、そういったさまざまな事情にもう少し配慮してもらえないだろうかという声も届いております。もう少し柔軟性を持たせるということも含めて、抽せん制度の検証と見直しの検討も必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎学務課長 学校希望制度につきましては、制度開始後9年目を迎えまして、制度としては定着してきたというふうに考えておりますけれども、さまざまな声があるということもまた承知しております。この制度自体は非常に必要な制度というふうに考えますけれども、これまでの検証を行って、その運用について、今後検討してみたいというふうに考えております。 ○小泉やすお 委員長  それでは、中村康弘委員、質問項目をお願いいたします。 ◆中村康弘 委員  西武新宿線立体交差事業について、資料は以前出された調査報告書を使います。あと、郷土博物館についてお聞きします。  では、まず西武新宿線についてお聞きします。  まず、杉並区内の区間の踏切の環境について伺います。  踏切の個数や交通状況など、区内の他の私鉄2線、京王井の頭線と京王線と比較してどのような特徴があるでしょうか。 ◎調整担当課長 杉並区内の踏切は、西武新宿線、井の頭線、京王線含めまして36カ所ございますけれども、そのうち西武新宿線には10カ所の踏切がございます。10カ所のうち、平成16年に東京都が踏切対策基本方針というのを出しておりますけれども、このうちの9カ所が、ピーク時の遮断時間が40分以上、それから踏切交通遮断量が多いなどの指標によりまして、重点的に実施検討すべき踏切とされる重点踏切とされています。西武新宿線の踏切は、区内3路線の中では、ピーク時、一般的に午前8時台でございますけれども、1時間当たりの遮断時間は平均約41分と3路線では最短ではございますが、踏切によって交通が遮断されている実態をあらわす指標であります踏切の鉄道1キロ当たりの自動車、歩行者の踏切交通遮断量というのがございますけれども、それが3路線で最大でございます。3路線では最も多くの自動車や人が踏切遮断の影響を受けているということが言えると思っています。 ◆中村康弘 委員  かなりの交通量が遮断されているという状況なんですけれども、この区間の鉄道立体化への動きについて、東京都の計画上、現状どのようになっているか、お聞かせいただけますでしょうか。 ◎調整担当課長 踏切対策基本方針では、鉄道立体化についての検討対象区間とされておりまして、平成20年の6月に東京都は、西武新宿線の、区内では野方−井荻駅付近、それから井荻−東伏見駅付近の間を鉄道連続立体交差の事業候補区間というものに位置づけております。 ◆中村康弘 委員  事業候補区間を具体的に説明いただけますでしょうか。 ◎調整担当課長 事業候補区間というのは、東京都が国に対して新規着工準備採択の要望をする前の段階でございまして、沿線住民の意見を聞きながら、まちづくりの課題などを整理して条件整備を行っていく区間でございます。このことから、連続立体交差の実現にはまちづくりへの取り組みが重要と考えております。 ◆中村康弘 委員  課題もあると思うんですけれども、まず、野方−井荻駅の付近の区間、これは下井草駅とか井荻駅が関連してきますけれども、報告書では、補助133号線、いわゆる中杉通りの整備計画及び事業実施時期との整合性を図る必要があると記載されておりますけれども、中杉通りの整備事業ということに関してはどのような計画上にあるのか。 ◎建設課長 委員ご指摘の路線は、東京都施行の優先整備路線に今位置づけられている杉並区中野境から北側の路線だと思います。今把握していますのは、第3次事業計画の中で優先整備路線として指定しているということでございまして、それ以上のことはちょっと把握してございません。 ◆中村康弘 委員  そこからさらに西、井荻から上井草を越える東伏見までの件なんですけれども、補助229号線、これは千川通りですけれども、補助132号線、練馬区内の道路になりますけれども、これとの整合性等も書かれております。これに関しても同様な答弁になるんでしょうか。一応お聞きします。 ◎土木担当部長 それらにつきましては、132号線は、事業計画の優先整備路線に入っておりませんので、次の優先整備路線の中でどうしていくか、また連続立体の中でどうしていくかというような考え方に立って考えていく必要があるかなというふうに考えてございます。 ◆中村康弘 委員  今質疑させていただきましたけれども、今回の鉄道立体化の事業なんですけれども、大体いつごろの話になるのかというのがまだ全然見えてこないんです。輪郭とかその辺に関して、せめてどの程度のイメージなのかというのはどのように認識されているでしょうか。 ◎調整担当課長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、東京都が事業候補区間ということで位置づけて検討している段階で、現段階では、事業の時期、それからどのようなものになるかということも明確になっておりません。 ◆中村康弘 委員  非常に大きな課題であるんですけれども、ただ、いつになるのか全くわからないというところなんですけれども。  一方で、西武新宿線沿線まちづくりアンケート調査というのを最近行ったと思いますけれども、そのアンケートの内容、また対象者及び何人ぐらいか、概要をお示しいただけますでしょうか。 ◎調整担当課長 アンケートにつきましては、西武新宿線沿線まちづくりアンケートということで1月18日から実施いたしましたけれども、このアンケートは、西武新宿線の南北250メートルの範囲で、おおむね5世帯に1世帯の割合で、沿線の約2,100世帯、杉並区内が2,000世帯で練馬区内が約100世帯になりますけれども、沿線にお配りしまして、大体58%余の方から回答をいただいております。  アンケートの内容ですが、駅や踏切の利用実態と、それからまちづくりに関するお考えやご意見をお伺いしたもので、現在取りまとめをしているところでございますけれども、お聞きした主な項目といたしましては、駅までの交通手段とか、踏切に不便や危険を感じているかというようなお考えとか、お住まいの地域に住み続けたいのかとか、地域のまちづくりに必要と思うのは何かとか、そういうことをお聞きしております。 ◆中村康弘 委員  そもそも、このアンケートは何を目的としているんでしょうか。改めてお聞きします。 ◎調整担当課長 鉄道連続立体ということが事業候補区間のところでございますので、鉄道連続立体にはまちづくりに非常に影響があるということがございますので、そういうお話を、事業候補区間に位置づけたというところを契機としてまちづくりを考えていきたいということで、まちづくりの基礎資料にしたいということでアンケートをしております。 ◆中村康弘 委員  今取りまとめ中とのことですが、この結果については、いつ、どのように公表される予定か、また、その公表されたアンケート結果をどのようにしていくのか、お示しいただけますでしょうか。 ◎調整担当課長 取りまとめ後、公表してまいりますけれども、今後、地域の皆様と沿線のまちづくりについて検討していく、検討していただくという際に、基礎資料として活用してまいりたいと考えております。 ◆中村康弘 委員  検討していくとおっしゃいましたけれども、どういうプロセスで、どういうメンバーで、具体的にもう少し検討の予定というのはわかりますか。 ◎調整担当課長 まちづくりに関して沿線の方々にお集まりいただいて、枠組みは今後つくっていくところでございますけれども、地域の方に入っていただいて、情報を提供して、まちづくりについて、今後の方向性とか、お考えを聞いてまとめてまいりたいという考えを持っております。 ◆中村康弘 委員  立体事業に関連しまして、井荻駅の地下道のエレベーター設置に関して。  これについては、これまでもさまざまな方から議会においても何度も質問が出ておりますけれども、私も以前、予算特別委員会で質問させていただきました。本件については、地元にとりましては切実な問題でもありまして、一日も早い設置を望むところでありますけれども、今の進捗状況、わかる範囲でお示しください。 ◎建設課長 井荻の地下歩道につきましては、これも全体の管理者は東京都でございます。これまでも協議してまいりましたけれども、区としても重要な課題と十分認識してございますけれども、なかなかいろいろ難しい点がございます。引き続き東京都と協議を重ねていきたいというふうに考えてございます。 ◆中村康弘 委員  私、以前この件に関して質問したときに、構内のエレベーターを利用して南北を行き来する、いわゆる国土交通省の実証実験について触れました。それをさらに進化した形で、ICカードを利用した形で井荻駅で実証実験を行ったと伺っておりますけれども、その実証実験の概要と結果、また今後の実用化に関して何か情報を持っておられるでしょうか。わかる範囲でお示しいただけますでしょうか。 ◎建設課長 国土交通省が西武新宿線都立家政駅で行った、あかずの踏切対策に関する実証実験かと存じます。平成20年と21年に実施したということでございまして、結果としては20年の結果が公表されてございます。駅構内の通路を利用して利便性を高めるということで、駅構内の延べ利用者は約200名あったと。そしてまた、アンケートの結果、利用者の評価はおおむね、大変よい、よいと評価されたというふうに聞いてございまして、21年の結果についてはまだ公表に至ってございません。そういう状況でございます。 ◆中村康弘 委員  次に、上井草駅について伺います。  これもさまざま何度も出ている状況でございますけれども、この駅は上下のホームが別々になっていて、跨線橋を駅舎につけられないか、こういう大きな課題があります。この件に関しても、私も以前質問した際に、ご答弁として、練馬区、西武鉄道、杉並区の3者で話し合いの場を設けて連絡会を開催する、その方向性で調整をしていくという答弁がございましたけれども、その後の進捗状況についてはどのような今現状でしょうか。 ◎拠点整備担当課長 ご指摘の勉強会なんですが、西武線上石神井−井荻間の連続立体と各駅周辺のまちづくりについて検討する勉強会であって、具体的な上井草駅の改良については、直接西武鉄道さんとお話をしているというような状況でございます。 ◆中村康弘 委員  ぜひとも前向きに進めていただきたいと思います。  続いて、郷土博物館について伺います。  先週末、同博物館で開催中の吉川英治展の写真ギャラリー及び吉川英治の杉並時代の展示を見てきました。学生時代、同氏の「三国志」の全8巻を、大変おもしろく、3日間で読破したことがありまして、「吉川三国志」のスケールの大きさと独特の人物描写にわくわくしながら読んだことを記憶しております。また、吉川英治氏は「宮本武蔵」の小説の中で、あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように黙って自分を動かないものにつくり上げろとつづっていたり、「苦に徹すれば珠となる」という、私も大好きな言葉ですけれども、苦労した分だけ人間は磨かれるんだと、非常に深い人生観を持った作家であるというふうに認識しておりますけれども、そういう意味で、今回の写真展、大変感慨深く見させていただきました。  吉川氏の人物、写真は飾っていたんですけれども、人物像、考え方とか、また、作品のもうちょっと説明があったほうがいいんじゃないかなというのが率直な印象でしたけれども、それはさておき、博物館の設立目的と区政の中における役割をお示しいただきたいと思います。 ◎郷土博物館長 郷土博物館は、区民の教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的として設置された施設でございまして、杉並区の歴史や文化に関する資料につきまして、収集、保管、調査研究、展示、そして、講座を行う中で杉並区民が杉並区のまちや文化について魅力を再発見することを主な役割としてございます。 ◆中村康弘 委員  博物館に関しては、スマートすぎなみ計画の第4次実施プラン、また総点検の結果でも、運営体制について見直しの方向性が示されてきました。その中身をもう一度整理していただきたいということと、今の検討状況をお聞かせください。 ◎郷土博物館長 スマートすぎなみ計画や杉並改革総点検の中で、民間活力の活用をして郷土博物館の活性化を図っていくという方向性を出してございます。現在は、館の専門性を確保しつつ民間活力の活用をしていくという観点から、地域のNPO団体との共同運営によることを視野に入れまして、委託をしていく場合の事業の内容や範囲について、また区の体制をどうしていくか、そういったことについて検討を加えているところでございます。  また、これらの検討に並行いたしまして、昨年10月から本年の2月まで、すぎなみ地域大学におきまして、杉並区立郷土博物館管理運営講座を実施いたしまして、担い手の育成に努めてきたところでございます。  今後とも、多角的な検討を視野に入れまして、郷土博物館運営協議会のご意見も聞きながら方向性を定めていきたいと考えてございます。 ◆中村康弘 委員  先週末は冷たい雨が降っていましたが、それでもちょっと寂しかったですね、人もまばらで。今、来館者の状況、推移はどのような状況でしょうか。 ◎郷土博物館長 本館の状況でございますが、まず入館者数なんですが、開館2年目に、平成2年度なんですが、2万4,600人と、そちらがピークになってございまして、現在は、平成18年度以降、1万3,000人から1万4,000人ぐらいの状況で推移しています。一方、分館につきましては、開館1年目の平成19年度につきましては1万7,000人、平成20年度につきましては約1万3,000人となっております。 ◆中村康弘 委員  せっかくの資産ですので、今後いかに活性化していけるか、これが大きな課題になっていると思います。例えば、長屋門から本館の建物の間のスペース、もっと何か有効利用できるんじゃないかなと思ったりもしました。それ以外に、今後どういった形で、先ほども若干ございましたけれども、活性化していく計画ですね。  あと、一番気になったのは、これまでも出ておりますけれども、立地条件、車でも不便ですし、公共交通でも不便です。この辺に関して、あわせてどのようなお考えか、お示しいただけますでしょうか。 ◎郷土博物館長 今後は、こうした企画展示等につきまして区民が参加できるようなイベントをいろいろ考えていくこと、また、リピーターを確保していくためにイベント情報をうまく情報発信していくこと、そして、今博物館で持っている資料情報について電子化を進めておりますので、ホームページに掲載しながら、そういったことを充実していくことにつきまして、区民の方々と考えながら一緒に活性化に努めてまいりたいと思っております。  立地条件なんですけれども、ちょっと駅から遠いこともありまして、必ずしも便利であるとは言いがたい状況にはございますが、いろいろ工夫を加えていく中で、現在の施設でかつての人数が多かった時代を目指して頑張ってまいりたいと思います。 ○小泉やすお 委員長  それでは、大槻城一委員、質問項目をお願いいたします。 ◆大槻城一 委員  学校図書館について、そしてすぎ丸バスについて。資料は、495と498、そして、先日教育委員会が出された「豊かで確かな言葉の力を付ける授業の工夫」というチラシを通して質問いたします。  初めに、本日は、1945年3月10日に10万人以上の方が亡くなられた東京大空襲の日であります。二度とあのような悲惨な体験を、我々も、そして世界中の次世代の子どもたちも経験せずに済むよう心から願うものです。そのために教育こそが大切です。中でも、自らが調べ、自分の言葉で表現する、自立した全体人間を志向する学校図書館の役割は大変に重要と考えます。  先日、杉並区教育委員会による「豊かで確かな言葉の力を付ける授業の工夫〜読書活動を通して〜」との研究主題を掲げた研究発表会を拝見させていただきました。「学びを支える学校図書館」とのテーマのもと、先生方の意欲的な研究発表やシンポジウムが進行されていました。会場の小学校体育館は満杯で、このテーマに対する関係者の関心の高さがうかがえました。主催者として区教委は、この研究発表会でどのような感想を持たれ、今後の施策にどう生かしていこうと考えられていますか。 ◎済美教育センター統括指導主事 せんだって行われました研究発表会には、たくさんの方においでいただきました。また、都内各学校から多くの方もいらっしゃっております。読書活動あるいは言語にかかわる教育についての充実を多くの先生が学びたい、そして進めたいというふうに願っているのだというふうに認識しております。 ◆大槻城一 委員  当日の報告では、学校図書館の活用により、以下の点が報告されていました。例えば、6年生の授業で平和をテーマにしたとき、1人10冊程度の本を読むことができた、以前は1冊の本をすぐに書き写していたが、数冊の本を読み比べ、書くようになった、各学年とも本を読むことで自分の考えをまとめることにつながった、興味・関心が広がり、進んで課題を調べるようになった、他の教科にも波及し、聞く力がついた、研究を通し、先生もより本を読むようになったとのこと。シンポジウムでは、学校図書館とは、情報が一番集まっており、子どもたちのニーズにこたえていかなければならないとの意見がありましたが、標準図書達成率等、当区の小中学校の状況は今いかがですか。 ◎庶務課長 ちょうど本年2月の状況でございますけれども、小学校全体で見れば87.5%、中学校全体で見れば92.6%ということですけれども、各学校で若干温度差があるというところで、これまでもそうですけれども、これからもそういったものも視野に入れながら力を入れてまいりたい、かように考えてございます。 ◆大槻城一 委員  中休みや昼休みの利用も増えているが、まだまだ利用の余地があるとの報告も。同図書館には読書センターとしての機能と学習センターとしての機能があります。読書ばかりでなく、情報活用能力である情報リテラシーを育てたり、授業の学習支援をしたりすることも重要で、教師との連携が必要であります。今後の区の体制はどのようなものになりますか。 ◎済美教育センター統括指導主事 委員ご指摘のように、学校の中では、学校体制を充実させ、教員と学校司書あるいはボランティアが協力しながら進めていく必要があると思います。今後、私どもに設置していますサポートセンターを中心に、学校の体制整備の充実を図ってまいりたいと思います。 ◆大槻城一 委員  学校図書館は、子どもにとって魅力的な空間にすることが第一であります。その意味で大きいのが学校司書の存在である。いつも人がいる、そして気軽に入れる温かみのある図書館。学校司書は、本の知識とともに、1人1人の生徒を知らなければなりません。本が苦手な子に本を好きにさせるきっかけは人であることも多い。今後、放課後の居場所づくりとして学校図書館がクローズアップされていくと考えますが、区の見解はいかがですか。 ◎済美教育センター統括指導主事 学校図書館に人がいて、そして、子どもたちが本を学びたい、読みたいというものにこたえていくということは、学校にとって必要なことだと考えております。休み時間、放課後、できる限り体制を整えながら開館をしていく方向が望ましいと考えております。 ◆大槻城一 委員  ぜひよろしくお願いします。  学校司書は授業計画を十分に知る必要があり、学校司書と学校図書館を有効に活用するためには、学校図書館年間利用計画が必要と考えます。当区の現状及び今後の予定を伺います。 ◎済美教育センター統括指導主事 現在、学校図書館の経営計画がつくられている学校、まだ十分にという状態ではありません。今後、子ども読書推進計画にも定められていますけれども、100%を目指して指導申し上げたい、あるいはご助言申し上げたいと考えております。 ◆大槻城一 委員  ここがポイントとなりますので、よろしくお願いします。  先日、小学校での図書館を利用した授業を視察したとき、助手の学校司書が、授業に集中していない子どもに授業態度を注意されていました。私は、今後、すべての学校司書が職員室に机を持ち、職員会議等へも参加することが必要と考えますが、いかがですか。 ◎済美教育センター統括指導主事 職員室の状況によると思います。机が十分にあるところ、ないところ、さまざまな状況がありますので、ここで、すべての学校図書館が配置されている学校に入れると言うことはできませんけれども、なるべく協力体制を充実させていく、その辺では委員と同じ気持ちでありますので、ご助言申し上げていきたいと思っております。 ◆大槻城一 委員  情報の共有化、一体感含めて、よろしくお願いいたします。  そして、昼休みの学校図書館は、天候がよい日は来館者が20人程度だが、雨の日などは70人以上が来館し込み合っているとのこと。また、学校図書館司書によって学校ボランティアも余裕を持ち、当区が現在強く推し進めている学校支援本部によりかかわれるとの指摘もあります。  平成21年度の日本学校図書館学会研究発表大会で、各方面から報告された幾つかのテーマに、読書のアニマシオンへの考察がありました。スペインのモンセラット・サルトが考案した読書教育法である読書のアニマシオンとはどのようなものか、区の認識を伺います。 ◎済美教育センター統括指導主事 アニマシオンとは、読書活動を研究、実践している先生方によって多くの学校で行われている読書にかかわる活動と認識しております。スペインのほうでは、本に背を向けている、なかなか本を手にとらない、そのような子どもたちに何とか手にとらせたいという内容で始めた教育メソッドだというふうに認識しております。こちらについては、子どもの読む力あるいは子どもの読書にかかわる力をつけるために、ゲームのような形を取り入れながら本に親しんでいく、そのような活動だと認識しております。 ◆大槻城一 委員  読書のアニマシオンについては、当区の学校図書館については今後どのようなアプローチを考えていますか。 ◎済美教育センター統括指導主事 アニマシオンは、先ほど申しましたとおり、子どもたちにもっと本を深く読んでもらいたい、そのようなものについては大変効果的だなというふうに考えております。今現在、アニマシオンがすべての学校で行われているというデータはございませんけれども、杉教研、教員によります研修会では、何度かこれにかかわる研修を開いているというふうに聞いております。そのような中から先生方は認識を深めていると思います。私どもも、このアニマシオンについての意義を認め、さまざまな研修の中で意義について伝えてまいりたいと考えております。
    ◆大槻城一 委員  全国の発表では、大変に効果的だったという報告がありますので、よろしくお願いします。  そして、OECDによる2003年PISA型学力調査結果を受けて、今生きる力の育成に力点が置かれている。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、そして問題解決能力が問われる中、日本は読解力について調査をするたびに大きく順位を下げ、問題視されています。PISAによれば、学力の習得には、従来の知識や技能に絞った能力観には限界があり、コンピテンシー、いわゆる人の根源的な特性、能力に基礎づけられた学力という観点から見ることが必要になっていると言われている。それは人生のあらゆる場面で役立つ学習の力と言いかえることができ、学校教育に限られたものではないとのことでもあります。  その中で、学校図書館は、読解力向上にもコンピテンシーにも応用できる学びの場を提供できるとされています。当区において、PISA型学力調査から浮かび上がる生きる力の育成と学校図書館との関係性について区教委はどのように考えていますか。 ◎済美教育センター統括指導主事 杉並区の学力調査の結果との相関関係は十分に検証していないところでございますけれども、国の学力調査との関係の中では、読書が好きであるというような子どもについては、全般的に国語の正答率が高い、読む力についての正答率が高いというデータが出ております。 ◆大槻城一 委員  最後に、理科教育が注目される中、科学的読み物と学校図書館との今後について伺います。 ◎済美教育センター統括指導主事 学校図書館におきます科学読み物は大変大切なものである、未来への夢とか希望を子どもたちに与え、理科好きの子どもをつくるものだというふうに考えております。今現在は大体全体の読書の率の中では13%程度がこれにかかわる自然科学分野というふうになっておりますけれども、平均に近い形ですけれども、充実してない学校については、その割合について等、助言してまいりたいと思っております。 ◆大槻城一 委員  続いて、すぎ丸バスについてお伺いいたします。  すぎ丸バスの決算状況については、けやき路線は黒字、さくら路線は減少してきてはいるが赤字、かえで路線は運行1年ということもあり同様との報告があった。全体で年間約1,500万円の赤字だが、すぎ丸バスが交通不便地域を走ることによる行政サービスの観点からの区民満足度はかなり高いと言えます。高齢者や障害者、妊婦など、歩行や自転車走行などに困難を伴う方にとってはなおさらであり、交通不便地域ですぎ丸バスが外出するきっかけをつくっているとの区民の声もあります。  そこで、すぎ丸バス全体の年間の利用者数はどのぐらいでしょうか。 ◎交通対策課長 けやき路線に関しましては約6万3,000人、さくら路線につきましては1万3,000人、かえで路線につきましては5,800人という20年度の実績でございます。 ◆大槻城一 委員  現在、有識者を含めた今後の杉並区の公共交通研究が続けられていますが、私は、かえで路線開通決定直後の一般質問で、次の公共交通を研究するための予算を区に要望しました。区側の考えとしては、しばらくはかえで路線の状況について経過を観察、調査し、状況を見守りたいとの考えもあったと聞きましたが、最終的に100万円の新しい公共交通の研究予算をつけていただきました。そのことは大いに評価するところでございます。それは、当委員会での多くの議論があるように、区民ニーズの高い施策だからであります。  巡回型のコミュニティバスが多い中、すぎ丸バスは起点、終点が別々であります。また、ほかでは類を見ないくらい狭い道を走行していることは、公共交通関係者から高い評価を得ています。運行開始より、すぎ丸バス運行に際しては、死亡事故、重傷者を出すような事故は今まであったんでしょうか。 ◎交通対策課長 おかげさまで、現在のところ、大きな事故は発生しておりません。 ◆大槻城一 委員  区民や公共交通関係者から大変高い評価を受けているすぎ丸バスについては、採算性をより高めることが求められています。運送収入以外には、車内広告収入や、私も提案させていただいたラッピング広告がありますが、運送収入以外の収入状況はどのようになっていますか。 ◎交通対策課長 20年度の実績でいきますと、ラッピング、車内広告等含めまして約390万円ほどになっております。 ◆大槻城一 委員  私は、すぎ丸バスの車内広告はやや見づらく、別の表示方法を考えたほうがよいのではと以前質問をしました。やはりコミュニティバスとして有名な武蔵野市のムーバスは、乗車中の人の視界に入りやすいように、車内のガラス窓に広告を張りつけていました。最近の広告媒体は、町なかを見ても、また公共交通の代表である電車内にしても、映像を使った広告が多くの人の目に触れ、効果が高いと言われています。すぎ丸バスについても、車内に薄型テレビ等を搭載し、そこに広告を流し、収入を確保することが可能ではないかと考えますが、区の見解を伺います。 ◎交通対策課長 現在、ことしの1月下旬に導入いたしました新型車両につきましては、次のバス停表示のほかに、区のお知らせ等を映像で流せるような液晶ビジョンを設置したところでございます。 ◆大槻城一 委員  あと、私、運行間隔を短くすることも利用者の拡大につながると考えます。例えば、さくら路線は今30分に1本のため、待つより歩くほうが早いとの区民の声もありますが、いかがですか。 ◎交通対策課長 ただいま委員ご指摘のようなご意見も伺っております。 ○小泉やすお 委員長  それでは、北明範委員、質問項目をお願いいたします。 ◆北明範 委員  公園について、住宅の耐震化について、その流れで住宅版のエコポイント、そして、少子高齢化にふさわしい新たな住まいの実現に向けて。  公園についてお伺いします。  先月、2日間にわたりまして、私は西荻に住んでいるんですけれども、地域の区民の方と公園の総点検運動を14カ所させていただきました。特に、たばこのポイ捨て、ごみの散乱、砂場の猫のふんが目立ちまして、中には、花咲かせ隊の方が非常にきれいに手入れをされているすばらしい公園もありました。  そこで、たばこについて、私はてっきり公園は禁煙だというふうに思い込んでおりまして、3人の方がたばこを吸っていまして、注意をしてしまいまして、後でみどり公園課長に聞きましたら、禁煙じゃありませんというふうに聞きまして、大変申しわけないことをしたわけでございます。道路で吸えないので、唯一公園で一服するしかないと先日ありましたけれども、受動喫煙の問題もありますし、私の子どもなんかは、たまたま公園で遊んでいましたら、何か手で持っているので、何かなと思ったらたばこを持っていて、非常に怖いなと。親の責任なんですけれども、そんな思いもしたわけですけれども、区の考えとしてはどうなんでしょうか。 ◎みどり公園課長 公園はいろいろな方が利用されるということで、かつては各公園に灰皿があったものを、一応灰皿は今ほとんどの公園で撤去してございます。まだ残っている場所が何園かございますが。灰皿を置かないことによって、この場所で喫煙をなるべくならご遠慮いただきたいというふうな形にしてきたわけですが、積極的には禁煙ということではやってきてはございません。  ただ、今般、2月25日に国のほうでそういった方向性が出ておりますので、小さな公園も多いので、小さな公園についてはそういった方向にしていきたいなと。管理事務所のあるような大きな公園については、分煙化というようなことで従前もしてきておりますので、今後そういうふうに考えてまいりたいと思います。 ◆北明範 委員  では、よろしくお願いします。  あと、善福寺川沿いのおぎ緑地というのがあるんですけれども、これはすごく狭くて、何か電柱みたいなのが立っていて、井戸水のポンプがあるんですけれども、あれは何の公園なんですか。 ◎みどり公園課長 公園というか、善福寺川の緑地ということで、なかなか善福寺川上流部は公園も少ないこともありまして、防災用の井戸を置きながら、いざというときは利用していただきますし、そういったところでみどりを楽しんでいただくということで設置したものでございます。 ◆北明範 委員  先日、健康遊具を見に和田堀公園と善福寺川緑地に行ってまいりまして、これはすばらしい公園ですね。15基、健康遊具が設置されておりまして、高齢者の方も結構利用していました。特に、お一人、おばあちゃまが階段みたいなのを上ったりおりたりという運動をしていたんです。昔は手すりを持ってよろよろやっていたんですけれども、今は手放しでできるようになりましたと非常に喜んでおったんですけれども、区民の反響はどうでしょう。 ◎みどり公園課長 健康づくり、あるいは善福寺川沿いをジョギングやウオーキング等で利用される方に非常に利用されているというふうに伺ってございます。 ◆北明範 委員  さっき言いましたおぎ緑地なんかは結構散歩道なので、あそこに高齢者の遊具なんか置くと、結構皆さん使うんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。 ◎みどり公園課長 周辺に家が多い場合、利用があることによるいろいろな課題もありますので、その辺を含めて今後研究してまいりたいと思います。 ◆北明範 委員  すごい高齢化社会ですので、そういう身近に運動ができるというのは非常にいいと思うんですよね。あそこだけではなくて、公園はいっぱいあるわけですから、ブロックごとに1カ所ずつぐらいぜひつくっていただきたいなと思います。また、子どもから高齢者まで楽しめる公園をぜひお願いしたいというふうに思います。  次に、住宅の耐震化についてお聞きしますが、耐震化の今の状況を教えてください。 ◎建築課長 耐震化のこれまでの実績でございますが、耐震診断につきましては、累計で2,216件、耐震改修助成については221件の助成をしてございます。 ◆北明範 委員  決特で質問させていただきましたけれども、精密診断士が9名ということで少な過ぎるというご指摘をさせていただきましたけれども、その後の状況は。 ◎建築課長 木造住宅の精密診断については、だれでもできるというものではございませんで、これは1級建築士でも2級建築士でもそうですが、東京都でも試験を行いまして、杉並区の在住在勤で9人ほど登録されてございますが、こういった方々にも協力を願って、精密診断士については倍増していきたいというふうに検討してございます。 ◆北明範 委員  あと、精密診断をする業者さんが耐震改修をするのはいかがなものかという質問もしましたけれども、その後の状況はどうでしょう。 ◎建築課長 精密診断を行った方の会社等で工事も行うということについては、原則としては禁止してございます。ただ、申請者、建築主のほうからぜひそうしてほしいというようなケースもありますので、そういった場合には、まれにそういったケースもあるということでございます。 ◆北明範 委員  前回も申し上げましたけれども、区民の方が耐震化をしたいと思うと、区に相談をして、簡易診断をしてくれます。それで、この家ちょっと危ないよとなると精密診断をやる。どこの業者に決めようかなと思って、業者を決めてやるわけですけれども、業者も自分の精密診断じゃないとなかなか信用しない、大手なんか特にそうなんですけれども、そうすると二度手間になっちゃうわけですね。精密診断を2回やらなきゃいけないわけですよ。これで時間もかかるしコストもかかるということで、私は、前回申し上げましたように、確認申請みたいにオープンにして、審査機関をきちっとつくるということがスムーズに流れていく根本だと思うんですけれども、その辺の動きはどうでしょうか。 ◎建築課長 精密診断から改修への流れについては、これまでの経緯等も大切にしながら、メーカー系の方等については、確かに二度手間になるような側面もございました。そういった観点から、精密診断について、区のほうで例えば構造設計1級建築士というものを配置する予定もございまして、そういった人を中心に区のほうで判定委員会というのをつくって、メーカー系で精密診断したものをそういったところで判定して、耐震の精度というんですか、品質というものを確保していきたいというふうに考えてございます。 ◆北明範 委員  ぜひよろしくお願いいたします。  では次に、関連しまして住宅のエコポイントについて聞きます。  エコ住宅の新築、リフォームに対しまして発行される住宅のエコポイントの受け付けが今月の8日から始まりました。この導入の背景、お聞かせください。 ◎環境都市推進課長 平成21年12月に閣議決定されました、明日の安心と成長のための経済緊急対策によりまして、地球温暖化対策と景気回復の両立を目指す施策として導入されたものでございます。 ◆北明範 委員  工事期間は。 ◎環境都市推進課長 新築の場合、平成21年12月8日から建築着工して平成22年12月31日までのもの、それから、エコリフォームの場合は平成22年1月1日から12月31日まで、22年中に着工したものということでございます。 ◆北明範 委員  あと、ポイントの限度とポイント発行の申請期限ですね。 ◎環境都市推進課長 新築、リフォームともに30万ポイントで、交換期限は平成25年の3月31日となっております。 ◆北明範 委員  では、ポイントは何に交換できるのか。 ◎環境都市推進課長 省エネや環境に配慮した商品やプリペイドカード、商品券、地域産品や、あとは環境団体への寄附、それから、新たにエコ住宅のリフォームをするような場合に組み入れるということができるようになっております。 ◆北明範 委員  では、リフォームと新築があるわけですけれども、この工事内容、どんな工事をするとポイントがつくんですか。 ◎環境都市推進課長 例えばリフォームの場合で申しますと、天井や壁、床の断熱材の導入、それから、窓を二重サッシ化するとかガラスを複層ガラスに変えるということがございます。 ◆北明範 委員  新築は。 ◎環境都市推進課長 新築は、省エネ法のトップランナー基準を満たし、省エネ基準を満たすものとなっております。 ◆北明範 委員  新築は、家を新築するときに、省エネ基準ですから、例えば床とか壁とか天井とかにロックウールを入れたりして断熱性能を高めるということと、窓ですよね。これだと思うんですけれども、リフォームについてちょっとお伺いしますけれども、例えば掃き出し窓、大体インナーサッシをつけると5万円ちょっとかかるわけですけれども、それで1万8,000ポイントがもらえるわけです。大体30%ぐらいの還元になるんですけれども、そんな認識でいいですか。 ◎環境都市推進課長 ご指摘のとおりでございます。 ◆北明範 委員  では、さっきの流れで、耐震改修で助成金が100万円出ます。エコポイントで最大30万円出ます。家電のエコポイントもあります。これは、区民にとりましてはCO2の削減、耐震化、また業者にとっては経済効果もありますし、業者にとっても非常にいいということで、区にとっても区民にとってもすばらしい施策だと思いますので、ぜひ大々的な啓発活動を区にお願いしたいと思いますけれども、いかがですか。 ◎環境都市推進課長 現在、あんさんぶる荻窪において、「おうちで省エネ大集合」としまして、家電、高効率給湯器、住宅の断熱材やペアガラス、複層ガラスですね、の展示を行って周知に努めているところですが、今後、環境情報館のホームページや省エネなんでも相談、出前講座などを利用しまして、周知に努めていきたいというふうに考えてございます。 ◆北明範 委員  広報なんかにもぜひ載せていただければありがたいなというふうに思います。  次に、「少子高齢時代にふさわしい新たな『すまい』の実現に向けて」ということで、東京都の猪瀬副知事が座長を務めておりますプロジェクトチームの報告書、これを読ませていただきまして、2025年には高齢者全体の半数以上を75歳以上が占めます。また、核家族化の進展などによりまして、単身や夫婦のみの高齢者の世帯が増加します。地域とのつながりの希薄化によりまして、家族や地域からの支えがない高齢者が多く生じることになります。これまでの施設か住宅かという二者択一から、今は元気に暮らしているけれども、困ったときには支援が受けられるケアつき住まいという新しい選択肢が必要である。限られた土地資源や既存ストックを有効に活用することが不可欠であるというふうに書いておりますけれども、区の見解をお聞かせください。 ◎住宅課長 区の認識も同じようなことでございまして、今現在、保健福祉部と連携いたしまして、高齢者の住まいのあり方検討会を設置してございますが、その中で十分研究させていただきたいと思います。 ◆北明範 委員  では、しっかり研究してください。  ケアつき住まいの供給に当たって、事業コストの軽減によりまして民間事業者の意欲を喚起するとともに、入居者の経済的負担の軽減も図る必要があります。また、既存ストックでいえば、公共住宅、統廃合した学校の空き校舎、それらの用地、多数の民間住宅のストック、これは東京の持つ利点というふうに言われておりますけれども、区のご所見をお伺いします。 ◎住宅課長 今現在計画しておりますのは、みどりの里が20年を迎えると契約期間が満了いたします。みどりの里の転換計画の中で、ケアつき住宅への転換を今この検討会の中で研究しております。 ◆北明範 委員  学校なんかはどうでしょうか、空き校舎なんか。 ◎教育改革担当部長 学校適正配置を進める中で、当然、計画が定まれば、その後、学校跡地等の有効活用ということが大きな課題になりますが、これは、区のほうで定めております跡地活用の基本方針に沿って、区民福祉の向上につながるような活用が望ましいと考えているところでございます。 ◆北明範 委員  ぜひお願いいたします。  あと、ケアつき住まいには、高齢者向け優良賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅、適合専用賃貸住宅がありますが、それぞれ説明をお願いします。 ◎住宅課長 高齢者専用賃貸住宅と申し上げますのは、高齢者であることをもって入居を拒まない、高齢者のみを募集する専用住宅でございまして、高齢者優良賃貸住宅というのは、高齢者専用賃貸住宅にバリアフリー化が加えられた質の高い住宅、そのように認識しております。 ◆北明範 委員  高優賃など、各住戸の面積要件が原則25平米ということで、地価は東京は非常に高いわけで、実態が十分反映されていない、新たな施設基準を設置する必要があるというふうに言われておりますけれども、今後の見通しはどうでしょう。 ◎住宅課長 たしか、高齢者優良賃貸住宅について、今一部制度が変わるというふうなことを聞いておりまして、国の直轄の補助事業になるとか、その辺のところで面積の緩和だとかが考えられているというような情報は承っております。 ◆北明範 委員  例えばシェアハウスのような、居間、食堂、台所が共同であれば18平米以上でいいということもありますので、こうなりますと建築費もぐっと下がりますね。例えば、売却されそうな企業の社宅などをリフォームすれば簡単にできそうな気もするんですけれども、そんな感じはどうでしょう。 ◎住宅課長 今後の住宅施策の中で、そのようなことも研究させていただきたいと思います。 ◆北明範 委員  では、最後の質問です。  現在の財政支援のスキームだけでは、民間事業者にとって必ずしも魅力的なビジネスモデルにはなっていない。国は、補助や税制優遇による助成など、財政支援等の充実を通じて責任を果たすことが求められる。東京都は昨年7月に、補助適用拡大、税制優遇の面積要件の緩和を国へ提出要求したが、その後の状況はいかがか。 ◎住宅課長 補助金については既存の補助金をそのまま継続する、優遇税制だとかそういうのも検討されている、そういうようなことは聞いております。 ○小泉やすお 委員長  それでは、横山えみ委員、質問項目をお願いいたします。 ◆横山えみ 委員  がん教育、公園の砂場、あと、時間があれば登下校のメールシステム活用について。  おはようございます。──あっ、もうお昼になりますね。きょうはがん教育についてお伺いしたいと思います。  日本は2人に1人ががんになる世界一のがん大国です。今、区長と松沼副区長が並んでいますけれども、お隣と顔を合わせますと、そのどちらかが将来はがんになる、(笑声)ご自分かもしれません。そういう可能性が高い、これが今回の統計です。平成20年には東京都はがん対策推進計画を打ち出されましたが、学校教育での現場の展開が少ないなという印象を持ちました。学校でのがん予防に関する役割をどのように認識していますか、お伺いします。 ◎済美教育センター副所長 学校教育においては、保健体育等の授業において健康教育を進めておりますけれども、しっかりとした、自らの健康は自らが守るという意識と、それから知識を身につけさせなければならないというふうには認識しております。 ◆横山えみ 委員  これまで、学校でのがん予防に関する指導の取り組みはいかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 今もちょっとお話し申し上げましたが、保健体育の授業等で、健康教育の中で疾病にかかわる内容で取り扱っている部分がございます。学習指導要領にはがんという表記はないんですけれども、それぞれの教科書においては、たばこの害に関連づけましてがんのことについて指導するような形で、教科書が構成されております。 ◆横山えみ 委員  がんは、早期発見で早期治療、それによって完治するというのが欧米の常識で、それに倣って日本もがん対策基本法を推進したんですけれども、ここにきて受診率が低いということで、受診率を高めることが課題というふうになっています。このがん対策推進計画を活用し、がん教育を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 繰り返しになりますが、がんを含む疾病にかかわる学習については、健康教育という観点で重視していかなければいけないというふうに思っております。ただ、本当に児童生徒の学習内容に対する興味・関心というものは、さまざまな外部の専門家の方々からのご意見等が、お話等が非常に効果的であることから、例えばお医者さん等からお話を聞けるような学習活動等も状況に応じて設定していきたいというふうに思っております。 ◆横山えみ 委員  本委員会でも、たばこの問題がそれぞれの立場から取り上げられましたけれども、喉頭がんが96%、肺がんが72%、食道がんに至っては48%、これが全部喫煙が原因だというふうに言われています。若年の喫煙、この開始による影響というのをどのように認識していますでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 喫煙防止教育等も行っておりますけれども、健康に対する被害というものは非常に大きいというふうに思っておりますし、また、先ほどもお話ししましたが、喫煙とがんとの関連性というものについては、それぞれの小中学校の保健体育の授業で学んでいるところでございます。 ◆横山えみ 委員  中学生の喫煙統計というのは、本区のはあるんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 センターではこれは把握しておりません。申しわけございません。健康推進課であるかと思いますが。 ◎健康推進課長 2年に1回、中学校1年生、中学校3年生の喫煙率を調べております。21年度、今年度調べまして、中学校1年生ではたしか4%程度だったというふうに記憶してございます。 ◆横山えみ 委員  本区では、先ほど禁煙教育で専門家の話をしていただいているということなんですけれども、保健師とか学校医からのこれが開催されると思っていますが、この状況、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 セーフティー教室という教室がございますけれども、そちらでも薬物にかかわるような内容も開催されております。その中の一部で、たばこにも関連づけまして、学校薬剤師の方々からもお話を伺っているところでございます。 ◆横山えみ 委員  禁煙教育というのは習慣化になる前が大事な教育です。特に、女性は将来母親になります。妊娠中の喫煙による胎児への影響は深刻なんですが、女子に対する指導というのはどんな形で行われているんでしょう。 ◎済美教育センター副所長 これは男女ともでございますけれども、特に保健体育の教科書においては、女性の妊娠に非常に大きな影響が出てくるというような記載がございまして、それをしっかりと指導しているところでございます。 ◆横山えみ 委員  本予算では、子宮頸がんワクチンが新中学1年生の女子に全額公費で行われます。がんの中で唯一予防できるがんとして、区長の救える命は救っていくとの英断に大拍手を送るものです。新中学1年生へのお祝いワクチンということで、教育現場からはどのような声が届けられているでしょうか。 ◎学務課長 今回の子宮頸がんワクチンの接種でございますけれども、これは基本的には、救える命を救うという意味からいいまして、非常に歓迎すべきことだということでございますが、これにつきまして、どのように今後保護者あるいは生徒のほうに説明をして、その受診率を高めていくかというところが課題であるというようなことで、健康推進課のほうからも校長会等に説明していただいているという状況でございます。 ◆横山えみ 委員  校長会での校長の反応はいかがでしたでしょうか。 ◎健康推進課長 2月22日に中学校の校長会に出向きまして説明をさせていただきました。全体的には、保護者や、それから学校関係者への周知が一番大切だということで受けとめていただいたというふうに感じております。
    ◆横山えみ 委員  先ほどの学務課長の、救える命は救うことが大切なんですがの「が」が大変気になるんですが、ヒトパピローマウイルスというのはごくありふれたウイルスで、だれでも感染する可能性があります。性行為で感染し、50歳までで約80%の女性が感染すると言われていますが、ほとんどの場合、感染は一時的で、ウイルスは自然に消えてしまいます。が、持続感染や、あと再感染で発症する、これが特徴なんですけれども、この正しい知識の啓発が大変重要です。間違った方向で行くということは大変危惧します。この正しい啓発、ここのところにはどのような所見を持っているでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 啓発についてでございますけれども、先ほどの健康教育の中でも、正しい知識というもの、70%の予防ができる、もしくはその後の受診によってほぼ100%予防ができるというようなところについては、どのような形で指導していくのかということも含めて研究をしていきたいというふうに思っております。 ◆横山えみ 委員  先日も中川恵一東大病院の教授の話が出ましたけれども、この方が国立第一中学校の全校生徒に、公立では初めて道徳公開講座が開かれました。ご存じでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 存じております。 ◆横山えみ 委員  その中で、義務教育におけるがん教育が喫緊の課題であると指摘されました。終了後、生徒会長の女子生徒からは、話を聞き、がんを理解することが大切だと学びました、将来必ず役立てていきたいと感想を述べていました。本区においても専門家の講演を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 ぜひこれは進めていきたいというふうに思っております。また、中川先生もご協力いただけるというような情報を私どももいただいておりますので、お力をかりたいというふうに思っております。 ◆横山えみ 委員  また、中川先生は、子どもたちの教育はもちろんのこと、先ほどセンター副所長も言われていましたけれども、教師と親に対する啓発にどう取り組むかということなんですが、必ず保護者が来れる入学式などを利用すること、大変期間は短いんですけれども、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 なかなか、入学式でご講演をいただくというようなところについては、学校のご理解をいただく必要が出てくるというふうに思いますが、先ほど来お話があるようなセーフティ教室等におきましては、保護者、地域も参加ができるようなシステムになっております。ぜひこのような機会も活用していきたいというふうに思っております。 ◆横山えみ 委員  全学校ですべてこの日にというのも大変無理なので、そこに校医だとか保健師さんが大事な役割をなさるかなというふうに考えています。何としてもこの普及啓発は大事ですので、頑張っていただきたいと思います。  本区の副読本「かけがえのない自分、かけがえのない健康」を読ませていただきました。がん教育を実施するに当たり、がんの専門医と連携し、わかりやすい副読本を取り入れる工夫が必要と思いますが、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 「かけがえのない自分、かけがえのない健康」につきましては、文部科学省が作成したものでございまして、私どもとしましても、このような有効な資料を活用しまして健康教育を進めていきたいというふうに思っております。 ◆横山えみ 委員  本当にすばらしいがん教育を進めていただいて、せっかくのこのワクチン、大成功させたいなと思っています。きょう、大澤課長も、そして遠藤部長もおいでですので、女性の健康週間、3回目を迎えて大変すばらしかったです。チェリーグローブもしっかりと配っていただけて、本当に感謝しています。ありがとうございました。  次に、公園の砂場についてお伺いします。  公園に砂場を設置するねらいは。 ◎みどり公園課長 公園については、小さなお子さんから大きな方まで利用しますが、小さなお子さんが泥遊びをするような形で、砂場遊びのために設置しているものでございます。 ◆横山えみ 委員  情操教育には大変欠かせない遊び場です。本区の公園の砂場の数は。 ◎みどり公園課長 244カ所でございます。 ◆横山えみ 委員  衛生管理はどのようにしているでしょうか。 ◎みどり公園課長 清掃業務の請負あるいは日常点検において、熊手などを使いまして、表面の危険物、ふん等の除去を行ってございます。 ◆横山えみ 委員  清掃のサイクルはどのぐらいですか。 ◎みどり公園課長 週に1回ないし2回ということ聞いてございます。 ◆横山えみ 委員  砂場は、危険物を取ったりふんを取ったりする仕方はどんなふうにするんでしょう。 ◎みどり公園課長 鉄製の熊手を用いまして、表面の危険物、ふん等を除去するような形でございます。 ○小泉やすお 委員長  横山委員の質疑の途中ではございますが、ここで午後1時まで休憩いたします。                          (午前11時58分 休憩)                          (午後 1時    開議) ○小泉やすお 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  杉並区議会公明党の質疑を続行いたします。  それでは、横山えみ委員、質問を続けてください。 ◆横山えみ 委員  区民の声を届けます。よろしくお願いします。  それでは、履行届はどのようになっているでしょうか。 ◎みどり公園課長 毎月、写真による完了届の報告書をいただいて履行確認を行ってございます。 ◆横山えみ 委員  砂場については確認ができるのか、それから、砂の汚染という場合はどういう状況か。 ◎みどり公園課長 砂場につきましても、施行前の状況、施行中の状況、施行が終わってどの程度のごみを取ったかというのは写真が必ずついてございます。 ◆横山えみ 委員  砂の汚染。 ◎みどり公園課長 すみません、汚染の状況ですが、通常のごみあるいはプラスチック、猫のふん等が、その中からごみとして汚染されている状況は確認されてございます。 ◆横山えみ 委員  猫のふんとかあるので、大腸菌とかの心配も区民から寄せられています。消毒による衛生管理というのはしているんでしょうか。 ◎みどり公園課長 基本的には、猫のふんの対策としてはネットを張ったりしてございますが、消毒については、年1回業者に委託して、昨年については、68カ所の砂場についてそういった衛生管理の伴った砂場の清掃を行ってございます。 ◆横山えみ 委員  その請負業者は何年契約なんですか。 ◎みどり公園課長 これについては、毎年度、入札による契約でございます。 ◆横山えみ 委員  68カ所はどのように選ぶんでしょうか。 ◎みどり公園課長 先ほど言いました区内240カ所以上の砂場について、汚れのひどい状況の中で、毎年すべてはできないので、2年に1回程度そういったところに入れるように考えてございます。 ◆横山えみ 委員  砂場で遊ぼうと思うときに、私は公園を歩いていてかたい砂が非常に目につくんですけれども、それでも1週間に1回から2回清掃しているということは、ごみを取るだけじゃなくて砂を太陽に当てる、そういうことも必要じゃないかなと思いますけれども、そこら辺の状況はどうなっていますか。 ◎みどり公園課長 状況によって、清掃以外に、区の職員も点検に回っている段階で砂場の状況を見て、砂を下から入れかえたり、あるいは年に1回、砂が少ないところについては補充等を行ってございます。 ◆横山えみ 委員  区の職員が回ってくださっているということで、砂の状況というのは良好とお考えですか。 ◎みどり公園課長 良好な場所もありますし、良好でないところ、手を入れてもなかなか、利用が少ないとどうしても砂がかたくなる場合もございますので、そういったことについては今後改善してまいりたいと思います。 ◆横山えみ 委員  先ほどの請負業者なんですけれども、何社ぐらい入っているんでしょうか。 ◎みどり公園課長 清掃のでよろしいですか。 ◆横山えみ 委員  砂場にかかわる。 ◎みどり公園課長 砂場にかかわるですと、一般的な清掃については、区内6ブロックに分けて6社が入っています。それ以外に、8つの障害者団体が幾つかの公園の清掃を行ってございます。そして、先ほども言いましたように、砂場の衛生管理ということで、1社が年に1回そういう衛生管理上の作業をするという形でございます。 ◆横山えみ 委員  今保育の待機児が多いということで、区はさまざまな努力のもと、認証保育だとかグループ保育だとか家庭福祉員の増員だとか、さまざまなところで保育事業を展開する方向でいます。こういったところは公園を利用する機会が多いんですね。その方たちが子どもを連れて公園に行ったりしたときに、公園の管理は、今まで以上に、私はある意味では大きな注意が必要になってくるのではないかなというふうに思っています。  そこで、公園での衛生管理は大変重要な課題になるかと思います。そこら辺も踏まえて、今後の施策をもう一度ちょっと考えていただければと思っていますが、いかがでしょうか。 ◎みどり公園課長 委員ご指摘の点を踏まえて、事業者に対してももうちょっと徹底して砂場をやるように、区の職員が見回る場合も、委員のご指摘の点については気をつけてやるようにしながら、さらに衛生上の観点も含めて徹底してまいりたいと思います。 ◆横山えみ 委員  砂場というのは、おだんごをつくったりとか山をつくったりとか、それがいつでも崩せてまたつくれる。崩せてつくれる、この行為というのは、子どもたちは評価の対象にならないのでとても自由に遊べるんですね。絵とかですと、この子の絵はいいなとかいうふうになってしまうのでね。そういった意味で、砂場というのは大変に情操教育には重要な遊び場だと思っています。ですので、ここでの取り組みというのは、保育事業と同じぐらいの私は重要さがあるのではないかなというふうに考えているんです。何としても、猫のふんがあるなんていうことはとんでもない話ですし、今後ともしっかりとそこら辺を踏まえて展開をしていただきたいと思います。 ◎土木担当部長 子どもたちが楽しい砂場で遊べるように、一層努力していきたいというふうに考えてございます。 ○小泉やすお 委員長  以上で杉並区議会公明党の質疑は終了いたしました。  引き続きまして、自由民主党杉並区議団の質疑に入ります。  それでは、吉田あい委員、質問項目をお願いします。 ◆吉田あい 委員  給食について、道徳教育について、高齢者の交通安全について、耐震化について。  まず、給食についてお伺いします。  学校生活の楽しみの1つに給食があると思うんですけれども、今子どもたちに人気のメニューは何ですか。 ◎学務課長 子どもたちの人気メニューでございますが、アンケートをとったり、あるいはそういう声を聞きますと、やはりカレーライスですとか、キムチチャーハンというのが結構最近出るんですが、そういうものや、スパゲッティミートソースあるいはみそラーメンなども人気があるようでございます。 ◆吉田あい 委員  みそラーメンが今出るんですか。 ◎学務課長 そういうラーメン類というか、めん類も出しておりますので、そのときにみそラーメンも出しております。 ◆吉田あい 委員  何かすごいですね。私も今度ぜひ……。  私が小学校だったときに比べ、ご飯が出る回数がすごく多くなったと聞きます。週に何回あるいは月に何回ぐらいご飯が出るんでしょうか。 ◎学務課長 現在、米飯給食を推進してございまして、基本的に、現在、週4回米飯給食ということでございます。また、21年度、今年度から飯わんを導入した学校というのが小中2校ずつございますので、そういった学校につきましては、週4.5回というようなことで米飯給食を推進してございます。 ◆吉田あい 委員  私が小学生、中学生だったころは、ご飯のときも先割れスプーンで食べていたんですけれども、今はどうなんでしょう。今も先割れスプーンなんですか。それとも、おはしとか使っているんですか。 ◎学務課長 先割れスプーンでございますが、当区の給食におきましては、昭和30年代の後半ごろから先割れスプーンを導入してございましたが、昭和56年に全校にはしを導入したという経過がございます。昭和53年から米飯給食が始まっておりますので、それに合わせまして、はしを導入いたしました。ただ、現在使っているナイフとかスプーン、フォーク、こういったものにつきまして、全校にそれが導入できたのが平成元年だったということでございまして、その間につきましては、はしの導入をしつつ、先割れスプーンも併用していたということでございます。 ◆吉田あい 委員  米飯給食というんですか、ご飯が多くなった理由、また、おはしが使われるようになった理由というのを教えてください。 ◎学務課長 米飯給食でございますが、米を中心とした食文化を育て守るというようなことを目的に、国も都もそういった方針を推進しているということでございまして、そのために昭和53年度から杉並区でも導入したということでございます。また、それに伴いまして、先ほど申し上げました昭和56年からはしの導入というものも図ってきたということでございます。 ◆吉田あい 委員  おはしを使ってご飯を食べるというのはすごくいいことだと思います。保護者の方とかあるいは子どもたちの反応というのはどうでしょうか。 ◎学務課長 食生活習慣、こういったようなものを学校給食において勉強する機会になるということや、あるいは献立に合わせた食器具といいますか、そういうものを使うことになるということで、児童生徒、保護者にも好評ということでございます。 ◆吉田あい 委員  私が小学生ぐらいのときは、まだパンのほうが多かったんですね。今パンからご飯に変わっていった理由はよくわかりました。ただ、私のお友達にパン屋さんのお嬢さんがいまして、今まで学校給食を請け負っていたパン屋さんで、学校の給食がご飯になっちゃったからすごく仕事が減った、それで業務を縮小したり、中には従業員さんを減らしたりして、何かすごく大変なんだという話はちょっと聞いたんですね。  それで、子どもたちの教育とか情操教育という意味からも、ご飯をおはしで食べるというのは私は大賛成なんですけれども、でも、その分、地域の業者さんに対しての配慮というのをぜひお願いしたいと思います。これは産業経済の款だと思うので、要望にとどめておきます。  次、道徳教育のほうに行きます。  区が掲げている地域ぐるみの教育立区の理念というのを教えてください。また、このような政策を掲げた理由というのを教えてください。 ◎教育改革推進課長 教育立区の理念のお尋ねですが、これに関しましては、教育に支援を惜しまない地域社会を築くことにございます。この実現のために、現在、地域との協働を進めているところでございますが、学校支援本部、そうした仕組みなどを通じて、地域の方々が教育にかかわる機会が非常に増えてきているところでございます。  また、政策を掲げた理由でございますが、これは、すべての政策に教育の視点を取り入れて、杉並の教育をさらに充実していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆吉田あい 委員  仮称教育憲章の制定を打ち出していらっしゃいます。今このような憲章を制定する目的と意義、また、この憲章の特徴などをお示しください。 ◎教育改革推進課長 憲章の意義と目的ですが、本会議でもお話ししたとおり、時代を超えた区の教育の基本理念を明確にして、今後の杉並の教育というものを地域ぐるみで進めるためのよりどころとするために制定しようとするものです。  また、意義でございますが、現在、子どもたちや学校を取り巻く環境が大きく変化しております。社会を挙げてあすを担う子どもたちを共に育てていくために、こうした憲章を制定することが意義あることと考えているところでございます。  最後に、特徴でございますが、できるだけ特徴のある、またいいものにしようと現在検討しているところでございます。 ◆吉田あい 委員  この憲章制定に向けたこれまでの取り組みなどをお示しください。 ◎教育改革推進課長 19年の教育基本条例等に関する懇談会、その後、議会からのご意見を踏まえ、有識者等からさらにご意見をお聞きしたというところでございます。20年度については、4人の識者のインタビューを取りまとめたすぎなみ教育ブックレットの発行、また、昨年2月にはすぎなみ教育フォーラムを開催し、教育に関する区民の関心や機運の醸成に努めているところでございます。21年度については、引き続き検討を進めているところでございます。 ◆吉田あい 委員  最近、テレビとかニュースでは、小中学生のいじめや不登校、自殺問題とか虐待など、驚くべき事件が後を絶ちません。これを受けて、このたび学習指導要領では、子どもたちへの道徳教育の充実が挙げられました。  杉並区における道徳教育の基本的な考え方というのをお示しください。 ◎済美教育センター副所長 今お話しいただいたような子どもたちを取り巻くさまざまな課題については、我々も非常に大きな課題としてとらえております。子どもの規範意識や自他の生命の尊重等につきまして社会的な大きな課題となっている今、より一層自己の生き方の基盤となる道徳教育というものは充実させていかなければいけないというふうに考えております。 ◆吉田あい 委員  道徳の授業では、どんな内容を、どんな教材を使って教えているんでしょうか。幾つか例を挙げてお示しください。 ◎済美教育センター副所長 道徳は幾つかのカテゴリーに分かれておりまして、自分自身に関することや、もしくは他者とのかかわりに関することなどで構成されております。これらの価値項目を、児童生徒の感性や感動を揺り動かすような読み物資料であったり、もしくは映像資料であったり、もしくは体験的な学習、ボランティア活動であったり宿泊体験であったりというようなものと関連づけながら、子どもたちが自らを振り返ってじっくりと考え、新たな価値を創造していけるような学習活動が行われているというふうにお答えします。 ◆吉田あい 委員  2月に山梨県にある日本航空学園というところにちょっと視察に行ってまいりました。ここでは道徳教育に重きを置き、知育、徳育、体育とバランスのとれた教育を行うことにより、知識、技術だけでなく、より豊かな人間性をはぐくむことを目標としている、そういう学校でした。  私は、高校1年生が行っている教育勅語を使った道徳教育というのを見学させていただきました。ここでは号令とともに授業が始まって、生徒全員で教育勅語を読み上げていました。生徒1人1人が、我が国の美しい自然、連綿と続いているよき伝統と文化、周りの人に対する感謝の心を養うということに重きを置いて、日本人としての健全な精神といいますか、そういうものを育てるにはとてもいい授業だなというふうに感じました。  今の子どもたちに対して、教育勅語と言ってもぴんとこないかもしれないんですけれども、ただ、お父さん、お母さんを大事にしなさい、きょうだいあるいは夫婦仲よくしなさい、友達とは信頼関係を持ってつき合いなさい、謙虚な心を持ちなさい、しっかりと勉強して世の中の役に立つ人になりなさいというような、そういった理念というのは不変であると思います。両親を大切にする心、謙虚な心、社会へ貢献する意識、郷土や自分の国を愛する心、こういう教育理念について、教育委員会としてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 学習指導要領においても、家族を愛する心もしくは謙虚に人と触れ合うような心、もしくは社会における自分の役割を認識する、また郷土を愛する心等は取り扱うこととされております。したがいまして、自己を高め、社会生活を営む上で不可欠な価値であるというふうに認識しておりますので、私どももこちらの教育活動を十分に行っていきたいというふうに思っております。 ◆吉田あい 委員  子どもたちの道徳性を高めるためには、学校だけでなく、家庭や地域においてもしっかりと責任を持って教育していかなければならないと思います。保護者の方や地域の方との取り組みとか、そういうものがあったらお聞かせください。 ◎済美教育センター副所長 現在、すべての小中学校において道徳授業地区公開講座が設定されております。これは、道徳授業を保護者や地域の方々に公開して、その後の協議会等にも参加をしていただくということでございますので、まず学校教育の中で道徳教育がどのように行われているのか知っていただくとともに、地域や家庭の方々も一緒になってその価値について考えていただくという機会を設定しております。 ◆吉田あい 委員  これまでも、我が国では長い間、道徳教育、道徳の授業が行われてきました。しかし、さきにも述べたとおり、児童生徒に対する現状はさまざまな問題が渦巻いています。これから杉並区において道徳教育というものをどのように展開していくか、区の見解をお示しください。 ◎済美教育センター副所長 小学校6年間、そして中学校の3年間の9年間にわたって道徳教育というのが行われておりますけれども、現在、小中学校の連携というものが十分に図られてきたかというところについては、まだまだ改善すべき点があるというふうに私ども思っております。  このたび、小中一貫の基本方針が示されましたが、その中でも、道徳教育についても9年間にわたって一貫して指導をしていけるような指導方法の共有、連携、指導内容等の整合性等についても十分我々検討していきたいというふうに思っております。 ◆吉田あい 委員  高齢者の交通安全について伺います。
     昨年の75歳以上の方の交通事故の件数というのは出ますか。 ◎交通対策課長 区内では、平成21年、112件発生しております。 ◆吉田あい 委員  どういった事故が多いんでしょうか。 ◎交通対策課長 高齢者が加害者という立場で考えますと、信号無視ですとか横断者の優先違反ですとか前方不注意、運転ミス等がございます。被害者の側で考えますと、横断歩道上での横断で事故に遭われるということが多くなっております。 ◆吉田あい 委員  これはわかったらでいいんですけれども、区内で、例えば75歳以上で免許を持っている方というのはわかりますか。 ◎交通対策課長 実数は把握してございませんけれども、推測としまして約1万人というふうに押さえております。 ◆吉田あい 委員  警視庁では、75歳以上の方に対して免許証の返還を呼びかけていると聞きました。まず、なぜ返還を呼びかけているのか、その目的は。  また、当区においては生涯現役をうたっておりますが、当区での取り組みと申しますか、扱いはどのようになっていますか。 ◎交通対策課長 まず、警視庁のほうの目的でございますけれども、高齢化によります判断力ですとか身体的機能の低下、それによりまして運転操作ミスなどの社会問題化しました事故、それに対して免許返納を悩んでいるような高齢者に対して促進をしていくという目的でございます。  当区におきましては、委員ご指摘のとおり、生涯現役の杉並区でございますので、できるだけ長く自立した生活を続けていただきたいということで、返納促進というよりも、お返しいただいた方に感謝の意を表するということを主たる目的にしております。また、そのことによりまして、ほかの自治体はみんな65歳でございますけれども、本区におきましては、75歳以上を対象にしたところでございます。 ◆吉田あい 委員  免許証を返してしまうと交通手段に支障が出る、そういった可能性もあると思います。また、免許証というのは身分証明的な意味もあり、やっぱりないと不便だなと思います。そういう方に対してはどのように対応しているんでしょう。 ◎交通対策課長 まさに免許返納に対する不都合は委員ご指摘のとおりでございまして、それに対しまして、区といたしまして、移動支援ということで、PASMOまたはSuica5,000円相当分を贈呈する、また、身分証明書がわりといたしまして、写真つきの杉並区民証もしくは住基カードの手数料を免除するというサービスを行っております。 ◆吉田あい 委員  運転経歴証明書、こういったものがあると聞きました。この概要は。 ◎交通対策課長 これは、返納者に対しまして東京都の公安委員会が手数料1,000円で発行するものでございまして、過去5年間の運転経歴を証明するというものでございます。 ◆吉田あい 委員  この運転経歴証明書、身分証明としてはどの程度効力があるんでしょうか。例えば、レンタルビデオで新規のカードがつくれるか、金融機関とかで口座はつくれるか、また、住民票とか戸籍、パスポートを申請するときにその証明書で発行できるかどうか。 ◎交通対策課長 レンタルビデオですとか金融機関も含めまして民間の事業者に関しては、その事業者の判断で使えるか使えないかというのを決めているようでございます。残念ながら、行政手続に関しましては法的な効力がございません。 ◆吉田あい 委員  法的効力がないということなんですけれども、警視庁と連携して、運転経歴証明書にも身分証明としての効力を持たせてほしいなと思いますが、今後の展開はどうでしょう。 ◎交通対策課長 最近の報道でも、警視庁も強く国のほうに身分証明書としての効力を持たせるように働きかけをしていると伺っておりますので、区といたしましても、警察のほうにご要望としてお伝えしていきたいと思っております。 ◆吉田あい 委員  交通事故は被害者にとっても加害者にとってもとても不幸なことです。特に高齢者の場合、記憶力や判断力の低下の傾向が見られ、長年ハンドルを握っている方でも油断は禁物、このように言われています。しっかりと高齢者の交通安全対策に取り組んでいただきたいと思いますが、区の取り組みをお伺いいたします。 ◎交通対策課長 今年度から特に高齢者の安全教室も力を入れまして、高齢者が集まるところに出前講座というような形で出向いて、警察と一緒に、特にDVDですとかパワーポイントを使った、視覚を使った教材で交通安全教育を進めているところでございます。 ◆吉田あい 委員  耐震化のほうに移ります。  先日チリで起こった巨大地震では、現在のところ800名を超える犠牲者が出ており、また、ハイチでの地震では犠牲者が30万人に上ったとも言われております。テレビとかニュースによりますと、ハイチでは多くの方々が家屋の倒壊によって亡くなっており、また、南米で耐震化が最も進んでいると言われていたチリでも家屋の倒壊によって被害者が出ている、そういうふうに伝えられています。まずはお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、改めて耐震化の重要性といったものを感じました。特に私が一番心配だなと思ったのは、学校とか保育園の耐震化です。中国の四川の大地震のときは、学校がつぶれて大変被害が大きくなりました。  そこで、学校の耐震化についてお伺いします。  先日新聞を読んでいましたら、学校の耐震化は全国で5割、6割ということで余り進んでない、このように書かれておりました。杉並区における耐震化率はこの10年でどのように進んだのでしょうか。また、全国的にはどれぐらいか、おわかりでしたらお示しください。 ◎営繕課長 まず、学校の耐震化率でございますが、国全体では67%ほどでございます。杉並区では約91%でございます。  次に、この10年間の推移でございますが、平成11年当時、約21%でしたが、耐震改築8校、補強38校、合計46校、約230億余の経費をかけて現在の91%になったものでございます。 ◆吉田あい 委員  100%に向けて今後の取り組みは。 ◎営繕課長 見通しでございますが、ことしの冬までに、改築2校、補強3校を行って約97%に達します。今回予算計上しておりますが、井草中学校の改築工事、それから高井戸第二小学校の基本設計ですが、これらの工事が竣工いたしますと、ほぼ100%になる予定でございます。 ◆吉田あい 委員  また、区では耐震改修助成を行っていますが、その概要と実績についてお聞かせください。 ◎建築課長 区では、昭和56年の新耐震前の建築物につきまして、耐震診断と耐震改修の補助を行ってございます。住宅では、精密診断の結果、補強工事を行うものは限度額100万円までの助成を行ってございます。実績は、これまで累計で、診断約2,200件、補強工事221件、またマンション3棟、補強を行ってございます。 ◆吉田あい 委員  区としての耐震化率の目標というのはあるんでしょうか。あるとしたら現状はどうなっていますか。 ◎建築課長 耐震化率の目標でございますが、平成27年度までに区立施設で100%、民間建築物で90%の耐震化を図るとしてございます。現在、耐震化率は、21年度末の推定でございますが、区立施設93%、民間建築物75%と推計してございます。 ◆吉田あい 委員  先日の災害対策特別委員会で地域防災計画の減災目標というものがありまして、ここでは、家屋の倒壊などによる死者を半減するための対策として建物の耐震化がありました。この耐震化の目標数値というのは、今示された数値と認識してよいでしょうか。 ◎建築課長 減災目標としての耐震化の目標数値は、まさに首都直下型地震に対応した今の数値でございます。 ◆吉田あい 委員  地震も怖いんですけれども、火事も怖いなと。火災も尊い命や財産を守る点で防ぎたい災害です。特に高円寺では、昨年11月に雑居ビルの火災が起きまして、尊い4人の方が亡くなりました。その後、同様のビルを対象として調査が行われたというふうに伺っております。  そこで、またちょっとお伺いしたいんですが、この調査の目的、方法、結果、また今後の対応についてお示しください。 ◎建築課長 先ごろ行いました調査は、同様な火災被害を防止するとともに、経営者等に警鐘を鳴らすことを目的としてございました。いわゆる雑居ビル内の火気使用店舗に緊急立入調査を消防と合同で行ってございます。  結果でございますが、124店舗中85店舗、69%に違反がございまして、その場で口頭または文書で改善を指導してございます。今後は、消防署とさらに連携を強化いたしまして、指導を継続していく予定でございます。 ◆吉田あい 委員  もしこの是正指導に応じなかった店舗にはどのように対応しますか。 ◎建築課長 現在のところ、まだ是正に応じないという姿勢を示しているところはございませんが、ただ、是正のしやすいものと是正のしにくいものがございまして、難しいものにつきましては、今後時間をかけて指導していく必要があると考えてございます。 ◆吉田あい 委員  火災に関連して、1つだけ最後にお伺いします。  3月31日で住宅用火災警報器の設置が義務となります。火事の拡大を防ぐ意味でもこれは大切なことだと思いますが、現在の設置状況について教えてください。  また、高齢者や障害者の方への設置助成を継続するということですが、ほかの防災物資のあっせんについてはどうなるんでしょうか、お聞かせください。 ◎防災課長 設置率につきましては、2月末現在でございますが、杉並消防署管内で約65%、荻窪消防署管内で約64%と伺ってございます。  あっせんにつきましては、設置率がまだ100%に至ってないという状況でございますので、義務化の周知も含めまして、取り扱いについては継続してまいります。 ○小泉やすお 委員長  それでは、はなし俊郎委員、質問項目をお願いいたします。 ◆はなし俊郎 委員  民営化自転車駐車場、自転車の交通安全、それと公園、公園内の建物について耐震、以上でお願いいたします。  それではまず、区立の東高円寺自転車駐車場が民営化され、バイパーク東高円寺という名前になりました。早くも1年がたとうとしておりますけれども、利用者の評判はどのようになっていますでしょうか。 ◎交通対策課長 おかげさまで、特に大きな苦情もなく、親切丁寧な対応、また自転車の修理など好評をいただいております。 ◆はなし俊郎 委員  自転車の利用状況はいかがか、お伺いいたします。順調に増えているのかどうかも含めてお願いします。 ◎交通対策課長 1階が約9割埋まっておりまして、2階が10割、3階のほうが3割程度の収容でございます。利用率のほうは徐々に増えている傾向でございます。 ◆はなし俊郎 委員  バイクの利用状況についても、昨年、私、決算特別委員会で聞いて、たしか20台スペースがあって4台しか利用がないというお話を受けたんですけれども、今でも私よく利用しています。増えてないというのもよくわかるんですが、その辺のバイクの状況、それはいかがなっていますでしょう。 ◎交通対策課長 今委員ご指摘のとおり、やはりバイクのほうの利用率は増えてないというふうに聞いております。 ◆はなし俊郎 委員  その程度の利用状況で、このNPOさんの経営というのは大丈夫なのかどうか、その辺はどのように把握していますでしょう。 ◎交通対策課長 毎月1回、情報交換会を開いております。今年度に関しては、サービスを向上させるということで余分に人員等を配置しておりますので、赤字決算になるのではないかと。ただ、自主事業等で頑張っていくというふうに聞いております。 ◆はなし俊郎 委員  実施している自主事業として、前回伺ったのは、飲み物の自販機と自転車の修理、今もおっしゃったそれだと思うんですけれども、ほかには何か増えたものというのはあるんでしょうか。それと、それらの収益というものも含めてお願いします。 ◎交通対策課長 その後、すぎなみバンドを取りつけ込みで販売したり、あと、移動カフェを現在試験的に導入しております。あと、場内での壁面広告等をやっております。  収益のほうは、数字のほうはまだ聞いておりませんけれども、そこそこ上がっているという話でございます。 ◆はなし俊郎 委員  今後予定している自主事業というのはあるでしょうか。 ◎交通対策課長 区のほうからも前々からお願いしております交通安全グッズ、反射材ですとか雨がっぱ、乾電池、あと、東高円寺のあたりで足りないという自動の証明写真の機械というんですか、ああいうあたりなどを検討していると。あと、レンタサイクルのほうも検討中というふうに伺っております。 ◆はなし俊郎 委員  放置自転車の状況で、東高円寺の周辺、どういうふうになっていますか。今減っていますか、増えていますか。 ◎交通対策課長 建設前の平成19年に比べて8割減っているというふうに聞いております。かなり商店等の協力、また放置防止協力員の方々の協力も得て、まだ減らせる余地はあるというふうに伺っております。 ◆はなし俊郎 委員  ここを運営しているNPOのビーンさんというところがあるんですけれども、放置自転車対策で、私も放置防止協力員として一緒にキャンペーンをやったり、また、今月の28日、蚕糸の森まつりというものが行われますけれども、そこの参加団体として一緒にやっています。この点、区もしっかりと評価してほしいなというところがございますけれども、その辺についてはどのようにお考えですか。 ◎交通対策課長 区のほうにも、商店の方から、このビーンの方々が商店を回って、その前の自転車を一緒に考えましょうというようなお話も伺っております。非常に地域とうまくやっているということで、区のほうも評価しているところでございます。 ◆はなし俊郎 委員  今後、他の自転車駐車場の民営化についてちょっとお伺いしたいんですけれども、東高円寺の実績やノウハウを十分に踏まえて慎重に検討していくという答弁を以前にいただいたんですよ。その後どのように検討しているのかという進捗状況をお伺いいたします。 ◎交通対策課長 まず、ビーンの自転車駐車場の運営自体、外部のCS評価ですとか、区の職員、また自己評価等をやりまして、そこそこいい評価を上げているところでございます。ただ、今後、民営化につきましては、鉄道路線ごとのエリアの問題ですとか、どこの駐車場をどういうふうに進めていくかというあたりの検討を課題として進めているところでございます。 ◆はなし俊郎 委員  安易な民営化でなく、利用者サービスの向上を第一に考えていただいて、放置自転車対策や区内の全域の自転車駐車場を幅広くとらえて、特徴をとらえて、それで民営化を検討して進めていただきたいと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。 ◎交通対策課長 今委員ご指摘のとおり、まず利用される方のサービス向上等を第一に考えて進めていきたいというふうに考えております。 ◆はなし俊郎 委員  よろしくお願いいたします。  それでは、自転車の交通安全についてちょっとお伺いいたします。  区内での平成21年の自転車の事故の状況は何件あったのか、教えてください。 ◎交通対策課長 844件でございます。 ◆はなし俊郎 委員  これは前年の平成20年に比べるとどのようになっていますでしょうか。 ◎交通対策課長 253件の減でございます。 ◆はなし俊郎 委員  平成21年の発生件数を少し詳しく伺いたいんですけれども、自転車が加害者になった事故というのはどのくらいありましたか。 ◎交通対策課長 平成21年は179件ございます。 ◆はなし俊郎 委員  自転車が加害者になった事故の主な原因というものはどのように把握していますか。 ◎交通対策課長 わき見運転等、安全不確認ですとか、裏道、交差点での一時不停止、そのようなものが大きな原因として警察のほうから伺っております。 ◆はなし俊郎 委員  歩行者と自転車の事故の件数というのはわかりますか。昨年との比較も交えて、わかればお願いします。 ◎交通対策課長 平成20年が71件、平成21年が50件発生しております。 ◆はなし俊郎 委員  自転車が関与した死亡事故というのは、件数ありますか。あれば事故の内容を教えてください。 ◎交通対策課長 昨年、自転車が関与した死亡事故、2件ございまして、1件が単独の自転車転倒による頭部損傷でございます。2件目につきましては、信号無視した自転車が二輪にはねられてお亡くなりになったという事故でございます。 ◆はなし俊郎 委員  自転車の事故件数は減っているとのことなんですけれども、まだまだ多くの悲惨な事故が発生していることは事実だと思います。区の次年度の予算に盛り込まれました、新たな自転車事故防止事業と書いてあったんですけれども、これはどのようなものなのでしょうか。 ◎交通対策課長 特に今年度と比べて新たな予算、事業というものではございませんけれども、中学生のスタントマン教室、小学生の自転車免許の安全教室、またトラックによる啓発活動、それを含めておりますし、先ほどほかの委員からご質問ありました高齢者の安全運転教室等もより充実させていくということで組んだものでございます。 ◆はなし俊郎 委員  専門家である警察と十分な連携をとって、交通事故死亡者ゼロを目指して、より一層の交通対策の充実を要望いたします。  話はちょっと変わりますけれども、先日の自転車等駐車対策協議会の幹事会で話題になったことがありまして、高齢者と妊婦が路上に優先して駐車できるという新たな制度について話が出てきたんですが、それをもう少し詳しく教えていただけますか。 ◎交通対策課長 予定としましては、ことしの4月19日から、路上の駐車スペースの枠を公安委員会が指定いたしまして、高齢者、妊婦等及び出産後8週間の方に警察署のほうで許可証を発行いたしまして、その指定された専用の駐車枠にとめることができるという制度でございます。 ◆はなし俊郎 委員  その場所なんですけれども、具体的には、そのとめる場所というのはどういうふうな場所になりますか。 ◎交通対策課長 現在、警察のほうで調査検討しているようでございますけれども、主にパーキングメーターの一部をその優先枠に転用する方向で考えているというふうに伺っております。 ◆はなし俊郎 委員  それでは、杉並区内で候補になっている場所というのはどこかありますか。 ◎交通対策課長 具体的にここが候補というところまではまだ区のほうには伝わっておりませんけれども、法定駐車禁止場所、交差点の近くですとか駐車場の出入り口には設けられませんので、杉並区内においてはその優先枠をつくるのがなかなか難しいというふうには伺っております。 ◆はなし俊郎 委員  この制度自体、知らない区民の方々がほとんどだと思います。また、駐車箇所が区内に指定された場合には、十分に区民に伝わるような周知をお願いしたいと思いますけれども、この辺についてはいかがですか。 ◎交通対策課長 私どもも周知がいま一つ進んでないというふうに認識してございますので、警察のほうでのPR方法を見ながら、区独自でのPRも考えてまいりたいというふうに思っております。 ◆はなし俊郎 委員  それでは続きまして、蚕糸の森公園の北口のほうに、青梅街道側に門があります。これは蚕糸試験場のころからある門であります。そして、その隣には管理宿舎があります。この管理宿舎について少しお尋ねしたいんですが、ここの管理宿舎を残した経緯と、それから、これは築何年たっているのかというのをまずお伺いします。 ◎みどり公園課長 この門と守衛所については、蚕糸試験場が55年につくばに移転した後、跡地利用の計画を検討する中で歴史の保存が強く望まれた。本館等の建物の保存の話もその中では出ましたが、防災性等を考えるとなかなか難しい、そういったことで、跡地を記念して門柱と守衛所を保存、活用するというような方針を出して残したと聞いてございます。  築については、44年当時の写真の資料で見たときに、今の位置と反対側に守衛所がありました。ですから、その後、移設されたのではないかなと考えてございます。その辺で、築年数についてはちょっと不明ということで、よろしくお願いします。 ◆はなし俊郎 委員  ちなみに、あれは木造でしょうか。 ◎みどり公園課長 実際は当時から木造で、公園の開設に当たっては、木造のままでは、防災公園ということもありますので、耐火性についての改修を加えたと伺ってございます。 ◆はなし俊郎 委員  今耐火性ということでお伺いいたしましたけれども、耐震性についてはいかがなものでしょうか。 ◎みどり公園課長 当時、そこまでの診断はしてないと思いますが、当然、1階の平屋建てで、特に小さな事務所ですので、大きく地震によってつぶれることはないというふうに考えてございます。
    ◆はなし俊郎 委員  つぶれることはないかもしれないですけれども、あそこは広域避難所の入り口でもありますし、青梅街道側、また旧道のほうからも逃げ込むところのちょうど角に建っている管理棟でございます。この管理棟も含めて、門柱も含めて、蚕糸試験場のころから残っていることで、これはまちづくりの観点からというか、まちづくりのほうでちょっとご意見をいただきたいんですけれども、この門柱と建物についてどのようにお考えになっていますか。 ◎まちづくり推進課長 私どものほうで所管しております景観のまちづくりの点で申し上げますと、蚕糸試験場の歴史がおよそ100年あるというようなことで、そのまま残っている建物ということで、杉並の100年の歴史を語る施設だというふうに考えてございます。そういう意味では、景観計画の中で定めております景観重要建造物の対象にもなり得るかなというふうに考えてございます。 ◆はなし俊郎 委員  あそこに割と古いライトがあって、その古いライトは、これから注文しなきゃできないんだろうなというライトがあって、今壊れていて、最近直ったのかな、しっかりできています。ああいうライトも含めて文化財として残していくという方向性も考えなくてはいけないのかなと思いますけれども、その辺に関しての区のお考えはいかがでしょう。 ◎社会教育スポーツ課長 いろいろと調べてはいるんですけれども、今ご指摘ありましたように、明治44年にできたものであるのかどうかということ、それから門柱も、大正のころと今とまた違っているんですね。扉は新たに戦後つくり直したというようなこともありまして、由緒来歴そのものをきちっと定め切らないと、指定まではなかなか難しいかなというのが今のところの見解でございます。 ◆はなし俊郎 委員  私も子どものころからあそこでよく遊んでいた覚えもあるし、中に入って桑の実をとって食べた思い出もあります。門自体の位置はそんなに変わってないと思いますし、鉄扉自体も変わったのはよく覚えています。これから先、長い間立っていくでしょうし、あそこは、広域避難所としてもそうであるとともに、景観としても残していくべきものであると思いますので、ぜひこの辺のことを、文化財としてのご検討もよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わります。 ○小泉やすお 委員長  それでは、松浦芳子委員、質問項目をお願いします。 ◆松浦芳子 委員  自殺対策、先生の質、日本語教育の充実、拉致問題支援、時間があれば、薬物乱用防止教育、青少年委員、学校支援本部です。  このたび一般質問や予算委員会でも、「頑張れ日本!全国行動委員会」の区長のお話についての質問があったんですが、この集会主催者の1人として一言ここで申し上げておきます。  会場に参加されていなかった方がうわさで質問されているようですが、外国人地方参政権付与問題は、左とか右とかの思想の問題ではなくて、日本人としてどうあるべきかという問題ですので、揺れ動く日本を心配した人々が、日本頑張れとの思いで集まった集会であって、開催団体の中には特別な団体は入っておりませんでした。  それから、山田区長には来賓として約6分ぐらいお話をいただきましたが、安倍晋三代議士やその他の国会議員、そして地方議員やジャーナリストが次々登壇した集会でした。また、区長のお話の中の教科書採択の件ですが、平成13年の採択のときも騒がしかったのですが、平成17年の採択のときは、議場では区長の答弁が全く聞こえないほど傍聴席が騒がしかったことや、教育委員会でも、当時の教育長を呼び捨てにして異常なほど攻撃していたことは事実であります。当時議場にいらした議員や教育委員会を傍聴された方は覚えていられるはずです。間違った情報や事実を確かめないで質問する委員がいらしたので、一言申し上げました。  さて、質問に入ります。  自殺対策ですが、区内の養護の先生から、生徒のうつや自殺対策についての要望書をいただきましたが、この要望書は届いていますでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 いただいております。 ◆松浦芳子 委員  この先生は、養護教諭として、メンタルケアはもちろんのこと、いのちの授業や心の健康教育に取り組んでいる先生です。要望書の中で、以前、うつや自殺予防の質問をしたときの「カーくんと森のなかまたち」という絵本のことを取り上げており、私はその要望書を見て非常に驚きました。  この「カーくんと森のなかまたち」を使っての読み聞かせによる授業は、杉六小学校で見学させていただいたんですが、授業の後、子どもたちの人間関係が穏やかになっただけではなく、外国籍の児童や発達障害のある子どもに対して違いを認め合う雰囲気が広がってきたと好評でございました。今、国から自殺の対策としての地域自殺対策緊急強化基金があるようですが、和歌山県では、この地域自殺対策緊急強化基金を使ってこの「カーくん」の絵本を購入し、県内の小中学校に配布するとのことですが、これはご存じでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 その取り組みについては、情報はいただいております。 ◆松浦芳子 委員  区内ではこの基金を使う予定はありますでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 21年度分につきましては、手続上、間に合わなかったのでございますけれども、22年度分につきましては、保健福祉部局とよく調整の上、検討していきたいというふうに思っております。 ◆松浦芳子 委員  高知県では、子ども司書養成講座を設けて、半年かけて読み聞かせの仕方や図書の分類方法などの研修を行っているとのことですが、司書候補生に応募するには、読書楽力検定2級以上取得や、1年に40冊以上の本を読んでいるといった条件があるようですが、この子ども司書についてはご存じでしょうか。 ◎中央図書館次長 読書のおもしろさを学校や家庭に広めるリーダー役となっていただくというようなことで、小中学生を司書として育成するということで、承知してございます。 ◆松浦芳子 委員  杉並区内ではどうでしょうか。 ◎済美教育センター統括指導主事 現時点では、子どもを集めての学校司書にかかわる学習についてはやっておりませんが、各学校におきましては、図書委員の中で同じような活動をしているのが実態でございます。 ◆松浦芳子 委員  子ども司書が率先して読み聞かせをしたり、読書の楽しさを低学年に伝えることによって、伝える子ども司書も伝えられる子どもたちも共に充実した時間を持つことになると思いますので、今図書委員とおっしゃいましたけれども、子ども司書というもの、免許証じゃないんですけれども、そういうものを持つとやはり自覚がちょっと違ってくると思うので、ぜひ杉並区でも取り入れてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 十分先行事例を研究いたしまして、検討させていただきたいというふうに思っております。 ◆松浦芳子 委員  先ほどの養護の先生は、赤ちゃんとのふれあい授業も推奨されているんですが、赤ちゃんを抱くと、とてもやわらかくて暖かくて、何とも幸せな気持ちになりますが、この赤ちゃんとのふれあい授業を取り入れている学校は杉並区では何校あるでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 後ほどお答え申し上げます。 ◆松浦芳子 委員  いのちの教育月間、多分何校か取り入れていると思いますが、いのちの教育月間だけでなく、ぜひ取り入れていただきたいなと思っています。杉並区は少しずつ自殺の数が減っておりますので、今後もぜひ、赤ちゃんとのふれあい教育とか絵本の読み聞かせとか、いろいろ対策を立てていただきたいと思います。これは要望にしておきます。  それから次に、先生の質についてですが、教育は人なりを信条として杉並師範館が設立されて、今68人の先生がおられますが、学校づくりに具体的にどう貢献されているか、重複する部分もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。 ◎教育人事企画課長 主に30人程度学級の学級担任としてきめ細やかな指導を行っている教員、あるいは特色ある学校づくりということで、教科担任制あるいは専科制等に取り組んでいる教員がおります。 ◆松浦芳子 委員  2月24日の産経新聞の記事ですが、都内の公立学校の教員によるわいせつ事件で、勤務先の小中学校の生徒が被害に遭っている割合が40%という情報が載っていました。安心して預けている保護者にとって、この数字は驚くばかりですが、これは都内のことでしょうけれども、区内の様子とか、事実を教えていただきたいと思います。 ◎教育人事企画課長 東京都ではそのような数字が出されておりますけれども、現在、杉並区の中ではそういったものは認識しておりません。 ◆松浦芳子 委員  先生のうつ病や適応障害、統合失調症など、精神疾患も特に東京が多いと聞きましたが、やはりこれも杉並区はないということでしょうか。 ◎教育人事企画課長 杉並区でもございます。 ◆松浦芳子 委員  これはあるわけですね。  教師の質を高めるために、例えば、わいせつ事件はとんでもないことなんですけれども、うつ病対策とか、区ではどういうふうに教師の質を高めるために取り組んでいるのか、教えてください。 ◎教育人事企画課長 教員のメンタルヘルスにつきましては、東京都教職員総合健康センターというところがございまして、これは都教委が業務委託をしているところなんですけれども、この機関が、東京都全体の全教員を対象に、メンタルヘルス支援サービスというものを実施しております。区の教育委員会といたしましては、この支援サービスを積極的に活用するように、校長会等を通じて校長先生方に働きかけをしているところでございます。 ◆松浦芳子 委員  先生たちも結構悩んでいるところもあるので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、日本語教育の充実ですが、私も含めて、正しく美しい日本語を使える日本人が少なくなっており、とても恥ずかしく残念に感じているところなんですが、以前、世田谷区の日本語の授業や教科書のことを質問しましたが、杉並区でも言葉の教育をされていることを最近知りました。言葉の教育の教材は大変すばらしい教材です。ちょっとお見せしていいでしょうか。 ○小泉やすお 委員長  はい、どうぞ。 ◆松浦芳子 委員  これが言葉の教育の教材でございます。これは1年生の分ですが。杉並区の昔話が入っていたり、杉並区の神様が登場したり、それから論語、俳句、日本の神話まで載っており、私が読んだ限り、とても感動的な教材なんですが、どなたがどのような思いでつくったものなのか、お願いします。 ◎済美教育センター副所長 この言葉の教育のねらいとしましては、日本語の美しさ、豊かさを体験的に学ぶということ、もしくは言葉の力を高めて表現力やコミュニケーション力をつけていくということ、また自分の生きる心の柱をつける、もしくは伝統文化に対する気づき、価値を学ぶというようなねらいがございます。  この作成者は、区内の小中学校の国語を専門としている教員を中心にしてプロジェクトチームを組みまして、作成いたしました。 ◆松浦芳子 委員  すばらしいと思いました。特に杉並区の昔話は、1年生の教材に載っているんですが、地域にとても愛着心を持てるので、とてもいいなと思いました。  そして、この教材は、子どもたちはどのように使っているんでしょうか。ファイルに1枚ずつ入っているんですが、どういうふうに使っているのか教えてください。 ◎済美教育センター副所長 本年度、研究実践校を11校・園指定いたしまして、その研究実践校のすべての子どもたちに配布をいたしました。そして、基本的には音読、繰り返し繰り返しの音読を通して、先ほどのねらいに迫ろうというものでございます。  それともう1点ですが、先ほどの赤ちゃんとのふれあい体験学習ですが、平成21年度のデータでは、小学校4校、中学校3校ということになっております。 ◆松浦芳子 委員  ぜひ全校でやっていただきたいなと思いますが、よろしくお願いします。  それから、言葉の教育なんですが、子どもたちの反応というのはいかがでしょうか。11校で使われているということで、全校でやってほしいなと思いますけれども、子どもたちの反応はいかがなのか、それと、どこの授業でやっているのか。 ◎済美教育センター副所長 子どもたちの反応としましては、日本語、言葉に対する感性が非常に育ってきているというようなことがございます。例えば、百人一首等もその教材の中に入っているんですが、上の句を読んだだけで下の句のカードがとれるというような子どもたちも育っております。また、今後なんですけれども、やはりこれは我々、しっかりと検証した上で拡充の方向に持っていきたいというふうに思っております。  国語の時間で主に取り扱っておりますが、国語以外にも、朝学習の時間等でも取り扱うようなケースもございます。 ◆松浦芳子 委員  これはファイルになっている、このファイルを子どもたちに渡しているんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 今年度はそういうような形で学年ごとのファイルというスタイルにしましたが、次年度以降については、抜き差しができるような加除式のものにしていこうというふうに考えております。 ◆松浦芳子 委員  学年ごとではなくて、例えば1番、2番、3番ということだと親も使えるので、もうちょっと上手に、学校じゃなくて家庭でも使えるように工夫していただければ、買えると一番いいなと思いますが、よろしくお願いします。  次に、北朝鮮拉致被害者家族支援ですが、映画「めぐみ」は中央図書館では上映されていたようですが、大変来場者が少なかったように記憶しているんです。何人ぐらい来場者があったでしょうか。 ◎中央図書館次長 1月の毎週土曜日に開催している映画会で実施をいたしました。来場者は9名ということになってございます。 ◆松浦芳子 委員  会場は何名の会場だったんでしょう。 ◎中央図書館次長 中央図書館の視聴覚ホール、約60名ぐらいの会場になってございます。 ◆松浦芳子 委員  ちょっと寂しいような気がするんですけれども。このDVDはインターネットでは無料でダウンロードができて見られるので少なかったのかなとも思いますが、もうちょっと周知をしていただけたらと思いました。  それから、写真パネル展は各地で行われておりましたが、ごらんになった方は結構いらしたのでしょうか。 ◎区民生活部管理課長 区民センター等でパネル展をやりまして、大体2,000人ぐらいの方が来場されました。 ◆松浦芳子 委員  内閣官房から教育委員会を通じて、各学校に拉致問題のアニメ「めぐみ」のDVDが届いています。学校が希望すれば、DVDを上映して、内閣官房から国の予算で職員を派遣して説明してくださるんですが、そのことはご存じでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 存じております。 ◆松浦芳子 委員  せっかく国の予算でやってくれるわけですから、ぜひ取り入れていただければなと思いますが、これは要望としておきます。  それから、薬物乱用防止教育についてですが、以前、薬物に関する演劇を見て、私は改めて薬物の怖さを知り、質問したことがあります。このたび薬物に予算がついておりますが、具体的にはどのような活動をする予算なのでしょうか。 ◎済美教育センター統括指導主事 小中学校全校におきまして薬物乱用防止教室を実施する。それにつきましては、関係機関の方あるいは外部の指導者等を招いてしっかりやる、そのようなことを1つ出しております。また、それにかかわりまして、セーフティ教室として実施しますので、保護者の方、地域の方もおいでいただいて、共に考える場としたいと考えております。 ◆松浦芳子 委員  そうすると、予算の二百何万というのは講師料ということなんでしょうか。 ◎済美教育センター統括指導主事 主にそのようなものと考えております。 ◆松浦芳子 委員  次に、青少年委員についてお伺いいたします。  この青少年委員という方の立場なんですが、どのような活動をされているのか。青少年育成委員というのもあるんですが、どう違うのか教えてください。 ◎社会教育スポーツ課長 青少年育成委員会というのは、いわゆる任意団体でございまして、旧出張所、17出張所ございますけれども、そこの中で地域の方々とかPTAの方々が一緒になって活動されているものでございます。そこを推薦母体として、今現在42名います。私どもが委嘱する形になっています。こちらは規則で定められているものでございます。各小学校中心に担当が決まっておりまして、さらに中学校区でも担当が決まっています。  主な活動といたしましては青少年育成ということになるんですけれども、学校を中心とした活動で、子どもの地域活動促進事業であるとか懇談会事業などをやっているものでございます。 ◆松浦芳子 委員  せんだって青少年委員の方の研修のときの写真を見せていただいたら、女性ばかり写っていたんです。それで女性ばかりと思ったんですが、男女比はどのようになっているんでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 ただいま42名と申し上げましたが、そのうちの3名が男性でございます。 ◆松浦芳子 委員  多分、女性の出られる時間と男性の出られる時間と違うと思いますが、その兼ね合いはいかがでしょうか。 ◎社会教育スポーツ課長 先ほど申し上げましたが、そもそも推薦母体の青少年育成委員会がございまして、その中で推薦される方々が出てくるという構造になっているものですから、主にPTA関係の方々が出てくる場合が多いです。そういたしますと、PTAの役員の方々というのは女性が今圧倒的に多いものですから、必然的に女性が多くなってくる、そんな構造になっているところでございます。 ◆松浦芳子 委員  時間がなくなったので、途中ですがやめます。 ○小泉やすお 委員長  それでは、伊田としゆき委員、質問項目をお願いいたします。 ◆伊田としゆき 委員  私のほうから質問をさせていただきます。先ほども出ておりましたけれども、西武新宿線の連続立体交差、沿線のまちづくりについて、そして井荻駅の19年度の調査報告について、そして副校長2人制について、学校の安全問題について、幼保一元化について、スポーツ、文化の顕彰について、お伺いしてまいりたいと思います。  最初に、副校長2人制についてお尋ねいたします。  この取り組みにつきましては、本区独自の取り組みとして19年度から実施されておりまして、実施から丸3年が経過しております。また、日々学校運営のさまざまな課題のある中で、現場に2人の副校長を置いているわけですが、これについて効果はどのように評価されているのか。  また、お聞きするところによりますと、一般の学校では副校長が一番忙しくて、また言葉は、表現はちょっと悪いかと思いますけれども、小使のように使われているともお聞きしておりますけれども、この2人制がどんな効果をもたらしているのか、お伺いいたします。 ◎教育人事企画課長 今年度につきましては、中学校5校に第二副校長を配置しております。いずれの学校におきましても、この第二副校長は、財務などの学校事務や施設設備の管理のほか、学校支援本部等の地域連携事業の連絡調整において、高い事務能力、そして調整力等を発揮しております。このことから、第一副校長あるいは教員がより教育指導に専念できるようになりまして、その結果といたしまして教育活動全体が充実してきている、そのような成果が上げられております。 ◆伊田としゆき 委員  今のご答弁で、大変いいということを伺ったんですけれども、これは教育委員会の見た目でいいのか、学校の立場で見て本当にいいのか、その辺はいかがでしょう。 ◎教育人事企画課長 先ほど申し上げた内容につきましては、この5校につきまして、いろいろとアンケート調査あるいは聞き取り調査等をした上での内容でございます。 ◆伊田としゆき 委員  きょうご出席されております教育委員会の各課長さん、部長さんの中では、小林科学館長が昨年まで私の近くの井草中学校で副校長をされておりまして、私も時々お会いしました。実際、学校現場に入ってみてどのようなものだったのか。  お役所で長くお仕事をする中で、お聞きするところによれば、小林館長はこの3月で定年を迎えられると伺っておりますけれども、これまでいろいろなお仕事をしてきた中で、学校というところはどのようなものだったのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎科学館長 副校長でございますけれども、私、19年の8月から1年8カ月ですか、井草中学校で第二副校長として赴任いたしました。確かに、学校というところは、委員もおっしゃいましたけれども本当に忙しい、特に副校長は忙しい仕事でございます。我々、今までこちらの阿佐谷から現場を見ていましたけれども、実際に入ってみて、その大変さを実感したところでございます。先ほども課長が答弁しましたけれども、2人の副校長が仕事を交通整理しまして対応いたしました。もう1人の副校長が本来の教育の指導に専念できたというふうに思っております。  私、この3月で終わりになります。42年間にわたって杉並区に勤めさせていただきました。この間、さまざまな区民サービスに尽くしまして、区民の皆さんの生活の向上を図るための一翼を担うことができたのかなと思っております。加えて、多くの区民の皆様を知ることもできました。また、自分自身も成長することもできました。本当に感謝しているところでございます。 ◆伊田としゆき 委員  小林館長さん、本当に井草地域の学校のためにありがとうございました。  次に、学校の安全問題につきましてお尋ねさせていただきます。  次代を担う子どもたちが登校から下校まで安全・安心して学校生活が送れるようにすることで、健やかな成長を願うことを前提として、本区において4年前には、今市市、広島市で相次いだ児童連れ去り事件等も受けて、PTAや地域の方々による学校安全ボランティア制度が発足しました。今現在、どのような状況になっているのでしょうか。こうした取り組みにつきましても、月日がたつことによって緊張感が薄らいでしまうのではと、そのあたりも心配がないのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎学務課長 子ども安全ボランティアという制度を立ち上げまして、平成18年からやってございます。現在ではすべての小学校に配置しておりまして、ボランティアということでございますが、1万名を超える方々にボランティアになっていただいているということでございます。学校等を通じまして、常に見守り、声かけなどをやっていただくというようなことをお願いしているところでございます。 ◆伊田としゆき 委員  安心・安全の学校教育、また登下校ができることをこれからもよろしくお願いいたします。  お聞きするところによりますと、赤井危機管理室長は、この3月で定年を迎えられると伺っております。赤井さんも、保育課長、社会教育課長などを歴任され、現在の職につかれたわけですが、子どもたちの安全・安心という問題には一番気を使われて過ごされてきたのではないかと思います。危機管理室長の立場から、学校の安全問題についてどのように見て、また、今後の展望につきましてもお聞かせいただけたらありがたいと思います。 ◎危機管理室長 子どもたちを取り巻くさまざまな事件が現在起こってございます。それにつきまして、子どもの安全を守るのは親と大人の責任だと思っております。学校関係でも、防犯自主団体140団体のうち28団体をPTAや学校関係者がつくって、日々子どもの安全に活動されております。そういう意味では、杉並の子どもたちは常に区民から守られているということで、将来も安心して通学、勉学に励んでいただきたいと存じます。  ありがとうございました。 ◆伊田としゆき 委員  危機管理室長のおかげで、この28団体の皆さんがまた力を一層合わせてやっていただけるものと信じております。  次に、幼保一元化につきましてお尋ねをいたします。  本区におきましては、いよいよ子供園が開園して、区立での幼保一元化が始まろうとしております。また、私立では既に1園、保育園と幼稚園がセットになって幼保一元化が行われておりますが、そのほかではなかなか進んでいないのが現状ではないかと思います。少子化が進む一方で働くお母さんが増える中で、私立幼稚園は定員が割れております。また、一方では保育園の需要は高まっていると、大変アンバランスが生じていると思いますが、世の中、ニーズが変わっているのですから、これに合わせた変化が私立幼稚園にも求められていると思います。現実はなかなか進まないことはどのような課題があるのでしょうか。
     また、これもお聞きするところによりますと、教育委員会の小林次長さんは3月で定年を迎えられると伺っておりますが、保健福祉部長、教育委員会次長という2つの重職を経験されております。小林次長さんから幼保一元化の今後の展望も含めて、ご所見をお聞かせいただきたいと思います。 ◎教育委員会事務局次長 幼保一元化の意義等については、先ほど議論があったとおりだというふうに思っております。子供園を成功させていく上で一番大事な課題は、関係者の理解、協力、意識改革だというふうに思っています。幸い、区においては、子供園の検討をしてくる段階から、現場の幼稚園教諭、それから保育士が一緒になって議論を進めてまいりましたし、今準備を進めています。したがって、それぞれの持っている経験だとか専門性を十分融合させた、ほかのモデルになるような子供園、こういったものを創造していくことができるのではないかというふうに大いに期待しております。  もう1点だけつけ加えさせていただきたいんですが、この所管を区長部局の子ども家庭担当部門に一元化します。私立幼稚園への助成も含めて一元化する、そのことの意義も、私は大変大きいと思っております。就学前の教育の充実、それから議論がありました特別支援教育、多くの発達障害等の問題を持つ子どもさん、私立幼稚園などでも多く受け入れていただかなければいけないと思いますが、そういった支援、養育困難家庭への支援、そういった就学前の子どもを取り巻くいろいろな施策について、子ども家庭担当部門の中でしっかり総合化して一元的にやっていく、そのことによって、就学前の教育、保育その他が充実していくというふうに思っています。  私ごとですけれども、長い間大変お世話になりました。 ◆伊田としゆき 委員  小林次長さんには、本当に幼保一元化を目指して大切な礎をつくっていただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。  引き続きまして、スポーツ、文化の顕彰につきましてお尋ねをいたします。  3年ほど前にプロゴルフの石川遼選手が国内最年少優勝を果たしましたが、その際、区役所で行われましたスポーツ栄誉賞の授与式では、多くの方が詰めかけ、盛況でございました。また、春とか夏には高校野球に区内の高校が時々甲子園に出場しておりますが、たとえ直接縁がなくても、区内にある学校ということだけで何となくうれしくて、頑張ってもらいたいなと思うのが多くの区民の心情ではないかと思います。このように、区に関係する方々がスポーツで顕著な成績を残して、また、文化・芸術で何か賞をもらったときには、広く区民に伝え、共に喜びを分かち合うことが地域コミュニティ形成にも役立つものではないかと思っております。  こうしたことの全庁的な取りまとめは、総務課長が担当されていると伺っております。また、お聞きするところによりますと、石原総務課長はこの3月で定年を迎えられると伺っております。石原総務課長は、区議会の事務局次長を初め、現職の総務課長などを歴任されまして、そうした経験を踏まえ、今後のスポーツ、文化の顕彰のあり方についてどのような見解をお持ちになっていらっしゃるのか、お聞きをいたします。 ◎総務課長 スポーツ、文化顕彰のあり方についてのお尋ねでございますが、ここ数年、杉並区では、特に話題になるような輝かしいそういう成績が出てきております。今お話ございましたように石川遼さん、また、一昨年でございますけれども、日本大学附属鶴ヶ丘高校が甲子園に出場いたしました。このとき、隣にいる区長室長と私、また職員含めた3人で自主的に、じゃ、応援に行こうということで甲子園に行きまして、そのとき職員のカンパも一緒に持っていきました。地元の高校が出たということで、それに熱い感動を覚えております。  スポーツ分野は以上でございますが、文化面におきましても、ここのところ輝かしい栄冠に輝いてございまして、石川遼さんと同じ杉並学院高等学校の合唱部がイタリアで行われました合唱コンクールで国際グランプリを獲得し、また、阿佐ヶ谷中学校の卒業生でございます上野星矢さんという方がフルートの演奏で、これはまたフランスで国際コンクールで見事優勝をかち取りました。このようなことを受けまして、この年に杉並学院、上野星矢さんが区の功労表彰を受けてございます。この場でもすばらしい合唱、またフルートの演奏も聞かせていただきまして、本当に参加者を魅了し、大変意義深い功労表彰式だったというふうに考えております。  スポーツや音楽、また芸術などは深い感動を人々に与えてくれます。今後とも、杉並名誉区民初め、郷土の誇りとして区民にお知らせし、共にお祝いをしていくことが必要と考えております。単に表彰、栄誉をたたえるというだけではなくて、区民の皆さんにその功績、内容を披露し、紹介していくことが、行く行くは地域コミュニティの形成にもつながっていくのではないかと考えているところでございます。  最後になりましたけれども、私もこの3月で退職となります。特に議員の皆様には、現在の総務課、それからまたこの前の議会事務局時代、通算6年間でございますけれども、大変お世話になりました。どうもありがとうございました。 ◆伊田としゆき 委員  石原総務課長にも、本当に私も直接そのときの役職で大変お世話になりまして、また、これからもぜひ杉並区のために側面からお力をかしていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○小泉やすお 委員長  ここで2時45分まで休憩をいたします。                          (午後 2時25分 休憩)                          (午後 2時45分 開議) ○小泉やすお 委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  自由民主党杉並区議団の質疑を続けます。  それでは、斉藤常男委員、質問項目をお願いいたします。 ◆斉藤常男 委員  1つ、地方分権と教育、2つ、教育委員会について、3つ、区教育の人づくり、4、ゆとり教育、5、習熟度別授業、6、小中一貫校、7、教育憲章、8、学校を核とした地域づくりについて。  私からも、長い間お勤めになって3月で退職なさる方々に心からご苦労さまと、お礼を申し上げます。ありがとうございました。  まず、基本的な問題について伺ってまいります。  地方分権が推進され、いろいろな分野で変化が出ております。教育分野ではどのような変化が出ているのか。俗に規制緩和と規制強化と2極の面でとらえ方もございますが、その点についてご説明願います。  次に、教育委員会の役割と責任について伺います。法的にどういうふうになっているか。規定されておりますけれども、わかりやすく説明願いたいと思います。  3番目に、教育委員長と教育長の役割について伺っておきます。 ◎庶務課長 この間の地方分権の流れの中で、教育行政に係る部分でも幾つか制度の見直し等がございました。それで、私ども、そういった機会を的確にとらえて、この間、例えば学校教育法の施行規則の改正に伴う学校希望制度の実施、あるいは民間人校長の登用、あるいは俗に言う給与負担法の改正に伴って、区市町村が独自に給与を負担すれば教員を採用できるということでもって、師範館による独自の教員養成と採用を直接結びつけた仕組みというようなことについても意を用いてきたというところでございます。  一方、逆の面というところもありましたけれども、そういった意味では、19年の地教行法の改正で、教育委員会の責任の一層の明確化ということも図られたところでございまして、そういったことについても、この間、適切に対応してきたというところでございます。  それと、2点目の教育委員会の役割等に関するご質問がありましたけれども、地教行法の規定では、地方公共団体の教育行政については、国との適切な役割分担、あるいはそういった関係の中で公正かつ適切に教育行政を執行しなければいけない、こういうことでございまして、私どももそういった姿勢で、この間さまざまな教育の問題に取り組んできたということでございます。  最後に、教育委員長、教育長、それぞれの役割ということですけれども、教育委員長は、もとより教育委員会の会議を主宰し、教育委員会を代表するという役割、教育長については、一方、教育行政の事務方のトップとして、教育委員会の指揮のもとにそうした事務をつかさどる、そういう役割を担っていると認識してございます。 ◆斉藤常男 委員  大藏委員長と井出教育長のコンビは大変なものだなと、また、杉並の教育に貢献していただいたなと、こう思っていますけれども、一部には、教育委員会事務局が主導権を持って教育委員会がスポイルされている、形骸化しているということが指摘されております。いろいろな事件が報道されますと、教育委員会がテレビ等に顔を出して弁明するというふうなことがしばしば見られるわけですけれども、このような背景というのは、要因はどこから来るんでしょうか。 ◎庶務課長 ちょっと難しいご質問をちょうだいしたかなと思っていますけれども、もとより教育委員会制度については、国、地方を問わず、今、現行制度についてさまざま議論があるというふうに承知しています。特に首長との関係、あるいは教育委員そのものが非常勤の特別職というような位置づけということも含めて、さまざま議論がある。  ただ、私どものスタンスは、現行制度のもとで、与えられた使命、役割をきちっと果たすということでございますので、先ほどのことにもあったとおり、何か現場で事件が起これば、そういうことに対しても積極的に連携しながら、きちんと対応するという基本姿勢でこれまでも臨んできましたし、これからもという思いでございます。 ◆斉藤常男 委員  首長、教育委員長、教育長、三者一心同体で杉並の教育のために頑張ってくださることをお願いしておきます。  次に、教育委員会の教育事務の点検、評価について伺います。  これは当区でどうなっているでしょうか。 ◎庶務課長 これも19年の地教行法の改正で盛り込まれた責任の明確化の1項目でございまして、教育行政、活動状況の点検、評価をしっかりやっていくということでございまして、この間私ども、区の行政評価を活用する形で取り組んできましたけれども、昨年の議会でのやりとりも踏まえて、22年度以降、必要な見直すべきところは見直した上で、そういった問題についても、さらに的確に対応していきたい、かように考えてございます。 ◆斉藤常男 委員  この際ですから、向上した点あるいは改善した点があれば、ひとつご紹介願いたいと思います。 ◎庶務課長 今の点検、評価のことにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、22年度以降に向かって、これまでの取り組みを検証しながら必要な見直しを図って、さらに的確な取り組みをということで鋭意検討しているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  次に、学校評価のあり方について伺います。  杉並の学校評価についてはどういうふうになっているでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 学校評価でございますが、学校による自己評価、そして学校評議員等による学校関係者評価、それと利害関係のない第三者から診断を受ける第三者診断、この3つのシステムがございます。 ◆斉藤常男 委員  その評価をどういうふうに活用して今後進めていくか、説明ください。 ◎済美教育センター副所長 これは目的としましては、PDCAのサイクルを回しながら経営改善を図っていくというような目的がございます。また、もう1点としましては、地域や保護者に対する説明責任を果たすという理念もございます。これをしっかりと機能させて、経営改善に向けて働きかけていきたいというふうに思っております。 ◆斉藤常男 委員  杉並区では、どんな子どもたち、どんな人間に育てようとしているのか、ひとつご紹介願いたいと思います。 ◎済美教育センター副所長 私どもは、学校教育の一番の根本理念である徳・知・体、これが確実に身についている子どもとともに、あと、教育ビジョンにも示しております喜びや痛みがわかる人、そして難しいことにも向かっていく人、なぜだろう、どうしてだろうと考える人、そして郷土を愛し、自分の住む地域に誇りを持てる人という子どもたちを育てたいというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  大変欲張った人間像だと私は思います。見方、考え方によれば、既存の法体系のもとに、既存の制度のもとで、やることはしっかりやる、シンプルな制度、仕組みをつくり上げていく。そんなに細部にわたって複雑にしたら現場がついてこられない、こういう声もあります。  振り返ってみると、歴史的に、幕末、明治維新、大正、昭和と、スケールの大きい人間が育ってまいりました。しかし、高度成長以降、優秀な科学者は外国へ流出する、あるいはスケールの大きい人物が育っていない。この落差はどういうふうに考えていますか。 ◎済美教育センター副所長 これも非常に難しいご質問なんですけれども、従前、知識や理解というものを日本の教育というのは重視してまいりましたが、思考力を駆使しながら自分で考えて判断して、これを表現していくという教育活動がこれから求められていく、それが国際的に通用するような学力になっていくというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  教育の論議を聞いていますと、大変細部にわたって一生懸命やってくださるなと。しかしながら、父兄からすれば、もっと教育というのはシンプルで、単純な路線でいいんじゃないかと、こういう感想も出てくると思うんです。私もそう思いました。  私は戦後の混乱期に教育を受けたものですから、こんな複雑に、親切丁寧に指導体制をつくるという時代じゃないんです。しかしながら、同級生その他を見ても、しっかりと人間育っているんですよ。その辺はどうなんでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 ある意味では今の教育は、今委員がおっしゃられたように、一定程度過保護であるというような議論もあることも確かでございます。私も先ほど申し上げましたとおり、学校教育は徳・知・体を確実に子どもたちにはぐくんでいく、これがやはり一番基本的な理念であるというふうに思っております。 ◆斉藤常男 委員  次に、体力の向上の実態について伺います。 ◎済美教育センター副所長 体力につきましても、国の体力調査等がございますが、杉並区につきましては、国からは若干劣りますけれども、東京都の平均は多くの項目で上回っている、こういう実態がございます。 ◆斉藤常男 委員  したがって、豊かな体力に豊かな心、そして豊かな知識。体力なくして知識の習得があるのかなと。私どもの時代はそんなにしりをたたかれて勉強しませんから、自覚はありませんけれども、遊びに明け暮れて、知らず知らず持久力、体力が向上してきた、こういう世代なんです。ですから、一部では塾通いで、あるいは部活動もできない、勉強勉強と、今の子どもさんは大変気の毒だという声もございますけれども、その辺に対してはどういう見解をお持ちでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 委員がおっしゃるとおり、すべての根本はやはり体力であるというふうに思っております。私どもも体力向上のためにさまざまな施策を掲げておりますけれども、やはり家庭で子どもたち同士が一緒になって遊ぶ、泥まみれになって遊ぶというような体験もこれから先は重要である、これまでどおり重要であるというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  杉並の子どもづくり、人間づくりということで、学校へ行きますと、明るく楽しい正直な子とか、単純明快なスローガンが掲げてあるんです。しかし昨今、意味はわからないけれども論語を読ませようというふうなことを、足利市なんかも導入してまいりました。私の学校も質実剛健と。入ったときはわかりませんよ、文武両道、師弟同行という。しかし、知らず知らずのうちにそういうものが身についていくと思いますから、やはりもう少し杉並をシンボルするような人間像のスローガンというのはつくれないものでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 これから本当に議論をしてまいりたいというふうに思っておりますけれども、私ども、先ほどお話ししたような子ども像とともに、自立して貢献できるような子どもたちということも視野に入れて考察をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆斉藤常男 委員  ですから、今、きれいな言葉で飾り過ぎているんじゃないか。悪いことをするな、人に迷惑をかけるな、一生懸命働くんだ、勉強するんだという単純明快なほうが子どもは理解しやすい、こう私は常々思っているんですが、この辺はいかがですか。 ◎済美教育センター副所長 確かにおっしゃるとおり、わかりやすい言葉で、しっかりとシンボル的に言葉を選んでいかなければいけないというふうに思っております。 ◆斉藤常男 委員  それでは、山田区長、区長は、どういう子ども、人間をつくることがこれからの日本、未来を拓くのかということについて、ひとつ見解をいただければと思いますが。 ◎区長 ちょっと難しいですけれども、私個人の考えは、やはりまず自分で考え、自分の足で立つこと、2つ目は、誠実で正直であること、そして3つ目は、社会のために率先して力を注ぐという公の精神を持つこと、こういうことが非常に大事だと思っています。 ◆斉藤常男 委員  大藏委員長、いかがですか。 ◎教育委員会委員長 なかなか難しいご質問で、先ほどは欲張った目標を立てているとおっしゃいましたけれども、私は、これも個人的な意見ですが、欲張ったいろいろなものを持って、ただ、子ども1人1人は違いますから、自分で一番適したところに子どもが進んでくれるというのがいいと思っております。 ◆斉藤常男 委員  井出教育長、お願いします。 ◎教育長 私は委員と同じで、現場にいろいろな意見を言うときには、ごく単純に、賢くあれ、丈夫であれ、そして世の中のために頑張る人になってほしいと。つまり、賢く、たくましく、そして社会のために尽くすことができる人、こういう話を常にしております。 ◆斉藤常男 委員  どうもありがとうございました。  次に、国と郷土を愛する力や態度をどう養うように指導しておりますか。 ◎済美教育センター副所長 道徳や特別活動、もしくは総合的な学習の時間の中で、国、地域、また自分が生まれた地域の先人のお話を聞くとか、伝統的な行事を体験するとか、もしくは伝統音楽、伝統的な武道等でも、体育や音楽の学習活動でも取り扱っているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  伝統文化の心をどう育てていこうとしていますか。 ◎済美教育センター副所長 先ほどほかの委員からもご質問いただきましたが、言葉の教育等におきまして、地域に伝わる伝承文化等を体験的に学ぶような学習活動を進めていきたいというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  算数・数学、理科に関する基礎的能力をどう定着させようとしていますか。 ◎済美教育センター副所長 理数教育は、学習指導要領でも今度重きを置かれているものでございますけれども、例えば本区では小学校高学年における理科専科制の導入、もしくは理科支援員等において、科学教育のおもしろさ、科学に対するおもしろさというものを学ばせていく、もしくは算数・数学におきましては、少人数指導等において、自らの能力に合った形で、やればできるというような感覚を持たせるところから働きかけていきたいと思っております。 ◆斉藤常男 委員  自主自立、協働の精神をどう養おうとしていますか。 ◎済美教育センター副所長 やはりキーワードは体験であるというふうに私は思っております。さまざまな体験活動、例えばボランティア活動も同様でございますけれども、そのような体験活動を通して、自主自立していく心をはぐくんでいきたいというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  体験というキーワードが出てまいりました。そこに4人の学校出身者がいらっしゃると思いますが、あなた方の出身地と、小学校、中学校でどういう教育を受けて、どういう感想を持っているか、ひとつ教えてください。 ◎済美教育センター副所長 私が代表してお答えさせていただきたいと思いますが…… ◆斉藤常男 委員  代表じゃない。1人1人。 ◎済美教育センター副所長 わかりました。では、私の経験を語らせていただきますが、小学校、中学校では、私は部活動に明け暮れて、吹奏楽部だったんですけれども、吹奏楽部で徹底的に3年間を過ごしました。そこでは、仲間と協働することの大切さ、そして1つの物事をつくり上げていくということの重要さ、これについて学んでまいりました。 ◎教育人事企画課長 私は新潟出身でございまして、小学校のときは、放課後は山に行ったり川に行ったりして思い切り遊んだという記憶がございます。今振り返りますと、そういった自然の中で一生懸命遊ぶ、無我夢中になって遊ぶということがすごくいい経験になっているんだなというふうに感じております。 ◎済美教育センター統括指導主事 私は、小学校のときには怒られ続けた6年間、そして中学校のときには勉強しないで怒られ続けた3年間。そして高校に行ったときには、いい教員と、いい先生との出会いがありまして、勉強もしよう、部活にも頑張ろうというふうに人間を変えた3年間というふうに思っています。ただ、根源は、小学校のときに真剣に怒ってくださった先生方の思いが高校に行って実ったんじゃないか──実ってはいないですね、(笑声)変わったところじゃないかなというふうに思っています。 ◎統括指導主事 私の小中学校も、余り覚えてないんですけれども、とにかくたくさんの友達と仲よく遊んだなということが一番で、今の糧になっております。 ◆斉藤常男 委員  出身地。 ◎統括指導主事 八王子です。 ◆斉藤常男 委員  ありがとうございました。もう教育を語らなくたって、あなた方、答えが出ているんですよ。ですから、そういう体験を通じて、杉並の子どもを愛して、そしていい人間につくっていただきたい、こうお願いしておきます。いい体験を聞かせていただきましてありがとうございます。  次に、ゆとり教育をどういうふうに総括していますか。 ◎済美教育センター副所長 ゆとり教育につきましては、家庭や地域に子どもたちが帰って、さまざまな体験活動を通しまして、生きる力をはぐくむというような理念を持って導入されたものでございますけれども、私は、一定程度やはり非常に大きな価値があったのではないかというふうに考えております。 ◆斉藤常男 委員  次に、小中一貫校の問題点、展望について伺います。  6・3制の限界と課題ということが一応出ておりますけれども、その辺はどういうふうに認識していらっしゃいますか。 ◎統括指導主事 戦後60有余年、現行の6・3制をやっておりました。また、それぞれ子どもの発達課題に応じて非常に大きな効果はあったということは認識しておりますけれども、それによって、小中学校それぞれ独立した形として成熟をしていったというところもございます。その中で小中学校の連携が不足してしまい、結果的に学力がつまずいてしまったり、学校不適応というふうな問題が出てきているというのは大きな課題だと思っております。 ◆斉藤常男 委員  小中一貫校を成功させる条件はどういうものと考えていますか。 ◎統括指導主事 やはり子どもたちを育てていく教員が一致団結して、連携をしていくということが一番だというふうに思っております。 ◆斉藤常男 委員  一貫校の設置に必要な施設整備や財源については、どういうふうな考えを持っていらっしゃいますか。 ◎学校適正配置担当課長 施設整備につきましては、小中一貫教育校につきましても同じ学校ということで、今内部で、どういう施設が必要か、ほかの地域の自治体の例を見ながら検討しているところでございますが、まずは、小学生、中学生が一緒になるということで、一緒に交流できるスペースというものを確保したいということと、また、給食なども小中一緒に食べるようなことでいろいろ交流したいということで、そういうランチルーム、また、何よりも小中学校校長室を広くして、そこの中で小中の先生が交流できるようなスペースを確保していきたいということを考えてございます。  また、財源につきましては、現在、耐震改修に向けました校舎改築、24年までで終了させることとなってございます。その後につきましては、老朽改築につきまして、当然、小中一貫教育校につきましても、そこに計画的に組み込みながら設置していきたいと考えております。 ◆斉藤常男 委員  この構想を成功させるには、保護者の支持が必要であります。保護者に対する情報発信はどうなっていますか。 ◎教育改革推進課長 PTA等を通じて、頻繁にやりとりをしているところでございます。 ◆斉藤常男 委員  この構想にはいろいろ問題が出ております。時間がございませんから指摘しませんけれども、そういう問題点を克服して、杉並の構想にある小中一貫校を成功させて、いい子どもたちをつくり上げて、次の杉並あるいは社会、国を担うような人間づくりに邁進していただきたい、こう思います。  いろいろ苦情、意見等が教育関係には出てまいりますけれども、そういうことに流されることなく、きちんとした見識を持って進んでいただくことをお願いいたしまして、終わります。 ○小泉やすお 委員長  以上で自由民主党杉並区議団の質疑は終了いたしました。
     引き続きまして、杉並自民議員倶楽部の質疑に入ります。  それでは、大熊昌巳委員、質問項目をお願いいたします。 ◆大熊昌巳 委員  都市整備で電線類の埋設、教育で部活をお願い申し上げます。  杉並区は、都市整備に力を入れ、さまざまな施策や条例を打ち出し、居住環境を整備し、区民満足度を上げております。このたびの定例議会代表質問の答弁に、住宅公園都市を目指すと示されましたが、私には耳なれない表現でした。その住宅公園都市とはどのようにイメージをすればよいのか、お示しください。 ◎都市計画課長 住宅公園都市というのは、全く新たな考え方ということではなくて、これまでの施策の延長上の考え方でございます。杉並区は、この間答弁いたしましたけれども、区の面積の8割が宅地でございまして、建物の9割が住宅でございます。こうした住宅都市となっておりますので、公共のみどりと民有地のみどりを結合して、公園のような都市、住環境をつくっていくという考え方でございます。  具体的には、先日もありましたけれども、杉並区は河川敷のような広大な空間がございません。したがって、貴重な今ある空間を公園だとか道路とか整備するとともに、民有地の中の住宅やマンションに植栽や樹木を増やしていくことだというふうに考えます。そのことによりまして、まちの空間を広げまして、美しい景観、ランドスケープをつくっていくということが住宅公園都市ということでございます。 ◆大熊昌巳 委員  住宅公園都市には、今のお話からいたしますと、大変開放感が求められると想像いたします。そのような計画、施策の中には電線類の埋設は含まれておりますか。  私たちの日ごろの生活、暮らしの中での開放感は、電線類の埋設による効果が大きいと私は理解をいたしております。まちづくり条例、景観条例等が制定される中で、穏やかな区民生活の源はまちづくりであると私は理解をいたしております。区はどのようにお考えですか。また、電線類の埋設に関する施策を今後も重要施策の1つとしてお考えかどうかのご所見をお願い申し上げます。 ◎建設課長 電線類の地中化でございますけれども、現在杉並区では、歩道のある都市計画道路などを中心に、歩道の拡幅や歩車道の段差改良、こうしたものをあわせて計画的に実施しているところでございます。  電線類の地中化は、円滑な歩行空間の確保、災害時を含めました安全性の向上、また景観の向上など、効果があるというふうに考えてございますので、費用対効果も十分考慮しながら計画的に進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆大熊昌巳 委員  ぜひよろしくお願い申し上げます。  杉並区内の交通不便地域を網羅し、南北主要駅を結ぶコミュニティバス、すぎ丸が2000年に走り始め、現在は3路線目、かえで路線が走り、開業当初から10年が経過いたしました。私が住みます久我山にもすぎ丸が走っております。幅員の狭い道路を注意深く走っており、感心をいたしております。  大変ぶしつけな質問になりますが、この10年間に、すぎ丸は、道路の幅員などが原因となる事故を起こしておりますか。もしそれがあれば、その事故の内容を概略お示しください。 ◎交通対策課長 狭あいな道路でのすれ違いの事故ということかと思いますけれども、10年間ざっと見ますと、年に二、三件の接触事故が発生しております。主に狭い場所でのバスとほかの普通車とのすれ違い時の運転操作ミス等で、バスの後部を損傷するという事例を多く聞いております。 ◆大熊昌巳 委員  答弁をいただきました事故の内容は、運転手の過失とは別に、バスが走る道路の幅員が大きくかかわっているように思えます。また、その他の原因には、先ほどから申し上げておりますように、電柱が挙げられるのではないでしょうか。もうこの先は私が申し上げる必要はないと思います。  私は、杉並区の施策の顔であるすぎ丸の路線を、電線類の埋設を進める事業区間にふさわしく思うのです。すぎ丸が走る道路になお一層の安全と安心、開放感を必要と思うのです。電線類の埋設が済んだ住宅公園都市の中をすぎ丸が走る光景が、私は待ち遠しく思えてなりません。ご所見をお示しください。 ◎建設課長 委員のお話にもありましたように、すぎ丸路線、比較的狭い道路が多うございます。こうした道路での電線類の地中化につきましては、既存の上下水道あるいはガスといった地下埋設管をどう整理しながら埋設していけるか。また、変圧器というものを地上部に設置する必要がございます。こうした技術的な課題があるところでございます。  こうした比較的狭い道路の電線類の地中化につきましては、現在、永福町駅北口商店街通りで施行中でございます。この実施結果を今後十分検証しながら、さらに研究してまいりたいと存じます。 ◆大熊昌巳 委員  小さな子どもからお年寄りまで、すべての区民にかかわる地域での歩行者の安心・安全を確保する施策として、電線類の埋設は大きな役割を果たすと思います。道路の幅員が狭いところでは、行き交う自動車に気をつける以上に、私たちは電柱に気をつけることが多いような状態であります。電線類の埋設に関する多くの声が地域から区に届けられていると思います。議会にも私のところにも声が届いております。多くの区民が待ち望んでいる政策であると私は思います。  現在、先ほどご案内がありましたように、永福町の北口商店街の事業が進められていると私も理解をいたしております。電線類の埋設は大変予算がかかり、工期も要する大変な仕事でありますが、諸課題もよく私たちは理解をいたしております。そのような中で、今後、区の施策の中で電線類の埋設がどのように位置づけられていくのか、改めてお示しいただき、この質問を終わります。 ◎建設課長 電線類の地中化は、先ほども申しましたけれども、円滑な歩行空間の確保等、道路の質を高め、魅力ある道づくりに大きく寄与するものというふうに考えてございます。  一方で、技術的な課題の研究あるいは費用対効果の検証、こういったことを十分行う必要があるというふうにも考えてございまして、今後は、これまでの実施結果をよく検証いたしまして、十分研究を重ねながら、計画性を持って取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆大熊昌巳 委員  ぜひよろしくお願い申し上げます。  では次に、教育についてお尋ねをいたします。教育の款で私がここに立ちますと、いつも決まっております、部活の問題であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  区政経営計画書に「魅力ある区立中学校づくり」とあります。まず、この魅力ある中学校づくりとはどのような学校をイメージすればよいのか、お示しください。 ◎済美教育センター統括指導主事 魅力ある中学校づくりについてお答えいたします。  まず、魅力ある中学校は、本区の示します教育ビジョン推進計画、6つ目標を挙げておりますけれども、それが実現している学校というふうに認識しております。  イメージとしましては、志を持ち、指導力、教育愛を持つ教員の集う学校において、子どもたちが生き生きと生活し、そして自らの道徳性を高め、そして体力、学力、ともにはぐくんでいく、そのような学校とイメージしております。 ◆大熊昌巳 委員  同じく区政経営計画書の63ページ、今のことが含まれるのかと思いますが、「魅力ある学校教育のために」とあり、その下段に施策1から施策7が記されております。この中に中学校の部活にかかわる施策はありますか。 ◎済美教育センター統括指導主事 施策2、豊かな学校教育づくりでございます。 ◆大熊昌巳 委員  そこの中に部活動が含まれる、そのように理解してよろしいでしょうか。──ありがとうございます。  中学校では、学習の他に部活動が大変重要な役割を果たしていると思います。私がここで示す部活は、運動部だけではなく、文化部も同様に考えております。  今、中学校教育の中で、部活は学習と同じように教育の一環ととらえられているのか、また、部活は中学校教育の中でどのような位置にとらえられているのか、ご所見をお示しください。 ◎済美教育センター統括指導主事 現行指導要領ではなく、新学習指導要領で明記されているように、学校における部活動というのは、教育課程外の活動であるものの、学校教育の一環として、中学校教育において大きな意義や役割を果たしているというふうに言えます。そしてスポーツや文化、科学に親しませ、学習意欲の向上や責任感、そのようなさまざまな心の成長が期待でき、人間関係も形成されるというふうに認識しております。 ◆大熊昌巳 委員  この意義というところで、教育の一環にとらえられるのか、とらえられないのか、大変グレーゾーンのところにあって、私たちも迷うところであります。  私が中学校に在学をしたのは優に40年を過ぎておりますが、何よりも、当時の部活を謳歌しておりました。部活を通して、先輩、後輩、何よりも顧問の先生とのかかわりが、私自身の人生、人間性の一部を築いてくれたと思っております。  今、40年前と今を比べてくださいとは私は思っておりません。昨日、他の委員から、部活の入部率等についての質問があり、答弁では大変高い入部率が示され、安心をいたしております。申しわけありませんが、改めてその部活の入部率をお示しください。 ◎済美教育センター副所長 89.4%でございます。 ◆大熊昌巳 委員  そのような中で、今、中学校の教員が部活に積極的にかかわっているとお考えかどうか、ご所見をお示しください。 ◎済美教育センター統括指導主事 大部分が勤務時間外の活動であるがゆえに、中にはなかなか顧問教諭になれないという教員がいることも存じ上げております。しかしながら、学校教育の一環というふうに明示された中で、それぞれの先生方が、中学校教育においてはこの意義を認め、そしてかかわれる範囲の中で精いっぱい活動しているというふうに認識しております。 ◆大熊昌巳 委員  今後、小中一貫校の計画が進められることなどを考える中、現状、教員は、以前に比べ仕事が量的に増しているとも聞き及びます。また、部活等の顧問を務めたりする余裕がないとも聞き及んでおります。今の答弁にもありましたが、実際、今この状況といいますか、その辺をもう一度詳しくお示し願いたいと思います。 ◎済美教育センター統括指導主事 委員ご指摘のように、教員のほうは、放課後、ノート検査であったり翌日の授業研究ということで、かなりの時間を使っております。そのような中で、自分の許す範囲の時間の多くを部活動に費やしているというのが現実です。特に文化活動あるいは運動の活動、自分自身が経験してきた、そのような部を持っている教員については、本当に寝る間も惜しみ、そして土日も含め部活動をやっているような状況です。ただ、それ以外の思いがある中で、学校事情等で顧問を持った教員については、外部指導者を有効に活用しながら、協力し合って部活動を進めているというふうに認識しております。 ◆大熊昌巳 委員  大変努力をなされている先生方に敬意を表するところであります。  今答弁をいただいた状況の中では、部活に教員がかかわることはなかなか難しいと理解をするところもあります。文部科学省の指導要領や東京都の指導もあると理解する中で、所管では、現状の中学生にとって部活はどのようにあるべきとお考えか、また、これから小中一貫教育の計画が進む中で部活をどのように考えておられるのか、改めて質問をいたします。 ◎済美教育センター所長 部活動は、私もこれまでの経験上、人間形成のために必要不可欠なものというように考えております。したがって、部活動の充実をいろいろな形で図っていく必要があると考えております。先ほど答弁申し上げましたように、外部指導員の確保なども含めて、いろいろな形で努力してまいりたいと考えております。 ◆大熊昌巳 委員  今、地域も中学校の部活に大変関心を示している、またそのような発言がありましたが、区が示す、地域が学校をつくるとの理念から、学校支援本部も本格的に始動しております。  中学校の部活では、今申されましたように、コーチ制や指導者の派遣制度の活用もあったように理解はいたしておりますが、なかなか定着はしていないように私は思っております。現状、中学校における部活の制度がうまく機能していないように私には思えます。その点、所管はどのようにお考えですか、ご所見をお示しください。 ◎教育改革推進課長 外部指導員につきましては、昨年12月現在で、中学校におきまして236人の方にご登録いただいて、延べ7,000日以上の活動をしていただいているところでございます。まだまだ改善の余地はございますが、一定程度効果が出てきているものと考えております。 ◆大熊昌巳 委員  それには地域の方がかかわっていらっしゃると思います。これからは、私は、地域が本腰を入れて取り組む中学校の部活動が誕生してもよいのではないかと思うところでございます。ご所見をお示しください。 ◎教育改革推進課長 委員おっしゃるとおり、多くの地域の方に中学校の部活を支えていっていただきたいというふうに考えております。 ◆大熊昌巳 委員  大変申しわけございませんが、所管では、地域がかかわる部活というものを、理想的なことになってしまうのかもしれませんが、今のコーチ制とか、それから外部指導員ですか、それのほかに、何か新たな施策というものは考えていらっしゃいますか、どうでしょうか。 ◎教育改革推進課長 部活動の活性化という点では、昨年も実施いたしましたが、合同部活動などを実施しているところでございます。 ◆大熊昌巳 委員  その合同部活動の行き先といいますか、結果をどのように求めていらっしゃるのか、すみません、お示しください。 ◎済美教育センター副所長 昨年度これは試行したものでございまして、サッカー部とバレー部、そして吹奏楽部で、区内の中学生を集めまして、プロフェッショナルから学ぶというような事業でございました。これは自校に帰ったときに、そこで学んだ技術、意識、そのようなものを広げていって、より一層自校の部活動を活性化していこうというねらいがございました。 ◆大熊昌巳 委員  スポーツを通して、あるいは文化や芸術、生徒たちが好む音楽を通して、学習以外の学びが生徒たちの夢を膨らませ、彼らの人間形成に大きな役割を果たしてくれるのが部活動であると私は思っております。  社会の変化は大きく、私たちが通り過ぎた部活はもう今は存在しません。今の社会に適した新しい部活のあり方を生徒たちに提供する努力が、区と議会と地域に求められているように私は思っております。とりわけ教育委員会の責務は重いと存じますが、奮起をお願いし、ご所見をお示しいただき、私の質問を終わります。 ◎教育長 日本における部活といいますのは、学校あっての活動なんですね。世界でもまれなシステムなんです。いわば教育課程がカリキュラムと称して9時から5時まで行われるとしますと、部活動というのはその裏側といいますか、それを補完する役割を持っている。もっと極論すれば、両輪でもある。これは今委員がご指摘されたような中身を持っていると思います。  これが日本固有のシステムであるがゆえに、まず学校でなくてはいけないということ。そして、上部団体と接続して、例えば中体連であるとか高体連であるとか、そういったところとの関係もまた、なしに行うことができない。いろいろな制約がございます。そういう意味で、例えば指導の顧問教師がいないと参加できないとか、あるいは学校の施設でないと活動ができないとか、多様な制約の中で、現実のような課題を抱えているわけです。  そういうことを承知の上で、今後、地域と協働し、新しい方向を見出すようなことも考えながら、ぜひ中学生の部活動が十分達成できるような方向を見出していきたいというふうに考えます。 ◆大熊昌巳 委員  ありがとうございました。終わります。 ○小泉やすお 委員長  それでは、井口かづ子委員、質問項目をお願いいたします。 ◆井口かづ子 委員  みどりについてです。  まぶたが重くなってくる時間ですが、少々おつき合い願いたいと思います。  19年に実施したみどりの実態調査の結果を見ましても、緑被率が21.4%になり、前回の調査に比べて0.93ポイント増加し、区内の2割以上がみどりに覆われていることがわかりますが、増加に転じたのは、低木や生け垣などをお持ちの区民の皆さんが、みどりを大切に守り、新たに植樹するなど、緑化に対する努力によるものであると私は思います。  住宅都市である杉並区は、一般住宅の庭などにある小さなみどりが、まちの魅力を高める重要な要素となっています。区では、それらの民有地のみどりを保全したり、民有地緑化を推進するために取り組んでいることはどんなことでしょうか。 ◎みどり公園課長 みどりを増やすためには、開発や建築の際の緑化指導と接道部緑化助成や屋上・壁面緑化助成などを行ってございます。守る施策としては、保護樹木等の指定を行ってございます。 ◆井口かづ子 委員  みどりの条例の改正後に緑化指導が強化されたと思いますが、具体的にどのようになったのでしょうか。また、緑化指導では、樹木の本数であるとか緑化面積であるとか、どういったことを具体的に指導していらっしゃるんでしょうか。 ◎みどり公園課長 条例改正後は、従前200平米以上のものの建築行為、開発について指導していましたが、200平米未満のものについて、18年度から、緑化計画概要書の提出を義務づけました。その結果、杉並区内ではすべての建築について緑化が義務づけられているという意識を高める効果はあったと考えてございます。  具体的に指導の内容としては、接道部の緑化延長であるとか敷地内の緑地の面積を一定程度確保する、あるいは樹木を植えていただくというようなことを具体的に指導してございます。 ◆井口かづ子 委員  緑化指導を強化してから指導件数が増えたと思うのですが、緑化計画書と緑化計画概要書の提出件数は、年間何件ぐらいとなったんでしょうか。 ◎みどり公園課長 平成20年度の数字ですが、緑化計画書は513件、緑化計画概要書は1,022件、合わせて1,535件、指導強化後出ております。指導強化前は600件程度のものでございました。 ◆井口かづ子 委員  ところで、緑化を指導していく課題は何でしょうか、お聞かせください。 ◎みどり公園課長 建築確認に伴って出していただくのですが、民間審査機関に対して提出された分については一部提出されないものがあったり、完了届についてすべて提出されてないという状況が課題でございます。 ◆井口かづ子 委員  この緑化指導によって、年間どの程度のみどりが計画されているんでしょうか。 ◎みどり公園課長 平成20年度でいいますと、接道部緑化で約7キロ、緑地面積は7ヘクタール、高木4,000本、中木約1万3,000本、低木については5万4,000株が計画されております。これは提出されたものでいくと、接道部では約49%、敷地に対する緑化率では24%が緑化されてございます。 ◆井口かづ子 委員  緑化指導によって民有地のみどりを増すことが計画されるようにしていることが今わかりましたけれども、完了届の提出率が上がるような工夫が必要であるということもよくわかりました。  次に、接道部緑化や屋上・壁面緑化といった助成制度による緑化も進めていますが、ここ5年間の助成の実績の合計量は、およそで結構ですので、どの程度か。また、19年度のみどりの実態調査で、目標である20%を超えたということですが、前回の調査より何メートルぐらい増加したんでしょうか。 ◎みどり公園課長 接道部については、生け垣等を、この5年間で1,535メートル助成をしてございます。屋上につきましては2,212平米、壁面については636平米でございます。  実際に14年度から19年度までの実態調査で、接道部緑化延長としては約7.1キロ増加してございます。 ◆井口かづ子 委員  次に、美しいまちなみを生み出すとともに、防犯効果や地域のコミュニティの向上にもつながる生け垣についてお伺いしますが、生けがき道づくり事業はどのような事業なんでしょうか。これまで実施してきた接道部緑化助成とは何が違うんでしょうか、あわせてお伺いします。 ◎みどり公園課長 生けがき道づくり事業は、連続した生け垣をつくることを条件に、モデル路線を指定したものに対して、通常の助成より手厚い助成を行います。通常の生け垣造成費については、接道部緑化ではメーター当たり9,000円のところが、生けがき道づくり事業ではメーター2万円、塀の撤去費5,000円について、塀の撤去費を2万円、さらに附帯工事費を1万円ということで見るような制度でございます。 ◆井口かづ子 委員  今年度実施する場所は決まっているのでしょうか。 ◎みどり公園課長 久我山1丁目5番の共同住宅を助成する予定でございます。 ◆井口かづ子 委員  今後の工夫により、戸建て住宅の生け垣が続く道ができることで、区内の接道部の緑化が進むことを私は期待しております。  みどりをつくるという視点から質問させていただきましたが、今度、守るという視点から見ると、現在、保護樹林・樹木などの制度が運用されていますけれども、施策としてはまだ十分でない印象があります。昔からあった農地や屋敷林といった年数を重ねたみどりは、相続などによって宅地にされて失われていますけれども、これらの屋敷林を初めとしたみどりを何としても後世に残していかなければならないと思うところでございます。  屋敷林を保全するために効果的な制度として、都市緑地法で定める特別緑地保全地区と市民緑地について伺います。  一昨年でしたでしょうか、練馬区で屋敷林が指定されたと伺っておりますが、特別緑地保全地区についてですが、区内には1カ所ですか、大宮八幡宮周辺の和田堀特別緑地保全地区が指定されていますが、この制度の内容、どのような規制がかかるのか、また、所有者のメリットについて教えてください。 ◎みどり公園課長 緑地を保全するために、都市計画法で定められた地域地区となる制度でございます。今ある建築物の場所で同規模のものしか建てられない等、所有者に対する厳しい規制がございます。一方で、所有者側のメリットとしては、相続税の評価減などの税制上の優遇措置、土地の買い取りの請求ができるとか、助成措置等の支援策も受けられます。 ◆井口かづ子 委員  この制度は、屋敷林を保全していくには非常に有効な制度ではないか思いますけれども、追加指定するお考えはございませんでしょうか。 ◎みどり公園課長 確かに、みどりを残すという観点では有効な制度ですが、現状凍結的な保全をしますので、所有者側の理解を得ていくのがなかなか厳しいのかなと考えてございます。同意があれば考えてまいりたいと思います。 ◆井口かづ子 委員  次に、市民緑地制度ですが、設置状況と制度内容、さらに所有者のメリットはどうなのでしょうか、教えてください。 ◎みどり公園課長 市民緑地は区内に2カ所、約1,680平米ほどの市民緑地がございます。民有の緑地を区民へ公開していただきながら、地主さんから区がお借りするという制度で、それによってみどりを守っていく。無償で貸し付けられた場合には、固定資産税等が免除となります。20年以上の契約ですと、相続税の2割が評価減となるようなメリットがございます。維持管理についても区のほうで行います。 ◆井口かづ子 委員  類似の制度として借地公園制度があると思いますが、市民緑地制度との違いを教えてください。 ◎みどり公園課長 借地公園については、都市公園法が改正されて、借地につくった公園について、契約期間満了後、更地にして公園を廃止することが認められるような制度で、原則10年間お借りする。無償提供してもらった場合には固定資産税等が免除になりますが、あと、20年以上実際に借りられた場合、相続税の評価額を40%、評価を軽減するという優遇措置がございます。 ◆井口かづ子 委員  今後、屋敷林を対象に、市民緑地公園を増やしていくお考えはないのでしょうか。 ◎みどり公園課長 一団の樹林を守る有効な制度とは考えてございますが、所有者の意向等ございます。そういったものを含めて、みどりの保全のために今後活用してまいりたいと考えてございます。 ◆井口かづ子 委員  平成16年ごろだったと思いますが、樹林と樹木のアンケートをとりましたが、その直後に質問したときには、今後の支援策の拡充に反映していくとのことでした。その後どのように拡充されたのか、お聞かせください。 ◎みどり公園課長 アンケートの内容を受け、保護指定についての助成額の改定を行って、増額しております。また、所有者向けの講習会であるとか所有者向けのパンフレットなどを作成し、支援に現在取り組んでいるところでございます。 ◆井口かづ子 委員  例えば相続が発生して、物納する場合ですが、その土地にみどりの条例に基づく保護樹林とか樹木がある場合には、その樹木などは残すことができるんでしょうか。相続というと国税が入りますけれども、その辺どうなんでしょう。 ◎みどり公園課長 現在、所有者が望めば、残して物納することも可能です。ただ、次に買われる方に樹木を残すことをそれによって強制するものではないので、建築計画に伴う緑化計画の中で指導してまいりたいと思います。
    ◆井口かづ子 委員  屋敷林を保全していくために、今後区としてどう取り組んでいこうとしていらっしゃるか、力強いご所見をお聞かせください。 ◎みどり公園課長 今ご指摘のありました保全のために有効な制度も活用して、可能な限り残せる場所については、そういった制度を活用してまいります。あと、実際にそういった制度のPRを含めたパンフレットであるとか、所有者説明会の中でそういったことについての理解を深めていくようにしたいと思っています。あと、税制上の課題がいろいろある件につきましては、国や都に要望して、改善をお願いしていきたい。  今後とも各所有者と、そういった意向については、今まで以上にきめ細かく対応してまいりたいと考えてございます。 ◆井口かづ子 委員  次に、みどりの基本計画の改定作業を進めていると聞いておりますが、現行の計画の中で、みんなでみどりを育てようという基本方針の施策の1つとして、みどりの表彰制度の創設をうたっていますが、内容を詳しくお聞かせください。 ◎みどり公園課長 緑化活動など緑化全般につきまして、いろいろ意義のある活動について表彰を考えていこうということで現在の計画の中では計画されまして、現在でもいろいろな形では、単発的にはやっているという状況でございます。 ◆井口かづ子 委員  昔から、後世に残すべき屋敷林などを守っていくのに大変なお金もかかり、いろいろ努力をされている所有者の方を一人でも多く表彰されますよう、ここで要望しておきます。  次に、区内の公園で花の名所づくりを進めていると聞いておりますが、公園だけでなく、民有の屋敷林や貴重木など、みどりの名所が区内に多くあると思いますけれども、パンフレットの作成や広報への掲載など、こういった名所を区民に広く紹介して周知することも大切だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎みどり公園課長 委員ご指摘のとおり、そういったことも大切だと認識しております。一方で、個人の財産ということで、個人情報保護の観点から慎重に対応する必要がある。昨年、寺社仏閣の貴重木を中心にした「樹の路」というパンフレットを一応作成して、そういったものを周知していただくような取り組みをしてございます。 ◆井口かづ子 委員  ありがとうございました。終わります。 ○小泉やすお 委員長  それでは、今井讓委員、質問項目をお願いします。 ◆今井讓 委員  高井戸公園、資料ナンバーは351番です。それから、教育関係はインフルエンザ対策と歯磨き指導のモデル校について。  高井戸公園についてはたびたびお伺いしておりますが、1つはNHKのグラウンドですけれども、ちょうど3年前に一般質問でお尋ねしましたが、その3年の期間が切れようとしております。ちょうどことしの3月までですか、その後どうなりましたでしょうか。 ◎都市計画課長 これまで東京都とNHKを含めまして協議をしてまいりました。3月1日付で区とNHKのほうで契約が終わりまして、引き続き遊び場として継続していけるということの事務手続が終わりました。 ◆今井讓 委員  今のは、あと何年、また3年ですか。 ◎都市計画課長 一応NHKとの協議では1年ごとの更新ということで、期限はとりあえず1年ということですが、この間も答弁いたしましたけれども、NHKとしては民間売却は当面しないということになっておりますので、まだ借りていけるということだと思ってございます。 ◆今井讓 委員  このたび、放射5号の土地買収に絡んで、NHKの南側がテニスコートなんですけれども、そのテニスコートが半分ぐらいとられたのかな、それはどうなるでしょうか。 ◎都市計画課長 テニスコート7面ございまして、そのうち7メーターぐらい東京都の道路用地として契約が終わってございます。東京都のほうと協議いたしまして、事業の可能な限り現状のまま残すように要請をしてまいりました。6月末までこのまま利用できます。  NHKとしては、桜の並木が大分ありまして、冬に並木を移植する工事の準備を夏からかかりたいということでございます。NHKで桜の並木の移設工事が終わりましたら、区のほうでテニスコートの移設工事を行いまして、多くの区民が利用してございますので、その後はテニスコートの整備を区で行って、開放するということでございます。 ◆今井讓 委員  このたび東京都の公園整備の優先整備区域の見直しが必要であるということでしたが、区としてはどのような協議を進めていくんでしょうか。 ◎都市計画課長 これまで東京都のほうには、優先整備公園にするよう協議を進めてまいりました。東京都は平成18年に10年間の公園の整備計画をつくってございます。ちょうどそれが、23年度が折り返しの地点でございますから、引き続いて優先整備公園となるよう東京都に働きかけをしていきたいと思います。 ◆今井讓 委員  ちょうどNHKの借り上げが継続されたということで、当面は現状のオープンスペースが維持されることになったので、区民や利用者も大変喜んでおると思います。また、その隣の王子製紙、印刷局の運動場についても、相手のあることですが、引き続いて区民の利用ができるように要望をしておきます。  それでは、現在、平成22年度末の開園を目指して、桃井中央公園の工事が進められております。ちょうど山田区長が就任してから、柏の宮公園その他、随分公園整備に努力をされてきておりますが、桃井中央公園も含めて、この10年間で公園の面積はどの程度増えたのか、お聞かせ願います。 ◎みどり公園課長 平成11年、46.9ヘクタールであった区立公園の面積は、この10年間で、来年度、桃井中央公園が開園して60.1ヘクタールまで増えます。全体で13.2ヘクタール増加して、これまでの区立公園面積に対して28%の増加という状況でございます。 ◆今井讓 委員  着実に公園整備が進められてきたと思いますが、引き続いて区民に喜ばれる公園ができますようにご努力をお願いしておきます。  それでは続いて、教育関係、新型インフルエンザの対応であります。  私のところも保育園ですので、インフルエンザには大分悩まされましたが、学校関係はどのように対応してきたのか、お伺いします。 ◎学務課長 新型インフルエンザですが、夏休みが明けてから、2学期に入りまして本格化したところでございます。  まず、教育委員会といたしまして、学級閉鎖に対する、うがい、手洗い、マスクの着用等の励行を促し、学校現場及び家庭なども含めた健康観察に努めるということをやりました。  また、教育課程への影響などもありますし、学級閉鎖の基準を学校現場のほうに示してきたというようなところでございます。 ◆今井讓 委員  学級閉鎖の状況はどうでしたのでしょうか。その中で最も長く学級閉鎖になったクラスは、何日間閉鎖しましたか。 ◎学務課長 学級閉鎖の状況でございますが、ちょうど10月の下旬ごろが最大のピークだったと記憶しております。今まで、延べ数でございますが、小中、区立幼稚園も含めまして、閉鎖学級数としては約670学級、患者数にしますと5,300人ほどというような状況でございました。  それと、一番長かった学級閉鎖でございますけれども、中学校1年生のクラスで、延べ日数で12日間という学級がございました。 ◆今井讓 委員  そうすると、その12日間も含めて、学級閉鎖になった、授業時間の足りなくなった対策はどのようにいたしましたか。 ◎済美教育センター統括指導主事 大部分の学校が標準時数より多くの授業時数をあらかじめできるように設定しておりますので、まずそこを使って解決するのが一番多くの学校で行われたところです。ただし、緊急措置として、中には冬季休業期間を1日減らしたり、あるいは土曜日に授業を行って、学校公開もあわせて行う、そのような措置をした学校がある状況でございます。  また、もう1点、学級閉鎖をする場合には必ず適切な教材を学校は与えることになっておりますので、そのあたりの工夫を学校はしているものと考えております。 ◆今井讓 委員  続いて、歯磨きのモデル校についてですが、私のところは保育園でも随分長い歴史があります、歯磨きを給食の後やるという。これはなかなかすべてに徹底しているわけではありませんけれども、今年度は2校で実施しているということですけれども、それの目的はどうなっておりましょうか。 ◎学務課長 歯みがき推進モデル校の目的でございますが、まず、給食の後に歯磨きを行える環境を整備することによりまして、歯周病の予防を図るということや、あるいは歯磨き、うがい、手洗いなどを通しまして、インフルエンザの感染症なども予防するということ。また、歯や口の健康づくりの充実や健康習慣の改善を図るということで、児童が生涯にわたって健康な生活を送るための能力を磨くというようなことを目的としております。 ◆今井讓 委員  何か設備を改修するというようなことはあったんでしょうか。また、その経費はどのくらいになっていますでしょうか。  実際、2校の実施状況で、子どもの反映はどうなっておりますか。長い間私のところの保育園では歯磨きをやっていますと、子どもたちが待ちに待って、それで、給食が終わるとお互いに準備して、楽しんでやっていますけれども、その辺はどうでしょうか。 ◎学務課長 杉並第七小学校と桃井第一小学校のほうに導入しましたけれども、それぞれボール流し水洗あるいはステンレス流し水洗、こういったようなものの設備をつくりまして、2校合わせまして、経費といたしましては、おおむね1,500万程度ということでございます。  それから、実施状況といたしましては、それぞれの学校ごとに取り組んでございますが、桃井第一小学校などでは、そういった時間になりましたら、歯磨きタイムの放送などを流して、子どもたちに歯磨きを促し、また子どもたちも喜んで歯磨きをして、家でやるよりもまじめに磨いているというような感想ももらっているところでございます。 ◆今井讓 委員  ちょうど歯磨きを実施したところはインフルエンザの学級閉鎖が少なかったと聞いておりますけれども、それはいかがだったでしょうか。 ◎学務課長 学級閉鎖の状況でございますが、全校の平均で大体80%程度だったところが、この2校につきましては、平均で45%程度におさまったというところでございます。 ◆今井讓 委員  やはり因果関係があるんですね。  22年度には新たに5校が実施するということですけれども、関係機関との連携はとられておりますでしょうか。 ◎学務課長 21年度の2校におきましても、導入に当たりましては、歯科医師会などのご意見なども伺いながら実施をしてきたというところでございます。来年度新たに5校行うに当たりましても、またご意見をちょうだいするとともに、現在やっております口腔保健指導、こういったようなものとの関連性ももう一度再検討して実施に移していきたいと考えております。 ◆今井讓 委員  着実に進んでいるわけですけれども、モデル実施校にとどまらず、いずれ全校しなきゃならないと思うんですけれども、そういうめどは立っておりますでしょうか。いかがですか。 ◎学務課長 まず、21年度2校に続きまして、小学校につきましては7分区設けておりますので、その分区で、これを設置していない5分区につきまして、22年度に広げていきたいと考えております。  今後につきましては、物理的な面なども検討し、また財政的な面もございますので、そういった面をよく検討しながら広げていきたいというふうに思っております。 ○小泉やすお 委員長  それでは、河野庄次郎委員、質問項目をお願いいたします。 ◆河野庄次郎 委員  1つは、小学校における英語教育について、それと文化財関係について、花咲かせ隊について、以上です。  最後になりました。よろしくお願いいたします。  小学校における英語教育がいよいよ全国的に平成23年度から実施されるということで、本区では既に平成17年から、そのための準備というか、ある面では独自の小学校英語教育を行ってきたと思っております。  我々の世代からすると、英語というと、中学1年に入って初めて、アイ・アム・ア・ボーイとか、ジス・イズ・ア・ペンとか、長じて、第2外国語でいまだに覚えているのは、ドイツ語のイッヒ・リーベ・ディッヒ、こういうことで、我々日本人にとっては、外国語を習得するというのは非常に苦手というか、これが一般的な傾向ではないかと思っております。  そこで、まずお尋ねしたいんですけれども、文科省が次期学習指導要領で、小学校から外国語を導入することになっておりますけれども、なぜ外国語を必修化するようになったのか、その流れについてお尋ねをいたしたいと思います。 ◎済美教育センター副所長 我が国の英語教育については若干の課題があるということで議論がされてまいりました。これは実践的な英語力が身についていないというようなことだったのでございますけれども、その議論の中で、極力幼少期から英語によるコミュニケーションの楽しさというものを味わわせていく、また国際理解教育の観点で、国際理解への知識、技能を身につけるという2つの観点から、英語が小学校教育の中に取り入れられるようになったというふうに理解しております。 ◆河野庄次郎 委員  そこでお尋ねしたいことが、なぜ日本人は英語を苦手とする方が非常に多いのかという点について、何か根本的な理由がもしあれば、お尋ねをしたいと思います。 ◎済美教育センター副所長 これも非常に難しいご質問なんですけれども、文法的にも、日本語と英語というのは全く文法的な構造が違うというようなところ、それとともに、やはりこれは学校教育の問題で、先ほどもお話し申し上げましたが、まずは知識、技能から取り入れてしまった、習得から導入していくというようなところが大きな課題であったのではないかというふうに理解しております。 ◆河野庄次郎 委員  それと同時に、今ご答弁ありましたけれども、日本語は、てにをはという格助詞を使って文意をあらわす。そして動詞は最後にその役割を担うということで、余り動詞というものに重要さはありません。ところが一方、英語は、てにをはがないかわりに、しっかりとしたS・V、いわゆるサブジェクト(主語)とバーブ(動詞)がはっきりして、その語順で表現をしております。そこで、日本語では頻繁にS、いわゆる主語も省略されますけれども、英語では絶対にこれを省略しない。しかも、V、いわゆる動詞の役割というのが非常に大きい。時間あるいは感情をあらわす、そんなときにも使われているのではないかと思います。  そういう点では、日本は四面海ですから、外国との交流も少なかったということもありますけれども、例えばハングル、いわゆる韓国語、あるいはタミール語、インド人が使っておりますけれども、そういう方々の話を聞きますと、日本語は覚えやすい。例えば朝青龍などは大変流暢な日本語を使っております。  そんなことで、我々日本人ですから、日本語を中心に、いわゆるグローバル社会の中で、これからの世代の人たちは英語を生かした活動が非常に増えてくるということを、だれしも皆さん思っていることではないかと思うんですね。  そこで、従来中学校から行ってきた英語は、どちらかというと、文法を積み立てて教えていく。ところが、今回本区で目指そうとしている英語は、どちらかというと、英語はおもしろい、あるいは英語によるコミュニケーション活動を通じて、楽しいという、幼少期からそういう意識を子どもたちに植えつけていこうではないかということで始まったと理解をしておりますけれども、それでよろしいでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 そのとおりでございます。 ◆河野庄次郎 委員  そこで、資料23をいただきました。これについて、時系列的に質問をさせていただきたいと思います。  先ほど申しましたように、平成17年から今日まで約5年間、小学校における英語教育を新泉小学校、和泉小、そして和泉中を中心に、小中一貫校のもとに、いわゆる構造改革特別区域研究開発校の指定を受けて、英語科を設置して、全学年で英語を実施してきたと、ここに示されております。  そこで、1年生が17時間、2年生が18時間、3年生から6年生が35時間という時間割の中で行ってきたということでございますけれども、この程度の時間でどの程度の効果が発揮できたか、その点についてお尋ねをいたします。 ◎済美教育センター副所長 数値的な効果も我々検証しているんですけれども、今ちょっと手持ちのデータがございませんが、子どもたちが外国人と2往復から3往復の会話ができるようになってきているというような検証結果がございます。また、英語に対する喜び、楽しみ、おもしろさというものを感じている子どもたちが非常に増えている。あとは、コミュニケーションに対する価値を自分の中で形成していった子どもたちが多くいるというような成果が出ております。 ◆河野庄次郎 委員  それと、同じ19年度ですけれども、15の学校で、国際理解教育の一環として、総合的な学習の時間等において英語活動を実施したと示されております。これについては、当然、3校から15校に広がったわけですから、内容的にもある程度普遍性を持った形で行われてきたのかなと思いますけれども、19年度のこの15校に対する英語教育というのはどのようになされてきたのでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 17年度から19年度に新泉、和泉小学校で英語教育について研究を行いましたけれども、この研究成果を受けて、15校で試行校を増やしたというような形でご理解いただければというふうに思っております。オールイングリッシュで授業を行うような形で取り組みました。 ◆河野庄次郎 委員  そして20年度に入りますと、今度は15校から19校が、国際理解教育の一環として、英語活動を総合的な学習の時間等において実施したと示されております。それと同時に、実施校に対して、外部講師、いわゆる日本人講師と外国人講師を配置したり、それから、新学習指導要領の実施に向けて、平成23年度までの学年別標準実施時数を提示するとともに、英語活動のスタンダードとなる杉並英語プログラムを開発したと述べております。この杉並英語プログラムというのは、当然ほかの自治体と違った、杉並独自の試みかと思いますけれども、ここに至るまでの、先生方あるいはまた日本人講師──外部講師ですね、外国人講師等との関係の中で、どのようなプログラムが開発されてきたのか、お示しをいただきたいと思います。 ◎済美教育センター副所長 杉並英語プログラムでございますけれども、理念としましては、先ほどお話ししましたような、英語に対する喜び、楽しみというものを味わえるような形で、まず小学校の低学年では、英語のシャワーを数多く浴びせるということで、徹底した形で英語でのコミュニケーションをとるようにいたしました。3年生以上につきましては、それを活用して応用していくというような形で、外国人講師も含めまして対話ができるような形でプログラムを構成しているというような形でございます。 ◆河野庄次郎 委員  そして、いよいよ21年度、学習指導要領の移行に伴い、全校で実施するということで、当然、21年度、22年度、同じような形で行われると思いますけれども、その点はいかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 これまで、17年度から数年にわたりまして検証を行ってまいりました。その結果、小学校の低学年からの英語教育というものが非常に効果的であるというような検証結果を私ども受けておりますので、このプログラムを、見直しを重ねながら、検証を重ねながら、より一層充実した形で実施してまいりたいというふうに思っております。 ◆河野庄次郎 委員  そして、いよいよ23年度、本格的な取り組みが始まるわけですけれども、この5年間の中でいろいろな組織、団体あるいは個人等、いわゆる英語教育に関する関係者とのコミュニケーションを通じて、1つの杉並プログラムができてきたわけですけれども、現在、杉並区が予定しておりますプログラムをつくった研究所というか組織は、松香フォニックスということをお聞きいたしております。  そこで、この松香フォニックスの教育方針は、先ほど述べましたように、聞くこと、話すことを中心としたカリキュラムの構成ということで、いわゆる文法を中心とした英語から、英語はおもしろい、あるいは英語によるコミュニケーションは楽しい、そういう形に持っていく段取りというか、形になっているかと思うんです。片や、文法を中心とする、いわゆる提案者の中の先生の言葉をかりれば、小学校の低学年のうちに、日本語もろくに習得してない、しゃべれない1、2年、3年、4年生のころから英語を学ばせるよりも、むしろ日本語の国語を重点的にやるべきではないかという言葉も届いておりますけれども、これに対する考え方はいかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 私ども、英語でのコミュニケーション力をはぐくんでいくのと同時に、先ほど来お話し申し上げておりますが、コミュニケーションという人と人との触れ合いのツールである言葉の力をつけていこうというようなねらいがございます。これは日本語でも英語でも同様でございますので、私どもは、英語の活動を通して、日本語を通したコミュニケーション力の育成にもまたつながっていくのではないかというふうに考えて実施してまいりました。 ◆河野庄次郎 委員  そうしますと、23年度、当然、取り組みの方法としては、この杉並英語プログラムに基づいて、教材としては、CDやDVDあるいは絵本等の教材を使うこと、そしてまた先生方の研修というものが大事だと思うんですね。小学校の先生は、英語を勉強されてきた方もおりますけれども、苦手としている方もおられるということで、その研修と同時に、それを補助する形で外部の講師を補助的につけるということで、いろいろ工夫がされると思いますけれども、23年度に向けての本区の取り組みについて、再度決意というか、考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎済美教育センター副所長 教員の力量形成はやはり大きな課題であるというふうに思っておりますが、研修も重要なんでございますけれども、JETやALTを通して、その指導を教員も一緒に、子どもたちとともに学ぶ、楽しむということによって教員の力量も形成されていくというふうに私ども考えております。研修と二枚看板で、あわせた形で行っていきたいというふうに考えているところでございます。  今後も、子どもたちのコミュニケーション力、これは人間力の根底をなすものであるというふうに思っておりますので、そこの充実に向けて、英語活動のみならず、日本語の活動につきましても重点を入れて、私ども取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆河野庄次郎 委員  具体的に、例えば小学校の中で、先ほど申し上げた和泉、新泉以外に、杉並第一小学校、それから杉七はいわゆる英語活動を行っておりますけれども、この学校についてはまた独自の形で行っているのかどうか、その点いかがでしょうか。 ◎済美教育センター副所長 私どもが示している杉並英語プログラムというものは、1つの単元の時間を柔軟に活用できるような形になっております。例えば15分間で杉並英語プログラムを学んで、残りの30分間は独自のプログラムを活用しても構いませんと。96の重要文型というものを私どもはこのプログラムの中で示してありますので、すべての英語活動に汎用できるものであるというふうに考えております。 ◆河野庄次郎 委員  かつて個人的に何かの会合のときに大藏教育委員長と同席をして、どんな話題であったか忘れてしまいましたけれども、その中で、幼少時の英語教育についてお話を承った機会があったと記憶しております。その当時の記憶としては、大藏委員長も、低学年、特に幼少時の英語教育については、むしろ日本語をきちっと学ばせることがいいんじゃないかというお話を聞いたような記憶がございますけれども、大藏委員長におかれては、小学校での英語教育についてどのようにお考えでしょうか。 ◎教育委員会委員長 これはなかなか難しいことで、学習指導要領にも入っておりますので、教育委員会としてはちゃんとやらなければならない。特に小学校5、6年生ですけれども。  しかし、私の個人的なことを言いますと、私は戦争中に昔の中学校にいましたので、英語教育は非常に少なかった。だから、私がちゃんと英語を始めたのは、今でいえば高等学校に当たるぐらいのところからです。しかし、環境と必要性と、それから自分でやらなければならないということになりますと、ちゃんとできるようになりまして、今私は、多分できるほうの部類に入っていると思います。  私の娘は、3歳でイギリスに連れていきましたので、向こうで普通の子どもと全然違わないというか、向こうの子どもの親たちがびっくりするぐらいに英語ができましたけれども、小学校の低学年で日本に帰ってきまして、すぐに全部忘れまして、中学校に入ってまた英語をやる。  だから、環境が非常に重要であること、それから必要性に迫られるかどうか。それから、本人が努力を──小学校の低学年ではそんなに必要性を認めませんから、自分も努力をしませんので、全部忘れるということです。だから、こういうものがそろわなければ、日本では私は、英語はとにかく小学校でやってもとてもだめだと思っております。  なぜならば、映画を見てください。今の「ハート・ロッカー」でも「アバター」でも、日本はすぐ吹きかえや字幕がついて、アメリカとほとんど一緒に公開をされます。テレビでも同じです。翻訳に至っては、アメリカやイギリスで出る前に翻訳が日本で出ることもあるんです。それぐらいに日本は英語とか外国語をやらなくても十分足りるようになっています。それで、周りの環境もみんな日本語をしゃべっているんです。どうして英語ができるように、私はそんなことはないと。だから、専門家のたくさん英語のできる、必要性がありません。外国に行って会話できるぐらいなら、買い物するぐらいなら何も要りません。  だから、日本でちゃんとしている人たちのみんなの意見は、中学校からやったほうがいい、日本語をちゃんとやったほうがいいという意見ですので、私も個人的にはそう思っておりますが、教育委員会としては、教育委員としては、それは学習指導要領にあるものをちゃんとやらなければなりません。そのあたりの矛盾がありまして、これをご説明するには、河野委員とどこかでお話をしたと思いますけれども、非常に長い時間をかけてご説明しなければならないと思います。  日本で英語のとてもできた人は、白洲次郎さんという人ですが、この人は8歳ぐらいからずっとイギリスに行っていて、パブリックスクールを卒業して、向こうの大学にいまして帰ってきた。これが、占領中にアメリカをどんどんやっつけるものですから、アメリカの軍人の高官が、あなたは英語がとてもよくできますねと言ったら、白洲さんが、あなたももうちょっと勉強すれば私ぐらいできるようになりますよと言ったぐらいで、本当にできるとすれば、それぐらいできないと私は語学というのは役に立たないと。学校でちょっと習ってできるようなら、みんなできるようになります。そんなことはありません。逆に、日本人は…… ○小泉やすお 委員長  委員長、ぼちぼち答弁は……(笑声) ◎教育委員会委員長 日本人は、みんな日本で生まれればみんな日本語ができるようになるんです。ですから、そういうことがありますので、なかなか簡単にはご説明できないと思います。  ご注意をいただきましたので……。どうもありがとうございました。 ◆河野庄次郎 委員  本当にありがとうございました。  そこで、最後に教育長にお尋ねします。杉並の教育については、これまで教育ビジョンに基づく取り組みが着実に進めてこられたと思っております。そうした中で、22年度はビジョンの最終年次の年となります。この間の教育改革の取り組みの到達点及び今後の展開などについて、井出教育長のご所見をお伺いして、質問を終わります。 ◎教育長 私もこの間、時間があるごとに現場に出かけて、学校の様子や子どもの様子、教員の様子なんかも見てきております。そこで言えることは、杉並の小学校も中学校も、幼稚園も含めて、力をつけてきている、教育力が大変伸びてきているというふうに実感をしております。特に学校ごとに創意工夫を凝らして、特色ある教育活動を展開して、その地域に合った教育を進めている。これは個別の学校を挙げて説明するまでもなく、恐らくここにおられる皆様方も、各学校における実践についてはごらんになって、実感をされることではないかというふうに思っています。  また、この間続けてきました地域との協働、地域運営学校や学校支援本部等さまざまな活動の中でいろいろな工夫がされてきました。実は、きのうの夕刊に杉並第一小学校の朝先生という、朝の始業前に、地域のお年寄り、と言うと語弊がありますが、ベテランの方々が学級で和歌を教えたり漢字の指導をしたりということで、非常に学校の中が落ちついて、子どもたちも意欲的に学ぶようになってきた。さまざまな社会的な資源を動員して学校が力を得て、よりよい教育活動が進められるようになってきたというふうに考えております。  また、もう一方、大きく特筆できることは、独自に教員を養成して、独自に任用する、その成果を生かして、30人程度学級を展開することができました。ことしで、1年生から4年生まですべて展開することができたわけですが、これは他区がうらやむほど充実してきていることの1つでございます。1年生から4年生の中で、いわゆる学級崩壊であるとか、あるいは指導上の問題であるとかというのは格段に減ってきました。特に1年生が落ちついて学習できるというのは、高く評価をされているものというふうに感じております。  そんなこれまでの成果を踏まえて、平成22年度、最後になるわけですけれども、私は、この成果をぜひこれからの小中一貫を通した学校の充実につないでいきたい。これまで得られた成果が、9年間の杉並の義務教育の中で結ばれていくような、そういう教育の仕掛けを用意していきたいというふうに考えています。そのためには、何よりもその受け皿になる中学校の活性化を図っていきたい。小学生が喜んで、隣の学校、近くの中学校に、僕はあの学校に行きたい、私はこの中学に行くんだという目的を持って行動できるような中学校を用意して、杉並の義務教育9年間を確かなものにしていきたいというふうに考えております。 ◆河野庄次郎 委員  ありがとうございました。 ○小泉やすお 委員長  以上で杉並自民議員倶楽部の質疑は終了いたしました。
     これをもちまして、一般会計歳出第5款都市整備費、第7款教育費に対する質疑はすべて終了いたしました。  《平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議》 ○小泉やすお 委員長  ここで、藤原淳一委員ほか5名から平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議が提出されておりますので、これを議題といたします。  動議文を配付いたします。       〔動議文配付〕       ───────────────────────────────────       平成二十二年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議  議案第二十二号平成二十二年度杉並区一般会計予算、議案第二十三号平成二十二年度杉並区国民健康保険事業会計予算、議案第二十五号平成二十二年度杉並区介護保険事業会計予算及び議案第二十六号平成二十二年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算について、区長はこれを撤回し、次のように速やかに編成替えを行い、再提出することを求めます。   右の動議を提出します。    平成二十二年三月十日                          提出者  藤 原  淳 一                          同    鈴 木  信 男                          同    原 口  昭 人                          同    小 倉  順 子                          同    くすやま 美 紀                          同    原 田  あきら   予算特別委員会委員長 小 泉  や す お 様       ─────────────────────────────────── ○小泉やすお 委員長  藤原委員とくすやま委員、説明者席へ移動をお願いします。  それでは、提出者の説明を求めます。 ◆藤原淳一 委員  お疲れのところ、少しお時間をいただきたいと思います。  平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議を提出させていただきました。  この動議は、議案第22号平成22年度杉並区一般会計予算、議案第23号平成22年度杉並区国民健康保険事業会計予算、議案第25号平成22年度杉並区介護保険事業会計予算及び議案第26号平成22年度杉並区後期高齢者医療事業会計予算について、区長はこれを撤回し、速やかに編成替えを行って、再提出することを求めるものであります。  動議の提出者は、日本共産党区議団全員であります。  次に、編成替えを求める理由について説明をいたします。  区政を取り巻く情勢は、厳しい経済状況のもとで杉並区の来年度予算編成にも大きな影響を及ぼしています。一方、区民の暮らしも大企業の正社員から非正規社員への置きかえや政府の構造改革によって、貧困と格差が一層広がっています。これまでにない厳しい経済状況だからこそ、区民に一番身近な杉並区が思い切った雇用対策や区民負担を軽減し、暮らしを守るセーフティーネットを強化する必要があり、その姿勢を予算編成に示さなければなりません。  同時に、全国的にも注目を集めている減税自治体構想への踏み出しは、区政の重大課題であり、区民意見の集約が乏しい中で、果たして基金を積み立てる予算が道理あるものとは決して言えません。  日本共産党区議団は、減税自治体構想を初め、区民から寄せられた福祉や介護などにかかわる声を紹介し、予算特別委員会で質疑をしてきましたが、平成22年度杉並区一般会計予算及び関連する特別会計予算は、極めて不十分であると判断をいたしました。  よって、山田区長に主要な予算編成替えを求めるものであります。その基本点は、1保育需要や介護要求にこたえ、生活保護の改善などセーフティーネットを強化すること、2区の民営化による労働者の低賃金化を改善すること、3増額に必要な財源は主に基金を取り崩して充てること、4区民合意の未形成事業や不要不急事業費を削減することであります。  次に、編成替えの具体的項目と金額について提案をいたします。  まず、減額を要求する予算項目と予算額でありますが、予算額につきましては、我が党区議団が積算したものであり、個々については、数字は記載のとおりでありますので、読み上げはしません。  項目についてでありますが、減税基金積立金を削除する。それから2番目に、減税自治体構想の推進、削除する。財政調整基金の積立金、新たに予算で出されておりますが、これも削る。それから、基金管理監についての予算を削る。学校適正配置の推進費を削る。教育憲章にかかわる経費を削る。教育ビジョンの推進を削る。杉並師範館を削る。新たに3校分、学校給食調理の民間委託分を削る。図書館委託管理については、新規4館、指定管理者に対する予算を削る。国民保護計画にかかわる予算を削る。住民基本台帳ネットワークシステム関係事務費を削る。行政サービス民間事業化提案制度の予算を削る。納付センター維持管理費を削る。保育園給食調理・用務民間委託、新規5カ所分を削る。土日開庁分を削る。外部監査を削る。合計31億7,552万6,000円が減額する経費であります。  次に、増額を要求する予算項目でありますが、これも予算額については掲載しているとおりでありますので、読み上げはいたしません。  最初に、増額する項目として、後期高齢者医療についての保険料引き上げ分について、区独自で補助を求めるものであります。次に、私立の保育園15カ所の運営費、とりわけ人件費を増やすという点で増額を要求するものであります。3つ目には、耐震改修・診断の促進と拡充、予算の約10%強を増やすということです。4つ目、再生可能エネルギーの普及推進については、予算の倍額を要求しています。次に、図書館4館の指定管理者を新たなところとして中止をした場合、職員でこれは運営しないといけないので、職員人件費を、増額を計上しております。それから、なみすけ商品券事業については、広く区民に渡るようにという思いで、倍加ということで計上しています。特別養護老人ホームは、土地購入費1カ所、建設費1カ所ということで計上、増額をしております。認可保育園1カ所を建設費として増額をしています。応急小口資金貸し付けは5倍に増やすということで増額しています。学童クラブ、詰め込みのクラブ、10施設分、第二学童をつくっていくという建設費を増額しています。それから、後期高齢者の窓口負担を半額にするための経費を計上しています。次に、小中学校普通教室冷房設置、これはリース代でありますけれども、計上しております。それから、国民健康保険料、1世帯1万円減額をするということで、増額要素に入れております。納付センターの民営化をやめた場合、直営とした場合の人件費を計上しています。それから、5月、NPT再検討会議に国連へ派遣をするということで、2名分の増額をしております。それから、学校給食を新たに3校分増やすのではなくて、直営のままにした場合の人件費を計上しています。資料では5校分となっていますが、3校分に訂正をさせていただきたいと思います。次に、保育園給食を新規5園分、民営化しないということですので、職員費を計上しています。最後に、30人学級を小学校6年まで拡大をするということで、教員の給与を増額しています。合計、増額する分として91億4,959万8,000円ということを提案させていただいております。  委員各位のご賛同よろしくお願いいたします。 ○小泉やすお 委員長  これより質疑を行います。  ただいまの説明に対して質疑はありませんか。  それでは、3人方ご質問がありますので、逐次私のほうから指名させていただきます。 ◆増田裕一 委員  いろいろとお尋ねしたいんですが、1点だけお尋ねいたします。  もろもろ予算項目が述べられております。素朴な疑問なのですが、減額する予算額と増額する予算額の差し引きが60億余ということでございます。この財源の根拠をお示しください。 ◆藤原淳一 委員  提案理由の説明のところでも少し触れました。財源は、財政調整基金の取り崩しで不足分60億余は充当するということで考えております。まだ170億近い財調基金がありますので、それを取り崩すことで可能だと私ども考えました。 ◆小野清人 委員  私も聞き出したら切りがないと思うんですけれども、簡単に何点かお聞きしたいと思います。  提案理由に非正規の社員のことですとかそういうことが載っていますが、この組み替えの中にはどのように反映されているのか、中身との整合性を1点目お伺いします。  2点目ですけれども、学校の適正配置ということがあります。この学校の適正配置について、これまでも杉並区でさまざまな議論が行われきて、非常にデリケートなこともたくさんあろうかと思います。その中でこういうふうに1行で表現されるわけですけれども、これは仕方がないことかもしれないんですが、学校の適正配置について、非常にデリケートだと思うが、どのように考えているのか。2点目です。  3番目に、財政調整基金のことが触れられていますね、減額する予算項目。先ほど、財源はこの財政調整基金から充てるというふうに言っていましたけれども、これについての考え方はどのようになっているのか、聞かせてください。  以上3点です。 ◆藤原淳一 委員  小野委員の質問にお答えします。  まず、非正規社員のことについて触れたのは、これは企業の中で生まれている状況を私たちは述べさせていただきました。どのように杉並区の予算とそれが関係するのかということですけれども、同じようなことが、杉並区でも正職員から非正職員へ置きかえられている現実があると思います。私たち、今回出したのは、杉並区で働いている正職員の例えば給与を上げようとかということは出しておりません。  むしろ今回出したのは、これまで福祉施設で働く民営化された職員の給料を少し引き上げていこうというところで、増額分として提案させていただいております。それは増額項目の2番の、例えば私立保育園15カ所の運営費増額という点で、今ここに働く人たちの給与がどうなっているかというと、とりあえず運営費全体は、区立保育園の74%分しか運営費が出ていない。少なくともそれを80%にして、働く人たちの給与を少し上げるというところで増額分として計上させていただいております。  図書館も、雇用を増やす、あるいは賃金をしっかり確保していくという点で、指定管理者制度のもとで働く区施設の従業員の給与が本当に安くされているということで、私たちは、指定管理者制度をやめて、正職員でこれは今までどおりやるべきだ、そのために公務員を増やしていくという点で、ワーキングプアを少しでもなくそうということで計上させていただいております。  そういう意味から、今社会的に起きている、正社員が減らされ、非正社員が増やされるという状況を足元から一歩ずつ変えていくことが必要だということの提案でございます。  2つ目、適正配置について、デリケートな問題。もちろんデリケートな問題だと思っておりますし、関係する住民の中で、しっかりご議論をいただかないといけない問題だと思っております。ただし、私たちの基本的姿勢は、どの学校も残すということで考えています。その地域にある学校にその地域の子どもたちが通って、地域の中で子どもたちが育っていく、そういうあり方を、私たちは、ある学校が少なくなって、ある学校が増えてということだけで適正配置を考えてはいけないというふうに思うし、その根源には学校選択希望制というものがある。だから、そこにメスを入れないで適正配置はないだろうという考え方のもとで、私たちの基本的スタンスとして、統廃合につながる適正配置は認められないということで、削除の項目に入れさせていただきました。 ○小泉やすお 委員長  藤原淳一委員、答弁はもう少し簡潔にお願いいたします。 ◆藤原淳一 委員  はい。  財調基金については、16億7,659万9,000円というものを新たに積み上げるというのが予算書に載っているので、それは削除して、ほかに使えという意味で書いております。減額と増額の差額分については、今ある基金を取り崩してということでございます。 ◆堀部やすし 委員  それでは、絞って、3点について伺います。  まず、外部監査に関する経費を削減するということです。外部監査のあり方についてはいろいろな見解があることは承知しておりますが、これは実施の方法によって改善も図ることができるのではないかと、こう考えます。今のところ、公認会計士の方を中心に外部監査をされているわけですが、他の自治体を見ると、弁護士さんであるとか、もう少し違った観点から充実した監査をやられているところもあると思うわけですが、この点についてはどのようにお考えになるか、見解をお聞かせいただきたい。  それから第2点目ですが、増額する予算項目の10番目、過密学童クラブの第二学童10施設分の建設費ということで挙がっております。この10施設、参考までに、念頭にあるところがあれば、お示しをいただければなと思います。  それから15番目です。核のない世界へ5月NPT国連派遣2名分とあるわけですけれども、この意義といいますか、そういったことについて説明をいただければと思います。  以上です。 ◆藤原淳一 委員  外部監査、少し悩みました。私たちは、これまでの経過を見ると、どうも区民のためにならない行革のための外部監査という方向がほとんどだったので、とりあえずは白紙に戻すということで、これは削るところに入れました。  学童クラブについては、申しわけありません、今どの学童クラブという資料がないので。計算したところがあるんですが、10施設ぐらいということで出させていただきました。  核のない世界を目指してということでありますけれども、杉並区がどういう自治体なのか、平和都市宣言も行い、核兵器のない世界を目指すという宣言文にもなっていますし、原水爆禁止運動発祥の地という点では、今、核についての大きな世界的曲がり角に来ている中で、NPT再検討会議というのはかなり重要だと。そこに、例えば区長も行ってもらうとかいうところで、この杉並から核廃絶の声を発信していく、そういう点で派遣の費用を計上させていただいております。 ○小泉やすお 委員長  ほかに質疑はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  質疑を終結して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  異議ないものと認めます。よって、質疑を終結いたします。  それでは、藤原委員、くすやま委員、どうぞ自席へお戻りください。  それでは、意見はありませんか。 ◆小野清人 委員  ただいまの提案について、反対の立場から意見を述べさせていただきます。  個別のことには触れるつもりは余りないんですけれども、特に私は、学校の適正配置のことはデリケートな問題だと思います。こういうふうにぽっと1行載っけて、この議論に関する予算をなくしてしまうということは問題があるなというふうに思っております。  全体的に見て、それぞれ私が、短い質疑でしたけれども、思うところは、現場の実態に即しているのかなという疑問を常に持ちました。1つの議論、それをすごく大切にしなければいけないというふうに思うんだけれども、その深みがないのではないのかなということです。同じようなことですけれども、イメージもなかなかわきませんし、共産党の皆さんの提案には賛成することはできません。  以上です。 ○小泉やすお 委員長  ほかに意見はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  意見の開陳を終結して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  異議ないものと認めます。よって、意見開陳を終結いたします。  それでは、これより採決いたします。  藤原淳一委員ほか5名から提出された平成22年度杉並区一般会計予算等の編成替えを求める動議に賛成の方の挙手を求めます。       〔賛成者挙手〕 ○小泉やすお 委員長  挙手少数であります。よって、動議は否決されました。  以上で議案第22号平成22年度杉並区一般会計予算ほか15議案に対する質疑をすべて終結いたします。  《議案第4号杉並区減税基金条例に対する修正案》 ○小泉やすお 委員長  ここで、藤本なおや委員ほか8名から議案第4号杉並区減税基金条例に対する修正案が提出されておりますので、これを議題といたします。  修正案を配付いたさせます。       〔修正案配付〕       ───────────────────────────────────  議案第四号杉並区減税基金条例   右の議案に対する修正案を別紙のとおり杉並区議会会議規則第六十五条の規定により提出する。     平成二十二年三月十日               提出者  予算特別委員会委員  伊 田 としゆき                    同          横 山  え み                    同          小 川  宗次郎                    同          河 野  庄次郎                    同          渡 辺  富士雄
                       同          安 斉  あきら                    同          藤 本  なおや                    同          はなし  俊 郎                    同          岩 田  いくま  予算特別委員会委員長 小 泉  や す お 様       ─────────────────────────────────── ○小泉やすお 委員長  それでは、藤本委員ほか8名、説明者席へ移動願います。  それでは、修正案について、提出者の説明を求めます。 ◆藤本なおや 委員  それでは、議案第4号杉並区減税基金条例に対する修正案につきまして、大変僣越ではございますが、私のほうからご説明をさせていただきます。  まず、今お配りをいたしました修正案文を朗読させていただきます。    議案第四号杉並区減税基金条例に対する修正案  議案第四号杉並区減税基金条例の一部を次のように修正する。  第二条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。 3 区長は、基本方針を策定し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ杉並区減税基金委員会に報告しなければならない。  第十条第三項中「委員会は、」の下に「第二条第三項の規定により報告された事項並びに」を加える。  提出者は記載のとおりであります。  修正の理由についてでありますけれども、基本方針は、恒久的な減税などを計画的に実施するために策定される重要な方針であります。原案において、方針の策定または変更については、基本的に長の権限とされておりますが、その重要性にかんがみ、第三者機関による何らかの事前のチェックの仕組みを導入すべきと考えます。  よって、減税基金委員会の所掌事項を前提としつつ、専門的見地からなお一層その役割を果たしてもらうことを目的に、新たに規定の追加や文言の加筆修正を行うとともに、これに伴う規定の整備を図る必要があるため、修正案を提出するものであります。  以上で提案理由の説明を終わります。委員各位のご賛同を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 ○小泉やすお 委員長  ただいまの説明に対して質疑はありますか。  ただいま5委員から挙手がございました。委員長のほうから逐次ご指名いたしますので、発言をお願いいたします。 ◆中村康弘 委員  まず、このたび条例修正案が出されましたけれども、修正するに至った経緯及び理由についてご説明をいただけますでしょうか。 ◆藤本なおや 委員  では、私のほうからご答弁させていただきます。  2月5日の議案配付後、提案者それぞれが精査をいたしまして、代表質問や、2月28日に行われました集中審議及び3月4日までの予算審議を通して、よりよい条例とすべく、今回の修正に至ったと答弁させていただきます。 ◆中村康弘 委員  第2条に、「区長は、基本方針を策定し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ杉並区減税基金委員会に報告しなければならない。」という項目が加えられました。今回この項目を加えた理由について、改めて説明をいただけますでしょうか。 ◆藤本なおや 委員  基本方針は、先ほども提案理由で述べさせていただきましたけれども、区長が定めるものでありますけれども、その過程において、一定の専門性を持つ第三者が関与する余地を確保しておくべきと考えたからでございます。 ◆中村康弘 委員  今回の追加項目で、区長から報告があって、委員会から意見を返すという、いわゆる報告から意見の関係となっておりますけれども、諮問、答申という形もあると思うんですけれども、そういう形ではなく、今回は報告、意見という形にした、その理由は何でしょうか。 ◆藤本なおや 委員  基金管理方針は、基金の運用という専門性の高い領域であるため、第10条第2項のように諮問、答申の関係にあるということは私どもも理解をしております。一方、基本方針の策定、変更については、経済金融情勢の判断など、専門家の助言が有用な側面もありますけれども、区長の政治判断に負う側面も強いと考えております。  これまでの質疑における区の答弁では、基本方針への減税基金委員会の関与は、基金管理方針と同列にはいかない、こういう答弁でありまして、そのような趣旨だと私どもは受け取っております。したがいまして、諮問、答申の関係ではなく、報告、意見という関係にしたところでございます。 ◆中村康弘 委員  最後の質問になりますけれども、基本方針の見直しということについて伺いますが、今回、第2条を修正するのであれば、基本方針について、一定期間ごとに検証して見直しを行うよう、その旨を条例に規定すべきではないかと思うんですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。 ◆藤本なおや 委員  基本方針は、これまでの質疑で明らかになったように、計画に位置づけられました。定期的な見直しの規定を置くことは必要ない、このように考えております。しかし、ご指摘の趣旨に含まれている定期的な検証の必要ということはごもっともでありますので、今後、議会の意思を表明するについては、改めて検討させていただきたい、このように思っております。 ○小泉やすお 委員長  5時を過ぎようといたしておりますが、この際、委員会を続行いたします。どうぞご了承いただきたいと思います。 ◆増田裕一 委員  私のほうからは2点お尋ねしたいと思います。  まず1点目ですが、条例第2条第3項におきまして、あらかじめ減税基金委員会に報告としておりますが、区議会や区民には報告しないのでしょうか。 ◆岩田いくま 委員  それでは、今回は私のほうから答弁させていただきます。  質疑における答弁ですとか、また杉並区区民等の意見提出手続に関する条例に従いまして、当然に議会へのあらかじめの報告及び区民への意見提出手続、これがとられるものと考えております。ただ、この点も、委員のご指摘ごもっともであると思いますので、付帯決議として議会の意思を表明すること、こういったことについては、改めて検討してみたいと思います。 ◆増田裕一 委員  では、2点目、最後なんですが、条例第10条第3項におきまして、「第二条第三項の規定により報告された事項並びに」とありますが、新たに追加した意味は何でしょうか、お示しください。 ◆岩田いくま 委員  2点目のご質問、答弁させていただきます。  これは第2条で新たな3項として追加した項目と対となるものでございますけれども、第2条のところで減税基金委員会に報告しなければいけないと入れたものに対しまして、減税基金委員会から意見をもらう必要がある、そのために追加したものでございます。 ◆原田あきら 委員  まず、この修正案で減税自治体構想の何が修正されるのかが聞いてみたいところなんです。先ほど、第2条3項のところで、第三者が意見を言う余地を保つための変更だという話もありましたが、それによって一体、減税自治体構想の何を修正、よりよくしたいのか、答えてください。  それから、基本的に、修正案を出す以上、やはり減税自治体構想に対する何らかの不安を覚えての修正案であるのかどうか、その問題意識があれば、改めて述べていただきたいと思います。いいものをもっとよくする立場というものなのか、悪いところがあるので、それをよくする立場なんだというのか、割と問われると思いますので、そこをしっかり答えてください。問題意識があるのかどうか。  最後に、減税自治体構想が低中所得者にとってはほとんど恩恵のない施策であり、むしろ抜本的に足りてない保育や介護など区民サービスの充実を妨げる危険性を持っていることに対して、修正案は無力ではないのか、この質問に答えていただきたいと思います。 ○小泉やすお 委員長  ただいま原田委員から3点の質疑が出ました。答弁を願います。 ◆藤本なおや 委員  では、1点目と3点目についてお答えをさせていただきます。  まず1点目は、修正案で、これによって減税自治体構想の何が修正をされるのかということでありましたけれども、先ほども提案理由で述べさせていただきました。基本方針の重要性にかんがみて、第三者による何らかの事前のチェックが入るということによって、基本方針のあり方を専門的見地から委員の方にご意見をいただくということが非常に重要であるかと、このように考えております。  3点目の低中所得者に対する効果がないということでありますけれども、私どもはそのような考えは持っておりませんので、そういう答弁をさせていただきます。 ◆小川宗次郎 委員  2点目は多分、減税自治体構想に賛成なのかという意味合いの質問かと思います。  あすの意見開陳及び採決は、減税基金条例について表明するわけでございます。今審議しておりますのは減税基金条例であって、減税自治体構想ではないということでありますので、詳しい答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 ◆奥山たえこ 委員  今、今回の変更の効果について事前のチェックというふうな答弁がありました。今回のこの委員会ですけれども、メンバーの方々は区長の附属機関でありまして、つまり人選は区長がやるわけですね。先ほどの答弁の中で、第三者が関与する必要があるのだとか、それから専門家が必要だという答弁がありましたけれども、区長の附属機関である方々が純粋な第三者機関であると、そういうふうな立場たり得るとお考えなのかどうか、まずそこからお伺いいたします。 ◆渡辺富士雄 委員  私のほうから答弁させていただきます。  これまでも附属機関の委員の委嘱に当たってはさまざまございますけれども、適切な人材に委嘱されていると私たちは判断しております。ですから、今回も同じというふうに考えております。 ◆奥山たえこ 委員  先ほどの他の委員の質疑と若干重なるところがあるんですが、基金管理方針に対する関与と、それから今回の基本方針に関する関与の規定が違うわけです。具体的に申し上げると、例えば4条3項、「意見を聴かなければならない。」というふうになっている。そして、今回の追加変更によりますと、基本方針については、意見を述べることができるとなっております。つまり、基本方針については、意見を述べることができるという項目を追加しようとするのが今回の変更であります。そして、現行の条例案は、4条の3項になりますけれども、基金管理方針について、区長は「意見を聴かなければならない。」つまり、この2つの表記の違いをどのように、つまり区長の側にとって考えていただければいいと思いますが、区長の対応に何か違いがあるのかどうか、そのご説明をいただきたい、認識をいただきたいと思います。 ◆藤本なおや 委員  簡潔にお答えさせていただければ、諮問、答申の関係と報告、意見の関係が違うということであります。 ◆奥山たえこ 委員  そうしますと、基本方針については、基金管理方針ほどの、また違う態度になるわけですけれども、重みが違ってくるわけですが、先ほどほかの委員の方への答弁には、基本方針については区長の政治的判断であるというふうな表現だったかと思うんですが、区長にかなり権限を譲り渡しているというふうに、私はそういうふうに認識しております。  そうしますと、基本方針そのものなんですが、その第1号に、恒久的減税の実施時期というものを定めることになっております。この実施時期を定める場合には、言うまでもなく、杉並区特別区税条例の中の標準税率、税率を変更するということが、つまり条例改正がかかわってくるわけです。そのようなことを、つまり議会というものがありながら、区長が基本方針の中で実施時期を定める。しかもそれに対しては、この委員会も意見を述べることができる程度の関与なのでありますけれども、それについて、区議会のメンバーであります今回の提出者たちはどのようにお考えなのか、それで構わないとお考えなのか、その辺を忌憚なくお伺いします。 ◆渡辺富士雄 委員  おっしゃる意味はよくわかります。ちなみに、我々議会というのは議決権を持っておるわけですね。積立額については、予算の審議を通して、また減税の規模や実施時期については、特別区税条例の改正等を通して行使することができる。要するに現行の法令とか条例体系において、基本方針を議決する事項ではないというふうな判断はそこから来ているところでございます。 ◆奥山たえこ 委員  そうしますと、実際の区議会の関与としては、区長がこうやって方針を決めるわけですけれども、実際に条例の改正が出てきたときに対応すればいいんだと。つまり、基本方針のところについては特に関与するものではないということで構わないということなのかどうか、確認しておきます。 ◆岩田いくま 委員  基本方針への関与というところで、現在の法令、また条例体系ということを考えたときに、基本方針に従って、まず積み立ての段階で当然に予算案、これは本予算、補正予算、ともにあろうかと思いますけれども、その段階で議会として決定権、議決権を持っている。そして、先ほど委員のほうからも挙げられました減税の実施時期等に関しては、区税条例の改正ということが一番一般的であろうと思いますけれども、このときに議会として判断が当然のごとく発生する、そういった認識に立っております。 ◆奥山たえこ 委員  では、これで最後にしますけれども、区民の意向についての認識を伺いたいと思います。端的に申し上げてというか、お伺いして、区民は今回の条例に賛意を示す人が多いと考えているのかどうか。その下敷きとして、杉並区民53万人ほどのうち、実際に税金を納めている方はそのうち半分ぐらいでありますし、それから、低い金額しか納めてない方の減税額は微々たる──これは認識が違うかもしれませんが、年間1,800円ほどであるということでありますけれども、そういったいろいろな事実を踏まえて、区民の大方は、今回の減税基金条例に賛成していると受けとめているのか、それともそうでないのか、認識をお聞かせください。 ◆藤本なおや 委員  今、修正案についての質疑を行っておるわけでありまして、原案についての質疑はもう既に28日の集中審議、また3月1日から4日までの審査区分で終えておりますので、その部分に関しての修正は今回かけておりませんので、お答えする必要はない、このように思っております。 ◆市橋綾子 委員  重なるところを抜かして、1点だけ伺います。  集中審議のときにも伺ったことなんですが、新区長が廃案にしようとしたときに、これができるかどうかと伺いました。そのときには、できるというお答えをいただきましたけれども、きょうのこの修正案でも廃案はできるのでしょうか。 ◆藤本なおや 委員  何を廃止するのか、基本方針を廃止されるのか、条例を廃止されるのか、ちょっとよくわからないんですが、察するに、条例であれば、議会の判断がそこにかかわってくるかと、このように思います。 ◆市橋綾子 委員  基本方針を策定し、これを変更しようとすることだけのことで基金委員会に報告というふうなことなんですよね。だから、廃止しようという意思が働いたときに、基金委員会に報告しなければならないということはうたってないということですよね。確認です。 ◆藤本なおや 委員  廃止も変更の一部だと、このように認識をしておりますので、そういったことであれば、委員会に報告がなされ、また委員会から意見を述べることができる、これが修正案の1つの意義でもあるかなと、このように思っております。 ◆市橋綾子 委員  その場合に、ここに廃止という文言を入れなくてもこれは生きてくる、大丈夫ということでしょうか。 ◆藤本なおや 委員  そのとおりです。 ○小泉やすお 委員長  ほかに質疑はありませんか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  質疑を終結して異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○小泉やすお 委員長  異議ないものと認めます。よって、質疑を終結いたします。  それでは、説明者席の委員の皆さん、もとの席にお戻りください。  本日の委員会はこれで閉じ、明日午前10時に委員会を開き、付託議案に対する各会派の意見を聴取いたします。  なお、明日の委員会は本会議場で行いますので、資料等はお忘れなくお持ち帰りくださいますようお願いいたします。  本日の委員会を閉じます。                          (午後 5時11分 閉会)...