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平成20年第3回定例会−09月16日-14号

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  1. 杉並区議会 2008-09-16
    平成20年第3回定例会−09月16日-14号


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    平成20年第3回定例会−09月16日-14号平成20年第3回定例会 平成二十年第三回定例会杉並区議会会議録(第十四号) 平成二十年九月十六日 午前十時開議 出席議員四十七名 欠席議員一名  一番  け し ば  誠  一  二番  堀  部  や す し  三番  松  尾  ゆ  り  四番  北  島  邦  彦  五番  市  橋  綾  子  六番  小  松  久  子  七番  す ぐ ろ  奈  緒  八番  奥  山  た え こ  九番  増  田  裕  一 一〇番  安  斉  あ き ら 一一番  いがらし  ち  よ 一二番  岩  田  い く ま 一三番  中  村  康  弘
    一四番  北     明  範 一五番  吉  田  あ  い 一六番  は な し  俊  郎 一七番  大  熊  昌  巳 一八番  藤  本  な お や 一九番  原  田  あ き ら 二〇番  くすやま  美  紀 二一番  小  野  清  人 二二番  山  田  な お こ 二三番  田  中  朝  子 二四番  太  田  哲  二 二五番  川 原 口  宏  之 二六番  大  槻  城  一 二七番  渡  辺  富 士 雄 二八番  松  浦  芳  子 二九番  関     昌  央 三〇番  井  口  か づ 子 三一番  富  本     卓 三二番  河  野  庄 次 郎 三三番  小  倉  順  子 三四番  原  口  昭  人 三五番  藤  原  淳  一 三六番  鈴  木  信  男 三七番  小  川  宗 次 郎 三八番  田  代  さ と し 三九番  河  津  利 恵 子 四〇番  島  田  敏  光 四一番  横  山  え  み 四二番  青  木  さ ち え(欠席) 四三番  大  泉  時  男 四四番  伊  田  としゆき 四五番  斉  藤  常  男 四六番  木  梨  もりよし 四七番  小  泉  や す お 四八番  今  井     讓 出席説明員  区長           山 田   宏  副区長          松 沼 信 夫  政策経営部長       高   和 弘  行政管理担当部長     大 藤 健一郎  区長室長         与 島 正 彦  危機管理室長       赤 井 則 夫  区民生活部長       佐 藤 博 継  保健福祉部長       遠 藤 雅 晴  高齢者担当部長      長 田   斎  子ども家庭担当部長    玉 山 雅 夫  杉並保健所長       長 野 みさ子  都市整備部長       上 原 和 義  まちづくり担当部長    大 塚 敏 之  土木担当部長       小 町   登  環境清掃部長       原   隆 寿  会計管理室長(会計管理者) 山 本 宗 之  政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事               井 口 順 司  区長室総務課長      石 原 史 郎  会計管理室会計課長    内 藤 友 行  教育委員会委員長     丸 田 頼 一  教育長          井 出 隆 安  教育委員会事務局次長   小 林 英 雄  教育改革担当部長     森   仁 司  済美教育センター所長   小 澄 龍太郎  中央図書館長       和 田 義 広  選挙管理委員会委員長職務代理者               小 林 義 明  代表監査委員       四 居   誠  監査委員事務局長     武 笠   茂 平成二十年第三回杉並区議会定例会議事日程第二号                  平成二十年九月十六日                      午前十時開議 第一  一般質問 ○副議長(小川宗次郎議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  出席議員の数は定足数に達しております。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  説明員は、菊池副区長、塩原榮子選挙管理委員会委員長を除き、小林義明選挙管理委員会委員長職務代理者を加え、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第一、区政一般についての質問に入ります。  四十四番伊田としゆき議員。      〔四十四番(伊田としゆき議員)登壇〕 ◆四十四番(伊田としゆき議員) 私は、自由民主党杉並区議団の一員として、区政一般につきまして、数点にわたり質問をさせていただきます。  初めに、景気の後退と区政運営との関連につきましてお尋ねいたします。  政府は、先月七日に公表した八月の月例経済報告で、政府の景気の認識を示す基調判断は、先月までの足踏み状態から弱含んでいるとの表現に改めました。また、同じく日銀では、先月十九日に開いた金融政策決定会合において、景気判断をさらに減速から停滞へと下方修正をいたしました。  政府が弱含みという表現を使うのは平成十三年五月以来七年三カ月ぶり、日銀による停滞という判断は、金融システム不安が高まった平成十年以来、約十年ぶりではないでしょうか。イザナギ景気を超えて戦後最長の回復軌道にあったと言える今回の景気拡大が後退期に入ったことは、明らかなようでございます。  もっとも今回の景気拡大は、私たちの暮らしにおいては必ずしも実感できるものではありませんでした。大企業の多くは過去の最高益を更新し、利益率も向上するなど、バブル期を抜く業績を達成したと言われておりますが、区内産業ではそうした実感はありません。  特に、ことしになって高騰した原油価格の影響は、区内産業にはさらなる負担と混乱を余儀なくされております。私が営むクリーニング業も石油なしには仕事のできない業界で、石油の高騰の影響を最も大きく受け、本当に厳しい経営を余儀なくされているところでございます。また、こうした厳しい経営環境の中で、本年初めには、業界団体から必要な支援を求める要望が行われました。支援策を講じてくださることを期待しております。  また、渋谷区では、みんなの生活が成り立つことを基本において、住み続けられる渋谷の実感に向けて対応すると一律の補助金で支援、また練馬区では、最も低金利融資による支援等も報じられております。  九月に入ってガソリン価格はやや下がりましたが、なお高値であり、ボクシングのボディーブローのようにじわじわと影響を与えております。  そこでお尋ねをいたします。  国において政府が、定額減税、所得税、個人住民税の特別減税等を盛り込んだ総合経済対策を八月末に発表いたしましたが、このような原油高や景気低迷に対して、身近な基礎的自治体として区においても必要な対策を検討されていることと思います。今回の補正予算にもそのような内容が含まれているようですが、区はどのような考え方で対策を講じていくのか、お伺いをいたします。  もう一点お尋ねいたしますが、このような景気や物価の影響というのは、今後の区の財政にも少なからず影響を与えていくものと想定されます。そこで、当区の見通しとして来年度の予算編成にどのような影響を与えると想定されているのか、お聞かせ願います。  次に、鉄道連続立体交差事業についてお尋ねいたします。  杉並区は比較的鉄道路線に恵まれている地域ではないかと思います。JR中央線のほか、私鉄三路線、また地下鉄丸ノ内線があり、区民に利便を提供しております。
     その一方で、区内私鉄三路線には多くの踏切があるため、事故の危険性もあり、交通渋滞や円滑な南北交通を妨げるような地域分断の原因ともなっております。このような課題に対して、区は鉄道事業者と連携し、南北自由通路の開設などに努められるとともに、平成十九年度に、西武新宿線、京王井の頭線及び京王線における踏切対策環境調査を実施いたしました。  そこで、まずお聞きいたしますが、区は、南北交通を妨げている踏切に対してどのような施策を講じてきたのか。また、この踏切対策環境調査の結果、どのような実態が明らかになり、どのような課題が浮き彫りになったのかもお尋ねをいたします。  次に、踏切の根本対策と言える鉄道連続立体交差事業について、杉並区に関係する鉄道路線として、京王線の代田橋から八幡山の間、五月に国の新規着工準備採択を受け、事業化に向けて調査検討が進められているとお聞きいたしております。次に、井荻駅付近では、現在、環状八号線が地下と高架で西武新宿線と立体交差しております。鉄道連続立体交差との関係について区はどのように考えているのか、お尋ねいたします。  いずれにいたしましても、今後、鉄道連続立体交差事業が進められていくと思いますが、住民の意向を十分に聞きながら、沿線のよりよいまちづくりに貢献し、将来に誇れる事業となるよう進めてくださることを強く要望して、この事業についての質問は終わります。  次に、駅のバリアフリー化についてお尋ねいたします。  我が国において急速な高齢化が進み、また、障害者が社会のさまざまな活動に参加する機会が求められております。そこで、高齢者、障害者等の移動や施設利用の円滑化は急務な課題とされております。平成十八年十二月には、建築物に対するハートビル法と公共交通機関に関する交通バリアフリー法とを統合したバリアフリー新法が施行されております。国は、バリアフリー新法に基づき移動円滑化の意義や目標に関する基本方針を定め、平成二十二年までに鉄道事業者にバリアフリー化を実施するよう求めています。  そこで伺いますが、駅のバリアフリー化に関する国の基本方針の内容はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。  区においても、杉並区のバリアフリー基本構想に基づき駅のバリアフリー化を推進し、区内の多くの駅でバリアフリー化が進められております。そこで、区内の駅のバリアフリー化の進捗状況につきましても、お伺いをさせていただきます。  駅のバリアフリー化の推進には、エレベーターなどの設置場所を確保する必要があり、場合によっては新たに用地を取得するなど、課題もございます。なかなか困難な問題を抱えた駅もあるのではないかと思われます。区内でいまだバリアフリー化されていない駅について、今後の見込みはどのようになっているのか、お尋ねをいたします。  西武新宿線の下井草駅では、区と西武鉄道が連携し、平成十六年三月に下井草駅整備株式会社を設立し、十九年三月に自由通路のあるバリアフリー化が完成されました。だれもが円滑に駅を利用できるようになるとともに、駅周辺の踏切を横断しなければならない歩行者の利便が図られる点では、踏切対策として大変評価できると思います。  一方、同じ西武新宿線の井荻駅では、バリアフリー化はされておりますが、駅舎の自由通路などはなされていない状況でございます。このため、移動のより一層の円滑化を図る必要があると思いますが、区ではどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いをさせていただきます。  駅のバリアフリー化については、移動の円滑化、高齢者、障害者等の自立した日常生活や社会活動の確保のため重要であることは、共に、高齢者や障害者だけでなく、子どもや妊産婦も含むすべての人々にとって、どこでも、だれでも、自由に使いやすいというユニバーサルデザインの推進にも欠かすことはできないと思います。バリアフリー化のより一層の進展を期待しておりますが、今後の駅のバリアフリー化について区の基本的なお考えがございましたら、お伺いをいたしまして、この項の質問は終わります。  次に、杉並中継所の廃止と今後の活用策についてお尋ねをさせていただきます。  杉並中継施設に至る経過は改めて私が申し上げるまでもございませんが、昭和四十年代までは機械技術研究所として重要な役割を果たし、老朽化と手狭に、新都市つくばに移転をいたしました。跡地をめぐる幾つかの企画案がその後示され、また消えていきました。中でも青果市場建設案では、十年近く話し合いがつかず、白紙撤回とされました。その後、次第に荒れ放題になり、平成に入りましてやっと示された企画案は、青山規模の大型斎場と不燃ごみの圧縮中継所の二案でございます。  地元住民はいずれも迷惑施設として反対の意見が多い中、区は二者択一にて、期間二カ月以内に決定するよう下井草町会連合会に持ちかけ、強硬に回答を得て着工され、平成八年四月に不燃ごみ中継基地として稼働し、平成十二年、都から区へ移管されました。  杉並中継所については、多くの人が認識し想起するのは、清掃事業における作業効率の向上や自動車公害への緩和という施設の効用よりも、環境問題の要因となった負の印象であります。  中継所をめぐる環境問題は、施設の操業開始後間もなく、井草森公園や中継所周辺の住民から、のどの痛みや目の異常など体調不良の訴えが続き、その結果、区民の健康不調の問題と地域の環境問題として、杉並区内外で健康被害の代名詞として杉並の名称が使われるなど、ゆゆしき事態にまで発展したのでございます。  杉並中継所周辺では、環境問題は、体調を崩された方々にとってはかけがいのない生命と健康を脅かす重大な問題であり、同時に、地域のイメージや評価を低下させるなど、地域住民にとってもさまざまな形で多大な迷惑をこうむる問題となりました。  清掃事業の移管により、施設管理者が東京都から杉並区に変更されました。この間、健康被害の原因究明に向けて、調査委員会の設置やアンケート調査、安全操業を確保するために環境モニタリング調査、健康相談の実施、行政として必要な対策や対応を講じてこられたことは、私も十分理解しているところであります。  こうした中で、平成十四年六月、国の公害等調整委員会におきまして原因裁定がなされたことは、中継所周辺の環境問題について、これによって一応の決着が図られたと認識いたしております。  地域住民としては区に対して、今後とも区民の健康管理に万全を期していただくとともに、二度とこのような健康被害を生じさせるようなことのないよう、何よりも安全で安心して暮らせる生活環境の実現を願うものでございます。そのためにも、地域における負の遺産の象徴とも言える杉並中継所の早期廃止を求めたいと思います。  一方、杉並区では、本年四月からごみの分別方法が変更され、プラスチック製の容器包装の資源回収とともに、廃プラスチックサーマルリサイクルの導入により、中継所の不燃ごみの搬入量が激減したとお聞きいたしております。  杉並中継所が操業を開始してからことしで十三年目となりますが、数年前までは、中継所が廃止できるとは正直考えられませんでした。こうした区のごみ処理政策の転機を契機に、中継所の廃止が現実化してきた今こそ、地域住民のトラウマを解消し、地域が背負ってきた負のイメージを払拭していくためにも、明確な方針を示していくことが重要だと思うわけでございます。また、そうすることが、山田区長ご自身の、杉並中継所を不要なものにしていくという公約実現にもつながるものだと考える次第でございます。  そこで、以下何点かにつきまして質問をさせていただきます。  最初に、二十三区における中継施設の現状についてお聞きいたします。  清掃事業は各区の権限と責任によるものとはいえ、特別区における共同処理の実態を考えれば、不燃ごみの搬入計画など、中継所の利用区や二十三区全体との一定の調整も必要と思います。また、不燃ごみが減少したとしても完全になくなるわけではないことから、一定の中継施設は今後とも存続するものと思われます。  そこでまず、中継施設の廃止実施についてですが、二十三区全体では中継施設は何カ所あるのか、お尋ねをいたします。あわせて、今後それらの中継施設を二十三区全体としてどのように取り扱っていくのか、今後の方向性についてもお伺いをいたします。  次に、杉並区における不燃ごみの減量状況につきましてお聞きいたします。  先ほど申し上げましたように、区では、サーマルリサイクルの導入とプラスチック製容器包装の資源回収を本年四月から実施しておりますが、こうした分別方法の変更によってどのように不燃ごみが激減したのか、本年四月から現在までの減量状況について、昨年と比較して具体的に示していただきたいと思うのでございます。  関連して、杉並中継所の利用実態につきましてお聞きをいたします。  杉並区の不燃ごみが激減しているのであれば、現時点では、杉並中継所は杉並区以外の利用区である練馬区と中野区からの不燃ごみの搬入がほとんどではないかと思われます。そこで、杉並中継所における杉並区、練馬区、中野区それぞれの搬入割合など、現在の利用実態もお尋ねいたします。  続きまして、杉並中継所の具体的な廃止時期についてお伺いをいたします。  杉並中継所の廃止につきまして、区長は昨年、第三回区議会定例会において、平成二十年度末の廃止を目指して、遅くとも二十一年度末までには廃止できるよう対応すると答弁をされております。二十三区における共同処理の実態や不燃ごみの減量実態などを踏まえ、昨年の答弁から一年が経過した現在、杉並中継所の廃止時期をどのように考えておられるのか、改めて区長のご意見をお尋ねいたします。  最後に、杉並中継所跡地の活用策についてお伺いをいたします。  杉並中継所は施設面積が約九千五百平方メートル。用途地域で見ても、井草森公園に隣接した第一種低層住宅専用地域が中心であり、西武新宿線の井荻駅から徒歩で十分程度の距離に位置しております。杉並中継所の跡地利用にあっては、今後、移管後の条件なども含め、区として総合的に検討され、一定の活用方針を示されることと思います。  そこで、活用策の検討に当たりましては、施設の立地条件や井草地域の特性を考慮するとともに、地域住民の意向も十分踏まえ、ぜひとも地域の活性化につながるような方策をあわせてご検討いただければ幸いでございます。  こうした思いも含め、杉並中継所跡地の今後、将来に向けた活用策、明るい見通しについて、区長の熱意ある見解、ご答弁をお願いいたしまして、私の質問は終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 伊田議員の一般質問にご答弁申し上げます。  まず、私からは、景気対策について最初のご質問がございました。  原油の高騰、穀物価格の高騰、資源の価格の高騰ということで、こういった輸入される資源や食糧に支えられている日本の経済としては、非常に脆弱性が出ていると、こう考えております。  その結果、最近の中小企業の状況というのも悲鳴に似た声が寄せられておりまして、本来は、こういったものに対しては国の経済対策によるものだと考えておりますけれども、地域の経済、区民生活という緊急のこういった事態に対して、地域としても区としても、安全のセーフティーネットの役割を果たすことが必要だと考えております。  今回の補正予算につきましても、介護保険の中で、特に低所得者の高齢者に対する負担軽減というものを盛り込んでおりますけれども、今後、ご指摘がありましたように原油高騰の影響を受けている区内の中小企業に対しましても、緊急的な融資等、適切に早期に対応していきたいと考えております。  それから、今日の状況が来年度の予算編成にどのように影響を与えるかということですが、区の予算というのはタイムラグがあって、景気が落ちてきてその翌年、区税収入が影響を受ける、こういったことですので、今日の状況を見ておりますと、来年度、平成二十一年度の予算編成というものはかなり厳しいものになるんじゃないか、こういうふうに考えております。  きょうも、アメリカの証券会社の破産というものや、また、アメリカの大手の銀行による別の証券会社の買収というようなニュースが大きく報道されておりました。世界の経済を見たときに、輸出によって日本の景気を下支えしていた輸出型の日本の経済というものが、世界の、アメリカや中国の景気後退によって大きな影響を受ける、こう考えておりまして、その辺が非常に私は日本の経済のアンバランスというか、弱さだと思っておりますけれども、そういった状況の中で区も、特に住民税、それから特に法人の税収、都からの財調、こういったものによっておりますので、こういった法人の打撃が大きくなれば区の財政は悪くなる、こう考えております。  そういったことで、二十一年以降、区税収入というものが大きく影響を受けるだろうと、こう考えておりまして、今後とも健全な財政運営に努めていかなければなりませんが、前からもお話し申し上げておりますとおり、やはり必要なときに一定の財政のダムをつくっていくということが区民生活に影響を与えない大事な知恵だと考えておりまして、そういった点でも、減税自治体構想、基金の積み増しということは非常に大事なことだと考えております。  それから、中継所についてお話がございました。これまでも申し上げてまいりましたように、区としてもレジ袋を通じたごみの削減、プラスチック製容器の分別回収、また、ことしから始まりましたサーマルリサイクル、こういったことを通じて、ほぼ中継所の廃止時期というものが目に見えてきました。昨年も答弁しましたけれども、今のところ平成二十年度末廃止を前提に、現在二十三区で最終調整を行っているところでございますので、最善を尽くしていきたいと考えております。  それから、その後の跡地利用についてはまだ白紙でございますけれども、今後、これまでの経緯、また住民の意向、こういったものを十分配慮して、これから皆さんとも相談して、区として総合的に検討していきたいと考えております。  私からは以上です。残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕 ◎都市整備部長(上原和義) 私からは、鉄道立体交差事業と駅のバリアフリーに関して、所管に係るご質問にお答えいたします。  初めに、踏切対策に対して区が講じてきた施策についてのお尋ねですが、区では、駅周辺の歩行者交通量の多い踏切環境の改善のため、鉄道事業者と連携し、西武新宿線下井草駅及び京王井の頭線久我山駅、西永福駅について駅舎改良を行い、自由通路を設置いたしました。また、現在、永福町の駅舎改良を進めております。  次に、踏切対策環境調査の結果についてですが、区内の鉄道の利便性は大きなものがありますが、踏切について課題も明らかになりました。西武新宿線は、私鉄三路線の中で自動車、歩行者の踏切遮断交通量が最も大きく、京王井の頭線では、歩行者交通の踏切遮断量が多くなっています。京王線ではピーク時の踏切遮断時間が私鉄三路線で最も長く、日常生活への影響が大きくなっていることなど、定量的な実態が明らかになりました。  次に、京王線の鉄道連続立体交差事業についてご指摘がございましたが、東京都では現在、事業化に向け、現況調査や構造形式の検討などを行っております。来年度以降、都市計画や環境影響調査の手続を進めていくとしてございます。  次に、井荻駅付近の環状八号線と鉄道の連続立体交差事業との関係についてのお尋ねでございますが、環状八号線と西武新宿線は、既に立体交差が完了したものとされております。今後、連続立体交差事業の進展によっては、地域住民の意見を伺ってまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、ご指摘にありましたような南北交通の円滑化や地域分断の解消、踏切事故防止の観点から、連続立体交差事業の必要性は高いと区は認識しております。一方では、地域住民の住環境などに大きな影響を及ぼすことが考えられますので、地域住民への周知を図り、意見を聞きながら対応してまいりたいと存じます。  西武新宿線並びに京王線沿線につきましては、まず地区町会連合会などの場で意見をお聞きしてまいりましたが、今後、より広く地域住民のご意見をお聞きしてまいりたいと考えております。その上で、東京都、隣接区及び鉄道事業者との協議を進めてまいります。  次に、駅のバリアフリー化に関するご質問にお答えいたします。  初めに、国の基本方針の内容に関するお尋ねですが、平成十八年十二月、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が施行されました。この法律に基づく国の基本方針では、鉄道駅においては平成二十二年までに、例えば改札口から利用するホームまでなどに五メートル以上の高低差がある場合には、エレベーターまたはエスカレーターを設置するなどの段差解消を図ることとなっております。その他、視覚障害者の転落を防止する点状ブロックや誘導用ブロック、障害者対応型トイレ等を整備し、移動の円滑化を図ることを目標とする内容でございます。  区内の駅のバリアフリー化の進捗状況についてのお尋ねでございますが、区内十九駅のうち、五メートル以上の高低差があり、国の基本方針による段差解消が必要な十八駅のうち、エレベーターまたはエスカレーターなどの段差解消施設が設置されている駅は十三駅でございます。また、障害者対応型トイレが設置されている駅は十三駅でございます。  バリアフリー化されていない駅の今後のバリアフリー化の見込みについてのお尋ねですが、段差解消がされていない駅は、東京地下鉄丸ノ内線東高円寺、新高円寺、方南町駅、京王井の頭線永福町、富士見ケ丘駅の五駅でございます。  また、障害者対応トイレが設置されていない駅は、西武新宿線上井草駅、東京地下鉄丸ノ内線東高円寺、南阿佐ケ谷及び方南町駅、井の頭線永福町、富士見ケ丘駅の六駅でございます。  鉄道事業者も早期にバリアフリー化を行う必要性を認識しており、段差解消や障害者対応トイレの設置については、現時点では具体的な計画は明らかになっておりませんが、平成二十二年末を目標に、東京地下鉄丸ノ内線東高円寺、新高円寺、南阿佐ケ谷駅、京王井の頭線富士見ケ丘駅のバリアフリー化を進めるとのことでございます。  また、永福町駅については、平成二十一年度末を目標に、区と鉄道事業者が共同して駅のバリアフリー化を進めてまいります。また、上井草駅につきまして、高低差五メートルはございませんが、スロープの設置により段差が解消されております。  これ以外の駅につきましても、区として今後ともバリアフリー化を要望してまいります。  今後の駅のバリアフリー化について、区の基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、区では、超高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者や障害者などが円滑に移動できるため、駅のバリアフリー化は不可欠な課題ととらえております。このため区といたしましても、国の基本方針の目標年次である平成二十二年末までに全駅のバリアフリー化を達成するよう、鉄道事業者及び関係機関に働きかけてまいります。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(小町 登)登壇〕 ◎土木担当部長(小町登) 私からは、井荻駅周辺のバリアフリー化のご質問についてお答えします。  井荻駅につきましては、移動の円滑化という点では不十分な面がございます。そこで昨年度、環状八号線井荻地下歩道の交通量や利用者のヒアリング調査を行いました。その結果、平日の十五時間で自転車利用者を含め地下道利用者は七千三十四名、そのうちエスカレーター利用者は千二十四名でありました。  また、利用者のご意見といたしましては、不便さを感じる点として、階段の上りおりが疲れる、下りのエスカレーターがないことなどが挙げられ、利便性向上策としては、エレベーターや下りのエスカレーターの設置などが挙げられています。  現在、調査結果を踏まえまして、地下道の管理者である東京都と、エレベーター設置などの移動円滑化策について協議、検討を行っているところです。  また、より円滑な南北の通行を確保するため、駅構内のエレベーターの利用などについて、引き続き西武鉄道に働きかけてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕 ◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、中継施設に関する残りのご質問にお答えいたします。  まず、中継施設の配置数と今後の取り扱いについてのお尋ねでございますが、二十三区全体で中継施設は、杉並中継所のように陸路を利用した陸上中継所が五カ所、河川や港湾を利用した船舶中継所が五カ所、計十カ所でございます。  こうした中継所の取り扱いにつきましては、本年度からサーマルリサイクルを実施したことにより、不燃ごみの大幅な減少が見込まれることから、昨年六月の区長会におきまして、十カ所の中継所のうち杉並中継所を含む六カ所を廃止することといたしております。  なお、具体的な廃止時期につきましては、各区の実情も考慮し、現在二十三区で協議しているところでございます。  次に、区における不燃ごみの減量状況についてのお尋ねでございますが、ご指摘のとおり、本年四月からのサーマルリサイクルプラスチック製容器包装の資源回収の実施など、区民の皆様のご理解とご協力によりまして、不燃ごみの量は大幅に減少したところでございます。  本年四月から八月までの実績で申し上げますと、昨年同時期で約一万二百トンであったごみ量が、今年度約二千百トンまで減少し、重量で八千百トン、率にして約八〇%の減となっているものでございます。  最後になりますが、杉並中継所の現在の利用実態についてのお尋ねがございました。  ご案内のとおり、杉並中継所は、杉並区全域のほか、練馬区及び中野区の一部から不燃ごみを搬入しております。このうち四月からサーマルリサイクルを実施したのは杉並区のみですので、実施時期による搬入量の差はございますが、現時点での中継所への不燃ごみの搬入割合は、杉並区が一八%、練馬区が七二%、中野区が一〇%となっておりまして、相対的に杉並区の搬入量割合が大きく減少しているものでございます。  今後、練馬区や中野区の動向によって、さらに不燃ごみ全体の搬入量が減少していくものと見込んでいるところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で伊田としゆき議員の一般質問を終わります。  三十六番鈴木信男議員。      〔三十六番(鈴木信男議員)登壇〕 ◆三十六番(鈴木信男議員) 日本共産党杉並区議団を代表いたしまして、区政一般について質問を行います。  個人情報保護対策等に関連をして、最初に、住民基本台帳ネットワークへの全面参加について問います。  二〇〇八年、本年の七月八日、最高裁は、住基ネットへの杉並区が要求をした段階的、いわゆる全員参加の横浜方式でありますけれども、に対して上告棄却の決定を下しました。これは、山田区長の表現をおかりすれば、実質的な審議もなく門前払いという決定であります。この最高裁の決定は、二〇〇六年三月の東京地方裁判所訴え棄却、請求却下、また、二〇〇七年十一月の東京高等裁判所の訴訟棄却に次ぐものであります。いずれも門前払いというものであります。  区長は、最高裁の上告棄却決定を踏まえて、住基ネットへの一括全面参加への準備を進め、参加に当たって万全な個人情報保護策を講じると表明をしております。  二〇〇四年の八月、国と都を被告として訴訟を東京地裁に提起し丸四年、総費用は五千七百九十七万六千七百八十円も投じての結果であります。その内容でありますけれども、第一審の地方裁では二千五百九十一万五千六百三十五円、第二審の東京高裁では一千八百七十二万九千百八十三円、そして最後の最高裁の上告審では一千四百二十三万千九百六十二円、こういう内容になっております。  山田区長は、門前払いという決定が下ったことにより、住基ネットに不安な住民は当面不参加も許されるべきとの区の主張は退けられ、いわゆる全員参加を求める高裁判決が確定するという大変残念な結果となってしまい、心よりおわびを申し上げると表明をしております。これは「区長からのいいメール」で、ことしの八月一日付の「広報すぎなみ」に載っているものであります。
     そこで、「『全員参加』を求める高裁判決が確定」とありますけれども、最高裁判決は直接的にはいわゆる全員参加を求めていないのではないか。また、「心よりお詫び申し上げます。」とはどのような意味か。連合審査会でいろいろとお話がありましたけれども、改めて確認をしておきたいと思います。  住基ネットの参加と裁判訴訟問題では、我が党区議団は、この種の問題は裁判にはなじまず、住基ネットシステムそのものを否定するものではありませんが、二〇〇二年の稼働に当たって、個人情報保護法制に重大な欠陥がある──その内容は後で述べたいと思いますけれども、あるということ。そして、二〇〇三年五月二十三日に成立した個人情報保護法制では、個人情報の保護に万全を期すための所要の措置を講ずることができず、個人情報の漏えいの危険性は払拭されていない。したがって、参加するべきではないとの対応をとってきたわけであります。  ことしの九月九日に都から再度参加するよう勧告を受けました東京都の国立市は、データが流出する危険もあり、市民の生命、財産を守る立場から、今後も不参加の方針は変わらないと表明をしております。福島県の矢祭町も、不参加の姿勢は変わらない状況であります。  二点目でありますけれども、住基ネット不参加等の経過について、関連して問います。  二〇〇三年、平成十五年の五月二十三日、個人情報保護法制関連五法案が成立をし、その年の八月二十五日より本格稼働が始まったわけであります。  それに先立つ二〇〇二年、平成十四年の八月直前に区長は、区の調査会議など、住民の意見を得て確たる個人情報保護のための法整備がされるまで不参加と決断をいたしました。また、仮に確たる個人情報の保護法が成立しても、自治体、個人の参加、不参加の自由が保障されなければならないなどとの姿勢も示し、不参加を表明したわけであります。山田区長自身、さきの「いいメール」上で、二〇〇二年、平成十四年の稼働時には、個人情報保護法制の未整備を理由に住基ネットに不参加を決断したなどと述べられてもおります。  そこで、二〇〇九年、来年の一月に全区民一括参加に向け、今準備中でありますけれども、不参加決定当初の確たる個人情報保護法制の環境は整ったのか、その判断について問うものであります。  あわせて、二〇〇八年の七月八日の最高裁判決決定、上告棄却をもって、それとも所信を変えるという対応をしているのか、この点についても確認をしておきたいと思います。  三点目は、個人情報保護法制の重大な四つの欠陥についてであります。  個人情報の四つの情報、氏名、住所、生年月日、性別を非公開にというこの願いは、今日、国民、区民の多くの人が強く思っているところであります。  そこで、重大な四つの欠陥の内容でありますけれども、第一には、表現、言論、報道の自由についての侵害のおそれが排除されていない。さらに、公権力を介入させ、行政から提言した公平中立な第三者監督機関が必要でありますけれども、これが確立していないこと。  第二点目に、思想信条など個人の名誉や信用、秘密に直接かかわる、いわゆるセンシティブ情報の収集の原則禁止の規定が欠落をしております。政府は、類型化ができないと拒否をしておりますけれども、地方自治体の六割が個人情報保護条例を確定し、実施をしており、可能なものを欠落、排除させている、こういうことであります。  三つ目は、自分の情報に自分が関与し、選択するという自己情報コントロール権が明記をされていないということであります。この結果、企業家あるいは行政の運営が優先をされ、個人の情報が背景に追いやられるということでもあります。個人情報が行政の都合などで国を含めた全国の行政機関で使い回しにされるおそれが払拭されず、不安であります。  現に、二〇〇三年の個人情報保護法制の審議の中、いわゆる自衛官適齢者名簿提供事件が発覚しております。これは防衛庁(当時)が三十七年間にわたって八百二十二の自治体から住所、氏名、年齢、性別という個人情報を入隊適齢者名簿として提供をさせていたわけであります。うち四百四十自治体から健康状態など無関係な情報まで提供をされ、これが今度は警察にまで提供されて、思想信条まで調査をされ、さらに警察から大手サラ金に流出をし、警察にビール券などが届いたという収賄疑惑などが明らかになった年でもあります。  また、その後も、愛媛県の愛南町、北海道の斜里町でも漏えい事故が起きてもおります。政府は当初、目的外に年金や税の徴収、介護、社会保障などにも使用を拡大したい旨の、今動きがあるわけです。  四点目の重大欠陥としては、金融、通信など、手厚い個人情報保護策を講ずる必要があるこれらの分野の施策がむしろ後退するおそれが指摘をされてきたところであります。  これまで所管省は、基本法よりレベルが高いガイドラインを設け、個人情報を保護してまいりました。しかし、二〇〇三年の五月に成立をしたいわゆる保護法に合わせ、ガイドラインのレベルを引き下げる意向が明らかになったわけです。これでは、個人情報保護の制度が個人情報保護策の引き下げの役割を果たすことになり、極めて重大な問題であります。  その他、先進国の住基ネットシステムと比べますと、個人情報保護法が不十分であり、システムへの参加も、個人、自治体、一括全員強制参加は日本だけと私は認識をしております。  そこで、今述べてまいりました四つの重大な欠陥は、今日どのような状況であるのか、それぞれ四項目について確認をしたいと思いますので、答弁を求めます。  日本共産党は、この四つの重大な欠陥があるので、四野党共同で対案を当時提案をしました。しかし、自民・公明政権によってこれが否決をされたという経過があるわけです。四つの重大な欠陥は、杉並区の調査会議が、保護法の重要な内容を構成する部分、条件としているものでもあります。二〇〇三年、平成十五年五月成立の個人情報保護法制はどう見るのか。  また、調査会議での疑義を踏まえた区の認識と、私の二〇〇三年六月、平成十五年の我が党を代表しての質問の問いに対しまして、私ども、これは杉並区のことでありますけれども、個人情報保護法が万全に十分な体制を整えたものというふうに認識していないので、二〇〇二年十月に内閣総理大臣等にあてて杉並区は四点の法制の確立を求めている。例えばセンシティブ情報の収集禁止の導入ですとか、幾つかそれぞれにまだ内容が至らない点があるというふうに考えておりますと、答弁を受けております。また、調査会議の報告でも、そうした点をとらえて、個人情報保護関連五法案の成立により、確固とした個人情報保護が確立したか疑問だという形になっているものでございますとの認識も示されております。  さきの連合審査会で、区長自身、今でも共通番号統一に関して危機感があるといった旨の発言をしておりますけれども、今日、全員参加の準備中でありますけれども、保護法は万全に十分な体制を整えたものになったのか。また、調査会議が示しました確固とした保護法が確立したか疑問だという形は解消されたのか、この点からも確認をしておきたいと思います。  四点目は、住基ネットへの参加準備に関連して問うものであります。  参加に当たって杉並区は、三つの個人情報保護対策を講ずるとしております。  第一は、健全なIT社会実現に向けた自治体の研究提言機構の創設、自治体の現場から、国に先立ちさまざまな提言を行う自治体相互の研究提言機構の創設をするというものであります。  二点目が、区における運用を監視する第三者機関の設置をする。運用状況の監視、その結果の公表、区民からの苦情、要望の処理、必要な改善の勧告などを行う第三者機関を設置するというものであります。  三点目は、緊急時対応策の構築といって、住基ネットにおいて、区民の本人確認情報の漏えい、不適正な利用が明らかになった場合の住基ネットからの切断などを含め、とるべき対策を明確に定めるとしております。  それで、参加に当たってこの三つの保護対策を講じなければならないということ自体、現在の保護法制、いわゆる個人情報の保護に疑義があり、欠陥法である。区長が不参加決断、当初述べていた確たる個人情報保護法ではないということの裏返しの証明、表現ではないのでしょうか。こういうふうに見た場合にどうなのか、答弁を求めておきます。  七点目は、次に、この対策の、今述べました三項目の対策でありますけれども、答弁をそれぞれ求めたいと思います。  第一は、参加に当たっての対策の第一項で、自治体相互の研究提言機構の創設とはどんな内容か。これもさきの連合審査会で一定数、話がありましたけれども、改めて設置期間、規模、年間予算、具体的に示していただきたい。  第二項の第三者機関とはどのような内容、規模なのか。設置の期間、年間予算などを示していただきたいと思います。  第三項の本人確認情報の漏えい、不適正な利用、住基ネットからの切断とは、具体的にどのようなことを想定されているのか、示していただきたいと思います。  五年前、区民アンケートでは、六七%が参加に反対であったということが出ておりました。だから区長は、個人の権利と自由の侵害の危機から権利と自由を確保すると、所信で重大課題として宣言をしたわけであります。  そして参加に当たって、第一には安全対策の強化、第二には運用の透明化、第三には外部機関による認証の強化、そして第四点目には、セキュリティー対策の方針などの対策を定めたところであります。参加に値する個人情報保護法制ではないということの、これも証明であったというふうに見るところでもあります。  冒頭示しました区長自身の所信の不参加の決断理由からすれば、参加への前提条件は解除されていないばかりか、個人情報保護法制に関する環境は、最高裁での上告棄却という判決決定の結論をもっても参加できる状況にはないと言わなければならないと思います。  以上述べまして、この項の質問を終わります。  第二に、戸籍業務の民間委託(郵送請求分)についてでありますけれども、問いたいと思います。  戸籍に関する業務、そして戸籍の附票、いわゆる住民票の異動にかかわる記録に関する業務を、二〇〇八年、ことしの十二月より人材派遣会社等を含め民間委託することを決め、九月より準備が進められております。現在プロポーザルによる入札の日程上にあるということであります。  理由は、戸籍事務処理の効率化、住民サービスの向上を図るため、十一月稼働予定の戸籍事務処理システムの機能を追加、拡張し、戸籍の謄本、抄本等の郵送による請求について、その処理業務の一部を電算により管理をするということであります。あわせて郵送請求の処理業務について外部委託をするということであります。  そこで第一に、この委託の概要でありますけれども、業務の内容は、第一に、郵送請求の収受に係る業務、第二に、郵送処理データの入力と進行管理、第三には、電算処理機能による検索及び諸証明の出力、第四に、諸証明の発送及び請求に関する文書の保管、第五に、発送した諸証明にかかわる問い合わせへの対応であります。  後でも述べますけれども、この内容には重大な問題を含んでいると言わなければなりません。職員の監視下だから問題がないとか、証明書の発行あるいは決定は区職員が行うといいましても、一定の、この一連の連続の流れは、いわゆる公権力の行使そのものと言わなければなりません。請求者には、どのように区職員が関与しているのか、その内容はわからないのであります。  第二に、この実施の場所等でありますけれども、庁舎内の区民課。交付件数は年間六万七千件、戸籍総数二十万八千七百二件の約三三%、一日当たり二百七十件にも及ぶという数字が示されております。本年、二〇〇八年の十二月から実施をする。そしてこれらの法的根拠として、戸籍法及び住民基本台帳法等を示しております。  第二に、私は、パソコンの操作にかかわる問題について問いたいと思います。  パソコンの末端操作に法的根拠がないということであります。受け付けをし、パソコンの操作、そして入力、本人確認、検索をし、諸証明の出力をし、発送、交付をする、これについての法的根拠は一体どうなっているのかということであります。  市場化テスト法では、業務の受け付けと引き渡しに限って民間委託の範囲が限られております。また、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律、いわゆる公共サービス改革法の三十四条でも、戸籍については業務の受け付けと引き渡しだけとなっております。  二〇〇六年五月二十二日の参議院行革特別委員会で、竹中総務大臣は、我が党の質問に対して次のように答弁をしております。派遣会社等の民間社員がコンピューターの端末による個人データの出入力の取り扱いの業務、事務は、本来、地方公共団体以外の者が扱うことは法律上想定されていない。守秘義務を初めとする厳正な服務規律を課す必要があることから、民間開放はできないと答弁をしております。さらに、パソコンの端末操作は、アクセスしたら、市場化テスト法で定められていないことを勝手にやったことになり法律違反になると、違反性を明確に示しております。  私は二〇〇六年の十一月に、行政の仕事は、当然のことでありますけれども、基本的に法的根拠によってなされるべきだ、こういう立場から条規を示して質問をいたしましたが、明確な法的根拠を示す答弁を得ることができませんでした。改めて問うわけであります。それで、派遣会社等の民間委託社員のパソコン端末操作は、市場化テスト法に照らして違反するのではないのか。操作ができるとすれば法的根拠は一体何なのか、それを示していただきたいと思います。  二〇〇六年の十一月に、私の同趣の質問に、区長にかわって行政管理担当部長は、二〇〇六年の八月に出された総務事務次官通知「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」を取り上げをして、市場化テストの積極的な活用に取り組むこととされていると答弁をいたしました。まさにこれは通達・通知の行政であり、法的根拠を示すことができなかったということであります。  今回、本年二〇〇八年の一月十七日の内閣府の公共サービス改革推進室の通知、いわゆる「民間事業者に委託することが可能な業務の範囲等について」をもし答弁として示すということでありますなら、これまた法的根拠に基づかない通達行政を行うものだということの新たな確認、証明だというふうに私は主張しなければなりません。  三点目に、委託にかかわる重大な個人情報の内容についてであります。  民間委託にかかわる個人情報の戸籍及び附票にかかわる業務の共通項目は、次のとおりであります。  第一には請求者氏名、二番目、住所、三番目、電話番号、四番目、送付先氏名、五番目、同住所、六点目に請求者本人確認資料、七点目に同権限確認資料、これは代理人が請求をした場合等の代理人の確認という内容のものであります。八点目が本籍、九点目が筆頭者氏名、十点目が在籍者氏名のいわゆる十項目であります。  戸籍にかかわる業務については、さらに生年月日、続柄、父母の氏名、戸籍事項欄記載事項、さらに十五点目には身分事項欄、これは請求者がいつ、だれとだれとの間で生まれたかといったような内容のもののことでありますけれども、記載事項が追加をされる。  附票に関する業務は、さきの一から十項の共通項目に、十一点目として附票記録事項が追加をされるわけであります。  二〇〇八年七月二十四日の個人情報保護審議会の資料によりますと、戸籍に関する業務等の民間委託できる法的根拠として、先ほども述べましたけれども、戸籍法そして住民基本台帳法等としております。両法律のそれぞれどの条項目にその根拠があるのか、示していただきたいと思います。  四点目は、派遣会社等を含む民間委託業者の社員の教育についてであります。  総務省の見解によれば、さきに述べました竹中総務大臣の答弁でありますけれども、仮に、万が一移す場合にも、公務員と同じような教育をしっかり受けた、そういう委託職員でなければならない、非公務員の場合にも、公務員と同等な教育を受けた人でなければならないと確認がされております。  公務員には、ご存じのように地方公務員法の第三十四条で守秘義務が課せられ、また、三十九条に教育、研修を受ける義務規定が明記をされております。守秘義務を初めとする厳正な服務規定を課す必要があるわけであります。民間委託会社との間で守秘義務等を遵守する契約を交わしたといたしましても、委託職員の教育が担保されたことにはならないわけであります。  そこで、民間委託会社社員に公務員と同等の教育が必要であります。民間委託会社職員にどのように制度上、教育が担保されるのか、またその検証はどう確認をされるのか、答弁を求めておきます。  住基ネット参加問題では、約五千八百万円もかけて最高裁まで争い、何か徹して個人情報を守るかの姿勢を示しました。その一方で、住民の基本的人権にもかかわらず、戸籍証明の業務を財界の要求に沿って国の言いなりの安上がり民間委託、いわゆる通達行政で行うのは許されません。中止すべきであります。  以上のことを述べて、質問を終わるものであります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 鈴木議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、住基ネットへの参加問題についてお答えいたします。  本年七月八日の最高裁の決定は、自治体の法令解釈権を否定するなど、東京高裁までの判断を是認して区の主張を否定するもので、時代錯誤の不当な判決であり、一切承服できるものではございませんが、司法の判断が下った以上、執行機関の長としては、接続もやむを得ないと受けとめております。  この裁判につきましては、結果的に敗訴したことは事実でございますので、区民のさまざまな要望に裁判を通じておこたえできなかったという点で、私は皆様におわびを申し上げたものでございます。  次に、住基ネットに対する今後の姿勢ですけれども、所信を変えたのかということですが、これまで一貫して段階的参加方式というものを主張してまいりましたが、これが実現に至らなかったということは大変遺憾ですけれども、法秩序を守るべき自治体の首長として、最高裁の判断がいかに不服であっても、これに従っていくのが当然であるというふうに考えております。法に従う中で、でき得る限りの対策をとっていくということが今後の私に課せられた義務であり、また、引き続き法改正を求めていくということが私の義務だと、こういうふうに考えております。  残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕 ◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、残りのご質問にお答えいたします。  最初に、個人情報保護法制に関したご質問にお答えいたします。  区は、平成十四年の国への四項目の要望や十五年の住基ネット調査会議報告を踏まえた住基ネット対応方針で、確固とした個人情報保護法制の確立を求め、住基ネットが抱える問題について警鐘を鳴らしてまいりました。  この間、住基ネットを運用する区市町村、都道府県などのセキュリティー対策は、導入当初に比べまして向上が図られてきたところです。しかし、行政機関個人情報保護法等につきましては、一度も実質的な改正が行われておらず、憲法が保障するプライバシーの観点からすると、第三者機関が設置されていないことなど、いまだ十分なものではないというように考えております。  次に、委員がご指摘の四つの重大な瑕疵と申しますのは、平成十五年に政府の個人情報保護関連法案に対する修正案として当時の野党四党から共同で出された法案の内容と認識いたしますが、区としましては、これらの内容一つ一つについて、現時点でどのような状況にあるのかを検証する立場になく、お答えすることはできません。  次に、住基ネット参加に当たり講ずる措置についてのお尋ねでございますが、区といたしましては、個人情報保護法制が万全でない中、将来起こり得る危険に対処し、区独自に区民の安全・安心を確保するために、三つの対策を講じていくものでございます。  三つの対策の内容でございますが、初めに、健全なIT社会の実現に向けた自治体の研究提言機構の創設につきましては、現在、庁内の検討チームにおいて、機構創設に向けての課題の整理、今後の進め方などについて検討を行っているところでございます。  また、区における運用を監視する第三者機関につきましては、IT分野に詳しい弁護士などの専門家で構成する組織として設置する予定でございます。  最後に、緊急時対応策の本人確認情報の漏えい、不適正な利用の内容でございますが、それぞれインターネット上への流出、データマッチングや名寄せといった違法行為が挙げられます。  また、住基ネットからの切断は、本人確認情報等に脅威を及ぼすおそれの非常に高い場合にとるべき措置として、年内に詳細を詰めて、関係規定の整備を行いたいと考えております。  次に、戸籍郵送請求事務の民間委託についてお答えいたします。  ご指摘のいわゆる市場化テスト法は、職員が常駐しない場所での民間委託の内容を定めたもので、今回の委託に適用される法律ではありません。  次に、委託の法的根拠ですが、今回の委託内容は公権力の行使を伴わない補助業務ですので、戸籍法等において制約する規定がなく、民間に委託することで法的問題が生じるものではありません。  なお、個人情報保護審議会資料の記載は、業務の根拠法を示したものでございます。  最後に、従事者の教育についてでございますが、今回の契約は業務委託となりますので、教育は受託業者の責任で行われます。しかし、業務の質にかかわる問題でもありますので、区としましては、業者選定の際に教育内容を確認するとともに、委託後につきましても、適宜、教育訓練の実施報告などを求めてまいりたいと存じます。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 三十六番鈴木信男議員。      〔三十六番(鈴木信男議員)登壇〕 ◆三十六番(鈴木信男議員) 答弁をいただきました。また、時間もそんなにありませんので、若干再質問をさせていただきたいというふうに思います。  住基ネットの参加に関連して、区長から答弁をいただきました。  それでもう一つ、その中でどうしても確認をしたいのは、最高裁の判決は直接的には全員参加を求めていないのではないか、この点について、そうなのか、そうではないのか。意としては、この司法の判断に従って云々ということはいろいろそれはあることだと思いますけれども、非常に大切な視点でありますので、改めてこの点を確認しておきたいと思います。  それから、個人情報にかかわることの視点からるる質問させていただいたわけですけれども、一度も改正がされていないということで、私が質問で述べさせていただいたような状況のままである。しかし、それでも司法の判断というような結果があったので、参加をせざるを得ないという趣旨の答弁であったわけです。  それで、時間もありませんけれども、個人情報保護法で四つの重大な欠陥と私が述べさせていただきましたけれども、検証はできないんだという答弁であったわけです。  しかし、どうですか。まず第一には、表現、言論、報道の自由に関してでありますけれども、これは大変バランスが個人情報のほうに偏りをしていて、マスコミ関係の報道機関の人たちが報道の目的で取材をしても、例えば公務員等による幹部の汚職その他不祥事があっても、その内容を明らかにしないということで、そういったことを含めて、この法的な内容をもっと改善するようにという運用も社団法人の民間放送の関係者の方は今求めているのではないのか、その辺をちょっと確認をしておきたいと思います。  それから、セキュリティーにかかわる情報についても、これは本来厳正な規制ということが法的に、それぞれ諸外国ではされているわけでありますので、されなければなりませんけれども、日本の場合には、いわゆる運用といいますか、そういうことでされているのではないのか、その辺についてどのように認識をされているのか、この点についても問うておきたいと思います。  三点目の自分の情報について自分が直接関与することができる、いわゆる自己情報コントロール権という中身でありますけれども、これもきちっとした法文上の整理をいまだにされていない。先ほどの一度も改正されていないという中に含まれているのかもしれませんけれども、そういうことなのかどうなのか、改めて確認をしたいと思います。  しかも、これは憲法の十三条で保障されているもの、いろいろ議論はあるみたいでありますけれども、個人の尊厳とか生命、自由、それから幸福を求める権利等々、憲法の十三条の規定から生じている問題でありますので、この点についてもちょっと触れて、内容を示していただきたいなというふうに思います。  それから、大事な金融等にかかわる個人情報の問題でありますけれども、これも、なかなかガイドライン等でされているような実態になっていないのではないか、その辺について答弁を求めておきたいと思います。
     それから、戸籍にかかわる、第二点目の個人情報にかかわる質問をさせていただきましたけれども、市場化テストとの関係で一連の委託職員の、受け付けをしてパソコンでの入出力を行い、証明書を印刷し、そして発送その他それにかかわる記録をする、こういうことは、竹中総務大臣の答弁で、これはできないんだということが市場化テスト法で云々ということで、私、質問させていただきました。  これが適用される法律ではないんだということなのですが、特に何もないけれども、それでは、委託の職員がこういう操作をすることができるという何かそれがあるのでありましょうか。それが、先ほど私が示しましたように、ここにも持ってまいりましたけれども、内閣府の公共サービス改革推進室が出したことしの一月十七日のそれによるんだということなのか。それならそれで、私は、情報の開示という点から区民の皆さんにその中身をはっきりさせておく必要があると思いますので、その点についても示していただきたいというふうに思います。  それから、通達に基づく、法的根拠を示すことができない業務上の法根拠であるということで、戸籍法や住民基本台帳にかかわって法条の規定に基づくものではないと、こういう話でありました。  そこで、地方自治の本旨という観点からすれば、私もちょっと勉強させてもらいましたけれども、地方自治の本旨というのは、「註解日本国憲法」によれば、時間が迫っておりますので結論だけ言わせていただきますと、国からの独立、そして国の監督を排除する、これが憲法が定めた地方自治の原則ということになっているわけであります、この説明によれば。  そういうもとで、私ちょっと調べましたら、基本行政通達という通達集があるわけです。これを見ますと、それぞれの省庁が年間何百通も何千通もみたいな形で通知を出して、そして国のやろうとしていることを通達で導くということをやっている。これは地方自治の本旨からするととんでもないことになるわけだというふうに思います。  そこで、憲法上は通達に服従する義務はないということだと私は思うんですけれども、この点についてもどうなのか。そしてまた、そういう姿勢で、通達行政じゃないことをきちっと地方自治体として行う必要があるのではないのか、この点についても答弁を求めて、再質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区民生活部長。      〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕 ◎区民生活部長(佐藤博継) 鈴木議員の再度のご質問にお答えいたします。  質問が多岐にわたっておりますので、なるべく漏れないようにお答えしたいと思いますが、ご容赦願いたいと思います。  最初に、住基ネットの参加を求めていないのではないか、最高裁はそうではないかということですが、これは当然のように段階的参加を求めて提訴したものでございまして、それらが上告棄却ということになりましたので、当然、裁判そのものについては直接参加を求めたものではないということが言えるかと思います。  それから、修正案等について幾つかございましたが、先ほど委員がるる述べておりましたように、例えば表現、報道の自由、そういった侵害のおそれが排除できていないというようなことだとか、そういったことにつきまして、当然ですが、個人情報保護を理由として情報提供が行われないというような事例なども出ていると考えておりますし、また、法律そのものにつきましては、センシティブ情報に対する厳格な規制を定める規定は存在していないということですので、こういった措置を講ずるべきだというように考えてございます。  それから、この裁判の中でも、私どもとしては自己情報コントロール権についても主張してまいりましたが、これらについても一切触れられていないというような最高裁でございました。自己情報コントロール権につきましても、現代的な意義といったようなものから、きちんと考えていく必要があるのではないかというように思っています。  それから、戸籍郵送委託に関してでございますが、自治体として法律等に沿って行うべきということは当然のことだと思いますが、今回のご指摘になっている市場化テスト法につきましては、職員が常駐しない場所での民間委託の内容を定めたものでございますので、今回の委託に適用される法律ではないというように考えておりますし、また、受託業者が補助業務の一環としてパソコン操作をすること自体は権力行為には当たらない。したがいまして、法的な問題も生じないというように考えてございます。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で鈴木信男議員の一般質問を終わります。  一番けしば誠一議員。      〔一番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆一番(けしば誠一議員) 無所属区民派の立場から、区政一般について質問いたします。  その第一は、区長の政治姿勢、アフガニスタン拉致・殺害事件と自衛隊のイラク派兵に対してであります。  アフガニスタンで、中村哲医師が代表を務めるペシャワール会の伊藤和也さんが拉致され、遺体で発見された事件は、我が国の国際貢献なるものを根本的に問い直さねばならないものでした。この事件に対する区長の見解をお聞きします。  拉致された直後から一千名以上の地元住民が救出作戦を展開するほど、ペシャワール会の活動は信頼されていました。それが自衛隊のアフガニスタン派兵の動きで一転したのです。町村官房長官は、日本がテロとの戦いに引き続き積極的に関与する重要性を多くの国民が感じたと発言し、伊藤さんの遺志を踏みにじりました。  こうした人道的平和活動を守るために、自衛隊のインド洋での米軍への補給活動を直ちに停止し、テロ対策特別措置法の廃止を求めるべきと思いますが、区長の見解を求めます。  政治姿勢の第二は、平和都市宣言二十周年展であります。  ことしは平和都市宣言二十周年に当たります。例年七月から八月ごろセシオン杉並で行われた区の平和展に欠かせなかった原爆展は、八月に被爆者団体の主催で庁舎ロビーで実施しました。平和展が九月二十四日から狭い庁舎二階で行われる理由をお聞かせください。  区長が世界の平和貢献活動として自衛隊のPKO活動や国連難民高等弁務官事務所の活動のパネルを展示した理由は何か。平和都市宣言と自衛隊の活動がどうつながるのか理解できません。その関連性を示してください。  区長は、杉並区の平和都市宣言二十年の歩みをどのように評価されているのか。また、原水禁運動発祥の地、杉並公民館跡地、現荻窪体育館のモニュメントや、原水協初代理事長、杉並公民館長であった安井郁さんら多くの平和運動の先人の歩みはどのように紹介されるのでしょうか。平和展と称して自衛隊の活動を宣伝する展示は、杉並の先人たちの平和への努力を冒涜するものであり、中止を求めますが、いかがでしょう。  第二は、住基ネット一月参加についてであります。  区長は、さきの他会派の質問に、司法の最終判断が下った以上、接続もやむを得ないと述べています。  そこでお尋ねします。判決は、段階的参加は違法だから認めないということのみであり、答弁にもあったように、参加を求めたものではありません。住基ネットがプライバシー権を侵す憲法違反と主張してきた区長は、段階的参加がだめなら全員不参加を続ければいいのであります。一月になぜ全員参加しなければならないのか、説明ください。  区長は五年前、住基ネットへの対応で、個人情報保護法の成立によっても、住民のプライバシー保護という観点から見たとき、依然として十分な安全性が確保されたとは言いがたいと述べ、専門家による調査会議も、個人情報関連五法が成立しても危険は残ると指摘していました。なぜ危険が残る住基ネットへの接続を決めたのでしょうか。  第三に、山田区長は訴訟に踏み切るときに、個人情報保護と利便さはどちらも大切だから、便利さを得たい人に今回は従うと言い出しました。今さら参加のためには個人情報保護対策を万全にというのは、余りにもご都合主義ではないのか。どのようにして一体万全を期すのか、具体的保護策を示してください。  五年前区長は、段階的参加へ転換するに当たり、住基ネットの安全性が総合的に確認されるまでの当面の措置として非通知希望の申し出を受け付けると約束しました。六七%の住基ネット反対者の多くが、区長が反対だから安心して非通知希望をせず、非通知希望者は一七%にとどまりました。区長が通知を希望する人の権利があると言うなら、通知を希望した人だけ接続し、残りはそのままにすべきではないのか、お聞きします。  住基ネットが総合的に安全が確認された事実はあったのか。非通知希望者が納得いく説明がないまま、来年一月の住基ネット参加はやめるべきではないのか。  さらに、段階的参加を求めること自体が住民全体の情報送信を前提とする住民基本台帳法に違反することは、わかり切ったことでした。住基ネット反対で人気を得た区長が住基ネット参加の幕引きの口実が必要となり、負ける目的で裁判に訴えたものではないのか、お答えください。  裁判所から、法的権利の保護、救済を目的とする訴訟とは言えないと指摘され、杉並区が憲法違反を争うなら、自己のプライバシー権を侵害されたと主張する区民が法的救済を求めるべきだと、区民不在の訴訟を批判される始末です。  杉並の裁判は住基ネットの違憲判決に水を差し、矢祭町や国立市の足を引く役割を果たしました。八月九日に、都内で唯一不参加を続けている国立市に、東京都は是正勧告を出しました。勧告に法的拘束力はないが、この点で区長の見解を求めます。  区長は、五年前の広報では、便利さの差は、十年に一度しかない旅券の申請時に違いがあるだけと述べ、裁判の訴状では、住民票写しの広域交付、転入転出の特例処理、住基カードなどすべてにわたって住基ネットの利便性は乏しく、行政効率化にもならないと主張しました。山田区長が行政上の利便を享受したい区民のためなどと言い出したのはなぜですか、お答えください。  住基ネットの危険性は、本人の意思とは無関係に背番号コードをつけられ、本人確認の六情報、氏名、住所、生年月日、性別、住民票コード、変更情報が一元的に管理されることです。個人情報が本人確認の目的で同意なしに各種の行政事務に提供されることは、個人情報の自己コントロール権の侵害です。私たちの個人情報を守る唯一の手段は、矢祭町や国立市のように住基ネットから離脱することではないのか、お答えください。  住民の多数の意思を区長の独断で踏みにじることは許されません。住民投票などの権利を行使して、杉並区はどうすべきかと改めて区民に問うべきではないのか、お答えください。  最後に、この点で区長が公約を守り、政治家としての筋を通そうとするならば、一月参加をやめるべきではないのかお聞きし、区長ご自身の誠実な答弁を求めます。  次に、高齢者施策です。  介護保険について。  二〇〇〇年の介護保険実施から八年。ヘルパーの労働条件は下がり、利用者や家族の負担は増すばかり、良心的な事業所は経営困難や廃業を余儀なくされています。来年度の介護保険事業計画、介護保険料の見直しに向け、第四次介護保険事業計画について質問します。  一、七月四日に国から計画改定の基本的指針が出されていますが、主な内容を示してください。  二、区では、ことし一月から、第四期事業計画策定に向け三つの部会が検討されていますが、その主な役割と課題について説明ください。  三、重点施策にある在宅医療支援体制の充実は、二〇一一年の療養型病床の廃止を見越したものであれば重大です。今でさえ施設入所は厳しく、療養病床は足りません。区が把握している療養病床の実績や実態と国の動向、それに対する医師会など区内関係者との協議の内容、廃止に伴う課題とその対策について示してください。  第四、二〇〇七年版苦情白書から、二〇〇六年の制度改定によって厳しさを増した介護現場の実態をつかむことができます。介護保険料が高い、さらに、現役世代より収入の少ない者から保険料を徴収するのは納得できないなど、保険料の負担増、年金からの引き落としに対する批判は絶えません。現状は保険料を値上げできる状態なのか、区の判断を求めます。この声を次期改定にどのように反映する考えか、お答えください。  五、苦情白書の中では、要介護認定について、介護が必要であるのに非該当とされた例、また、要支援一で状態は変わらないのに非該当になった例が紹介されています。また、認知症の方が糖尿病で状態が悪化したにもかかわらず、要介護三から二に下げられた例もあります。制度改定により判定基準が変わったことによるものだと考えるが、次期事業計画でどのように改善するのか、お答えください。  苦情白書の中で、ヘルパーの質の問題が指摘されています。介護保険運営協議会でも人材確保が緊急課題であると述べられています。ヘルパーが育たない現状に対する対策を次期事業計画に入れるべきとの意見に対し、どのように対応するのか。  七、六月の一般質問で指摘した、賃金未払いで訴えられた介護事業所は、閉鎖して責任を投げ出しました。区内の介護サービスを保障するためには、区は、事業所でヘルパーが働きやすい環境をつくるよう、都と連携し、指導すべきではないかと思うが、どうでしょう。  八、保険料改定の検討について、今後のスケジュールを示してください。  九、八月の介護保険運営協議会資料では、七段階をさらに多段階化する方向などが示されていますが、七月の運営協議会でも同様の答弁をしております。区の考えを示してください。  最後に、九月九日の毎日新聞の投書欄に、貧乏人の保険料で金持ちがサービスを受ける制度という声が載っています。さまざまな理由で、生活保護受給の対象でありながら生活保護を受けないでいる多くの人々、生活保護ぎりぎりの境界層にある多くの方たちを救うための保険料の減額、免除は待ったなしと考えますが、区の姿勢をお聞きします。  後期高齢者医療制度です。  政府・与党は六月十二日、後期高齢者医療制度に関して、低所得者の保険料負担軽減の拡大や保険料納付の肩がわりなどの見直し案を発表しました。七十五歳以上で区別する制度には与党内でも批判がありながら、今回は小手先の手直しにとどまりました。財源問題を置き去りにされたままで、市区町村の負担が一層強いられるばかりです。  これを受け、東京都後期高齢者医療広域連合から七月二十八日に国に対する要望が行われていますが、その主な内容と、要望に対する当面の区の対応について示してください。  七月の保険料通知後、払いたくても払えないという声が寄せられています。区民からの苦情などが区に届いていると思いますが、その数と主な内容を挙げてください。  七十五歳以上の高齢者を差別し、介護保険料に加え一層の負担を強いる後期高齢者医療制度は廃止する以外ありません。区は国に対して、廃止をも含む抜本的見直しを求めるべきと思いますが、見解を求めます。  四つ目に、環境と命を守るまちづくりについてです。  外環道地域PIについて質問します。  道路交通対策特別委員会における、外環について区長意見へ国・都の具体的回答を求めることに関する請願の趣旨採択をどう受けとめているのか、見解を求めます。  事業化を目前にして、杉並区の英知の結晶である区長意見に対する国の回答を何としても出させなければなりません。国が水循環や交通問題で納得できるものではないまま事業化に進むとき、区はどう対応していくのか、率直にお聞きします。  大深度地下トンネル工事の環境保全措置として、国が唯一回答してきたのが地下水流動保全工法です。七月二十六日の課題検討会では、地下水流動保全工法の十六の実施例が示されたが、その効果のデータが示されていません。身近な井荻トンネルのデータも含め、データを示すべきと考えますが、区の見解を求めます。  膨大な予算をかけ立ち退きを強制し、沿道に多大な負担と環境破壊をもたらす外環道計画の必要性は、PIでは結論が出ないまま、地域PIに引き継がれました。今後、将来交通量予測データに基づき、改めて外環の効果について検証すべきではないのか。また、事業化の前に、国や都は説明する責任があると思いますが、どうでしょう。  地域PIのワークショップ形式は、国や都が住民の疑問や不安に答える場にはならないとの疑念が出されています。十月四日の課題検討会で、住民の意見を聞いたことにして事業化のステップにするのではという不安もあります。今後、課題検討会で国や都が区長要望への回答について説明する場を設置するよう強く求めるべきと思いますが、区の見解を求めます。  この点の最後は、地元住民が願い、議会でも党派を超えて懸念している善福寺地域の水循環を守るためには、事業化をとめることも辞さない区長の決意を再度聞かせてください。  まちづくりの二つ目は、富士見ケ丘駅前葬儀場と駅改修問題です。  八月二日、富士見ケ丘駅前葬儀場建設予定事業者代表が町会長と商店会長を訪れ、今後さくら相互の説明会はしない、住民から要請があれば説明する、建築に必要な手続は進めていると伝えに来ました。その後八月二十五日に、再度両会長を訪れ、住民から説明会の連絡がないので建設に向かう手続に入ると、一方的に通告してきました。  確認申請が出されれば、行政は三週間以内に認可せざるを得ず、葬儀場建設に歯止めがなくなります。町会、商店会、近隣住民代表が緊急に集まり、話し合った結果、事業者に対し斎場の指導要綱に基づく説明会の再開を求めることで一致しました。区はこの住民の意向をどう受けとめているのか、お聞きします。  富士見丘は、他の委員の質問にある高井戸公園の計画や駅改修問題など、まちづくりの機運が高まっています。富士見丘まちづくり協議会の認定申請が継続審議となりました。区の積極的援助が不可欠と考えますが、具体的支援策を示してください。  まちづくりの三つ目、三井グラウンド開発です。  三井グラウンドの開発工事は、六階建てのマンションも建ち上がる段階まで進んでいます。この段階になれば、区が覚書で三井不動産と確認した避難有効面積一人当たり一・一平米を検証できるはずです。この点で区はどう対応するのか、見解を求めます。  三井グラウンドを開発するに当たり、事業者から区に最初に提出された三井グラウンド開発に係る基本構想について情報公開請求を行ったところ、一部公開との決定を受け、主要部分が黒塗りの書類が出てきました。杉並区が地区計画をかけ、土地区画整理事業の一環として開発計画を認可する前提となった重要な資料です。非公開となった部分の理由をお示しください。  三階建てしか建たない地域に地区計画で六階建てが認められ、浜田山・高井戸地域の今後の用途地域の変更をもたらす行政判断の違法性が争われているケースです。企業情報だから出せないのでは納得できません。当該処分の異議申し立てに、三井不動産の主要事業であるまちづくりを公開することは、事業者に著しい不利益を与えることになると判断したと、棄却の決定がなされました。既に計画に沿って建物が完成に向かいつつある今、その情報を開示することが事業者にとってどのような不利益になるのか、具体的に示してください。  さらに、こうしたまちづくり構想のすべてを公開しないのは、住民を主人公にしたまちづくり条例の趣旨に反すると考えますが、区の見解を求めます。  まちづくりの最後は、高井戸中学通学路の危険な踏切です。  通学時間帯にあかずの踏切となる高井戸中学通学路にある井の頭線の踏切は、あいた瞬間に車と通学の生徒が我先にすれ違い、危険な状況が続いています。区の認識を求めます。  地域住民代表と高井戸中学学校評議員が京王電鉄に申し入れを行い、現場の調査も行われたとのこと、その動きについてお示しください。対策上の問題と今後の方向について、区の見解をお聞きします。  清掃事業です。  資源回収について。  四月から資源回収が拡大し、ごみの分別方法と収集方法が変更になったことで、地域では少なからぬ混乱が当初は起きました。経過と現状をどのように認識していますか。  プラスチック製容器包装集積所回収を全域に広げ、これまで不燃ごみであった容器包装以外のプラスチック製品とゴムや革製品を不燃から可燃ごみに変えたことも混乱の一因です。この変更の理由は何でしょうか。  この理由をきちんと説明せず、広報や張り紙で行政措置的に伝えているだけで混乱は続いているのではないか。区の広報が折り込まれている新聞をとっていない方、町会の回覧版から外されているアパート暮らしの若い世代、ごみを出している人の多くが高齢者、これらに変更が伝わっていない現状があります。区はこれまで、この変更を周知させることにどのような方法をとり、どんな努力をしてきたのか、お聞きします。  資源回収の民間委託についてお尋ねします。  ペットボトルの集積所回収、粗大ごみ収集業務の委託事業者は同じであるが、この二件の事業者の選定方法と委託料金について示してください。  この委託事業者は、資源回収に、社員以外に多数の派遣労働者を使っています。この派遣労働者に資源回収、特にペットボトルの回収現場で生じた混乱の後始末を押しつけてきたこと、区はどのように認識していますか。この派遣労働者を含め、資源回収に従事している者は杉並区の腕章を着用しているため、区民の苦情はこの委託労働者に集中しています。  また、区に苦情の電話がかかると、区は事業者に丸投げし、後出しのごみの収集に夜遅くまで働かされました。残業手当が出る人と出ない人がいることも聞いています。派遣労働者に資源回収変更のしわ寄せを強いるのは無責任であり、今後は、委託事業者の職員と派遣労働者を区民が区別できるよう対策をとるべきだと思いますが、どうでしょう。  最後に、教育問題です。  教育基本条例について質問します。  教育委員会は、教育基本条例等の制定に向け、有識者等からの意見聴取を行うとのことですが、新たな条例等の案をいつまでに策定し、議会にいつ提示する予定か。パブリックコメントの時期を含む今後の日程について、具体的に示してください。  打ち出された意見聴取のテーマを見ると、不易の資質、国際社会に生きる日本人の資質、さらに日本の伝統と文化と自己の確立など、懇談会提言に貫かれた社会、国家に役立つ人材育成という独特の教育観がそのまま貫かれています。このテーマはだれの考えでつくられたのですか。また、二月予定のパネルディスカッションを区との共催事業とした理由をお聞きします。  山田区長の教育観に従って進めていくのか、教育委員会の見解を求めます。  教育基本条例制定は、山田区長が公約に掲げ、二年半後の政界への復帰をねらって人気を博す目玉として、全国初の制定を表明したものです。これが杉並の十年、いや三十年、五十年先の教育を決めるものであれば、区長の政治目的に利用されるわけにはいきません。山田区長の人選による懇談会提言が全会派から批判された以上、教育委員会は独自の判断で、条例等の制定の是非を含め一から見直すべきと考えますが、いかがでしょう。  最後に、教育委員会委員の任命についてであります。  任命権者である区長に率直にお尋ねいたします。十二日の開会日に議会に対する打診があるまで、人事案について明らかにできなかったのはなぜでしょうか。議会の同意を得るためには、人事案について検討する資料や時間を要します。区長から事前の提示がないのは議会軽視ではないのか。  二つ目に、区長は教育委員会の形骸化を指摘していました。教育委員は区長の独断で選ぶべきものと考えているのでしょうか。区長以前は、区民の中の意見や立場の違いを前提にして、それが少なからず反映されている議会内のバランスを考え、だれもが納得できるような人材が選ばれてきました。区長の選任により、与党会派からも一部批判が出るような人物をあえて選んできたのはどのような意図によるものなのか、お答えください。  地方教育行政法の改定により、教育委員の中に未成年者を子どもに持つ親を含むことが義務づけられました。今回改選を迎えた丸田委員長が辞任を余儀なくされ、それにかわる人事が求められています。区長がどのような人物を選ぶかで、その意図は明らかになります。来年、中学教科書の採択時を迎えます。つくる会教科書採択人事と言われないような人選を求めますが、区長自身の明快な答弁を求めて、質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後一時まで休憩いたします。
                    午前十一時四十八分休憩                      午後一時開議 ○副議長(小川宗次郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  理事者の答弁を求めます。  区長室長。      〔区長室長(与島正彦)登壇〕 ◎区長室長(与島正彦) けしば議員のご質問のうち、区長の政治姿勢についての中から、最初の質問と教育委員の任命に関するご質問にお答えいたします。  まず、アフガニスタンにおけるNGO団体職員の拉致・殺害事件に対してのお尋ねでございますが、アフガニスタンの人々から慕われる、高い志を持った若者の尊い命が奪われたことはまことに遺憾であり、強い憤りを覚えます。今後このようなことが再び起きることがないよう、強く願うものです。  次に、自衛隊のインド洋での米軍への補給活動等に関するお尋ねですが、国会での議論と日本政府の判断により実施しているものであり、廃止を求める考えはありません。  次に、教育委員の人事案件に関する事前提示についてのお尋ねですが、人事は、区長が熟慮に熟慮を重ね、当事者の意向などを確認しながら進めることから、時間を要するものでありますので、ご理解をいただきたいと存じます。  また、教育委員の選任についてのお尋ねですが、委員の選任に際しては、区長が候補者について総合的に判断し、杉並区の教育委員としてふさわしい方をご提案申し上げているところでございます。  次に、教育委員の選任と教科書採択との関係についてのご質問ですが、教科書採択は教育委員会の専管事項でございます。  なお、教育委員の人事案件は、さきに申し上げましたように、総合的に検討して提案しているところでございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕 ◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、平和展と住基ネットに関するご質問にお答えいたします。  まず、平和展についてのお尋ねでございますが、実施期間を土日も含め十五日間とし、区役所本庁舎で開催することによって、より多くの区民に平和について考える機会が提供できるということから、土日開庁に伴いリニューアルした中棟二階ギャラリーで実施するため、九月としたものでございます。  次に、平和展のパネル展示についてのお尋ねでございますが、これまでの平和展で取り上げてこなかった現在の世界の紛争や人権問題及びこれに対する平和貢献活動などを取り上げ、広く平和について考える機会にしようとしたものです。  また、自衛隊による道路整備や堤防づくりなどの世界各地における復興支援も、世界の平和貢献活動としてしっかり伝えていく必要があり、平和都市宣言の趣旨を生かしているものと考えております。  次に、平和都市宣言二十年の歩みの評価についてでございますが、この宣言は昭和六十三年に区議会で全会一致で議決されたものでございます。以来、平和コンサートや平和ポスター展を実施し、平和の取り組みが区民の身近なものとなるよう努めてきたほか、北朝鮮の地下核実験実施など、これらに対し抗議と中止を要請するなど、平和都市宣言にうたわれている世界の恒久平和と核兵器の廃絶に向け、着実に取り組んでいると考えております。  また、原水禁運動発祥の地としての杉並での活動をこれまでも区民に紹介してまいりましたが、これからも継続してまいります。  次に、住基ネットに関してお答えいたします。  まず、住基ネットの参加と安全性についてのお尋ねですが、本年七月の最高裁決定は、直接住基ネットへの接続を命じたものではありませんが、高裁までの判断を是認したもので、自治体による住基法の裁量権を否定したものとなっております。このため、住基ネットへの不参加を続けることや一部のみの参加は、住基法に定める義務に違反することになります。  また、住基ネットの安全性につきましては、区は、依然として十分な安全性が確保されたとは言いがたい状況にあると考えておりますが、司法の最終判断が下った以上、住基ネットへの参加準備を進め、それが整う来年一月を参加予定時期としているところでございます。  次に、住基ネットの個人情報保護対策についてのお尋ねでございますが、区は、平成十五年の住基ネット対応方針において、区民のプライバシーを保護するため、区における運用を監視する第三者機関の設置と個人情報保護への万全の取り組みを進めることを従前より表明しております。今後、第三者機関の設置や、既に取得している国際的な情報マネジメントシステムであるISO27001の適用範囲を今後運用する住基ネットに拡大するなど、個人情報保護対策をきちんと講じてまいります。  次に、非通知希望者等に関するお尋ねにお答えいたします。  最初に、通知を希望した人だけ参加を求めるべきではなかったのかとのことでございますが、区は、IT社会における本来のあり方としては、選択制をとることが望ましいと考えております。しかしながら、現行の住基法はこれを認めておりません。そこで、当時とり得る最善の道として、平成十五年、国が法の範囲内で横浜市に認めた段階的参加方式による参加を杉並区にも適用するよう求めてきたものでございます。  次に、非通知申出者への説明についてでございますが、住基ネット参加について区民の皆様のご理解を得られるよう、広報、ホームページ、さらには窓口や電話対応の中でご説明申し上げているところでございます。さらに、来年一月の参加に向けた準備作業の中でも、区民の皆様のご理解が進むよう努めてまいりたいと存じます。  次に、負ける目的で裁判に訴えたものではないのかとのお尋ねですが、住基ネット訴訟は、地方自治法の定めるところにより、区議会の議決を得て提訴したものでございます。  住基法に違反することはわかり切っていたとのご指摘ですが、訴訟の争点となった住基事務は基礎自治体の固有事務であり、区に裁量権があることを前提として裁判で主張していくことは、極めて当然のことであったと考えております。区の主張が認められず、残念な結果となりましたが、分権時代の基礎自治体としてのあるべき姿勢を示し、住基ネットの問題点を広く社会に伝えることができたことで、社会的な意義を有する訴訟であったと考えております。  次に、都の是正勧告と住基ネットの利便性についてのお尋ねにお答えいたします。  最初に、都の是正勧告につきましては、都の立場で国立市に出したものであり、このことについて区が見解を述べることは適切ではないと考えております。  次に、住基ネットの利便性につきましては、区は、健全なIT社会の発展のためには、ITによる利便性を享受するか否かについて個人に利用の選択権があることが必要だと考えております。こうした考えは当初から一貫して主張し、区民にも説明してきたところでございます。  住基ネットからの離脱、住民投票等についてのお尋ねにお答えいたします。  最初に、住基ネットからの離脱でございますが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、住基法に定める義務に違反することになりますので、考えておりません。  次に、住民投票についてですが、司法の最終判断が下された以上、住基ネット事務については住基法に従っていくべきものですので、住民投票を行う性格ではないと考えております。  私から最後になりますが、来年一月に向けて準備作業を進めてまいります。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(長田 斎)登壇〕 ◎高齢者担当部長(長田斎) 私からは、介護保険に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、第四期介護保険事業計画の策定に当たり国から示された基本指針等に関するお尋ねでございますが、七月四日に示された国の考え方としては、まず第一点が、第四期計画は、第三期計画に設定した平成二十六年度の目標に至る中間段階と位置づける、第二点が、第三期計画の策定に際して示した参酌標準の考え方は基本的には変更しない、第三点が、療養病床からの転換分の取り扱いや介護予防事業等の効果の見込みについて見直しを行うことで、基本指針の内容は、この考え方に基づき部分的に変更がなされております。  また、計画の策定に向けて庁内の検討組織である介護保険事業計画連絡調整会議のもとに設置した三つの部会の検討課題は、それぞれ、入居施設や居住サービスの検討等を行うこと、介護予防事業の分析、評価を行うこと、及び介護保険サービスの給付分析やサービス量の推計を行うことでございます。  次に、在宅療養支援体制に関するお尋ねでございますが、区内の療養病床数は、介護療養病床百三十二床、医療療養病床八百五十五床、合計九百八十七床でございます。国はこれまで、療養病床を三十五万床から十八万床に削減する方針を示しておりましたが、本年になって、二十四年度の目標数を二十二万床に変更しております。  また、区では、在宅医療支援体制の充実を図るため、医師会や介護保険事業者などと意見交換を行い、在宅医療の相談体制の充実策などについて検討を進めております。  療養病床再編に伴う課題につきましては、東京都では、平成二十四年度までに療養病床を約七千床増やす計画ですので、現在のところ区民への影響はそれほど大きくないと考えておりますが、区内の介護療養病床の動向については、当該病院とも十分に協議を行うとともに、医師会等と協力して、在宅医療を支援する体制を整備してまいります。  次に、介護保険料の改定についてのお尋ねがありました。杉並区の介護保険料は二十三区の中では平均的な水準となっておりますが、保険料が高いとのご意見があることも承知しております。しかしながら、給付費は年々増加しており、新たに改定される介護報酬の水準によっては、来年度以降の保険料を引き上げざるを得ない事態となることも想定されると考えております。このため、保険料をより妥当な水準に設定することができるよう、一層の多段階化や給付費準備基金の活用について十分に検討して対応してまいりたいと考えております。  検討のスケジュールにつきましては、来年一月に予定されている介護報酬の改定を受けて、介護保険運営協議会のご意見をお聞きして保険料改定案を決定し、来年の第一回区議会定例会に条例改正案を提出する予定でございます。その際、八月の介護保険運営協議会でお示ししたように、一層の多段階化を視野に入れて検討してまいりたいと考えております。  次に、要介護認定についてのお尋ねですが、要介護認定は、全国一律の基準に基づき、訪問調査の結果と主治医意見書を受けて、認定審査会において客観的かつ公正に行っているところでございます。今後、区といたしましては、さらに認定の精度を高めるため、調査員や認定審査会委員への研修の充実等に努めてまいりたいと考えております。  次に、ヘルパーの確保及び働きやすい環境の整備についてのお尋ねですが、介護職員の確保につきましては、今後、都市部の給与実態等を踏まえた介護報酬の改定が行われることが重要と考えております。また、区においては、事業者連絡会等と共同して介護職員の研修を実施しておりますが、さらに職場の雇用管理が改善し、介護職員の定着が図られることも重要と考えております。  このため、区といたしましては、適切な介護報酬の設定について国への要望を行うとともに、今後、国等における施策の動向を踏まえ、区として行うべき施策の必要性等について検討することとしており、その旨を事業計画に盛り込みたいと考えております。  最後に、介護保険料の減免についてのお尋ねがありました。生活保護を受給していない年金収入八十万円以下の世帯非課税の方につきましては、保険料を基準額から五割軽減しているところであり、さらに、負担能力が著しく低下した場合には、減免や徴収猶予を行うなどの配慮をしているところでございます。その上でさらに低所得者に対する独自減免を実施するか否かについては、さきの第二回定例会の委員会の中等でも答弁しておりましたように、次期事業計画の中で、全体の保険料水準を検討する中で検討を行ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(遠藤雅晴)登壇〕 ◎保健福祉部長(遠藤雅晴) 私からは、けしば議員の後期高齢者医療制度に関するご質問にお答えいたします。  まず、東京都後期高齢者医療広域連合による国への要望等に関するお尋ねですが、要望の主な内容としましては、平成二十年度の保険料軽減対策及び平成二十一年度以降の保険料軽減対策に係る経費については、国の責任において全額負担することや、国が積極的な周知に取り組むことなどでございます。  また、要望に対する国の対応でございますが、保険料軽減対策に係る経費につきましては、平成二十年度分、平成二十一年度分ともに今年度の補正予算で対応することが政府・与党間で合意されており、軽減対策を含む制度の趣旨、必要性については、区市町村に対して丁寧な説明を求めているところでございます。  次に、区民からの問い合わせなどに関するお尋ねですが、保険料額決定通知書が到達し出した七月二十二日から翌八月一日までに国保年金課に寄せられた問い合わせなどの件数は、電話と窓口を合わせて約五千八百件でございます。  その主な内容といたしましては、平成十九年度の国民健康保険料に比べて高くなっていることの理由を問うもの、十月からの保険料の年金引き落とし口座振替に変更するための手続に関する問い合わせなどでございました。  なお、区は今後も、広域連合等を通して、国に対し、制度の円滑な運営やさらなる定着を図るための措置を求めてまいりますが、制度の廃止を求めることは考えてございません。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕 ◎都市整備部長(上原和義) 私からは、外環道など所管に係るご質問にお答えいたします。  初めに、東京外かく環状道路に係る請願についてのお尋ねですが、区長は外環の都市計画変更に際して要望書を提出いたしましたが、より具体的な回答を機会あるごとに求めているところでございます。したがいまして、請願の願意はまさに区が努力してきたところであり、今後とも国、都に求めてまいります。  次に、外環事業化に係る区の対応についてのお尋ねですが、都市計画変更時の区長意見で、区は国、都に対し、インターチェンジ周辺地域における具体的な交通対策や環境対策を明らかにすることなどを求めております。今後も、具体的な影響と対策を明らかにした回答を粘り強く求めるということが区の対応でございます。  杉並地域PI課題検討会におけるデータの提示に関するお尋ねですが、区では、課題検討会の運営に際して、区長要望に対するより具体的な回答をするよう求めてまいりました。これを受け、第一回課題検討会において国、都は、区長要望について現時点での見解を説明いたしました。地下水流動保全工法についても、施工事例の紹介や説明が行われましたが、区といたしましては、次回の課題検討会においてさらにデータを示すよう、強く求めております。  次に、将来交通量予測データに基づき、改めて外環の効果について検証すべきではないかとのお尋ねですが、国は、平成十七年度の道路交通センサスの結果等を踏まえて、ことしの秋までに新たな将来交通量推計を取りまとめる予定としています。このことは、七月に開催された杉並地域PI課題検討会で初めて資料として示されたものでございます。この項目は区が求めてきたことでもあり、事業化の前に明らかにされるものと考えております。  次に、国や都が区長要望への回答について説明する場を設置するよう求めるべきとのお尋ねですが、区は、杉並地域PI課題検討会の開催に当たり、国、都に対し、区長要望に、より具体的に回答するよう強く求めてまいりました。これを受けて国、都は、七月の課題検討会において、区長要望に対する現時点の見解を説明する時間を設けました。次回の課題検討会におきましても、説明の場を設けることが予定されてございます。  善福寺地域の水循環を守ることについてのお尋ねですが、都市計画変更に際しての区長要望の中でも、今後新たに環境への重大な影響が予想された場合あるいは環境への重大な影響が生じた場合は、計画または事業を見直すよう強く要望するとしており、この考えに変わりはございません。  次に、富士見ケ丘駅前葬祭場の住民説明会開催に関するお尋ねですが、区は、本年五月に行われた要綱に基づく説明会の開催直後から、いまだ説明すべき事項が残っていると考え、再三にわたり事業者に対し説明会の開催を指導してまいりました。説明会の開催を求める住民のご意向につきましては、区も同様に考えております。  次に、高井戸中学校通学路の踏切に対する区の認識についてのお尋ねでございますが、当該踏切につきましては、歩行者の通行量が多く、遮断時間の長い踏切であることから、課題のある踏切と認識しております。  次に、高井戸中学校学校評議員による京王電鉄への申し入れについてのお尋ねですが、学校評議員から区にも踏切の拡幅についてご要望があり、区では、京王電鉄の担当課長と現場立ち会いの上、ご要望を伝えております。現在、京王電鉄では、拡幅について技術的な検討などを行っているところであると聞いております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、まちづくりのうち所管に関するご質問にお答えします。  まず、富士見丘まちづくり協議会に対する支援策についてのお尋ねですが、まちづくり条例に基づき、協議会のまちづくりに関する学習などに対してまちづくりコンサルタントを派遣するとともに、協議会の認定後は、運営費を助成し、活動を支援してまいります。  次に、三井グラウンド開発に係る基本構想の情報公開請求に関連したご質問にお答えします。  まず、非公開の理由については、情報公開条例に規定する非公開事由のうち、いわゆる法人事業活動情報に該当するためでございます。また、事業者の不利益につきましては、初期段階の協議手法を公開することは事業者に著しい不利益を与えるなどとの判断を、情報公開・個人情報保護審査会からいただいております。  最後に、三井高井戸計画におきましては、地区計画の策定に先立って地元でのまちづくり説明会などを開催するなど、まちづくり条例の趣旨にかなった取り組みが行われたと認識しております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 危機管理室長。      〔危機管理室長(赤井則夫)登壇〕 ◎危機管理室長(赤井則夫) 私からは、三井グラウンドのご質問のうち、所管事項についてお答え申し上げます。  避難有効面積の検証についてのお尋ねですが、すべての建物について建築確認申請が提出されていない現状においては、避難有効面積の検証は困難と存じます。  また、覚書にある避難有効面積の確保については遵守するよう、三井不動産レジデンシャル株式会社に対して求めてまいるとともに、東京都ともさらに協議を重ねてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕 ◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、清掃事業におきます資源回収と民間委託についてのご質問にお答えいたします。  まず、分別方法の変更などに関する現状認識でございますが、四月の実施当初は、分別の方法や目的についての周知の不明確さやあるいは不十分さにより、区民の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたが、サーマルリサイクルあるいはプラスチック製容器包装の資源回収の実施によって、さらなるごみの減量化と資源化への緒につくことができたものと認識しております。  次に、分別方法の変更理由でございますが、最終処分場の延命化を図るとともに、廃プラスチック等を可燃ごみとして焼却することによる熱エネルギーの利用、さらにはプラスチック製容器包装の分別回収による資源化の推進など、ごみの一層の減量化を図ることを目的としたものでございまして、今後とも区民の皆さんへの丁寧な説明と対応に努めてまいります。  最後に、周知方法でございますが、説明会の実施、広報やホームページ、集積所の看板やパンフレット、駅頭PR、そのほかできる限りの方法で事前の周知を図るとともに、引き続き職員による戸別指導など、きめ細かな対応に努めているものでございます。  次に、資源回収の民間委託に関してのお尋ねがございました。  まず、ペットボトル及び粗大ごみの収集等に関する業務委託につきましては、いずれも随意契約によりまして専門の事業者組合と契約しているものでございます。  平成二十年度の契約金額につきましては、ペットボトルの集積所回収業務委託が三億四千万円ほど、粗大ごみの収集業務委託が二億七千万円ほどでございます。  次に、委託事業者による業務執行についてのお尋ねでございますが、委託による業務内容や条件は、区と委託事業者との契約書及び仕様書の中で明確に規定しているところでもございますので、何ら問題はないものと考えております。  最後になりますが、委託業務は事業者の責任で執行される区の業務でございますので、委託業務の従事者についてご指摘のような対策を講じる考えはございません。
     私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 教育改革担当部長。      〔教育改革担当部長(森 仁司)登壇〕 ◎教育改革担当部長(森仁司) 私からは、教育問題のうち、教育基本条例等に関するご質問にお答えいたします。  初めに、条例等の制定に向けた日程に関するお尋ねでございますが、今年度は、有識者等からの意見聴取と、古今東西の教育に対する考え方等の収集、整理を行ってまいります。  このうち意見聴取につきましては、まず九月から十一月にかけて四名からインタビュー形式で、また、来年二月には三名からパネルディスカッション形式で、それぞれご意見を伺う予定でございます。インタビュー内容は小冊子に取りまとめ、それを来年二月ごろに広く区民に配布して意見を募り、有識者等からの意見とあわせて条例等の検討に反映させてまいります。  こうした手順を経て、二十一年度中に条例等の案を公表し、必要な手続を経て区民合意を形成してまいる考えでございます。  次に、意見聴取のテーマとパネルディスカッションの開催形式に関するお尋ねでございますが、まず、意見聴取のテーマにつきましては、教育にかかわる普遍的な内容として四つに集約、整理し、教育立区推進本部において決定したものでございます。  また、パネルディスカッションにつきましては、条例等が、地域ぐるみで教育立区を実現するために区と教育委員会が一体となって取り組んでいる課題であることから、共催事業として実施することにしたものでございます。  最後に、条例等の制定の是非を含めて一から見直すべきとのことでございますが、条例等は、区の教育の基本理念を明確にし、今後の杉並の教育を地域ぐるみで進める上でのよりどころとなる重要なものであることから、今後、区民、議会とも十分議論を重ねながら制定に向けて取り組む予定であり、見直す考えはございません。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 一番けしば誠一議員。      〔一番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆一番(けしば誠一議員) 幾つか再質問させていただきます。  まず、区長の政治姿勢についてでありますが、政治家でもあります山田区長、その区長の政治姿勢を区長ご自身が答弁できない理由をお答えください。先ほど共産党の質問には、まず区長、立たれたわけでありますから、少数会派には答弁しないというルールがあるのか、あるいはまた少数会派でも野党少数会派には答弁しないのか、その点を納得いくようにお示しいただきたいと思います。区長に聞いているわけですから、区長が発言しないという理由がほかにあれば改めてお聞かせいただきまして、それがないのであれば、区長自ら改めて答弁をお願いします。  先ほども申し上げた自衛隊の問題ですが、イラク派兵の問題ですが、政府は、この事件以降、航空自衛隊の撤退、それからアフガン派遣の断念ということで、今後の流れが変わっています。区長は毎年、自衛隊に入隊した区内の若者を区長室に呼んで激励しています。就職先がなくて自衛隊に入る若者が増えている今、海外に派兵されるとは思いもよらない自衛隊の若者、家族。若者や家族のそうした不安を、区長は毎年激励されているわけでありますから、どのように思われるのか。アメリカの要請で彼らを危険にさらすような給油活動はやはり中止するように求めるべきではないか、お答えください。  土日開庁に合わせて平和展を区庁舎で行ったという答弁でありました。戦争は、いつの時代も平和のためという理由で行われます。しかし、戦争行為や軍隊の活動が平和運動とは全く異なるものだということは言うまでもありません。国連平和維持活動などといっても、それは軍事行動でありまして、決して民間の平和運動ではありません。一般的に民間の平和運動とは言わない自衛隊の活動を、なぜ平和展の中で宣伝するのでしょうか。原水禁運動発祥の地杉並で自衛隊の活動を宣伝することが平和展の主要な内容だなどと、だれも思ってはいないでしょう。区長自身がどのようなお考えを持ち、自衛隊に対してどのような態度をとるかは、それは個人としては勝手であります。民主主義とは、さまざまな意見の違いを認め合うことは同時にありますけれども、しかし、その思想を区長自ら区民に押しつけるのはやめていただきたい。つくる会教科書も同じであります。区の企画となれば、杉並の平和展の基調としてきた民間の平和運動、区長の好きなお言葉をかりれば、まさに杉並の平和運動の伝統と文化を尊重していただきたい。自衛隊の宣伝は平和展の外でやってほしい。この点、改めて答弁を求めます。  住基ネット一月接続は、多くの区民にとっては思いもよらないことでした。答弁では、最高裁から接続を求められたわけではないと区自ら答えています。ですから、そうなりますと、区長の、最高裁判決が下った以上、接続もやむを得ない、これは全然理由にならないんですよ。だって、最高裁判決は接続しろというふうに言っているわけじゃないんだから。そうでしょう。つまり、段階的参加というのは、法律の趣旨からいって、そんなことは法律で決めてないからできないんだよという判決なんですよ。何でその判決が接続もやむを得ないというふうになるんですか。論理矛盾ですよ。だれが聞いたって納得できない、この理由は。その点、改めて説明ください。  段階的参加が違法という判決だから、安全が確認されない以上接続できませんというふうに言えばいいんですよ。そういう姿勢を貫けばいいわけじゃないですか。矢祭町や国立市が貫けるのに、杉並がなぜ貫けないのか、その理由をお示しください。  なぜ裁判にしたのか、負けるつもりでやったんじゃないかと、私、結構厳しい言い方をさせていただきましたけれども、では聞きます。逆に法律で決まっていることを争っているのに、それが違うことを言おうとしたら、その法律が違憲だというふうに言わない限り争えないでしょう。法律で決まっていることを、違いますよなんと言ったら負けるに決まっているじゃないですか。だから、私はあえて、負けるためにやった、幕引きのために裁判やったというふうに言っているわけであります。では、そうでなければ、勝てるという展望がどこにあったのか、あの裁判の訴状の中で。改めて答えてください。  非通知希望者約八万人超、その責任はどう果たすのでしょうか。区が裁量権を有するということは区もご存じのとおりです。ただ、今回の裁判はそのことについて認めていないというふうに言っても、そのことについてきちんと論理立った判断してないんですよ。別に裁量権が住基ネットにあるなんということは、法律にそれは書かれているわけだからそのとおりなわけで、そんなことはいまだに否定されていません。だから、非通知希望者八万人超は、区の責任でそのことを果たさなきゃいけないわけ。ですから、八万人を残して送信すべきだったんですよ。それは認めないと言っているんだったら、向こうは受信しないでしょう。受信しないのは国や都の勝手じゃないですか。区は送信すればいいんですよ、八万人を残して。受信しなかったら国や都が悪い、これでいいじゃないですか。そうでしょう。全部接続するなんていうことは、この八万人に対する裏切りなわけ。約束破りなわけ。公約違反なわけですよ。改めてその点、答えてほしいと思います。  三分の一が住基ネット賛成、約三分の二は反対という区民の世論でした。これほど重大なことを区長が決定するわけですから、区長の責任として、杉並区自治基本条例第二十六条、 「区長は、区政の重要事項について、広く区民の総意を把握するため、区議会の議決を経て、当該議決による条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる。」という規定があるわけです。この規定に基づいて住民投票を呼びかけるべきなんですよ、こんな重要なことは。住民の判断を得ないで勝手に接続するのはやめてください。住民のプライバシー権、区民の人権を守る取り組みは多くの賛同を得ると思います。区長がもしも住民投票をやったら、また人気が上がりますよ、本当に。ぜひやってください。いや、やってくださいじゃない、やるべきだ。その点についてお答えください。  次に、まちづくりについてです。外環。  十月四日の課題検討会、一日十分とって行われます。そこで国、都からの回答が本当に期待できるのか。先ほどの答弁聞いていますと、そこでほぼ十分期待できるような言い方ですが、その点、本当にそうなのかどうか、改めてもう少し具体的にお答えください、これまでの流れから。  流動保全工法について伺いました。十六の実例のうち、うまくいってないところがあります。私、委員外議員の発言で具体的に指摘しました。そうした説明をきちんとさせていただきたいんですね。結局、十月四日にその点についての説明がもし不十分だったら区はどうしますか。さらに検討会を継続することができるんでしょうか。その点、区に求めます。  介護保険についてです。  事業の継続にとっては人材確保は切実な課題なわけですよ。人がいなくて事業がやっていけない、あるいは人件費を出せなくて事業が維持できないというのが今の実態です。ある社会福祉法人の記念講演を聞きました。区内で三十数年にわたって高齢者介護を住民の力で先進的に取り組んできた方でありますが、介護保険制度の改定で、現状は私たちのころよりずっと悪くなった、その人らしさを保障できるような介護でなければならない、これをどのように保障していくのかが一番大切なんだと話されていたそうです。利用者の家族からは、若い人たちが献身的に働いている、しかも、生活が成り立たず、ずっと働けない状況がある、働く人の労働条件をもっと考えてほしいという重要な意見も出されています。これは区民の意見を代表する切実な要望だと思いますが、こうした人材確保の最大の条件である労働条件の保障、もちろんこれは国や東京都の責任であります。しかし、それを積極的に進めていくために区はどのような具体的な考えがあるのか、あるいは杉並区で働くヘルパーさんたちが本当に安心して働けるような環境づくり、どのような区の施策があるのか、この点、次の事業計画の中身も含めて、区の方向を伺います。  三井グラウンドの問題です。  法人事業の情報一般が事業の利害にかかわるから非公開ということは納得できないし、そしてまた、情報公開を規定したようなさまざまな諸法令は、私はその理解であるとは思いません。つまり問題は、その企業の事業が法に反する疑いがあるということを、今、裁判も含めて突き出されているわけであります。ですから、一般的な企業情報だから全部非公開なんということは、情報公開条例やあるいはこの制度の中にないはずなんですよ。問題があれば当然出すべきだし、疑念があれば、それを出すことによって疑念を晴らすべきではないのでしょうか。そしてまた、既に建物本体が建ち上がった以上、もう既にその基礎的な計画の情報の意味はなくなっているわけですよ、今。最も最初の基本的な計画だから。もう建ち上がっちゃっているわけ。だから、それを公開することがなぜ事業者の側の著しい不利になるのか、そのことをきちんと再度説明を願います。  清掃事業です。  二点ありますが、先ほど二億円超の事業が随意契約だというふうに言われましたよね。やっぱり耳を疑いますね。なぜ随意契約なんですか。これはどことの契約なんですか。多額の契約が随意であるというこの民間事業者との関係、これについて改めて理由をお示しください。  派遣労働者の問題です。  派遣労働者の、運転手は大体一日一万二千円から一万五千円、そして作業員が八千円です。作業員の場合には大体月に十六万から十八万、区の職員の三分の一、四分の一。だけど、区の腕章をつけているから区の職員と同じように区民から扱われます。怒りやそうした質問が集中します。わかりません、自分は派遣だからと言ったって、通用しないわけです。おまえ、こんな高い金、税金で飯食っていて何やっているんだというようなことを毎日言われますよ。もちろん、区の事業をやっているということは当然必要でしょう。だけど、責任をとるべき区の正規職員と、こうしたまさに安上がり・使い捨てのようにされている派遣労働者と区民にわかるようにしてくださいよ。そしたら区民も理解しますから。その点を改めて質問します。  最後に、区長に答弁を改めて求めます。というのは、区長の任命権のある教育委員の問題だからであります。  改めて区長に答弁を求めるわけでありますが、任命権者として重要な事項だ、そしてまた、その方の同意を得る、任命される方とのいろいろな関係があるから、なかなか情報をぎりぎりまで出せないんだというような先ほど答弁でありましたけれども、仮に、任命権者である区長が確認した情報が重大な経歴が隠されていたような場合にどうされるんでしょうか。また、その方の仕事が、青少年の育成にふさわしくないような仕事をしている場合に、任命権者としてどうでしょうか。その場合に、資質に欠けるというようなことなんかを判断されないのか。つまり、それは任命権者としての区長の考え方としてぜひお示しいただきたいんですね。  であればこそ、区長が選択している基準は何なのかということを改めてお示しください。私が理解するに、区長が一番重視しているのはその方の思想ではないか、区長と同じような考えを持っている方で選んだのではないか。だから繰り返し何度も失敗しているというふうに私は思わざるを得ません。この規定に、同一政党に所属する者が三人以上いちゃいけないというような規定がありますよね。これは単に政党かどうかということを問題にしているんじゃないんですよ。同じような思想の人が三人以上いたら、それはもう教育がゆがんじゃうということで、いろいろな考え方の人あるいは公平中立な考え方の人ということの意味で、かなり具体的な事例を挙げて規定していることなわけ、これは。だから、区長が考えているような、区長と同じような人を選ぶというのはだめなの、教育委員の任命の仕方として。  ですから、改めて総合的に検討というこの意味を具体的に示して。総合的に同じような思想のある人を選ぶというのでは困るんですよ。総合的に検討というのはどういう意味なのか。先ほど申し上げたような、同一政党に所属しないというふうに言われているこの規定は、任命するときにこのことをきちんと配慮するのかということを改めてお聞きし、区長自らの答弁を期待して、再質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長室長。      〔区長室長(与島正彦)登壇〕 ◎区長室長(与島正彦) それでは、けしば議員からの再度のご質問にお答えいたします。  まず、答弁についてですが、これまでも必要に応じましてけしば議員にも答弁しておりますので、ご確認いただければと存じます。  次に、二つ目のご質問ですが、自衛隊員への激励についてですが、国を背負って働こうとする若者の気持ちにこたえ、自治体の首長が激励することは意義あることと考えてございます。  三点目のご質問、教育委員の任命についてでございますが、先ほどけしば議員からは仮にということでのご質問でしたが、仮にということのご質問についてはお答えしかねます。  なお、総合的にということは、世間で言われているとおり、総合的に判断してということでございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕 ◎区民生活部長(佐藤博継) 私から、けしば議員の再度のご質問にお答えいたします。  まず、平和展についてでございますが、PKO活動は、ご承知のとおりさまざまな国で展開されております。国際社会の中にあって、このPKO活動は重要な活動というように考えております。そうした活動を広く伝えていくことは必要なことというふうに考えております。  次に、住基ネットでございますが、区では、住基法による参加義務、それから個人情報の適切管理を両面から考えまして、区民の選択を尊重することが重要だということで、いわゆる段階的参加、そういったものを選択いたしました。しかし、この段階的参加がなかなか認められないということで、議会の議決を得て訴訟に踏み切ったわけでございます。残念ながら、最高裁では上告棄却ということで受け入れられなかったわけでございますが、じくじたるものがありますが、そうした経緯を経て、住基法にのっとって参加準備に着手したということでございます。したがいまして、司法の最終判断が下された以上、住基法に従っていくべきものだということで、先ほどお答えしましたとおり、住民投票を行う性格ではないというふうに考えてございます。  私から以上です。 ○副議長(小川宗次郎議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕 ◎都市整備部長(上原和義) 私から、けしば議員の再度のご質問にお答えいたします。  まず、次回の課題検討会で回答がなされるのかというご質問でございますが、ご案内のとおり、課題検討会は、住民からのご意見をいただき、この終了後に国、都で対応方針というものを作成いたします。したがいまして、課題検討会ですべての回答がなされるものではございません。  ただ、区では、既に出されております区長要望、それから、この間さまざまな形で明らかになった区民の意見というものをあらかじめ課題検討会で明らかにして、その上で課題検討会でのご意見をいただくという考えから、冒頭で区長要望に対する現時点でのできる限りの見解を求めてまいりました。また、そのように、第一回の課題検討会では国、都も一定の回答があったものでございます。ただ、これが最終形とは考えてございません。  次に、流動保全工法のデータについてのお尋ねでございますけれども、これにつきましても、先ほどご答弁したように、区ではこの施工データを求めてございます。その内容が次回の課題検討会では明らかにされているものと考えてございます。  不十分であれば課題検討会をさらに継続するかというお尋ねでございますが、これにつきましては、国は当初、二回の課題検討会を予定してございます。ただ、区では、先ほど申し上げたように、十分な議論が尽くされるべきであること、それから、区長要望をあらかじめ明らかにし、これをきちんと踏まえた上でのご議論をいただくということから、第二回の課題検討会につきましては午前中から夕方まで、これはご負担をかけますけれども、そのような日程といたしました。流動保全工法に限らず、意見が仮に出尽くしていないという状況であれば、区として第三回の開催を求めることはあり得ると考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(長田 斎)登壇〕 ◎高齢者担当部長(長田斎) 私からは、介護職員の人材確保に関する再度のお尋ねにお答えいたします。  現在、介護サービスに従事する方々、施設の方も居宅サービスの方も含めて極めて厳しい状況にあるということは認識しております。この問題については、何よりも適切な介護報酬が設定されるということが重要というふうに考えておりますし、国においては、さらに、さまざまな書類の簡素化というようなことで、実務の負担を少し軽減するというような取り組みもなされているというふうに聞いております。  そういった国の取り組み等を踏まえて、区としては、従来からやってまいりました研修、いわゆるスキルアップの支援を中心にしながら、そのほか必要な施策について十分に検討してまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、三井グラウンド開発に係る基本構想の情報公開請求の再度のご質問にお答えいたします。  まず、既に工事が完了している時期に当たって、初期段階の情報をもう出せるんじゃないかということですが、この初期段階の協議手法につきましては、この工事に限らず、事業者が一般的に開発を行うという場合の初期段階の他事業者との間の戦略的ノウハウだというふうに考えておりますので、この時点でも事業者に著しい不利益を与える情報だというふうに考えています。  また、その情報は条例六条一項第三号のただし書きに該当するのではないかということですが、これにつきましても、開発後引き続き避難場所としての機能が確保されるということから、情報公開・個人情報保護審査会からも、これには該当しないという回答を得ているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕 ◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、けしば議員の民間委託に関しての再度のご質問にお答えいたします。  まず、なぜ随契かというお尋ねでございますが、この資源回収の委託につきましては、これまでの平成十二年の移管時での事業者との確認事項を含めて、安定的あるいは継続的に収集・運搬事業を実施していくために、区内事業者を中心として、おおむね十五社程度になろうかと思いますが、これで構成されます環境衛生事業協同組合の杉並支部というところと契約をしているところでございまして、この契約方法自体に問題があるというふうには考えてはございません。  それから、二点目の派遣労働者の件でございますが、派遣労働実態があるというのは十分承知をしております。ただ、区の業務として従事していただく中で、区民から見た場合に、同一の業務でそれぞれ違った明示をしていくということが本当にいいかどうかということにつきましては、極めて疑問を持っておりまして、先ほどご答弁申し上げたとおり、議員ご指摘のような対応をとるということは考えてございません。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。  五番市橋綾子議員。      〔五番(市橋綾子議員)登壇〕 ◆五番(市橋綾子議員) 私は、区議会生活者ネットワークの一員といたしまして、一、障害者のグループホームについて、二、在宅介護における家族支援について質問いたします。  先ごろ、知的障害者やダウン症、発達障害者の保護者会、家族会の方たちが障害者自立支援法の抜本的見直しを求める集会を開き、その中で、施設から地域に移行して自立した生活をするには、身近な地域での居住の場が絶対的に少ない現状を訴えました。  また、障害者計画の策定に向け、障害者の自立した地域生活の実現と新たな障害者施策を検討している東京都障害者施策推進協議会が障害者の地域生活を進めるための提言をまとめたとの報道がありました。家庭からグループホームへの移行はあっても、入所施設からグループホームへの移行が進んでいない現状が述べられており、施設入所者がグループホームなどに入居する仕組みが必要としています。  このように、地域での居住できる環境整備が大きな課題になっています。  障害者自立支援法が全面施行されてから丸二年がたとうとしていますが、当事者はもちろんのこと、保護者の方たちの努力だけではなかなか自立に結びつかないこの法律に対して、抜本的見直しの訴えが大きいのもうなずけます。この法で掲げている障害者の自立した生活は、就労、住まいなど地域の受け皿としての整備がなければ成り立たないことは明白です。今回は、住まいの一つであるグループホームについて、中でも主に知的障害者のグループホームについてお伺いします。  本題に入る前に、まず、区の障害福祉計画について伺います。  二〇〇六年にスタートした障害者自立支援法により、自治体は障害福祉計画の策定を義務づけられました。杉並区においては、昨年三月に、第一期である来年二〇〇九年三月までの障害福祉計画を策定し、現在、二〇〇九年四月からの第二期の計画改定の作業が行われ、素案がまとまったと伺っています。区として、第一期の総括、また次期計画の目標及び特徴は何か、お示しください。  次に、障害者のグループホーム全般について、三点お尋ねします。  住まいは日中活動以外の主要な時間を過ごす場所です。障害者の地域で自立した生活を保障するには、支援のある住まいの整備を進めていくことが必要です。グループホームは、少人数で日常生活の支援を受けながら、一般の住宅で地域に溶け込みながら生活できる住まいの形態をいいますが、障害福祉計画の中でこのグループホームをどう位置づけておいででしょうか、お尋ねします。  また、設置目標数、現時点での実績、収容総数は目標を達成しているのかについてもお示しください。  さらに、都外近県の施設を区が借りて区民が利用しているグループホームが複数あると聞きますが、この実態を区は把握していらっしゃるでしょうか、あわせてお伺いします。  続きまして、杉並型グループホームについてお伺いします。  杉並区には、杉並型と呼ばれる知的障害者の訓練型グループホームが五寮あります。訓練型というのは、施設などを出て地域で生活するための訓練の場で、入居期間は三年以内とされています。杉並型の特徴は、自立支援法のグループホームでは定員四人から七人に世話人一人の配置のところ、杉並型は定員三人に一人の配置になっていることが挙げられます。手厚いサポートがある杉並型の機能は、施設や学校からグループホームに移る場合や、保護者がグループホームに不安を持っている場合などに、滞在型グループホームに入居のための訓練ができる住まいとして重要です。  今後、グループホームを増やす計画の中で、区内にある既存のグループホームを自立支援法に切りかえた場合、定員三名に世話人一人という杉並型の手厚いサポートはなくなるのではないかと心配する声があります。自立支援法におけるサービスに移行しても、杉並型グループホームの機能は担保されるべきと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  四つ目としまして、グループホームの世話人についてお尋ねします。  グループホームには、作業所や勤め先から帰宅した居住者の生活をサポートする世話人がいます。世話人は一人体制で、早いところで午後三時から翌朝の午前九時の間、居住者と一つ屋根の下で寝起きを共にし、食事の提供、健康管理、金銭管理の援助、日常生活に必要な相談、援助、自己決定を尊重する支援、危機対応、役所からの書類のチェックなど、さまざまな業務をこなすことが求められます。  グループホームの管理責任者には資格、経験、研修が求められている一方で、世話人に対しては、ほとんどが何の資格、要件も要りません。世話人には常勤と非常勤がいますが、業務の中身は変わりません。また、常勤と非常勤は顔を合わせて情報交換をすることがほとんどなく、お互い戸惑いを感じながら働いている実態があり、グループホームで働く世話人にとって、相談ができる体制、情報交換の場、そして研修は必要なものになっています。  やなぎくぼ、すだち、オブリガードの三つの支援センター共催で行われている世話人情報交換会は、世話人にとって、情報交換の場としてだけではなく、仕事上の悩みを相談できる場としても重要な場になっています。しかし、情報交換会は、世話人の勤務時間内に仕事を抜け出して参加できる体制がとれない状況から、勤務時間外に開かれ、出席したからといって対価は支払われてはいません。ほとんどの常勤の世話人は参加していますが、非常勤の参加がないのが実情と聞いています。同じ仕事を担っているのですから、常勤だけではなく非常勤の参加も必要でしょう。  研修については、世話人の仕事につく前、始めて三カ月から六カ月くらいの初任期、なれてきたころの現任期、この三つの時期に行われることが望ましいと言われます。
     以上、グループホームの世話人の問題をるる述べましたが、障害者が二十四時間安心して暮らせる仕組みづくりを目指しておられる区として、このような世話人の状況を把握していらっしゃるでしょうか。世話人の研修についても区としての支援が必要と考えますが、いかがでしょうか、あわせてお尋ねします。  五つ目として、今後のグループホーム設置についてお尋ねします。  区は、グループホームを計画的に設置していますが、新設の際、物件探しやマンパワーの確保などが難しく、かなり時間を要すると聞きます。現在、東京都育成会、いたるセンター、済美会、同愛会、NPOゲンキふじグループの五つの法人と支援センターすだちがグループホーム立ち上げ支援プロジェクトをつくり、グループホームの増設に向けて自主的に活動しています。空き家情報を入手することが難しい状況があることを区として認識しておられるのか、お尋ねします。また、グループホームの設置について具体的にどう支援していかれるのか、お示しください。  現在は、空き物件があったところにグループホームを開設している状況と聞いています。今ある作業所や通所施設に通いやすいところに、住まいであるグループホームがあるのが望ましいと考えます。区として、どの地域に設置するのかという場所を含めたグループホームの設置計画が必要と考えますが、いかがでしょうか、お答えください。  グループホームについて最後の質問です。グループホームの課題解決、また充実に向け、三点お伺いいたします。  グループホーム入居者の生活を支えるには、利用者とかかわる人、例えば通所先、家族、福祉事務所、世話人、相談支援事業所など、これらが連携し、継続した生活の支援をしていくことが大事だと考えます。特に、区と相談支援事業所との連携がもっと必要だと思いますが、いかがでしょうか、お伺いします。  区は昨年、障害者が地域で自立し、生活ができるまちをつくるためのネットワークの中核として地域自立支援協議会を設置し、現在、相談支援部会と地域移行促進部会が動いていると伺いました。相談支援については、やなぎくぼ、すだち、オブリガードの三つの生活支援センターと、いたる相談室、SUGI-COの二カ所の相談事業所が担当しています。相談事業所は、今後あと二カ所の計画となっています。相談事業所の増設に向けて大事なことの一つ目は、身近にあることです。この点で、今後配置に当たっては偏りがない場所への配置を望みます。  二つ目は、総合性のある相談ができるところと、障害特性に対応して相談を受けられるところの設置です。やなぎくぼ、すだち、オブリガードは総合的に相談を受けると聞いています。相談事業所は、今後の相談者の需要を勘案して指定されることが期待されます。具体的には、精神障害の分野の増加が想定されます。発達障害児・者支援が、最近の国の検討の中でも区内の動向でも求められている状況があります。既に開設された二カ所の相談事業所は知的障害を得意分野としていますので、あと二カ所の相談事業所の開設については配慮、検討が必要であることを申し上げておきます。  以上述べてきたように、グループホームにはさまざまな課題があります。  まず第一に、人材の育成や住まいの質を高めることが望まれ、そのためにも、人材育成部会、住まいの場部会の早期設置が必要と考えます。今後の予定をお示しください。  第二に、課題解決の体制づくりとして、グループホームの設置、運営のガイドラインが必要だと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  障害者が自立するために、グループホームはなくてはならない住まいの一つです。都の所管であっても、区は充実に向けしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、その決意をお伺いして、次の質問に移ります。  在宅介護における家族支援についてお伺いします。  国が行った調査によると、介護を抱えている六十歳以上の人の割合が、前回の調査より六・六ポイントアップして四六・三%に、また、八十歳以上のいわゆる老老介護は一一・一%になったとの発表があり、介護にかかわる高齢者が増えている実態が明らかになりました。  昨年から年金問題や後期高齢者医療制度に話題が集中して報道される状況が続いている中で、再び見直しの時期を迎えている介護保険制度が埋もれてしまっています。当初、家族の負担を減らすための介護保険制度でしたが、二〇〇六年に行われた介護保険制度の見直しに合わせた運用により、同居家族がいるとサービスの利用が制限される事態になってしまい、介護保険制度が目指した、介護を家族だけで抱え込まず社会で支えるという理念とはほど遠いものになっています。  私ども生活者ネットワークは、これまでも高齢者と一緒に暮らす家族にスポットを当て、家族支援を訴えてきました。今回も家族支援についてお尋ねします。  まず初めに、保健福祉計画について三点お尋ねします。  一点目は、今年度、区は、第三期介護保険事業計画の見直しとともに、保健福祉計画も改定するとしています。現行の保健福祉計画に家族介護支援事業の推進が五つ挙げられていますが、この内容はどのようなものか、まずお伺いします。  二点目です。お尋ねした家族介護支援事業についてどのような総括がされたのでしょうか。そして、今回の改定の際に拡充する点、また新規事業のお考えはあるのでしょうか、あわせてお尋ねします。  三点目です。高齢者を在宅で介護している家族は、高齢者への虐待や介護者のうつなどの問題に日々直面しています。だれかに聞いてもらいたい、わかってもらいたいなど、助けを必要としている方たちがおられます。区は介護者支援をどうお考えでしょうか、お尋ねします。  二つ目、介護者サポーターについて三点伺います。  介護者サポーターとは、介護者が孤立せずに家庭や地域で暮らしていくお手伝いを行う介護者支援ボランティアのことです。二〇〇五年から区は、介護者サポーター養成講座を開いておられます。講座の目的は何か、内容について、受講者数を伺います。  二点目、介護者サポーター講座の修了生は、介護者の会にサポーターとして参加するだけではなく、介護者の会を立ち上げるなどの活動をしています。現在、介護者を支える介護者の会は区内十五カ所で開かれるようになりました。相談は基本的にケア24が担う部分ではありますが、介護者からは、家族の中に生じる細かい心のひだまでは、ケア24にいらっしゃる経験の浅い若い担当者に言ってもわかってもらえない、介護の経験をした人に聞いてもらいたいと、介護者の会を必要とする声が多く聞かれます。今後、一つ一つの会の内容を充実させていくためにも、介護者サポーターのフォローアップ研修も必要です。今後、区は、サポーターが継続して活動できるよう支援し、実際の活動については市民に託すというような体制が求められますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  三点目です。一つの介護者の会に少なくとも三人のサポーターが必要と聞いています。サポーターの養成が必要です。これまで培ってきた市民の知識と経験を生かしてサポーターの養成を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。  最後に、介護者を支える連携の仕組みについてお尋ねします。  高齢者への虐待や介護者のうつを回避するためにも、高齢者を抱える家族が介護者の会に参加することは有効なものと考えます。地域には、ケア24、NPO団体、民生委員などいろいろな団体が存在し、高齢者や介護者を支えていますが、おのおのが連携する仕組みがありません。目黒区などでは、保健師が家族会を紹介するだけでなく、一緒に会場に行くなど、家族会──家族会は、ここでいいます介護者の会と同様のものです。一緒に家族会に保健師が行くなど、家族会と保健師が連携して参加を促していると聞いています。区として、情報を発信し、共有するなどの連携づくりを支援することが必要と考えますが、いかがでしょうか、お尋ねし、高齢者の在宅介護に携わる家族のストレスや負担感を少しでも軽減させて、心のこもった介護ができるよう区が尽力くださることを期待して、私の質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。      〔保健福祉部長(遠藤雅晴)登壇〕 ◎保健福祉部長(遠藤雅晴) 私からは、市橋議員の障害者のグループホームに関するご質問にお答えいたします。  まず、区の障害福祉計画についてのお尋ねですが、今期計画の総括といたしましては、さまざまな課題はあるものの、総じて施策や基盤が順調に進んでいるものと評価してございます。また、改定作業中の次期計画については、一層きめ細かな障害者の自立支援施策を盛り込んでいきたいと考えております。  次に、グループホームの位置づけに関するお尋ねですが、障害者が地域で世話人等の支援を受けながら自立した生活を営むための重要な基盤として位置づけ、障害者のニーズに応じて計画的に整備を進めているところでございます。  次に、グループホームの設置数につきましては、目標数は二十年度に三十五カ所、これは実計上の数値でございますが、現時点の設置数は三十一カ所となってございます。また、収容総数の二十年度目標数は百九十一人、利用者の実数は十九年度末で百四十九人という状況でございます。都外にある障害者グループホームにつきましては、十三カ所に当区の障害者が入居されております。  次に、杉並型、訓練型のグループホームについてのお尋ねですが、訓練型、滞在型にかかわらず、福祉事務所や各施設から事前説明を行うとともに、入居時には個別の支援計画を作成し、日々の生活場面で適切な支援が行われる体制になってございます。今後、区内の五カ所の知的障害者の訓練型グループホームが法内施設に移行した場合でも、利用者がスムーズにグループホームの生活に移行されるよう、適切な支援がなされるものと考えております。  次に、世話人の資格要件等についてのお尋ねですが、世話人はグループホームで重要な役割を果たしていると認識しております。基本的には、各施設において、運営方針に基づき、管理者を中心に世話人に必要な研修や指導が行われております。  区といたしましても、可能な限り情報提供や研修時の支援等を行うとともに、事業者からの相談への対応などに努めているところでございます。今後も、関係者と連携しながら可能な支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、今後のグループホーム設置についてのお尋ねですが、ご指摘の状況、支援プロジェクトなどについては認識してございます。また、今後新たに設置される場合は、ご指摘の点も参考にしながら対処してまいりたいと考えております。  次に、グループホームの入居者の生活支援等についてのお尋ねですが、入居者の生活支援につきましては、相談支援部会や相談支援事業所連絡会等において、区と相談支援事業所との連携を図って進めているところでございます。  また、地域自立支援協議会の部会につきましては、既に設置している相談支援部会及び地域移行促進部会の中で、人材育成や住まいの場についてもあわせて検討を進めております。部会の検討を踏まえて、今後、グループホームの設置、運営のガイドラインの策定を予定しているところでございます。  最後になりますが、グループホーム充実についてのお尋ねがございました。今後とも区は、関係機関と一層の連携を図りながら、グループホームの計画的な整備、充実に向けて取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(長田 斎)登壇〕 ◎高齢者担当部長(長田斎) 私からは、在宅介護における家族支援に関するお尋ねにお答えいたします。  最初に、保健福祉計画における家族介護支援事業の推進についてのお尋ねですが、この事業は、認知症高齢者や要介護高齢者を在宅で介護している家族の不安や負担軽減を目的として実施しているもので、家族介護教室、家族介護継続支援事業、家族介護慰労事業、認知症家族会連絡会、認知症高齢者家族やすらぎ支援事業の五つから成るものでございます。  区はこれまで家族介護支援事業を推進してまいりましたが、特に認知症高齢者を抱える介護者の心理的な負担感の軽減や、介護者の孤立感の解消を図ることがさらに必要であると考えております。  そのためには、保健師等の訪問による家族介護支援事業や、介護経験者による認知症高齢者家族やすらぎ支援事業、介護者同士が支え合える認知症家族会連絡会などを充実させていくことが重要であると認識しており、新たな保健福祉計画においても、これまでの取り組みをさらに一層充実強化することにより、介護者の心の負担を和らげ、介護者のうつや虐待の防止に努めてまいりたいと考えております。  次に、介護者サポーターについてのお尋ねでございますが、介護者サポーター養成講座は、介護者の会の活動などを支援する人材を育成する目的で、区民を対象に平成十七年度から実施しているものでございます。認知症の正しい理解や介護者の心理などを学ぶだけでなく、介護者家族の気持ちを聞く力を身につけることなどを主な内容としており、本年度の講座を含め、これまでに五十九名の方が受講しております。  養成講座を修了した方は、介護者の会のサポーターとして実際に活動していただいており、さらに養成を進めていく予定ですが、サポーターとなった方たちが意欲を持って活動を続けていただくためには、継続的な支援が必要であると考えております。今後、実際に活動している方たちのご意見を伺いながら、適切な支援策について考えてまいりたいと存じます。  次に、介護者を支えるための連携についてのお尋ねでございますが、介護者の方が、介護者を支援する施策を利用し介護者の会にも参加するなど、地域で孤立することなく、在宅介護を安心して継続するためには、それぞれの施策にかかわる団体との連携が重要であると考えております。地域包括支援センター・ケア24には、地域においてそのような連携のかなめとしての役割を果たすことが求められておりますので、今後とも、ケア24における地域ケア会議等を通じて、介護者を支援する地域の団体や関係者等との連携の強化を図ってまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で市橋綾子議員の一般質問を終わります。  六番小松久子議員。      〔六番(小松久子議員)登壇〕 ◆六番(小松久子議員) 私は、区議会生活者ネットワークの一員として、低炭素社会に向けた取り組みについて、エコスクールについて、子ども・子育て行動計画について、以上三点質問いたします。  一番目の項目、低炭素社会に向けた取り組みについてです。  低炭素社会あるいは低炭素型社会というのは、炭素の使用の少ない、すなわち化石エネルギー使用の少ない社会の意味です。ここ最近よく耳にするようになり、ことし七月の洞爺湖サミットに向けたキャンペーンで福田首相が使用してから、温暖化防止を語る際のキーワードとして急速に広まってきました。これから質問する内容は、温暖化防止対策と言いかえてもよいのですが、温暖化社会の本質をより明確に、炭素に的を絞ったキーワードとして、低炭素社会という言葉を意識的に使っていこうと思います。  杉並区は、最初の環境基本計画を一九九六年に策定し、二〇〇〇年の基本構想、21世紀ビジョン策定を受けて、区民が創る「みどりの都市」杉並実現のためと位置づけて計画を改定されました。現在の環境基本計画は二〇〇三年から二〇一〇年までとされ、次の改定のための検討が先ごろスケジュール化されたところです。この総括の時期に当たり、環境基本計画に関連して四点質問いたします。  区長から環境清掃審議会に見直し検討が諮問されたと聞いておりますが、区として、現時点での環境基本計画についてできたことは何か、できなかったことは何か、一点目として評価と総括をお伺いします。  二点目です。四つの挑戦で、CO2排出量を九〇年度比で二〇一〇年度二%削減が掲げられています。区の計算によれば、二〇〇五年度時点の数値で一三%増加という大変厳しい状況となっていますが、達成の見通しはいかがでしょうか、お尋ねします。  三点目。家庭、業務など民生部門の割合の大きい杉並として、温暖化防止対策でできなかったことについては何が難しかったのか、どのように総括なさるのでしょうか、伺います。  さきの洞爺湖サミットでは、二〇五〇年に世界全体でCO2排出量半減ということが合意されました。これについて、日本は国として長期的な視野での環境政策が求められるのは当然ですが、同時に杉並区も基礎自治体としての長期政策が重要になると思います。しかも、長期とはいっても、今できることからとりあえず始めるという悠長な取り組みでは、この高い目標はとてもクリアできるものではありません。ゴールをきっちりと定め、そこへ向かう道筋を描き、設計するバックキャスティングの手法が求められます。四十二年後のゴール達成のために、そこから長期、中期、短期と繰り上げて現在をとらえ、今何をすべきかを導き出すことが必要と考えます。CO2削減達成のためのシナリオを描き、再生可能エネルギー導入を大きく推進させなければなりません。  区がこれから策定しようとしている改訂版環境基本計画では、CO2削減と再生可能エネルギー導入政策の比重を高めるべきと考えます。CO2の具体的かつ短期的な削減計画や再生可能エネルギーの導入目標の数値設定、その達成のための区としての具体策が求められると思います。区の見解はいかがでしょうか、四点目として伺います。  さて、東京都はことし環境基本計画を改定し、これに伴い環境確保条例が改正されました。大規模事業者に対しCO2削減を義務づけ、排出量取引制度を取り入れたこの制度は、国に先行する思い切った施策として評価したいと考えます。区はこのような都の政策をどうとらえておられるか、所見をお伺いします。  早速当区でも、該当する事業所は準備を始めていることと思いますが、この本庁舎も、原油換算で年千五百キロリットル以上のエネルギーを使用する大規模事業所に該当すると聞いています。  そこで質問いたします。実行計画の立案スケジュール、進捗状況はいかがでしょうか。また、他の区施設や教育委員会所管の学校など中小規模事業所を有する法人として、区は、温暖化対策計画書を取りまとめ、提出が義務づけられることになります。これら一連の立案についても、スケジュールと進捗状況はいかがか、お伺いいたします。  ところで、区は、地球温暖化対策法に基づいて地球温暖化対策実行計画を策定し、既に実践しておられます。これがすなわち都が今回求めている対策に相当するものなのかどうかがわかりません。地球温暖化対策実行計画と今回都が定めた条例に基づく対策がどう関連するのか、お尋ねします。  東京都のこのような動きを大規模事業者は社会の要請として受けとめ、環境配慮にさらに努めるようになっています。自力でISO14001を取得し、目標達成を目指せる大企業がある一方で、中小事業者の環境対策は遅れがちです。区内事業者の圧倒的多数を占める中小事業者こそ、区は環境対策支援の対象として力を入れるべきです。エコアクション21などの認証制度がもっと活用されるよう、区は取り組むべきではないでしょうか、伺います。  〇六年に区が策定した地域省エネ行動計画では、家庭での省エネ作戦として総合相談窓口の設置が挙げられ、さきの六月より実施が開始されました。議会でエネルギーカフェを提案した者として、その実現に一歩近づいたことでもあり、歓迎しています。省エネ行動はライフスタイルにかかわることであり、また、省エネ効果を高めるには住宅構造が大きく影響します。そのため専門家による適切な助言が有効で、相談から住宅の診断、さらに改修へとつなげることも必要になってきます。改築改修のときに、耐震の視点とともに省エネの視点も取り入れるべきですし、実際そのようなニーズは確実に増えています。消費者の立場に立った、安心して相談できる仕組みとして機能するよう、相談窓口の拡充に努めていただきたいと思います。始まって三カ月というところですが、これまでの利用状況はいかがでしょうか、伺います。  次に、再生可能エネルギーに関連して質問します。  石油や石炭、原子力などの限られた資源を消費することによって得られるエネルギーと違い、自然現象の中で新たに生産可能なエネルギー、再生可能エネルギーの導入を思い切って進めていかなければなりません。  もっとも、原子力に関しては、有資源であることより安全性に信頼が持てないことのほうが問題としては重大なので、もとより推進する立場にないことは申し上げておきます。  さて、その再生可能エネルギー推進事業について、区は太陽光発電システム機器設置助成に取り組んでこられました。現在までの設置実績はいかがか、それをどう総括なさるでしょうか。  また、設置した機器の発電量を把握しておられるでしょうか。助成した後のフォローとして、発電量を把握し、削減できたCO2量実績などを、区民に向け見える形でアピールすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  せんだって、東京都が太陽光と太陽熱エネルギーの利用拡大施策を打ち出したところですが、経済産業省も中小企業を対象に太陽光発電導入支援を強化すると発表しました。国が一時期設置助成制度を打ち切ったときにも杉並区が助成を継続してこられたことは、要望した生活者ネットとして評価するものですが、杉並区としては、都や国のそのような取り組みをどのように評価するか、お聞かせください。  ただ、再生可能エネルギーを拡大させるためには、今の太陽光発電システム機器設置助成制度だけでは不十分ではないのでしょうか。また、助成だけに終わってしまい、その後のフォローがないことは余りにも残念です。既に設置した世帯同士が情報交換できるようネットワーク化を促す、体験談の発信の場を設けるなどの施策が求められるところです。設置者がグループ化されることで、技術的あるいはシステム上の改善などをメーカー側に働きかけることもしやすくなり、自然エネルギー関連の市場を活気づけることにもなると考えます。区の取り組みを求めますが、いかがか、お尋ねします。  区内の太陽光の発電量や太陽熱利用機器による省エネ実績を見せる、発信するということを、区はこれまでしてこられませんでした。市民の活動として設置者同士によるネットワーク組織が既にあり、ある団体のホームページでは、世帯ごと、月ごとの発電実績が、もちろん個人情報は伏せて掲載されています。効果が見えることで区民の設置動機を引き出すことにつながると考えます。区としてもこのような工夫をされてはいかがでしょうか、伺います。  区では、エネルギー消費削減の取り組みにより、九九年度比で年間一億円以上の経費削減を実現しておられます。生活者ネットの提案で、この庁舎にもポスターでグラフにして掲示されるようになりました。確認の意味で、ここ数年の削減額をお示しください。効果が見えるということは、先ほども申しましたが、大変重要なポイントです。これをさらにもう一歩進めて、削減できた経費を環境インフラ整備、例えば太陽光発電パネル設置を区内に拡大するなどのために振り向けることはできないでしょうか。その基金として有効活用されてはいかがかと思います。ご所見をお聞かせください。  一般区民にとって、省エネすることで経済的プラス効果になることなしにCO2排出削減を実現することは、もはや困難と言わなければなりません。炭素に価格をつける、そして炭素消費を減らす方向へ誘導するという国の思い切った政策が今必要なのです。また、環境への貢献意識を投資に生かすような仕組みもあってしかるべきです。自然エネルギー促進などのためインフラ投資をしたいと考える区民の意思を生かす道が考えられないものでしょうか。  山梨県都留市で、市民参加型ミニ公募債を活用して小水力発電所が動き出したというケースが、そのヒントを与えてくれます。杉並で水力は難しいにしても、そのような仕組みとして、市民ファンドの設置や公募債の発行を検討されることを要望しておきます。  低炭素社会を目指した取り組みは、区として喫緊の課題のはずです。全庁で取り組むため、組織の見直しを検討される必要があるのではと考えます。所見を伺います。  ところで、温暖化防止条例を独自に制定する自治体が増えてきたのは注目すべきことです。人が生活し、活動すると必ずCO2が排出されるのであれば、身近な自治体で地域全体の総合的な対策が求められると思います。当区が地域省エネビジョン、地域省エネ行動計画を策定したのは、生活に身近な自治体として、地域政策の重要性を認識されてのことと考えます。この際、国の政策を待つのでなく、地域としてのエネルギー政策を持つことや、低炭素社会と資源循環型社会を一体的につくり上げていくことを区から発信することも、次のステップとして検討すべきときではないでしょうか。温暖化防止の単独条例を制定することは、区が温暖化対策に真摯に取り組む意思を示すという強いメッセージになります。環境先進都市杉並区として温暖化防止条例の制定を検討くださるよう最後に要望して、同じく環境に関連したテーマ、エコスクールについての質問に入ります。  区は、建築や環境問題にかかわる学者、専門家、市民活動団体代表、小中学校の校長などをメンバーとしてエコスクール化検討懇談会を設置され、昨年の報告書に続いて、第二次検討報告書を先ごろ出されました。一年前の報告書は施設のハード面についての検討でしたが、第二次は「既存校におけるエコスクール化」と副題にもあるように、視点を変えておられます。  また、エコスクールは、施設と環境教育、環境配慮行動の三本柱ということが強く打ち出され、賛同するものです。ことし改定された教育ビジョン推進計画において重点事業に挙げられているエコスクールの推進がこの三本柱を指していることは申すまでもないでしょうが、環境教育ということでは、従前より学校教育の中で取り組みがされてきました。それを今、エコスクールを重点事業として位置づけ、取り組むことの意味とその目標、ねらいは何か、最初にお伺いします。  そして、今回の報告書を区はどのように評価なさるのか。二番目の質問です。  続いて二点、関連して伺います。  報告書では、既存校の断熱、緑化、自然エネルギーの利用、省エネなどのエコ改修メニューが示されました。既存校でCO2排出量削減を効果的に進めようとするなら、ハード面での改修が必要となります。耐震改修との兼ね合いや生涯CO2排出量を考慮した上で、各校ごとの改修スケジュール化が必要ではないでしょうか。これが一点目。  また、学校職員への意識啓発の必要が報告書で指摘されています。ISO14001の要求に適合するためにも、すべての教職員、給食調理員などが環境配慮行動を徹底するよう啓発が必要と思います。学校施設の使い方、グリーン購入のガイドなどを含め、マニュアルの作成が求められますが、いかがでしょうか。  以上二点伺って、環境教育についてお伺いします。今回の質問の主眼です。  区内の小中学校ではこれまでも、エコスクール推進事業として、保護者、地域の人たち、環境活動NPOなどの協働による環境教育が実践されてきました。どのような実践がされてきたのか、それに対し、区はどのように評価しておられるのか、また、これまでの実践から見えた当区における環境教育の課題は何か、お尋ねします。  さて、報告書ではキッズISOの認定取得が奨励されています。区内のこれまでの取り組み状況、そしてその成果はいかがでしょうか。今後さらに取り組みを充実させていくことが望まれますが、区のお考えはいかがか、伺います。  また、環境教育を進める体制のあり方について、報告書では具体的に提案されました。環境学習を担う推進組織、すなわち、学校、学校外の専門家、環境教育推進のためのコーディネーターで構成する、例えば環境教育推進委員会というものがそれです。環境教育は授業の内容にかかわっていくことであり、もしこの組織をつくるとすればどのような体制で進めていくべきとお考えか、見解を伺います。  エコスクール化に向けた環境教育ということでは、今現実に活動の実績を踏んできている学校の状況を、推進体制を考える上で参考にすべきと思います。環境教育の知識や経験のある人が身近にいない学校現場では、その進め方について戸惑いや混乱が起こりがちであり、完璧なマニュアルがあれば万事うまくいくというものではありません。済美教育センター、杉並教育研究会の環境教育部会、区内の環境教育、エコスクールづくりの学習にかかわっている環境団体、まちづくり団体などが協働する形での体制がつくられることが望ましいと考えます。いかがでしょうか、区の見解を伺って、三つ目の項目、杉並区子ども・子育て行動計画の質問に移ります。  杉並区子ども・子育て行動計画は、次世代育成支援対策支援法に基づく行動計画として二〇〇五年に策定され、今の前期計画は二〇〇九年度までとなっています。計画見直し、すなわち後期計画策定を視野に入れる時期となり、その検討に入っていると聞きます。せんだって保護者対象のニーズ調査の報告もされたところですが、質問の一番目として、どのような体制、方法で検討され、そのスケジュールはいかがか、あわせて伺います。  見直しに当たっては、今の計画の評価、検証が必要です。区は、計画そのもの、そしてそれに基づく実績をどのように評価なさるでしょうか。  また、この間の社会情勢や子どもと子育て環境の変化をとらえ、課題を抽出する必要があります。課題は何ととらえておられるか、続けて伺います。  今回の見直しでは、ワーク・ライフ・バランスについての検討が重点課題として挙げられているとのことです。そこで、この点に関してお尋ねします。  ワーク・ライフ・バランスがクローズアップされたこと自体は評価するものですが、問題は事業者です。事業者の積極的な取り組みがなければ難しいのが現実です。事業者の代表として、杉並区の状況についてまず伺います。  今年度より育児短時間勤務制度が始まったところですが、区は、未就学児を持つ職員に対して、この制度がすべての職場で利用できるように配慮するべきと考えます。いかがでしょうか。  そして、区内事業者に対してワーク・ライフ・バランスについての働きかけが必要と考えます。区として具体的に考えている対策はあるのでしょうか。以上二点、伺います。
     続いて、子育て応援券について、五点お伺いします。  まず一点目です。子育て支援の切り札として打ち出された子育て応援券は、スタートして一年以上経過したところで、成果と課題が明らかになってきたのではないかと思います。区の見解はいかがでしょうか。  二点目。登録事業者数が増えるにつれ、親子参加プログラムとして英語教室や音楽教室、スポーツ教室、幼児向け学習塾などの事業も対象になるなど、子育て支援の趣旨が拡大解釈されてきている状況が見られます。幼児教育推進を一概に批判することは避けたいとは思いますが、明らかに当初の方針から逸脱しつつある面も見られます。区として事業者向けに事業内容について指針を示しておられると思いますが、いかがか、確認のため伺います。また、区は、このような状況に対しどのような見解をお持ちでしょうか。  三点目。子育て応援券事業は、地域にとっては子育てを応援するまちづくりを進める事業であり、親自身もサービス提供者になるなど、区民主体の子育て活動が広がることを期待して始まったと理解しています。この点について成果はあったのでしょうか。区はどのようにとらえておられるか、お伺いします。  四点目の質問です。ひととき保育事業では、応援券がスタートして以来、子どもを預けることが容易になった分、キャンセルも多く、本当に必要な人がサービスを受けられないという状況が生じていることを以前指摘しました。何か対策は講じられたのか、改善されたのでしょうか、伺います。  五点目。子育て応援券は、零歳から五歳までの子どもがいる世帯に対し、子ども一人当たり六万円ないし三万円分のチケットが配布されるという思い切った施策であるだけに、他の世代から不公平ではという声が聞かれることがあります。子育て世帯が他のすべての世代から温かいまなざしが向けられるよう、子育て応援券の仕組みを常に検証する必要があります。区の見解をお尋ねします。  続けて、子どもが育つ地域をどのようにつくるかという観点から伺います。  子どもが伸び伸びと生命力豊かに育つ地域を私たちはつくる義務があります。それには、かつてあったような地域の子育て力を回復させ、コミュニケーション力を高めるような仕掛け、施策が必要です。預け合いや子育て支援事業立ち上げを促し、さらに区はそれを支援すべきと思います。いかがでしょうか。  杉並で実施されてきた子育てネットワーク事業は、地域で子どもにかかわる施設や関連団体などがネットワークする仕組みです。これまでの活動を区はどのように評価なさるか、お伺いします。  子ども・子育て行動計画は、杉並区子ども・子育て将来構想実現のための課題別計画とされていますから、子育てよりも子どもを先に置いた将来構想とした、その理念が反映されていなければなりません。現在の計画は多分に子育て部分に手厚く、子ども自身の育ちを応援するという側面が弱いと感じます。見直しに当たっては、一人一人の子どもを尊重し可能性を広げる、虐待などの権利侵害から子どもたちを守る、目標に対する施策をぜひ打ち出していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  当区では、虐待防止の意味から、子ども家庭支援センターを調整機関として、要保護児童対策地域協議会が設置されていますが、今後さらなる強化が必要です。区の見解を伺います。  子どもを主と考えれば、待機児をゼロにするための規制緩和や保育環境の悪化など、福祉が低下されてはなりません。子どもの最善の利益が優先されなければならないと考えます。区の考えはいかがか、お伺いします。  さて、計画の見直しに当たり、区は、保護者と子ども、二種類の調査を実施されました。質問の最後に、この調査に関連して伺います。  保護者の調査報告書を拝見して感じたのは、数値が実態を正確に映し出すとは限らないのではないかということです。したがって、その結果分析には、時に専門的知見による考察が求められます。子ども対象の調査も行われたようですが、このような点に考慮する必要があると思います。お考えを伺います。  四年前の区の調査では、子どもの自己肯定感について、八六・二%の小中高校生が、「自分が認められていると感じる」という結果が出ています。しかし一方、東京都が〇六年に実施した思春期の心理と行動に関する意識調査においては、全く別の結果が報告されています。都立高校生と都内公立中学生を対象に実施したものですが、不安、抑うつ感が高く、自己肯定感が低いという結果で、ちなみに、他の自治体調査でも、自己肯定感の低さがあらわれています。杉並区の子どもが特別とは考えにくく、設問の方法によるものと思われます。実態を正しくとらえない限り、構想でうたわれているような一人一人の子どもを一人の人間として尊重する施策を打ち出すことはできません。  生活者ネットワークは、四年前の調査のときにも、子どもの実感調査が必要だと述べました。今後実施される調査において、設問の仕方などを精査し、子どもたちのリアルな実態があぶり出されるよう、また、子ども自身の実感が大人である私たちに理解できるよう工夫されるべきと考えます。見解を最後に伺い、杉並区子ども・子育て将来構想で描かれた将来像、子どもたちが自らの可能性を広げ、存分にその力を発揮していけるまちの実現を願って、私の質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 小松議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、議員からお話がございました低炭素社会に向けての幾つかのご質問にお答えいたします。  まず、杉並区の環境基本計画の評価と総括ですけれども、これまで杉並区としても、今ご指摘いただきました太陽光発電システム機器の設置助成、レジ袋有料化条例の制定、またマイバッグ運動の展開、プラスチック製容器包装の資源回収、キッズISO、さまざまな取り組みをやってきまして、それらを通じて一定の目標を達成してきておりますけれども、CO2の削減目標については、ご指摘のように排出量が大幅に増加しているため、現時点では平成二十二年度までの目標達成は厳しいというふうに認識をしております。  杉並区では、ご指摘のように家庭・民生部門の割合が大きくて、生活スタイルそのものを変えていかないと、CO2の削減ということは非常に厳しいだろうというふうに考えております。そういった課題をこれからどう解決していくかということも、今後のこの改定の一つの大事なテーマではなかろうかと思います。  ただ、私は、CO2の削減目標を余りリジッドに目標を掲げるということはどうなんだろうという疑問を最近持っていまして、まずこの問題点は、一九九〇年を基準にしているという、なぜ一九九〇年なんだというところですね。ヨーロッパにはプラス、日本やアメリカには損というこの年代を基準にしていること。  それから、この間アラスカ大学の北極圏研究センターの研究者の人たちと議論しましたけれども、確かに温暖化は進んでいるけれども、温暖化の主原因がCO2だという科学的根拠はまだないということであって、温暖化の原因は、アラスカ大学の研究によると、これは地球のバイオリズムで、小氷河期であった一四〇〇年から一八〇〇年ぐらいまでは寒かった、そこからだんだん暖かくなってきている、現に氷河は一八〇〇年代からどんどん後退してきていると。こういった状況などを見てみると、IPCC(政府間パネル)の議論は役人の議論であって、科学者はその中には主体的には入っておりません。  そういった中で、CO2そのものにすべて集約をして目標を設定していくということは、それが科学的かどうかということは、また頭を冷やして考える必要があるなというふうに思っておりますが、一つの指標であることは事実だというふうに認識をしております。  仮に杉並区が一九九〇年を基盤として二%削減するということであれば、現在まで一三%増えていますので、一五%減らさなきゃいけない。本当に一五%減らすとなると、一週間に一日間区民全員が電気をつけない、電力を使わないということを示しているのでありまして、これが本当にできるのかということ。それから、政府間パネルの中では、アメリカ、インド、中国というCO2の六割以上を排出している国々が不参加である、日本はわずか五%ぐらいの排出量で、さらにそこで厳しい目標を設定されているというような状況であるということで、本当にCO2が原因であっても、今の枠組みというのは多くの問題点を持っているというふうに思っております。  いずれにせよ、私は、CO2に全部収れんするのには無理があるのではないかと思いますが、しかし、現在石油高騰などを見ておりますと、当然ながら、この機会をうまく活用して、石油に頼り過ぎている今の社会を大きく転換するチャンスでもありますし、また、資源を省資源にする、再利用を増やす、また、みどりが削減状況にあるものを増やしていく、また省エネルギー社会をつくっていく、こういったことに幾つかの指標をつくっていくということも私は大事じゃないか、こういうふうに考えております。  いずれにせよ、現在新たな環境基本計画の改定作業を環境清掃審議会に諮問しておりますので、その中で十分議論していただければと考えておりますし、ちょっと長々とご答弁させていただきましたが、議会の中でも十分いろいろな研究をしていただきながら、多方面からご意見を賜ればというふうに考えております。  私からは以上です。残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 環境清掃部長。      〔環境清掃部長(原 隆寿)登壇〕 ◎環境清掃部長(原隆寿) 私からは、低炭素社会への取り組みについての残りのご質問にお答えいたします。  まず、都の環境確保条例の改正に関するお尋ねでございますが、今回の条例改正は、地球温暖化に伴う気候変動対策として、CO2を初めとする温室効果ガス排出量の大幅な削減を制度化するとともに、省エネルギー対策の徹底を図るなど、低炭素社会を実現していくため一定の意義はあるものと考えております。  また、条例改正に伴う区の対策でございますが、ご指摘のとおり、区役所本庁舎や学校を含む一定規模以上の出先施設は条例の対象となりますが、現時点では、条例の実施に関しての取扱基準などが明らかになっておりません。  今後、都の動向を見きわめつつ、基本的な考え方や数値など具体的な内容が示された段階で、ご指摘のような地球温暖化対策実行計画や環境マネジメントシステムとの関連なども含め、必要な対策を講じてまいりたいと存じます。  次に、中小事業者に対しての環境対策支援についてのお尋ねでございますが、区では、区内事業者に対する環境配慮行動の拡充を図るため、平成十七年度からエコアクション21などの環境マネジメントシステムの認証取得に要する経費の一部を助成しております。  今後とも、環境マネジメントシステムの導入あるいは構築セミナーの定期開催など、多くの事業者が利用できるよう周知に工夫を凝らし、広く普及啓発に努めてまいりたいと存じます。  次に、省エネ相談窓口についてのお尋ねでございますが、本年六月から原則として月二回、あんさんぶる荻窪と区役所ロビーにおきまして相談窓口を設置し、区民の方からのさまざまなご相談に応じているところでございます。  相談窓口の開始から八月までの三カ月間の実績でございますが、百十七件となっておりまして、相談内容も、住宅の断熱、太陽光発電、省エネ家電や緑化対策など多岐にわたっております。今後とも、相談業務を通して省エネ対策の普及啓発に努めてまいりたいと存じます。  次に、再生可能エネルギーに関してのご質問にお答えいたします。  まず、太陽光発電システム機器の設置助成でございますが、平成十五年度から十九年度までの五年間で合計二百六十件の設置助成を行っておりまして、発電可能量は七百九十九・三一キロワットとなっております。着実に環境配慮への意識や実績が拡大しているものと考えているものでございます。  今後、再生可能エネルギーの一層の普及啓発を図っていくため、発電量やCO2の削減量などの効果について、積極的に情報発信をしてまいりたいと存じます。  次に、太陽光発電システム機器設置者のネットワークのお尋ねがございました。現在、NPO法人による設置者相互のネットワーク化が図られておりますので、区独自に取り組む考えはございません。  また、都や国の太陽光発電などへの支援強化の取り組みにつきましては、こうした再生可能エネルギーの利用拡大を加速させる取り組みとして評価できるものであって、区として、都や国の制度とあわせて一層の普及につながるよう、必要なPRに努めてまいりたいと存じます。  最後になりますが、太陽光発電あるいは省エネ効果につきましても、実績を検証の上、積極的に公表してまいりたいと考えております。  次に、区の省エネによりますコストの削減と有効活用に関してのお尋ねでございますが、区では、環境マネジメントシステムの実践によりまして、平成十一年度比で毎年度一億円程度のコスト削減を達成しております。こうした削減分につきましては、区の環境対策や新たな政策課題に充てておりますので、ご指摘の方策は考えてございません。  最後になりますが、低炭素社会づくりのための組織の見直しをしてはどうかというお尋ねがございましたが、環境先進都市として低炭素社会づくりに積極的に貢献していけるよう、今後の課題や施策のあり方について、環境基本計画の改定の中で検討していくこととしております。したがいまして、ご指摘のような点につきましても、必要に応じて考えてまいりたい、そのように存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 子ども家庭担当部長。      〔子ども家庭担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(玉山雅夫) 私からは、子ども・子育て行動計画に関する質問にお答えします。  子ども・子育て行動計画の見直しについてのお尋ねですが、現在、子ども家庭担当部を中心に四つの部会を設け、昨年実施した子育て支援ニーズ調査の結果や、子ども・子育て専門委員会で検討いただいた提言をもとに、事業の検討を行っております。計画ができた後、同専門委員会やパブリックコメントなどにより意見をいただき、修正を行った上で計画を策定する予定でございます。  ただ、スケジュールにつきましては、保健福祉計画に合わせて今年度中の見直しを目指しておりますが、行動計画の根拠法となります次世代育成支援対策推進法の改正が予定されていながら廃案となったままの状況でございますので、今後の国の動向を見ながら進めてまいりたいと存じます。  次に、子ども・子育て行動計画の評価についてのお尋ねですが、従来の仕事と子育ての両立支援中心の施策から、すべての子育て家庭を支援するという視点に立ち、全国的にも新たな試みである子育て応援券事業、ひととき保育の開設、地域大学での人材育成、また、子育て支援団体をつなぐ子育てメッセの開催などを実施してまいりました。一方で、引き続き保育所の定員拡大や虐待予防施策も積極的に展開し、子育て施策を充実してきました。これらについては、区の内外からも高い評価をいただいております。  ただ、ここ一年の急激な未就学児の増加や働き方の多様化による新たな保育需要が生じており、さまざまな資源を活用しながら、そのニーズにこたえることが今後の課題と認識しております。  続いて、子育て応援券の成果と課題についてのお尋ねですが、ご指摘の区民主体の子育て活動については、実際に子育て中の母親が児童館のサポートを受けながらグループをつくり、応援券事業者として活動を開始したり、これまで子育てに関連のない団体が子育て支援サービスを企画したりと、着実に地域での子育て活動は広がりを見せているものと認識しております。  一方、登録事業者の急増に伴い、応援券事業に対する理解に差があらわれ始めており、それがサービスの内容や質の問題につながっております。この事業が地域に根差していくためには、子育て世帯以外の方に温かく見守ってもらうことが必要であり、そのためには、サービスの質を向上するための方法を含め、事業全般について、子育て応援券推進懇談会などで検証していただきながら、必要な見直しを行ってまいりたいと存じます。  次に、応援券の登録事業者についてのお尋ねですが、毎月実施しております登録事業者説明会におきまして、応援券の趣旨、事業の内容について説明を行い、子どもの習い事はこの事業目的に合致せず、サービス登録はできないことを説明しております。応援券事業者として登録している事業者は、区の説明を聞いた上で、区が定めた登録ガイドラインの要件に合致するよう、親子で一緒に楽しんでできるようなプログラムをつくり、登録しているものです。今後とも、新たに企画されたサービスを登録する場合には、区の方針に沿ったものであるかどうか適切にチェックしてまいります。  次に、ひととき保育についてのお尋ねですが、平成二十一年度までに十カ所の開設を目指し、地域バランスを考えながら計画どおりの開設を進めておりますが、需要が多く見込まれる地域について、さらに一カ所増設して定員増を図ることにより、より多くの方が利用できるようにしております。  また、緊急に利用したい方の対応策等につきましても、運営事業者による事業者連絡会などを開催し、各施設の運営方法などについて相互に情報交換を行ってもらいながら、効果的な方法を相互に取り入れる等、柔軟な対応策を考えていただいております。  次に、子育てに関する地域力を高めるための施策についてのお尋ねですが、現在も、一部地域の母親クラブが児童館を利用し、子どもを預け合っている例や、応援券事業者として子育て当事者同士がグループをつくり、そのグループ支援を児童館で実施している例もあります。このような子育て当事者同士の活動を積極的に支援し、子どもが伸び伸び育つ地域づくりを進めてまいりたいと存じます。  次に、地域子育てネットワークの評価についてのお尋ねですが、このネットワークは、児童館を中心に四十の地域において、「出会い、ふれあい、支えあい」を合い言葉とし、町会、小中学校PTA、青少年委員、青少年育成委員など地域の団体と行政機関を構成員として活動しております。  活動内容といたしましては、イベントを通じての人のつながりづくり、子育て情報の提供・交換、困難な問題を抱えた家庭の個別の支援など、地域社会の連携や地域の子育て支援に寄与するさまざまな活動を行っております。このネットワーク活動によりまして、子どもを中心とした地域のつながりがより強まり、行政機関同士の連携が進み、地域の子育て力の回復に寄与しているものと評価しております。  次に、行動計画の見直しに当たって留意すべき視点についてお尋ねですが、まず、例として挙げられている、待機児童解消のために現在まで続けている、子どもの視点に立って良好な保育環境を整備するという視点をないがしろにする考えはございません。  次に、新たに計画する事業につきましても、子どもの最善の利益という視点に立って、子どもの育ちを支援するような事業を取り入れていきたいと考えております。具体的には、子どもたちの意見や発想を尊重したプログラムの実施や、中高生の自主企画の実施をサポートする事業といった子どもの可能性を広げる事業を推進していきたいと考えております。  また、虐待対策においても、家庭支援センターの機能強化を図り、子どもを確実に守るという視点に立って、適切に対応してまいりたいと存じます。  次に、行動計画見直しに当たってニーズ調査の数値のとらえ方に関するお尋ねですが、区としましても、ニーズ調査の数値は事業を計画する上での一つの基礎資料として活用しますが、その数値がすべてとは考えておりません。実際、区におきましても、調査結果を一面的に見ることがないよう、学識経験者や関係行政機関、区内の子育て支援団体などから成る子ども・子育て専門委員会において専門的な視点で見ていただいております。  最後に、子どもの自己肯定感の調査についてのお尋ねですが、杉並区の青少年実態調査における、「自分が認められていると感じるときとはどんなときか」との設問は、東京都の調査の、「自分を肯定できるのか」「満足しているのか」のような直接的に自己肯定感を尋ねるものとはやや異なった視点からの調査項目となっており、調査結果も異なったものとなっております。今後、青少年の自己肯定感について意識調査を行う際には、青少年の意識・実態をより的確に反映することができる調査項目について研究していきたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 行政管理担当部長。      〔行政管理担当部長(大藤健一郎)登壇〕 ◎行政管理担当部長(大藤健一郎) 私からは、職員の育児短時間勤務制度についてのご質問にお答えします。  本制度は、育児を行う職員の仕事と育児の両立を一層容易にするための環境整備として制度導入したものです。このため、必要とする職員がすべての職場で安心して取得できるよう、職場の協力体制のもとに、人的補完措置や取得しやすい職場の雰囲気の醸成に今後とも努めてまいりたいと存じます。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 区民生活部長。      〔区民生活部長(佐藤博継)登壇〕 ◎区民生活部長(佐藤博継) 私からは、ワーク・ライフ・バランスの区内事業者に対する働きかけについてお答えいたします。  ワーク・ライフ・バランスの推進には、各事業者がその趣旨を理解し、職場において実施していくことが大切です。区では、昨年度に引き続き、東京商工会議所杉並支部と共催で、企業経営者を対象としたワーク・ライフ・バランスの講演会を実施する予定です。  私から以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 教育長。      〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) エコスクールについてのご質問にお答えいたします。  初めに、エコスクール推進の意味と目標についてでございますが、区では、学校教育施設の緑化を推進し、みどりの保護、育成を図るとともに、自然環境への負荷を軽減したエコスクールの整備を行ってまいりました。これからは、エコ改修等による施設づくりとあわせて、環境配慮行動をより一層推進するとともに、環境教育をさらに充実するなど、ハード、ソフト両面からの取り組みが必要であり、このようなエコスクールでの生活を通して身近な環境から学び始め、地球環境の未来を考え、行動できる子どもへと育てていきたいと考えております。  次に、第二次エコスクール化検討懇談会報告書の評価等についてでございます。  この報告書は、今後区が目指すエコスクールのあり方について、施設づくり、学校運営、環境学習の三点を密接に関係させ、これらを総合的に進めることが重要であるとしています。また、さまざまな制約条件を持った既存校のエコスクール改修を進めるに当たり、学校の実情を考慮した手法が示されるなどわかりやすい内容になっており、大変参考になるものと評価をしております。  今後は、この報告書を参考に、エコスクール改修について早急に方針を定め、外壁補修等の必要な調整を行い、効果的、効率的に実施できるよう計画化を図ってまいります。  私からは以上でございます。残りの質問につきましては、済美教育センター所長よりお答えいたします。 ○副議長(小川宗次郎議員) 済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 私からは、小松議員の教育所管の残りの質問にお答えいたします。  まず、教職員や給食調理員などの環境配慮行動についてのご質問でございます。  区教育委員会では、平成十五年度に全区立小・中・養護学校等を対象に、環境ISO14001の認証を取得しておりますが、これは学校に勤務する教職員や給食調理員等にも適用されます。認証取得時に運用管理手順書を作成し、この中で、グリーン購入の手順、取り組むべき省エネルギー、省資源の内容、ごみ減量・リサイクルの手法等をまとめております。この運用管理手順書は、ご指摘のマニュアルに相当するものであり、それに基づき、教職員、給食調理員等学校に勤務する職員は、日常の環境配慮行動を実践しているところでございます。  次に、地域との協働による環境教育についてお答えいたします。  ご指摘のとおり、区立小学校の環境教育では、ビオトープづくり、みどりのカーテンづくりなどを初め、地域との協働によって取り組まれているものもございます。また、区内環境NPOによって作成された環境学習のカリキュラムや教材を活用している学校もあり、そのような実践を支援していきたいと考えております。  今後は、現在の実践例を踏まえ、区独自の環境教育指導の手引の充実や教材の開発、指導体制の充実などが課題であると考えております。  次に、環境教育を進める体制づくりについてのご質問にお答えいたします。  これまでも、本区における環境教育は、済美教育センターによる環境学習の手引の作成や専門家をゲストティーチャーとする授業の実施など、ご指摘のように、センター、杉並教育研究会、環境団体等さまざまな機関が学校と連携することによって進められてきました。当面は、それぞれの関係機関が相互に連携を深めていくことが重要と考えております。  最後に、キッズISOの取り組みについて申し上げます。  キッズISOは、平成十三年度に実施開始以来、取り組み児童数が延べ二万人を超えました。平成十九年度には区内の小学校全校が取り組み、二百四十人の児童が国際認定を受けております。家庭内の環境に関する話題が増えたり、環境への配慮行動が習慣化されたりする傾向が見られ、大きな成果が上がっていると認識しております。
     今後も本取り組みを充実し、進んで環境のことを考え、大切にする子どもの育成に努めてまいります。  以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 六番小松久子議員。      〔六番(小松久子議員)登壇〕 ◆六番(小松久子議員) 一点だけ、エコスクールの推進の仕方についての確認をさせていただきたいんですが、報告書では、質問の中でも申しましたけれども、環境教育推進のためのコーディネーターというようなものが必要なんじゃないかというような大変具体的な提案で、とても参考になるなというふうに読んだんですけれども、そのことについてどうお考えになるのか、そういうポストというものの設置についてどうお考えになるのかを確認させていただきたいと思います。  というのは、これまで環境教育はいろいろな形で既に実践はされてきていますけれども、今ここで改めてエコスクール化を進める、重点事業にするということで、重点事業として進めるに当たって、学校支援本部がそれを担うところだというように考えられている向きもある。向きもあるというのは、現場でそういうふうに受けとめられているところもあって、しかし、もしそうだとすると、学校支援本部というのは学校によってそれぞれ成り立ちも違いますし、力、現場の受けとめもいろいろあるわけで、いろいろな学校支援本部があるわけで、教育なのであるから、教育の指導という意味で済美教育センターがどんなふうに推進体制をリードしていくのか、イニシアチブをとっていくのかということが重要になってくると思うんですけれども、そうでないと、せっかくいいテキストをつくったりしても、それが宙に浮いてしまうのではないかというのを危惧するんです。  ですので、そういう意味で、環境教育推進のためのコーディネーターという記述がありましたので、ここの部分には注目していたんですけれども、そこについて区はどういうご見解をお持ちなのか、そのことについて一点だけお伺いさせてください。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 再質問にお答えいたします。  先ほどもご答弁申し上げましたが、当面、それぞれの関係機関がさらに相互に連携を深めていく、こうした中で、今ご指摘のような環境教育推進のための組織・体制づくり等について研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で小松久子議員の一般質問を終わります。  ここで午後三時三十五分まで休憩いたします。                   午後三時十六分休憩                  午後三時三十五分開議 ○副議長(小川宗次郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  十三番中村康弘議員。      〔十三番(中村康弘議員)登壇〕 ◆十三番(中村康弘議員) 本日は、杉並区議会公明党の一員として、BCP(業務継続計画)に関する質問を行わせていただきます。  BCPとはビジネス・コンティニュイティ・プランの頭文字で、行政機関を対象とする場合は業務継続計画、民間企業では事業継続計画との日本語訳が多く使用されています。災害時や緊急事態においてもいかに事業や業務を継続するかという考え方に重点を置いているところが従来の防災計画と異なっており、二〇〇一年の同時多発テロ以来、米国を中心に広まってきた危機管理の考え方であります。  地震大国と言われる日本、国土の面積では世界のわずか〇・三%にすぎませんが、これまでの十数年間でマグニチュード六・〇以上の大地震が発生してきた頻度では、全世界の二〇%以上がこの日本で起きています。六千人を超える死者、行方不明者を出した阪神・淡路大震災、近年では新潟県中越地震、能登半島沖地震、新潟県中越沖地震、そして、ことし六月の岩手・宮城内陸地震等、大規模な地震が我が国では多数発生しています。私たちの住む首都圏東京におきましても、マグニチュード七程度の直下型の地震が発生する確率が今後三十年以内に七〇%、五十年以内であれば九〇%という調査結果があり、いつ大災害に見舞われてもおかしくない状況にあります。  それぞれの企業、組織には、どのような状況であれ、必要とされる業務を遂行しなければならない、社会に対する一定の責任というものがあります。しかし、大規模な災害のときには自らも被災し、機能不全に近い状態となり、業務遂行に支障を来すような事態に陥ることも予想されます。  BCPでは、企業や組織において災害や事故等で大きな被害を受けても重要業務をなるべく中断させない、仮に中断しても、できるだけ早急に、あるいは許容される時間内に復旧させる、業務継続を実現するための戦略を計画します。優先的に継続、復旧すべき最重要業務を事前に特定しておき、バックアップ準備やリスクの軽減、事後の災害時応急対応、復旧手順の明確化、指揮命令系統の確保等の計画をあらかじめ立案し、被災の影響を最小限にとどめる、そしてその実現を可能にするために、被害状況と資源の活用状況を詳しく想定、分析した上で、事前対策を着実に実施していくことを定めます。  日本でのBCP普及の流れとしては、平成十七年八月に内閣府により事業継続ガイドラインが発表され、民間企業におけるBCPを策定する上での一定の指針が示されました。また、経済産業省からは、情報セキュリティーと中小企業の取り組みの観点からガイドラインが発表されています。  民間企業においては、本年、ある経営コンサルティング会社が、国内の全上場企業及び売上高五百億円以上の未上場企業を対象にBCPに関する調査を行ったところ、BCPを既に策定済みあるいは策定中と回答した企業は七八%で、二年前の同じ調査での四九%から二九ポイントも上昇しています。また、BCPの必要性を感じていると回答した企業は九六%にも上り、ここ数年でBCPに対する関心が大きく増大しています。  官公庁においても、国土交通省や財務省を初め、既に十七の中央省庁がBCPを策定、公表済みで、そのうちの十六省庁が本年の三月から七月の間に策定しているという、まさに今、BCPラッシュの様相を呈しております。  地方公共団体では、都道府県で三団体、区市町村では二・三%に当たる四十一団体が策定済みという状況で、まださほど浸透はしていませんが、東京都では先月七日に都政のBCP(東京都事業継続計画)の素案を発表し、パブリックコメントを受けた後、本年十一月の計画策定を目途に作業を進めております。  そこで質問をいたします。基礎的自治体として、子育て、教育、保健、医療、福祉、年金等、区民の日常生活に直結した行政サービスを提供する杉並区が、災害時にあっても必要な行政サービスの業務を継続しなければならないという区民に対する責任についてどう認識しているのか、所見をお伺いいたします。  また、予測不可能なリスクの発生懸念材料が最近は増加しているのではないかと私は感じております。地震以外でも、先月にはゲリラ的集中豪雨が東京都を初め全国で多数発生しました。新型インフルエンザやSARSのような人的資源の活動を脅かす疫病、情報通信機器に対するサイバーテロの脅威等、リスクの種類が増加しているのではないでしょうか。当区の業務活動に重大な影響を与える災害リスクの発生懸念について、区としての考えをお伺いいたします。  一方で、危機管理に対する区民の意識が向上すればするほど、当区の災害時の対応への期待感、要求度が高まります。最近の杉並区民の災害に関する危機意識について、区としてはどのように認識されているのでしょうか。  杉並区地域防災計画では、区民の協力のもとに、災害予防対策、応急対策及び復旧復興対策の実施に区が中心的な役割を担うことを定めております。しかし、こういった防災計画に加え、自らも深刻な被害を受けるということを合理的に想定して、その上で何ができるか、何をしなければならないかという業務継続計画の策定をする必要があると考えますが、区の所見をお伺いします。  次に、BCPの中身について伺います。  東京都のBCP素案では、マグニチュード七・三の地震が東京湾北部で発生し、都の防災会議が発表した被害想定を前提として、都民の生命、生活及び財産を保護すること、首都東京の都市機能を維持することの二つを計画の目標としています。都の総業務数二千八百九十二のうち六百九十七の業務を発災後すぐに業務に着手しないと、都民の生命、生活及び財産または都市機能維持に重大な影響を及ぼすため、優先的に対策を課すべき業務、これをAランクと定め、発災後二十四時間以内に復旧に着手し、三日以内に業務復旧を目標としています。そして、二百六業務をBランクとして、発災後一日から三日以内に復旧に着手、一週間以内に業務復旧させることを目標としています。そのほか、百六十五の業務をCランク、三日から一週間以内に着手し、三十日以内の復旧目標と定めています。これらのAランク、Bランク、Cランクの合計千六十八業務を非常時優先業務と分類しています。それ以外の千八百二十四業務に関しては、緊急性が低いという判断のもと、限られた資源をA、B、Cの業務に集中的に投入するという優先業務の実効性の確保に重点を置いた計画を立てています。  当区としましては、通常業務として行っている事務事業の数は、平成十九年度末で六百六あります。そのうちで災害時にも継続が必要な業務、また災害時に取り組まなければならない応急・復旧業務等で優先順位を明確にし、それらの実効性を確保する必要性があると考えますが、区としての考えをお聞かせください。  また、平成二十二年度までに、六〇%の事業がNPO等との協働、民営化や民間委託によって区役所以外の組織によって運営されることが目標として計画化されております。公共サービスの担い手の災害時の緊急対応、復興、そして事業継続の計画について、区としてどのように把握、また対策を推進されているのか、現状と今後の展開についてお聞かせください。  業務の優先順位を明らかにした上で、それを遂行するための必要な人員の確保と適切な配置、安否確認等を行う必要があります。東京都の素案では、災害時での参集人員を、勤務時間外に徒歩によって参集可能な人員で対応することを前提としています。当区においては、職員の居住地を考慮した上で、勤務時間外に災害が発生した際に、参集可能人員を時間帯別でどこまで正確に把握されているのでしょうか。また、災害時の非常時優先業務を遂行する環境として、非常時のバックアップの発電設備の体制を含めて、区庁舎等の施設の業務遂行拠点としての被災対策の現状と今後の取り組みについてお示しください。  続きまして、災害時における区の情報システム、ICT部門の業務継続の体制についてお伺いいたします。  二〇〇五年十一月一日に起きた東京証券取引所のシステムダウンは、オペレーションマニュアルの記入漏れが原因だったそうですが、発生直後はシステムトラブルの原因を特定できず、結局、午前中の取引が全面停止となり、企業や市場関係者にはかり知れないダメージを与える異常事態に発展しました。現代社会は、情報システム、情報通信技術、ICTに大きく依存している反面、当のコンピューターシステムは意外と脆弱性を抱えています。この点は災害対策についても同様です。  情報システムは、平常時からの業務継続の備えがないと、被害を受けてからの事後的な復旧に多くの時間を要してしまう特性が強い。また、区民情報等を失ってしまい、その回復に多くの時間を要してしまえば、甚大で回復困難な影響を区民に生じさせてしまいます。したがって、当区におけるICT部門のBCP策定の必要性は他の部門よりも高く、重点的に業務継続力をつけることの価値は大きいと考えます。そういった観点から、少々詳しくお伺いいたします。  現在、区の業務執行のための情報システムは、ハードウエアとしては、業務処理用と開発用のメーンフレームコンピューターが二台、ホスト系のサーバーが四十台近く、スイッチ系のサーバーが百台近く設置されています。専用LAN回線で接続されたホスト系の端末機が本庁舎と出先事務所を合わせて四百五十台近く、そして、オープン系として合計三千台近いパソコンが連日使用されております。また、ソフトウエアでは、大小合わせて四百近い業務処理アプリケーションが存在しています。さらには、年間数百万回にも及ぶデータ入力がコンピューター上で行われており、区民と区に関係する大切なデータが大量に保管されています。  基本的なご認識を伺います。区のこれらのコンピューターシステムが完全に、または主要部分がダウンしてしまった場合、区の業務遂行に対してどのような影響を与えるとお考えでしょうか、所見をお聞かせください。  また、情報通信機器への耐震、耐火、耐水等への対策はどのようにとられているのでしょうか。庁舎の耐震基準はもとより、ガラス等の飛散、設備の転倒防止、発火時には火とともに水からも守らなければならない情報通信機器に対する消火対策、また、機器自体に被害がなくても、空調の故障による湿度や温度の異常により機器が停止する可能性、これらの諸問題についてはどのような対策をとられているのか、具体的にお示しください。  情報システムの運用に関して、重要なサーバーを庁舎とは別の遠隔地のデータセンター等に設置することも一つの方法です。今後、区としては、庁舎との同時被災を回避するため、遠隔地にデータセンターを設置することに対してどのようなお考えか、所見をお聞かせ願います。  また、庁舎内及び外部と接続する通信ネットワークが二重化されているのか、もしくは庁舎の通信機器が故障した場合に鱶回経路等を準備しているのか、ネットワークの機器対策についてもお聞かせください。  納税や国民健康保険など、当区のみが保有している区民等に関する情報を消失することは、どのような理由があれ回避しなければなりません。したがって、重要な情報のバックアップを実施することは最低限の責務であります。現在の区のデータ保存のバックアップ体制はどのようになっているのか、現状をお聞かせください。  練馬区では、二〇〇四年十二月から、区役所から数十キロ離れた民間施設に大容量の記憶装置を設置し、暗号化したデータを毎日伝送する、いわゆるレプリケーションを行っています。さらに進化した方法では、RAIDと呼ばれる分散型データ保存技術によるデータ損失の防止対策も民間企業では広く採用されています。当区においても、これらの技術を活用し、今後、データ保存のバックアップ体制をより強固にしていくことをぜひとも研究するようご提案いたしますが、区の見解をお示し願います。  昨年の第二回定例会で、私は、全体像を見据えた上での区の情報システムの最適化、また、区としてのITガバナンスの体制強化について質問をいたしました。これからの情報システムを考えたときに、災害対策という点にも重きを置いた運営計画を策定していくことが必要であると考えます。年間約二十五億円の予算がつけられており、業務の基幹を支える大変重要な部門でありますので、区としても抜本的な取り組みを展開されることを要望いたします。  BCPへの取り組みは、単なる計画の策定が目的ではありません。現状分析、計画策定、訓練、テスト、検証、改善を継続的に行っていく、PDCAを通してのマネジメントシステムとして体系立てて活用していくことが肝要となります。現在、ISOのようなBCPのマネジメントシステムの統一規格及びその認証制度設立の動きが世界的に進められております。そのような動向も見据えながら、実効性の担保された、区としての責務を果たす盤石なシステムの構築を目指していただきたい、このように念願いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 中村議員の一般質問にご答弁申し上げます。  今、BCP、つまり災害時の業務継続計画の行政での必要性についてるるお話を伺いました。まさに本当に今地震が起きて被害を受けたら、初動対応と応急対応に追われるだろうと思います。と同時に、区としては日常の業務を持っておりますので、それらを一日も早く復旧していかなきゃなりません。そういった意味で、初動態勢と、それから日常業務の復旧というものを同時に行うということを計画を立ててやっていく、優先順位を決めていくということは、お話をお聞きしながら、極めて大事なことだというふうに認識をいたしました。  十八年度末にまとめた杉並区防災会議専門委員会報告書の提言にもありますが、今後、区として最低限でも途絶えることのない業務をきちっと遂行できるように、維持すべき業務、優先すべき業務は何かということをきちっと洗い出しを行った上で、今後、ご指摘のような業務継続計画の策定を急いでいきたい、こう考えております。  なお、その策定までの間も非常に大事だ、こう考えておりますので、その間、大体の、緊急であればこうだというようなものも並行して考え、そしてきちっとしたものも策定していくということが大事ではなかろうかと思います。  残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 危機管理室長。      〔危機管理室長(赤井則夫)登壇〕 ◎危機管理室長(赤井則夫) 私からは、中村議員のご質問のうち所管事項についてお答えいたします。  まず、区の業務に影響を与える災害リスクの発生懸念についてのご質問にお答えいたします。  昨今、地震、水害など自然災害に加え、区民生活に影響を及ぼすおそれのある事態が発生しております。これら想定される危機事象に対しては、平成十七年三月に杉並区危機管理基本マニュアルを策定し、一連の取り組みや実施すべき基本的事項を定めております。区民生活や区政運営に重大な影響を及ぼす事態に迅速に対処できるよう、日ごろから職員の危機意識を向上させ、組織全体の危機対応力を高めることに努めてございます。  次に、区民の危機管理意識についてのお尋ねにお答えいたします。  区では毎年、「区政に関する意識と実態」区民意向調査を実施しております。その中で、施策の要望では、高齢者福祉に続き、二番目に災害に強いまちづくりが挙がっております。また、最近の大雨、ゲリラ豪雨などの影響から、区で実施している災害情報メール配信サービスへの登録が、昨年の同時期に比べて約二倍の登録件数となっております。こういった状況を見ますと、区民の危機管理意識は高まっているものと認識してございます。  次に、災害時の応急業務の優先順位についてのご質問にお答えいたします。  先ほど区長からご答弁申し上げましたように、地域防災計画の見直しの中で優先業務を明確にして、実効性のあるものに努めてまいりたいと存じます。  次に、区の業務を区役所以外の組織で運営される場合の災害時の対応についてお答えいたします。  協働化の推進により民営化や業務委託した施設や事業であっても、区の公共サービスを担っていることから、当然、事業の継続や災害時の緊急対応は必要なものと認識しております。既に、区民が利用する区民センターや体育施設などは、災害時の緊急対応を協定や仕様で盛り込んでおります。今後、災害時の業務継続計画の検討の中で全体の具体化を図ってまいりたいと存じます。  次に、職員の参集についてのお尋ねですが、区では、勤務時間外の災害発生時には、初動配備態勢に指名された約七百名の職員が、本庁及び地域区民センター、震災救援所に、おおむね三十分から一時間以内に参集することとなっています。また、震度六弱の地震が発生した場合では、全職員が指定された部署に参集することとなっていますが、時期をとらえ、時間別の参集人員等も検証してまいりたいと存じます。  私からの最後になりますが、区庁舎や地域区民センター等、災害時の活動拠点となる区有施設の被災対策についてのお尋ねですが、非常発電設備が区庁舎や五カ所の地域区民センターに配備されております。また、災害発生に伴い、営繕課職員を中心とする区有施設点検班が巡回して被災施設の状況を把握し、対応することとなっています。しかし、職員の確保が困難な状況を想定すると、今後は、区内等の設備事業者との協定なども検討すべき課題と考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 行政管理担当部長。      〔行政管理担当部長(大藤健一郎)登壇〕 ◎行政管理担当部長(大藤健一郎) 私からは、災害時における区の情報システム及びICT部門の業務継続の体制についてのご質問にお答えします。  まず、コンピューターシステムのダウンに伴う区の業務への影響とその対策についてのお尋ねですが、被害規模、被害状況によって異なりますが、大規模災害ではコンピューター自体が破損し、復旧のめどが立たない場合もございます。その際には一定期間システムが停止し、それに伴い、区のさまざまな業務に多大な影響を与えることになるものと考えております。  そのため、区では、情報通信機器の設置時に震度六強にも耐える機器固定を行うとともに、二酸化炭素消火設備や漏水センサーを設置するなど、システムをダウンさせない対策を行ってございます。また、ネットワーク機器につきましては、主要箇所で鱶回経路やネットワークの二重化などの対策を行っております。  次に、遠隔地のデータセンターの利用についてのお尋ねですが、ご指摘のように、遠隔地でのデータセンターの設置は、システムの危機管理対策の有効な対策の一つであると考えております。そのため、今年度改定しました情報化アクションプランの中でも、ホストコンピューターシステムの見直しを含めた、より適切なデータ管理の方法を検討する際の課題の一つとしております。  いずれにしましても、費用対効果から最も適切なデータ管理の方法を選択し、より災害に強いシステムの確保を図ってまいりたいと存じます。  最後に、区のデータ保存のバックアップ体制についてのご質問にお答えします。  現在は毎週プログラム及びデータをカートリッジ磁気テープに書き込み、地層のかたい埼玉県のデータセンターで保管しておりますが、今後につきましては、先ほど申し上げました、より適切なデータ管理への見直しの中で広い視野から検討を進め、データ保存のより強固なバックアップ体制を構築してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で中村康弘議員の一般質問を終わります。  十番安斉あきら議員。      〔十番(安斉あきら議員)登壇〕 ◆十番(安斉あきら議員) 私は、民主党杉並区議団の一員として、区政一般に関する質問をいたします。  質問の内容は、駅前周辺における総合駐車対策についてです。  この内容につきましては、本年二月に行われました第一回定例会でも一般質問をさせていただきましたが、今回は、その後の杉並区としての取り組みや今後の方向性などについてお伺いをさせていただきます。  二〇〇六年六月一日、道路交通法の一部改正により、違法駐車車両に対する取り締まりが強化をされ、全国で民間駐車監視員による違法駐車の取り締まりが始まりました。杉並区でも、昨年八月から杉並警察署管内で、本年四月からは高井戸警察署、荻窪警察署管内で、民間駐車監視員による取り締まりが実施をされております。  この道路交通法の一部改正について、杉並区としての評価は、取り締まりの強化によって違法駐車車両が著しく減少し、交通事故や交通渋滞の発生が抑制されるとともに、全体的な交通安全の向上が図られ、大変意味のある政策であると、さきの定例会で回答が示されております。  しかし、一方で、取り締まり強化により不利益な状況が強いられている運送事業者の方や障害者団体からは、交通管理者に対し改善を求める切実な声が多く寄せられており、課題解決に向けた早急な取り組みを考えなければなりません。  特に駅前周辺地域は、交通安全確保の観点から、道路交通法に基づき駐車禁止区域に指定をされておりますが、運送事業者が荷おろしを行う小売店のほとんどは駅前周辺に商店街があり、駐車違反の心配を日々抱えながら、小売店への荷さばきを実施している現状にあります。  また、駅前周辺を利用する有償運送や介護タクシーなどの福祉車両を保有する事業者や障害者団体からは、駅前における福祉車両の乗りおりに際し、一時的な駐車を認めてほしいとの要望を、交通管理者である警察に求めている現状もあります。  しかしながら、法改正以降、民間駐車監視員の導入と短時間駐車の取り締まりが強化されたこともあり、運送事業者や福祉関係者を取り巻く環境は、一層厳しさを増す状況にあります。  杉並区としても、本年の第一回定例会の中で、運送事業者や福祉関係者から求められている問題解決は、基本的には警察署の所管となるとしながらも、自治体として、地元の商店、運送事業者、福祉関係者などの意見の反映を警察にしていくことが大切であり、今後、関係団体などとの協議会設置も含めて、警察との協議方法を検討していくとの回答を示しております。  区は本年七月、各関係団体との駅前周辺における総合駐車対策に関する懇談会を開催いたしました。関係団体からは、駅前周辺における総合駐車対策に対し、行政が積極的に取り組むことは有意義であり、今後の取り組みに期待をする声も上がっております。  そこでお尋ねをいたします。区は、関係団体との懇談会を開催したわけですが、あえて協議会ではなく懇談会にした理由をお伺いいたします。また、懇談会の構成メンバー、開催方法、今後の懇談会の方向性などについてもお伺いをいたします。  次に、懇談会で寄せられた意見や要望についての集約を図り、課題解決に向けた取り組みが早期に行われることが望まれます。そのためにも、取り締まりを執行する交通管理者である杉並、荻窪、高井戸の地元警察や警視庁との協議会をしっかりと行っていくことが最も重要であり、問題解決の糸口になると考えます。  そこでお尋ねいたします。今後、交通管理者である地元警察や警視庁に対し、どのような方法で問題解決に向けた協議を進めていくのか、お伺いいたします。
     次に、多様化した駐車問題は、それぞれの地域の実情に合わせた対策が必要であり、基本的には、区がインフラ整備を含めた検討などを行うとともに、駐車対策の主体になる必要があると考えます。このことは、東京都が昨年一月に示した総合駐車対策マニュアルの中でも提議がされております。区は、各地区の実情を十分に把握して、地元警察、地元の商店、運送事業者、福祉関係者、周辺住民などと連携協力をしながら、駅前周辺における総合駐車対策を計画する必要があると考えます。  そこでお尋ねをいたします。今後計画する駅前周辺整備に関し、違法駐車車両の誘発防止と交通安全の観点から、運送事業者のための荷さばき場設置や、交通弱者の方が安心をして乗降利用できる一時駐車場について駅前整備計画に盛り込む考えがあるか、お伺いをいたします。  次に、本定例会において、高円寺駅前広場整備工事についての議案が議会に上程をされております。この工事は、三期に分けて、高円寺北口、南口、高南通りの一部を改修する工事と聞いております。さきの一般質問の回答の中でも、高円寺駅前広場の改修工事に際し、道路内に新たに荷さばき場や交通弱者のための一時駐車場の確保に向け、地元警察と協議を進めていると聞いております。  しかし、交通管理者からすれば、本来、荷さばき場や交通弱者のための一時駐車場は、道路交通法の観点や例外的な取り扱いなどの措置が困難であることを考慮した場合、道路外に設けることが基本であると伺っております。  そこでお尋ねをいたします。この改修工事に当たり、道路内に荷さばき場と交通弱者の方の一時駐車場を確保する予定になっておりますが、交通管理者との協議は円滑に進んでいるのでしょうか、お伺いをいたします。  次に、東京都は本年六月、東京における地区物流効率化認定制度を定め、七月より制度の施行を始めました。この制度は、商店街や繁華街などの地区で物流改善に取り組む物流関係者である行政機関、運送事業者、商店街関係者などが、地区物流効率化に資する計画の作成及び認定手続の申請を行い、都知事が認定した場合、地区独自の交通ルールの調整支援が受けられる制度であります。したがって、区内の駅前周辺ごとに地域実態を考慮した計画を作成し、本制度の導入を図ることができれば、荷さばき車両や交通弱者の方が利用する車両に限り、一定ルール内での交通規制の緩和が実現可能となります。  そこでお尋ねをいたします。高円寺の駅前広場整備工事を含め、杉並区として今後、東京における地区物流効率化認定制度の活用を行い、地区独自の交通ルールへ向けた調整支援を検討する考えがあるか、お伺いをいたします。  次に、高円寺駅前広場整備工事に際し、駅のガード下である高南通りに、片側車線三台分、両側で計六台分の荷さばき場が設置を予定されていると聞いております。日々駐車違反の取り締まりに対し不安を抱えながら荷さばきを行う運送事業者にとっては、まさに朗報であり、区の先進的な取り組みに対し、敬意を表するところであります。  そこでお尋ねをいたします。この荷さばき場は警視庁が設置をするコインパーキングとは異なった形態のものか、お伺いをいたします。また、異なった形態の荷さばき場の場合、一般車などが容易に駐車できないような対策が必要であると同時に、管理方法などの検討が必要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、高円寺北口駅前広場付近は、現在でも荷さばき駐車車両が多く、混雑時には、今回の改修工事で設置される荷さばき場の六台分では、荷さばき車両が十分に一時駐車できないことも予想されます。また、従来に比べ北口駅前広場の面積が増えたことにより、道路の幅員に余裕がなくなり、新しい広場付近の一時的な駐車は困難であると考えます。  そこでお尋ねいたします。広場の改修工事が終了し、荷さばきの車があふれた場合、かえって無理な違法駐車を誘発し、交通事故増加につながるおそれがあると考えますが、区としての対策をお伺いいたします。また、道路外での荷さばき場の整備に対する考えがあるかについても、お伺いをいたします。  次に、高円寺駅前広場整備工事に際し、当初、交通弱者の方の一時駐車の設置を検討していると聞いておりましたが、計画資料の平面図には、交通弱者の方の一時駐車場の記載がされておりません。また、交通弱者の方が利用する福祉車両は、乗りおりを配慮し、一般車の駐車スペース以上に余裕を持たせないと、利用が困難とのご意見も伺っております。  そこでお尋ねをいたします。交通弱者の方の一時駐車場は駅前広場のどこに設置を予定するのでしょうか。また、乗りおりに配慮したスペースの検討がなされているのか、お伺いをいたします。  次に、荒川区では、民間駐車監視員の取り締まりが導入をされた二〇〇六年から、地域の要請により、区役所が管理をする十六カ所の駐車場を荷さばき専用駐車場として開放をしております。利用者はあらかじめ区に申請を行い、荷さばき駐車場利用承認書の交付を受けます。  利用条件としては、集配による荷さばき、福祉、介護及び配食サービス業務に従事している方が対象となります。また、利用時間は三十分未満で、料金は無料で荷さばき駐車場の提供が受けられます。現在まで二十六カ所の荷さばき場の整備が進められており、そのうちの九カ所については、民間の駐車場を借り上げて荷さばき場の確保を行っています。荒川区では、今後もこのサービスの充実を図っていく方向で検討を進めているとのことです。  そこでお尋ねいたします。杉並区においても、区役所が管理をする駐車場の一部を、限定した利用者に荷さばき場として開放する考えがあるか、お伺いをいたします。また、荷さばき場として民間駐車場を借り上げるなどの施策を講じる考えがあるかについても、お伺いをいたします。  最後に、駅前周辺を含めた十分な総合駐車対策が早急に講じられ、安心・安全なまちづくりが進められることを切に要望し、区政一般に対する質問を終了させていただきます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 安斉議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、高円寺駅前広場整備に関連したご質問を幾つかいただいたことからお話をさせていただきます。  JR高円寺駅の南北駅前広場は、昭和四十年代の後半にほぼ現在の形になりましたけれども、今年度から全面的に再整備に取り組む予定でございます。平成二十二年度末には、阿波踊りのまち高円寺にふさわしい、新しい広場に生まれ変わることになります。この秋から広場整備工事に着手をしようと考えております。  計画は、交通管理者との協議や地元の皆さんとの熱心な話し合いを通じて策定してまいりました。高円寺駅前は商店街と隣接しており、議員お話しのとおり、荷さばき場や交通弱者の方の一時駐車場の確保も課題となってございました。今回の計画づくりの中では、水とみどりを配した潤いのある広場づくり、歩行者、自転車利用者の安全確保や交通結節点としての機能充実とともに、荷さばき場や交通弱者の方の一時駐車場についても検討してまいりました。  その結果、荷さばき場については、JR高架下の高南通り沿いに予定することといたしました。これは基本的に警視庁が設置するパーキングですが、貨物車が利用しやすいように駐車枠を大きくし、貨物車用の路面標示を行う予定です。このスペースで足りない場合には、駅周辺の民間駐車場の活用なども広くお知らせしてまいりたいと考えます。  また、交通弱者の方の一時駐車場ですが、南口駅前広場の東側歩道沿いに確保いたします。歩車道の段差を解消して、歩道上に見やすい標示板を設置するとともに、利用しやすい、余裕のある広さを考えたいと思います。この場所では、駐車禁止除外標章をお持ちの方であれば駐車可能ですし、福祉車両による短時間の人の乗りおりもできますので、ぜひご活用いただきたいと思います。  このように、今般の駅前広場整備では、商店街対策とバリアフリーを柱としたつもりでございます。新しい駅前広場をどうぞご期待いただきたいと思います。  残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(小町 登)登壇〕 ◎土木担当部長(小町登) 私からは、安斉議員の残りのご質問にお答えします。  まず、駅周辺駐車問題懇談会に関するお尋ねでございますが、区として、まず多くの関係者から生の声を聞き、駅周辺の駐車場状況の把握を目的に懇談会として開催し、活発な情報交換を行いました。  懇談会のメンバーは、運送事業者や東京電力、東京ガスなどの公共事業者、商工会議所、そして、福祉関係は障害者団体からの代表者や福祉有償輸送のNPOなどです。開催方法は、福祉関係者とそれ以外のメンバーで分け、二回開催しました。  懇談会で出された意見、要望につきましては、区内三警察署の交通課長との定期連絡会で内容をお伝えし、意見交換を行いました。  今後も、警察との定期連絡会等で駐車問題に関する情報交換を行い、東京都など関係機関との連携も図り、問題解決に向けて検討を進めてまいります。また、区と警察で、福祉関係者に向け、駐車規則の学習会を開催することを考えているところでございます。  次に、駅整備計画に関するお尋ねですが、駅前は限られた空間であり、バスやタクシーなど公共的な交通機関の乗りおりする場所でありますので、その確保をする必要があるため、駅前整備計画に荷さばき場等の設置を盛り込むことは困難と考えますが、今後、駅周辺の道路を含め、交通管理者と協議し、工夫してまいりたいと存じます。  次に、地区物流効率化認定制度に関するお尋ねですが、この制度は、荷さばきスペースの確保など、商店街や運送事業者、区などが連携して、東京都の支援を受けて地区の物流効率化を目指す制度と認識しております。既に社会実験として実施した他の自治体の結果などを参考に、今後研究してまいりたいと存じます。  最後になりますが、区施設使用や民間駐車場借り上げについてのお尋ねでございますが、荒川区の方法は試行事業と伺っておりますので、今後も状況把握を行ってまいります。  区施設の一時利用に関しましては、施設利用者の駐車場確保で各施設とも余裕がない状態と考えますが、出先施設の駐車場使用状況を調査するなどしてまいりたいと考えております。  また、民間駐車場の利用につきましては、使われる方のご負担でお願いしたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で安斉あきら議員の一般質問を終わります。  三十九番河津利恵子議員。      〔三十九番(河津利恵子議員)登壇〕 ◆三十九番(河津利恵子議員) 私は、民主党杉並区議団の一員として、一、障害児の放課後活動(地域デイサービス)について、二、子育て支援策の充実について、三、特別支援教育について一般質問いたします。  ことしの夏は、連日の熱帯夜と北京オリンピックでだれもがヒートアップしたのではないかと思いますが、まさに今、パラリンピックで多くの障害者が世界の表舞台で活躍している姿は、私たちに希望と感動を与えてくれます。  さて、今回の質問は障害児に関連したテーマについてですので、質問に入る前に、障害児・者を取り巻くここ数年の流れと認識の変化について確認をしておきます。  二〇〇四年の障害者基本法の一部改正において、交流と共同学習の積極的促進が盛り込まれ、同年、発達障害支援法が成立しました。二〇〇六年には国連総会で障害者の権利条約を採択、インクルーシブ教育の推奨がうたわれました。また、教育基本法改正においては、第四条の二項で障害者支援が明記されています。そして昨年からの特別支援教育への転換と、教育や活動の場への認識は大きく変化をしていると言えるでしょう。このことは前進であり、国や自治体における役割や責任が大きくなっていることは、私が申し上げるまでもないことだと思います。  最初に、障害児の放課後活動についてお伺いしていきます。  去る六月二十三日に東京都知的障害者育成会による研修会が開催され、私も参加してまいりました。今回の研修では、余暇・放課後活動の地域における支援がテーマの一つにされており、世田谷の新BOPを初めとして、幾つかの自治体で活動される団体の代表者、そして東京都教育庁からも、社会教育担当者から放課後子どもプランを活用したモデル事業の報告がなされました。いずれの取り組みも、財政面での厳しさ、障害への理解不足などが課題のようです。  当区では、障害児の放課後活動の受け皿として最初の団体が活動を始めたのが十四年ほど前のことです。以来少しずつ活動団体が増え、現在は九つの団体となっており、各団体の活動ぶりが注目されます。区としても、地域デイサービス事業の位置づけで、家賃と運営に対して補助を行っているもので、他自治体の状況と比較すれば充実していると評価できるものととらえていますが、今後に向けて幾つかの問題を指摘したいと思います。  先ほども申しましたように、社会状況は目まぐるしく変化し、地域デイの活動の重要性も増してきていると考えますが、社会状況の変化をどのように分析し、活動を評価しておいでかを最初に伺います。  これまで家賃と運営に対して区から補助金が出されてきています。運営補助額に関しては、年間利用者の規模によって三段階とされています。例えば、年間延べ利用千五十人以上の利用に対して七百五十八万円余りですが、基準以上の利用分についての加算はありません。しかも、千五十人に満たない場合は差額を返還しなくてはならないとされています。実態としては利用実績は伸びていて、年間延べ二千人に及ぶ団体もあり、規定額以上の利用については、相当額を団体が負担するという状態が恒常化しています。  また、親の会が運営する団体もあり、ここでは常勤職員を雇用できる状態ではないとのことですし、ある団体では、年度当初から待機者が十二名に達しているが、今の財政状況では、団体を増やそうにも増やせないとおっしゃっていました。利用者サイドからは、もっと利用したいけれども、気の毒でもうこれ以上お願いできないとも伺っています。  十年来、基準が変わることなく今に至っていますが、実態に即した補助のあり方にするべきではないでしょうか、お考えを伺います。  次に、活動拠点についてお尋ねします。  ある団体では和田の交流館を活動拠点としています。特定の団体が独占することが問題でもあるようですが、しかし、区から補助を受けた半分公共的な活動とも言えるにもかかわらず、毎月、日ごとの使用申請書を一カ月分まとめて提出し、他の団体が優先する場合には活動場所がないという事態になることもあり、苦労されています。使用手続の簡便化、活動場所の確保など検討いただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  学童クラブでの障害児の受け入れ、高円寺学童クラブでの重度身体障害児の受け入れなど、我が区の取り組みは充実されてきていますし、その努力を大いに評価するものです。しかし、中学に進学してからの対応については、特にひとり親家庭や重度などのレアケースへの柔軟な対応が求められ、今後ますます多様な受け皿を準備しなければならないと考えます。もう少し大きく言えば、子育て支援の視点から障害児の子育てをどう位置づけていくかが問われているとも言えましょう。地域デイの活動は、これまで自主活動に対して区が補助をする形で、いわば自然発生的に広がってきていますが、今後は計画性を持って誘導していく必要があるのではないでしょうか。グループの育成、立ち上げ支援など、より積極的な姿勢で臨むことを求めますが、いかがでしょうか、ご所見を伺います。  るる述べてまいりましたが、いずれの団体も熱い思いと使命感で、有償ボランティア的に必死に活動を続けてこられています。今後の課題として、これらの活動の質を高め、より充実させるために、専門家による巡回指導やスタッフへの研修の場なども必要であろうと考えます。例えば、現在学童クラブで実施されている巡回指導を民間レベルに広げるなども有効と考えますので、要望しておきます。  私は、障害児も健常児も、特別なイベントとして取り組むのではなく、いつでもどこでも遊び、交流できる場が理想の姿だと思っています。放課後子どもプラン、児童館、学童クラブ、地域デイサービスなど、各所管で連携、整合性を図りつつ、多様な選択肢を整備していただきたいと思います。  大きな二つ目の項目は子育て支援策の充実についてですが、乳幼児向け事業の整備と子ども家庭支援センター機能の充実の二つのテーマでお尋ねいたします。  各児童館で行われている乳幼児向け事業、ゆうキッズは多くの利用があり、利用者数が増加しています。児童館だよりなどを拝見しますと、各館ごとにさまざまなメニューが用意され、職員の工夫と努力がうかがえます。  しかし、かねてから注目されている武蔵野市の0123吉祥寺での杉並区民の利用者数は相変わらず年間三千人を上回り、ニーズの高さに驚かされます。先日、施設職員にヒアリングをしましたところ、もっと利用したいと望む親からは、スペースの制約があることや、夏休みなど長い休みに入ると児童館や学童クラブを利用する小学生中心になること、事業やイベントが日がわりでの提供であることなどの不満が聞かれると、即座に答えが返ってまいりました。  乳幼児向けの事業のニーズが高い状況の中、当区においても乳幼児対応の親子広場的な事業の展開が望まれると同時に、乳幼児向けの児童館の整備も必要と考えます。今後改定が予定される子ども・子育て行動計画に位置づけることも必要と考えますが、いかがでしょうか、あわせてお尋ねいたします。  次に、子ども家庭支援センター機能の充実についてお尋ねいたします。  区役所裏の、阿佐谷南児童館や学童クラブ、なでしこ生活園が設置されている建物の一階に、子ども家庭支援センターがあります。児童青少年センターから移転開設して三年目となりましたが、年々相談件数は増加傾向にあり、児童虐待や子育て不安の保護者の身近な相談機関として、今後もさらにその役割は重要となってくるでしょう。子育て支援のための体制強化を図るため、子ども家庭支援センター機能の一層の充実が必要ではないでしょうか。今後改定予定の保健福祉計画にも反映させていくべきではないかをお尋ねして、この項の質問を終わります。  大きな項目の三つ目は特別支援教育についてですが、前段で特別支援学校における取り組み、後段で特別支援学級における現状と課題についてお尋ねいたします。  冒頭述べましたように、障害者基本法改正に盛り込まれた交流と共同学習については、新学習指導要領総則の改定の折に加えられ、教育の場においても位置づけられました。私見ではありますが、自立と共生を重要なキーワードととらえ、その視点で問題提起していきたいと思います。  さて、都立永福学園では、平成二十一年四月からの肢体不自由児の受け入れに向け、校舎の建設が進められています。これまで世田谷の光明養護学校に通学していた児童らの多くが杉並区内の学校に通学することになるわけで、大変喜ばしいことだと思います。そして、このことに伴い、新たな条件整備が必要となってくるのではないかと考えます。  光明養護学校周辺では、歴史的な経過もありましょうが、まちづくりなども肢体不自由児やその保護者に対応すべく配慮がなされ、地域との交流なども充実されてきていると聞いています。都立学校ですから、東京都教育委員会の所管ではありますが、区教育委員会としても、新たな認識のもとに、杉並区内で共に学ぶ子どもとしてサポートし、学校周辺地域や医療機関との橋渡し役になることが求められていると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。  次に、特別支援学校での副籍交流の実施状況について、三点お尋ねいたします。  特別支援学校で学ぶということは、多くの場合、生まれ育った地域から離れた学校で過ごすことになります。つまり、学齢期だけを切り取ってしまうような状態になり、卒業後地域に戻ってきても、人や地域とのつながりが希薄になりがちであることが課題として指摘されてきました。日ごろから触れ合う場を持ち、理解を深めるためにも、副籍交流は充実させていくべき取り組みだと思います。  東京都において本格実施に先駆けてモデル事業が実施され、当区においても既に取り組みが始まっていますが、現在どのようなことが行われているのでしょうか。また、課題は何かをお尋ねいたします。  調布市のモデル事業では、特別支援学校間の連絡会を設置しています。また、交流、共同学習のメニューも多彩で、学ぶところが多いものと感じました。今後取り組みを定着させ、密に、しかも深めていこうとすれば、交流に際しての介助、支援のための人員が必要になってくるのではないかと思います。今後の進捗に合わせて対応を考えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。  幾つかの自治体の事例を見ますと、まだ始まったばかりですので、お便りやビデオレターなどの間接的な交流にとどまるところが多いようです。直接的な交流として学校行事の見学などが挙げられますが、さらに深めて、給食を一緒に食べたり、おしゃべりの時間を持ったりといった工夫をされている事例もあります。生まれ育ったまちで地域の子どもとして受け入れていくためには、学校間の調整による学校内の取り組みにとどめることなく、一歩踏み込んで福祉の所管との連携も図るなどして充実させていくべきではないでしょうか。区教育委員会としても積極的にアイデアを出し、推進させていくことを望みますが、いかがでしょうか、お考えを伺って、最後の質問に移ります。  現在、特別支援教育推進計画の策定に向けて議論が進められています。詳細についてのお尋ねはまたの機会にしますが、具体的な計画を持つべきと提案させていただいた者として、大変うれしく、また期待もしています。この計画の柱となる理念は、杉並区の教育ビジョン推進計画に包含されるものでありましょうし、その意味で、今後の杉並区の教育のありようにも大きく影響するものととらえています。  今年度は、特別支援教育推進のために、学習支援員が通常学級の特別な支援を要する児童に配置されています。新たな取り組みですので経過を見守りたいと思いますが、真に有効に機能させるためには、多くの課題があるものと感じています。各学校の支援が必要な生徒の把握、有効な指導方法や支援の検討、限りある人材の的確な配置、支援員への研修、事例検討など情報を共有する場の必要性など、既にご承知のことと思いますが、指摘しておきます。  さて、今年度に入り、特別支援学級における介助員の体制が不安定な状況が続きました。また、介助員は、児童の状態に応じ、配置基準にのっとって配置されていると承知していますが、新しい年度が始まり、滑り出してみると、想定外の状況になることもあり、安定して学ぶ環境がつくり出せていない学級もあります。  このような状況を憂えた保護者が、我が子の学級に支援に入るわけにはいかないので、他の学校の児童の支援に入り、相互協力していくことはできないかと具体的な仕組みを考えるに至っています。これまでの経緯から、特別支援学級での教育は一定程度充足しているかの感がありますが、障害の多様化、児童数の増加などから、今までのままでは対応できなくなってきているのが現状です。少し大げさな言い方かもしれませんが、私は充実どころか先細りの感さえ抱いています。体制を強固にすることがなければ、特別支援学級における教育の向上など望めないのではないでしょうか。このような状況をどのように認識しておられるのか、最初にお尋ねいたします。  介助員が配置されている本来の目的は、児童の安全管理や身体介助とされています。しかし、算数や国語などの教科の時間では、担任の指導のもとに個別に対応するなど、補助的な役割を果たしており、このような協力があることで円滑に進められている側面もあって、なくてはならない存在です。本来、教員の免許がなければ指導には当たれないとのことですが、いすに座って学習している間は安全な状態だから、見守っているだけでいいという認識であるとするならば、全く現場の状況をご理解いただいていないと言わざるを得ません。さらに言えば、障害児への対応や指導など、感性もよく、能力の高い方もたくさんいらして、十分にその力を発揮してほしいものと思います。実態に即して役割の見直しが必要ではないかということも要望しておきたいと思います。  次に、交流学習についてお尋ねいたします。  交流学習とは、特別支援学級の児童が通常学級の児童とともに学んだり活動することで、それぞれの能力に合わせ、的確に実施されることが求められます。担任としては、交流を進めるための計画を立てているにもかかわらず、日々の学級運営に忙殺され、また人員のやりくりも難しいことから、きめ細かい対応ができずにいるのが実情です。例えば、移動教室などは高学年の児童にとって大きな行事ですが、日常の交流があってこそ、通常学級の子どもたちに理解され、仲間として受け入れられるということは言うまでもありません。交流事業についても、共に学ぶ視点からさらに充実させるべきと考えます。各学校でどのようなことが問題となっているのか把握する必要があると考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。  介助員の問題は、これまでも働き方の視点から処遇改善を求めてまいりました。今回は苦言を呈するようですが、今起きている問題をお伝えして、現状をご理解いただきたいと思いました。これまでの仕組みを変えないのであれば、これらの問題点を改善するべきではないでしょうか。保護者も教師も介助員の方々も、それぞれの立場で不安や不満を抱えていることを、現場をよく知る所管の担当職員は十分把握され、受けとめておられるはずです。体制を強固にするためには、まずは介助員の力量アップを図ることが近道であり、そのためにも、雇用条件、配置基準、役割の見直しなど総合的に精査し、現状の打開に努めていただきたいと考えますが、いかがでしょう。ご所見を伺って、質問を終わります。 ○副議長(小川宗次郎議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 河津議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、子ども家庭支援センター機能の充実についてお答え申し上げます。  近年の家庭における養育機能の低下、また児童虐待の増加に対応して、子ども家庭支援センターは、子どもと家庭に関する総合相談の窓口として設置をされております。児童福祉法の改正によって、児童虐待に関しては市区町村が第一義的な対応を行うこととされましたので、その中で相談件数が毎年増加しております。平成十九年度では七千五百九十六件となっております。こうした動きに合わせて、相談員の増員、提供サービスの拡充、児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会の設置、ひとり親家庭への総合相談等、機能の充実を図ってまいりました。  本年六月の都区のあり方検討会幹事会では、児童相談所を区に移管する方向で検討することで都区が合意をしております。  今後、子ども家庭支援センターの機能強化につきましては、こうした都区の論議を踏まえて、子育てセーフティーネットの堅固な構築の観点から検討していきたいと考えております。  残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(遠藤雅晴)登壇〕 ◎保健福祉部長(遠藤雅晴) 私からは、河津議員の障害児に関するご質問にお答えいたします。  まず、障害児の放課後活動についてのお尋ねですが、この活動は昭和六十年代から開始され、特に平成になってからは地域の活動団体が増え、現在、八団体十一カ所で二百十二人の児童等を対象に、地域デイサービスが実施されております。障害のある学童等が放課後を創作活動や訓練等を行いながら有効に過ごすことにより自立の促進につながることから、大変有効な活動であると評価し、区といたしましては、各団体への事業運営費を補助しているところでございます。  次に、地域デイサービス事業者への補助金のあり方についてのお尋ねですが、区の運営費補助金は、要綱に基づきまして、開設日数と年間延べ利用人数から算定し、助成をしております。実際には定数を超える利用者もあるとのことですが、今後の補助金のあり方につきましては、地域デイサービス利用の実態及び関連事業との関係を含め、必要な検討をしてまいりたいと存じます。  次に、和田交流館の利用についてのお尋ねですが、杉並区立障害者福祉会館及び視覚障害者会館条例施行規則に基づきまして、利用日ごとの申請をしていただいております。月の利用が複数日に及ぶ場合に、使用手続の簡素化が可能か、検討をしてまいります。  なお、活動場所の確保につきましては、これまでどおり、各団体の活動内容や地域性に応じて各団体にお願いをしているところでございます。  私からの最後のご答弁となりますが、障害児の中学進学後の放課後の受け皿づくりについてのお尋ねがございました。ご指摘のように、今後、発達段階に応じた、多様で柔軟な受け皿の必要性が増していくものと考えております。一層の充実に向けて、求められる機能や内容、必要量等の需要予測を行うとともに、関係部署との連携を図りながら、対策について検討してまいりたいと考えております。
     私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 子ども家庭担当部長。      〔子ども家庭担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(玉山雅夫) 私からは、乳幼児向け児童館に関する質問にお答えします。  乳幼児向け児童館の整備や広場的な事業の展開についてのお尋ねですが、昨年実施しました子育て支援ニーズ調査におきましても、子育て中の親子が集まれる場所を増やしてほしいという要望が非常に高くなっており、中でも、ゆうキッズ事業や子育て応援券の活動場所などから見て、児童館を望む声を多く伺っております。児童館を乳幼児親子が平日の午後や夏休み期間中に過ごせる場所として利用できないかという問題は、児童館が主に対象としてきた児童との関係をどうするかといった課題もあり、今後整理してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(小川宗次郎議員) 教育長。      〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 教育委員会所管のご質問のうち、私からは都立永福学園に関するお尋ねにお答えをいたします。  既に永福学園では、学校周辺の自治会や商店会、区内の医療機関等を回り、自ら新部門の開設について説明をし、準備を進めていると聞いておりますが、杉並区教育委員会といたしましても、区立小中学校への周知を図っているところであり、今後とも、就学相談の際に保護者への情報提供に努めるとともに、機会あるごとに関係機関へも周知を図るなど、永福学園との連携に努めてまいりたいと考えております。  残りの質問につきましては、事務局次長よりご答弁いたします。 ○副議長(小川宗次郎議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私からは、特別支援教育に関する残りのご質問にお答えいたします。  まず、副籍交流についてですが、本制度は昨年度から東京都の制度として始まり、現在、近隣の都立特別支援学校や区立済美養護学校の児童生徒が居住地域の区立小中学校に副次的な籍を持ち、学校だよりや作品、手紙の交換などの間接的な交流を中心に行われています。制度が発足して間もないことから、参加人数は六十人程度とまだ少数にとどまっております。今後の普及が課題ですが、具体的な交流の内容は、児童生徒の状況や保護者の希望を考慮した上で、在籍校と地域指定校との間で協議し、決定していくことが重要であると考えております。  教育委員会といたしましては、今後、制度の実施状況をよく検証し、副籍による交流が定着していくよう普及啓発に努めていくとともに、制度の進展に伴い、さまざまな支援が必要とされる場合には、その対応について、東京都を初めとする関係機関と協議してまいります。  次に、特別支援学級に関するご質問にお答えいたします。  現在、特別支援学級には、安全管理と介助を目的として介助員を配置しておりますが、入学した児童生徒の状況によって困難が予想される場合は、その状況を考慮した配置を行っております。一部の学級で介助員に一時的な欠員等が生じるといった問題がありましたが、おおむね良好なクラス運営が図られているものと認識しております。  また、通常学級の児童生徒との交流を図ることができる交流事業を実施しておりますが、自閉傾向の強い子どもの場合には、大きな集団に入ることにより心理的ストレスが高まる場合もあり、個に応じた対応をしていく必要があります。今後とも実施状況や問題点の把握に努めてまいります。  最後に、介助員の力量の問題については、OJTが重要と考えますが、より実践的な研修を実施していくとともに、勤務条件等については、区全体の非常勤職員の処遇の見直しの中で検討していきたいと考えております。  以上です。 ○副議長(小川宗次郎議員) 以上で河津利恵子議員の一般質問を終わります。  以上で日程第一を終了いたします。  議事日程第二号はすべて終了いたしました。  議事日程第三号につきましては、明日午前十時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                  午後四時五十一分散会...