渋谷区議会 > 2022-06-01 >
06月01日-07号

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  1. 渋谷区議会 2022-06-01
    06月01日-07号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    令和 4年  6月 定例会(第2回)      令和4年 渋谷区議会会議録 第7号 6月1日(水)出席議員(33名)   1番  松本 翔     2番  岡 美千瑠   3番  中村豪志     4番  神薗麻智子   5番  橋本侑樹     7番  小田浩美   8番  金子快之     9番  鈴木建邦  10番  斉藤貴之    11番  一柳直宏  12番  近藤順子    13番  松山克幸  14番  森田由紀    15番  田中匠身  16番  治田 学    17番  堀切稔仁  18番  須田 賢    19番  斎藤竜一  20番  下嶋倫朗    21番  久永 薫  22番  沢島英隆    23番  薬丸義人  24番  佐藤真理    25番  吉田佳代子  26番  田中正也    27番  牛尾真己  28番  丸山高司    29番  木村正義  30番  栗谷順彦    31番  伊藤毅志  32番  岡田麻理    33番  五十嵐千代子  34番  苫 孝二欠席議員(なし)欠番   6番-----------------------------------出席説明員  区長        長谷部 健  副区長       杉浦小枝  副区長       澤田 伸   会計管理者     佐藤賢哉  経営企画部長兼施設整備担当部長  デジタルサービス部長            北原竜也             伊橋雄大  総務部長      松本賢司   人事担当部長兼新型コロナ                   ウイルス感染症対策担当部長                             木下毅彦  危機管理対策部長  山中昌彦   危機管理対策監   斎藤兼一  区民部長      古沢昌之   産業観光文化部長  宮本安芸子  スポーツ部長    星 香里   生涯活躍推進部長兼新型コロナ                   ウイルス感染症対策担当部長                             早川 淳  福祉部長      藤野貴久   高齢者政策担当部長 高橋由紀  子ども家庭部長   富井一慶   子育てネウボラ担当部長                             下村孝子  健康推進部長    阿部敦子   都市整備部長    加藤健三  まちづくり推進部長 奥野和宏   土木部長      井川武史  環境政策部長    佐藤哲人   教育委員会教育長  五十嵐俊子  教育委員会事務局次長       教育DX政策推進特命部長            菅原幸信             小泉武士  選挙管理委員会委員長       選挙管理委員会事務局長            小山美津枝            黒柳貴史  代表監査委員    國貞美和   監査委員事務局長  齊藤和夫-----------------------------------事務局職員  事務局長      伴 秀樹   次長        村山英樹  議事係長      武田真司   議事主査      根岸正宏  議事主査      杉村洋子   議事主査      山田義明  議事主査      伊藤洋子   議事主査      原 久美子-----------------------------------   令和4年第2回渋谷区議会定例会議事日程                  令和4年6月1日(水)午後1時開議 日程第1 会期決定の件 日程第2 同意第3号 渋谷区名誉区民の選定の同意について 日程第3 議案第29号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例 日程第4 議案第30号 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター条例の一部を改正する条例 日程第5 議案第31号 渋谷区地域交流センター条例の一部を改正する条例 日程第6 議案第32号 渋谷区代々木八幡区民施設条例の一部を改正する条例 日程第7 議案第33号 渋谷区特別区税条例等の一部を改正する条例 日程第8 議案第34号 渋谷区立商工会館条例の一部を改正する条例 日程第9 議案第35号 渋谷区立消費者センター条例の一部を改正する条例 日程第10 議案第40号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第11 議案第41号 渋谷区ふれあい植物センター条例の一部を改正する条例 日程第12 議案第36号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例 日程第13 議案第37号 渋谷区立社会教育館条例の一部を改正する条例 日程第14 議案第42号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第15 議案第38号 渋谷区はつらつセンター条例の一部を改正する条例 日程第16 議案第39号 渋谷区墓地、埋葬等に関する条例の一部を改正する条例 日程第17 議案第43号 令和4年度渋谷区一般会計補正予算(第1号) 日程第18 議案第44号 渋谷区ふれあい植物センターリニューアル工事請負契約 日程第19 議案第45号 渋谷本町学園別棟校舎建設工事請負契約 日程第20 議案第46号 西参道高架下施設(仮称)建設工事請負契約 日程第21 議案第47号 渋谷区立恵比寿南一公園の指定管理者の指定について 日程第22 議案第48号 特別区道路線の廃止について 日程第23 報告第2号 令和3年度渋谷区一般会計予算繰越明許費の繰越しの報告について 日程第24 報告第3号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について 日程第25 報告第4号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について 日程第26 報告第5号 審査請求の却下の報告について 日程第27 報告第6号 一般財団法人渋谷区観光協会の経営状況の報告について 日程第28 報告第7号 公益財団法人渋谷区文化・芸術振興財団の経営状況の報告について 日程第29 報告第8号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について-----------------------------------     開会・開議 午後1時----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) ただいまから令和4年第2回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、10番斉藤貴之議員、26番田中正也議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。     〔伴事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 長谷部区長、杉浦副区長、澤田副区長、佐藤会計管理者北原経営企画部長施設整備担当部長伊橋デジタルサービス部長、松本総務部長、木下人事担当部長新型コロナウイルス感染症対策担当部長山中危機管理対策部長斎藤危機管理対策監、古沢区民部長、宮本産業観光文化部長星スポーツ部長、早川生涯活躍推進部長新型コロナウイルス感染症対策担当部長、藤野福祉部長、高橋高齢者政策担当部長富井子ども家庭部長下村子育てネウボラ担当部長阿部健康推進部長加藤都市整備部長奥野まちづくり推進部長、井川土木部長、佐藤環境政策部長五十嵐教育委員会教育長菅原教育委員会事務局次長小泉教育DX政策推進特命部長小山選挙管理委員会委員長黒柳選挙管理委員会事務局長國貞代表監査委員齊藤監査委員事務局長-----------------------------------                           4渋総総発第3号                           令和4年4月1日 渋谷区議会議長 斎藤竜一殿                         渋谷区長 長谷部 健   監査委員の選任について(通知) 渋谷区監査委員を下記のとおり選任したので、お知らせします。                 記氏名選任年月日備考吉井敏昭令和4年4月1日識見を有する者(新任)-----------------------------------                            4渋選発第2号                           令和4年4月1日 渋谷区議会議長殿                渋谷区選挙管理委員会委員長 小山美津枝   選挙管理委員会委員長及び副委員長の就退任について(通知) このことについて、下記のとおり就退任しましたので通知いたします。                 記新旧の別職氏名就退任年月日委員長小山美津枝令和4年4月1日副委員長廣瀬 誠令和4年4月1日旧委員長廣瀬 誠令和4年4月1日副委員長大澤禎子令和4年4月1日----------------------------------- 監査委員から、令和4年2月末日現在及び3月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに令和4年第2回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。この機会に当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 初めに、ワクチン接種についてです。 新型コロナウイルス感染症はいまだ収束しない状況が続いていますが、経済活動は徐々に再開し始めています。感染の再拡大が懸念される中、ワクチンの3回目接種後の有効性の持続期間などを踏まえ、重症化予防を目的として4回目のワクチン接種を実施します。接種券は先月末から順次送付し、本日から接種できるよう体制を整えてきたところです。 この4回目接種の対象者は、60歳以上の方、18歳以上で基礎疾患を有する方、そのほか重症化リスクが高いと医師が認める方としています。区民の皆様には、新型コロナウイルス感染から御自身を守るためにも、接種を御検討いただくようお願いいたします。 次に、渋谷おとなりサンデーについてです。 6年目となる本年は今月5日に開催を予定し、感染症対策としてオンラインによる企画も取り入れ、富ヶ谷地区をはじめとした現地での開催と、それぞれのメリットを生かしたものとして計画をしています。 新型コロナウイルスの影響により交流の機会が途絶えがちである中、この取組の持つ意義は以前よりもさらに高まっており、昨年度に実施したLINEを活用した調査でも、多くの方がこの取組に共感いただいているという結果が出ています。コミュニティの中での孤立化が進まないように、地域社会で人と人とのつながりを強固にすることは、コロナ禍を経験したことでさらに重要なテーマになったと再認識しています。この取組が地域におけるより一層の交流の機会となるよう、今後も力を注いでまいります。 次に、福祉について2点申し上げます。 初めに、認知症施策についてです。 認知症の早期発見、早期対応を図るため、認知症検診を実施します。65歳、70歳、75歳の方に今月末、セルフチェックリストと認知症検診の受診券を送付します。希望者には検診を受けていただき、地域包括支援センターやかかりつけ医と検診結果の情報を共有しながら、必要な支援や医療につなげていきます。 また、認知症普及啓発イベントとして「認知症なっても展」の開催を計画しており、3年ぶりに会場での開催を前提に、エリアを分けて2回実施する予定です。誰もが認知症を自分事として考えるきっかけとなるよう、基調講演やパネルディスカッション、大学との協働企画など、より多くの人が興味を持って訪れていただけるイベントを計画しています。 次に、フレイル予防施策についてです。 コロナ禍での外出控えが長期化する中、高齢者のフレイルの進行が懸念されています。新たな取組として、現在、オンラインを活用した体力測定と運動プログラムを導入し、多くの方が自宅にいながらフレイル予防を実践していただけるよう取り組んでいます。 また、今後、地域の身近な場所でフレイル予防について学ぶフレイル予防講座S-SAP企業と協働して開催するほか、「eスポーツ」等最新のデジタルアクティビティ体験が行えるフレイル予防イベントの開催も計画しています。 引き続きフレイル予防に対する意識啓発を図りながら、高齢者の健康づくり、社会参加を支援する様々な施策を進めてまいります。 次に、防災についての取組です。 毎年、防災の日である9月1日を中心に代々木公園B地区で実施していた渋谷区総合防災訓練を見直し、本年は、地域密着の参加型防災訓練防災キャラバン」として実施します。 従来の総合防災訓練は、規模が大きいため展示を中心とした訓練であり、また、若者層や子育て世代が参加しづらいなどの課題がありました。この「防災キャラバン」では、地域の自主防災組織と連携して、地区の避難所を会場に、これまで行ってきた消火器の操作やD級ポンプの使用訓練、応急措置法など実践的な訓練に加え、AR体験や防災ステージなど家族で楽しく学べる要素を取り入れます。 今年度は、今月26日に松濤中学校において実施する「渋谷区防災キャラバンin大向地区」をはじめ、試験的に区内5地区で開催し、継続的に実施していくための課題の検証を行います。 誰でも気軽に参加できる訓練を実施し、地区全体の防災力向上を目指します。 次に、区立小中学校の建替えについてです。 小学校18校、中学校8校のうち、近年建替えを行った数校を除き、学校施設の老朽化対策は大きな課題です。 本区では、令和2年度に「渋谷区学校施設長寿命化計画」を策定し、この計画の具体化のために、このたび「渋谷区新しい学校づくり整備方針~学校施設の未来像と建て替えロードマップ~」を発表しました。 本方針では、新しい時代の学びの実現に向けてシブヤモデルの「未来の学校」の具体的なイメージや整備水準をまとめるとともに、今後20年間で22校を建て替え、かつ新たな小中一貫教育校を設置していくロードマップを示しています。 保護者や地域の皆様の御意見をお聞きし、区議会の御理解を賜りながら、「未来の学校」の実現に向けて計画を進めてまいります。 次に、スポーツ振興についてです。 現在、スポーツ庁では学校運動部活動の地域移行に関する検討が進められており、令和5年度から令和7年度末までを目途に「改革集中期間」として休日の活動を段階的に地域移行していく方向性が示されています。本区では「シブヤ部活動改革プロジェクト」として渋谷ユナイテッドをその推進体制に位置づけ、先月から10種目のスポーツ・文化活動を本格化させています。 子どもたちのニーズに即した魅力的なプログラムを用意し、今年度から新たに設置した「料理・スイーツマスター部」や「デジタルクリエイティブ&eスポーツ部」「ダンス部」などが好評です。 また、各中学校における既存の部活動の地域移行を今後、進めていくために、スポーツ部、教育委員会、渋谷ユナイテッドにより諸条件の検討を行うとともに、「サッカー部」については、先行的に地域移行を見据えた活動に取り組んでいきます。 次に、渋谷区環境基本計画2018についてです。 平成30年に公表した本計画は、「渋谷区基本構想」を環境面から実現していく基本の計画として「くらし」「みどり・生きもの」「資源・ごみ」「エネルギー・温暖化対策」「意識」の五つの分野を柱に策定したものです。区民の皆様や多くの関係者の御尽力の下、この計画に沿って本区の環境政策は着実に進んでいると認識しています。 一方、近年は地球温暖化による気象災害が多発し、世界的に脱炭素化への動きが加速しています。我が国も2050年までに温室効果ガスの排出を実質的にゼロにする「カーボン・ニュートラル」を宣言し、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めています。 こうした状況を背景に、本区も「渋谷区環境基本計画2018」について、国や都の動きに合わせ、脱炭素社会の実現に向けた施策を重点に置いた中間見直しに着手します。 このため、まずは環境問題に関する意識などについて「区民等意識調査」を実施します。また、2050年に社会の中心的な役割を担う「30代以下の若者」で構成する「(仮称)シブヤ若者気候変動会議」を開催します。気候変動や温暖化対策などをテーマに、若者が何を意識し、どのように行動すべきかを議論し、渋谷から発信していきます。これらを基に渋谷区環境基本計画の改定を進め、2050年につながる内容としたいと考えます。 次に、廃プラスチックの資源化についてです。 いよいよ来月1日からプラスチックの資源回収を開始します。 これまで、各家庭において分別を適切に行っていただくため、計13会場で住民説明会を実施してきたほか、町会など地域団体への個別説明やチラシの全戸配布、区ホームページ、区ニュース、SNS、動画などを通じて周知に努めてまいりました。 さらに本日発行の「しぶや区ニュース特集号」を用意し、全戸配布をもって丁寧に周知いたします。また、町会掲示板や集積所看板にも広報し、今月中に住民説明会を3会場で再び開催するほか、地域団体等への個別説明なども改めて行います。 いわゆる「プラスチック新法」が施行され、プラスチック資源化の機運が国を挙げて高まっています。子や孫たち「次世代」のため、未来の環境維持に向け、本事業を通じて区民の皆様にリサイクルの意識が一層浸透していくよう、議会の御協力をお願いいたします。 次に、新施設予約システムの導入と区有施設の利用要件の見直しについてです。 社会教育館や地域交流センターなどの区有施設は、施設予約システムが導入されている施設が少ないことや利用するためには施設ごとに団体登録が必要であるなど、利便性に課題がありました。 そこで、今年度後半の稼働を目指して構築を進めている新しい施設予約システムは、対象施設を拡大するとともに、スマートフォン対応で使いやすいインターフェースにします。また、オンラインで本人確認を行い、来館いただくことなく団体登録ができる仕組みを導入します。 あわせて施設の利用要件などを見直し、任意の施設で団体登録を行えば他の施設も利用できるようにするとともに、利用者区分も分かりやすく整理をします。本定例会には関連する条例の改正案を上程しております。 最後になりますが、新たな名誉区民として、永年にわたって渋谷区商店会連合会役員として地域商店街の活性化と商業文化の発展向上に尽力されたほか、恵比寿盆踊大会実行委員会会長、恵比寿・代官山地区美化推進委員会、渋谷区清掃協力会連合会渋谷防火防災協会、渋谷防犯協会など幅広く地域の美化推進や安心・安全なまちづくりに多大な御貢献をいただいた松下義男氏を名誉区民として御同意いただきたく、本定例会に提案をしています。 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には条例案14件、令和4年度一般会計補正予算案1件、契約案件3件、指定管理者の指定案件1件、認定案件1件、同意案件1件、報告案件7件を御提案しております。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 10番斉藤貴之議員。 ◆10番(斉藤貴之) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、大きく8点、区長並びに教育長に質問いたします。 質問に入ります前に、一言申し述べます。 新型コロナウイルスとの戦いも2年以上が過ぎ、昨日の東京都の感染者数は2,362人で少しずつ減少傾向にありますが、依然として重症者や亡くなられる方もおられ、まだまだ予断を許さない状況であります。お亡くなりになられた方々に哀悼の誠をささげるとともに、今なお不安や悲しみを抱える人々に一日も早く安寧の日々が訪れますようお祈り申し上げます。 世界に目を向ければ、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻も3か月以上になり、毎日のようにニュースなどで伝えられていますが、まだ終わる気配を見せません。この影響とパンデミックが重なり合い、原油高騰や食料不足、資源不足、物価高など様々な影響が出始めています。現在の世界はあらゆる「もの」や事でしっかりつながっているのだと改めて実感しています。 一方で、世界の中では、もうあまりニュースにもされない忘れられた内戦や紛争が今なお続いている国が幾つかあるのも事実です。いかなる理由があろうとも、戦争、そして戦争犯罪は決して起こしてはならないと強く訴えさせていただいて、紛争や対立、不信関係にある世界のあらゆる国際問題が対話や調和により平和的に解決されますよう切望し、質問に入ります。 初めに、災害時における避難所への公衆無線Wi‐Fiの設置についてです。 我が国は、位置、地形、地質、気象などの自然的条件から、台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などによる災害が発生しやすい国土になっています。世界全体に占める日本の災害発生割合は、世界の0.25%の国土面積に比してマグニチュード6以上の地震回数や災害被害額は世界の2割を占めており、非常に高くなっております。また、ここ数十年で災害発生件数は増加傾向にあります。 渋谷区における災害発生状況を見てみますと、平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、震度5弱を計測した渋谷区においても通信網の麻痺、大量の帰宅困難者の発生などの被害が発生しました。区が提示しているマグニチュード7クラスの地震が発生した場合の渋谷区の被害想定は、帰宅困難者数22万2,342人、避難者数6万5,234人と予想されており、多くの人々が渋谷区内の避難所に避難する可能性があります。 災害時における情報伝達について考えてみますと、人的被害を最小限に抑えるためには早期避難が重要でありますが、そのためには情報を迅速かつ確実に住民に伝えることが最も重要になってきます。しかし、東日本大震災では、防災行政無線バッテリー切れや、一斉同報伝達の役割を担う防災行政無線が聞こえにくかった事例も報告されています。また、東日本大震災の教訓として、災害時の情報提供の不足が国全体の課題となる一方で、情報を発信する際の多種多様な情報発信手段や基盤の整備が必要になっています。 また、災害の特性、被害状況に応じて活用される伝達手段は異なり、熊本地震ではテレビ、ラジオに加えスマートフォンの活用が目立ちました。 Wi‐Fiは、災害時でも効果的に情報を受発信できる通信手段として有効とされています。総務省では防災等に資するWi‐Fi環境の整備を推進するため、平成28年12月に「防災等に資するWi‐Fi環境の整備計画」を公表、令和3年度までは各団体の財政状況等を加味した上で、整備が進みにくい箇所から優先して国による支援を実施していました。 そこで、区長に伺います。 災害時において情報伝達をスムーズに行い、人的被害を最小限にとどめ区民の安全を確保するためにも、効果的に情報を受発信できるWi‐Fiを、小中学校の体育館など区内避難所に指定されている施設に計画的に設置してはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 次に、防災訓練についてです。 令和3年10月7日午後10時40分ごろ、埼玉県、東京都で大きな地震が発生しました。足立区では最大震度5強、渋谷区でも震度4を計測しました。震源地は千葉県北西部で震源の深さは約80キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されたとのことです。 皆さんも感じていることだとは思いますが、最近、渋谷区においても震度3以上の地震の揺れを観測することが多くなってきています。例えば震度3であれば、昨年11月1日、12月2日、12日、31日、本年4月4日に観測されています。また、震度4であれば、先ほど申し上げた昨年10月7日、また、本年3月16日に観測されています。 ここで改めて申し上げるまでもありませんが、地震はいつ、どこで、どの程度の震度で発生するか誰にも分かりません。区民一人一人の防災意識の向上が災害時の被害を最小限に抑え、区民の皆様自身の生命や財産を守ることにつながります。 例年開催されていた渋谷区総合防災訓練ですが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会やコロナ禍の影響で、この数年は実施されていません。ついては今年度の総合防災訓練に代わる渋谷区防災キャラバンとしての訓練を5地区で試行的に実施するとのことですが、具体的な計画内容をお聞かせください。 また、これまで各地区では自主防災組織が自主的に防災訓練を実施してきており、これを尊重する必要があると思いますが、今回の新たな防災訓練では自主防災組織との連携をどのように考えているのか、区長の所見を伺います。 次に、今回5地区に選ばれなかった地区についての防災訓練の取組への支援についてはどのように考えているのか。 また、今回の新たな防災キャラバンとしての訓練と、各地区で従来から実施されている防災訓練の整合性、役割分担を整理していく必要もあるかと思いますが、区長の所見を伺います。 次に、防災対策とデジタル対応についてです。 本区がスマートシティ化を推進するに当たって、官民連携によるデータの共有やデジタル化対応は必須です。これまでも行政サービスのデジタル化による非来庁型サービスを推進するのとともに、本年3月にはシティダッシュボードが整備され、行政が持つ情報のオープン化が図られ始めています。 その中でも災害対策については、現在、渋谷区防災アプリを通じて災害情報の区民への伝達や、災害状況を区民から情報を受けられる仕組みを構築しています。 今後の地震、台風など自然災害時に重要なことは、これまで同様にタイムリーに被災者の安否状況と所在を把握して、機動的な連携で的確に区民の安全を確保するとともに、庁舎では、もし停電になった場合、通常使用で7日間は非常用電源が活用されますが、電力が復旧したとしても、極限の環境下でいかに電気、通信、上下水道、ごみ処理、エネルギー供給などの社会インフラを止めずに回し続けられるかです。 特に行政のデジタル化を推進している本区において、行政の動きを止めないために最も重要なことは、いかなるときも電気と通信が落ちない、落ちてもすぐに復旧できる状況を実現することだと考えます。さらに言えば、せっかくのスマートシティ推進を災害対策に生かし、有事にも行政サービスの提供ができる体制をつくるべきです。 先日、我が会派で視察したソフトバンクの最新テクノロジーの体験の中にもありましたが、最近では現実同様の都市空間をコンピュータ上につくり、災害シミュレーションをしてインフラや建築物への影響などの被害状況を把握したり、救助の状況や各避難施設の許容度を測ったりしています。また、災害対策や減災対策を事前に整える防災デジタルツインや、区民の安否、インフラ状況等リアルタイムの情報共有手段の確立の議論を政府が進めています。 本区においても、民間企業の持つ技術やデータを官民で共有して活用することで災害状況を的確に把握して、行政として災害時の公助機能の迅速化、最大化を図ることが必要です。災害対策のデジタル対応について、民間の技術力やノウハウを活用して本区独自のスマートシティ化を推進していくべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、まちづくりについてです。 私の事務所のある道玄坂二丁目からは、渋谷駅中心地区の開発が日々進捗していく様子を確認することができます。 平成24年4月のヒカリエ開業を皮切りに、平成30年9月には渋谷ストリーム、令和元年11月には渋谷スクランブルスクエア東棟が、翌12月には渋谷フクラスが開業しており、来年には渋谷駅桜丘口地区の再開発事業の竣工が予定されています。渋谷駅中心地区の開発が着実に進んでいることを身をもって感じています。 近年では渋谷駅中心地区だけでなく、その周辺でも開発の機運が高まっていることは承知しております。本年1月には道玄坂二丁目南地区の再開発事業について市街地再開発組合の設立が認可され、令和8年度の竣工を目指して事業が動き出しております。また、2月には宮益坂下の宮益坂地区の再開発事業が国家戦略特区のプロジェクトとして追加されました。そして3月には宮益坂上の渋谷二丁目西地区の再開発事業が都市計画決定されるなど、渋谷駅周辺でも開発の動きが活発になってきています。 都市再生緊急整備地域の地域整備方針に掲げられている「開発の連鎖による総合的なまちづくり」が今まさに進められようとしていることを実感しています。 しかしながら、渋谷駅周辺でも、道玄坂の一部や円山町など大規模開発のエリアに入っていない地域もまだまだあり、昔ながらの雰囲気が残るよいエリアだと思います。このようなエリアの特色やよい街並みを大切にしつつ、まちづくりの整備を推進していただきたいと考えます。地域の皆様とは意見交換なども行われていると承知しておりますが、今後どのような手法でまちづくりが進められようとしているのか、その展望について区長の所見を伺います。 次に、大山街道プロジェクトについてです。 大山街道については、人中心・歩行者優先のまちづくりや街並みづくりが進められていると承知しています。私は、駅を中心としたにぎわいが大山街道から広がるものと期待しています。 にぎわいを広げていくためには、やはり商店街などの沿道の皆様との連携が不可欠です。街並みづくりにおいても、計画の段階から地域と一体となって取り組んでいくことにより、将来にわたって愛される大山街道が実現するものと考えます。 そこで、区民、来街者が集える街道にするためにどのように地域の皆様と取り組んでいくのか、区長の所見を伺います。 次に、環境についてです。 先ほど区長発言にもありましたとおり、本区では7月1日から廃プラスチックの資源回収事業が開始されます。 廃プラスチックだけにとどまらず、将来世代に良好な環境を残すため、リデュース、リユース、リサイクルの資源の有効活用に区はこれからもしっかり取り組んでいく必要があると考えます。例えば、本区は粗大ごみ減量の取組の一環として、本町リサイクルセンター及び美竹分庁舎内にある美竹リユースコーナーの2か所を拠点とする家具再生事業を実施しています。この事業は現在、コロナ禍の影響もあり実績は必ずしもよくありません。 粗大ごみとして排出される木製家具の中には、再生家具として使用できるものも多いと考えられ、「ユーズド家具」こそ本区のような都市の中にも多量に見出し得る資源と言うことができると思います。ユーズド家具がごみとなる流れをできるだけ減らすためにも、再生家具事業をてこ入れし、回収量の回復と販売に力を入れていくことは資源の有効活用の観点から大切な取組であると考えます。家具再生事業の今後の進め方について、区長の所見を伺います。 次に、ケアコミュニティ・原宿の丘の建替えについてです。 ケアコミュニティ・原宿の丘は旧原宿中学校を改修し、平成11年4月から高齢者福祉施設、シニア・いきいきコミュニティ施設、防災施設の機能を備えた地域の福祉拠点施設として多くの区民に利用されてきました。 一方、昭和35年に原宿中学校を開設して以来、建物の使用期間は既に60年を超えており、雨漏りが目立つなど老朽化も著しく、昨年9月には、神宮前地区の各団体の代表から議会に対し、連名で「「ケアコミュニティ・原宿の丘」建て替えに関する陳情」が提出されました。 本区では、こうした公共施設の老朽化に対し計画的に改修や建替えを進めるため、令和3年3月に渋谷区一般建物施設長寿命化計画を策定し、本施設については令和7年度から9年度を目安に建替え工事に着手することが示されています。また、これを受け、令和4年度当初予算において建替えに向けた基本計画策定のための経費が計上されたことは承知しています。 まずは今ある既存の教育資源、地域コミュニティの充実、さらには介護施設の拡充をしっかり図り、進めていただきたいと考えます。 そこで、基本計画の策定に当たりどのように地域の意見や要望を取り入れながら進めていくのか、また、来年度以降のスケジュールについて区長の所見を伺います。 次に、今後の施設建設についてです。 区では現在、神宮前三丁目障がい者施設や千駄ヶ谷区民複合施設(仮称)の建設が行われており、この第2回定例会では渋谷本町学園別棟校舎建設工事、西参道高架下施設(仮称)建設工事、渋谷区ふれあい植物センターリニューアル工事の3件が工事契約議案として提案されています。また、渋谷本町学園第2グラウンド複合施設(仮称)、二の平渋谷荘リニューアル等、一般建物施設長寿命化計画に基づく検討も進められています。加えて5月19日に渋谷区立小学校・中学校建て替えロードマップが文教委員会で報告され、今後の学校建替え計画が示されました。 一方、コロナ禍で昨年から建設資材が高騰しています。海外との往来を規制するコロナ対策の長期化で、労働者不足も課題となっています。また、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う物流の混乱や、米国の利上げを背景とした円安進行で資材価格はさらなる上昇が予想されます。さらに、世界的な半導体需給逼迫により半導体の供給が需要に対して追いつかず、建築設備を含むあらゆる産業において生産調整、減産や納期遅延による影響が広がっています。 このように建設費が高騰する中、一般建物の建設計画が進められていることについて一部に批判的な意見が上がってくることも予想されますが、施設老朽化による区民サービスの低下の防止、新施設による区民の利便性の向上等を考えると、計画の着実かつ迅速な実行が必要と考えます。 学校建替えでは、20年間かつ全小中学校に及ぶ長期計画であり、区がこの計画を完遂するためには、財政や施設整備など長期にわたる体力強化とリスク管理が不可欠であると考えますが、今後の施設建設をどのように進めていくのか、区長の所見を伺います。 次に、デジタルコミュニケーションプラットフォームについてです。 令和4年第1回定例会で、長谷部区長は「少子・高齢化が急速に進み、ライフスタイルも多様化している中で、区民一人一人の課題も複雑化・複合化しています。こうした課題に対応するため、デジタルを活用して組織横断的な対応ができる仕組みがデジタルコミュニケーションプラットフォームです」と発言されています。これは、区民それぞれの課題や関心事に適した情報を発信したり、個々の相談を多角的、総合的にサポートしたりすることができるまさに区民中心の仕組みであり、行政として画期的な取組であると評価いたします。 さらに、この事業では専用のポータルサイトを構築し、区民や事業者に適宜最適な情報やサービスを提供していくものと仄聞しており、大いに期待を寄せるものです。 そこで、このデジタルコミュニケーションプラットフォームによって具体的にどのように利便性が向上するのか、組織横断的な対応とはどのようなものなのか、また、個人情報の取扱いについてどのようになっているのか、今後の展望と併せて区長の所見を伺います。 次に、施設予約システムについてです。 今回の定例会には、渋谷区地域交流センター条例の一部を改正する条例などの議案が提出されています。これは施設の種類ごとに異なる団体登録の区分の数を原則として統一するとともに、これまで、施設種類ごとに必要であった団体登録を、基本的に1度行えばよいとすることで施設横断での利用を可能とし、また、利用日直前になっても空いている施設を簡便な手続により利用することができるようにするものです。 一方で、利用者の利便性向上や施設の稼働率の向上のためには、制度だけでなく、施設予約をするためのシステムについても利用者の使いやすいものにすることが重要です。 3月の総務委員会では施設予約システムについて、利用者の利便性向上のため、ユーザーインターフェースの改善によって閲覧性や操作性を向上させることや、オンラインでの団体登録などを可能とすることを検討していると報告を受けました。 そこで、区長に伺います。 その後の検討結果として具体的にどのように改善されることとなったのか、また、現在、施設予約システムが導入されていない施設のうちどこの施設に新たに導入されるのか、いつから実際に稼働し始めるのかも含め、ロードマップをお示しください。 次に、スタートアップ支援事業についてです。 インターネットの登場のときのようなインパクトを起こすと言われているウェブ3.0をめぐって、国内外の自治体が先手を打つような政策を打ち出し、海外の人材や投資の呼び込みに注力しています。日本の優秀な人材やスタートアップ企業も、こうした動きを受け、シンガポールなどの海外へ移住していると聞いています。 渋谷区も、新しい産業が生まれる世界的なスタートアップエコシステムを構築していく上で、今後、世界の動きに負けないスピードやシステムが求められてくると考えます。令和4年第1回定例会で我が会派から、海外からのスタートアップ企業のための育成支援組織の必要性について質問し、区長からも「組織の設立を推進していく」と答弁があったところでありますが、その後の検討状況を伺います。 また、このような組織を成功に導くためには世界のトップレベルの人材を確保することが必須となりますが、処遇等を含め、どのような人材確保のスキームなのか区長の所見を伺います。 次に、産業振興と社会貢献の両立についてです。 これまで我が会派から、SDGsの推進や社会起業家の育成を通じて環境、社会への責任を果たしながら、経済を支える企業の支援を本区がすべきと提言し、進められていることは評価いたします。 現在、SDGsなどの指標は本人が「推進している」と宣言すれば足りますが、実際に推進しているかどうかの判断は、これまで国内ではあまり注目されてきませんでした。一方、世界では、環境や社会に対する透明性や説明責任などにおいて高い基準を満たした企業に与えられる「公共の利益に貢献するベネフィット・コーポレーション」を認証する、通称「B Corp認証」があります。世界各国では一般化しており、約5,000社以上がこの認証を受けています。 この認証を得られれば、透明性、説明責任、持続可能性、社会と環境へのパフォーマンスの分野で厳しい評価基準を満たしている企業だと証明され、消費者からの支持、優秀な人材の採用、投資家や金融機関からの評価に非常に有益な認証制度となっています。 翻って本区のスタートアップ支援や産業振興の点に鑑み、環境配慮、社会への配慮を高い基準で実施する街となることで世界の目を渋谷に向けられるようになると思います。 先月、政府が、日本においてもこのB Corpに関する法整備の検討、もしくは日本版B Corp認証制度を実施する予定であるとの報道がありました。本区所在の企業が日本版B Corpの認証を受けるためには様々な要求を満たす必要がありますが、これを支援し、公共の利益を考えられる企業と共にその便益を区民に還元する仕組みをつくるべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、新型コロナウイルスについて2点伺います。 都内の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、ゴールデンウィーク明けから減少傾向ではありますが、今なお予断を許さない状況となっています。 一方で、新型コロナウイルス感染症対策としてのリバウンド警戒期間も解かれ、今後は感染防止対策を堅持しながら社会経済活動を再開していくフェーズと考えます。そこで、営業再開、時間制限解除による渋谷区内の飲食店における経済活動の再活性化に関し、本区としてはどのように取り組んでいくのか、区長の所見を伺います。 次に、新型コロナウイルスに感染した後で症状が長引くコロナ後遺症によって、今までどおりに働けなくなったり学業に支障が出たりする方がいると言われています。第6波ではより多くの感染者が発生しているため、深刻な後遺症に悩まされる区民の方が増えることが懸念されます。本区としてはどのような対策を検討しているのか、区長の所見を伺います。 次に、不妊治療の支援についてです。 少子化の原因は、育児と仕事の両立の問題、晩婚化などが言われていますが、不妊に悩む夫婦への支援も重要であると考えます。幸い令和4年4月から、人工授精等の一般不妊治療、体外受精・顕微授精等の生殖補助医療について保険適用されることとなりました。これは日本生殖医学会が、国内で行われている生殖補助医療及び一般不妊治療の各医療技術について有効性等のエビデンスレベルの評価を行い、取りまとめた生殖医療ガイドライン等を踏まえたものです。 生殖補助医療については、採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療は全て保険適用され、先進医療に位置づけられたものについては保険診療と併用可能となります。しかしながら、保険適用となっても不妊治療には高額な費用が必要であり、自己負担分について経済的支援を行い、妊娠、出産を望む人がその希望を実現できるよう区として最大の支援をすべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、新しい学校づくりの整備方針についてです。 今般、区及び教育委員会は「渋谷区新しい学校づくり整備方針~学校施設の未来像と建て替えロードマップ~」を公表し、令和2年度に策定された渋谷区学校施設長寿命化計画を具体化するために今後、整備する学校の未来像を提示するとともに、20年間で22校を建て替え、かつその過程で新たな小中一貫教育校を3校設置していくロードマップをまとめました。 学校施設の老朽化の課題に正面から向き合い、全校全てを網羅し、当初30年と言われた計画を20年に収め、かつ10年後には、そのときの経済状況や人口動態などを考慮するための見直しもしっかり盛り込んでいます。区内全域での将来計画を示した区長並びに教育委員会の課題取組への姿勢を評価いたします。 公表資料に重なる部分もありますが、重要と思われる点に関し区長並びに教育長に質問いたします。 まず、区が実現しようとしているシブヤモデル「未来の学校」とは、今までの学校と何が違うのか、区長の所見を伺います。 また、新しい「未来の学校」とはどのような機能や特徴を持つ学校なのか、ここでどのような教育を展開されていくおつもりか、教育長の所見を伺います。 次に、3校の小中一貫教育校設置について、どのような観点で検討がされたのか、また、新たな小中一貫教育校は本年創立10周年を迎える渋谷本町学園の検証の基に設置されるべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 次に、ロードマップを見れば、まず最優先で取り組むことは青山病院跡地とスポーツセンター敷地内で計画されている仮設校舎の建設であります。それぞれどのような計画により進められるのか、現時点での構想を区長に伺います。 最後に、先月、都市計画審議会が開催され、神南小学校については市街地再開発事業による建替えの計画が説明されました。これからのまちづくりの中で、高度に都市化された地域の学校の建替えはそれぞれがばらばらに解体や建替えを進めるのではなく、良好な環境を建替え後も維持していく必要があります。都市化されビルに囲まれて、陽も当たらないような学校にしてはいけません。 さらに、児童・生徒の教育環境の向上のためにも、神南小学校の建替えはまちづくりと一体的な整備により進められることが望ましいと存じます。区長の所見を伺います。 以上、区長並びに教育長の答弁、よろしくお願いいたします。 ○議長(斎藤竜一) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、斉藤貴之議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、防災について3点のお尋ねです。 まず、災害時における避難所への公衆無線Wi‐Fiの設置についてです。 議員御指摘のとおり、災害時に区民が安否確認や情報を収集するためには、スマートフォンや携帯電話は有効な手段です。 本区では、平成30年北海道胆振東部地震や令和元年台風15号による大規模停電事故の教訓を踏まえ、令和2年度に、携帯電話の充電用として大容量の蓄電池を全ての避難所に配備したところです。また、避難所となる小中学校の体育館には、今後の建替えに合わせWi‐Fi通信機器の設置を予定しています。 しかし、この建替えの対象となっていない学校や建替えが完了するまでに相当の期間を要する学校については、国や都の補助制度の活用、通信事業者との連携など設置、運用に係る経費低減を図るとともに、平時にも有効活用できるスキームの構築など導入に向けての検討を進めてまいります。 次に、防災訓練についてのお尋ねです。 今年度から、これまで代々木公園で実施してきた総合防災訓練を、出張所管内の各地区で地域密着の参加型防災訓練として実施し、地域防災力のさらなる向上を目指します。 日程については、6月26日の松濤中学校における大向地区訓練を皮切りに、7月9日に笹塚中学校、10月には長谷戸小学校、11月には原宿外苑中学校、富谷小学校の5地区で試行的に実施します。 この新しい訓練では、地区の自主防災組織の方々の御意向を尊重しながら、これまで地域で取り組んできた訓練はしっかりと実施するとともに、ARやVRなど新しい訓練ツールや災害経験者による防災講話など、若い人も興味を持って参加できるコンテンツを取り入れます。 開催後は来場者アンケートや関係者の意見交換会による事業の検証を十分に行い、改善を重ね、来年度の全地区での開催を目指します。 また、今年度の実施地区以外での地区で開催する防災訓練では、これまでどおりの開催支援をしてまいります。 今後の防災訓練は、各地区で自主的に実施してきた地区訓練を防災キャラバンに統合し、避難所運営訓練は自主防災組織を中心に実施するなど、役割を整理していきたいと考えています。 次に、災害対策とデジタル対応についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、本区では、各種防災関連情報を発信している渋谷区防災アプリにより、避難所の開設や混雑状況などをリアルタイムに提供する取組を行ってきました。しかしながら、防災分野においてはデータやデジタル技術の活用の余地はまだまだ大きく、民間の技術や知見を得ながら取組を加速させることが必要だと考えます。 今年の秋を目途に、スマートシティ推進を目的とした産官学民連携での協議体の設立を進めておりますが、その中で、防災IoTを重点テーマとして取り組むことを計画しています。例えば建物ごとの避難スペースや備蓄品の状況等、行政や企業等がそれぞれ保有する防災関連データの共有をはじめ、人流や物流の動きなど、発災後の変化を把握できるようなデータや分析シミュレーション基盤の整備を検討し、地域全体として迅速かつ的確に災害対応を行うための環境整備に着手していきます。 また、区民や来街者等、より多くの人々が防災情報を直感的に自分事として認識し、防災意識の向上を図っていくためにも、デジタルツイン技術やVR等、民間企業や研究機関の保有する技術や知見の活用を進めていきたいと考えます。 このように防災分野へのデジタル技術の活用を推進し、行政、企業、区民、来街者等、区に関わる多様な主体が相互に、迅速に助け合う地域防災力の向上を目指してまいります。 次に、まちづくりについて2点の御質問です。 まず、渋谷駅周辺の開発についてのお尋ねです。 渋谷駅中心地区から始まった開発が、近年は渋谷駅の周辺地域に拡大しています。特に宮益坂、道玄坂の大山街道沿道では、現在、複数の再開発事業が進捗しています。 渋谷駅周辺のまちづくりでは、目指す将来像として「創造文化都市」の実現を掲げています。創造文化都市とは、多様で寛容な価値観の下、新たな価値や文化、イノベーションが生み出されていく国際都市のことであり、実現のためには多様な人が集まり、都市活動を展開する舞台が必要です。舞台となる渋谷独自の多様なスケールや機能が集積した都市空間を形成していくため、大規模開発だけでなく、中、小のスケールを含めた各建物が更新できる渋谷にふさわしい建替えルールを、東京のしゃれた街並みづくり推進条例の街区再編まちづくり制度に基づく、街並み再生方針としてまとめる必要があります。 現在検討中の街並み再生方針では、地域の課題解決案や魅力創出に寄与する地域貢献メニューを規模に応じて定めるとともに、規制緩和をすることで中、小の建物も建て替えやすくなる仕組みを方針として示しています。 今後、街並み再生方針を都市計画の地区計画として定めることで、渋谷駅周辺の各地区が持つまちの特性を生かしたまちづくりを進めていくつもりです。 今後も地域の皆様とは丁寧な意見交換を重ね、渋谷の特徴を生かし、魅力を高める大、中、小のまちづくりを併せて進めていくことで、「ちがいをちからに変える街」の実現を目指してまいります。 次に、大山街道プロジェクトについてのお尋ねです。 私は、大山街道を渋谷の新たな交流や文化・情報発信の舞台となるストリートとするためには、区民や来街者に開かれたウォーカブルな道づくりを推進することが重要だと考えています。こうした道づくりを進めることにより、世界に誇る渋谷駅前の点のにぎわいを、道玄坂、宮益坂の線で周辺地域と結び、面的に広げていくことが可能になると考えています。 現在、ウォーカブルな道路の在り方等については、地域の皆様や学識経験者、また沿道の再開発事業者と連携して検討を進めています。とりわけ商店街など沿道の皆さんとは膝を交えた勉強会を開催し、道路空間の活用の在り方や将来イメージ等について意見交換を行っています。引き続き、地域の声を生かしながら具体的な道路のデザイン等について検討を進め、渋谷らしい新たなプロムナードを実現してまいります。 次に、環境について、家具再生事業の今後の進め方に関するお尋ねです。 本区の再生家具事業における販売件数は、かつて年間1,000点を超えていました。しかし、橋梁工事に伴う並木橋リサイクルセンターの閉鎖や、コロナ禍のため家具の陳列販売を休止せざるを得なかったことなどから、近年は減少傾向にあり、令和3年度の販売数は300点を下回りました。 一方、緊急事態宣言下で度々外出自粛が求められ、家の中の整理に対する関心が高まったためか、粗大ごみの収集申込数は増加しています。昨年度中に収集した家具は、高さと奥行きの合計が180センチを超える中型以上のものに限っても6,000点ありました。これらの中には再生可能なものが相当数含まれていると思われ、ごみの減量が急務である今、家具リユースの仕組みを拡充すべき時期に来ていると考えます。 議員の御発言にもありました資源の有効活用の観点から、再生家具事業の今後の在り方についての検討を加速し、事業の拡充の早期実現を目指してまいります。 次に、施設建設について2点のお尋ねです。 まず、ケアコミュニティ・原宿の丘の建替えについての御質問です。 議員御指摘のとおり、本区は学校、住宅を除く区の一般建物施設について、建物状況や工事費用の推移などを中心に現状と課題を整理し、今後10年間の対策として渋谷区一般建物施設長寿命化計画を昨年3月に策定しました。 本計画では、築60年を超え老朽化の進むケアコミュニティ・原宿の丘について、令和7年度から9年度までを目安に建替え工事に着手する予定をお示ししました。その後、昨年9月には、本施設の建替えに当たり神宮前地区町会連合会外4団体から要望書の御提出があり、地域コミュニティ、福祉、子育てなど多方面にわたる御要望をいただきました。 これら待ったなしの状況を踏まえ、区では本施設の建替えプロジェクトに速やかに着手するため、令和4年度に基本計画を策定し、令和5年度から6年度に基本・実施設計を行い、令和7年度から建物解体に着手できるよう準備を進めることとし、令和4年度当初予算に基本計画策定の経費を計上しています。 今後は設計、施工のマネジメント事業者の専門力を活用し、まず建物やサービスの状況、維持管理のコストなどを客観的に分析し、用途地域や高さ制限などの条件を精査して実現可能な建替え手法を整備します。そして、要望書を御提出いただいた各団体や近隣にお住まいの方々はもとより、既存のサービスの利用者や運営事業者も含め御意見や御要望を広く丁寧に伺いながら、新施設のコンセプト、規模、機能、配置などを具体化し、本年10月頃までに基本計画の素案を作成し、お示ししたいと考えています。 次に、今後の施設建設についての御質問です。 施設の老朽化による区民サービスの低下を防止し、区民の利便性を向上させるためには、このたび公表した小学校、中学校の建替えの長期計画や、一般建物施設長寿命化計画等の着実な推進が必要と考えます。 一方、議員の御発言にもありましたが、施設建設に係る状況は、世界的なコロナウイルス感染の収拾がいまだに見えていないことや、国際的なサプライチェーンが混乱し半導体や建設資材の需給バランスが大きく崩れ、ロシアとウクライナの情勢に起因する原油高とエネルギーコストの上昇、そして円安が追い打ちをかけ、今後も情勢を正確に見通すことが困難になっています。 しかし、このような状況においても区が計画を完遂するためには、景気動向に左右されることなく整備を着実に進められる、中長期的な視点を持った安定的な財政基盤と執行体制が不可欠です。 財政基盤については、事業執行経費の適正化による不断の歳出見直しとともに、歳入の確保に努めることはもちろん、都市整備基金を効果的に活用しつつ、持続可能な財政運営を確保してまいります。 また、執行体制については、技術職員のスキルアップのための人財育成を図るとともに、設計、施工のマネジメント事業者への委託による民間スキルの活用や建築コストの適正化も検討し、さらに設計・施工一括発注の導入等、多様な発注方法についても検討を行い、より効率的な施設建設を進める体制を強化してまいります。 いずれにいたしましても、今後も区民をはじめ多くの皆様に喜ばれ、愛される施設の建設を着実かつ迅速に進めてまいります。 次に、デジタルサービスについて2点の御質問です。 まず、デジタルコミュニケーションプラットフォームについてのお尋ねです。 デジタルコミュニケーションプラットフォームには、大きく二つの側面があります。 一つ目は、お客様接点となるコミュニケーションポータルです。コミュニケーションポータルは、区民をはじめ渋谷区に関わるあらゆる人を対象として、一人一人に最適化された情報やサービスを提供するためのポータルサイトです。利用者がログインすることで、御自身が登録した属性や興味、関心分野に応じてその方に合わせた情報を表示し、お知らせする仕組みになります。 これにより、検索など自ら情報を探しに行かなくても常にその人に必要な情報がリストアップされ、容易に取得できるようになります。さらに、LINEや新たに導入するデジタル地域通貨とも連携し、将来的には相談や申請のナビゲーション機能も実装します。 二つ目は、区役所側の仕組みとなる統合プラットフォームです。 コミュニケーションポータルを通じて得た利用者の情報を、御本人の同意に基づいて関連部署間で適切に共有し、活用するための基盤になります。昨今の複雑化、複合化するお困り事や御相談に対して、収集した情報を効率的に共有し、関連部署間で連携した対応が円滑にできる仕組みを構築します。利用者の方には、御自身の情報をどのような目的、業務に共有してよいか承諾を得るようにし、その個人情報は本人が承諾した範囲内でのみ共有できるようになります。 デジタルコミュニケーションプラットフォームは、行政サービスのパーソナライズ化に寄与し、一人一人の利用者に的確かつ組織横断的な対応を行うための統合型コミュニケーション基盤として構築を図っていきます。 今年度は子育てネウボラに関連する分野での利用を開始し、来年度以降は福祉を中心とした重層的支援体制整備事業での活用にも拡大していく予定です。 次に、施設予約システムについてのお尋ねです。 現行の施設予約システムは平成23年に稼働したものであり、時代にそぐわない部分が出てきました。例えば検索・予約画面などはパソコンでの操作を前提としたものであり、スマートフォンからでは画面レイアウトが使いづらいものとなっています。 そこで、施設予約システムをリプレイスするに当たり、ユーザーインターフェースの改善を行い、デバイスの特性に合わせた表示ができるレスポンシブデザインを採用しました。これにより、パソコンでも、スマートフォンやタブレットでもそれぞれ最適な画面レイアウトが表示され、従来よりも少ない画面遷移でスムーズに操作できるようになります。 また、団体登録をする際に、従来は利用する施設に出向いて書類を提出して登録手続をする必要がありましたが、新しい施設予約システムでは、オンラインでいつでも新規団体登録申請が可能な仕組みを導入しました。スマートフォンを利用して顔写真をアップロードして本人確認を行うeKYC方式と、マイナンバーカードを使った公的個人認証サービス、いわゆるJPKIで本人確認を行う方式の両方を実装します。 こうした仕組みの導入により、利用者の方の選択肢を増やして、利便性の向上を図っていきます。 導入対象施設については、既に施設予約システムを導入しているスポーツ施設等に加え、新たに地域交流センター11か所、渋谷男女平等・ダイバーシティセンターアイリス、商工会館、消費者センター、はつらつセンター4か所を予定しています。 なお、稼働の時期につきましては、先ほど冒頭発言でも申し上げましたとおり、本年度後半からの稼働に向けシステム構築を進めており、今後、適切なタイミングで区民の皆様へ周知を行っていきたいと考えています。 次に、産業観光について2点のお尋ねです。 初めに、スタートアップ支援についてお答えします。 海外のスタートアップ企業や国際的な成功を目指す日本のスタートアップ企業のための育成組織の設立については、現在、志を共にする行政機関や民間企業らと共に鋭意検討を進めています。また、令和4年3月には、育成機関の立ち上げを前提に国際的なスタートアップ都市としての機能を渋谷につくっていくため、内閣府、経産省、JETRO、東京都、民間企業とともに「東京国際スタートアップ・ゲートウェイ地区:シブヤ」構想の準備委員会を立ち上げました。 検討中の育成機関を成功させる上では、グローバルな視点と経験を持つ人材の確保が重要になり、連携する行政機関や民間企業、専門家より法人形態、定款や経営陣、事業計画並びに資金調達など、多角的な助言を得ながら準備を進めている状況です。 スケジュールとしては、第3回定例会で同組織設立に係る補正予算を上程する予定です。 次に、産業振興と社会貢献の両立についてのお尋ねです。 B Corpとは事業の目的に公益重視を位置づける企業のことで、従来の株主や従業員、取引先などのステークホルダーへの貢献に加え、社会の課題解決を事業の目的とし「ベネフィット・コーポレーション」と呼ばれています。例えば米国の眼鏡販売会社では、眼鏡が一つ売れるたびに経済的に恵まれない人1人に眼鏡を届ける企業などが注目されています。このB Corp認証の日本版が検討されていることは、官民連携やスタートアップエコシステム構築を進める本区にとって大きな機会になるものと期待しています。 議員の御質問にありますが、認証を得ることで事業者にとっては社会的信用の獲得につながるなどの様々なメリットがあるとともに、こうした事業者が区内に増えていくことは、地域や区民の利益の増進にもつながるものと考えます。日本版B Corpについて研究を進め、産業振興と社会貢献が両立されるよう、区として必要な支援について検討してまいります。 次に、健康推進について2点のお尋ねです。 初めに、新型コロナウイルスに係る飲食店の再開に伴う状況についてお答えいたします。 本区では長引くコロナ禍の中、区内産業を支援するため、特別融資や消費活性化事業をはじめ、感染拡大防止の観点から感染対策グッズの配布など、継続的に様々な支援を行ってきました。 新型コロナウイルス感染症の影響は今も続いていますが、都のリバウンド警戒期間が終了し、飲食店への制限も緩和され、経済活動やイベントも徐々に再開し、街にも活気が戻りつつあると感じています。本区では、特別融資を延長するなど引き続き厳しい経営状況にある事業所の支援を行っていますが、アフターコロナに向けて、再開されつつある地域活動や経済活動をこれまで以上に力強く支援していくため、現在準備を進めているデジタル地域通貨の仕組みを積極的に活用するなど、力強い地域経済の再活性化に取り組んでまいります。 一方、これまで段階的に飲食店の規制緩和が行われた中で、食中毒などの相談も増加傾向にあり、今後さらに規制が緩和あるいは撤廃されると食中毒の発生が懸念されるところです。そこで、食中毒防止の観点から、飲食店等に導入が義務化されている国際的な衛生管理手法であるHACCPに基づく指導、さらに一般飲食店だけでなくテイクアウト、デリバリー営業に対する監視指導を実施し、それぞれの形態に合った衛生管理を徹底させ、食の安全に取り組んでいきます。 次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてのお尋ねです。 本区の対策として、まず、区内医療機関に対し、国が作成した「罹患後症状のマネジメントに関する手引」に沿って症状に応じた適切な検査や治療を受けられるよう、区内医療機関へ周知をしています。また、本区の患者専用のホームページでは区民向けのコロナ後遺症の専門相談情報を紹介しているほか、都立病院や公社病院に設置されている無料電話窓口を紹介したり、コールセンターでも医療機関情報を提供しています。 新型コロナウイルス感染症の後遺症は、症状が長引くと、療養以外の相談への対応も必要になると考えられます。現場復帰支援や生活援助など担当の部署が適切に支援できるよう、連携を強化していきます。 次に、不妊治療の支援についてのお尋ねです。 私も、妊娠、出産を望む人への支援は重要な課題であると考えています。 これまで不妊治療の支援について国や都の動きを見守ってきましたが、本年4月に保険適用や先進医療の範囲が確定しましたので、この機を捉えて区独自の支援策を充実させていきます。具体的には、保険診療の際の自己負担分の助成などの経済的支援策について、年度内に開始できるように準備を進めてまいります。 次に、教育について3点のお尋ねです。 初めに、シブヤモデル「未来の学校」についてのお尋ねです。 このたび公表した新しい学校づくりの整備方針では、新たな学びの場、地域コミュニティの拠点、環境への配慮の三つを柱としました。情報化やグローバル化の進展により、社会の在り方そのものが現在とは非連続的と言えるほど劇的な変化が予測されます。「未来の学校」では、次世代の子どもたちがこうした未来を生き抜くための力、例えば互いの違いを認め合い共存関係をデザインする力や、基礎、基本から無限の可能性を引き出す応用力や発想力などを身につけることができるよう、必要な環境を整えたいと思っています。 時代とともに学びの姿が大きく変容する中、未来の新しい学びを実現していくためには、従来の画一的、固定的な学校施設から転換を図る必要があります。こうした変化にも対応すべく、整備方針では、学校のあらゆる空間の可能性を生かし、学校全体を学びの場として捉え、多様な学びの姿にも対応するよう教室等に可変性と柔軟性を持たせるとともに、ICTの活用により時間と場所を限定しないシームレスな学習環境の整備を挙げています。 一方、こうした学校施設は、地域の人々にとっても多様な学習や活動の拠点となります。教室や体育館、プールなどは子どもたちと地域住民との動線の区分や防犯対策等のセキュリティを確保した上で、地域に開放することを前提として整備します。 さらに地域の特性に応じた公共施設との複合化により、学校施設が地域の人づくりや魅力向上につながるよう整備するとともに、学校と地域が連携、協働し、共に創造的な活動を実施するための空間づくりを進めていきます。 また、あらかじめ災害時の避難所運営を想定し、Wi‐Fi等の通信環境の整備や避難スペース、トイレ、倉庫等の配置の工夫、避難所での居住性を確保した換気や採光等にも配慮したものとします。 区内全体の学校の建替えは20年間という長期にわたるものとなりますが、区民の方々とそのビジョン、目標を共有し、区議会の御協力を得ながら計画を着実に推進してまいります。そして子どもたちや地域の方々にとって、共に集い、学び、生涯にわたって愛着や親しみのある「未来の学校」づくりを進めてまいります。 次に、仮設校舎についての御質問です。 旧都立青山病院跡地は、約1万8,000平方メートルの面積を有する広大な敷地です。この場所に建築する仮設校舎は神南小学校、広尾中学校、松濤中学校の3校が使用し、その後、鉢山中学校と原宿外苑中学校が使用する予定で、土地所有者である東京都と詳細について協議中です。 仮校舎は、3校が同時に入る校舎棟のほか、3か所の体育館や屋外運動場の整備を構想しています。それぞれの学校の学習活動に支障が生じないよう配慮しつつ、小学校と中学校、また中学校同士の交流や連携が図れることを期待しています。 また、通学路の変更に伴う児童・生徒の安全確保には、教育委員会と共にしっかりと対応策を考えてまいります。 スポーツセンターは区の施設の中で最も大きな敷地面積を持ち、仮校舎として敷地の一部を利用することを計画しました。具体的には、運動場は残し、周囲のテニスコート等の部分に校舎や体育館を設置、建設することを想定しています。令和8年度から代々木中学校が使用し、その後、幡代小学校、西原小学校、笹塚中学校、富谷小学校の5校が順次使用する計画です。 1校当たりの建替え工事は3年間を見込んでいるため、合計で15年間の利用となります。スポーツセンターを利用されている皆様にはこの間、御不便をおかけすることとなりますが、学校施設開放やリニューアルされる本町第2グラウンドなど、代替場所の確保に努めてまいります。御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 最後に、神南小学校の建替えにつきまして、昨年、市街地再開発準備組合より区に対し、学校用地と民間敷地の一体的なまちづくりを行い、市街地環境の改善と防災性の向上を実現する旨の提案がありました。具体的には、渋谷区役所、公会堂、神南小学校が立地した地域特性を生かし、公共施設集積エリアが一体となったまちづくりに取り組むとして、エリアの中心には広場を整備し、避難所でもある神南小学校を建て替え、地域防災力を総合的に強化するなどのまちづくりが計画されています。 議員御指摘のとおり、ビルに囲まれた神南小学校が周辺のまちづくりと一体的に整備されることは、児童への工事の影響を最小限とし、将来にわたって学校環境を守ることにもつながると考えます。青山病院跡地での仮設校舎利用のめども立ち、この計画の中で神南小学校の建替えを進めていけるよう、地域や保護者の御意見もお聞きしながら取り組んでまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 五十嵐教育委員会教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 私には、教育について2点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、新しい「未来の学校」はどのような機能や特徴を持ち、どのような教育を展開していくつもりかとのお尋ねです。 教育委員会の教育目標では、「未来の学校」として子ども一人一人が自分の個性を伸ばし、未来をよりよく生きるための力をつけることのできる学校づくりを掲げています。 これからの子どもたちは、未来を予測することが困難な社会を生き抜いていくことになります。このため自ら学び、成長し続け、他者と協力して新たな価値を創造し、自律的に自分の未来を切り開いて生きていくための力を育む教育が必要です。 このたび公表した新しい学校づくり整備方針では、渋谷区が目指す学びを実現する学校施設の姿をお示ししました。学校は教室、廊下とそれ以外の特別教室で構成されるものというこれまでの固定概念から脱し、廊下や屋外なども活用しながら学びの空間を自由に変えられるつくりになっています。通信ネットワーク等のオンライン環境も充実させ、時間や空間に制限されない可変性や柔軟性のある学習環境を整備していきます。 また、子どもたちが主体となった個別最適な学びや協働的な学びなど、多様な学びに対応したラーニング・コモンズを整備します。 さらにセキュリティをしっかり確保した上で地域住民にも開放し、地域との連携、協働で子どもたちの学びが学校外の地域社会に広がるようにします。 校内のあらゆる空間が子どもたちの学びの共創空間となるよう、柔軟で創造的な学習環境を実現していきます。 加えて、1日のうち大半の時間を過ごす学校は、児童・生徒の感性や人間性、社会性を育む場となるものです。子どもたちにとって豊かな学習、生活の場となるよう、木質化や自然採光を多く取り入れ、居心地がよく、快適でぬくもりを感じる生活空間にしていきます。 シブヤモデル「未来の学校」を実現するためには、多くの関係者の理解を得ることが必要不可欠です。全ての子どもたちの可能性を引き出し、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るため、子どもたちやその保護者、地域の方々と新たな学びの姿を共有し、子どもたちと学校に集う人々の笑顔が輝き、幸せになれる学校づくりを進めてまいります。 次に、小中一貫教育校についての御質問です。 今回公表したロードマップでは、千駄谷小学校と原宿外苑中学校、猿楽小学校と鉢山中学校を令和13年度に、笹塚小学校と笹塚中学校を令和20年度に小中一貫教育校とする計画としています。 対象校の選定に当たっては、児童・生徒数の将来推計を基に、将来小規模校化が見込まれる学校の再配置を検討するとともに、小学校同士、中学校同士のほか小学校と中学校の統合についても検討を行いました。その結果、小規模校化が見込まれる鉢山中学校、千駄谷小学校、原宿外苑中学校、笹塚中学校の4校は小中一貫教育校とし、また、小規模校ではないものの、規模や立地、通学距離の条件により笹塚小学校は笹塚中学校と、猿楽小学校は鉢山中学校と一貫校化する対象としました。 なお、一貫教育校として再編し、移転した学校は、周辺の学校建替えのための仮設校舎利用や第2グラウンドとしての活用を想定しており、今後の地域ニーズ等を踏まえ、有効に活用していく予定です。 議員からは、新たな小中一貫教育校は、本年創立10周年を迎えた渋谷本町学園の検証の上に設置されるべきとの御提言がありました。渋谷本町学園は、本区唯一の施設一体型の小中一貫教育校として、9年間を見通した系統的、計画的な指導計画、評価計画に基づき、学びの基本となる渋谷本町スタイルを全学級で実践しています。小学校、中学校の文化の違いを超えて9年間でどのような力を育てるのかを教職員全員で共通理解し、小中合同の授業研究や行事等の運営を通して、協働して学習指導や生活指導に当たっています。 御提言の趣旨を踏まえ、渋谷本町学園で培ってきた全てを新たな3校の小中一貫教育校の設立に生かしてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 10番斉藤貴之議員。 ◆10番(斉藤貴之) 区長、教育長、大変前向きな答弁ありがとうございます。 少し所感を述べさせていただきます。 まず防災関係ですが、先月25日に東京都が公表した首都直下型地震の新たな被害想定の中で、都心南部直下地震は23区の約6割が震度6以上の揺れとなり、死者数は最大6,148人に上ると言われております。2012年の前回の想定時より建物の耐震化や木造密集市街地の不燃化対策が進み、死者数と建物の全壊などは36%減りましたが、オフィスビルやタワーマンションの増加といった都市災害の課題を浮き彫りにした帰宅困難者は、最大で452万人に増加しております。また、エレベーターの停止台数も、10年前の前回の被害想定の3倍に拡大しております。 このような想定は、まさに渋谷区に当てはまる条件だと思われます。帰宅困難者対策や避難所の整備計画、しっかり進めていただきたいと思います。 次に、まちづくりについてですが、渋谷駅周辺や大山街道、道玄坂は本当に渋谷の顔となるエリアになると考えますので、地域の意見も踏まえつつ、丁寧にまちづくりと街道づくりを進めていただきたいと思います。 次に、施設建設につきましては、最近の様々な影響を受けて入札の不調も目立ってきておりますので、十分に調査、検討を行っていただいて、また、利用者や地域の皆様の意見をしっかり取り入れて進めていただきたいと思います。 デジタルサービスについては、日々進歩しているデジタルサービスなので、その流れに乗り遅れないように、また、先を行くつもりで進めていただきたいと思います。 次に、産業観光についてですが、地域の商店街や飲食店などのサービス業は、長引く新型コロナウイルス感染症や物価の上昇などで大変苦しんでいると聞いております。しっかりそちらの支援もお願いしたいと思います。 次に、健康推進については、私も2月初旬にコロナに罹患いたしまして、そのときは皆様に大変御迷惑をおかけしました。 その後ですね、実はつい最近まで原因不明の体調不良に悩まされていまして、頭が働かなかったりですね、やる気が起きなかったことが、これがですね、コロナ後遺症なのかどうかはちょっと分かりませんが、すごく不安になりました。このような症状で悩んでいる方はほかにもたくさんいると考えられますので、是非ですね、気軽に相談できる体制づくりを進めていただきたいと思います。 最後に教育ですが、学校での主役は、やっぱり子どもたちだと思います。子どもたちの教育環境を最優先に考えて学校建替えを推進していっていただければと思います。 私たち自由民主党議員団は、区民の命、区民の生活を最優先に考え区政運営を進めていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。 ○議長(斎藤竜一) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------     休憩 午後2時33分     再開 午後2時55分----------------------------------- ○副議長(薬丸義人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 4番神薗麻智子議員。 ◆4番(神薗麻智子) シブヤを笑顔にする会の神薗麻智子です。会派を代表して質問いたします。 大項目1点目は、環境についてです。 気候変動による全世界規模の災害をはじめ、様々な地球環境問題が起きる中、生活基盤が脅かされる可能性があることを、私たちはこの数年で強く実感しました。人間が持続可能に暮らし続けるために、本区も「渋谷区環境基本計画2018」「渋谷区地球温暖化対策実行計画2021」をつくり実行しています。 また、我が会派の橋本侑樹議員が昨年第3回定例会で提案した、30代以下の若者で構成する(仮称)「シブヤ若者気候変動会議」を実施すると、区長発言でもありました。 そこで、区長及び教育長に4点お伺いします。 1点目は、「渋谷区環境基本計画2018」についてです。 2022年度末が第2期の終了地点であり、中間見直しを踏まえて第3期がスタートします。現時点の各分野の進捗状況と課題点を区長にお伺いします。 2点目です。中間見直しの際に、欧州がリーディングしている「サーキュラーエコノミー」の実践を導入すると、世界から注目されるまちづくりになると考えます。 こちらを御覧ください。皆さんのタブレットにも入っておりますので、是非そちらでもお手元を御覧いただければと思います。 右側の図がサーキュラーエコノミーを表したものですが、一言で説明すると、企画や製品開発の段階から「捨てる」フェーズをなくして、全ての資源を使用し続ける仕組みを構築することです。 なぜ今、欧州で「サーキュラーエコノミー」が推進されるのかということですが、3つのP、プロフィット(経済)、ピープル(人間の幸福度)、プラネット(地球環境)をバランスよく反映させていくために欠かせない仕組みであり、環境負荷の軽減だけでなく、これまでにないビジネスモデルが新たな経済効果や雇用創出をもたらすことが判明しているからです。 現在日本には、徳島県上勝町や鹿児島県大崎町など、焼却炉の増設や埋立て処分場の増設ができないという背景から、ごみを出さない取組ゼロウェストを徹底し、世界から注目されるケースはありますが、都市型のケースはまだ存在しておりません。 本区の計画では、既にリユース・リサイクルエコノミーへ移行していますが、中間見直しでサーキュラーシティーを目指すことは、日本社会への大きなインパクトにもなると考えますが、区長の御所見をお伺いします。 3点目として、スタートアップ支援を生かしたサーキュラーエコノミーを実践する企業との積極的連携についてです。 例えば、鹿児島県大崎町では、資源化が難しい廃棄物の一つに「おむつ」があることが分かり、再資源化のためにおむつメーカーと実証実験を始めています。今後、計画が進む学校長寿命化で仮校舎を建設する際、壊すときに建築廃材を出さずに、資源として使い続けることができるように計画するなど、サーキュラーエコノミーを推進する企業と連携し、区の新しい事業や課題に取り組むことをできないか、区長の所見をお伺いします。 4点目は、給食に有機や無農薬などオーガニックな食材を導入できないでしょうか。 本区の給食は、我が会派の佐藤真理議員や田中匠身議員が提案した、子どもたちからも大好評の渋谷ワンダフル給食をはじめ、様々な取組を行っています。 環境の観点で考えたとき、大量消費地だからこそ、地球環境にサステーナブルなものを選択し、消費するという姿勢を本区として示すことは、生産地にとっても大きなインパクトになると考えます。 ママエンジェルスという全国の母親たちの団体が、「オーガニック食・農に関する意識調査」のアンケートを実施、回答者1万3,773名のうち1万2,669名、92%がオーガニック給食を望んでいることが分かりました。そういったニーズも踏まえ、参議院農林水産委員会で「みどりの食料システム戦略」の関連法案が可決され、学校給食での有機農産物の利用促進を念頭に教育との連携が求められました。 お隣の目黒区では栄養士の先生方が中心となり、子どもたちの宿泊研修で関係のある北杜市の農家と協力し、食材の主力であり、日持ちもしやすいジャガイモ、ニンジン、タマネギを有機栽培し、地元の八百屋に卸してもらう取組をしています。値段も通常より若干高いものの、給食費の徴収に大きな影響を与えず、実施しています。導入の工夫として、給食に取り入れやすい時期や食材を考え、段階的に進めていること、規格外の野菜も活用すること、生産者の顔が見えるようにすることなどを伺いました。また、取り入れやすい食材として、米があると教えていただきました。 そこで、オーガニック給食の第一歩目として、大館市の給食米を有機米にするよう働きかけることができないかと考えます。関係する自治体からの有機栽培された食材の調達や、給食に御尽力いただいている地域の八百屋への協力依頼など、産業観光文化部の力が必要と考えますので、まずは区長の御所見をお伺いします。 また、大きな方向性として、給食へオーガニックな食材を積極的に取り入れる教育効果について、教育長の御所見をお伺いします。 大項目2点目は、まちづくりについてです。 この秋からスタート予定のデジタル地域通貨について、2点区長にお伺いします。 1点目です。公募型のプロポーザルを経て、株式会社カヤックへの業務委託が決定しました。カヤックの運営する「まちのコイン」は、あえて法定通貨の「円」との換金性を持たせておらず、資本の規模にかかわらず手間とアイデアを生かし、地域のつながりをつくるコミュニティ通貨です。提案事業者が10社ある中で、カヤックを選択された理由をお教えください。また、デジタル地域通貨でどのような流通や地域振興を目指すのか、中長期的なビジョンと具体的な活用イメージをお示しください。 2点目です。他自治体での「まちのコイン」の活用を見ると、ソーシャルな活動との親和性が高いと感じます。そこで、区内の活動実績がある団体に、渋谷区の認定マークとポイントを付与できる権限を与え、その活動に協力した区民がポイントをもらうという仕組みを構築するのはいかがでしょうか。認定団体の活動を区が積極的に支援することができれば、デジタル地域通貨も活用が広がると考えます。区長の見解をお伺いします。 次に、関係人口の創出について、区長に2点の質問です。 コロナ禍で、リモートワークの推進により、どこでも働ける時代になりました。国土交通省白書2021を見ると、東京圏のテレワーク率は全国と比較しても10%高く、東京都内に本社を置く上場企業に対する調査では、テレワークを拡大・維持する企業が70%を占めました。また、テレワーク経験者のほうが、デュアルライフ(2拠点生活)やワーケーションへの興味関心が、未経験者の倍近くあることも分かりました。 そういった動向を見据え、本区で積極的に関係人口を創出する仕掛けができないでしょうか。もたらされるメリットとして、区民個々人が多様な働き方やライフスタイル、学びの環境を手に入れることもありますが、区としては、防災の観点で強固な関係の構築、環境の側面から生産と消費の連続性を生み出すことが予想されます。 1点目は、積極的な関係人口創出として、特定の自治体と仕掛けを行うのはどうでしょうか。例えば、防災協定や観光・文化交流などで関係のある大館市、鹿児島市、佐世保市、飯田市、河津町、羽村市、新島村と連携し、双方のまちでコワーキングスペースやコミュニティマネジャーを配置し、人脈づくりや商談の手伝い、シェアリングで民泊や車を活用、子どもの保育は保育園やベビーシッターで対応、学校に関しては、デュアルスクール制度や出席認定できるオンライン授業を用意するのはいかがでしょうか。また、S-SAPでリモートワークを推進している企業と連携も検討できると思います。積極的な関係人口創出について見解をお伺いします。 2点目は、前段で出たデジタル地域通貨を関係人口創出パートナー自治体と一緒に活用できないかという提案です。 例えば、大館市で田植えなどを手伝った区民がまちのコインを入手。その後、地元のお宅で家庭料理を食べ、まちのコインでお礼をするなど、デジタル地域通貨が区内だけでなく、関係する自治体をつなぐように発展させることができないでしょうか。区長の所見をお伺いします。 次に、NFTアートの推進について、区長に3点お伺いします。 NFTの市場は2021年に入り急速に伸びており、2019年度300億円だったものが、今や2兆円となっています。様々な分野でDXを推進してきた渋谷区だからこそ、NFTの分野でも先んじて働きかけていきたいと考えます。 1点目は、本区としてNFTアートを文化芸術分野の取組として推進していくべきと考えますがいかがでしょうか、区長の見解をお伺いします。 2点目は、本区にある大学や専門学校と連携し、若いクリエーターの発掘をするのはどうでしょうか。例えばアートコンテストなどを開き、区のランドマークであるスクランブル交差点などとコラボレーションしたNFTアート作品を生み出してもらいます。受賞作品はNFT化し、販売、収益は受賞者に還元します。また、受賞者は公認クリエーターとしてプロモーションを行うなど、デビュー支援まで行うのはいかがでしょうか、御所見をお伺いします。 3点目は、子どもたちにもNFTアートに触れる機会を創出するために、児童青少年施設などでワークショップの実施ができないでしょうか、御所見をお伺いします。 次に、ふるさと納税についてお伺いします。 令和になってからの4年間でふるさと納税による区民税の減収額が100億円を超えることが確実で、厳しい状況が続いています。返礼品や寄附のバリエーションを増やしていけないかと考えますが、その際に重要なのは「渋谷区らしさ」だと認識しています。2020年第2回定例会で我が会派の薬丸義人議員の質問でもありましたが、「ちがいを ちから に変える街。渋谷区」年齢・性別・障がいの有無にかかわらず、誰もが活躍できる多様性社会を推進していくことが分かり応援したくなる、そんな返礼品や寄附の強化ができないかと考えます。 一例として、ふるさとチョイスを運営するトラストバンクと、群馬県前橋市、岩手県北上市の3者が連携し開始した「きふと、」という思いやり型返礼品を全国に普及させるプロジェクトがあります。思いやり型返礼品とは、寄附をすることで、自分のためでなく誰かのためになる返礼品や、社会貢献につながる返礼品のことです。このプラットフォームを生かし、本区の強みを生かした返礼品、例えばシブヤフォントグッズや作業所のお菓子詰め合わせ、高齢者の方を支援する親孝行代行サービス、前段提案したNFTアートやデジタル地域通貨を返礼品とするのはどうでしょうか。自治体によっては、各小中学校の活動や備品整備をOB、OGが支援する寄附型の取組もあります。本区らしい思いやり型返礼品について、区長の見解をお伺いします。 次に、西参道プロジェクトについてお伺いします。 高架下の駒テラス西参道施設や道路整備方針が示され、第1弾として先日4月17日に西参道口でみちびらきと植樹祭が執り行われました。地域の方々の期待感が増しています。一方で、代々木四丁目区民施設よりも甲州街道側の高架下に関しては、大きな方針が示されていない状況です。首都高速道路株式会社との相談もある中で、明確な方針を示すことは難しいと思いますが、玉川上水旧水路緑道の開発との親和性など、今後どのように展望し進めていくのか、住民の方々からもお声をいただいています。 先日、町会や商店会が企画した対話の場がありました。きれいになった西参道口でのイベント企画をはじめ活発な意見交換がなされ、まちづくり第二課にも積極的に支援いただいています。その中で、高架下の今後の活用について、すばらしいアイデアが住民の方から出ていましたので御紹介します。 高架下の歩道に接している植栽部分の区画をお借りし、ウッドデッキにして住民の交流の場とし、隣接する駐車場部分にフードトラックやお花屋さんなど、地域のニーズに合わせたSHOPモビリティに来てもらうのはどうかという提案でした。これは、高架下の駐車スペースが首都高速道路株式会社の大きな収益源にもなっていることや、地域の方々がこの西参道プロジェクトをきっかけに、多世代のコミュニティ形成に資するような居場所づくりをしたいという思いに寄り添った提案でした。 計画がまだ出されていない部分について、今後どのような展望を持っていらっしゃいますでしょうか。また、道路の整備や駒テラス西参道ができた後、人流の変化、コミュニティの変化を客観的な数値で検証し、首都高速道路株式会社と高架下の活用について検討をする必要性を感じますが、御所見をお伺いします。 次に、ササハタハツプロジェクトで、EBPMの実践を行う提案についてです。 先日5月14日、15日に、388FARMβが開催され、3,700名近い方がお越しになり、大きな盛り上がりを見せました。2月からスタートした仮設ファームの実証実験にも20名のキャスト枠に310名の応募があるなど、期待感の高さを感じています。388FARMβでは、幡代小で収穫したキャベツを地元のお店の方がコールスローサラダにして提供するといったコラボレーションや、仮設ファームではキャストの皆さんが野菜のお世話はもちろん、周辺のごみ拾いやハトのふんの掃除なども積極的にしています。ごみのクレームが非常に多いエリアでしたが、居心地のよい空間になったという喜びの声もいただいています。まさに「FARM」というテーマどおり、コミュニティやまちが育っているように感じます。 この実証実験を再現性のある取組にするために、大学や民間企業の専門家に協力をいただき、科学的なデータを基に検証し、事業の改善やスキーム化を行うエビデンス組織を立ち上げられないでしょうか。 例えば、仮設ファームのキャストの皆さんに御協力いただき、バイタルやライフログデータ等を取り、心身の変化、ウェルビーイング度など検証項目を設定することで、取組の成果を見ることができると思います。成果が出た部分は、客観的な検証数値とともにスキーム化し、他自治体や海外へ知的財産として提供できると考えます。 まずは、ササハタハツプロジェクトでエビデンス組織を立ち上げ、その後、他事業へも展開していくのはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いします。 大項目3点目は、防災についてです。 コロナ禍で2年間、避難訓練や避難所開設訓練、防災点検などが実施できない期間が続きました。今年度は、地域での参加・実践型訓練を強化し、地域防災力を高める取組がスタートします。この動きはとても重要ですが、コロナ禍で充実したオンラインの防災訓練もよりブラッシュアップできるのではないかと考えます。 先日、町田市の青年会議所が国士舘大学の防災・救急救助総合研究所の協力の下、避難所運営ゲームHUGをオンライン上で実施し、100名を超える方が参加。自治体の特性に合わせた条件を取り入れ、専門家のミニ講演とワークショップ後の講評があったということで、大変学びの多い場になったようです。 以前、防災に関するカードゲームを生かした取組の提案が複数の会派からあり、研究するという答弁でしたが、今年度、地域で実施するからこそ、こういった取組を導入するのがよいのではないかと考えます。 また、国士舘大学の防災・救急救助総合研究所のような専門家チームにも御協力いただき、各エリアの特性に合わせた防災に関するカードゲームの取組を、リアルな防災訓練ではもちろんのこと、気軽に参加できるオンラインで導入するのはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いします。 大項目4点目、健康についてです。 厚生労働省から、2020年度の出生数が84万2,897人で過去最少と発表がありました。少子化の加速を受け、今年度から不妊治療の保険適用が始まりました。日本産婦人科学会が出した不妊治療の数字を見ると、体外受精件数は世界一の46万件ですが、体外受精成功率は約13%で、国際生殖補助医療監視委員会が世界60か国を調査した結果によると、日本の採卵1回当たりの出産率は最下位という結果でした。先進医療が発達する日本でなぜこのようなことが起きているのか。大きな要因の一つとして、体外受精に取り組む平均年齢が40歳前後と高齢であることが挙げられます。 こちらの図を御覧ください。 37歳から38歳以降、急激に妊娠率が低下することが、日本産婦人科学会のデータからも明らかです。このような科学的根拠を基にした知識を知っておくことで、自分自身のライフプランをどのように設計するのかの参考になります。 そこで、20代の女性に対するプレコンセプションケアの推進について提案します。プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、自分たちの生活や健康に向き合うことです。また、医療や制度も日々進展しているので、併せて知ることも重要です。 例えば、不妊の原因に子宮内膜症がありますが、その対策として排卵を止める低用量ピルを服用し、子宮内膜症のリスクを減らすことが可能ですし、生涯でできる卵子の数は決まっていますが、AMH検査で自分の卵子の数値を知ることもできます。キャリアを優先したい場合は、加齢による卵子の劣化を防ぐため、卵子凍結をするという選択肢もあるかもしれません。こういった情報を知ることが、個人のニーズに合った選択肢をつくり、多様性のあるライフスタイルにつながると考えます。もちろん、情報を知った上で、出産しない、特別養子縁組を考えるといったような選択肢もあると思います。 情報を届ける方法として、我が会派の橋本侑樹議員が昨年第3回定例会で提案しましたが、新成人を祝う会や子宮頸がん検診のクーポンお届けのタイミングで、年齢に合わせたプレコンセプションケアについて情報提供するのはいかがでしょうか。また、昨年度のソーシャルイノベーションウィークの後に、我が会派の伊藤毅志議員や森田由紀議員なども関わり立ち上げたWomen’s Wellness Action from Shibuyaの活動や、S-SAP企業と連携し、20代女性向けに情報として提供するなども検討できると思います。20代の女性に対するプレコンセプションケアの取組について、区長の御所見をお伺いします。 大項目5点目は、福祉について2点の質問です。 1点目は、重層的支援体制整備事業におけるネットワークづくりについてです。今年度は地域福祉コーディネーター4名を配置し、施策の検討や体制整備が始まりました。その中で、それぞれの対象者の相性に合う地域の居場所づくりが重要と考えます。こどもテーブルや認知症オレンジカフェなど、区内に様々な居場所が点在しています。まずは居場所支援団体の方々に、事業の目的や方向性を理解いただき、区の福祉関連部署の担当者と顔が見える関係性構築が重要と思います。さらには、団体同士のネットワークも強化し、学び合う場をつくることも重要と考えますが、区長の御所見をお伺いします。 2点目は、分身ロボットを生かした就労支援についてです。 渋谷区では、ハートバレーしぶやなどを中心に、積極的な障がい者雇用に取り組んでいます。しかしながら、肢体不自由者の就労支援はまだ難しく、文科省の特別支援教育学校卒業生のデータを見ると、就職者全体6,760名中、111名で1.6%と、ほかの障がい者と比較して低い状況です。また、難病患者の就労支援も大きな課題として上がるというふうに伺っています。 そういった課題を解決するため、分身ロボットOriHimeが活用できるのではないかという提案です。分身ロボットOriHimeは、カメラやマイク、スピーカーがロボット内に内蔵され、遠隔操作することで、例えば他者との会話や接客など様々な社会的活動が可能になり、自宅や病院にいながら社会参加することができます。既に神奈川県の県庁などの福祉ショップでの接客や、群馬県の県庁32階のカフェでスタッフとして注文や受付業務も行っています。 本区でも、例えば神宮前六丁目の商業施設に移転予定のシブヤフォントの売場や、2024年度に開設予定の神宮前三丁目の重症心身障がい者施設内のカフェ、区役所の店舗、あるいは出張所の受付などで、分身ロボットを生かした就労支援が行えないでしょうか。区長の見解をお伺いします。 大項目6点目は、子育てについて区長に2点の御質問です。 昨年度、待機児童ゼロを達成しました。大変喜ばしいことではありますが、その結果起きている課題として、これまで本区の多様な保育や待機児童の受皿としても力を尽くしてくださっている認証保育園が定員割れにより、経営が苦しい状態が続いています。 1点目は、直近の経済的支援についてです。定員が割れている枠に対して、一時預かりの仕組みを導入しようと、認証保育所の幾つかが検討しています。東京都で認証保育所一時預かり事業という制度があり、児童1人当たり日額2,400円、障がい児や多胎児の場合は3,600円の補助が出ます。都が2分の1、区が2分の1の負担割合です。この事業を生かし支援できないでしょうか。また、認証保育所からは未充足加算の要望も出ています。年度途中になりますが、短期的な経済的支援として復活ができないでしょうか。 2点目は、認証保育所への中長期的支援体制についてです。認可保育園や放課後等デイサービスなどへの移行、夜間保育所としての対応など、認証保育所がこれまで培ってきた特性を生かした業態の広がりを支援できないでしょうか。区長の見解をお伺いします。 大項目7点目は教育について、教育長に7点の御質問です。 1点目は、先日文教委員会で報告があった「新しい学校づくり」整備方針についてです。この方針は、2020年度に策定した「渋谷区学校施設長寿命化計画」を踏まえてつくられたもので、子どもたちに豊かで発展的な教育環境をつくるためのすばらしい方針ができたこと、我が会派の田中匠身議員が幾度となく提案したフューチャールームも取り入れたこと、高く評価しております。 まずは、シブヤモデル「未来の学校」を軸に、どのように公教育を創造していくのか、教育長の決意とビジョンをお聞かせください。 また、この方針は、新校舎が開設するまで待つというものではなく、既存の校舎や仮校舎でも、できる限りのトライアルをしながら、新校舎完成時にはソフト面の取組も充実している状態を目指すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 整備方針に当たり、小中一貫教育校を複数増やす検討も示されました。今年10年目を迎える渋谷本町学園の実践を振り返り、区として小中一貫教育校の在り方やカリキュラムデザインをつくることを検討されると思いますが、その計画を基に、小中一貫教育校予定の学校同士で児童・生徒の交流や教員同士の理解促進と指導研さんを行うこと、区立中学校8校の特色化を時代のニーズを踏まえて再定義をする必要があると考えますがいかがでしょうか、見解をお伺いします。 2点目は、学校教育の広報強化です。 区立の学校は、全国に先駆けて様々な取組を行っています。先ほどの、新しい学校づくり整備方針もそうですが、ICT利活用、コミュニティ・スクール、探究プログラムのシブヤ科、プログラミングのKids Valley、部活の地域移行を目指す渋谷ユナイテッド、放課後クラブの充実、渋谷ワンダフル給食、ラーニングリソースセンターなど、他自治体に紹介すると「すごいね」とよく言っていただきます。 しかしながら、シブヤモデルがあまり知られていない現状があります。先日も会派で区政報告会を行ったときに、もっと福祉や教育などに力を入れるべきだとお声をいただきました。まちづくりの華々しい取組は注目されていますが、教育や福祉といった現場に寄り添う地道な取組は伝わりづらいのだと痛感しました。 教育で注目を浴びる自治体は、必ず教育委員会が主導し、Educationフォーラムを開催、メディアの取材なども頻繁に受けています。例えば、熊本市などはテレビ局と共催し、協賛企業もつけてやっています。 本区の教育モデルを全国に展開するきっかけにもなりますが、教員にとっては取組に自信を持つ機会になりますし、保護者や児童・生徒は学校教育への理解が進み、信頼が深まるきっかけになると思います。教育委員会を中心に、戦略的にメディア露出やイベントなどを主催する必要性を感じますが、御所見をお伺いします。 次に、区立中学校で「募集」という観点で、さらなる広報強化についてです。 こちらの表を御覧ください。 東京都の公立学校統計調査報告書を見ると、2020年度、渋谷区立中学校へ進学する割合は61.1%で、ここ数年は減少傾向が見られます。東京都だけでも私立中学校が200校近くある中、地元の公立中学校が学校の魅力を伝えていくことは必須と感じます。 前段お伝えしたように、私立に負けない様々な取組が渋谷区にはあります。実際、英語教育に力を入れ、コミュニティ・スクールとしても地域力を生かした運営ができている松濤中学校には毎年多くの生徒が集まっています。 まずは各学校が持っている魅力を小学校の保護者や児童に伝えるということが重要と考えます。現在、6年生になって、各校が説明会で学校情報をお伝えする状況ですが、私立を選択する御家庭の多くが小3の冬から中学受験塾に通います。塾に通い出したら、何としてでも私立へという意識が親も子も働きます。そこで、小学校1・2年生の保護者に、渋谷区立中学校を知ってもらう機会を定期的につくることを提案します。 また、私立は広報活動として月一、二回程度、オープンスクールや説明会を開催、学校に保護者や児童に来てもらう機会をつくっています。これに関しても、土曜授業の学校公開日に保護者やお子さんたちに来てもらえるよう働きかけられないかと思います。日々の授業や中学生の様子を見てもらい、その後、学校について説明する機会や個別相談を受ける体制が整えられないでしょうか。 また、最近の私学では、デザイン性の高い紙媒体やデジタル素材を生かし、アプローチが行われます。例えば、渋谷ユナイテッドに文化部として、マーケティング・広報や動画制作、紙媒体編集などのスキルを得られるプロジェクトを設置してもらい、プロから指導してもらった生徒に、学校広報へつながる作品を作ってもらうということもできるかもしれません。教員に説明会のような場を実施してもらうことや、生徒からの協力を得ることが難しい場合は、地域学校協働本部に支援してもらうのも一つの手と思います。 私立校の広報活動の状況を把握し、児童や保護者に中学校の魅力を伝える機会を増やす取組が必要と考えますが、見解をお伺いします。 3点目は、不登校児童・生徒の支援強化についてです。昨年10月、小中学校における不登校児童・生徒の数は19万6,127人で、過去最多と文科省から発表がありました。本区でも2020年度は小学生66名、中学生118名の児童・生徒が不登校になっており、そのうち22名がけやき教室を利用していますが、全員に対して十分な支援が行き届いているとは言えない状況です。文科省が2019年度に出した通知には、支援の基本方針は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自ら進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。主体的に社会的自立や学校復帰に向かうよう、不登校のきっかけや継続理由に応じて、適切な支援や働きかけを行う必要があること。また、自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて、複数の要件が満たせば、学校長が出席扱いにできるとあります。 現在、不登校の児童・生徒へのフォローアップとして、ハイブリッド形式で授業を配信する取組が区内でも広がっていると思いますが、どのように取り組み、出席扱いの認定をしていますでしょうか、御教示ください。 熊本市やさいたま市では、オンライン専門の支援チームをつくり、新たな取組を始めています。両市とも適応教室やハイブリッド型の支援は行っているものの、「学校に対して不信感がある」「一方通行の授業で取り残された気持ちになる」といった声を受け、オンライン専門の支援を立ち上げています。また、児童・生徒1台タブレットが実現できたからこそ、支援を複線化し、子どもたちに寄り添った取組ができるようになったと聞いています。 例えば、熊本市ではフレンドリーオンラインという事業を昨年度より試行し、今年度より本格的にスタート。オンライン配信を専門で行う教員二、三名を小規模の小中学校1校ずつに配置し、取り組んでいます。学校らしさをあえて消す工夫をしており、例えば、帰りのショートホームルームといった、学校の時間割ネーミングを使わずに、ジャーネタイムとしています。オンラインの画面には、児童・生徒の顔が映らないように配慮され、チャットでやり取りができます。水曜日にはわくわく学習という取組をされており、なかなか外に出られない子どもたちに興味関心を持ってもらえるよう、市内の動物園や美術館など様々な場所へ教員が行き、そこで働く人の話や体験をライブ配信でお届けしているようです。オンライン授業や学習の取組を月に1回レポートにし、在籍校の校長に渡し、出欠席の判断をしているということでした。 これまで100日以上長期欠席をしている児童・生徒が722名いたうちの公的な適応教室やフリースクールなど、どこにもつながっていなかった児童・生徒の数が414名と、アプローチできていないことが熊本市では大きな課題になっていましたが、昨年度フレンドリーオンラインに登録した児童・生徒は185名ということで、間違いなく支援の複線化が実現できています。 LTEタブレットを完備し、双方向型の授業や課題提示などできるソフト面も充実している本区だからこそ、不登校児童・生徒をサポートするオンライン専門の指導など、支援の複線化ができると思います。教育長の見解をお伺いします。 4点目は、コミュニティ・スクールとシブヤ科の連携についてです。 渋谷をテーマに探究的な学びを行うシブヤ科が昨年度より全校で導入され、多くの学校で渋谷をテーマに地域の様々な方に協力いただきながら、子どもたちの主体的な探究活動が広がっています。また、コミュニティ・スクールに関しても、地域学校協働本部が設置され、地域と学校をつなぐコーディネーターの役割を担う地域学校協働活動支援推進員の配置も想定以上のスピードで進んでいると伺っています。 まず、それぞれの活動の認知度や仕組みの理解を広げられないかという提案です。前段質問した新しい学校づくりに欠かせないのは、地域と共に学び合い、育ち合うという観点です。また、予測不可能な社会に生き抜く力として最も力を入れて取り組むべきは探究的な学びですが、子どもたちの興味関心を踏まえ、地域というフィールドが学びの場になるべきと考えます。コミュニティ・スクールやシブヤ科の取組は、新しい学校づくりには欠かせない、まさに一丁目一番地の取組ですが、保護者や地域の方々へ浸透していない現状があります。学校からの発信はもちろんのこと、区の広報紙、SNSの配信を強化し、理解や協力を得られるような取組が必要と考えますが、教育長の見解をお聞かせください。 次に、シブヤ科で得られた地域の方々とのつながりをコミュニティ・スクールの人材バンクとしてストックし、学校側にニーズが生まれたときにいつでも引き出せるようにできないでしょうか。昨年度からシブヤ科がスタートし、学校によって取組の方法は違いますが、中には1学年の取組に40名近い方が関わってくださる事例もありました。公立小中学校は、毎年教員も異動で替わりますから、せっかくつながった御縁が学年の活動とともに消失してしまう状況です。 まず、第1段階として、各学校の地域学校協働活動推進員が中心となって、シブヤ科でつながった方々を人材バンクとしてストックし、第2段階で、各学校の人材バンクに、区全体の学校からアプローチできる仕組みに変容していくよう、計画立てて実行できないでしょうか、教育長の御所見をお伺いします。 5点目は、インクルーシブ教育についてです。 インクルーシブな教育環境をつくることにおいて、我が会派は様々な提案をしてきました。昨年度12月、渋谷区「交流及び共同学習」ガイドラインができ、各学校へ通知されたと仄聞しております。これまで特別支援学級や特別支援学校に在籍する児童・生徒との「交流及び共同学習」は、各学校に対応が任されていたので、このガイドラインは大きな一歩です。 しかしながら、ガイドラインができただけで学校現場に指導の実践が生まれるわけではありません。ここからのアプローチが極めて重要と感じております。まずは校長会や副校長会、特別支援教育コーディネーターの研修会で、ガイドラインの内容を理解し、鳩森小学校など先進事例を共有し、子どもたちにどのような教育効果をもたらすのかを研究する場をつくるのはいかがでしょうか。また、支援員の派遣をしているぴゅあ・さぽーとなどの関係者も招き、どういった連携や交流及び共同学習ができると、より効果的かといった実践を踏まえたアイデアを出し合う場を創出するのはいかがでしょうか。教育長の見解をお伺いします。 この4月より千駄ケ谷小学校・放課後クラブでも特別支援学校に通うお子さんの受入れが週に1回からスタートしています。ノウハウがない中で踏み出していただいたことを大変評価しております。新学期が始まり2か月が過ぎましたが、実際の受入れを行う中で見えてきた課題や今後の展望をお教えください。 6点目は、外国人児童・生徒の支援についてです。 本区の基本方針では、「日本語教室の実施、日本文化や習慣に慣れ親しめる機会を提供するなど、教育の充実を図ります」と記されており、今後、推進するスタートアップ支援で、海外の企業の招致も増えることを考えると、安心して過ごせる環境整備は必須と考えます。 こちらのグラフを御覧ください。 東京都の公立学校統計調査報告書を見ると、本区の外国人児童・生徒は2021年度、小学生が105名、中学生40名で、確実に増えています。小学校に関しては、神宮前小学校の日本語学級がありますが、中学校に関しては日本語学級がなく、巡回による指導や各学校の指導に任されている状況です。また、2016年度まで実施されていた外国人児童・生徒及び海外帰国児童・生徒のための日本語学習支援コースもなくなりました。日本語の学習を専門的に指導する教諭を配置し、十分な指導時間を確保するため、中学校においても日本語学校を置くべきと思いますが、教育長の所見をお伺いします。 通訳など言語支援員の配置に関しても、学校が進路面談など重要な場面で人材確保し、対応していると聞いています。認定NPO法人多文化共生センター東京がまとめた日本語指導の調査を見ると、43自治体の中で唯一、本区だけが日本語指導や授業通訳の支援をする非常勤指導員の制度を有しておらず、学校の活動に任せている状況です。区として体制構築すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 また、神宮前小学校のサイトを見ると、日本語学級の案内が丁寧に書いておりますが、ルビを振るといった配慮や多言語での案内が必要ではないでしょうか、教育長の見解をお伺いします。 本年第1回定例会で我が会派の岡田麻理議員より、やさしい日本語の導入について提案をしました。このやさしい日本語を小中学校にも取り入れられないでしょうか。教職員や児童・生徒へ講習会を開き、外国人児童・生徒とのコミュニケーションを円滑にできる知識や意識を醸成することを提案しますが、見解をお伺いします。 7点目は、学校と外部連携について2点のお尋ねです。 まずは、来年度より本格的に地域移行が推進される部活動の取組についてです。区長発言でも、渋谷ユナイテッドで新たに設置された部活動が好評とありました。現段階では既存の部活動の支援にまで至っていませんが、中学校教員が感じている渋谷ユナイテッドの現時点での取組に対する評価、来年度から始まる部活動の段階的地域移行に対する期待と今後の課題点をお教えください。 また、部活指導を続けたいという教員について、今後の関わり方もお示しください。 次に、金融経済教育についてです。 既に中学校の家庭科で始まっていますが、今年度から高等学校で新科目「公共」で金融経済を、家庭科では資産形成の授業がスタートしており、金融庁をはじめ大手証券会社や銀行などから様々な教材やプログラムの提供が始まっています。 18歳に成人年齢が引き下げられ、親の同意なしに携帯電話やクレジットカードの利用が可能になる一方、トラブルに巻き込まれるおそれも指摘されています。 金融経済教育とは、お金のもうけ方を学ぶことではなく、毎日使っているお金を通して社会の仕組みや動きを知り、自分たちの生活にひもづけることを学ぶのです。予測不可能な社会を生き抜く子どもたちにとって必要不可欠なライフスキルです。しかしながら、先生方は金融経済の専門家ではないため、指導に苦慮される部分があると思います。 そこで、プログラミング教育を推進するためにKids VALLEY プロジェクトを立ち上げたように、企業と連携して金融経済教育を推進するのはいかがでしょうか。 また、シブヤモデルとして、小学校から中学校にかけてどういった教育を、力を育成していくのか、官民連携で教科や活動を研究し実践を構築していくのはいかがでしょうか。教育長の見解をお伺いします。 大項目の最後、区政運営について区長にお伺いします。 区の働き方改革として、渋谷区のまち全体が職場となる「渋谷どこでも区役所」を提案します。 退職する職員の方々に議員に期待することを聞くと、異口同音に「区民のことを知らない職員が多い。だから、議員には区民が何を思い、何に困り、何に期待しているかをつなげてほしい」と言われました。確かにこのコロナ禍でリモートワークも進み、まちのイベントなどもなく、この2年は区民やまちと触れ合う機会が少なかったのではないかと推察します。 もっと区民やまちと近くなる職場をと考えたのが「渋谷どこでも区役所」です。渋谷区全体をコワーキングスペースと見立てて勤務するのです。例えば福祉部の職員は介護施設やはつらつセンターなど、まちづくり推進部は担当エリアの民間コワーキングスペースやS-SAP企業のオフィスの一角で仕事をするなど、担当分野に近い環境で仕事をする日を週に二、三回程度つくってみるという取組です。既にリモートワークも推進しているので、十分可能と感じています。もちろん、区役所でなければ難しい業務の職員の方もいると思いますので、そういった部署は対象外とします。 本区は、コロナ禍にも負けず新しい取組を次から次に打ち出しているからこそ、住民やシブヤ民の方々との顔の見える関係が重要と考えます。そこからつかみ取れるニーズや課題感、時には区の事業を理解し後押ししてくれる人との出会いが生まれるかもしれません。まち全体をコワーキングスペースとする「渋谷どこでも区役所」について区長の見解をお伺いします。 以上、区長、教育長の御答弁をよろしくお願いいたします。 ○副議長(薬丸義人) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、神薗麻智子議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、環境について4点のお尋ねです。 渋谷区環境基本計画2018の中間見直しに関して2点のお尋ねですが、一括してお答えします。 御承知のとおり、渋谷区環境基本計画は5つの分野で構成され、それぞれに数値目標を定めています。進捗状況は、それが数値目標から見ると、「くらし」「資源・ごみ」「エネルギー・温暖化対策」の各分野は達成に向け順調に進んでおり、中には既に達成したものもあります。「みどり・生き物」と「意識」の2分野については、今年度行う区民意識調査、緑被率調査等の結果により、進捗状況が見えると思います。 しかしながら、一昨年、国が宣言した「2050年カーボン・ニュートラル」を残された期間で達成するためには、現状の進捗に満足することは許されません。環境問題は深刻化しており、その解決には、人の「意識改革」と「行動変容」を加速させることが必要です。今般の中間見直しに当たっては、この点を重視し、新たな目標の設定などにおいて多角的な検討が必要であると考えています。 議員御提言の「サーキュラーシティーを目指すこと」についても、貴重な御意見として参考とさせていただきます。 次に、サーキュラーエコノミーを実施する企業との連携についてのお尋ねです。 近年、世界規模の気候変動により、サーキュラーエコノミーの実現が各国の重要政策に位置づけられています。日本でも未曽有の災害が続いていることから、自治体としても取り組むべき課題であるということと認識しています。現在、区では、まちづくり推進部、経営企画部、スマートシティ推進室、グローバル拠点都市推進室で連携し、社会課題に特化した官民連携のオープンイノベーションラボの設立のため検証を行っています。令和3年度には同検証の一環で食品ロスをなくすアイデアをつくるための試み「フードロスチャレンジ」を実施しました。こうした企画を通じて、循環型社会実現にも挑戦できる基盤をつくっていきます。 次に、学校給食で使用している「あきたこまち」を有機米にできないかとのお尋ねですが、供給元の大館市のあきた北農協からは、現時点では難しいと聞いています。議員もよく御存じのとおり、小中学校では「渋谷ワンダフル給食プロジェクト」を区内の栄養専門学校をパートナーとして、栄養士や調理職員と連携を取りながら展開しています。こうした取組を継続し、今後も学校給食の充実を図っていきます。 次に、デジタル地域通貨について2点のお尋ねですが、一括してお答えします。 デジタル地域通貨の事業者については、プロポーザル方式により適正な選定プロセスを経て決定したものです。株式会社カヤックの提案については、区独自の決済アプリの開発に加え、同社が提供している「まちのコイン」というサービスを活用し、様々な人やお店、地域団体を巻き込みながらソーシャルアクションポイントを循環させて、地域のつながりをつくっていくということ、そして、決済アプリとの相乗効果を図っていくという点にこれまでの地域通貨にはない可能性を感じています。 初年度については、まずは多くの店舗に参加してもらい、多くの方に利用してもらえるよう様々なキャンペーンなどを行うとともに、初年度の施策の効果も踏まえながら、決済手段として定着させていけるよう、次年度以降も店舗数やユーザー数を拡大していくための戦略を検討していきたいと考えています。 団体の認定については今後の検討課題とさせていただきますが、様々な地域団体やソーシャルな活動をされている方、また店舗と利用者の交流などにも活用してもらえるよう検討を進めていきます。 次に、関係人口創出について2点のお尋ねです。 初めに、特定の自治体と連携しての関係人口創出についてです。 人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面する地方においては、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材がまちづくりの担い手となることが期待されています。 議員御提案の特定の自治体との連携については、防災協定等で交流のある自治体との連携をより深めるという点で有意義だと思いますが、実現にはサービスごとに相当の準備や費用負担などの調整が必要だと考えます。今後、交流のある自治体から具体的な提案があれば検討していきます。 次に、デジタル地域通貨の活用についてのお尋ねです。 店舗での支払いに利用できるデジタル地域通貨については、区内の参加店舗に限られますが、主にソーシャルアクション事業での活用を予定している「まちのコイン」については、今後導入している自治体間でのポイント交換ができるような機能を開発予定と聞いています。これにより住民同士の新たな交流が生まれるきっかけとなると考えますが、相手方の自治体にも同様の仕組みの導入が必要になるなど、費用負担も含めて課題もありますので、今後、交流のある自治体からの提案も踏まえ、活用を検討していきます。 次に、NFTアートの推進について3点のお尋ねですが、一括してお答えします。 NFTアートは、現在のアート市場において盛り上がりを見せており、NFTアートに関連したスタートアップ企業も増え、グローバル拠点都市推進室の実証実験事業への応募も多数あるため、区との連携の可能性を検討しています。 また、同推進室の事業の一環である民間企業とのコンソーシアム「Shibuya Startup Deck」の文化部会では、NFTアートに係るスタートアップ企業と、街を舞台にしたプログラムなどの実施についても検討しており、区の取組など引き続き研究してまいります。 次に、ふるさと納税のお尋ねです。 本区では、ふるさと納税の返礼品として、福祉作業所で就労されている方がコーヒー豆を袋に詰め合わせた「∞Cafe(ハチカフェ)」等を用意しています。このような障がいがある方の就労機会を創出する返礼品は、「きふと、」の中にある「思いやり型返礼品」に該当します。 今後、返礼品の開発に当たっては、寄附の増額につなげて、人気が集中している特定の返礼品の傾向を分析し、寄附者のニーズを見極めながら進めていくことも必要であると考えています。 次に、西参道プロジェクトについてのお尋ねです。 今後の高架下の活用の展望につきましては、駒テラス西参道から整備予定の玉川上水旧水路緑道まで、まちのにぎわいが連続するようなまちづくりを考えています。 実現のためには、引き続き首都高速道路株式会社の御協力が欠かせません。議員御提言の客観的なデータの収集・活用については参考にさせていただき、関係者との協議を続けてまいります。 次に、ササハタハツプロジェクトについてのお尋ねです。 昨年度末に策定したエリアビジョンでは、「市民創発による持続可能で多様性を包摂した、共に活躍・成長できるまち」の実現を将来像に掲げ、先端的なデジタル技術やデータを積極的に活用して、市民の誰もが発案や参加ができ、市民の視点から発想された取組がエリアに実装され、改善が見えるまちづくりを進めることとしています。 このため、まちラボが主催する388FARMβをはじめ、玉川上水旧水路緑道の再整備に伴う実証実験やイベントにおいて地域の声を集め、データとして活用する取組も実施し、ササハタハツのまちづくりが地域の皆様にとって暮らしの質やまちの魅力のさらなる向上に貢献しているのかなど、エビデンスに立脚しながら持続可能なものとしていくことが重要と考えます。 現在実験的に進めている取組の効果検証なども踏まえつつ、引き続き産官学民の連携の下、データ活用の推進を図るとともに、御提案についても、まちラボの研究テーマの一つとして検討を図ってまいります。 次に、防災についてのお尋ねです。 議員御提案のHUG等の防災カードゲームは、ゲーム感覚で楽しみながら、災害時の適切な避難行動や避難所での役割などを確認できる有効な図上訓練の方法です。 今年度の防災キャラバンや地域の避難所運営訓練などでも、このようなコンテンツを積極的に取り入れ、防災カードゲームの紹介と普及に努めるとともに、リアルとオンラインのハイブリッドの訓練手法も研究してまいります。 次に、健康についてのお尋ねです。 プレコンセプションケアは、妊娠を計画している女性だけではなく、健康な生活習慣を身につけるために、女性にとって大切な問題であると承知していますが、何歳の方に情報提供するのがよいのかなど、実施に向けては様々な課題があります。20代の女性に対し、どのようなアプローチが適切であるか研究してまいります。 次に、福祉について2点のお尋ねです。 最初に、重層的支援体制整備事業におけるネットワークづくりについてです。 重層的支援体制整備事業では、切れ目のない支援をし続けるために、地域づくりを推進し、参加支援をしていくことが求められています。そのため、地域で活動しているNPO法人やボランティア団体と顔の見える関係を構築することは大変重要と考えており、現在、地域福祉コーディネーターが区内を巡回し各団体の活動内容の把握に努め、重層事業との連携について調整を始めているところです。 各団体との関係性の構築や、団体同士の横の連携強化については、重層事業にとって必要不可欠なことから、区担当者及び関係団体が集合した重層事業に関するミーティングを来月にはスタートする予定です。 その後、このミーティングを継続的に適宜開催し、重層事業における地域ネットワークの強化を図っていきます。 次に、分身ロボットを生かした就労支援についてのお尋ねです。 議員御提案の分身ロボットについては、令和6年12月開設予定の神宮前三丁目障がい者施設に設置されるカフェでの活用に向けて、指定管理者である社会福祉法人睦月会と検討を始めています。 また、このカフェでは、分身ロボットのほか、障がいのある方が直接接客等を行うことも検討しています。区内における障がい者支援の中心的施設において、障がいのある方の就労や社会参加の機会をつくり、地域の人たちとのコミュニティの輪が広がるようなカフェ運営に向けて、着実に準備を進めています。 現在、区においては超短時間雇用などの多様な働き方を支援していますが、御提案の分身ロボットを活用した新たな就労形態の検討など、引き続き就労支援の充実を図り、障がいのある方々の社会参加につなげてまいります。 次に、認証保育所について2点のお尋ねです。 まず、認証保育所での一時預かり事業導入への支援ですが、現在、区内の認可保育園と認定こども園で実施している一時保育室の利用状況は4割程度であることを勘案しつつも、事業者からの申出があれば区としても相談に乗り、都への手続など支援を行いたいと思います。 なお、未充足加算については支援する考えはありません。 次に、認証保育所への中長期的な支援については、事業者の意向を伺いますが、区としては積極的に事業者に話をする考えはありません。 次に、区政運営についてのお尋ねです。 まち全域が職場となる「渋谷どこでも区役所」については、モバイル型・サテライトオフィス型テレワークとして実施しており、職員の出張先や図書館、コワーキングスペースなどでの勤務が可能です。 議員御指摘のとおり、担当する分野で区民やまちと近い環境に身を置いて仕事をすることで、日々の仕事の先に区民の存在を常に意識し、肌感覚で地域ニーズを知ることができることから、区民サービスの向上につながるものと考えます。 各部署の実態に応じて適切に勤務することができる場所や日数を定め、今後も場所にとらわれない働き方を推進してまいります。 以上、私からの答弁といたします。 ○議長(斎藤竜一) 五十嵐教育委員会教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 私には、環境について1点、教育について大きく7点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、学校給食へオーガニックな食材を取り入れる教育効果についてのお尋ねです。 学校給食は、食への関心や理解を深める食育の機会でもあります。また、給食に限らず、生活の全般において地球環境に優しく、持続可能なものを選択していく意識を育てていくことが大切です。学校給食については、オーガニックな食材への切替えは現在考えていませんが、学校生活の様々な場面で環境教育を推進してまいります。 次に、教育についてお答えいたします。 まず、「新しい学校づくり」整備方針についてです。 まずは、私の決意とビジョンとのお尋ねです。 シブヤモデル「未来の学校」は、渋谷に住む人々が幸せを感じながら暮らせるコミュニティを実現する、地域の新たな文化的な中心となる学校です。 子どもたちは、安心できる環境の中で、主体的に学び個性を伸ばしていきます。最先端の情報技術を活用した教材による個別最適な学び、仲間と価値を創造する協働的な学びにより、自分の思いや考えを自由に表現し、自己肯定感や意欲を高めます。こうして育った子どもたちは、自分も周りの人も大切にする民主主義の担い手に育ち、予測困難な時代に対応できるような力をつけると考えています。 シブヤモデル「未来の学校」づくりを通して、子どもたちと地域の方々が笑顔で集い、新たな学びの姿を共有して、みんなが幸せになれる公教育を創造していけるよう、全力で取り組む所存です。 次に、既存校舎や仮設校舎での「未来の学校」のトライアルについては、御提言の内容について今後検討してまいります。 次に、小中一貫教育校については、渋谷区議会自由民主党議員団、斉藤貴之議員にもお答えしたとおり、渋谷本町学園の検証を基に、令和13年度の小中一貫教育校の設立に向けて準備を進めてまいります。 また、中学校の特色化を再定義することについては、御提言として受け止めさせていただきます。 次に、学校教育の広報強化についてのお尋ねです。 教育委員会では、広報紙やホームページ等を中心に広報を行いつつ、全国に先駆けて取り組んできたICT教育の実践事例などは、各種の全国的なセミナー等の機会に広くアピールをし、今多くの関係者の注目を集めています。 議員の御提言も参考にし、シブヤ科やワンダフル給食、放課後クラブ、部活動改革の取組等、本区の特色を様々な手法でより多くの方に情報発信していくことに努めてまいります。 また、区立中学校の魅力を伝えていくことにつきましても、御提言の趣旨を踏まえ、学校と連携してさらなる取組に努めてまいります。 次に、不登校児童・生徒の支援強化についてのお尋ねです。一括してお答えします。 現在、渋谷区立学校では、不登校のほか、コロナ禍により登校できない児童・生徒に対しても、オンラインによる学習を通じて、児童・生徒が安心して学習を継続できるよう取り組んでいます。 なお、出席の認定については、国のガイドラインに基づき、登校できない児童・生徒に対して、授業のオンライン配信などを行った上で、学級担任等が定期的な対面指導を行うなど一定の要件を満たした場合に、校長は出席と認めることができることとしています。 不登校児童・生徒をサポートする取組については、支援の複線化という事例も御紹介いただきました。御提言として受け止め、今後の支援の参考とさせていただきます。 次に、コミュニティ・スクールとシブヤ科との連携についてのお尋ねです。 渋谷区では令和3年度より、地域学校協働活動推進員を順次学校より推薦いただき、地域学校協働活動の推進に取り組んでいます。推進員を委嘱した学校では、地域と関連の深いシブヤ科において、当初より地域学校協働活動推進員が学校のニーズに合った講師や協力企業を探し、学校のサポート役を担っています。 御協力いただいたボランティアや団体、講師の方々といった貴重な人材については、各校で人材バンクを構築するよう推奨しています。 さらに、各校の地域学校協働活動推進員がメールグループでいつでも情報交換できるようなオンライン環境を設定し、各学校でつながった人材を区内全校で紹介し合えるようにしているところです。 シブヤ科につきましては、渋谷のラジオ等において取組を紹介している学校もあります。今後もコミュニティ・スクールやシブヤ科について広く情報発信をしてまいります。 次に、インクルーシブ教育についてのお尋ねです。一括してお答えします。 渋谷区「交流及び共同学習」ガイドラインにつきましては、校長会、副校長会での周知のほか、今年度の特別支援教育合同研修会において、特別支援教育コーディネーター、特別支援学級担任、特別支援教室巡回指導教員を対象に、「交流及び共同学習」をテーマに研修を実施しました。 研修会では、本ガイドラインを活用しながら、通常の学級と特別支援学級との交流や、特別支援学校との副籍交流の実践例を共有しました。 また、小中学校に介助員や学習支援員を派遣しているNPO法人ぴゅあ・さぽーと・しぶやと意見交換を行い、学習支援員等の効果的な活用や、特別支援学級と通常の学級との連携や交流及び共同学習の在り方について検討しています。 ガイドラインが学校での指導実践に生かされるよう、今後も様々な取組を進めてまいります。 特別支援学校に通う児童の放課後クラブでの受入れにつきましては、まだ利用回数が少なく、クラブでの生活に慣れていただくことが大切だと考えております。お預かりする全ての児童が安全に過ごせる環境を考えてまいります。 次に、外国人児童・生徒の支援に関する4点についてのお尋ねです。一括してお答えいたします。 まず、中学校における日本語学級の設置についてです。 現在、渋谷区立中学校では、学校からの申請に基づき、日本語指導や巡回指導のための教員を配置し、外国人生徒の支援を行っています。日本語学級の設置については、支援が必要な生徒数において、東京都が定める設置要件を満たしていない状況です。 次に、通訳など言語支援員の配置についてです。現在、学校からの申請に応じて、適宜通訳できる人材を派遣しており、特段、通訳者派遣の対応が追いついていない状況ではありません。また、本区では、1人1台タブレット端末を貸与しており、その翻訳アプリを有効に活用して、外国人の児童・生徒とコミュニケーションを図っているとの報告も受けています。 次に、神宮前小学校のホームページについてです。 神宮前小学校では、ホームページに「English Page」を設け、学校案内を英語で掲載しています。また、日本語学級が毎月発行する「日本語学級通信」には、漢字全てにルビを振るなど、外国人児童・生徒及び保護者に対する配慮をしています。 次に、やさしい日本語についてです。 現在、日本語指導の担当者研修会において、東京都教育委員会が作成した学校生活で必要な日本語についてのテキストや映像資料の活用等について周知し、外国人児童・生徒とのコミュニケーションを円滑にできるよう支援しています。 やさしい日本語の導入につきましては、御提案として受け止めさせていただきます。 最後に、学校と外部連携に関するお尋ねです。一括してお答えします。 初めに、渋谷ユナイテッドの取組に対する教員の評価ですが、土日の部活動を渋谷ユナイテッドの指導者から専門的に指導してもらえることは、生徒の要望に応えつつ自身の勤務の負担軽減にもつながると、多くの教員が期待しているとの報告を受けています。 課題点としては、現在活動している全ての競技に対応する指導者の確保が挙げられます。 また、教員の今後の関わり方については、教員の希望に応じて、渋谷ユナイテッドに登録し指導に当たることができる体制について検討中です。 次に、金融経済教育についてのお尋ねです。 現在、区立小中学校においては、学習指導要領に基づき、家庭科や社会科において、金銭の大切さや金融の仕組みなどについて学習しています。 渋谷区モデルとしての金融経済教育につきましては、御提言として受け止めさせていただきます。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 4番神薗麻智子議員。
    ◆4番(神薗麻智子) 区長、教育長、おおむね前向きな御答弁をありがとうございました。 今回質問させていただいた内容は、どれも地域の住民の方々や関係する方々と議論を重ねてトライアルを一緒にさせていただいたり、課題を抱えているお子さんも含めて、そういった現状を見てきた中で質問したものになります。 取組が進んでいる、または既にやっているというようなお話もありましたので、それをしっかり細部まで対応していただくことで、今後大きな変化があることを期待しております。 私自身も実現に向けてしっかり尽力していきたいと思っております。 2点だけ改めて要望をお伝えさせてください。 1点目のオーガニック給食に関しては、今、有機農法や無農薬を関係先がもしやっていないから難しいということではなくて、是非この消費地ではある渋谷区にニーズがあるということをお話しいただきたく思っています。 国もサステーナブルな社会をつくる施策として推進しようとしています。 また、デジタル地域通貨や関係人口創出など、渋谷区とともに他地域も一緒に元気になるような、そういった取組を本区からリーリングしていただきたいと思っています。 2点目は、認証保育所の件です。 待機児童や子育てが困難な御家庭の支援で、区が困っているときに何十年もの間、やはり認証保育園に助けていただいていたという過去があると思います。是非それを踏まえて、今一番困っているときだからこそ、東京都の管轄だからということではなく、一緒に考えて、何ができるかということを、膝を突き合わせて相談して、一緒に何か支援を検討いただきたいというふうに考えております。これは是非要望として改めてお伝えさせてください。 先進的な取組を行う渋谷区だからこそ、住民やシブヤ民の皆さんとの丁寧なコミュニケーションを図ること、そしてそれが区政の運営につながっていくというふうに、理解につながっているということを期待しております。 私たちシブヤを笑顔にする会は、渋谷区に笑顔が広がり続くよう、未来に向かう政策提案をしていくことをお誓い申し上げて、代表質問を終わります。 ○議長(斎藤竜一) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第1を議題に供します。     〔村山次長朗読〕----------------------------------- △日程第1 会期決定の件----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から6月15日までの15日間とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、会期は15日間と決定いたしました。 日程第2を議題に供します。     〔村山次長朗読〕----------------------------------- △日程第2 同意第3号 渋谷区名誉区民の選定の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第3号は、本区の名誉区民を選定するため提出するものです。 松下義男氏は、本区に在住し、恵比寿地区町会連合会会長及び渋谷区町会連合会副会長として永年にわたって地域住民の相互親睦を図り、地域社会の振興に多大な貢献をするとともに、恵比寿新栄会会長及び渋谷区商店会連合会副会長として地域商店街の活性化と商業文化の発展向上に尽力されております。 また、20年以上にわたり少年野球チーム、長谷戸ハリケーンの監督として活動したほか、恵比寿盆踊大会実行委員会会長、恵比寿・代官山地区美化推進委員会、渋谷区清掃協力会連合会渋谷防火防災協会、渋谷防犯協会など、幅広く地域の活性化や安心・安全なまちづくりに多大な貢献をされました。 各般にわたる公的及び公共的活動を通し、本区の公共福祉の増進、地域コミュニティの発展に著しく貢献した功労者としてその功績は卓越しており、まさに区民の範たるもの、区民の誇りとするものであります。 よろしく御審議を賜りまして、御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) 本件は、質疑、委員会付託及び討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 これから日程第2を採決いたします。 本件は、松下義男氏に敬意を表するため、起立により採決いたします。 区長提案のとおり松下義男氏を渋谷区名誉区民として選定に同意することに賛成の方は御起立を願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(斎藤竜一) 起立者総員。 よって、松下義男氏を渋谷区名誉区民として選定することに同意と決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明6月2日午後1時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------     延会 午後4時13分-----------------------------------上会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長  斎藤竜一渋谷区議会副議長 薬丸義人渋谷区議会議員  斉藤貴之渋谷区議会議員  田中正也...