渋谷区議会 > 2022-02-22 >
02月22日-02号

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  1. 渋谷区議会 2022-02-22
    02月22日-02号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    令和 4年  2月 定例会(第1回)      令和4年 渋谷区議会会議録 第2号 2月22日(火)出席議員(33名)   1番  松本 翔     2番  岡 美千瑠   3番  中村豪志     4番  神薗麻智子   5番  橋本侑樹     7番  小田浩美   8番  金子快之     9番  鈴木建邦  10番  斉藤貴之    11番  一柳直宏  12番  近藤順子    13番  松山克幸  14番  森田由紀    15番  田中匠身  16番  治田 学    17番  堀切稔仁  18番  須田 賢    19番  斎藤竜一  20番  下嶋倫朗    21番  久永 薫  22番  沢島英隆    23番  薬丸義人  24番  佐藤真理    25番  吉田佳代子  26番  田中正也    27番  牛尾真己  28番  丸山高司    29番  木村正義  30番  栗谷順彦    31番  伊藤毅志  32番  岡田麻理    33番  五十嵐千代子  34番  苫 孝二欠席議員(なし)欠番   6番-----------------------------------出席説明員  区長        長谷部 健  副区長       杉浦小枝  副区長       澤田 伸   会計管理者     佐藤賢哉  経営企画部長    松本賢司   総務部長      船本 徹  人事担当部長兼新型コロナ     財務部長兼施設整備担当部長            木下毅彦             北原竜也  ウイルス感染症対策担当部長  危機管理対策部長  齊藤和夫   危機管理対策監   斎藤兼一  区民部長      古沢昌之   産業観光・文化担当部長                             宮本安芸子  スポーツ部長兼新型コロナ            山中昌彦   福祉部長      藤野貴久  ウイルス感染症対策担当部長  高齢者政策担当部長兼            高橋由紀   子ども家庭部長   菅原幸信  生涯活躍推進担当部長  子育てネウボラ担当部長      健康推進部長    阿部敦子            松澤俊郎  都市整備部長    加藤健三   まちづくり推進担当部長                             奥野和宏  土木部長      井川武史   環境政策部長    佐藤哲人  教育委員会教育長  五十嵐俊子  教育委員会事務局次長                             富井一慶  教育委員会事務局次長       選挙管理委員会委員長            小泉武士             廣瀬 誠  選挙管理委員会事務局長      代表監査委員    國貞美和            植竹ゆかり  監査委員事務局長  黒柳貴史-----------------------------------事務局職員  事務局長      伴 秀樹   次長        前崎敏彦  議事係長      根岸正宏   議事主査      武田真司  議事主査      杉村洋子   議事主査      山田義明  議事主査      伊藤洋子   議事主査      原 久美子-----------------------------------   令和4年第1回渋谷区議会定例会議事日程                 令和4年2月22日(火)午後1時開議 日程第1 会期決定の件 日程第2 同意第1号 渋谷区監査委員の選任の同意について 日程第3 同意第2号 渋谷区監査委員の選任の同意について 日程第4 諮問第1号 人権擁護委員の候補者について 日程第5 諮問第2号 人権擁護委員の候補者について 日程第6 諮問第3号 人権擁護委員の候補者について 日程第7 諮問第4号 人権擁護委員の候補者について 日程第8 諮問第5号 人権擁護委員の候補者について 日程第9 議案第3号 渋谷区組織条例の一部を改正する条例 日程第10 議案第4号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例 日程第11 議案第5号 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例 日程第12 議案第6号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第13 議案第7号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 日程第14 議案第8号 渋谷区印鑑条例の一部を改正する条例 日程第15 議案第9号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例 日程第16 議案第10号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例 日程第17 議案第11号 渋谷区が管理する道路における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例 日程第18 議案第12号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例 日程第19 議案第13号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例 日程第20 議員提出議案第1号 渋谷区公契約条例の一部を改正する条例 日程第21 議員提出議案第2号 渋谷区立河津さくらの里しぶや条例を廃止する条例 日程第22 議員提出議案第3号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例 日程第23 議員提出議案第4号 渋谷区地球温暖化防止条例 日程第24 議員提出議案第5号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例 日程第25 議員提出議案第6号 渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例 日程第26 議員提出議案第7号 渋谷区奨学資金に関する条例の一部を改正する条例 日程第27 議員提出議案第8号 渋谷区学校給食費の助成に関する条例 日程第28 議員提出議案第9号 渋谷区こども条例 日程第29 議員提出議案第10号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例 日程第30 議員提出議案第11号 認知症の人と家族にやさしいまちしぶや条例 日程第31 議案第14号 令和3年度渋谷区一般会計補正予算(第8号) 日程第32 議案第25号 令和3年度渋谷区一般会計補正予算(第9号) 日程第33 議案第15号 令和4年度渋谷区一般会計予算 日程第34 議案第16号 令和4年度渋谷区国民健康保険事業会計予算 日程第35 議案第17号 令和4年度渋谷区介護保険事業会計予算 日程第36 議案第18号 令和4年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算 日程第37 議案第19号 猿楽橋擁壁等更新工事請負契約 日程第38 議案第20号 財産の処分について 日程第39 議案第21号 財産の処分について 日程第40 議案第22号 財産の処分について 日程第41 議案第23号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について 日程第42 議案第24号 定期借地権の設定について 日程第43 報告第1号 専決処分の報告について-----------------------------------     開会・開議 午後1時----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) ただいまから令和4年第1回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、4番神薗麻智子議員、31番伊藤毅志議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。     〔伴事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 長谷部区長、杉浦副区長、澤田副区長、佐藤会計管理者、松本経営企画部長、船本総務部長、木下人事担当部長新型コロナウイルス感染症対策担当部長、北原財務部長兼施設整備担当部長齊藤危機管理対策部長斎藤危機管理対策監、古沢区民部長、宮本産業観光・文化担当部長、山中スポーツ部長兼新型コロナウイルス感染症対策担当部長、藤野福祉部長、高橋高齢者政策担当部長兼生涯活躍推進担当部長菅原子ども家庭部長松澤子育てネウボラ担当部長阿部健康推進部長、加藤都市整備部長、奥野まちづくり推進担当部長、井川土木部長、佐藤環境政策部長五十嵐教育委員会教育長富井教育委員会事務局次長小泉教育委員会事務局次長廣瀬選挙管理委員会委員長植竹選挙管理委員会事務局長國貞代表監査委員黒柳監査委員事務局長----------------------------------- 監査委員から、令和3年12月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに令和4年第1回渋谷区議会定例会を招集し、令和4年度予算案をはじめ多くの議案について御審議をお願いすることとなりました。 この機会に当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 新型コロナウイルス感染症との戦いは3年目を迎えました。現在、オミクロン株による感染急拡大に直面しており、東京都には「まん延防止等重点措置」が適用され、区内では1日の感染者数が200名を下回るようになったものの、いまだ予断を許さない状況にあります。 このような状況の中、3回目のワクチン接種について、本区では18歳以上の全ての対象者の接種間隔を6か月に前倒しして、3回目のワクチン接種を加速していきます。 また、オミクロン株は子どもへの感染も多く見られます。これまでワクチンの接種対象でなかった5歳以上11歳以下の子どもについても、希望する方ができるだけ早くワクチン接種を受けられるよう、区立小学校を活用した巡回型集団接種会場である小児ワクチン地域接種会場を設けるなど、準備を着実に進めていきます。 本定例会に上程する令和4年度予算案においては、このようなワクチン接種の予算を盛り込むとともに、コロナ後の新たな時代を見据え、あらゆる人が生きがいを感じられる社会の実現、シティプライドの醸成、そしてデジタルを活用した区政運営を目的とする施策を中心に編成を行いました。 以下、具体の施策について申し上げます。 初めに、教育における取組についてです。 現状における教育環境は、感染症の影響により厳しい状況が続いており、学級閉鎖や学年閉鎖をした学校もあります。この間、全ての学校の全ての学級で、休んでいる児童・生徒にはオンライン学習を実施し、子どもたちが学習を継続できるよう教員が工夫していたと報告を受けています。 今後も、どのような状況においても子どもたちの学びを止めないことが重要です。同時双方向型のオンライン学習ができるネットワーク環境の構築など、子どもたちの学習環境の一層の充実に取り組んでいきます。 また、教育委員会では、昨年3月に策定した「学校長寿命化計画」に基づき「学校施設の未来像」や「将来のロードマップ」について検討を重ねてきました。 これからの新しい時代の学びを実現するために、多様な学習空間やゆとりある生活空間を設けるとともに、子どもたちと地域や社会の方々が交流でき、学校外にも学びの場が広がるような学校とし、地域コミュニティの拠点や避難所としての活用も視野に入れた学校施設を目指していきます。 来月末までに全ての学校を対象とした直近10年間の中期的視点、30年間の長期的視点に立った建替え・改修のロードマップを作成する予定であり、教育環境に最大限配慮しつつ、来年度は個別の学校の基本計画作成に着手してまいります。 次に、子育て支援についてです。 本年4月の保育園入園の申込みは、1次募集に1,278人の申請があり、現時点では待機児童は見込まれていません。待機児童ゼロを2年連続で達成できるかは2次募集の結果次第となりますが、可能な限り御希望の園に入園できるよう、慎重に調整を進めてまいります。 また、依然としてコロナ禍が続く状況も踏まえ、非来庁型サービスを推進するため、入園申込みのオンライン申請を本年秋から開始します。 一方、オープン当初から多くの親子が訪れている「渋谷区子育てネウボラ」は、区内企業や地域の皆様の支援を受け、子育てに関わる全ての人が交流できる場となっています。そこでは子育てに関する悩みや相談について保健師や保育士などの専門職が丁寧に対応することで、子育ての孤立化を防いでいます。 なお、本年4月には東京都児童相談センターとの連携強化を目的に、渋谷区子育てネウボラ内にサテライトオフィスを設置し、児童虐待の予防や虐待対応に迅速に対応するための体制を整えてまいります。 次に、スポーツ振興についてです。 去る2月4日から第24回オリンピック冬季競技大会が北京で開催され、渋谷区立広尾小、広尾中出身の原大智選手が2大会連続出場を果たしました。決勝へ進出したものの惜しくもメダル獲得はなりませんでしたが、競輪との二刀流に挑戦し、果敢に挑む姿に感動しました。原選手に心からの賛辞を贈りたいと思います。 昨年の東京2020大会でも多くの選手がすばらしいパフォーマンスを繰り広げ、人々の興味や関心が高まっていると感じています。 こうしたムーブメントを生かし、来年度も大会レガシーであるパラスポーツ推進事業を継続していきます。パラスポーツを気軽に体験できるパラスポーツフェスタ、区長杯大会や区内で開催される国際大会での区民観戦、大会やイベントをスポーツボランティアが支えていく場の創出を行います。 さらに、年齢や経験にかかわらず誰もが気軽に楽しめるランニングイベント「(仮称)渋谷区ロードレースフェスタ」を水道道路において開催します。地域の方々が間近でランナーを応援し、地域を盛り上げるイベントとして発展していくことを期待しています。 また、渋谷ユナイテッドによる「シブヤ部活動改革プロジェクト」では、本年4月からの活動本格化に向けて、子どもたちのニーズに即した10種目のスポーツ・文化活動がスタートします。今後「総合型地域クラブ」を視野に入れた事業展開として、あらゆる世代が生涯を通じてスポーツ・文化活動を楽しめるように、幼児向けの「水泳教室」、走り方・投げ方などを指導する「陸上教室」を実施していきます。 引き続き学校関係者や保護者の御理解と多くの関係者の御協力をいただきながら、事業を展開してまいります。 次に、公共施設の整備について3点申し上げます。 一つ目は、玉川上水旧水路緑道についてです。 これまでも地域の方々との対話を重ね、多くの御意見をいただきながら再整備計画の検討を進めてきましたが、その一環として、農園の維持管理ルールの検討をするため1月に公募した「仮設FARM」については、20名の枠に対して300名を超える御応募をいただき、本事業に対する区民の皆様の御理解と御期待の高さを感じ、大変うれしく思っています。 「農」から始まる強いコミュニティと最先端の田舎暮らしを実施する「ファーム」という考えの下、来年度は具体的な整備計画を取りまとめてまいります。 二つ目は、猿楽橋についてです。 JR山手線・埼京線の渋谷駅と恵比寿駅の間にある猿楽橋はJRと交差する跨線橋であり、重要な交通インフラです。昭和9年の供用開始から80年以上たって老朽化が進み、抜本的な更新が必要なため、準備を進めてきました。一日も早く橋梁の架け替えを実施するため、本年夏頃から工事に着手します。長期間に及ぶ工事となりますが、周辺住民の負担を軽減するよう十分に配慮しながら、区民の安全・安心を確保できるよう進めてまいります。 三つ目は、渋谷区ふれあい植物センターについてです。 リニューアル工事に向けた準備のため、昨年12月28日をもって休園しました。17年にわたる本施設の運営に多くの方の御尽力をいただき、誠に感謝いたします。 私は、かねて都会でできる「プチ農業」による本施設の活性化について提案してきましたが、従来の「みどりの情報発信」「普及啓発の拠点」としての位置づけはそのままに、野菜等を栽培し、収穫・消費するという「農と食の地域拠点」というコンセプトを加え、来年度リニューアル工事に着手し、令和5年7月に再開する予定です。 本施設が地域に愛される、より魅力的な地域還元施設となるよう整備を進めてまいります。 次に、福祉について3点申し上げます。 1点目は、重層的支援体制整備事業についてです。 生活に困窮されている方はもとより、8050問題やひきこもり、ヤングケアラーなどの社会課題に対応するため、当事者に寄り添い、伴走しながら支援する重層的支援体制事業を区政における最優先施策として、引き続き取り組んでいきます。 現在は職員を対象とした勉強会の開催、関係部門へのヒアリングの実施などにより、相談体制の現状分析、部署間の連携の在り方や所管が定まっていない事象などの課題整理を行っています。 来年度はさらに体制を強化し、ヒアリング等により見えてきた課題の解決に取り組んでいきます。また、地域福祉コーディネーターを新たに配置するとともに、生活支援コーディネーターを増員し、地域団体やNPOなどとより一層の連携を図り、本事業の柱となる地域づくりの体制を構築していきます。 本事業は地域共生社会の中心となる事業です。区民一人一人が我がことと捉え、世代や分野を超えて地域が一体となり、求められる支援が重層的に切れ目なく届くよう、令和5年4月の事業開始に向けて全力で取り組んでまいります。 二つ目は、高齢者デジタルデバイド解消事業についてです。 昨年9月から開始したスマホの無料貸出しは、現在1,500名の方が継続利用しており、LINEやビデオ通話、カメラ、ユーチューブ、地図アプリなどを使いこなされています。「地方にいる孫とビデオ通話ができた」「スマホで3回目のワクチン予約ができた」など、スマホを活用することによって生活の質が向上したという事例も聞いています。 来年度は、区内スタートアップ企業が開発したアプリによる健康増進プログラムの実施や、区内大学と連携したスマホ利用状況のデータの分析、また、今年度育成したデジタル活用支援員の活用によりデジタルデバイド解消に向けた取組をさらに進め、高齢者の生活の質の向上に取り組んでまいります。 3点目は、臨時特別給付金についてです。 感染症の影響が長期化する中、様々な困難を抱える方の生活を支援するため、住民税非課税世帯及び家計急変世帯を対象に給付金を支給します。 住民税均等割等が非課税となる世帯に対しては、既に支給手続に必要な確認書を発送し、本日から順次支給を始めています。 家計が急変した世帯の申請受付は今年9月末までとなりますが、丁寧な周知と相談に努め、支援を必要とされている方に適切に給付金が届くよう事務を進めてまいります。 次に、デジタル地域通貨の導入についてです。 感染症の影響によりダメージを受けている区内の事業者に対し、これまで特別融資をはじめキャッシュレス決済を活用した消費活性化事業、感染対策グッズの配付など様々な支援を行ってきました。しかし、影響は依然として続いており、事業者をはじめ商店会など地域コミュニティに対し、より一層の力強い支援を行っていく必要があります。 そこで、来年度から持続的かつ渋谷区らしい産業支援として、渋谷区独自のデジタル地域通貨を導入します。導入に当たっては手数料などの店舗の負担を軽減するとともに、プレミアム付キャンペーンの実施や地域行事に参加した際のポイント付与など、商店街や地域コミュニティの活性化に寄与する仕組みを構築しています。 また、区民や来街者、企業など様々な方にこのデジタル地域通貨を利用していただくことに加えて、利用状況のデータを分析し、活用することで、さらなる産業振興につなげてまいります。 次に、DX推進についてです。 新たな時代を見据え、業務をさらに効率化し、きめ細かく質の高い行政サービスに取り組んでいくため、DX、すなわちデジタルトランスフォーメーションを推進する施策を展開していきます。 まずは「デジタルコミュニケーションプラットフォーム」の構築です。 少子・高齢化が急速に進み、ライフスタイルも多様化している中で、区民一人一人の課題も複雑化・複合化しています。こうした課題に対応するため、デジタルを活用して組織横断的な対応ができる仕組みが「デジタルコミュニケーションプラットフォーム」です。新たなポータルサイトを構築し、区民や事業者のニーズに合わせて最適な情報やサービスを提供していきます。 次に、「シティダッシュボード」の拡充です。 複雑化する都市の課題を的確かつ迅速に把握するため、本区の現状をデータで分かりやすく可視化するツールが「シティダッシュボード」です。来年度はこのツールを拡充し、産官学民が連携して課題解決に向けた施策を共創していきます。例えば交通分野では、交通機関の利用状況や違法駐車など交通課題に関する様々なデータを官民で収集・分析することで、区民サービスや生活環境の改善につなげていきます。 さらに、区有施設の予約システムを刷新します。 施設の利用については、予約システムの対象施設の拡大とともにスマートフォンからも簡単に利用予約ができるよう、利便性のさらなる向上を図ります。また、より多くの方に御利用いただけるよう、利用要件の見直しも併せて検討していきます。 ほかにも、区ウェブサイトをリニューアルし一層のアクセシビリティとレスポンスの向上、そして誰もが見やすく、分かりやすい情報発信などに努めてまいります。 次に、施策を推進するための組織改正についてです。 区政のDX化を着実に実施し、行政サービスの質の向上を推進するため、ICT・広報広聴・スマートシティ推進部門をまとめるデジタルサービス部を新設する一方、持続可能な行財政運営体制のさらなる強化を図るため、経営企画部に財務部を統合します。また、現在の担当部のうち産業観光文化担当、生涯活躍推進担当、まちづくり推進担当をそれぞれ部として独立させ、機動的な推進体制を確保していきます。 そのうち産業観光文化部には、担当部の事務に文化財、博物館、松濤美術館などの事務を加え、文化施設の一元化を図ります。また、生涯活躍推進部には、シブカツをはじめシニアいきいき事業、生涯学習や図書館事業を集約し、区民に学びの場や活躍の機会を提供する施策を総合的に推進してまいります。 次に、区制施行90周年についてです。 渋谷区は、本年10月1日に区制施行90周年を迎えます。これを記念し、渋谷区公認のパブリックデータであるシブヤフォントを使用した「記念ロゴマーク」を制作しました。来年度は90周年連携事業はもちろん、本区で実施する多くの事業にこのロゴマークを活用することで盛り上げていこうと考えています。 また、この機会に区制100周年に向けた未来へのメッセージを発信する「記念ブック」を制作します。本年秋には発行し、区民及び渋谷区に関わる多くの方に御覧いただけるよう準備を進めています。ほかにも広報資料のデジタルアーカイブサイトを構築し、貴重な情報を公開していく予定です。 今年は区制90年の歩みを振り返り、区民や区に関わる人々が先人たちの足跡に敬意と感謝を表し、原点を見詰め直す節目となる年です。さらに10年先に訪れる区制施行100周年に向かって力強い一歩を踏み出し、区民の皆様と共に渋谷区の未来像「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現を加速させていくことができる、そんな1年にしたいと思っています。 最後に、令和4年度予算案の規模について申し上げます。 令和4年度一般会計歳入歳出予算額は1,062億6,700万円であり、前年度比6.9%の増となっております。 これに国民健康保険事業会計等の3特別会計489億5,421万9,000円を加えた各会計の合計額は1,552億2,121万9,000円で、前年度比7.0%の増となっております。 本定例会には条例案11件、令和3年度一般会計補正予算案2件、令和4年度当初予算案3件、契約議案1件、その他議決……     〔「予算案4件」の声あり〕 ◎区長(長谷部健) 当初予算案4件、契約議案1件、そのほか議決案件5件、渋谷区監査委員の同意案件2件、人権擁護委員の諮問5件、報告案件1件を御提案しております。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 28番丸山高司議員。 ◆28番(丸山高司) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、大きくは6点、区長並びに教育長に質問をいたします。 質問に入ります前に、一言申し上げます。 「寒き雨まれまれに降りはやりかぜ衰へぬ長崎の年暮れむとす」、これはスペイン風邪が猛威を振るった大正8年の暮れ、赴任先の長崎で詠んだ斎藤茂吉の歌で、師走になっても感染が衰えず、寒い雨を心細く見やる茂吉の姿が想起されるものであります。その彼自身、年明け早々に発症してしまうこととなり、いつの世もウイルスには万全の予防策を見いだし難いものであります。 昨年の秋以降、一時落ち着いたかに見えた新型コロナウイルス感染症ではありましたが、11月26日に新たに発現したオミクロン株を国立感染症研究所では「注目すべき変異株」と位置づけ、2日後の28日には「懸念される変異株」に変更して警戒を高めました。 他方、昨年発表された国民生活に関する国の世論調査では、日々の生活の中で充実感を感じているという人が減り、過去最低の55.5%にとどまりました。長引くコロナ禍の影響と思うところであります。孤立と悲嘆の中に数多くの人がいると思わざるを得ないのであります。 島崎藤村52歳の正月に発表した随想「春を待ちつつ」を拝借すれば、全ての人が生を肯定し、前へ進む年とし、眼前の暗さも幻滅の苦しみも冬の寒さも、何一つ無駄になるもののなかったと思うような春の来ることを願わずにはいられないのであります。 今回示された新年度当初予算案は、ウィズコロナ、ニューノーマルの時代に対応した、温かく柔らかい春のような風を区民に届ける編成でなければなりません。その視点をもって、以下、質問に入ります。 まず初めに、令和4年度当初予算案に関する質問です。 我が国では、これまで感染者数の増加に伴い3回の緊急事態宣言を発出するとともに、国と全国の地方自治体、民間企業が一体となってワクチン接種体制を迅速に構築したことにより、感染率を欧米諸国に比して低い水準に抑制してきました。しかしながら昨年のオミクロン株発生以降、1月には世界全体での感染者数が3億人を超えるなど爆発的に増加し、今なお拡大の一途をたどっております。 長引くコロナ禍による影響は、我が国の経済に厳しい状況を生み出した一方、これまで進んでこなかったデジタル化を急速に伸長させるなど、産業構造を変化させるきっかけにもなりました。また、国においては令和3年11月19日、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を閣議決定し、「目の前の新型コロナウイルス感染症の困難を乗り越え、ポストコロナの未来を切り開くことで国民の皆様に安心と希望をお届けする」とし、昨年末の月例経済報告においても「厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きが見られる」としています。 こうした状況は、本区においても、令和4年度の当初予算案に基幹税である特別区民税の歳入増加という形で現れているものと推察いたします。しかしながら、今回の第6波の到来や世界的な資源価格の高騰、ロシアとウクライナとの軍事衝突の懸念に対する不安など景気の下振れリスクを有しており、一時的な増加に一喜一憂するのではなく、安定的な地域経済を活性化する取組が求められているものと考えます。 このように先行きが不透明な中において、多様化する行政課題、公共施設の老朽化対策、さらには区制施行90周年という節目を迎える新年度においては、なお一層難しいかじ取りが求められるものと考えます。さらなる業務の効率化や新たな財源創出、民間活力導入の推進を図り、持続可能な行財政基盤の構築を進める一歩としなくてはなりません。 そこで、質問いたします。 一般会計予算額は総額1,062億6,700万円で、前年度対比6.9%の増となっておりますが、新年度はどのような対策や施策を実施されようとしているのか、基本的な考え方と併せお聞かせください。 また、財政状況が感染拡大状況によって左右されるような不透明な状況であるからこそ、限りある財源を効果的、効率的に配分するため今回の予算編成から枠配分方式を導入されたものと理解いたしますが、その成果について質問いたします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。 最初に、新型コロナウイルスに係る予防接種については、本区では、国の実施要領に基づき令和3年2月17日から実施されました。初回接種は--ここで言う「初回」とは2回でワンセットのワクチン接種を指しますが、多くの国民に速やかに接種の機会が与えられるよう、自衛隊による大規模接種会場や都による大規模接種会場が設けられたほか、企業や大学等において職域単位でワクチン接種を行う、いわゆる職域接種が実施され、基礎自治体にかかる負荷の軽減を図ったことは御案内のとおりであります。 当区においては渋谷区医師会の協力の下、集団接種会場を区内5か所に設置するとともに、個別接種については約100か所もの医療機関から協力をいただき、区民のワクチン接種が迅速に行われるよう体制を構築してまいりました。さらには昨年7月からNHKフレンドシップシアターを、また、8月から幡ケ谷社会教育館を会場とした大規模な集団接種会場を新たに設置したことにより、接種を加速化し、当初の目標であった対象者の7割の接種率を10月当初に達成し、本年1月には8割の対象者が初回接種を終えたことは評価するものであります。 しかしながら、今年に入り新型コロナウイルス感染症は変異株が猛威を振るい、いまだ予断を許さない状況が続く中、ワクチンのブースター接種が実施されることとなり、多くの区民が迅速な接種を希望しているところであります。 そこで、質問いたします。 初回接種の経験と反省を踏まえ、どのように追加接種の体制を構築したのかお聞かせください。 また、追加接種に係るワクチンの供給状況と、渋谷区医師会並びに個別医療機関との協力体制や、区長発言では区立小学校を活用した巡回型集団接種会場設置の方針をお示しになりましたが、一部の保護者からは接種に対する不安の声があることも事実であります。こうした不安等に対しても丁寧な説明をする必要があると考えるところであります。5歳から11歳までの小児への接種を含め、いち早く区民の接種を進めることが区に課せられた最大の責務と考えます。ワクチンブースター接種と小児への接種に対する区長の所見を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症に対する保健所の人員体制について質問いたします。 これまで保健所では、区内医療機関からの感染症法に基づく発生届などの事務処理、患者に対する積極的疫学調査、症状の重篤化や基礎疾患を有する患者への入院措置や患者搬送、ホテル療養の手配、自宅療養者の健康観察、さらには区民からの相談対応など休むことなく対応に当たってこられました。 昨年の夏の第5波においては区民の感染者数が1日当たり最大151人となる厳しい状況でしたが、全庁からの応援職員や都からの派遣職員、任期付職員を含め昼夜を分かたず総勢100人を超える体制で対応に当たるとともに、中程度・低リスクの方に対しては応援職員が電話やショートメールを利用して自宅療養者と連絡が取れるようにし、業務フローの見直しを行うことで適切に業務が遂行できたと承知しており、これまでの御努力に対して感謝と敬意を表するものであります。 しかし、本年1月以降の第6波では、従来のデルタ株に加えてオミクロン株の激増により、第5波をはるかに上回る連日数百件に上る区民感染者が続き、1月30日は466人の区民陽性者が発生し、かつてない災害級の状況となりました。業務逼迫の度合いも想像を絶するものと推察をいたします。 現在の第6波において職員への負担を最小限としつつ保健所業務を円滑に行い、陽性者をはじめとする区民に対して適切に対応するため、第5波の経験をどのように生かし、準備し、対応されたのでしょうか。この際、業務の一部を切り出し、業務ごとに外部に委託するBPOの手法も有効と考えるところです。 そこで、質問いたします。 全庁的な応援体制の拡充、業務内容のさらなる見直しや工夫、外部人材の派遣や委託など第6波で保健所人員体制をどのように対処されたのか、さらには今後どのように備えていくのか、所見を伺います。 次に、医療体制の確保について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症については、7月から9月にかけてのいわゆる第5波の流行期に、医療体制の逼迫が懸念されたところであります。当時は入院が必要な患者を受け入れるベッドがなく、区民の中には1日から2日、入院待機となった方がいたと仄聞しております。今回の第6波は本格的な流行が始まってから約2か月たちますが、1日の届出数は前回のピーク時の3倍以上に達しています。幸い重症化リスクは低いと見られていますが、その分、自宅療養者は増加しています。今後、高齢者施設などでは入所者や職員の感染が相次ぎ、それに伴い重症化するケースが増えるおそれがあります。また、家族内で感染する事例が多く、自宅療養の体制強化が求められると存じます。 そこで、質問いたします。 本区として、渋谷区医師会や病院とどのような役割分担を進めて区民の健康を確保する取組をするのか、区長の所見を伺います。 最後に、新型コロナウイルス感染症対策の運用変更について伺います。 今回のオミクロン株は、感染力が非常に強い代わりに重症化することが比較的少ないとされています。他方、患者の急増に伴い、疫学的調査や検査診断へ振り向けるマンパワーが足りず、国は1月24日、これまで届出に必須だった医療機関の検査を省略したり、市販の検査キットで診断可能とし、家族内で陽性者と同一の症状が出た場合は陽性者とみなす方針に切り替え、さらに濃厚接触者に対する健康観察期間の短縮など、時々刻々と運用変更を行っています。 これに伴い、保健所の体制が逼迫していることを踏まえ、今後の新型コロナ対策において国の指針に基づき運用変更されていくと思いますが、従前と変更になった方針と、区民に対して適切に対応するため、その周知方法についてお聞かせください。 次に、重層的支援体制整備事業について質問いたします。 本事業は当初予算案事業シートに記載されているとおり、社会福祉法の改正により重層的支援体制整備事業が創設され、これまでの支援体制では対応困難な複雑化、複合化した地域住民の課題に対応するため、属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の三つの支援を一体的に実施することで包括的な支援体制を整備するとしており、このことは、区長発言でも区政における最優先施策と述べております。 令和5年度からの事業開始に向け、新年度はその体制整備、ニーズ調査、事業実施計画の策定などの準備及び助走期間と承知しております。昨今顕在化しているヤングケアラーや8050問題や、ひきこもりなどは背景が複雑化、複合化しているだけではなく、当事者が声を上げず抱え込むケースが多いと認識するものであります。そうであるならば、新たな重層的支援体制整備事業で新設する窓口がハブとなって総合調整をすることを担い、その前段で複雑化、複合化した極めて困難な相談を各所管の窓口が受け止めることができる体制が本事業の最終の目的であると考えるところであります。 また、新年度、地域福祉コーディネーター4名を配置するとし、生活上の悩みや困り事を抱える方に対し様々な機関、団体と連携しながら課題の解決を図るとともに、居場所づくりなど住民主体の活動推進や、地域でのネットワーク構築の取組を行うとしておりますが、イメージは理解するものの、具体的な活動内容が見えてきません。 そこで、区長に質問いたします。 事業開始に当たり、各所管がそれぞれの窓口においてどのような相談が来てもまずは受け止め、対応できるスキルアップを行い、最終的に5年度に新設する窓口を中心に関係所管が連携して対応する体制の構築をし、本事業を実効性あるものとすべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、地域福祉コーディネーターを区内のどこに配置するかなど、その具体的な活動内容を伺います。 次に、非来庁型サービスの拡充について質問いたします。 本区では令和2年4月から、推進策の一つとしてLINEを活用した住民票の写し等の申請を実施してきました。奇しくも昨今の新型コロナ感染症蔓延の環境下においては、非接触・非来庁型でいつでもどこでも行政サービスの申請ができることから、利用する区民にとっては大変便利であったと承知しております。 ところがその際、使用したeKYC、ここで言うeKYCとは、Electronic Know Your Customerの略で、オンライン上での本人確認を指し、これを活用した本人確認手段が令和3年9月の総務省令改正によって、住民票の写しとその除票の写しについて使用できなくなり、サービス休止を余儀なくされました。その後にマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス--JKPIにLINEが対応したことから、本年1月にこの確認システムを活用した申請を再開したことは承知するところであります。 他方、本区でのマイナンバーカードの申請率は令和4年1月末現在で59.98%、交付率も47.19%となり、区民のほぼ半数が保持する状態となりました。 そこで、質問いたします。 非来庁を推進することにより非接触型で区民の安全・安心を守り、同時に区民の利便性を格段に向上させるためにも、マイナンバーカードによる本人確認手段を活用して他の行政サービスを拡充させる予定はないか、区長の所見を伺います。 次に、デジタル通貨事業について質問いたします。 昨年の第4回定例会において我が会派の質問に対し、区長答弁として「渋谷区内で利用できる地域通貨のような仕組みが必要と考え、検討を進めていく」と答弁され、今回、スピード感を持って新年度に予算措置をされたことを評価するものであります。 本事業は、長引く感染症の影響により区内事業者の多くが長期にわたってダメージを受けており、区内消費を喚起し、活性化するとともに区民生活をも支援するものと承知しております。また、区独自の地域通貨の仕組みは、事業者の支援と区民やコミュニティ支援の双方につながるものと期待するものであります。 さらに、より多くの人に使ってもらうためには加盟店舗を増やしていくことが重要であります。現在、多くのキャッシュレス決済が普及していますが、特に中小の店舗にとっては手数料や専用端末の設置など導入経費のランニングコストが負担になっております。こうした課題を踏まえつつ、5点質問いたします。 1点目として、地域通貨を導入して区内の事業者、さらに区内の産業を活性化していくためには、区民はもちろんのこと、来街者など多くの方に使ってもらうことが重要と考えますが、そのためにどんな事業を展開していく予定かお聞かせください。 2点目として、渋谷区独自の地域通貨ですので、区民に対して特別な優遇を設けることも必須と考えます。利用する方が区民かどうかの判定が可能なのか、また、区民限定のサービスなども実施する予定はあるのか質問いたします。 3点目として、昨年度のふるさと納税による受入額は1億2,900万円余に対し流出額は30億4,900万円余と、その乖離はいまだ著しいものがあります。そこで、ふるさと納税の返礼品として活用することで歳入の確保とともに区内で消費してもらうスキームとなり、産業の活性化にも資すると考えますが、所見を伺います。 4点目として、S-SAPをはじめとする地元企業や区内大学などと連携することでさらに本事業に弾みがつき、勢いをつけることにつながると考えますが、所見を伺います。 最後の5点目として、ボランティアに対するポイント付与も検討されていると承知しております。商店会などの地域コミュニティもコロナ禍の影響で従来のイベントや交流も縮小を余儀なくされ、地域コミュニティが弱体化していることや、地域活動の担い手不足が指摘されるところですが、こうした課題解消にも地域通貨の仕組みが活用できると考えます。産業振興だけではなく、どのように地域の発展にもつなげようとするのか所見を伺います。 次に、世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市形成戦略について質問いたします。 本施策は3年前、我が会派からの提案を踏まえ本区では積極的に推進され、スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアムとして昨年グローバル拠点都市に選定されたことは御案内のとおりであります。これ受け、本区では、これまで多くの企業支援と官民連携施策を実施していることは承知しております。 他方、選定された8か所の拠点都市がスタートアップ企業育成に努力しているものの、世界中の成功している都市と比較して多くの課題が明らかになってきました。本区においても同様で、整理すると、企業同士の出会いの場の提供にとどまり成長支援につながっていない、支援する側、される側双方ともに国内人材による構成で世界を見据えた活動になっていない、海外から来日して起業するに当たり、ビザ、銀行口座、会社登記など企業準備がしづらい等の課題であります。 本区においての企業成長が区民の雇用を生み出すだけではなく、成長した企業が本区の教育や福祉の増進に貢献し、さらには企業からのベネフィットを区民の利益として享受することこそが本区がスタートアップ企業を支援する大義であると認識するところであります。と同時に、渋谷という都市が世界を見据えるこの分野で常に東京を、さらには日本をリードするポテンシャルを有する数少ないシティであると確信するものであります。 取り組み始めて3年が経過した今、見えてきた課題を克服し、成果を出すことが求められています。世界中から本区に優秀な起業家や人材を集積し、本区の区民福祉向上に貢献し、世界で活躍できる企業を渋谷から生み育てるために、世界の拠点都市と同様にスタートアップ企業の受皿となる育成支援組織をつくるべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、設置する組織では、世界で活躍する企業を育ててきた経験者たちが支援者としてスタートアップ企業に伴走型で寄り添って支援をし、企業育成をする仕組みの構築が必要であると考えますが、併せて区長の所見を伺います。 次に、子育て支援の観点より2点質問いたします。 まず初めに、高校生までの医療費無償化についてであります。 1月25日の新聞報道では、「東京都は現在、子育て世帯に所得制限を設けた上で、未就学児については医療費の自己負担額の半額を、中学生までには自己負担額から200円引いた額の半額を助成しているが、新たに医療費助成の対象となる期間を18歳になる年の年度末までとし、令和4年度予算案に約7億円計上してシステム改修に着手し、合意が得られた区市町村には令和5年度から助成を開始する」との報道でありました。 ただ、この報道も、正確には市町村の対応であり、特別区は財調算入による対応と承知しており、特別区に対する助成は必ずしも2分の1ではありません。 話を戻します。ここまで申し上げますと、共産党会派は鼻の穴を膨らませて声高に「本区でも高校生までの医療費無償化をすぐにでも始めろ」そして「私たちが実現しました」という姿が透けて見えるのであります。 「守株」の故事はよく知られております。「株を守りて兎を待つ」と言えばなお通りがいいかもしれません。切り株にぶつかって死んだウサギを手に入れた農民がその体験に味をしめ、働くのをやめて切り株を見守ったという話であります。一つのことにこだわり続け時に応ずる能力のない、進歩がない様を例えとして使用するものであります。まさに貴会派に当てはまる故事ではないでしょうか。 私は常日頃、子育て世帯の医療費無償化は本来、国や広域自治体が行うべきものだと申し上げております。その観点からは評価し、歓迎すべきと考えますが、前述したとおり、都の所得制限超過者と自己負担分については区の負担で執行する事業であります。新年度、都は基礎自治体と協議を開始すると言っておりますので、都区財政調整交付金との見合いとなるのか、さらに恒久財源となるのかよくよく見定める必要があろうかと存じます。 区長はかねてより「子ども医療費の無償化拡大については、子育て世帯への経済的負担の軽減策を総合的見地から検討すべき」と答弁されております。大いに賛同するところであります。限りある区の財源を今、どこに振り向けるべきか、常に最小の経費で最大の効果を上げることを求められる基礎自治体として、都と議論をし、慎重に検討した上で、共産党の言質に流されることなく私ども与党会派と一緒に判断すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、児童福祉について質問いたします。 昨年8月に、子育ての基幹施設として渋谷区子育てネウボラが開設いたしました。とりわけ2階から3階にある神南ネウボラ子育て支援センター、coしぶやは人気の施設で、coしぶやのスタッフの声かけにより、子育てに悩んでいた保護者が子ども家庭支援センターや保健師につながる事例が報告されており、まさに本区が目指した切れ目のない支援が実現したと考えるところであります。 このことを裏づけるようにですね、昨年12月に公表された社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会の報告書案では、増加し続ける児童虐待対応の課題の一つとして、市区町村における母子保健と児童福祉の連携と支援のマネジメント力の不十分さを挙げ、その課題解決のためには効率的かつ効果的に母子保健と児童福祉の連携・協力を図ることができる環境を整えて、全ての妊産婦、全ての子育て世帯や子どもに切れ目のない支援を行うことが必要と提言しております。 本区は、この提言どおり時宜を得た切れ目のない支援を行うことで、連携とマネジメント力の向上を図っているものと承知しております。 しかしながら、厚生労働省が速報値として公表した令和2年度全国児童相談所の児童虐待対応件数は、増加傾向が収まらず、初めて20万件を超え、そのうち東京都児童相談所の児童虐待対応件数は2万5,000件余りと、年々増加の一途をたどっております。 こうした状況下、新聞報道では、都の新年度予算に、令和6年度の開設を目指し都立児童相談所を練馬区に新設する予算を盛り込んだとの報道がありました。背景には、昨年7月に改正となった児童福祉法施行令及び地方自治法施行令により、児童相談所が管轄する区域の人口が基本としておおむね50万人以下に見直されたことによるものであります。明らかに、都の対応変化によりフェーズが変わったものと認識しております。 これまでは、法令改正により特別区にも児童相談所が開設できるようになったことを受け、練馬区を除く22区が設置に動き始め、既に4区が児童相談所を開設している現状下、見えてきた課題は、圧倒的に高い専門性を持った人材の育成や確保に苦慮していること、財源確保の面においても、児童相談所の運営に関する特例的な対応として普通交付金の配分割合をたった0.1%増にとどめ、区側との乖離が大きく、いまだ不透明なままであることでありました。 一方、都の対応は、令和2年度に練馬区に、令和3年度には台東区、中央区共同のサテライトオフィスを設置し、今回、練馬区のサテライトオフィスを都立児童相談所とした動きを見れば明らかに再編を企図していると考えるべきで、本区がこの時期に自前の児童相談所を開設することには慎重にならざるを得ないのであります。 そうであってみれば、本区が4月より本格稼働するサテライトオフィスは、区長発言で「東京都児童相談センターとの連携強化を目的に設置する」と述べておりますとおり、まさに的を射ていると考えるところであります。この間、児童相談所設置のロードマップを描く中、その道筋で苦慮した結果、サテライトオフィスの設置を選択した長谷部区長、そして関係職員の適切かつ、その先見性を高く評価するものであります。 本区の児童福祉体制をさらに強化するためには、渋谷区子育てネウボラによる妊娠期からの虐待予防と、サテライトオフィスの設置による迅速な虐待対応が両輪となることが極めて肝要と考えるところであります。先ほど区長はサテライトオフィスの設置について発言されましたが、サテライトオフィスにどのような役割を担わせるのか、さらに将来の展望を含め、所見を伺います。 次に、教育について5点質問いたします。 まず、埋蔵文化財についてであります。 私が気になって保存した、切り抜きの記事があります。平成30年--平成30年ですよ--11月の記事であります。「再開発活況 掘れば出る」との見出しで、内容は「縄文時代の貝塚や江戸時代の大名屋敷などの埋蔵文化財が集中する都心区で、文化財の保管場所が不足傾向にある。これまで区立文化施設や学校跡施設などを利用してきたが、区内の民間開発などに伴い文化財の保管量が急増したことで、保管場所確保が困難となり、区外への保管を検討する区も現れた。保管量は今後も増加の一途をたどり、各区担当者は保管場所の確保に頭を悩ませる」といった記事で、いずれ本区でも課題となるなと認識をしておりましたが、なんとこの記事より2年も前に、既に本区は区外に全部移しておりました。 さらに記事の文末で、ある区の担当者のコメントとして「場所を増設しても、文化財が増える一方で際限がない。都や国のガイドラインでは廃棄の基準を明示しておらず、自主的に廃棄することが難しいことも課題」と話していて、大学時代、日本史を専攻した我が身としては、区民共有の悠久で何物にも代え難い貴重な文化財が将来喪失する危惧を抱くものであります。 昨年12月、文教委員会でその保管状況を視察してきました。保管状況は想像よりよかったものの、遠隔地であり、ただ保管しているだけの現状は、その活用を全くする気がないとの印象を持ちました。 確かに文化財保護に関して言えば、地方自治体は埋蔵文化財について、近世以降の瓦など一定量のみを保管する、あるいは記録のみで保管の必要のない扱いができるものがあるものの、保管することが前提であり、開発行為が進む本区においてはその量は今後も増え続ける一方であります。この状況は、前述したとおり本区だけの問題ではなく、他の区市町村同様に、保管料を毎年払い続けている自治体もあるわけで、将来的には是非23区の共通課題として、一括して保管していくことなども視野に連携することを強めてほしいと考えますが、それには時間がかかると承知いたします。 そもそも出土品の保管については、東京都教育委員会が文化庁の通知に基づき平成11年に出土品の取扱い基準を策定し、平成15年には、都の教育委員会が取り扱う場合の出土品の再分類に関する基準を作成しています。 この出土品に関してですが、特別区教育長会では「将来の保管、活用に向けて、より柔軟な保管基準を策定されたい」との要望も行っていると仄聞していますが、都の基準においても保管することが前提となっております。しかしながら、よくよく平成9年の文化庁が作成した出土品の取扱いについての報告を見ますと、保存管理が目的ではなく、出土品は、将来にわたり文化財として保存を要し、活用の可能性のあるものかどうかを基準として選択を行い、保存、活用を要するとされたものについて将来にわたって保存管理することとされています。すなわち、活用が図られてこそ保存管理の意味があると解釈するのが適切であります。 そこで、区長に質問いたします。 学校や区の施設において積極的に活用を図り、また、我が母校、國學院大學など区内大学に貸し出すなど、渋谷の地から発掘された貴重な文化財を広く区民の目に触れられるように積極的な活用をすべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、学校施設の長寿命化計画について質問いたします。 令和3年第4回定例会で我が会派の代表質問に対して、教育長の答弁として、令和6年からの青山病院跡地の活用により、渋谷駅を中心とした学校については建替え時の代替案として理解をいたしましたが、上原、初台、西原、さらには笹塚地区、いわゆる郵便番号151に所在する学校については青山病院跡地の活用は現実的に難しいものであると考えます。考え得る方策としては、笹塚地区のように小学校と中学校が近接していれば教育効果の高い小中一貫教育校の手法も適切であり、是非検討すべきところであります。 土地の価格が高く、学校施設として使用可能なまとまった新たな土地取得は至難の業であると承知しております。さはさりながら、敷地内の建替えでは工事の騒音や工事車両による安全確保など、教育環境確保の観点より、できるだけ避けるべきであります。何より重要視すべきは児童・生徒の安全、そして学校が学びの場であるということであります。建替え期間に入学、在学し、一定の不便があることは致し方ないとしても、その点にも配慮し、その影響は最小限にする知恵を私どもは出し合わなくてはなりません。 敷地内でのローリングしかできない学校をできるだけ少なくすることを踏まえ、教育長に質問いたします。 青山病院跡地を仮校舎とできない地域にある学校について、現在どのような建替え手法を検討されているのか、現在の検討状況をお聞かせください。 次に、渋谷図書館について質問いたします。 昨年の第4回定例会に提出された渋谷図書館の廃止に伴う渋谷区立図書館条例の一部を改正する条例は、御承知のとおり、継続審査となりました。文教委員会において視察も行い、渋谷図書館の老朽化の状況については目の当たりにしており、とても使用に耐え得る状態ではなく、職員、利用者の健康と安全確保から、開館する状態ではないことは理解しています。 その代替案として、地域の図書館機能の維持を最優先に、ゴールデンウィークを目途に白根記念渋谷区郷土博物館・文学館の1階にサービススポットを開設する予定であることも一定程度評価するものの、継続審査としたことの本質は、地域への説明がなかったこと、そしてどのぐらいの期間サービススポットとして運営がなされていくのか、渋谷図書館は、現在の場所でなくてもいつ、どこに設置をしていこうとするのか、そのロードマップが示されなかったことにあります。 地元への説明については、遅きに失した感は否めませんが、12月になり行われたことは承知しております。その際、今後についてはどうするのかという質問が寄せられ、地元区民の皆様にとっても今後のロードマップが最大の関心事であることは十分に認識していることと存じます。 この間、学校施設の長寿命化促進計画の検討が進み、年度末までには具体的な建替えのスケジュールが示されるものと考えますが、継続審査となっている現状、年度末まで待つわけにはいかないのであります。学校施設全体の建替えスケジュールについては今、明らかにする必要はありませんが、渋谷図書館に関係するロードマップについてはこの機会にお示しをいただき、利用者や区民の皆様に安心いただきたいと存じますが、区長の所見を伺います。 次に、渋谷本町学園第2グラウンドに建設が予定されている複合施設内に設置される、子ども子育て施設についてであります。 昨年の第1回定例会でも取り上げさせていただきました。その際、区長からは「本施設は、保育所型の認定こども園を予定している」との答弁がありました。一方、昨年9月より区立幼稚園の在り方検討会が立ち上がっております。その検討会の議論を受け、昨年の第4回定例会で我が会派から今後の区立幼稚園の在り方について質問いたしました。少し長くなりますが、大変重要な点ですので、そのときの教育長答弁を申し上げます。 「教育委員会では、ケア(保育)とエデュケーション(教育)を一体として捉え、一貫して提供する仕組みが必要と考えており、幼稚園という形態のみならず、幼稚園型認定こども園を含めた幅広い検討を進めてまいります。加えて、区内の保育・幼児教育施設が多様化している現状を踏まえると、区内各施設の幼児教育の充実を図ることも重要です。これからの区立幼稚園は、質の高い実践の場のみならず区内の様々な保育・幼児教育施設が渋谷区就学前プログラムに基づいた適切な教育を提供できるよう、幼児教育充実のための研究・実践機関としての機能や、幼児教育に関する相談や情報発信等を行う幼児教育のセンター機能として中核的な役割を担っていく必要があると考えています」と答弁されました。 この考え方は以前から私が主張しているとおりの考えに基づくもので、まさに我が意を得たりとの思いを強くし、さらに申し上げれば、幼児教育の重要性を鑑みたときに、教育委員会の関与は絶対不可欠であると改めて意を強くした次第であります。 また、あえて申し上げるならば、本町学園第2グラウンドに近接する本町幼稚園の来年度在園児は、2月1日現在で5歳児が8人、4歳児が4人の予定と承知しております。集団生活を営む上で、また保護者ニーズを考慮するならば、現状のまま存続させることは現実的、適切ではないと考えるところであります。 そこで、区長に質問いたします。 昨年、保育所型認定こども園との答弁があったところではありますが、在り方検討会での議論も踏まえ、渋谷本町学園第2グラウンドに建設が予定されている認定こども園は保育所型ではなく、これまで本町幼稚園が担い、果たしてきた意義を継承し、さらに発展させることも視野に入れた幼稚園型、あるいは幼保連携型で整備すべきと考えますが、改めて区長の所見を伺います。 教育に関する最後の質問に、和菓子作りの出前授業について質問いたします。私も和菓子屋のせがれでありましたので、特に関心が高いものがございます。 今年度、日本の伝統文化を学ぶ機会を提供するため、小学校4校で和菓子作りの出前授業を行ったものと承知しています。新型コロナウイルス感染予防のため自分たちで作ることまではできませんでしたが、職人さんが和菓子の歴史や和菓子の持つ季節感などの説明をし、その後、職人さんがいわゆる練り切りという和菓子を何種類か作り、その工程を児童は食い入るように見学しておりました。児童は形がなかった具材からきれいで繊細な形が作り上げられていく様子に、視察をしていて、音も立てず真剣なまなざしを向けていたその姿がとても印象に残っております。 また、質問では「十五夜で供える和菓子はお団子と言いましたけれども、では、十三夜では何を供えるのですか」という質問をしてくれた児童がおり、十三夜を知識として取得している児童がいることに瞠目した次第であります。 私も、細部までこだわった職人ならではの技術に時間も忘れ見入ってしまいました。また、児童には和菓子をお土産で持ち帰ることができ、多分、各御家庭で子どもたちが自慢話をする姿が浮かんだ次第であります。 和菓子について語り始めますと枚挙にいとまがなく、語り尽くせませんが、和菓子は舌で味わうばかりでなく五感で楽しむものとされています。味覚、触覚、嗅覚、視覚については想像できますが、聴覚については疑問が残ると誰もが思うかもしれません。ですが「鏡餅」と聞けば新春、「桜餅」と聞けば春、「葛切り」と聞けば夏、「月見団子」と聞けば秋、「千歳飴」と聞けば冬というように、四季を感じさせるお菓子の名前によって聴覚でも楽しむことができるのであります。 そこで、教育長に質問いたします。 新年度においても五感で楽しむことができる和菓子作りの出前授業を、希望する小学校においては展開していただきたいと存じます。また、最終形としては、今年度から実施されているワンダフル給食の中に季節ごとに和菓子を取り入れ、子どもたちに日本人が持つ固有の感性を養う一助とすべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 以上、区長並びに教育長の答弁、よろしくお願いをいたします。 ○議長(斎藤竜一) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、丸山高司議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、予算編成方針について2点のお尋ねです。 まず、新年度予算の基本的な考え方と、どのような対策や施策を実施するかについてです。 令和4年度予算については、区民の皆様が安全・安心に暮らせるよう、ニューノーマルの社会に対応した行政サービスを実現させるとともに、未来を見据え、さらなる進化を遂げていくための人づくりとまちづくりに取り組んでいくための予算とすることを基本方針とし、編成を行いました。 区民の安全・安心な生活のためには、まずは何より新型コロナウイルス感染症への対応が最重要事項となります。 新型コロナウイルス感染症については、年明けからの急激な感染拡大を受け多くの自治体でまん延防止等重点措置が実施され、先日その延長がなされたところです。本区では、対策の柱であるワクチンの追加接種について間隔を6か月に前倒しするなど、区民の皆様に少しでも早く安心して生活していただけるよう努めてまいります。 令和4年度予算は、ただいま申し上げたワクチン接種体制の構築をはじめ、今年度実施している高齢者のデジタルデバイド解消事業や、中小企業、個人事業者等への融資あっせん事業を継続するとともに、新たな取組として、地域経済や地域コミュニティの活性化を図ることを目指しデジタル地域通貨事業などを開始するなど、幅広いコロナ対策に重点を置いた内容となっています。 加えて、本年10月をもって区制施行90周年という節目の年を迎えることから、未来を見据え、教育ICTの推進などによる人づくり、玉川上水旧水路緑道や西参道プロジェクトなどのまちづくりにも積極的に取り組み、区民のウェルビーイングの向上にも努めてまいります。 これらの施策を実行するための歳入のうち、本区の最重要財源である特別区民税については、昨年はコロナ禍においても年間を通して株価が高値で推移していたことなども踏まえ、増収を見込んでいるものの、議員御発言のとおり、我が国の景気については、様々な要素により先行きは不透明な情勢にあります。また、貴重な財源となる基金については、効果的に活用しつつも過剰に依存することがないよう留意し、新年度も引き続き、行財政運営の持続可能性を確保してまいります。 次に、枠配分方式の導入成果についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、コロナ禍にあって不安定な財政状況が見込まれる中においても、基本構想に基づく施策を実施し、区民サービス水準の維持・向上を図るため、令和4年度予算編成から枠配分方式を導入いたしました。 枠配分方式の一番のメリットは、サービスを直接提供している各所管が自らの判断により施策、事務事業を検証し、効率的かつ効果的な予算の配分を行うことができるところにあります。今年度は導入初年度であることも踏まえ、経常的な経費に限定して実施したところでありますが、各所管、創意工夫を凝らしながら主体性と自主性を発揮し、予算編成を行いました。その結果、既存事業の見直しによる経費のさらなる縮減や、財政状況や事業コストに対する所管の意識向上という効果があったと考えています。 次年度以降はさらに対象範囲を拡大するとともに、事業分析に基づく評価指標の検討や業務の標準化などを進め、予算編成能力のさらなる向上を図ってまいります。 次に、保健衛生について4点のお尋ねです。 初めに、ワクチンの追加接種についてです。 新型コロナワクチンの接種は昨年5月から開始いたしました。予約開始時はコールセンターが35回線であったため、電話がつながりにくい状況が発生しました。また、高齢者予約受付窓口に多くの方が殺到し、混乱を来したことは改善すべき点であったと考えています。 このため、今回のブースター接種については希望される方がスムーズに予約いただけるよう、コールセンターについては最大100回線を用意しました。1月20日の予約開始日は、初日であったことから午前中はつながりにくい状況がありましたが、現在はスムーズにつながっています。 また、追加接種によるワクチンの供給状況についてですが、ファイザー社製は希望する数量は供給されていませんが、武田/モデルナ社製については十分な供給量がありますので、旧第2美竹分庁舎の接種会場を拡大して接種しています。さらに来月からは、みずほ銀行恵比寿研修会館及び幡ケ谷社会教育館を武田/モデルナ社製の接種会場として開設し、ワクチン接種を加速してまいります。 渋谷区医師会とは定期的に連絡会を開催し、個別医療機関にはアンケート等を行うなど、丁寧な対応を行っています。 なお、小児接種については任意接種となりますが、基礎疾患をお持ちのお子さんの保護者の方などから早く接種を開始してもらいたいとの強い御要望をいただいていることから、来月から、接種者に身近な接種会場を提供するため、18校ある区立小学校のうち区民の利便を考え、区内各所の8校を小児ワクチン接種会場とし、希望者がすぐに接種できるよう準備を進めます。 また、この機会に接種できない希望者には、別途地域の個別医療機関を会場として接種を行ってまいります。 さらに、小児接種について不安をお持ちの区民もいらっしゃるので、正確な情報を丁寧にお伝えしてまいります。 次に、保健所の人員体制についてのお尋ねです。 昨年8月にピークを迎えた第5波におきましては、議員御発言のように、応援職員等を含め総勢100名を超える体制の整備、業務フローの見直しなどにより適切な業務遂行体制を確保してまいりました。 第5波では陽性患者数が短期間に急増し、即時に応援体制拡大を必要としました。この経験を踏まえ、第6波では、新型コロナウイルス感染症対策本部において感染状況のフェーズに対応した応援部署と応援人数を事前に定めておき、急速な陽性患者数の増にも迅速に応援できる体制を確保し、効果を上げました。 オミクロン株の市中感染拡大の状況において、区民陽性者の安心のため、先月12日以降、全庁からの応援職員を配置して感染者管理体制を整備しました。さらに感染が急拡大していた翌週の1月19日からは、応援職員を倍増して体制強化を図り、特に支援が必要な自宅療養者への対応に努めてまいりました。現在も応援職員、都からの派遣職員、任期付職員を含む総勢100人を超える体制で感染症対応に当たっています。 また、これまでの派遣看護師15人に加え、新たに事務派遣8人を増員するとともに、新型コロナウイルス感染症に関するコールセンターについても今月4日から業務を外部委託化するなど、業務フローのさらなる見直しと併せて職員の負担軽減を図りました。 今後は第6波の経験を踏まえ、本区の事業継続を図りながら保健所の業務負担軽減に対応するため、外部委託や派遣職員のさらなる活用について検討してまいります。 また、データ管理の一層の効率化を目指し、新たに疫学調査支援システムを導入し、来月末の稼働開始を目指し準備を進めているところです。 今後も第6波のピークを上回る感染状況に対応できるよう、あらゆる方策を検討しつつ、迅速かつ着実に準備を進めてまいります。 次に、医療体制の確保についてのお尋ねです。 本区では、保健所が区内の入院協力医療機関と連絡を密に取り、第5波流行時から患者の入院調整を行っています。また、コロナ治療薬についても区内で投与できる体制が整っています。第6波においては自宅療養者が増大していることから、保健所だけでなく、東京都や医療機関等がそれぞれ患者の健康観察を行う体制が取られています。 区内の医療機関の中には自らの施設で診断した患者の健康観察を行っているところもあり、保健所は、療養が長引いた場合の患者のフォローアップをしています。加えて、健康観察で体調悪化が確認された方は保健所から外来の受診調整を行っているほか、以前から渋谷区医師会や東京都訪問看護ステーション協会と連携して、土日祝日も訪問診療、訪問看護を実施しており、自宅療養者への医療の提供を続けています。さらに、区内の保育園でコロナ陽性者が出た場合は、区医師会の協力を得て保育園の園児及び職員の濃厚接触者への検査対応を行っています。 次に、感染症対策の運用の変更についてのお尋ねです。 新型コロナ対策では、流行している変異株の特性やワクチン接種率、治療薬の普及などの対策環境の変化に応じて短期間にルール変更が繰り返されている状況にあります。特に、PCR検査等による診断を必要としないみなし陽性を、特定疑似症として陽性患者と同じに扱う新たな運用や、健康観察期間が最終接触日から7日間へ短縮されたことのほか、家庭内で適切な予防対策がなされていれば対策実施日を最終接触日として起算することなど、区民の方が混乱しかねないルール変更が行われました。 今後も国が状況に即応した変更を行う可能性があるため、区ではホームページを適宜更新して内容の周知を行うとともに、法律の改正や感染症分類の変更など大きな方針転換がなされた場合は、区ニュース等でお知らせしてまいります。 次に、福祉について、重層的支援体制整備事業のお尋ねです。 本区は、本人に寄り添いながら伴走する支援体制である重層的支援体制整備事業を、引き続き区政における最優先施策として取り組んでいます。来年度は専門の担当組織を設置し、担当課長を配置するとともに、職員体制も強化を図り、本事業の三つの柱となる相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の基盤づくりに努めます。 特に本事業の入り口となる相談支援については、まずは各所管窓口の職員が業務上の制度にとらわれることなく、断らない相談窓口として機能するための環境整備を進めます。その上で、どこにどんな相談をしてよいか分からない方などを受け止める新たな相談窓口を、事業開始に合わせて設置する方向で検討を始めます。 一方、来年度新たに4人設置する地域福祉コーディネーターは、地域に溶け込み、年齢や性別、国籍、障がいの有無によらず、生活上の悩みや困り事を抱える方に対し様々な機関、団体と連携しながら個別に必要な支援につなげる役割を担います。加えて地域の居場所づくりなどを住民と共に進め、地域参加の促進や地域のネットワークづくりなどに取り組みます。そのため、区内を四つの日常生活圏域に分類し、その圏域ごとに地域福祉コーディネーターを1人配置して、それぞれが各圏域を担当する予定です。 また、区民の中には、潜在的な悩みを持ちながら窓口にも出向くことができない方が一定数いると想定しています。こうした方へのアプローチも地域福祉コーディネーターの活動の一環として取り組んでいきます。 本事業は、渋谷区実施計画2020の課題の一つである「地域における共生型社会の実現」の中心となる事業です。この事業を通し新たな渋谷の福祉の文化を醸成し、地域と一体となり、切れ目のない重層的な支援を実現していきます。 次に、住民サービス、観光産業振興について3点のお尋ねです。 初めに、非来庁型サービスの拡充についての御質問にお答えします。 議員御指摘のとおり、本区は令和2年4月から、LINEを活用した住民票の写しや税証明書の申請受付を実施してきました。当初導入したオンラインで本人確認を行うeKYCの仕組みについては、総務省の省令改正により昨年9月から利用ができなくなってしまいましたが、その後、LINEがマイナンバーカードを使った公的個人認証サービス--JPKIに対応したため、本年1月からサービスを再開したところです。さらに、本年4月からは印鑑登録証明もLINEで申請できるよう、本定例会に条例改正案を提出しているところです。 また、非来庁を推進するために、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付サービスも拡充しております。従来の住民票の写しや税証明書等の交付に加え、本年2月からは戸籍証明もコンビニで交付できるようにしました。 さらに来年度には区独自に行政手続のオンライン化に取り組み、区役所の窓口にある様々な種類の申請や届出をデジタルフォームから提出できるようにしていきます。まずはどの手続をオンライン化することが効果的なのかを整理し、着手できるものから順次オンライン化していきます。ここでもマイナンバーカードを使った公的個人認証サービスで本人確認を行います。 このほか、来年度に稼働する新施設予約システムでもマイナンバーカードを使った本人確認手段を導入する予定です。 これら以外にも、国が進めるマイナポータルのぴったりサービスや、引っ越しワンストップサービスについても適宜必要な対応を行い、行政サービスのオンライン化を推進し、区民の皆様の利便性の向上に努めてまいります。 ウィズコロナ社会の中では、議員御提言の非来庁・非接触型の行政サービスの必要性はますます高まっていると認識しています。本区はこうした時代のニーズを捉え、区民の皆様の安全・安心を担保しつつ住民サービスの利便性を一層向上させるべく、オンライン上の非接触型サービスを拡充していく所存です。 次に、デジタル通貨事業について、5点のお尋ねに一括してお答えします。 まず、多くの人の利用を促進するための事業展開についてのお尋ねです。 デジタル地域通貨により区内産業を活性化していくためには、多くの人に興味を持ってもらい、まずは使ってみようと思ってもらうことが重要です。そのために、プレミアム付デジタル商品券事業など、チャージや支払い時に利用者がインセンティブを得られるような事業を積極的に実施していきます。 また、多くの店舗で利用できるということも重要と考えますので、特に商店会や中小企業者の参加のハードルが低くなるよう、手数料など店舗の負担を少しでも軽減できるような仕組みにしていきたいと考えています。 次に、区民への優遇についてのお尋ねです。 これまで行ってきたキャッシュレス決済を活用したキャンペーンでは区民の判定が困難でしたが、区独自のデジタル地域通貨の構築に当たっては、マイナンバーのJPKI認証技術を活用した仕組みなど、区民の判定ができる機能の導入を検討しています。任意にはなりますが、認証を行った区民を対象に限定のサービスやインセンティブの上乗せなど、区民向けのサービスも充実させていきます。 次に、ふるさと納税の返礼品としての活用についてのお尋ねです。 議員御提案のとおり、地域通貨をふるさと納税の返礼品として活用することは、歳入の確保だけでなく区内消費の活性化にもつながります。国のルールも踏まえた上で、ふるさと納税についても歳入確保の観点から活用を検討していきます。 次に、企業や大学等との連携についてのお尋ねです。 地域通貨を広めていくには、区だけがキャンペーンなどを実施していくのではなく、議員の御提案にもあるように、区内企業や大学など多様なステークホルダーとの連携が必要不可欠と考えています。例えば企業に地域通貨を買い取っていただき、それを社員が利用することが地域の店舗の応援につながるような仕組みなど、様々な取組を検討していきたいと思います。 最後に、ボランティアポイントや地域コミュニティの活性化についてのお尋ねです。 長引く感染症の影響により、これまで地域の賑わいを創出していたイベントの開催も難しく、従来に増して地域コミュニティや地域活動の活性化が課題になっています。 こうした状況も踏まえ、本区の地域通貨は単に商品券をデジタル化するだけでなく、ソーシャルアクションポイントのような事業にも取り組んでいきます。例えば、区の事業や地域の活動に参加した場合にポイントを付与することなどを検討していますが、具体的な仕組みについては今後検討を進め、区内産業だけでなく、地域の活性化にもつなげていきたいと考えています。 デジタル地域通貨を活用し、多様なステークホルダーとの連携を育みながら、使うこと、貯めることが地域の店舗の応援や地域の活性化につながっていくような、渋谷区らしい産業振興を実現していきます。 次に、スタートアップ支援についての御質問です。 一昨年に開始したスタートアップ支援事業では、実証実験事業としてこれまで33社の採択を行ったほか、環境整備事業の一環としてコンソーシアムを形成し、メンバーは現在90社以上となっています。コロナ禍で対話が困難であるなど、事業を進めるには容易な状況とは言えない中、スタートアップの成長に資する幾つかの事業も生まれています。 その一方で、世界と比較した場合、日本のスタートアップ・エコシステムには課題が山積し、今後も改善していく必要があると感じています。議員の御発言にもあるとおり、まだまだ未成熟な点は多様性の欠如であり、世界の優秀な起業家、人材や資金の流入が顕著に少ない点です。スタートアップビザの交付は世界の人材に日本への門戸を開くことになりましたが、それだけでは十分ではありません。 イギリス、フランス、フィンランド等、世界のスタートアップ先進国ではスタートアップビザと併せてアクセラレーターと呼ばれる起業家を育成する組織を設置し、地域に数多くの産業と雇用を生み出しています。最も顕著な例では、スタートアップ・チリというチリ政府が生んだ育成支援組織で、創設10年で約2,000社のスタートアップを生み、スタートアップ不毛の地であった南米で最も進んだスタートアップ拠点となった実績があります。 本区でも、海外の起業家を受け入れるに当たってアクセラレーターを設置し、国内外の人材の連携によってスタートアップを培養する基盤を強化し、本区に新しい産業を次々と生み出していくための具体施策の検討を進めています。 まず、スタートアップの成長を力強く支援するために、海外から経験と知識を持った高度人材の招聘を検討中です。さらに、様々な規制の緩和を目指し国や都との連携を進め、この分野に積極的な民間企業の参画も呼び込みます。渋谷区が日本のスタートアップ業界を牽引する新しいエコシステムを創出するために、強いアクセラレーター組織をつくりたいと考えます。引き続き御支援をお願いいたします。 次に、子育て支援について2点のお尋ねです。 初めに、高校生までの医療費無償化についてです。 本区の子ども医療費助成制度は、都の制度に合わせて、平成19年から中学生まで対象児童を拡大しています。本制度は財源に都区財政調整交付金を充てているとともに、都が定める所得制限を超える方や一部の自己負担金についても、区が負担することにより完全に無償としています。 今回、報道が先行し、東京都からは今後、区市町村の実務担当者による意見交換会を開催していく意向が示されたものの、制度の詳細については財源も含め全く明らかになっていません。先日の区長会総会においても、こうした東京都の姿勢を厳しく指摘する声が相次ぎました。 都区財政調整交付金の対象事業であり、かつ区の負担を伴う事業ですから、制度に変更を加えるということであれば区との検討・協議は省くことができません。子育て世帯への支援という見地から、貴会派の御意見も伺いながら俯瞰的かつ慎重に検討してまいります。 次に、東京都児童相談センターのサテライトオフィス設置にどのような役割を担わせるか、その将来の展望を含めてのお尋ねです。 議員の御発言にあるように、平成28年の児童福祉法改正を受けて、令和2年度からこれまでに4区が児童相談所を設置し、令和4年度中にはさらに2区が設置を予定していると承知しています。特別区が児童相談所を設置するに当たっては、財政負担や人材育成などまだまだ解決すべき課題が多く、特別区と東京都での協議は継続して行われているところです。 こうした中、本区はこれまで、児童相談所の設置だけでなくサテライトオフィスの設置についても検討を進めてきており、本年4月からは渋谷区子育てネウボラ内に東京都児童相談センターのサテライトオフィスを開設して、児童相談所との連携拠点と位置づけることにしました。これにより、最近増加している子どもの目の前で夫婦げんかをすることによる心理的虐待などについて、子ども家庭支援センターの相談員が迅速かつ効率的に対応することが期待されると同時に、個別案件についても東京都児童相談センターの児童福祉司や児童心理司と連携したケースワークの実績を重ねることで、区職員の専門知識の取得や資質向上にもつながると考えています。 今後の展望としては、サテライトオフィスに児童福祉司が常駐して、子ども家庭支援センターのケース会議への参加や、サテライトオフィスに設置されるビデオ会議モニターを活用して、緊急を要する虐待対応等について児童相談所と迅速に連携することを見据えており、家庭への支援を担う子ども家庭支援センターと、虐待対応等で法的権限を有する児童相談所が一体となった児童福祉体制が可能となることを期待しています。 まず、本区としては渋谷区子育てネウボラの充実により子育て家庭に寄り添い、孤立させない早期支援を通じて虐待の未然防止を強化しつつ、サテライトオフィスを拠点に虐待の早期対応を着実に行っていきます。 次に、教育について、私には3点のお尋ねです。 初めに、埋蔵文化財についての御質問です。 現在、区で発掘された文化財の多くは檜原村に設置したコンテナ倉庫に保存しています。議員御指摘のとおり、発掘された文化財を広く区民の皆様の目に触れられるような活用をすることは重要と考えます。今後、区内大学等に貸し出すことや、学校、区有施設の建替えの際に文化財を展示するスペース等を設けるなど、文化財の活用方法を検討してまいります。 次に、渋谷図書館についての御質問です。 渋谷図書館については建物の老朽化が進行し、利用者、職員が安心・安全に使用することができない状況であること、また、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館の1階にサービススポットを開設する予定であることに一定の御理解をいただいており、安堵しています。 一方、継続審査となった理由が、渋谷図書館の今後について明確にお示しできなかったことにあることも承知しています。渋谷図書館の現状に関して地元町会などへの御説明に伺い、皆様の最大の関心事がこの点にあることも十分に認識いたしました。 渋谷図書館の今後について具体的に申し上げれば、区内における配置状況を勘案しつつ、図書館の空白期間を最小限にするため、早期に建替えを予定している広尾中学校に複合化する計画で検討しています。整備に当たっては、学校施設と図書館の親和性の高さから、教育効果と地域コミュニティの拠点機能の相乗効果が十分に発揮できるような計画とします。 なお、広尾中学校の建替え時期につきましては、青山病院跡地を活用した仮校舎を利用し、令和8年度末の完成を目指しているところです。 次に、渋谷本町学園第2グラウンド複合施設(仮称)内に設置予定の、子ども子育て施設についてのお尋ねです。 昨年第1回定例会での丸山議員の御質問に対し、本施設は保育所型認定こども園とする予定であることをお答えしました。 私は区長に就任以来、待機児童対策が区政の最重要課題だと捉え、「産みやすく、育てやすく、預けやすいまち」の実現に全力を傾けてきました。貴会派の強力な後押しもあり、昨年初めて待機児童ゼロを達成し、この4月も継続できるよう調整を進めています。 その一方で、本町幼稚園ほか区立幼稚園全体で入園予定者が定員を大きく割り込む状況となっていることは大変懸念しています。教育委員会で立ち上げた区立幼稚園の在り方検討会では、関係者の議論や検討を経て、区立幼稚園は認定こども園に移行し、全ての子育て家庭への支援の充実を図るための拠点として転換を図っていく方向での検討が進められていると聞いています。 丸山議員からは、認定こども園の類型について地域の現状を踏まえた建設的な御提案をいただき、感謝申し上げます。 本施設については、学校かつ児童福祉施設として教育と保育を一体的に実施する、幼保連携型認定こども園とすることが望ましいとの考えに至りました。幼保連携型認定こども園の運営は、教育委員会との連携が必要不可欠です。質の高い幼児教育を提供し、小学校との円滑な接続を図ることにより、本区の就学前教育のさらなる発展に寄与する施設としてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 五十嵐教育委員会教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 私には、教育について2点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、学校施設長寿命化計画に伴う建替え手法についてのお尋ねです。 今後、建替えを行うための仮校舎の整備は、仮校舎までの児童・生徒の通学距離や交通状況に十分配慮し、建替えとなる学校を選定しているところです。 最初に、青山病院跡地の活用につきましては、老朽化の状況を見ながら周辺の中学校を中心とした学校を整備対象と考えており、令和6年度からの利用校は、同一学区である松濤中学校や近距離にある広尾中学校を候補として検討を進めています。 次に、小中一貫校の御提案もありましたが、一貫校は学習の流れを統一することで子どもたちが見通しを持って学習に主体的に取り組むことができ、さらには教員が教科や校種を超えて授業改善を進める環境が提供できるといった教育効果が期待されます。 議員御指摘のとおり、教育効果向上の観点から小中一貫校への移行を検討している学校については、一貫校の整備により利用しなくなった校舎を仮校舎として有効に活用することで、その周辺学校の円滑な整備と工事期間の安全・安心な教育環境を確保してまいります。 さらには青山病院跡地から遠距離にあるため当該仮校舎の利用が難しい学校につきましては、区有施設の中でも大きな面積を持つ場所を中心に、特にスポーツセンターなどを仮校舎敷地として活用できないか検討を進めているところです。 区有地や都有地、または一貫校跡地など様々な敷地を仮校舎の候補敷地として捉え、関係所管と協議を進めながら児童・生徒の安全・安心に留意した実効性の高い建替え手法を検討するとともに、敷地内に仮校舎を整備し、一部ローリングしながら整備せざるを得ない学校が最小限となるよう検討を進めてまいります。 次に、和菓子作りの出前授業についてのお尋ねです。 和菓子の歴史は縄文時代まで遡るとされており、日本の歴史や季節感から生まれた伝統文化です。また、児童が和菓子を学ぶことで日本の四季にも触れることができ、教育委員会といたしましては日本人としての誇り、豊かな心を育む教育活動につながるものと考えています。 令和3年度は区立小学校4校において、和菓子協会の協力を得て和菓子の出前授業を実施いたしました。和菓子作りを体験した児童からは「思っていたよりも細かい作業で、色の組み合わせ方や和菓子の形に日本を感じました。食べるのがもったいないような宝物に見えました」「日本にこんな素敵なものがあることを誇りに感じました。オリンピックやパラリンピックがある年なので、外国の人に日本の魅力を聞かれたら和菓子を紹介したいと思いました」などの感想があったと聞いています。 令和4年度におきましても、和菓子協会の御協力をいただけると伺っております。今後とも和菓子を通して日本の伝統文化を学ぶ貴重な場を拡充できるよう、学校に働きかけてまいります。 また、議員御提案のワンダフル給食の中で季節ごとに和菓子を取り入れることについては、学校給食摂取基準や供給体制、アレルギー等の課題もございますが、給食提供の細かいルールを弾力的に運用することが可能かどうかも含めて検討してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 28番丸山高司議員。 ◆28番(丸山高司) ただいま区長並びに教育長から意のあるところを御理解をいただき、前向きな御答弁をありがとうございました。 少し所感を述べさせていただきます。 喫緊の課題であるコロナウイルス感染予防ワクチンについては、十分供給量があるモデルナ社製の接種会場拡大の方針をお示しいただきました。また、小児接種についても、不安に丁寧に対応するとの答弁をいただきました。区民の安全確保の観点からも、また、ウイルスを抑え込み活況ある経済活動を実現させるためにも、是非御尽力をお願いを申し上げます。 次に、重層的支援体制整備事業でありますが、答弁でも、最優先施策として取り組むとの力強い答弁であったと思っております。 余談となりますけれども、川端康成は今で言うヤングケアラーでありました。これは寝たきりの祖父との日々を書き留めた「十六歳の日記」に記されております。早くに両親を亡くし祖父母に引き取られましたが、祖母も失い、祖父の病を案じながら世話をしておりました。学校に登校するとほっとしたようで、「学校は私の楽園である」と記しております。 翻って、国の全国調査によれば、中高生でおよそ20人に1人がヤングケアラーとの驚くべき結果が出ており、第三者に相談しない理由として「相談しても状況が変わるとは思えない」などを理由として挙げております。このようにですね、声なき声をいかにキャッチするかが重要であると考えております。そうであってみると、地域福祉コーディネーターの活躍を期待をいたしますので、よろしくお願いいたします。 また、渋谷区子育てネウボラ内に設置する東京都児童相談センターサテライトオフィスについてですが、児童相談所との連携拠点として位置づけるとお答えになりました。本区の児童福祉施策に一定の到達点を見たと考えております。この後は、先ほど区長答弁にありましたとおり、家庭支援を担う子ども家庭支援センターと虐待対応等で法的権限を有する児童相談所とが車の両輪としてですね、機能させることにより、本区の児童福祉体制の確立を目指していただきたいと思っております。 次に、懸案となっております渋谷図書館については、具体的なロードマップをお示しいただきましたので、このことを基に条例審議をしてまいりたいと思います。 また、長年懸念しておりました埋蔵文化財なんですが、満額回答なんですけどちょっと答弁があっさりしていたんで。 有効活用する区有財産との認識をお示しいただいて、感謝申し上げております。新年度ですね、担当課長でとどまっているかどうか分かりませんけども、高笑いしないでですね、担当課長には真摯に取り組むよう期待するものでありますので、多分ビデオで聞いていると思いますので、ようく、よろしくお願い申し上げます。 それと、教育長に対してでございます。 学校施設長寿命化計画の建替え手法に関して、方向性をお示しいただきました。その際、小中一貫教育校への移行もオプションとしてお持ちとのことであります。答申を楽しみにしております。 今回は、渋谷本町学園の成功例を見ればですね、共産党会派も協力すると思いますので、そこら辺は心配しないでいいと思います。 また、建替え時の種地としてですね、スポーツセンターの活用をお示しになったところであります。建替え期間中の区民利用に一定の制限がかかることは、本区の児童・生徒のためやむを得ないと考えております。活用方針が具体化しましたら区民への周知と、それから御理解いただくように、スポーツ部と連携して対応をよろしくお願い申し上げます。 学校施設長寿命化計画等もですね、今後、プロジェクトとして始動していくと存じますので、引き続き渋谷の教育環境の整備と教育力の向上のために御尽力をいただきますようにお願いを申し上げます。 あとまとめてですね、住民サービス、観光産業振興、それぞれ予算編成方針の答弁の中で、区長は象徴的なお言葉として「ウェルビーイング」という言葉をお使いになったと思います。自分もそれをはっきりとですね、認識しているわけじゃないんですけど、たしか世界保健機関--WHOの憲章の前文に、この「ウェルビーイング」という言葉が使われていると思っております。多分ですね、肉体的にも精神的にも社会的にも、全てが満たされている状態をウェルビーイングというふうに定義づけているというふうに理解をしておりますので、まさに今回の予算編成の目指すところがこの区民のウェルビーイングであれば、春の--別にこじつけで言っているわけじゃないですよ。春のようにですね、温かく柔らかい風を区民にお届けする決意表明と理解をいたしました。 私ども渋谷区議会自由民主党議員団もですね、春を待ち焦がれている区民にこのウェルビーイングの実現のため努力してまいりますことをお誓いを申し上げまして、私の代表質問を終了いたします。 ありがとうございました。 ○議長(斎藤竜一) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------     休憩 午後2時42分     再開 午後3時5分----------------------------------- ○副議長(薬丸義人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 32番岡田麻理議員。 ◆32番(岡田麻理) 私は、シブヤを笑顔にする会を代表して、渋谷区基本構想に挙げられた七つの政策分野別に、区長、教育長に伺います。 先立ちまして、令和4年度一般会計当初予算案について伺います。 一般会計の財政規模は歳入歳出それぞれ1,062億6,700万円と、前年度に比べ68億1,800万円、率にして6.9%の増。特別会計を含めた予算総額は1,552億2,121万9,000円、前年度に比べ102億1,300万円、率にして7.0%の増となっています。 歳入の大宗を占める特別区税は、前年度に比べ7.2%の増となりました。自粛を余儀なくされたコロナ禍で特別区税の増は、正直驚きました。株式の譲渡所得の増が主な理由とのことですので、一時的な収入で、今後の歳入の先行きは不透明であるとも感じております。 こうした大型予算編成については、ワクチン接種体制の構築をはじめとしたコロナ対策、公共施設の老朽化対策、また、今後、未来に向けた歳入が見込まれるスタートアップ支援事業やスマートシティ事業、環境保護などを目的に廃プラスチック資源回収など、渋谷の未来のものづくり、人づくり、まちづくりに寄与する予算措置であると考えます。 また、重層的支援体制整備事業など、喫緊の課題解決のための福祉関係などの予算についてもしっかり計上されていると感じます。 また、基金の取崩しは財政調整基金で5億円、都市整備基金で18億円、渋谷区新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金で2億円の合計25億円となっております。これら基金の活用も含めて、直面する課題とアフターコロナの対策とのバランスをどのように持っていくのか、予算編成について区長の見解をお示し願います。 この後は、基本構想七つの分野に沿って質問をいたします。 最初に、子育て、教育の分野についてです。 まずは教育について、学校基本計画と放課後クラブについて区長、教育長に伺います。 区長発言によると、学校基本計画は多様な学習文化や、ゆとりある生活空間を設け、子どもたちと地域や社会の方々と交流ができ、地域コミュニティの拠点や避難所としての活用も視野に入れた学校施設を目指すとしております。そこで、この時点でできる限りの提案をさせていただきます。 環境を考慮した学校施設については、最先端の環境モデルとなるように、二酸化炭素排出量を最小限に抑えるなど効率の高い施設が望まれます。例えば、建物の使用時間を増やし効率を高めることにより、学校という学びの場が、地域の皆さんの多目的施設という性質を持つ複合的な施設へ進化できる可能性が広がります。まずは学校施設の未来像についてどのような構想をお持ちなのか、区長に見解を伺います。 学校と地域コミュニティという側面を持つ本計画は、様々な対策が検討されます。最初に、防犯対策についてです。 文部科学省の各学校の防犯対策事例にもあるように、防犯カメラの設置、学校と区民使用のスペースとのゾーニングなど防犯面について区長に伺います。 また、学校は災害時における避難所としての役割を担います。備蓄倉庫の確保や避難所と備蓄倉庫の動線の検討、非常用発電設備など、防災拠点としての機能強化は重要です。計画には防災のプロによる参画も含め、防災拠点としてのお考えを伺います。 今後、学校施設整備は順次行われていくことと思いますが、将来、当該の小中学校への入学を考えている児童・生徒、保護者には、計画の具体的な年次計画の情報を事前に示していくことは重要だと考えます。区長に見解を伺います。 次に、多様な学習空間について幾つか区長に提案をします。 今後、児童や生徒の増減の可能性を踏まえ、様々な用途で対応できるよう移動間仕切りによる教室の整備、音などに敏感な過敏症や、様々な特性がある子どもたちに対応するために専門家の意見を取り入れた学習環境の検討、そして、これまでも本会議で質問してきました自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置も進めていただきたいと思います。区長の御所見を伺います。 次に、学校基本計画における地域コーディネーターの配置についてです。 地域の人たちにとっては、地域のカルチャーセンターのような施設として開放するのはいかがでしょうか。一方で、放課後の学校は子どもたちの大切な居場所でもあります。できれば子どもたちと地域の人たちが共に活動できるような環境となることが望ましいです。そのため、子どもたちと大人をつなぐ役割としてコーディネーターも一緒に配置してはいかがでしょうか。こちらについては教育長に伺います。 次に、地域に愛される地域コミュニティの拠点について幾つか区長に提案をします。 給食室を放課後も活用し、放課後クラブを利用している子どもたちに調理室で作った軽食を提供したり、現在ワンダフル給食が大人気ですが、放課後に地域の人たちが学校給食を食べることができれば孤食対策にもなります。また、設備が整った音楽室や体育館は、地域の人たちの生涯学習の場として活用してはいかがでしょうか。 次に、今後、長寿命化計画、学校基本計画に複合施設も検討されているのであれば、現在課題となっている事業も施設内に設置してはいかがでしょうか。例えば、不登校の児童・生徒が学校の復帰だけでなく社会的自立に向けて通える学校以外の学びの場の設置や、送迎も可能な駐車場を備えた放課後等デイサービスの開設、また、大人も利用できる発達障がい支援拠点、そして持続可能な障がい者の作業所の設置や障がい者の地域活動支援センターなどの拡充です。 以上、区長に伺います。 教育の2点目は、放課後クラブについてです。 放課後クラブは2007年に渋谷区で一斉にスタートしました。利用者は増え続けており、今年度は有料プログラムも導入されました。そこで、さらなる充実に向けた放課後クラブの運営についてどのようにお考えか、教育長に伺います。 また、現在、放課後クラブのA会員は17時まで、B会員は19時半まで利用できます。B会員の子どもたちは下校時にお迎えがありますが、A会員の児童は各自で下校します。冬など、暗くなってから1人での下校を心配する親御さんもいます。そこで、下校時間を通知する連絡システムを導入してはいかがでしょうか。 以上2点、教育長の御所見を伺います。 次に、子育てについて伺います。 保育について3点伺います。 渋谷区では今年度、念願の待機児童ゼロを達成しました。そして、施策方針にあったように、2月1日の来年度の保育園入園の一次結果の発表によると、1,278人が申請をし、現時点では来年度も待機児童は見込まれていないとのことです。区長の英断により保育施設が充実したことにより、希望園が選べるようになりつつあります。今後は保育の質の向上と多様な保育が必要となってきますが、今後の保育の在り方について区長に伺います。 二つ目は、認証保育所についてです。 認証保育所には、小規模だからこそできる保育の役割があると感じます。産後鬱や育児に疲れた保護者にとって、駆け込み寺のような存在の保育施設です。しかし、最近は認可園増により園児数が減り、その運営が大変厳しくなってきました。認証保育所は東京都主導の保育施設ということは重々承知しておりますが、引き続き継続できるよう区として後押ししていただきたく、区長に見解を伺います。 三つ目は、認可園の入園申請の際の妊婦枠についてです。 現在、渋谷区では出産予定の、いわゆる妊婦枠の園児数が各1名と限られております。出産後、お子さんを預けられる保育園の確保は、出産予定の保護者にとって、また出産後に復帰する職場にとっても必要です。妊婦枠については柔軟性を持って対応していただきたく、区長に伺います。 子育ての最後は、児童相談所事業に関するサテライトオフィスについてお尋ねします。 これまで当会派の神薗麻智子議員が度々本会議で質問してきましたが、区長発言には本年4月に設置とのことで、まずは一歩踏み出せることに感謝申し上げます。 児童虐待の予防や虐待対応に迅速に対応するためにどのような体制を取っていくか、お考えを伺います。 次に、福祉の分野について伺います。 最初に障がい者福祉から、重層的支援体制整備事業について4点、神宮前三丁目障がい者施設について2点、区長に伺います。 重層的支援体制については、これまで橋本侑樹議員はじめ当会派で重ねて質問してきました。 まず、重層的支援体制整備事業のニーズ調査に関する提案です。 制度設計に当たっては、これまでの制度では対応が困難な8050問題、介護と障がい児のダブルケア、ひきこもり、ヤングケアラー、またSOGIEなど、生きづらさや障がいの多様性、複雑性を広く把握することが欠かせません。そこで、提案です。プレス発表に「ニーズ調査の実施」とありますが、なかなか声が届いてこない困り事の調査をどのように行うのでしょうか。当事者や家族のニーズのアンケート調査を、LINEなどSNSの活用、相談員によるアウトリーチなど様々な手法を活用して取り組んでいただきたいと考えます。いかがでしょうか。 次に、包括的な相談支援体制について伺います。 重層的支援体制の下では、属性や世代を問わずに相談を受け止め、多様な機関の協働をコーディネートする仕組みが求められます。プレス発表では、令和4年度に地域福祉コーディネーターを4人配置し、悩みや困り事を抱える方の課題解決を図ることが示されております。そこで、これら地域福祉コーディネーターに想定される専門性と、コーディネーターが障がい者福祉の分野で果たす役割について伺います。 次に、相談支援事業への支援について伺います。 高齢者福祉では、高齢者の相談窓口の第一歩として区立の地域包括支援センターが11施設あり、ケアマネジャーが相談に乗り、必要な介護サービスを受けるためのケアプラン作成など総合的にマネジメントしております。一方、障がい者福祉では、区立の相談窓口として基幹相談支援センターなど3施設があるものの、サービス等利用計画の新規作成はほとんど受けておらず、民間の相談支援事業所がこれを担っているのが現状と聞きます。 しかも、地価の高い渋谷区では相談支援事業所がなかなか増えず、利用者や家族が連絡をしてもケアプランの作成を受け付けてもらえないという声が聞こえてきます。とりわけ精神障害者保健福祉手帳の所持者は2014年度から2019年度で約500名増の1,658名、心療内科などに通院するための自立支援医療費の申請も2014年度から2019年度は約500件増の2,888件と著しく増加しており、コロナ禍における生活不安などもあり、今後さらに増えると見込まれます。 相談支援事業所は、重層的支援体制の下でも障がい者とサービスをつなぐかけ橋となります。厚生労働省のホームページによると、重層的支援体制整備事業は新しい相談支援機関を設けるのではなく、既存の支援機関等の機能や専門性を生かし、相互にチームとして連携を強めることを目的としております。 そこで、まず、さきの相談支援事業の現状について、2019年度から2021年度までの各3年間に障がい者のサービス等利用計画が新規で何件作成され、そのうち精神障がい者の割合はどれくらいでしょうか。 また、2019年度と2020年度において、相談支援事業所の支援を受けず、利用者や家族が自ら作成したセルフプランの割合はどれくらいなのか伺います。 また、コロナ禍で保健所や困窮者支援窓口が逼迫し、生きづらさを抱えながらどこにも相談できない方が増えている今、渋谷区内で活動する相談支援事業所の運営を支援し、相談支援専門員を確保し、その豊富な実績を重層的支援体制整備事業のニーズ調査や地域コーディネートにも活用することが、渋谷区に求められる待ったなしの取組と考えますが、区長の見解を伺います。 次に、神宮前三丁目障がい者施設について区長にお尋ねします。 渋谷区初の重症心身障がい児者及び医療的ケアが必要な身体障がい児者を対象とした複合施設として、令和6年12月の開設に向けて工事が進んでおります。この施設の今後の運営については、対象となる障がい者の御家族の声も重要と考えます。そこで、開設に向けての職員の確保等を含めて、どのような運営準備を進めているか伺います。 次に、施設内に設置予定のカフェについて伺います。 例えば障がい者が働ける場として、また、作業所で作っているお菓子やパンなどが食べられたり、また、障がい者の皆さんが作った商品やシブヤフォントの製品などが購入できるようにするのはいかがでしょうか。区の施設、事業を有機的に連携させてサービスや運営の質の向上を目指すということです。 以上2点、区長に伺います。 次に、高齢者福祉から、認知症予防事業について伺います。 当事業は認知症検診、さらには認知症対策プログラムの予算であると聞いております。認知症予防については前福祉保健委員会で、当時の近藤順子委員長の提案でとっとり式認知症プログラムを視察しました。当時の福祉部職員も同プログラムの視察に行ったと記憶しております。今事業は、そのとっとり式認知症プログラムが反映されているであろうと大いに期待するところです。 そこで、認知症検診、そして予防プログラムがどのような事業であるか伺います。 とっとり式の科学的に効果が実証されたプログラムの導入や、認知症予防専門士による指導を取り入れるなどしてはいかがでしょうか。また、認知症セルフチェックについては、希望者には地域包括支援センターなど身近な施設でも受けられたり、現在デジタルデバイド事業に力を入れていますが、スマートフォンでもセルフチェックが受けられるようにしてはいかがでしょうか。 次に、コミュニケーションは認知症予防に効果があると言われています。コロナ禍で、スマートフォンを使って家族間でコミュニケーションが増えたという一面もあったそうです。高齢者のコミュニケーションがさらに活発になるよう、例えばビデオでコミュニケーションができるアプリや認知症予防用に効果のあるアプリの導入など、デジタルデバイド事業を今後も積極的に進めていただくための来年度の計画を区長に伺います。 以上、福祉について区長に伺います。 次に健康・スポーツについて、最初に、感染症対策について区長に伺います。 オミクロン株の感染拡大対策では、保健所、保育園、幼稚園、学校関係、福祉施設などなど、現場の関係者の皆様の日々の対応と御尽力に感謝申し上げます。また、渋谷区では新たに在宅要介護者緊急一時支援事業もスタートし、在宅で介護している方たちにとっては大きな安心へとつながるはずです。 最初に、ワクチンのクーポン券の発送について伺います。 対象者にはワクチンクーポンが接種前に確実に届くよう、クーポンの発送について、今後のスケジュール、運用について区長の見解を伺います。 次に、小児ワクチン接種体制について2点伺います。 不安を抱いている親御さんもいます。後々接種を受けた子、受けない子の間で差別や分断などがないよう、どのような対策をお考えでしょうか。 また、どのような副反応が出る可能性があるのか、副反応が出たときの対応など事前にしっかり情報発信をしていただきたく、区長の御所見を伺います。 次に、陽性者と濃厚接触者への対応について6点お尋ねします。 陽性者等の対応で保健所職員の皆さんが日夜尽力してくださっていることは重々承知しておりますが、より丁寧、より的確な情報発信をすることで少しでも業務が軽減されることを期待して、区長に提案、質問をいたします。 陽性者への保健所からの情報が伝わりにくいようです。保健所からショートメールでメッセージが送られる、電話があるなど情報が錯綜しております。ショートメールを受け取った方の中には、差出人不明者からのメッセージだったため別のフォルダに入ってしまい、数日間気がつかず、体調が優れない中、不安な日々を過ごしたという方がおられました。検査を行っているクリニックには、保健所からの連絡方法についてしっかり共有していただくよう、御所見を伺います。 また、お子さん含めて家族で濃厚接触者となった人の中には、ショートメールを受け取ったものの、家族の中の誰に向けてのメッセージであるのか明記していただけると保健所への連絡の回数が減ります。 次に、陽性者にとって分かりやすい情報提供についての提案です。 体調が優れないときは細かい字を読むのすらしんどいといいます。そのため、必要な情報が一目で分かるフローチャートを作成するのはいかがでしょうか。また、陽性者は自身が使ったマスクやティッシュなど、ごみの出し方などについても悩ましいとのこと。この捨て方など、情報が変わらないものについては動画による発信も御検討ください。区長に伺います。 次に、発熱相談センターの対応についてです。 発熱相談センターがつながりにくい状況となっております。検査を受けたい人がどこに連絡をすればよいか、すぐに分かるようお示しいただけますでしょうか。 その対策として、検査が受けられる医療機関の一覧の公表についてです。 体調の変化を感じた人や濃厚接触者となった人は、すぐにでも検査を受けたいはずです。そこで、検査を行っている医療機関一覧を区のホームページで公開してはいかがでしょうか。検査の種類、検査方法、夜間・休日対応などの情報と共に公表いただけると検査を受けたい人は助かるはずです。区長に御所見を伺います。 また、感染症の後遺症で医療機関にすぐにかかりたい人たちへの情報が不足しております。医師会のホームページのリンクを載せるなど、医療機関の情報提供について区長に御所見を伺います。 次に、小児の検査についてです。 引き続き保育園、幼稚園、学校での検査については東京都の様々な感染症対策事業を積極的に利用し、感染が拡大しないよう抑えていくことが重要ですが、いかがでしょうか。区長に伺います。 以上、感染症対策について区長に伺います。 次に、HPVワクチン接種について区長にお尋ねします。 2013年、HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えることとなってから9年が過ぎようとしております。昨年11月26日に厚生労働省から積極的勧奨の再開の通知がありました。それを受けて、対象者が一人でも多く接種が受けられるよう通知方法などの広報について、また、スケジュールについて伺います。 次に、自殺者対策についてです。 渋谷区保健所概要によると、2018年の渋谷区内で自ら命を落とした方は男性31名、女性5名、合計36名、2019年は男性17名、女性14名の31名、年代別では10代、20代、30代の死因の1位が自殺、また、40代についても悪性腫瘍の次に多いのが自殺でした。このように、自殺対策は引き続き重要施策の一つであります。 最初に、相談体制についてです。 既に様々な相談窓口があることは承知しておりますが、東京都の「いのちの電話」は何十回かけてもつながらず、さらに絶望的になるとの声が聞こえております。ほかの相談先もつながりにくい状況です。相談先については様々な選択肢があってよいと考えます。傾聴ボランティアによる協力や、以前より会派で質問してきた「あなたの居場所チャット相談」の導入などについて、区長の見解を伺います。 次に、救急医療機関との協力体制の構築についてです。 渋谷区自殺対策計画によると、渋谷区は、全国や東京都と比較して自殺未遂歴ありの人が多い傾向とあります。そこで、救急医療機関と連携し、自殺未遂者の支援に力を入れてはいかがでしょうか。 なぜ救急医療機関なのかというと、自殺者の自殺の手段は睡眠薬の大量服薬、飛び降り、首つりなどで、患者はまず救急の外来に搬送されます。搬送された後は、体の治療が終われば退院となります。ここで精神科につながればよいのですが、実際には精神科にも行政などの支援にもつながらず、自殺未遂を繰り返す人が多いというのが現状です。そこで、御本人の同意が得られた場合には医療機関から情報提供を受け、各保健相談所で退院後の相談支援につなげてはいかがでしょうか。医療機関との協力体制の構築について区長に伺います。 次に、産後鬱について伺います。 出産後の死因の1位は、産後鬱による自殺です。産後鬱のピークは産後2週間から1か月で、この時期の支えが重要ですが、新生児の夜泣きで妻が数時間置きに対応して疲弊していても、翌日仕事がある夫に遠慮して夜中の育児を交代できず、基本的には妻1人による子育てと育児がスタートし、寝不足などから精神的に不安定になりますとの声が届いております。 私が14年間続けている子育てトークでは、最初の頃は母親の参加がほとんどでしたが、今では父親の参加は当たり前になりました。そして、昨年は育休中というお父様が参加をしました。育休中は子どもと一緒に1日過ごせる幸せを感じる一方で、夜は妻にしっかり寝てもらい、家事を妻と同じようにやることによりその大変さに気づき、仕事に復帰後も、家事も育児もやっていくとのことでした。最初は職場に育休を取ることを言い出しにくかったそうですが、今では育休をみんなに勧めたいとおっしゃっておりました。 2021年6月に改正育児・介護休業法で男性にも育休制度ができ、産後4週間程度休むことができるようになりましたが、男性の育休は浸透しておりません。一方で、日本生産性本部の調査によると、令和の時代になってから新社会人となった男性の約8割が「子どもができたら育児休業を取りたい」と回答しております。 そこで、渋谷区で男性の育児休業が身近になるよう、ネウボラで育休経験者の話が聞けたり、育休パパの集いなどイベントを開催するのはいかがでしょうか。男性の育児休業は、産後鬱対策の大きなサポートになると思います。区長の御所見を伺います。 次に、スポーツ推進についてです。 最初に、パラスポーツ・レガシー推進事業について伺います。 北京オリンピック・パラリンピックは連日、日本人選手の活躍で大いに沸きました。これから始まるパラリンピックも大いに楽しみです。 また、昨年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。少し振り返ってみると、2013年秋に東京招致が決定し、2014年3月から五輪・パラリンピック対策特別委員会を区議会に設置しました。渋谷区も機運醸成に大きく力を入れてきました。そのため、パラリンピックが終了したらおしまいではなく、引き続き来年度も推進事業として予算がついていることに感謝申し上げます。 そこで、まず最初に来年度の具体的な事業内容について、どのような方向性でレガシーをつくっていくおつもりか、御所見を伺います。 次に、今後予定されている観戦事業や区長杯大会など、障がいのある子どもたちや障がい者も一緒に観戦やボッチャなど楽しめるようにしてはいかがでしょうか。 また、今後、区内ではパラスポーツの国際大会が予定されていると聞いています。その会場となる東京体育館や代々木体育館は、パラリンピックを機に、車椅子観戦席の設置やFM補聴器の利用が可能となるなどバリアフリーの環境が整いました。そこで、こうしたパラスポーツの観戦についても、区内に住む障がい者も一緒に応援できるように区が後押ししてはいかがでしょうか。その際、会場への送迎が必要な障がい者には、送迎の手配や医療支援などもサポートしてはいかがでしょうか。 一緒に観戦することにより障がい者と健常者がつながり、地域の障がい者を身近に感じ、それをきっかけにボランティアが育っていく、そんなレガシーを目指していただきたいと考えますが、区長の御所見を伺います。 次に、渋谷ユナイテッド事業について伺います。 昨年11月に開始されたユナイテッド事業について、今後の取組について伺います。 現在、中学校の部活動改革プロジェクトとして、スポーツ関係が7種目、文化関係が2種目です。そこで、今後は文化活動も増やしてはいかがでしょうか。 例えば、区内には渋谷区青少年吹奏楽団がありますが、弦楽器の活動を行っている団体はありません。そこで、文化総合センター大和田の練習場やホールなどを利用して、管弦楽部や弦楽部、また軽音楽部も可能だと思います。さらに、同センターのプラネタリウムやハチラボの人材や会場を活用した天文学部や科学部など、また、区内にはアニメの専門学校もありますので、漫画部やアニメ部なども可能ではないでしょうか。ユナイテッド事業を通し、中学生の学校以外の居場所づくりや自分探しのきっかけにもなると思います。今後のユナイテッドの取組、また文化活動の強化について、区長の御所見を伺います。 防災、環境について、最初に廃プラスチック資源回収事業について伺います。 令和4年7月から、これまで可燃ごみとして出していた全プラスチックが資源回収となり、リサイクルされる予定です。温室効果ガスの排出による地球温暖化対策、そして最終処分場の逼迫から、渋谷区が全プラスチックを対象にリサイクルを行う必要が出てきました。これには全区民への理解と協力が求められます。 そこで、子どもたちへ環境教育として出前出張授業を行うのはいかがでしょうか。保育園、幼稚園、小学校などに清掃職員が訪れ、プラスチックの分別などを含め環境教育を行います。子どもたちには、興味が湧くように紙芝居やパペット人形を使ったり、クイズ形式などいろいろなやり方で伝えます。 実際に出前環境教育に取り組んでいる自治体では、直接清掃職員から学ぶことにより、子どもたちは学んだ分別方法やリサイクルについて家族と一緒に話し合い、分別をゲーム感覚で行ったり、また、フードロスにつながるなどの効果があります。また、収集作業中の職員や清掃車に手を振ってくれるなど、ごみやリサイクルについて身近に感じるようになるそうです。 渋谷区ではさらに進めて、SDGs教育とするのもよいかもしれません。プラスチック資源回収を広く区民に関心を持ってもらい、協力していただくためにも、子どもたちへの環境教育について区長に伺います。 次に、防災対策について伺います。 最初に、防災フェス・防災キャラバンについてです。 来年度は防災キャラバンを5回以上に拡充し、開催予定とのこと。会場や開催時期、具体的な内容が決まっているようでしたら伺います。 また、障がいのある人も高齢者も、子育て世代など多くの区民が興味を持って参加でき、地域で助け合いが生まれるきっかけとなる防災キャラバンにするために、どのような取組をお考えですか。 また、以前、本会議で提案した「自宅で防災キャンプ」についてです。 早速渋谷防災キャラバンの動画で取り上げていただき、ありがとうございました。次は実践として、防災キャラバンの前後のプログラムに入れるのはいかがでしょうか。防災に対してより向き合えるようになるはずです。 以上2点、区長の見解を伺います。 次に、避難所一斉点検について伺います。 避難所一斉点検は、感染症拡大で今年の1月17日も延期となりました。中止でなく延期なのに、いつ頃やるというめどもなく、今後の動きが見えません。感染症拡大防止対策のため致し方ないとはいえ、これで2年連続で点検が行われないこととなります。 災害は、感染症の有無に関係なく起こり得ます。感染症対策を踏まえた対策について協議をする必要性も感じます。そこで、中止、延期となっている避難所一斉点検について、今後どのような形で開催するか伺います。 また、避難所の運営は、より多くの方たちの協力が必要です。いざ災害のときに避難所で動ける人が一人でも多い状況をつくるべきと考えます。地域住民が避難所一斉訓練に参加できる仕組みについて、オンラインの活用も含めて検討してみてはいかがでしょうか、御所見を伺います。 また、避難所運営マニュアル改訂版が完成し、その後の有効利用について伺います。 実際にマニュアルを確認し、検証を予定している避難所もあろうかと思います。より充実した避難所運営のためにも、区もサポートしながらしっかり検証していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 以上、防災対策について区長にお尋ねします。 次に、空間とコミュニティについて、大山街道、そして渋谷駅桜丘口地区市街地再開発事業についてお尋ねします。 大山街道のまちづくりについては、これまでも本会議で当会派の伊藤毅志議員がウォーカブルな歩車共存、シェアド・スペースも取り入れるなど夢の道づくりについて質問をしてきました。区長の答弁は「引き続きウォーカブルな道づくりを推進していく」とのことでした。 今後のスケジュール、設計、準備工事が来年度予定されております。渋谷の目抜き通りとしてふさわしい街並みをどのようにお考えか、区長の見解を伺います。 次に、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発事業について伺います。 2023年度竣工が予定されており、来年度は27億8,600万円という大きな予算がついています。そこで、どのような予算であるのか、また、この再開発は区がどのように関わっていくのか伺います。 さらに、国道246号とJRの線路により分断されてきたこの地域が、再開発で地域や渋谷のまちにとってどのような貢献、効果があるのか伺います。 また、帰宅困難者対策や、現在桜丘地区で長年課題となっております公共駐輪場、さらに、補助18号線は現在歩行者専用となっていますが、今後はどう計画されているのか、桜丘地区の再開発の特色も併せて伺います。区長の御所見を伺います。 次に、ふれあい植物センター改修事業について伺います。 区長発言にもあったように、ふれあい植物センターが改修のため昨年12月28日に休園しました。1月18日の区民環境委員会にて、同センターのリニューアル事業の実施計画が報告されました。そこには水耕栽培の予定もあります。また、プレス発表資料には「農と食の地域拠点」と記されております。そこで、これまでの「みどりの情報発信」「普及啓発の拠点」「ボランティア」というコンセプトは今後も受け継がれていくのでしょうか。また、リニューアルオープン後も老若男女が気軽に立ち寄り、ほっこりする癒やしの空間、子ども向け、大人向けのイベントなどはどのようになるのでしょうか。区長がお考えになる夢のあるふれあい植物センターについて、御所見を伺います。 また、ふれあい植物センターを利用していた方たちから、これまで植物センターにあった植物と生き物展示のワニガメはどうなったかと心配する声が届いております。行方を伺います。 文化・エンタテイメント分野について3点伺います。 今予算には「文化の活性化調査・研究」となっておりますが、何を目的として、どのようなことを調査・研究するのか、また、文化といっても広く様々ありますが、特定の分野について考えているのか、今事業について伺います。 次に、区長発言にもあった組織改正について、新たに設置される所管について伺います。 産業文化部については文化財、松濤美術館などの事務が加わり、産業観光文化施策の一元化が図られます。また、現在、福祉部所管のシブカツやシニアいきいき事業については、福祉部から生涯活躍部へと移管とのことで、これにより区民の学びがより充実していくものと評価いたします。 一方で、これまで教育委員会が所管していた図書館、郷土博物館・文学館、美術館及び社会教育館が区長部局へ移管します。今回のこの編成により渋谷区の文化への取組をどのようにお考えか、お示しください。 また、区民にとって今まで以上に文化に触れる機会や楽しみが増えることとなるのか、併せて区長に伺います。 文化の最後の質問は、渋谷区立図書館についてです。 現在、区内には図書館が10館配置されており、渋谷区はこれまで図書館文化を大切に培ってきました。2月10日の総務委員会で図書館の在り方に関するアンケート調査について報告され、今後、渋谷区立図書館を利用したいという人は9割に迫り、図書館の魅力として蔵書の充実が上位でした。多くの人たちが図書館の価値を感じています。 そこで、今後、渋谷区の図書館10館体制の維持と蔵書の充実を確保していくと明言していただきたいと思いますが、区長の決意をお聞かせください。 次に、産業振興についてです。 初めに、デジタル地域通貨について伺います。 区独自のデジタル地域通貨事業については、当会派の田中匠身議員がこれまでも本会議で提案しており、今回予算がついたことに感謝申し上げます。非接触型のキャッシュレス決済がコロナ禍で区民にも浸透しましたので、当事業は利用者への利便性がより高いものであってほしいと思います。 区長発言で「地域コミュニティの活性化に寄与する仕組みの構築」などありますが、地域貢献した人へのソーシャルアクションポイントやエコへの取組ポイント、また、スマホデビューの高齢者へのポイント付与など検討されてはいかがでしょうか。 また、商店の人たちにとって導入しやすく、顧客に勧めやすいものであってほしいと考えますが、いかがでしょうか。 以上、区長に伺います。 次に、グローバル拠点都市推進事業について伺います。 今年度スタートしたShibuya Startup Deck、通称シブデックですが、この事業は不動産、金融、IT企業などが渋谷区と連携してスタートアップをしやすい環境、いわゆるシードステージを整える事業と聞いております。 私ごとですが、以前勤めていた職場で、本国から日本に駐在となった外国人上司の家探し、銀行の口座開設、学校探しなどを一緒にやりました。語学の壁、保証人、証明書を揃えるなど日本独特の手続は複雑で、サポートなくしては進まない一連の手続です。そのときは勤務先が外資系金融機関ということがあり、審査は滞りなく進みましたが、これらの手続を日本や日本語に不慣れな外国人が1人で行うとなると膨大な時間がかかり、苦労することでしょう。 シブデックは、国内の起業家だけでなく、渋谷区で事業を始めたい海外のスタートアップが必要な支援を受けられる事業と理解しております。そこで、質問です。 シブデックのこれまでの成果や実績について、具体的に進んでいることがあればお聞かせください。 また、シブデックを利用したスタートアップの次なるステップ、いわゆるアーリーステージの今後の支援の方向性について区長に見解を伺います。 最後に、区政運営について2点お尋ねします。 一つ目は、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンについて大きく3点お尋ねします。 最初に、第2次男女平等・多様性社会推進行動計画についてです。 2月10日の総務委員会で発表された推進計画事業一覧では、全94項目が挙げられております。どの所管でも性的指向、性自認、ジェンダー表現が常識となるようなSOGIEの理解を持って、性のありようを問わず、頼れる渋谷区役所を実現することが求められていると感じます。 そこで、行動計画から3点伺います。 一つ目は、災害弔慰金についてです。 現在の対象は夫婦や事実婚関係の異性パートナーですが、同性パートナーに対しての運用も検討できるのではと考えます。 御存じのように、災害弔慰金は、自然災害が原因で死亡したと認定された方の御遺族に500万円を上限に弔慰金を支給する制度です。実施主体は区市町村で、法律上の夫婦だけでなく事実婚関係にある異性パートナーも対象としていますが、たとえ何十年も人生を共にしてきても、同性パートナーは対象外とされてきました。財源は区市町村と都道府県が4分の1ずつ、残り半分を国が負担することになっていますが、区が負担することにより同性パートナーも対象が可能となります。同性パートナーへの運用も当たり前に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、これまでも何度も提案してきましたDV相談窓口について伺います。 迅速な対応が求められるDV相談ですが、依然、男性の受皿がありません。男性DVの相談は東京都ウィメンズプラザを頼るのではなく、速やかに渋谷区として対応すべきと考えます。性のありようを問わず頼れる相談窓口の実現に向けてどう取り組んでいくのか、区長に見解を伺います。 以上二つの質問は、各所管が今後、行動計画に沿って取り組むべき事業の一例にすぎません。全庁の各所管がこうした事業に取り組んでいくことになろうかと思いますが、アイリスは今後どのようにこうした事業の掘り起こしを行っていくのか伺います。 次に、条例改正について伺います。 昨年第2回定例会で質問した際、区長の答弁は、広義のダイバーシティ・アンド・インクルージョンという進化させた価値観を区政一般の共通価値観とする条例、さらに喫緊の人権課題として、まずDVセンター機能を整備する、また、多文化共生の推進、障がい者差別禁止などの課題については、渋谷区らしい全庁的なソーシャルインクルージョン推進につなげたいとのことでした。行動計画が完成し、さらに進化が期待される渋谷区らしい条例改正について、お考えと今後の予定をお聞かせください。 パートナーシップ証明書について伺います。 報道によると、今年秋にも東京都による制度導入が予定されています。渋谷区としては、このパートナーシップ制度の導入のその先に、この事業が日本全国に広がり東京都や国をも動かす事業になればという願いがありました。その実現の一つとなる東京都の制度導入を受けて、渋谷区のパートナーシップ証明は今後どのような影響を想定しておりますか。例えば制度内容の変更などについてはお考えでしょうか、区長の見解を伺います。 最後の質問は、区民に寄り添ったウェブサイトの再構築についてです。 最初に、やさしい日本語の導入についてです。 昨年、会派で宮田るり子先生を講師にやさしい日本語の勉強会を開催し、その重要性を学びました。 入管庁の令和2年度在留外国人に対する基礎調査によると、外国人で日本語の会話が少しでもできる人は88%、やさしい日本語なら読んでも分かる人は77.2%です。現在、当区のホームページは英語、フランス語、中国語、ハングル語に翻訳が可能となっており、多言語対応の充実を評価いたします。 やさしい日本語は、外国人だけでなく、子どもや障がいのある人や高齢者にとってもやさしいアプローチになることから、言語の一つと捉えていただきたいのです。そこで、やさしい日本語の導入を提案します。区ホームページの全ての情報ではなく、例えばワクチン接種について、病気の際や防災情報など重要で知りたい情報や、ごみの出し方、税金について、相談先など基本的な情報については、やさしい日本語による対応をしてみてはいかがでしょうか、区長に御所見を行います。 次に、第2回定例会でも質問した番号検索の導入についてです。 今回、コロナ関係の多くの問合せを保健所はじめ各所管が受けていると思います。番号検索は、そんなときに必要な情報が載っているページの番号さえ伝えればよく、問い合わせた人にとっても職員にとっても時間が短縮し、助かります。区長に御所見を伺います。 最後の質問です。こちらも第2回定例会で質問しましたが、亡くなられた後の手続の流れをホームページに示してはという質問です。 令和元年、渋谷区では1,614名の方がお亡くなりになりました。つまり1,614名の方の御遺族が、死後の手続のために区役所に訪れたということとなります。手続の際には、介護や葬儀による心労や悲しみに打ちひしがれて体も頭も思うように動かないという方が大半だと思います。そんなときに区役所の窓口で迷ったり区役所内でたらい回しにならないように、事前に準備すべき必要書類や担当窓口、どんな手続が必要かなど一連の流れを事前に把握しておけると助かると思います。行く行くは、手続自体をワンストップにするなど寄り添いも必要だと思います。区長に伺います。 以上、多岐にわたりましたが、区長、教育長より御答弁のほどお願いいたします。 ○副議長(薬丸義人) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、岡田麻理議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、予算編成方針についてのお尋ねです。 令和4年度予算編成の基本的な考え方については、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、丸山高司議員の代表質問でお答えしたとおりでありますが、議員御発言のとおり、来年度予算における特別区民税の増については、令和3年は、コロナ禍においても年間を通して株価が高値で推移したことによる株価譲渡所得の増などを見込んだためとなっています。しかし、年明け以降のコロナ感染者数の爆発的増加をはじめ、度々発生している株価の急落や現在の不安定な国際情勢等に鑑みれば、我が国の景気の先行きは不透明であり、一時的な増収に一喜一憂することなく、地に足を着けた財政運営を行っていかなければならないと考えています。 令和4年度予算は、現在の最重要課題であるコロナ対策にしっかりと取り組むとともに、人づくり、まちづくりという未来への投資も行うものとなっており、その財源として基金の活用も予定しておりますが、今後控えている公共施設の老朽化対策等の財政需要拡大を踏まえ、基金に過剰に依存することのないようバランスを取った編成となっています。 次に、子育て・教育分野について2点のお尋ねです。 初めに、学校基本計画について6点のお尋ねに一括してお答えします。 まず、学校施設の未来像については、地域の皆様に広く開放し、共用することで従来の学校施設よりも使用効率を高め、公共施設機能の戦略的集約化を図ります。また、再生可能エネルギーや省エネ効果の高い機器などを採用し、SDGsやZEBを意識した学校施設を整備します。 次に、学校と開放スペースのゾーニングについては、防犯カメラの設置や動線の分離など、あらゆる手法を駆使して快適で安心な学校生活が送れるよう工夫します。 また、防災拠点については、防災のプロによる参画については現時点では考えておりませんが、今後、技術的なアドバイザーが必要となった場合は検討してまいります。 次に、整備計画については、来月末までに建替えに係るロードマップを作成し、その後、速やかに公表してまいります。 次に、学習空間については、多様な児童・生徒が新しい時代の学びを実現できる教育環境を整備していきます。 次に、地域コミュニティ拠点については、音楽室、校庭、体育館等の共用できる空間については積極的な活用を考えています。 最後に、他の施設との複合化については、地域特性を踏まえつつ、地域との連携による教育上の効果や特色のある学校づくりに配慮し、今後の個別学校建替えで実施する基本計画の中で検討をしていきます。 次に、子育てについて4点の御質問です。 初めに、今後の保育の在り方についてです。 私は区長就任以来、待機児童対策を区の最重要課題と位置づけ、認可保育園の増設に取り組んできました。6年をかけて待機児童ゼロを達成しましたが、これを継続していかなければなりません。 さらに今後は、議員の御意見のとおり、保育の質の向上と多様な保育を伸ばしていくフェーズになってくるものと思います。保育の質の向上に向けては、現在、渋谷区版保育の質ガイドラインの策定に着手したところです。東京大学との連携を生かし、最先端の知見を反映したガイドラインを目指します。 多様な保育については、多様な集団活動事業の利用支援事業を令和4年度から開始します。幼児教育、保育の無償化の給付を受けていないインターナショナルスクール等に通う満3歳以上の幼児の保護者に対して、月額2万円の給付を行い、小学校就学前の児童を対象とした多様な集団活動の利用を支援してまいります。 次に、認証保育所についてです。 認証保育所は、大規模の保育ニーズに対応するための東京都独自の制度で、ゼロ歳児保育、13時間開所などを特徴としています。区においても待機児童の受入れとともに、議員御指摘のとおり、利用者は保育の必要性の認定を受けることなく、認可保育園を利用できない方や急を要する方などの受皿としての役割も果たしています。 都は来年度から、認証保育所制度について「ゼロ歳児」必須の要件を「ゼロ歳児または1歳児」必須とすること、保育料上限額を認可保育園と同水準にすること、学齢児を受け入れる仕組みを整備するなど制度の見直しを行うことを発表しました。これらの見直しは、事業者の創意工夫を生かして地域の保育ニーズにより柔軟に対応できるようにするもので、区としても事業者の相談に乗り、都への手続など支援を行いたいと考えます。今後、制度の詳細が周知されるものと思いますので、その動向を注視してまいります。 次に、入園申込みの妊婦枠についてのお尋ねです。 保育園でのお預かりは、生後57日目以降からとなっています。ただし、4月入園に限っては、3月31日までに出産予定のお子さんについても申込みを受け付けています。このうち4月1日までに57日に満たないお子さんについては5月または6月からの入園となるため、各園1名までという枠を設けています。議員からは、この枠について柔軟な対応をとの御要望ですが、受け入れる園の状況も考慮する必要があり、調整を図りながら対応してまいります。 次に、東京都児童相談センターのサテライトオフィスについてです。 先ほど丸山高司議員の代表質問にお答えいたしましたとおり、渋谷区子育てネウボラに設置するサテライトオフィスは、東京都児童相談センターの児童福祉司などが子ども家庭支援センターの相談員と連携して、ケースワークをはじめとした児童相談所業務を行うための拠点となるものです。4月からは、渋谷区を担当する児童福祉司や心理的ケアを担う児童心理司が面接や相談を行う予定です。相談内容によっては子ども家庭支援センターの相談員も一緒に対応するなど、連携を密にすることで虐待の早期発見、早期対応が可能となる体制を整えていきます。 次に、福祉分野について大きく3点の御質問です。 初めに、重層的支援体制整備事業について、ニーズ調査についてのお尋ねです。 本区は重層的支援体制整備事業を令和5年4月にスタートさせる予定です。来年度はその基盤づくりに努めていきますが、その中で、今まで把握し切れていなかったヤングケアラーやひきこもりなどの課題について、その現状把握のための調査を実施します。調査方法については様々な手法、媒体を用いることを考えていますが、その中で、議員御提案のSNSの活用や、来年度配置する地域福祉コーディネーターによる調査についても検討したいと思います。 次に、包括的な相談支援体制についてのお尋ねです。 来年度、新たに配置する地域福祉コーディネーターは、日々の活動において障がい福祉サービスにつながっていない方がいた場合に、適切に必要な支援が届くよう関係機関へつなぐ役割を担うことが求められます。また、障がいのある方が地域の人たちと共に過ごす場所づくりをコーディネートすることも重要な役割と考えますので、地域福祉コーディネーターは、福祉の専門性に加え、地域と一体となって協働できる能力が必要です。 重層的支援体制事業における地域福祉コーディネーターの活動により、障がいへの理解促進が図られ、互いに理解し、支え合う地域づくりを進めてまいります。 次に、相談支援事業について2点のお尋ねに一括してお答えします。 まず、相談支援事業の現状についてですが、障がい者基幹相談支援センター、はぁとぴあ相談ステーション、さわやかるーむの3施設における令和元年度から令和3年度の現在までのサービス等利用計画の新規作成は22件であり、そのうち精神障がい者の方は15件で約7割となっています。また、利用者や家族が自ら作成したいわゆるセルフプランについては、令和元年度はサービス等利用計画1,470件のうち309件、令和2年度は1,534件のうち297件でした。 次に、相談支援事業所への支援についてです。 区内における事業所は、日々障がいのある方や家族の相談を受け、支援に携わっていることから、豊富な経験と実績をお持ちです。また、年2回程度、区内事業所による連絡会も開催しており、情報共有や連携が図られています。これらの事業所は障がい者支援における地域資源であり、今後の重層的支援体制整備事業においても一層の連携を図り、障がい者支援の充実に努めていく必要があると考えています。 相談支援総合専門員の確保や事業所支援については、引き続き実態把握に努め、検討してまいります。 次に、神宮前三丁目障がい者施設について2点のお尋ねです。 まず、運営準備についてです。 本施設については障がいのある方や家族、関係団体等からの大きな期待を受け、令和6年12月の開設に向け、現在、建設工事を進めています。 開設に向けては、指定管理者である社会福祉法人睦月会が今年度、25人の職員を採用しており、今後も毎年15人程度を計画的に採用し、研修等職員の育成を進める予定と聞いています。さらに、事業運営に生かすため、利用者や御家族、関係団体との意見交換も定期的に実施しております。今後も引き続き関係者や地域の皆様と協議しながら、開設に向けて着実に準備を進めてまいります。 次に、施設内のカフェについてのお尋ねです。 本施設に設置するカフェでは、施設通所者が日中活動として運営に関わることや、障がいのある方が働くことで、地域の方と触れ合う機会を創造していくことを計画しています。 議員御提案の区内事業所で作るお菓子などの提供や事業所の自主製作品等を販売し、区の施設と事業を有機的に連携させる取組についても、指定管理者と協議し、実現に向け検討を進めます。ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを掲げる渋谷区として、障がいのある方と地域の方が集い、交流できるカフェ運営を目指してまいります。 次に、認知症予防事業について3点のお尋ねです。 初めに、事業の内容についてですが、認知症検診については65歳、70歳、75歳になる高齢者にセルフチェックシートを送付し、一定点数以上の結果が出た人のうち希望者に対し、医療機関での認知機能検査を実施します。検査実施後は地域包括支援センターやかかりつけ医と情報を共有し、適切な支援や医療につなげていきます。 また、認知症プログラムについては、とっとり方式認知予防プログラムの内容や仕組みを参考に、運動プログラム、知的活動プログラム、座学プログラムを効果的に組み合わせたプログラムを実施します。プログラムの策定に当たっては、地域のリハビリテーション病院の理学療法士等専門職を交えて内容を検討しており、準備を進めています。 次に、希望者の受入れ方法についてです。 認知症のセルフチェックシートについては、まずは対象年齢を決めて送付しますが、検診やプログラムの実施状況も見ながら、地域包括支援センターへのシートの配付やウェブ上での同様のチェックができる東京都ホームページの活用など、希望者が気軽にチェックできる手法を検討していきます。 次に、デジタルデバイド解消事業の推進についてお答えします。 スマートフォンを活用したコミュニケーションについては、現在も「はじめてのスマートフォン講座」の中でビデオ通話の使い方を教えており、地方にいるお孫さんとの会話を楽しんでいる参加者もいます。今後もスマートフォンを使いこなすことでコミュニケーションが活発になるよう、引き続きサポートしていきます。 また、貸与スマホには、高齢者のQOLを高める仕掛けとして健康管理アプリがインストールをされており、歩数計や脳トレ、食事管理等の機能が搭載されています。来年度は家族による見守り機能として、そうした情報を家族と共有できる機能も追加し、アプリの活用をさらに進めていきます。 次に、健康・スポーツ分野について6点のお尋ねです。 初めに、感染症対策について3点のお尋ねですが、一括してお答えします。 ワクチンクーポン券ですが、当初の予定から前倒しし、6か月の間隔で3回目が接種できるよう、昨年9月に初回接種を済ませた方には先週15日に発送しています。今後も状況に応じて機敏に対応してまいります。 また、小児向けのクーポン券については昨日発送したところです。今回の小児接種については、正確な情報をお伝えすることはもちろん、接種が強制でないことを丁寧に説明してまいります。 また、副反応が出た際の連絡先や対応方法について、ホームページ、SNS、区ニュース等を通じて事前にしっかり伝えてまいります。 次に、陽性者と濃厚接触者への対応について6点のお尋ねです。 まず、情報発信についてですが、1月上旬は陽性者への電話連絡がショートメール対応に切り替わった時点で、切替え後しばらくは医療機関が保健所から電話で連絡があると説明していたため、電話が来ないという連絡が寄せられました。そこで、1月14日に区から区医師会へ対応の切替えに関して周知徹底をお願いし、その後は改善しています。今後も連絡方法の変更などの際に混乱が起きないよう、注意を払ってまいります。 次に、情報の発信方法についてのお尋ねです。 保健所からは濃厚接触者へショートメールは送っておらず、保健所に届出があった患者に対して、その患者が連絡先に指定した携帯電話番号にショートメールを差し上げています。そのショートメールの中で、同居家族等の濃厚接触者の相談に対応するコールセンターをお知らせしているほか、保健所のホームページでも必要な情報や相談窓口を御案内しています。 次に、分かりやすい情報提供についてのお尋ねです。 本区では、ホームページや区ニュースなどで新型コロナウイルスの感染防止対策について情報提供を行っており、動画を利用した正しいマスクのつけ方等も配信しています。今後も図表などを取り入れて、情報を見やすく提示できるよう努めていきます。 次に、発熱相談センターの対応についてのお尋ねです。 東京都の発熱相談センターでは、医療機関を紹介する専用の回線を新たに設けて、希望する方への検査できる医療機関の紹介を24時間行っています。回線数を増やしたことで電話のつながりにくさは解消されてきています。また、渋谷区医師会、東京都福祉保健局のホームページでは、検査を受けることができる診療・検査医療機関を調べることができます。区民の皆様には、このようなサービスを適切に御案内していきます。 次に、医療機関の情報提供についてのお尋ねです。 コロナの後遺症は、感染後1か月以上たっている患者が対象になります。本区では陽性者専用の療養に必要な情報を提供するホームページを用意しており、発生届が出された方に個別に通知しています。このホームページの中で、コロナ後遺症の相談についても情報提供しています。 次に、小児の検査についてです。 保育園、幼稚園については園医・学校医と医師会が連携し、医師が必要性を判断した方については速やかに検査を受けられるよう御案内しています。東京都からは検査の調整がつかない場合のPCRキットの送付があり、保育課で保管し、緊急時の体制を整えています。 また、学校では、東京都教育委員会の「区市町村立学校の教育活動におけるPCR検査の実施」により、保護者の同意に基づき、宿泊行事等の事前検査に活用しているところです。 今後も様々な感染症対策事業を最大限活用して、感染拡大防止に努めてまいります。 次に、HPVワクチン接種についてのお尋ねです。 HPVワクチン定期接種の積極的勧奨は、本年4月に再開されることとなりました。4月1日時点で定期接種の対象に該当する方は約3,200名で、4月に接種予診票と接種勧奨の通知を個別に送付いたします。 キャッチアップ接種については、国の予防接種・ワクチン分科会で平成9年度から17年度生まれの9学年を対象とする考えが示されており、令和7年3月までに実施するよう積極的に勧奨するとともに、ワクチンの有効性や安全性に関する情報も併せてホームページで提供していきます。 具体的な実施方法は、今後改正される予防接種法施行令で示される予定です。 次に、自殺対策者の相談窓口の選択肢についてですが、本区では各種の相談窓口に加えて、都や国が設置する24時間対応可能な電話等の相談先をまとめたリーフレット「こころ、元気ですか?」を作成し、周知してきました。今後は「あなたの居場所チャット相談」を含め、SNSを活用した相談窓口についても区ホームページを活用して周知をしていきます。 また、ゲートキーパー養成講座を区関連団体や大学を対象に開催しており、区民の身近で悩んでいる人に寄り添い、適切に対応できる支援の輪を広げていきます。 次に、医療機関との協力体制の構築についてですが、救急病院等に搬送された自殺を図った方に対して、本人の同意の下で医療機関と行政が連携し、身体の治療終了後に各保健相談所が継続して支援を行うのは有効な対策と考えられます。まずは区内救急医療機関の実態把握を行い、必要とする区民に確実に支援できるような連携体制を構築できるよう検討します。 次に、産後鬱対策についてです。 議員御指摘のとおり、産後鬱の防止には、一番身近にいる男性の育児への理解や協力は欠かせません。出産後の女性が精神的に不安定な時期に一緒に子育てをし、その大変さを共有できる男性がそばにいることは大変有意義だと思われます。現在、国も男性が育児休業を取得しやすい法整備を進めている上、コロナ禍で働き方の多様化も進み、ようやく男性が育児に参加しやすい環境が整いつつあります。 渋谷区子育てネウボラのcoしぶやでは、これまで父親が参加しやすい日曜日に父親と子ども向けのイベントを開催することで、男性の育児参加を後押ししてきました。こうしたイベント等を通して男性の育児参加を促し、育休パパ同士のコミュニティ醸成につながっていくことを期待しています。 次に、スポーツ推進について2点のお尋ねです。 初めに、パラスポーツ・レガシー推進事業についてお答えします。 来年度、東京2020大会に向けた機運醸成事業などによって得られた成果をレガシーとして捉え、今後のスポーツ振興へとつなげていきます。パラスポーツへのより一層の理解を促進するためのパラスポーツ推進事業や、競技を見て応援する機会としての区長杯大会の開催や、国際大会の支援を行います。また、子どもたちにも、アスリートとの交流や専門的な指導を行う機会を継続していきます。 大会に向けて御協力いただいた独自ボランティアについても、今後、スポーツボランティアとして活動の幅を広げ、「支えるスポーツ」を推進していきます。 次に、パラスポーツの観戦については、年齢や障がいの有無などにかかわらず、より多くの方々にアスリートへの声援を送っていただきたいと思っています。そのため今後、区内競技会場で開催されるパラスポーツの国際大会では、区も積極的に支援し、区民観戦として障がい者も一緒に観戦を楽しめる環境をつくっていきます。 会場内での移動支援ではスポーツボランティアの御協力をいただき、会場までの送迎については障がい者団体とも連携を図り、その支援策を検討してまいります。 次に、渋谷ユナイテッド事業についてのお尋ねです。 来年度からの本格実施に向けて、現在の試行事業の実施状況や生徒のニーズなどを基に事業準備を進めています。文化部は将棋とパソコンを実施してきましたが、区内専門学校の御協力により、新たに料理部を実施して拡充する予定です。文化部では、各生徒が創造性や感性を育みながら個人の知的な好奇心を発揮する場として、思い思いの活動をしています。そうした生徒の自主性を大切にし、気軽な居場所としての運営にも心がけています。 一方、文化部の活動には専門的な設備や指導体制も必要となり、区内の各専門施設や社会教育団体への中学生の受入れなど、連携を図りながら実施方法を検討していきます。 次に、防災・環境分野についてのお尋ねです。 初めに、廃プラスチック資源回収事業についての御提案です。 環境問題は、子どもから高齢者まで全ての人々が意識的に、気長に解決に向けて取り組むことで初めて将来の環境負荷のありようを変化させることができる、実に長期的な課題です。このため、かねて清掃事務所では子どもの教育を重要視し、スケルトンの清掃車を使用した環境学習や、小学生向けに区の資源、ごみの行方や分別方法を分かりやすく解説した副読本の発行等、環境教育に力を注いでまいりました。 廃プラスチック資源回収事業は、将来の環境負荷軽減に向けた重要な取組の一つです。今後、御提案いただきました環境教育手法等を参考としながら、子どもたちに関心を持っていただけるよう環境教育に工夫を凝らし、持続可能な渋谷を目指してまいります。 次に、防災対策について、防災フェス・防災キャラバンについてのお尋ねです。 来年度の渋谷区総合防災訓練は、これまで9月1日の防災の日の前後に代々木公園で実施してきていた中央会場訓練を改め、出張所管内の各地域ごとに実施する形にし、障がい者や子育て世代を含めた多様な区民の方々に気軽に参加していただくことを目的の中心に据えた訓練を目指します。 具体的には、身近な各地区の小中学校を会場とし、消火器やD級ポンプなどを使った実践的な訓練に加え、若い世代にも関心を持ってもらうためにARやVRなどを使った体験型訓練の拡大、災害活動経験のある著名人による防災講話など、今までの訓練に取り入れてきた内容をさらに充実させて盛り込み、共助のきっかけづくりを進めます。来年度は6月から11月にかけて恵比寿地区、大向地区、上原地区、笹塚地区、神宮前地区の五つの地域で先行実施を予定し、改善を図りながら、令和5年度には全ての地区へ拡大を目指します。 また、議員から御提案のありました「自宅で防災キャンプ」は、今年度の防災キャラバンでも紹介させていただきました。来年度の訓練でも、こうした効果的な取組の普及啓発に努めてまいります。 次に、避難所一斉点検について、3点のお尋ねに一括してお答えいたします。 毎月、1月の防災点検の日に実施してきた避難所一斉点検は、議員御指摘のとおり2年続けて実施できていません。今年については新型コロナウイルスの感染が落ち着き次第、日程にこだわらず区からお声がけし、実施いたします。 オンラインの活用につきましては、渋谷防災キャラバンのコーナーの一つである渋谷防災インフォメーションで、防災資機材の取扱いや避難所運営のデモンストレーションを紹介しています。こうした動画の活用を通して、オンラインでの地域防災活動の推進を検討します。 また、今年度は自主避難施設の開設訓練、フレンズ本町や本町学園などの避難所運営訓練にて、避難所運営基本マニュアルを活用した訓練を実施し、避難所運営委員会の設立や会議でも御活用いただいています。今後はこうした活動を通じて、より実践的なものとなるようマニュアルの検証を図ってまいります。 次に、空間とコミュニティのデザイン分野について3点のお尋ねです。 初めに、大山街道の街並みづくりについてです。 私はかねて、世界に誇るストリートカルチャーの発信地である渋谷が新たな価値を創造し続けるためには、人々の交流や文化・情報発信の舞台となるストリートをつくり上げていくことが重要だと考えてきました。とりわけ渋谷駅北側を東西に貫く大山街道については、宮益坂やハチ公前広場、スクランブル交差点、道玄坂といった世界からも注目されているロケーションで構成されており、坂道であるというユニークな個性を生かしながら沿道の開発と一体的に整備することで、渋谷の新たな人中心のプロムナードとしていきたいと考えています。 現在、地域の皆様や学識経験者、再開発事業者と連携して、御嶽神社や百軒店などの地域資源を生かした空間づくりなど、沿道の景観について検討を行っています。 来年度は街路樹や歩道舗装のデザイン等について検討を進めるとともに、宮益坂の一部区間において歩道拡幅に向けた準備工事に着手することとしています。 引き続き大山街道の将来の街並みを見据えながら、ウォーカブルで魅力的な道づくりを推進していきます。 次に、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発事業についてのお尋ねです。 本再開発では、地域の課題である国道246号とJR線によるまちの分断と高低差の解消に寄与する歩行者ネットワークの整備を行います。具体的には、現在国道246号に整備中の横断歩道橋との接続や、これまでJR線で分断されていた桜丘地域と渋谷三丁目地域を結ぶ(仮称)南通路を整備するなど、まちとまちをつなぐ新たな歩行者動線を創出します。これらの歩行者ネットワークは、まちの回遊性、バリアフリーの向上に大きく貢献するものです。 また、クリエイティブ・コンテンツ産業等の起業支援施設のほか、国際医療施設、サービスアパートメント、都市居住を促進する住宅、子育て支援施設を整備し、渋谷の国際競争力強化を図る事業でもあります。さらに、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設や約250台の公共駐輪場の整備も行います。 本開発は、地域の様々なまちの課題を解決し、都市機能の更新を図り、公共の福祉の増進に資するもので、官民一体となって推進している事業になります。また、開発に関わる多様な主体と連携しながら、デジタル技術を積極的に取り入れたスマートシティの実証エリアとしての検討を進め、エリアの機能向上や、区民の生活に役立つサービス創出を目指していきます。 なお、補助第18号線は、再開発区域内については幅員約15メートルの道路として、再開発の竣工時期である令和5年度に整備します。 次に、渋谷区ふれあい植物センターの改修について2点のお尋ねです。 同センターは、渋谷清掃工場の地域還元施設であることはもちろんのこと、従来の「みどりの情報発信・普及啓発の拠点」「ボランティアの活動の場」の位置づけはそのままに、新たなコンセプトとして「農と食の地域拠点」を加えるものです。 リニューアル後は、見るだけでなく参加型の要素を取り入れた生産と消費の地産地消体験、幅広い年齢層が関心を持つようなコンテンツなどの実施を考えています。施設を訪れた区民等の皆様が自然に寄り添うことを実感できる魅力的な施設を目指し、整備していきます。 次に、展示していた植物については、公益社団法人日本植物園協会を通じて譲受先を呼びかけ、順次引き渡しを進めています。ワニガメについては、岡山市に所在する一般社団法人ワニガメ生態研究所に既に引き渡しました。 次に、文化・エンタテイメント分野について4点のお尋ねです。 初めに、調査・研究内容についてですが、区には多くの文化・エンターテインメント施設が集積し、これまでも、こうした施設から様々な文化が生まれてきました。長引く感染症の影響により区内の劇場やライブハウス等の施設が苦境に立たされ、アーティストや演者の活動は大きく制限されている状況が続いています。 区ではこれまで感染対策などの支援を行ってきましたが、この感染症を乗り越え、渋谷区がこれからも文化の発信地であり続け、地域経済を活性化するためには、個々の文化施設の個性を応援し、アーティスト、地域、企業など多様なステークホルダーと連携しながら区の文化・エンターテインメント産業を活性化する仕組みが必要だと考えています。 そのために、まずは区内にある既存の文化・エンターテインメント施設の情報を収集し、実態調査することで、その魅力などの分析をするとともに、情報発信や新たな技術や国内外の事例なども研究しながら、区として必要な支援などを検討していきたいと考えています。 ライブハウスやホールなど、音楽カルチャーが区の文化を牽引してきた一つと考えますが、多様な文化が生まれていることが区の強みであるため、現段階で特定の分野に限定するのではなく、渋谷区からこれからも様々な文化が生まれるよう、そして区の文化・エンターテインメント産業が活性化し、区民が豊かな文化活動に触れることでシティプライドを醸成していくためのロードマップを描いていきたいと考えています。 次に、組織改正についてです。 冒頭の区長発言で申し上げたとおり、新設する産業観光文化部では、教育委員会から移管される白根記念渋谷区郷土博物館・文学館、松濤美術館の運営や文化財の事務を、現在、文化総合センター大和田、LINE CUBE SHIBUYA、旧朝倉家住宅といった文化施設の管理・運営や様々な文化芸術振興事業を行っている文化振興課が所管することになります。これにより本区の文化施策の一元化を図り、文化芸術活動の振興を一層促進していくとともに、地域における伝統文化の保全と継承に努めてまいります。 また、新設する生涯活躍推進部は、教育委員会から移管される図書館及び社会教育館に加え、議員御発言のとおり、渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツや、教養、文化、趣味の講座を開催しているシニアいきいき事業も所管することになります。これらの事業を一つの部に集約することで、多様化する区民ニーズに対応し、区民一人一人の生涯を通じた学びの場や活躍の機会を提供する取組を推進してまいります。 次に、文化の醸成についてです。 区民にとって今まで以上に文化に触れる機会が増え、楽しみが増えることとなるのかとの質問ですが、従来、区長部局と教育委員会で分かれていた文化施策を一つにし、より連携を図りながら本区の文化の醸成を促進していけるものと考えています。 本区のエンターテインメントを発信する基幹施設であるLINE CUBE SHIBUYAや文化総合センター大和田と、本区のアートや歴史的な価値を発信する松濤美術館や白根記念渋谷区郷土博物館・文学館が持つ様々なノウハウや専門性を融合し、より渋谷区らしい文化発信を行うことができるのではないかと感じています。 具体的には今後の検討課題となりますが、区民活動と区民学習の拠点を統合するメリットを生かして、公演、講座、ワークショップ、展覧会等、より幅広く展開していきたいと考えています。 各施設が持つ特性や情報を活用し、最先端の文化発信のみならず、歴史や文化を知り、郷土愛を育むことができるような事業についても力を入れ、区民にとってはよりシティプライドが感じられるような、また、来街者にとっては魅力あるまちとなるような取組を効果的に実施し、成熟した国際都市としてさらに飛躍してまいりたいと考えています。 次に、区立図書館についての御質問です。 図書館は図書、記録その他必要な資料を収集、整理、保存しており、誰でも無料で本を利用することができます。区民の皆様の教養、調査・研究、レクリエーション等に欠かせない施設であり、その意義は万人が認めるものであります。 しかしながら、いずれ図書館についても建替えを考えなければならない時期が来ますので、学校施設との複合化により蔵書の充実した図書館を整備していくことや、学校施設に図書館を複合化しない場合でも、建て替えた学校の学校図書をできるだけ区民の皆様に利用していただけるようにしていくことなどを考慮した上で、図書館体制を判断していきます。いずれにいたしましても、利用者の皆様にとってよりよい形となることを目指していきます。 次に、産業振興分野について2点のお尋ねです。 デジタル地域通貨についてです。 来年度から導入するデジタル地域通貨については、丸山高司議員の御質問でもお答えしましたが、この仕組みを活用することで区内産業と地域コミュニティ双方の活性化につながる事業としていきたいと考えています。議員の御提案にもある地域貢献やエコなど、地域課題の解決につながる活動へのインセンティブなど、幅広い活用を検討していきたいと考えています。 また、高齢者については、キャッシュレス決済に対してハードルを感じる方もいると思いますが、デジタルデバイド解消事業と積極的に連携し、感染対策としても効果的なキャッシュレスの推進につながる取組を検討していきます。 デジタル地域通貨を多くの方が利用し、多くの店舗に参加してもらえるような取組とするため、店舗の負担をできる限り低くする仕組みの検討をはじめ、様々なキャンペーンや地域の活性化につながるような取組を進め、産業と地域の活性化を実現していきたいと考えています。 次に、グローバル拠点都市推進事業について2点のお尋ねです。 まず、コンソーシアム「シブデック」の進捗についてです。 令和2年11月に発足したシブデックは、約1年で会員数が90社を超える大きな組織になりました。スタートアップが育ちやすい環境を整備するために、民間企業と課題別に議論を重ね、環境整備に寄与する取組を検討しています。 本年度、官民連携で生まれた取組として、不動産の居抜き活用による賃貸事務所入居・退去ガイドライン作成があります。これは、渋谷区内でのスタートアップの賃貸事務所移転の流動性を高めることでスタートアップの創出を促し、さらに渋谷区外からの流入も増加させて、区内の産業活動を活性化させることを目的にしています。 また、障がい者雇用を促進するサービスを行うePARAとメンバー企業で資金調達イベントを行い、同社は1,000万円の調達に成功しました。 御指摘のとおり、海外企業の日本進出はまだ課題が山積みしていますが、このように民間企業と連携し、銀行やオフィス等の環境を整備するとともに、企業同士が補完し合えるコミュニティ形成を行い、国内外のスタートアップが事業に集中できる環境をつくっていきます。 次に、スタートアップ支援の対象となる企業規模についてですが、本区の進めるスタートアップ支援はシードステージ、これは起業間近もしくは起業間もない時期で、事業アイデアやソリューションの検証のために様々な支援を必要とします。さらに次のステップであるアーリーステージ、これは提供するサービスや技術が一定の市場ニーズを獲得しつつある時期で、人員増やオフィススペース増、また専門人材の採用など、さらなる資金調達の重要性が高まるステージです。このアーリーステージまでを支援の対象領域に設定しています。 特にアーリーステージは、成長基調に乗せるための重要かつ困難な期間となるため、さらなる専門性の高い支援が必要になり、そのためにも国内外の高度人材を招聘し、持続的なアクセラレーターを組成し、多角的な支援を提供することが重要です。来年度はこの領域を進めていきますので、御支援をお願いいたします。 次に、区政運営について大きく2点のお尋ねです。 初めに、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンについて順次お答えします。 第2次男女平等・多様性社会推進行動計画では、重点課題としてSOGIEや多様な家族の在り方を踏まえた相談・支援体制の構築と、パートナーシップ証明書が活用可能な機会の拡大を掲げており、性のありようにかかわらず頼れるセーフティーネットの整備を目指しています。 議員御提案の災害弔慰金を含め、法律婚、事実婚のカップルに適用されている行政サービスについては全庁的に調査を実施し、積極的に対応すべく、予算措置を含めて準備を進めてまいります。 また、DVについては、法律婚に限定されない広義の「親密なパートナー間の暴力」というIPVの視点を持って、多様な家族やSOGIEに対応した相談・支援体制の在り方をアイリスでは模索してきました。加えて、全庁的に重層的支援整備への議論が進む中、性のありようにかかわらず安心して頼れる相談・支援体制の確立は喫緊の課題として広く認識されています。 性的マイノリティを含め、性のありようにかかわらずワンストップでDVの御相談に対応できる体制はいまだ全国的にも珍しく、整備に関しては人材の育成やノウハウの蓄積、そして連携する民間社会資源の開拓など多くの課題があります。こうした課題に覚悟を持って向き合いながら、パートナーシップ証明に続く先駆的な事例となるよう、配暴センター機能の整備について考えていきます。 また、行動計画の推進に必要な事業の掘り起こしについてですが、従来の庁内連絡会議を通じた各所管への情報共有や働きかけに加え、全庁的な調査を実施し、課題を洗い出していきます。特に性的マイノリティ施策については、昨年結成された東京パートナーシップ制度導入自治体ネットワークの情報交流を活用した各自治体での実践やノウハウの共有に加え、渋谷区パートナーシップ証明を活用している民間事業者へのヒアリングや連携を通じて、制度の実効性を担保していきます。 また、渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例の改正についてですが、東京都が令和4年度中のパートナーシップ制度導入に向け、先週14日に素案を公表したことから、その動向を注視しています。 都の制度の詳細が不明であるため、本区は12自治体の連名で都へ説明の機会を求めているところです。都の制度内容によっては、従前の答弁で表明した領域に加え、全般的な見直しとそのための時間が必要です。なお、公表資料から想定される都のパートナーシップ制度は宣誓型です。渋谷区が既に7年前に導入した公正証書をベースとする契約型が盛り込まれないことを残念に思います。 性的マイノリティの人権推進は、個々の自治体の努力だけでは実現できません。渋谷区ではパートナーシップ証明に限らず、今後も先駆的な取組を通じて性的マイノリティの人権擁護に関する課題を提起し続け、法改正等の権利保障の議論を促進してまいります。 次に、ウェブサイト再構築について3点のお尋ねです。一括してお答えします。 本区のホームページは、パソコン本体に加えスマートフォンユーザーにも配慮した画面展開とし、アクセシビリティについても高齢者や障がい者、そして外国人の方への配慮を進めてまいりました。具体的には、4か国語の自動翻訳対応のほか、しぶや区ニュース電子書籍化により日本語を含む10か国語での閲覧と、各言語での読み上げや文字の拡大表示機能を提供しています。さらに今年度は高齢者や視覚障がい者や、マウスの細かい操作が困難な人向けに色の明暗、文字や行間、リンクボタンの位置をカスタマイズする調整機能等を追加しました。 しかし、現在のウェブサイト機能は平成28年構築後5年が経過し、デジタル技術の向上や利用者を取り巻く環境の変化に即したリプレイスが必要です。そのため、令和4年度当初予算案に再構築に係る費用を計上しています。 議員御提案のやさしい日本語や番号検索機能などを含め、利用者視点に立ったよりよいシステムやツールなど先進的技術の導入を検討し、アクセシビリティに優れ、利用者に最適なユーザーエクスペリエンス、ユーザーインターフェースを提供する新しいウェブサイトを目指します。 また、新しいウェブサイトにおいては掲載する情報について、行政サービスの情報集約化と最適化が不可欠です。議員御指摘のとおり、亡くなられた後の手続周知については手続が多岐にわたることからも、手続漏れが起きないよう網羅的にさらに分かりやすく掲載できないか、御提案の手続の流れの掲載も含め、研究してまいります。 いずれにいたしましても、誰もが見やすく、分かりやすい利用者視点を第1に、区政情報発信に努めてまいります。 以上、私からの答弁といたします。 ○議長(斎藤竜一) 五十嵐教育委員会教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 私には、子育て・教育分野について3点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、地域コーディネーターの配置についてですが、教育委員会では、先ほど区長が答弁されましたように、学校施設の建替えに合わせて、教育的な観点を重視しつつ様々な検討をしています。 新しい学校施設については、できる限り区民の皆様に利用していただくことも視野に入れて検討を進めており、議員御提案の件についても、地域学校協働活動との連携も含め、今後の参考とさせていただきます。 次に、放課後クラブについてのお尋ねに一括してお答えいたします。 放課後クラブからの帰宅は下校時間が異なるため、個別での下校となります。これまで帰る時間や方向が同じ児童を一緒に帰し、校門から明るい道まで見送るなど、できる限り1人にならないよう帰宅させてきました。 放課後クラブに関しましては今年度、プロポーザルを実施し、新規事業者2社を含む5社により運営をすることとなりました。議員御提案の連絡システムに関しましては、令和4年度から新たに放課後クラブの登室、下校の時間に保護者へ通知する機能を持った入退室管理システムを導入することとしており、保護者が登室時間、下校時間を把握できるようになります。 また、全ての放課後クラブでメールでの連絡が可能となり、放課後クラブからの緊急連絡だけではなく、保護者との双方向の連絡も可能となるところです。 連絡システムのほかにも職員の固定化やサブリーダーの配置の義務化も図り、子どもたちが安全に利用でき、保護者が安心して託せる放課後クラブの運営のさらなる充実を目指してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。
    ○議長(斎藤竜一) 32番岡田麻理議員。 ◆32番(岡田麻理) 区長より力強い御答弁、ありがとうございました。そして教育長におかれましては、放課後クラブの充実に向けての御答弁を誠にありがとうございました。 1点だけ所感を述べさせていただきます。 今後、図書館については学校建替えにより10館以上の体制となる可能性もあると理解をいたしました。図書館が区民にとって身近な文化の拠点となる体制を目指していただきたく、会派としても全力で応援してまいります。 ほかにも申し上げたいところですが、あとは本会議3日目に登壇する田中匠身議員にバトンを渡します。 シブヤを笑顔にする会は、未来に向けて、そして今現在もみんなが笑顔で暮らせる渋谷区のために邁進していくことをお誓い申し上げ、代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(斎藤竜一) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第1を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第1 会期決定の件----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から3月25日までの32日間とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、会期は32日間と決定いたしました。 日程第2を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第2 同意第1号 渋谷区監査委員の選任の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 本件に関し、代表監査委員、國貞美和氏は暫時御退場願います。     〔退場〕 ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第1号は、識見を有する者のうちから選任いたします監査委員のうち、令和4年3月14日をもって任期満了とする者の後任として國貞美和氏を任命するため、提出するものであります。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第2を採決いたします。 本件については、区長提案のとおり國貞美和氏を渋谷区監査委員として選任に同意することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、國貞美和氏を渋谷区監査委員として選任することに同意と決定いたしました。 國貞美和氏の入場を許可いたします。     〔入場〕 ○議長(斎藤竜一) 日程第3を議題に供します。----------------------------------- △日程第3 同意第2号 渋谷区監査委員の選任の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第2号は、識見を有する者のうちから選任いたします監査委員のうち、令和4年3月31日をもって任期満了する者の後任者として吉井敏昭氏を任命するため、提出するものであります。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第3を採決いたします。 本件については区長提案のとおり、吉井敏昭氏を渋谷区監査委員として選任に同意することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、吉井敏昭氏を渋谷区監査委員として選任することに同意と決定いたしました。 議事進行上、日程第4から日程第8までを一括議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第4 諮問第1号 人権擁護委員の候補者について △日程第5 諮問第2号 人権擁護委員の候補者について △日程第6 諮問第3号 人権擁護委員の候補者について △日程第7 諮問第4号 人権擁護委員の候補者について △日程第8 諮問第5号 人権擁護委員の候補者について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました諮問5件は、人権擁護委員の任期の満了に伴い、法の規定するところによりその候補者を推薦するため提出するものであります。 諮問第1号は中馬民子氏、諮問第2号は若江健雄氏、諮問第3号は野中智子氏、諮問第4号は木村千鶴子氏、諮問第5号は松居智子氏の各氏であります。 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。 以上5件はそれぞれ委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、以上5件はそれぞれ委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第4を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、中馬民子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 これから日程第5号を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、若江健雄氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 これから日程第6を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、野中智子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 これから日程第7を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、木村千鶴子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 これから日程第8を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、松居智子氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は、議事の都合により延会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は2月24日午後1時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------     延会 午後4時47分-----------------------------------上会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長  斎藤竜一渋谷区議会副議長 薬丸義人渋谷区議会議員  神薗麻智子渋谷区議会議員  伊藤毅志...