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06月02日-06号

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  1. 渋谷区議会 2021-06-02
    06月02日-06号


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    令和 3年  6月 定例会(第2回)      令和3年 渋谷区議会会議録 第6号 6月2日(水)出席議員(33名)   1番  松本 翔     2番  岡 美千瑠   3番  中村豪志     4番  神薗麻智子   5番  橋本侑樹     6番  中田喬士   7番  小田浩美     8番  金子快之   9番  鈴木建邦    10番  斉藤貴之  11番  一柳直宏    12番  近藤順子  14番  森田由紀    15番  田中匠身  16番  治田 学    17番  堀切稔仁  18番  須田 賢    19番  斎藤竜一  20番  下嶋倫朗    21番  久永 薫  22番  沢島英隆    23番  薬丸義人  24番  佐藤真理    25番  吉田佳代子  26番  田中正也    27番  牛尾真己  28番  丸山高司    29番  木村正義  30番  栗谷順彦    31番  伊藤毅志  32番  岡田麻理    33番  五十嵐千代子  34番  苫 孝二欠席議員(1名)  13番  松山克幸-----------------------------------出席説明員  区長        長谷部 健  副区長       柳澤信司  副区長       澤田 伸   会計管理者     佐藤賢哉  経営企画部長    松本賢司   総務部長      船本 徹  人事担当部長兼新型コロナ     財務部長兼施設整備担当部長            木下毅彦             北原竜也  ウイルス感染症対策担当部長  危機管理対策部長兼新型コロナ            齊藤和夫   危機管理対策監   吉見 隆  ウイルス感染症対策担当部長  区民部長      古沢昌之   産業観光・文化担当部長                             宮本安芸子  スポーツ部長    山中昌彦   福祉部長      藤野貴久  高齢者政策担当部長兼            高橋由紀   子ども家庭部長   菅原幸信  生涯活躍推進担当部長  子育てネウボラ担当部長      健康推進部長    阿部敦子            松澤俊郎  都市整備部長    加藤健三   まちづくり推進担当部長                             奥野和宏  土木部長      井川武史   環境政策部長    佐藤哲人  教育委員会教育長  五十嵐俊子  教育委員会事務局次長                             富井一慶  教育委員会事務局次長       選挙管理委員会委員長            小泉武士             廣瀬 誠  選挙管理委員会事務局長      代表監査委員    國貞美和            植竹ゆかり  監査委員事務局長  黒柳貴史-----------------------------------事務局職員  事務局長      伴 秀樹   次長        前崎敏彦  議事係長      根岸正宏   議事主査      武田真司  議事主査      杉村洋子   議事主査      山田義明  議事主査      伊藤洋子   議事主査      原 久美子-----------------------------------   令和3年第2回渋谷区議会定例会議事日程                  令和3年6月2日(水)午後1時開議 日程第1 会期決定の件 日程第2 同意第3号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について 日程第3 同意第4号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について 日程第4 同意第5号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について 日程第5 東京都後期高齢者医療広域連合議会議員選挙における候補者の推薦について 日程第6 議案第20号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例 日程第7 議案第21号 渋谷区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例 日程第8 議案第22号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例 日程第9 議案第25号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例 日程第10 議案第26号 渋谷区建築物の解体工事計画の事前周知に関する条例の一部を改正する条例 日程第11 議案第23号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例 日程第12 議案第24号 渋谷区子育て支援施設条例等の一部を改正する条例 日程第13 議案第27号 渋谷区立幼稚園条例及び渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例 日程第14 議案第28号 渋谷区教育センター条例の一部を改正する条例 日程第15 議案第29号 令和3年度渋谷区一般会計補正予算(第1号) 日程第16 議案第30号 神宮前三丁目障がい者施設建設工事請負契約 日程第17 議案第31号 権利の放棄について 日程第18 報告第1号 令和2年度渋谷区一般会計予算繰越明許費の繰越しの報告について 日程第19 報告第2号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について 日程第20 報告第3号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について 日程第21 報告第4号 一般財団法人渋谷区観光協会の経営状況の報告について 日程第22 報告第5号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について 日程第23 報告第6号 公益財団法人渋谷区文化・芸術振興財団の経営状況の報告について-----------------------------------     開会・開議 午後1時----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) ただいまから令和3年第2回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、4番神薗麻智子議員、30番栗谷順彦議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。     〔伴事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届出の議員を報告します。 松山議員から欠席の届出がありました。 遅刻の届出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 長谷部区長、柳澤副区長、澤田副区長、佐藤会計管理者松本経営企画部長、船本総務部長、木下人事担当部長新型コロナウイルス感染症対策担当部長、北原財務部長兼施設整備担当部長齊藤危機管理対策部長新型コロナウイルス感染症対策担当部長吉見危機管理対策監、古沢区民部長、宮本産業観光・文化担当部長、山中スポーツ部長、藤野福祉部長、高橋高齢者政策担当部長兼生涯活躍推進担当部長菅原子ども家庭部長松澤子育てネウボラ担当部長阿部健康推進部長加藤都市整備部長奥野まちづくり推進担当部長、井川土木部長、佐藤環境政策部長五十嵐教育委員会教育長富井教育委員会事務局次長小泉教育委員会事務局次長廣瀬選挙管理委員会委員長植竹選挙管理委員会事務局長國貞代表監査委員黒柳監査委員事務局長-----------------------------------                           3渋総総発第44号                           令和3年5月25日 渋谷区議会議長 斎藤竜一殿                         渋谷区長 長谷部 健   監査委員の選任について(通知) 渋谷区監査委員を下記のとおり選任したので、お知らせします。                 記氏名住所選任年月日備考佐藤真理東京都渋谷区本町六丁目10番7号令和3年5月24日議員選出----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに、令和3年第2回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。 この機会に、当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 我が国の新型コロナウイルスの感染拡大は依然として予断を許さない状況にあります。東京都においては、本年1月8日に発出された2回目の「緊急事態宣言」が一旦3月21日に解除されたものの、再び感染者数が増加の様相を呈したことから、4月12日に23区と6市に「まん延防止等重点措置」が適用されました。しかし、感染の歯止めに結びつかず、感染力の強い変異ウイルスが急増するとともに、医療の逼迫により、4月25日には3回目の「緊急事態宣言」が発出されました。 区民の皆様には、引き続き大変な御苦労と御不便をおかけする中、感染拡大防止に関して一方ならぬ御理解と御協力を賜っておりますことに、心より感謝申し上げる次第です。 初めに、新型コロナウイルスのワクチン接種についてです。 本区は、高齢者のワクチン接種について、集団接種の予約受付を5月10日から、接種を5月15日からそれぞれ開始したところです。予約受付初日においては、高齢者数に比して用意できた予約枠が不足していたこともあり、オンライン、電話ともにつながりにくく、予約窓口においても混乱を来し、皆様に大変御迷惑をおかけしました。深くおわび申し上げます。 5月17日からの予約受付については、集団接種の予約枠を大幅に増やすとともに、区のホームページで翌週以降にも十分予約枠が確保されていることの周知を図りました。さらに、地域に設けた予約窓口に区の管理職を増員配置して、御来場いただいた皆様に迅速に対応させていただき、初日のように即座に予約枠が埋まり混乱するという事態には至りませんでした。 さらに、5月24日以降については、個別の医療機関で接種する予約枠を十分に御用意して丁寧に対応いたしました。 本区は、新型コロナウイルス感染症対策担当部の体制を強化するとともに、まずは高齢者のワクチン接種を速やかに完了させ、続く基礎疾患のある皆様への接種に円滑に移行できるよう、渋谷区医師会と綿密に連携を取り対応してまいります。 次に、コロナ禍における路上飲酒対策についてです。 「まん延防止等重点措置」や「緊急事態措置」による飲食店への営業時間短縮要請や休業要請のため、行き場を失った一部の来街者が、コンビニエンスストア等で缶ビールなどの酒類を購入し、路上や公園その他の公共空間で飲酒する光景が多く見られるようになりました。屋外であっても、マスクを外して大声を出せば、新型コロナウイルスの感染源である飛沫を周囲の人に浴びせてしまうことが、理化学研究所などの分析により解明されており、問題視されています。また、飲食に伴うごみのポイ捨てや騒音、放尿等の迷惑行為も後を絶ちません。商店街や住民の皆様からは、多くの苦情をいただいています。 このため、本区では、東京都、警察及び地元商店街と連携し、夜間パトロール隊を編成して定期的に声かけを行い、同時にごみの回収などの美化活動を行ってまいりました。また、区が委託して路上喫煙禁止を呼びかけている「巡回指導・警備要員」による夜間巡回においても、路上飲酒の自粛要請を併せて行っています。 加えて駅前大型ビジョンによる啓発情報の発信及びビジョンの夜8時以降の消灯、区ホームページやSNSによる情報発信、さらには渋谷駅周辺のコンビニエンスストアや大型商業施設への啓発ポスターの掲出など、路上飲酒等による迷惑行為を防止するため、取り得る限りの対策を講じてまいりました。 今後も「緊急事態措置」あるいは「まん延防止等重点措置」の適用を受けた期間を中心に、感染拡大防止及び街の秩序の維持に努めてまいります。 次に、教育における取組についてです。 「緊急事態宣言」の発出により、修学旅行や校外学習、運動会など、予定していた日程では実施することが困難となった行事もあります。しかし、学校行事は子どもたちにとって、またとない貴重な経験の機会であり、学校生活におけるかけがえのない思い出となるものです。私としても、教育委員会と連携し、時期を変更することで実施可能なものについては、延期して対応するように支援していきたいと考えます。 既に教育委員会では、学校行事の日程調整に伴い、小学校陸上記録会及び中学校陸上競技大会の中止を決定しています。その代替事業を含めて、子どもたちの気持ちに寄り添い、できることを多角的に検討し、その思いを支えてまいります。 一方、学習面においては、今後、感染拡大により臨時休業や分散登校になった場合に備えて、各学校がいつでも速やかにオンライン学習を実施できるよう準備を進めているところです。 次に、「渋谷区子育てネウボラ」についてです。 この夏完成する「渋谷区子育てネウボラ」には、区内7か所目となる「神南ネウボラ子育て支援センター」が開設されます。 施設の2階には、頭と体を使って自らが新たな遊びをつくり出せるように大型遊具を設置したプレイルームと、子どもも保護者も一緒になって、廃材などの活用を通して自由な発想で創作活動を行うことができるアトリエを設けています。また、委託事業者が自主運営するカフェでは、スタッフが食を通じてアドバイスや利用者相互のコミュニケーションを豊かにする声がけを行い、施設に集う人々のつながりを創出します。 3階の「子育て広場」には、乳児向けに木の素材を生かしたぬくもりが感じられる遊具や安心して親子でくつろぐことができる空間を演出し、気軽に子育ての相談ができる環境を整えます。 さらに、2階と3階を一体的に活用して様々な魅力あふれるイベントや講座を開催する予定です。また、この施設には「コミュニティ・コーディネーター」を配置し、利用者と子育てを応援する地域の多世代の方々や企業等をつなぎ、子育てに関わる全ての人が交流できる場となることを目指していきます。 子育て世代だけではなく様々な人が関わり、子育てに関係する各部が一体となって、切れ目ない支援を推進していくことで「渋谷区子育てネウボラ」のコンセプトである「出会う、集う、語る、つながる。地域みんなで子どもを育てる。」街、渋谷を実現していきます。 次に「魅力ある公園整備計画」についてです。 区内には大小合わせて130の公園がありますが、約半数は500平方メートル以下の小規模な公園であり、配置される施設や景観も特徴があるものとは言い難い状況です。 一方、公園は区民の皆様のコミュニティの増進やシティプライドの醸成を図る上で有効な公共空間です。私は、かねて公園をこれまで以上に区民から親しみを抱かれる魅力的な空間に変えていきたいと考えてきました。 そこで、区内の公園をより魅力的で、より良質なものに整備するために「渋谷区魅力ある公園整備計画」の策定を進めてきました。当該計画は、どの公園を、いつ、どのように整備していくのかという従来型の計画とは大きく異なり、一つ一つの公園を区民の皆様と共につくり育てていきたいという考えを敷衍し具体化していくものです。その方策として、公園のプランづくりに当たって区民参加によるワークショップを活用することなどを位置づけています。 今後は、来月に公表予定の当該計画に基づき、区民の皆様と共に魅力あふれる公園づくりを進めていきたいと考えています。 最後に、福祉について4点申し上げます。 まず福祉施設の開設についてです。 渋谷区初となる「看護小規模多機能型居宅介護事業所」や「認知症高齢者グループホーム」などを併設する「恵比寿西二丁目複合施設」及び特別養護老人ホームデイサービス事業所を擁する「かんなみの杜・渋谷」の2施設については、多くの区民の皆様が待ち望んできたところですが、無事にオープンを迎え、順次利用が始まっています。利用される皆様から愛され親しみを持っていただける施設となるよう、運営事業者とともにしっかりと取り組んでまいります。 次に、高齢者デジタルデバイド解消事業についてです。 コロナ禍において、人とのコミュニケーション、役所の申請手続、買物の支払いなどを非接触型のオンラインやキャッシュレスで行うことがますます重視され、デジタル機器を使用する必要性がさらに高まっているものと考えます。 高齢者にスマートフォンを2年間無料で貸与する実証事業については、9月からのスタートに向け、現在参加者を募集しているところです。高齢者がスマホの様々な機能を日常的に使いこなせるようになることを目標に、手厚い支援を展開していきます。 そこで、新たな支援策の一つとして、デジタル活用支援員制度をスタートします。この制度は、区内在住・在勤・在学の18歳以上でデジタル機器を日常的に使用している人を対象に、高齢者に端末操作方法等を教えるためのスキルを習得する研修を実施し、高齢者のスマホをはじめとするデジタル機器の操作を支援するデジタル活用支援員を育成するものです。 デジタル活用支援員には、区主催の「なんでもスマホ相談」の相談員や、スマホ講座の講師として活動していただくことで、地域の力を活用したサポート体制を構築しながら、高齢者デジタルデバイド解消事業を推進してまいります。 次に、生活に困窮する方への相談窓口についてです。 コロナ禍が続く中、暮らしに関するお困り事について、日々多くの方が相談に来庁されています。 5月から生活福祉課は、北谷分庁舎で業務を開始しています。北谷分庁舎においては、隣接するハローワークや年金事務所とこれまで以上に連携を取りながら、様々な事情により、暮らしにお困りの方に寄り添った相談と支援を行っています。生活にお困りのことがありましたら、ためらうことなく相談窓口にお越しいただきたいと思います。 最後に、障がい者福祉についてです。 「シブヤフォント」の活動に参加している障がい者支援事業所が共同で、「しぶやの日」である4月28日に「一般社団法人シブヤフォント」の設立登記を行い、業務をスタートしました。 今後、自主的な運営によるさらなる活動の広がりを期待するとともに、区としても連携しながら、障がいのある方々への支援と理解促進を図ってまいります。 また、神宮前三丁目障がい者施設については、本定例会に施設建設工事請負契約の議案を提出しています。障がいのある当事者、家族、関係団体の思いが込められた施設として、令和6年12月の開設に向けて指定管理者と準備を進めてまいります。 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案9件、令和3年度一般会計補正予算案1件、契約案件1件、人事案件3件、その他議決案件1件、報告案件6件を御提案しております。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 3番中村豪志議員。 ◆3番(中村豪志) 私は、渋谷区議会自由民主党を代表して、区長、教育長に質問いたします。 その前に一言申し述べます。 3度目の発出となった緊急事態宣言が、再度延長されています。新型コロナウイルスは変異を続け、まだまだ終息の兆しが見えず、予断を許さない状況です。 ワクチン学の権威である山内一也東京大学名誉教授によれば、地球上にウイルスが生まれたのは約30億年前。人類はまだ20万年の歴史しかありません。46億年前に誕生した地球史を1年の時間軸に捉えると、人類は大みそかの午後11時37分に生まれたばかりです。ウイルスは5月には生まれています。人類のはるか昔から30億年もの間、地球上に存在しているのは、変異の得意な種類が形を変え生き延びてきたからです。 過去、地球上では、ウイルスにより絶滅した生命体もありますが、人類は幸いワクチンや薬の開発によりウイルスと向き合える能力があります。教授は、人類の努力で根絶できたウイルスもあるが、変異が得意な新型コロナウイルスは、弱毒化しても普通の風邪ウイルスと同じように、私たちの社会に存在し続ける可能性を指摘しています。長く付き合う覚悟が必要なのかもしれません。 さて、難敵である新型コロナウイルス感染症に対して、本区においても今も最前線で奮闘いただいている医療従事者、エッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝をいたします。区民にとっては、この1年半、大切な事業や地域行事の多くが中止、延期をされ、これまでの普通が、普通でない現状に我慢を強いられる状況です。 行政も、通常の業務に加え、時間も財源も十分ない状況で新型コロナという大きな課題の対応に東奔西走する1年半でした。区民に寄り添った対策を独自でもっと打ちたかったのが区職員の皆様の総意かと思料します。 国や都が決定した施策の実施に振り回される部分も多かったと思いますが、区民の生命と財産を守るという基礎自治体の本分を果たしていただいていることに敬意を表します。 未曽有の感染症は、私たちの生活環境を大きく変え、行動変容を推し進めました。人との接触を避ける行動の推奨により、アナログ対応をデジタル化する変革が推し進められ、デジタル・トランスフォーメーション、DXという言葉として市民権を得ました。10年前倒しのスピードで社会のデジタル化が早まったとも言われます。 先月、国会においてもデジタル改革関連6法案が可決し、本年9月のデジタル庁創設が現実となり、我が国において、あらゆる行政サービスがテクノロジーを駆使して効率的に提供される土台が築かれていきます。 他方で、令和元年第2回定例会で我が会派から提案したSDGs、国連で採択された持続可能な開発目標の取組については、本区でもこの2年でかなり認知度が上がりました。誰も取り残さない持続可能な社会を目指すことが世界の潮流となり、コロナ禍の対症療法的な政策だけに陥らずに、現下の状況で、財政、環境、教育、福祉をはじめ、区民の安全・安心を実現する持続可能な自治体運営は、本区の重要な課題です。 そこで、本区の先を見据えた政策で重要なのは、次の2つの視点です。 一つは、「区民」の視点です。実施する政策が区民目線で満足するものであるのか、そのための改善策が何なのかという視点です。もう一つは、「持続可能」の視点です。この難局にあって持続可能な自治体経営をどう実現していくかという視点、サスティナブル・トランスフォーメーション、SXです。今回は、この2つの視点を持って、区長、教育長に質問します。 まず、新型コロナウイルス感染症対策について、区長に4点質問です。 1点目は、ワクチン接種について伺います。 5月10日から65歳以上の高齢者の集団接種予約受付、同15日から接種が始まりました。ワクチン接種と予約方法については、実施主体である自治体に任され、自治体ごとに対応が異なっています。手法は一長一短で完全無欠な仕組みを短期間で構築することが難しいのはよく理解できます。 一方で、本区の実施方法で改善すべき点は多いと考えます。5月10日の予約開始初日には、予約会場へ1番に並んだが、手続している間に既にほかの手段の申込者で枠が埋まり、予約ができなかったと御連絡をいただきました。 区のホームページでは、接種の1回目と2回目の期間を3週間程度空けることと目安をお知らせしているにもかかわらず、予約が取れたのが接種1回目の2か月先という方から、ワクチンの効果について不安の声が上がっています。また、2回分予約済みの方がいる一方で、1回目の予約も取れていない方から、自分の分はあるのか不安だと連絡が来ました。これらは一例で、担当課やコールセンターには、これまで区民から様々御意見が届いていると承知しています。 宮城県登米市の「日時指定方式」は、住民基本台帳を基に2万9,000人の対象者を18か所の会場に振り分け、接種の日時と場所をあらかじめ指定して接種券を送付した結果、手元に日時が確定している安心感から大きなクレームや混乱はない状況とのことです。 また、初回の接種対象を一旦75歳以上に区切った中野区、新宿区等の自治体では、対象者数をコントロールしている分、65歳以上の方全てを対象とするより混乱とクレームの数は相対的に少なかったと考えられます。 また、区民が早くワクチン接種を終えるためのスピードは、これまではワクチン供給量が課題でした。今後は、供給されたワクチンの接種体制確保に課題が移ります。会場での受付、予診、接種にかかる時間を短縮する効率的な運用や、打ち手を増やすことによって、1時間当たりの接種可能人数を増やすことが必要です。 東京都調布市や静岡県三島市の集団接種会場では、接種者が医師のところに移動する形ではなく、医師をはじめとする打ち手が移動して、予診と接種を実施していく方法で、1人当たり1分15秒程度で接種まで完了する仕組みを採用するのとともに、医師会等の協力を得て打ち手の増員を図っています。 国も、これまで医師や看護師に加え、歯科医師を特例で認めている中、さらに救急救命士や臨床検査技師も打ち手として検討する方針を固めています。 今後、高齢者の2倍とも言われるその他の区民の接種に向けて、ワクチン接種については、他自治体の好事例を参考に改善する必要があると考えます。今後の予約、接種方法、年齢、順番等、具体的方針について区長の所見を伺います。 さらに、本区として考えるべきは、高齢者施設等従事者に加え、保育士、教員、清掃、全ての福祉関係施設の従事者に対しての優先接種です。区民サービス維持のためには喫緊の課題です。PCR検査を徹底すべきという考えがありますが、PCR検査は検査時点のチェックにすぎず、十分ではありません。また、変異株は子どもへの感染力も従前より強いと仄聞しています。 区民が安心して区民サービスが受けられるよう、区内に約2,000人いると承知している保育園、区立小中学校の教員をはじめ、現場を担う職業従事者へのワクチン接種を早急に進めることが重要です。 65歳以上の高齢者への優先接種にめどが立った後の保育士、教員、清掃、全ての福祉関係施設等の従事者への優先接種を実施すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 2点目に、新型コロナ対策と区民の医療についてです。 最近は、ワクチン接種が話題の中心ですが、これは予防策の一つです。これまで実施してきた新型コロナへの対応も同様に重要です。 昨年来、PCR検査体制や陽性者並びに濃厚接触者に対して、保健所職員の皆様、渋谷区医師会をはじめとする医療従事者の皆様が必死の対応をいただいていることに心から感謝します。 また、区内に立地する東海大学医学部付属東京病院が、新型コロナ患者専門病院としての体制整備を協力いただいています。都立広尾病院が新型コロナ患者を最優先で対応する等の報道があったことも記憶に新しいところです。 ただし、これらの病院の受入れ体制整備は都主導です。前述の病院をかかりつけとしていた区民にとっては、持病や出産等のための通院が制限されたり、転院等が必要になったりする方もいらっしゃいます。 区立の医療機関がない本区においては、医師会の協力の下、新型コロナ対応能力の増強と通常医療のバランスを取って、区民の医療体制を確保していく必要があると考えますが、渋谷区医師会との連携強化の現状について、区長の所見を伺います。 3点目は、公共施設の感染症対策についてです。 本区においても、昨年、高齢者施設、障がい者施設でのクラスターが発生しました。検温、消毒等、可能な限り運営上の対策を徹底していることは承知しています。しかし、区民の健康を守ることを最優先に、福祉施設、学校などの公共施設において、目的を持って設備面でも感染症対策を徹底すべきです。 早稲田大学では、昨年ほぼ100%をオンライン授業で実施した結果、学習習熟度の観点から、本年度は全体の70%を対面授業とすることを決定しました。その実現のため7億5,000万円をかけて全教室の換気システムの増強をしたとの報道がありました。 本区において、区民サービスの維持継続という目的を持った運営、設備の両面での公共施設の感染症対策について、区長の所見を伺います。 4点目は、デジタル化戦略と新型コロナ対策です。 本区は、先駆けて庁内、学校教育においてICT化を推進していたことで、コロナ禍でもスムーズに緊急時対応が取れたことは評価します。今後、デジタル庁主導で実施される自治体システムの標準化は、5年以内を目標に進められます。国の動きが先駆けてICT化を進めた本区の足を止めてしまわないように、我が会派としても後押ししたいと考えます。 紙の書類での事務処理が必要な旨を法律で規定され、行政のデジタル化に法改正を要する事務も多いことは承知しています。国主導でデジタル化と併せて、規制改革により書類の印鑑不要化など、法整備が進んでいきます。先進自治体としての知見を生かして、渋谷区が積極的に標準化議論に関わるべきではないかと考えます。 一方、事務の細部を基礎自治体に一任される国や都の事業も多く、ワクチン接種の予約方法、特別給付金事務は委託先や事務プロセスが自治体ごとに異なります。結果、本区よりスムーズな運用で住民にサービスを提供する自治体があり、区民が満足をしていない部分があるのも事実です。本区が行政デジタル化に先進的な取組をしているからこそ、コロナ禍において実施される支援策の申請から給付までの時間が日本で一番短い自治体という目標を掲げ、区民満足度の向上に努めていただきたいと思いますが、区長の所見を伺います。 なお、以前の特別定額給付金のオンライン申請の際に、区民側の準備として必要だったマイナンバーカードの本区における保有率は、現在36%と承知しています。また、このたびのワクチン予約で明らかになったとおり、高齢者のデジタルデバイド解消が肝要です。 マイナンバーカード未保有者への申請依頼、高齢者デジタルデバイド解消事業への参加について、区民の多くが必ず2回訪問するワクチン集団接種会場での周知も検討すべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、本区の今後の行財政施策について、区長に4点質問です。 1点目は、コロナ禍での財務戦略についてです。 持続可能な行財政運営は、区民にとって非常に重要です。コロナ禍の財政への影響は、令和3年度一般会計予算で、前年度比33億円の税収減、予算規模5.5%の減です。実体経済への影響も看過できません。 飲食店舗への営業自粛要請は、昨年末から実に半年以上継続されています。東京証券取引所に上場する企業の昨年度の決算発表では、減収または赤字が48%となり、多くの中小企業も赤字決算を余儀なくされています。本区には直接納税されませんが、法人税が減収となるのは必然です。それに伴い、働く区民の収入も減少することを想定すると、区民税の税収減は今後もしばらく続くものと思料します。 中長期的に財政が厳しくなることを見据えて、適宜、事業の継続、改善、廃止の判断をして、財務戦略の最適化と行政サービスの効率化をすることが非常に重要です。今後の財務戦略について、区長の所見を伺います。 2点目は、事業の継続、改善、廃止の判断方法についてです。 区民にも結果開示できる事業評価の本年度中の導入を可及的速やかに実施すべきです。コロナ禍を理由に事業の安易な継続や先送りをするのではなく、説明のつく理由に基づいて事業の方向性を判断し、限られた財源の中で区民サービスを提供していく必要があると考えます。 さきの定例会では、区長から証拠に基づく政策決定、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングを推進すると発言がありました。政府の行政改革推進会議でも、この数年取り上げられ、平成30年に総務省から報告書も出ています。 政策決定の理由を定量的なデータで区民に分かりやすく説明することにつながることから、本区でEBPMを推進していくという方針は評価します。EBPMの判断材料ともなる本区の事業評価を本年度中に開始することについて、区長の所見を伺います。 加えて、事業評価には、事業目的と達成指標の設定が必要だと考えます。達成度を測るためです。 昨年度の区議会で、第8期渋谷区高齢者福祉保健計画、介護保険事業計画策定の報告を受けた際に、この点の議論をして意見を申し上げました。結果、この考え方を盛り込んで計画策定をいただきました。 措置した予算が適正に執行されているかという議論に終始するのではなく、事業を評価するに当たっては、事業の実施目標、アウトプットと達成すべき目的、アウトカムを分けて設定し、目的の達成度という視点で進捗確認をすべきです。 例えば、「説明会の回数」などの実施目標を達成していても、本来の事業目的が達成しているかということは、別の指標で検証すべきです。事業を継続するか、廃止するかの判断について、明確な理由ができるはずです。特に、委託事業においては、成果指標として利用でき、効果を期待できます。各事業評価の際に必ず取り入れていただく必要があると考えますが、区長の所見を伺います。 3点目に、官民連携についてです。 地方自治体が限られた財源を有効に活用し、最大の効果を出すための一つの手段として、本区が進める官民連携による公共サービスの提供があります。ただし、民間企業と連携するときには、満足できる区民サービスを提供するためであることを忘れず、区民を置き去りにしないことが肝要です。 この限りにおいては、企業が成長することは、働く人々の収入増につながり、結果として、住民税の増収をもたらす好循環が期待されることから、悪いことではありません。むしろ、区民サービス向上に寄与するのであれば、民間活力を生かすべきだと考えます。 本区では、様々な官民連携の場をつくってきたと理解していますが、次の段階は具体的にどう機能させて区民サービスの充実を図るかです。そのために整備すべきだと考えるのが、第1にデータ・情報の共有、第2に規制緩和、第3に入札、第4に委託業務が適正に運用されているかのチェックです。この4点につき、区長にそれぞれ質問いたします。 第1に、データ・情報の共有内容です。民間からの提案が社会課題、行政課題を解決するものとなるためには、課題意識と情報を官民で共有することが必要です。区長から以前発言があったとおり、システムの更新を契機に、行政が持つ情報を区民にオープンにするためにデータ整備をしていることは承知しています。 情報の共有については、一部の企業・団体とだけ共有するのではなく、区の状況を可視化して広く開示されることが必要です。区民の視点で事業を分類して分かりやすく区民に事業の評価結果を開示いただく必要もあります。 昨年、渋谷区内外10社のベンチャー企業経営者のインタビューと、スタートアップ企業を含めた民間企業47社に対する独自調査を行いました。課題解決に有効な提案のためには、区が事業に割り振っている、人、物等の公共リソース情報、行政に求められる成果指標、業務プロセスを含む情報を共有してほしいと要望がありました。区が保有する行政データのオープン化や可視化を推進するに当たり、これらの情報を含むことができるか、区長の所見を伺います。 次に、第2に、規制緩和です。 前述のアンケート結果から、企業が官民連携で結果を出して成長するために、社会実装実験の機会を求めています。世界の拠点都市には少なからず、規制緩和の特区が存在します。海外のスタートアップ企業が日本に拠点を置きづらい一因が厳しい規制であることを本区も理解し、スタートアップビザの運用などの具体策を始めています。 さらに実装の障がいとなっている規制を本区で対応できる限り緩和をしていく必要があると考えます。例えば総合設計による建築物の公開空地利用について、区の実証実験用途であれば、例外規定が適用される事業があります。新型コロナ対策や放置自転車などの社会課題が解決できる提案であれば、本区として民間企業が望む実証実験、規制緩和を後押しすべきであると思います。 また、規制で事業別に管理されているデータを統一的に連携できれば、究極はデジタル化で全ての区民生活と区民サービスがつながり、究極の形であるスーパーシティが実現します。官民連携推進策として、国家戦略特区の活用をはじめとする規制緩和策を推進することについて、区長の所見を伺います。 第3に、入札です。 行政の仕組み上、委託事業者選定は基本的に入札です。委託先の業況に左右されて区民サービスが滞ってはならず、委託先の健全な財務状況や実績を求めるのが基本です。それゆえ、スタートアップ企業は、すばらしいアイデアや技術があっても、入札参加要件等に過去の取引実績や会社規模が必要という点で、そもそも入札参加資格が与えられない、または選定されづらい仕組みがあります。 他方、これまでにも増して、企業は自社の利益だけを追求していては、株主や投資家から評価されず、公に資する取組がなされている企業経営が評価されています。現在は、企業の公共に資する意識、パブリックマインドを数値化する取組が始まっています。 本区の入札の際に、対応可能な事業については、社会課題を解決できる企業が公共意識の度合いにより一定の評価がされ、会社規模や取引実績がなくとも官民協働の事業者としてチャレンジできる仕組みを構築できるのではないかと考えますが、区長の所見を伺います。 第4に、委託業務が適正に運用されているかのチェックです。 区の事業はもとより、庁舎、公園、運動施設等の再整備や管理に、民間委託、指定管理者制度、PPP等が採用されています。官民連携による事業の民間委託では、入札・随意契約を含めて公正な選定プロセスが議題になりますが、加えて重要なのは、区民の求める行政サービス水準を満たす運営を委託先企業・団体がしているかです。 委託者の本区としても、議会としても運営状況のチェックは必要なのではないでしょうか。方法として、区民の視点で設定した事業の達成指標が明確にあれば、指標に基づいて事業者選択、運営状況の確認、改善の提案や委託先変更の判断もできます。事業者のチェックに事業の評価指標を活用していくことについて、区長の所見を伺います。 4点目は、活用されていない公共資産の有効活用です。具体的には、委託事業への利益共有型委託の推進です。行政が担う区民サービスは、収益事業ではないのが前提ですから、区民にとって必要な施設や事業は収益性がなくても維持するのが当然です。また、委託事業を完全成果報酬とするのは、採算の観点で受託者がいないリスクが高く、現実的ではありません。 区民サービスとして必要な施設稼働率の維持に必要な費用を、運営委託費として公費で負担するのがこれまでのやり方です。そこで、例えば設定した稼働率50%の運営に加えて、それを超える部分で収益化できる事業者に運営委託者として入っていただき、稼働率50%を超えた部分の収益に対して、区と受託事業者で利益を案分して収受する仕組みです。 国において、2006年から12年間、公共サービス改革、市場化テストが実施されました。行政が直接運営していた公共サービスに官民競争を促す実証実験です。 この中で、好事例があります。独立行政法人運営で年間稼働率10%台だった施設運営を民間委託に切り替えるに当たり、同じ運営費で前年度以上の稼働率を達成できる事業者を募集しました。指標を超えた利益部分に利益共有型を採用し、結果として稼働率が倍増しました。先ほど説明した仕組みです。 本区でも、成果報酬制を採用している公共施設の管理運営業務がありますが、立地がよく収益性が見込まれる数施設に限られます。しかし、低稼働の施設にこそ、この仕組みは活用が必要ではないかと考えます。例えば新型コロナの影響から昨年の補正予算で区民の保養施設維持のための赤字補填予算が計上されました。区民サービス維持のために必要な措置であったと理解しています。 ただし、赤字を補填する一方で、運営が想定以上にうまく稼働した際には、区も収益の一部を区財源として享受できる仕組みもセットで委託することが、区民の理解をより得られるのではないかと思料します。 運営者が、区民サービスの質の向上や区の収入増に貢献してもらえる仕組みともなります。今後、適用できる事業には、この方法を採用すべきではないかと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、区民に寄り添った本区の組織体制について質問します。 まず冒頭、区長に議会対応について要望します。 区組織が一丸となり、日々区民生活の向上に尽力されていることは承知しています。行政施策について、実施に先立ち内容を議会に報告いただきますが、議会報告は、施策が区民に届く前に、区民の視点で課題を事前に指摘して解決できる機会でもあります。 しかしながら、施策実施の直前のことも多く、指摘が施策に反映できないことが度々あります。例えば、既に印刷物の発注後に報告があっても、議会からの指摘が反映できず、せっかくの議会報告が有意義ではありません。結果、区民からの苦情対応等で必要以上に時間を費やし、業務に影響が出ることもあるのではないかと思料します。 意見が施策に反映できる時間軸での報告に努めていただくよう対応を求め、本題の質問に入ります。 1点目に、本区のデジタル化戦略と人材配置についてです。 デジタル改革関連6法案が今国会で可決成立し、本年9月にデジタル庁が創設されます。平井卓也内閣府担当大臣が「縦割り行政の打破」とコメントしているとおり、省庁、自治体の枠を超えてデータを連携させることで、住民の困り事解決の弊害となっている縦割り行政の打破を企図しています。 国のデジタル改革の動きは、自治体のスマートシティ推進も加速させます。本区は、コロナ禍での非接触行政、非来庁型行政の実現に向け、先進的に取り組んでいることは承知しています。 実現には、区民向け行政窓口業務と庁内システムの双方のデジタル化が必要だと考えます。申請だけオンライン対応になっても、内部の業務プロセスがアナログでは、対応スピードは結局変わりません。 また、ICT化により、区民からの問合せ窓口のオンライン化及びAI対応で、区にかかってくる電話の件数とその対応に係る業務が半減したことは認識しています。一方、電話での問合せ数は減少する中、以前より電話がつながらない、もしくは職員のテレワーク推進によって、電話窓口から担当部門への接続並びに現場対応が即時にされない等の声があるのも事実です。 デジタル化を推進するものと、逆に丁寧な対面対応を継続するものとの選別は必要であり、実証事業による取得データを行政全般の政策決定と職員配置に生かす必要があります。現場を担う所管部門にデジタル化に明るい人材を配置の上で、現状業務の効率化を目指すことも必要だと考えます。区組織にあるデジタル化推進部門と現場を所管する部門との連携が不可欠です。庁内のデジタル化と人材配置について、区長の所見を伺います。 2点目に、渋谷区子育てネウボラについて伺います。 現在、与党内で議論されているこども庁創設については、「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会」を立ち上げ、厚生労働省、文部科学省、法務省、内閣府がそれぞれの立場で議論しています。私も参加をしておりますが、こども庁創設の主目的は、少子化解消と切れ目のない子育て、教育の実現です。 報道では、こども庁創設の主題は幼保一元化と言われますが、本質は縦割り行政の打破であり、権限を持って課題の対応者を指示する調整機関の役割の創設です。子どもの貧困や発達支援、虐待、予防のための子どもの死亡検証、CDR等、同じ問題でも起こった場所の違いで担当の管轄が変わることや、複数の省庁にまたがる課題の担当が決められず、問題が宙に浮くことがないように指揮調整が必要だと考えます。 翻って本区では、先駆けて一昨年から渋谷区子育てネウボラがスタートしており、本格的に切れ目のない子育てのサポートを実現すべく動いています。区民から見れば、子どもの貧困、ヤングケアラー、ひきこもり、虐待などの切実な課題は、行政が迅速に解決に向けて動いてもらえることが重要であり、どの所管で対応するかは関係ありません。 明確に所管が定まっていない諸課題については、渋谷区子育てネウボラ担当部長が調整機能を果たすものと承知しています。区内で悲しい事件が起こることのないよう、区民から相談が寄せられた場合の対応所管を迅速に決定して、判断ができる権限を担当部長に持たせる、もしくは調整権限を持つ所管部署の設置が必要だと考えます。区長の所見を伺います。 3点目に、スポーツ部について4点です。 第1に、今年度から区長部局に新設されたスポーツ部は、部活動を支援し改革していく施策について調査・研究を行う専門委員を配置し、着実に部活動改革を推進すると承知しています。 さきの第1回定例会で、我が会派からの質問への答弁で、部活動を支援する一般社団法人の設立について検討を進めるとのことでした。学校部活動の充実と設置の意義、部活動支援以外のスポーツ部が担うべき役割、具体的施策の現状を改めて区長に伺います。 第2に、パラスポーツ振興についてです。1964年の東京開催のパラリンピックスタートの地である本区は、パラリンピックを積極的に応援しています。オリンピック・パラリンピック推進課は、開催後に役割を終えますが、この熱が冷めないようにパラスポーツ振興を本気で進めていくのであれば、専管組織を設置して推進するべきです。 全国的にも例がないと認識していますが、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を基本構想とする本区だからこそ、積極的に進めていくべきではないかと考えます。区長の所見を伺います。 第3に、eスポーツへの取組です。広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピュータ・ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。 オランダの調査会社によれば、2018年のデータで競技人口は日本国内に390万人、世界では1億人以上いるとされており、プロチームも多数存在する競技スポーツです。 2022年のアジア競技大会では、ほかのスポーツ競技と同様、正式種目となりました。さらに、現在バリアフリーeスポーツとして、年齢・性別・時間・場所・障がいの有無を問わず参加できる環境の下で行われるeスポーツの普及も始まっています。 経済産業省も、周辺市場を含め2025年の国内経済効果を約3,000億円と試算しているのとともに、高齢者のコミュニティづくりや認知機能低下予防、障がい者の就労支援等の観点からも、世界中で展開されています。 あらゆる分野で、本区の施策にも取り入れることが期待されます。誰もができるバリアフリースポーツとして、スポーツ部の所管で推進することについて、区長の所見を伺います。 第4に、運動する場の確保です。長らく緊急事態宣言の発出が継続している現状において、公共運動施設の休館並びに民間運動施設開館自粛を余儀なくされ、コロナ禍で会員減少が著しく、売上げも前年同期比マイナス50%を超える落ち込みで廃業する事業者も多くなっています。 本区の公共施設では、屋外については使用を認める状況ではあるものの、依然として屋内については使用不可としている状況は承知しています。ただし、区民の健康増進の観点から、運動機会を確保するために、感染症対策を十分行った上で、スポーツセンター、猿楽トレーニングジムなど他人との接触のない運動の場は使用を認める検討もすべきなのではないかと考えます。区長の所見を伺います。 次に、安全・安心な区民の環境づくりについて4点質問します。 1点目は、避難所運営についてです。 令和元年9月と10月の台風被害により、本区においても多くの被害と避難所運営についての課題が見えたことから、風水害時の安全確保対策の見直しがされ、避難所運営マニュアルも新たに整備されました。このマニュアルに基づく実施は、地域の避難所運営委員会が担うことになります。 避難所運営委員会は、自主防災組織、施設管理者、PTA、区指定参集職員ほかの構成メンバーにより運営されるため、連携して避難所現地の対応が求められます。しかしながら、昨年はコロナ禍により防災関連の事業が軒並み中止となり、現実的に当該マニュアルを地域で訓練、実践する機会に恵まれませんでした。さらに、地域の担い手の高齢化や感染症対策など諸課題にも対応が必要です。避難所運営の中心を担う区職員の派遣を要望する運営委員会があるのも事実です。 笹塚敬老館跡地への防災住宅建設など、災害に即応する行政の体制について整備を進めていることは承知しています。本年の台風時期が到来する前に、今後の避難所運営の準備態勢と区職員の配置、区の対応方針について、区長の所見を伺います。 2点目は、ふれあい植物センターの改修です。 令和5年度のリニューアルオープンを目指していることは承知しています。周辺住民の意見を聞く機会を設けていただいていることからも、清掃工場の建設に伴う地域への還元施設であることを区も認識している理解です。 もちろん、区内立地の施設であり、改修費用も区の予算によるものであることから、全区民のための施設であるべきです。ただし、経緯的に清掃工場還元施設は、まさに影響を受けている近隣住民のための施設であり、近隣住民の雇用や施設使用への優先枠等があってしかるべきであると考えます。この点を御理解いただいた上で、今後の事業者選定、運営方針を決定していただきたいと考えます。区長の所見を伺います。 3点目は、廃プラスチック等の資源化・家庭ごみ有料化について質問です。 国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性の高まりを受け、政府は3月9日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」の閣議決定をし、今国会に上程されています。 この法律案は、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組を促進するための措置を講じるものです。 本区では、平成19年度から区施設において、白色トレイの拠点回収を、平成20年度からはペットボトルの集積所回収を開始するとともに、その他のプラスチックはサーマルリサイクルとして熱回収を行ってきたことは承知しています。 今後は、令和3年第1回定例会で区長も発言のとおり、国や都とともに、プラスチック製品の使用の削減や再資源化に一層取り組んでいくことが重要です。 そのような中、本年3月の区民環境委員会で、廃プラスチック等の資源化・家庭ごみの有料化等の基礎調査の報告がされました。この報告書では、廃プラスチックの資源化のみならず、家庭ごみ有料化についての調査も行われていました。 家庭ごみの収集事業は、税金を納めている区民が享受できる区民サービスであり、本来有料とすべきではない事業です。廃プラスチックの対応とは異なり、一緒に論じるべきではないと考えます。 加えて、ごみ処理については、清掃一部事務組合を組織して、東京都23区共同で中間処理していることからも、周りの状況を見て判断すべき事項であり、本区単独で家庭ごみの有料化を進めることは避けるべきです。 ごみの不法投棄や無料の隣接区へのごみの投棄などの新たな課題も想定されます。さらに、コロナ禍で収入が減り苦しんでいる区民が多くいる中で、各家庭にさらなるコスト負担を強いることは、現時点では賛同できません。 家庭ごみの有料化については、一旦立ち止まるべきで、今注力すべきは、廃プラスチックについて閣議決定された当該法案が可決することを踏まえ、廃プラスチックへの対応について、本区として即応していくことだと考えます。今国会で法整備される廃プラスチックへの本区の具体的対応策について、区長の所見を伺います。 4点目に、区内中小企業等支援策です。 コロナ禍で様々な業種・業界が経営に大きな打撃を受け、経済の早急な立て直しが必要です。昨年から本区は、中小企業等の資金の工面を支援するため「緊急経営支援特別資金融資あっせん事業」を実施しています。この事業を持続可能にするため、本年度「渋谷区新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金」を設置し、着実に進めていることは評価します。 現状、コロナ禍の行動自粛要請の中で、飲食業が営業に対する制限を集中して受けています。不十分ながらも、他業種と比較して補償がある中、影響が大きい区内中小企業、商店街支援策も具体的に講じるべきであり、補正予算も組まれます。今後の支援策について、区長の所見を伺います。 次に、子育てについて3点伺います。 この5年間で本区の保育園数も37園増設し、待機児童数も300人以上減り、本年度で待機児童数ゼロを実現できることは承知し、評価しています。次に目指すべきは、以下の3点だと考えます。 1点目は、ニーズに沿った入園調整です。 調整に新たにAIシステムを導入しつつ、園選択については、対面での申込み受付で希望を丁寧に拾い上げていることは承知しています。それでも、兄弟が別の保育園に割り振られる、家から遠い、園の保育方針に満足がいかない等の声はよく聞きます。 デジタル化で業務効率化は進めつつも、最後は人です。対面での丁寧なニーズの聞き取りが重要であると考えます。ニーズに合わせた入園調整について、区長の所見を伺います。 2点目に、現在初台にしかない病児保育機能について、区内全域を俯瞰してバランスを持たせた拡充が必要ではないでしょうか。 8月に、渋谷区子育てネウボラが移る神南分庁舎にも病児保育機能はありません。病児保育は、ニーズが日によって増減することによる運営の不安定さや感染症対応等、通常保育に比べて難しく、区営としても民間事業者としても運営が難しいことは理解しています。 待機児童の観点では、園を増やす方針が現時点でない中で、区民ニーズの高い病児保育について、区内全域における立地のバランスを勘案して施設拡充が必要だと考えますが、区長の所見を伺います。 3点目に、保育環境と質の担保についてです。 区内の園は、それぞれ事業者も異なり、個々の園に特色があります。区民が必ずしも希望する園に入園できないことがある現状もあり、個別の園の特色は生かしていただきつつも、保育の質の担保は非常に重要です。 保育士の行動や給食の内容、保育園の経営の状況等、区民の目線で通園している施設運営に関して、御意見をいただくことは多くあります。日々の諸課題に、保育行政に関わる職員の皆様が全力を尽くしていることは承知していますが、現場の訪問指導等をこれまで以上に強化して、保育環境の維持と質の担保を進めるべきです。区長の所見を伺います。 次に、福祉について3点質問します。 1点目は、高齢者デジタルデバイド解消事業です。 スマートフォンをお持ちでない高齢者に、本年9月から2年間、最大3,000台を無料で貸与し、通信費も区が負担をする実証事業が始まります。先月から利用者募集も開始されました。 端末の無料での貸与というハード面が大きく取り上げられますが、我が会派から要望していた「なんでもスマホ相談」の枠増設や、デジタル活用支援員の養成といったソフト面の充実もセットで事業構築がされている点は評価します。 本事業で期待される効果は、区内高齢者の安全・安心をデジタルデバイド解消により実現できることです。さらに、実証事業により取得される使用者の移動データや使用時間帯、使用用途といったあらゆる情報が本区の高齢者対策事業の構築・改善に活用できるようになることです。 データ活用による狙いを明確にし、そのために必要なデータを把握し、その取得に必要な仕組みを貸与する端末に実装するというプロセスが必要です。端末の貸与が目的化してしまうことなく、事業を通して狙った効果を実現するために、具体策を熟慮して実装するべきです。現状の事業の進捗状況と実証事業データを活用して、区民サービスに結びつけるための進め方について、区長の所見を伺います。 2点目は、ひきこもりについてです。 令和元年の第2回定例会で、ひきこもりの長期化した中高年が高齢者の保護者と暮らす8050問題を含む大人のひきこもりについて、我が会派から体制整備の質問をいたしました。当時、区長からの答弁では、アンケート調査や支援団体のヒアリングなどを通じて実態把握に努め、個々の状況に応じた適切な支援につなげていくとのことでした。 他自治体では、専門部署が置きづらい課題のため、この課題に精通した民間事業者に相談窓口業務を委託する等の対応を実施しています。2年たち、ひきこもりの実態調査を含めた本区の検討状況について、区長に所見を伺います。 3点目は、障がい福祉推進計画についてです。 本年度は、第8期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画が新たにスタートしました。もう一つの柱である障がい者福祉に関しても、自立支援協議会から障がい福祉推進計画への答申を受け、計画策定されたと承知しています。 本区が目指す地域共生型社会にも通じる相談体制の充実や切れ目のない支援、互いを理解し支え合う地域づくりを基本目標に取組を進める認識ですが、推進計画には基本方針のみならず、具体策も盛り込まれると承知しています。 障がいの種類や程度は様々であり、障がいを持つ方やその御家族にとっては、具体策がより重要であると考えます。推進計画で前期と比較して向上する障がい福祉サービスの具体策について、区長の所見を伺います。 最後に、教育について3点質問します。 1点目に、新教育長の方針について伺います。 本年4月から、新たに五十嵐俊子教育長が着任されました。周知のとおり、本区は都内でも先駆けて教育ICT化を進めてきました。区立小中学校のタブレット教育に先進的に取り組み、環境が整備されていたことは、現下の感染症対策としても機能し、これまでのアナログが当然だった対応のデジタル化も加速させました。 これまでの本区の教育状況に鑑み、教育長がお持ちのICT教育の広い知見を生かして、本区のこれからの教育行政に大きく貢献していただけるものと確信をしております。本区のさらなる教育環境の充実のためにお考えの今後の方針、目指す教育像について、教育長の所見を伺います。 2点目は、ICT教育の具体策についてです。 第1に、デジタル教科書についてです。本年はモデル校4校で5教科、その他の学校では1教科に導入されています。文部科学省がコメントしているとおり、児童・生徒の個に応じた指導による効果も期待できます。 一方で、考慮すべきことが2点あります。個に応じた指導への教員の対応とインフラ整備です。 まず、個に応じた指導には、同じ授業を受ける三十数名の授業の進め方や教え方について、担任教員の技術が必要です。紙の教科書の使用時と比べて、児童・生徒の学習に影響がないよう、現時点での工夫や手段について、教育長の所見を伺います。 次に、教育インフラについてです。教科書データの使用ライセンスが期限1年のため、1年生のときの教科書データを3年生のときに見直そうとしても見直せない問題が発生するリスクがあると仄聞しております。 加えて、区内全児童・生徒が授業時に同時にインターネット経由でアクセスをする際の通信負荷が耐えられるか等、デジタル教科書使用時の環境整備状況について、教育長の所見を伺います。 第2に、学校と家庭の連絡手段です。学校から家庭への連絡について、アプリケーション「ホームアンドスクール」の使用により、連絡事項として児童に持たせる紙資料の量が格段に減っていることは承知しています。 さらに一歩進んでアプリを双方向の連絡に活用すべきではないかと考えます。例えば欠席届です。児童・生徒が欠席する際に、保護者が忙しい朝に連絡帳に欠席理由を記載し、近隣の児童に学校に持参依頼をする現状は、感染症対策の観点からも避けるべき対応です。 学校によって可能な電話連絡は、時限的なものと承知しています。本年度から順次学校単位でアプリでの連絡を有効とする方針だと承知していますが、保護者からも学校に連絡できる双方向連絡手段として有効に活用すべきです。 教育ICT先進区の学校と家庭との連絡手段の在り方について、教育長の所見を伺います。 3点目は、学校施設長寿命化計画です。 昨年度策定され、本年から実施段階に入りました。時を同じくして、各学校のコミュニティスクール化が区内全校で進められています。これからの学校施設が地域コミュニティの拠点として位置づけられる中で、学校施設長寿命化計画に基づく老朽化対策に合わせて、これまで用途により別々に存在し管理運営していた公共資産・公共施設の在り方も含めて、効果的かつ効率的な整備を進めることが求められます。 地域ごとの学校運営協議会を中心として、地域の皆様に御理解、御協力をいただきながら、地域の教育拠点の再整備に取り組むことが必要です。具体的に実施段階となった本年からの推進計画について、教育長の所見を伺います。 以上、区長、教育長に質問いたします。答弁をお願いいたします。 ○議長(斎藤竜一) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、中村豪志議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について4点のお尋ねです。 まず、ワクチン接種についてのお尋ねです。 新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種については、事前準備として渋谷区医師会と協力し運用を協議してきたところです。当区のような大都市圏においては、集団接種のため十分なスペースを有する場所を確保することが困難でしたが、あいおいニッセイ同和損保株式会社から御協力を得ることができ、センチュリーホールを含む区内5か所の集団接種会場を設置することができました。 また、区内の医療機関から御協力を得て、現在90か所の個別医療機関で接種が可能となっています。 集団接種会場では、高齢者の移動を最小限にするために誘導を工夫するとともに、接種後の容体の急変などに一層注意を払い、問診内容に応じて経過観察の時間を長めに設定することや、途中で何らかの症状を訴えた方については記録表を作成し、万が一の際には救急隊へ速やかに情報提供できる仕組みとするなど、高齢者の安全に配慮した運営に努めています。 接種体制については、今後さらに接種可能な個別医療機関の拡充を進めながら、新たな集団接種会場の確保も視野に入れて強化を図っていきます。 一方で、国のワクチン接種計画が大幅に遅れ、ワクチンの供給も十分でない中、ワクチン接種を開始せざるを得なかったことから、区民の皆様には混乱と多大な御迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っています。供給されたワクチンは僅かではありましたが、少しでも早く接種いただけるようにと予約の用意を開始したところです。 渋谷区では、感染した場合の高齢者の重症化リスクは、年齢によって差はないことから、年齢を区切ることなく65歳以上の高齢者に接種券を送付し、予約の受付を開始しました。予約方法については、渋谷区においては、ワクチンの供給が十分でない状況の中で、まず1回目の接種をより多くの方に接種いただきたいことからも、1回目と2回目の接種予約は分けることとしています。 1回目と2回目の接種期間については、改めて周知を徹底するとともに、目安とされる接種期間を超えて予約が取れないようシステム上の改善を図ることや、既に期間を超えて予約をしている方に対しては個別に対応していきます。 今後、コールセンターの増強や予約窓口の見直しを図り、円滑に予約を取れる環境を構築してまいります。 なお、今後のワクチン接種のスケジュールについてですが、6歳以上の接種に続き、基礎疾患を有する方、高齢者……     〔「6歳と言った」の声あり〕 ◎区長(長谷部健) 失礼。65歳。65歳以上の接種に続き、基礎疾患を有する方、高齢者施設等従事者及び60歳から64歳までの方の接種へ移行します。基礎疾患を有する方等の自己申告については、6月1日から受付を開始し、申告があった方に関しては7月中旬から順次接種券を送付します。 また、保育士や清掃職員等のエッセンシャルワーカーに対しては、当日キャンセル等による余剰ワクチンの活用も含めて、積極的に接種する仕組みを検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の医療体制と医師会との協力についてですが、渋谷区では、渋谷区医師会及び区内病院と「渋谷区新型コロナウイルス連携調整会議」を通じた区内医療ネットワークの強化を行っており、都の指定した新型コロナ患者専門病院とも区独自で協力関係を構築しています。その中で、新型コロナ以外の医療の確保についても取り組んできたところですが、今後もさらなる連携体制を深めてまいります。 次に、公共施設の感染症対策についてのお尋ねです。 初めに、高齢者施設や障がい者施設などの福祉施設における対策です。 現在、対面面会を原則中止とするなど外部から人が入ることを極力少なくすることや、職員を対象とした定期的なPCR検査の実施により、水際対策の徹底を図っています。 また、入所施設においては、濃厚接触者や陽性者が出た場合に備え、ウイルスが居室の外に漏れないようにする簡易陰圧装置を設置するなど、施設内感染の拡大防止策を講じています。 一方、学校施設においては、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」に基づいて対応しています。 定期的な換気のみならず、給食時の会話の禁止や感染症対策を講じてもなおリスクの高い学習活動を休止するなどの工夫を行い、学校における感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続しています。 いずれにしましても、引き続き各施設における運営面での感染予防対策を徹底することに加え、設備面においては新たな知見等を注視しながら、より効果的な対策を検討してまいります。 次に、デジタル化戦略と新型コロナ対策についてです。 議員御発言のとおり、本区は新庁舎移転に伴い、非来庁型行政サービスの構築やテレワークの体制の整備、学校教育におけるICT化を国や他自治体に先駆けていち早く進めていたため、今回のコロナ禍においても、区民サービスを停滞することなく、「新しい日常」に迅速、柔軟に対応することができました。 本区がデジタル化や新技術の社会実装を積極的に進めているのは、区民の皆様の利便性の向上や職員の生産性向上が、暮らしやすさや幸福度の向上につながると考えているためです。 今後もスマートフォン等に不慣れな方などに格差が生じないよう、丁寧な対応も心がけながらデジタル化を推進し、国の事業における手続に係る負担の低減を継続的に図り、区民満足度の向上に努めてまいります。 次に、ワクチン接種会場来場機会の活用についてのお尋ねです。 高齢者デジタルデバイド解消事業の参加周知につきましては、実証事業の募集期間中、区が実施している集団接種会場の接種後待機スペースで募集案内を配布し、併せて映像による周知も行っているところです。 これからも、本事業に多くの高齢者が御参加いただけるよう、創意工夫をしながら周知を行ってまいります。 また、ワクチン接種会場での待ち時間におけるマイナンバーカードの申請依頼につきましては、現在、実施する予定はありませんが、効果的かつ接種の流れを妨げない手法が考えられましたら、検討したいと思います。マイナンバーカードの保有率向上に向けても引き続き取り組んでまいります。 次に、本区の行財政施策について4点のお尋ねです。 初めに、コロナ禍での財務戦略についてお答えします。 現在、国を挙げてワクチン接種に取り組んでいるものの、ワクチン効果の持続期間や新たな変異株への有効性など、いまだ不確実な要素が多く、今後しばらくの間は、深刻な歳入状況が続くことを想定し、行財政運営をしていかなければならないと考えています。 加えて、区が抱える課題は、今般のコロナ禍にも象徴されるように複雑多様化しており、その対策には複層的に取り組む必要があることから、経費が増加していくことも必至です。 しかし、たとえコロナ禍という非常事態であっても、財政基盤を強化して、区民サービスの充実や安全・安心なまちを維持向上していくことが、私の責務であると考えています。 そこで今年度は、各事業分析の深度化を進めた上で、経常的経費の標準化による構造改革を進めています。また、各事業部門が主導する形で次年度の予算編成を行い、より区民ニーズへの対応力や機動性の向上を図ります。 また、歳入の面においても、新たな財源確保や受益者負担の適正化について、今後は検討を進める必要があると考えています。 このことにより、限られた財源を効率的・効果的に配分し、従前の行政需要だけでなく、将来を見据えた成長戦略にしっかりと投資を行い、持続可能な行財政運営を実施してまいります。 次に、事業の継続、改善、廃止の判断方法についてです。 本区では、これまでも予算編成のプロセスにおいて経営企画部と財務部が共同で各所管の事業評価を行い、実施計画など各種上位計画との整合性や進捗状況の確認を行ってきました。 また、事業評価を適切に行うためには、目標を達成するために行う取組の進捗状況や効果を測るための指標を設定することが重要だと考え、長期基本計画では成果指標を設定しました。 今後も限られた財源で複雑化・多様化する行政課題に対応していくためには、EBPM、すなわちエビデンスに基づいて政策を立案し、事業実施後にはデータ分析により事業評価を行い、適切に事業の改善を行う仕組みをつくっていく必要があると考えています。 今年度は、事業評価制度構築のベースとするために、全ての事務事業の洗い出しと整理をすることから始めたところですが、その中でそれぞれの事業に適切な指標を設定し、経常的経費適正化などの取組と併せて、より効果的な事業評価制度を構築していきたいと考えています。 次に、官民連携について、まずデータ・情報の共有についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、社会課題、行政課題の解決に向け、官民連携の取組を加速させるためには、単に行政保有データを公開するだけでは不十分と考えます。その上で、事業執行の健全度、各事業に要する予算や人的リソース等に関わる区民負担の状況を、できるだけ多くの皆様に理解しやすい状態に置き換えて、共有することが必要です。 現在、庁内で部門横断でのタスクフォースを立ち上げ、議員御指摘の課題への対応を進めています。膨大な所管事務事業をどう編集し、どのように公開していくか含めて、今年度中に取りまとめたいと思います。 今後は、ベンチャー企業やスタートアップ企業等、多様な民間企業からの提案を、地域課題の解決や区民サービスの向上につなげる仕組みづくりを進めてまいります。 次に、規制緩和について、本区としての緩和策推進についてのお尋ねです。 まず、スタートアップビザの運用開始に伴い、今後は、シンガポールやロンドン等、海外のスタートアップ拠点都市の事例にあるような優遇制度をつくっていければと考えております。公開空地の利用などを簡易化し、シェアリングエコノミー事業を普及させることは、環境問題、違法駐輪問題等の解決につながると認識しております。 スタートアップ企業の様々な実証実験を容易にする規制緩和を実施し、実験の中でデータを蓄積していくということは、イノベーションを生むサイクルをつくる上で重要な基盤となります。しかしながら、これらの規制緩和は区単独では実現できないもので、内閣府、経済産業省、東京都と人材交流を含め、連携を強化し、実現に向けた協議をしっかりと進めていきます。 次に、入札制度におけるスタートアップ支援についてです。 議員御指摘のとおり、現在の入札制度では、起業間もない、もしくは成長過程で先行投資を積極的に行うがゆえに、黒字転換できないスタートアップ企業は、参加要件をクリアすることは困難です。グローバル拠点都市として、スタートアップエコシステムの強化を担う本区としても、より多様で創造性にあふれたアイデアや先端技術を地域サービスに活用すべきと考えます。 また、企業規模を問わず、社会との共生に対するパブリックマインドは、クロスセクターで地域課題の解決を目指す本区が重視する重要な要素です。事業者との取引における入札制度やプロポーザル方式のより開かれた形への転換は、これからの高度化・複雑化する地域社会の課題解決には不可欠であると認識しています。 議員御提案の本件については、様々な角度から検討を開始し、有識者やシンクタンク等の情報収集や検討会などの設置を含めて、できるところから取組を始めていきたいと思います。議員には引き続き御助言をお願いいたします。 次に、民間委託や指定管理者等の事業者のチェックに事業の評価指標を活用していくことについてのお尋ねです。 事業及び事業者のチェックには、公正かつ公平な仕組みが必要であり、発注者としての区並びに区民からの視点、利用者からの評価、専門家や第三者の視点、そしてデータをまとめることが必要だと考えています。 先ほど申し上げた事業評価制度の構築のプロセスにおきましては、区民目線や区民満足度といった観点を取り入れた指標も検討しており、その指標は事業及び事業者のチェックにおいても活用できるものと考えています。 まずは、国内外の先進事例も研究し、事業及び事業者のチェックについて、本区らしい仕組みづくりに取り組んでいきたいと思います。 次に、公共資産の有効活用についてのお尋ねです。 持続可能な行財政運営を実現していくためには、公共資産を有効に活用していくことは重要なことだと考えています。 議員から御提案のありました「利益共有型委託」につきましては、事業者の創意工夫を促し、区民サービスの向上や歳入増につながる有効な取組だと考えられます。本区としては、現在進めている全ての事務事業の洗い出しと整理の中で、適用できる事業があるかなどにつきましても精査、検討してまいります。 次に、デジタル化戦略と人材配置についてのお尋ねです。 議員御提案のように、所管部門にデジタル化に明るい人材を配置し、業務の効率化を目指すことは私も同感です。その上で、今年度からICT関連組織のセンター化を行い、所管部門のシステム課題に応じて、ICTセンター職員を中心に柔軟にプロジェクトチームを組成し、迅速に課題に対応することができる体制としました。 ICTセンター職員と所管部門のシステム担当者とでチームを組むことにより、知識やノウハウを共有し、組織横断的なプロジェクトを遂行することで人材育成を進めてまいります。 様々な所管部門のシステム開発や更新等のプロジェクトに携わることによって、業務知識やシステム化の知見を取得し、精通した後に所管部署へ異動配置し、デジタル化人財の即戦力として所管部門の体制強化に取り組んでまいります。 次に、こども庁創設と渋谷区子育てネウボラについてです。 2019年から始まった渋谷区子育てネウボラでは、養育困難、虐待、ヤングケアラー、不登校など、子どもに関わるあらゆる課題について、所管を越えて専門知識を持った職員がチームとなって解決に向けて相談支援を行ってきました。 子どもが関わる課題を捉えるきっかけにより、初めに関わる所管は様々ですが、課題解決に向けては、ネウボラチームだけでなく、福祉部など関係する所管が情報共有し、連携して支援を行っています。 4月から新設した子育てネウボラ担当部長は、これまでの子ども家庭部所管に加えて、保健所や教育委員会などのネウボラ拠点に移転を予定している所管との連絡調整を担うこととし、渋谷区子育てネウボラ全般に関わる情報共有や連携強化を主導しています。 これまでに力を入れてきた妊娠期から乳幼児期に至る子育て支援だけでなく、不登校やヤングケアラー、生活困窮など就学以降に発生する課題についても、区民に寄り添った切れ目のない子育て支援を行うことを目指します。 次に、スポーツ部について4点のお尋ねに一括してお答えします。 初めに、スポーツ部の役割や具体的な施策の現状ですが、令和3年4月に教育委員会事務局スポーツ振興課と区民部オリンピック・パラリンピック推進課を移管し、スポーツに係る施策を総合的に推進するため、スポーツ部を設置しました。 区民のスポーツ振興を図る目的には、心身の健康づくり、青少年の健全育成、共生社会の実現や経済・地域の活性化など、スポーツへの多面的な期待や価値があると思っています。 そのためには、渋谷区スポーツ推進計画に掲げる「みるスポーツ」「するスポーツ」「ささえるスポーツ」、そして「つながるスポーツ」と、様々な観点と切り口からスポーツ振興をより一層進めていきます。また、庁内関係部署や民間団体等との連携を図り、その総合的な推進役をスポーツ部が担っていきます。 現在、中学校部活動支援に向けた新たな事業の展開と法人の設立準備を11月を目途に、教育委員会や学校、民間団体と連携して取り組んでいます。長年の課題であった部活動改革を全国に先駆けて実施し、子どもたちの多様なニーズに的確に応えると同時に、適切な指導体制を整えた魅力的な活動を目指します。 次に、東京2020大会に向けて、区が特に力を注いできたパラスポーツの推進については、パラリンピアンが世界に挑戦する姿をリアルに観戦し、応援やボランティアとして支える機会の創出に引き続き取り組んでいきます。そのため、スポーツ部に大会レガシーを構築し推進する組織の設置について検討を進めていきます。 次に、eスポーツについては、議員御指摘のとおり、現在、国内や国際大会も活発に行われている現状から、国際オリンピック委員会でもスポーツ活動として認め、オリンピック競技化の議論もされていると伺っています。 一方、コロナ禍においても在宅でプレーができ、障がい者のリハビリへの効果、手指を動かしながらのプレーでの認知症予防、さらには部活動での取組等、多様な広がりと効果が期待されています。 今後、スポーツ部ではこうした動向を研究しながら、スタートアップ企業や民間団体等とも連携を図りながら、普及について検討を進めていきます。 次に、緊急事態宣言が長らく発出されている現状において、区民の健康の維持・増進を図るため、運動する場の提供は重要と考えています。そのため、感染症対策を十分に行った上で、屋外のスポーツ施設を先行して御利用いただいています。 このたびの緊急事態宣言の延長に伴い、体育館、トレーニングジム、温水プール等の屋内スポーツ施設については、夜間を除き再開することとしました。スポーツ施設における感染症対策には、引き続き万全を期して運営していきます。 次に、区民の環境づくり、避難所運営についてのお尋ねです。 本区では、令和元年の台風19号で顕在化した課題に対応するため、昨年度、自主防災組織など関係者の方々からの御意見を反映させて、避難所運営基本マニュアルを完成させました。今年度は、マニュアルと最低限必要な情報をコンパクトにまとめた「クイックマニュアル」をそれぞれ2,000部印刷して、自主防災組織や避難所となっている施設の管理者など関係者に配布し、内容の周知と普及をさらに進めます。 また、避難所運営委員会が未設置だったり、訓練などの活動が十分にできていない地域には、改めて説明会などの場を設定して、本マニュアルに基づいた避難所運営委員会の組織化や運営支援を強力に推進してまいります。 しかし、自主防災組織の高齢化とも相まって、共助を基本とする避難所運営の万全な体制が整うまでは、区が避難所の開設、運営支援に関わることが必要であると考えています。 そこで、本区では、昨年度から避難所に参集する区職員の数を1.5倍に増員し、さらに、風水害時に開設する避難所で指揮を執る責任者として区の管理職も配置することとしました。昨年、これらの職員全員を対象に研修と避難所運営訓練を実施しましたが、職員の継続的なスキルアップを図るため、今年も台風シーズン前に実施します。 また、本年第1回定例会で貴会派の丸山高司議員にもお答えしたとおり、今年の8月に竣工予定の(仮称)笹塚防災職員住宅に入居する職員の一部は、地域の避難所に速やかに参集して、その運営を担うこととし、さらなる避難所運営体制の強化を図ってまいります。 次に、ふれあい植物センターの改修についてのお尋ねです。 渋谷区ふれあい植物センターの改修については、さきの第1回定例会において発言しましたとおり、当該施設が清掃工場還元施設であることを踏まえ、清掃工場周辺地域の皆様をはじめ、多くの方から御意見をいただき、2月に基本計画を策定しました。現在、この基本計画を基に、令和5年度のオープンに向け、設計を進めているところです。 議員御発言の「清掃工場還元施設は、影響を受けている近隣住民のための施設」という点ですが、私も、全く同様の理解です。清掃工場周辺地域の皆様には、これまでの経緯を踏まえ、引き続き利用しやすい施設にしていきたいと考えています。 その上に、さらに多くの皆様に親しんでいただく施設とするため、運営方針については、リニューアルのコンセプトでもある野菜の栽培・収穫・消費のリサイクル、いわゆる「渋谷区版地産・地消」の取組や、それを新たな地域コミュニティの形成などに生かしていく「みどりの情報発信」や「普及啓発の拠点」としての施設を目指します。 また、事業者の選定に当たっては、民間事業者等の持つノウハウや専門性を活用する観点から、指定管理者制度の導入も視野に検討を進め、施設の新たな運営方針にふさわしい事業者を選定していきたいと考えています。 次に、廃プラスチック等の資源化・家庭ごみ有料化についてのお尋ねです。 プラスチックは、軽量で丈夫、加工もしやすいことから利便性が高く、日常生活の様々な製品や容器包装などに幅広く利用されています。一方で、自然界で分解されにくい特徴ゆえに、ポイ捨てなどにより河川等を通じて海にたどり着き、海洋生物にも深刻な影響を及ぼしていることが世界的な問題となっています。 また、廃プラスチックを焼却すると、地球温暖化の原因となる温室効果ガスが多く発生すると言われています。 こういったことを踏まえ、国際的な動向として持続可能な開発目標、SDGsが2015年に採択されたことをはじめ、国内では環境省が2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。 また、今年の3月「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されたことは、議員御案内のとおりです。 渋谷区では、今年4月に浄水サーバーのレンタル事業者と「プラスチックごみ削減の推進に関わる協定」を締結し、マイボトル対応型の浄水サーバーを区役所本庁舎や区施設に設置しました。 この設置はスモールスタートではあるものの、使い捨てではないマイボトル使用という、誰もが実践できる対応策の一つであり、全てのプラスチック製品の使用の中止が現実的でない以上、一人一人ができることを積み上げていくことこそが大切であると考えています。 また、プラスチックの原料である石油資源は有限であり、資源の枯渇を防いでいくという観点からも、第1回定例会で申し上げたとおり、廃プラスチックの資源回収を来年度早期の実現に向けて鋭意準備を進めていきたいと思います。 なお、家庭ごみの有料化につきましては、ごみ収集・資源回収事業の体系全般を多角的に捉える分析指標の一つとして調査を行ったものです。最終処分場の延命化や将来世代に負荷をかけない環境を維持していくためにも、まずは廃プラスチックの資源回収を進めていきたいと思います。 次に、区内中小企業支援策についてのお尋ねです。 区では、新型コロナウイルス感染症の拡大により経営が悪化している商店街の店舗をはじめ、区内の中小企業を支援するため、令和2年3月から特別融資制度を実施し、制度の拡充を行ってきました。本制度については、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることから、9月までの延長も行ったところです。 今回御提出した補正予算では、主に飲食店を対象とした感染症対策支援と消費喚起事業に係る経費を計上しています。 感染症対策支援については、店舗への支援と感染の再拡大の防止を目的に、昨年度、渋谷区商店連合会と連携し、二酸化炭素濃度測定器などを支援し、非常に多くの反響をいただきました。また、YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディングでは、理・美容所を対象にした感染対策支援が行われました。今回は、前回申し込めなかった飲食店を対象に、しっかりとした感染対策の推進と、利用者にも黙食やマスク会食といったマナー啓発を行うことで、感染の拡大防止を図っていきたいと考えています。 また、消費喚起事業については、昨年度もキャッシュレス決済を活用し、区内中小店舗を対象にキャンペーンを実施し、実施期間中は利用される方が増えたという声も聞きました。今年度も区内店舗の利用促進とキャッシュレス決済を推進するため実施していきたいと考えています。 特別融資や消費喚起事業などを通して、引き続き厳しい状況にある区内中小企業の支援を行っていきますが、飲食店以外や商店街への個別への支援については、こうした取組の反響や商店会連合会とも引き続きしっかりと連携しながら、店舗や商店街のニーズを捉えて、区としても必要な支援を検討してまいります。 次に、子育てについて3点のお尋ねです。 待機児童対策には、これまで多方面の御理解、御協力をいただきながら、区政の最重要課題として取り組んでまいりました。その結果、本年4月1日時点の待機児童数はゼロで確定しました。これまでの取組が実を結び、仕事を続けながら安心して子育てができる環境が整備できたものと考えます。 初めに、ニーズに沿った入園調整についての御質問です。 議員御指摘のとおり、保育園の入園調整に新たにAIシステムを導入しました。AIの判定結果がこれまでの手作業での調整結果と一致することが確認され、業務の効率化を図ることができました。 保育園の増設により待機児童数はゼロとなりましたが、今後は保護者の多様な保育ニーズに応え、多くの方が希望の園に入園できるよう、入園調整をより効率的かつ適切なものとしていく必要があります。 区では、東京大学マーケットデザインセンター、株式会社サイバーエージェントとの3者共同で、「マーケットデザインの手法を用いた入園調整の改善に関する実証実験」を今年度から開始します。東京大学の知見とサイバーエージェントのAI技術を結集し、AIに関する入園調整のアルゴリズムを最適化するための実験・検証を行います。また、申請から結果公表までの一連の手続のデジタル化についても、併せて検証を行います。 将来的には、非来庁型サービスと対面での丁寧な受付対応を併用し、保護者が申請方法を選べる窓口の実現を目指してまいります。 次に、病児保育機能についての御質問です。 区では、平成29年に「病児保育室フローレンス初台」を開設しました。フローレンス初台は、子どもクリニックを併設し、はしかやはやり目、プール熱を除き全ての疾病や病状のお子さんを受け入れ、開設以来、年間約1,000人を超える利用実績があります。 しかしながら、議員の御指摘にもありましたとおり、定員7人が毎日利用されるものではないことや、特に昨年からのコロナ禍においては、新型コロナウイルスに感染したお子さんは受入れができず、その他の疾病での利用も激減し、運営については区でも支援を継続している状況にあります。 御提案の病児保育機能の拡充については、建替えを行う千駄ヶ谷区民会館に認定こども園と併設した病後児保育室を設置します。さらに区内全域の立地バランスについては、利用状況等を見極めながら、整備について引き続き調査・検討してまいります。 次に、保育環境と質の担保についての御質問です。 様々な事業者が認可保育園を開設し、施設や保育活動に特色がある保育所が区内でも多く見られるところです。英語活動や日本の伝統文化を保育に組み込む園もあるなど、私立保育園・こども園の特色ある活動や施設のうち、学ぶべきところは区立保育園にも取り入れていきたいと考えます。 一方で、短期間で多くの定員を拡大してきたことから、日々の保育内容や安全対策、園の経営状況などについて、チェック体制の整備充実が不可欠なものとなっています。 区では、園長経験者などから成る専門チームにより巡回指導を行い、区立、私立を分け隔てなく保育の質の向上に取り組んでいます。 巡回指導は、室内環境や物品類のチェック、園児との関わり方のアドバイスなど、その内容は多岐にわたり、昨年度はコロナ禍ながら、延べ283回の訪問指導を実施しました。 また、保育の専門的団体である「日本保育者支援協会」と契約し、若手保育士への指導・助言、事故防止や保護者対応など、園の困り事に寄り添う支援体制を整えています。今後も保育環境の向上と保育の質の充実に積極的に取り組んでまいります。 次に、福祉について3点のお尋ねです。 初めに、高齢者デジタルデバイド解消事業についてのお尋ねです。 本事業は、議員御指摘のとおり、端末の無料貸与というハード面が大きく取り上げられていますが、高齢者のデジタル機器の活用を支援することで、健康増進や安全・安心を確保し、生活の質、QOLの向上を図ることを目的とした事業です。 この目的を達成するためには、スマートフォン端末やアプリ等の様々な機能を日常的に使いこなし、生活必需品として活用していただくための支援が重要と考えています。 データの活用につきましては、区の新規事業の検討や既存事業の改善につなげるため、必要なデータを洗い出し、どのような形で収集・分析することが効果的であるか、学識経験者の御意見も参考にしながら、委託事業者と検討を進めているところです。 本事業は、スマホの貸与期間2年間を含め、トータル3年間をかけて行う実証事業であるため、実証期間を通じて新たな課題やニーズに応じ、その都度、より効果的なデータ活用を模索しながら事業を進める必要があると考えています。 本実証事業における収集データを効果的に活用することで、さらなる区民サービスの向上につなげてまいります。 次に、ひきこもり対策についてのお尋ねです。 ひきこもり対策については、議員の御指摘以降、まずは実態の把握が必要と考え、令和元年度に区内において、ひきこもり当事者や家族を支援している複数の民間団体と区の関係所管で2回の意見交換会を実施しました。 意見交換会では、各団体の利用状況や活動内容、また抱えている課題などを聞くとともに、区における支援や課題について共有しました。意見交換会については、3回目の実施を予定しており、今後については、事例検討や各団体への訪問を実施し、区においても理解をさらに進めていく計画でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により現在は中止しています。 今後、区では民間団体との意見交換による実態の把握のほか、ひきこもりの問題だけでなく、老老介護や生活困窮など家族を含めた支援など、複合的な相談への対応も視野に入れ重層的支援の体制整備に向けて検討を進めてまいります。 次に、障がい福祉推進計画についてのお尋ねです。 「渋谷区障がい福祉推進計画」については、自立支援協議会において審議が重ねられ、本年3月に答申を受け、「誰もが自分らしく暮らせるまち しぶや」を基本理念として策定いたしました。 計画において、基本目標は中・長期的な展望に立って施策を推進していくため、前期の計画を継承していますが、個別の施策においては、区の現状や区民のニーズを踏まえ、多様な計画としています。 その中において、今期の計画では、主に2つの取組に力を注いでまいります。 1点目は、地域包括支援センターへの障がい分野への相談窓口の設置です。身近な地域での障がいのある人や家族の日頃の困り事、心配の相談対応、8050問題への対応や高齢者への切れ目のない移行準備のため、機能強化型地域包括支援センターに高齢・障がい分野の相談を一体的に受け付ける相談窓口を設置します。 2点目は、既に一部検討は進めているところですが、障がいのある人の重度化・高齢化、親亡き後に対応するため、区立のはぁとぴあ原宿や令和6年度開設予定の神宮前三丁目障がい者施設を中心とした複数の事業所のネットワークにより、地域で暮らし続ける仕組みを自立支援協議会と連携を図り、段階的に構築していきます。 そのほか、「渋谷区手話言語への理解の促進及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する条例」を本年4月に制定したことから、障がいの特性に応じた情報提供や意思疎通支援の手段の確保に努めていくとともに、前期計画から推進しているシブヤフォント事業による障がいのある方々への理解促進や、超短時間雇用による多様な働き方による就労支援などの施策により、基本理念の実現に向けて取り組んでまいります。 以上、私からの答弁といたします。 ○議長(斎藤竜一) 五十嵐教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 4月1日に教育長を拝命いたしました五十嵐俊子です。励ましのお言葉をいただきまして、ありがとうございます。 渋谷区の教育に携われることに感謝と誇りの念を持って、渋谷区の充実、発展に全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。 私には、教育について5点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、今後の方針と目指す教育像についてのお尋ねです。 「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」は、理念も環境も時代の最先端であると感じています。変化の激しい時代においては、プロフェッショナルの専門知でさえも、これまでの知識や技能を絶対視することなく、絶えず学び続けることが求められます。 教育には、未来に生きる子どもたちが自ら学び続け、他者を尊重する思いやりの心を大切にしながら、協働して課題に立ち向かえる力の基盤を培う役割があります。渋谷区の持つ多様性や可能性、そして、豊岡前教育長の下に構築されたICT環境を最大限に生かした教育を進めてまいります。 区内の子どもたちが住んでいる渋谷に誇りを持ち、生き生きと自分らしさを発揮して、失敗を恐れずに自分を超える挑戦に向かうこと、仲間と異なる意見を交換しながら一緒に学び続ける楽しさを感じることができる教育を目指します。 そのため、教育委員会といたしましては、各学校・園の全ての教員が目の前の一人一人の子どもの心と成長に寄り添って、いじめや悩み等に気づくアンテナを高く持つことや、子どもたちと共に新たな学びに楽しんで挑戦することを支えてまいります。 また、管理職がマネジメント能力や危機管理能力を発揮しながら、自信を持って働き方改革と学びの変革を行い、安心・安全な未来の学校づくりを進めることをサポートしてまいります。 保護者や地域住民の皆様には、御協力をお願いし、「地域とともにある学校」の実現を目指してまいります。子どもたちにとって、安心感は全ての活動の原動力となりますので、学校、園、家庭、地域が、子どもたちが安心して挑戦することを認め、信頼して見守る温かい場となることを目指します。 さらに、地域の歴史を学び、地域の文化を育て、次世代へと継承するためにも、新しい電子サービスも取り入れて、人生100年時代にふさわしい生涯学習を充実させ、区民が学び続ける環境をつくってまいります。 未来を担う子どもたちと生涯学び続ける人々のために、区長部局ともしっかりと連携し、渋谷区の教育の充実と発展を目指して取り組んでまいります。 次に、デジタル教科書についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、教育委員会では、本年度モデル校となる4校の小中学校において、児童・生徒一人一人に、国語、社会、算数・数学、理科、英語の学習者用デジタル教科書を導入して、授業を展開してまいります。 学習者用デジタル教科書には、書き込みや消去などの機能を生かして、繰り返し試行錯誤を行えることや、文字の拡大や文章の読み上げ機能に加え、映像や画像教材を視聴して理解を深めるなど、児童・生徒が個々の課題に合わせた学習に取り組むことができるという利点があります。 一方で、これらの機能を有効に活用していくためには、議員御指摘のとおり、教員のICT活用指導力の向上を図ることが必要不可欠です。 教育委員会といたしましては、今月「産学官連携 シブヤ未来の学校プラン」を立ち上げ、有識者や企業の協力を得る仕組みを構築してまいります。この取組を通して、学習者用デジタル教科書の活用実践事例を区内で共有し、教員のICT活用指導力の向上と個別最適な学びの充実を図ってまいります。 次に、教育インフラについてのお尋ねです。 学習者用デジタル教科書には、高画質の画像やコンテンツが多く含まれているため、多くの子どもたちが同時に閲覧した場合に、教科書が開けない、ページが読み込まれないなどの事象が発生することも考えられます。 このため、令和4年度からの全校導入に向けて、今年度実施する学習者用デジタル教科書導入に伴う実証事業において、学校での活用状況に適した通信負荷等を見極め、学習活動に支障のない教科書配信・閲覧のための環境整備を図ることを計画しています。 また、実証事業を通じて明らかになった課題等については、デジタル教科書の企画・開発にも関わったことのある有識者や、各教科書発行者とも連携しながら改善に取り組むとともに、議員御指摘の過年度のデジタル教科書使用についても、国に要望してまいります。 こうした取組を通して、通信環境のみならず、幅広く学習者用デジタル教科書を使用するための環境を検証し、来年度の全校導入に向けた準備をしっかりと進めてまいります。 次に、ホームアンドスクールについてのお尋ねです。 令和3年度から、全ての区立小中学校において、ホームアンドスクールを導入しており、現在、小学校12校、中学校4校が欠席連絡の方法として活用しています。 このホームアンドスクールは、双方向にコメントを共有し合う機能も有しており、議員御指摘のとおり、感染防止対策としても欠席連絡には有効なツールであると考えています。 一方で、保護者が登録できていないことや、電話により直接詳細な情報を伝える必要もあるなど、ホームアンドスクール以外の方法と併用しているケースも見られます。 教育委員会といたしましては、保護者の利便性や感染防止対策の観点からも、ホームアンドスクールは有効な連絡手段であると考えており、校長会や研修会等を通じて、さらなる活用の促進を図ってまいります。 最後に、学校施設長寿命化計画について、本年からの推進計画のお尋ねです。 学校は、教育活動の場にとどまらず、議員御指摘のとおり、地域コミュニティの重要な施設です。このため、昨年度の学校施設長寿命化計画についても、「渋谷区立学校の在り方検討委員会」に区民の方にも参加していただき、また、学校運営協議会で意見を出していただくなど、地域の御意見を広く募ったところです。 本年の推進計画につきましては、教室の広さだけでなく、可変性のある空間や再生可能エネルギーの活用なども含めて、学校施設共通の整備水準を策定してまいります。 そして、児童・生徒数の将来推計により、各学校の改修、建替え時期や方法、地域性も踏まえた特徴づくりも視野に入れて、地域が誇りに思える学校づくりを検討していきます。 加えて、区長部局とも緊密に連携し、人口当たりの施設数や1施設当たりの管理コストなどを分析し、教育効果を基盤に据えた複合化も検討しながら、効率的、効果的に新たな学びを展開できる未来の学校施設となるよう取り組んでまいります。 策定後は、主として学校運営協議会を通じて、学校、保護者、地域関係者など、実際に利用する立場の方々に説明を行い、御意見をいただきながら、どの機能を重視すべきか検証を行った上で、順次、次年度以降、学校施設の設計、建替え、改修を行ってまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) 3番中村豪志議員。 ◆3番(中村豪志) 所感を述べます。 今回、区民の視点と持続可能の視点、この2点で質問いたしました。区長、教育長から丁寧かつ前向きな答弁をいただきました。 新型コロナ対策については、喫緊の課題としてのワクチン接種、こちらに関して、今後も続く全世代への希望者への接種に向けて、手法を改善して円滑な予約・接種体制を確保いただくよう改めて強く要望いたしたいと思います。 また、保育士、教員、清掃などの職業従事者のワクチン接種について、我が会派提言のとおり、優先度を上げて積極的に接種する方針ということで、期待をしております。このコロナ禍、この施策により区民サービスの維持がされることを期待をいたします。 また、持続可能な行財政運営のために、事業評価制度について具体的に踏み込んで質問をさせていただきましたが、前向きに進めていただけるとの答弁をいただきました。近視眼的ではなく、中・長期で見た本区の行財政が必要です。そのために、事業委託の手法としての官民連携の在り方、そして、必要な事業目的の設定や運営状況のチェックなど、自治体経営の観点で非常に重要なポイントだと考えます。この体制整備が、後の本区の自治体経営に有益な仕組みとして機能することを期待いたします。 なお、自治体経営の観点においては、受益者負担を含めた検討は事業に必要だというお話も、るるありましたけれども、その中で1つ改めて申し上げるべきは、やはり家庭ごみの有料化の部分ではないかというふうに思います。 繰り返しにはなりますけれども、やはり23区共同で中間処理をしているごみ処理ということ、周りの状況を見て判断をすべきであるというのを繰り返し申し上げたいのとともに、最終的には、やはり本来有料とするべきではない事業ではないかということは考えます。 コロナ禍で収入が減り苦しんでいる区民が多いというこの状況の中で、あえて、やはりここで申し上げたいのは、家庭にさらなるコスト負担を強いることのないよう、しっかりと現状を見据えた上で施策を実施いただきたいと思います。 教育長からも、着任の抱負も含めて前向きな答弁をいただきました。 今後、教育の行政を前に進めていくためにも、是非とも区民の視点と持続可能な視点を両方持った形で、ICT教育を進めていただくことを強く要望いたします。 終わりになりますけれども、区民サービスというのは、やはり昨今デジタル化と対面対応のバランスが非常に重要な局面に来ていると思っております。区民の視点で持続可能な区民サービスを実現していただきたいと思います。 そのためには、誰も取り残すことのないよう、デジタル化に必ずアナログのサポートが必要であることを認識して、情報格差を解消する策も講じながら、非来庁型行政サービスの実現に向け、前に進んでいただきたいと思います。 最後になりますけれども、私たち渋谷区議会自由民主党は、安全・安心な区民生活の維持向上を実現するために、これからも歩みを止めず尽力をしていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(斎藤竜一) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------     休憩 午後2時46分     再開 午後3時10分----------------------------------- ○副議長(薬丸義人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 32番岡田麻理議員。 ◆32番(岡田麻理) シブヤを笑顔にする会の岡田麻理です。会派を代表して、区長、そして教育長に質問をいたします。 質問に入る前に一言申し述べさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症が日本で初めて発症が確認され、その後それまでの日常が一転、今日に至るまで1年半が過ぎようとしています。この間、感染したらどうしよう、感染させてしまったらどうしよう、仕事はどうなるのか、この先いつまで続くのか、そんな先の見えない日々が続いた中、ついに5月15日からワクチン接種が始まりました。この間、新型コロナウイルス感染症、また関連によって命を落とされた方々に心より哀悼の意を表します。 また、患者に寄り添っている医師や看護師はじめエッセンシャルワーカーの皆様には心より感謝を申し上げます。 区長はこの1年半、様々な支援策を打ってきました。先の見えない中で多くの課題を前に状況を判断し、迅速に施策を進められたことに敬意を表します。 そして、感染症対策の最前線に携わる職員、関係者の皆様におかれましては、昼夜を分かたず御対応いただき、心より感謝申し上げます。 さて、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」、そしてダイバーシティ&インクルージョンというキャッチフレーズで、渋谷区が走り出して5年がたちます。その魅力あふれた取組は、多くの分野において夢と希望があふれています。 ここで、皆さんにシャンパンタワーを想像していただきたいと思います。渋谷区のダイバーシティ&インクルージョンという名のシャンパンタワーです。今きっと上のほうのグラスにはなみなみとシャンパンが注がれていると思います。でも下のほうのグラスはどうでしょうか。 そこで、今日の私の質問は、このシャンパンタワーの一番下のグラスまで、希望と優しさのダイバーシティ&インクルージョンが満ちあふれることになるような、寄り添った質問をさせていただきます。 これからの質問は9項目、多岐にわたっています。少し細かい質問もありますが、2年ぶりの本会議での質問ですので、どうか温かい目で見守っていてください。 それでは、質問に入ります。ありがとうございます。 まず最初に、感染症対策についてです。 最初に、コロナ禍における路上飲酒対策について伺います。 緊急事態宣言措置が6月20日まで延長されました。緊急事態宣言の期間中、飲食店は酒類の提供停止や営業時間の短縮に御協力くださっている店舗が多い一方、コンビニエンスストア等でお酒を買い、街中で宴会を開き騒いでいる、いわゆる路上飲みが後を絶ちません。野外ってあってもマスクを外して大声を出せば感染リスクが高くなるばかりでなく、騒音やごみの放置など多くの苦情も区に寄せられています。 そんな中、4月30日に「新型コロナ感染拡大を招き、街の環境を乱す「路上飲み」対策を求める要望書」が、渋谷区商店会連合会中央ブロックの全ての理事長・会長から区長に提出をされました。先ほどの区長発言でも触れていたように、路上飲みに対して、これまでに巡回指導・警備要員による路上飲酒の自粛要請、渋谷駅前大型ビジョンによる啓発情報の発信、ビジョンの夜8時以降の消灯など、様々な手法で対応くださっていることに感謝申し上げます。 しかしながら、これらの路上飲酒行為が収まることはなく、感染拡大や環境の悪化も懸念されます。せめて緊急事態宣言の期間中はコンビニエンスストアや酒販店における酒類販売の停止や、公共の場での飲酒を制限するルールづくりや条例制定など、渋谷の街の秩序の維持を目指すべきと考えます。区長の御所見を伺います。 次に、感染症対策について、保育園、幼稚園、小中学校内での感染症対策についてです。 現在、小学校の児童、教職員、認可保育園、幼稚園などで感染症が拡大しており、濃厚接触者となった園児・児童・生徒の自宅待機や欠席も増えてきました。ただ、これらの対応は園や学校によってまちまちです。保護者はほかの園や学校の情報も入手しますので、対応の違いは不安の助長や不信感につながりかねません。 そこで、提案です。 園や学校で感染者が出た後の対応をフローチャートのような形式で事前に全保護者に伝えてはいかがでしょうか。それも幼稚園、小学校、中学校ごとに統一の対応とします。 また、PCR検査についても学校や園でまとめて保健所に検査の依頼をする。もしくは、確実につながるPCR検査受付の連絡先を示すことが大事だと考えますが、いかがでしょうか。 あわせて、小中学校の自宅待機期間中の授業の対応について。 また、今年度、授業のハイブリッド化を進める予定ですが、この先変異株の拡大などを想定し、ハイブリッド化授業の本格実施に向けての進捗と今後の進め方についてお答えください。 以上、教育長に伺います。 次に、保育園についてです。 東京都の「ベビーシッター利用料金助成」が延長されたとも聞いております。万が一、保育園が休園となった際、お困りの御家庭については、こうした事業の利用を進めていただけるように周知が必要と考えますが、いかがでしょうか。こちらは区長に伺います。 次に、ワクチン接種について伺います。 ワクチン予約、そして接種が始まりました。対象者が積極的に接種を受けてくださり、大変喜ばしいことであります。一方でオペレーションについては混乱を招いているようで、私のところにも電話で問合せやお叱りが相次ぎました。既に改善されているものもありますが、改めてお伝えさせていただきます。 内容の一部を御紹介しますと、まずは電話予約もオンライン予約も全くつながらない。そして5月10日、5月17日の両日、高齢者予約窓口に早朝から並んだが予約ができなかった。さらにオンライン予約のロック解除がうまくいかず、コールセンターに電話をしたもののつながらず大変だったという方。中にはコールセンターに247回電話をかけたという方もいらっしゃいます。また、1回目は早くに予約ができて接種したものの、2回目の予約が1回目接種から2か月後しか取れなかったという方もいらっしゃいます。 一方で、お隣、目黒区はLINEを通して予約をし、供給数追加の連絡がLINE経由で流れてきて、電話は予約開始当初から毎回つながり丁寧な応対、また、接種の現場もしっかりしており、全てにおいてマニュアルがしっかり作り込まれ、絶賛の公的サービスとのことで、参考になることがあるかと感じました。 ちなみに電話がつながるようになった当区のコールセンターの対応は、とても丁寧で説明が分かりやすいというコメントもいただいており、安堵しております。 さて、今回のワクチン接種券の発送から接種までの一連の流れは、65歳以上の人たちをとにかく接種するという目先の対応になってしまったことが否めません。接種対象者が予約を試みても、電話回線がパンク状態、今後いつ供給され、どのようなスケジュールとなるのか情報が見えてこないため、不安に感じた人たちでコールセンターのみならず、区役所の電話までつながりにくい状態となるなど、予約処理については大きな課題を残しました。 一方で、集団接種会場での対応は非常によかったとのこと。実際接種を受けた人によると、9時20分の予約で9時5分に会場に着き、受付、接種、接種後の待機を終えたのが9時40分と至ってスムーズで、待っている間も間隔をゆったり取っており、接種を受けやすかったとのことでした。もしこれで接種が終わった時点で2回目の予約がその場で取れたとしたらパーフェクトでしたとしての御意見でした。 5月24日からの予約については取りやすくなったようですが、依然問合せが続いております。今後は60歳から64歳の方たち、及び60歳未満の基礎疾患のある方、高齢者施設等従事者、そして60歳未満の人たちが続きます。改めてこれまでのワクチン接種のオペレーションの総括と、基礎疾患の方の対応を含めた今後の流れについて区長に伺います。 今後のスムーズなオペレーションに向けて提案、質問をさせていただきます。 集団接種会場は高齢者の接種期間中の7月末までとのことですが、今後はどうなるのか。また、医師会のみならず、歯科医師会、薬剤師会の協力を求めるなど体制を強化してはいかがでしょうか。 オンライン予約ではロック解除処理に苦労している方が多いようです。是非改善いただけますでしょうか。 また、6月1日現在、新型コロナウイルスワクチンコールセンターはつながるようになってきましたが、このコールセンターの番号は従来からの番号を使用しており、予約もワクチンについての問合せも全てがここに集中したため、かかりにくい要因となったのではないでしょうか。コールセンターの予約専用と問合せの番号を別にすることを提案いたします。 また、コールセンターは状況に応じて人員を増やすなど、区民サービスの向上のために柔軟な対応も併せてお願いいたします。 次に、予約状況の見える化についての提案です。 ホームページ上で最新の予約完了数、予約受付数、そして可能な残りの予約数が分かるように、これらの情報をネットで公表してはいかがでしょうか。 次に、今後のワクチン供給数と時期についてです。 ワクチン供給数に合わせて確実に予約ができる年齢幅を設定し、順を追って予約接種券の送付、予約対応としていただきたい。また、2回目の接種予約も同時に取れるようにしていただきたい。 基礎疾患があっても接種対象外のお子さんの感染リスクを避けるため、同居の御家族については優先で受けられるようにしていただきたい。 最後に、福祉従事者に続いて保育士や教職員など、人と関わるエッセンシャルワーカーの優先接種についても御検討される予定でしょうか。 以上、今回の接種の総括と7点の提案について区長の御所見を伺います。 「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」について大きく2点伺います。 最初に、基本構想に基づく渋谷区長期基本計画の評価について伺います。 基本構想が完成したときに10年間の長期基本計画が策定をされました。現在5年が経過しましたが、作成時はパンデミックが起こるなど想定はされていなかったでしょうし、当初の計画どおりいかなかったもの、また、新たに計画に追加しなければならないビジョンも出てきたのではと思います。 令和2年第2回定例会にて、薬丸義人議員が見直しについて質問をしましたが、今回は5年が過ぎたこのタイミングでPDCAサイクルをどう回していくかは非常に重要と考えます。できれば外部評価を受けながらPDCAを回し、今後、この長期基本計画を確実に実行していくことが重要と考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」について伺います。 今年3月に開催された新成人を祝う会での新成人代表のスピーチは、渋谷区の同性パートシップ証明書に触れながら、「多様性に富んだ街、渋谷が世界でナンバーワン地域である」という言葉で始まりました。「全ての人がマジョリティであり、マイノリティであり、つまり多様性である。そんな渋谷の当たり前を世界に広げていきたい」という、この条例とともに渋谷区で育った世代がこうした感性とともに、これから世界で活躍していくというのは誇らしい気持ちになりました。そして渋谷区が掲げる多様性がしっかりと受け継がれていることを実感いたしました。 この多様性条例が施行され6年がたちました。区長が区議会議員時代から提案をしてきたパートナーシップ証明書の発行も含め、条例が制定されたことはその後、日本全国に大きなインパクトを与え、パートナーシップ制度を導入した自治体は2021年4月1日現在で103自治体、交付件数は3月31日現在で1,741組となりました。 ここで、前回、第1回定例会の区長発言を思い出してください。「人が人として尊重され、誰もが自分の能力を生かして生きることができる差別のない社会に向けた取組を強化し、多様な性にとどまらない包括的な人権条例、また、多様性社会推進を定義する条例へ進化させたい。また、人権への取組は、成熟した国際社会には不可欠で、差別や偏見のない社会の実現に向けて取り組んでいきたい」という力強い発言がありました。 そこで、改めてこの件に関して質問をさせていただきます。 最初に、条例の方向性についてです。 現在の条例の「多様性」は、どちらかというと男・女と多様な性が中心ですが、この条例を進化させるに当たって、外国人、障がい者など、対象をさらに包括的に改正する必要があると考えます。 令和2年第3回定例会で、当会派の伊藤毅志議員の代表質問に対して、区長が答弁されたように、第8条の禁止事項については、カミングアウトの強要や本人の同意を得ないアウティングを禁止する条項を新たに入れ、性的少数者の権利をより具体的に守り、併せて条例前文の理念や、条文中に新型コロナウイルスなどの感染症に対するものや、ヘイトスピーチなどの差別も根絶される社会を目指すということを条例に追加することは重要と考えます。包括的な人権条例と多様性社会推進の理念を定義する条例、そして禁止事項など、条例改正がどのような方向性となるのか、区長の御所見を伺います。 次に、条例の進化、すなわち改正が「包括的人権」の保護を目指すのであれば、併せて包括的人権に対応する所管の設置も不可欠と考えます。条例の進化がなされたとして、条例の改正だけではこれまでのように、所管同士でたらい回しになってしまうことが想像できます。 そこで、条例の改正に合わせて人権について携わる担当の課を設置し、包括的に対応するというのはいかがでしょうか。 また、現在の男女平等・ダイバーシティセンター〈アイリス〉についても、今後はより包括的な名称変更が必要と考えます。区長のお考えを伺います。 次に、DV相談についてです。 DV相談は女性からの相談に限らず、男性、高齢者、性的マイノリティのカップルなど様々です。女性のDV相談については「女性相談」の相談窓口があり体制はできておりますが、男性からの相談は東京都のウィメンズプラザにつなぐというのが慣例になりつつあります。しかし、ウィメンズプラザの男性相談は平日は月曜と水曜の17時から20時、土曜日は14時から17時と限られており、DVという緊急性に対しては厳しい状況です。 また、DVカップルのお子さんの相談などについても受皿が必要です。 対応に緊急性があるDVの相談は、誰が対象であってもたらい回しにせず、速やかに対応ができる体制が必要です。所管の横断的な連携はもちろん、シェルター含めて受皿となる社会資源との連携も含め、渋谷区のDVセンターの設置を提案いたします。区長の御所見を伺います。 最後に、共生社会教育の観点から、渋谷区独自の性教育メソッドについての提案です。 性教育については、昨年第3回定例会で当会派の橋本侑樹議員からも産婦人科健診クーポンの配布、シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー(S-SAP)協定締結の大学との連携、学校現場における医療従事者等による講演を提案してきました。 性教育については子育て中の親御さんからの関心は高まっております。2月27日、渋谷スポーツ共育プラザ&ラボ“すぽっと”で「おうち性教育はじめます」というオンライン講座が開催され、50名の定員枠が満員となり、保護者にとっても性教育への関心の高さが分かります。 渋谷区では小学校3年生から性教育の授業が始まります。また、当区では学校現場におけるICTタブレット導入をいち早く進めました。学校使用のタブレットはフィルターがかかっているとはいえ、やはりタブレットなどIT機器から性的な情報を入手するのは、子どもにとって難しいことではありません。何が正しいのか、自分の体を守るためには、そして傷つけないためにも、ITから正しくない情報を大人に隠れて入手し、間違った理解をさせないためにも、渋谷区が責任を持って早期から性教育を行う必要があると考えます。性に関して無知であるということは、子どもたちを危険にさらすことでもあります。 様々な研究から低年齢から継続的に性教育を行うことにより、危険の回避と確実な出生数の増にもつながるという効果が分かってきています。 そこで、保育園や幼稚園から性教育をはじめ、中学校まで伝えていくという渋谷区独自の性教育メソッドの提案です。保育園児や幼稚園児からと驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。3、4歳児に対してはプライベートゾーンを大切にすることをしっかり学ぶことにより、自分の体を大事にし、性犯罪者を遠ざけることにもつながります。 成長段階を追って教育することが、子どもの成長過程で迷わないよう導くことにもなります。また、性教育はジェンダーを含めた共生社会などの要素も含め学ぶことでもあります。 渋谷区独自のメソッド作成に向けて、まずは性教育検討委員会を立ち上げ、渋谷区らしいメソッドについて検討していくのはいかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 次に、子育て支援についてです。 最初に、保育について、まずは最新の待機児童数についてです。 平成28年には待機児童が315名というときがありました。当時は待機児童解消に向け、あらゆる手法を用いて取り組んでいましたが、残念ながら、どこにも入れず、渋谷区から転居しましたと、保護者から連絡を受けたことは今でも心苦しく思います。 同じくその当時、御苦労された保護者から、昨年の待機児童数58名というのを受けて、「あの苦労した頃から本当に渋谷区は頑張ったのですね」という温かいお声も届いております。 改めて今年度の待機児童数について伺います。 また、待機児童が解消しつつある中で、今後は保育の質について重点を置いていっていただきたいと思います。以前は保育園入園の際、とにかくどこかに入園することが最優先で、選択の余地はありませんでしたが、今後は保育の質にこだわって選ぶようになるかもしれません。そのときにどの保育園を選んでも、充実した保育の質が担保されることは重要です。保育の質の確保について区長に伺います。 次に、いよいよ8月に開設予定の「渋谷区子育てネウボラ」について3点伺います。 先日、シブヤを笑顔にする会の会派のメンバーと区内で医療的ケア児を受け入れる保育園を展開している認定NPO法人フローレンスと意見交換をしました。昨年度から大向保育園で医療的ケア児を受け入れており、これまで多くの経験のあるフローレンスのスタッフに御助言をいただいております。 医療的ケア児を受け入れる渋谷区の先駆的な挑戦を称賛してくださっている一方で、保育と障がい者福祉の連携など課題もあることが分かりました。保育課と障がい者福祉課との連携が不可欠の中、現在の区役所の仕組みはどうしても対応が縦割りであるというのが現状です。 そこで、医療的ケア児の支援に関する連携として、ネウボラの母子保健システムを利用し、情報を共有することにより、保育とケアがより充実すると考えます。母子保健システムの積極的な利用について区長に伺います。 また、関係者会議、カンファレンスを実施することは非常に重要とのことでした。メンバーには保育園、保護者、保育課、障がい者福祉課、保健師、子ども発達相談センター、作業療法士、相談支援の事業所、主治医、そしてフローレンスのスタッフなどです。こうしたカンファレンスを通して多くの人が関わり、情報を共有することは医療的ケア児の保育の現場では重要です。横断的なカンファレンスの取組について区長に伺います。 こうした取組が医療的ケア児の保育園通園の成功例となり、今後、ほかの園にも広がればと思います。保育園における医療的ケア児の保育で見えてきた課題こそ、ネウボラに求められていることです。 次に、福祉分野との連携について伺います。 お子さんに療育や放課後等デイサービスの利用を希望している保護者は年々増えてきています。ネウボラにもそうした問合せや相談が寄せられると思いますが、こうしたネウボラにおける福祉分野との連携、また就学以降のプログラム設計についてはどのように進めていくか伺います。 渋谷区子育てネウボラは、子育てで困っている保護者が気軽に相談ができる施設として期待されるところです。提供する側としては様々な選択肢を準備することも肝要です。自立支援協議会の子ども部会では、療育や放課後等デイサービスについての貴重な情報や実際の体験談等、口コミ情報を渋谷区子育てネウボラのホームページに掲載することを希望しております。渋谷区子育てネウボラから子ども部会の情報についても発信していくことは、療育を必要としている保護者にとって大きなサポートとなり、それがお子さんの将来を変えていくことにつながるかもしれません。 自立支援協議会の子ども部会との連携について区長の御所見をお聞かせください。 次に、教育について教育長に伺います。 障害者基本法の第3条で、地域社会において、障害のある人は障害のない人と同じ人権を持っており、大切な人として認められ、人間らしく暮らし、生きる権利があるとあります。そして第4条では、社会的障壁、社会の壁のために困っている障害のある人がいれば、その障壁をなくすために合理的な配慮をしなければならないとあります。これは差別の禁止についての内容です。当区の長期基本計画の中では、ダイバーシティ&インクルージョン教育の推進は重点項目として取り組むべき案件です。 私は順番としては、まずインクルージョン社会があって、それを土台にしてダイバーシティが実現すると考えます。 そこで、インクルージョン社会を推進するためのインクルーシブ教育について5点伺います。 まずは渋谷区のインクルーシブ教育について教育長のビジョン、そして渋谷区のこれからのインクルーシブ教育についての意気込みについてお聞かせをください。 次に、インクルーシブ教育を実現するためのガイドライン作成の提案です。 学校教育における特別支援教育とは、障がいのある子どもたちの自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子どもたち一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高めるため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。そして教育の場において、交流と共同学習を行うことは、障がいのあるお子さんも、障がいのないお子さんも、共に成長していくことのできる機会となります。 そこでガイドラインを作成し、交流と共同学習の実現を進めていくことを提案いたします。 区内どの学校でも共通なガイドラインとします。交流や共同学習のガイドラインが策定されることにより、教職員の意識の醸成にもつながります。 また、ガイドライン作成に当たって、学校関係者、保護者等から成る検証委員会の設置についても提案をいたします。教育長の御所見を伺います。 次に、自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置、そしてフリースクールの設置についてです。 渋谷区は巡回型の特別支援教育がスタートしたのを機に、情緒障がい等通級指導学級はなくなりました。拠点校体制となって全ての学校の児童が自分の学校で支援を受けられることとなりました。その一方で、固定の自閉症・情緒障がい特別支援学級で落ち着いて授業を受けたいというお子さんもいらっしゃいます。当区の特別支援学級は知的障がいの児童・生徒が対象のため、自閉症のお子さんが安心して毎日通学できる自閉症・情緒障がい特別支援学級の新設が望まれます。教育長のお考えを伺います。 また、不登校の理由は様々ですが、感覚過敏のため学校という刺激に満ちた空間で過ごすことが苦手で、不登校になっている児童・生徒もいます。そうした様々な特性に合った学びの場を提供する民間のフリースクールが区内には多数ありますが、民間のフリースクールには原則、公的な支援がなく経済的な負担が大きいという理由でそこに通うことができず、不登校の状態となっているお子さんもいます。これからは様々な学びの場の提供が必要な時代でもあります。 そこで、オフラインとオンラインを融合したハイブリッド型の公設フリースクールの設置について教育長に伺います。 次に、特別支援学級における個別指導計画についてです。 児童・生徒が成長していく上で渋谷区の個別指導計画はどのような工夫が取られているか。また、どのような個別計画であるべきか教育長に伺います。 次に、区独自の教職員の採用についてです。 現在、通常学級と特別支援学級の交流があまり進まないことの大きな原因は、対応する教職員の不足があると考えます。そこで、特別支援学級の児童・生徒が通常級で一緒に授業を受け、円滑に授業を進めるために、特別支援学級に区独自の教職員を新たに配置するのはいかがでしょうか。特別支援学級の児童・生徒をサポートする教職員を1名配置することにより、交流授業において共同学習がスムーズに行われます。 これまでも病気などで休職中の教職員の代わりを東京都を通じて要請しても、教職員確保に時間がかかるなど、人材不足でなかなか思うようにいかなかったことがありました。その間、子どもたちの学びの時間は影響を受けてしまいます。こうした何か欠員を生じたときの対応や、また交流学級が進むように渋谷区で積極的に独自採用に踏み出すべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。 以上、インクルーシブ教育について教育長に伺います。 次に、教育センターとけやき教室について伺います。 初めに、教育センターの役割についてです。 以前は専門職がいましたが、現在は心理士がおらず、WISC-Ⅳなどの適切なテストが受けられない状況です。当会派でも度々質問してきましたが、心理テストなどについてはどうしていくお考えでしょうか。 また、教育センターでは当会派の神薗麻智子議員が提案してきたスクールソーシャルワーカーが8名体制となり、2年目を迎えました。教育センターに配置することにより、今後どのような役割となっていくか御所見を伺います。 また、発達障がいや、その疑いのあるお子さんの相談は教育センターにつないでいますが、教育センターでは具体的にどのような対応がされているでしょうか。 また、放課後等デイサービスを希望されるお子さんは教育センターを窓口として、その後の事務手続が速やかに進められるのか、実際にはどこが担当であるのか、その後の流れが見えていない状況です。8月にはネウボラに教育センターも配置されることとなります。今後の教育センターの役割、相談体制について教育長の御所見を伺います。 次に、けやき教室について伺います。 現在けやき教室は原宿の丘にありますが、通学が困難で通えないお子さんもおり、特に低学年のお子さんには自宅から遠い場合もあると思いますが、けやき教室の拡充、ほかの地域への設置について教育長に伺います。 次に、図書館についてです。 最近渋谷区では様々な「◯◯◯◯センター」が開設しています。例えば渋谷区子育て支援センターは子育て世代、地域包括支援センターは主に高齢者など、特定の属性の人が利用する施設です。そんな中、図書館は年齢、性別、障がいの有無など関係なく、誰もが大手を振って気軽に1人で行ける場所で、まさにダイバーシティ&インクルージョンのお手本のような施設と言えます。その図書館をもっと上手に利用してダイバーシティを広げようという提案です。 最初に、「りんごの棚」プロジェクトについてです。 「りんごの棚」はスウェーデンの公共図書館で、全ての子どもたちが読書の喜びを体験する権利があるというスローガンで始まった取組です。りんごの棚にはアクセシビリティ図書を展示します。アクセシビリティ図書とは、障がいのそれぞれの特性に合わせた本です。その棚を図書館の利用者の目に触れやすいところに設置することで、障がいの有無にかかわらず、誰でもこれらの本に触れることができます。 点字の絵本に触れることや、1針ずつ丁寧に縫われた布の絵本に触ることをきっかけに本に興味を持ったり、視力低下が進んできた人が大きな活字本で、また本を読むきっかけとなった、マルチメディア化したデイジー図書で音声を聞きながらの読書で本の楽しさを知ったお子さんは、実は御家族も把握していなかったLD、学習障がいで、これまで集中して本が読めなかっただけで、読書好きだったということもありました。障がいのある人と直接交流がない方も、図書館でこうした図書に触れることにより、新たな発見にもつながるインクルーシブな取組です。 また、渋谷区のりんごの棚には、障がい者向けのアクセシビリティ図書だけでなく、外国語の本、LGBTQ関連の本、性教育の本などもそろえ、渋谷区らしい共生社会について学べる場にしていけばと思います。また、関連の講演会なども開催し、インクルーシブの情報に触れる機会を広げていくことも可能です。 また、渋谷区の図書館には多くのアクセシビリティ図書がありますが、図書館の職員全員がこれらの図書について理解、把握し、積極的にPRしていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 以上2点、教育長の御所見を伺います。 次に、福祉についてです。 障がい者福祉について2点、区長に伺います。 最初に、移動支援についてです。 移動支援についてはマッチングが課題となっており、実態把握を進めているところです。研修会を受講する方はいますが、依然、お子さんの移動支援の担い手には苦労している状況です。そこで、移動支援を広げていくためにもアプローチの対象を高校生や大学生にも広げ、移動支援を拡充させるのはいかがでしょうか。活発なお子さんの動きにも対応でき、移動支援を通じて今後、福祉の分野で活躍してくれる従事者の育成にもつながります。 Z世代やミレニアル世代と呼ばれているこの世代は、ボランティアなどに対して意識が高いとも言われている世代です。福祉系の大学に入っている生徒やボランティア部の学生、S-SAP協定を結んでいる大学の学生にも声をかけ、大学の授業の前後や、隙間時間にサポートに入ってもらう取組です。募集についてはSNS等を積極的に使うなどして募ります。 実際に多くの人と関わることが、障がいのあるお子さんの成長において大きな助けとなるため、この移動支援の役割は重要です。また、移動支援の担い手を増やすためには、区から事業所に支払うサービス費の増額を図り、移動支援従事者の確保につなげる必要もあると思います。移動支援について区長に御所見を伺います。 次に、児童発達支援センターについて伺います。 今年3月、渋谷区障がい福祉推進計画が決定いたしました。今回の計画の中に新たに児童発達支援センターの設置が加わりました。この夏ネウボラが開設する一方で、新たに設置目標に挙げられている児童発達支援センターの位置づけ、役割について区長に伺います。 次に、高齢者福祉について区長に伺います。 最初の質問は、地域包括支援センターについてです。地域包括支援センターの利用のきっかけは、御家族の大きな変化に気づくが、そのときには既に家族内での対応が難しく、地域包括支援センターに駆け込むというケースが多く、一方では周囲が変化に気づいても、御本人が拒み介入が難しいということもあります。もし元気なうちから地域包括支援センターで相談しやすい関係を築いていれば、職員も変化に早く気づき、適切な対応につながるのではないでしょうか。 そこで、高齢者が元気でいられるようなプログラム情報の展示の充実や、それらの問合せに応じるなど、地域の高齢者と顔の見える関係を早い段階から築いていける地域包括支援センターを目指すのはいかがでしょうか。 次に、「なんでもスマホ相談」について2点伺います。 9月からいよいよスマホの無料貸与が始まります。今回、ワクチン接種予約で御苦労した方々が、この機会にスマホを使用できるようになれば、今後、様々なところで役立つと思います。最初にネット詐欺、フィッシング詐欺、不正請求など詐欺被害に遭わないようにするためのITリテラシーを高めるための対処法について伺います。 最近は特に巧妙化しており、私自身も恥ずかしながら誘導されそうになったことがあり、あと一歩のところで気づきました。慣れていない高齢者の方はこうした詐欺の誘導にだまされないようにするために、どんな対策を取るのか伺います。 次に、なんでもスマホ相談の拡充についてです。 区長発言にもありましたように、今後はデジタル活用支援員制度をスタートし、高齢者がスマホの様々な機能を日常的に使いこなせるようになることを目標に、手厚い支援を展開していくこととなっています。現在、区内11か所でも、なんでもスマホ相談ができるようになりました。なんでもスマホ相談の各地域、身近な施設での開催は、当会派が緊急提言の中で強く要望していたもので、とてもよいと思いますが、現在は週に1回の頻度に限られており、今後の拡充が期待されます。 私ごとですが、スマホに切り替えたのは2008年と、スマホが日本の市場に出てから割と早い時期でした。なぜそんなに早く替える決心がついたのかというと、その当時利用していたシェアオフィスの仲間たちが一斉にスマホに切り替えたため、身近に聞ける人たちがいたという安心感があったからです。最初は慣れないため大変でしたが、必要なときには気軽に聞ける人がいるということが大きかったです。 そこで、提案です。 簡単なスマホの使用方法であれば、使い慣れている身近な施設の職員が気軽に対応するという体制を取ってはいかがでしょうか。これまでの渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ、通称シブカツで、なんでもスマホ相談でどのような問合せがあったのか集計を取っていると聞きますので、これらを共有し対応していくのはいかがでしょうか。 地域の通い慣れている施設で、顔見知りの人にちょっと困ったときに使用方法など質問ができると、新しいものへの怖さが和らぎ、さきのフィッシング詐欺などの予防にもつながるかと考えます。 次に、終活相談、生前整理、そして意思決定について伺います。 以前、個人的にシニアの皆さんにアンケートを行ったときに関心が高かったものが、終活や生前整理についてでした。また、御家族の人生の最終段階における意思決定については、後悔しているというお声が多かったことに驚くとともに、事前に学ぶ機会が必要ではと感じました。また、特に単身の方は、もしものときに備えて生前整理や終活に御関心のある方が多かったです。 そこで、人生の最終段階における意思決定や終活の相談、またセミナーの開催を提案いたします。 また、大切な人を亡くされた後の事務手続をチェックリストとしてホームページに公開するのはいかがかという提案です。現在、渋谷区のホームページで「渋谷区でこんな時は:おくやみ」というページがあり、情報が分かりやすくまとめられています。 一方で、亡くなった後の手続は、感情とは裏腹に限られた時間の中で、とにかく淡々と進めなければなりません。もちろん電話で問い合わせて教えていただくこともできますが、電話で事情を説明することは御遺族にとっても、とてもつらいことです。もしホームページに一覧となったチェックリストが掲載されていると大変助かると思いますが、いかがでしょうか。 以上、区長に伺います。 次に、心の健康について、自殺対策と生きづらさを感じている人たちへのサポートについてです。 「渋谷区自殺対策計画」によると、残念ながら渋谷区では直近5年間で毎年30名前後の方たちが自ら命を絶っております。2018年は37名でした。過去5年間の自殺者数を年代別に見ると、40代から50歳代の方が多く、また、男性が多くなっています。 そして、児童・生徒の自殺者は全国で見ると、令和元年10月現在のデータで、中高生の自殺者が増えています。 妊婦の自殺の実態については、出産後に自殺した人が妊娠中の2倍に上ることが東京23区では報告されています。 自殺の原因・背景は大変複雑で多様ですが、WHOの「自殺予防の手引き」によると、自殺者の90%に精神障がいがあったという調査結果が出ております。 また、自殺未遂歴がある人は再度自殺を図る確率が高いと言われています。渋谷区は全国や東京都と比較して自殺未遂歴のある人が多い傾向にあり、対策が急務です。 また、精神医学に関する国際共同研究によると、日本人で一生の間に鬱病や不安症などの精神疾患にかかる人の割合は、5人に1人と考えられます。平均すれば、どの家庭でもごく近い親族を加えれば、1人かそれ以上が精神疾患に罹患をする可能性があるということです。 区内でも心療内科クリニックを見かけることが多くなりました。実際に渋谷区で精神保健手帳を持つ人は、2015年は1,152名でしたが、2020年は1,658名と5年間で506名、43.9%増となっています。 また、自立支援医療費(精神通院)申請件数も増加傾向で、2019年度は2,888件と、2014年度に比べ500件近く増えているのが現状です。 そこで、精神障がいの方のサポート体制と自殺対策について8点伺います。 まず、自殺対策についてです。 最初に、地域ネットワークの強化、「精神障がいにも対応した地域包括システムの協議会」の設置についての提案です。 国の基本指針は各圏域・区市町村において、保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置するとあります。第5期渋谷区障がい福祉計画から設置について目標となっていましたが、いまだ未設置となっています。今後どのように進めていくお考えか、今後のスケジュールを含めて区長に伺います。 次に、精神障がいに伴う入院患者への保健師の支援について伺います。 入院した精神障がいのある方が、地域で生活を継続できるためのサポートは重要です。昨年度、実際に保健師が病院を訪問するなどして支援した人数と、そのうち退院後も継続して支援している人数が何人で、どのくらいの頻度で支援しているのか、併せてお聞かせください。 次に、保健師が積極的に寄り添う体制づくりについて伺います。 最初に、継続的な相談への対応についてです。 保健師、ケースワーカーは区民に直接接触できる貴重な職務でもあります。そこで、積極的に寄り添う体制づくりについて伺います。 障がい福祉サービスなどは利用しないものの、病気や日常生活の悩み事について、継続的な相談を希望される方も少なからずいらっしゃると思いますが、保健所ではこうした新規の相談を年間何人程度対応していますでしょうか。また、その人数のうち保健師に再度相談に来る方の割合についても伺います。 また、アウトリーチも非常に重要と考えますが、どれくらいの目標を立て、どのように行っているか、昨年度は何人に対してアウトリーチをしたか、それぞれ区長に伺います。 次に、相談窓口のPRについてです。 保健所と保健相談所が心の健康についての相談窓口だということは、あまり知られていないように感じられます。そこで、どのように窓口での相談利用につなげているのか、PRの現状と課題についてお聞かせください。 次に、保健師の育成について伺います。 今年度、当区では保健師を増やしましたが、今後も保健師の人材の育成は重要と考えます。様々なケースをデータ化し、経験の浅い保健師にはケースを共有し対応することも可能と考えます。今後、どのように保健師の育成に取り組んでいくのか、区長に御所見を伺います。 次に、医療機関との連携についてです。 生きづらさを感じている方の中には、心療内科に行くことをためらう方もいらっしゃいます。適切に専門家による診療を受けることは、自立に向けてのきっかけの後押しとなるかもしれません。既に心療内科と連携し、つないでくださっていることと思いますが、その件数とつないだ後のフォロー体制について区長に伺います。 次に、自殺対策についてです。 庁内の横断的なサポートについてです。 自殺者は、そこに至るまで何か解決を求めて、窓口に相談している人がほとんどと言われています。相談を受けて変化に気づいたときは、とにかく適切な部門につないでいくことが重要です。情報を共有し、つないでいく庁内の横断的なサポート体制について伺います。 次に、地域で支える体制づくり、ゲートキーパーの拡充についてです。 ゲートキーパーとは、自殺のリスクにつながるような悩みに気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなげ、見守る人です。地域の理美容の方などにもゲートキーパー研修を受けていただき、気づいたときには速やかに保健所につなげていただくことも提案します。 次に、24時間対応の相談窓口についての質問です。 相談は平日の日中のみではありません。夜になると不安が増すという人たちがほとんどです。東京都の「夜間こころの電話相談」や厚生労働省が紹介している「よりそいホットライン」は常に話し中で、ほとんどつながらない状態です。 そこで、2020年3月からスタートした「あなたのいばしょチャット相談」というNPOが取り組んでいるチャット相談の活用の提案です。24時間体制で自殺、DV、虐待、いじめ対策等の相談を目的としています。 カウンセラーは2020年3月3日時点で487名、そして2021年5月17日時点で研修中も含めて700人以上。相談者とカウンセラーの間で1日約40万字がチャットでやり取りされており、文庫本に換算すると約4冊分に匹敵するそうです。こうしたNPOの「いばしょチャット相談」と連携し、当区の相談時間外に利用できるよう体制を取るのはいかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 次に、産後鬱対策についてです。 産後鬱の方は関係者が慎重に関わりながら対応する必要があります。現在は産科医が中心の対応と聞いておりますが、連携体制を構築し、保健師も積極的に関わる必要があると考えます。ネウボラ発足後は、こうした産科医との連携も含めて産後鬱対策に取り組んでいただきたいと考えます。改めて現在の対応、産科医との連携についてお聞かせください。 また、今後、産科医、場合によっては心療内科との連携もあるかと思います。医療機関との積極的な連携について区長の御所見を伺います。 次に、生きづらさ、望まない孤独を感じている人の相談支援について伺います。 例えば企業には産業医がいて相談先が明確です。しかし、区役所に相談する人にとって、どの窓口が自分の悩みを聞いてもらえるのか、相談先が分からずたらい回しになっている傾向が多いようです。 現在、国は重層的支援体制整備事業の創設を打ち出しており、庁内における包括的支援体制の整備も進んでいると聞いております。 そこで、提案です。 専門的に既に経験のある事業者からも相談を受けられるよう、支援実績のある経験豊富な事業者への委託を含めた実施体制について提案します。最終的にアウトリーチもしていただき、生きづらさ、孤独を感じている人たちに本気で寄り添い、サポートをする、そんな事業者の力を借りて体制をつくっていく必要があると考えます。区長の御所見をお聞かせください。 次に、障がい者の法定雇用率について伺います。 当区の「ちがいをちからに変える 人財活躍支援アクションプラン」の中に示されている令和2年度の障がい者雇用率は2.09%と、その当時の法定雇用率の2.5%に達しておりません。そこには従来の特別区の採用では対応困難と記されております。 そこで、当区としてどのように障がい者の雇用を進めていくお考えなのか、区長の御見解をお聞かせください。 次に、精神疾患の方を就労につなげる仕組みについてです。 精神疾患の方の中には就労経験がある方たちも多数おられます。職場でのストレスなどがきっかけで心の病となり、職場を辞めてしまった方は、社会からの望まない孤独で苦しんでいる方たちでもあります。しかし、その人たちが能力や経験を発揮できる受皿と環境があれば、再び自立につながる可能性は高いはずです。 そこで、S-SAP企業やS-SAP団体と連携し、パソコンを使った入力作業や画像加工などデスクワークができる作業所を新たに開設してはいかがでしょうか。これまで培ってきた経験を生かすことができ、肯定感が生まれ、スキルの向上にもつながり、そこから障がい者の雇用、そして自立へとつなぎます。企業の法定雇用率向上にもつながります。このような就労へとつなげるための実践的な作業所、そして雇用の場についての区長の御所見を伺います。 次に、防災対策について伺います。 最初に、「渋谷区避難所運営基本マニュアル」について進捗と、指定避難所において避難所運営委員会がどれくらい設置されているか区長に伺います。 次に、指定避難所において渋谷区避難所運営基本マニュアルに沿って、実際にシミュレーションの実施を提案します。 震災が夜間に起こったことを想定して行うと、より実践的な訓練になるでしょう。シミュレーションを行いPDCAサイクルを活用することで、いざというとき速やかに避難所の開始、運営ができると思いますが、いかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 防災の最後の質問は、「自宅で防災キャンプ」の提案です。 大地震が起き、自宅や職場でライフラインが止まったと想定し、水、電気、ガスを使用せずに防災グッズを試すなどして過ごします。私も以前、友人たちと自宅で防災キャンプを行ったことがあります。終了後の振り返りでは、非常食をどうしたら親子でおいしく食べることができるか、非常時用簡易トイレはどのタイプが一番使用しやすかったかなど情報共有し、自宅の防災対策の向上につながりました。 そこで、楽しみながら備えにつながる「自宅で防災キャンプ」を、SHIBUYA BOSAI FESなどの日に一斉に行うというのはいかがでしょうか。SNSでそのアイデアをコンテストしたり、便利グッズや困ったことなどをまとめて共有することにより、一人一人の防災への意識の高まりにつながると思います。 次に、地域振興についてです。 町会について、自分が住んでいる場所がどこの町会なのか、また、町会がどのような活動をしているのか見えにくいというのが以前からの課題です。 そこで、区内105町会の情報をまとめた独立したホームページをつくり、町会のことを知ってもらい、そこで興味を持った人を加入につなげるというのはいかがでしょうか。11地区や各町会の紹介やイベント、また掲示板の掲示物の内容などが確認できるサイトです。町会加入者が増えることも期待できます。出張所を通じて町会に加入するという流れにします。 また、どこの町会も高齢化と人手不足が課題となっており、町会長の負担も重くなりつつあります。そこで、地域の出張所が区役所とのやり取りをサポートするなど、町会長の負担を軽くしていただくことも提案いたします。 以上、区長に2点伺います。 最後の質問は区民サービスについてです。 今回もワクチン接種の情報入手のため、多くの方が渋谷区のホームページを訪れたことと思います。そこで、渋谷区の現在のホームページのアクセシビリティについてどのような改善があったか、その進捗と今後について区長に伺います。 また、渋谷区のホームページは目的の情報にたどり着くまで深掘りするつくりであると感じます。つまり欲しい情報まで何度もページが飛んで時間がかかります。時々探している情報がどうやったら見つかることができるのか、区役所の担当課に電話で聞くことがありますが、そのやり取りにも時間がかかるほうだと感じます。 そこで、番号検索を導入してはいかがでしょうか。検索機能にキーワード、つまり言葉以外に番号を入力すると、自分の調べたかった、また入手したかった情報や申請書のフォーマットなどに瞬時に移るというものです。この番号検索が利用できると、問い合わせた側も問合せを受けた側も時間とストレスの短縮へとつながります。区ホームページへのアクセシビリティの向上、そして番号検索導入について区長の見解を伺います。 以上、区長、そして教育長に御答弁のほどお願いいたします。 ○副議長(薬丸義人) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、岡田麻理議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、感染症対策について、コロナ禍における路上飲酒対策についてのお尋ねです。 繁華街及び周辺の道路など公共空間における、いわゆる「路上飲み」については、感染拡大を心配される方からの御意見、御指摘及びごみ捨て、騒音などの迷惑行為に対する苦情等を多数いただいています。 このような状況において、本区では今まで、警察、地元商店街等と協力し、区職員による夜間パトロールを継続的に実施し、路上飲酒をしている者に対し、不要不急の外出や路上飲酒等の自粛協力要請を行ってきました。また、業務委託により、区立公園内や深夜の時間帯における路上においても飲酒に係る自粛要請活動をしています。 そのほかにも、渋谷駅周辺のコンビニエンスストア等の協力による店頭への路上飲酒自粛ポスターの掲出、駅前大型ビジョン、SNSやホームページを活用した啓発活動に取り組んできたところです。 御質問にあります飲食店における酒類提供の停止や公共の場での飲酒を制限するルールづくりや条例についてですが、本区では、ハロウィーンやカウントダウンなど特定の期間に限り、「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」に基づき、公共の秩序を維持するために一定程度私権を制限することがやむを得ないと認められる必要最小限の範囲で、適用エリアや期間、時間を限定して、公共の場所における飲酒を禁止しています。 しかしながら、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の期間中の規制ということであれば、感染症の拡大抑止が主たる目的となることから、広域的な対応が求められるため、一基礎自治体の条例にはなじまないものと考えますが、路上飲酒の問題は社会的にも関心が高まっていることから、国や都に対して、緊急事態措置におけるさらなる規制の強化などを要望してまいります。 次に、ベビーシッター利用料金助成についての御質問です。 令和2年度においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う保育園の保育の縮小または臨時休園の際、保護者が仕事を休むことが困難で、ベビーシッターを利用した場合の利用料金の一部を助成していました。 令和3年度についても、東京都から本事業を実施する旨の通知がありました。区での事業開始の準備が整い次第、ホームページ等で周知を行い実施してまいります。突然の臨時休園でお困りの御家庭に対して御案内します。 次に、ワクチン接種についてのお尋ねです。 まず、これまでのワクチン接種のオペレーションの総括と、基礎疾患を有する方の対応を含めた今後の予定についてお答えします。 今回のワクチン接種予約に係る受付体制について、当区のワクチン接種の予約方法は、コールセンターとウェブシステム、これに加えて対面で予約を受付する予約窓口の3通りの方法を用意しました。 このうち、コールセンターは、昨年度実施した特別定額給付金の運用を参考にし、回線数を5倍の規模に設定したところです。しかしながら、想定以上の数のお問合せがあり、つながりにくい状況が発生したため、6月からはコールセンターの機能強化を図り、回線数を増やしたところです。今後も状況に応じてさらなる増強を検討していきます。 次に、今後のワクチン接種に係るスケジュールについて、基礎疾患を有する方への対応は、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、中村豪志議員にお答えしたとおりです。 また、一般接種に当たっては、コールセンターへの問合せが集中し、つながらないことによる混乱を防ぐため、接種券は年齢層ごとに時期をずらして送付いたします。 今後の具体的な接種計画は、区のホームページ、区ニュースなどで随時丁寧に発信していきます。 今後は必要数に応じ十分な量のワクチンが供給され、予約枠も各医療機関で準備が整ったところから順次開放していきますので、区民の皆様には安心してお待ちいただくようお願い申し上げます。 次に、7点の御提案についてお答えいたします。 現在の集団接種会場については、今後も運営を継続し、さらに接種体制の強化を検討していきます。 オンライン予約に係るシステム上の課題については、パスワード設定に関することなど、お問合せの多い内容を中心に改善を進めています。 コールセンターの体制については、回線の増強により利便性の向上を図っているところです。 予約の空き状況については、現在も各医療機関の予約状況を一覧できる情報を公開し、日々更新しています。 今後の接種券の送付については、先ほどお答えしたとおり、年齢を分けて順次送付し、2回目の接種予約を含めて円滑な予約受付を実現していきます。 また、予約の方法が分からないなどの事情がある高齢者を支援するため、民生委員・見守りサポート協力員の皆様が接種を受けることができるよう、余剰ワクチンの活用も含めて検討し、エッセンシャルワーカーである保育士や教職員への接種についても同様に進めていきます。そのほか優先して接種する対象については、それぞれの役割や特性を見極めながら、今後の接種体制を踏まえて検討していきます。 次に、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」について2点のお尋ねです。 初めに、長期基本計画の評価についてです。 長期基本計画は、平成29年(2017年)度から令和8年(2026年)度までの10年間を期間とする中長期的な施策プランであり、本区が解決していかなければならない様々な課題とそれに対応していくための区政の方針を示しています。 また、計画の策定に当たっては、施策を評価するための現状値と目標値などの指標を設定し、施策の進捗管理が適切に行えるよう留意しました。 議員御発言のとおり、今年度は長期基本計画の計画期間の5年目となりますので、計画策定時に設定した指標の進捗状況を測定する必要があると考えています。まずは庁内で進捗評価を行い、EBPM推進と連携したPDCAサイクルの構築を検討してまいります。その上で課題解決に向けて加速させるべき事業には、より注力し、また、コロナ禍における状況に応じた事業の見直しも行い、基本構想の実現に向けて計画を着実に進めてまいります。 次に、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」についてのお尋ねです。 本年第1回定例会の所信表明で申し上げたとおり、現行の条例は、2つの条例に進化させたいと考えています。 まず、多様性社会推進の理念を定義する条例についてですが、現行条例が理念として掲げた多様性社会推進は、その後策定された基本構想がうたう広義のダイバーシティ&インクルージョンという価値観に進化し、渋谷区に関わる多くの人々の共感を生み、広く注目されていると感じています。この姿勢を未来に継承し、区政全般に通底する価値観を定義する条例としたいと考えています。これにより、多様性を受け入れ発展してきた渋谷の歴史をしっかりと受け継ぎ、未来の区政への礎としたいと考えています。 次に、包括的な人権条例ですが、議員御指摘のとおり、真にインクルーシブな渋谷区を実現するためには、様々な人権課題に真正面から取り組むことが欠かせません。 喫緊の人権課題として、まずDⅤセンター機能の整備、多文化共生の推進、障がい者差別禁止の追加を考えています。 一方、それぞれの課題には、やさしい日本語といった情報へのアクセス保障、アウティング禁止を含むプライバシーへの配慮、昨今増えている総合的困難への対応体制、そして性的マイノリティの排除やヘイトスピーチ等に関する苦情申立てのプロセスなど、共通する問題が多く含まれます。 そこで、これらの問題を横串となる共通課題と定義することで、それぞれの人権推進が縦割りに陥らない、渋谷区らしい全庁的なソーシャルインクルージョン推進につなげたいと考えています。 そして、包括的人権条例をしっかりと推進するには、それに見合った人員体制が求められます。人権課題については、現在は総務課と男女平等・ダイバーシティ推進担当課で分担していますが、複合的困難への対応など、全庁的な連携の旗振り役となる組織のありようについて、目下検討中です。 次に、DⅤ相談についてのお尋ねです。 DⅤセンター機能整備の考え方として、性的マイノリティであっても、男性であっても、性別にかかわらず、そして年齢にかかわらず、安心してDⅤ相談・支援につながることが大前提になると考えます。 そして現在、地域共生社会の実現に向けて、様々な課題を関係所管が連携して対応していくための重層的支援体制の整備に向けた検討会を設置したところですが、ジェンダー平等の視点は重要な論点の一つだと考えています。外部の社会資源との連携を含めたDⅤセンター機能の整備事業は、この議論の先鞭をつける取組であり、複合的困難の対応におけるロールモデルになると考えています。 また、日本では配偶者からの暴力をDⅤと定義していますが、海外ではより広義のIPV、親しいパートナーからの暴力、もしくはファミリーバイオレンスとして取り組まれています。 こうした視点も踏まえ、総合的に人権推進を所管する部署が中心となり、DⅤセンター機能及びたらい回しを発生させない運営モデルの構築を目指します。 次に、渋谷区独自の性教育メソッドの検討に関する質問です。 年初、多様なグループを対象に男女平等及び多様性社会推進に関する意識調査を実施しました。区内中学校2年生にも協力してもらい、500名近い回答が集まりました。 その中には、性的マイノリティに該当する子どもたちもいましたが、うち約20%が「LGBTQという言葉を知らない」と回答し、また約15%が「性の多様性に否定的」な回答をしました。そして、これらの数値は中学2年生全体より高い傾向を示していました。これは、「ちがいをちからに変える」共生社会づくりを標榜し、かつ性的マイノリティの課題に先駆的に取り組んできた私にとって非常にショッキングなデータでした。 日本の性的マイノリティの子どもたちが、自分の性アイデンティティについて意識し始めるのは五、六歳頃からで、ほとんどの子どもたちが高校2年生頃までに確信を持つという調査研究があります。また、子ども時代に自己肯定感を養う機会に恵まれないことが、自死や依存症などにもつながる、一生影響が続く問題であるとも指摘されています。 性的マイノリティの子どもたちに限らず、全ての子どもたちが自らの性アイデンティティに関する知識を持ち、肯定的に受け入れるためには、幼少期からの取組が欠かせません。 一方で、性教育については、学習指導要領に基づき、発達段階に応じて計画的に指導していくことが大切であると考えています。幼児期や小学校低学年においては、それらの学習に必要な素地を養う重要な時期として、保育や指導に当たり、自己と他者の違いに気づく、いたわり合う心を育てるなど、人間関係の基礎を学ぶことに重点が置かれています。 今後とも、子どもが性に関する正しい知識を身につけ、適切な意思決定や行動選択ができるよう、教育委員会と連携し、性教育の充実に向けた取組を推進していきたいと思います。 次に、子育て支援についての御質問です。 初めに、待機児童数と保育の質の確保についてです。 区政の最重要課題として取り組んできた待機児童対策は、この4月をもって待機児童の解消を達成しました。この間の取組に御支援、御協力をいただいた地域の皆様、区議会、関係機関の皆様に改めて感謝申し上げます。 さて、今後の保育への取組としては、待機児童ゼロを継続させていくことと、区立、私立とも保育の質をさらに向上させ、保護者の保育ニーズに的確に応えていくことにあると考えます。 待機児童解消により区内全域での保育需要への対応は一定程度できているものと判断していますが、各地域の状況や子育て世帯のニーズの把握を怠ることなく、今後も臨機応変かつスピーディーに保育施設の整備や保育サービスの拡充に取り組む必要があります。 また、保護者が希望する園にできるだけ入園できるように、効率的かつ適切な入園調整を行っていくことが重要となります。このことについては、産学民連携による「マーケットデザインの手法を用いた入園調整の改善に関する実証実験」を今年度から開始し、入園調整のアルゴリズムの最適化や、申請手続のデジタル化についての検証に取り組みます。 保育の質の向上についても、区の巡回指導チームと外部の専門団体とが連携し、各保育園のボトムアップに取り組むとともに、東京都と連携した指導検査の強化に努めてまいります。 次に、子育てネウボラと医療的ケア児についての御質問です。 医療的ケア児とは、心身の機能に障がいがあり、呼吸や栄養摂取、排せつなどの際に医療機器やケアを必要とする児童であり、区内においても受入れを行っている保育園があります。 医療的ケア児を安全に保育園でお預かりするためには、児童に関連する医療機関や福祉関係者と受け入れる保育園の密接な連携が不可欠となります。そのため、区では保育課を中心として、保育園、子ども発達相談センター、訪問看護の担当者、医療的ケア児の専門家などが参加するカンファレンスを開くこととしています。 このカンファレンスでは、児童が安全に楽しく保育園での生活が送れるよう、支援の方針、睡眠や食事などの生活状況、保育園で必要となるケアの実際の方法などについて、情報を共有し意見交換を行い、保育計画に反映していきます。 議員御提案の母子健康システムによる情報共有の仕組みは、今後の研究課題となりますが、子育てネウボラをはじめとする関係機関の密接な連携による医療的ケア児のサポート体制をしっかりと整えてまいります。 次に、福祉分野との連携についてのお尋ねです。 子ども発達相談センターでは、御家庭のニーズや子どもの状況に応じて、就学前から就学後も療育につなげられるよう相談体制を整備しています。 当センターでは、従来から障害児相談支援事業を行っており、相談支援専門員を配置し、個別相談、行動観察の後、サービス等利用計画を作成しています。また、利用者が医療機関や障がい者福祉課を訪れることなく、センター内で医師の相談や療育利用の判定を行い、受給者証の申請に関する手続支援を行うことで、スムーズに療育につながる仕組みとなっています。 また、地域の実態を把握している自立支援協議会子ども部会とも課題や情報を共有し、様々な支援情報を発信するなど、相談の充実に努めていきます。 次に、障がい者福祉について2点のお尋ねです。 まず、移動支援については、移動支援事業所による支援者の確保が課題となっています。区では年2回、移動支援従業者養成研修を実施し、資格取得の推進及び支援者の確保に努めています。 しかし、資格を取得しても支援者としての登録が進んでいないことや、移動支援の利用者とのマッチングも難しいこともあり、利用者ニーズへの対応ができていない要因ともなっています。 そのため、現在、過去3年間の養成講座参加者に対して、支援者としての活動状況や活動していない理由などのアンケート調査を実施しています。アンケート結果を活用して、養成講座に参加し資格取得した多くの人が支援者として活動されるよう、対応策を検討していきます。 議員御提案の福祉系大学の学生や、S-SAP協定を締結している大学の学生にサポートに入ってもらうことについては、支援者確保の取組の一つとして、養成講座の周知を行うなど検討してまいります。 また、区が事業者に支払うサービス費の増額ですが、通学時等の短い時間帯の利用実態を踏まえて、既に一定の対応をしていますが、さらなるサービス費の増額が支援者を確保することにつながるかはしっかりと検証の上、検討してまいります。 次に、児童発達支援センターについてのお尋ねです。 児童発達支援センターは、日常生活の基本動作の指導、自立に必要な知識や技能の習得、集団生活への適応訓練を受けるための施設で、国の指針により各区市町村に少なくとも1か所以上設置することが基本とされています。設置に当たっては、児童発達支援事業のほか、食事の提供や定期健康診断も実施することから、指導訓練室や遊戯室のほか、医務室や調理室などの設置も必要となります。 現在、区では障害者福祉センター「はぁとぴあ原宿」及び「代々木の杜」で児童発達支援事業を実施していますが、児童発達支援センター設置に当たっては、療育の中核的役割を担うことが重要であり、両施設における役割や支援内容の見直しも含め、今期の渋谷区障がい福祉推進計画期間内の設置に向けて検討を進めてまいります。 次に、高齢者福祉についてのお尋ねです。 まず、地域包括支援センターについてです。 地域包括支援センターは、高齢者福祉と介護保険サービスの相談・調整・手続を行う地域の相談窓口として区内に11か所設置しています。要介護認定を受けた方に介護保険のサービスを御案内するだけでなく、65歳以上の全ての方が利用できる一般介護予防事業等も御案内しているところです。 介護予防事業等の最初の窓口となる地域包括支援センターをより身近な存在として知っていただくことは、健康寿命の延伸とともに、何かあったときに必要な支援やサービスの提供をスムーズに開始するために重要であると考えます。 今後は今まで以上に地域に入っての広報活動、区ニュースでの定期的な周知に努めるとともに、議員からの御提案でもありました高齢者の方が元気でいられるようなプログラム情報の展示の充実等を図り、地域の高齢者と顔の見える関係を早い段階から築くための取組をさらに充実してまいります。 次に、「なんでもスマホ相談」について2点のお尋ねです。 初めに、ITリテラシーを高めるための対処法についてのお尋ねです。 スマホを利用する高齢者が詐欺被害に遭わないためには、詐欺の種類・手口を知ることや、防止策を講じることが必要であり、自ら身を守ることに加えて、行政がそのサポートを行っていくことも重要です。 なんでもスマホ相談では、こうした詐欺被害に遭わないための御相談を受けることも可能であり、多くの方に気軽に御利用いただきたいと考えています。 また、今年度からは、これまで区が実施してきた端末の操作講座に加えて、新たに「詐欺被害防止講座」をはじめとする各種講座内容を充実させることで、ITリテラシーの向上にも取り組んでまいります。 次に、なんでもスマホ相談の拡充についてのお尋ねです。 なんでもスマホ相談は、本年5月から相談会場を拡大しましたが、各相談会場では、多くの方からのお申込みをいただいている状況です。 このような状況から、スマホ利用者が簡単な端末操作等を気軽に相談できる環境を整備していくことは、私自身も重要であると考えます。 議員御提案の相談会場の施設職員が簡単なスマホ操作等の質問に対応できる体制づくりにつきましては、しっかりと取り組んでまいります。 次に、終活についてのお尋ねです。 単身高齢者、さらには認知症高齢者が増加傾向にある社会情勢を踏まえ、人間としては避けることができない死に備えて、自らの人生の終わりに向けた終活をされる方が増えています。 本区は、これまで認知症フォーラムでの講演会、地域包括支援センターで行っている地域ケア会議、介護する御家族向けのリフレッシュ交流会などにおいて終活をテーマとして取り上げ、遺言や相続、成年後見制度などについて情報提供を実施してきました。 また、地域包括支援センターとケアマネジャー等が連携を図り、必要な区民の方へは、積極的に渋谷区成年後見支援センターへつなぎ、任意後見制度の利用に結びつけるなどの支援も行っています。 議員御提案の相談会やセミナー開催につきましては、渋谷区成年後見支援センター等と連携を図り、残される家族のための遺品整理や相続財産の処分など、生前にすべきことを区民に理解いただけるような相談会や講演会などの開催を検討してまいります。 次に、大切な方を亡くされた後の事務手続について、チェックリストを区のホームページに公開してはどうかとの御提言です。 現在、戸籍の死亡届をお受けしている住民戸籍課の窓口では、必要に応じて「ご遺族の方へ」という冊子をお配りしています。 この冊子は、御遺族向けに区役所の手続を御案内しているものです。冊子の最後には、手続のチェックリストを設けており、内容は、銀行口座、携帯電話の解約や公共料金、土地建物の名義変更などの手続場所等を御案内しております。 区のホームページでは、「渋谷区でこんな時は:おくやみ」というカテゴリーの中で、区に関連する手続についてまとめて掲載しております。多岐にわたる手続について、手続漏れが起きないよう、網羅的にさらに分かりやすく掲載できないか、御提案のチェックリストの掲載も含めて研究してまいります。 次に、「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの協議会」の設置についてのお尋ねです。 議員の御指摘もあるとおり、国の指針において、精神障がいの有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障がい福祉・介護、住まい、社会参加、地域の助け合い、教育が包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築が示されております。 本区においては、地域福祉計画の策定を進めており、その中において、さらに幅広い視点からの地域共生社会の実現に向けて、重層的支援体制の構築を目指しています。また、精神障がい者への対応としての保健・医療・福祉関係者による協議の場については、今後、「渋谷区障がい福祉推進計画」において今年度中に設置することとしており、自立支援協議会内にある精神ネットワーク会議を活用する方向で検討を進めています。 次に、精神障がいに伴う入院患者への保健師の支援についてですが、令和2年度には精神障がいに伴う入院をされた方のうち、保健所が把握した25人に保健師が支援を行いました。退院後の環境が整っている場合や短期入院等で入院中に対応できない場合を除き、通常は入院中に病院を訪問し、病院と連携しながら福祉的視点も入れた退院後の支援方針を立て、地域生活への円滑な移行支援や必要な方には同行受診等を実施しています。昨年度はコロナ禍で病院に直接訪問ができない場合があり、オンラインや電話等も活用しました。区外に転出された1例を除き、退院後も支援を継続しています。 次に、積極的に寄り添う体制づくり、保健師の育成について順次お答えいたします。 令和2年度に3つの保健相談所で対応した相談は、電話1万1,940件、面接2,302件、訪問2,144件で、そのうち精神保健分野のものは、電話3,965件、面接753件、訪問585件でした。 その中で、ほぼ8割の相談について、来所や電話、あるいは保健師の訪問等で複数回の対応をしています。保健所におけるアウトリーチは、専門医療機関での治療の要否を見極め、必要な場合は家族や医療機関と連携して受診につなげることを目標に、保健師が電話等により連絡を取り、来訪することを基本として行います。昨年度行った人数は23人でした。 次に、相談窓口のPRにつきましては、自殺対策月間及び自殺予防週間に区ニュースや区ホームページ、デジタルサイネージを活用し、重点的に発信しています。今後は、相談窓口をお知らせするリーフレットの設置場所の拡大やSNS等を活用することで、さらなる充実を図ります。 また、保健師の人材育成につきましては、昨年度より渋谷区保健師人財育成計画に基づき、精神保健分野も含めて事例検討や研修、OJTを進め、専門的なスキルの向上を行っています。 保健相談所で受ける相談のうち、最終的に精神科医療機関の受診につながる件数は把握しておりませんが、相談の内容によって何度も相談支援を行った上で医療機関につなぐ場合もあります。その後も必要に応じ訪問等によって切れ目のない対応を行っています。 次に、庁内の横断的な体制強化と相談窓口の強化について、24時間対応の相談の確保について順次お答えいたします。 平成25年度に開始したゲートキーパー養成講座は、区役所の窓口担当職員を中心に研修を行い、庁内の横断的な体制強化を行ってきました。昨年は、区役所以外にも区民との関わりが深い機関の方にも拡大していくこととしており、昨年度は歯科医師会と協働して研修会を行いました。今後は、保健所等の必要窓口につながるよう、理容美容師業界の方を含め広く受講していただくように検討します。 次に、24時間対応の相談の確保ですが、現在、保健相談所等が対応できない夜間や休日でも区民が安心して相談できるよう、SNSも含めた国や都の複数の相談窓口により24時間体制が確保されており、区はリーフレットやホームページにより周知を図っています。 お示しいただいたNPOと区が直接連携していくことについては、今後の検討課題としていきます。 次に、産後鬱対策について、現在の対応、産科医との連携、心療内科等の医療機関との積極的な連携についてのお尋ねです。 産後鬱対策では、関係機関が連携して早期に対応を図ることにより、産婦の不安や負担を軽減し、重症化を未然に防止するよう努めています。 出産後、産科では、退院時や1か月健診などの機会を通じ、支援を必要とする産婦の情報を保健所に提供していただき、状況により診療内科や精神科等とも連携を図りながら、区の保健師による個別支援につなげています。 また、退院後も、区では「新生児訪問」や「こんにちは赤ちゃん訪問」に際して「産後うつ病質問票」によるスクリーニングを行っており、リスクのある産婦の把握に努めています。その結果に基づいて、区の事業を活用した支援を行うほか、リスクが高く専門的な対応を要する産婦については、心療内科や精神科などの医療機関に適切につなぎ、連携を保ちながら、継続的な支援を行っています。 今後も渋谷区子育てネウボラの中で、関係機関が一体となり、切れ目のない支援を行ってまいります。 次に、生きづらさ、望まない孤独を感じている人たちの相談支援についてのお尋ねです。 区民ニーズが多種多様化する中、どの窓口に相談すべきか迷われたり、一つの窓口では完結しない事案も発生しています。これらの課題解決を図り、地域共生社会を実現するためには、対象者や制度・分野ごとの縦割りで対応するのではなく、全庁横断的に取り組んでいかなければならないと考えています。 そのため、本人・世帯の属性にかかわらず、地域の様々な相談を受け止める「断らない相談窓口」の設置に向けた検討を進めているところですが、議員御提案のとおり、実績がある事業者の活用も有用な手段であると思います。 相談後のサポート方法も含め、今後、真に効果的かつ重層的な支援体制の構築を図っていく際には、民間の見地を取り入れるなどあらゆる角度から検討を進め、渋谷区版地域共生社会の実現に取り組んでまいります。 次に、区の障がい者雇用率についてのお尋ねです。 ダイバーシティ&インクルージョンの理念の下、職員一人一人の能力や個性を十分に発揮することができるよう、本年4月に「ちがいをちからに変える 人財活躍支援アクションプラン」を策定し、次世代育成支援と女性活躍推進に加えて、障がいのある職員の活躍を推進する計画を定めました。 この計画に基づき、障がい者を対象とした常勤職員の採用に加えて、会計年度任用職員の障がい者採用を積極的に実施し、早期の法定雇用率充足を目指します。また、職場の受入れ体制や執務環境等の整備を推進し、障がいのある職員の採用後1年の定着率100%を維持してまいります。 次に、精神疾患の方を就労へつなげる仕組みについてのお尋ねです。 区では、障害者就労支援センター「ハートバレーしぶや」において、一人一人のライフプランを見据えて、相談、就労準備支援、職場開拓、職場定着支援など、障がいのある方の就労支援を行っています。 再就職を目指す障がいのある方については、現在は個別の相談支援や就労準備としてのパソコン実習などを行っています。 議員御提案の精神疾患からの復帰を目指す方々のための、実践的な就労支援の場となる作業所の設置については、直ちに実現することは困難と考えますが、民間における様々な取組を参考にしつつ、区内の作業所やS-SAP企業との情報交換や連携を含め、取組を検討してまいります。 次に、防災対策について3点のお尋ねです。 まずは、渋谷区避難所運営基本マニュアルについてですが、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、中村豪志議員にもお答えしましたが、本区では、新年度中に自主防災組織など関係者の意見を反映させた「避難所運営基本マニュアル」を完成させ、今年の4月に区ホームページで公開しています。 今年度は、このマニュアルと、避難所開設時に最低限必要な情報をまとめたコンパクトサイズの「クイックマニュアル」をそれぞれ2,000部ずつ印刷して、避難所や風水害時に開設する自主避難施設の運営に係る関係者に配付し、内容の周知と普及をさらに進めます。 また、33か所の避難所のうち23か所で避難所運営委員会が設置されておりますが、未設置の10か所の避難所や、訓練などの活動が十分にできていない7か所の避難所関係者には、改めて説明会などの場を設定して、本マニュアルに基づいた避難所運営委員会の組織化や運営支援を強力に推進してまいります。 次に、指定避難所でのシミュレーションについてのお尋ねです。 これまでも一部の避難所においては、停電を想定した夜間訓練などを実施しておりますが、議員御指摘のように、ライフラインが停止した場合を想定した訓練は、実践的で効果的な訓練と考えます。 このような訓練方法を他の避難所でも実施し、訓練で得られた知見に基づきマニュアルを見直し、改善を図るなど、PDCAサイクルに基づいた継続的な取組を進めてまいります。 次に、「自宅で防災キャンプ」についてのお尋ねです。 議員の御提案にあります「自宅で防災キャンプ体験」は、平時において災害時の状況を疑似体験することで避難生活に備えた実践的な訓練になると考えます。また、家庭で必要な備蓄や準備など、どのようなものが不足するのか、どのような対策をさらにすべきか、在宅避難のための課題を認識して、防災意識を高めるための有効な方法であると考えます。 このような家庭での防災の取組を、防災キャラバンや防災フェスなどの機会やSNSを活用して普及することを検討してまいります。 地域振興について2点のお尋ねです。 初めに、町会ホームページの作成についてです。 地域の情報は、ホームページ等を作成し情報発信するなど、先駆的に取り組んでいる町会もありますが、多くの町会では、町会掲示板や回覧板、各町会での集まりなどを通じて発信しています。 現在のようなコロナ禍においては、これまでのように、イベントや集会など直接集まることが困難で、従来の方法では情報が伝わらない状況があります。このような中で、議員御提案のホームページを作成し、様々な地域の情報を提供することは、これからの町会の活性化にも効果があると考えます。 しかしながら、ホームページには、初期コストや運用コストが発生するほかに、更新のたびごとに閲覧していただけるかなどの課題もあります。コスト面や利便性を考えると、まずはフェイスブックやLINEなどのSNSを活用することが情報発信として適切と考えます。 町会の中には、パソコンの操作や仕組みが分からない等の理由で導入に踏み切れない町会も少なくないと思います。これらのSNSを各町会が活用するためのノウハウをどのように提供できるかについて、今後の検討課題といたします。 次に、町会長の負担を軽減できないかとのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、会員の高齢化や担い手不足により、役員の方の負担が増えていることは認識しております。 各地域の出張所においては、現在も町会で開催される各種会議や行事などの運営のサポートを積極的にしているところです。 今後も町会からの御意見をお伺いし、様々な課題を解決するように、身近な出張所においてもしっかりとサポートしていきます。 次に、区民サービスについて2点のお尋ねです。 初めに、区ホームページにおけるアクセシビリティ改善の進捗と今後についてです。 本区のホームページのアクセシビリティについては、高齢者や障がい者、そして外国人の方への配慮を進めています。具体的な作業としては、写真などの画像ファイルにキャプションをつけるなどして、多言語対応や読み取り機能利用者への細やかな配慮を重ねています。 昨年8月には、自動翻訳の対象言語にフランス語を追加し、4か国語対応とするほか、本年3月に改訂された「渋谷区洪水ハザードマップ」を英語、中国語、ハングル語で発信しています。 また、「しぶや区ニュース」を電子書籍化して、日本語を含む10か国語で閲覧いただけるとともに、各言語での読み上げや文字の拡大表示に対応できるように改善しているところです。 さらに、今年度の取組としては、高齢者や視覚障がいのある方、細かいマウスの操作が困難な方向けに、色の明暗、文字や行間、リンクボタンの位置などをカスタマイズできるような調整機能等を追加してまいります。 その上で、現在、アクセシビリティ改善向上に向け、先端技術を有する事業者へのヒアリングや技術実装に向けた要件を検討しています。今期内の導入を目標に準備を進めていますので、逐次議会への御報告をさせていただきたいと思います。 次に、民間サービスの向上、職員の負担軽減の観点から番号検索の導入のお尋ねです。 番号検索機能は、区民からの電話による問合せに区職員がお答えする際には、有効な回答手段の一つであると考えます。 一方、本区のホームページにおいては、サイト内検索における使いやすさや有用性といったユーザビリティ改善をAIチャットボットが担っています。利用者は、知りたい情報を24時間365日いつでも入力することができ、人工知能を組み込んだAIチャットボットが、問合せにタイムリーに対応することが可能です。その対応件数は、直近の月平均は約5,000件です。時間や場所を選ばす、知りたい情報にアクセスできるよう継続的にAIチャットボットの強化を行ってまいります。 今後もダイバーシティの推進を掲げる本区におきましては、御提案の機能を含め、よりよいシステムやツールの導入を常に研究し、アクセシビリティの改善によりさらに使いやすいホームページにするための整備を進めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(斎藤竜一) この際、会議時間の延長をいたしておきます。 五十嵐教育長。 ◎教育長(五十嵐俊子) 私には、感染症対策について1点、教育について8点、合わせて9点のお尋ねがありました。順次お答えいたします。 初めに、幼稚園及び小中学校内での感染症対策についてのお尋ねです。 陽性者情報があった際の各御家庭での対応については、「渋谷区立園学校版感染症予防ガイドライン」等により、学校が保護者に対し周知を行っていますが、議員御提案のとおり、今後は視覚的にも分かりやすいものでお示しできるよう検討してまいります。 また、昨年の臨時休校の段階から「新型コロナウイルス感染症 学校・園・教育委員会の対応マニュアル」にのっとり、それぞれの学校での感染状況を勘案しつつも、全ての学校で同一の対応を行っているものと認識しております。 次に、PCR検査に関することは、学校教職員が行うべき業務ではないと考えています。 次に、待機期間中の授業の対応についてです。 教育委員会では、児童・生徒が自宅待機になった場合は、オンライン等を活用して健康状態や学習状況を把握するなど、個別に対応するよう指導しています。 4月25日からの緊急事態宣言中には、臨時休校を余儀なくされた場合に備え、いつでもオンラインを活用した授業に切り替えることができるように万全な準備を行い、何度か試行しております。 分散登校になった場合は、対面指導とオンライン学習とのハイブリッド化になります。教育委員会といたしましては、感染症対策の観点から、どのような状況であっても児童・生徒が安心して授業が受けられるよう、新しい時代の学びのための環境を整えて学校を支援していきます。 次に、渋谷区のインクルーシブ教育のビジョンとその意気込みについてと、インクルーシブ教育を実現するためのガイドライン作成についてのお尋ねですが、一括してお答えいたします。 まず、教育活動において、一人一人の子どもたちが持てる能力を十分に発揮して、社会性を養い、豊かな人間性を育むことができるよう、教育的ニーズに応じた合理的配慮を行っていくことが基本にあると考えます。 そのために教育委員会といたしましては、教職員が特別支援教育を十分に理解し、ICTを活用した個別最適な学びを実現できるよう、研修の充実を図ります。 また、「渋谷区学校施設長寿命化計画」では、障がいの有無にかかわらず、子どもたちが一緒に学び、自然に交流が生まれる環境を目指しています。 今後は多様な学びの場を整備するとともに、その学びの場を柔軟に選択できるよう、転学相談を充実させていきます。 交流及び共同学習では、特別支援学級と通常学級との交流はもとより、都立特別支援学校との副籍交流や、特別支援学級同士の交流等も深め、お互いを尊重し認め合う心を育んでまいります。 なお、「交流及び共同学習ガイドライン」は、教育委員会で文部科学省が示すガイドラインを基本とし、秋頃を目途に策定しているところです。今後、さらに交流活動を推進する中で、子どもたちや保護者、地域の声をしっかりと受け止め、各校の特色ある教育活動に反映させ、多様性を理解し受け入れることにつなげてまいります。 次に、自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置及びフリースクールの設置についてのお尋ねです。 現在、自閉症等知的障がいを伴わない発達障がいのあるお子さんへの支援としては、全ての小中学校に設置されている特別支援教室において、社会性を育む自立活動を中心に、個性や能力、発達状況により内容や指導時数を決め、個別指導や小集団指導を行っています。 議員御提案の自閉症・情緒障がい特別支援学級は、個別指導室、プレイルーム等の教育環境を適切に整えると同時に、専門的な対応が欠かせないため、すぐに開設することは困難ですが、「渋谷区学校施設長寿命化計画」を具体化していく中での研究課題とさせていただきます。 なお、既存の学校と異なる目的のフリースクールはもとより、既存の学校の代替的なフリースクールの設置については、多様な教育の機会を広めていくという同じ理念ではありますが、義務教育制度の中で渋谷区の教育の充実と発展を目指しているため、現時点では考えておりません。 次に、特別支援学級における個別指導計画についてのお尋ねです。 各学校では、学習指導要領に基づき、特別支援学級や通常の学級などにおいて、特別な支援を要する児童・生徒の実態を的確に把握し、必要な支援を踏まえた指導を実施しています。個別指導計画の見直しについては、観察やアセスメント等を通して、全ての教員が関わる中で、個々の児童・生徒の変容を把握し、目標を再設定することでさらなる成長を促すとともに、指導方法の評価・改善を行っています。 教育委員会といたしましては、児童・生徒の実態に応じた指導が組織的・計画的に実施されるよう、個別指導計画の意義や活用方法について継続的に教員研修で指導するなどして、特別支援教育の一層の充実に取り組んでまいります。 次に、特別支援学級における区独自の教職員の採用についてのお尋ねです。 現在、特別支援学級においては、区費の特別支援学級補助員だけでなく、支援を要する児童・生徒に介助員を配置しており、それぞれの教育課程に基づいた交流活動を行っています。 教員配置につきましては、国・都の基準に基づき県費負担教職員の人材配置を行っているため、御提案の区で独自採用をする考えはありません。 今後とも現状の体制を最大限活用しながら、一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行ってまいります。 次に、教育センターの役割についてです。 まず、教育センターにおける心理テストについては、今年度は外部機関に委託し実施することとしています。 次に、教育相談体制についてですが、これまで基本的には教育センターは義務教育段階の児童・生徒についてを、就学前の子どもについては保健所や子ども家庭支援センター、子ども発達相談センターで最初の相談を受ける体制となっていました。 このたび渋谷区子育てネウボラを設置することにより、議員御発言の発達障がいに関する相談など教育センターでは対応し切れない相談もスムーズに関係部署につなぐことができます。 また、教育センターにおいては、引き続きスクールソーシャルワーカーが8名体制で定期的に学校へ訪問して学校との連携を深めてまいります。相談を受けた児童・生徒に係る情報を学校と迅速に共有し、関係機関等と連携して不登校やいじめ等の課題が早期に解決できるよう支援してまいります。 いずれにいたしましても、教育センターも渋谷区子育てネウボラのチームの一員として、引き続き児童・生徒の学び権利が保障されるよう関係機関と連携した取組を進めてまいります。 次に、けやき教室についてです。 けやき教室は、学校に行きたくても行けない子どもたちの学校復帰等を支援するための教室として、非常に重要な役割を担っていると認識しています。 また、議員御指摘のとおり、けやき教室から離れた地域に居住するために通学することが困難な児童・生徒がいる可能性はありますが、現時点においては、他の地域への設置については検討しておりません。まずは、スクールソーシャルワーカーの定期的な学校訪問による相談やフォロースタッフの派遣などにより支援してまいります。 最後に、図書館についてのお尋ねです。 「りんごの棚」の設置と、図書館職員のアクセシビリティ図書への理解及びそのPRについて一括してお答えいたします。 渋谷区の図書館では、アクセシビリティに考慮した本を各種所蔵し、児童コーナーに「だれでも絵本コーナー」を設置して、点字絵本、ユニバーサルデザイン絵本、布絵本などを展示しています。しかし、外国語の本、大型活字本、LGBTQ関連の本や性教育の本は、従来の分類に従い、それぞれの棚に配架しています。 議員御提案の「りんごの棚」を設置すれば、一つのコーナーで幅広いインクルーシブ情報に触れることができ、全ての人が楽しみ、学び合い、ひいては様々な人が交流できる場になる可能性もあると思います。図書館の規模に応じて工夫をし、順次「りんごの棚」を設置してまいります。 また、この設置をきっかけに、改めて図書館職員にアクセシビリティな図書について館内研修を行うなどして再認識させ、積極的にPRしてまいります。 以上、私からの答弁をさせていただきます。
    ○議長(斎藤竜一) 32番岡田麻理議員。 ◆32番(岡田麻理) 区長、そして教育長より御丁寧な、そして前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。 ワクチン接種については、本当に現場の皆さん、また職員の皆さん、本当に真摯に対応してくださっております。本当に感謝をしております。是非今後はまたさらに分かりやすいオペレーションとなって進めていただきますように、お願いをいたします。 また、多様性条例関連については、これは大いに期待をしております。 待機児童の解消、こちらは解消したということで、本当にうれしいことだなと思います。尽力くださった皆様に心から感謝申し上げます。 また、今後は保育の質の強化をお願いいたします。 子育てネウボラについては、福祉との連携、また教育センターもかなり強化されると思います。また、母子保健システムの利用についても積極的に進めていただき、真にシームレスなサポートをお願いしたいと思います。 また、心の健康と生きづらさを感じている人たちへのサポートについて、相談が強化されるということで、これも非常にうれしいなと思います。是非進めていっていただきたいと思います。 こちらについては、まだまだ伸び代があると感じております。重要な課題として、今後会派の仲間に委員会等で引き継いでいってもらうようにいたします。 「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」、この取組は本当に全国的にも大きなインパクトを与えていると感じております。実際に渋谷区に魅了されて、またインクルーシブ教育を期待して転居された御家族もいらっしゃいます。また、実際には渋谷区に転居を検討しているという、そんな御家族からもお問合せが来ております。是非今回の代表質問を機に、より一層インクルーシブ教育の実現に力を入れていっていただきたいと思います。 冒頭の挨拶で触れましたシャンパンタワーの下のグラスがいっぱいになるように、さらに庁内の横断的な対応を強化していただき、また、一人一人が寄り添える、そんな体制をつくっていただき、ダイバーシティ&インクルージョンを目指していただきたいと思います。 今回の質問内容については、引き続き、区長、副区長、教育長、理事者の皆様と議論を深めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 最後になりますが、シブヤを笑顔にする会は、これからも区民をはじめ渋谷で働く、学ぶ、そして渋谷を愛する全ての皆様に寄り添い、声をしっかり受け止めて、課題解決を図り、笑顔あふれる渋谷をつくることで、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」が実現できるよう、8人で力を合わせていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(斎藤竜一) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第1を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第1 会期決定の件----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から6月16日までの15日間とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、会期は15日間と決定いたしました。 日程第2を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第2 同意第3号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第3号は、教育委員として大日方邦子氏を任命するため提出するものです。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。     〔「なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第2を採決いたします。 本件については、区長提案のとおり大日方邦子氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、大日方邦子氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意と決定いたしました。 日程第3を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第3 同意第4号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第4号は、教育委員として臼井国泰氏、旧姓使用、平岩国泰氏を任命するため提出するものです。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。     〔「なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第3を採決いたします。 本件については、区長提案のとおり臼井国泰氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、臼井国泰氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意と決定いたしました。 日程第4を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第4 同意第5号 渋谷区教育委員会委員の任命の同意について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第5号は、教育委員として松本理寿輝氏を任命するため提出するものです。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(斎藤竜一) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。     〔「なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第4を採決いたします。 本件は表決システムにより採決したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、表決ボタンを押し、区長提案のとおり、松本理寿輝氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意することに賛成の方は青ボタン、反対の方は赤ボタンを押してください。     〔複数議員退場〕     〔ボタンにより表決〕 ○議長(斎藤竜一) 押し忘れはありませんか。     〔「なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) なしと認め、確定します。 本件は、賛成者多数。よって、松本理寿輝氏を渋谷区教育委員会委員として任命に同意と決定いたしました。     〔複数議員入場〕 ○議長(斎藤竜一) 日程第5を議題に供します。     〔前崎次長朗読〕----------------------------------- △日程第5 東京都後期高齢者医療広域連合議会議員選挙における候補者の推薦について----------------------------------- ○議長(斎藤竜一) この際、私の一身上に関わることでお諮りを願いますので、地方自治法第117条の規定により、議長の職務を副議長にお願いをし、私は退場いたします。     〔退場〕 ○副議長(薬丸義人) お諮りいたします。 お手元に御配付のとおり、東京都後期高齢者医療広域連合議会議員選挙における候補者として、斎藤竜一議員を推薦することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○副議長(薬丸義人) 御異議ないと認めます。 よって、東京都後期高齢者医療広域連合議会議員選挙における候補者として斎藤竜一議員を推薦することに決定いたしました。 19番斎藤竜一議員の入場を許可いたします。     〔入場〕 ○副議長(薬丸義人) これより議長と交代いたします。 ○議長(斎藤竜一) お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(斎藤竜一) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明6月3日午後1時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------     延会 午後5時10分-----------------------------------上会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長  斎藤竜一渋谷区議会副議長 薬丸義人渋谷区議会議員  神薗麻智子渋谷区議会議員  栗谷順彦...