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  1. 渋谷区議会 2019-11-01
    11月21日-13号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    令和 1年 11月 定例会(第4回)        令和元年 渋谷区議会会議録 第十三号 十一月二十一日(木)出席議員(三十三名)  一番  松本 翔      二番  岡 美千瑠  三番  中村豪志      四番  神薗麻智子  五番  橋本侑樹      六番  中田喬士  七番  小田浩美      八番  金子快之  九番  鈴木建邦      十番  斉藤貴之 十一番  一柳直宏     十二番  近藤順子 十三番  松山克幸     十四番  森田由紀 十五番  田中匠身     十六番  治田 学 十七番  堀切稔仁     十八番  須田 賢 十九番  斎藤竜一     二十番  下嶋倫朗二十一番  久永 薫    二十二番  沢島英隆二十三番  薬丸義人    二十四番  佐藤真理二十五番  吉田佳代子   二十六番  田中正也二十七番  牛尾真己    二十八番  丸山高司 三十番  栗谷順彦    三十一番  伊藤毅志三十二番  岡田麻理    三十三番  五十嵐千代子三十四番  苫 孝二欠席議員(一名)二十九番  木村正義-----------------------------------出席説明員    区長            長谷部 健    副区長           柳澤信司    副区長           澤田 伸    会計管理者         藤本嘉宏    経営企画部長        星野大作    情報戦略担当部長      松本賢司    総務部長          大澤一雅    財務部長          佐藤哲人    施設整備担当部長      黒柳貴史    危機管理対策部長      山中昌彦    危機管理対策監       吉見 隆    区民部長          菅原幸信    オリンピック・パラリンピック担当部長                  安蔵邦彦    文化・都市交流担当部長   佐藤賢哉    福祉部長          藤野貴久    高齢者政策担当部長     鴨井純子    子ども家庭部長       植竹ゆかり    子ども総合支援センター長  松澤俊郎    健康推進部長        山川博之    都市整備部長        加藤健三    まちづくり推進担当部長   江端治朗    土木部長          齊藤和夫    環境政策部長        北原竜也    教育委員会教育長      豊岡弘敏    教育振興部長        鴨志田暁弘    生涯学習・スポーツ振興部長 木下毅彦    選挙管理委員会委員長    福田昭子    選挙管理委員会事務局長   倉澤和弘    代表監査委員        神田健一    監査委員事務局長      丸山喜弘-----------------------------------事務局職員事務局長  斉藤則行    次長    野島一純議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏議事主査  武田真司    議事主査  市川洋子議事主査  杉村洋子    議事主査  井上晴代-----------------------------------       令和元年第四回渋谷区議会定例会議事日程             令和元年十一月二十一日(木)午後一時開議日程第一         会期決定の件日程第二 同意第五号 渋谷区名誉区民の選定の同意について日程第三 同意第六号 渋谷区名誉区民の選定の同意について日程第四 議案第六十号 職員の職務に専念する義務の特例に関する条例の一部を改正する条例日程第五 議案第六十六号 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例日程第六 議案第六十三号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例日程第七 議案第六十四号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例日程第八 議案第六十二号 渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例日程第九 議案第六十五号 渋谷区立社会教育館条例の一部を改正する条例日程第十 議案第六十一号 渋谷区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例日程第十一 議案第六十七号 令和元年度渋谷区一般会計補正予算(第四号)日程第十二 議案第六十八号 渋谷区営住宅等の指定管理者の指定について日程第十三 議案第六十九号 渋谷区立宮下公園の指定管理者の指定について日程第十四 報告第十五号 専決処分の報告について日程第十五 報告第十六号 専決処分の報告について日程第十六 報告第十七号 専決処分の報告について日程第十七 報告第十八号 専決処分の報告について-----------------------------------   開会・開議 午後一時----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) ただいまから令和元年第四回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、九番鈴木建邦議員、二十五番吉田佳代子議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔斉藤事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員を報告します。 木村議員から欠席の届け出がありました。 遅刻の届け出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。 長谷部区長、柳澤副区長、澤田副区長、藤本会計管理者、星野経営企画部長、松本情報戦略担当部長、大澤総務部長、佐藤財務部長、黒柳施設整備担当部長山中危機管理対策部長吉見危機管理対策監、菅原区民部長、安蔵オリンピック・パラリンピック担当部長、佐藤文化・都市交流担当部長、藤野福祉部長、鴨井高齢者政策担当部長植竹子ども家庭部長松澤子ども総合支援センター長、山川健康推進部長、加藤都市整備部長、江端まちづくり推進担当部長、齊藤土木部長、北原環境政策部長、豊岡教育委員会教育長鴨志田教育振興部長、木下生涯学習・スポーツ振興部長福田選挙管理委員会委員長倉澤選挙管理委員会事務局長、神田代表監査委員、丸山監査委員事務局長-----------------------------------   令和元年十月二十一日 渋谷区議会議長 下嶋倫朗殿                   特別区人事委員会委員長 中山弘子 特別区人事委員会は、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与等について別紙第一のとおり報告し、意見を申し出るとともに、別紙第二のとおり勧告する。   〔別紙の朗読を省略いたします〕----------------------------------- 監査委員から令和元年九月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに令和元年第四回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。 この機会に、当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 初めに、防災についてです。 台風十五号、そしてそれに続く台風十九号は、強風で多数の家屋が損壊し、広域にわたり停電が発生した千葉県を初め、関東、甲信、東北を中心とする各県に暴風や河川の氾濫による甚大な被害をもたらし、数多くの方々が犠牲となりました。 ここに改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 さて、今回の本区における台風対応ですが、特に史上最大級と言われた台風十九号への対応は、当初上陸が予想された十月十三日の三日前、十月十日から危機管理対策部と土木部が中心となり、水防連絡会を計四回開催し、自主避難施設の開設等の具体的な対応策を検討しました。 二日前の十一日には、臨時庁議を計三回開催し、鉄道各社の計画運休に伴う区有施設の臨時閉館や渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)の開設披露式典の中止を決定。 また、区内に広域的な災害が発生するおそれがあることから、自主避難施設三カ所のほか、区内の小中学校六校を避難所として開設するとともに、高齢者や障がい者など災害時要配慮者を主な対象とした福祉避難所を三カ所開設することを決定。 翌十二日には、大雨・洪水・暴風の各警報を受け、午前十時には水防本部から災害対策本部に移行し、避難所等十二施設の開設及び「警戒レベル三 避難準備・高齢者等避難開始」を発令。 午前十一時には、第一回目の災害対策本部会議を開き、区内の被害状況、避難所等の開設状況及び避難者数、渋谷川の水位、気象予報等の情報を収集・確認し、その後の災害対策の方針を検討。 第二回災害対策本部会議は、午後二時に開き、台風十九号の勢力や進路を検討し、午後三時に「警戒レベル四 避難勧告」を発令することを決定し、防災行政無線、消防団の広報車、区ホームページ、各種SNSを活用して広報を行いました。 その後、夜半には、各警報が解除されたため、十三日午前二時三十分をもって避難勧告を解除。 十三日午前九時には第四回災害対策本部会議を開催し、被害拡大等のおそれがないことを確認したことから、午前九時三十分に災害対策本部を廃止することを決定しました。 今回、十二カ所の避難所等では延べ五百三十八人の避難者を受け入れました。幸いにして、区内における被害は、倒木や道路冠水が数カ所あったものの、床下浸水、床上浸水等の重大な被害はありませんでしたが、多摩川河川敷にある渋谷区立二子玉川区民運動施設については、多摩川の氾濫により当面利用不可能な状況となりました。 一方、今回の台風対応で水害時における避難所等の開設の時期や設置箇所、避難所の運営と職員の確保、避難勧告等の災害時の情報をとりわけ高齢者の方々にいかに確実に届けるかなど、様々な課題が見えてきました。これらを踏まえ、貴重な教訓として今後の対策に生かしていきたいと思います。 実際に避難所運営を担った自主防災組織や避難所参集職員、さらに避難所を実際に利用された方々の声を生かしながらスピード感を持って対応してまいります。 次に、ハロウィーン対策についてです。 私は、ここ数年、秩序を失い混乱が生じている渋谷のハロウィーンを誰もがモラルとマナーを守り、安全で安心して楽しめるものとするため、本年二月から「渋谷ハロウィーン対策検討会」を設置し、ハロウィーン対策に関する本区の基本的な方針について整理してきました。 第二回定例会において、渋谷駅周辺の公共の場所における飲酒禁止、事業者に対して酒類の販売自粛等を規定した「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」を議決していただき、制定しました。 第三回定例会においては、ハロウィーン対策にかかわる経費について、補正予算案を全会一致で御議決いただき、民間警備の導入や仮設トイレの増設、商店会フラッグによる広報などを柱とし、万全を期した対策を講じることとしました。 私自身も実際に、十月二十六日の土曜日や十月三十一日の当日を中心に渋谷駅周辺を見て回りましたが、昨年と比べると飲酒する人をほとんど見かけることなく、路上に捨てられる缶類等のごみも大きく減っていました。 また、渋谷区周辺のコンビニエンスストアなど四十一店舗中、三十六店舗が酒類の販売自粛に協力してくれました。 このようなことから、条例の制定や民間警備の導入は極めて効果的であったと考えています。 さらに、ハロウィーン前の週末やハロウィーン当日から翌朝にかけて、延べ三千人のボランティアの方々が清掃活動をしてくれました。 十一月一日の早朝には、私も現場で多くのボランティアの方々が黙々とごみを拾っている光景を目の当たりにしました。ごみが片づけられ、一年で一番きれいな渋谷に戻っていることに誇りを感じる一方で、渋谷を愛する人々の心を踏みにじる行為には怒りを禁じ得ません。今回も警察が注意を繰り返したにもかかわらず、路上で大音量の音楽や騒音をまき散らす車が多数出没しました。 私は、「渋谷ハロウィーン 渋谷プライド」のスローガンを渋谷を訪れる多くの人々と共有し、マナーとモラルを守り、秩序が保たれた上で、まちのにぎわいに寄与するハロウィーンにしていきたいと考えています。 今回明らかになった課題を整理し、今後の対策の糧とすることとともに、「渋谷ハロウィーン 渋谷プライド」の輪を広げていきたいと思います。 次に、教育における取り組みについてです。 教育大綱は、私が就任した年、平成二十七年十月に策定したものであり、現在、総合教育会議にて教育大綱を改訂するため検討を進めています。 二期目に当たり「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、違いを認め合い、共存関係をデザインすることをレガシーとしていくこと」や「多様性を可能性に変えていくこと」などの基本的な考え方は変更しない前提で検討しています。 一方で、児童・生徒・教員への一人一台のタブレット配付、コミュニティスクールの全校設置、「支える」スポーツの重要性への理解など、前回策定時と比較して推進された教育施策、また一層推進していきたい施策もあることから、内容を精査しています。 今後、教育大綱をもとに、教育委員会の教育目標、施策の可能性、重要施策、さらには各学校の経営方針が定められることから、教育委員会と思いを共有しながら改訂作業を進めていきます。 次に、ICT教育に関する取り組みです。 去る十一月八日、教育委員会ではこの日を「渋谷タブレットの日」として、区内全小中学校がタブレットを活用した授業を公開するとともに、これまでの成果や課題を全国に発信する研究発表会を行いました。 当日は、各小中学校の授業参観と研究発表を行った上原中学校を合わせ、都内の区市はもとより、全国からの参観者を含め、約千七百人の学校関係者が渋谷に集まりました。 研究発表会の中で行ったパネルディスカッションでは、渋谷モデルと言われる「児童・生徒一人一台のタブレット」を使用することを初め、システムに関することや、導入時からどのようにタブレットの活用を進めてきたかなどを教育行政の立場、学校現場の立場、大学教員である研究者の立場、それぞれの立場から意見交換が行われました。 参観者からは、「成果だけでなく、課題を多く挙げてくれたことで、自分の自治体で取り組む際の参考になった」「授業で子どもたちがタブレットを使いこなしている様子を見て、ここまでできるのかと驚いた」「タブレットは欠かすことのできないツールであると強く感じた」といった意見が寄せられてきました。引き続き、学校におけるICT機器の活用が日常化するよう支援を行っていきます。 今後、現行システムが令和二年八月で契約期間満了となることから、現在、教育委員会とともに次期システムの検討を進めています。 次期システムの設計・構築については、民間の知見を広く活用することも重要であると考え、本定例会において次期システムの設計・構築に係る経費を補正予算案として上程しています。 次に、「玉川上水旧水路緑道の整備」についてです。 代々木から笹塚までの全長約二・六キロメートルにわたる「玉川上水旧水路緑道」の整備に関しては、平成二十八年度から検討を開始し、パブリック・コメントによる意見募集を経て、平成三十年七月に「玉川上水旧水路緑道基本構想」を策定しました。 また、平成二十九年度からは、ササハタハツまちづくりがスタートし、地域住民や地域にかかわるあらゆる人々が、魅力的なまちにしていくために、未来志向で建設的な意見交換を行うフューチャーセッションによる良好な関係性をつくることで、参加者による自発的なプロジェクトも展開され始めています。 こうした経緯を踏まえながら、現在はササハタハツまちづくりを長期的な視点でまちの活性化とコミュニティ形成につなげ、新たなサービスや事業の創造を目指す「(仮称)まちラボ」についての設置検討を進めるとともに、緑道の基本計画策定に取り組んでいるところです。 一方、さきの区長選挙で公約に掲げたとおり、この緑道をニューヨークのハイラインにまさるとも劣らない世界的な緑道公園とし、かつ、地域コミュニティのさらなる増進を図る場として整備するために、今後も一層の検討を重ね、区民の皆様が誇りを持てるような、渋谷区のシンボルの一つとなり、シティプライドの醸成につながるものにしていきたいと考えています。 あわせて、地域の皆様の御意見等を伺うワークショップの開催などを通じて、御支援、御協力をいただきながら、円滑に事業を進めてまいりたいと思っています。 次に、「都市計画道路補助第十八号線事業」についてです。 本路線は、桜丘町から代官山町までの約七百四十メートルが未整備区間となっています。 整備区間のうち、渋谷駅側約二百七十メートルは市街地再開発事業区域で、昨年度から事業着手しているところですが、残る約四百七十メートルの再開発区域境から代官山町までについては、区が施行する区間となっています。 この区間は、平成二十八年三月に東京都と二十三区二十六市二町で策定した「東京における都市計画道路の整備方針・第四次事業化計画」において、平成二十八年度から令和七年度までの十年間で優先的に整備すべき路線に位置づけられています。このたび、区施行区間についても、本年九月十二日に都知事の事業認可を取得することができました。 本路線は、渋谷駅周辺へのアクセス性の向上、渋谷駅周辺の再開発事業と連携したまちづくりの促進、周辺道路への通過交通の流入抑制による良好な住環境の保全、歩行者や自転車の安全性・快適性の確保を実現するための重要な路線です。 今後は、区議会の御支援、御協力もいただきながら、円滑に事業を進めてまいりたいと思っています。 次に、区営住宅等における指定管理者の指定についてです。 区が管理する区営住宅、区民住宅、借上げ等高齢者住宅、地域福祉人材住宅の管理運営を行わせる指定管理者の指定について、本定例会に議案を上程しています。 指定管理者の候補者選定に当たっては、指定管理者選定委員会の審査に基づき、安定的かつ効率的な事業運営ができること、入居者の高齢化や単身世帯の増加等の課題に対し近隣区での同種事業の指定管理実績が豊富であること、求められる適切なサービスを効率的に提供できることなどの視点に立って行われました。 指定管理者が区営住宅等の管理運営を行うことにより、民間事業者が持つノウハウやアイデアを活用した新たなサービスが実施され、入居者の安定的な居住継続や駐車場等の共同施設などの有効活用が図られるものと考えます。さらには、コミュニティを育む住環境の整備に向けた地域の拠点施設の形成にも寄与するものと期待しています。 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした産業及び観光の振興についてです。 私は、渋谷区ならではのビジネスや産業の発展、観光の振興のため「基本構想」及び「長期基本計画」の中で、産業・観光分野を一つの柱として掲げました。 このことを踏まえ、またオリンピック・パラリンピックの開催とそのレガシーを、渋谷区の産業・観光の振興の契機としていくため「長期基本計画」を具体化し、着実に進めていく個別プランとして「(仮称)渋谷区産業観光ビジョン」を今年度中に策定する予定です。 内容については、今後有識者の意見を伺いながら検討を進めたいと考えていますが、渋谷区が成熟した国際都市として発展していくため、例えば「スタートアップ・エコシステム」や「ナイトタイムエコノミー」といったビジネスや観光のための新たな環境の整備など、渋谷をさらに活性化させる意欲的なプランの実現に向けて渋谷区らしい産業・観光振興の方向性を具体的に打ち出してまいります。 次に、代々木二・三丁目未利用国有地についてです。 当該の土地は、二丁目、三丁目の両敷地を合わせると約九千五百平方メートルの広さがあり、かねてより地域の皆様からも取得要望が寄せられているところです。また、平成二十七年十月には、区への土地払い下げを国に要請することを求める区議会への請願が採択されています。 こうした経緯から国と協議を続けてきたところ、本年十月二十九日付で、本区の要望を受け入れ、土地売却の交渉先とする旨の通知がありました。 今後、土地取得手続を進めるに当たり、必要となる予算として、本定例会に債務負担行為の追加の議案を上程しました。 土地取得後の活用プランは、これまでお伝えしてきたとおり、特別養護老人ホーム等福祉の複合施設や認可保育園、区民住宅等を想定して国と調整を進めてきており、それぞれの具体的な内容や規模、仕様等について、今後さらに検討してまいります。 なお、敷地には老朽化した鉄筋コンクリート造の集合住宅が計六棟あり、新たな施設を建設するにはこれらを解体しなくてはなりません。周辺の道路が狭あいであり、解体・建設等の工事は容易ではないことが想定されることから、計画的な実施が必要です。 大型プロジェクトの一つである本事業を円滑に進めていくため、区議会、周辺住民の皆様を初め、関係各方面の方々にこれまで以上の区の取り組みへの御理解と御協力をお願いする次第です。 最後になりますが、新たな名誉区民として、かつて卓球日本を支えたレジェンドであり、団体、ダブルス、シングルスで計七回の世界チャンピオンに輝いた松崎キミ代さん。先日のくみんの広場の実行委員長として、文字どおり八面六臂で御活躍いただいた井上 順さんのお二人を名誉区民として本定例会に提案しています。 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には条例案七件、令和元年度一般会計補正予算案一件、同意案件二件、指定管理者の指定案件二件、報告案件四件を御提案しております。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 一番松本 翔議員。 ◆一番(松本翔) 渋谷区議会自由民主党議員団を代表いたしまして、区長、教育長へ質問いたします。 その前に一言申し述べさせていただきます。 新しい元号となった令和元年も残すところあと一カ月余り。本年五月より新たな天皇陛下が御即位され、先月には即位礼正殿の儀、今月九日に御即位をお祝いする国民祭典、翌十日に祝賀御列の儀がとり行われました。特に祝賀御列の儀においては、沿道の奉祝者数は十一万九千人を数え、大変多くの方々がお祝いに駆けつけており、天皇陛下が日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であることを実感する次第であります。改めまして、ここに自由民主党議員団は、謹んで慶祝の意を表する次第であります。 一方で、御即位をお祝いする国民祭典での陛下のお言葉にもありましたが、本年はかつてないほど台風による暴風雨が日本列島に被害をもたらしました。 九月に発生した台風第十五号は、観測史上最強クラスの勢力で関東に上陸し、千葉県を中心に被害が拡大。百万戸近い停電が発生する事態となりました。 本区が有する施設でも、新島青少年施設では大きな被害が発生し、現在も開設できない状態に至っています。 その後、十月に発生した台風第十九号は記録的な大雨をもたらし、全国各地で堤防が決壊、浸水被害が拡大し、死者・行方不明者が百人近くに達するものとなりました。 さらに、十月には再度台風が発生、千葉県や福島県での豪雨につながり、十名以上のとうとい命が失われました。 お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、被災地の皆様へお見舞い申し上げた上、私の質問へ入らせていただきます。 最初に、防災・防犯・安全対策について三点伺います。 一点目は、防災対策についてです。 冒頭に申し上げた台風の中でも第十九号の際は、本区でも三・一一東日本大震災以来となる災害対策本部を設置いたしました。十月十二日午前十時には災害対策本部を設置し、同時刻に「警戒レベル三 避難準備・高齢者等避難開始」を発令し、あわせて自主避難施設・避難所・福祉避難所を開設しました。 そして、十五時に「警戒レベル四 避難勧告」を発令するなど、台風最接近が二十一時であったことを考えると、二十三区でも早い段階での迅速な対応を評価するものであります。 幸い本区においては大きな被害は出なかったと承知しておりますが、避難所運営や情報発信等について数多くの課題があったことも事実です。このことを教訓として、次の有事の際、減災のために生かすことが求められていると存じます。 課題の一点目として、避難所の受け入れ体制についてです。 区民は避難所、区民以外の方は帰宅困難者受け入れ施設という切り分けが原則と承知しておりますが、今回のケースでは、帰宅困難者受け入れ施設が開設されず、避難所・自主避難施設で対応する、本来のマニュアル通りでない形となりました。 他区において、路上生活者に対して不適切な対応があったとの新聞報道がありましたが、本区においては、区外から避難を求めてきた方々にも適切に対応しており、評価をいたしますが、乳児を連れた御家庭のスペースの確保や女性に対する防犯の見地からの夜間点灯、ペットの受け入れやスペースをどうするかなど、その都度現場判断が求め続けられたのではないでしょうか。 非常時、ある程度現場判断が生じることは否めないものの、今回のケースを踏まえ、避難所運営指針や基準をつくり、どうしても現場での判断が難しい事案は、電話や無線等で確認できる体制整備をするべきと考えますが、区長の所見を伺います。 課題の二点目は、情報の発信についてです。 現在でも、防災無線では音達状況の悪い地域があり、さらに「渋谷のラジオ」も入らない地域があります。まして、今回のケースは大型台風による暴風雨による災害でしたので、防災無線で「何か言っている」ことは認識できても、具体的内容まで聞き取れなかったことは周知の事実であります。 区からの要請に基づき渋谷消防団が軽可搬ポンプ車を使用して広報活動を行いましたが、実際避難した方はSNSにより情報を入手した人が多く、避難された方の大部分が二十代から四十代であったことはその証左と言えるのではないでしょうか。まさに、スマートフォンを使わない高齢者世代が取り残されたと考えられます。 この事実を踏まえ、誰ひとりとして取り残さない最後の情報伝達手段として残されたものが電話応答サービスであったと考えます。このサービスは、二十四時間以内に放送された防災無線の内容を電話をかけることにより聞ける音声サービスであり、三回線あることから、電話回線が使用できればつながらない状態が続くことは考えられません。 今月十三日の総務委員会での報告の際、当選回数を重ねた議員でさえ存在を知らなかったとの発言もあったとおり、そもそもこのサービス自体を知らなかった区民が大半であったと考えます。 そこで区長に質問します。 今月十五日号の「しぶや区ニュース」の裏面に掲載されたことも含め、今後このサービスの徹底を図るために、「しぶやわたしの便利帳」「しぶや高齢者のしおり」「渋谷区防災地図」「渋谷区洪水ハザードマップ」など、あらゆる活字媒体を駆使して掲載し、周知徹底を図ることにより、WEBでの情報収集が難しい方々へアプローチすべきと考えますが、区長にお尋ねいたします。 また、各避難所に避難された方々が情報を逐次入手する方法は、主にスマートフォンなど携帯電話機に頼っている現状があります。特に、区内在住を含む外国人は、国内の特定のキャリアとの契約をしない場合も多く、外国人の情報収集手段としてフリーWi-Fiが重要なツールとなっています。現在、区内全域で進めているWi-Fi環境整備を避難所施設へ最優先に進めるべきと考えますが、あわせてお尋ねいたします。 課題の三点目として挙げられるのが、発生後の区の対応です。 今回のケースでは被害が少なかったものの、一部家屋の損壊、道路冠水、倒木など様々な事案が発生しました。 発災時では災害対策本部が対応すると考えますが、災対本部解散後、区民が区に対応や相談を求めようとしても、どこに連絡すべきかわからなかったり、対応する所管が異なり、たらい回しにされたりしたケースがあったことを踏まえ、発生後一定期間、一元的に対応する窓口を設置して、まずそこで電話対応を含め、情報を集約・整理して各担当所管につなげることが、区民に安心とスピード感ある対応になると考えますが、区長に質問いたします。 最後に、本年第二回定例会で我が会派から渋谷区障がい者サポートカードの各所管横断的な管理について質問したところ、区長から間もなく作成作業をスタートし、庁内横断的な連携を強化するとの答弁がありました。 この答弁から約半年が経過したところですが、今回のケースに当該サポートカードが現場において活用されたのか、あるいは災害時要援護者名簿の活用など別の形で対応されたのか、区長にお尋ねいたします。 また、区長から、「実際に避難所運営を担った自主防災組織や避難所参集職員、さらに避難所を実際に利用された方々の声を生かしながらスピード感を持って対応してまいります」との発言がありましたが、自主防災組織や避難所参集職員、避難所利用者の挙げた課題が前述したこと以外にあったのかお尋ねいたします。 二点目は、ハロウィーン対策についてです。 昨年のハロウィーンにおいて、路上の軽トラック横転をはじめ多数の痴漢や盗撮、暴行やごみの不法投棄などが問題となったことを受け、本区では本年、ハロウィーン対策検討会を設置して検討を重ねてきました。さらに、区議会においても、本年六月の第二回定例会で路上飲酒の制限や事業者の酒類の販売自粛への協力を柱とする条例を制定し、また九月の第三回定例会では一億二百五十二万円の補正予算を組むなど、万難を排するべく対応を行ってきたところです。 そうして迎えた本年のハロウィーン、私も直近の週末や当日に現地へ足を運びましたが、多数の警官、警備員が渋谷駅周辺に集まり、まさに厳戒体制といった状態でありました。余りの人混みに全体像の把握は難しかったものの、路上飲酒の禁止やアルコール販売自粛に加え、バリケードを設置して動線をコントロールしたり、やぐらを設置して高台から声かけをしたり、あるいは警備員が監視しながらごみの回収をしたりと、様々な対応を行ったことが迷惑行為の抑制につながったのではないかと考えます。 しかしながら、昨年ほどの大きな事件がなかったとはいえ、痴漢や窃盗未遂の疑いなどで九人が逮捕される事態となり、また、渋谷駅周辺は大混雑で移動に大変な時間を要する状態になりました。 さらに、ハロウィーン翌日に区長自身が行った記者会見では、ハロウィーンで仮装している人の多くが外国人であることを踏まえ、外国人に向けての情報伝達手段や交通規制区域の周辺に押し寄せてきた爆音車両への対策を新たな課題に挙げています。 来年は、ハロウィーン当日が土曜日に当たり、本年以上の混雑、混乱が予想されます。区長として、今回のハロウィーン対策についてどのように総括しているのか、また、来年度以降に向けてどのような対策を考えているのか、お聞かせください。 具体的には、今回の対策について検証を行い、話題となってしまった一億円超の予算についても、ハロウィーンを鎮静化させることで費用縮減を図っていくべきものと考えますが、区長の所見を伺います。 三点目は、落書き対策です。 建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も当該地域に注意を払っていないという象徴になり、犯罪を起こしやすい環境を作り出すというアメリカで生まれた「割れ窓理論」にもある通り、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪の抑止につながります。 本区における多数の落書きは、割れ窓と同様、犯罪を誘発するものとなります。落書きは、所有権者の保護や景観の問題のみならず、治安の改善という意味でも速やかな対応を図るべきと考えます。 具体的に行うべきは、速やかに「消す」ことを推進することです。東京二〇二〇大会を翌年に控え、国内外から多数の来街者が予想される中で、落書きの存在は渋谷のイメージを損ねるだけでなく、先述の理論の通り、犯罪や迷惑行為を誘発する結果にもつながります。 本区では、美化推進委員会やリサイクル等推進員、清掃協力会など区民や事業者、NPOなどが協働して環境美化活動を行っており、既存の活動団体との連携が重要なことは言うまでもありませんが、今求められているのは、目前に迫った東京二〇二〇大会に向けて対応する、いわばスピード感です。 現状の予算措置を拡大し、まずは区内全域の落書きをきれいにした上で、その環境を維持していくための対策、例えば消すための予算措置を継続・拡充していくことや、防犯カメラを落書き多発地域に増設していくこと、外国人が落書きをしているという情報も踏まえ、外国人向けへの啓発を強化することなどを検討していくべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、子育て支援について二点伺います。 先月、二〇一九年の日本国内における出生数は九十万人割れする見込みという報道があり、前回百万人割れとなってわずか三年でさらに十万人が減少、国の推計より二年も早い九十万人割れに衝撃が走ったところです。 少子高齢化は、国の年金制度や経済成長に大きな影響を及ぼす問題であり、少子化対策や子育て支援は国策として対応すべき課題でありますが、本区として先駆的に始められること、始めていくべきこともあると存じます。 そこで区長に伺います。 一点目は、幼児教育・保育の無償化への対応についてです。 本年十月より、三歳児から五歳児及び住民税非課税世帯のゼロ歳児から二歳児を対象にした幼児教育・保育の無償化がスタートしました。幼稚園は月額二万五千七百円、幼稚園での預かり保育は月額一万一千三百円まで無償、認可保育園や認定こども園、保育室などは無償となり、子育て世代の負担が軽減されることとなりました。 しかし、無償化とはいうものの、幼稚園に関しては基本的に月額二万五千七百円が上限となっており、人件費や物価の水準が高い本区においては、園児の教育に係る費用もより高額になります。 そのような事情を踏まえ、本区では、国の制度に加えて、東京都及び区独自の補助金により二千八百円の上乗せを設定し、合わせて月額二万八千五百円を基本的な上限にしていることは承知しておりますが、私立幼稚園で徴収される費用の差は激しいため、保護者にとってはより負担感があるものです。 我が会派の私立幼稚園団体や私立幼稚園保護者団体の調査を踏まえ、現在二千八百円としている上乗せを月額七千八百円に拡大することで、保護者の負担感も軽減すると考えますが、区長の所見を伺います。 仮に、当該金額までの助成が難しいとしても、月額五千円など段階的に助成額を引き上げていくべきと考えますが、あわせて区長にお尋ねいたします。 二点目は、子育て家庭の負担を軽減する取り組みについてです。 本区では、昨年より、「渋谷区子育てネウボラ」として妊娠・出産期から産後、育児、就学後の十八歳に至るまで、保健師を中心に一貫して子育てをサポートする制度がスタートしました。本年度からは、育児に必要な用品を詰め合わせた「育児パッケージ」の贈呈も始まり、ネウボラの拠点となる施設の建設も始まっているところであり、私自身、子育て中の立場として期待しているところであります。 そのような、いわばハード面での環境整備も重要ではありますが、ソフト面での整備とも言える利用者目線での取り扱いの改善も同様に重要だと考えます。 具体的には、例えば一歳六カ月児の歯科健診や三歳児健診については、月に一回、平日の午前中のみとなっていますが、共働き世帯が増えている現状を踏まえ、土曜日の実施について検討できないでしょうか。 乳児の健診であれば、育児休業中で平日でも対応しやすい家庭が多いと考えますが、一歳半や三歳児となると、今や一般的になりつつある共働き世帯の場合、平日では仕事を休んで行く必要があります。対応する職員負担の問題もあるかと思いますが、未就学児を育てる家庭では、子どもの体調不良などで有給休暇を使い切ってしまうケースも多い現状を踏まえ、是非検討すべきと考えます。 また、簡便な事務手続については、区役所の出張所等の出先機関やWEB等で対応したり、省略したりできないでしょうか。 一例ですが、育児支援ヘルパー派遣事業では、妊娠期もしくは産後に子ども家庭支援センターで利用のための申請登録をすることになりますが、出産前の段階で産後を想定して登録する方は少ないですし、産後となれば、乳児を連れて子ども家庭センターへ足を運ぶことに負担感があります。そもそも育児支援ヘルパー派遣事業は、家庭での虐待の早期発見といった観点も踏まえて制度設計されていると承知しておりますが、核家族化が進んで祖父母世代のサポートが難しくなった今の時代にあっては、虐待とは縁のない家庭でも利用したい制度です。利用者の視点に立ったイベント日時の設定や事務手続の簡略化について区長の所見を伺います。 続いて、施設の整備や活用について、四点伺います。 一点目は、シェアリングエコノミーについてです。 シェアリングエコノミーは、物・サービス・場所などを多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組みのことであり、本区でも二〇一七年、一般社団法人シェアリングエコノミー協会と連携協定を締結し、パブリックスペースの活性化やシェアサービスの活用・導入を推進しているところです。 シェアスペース、シェアサイクル、傘のシェアを先行して進めていますが、これからますます需要が伸びていく分野であり、本区としても積極的に推進すべきと考えます。 とりわけシェアサイクルについては、私自身も日々活用しておりますが、電動アシスト自転車で坂道でも負担なく移動できること、さらに区役所から駅前に行って返却するといった乗り捨てができることからも、本区において公共交通機関に取ってかわるほどの可能性がある仕組みだと感じております。 今後、シェアサイクルを充実させていくため、改善すべきと考える課題を三点申し上げます。 課題の一点目は、自転車置き場であるポートの拡充です。 渋谷区内で今年度中に五十カ所という数値目標を設定し、渋谷区役所や渋谷駅周辺をはじめとしたポートの増設が進んでいる状況ですが、氷川地区や大向地区の奥渋エリアには拠点が非常に少ないなど、地域によって偏りがあるのが現状です。不足する地域を中心に、民間のビルやコンビニ等の商業施設に加えて、区の所有する地域交流センターや自主管理施設などへのポートの設置も検討すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、代々木八幡駅周辺の事例ではありますが、自転車駐車場があふれている横で、自主管理施設である高架下施設はスペースもあり、生かしきれていない印象を覚えます。シェアサイクルのポートのみならず、不足が問題となっている自転車駐車場としての整備も含めて検討すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 課題の二点目は、広域での連携についてです。 隣接する新宿区や港区、目黒区を含め、現在二十三区中十区で導入され、例えば港区から乗って渋谷区で返却するような広域連携の仕組みが整っています。本区での利便性向上を高めるためには、いまだ導入していない世田谷区や中野区へ働きかけを行い、広域連携の充実を図ってはいかがでしょうか。 例えば、目黒区では、本区とのアクセスを念頭に、渋谷区に近いエリアを中心にポートが整備されていると承知しております。同様に、世田谷区や中野区でも導入され、本区に近いエリアに拠点ができることで利便性が大きく向上するものと考えます。他区への働きかけについて、区長の所見を伺います。 課題の三点目は、メンテナンスの問題です。 利用者がポートに行った際、その場に自転車がなければ借りることができませんし、また、自転車があっても充電が不十分であれば電動アシスト自転車を使うことはできません。当該サービスを営業に使うユーザーがいることや、日中は駅前や繁華街のエリア、夜間・早朝は住宅エリアと自転車が偏って集まることから、「ポートに行っても自転車がなく、借りられない」といった不便を感じている方もいるようです。 管理する事業者が回収をし、充電をした上で再配備していることは承知しておりますが、メンテナンス体制のさらなる拡充や十分な自転車台数を確保することが必要と考えますが、区長の所見を伺います。 二点目は、スポーツ施設の整備についてです。 渋谷区スポーツセンターについては、昨年四月より指定管理者による業務運営が始まりましたが、トレーニング室の拡張やスタジオの新設等リニューアルを行い、民間のノウハウを生かした幅広い教室を展開していることもあり、土日を中心に多くの区民が利用し、大変にぎわっている状況です。 利用者数もリニューアル前と比べて大きく増加し、満足度も高くなっていると聞いておりますが、一方で、そもそも建物自体が古いということもあり、「冷暖房の効きが悪い」といった意見や、リニューアルしたことで「ロッカーや更衣室等の古さが際立っている」という意見もあるようです。 折しも、スポーツセンターは東京二〇二〇大会で近代五種競技の公式練習場となっており、世界中のトップアスリートが使用する施設です。東京二〇二〇大会の開催時期が真夏であることも踏まえ、速やかに冷房機能の強化を行うとともに、中長期的な観点から計画的な施設整備を行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。 三点目は、指定管理者等に対する労働条件調査の実施についてです。 本区では、業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保し、労働者の生活の安定、事業の質の向上、安心した暮らしができる地域社会の実現を目的とした「渋谷区公契約条例」を制定し、平成二十五年一月一日に施行しました。また、翌年の平成二十六年には四件の指定管理者に対して、雇用される従業員等が区民サービス向上のために、安定的かつ持続的に業務に従事でき、施設の管理運営業務責任を担える状況にあるかを検証する労働条件調査を実施しています。 本条例の制定や調査の実施は評価するものの、初回の調査から五年が経過していることから、改めて専門家による調査を行うべきではないでしょうか。 働き方改革が国策として推進され、企業の適正な労務管理が求められているさなか、指定管理者の従業員等が適正な労働条件にあるかをモニタリングすることは、区の責務であると考えます。 また、隣接する世田谷区や目黒区をはじめ、東京二十三区のうち二十区において労働条件調査が行われ、適正な労働環境の確保に努めている中、本区の対応が遅れていることについては、専門家団体である社会保険労務士会からも指摘を受けているところであります。 長谷部区政となって以降、民間の力を活用する趣旨から、指定管理者制度はますます拡大している状況です。担当職員及び専門家の体制や予算の問題もあるため、全量調査は現実的ではありませんが、新規に提携する指定管理者や、区として特に注意したい分野の指定管理者などを抽出して調査を行うのであれば、予算的にも十分可能であると考えます。労働条件調査の実施について区長の所見を伺います。 四点目は、代々木二・三丁目の国有地取得と区有施設の整理・統合についてです。 代々木二・三丁目の国有地取得に向けて進んでいる中、本年九月の第三回定例会において、我が会派から「福祉の総合施設として整備すると同時に、多世代共生エリアとしての整備を進めては」と質問したところ、区長から「保育園や高齢者福祉施設とともに、多世代共生のモデルとなる区民住宅を整備したい」との答弁がありました。 また、先ほどの区長発言でも、本年十月二十九日付で、土地売却の交渉先とする旨の通知があったこと及び特別養護老人ホーム等、具体的に検討するとのことでありましたが、今現在進んでいる具体的検討の内容について、区長に伺います。 一方で、広大な敷地面積であるため、高額な経費が想定される国有地の取得費用に加え、その後の建設や運営についても多額の経費が必要になると考えます。 これまで、本区では施設の有効活用という観点から整備を進めてきたものと考えますが、今後は区内老朽施設の建替え等で二千億円とも三千億円とも言われる費用が発生する見込みもあり、中長期的に区有施設の整理・統合についても検討していく時期にあるものと考えます。 例えば、今回、国有地を取得する代々木二丁目のエリアには、渋谷区こども・親子支援センター「かぞくのアトリエ」がありますが、子育て中の家庭を中心に有意義な施設であるものの、施設自体の老朽化やアクセスが難しいといった事実もあり、将来的には移設や統合についても検討していかなければならないものと考えます。区有施設の整理・統合について、区長の所見を伺います。 続いて、五輪・パラリンピック対策とスポーツイベントについて、三点伺います。 一点目は、観戦者の拡大についてです。 本区では、渋谷区内が競技会場となる卓球、パラ卓球、ハンドボール、パラバドミントン、車椅子ラグビーの五競技及び隣接する新国立競技場で開催される陸上競技、パラ陸上競技を対象に、リアル観戦事業などを開催し、気運醸成を進めてきたところです。 東京二〇二〇大会における本区の目標の一つが、「競技会場を満員にして、選手の活躍を応援、おもてなしをしていきたい」と承知しておりますが、気運醸成から一歩進み、実際に区民の方へ会場に来ていただくためには、より具体的な対応が必要になるはずです。特に、パラリンピック競技については、一般的にオリンピック競技と比べて観戦者が少なくなる傾向にあります。 東京都の取り組みで、幼稚園・学校へは観戦の機会が設定されると承知しておりますが、生涯学習の一環として、パラリンピックに出場する選手と同じように障がいのある方々や、あるいは区内のシニア世代を対象にイベントを開催し、本当に観戦したいという方々への機会を提供してはいかがでしょうか。 本区には、障害者団体連合会やシニアクラブ連合会といった団体組織があり、団体のネットワークを駆使した周知活動が可能です。そして重要なことは、本当に見たい、応援したいという熱量の高い観戦者で会場をいっぱいにすることであり、アスリートと同じ障がいのある方々や、若い世代よりも様々な経験を有するシニア世代の方々に観戦の機会を持っていただくことは、大変意義のあることだと考えます。観戦イベントの開催について、区長の所見を伺います。 二点目は、渋谷区独自ボランティア制度についてです。 東京二〇二〇大会における目標のもう一つが、「世界から来られる来訪者の方も笑顔でおもてなしをしていきたい」とのことであり、区内におもてなしの拠点を開設するという話も承知しております。東京二〇二〇大会まで残り八カ月となり、いよいよ具体的な計画も進んできたものと考えますが、おもてなし拠点の設置場所や具体的な内容について、区長にお尋ねいたします。 そして、おもてなし拠点の開設に加え、区が予定するコミュニティライブサイトや区内での聖火リレー等、東京二〇二〇大会における様々なイベントを事故なく円滑に、何より盛大に行うためには、現在募集を続けている独自ボランティアの活躍が不可欠であると考えます。 本年六月の委員会報告時点では、「独自ボランティアの登録者数の目標は設定していなかった」との答弁もありましたが、具体的な計画が進むにつれて、必要となるボランティアの数も見えてくるものと考えます。改めて登録者数の設定をお尋ねするとともに、ボランティアの拡大を含め、さらなる気運醸成に向けての具体的な取り組みについて、区長に伺います。 三点目は、新しいスポーツイベントとして、渋谷区内で一マイル(ワンマイル)を走るイベントの開催を提案いたします。 二〇一一年より、本区では毎年三月に「渋谷・表参道ウィメンズラン」が開催されていますが、憧れの表参道を走ること、女性だけの華やかなイベントであること、十キロメートルと比較的走りやすい距離であることなどの理由から、定員である五千名を大きく超える申し込みのある人気イベントとなっています。この大会の存在・意義は評価しておりますが、他方で女性だけしか参加できないイベントであり、十キロは日常的に練習するランナーでないと走り切れない距離であるのも事実です。 そこで、今回提案するのが一マイルです。一マイルは千六百九メートルの距離ですが、学生時代のスポーツテストの種目である千五百メートルとほとんど同じ距離であり、小学生からお年寄りまでが走り、あるいは歩くことができる距離です。 子どもたちが学校の垣根を越えて競走する地域間交流や、親子で一緒に走ることによる世代間交流、一マイルとすることで、海外の観光客も参加することによる国際交流など、様々な効果が期待されます。 区長は基本構想において、「ロンドン、パリ、ニューヨーク、渋谷区」と世界を代表する都市に本区が並んでいくことを目標にしていますが、一マイルイベントは、ニューヨークで開催されるブルックリンマイルから着想を得て提案しているものです。 ブルックリンマイルでは、大通りの交通規制を行い、一流のトップアスリート、市民ランナー、地域の子どもたちから健康志向のシニアまで、時間帯を分けながら約一万名が参加する、ニューヨークを代表するイベントとなっています。 本区では、渋谷区全体を十五平方キロメートルの運動場と見立て、道路や公園を活用するどこでも運動場プロジェクトを推進しておりますが、このイベントは、まさにこの考え方に合致するものではないでしょうか。 一マイル走のイベントについては、渋谷区と連携協定を結んでいる日本陸上競技連盟からも積極的な声を聞いておりますが、イベントの開催について、区長の所見をお聞かせください。 また、具体的にイベントを開催するにあたり、会場としてまず想定されるのは代々木公園です。代々木公園は都の所管する施設であるため、本区が施設整備について決定権を有するものではありませんが、渋谷区の中心に広大な面積を有し、多くの区民が憩いの場として過ごす渋谷の生活環境のシンボルとも言えるものです。このあり方を考え、区として東京都に提案することは、区民サービスの向上という意味でも、意義あることと考えます。 特に、代々木公園A地区は、大きな遊具等もなく自然の状態が残っており、子どもからお年寄りまで、散歩を楽しむ人、運動をする人、ピクニックやランチを楽しむ人と、本当に様々な人が混在しています。 しかし、残念なことに昨年秋にランナーと歩行者でトラブルがあったことをきっかけに、ランニングに対して厳しい目が向けられているのが現状です。同じ都立公園である世田谷区の駒沢オリンピック公園では、園路をジョギングコース、サイクリングコース、歩行者や通行者の道と三分割しており、みんなが安全に共存できる環境があります。 代々木公園で既に存在しているサイクリングコースに加え、ジョギングコースの整備についても、あわせて提案していくべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、代々木公園の即時対応が難しいことを踏まえ、玉川上水旧水路緑道を会場にイベントを行うことも検討してはいかがでしょうか。全長約二・六キロメートルに及ぶこの緑道については、先ほどの区長発言で、ニューヨークのハイラインに勝るとも劣らない世界的な緑道公園にしていきたいと伺いました。 本年九月の第三回定例会では、我が会派からクッション性のある路面や、トイレ・休憩所などを整備することによるヘルシーロードの提案を行いましたが、ウォーキングやランニングに使えることを広く周知していく意味でも、緑道公園のオープニングやおとなりサンデー、体育の日といった機会を活用し、魅力的なスポーツイベントを開催することが有効と考えます。区長の考えをお聞かせください。 続いて、福祉について二点伺います。 一点目は、認知症への取り組みについてです。 厚生労働省の二〇一六年の調査によれば、平均寿命は男性が八十・九八歳、女性が八十七・一四歳となっています。一方、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされる健康寿命については、男性が七十二・一四歳、女性が七十四・七九歳となっており、介護などが必要となる平均寿命と健康寿命の差は男性が約九年、女性が約十二年になります。 本区は、「若返るダイヤモンド体操」などの取り組みの成果もあって、平均寿命・健康寿命ともに全国や東京都と比較して高い水準にありますが、特に健康寿命の更なる改善に向けて対策をしていくべきものと考えます。 折しも先月の委員会視察において、福祉保健委員会は「とっとり方式認知症予防プログラム」として、先進的な取り組みをしている鳥取県へ視察してきたところです。 当該プログラムは医療関係者やリハビリの専門家などの意見を取り入れた鳥取県独自の方式で、運動、指先を使う知的活動、座学を合わせて実施するのが特徴です。既に実証実験も行われており、認知機能の改善が見られたほか、筋力や柔軟性などの運動機能も向上したという結果になっています。 その取り組み自体も大変参考となりましたが、その中でも、認知症を早期に発見しようとする工夫は、本区へ生かせるのではないかと考えました。 具体的には、タッチパネルで認知症を発見する「物忘れ相談プログラム」の実施についてです。本プログラムはパソコンとの対話方式で五分程度のテストを行い、十五点満点中十三点以下の場合には、「物忘れが始まっている可能性が疑われます」というメッセージがプリントアウトされるものです。 例えば、鳥取県倉吉市では、集団健診時において、物忘れの診断を行っていますが、本区でも「渋谷 認知症なっても展」などのイベント会場へ設置することや、あるいは地域包括支援センターや介護施設など、高齢者が多数集まる場所へ常設することで、認知症の早期発見に活用してはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 二点目は、高齢者を対象にした資産に関する講座の開設についてです。 本年七月より、「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」が始まり、S-SAP協定を締結している区内大学や企業と連携し、新たな学びの機会を提供する「渋谷ハチコウ大学」も開校しました。 既に四百名以上の方が登録をし、大学での考古学やワイン講座、企業と連携したプログラミング講座など、幅広いテーマで学びの機会が提供されており、生涯学習の場として評価いたします。 とはいえ、まだ渋谷ハチコウ大学が開校して間もなく、講座についてはますます充実させていくべきものと考えます。 そこで提案するのは、資産に関する講座の開設についてです。 二〇一六年に実施された金融庁の調査によると、国民の約七割が投資教育を受けた経験がなく、そのうち三分の二の人が、今後も投資の知識は不要という考えを持っています。 その結果、我が国の家計金融資産約千七百兆円の五二%、約九百兆円が現預金になっており、このうちの大部分を占めているのが渋谷ハチコウ大学の学生となる五十五歳以降の世代、特に高齢者の世代です。 老後二千万円問題が新聞報道で話題となりましたが、少子高齢化のもと受給する国民年金の所得代替率が低下する中で、区民が自助努力して資産形成を行う必要があることは周知のとおりであります。 もちろん株式等には損失リスクもあるわけで、批判的・懐疑的な意見もあるかと存じますが、講座で金融商品についてのリスクも含めた知識を深めることにより、いわば眠っている資産を有効活用することにつながります。 更には、「投資にはリスクがあり、必ずもうかるといったうまい話はない」と知ることで、本区において、いまだに後を絶たない特殊詐欺、具体的には、架空の有価証券や外国通貨をあっせんする、「もうかります詐欺」などの被害から区民を守ることにもつながるものと考えます。 本区にはS-SAP協定を提携する先進的な企業も数多く、中には銀行や保険会社といった金融機関も含まれています。こうした企業の支援も受けながら、資産に関する講座の開設について検討していくべきと考えますが、区長の所見を伺います。 最後に、教育について、教育長へ二点伺います。 一点目は、ICT教育についてです。 本区では、平成二十九年九月から児童・生徒に一人一台のタブレット端末を貸与し、携帯電話と同じLTE回線を利用することで、「いつでも、どこでも利用できる」環境を整えています。 そして、区長発言にもあったとおり、今月八日には「渋谷タブレットの日」が開催され、区立の全小中学校での授業公開及び上原中学校での研究発表会が行われたところです。 私自身も視察してきましたが、公開授業ではICTの活用に適した内容やそぐわない内容があること、また、事実として学校や教員によって活用スキルに違いがあることも実感してきたところです。さらに、その後行われた研究発表会では、課題の一つに生徒がICT機器を閉じてちゃんと話を聞くための姿勢、話の聞き方が挙げられていました。 ICT教育を開始して二年余り、そのほかにも様々な課題が見えてきたものと考えますが、教育長の認識する課題の内容や、それらの課題を解決するための具体的な対応についてお尋ねいたします。 二点目は、プログラミング教育についてです。 私自身、学生時代より携帯電話を活用し、比較的デジタルに慣れ親しんできた世代でありますが、プログラミング教育がいかなるものか、そして、その教育が小学生に対してできるのか、正直なところ懐疑的な思いもありました。 しかし、「渋谷タブレットの日」に視察を行い、小学生がビジュアルプログラミング言語「Scratch」を活用して独自のゲームをつくっている様子を見て、プログラミング教育の可能性を感じてきたところであります。 折しも所管する文教委員会では、小中学校の校長や教員、ICT教育担当と教育委員会職員の六名が行ったエストニア共和国への視察研修について報告がありました。 現地でのプログラミング教育のカリキュラム編成や実践、プログラミング教育の推進役としての教育技術職の設置等が報告概要にありましたが、視察内容を本区の教育行政へ具体的にどのように生かしていくのか、お聞かせください。 また、本年九月の第三回定例会での我が会派からの質問でも取り上げましたが、プログラミング教育を実施した小学校の割合は三五・七三%、中学校の割合は一八・七九%といまだに低い状況です。 前定例会の質問に対する教育長の答弁では「カリキュラム開発や授業研究など、様々な取り組みを充実させ、プログラミング教育を魅力的なものにしていく」とのことでしたが、二〇二〇年から始まる新学習指導要領では、小学校で新たにプログラミング的思考の育成が求められており、喫緊の課題として、具体的な取り組みが必要になると考えます。 本区では「Kids VALLEY~未来の学びプロジェクト~」として東急・サイバーエージェント・DeNA・GMO・mixiの五社と協定を締結し、小中学校への支援を進めていることは承知しておりますが、プログラミング教育についての具体的なロードマップをどう考えているか、教育長にお尋ねいたします。 以上につきまして、区長及び教育長の御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(下嶋倫朗) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、松本 翔議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、防災対策について、避難所の運営についてのお尋ねです。 十月十二日に関東地方に最接近した大型の台風十九号は、東海、関東甲信、東北地方に記録的な大雨を降らせ、河川の氾濫や堤防の決壊による浸水など、大規模な災害をもたらしました。この台風により、災害救助法が適用された自治体は十四都県三百九十市町村に及び、東日本大震災、昨年の西日本豪雨を超え、過去最大級の被害をもたらしたところです。 渋谷区では幸い、大きな人的被害、住宅被害はありませんでしたが、東日本大震災以来となる災害対策本部を設置し、警戒レベル四、避難勧告を区内全域に発令、避難所、自主避難施設、福祉避難所を十二カ所開設し、五百三十八名の避難者を受け入れました。 区の地域防災計画では、避難所は区民が避難する場所ですが、今回は計画運休による交通機関の停止があらかじめ予告されていたことにより、帰宅困難者が発生しないことが予想されたため、帰宅困難者受け入れ施設を開設しなかったこと、また、人命優先の観点から区外からの避難者、路上生活者等の受け入れも行ったところです。 ペットについては、渋谷区の「ペットとの同行避難マニュアル」の基本的な考え方に基づいて、受け入れました。 また、避難所運営では、福祉避難所においては、区の管理職が運営を指揮するとともに、保健師を複数配置し、ケアが必要な要配慮者の方への対応を行いました。 避難所の夜間における女性などへの防犯上の対応については、照明を消さないこと、夜間の見回りを実施することなどを全避難所に指示をしたところです。しかしながら、議員の御指摘にありますように、今回の避難所の開設や運営においては、多くの課題が出たのも事実です。 高齢者や障がい者、乳幼児などの要配慮者のための専用スペースの確保や見守り、ペットの受け入れ場所の確保などについては、特に自主避難施設においては、明確な運営マニュアルがない中で、従事した施設管理者からも、現場での判断に苦慮することが多かったとの報告を受けております。 今後は全ての避難所等において、要配慮者、女性等への統一的な対応ができること、また、現場での判断がスムーズに行えるために、各避難所における避難所運営マニュアルの策定を促進するとともに、人的支援や財政的支援を強化してまいります。 また、避難所と災害対策本部との間の情報共有は問い合わせなどが迅速に行われる連絡手段の確立、そして運営に関するサポート体制の強化について検討をしてまいります。 次に、防災対策について、情報発信についてのお尋ねです。 今回の台風十九号において、避難所へ避難された方は圧倒的に四十代以下が多く、高齢者が少なかったことは事実です。高齢者に対して安全を確保していただくための防災情報、避難情報をしっかりと確実に伝えることの必要性を痛感したところです。 区では、老朽化した防災行政無線をより広範囲に音声が届く新型の機種に順次更新を図っていますが、台風のような暴風雨の中、また、窓を閉め切った室内では、どうしても放送の内容が聞こえづらい状況が発するのは、否めません。消防団の広報車による放送も同様です。 そのため、区では従前より防災行政無線で放送した内容を電話で確認できる「電話応答サービス」の周知を行っていますが、改めて台風十九号対応後の十一月十五日号のしぶや区ニュースでも電話番号の掲載を行いました。 議員の御提案のとおり、当該サービスについて、「しぶやわたしの便利帳」「しぶや高齢者のしおり」など、渋谷区が提供する広報関係媒体に掲載するとともに、地域の防災訓練や敬老大会の場など高齢者の皆さんが多く集まる場を活用し、当該電話応答サービスの周知啓発に努めてまいります。 また、このサービスだけではなく、避難情報の各町会長へのファクス等による一斉送信や、テレビのデータ放送で避難情報を見るための「dボタン」の周知、渋谷のラジオをアプリで受信するための方法など、多様な伝達方法の周知啓発をあわせて行ってまいります。 また、避難所におけるWi-Fi環境整備についての御提案ですが、避難者が災害時に家族との安否確認や情報収集をするためのツールとして、スマートフォンなどの機器を使用することは必須となりますので、避難所に無料で使えるWi-Fi環境を備えることの必要性は高いと考えます。 現状では、区立小中学校に教育委員会が設置したWi-Fiがあり、PTAを初め学校訪問者用として利用しています。区では昨年の北海道胆振東部地震によるブラックアウトや、今年の台風十五号による大規模停電の教訓を踏まえ、各避難所において停電時に避難者が携帯通信機器を充電するための大容量蓄電池の配備を検討していますが、これに加え、各避難所におけるWi-Fi設備の災害時の一般利用開放について、経費を含めた検討を行うとともに、未整備の避難所については、通信事業者等からの協力を得ながら、新たに整備する方策を関係部署を含めて検討してまいります。 次に、防災について、災害発生時の一時的な対応窓口についてのお尋ねです。 今回の台風十九号における区役所の代表番号への電話でのお問い合わせは、台風が最接近した十月十二日における応答件数が二百四十一件でした。 問い合わせの主な内容としては、避難勧告、避難所に関することが百一件、防災行政無線に関することが三十三件、土のうに関することが二十六件でした。 これらの電話対応については、まずコールセンターで一元的に応答し、コールセンターではお答えできないことについては、災害対策本部に従事した区の職員が対応を行ったところです。今回の台風十九号では、区内に大きな被害がなかったことを確認して、翌朝、災害対策本部を廃止しました。 議員の御指摘にありますように、その後の個別的なお問い合わせに十分に対応することができなかったことについては、今後大きな被害が出なかった場合でも、一定期間は被害に対する問い合わせについて、一元的に電話対応できる体制を検討いたします。 また、もし実際に災害が発生した場合を考えますと、さらに多くの問い合わせの電話が殺到することが予想されます。また、その内容も住宅の浸水被害、停電、断水、建築物への被害への応急処置に関することや、災害廃棄物に関することなど、多様かつ個別的な相談であることも想定されます。 このような多くの問い合わせについて、相談者をお待たせすることなく、お答えできる部署に取り次いだり、他の関係機関を御案内するなど、的確な切り分けをする一元的な対応が求められます。 このため、発災時におけるコールセンター体制の増強や、区の職員による一元的な電話対応を行う専門チームの設置、IVR(相談者に理解しやすい音声ガイダンス案内と適切な関係組織の割り振り)の導入、ホームページの特設サイトに災害対応に係るFAQ(よくある質問と回答)を掲載するなど、区民からの相談に合理的で迅速な対応を図れる体制の構築を検討してまいります。 次に、「障がい者サポートカード」「災害時要援護者名簿」の活用についてのお尋ねです。 「障がい者サポートカード」は、本年七月下旬から事業をスタートし、作成する相談支援事業所と契約準備が整ったところですが、実際のカード作成はこれからで、今回の台風ではカードの活用に至っていません。一方で、自主防災組織や民生委員、見守りサポート協力員が「災害時要援護者名簿」を活用し、電話や訪問により、障がい者や高齢者等の安否確認を行った地域もありました。 今後は障がいのある人や家族、相談支援事業所に向けて、障がい者サポートカードが避難支援や避難所生活にも活用できることを広く周知し、カード作成の促進を図るとともに、災害時要援護者名簿との情報共有についても検討を重ね、地域における避難支援がよりスムーズに行えるように努めてまいります。 また、議員の御質問にあります台風十九号に伴う災害対策本部や避難所運営における課題については、災害対策本部の本部員である区幹部職員を初め、災害対策本部や避難所運営に従事した職員、避難所の設置管理者である学校の校長、自主防災組織の方々、自主避難施設を管理する株式会社渋谷サービス公社の職員、渋谷のラジオなどの関係者とのヒアリングや意見交換を実施し、課題の抽出と整理を行っています。 議員御指摘以外で大きな課題としては、災害対策本部の設置時期や避難勧告を全域に発令したことの是非、避難所の選定や開設時期、避難所運営における各関係者の連携や人員配置、自主避難施設や福祉避難所における備蓄整備などです。 今後発生する災害においては、区民の誰もが必要な防災情報を知ることができ、また安全に避難所に避難することができるように、課題に対する具体的な対応策を早急に定め、防災対策の改善に努めてまいります。 次に、ハロウィーン対策についてのお尋ねです。 区では、昨年までのハロウィーンにおける騒動や混乱を踏まえ、本年二月、「渋谷ハロウィーン対策検討会」を立ち上げ、誰もがモラルとマナーを守り、安全で安心して楽しめるものとするための区の基本的な方針を固め、第二回区議会定例会において、「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」が制定されました。 条例制定後、区では地元商店街、関係事業者、警察等により構成された「渋谷ハロウィーン対策実施連絡会」を設置し、ハロウィーンにおける様々な課題に対する検討を重ねました。 第三回区議会定例会において、補正予算案を議決いただき十月二十六日の土曜日から、翌日の日曜日にかけてと、ハロウィーン当日の十月三十一日の木曜日から、翌日の金曜日にかけて、延べ四日間の自主警備により約二百四十名以上の警備員等を配置するとともに、仮設トイレの増設、マナー啓発についての総合的なハロウィーン対策に必要な経費を投入することとしました。 また、酒類の販売自粛要請、区職員による巡回警備など、関係機関等の協力のもと、区の総力を挙げ、組織横断的な取り組みを行いました。その結果、路上等での飲酒行為が激減し、さらにその波及効果として、缶や瓶などのごみの減少や路上等での排せつ行為が見られなくなるなど、これまでの課題だった迷惑行為の減少につながり、本年のハロウィーン対策については、大きな成果を上げることができたものと認識しています。 しかしながら、痴漢、窃盗などの犯罪行為や大音量、騒音をまき散らして走行する、いわゆる爆音車への対応のほか、多数の外国人による路上飲酒など課題は残されており、さらなる対策は必要と認識しています。 これらの課題については、今後の振り返り等の場面において、関係機関等と十分な検証を行うとともに、改善に向けた検討を重ね、費用の縮減も含めて、効果的な対策の実現に向けて鋭意努力を続けてまいります。 次に、落書き対策についてのお尋ねです。 議員御発言のとおり、東京二〇二〇大会を翌年に控え、落書き対策については、競技会場がある自治体として喫緊の課題と認識しております。 現在、「渋谷をつなげる三十人」から派生したボランティアの方々や町会、区も連携して複数回の落書き消しやシール剥がしを行っております。 しかしながら、現在のボランティア中心の落書き消しでは、人員の確保や落書き場所の権利者との調整等に時間がかかってしまっているのが現状です。 区民、事業者や団体、区が連携協力し、落書きを消すという仕組みは、地域のコミュニケーションの場としても重要なことだとは思いますが、目前に迫る東京二〇二〇大会を考えると、議員も御指摘のとおり、もっとスピーディーに落書きを消す対策も必要があると考えています。 そこで、来年度に向け、「速やかに落書きを消す」を重点に置いた施策を検討しているところです。さらに、再発防止のための対策として、アートを取り入れることも検討しています。 議員御提言の外国人向けの啓発の強化や防犯カメラの増設については、落書き対策として有効であると考えますが、外国人を含む来街者への周知方法や防犯カメラの設置場所、管理等課題が考えられますので、今後検討していく中で、総合的に判断をしてまいります。 次に、幼児教育・保育の無償化への対応についてのお尋ねですが、区では、かねてより幼児教育・保育に係る保護者負担に対しては、独自の軽減策を実施しておりましたが、本年十月より幼児教育・保育の無償化が開始されたことで、より多くの世帯において、保育料等の負担が軽減されることとなりました。 私立幼稚園の保育料においても、議員御発言のとおり、子ども・子育て支援法に規定される新制度未移行の私立幼稚園につきましては、幼児教育・保育の無償化の開始後、国から月額二万七千円を上限に、どの世帯においても保育料の補助を受けられるようになりました。 失礼しました。月額二万五千七百円を上限に、どの世帯においても保育料の補助を受けられることとなりました。 その上で、幼児教育・保育無償化の開始に合わせて、東京都と区は上乗せとして、一律に月額二千八百円の補助を行います。加えて、特に負担感の大きいとされる多子世帯、また所得階層に応じて最大月額一万三千七百円まで上乗せ補助を行っております。 保護者から徴収する私立保育園の保育料につきましては、幼稚園の特色や教育方針、運営手法などにより、各園が独自に設定しており、その保育料の差は大きいものであります。 そのため区は、区内私立保育園の平均保育料を基準として、国と東京都、区の全体で保育料に対する補助額を算定しております。 本年十月以降においては、区内十二園中、二園のみが補助額を超える保育料を徴収していることから、多くの保護者においては、保育料の負担が生じておらず、現時点でこの補助額については、適正な金額と考えております。 今後につきましては、保護者の負担状況や国と東京都の動向も注視しつつ、保育料に対する補助額の検討をしてまいります。 次に、子育て家庭の負担を軽減する取り組みについてのお尋ねです。 現在、一歳六カ月児歯科健診や三歳児健診は、保健相談所ごとに一回ずつ、合計月三回実施しています。議員御指摘のように、平日に来所することが難しい共働きの家庭があることは承知しておりますが、土曜日の実施については、小児科医や看護師、臨床心理士等、複数の専門職の確保が大きな課題となっており、今後の研究課題とさせていただきます。 また、育児支援ヘルパー派遣事業は、妊娠期から二歳未満の子どもを養育している家庭を対象とした育児支援事業で、年々利用実績が増えています。 この事業は、出産前後の時期にシッターを派遣して子育ての負担を軽減することで、虐待の早期発見のほか、どの家庭でも起こり得る子育て不安や養育困難を防ぎ、虐待を予防することも大事な目的となっています。 議員御指摘のとおり、事務手続の簡素化も大切ですが、申請時に子ども家庭支援センターの相談員が保護者と面接することで、育児や家庭の困り事を伺い、妊娠期から様々な子育て支援につなげていくことが適切な支援のためには重要です。 また、申請に出向くことができない保護者については、郵送申請も可能としており、さらに今年度からは、「渋谷区子育てネウボラ」の基軸である妊婦全数面接時に、子ども家庭支援センターの相談員が面接に同席して申請を促しており、再度足を運ぶことがないよう連携を強化しています。 次に、シェアリングエコノミー、特にシェアサイクルについて三点のお尋ねにお答えします。 まず、ポートの拡充についてです。 シェアサイクルは、平成二十九年十月より電車やバス路線網を補完する公共交通機関の一つとして、交通利便性の向上、CO2排出量の削減、市街地の渋滞緩和及び違法駐車削減などを狙いとして、その効果を測定するための実証実験として導入した事業です。 議員御発言のとおり、今年度にポートを十カ所整備することで、五十カ所の設置が完了し、当初の目的を達成する見込みとしていますが、いまだに空白地域が残されています。 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、今後利用者の増加が見込まれることから、これらの地域の公共施設を初め、民間施設の敷地へのポート設置が喫緊の課題であります。 公園等の公共施設へのポート設置については、事業開始当初より積極的に取り組んでおり、現在、整備済みのポート四十七カ所のうち、十七カ所を数えるに至っています。 御発言にある氷川地区や大向地区の奥渋エリアについても、ポートを増設すべき地域としてS-SAP協定事業者などの民間施設はもとより、区の所有する地域交流センターや自主管理施設等の公共施設についても、設置を検討してまいります。 また、代々木八幡高架下施設周辺のスペース活用を検討すべきとの御提言をいただきました。近隣地権者の方の合意を得るなどの課題がありますが、シェアサイクルポートのみならず、不足が問題となっている自転車駐車場の整備も含め、改めて検討をいたします。 次に、シェアサイクルの広域連携についてのお尋ねにお答えいたします。 議員御提案のとおり、隣接区へのポートの拡大は利用者の利便性の向上につながるものと考えます。世田谷区や中野区の現状ですが、世田谷区は自主運営による事業を展開しており、中野区は広域連携に向けた導入を検討中と聞いております。 今後、広域連携十区で構成する「自転車シェアリングにおける相互乗り入れに関する検討協議会」において、各区の隣接区への働きかけを提案し、検討するなど、エリア拡大に向けた対応に努めてまいります。 次に、メンテナンスの問題に対してのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、一部ポートへの利用集中により、一時的に自転車の利用ができない事象が発生しております。現在、一日一回程度のトラックによる自転車の各ポートへの再配備を実施していますが、日々の利用状況からも最適な対応ができていないケースが発生しています。 また、オンライン予約時に、自転車の充電状況を確認する機能が実装されていないなど、利用者のサービスレベルに直結する複数の課題があります。 本事業のパートナーである株式会社ドコモ・バイクシェアとは、課題解決に向けた協議を重ねており、同一事業を実施している他区とも連携して、早急にサービスレベルの改善に努めていきたいと考えます。 次に、スポーツ施設の整備についてのお尋ねです。 昭和六十年にスポーツセンターを開設して以来、現在までに三十年以上が経過する中で、これまでにも小体育館や武道場への空調設備、グラウンドの整備など、様々な施設の改善を図ってまいりました。 最近の主な改修工事としては、大体育室への空調取りつけ工事やエントランスのスロープ改修工事など、バリアフリー工事を都の補助金を活用して実施しました。 また昨年度には、トレーニング室の拡充や新たにスタジオを設置するなど、区民の皆さんがこれまで以上に利用しやすい施設とするための改修工事を進めてまいりました。 しかし、議員御指摘のとおり、更衣室など一部の施設では利用者の方から「空調のききが悪い」との御意見をいただくなど、改善が必要な場所もあります。 そこで、空調については、指定管理者とも協議し、速やかに必要な場所に個別の空調を設置するなど、施設の改善を図ってまいります。さらに、中長期的には、区全体で進めている公共施設等総合管理計画の中で、計画的な修繕、改修を図り、施設の長寿命化を進めていきます。 次に、指定管理者に対する労働条件調査の実施についてのお尋ねです。 渋谷区公契約条例では、平成二十五年一月の施行当初は、工事請負契約を公契約の対象としていましたが、平成二十七年三月からは業務委託契約のうち、清掃業務、保育施設運営業務、給食調理業務及び指定管理協定のうち、区長が必要と認める指定管理協定に基づく清掃業務、給食調理業務を新たに対象としました。 受注者には労働報酬下限額遵守の責務を負わせ、主に賃金の面から労働条件の確保を図っているところです。また、受注者の責務として、対象となる公契約に係る業務に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働環境の整備に努めなければならないとも規定されています。 前回、平成二十六年度の指定管理者を対象とした労働条件調査は、指定管理者を公契約の対象とする前の実施でしたが、同条例の実効性の向上に資するものと考えています。 現在、本区では議員御指摘のとおり、指定管理者制度導入施設も拡大し、近年は働き方改革の推進も求められており、こうした施設で働く方々の賃金も含めた労働条件全般を適切に確保するということも、事業の質の向上を図る上で課題であると認識しています。 今後、指定管理者等の適正な労働条件を確保していくため、公契約条例の実効性をさらに高めていく取り組みや労働条件調査の可能性について検討をしてまいります。 次に、代々木二・三丁目国有地の取得と区有施設の整理統合について、二点のお尋ねです。 初めに、国有地取得に係る施設計画についてのお尋ねです。 代々木二・三丁目の国有地におきましては、国と調整を進めてきた結果、冒頭の発言でも申しましたとおり、国の審議会を無事通過し、国と交渉することとなりました。今後は取得に向け準備を進めていきますので、議会の皆様の御支援をお願いいたします。 購入後の活用につきましては、住宅や保育園の整備のほか、御質問をいただきました特別養護老人ホームを含む福祉施設を建設することとしています。 本区の特別養護老人ホームについては、二十三区でトップレベルの整備率となっているものの、なお多くの入所希望者がいることから、「第七期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」においても、その整備を施策として掲げています。 整備内容ですが、入所希望者や家族のニーズに応えるために、約百五十床規模の多床室を備えた特別養護老人ホーム、十八床規模の認知症高齢者グループホーム、さらに在宅サービス充実のための高齢者のデイサービス等の機能をあわせ持つ複合施設の建設を予定しています。 この施設については、今申し上げた規模を施設の最低基準とし、事業者からの追加提案を加味したプロポーザル方式による手法により整備を進めていきたいと考えています。 いずれにいたしましても、大規模計画となることから、地元町会を初め関係機関と情報共有を図り、スピード感を持って進めてまいります。 次に、区有施設の整理統合についてのお尋ねです。 松本議員の御発言において、「かぞくのアトリエ」が例として挙げられていましたが、区有施設の老朽化は本区が抱える問題の中でも最も大きなものの一つです。 対応の必要な施設は多数に及び、財政的インパクトが大きいため、行財政運営の持続可能性確保の観点から、維持補修を計画的に進めていくことが基本となります。このことは、公共施設等総合管理計画にお示ししているところです。 その一方で、この問題は長期間に及ぶ対応となることから、計画期間中における区を取り巻く環境の変化に伴う、施設ニーズの変化も想定しなければなりません。 このため、単なる維持補修の積み上げでもなく、場合によっては整理統合などを視野に入れた判断、対応も重要になってくるものと考えており、施設の将来的なあり方についての検討の方向性は議員と一致しています。 現在、施設の現状を熟知している各関係所管において、当面の施設老朽化対応策の計画として、「公共施設等総合管理計画」の下位計画に当たる「個別施設計画」を策定中です。これらの二つの計画は、定期的に見直しを図り、その時々の施設ニーズを反映させながら、維持補修の目安として計画から段階的に精緻化し、将来的には、これらの計画の中で区有施設の未来像を提示していく考えです。 次に、東京二〇二〇大会の観戦者の拡大についてのお尋ねです。 議員御指摘のように、パラリンピック競技大会はオリンピック競技大会に比べて観戦者が少なくなる傾向があると思っています。そのため、本区では区内開催競技を中心として、各競技の魅力や迫力等を伝えながら、その興味、関心を高めるリアル観戦事業等の気運醸成事業を開催してきました。 さらには、パラスポーツ競技団体との連携協定を結び、車椅子ラグビーやパラバドミントンの国際大会を共催、後援し、多くの皆様に観戦していただきました。来月には、パラ卓球のリアル観戦事業を開催し、障がいのある方々やシニア世代等へ幅広く周知し、参加を促していきます。 こうしたイベントを通して、東京二〇二〇大会の観戦、応援とつなげるために、ルールや競技の特性を伝え、パラリンピアンとの交流機会をつくるなど工夫を凝らしていきます。 一方、東京二〇二〇大会の観戦チケットには、「車椅子ユーザーチケット」六十歳以上のシニアの方等を含む家族やグループ用の「東京二〇二〇みんなで応援チケット」が用意されています。また、自治体向けのチケットについては、現在、東京都と調整中です。 こうしたチケット情報についても、より一層の周知を図り、観戦機会の創出に努めてまいります。 次に、渋谷区独自ボランティア制度についてのお尋ねです。 東京二〇二〇大会では、区内には複数の競技会場や代々木公園での都内最大級のライブサイト会場が予定され、さらに、日本有数の観光スポットもあり、ふだんにも増して多くの来街者が予想されます。 その際に、オリンピック・パラリンピック大会の祝祭感を高めながら、渋谷区の顔として歓迎、おもてなしを行うため、平成三十年度から渋谷区独自ボランティア制度を立ち上げるとともに、おもてなし活動の具体化を検討してきました。 区内への多くの来訪者に対して、おもてなし活動をより効果的に行うには、その拠点を設けることが効果的と考え、現在、各競技会場の周辺に二カ所、主要駅である渋谷駅周辺に一カ所、計三カ所のおもてなし拠点開設を目指しています。 こうした拠点では、来訪者の暑さ対策としてのお休みどころ、渋谷文化の発信、観光や大会情報の案内等の内容を検討しています。 独自ボランティアの皆様には、おもてなし拠点での活動に加え、パラリンピック大会の盛り上げに向けた区主催のコミュニティライブサイトの運営、聖火リレーの区内コース運営の補助なども予定しており、五百人規模の必要数を想定しています。 そのため、区では引き続きボランティア発掘講座等の開催や、区内の関係団体、大学等への協力依頼を行い、ボランティアを確保していきます。令和二年一月から庁舎十五階「スペース428」を活用したイベント開催を初め、気運醸成をより一層進めていきます。 次に、一マイルイベントについて、三点のお尋ねです。 一点目は、道路等を活用した開催についてです。 本区では、基本構想の中で、「思わず身体を動かしたくなる街へ。」を掲げ、区内全域を十五平方キロメートルの運動場と捉え、日常的に区民がスポーツに親しめるようなまちづくりを進めています。 議員御提案についても、まさにこの趣旨と合致し、さらには約一・六キロの中距離であることから、多くの区民の方々が気軽に参加できると考えます。 そこで、本区と協定を締結している公益財団法人日本陸上競技連盟と連携を図り、道路や公園の利用に当たっては、各関係機関との調整を行い、実施を検討します。 二点目は、実施場所としての代々木公園のジョギングコースの整備についてです。 議員御提言のジョギングコースなどを含む公園整備については、積極的にコミットし、機会を捉えて東京都に対して提案します。 三点目は、玉川上水旧水路緑道での開催についてです。 これまでも、ササハタハツまちづくりフューチャーセッションなどで、地域の方から水道道路や玉川上水旧水路緑道等を利用したランニングイベントを開催したいとの声が上がっていました。 ランニングイベントを実施するには、地域の皆さんを初め、警察など様々な関係機関との調整が必要となります。本年度で十回目となるウィメンズランは、多くの方の御協力と御理解を得て、構想から実現までに四、五年程度の時間を必要としました。 議員御提案の一マイルイベントのような魅力のあるイベントは、まちの活性化に有効であると考えます。ランナーでもある松本議員に先頭を走っていただき、ともにこのプロジェクトの実現に結びつけたいと思います。   〔「伊藤さんちに負けるな」の声あり〕 ◎区長(長谷部健) いろいろ伊藤さんに伺って進めていけたらというふうに思います。 次に、福祉について二点のお尋ねです。 初めに、認知症への取り組みについてのお尋ねです。 超高齢社会の進行とともに、認知症高齢者が増加することを見据えて、本区では認知症施策を重要施策と捉え、多方面からの施策を展開しています。 認知症施策をさらに推進していくため、本年六月、認知症に関し、協働して地域社会課題を解決することを目的とした協定を一般社団法人日本認知症予防学会と締結し、予防学会が培った認知症に関する知見等の活用についての情報共有及び意見交換を実施してきました。 その中で、鳥取大学と鳥取県が認知症の早期発見、早期治療、進行抑制を一つのプログラムとして実施している事業を御紹介いただきました。 このプログラムは、最初にタッチパネルを使用した認知症テストを行い、認知症状の有無を確認します。認知症が疑われる方は医療機関につなぎ、その時点で軽度認知障がいと判定された方は、運動や知的活動、座学を組み合わせた認知症予防プログラムを受講するものです。 本区においても、このプログラム、「とっとり方式」を実施する方向で予防学会との調整を進めており、次年度にはモデルケースとして「認知症なっても展」の場を活用して、タッチパネルによる認知症テストを行った後、予防プログラムを実施します。そして、再来年度からは区内全域で取り組みたいと考えていたところです。 なお、その際の実施会場につきましては、議員御提言のとおり、高齢者が多く集う場所が最適であると考えますので、鳥取方式と同様に健康診断の場を活用していくことも含め、今後検討をしてまいります。 次に、高齢者を対象にした資産に関する講座をシブカツで提供できないかとの御質問です。 「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」は、人生百年時代を見据えて、おおむね五十五歳以上のプレシニア世代からアクティブシニア世代の区民が、いつまでも元気に活躍し続けられるように様々な活動の場へつなげる事業です。 シブカツにおいては、区民を新たな活動につなげるきっかけとして、学ぶことを重要と捉え、十月から渋谷ハチコウ大学を開校し、学習に関する支援を展開しています。現在、四百人以上の区民が学生として登録し、大学のキャンパスやシブカツのイベントスペースで講座を受講していただいており、学習意欲が高い学生が多く、熱心に学んでいただいています。 一方、老後に備えるための資産形成についても話題となっており、シニア世代にとっては、御自身の資産の管理運用への関心は高いと考えられます。 議員御提案のような資産形成に関する講座についてですが、S-SAP企業の中には、金融関係や生命保険会社などがあり、それらの企業がそれぞれの特色を生かして講座を提供していただける可能性があります。既に、当該企業から相続や遺言を含めた資産管理についての講座の提案をいただいておりますので、その講座の中で金融商品の仕組みなど資産形成に資する知識を得る内容を盛り込むことを検討してまいります。 今後、講座の具体的な内容を検討するため、学生からのアンケート調査などで資産形成や管理に関するニーズを把握し、講座の提供に向けて準備を進めていきます。 以上、私からの答弁といたします。 すみません、大変失礼しました。一つ、言い間違いがあるので、訂正させていただきます。 幼児教育・保育の無償化への対応についてのお尋ねの中で、「区内私立幼稚園の平均保育料を基準として」というところを、失礼しました、区内私立保育園と言い間違えておりましたので、区内私立幼稚園というふうに訂正をさせていただきます。よろしくお願いします。 ○議長(下嶋倫朗) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について二点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず、ICT教育についてのお尋ねです。 教育委員会では、タブレット端末の導入効果や課題を把握するため、ICT教育に関するアンケート調査をこれまで二回実施してまいりました。調査結果では、タブレット端末の活用により、児童・生徒の間で自分の意見や考えが伝えやすくなったこと、さらに、他者の多様な見方、考え方に気がつきやすくなったことなどの回答が多く見られました。このことから、新学習指導要領における対話的で深い学びの視点からの授業改善の実現について、一定の成果が出ているものと考えています。 去る十一月八日には、渋谷タブレットの日として、全国から多くの方々に御参観をいただくことができました。また、松本議員を初め、多くの議員の皆様にも御参加をいただき、まことにありがとうございました。 このタブレットの日の実施に向け、各校では校内研修の開催や授業内容の検討などが行われております。このことが渋谷区の教員のタブレット端末活用に対する意識の高まりにつながったと考えております。 一方で、今後取り組むべき課題も明確になりつつあると感じております。具体的には議員御指摘のとおり、学校や教員によって活用スキルに違いがあることや、タブレットの日のパネルディスカッションでも指摘がありました、話の聞き方などを含む学習規律に課題があると認識をしています。 また教員の中には、タブレット端末の活用が手段ではなく、目的となり、授業を進めていることも課題と考えています。今後、これらの課題を解決していくためには、学校管理職のリーダーシップと教員の本来の指導力の向上が必要であることから、学校経営方針等におけるタブレット活用の位置づけを促すとともに、区内公立学校の教員による研究会等との連携を図ることで、教科指導におけるタブレット端末の効果的な活用例の開発などを進めてまいります。 次に、プログラミング教育についてのお尋ねです。 エストニア共和国への視察研修では、ICT機器を活用した学習活動や学習環境を視察しました。また、今回の視察を契機に、エストニア国内の教育関係者が区内の学校を訪れ、授業を視察するとともに、両国のICT教育について議論するなどの機会が設定されました。 今後、視察の内容は報告書にまとめて各小中学校に配付して周知を行うとともに、児童・生徒や教員におけるICT機器の活用の日常化が図られるよう、次期ICT教育システムの運用や教員研修の内容、家庭と連携した情報モラル教育に反映させてまいります。 また、プログラミング教育については、推進校としている学校の発表会を行ったり、カリキュラム開発を行ったりするなどして、一人一台のタブレット端末を活用した学習を充実していきます。 特に、新学習指導要領に例示されている算数と理科、総合的な学習の時間の中で実施するプログラミング教育については、協定を締結した各社に対し、学習の位置づけや学習活動の狙いについて説明し、十分な理解の上にプログラミング教育が行われるよう連携を図りながら進めてまいります。 今後のプログラミング教育については、ICT教育全体の中で検討していくことが必要と考えていることから、今後策定するICT教育推進計画の中に位置づける予定としています。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(下嶋倫朗) 松本 翔議員。 ◆一番(松本翔) 区長、教育長より丁寧な御答弁をいただきまして、まことに感謝いたします。前向きなお答えも多く、今後に期待するところでありますが、二点ほど所見を申し上げます。 まず、子育て支援については、自分自身が保育園を利用している立場から質問いたしましたが、毎年保育サービス利用者数は増加を続け、今や子どもの二人に一人が保育サービスを利用している状況にあります。是非、共働き家庭も想定しながら、様々な施策を進めていただければと思います。 また、一マイルイベントの開催につきましては、区長よりエールをいただいたところですので、自分自身の経験も生かしながら、実現のために精いっぱい汗をかいていきたいと思います。そして、一度きりの開催でなく、継続して行うことで、小さく産んで大きく育てるという言葉にもあるように、行く行くはたくさんの人が参加する渋谷を代表するようなイベントに発展させていければと考えております。 最後になりますが、私たち渋谷区議会自由民主党議員団は、責任政党自民党の名に恥じぬよう、将来を見据えた先進的な施策を推進するとともに、地元の皆様一人一人の声に耳を傾けるボトムアップの政治を進め、区政進展に邁進していくことをお誓い申し上げて、私の代表質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(下嶋倫朗) 議事進行上、暫時休憩をいたします。-----------------------------------   休憩 午後二時四十六分   再開 午後三時五分----------------------------------- ○副議長(岡田麻理) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 五番橋本侑樹議員。 ◆五番(橋本侑樹) シブヤを笑顔にする会を代表いたしまして、区長、教育長に質問いたします。 質問に入る前に一言申し述べさせていただきます。 続けざまに日本列島を襲った台風十五号、十九号、二十一号は多くの地域に甚大な被害をもたらしました。お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。いまだ日常を取り戻せない被災地の一日も早い復旧・復興を願っております。 さて、五月から渋谷区議会議員の任期が始まり、約七カ月がたちました。区内外の多くの方からの御期待をいただき、今こうして質問に立てていることに感謝とともに、身の引き締まる思いです。最年少議員として、区政に新しい風を吹かせてまいります。 現在、AIやIoT、ロボティクスが新たなビジネスや生活環境、価値観をもたらし、身の回りのあらゆるモノ・コトがアップデートされ続けています。このような時代においては、社会の変化に受け身になるのではなく、渋谷区が内包する様々な個性を生かしながら、積極的に新しい価値を創造していく姿勢が区政においても重要です。 ビジネスの挑戦を後押しする力と、区民や来街者を災害から守る力をともに育み、渋谷区の持つ可能性を最大限に引き出していくための提案を行い、若い世代の議員としての役割を全うしてまいります。 以上を申し上げて、質問に入らせていただきます。 初めに、出産・子育て支援について伺います。 一点目は、不妊治療への支援についてです。 総務省の「労働力調査」によると、平成三十年度の女性の労働力人口は三千十四万人と、前年に比べて七十七万人増加し、六年連続の増加となっています。働く女性の増加傾向は渋谷区も例外ではありません。働く女性が増えていることを背景に、女性の晩婚化、晩産化に伴う不妊治療を受ける女性、また、不妊治療を受ける男性も増加しています。 日本産婦人科学会のデータによると、二〇一五年の全出生児のうち、約二十人に一人が不妊治療を行ったことにより誕生しています。しかし、民間企業の調査によると、人工授精、体外受精、顕微授精のいずれかにかかった平均費用は約百三十四万円、中でも高額となる特定不妊治療の経験者に限定すると、平均費用は約百九十三万円まで上昇し、そのうち一六%は三百万円以上です。 不妊治療における金銭的な負担は大きく、金銭的な理由で妊娠を諦める、妊活を途中でやめる方も多くいるのが現状です。 不妊治療への東京都の助成事業は所得制限の緩和や、対象者を事実婚カップルに広げるなど充実してきているものの、例えば夫婦合算の所得額が九百五万円未満であることが条件となっており、渋谷区には都からの助成を受けられないという方も多くいます。これに対して港区では所得制限を設けない上乗せ助成を実施しているので、渋谷区でも上乗せの助成で助かる夫婦は多いと考えます。 現在、不妊治療に関してデータとしてわかるのは、都の助成を受けて不妊治療を受けている件数など、支援が行き届いている人に関するものだけで、助成を受けられずに自己負担で不妊治療を受けている人、金銭面を理由に妊娠を諦めた人など、支援が届いていない人に関する実情や、不妊治療の潜在需要はつかめていません。まずは不妊治療で困っている方々の全体像をつかむため、実態調査を行うことが重要と考えますが、区長の所見を伺います。 また、不妊治療に当たって負担となるのは経済面だけではありません。精神面・体力面でも負担が大きいとされています。不妊や妊娠時の健康面のリスクは年齢とともに上がっていくということから、妊娠を希望される方が早期から計画的に動けるように、妊活に関する正しい知識を周知していくことも重要です。 渋谷区では渋谷区子育てネウボラが開始され、妊産婦への支援は大変手厚く、区民からも期待されているところではありますが、妊娠を希望している段階にある女性、夫婦への支援も必要かと思われます。 助成事業の案内や専門医療機関、カウンセラーとの連携といった、不妊治療版ネウボラのようなシームレスな相談、支援体制を整えることで、出産を希望する夫婦の精神的・体力的負担を軽減することができると考えます。 計画的な妊活の啓発、妊娠を希望する女性、夫婦のためのシームレスな相談体制の整備について、区長の所見を伺います。 二点目は、保育にかかわる手続の電子化についてです。 保育園に子どもを通わせている保護者から、「保育園の選考結果の通知が遅い」「共働きなので平日に窓口まで保育園の入園申し込みをすることが困難である」といった声が上がっています。現在、保育園への入所選考は職員八名がデータ入力や保育園の選定を手作業で行っており、申し込みを締め切ってから結果の通知までは二カ月を要しています。 今年十月に、港区では認可保育施設の入所選考に人工知能が導入されました。この人工知能による保育所選定システムは最適パターンを瞬時に見つけ出すもので、導入までに行われた実証実験では、人工知能による選考結果を職員による手作業と一〇〇%一致させることに成功しており、精度を落とすことなく選考できるとされています。 この電子化、人工知能の導入によって、これまで職員十五人が延べ約五百時間かけて手作業で行っている選考を約五分で行えるようになり、年間四百万円の人件費削減が見込まれるため、初期投資も数年で回収できると試算されています。 選考期間を短縮することによって、内定や待機通知を早く出すことが可能となり、保護者も結果を受けてすぐ次の施設の検討に移ることができるという点、また、手続の電子化によって、忙しい共働き世帯でも手軽に申請手続を行える点など、様々なニーズに応えられることと思います。 人工知能については、今年度検討していると聞いていますが、保育園入園申し込み手続の電子化、人工知能の導入について区長の所見を伺います。 三点目は、多様な遊び場づくりについてです。 「安心して遊ばせられる子どもの遊び場が少ない」という保護者の声を多く聞いています。区内の児童遊園地や公園では大きな声を出したり、ボール遊びをしたり、走り回ったりできる場所が少ないとのことです。 そのような現状の中で、今年で開設十五周年を迎えた「はるのおがわプレーパーク」は、自己責任の中で自由に遊べる貴重で区民に大変人気のある公園です。これまでプレーパークの増設に向けて、出張プレーパークなども各地域の公園で行ってきましたが、常設も含めた今後の拡充計画について、区長に伺います。 また、多様な遊び場を提供することは、子どもたちの遊び心や探検心、好奇心、ときには集中力やバランス感覚の育成につながると考えられています。 私が小学生のころ、「伝承遊びクラブ」というものがありました。缶蹴りや花札、はないちもんめ、お手玉といった昔ながらの遊びを、地域のおじいちゃんやおばあちゃんに教えてもらいながら遊ぶというもので、ふだん、なかなか触れる機会がない、昔ながらの遊びを覚えることができたり、日ごろかかわる機会が少ない地域のおじいちゃん、おばあちゃんと交流できたりと、貴重な経験でした。 プレーパークには子どもたちがのびのび遊べるように、子どもたちに寄り添い、遊びをサポートするプレーリーダーという役割がありますが、同様に地域のシニアの方がプレーリーダーとなって、子どもたちに昔ながらの伝承遊びを教えられるような遊び場をつくることで、子どもたちに豊かな経験を提供できる上、シニアの方の経験や知恵を生かす場をつくることができ、地域コミュニティの強化にもつながると考えられます。 こうした取り組みは一部の学校や「フレンズ本町」でも行われているようですが、例えば「景丘の家」で実施するなど、拡充してはいかがでしょうか。シニア世代のプレーリーダー起用について区長の所見を伺います。 また、「車の心配がなく、雨の日でも遊べる屋内遊び場が欲しい」という声を多く聞きます。屋内遊び場とは、ボールプールやエアー遊具、コンビネーション遊具などを屋内に設置した遊び場のことで、他の自治体では「屋内遊び場確保事業」を行い、市民会館や子育て支援センター内に屋内遊び場を整備した事例もあります。屋外の公園の遊具に比べて遊具の整備がしやすいことも魅力的です。 笹塚の高架下施設で月に一度開催されるこどもテーブル「ささはたっこ」では、小さな体育室の中を全力で走り回る子どもたちの姿があり、この体育室が子どもたちにとって「月に一度の開放的になれる場所」だと主催者や保護者の方々からも伺っています。子どもたちや保護者にとって、屋内遊び場の需要は大きいと考えられますが、兄弟そろって遊べるような常設の屋内遊び場を既存施設内に設置、また、新規に区施設を建てる場合は計画に入れて整備してはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 また、昨年九月に杉並区でビーチコートが開設され、大変好評であると伺っています。ビーチコートとは、ビーチバレーやビーチサッカーを行うような砂を敷き詰めたコートのことで、ビーチスポーツができるだけではなく、エクササイズやウオーキングといった不安定な砂の上だからこそ効果のあるプログラムにも向いており、高齢者の足腰強化、転倒防止につながるなど、活用の可能性は多岐にわたります。 渋谷区全体を「十五平方キロメートルの運動場」と捉える渋谷区にふさわしい、新たな体を動かす場所として、ビーチコートを整備されてはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 次に、福祉について伺います。 一点目は、移動支援についてです。 渋谷区には立地上坂道が多く、高齢者や障がいのある方にとって「日常の移動にも大きな負担がかかる」という声を多くいただいております。そこで、小型モビリティ等の活用による移動支援を行ってはいかがでしょうか。 例えば、明石市では、地域と社会福祉法人との連携により、高低差などで移動が困難な地域において、生活関連施設や最寄りのバス停までを結ぶ小型電気自動車「グリーンスローモビリティ」の実証実験を行っており、一定の効果が確認されております。渋谷区でもハチ公バスではフォローし切れないルートで小型モビリティを活用してはいかがでしょうか。 また、「既存の公共交通機関では買い物等に出向くことが難しい高齢者の方々のための、買い物ツアーの企画があったらいい」との声もいただいております。高齢者にとって、気軽に外出できる機会は貴重です。将来的には専用ポートを設けて、小型モビリティをシェアしていく、もしくは数名が乗車できるような小型モビリティの定期運行を行うなど、小型モビリティの活用の可能性について、区長の所見を伺います。 二点目は、住宅福祉についてです。 住宅は人の生活を支えるものであり、福祉の基盤であります。現行の渋谷区住宅マスタープランは平成二十三年度に策定されてから八年がたち、その計画期間は令和二年度までとなっております。区の現況や区民のニーズも時代にあわせて変わっているかとは思いますが、一方で、地域コミュニティの活性化、安全で快適な住まいづくりには、まだ多くの課題が残されていると思います。 今年の五月には渋谷区住宅マスタープラン(仮称)策定支援業務委託プロポーザルを実施し、民間から区が抱える課題の対応策を募集されたとのことですが、新たな住宅マスタープランについて区長に、その方向性を伺います。 現在、区では保育士に対しては宿舎借り上げ事業を行っていますが、介護職に対しては行われていません。福祉人材の待遇改善のためにも、保育士同様に介護職の区内での住宅支援は重要と考えます。 また、台風十九号への対応の際、災害対策本部の最初の招集で集まった職員はわずか三十七人であったと伺いました。有事への備えのためにも、区内在住の職員を確保していく必要性があります。現在の住宅福祉施策として区営住宅がありますが、既存の区営住宅を介護職や保育職といった福祉人材及び有事に備える区職員にも利用できるようにしてはいかがでしょうか。区長の考えをお聞かせください。 次に、心のバリアフリーの実現に向けた取り組みについて伺います。 一点目は、相談体制についてです。 「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が施行され、四年がたちました。本条例は、当時LGBTという言葉もほとんど知られていなかった中、多くの性的マイノリティの希望になったことと思います。私自身は当時大学生でしたが、性的マイノリティである友人と「いい世の中になってきたね」と喜び合ったことを鮮明に覚えています。 この条例が真に意味のあるものになるためには、実効ある施策につなげていくことが重要と思われます。本条例で区民及び事業者は、区長に対して、この条例及び区が実施する男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する施策に関して、相談、苦情の申し立てを行うことができ、区は苦情の解決のための支援や区長勧告を行うことができることになっていますが、実際に相談、苦情の申し立ては何件あったのか。また、苦情の解決に向けてどのような調査や支援を行っているのか、区長勧告が行われたことがあるのか、区長に伺います。 また、多くの自治体でLINE相談が導入され、好評だと聞いています。若年層にとってなれ親しんだLINEを活用することで、相談のハードルが下がる点、トーク履歴を確認することで、相談内容を見直すことができるので、相談員がかわっても、情報共有が円滑にできる点、相談者側が再び悩んだときに、相談時のやりとりを反すうすることができる点ですぐれていると考えます。 悩みを抱える当事者は、誰にも相談できず、一人で抱え込んで人間関係を含む社会的資源から孤立しがちであるという課題の中で、相談のハードルを下げる取り組みは重要です。 渋谷区には多くの電話相談窓口がありますが、回線の混雑や受け付け時間外のために電話がつながらない場合、相談者や悩みを吐き出すことができないばかりか、相談すること自体を諦めてしまう可能性があります。 その点、LINEでは相談者が相談したいときに悩みを吐き出すことができ、相談員は後から確認して返信することができます。自動返信で「相談ありがとうございます。悩み相談員が後からお話を伺います」の一言があるだけでも、悩みを抱える当事者にとっては、心強いのではないかと思います。性的マイノリティのための「にじいろ電話相談」は、相談時間が第二、第四土曜日の十三時から十六時のみとなっていますが、LINE相談を導入すれば、専門の相談員が相談時間外の相談に後からでも対応できるようになります。「にじいろ電話相談」に電話相談とあわせてLINE相談を導入してはいかがでしょうか。区長に伺います。 また、教育センター内にも「いじめ電話相談窓口 渋谷区いじめ一一〇番」がありますが、現在、窓口と電話対応のみとなっております。ここでは対応時間が平日の十時から十七時で、子どもたちにとって相談しやすい時間帯ではありません。いじめ問題も若年層にとっては深刻で、相談しづらい内容です。 東京都ではLINEによる自殺相談事業が行われており、対応時間の十七時から二十二時には多くの相談が寄せられています。夜の時間帯に電話対応できなくても、LINEであれば、夜に受けた相談に後から相談員が返信することも可能です。区での相談体制を充実させることで、スピード感を持っていじめ問題に対応できるかと思います。 悩みを抱える子どもを取りこぼさないためにも「渋谷区いじめ一一〇番」でもLINE相談の併用を検討してはいかがでしょうか。教育長に伺います。 二点目は、性の多様性に関する教育についてです。 今年八月に東京都で「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」素案が公表されるなど、国全体でも「多様な性の理解の推進」に向けての取り組みが加速しています。 「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」の中では、「性自認及び性的指向に関する問題がいじめ問題と関連している」「LGBT等の正しい知識を持ってもらうための学習及び教育者の肯定的な視点が必要である」「教職員が正しい知識を持って、当事者である児童・生徒やその保護者に寄り添える体制を整えていくことが重要である」といったことが、学校、教育現場の課題として挙げられています。 また、いまだに保健体育の教科書を開くと、「思春期になると異性に興味を持ち始めます」という文章が書かれており、教育現場で子どもたちが性の多様性を理解できる体制が整っているとは言いがたいのが現状です。 渋谷区では平成二十九年からの三年間で、全小中学校の全教職員に、性自認及び性的指向に関して理解するための研修会を行っているところで、一部の学校では当事者による道徳の授業が行われたと聞いており、早期から教育現場に係る取り組みが行われていることは、大変すばらしいと思います。 また、先日も記者会見があり、「渋谷区内の小中学校では性的マイノリティを理解するためのDVDを教材として取り入れ始めた」と発信していました。 今年度で教職員向けの研修を終了するとのことですが、まさにこれからが性の多様性に関する教育のスタートだと思います。今後、児童・生徒に対する性の多様性理解のための教育をどのように展開していくのか、教育長に伺います。 岡山県倉敷市では、小学校から中学校の九年間にわたり、児童・生徒の発達段階に応じた「性の多様性を認め合う児童・生徒の育成」をテーマにした人権教育がどこか遠い世界の話ではなく、「性の問題は誰もが当事者である」という捉え方で実践されています。学習内容だけではなく、図書館や保健室に関連図書を置くといった連携も行っています。 渋谷区でもこうした学校、教育現場での細やかな人権教育を取り入れることで、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」らしい学校教育を実現できると思いますが、性の多様性に関する学習内容の充実と、保健室や図書室に置く関連図書の充実を図っていくことについて、教育長の所見を伺います。 三点目は、多様な障がいへの理解促進についてです。 東京二〇二〇大会に向けて、パラスポーツやゆるスポーツの周知啓発、推進事業が渋谷区内でも多く行われてきました。リアル観戦事業等の気運醸成の事業を通して、パラスポーツの知名度も高まっていることと思います。 しかし、その一方で、まだまだ知られていない障がい者スポーツがあります。聴覚障がいのあるアスリートによるデフスポーツです。パラリンピックとは別にろう者のスポーツの祭典「デフリンピック」というものが四年に一度行われており、二〇一七年のデフリンピックでは、日本の女子バレーボールチームが金メダルを獲得するなど、デフスポーツは日本でも活発に行われているスポーツです。 こうしたデフスポーツにおいても、周知の事業を行い、多様な障がいへの理解促進につなげていくことは重要であると思いますが、区長の考えを伺います。 また、現在、計二百八十五の自治体が「手話言語条例」を定めることによって、手話を言語であると認め、その普及に取り組んでいます。平成三十年第二回定例会では、当会派の田中議員から、「自治体の責務として、手話の使いやすい環境整備や、その学習を推進するための手話言語条例の制定が必要であり、障がいのある人が障がいのない人と実質的に同等の情報が確保されるよう、手話言語とともに、障がいの特性に応じた情報保障を含んだ条例を策定してはいかがか」と質問した際、区長からは、「先進的な施策や取り組みを研究し、条例化に向けた準備を進めていく」との答弁がありました。 手話だけではなく、要約筆記、点字、翻訳など、障がいの特定に応じた情報コミュニケーションの保障を行う「手話言語条例・障がい者コミュニケーション条例」により、いかなる障がいを抱える人もコミュニケーションがとれる社会の実現に取り組んでいくことは、どんな障がいがあったとしても、社会の中で居場所を見つけ、自分らしく活躍できる社会の実現のために必要です。その後の進捗と条例化に向けた今後計画について区長に伺います。 次に、観光について伺います。 一点目は、民泊についてです。 いよいよ来年は東京二〇二〇大会が開催され、渋谷区にも多くの観光客が訪れることが予想されます。渋谷区の魅力を発信し、観光客にまた訪れたいと感じていただくことは、シティプライドの醸成にもつながります。そういった意味でも、来年は渋谷区の可能性を育む絶好の機会です。 徳島市では、徳島阿波踊りの際に百万人以上の観光客が訪れ、宿泊施設が不足するといった問題に対して、期間中、市内の住宅の空き部屋などを有料で観光客に提供する「ホームステイ型民泊」を、徳島市が主導して行った事例があります。具体的には、民泊に活用できる空き部屋等の募集、民泊を始めるための質問などに対応するAIコンシェルジュの設置や、宿泊者の受け入れが可能かどうかの確認作業の民間業者への委託といったサポートを実施したとのことです。 現在、民泊に対してマイナスイメージを持っている方もいることは承知していますが、民泊利用者のマナーは、チェックイン時にホストが立ち会い、地域のマナーや情報を説明するだけで改善すると言われています。 こうしたホームステイ型民泊は、地域住民である家主が同居する形で、地域に観光客を迎え入れるものなので、観光客のマナー向上、地域と観光客の交流、観光地や繁華街だけではない観光体験の提供、多様な表情を持つ渋谷区のローカルな魅力の発信にもつながりますし、東京二〇二〇大会の期間中だけでも意義のあるものと思います。 区が主導して民泊を始めるに当たっての相談や、宿泊者の受け入れが可能かどうかの確認作業といったサポート、民泊ホストのための講座を行うなど、「ホームステイ型民泊」の推進、支援を通して、地域と観光客を結びつけてはいかがでしょうか。区長の考えを伺います。 二点目は、観光マップについてです。 今年三月に千駄谷小学校の児童がつくった「千駄ヶ谷インバウンド観光マップ」が観光客に大変好評であったと聞いています。インターネットで紹介されているような有名なスポットだけでなく、地域住民だからこそ知っているカフェや店舗などの情報は、観光客にとっても、その地域ならではの体験ができる貴重なものですし、地域の方が観光客と触れ合う機会にもつながります。 各地域に密着した観光マップを作成することは、渋谷区のローカルな魅力を観光客に伝え、地域と観光客の交流の機会づくりにつながると思いますが、いかがでしょうか。区長に伺います。 三点目は、ナイトタイムエコノミーについてです。 今月上旬には、渋谷区未来デザイン、渋谷区観光協会が主催し、「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」が区内で開催され、「東京・渋谷から夜の経済振興・文化振興」をテーマに、音楽、スポーツ、アートのイベントが開催されました。今年三月には観光庁が「ナイトタイムエコノミー推進に向けたナレッジ集」を公開し、政府でも日本の観光分野の課題として、ナイトタイムエコノミーの推進を掲げています。 渋谷区では、昨年から観光協会が実施しているガイドツアーを年間約千人の観光客が利用しており、そのうち五十八人がはしご酒を楽しめるような夜の街並みを案内する夜のガイドツアーを利用しており、大変好評だと伺っております。 区長発言でもナイトタイムエコノミーの環境整備に触れられていますが、現在、具体的にナイトタイムエコノミーの活性化に向けてどのような仕掛けを行っているのか、また、今後のナイトタイムエコノミーの推進イメージを区長に伺います。 また、ナイトタイムエコノミーは、治安など地域の安全・安心に配慮し、地域の理解を得ながら、時に地域と連携しながら活性化していく必要があります。例えば昼間に営業していないクラブハウスを地域のダンスチームの発表会の会場にするなど、地域とナイトカルチャーが連携していく余地は多くあると思います。地域・民間・行政をつなぐ場や、ナイトタイムエコノミー推進にかかわる様々な分野に対応する横断的な取り組みが必要かと思われますが、区長に所見を伺います。 次に、区の情報発信について伺います。 公式LINEやツイッター、インスタグラム、フェイスブックといったSNSは、今や多くの自治体や企業が活用している広報媒体で、渋谷区にとっても区民への情報発信に欠かせないツールです。区公式SNSの投稿頻度、投稿内容といったものに関しては、外部コンサルによる助言をもとに、効果的な運用を目指しているところと思いますが、渋谷区で行われている多くの事業やイベント、新しい条例やサービスにおいては、まだまだ周知に課題があると伺っています。 現在、区公式SNSの運用は、複数の課にまたがる数人の職員が担当しているとのことですが、分野によって投稿頻度にばらつきがあり、区のSNSを見ている方々からは、「渋谷なのにかた苦しい」「わかりやすい画像をつけるなど、もっと拡散されやすい投稿をしてほしい」「イベントの情報が分散していて把握しづらい」といった声も上がっています。 SNSの投稿には文章・添付画像の工夫といった内容の充実や投稿頻度、スピード感といった細やかさが求められるもので、職員が職務の合間に実行することもなかなか難しいと思います。実際に民間企業では、SNS担当部署を設けたり、外部の代行業者に委託したりといった事例も多くあります。 「渋谷区子育てネウボラ」や「渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ」「YOU MAKE SIBUYA」の専用ウエブサイト、渋谷区予算案は他の自治体の各種ウエブサイトや予算案と比べても、格段にデザイン性にすぐれ、わかりやすいものとなっていますし、こうした渋谷区の情報発信におけるわかりやすさ、見やすさに対する工夫はSNSにも応用できるのではないかと思います。 また、広報には伝えるということ以外にも、若手職員が広報を担うことで、渋谷区のことを知るという若手職員の育成の側面があると、所管の職員から伺いました。区民だけではなく、区職員のシティプライドを育んでいくことも、確かに重要です。 そこで、数名の職員だけがSNSの投稿を担うのではなく、全職員が渋谷区の各所で見聞きした情報を広報に提案し、そこからSNSに投稿するものを選んで投稿していくといった、全職員参加型のSNS体制をとってはいかがでしょうか。 区政と区民をつなぐ大切なツールであるSNSを充実させるため、SNS体制を改革することについて、区長の考えを伺います。 次に、公民連携について伺います。 現在、国の施策として、「レギュラトリーサンドボックス制度」が行われています。レギュラトリーサンドボックスとは、企業が革新的な技術やビジネスモデルを実証する際に、壁となっている様々な法規制を期間や範囲を限定して停止し、新産業を育成する施策をいいます。 日本でも平成三十年に「生産性向上特別措置法」が施行され、プロジェクト型「規制のサンドボックス」制度が創設されたことで、多くの企業が現規制の中では実行が難しい取り組みの実証実験を行い、新たなビジネスが生まれ育まれようとしています。 本制度を渋谷区版レギュラトリーサンドボックスとして導入することにより、各企業と協力し、AI、IoT、ビッグデータ等の最新のテクノロジーの知見を活用した様々な産業、地域課題の解決を図ることができます。 また、各企業による新たな付加価値の創出や生産効率化により、区内全体の価値を向上させることができるほか、技術やノウハウを保有する区内外の企業や人材を呼び込むことによって、渋谷区全体の活性化を図ることができると考えられます。これは有力な大企業、有望なスタートアップ企業が多く集積している渋谷区に有利な取り組みであると考えます。 また、渋谷区と都市間連携を行う広島県では、「ひろしまサンドボックス」という実証実験のプラットフォームを開設し、渋谷区のスタートアップ企業を含む、県内外の企業、人材と協力し合うことで、地域の課題解決、活性化の取り組みに一定の成果を上げております。 渋谷区でもオープンな実証実験の場としてプラットフォームを開設することは、渋谷区に集まる企業、人材を地域課題の解決に生かす有効な手段と考えますが、区長の所見を伺います。 次に、安全・安心な環境の実現について伺います。 一点目は、ハロウィーンについてです。 昨年のハロウィーンでは、渋谷の街に集まった来街者が暴徒化するなどの混乱があり、大きな問題となりました。私自身も街頭で多くの方から「渋谷のハロウィーンを何とかしてほしい」と声をいただいていましたので、今年のハロウィーンが例年に比べて落ち着いていたことはよかったと思います。 本年三月の第一回定例会で、当会派が提案した条例制定を早速具現化し、路上飲酒の禁止に踏み切り、補正予算を組んでの万全の対策を講じられた関係者、区職員の皆様の努力あってのことと評価しています。 今年のハロウィーンでは、街中にマナー啓発のフラッグとして、「ハロウィーンを渋谷の誇りに」の文字が見られました。世界中にお祭り騒ぎをするイベントがありますが、どのお祭りもその地域を愛し、そのお祭りを誇りに思う人々によって、モラルやマナーが保たれています。 毎年ハロウィーンの翌日の渋谷の街は、数々のボランティアによる清掃活動により、一年で一番きれいになると言われており、それもまさに多くの方に愛される渋谷の街だからこそのことだと思いますし、これから渋谷のハロウィーンがもっといいものになっていくのではという希望も感じているところです。そのためには今回のハロウィーン対策の成果や反省点などを十分に検証し、費用も抑えた持続可能な対策を考えていくことが必要と思われます。 また、実際にハロウィーンの夜に街を歩いていると、路上飲酒が禁止されていることを知らずに、お酒を飲みながら歩く外国人観光客をたびたび見かけました。外国人観光客への事前周知、例えば、SNSによる発信などの改善点もあったかと思います。 そこで、今年のハロウィーンの振り返りと来年のハロウィーン対策、カウントダウンなど、ほかのシーズンに対する対策はどのように考えているか、区長に伺います。 また、海外では群集マネジメントという分野で、人が集まる場所における群集の安全な誘導や警備、快適なサービスの提供などを考える総合的かつ学際的な取り組みが行われています。大規模なイベントだけではなく、群集内での感染症の拡大予防、災害、緊急時の避難ルートやロジスティクスの問題なども幅広く扱い、群集マネジメントが適切に行われなかったために、けが人や死者が出た事例もあります。 残念ながら、日本では経験と勘に基づいた個別的な対応をしている場合が多く、群集マネジメントとして包括的な対策が考えられている事例はめったにありません。 現在は東京大学で「群集マネジメント研究会」が発足し、最先端の群集マネジメントに対する議論が行われていますが、東京二〇二〇大会などの大規模なイベント開催に加え、大規模災害、テロ、外国人観光客の増大など、多くの課題がある中で、AIシミュレーションや群集行動学、社会心理学を活用した混雑発生予測や予防、混雑発生後の適切な対処方法の検討、また、群集マネジメントの研究への協力は有効かと思われますが、区長の所見を伺います。 二点目は、路上喫煙についてです。 「渋谷区喫煙ルール」が本年四月に施行され、渋谷区では公共の場での喫煙が終日禁止となりました。それに伴い、指導員が区内全域を巡回し、違反者からは過料を徴収することとなりましたが、いまだ区内のあちこちで路上喫煙者を見かけます。子どもたちが遊ぶ公園でも大量の吸い殻が落ちていたり、堂々と喫煙している人がいたり、路上喫煙禁止が区内に浸透するまでは、多くの課題があると感じています。 一方で、駅前の喫煙所は人であふれかえっており、他の喫煙所も見当たらず、吸う場所に困るという喫煙者の声も多く聞いています。吸う人も吸わない人も心地よく共存できる街にするためには、渋谷区喫煙ルールの周知の徹底と、誰でも利用できる喫煙所の情報を提供していくことが必要です。 現在、区ホームページで公開されている喫煙所所在地の情報は、渋谷エリアで九カ所、恵比寿エリアで二カ所、原宿エリアで十三カ所、その他の地域で二カ所の計二十六カ所と少なく、エリアの偏りも感じます。区ホームページには喫煙所マップも紹介されていますが、渋谷エリアで八カ所、恵比寿エリアで二カ所、原宿エリアで十三カ所の計二十三カ所と、情報が統一されていないことも気になります。 屋内、屋外問わず、区が管理するものも、民間によって運営されているものも、全て含めた区内全域の喫煙所データを収集してマップを整備することは、少ないコストで喫煙者を喫煙所に誘導でき、路上喫煙を減らすためにも有効かと思いますが、区長の考えを伺います。 三点目は、災害対応についてです。 先月の台風十九号による区内の被害は、職員や地域の方々による迅速かつ適切な対応によって、最小限にとどめられたことには大変感謝しております。 総務委員会でも指摘させていただきましたが、台風が迫る中、ネットやSNSでは、「避難所にどのような設備、備蓄があるかわからず、避難所に何を持っていけばいいのかわからない」「自分の地域の避難所にはどれくらいの人が避難しているのかわからない」「防災行政無線が聞こえない」「ペットを連れていっていいかわからない」といった理由で避難をちゅうちょする声が多くありました。 防災行政無線については、確認電話によって聞くことができますが、認知度が低く、周知不足を感じています。今後は防災行政無線確認電話の周知を徹底すべきだと思いますが、区長の所見を伺います。 今回は台風だったため、事前に備える時間がありましたが、例えば地震のような予測不可能な災害が起きたときに、情報が不明確だった場合、大きな混乱が生じます。渋谷のラジオによる各避難所の避難者数などの状況の発信や「ペットとの同行避難マニュアル」の策定などは、現在でも取り組みがなされていますが、「実際に自分が避難する避難所はどうなっているのか」という情報が一元的に整備されていれば、災害時の判断を素早く行うことができます。 十月十二日の防災ポータルサイトの閲覧数は約五万二千件であり、多くの方が防災ポータルサイトから情報を得ていたことからも、各避難所の設備、避難状況、ペット同行避難に対する対応といった情報を防災ポータルサイトや防災アプリに組み込んではいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 また、先月の総務委員会の行政視察で熊本市を訪問した際、災害時の電源供給のために蓄電池を多く所有しているとの話を伺いました。中でも参考になったのは、電気自動車、EV車を数台持ち、常に充電しておくことによって、災害時は一般家庭十軒分の消費電力を賄う可動式の蓄電池として活用するという事例で、災害時の備えにも有効な上に、環境にも配慮された取り組みでした。 渋谷区でも一部でEV車を導入していると思いますが、今後、EV車を増車して、災害時には避難所の蓄電池として活用してはいかがでしょうか。区長の所見を伺います。 また、避難所の屋上に太陽光発電を備え、蓄電池に蓄電しておくことも有効と思われますが、あわせて区長の所見を伺います。 四点目は、渋谷区地域防災計画についてです。 地域防災計画は、災害対策基本法第四十二条に基づいて、地方自治体の長が防災会議に諮り、災害対策のために処理すべき業務などを具体的に定める計画です。実際にどんな災害が発生するかについては、地域特性によって異なるため、それぞれの地域に応じた地域防災計画が作成されます。 その地域特性において、今、渋谷区をめぐる環境が大きく変化しています。東京二〇二〇大会に合わせて、羽田空港の国際線の発着回数を拡大するため、渋谷区上空を通過する新飛行ルートの計画が本年八月八日に正式決定されました。航空会社が夏ダイヤに変わる来年三月二十九日から運用が開始されます。最悪の場合を想定するとすれば、騒音や落下物ばかりではなく、住宅密集地に航空機が墜落する重大事故も考えられます。 また、九月九日に首都圏を直撃した台風十五号では、記録的な防風によって電柱や鉄塔が倒され、千葉県に長期にわたる大規模停電を引き起こしました。それに伴い通信障害も拡大し、情報網が寸断されたエリアでは、固定電話も携帯電話も通じない状況が続きました。都心インフラの大部分を電力と情報通信に頼る都心部においても、他人事ではありません。 また、渋谷区には国道青山通り、玉川通り、甲州街道、都道の山手通り、明治通り等の幹線道路が縦横に走り、市街地再開発の進展により、街中でも大型車両の走行を頻繁に見かけるようになりました。また、渋谷駅はJRを初め、四社六路線が乗り入れるターミナル駅であり同様に五社十一路線が乗り入れる新宿駅も南半分は渋谷区です。こうした交通機関における大規模な事故も想定する必要があるでしょう。 しかし、渋谷区地域防災計画には「震災編」「風水害編」「火山・原子力災害対策編」はありますが、「事故災害対策編」がありません。災害対策基本法の規定では、防災会議の責務として、「毎年市町村地域防災計画の検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない」とされています。 渋谷区では平成三十年十二月に開催された渋谷区防災会議において、計画の修正が行われましたが、平成二十五年以来、五年ぶりの修正でした。それも法改正や東京都地域防災計画の修正があったことと、新庁舎開設による基盤整備に伴い、平成三十年三月に「渋谷区業務継続計画」「渋谷区災害受援計画」「渋谷区災害時職員行動マニュアル」を策定したことを反映させたもので、外部環境の変化に応じたものではありませんでした。 地域防災計画は法律があるからつくらなければいけないという形骸的なものではありません。防災マニュアルやBCP等のベースになる生きた計画です。地域特性としての外部環境の変化を適時織り込むことが重要と言えます。 そこで、現在の渋谷区地域防災計画に道路災害、鉄道災害、航空災害や大規模停電などに対応する事故災害対策編を追加すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 最後に、まちづくりについて伺います。 一点目は、渋谷駅周辺整備についてです。 今月、十一月一日にスクランブルスクエア東棟及び東口地下広場がオープンした際には、多くの方が訪れ、行列ができたということで、大変話題になりました。さらに、あした二十二日にはパルコ、そして来月五日にはフクラスのオープンが次々に控えており、渋谷の街の姿がまた新しくなっていくことと思います。 九月以降、これに合わせた「まちびらき」のイベントが逐次行われています。「まちびらき」とは、「まちの持続的・広域的な成長を発信する節目づくりの実現に向けて、新たな公共的な施設の整備や大規模建築物のオープンの時期に合わせて、区民・事業者・教育機関・区が協働で、まちの魅力向上と新たな渋谷の発信に取り組むものである」と区ホームページでは説明されていますが、この一連の「まちびらき」に対する実際の効果や反応、また、期待されている効果について区長に伺います。 また、この一連の整備が終わった後、人の流れや来街者の属性、経済効果など、どのような渋谷の姿を目指しているのか、区長に伺います。 二点目は、原宿駅旧駅舎保存と歩行者環境の改善についてです。 現在の原宿駅舎は、関東大震災の翌年、大正十三年に竣工し、奇跡的に戦渦を逃れ、都内に現存する木造駅舎としては最古のものとなっています。西洋建築技術を取り入れた美しいデザインは、原宿のシンボルそのものであり、原宿、表参道のまち全体の発展とともに歴史を刻み、今日のにぎわいを呈しているといっても過言ではないでしょう。地域の方々からも、来街者からも、広く愛されている、なくてはならない駅舎です。 現在、東京二〇二〇大会に合わせて、新駅舎を建設中ですが、その完成後、現駅舎は駅舎としての役割を終えるとされており、地元のみならず、鉄道ファンや建築技術者からも、現駅舎が解体されるのではないかとの不安の声が上がっています。 これまでの地元、JR、区による三者協議会には、当会派の伊藤議員も参加し、現駅舎の保存協議に関しては、歴史的駅舎の保存という観点から、JRが主体となり、区・地元の了解のもと進めるべきと主張してきました。 そして、おととい十九日、JRは「現駅舎を解体し、防火地域の基準に適した材料を用い、現駅舎の意匠を再現して建て替える予定」という内容のプレス発表をしましたが、これ以上の具体的な情報はありません。このJRのプレス発表について、JRの指す建替えの具体的な内容、また、そのための費用、維持管理の負担区分、活用方法はどのようになっているのか、区長に伺います。 また、原宿駅から国立代々木競技場に徒歩で向かう場合、東京二〇二〇大会の時期など、国内外から多くの来街者が一斉に移動する際、「歩道橋を使うことは危険で、事故につながりかねない」といった不安の声を地域の方から伺いました。 歩行者の混雑緩和措置として、代々木公園B地区と代々木公園渋谷門付近をつなぐ横断歩道が東京二〇二〇大会中は、代々木競技場入り口付近に移設されると聞きました。大会期間中は代々木公園A地区でもライブサイトが開設され、多くの来場者が訪れると見込まれており、横断歩道の移設ではなく、現行の横断歩道を残したままの横断歩道の増設が適切であると考えますが、区長の考えを伺います。 現時点でも原宿駅周辺は多くの方が訪れるまちであり、特に休日の竹下通りなどは歩くことが困難なほど混み合っています。東京二〇二〇大会の時期には、さらに多くの来街者が集まると予想される原宿駅周辺の安全の確保、スムーズな人の流れをどうつくっていくのか、区長の考えを伺います。 三点目は、ササハタハツについてです。 ササハタハツまちづくりフューチャーセッションを始めて、今年で三年目となりました。これまで、対象エリアの区民の方を中心に意見を出し合い、まちづくりの新しい可能性が生まれてきたことと思います。私自身も何度か参加しましたが、あらゆる年代の方がフラットに話し合い、顔見知りになっていく場の雰囲気は、とても居心地のいいものに感じられました。今後はこうしたまちづくりに参加する方々の思いを具体的に形にしていく段階と思います。 本年六月の第二回定例会での我が会派の森田議員への答弁では、「今年度はササハタハツまちづくりを長期的な視点でのまちの活性化とコミュニティ形成につなげ、新たなサービスや事業の創造を目指すためのまちラボについて設置検討を進めているところ」「まちラボの主体は、持続可能な仕組みを構築するために、産官学民連携を前提とした地域主導による運営が望ましいと考えているが、ササハタハツ全体のエリアマネジメントを担うことを念頭に置き、民間企業等の起用も検討していく」と発言されましたが、それから半年、現段階でのまちラボ設置に向けた進捗と、まちラボの実現イメージを区長に伺います。 ササハタハツ発展のステージとして、区長発言にもあった玉川上水旧水路緑道の活用は大きなテーマとなっています。本年九月の第三回定例会の区長発言では、本年六月に行ったニューヨーク視察の際、「ニューヨークの鉄道跡地を公園として再整備したハイラインを視察し、刺激を受けた」と発言されました。先週十四日には、「緑道WALK」という企画で、区民の皆さんを中心に緑道を実際に歩き、どんな緑道にしていきたいかアイデアを出し合いました。私自身も笹塚ルートを歩きましたが、緑道といっても各ブロックごとに違う魅力があり、活用の仕方も変わってくるのではと感じました。 こうした取り組みを踏まえて、緑道の整備をどのように進めていくのか、今後のスケジュールと具体的なプランを伺います。 また、ササハタハツの魅力を一層高める公民連携については、京王線の高架下や、京王電鉄株式会社と京王不動産株式会社による笹塚駅前の地域交流ラウンジ「笹塚アキチ!」など、活用の余地があると思われます。また、笹塚駅南口エリアでは、再開発計画もあります。 今後、区と民間、そして地域住民が力を合わせて、笹塚エリアのさらなる魅力づくりに取り組むことが、ササハタハツの発展にとっても重要であると思いますが、笹塚周辺の整備について区長のビジョンを伺います。 以上、それぞれ御答弁よろしくお願いします。 ○副議長(岡田麻理) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、橋本侑樹議員の代表質問に順次お答えします。 初めに、出産・子育て支援について三点のお尋ねです。 まず、不妊治療への支援についてお答えします。 不妊治療の支援につきましては、本年五月から開始した「渋谷区子育てネウボラ」での事業の一環として、相談対応等の支援を行っております。不妊治療の潜在需要をつかむための実態調査については、対象者の絞り込みや本人の意向を把握することが困難であると考えております。今年度から開始した妊婦全数面接や、お母さんと保健師等が落ち着いて話ができる乳児全戸訪問等について、不妊治療の経験者から御苦労されたことの実態について伺ってまいります。 妊活については、年齢を重ねるとともに、妊娠や妊娠継続の可能性が低下することや、母体への負担が大きくなるため、計画的な妊娠・出産の重点性について、保健相談所に御相談があった際に対応してまいります。 また、不妊治療の相談対応は高度な専門知識が必要なため、保健師が窓口となってお受けし、必要に応じて、より専門性の高い東京都の「不妊・不育ホットライン」の御案内をしてまいります。 次に、保育にかかわる手続の電子化についてのお尋ねです。 保育園の入園選考に人工知能、AIを活用したシステムを導入することについては、議員御発言のとおり、人件費削減や保護者への結果を早く通知することが可能となるなどの効果が見込まれます。本区においても、来年度以降の導入に向け、既に実証実験を行っており、手作業による選考結果とAIを活用したシステムによる選考結果がより一致するよう、精度を上げる検討を進めています。 また、保育園入園の申し込み手続については、現在、多くの保護者からの要望や相談を踏まえ、お子さんの健康状態などの聞き取りや、様々な種類がある保育施設の説明などを丁寧に行うため、保育課の窓口で直接受け付けています。しかしながら、申し込み手続を電子化することは、来庁する手間が不要になるなど、保護者の負担軽減につながる面もあります。現在、対面で行っている申し込み手続の一部を電子化にすることについて、今後さらに検討してまいります。 次に、プレーパークの拡充計画についてのお尋ねです。 プレーパーク事業の拡充につきましては、これまで出張プレーパークの実施に取り組んできたことで、既存のはるのおがわプレーパークには来園することができなかった地域の皆さんのニーズなどを把握できたほか、公園周辺の皆様の御意見を伺い、プレーパーク増設に向けた知識や経験を得るなど、大きな成果を上げてきました。 一方、区内二つ目の常設プレーパークの整備につきましては、出張プレーパークを実施した公園を候補地として検討を重ねる中で、改めてプレーパークを運営する団体が抱える人材育成や待遇改善などの課題も確認することができました。今後は、他自治体のプレーパーク事業運営の手法や民間活力導入方法など、安定した事業運営の方策についても検討しながら、令和三年度の竣工を目指してまいります。 次に、シニア世代のプレーリーダーの起用についてのお尋ねですが、「フレンズ本町」では、シニア世代が教えるけん玉やベーゴマなど、昔遊び教室を定期的に実施しており、世代を超えた交流によって、子どもたちやシニアも楽しめる人気の事業となっております。また、「渋谷区こどもテーブル」においても、地域のシニア世代が子どもと一緒に料理をしたり、昔遊びをしたり、また、豊富な経験を子どもたちに伝えるなど、多世代交流や子育て世帯への支援に加えて、地域コミュニティの強化にもつながる活動となっております。 議員御指摘の「景丘の家」は社会福祉協議会が所有・管理する施設ですが、一階には土間やいろりが設置され、多世代の交流できるスペースとなっております。既に一部のこどもテーブル実施団体では、シニア世代が昔遊びを通じて子どもたちと交流を図っています。今後は、社会福祉協議会と連携を図りながら、プレーリーダーの起用や世代間交流がさらに拡充できるよう検討をしてまいります。 次に、屋内遊びについてのお尋ねですが、本区では屋内の遊び場として、かぞくのアトリエやフレンズ本町の運動スペース等においては、お昼過ぎまで未就学児の遊具を配置するなど、自由に遊べるスペースを提供しており、多くの親子でにぎわっています。 放課後の時間帯においては、学校の終わったお子さんたちが存分に体を動かせるようレイアウトを変更することで、室内ながらも活発に子どもたちが遊ぶなど、既存の施設を活用して子どもたちの居場所を提供しております。 また、景丘の家においては、未就学児専用のフロアや遊具が設置されているフロアがあり、子どもたちの遊び場として周知され、利用者も増加しております。そのほか子育て支援センターや子育てひろば等においても、従前より親子の遊び場として利用されており、さらに、令和三年度に完成予定の「神南分庁舎跡地複合施設(仮称)」には、子どもや保護者が気軽に立ち寄り、交流できる場を設置する予定であり、屋内の子どもの遊び場は充実しつつあります。 今後は、区内子育て世帯のニーズの把握に努め、既存の施設を活用しつつも、新しい施設の計画や適地があれば、引き続き屋内の遊び場の増設について検討をしてまいります。 次に、ビーチコートの整備についてのお尋ねです。 ビーチバレーボールはアトランタオリンピックから正式種目になって二十四年がたちますが、このビーチ上のスポーツについては、バレーボール以外にもサッカー、ハンドボール、テニスなど種目も様々あり、今後も競技人口や種目については、さらに伸びていく可能性を感じています。 また、議員御発言のような高齢者の方々への効能や現役のスポーツ選手の能力向上も見込めるとともに、アスリートによる、子どもたちへの体験教室の開催も積極的に検討していきたいと考えています。 こうしたビーチ上で行うスポーツや運動に取り組める環境を整備していくことは、基本構想にうたう、できる限り多様な種類のスポーツを受け入れ、応援する街を目指すことにほかなりません。 そこで、現在、整備を進めている宮下公園の多目的運動施設約七百平方メートルをサンドコート仕様にいたします。これにより、区民の皆様に新しいスポーツに参加できる機会をつくり、思わず体を動かしたくなる街へと成長させていきます。 また、スポーツ利用の合間には、子どもたちが巨大な砂場で遊ぶ光景が見られるのではないかと、今から楽しみにしています。 次に、福祉について、移動支援についてのお尋ねです。 今後、高齢者の増加が見込まれる中、区内を走るコミュニティバス「ハチ公バス」が運行できていないエリアの移動手段の確保は必要と認識しています。高齢者が日常生活を営む上でも、また、社会参加を促進するためにも、新たな移動手段の整備は課題の一つとなっています。 課題解決を図るため、議員御提言の小型電動モビリティは、坂道や狭い路地が多い本区では大変有効な移動手段であると思います。 この小型電動モビリティは、明石市で実証を行っている七人乗車タイプや、先日、私も乗車させていただいた一人乗りタイプなど多様な種類があり、国も支援していることから、技術の急速な進展により、さらに多くの高齢者に優しい小型電動モビリティの出現が期待できます。 各自治体が実証や導入を行っている事例を参考としながら、様々な小型電動モビリティの情報収集を行い、本区の実態に合った移動手段のあり方について研究していきたいと思います。 次に、新たな住宅マスタープランの方向性についてのお尋ねです。 さきの本会議で、渋谷区議会自由民主党議員団、岡 美千瑠議員の代表質問にお答えしたとおり、今年度から渋谷区住宅マスタープランの改定作業に着手しています。 今回の改定に至る背景は、平成二十九年度に策定した渋谷区長期基本計画において、コミュニティを育む住生活環境の整備を掲げ、マンションの老朽化対策と空き家対策の推進を主な課題とした総合的な住宅施策を確立するために、住宅マスタープランの改定を行うことです。 もう一つの背景は、平成二十九年度に、いわゆる住宅セーフティネット法が大改正され、高齢者、障がい者、低額所得者といった住宅確保要配慮者の居住支援のため、福祉施策との連携が、より一層求められていることです。 改定に当たっては、議員御指摘のとおり、住宅マスタープラン策定支援業務委託についてプロポーザルを実施し、民間事業者から課題対応策の提案を受けるとともに、渋谷区住宅政策協議会を立ち上げ、学識経験者や法務、建築、福祉の専門家、町会や民生委員の皆様に意見を聞きながら進めているところです。 現在は、選定した事業者の力をかりながら、広く区民の皆様の居住意識調査のアンケートを実施し、さらには、住宅確保要配慮者や年数が経過したマンションの実態調査を行っているところです。今年度中には各種の調査を終え、来年には調査の集計結果をもとに、新たな住宅政策の基本方針をお示しする予定です。 来年度には、この基本方針をもとに、区民との意見交換やパブリック・コメント等を実施し、より多くの皆様の御意見や御提案を集結することで、渋谷区らしい新たな住宅マスタープランを策定したいと考えます。 次に、福祉人材や有事に備える区職員の区営住宅の活用に関するお尋ねです。 渋谷区では、私立保育園等に勤務する保育士等のために、保育事業者が区内賃貸住宅を借り上げた場合に、一戸当たり月額十万円を上限とする補助を行い、保育人材の確保に努めています。 また、災害時の災害対策本部に従事する職員の確保のため、区内に四カ所の防災住宅二十六戸を設置しており、当該職員は台風十九号の際に防災課職員とともに本部運営を行っています。 議員の御提案の区営住宅の活用ですが、区営住宅の入居要件は、公営住宅法で定められた低額所得者であることから、民間の介護士、保育士の場合は、収入が低ければ申し込みが可能ですが、区職員の場合は入居要件に該当しません。 介護人材の確保については、今後、介護施設等で働く介護職員に対する住宅補助を含めて、多様な視点から実効性のある施策を検討してまいります。 また、区内在住職員の割合が約一〇%という当区の実情からも、発災時の災害対策本部や避難所参集職員の確保については、区としても喫緊の課題であり、防災職員住宅の拡充も含め、人材確保の検討を進めてまいります。 次に、心のバリアフリーに向けた取り組みについてのお尋ねです。 渋谷区では平成二十七年に制定された「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づき、男女平等・多様性社会推進事業に取り組んでいます。条例に基づき、区民は施策全般について相談や苦情の申し立てを行うことができますが、ジェンダーとセクシャリティに関する各種相談事業を実施している渋谷男女平等ダイバーシティセンター「アイリス」が主な窓口となります。 アイリスで開催している「性的少数者のためのにじいろ電話相談」は、平成二十九年度は四十三件、平成三十年度は六十一件の相談に対応しましたが、これまで条例に基づく解決支援が必要と判断された相談案件はなく、結果として、勧告も実施していません。 引き続き、アイリス各種相談窓口の周知に努めるだけでなく、区民や事業者への周知啓発にも取り組み、性的少数者を含め、あらゆる区民が安心して暮らせる地域社会づくりに努めてまいります。 次に、LINE相談についてですが、議員御指摘のとおり、近年、若年層や子育て世代へのアウトリーチ等を目的としたSNS相談が注目されています。 新たな効果が期待される一方、従来の電話相談やメール相談と全く異なる対応スキルが相談員に求められること、即時に返答できる体制づくりのため、多くの人員配置が必要なこと、LINEアカウントの運用といったICT関連の準備が求められることなどから、アイリスでは実施の可能性について調査を始めているところです。 「性的少数者のためのにじいろ電話相談」は、現在、性的少数者の相談対応の実績を持つ当事者団体に事業委託をし、性的少数者の当事者が相談員として対応していますが、このように性的少数者からの相談に対応できる人材が限られている点も、拡充の壁となっています。 上記のような課題がクリアになり、当事者に寄り添った継続的な相談体制の拡充ができるよう、引き続き検討してまいります。 次に、多様な障がいへの理解促進について。 まず、デフスポーツの周知事業についてのお尋ねです。 デフスポーツは手話でコミュニケーションを行い、競技中は補聴器を外すなど独自のルールがあり、国内でも、陸上、野球、水泳、テニス、スキーなど二十種類以上の競技団体があります。また、国際ろう者スポーツ委員会が主催する世界最高峰の大会「デフリンピック」では、二〇一七年夏季の第二十三回大会で、日本選手が金メダル六個を含む計二十七個のメダルを獲得し、過去最高の実績を残しました。 現在、渋谷区聴覚障害者協会から区に対し、デフリンピックの発祥から百年目となる二〇二五年、夏季大会の東京招致について要望を受けています。本区としても、東京二〇二〇大会のレガシーとして、「心のバリアフリー」と多様な障がいに対する理解が進むよう、特別区長会などとも連携し、記念すべき大会の招致を支援し、デフスポーツがより多くの人に広く周知されるよう努めてまいります。 次に、「手話言語条例・障がい者コミュニケーション条例」についてのお尋ねです。 現在都内では、三区が手話言語条例を、五区が手話言語及び障がい者の意思疎通に関する条例を制定しています。本区では、渋谷区障害者団体連合会から、平成三十一年度の要望として手話言語条例の制定に向けた取り組みが上げられており、現在、渋谷区聴覚障害者協会の皆さんと意見交換を始めたところです。 一方、渋谷区障害者福祉計画では、計画の基本理念を「誰もが自分らしく暮らせるまち しぶや」とし、互いに理解し支え合う地域づくりを基本目標の一つに掲げています。 したがって、今後も障がいの有無や種別にかかわらず、誰もが必要な情報を入手し発信できるよう、多方面の関係者から広く丁寧に御意見を伺いながら、条例制定に向けた準備を進めてまいります。 次に、民泊についてのお尋ねです。 本区を訪れる観光客の多くは、スクランブル交差点や原宿といった繁華街を中心に観光した後、宿泊施設が少ないため、日中をピークに区外へ移動してしまう傾向にあります。私は、本区を訪れる観光客に、各地域のローカルの魅力にもっと触れてもらうことが、満足度の向上につながるとともに、本区での滞在時間を延ばし、滞在期間を延ばし、地域経済の活性化にもつながっていくものと考えます。 一方、議員も懸念されているように、ルールを守らない民泊に対する区民の不安があるのも事実です。民泊の適正な運営による区民の安全・安心が一番であり、関係所管が連携して対応していきます。 議員御提案の家主同居型のホームステイ型民泊は、例えば、高齢者の方が外国からのお客様を迎え入れることで収入を得られるだけではなく、生きがいにもつながる貴重な機会となるのではと思います。ホストは地元のお勧めのお店やイベントを案内し、交流が生まれ、地域や商店からも喜ばれ、利用者のマナーの問題もないといった事例も聞きます。 まずは住宅宿泊事業を通じて、観光客との交流に関心を持っていただけるよう、こうした成功事例をシブカツの講座で取り上げたり、シニアクラブでの紹介、相談者へのわかりやすい対応、民間事業者と連携したホストへのサポートの検討など、家主同居型住宅宿泊事業の拡大に努めてまいります。 次に、観光マップについてのお尋ねです。 東京都を訪れるインバウンドは昨年一千四百万人を超え、その中の半数以上が渋谷区を訪れています。オリンピック・パラリンピックの開催を控え、国内外からさらに多くの来街者が見込まれるため、渋谷区が持つ多様な魅力を様々な媒体や方法で積極的に発信していきたいと考えます。 御質問の観光マップについては、渋谷区観光協会がストリートマップやナイトマップなどを発行してきましたが、昨年度は、御質問にあった「千駄ヶ谷インバウンド観光マップ」のほかに、アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバーがお勧めのスポットなどを紹介する恵比寿マップを作成し、評判になりました。現在は、地元商店会とも提携しながら、代官山エリアやササハタハツエリアのマップ制作が計画されています。また、神宮前小学校の児童との取り組みも進んでいます。 今後も、観光協会を中心に地域や企業とも連携しながら、渋谷区のローカルな魅力を積極的に発信するとともに、このことが地域での交流や活性化につながり、また観光客が楽しく安全に渋谷区に滞在してもらえるよう、渋谷区らしい観光振興事業を進めていきます。 次に、ナイトタイムエコノミーについての二点のお尋ねですが、一括してお答えします。 ナイトタイムエコノミーの活性化につきましては、これまでも渋谷区観光協会を中心に、ナイトマップの作成やガイドツアーの実施など、夜の渋谷を楽しんでもらうための取り組みを行い、好評を得ています。また、議員の御質問にもありました「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」では、ナイトタイムエコノミーにかかわる様々なテーマのトークセッションや、渋谷の音楽を楽しんでもらうための体験イベントなどが行われ、多くの方々が参加されたと聞いています。 ナイトタイムエコノミーの活性化は、単にまちが二十四時間にぎやかになればよいというものではなく、宿泊や交通などのインフラの整備、安全・安心と治安の確保などとともに、地域経済にメリットを及ぼし、地域全体の理解が図られなければ進むものではないと考えています。 先ほどの発言で触れた(仮称)渋谷区産業観光ビジョンでは、渋谷の産業や観光の現状について分析するとともに、区内外の有識者の意見や海外の事例なども参考にしながら、渋谷区らしいナイトタイムエコノミーの推進のための方向性を描くとともに、安全・安心面への配慮についてもしっかりと検討していきたいと思います。 次に、区の情報発信につきまして、全職員参加型のSNS体制を構築していくことについてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、区がオウンドメディアとして活用しているフェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどの各SNSは、その特徴や機能に応じ、区民やステークホルダーの方々が各メディアを自由に選択し、様々な区政情報や地域情報をタイムリーに入手していただける重要なツールとなっています。 議員の御提案は、SNSの運用に当たっては各部署から広報コミュニケーション課に情報提供できる体制をつくることで、職員全員が渋谷のインフルエンサーになってはどうかという趣旨であると理解しています。 現在、各SNSの運用は、まずはフォロワー数を増やし、ファン醸成型メディアとして存在感を高めていくことに軸足を置いており、その実現に向けてコンテンツ情報の最適化や発信の工夫に努めているところです。 したがいまして、当面は広報コミュニケーション課が責任部署として、動画機能の活用やコンテンツマネジメントのレベルアップを図っていくとともに、区のSNSをフォローしている職員がまだ一部に限られていることから、職員のフォロワー化を進め、区政情報の受発信に対する感度が高い職員を増やしていきたいと考えております。そうした取り組みを重ねることにより、ファン醸成型メディアとしてより効果的で影響力を持つSNSへと充実させていきたいと考えております。 次に、公民連携についてのお尋ねです。 議員御提案の、渋谷区版レギュラトリーサンドボックスについてですが、私は、この役割を昨年度設立した渋谷未来デザインに担ってもらいたいと考えています。渋谷未来デザインがハブとなり、民間企業等の最先端テクノロジーを活用した実証実験の場として、渋谷というフィールドを利用してもらいたいと思っています。 その第一弾として、十一月九日に渋谷未来デザインと広島県が連携し、5Gの技術を活用したダンスレッスンの実証実験が行われました。これは、中学でダンスが必須化されていますが、専門家が少なくダンスの指導者の確保が課題となっている中で、一つの解決策を目指すものです。当日は、広島と渋谷の会場にいる中学生に対し、専門のダンサーによるレッスンが5Gを活用して行われ、遠隔地にいながらほとんどタイムラグのないダンスレッスンが披露されました。 今後も、民間企業や大学などが持つ最先端技術を活用した実証実験を、渋谷区で展開していきたいと思います。 また、第三回定例会でも御説明しましたが、現在国のほうで進めている「スタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」のグローバル拠点都市に選出されることを目指し、検討を進めています。グローバル拠点都市に選出されることで、スタートアップに資する様々な規制緩和が期待できます。 これらの制度を活用することで、渋谷に集う企業、人材を生かした取り組みができるようになると考えていますので、御支援いただきたいと思います。 次に、安全・安心な環境の実現についてです。 初めに、ハロウィーンについてです。 今年のハロウィーン対策については、第二回区議会定例会において制定された「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」に基づき、地元商店街、関係事業者、警察等により構成された「渋谷ハロウィーン対策実施連絡会」における検討を重ね、第三回区議会定例会において議決をいただいた補正予算をもとに、民間事業者への委託による大規模な警備を初め、仮設トイレの増設、商店街フラッグ等を活用したマナー啓発のほか、酒類の販売自粛要請、区職員による巡回警備など、関係機関等の協力のもと、区の総力を挙げた取り組みを行いました。 その結果、路上での飲酒行為が激減し、さらにその波及効果として缶や瓶などのごみの減少や路上での排せつ行為が見られなくなるなど、これまで課題であった迷惑行為の減少につながり、本年のハロウィーン対策については大きな成果を上げることができたものと認識しています。 また、ハロウィーン期間中、約三千人ものボランティアの方々による清掃活動が行われるなど、渋谷を愛する人々の力が原動力となり、渋谷の街が成熟した国際都市へと進化することを願っています。 しかしその一方で、ハロウィーン期間、痴漢、窃盗など犯罪行為や大音量、騒音をまき散らして走行する、いわゆる爆音車への対応など、安全・安心の確保に向けた課題は残されています。 とりわけ外国人への周知については、観光庁を通じたSNSによる啓発を行ったほか、英語で街頭ビジョンによる放映や委託警備によるアナウンスなどにより対策を講じましたが、結果的には外国人による路上飲酒が多く見られるなど、今後の対策強化の必要性を感じています。 これらの課題については、本年の年末カウントダウンや来年のハロウィーンに向けて、関係機関等と十分な検証を行うとともに、改善に向けた検討を重ね、安全・安心な環境の実現に向けて鋭意努力を続けてまいります。 次に、群集マネジメントの研究への協力のお尋ねにお答えいたします。 さきのハロウィーンでは、大規模な警備や路上飲酒制限など様々な取り組みにより大きな事故・事件もなく、安全で安心な環境の確保が達成されました。今後、年末から年始にかけての渋谷カウントダウンや、来年度には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会といった大規模なイベント開催を控えています。それに加え、大規模災害、テロ、来日観光客の増大への対応などの問題も抱えています。 混雑発生を予測し予防するとともに、混雑発生後の適切な対処により危険な状態をいち早く回避するといった、群集における事故予防、安全で安心できる環境確保に重要な考え方であると認識しており、さきのハロウィーンにおいても群集マネジメントの考え方を取り入れた検討を進めてまいりました。 なお、雑踏警備は警視庁と連携して行っておりますので、情報に応じて群集マネジメントの研究機関へのヒアリングを行いながら、引き続き研究してまいります。 次に、路上喫煙についてのお尋ねです。 渋谷区喫煙ルールの周知徹底とあわせて、区内全域の喫煙所マップを整備してはどうかとの御提案です。現在、区ホームページで喫煙所の案内につきましては、所在地を明記した名簿と喫煙所のマップの二種類のものを掲載しております。名簿には、渋谷、恵比寿、原宿以外のエリアの喫煙所を、民営も含めて各施設の開設時間まで明記していますが、一方、マップは渋谷、恵比寿、原宿のみ作成しています。 あす、十一月二十二日には、「渋谷区安全・安心なまちづくりのための大規模建築物に関する条例」に基づく公共喫煙所が渋谷パルコ内にオープンし、来月には渋谷フクラス内の公共喫煙所もオープンする予定です。 議員御提案の、区内全域の喫煙所を記載した新たな喫煙所マップを整備することは、路上喫煙者を減らし受動喫煙を防止するためにも有効であると考えますので、新規の喫煙場所掲載の即時性や喫煙所までの誘導等の利便性を踏まえ、民間事業者との連携も視野に入れ、早急に検討し整備してまいります。 次に、災害対策についてのお尋ねです。 今回の台風十九号では、避難所、自主避難施設、福祉避難所十二カ所を開設し、五百三十八名の避難者を受け入れました。 議員御指摘のとおり、そのときに避難された方や自主防災組織や町会の方からも、避難をどうするべきか判断に迷ったという声を聞いております。 区では、台風が最接近する前々日から、区ホームページや安全・安心メール、SNSを使って、台風接近による注意喚起や避難所の開設場所、避難する場合の持ち物などの注意事項、ペットの受け入れ対応等について広報を図るとともに、台風接近当日は、これに加えて防災行政無線や消防団の広報車を使って避難勧告などの発令を周知してきたところです。 ところが、インターネットやSNSを利用していない高齢者にとっては、台風のような暴風雨の中、防災行政無線の放送が聞こえづらい状況であったため、避難所が開設しているのかどうか、避難勧告が出たのかどうかわからなかったとの声も多くいただきました。 区では、防災行政無線で放送した内容を電話で確認できる、電話応答サービスを提供しており、その電話番号(三四九八-七二一一~三)を、しぶや区ニュースやホームページで案内しているところですが、その認知度はまだ低いのが現状です。 議員の御提案のとおり、当該サービスについて、しぶやわたしの便利帳、しぶや高齢者のしおりなど、都民向けの広報媒体に掲載する周知を図ってまいります。あわせて、高齢者に身近なテレビのデータ放送を活用し、きめ細やかな災害情報を発信できるよう検討をしてまいります。 次に、災害対応について、防災ポータルサイト・防災アプリの活用についてのお尋ねです。 今回の台風十九号に伴い設置した災害対策本部においては、今年の一月に導入した新防災情報システムを実際の災害では初めて使用し、全て職員が被害状況や避難所の開設状況を同時に共有することができ、災対本部運営に役立てることができました。また、防災情報システムと連携した防災ポータルサイト・防災アプリを通じて、初めて避難所開設情報や避難勧告等の発令状況を発信したところです。 台風が最接近した十月十二日の防災ポータルと防災アプリへのアクセス件数は約五万二千件で、通常の日の二百倍以上あり、避難勧告を発令した十二日十五時から十六時の間だけで九千三百七十七件のアクセスがありました。また、台風が接近した十一日から十二日の二日間の防災アプリの新規ダウンロード件数は九百三十一件ありました。 この結果を見ても、区民の多くの方がインターネットやSNSを利用して、区が配信する防災情報にアクセスされたことがうかがえます。防災ポータルやアプリが、非常に有効な情報発信手段になっていることを実感しました。 ただし、議員の御指摘のとおり、避難勧告の発令後、避難の必要性を区民の方々が判断するに当たっての、詳細な情報の発信が不足していた部分もあります。区民の方が安全に安心して避難していただくために必要な避難施設の設備概要、避難所で提供される備蓄品の内容、避難者の受け入れ状況やペットの受け入れの際の注意事項など、防災ポータルサイト・防災アプリを活用してきめ細やかな情報発信に努めてまいります。 次に、災害対策について、避難所での蓄電池についてのお尋ねです。 昨年発生した北海道胆振東部地震によるブラックアウトや、今年の台風十五号の暴風が原因となった千葉県の大規模かつ長期間の停電は、多くの住民の生活や地域経済に甚大な影響を与えました。これを、あすは我が身と考え、地震でも風水害でも停電が起こり得る可能性が極めて高いという前提で、災害時の停電対策に取り組む必要があると考えています。 特に、このような停電の場合には、多くの住民が「携帯電話の充電ができる場所を探した」とのことであり、その対策が求められます。 区は、災害時の災害対策本部となる区庁舎においては、非常用電源設備の多重化を図り、通常の使用で約七日間の電力を供給することが可能となっています。また、現在各避難所には、ガソリンを燃料とした四台の発電機と三日分の燃料を備えつけており、そのほかカセットボンベを使用した発電機もありますが、多くの避難者の携帯電話の充電などに対応するため、大容量の蓄電池の配備を検討しています。 議員のお話にもあるように、災害時の非常用電源として活用できるEV車につきましては、今年度、総務部が所有している公用車に三台のEV車を導入するとともに、EV車から電化製品に電力を供給するための装置も購入しております。今後も、EV車の災害時における有効性を検証しつつ、車両更新や新規導入などの機会に順次導入を図りたいと考えております。 また、太陽光発電設備については、既に一部の避難所には設置されており、平時は一般電力を補填するために活用されており、停電時には一定の電力を供給することができます。太陽光発電についても、その有効性や費用対効果も検証しながら整備を検討してまいります。 次に、渋谷区地域防災計画についてのお尋ねです。 地域防災計画については、法改正、新庁舎開設による基盤整備に伴うだけではなく、他自治体との協力体制、災害ボランティアセンターの開設、ペットとの同行避難、被災者生活再建支援システムの導入、さらには洪水ハザードマップを想定し、風水害編を拡充させるなど大幅に改定し、平成三十年十二月に修正しています。 議員御指摘のとおり、航空災害、大規模停電、鉄道災害などに対応する事故災害対策編を策定することは課題であると考えます。地域防災計画に事故災害対策編を追加することについては、渋谷にふさわしい、より実効性のある計画にするため検討してまいります。 次に、渋谷駅周辺整備についてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、十一月一日より開催しているまちびらきイベントは、渋谷駅中心地区まちづくり指針二〇一〇において、戦略七みんなで育てるまちづくりの指針二「まちの持続的・広域的な成長を発信する節目づくり」として実施するものです。これは、長期にわたる工事期間においても、まちの活気、魅力を衰退させず、さらなる発展を確実なものとするまちづくりとして行っているものです。 今回のイベントは第二期に当たるもので、第一期は昨年供用開始した渋谷川の遊歩道での供用開始、渋谷ストリームのオープンにあわせて実施しました。 第二期では、「HELLO neo SHIBUYA」をテーマとして、渋谷の商店街の皆様の協力のもと、まちの各所にポスターを張り、リーフレットを備え、年内まで続くまちびらきのイベントのPRを行います。来街者の皆様に、新規開業施設だけでなく渋谷のまち全体を楽しみながら回遊してもらうため、駅周辺施設や商店街等と連携し、駅周辺各地を会場とした多様なイベントを実施しています。 例えば、展示会やトークショーを行う「HELLO neo SHIBUYA ギャラリー」や、ポケモンGOとコラボした「ARフォトコンテスト」、まちの各所の特徴を生かしたイルミネーション等が挙げられます。各イベントについては、多様な来街者に楽しんでもらえるよう、ホスピタリティの向上に努め進めます。 また、このようなまちびらきによる効果は、定性的な面で駅前エリアマネジメントの協力によりアンケート調査を実施します。経済効果などの面では、滞在時間の拡張や消費金額増など、今後整備を進めなければならないと考える民間とのデータの連携やデータ分析を通じて、算定できる環境整備に向けて研究調査を進めていきます。 これから先、ハチ公広場を含む駅前広場の整備や、東西を結ぶ複数の自由通路の整備、桜丘口の再開発事業など、まだまだまちは変化していきます。 今後も、まちが新しく進化していくために、地域や教育機関、事業者の方々と連携したまちびらきイベントを実施して、将来の渋谷のまちの姿を発信し、生まれ変わる渋谷のまちへ期待を醸成していきます。 そして、私がいつも言っているように、渋谷のまちをロンドン、パリ、ニューヨークと肩を並べる国際都市として発展させていきたいと考えています。 次に、原宿駅旧駅舎の保存についてです。 議員の御発言にもありましたが、これまで貴会派の伊藤毅志議員が先頭に立って、駅舎保存に向け様々な取り組みをされてきたことに感謝申し上げます。 原宿駅舎の保存については、地元の皆様の思いを受け、平成二十八年十月に渋谷区からJR東日本に対して要望書を提出しました。これを受けて、平成二十九年六月より渋谷区とJR東日本により勉強会を開始し、原宿駅舎の保存活用について協議を行ってまいりました。 そして、今年度は、伊藤議員を初め地元町会を代表する方々や原宿神宮前まちづくり協議会の方々と、JR東日本及び渋谷区が意見交換を行いました。また先般、私もJR東日本の副社長と直接お会いし、旧駅舎の保存を強く求めていたところです。 こうした地元の思いや区の姿勢をJR東日本も御理解され、このたび費用負担を含め、JR東日本が主体となって現駅舎を再築、維持管理していくことについて合意に至り、十一月十九日にJR東日本よりプレス発表がされたところです。 具体的な再築方法については、JR東日本から、原宿駅のシンボルとなっている尖塔や屋根、外壁などの、大正創建時の意匠が残っている現駅舎の約百五十平方メートル部分について、解体時の傷み具合等を確認の上、現在の法令に適合する範囲で再使用できる部材については使っていくとのことです。 なお、再築された駅舎の具体的な活用方法については、JR東日本において検討中と聞いています。 次に、東京二〇二〇大会の横断歩道の増設についてのお尋ねです。 東京二〇二〇大会の輸送運営計画については、東京都及び東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の実施主体が、警視庁等関係機関との協議を経て素案が示されています。現在、各会場ごとに選手や関係者の車両輸送ルート、観客ルートの検討が進められているところです。 議員から御指摘の横断歩道については、原宿駅から代々木競技場への観客ルートにおいて、入退場ルートの重複を避け、特別な配慮が必要な方のためにアクセシブルルートを設定するため、現行の位置から代々木競技場出口付近に移設するものと伺っております。 現行の位置は、日常的に歩行者の横断利用もあり、さらに渋谷駅から代々木公園A地区への、ライブサイト会場への動線にもなると認識しています。このことは、期間限定とはいえ、横断歩道が移設ではなく増設されることが望ましいと考えます。今後、実施主体や関係機関からさらに情報を得るとともに、適切な要望をしていきたいと思います。 また、大会中の原宿駅周辺の安全確保、スムーズな人の流れにつきましては、東京都が競技会場までの観客ルートを「ラストマイル」と位置づけ、日常歩行者の通行を含めた様々な安全対策の検討を進めています。大規模な人員の滞留やけが、事故等が起こらないよう、警備員や都市ボランティアを配置、事前に計画するルートに基づき的確な誘導や案内を行うこととなっています。 区としても、地元の方々の声や駅周辺の日常の動向を東京都や関係機関に伝え、連携を図りながら安全の確保に努めてまいります。 次に、ササハタハツまちラボ設置に向けた進捗と実現イメージについてのお尋ねです。 今年度は、ササハタハツまちラボフューチャーセッションを八月三十日よりスタートさせ、地元の人々を初めササハタハツを盛り上げていこうとされている方々により、まちラボに期待することなどの議論を深めています。ササハタハツのコミュニティ形成を図る取り組みの検討や、商店街の活性化につながるプロジェクトの検討、地域リソースとしての公共空間の利活用を通じた地域価値向上のための民間企業と連携した活動についてなど、フューチャーセッションによる議論が進んでいます。 まちラボの実現イメージですが、来年度には任意団体としてのまちラボの設立を目指しています。まずは、ササハタハツのコミュニティ形成に資するために、地域情報の発信やイベント企画運営、共創ワークショップ等を展開していきます。そして、地域の人々がつながりまじわるためのコンテンツを通じて、まちづくりのあり方や玉川上水旧水路緑道など、公共空間の使い方を考え議論するなど、活動や交流の機能を持ったまちラボの運営体制をつくっていきます。 その上で、ササハタハツエリアにおける開発状況とも連携しながら、できるだけ早期に活動拠点の設置を計画していきたいと思います。それらをベースとして、将来的には、地域コミュニティの温かさがありながら最先端のテクノロジーを活用する、最先端の田舎暮らしを可能にするようなソーシャルアントレプレナーを発掘する機能や、Society5・0を推進していく企業活動との共創を進めていきたいと思います。 次に、玉川上水旧水路緑道の整備についてのお尋ねです。 議員御案内のとおり、令和元年十一月十四日に、緑道ワークショップとして初台、幡ヶ谷、笹塚の三チームに分かれ、外国の方も含めた老若男女、総勢三十七名の皆様に御参加いただき、「緑道WALK」を開催いたしました。ここでは、改めて緑道の魅力の発見、共有を行いながら、取りまとめの発表会では、緑道整備に向けた魅力あるアイデアをたくさんいただくことができました。 一方、さきの第三回定例会において申し上げましたとおり、ニューヨークのハイラインに肩を並べるような、地域の皆様に愛され世界に誇れる緑道を目指すためには、もっともっとたくさんの英知を集め、様々なステークホルダーに参画いただき進めていく必要があります。 そして、公園づくりを自分ごとと捉え、整備計画づくりだけではなく、その後の維持管理や運営にも積極的にかかわっていける仕組みをつくり上げながら、地域の皆様が胸を張って世界に誇り、後世に引き継いでいきたくなる緑道づくりを行っていきたいと考えております。 具体的には、今年度はワークショップを残り二回ほど開催しながら、緑道整備のコンセプトづくりを進め、基本的な計画を取りまとめて次年度以降の基本設計、詳細設計及び整備工事につなげていく予定ですが、スピード感を意識しつつも、魅力的で愛される公園づくりのために、既存の考え方に縛られることなく創造的かつ地域との共創を大切に、本プロジェクトを進めてまいります。 次に、笹塚駅周辺の整備について、私の考えを述べさせていただきます。 ササハタハツエリアの魅力向上には、玉川上水旧水路緑道の整備と都市の活力を高める新たなサービスを生み出す、民間企業のノウハウが連携した共創のまちづくりを進めていくことが重要と考えます。 私は、この六月末から七月にかけてニューヨークのハイラインを訪れ、ハイラインの整備後にその周辺で様々な開発が盛り上がり、地域全体ににぎわいをもたらしていることを確認してまいりました。 お尋ねの笹塚周辺においても、ニューヨークのハイラインのように、玉川上水旧水路緑道の整備とともにその周辺の民間開発が進み、相乗効果が発揮されるものと確信しております。今後具体化される笹塚駅南口エリアの再開発計画に対しましても、玉川上水旧水路緑道との関係性を持ちながら相乗効果が生まれるよう、地域住民や企業と協力して共創のまちづくりを進めてまいります。 議員御指摘のように、京王線の高架下を初めとするこのエリアにはまだまだ開発の余地があり、笹塚のみならず、ササハサハツの魅力を一層高める上で、このエリアに関係する民間企業の担う役割は重要であり、今後設立を計画しているササハタハツまちラボの連携を通じて、まちづくりへの協働を図ります。 このように、民間企業、地域住民とのより一層の連携及び協力を進めることが、さらなるシティプライドの醸成につながるものと考えています。 以上、私からの答弁といたします。 ○副議長(岡田麻理) 豊岡教育長。
    ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、心のバリアフリーについて三点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず初めに、いじめ相談対応について。 電話相談に加え、LINE相談を併用してはとのお尋ねです。 議員御提案のLINE相談は、夜の時間帯にも対応できる利便性の高いシステムであると考えます。そのため、渋谷区教育委員会でもLINE相談の導入について検討した結果、東京都教育委員会が本年四月から中高校生を対象とするLINE相談を行っており、東京都福祉保健局においても、本年八月から十八歳未満の子どもとその保護者を対象にしたLINE相談を始めており、既に行われていることから、区としてLINE相談を実施し、併用することを見送りました。 一方、教育センターでは、渋谷区いじめ一一〇番に加え、相談専用メールアドレスの周知や時間外には留守番電話での受け付け対応をし、連絡を受けやすい体制を整えております。 今後も、東京都のLINE相談に加え、渋谷区独自の相談対応を併用し、子どもが一人で悩みを抱えないよう、相談体制の充実を図ってまいります。 次に、性の多様性に関する教育についてのお尋ねです。一括してお答えをいたします。 性の多様性に関する教育は、人権教育の中の人権課題の一つと捉えています。教育委員会では、LGBTに関する知識をまず教員が持つ必要があることから、LGBTの当事者を招くなどして、平成二十九年以降教員向けの研修を行ってまいりました。そして、中学校においても同様に、LGBTの当事者の方を招くなどして、生徒への授業実践を進めています。 今後も、男女平等・ダイバーシティ推進課と連携を図り、各小中学校に配付されたDVD教材を活用するなど、児童・生徒の寛容性が育まれるよう、発達段階に応じた取り組みの充実に努めてまいります。 また、関連図書につきましては、性の多様性に関する図書についての情報提供を各校に行うなどして、教育環境を整えてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(岡田麻理) 橋本侑樹議員。 ◆五番(橋本侑樹) 区長、教育長より多くの前向きな御答弁をいただき、ありがとうございました。少し所感を述べさせていただきます。 保育園入園手続の電子化、人工知能の導入に関しては、導入に向けて動いていくとのことで、今後も効率化による行政コストの削減、区民にとってもストレスフリーな区政の実現に取り組んでいただきたいと思います。 また、性の多様性に関する教育に関しては、性の多様性理解に関する施策を区がたくさんしても、やはり教育が行き届いていて、区民の方が理解をしていて、その制度を利用できるという環境にないと、実際に当事者の方が利用できないという状況にあります。是非これからも教育に関しては力を入れて取り組んでいただきたいと思います。 安全・安心な環境の実現につきましては、区内全域の喫煙所マップの整備、災害時における情報発信の充実など、多くの提案に前向きに御答弁いただき、大変心強く思います。また、群集マネジメントの学際的な知見を是非、年末のカウントダウン、東京二〇二〇大会に生かしていただきたいと思います。 私自身、エンターテインメントの世界にいたということもあり、多様な遊び場と観光については多くの提案をさせていただきました。楽しさはまちの原動力です。人は楽しいところに集まり、人が集まるところに新しい価値が生まれます。楽しくて笑顔になるようなまちづくりのために、今後もあらゆる提案を行ってまいりたいと思います。 シブヤを笑顔にする会は、渋谷区の未来がより活気あるものに発展していくこと、多くの区民、渋谷を訪れる人の笑顔のために、これからも区長とともに全力を尽くしていくとお誓い申し上げて、代表質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(岡田麻理) この際、会議時間の延長をいたしておきます。 二十一番久永 薫議員。 ◆二十一番(久永薫) 私は、渋谷区議会公明党を代表して、長谷部区長、豊岡教育長、そして福田選挙管理委員会委員長に、大きく八点にわたり質問をさせていただきます。 質問に入ります前に一言申し述べたいと思います。 昨今、台風十五号、十九号を初め、また豪雨による甚大な風水害が相次いでおります。全国で被害に遭われた皆様の御冥福をお祈りをするとともに、また被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 災害は、弱い部分に容赦なく攻撃をしてくると言われております。今後、甚大化する災害に備えて、さらに災害対応力の強化を図り、そして渋谷ならではの万全な危機管理を構築するために、私ども会派としても全力で取り組んでまいりたいと思います。本日は、その意味も含めて代表質問をさせていただきます。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、防災対策について、三点お伺いをいたします。 一点目は、自主避難所運営について伺います。 このたび、十月十二日に発生した台風十九号において、区としてもいち早く適切な災害対応に努めていただき、区内は一部道路の冠水や倒木はありましたが、大きな人的被害、建物被害などがなかったことに安堵しております。 今後、予想を超える未曽有の災害対応に向けて、特に自主避難施設、避難所、福祉避難所においての課題を見直し、また、対応の改善を図る必要があります。今回の自主避難所開設で見えてきた、区の課題などについてお伺いをいたします。 これまで水害等の危険性が高いと判断される地域、ひがし健康プラザと地域交流センター恵比寿の二カ所に自主避難施設が開設をされてきました。しかし、昨今の異常気象により台風や豪雨による浸水被害等の発生が、区内全域でも懸念をされることから、今回の台風十九号の発生において万全な危機管理が必要であると考え、自主避難施設、避難所、福祉避難所十二カ所が開設をされました。 しかし、自主避難所がどこにあるかわからず、区民の方々が避難所へたどり着くのが大変困難な状況でもありました。震災時の避難所と風水害時における避難所の違いを、日ごろから広く区民に周知が図られるよう改善が必要です。 また、今回の緊急事態における各施設の立ち上げは、自主防災組織を中心に大変御苦労があったと思います。風水害における避難所運営は初めての経験でもあり、役割分担の認識がされず、運営に混乱が生じた等の声が上がっています。また、福祉避難所では、今回より保健師が着任し、避難された要配慮者に対して丁寧に個々の状況を把握し、個別の対応をしていただいたと、うれしい声もいただいております。 今回の経験を生かし、また、課題を丁寧に検証し、自主避難施設を開設し運営するに当たり、自主防災組織と行政の連携についても制度化し、今回改定を進めている防災マニュアルに、風水害における自主避難所運営の明確な基準についても盛り込んでいくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 二点目は、「自助」を支える取り組みについて伺います。 相次ぐ災害に備えて、最優先で命を守る観点からも、もはや公助・共助に頼ることの意識変革が必要であると実感をしております。特に、自立をしている高齢者や若い世代の親子を中心に、自助促進策としていち早く自分の力で率先して避難行動が起こせるように、「率先避難」体験の機会をつくることが必要であると思います。 これは、台風十五号、十九号の経験から、元気で御活躍されている高齢者の皆様より寄せられた声をもとに提案をさせていただきます。 今後も自然災害が増多発する傾向にあります。だからこそ、もしものときはどこに避難をすればいいのか。自立している高齢者、また親も子も避難所まで行けるのか。いま一度確認をすることが大切だと思います。 今回の台風十九号においても、SNSを活用している世代の親子は情報をすぐに受け取ることができ、自主避難所に避難されるケースが多かったようです。しかし、いざ避難しようとしたものの、自分の地域の避難所の場所がわからず、たどり着くまでに時間がかかってしまった。また、元気で自立をしている高齢者の中には、部屋の中まで防災無線が聞こえない等、メディアの情報を頼りながら、いざというときは自分で避難所へと考えていたものの、日常近隣との情報共有もできていないことから避難所がわからず、避難をちゅうちょしてしまった。それぞれ世代によって状況は違いますが、地域の避難所を知っておくこと。また、避難所までの安心な経路を実際に歩いて一度でも体験をしておくことが、自助促進の一つにつながると実感をしています。 例えば、現在全国のメディアを通じて発信されている「防災さんぽ」は、いつも通いなれた道も、実際に災害が起きたら歩けるのか確認をしながらできる、身近な防災訓練になっています。 自宅から出発し、目的地は避難所となる小中学校までのルートを、散歩をしながら確認をする。自助促進の訓練です。大変身近で、世代を超えて誰もが参加できる率先避難体験の機会だと思います。 これまでの地域防災訓練に加えて、新たな防災の取り組みとして導入してはいかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 三点目は、防災蓄電池について伺います。 いざというとき、携帯電話もLEDも電気がなければ役に立たないことから、バッテリーの必要性を再認識しました。災害緊急時に対応できる電気の備蓄が重要であると思います。 第二回定例会において我が会派が提案をした、避難所へのスマートフォン等の充電用蓄電池の配備について、区長より、避難所の発電機の更新にあわせて、燃料型発電機との性能や価格との比較を行いながら、配備を検討するとの答弁をいただいております。しかし、台風十五号、十九号、そして未曽有の豪雨が続く昨今、今までにない水害による大停電が起きております。また、水害のほうが電力供給の完全復旧に時間がかかったようであります。 近年、災害時の安否確認や情報収集にスマートフォン等のデバイスは欠かせません。非常用の発電装置を持つこの庁舎の防災センターから、災害ポータルサイトやSNSを介し情報発信しても、受け手の区民の電源が確保されていなければ十分ではありません。 避難所へのスマートフォン等の充電用蓄電池の配備について、昨今の相次ぐ災害に待ったなしの配備が必要となっております。再度提案をさせていただきます。区長の御所見を伺います。 次に、子育て支援について、四点伺います。 渋谷区基本構想に掲げる「出産前から、子どもが成長した後に至るまで、子育てを切れ目なく支援する街」の実現のため、「渋谷区子育てネウボラ」が本年五月にスタート。また、二〇二一年には、神南分庁舎跡地に八階建てのネウボラの中核拠点となる施設が完成いたします。これには私ども公明党も深くかかわらせていただきました。これは、全国初となるネウボラの施設となり、さらに期待が膨らみます。 妊娠期から十八歳までのサポートは、多岐にわたる所管の密なる連携が必要で、組織編成も含めた新たな課題も出てきていることと思います。二〇二一年ネウボラの中核拠点が完成するに当たり、利用される区民の皆様がよりわかりやすく、そしてさらに職員の他所管間の連携がとりやすい環境整備も心待ちにしております。 そこで、今回はネウボラの各支援、サポートについて四点お伺いをいたします。 一点目に、妊婦全数面接の実績と支援。また、特に若年妊婦の支援と医療機関の連携事例についてお伺いをいたします。 渋谷区子育てネウボラの根幹となる支援、妊婦全数面接がスタートして半年。面接を受けた妊婦には、育児に必要なベビー用品の詰まった「育児パッケージ」が贈られるなど、お母さんたちからも大変好評をいただいております。また何より、妊婦面接を受けられる方が増えていることと推察をいたします。 まず一点目に、これまで半年間の妊婦面接の実績と支援についてお伺いをいたします。 また、妊婦全数面接は、保健師が妊婦に寄り添い、産前産後の御相談に対応しております。昨今、ハイリスク妊婦の把握と保健・医療の連携による妊娠期からの切れ目のない支援の構築が重要であると、厚生労働省の「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」においても、言及をされております。同時に、出産前後のメンタルヘルスケアの需要が高まっている現状もあります。 このネウボラの妊婦面接は、まさしく妊婦の万全なサポートへつながる事業であると思います。そこで、特にハイリスクのある若年妊婦の支援と医療機関の連携事例について、区長に御所見を伺います。 二点目に、保健師の人材育成について伺います。 ネウボラは、保健師が中心となってサポートをしています。また、妊婦全数面接は、保健師が区内在住の全ての妊婦さんとお会いをして、産前産後のお母さんや赤ちゃんに寄り添い、さらに御家族の健康、子育てに関する御相談に対応しております。また、保健師が不安や心配事の対応策を一緒に考え、必要な子育て情報やサービスをお伝えすることで、安心して出産を迎え、子育てができるようにするサポートです。保健師なくしては、この渋谷区子育てネウボラは成立いたしません。 そこで、現在進められている保健師の育成支援についてお伺いをいたします。本年より、保健師人材育成ワーキンググループを立ち上げ、人材育成を進めていると伺っております。また、ネウボラに重点を置いた視野の広い保健師の確保と育成に尽力をいただいていると思います。今後も様々なケースの妊婦さんにも対応を可能にするためにも、特に経験の浅い保健師の育成等、具体的に取り組まれている研修について、区長に御所見を伺います。 三点目に、育児支援ヘルパー派遣事業「にこにこママ」についてお伺いをいたします。 公明党の提案でスタートした、にこにこママ育児ヘルパー派遣事業。妊娠中で体調のすぐれない方や出産後、家事や育児が困難な場合に、ベビーシッター等を派遣しサポートをしています。これもネウボラの支援で欠かせないサポートです。私も、子育て中のお母さんから多くの御意見をいただいているところです。また、にこにこママの支援を必要とする方は年々増えていると思います。 今回は、にこにこママのサポートが開始され十二年経過し、利用者ニーズに即した育児と家事のバランスのよいサポートの見直しが必要であると実感をしています。現在、様々な社会的要因により、産前産後に家族や隣近所の助けを借りることが難しくなってきています。 出産直後、お母さんの日常生活のサポートは圧倒的に不足をしている現状です。また、孤独に育児と向き合いがちな母親が増えている今、特に不安感を抱えやすい出産直後のお母さんを支えるサポートは、産後鬱、児童虐待防止のためにも必要です。 特に、育児と家事の両面を支えられる派遣事業の見直しを提案いたします。区長の御所見を伺います。 四点目に、美竹分庁舎内にある仮設のネウボラ施設に、「ネウボラひろば」コミュニティの設置を提案いたします。 二〇二一年に完成する神南分庁舎跡地に建設の渋谷区子育てネウボラの中核拠点となる施設には、親子で自由に遊べる広場も設置されると伺っております。その広場は、いつでもふらっと立ち寄り、子育てに関する相談もできる場所。まさしくネウボラの名のとおり相談ができる場所ができ上がります。 本年五月より美竹分庁舎でスタートした渋谷区子育てネウボラ施設でも、二年後の完成に向けての準備として、またネウボラの子育て支援をさらに区民に啓発をする意味も含めて、プレ「ネウボラひろば」を設置してはいかがでしょうか。 また、これまでも二回にわたりネウボライベントも開催していただき、啓発活動も進めていただいておりますが、今回の提案のプレ「ネウボラひろば」は、誰もがふらっと立ち寄り、子育てに関する相談もできる場所として、常設ではなく、また担当所管の保健師、保育士を中心に、二年後のシミュレーションも含めて、例えば月に一回程度で定例化を図り開設してはいかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 次に、教育について、二点お伺いをいたします。 一点目は、十一月八日「渋谷タブレットの日」についてお伺いをいたします。 渋谷区立小中学校の全児童・生徒、教員にタブレット端末が導入をされ二年が経過いたしました。また本年、二回にわたりICT教育に関するアンケート調査も実施され、児童・生徒、教員より様々な御意見をいただいたところです。また、今後の課題についても明確になったのではないかと思います。 導入当初からに比べると、この二年間で活用の仕方も大きく広がり、渋谷区の教育を支える大事なツールとして、さらにタブレット端末の活用が日常化されることを願っています。 さて、十一月八日は渋谷タブレットの日と制定され、渋谷区の実践教育内容を公開授業として全国に発信をいたしました。全国から多くの教職員の方々が参加されたと伺っております。また、全小中学校が日常の取り組みを先進事例として発表できる、よい機会になったと思います。 区長発言でも御紹介がありましたが、今回の公開授業での児童・生徒の取り組みの様子、また全国より参加された教職員の方々からいただいている声など、是非お聞かせいただきたいと思います。教育長の御所見を伺います。 本日は、タブレットを議場に持ち込み導入して初めての議会になります。私も画像を二枚ほど、モニターを使わせていただいて映させていただきたいと思います。   (タブレット画像提示) ◆二十一番(久永薫) 二点目に、子どもの権利条約について伺います。 くしくも昨日、十一月二十日の「世界子どもの日」は、国連で「子どもの権利条約」が採択され三十年となりました。本日はその経緯も含めて、この権利条約の画像を二枚御紹介させていただきます。 子どもには、生まれてきたときに既に持っている権利があります。その権利を守るために、「子どもの権利条約」がつくられました。これまでも各小中学校において、子どもたちが自分や他人をかけがえのない存在として捉え、問題解決のために行動できる力を養う学びの場として、人権教育が取り入れられてきたと思います。また、人権教育の中で、一つ目には傍観者にならない。また二つ目には、子どもたちが主体となって活動ができる機会をつくる。このことも大切であると思っております。 一例ですが、現在日本国内で活動している認定NPO法人であるフリー・ザ・チルドレン・ジャパンが、十八歳以下の子どもたちが主体的に国際協力活動を行っています。世界の全ての人々が誰ひとり取り残されることなく、心も体も健康で、自身の夢や希望を実現でき、国籍、宗教、年齢、性別、文化に関係なく、互いを認め合い、互いに勇気づける多様性のある社会を目指して活動をしている団体です。 また、このフリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもの権利条約について学ぶ機会を大変大切にしております。二年前、渋谷区立小学校で出前授業を行っていただきました。アクティビティを取り入れ、世界の子どもたちの児童労働の現状や世界を変えるために多くの子どもが行動していること等、子どもの権利が守られる社会をつくっていこうとの内容で、大きな気づきを得ることができたそうです。児童にとって大変有意義な学びの機会だったと思います。 子どもの権利条約は、子どもが権利を持つ主体と位置づけ、大人と同じく、一人の人間として持っている権利を認めています。さらに、大人へと成長する途中であり、弱い立場にある子どもたちには保護や配慮が必要な面もあるため、子どもならではの権利も定めています。とても大切な内容です。 第三回定例議会において、我が会派より母子手帳に子どもの権利条約を明記してほしいとの提案をさせていただき、このたび、母子手帳アプリ「シブヤ母子健康ノート」にリンクをしていただきました。 今回は区立小中学校の人権教育に子どもの権利条約を取り入れ、児童・生徒が主体的に学ぶ機会をつくってはいかがでしょうか。教育長の御所見を伺います。 次に、高齢者の健康について、二点お伺いをいたします。 一点目は、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率向上について伺います。 厚生労働省は、肺炎予防に有効な肺炎球菌ワクチンの接種率を高めるために、本年三月末までの経過措置として、七十歳以上を対象に実施をしてきた公費助成を、五年間延長することを決定いたしました。 現在、国は六十五歳の人を定期接種の対象に指定をし、公費助成をしております。加えて、二〇一四年度から十八年度までの五年間は、七十、七十五、八十歳など、五歳刻みの年齢に達する人が接種を受けた場合にも、この六十五歳の人と同様に公費助成の対象とし、五年間で全年齢の高齢者が接種の対象になっていました。 国の人口動態統計によると、日本人の死因の五位は肺炎で、死亡者の約九八%が六十五歳以上の高齢者です。がんや脳血管疾患の患者が肺炎になり、亡くなるケースも多いとのこと。また、定期接種制度を利用していない人も多い状況であることから、この公費助成の延長につながったと思います。 接種率の向上は、渋谷区の高齢者の健康寿命の延伸につながるだけでなく、渋谷区の医療費助成効果にもつながります。また、災害時における避難所生活が長期化することで、肺炎のリスクが高まることも指摘をされており、さらに避難所においても感染リスクが高まっていることから、今回この六十五歳で初めて接種をされる対象者に丁寧な周知で、接種率の向上を図ることが大切であると思います。 そこで、渋谷区の高齢者肺炎球菌ワクチン接種について、現状と啓発についてお尋ねをいたします。区長の御所見を伺います。 二点目に、認知症予防事業について伺います。 渋谷区は、本年六月十四日に、一般社団法人認知症予防学会と「認知症に関する協定」を締結いたしました。また、同日行われた認知症フォーラムの基調講演では、認知症予防学会理事長、鳥取大学医学部の浦上克哉教授から、開発者として「とっとり方式認知症予防プログラム」の取り組みを伺うことができました。 そこで、今回福祉保健委員会では、鳥取県に行政視察に行き、とっとり方式認知症予防プログラムのすばらしさを学び、認知症予防事業の重要性を再認識したと会派で報告を受けました。また、情報共有もさせていただきました。 このとっとり方式認知症予防プログラムは、二〇一六年度から日本財団との共同プロジェクトとして、鳥取大学、伯耆町、鳥取県が連携し、鳥取県独自の認知症予防プログラムの開発がなされました。具体的には、研究職、医療、福祉職、リハビリ専門職等が、「運動」「知的活動」「座学」の各作業部会に分かれ、各職種の専門家による知見を生かした独自の認知症予防プログラムを開発。 二〇一七年から二〇一八年度の二カ年にわたり、伯耆町の高齢者百三十六人を対象に、このプログラムを実施し、実施前後の認知機能や身体機能等の測定データを比較・分析した上で、実証された医学的エビデンスとあわせてプログラムを全県に普及をし、より効果的・積極的な認知症予防を推進をしております。 そして、すばらしいのは、認知機能の改善、身体機能の向上等全てにおいて、優位な解析結果が出ていること。さらには、この予防プログラム教室に参加した方は、新たな出会い、安心できる居場所、人生の楽しみ、生きがいを見つけられた方が多かったことです。当初は、多くの方が認知症と聞いただけで拒絶する状況でしたが、今では、認知症予防は、自分のこと、自分たちが主役、との機運にあふれているそうです。 そこで、まず一つ目に、とっとり方式認知症予防プログラムを渋谷区においても速やかに導入をしていくことを提案をいたします。 また二つ目には、認知症予防教室について、通いやすさや、さらに地域に支援の輪を広げていくことを鑑み、地域包括支援センターごとに設置することをあわせて提案をいたします。 また、導入に当たっては、渋谷区の高齢者福祉課等の所管職員を鳥取県・鳥取県内自治体に派遣し、とっとり方式認知症予防プログラムの本質を学び、事業を推進された自治体職員と交流をしていただき、新規事業を展開する醍醐味を肌で感じてきていただきたいと考えております。 渋谷区は、近年、認知症支援事業を大きく前進させてきました。今後は、認知症予防の視点から地域課題の解決に向けた歩みが加速すると期待をしております。区長に御所見を伺います。 次に、AEDのコンビニへの設置及び講習について伺います。 AEDの設置拡大について、これまでもAEDのコンビニへの設置を我が会派は提案をしてまいりました。 突然の心停止から大切な命を救うことができるのは、AEDによる電気ショックです。渋谷区は、AEDを避難所となる区立小中学校など施設、渋谷区役所、福祉施設やスポーツ施設など、人の多く集まる施設を中心に設置を拡大をしています。渋谷区は株式会社セブンイレブン・ジャパンとS-SAP協定を締結をいたしました。 誰でも場所がわかり、いつでも利用ができるコンビニへのAED設置はとても有効だと考え、昨年の第四回定例議会において我が会派より、コンビニの区内店舗に設置拡大を提案をいたしました。 区長より、「本年四月にS-SAP協定を締結した株式会社セブンイレブン・ジャパンと、AEDの設置に向けて前向きに検討を進めていきたいと思います。また、現在、セブンイレブンは区内に八十五店舗ありますが、公共施設や大学の敷地内にある店舗もあるため、まずはどの店舗に設置するのがより効果的なのかなどについて協議を始めたいと思います」との答弁をいただいております。 そこで、導入に向けて現在までの進捗状況をお伺いいたします。また同時に、AEDは知識のない方もすぐに扱えるようになっていますが、普及台数に比べ、実施数の低さを見れば、事前のAED講習受講の必要性が求められます。 現在、各地域の防災訓練、また渋谷区立中学三年生にもAEDを含めた救命講習が実施をされております。さらなる啓発の拡大が必要であると鑑み、区独自でも、AED講習会を開催してはいかがでしょうか。区長の御所見を伺います。 次に、「手話・コミュニケーション条例」についてお伺いをいたします。 条例制定の背景には、平成二十三年八月に改正された「障害者基本法」、平成二十六年一月に日本が批准をした「障害者の権利に関する条約」において「手話が言語であること」「障がい者の情報取得とコミュニケーション手段の利用機会の確保」が規定をされています。 我が会派は平成二十五年第四回定例議会において、障害者基本法の改正を受け、聴覚障がい者の「情報のバリアフリー」の推進について言及をさせていただきました。 また、渋谷区においての手話の普及は、一九七四年より本会議の手話通訳も担当をしていただいております。議会の手話通訳は、二十三区でも渋谷区が最も早く導入をされました。本日も、先ほどまで傍聴席で担当していただいていたと思います。 大阪府堺市においても、手話を言語として位置づける市民等に対する手話への理解促進や普及を図るとともに、手話だけでなく広く障がい者の情報取得及びコミュニケーション手段の利用を促進していくことを目的として、平成二十九年四月一日に「堺市手話言語の普及及び障害者のコミュニケーション手段の利用を促進する条例」が施行されております。 手話が独自の言語体系を持つ文化的所産であるとの認識を持つこと、そして障がいの有無にかかわらず、全ての人が相互に人格と個性を尊重し合うことを基本理念に、区、区民、事業者のそれぞれの役割を明確にし、また、三者が協力をして障がい者が情報を取得し、必要なコミュニケーション手段を利用しやすい環境づくりを進めていくことが必要であると思います。 本区においても、手話はもちろんのこと、広く障がい者の情報取得及びコミュニケーション手段の利用を促進していく条例制定が必要であると考えます。区長の御所見を伺います。 次に、投票について、二点お伺いをいたします。 これまでも、投票に支援が必要な高齢者や障がい者の方に対して、投票しやすい環境づくりと仕組みづくりを提案をしてまいりました。 また、本年四月に行われた統一地方選挙より、我が会派が提案をした投票所入場整理券に視覚障がい者向けの音声読み取りコードも設定をされました。視覚障がい者の情報バリアフリーが一歩前進をいたしました。御利用された視覚障がい者の方より、喜びの声もいただいているところです。 今回は、再提案と、さらに一歩前進の提案、二点についてお伺いをいたします。 まず一点目は、投票に配慮が必要な方や障がい者の投票しやすい仕組みづくりについて伺います。 平成二十九年第四回定例議会において我が会派より提案をさせていただき、投票に配慮が必要な方や障がい者の方々の選挙参加に向けた取り組みについてです。 改めて狛江市での先進事例を御紹介をいたします。本人に必要な支援の内容を書くことができる「投票の流れ・支援カード」を作成。これを本人が受付の職員に渡すと、代理投票が必要であると判断。このカードには、場面ごとに配慮すべき事項を記入することができます。 例えば、「投票用紙を投票箱に入れるときに手が震えてしまうので、係の職員に手を添えてほしい」など、「支援カード」は御家族や支援者が記入をすることもできます。この支援カードのベースになったのは、「狛江市手をつなぐ親の会」が中心となり作成されたDVD「投票に行こう!」です。 知的障がい者が選挙で大切な一票を投じるために、本人や御家族、支援者、行政が正しい投票方法、的確な支援を映像で学ぶことができる内容です。実際に障がい者が参加した模擬投票を収録し、詳しいナレーションと字幕で選挙の様々な場面の注意点を解説をしています。 また、投票事務従事者の研修でもこのDVD上映会が開かれ、市内の福祉作業所に通う障がい者や市内外の選挙管理委員会、特別支援学校の関係者が百人近くが参加をしております。知的障がい以外の要支援者の対応も前進をしているそうです。 投票に配慮が必要な方や障がい者の方の選挙参加に向けた取り組みについて、再度御提案をさせていただきます。選挙管理委員会委員長の御所見を伺います。 二点目に、期日前投票時の対応について伺います。 これまでも、区民の皆様より多くの御意見をいただいてきた期日前投票における投票の仕組みについてお尋ねをいたします。 期日前投票では、複数の投票用紙を一度に渡され、特に高齢者や障がい者の方が戸惑いを感じ、安心して投票ができない状況であると感じています。 期日前投票所のスペースや人員の確保など、様々な課題はあると思いますが、できる限り投票日当日と同じ流れで投票ができる仕組みが必要であると思います。是非とも検討していただきたいと思います。選挙管理委員会委員長の御所見を伺います。 最後に、環境政策について伺います。 一点目に、「食品ロス削減推進法」にのっとった条例制定について伺います。 まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の削減を目指す議員立法「食品ロス削減推進法」が成立し、食品ロス削減に関し、その地域特性に応じた施策を策定し、実施する義務が規定をされました。また、我が会派の提案により、渋谷区も三年前より「もったいないマーケットを開催し、区民の皆様に食品ロス削減に向けて啓発を進めております。第二回定例議会においても我が会派より、「食品ロスの削減の推進に関する法律」にある地方自治体の責務として、今後の渋谷区としての取り組みをお伺いいたしました。 区長より、「シブラン三ツ星レストランの認証制度を実施し、この認証制度には、例えば食べ残しは持ち帰りができる。その人に合った量に調整ができる。また、食材の管理を徹底しているなど、食品ロス削減に取り組んだ区内の飲食店舗を、渋谷区食品ロス削減等推進店舗として認証し、店舗へのステッカー掲示や区ホームページの掲載など区として応援をしていく。また、今後も年間を通じたフードドライブを実施し、あらゆる機会を捉えて区民、事業者に対して普及啓発を進めていく」との答弁に、一歩一歩、食品ロス削減に向けた取り組みが前進していることを実感をしております。 また、消費者や事業者が一体となって取り組む「渋谷区民運動」となることを願ってやみません。 今回は、もう一歩前進をさせ、「渋谷区食品ロス削減条例」の制定を考えてはいかがでしょうか。S-SAP協定を結んでいるセブンイレブン・ジャパンも今秋から全国の店舗で同様のポイント還元を開始するほか、食品ロス削減に向けた取り組みを加速をさせています。 消費者と事業者が一体となって取り組める条例制定について、区長に御所見を伺います 最後に、リターナブル食器の活用について伺います。 何度も使えるものは洗って再使用するリユースの取り組みが再評価され、リターナブル食器の活用も広がっております。 リターナブル食器は、使い捨ての紙コップとの環境影響評価の比較で、五回以上再使用することで、CO2、ごみ、大気汚染物質などの排出量が減り、水や電気などの使用量も低減すると計算をされています。そのため、回収率を九〇%以上に維持し、五回以上の再使用はどうしても確保する必要があるとも言われております。 今回、くみんの広場で活用したリターナブル食器について区民の反響はいかがでしたでしょうか。また、回収することに御苦労されたと思いますが、回収率の状況、そして昨年度と比べごみ量はどのぐらい削減をされたかお伺いをいたします。 また現在、渋谷区では区内で開催されるイベントにおいても、リターナブル食器を利用する団体に対して、「リターナブル容器利用促進助成金」制度の導入の制度がスタートをいたしました。さらに今後、災害時の避難所等においても活用が可能でないかと思いますが、いかがでしょうか。 壊れない食器で扱いやすく、またビニール袋やラップをかけて使えば、災害時の貴重な水を使うことなく繰り返し使えるすぐれものです。今後の取り組みについて区長の御所見を伺います。 以上、大きく八点について答弁をお願いいたします。 ○副議長(岡田麻理) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党、久永 薫議員の代表質問に順次お答えいたします。 まず初めに、防災対策について、自主避難所運営についてお尋ねです。 十月十二日の関東地方を通過した大型の台風十九号は、各地に記録的な大雨による甚大な被害をもたらしました。 区といたしましても、東日本大震災以来となる災害対策本部を設置し、「警戒レベル四 避難勧告」を区内全域に発令しました。 また、地域防災計画に定める区立小中学校の避難所、自主避難施設、要配慮者の方が避難するための福祉避難所を合計十二カ所開設いたしました。 このように多くの避難所を開設することも区としては初めての経験でしたが、各避難所を担当する自主防災組織の皆様や学校の管理者、自主避難施設・福祉避難所の施設管理者の皆様、そして区の職員を含めた多くの関係者の皆様の御尽力により、五百三十八名という避難者を事故なく受け入れできたことについては感謝を申し上げたいと思います。 これまで、各避難所において、一月十七日の渋谷区防災点検の日に、自主防災組織や施設管理者、区の職員の三者で避難所点検を行ったり、各地区では、避難所運営委員会による自主的な避難所運営訓練などを行ってきました。 しかし、自主避難施設や福祉避難所については、これまで運営訓練は行っておらず、いざ実際に開設してみますと、様々な課題が出たのも事実です。 これまで、今回避難所運営にかかわった多くの関係者の皆様からのヒアリングや意見交換を実施しましたが、そこで上がった課題を整理し、これを教訓として、今後の防災対策の改善に役立ててまいります。 特に、風水害の場合の避難所の開設については、今回の開設場所が適切であったかを検証しつつ、今後の避難所、自主避難施設の開設の基準を明確にしていきます。 来年三月に全戸配布する予定の区民防災マニュアルには、「風水害への備え」のコーナーを設け、注意喚起と警戒レベルに応じた避難の備え、避難方法についての記事とともに、洪水ハザードマップも掲載します。 自主避難施設については、今後の検討によって、場所や設置数の変更もあり得ますが、ひがし健康プラザと地域交流センター恵比寿の二カ所の掲載を予定しています。 次に、防災対策として、「自助」を支える取り組みについてのお尋ねです。 近年、台風や線状降水帯による記録的な大雨や暴風は、全国各地に大きな災害をもたらしています。地震だけではなく、風水害による浸水や土砂災害についても、より一層の警戒や予防対策が必要になっています。 区でも、洪水ハザードマップを作成し、想定される最大規模の雨量があった場合の区内の浸水予想区域を示し、しぶや区ニュース、ホームページへの掲載、危険な地域への個別配付を行い、区民に注意喚起を呼びかけています。 是非、区民の皆様もこのハザードマップを確認し、御自分の地域が安全かどうかの確認をしていただきたいと思います。 また、日ごろから、御自宅周辺などの危険な場所を実際に確認していただくことが重要です。例えば、旧河川が暗渠化された低地部分は大雨の際に内水氾濫が起きやすいので、そういった場所であるかどうか。また、渋谷川の水位が上がった場合には浸水する危険な場所などに注意が必要です。 議員御指摘の「率先避難」は、地域の危険な場所や安全な避難経路を日ごろから把握することで、いざ発災したときに、いち早く地域の方に避難誘導を呼びかけるということです。 そのために行う「防災さんぽ」は、まさに私の今申し上げた地域の安全確認と同じ趣旨であると思います。例えば、自立した高齢者や親子を含め、家族や町会などの単位で、「ハザードマップ」や「地震防災マップ」を参考に地域の危険箇所を確認する防災さんぽの取り組みを進めていただきたいと思います。 こうした取り組みにより、地域の方が「率先避難者」として避難誘導を行うことは、地域の防災力を大きく向上させるものと考えます。 区も地域の訓練などで、こうした取り組みを推奨していきたいと思います。 次に、防災について、防災蓄電池についてのお尋ねです。 議員の御指摘にありますように、昨年の北海道胆振東部地震においては、北海道全域でブラックアウトと呼ばれる大停電が発生し、また、今年の台風十五号による暴風で千葉県でも大規模な長期間にわたる停電が発生しました。 近年、地震だけでなく風水害でも発生するこのような大停電は、住民の生活や経済に大きな影響を及ぼすものであり、災害時の停電対策は喫緊の課題と捉えています。 先ほどの北海道と千葉の停電においては、住民や避難所での避難者にとって、家族などとの安否確認や様々な情報を取得する手段となっている携帯電話を、充電したいが充電する場所がないという、いわゆる「充電難民」が多数発生したのは、特に大きな問題となりました。 現在、避難所においては、停電時に備え、ガソリン等の燃料を使用する発電機やカセットボンベを使用する発電機等を装備しておりますが、避難者の多くの方々の携帯電話の充電を行うには十分ではありません。 議員の御提案の蓄電池の備蓄については、本年の第二回定例会でも貴会派から御提案をいただいているものですが、区としても、今年度、公用車の一部に災害時の電力として活用できるEV車を購入しており、これに加えて来年度は、各避難所に大容量の蓄電池を配備することを検討しております。 次に、子育て支援について、四点のお尋ねです。 まず初めに、妊婦全数面接と実績と支援、特に若年妊婦の支援と医療機関の連携事例についてお答えいたします。 妊婦全数面接は、妊娠十六週から三十二週までの妊婦の面接を行っており、四月から十月までの実績は、三百九十六件となっております。未実施者へは、二十四週時点で勧奨通知の送付、二十八週時点で勧奨の電話連絡を行い、全数実施を目指しています。 次に、支援の事例を紹介いたします。 一件目は、若年妊婦の支援についてです。 未入籍の二十歳未満の妊婦から妊娠届が提出され、速やかな支援が必要と判断しましたが、連絡がつきませんでした。妊婦面接目的で家庭訪問し、その後の継続した支援につなげることができました。 二件目は、医療機関との連携についてです。 保健師が区内及び近隣区の産科医療機関を訪問し、妊婦面接の周知と保健師との連携を依頼しました。その効果があり、産科医療機関から「産婦が産後鬱病で入院し、家族が赤ちゃんの育児に困っている」との相談があり、保健師が同日中に訪問して御家族の相談に応じ、父と祖母が家庭で育児を継続できた事例がありました。 次に、保健師人財育成についてお答えいたします。 渋谷区子育てネウボラにおいて、中心的役割を担う保健師の資質向上は大変重要であると認識しており、平成三十年度から全ての保健師を対象とした面接及び支援技術向上のための研修を開始し、ロールプレーイングなど実践的な内容を継続して実施しています。さらに、事例検討会や外部研修への参加などにより、さらなる技術向上を目指しています。また、今年度から採用五年未満の保健師を対象とした記録作成や虐待予防研修を開始し、新人期からの育成に力を入れています。 今年四月には、中長期的な育成を目的として、人財育成ワーキンググループを立ち上げており、保健師の経験年数に応じたステージ別の「保健師人財育成計画」の策定を進めています。これにより各ステージにおける保健師に必要な能力を明確にし、習得するための標準プログラムを作成することで、幅広い分野について高い専門性を持ち、区民一人一人に寄り添った支援を進めることのできる保健師を育成してまいります。 次に、「育児支援ヘルパー派遣事業(にこにこママ)」についてのお尋ねです。 この事業は、産前産後の保護者支援として、妊娠期から二歳未満のお子さんを養育している家庭にベビーシッターを派遣して、子育てが一番大変な時期に育児や家庭を援助することで、育児不安につながる育児疲れを解消することが主要な目的となっております。 「にこにこママ」の申請時には、育児あるいは家事のどちらかに重点を置いた利用を希望されているのかを相談員が伺って、幾つかある委託事業者の中から、ニーズに適した事業者を選択し、シッターを派遣しています。 また、今年度からは「渋谷区子育てネウボラ」の基軸である妊婦全数面接時に、保健師が特に必要と判断した妊婦さんには、にこにこママの申請を勧め、子ども家庭支援センター相談員が面接に同席して本事業の利用を促しており、さらに利用実績が増える見込みです。 そのために今後も、利用者のニーズに応じたシッターの派遣が可能となるよう、事業者との丁寧な打ち合わせを行うほか、新規事業者の開拓について努力をしていきます。 次に、第二美竹分庁舎にプレ「ネウボラひろば」を設置してはとのお尋ねです。 今年五月から、「渋谷区子育てネウボラ」の拠点施設として、第二美竹分庁舎に関係所管を集約して、子どもと家庭の相談支援を行っています。 六月には第二美竹分庁舎でオープニングイベントを行い、多くの方に参加していただき、渋谷区子育てネウボラの周知を図ることができました。 議員御提案の、プレ「ネウボラひろば」については、既存のパパ・ママ入門学級や育児学級など従来の講座に、子育て中の保護者が気軽に楽しめる、リフレッシュできる内容を加え、多くの区民に、第二美竹分庁舎を訪れていただくことで、さらに渋谷区子育てネウボラの啓発に努めていきます。 次に、高齢者の健康について、二点のお尋ねです。 最初に、高齢者肺炎球菌ワクチン接種の状況や、今年度中に六十五歳を迎える方への接種率向上へ向けた啓発についてのお尋ねです。 初めに、ワクチン接種の現状についてですが、本区の平成二十六年度から平成三十年度までの五年間の対象者全員に対する接種率は四九・〇%、また、六十五歳の方の本区の接種率は、平成三十年度で五二・一%と、いずれも三〇%台で推移している国や都の水準を上回っております。 また、新たに六十五歳になられた方に対しての周知につきましては、これまで同様、個別通知を軸に、区ニュースや区ウエブサイトを通じた啓発を継続するとともに、高齢者施設やかかりつけ医との連携、ツイッターなどSNSの有効活用を視野に、さらなる啓発に取り組んでまいります。 次に、認知症予防について、まとめてお答えいたします。 議員の御提言の「とっとり方式認知症予防プログラム」の導入につきましては、先ほど渋谷区議会自由民主党議員団、松本 翔議員の代表質問にてお答えしたとおり、次年度「認知症なっても展」を活用しモデルケースとして実施し、再来年度以降、区内全域で実施していきたいと考えています。 その際の予防教室の開催場所につきましては、協定を締結している一般社団法人日本認知症予防学会とも意見交換しながら、地域包括支援センターごとに開催することも含めた検討を今後していきます。 なお、確実にこの事業を進めていくため、実際に予防プログラムを進めている自治体に出向き、状況を確認することは必要と考えることから、議員の御提言を受け、所管職員を視察させたいと思います。派遣先といたしましては、福祉保健委員会が訪問した鳥取県庁を初め、現在プログラムが進行している伯耆町、また協働で取り組んでいる鳥取大学を候補として考えています。 次年度、スムーズにプログラムが導入できるよう現地での視察を踏まえ、取り組んでまいります。 次に、AEDのコンビニへの設置及び講習についてのお尋ねですが、一括してお答えします。 コンビニエンスストアへのAEDの設置については、現在S-SAP協定を締結した株式会社セブンイレブン・ジャパン及びセコム株式会社と次年度からの設置に向けて協議を進めています。 私は、貴会派からの提案をさらに一歩進め、本区と株式会社セブンイレブン・ジャパンだけの取り組みとするのではなく、他のS-SAP協定締結事業者にも協力してもらい、より効果的な取り組みになるよう検討を重ねてきました。 その結果、本事業については、セコム株式会社が協力してくれることになり、S-SAP協定を活用した、他自治体にない渋谷らしい取り組みが実現できそうです。 具体的には、二カ国語対応のAEDをセコムからリースし、区内のセブンイレブンに設置する。設置の際にはセコムが一店舗ずつ、店員向けのAED講習会を実施する。リース料については、区とセコムで折半とする、などです。 実施店舗数やリースの仕組みなど、今後詳細を詰めていく必要がありますが、次年度の早期に実現できるよう準備を進めていきます。 また、AEDの講習についてですが、本区においては、区立中学校の防災訓練で実施されているほか、各地域で自主防災組織が実施する防災訓練で東京消防庁や消防団の指導により、毎年、多くの方が訓練に参加しています。区では、これらの訓練や民間企業、マンション管理組合が実施する防災訓練にも、訓練用のAEDを貸し出すなどの支援を行い、AEDの普及啓発を促進しています。 このほか、一般の区民を対象とするAED講習では、東京防災救急協会が渋谷消防署を会場に普通救命講習を実施し、日本赤十字が救急法講習の中でもAED講習を実施しています。 区では、独自にAED講習会を開催することは考えておりませんが、引き続きAEDの普及に向けた取り組みを継続して実施、支援をしてまいります。 次に、「手話・コミュニケーション条例」についてのお尋ねです。 先ほど、シブヤを笑顔にする会の橋本侑樹議員の質問にお答えしたとおり、本区においても、手話はもとより、障がいの有無や種別にかかわらず、誰もが必要な情報を取得し、コミュニケーションをとりやすくなるよう、条例制定に向けた準備を進めてまいります。 次に、「食品ロス削減推進法」にのっとった条例制定についてです。 環境省によると、国内では、毎年約六百万トンの食べ物が、まだ食べられるにもかかわらず捨てられており、このうち家庭からは約二百八十万トンが捨てられております。渋谷区においても、約四千トンの未利用食品等が廃棄されていると推計しているところです。 本年十月一日、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、食品ロス削減に向け、「国、地方公共団体及び事業者の責務」並びに「消費者の役割」により、相互に連携協力していくことが求められております。 議員の御発言にありますように、本区とS-SAP協定を締結したセブンイレブン・ジャパンが、コンビニエンスストアで「販売期限が迫った食品を購入した際にポイントを付与する」ことで、食品ロスの削減につなげる取り組みを全国展開していくことは、大変喜ばしいことと思います。 食品ロス削減法のもと、各事業者が食品ロス削減に向け、積極的に取り組んでいただくことを望みます。 その上で、本区においては、「渋谷区環境基本計画二〇一八」に基づき、「買いすぎない」「作りすぎない」「食べ残さない」をキーワードに、消費者の意識啓発、事業者や地域で活動する団体と連携して、食品ロスの削減を推進しているところです。 本区の取り組みの一つである食品ロス削減等推進店舗「シブラン三ツ星レストラン」ですが、六月に開始して以来、現在二十二店舗となりました。 認証店舗ごとに、食品ロス等の削減の取り組みについて、どのような取り組みをしているかを区のホームページで見える化をしておりますので、是非外食するときの参考にしていただきたいと思います。 また、「フードドライブ」や「もったいないマーケット」については、事業開始より定着しつつあります。今年のもったいないマーケットは、台風十九号の影響により、残念ながら中止としましたが、年明けに開催を企画している環境シンポジウムの中で、フードロス削減の趣旨も取り入れる予定です。さらに、今後、フードドライブ回収拠点の増設を検討して、皆様に持ち寄りやすいようにしていきたいと考えます。 一方、食品ロス削減法は、国が「基本方針」を定め、自治体には基本方針に基づく「食品ロスの削減の推進に関する計画」を策定するとされていますが、現段階において、国の基本方針が策定されていないところです。 議員御提案の条例化には、この「基本方針」や「食品ロス削減の推進に関する計画」「渋谷」という地域の特性に応じた施策とするための相応な準備と、さらに、区民、事業者、消費者などの各ステークホルダーとの協議が必要であります。 本区では、まず「渋谷区環境基本計画二〇一八」の達成を目指して、「食品ロスに関する普及啓発」「食品リサイクルの推進」「生ごみの減量」について、区民、事業者、消費者と連携協力をしながら、引き続き、食品ロス削減に向け取り組んでいく上での検討課題とさせていただきます。 次に、環境政策について、リターナブル食器の活用についてのお尋ねです。 まず、くみんの広場でのリターナブル食器の使用状況についてですが、今回の広場は、循環型社会の構築と環境配慮の大切さを区が率先して示すため、「エコイベント」として実施し、中でもリターナブル食器の使用は、エコイベントのかなめとなる施策として導入いたしました。 使用に当たっては、飲食物を扱うテントの出展団体の皆様に協力を賜り、広場の両日を合わせて、おおむね三万八千食分ものリターナブル食器が使用されました。 また、回収に当たっては、ごみ回収を行うごみステーションの名称をエコステーションに改め、積極的にリターナブル食器の回収に努め、その回収率は約九四%となっております。この回収率は、これだけ多くの容器を使用し、かつ自由に出入りできる会場での催しとしては極めて回収率が高く、来場された区民の皆様からも理解が得られたと認識しています。 一方、会場内のごみの状況につきましては、可燃、不燃、瓶・缶・ペットボトル、段ボールを合わせて、昨年度、約八千三百キログラム出ていたごみが、本年度六千八百キログラムとなり、二〇%近くのごみが削減できた結果となっています。 今後、本年度の実施状況を分析し、来年度以降は、さらに進んだエコイベントとして開催できるよう努力してまいりたいと考えております。 また、災害時のリターナブル食器の活用についてですが、現在、避難所に備蓄している食器(ボウル、深皿)は、使い捨てではなく、リターナブルとして使えるものになっています。 また、議員の御提案にあるように、今年の渋谷防災フェスでは、自衛隊に協力いただいた炊き出しカレーの食器を昨年までの使い捨て容器でなく、リターナブル食器を使用し、それにさらにラップを巻いて、使用後も食器を洗わずにリユースするという試みを行い、好評いただいたところです。 今後も避難所におけるリターナブル食器の活用方法については、さらに検証を行いながら、必要な備蓄品の充実を図ってまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(岡田麻理) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について二点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 初めに、タブレットの日についてのお尋ねです。 渋谷区教育委員会では、今年度十一月八日を「渋谷タブレットの日」として設定し、区内全小中学校で公開授業を行い、その後、上原中学校において研究発表会を行いました。 当日は、東京都内四十一区市町村から、他県からは一府十九県、七十七の自治体から合わせて千七百名を超える教育関係者が区内の学校を訪問され、タブレットを使った授業の様子、子どもたちの姿をごらんいただきました。 また、当日行ったアンケートにおいて、「タブレットの日は参考になったかと」いう質問に対し、九四%の肯定的な回答をいただいたことは、渋谷が学校教育をリードしている一端と捉えています。 参加された方々からの感想としては、「日常的なタブレット活用が、子どもたちの情報活用能力の向上に結びついていることがうかがえた」「区内全校での公開授業の形から、共通の目標に向かって全学校が進んでいることがわかった」「一人一台の環境ができていることに驚き、渋谷区がうらやましい」「複数の授業を拝見でき、一人一台のタブレットを使った授業像を持つことができた」「なぜ、一人一台というテーマであったが、同時に考えを書き込み思考するなど、一人一台でないとできない学びがあることがわかった」「パネルディスカッションの話で、できることが増え、諦めていたことが可能になるといった話が参考になった」などの意見が多く寄せられました。 その一方で、「技術は日進月歩であり、新しいソフトやアプリを常に導入していくとなると、財政面での負担が大き過ぎる」「参観した学校では、活用している教師とそうでない教師がおり、教師によって差があることがわかった」など御意見をいただき、今後もタブレット活用における働きかけを進めていかなければならないことを感じました。 しかしながら、今回、渋谷タブレットの日の開催により、全校が一つの方向性に向かって確かな取り組みを行いました。教員は、渋谷タブレットの日を通して、大きな成長を遂げたことがうかがえます。 そして、Society5・0や新学習指導要領の動きの中で、一人一台のタブレット導入は時宜を得たものと手応えを感じています。 次期ICT教育システムの円滑な移行に向けては、現行システムを十分に活用したタブレット活用の日常化が基盤であり、今後、渋谷タブレットの日の取り組み等を踏まえ、さらなるタブレット活用の充実に向け、他地区とも情報共有を図りながら推進していきます。 次に、「子どもの権利条約」についてのお尋ねです。 子どもの権利条約は、子どもの基本的人権を国際的に保障することを目的に定められた条約であり、子どもを一人の人間として人権を認める重要なものであると認識しています。 学校では、議員御指摘の子どもの権利条約につきましては、小学校では、道徳や特別活動でいじめに関する指導を行う上で、子どもの権利条約の趣旨である生きる権利や参加する権利などを踏まえ、指導が行われています。 また、中学校第三学年の社会科公民的分野では、子どもの権利条約は基本的人権と個人の尊重の中で学習する内容となっており、考えることや信じることの自由が守られること、自分らしく育つことができることなどの育つ権利や意見を表明する権利などについて学んでいます。 今後とも教育委員会では、子どもの権利条約を初めとする人権教育の充実が図られるよう、指導室訪問や関係機関に関する情報提供、人権教育担当者向けの研修を実施するなどして、子どもたちの「子どもの権利条約」を初めとする人権意識の向上、人権感覚を磨いていくことに努めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(岡田麻理) 福田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(福田昭子) 私には、投票について二点のお尋ねです。順次お答えいたします。 最初に、投票に配慮が必要な方や障がい者の方々の選挙参加に向けた取り組みについて、狛江市の事例を引かれての再度の御提案です。 DVDにつきましては、既に選挙管理委員全員で視聴し、「投票の流れ・支援カード」についても内容を理解しております。このカードは、特別区二十三区においても、作成を検討する区も出てきておりますが、多くの区では、障がいの種類やその程度に合った内容について、どのようなものがよいのか調査が必要であると認識されています。 また、本区では、本人がイラストを指差して投票所内で、その意図を伝達する「コミュニケーション・ボード」を全投票所に配備しており、従事員に対しても、より親切な対応をお願いしたいと思っておりますので、投票の流れ・支援カードの作成につきましては、引き続き調査・検討していきたいと考えております。 次に、期日前投票所における投票用紙の交付方法についてのお尋ねです。 これまでの区議・区長選や国政選挙または都政選挙において、二票以上の投票を行う場合、選挙執行計画において、投票用紙を二回に分けて交付するよう定めております。ただし、期日前投票所における投票用紙の交付は、同時に交付すると定めてまいりました。 その大きな理由は、本区における期日前投票所のスペースの狭あいがございました。来年度以降は、有権者からの要望もあり、また、議員の御意見も踏まえ、期日前投票所の会場を、より大きな会場へ変更するなどして、当日投票と同じ流れで安心して投票していただけるようにしてまいりたいと考えております。 今後も選挙管理委員会として、投票に配慮が必要な方々を含め、有権者の投票環境の向上に努めてまいりますので、御理解と御協力をお願いいたします。 以上、答弁といたします。 ○副議長(岡田麻理) 久永 薫議員。 ◆二十一番(久永薫) ただいま区長、教育長、また選挙管理委員会委員長に丁寧な、また大変前向きな御答弁もいただきました。大変にありがとうございました。 少し所感を述べさせていただきます。 防災対策についてですけれども、本当に今回の経験を踏まえて、自主避難所の開設準備基準を明確に定めていくという点、また、来年度、全戸配布をされる防災マニュアルの中にも、風水害に関しての記事を掲載もいただけるという答弁をいただきました。大変にありがとうございました。 また、何よりも今回、自立していらっしゃる高齢者の方から直接いただいた御提案の「防災さんぽ」も、大変私も有効的だなという思いで御提案をさせていただきましが、これも推進もしていただけるということで大変うれしく思います。 子育て支援に関しても様々、妊婦面接の現状も教えていただき、着々と本当に保健師によるサポートが進んでいることがわかり、安心をしております。 それと同時に、さらにネウボラの課題というのも見えてきたなという思いでもありますが、これからもしっかり連携をさせていただきながら、より「渋谷区子育てネウボラ」がまた前進できるように、私たちもしっかり提案をしてまいりたいと思っております。 認知症の「とっとり方式認知症予防プログラム」に関してですけれども、何よりも地域包括支援センターを活用していただけるというのが大変大事だなというふうに私たちも思っておりまして、これから検討されると思いますが、できれば予防教室は地域包括支援センターで地域と連携をしていただきながら、これからも進めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 あとAEDに関しても、いよいよ来年、何よりもセコムと連携をしていただいてスタートできるということで、大変うれしく思います。また、このAEDを活用できる人が増えていくように、またこれからも、私も消防団の応急救命で携わらせていただいているので、しっかり講習も進めていきたいと思っております。 教育委員会のほうで、本当に丁寧な御答弁ありがとうございました。 「子どもの権利条約」についても、現在、小中学校で様々道徳の時間を使って「子どもの権利条約」も学んでいただいているということで、大変大事な取り組みを進めていただいているというふうに思っております。今後も全校にこれが広がっていくように、是非とも進めていただければと思っております。 あと、すみません、選挙管理委員会委員長の御答弁、大変ありがとうございました。 今回は、期日前投票の仕方についても、いよいよ少し前向きに前進をされるという御答弁もいただいております。是非とも、先ほども答弁にもありましたが、皆様から大変要望いただいているこの投票の仕方、できるだけ高齢者や、また障がい者の方が投票しやすい環境づくり、特に期日前投票所での対応も、是非ともこれから進めていただきたいと思います。ありがとうございます。 最後に、私ども公明党は、本年十一月十七日に結党五十五周年を迎えました。立党の原点でもある大衆とともにを体現し、どこまでも一人に寄り添い進んでまいりました。これからも区民の皆様と行政を結ぶパイプ役となり、一人の声を大切に、区民の皆様のために日々精進してまいることをお誓いをして、私の代表質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○副議長(岡田麻理) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後五時五十七分   再開 午後六時三十一分----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 二十五番吉田佳代子議員。 ◆二十五番(吉田佳代子) 私は、立憲民主党渋谷を代表して区長、教育長に質問いたします。 十月十二日に発生した台風十九号により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 また、十月三十一日には沖縄のシンボルであった首里城の一部が火災で焼失しました。世界遺産でもあり、日本の宝でもあった首里城の焼失は、沖縄の方々にとってはかり知れない悲しい出来事です。深くお見舞い申し上げます。 それでは、質問に入ります。 まず、ハロウィーンとカウントダウンについて二点伺います。 十月三十一日はハロウィーンが行われましたが、ハロウィーンは区主催のイベントではなく、事業者が中心となった実行委員会が仮設トイレやフィッティングルーム、ごみステーションなどの設置をしてきました。しかし、近年集まる人の数も多くなり、酒に酔い犯罪行為を行う人やまちを荒らす人など、大きな課題を抱えていました。 我が会派では、以前から路上での飲酒の禁止やスポンサーをつけることなどを提案してきましたが、本年六月に「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」が制定され、区長の渋谷区を安全・安心、そして国際都市として誇れるまちにするのだという強い決意を感じたところであります。 当日、大勢の警察官とともに区独自の警備員が配備され、看板には条例に基づき守っていただくべき路上飲酒・喫煙・排せつ、ごみのポイ捨ての禁止、着替えのための駅やお店のトイレの使用の禁止が書かれておりました。 今回の区の対応に対して、「路上での飲酒を禁止することで安全になった」「いつもより安心して遊べるようなった」という前向きな声が聞かれる一方で、「税金の使い過ぎだ」という声も聞かれました。区の考え方がもっと浸透していけば、参加者とともにより成熟した国際都市を実現できるのではないかと思います。 今年のハロウィーンは条例の本格実施となりましたが、どのような成果、そしてどのような課題があったのか区長に伺います。 また、この条例に基づき初めて迎える年末カウントダウンの対応を伺います。 次に、防災について四点伺います。 十月十二日の台風十九号は、前日から交通機関の計画的な運休が発表され、区役所では緊急対策本部が立ち上げられ、早い段階での対応により大きな混乱はなかったと認識しております。 委員会の中で危機管理対策部は、今までは地震をメーンに対策を行ってきたが、水害対策も行っていくべきだとの見解を示しました。 千葉県では倒木などによる停電が続き、当たり前に使えるものだと思っていたライフラインがいかにもろいものかを考えさせられました。昨年九月定例会の代表質問で、私は、万が一災害により停電が起こった場合、学校施設が避難所として機能できるか懸念されることから学校の非常用電源について質問したところ、電源が確保されている学校は渋谷本町学園、代々木山谷小学校の二校で、渋谷本町学園は体育室、事務室、職員室等の照明、コンセント用として三十二時間、代々木山谷小学校は体育館、職員室の照明、コンセント用として七十二時間運転が可能ということが明らかになりました。 渋谷区には避難施設三十三カ所と自主避難施設五カ所がありますが、各施設に非常用電源設備が必要と考えますが、区長の所見を伺います。 さて、近年、災害時の情報収集の中心はスマートフォンになってきていますが、災害時に問題となるのがスマートフォンの充電切れです。停電になれば、充電もできなくなります。大事な情報収集手段のスマートフォンの充電設備の整備をすべきと考えますが、区長に伺います。 また、札幌市は昨年九月に発生した胆振東部地震の際、停電によって医療機器を使えない人が発生したことを受け、在宅で人工呼吸器や酸素濃縮器など電動の医療機器を使う患者と障がい者を対象に、非常用電源装置の購入費の九割を助成する制度を開始しています。 また、国は在宅人工呼吸器使用者非常用電源について、長期停電時においても在宅療養患者の使用する人工呼吸器を稼働できるよう、医療機関に対し、患者に貸し出すための簡易自家発電装置等の整備費用の二分の一以内を補助する取り組みを開始しました。 さて、渋谷区では、在宅で人工呼吸器や酸素濃縮器など電動の医療機器を使う人は何人いるのでしょうか。 また、こうした電源装置を使用することで命をつないでいる方の支援が必要ではないかと思いますが、区長の所見を伺います。 さらに、区内の街路灯は商店街が設置しているものもありますが、停電対応がなされていないようです。停電時のまちの安全確保のため、停電対応のものへ変更を検討してはいかがでしょうか、区長に伺います。 二点目に、災害時のごみ問題について伺います。 先日の台風十九号では、ごみ収集についてホームページに「予定どおり実施するが、出さないで済む方は御配慮いただきたい」とのことが書かれておりました。私の地域は月に一度の不燃ごみの収集日でありましたが、強風でごみが飛来する危険性があるため、近所ではごみを出している人は見かけませんでした。 この日のごみ収集については自治体によって扱いがまちまちで、当区は収集しましたが、ごみ収集を中止した自治体もありました。私は、交通手段もなく、職員の安全面を考えれば収集しなくていいと思っていたのですが、区の責務として実施されたことについて敬意を表するところであります。 さて、当日のこうした扱いは、どのような判断で行われたのでしょうか。 また、今後、交通機関が計画運休の場合どのように判断していくのか、区長のお考えをお聞かせください。 大規模災害などにより甚大な被害を受けた際に発生する災害廃棄物を迅速かつ適正に処理することは、区民の生活環境の保全、公衆衛生の確保、早期の復旧・復興に資する上で重要な課題です。 災害時には災害廃棄物の仮置き場を設置し、平時とは異なる環境での対応が必要となります。そのため東京都、東京二十三区清掃一部事務組合、周辺自治体などとの連携方法についてのルールを決めておくことが必要です。 また、過去の災害廃棄物の処理事例では、民間事業者団体の果たす役割が大きかったことから、関係団体から協力を得られるよう支援協定を締結するなど、事前に災害時の役割分担を整理し、準備しておくことも必要です。そうしたことを踏まえ、現在、災害廃棄物処理計画の策定が進められています。 災害時はごみ収集もできないため、被災していなくても家にごみがたまり、誰かが公園に一つごみを捨て始めると、たちまちそこはごみ置き場になっていくことが予想されます。被災地でのごみ置き場も仮置き場として指定された場所ではなく、誰かがごみを置き始めて、いつの間にかごみ置き場になってしまった状況です。 特に災害ごみは運び出すだけでも労力が必要で、近くの公園などに捨てられることが想定され、近隣の住民はにおいや害虫、ネズミなどの被害に悩まさされることが想定されます。 人間行動からすると、被災して三日目ごろから片づけを始め、ごみ処理をし始めます。そうした状況を踏まえ、仮設置き場の前段階の仮置き場などが必要になってくるのではないかと思います。一度山のように置かれたごみの処理については、何年もかかる状況が出ています。そのような状況にならないよう、対策をどのように考えているか区長に伺います。 三点目は、布製の防災頭巾について伺います。 渋谷区の学校では、防災対策として布製の防災頭巾が利用されています。しかし、これでは天井の建材やガラスなどの飛来物から大切な子どもたちの命を守るには十分ではないと考えます。また、頭部主体のヘルメットでは、火災発生時に炎や熱などから露出されている首筋を守ることはできません。 現在、全国的に折り畳めるヘルメット頭巾の導入が進められています。二〇一七年には衆議院でも導入され、議員が実際に防災訓練を実施しました。大切な子どもたちの命を守るために、布製の防災頭巾から、より安全性の高いヘルメットへ変更してはいかがでしょうか、教育長に伺います。 四点目は、ペット同行・同伴避難についてです。 ペット同行避難は渋谷区も推奨していますが、ペットがいる家庭の大半は、ペットがいるから避難できないと考えていると思います。避難所に連れていっても、衛生面や鳴き声、アレルギーなどに配慮して施設の外のケージに入れなければなりませんので、飼い主としては二の足を踏んでしまうのが現状です。ペットを飼っている人もきちんと避難するように誘導するには、ペット同伴避難の取り組みが必要と考えます。 岡山県総社市では庁舎内の会議室をペット避難所として開設し、市民から感謝の声が届きました。また、他の地域では動物病院と連携をし、ペット避難場を設けた事例もあります。是非こうした取り組みを検討していただきたいと思いますが、区長の所見を伺います。 次に、環境問題について二点伺います。 まず、受動喫煙対策についてです。 東京都受動喫煙防止条例の一部施行に伴い、都内の飲食店は本年九月一日から喫煙、禁煙の表示が義務づけられました。東京都福祉保健局のホームページでは店頭表示用ステッカーと普及啓発用リーフレットがダウンロードできるようになっており、メールかファクスで申し込めば無償で配布してもらえます。 しかし、一部施行後、まだステッカーを張っていなお店が目立ちますが、都と区との連携はどのようになっているのでしょうか。条例は来年四月一日より全面施行され、従業員を雇う飲食店は原則屋内禁煙となります。法律で定められた基準を満たす喫煙室を設ければ喫煙が可能となり、東京都では喫煙室の設置費用などとして最大四百万円を補助する制度を始めていますが、九月以降の問い合わせは一日二十件以上あるものの、申請件数は少ないと聞いています。 店舗状況により喫煙室を設置できない店舗では、路上に灰皿を置いてお客さんに喫煙をしていただいているところも見受けられます。区道であれは条例に基づき指導、過料の対象になりますが、私道や私有地の場合は指導に及ばないと聞いています。しかし、煙被害は発生しており、その対応が求められていますが、どのような対策が考えられるか区長に伺います。 二点目に、エネルギー・温暖化対策について伺います。 十一月四日、アメリカは気候変動への国際的取り組みを決めたパリ協定の離脱を国連に正式に通告をいたしましたが、エネルギー・温暖化対策は、家庭から世界中の人々が日々取り組むべき重要な課題です。 渋谷区では、「渋谷区環境基本計画二〇一八」にエネルギー・温暖化対策を盛り込み、二〇二七年度の目標として、二〇一三年比温室効果ガス三一%削減、エネルギー使用量の二一%削減を設定しています。 この計画は基本計画と行動計画に分かれており、区、区民、事業者、来街者の責務が書かれています。省エネ推進、低炭素型都市の実現、再生可能エネルギーの活用、水素社会への取り組み推進など細目に分けられ、各取り組みが詳細に書かれていますが、現在、区役所自身の取り組みとして、行動計画に基づきどのようなことが進められているのでしょうか。 また、東京都では二〇一六年三月から、都自らが気候変動対策として率先して取り組む「スマートエネルギー都庁行動計画」を策定し、取り組みの見える化を行っています。区民や来街者へも区の取り組みの見える化を行うことで、啓発につなげていくべきと考えますが、区長に伺います。 次に、教員の休職期間の補充について伺います。 先日、学校の教員同士のいじめがSNSで流され、衝撃を受けたところでありますが、教員を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあると感じます。教員の休養には産休、育休、病気、研修などがありますが、病気の場合は最初の九十日は病気休暇となり、その後、申請により病気休職となっていきます。この九十日間は特に学校側の対応が難しい時期となるかと思います。 以前より、四月の始業式時点で既に教員が不足していることが明らかになっています。通常、病気や産休などで欠員が生じた場合、臨時採用の教員で補充してきましたが、今ではその補充もできなくなっていると聞いています。多くの学校が教員不足を何とか解消しようと努力されています。 ある地域では、教頭などが担任や授業を受け持つことで影響を最小限にしていたり、また、他県の例では、小学校の免許を持っていなくても教えることができる特例制度の助教諭免許で教壇に立つ教師もいると聞いています。教員の免許は幼稚園、小学校、中学校などに分かれ、本来はその範囲でしか教えることはできません。しかし、いずれかの免許を持っていれば、指導能力があることを条件に、三年間に限って免許の範囲を超えて指導できると法律で認められています。 一方、教員免許の取得者数はほぼ横ばいで、教員免許を持ちながら子育てなどで職場を離れている、いわゆる潜在教員もいると考えられています。つまり、すぐにでも臨時採用の教員になれる人は一定数いるのです。そうした人たちをいかに取り込んでいけるかが今後の対策の鍵となると言えそうです。 教員採用は東京都であり、教員の採用計画を長期的に再検討することは東京都がしっかりと行っていくべきことは承知しておりますが、渋谷区の現状と対策を教育長に伺います。 次に、福祉について伺います。 本年三月二十九日、厚生労働省労働政策基本部会では「AI等の技術革新の動向と労働への影響等について」というテーマで、「北九州モデル」の発表を行いました。 北九州市では国家戦略特区の制度を活用し、医療、保健、福祉、ものづくり、学術研究などのあらゆる要素を取り入れ、平成二十八年度から介護ロボット等を活用した先進的介護の発信を行ってきました。 まず、実証に先がけ、介護に係る時間と姿勢を記録できるアプリを活用し、介護現場の作業観察と分析を行いました。また、共同生活室に関する特例を活用して、移乗支援、コミュニケーション、見守り、歩行リハビリ、記録支援で七機種の介護ロボットを導入しました。介護人材の人手不足という問題解決に向けて、こうした機種がどのように成果を上げているかの検証も行われました。 例えば、インカムを使用することで介護職員はいつでもどこでも情報共有や連絡調整が可能となったり、見守り機器の導入により不必要な巡回が減少したり、介護記録支援機器により体温や血圧などの情報が自動で記録できることで記録作業の効率化が図られたり、様々な成果が報告されました。もちろん、こうしたロボットを導入するには使いこなすための研修が必要になってきますが、そのリーダーの育成も実施されました。 こうした報告は区のほうでも把握されていると思いますが、労働人口が減少する時代の介護には、人の手を代替する機器の導入は必須となることでしょう。一部の特養ではセンサーつきマットにより、利用者がベッドから起き上がると部屋の入り口の天井ランプがつき、また、介護士には手持ちの端末に音で知らせるものが導入されたと伺っていますが、介護職員の負担軽減を図れるこうした機器の導入を総合的に検討していってはいかがでしょうか。 特に、今、建設中の高齢者ケアセンターの開設に向けて総合的に検討していってはいかがでしょうか、区長に伺います。 次に、区民の健康について二点伺います。 まず、禁煙についてです。 渋谷区では、「健康増進法」「東京都受動喫煙防止条例」「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」に基づき、喫煙所の撤去やコンテナ型の喫煙所の設置予定、喫煙所マップなど工夫を凝らしたハード面の対策を進めています。今までは分煙ルールの強化に力を入れてきましたが、東京都が「受動喫煙防止条例」を制定したことで、煙を吸わせないことに強化の方向性を変化させてきました。 東京都では、ハード面だけではなくソフト面にも力を入れています。東京都福祉保健局のホームページには、受動喫煙防止対策として、都内各自治体の「禁煙希望者支援における取組の概要」が紹介されております。東京都はこの取り組みを行う自治体の支援を行っています。 禁煙治療を行っている医療機関の案内や禁煙外来の医療費助成を実施している自治体もあり、東京都は費用のおおよそ五〇%を自治体に支給する仕組みになっております。全国的に喫煙できる場所が減少し、健康被害なども言われている中、禁煙したいけれどもできない方への支援を是非行っていただきたいと思いますが、区長に伺います。 次に、骨の健康について伺います。 骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨がすかすかになり、骨折を起こしやすくなる病気です。骨粗鬆症の原因には加齢、運動不足、食生活、喫煙、閉経後のホルモンバランスの変化、関節リウマチやステロイド薬の使用などがありますが、特に加齢による骨量の低下は、程度の差はあるものの、誰にでも起こり得るものです。 骨量の低下が直接命にかかわるものではないかというと、そうではありません。今まで元気だった方がわずかな段差にひっかかり転倒したことで骨折をし、そのまま寝たきりになり、食事もとれなくなり死亡することが日常的に起こっています。 渋谷区では骨量測定や骨に関する教室など実施していますが、情報がばらばらでわかりづらい状況です。また、骨量測定は腕だけの簡易的なものだけではなく、全身を部位ごとに測定することでより正確な状態を把握することができます。他自治体では五年ごとの節目年齢にクーポン券を郵送し、骨粗鬆症検診を実施しています。区民の皆様が長く健康でいられるために、是非医師会とも相談して骨量測定の検診の実施をしていただきたいと思いますが、区長に伺います。 最後に、羽田空港機能強化に伴う国際線の飛行について伺います。 来年三月二十九日から、羽田空港機能強化による国際線の増便により、渋谷区上空の国際線飛行の開始が決定されています。 これまで、渋谷区議会では国土交通省に対し意見書や要望書の提出を行ってまいりました。区議会としても騒音、落下物、環境汚染、健康被害など想定される問題に国交省に解決を求めてきましたが、いまだ解決できていない中での飛行が目の前に迫っています。 渋谷区からは区民に対する丁寧な説明を求めており、特にコールセンターの問題を取り上げております。コールセンターに電話をしてもQ&Aレベルの回答しかできず、適切な回答を得ることができなかった区民が不満を抱え、区に電話をしてきて、区役所が苦情対応に追われている現状があります。国交省の回答には、区職員に対する勉強会や研修、航空会社による自治体向け窓口の設置などが記載されておりますが、今後、窓口はどのようになるのでしょうか。 また、騒音対策の強化についても言及していますが、当区は騒音対策として補助対象地域には該当せず、一般家庭への防音対策を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、区長に伺います。 以上七点、よろしくお願いいたします。 ○議長(下嶋倫朗) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 立憲民主党渋谷、吉田佳代子議員の代表質問に順次お答えいたします。 初めに、ハロウィーンとカウントダウンについて二点のお尋ねです。 まず、今年のハロウィーンについてですが、区ではこれまでの実態を踏まえ、「渋谷ハロウィーン対策検討会」における中間報告に基づき、第二回区議会定例会において「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」を上程し、議決をいただきました。 条例制定後、ハロウィーンにおける様々な対策を検討する「渋谷ハロウィーン対策実施連絡会」を設置し、第三回区議会定例会においてハロウィーン対策に関する経費について補正予算案を議決いただき、自主警備により約二百四十人以上の警備員等を配置したほか、六十基に及ぶ仮設トイレの大幅な増設や、商店街フラッグ等を活用したマナー啓発のほか区職員による巡回警備など、区の総力を挙げた取り組みを行いました。 また、対策の一つとして酒類の販売自粛要請を行いましたが、四十一店舗に協力要請をしたうち三十六店舗に御協力をいただきました。その結果、路上等での飲酒行為が激減し、さらに、その波及効果として缶や瓶などのごみの減少や路上等での排せつ行為が見られなくなるなど、これまで課題であった迷惑行為の減少につながり、本年のハロウィーン対策については大きな成果を上げることができたものと認識しています。 しかしながら、痴漢、窃盗などの犯罪行為や大音量、騒音をまき散らして走行する、いわゆる爆音車への対応のほか、多数の外国人による路上飲酒など課題は残されており、さらなる対策は必要と認識しています。 これらの課題については今後、関係機関等と十分な検証を行うとともに、改善に向けた検討を重ねてまいります。 また、本年の年末カウントダウンについてのお尋ねですが、今回のハロウィーン対策における検証結果を踏まえた上で、本条例に基づく酒類の販売自粛要請や路上での飲酒規制などの対策をさらに強化し、成熟した魅力ある国際都市へと進化していくための効果的な対策の実現を目指していきます。 次に、防災について、ライフライン等についてのお尋ねです。 まず、避難所における非常用発電設備ですが、現在、地域防災計画で指定している三十三カ所の避難所で、避難所運営に必要な電源を供給できる非常用発電設備を備えているのは渋谷本町学園、代々木山谷小学校、つばめの里・本町東、フレンズ本町の四施設です。また、自主避難施設五カ所には非常用発電設備はありません。 なお、各避難所には、停電した場合に備えてバルーン投光器付発電機を含むガソリンを燃料とした発電機四台、カセットボンベを使用する発電機や避難者用の懐中電灯やランタンを備蓄しています。 しかし、昨年の北海道胆振東部地震や今年の台風十五号により発生した長期間・広範囲にわたった停電を教訓として、区でもより一層の停電対策が必要と考えています。議員御指摘のように、現在、非常用発電設備のない避難所についても、最低限必要な電力を賄うための発電機や非常用発電設備の整備を設置場所、技術面等も含め総合的に検討してまいります。 また、スマートフォンの充電設備の整備については、渋谷区議会自由民主党議員団、松本 翔議員、シブヤを笑顔にする会、橋本侑樹議員、渋谷区議会公明党、久永 薫議員にお答えしたとおり、来年度、避難者の充電のための大容量蓄電池を各避難所に配備することを検討しております。 次に、医療機器の電源装置についてのお尋ねです。 在宅で人工呼吸器や酸素濃縮器など電動の医療機器を使う方の全数を区が把握する制度は、ありません。 在宅医療患者については退院時に医師から注意事項の指導があり、訪問看護ステーション等から日常的に停電時の備えを助言、確認しています。人工呼吸器使用の場合など、災害に限らず短時間の停電でも生死にかかわる重大な事故につながります。基本的には御自宅に電池式や手動式の機材を備蓄されていて、停電時には速やかな切り替えを行い、復旧を待つという考え方です。 地震などの災害発生時には停電の長期化が想定され、電池の備蓄や人力にも限りがあり、主治医のいる病院に緊急避難するという場合もありますが、避難が困難な方もいます。手挙げ方式で災害時要援護者名簿に登録し、避難支援プランを作成していただくことにより災害時の避難支援体制が整います。是非名簿の登録及び支援者の確保をしていただきたいと思います。 区では災害発生直後の支援体制として、家庭や避難所への訪問支援の仕組みづくりを目指し、訪問看護ステーション協議会等、さらなる地域におけるネットワークの構築を図ってまいります。 次に、区内の街路灯の停電時の街の安全確保のため、停電対応のものへ変更を検討してはどうかとのお尋ねです。 現在、区の管理する街路灯は、商店街路灯を除き約一万一千基あり、順次LED化を進めているところです。一方、停電時対応の街路灯については、一部の自治体で災害時の対応として設置されておりますが、導入の際の費用や器具の維持管理等の課題があります。今後、区といたしましてはLED化を優先的に進める中で、停電時対応の街路灯について、防災上必要な道路への設置に向け研究をしてまいります。 次に、災害時のごみ問題について二点のお尋ねです。 初めに、災害時のごみ収集についてのお尋ねです。 台風十九号の接近は、予報では十月十二日の夜に接近するとのことでした。ごみの収集作業は午前七時三十分から午後三時ごろまでに行っており、この時間帯における台風による収集作業への影響は少ないと考え、収集を中止せずに実施したものです。 また、今後、交通機関が計画運休の場合はどのように判断していくかとのことですが、計画運休の時間にもよりますが、例えば計画運休になる前に出勤するなどの対応をとり、できる限りごみ収集に影響がないようにしてまいりたいと考えています。 いずれにいたしましても、災害時には区の清掃事業の本旨である生活環境の保全、公衆衛生の向上の観点はもちろん、職員の作業上の安全確保の視点から判断をしてまいります。 次に、大規模災害時のごみ処理についてのお尋ねです。 まず、本区では、台風十五号により被災した館山市に職員を三日間派遣し、災害廃棄物の収集、運搬の支援活動を行いました。 被災地での収集・運搬業務に当たった職員の報告によると、「住民が出す廃棄物は瓦や畳、トタン、家電製品などがあり、山のように捨てられていた」とのことです。これら多くの種類の廃棄物を仮置き場から災害ごみ置き場へ搬入したときは、この後の中間処理施設に運搬するため廃棄物を品目ごとに分別しなければならず、職員が手作業での仕分け作業となりました。 今回の支援活動を通じて、廃棄物の分別の徹底とその作業を可能にする広さの仮置き場が必要なことがわかりました。 本区においても、地震や風水害などの災害に伴い発生した廃棄物は迅速かつ適正に処理することが必要です。被災時は、災害廃棄物である瓦れきや片づけごみのほかに、自宅や避難所における生活ごみも排出されるため、災害後は多くの量の処理をしなければなりません。このため、平時においてあらかじめ災害廃棄物の処理における課題等を想定し、災害廃棄物の処理体制等を定めておく必要があります。 現在、本区では、災害に伴い発生した廃棄物の処理に関する基本的な考え方、必要となる体制、処理の方法等の基本的事項を定める「渋谷区災害廃棄物処理計画」の策定に向け、「渋谷区清掃・リサイクル審議会」において来年三月を目途に御議論をいただいているところです。 議員の御質問にある仮置き場等につきましては、一定の広さが必要なことから、区の状況を鑑み、仮置き場の前段階として応急集積所や地区集積所を設置できないかなど、この計画策定の中で検討していきます。 いずれにいたしましても、区民の生活環境の保全と早期の復旧・復興のために、実効性のある計画としてまいります。 次に、ペット同行・同伴避難についてのお尋ねです。 区では、動物愛護や「ペットは家族の一員」という避難者の心のケアの観点から、平成三十年四月に「ペットとの同行避難マニュアル」を作成し、平成三十年十二月に改定した地域防災計画でも、このマニュアルに基づいたペットとの同行避難を区の基本的な考え方であることを明記しています。 一方で、避難所という共同生活の場ではペットが嫌いな方もいらっしゃいますので、このマニュアルでは、ペットの飼育場所を原則屋外に設けることや、飼い主の義務、飼育管理などのルールを定めています。 今回の台風十九号では、七カ所の避難所において犬七匹、猫三匹、ウサギ二羽のペットを受け入れましたが、台風の暴風雨の心配があったため屋外にペットを置くことができず、屋内に場所を確保しましたが、これも初めての事例でしたので、受け入れた施設では苦労があったことと思います。 今後も避難所運営委員会などが中心となって、他の施設でもあらかじめペットの受け入れ場所を定めておくとともに、ペット同行避難マニュアルの内容を、避難所運営関係者や区民に周知を図ってまいります。 また、議員の御提案にある、一時的なペットの受け入れ場所として動物病院を活用することについては、区内の動物病院や動物専門学校などの関係者と協議をしてまいりたいと思います。 次に、受動喫煙対策についてお答えいたします。 本年九月一日から、飲食店の喫煙、禁煙の店頭表示が努力義務となりました。区は、これまで都や労働基準監督署と連携し、三者による飲食店等事業者向けの合同説明会や、様々な機会を捉えて制度の概要を周知してきており、来年四月の本格施行に向け、引き続き周知に努めてまいります。 次に、私道や私有地における対策ですが、飲食店が灰皿等を置いて喫煙場所をつくることまでは規制されていませんが、周囲の方に対して望まない受動喫煙を生じさせないよう配慮する義務があります。今後、私道等の屋外で受動喫煙が生じているような事案には、配慮義務を守るよう注意喚起を進めてまいります。 次に、エネルギー・温暖化対策について、区役所自身の取り組みはとのお尋ねです。 区では地球温暖化対策として、とりわけ二酸化炭素の発生量を抑制、削減するため、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入を進めています。具体的には、区有施設において太陽光発電や地中熱利用の再生可能エネルギー設備の設置を進めているほか、区立小中学校や区民施設では、平成二十二年度から従来の東京電力にかえて廃棄物発電による電力供給の導入を始め、順次導入施設を増やしています。 新庁舎においてもビルエネルギー管理システム、コージェネレーションシステム、太陽光発電など、すぐれた環境性能を有したものとなっています。 また、公用車においても導入年度を前倒しして、今年度、ガソリン車にかえて三台の電気自動車の導入も行ったところです。 このような取り組みにより、平成三十年度におけるエネルギー使用量及び温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素排出量は、平成二十五年度比でそれぞれ五・七%の減、一四・三%の減となっております。今後も環境基本計画二〇一八に定めた目標達成に向け、区を挙げて各種施策を進めてまいります。 次に、区の取り組みの「見える化」を行い、啓発につなげてはどうかとのお尋ねです。 区ではホームページに特設ページを設け、「渋谷区環境基本計画二〇一八」及び「同行動計画」、さらには「渋谷区環境基本計画ムービー」による普及啓発を行っています。また、渋谷区環境基本計画ムービーは、駅前大型ビジョンや公園通りにある東京電力の地上用変圧器等でも放映して、広く来街者にも周知、啓発をしているところです。 議員御提案の「見える化」につきましては、計画の進捗状況等をホームページで公表することを検討してまいります。 次に、福祉についてのお尋ねです。 現在、区立の特別養護老人ホーム「美竹の丘・しぶや」において、ICTを活用した介護を行っており、百二十七床全床に「眠りスキャン」というシステムを導入しています。 このシステムは、マットレスの下にセンサーを組み込んだシートを敷くことにより、心拍数や呼吸数を自動計測することができるほか、眠りの深さがわかることから夜間巡回時に声かけを適切なタイミングでできるなど、日常介護に役立っています。また、介護記録システムとも連動していることから、睡眠状況など入居者の状態が自動で記録されるため、職員の事務量軽減にもつながっており、介護人材不足をカバーするばかりでなく、入居者への支援が手厚く行うことができ、介護の質の向上が図られています。 このシステムの有効性は美竹の丘・しぶやにおいて確認されていることから、現在建設中の高齢者ケアセンター跡地複合施設におきましても同様のシステム導入を検討しています。 なお、今後、建設を進める代々木二丁目の福祉施設、また大規模改修が予定されている特別養護老人ホームにつきましても、ICTのさらなる活用を図りながら整備を進めてまいります。 次に、禁煙治療についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、禁煙治療は医療保険の対象となっており、東京都医師会が受動喫煙や禁煙外来の必要性等、詳細な情報をホームページで提供しています。また、都によると、本年四月一日現在、渋谷区内で禁煙外来のある医療機関が六十カ所あるなど治療が身近なものになってきています。 区として医療費助成の考えはありませんが、区ニュース等による啓発や、健康相談及び保健指導を通して禁煙の治療方法や禁煙外来の案内等、引き続き支援を進めてまいります。 次に、骨の健康についてですが、高齢になっても自分らしく自立した生活を維持するために、骨の健康を守ることは大変重要です。しかし、最近の統計データによれば、六十五歳以上の七割近くの方に骨量の減少が認められるため、検査よりも食事や生活習慣等の骨の健康づくりを普及する必要があります。 これまで、保健相談所の栄養指導や健康相談等、様々な機会を活用し骨の健康づくりを進めてきましたが、今後は医師会とも相談し、フレイル予防等を通して骨の健康づくりも含めた食生活の実践につながる普及啓発を一層強化してまいります。 次に、羽田空港機能強化についてのお尋ねです。 自治体職員に対する勉強会や研修の充実、航空会社による窓口の設置等について、現時点で国からの情報提供はありませんが、区において、今後、区民の方々からの御相談については騒音等を所管している部署にて対応することとなります。国はコールセンターの充実を図ると言っていますので、国との情報共有をより一層図ってまいります。 また、一般家庭の防音対策を求めてもらいたいとのことですが、国は騒音対策として、運用時間の制限や着陸地点の移設と降下角度の引き上げによる飛行高度の引き上げ、着陸料金体系への騒音要素の追加等、騒音への影響をできる限り小さくすべく取り組んでいます。加えて測定局の増設と結果の公開などの情報提供に取り組むとしていますので、現時点では、一般家庭の防音対策を求める考えはありません。 区といたしましては、区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、引き続き国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組むよう要望していきたいと考えています。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(下嶋倫朗) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、防災について一点、教育について一点のお尋ねがありました。順次お答えしてまいります。 まず初めに、布製の防災頭巾についてのお尋ねです。 議員御提案のヘルメット頭巾は、布製の防災頭巾に比べてガラスなどの飛来物から頭部を守ることができるものであると考えます。 区内の小学校では、入学時にそろえる学用品の一つとして防災頭巾を挙げ、各家庭で用意をしていただいています。現在は大多数の家庭で布製の防災頭巾を準備していただいていますが、今後はヘルメット頭巾につきましても保護者が選択肢の一つとして取り上げることができるよう、学校に検討することを働きかけてまいります。 次に、教員の休職期間の補充についてのお尋ねです。 教員の人事権につきましては東京都教育委員会の所管するところであり、議員御指摘のとおり教員の採用についても、病休や産休を含め、代替教員の任用も東京都教育委員会が行っております。 現在、教員免許を持ち、東京都教育委員会に登録された臨時採用の教員の候補者が非常に少なく、都内において不足している状況にあります。区内におきましては、病休等をした教員の代替教員をすぐに補充できない場合は副校長が授業をしたり、その時間に授業がない教員が授業を行ったりしている状況です。 渋谷区教育委員会では、東京都教育委員会と緊密に連絡をとり、新たに登録された候補者の情報提供を受けるようにしているとともに、区のホームページや大学の教職課程課等の掲示板に募集を出すなどして、補充に向けた取り組みを積極的に行っています。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(下嶋倫朗) 吉田議員。 ◆二十五番(吉田佳代子) 区長、教育長から丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。 まずハロウィーンですけれども、区長はいつも、ハロウィーンの翌日は一年で一番きれいなまちになるとおっしゃっていて、私も今年、翌日の朝、渋谷駅周辺を通りがかったんですけれども、三千人のボランティアの方々が清掃してくださって、本当にきれいなまちでした。時間はかかると思いますけれども、ハロウィーンを楽しんだ人も自分たちで掃除をして帰るぐらいの、この区の考え方が浸透していってほしいなと思っております。 それから災害時のごみ収集についてですけれども、七時半から三時まで収集をしてきたということです。ごみ収集車に乗って作業をしている方というのは本当に、最も尊敬され、また感謝されるべき職種の一つだと私は思っています。そして、町なかで作業をされるので身近な存在である、とても大事な方々だと思っています。 当日は交通機関が運休する中、あらゆる手段を使って勤務されて、本当に「ありがとう」の一言だと思いますけれども、今後、交通機関の計画運休ということがあった場合に何が適切なのかということ、職員の皆さんの安全も非常に大事になると思いますので、そうしたことも鑑みて決定を下していただきたいなと思います。 それから防災頭巾について、選択肢の一つとして考えているということですけれども、できれば私どもは、私たちも机の中にこのヘルメットがある。それから国会にもヘルメットがあるということで、できれば学校の備品として用意していただきたいということを申し上げておきます。 それからあとは、教育について、教育長の苦しい胸の内を伺ったと思います。 学校の先生が本当に足りない状況で、学校の先生方の中にも、なぜ補充されないのかということが、わかっている方もいらっしゃれば、その理由を御存じない方もいるようで、また、学校によってもその状況がまちまちです。教育委員会が直接お話をされるのは校長先生だと思いますけれども、是非、先生方にも状況をお伝えいただくなど、コミュニケーションを図っていただきたいということを申し上げておきます。 それから、羽田の件でありますけれども、我が会派では羽田の件はずっと反対してまいりましたけれども、今後ますます問い合わせは多くなってくるのではないかと思います。ですから、ホームページのトップページに問い合わせ先を記載するなど、区役所の職員の方々の業務に支障がないように、国に対ししっかりと対応を求めていただきたいと思います。 また、騒音対策ですけれども、区では住宅簡易改修制度を活用して騒音対策などもできるかと思いますので、そうしたことの啓発もお願いしたいと思います。 今年は五月一日に新天皇が即位され、新しい時代の幕あけとなりました。先週の十四日、十五日早朝にかけて大嘗祭の中核行事である大嘗宮の儀が行われ、天皇陛下が新米などを神々に備え、豊穣や国家安泰を祈る儀式が行われました。 国民の一人として、そして渋谷区民代表として、今後も平和を祈り、安全で安心な渋谷区を実現するため尽力していくことをお約束して、令和元年最後の定例会の立憲民主党渋谷を代表した質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(下嶋倫朗) 二十六番田中正也議員。 ◆二十六番(田中正也) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長及び教育長に質問します。 まず、区民の命と暮らしにかかわる国政問題についてです。 憲法九条についてです。 安倍首相は、二〇二〇年までの改憲に執念を燃やしています。自民党や日本維新の会は憲法審査会で、自民党改憲案を土台に憲法九条に自衛隊を明記し、海外での戦闘に無制限に参加させる改憲議論を進め、一気に発議まで持ち込もうとしています。国民の多数は憲法改正を望んでおらず、改憲原案の発議を任務とする憲法審査会を開くべきではありません。 十一月三日には、憲法九条を守ろうと一万二千人が国会包囲行動を行い、十一月十七日には「所属や立場、信条の違いを超えて憲法九条擁護の一点で手を携える」と武蔵野市長など全国百三十一の自治体首長らの呼びかけで、「全国首長九条の会」が結成されました。区長は安倍九条改憲に反対し、全国首長九条の会に参加すべきです。所見を伺います。 アメリカはイラク核合意を破棄し、イランを軍事的に包囲するために有志連合への参加を各国に呼びかけています。今、安倍政権は自衛隊の中東への派遣を検討しています。区長は政府に対してアメリカとイラク双方に核合意への復帰を働きかけるとともに、ペルシャ湾への自衛隊派兵をやめるよう政府に求めるべきです。所見を伺います。 次に、消費税の五%への減税についてです。 消費税一〇%増税に怒りと混乱が広がっています。我が党区議団の「くらし・区政のアンケート」では、消費税増税に反対が七八%、暮らしや営業への影響が「ある」が九一%に達しています。実際、区民から「年金は減り続けているのに増税では、暮らしていけない」「首相は桜を見る会で後援会に飲み食いさせていて、生活苦にあえぐ国民に増税とは絶対に許せない」など厳しい批判の声が上がっています。安倍政権の二回の消費税増税による十三兆円もの負担増が、経済の六割を占める家計の購買力を奪い、国民の暮らしや中小業者の営業を破壊しています。 消費税導入から三十一年間で消費税収は三百九十七兆円になる一方、法人税減税で二百九十八兆円、所得税の最高税率の引き下げなどで二百五十七兆円も税収が減っています。消費税の目的は社会保障や財政再建のためでなく、大企業や富裕層を潤すためであったことは明らかです。 日本共産党は消費税の廃止を目標に、緊急に五%に戻して消費を活発にし、経済を好循環させ、税収を拡大することを提案しています。その財源は、安倍政権が進めた大企業や大金持ちのための減税をもとに戻すなどで実現できます。 区長は、政府に対して消費税の五%への減税を求めるべきです。所見を伺います。 次に、羽田空港新飛行ルート計画についてです。 安倍政権は、この新ルートについて来年三月二十九日から運行を決定し、現在、早朝から小型機による試験飛行が行われています。高さ七百メートルから一千メートルを一分から二分間隔で超低空飛行する渋谷区上空の二つのルートに対して、落下物や墜落の危険、騒音などに怒りが広がり、渋谷区議会でも計画の見直しを求める決議を全会派一致で採択しています。 十月二十九日、国土交通省が開催した新ルートに伴う公聴会でも、住民からは反対の声ばかりでした。我が党区議団のアンケートでは、七六%が反対です。安倍首相は「地元の理解を得て」と述べていますが、住民合意がないことは明らかであり、運行開始は認められません。 国土交通省が一月三十日から三月十一日の間、民間の定期便をテスト飛行させるとともに、今月十八日から東京、埼玉、神奈川で住民説明会を六十回開催します。本区で開催予定のヒカリエ、千駄ヶ谷社教館、地域交流センター恵比寿の全てがオープンハウス型です、これでは区民の声を聞く立場とは言えません。 少なくとも六カ所以上、教室型で開催するよう国に強く求めるべきです。区長の所見を伺います。 区長は「国の責任」と言いますが、区民の安全を守れると言えるのですか、所見を伺います。 国土交通省は、この計画の必要性の第一に国際競争力の強化を挙げています。経済最優先で、住民の命と暮らしを危険にさらすことは許されません。政府に計画の撤回を求めるべきです。所見を伺います。 次に、防災対策の強化です。 台風十九号被害は十三都県で死者九十二人に及び、今でも二千六百人が避難生活を余儀なくされています。改めて、犠牲になられた方には心から哀悼の意を表すとともに、被災された方にはお見舞いを申し上げます。 本区でも台風十九号の教訓を酌み尽くし、区民の命を守るために最大限の対策を講じることが求められます。 まず第一に、予防重視の防災対策の強化についてです。 地域防災計画を、命を守る予防重視の計画へと抜本的に見直すことが必要です。 私は昨年の第三回定例会で、一時間に百ミリを超える豪雨も発生していることを踏まえ、現在の防災計画の想定最大降水量、一時間七十五ミリを引き上げるよう求めましたが、改めて想定最大降水量を引き上げ、浸水予想区域を再検証し、地下街などの浸水も想定した対策を都に求めるとともに、区としても対策を強化すべきです。区長の所見を伺います。 震災対策については、震度七の揺れも想定し、首都直下型地震等に対して被害を最小限に食い止める計画に改め、木造住宅の耐震補強工事費助成制度の委任払いや補助額の引き上げ、助成要件の緩和など、制度を拡充すべきです。区長の所見を伺います。 区内でも急増する中高層マンションの多くが防災対策は事業者、居住者任せになっており、老朽マンションでは、住民合意が困難で耐震化や防災対策が進まない実態があります。 二十三区のマンション防災についての東京新聞の報道では、渋谷区はマンションに特化した防災パンフレットの配布、公開も、防災アドバイザーの派遣も、マンション自主防災組織などへの防災資機材助成のどれも行っていません。まず分譲マンション等の耐震化を進めるため、相談窓口を設けるとともに、耐震化の助成制度を拡充すべきです。 また、マンションの防災パンフレットの配布、公開、防災アドバイザー派遣、自主防災組織などへの防災資機材助成を早急に実施すべきです。区長の所見を伺います。 私は台風十九号の際、避難所を訪問しましたが、避難所設営には、自主防災組織とともに区の職員が小人数で奮闘されていました。 住民や避難者から「防災無線が聞こえなかった」「雑魚寝状態でプライバシーが確保されない」「床がかたくて寝られない」などの声が寄せられました。こうした声を踏まえて伺います。 まず、正確で迅速な情報伝達についてです。 高齢者などSNSを活用しない方には、防災無線や消防団の必死の呼びかけも届きませんでした。正確な情報を早く提供するために、防災ラジオの無償配布を長崎県大村市では全戸に、静岡県富士宮市ではひとり暮らしの高齢者に実施しています。本区でも高齢者や要配慮者に、災害時に自動放送する防災ラジオや防災無線戸別受信機を無償で配布すべきです。また、区のインターネットへの接続がスムーズにいくように、容量を拡大すべきです。区長の所見を伺います。 次に、避難所の改善と帰宅困難者対策についてです。 大田区などでは避難所の定数を上回る避難者が押し寄せ、指定されていない区の施設も活用することになりました。本区でも避難所の受け入れ数を現実的なものに見直し、在宅避難、垂直避難ができるよう住宅改修の助成を強化するとともに、区有施設にも一定の備蓄品を用意して、応急避難所として利用することも想定すべきです。 政府は避難所運営について、適温食の提供やプライバシーの確保、段ボールベッドの配備やシャワーなど衛生の確保、医療・介護スタッフの派遣などを実施するよう「避難所の生活環境の整備等について」との通知を出しています。 本区でも、人命保護の国際基準であるスフィア基準に沿って、この通知が実施できるよう備品や体制の確保、必要な訓練を行うべきです。 また、どの避難所でも区の職員が運営に責任が持てるよう、各地域に防災職員住宅を確保すべきです。 高齢者、障がい者などの要配慮者については、区の責任で一人一人の特性や生活に即した避難計画を立て、福祉避難所を確保すべきです。福祉施設を福祉避難所に指定する場合には、体制や備蓄品、停電・断水対策の非常用電源の確保などについて国や都に助成を求めるとともに、区としても助成すべきです。 また、耐震補強の必要な民間福祉施設に対して、区の責任で早急に耐震補強工事を行い、備蓄品の配備や情報伝達手段を確保すべきです。 帰宅困難者対策については、国や都、事業者と連携を強化し、中小事業者に対する備蓄品への助成など区独自にも実施すべきです。 以上四点について区長の所見を伺います。 次に、大企業奉仕から暮らし、福祉、子育て支援優先の区政への転換について、まず、二〇二〇年度渋谷区予算編成についてです。 安倍政権は財界と一体に新自由主義経済政策を進め、大企業には規制緩和や減税、株価のつり上げで大もうけをさせる一方、国民には消費税増税、賃金抑制、社会保障改悪を押しつけ、格差と貧困を拡大させました。 渋谷区でも、基本構想で高度な国際競争力を目標に掲げ、グローバル企業を呼び込むための渋谷駅周辺再開発事業や、スタートアップ・エコシステムを推進するなど大企業のもうけを最優先にする一方、国保料の値上げや障がい者の福祉タクシー券の削減、子どもたちの校外学園の廃止など、暮らしや福祉、教育を後退させています。 その結果、区民の暮らしはますます深刻になっています。我が党区議団のアンケートでは、暮らしが「苦しい」が六五%に上っています。区民から「これ以上何を削れというのか」との怒りの声が上がっているのです。 今、日本でも渋谷でも、暮らし第一の希望ある政治が必要です。国連は、グローバル競争によって貧富の格差、地域温暖化などが拡大した反省から持続可能な開発目標を掲げ、貧困をなくす、全ての人に健康と福祉を、気候変動対策など、利潤第一主義からの転換を目指しています。くらし・区政のアンケートでも「大企業がもうかれば、くらしや福祉がよくなる」は五%にすぎず、逆に「区民の公園や財産とその運営を、営利企業のもうけのために提供すべきでない」は四七%と、区民も区政のあり方の転換を求めています。 来年度予算編成に当たっては、大企業奉仕の区政を、自治体本来の役割である区民の暮らし、福祉、教育最優先に根本から切りかえるべきです。区長の所見を伺います。 次に、渋谷駅周辺再開発事業についてです。 この事業は国と区で百六十六億円もの税金を投入し、住民や零細業者を追い出して百メートル超級のビルを林立させて進められています。この事業を中心に進めている東急不動産は、二十億円の税金を投入する道玄坂一丁目駅前地区や渋谷駅桜丘口地区の再開発事業について「国際競争力を強化するプロジェクト」と公言しており、区民福祉の増進とは無縁の、大企業のもうけのための基盤整備事業そのものです。 区民からは「渋谷駅周辺に多額の税金を使うより、もっと区民の暮らしのために使ってほしい」「巨大再開発は環境に負荷を与え、東京一極集中に拍車をかける」「今は福祉や教育に力を入れる時代」との声が上がっています。 生活に苦しむ区民には負担増を押しつける一方で大企業のもうけのための事業に百六十六億円もの税金を投入することに、区民は到底納得しません。渋谷駅周辺再開発事業への税金投入はやめるべきです。区長の所見を伺います。 次に、宮下公園整備事業についてです。 宮下公園は都市公園として、区民の憩いの場として誰でも二十四時間三百六十五日利用でき、災害時の避難場所としても期待されていました。今の公園を見た区民から「緑豊かな公園が巨大な戦艦のようになった」と悲しむ声が寄せられています。 本定例会には、宮下公園を三井不動産などに指定管理させ、開園時間や休日を定めようとする議案が提出されていますが、商業施設やホテルに加えて公園の管理運営でも三井不動産にもうけさせることになります。一方、公園の利用時間は商業施設の開業時間に合わせて夜間や正月などは閉鎖されるため、災害時の避難場所として使えません。区長は命を守る区の責任の重大な後退だと考えないのですか、所見を伺います。 区は、二〇一七年の「都市計画案に対する意見」で、「地上からのアクセスが困難になる」など住民からの様々な批判を無視してこの計画を進めてきました。また、我が党区議団の依頼した鑑定評価でこの借地料の適正価格より百九十億円も値引きし、ホテル部分は不動産鑑定士による評価を受けないで区独自で評価額を決めるなど、三井不動産の最初の提示額に合わせて三井不動産のもうけ最優先で進められてきました。 区長は、宮下公園定期借地料について再鑑定を求める声を拒否し続けていますが、区民が求めているのは将来の価格変動に際しての鑑定評価ではありません。契約額が三井不動産のために不当に値引きされた疑惑の解明にあるのです。 公有財産の処分に当たっては、契約直前に再鑑定をしなければなりません。区民の財産を適正な価格で処分する責任は区長にあります。この借地契約は契約時にさかのぼって再鑑定すべきです。 また、この事業は区民参加で検証し、再検討すべきです。区長の所見を伺います。 次に、庁舎建替え事業についてです。 庁舎、公会堂の建設と引きかえに区民の土地の上に建てられている三十九階建てのタワーマンションは、現在、最上階部分の躯体工事が進められています。この計画の当初から、区は「民間のやることだから」と総事業収支を明らかにしていません。 しかも三井不動産は区民の土地で大もうけをする一方、新庁舎は上下の移動が多く非効率、手狭で、福祉事務所まで庁舎の外に出されています。区民のための庁舎の建替え事業なのに福祉が後退し、大企業のもうけが優先されているのです。改めて全ての経過と資金の流れを区民に明らかにすべきです。三井不動産の分譲マンションの総分譲価格と収支の内訳を明らかにするとともに、区民が検証できるようにすべきです。区長の所見を伺います。 次に代々木二・三丁目の国有地についてです。 今定例会には、この未利用国有地取得のための見積もり合わせの予算の債務負担行為が提案されています。 この土地は、二〇一五年に提出された特別養護老人ホームや保育園、区営住宅など福祉施設の整備のために取得を求める地域住民からの請願が、全会派一致で採択され、我が党区議団も毎議会で早期取得を求めてきました。 区長は今議会で、保育園や高齢者施設とともに区民住宅を整備するとし、さきの議会では整備工事や運営における公的負担抑制も課題の一つであり、「区の直接整備に限定した交渉を進める考えはない」と発言し、民間資金の活用手法を検討する考えを示しています。 この事業計画の具体的内容は、区議会にも区民にも全く知らされていません。国と合意した事業計画の詳細、保育園、特養、区民住宅はどんな手法で整備、管理するのか、残余の土地があれば活用計画についても明らかにすべきです。 また、今定例会には区営住宅、借り上げ高齢者住宅など区の管理する全ての住宅を東急コミュニティーに指定管理させるための議案も提案されていますが、整備予定の区民住宅は対象となるのか、あわせて区長にお尋ねします。 民間資金の活用手法は、庁舎建替え事業や宮下公園整備事業のように総事業費は明らかにされず、区民福祉よりも大企業のもうけが優先され住民の声が届かなくなるなど、住民福祉の機関である自治体のとるべき手法ではありません。区民の声を反映させ、区民福祉の増進を最優先にするために、保育園、特別養護老人ホーム、区営住宅、児童相談所など、福祉の複合施設として区が直接整備、管理・運営すべきです。部長の所見を伺います。 次に子育て支援についてです。 まず、子どもの貧困対策について。 子どもの権利条約は、国に全ての子どもに対して社会保障を享受する権利を認め、国内法での権利保障を求めています。ところが、日本では七人に一人の子どもが貧困状態なのに、子どもの貧困対策法には子どもの貧困の定義も子どもの貧困率の削減目標もなく、必要な措置も講じられていません。 東京都が二〇一七年に実施した子どもの生活実態調査では、小学校五年生の困窮層の約二割が野菜を食べる日数が給食以外に一週間に二から三日以下など、貧困の実態があり、区内で子ども食堂を運営している方は、「本当に困っている子どもは子ども食堂にも来ない」と話しています。 貧困を可視化し、必要な対策を講じることは国と自治体の責務です。沖縄県、大阪府、愛知県、北海道、新潟県などでは実態調査を行い、沖縄県や足立区などでは子どもの貧困対策部局を設置して実態に合った施策を横断的に実施しています。 まず区内の子どもの貧困の実態を可視化するための実態調査を行い、貧困率改善の期限と目標を明確にするとともに、全ての子どもの人権保障としての理念、子どもの貧困の定義と基準を明確にした子どもの貧困対策条例を制定すべきです。 また、九千万円あれば実施できる子ども医療費の無料化を高校生まで拡大すべきです。あわせて区長の所見を伺います。 就学援助は区独自で生活保護基準の一・五倍に基準額を引き上げるとともに、新入学学用品費の支給は対象者の基準額を六歳児で算定し、全員就学前に支給するとともに、支給額を増額すべきです。区長に所見を伺います。 次に、児童相談所についてです。 子どもの虐待死亡事故が相次いでおり、児童相談所の強化が求められています。児童福祉法改正で、二十三区でも児童相談所の設置が可能となり、世田谷や江戸川、荒川の各区が来年度中に開設をする予定です。既に設置している自治体では、住民にとって身近であり、保健、医療、教育など行政との連携がスムーズで、迅速かつ的確に対応できると評価されています。 渋谷区では、児童相談所を整備することで身近で同じ行政機関内での連携が強化され、様々な地域資源と直接ネットワークをつくれるなど、一層の子育て支援の充実につながると考えます。 国は昨年、児童相談所の児童福祉司定数を、二〇二〇年までに人口三万人に一人へと強化しました。現在、都の児童相談所では児童福祉司は定員不足であり、他区も児童相談所の整備を進める中で、新たな児童相談所の設置に必要な児童福祉司を確保することは容易ではありません。とりわけ児童福祉司を五年以上経験したスーパーバイザーの養成、確保が重要ですが、五年程度の準備期間が必要と考えられます。本区での児童相談所の整備に関して、体制確保の手だてとスケジュールについて区長の所見を伺います。 次に、学校給食の無償化についてです。 子どもの食育と子育て支援の強化のために、小中学校給食の無償化は全国に広がっています。二十三区では品川、葛飾、世田谷の各区が既に所得制限や年齢制限を設けて実施しています。北区は来年十月から小中学校の学校給食費について、所得制限なしで第二子五〇%減額、第三子以降を無料にすることが、多くの保護者、区民から歓迎されています。本区でも、三億五千万円あれば実現できる学校給食の無償化を実施すべきです。区長の所見を伺います。 次に、保育園の待機児解消と保育水準確保についてです。 二〇二〇年四月の保育園利用申し込み受け入れ可能数は千四百三十八人で、低年齢児の受け入れ数の拡大はゼロ歳児三十三人、一歳児七十四人、二歳児は十七人だけです。今年認可保育園に入れなかった子どもはゼロ歳児二百二十一人、一歳児二百二十三人、二歳児百二人など合計六百二人、どこの保育園にも入れなかった子どもがゼロ歳児四十四人、一歳児三十七人、二歳児九人など九十二人ですから、昨年並みの申し込みがあれば来年度も待機児が出ることは避けられません。 私のところにも「子どもが保育園に入園できなければ職場復帰できない。申し込みをしたけれど、不安で眠れない」との保護者の切実な声が届いており、全ての必要な子どもに保育を保障する渋谷区の責任が問われています。 保護者の願いは、質の確保された認可保育園です。また、早急に待機児を解消するには保育士の確保が容易な区立認可園の整備が最も迅速です。早急に認可保育園の待機児を解消するために、区立を中心に認可保育園を整備すべきです。 幡ヶ谷二丁目都営住宅跡地など公有地の活用や、民有地の借り上げなどで用地を確保すべきです。区長の所見を伺います。 保育士の大量退職が問題になっています。報道では、二十三区内で回答のあった七区で、二〇一九年三月の年度変わり前後に五人以上退職した保育園は十七園、半数以上退職した園は四園に上ります。その背景には、正社員でも全産業平均に比べ年間百四十万円も安く、定期昇給もないなど低い処遇にあります。質の確保された保育を保障するためにも早急に保育士の処遇改善を行い、保育士が長く安心して働ける環境を整備すべきです。 世田谷区は、保育園ごとの退職状況を調査、公表しています。本区でも民間保育園ごとの退職者を調査、公表すべきです。 民間保育園の保育士の処遇を改善するため、保育従事者宿舎借り上げ制度は全ての保育従事者に適用するとともに、区独自に賃金引き上げの助成制度を実施すべきです。区長の所見を伺います。 次に、教育についてです。 一人一人の子どもに寄り添った教育の実現のために、教員の多忙の解消や小人数学級が求められています。教員は小学校で三割、中学校で六割が過労死ラインに達するほど異常な長時間労働を強いられています。その原因は、一人当たりの授業時数の増加や過剰な業務量を放置する一方で、必要な教員を増やしてこなかったためです。二〇二〇年度文部科学省の概算要求では、教員定数を実質十四人減らしていることは、長時間労働の解消に逆行しています。 さらに、教員給与特別措置法が労働基準法の割り増し賃金の規定を教員に適用させていないことが、時間外勤務を規制する手段を奪っています。 国と都に対して抜本的な教員定数増と不要不急の業務の削減、教員給与特別措置法を改正して残業代を支給できるよう求めるべきです。教育長の所見を伺います。 一方で、安倍政権はいわゆる繁忙期に一日八時間を超えて働かせることを可能にする一年単位の変形労働時間制を導入しようとしています。これでは一日平均十一時間を超える学期中の労働時間をさらに長くし、過労死を促進することになります。 変形労働時間制は、一年間という長期間にわたり八時間労働制という原則を壊す、教員の労働条件の重大な不利益変更です。にもかかわらず条例での導入を可能にすることは、教員から労使協定という労働者保護の仕組みを取り上げ無権利状態に置くものであり、断じて許されません。これ以上教員を長時間働かせようとする変形労働時間制を導入しないよう国に求めるべきです。教育長の所見を伺います。 子どもに寄り添った教育を行うためには小人数学級が有効であり、東京都以外は全てで小人数教育を実施しています。国と都に対して小中学校の全ての学年を三十五人学級にするよう求めるとともに、区としても実施すべきです。あわせて教育長の所見を伺います。 ○議長(下嶋倫朗) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議団、田中正也議員の代表質問に順次お答えをします。 初めに、区民の命と暮らしにかかわる国政問題についてお尋ねです。 まず、憲法第九条については、これまでも再三申し上げているとおり、国政の場で議論されるべきものと考えております。 全国首長九条の会にも参加する考えはありません。 また、アメリカとイラク双方の核合意への復帰及び自衛隊の海外派遣の中止について、政府へ求める考えはありません。 次に消費税についてのお尋ねです。 消費税の引き上げについても、これまでもお答えしてきたとおり、政府が総合的な財政計画、運営において判断しているものです。したがって、政府に対して消費税の五%への減税を求める考えはありません。 次に、羽田空港新飛行ルートについて三点のお尋ねです。一括してお答えします。 教室型説明会の実施や落下物対策の充実と強化については、区としては、区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、引き続き国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組みを要望していきたいと考えています。 こうしたことから、御質問のような計画の撤回を求める考えはありません。 次に、予防重視の防災対策についてのお尋ねにお答えします。 豪雨対策については、東京都が一時間当たりの最大降水量七十五ミリを超える豪雨への対策を進めるとしています。 区としては、現状において想定する降水量を上回る状況であっても、生命、安全を確保するために避難等で対応できるようにすることこそが今、すべきことであると考えており、自主避難施設を渋谷区地域防災計画に反映するとともに、東京都が新たに更新した渋谷川及び神田川流域における浸水予想区域図に基づき、本年五月に避難所や自主避難施設の位置を示す渋谷区洪水ハザードマップを改定しました。 昨今の異常気象による浸水被害に備え、これまでの窓口やホームページによるハザードマップの周知に加え、区ニュースへの掲載や渋谷川沿川などの浸水が予測される区域への戸別配布などを実施しています。  今後も町会の防災訓練等、あらゆる機会を捉え渋谷区洪水ハザードマップのさらなる周知徹底を図り、防災対策強化を図ってまいります。 次に、木造住宅の耐震補強工事費助成制度等の拡充についてのお尋ねです。 本区では、木造住宅の耐震化を図るため、耐震診断と耐震改修助成を行っています。これまでの制度の見直しの中で、住宅の所有者のみとしていた助成対象者を所有者の配偶者や子、または父母まで拡大し、また、高齢者への支援策として助成額を引き上げるなど様々な施策を講じており、適切に助成制度は運営されていると考えています。現時点で当該助成制度を拡充する考えはありません。 次に、分譲マンション等の耐震化についてのお尋ねです。 本区では分譲マンションの耐震化を進めるため、耐震化支援助成を行っています。これまでも制度の見直しの中で要件緩和や助成率の拡大を図っており、例えば、従来は診断時に違反があれば助成対象としていませんでしたが、現在は設計改修時に違反が是正されれば対象とするなど、適切に制度の運用を図っています。 議員御提案の相談窓口を設けることについては、既に都市整備部まちづくり課に設置しています。 このほか、助成制度の拡充やマンション管理組合への防災資機材助成など議員御提案の各事項については、現時点では考えていません。 次に、正確で迅速な情報伝達についてのお尋ねです。 防災行政無線については、既に渋谷区議会自由民主党議員団、松本 翔議員、シブヤを笑顔にする会、橋本侑樹議員に答弁したとおり、防災行政無線の電話応答サービスやテレビのdボタンの周知を図ることとしており、防災ラジオの配布は考えていません。 また、区のウエブサイトの容量を拡大すべきとのお尋ねですが、台風十九号の影響を受けた十月十二日におきまして、アクセス不良が生じた時間帯もありましたが、ウエブサイト運用委託業者に確認したところ、本区のウエブサーバーや回線自体には特段の不具合は見つかりませんでした。 その上で、障害発生時の監視基準を緩和する設定作業を早急に行ったほか、東京都セキュリティクラウドによって通信が遮断されている可能性が浮上したことから、直ちに東京都セキュリティクラウドを迂回するという意思決定を行い、迂回ルートの設定作業を迅速に進めた結果、午前中にアクセス不良をほぼ解消させました。 現在、東京都セキュリティクラウドの運用については、都の担当者が各市区町村と改善に向けた検討を始めています。本区としてはその検討結果も踏まえ、適切に対応していくとともに、切れ目のない情報発信の責務を果たしていけるよう、引き続き運用業者と密に連携し、安定接続に努めてまいります。 次に、防災対策の強化について、避難所の改善についてのお尋ねです。 台風十九号により開設した避難所等のうち地域防災計画で定める避難所については、首都直下地震における避難者数想定に基づき各避難所の受け入れ人数を定め、それに必要な食料等の備蓄をしています。また、自主避難施設や福祉避難所についても必要な備蓄を検討していきますが、それ以外の区有施設に備蓄をすることは考えていません。 なお、在宅避難、垂直避難ができるよう住宅改修への助成を強化することについては、住宅簡易改修支援事業の活用が考えられますが、当該事業は個人の財産に限度額の範囲で目的を問わず広く助成するものであり、耐震改修のような大規模改修に必要な経費まで増額する考えはありません。 また、避難所の生活環境の整備等についての通知ですが、これは難民や被災者に対する国際基準であるスフィア基準の水準まで求めているものではないと認識しており、既に区では避難場の生活環境や備蓄の改善を着実に進めています。 防災職員住宅の拡充につきましては、シブヤを笑顔にする会、橋本侑樹議員にお答えしたとおりです。 次に、福祉避難場の指定にかかわる福祉施設への助成についてのお尋ねです。 現在、区では発災時に要配慮者等の受け入れを行うため、民間施設を含めた福祉施設を対象に、施設の安全性や災害時における職員の体制の確保、備蓄品など指定要件に関して検討を進めているところです。したがって、国や都に助成を求めることや、区としての助成を行う考えはありません。 また、民間福祉施設の耐震補強については、耐震化は本来、建物所有者の義務であり、区の責任で耐震補強工事を行う考えはありません。 次に、帰宅困難者対策についてのお尋ねです。 東京都は平成二十四年三月に都民、事業者、行政等の役割に応じた帰宅困難者対策への取り組みを明文化した「東京都帰宅困難者対策条例」を制定しました。その中で、企業等従業員の施設内待機の努力義務化、企業等従業員の三日分の備蓄の努力義務化が示されています。 現在、東京都では、帰宅困難者受け入れ施設に対する備蓄品について対象の六分の五は補助される制度がありますが、企業等の従業員を対象とした備蓄品の補助制度はありません。 帰宅困難者対策としての中小事業者に対する備蓄品への助成については、区独自で行う考えはありません。 次に、大企業奉仕から暮らし、福祉、子育て支援優先の区政への転換について、大きく四点のお尋ねです。 まず、自治体本来の役割である区民の暮らし、福祉、教育最優先に切り替えるべきとのお尋ねですが、地方自治法にあるとおり、もとより地方公共団体は住民福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものです。本区は法に則り、新たな施策や事業展開して、区民福祉の充実・向上を図るため全力で区政を進めています。 次に、渋谷駅周辺再開発事業についてのお尋ねです。 これまでも貴会派へ何度も繰り返し御説明しておりますが、本事業は防災力の向上や歩行者ネットワークの整備など地域の様々な課題を解決し、都市機能の更新を図ることにより公共の福祉の増進に資するもので、区としても最重要プロジェクトの一つとして取り組んでいるものです。 こうした地域に貢献する公共性の高い事業については、区としても積極的に支援をする姿勢に変わりはありません。 道玄坂一丁目駅前地区や渋谷駅桜丘口地区の再開発事業は、議員御指摘の国際競争力の強化だけではなく、渋谷駅という大規模ターミナル駅の交通結節機能の強化と利便性、安全性の向上や防災機能の強化と環境への取り組みを行うものです。御質問にあった区民福祉の増進とは無縁の大企業のもうけのための基盤整備事業そのものという指摘は、的外れと言わざるを得ません。 また、区民の意見に対しても、「開発によってまちが活性化された」「非常に便利になった」という声も多く届いています。ごく一部の否定的な意見だけを取り上げて喧伝する行為は今後、慎んでください。 次に、宮下公園整備事業についてのお尋ねです。 災害時の避難場所として使えない、契約時にさかのぼって再鑑定をすべき及び区民参加で検証し、再検討すべきとのお尋ねについては一括してお答えします。 まず、災害時における宮下公園を含む施設の機能ですが、開設後には一時退避場所として指定を行い、主に来街者の一時的な退避場所として活用するとともに、帰宅困難者支援施設としても協定を結び、約二千五百人を受け入れる予定です。また、本施設においては二十四時間三百六十五日有人管理を行い、休園日や夜間に災害が発生した場合には、施設利用者の避難誘導のほか来街者の誘導等も適切に対応できる体制とします。 一方で、災害時における公園までのアクセスについては、非常用発電装置が稼働するためエレベーターや照明の確保が可能であり、高齢者等の誘導においても施設内の職員が適切に対応します。従前の公園に比べ災害への備えは飛躍的に向上しますので、御安心ください。 次に、契約時にさかのぼって再鑑定をすべきとの御質問ですが、三井不動産に不当に値引きをしたという事実はなく、定期借地契約は適切に行われていると考えています。 最後に、事業を区民参加で検証し、再検討すべきとのお尋ねですが、平成二十九年第二回定例会において貴会派の苫 孝二議員の「計画は白紙に戻し、区民参加で計画を練り直すべき」という代表質問でもお答えしているとおり、本事業は必要な手続等を経て進めてきているものであり、計画を白紙に戻したり、事業を練り直したり再検討する考えはありません。 次に、庁舎建替え事業についてのお尋ねです。 これまでに何度もお答えしておりますが、庁舎、公会堂の建替え事業については、事業進捗に合わせ適宜適切に区議会、区民に事業内容を説明してきました。 また、本事業は区議会の議決を経て、区と事業者が締結した基本協定に基づき民間事業者が庁舎及び公会堂等の整備を行っており、新庁舎等の評価額が定期借地権の評価額を上回っていることについても、第三者機関による妥当性の評価を得ています。 その上で、民間事業者が自らのノウハウを生かし、創意工夫を凝らして、収益を上げられるか損失を生じるかのリスクを背負いながら事業を展開していくものです。したがって、大企業のもうけが優先されていると決めつける指摘は甚だ的外れと言わざるを得ません。 民間企業の営業努力や収支見込みについて、区は説明する立場にないと考えています。 次に、代々木二・三丁目の国有地の取得について二点のお尋ねですが、一括してお答えします。 当該土地の取得に関しては、平成二十六年十一月に地域の皆様から活用方法を含めた取得の要望と、平成二十七年十月に、区議会での「区として国有地である代々木二・三丁目公務員住宅跡地を渋谷区に払いさげてもらえるよう国に要請することを求める請願」の採択を受けました。これらの声を勘案し、国有地の取得後の活用については住宅、高齢者施設、子育て関連施設等の実現がふさわしいと考え、平成二十七年度以降、施設案の検討を開始し、国との交渉に当たってきたものです。 区議会に対しては、平成三十年の第一回定例会で渋谷区議会自由民主党議員団、斎藤竜一議員からの代表質問に、区民住宅、認可保育園、特別養護老人ホームを含む複合施設の建設について国と協議している旨をお答えし、多額の経費が必要となることから、民間資金の活用等の検討が必要なこともお伝えしました。 また、さきの第三回定例会でも同じく渋谷区議会自由民主党議員団、岡 美千瑠議員の代表質問に、施設の全体像に触れた上で区民住宅の方向性についてお答えし、また、貴会派の苫 孝二議員の御質問にも丁寧にお答えしてきたところです。全く知らされていないとの御発言には少々驚いている次第です。 区民住宅の整備は今後のことになるので、今回の指定管理者の指定の議案の対象にはしていません。 なお、区が直接整備、管理・運営すべきとの意見ですが、国も示しているとおり、行政と民間の連携によって財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図ることは今日の行政運営に定着している手法の一つであり、直営に限定して進める考えはありません。 次に、子どもの貧困対策についてのお尋ねですが、子ども青少年課における児童扶養手当の認定の際には、職員による面談や民生委員の訪問調査により家庭環境の把握を行っています。また、手当更新の際には生活実態に関するアンケートを実施し、子ども家庭支援センターや教育センターなど関係機関と連携を図り、横断的に対応しています。 さらに、渋谷区こどもテーブルの実施、渋谷区子育てネウボラによる妊娠期からの面談を開始するなど、既に実効性のある活動を行っています。 したがいまして、議員提案の実態調査及び子どもの貧困対策条例の策定については、実施する考えはありません。 また、子どもの医療費の無料化を高校生まで拡大すべきとの御質問ですが、従前より答弁しているとおり、子育て世帯の経済的負担の軽減策は総合的見地から検討すべきであり、拡大する考えはありません。 次に、就学援助についてのお尋ねです。 所得基準の拡大についてですが、本区では就学援助世帯の所得基準を生活保護基準の一・二倍としており、二十三区におきましてもおおむね同程度の基準が設定されていることから、現行を維持していきたいと考えています。 また、新入学学用品費の支給認定にかかわる年齢の基準については、児童を含め世帯全ての構成員にかかわる基準であり、世帯により認定への影響が異なる状況を踏まえ、現行の基準を維持してまいります。 現在、新入学学用品費の前倒し支給時の認定において否認定となった世帯に対しては、入学後の再申請が可能であることを案内していますので、今後も継続してまいります。 新入学学用品費の支給額については、就学援助制度の趣旨や目的などを踏まえ、適切に設定されていると考えています。 次に、本区の児童相談所の整備について、体制確保の手だてとスケジュールについてのお尋ねです。 児童相談所の設置については、これまでも、児童福祉司等の人材育成が最も重要で時間を要する課題とされています。そのため、本区では、平成二十九年度から東京都や先行する世田谷区に職員を派遣するなど人材育成を進めているところであり、その他諸課題についても、東京都や先行設置区と情報共有しながら慎重に検討を進めていきます。 次に、学校給食無償化についてのお尋ねです。 本区では、経済的援助が必要な世帯は就学援助により給食費を支給し、経済的な負担軽減は行っていることから、全児童・生徒を対象とする給食費の無償化は現在考えていません。 次に、待機児童解消と保育水準確保についてです。 まず、区立を中心に認可保育園を整備するため、都有地など公有地の活用や民有地の借り上げを行い、用地を確保することについてです。 本区では、従来から認可保育園等の増設をスピード感を持って着実に進めています。今後も区立認可保育園に限ることのない様々な手法を活用しながら、待機児童対策に取り組んでいきます。 次に、保育園の退職者の状況については、保育士の退職理由が議員御指摘の低賃金に限らず様々であり、調査、公表することが保育の質の確保につながるとは考えられないことから、現時点で調査、公表する考えはありません。 保育水準の確保については、区立保育園の園長経験者等による巡回指導や、「渋谷区私立保育園・認定こども園連合会」に委託して実施している研修などにより、引き続き保育の質の向上に取り組んでまいります。 また、保育士の処遇改善における宿舎借り上げについての対象を区内在住に限定しているのは、保育従事職員の区内居住を促進させ、閉園時の発災等、緊急時にも迅速に対応できる体制を構築し、民間保育施設における安全・安心な保育の提供に資することを目的としていることから、対象を全ての保育従事者に拡大する考えはありません。 保育士の賃金については、国の公定価格や東京都のキャリアアップ補助金により処遇改善が図られており、こうした国や都の制度を活用しながら本区においても処遇改善を図っていきますので、区独自の賃金助成を行う考えはありません。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(下嶋倫朗) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について三点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず、教員の定数増、業務の削減、残業代の支給についてのお尋ねです。 渋谷区では、教員の定数については国及び都の基準に基づき県費負担教員の人事配置を行っており、都に対して教員の増員を要望する考えはありません。 また、教員の残業代については、勤務時間にかかわらず教職調整額が支給されていることから、教員給与特別措置法の改正を求める考えはありませんが、教員の業務の削減については、留守番電話の全校設置、夏季休業日中の閉庁日の設置、一部の学校での副校長業務補佐の導入をしているところであり、今後も引き続き、各学校の実態を把握しながら取り組んでまいります。 次に、変形労働時間制度の導入についてのお尋ねです。 議員御指摘の一年単位の変形労働時間制は、教員の業務が長時間化している現状と、夏休み等の長期休業期間の業務時間は学期中よりも短くなる傾向があることを踏まえ、導入されるものと認識しています。導入に伴い、教員は夏季休業中に休日のまとめどりが可能となったり、勤務時間にめり張りをつけたりすることができることから、教員の自己研さんや健康管理に資するものと考えます。 そのため、変形労働時間制を導入しないよう国に求めることは考えておりませんが、長期休業期間に学校としてどのような業務を行うのか、教員がどのような役割分担を行うのかなどについては、今後、検討すべきと考えます。 最後に、小人数学級の実施についてのお尋ねです。 渋谷区では国・都の基準に基づき学級編制を行い、学習内容に応じて小人数編制の授業を取り入れています。学級編制につきましては、今後も国及び都の基準に基づいて行ってまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(下嶋倫朗) 田中正也議員。 ◆二十六番(田中正也) ただいま区長及び教育長に答弁いただきましたけれども、区民が聞いて本当に納得できるような答弁は全くなかったと言えると思います。 私は区民の声を、区長はレッテル張りという話をしていましたけれども、私たちは区民の皆さんに住民アンケート、くらしと区政のアンケートをお配りして、そこに寄せられた声を届けているんです。少なくない声がそういうことで、私たちは反映をしているつもりです。 レッテル張りという、そういう言い方は大変区民に対して失礼な話だと思います。ということで、具体的な再質問に入ります。 安倍九条改憲についてです。 私は、区の職員労働組合の方から話を聞きました。「戦前、自治体労働者は若者に赤紙を届け、若者を戦場に駆り立てる仕事をさせられた。二度とこんな仕事をしないために憲法九条を守り抜きたい」と話しておられました。こうした戦前の反省に立って、今の憲法は平和と人権、民主主義を守るために権力の集中を防いで、自治体に国と対等の関係を認めているんです。安倍政権が九条を壊して再び戦争する国にしようとしている今、百三十一の自治体の首長が立場の違いを超えて九条を守れの声を上げているのは、こうした立場からだと私は考えます。 区民の命と平和のかかった重要な問題です。区長は憲法九条に、自治体の長として改めて反対すべきだと考えます。改めて伺います。 羽田空港新飛行ルートについてです。 区長は国の責任で説明をするよう言っていますけれども、計画されている説明会はわずか三カ所、しかもオープンハウス型で、これでは区民は到底納得しません。 区長は、国に対して丁寧に説明をするようにというふうに言っています。そうであるならば少なくとも六カ所以上、教室型で開催をするよう求めることは、この間の区長の立場からも当然ではないでしょうか、改めて伺います。 国土交通省は、批判をかわすために対策を講じています。先ほど区長も答弁されていましたけれども、教育施設等の防音工事助成、これは渋谷区は該当ありませんし、騒音測定局を増やしたり落下物の情報提供、あるいはわずかな防災対策をやると言っていますけれども、騒音がなくなるわけでもありませんし、落下物の危険がなくなるわけでもありません。区民の命を危険にさらす計画です。しかも圧倒的な区民、議会も一致して見直しを求めている。なぜ区民の代表として撤回を求められないのですか。改めて撤回を求めるよう区長の所見を伺います。 防災対策についてお伺いします。 防災ラジオについて、答弁では高齢者や要配慮者に電話をするようにということでしたけれども、そもそも高齢者、要配慮者が電話をすること自体が大変だというふうに区長は考えないのでしょうか。しかも、停電したら多くの家で電話が使えなくなるという事態も想定されないのでしょうか。 私は大村市、先ほど紹介しましたけれども、二〇一五年から聴覚障がい者にはディスプレーつきの防災ラジオも含めて、全戸に無料で配布しています。「よく聞こえて安心」と大変喜ばれています。あっという間に世帯数の六八%まで普及したそうで、単価は一般で二万円、ディスプレーつきで三万円だそうです。 担当者の方は、「命を守ることが第一だ」というふうに話しておられますが、改めて、高齢者、障がい者の世帯には防災ラジオ、これを無償貸与なり配付するよう区長に求めます。改めて伺います。 避難所運営については、スフィア基準を求めているものではないというふうに区長はおっしゃいましたけれども、スフィア基準というのは単なる数字の基準ではないんです。人道憲章、権利保護の原則に基づいて被災者が人間らしい生活、あるいは自分らしい生活を送ることができることを権利として保障する、このことをスフィア基準というのは求めています。 必要な水の供給量や食料の栄養価、トイレの設置基準や男女別の必要数、避難者一人当たりの最少面積、保健サービスの概要、こうした基準に沿って質の向上を目指すことこそ人権を保障する、このスフィア基準の考えだと言えると思います。 少なくとも国の通知が直ちに実施できるように、避難所運営を改善すべきです。改めて区長の所見を伺います。 予算編成についてです。 区政の最大の役割は、地方自治法に、区長も先ほどおっしゃられましたけれども、住民福祉の増進です。 ところが、紹介しましたけれども、区民のうちの三分の二が生活が苦しいとおっしゃっている。その区民に対して国保料の値上げ、あるいは介護保険料の値上げ、次々と負担増や福祉の切り捨てを押しつけてきた。これで福祉の増進に努力していると言えるんでしょうか。 先ほど紹介しましたけれども、国連持続可能な開発目標は、貧困の解消や全ての人に健康と福祉を保障することを掲げ、誰ひとり取り残さないことを目指しています。これが国際水準です。 こうした区民に負担増を押しつける一方で、大企業のために百六十六億円、渋谷区では八十三億円も渋谷駅周辺再開発事業に税金を使うことは、これは国際水準からしても逆行しているし、自治体の役割も投げ捨てていると言わなければなりません。 区政のあり方を大企業のもうけ最優先から暮らし、福祉、教育最優先に切り替え、ため込んだ一千九億円も活用して暮らし応援の区政に転換すべきです。改めて区長の所見を伺います。 渋谷駅周辺再開発事業について、東洋経済新聞六月二十九日号は「沸騰、再開発バトル 渋谷、五反田、田町、日本橋 ベンチャー企業を囲い込め 日本版シリコンバレーの大激戦」という記事があります。これは全て財界主導の、世界で一番ビジネスがしやすいまちづくり、これが目的です。一方では住民を追い出して、しかも、こうした大企業のもうけのために区民の税金を再開発事業に使うことは許されません。改めて渋谷駅周辺再開発事業の税金の投入撤回をするよう、やめるよう求めます。区長の見解を伺います。 ○議長(下嶋倫朗) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 田中正也議員の再質問に順次お答えします。 何か何度も話が繰り返しになってしまうんですが、まず憲法九条、さっきちょっと何か質問がよくわからなかったんですが、あれですよね、憲法九条に反対すべきとおっしゃっていましたけれども、違いますよね。 それを酌んであえて答えますけれども、当然憲法は守っていくつもりでやっていますし、憲法九条も私は尊重しています。 以上、これについてのお答えとさせていただきます。 続いて羽田のルートについてですけれども、これももう、さんざんお答えしてきているとおりです。もう何度言っても、何というか議論の進歩がなくて、お答えしていることに対してまた同じ質問をしてきていることです。もう繰り返しの答弁になりますが、国が責任を持ってしっかりとやっていく事業だというふうに考えています。これが根本です。御理解ください。 そして防災対策、防災ラジオを配れということですけれども、今回、御承知のとおり、我々も防災無線、当然聞こえなかったということは把握しております。そのために電話ですとか、またはネットとか、そういったことが有効だということがわかっております。ですので、これについてはこの方向でしっかりとやっていきたいというふうに思っております。 あと、基本的に、防災を自分でやるということも、やっぱり必要だと思うんですね。全てを行政のせいに、行政が何とかしろというそういった発想は、全てにおいてそうなんですけれども、どうかなというふうに思います。もう少し全体と、予算のこととかも考えて御提案をしていただければというふうに思います。 そして、避難所の環境をさらによくしろということですけれども、それについても先ほどもお答えしましたが、他議員にもお答えしております。現在、常にバージョンアップしながら、更新しながら前に進めております。今回の台風での避難所の検証を経て、またこれもさらに前に進むものというふうに考えております。 あとは大企業からという話ですけれども、さっきもちょっとおっしゃっていましたが、スタートアップの支援というのは、まず中小企業の支援だと思います。そこはしっかりとわかっておいていただきたいなというふうに思います。 それと、渋谷駅もそうですけれども、どうも何度言っても議論がかみ合わない。これはさっきの憲法のところも一緒ですが、どう言えば理解してもらえるのかいつも考えるんですけれども、さっきの説明で御理解できないということであれば、ちょっと私からもうこれについてわかりやすく説明する手だては、ちょっと難しいのかなというふうにも感じております。御理解ください。 ○議長(下嶋倫朗) 区長、防災ラジオについてもう一回。聞いていますから。 ◎区長(長谷部健) 防災ラジオについてですけれども、もう答えましたけれども、もう一回言うんですか。 今、やっている電話と、あとネットで、それを補完していこうという考えで進めてまいります。御理解いただきたいと思います。 ○議長(下嶋倫朗) 田中議員。 ◆二十六番(田中正也) 答弁いただきましたけれども、議論が平行線というか、理解をしようとしないということに私は、もう本当に区長としての責任を問います。 誰ひとり取り残さない、そういう区政を目指して、暮らし、福祉最優先の区政に全力を挙げてまいります。 以上で終わります。 ○議長(下嶋倫朗) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第一 会期決定の件----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から十二月六日までの十六日間とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(下嶋倫朗) 御異議なしと認めます。 よって、会期は十六日間と決定いたしました。 日程第二を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第二 同意第五号 渋谷区名誉区民の選定の同意について----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第五号は、本区の名誉区民を選定するため提出するものです。 松崎キミ代氏、本名栗本キミ代氏は、本区に在住し、永年にわたり卓球選手として活躍し、過去に出場した世界卓球選手権大会においては、シングルス、ダブルス、混合ダブルス及び団体で、通算七個の金メダルを獲得するなど、輝かしい経歴を残されております。また、その経験を生かし、本区において卓球教室等において指導を行うなど、スポーツ振興に多大な貢献をされました。 現在、公益財団法人日本卓球協会の顧問として、選手の育成及び普及拡大に努めるなど、活躍を続けておられます。 本区に居住するスポーツ功労者として、また区民スポーツ振興の功労者として、その功績は、まさに区民の範たるものがあり、区の誇りとするものであります。 よろしく御審議を賜りまして、御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(下嶋倫朗) 本件は質疑、委員会付託及び討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(下嶋倫朗) 御異議ないと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 これから日程第二を採決いたします。 本件は、栗本キミ代氏に敬意を表するため、起立により採決いたします。 区長提案のとおり、栗本キミ代氏を渋谷区名誉区民として選定に同意することに賛成の方は御起立をお願いします。   〔賛成者起立〕 ○議長(下嶋倫朗) 起立者総員。 よって、栗本キミ代氏を渋谷区名誉区民として選定することに同意と決定いたしました。 日程第三を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第三 同意第六号 渋谷区名誉区民の選定の同意について----------------------------------- ○議長(下嶋倫朗) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました同意第六号は、本区の名誉区民を選定するため提出するものです。 井上 順氏は本区に在住し、永年にわたり歌手、司会者、俳優等幅広い分野において活躍されております。学生時代から音楽に親しみ、歌手としてデビューした後は、持ち前の明るさと元気な歌声に加え、その誰からも親しまれる人柄と芸風で、多くの人を魅了してこられました。 現在、渋谷くみんの広場実行委員会委員長として、区民文化の振興に多くの貢献をされております。 本区に居住する文化功労者として、また区民文化振興の功労者として、その功績は、まさに区民の範たるものがあり、区の誇りとするものであります。 よろしく御審議を賜りまして、御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(下嶋倫朗) 本件は質疑、委員会付託及び討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(下嶋倫朗) 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 これから日程第三を採決いたします。 本件は井上 順氏に敬意を表するため、起立により採決いたします。 区長提案のとおり井上 順氏を渋谷区名誉区民として選定に同意することに賛成の方は御起立をお願いします。   〔賛成者起立〕 ○議長(下嶋倫朗) 起立者総員。 よって、井上 順氏を渋谷区名誉区民として選定することに同意と決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(下嶋倫朗) 御異議なしと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明十一月二十二日午後一時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------   延会 午後八時二十八分-----------------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長  下嶋倫朗渋谷区議会副議長 岡田麻理渋谷区議会議員  鈴木建邦渋谷区議会議員  吉田佳代子...