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  1. 渋谷区議会 2018-09-01
    09月20日-08号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    平成30年  9月 定例会(第3回)        平成三十年 渋谷区議会会議録 第八号 九月二十日(木)出席議員(三十二名)  一番  斉藤貴之      二番  藤井敬夫  三番  一柳直宏      四番  近藤順子  五番  松山克幸      六番  田中匠身  七番  伊藤毅志      八番  治田 学  九番  鈴木建邦      十番  須田 賢 十一番  笹本由紀子    十二番  堀切稔仁 十三番  斎藤竜一     十四番  佐藤真理 十五番  下嶋倫朗     十六番  久永 薫 十七番  沢島英隆     十八番  岡田麻理 十九番  小柳政也     二十番  吉田佳代子二十一番  秋元英之    二十二番  田中正也二十三番  牛尾真己    二十四番  五十嵐千代子二十六番  丸山高司    二十七番  木村正義二十八番  染谷賢治    二十九番  栗谷順彦 三十番  古川斗記男   三十一番  薬丸義人三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂欠席議員(なし)欠番    二十五番 三十二番-----------------------------------出席説明員    区長            長谷部 健    副区長           柳澤信司    副区長           澤田 伸    会計管理者         藤本嘉宏    経営企画部長        星野大作    情報戦略担当部長      松本賢司    庁舎総合対策部長      佐藤賢哉    総務部長          大澤一雅    財務部長          佐藤哲人    施設整備担当部長      黒柳貴史    危機管理対策部長      山中昌彦    危機管理対策監       吉見 隆    区民部長          菅原幸信    オリンピック・パラリンピック担当部長                  安蔵邦彦    文化・都市交流担当部長   斎藤 茂    福祉部長          藤野貴久    子ども家庭部長       松澤俊郎    子ども総合支援センター長  植竹ゆかり    健康推進部長        山川博之    都市整備部長        加藤健三    まちづくり推進担当部長   江端治朗    土木部長          齊藤和夫    環境政策部長        北原竜也    教育委員会教育長      豊岡弘敏    教育振興部長        鴨志田暁弘    生涯学習・スポーツ振興部長 木下毅彦    選挙管理委員会委員長    大澤禎子    選挙管理委員会事務局長   倉澤和弘    代表監査委員        神田健一    監査委員事務局長      丸山喜弘-----------------------------------事務局職員事務局長  斉藤則行    次長    野島一純議事係長  松嶋博之    議事主査  根岸正宏議事主査  武田真司    議事主査  市川洋子議事主査  杉村洋子    議事主査  井上晴代-----------------------------------      平成三十年第三回渋谷区議会定例会議事日程                平成三十年九月二十日(木)午後一時開議日程第一       会期決定の件日程第二 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について日程第三 議案第五十七号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例日程第四 議案第六十三号 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例日程第五 議案第六十号 渋谷区借上げ等高齢者住宅条例の一部を改正する条例日程第六 議案第五十九号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第七 議案第六十一号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例日程第八 議案第六十二号 渋谷区立校外学園条例を廃止する条例日程第九 議案第五十八号 渋谷区ひがし健康プラザ条例の一部を改正する条例日程第十 議案第六十四号 平成三十年度渋谷区一般会計補正予算(第一号)日程第十一 議案第六十五号 平成三十年度渋谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一号)日程第十二 認定第一号 平成二十九年度渋谷区一般会計歳入歳出決算日程第十三 認定第二号 平成二十九年度渋谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算日程第十四 認定第三号 平成二十九年度渋谷区介護保険事業会計歳入歳出決算日程第十五 認定第四号 平成二十九年度渋谷区後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算日程第十六 議案第六十六号 高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)建設建築工事請負契約日程第十七 報告第七号 健全化判断比率の報告について日程第十八 報告第八号 株式会社渋谷サービス公社の経営状況の報告について日程第十九 報告第九号 渋谷区土地開発公社の経営状況の報告について日程第二十 報告第十号 一般財団法人渋谷区観光協会の経営状況の報告について日程第二十一 報告第十一号 株式会社渋谷都市整備公社の経営状況の報告について日程第二十二 報告第十二号 公益財団法人渋谷区美術振興財団の経営状況の報告について-----------------------------------   開会・開議 午後一時----------------------------------- ○議長(丸山高司) ただいまから平成三十年第三回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、二番藤井敬夫議員、三十一番薬丸義人議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。----------------------------------- ○議長(丸山高司) 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔斉藤事務局長報告〕----------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。----------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は、次のとおりであります。 長谷部区長、柳澤副区長、澤田副区長、藤本会計管理者、星野経営企画部長、松本情報戦略担当部長佐藤庁舎総合対策部長、大澤総務部長、佐藤財務部長、黒柳施設整備担当部長山中危機管理対策部長吉見危機管理対策監、菅原区民部長、安蔵オリンピック・パラリンピック担当部長、斎藤文化・都市交流担当部長、藤野福祉部長、松澤子ども家庭部長植竹子ども総合支援センター長山川健康推進部長加藤都市整備部長江端まちづくり推進担当部長、齊藤土木部長、北原環境政策部長豊岡教育委員会教育長鴨志田教育振興部長、木下生涯学習・スポーツ振興部長大澤選挙管理委員会委員長倉澤選挙管理委員会事務局長神田代表監査委員丸山監査委員事務局長----------------------------------- 監査委員から平成三十年五月末日現在、六月末日現在及び七月末日現在における例月出納検査の結果について報告がありました。----------------------------------- ○議長(丸山高司) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 本日ここに平成三十年第三回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案について御審議をお願いすることとなりました。 この機会に、当面する区政の課題について御説明申し上げ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 初めに、防災についてです。 九月一日は、九十五年前の大正十二年に発生した関東大震災にちなんだ「防災の日」です。「渋谷区総合防災訓練」は都立代々木公園を会場とし、実施日を従前の九月一日から九月の最初の土曜日、日曜日に移し、渋谷に住まい、集う幅広い世代を対象に、防災意識を育むため、実施方法や内容の拡充を図り、「防災フェス」をコンセプトに加え、今年で三回目を迎えました。 初日の午前中には、自主防災組織を初め警察、消防、消防団、陸上自衛隊、医師会、インフラ関係企業等、関係団体が一堂に会する「防災関係機関等活動訓練」を実施し、地震発生直後から数日後までを想定した実践的な訓練と展示を実施しました。 自主防災組織の皆様には、早朝から徒歩で代々木公園まで避難行動をとっていただき、その後の活動訓練では、刻一刻と変化する状況に応じ、防災関係機関と一体となって訓練に精励していただきました。まさに自助、共助、公助の精神を体現されていたと思います。本当にお疲れさまでした。 防災というと、身近な重要課題として捉えられている反面、一般的には取っつきにくいイメージもあるようです。渋谷防災フェスでは様々な切り口で防災を捉えて、子どもから高齢者まで防災を正しく、楽しく学び、防災体験ができるような取り組みを行っています。親子で参加し、知らず知らずのうちに防災知識が身につく体感型防災アトラクション・脱出ゲームや消防士体験VR、さらには東京消防庁の最新鋭の「VR防災体験車」による「VR防災体験」を実施するなど、体験型ブースを多数設置し、多くの皆様に楽しみながら防災について学んでいただきました。 この「防災関係機関等活動訓練」及び「渋谷防災フェス」から成る「渋谷区総合防災訓練」の形が、ようやく定着しつつあると実感しています。今後も区民の皆様、関係機関の方々の御意見を伺いながら、より実効性の高い「渋谷区総合防災訓練」にしてまいります。 本年六月二十八日から七月八日にかけて、過去に経験したことのない豪雨が西日本を中心に襲い、幾つもの河川の氾濫や土砂崩れ、土石流の発生、床上・床下浸水、道路冠水や陥没などが発生し、犠牲者が二百人を超える平成最悪の水害となりました。ここ数年、日本各地で大規模な水害が発生しておりますが、今回の「平成三十年七月豪雨」につきましては、まさに最近の異常気象を象徴しているものと思います。 本区におきましても、七月二十八日の台風十二号、八月八日の台風十三号の到来に備え水防本部を設置し、対応を行ったところです。特に強い台風と言われた台風十三号につきましては、近隣住民の早期避難行動に対応すべく、本区として初めて渋谷川付近の区有施設二カ所を「自主避難施設」として開設しました。 こうしたことを踏まえ、被害の予測が困難な水害へ対応するため、早急に本区の地域防災計画に地域住民への避難勧告等の発令や避難所開設の手順などをしっかりと位置づけ、区民の安全・安心を図ってまいります。 一方、震災に目を移しますと、今月六日未明には北海道胆振地方で最大震度七の強い地震が発生し、北海道全域が停電となるなど広域にわたりインフラに甚大な被害がもたらされました。震源に近い厚真町では、大規模な土砂崩れにより数多くの家屋倒壊や人的被害が発生しました。 また、六月十八日に発生した大阪府北部を震源とする最大震度六弱の地震では、高槻市内の小学校でプール横のブロック塀が倒壊し、女子児童が犠牲となる痛ましい事故がありました。このことを受けて、本区では直ちに全区有施設の緊急安全点検を実施しました。このうち区立の小中学校、幼稚園、保育園につきましては、建築技術職員によるブロック塀等の点検を行ったところです。その結果、小中学校六校、保育園一園につきまして特に早急な対策が必要と判断し、夏休み期間を利用して安全対策工事に着手し、順次完了させています。 また、通学路につきましては、六月中に学校教職員が確認を行い、さらに今月に入って、ブロック塀の危険性の有無及び防犯の両面から点検を実施しています。 災害に強いまちづくりを推進するため、リスクに対して、今後ともスピード感を持って対策を講じてまいります。 次に、多様性と地域活性化にかかわる取り組みについてです。 九月七日から十七日まで、多様な未来を考える十一日間として、青山学院大学や「EDGE of」など、渋谷・原宿・表参道エリアのイベントスペースを拠点に多彩なイベントが開催されました。このプロジェクトは、渋谷区が基本構想で掲げる未来像「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を実現するために大切にしているダイバーシティ・アンド・インクルージョンが実感できるイベントとして昨年十一月に初めて開催した「ダイブ・ダイバーシティ・サミット・シブヤ」と、公益財団法人日本財団主催事業として二〇一六年にスタートした「日本財団ソーシャル・イノベーション・フォーラム」を統合し、「ソーシャル・イノベーション・ウィーク・渋谷」として開催したものです。 オープニングでは、衆議院議員の小泉進次郎さんに基調講演をしていただきました。また、九月十五日から十七日の三日間は「ダイブ・ダイバーシティ・セッション」と題し、国内外から様々な有識者を招き、多様性社会の可能性を探求する「本質」をテーマに掲げたトークセッションが展開されました。 世界に目を向けますと、オーストリアのリンツではメディアアートの世界的イベント、「アルス・エレクトロニカ」があり、アメリカのテキサス州では音楽、映画、インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント、「サウス・バイ・サウスウエスト」があります。ダイバーシティと言えば「ソーシャル・イノベーション・ウィーク・渋谷」と言われるよう、世界に認知され区民が誇れる取り組みとなるよう、今後も多様な人々とともに、より発信力のあるイベントに育てていきたいと思います。 昨年より工事を進めていた代々木八幡区民施設が、来る十月一日に「YCC代々木八幡コミュニティセンター」としてリニューアルオープンします。本施設は内部を全面改修し、多目的に使用できる定員百八十四名のホールやスタジオ、和室、癒しやくつろぎのスペースとしての浴室やリラクゼーションルームなど、全てのフロアで装いを新たにしました。 「YCC代々木八幡コミュニティセンター」の特徴は、地域活動の場を提供することだけにとどまらず、子どもから若者、子育てファミリー、シルバー世代まで多様な世代が集える渋谷区らしいコンテンツやイベントを企画、提供することで新たな人のつながりをつくり、地域コミュニティを育もうとする、これからの区民施設の先進事例として運営していくことにあります。 開設当初の週にはショートフィルムの上映会を実施する予定です。その後も代々木八幡サロン、ワークショップ、イベントなど魅力のあるコンテンツを定期的に開催していきます。多くの区民の皆様に「YCC代々木八幡コミュニティセンター」を御利用いただき、新しい感覚の区民施設を体感していただきたいと思います。 次に、環境政策についてです。 本年四月に公表した「渋谷区環境基本計画二〇一八」では「私が動く。渋谷が変わる。」をキャッチフレーズに、行動が社会を変え、社会の変化が意識と行動のさらなる変革を生む持続可能な仕組みづくりを目指しています。 今回、本計画の普及活動の一環として、一人一人が環境に対する意識の向上を図り様々な行動に参加してもらえるよう、計画の趣旨をわかりやすく表現したPR動画を作成し、広く発信することにしました。そのため、来月二十七日に「YCC代々木八幡コミュニティセンター」にて環境シンポジウムを開催します。当日はPR動画の上映のほか、著名人による講演会やパネルディスカッションを実施し、区民の皆様に情報発信をすることで行動のきっかけづくりを行います。 動画につきましては、今後、様々な機会を捉え情報発信に活用していきます。 また、「環境基本計画二〇一八」の行動計画では、食品ロスの削減を施策として掲げています。来月は「3R推進月間」と「世界食糧デー月間」に当たり、十六日が「世界食糧デー」でもあることから、直近の十三日の土曜日に、「しぶや・もったいないマーケット」を昨年に続き美竹の丘・しぶや等で開催したいと考えています。区民、事業者の皆様が日常生活や事業活動を通して3Rや食品ロス削減を意識し、身近な行動から取り組むきっかけとなるよう、当日は映画「もったいない」の上映やフードドライブの受け付け、エコクッキングなどを催すほか、夏休み中に区内の小学生から募集した「食品ロス削減標語」の入選者の表彰も行います。 いずれにいたしましても、区民、事業者、そして来街者並びに区が一体となって環境の保全、創出に向けた取り組みを進め、基本構想に掲げる「人のつながりと意識が未来を守る街へ。」の実現を図ってまいります。 次に、教育における取り組みです。 今月二日、第十八回アジア競技大会が閉会しました。多くの競技、種目において日本新記録や自己新記録が樹立され、メダルラッシュに沸いた大会でした。 記録更新や出場に至る背景には、日々の積み重ねが重要であることは言うまでもありません。目標の設定やそれに向けたトレーニング、困難を克服するための努力や組織としての取り組みなど、様々な要素が大切です。トップアスリートの挑戦する姿、躍動する姿は私たちを感動させてくれます。 そして、いよいよ二年後の二〇二〇年には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。この大会が本区の子どもたちにとって、おもてなしやボランティアマインドに関する気運の醸成につながるよう取り組んでまいります。 また、二〇二〇年は小学校において新しい学習指導要領が全面実施となる年でもあります。このような好機を迎えるに当たり、引き続き学校における教育の充実を図ってまいります。 まず、オリンピック・パラリンピック教育についての取り組みです。 本区では区独自の予算を配付し、充実して取り組みがなされるよう支援しています。東京二〇二〇大会までの取り組みが着実に実施されるよう、各小中学校、幼稚園では二〇二〇年までのロードマップを作成し、それに基づく取り組みを進めていきます。渋谷区立の小中学校や幼稚園として、大会や選手を支えるために、また来日される方々のために何ができるか、教育委員会と連携して進めてまいります。 次に、部活動の充実に関する取り組みです。 部活動のさらなる充実や持続可能な部活動のあり方の視点から、教育委員会では「部活動の在り方検討委員会」を設置し、検討してまいります。ともに活動を通して培う仲間との絆、努力することの大切さ、生涯にわたる運動習慣の確立、健全な心と体の育成など、部活動の果たす役割は大変重要なものがあります。教員の負担軽減に配慮しつつ、部活動の一層の充実が図れるよう議論を進めてまいります。 続いて、ICT教育の充実に関する取り組みです。 昨年九月に区立小中学生全員に一人一台タブレット端末を貸与して、一年がたちました。この夏は、タブレット端末を持ち帰った初めての夏休みでもありました。 この一年間の取り組みの中で、授業中での様々な活用はもちろんのこと、校外学習における情報収集や家庭学習における活用などが進められています。今後、これまでの成果や課題を整理するとともに、本区独自のICT環境を最大限に生かし、新しい学習指導要領でも求められている子どもたちの情報活用能力などの育成に向け、継続的な支援を行ってまいります。 また、子どもたちの安全・安心の確保も非常に重要な課題であると考えます。 今年の夏は連日の記録的な猛暑が続き、教育委員会では各校、各園に対し、熱中症事故防止の注意喚起、校外施設における熱中症対策などの取り組みを行いました。今後も子どもたちの安全・安心の確保に向けて、予防や事案発生時の対処など、様々な観点から着実に対応してまいります。 次に、福祉について二点述べたいと思います。 まず、障がいのある人の就労についてです。 本区は、これまで「ハートバレーしぶや」の運営や障害者就労支援施設への助成に加え、障がいのある人の区役所内実習を拡充し、個々の状況に応じた多様な働き方を支援してまいりました。こうした取り組みを踏まえ、本年三月に策定した「渋谷区障害福祉推進計画」では「障害のある人が働きやすい環境づくりの促進」を重点施策に掲げています。この施策を実行に移すため、新庁舎移転後は、障がいのある人を新たに臨時職員として雇用します。 そして、次に続く一般就労に向けたステップアップを図るため、このたび、障がいのある人の超短時間雇用を試行することにしました。これは、障がい者の法定雇用率の対象とはならない週二十時間未満の仕事を「超短時間雇用(ショートタイムジョブ)」と位置づけ、仕事を依頼したい企業や個人店舗などと、その仕事をやりたいという障がいのある人をマッチングする試みです。「東京大学先端科学技術研究センター」の協力のもと、企業や店舗で超短時間雇用に適している仕事を切り出し、区内の障害者就労支援施設を通して採用候補者を募集し、条件が合えば、例えば「一日一時間勤務」などの超短時間雇用が実現する仕組みです。 既に区内の番組制作会社や美容室で超短時間雇用のモデルケースがスタートしており、四名の方が雇用契約を結んで働いています。今月十一日には美竹の丘・しぶやで超短時間雇用をテーマとするシンポジウムを開催し、障がいのある人、保護者、企業の採用関係者など多くの方に御参加いただきました。今後は企業や店舗への働きかけを重ね、障がいのある人が多様な職場で、個々の状況に応じた働き方のできる環境づくりを目指してまいります。 このほか、障がい福祉分野では、本年四月から「代々木の杜ピア・キッズ」で開始した児童の「相談支援事業」が八月末現在で早くも三十八件の契約があり、保護者のニーズに応えて着実に利用者を増やしています。また、渋谷区障害者団体連合会を通して要望のあった移動支援ガイドヘルパーの養成研修を本年六月から七月にかけて実施したところ、三十代から七十代まで定員を超える三十名の受講がありました。今後も「渋谷区障害福祉推進計画」に基づき、必要な施策、サービスを着実に推進してまいります。 続いて、高齢者福祉についてです。 先日九月十七日、敬老の日に、私は丸山区議会議長とともに区内九カ所の特別養護老人ホームで開催された敬老祝賀会にお伺いし、施設の御利用者及びその御家族と、短い時間ではありましたが、交流をさせていただきました。お元気に祝賀会を楽しんでいらっしゃる姿を拝見し、本区の発展の礎を築いてこられた皆様に、改めて心から感謝の気持ちを申し上げたところです。 また、毎年この時期に民生委員の各戸訪問により行っております、七十五歳以上の方全員を対象とした敬老金の贈呈は、区がまさにその感謝を込めて行っている事業です。あわせて実施している高齢者実態調査は、お一人お一人の生活実態を把握するとともに安否確認をするための重要な手段であり、他の自治体にはない本区の独自事業です。今年のような猛暑により熱中症が危ぶまれる中、また災害時に支援が必要な方々への対応という点においても、各戸訪問の意義は極めて大きいものと考えます。 加えて、「(仮称)恵比寿西二丁目複合施設」の整備も順調に進んでおり、また、「(仮称)高齢者ケアセンター跡地複合施設」につきましては本定例会に契約案件として上程しております。 私は、これまでも福祉政策を本区の最重要課題の一つと位置づけて取り組んでまいりましたが、今後さらに充実した施策を展開してまいります。 最後になりますが、新庁舎の開庁は来年一月十五日を予定しております。仮庁舎からの移転に向け、現在、鋭意準備を進めておりますが、円滑に新庁舎での業務を開始できるよう万全を期すとともに、区民の皆様や来庁者の皆様に対する事前の御案内につきましては、様々な手段を用いて周知徹底を図り、混乱のないように対応してまいります。 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には条例案七件、平成三十年度一般会計補正予算案一件、平成三十年度国民健康保険事業会計補正予算案一件、平成二十九年度一般会計歳入歳出決算等四会計の決算審査、契約案件一件、人権擁護委員の諮問一件、報告案件六件を御提案しております。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。----------------------------------- ○議長(丸山高司) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 三番一柳直宏議員。 ◆三番(一柳直宏) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表し、大きく五点、区長並びに教育長に伺います。 その前に、一言申し述べます。 本年三月十一日、東日本大震災から丸七年、熊本地震からも四月で丸二年が経過しました。 私たちは、過去幾つもの自然災害に遭い、その都度、日常生活では気づかなかった身近にある新たな危険の存在を知らされ、たとえ後手に回ろうとも、適宜対応策を進めることしかできません。 本年六月十八日、大阪府北部を震源として発生した地震は最大震度六弱、推定マグニチュードは六・一を記録し、死者五名、けがをされた方々は四百五十名を超える被害をもたらしました。二十三年前、阪神・淡路大震災で震度四を経験した大阪府民ですが、気象庁が詳しい観測を始めた一九二三年以降、大阪府内で震度六弱以上を観測したのは初めてとのことです。 さらに、本年七月には西日本を中心とする「平成三十年七月豪雨」に見舞われました。消防庁発表の被害状況は九月十日現在、人的被害者二百二十三名、行方不明者八名を数えるほど甚大な被害が出ました。 また、七月は猛暑日が続出し、気象庁は「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」との危機感を示すほどでした。災害級の酷暑日が連続し、日本各地で過去最高記録を更新する中、熊谷では国内最高記録となる四十一・一度を記録し、残念ながら本区においても熱中症によると疑われる犠牲者が出てしまいました。 その後も、連続する台風の発生、記録的大雨による河川の氾濫、九月に入っても二十五年ぶりの猛威を振るった今世紀最大の台風二十一号の暴風と高波によって、死者十三名、多くの家屋被害が出たほか、陸の孤島となった関西国際空港では、利用者や従業員を含む五千人が閉じ込められる事態となりました。 その台風がようやく北海道沖に抜けひと安心したところに、九月六日早朝の午前三時八分、北海道胆振地方東部を中心として震度七を記録する地震が発災、道内ほぼ全域二百九十五万戸に及ぶ大停電、日本初のブラックアウトが起きるとともに、震源に近い地域では広範囲にわたって土砂崩れが発生、この地震での犠牲者は四十一人にも上りました。 自然災害の脅威の前では、人間がいかに無力であるのか。それでも英知を絞って防災、減災に努め、その重要性を認識し、区民の安全・安心を構築しなければならないとの責務を改めて痛感いたしました。 今まで経験したことのない、想定を超えるこれら数々の自然災害によって亡くなられた全ての方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様の一日も早い復興を心からお祈り申し上げ、質問に入らせていただきます。 初めに、防災とまちづくりについて伺います。 まず、帰宅困難者対策についてです。 首都直下地震が発災した場合の渋谷区における被害想定のベースは、平成二十四年四月に公表された、東京都防災会議が取りまとめた「首都直下地震等における東京の被害想定」からなされています。この報告書で前提条件となる想定シーンは、平成七年七月に発災した阪神・淡路大震災と同じ、多くの人々が自宅で就寝中の被災を想定した冬の朝五時、平成二十三年三月の東日本大震災に近い時間帯で、オフィスや繁華街に多数の滞留者が集中している冬の昼十二時、家庭や飲食店における火気の利用が最も多く、繁華街やターミナル駅周辺では飲食や帰宅のため多数の人の滞留が考えられる冬の夕方十八時がそれぞれ想定のベースとなっています。 一方、今年六月の大阪府北部地震は、これらの想定外である朝七時五十八分、まさに通勤・通学の真っただ中での発生でした。ターミナル駅である渋谷駅でのこの時間帯の利用者は、在勤・在住者はもとより通勤や通学のための乗りかえ目的など、渋谷が最終目的地の人だけではありません。鉄道はストップし、道路は寸断され大渋滞が発生、そのため出勤や通学できなくなった多くの人であふれることが予想されます。 これら渋谷駅周辺のいわゆる帰宅困難者の対策については、都市再生特別措置法に基づき、「渋谷駅周辺地域都市再生緊急整備協議会」によって策定された「渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画」に定められています。この協議会は、駅周辺の商店会、商業施設を初め周辺の企業や鉄道・バス事業者など多様な主体で構成されており、一時退避場所への誘導や駅前広場の混乱防止など、一時退避誘導における役割が定められています。 一方、朝の通勤・通学時間帯の発災では、携帯電話が十分に機能しない中、区職員も交通網の混乱により出勤できない事態が予想されます。また、協議会を構成する商店会のメンバーや事業者も、災害対応の担当者が出勤できない場合や従業員の出社を自粛させることも考えられ、帰宅困難者の誘導等に当たる事業者や区職員の人員が確保できるのか懸念されるところです。 発災時間によっては、避難誘導等に当たる人員の確保が困難になると予想される本区では、従来の想定に通勤・通学時間帯も加えた計画として見直す必要があるのではないかと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、ブロック塀の危険除去について伺います。 さきにも述べましたように、この大阪府北部地震は、通勤や通学の真っただ中という時間帯に起こりました。痛ましいことに、小学校四年生の女子児童が今まさに登校目前の小学校のブロック塀の下敷きになり、亡くなられました。また、小学生の登校の見守りに行く途中だった八十歳の男性も、地震で崩れたブロック塀の下敷きで亡くなられました。 ブロック塀の危険性が認識されたのは、一九七八年六月に発生した宮城県沖地震の際、犠牲者二十八人のうち十八人がブロック塀の倒壊によって命を奪われたことを教訓に、一九八一年の建築基準法改正に合わせ、塀の高さ制限や強度補強のための控え塀設置等の基準が設けられました。 今回、小学校施設の既存不適格な塀の倒壊が幼い命を奪った事実を重く受けとめ、文部科学省は発災直後に小中学校のブロック塀の見直しを通達、これに伴い渋谷区内の小中学校でも急遽ブロック塀の点検を実施、危険箇所七カ所、不適合箇所十八カ所が発見され、そのうちの危険箇所七カ所については緊急改善工事が行われています。 学校施設の点検、補修は、区が主体的に行えるため早期の対応が可能ですが、一般住宅の、特に子どもたちが登下校する通学路上の安全確保と改善が急務と考えます。 学校施設の緊急点検とあわせて行われた通学路等の緊急調査によって浮き彫りにされたのは、住宅地などに設置されているブロック塀において、建築基準法に適合していない高さや強度補強のための控え塀設置の施されていない塀、倒壊寸前の空き家など、災害をもたらすおそれがある危険が放置されている点です。現状、他人の所有権に対し行政の対応としては、指導や注意、勧告を行うのが限界です。一方、いざ発災し、放置され続けた危険箇所の倒壊によって人的被害が出た場合、幾ら「指導は行っていました」と説明しても説得力はありません。 そこで、区長に伺います。 一般家庭のブロック塀の危険を回避するには、注意や勧告だけでは改善までに時間がかかると思われます。一方で、災害はいつ起こるかわからないため、危険の除去は喫緊の課題です。ブロック塀によって死者が出た今回の大阪府北部地震の教訓がある以上、自分の塀が凶器となり人命を奪う可能性を十分に予測できる今、現状を放置することに伴う被害の発生は、もはや天災ではなく所有者の不作為による人災です。 一刻も早い危険の除去を促進するため、本区では勧告などを行う一方、既存不適格の状態にあるブロック塀に関する助成制度を設けていることは承知をしております。それでも改善が遅々として進まないのも現状です。 そこで、緑化の観点から質問します。 「渋谷区基本構想」で示す区の将来像を環境面から実現するために、先般作成された「渋谷区環境基本計画二〇一八」では、後ほど申し上げますが、「SDGs、持続可能な開発目標」や「パリ協定」など国際社会の動きを念頭に置きつつ、「渋谷区においても気候変動、循環型社会の形成などにかかわる環境施策の実行を通じて、都市の成長と環境保全が共存する持続可能な社会の実現に貢献する」としています。その行動計画では、「見えるみどり」の創出により、住宅地から商業地まで魅力的な緑豊かな都市景観の形成によってヒートアイランド現象の緩和につなげる具体的な取り組みの一つとして、生け垣や壁面、屋上緑化を強化する方針を打ち出しています。これを一般家庭のブロック塀つくり替えに組み込んで促進する考えです。 震災時の安全性の確保、火災延焼防止と同時に緑豊かな生活環境の創造、さらには都市のヒートアイランド対策への寄与と一石二鳥と考えます。 また、実効性のあるものにするためには、生け垣設置及び既存塀撤去への助成も必要と思いますが、区長の所見を伺います。 次に、空き家の危険除去についてです。 平成二十七年二月施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、そのまま放置すれば倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態の場合、これを「特定空家等」と定義し、勧告や命令のほか、要件が明確化された行政代執行の方法による強制執行も認められています。一方、本区においては「渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例」で、空き家からの出火防止の観点から、空き家への立入調査の権限や安全確保の措置を講ずるよう所有者へ区長による勧告が行えること、勧告に従わない場合には空き家の除去等、出火防止に必要な措置を講ずるよう指示できると定めています。 特別措置法に定義される「空家等」とは、建物またはこれに附属する工作物であり、ブロック塀も含まれます。そこで、この特別措置法を根拠として、倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態で直接区民の安全・安心を脅かすおそれがある以上、その対処についても「渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例」に盛り込むべきと考えます。 条例の改正について区長の所見を伺います。 次に、復興事前計画について伺います。 本年八月八日、台風十三号の関東地方接近の際、本区は二十三区内でいち早く自主避難施設を開設し、渋谷川の氾濫に備えました。迅速な対応を評価いたします。 このような防災の動きについて、本区では平成二十七年、防災マニュアルを作成、昨年には「業務継続計画」「職員行動マニュアル」「受援計画」の策定に着手し、十二月には「渋谷区地域防災計画」の改訂も行う予定です。震災に備えたあらゆる準備が着々と進められている一方、東京都のホームページによれば、首都直下地震などで被災した場合、速やかな都市の復興を実現するため、行政や地域住民が復興対策の進め方、復興の目標像を事前に検討、準備しておく「事前復興」という取り組みが掲載されていました。これは、あらかじめ行政と都民が震災復興時の都市づくりのあり方を共有しておくことによって、合意形成を円滑にする仕組みです。 渋谷区地域防災計画では、発災後おおむね二カ月以内に「「都市復興基本計画(骨子案)」を作成し、その原案をもとに地域住民との協議を重ねながら、都の基本方針、総合計画との整合性を図りつつ、計画案を確定し、地域復興に取り組む」とあり、最終的な都市復興基本計画の策定までは発災から六カ月以内となっております。 災害が起こった後のまちづくりについてのビジョンを日ごろから地域ごとに整えておくことは、いち早い復興計画の策定に向けて重要なことと考えます。 都は事前復興の視点を組み込んだ都市づくりをうたっており、非常時を想定した震災復興のグランドデザインは、平常時の都市計画や目指しているまちづくりと表裏一体の関係にあるものとしています。本区でも、現在策定中の「渋谷区まちづくりマスタープラン」にも位置づけ、平常時のまちづくり施策に反映させるべきと考えます。 「都市復興基本計画」策定の事前準備としての復興事前計画づくりに着手すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、福祉について伺います。 まず、元気高齢者の支援についてです。 今期から、「第七期渋谷区高齢者保健福祉計画」及び「介護保険事業計画、(しぶやいきいきあんしんプラン)」が策定、実施されています。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年、団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年を見据え、渋谷区長期基本計画でうたっている「あらゆる人が、自分らしく生きられる街へ。」のビジョンのもと、「渋谷区実施計画二〇一七」では、地域における共生型社会の実現、生活支援サービスの充実、高齢者、障害者等が安心して暮らせる環境の整備の三つの政策を立てています。 第七期計画の策定に当たっては、「渋谷区介護保険事業計画等作成委員会」及びその作業部会である「起草委員会」での議論の中で、超高齢社会において喫緊の課題である認知症対策、介護人材の確保・育成、増加する元気高齢者への支援について特に議論を重ねて策定されたと承知をしております。その一環として、高齢者が生涯にわたり元気に活躍できるように支援する「生涯現役サポートセンター」の設置が作成委員会の答申に盛り込まれ、来年度のスタートを目指し所管部で準備中であると仄聞しております。 超高齢社会においては、高齢者がみずからの生きがいを見出すとともに、体力の許す限り長年培ってきた技術と経験を生かし、社会の生産性の担い手として活躍することはまさに必須のことと考え、大いに期待するところです。 本区独自の施策である生涯現役サポート事業による元気高齢者への支援の構想、その内容と準備の進捗状況について区長に伺います。 次に、若年性認知症対策について伺います。 毎年九月二十一日は、ADI、国際アルツハイマー病協会とWHO、世界保健機関が共同で制定した「世界アルツハイマーデー」で、アルツハイマー病に対する啓発活動が行われています。 認知症の原因は、脳血管性認知症、レビー小体型認知症など様々ありますが、中でも高齢者の認知症の五、六割を占めるのが、このアルツハイマー型認知症です。 東京都では先月初め、認知症の早期発見を促すために、認知症かどうかの診断費用の無償化を都知事が発表し、来年度予算案に計上する考えを明らかにしています。また、厚生労働省も、認知症の人が認知症の人の相談に乗ったり当事者同士が体験を共有して支え合うピアサポート活動を行う団体に補助制度を設け、来年度予算の概算要求に盛り込むなど、認知症に対する施策は日々充実してきており、それだけ現代において最重要施策であることがわかります。 本区においても、超高齢社会を迎えて認知症ケアパスの更新や認知症初期集中支援チーム、認知症カフェの設置、認知症対応型デイサービス事業の拡充など、第七期計画においても重要施策の柱として様々な取り組みがなされていますが、他方、若年性認知症も重要な課題と考えます。 若年性認知症とは、十八歳以上六十五歳未満で発症する認知症の総称で、厚生労働省が行った若年性認知症の実態等に関する調査では、十八歳から六十四歳における人口十万人当たりの若年性認知症者数は四十七・六人、男女別の比率では男性六割、女性四割と男性に多く発症する傾向があります。また、全国における若年性認知症者数は約三万七千八百人と推計されていますが、実際にこの調査が行われたのは平成十八年度から二十年度の三年間における全国レベルでの調査であり、十年を経た今、実数はさらに深刻化しているものと思われます。 若年性認知症の場合、現役として働き盛りで特に男性に発症事例が多いため、仕事に支障が出たり、若年性認知症に対する周囲の理解が不足し仕事をやめざるを得なくなり、経済的に困窮する、さらに、扶養の子どもの教育費や就職、結婚など、本人のみならず配偶者を含む家族全体の生活に支障が来される大きな問題であるにもかかわらず、厚生労働省の調査結果が十年前であることからもわかるように、その実態が不透明であるのが現状です。 翻って本区の施策を見てみると、第七期計画の新規事業として若年性認知症カフェの新設、拡充事業として若年性認知症対応型デイサービス事業が挙げられています。 若年性専用のデイケアサービスは、現在、「けやきの苑」で毎週日曜日のみ行われているのを承知しておりますが、現役世代の若年性の場合、平日のデイケアサービスの充実や就労に結びつくようなニーズが高いとも伺っております。 本人のみならず家族全体を支える必要がある若年性認知症に対する取り組みの強化について、区長の所見を伺います。 次に、障がい者福祉について伺います。 まず、地域生活支援拠点の整備についてです。 平成二十八年第四回定例会における我が会派の生活介護施設の充実に対する質問で、「はぁとぴあ原宿」裏の財務省職員住宅跡地を取得し、平成三十二年ごろをめどに「はぁとぴあ原宿」を拡充する旨の答弁がありました。その拡充に際しては、渋谷区障害者連合会加盟団体と区立施設の利用者、保護者との意見交換会を延べ二十九回実施し、本年五月には、その際の意見や要望について所管の福祉保健委員会で報告されたと承知しております。 実際の整備着工は平成三十二年度から平成三十三年度と伺っておりますが、行政として整備が必要な地域生活支援拠点はどのようなものになる構想なのか、その具体的な中身について区長の所見を伺います。 次に、障がい者の就労支援について伺います。 九月は、厚生労働省が障がい者の職業的自立を喚起するとともに障がい者の雇用に関する国民、とりわけ事業主の関心と理解を深めるために定めた「障害者雇用支援月間」です。それを目前にして、中央省庁による障がい者雇用の水増しが発覚、法定雇用率を大幅に下回っていることが判明しました。 企業が法定雇用率未達の場合、「一人当たり月五万円を国に納付しなければならない」というペナルティが課せられており、各企業は真剣に障がい者雇用に取り組み、昨年の雇用者数は四十九万六千人にも上っているとのことです。 そこで、まず区長に伺います。 昨年第二回定例会で私が行った障がい者就労支援に関する質問の中でも、本区の法定雇用率について触れております。確認したところ、本区においても厚生労働省の指導により、現在、平成二十九年六月基準日における障がい者雇用の状況を鋭意調査中とのことですが、検証終了後、速やかな議会への報告を求めたいと思いますがいかがですか、区長の所見を伺います。 ホームページによると、国連ではその創設以来、障がいのある人々の地位向上を目指し、その生活改善に努めてきており、二〇〇六年の総会で「障害者の権利に関する条約」と「選択議定書」を採択、二〇〇八年に発効しています。その原則には、「人間の多様性の一部として障がい者の差異を尊重し、かつ障がい者を受け入れること」「機会の均等、施設及びサービスの利用を可能にすること」など、特に権利が侵害されてきた領域、保護が必要な領域に権利が行使できるようにすることに焦点を当てています。 そして二〇一五年九月、国連は、国連持続可能な開発サミットで、十七の持続可能な開発目標である「サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ」すなわち「SDGs」を含む開発アジェンダを採択しました。 この「SDGs」では、その目標の十番で、性別、障がい、人種などに関係なく全ての人々の能力を強化し、社会や経済、政治への参加を促進することを、また、目標の十七番では、持続可能な開発や社会のため、公的機関や企業、市民のパートナーシップを推進することを掲げており、障がい者が働く環境づくりを重要な課題としています。このアジェンダ案に対する加盟国のコンセンサスができ上がったことを受けて、当時の国連事務総長は「誰も置き去りにしないための行動計画である」とコメントしました。これこそまさに本区の基本構想が掲げる未来像と同じ視点であると考えます。 これらを踏まえて、区長に伺います。 本年三月に策定された「第六次渋谷区障害者保健福祉計画」「第五期渋谷区障害福祉計画」「第一期渋谷区障害児福祉計画」での就労に関するアンケートによると、全ての方の六割以上が就労の開始や継続を希望しています。また、東京パラリンピックを二年後に控えた八月には、障がい者の雇用に関する特集記事が大手新聞に掲載されていました。その中で、障がい者の保護者や関係者は自立できるように仕事を身につけさせたいという希望があることや、採用する企業側にも初めての採用に対する数々の不安があること、雇用の定着に対する課題があることが報告されていました。 このような中、先ほど区長から、「東京大学先端科学技術研究センターの協力のもと、障がいのある人の超短時間雇用、ショートタイムジョブの試行に取り組む」との発言がありました。就労は希望するものの、いきなり一般就労は難しいといった障がい者の方には、仕事とはどういったものなのかを体験させる機会として、また、採用する企業にとっては障がい者を雇用する経験の機会として、大変有効な取り組みと考えます。 今月十一日にはシンポジウムも開催されたと伺っておりますが、この成果と今後の展開について区長に所見を伺います。 次に、民泊について伺います。 「住宅宿泊事業法」の施行から三カ月が経過しました。渋谷区のホームページに掲載されている届け出状況を見ると、八月三十一日現在、届け出数は三百七十二件、物件数では百三十物件が確認できます。 民泊新法施行直前の六月一日付で民泊の仲介業者に対して出された観光庁観光産業課長名の通達では、届出を出す予定がない物件に対する予約の取り消しを求めた結果、通知後、仲介サイト最大手、アメリカ、エアービーアンドビーの国内掲載件数は四万件以上減少したとのことです。 ところが、新法施行後以降、「エアビーのサイトで架空の届出番号を記載したヤミ民泊物件が複数見つかった」との報道記事も目にしました。また、記事には、たとえ仲介業者が届け出のない物件を不掲載にしても、物件情報が海外のサイトに掲載されていたり、SNSで直接予約を募ったり、旅行業者と対面で交渉してツアーにヤミ民泊を組み込んだりと、規制逃れの手口も巧妙化していると紹介されていました。 私の近隣では、「分譲マンションの一室で届け出なしに民泊が行われている」との陳情がありました。生活衛生課でも把握をしており、実態を調査中とのことでした。 このケースで一番の問題点は、所有者が外国人、その管理を任された業者は他区の不動産業者で、利用者と一週間以上の短期賃貸借契約を締結して貸し出しを行っていると思われる点です。一般的に見て、施設の衛生上の維持・管理責任が貸し主側になければ旅館業法に抵触することもなく、また、民泊でなければ届け出をする必要もありません。一方、担当課で是正に乗り出そうとしても、実際に借り主と定期借家契約が結ばれているのか、清掃などのサービスを貸し主側が提供していないのか、強制力をもって調べることができないのが現状です。 そこで、区長に伺います。 本区では民泊コールセンターを設け、監視、指導も強化するなど独自の施策でヤミ民泊の潜在化を防ぐ体制をとっていることは承知をしております。民泊新法施行直前の第二回定例会でも、我が会派から実効性ある民泊行政にする決意を伺っておりますが、民泊新法が施行された後、実際の民泊の稼働状況やヤミ民泊の存在の有無、区民からの具体的な苦情などが明らかになってきていると思います。それらを踏まえ、施行後三カ月を経て渋谷区民と来街者との交流、地域活性のツールとして、民泊は有効か、今後の展望を区長に伺います。 また、特に短期賃貸借を利用したマンスリーマンション等なのか無届け民泊なのか、一見しただけではわからない区民にとって不安材料となっているのは間違いありません。本区にはマンスリーマンション、ウィークリーマンション、レンタルルームの建築の規制に関する「渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例」があります。この条例は、「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を形成し、快適なまちづくりを行う観点から、極めて短期間に使用者の入れ替わるマンスリーマンション等の建築等に対し必要な規制を行い、良好な生活環境及び地域社会の実現を目的とする条例です。 つまり、本条例は一定要件に違反するマンスリーマンション等の建築を規制するものですが、私の読み込んだ理解では、本条例施行後、既に建ち上がってしまっている共同住宅等においても、その用途を変える場合には、改めて区長の同意を得なければならないと規定しています。さらに、第十三条には、区長の同意を得ずにマンスリーマンション等として利用した場合、区長は使用について改善勧告をし、または使用の禁止を命じることができるとされています。 現状、既に「マンスリーマンション等」として利用している実態に鑑み、区長の事前の同意を得ずに共同住宅等をマンスリーマンション等として使用している場合、実態を調査し、第十三条第一項の規定を用いて規制することはできないでしょうか、区長の所見を伺います。 次に、教育について教育長に伺います。 まず、学校における働き方改革について伺います。 平成二十九年六月、東京都教育委員会が行った都内の公立学校教員勤務実態調査によると、都内公立小学校教諭のうち三七・四%、また中学校教諭の六八・二%で、週当たりの総在校時間がいわゆる過労死ラインとされる六十時間を超えている実態が明らかになりました。 これを受け、昨年十一月に東京都教育委員会は「学校における働き方改革推進プラン(中間のまとめ)」を発表しましたが、その中で「週当たりの在校時間が六十時間を超える教員をゼロにする」との目標を掲げ、平日は一日当たり在校時間十一時間以内とする、土曜日、日曜日についてはどちらか一日は必ず休養できるようにするとの取り組み方針を決めました。 勤務実態調査では、業務内容別の業務時間が示されています。平日の場合、「児童・生徒の指導に関わる業務」では、小中学校とも担当する授業時間以外では授業準備、成績処理、生徒指導が多くの時間を占めています。職員会議や調査への回答などの「学校の運営に関わる業務」では、小学校教諭で一時間二十五分、中学校教諭で一時間十一分が、また、保護者や地域対応などの「外部対応」、校務研修や校外会議などの「渉外」「そのほかの校務」の合計で、小学校で三十八分、中学校で三十一分の時間が使われています。さらに土日では、特に中学校教諭は「部活動」に二時間以上の時間が割かれています。 本年三月、スポーツ庁は、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を作成しました。運動部活動が各運動部の責任者、運動部顧問の指導のもと、スポーツに興味・関心のある同好の生徒の参加により学校教育の一環として行われるものであること、体力や技術の向上のほか人間関係の構築や学習意欲の向上、自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、その教育的意義が大きいものであると示しながら、社会・経済の変化などにより教育等にかかわる課題が複雑化、多様化し、学校や教師だけでは解決できない課題があることも指摘しています。 本ガイドラインでは、その策定趣旨を「生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築する」という観点であることが第一とし、その適切な運営のための体制構築のために、教師の長時間労働解消の観点から、教師のほかの校務分掌や部活動指導員の配置状況の把握などにも言及しています。 さらに、学期中は平日週当たり二日以上、週末は土日で一日以上の適切な休養日の設定も示しています。 また、運動部のみならず、文化庁の有識者会議においても、特に長時間の練習が求められる吹奏楽部などの文化部について、週休二日以上を検討しているようですが、これらはあくまで成長期の生徒を主眼とした指摘です。 そこで、東京都教育委員会の「学校における働き方改革推進プラン」では、教員の長時間労働改善を主眼として、在校時間の適切な把握と意識改革の推進、教員業務の見直しと業務改善の推進、教員を支える人員体制の確保、部活動負担の軽減、ライフ・ワーク・バランスの実現に向けた環境整備といった取り組みの方向性を示しています。 文部科学省が本年八月に発表した「平成三十年度教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」の結果によると、勤務時間管理や適正な勤務時間の設定に向け、学校閉庁日を設けたり、勤務時間外における保護者や外部からの問い合わせへの対応などについて各教育委員会で様々な取り組みが行われているようです。本区においても教員の負担軽減のために具体的な取り組みをしておられると思いますが、その取り組み状況と、今後、働き方改革をどのように推進していくのか、教育長に伺います。 次に、次世代に向けた教育について伺います。 二〇三〇年ごろ、汎用AI、人工知能の進歩によって、人の仕事はほとんどが人工知能を組み込んだロボットに奪われ、今の小中学生が社会で活躍するころ、人間に残される仕事は今までには全くなかった新しい業種の仕事か、企画や創造、交渉など人間が持つ感性が必要とされる仕事と言われています。否応なしにAIとの競争時代に生きることとなる現代の子どもたちには、今のうちに創造力とコミュニケーション能力を育む教育が必須のものと考えます。 東京都の「教育振興基本計画」である「第三次東京都教育ビジョン」では、「グローバル化の進展など変化の激しい時代における、自ら学び考え行動する力や社会の発展に貢献する力を培う」との基本理念を掲げ、知識や技能の習得はもとより、それらを活用し課題を発見する力、解決するために必要な思考力、判断力、表現力、新たな価値を生み出す創造力などを育てる教育をうたっています。 本区の教育の目玉でもあるICTの活用は、児童・生徒の学習に対する興味や関心を高め、理解を深めるための施策であること、ALTの導入はグローバルなコミュニケーション能力育成に有効であるなど、現状の教育で知識や技術の習得は可能と考えます。 一方、将来の社会人に求められる企画力や創造力、他人とのコミュニケーション力など人間が持つ感性を磨く教育についてはどのように進められるお考えか、教育長の所見を伺います。 次に、小中一貫教育について伺います。 スポーツ等部活強化校、グローバル人材育成重点校、ICT教育推進校など、本区は特色ある学校づくりを推進しております。 平成二十四年四月、それまでの義務教育制度の課題解決のために、義務教育九年間を見通し、子どもたちの発達段階に合わせたきめ細やかな教育活動を行うためには一貫教育が必要との結論から、渋谷本町学園が本区初の小中一貫校として開校しました。 所管の文教委員会において、教育振興部長から「本年度、本町学園中学校入学の一年生は開校当時に小学校入学した一年生であり、この機会に渋谷本町学園の小中一貫教育の成果を検証したい」との発言がありました。 昨年度の小学校学習指導要領改訂では、先行実施の小学校での外国語活動について、「成果が上がってきているものの、学年が上がるにつれて児童・生徒の学習意欲に課題が生じるといった状況や、学校種間の接続が十分とは言えず、進級や進学をした後に、それまでの学習内容や指導方法などを発展的に生かすことができないといった状況も見られている」との課題を挙げ、今回の改訂では、「小学校中学年から外国語活動を導入し、聞くこと、話すことを中心とした活動を通じて、外国語になれ親しみ、外国語学習への動機づけを高めた上で、高学年から発達に応じて段階的に文字を読むこと、書くことを加えて総合的、系統的に扱う教科学習を行うとともに、中学校への接続を図ることを重視」するとされています。 渋谷本町学園は英語教育重点校に指定されており、学習指導要領の本格実施である平成三十二年度を待つことなく、開校以来、小学校一年生から九年間を見据えた外国語活動を展開、小中学校ともALTの配置も手厚く、学習内容や指導方法などを発展的に生かし、各学年間での段階的学習や学習の継続といった文部科学省が挙げる課題を解決する、まさに小中一貫教育の強みが生かせる場所であると考えます。 開校以来の成果を顧みるため今後どのような検証をされるお考えか、あわせて、他地域での展開など本区における小中一貫教育の今後の展望について、教育長の所見をお聞かせください。 最後に、校外学習について伺います。 本定例会には、「渋谷区立校外学園条例を廃止する条例」の提出が予定されています。平成三十年度当初予算審議の時点で、山中高原学園には前年度当初予算比で一億円増の予算がついており、施設閉鎖準備のための解体費用が含まれているとの説明がありましたので、今回の方向性については承知をしていたものの、いざ廃止となると寂しさを禁じ得ません。 山中高原学園については昭和三十九年八月の開設から、また、富山臨海学園については昭和三十九年、前身である富山養護学園開設以来、長きにわたって渋谷区の子どもたちの移動教室として数々の思い出をつくってきた場所ですので、かつて校外学習で訪れた経験のある議員の中にも、寂しさを感じる方々が多数いらっしゃることと思います。 しかしながら、山中高原学園については本年度で土地の賃貸借契約が切れること、教育面からは、小中学校ともに山中高原学園を拠点に実施している学年があり、活動場所や内容が類似してしまう、また荒天時のプログラム充実が難しいことなどの要因によって、本年九月の利用をもって閉鎖を余儀なくされたと承知しております。 また、富山臨海学園については、長年にわたって管理をお願いしてきたベテラン管理人が高齢により継続できなくなったこと、その立地から、長期間潮風にさらされ施設の老朽化が進んだことに加え、地震発生時には津波が押し寄せると予想されるハザードマップに掲載されている場所であることから、子どもたちの安全を第一に考えて閉鎖となることは、いずれも理解できるものです。 加えて、これまでの集団宿泊的行事で指摘されていた、「教員のかかわり方が体験を通して得られる子どもの達成感に大きく影響するが、教員自身の体験活動や指導経験に差があり、指導力の向上が必要」といった、教員の指導力の面からの課題解決も、多忙な教員の現状では限界があるのも事実です。 その代替施設として、「国立中央青少年交流の家」の利用が検討されていると伺いました。富士山の裾野、御殿場という立地から本区から車で二時間以内と近く、また、イベントなどの企画や学校独自の活動に対するコーディネート、さらに専門職員による引率教員への指導、レベルアップも図れるなど、林間学校としては山中高原学園の代替に足る施設と考えます。 しかし、臨海学校の代替施設とはなりません。夏の時期に自然を感じさせ、海水浴を通じて集団生活を児童に経験させる野外での体験学習は、感性豊かな成長期の子どもたちにとって欠くことのできない貴重な経験であると考えます。 海での体験学習について、その代替施設をどのようにお考えか、教育長の所見を伺います。 また、小規模校ならば、区民施設ではありますが、「河津さくらの里しぶや」の活用も考えられないでしょうか、あわせて伺います。 以上につきまして、区長並びに教育長の御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会自由民主党議員団、一柳直宏議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、帰宅困難者対策についてのお尋ねです。 渋谷駅周辺については、平成二十七年度に「渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画」を策定し、さらに平成二十八年度に「避難誘導計画」を策定しています。 しかしながら、策定した避難誘導計画は、帰宅困難者が多数発生する日中に震災が起こることを前提としています。議員御指摘のとおり、避難誘導等に当たる人員の確保が困難である時間帯に災害が発生することを想定した対策についてもこれまでの計画に含めて策定することは、課題であると考えています。 従来から、この安全確保計画は成長型の計画として、毎年度、更新を行っています。今回の大阪の事例等も参考にし、まずは様々な時間帯での検証を行ってまいります。 次に、生け垣設置と既存塀撤去への助成についてのお尋ねです。 大阪府北部地震によって小学四年生の児童が小学校のブロック塀の倒壊により亡くなられるという痛ましい事件が発生し、同じ子どもを持つ親としては、まさに身につまされる思いがしました。 区では直ちに学校施設を点検し、緊急改善工事を行い、あわせて区のホームページ上に、ブロック塀等の所有者や管理者に向けてブロック塀等の安全点検等について協力を呼びかけたところです。 議員御発言のように、生け垣によって「見えるみどり」を創出することは、「渋谷区環境基本計画二〇一八」の行動計画に示している施策の一つです。このことを受けて、現在、一定規模の住宅等を新築または増改築する際には、「渋谷区みどりの確保に関する条例」の規定に基づき、建築主に対し、生け垣の設置や壁面緑化等により敷地内を緑化するよう指導しています。また、特に生け垣による緑化を推進するため、平成二十九年度より緑化面積の算定方法を変更し、生け垣を選択しやすいような形としました。 今後、ブロック塀の改修にも利用できる区の助成制度である住宅簡易改修支援事業を活用するなど、まちの安全の確保を図り、安全性だけでなく緑化推進の意味から、ブロック塀を生け垣に改修した場合に優遇的な助成を受けられる制度など、「見えるみどり」の創出につながる方策を実現に向けて検討してまいります。 次に、空き家の危険除去についてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、平成二十七年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、自治体の空き家対策について特別な法的措置が可能となっています。本区におきましても、同法に基づき昨年度、まずは空き家の実態調査を行ったところ、四百四件の空き家があることがわかりました。 本区の特徴としては、不動産の流動性が高いことから、長期間放置されて特定空家となるような物件は少ないと想定されます。しかしながら、全国的に空き家は増加する傾向にあり、常に先取的に対策を準備しておく必要があると考えます。総合的かつ計画的に対策を実施するため、今年度は同法に基づく空家等対策計画を策定するなど、体制整備を進めているところです。 一方で、「空家対策特別措置法」では、立入調査、所有者に関する情報の利用、さらには特定空家に対しては助言、指導を行った上で勧告し、従わない場合は命令を行うことで行政代執行まで行える仕組みを定めています。法に基づく措置で対応できる範囲が広がったため、同法制定前につくられた空き家対策条例を廃止した自治体も出てきています。 議員御指摘のブロック塀については、建築基準法の適用を受けるため、従前より建築課において指導並びに指示を行ってきましたが、空家対策特別措置法の空家等に含まれ、同法に基づく対応が可能になったことから、今後は建築課と空家対策特別措置法を所管する住宅政策課が連携し、さらに強力かつ効果的に対応してまいります。 ブロック塀の対処について条例に盛り込むことにつきましては、今後の検討課題としたいと思います。 次に、復興事前計画についてのお尋ねです。 本区では今年度、渋谷区地域防災計画の改定を予定しており、発災直後からの対策についても見直しを進めています。しかしながら、復興への取り組みについては十分でないのが現状です。 議員御指摘のとおり、まちづくりの分野で復興事前計画を策定することは重要です。事前の準備を進めることで効率よく対応を進めることができ、復興計画の策定期間を大幅に短縮することが可能になります。また、復興計画は渋谷の将来の姿を念頭に置く必要があるため、渋谷区まちづくりマスタープランと整合性を図り、平時のまちづくり施策に反映させることは必要であると考えます。 このようなことから、まちづくりの視点を取り入れた復興計画の策定を進めるための手法について検討を進めてまいります。 次に、福祉についてのお尋ねです。 初めに、元気高齢者支援について、「生涯現役サポートセンター(仮称)」での事業内容と準備の進捗状況についてです。 本区では、団塊の世代の全員が七十五歳以上となる二〇二五年、団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年を見据え、認知症施策や介護人材の確保、育成、健康寿命の延伸により増加する元気高齢者への支援などを盛り込んだ「第七期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」を本年三月に策定しました。 本計画においては、高齢者がより一層生き生きと社会活動へ参加していただくため、定年前であるおおむね五十五歳以上の方からを対象として新たに「生涯現役サポートセンター(仮称)」を設置し、元気に御活躍し続けられるための魅力ある機会を提供する事業を展開することとしています。 サポートセンターのコンセプトは、大きく二つあります。 一つ目は、就労支援です。 現状、定年退職後に働く機会を得るためには、ハローワークや渋谷ビッテ、あるいはシルバー人材センターなどを活用するという選択肢がありますが、サポートセンターが提供する就労とは、生活のための就労よりも、働くことを通じて社会的なつながりや生きがいを得たい方への支援を想定しています。例えば、職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動である「プロボノ」や、企業の業務の一部を請け負い、打ち合わせから納品までをネット上で完結させる「クラウドワーキング」といった新しい働き方の情報提供を積極的に行いたいと考えています。 二つ目は、新たな学びの提供です。 先月実施した五十歳代から七十歳代の方への生涯現役に関するアンケート調査によると、「セカンドライフの充実に向け、大学や民間企業が開催する講座に興味や関心があるか」との問いに対し、半数以上の方が興味を持たれていることがわかりました。そこで、定年が近づいているおおむね五十五歳以上の方からの世代に対し、自分のやりたいことや趣味を探すことのきっかけづくりや、自分のスキル向上、そしてより専門的知識を高めていただく場として、S-SAP協定を締結している区内大学や民間企業などと連携した講座の開催を検討しており、現在は各大学を回るなどの準備を進めています。ここで得た知識や技術を、将来的には各地域において御活用いただきたいと考えております。 そして、これらの情報の発信や相談のための窓口やイベント開催のための会議室を有したサポートセンターの設置については、防災センターが新庁舎に移転することに合わせて、渋谷ヒカリエ八階に開設する方向で調整を進めているところです。 いずれにいたしましても、元気高齢者施策について、引き続き着実に推進してまいります。 次に、若年性認知症についてのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、若年性認知症は現役世代で発症するため、経済的問題や家族の介護負担が大きく、就労支援や介護保険サービスの活用など、様々な分野にわたる総合的な支援が必要です。 本区も若年性認知症を重要な課題と捉えており、「けやきの苑・西原」において毎週日曜日の開催の若年性認知症対応型デイサービス、地域包括支援センター職員の若年性認知症に特化した研修受講、また、認知症サポーター養成講座の中で若年性認知症について理解の浸透を図るなどの取り組みを行っているところです。 七月に開催した認知症フォーラムにおいて若年性認知症をテーマとして取り上げたところ、過去最高の参加者があったことからも、区民の関心の高さがうかがえます。そして、このフォーラムの中では、当事者の方やその御家族から切実な現状のお話もあったと聞いております。 本区としましても、若年性認知症の施策を強化するため、第七期計画においてその特性に配慮した社会参加支援等の推進を挙げており、若年性認知症カフェの新設やデイサービスの充実を進めていく一方で、特に要望の多い平日開催の若年性認知症対応型デイサービスの提供については計画を一年前倒しし、来年度から新たな「総合ケアコミュニティせせらぎ」に開設したいと考えています。 このため、認知症フォーラムにも御参加いただいたNPO法人「町田市つながりの開」が運営している若年性認知症対応型デイサービスである「町田市DAYS BLG!」に担当者が出向き、運営手法を学ぶなど、開設に向けた情報収集を行っています。 今後は若年性認知症の御本人を初めその御家族と意見交換を実施しながら、準備を進めてまいります。 次に、障がい者福祉についてのお尋ねです。 まず、地域生活支援拠点の整備については、議員御指摘のとおり、昨年度に障害者団体連合会の加盟団体、区立施設の利用者、保護者などとの意見交換会を実施し、日々の悩みや困り事も含め、地域生活支援拠点に必要な施設や機能について御意見や御要望を伺いました。また、広く一般を対象とする意見交換会も二回開催したほか、渋谷区障害福祉推進計画の策定においても、自立支援協議会の福祉計画部会を中心に議論を重ねていただきました。 これらの御意見や議論を通じて、施設面については重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人の通所施設の整備が急務であり、機能面については、二十四時間三百六十五日の相談受け付けや、緊急時の受け入れ態勢の充実が必要であることがわかりました。このほか、二次避難所としての機能や、地域に開かれた施設として誰もが利用できるスペースが必要との御意見もいただきました。 そこで、これらを踏まえ、地域生活支援拠点の整備方針として次の三つの施設を整備することにしました。 まず一つは、重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人のための通所施設です。提供するサービスは、成人のための生活介護や専門のリハビリを受けられる機能訓練、児童のための児童発達支援や放課後等デイサービスを想定しています。 二つ目は、障がいの種別にかかわらず一時利用ができる短期入所施設です。ここは、保護者や親族に予期せぬ緊急事態が生じたとき、障がいのある人を予約なしで受け入れる個室も用意し、こうした受け入れにも対応する二十四時間三百六十五日の相談機能も加える予定です。 三つ目は、その他施設として、災害用の備蓄倉庫や障がいのある人が働くカフェスペース、地域の皆さんにも御利用いただける会議室などを考えています。 以上の方針に基づき、現時点での建設規模としては地上四階地下二階の六層構造、延べ面積約四千平米を予定していますが、障がいのある人や御家族の意見、利用ニーズ、運営事業者の意向などを踏まえて、安全・安心な運営を継続できるよう必要な変更も図ってまいります。 次に、障がい者の就労支援についてのお尋ねです。 国の行政機関が平成二十九年六月一日現在の障害者任免状況通報書の内容、いわゆる障がい者雇用率を含む障がい者の雇用の実態について再点検を実施し、その結果を本年八月二十八日に公表しました。その状況を踏まえ、厚生労働省から地方公共団体へも通報書の再点検の実施が依頼され、現在、渋谷区も鋭意調査をしているところです。九月末にその結果を厚生労働省東京労働局へ提出しますので、その後、速やかに議会へ報告いたします。 次に、障がいのある人の就労支援についてのお尋ねです。 ただいま議員から、超短時間雇用の試行について、障がい者にとっても採用する企業にとっても大変有効な取り組みとの御評価をいただきました。私も、個々の状況に応じたオンリーワンの働き方を実現する取り組みは、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷」だからこそできる新たなチャレンジだと考えています。 そして、このチャレンジを、障がいのある人、御家族、企業関係者などに知っていただくために、今月十一日に「障害者雇用について考える」をテーマに二部構成のシンポジウムを開催したところ、約六十名の方が御参加くださいました。前半は超短時間雇用の必要や進め方、企業のメリットなどについて講演があり、区内でスタートしている番組制作会社や美容院での超短時間雇用や、毎年実施している区役所内実習の様子が紹介されました。後半は、参加者との質疑応答を中心にトークセッションの形で進めたところ、「視覚障がいのある人の就職先が限られている」という指摘や、「子どもの就労について制度や相談先がわからない」という意見のほか、企業側の受け入れ態勢についても率直な意見が交わされました。 また、参加者アンケートでは、複数の企業関係者から超短時間雇用に適した仕事があるとの回答があった一方、障がいへの理解や採用後のフォローが欠かせないとの意見も多く寄せられました。 今後は、今年度末までを試行期間として、今回御参加のあった企業を初め地域の個人事業者などにも広く協力を呼びかけ、採用実績を積み重ねながら、持続可能なシステムとして制度化するための検証を進めてまいります。 次に、民泊について二点のお尋ねです。 住宅宿泊事業の実施については、区ホームページ及び区ニュースによる周知を初め、町会を回り制度について丁寧に説明をし、御理解、御協力を求めてまいりました。その結果、町会からは、届け出に関する情報提供や、事前説明を聞くために事業者を町会に呼んでほしいという要望が多く寄せられており、地域と事業者との関係づくりに向けた動きは始まっておりますが、まだ施行から三カ月が経過したところであり、これまでもお答えしてきたとおり、事業者と区民及び来街者との交流による地域活性を促進する取り組みとして、引き続き事業を進めてまいります。 次に、マンスリーマンション等の規制について、短期賃貸借を利用した共同住宅や宿泊施設等に対し、その実態に応じて、渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例第十三条第一項により規制することができないかとのお尋ねです。 「渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例」は、同条例に規定するマンスリーマンション等について、区長の同意を得ることなく建築した場合などに、同条例第十三条第一項により改善勧告や使用禁止命令といった処置を講ずることができる旨を定めています。したがって、例えば共同住宅の営業形態がマンスリーマンション等に該当する場合には、議員の御指摘のとおり、同条例の各種規定を適用して所要の規制を行うことができます。 現在、区内では様々な形態の共同住宅や宿泊施設がありますが、本条例はもとより、先般施行された「住宅宿泊事業法」を初めとする民泊関係法令を適正に運用し、違法な業者についてはしっかり規制していくなど、引き続き安全で安心なまちづくりを進めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について四点のお尋ねがありました。順次お答えしてまいります。 まず初めに、渋谷区立学校における働き方改革の取り組み状況と今後の推進についてのお尋ねです。 教育委員会では、部活動による教員の負担軽減を図るため、現在、「渋谷区立学校部活動の在り方検討委員会」を設置し、区独自の方針の策定に向けた検討を進めています。また、教員が年次有給休暇を取得しやすくなるよう、今年度から区立幼稚園、小中学校において、八月十三日、十四日の二日間を教員が業務を行わない学校閉庁日といたしました。 今後、教育委員会といたしましては、教員の働き方改革をさらに推進するため、学校閉庁日の日数を増やすことや、勤務時間外における外部からの問い合わせに対し留守番電話機能を導入することなどを検討してまいります。 次に、人間が持つ感性を磨く教育の進め方についてのお尋ねです。 委員御指摘のとおり、今の子どもたちには、将来の社会人に求められる創造力とコミュニケーション力など感性を磨く教育の推進が重要であると考えます。 教育委員会といたしましては、美しいものや感動するものに触れさせる機会や多くの人との触れ合い、交流する機会などをつくること、また五感を通して感じることのできる体験活動を増やすことにより、子どもの感性を磨くことができると考えます。 具体的には、自然体験活動において学校では体験できない活動を行ったり、職場体験学習等では地域の一員としての自覚を深め、自分の可能性や将来について考える機会を設けたりします。また、異学年集団による縦割り活動や修学旅行等の校外学習におけるグループ活動、そして児童会・生徒会活動により、主体性やコミュニケーション力を育んだりしています。 あわせて、子どもの感性を磨くには、指導する教師の感性が豊かであることも重要です。教師は何事にもきめの細やかな態度を持ち、子どもの気持ちに寄り添い、発想力や想像力が高いことが求められます。各種研修会を通してそのような教師の育成にも努めてまいります。 今後とも、教育委員会といたしましては、子どもたちが様々な対象や事象からよさや美しさなどの価値や心情を感じ取り、感性を磨くには繰り返し体験することが有効であることから、学校教育活動の中で体験を重視していくことを働きかけてまいります。 次に、渋谷本町学園の成果の検証についてのお尋ねです。 渋谷区立小中一貫教育校、渋谷本町学園は、当時の学校教育の課題である学力の確実な定着、児童・生徒の生活習慣、社会性の育成、望ましい自己意識や規範意識の育成等を目的とし、平成二十四年四月に開校し、義務教育九年間を見通した教育活動に取り組んできました。 教育委員会といたしましては、渋谷本町学園の成果について、児童・生徒、保護者及び教員の意見を聞くことに加え、全国学力・学習状況調査等の結果を分析することで成果の検証を進めていきたいと考えています。 効果検証の時期につきましては、本年度中をめどに検証を進めてまいります。 また、本区の小中一貫教育の今後の展望については、渋谷本町学園の成果の検証や各地域の状況を踏まえ、進んで検討してまいります。 最後に、海での体験学習の代替施設についてのお尋ねです。 山中高原学園及び富山臨海学園については、長年にわたり区立学校の移動教室等に活用し、児童・生徒が自然や文化などに親しみ、人間関係を育んでまいりました。 昨年度、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、活動内容の充実、教員の指導力向上を図るため検討を行い、集団宿泊的行事を国立施設等で実施することといたしました。議員御指摘の海での体験学習の代替施設については、海水浴や地びき網体験、磯の生き物探し体験などのプログラムも充実している「国立妙高青少年自然の家」を考えています。 「河津さくらの里しぶや」については、海での自然体験が可能な施設であることから、各学校に利用施設の選択肢として示しているところです。 今後も区民の利用状況や施設の収容人数を考慮しまして、各学校に利用を促してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 三番一柳直宏議員。 ◆三番(一柳直宏) 区長並びに教育長、丁寧な御答弁ありがとうございました。 大分時間がたちましたので、所見を含めて三分で締めたいと思います。 まず、防災とまちづくりにつきましては、冒頭でも申し上げましたけれども、たとえ後手に回ろうとも、適宜対応策を進めることが重要であると考えています。そういった意味でも、答弁にありました、安全確保計画が成長型の計画として毎年度更新されるということや、安全と緑化の観点から敷地内緑化に力を入れられる方針である、さらにはブロック塀を生け垣に改修した場合の優遇的な助成を受けられる制度を検討するといった答弁、あと空き家対策については、危険除去に向けて建築課と住宅政策課とが横断的な連携によって積極的に対応する、また、まちづくりの視点を入れた復興計画の策定への検討など、どれも前向きな御答弁をいただき、ありがとうございます。 障がい者福祉については、社会とのつながりや生きがい、学びを通して元気高齢者支援を充実していくという生涯現役サポートセンターでの施策は、恐らくここにいる皆さんもそう遠くない将来、利用させていただくことになるということですから、さらに住みやすいまち渋谷が着々とつくられていくという施策の実行は期待が膨らむ限りです。 驚いたのは、七月開催のフォーラムで若年性認知症をテーマとして取り上げられたときが過去最高の参加者だったというお話ですが、これは潜在的需要が極めて高いということがうかがえますので、これからもさらに施策の強化をお願いしたいなと、こういうふうに思います。 また、障がい者雇用については、二〇二〇年東京パラリンピックでまさにここ渋谷は主要な舞台となるわけですから、是非とも牽引役となっていただきたい。そのためにも、ショートタイムジョブを初めとする雇用拡大への取り組みには期待をしております。 民泊についても、今回、民泊とマンスリーマンション、短期賃貸借をごちゃ混ぜにして質問をしてしまいましたが、区民にとっては無届けの民泊なのか短期賃貸借で入っているのか、区民からはわからないわけですから、それを相談に窓口へ来るということであれば、役所の窓口としてもですね、できれば先ほどと同じように、例えば保健所や生活衛生課や安全対策課の担当等、窓口が分かれているのではなくて、一つの窓口で各課横断的に対応していただいて、区民の不安の解消に役立てていただければなと期待をするところでございます。 あと、教育につきましては、私の質問が全部つながっているんだなということを実感いたしました。 AI時代に備えて感性を磨くためには、五感を通して感じる体験活動、多くの人との触れ合い、あとは教える側の教員の感性を磨くということの重要性というのが挙げられていましたけれども、その対応の具体策として、地びき網の体験とか磯の生き物探しなど自然を体験できる、まさに臨海学校を初めとする校外活動が必要であり、異学年交流というお話もありましたが、小中一貫教育の特徴でもあると思います。 その教員の感性を磨くのには、当然有給休暇が必要ですから、教員の働き方改革もさらに進めていただきたい、こういうことになると思います。 教育長、丁寧な御答弁ありがとうございました。 終わりを求められているようなので、締めに入らせていただきます。 今年は、二代目ハチ公が渋谷の駅前に座って七十年ということだそうです。ハチ公も目の前の町並みが移り変わっていくのを七十年間見ていて、さぞや驚いているんだろうな、こういう気がいたしますが、変わりゆくまち渋谷が次世代にとっても住みやすく、愛されるまちとなりますように、私たち渋谷区議会自由民主党議員団はこれからも区民の立場で、全力でよりよいまちづくりに邁進してまいりますことをお誓い申し上げ、私からの代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山高司) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後二時三十三分   再開 午後二時五十分----------------------------------- ○副議長(古川斗記男) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 十六番久永 薫議員。 ◆十六番(久永薫) 私は渋谷区議会公明党を代表して、長谷部区長、豊岡教育長に大きく七点にわたり質問をさせていただきます。 質問に入ります前に、一言申し述べたいと思います。 本年は大阪北部地震、西日本豪雨、そして北海道地震と激甚化した災害が相次いで続いております。犠牲に遭われた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。 今後、首都圏においてもゲリラ豪雨の被害は年々増加していくことと思います。さらに、熱中症による被害・死者数など過去には例を見ないほど拡大をしており、これまでの常識が通用しない時代となってきたのが現実です。 九月は防災月間です。待ったなしの防災・減災対策に取り組んでいくことが喫緊の課題であると思います。本日は、その意義も含めて代表質問をさせていただきます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず初めに、平成三十一年度の予算編成についてお尋ねをいたします。 平成三十一年度予算編成方針の通達をいただき、渋谷区の歳入は好景気傾向を背景に上昇基調にある一方、税制改正による区財政への影響は必至であり予断を許されない財政運営の中、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を理念として安全・安心の災害に強いまちづくり、保育園の待機児童解消に向けての取り組み、渋谷区子育てネウボラの構築を軸に子育て支援の拡充、超高齢化社会への備え等、スピード感を持って重点課題に取り組む予算編成を高く評価いたします。 また、平成三十一年度は新庁舎が開設し、渋谷区が新たな一歩を踏み出す大切な年にもなります。 そこで、新庁舎スタートの元年に当たり、基本構想が目指す二十年後の渋谷区を見据えて、区長の意気込みを伺います。 次に、子育て支援について二点お尋ねいたします。 まず初めに、「渋谷区子育てネウボラ」についてです。 我が会派は一貫して子育ての包括支援の構築を提案してまいりました。産後のお母さんから切なる声をいただき、育児支援ヘルパー派遣事業「にこにこママ」がスタート、そして産前産後ケアセンターが設置され、様々な制度へ広がり、子育てに寄り添った提案の一つ一つが実現しました。そして、平成二十七年度より子育て世代包括支援センター、渋谷区版ネウボラの提案をさせていただく中、「渋谷区子育てネウボラ」構築に向けての仕組みづくりがスタートしました。 渋谷区基本構想に掲げる「出産前から、子どもが成長した後に至るまで、子育てを切れ目なく支援する街」の実現のため、「渋谷区子育てネウボラ」の構築に向けて、施設整備を初めソフト面においても関係所管が連携強化を図りながら、切れ目のない子育て環境整備を着々と進めていただいております。 「渋谷区子育てネウボラ」は、母子健康包括支援センターを基盤として、区と関係機関、さらには地域が連携することで妊娠期から子育てと家庭の総合相談支援体制を一体的に実現し、何よりも、様々な子育ての悩みを気軽に相談できる施設となります。そして、育児不安や養育環境に問題を抱える家庭など適切に対応ができるのも「渋谷区子育てネウボラ」の重要な使命であり、大変期待をしております。 今年度は産前産後ケアに鋭意努力をいただいているところですが、まず産前産後のサポート機能のさらなる充実についてお伺いをいたします。 産後ケアについては、本年六月よりスタートした、産後の不安解消、うつ予防を目的として、休息が必要な産婦に助産施設等に宿泊をしてもらう「宿泊型産後ケア事業」が大好評であると伺っております。私たち公明党でも、今年の夏に行った百万人訪問アンケート調査の子育ての支援の御意見の中にも、多くの方から、「産後早期は心身の集中的なケアが必要であり、専門性を生かした支援が欲しい」等の声をいただきました。また、宿泊型産後ケアが実施され、喜びの声もたくさん届いております。 そこで、「宿泊型産後ケア事業」がスタートして三カ月ではありますが、利用状況等を含め、現在の運営状況を区長にお伺いいたします。 さらに、産後ケアについて、二〇一六年までの二年間の統計によると、妊産婦の死因は自殺がトップであり、産後鬱によりメンタルの悪化が指摘されています。 渋谷区においても、特定妊婦や外国籍の方を含め、出生率は年々増加傾向にあると伺っております。そこで、産後鬱の予防対策も含め、今後、妊産婦に対しての産前ケアをどのように考えているか、区長の御所見を伺います。 また、ネウボラの発祥地フィンランドでは、国が「生まれてくれてありがとう」と赤ちゃんを迎え入れるそうです。子どもが生まれたとき、そんな言葉を国から贈られたらどんな温かな気持ちになるでしょう。そして、生まれた子ども全員に、赤ちゃんの衣類やケア用品などを育児パッケージとして無料支給しています。これは、祝福と歓迎のシンボルであり、かつ産後に用意するものを示す教育的意義を持っています。 育児パッケージは、出産に際しフィンランド社会保険庁事務所から支給される母親手当の一つです。育児パッケージには所得制限はありませんが、ネウボラもしくは医療機関での妊婦健診の受診が必要です。また、このシステムは妊婦健診への動機づけとして効果的であり、現在ではほぼ全員が妊婦健診を受け、リスクの早期発見、早期予防に貢献をしています。また、妊産婦と乳幼児の死亡率も大きく改善をされているそうです。 日本でも、浦安市で浦安版育児パッケージ「こんにちはあかちゃんギフト」と呼ばれるものが導入をされています。母親は、妊娠後と出産後にケアプランを作成すればバッグを受けことができます。 あかちゃんギフトを始めてから、毎日十人から十五人の母親たちがケアプランをつくりに訪れているそうです。ギフトは母親たちに好評で、「まちでバッグを持っている人たちを見るのはもはや珍しいことではなくなってきている」とのことでした。特に問題やリスクを抱えている母親は、通常、担当者と会って話すことを嫌がるのですが、「このバッグのおかげでケアプランをつくりに来てくれたり、オープンに話すことができています」と、市の担当者もおっしゃっています。市にとってもまた、母親たちが実際どんな問題を抱えているのかを把握し、早い段階での支援の手を差し伸べるのに今回の制度が大変に役立っているそうです。 渋谷区では、公明党が提案をした、出産時の経済的負担の軽減を図り安心して出産ができるよう、出産した人に「ハッピーマザー出産助成金」が支給されています。「渋谷区子育てネウボラ」では、さらに妊娠期から切れ目のないサポートを拡充し、安心して出産、育児ができる環境づくりの一環として、ネウボラ面接を終了した妊婦に「育児パッケージ」をお届けしてはいかがでしょうか。その際は、渋谷区らしい、区民に喜んでもらえる「育児パッケージ」となるよう努力をしていただきたいと思います。 これは妊婦面接への動機づけとして大変効果的であり、さらにリスクの早期発見、早期予防につなげられ、個々の妊婦へ適切な対応もできると思います。区長の御所見を伺います。 次に、子育て支援の二点目は、二〇一九年十月にスタートする幼児教育無償化についてお尋ねをいたします。 二〇一七年末に閣議決定された新しい経済政策パッケージは、「全ての三歳から五歳児と住民税非課税世帯のゼロ歳から二歳児を対象に、幼稚園、認可保育所、認定こども園の費用を無償化する」と決定をいたしました。しかし、認可外の保育施設については様々な形態があり、無償化の開始時期も二段階で実施する予定でした。 御家庭によっては、認可保育所に入れないため認可外の保育施設に預けるケースもあります。公明党は無償化の対象を幅広くするよう要望をし、自治体の事務作業や消費税率引き上げの負担を軽減するため、無償化を「消費税率引き上げと同時に一斉実施」するよう提案をしてまいりました。そして、消費税率が一〇%に引き上げられる二〇一九年十月から幼児教育無償化の全面実施が決定をいたしました。 渋谷区はこれまでも子育て支援ナンバーワンと言われ、待機児童解消と保育の質の確保を全力で推進し、この二年間でも千四百九十六名の定員拡大を実施、また、保育料の軽減についても「二十三区で最も安い保育料である」と高く評価をされております。また、他自治体に先駆けて認可外にも対象を広げ、手厚いサポートを進めておりますが、いよいよ二〇一九年十月よりスタートする幼児教育無償化について、渋谷区においての今後の方向性を区長にお伺いをいたします。 次に、教育について三点お尋ねいたします。 まず一点目に、六月十八日に発生した大阪北部地震を受け、学校施設、通学路の安全点検の整備の進捗状況についてです。 冒頭にも述べましたが、本年は大阪北部地震、西日本豪雨、そして北海道地震と相次いで災害が続いております。特に大阪北部地震の際、ブロック塀が倒壊する痛ましい事故が起きました。犠牲になられた児童の御冥福をお祈りするとともに、二度とこのような痛ましい事故が起きないよう、再発防止に全力で努めることが必至であります。 このたびの災害を教訓に、子どもたちの安全・安心を守るため区内の全公立小中学校の施設及び通学路の緊急点検を行うよう、いち早く会派として区へ「学校施設・通学路の安全点検要望書」を提出いたしました。そして、要望書を提出後、区として瞬時に総点検を行っていただき、不適合箇所があると認められた場合等は早急な対応を検討していただいたと思います。 今回の緊急点検を通して安全対策が図られた整備状況について、区長に御所見を伺います。 二点目は、異常気象に対する学校施設における危機管理について、特に体育館の空調機器設置とウォータークーラーの設置について伺います。 各地で記録的な猛暑が続く中、熱中症による救急搬送が増加、文部科学省の調査によると、全国の小中学校の普通教室への空調(冷房)設置率は、二〇一七年四月現在で四九・六%、渋谷区は普通教室への空調設置は一〇〇%達成をしており、学習環境は適切に保たれております。しかし、昨今の異常気象に対する学校施設における危機管理については、様々な御意見をいただいているところでもあります。 その一つが、体育館の空調機器設置についてです。 渋谷区は今後、大規模改修の中で設置を進めていく方針ではありますが、昨今の例に見ない気象状況の中で、体育館の空調機器設置の必要性も高まっております。 また、体育館の空調機器設置の目的には二つの重要なポイントがあると思います。一つ目は、児童・生徒の安全確保のための設置、二つ目は、区立小中学校の体育館は災害時の避難所として活用するため、区民の災害時の健康管理のための設置。この二つの観点からも体育館の空調機器設置が緊急課題とされていると思いますが、教育長に御所見を伺います。 二点目は、ウォータークーラーの設置についてです。 昨今の激甚化する異常気象の変化により、熱中症のリスクが高くなっておりますが、特に子どもは大人に比べて体温も高く、新陳代謝が活発で熱中症を起こしやすいと言われております。学校現場でも小まめな水分補給は適切に行われていることは承知をしておりますが、児童・生徒が自主的により水分補給がしやすい環境づくりも必要であると思います。 ウォータークーラーの現在の設置状況と、導入されていない施設への今後の設置予定について教育長に御所見を伺います。 三点目は、小学校入学予定者に対する入学準備金支給前倒しについてです。 公明党の主張により、国が、所得の低い世帯に向けた「要保護児童生徒援助補助金」について入学前の支給を可能とする要綱改正を発表したのを受け、昨年の第三回定例会において我が会派の松山議員が代表質問をし、まずは所得や家庭の事情を把握しやすい中学校入学予定者について、平成三十年度入学予定者に対して本年三月に前倒し支給が実施されました。一方、小学校入学予定者については、「他自治体の支給対象者の把握方法などを参考にし、速やかに前倒し支給を行えるように検討していく」との答弁をいただいております。 学校教育のために家庭が支出する金額は、小中学校ともに一年生が最も多いと言われております。中学校入学予定者に続き、小学校入学予定者の就学援助、入学準備費用の入学前支給についても早急に実施をしていただきたいと思いますが、区長に御所見を伺います。 続いて、防災対策について二点お尋ねをいたします。 まず一点目は、災害時の情報伝達・避難誘導ツールについてです。 防災対策を考える視点の一つとして、様々な時間帯に発災することを想定し、それぞれに対応策を検討、準備をしておくことが必要です。特に、夜間発災を想定した情報の受発信、避難誘導、避難困難者の支援、そしてふだんからの夜間防災訓練を実施しておくことが大変重要であると思います。また、発災時には、障がいのある方や日本語が通じない方へのインフォメーションのための情報伝達ツールを活用することが必要です。 消防庁では、「外国人来訪者や障がい者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン」を策定し、公表をいたしました。ガイドラインでは、デジタルサイネージやスマートフォンアプリ等の活用などによる避難誘導等の多言語化、文字等による視覚化、障がいがある方への様々な特性に応じた対応や取り組みについて示しています。そして、各施設において取り組むことが望ましいものの一つとして、情報発信機器の多言語化、文字等の視覚化が挙げられています。 京都市の避難所での夜間防災訓練では、発光型掲示ボード、アンブルボードを使用した訓練が行われております。発光型掲示ボードは、夜間等、困難な被災環境にあっても大いに役立つ情報伝達ツールで、雨でもぬれない仕様になっています。このような情報伝達・避難誘導ツールは、実際に災害に遭った被災地の方々のアイデアが生かされており、より高い実用性が期待できます。 そこで、渋谷区においても、夜間時に大いに役立つ情報伝達・誘導ツールとして、また障がいのある方や日本語が通じない方とのコミュニケーションをとるためのツールとしても、発光型掲示ボードを避難所へ配備すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 防災の二点目に、自主避難施設開設の制度化についてです。 八月八日、台風十三号の接近に伴い渋谷川の水位が上昇し、災害等の危険性が高いと判断され、ひがし健康プラザと地域交流センター恵比寿の二カ所に自主避難施設が開設されました。 ここ数年、台風の大型化や局地的なゲリラ豪雨が発生し、渋谷区においても水害による被害が発生をしています。平成二十六年六月二十九日の局地的なゲリラ豪雨では、渋谷区内の各地域において道路の冠水、床上浸水、床下浸水、また半地下のガレージ浸水、地下店舗浸水等が百戸以上、また擁壁の崩壊なども数カ所で起こり、大規模な被害が発生をしております。今後もこのような水害が起こる可能性は高まり、想定外の被害に対する十分な備えが必要だと考えます。 平時から広く区民に周知をするため、自主避難施設開設を制度化していくべきと考えますが、今後の区としての方向性を踏まえて、区長の御所見を伺います。 次に、高齢者の健康についてお尋ねをいたします。 六十五歳からの肺炎予防である高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率向上についてです。 平成二十六年度より始まった肺炎球菌ワクチンの定期接種制度は、五年間で六十五歳以上の全人口をカバーする経過措置を設け、六十五歳以上の全ての対象者に接種の機会が平等に与えられ、平成三十年度までの期間は六十五歳、七十歳、七十五歳と、その後も五歳刻みで百歳の誕生日を迎える方が対象となりました。今年度の高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種対象期間は平成三十年四月一日から平成三十一年三月三十一日までとなり、期間内に接種しなかった場合は定期接種の対象とはなりません。そして、平成三十一年度からは接種日当日に六十五歳である方が対象となります。 肺炎は、日本人の死因第三位の疾患です。六十五歳を過ぎると、体力や抵抗力、免疫力が低下し、風邪などのちょっとしたことをきっかけに肺炎にかかってしまうことがあります。また、高齢者が肺炎にかかると急激に症状が進むこともあります。そのため、六十五歳以上の方に向け、肺炎とその予防啓発が大変重要であります。 国が報告をしている定期接種の接種率は、平成二十八年度は三七・八%にとどまっており、定期接種制度を利用していない人が多い状況です。渋谷区でも、受診率向上のために個別通知による受診勧奨を行ってきていますが、それでも経過措置の制度がわかりにくいため、「接種しようと思っていたが忘れてしまった」また「期間を逃してしまった」といった方や、「生涯一回であればいつでも好きなタイミングで助成が受けられる」と勘違いされている方が多く存在をしているそうです。 接種率の向上は、渋谷区の高齢者の健康寿命の延伸につながるだけではなく、渋谷区の医療費削減効果にもつながります。また、災害時における避難生活が長期化することで肺炎のリスクが高まることも指摘をされており、災害対策としても高い接種率を維持すべきではないかと思います。 本年度の定期接種期間も残り半年となりますので、接種できていない方へのもう一段階の啓発を考えてはいかがでしょうか、区長の御所見を伺います。 次に、渋谷区独自ボランティア制度についてお尋ねします。 いよいよ東京大会まで二年後と迫り、渋谷区においてもリアル観戦事業を初め渋谷区おもてなし講座等、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」らしい様々なプログラムを通して気運醸成の取り組みを実施をしていただいております。 本年五月より、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会へ向けて、渋谷区独自ボランティア制度の募集も始まりました。そして、九月からは都市ボランティア、大会ボランティアの募集も始まり、ボランティア保険の加入についても、ともに主体者側が負担をするということになっています。しかし、現在、渋谷区独自ボランティアは、個人でボランティア保険に加入して登録することになっております。今後、多くの方にボランティアに携わっていただくためにも、渋谷区も都市ボランティア、大会ボランティアと同様に、保険加入を主体者側が負担してはどうかと考えます。 保険加入についてどのようなお考えがあるか、区長の御所見を伺います。 最後に、所有者不明土地問題における住民票の除票についてお尋ねをいたします。 所有者不明土地は、相続が生じても登記がされないことなどを原因として発生し、空き家となり、管理の放置による環境悪化を招くほか、公共事業の用地買収、災害の復旧や復興事業の実施や民間の土地取引の際に所有者の探索に多大な時間と費用を要するなど、経済にも著しい損失を生じさせています。また、超高齢化社会が進展する中、所有者不明土地問題の解決は喫緊の課題となっております。 早くて来年の通常国会で施行される特措法は、所有者がわからない土地の増加に対応するため、転居や死亡により抹消された住民票の記録、除票の保存期間を現在の五年から百五十年に延長すべきとし、土地所有者の現住所をたどりやすくするのが目的とした改正案です。 住民票の除票には転居先の住所が示されており、自治体が公共事業の用地買収の際に、土地の登記簿上の住所から所有者の現住所をたどる場合などに活用されます。しかし、転出をしてから五年以上経過して除票が廃棄されていると、現住所を確認できないケースもあります。それが現状でもあります。 法令改正の動きも踏まえて、書類の保存期間については延長して保存していただきたいと思いますが、まずは施行までの期間、住民票の除票の保存についてのお考えを区長に伺います。 以上、大きく七点にわたり答弁をお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 渋谷区議会公明党、久永 薫議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、二〇一九年度予算編成についてのお尋ねです。 平成三十一年度予算編成方針については、先月、庁内に通知したところです。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を間近に控え、行政ニーズが多様化する中で、今年度末には新たなICT基盤を導入した新庁舎を開設させることになります。ICT技術を駆使して行政運営の機動性や効率性等を高めながら区民サービスの一層の向上を目指していくなど、議員の御発言のとおり、平成三十一年度は本区が新たな一歩を踏み出す年になります。 この区政の重要な局面を迎えるに当たり、私は、平成三十一年度予算を「未来を紡ぐ予算」と位置づけ、様々な政策が有機的に組み合わさって、糸を紡ぐように二十年後の未来をつくり上げていきたいという気持ちを込めています。 予算編成方針では、人づくりとまちづくりを重点課題とし、人づくりにおいては、これまでも貴会派から御提案をいただいていた「渋谷区子育てネウボラ」を軸に、未来をつくる子どもたちを喜びを感じながら育てていけるよう、切れ目のない子育て支援を充実させていきます。また、高齢者福祉サービス充実の一環として、超高齢社会への対応のため、生涯現役志向のもと、高齢者がみずからの生きがいを選び取れる環境の整備などにも重点を置いています。 一方、まちづくりにおいては、何よりもまず昨今の地震、台風などの大規模自然災害等により顕在化した課題を念頭に、誰もが安心して渋谷に住み続けられるよう、災害対策の総点検を改めて指示しているところです。 こうした諸課題を、時期を逸することなくスピード感を持って的確に対応していくための礎となるのが、中長期的視点に立った財政対応力の強化です。予算編成方針でも財政規律の維持に向けた取り組みを種々指示しておりますが、今後、本区においても大きな課題となる公共施設やインフラの老朽化対応等の将来負担を見据えた強固な財政基盤を構築していかなければなりません。 このように、二十一世紀半ばに差しかかる渋谷の将来の姿を見据えて、持続可能な行財政運営を堅持しつつ、成熟した国際都市の実現に向け、確かな道筋をつける施策を積極的に展開してまいります。 次に、「渋谷区子育てネウボラ」についてお答えします。 渋谷区では出生数の約六割が第一子となっており、核家族化に伴い、母子の孤立が懸念されています。産後の不安解消や産後鬱予防のため、平成三十年度は産後の支援の充実を図り、宿泊型産後ケア事業を開始しました。本事業を開始した六月から八月までの実績は二十一件で、今後も利用する人を含めた申請数は九月十三日現在、五十件となっていることからも、出産後も不安を抱える女性への支援の必要性の高さがうかがえます。 産前ケアは区としても重要だと考えており、平成二十六年十月より妊娠届にアンケートを追加し、心配なことや困ったことのある方への支援につなげており、今年度からは「パパ・ママ入門学級」にて、妊婦本人だけではなくパートナーに対しても、産後鬱の予防や早期発見につながるよう取り組みを始めております。 さらに、平成三十一年四月からは妊婦面接を充実させ、全ての妊婦の方とお会いすること、支援プランを作成するなど支援を強化してまいります。 議員御提案の育児パッケージは、ネウボラ発祥の地、フィンランドでも大変喜ばれている事業であり、区からの祝福を伝え、幸せな気持ちで赤ちゃんを迎えるための環境づくりの支援として有効と考えており、妊婦面接を受けた方にお届けできるよう前向きに検討してまいります。 また、実施の際は、渋谷区らしい、皆様に喜んでいただける育児パッケージとなるよう鋭意努力してまいります。 次に、幼児教育無償化についてのお尋ねです。 本区においては、子育て世代の経済的な負担軽減のため、これまで保育料の軽減や認証保育所の保育料の補助、認可外保育施設の保育料の補助など、幼児教育無償化に先行して様々な施策に取り組んでまいりました。幼児教育無償化については、詳細な内容が国から示されていない状況ですが、今後も国や東京都の施策との整合性を図りつつ、子育て世代の経済的な負担軽減に取り組んでまいります。 次に、学校施設、通学路の安全点検整備進捗状況についてのお尋ねです。 まず、大阪北部地震の際に、女子児童がブロック塀の下敷きになり亡くなるという大変痛ましい事故が起きました。心よりお悔やみ申し上げます。 本区としても、六月十八日に、区施設におけるブロック塀等の点検を行うよう各部署に指示しました。教育委員会はその指示を受けて、学校施設のブロック塀等の点検、加えて通学路の安全点検を速やかに実施しました。その結果、学校施設では危険箇所が六校あり、夏季休業中に工事を進めるように指示しました。 現在、神南小学校、広尾小学校、笹塚小学校の三校においては工事が終了しました。また、千駄谷小学校、代々木山谷小学校、代々木中学校の残り三校については、学校運営への支障が最小限となるよう、慎重かつ速やかに工事を進めています。完了時期ですが、代々木中学校においては十月末を目途に、千駄谷小学校、代々木山谷小学校においては十一月末を目途にしています。 一方、通学路についてですが、現在、九月末までを目途にブロック塀の危険性の有無及び防犯の両面から点検を実施しています。通学路には民有地も多く、適切な維持管理をお願いすることとなりますが、チェックポイントや点検等の相談先など必要な案内も行っています。 引き続き、教育委員会には児童・生徒の登下校時の安全指導について指示をしています。 次に、小学校入学予定者に対する入学準備金支給前倒しについてのお尋ねです。 これまでも、小中学校入学の際に多額のお金が必要なため、入学準備金支給前倒しの要望は多く寄せられてきました。中学校入学予定者については所得や家庭の事情を把握しやすいことから、平成三十年度入学予定者より前倒し支給を行いました。 小学校入学予定者についても、所得や家庭の事情、支給対象者の把握方法のめどがついたことから、平成三十一年度入学予定者に対し、今年度の三月に前倒し支給を実施するための準備を進めたいと考えています。 次に、災害時の情報伝達・避難誘導ツールについてのお尋ねです。 災害時の避難所では、地域の災害状況や、水、食料、生活用品の配布方法等、情報伝達のためのツールの確保が不可欠です。また、夜間時の避難では停電している場合も考えられ、避難所までの安全な誘導が重要なポイントとなります。 議員御提案の発光型掲示ボードは、蓄電式のLEDにより手書き文字が発色し、首や肩から提げて持ち運びができる携帯ボードで、夜間や照明の少ない場所での案内板としても有効なツールと考えられます。 避難所には、乳幼児からお年寄り、障がいのある人や日本語の通じない人など、様々な人が集まります。情報伝達の方法も、音声による伝達やホワイトボードの活用、張り紙など、視覚障がい者や聴覚障がいのある人にも情報が伝わるよう対応策を講じているところです。発光型掲示ボードは、特に聴覚障がいのある方へ安心をもたらす情報伝達ツールと思います。まずは夜間開設訓練での試用を検討し、実効性を検証してまいりたいと考えます。 次に、自主避難施設開設の制度化についてのお尋ねです。 台風やゲリラ豪雨など、昨今の浸水被害は国内でも甚大な被害をもたらしています。本区においても、浸水被害の対策として、区民の皆様の避難に役立てていただく渋谷区洪水ハザードマップを作成しているところです。 議員の御指摘のとおり、昨今の異常気象による台風や豪雨による浸水被害には、万全な危機管理が必要であると考えます。本年八月に発生した台風十三号は勢力が大きく、真夜中の都心に上陸する予報であったことから、臨時的な対応として本区としては初めて、渋谷川の氾濫に備え、渋谷川付近に自主避難施設を二カ所開設いたしました。 今回、臨時的に開設した自主避難施設の制度化については、自主避難施設の位置づけや課題等を検証した上で、地域防災計画に反映していきたいと考えています。 次に、高齢者の健康についてのお尋ねにお答えいたします。 渋谷区は国に先駆け、平成二十年度より高齢者肺炎球菌予防接種に対して独自に接種費用の全額助成を開始しており、平成二十六年十月に法に基づき定期接種化された以降は、対象者に個別通知を行うなど接種率向上に努めてきました。 平成二十九年度の渋谷区の接種率は五五・六%であり、平成二十八年度の国の接種率の三七・八%、都の三一・七%と比較してかなり高い接種率となっています。来年度は個別通知や、四月と二月の年二回の区ニュースへの掲載に加え、地域包括支援センターやはつらつセンター敬老館などに接種勧奨のポスターの掲示等を行うなど、ピンポイントの取り組みも検討し、高い接種率を維持してまいります。 次に、東京二〇二〇大会における渋谷区独自ボランティアの保険加入のお尋ねです。 渋谷区独自ボランティアは、東京二〇二〇大会時に渋谷区ならではのおもてなしや観光案内などを行うために、本年五月から募集を開始しています。活動時の保険につきましては、登録の際に各自でボランティア保険などに加入していただいています。 議員からお話のあったとおり、今月から募集を開始する大会ボランティアと都市ボランティアについては、その募集要項で、大会組織委員会と東京都がそれぞれ保険料を負担することとなりました。渋谷区においてもこうした動向を考慮するとともに、独自ボランティアへより多くの皆様が安心して参加し、活動していただくために、保険料の負担について前向きに検討してまいります。 次に、所有者不明土地問題における住民票の除票についてのお尋ねです。 近年、家族形態の変化に伴う、所有者が直ちに判明しない、または所有者に連絡のとれない、いわゆる所有者不明土地の問題は、早急な対策を必要とする課題です。 この問題の解決には、所有者の名前、住所の情報の把握が必要となることから、総務省では、住民生活のグローバル化や家族形態の変化に対応する住民基本台帳制度等のあり方に関する研究会を立ち上げました。この研究会では、所有者の住所等の情報をさかのぼって把握できるように、住民票等の除票の保存期間の延長や、これに伴う対応策について検討を重ね、住民票等の除票の保存期間を五年から百五十年に延長することなどを骨子とした最終報告を本年八月に発表しました。 総務省では、これに基づき、早期の法制化に着手したところです。 法改正に先立ち、現在、保存期間が到来している除票の保存期間を延長する考えはあるかとの御質問ですが、法務省の制度設計の内容の詳細が明らかでなく、また、制度改正に伴う個人情報の保護についての検討も必要になります。国や他区の動向も踏まえ、区として適切に対応を進めてまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、教育について一点のお尋ねがありました。 まず、体育館の空調機器の設置ですが、既存の体育館に設置することは、冷房効率を含めた費用対効果、設備状況を初めとした構造上の観点を考慮する必要があり、これまでは大規模改修あるいは建替えの際に検討することとしてきました。 しかしながら、今年の夏は気象庁も「命の危険がある暑さ。一つの災害として認識している」と発表したように、記録的な猛暑となっております。来年以降もこの暑さがないとは言えません。そのため、議員御指摘の体育館への冷房設置は、安全性の確保や健康管理という視点に立たなければならない状況であると認識をしております。 一方で、コスト面とともに、屋内競技によっては風の影響を受けるなどの課題があることも考慮しつつ、今後は補助金の活用を視野に入れ、工事を所管する財務部施設整備課と緊密に連携、協力しながら検討してまいります。 次に、ウォータークーラーの設置に関してですが、熱中症対策の方策の一つとして検討すべきものと考えています。 現在、ウォータークーラーについては、学校によって設置数にばらつきがあり、今後も学校と協議して整備してまいります。 以上、私からの答弁とさせていただきます。
    ○副議長(古川斗記男) 十六番久永 薫議員。 ◆十六番(久永薫) ただいま、区長、教育長より大変丁寧な御答弁をいただきました。ありがとうございました。 少しだけ所感を述べさせていただきたいと思います。 まず、「渋谷区子育てネウボラ」についてですけれども、産前ケア、来年から妊婦面接を充実させていただき、何よりも全ての妊婦の方への支援を強化いただけるということで、一番不安を抱えている妊婦期のサポートを手厚くしていただけるということで、大変安心をいたしました。 さらに、祝福と歓迎のシンボルとなる渋谷区らしい育児パッケージについても、是非皆様に喜んでいただけるものを御検討いただきたいなと思います。渋谷区らしいすてきな、歓迎のシンボルとなるようなものにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それと、あと学校施設、通学路の安全点検について御答弁をいただきました。 大変迅速に御対応いただき、またかつ通学路に関してもですね、民有地との連携を図りながら適切な対応をいただいているとのことで、大変安心をいたしました。いつ起こるかわからない、本当に激甚化した災害に対して、本当に子どもたちの命を守るために今後も是非是非安全対策、継続的に行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 また、小学校入学予定者に対する入学準備金支給前倒しについて、今年の三月より、小学校の入学予定者に対する前倒しを前向きに進めていただけるとの御答弁をいただきました。ありがとうございました。 本当に、特に一年生の入学準備には一番費用がかかるため、家庭の経済負担の軽減が図られることは大変喜ばしいことでもあり、大変助かる対応であると思いますので、よろしくお願いいたします。 防災についてですけれども、先ほど情報発信、また避難誘導ツールに関しても、発光型掲示ボードは特に、答弁の中でもいただきましたが、聴覚障がい者の方には大変適切なツールであると私も思っております。是非検証していただいて導入をいただければ、障がいのある方、また日本語が伝わらない方に関しても大変有効であると思いますので、よろしくお願いいたします。 そして、自主避難施設の開設の制度化についてですけれども、今後さらに激甚化が予想される災害に備えて、是非とも地域防災計画に反映させていただいて、さらに制度化に向けて体制を整えていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 あとは、最後に教育長から御答弁をいただきました学校施設の緊急対応についてですけれども、本当に今年の夏は大変暑い夏でありましたし、もうそれも全部教育長のほうからの御答弁にもありましたけれども、様々、本当に子どもたちの健康と、また安全管理のために早急に御対応を、少しずつでも早く進めていただければと思います。 また、ウォータークーラーに関しても、学校に設置されていないところはもう是非早急に対応していただきたいと切にお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、私ども公明党は、常に立党の原点に立ち、これからも区民の皆様と行政を結ぶパイプ役となり、区政発展のために誠心誠意働いてまいりたいと思っております。そして、一人の声を大切に、区民の皆様のために日々精進してまいることをお誓いして、私の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(古川斗記男) 二十二番田中正也議員。 ◆二十二番(田中正也) 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。 九月六日の北海道胆振地方を震源とした最大震度七の地震によって四十一人が犠牲となり、いまだに千人以上が避難生活を送られています。今年は大阪北部地震、西日本豪雨災害、台風被害、猛暑と日本列島を立て続けに災害が襲いました。改めて、お亡くなりになられた方に心から哀悼の意を表すとともに、被災された皆さんにはお見舞いを申し上げます。 質問のまず最初は、区民にかかわる国政問題についてです。 まず、憲法九条を守ることについて。 安倍首相は秋の臨時国会にも自民党改憲案を提案、国会での発議を目指すなど改憲に執念を燃やしています。 首相の改憲案は、戦争法によって集団的自衛権の行使や海外での武力行使が可能となった自衛隊を憲法に明記し、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否定を定めた憲法九条二項を空文化し、自衛隊の海外での武力行使を可能にするものです。問われているのは、災害救助のために命をかける自衛隊員をアメリカが起こす戦争に「自衛」の名で参加させ、殺し、殺される戦場に送るか否かです。 「安倍改憲NO! 三千万人署名」は四月末現在、全国で千三百五十万人を超え、渋谷でも、政治的立場の違いを超えて結集している「安倍改憲NO! 市民アクション」の九月十四日の笹塚駅前宣伝には五十人が参加、幡ヶ谷・本町地域でも「私たちの手で戦争法廃止を! このまち行動」がこの三年間、毎月草の根の宣伝活動に取り組んでいます。 今、平和国家としての歩みを続けるか戦争をする国に変えるか、重大な分岐点を迎えています。常々「平和は大事」と表明している区長として、戦争する国へと道を開く安倍改憲に明確に反対すべきです。区長の所見を伺います。 次に、核兵器廃絶についてです。 被爆者などによる核兵器廃絶の訴えが世界を動かし、昨年七月、国連で人類史上初めて核兵器を違法化する「核兵器禁止条約」が採択され、現在六十カ国が署名、批准は十四カ国に広がっています。ところが、安倍首相は核抑止力論の立場に固執し、今年の広島、長崎の原爆記念式典の挨拶でも「核兵器禁止条約」に一言も触れず、被爆者との懇談では「この条約は有害」とまで述べ、どこの国の首相かと厳しい批判を浴びました。 一方、朝鮮半島で生まれている平和の激動は、対話と信頼の醸成こそ平和を実現する最も重要な力であることを示しました。今こそ核による抑止の考え方は改めるべきです。 日本は唯一の戦争被爆国であり、憲法九条を持つ国の政府として「核兵器禁止条約」に署名し、世界の核兵器廃絶の世論と運動の先頭に立ち、対話と信頼によって平和を実現する積極的な外交へと転換すべきです。 区長は、核兵器廃絶を求める区民の声を代表して、政府に対して「核兵器禁止条約」への署名を求めるべきです。所見を伺います。 平和首長会議は、全ての国に「核兵器禁止条約」の署名を呼びかけています。九月現在、「ヒバクシャ国際署名」に署名した首長は既に全自治体の六五%、千百五十五人に広がり、二十三区内でも新宿、中野、杉並、世田谷など八区長が署名しています。区長も平和首長会議のメンバーとして「ヒバクシャ国際署名」に署名し、渋谷から世界に核兵器廃絶を発信すべきです。所見を伺います。 今年の原爆記念式典広島では、広島市の小学五年生が「七十三年前の事実を、被爆者の思いを、私たちが学んで心に感じたことを伝える伝承者になります」と力強く宣誓しました。核兵器の非人道性を次世代に継承するために、毎年小中学生を中心とした広島、長崎への平和使節団を派遣して平和教育を推進すべきです。庁舎を初め区有施設での区主催の原爆写真展を開催すべきです。区長の所見を伺います。 次に、二〇一九年度予算編成方針について、まず防災対策についてです。 今年の一連の自然災害では多くの犠牲者が出ましたが、改めて、命を守ることを何よりも大切にした予防重視の防災対策の重要性を痛感しました。首都直下地震や南海トラフ地震の確率は、それぞれ今後三十年以内に七〇から八〇%とされており、専門家は明日起きてもおかしくないと警鐘を鳴らしています。 命を守る上で、建物の耐震化は待ったなしです。我が党区議団は、阪神・淡路大震災などの教訓から住宅耐震化の促進を提案してきましたが、区は十分な制度改善や積極的な促進はしていません。住宅の耐震化を急速に進めるためには、区の責任を明確にして「渋谷区耐震改修促進計画平成二十八年度版」でも指摘をしている助成額の引き上げ、所有者要件の一層の緩和、非木造住宅や木造アパートへの対象拡大などは直ちに実施するとともに、対象者に積極的に勧奨すべきです。また、火災や倒壊による大きな被害が想定される雑居ビルを総点検すべきです。区長の所見を伺います。 また、区内には渋谷駅を中心とした超高層ビルや中高層ビルが数多くありますが、今の地域防災計画は、マグニチュード九を超えるような南海トラフ巨大地震は想定していません。南海トラフ巨大地震を想定した長周期地震動対策に見直すべきです。また、電車や高速道路など交通網への影響や被害なども調査し、対策を講じるべきです。 近年、想定を超える豪雨による被害が増え、一時間に百ミリを超える豪雨も発生しています。現在の防災計画の想定最大降水量、一時間七十五ミリを引き上げ、地下街への浸水も想定した水防対策に改めるべきです。 また、災害とも言える猛暑と熱中症対策も新たに防災計画に加えるべきです。 以上、南海トラフ巨大地震、豪雨災害、猛暑対策などについて都に対して防災計画の見直しを求めるとともに、区としても独自に対策を講じるべきです。区長の所見を伺います。 また、高齢者、障がい者など要援護者一人一人の状態にふさわしい避難計画を策定するとともに、福祉避難場所の整備と備蓄、訓練などを区が実態をつかみ、責任を持って進めるべきです。区長に所見を伺います。 次に、暮らし、福祉最優先の税金の使い方についてです。 区民の暮らしはますます大変です。実際、安倍政権のもとで大企業や大株主は大もうけし、昨年度の資本金十億円以上の大企業の内部留保は四百二十五兆円に増えた一方、労働者の賃金は五万四千円も減り、二人以上世帯の実質可処分所得は五年間で一万三千円以上減少しています。年金削減と負担増によって、高齢者の貯蓄なし世帯は高齢者世帯の一六%にも達しています。生活保護費も、今年十月からの引き下げが実施されれば二〇一三年の削減と合わせて一五%近くの引き下げとなります。 党区議団のくらし・区政についてのアンケート二〇一八中間報告では、七三%以上が「生活が苦しい」「苦しくなった」と答えており、悲痛な声がたくさん寄せられています。 ところが、長谷部区長はこの間、生活保護の夏、冬の見舞金の廃止、区型介護サービスや障がい者の福祉タクシー券の削減など福祉を次々と削り、国保料、介護保険料などの負担増を押しつけてきました。今定例会には都市整備基金に六十億円を積み増す補正予算を提案していますが、ため込み総額は九百二十二億円となり、この三年間だけで二百八十八億円も増やすことになります。その財源は福祉切り捨てと負担増によるものであり、区民の切実な願いには背を向けてため込んだものです。 党区議団のアンケートには「区が発展していくのは大事なことだと思いますが、福祉、暮らし最優先の上に成り立つからだと思います」との声が届いており、自治体本来の役割を取り戻すことを求めています。 区民の暮らしを守るために、税金の使い方を暮らし、福祉最優先に切りかえ、ため込んだ基金も活用すべきです。区長の所見を伺います。 次に、受益者負担と民間資金、民間活力の活用方針についてです。 区長は来年度予算編成方針で、行財政改革の効率化と共助社会を実現するとして区の責任を後退させ、受益者負担の名で使用料、手数料の引き上げを検討、さらに、施設の整備や運営管理では民間資金の活用や民間委託を進める方針を示しました。この方針は、財界の要求で、世界で一番企業が活躍しやすい国を標榜し、大企業には大型開発や減税、規制緩和、公共サービスの市場化でもうけの場を拡大する一方、国民には消費税増税や社会保障の切り捨てなどで格差と貧困を拡大したアベノミクスを区政の場に持ち込むものです。 実際、日本経団連は「大都市はグローバルシティへと、競争力を高めるために、都市インフラの整備では成長の基盤として不可欠なものに選択と集中を進め、官民の連携のもと重点的、効率的に整備し、財政負担を極力抑えつつ、PFI、PPPの積極的な活用を」と提言しているとおり、区長の方針は財界の要求に沿って区政を大企業のもうけの場に変え、福祉、暮らしを守る自治体の役割を投げ出すもので、認められません。 まず、受益者負担ですが、この考えは応益負担につながるもので、負担能力のない区民を行政サービスから排除するものです。 かつて政府が、障害者自立支援法によって障がい福祉サービスに応益負担の原則を導入したとき、「障がいが重いほど負担が重くなる制度は生存権の否定だ」と当事者が立ち上がり、政府も自立支援法廃止の基本合意を締結しました。 受益者負担は、低所得者や高齢者、障がい者など支援が必要な区民ほど負担が重くなるもので、社会保障の理念に逆行します。受益者負担の方針は撤回して、区民施設などの使用料、福祉サービスの利用料などの負担増はやめるべきです。区長の所見を伺います。 次に、公的サービスや施設の民間委託、民間資金の活用ですが、この手法は営利企業のもうけが最優先で区民福祉の増進は二の次となり、利用料の値上げや不採算による突然の撤退、区民の声が届きにくいなど、全国的に深刻な事態が発生しています。 窓口の業務委託を進めてきた豊島区では、個人情報である実際の戸籍証明書類や過去の自治体データを委託業者の社員研修に使わせるなど不適切な事態が発生、区の職員と事業者が処分されています。また、指定管理を直営に戻した図書館は十二県十四館に上り、民間委託の導入を推進してきた総務省でさえ、「業務の専門性、地域のニーズへの対応、持続的、継続的運営の観点から各施設の機能が十分果たせない」との自治体の意見で、図書館、博物館、公民館、児童館では民間委託の推進を見送り、窓口業務も検討せざるを得なくなっているのです。 区民サービスの低下をもたらし、区民の声が届かず、一部の民間企業のもうけに奉仕する民間資金の活用手法や民間委託はやめるべきです。区長の所見を伺います。 次に、山中高原学園と富山臨海学園についてです。 区は、自然に親しみ集団生活や宿泊を通じて学習活動を充実・発展させ、教師と児童・生徒相互間の触れ合いの場を提供する施設であり、貴重な社会教育の場である山中高原学園と富山臨海学園を廃止し、校外学習は民間等の施設で実施しようとしています。 区は施設の老朽化も理由にしていますが、建替えの費用や維持費の削減のために区の直営施設を廃止することは、区が本来責任を負うべき子どもたちの豊かな人格の完成という公教育の役割を投げ出し、社会教育の場を奪うものであり、到底認められません。また、区独自の施設でないため、安定的に校外学習の場が確保される保証もありません。 不登校だった青年から「日ごろ学校には行けなくても、富山臨海学園や山中高原学園は楽しみで参加できた。仲間とのかけがえのない思い出になっている。廃止しないで」と話しています。 財政削減のために子どもの教育を犠牲にすることは許せません。山中高原学園と富山臨海学園は存続し、直営で運営すべきです。教育長に所見を伺います。 次に、区庁舎建替えについてです。 この事業は、庁舎の土地の三分の一を三井不動産レジデンシャルに七十七年間、権利金二百十一億円で定期借地し、三井はこの借地に三十九階の分譲マンションを建設して、もうけを上げる見返りに庁舎と公会堂を建ててもらう民間活力の活用手法で進められています。 党区議団は、この事業手法は区民の財産である庁舎の土地を一民間企業のもうけのために差し出すこと、区民サービスの拠点である庁舎の建設にもかかわらず、計画、資金の全容も明らかにされず、区民の声が届かない手法だと厳しく指摘してきました。区民の土地で庁舎などを建設するのですから、区長が庁舎、公会堂や分譲マンションの建設費などの総事業費、分譲で三井不動産レジデンシャルが得る利益など資金計画を明らかにしなければ、議会や区民はこの契約が適正か否かチェックすることができません。実際、分譲マンションの価格は最低八千万円以上と言われており、三井不動産レジデンシャルは区民の土地で莫大な利益を手にすることになります。 区長はこれまで「民間事業者の資金計画に関与したり説明する立場にない」と答弁してきましたが、区民の財産の処分について区民がチェックできるようにすることは区長の責務です。改めて庁舎、公会堂、分譲マンションの建設費などの総事業費、分譲で三井不動産レジデンシャルが得る利益などの資金計画を明らかにすべきです。区長の答弁を求めます。 次に、宮下公園整備事業についてです。 この事業は、宮下公園を三十四年八カ月定期借地した三井不動産が三階建ての巨大商業施設と十八階建てのホテルを建てて大もうけをする見返りに、商業施設の屋上に整備した公園を区が譲り受けるという計画です。 我が党区議団は、大企業のもうけのために、貴重な憩いの場であり防災空間である宮下公園の都市公園としての機能が損なわれ、区民不在で進められているとして、大企業のもうけのために区民の財産を差し出すべきでないと反対してきました。第二回定例会では、我が党区議団独自の不動産鑑定士による鑑定評価をもとに、この事業用定期借地契約が適正な価格より百九十億円以上安いことや、値引きの手法も明らかにして、区長に再鑑定を求めました。しかし区長は、異常な安値の原因も説明せずに再鑑定を拒否しています。 そこで、改めて区長に伺います。 第一に、この借地契約は昨年六月二十二日に締結していますが、区が行った不動産鑑定はその二年前です。この間に路線価等が二五%も値上がりしているのに、再鑑定を行っていません。区民の財産を定期借地するのですから、契約直前の路線価を調査することが区長に求められていました。区長はこの路線価の高騰を知っていたのですか、伺います。 第二に、ホテル建設は当初の三井不動産の提案のときから前提だったのに、正式な鑑定をしていません。区独自の試算で三十億三千万円としましたが、専門家は六十億以上の価値があると指摘しています。契約前にはホテル建設は可能となっており、ホテル部分を含めて再鑑定をする必要がありました。区長は、契約前にホテル建設が可能となったことを知っていたのですか、伺います。 第三に、建物管理費については異常な水増しが行われています。区の採用した鑑定では、建物賃料は坪単価三万円に対し建物管理費は坪単価一万円と、管理費が賃料の三分の一という常識では考えられない高額な管理料を採用しています。区長は賃料の三割に及ぶ管理料は異常だと考えないのですか、伺います。 結局、当初、三井不動産が提案した二百三十五億二千百万円という地代先にありきで、様々な手法を用いて値引きをしたのではないですか。地方自治法第二百三十七条二項では、「地方自治体の財産を適正な対価なくして処分してはならない」と定めており、適正な価格とは、最高裁は市場価格、時価としています。区民からは「異常な安値での契約は違法ではないか」「三井不動産のもうけを増やすための値引きではないか」との住民監査請求が出されており、「区の資産を不透明な形で私企業に使わせるのはおかしい」など、区の責任を問う声が多数寄せられています。 区長はなぜ契約前にこの事業用定期借地契約について再鑑定をしなかったのですか、その理由を伺います。直ちに再鑑定して議会と区民に明らかにすべきです。区長の所見を伺います。 次に、議会に対して正確、公正な情報を報告していない問題です。 地方自治法第九十六条一項六号は、適正な対価なくして処分するときは議会の議決を要すると規定していますが、議会に正確、公正な情報を示すことが前提です。しかし、この契約については、鑑定時から契約時までの間に路線価が二五%も高騰していることや、ホテル部分を不動産鑑定しなかった理由、区が行ったホテル部分の具体的な評価方法、通常より高い建物管理費の理由など、市場価格に比べて大幅な安値の原因とその必要性については議会には何ら報告しておらず、地方自治法に基づく議決を経ているとは言えません。また、この事業については、総事業費と三井不動産の利益など、資金計画の全容についても明らかにしていません。 区長はなぜこれらの点について議会や区民に知らせなかったのか伺います。 宮下公園整備事業の総事業費と三井不動産の利益など、資金計画を明らかにすべきです。区長に伺います。 地方自治法が公共資産の適正な価格での処分を求めているのは、市場価格によらない処分を許せば、その自治体に多大な損害を生じるおそれがあること、また、特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられることを防ぐためだとされています。 宮下公園整備事業は民間の事業だからと、事業に関する正確な情報も区民や議会に明らかにせず、定期借地料を百九十億円以上値引きして区民に多大な損害を与え、行政をゆがめている点で、明らかに地方自治法に違反しています。区民からは「区の財産を一握りの大企業の勝手にさせてはならない」と厳しい批判が寄せられています。 宮下公園の事業用定期借地契約は解除し、区民参加で契約を見直すべきです。区長に所見を伺います。 次に、国民健康保険についてです。 国保料の引き下げについてです。 今年度の国保料は、一人当たり平均六千百四十一円の値上げで、年収四百万円の四十代の夫婦と子ども二人世帯の保険料は四十九万百二円となり、一・五カ月分の給料が国保料で消えてなくなるほど高く、負担の限界を超えています。今年の国保料通知が届いた六月二十一日から二週間で、窓口には三千四百七十件もの苦情、問い合わせが殺到しました。党区議団のアンケートには、「国保料が重く感じる」「やや重く感じる」が八八%と圧倒的で、区民の悲鳴が上がっています。 国保制度は命の平等を実現するために、社会保障としての国民皆保険制度の根幹としての役割を担っています。加入者の多くは非正規雇用労働者や失業者、中小業者などで、経済的に弱い立場に置かれていることからも、国と自治体の財政負担なしには成り立ちません。事業者負担のある協会けんぽなどに比べて異常に高額な保険料は許されません。 区長は「国保加入者以外の区民にも負担をかけることになるので、一般財源から国保会計への法定外繰り入れを段階的に縮小する」と答弁しましたが、重大問題です。つまり、国保加入者に対して税金を使うことを否定しているんです。この考えに立てば、国保加入者の負担能力を無視して際限なく国保料が上がっていくことになります。日本国憲法は、負担能力に応じて税金を支払い、これを財源に全ての国民に生存権を保障することを求めています。国保への一般財源の繰り入れを否定することは、社会保障制度の根幹を否定するものです。 区長、国保制度が区民の生存権を守るための社会保障制度だという認識はあるのですか、伺います。 区は、今年度の一般会計から国保会計への繰り入れを昨年度から三億七千八百万円も減額したために、保険料の大幅な値上げとなりました。昨年度並みに繰り入れれば保険料を引き下げることも可能でした。千代田区では、一般会計から国保会計へ法定外繰り入れを前年度並みにしたことで、保険料を値下げしています。今からでも法定外繰り入れを前年度並みに戻して、国保料を引き下げるべきです。また、国保への法定外繰り入れの段階的縮小の考えは撤回すべきです。区長の所見を伺います。 これだけ国保料が高額になったのは、国が一九八四年以来、国保財政に対する負担を減らし続けてきたためです。区長会任せにせず、区独自にも国に対して国保への負担を増やすよう求めるべきです。区長の所見を伺います。 第三子以降の均等割無料化についてです。   〔「第二子」の声あり〕 ◆二十二番(田中正也) 第二子以降の均等割無料化についてです。 国保制度では、子ども一人一人に均等割が課されるため、多子世帯ほど保険料が重くなります。子どもの均等割負担は子育て支援にも逆行しています。 そもそも所得にかかわりなく負担を強いる均等割は、応能負担を原則とする民主的税制度に反しており、被用者保険にはありません。だからこそ二十三区長会も全国知事会も均等割軽減を要望しており、政府も検討すると言わざるを得なくなっています。都内では、東大和市の第三子以降の均等割無料に続き、清瀬市が今年度から、前年の所得が三百万円以下で十八歳未満の子が二人以上いる世帯に対し、第二子以降の均等割保険料を最大で五割軽減する措置を始めています。 党区議団は第一回定例会で、十八歳以下の第三子以下の均等割を無料にする条例提案を行いました。渋谷区でも子どもの均等割軽減を国や都待ちにせず、率先して実施すべきと考えますが、区長の見解を伺います。 また、低所得世帯に対する申請減免制度を広く周知するとともに、対象となる所得基準を現在の生活保護基準の一・一五倍から引き上げるべきです。区長の所見を伺います。 国保の徴収強化についてです。 区長は来年度予算編成方針で、国民健康保険料等について積極的な徴収努力をすると明言しましたが、日本国憲法のもとでは生活費非課税、応能負担が原則であり、国税通則法は生活費に当たる給与や年金は差し押さえを禁止しています。国保料の滞納請求は基本的人権と生存権を尊重し、国税通則法に違反する差し押さえはやるべきではありません。区長の所見を伺います。 次に、誰もが安心できる介護保障、高齢者福祉についてです。 安倍政権のもとで介護保険制度が次々改悪され、給付抑制と負担増が繰り返される中で、介護離職者が昨年も約十万人に及ぶなど制度崩壊の危機に瀕しています。今年八月から一定所得以上の利用料が三割に引き上げられたため、渋谷区では千五百九十八人が三割負担となり、二割負担と合わせると二四%もの高齢者が重い負担に苦しんでいます。今こそ高齢者の尊厳を守り、誰もが安心できる介護保障、高齢者福祉が求められています。 まず、緩和サービスAについて伺います。 渋谷区では総合事業によって、要支援者の生活援助の訪問介護と通所介護については短時間の講習を受けた無資格者に担わせ、報酬も国基準より二から三割低い緩和したサービスAを実施していますが、深刻な矛盾に直面しています。昨年度の緩和サービスAの月平均の利用者見込みは二千八十九人もいますが、ほとんどは資格のあるヘルパーが安い単価で担っているため、事業所とヘルパーに大きな負担が押しつけられています。区内の事業所から「総合事業をやむを得ず受けているが、二から三割の減収になっている」との声が上がっており、廃業に追い込まれる事業者も出ています。 そもそも要支援者の生活援助は、利用者の状態の変化を生活援助を通して見きわめ、必要なサービスにつなげるための専門的な知識と経験が必要です。それは介護の重度化を防ぎ、自立した生活を維持することで高齢者の尊厳を保ち、介護給付費の抑制にもつながります。逆に、緩和サービスAでは重度化と介護財政の悪化につながります。だからこそ、港区を初め、全国では多くの自治体で国基準の単価を維持しているのです。 緩和サービスAはやめて、要支援者の生活援助と通所介護も国基準の単価にすべきです。区長の所見を伺います。 介護事業所で最も切実な要求である介護人材の確保に向けて、国に対して、介護報酬とは別枠で直接賃金の引き上げにつながる処遇改善交付金を求めるべきです。区としても介護事業所に対する処遇改善助成や宿舎借り上げ交付金を創設すべきです。区長の所見を伺います。 次に、特別養護老人ホームの増設についてです。 特別養護老人ホームの待機者は、今年九月でも四百九人と依然深刻です。区は、二〇二〇年度に高齢者ケアセンター跡地複合施設に八十四床の特養を整備する計画ですが、何年待っても入れない深刻な事態は改善されません。 アンケートには「九十四歳の母が現在、老健に入所していますが、近々追い出されます。特養入所希望をしていますが、母は百一点、要介護四なのに入所できません。母が自宅に戻り私が老老介護するようになれば、私は倒れます」との切実な声が寄せられています。 こうした区民の声に応え、区として待機者ゼロを目標に掲げ、増設計画を示すべきです。幡ヶ谷社教館に隣接する都有地や代々木二、三丁目の国有地を早急に取得するとともに、都有地、国有地を再調査し、国や都に対して活用を求め、増設すべきです。また、ケアコミュニティ・原宿の丘など区有施設の建替えに合わせて特養ホームを整備すべきです。区長の所見を伺います。 次に、地域包括ケアについてです。 今年の夏の猛暑によって多くの高齢者が熱中症により救急搬送されました。私も見守り活動をしましたが、ひとり暮らしの高齢者の熱中症による死亡事故が発生し、悔しい思いをしました。 昨年十月の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」では、区内の高齢者の六三%が高齢者だけの世帯で、一人だけの世帯は三四%に及びます。高齢者の孤立を防ぎ必要な介護サービスに結びつけるために、高齢者一人一人を福祉の専門家が支援することが求められます。 港区では、区内の約六千人のひとり暮らしの高齢者のうち介護・福祉サービスを使っていない高齢者を社会福祉士十人が直接訪問する、「ふれあい相談員事業」を実施しています。本区でも高齢者世帯を訪問し、孤立を防ぎ、必要な福祉サービスにつなげるために、専門職を全ての地域包括支援センターに配置すべきです。また、高齢者の見守り活動を担う商店街の取り組みや地域活動への助成をすべきです。区長の所見を伺います。 高齢者の交流や見守りの役割を果たしているのが、居場所の会や食事会などのサロン活動です。区内では社会福祉協議会に登録している二十七カ所のほか、未登録のサロンもあります。社協からの助成はありますが、ほぼボランティアによって担われています。 武蔵村山市では、高齢者のサロン活動を支援するために年間五万円を助成する「地域介護予防支援補助金」を実施しています。本区でも、サロン活動をさらに広げるために、会場費、運営費の助成を実施すべきです。区長の所見を伺います。 ○副議長(古川斗記男) 議事進行上、暫時休憩いたします。-----------------------------------   休憩 午後四時十一分   再開 午後四時三十一分----------------------------------- ○議長(丸山高司) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 また、この際、会議時間の延長をいたしておきます。 それでは、二十二番田中正也議員、お願いいたします。   〔「答弁」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 長谷部区長、お願いいたします。 ◎区長(長谷部健) 日本共産党渋谷区議会議員団、田中正也議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、憲法についての御質問です。 区長として、九条を含め憲法を十分に尊重しておりますが、改憲については国政の場で議論されるべきものと考えておりますので、そのような考えはありません。 次に、核兵器廃絶について三点のお尋ねですが、一括してお答えします。 核兵器の非人道性については言をまたないと認識をしておりますが、禁止条約の署名については国政の場で議論されるべきものであり、そのような考えはありません。 また、渋谷から核兵器廃絶を発信すべきとのことですが、渋谷区も加盟している平和首長会議では政府に対しても核兵器廃絶に向けた取り組みの推進を要請しており、本区においても「世界連邦都市宣言」や「平和・国際都市渋谷の日条例」を制定し、平和への確固たる意思を示しています。あわせて、平和国際都市推進事業として講演会の開催やパネル展などを実施しており、今後も引き続き平和への取り組みを行ってまいります。 次に、二〇一九年度予算編成方針についてのお尋ねです。 最初に、命を守る防災対策について、住宅の耐震化を急速に進める区の責任に関するお尋ねです。 民間住宅の耐震化は所有者によって行われることを基本としていますが、渋谷区としては、区民の生命と財産を守るため、住宅の耐震化の助成を行っています。対象世帯への勧奨については、職員が現場を確認して旧耐震基準で建てられた住宅に耐震化の啓発チラシを配付するとともに、耐震化コンサルタントによる耐震相談会を毎月開催しております。助成金の額については、他区と比較しても妥当なものであると考えております。 二十八年度には、所有者の親族が居住している場合も助成対象にするなど、要件を緩和しました。引き続き「渋谷区耐震改修促進計画」に基づき施策を進め、着実に耐震化を実施していきます。 また、雑居ビルを総点検すべきとのことですが、平成十三年に、歌舞伎町ビル火災を契機に消防署と連携して総点検を行いました。現在では、そのような火災事故等を受けて建築基準法に基づく定期報告制度の充実が図られており、火災や倒壊を未然に防止するための点検、報告がなされているものと考えます。 次に、南海トラフ巨大地震対策、豪雨災害、猛暑対策などについて三点のお尋ねです。 区としては、震度六強を想定した地域防災計画を策定しています。一方、東京都の被害想定によると、南海トラフ地震については震度五強以下であり、区としてはこれまでの対策を推進することが南海トラフ地震への備えになると考えています。 豪雨対策については、東京都が、一時間当たりの最大降水量七十五ミリを超える豪雨への対策を進めるとしています。区としても、昨今の異常気象による浸水被害に備え自主避難施設を開設するなどの取り組みも進めており、今後は「渋谷区地域防災計画」に反映してまいります。 猛暑対策については部を超えた連携を講じており、改めて地域防災計画に加えるべきものではないと考えています。 このようなことから、東京都に防災計画の見直しを求める考えはありません。 次に、要援護者の避難計画の策定と、福祉避難所の整備等についてのお尋ねです。 要援護者については、平成五年から手挙げ方式で、平成十八年から自動登録方式を取り入れ、災害時要援護者名簿として毎年更新しています。名簿に登録されている人の安全な避難を確保するため、支援者の確保と日ごろからの声をかけ合う関係構築を目指し、地域において自主防災組織を中心に避難支援プランを作成しています。 福祉避難所は現在、二次避難所として指定の十カ所と協定による指定一カ所があります。地域防災計画の修正に合わせ、各施設における具体的計画の見直しに向けた調整及び拡充を図っているところです。 次に、暮らし、福祉最優先の税金の使い方と、受益者負担と民間資金・民間活力の活用についてのお尋ねですが、一括してお答えいたします。 もとより地方公共団体は、住民福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものです。法にのっとりこの役割を果たしていく中で、申し上げるまでもなく、税や基金の活用を図ってまいります。 また、受益者負担についてですが、区民サービスの提供に当たって、住民間の負担の公平性や行政サービスの公共性に基づいた公費と利用者負担の均衡等に配慮することが重要です。その適正化にはこれまでも取り組んできており、区民負担の一律の増加やサービス削減を企図するものではありません。 民間資金の活用、委託についても、複雑・高度化した様々な地域課題の解決を図る上で、民間のアイデアや活力によって区民サービスの向上を図っていくことは、もはや先進自治体に限られたことではなく、自治体運営の基本的手法と認識しています。こうした取り組みのもと、渋谷区の将来の姿を見据えた持続可能な行財政運営基盤を確立しつつ、引き続き、区が直面する喫緊の課題解決について時機を逸することなく、スピード感を持って的確に対応してまいります。 次に、区庁舎建替え事業についてのお尋ねです。 庁舎、公会堂、分譲マンションの建設費などの総事業費、分譲で三井不動産レジデンシャルが得る利益などの資金計画を明らかにすべきとのお尋ねですが、過去何度も貴会派議員からの質問にお答えしてきましたとおり、区が住宅棟を含む総事業費や民間事業の資金計画に関与したり説明する立場になく、その考えはございません。 次に、新宮下公園等整備事業について六点のお尋ねですが、一括してお答えします。 まず、事業用定期借地権契約では、社会情勢の大きな変化など、土地建物価格に予期しがたい重大な影響が生じた場合に賃料の改定を協議できるものとしています。しかしながら、その時々の路線価は上昇と下降を繰り返していて、契約の二年前からの路線価の上昇はこの社会情勢の大きな変化とは言いがたく、協議は不要と判断しており、したがって再鑑定も不要との結論に至っています。 次に、ホテル部分の鑑定につきましては、ホテル建設が可能となったことから区が算出し、評価したものです。 それから、管理料については、区が委託した不動産鑑定士による判断、評価であり、適切であると考えています。 また、再鑑定すべきとのお尋ねについては、先ほどもお答えしたとおり、契約の二年前からの路線価の上昇はもとより、今日に至るまでの変動を見ても社会情勢の大きな変化とは言いがたく、再鑑定をする考えはありません。 これらのことを踏まえ、平成二十七年第四回区議会定例会に議案を提出し、議決をいただいています。それ以降も十分な説明を行ってきたところです。これからも折に触れて御報告させていただきます。 また、宮下公園整備事業の総事業費と三井不動産の利益など資金計画については、区がお答えする立場にありません。 最後に、事業用定期借地権契約を解除し、区民参加で契約を見直すべきとのお尋ねですが、そのような考えはありません。 次に、国民健康保険制度についてのお尋ねです。 まず、国保料の引き下げについてです。 国保制度は、被保険者の疾病等に関して必要な保険給付を行う社会保障制度です。歳入の不足額がある場合に一般会計から国保会計への法定外繰り入れを行っていますが、国保の被保険者以外の区民にも負担をかけることとなるため、保険料の水準を勘案しながら段階的に縮小していくべきだと考えます。 また、国庫負担の拡大については、区長会でも要望を行っており、区独自で行う考えはありません。 次に、第二子以降の均等割の無料化についてのお尋ねです。 既に所得に応じた均等割の軽減制度があることに加え、区では、「渋谷区子育てネウボラ」の構築や待機児童対策など総合的な子育て支援に取り組んでいます。したがって、区独自で無料化する考えはありません。 また、低所得世帯に対する減免制度は、国保加入の全世帯に毎年送付している国保のしおりや、区のホームページ等で周知を行っています。なお、対象となる所得基準は特別区で統一した運用を図っているため、引き続き区長会で議論してまいります。 次に、国保料の徴収強化についてですが、滞納処分に当たっては、法令を遵守し、適正な手続のもとで行っております。 次に、介護予防・日常生活支援総合事業サービスAについてのお尋ねです。 これまでもお答えしていますとおり、介護予防・日常生活支援総合事業につきましては一定の評価をいただきながら定着してきているものと考えており、サービスAをやめる考えはありません。 次に、介護人材の確保についてのお尋ねですが、介護報酬の中の処遇改善加算分により介護職員の賃金引き上げはなされており、本区として国に対し、新たな処遇改善交付金を求める考えはありません。また、区独自の処遇改善交付金や宿舎借り上げ交付金を創設する考えもありません。 次に、特別養護老人ホーム等の増設についてです。 本区は、特別養護老人ホームの整備率が二十三区のトップレベルにある中、「つばめの里・本町東」に百床規模の特別養護老人ホーム、及びグループホーム2ユニット十八人を平成三十年五月に開設しました。さらに、高齢者ケアセンターを建て替え、特別養護老人ホーム八十四床を中心とした新たな高齢者福祉施設として整備を進めています。 今後も、申し込み状況等を踏まえながら、国や都有地など公有地の活用や、「第七期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」に掲げている民間事業者の誘致を進めるとともに、区施設の再整備などについても検討してまいりたいと考えています。 次に、地域包括ケアについて一括してお答えします。 本区では、高齢者世帯の状況把握のため、民生委員による七十五歳以上高齢者世帯へ全戸訪問を初め、熱中症予防のための見守りサポート協力員や地域包括支援センター職員がひとり暮らし高齢者世帯等を訪問するなど、他自治体にないきめ細やかな対応を行っていることからも、新たな見守り活動の創設や地域包括支援センターに専任職員を配置する考えはありません。 また、地域住民等が実施している認知症カフェや茶話会など様々な取り組みに対し、会場提供など目的に応じた支援を行っています。引き続き可能な範囲でサポートしてまいります。 以上、私からの答弁といたします。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には、二〇一九年度予算編成方針について一点のお尋ねがありました。山中高原学園と富山臨海学園についてです。 先ほど、渋谷区議会自由民主党議員団、一柳直宏議員の御質問に答弁しましたとおり、昨年度、教育委員会では公教育の役割を果たすために、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、活動内容のさらなる充実などを図るため検討を行い、集団宿泊的行事を国立施設等で実施する運びといたしました。 国立施設には、学校として利用する場合、優先予約が可能であり、また、施設機能が充実していることから、教育委員会では、安定かつ充実した体験活動の機会が確保できるものと考えております。 以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 二十二番田中正也議員。 ◆二十二番(田中正也) 区長及び教育長に答弁いただきましたけれども、この答弁では、区民は到底納得できないと言わなければなりません。 まず、税金の使い方についてですけれども、くらしと区政のアンケートで七三%の区民が「暮らしが苦しい」「苦しくなった」とお答えになっていると例を挙げましたけれども、区長はこの区民の暮らしの実態をどう思っていらっしゃるのか。 まず一つ例を引きますと、「どんどん年金が少なくなっていくのが何より不安。引かれるものが多くなり、いつまで払えるか」八十代の方です。「精神障がいの孫と二人暮らし。収入は老齢年金だけ、生活保護程度の生活。夏もクーラーを我慢して、熱中症になったが病院にも行けなかった。夢も希望もない」七十代。心が痛まないんですか、区長。こうした区民の痛みに心寄せ、暮らしを守ることが区長の役割です。 区長は地方自治法を遵守すると言いましたけれども、こういう区民の暮らしを守ることこそ地方自治法の精神じゃないでしょうか。 この間、区長が切り捨ててきた福祉は、区型介護サービス一千百七十万円、障がい者の福祉タクシー券一千百六十万円、生活保護の夏冬見舞金、年間二千三百万円、国保会計の繰り入れも三億七千万円削減。その一方で六十億円、今年、積み増しているわけですよね。ですから、こういう税金の使い方を区民の暮らし、福祉中心に、優先に切りかえるだけで区民は希望を持てると思うんですね、生きるね。そういう意味で、地方自治法、住民福祉の増進というふうに区長がおっしゃるのなら切り捨てた福祉を復活すべきだし、予算の使い方を暮らし、福祉最優先に変えるべきです。 区民の痛み、そして税金の使い方、もう一度区長にお伺いします。 宮下公園についてお伺いしますが、区長は基本協定の条項を持ち出して、社会情勢の大きな変化があった場合に見直すというふうにおっしゃいましたけれども、二五%の地価の変動というのは相当な大幅な変動です。しかもホテルの鑑定をしていないというのは、区としての責任を放棄しているというふうにも言えると思います。 そもそも国では、地方自治法の解釈ではですね、自治体の首長に任されている、いわゆる時価との差額というのは三〇%以内だというふうに言われているんですね。百九十億円という値引きは到底、それをはるかに超えるものです。 私は、もう一度お聞きしますけれども、区民は本当に納得していない。「区民にとって何があるのでしょうか。再鑑定すべきです」「区民の財産を一握りの大企業の勝手にさせてはならないと思う」「不当だと思います」「モリカケの渋谷版のような気がする」これが区民の声です。 こうした区民の声に応えて再鑑定をすることが区長の責任ではありませんか。改めて再鑑定と、そして、この契約を解除して区民参加で計画を見直すべきだ。お伺いします。 最後に、というか、国保の問題について申し上げます。 全日本医療機関連合会が、昨年の調査ですけれども、経済的理由で治療が遅れて死亡した事例が昨年、六十三件あった。そのうち三一%が無保険、五%が資格証明書、一三%が短期証で、約半数に上ります。その多くが非正規雇用労働者など経済的理由だというふうに報告されました。 本区でも、滞納は三割に及びます。まさに命を守る最後のとりでの国保制度が、高い保険料が払えなくて命を奪うという異常な事態になっているんですね。 区長は社会保障の制度だと言いましたけれども、社会保障が人の命を守れないという、こういう国保料というのはまさに異常ではないですか。改めて国保料の引き下げ、一般会計からの繰り入れを増やして国保料を引き下げるように求めます。 答弁をお願いします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) 田中正也議員の再質問に順次お答えします。 まずは予算編成方針のところですが、区民の声を聞いていないのかという話ですけれども、前も言いましたが、その方、僕お会いしますので、是非お話しさせてください。田中さんの言い分だけではどういう状況でどういう環境でそうなっているかとかですね、区としては当然、公金でありますからフェアに使っていかなきゃいけないところもあると思います。しっかりとやりたいと思いますので、是非御紹介ください。 あとですね、福祉をないがしろにしているというお話ですが、障がい者、高齢者を含めてですね、今やっている渋谷の福祉行政に対して夢を感じている方もたくさんいるというふうに私は認識しております。もちろん全員というわけにはいっておりませんが、なるべく多くの方に希望を感じてもらえるように、これからも努力をしていくつもりです。 宮下公園の整備事業について、再鑑定について。 これは再三お答えしていることですが、現時点での再鑑定は考えておりません。この先五年、十年の中でですね、上がったり下がったりいろんなことがあるんじゃないかなというふうに想定もされます。このまま上がり続けるようであれば、そういったタイミングも来るかと思います。実際、今、不動産を見てもですね、賃貸料とかがそれでがーんと上がっているかといえば、上がっていません。毎年毎年こうやって契約をしていくというものじゃないんです。長い目で見て判断していくということですから、これは御理解ください。 もうこれ以上申しません。 あとは保険料についても、これもずっと同じことを答弁しておりますが、区独自では考えておりません。 以上です。 ○議長(丸山高司) 二十二番田中正也議員。 ◆二十二番(田中正也) 再答弁いただきましたが、福祉の考え方、区長は私、間違っていると思います。公平に、公平にと言いますけれども、困難な人を支援することが福祉なんです。生活が成り立たない人を助けるのが福祉じゃないですか。それをやらないというのは、地方自治法にも憲法の精神にも反していると思います。 改めて、党区議団は引き続き暮らし、福祉最優先、区民が主人公の区政の実現に全力を挙げる決意を表明して、終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山高司) 七番伊藤毅志議員。 ◆七番(伊藤毅志) 私は、シブヤ笑顔を代表して区長、教育長に大きく六点質問させていただきます。 今年の夏、日本列島は近年稀に見る自然災害とその被害に苦しめられました。六月の「大阪北部地震」で老朽ブロック塀の下敷きになり女子児童が命を落とした事故を皮切りに、七月は西日本を中心に死者、行方不明者二百三十名を数えた「平成三十年七月豪雨」や相次ぐ台風による被害、そして、熊谷市で国内最高気温の四十一・一度を観測するなど、気象庁観測史上最も暑い夏を記録し、今年七月ひと月で熱中症による死者百三十三名、緊急搬送者が五万四千二百二十名に上るなど、まさに「平成三十年日本列島猛暑」とも呼べる自然災害に遭遇したのです。 九月に入っても、暴風雨と高潮に襲われた台風二十一号、北海道胆振地方で震度七を記録した大地震と、まさに日本列島は災害列島と化しました。まずはこれら災害でお亡くなりになられた方々の御冥福を心から祈るとともに、被災された方々には衷心よりお見舞いを申し上げます。 さて、これら本年日本が経験した自然災害への備えも含めて、防災について四点、区長に伺います。 まずは猛暑対策です。 渋谷消防署からいただいたデータでは、この夏、渋谷区内で熱中症で緊急搬送された数は二百三十八名とのこと。その数の多さには驚きです。 熱中症予防の第一は、それぞれの方がクーラーや扇風機を活用する、小まめな水分補給を欠かさない、炎天下での外出を控える等々、自身で猛暑に備えることだと考えます。そして、そのことを渋谷区が最も身近な自治体として区民へ注意喚起、アナウンスに努めることが欠かせないと考えるものです。そういう意味合いでは、「今夏の渋谷区からの注意喚起はやや少なかったのでは」と考えるところです。 しぶや区ニュースを読み返してみても、梅雨明け後の七月一日号、十五日号には熱中症予防を呼びかける記事はなく、暑さが厳しさを増す十五日号裏表紙には「晴れた日にはサイクリングに出かけよう!」というタイトルでコミュニティサイクルの特集が組まれるなど、原稿締め切りの時期もあるとは思いますが、何ともタイミングの悪い記事が掲載。八月に入って、やっと区長コラムで熱中症対策が呼びかけられました。 来年以降は、もうしつこいぐらいで構わないので、しぶや区ニュース、ホームページ、防災行政無線、渋谷のラジオ等々、あらゆるですね、対策、方策をとって、熱中症に対する注意喚起を行うべきだと思いますが、区長の所見を伺います。 また、渋谷区では高齢者への熱中症予防対策として、熱中症予防シートの配布や、おやすみどころやクールスポットを包括支援センターやはつらつセンターで開設したとのことです。これらの施策は、今後しっかり区民にアナウンスをするとともに、クーラーのない、または故障している家庭への補助のような仕組みを考えられないかお伺いいたします。 次に、水害対策について伺います。 今年は暑さへの対処と同時に、水の怖さを思い知った夏となりました。先ほども述べましたように、中国・四国地方を中心に西日本一帯に大きな被害をもたらした「平成三十年七月豪雨」台風は日本列島を西から東に進むという常識を覆し、東から西へ進んだ台風十二号、十三号、八月二十七日に渋谷区を襲った雷雨もすさまじく、私は青山通りから明治通りに抜ける坂道がまるで川の急流のごとき状態になっているのを呆然と目撃したところです。 九月に入っても台風被害が続いています。台風十三号において、渋谷区では渋谷川の氾濫を見越して、ひがし健康プラザ、地域交流センター恵比寿に自主避難所を開設するなど先手の対策をとられたことを評価いたします。ただし、避難所開設を知らなかった近隣住民も多かったとのこと。区長発言にもあったように、特に要支援者やひとり暮らしの高齢者にはきちんとお知らせする必要があります。 まずは、今回の周知方法について伺います。 今後は、より一層都市型水害への備えを万全にしていく必要があると感じています。 さて、渋谷区が公開している「渋谷区洪水ハザードマップ」に目を通してみると、本町から笹塚方面を流れる神田川流域と、中心部から南部を流れる渋谷川・宇田川流域については危険度が高めな色づけが見受けられます。しかし、私たちが何度も河川の氾濫を経験している東三丁目・比丘橋や、冠水の危険が指摘されている代々木一丁目・山谷架道橋付近については余り危険度が高く表示されていません。 このハザードマップについては、東京都の公表資料に基づいてつくられたと記されてありますが、被害実態に合っていない箇所も散見されます。この際、地下鉄、地下街、地下通路や既に判明している危険箇所などを点検し直し、ハザードマップを改訂するべきだと考えます。 あわせて、今後予測される水害に対応できる数量の土嚢や水嚢などは渋谷区に用意されているのか、水害対策の再点検も必要だと考えますが、区長の所見を伺います。 防災の三点目として、災害時のドローンの活用について提案します。 我が会派の提案を受け、昨年の「渋谷区総合防災訓練」において初めてドローン訓練が導入されました。本年の訓練においては、ドローンを飛ばしながらの映像を大型モニターで参加者に見せることにより、災害時にドローンを使って小回りのきく被災状況の調査ができることが実感できたと思います。今後は被災状況の把握だけにとどまらず、避難誘導の大変有効なツールとしても活用していくべきだと考えます。 聞くところによれば、今回の「渋谷区総合防災訓練」で使用されたドローンは、愛好家のドローンパイロットによるボランティア参加だったとのこと。この状況では、被災時にドローンを使った俊敏な対応をとることは不可能です。やはり渋谷区として自前でドローンを配備してパイロットを育成し、一朝有事に備える必要があると考えますが、いかがでしょう。 また、将来的には渋谷消防団の各分団にも配備し、地域の被災状況の把握や住民避難誘導に役立ててほしいと思いますが、あわせてお考えを聞かせてください。 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会について二点質問します。 まず一点は、渋谷区独自ボランティア制度についてです。 東京二〇二〇大会までいよいよ二年を切りました。大会に向けた諸準備もいよいよ大詰めに向かう中、今月より東京二〇二〇大会の大会ボランティア、都市ボランティアの募集が始まります。 大会組織委員会や東京都がボランティア募集を始めるのに先駆け、渋谷区が独自ボランティアを募集されていること、大会に向かう渋谷区の熱量の高さをあらわすものと評価いたします。まずは現在までの募集状況と、これまでの活動内容の報告をお願いします。 大会ボランティアや都市ボランティアに比べて活動条件が緩く、大会ボランティアなどと重複登録が可能な渋谷区独自ボランティアは、スポーツボランティア入門としてハードルが低く抑えられていますが、何点か改善をお願いしたいところでもあります。 まずは、ボランティア活動向けの保険への加入義務です。大会ボランティア、都市ボランティアでは、ボランティア保険をユニフォームや食事と同様に活動に当たっての支給品としていますが、渋谷区の場合は自己負担となっています。この点は大会ボランティア同様、渋谷区から支給するべきだと考えます。区長の御所見を伺います。 また、独自ボランティア登録の条件にはもう一点、「おもてなし講座」等、渋谷区が指定する講座を受講することがあります。私も過去に、障がい者サポートのおもてなし講座に参加したことがありますが、驚いたのは複数の小中学生が親子で参加して受講している姿です。親子で協力して車椅子をサポートする姿を見るにつけ、児童・生徒のボランティア体験もきっとこの大会レガシーになるだろうなという思いが強くなりました。 しかし、大会・都市・渋谷区独自ボランティア全てで、募集要項は大会時に十八歳になっていることが条件となっています。直接の大会運営にかかわっていくボランティアを親子でとはいかないかと思いますが、渋谷区独自ボランティアの活動内容であれば親子での登録、参加も十分可能だと思うのです。今後は親子一緒に活動という条件で渋谷区独自ボランティアへの登録を認めるべきだと考えますがいかがですか、区長のお考えを聞かせてください。 次に、大会文化プログラムへの渋谷区の取り組みについてお聞きします。 オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあることがオリンピック憲章にうたわれています。そういう意味では、東京二〇二〇大会は日本文化を世界に発信する絶好の機会となるだけでなく、渋谷区の文化的魅力も世界に発信できる大きなチャンスになることでしょう。 現行、文化プログラムの枠組みには、「東京二〇二〇文化オリンピアード」と「beyond2020プログラム」があり、渋谷区内でも区主催のイベントを初め様々な文化プログラムが認証され、実施されています。今後とも文化プログラム実施の気運はますます高まっていくものと考えられますが、私は、東京二〇二〇大会の期間中に世界中から東京に集まるアスリートや観光客を対象にした渋谷区独自の文化プログラムを実施し、渋谷区の文化を世界に発信してほしいと願うのです。 現行の文化イベントで大会期間中に重なりそうなプログラムとしては、渋谷盆踊りを初めとする各地での盆踊りや夏祭り、「原宿スーパーよさこい」そして先般、小池都知事も参加した参加型の音楽祭、「渋谷ズンチャカ!」などを思いつきます。これら既存のイベントをブラッシュアップしつつ、渋谷区が誇る文化イベントとして開催するもよし、全く新たな文化プログラムを大会期間中に立ち上げるのも選択肢だと思うのです。 先般、私はお祭り好きの区民から、「大会期間中に渋谷区中のみこしを集めて、歩行者天国にした表参道あたりを練り歩き、日本文化を世界にアピールしたい」との提案を受けました。こんな催しも魅力的だなと感じました。 渋谷区として、大会期間中の文化プログラムへの取り組みについて区長の所見を賜ります。 三点目に、今後の区施設について七点伺います。 まずは、この仮庁舎についてです。 新庁舎の竣工、区役所の移転が近づくにつれ、近隣の皆様からは「仮庁舎はいつ解体されるの」とか「美竹公園はもとに戻るの」「児童会館跡地には何が建つのかしら」「第一仮庁舎はまだしばらく使うと聞いたけれど、本当」というような質問を頻繁に受けるようになってきました。私はわかる範囲で、希望的観測も若干交えながら質問に答えていますが、この際、渋谷区として仮庁舎の今後にかかわる工程とお考えをですね、きちんと区民に御説明願いたいと思います。 第一仮庁舎については、区役所移転後も神南分庁舎建替えのための用地として活用するとのことです。その期間と、新たに第一仮庁舎に入る機能、部署をお示しください。 第二・第三庁舎についてはリース契約となっているため、建物の撤去をもって契約終了となるわけですが、区役所の移転後いつ撤去作業が始まるのか、その期間はどの程度なのかお示しください。 また、第三庁舎跡地については、都市計画公園として原状を回復するということで間違いありませんか、御見解を賜ります。 第二仮庁舎跡地については、昨年の答弁で「東京都にお返しする」とのことでしたが、地元のコミュニティ委員会、まちづくり協議会、町会などから成る「明日の美竹を考える会」では、昨年、区長に「都、区がばらばらに開発を行うのではなく、官民パートナーシップ制度・PPPの手法なども視野に、一体利用を図るべく東京都に申し入れをしてほしい」との要望書をお出しさせていただきました。その後、都区連携に何か進展があったのか区長に伺います。 二点目に、区立公園における「公募設置管理制度」の活用について提案します。 本年第二回定例会において「渋谷区立公園条例」の一部改正が議決され、渋谷区立公園に「公募設置管理制度」が新設されることになりました。この制度は、都市公園において飲食店や売店の設置・運営を行う民間事業者を公募により選定する手続で、事業者が飲食店などから得られる収益を公園整備に還元することを条件に、事業者にインセンティブを与えるものです。インセンティブとして事業者に適用される都市公園法の特例には、設置管理許可期間を十年から二十年間に延長。通常、公園内における飲食店や売店の建蔽率は公園面積の二%となっていたが、公募対象公園施設については一〇%上乗せし、一二%とする。公募対象公園施設には看板、広告塔、自転車駐車場を利便増進施設として設置可能となるというものです。 議案審査の中では、「現行、対象となる公園は決めていない」という答弁がありました。 この制度は一見、とても事業者にとって有利な制度のように思われますが、よく考えてみれば、公園内の飲食店や売店で収益を上げ、それを公園整備に還元するという条件をクリアできるだけの来園者数、広さを持ち合わせたポテンシャルのある公園は、区立公園にはなかなか存在しないものと思われます。 しかし、このハードルを簡単にクリアできそうな公園がありました。そう、現在建設工事が進む新宮下公園です。新宮下公園であれば、「渋谷区が世界に発信する立体型都市公園を」のコンセプトのもと、立地、広さとも十分にあり、下に商業施設、隣にホテルが併設されるなど来園者の確保も保証されています。新宮下公園に渋谷区第一号の「公募設置管理制度」を導入し、魅力的な店舗をつくることを提案します。レストラン・アンド・スポーツショップ、ランナーズステーションなんてすてきだと思いますけどね、いかがでしょうか、区長の御所見を賜ります。 三点目に、老朽校舎の建替えについて質問します。 この質問については、三年前の二〇一五年九月定例会でも質問させていただきましたので、簡単におさらいします。 質問の要旨は、「渋谷区の教育の特色といえば、学校選択希望制とそれに伴う特色ある学校づくり、コミュニティスクールに代表される地域に開かれた学校運営などが挙げられる。どこの小中学校も、ソフト面では特色のある教育、学校づくりを進めながら努力をしているが、ハード面の学校、校舎については、新しいところと老朽化したところでは天地ほどの差がある。公立学校であれば、ハード面でも同じ教育環境が整備されるべきではないか。鉄筋コンクリート造の建築物の耐用年数は五十年程度と言われているが、区立小中学校は昭和三十年代、四十年代前半に建てられた五十年を超える築年数のものが多い。竣工年の古い学校校舎については順次建替えを進めるべき」というもの。 それに対する区長のお答えは、「長期基本計画と整合を図り、公共施設等総合管理計画の策定を通じて検討する」という内容でした。 さて、その後、二〇一六年に策定された「渋谷区公共施設等総合管理計画」を拝見しましたが、計画は「渋谷区のインフラ長寿命化のために公共施設全体の現状把握はされているものの、学校、道路、河川などの項目については個別計画にて対応する」とあります。老朽化した学校への対応についての個別計画の策定はされるのか、お伺いします。 また、学校の建替えや大規模改修については、単純な老朽化による建替えについてでは国、東京都からの補助金も使えないと聞いていますので、渋谷区の財政負担は相当なものになることが予想されます。また、学校は教育財産であり、教育委員会や学校との調整も必要になります。私は、個別計画を策定するに当たっては、先んじて専門家、関係者による「渋谷区立学校インフラのあり方検討会」のようなものを立ち上げて、そこで一定の方向性を見出したほうがいいかなと考えます。この点についても区長の見解を求めます。 四点目に、渋谷区が管外に所管する青少年施設、校外・社会教育施設についてお聞きします。 区長は今定例会に「渋谷区立校外学園条例を廃止する条例」を提案され、長年渋谷区の児童・生徒、青少年団体に親しまれてきた「山中高原学園」並びに「富山臨海学園」を廃止するとしています。 山中高原学園、当初は富山養護学園と呼ばれた富山臨海学園とも、開設は昭和三十九年。私も渋谷区立の小中学校に通わせていただき、小中学校の移動教室として山中高原学園を、臨海学園を富山臨海学園や先年廃止された御前崎臨海学園にて経験させていただきました。その体験は、自分の小中学校生活の最も輝いた思い出として今も鮮明に胸に残ります。その二つの校外施設が一遍に廃止されるとお聞きし、少なからずショックを受けております。 五十年以上にわたり渋谷の児童・生徒の貴重な教育財産として機能してきたこれら施設を、御自身も小中学校時代に恩恵を受けられた長谷部区長が、なぜ今廃止されるのか。改めて、廃止という決断に至った経緯をお聞かせください。 あわせて、山中、富山といえば幅広い世代の区民が、「私も行った、子どもたちも使った」と話題に上る、いわば渋谷っ子ブランドです。渋谷っ子の証明、区民のシティプライド醸成にも役立ってきた施設の代替施設はどこに求めるおつもりでしょうか。高原学園、臨海学園機能をどちらにどのように移されるおつもりか、こちらは教育長に伺います。 また、青少年施設の今後についても心配です。昨年三月いっぱいをもって廃止された檜原村の「渋谷区檜原自然の家」、こちらは廃校になった小学校校舎を活用したすてきな青少年施設でしたが、シロアリ被害で床が抜けるという状態になり、使用停止、廃止に追い込まれました。渋谷区は代替施設として、「高尾の森わくわくビレッジ」を紹介しましたが、利用した区民の話では余り使い勝手がよくないとのこと。利用率も上がっていません。 檜原自然の家、山中・富山の校外施設とも廃止とくれば、まちでは、次は「「アクティブ峰の原」や「新島青少年センター」も危ないらしい」との声が上がり始めていますし、特に青少年団体の関係者からは、強い不安の声が我が会派にも多く寄せられています。今後の管外青少年施設についての展望を区長に伺います。 五点目に、渋谷ヒカリエ八階の防災センターが新庁舎に移転後の跡地利用について伺います。 本年第一回定例会において、我が会派の岡田幹事長が代表質問にて、「移転後の跡地に保育施設の整備を」と提案させていただきました。また、一方では本年六月、ヒカリエを地域内に存し防災センター会議室で定例会を持つ氷川地区町会連合会から、「現防災センター会議室の存続に関する要望書」が区長宛てに提出され、「これまで町会連合会や自主防災組織、まちづくり関係団体の会議場として使われてきた会議室は是非存続してほしい」との要望も出されています。 区長は、岡田議員への答弁で「保育施設の設置も含め、総合的な視点から今後検討する」と発言されました。 ヒカリエ八階のスペースは、何せ超一等地の床です。使い方としては、何か一つの用途に限ることなく複合利用、いわゆる「ミクスドユース」の考え方で施設利用すべきだと考えます。昼間は保育施設で、夜はその一部を会議室に開放するとか、昼間は福祉作業所兼ショールーム、夜は会議室として貸し出すとかも楽しいかもしれません。同フロアにある区民サービスセンターの配置も含めて検討してほしいと考えますが、区長の所見を賜ります。 六点目に、今後の公共施設への木材利用の促進について提案します。 私は昨年十二月、会派の視察で、当時建設中であった日向市役所、日向市駅に伺いました。どちらの施設も、設計は銀座線渋谷新駅の設計を担当されている内藤 廣氏、市役所も駅も地元木材をふんだんに使った設計です。本年六月には区民環境委員会の行政視察で長岡市に伺い、市役所やアリーナなどが一体となった「アオーレ長岡」を視察しました。こちらの設計は、新国立競技場を手がけている隈 研吾氏、やはり新潟県産の木材が至るところに使われていました。そして特筆すべきは、日向市役所も長岡市役所が入るアオーレ長岡のコミュニティスペースも、どちらも木製でつくられていること。夏涼しく、冬暖かいことも実感しましたし、これなら市民の方も、「市役所へ行っておしゃべりでもしようか」みたいな雰囲気になることでしょう。うらやましいことです。 国も、「公共建築物における木材の利用促進に関する法律」を平成二十二年に制定。その流れで各地方自治体にも木材利用の動きが広がっているとのことです。工法としてはコンクリートに木材を張りつけるものや、CLT工法という、木材を縦横に多層に張り合わせて木材そのものを構造体とすることができるものなどがあるようです。 区長は区議会議員時代から、環境問題に造詣を持って政治活動をされてきました。今後、都市部の自治体が建築物に木材を意識して使うことは、地球環境上も必要です。東京二十三区のトップランナーとして、渋谷区から公共建築物へ木材活用を推進してほしいと願います。特に人が集まるエントランスホールやコミュニティスペース、保育園や学校等への積極的な木材使用について、区長の所見を伺います。 七点目に、区道への通称名の表示について質問します。 このことは、私が平成二十四年三月定例会で、道路管理者がつけた正式名称である路線名だけではなく、地域が望む通称名も認める方向でルール化するべきだと質問した後、地元の熱意で、仮庁舎に面した特別区道九一三号線の通称が「美竹通り」と変更され、渋谷区の計らいで通称名の道路表示看板が設置されたものと記憶しています。 東京二〇二〇大会を目前に控え、渋谷区では誰もがめぐり歩いて楽しい魅力的なまちを目指し、来年度までには、渋谷駅周辺はもとより原宿駅や千駄ヶ谷駅周辺の公共サイン整備を進めていく予定です。現状、区道の通称名の表示については「美竹通り」一カ所ですが、例えば「公園通り」や「竹下通り」のように既に一般的にも地元からも認められている通称名の区道には、ホスピタリティの観点からも、公共サイン整備に合わせ区道の通称名を積極的に表示していくべきだと考えますが、いかがでしょう。区長の所見を伺います。 次に、まちの環境について三点伺います。 一点目は、ネズミの駆除についてです。 ここ数年、渋谷駅周辺の再開発が進むのに比例して、近隣住民からは「近所にネズミが急に増えた」「道路の植え込みがネズミの穴だらけになっている」という苦情をよく聞くようになりました。一般的に、老朽化した建物にはネズミがたくさんすみついていて、再開発によって取り壊される建物からネズミたちが一斉に移動することにより、近隣地域でネズミの被害件数が急増したものと考えられます。また、都心では、張りめぐらされた地下鉄網や地下街もネズミの移動を助けているとのことです。 今、渋谷は、渋谷駅中心部を含め、百年に一度と呼ばれる再開発が進行中です。これによって、今後さらにすみかを失った大量のネズミが渋谷のまちに溢れ出すような事態は、何としても避けなければなりません。そのためには、再開発を行う事業者もしくは解体工事を行う事業者に、解体工事着手前のネズミ駆除を義務化する必要があるものと強く考えます。条例や区規則において再開発事業者への解体工事着手前のネズミ駆除の義務化について、区長の見解を求めます。 まちの環境の二点目として、ホームレス対策について質問します。 先月初め、渋谷駅にほど近く、明治通りに面した神宮通公園に住みついていたホームレスがいなくなり、そこに植栽工事の仮囲いがされているのを見つけました。神宮通公園のホームレスは我が物顔で散水栓を使ったり、飲料自動販売機から盗電、電気を盗んでいたりですね、公衆便所を独占するなど、とかく地元の町会や公園ボランティアからの評判が悪く、私も幾度となく所管の公園課に善処方をお願いしてきたところです。聞けば、「土木部と生活福祉課の説得に応じてくれた」とのこと。関係部局の御努力を高く評価いたします。 さて、渋谷区内に現在どのくらいホームレスがいるか御存じでしょうか。昨年夏の東京都の調査では、六十八名となっていました。先般、ホームレス問題解決を目指す「ARCH」という団体が、東京都内十五区七市の深夜帯における路上ホームレス人口を調査した結果、この調査には岡田議員も参加していただきましたが、によると、渋谷区内にはホームレスは百七十八名確認されたとのことです。東京都の調査は昼間に行われていますので、渋谷区内のホームレスは、この「二〇一八夏東京ストリートカウント」で得られた数こそ正しいものと思われます。実態としては、区内にまだ百七十名余のホームレスがいるということになります。 世界中のアスリート、観客をお迎えする東京二〇二〇大会に向けて、ホームレス問題の解決は喫緊の課題かと思料します。 渋谷区がホームレス問題解決の切り札として始められた、まず路上からアパートに移っていただき社会復帰の道筋を探す「ハウジングファースト事業」も三年目を迎えました。この事業によってどの程度ホームレスの自立が図られたのか、「ハウジングファースト事業」の実績についてお答えください。 また、神宮通公園のケースのように、粘り強い説得で退去に至った好例ができました。渋谷駅周辺のJRガード下、仮庁舎に隣接する美竹公園など、住民から、「問題解決を」との声が強い場所には特段に交渉をしてほしいと思いますが、今後のホームレス問題への取り組みを区長に伺います。 三点目は、公園での全面禁煙についてです。 この問題についても昨年九月の定例会にて提案をさせていただきました。 区立公園においては、受動喫煙対策として、平成二十六年度から、面積三百平米を超えて喫煙場所が確保できる公園を分煙公園に、それ以外の児童遊園地や小規模公園を禁煙公園として分類し、ステッカーやのぼりを作成して禁煙の周知を図っています。しかし、東京二〇二〇大会に向け、時代の趨勢は受動喫煙防止に向かっています。子どもたちが安心して遊べる都心の数少ない場所、公園での喫煙は、やはり全面的に禁止すべきだと思うのです。 昨年、区長は「国や都の受動喫煙防止に関する動向等を踏まえ、具体的な検討に入る」と答弁され、先ごろ発表した平成三十一年度の予算編成方針の中では「区民や来街者の健康と快適な都市空間を維持するため、受動喫煙を生じないよう、路上喫煙に対する取り組みを一層強化する」と述べられています。それぞれ本年策定された国の受動喫煙防止策を定めた「健康増進法の一部を改正する法律」も、東京都の「東京都受動喫煙防止条例」も、大きな眼目の一つは子どもたちを受動喫煙から守るというものです。 喫煙者の権利には十分配慮しつつも、まず区立公園での全面禁煙の実現は渋谷区の受動喫煙対策の大きな一歩であると考えます。区長の御所見を賜ります。 大きな五番目として、子育てについて二点伺います。 まずは「渋谷区子育てネウボラ」についてです。 御承知のとおり、ネウボラ最大の特徴は、妊娠期から子育て期にわたる総合的相談や支援をワンストップで行えるという点です。 私自身、このネウボラを大きく意識した場面が二度ありました。一度目は、一昨年、フィンランド・ヘルシンキ市で子育て、教育を担当するヴィルヤネン副市長が来日・来渋され、ライジュウ、渋谷に来るですね。私の造語です。来渋され、区施設視察のアテンドをさせていただく中、長谷部区長も交えて昼食をともにした折、長谷部区長から渋谷区でもネウボラ導入を考えているとの発言に、妊娠・出産・子育て期のネウボラの必要性を副市長が熱く語られていたときのことです。 いま一度は、やはり一昨年秋、東京二〇二〇大会に向け区議会としてリオデジャネイロパラリンピック・ロンドンパラリンピックレガシーの調査、視察に出かけたときのことです。ロンドン視察の中で一晩、ダウン症の子どもを持つ日本人シングルマザーとその子どもを交えての夕食会がありました。そのとき女性から聞いた話に、私はある種の感動を受けました。内容は、「自分はシングルマザーとしてこの地で出産をした、希望と不安の中で生まれてきた子どもはダウン症だった、どうやって育てるのかと途方に暮れる中、産院のベッドに保健師さんがやってきて「出産おめでとう。子どもとあなたのことはロンドン市と国が全面的に面倒を見るから安心して」と言われ、彼の地で暮らしていけるという確信と勇気をもらった」とのことです。 私は、この二つのネウボラ体験から、渋谷区子育てネウボラに必要なキーワードは「おせっかい」だと確信したのです。 日本は申請主義の国です。どんなにすばらしい福祉制度があっても、それを本人や家族が気づき、選び、申請をして初めてサービスにつながるという現実があります。渋谷区でも、例えば「米寿祝品贈呈制度」がその典型です。内容は、八十八歳・米寿のお祝いにデパート商品券五千円分が贈呈されますが、誕生月の初日から一年以内に御自身、御家族が社会福祉協議会または地域包括支援センターに申請しなければいただけない制度です。これについても、敬老祝金のように民生委員さんに宅配をお願いするとか、せめて個別にお知らせはがきを送ってあげればいいのにと思いますので、こちらは改善方をですね、強く要望だけしておきます。 さて、話をネウボラに戻します。 とにかく妊娠期から出産、産後については御両親も心配や不安が多いものと思料いたします。であれば、渋谷区子育てネウボラは相談を受ける場所で待つのではなく、自ら妊婦や新生児のもとに行き、おせっかいに情報発信や相談を受けてほしいと思うのです。特に、後ほど「スペシャルニーズ児」と呼称させていただきますが、障がいを持って生まれてきた子どもの保護者や療育、虐待対応などデリケートな問題への対応については、おせっかいの姿勢が欠かせないと考えます。 ネウボラという器に魂を吹き込むおせっかいの姿勢と施策について、区長の所見をいただきます。 二点目に、一時保育の予約方法について伺います。 現在、一時保育の電話予約を実施しているのは、区立保育園と社会福祉法人渋谷区社会福祉事業団の認定こども園で、私立の認定こども園の一時保育についてはメールで予約ができます。 この一時保育の電話予約については「電話が激戦過ぎてなかなかつながらない」「育児に困って使いたいと思っても、電話する気持ちが萎えてしまう」「電話のためだけにその日は潰れてしまう」などの声が寄せられ、以前からの課題となっています。 平成二十九年六月に会派代表質問にて、一時保育の予約方法の簡素化、ネット予約の仕組みを質問したところ、区長の答弁は「障がいのある児童や配慮を要する児童をお預かりする場合など、その都度定員利用の調整を行う場合もあることから、一律にネット予約とすることによる課題もあり、引き続き予約の簡素化について検討していく」とのことでした。 現在の一時予約は、利用希望日の前月十日から一時保育室に電話をかける仕組みです。もし障がいのあるお子さんや配慮を要するお子さんをお預かりする際に調整が必要ということであれば、システムを利用したり、電話予約と同じように調整日数を考慮して予約を受け付けるなどすれば、インターネットでの予約も可能であると思います。区役所も新庁舎に移動し、システムが一新します。一時保育を利用する保護者の立場に立って、インターネットやメール予約に改善いただくよう、区長に改めて提案いたします。 また、現在の、一カ月につき八日間が利用の日数となっておりますが、利用日数を少なくすることにより、もっと多くの保護者に気軽に使っていただくことになるかもしれません。現在の利用日数などについて調査をし、利用状況によってはもっと気軽に一時保育が利用できるように利用日数の変更などを御検討いただければと思います。 以上二点、区長に伺います。 最後に、「スペシャルニーズ児」政策について区長に伺います。 昨今、「障がい」という意味の捉え方、文字でのあらわし方については、様々な立場や意見から声をいただきます。近年、欧米諸国では障がいのある方を、特別な支援や配慮を必要としている方という意味で「スペシャルニーズのある方」と表現することが一般的になりつつあります。したがって、私は今回、障がいを持つ子どもを「スペシャルニーズ児」と表現させていただき、その支援策について伺います。 まずは、渋谷区が第六次障害者保健福祉計画の中で「二〇二〇年度末までに区内に一カ所以上整備する」とされる児童発達支援センター機能についてです。 赤ちゃんにスペシャルニーズがあると判明した保護者は、非常に大きな不安と喪失感を抱きます。ここ渋谷区でも、先ほど紹介したロンドン市の事例のようなところまで達していない現状では、保護者に必要な正しい情報を提供することが一番の助けとなります。今後設立される児童発達支援センターでは、渋谷区の子育てネウボラとも綿密に連携を図り、例えば民間の児童発達支援事業所を特色ごとにリスト化し、保護者に提供、そして積極的に施設をスペシャルニーズ児につないでもらいたいのです。 センターは自ら療育機能も備える場だと認識していますが、ここでの地域のスペシャルニーズ児支援情報の集約と事業所連携の重要性について、区長の見解を求めます。 次に、保育所等訪問支援について伺います。 この制度は、インクルーシブ教育・保育を受けているスペシャルニーズ児のもとに訪問支援員が訪れ、日常活動の場で療育を提供するとともに、保育所や学校にはスペシャルニーズ児への対応や環境整備のアドバイスをするもの。渋谷区は二〇二〇年度までに導入を目指しています。 私は、この訪問支援員については、その目的に鑑み、理学療法士や作業療法士などの高い専門性を持った職員を当たらせるべきだと考えます。これら専門的職員には訪問支援員特別加算が措置されるとのこと。是非これらを活用しつつ体制整備を図るべきだと考えますので、この点について区長の所見を伺います。 また、保育所等訪問支援は、小学校でも利用することができます。インクルーシブ教育が進む現場にこそ積極的に保育所等訪問支援員を受け入れていくことで、教育現場の理解を進め、負担軽減を図っていくべきだと考えます。この点については教育長の答弁を求めます。 次に、「代々木の杜ピア・キッズ」の言語聴覚指導事業について伺います。 言葉の遅れがある未就学児を対象とした言語聴覚指導の場、「ピッコロ」は、知的障がいがないことが条件となっています。ところが、ピア・キッズの集団療育「ポルテ」に通うスペシャルニーズ児の保護者の中には、子どもの将来を考え、ピッコロにおいて言語聴覚指導を受けさせたいという要望があるのです。スペシャルニーズ児にとり、話せることは社会生活上の最重要課題の一つです。ついてはピッコロを、知的障がい児に門戸を開くことはできませんか、区長の見解を伺います。 最後は、「スペシャルニーズ」という呼称を渋谷区が行政の中で使っていくべきという提案です。 渋谷区基本構想の理念は「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」です。そして、この理念はよくダイバーシティ&インクルージョンと表現されます。「障がい」という言葉は、先ほども申したようにいろんな捉え方があり、長い間使われ続けてきた用語でもあることから、それを今すぐ「スペシャルニーズ」と呼び変えることは難しいかもしれません。しかし、「障がい(スペシャルニーズ)」と表現することは可能なのではありませんか。 「スペシャルニーズ」という呼称の導入について区長のお考えをお示しください。 以上、積極的な答弁をお願いいたします。 ○議長(丸山高司) 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) シブヤを笑顔にする会、伊藤毅志議員の代表質問に順次お答えします。 まず初めに、区の猛暑対策についての二点のお尋ねです。 初めに、熱中症に対する注意喚起についてお答えします。 今年は暑さが昨年以上に早く本格化することが懸念されたため、早い段階での区ニュース五月一日号と、猛暑の続く八月十五日号に掲載したことや、ホームページに「熱中症に注意しましょう」と題して特設ページを設けました。さらに全百五町会への注意喚起のチラシ配布、清掃事務所の街頭宣伝車による呼びかけや、ハチ公前交差点、Qフロントほか全十一カ所の街頭ビジョンの活用、フェイスブックの活用や渋谷のラジオにおける「区長の部屋」において区長が呼びかけを行い、文字や映像を駆使して随時注意喚起を行いました。 来年以降は気象状況も注視し、御指摘の区ニュースやSNS、防災行政無線や渋谷のラジオ等、あらゆるツールを適宜活用したいと考えております。 次に、熱中症予防対策として、クーラーへの補助についてのお尋ねです。 本区では高齢者への熱中症対策として、昨年度実施した七十五歳以上の高齢者実態調査においてひとり暮らしと確認された方、高齢者のみの世帯でかつ要介護・要支援認定を受けている方、そして日ごろより見守りを受けていて熱中症が懸念される方に対し、見守りサポート協力員や地域包括支援センター職員が直接訪問して注意喚起を行っています。今年度は熱中症予防シートの配布を行いながら注意喚起に努めました。 さらには、地域包括支援センターにおいてポスターの掲示やチラシの配布を行うとともに、地域包括支援センターを初め敬老館やはつらつセンターなどにお休みどころを設置し、予防啓発を実施してきたところです。これらについては、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 議員御提案の、クーラーのない、または故障している家庭への補助についてですが、まず、低所得者の方は現在、社会福祉協議会の生活福祉資金の貸し付けを受けることができます。また、生活保護を受給している世帯については、一定の条件を満たす場合、今年度よりエアコン購入費用の支給が可能となっています。 一方、高齢者への補助制度につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。 今後も熱中症が心配される気候が予想されている中、適切な周知啓発に努めてまいります。 次に、水害対策についてのお尋ねです。 本年八月に発生した台風十三号の対応については、本区として初めて、渋谷川の氾濫警戒に備え、臨時的な対応として自主避難施設を二カ所開設しました。その際、地域の皆様への情報提供として、区の安全安心メール、ホームページ、ツイッター及び地元町会長への連絡により地元周知を図りましたが、さらなる周知徹底について、課題として受けとめております。 現在、自主避難施設の制度化に向けた取り組みを進めており、その中で、要支援者やひとり暮らしの高齢者を含めた地域の皆様への周知徹底の手法についても検討を進めております。 次に、洪水ハザードマップの改訂についてのお尋ねにお答えします。 洪水ハザードマップは水深を示しており、議員御指摘のとおり、被害発生の頻度など必ずしも実際の状況をあらわすものではないことから、地域の皆様が求める適切な情報提供に当たって改善が求められているところです。 今後、東京都により洪水ハザードマップの基礎資料が作成され、これをもとに本区において洪水ハザードマップの改訂を行いますが、洪水ハザードマップに浸水履歴の確認を促す記載をし、あわせてホームページでも確認できるようにする等、適切な情報が提供できるよう努めてまいります。 また、土嚢等の水害対策の資材につきましては、神宮前及び幡ヶ谷両土木事務所と仮庁舎等に常時配備しており、水害対策の再点検についても今後、検討を進めてまいります。 次に、災害時のドローンの活用についてのお尋ねです。 災害時のドローンの活用ですが、近未来型の技術が進歩している中で、遠隔操作や自動操縦を可能とした小型無人航空機、ドローンには大きな期待をしています。 議員御提言の、ドローンを配備しパイロットを育成することについては、災害時に、例えば延焼火災などが起きている被害地域に事故を起こすことなく操縦するために、相当の訓練が必要であります。そのためには平時から区内を飛行する訓練が必要であり、現段階では飛行の区域、方法、目的など法令の厳しい規制があるため、熟練のパイロットになるまで相当の時間を要することから、現状では難しいものであると考えます。 しかし、災害時においてドローンを活用することは有効であると考えますので、民間企業やNPO団体等において、災害時にドローンによる情報収集等ができるパートナーをつくっておくことも一つかと考えます。 また、渋谷消防団各分団のドローン配備については、消防団の資機材、装備にかかわることでありますので、東京都において検討されるものであることから、その動向を見ていきたいと考えます。 次に、東京二〇二〇大会における渋谷区独自ボランティア制度について二点のお尋ねです。 まず、渋谷区独自ボランティアの募集や活動状況の報告と、保険支給についてです。 独自ボランティアは、東京二〇二〇大会時に渋谷区ならではのおもてなしや観光案内などを行うために、本年五月から募集を開始しました。現在八十一人の方に登録いただき、リアル観戦など気運醸成事業や文化プログラムでボランティア活動が始まっています。 活動時の保険につきましては、先ほど久永議員にもお答えしたところですが、独自ボランティアの皆様が安心して参加し、活動していただくため、保険料の負担について検討してまいります。 次に、親子での渋谷区独自ボランティアの登録、参加についてです。 独自ボランティアへの登録は、東京二〇二〇大会時に高校生以上の年齢の方を対象としています。年齢要件を定めていますのは、ボランティアの活動が、夏期期間中に競技会場周辺などにおいて大変多くの来訪者へのおもてなしや対応を行うため、活動の安全性なども考慮したからです。 一方で、東京二〇二〇大会は、未来への継承を行うためにもまたとない貴重な機会であり、より多くの区民の皆様に大会へ参画していただきたいと思っています。ボランティア活動の具体的な内容や場所について、今後、大会組織委員会や東京都と調整を図り、準備を進めていく中で、親子の登録、参加につきましても検討してまいります。 次に、東京二〇二〇大会における渋谷区の文化プログラムの取り組みについてのお尋ねです。 東京都や大会組織委員会では、東京二〇二〇大会に向けて、これまでにない多彩で魅力的な史上最高の文化プログラムを展開し、世界に発信することで、文化の祭典としても成功させたいとしています。 私は、文化プログラムはあらゆる人や多くのステークホルダーが結びついてアイデアを生み出し、参加できるエンターテインメント性が大事だと思っています。それはダイバーシティ&インクルージョンを推進する大きな契機となります。 渋谷区においてそうした文化を根づかせるために、昨年度から「MERRY SMILE SHIBUYA FOR 2020」を開催しています。大会当該年にはこの文化プログラムを拡充してパラリンピック大会の直前に開催することで、オリンピック大会からの祝祭感や盛り上がりの連続性を高め、パラリンピック大会の成功につなげていきたいと思っています。 さらには、区内各所で行われている多彩で多様な文化イベントなどとも結びつけながら、渋谷の街を一体となって盛り上げ、東京二〇二〇大会を契機としてあらたな文化を生み続けるまちを目指していきます。 次に、今後の区施設についてのお尋ねです。 初めに、仮庁舎について四点の質問ですが、まず仮庁舎の第一庁舎について、区役所移転後も神南分庁舎跡地複合施設及び高齢者ケアセンター跡地複合施設に入所する部署が、建替え期間中の二年半程度に限り使用する予定です。したがって、区役所移転後の当初には、中央保健相談所と生活福祉課が使用します。 また、来年五月以降は、子ども家庭支援センター、子ども発達相談センター、教育分野の相談機能を集約し、第二回定例会でお示ししました渋谷区子育てネウボラを先行して実施する予定です。仮庁舎においても、親だけでなく地域の誰もが子育ての仲間となり、集い、語り、つながる場を提供していきます。 次に、仮庁舎の第二・第三庁舎については、設備機器等を第二・第三庁舎から第一庁舎へ移設する工事を行った後、来年の六月から約四カ月をかけて撤去工事を行う予定です。 次に、第三庁舎跡地と都区連携の御質問については、一括してお答えします。 仮庁舎跡地の活用については、昨年の第三回定例会でも伊藤議員から御質問があり、その中で、区有地と都有地の一体利用についての御提案がありました。 本区としては、限られた土地を有効活用することを考えると、隣接する都有地と一体利用することが最も効果的であると考えます。そのため、美竹公園の機能を確保しながら区有地と都有地を一体利用する方向で、現在、東京都と調整を進めております。 もともと第二庁舎の土地は都所有地であり、東京都の「都市再生ステップアッププロジェクト」に位置づけられています。このプロジェクトを活用し、都有地と区有地のスケールメリットを生かした計画にしたいと考えています。 また、第二・第三庁舎解体後、第一庁舎が残る二年半程度の間も、都市における貴重なオープンスペースである美竹公園については、地域の皆様に御利用いただける空間として確保いたします。 今後、地域の皆様の御意見を踏まえながら、東京都との協議を進めてまいります。 次に、区立公園における「公募設置管理制度」についてのお尋ねです。 第二回定例会において議決いただいた公募設置管理制度につきましては、平成二十九年に都市公園法が改正され、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公園施設の設置と、当該施設から生ずる利益を活用して、その周辺の園路、広場等の整備、改修等を一体的に行う者を公募により選定する制度であり、この制度を渋谷区においても活用できるように渋谷区立都市公園条例を一部改正させていただきました。 議員御発言のとおり、この制度により、これまで飲食店や売店などの公園施設の建蔽率が二%に制限されていたところ、一〇%上乗せされて一二%まで建てられるなど、様々なインセンティブを与えられることになりました。渋谷区ではこの制度を活用し、老朽化している公園施設の整備など、多様な検討を進めているところです。 一方で、新宮下公園につきましては、公募型プロポーザルによるPPP方式で整備事業を行っているところです。事業の内容としては、公園を訪れた方がくつろぐことができるカフェやクライミングウォール、イベント広場、さらには様々なスポーツが可能な多目的コートなどの整備により、世界への発信力を有する魅力的な、新しい宮下公園とする予定です。 工事は、既に基礎工事や先行床の建て方など本格的な建設工事を開始しており、新たに公募設置管理制度による事業者を募集して公園施設を追加設置することは、建物の設計から見直すことになり、工事の工程や建物の構造上も困難であると考えます。 将来的に新宮下公園の整備、改修等の機会が訪れた際に、改めて公募設置管理制度などの公園整備の手法を検討してまいりますが、まずは新宮下公園以外の公園から、公募設置管理制度を活用した「パークマネジメント手法」の導入を進めてまいります。 次に、老朽校舎の建替えについて、個別計画の策定と「渋谷区立学校インフラのあり方検討会」の立ち上げについてのお尋ねです。 学校施設の建替えに係る個別施設計画は、策定作業を進めているところです。これは、国が平成三十二年度までに学校施設の長寿命化計画の策定を求めており、区としては学校施設の設備内容や時期、費用等を具体的に示す中長期的な計画を策定するものです。本計画を策定した上で、老朽化した小中学校校舎の改修等を計画的に進めることを検討していきます。 現在は評価項目を精査しており、次年度、改修方法等の検討に必要な劣化状況、構造躯体の健全性について調査を行う予定です。 また、議員御提案の趣旨を踏まえて、策定前までに、時機を見て、専門家、関係者による御意見をいただく機会を設けることを考えています。 次に、校外・社会教育施設についてのお尋ねです。 山中高原学園及び富山臨海学園については、開設以来、多くの区立学校の児童・生徒の移動教室を行うなど教育施設として活用してきました。 校外学園を廃止という決断に至った経緯といたしましては、昨年度、集団宿泊的行事の充実の観点から、まず教育委員会において検討を行い、国立施設等で実施することにいたしました。私も昔、校外活動で利用し、思い出深い施設でもありますが、教育委員会における検討の結果、活動プログラムが充実されることに加え、施設の一部老朽化により施設維持に課題があること、山中高原学園の土地の賃貸借契約が今年度で切れることに鑑み、総合的に判断した結果、校外学園の廃止条例を提出しております。 今後の移動教室等、校外学習については、教育委員会において、児童・生徒の豊かな学びにつながるよう適切に実施されるものと考えています。 次に、今後の管外青少年施設の展望についてのお尋ねですが、渋谷区は、昨年三月に閉鎖した「渋谷区檜原自然の家」の代替施設として「高尾の森わくわくビレッジ」を紹介しておりますが、人気の施設のため予約がとりづらいなどの声が届いております。今後は、高尾の森わくわくビレッジのほかにも、青少年育成の場としてふさわしい区外施設を紹介できるよう調査してまいります。 また、現在、本区には管外の青少年施設として「アクティブ峰の原」と「新島青少年センター」があります。どちらの施設も豊かな自然環境の中にあり、これまで多くの区民に御利用いただき、青少年や青少年団体、また小中学生を含む家族がグループ活動や親子の触れ合いを深め、青少年健全育成の場として重要な役割を担っております。 特に新島青少年センターは、離島という立地のため施設運営が難しい部分もありますので、今後の管外青少年施設は従前の手法にとらわれず、民間活用なども視野に入れ総合的、慎重に検討いたします。 次に、ヒカリエ八階の防災センター跡地利用についてのお尋ねです。 防災センターが新庁舎に移転した跡地については、先ほど自由民主党議員団、一柳直宏議員の質問にお答えしたとおり、「生涯現役サポートセンター(仮称)」を開設する方向で調整を進めています。 「生涯現役サポートセンター(仮称)」では、プロボノやクラウドワーキングといった新しい働き方の提案や、S-SAP協定を締結している区内大学や民間企業と連携した講座の開催など、これまでにない多様な高齢者向けの施策を推進していきます。詳細な検討はこれからとなりますが、期待してお待ちしていただきたいと思います。 また、これまで町会連合会やまちづくり関係団体が会議会場として利用されてきた状況については承知しております。これまでと変わらぬ使い方ができるよう検討を進めてまいります。 なお、同じフロアにある区民サービスセンターにつきましては、これまでどおり、同じ場所でサービスの提供に努めてまいります。 次に、公共建築物への木材利用の促進についてのお尋ねです。 木材は柔らかで温かみのある感触を有するとともに、室内の温度変化を緩和させ快適性を高めるなどのすぐれた性能を備えています。このため、建築物の内装材に用いることで癒やしと潤いのある空間づくりが可能となります。 また、建築資材として国産木材の利用は、輸入材との競合等によって低迷している林業に活力をもたらし、採算不足から荒廃の広がる森林環境の回復にもつながり、我が国の地球環境問題への取り組みに貢献していくことになります。 具体的取り組みとして、現在計画中の「渋谷区子育てネウボラ」において、一階のエントランスから二階、三階の子育て支援・交流スペースを中心に木材のよさを積極的に活用していく予定であり、木のしつらえがもたらす心身への影響が、コミュニティの活性化や利用者の抱える課題の早期解決の一助になることを期待しております。 都市化が進む本区において、防火の観点から外装に木材を使用することが困難の場合もあり、また、コスト面からの検証も必要ですが、今後も議員の御提案にあるような区の施設を中心に、施設の新築、改修に際しては効果的な木材の使用を検討してまいります。 次に、区道への通称名への表示についてのお尋ねです。 本区では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の招致、開催が決まり、国内外から多くの方々に渋谷を訪れ楽しんでもらえるよう、学識経験者から御意見をいただき、本年三月、「渋谷区公共サインガイドライン」を策定いたしました。初めて渋谷を訪れる方にもわかりやすい統一的な公共サインの整備を、まずは渋谷駅周辺地域から、本ガイドラインに沿って実施します。 また、渋谷ではこれまでも通りから多くのストリート文化が発信されてきたことを考えると、案内サインの地図の中に、例えば「公園通り」や「竹下通り」といった通りや、「道玄坂」、「宮益坂」といった坂などを記載し、より区民や来街者の目線に立ったものにしていかなければなりません。そのため、区道や都道など既に各行政機関で通称名が定められたものについてはその名称を使用しますが、区道については年内に「(仮称)区道等通称名検討委員会」を設置し、早急に検討を始めてまいります。 次に、ネズミの駆除についてのお尋ねです。 ネズミについては、日ごろより建築物の衛生的な環境を確保することによりすみつかせないことが重要となります。 現在、三千平米以上の大規模建築物は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」により、建築物の管理基準が定められています。その項目の一つとして、防虫・防鼠構造があり、所有者など管理権限者は定期的にネズミ等の発生場所、生息場所及び侵入経路、被害状況について調査を実施し、その結果に基づき必要な措置を講ずることが義務づけられており、建築物内には管理権限者が衛生管理に努めなければなりません。 しかしながら、建物内にとどまらず、再開発地域全体という広範囲のエリアから有害な衛生動物を完全に排除することは困難であると考えます。 一方で、今後も再開発は続き、ネズミ被害の増加が懸念されることから、一万平米以上の大規模建築物を取り扱う東京都とも連携しながら、建築物の所有者など管理権限者に法律に基づいた対応をとるよう指導してまいります。 議員御提案の条例や区規則での義務化に関しましては、他区の状況を鑑みながら、今後の検討課題とさせていただきます。 次に、ホームレス対策について二点のお尋ねです。 平成二十八年度から実施している「ハウジングファースト事業」の実施について、今年の八月末までに三百五十五回、延べ七百四十人のホームレスにアウトリーチを実施し、四十九人の方がシェルターを利用し、三十九人の方がアパートを契約して地域生活に移行しています。今年度はシェルターを十室に増やし、支援を拡充しています。 ホームレスの方が路上生活の段階から地域生活に移行し、再び路上に戻ることのないよう、地域に定着するまで一貫して同じ支援員がかかわることで、きめの細かい支援を実現しています。 次に、今後のホームレス問題への取り組みについてのお尋ねです。 例えば、長期化・高齢化したホームレスの方には区独自のハウジングファースト事業で地域生活への移行を、就労自立を目指すホームレスの方には、特別区と東京都が共同で取り組む自立支援センターを中心とした路上生活者対策事業で就労と地域生活への移行を、直ちに自立が困難なホームレスの方には生活保護をというように、複雑な事情を抱えるホームレスの方々に、個々の事情に合わせた支援に結びつけるためのアプローチをさらに進めてまいります。 また、医療面でのアプローチが必要と思われる方には、保健所や都の精神保健福祉センターと連携し、精神科医や看護師が同行しての声かけや健康相談を行っており、路上生活が長期化したホームレスの方への声がけには、近隣の町会の方や民生児童委員の方々の御協力もいただいた事例もありました。 今後も関係機関や地域の方々と連携して、支援のメニューや生活保護の申請に結びつける取り組みを粘り強く続けてまいります。 次に、公園の全面禁煙についてのお尋ねです。 御承知のとおり、路上喫煙に関しては、これまで本区は環境美化の観点も入れ、渋谷区分煙ルールにより、歩行喫煙はしない、たばこは決められた場所で吸うこととし、喫煙者のモラルやマナーの向上を図ってまいりました。また、重点地区を設定し、喫煙所以外での喫煙を禁止し、分煙指導員によるパトロールを行ってきたところであり、区立公園を含めて、歩行喫煙者の減少など一定の効果があった反面、非喫煙者からの要望も少なからず寄せられてきたところです。 一方で、このたび改正または制定された「健康増進法の一部を改正する法律」や「東京都受動喫煙防止条例」では、議員の御指摘のとおり、受動喫煙による健康影響の大きい子ども、患者等への配慮と悪影響の未然防止を強く掲げて、社会全体で受動喫煙防止の環境整備に取り組むことを求めています。 こうした社会情勢の変化の中で、区では法令の規格外となる屋外での喫煙について、これまでの分煙ルールを非喫煙者の視点に立って見直す方向で、条例化することを含め検討しているところです。 議員御指摘の区立公園の全面禁煙についても、利用者の皆さんの理解を得ながら、実効性の確保もあわせて検証しているところであり、今後、区全体の新たなルールづくりの中で、そごのない形で実現を図りたいと考えています。 次に、「渋谷区子育てネウボラ」についてお答えします。 ロンドンの障がい児施策の例をとったおせっかいの姿勢と施策についてですが、渋谷区では障がい児が生まれた際、産科医療機関から連絡をもらい次第、入院中の医療機関や家庭に保健師が訪問し、継続的な保護者に寄り添った支援をしています。出生した全ての子どもに対しても、家庭訪問による保護者の不安解消に努めております。 いずれの取り組みも、区が必要と判断する場合には相手が積極的に望まなくても訪問をするなど、おせっかいな姿勢は施策に取り組む上で重要だと考えております。 次に、一時保育について、予約方法の改善と利用日数の変更についてのお尋ねです。 一時保育の予約方法については、平成二十九年第二回区議会定例会で貴会派の岡田麻理議員からも御提案のありましたインターネット等を利用した予約方法について、導入の実現可能性や経費について検討しており、来年度中の実施に向け引き続き検討を進めてまいります。 また、一時保育を一カ月に利用できる日数については八日までを上限としていますが、区立保育園の一時保育の年間利用者五百人のうち、八割の方がひと月に一日から二日程度の利用となっております。 今後もより御利用いただきやすいものとなるよう、利用者や保育現場の意見を参考に、予約方法の変更とあわせて検討してまいります。 次に、「スペシャルニーズ児」政策について、まず、児童発達支援センターについてのお尋ねです。 児童発達支援センターは、日常生活の基本的動作の指導、自立に必要な知識、技能の習得、集団生活への適応訓練を受けるための施設で、国の指針では、平成三十二年度末までに各区市町村に少なくとも一カ所設置することを基本としています。設置に当たっては、児童福祉法や都条例で基準が定められており、児童発達支援事業のほか食事の提供や健康診断も実施することから、指導訓練室や事務室のほかに調理室や医務室などの設置も必要となります。 一方、区立施設の「はぁとぴあキッズ」と「代々木の杜ピア・キッズ」については、児童発達支援センターに必要な機能のほか、日中一時支援の拡充や相談支援事業の充実も求められています。 そこで、今後は区立施設と民間事業所による療育の役割分担を明確にしながら、児童発達支援センターの設置に向け区立施設として必要な支援内容の見直しも図り、スペースの活用や運営体制の工夫を検討してまいります。 この過程では、保護者の不安や喪失感に寄り添い、児童に必要な支援につなげるためにも、議員御指摘のように、渋谷区子育てネウボラと緊密な連携をとり、地域の支援情報を集約し、事業所をつなげる仕組みの検証が重要だと考えています。 次に、保育所等訪問支援についてのお尋ねです。 本区では「渋谷区障害福祉推進計画」において、「はぁとぴあキッズ」と「代々木の杜ピア・キッズ」での療育の充実を重点項目と位置づけ、その取り組みの一つとして保育所等訪問支援事業を挙げています。 この事業は、保護者の申請に基づき訪問支援員が保育園や幼稚園、小学校などを訪問し、児童が集団生活に適応できるよう直接支援するとともに、訪問先の職員や教員に対し、児童とかかわり方や活動の組み立てを助言するものです。 訪問支援員の資格としては、国の通知において児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、心理担当職員などが例示されており、高い専門性はもとより、療育に関する十分な知識と経験が必要とされています。また、議員御指摘の訪問支援特別加算についても、理学療法士や作業療法士に加え保育士や児童指導員なども、直接支援や相談支援に五年以上従事している場合は加算の対象となります。 したがって、今後、区立施設において保育所等訪問支援事業を導入する際には、療育の従事経験が豊富で日ごろから対象児童を担当し、支援方法を熟知している支援員が訪問先でも一貫して支援できる体制を検討してまいります。 次に、「代々木の杜ピア・キッズ」の言語聴覚指導事業についてのお尋ねです。 代々木の杜ピア・キッズでは、ピッコロに言語聴覚士二名を配置し、就学前の三から五歳児を対象に言葉やコミュニケーションの個別訓練を実施しており、八月末現在で三十四人の児童が利用しています。 ピッコロの利用対象は、他の療養クラスとの位置づけを明確にするために、言葉による指示を理解でき、専門指導に特化できる児童としています。一方、一から五歳児の療育を行う「ポルテ」においても、言語聴覚士が日々の療育に参加し、言葉の発達評価や直接指導を行い、支援員にも言語発達の指導方法を具体的にアドバイスするなど、個々の状況に応じた支援に努めています。 今後は、今年四月から代々木の杜ピア・キッズでスタートした相談支援事業を通じて、保護者の思いやニーズを細やかに聞き取り、療育の内容や言語聴覚士のかかわりについて丁寧な説明を心がけるとともに、クラスの枠を超えた柔軟な対応についても検討してまいります。 次に、「スペシャルニーズ」という呼称の導入についてのお尋ねです。 私も「障がい」を別の言葉に言いかえる必要性は感じています。区長就任の年に、教育委員会と協議して「渋谷区教育大綱」を制定いたしました。その中で「スペシャルライツ」を「特別な権利と個性を持つ子ども」という意味で使用していますが、新しい言葉を受け入れてもらう難しさを実感しているところです。 「障がい」という言葉をどのような言葉に言いかえるかは、人によって、また当事者によっても考え方が違うものです。そのため、様々な人からの声に耳を傾けていきたいと思っています。「スペシャルニーズ」という呼称の導入については、今後の研究課題とさせてください。 以上、私からの答弁といたします。   〔「議長、訂正を」の声あり〕 ○議長(丸山高司) どうぞ訂正してください。 ◎区長(長谷部健) すみません、訂正があります。 ホームレス対策のところでですね、延べ七百四十人のホームレスにアウトリーチを実施し、四十九人の方がシェルターを利用し、三十六名の方がアパートを契約してというのが正解で、先ほどは三十九名と申してしまいました。大変失礼いたしました。 ○議長(丸山高司) 豊岡教育長。 ◎教育長(豊岡弘敏) 私には今後の区施設について一点と、「スペシャルニーズ児」政策について一点のお尋ねがありました。順次お答えをしてまいります。 まず初めに、山中高原学園及び富山臨海学園の代替施設についてのお尋ねです。 山中高原学園及び富山臨海学園については、長年にわたり区立学校の児童・生徒の移動教室等に活用し、児童・生徒に親しまれてきた施設です。 両施設において実施していた校外学習については、主に国立施設の四施設を活用します。山中高原学園において実施していたハイキングや自然学習については、中央、那須甲子、磐梯の各国立施設においてもハイキング、オリエンテーリング、動植物観察などがあり、また、富山臨海学園において実施していた海水浴については、妙高の国立施設において実施が可能です。 さらに、国立施設では、雨天時等において施設内で創作体験活動が行えるなどプログラムの充実が図られます。加えて、施設における体験活動の専門指導員から活動計画や指導方法の助言を受けられるなど、教員の指導力向上に寄与するものと考えます。 施設の選択、活動内容については各学校が実態に応じて決定をいたしますが、これらのことから、今後も集団宿泊的行事の充実が図られるものと考えます。 次に、保育所等訪問支援の小学校での利用についてのお尋ねです。 教育委員会といたしましては、障がいのある子どもたちの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を進めることは重要であると考えます。そのため、特別な支援が必要な子どもたちに対し、区内の小学校、中学校合わせて八校に特別支援学級を設置しています。 また、特別支援教室での指導の充実を図るため、巡回指導の取り組みを進めており、新たに加計塚小学校と代々木中学校を拠点校として設置をいたしました。さらに、児童・生徒の状況に合わせて学習支援員、介助員の配置や、タブレットによる学習支援等を進めています。 議員御提案の小学校における保育所等訪問支援員の活用については、具体的には、特別な支援が必要な児童に対する指導方法について教員が助言を受けるなどの場面が想定されます。今後、福祉部障害者福祉課における体制整備を受け、活用方法については研究してまいります。 以上、私から答弁とさせていただきます。 ○議長(丸山高司) 七番伊藤毅志議員。 ◆七番(伊藤毅志) 区長、教育長から答弁をいただきました。おおむね納得のできる答弁だったので、ありがたいなというふうに思うんですけれども、やはり何点かはきちっとお伝えをしておかなければいけないことがあるので、所感を述べさせていただきたいと思います。 まず一点、訂正なんですが、私からも。先ほど私の発言の中で、区道の通称名の表示のところで、私が前回、この問題を取り上げたのが平成二十四年の三月定例会と言ってしまったんですけれども、第三回定例会の間違いでした。すみませんでした。 まず、熱中症予防ですが、熱中症はもうまさに、この暑さへの対策は今、渋谷区が直面している現実の災害だというふうに私、思っていて、特に心配なのは、二〇二〇年に区民の皆さんが沿道に出て応援しても、渋谷区の独自ボランティアの方が外に出てくれてもいいんですけれども、そういうときのことも見据えて、本当に対策に力を入れて、アナウンスなんだと思うんですけれども、対策に力を入れていかないと、甘く考えていると結構大変かなというふうに思うので、先ほどの答弁、きちっとやられるということでございましたので、高齢者世帯へのクーラーの設置等々も含めてですね、是非是非前向きに検討していただきたいということがあります。 それと、渋谷区独自ボランティアの登録ということですけど、今後検討するということですけど、区長発言の中にですね、教育における取り組みというところで、「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。この大会が本区の子どもたちにとって、おもてなしやボランティアマインドに関する気運の醸成につながるよう取り組んでまいります」と力強く言ってくださっていますから、この「検討します」は、やるという意味の「検討します」だというふうに思っていますので、是非よろしくお願いいたします。 あと、ドローンの活用ですけれど、今回の防災訓練、もちろんドローンの重要性も区長も十分に御理解いただいた上で、ただ、今回の防災訓練でのドローンは「ボランティアの方が勝手に飛ばしてくれた」ということであるとですね、本当に一朝有事のときは困りますね。先ほど区長からも提案があったように、パートナーづくりをするというのであれば、早急に防災協定みたいなものを結んでいただいて、どういうときにどういう運用をするんだということも決めておいたほうがいいと思うんです。 ですから、もう来年の防災訓練ではですね、必ずもう、そういう専門家、渋谷区と関係を持った、防災協定を結んだ専門家がドローンを飛ばしていただけるよう、そういう体制づくりをしていただくように強く要望しておきたいと思います。 それと、ネズミ駆除の話です。 私、長いこと議員やっているんですけど、区の答弁で「今後の検討課題とさせていただきます」というのはね、ほぼやらないというのに何か近いニュアンスなんですね。 ネズミ駆除の義務化、先ほど区長からそういう法律があるよと言っているのは、今ある建物の中でネズミを出さないような努力をしてくださいという法律じゃないですか。でも今、再開発が進む中では、やはり解体をしたときにどっと出るわけなんですよ。その対策はきちっととらないと、今、百年に一度と言われて二〇二七年までには大方の再開発が終わるわけですから、この機を逃したらですね、もしかすると「区の花、ハナショウブ。区の動物、ネズミ」なんて言われちゃうかもしれないじゃないですか。そういうふうにならないように、きちっと、再開発をする方、解体をする方にはですね、きちっと解体前に駆除してもらうような、そういう施策を是非お願いしたいと思います。 最後にですね、山中、富山も含めた校外施設、社会教育施設について一言申し述べさせていただきます。 どうも私、区長の答弁を聞いているとですね、この件に関しても何か経済性だとか合理性が優先されているみたいに聞こえちゃうんです。場所が遠いとか、何とかにお金がかかるとか、契約がもうすぐ終わりそうだとか。やっぱり福祉だとか教育だとか青少年の健全育成というのは、そういう経済性だとか合理性だとかを度外視した上でやっていくのが区の責務じゃないかというふうに私は思いますし、それは国の施設だってほかの民間の施設だっていい施設はあるかもしれないけど、やっぱり自前で持っているからこそ使いやすい、自前で持っていて近いから、近いということはもう条件だと思うんですけども、自前で持っていて近いからやっぱり使いやすいし、いつでも使えるということがあると思うんですね。ですからその辺のところが、私、根本的にですね、今、区長の進めている感じというのは少し方向が、本当にいいのかなというふうに思うところもあります。 私、渋谷区トライアスロン連合の合宿でよく、ここのところ富山を使わせてもらいましたけど、富山へ行ったときにですね、富山の酒屋さんなんですけど、「ずっと牛乳を富山の健康学園に納めさせてもらっていたんだけど今年の夏で終わっちゃうんだってね、寂しいよね、子どもたちがああやって元気な声が聞こえなくなっちゃうのは寂しいよね」という話で、やっぱりそういう土地の持っている記憶、ありますし、特に新島なんか、いろんな人が行ったら「渋谷とは仲がいいんだ、渋谷とは仲がいいんだ」とみんな言ってくれますし、消防団での独自の毎年の交流もあるし、そういう土地と土地、自治体と自治体との関係みたいなものもですね、簡単になくしていいものかといったら、私はちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんです。 教育長からも答弁ありましたけれど、何かその、妙高で臨海学園やるって聞いているだけでおかしくないですか。妙高でどうやって地びき網するのかというふうに思っちゃうんですよ。それは一時間で着くかもしれませんけれども、だったら富山だったら一時間でここから着くし、そこから一分で海じゃないですか。そういう環境というのは、新たにそういうところがあれば探してもらえばいいのだと思うんですけど、今回条例が出ていますが、この条例に関してもですね、私どもの会派でも委員二人おりますから、きちっと審議の中で、本当に子どもたちのためになるのかということはきちっと見定めていきたいというふうに思います。 ともあれ、我々シブヤを笑顔にする会はですね、区民の笑顔をつくっていく、そして区民の笑顔を守っていくことも重要な課題だと思って、今後とも区政に邁進してまいります。 ありがとうございました。 ○議長(丸山高司) 以上をもって区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第一 会期決定の件----------------------------------- ○議長(丸山高司) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から十月二十二日までの三十三日間とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、会期は三十三日間と決定いたしました。 日程第二を議題に供します。   〔野島次長朗読〕----------------------------------- △日程第二 諮問第四号 人権擁護委員の候補者について----------------------------------- ○議長(丸山高司) 提案理由の説明を求めます。 長谷部区長。 ◎区長(長谷部健) ただいま議題となりました諮問第四号は、人権擁護委員として、法の規定するところにより吉田俊則氏を推薦するため提出するものであります。 よろしく御決定いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(丸山高司) これから質疑に入ります。質疑ありませんか。質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから日程第二を採決いたします。 本件については区長諮問どおり支障ない旨、答申することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、吉田俊則氏を区長諮問どおり支障ない旨、答申することに決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(丸山高司) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明九月二十一日午後一時に開議いたします。 なお、日程は当日、文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。-----------------------------------   延会 午後六時十三分-----------------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長   丸山高司渋谷区議会副議長  古川斗記男渋谷区議会議員   藤井敬夫渋谷区議会議員   薬丸義人...