• 岡野裕(/)
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  1. 渋谷区議会 2007-03-01
    03月01日-01号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    平成19年  3月 定例会(第1回)          平成十九年 渋谷区議会会議録 第一号 三月一日(木)出席議員(三十二名)   一番  前田和茂        二番  奈良明子   四番  沢島英隆        五番  栗谷順彦   六番  平田喜章        七番  長谷部 健   八番  小林崇央        九番  東 敦子   十番  水原利朗       十一番  岡本浩一  十三番  松岡定俊       十四番  丸山高司  十五番  吉野和子       十六番  古川斗記男  十七番  伊藤美代子      十八番  芦沢一明  十九番  岡野雄太       二十番  鈴木建邦 二十一番  牛尾真己      二十二番  森 治樹 二十三番  新保久美子     二十四番  五十嵐千代子 二十五番  木村正義      二十六番  齋藤一夫 二十七番  染谷賢治      二十八番  座光寺幸男 二十九番  広瀬 誠       三十番  植野 修 三十一番  薬丸義朗      三十二番  金井義忠 三十三番  苫 孝二      三十四番  菅野 茂欠席議員(一名)   三番  小林清光 欠番    十二番 ----------------------------出席説明員    区長            桑原敏武    助役            神山隆吉    収入役           内山卓三    企画部長          星宮正典    総務部長          松井     危機管理対策部長      田中泰夫    区民部長          山内一正    福祉保健部長        千葉博康    保健所長          吉村伸子    子ども家庭部長       松崎 守    都市整備部長        古川満久    土木部長          日置康正    清掃リサイクル部長     仁科 忍    都市基盤整備調整担当部長  中島豊六    教育委員会委員長      椿 滋男    教育委員会教育長      池山世津子    教育委員会事務局次長    柴田春喜    選挙管理委員会委員長    石井治子    選挙管理委員会事務局長   篠崎章子    代表監査委員        倉林倭男    監査委員事務局長      菊池 淳 ----------------------------事務局職員事務局長   石川民雄     次長     小湊信幸議事係長   倉澤和弘     議事主査   中山俊幸議事主査   宮本 勇     議事主査   太田 晃議事主査   友永伸二     議事主査   谷口 徹 ----------------------------   平成十九年第一回渋谷区議会定例会議事日程            平成十九年三月一日(木)午後一時開議日程第一         会期決定の件日程第二   議案第一号 渋谷区副区長の定数を定める条例日程第三   議案第二号 地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例日程第四   議案第三号 渋谷区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例日程第五   議案第四号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例日程第六   議案第五号 渋谷区立商工会館条例及び渋谷区立消費者センター条例の一部を改正する条例日程第七   議案第六号 渋谷区印鑑条例の一部を改正する条例日程第八   議案第七号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例日程第九   議案第二十七号 渋谷区政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例日程第十   議案第十二号 渋谷区ワンルームマンション等建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例日程第十一  議案第十三号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十二  議案第十四号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例日程第十三  議案第十一号 渋谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例日程第十四  議案第十五号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例日程第十五  議案第十六号 渋谷区立社会教育館条例の一部を改正する条例日程第十六  議案第十七号 渋谷区奨学資金に関する条例の一部を改正する条例日程第十七  議案第八号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例日程第十八  議案第九号 渋谷区知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例日程第十九  議案第十号 渋谷区感染症診査協議会条例の一部を改正する条例日程第二十  議員提出議案第一号 渋谷区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例日程第二十一 議員提出議案第二号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第二十二 議員提出議案第三号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例日程第二十三 議員提出議案第四号 渋谷区中小企業緊急特別対策資金貸付条例日程第二十四 議員提出議案第五号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第二十五 議員提出議案第六号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例日程第二十六 議員提出議案第七号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第二十七 議員提出議案第八号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第二十八 議案第十八号 平成十八年度渋谷区一般会計補正予算(第四号)日程第二十九 議案第十九号 平成十八年度渋谷区国民健康保険事業会計補正予算(第二号)日程第三十  議案第二十号 平成十九年度渋谷区一般会計予算日程第三十一 議案第二十一号 平成十九年度渋谷区国民健康保険事業会計予算日程第三十二 議案第二十二号 平成十九年度渋谷区老人保健医療事業会計予算日程第三十三 議案第二十三号 平成十九年度渋谷区介護保険事業会計予算日程第三十四 議案第二十四号 特別区人事及び厚生事務組合規約の変更について日程第三十五 議案第二十五号 特別区競馬組合規約の変更について日程第三十六 議案第二十六号 東京二十三区清掃一部事務組合規約の変更について ----------------------------   開会・開議 午後一時 ---------------------------- ○議長(齋藤一夫) ただいまから平成十九年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、十三番松岡定俊議員、二十四番五十嵐千代子議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔石川事務局長報告〕 ---------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員を報告します。 小林清光議員から欠席の届け出がありました。 遅刻の届け出の議員はありません。 ---------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 桑原区長、神山助役、内山収入役、星宮企画部長、松井総務部長、田中危機管理対策部長、山内区民部長、千葉福祉保健部長、吉村保健所長、松崎子ども家庭部長、古川都市整備部長、日置土木部長、仁科清掃リサイクル部長中島都市基盤整備調整担当部長椿教育委員会委員長池山教育委員会教育長柴田教育委員会事務局次長石井選挙管理委員会委員長篠崎選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員、菊池監査委員事務局長 ----------------------------渋監発第三十号   平成十八年十二月二十八日 渋谷区議会議長殿               渋谷区監査委員 倉林倭男               渋谷区監査委員 浅生博介               渋谷区監査委員 広瀬 誠   平成十八年十一月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕 ----------------------------渋監発第三十五号   平成十九年一月三十一日 渋谷区議会議長殿               渋谷区監査委員 倉林倭男               渋谷区監査委員 浅生博介               渋谷区監査委員 広瀬 誠   平成十八年十二月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕 ----------------------------渋監発第三十九号   平成十九年二月二十八日 渋谷区議会議長殿               渋谷区監査委員 倉林倭男               渋谷区監査委員 浅生博介               渋谷区監査委員 広瀬 誠   平成十九年一月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕 ---------------------------- ○議長(齋藤一夫) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成十九年第一回区議会定例会を招集し、平成十九年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることになりました。 第一回定例会の開会に当たり、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 私は、平成十五年四月、区民の皆様方の温かい御支援を賜り渋谷区長の重責を担うこととなり、四年が経過しようとしています。この間、私は機会をとらえて区民の様々な地域の集会や行事に参加し、区民の御苦労を身をもって感じ、他方では、これを区政に反映する努力をしてまいりました。 昨年十月、大手の新聞社の調査報告によれば、全国七百余の市及び二十三区を対象とした福祉や教育など行政サービス調査の総合評価は、本区が第四位でありました。その是非は別としても、全国の自治体の中で高い評価を得ることができました。これも区民の切実な生活課題にこたえ、高い志を抱かれる議員各位との御連携をいただいた協力の成果でもあると思い、感謝申し上げる次第でございます。 ところで、昨年は治安の悪化を象徴する事件や、あるいはいじめなどが多発し、心の荒廃が進み、家庭教育の崩壊やコミュニティの喪失を招いたと言われています。また、団塊の世代が定年を迎え、少子・高齢化が現実のものとなり、人口減少社会を迎えた今日、年齢を問わず、男女を問わずその能力を発揮し、ますます互いに助け合い、支え合い、新しいコミュニティの創造が求められる時代でもあります。 そうした社会状況の中で、渋谷区では、区民の皆様方が率先して防犯のためにパトロールを継続され、あるいは災害に備えて防災訓練を重ねられ、あるいはまちを美しくするため美化運動を進め、他方では、青少年育成のための諸活動など積極的に推進し、地域課題の解決に真剣に取り組まれました。また、福祉や教育施設などで黙々とボランティア活動をされています。渋谷を愛される区民の心のある限り、美しいふるさと渋谷が未来に向かって力強い発展の歩みをすると確信するものでございます。 しかし、それだけに、区政も地方分権の時代にふさわしい夢と希望のある渋谷区の実現のため、区民の期待にこたえ、全力を傾けねばならないと、その使命と自覚を新たにするものであります。 最初に、高齢者福祉についてであります。 渋谷区は、二十三区中トップの長寿区であります。「生きて知る」という言葉がありますが、人は長生きをして初めて様々な経験をし、それがゆえに人生に感慨が生まれ、古典を読んでも、「うた」を詠んでも、人との付き合いの中にも新しい発見が生まれます。そのためにも人は長寿を楽しまなくてはなりません。 吉田兼好は「徒然草」の中で「ひと、皆、生を楽しまざるは死を恐れざる故なり。死を恐れざるにはあらず、死の近きことを忘るるなり」と申しました。人は死を避けられぬとしても、長寿社会となった今日、現在を楽しんでいただきたいと思います。 しかし、楽しむには努力が必要であります。加齢によってなくなった能力を嘆くのではなく、残された能力を十分に発揮し、明るく生きる努力が必要であります。新しい人生の出会いを大切にして、助け合い、支え合い、そして明るく生きるために、まず一歩、御自宅から踏み出していただくことであります。 本区は魅力あるシニアクラブ活動を支援し、峰の原の本区施設への宿泊などをされ、互いに親睦を重ねられるよう、他方、健康づくりや生きがい活動、さらには社会参加を進めていただけるよう、環境整備に努めてまいります。 二点目に、昨年四月から介護保険制度が改正されました。また、医療制度も昨年に改正されておりますが、その制度の狭間で苦しまれ、不自由をされている区民に目配りするのも渋谷区の役割であると考えます。 そこで、昨年十一月、補正予算をお願いし、区独自の介護予防デイサービスの回数増を実施することといたしましたが、本年はさらに、介護保険の対象外の方を含め、リハビリなど運動機能の向上に身近で取り組めるよう、「美竹の丘・しぶや」、「せせらぎ」に加え、新たに社会教育館等でも実施できるよう整備してまいります。 また、社会教育館での通年的な健康体操に加え、ひざ痛や生活習慣病を気軽に相談できる「まちかど相談会」を幡ヶ谷、恵比寿両保健相談所で開催し、実施してまいります。 三点目に、このような健康づくり、介護予防や相談等の新たな拠点施設として、十一月に富ヶ谷高齢者センターを開設するほか、参宮橋、本町二丁目施設の建設に着手をいたします。 また、本年一月にオープンしたグループホーム笹塚において、区内で六番目となる認知症デイサービスを始めるほか、高齢者虐待等に対応した「緊急一時保護事業」も新たに実施してまいります。 介護保険料については、既に昨年の新保険料設定時に、低所得者の方はもちろんのこと中間層にも配慮し、負担が急激に増えないよう区分を細分化するとともに、経過措置を設けるなど、その対策に取り組んでまいりました。また、真に負担が困難な方々には保険料や利用料の負担を軽減する、区独自策も実施しているところであります。 とりわけ本年度においては、特に高齢者において持ち家層に比べ借家層の負担が大きい点なども考慮し、利用料負担に対するさらなる軽減策の拡充を図ってまいりたいと存じます。 また、高齢者の住まいを確保するため、代々木地区に新たに民間の住宅を借り上げ十七世帯分を確保するほか、西原地区に認知症高齢者グループホームの建設助成を予定しております。 他方、高齢者の社会参加を促進するため、区民要望の高いコミュニティバスを千駄ヶ谷・神宮前方面に新設して、総合的な高齢者施策を推進してまいります。 次に、障害者福祉についてであります。 まず、障害者福祉複合施設の建設についてであります。 障害の有無にかかわらず、だれもが互いに支え合い、人としての尊厳を持って暮らせる共生社会を実現するため、本区では平成十五年度に障害者保健福祉計画を策定し、住みなれたまち渋谷で安心して暮らし続けられるよう、障害者福祉の充実に努めてまいりました。 その中核となる障害者福祉複合施設は、平成十九年度、本格的な建設工事を進めますが、その施設概要は、一、知的障害者を対象とした施設入所支援三十人、二、短期入所四人、三、知的障害者、身体障害者を対象とした生活介護六十四人、四、障害児のための児童デイサービス二十人、また五、相談サービスとして知的障害者、身体障害者、精神障害者の三障害を対象とした相談支援事業を計画するところでございますが、平成二十年六月に開設を予定し、準備を進めます。 あわせて精神障害者のためのサービスの充実を図るため、新たに幡ヶ谷地区に地域生活支援センターの相談窓口を設置するほか、グループホームの拡充や、新たにショートステイを実施いたします。 次に、障害福祉計画の策定についてであります。 この計画は、障害者自立支援法に基づき平成二十三年度末の数値目標を設定するとともに、平成二十年度までの障害福祉サービス及び相談支援、地域生活支援事業の提供体制の確保のための方策を定めるものであります。本区では、三浦文夫先生を委員長とする障害福祉計画検討委員会を設置し、計画策定のための基本的方向についての答申を去る二月二日にいただきましたが、この答申に沿って新たに計画を策定してまいります。 利用者負担の軽減についてでありますが、障害者自立支援法に基づく国の利用者負担の軽減措置につきましては、入所系サービスに比べ在宅系サービスの軽減措置が手薄であったことから、本区ではいち早く、ホームヘルプサービス等の定率負担を一〇%から三%に軽減する措置を講じてまいりました。加えて、平成十八年十月から開始された移動支援事業等についても同様の軽減措置を実施するとともに、区独自にホームヘルプサービス等と合算して月額負担上限を適用することで、負担が過大とならないよう配慮したところであります。 このような中で、国も平成二十年度までの時限措置として、四月から、通所や在宅サービス利用者のうち年収、預貯金が一定額以下の世帯に対し、月額負担上限額を四分の一に引き下げる軽減措置を実施することとしております。これらを踏まえ、本区独自の軽減策においても国と同額にまで引き下げるなど、さらに利用者の利便を図ってまいります。 次に、少子化対策、子育て支援についてであります。 本区においては、東京都及び全国に比して未婚率は依然として高いものの、二十五歳から三十九歳までの年代層の区内居住者はバブル時--平成三年十二月よりも大幅に増えております。この人口構造を踏まえ、保育サービスの充実を初め仕事と子育ての両立支援、地域における子育て支援等、「生みやすい」・「育てやすい」・「働きやすい」環境整備を図ることが少子化対策を推進することと相なると存じます。 そのため、子ども医療費助成の拡充を図ります。昨年度、就学前の乳幼児を対象としている医療費助成を「子ども医療費助成」として、中学三年までの入院費について助成を拡大いたしましたが、平成十九年十月より新たに、所得制限を設けず、小中学生の通院費まで助成を拡大実施することといたします。 また、今日、核家族化の進む中で安心して子育てができるよう支援するため、区内で六カ所目の子育て支援センターを広尾地区に開設するほか、保護者が病気や出産、出張その他の理由等で家庭での養育が困難になることに備え、お子さんを最大七日間、一時的にお預かりするショートステイ事業を開始するとともに、リフレッシュ一時預かり保育、育児支援家庭訪問などを拡充し、きめ細かく子育てのニーズにこたえてまいります。 また、多角化する保育ニーズにこたえるため、区立保育園での定員拡大--二十七名--するほか、認証保育所一カ所の増設によって待機児解消に努めるとともに、保育預かりの要件を問わない一時保育を、現在の二園に加え新たに富ヶ谷地区においても実施してまいります。 次に、教育についてであります。 戦後、個人の自由と平等を基調とするデモクラシーの進展は、人々の結びつきを弱め、公共への関心を失い、他方において私的・経済的関心を高め、「自分さえよければ」という傾向を生んでいます。私は、渋谷の未来を担う子どもたちは「自分のために社会がある」、「その社会のために自分も尽くす」と良識を発揮できる人間に育ってほしいと願っております。 また、子どもたちが将来に夢と希望を持つことが大切です。その夢や希望がスポーツや楽器演奏であったり、得意分野の勉強であったりするかもしれません。いずれにしましても、将来に向かって子どもたちが意欲的に生きることができるよう、教育環境を整備し、教師が情熱と指導力によって子どもたちの意欲と能力を引き出していくことが重要であります。 そのためには、まず教育委員会において、子どもから尊敬され、信頼される質の高い教師の育成が重要であります。 具体的には、体系的なプログラムによる教員研修体制を確立し、とりわけ採用初年度から新規採用者研修を強化するため、指導経験豊富な校長経験者を新たに「教育指導教授」と位置づけ、教員の授業力、資質、能力の向上を図るべく所要経費を計上しました。 また、若手教員への指導・助言ができる中堅教員の育成にも力を入れてまいりますが、加えて、引き続き、海外のすぐれた教育に学ぶ機会として教育振興視察研修を実施してまいります。 二つ目は、特別支援教育の推進であります。 特別支援教育は、従来の心身障害教育の対象の障害だけでなく、高機能自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害などを含め支援の必要な児童生徒の自立や社会参加のために、その一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な教育や指導等を通じて必要な支援を行うものであります。 学校教育法等の一部を改正する法律が四月一日から施行されることに伴い、従来の「盲・ろう・養護学校」が「特別支援学校」に名称が変更されますが、本区においては区立のすべての小中学校に特別支援教室を置いて、校長のもとに、特別支援コーディネーターが中心となって、何らかの支援を必要とする児童生徒に対し個別の教育を実施することとし、必要な経費を計上しております。 三点目は、読書活動の推進であります。 読書は子どもたちに夢や感動を与え、心の中には豊かな想像の世界が広がります。子どものときに読んだ本から得た感動は、大人になっても忘れないものであります。また、読書を通じて学力の基本となる読解力、判断力、表現力、想像力を培うとともに、読書で出合ったすぐれた人格者におのれを近づけようとする努力も生みます。 今年度、教育振興視察研修のためフィンランドへ派遣した研修生の報告によると、フィンランドでは、母親のおなかの中にいるときから本の読み聞かせを行うとのことであります。本区においては、保健所が実施いたします乳幼児健診や、保育園、子育て支援センターの乳幼児と母親を対象に、本の紹介や、子どもへの読み聞かせのコツなどを教えるブックスタート事業を今まで以上に拡大し、充実したいと考えます。 さらに、小中学校において児童生徒の毎日の読書時間に、是非この年齢のときに読んでもらいたい本を「渋谷おすすめの本五十」として選定し、学校におけるこれまでの読書の時間をさらに充実させるなど、読書習慣の定着を図ってまいります。 このため、中央図書館に図書館専門員を新たに設置するための所要経費を計上し、また、地域の読書ボランティアを育成してまいります。 四つ目には、健康な生活習慣及びいじめについての取り組みであります。 まず、あいさつや「早寝、早起き、朝ごはん」に代表される生活習慣の基本を子どもたちが身につけるための働きかけを、渋谷区医師会と協議し、進めてまいります。このため学校等において、メタボリックシンドロームとも呼ばれる子どもの生活習慣病を防ぐための講演会、料理や体操の講習会などの啓発活動を実施してまいります。 また、昨年、社会問題として大きく取り上げられたいじめ問題や、何らかの理由で登校できないいわゆる不登校問題は、学校環境のみならず家庭環境への対応が不可欠であります。そこで、新たに教育センターにソーシャルワーク機能を持たせ、子どもを取り巻く様々な相談に応じられるよう配慮いたします。 なお、これらの施策のほかにも、放課後クラブを全小学校二十校で拡充実施し、安全で豊かな放課後の生活を実現してまいります。 災害対策についてであります。 阪神・淡路大震災の教訓は、平素の備えであり、地域防災力の強化であり、災害に強いまちづくりの推進であります。本区においては、他の自治体にも誇り得る自主防災訓練等を重ねていただいておりますが、その中での課題は、敏速な要援護者対策を講じることであります。 そのため、本区は震度六の地震を想定し、作成したハザードマップ--地震防災マップを活用し、建物倒壊危険度の高い住宅に要援護者がお住まいになっている場合に、その情報を防災関係機関・団体の共通情報とすることとし、そのため昨年、渋谷区震災対策総合条例を改正いたしました。今後は地域ごとに要援護者を具体的に把握し、向こう三軒両隣による支援を確かなものにしてまいります。 また同時に、耐震化相談会を計画的に実施し、耐震診断や改修工事を助成し、災害等に強いまちづくりを進めてまいります。 まちづくりについてでございます。 本区は安全で快適なまちづくりを推進するため、平成十七年十月、渋谷区まちづくり条例を制定し、区と区民及び企業者が連携、協力し合う協働型のまちづくりを進めてまいりました。 地区の特性に応じた細やかなまちづくりを進めるため、地区計画を推進する一方で、高層建築物による都市環境の悪化を未然に防ぐため高さ制限の導入が必要であります。このため区内十一地区の意見交換会を開催し、意見を伺ってまいりましたが、これらをベースとして平成十九年度中に高さ制限の案を作成し、合意形成を図り、二十年度中にこれを決定したいと考えます。 また、景観計画についても策定するため、渋谷区まちづくり審議会に景観計画専門部会を設置し、検討中でありますが、本年は都の景観計画とも整合性を図りつつ、本区の景観の保全と創出のため区民の合意形成を図ってまいります。 また、併行して土地利用調整条例を制定し、副都心に代表される商業地と、良好な住宅地の確保という調和あるまちづくりのため総合的な調整を図ることを目的とし、現在、渋谷区まちづくり審議会において必要とする各事項について検討中であり、その答申を待って本条例の制定を区議会に提案したいと考えます。 渋谷駅周辺地区の整備についてであります。 地下鉄十三号線は「副都心線」と呼ばれることになり、平成二十年六月の開業が予定されております。また、渋谷駅に直結する区域では、駅街区の基盤整備のほか、東急文化会館跡地など複数の再開発計画が進行しております。 駅周辺の基盤整備はまだ調整段階であり、鉄道施設の改良や駅前広場の拡充等を課題とする駅街区については、行政、学識経験者、鉄道事業者で構成する渋谷駅街区基盤整備検討委員会において、事業スキームやスケジュール等について協議、調整を進めていくことになります。本区は、渋谷駅周辺地域が魅力ある渋谷の新しい顔となるよう、バリアフリーの視点も踏まえつつ、地元や関係者との連携をより一層強め、着実に渋谷の都市再生に取り組んでまいります。 次に、商店街の振興についてであります。 これまで本区の商店街は、幅広いイベントや商業環境整備を進め、美化やパトロールなど、地域住民のコミュニティとしての活性化のための御努力をされてまいりました。 本区では、これまでも商店街の御努力にこたえるべく様々な施策を講じてまいりましたが、平成十九年度は新たに、カード一枚で交通機関の利用やお買い物もでき、ポイントもつくなど多面的な利用ができるPASMOカードの導入を検討するため、笹塚・幡ヶ谷方面の商店街に先行して導入を行いたいと思いますが、あわせて、その推移を見ながら区全域での実施に協力してまいります。 また、商店会に加入しない企業等への対応について、本区は条例で加入の努力義務を課するとともに、加入店に対する制度融資の金利を低く抑え、区の負担を大きくするなどの誘導策を講じてまいりました。今後はさらに信用保証料補助にも及ぼし、区商店会連合会とも連携し、国や都を初め関係機関、団体等に商店会加入促進を強く要請してまいりたいと考えます。 次に、清掃リサイクルについてであります。 まず、廃プラスチックの資源化についてであります。 現在、ペットボトルの資源回収については、従来からのコンビニなどの店頭回収に加え、昨年七月より集合住宅集積所八十カ所における回収を実施しておりますが、ペットボトルの回収をさらに拡充・強化するため、新たに区内のすべての集積所一万二千カ所における回収を検討してまいります。そのため平成十九年度において複数の地区を定め、モデル事業として、集積所におけるペットボトル回収を試行実施いたします。 次に、ペットボトル以外に食品トレーの拠点回収を資源回収項目に新たに加え、区民が参加しやすい拠点回収として区民会館ほか区施設を利用することにより、廃プラスチックの一層の資源化を図ってまいります。 なお、一方で、資源として回収が難しい廃プラスチックについては、可燃ごみとして焼却し、電力等の熱エネルギーとして回収するサーマル・リサイクルの実施を、現在、二十三区共同で検討しております。既に四区において廃プラスチックを不燃ごみから可燃ごみに分別を変更するモデル事業を実施されておりますが、清掃一部事務組合が行っております清掃工場での環境に及ぼす影響など、測定結果を踏まえつつ、平成十九年度においてサーマル・リサイクルのモデル事業を実施したいと考えます。 地方分権の推進のためにでございます。 本区は、国の三位一体改革のための税制改革によって七十八億七千八百万円余の減収となります。その財源確保のため東京都と協議し、区長会の理解を求め、都区財政調整特別交付金として三十億、普通交付金として十億円を確保し、歳入予算として計上すると同時に、本区の積立基金を十億円取り崩し予算編成をいたしました。 しかし、財調特別交付金は暫定措置であり、本区基金取り崩しも有限であります。そうであってみれば、本区は、地方分権時代の新たな幕開けの年にふさわしい、創意と工夫による行財政運営を推進しなければなりません。また、これまでのように、予算計画も執行も所管ごとに計画し、執行するためにあるのでなく、区民の課題を区政の中心に据えて、所管の枠を外して連携し、関係所管はそれぞれの専門知識やノウハウや人材を活用しなければなりません。国政を通して区政を考えることでなく、区民のための区政遂行を徹底し、かつ無駄を省く経営思想が問われる時代であると考えています。 分権の時代は、他方において文化振興の時代でなくてはならないと考えています。福祉や教育、まちづくりや環境など、それぞれの分野でバランスをとりながらも人々が活き活きと心豊かに暮らしていくためには、また、ジュニアからシニアまで未来に夢と希望を持って暮らしていくためには、文化の振興が二十一世紀の中心になくてはならないと考えています。 そのために、大和田小学校跡地の中・小文化ホールを中心として施設建設を行います。演奏や合唱、また日本舞踊などの伝統文化を区民や青少年が鑑賞したり、発表したり、練習する場の確保が必要であります。建設経費は総額百二十億円でありますが、このうち看護学校初め医師会関連施設については医師会の負担で対処してまいります。 なお、今回、十八年度補正予算として百十二億三千万円を計上しておりますが、前年積み立ての九十億円に合わせ、これら施設建設を円滑に進め、また区政の課題に支障を来さないよう配慮するものであります。 地方分権の時代は、行財政改革とあわせ区民サービスを向上しなければなりません。 まず、窓口サービスの改善と効率化を図ります。 平日の窓口開庁時に来庁困難な区民の方々の御要望にこたえるため、昨年三月から原則毎月第二・第四日曜日の二回、休日開庁を実施し、区民の利便を図っております。また、本年一月からは住民戸籍課において受付番号発券機とフロアマネジャーを導入し、届け出手続等についての親切な案内、窓口受付業務の効率化に努めております。 平成十九年度はさらに、現在、各階に分散している福祉の窓口を二階のワンフロアに集め、高齢者、障害者の方々を初め区民の皆様が一ところで受付、相談等のサービスを受けられるよう、レイアウト変更等の整備を進め、ワンストップサービスの一層の推進を図ってまいります。 次に、休日・夜間電話交換業務の開始についてであります。 これは区民サービスの向上を目指して、これまで課題であった休日・夜間の区役所への問い合わせについて、オペレーターを配置し、御質問等に答えて丁寧な対応を図るものであります。区政に係る様々な御要件を伺い、それぞれ適切に対処し、あわせて救急病院の情報、区立施設、行事の案内等を行ってまいります。 次に、行財政改革についてでありますが、平成十九年度においては社会教育館二館のサービス公社への事業委託、土木事務所三所から二所への再編、学校給食の民間委託を新たに五校で開始するなど職員数の削減を行い、また、従来の縦割り行政の弊害を除き、福祉のみならず教育や保健所等が協力し、総合的にサービスを区民に提供していくという手法を取り入れてまいります。 これからも行財政改革については、経費の削減だけを目指すだけでなく、区民のニーズを的確にとらえ、一つ一つの事業を各行政分野が協力し、一体となって執行できるよう、サービスの提供方法の改革とあわせて行ってまいります。 財政規模について申し上げます。 平成十九年度の一般会計歳出予算額は七百二十二億九千万円で、前年度に対して一・二%の減であります。これまで申し上げましたとおり、総合予算として少子・高齢化への対応等、区民福祉に係る施策推進を着実に図っております。 これに国民健康保険事業会計等の三特別会計、四百七十九億二千六百万八千円を加えました各会計の合計額一千二百二億一千六百万八千円で、前年度に対して〇・四%の増となっております。 本定例会には、ただいま申し上げました予算等を含め、条例案十八件、平成十八年度補正予算二件、平成十九年度当初予算案四件、その他議決事項三件を御提案しております。 なお、未確定でありますが、必要に応じて特別区税条例の改正等をお願いすることになります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 以上をもちまして、私の所信表明といたします。 ありがとうございました。 ○議長(齋藤一夫) 御苦労さまでございました。 この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 二十七番染谷賢治議員。 ◆二十七番(染谷賢治) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長、教育委員長、教育長にそれぞれ質問をいたします。 質問に入ります前に、一言申し述べます。 平成十五年春、桑原区長が第二十二代渋谷区長に就任され、それまでの小倉区長二期を助役として支えた行政手腕を遺憾なく発揮され、他の二十二区はもとより全国的にも初めてといった数々の施策を打ち出され、そして、関係機関の連携のもと着実に実現をしてきております。日ごろより区内の行事や会合にまめに足を運ばれ、地域を熟知し、区民の声に真摯に耳を傾けて実際に区民の暮らしの見聞きしているからこそできることでありましょう。 かく言う私も、まちの中で様々な要望や提案をお受けすることがあり、区民の声の代弁者たる区会議員として直接に、あるいは我が会派の中で慎重に討論の上、当局にお伝えし、その中で、桑原区長とともに具体的な施策に結びつけてきた自負があるわけです。 高野辰之氏は、かつて代々木の原を流れる河骨川を散策し「春の小川はさらさら流る」と歌いました。また、同氏は「ふるさと」の中で「山は青きふるさと」「水は清きふるさと」と歌っております。これらの風景は、渋谷においてはもう現実に見ることはできませんが、心の原風景として生き続けております。そして「雨に風につけても 思いいずるふるさと」と続きます。 美しきふるさと渋谷を区民とともにつくっていくことをお誓いし、質問に入ります。 最初に、行財政運営について質問いたします。 平成十五年四月に区長に当選され四年が経過しましたが、この間、桑原区長は区政における様々な分野で多くの成果を上げられております。そこで、私は、財政面における桑原区長の実績を、桑原区長誕生前の平成十四年度と本年度等の財政指標の数値を用いて比較、検証してみました。 まず、財政調整基金と都市整備基金を合算した積み立て基金の残高であります。 桑原区長は、平成十四年には二百五十六億円であった基金残高を平成十六年には三十億円、平成十七年度には九十億円と積み増しを行い、今回の最終補正予算においても百十二億円余の積み立てを予定しており、平成十八年度末では五百五十八億円余が見込まれるのであります。区民サービスの向上を図りつつ、中・長期的に安定した行財政運営に資するため、変動の激しい時代にあって着実に蓄えを行い、しかもわずか四年間で二・一倍に増加させたことは目を見張るものがあります。是非とも今後における行政需要等に有効に活用されることを期待するものであります。 次に、区の地方債残高であります。 これは、先ほどの基金が預金とするなら区の借金でありますが、総務省の定める基準であり、各地方自治体の会計を統一的に把握・分析する普通会計ベースの数値では、平成十四年度末の地方債現在高は三百六億円でありました。しかし、それが平成十八年度末の想定では約三十八億円を減らし、残高を二百六十八億円余りにする見込みであります。 破綻をした夕張市の例を挙げるまでもなく、多くの地方自治体ではこの地方債の増加に頭を悩ませ、国では新たな地方財政再生制度の検討を進めているところであります。しかし、本区ではこの四年間に、国の政策にかかわる減税補てん債や施設建設にかかわる新たな起債の発行を行っているにもかかわらず、借金である地方債残高を減らし、かつ預金である基金を倍増させていることは、桑原区長の財政手腕のなせるわざと高く評価するところであります。 また、財政構造の長期安定性や健全性を判断する指標で、数値が高いほど後年度負担が大きいことを示す公債費比率は、一般的に比率が一〇%を超えないことが望ましいとされるものですが、平成十四年度は六・七%であったものが平成十八年度末では四・一%に減少する見込みであり、後年度の負担を極力抑えた財政運営は、区財政の最高責任者としての役割を見事に果たされたものと言えます。 さらに、義務的経費であり弾力性に乏しい人件費率についてであります。桑原区長は、助役時代から行財政改革を積極的に進められましたが、平成十四年度末の人件費率は三九・三%であったものが、平成十八年度末では二七・九%に減少する見込みであります。これはたゆまぬ行革努力の結果だと、高く評価するものであります。 また、人件費と職員定数の抑制については、平成十七年度に渋谷区新行財政改革要綱を制定し、平成十七年度以降、五年間で四百名、率にして一六%以上の定数削減を目指し、平成二十二年四月の職員数を二千人とすることを挙げられましたことは、今後における意気込みが示されているものだと思います。 さらに、経常収支比率であります。人件費、扶助費、公債費等のように容易に縮減することが困難な経常的経費に、区民税などを中心とする経常一般財源がどの程度充当されているかによって財政構造の弾力化を測定するものでありますが、経常収支比率が高いほど新たな住民ニーズに対応できる余地が少なくなり、財政は硬直化していることになるもので、一般的に適正水準は七〇%から八〇%と考えております。本区では、平成十四年度で七八・六%、平成十七年度末で七〇・五%と、常にバランスのとれた財政運営が行われていることが示されております。 このように、桑原区長主導のもとの財政運営は、今、私が紹介した財政指標が示すとおり、特別区二十三区において、また、全国の地方自治体においてもトップクラスであると言えます。 また、今年度、区民意識調査が実施され、このたび報告書が発行されております。これは桑原区政において初めて行われた区政全般にわたる調査であります。回答者の八〇%を超える方が、これからも渋谷区に住み続けたいという定住意向を持っているとの結果がありました。この結果は単に財政指標の数値にとどまらず、何よりも、この四年間の桑原区政の実績がしっかりと区民に評価されていることのあらわれであると考えます。 そこで、桑原区長にお伺いします。 財政指標は輝かしい実績の証左ではありますが、桑原区長御自身はこの四年間をどのように評価しているのか、お聞きいたします。 次に、今後の行財政運営について伺います。 区長は、去る一月二十九日の全員協議会において平成十九年度予算原案の考え方及び概要について説明されましたが、三位一体改革による税制改正のため本区住民税の七十八億七千八百万円余にも及ぶ減収に対して、先手を打って都と協議を進め、さらに区長会にも理解を求め、都区財政調整交付金の特別交付金として三十億を確保できる見通しと発言されております。私は、平成十九年度予算が前年度とほぼ同規模で編成できたのも、この特別交付金が確保されたことが非常に重要なことだったのではないかと考えております。桑原区長の努力に敬意を表するものであります。 特に、昨今の都区財政調整の協議状況から見ても、都や他の特別区が、財調不交付団体である渋谷区の大幅減収に対して特別交付金をあらかじめ準備してくれていたとも到底思えないからであります。 そこで、区長にお伺いします。 まず、今回の特別交付金の確保に至るまでの経緯と、特別交付金三十億円という金額はどのような考え方で算定されたものなのでしょうか。 また、この特別交付金は激変緩和措置とのことですが、三位一体改革による税収減を受け、平成二十年度以降、本区はどのような行財政運営を行っていくのか、区長のお考えをお聞かせください。 次に、都区のあり方検討会についてであります。 東京都と特別区の間の課題については、平成十八年度都区財調協議は主要五課題についてであり、平成十九年度都区財調協議は、三位一体改革への対応として都区の調整率の変更であり、それらは特別区側から見れば不満は残るものの、一定の解決を見たところであります。 しかしながら、さらに大きな課題として、都区のあり方検討があります。昨年十一月、地方自治法に定める都区協議会に都区のあり方検討会が設置され、本年一月には、この委員会に専門的な事項を検討するため幹事会が置かれ、都区のあり方に関しての検討が今後、おおむね二年間を目途に基本的方向のまとめを行うとのことであります。 そこで、お伺いいたします。 桑原区長は、この都区のあり方検討委員会を踏まえ、今後の都と区のあり方や地方分権の進行についてどのようにお考えなのでしょうか、お聞きいたします。 この項目の最後として、旧大和田小学校跡地施設整備についてお尋ねいたします。 旧大和田小学校跡地施設につきましては、文化の拠点として、子どもの夢をはぐくむ場として、また区民の健康づくりのセンターとして、その整備が大いに待たれるところでございます。今日に至るまで文化芸術施策検討委員会に諮問し、条例化したその趣旨を踏まえ、さらには関係団体等の要望を広く受けとめ、また、区民の貴重な意見も参考にされ、今年度末には実施設計が完了する段階に至っております。 基本構想、基本計画、実施設計と手順を踏み、慎重に進められ、平成十九年度予算では三カ年計画のうち一年次目の予算が計上され、建設に着手することと相なりますが、この施設が区民の活動の場として、渋谷の文化発信の拠点として区民に利用され、親しまれることによって初めてこの施設整備の目的が達成されるものであります。 そこで、区長にお尋ねしますが、旧大和田小学校複合施設整備に当たって、残された課題は何か、また、その課題をどのように解決されようとしているのかお伺いいたします。 次に、高齢者福祉についてであります。 昨年十二月に厚生労働省が発表した向こう五十年間の人口予想である将来人口推計によれば、最も現実性が高いと見られる中位推計において、二〇五五年の合計特殊出生率は一・二六、総人口は二〇三五年以降毎年五百人以上が減少し、八千九百九十三万人になるとしております。そして、一層の少子・高齢化が進む中で、高齢化率は四〇・五%にまで膨らむとしております。深刻な人口減少社会の到来を告げるものであります。 そこで、本区の住民記録人口を見ますと、人口回復傾向にある中で、平成十九年一月末の六十五歳以上の高齢者は三万六千三十二人、高齢化率は一八・三%となっております。五年前の平成十四年一月末の一七・六%、十年前の平成九年一月、一六・三%という数字と比較すれば、本区でも着実に高齢化が進行していることが見てとれるところであります。今も高齢化率は高まっていくことが予想されるところであります。 年金、医療、介護など、それぞれに課題はありますが、高齢社会が意味するところは何も悲観的な側面だけではありません。例えば先ほどの厚生労働省の予想においても、今後五十年の間に平均寿命は約五歳伸びるとしております。本区でも、十年前に七人しかいなかった百歳以上の高齢者は、平成十九年一月末で六十三人となっています。 一方、要介護の認定を受けられておられる方は六千九百八十八人で、高齢者のうち八割を超える方々は地域社会の中で自立し、暮らしておられるのです。今まさに長寿時代を迎え、また、これから団塊の世代が高齢者の仲間入りをし、さらに元気な高齢者が増加していく中で、これまで高齢者の方々が蓄積された知識、経験、貴重な財産として地域で生かすとともに、新たなニーズに合った福祉サービスを構築し、活気に満ちた地域社会を形成していくことが改めて重要な課題となってくることは言うまでもないことであります。 桑原区長が「互いに助け合い、支え合いながら連帯の心をはぐくむこと、できる限り元気で介護のお世話にならないような健康づくりに取り組むこと、社会参加や就労の場と機会を提供していくことが重要だ」と指摘されているのは、このような時代の変化を的確に見抜き、時代に先駆けて積極的に切り開いていこうという、まさに的を射た、意欲に満ちあふれた取り組みに対する決意を示されたものであると評価いたします。 これまでも桑原区長は就任以来、区民の声に真剣に耳を傾けられ、元気高齢者の活動拠点となる幡ヶ谷高齢者センターなどの整備、地域福祉の総合相談窓口となる地域包括支援センターの六地区体制から八地区体制への拡大整備、区内五番目の特別養護老人ホーム「美竹の丘・しぶや」や、区内初のグループホーム笹塚など介護保険施設の整備、幡ヶ谷三丁目住宅や幡ヶ谷高齢者共同住宅の設置など、ハードの面での充実は無論、シニアいきいき大学の各種講座の充実、シニアクラブ活性化のための支援、デイサービスの上乗せ等区独自事業の実施など、ソフト面での充実も図ってこられました。また、これらの施設が効果の高い実効性のあるものとなるよう、組織内部の体制としても、福祉部と保健衛生部の統合や敬老館の区民部から福祉保健部への所管変更などを行うなど、その成果には枚挙にいとまがないところであります。 このような実績を踏まえつつ、二月十三日に公表された平成十九年度の予算案を見ましても、主な事業三十五事業のうち十事業が高齢者のための事業として挙げられております。そこに挙げられている「渋谷 仲間とともに生き生きと」という言葉も桑原区長の理念を端的にあらわしたものとして、桑原区長の意気込みの高さが十二分にうかがえるところであります。 このような状況の中で、我が会派も、だれもが健康長寿社会を満喫できるよう、まずは要介護とならないよう、元気高齢者を中心とした健康づくり、生きがいづくりが重要であり、さらに要介護の状態になった場合には安心して福祉サービスを利用できる体制を準備しておくことが、超高齢社会における区民の本当の安心につながっていくものだと考えます。このことは、桑原区長が昨年--平成十八年三月策定された第三期「しぶや いきいき あんしんプラン」にも、元気高齢者の生きがい・健康づくりのために多彩なプログラムを提供していくこと、高齢者の状態に応じた切れ目のないサービスを提供していくこと、自立した生活を総合的かつ継続的に支援する体制をつくることと整理し、示されているところであり、我が会派はその実現に向けて、桑原区長とともに一致協力して高齢者施策の充実に邁進してまいる決意であります。 そこで、ふるさと渋谷に住む高齢者が、これからも一層安心して生き生きと暮らせる渋谷にしていくために、区長は今後どのような高齢者施策を展開されようと考えておられるのか、改めてお伺いいたします。 三点目として、障害者福祉についてであります。 障害者を取り巻く状況は、従来の「措置から契約へ」という流れの中で、平成十五年度に支援費制度に変わり、平成十八年度からの障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスにと目まぐるしく変化し、利用者の方々にとって、戸惑いや将来への不安もあったことと存じます。 このような中で、桑原区長は障害のある方々や家族の方々の置かれた状況や心情を的確に吸い上げられ、区独自に十分なサービス量の確保や利用者負担の軽減を実施するなど、適切に対応されてこられたことを評価するものであります。 また、桑原区長の障害者福祉の実績として特筆すべきことは、いよいよ障害者福祉複合施設の建設が本格化され、来年六月にはオープンするということであります。 この施設では、区内初となる知的障害者の入所サービスやショートステイ、さらには通所サービスである日中活動サービスのほか、三障害を対象とする相談支援事業などが予定されており、まさに本区の障害者福祉のシンボル施設として、障害者福祉施策の飛躍的な進展が期待されるところであります。 また、我が自由民主党と公明党が中心となって取り組んだ、国の新たなる利用者負担軽減制度に対しても、桑原区長はこれを評価されるとともに、これを踏まえ、さらに区独自の軽減策を充実されるとされております。我が会派といたしましても、桑原区長の迅速な対応を支持、評価するとともに、障害のある方々や家族の方々の実態をよく理解される桑原区長ならではの温かい心に敬意を表するものであります。 しかし、このように障害福祉サービスの充実が図られていく中で、例えば小規模な民営作業所のように、苦労されているところもあります。民営作業所が障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス事業所に転換できれば、国からの負担金収入等で安定した運営を確保していくことが可能となります。しかし、現在の民営作業所の実態として、規模や利用者の状況がそれぞれ異なり、すべての民営作業所が自らの力だけで、いわゆる法内化を実現するのは困難な状況にあることは否定できません。 この法内化の課題は、去る二月二日に答申があった「渋谷区障害福祉計画(第一期)策定の基本的方向について」においても、重要項目の一つに挙げられております。 これまでの本区の障害者福祉において、民営作業所が果たしてきた役割には多大なものがあります。そのことを思えば、これら民営作業所がこれからも元気よく、力強く活動を続けられるよう、法内化に向けてのハードルを乗り越えていけるよう区が支援することが必要と考えます。 この民営作業所の問題に限らず、桑原区長の手によってぬくもりのある、温かい渋谷区の障害者福祉施策が実現されるよう期待するところでありますが、その点について区長の考えをお伺いいたします。 四点目として、少子化対策、子育て支援について質問をいたします。 就任以来、桑原区政の四年間を省みますと、桑原区長は、未来を託す子どもたちの健やかな成長のための子育て支援環境の整備を区の重要課題の一つに位置づけられております。 まず、乳幼児から児童、青少年に至る子どもと家庭のあらゆる相談に応じるとともに、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るため、子ども家庭支援センターを開設しました。また、この子ども家庭支援センターのもとに子育てひろばや子育て教室、短期緊急一時預かり等を行い、家庭で子育てする保護者を支援する子育て支援センターを新たに三カ所開設し、現在五カ所となっております。 保育につきましては、平成十七年には保育料について、中間所得者層の保護者負担を軽減するため保育料を五〇%から三〇%軽減しました。また、待機児解消の一環として、新たに認証保育所の開設も現在三カ所となっています。さらに今年度、新たな手法として指定管理者制度を活用した、二十四番目となる公設民営の美竹の丘保育園を開設しました。また、全国に例のない、妊娠期間中の経済負担を軽減するためのハッピーマザー助成の実施に加え、従来の「乳幼児医療費助成制度」を「子ども医療費助成」と改め、中学三年生までの入院費について、所得制限なしで拡大しました。加えて、授業が終わった後、小学校で児童を預かる放課後クラブを本年四月までにすべて区立小学校で開設することとし、教育施設を活用し、放課後児童の生活の質を大いに高めています。 区長就任の四年間で、本区の子育て環境は着実に整備され、マスコミにも大きく取り上げられ、全国でもトップ水準の子育て環境を実現させました。このことは、子育て中の保護者にとって大きな支えとなるものであり、我が会派として、桑原区長の子育て支援に対する熱意に敬意を表したいと思います。 区長は先ほど所信表明の中で、少子化対策、子育て支援について「生みやすい・育てやすい・働きやすい環境整備を図る」と述べています。 平成十九年度予算において、まず、区長は昨年第四回定例会において我が会派が提案した子ども医療費助成について、通院費を中学三年生まで所得制限なしで拡大することを本年十月から実施する予算を計上しました。三位一体改革等、厳しい財政状況の中で、平成十九年度中の実施を決断されたことを高く評価します。 また、新規事業として特定不妊治療助成、子どもの病気相談、子どもショートステイの実施、「しぶや家庭の医学~小児編」さらには六カ所目となる子育て支援センターの広尾地区への開設など新たな子育て支援策を挙げ、さらには保育園の定数増、認証保育所の増設、育児支援家庭訪問事業の拡大等を図っており、継続して子育て支援を区の重要課題と位置づける桑原区長の強い意思がうかがえます。 とりわけ家庭で子育てする保護者は、育児に関して相談する相手もなく、自分一人で悩み、ストレスを抱えることが多いと聞きます。子育て支援センターは、そういう保護者の相談に乗り、適切にアドバイスをしたり、また、保護者同士のよい交流の場となっています。 そこで、子育て支援センターについてお尋ねいたします。 少子化が一層進行する中で、渋谷区次世代育成行動計画の基本理念である「子育て、子育ちをあたたかく支えるまち渋谷」の実現に向けて、とりわけその基本目標の一つである「子育てが楽しめる環境づくり」の中で、地域における子育て支援のため六カ所目も予定されている子育て支援センターを今後どう活用していくのか、今後、他の地域においても子育て支援センターをさらに増設していく考えはあるのか。 また、本日の所信表明の中で、平成十九年度、広尾地区に子育て支援センターを開設すると述べておられますが、広尾地区のどこに開設する考えなのか、それぞれ区長の所見を伺います。 次に、安全・安心対策について区長に伺います。 桑原区長は区長に就任以来、区民の皆様方の声に真摯に耳を傾け、強いリーダーシップを発揮され、区民の皆様方が真に求められる施策を積極的に、かつ可及的速やかに実施されてこられました。 その中において、特に犯罪の急増に伴う治安悪化に対しては、不安や心配を訴えられ、安全で安心して暮らしたいとの区民の皆様方の切実なる願いにこたえるべく、行政の責任者としての立場から、これらを渋谷区政における大きな課題の一つとしてとらえ、使命感と大いなる情熱をもって、他の自治体からも注目されるような斬新で、かつ効果的な安全・安心にかかわる諸対策を積極的に実施してこられました。 平成十六年には、青少年に係る犯罪によって生じた「怖いまち渋谷」とのイメージを払拭するため、当時、全国的にも非常に珍しかった安全・安心にかかわる施策等を担当する専管組織を設けて、警察等関係行政機関を初め東京都、近隣区等とも連携を強化して安全対策に取り組んでこられました。 例えば、渋谷区としての立場から身近な犯罪の発生状況や防犯等の情報を広く区民に知らせるため「しぶや安全・安心メール」の配信業務を開始したり、区独自に街頭防犯ビデオカメラを設置し、繁華街地区における治安の向上に寄与したり、さらには区内における地域防犯力の向上や、自主防災組織の結成促進や自主防犯リーダーの育成のための渋谷区防犯リーダー実践塾を開催したりして、防犯意識向上の啓発活動にも積極的に取り組んでこられました。その結果、今般までに区民の皆様方が身をもって実感できる「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を実現されました。その情熱とひたむきな取り組みについては、多くの人たちが高く評価するところであります。 区長は以前、本会議において「我がまち渋谷、ふるさと渋谷は、私たち渋谷に暮らす者だれにとってもかけがえのないまちであります」と答弁されました。 特に都市化が高度に発達した本区においては、このままでは健全な地域コミュニティが崩壊するものと強く危惧され、安全・安心のまちづくりの観点などを踏まえ、公序良俗に反する行為の場に利用されやすいラブホテルを建築の面から区内全域で規制をし、良好な生活環境、教育環境を確保するため、平成十八年六月、渋谷区ラブホテル建築規制条例を制定されました。特に区長は、この条例の制定過程においては、数回にわたって自ら東京地方検察庁と直接協議を行うなど、区長のこの条例の制定にかける情熱は並々ならぬものと聞き及んでおります。 また、その後直ちに、極めて短期間的に使用者の入れかわるマンスリーマンション、ウィークリーマンション、レンタルルームについて、これらが違法な性風俗の場などとして使われることへの懸念や、その使用のあり方によっては地域の健全な風紀を乱すおそれもあることから、青少年の健全育成を図り「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を形成するため、区内における一定の地域においてこれらの建築を規制する、渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例を平成十八年十月に制定されました。この条例は他の自治体にはなく、全国初めての条例であります。 これら二条例は平成十八年十二月十五日に施行され、区民の皆様方は無論のこと、他の自治体や新聞の報道等においても高く評価されております。 そこで、区長にお伺いします。 二条例施行後、約三カ月弱と短い期間でありますが、この二条例の運用状況、成果等についてお尋ねいたします。 六点目として、地域商店街振興について伺います。 我が国の景気は、今や期間で言えば「いざなぎ景気」を超えたと言われておりますが、町場の声を聞いてみますと、個人消費等にいま一歩力強さが感じられず、区内の消費者や中小企業にとっては景気回復の実感に乏しいというのが実態ではないでしょうか。 こうした、いまだ消費、物価ともに先読みが難しい状況にあって、桑原区長は商店街振興策について御尽力をされました。 平成十五年のいまだデフレ不況から抜け出せない時代にあって、次年度施策に反映できるようにと、渋谷区中小企業者・商店街活性化策検討委員会に対し地域の中小企業や商店街の具体的な活性化策について検討を依頼され、その報告に基づいて、商店会加入者のための新たな融資資金制度の創設を初めイベント事業の充実など、商店街の活性化策や、区民の離職者対策についても具体的な施策を講じてきました。さらに平成十七年四月、渋谷区新たな商業振興のための条例を施行され、商店会への加入促進のための規定を整備され、商店会の組織強化と商店会活動の充実を図ってこられました。 また、観光施策についても組織を整備された上で、マークシティ内に渋谷区の観光情報の発信基地として観光物産展示場を設置され、観光施策にも精力的に取り組んでこられました。 そして今年度は、商店街のにぎわいに欠かすことのできない生鮮三品業種の減少に少しでも支援ができないかということで、食肉事業渋谷支部が行う事業について、経費の一部補助という施策を打たれました。この事業はマスコミでも大きく取り上げられ、全国の自治体から注目を浴び、いまだに問い合わせがあるということで、その反響を見ても、効果的かつ大変に好感の持てる支援策であったことは評価するものであります。この事業をきっかけとして、地元商店街のにぎわいにも弾みがつけばと考えております。 さて、今後の区内商店街のさらなる活性化について展望すると、渋谷駅を中心とする中央エリアに属する商店街と住宅地を背後に抱える周辺商店街の地域性には違いが見られるなど、区内商業集積は二極化が進んでいると思われます。 渋谷や原宿・恵比寿駅を中心とした中央エリアにおいては来街者が絶えることなく、商業・文化・観光スポットとして広域な商圏を持った大規模な集積を確立していると言えましょう。こうした地域においては、観光客をも含む来街者を主なターゲットとした街のますますの魅力の発信が求められ、今後も民間活力を生かした集積の魅力を高め、吸引力を増大する必要があると思います。 しかし、このような中央エリアを除く地域に位置し、住宅地を背後に持つ地域密着型の商店街においては、スーパーやコンビニ等の総合型店舗の進出、後継者不足による廃業店舗の増大、他の商業エリアへの移動のための交通手段が向上したことに伴い、これまで商店街を構成してきた単一的業種の個店への客足が減少し、特に生鮮三品等の業種を中心に、食料品や物品販売の店舗数が減る傾向にあります。このような傾向に歯どめをかけ、再び活性化させる施策の展開が望まれるところであります。 そこで、質問の第一点目としまして、地域密着型商店街の今後の活性化について、どのような方針で商店街振興に取り組まれるのか御所見をお聞かせください。 また、平成十九年度予算で計上されているポイントカード導入の目的と準備状況、今後の展望についてお尋ねします。 二点目は、商店会への未加入について、その対策についてであります。 最近は、ドラッグストアなど、いわゆるチェーン店等が地元商店会に加入せず、商店街活動に協力をせず、商店会の一体性のある組織運営に支障を来す事態が生じております。区条例により商店会加入が努力義務として課されており、各商店会とも大きな勇気を得ておりますが、なお悩みも多いと聞いております。今後、未加入を解消し、商店会へ加入促進を進めるための具体的な方策についてどのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねいたします。 区長への最後の質問として、まちづくりについて、大きく二点について伺います。 まず、これからのまちづくりの方向性についてお尋ねします。 桑原区長が区長に就任されてから、まちづくりに取り組む姿勢を総括しますと、私はこのように思うところであります。まちの変化を的確にとらえながら、地域の実情に適合したまちづくりに積極的に取り組まれ、大いなる成果を上げてこられたものと思っております。 その一つが、まちづくりの基本条例であるまちづくり条例を、平成十七年十月に制定されたことであります。 平成十二年三月に制定した、渋谷区のまちづくりの憲法とも言われている都市計画マスタープランを絵にかいたもちにすることなく、それを実現し、文教住宅都市としてのまちと、渋谷副都心による商業・業務・交通拠点としてのまちの二つのまちの調和を図るため、このまちづくり条例で区、区民及び企業等が相互に連携、協力して進める協働型のまちづくりの理念、手続について明確に規定されたことは大変意義あることであり、本条例は、地方分権改革のあらわれの一つであると私は認識するものであります。 まちに目を転じてみれば、このまちづくり条例に基づき、区の認定を受けた複数の認定まちづくり協議会が各地域で区と連携、協力しながら、地区計画の策定を初めとした独自のまちづくりの取り組みを自主的に進めておられます。まさに区と区民及び企業等による協働型のまちづくりが実践されており、すばらしい成果であると考えております。 二つ目は、協働型のまちづくりを実践する基本的手法として、地域の合意に基づく地区ごとのまちづくりのルールである地区計画を、地域特性に配慮されながらその策定を推進されてきたことであります。 地区計画の策定には、長い時間と地道な努力の積み重ねが必要であります。地域で問題が起こってから地区計画を策定するのではなく、地域の方々が日ごろからまちづくりを考える中で事前に策定することが重要であるとの考えのもとに、桑原区長は就任早々、地域の環境を守るため、美しい景観で全国的にも知られる旧山手通りにおいて地区計画の策定に取り組まれるとともに、次々と、神宮前五丁目・六丁目地区地区計画、及び本町二丁目・三丁目地区地区計画を策定されました。そして現在は、広尾五丁目地区、渋谷駅東口地区及び桜丘地区の複数の地区計画の策定に同時に取り組まれており、地域の皆さんと協議を重ね、合意形成に向け協働型のまちづくりを実践されておられます。 まさに時宜を得た施策展開であるとともに、地区計画の策定を的確に誘導し、区民とともに、計画的にまちづくりを推進されていることを評価するものであります。 ところで、今日の渋谷区内を見渡してみますと、建築基準法の規制緩和が進む中、景気の回復と相まって、建築物の建てかえ更新が活発化しております。大規模敷地や幹線道路沿道では高層の建築物が建設されるとともに、土地利用においても敷地の細分化等が進み、これまで守られてきた良好な環境や町並みが崩れていくことが懸念されております。 一方、派手な色彩、デザインの建物や看板が地域の環境や雰囲気を壊してしまうことがあるかもしれません。また、長い時間をかけて育ち、地域の環境に潤いを与えてきた樹木が、開発で伐採されてしまうことがあるかもしれません。このように、まちとしての良好な環境を維持する機能が薄れ、しかも長い月日をかけて培ってきた地域の環境、文化にも大きな影響を与えることなどが懸念されております。 しかしながら、一方では副都心としての活力ある都市機能の更新も必要とされるなど、新たな今日的課題も発生しております。区長はこうした新たな課題に対してもしっかりと目を向けられ、渋谷区の「二つのまちの調和」を図る観点から、その解決策として、景観法に基づく景観計画の策定、土地利用調整条例の制定、建築物の絶対高さ制限の導入について、これからのまちづくりの方向性として力強く示されました。まちづくり条例の基本理念と都市計画マスタープランに示された都市の将来像をしっかりと見据えられ、現在、検討されているこれら三つの制度が相互に連携・活用され、実効性のあるものとして施行されていくことを願う次第であります。 そこで、区長にお尋ねします。 これからのまちづくりの方向性として、景観計画の策定、土地利用調整条例の制定、建築物の絶対高さ制限、この三つの制度の導入に向けてのスケジュールと、その内容はどのようなものなのか、わかる範囲で御答弁をいただきたいと思います。 次に、首都高速道路中央環状新宿線及び山手通り拡幅事業に関連して質問いたします。 この首都高速道路や中央環状新宿線及び山手通りは、多くの人々の暮らしを支える首都・東京の交通の大動脈となるものであり、現在、中央環状新宿線の整備工事が急ピッチに進められております。 振り返ってみますと、これらの事業については十九年前の昭和六十三年の二月に富谷小学校において事業説明会が開かれ、その後、平成三年三月に事業認可がおりてから本格的に事業が開始されたのであります。そして昨年、中央環状新宿線の整備について、高速五号池袋線から同四号新宿線までの区間が本年十二月までに、また、残された同四号新宿線から同三号渋谷線までの区間は平成二十一年度中に完成すると正式に発表されたところであります。 一方、山手通りの拡幅整備については、中央環状新宿線が完成して、車道内の地下埋設物の埋め戻しの後、本格的な工事に着手し、その完成までには二年ないし三年程度の工期を要すると聞いております。 こうして考えてみますと、事業着手から全体完成まで二十数年という長い時間と労力を要する大事業となりますが、私はこの間、工事による騒音、振動の問題を初め換気塔がもたらす環境問題や、沿道建物や取りつけ区道との段差の問題、代々木八幡付近の高低差のある地形への対応、さらに八幡橋拡幅に伴う代々木八幡駅周辺の問題など、地域の様々な課題について、東京都や首都高速道路株式会社などの関係機関と交渉を重ねる一方、区議会本会議においても渋谷区の取り組み状況や対応について質問してきたところであります。 桑原区長は、こうした様々な地域の課題を真正面から受けとめ、関係機関の責任者に直接要請するなど積極的に取り組まれてきたところであり、その結果、一つ一つ問題解決が図られたことについて改めて高く評価するものでありますが、現段階において残されている課題が一つあります。 それは、八幡橋拡幅に伴う代々木八幡駅周辺にかかわる問題であります。 この代々木八幡駅周辺地域は高低差のある複雑な地形であるため、山手通りの拡幅整備に合わせて解決しなければならない課題があり、駅のバリアフリー化への対応、踏切問題等について、平成十六年第一回定例会において区の考え方を質問したところであります。これに対して、区長は「小田急電鉄が輸送力増強のため代々木八幡駅の駅舎改良を検討しており、歩行者のバリアフリー化や八幡橋からのアプローチなども検討課題となるため、踏切問題ともあわせて、鉄道事業者からの提案を待って対応していく」と答弁されました。 しかし、三年が経過した現在、小田急電鉄との協議も一定程度進んでいると考えますが、現段階において具体的な計画が見えてきません。この計画は、先ほど申し上げたような地域の課題を総合的にとらえた上で、駅周辺のまちづくりの方針を踏まえ、鉄道事業者の考え方だけではなく、周辺地域や地元商店街等の意見も十分反映されたものでなければならないと考えるものであります。 そこで、区長に伺います。 第一点は、現在、代々木八幡駅改良計画の協議はどのようになっているのか。 二点目、この計画に対する区の基本的なスタンスをどのように考えていくのかお聞かせください。 最後に、教育について大きく二点伺います。 安倍総理大臣は本年一月の施政方針演説において、教育再生を内閣の最重要課題と位置づけ、次のように述べられております。「公共の精神や自立の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着、愛情、道徳心、こうした価値観をしっかり子どもたちに教えていくことこそ日本の将来にとって極めて重要であると考える」また「すべての子どもたちに必要な学力を身につける機会を保障するため、ゆとり教育を見直し、必要な授業時間を確保する」としています。私は、全く同感であります。 今日の我々の豊かな生活が、これまで先人の方々の教育にかける熱意や献身、また大きな経済上の負担等の上に成り立っていることに思いをいたせば、我々世代も責任を持って次世代を担う子どもたちへの教育を行っていかなければなりません。 そこで、渋谷の教育についてお尋ねいたします。 学力の向上や特別支援教育の実施、道徳性等の育成や心と体の健康づくり、これら子どもたちを取り巻く様々な事情に対応し、明確な展望を持って新年度を迎えられると考えておりますが、その具体的な体系をお示しいただきたい。 基礎となるのは、何といっても教師の力であろうと考えます。人事は都がつかさどり、区には限界があることは承知しておりますが、その力量アップのための取り組みはどのようなものでしょうか。 このことは教育の根幹であると存じますので、教育委員長に伺います。 次に、教育長にお尋ねいたします。 昨年の第四回定例会でも渋谷区のいじめに関する対策が話題になり、平素からの取り組みと新たなる対応を具体的にお示しいただいたものです。その際、悩みを引き出すことの糸口として中学生全員にアンケートを実施し、その分析を進め、いじめ根絶のためのリーフレットとして活用していくとのお話をいただきました。区内の状況は落ち着いたものであるとしても、報道が鎮静化したからといって手をこまねいているわけにはまいりません。その後どのような分析をなさって、どのような活用を目指していくのか、お答えいただきたいと思います。 一方、不登校も依然としてあるようです。いじめに起因するもの、家庭の事情によるもの、あるいは学習についていけないことが原因であるもの等、様々な要因があると思いますが、思い出深い豊かな小学生・中学生時代を過ごすためにも充実した支援体制が必要であると考えますが、具体的な対策について伺います。 ○議長(齋藤一夫) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団の染谷賢治議員の代表質問に、順次お答えをさせていただきたいと存じます。 最初に、区政万般にわたりまして、また、私の行政取り組みに対しまして高い御評価を賜り、厚くお礼を申し上げたいと、このように思っております。 私自身は、区政は区民の幸せにあると、このように考え、全力投球を尽くしてまいったものでございます。また、外交や安全保障は国政の役割であると、このように思っておりますけれども、世界平和のために草の根外交を展開するということのために、国際文化交流にも力を尽くしてまいったものでございますけれども、その間、区議会自由民主党議員団の皆様方を初め与党の皆様方に大変多くの御助言、御協力を賜りました。厚くお礼を申し上げたいと存じます。 私は、今日において、一つは少子・高齢化が進んでいる、他方において世相にあらわれているような心の荒廃や家庭や地域の崩壊が進んでいる、このような認識に立ちまして、今後の区政の中心は、コミュニティを視野に置いた高齢化対策、あるいは少子化対策、あるいは教育を、さらには文化、スポーツの振興による夢と希望のある区政の展開を目指していかなくてはならない、このような視点に立ったわけでございます。一方では、区政がまちづくりや安全対策、環境問題等もあるわけでございまして、そういったことにも心配りをしながら区政の展開を目指してまいったわけでございます。 財政運営上の、この水準を示す数値でございますけれども、これらは言うならば、区政に真剣に取り組んだ、その後からついてきたものでございまして、財政運営の水準をよくしていく、そのことが目的ではなかったわけでございます。しかしながら、このことについて、この新聞社及び調査機関の中において、全国の自治体の中においてもトップの水準に区政があるということの御評価をいただいたわけでございます。 この内容を見てまいりました場合に、一つは、全国の自治体が高サービスで財政悪化型、高サービスで財政の良好型、低サービスで財政悪化型、低サービスで財政良好型と、このような四つのタイプに分けまして、これを自治体にそれぞれ当てはめた数値が出ているわけでございますけれども、首都圏の六五%に当たります百十六の市区は高サービスで財政悪化型だと、このように言われております。二十三区の中でも十三区はこのタイプである、このように言われているわけでございまして、言うならば、背伸びした区民サービスをやっているということであろうと、このように思っております。 その一方で、高サービス、財政良好型は十五市区でございまして、その中に渋谷区は入っておりまして、この上位の都市の中で第四位であったということでございました。 また、このことについては私が自慢で申し上げているわけではございませんでして、染谷議員初め区政を愛される区議会議員各位の日ごろからの区政に対します御理解や御提言の中から、この区政が生まれてきている、このように思っているものでございます。今後とも議員各位の御助言を真摯に受けとめまして、地方分権の時代の区民の期待にこたえる努力をしてまいりたいと、このように思っているものでございます。どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げたい、このように思っております。 次に、今後の財政運営のうち、特別交付金確保の経過についてのお尋ねでございました。 この三位一体改革によって、十九年度住民税が減収になるということが明白になりました。これをただ手をこまねいていては、私は負ける、相手の、何かやってくれると期待していてはならない、どういうふうにこれから理論武装していくかということにずっと私は考えてまいったわけでございます。 十八年度の予算発足以来、私の頭にございまして、それは、この普通交付金、これで戦う分には減収分を、理論的に言ってこれをとり切れない、このように思いました。そこで、この都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の第五条第二項でございますけれども、「特別交付金は……」いろいろとこう書いてありますけれども、その中で「財政収入の減少があること等特別の事情があると認められる特別区に対して、当該事情を考慮して交付する。」このようにございました。私はこの条項を心の中に、理論武装の前提に置いて、都区の交渉に入ったわけでございます。 まず、この財政調整については、東京都が主導権を持っておりますから、まず東京都との協議を重ねてまいりましたけれども、その中で、総務局長やあるいは行政部長、あるいは区政課長等も同席をしておりましたけれども、こんなことについて、様々なお話の中から一定の方向への協力を約束をしてくれました。 しかし、このことについては、他の特別区は非常に冷たい対応でございました。一言で言うならば、自分たちの山分けすべきものが減ると、このように考えたわけでございましょう。しかしながら私は、もしもこの二十三区が、特別区が協力しないならば都区協議会の調印は絶対にしないと、このような腹を決めまして、そのことについて特別区の区長会の会長にも対応し、文書も出してまいりましたし、そのことについて強く区長会の会議でも申し上げたところでございます。そのことについては、区長会の区長の中でもだんだん理解をしてきてくれたと、このように思っているわけでございます。 他方、東京都は本区の減収分を七十一億七千百万円と試算をしております。これらに対応し、渋谷区も基金を活用して自助努力をしてほしい、こういうようなお話がございました。また一方で、この特別交付金の金額として三十億円余を試算をしたわけでございますけれども、私は、この諸般の状況を判断し、また、普通交付金として受けられる十億円余も情報として握っておりましたから、ここらで手を打つことがよかろうと、このように判断したところでございます。すべてこれで満足だと、このようには思っておりません。 しかしまた、もう一方は、このこと自身が激変緩和措置ということでございまして、他の特別区は毎年その、それぞれのこの影響額を算定しようではないかと、このような主張をしているわけでございますけれども、東京都と私の間には、一定期間はこれを確保していこうというようなコンセンサスがあるわけでございますけれども、他区との関係もありますので、今どうだこうだと言うことは遠慮をさせていただきたい、このように思っております。 次に、特別区のあり方検討についてでございます。 このことについて、どう考えるのかというようなお話であったと思いますけれども、この都区のあり方検討会でございますけれども、その中での検討事項は、都区の事務配分に関すること、特別区の区域のあり方に関すること、都区の税財政制度に関すること等でございまして、その委員会構成は、都が副知事、総務局長、区側は特別区長会会長、それから同副会長、あるいは事務局長等で、二年間をめどとして基本的な方向をまとめていこう、こういうことと相なったわけでございます。 この都区のあり方検討会の取りまとめ結果を踏まえまして設置をされた、この検討委員会でございますけれども、その目的は、都区の新たな役割分担や効率的な行政の実施を図って、東京の自治のあるべき姿を確立する、このように考え、また、東京の財源のねらい撃ちや都心区の直轄化論に対しても、これに協力して対抗していこう、そのような意図からこの「都区のあり方検」が生まれたということでございました。 また、都区の事務配分につきましては、都から区への事務配分を進める、このようにしておりまして、この検討委員会のもとに、本年一月には専門的な事項を検討するため幹事会が設置をされたところでございます。都から区への事務移管は、ある意味では地方分権の方向に一致すると考えますけども、区域の問題、税財政問題については区民生活の基本にかかわることと相なろうと、このように思っております。私は、この行政の広域化、効率化の視点だけでなくて、真の地方分権と区民に最も身近な自治体として住民自治の振興に立った、このことにつきましてそういう視点からさらに考えていく必要がある、このように思っております。 今後は区議会との連携も密接にしながら、このことへの対応をしてまいりたい、このように考えているところでございます。 次に、旧大和田小学校跡地施設整備について、今後の課題はどのようなことに相なっていくのか、このような御質問でございます。 この旧大和田小学校施設整備につきましては、平成十六年から基本構想の策定を開始したということでございます。十七年度にはその基本構想案を区議会にもお示しをし、さらには関係団体の要望等も受けとめ、広くパブリック・コメントによる区民の意見をも参考にしながら慎重に手続を踏み、今年は基本実施設計を進めているところでございます。 この旧大和田小跡地施設整備につきましては、区民の中でも大半の方が早期実現を望まれているわけでございます。また、一方で「大規模施設建設として街角で非難の演説をしている者があるが、そのことはどういうことだ」という問い合わせ等もございましたが、本区の説明を聞いて「渋谷を愛する区民として、渋谷にないホール建設はうれしい」と、そのような返事までいただいたところでございますが、染谷議員も御理解を賜り、厚くお礼を申し上げたいと存じます。 この施設のハード面の整備につきましては、基金としての財源を積み増し、また、区政運営に支障のないように対応してきたわけでございます。この二十一世紀が心の豊かさをはぐくむ文化の時代でなければならない、このように思っております。子どもからお年寄りまで夢と希望を持って、人にやさしい心を持ち、お互いが助け合いながら生きていくためには、福祉や教育あるいはまちづくりの施策がさらに生かされていくためにも重要であると、このように私は思っているわけでございます。したがいまして、この旧大和田小学校施設には、渋谷の文化発信の拠点としての小・中文化ホール等、あるいは子どもから大人までの夢をはぐくみ、想像力を豊かにするプラネタリウムといった施設を整備してまいりたいということでございます。 今後、この管理・運営等については、本年いっぱいをめどに慎重に検討してまいりたいと、このように考えているわけでございます。 例えばホールにつきましては、区民や小中学生あるいは青少年の発表の場としての機能、あるいは自主事業の充実や交流の場として、あるいは貸し館としての機能、様々なこの視点に留意しながら、この機能がバランスよく効果的に発揮できる運営をしていきたい、このように考えておりまして、こういったことに経験のある民間事業者のノウハウを取り入れながら、区としての方向づけをさらに決めていきたい、このように思っているところでございます。 また、より多くの区民ニーズにこたえるためにも、施設維持・管理や運営に係るコスト面での負担を軽くしていかなくてはならない。そのために維持・管理費を抑制し、他方では、多様な方途を講じて歳入の確保にも努めてまいりたい、このように思っているところでございます。今後とも御助言、御指導のほどお願い申し上げる次第でございます。 次に、高齢者福祉についてのお尋ねでございます。 一言で言って、これからも安心して生き生きと暮らせる渋谷とするために、今後どのような高齢者施策を展開していくのかということでございました。 染谷議員の御指摘のとおり、元気高齢者を中心とした健康づくり、生きがいづくりが重要である、このように思っておりますし、要介護状態になった場合には安心して福祉サービスを利用できる体制を準備することが区民の本当の安心につながると、このように考えているものでございます。 様々の、このことについての対応につきましては、既に私の方で所信表明で申し上げたところで御理解いただけることと思っているものでございまして、どうぞこれからもよろしく御助言を賜りたいと存じます。 また、要介護者となった方々への施策でございますけれども、これまでも特別養護老人ホーム「美竹の丘・しぶや」こういったことへの計画的な基盤整備を進めてまいりました。また、十九年度には、本年一月にオープンしたグループホーム笹塚におきまして四月より認知症デイサービスを開始するほか、一方では、高齢者虐待等に対応した緊急一時保護事業等も新たに実施をしてまいりたい。さらには、西原地区に認知症高齢者グループホームの建設助成も予定をしてまいりたい、このように考えているわけでございます。 高齢者福祉施策の展開におきましては、従来の教育、保健、福祉といった縦割り型の行政手法でなくて、各所管が連携、協働して取り組んでまいりたいと思っております。目指すところは、豊かで活力ある高齢社会が実現できるよう今後とも全力を傾けてまいりますので、御協力のほどよろしくお願いしたいと存じます。 次に、障害者福祉につきましてのお尋ねでございます。 民営作業所の問題に限らず、ぬくもりのある温かい渋谷区の障害者福祉施策が実現できるように期待をしたい、どのように考えていくのかということでございました。 私は、障害のある方がその持たれている能力や、あるいは適性に応じて自立した日常生活や社会生活を営むことができるようにすること、言いかえるならば障害のある方が暮らしやすい、働きやすい、あるいは様々な選択肢を提供してより豊かな人生を送っていただくことを重視して、障害者福祉を推進してまいりたい、このように考えているところでございます。 この民営作業所、これは養護学校等の卒業者の、卒業後の働く場として大きな役割を果たしてまいったわけでございますが、さらにこの民営作業所が発展を遂げていくためには、法に基づく事業所に転換をして運営費を安定的に確保することが重要である、このように考えております。 民営作業所への支援につきましては、無理なく障害者自立支援法に基づく事業所に転換できますよう、各作業所の意向を尊重しながら個別に計画をつくって推進してまいります。既に本年一月に、作業所二カ所につきまして地域活動支援センターに指定をいたしまして、区の施設を民営作業所に活用してまいったところでございます。さらに、法内作業所に転換した場合に、利用者には利用料の負担が発生することになりますが、区独自の制度を創設いたしまして、これまでどおりに安心して働いていけるように配慮してまいります。民営作業所の運営、施設、利用者負担のそれぞれにつきましてきめ細かな支援を行いまして、その発展に努めてまいります。 また、障害者福祉施策全般につきましての対応として、この障害者自立支援法に基づく障害福祉計画、これを策定してまいります。 この計画は平成二十年度までを計画年度といたしまして、障害福祉サービス等の提供体制を確保するための方策を定めるものでございます。この計画策定のために、所信表明でも申し上げましたけれども、既に基本的方向についての答申をいただいているわけでございまして、この方針をベースに置きまして計画を作成をしてまいりたい、このように思っております。 次に、少子化対策についてでございます。 このことにつきまして、まず、今後どのように子育て支援センターを活用するのか、あるいは増設についての考え方、さらには広尾地区のどこに開設をするのかということについてのお尋ねでございましたが、順次お答えをさせていただきたいと思います。 従来、子育ては家族や地域の中で承継され、精神的な支えもその中でなされてまいったと、このように思っておりますけれども、核家族化や地域の教育力の低下など、家族や地域の支援を受けられない保護者が育児不安や養育困難を抱えるケースとなって多くあらわれている、このように思っております。 このような社会的背景の中で、子育て支援センターが、保護者が安心して乳幼児を遊ばせながら交流する場といたしまして、また、職員が育児の相談やアドバイスをしていく、また、要件によって託児をしたり子育てのスキルアップのための育児教室を開催するなど、多角的に子育て支援を行ってまいっております。このため、子育て支援センターは、保護者の育児ストレスの解消や児童虐待の防止にも役立っていると、このように考えているところでございます。 所信表明の中で申し上げました子どもを育てやすい環境整備の一環として、安心して子育て支援を受けられることから、センターを利用して子育てが楽しくなったと、こういった利用者の声も聞いております。このように、子育て支援センターは少子化対策の一翼を担い、その果たす役割は大きいと、このように思っております。今後はさらに乳幼児を持つ保護者の健康管理のため、出張健診の場としての提供や地域の様々の世代の方々の交流の場として、子育て支援センターの多様な活用を図ってまいりたい、このように考えております。 今後の増設についてのお尋ねでございますけれども、今回、実施計画に基づき六カ所目の開設をさせていただきます。在宅で子育てをしていらっしゃる保護者を支援するために、近い所で利用しやすいように、また、地域バランスも考えながら子育て支援センターの増設を検討してまいりたい、このように思っております。 六カ所目の広尾地区でございますけれども、広尾学童館を改修して活用する、このような考え方に立つものでございます。 次に、安全・安心対策についてのお尋ねでございました。 この十八年の十二月十五日に施行して三カ月弱がたちました渋谷区ラブホテル建築規制条例、それから渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例の運用状況や成果についてのお尋ねでございます。 ラブホテルの新築建築を区内全域で規制するものでございまして、ホテル等の建築に先立って区長の同意を得るための手続を、このラブホテル建築規制条例は定めているわけでございます。このラブホテルを使用目的、構造、設備面から定義し、これをラブホテルについては区内全域において同意を行わないよう、新たに建築規制をしてまいるものでございます。 この条例に基づくホテル等の建築同意申請は、多くの問い合わせがあるものの、現在までは提出されておりませんけれども、この事前に計画を取りやめたというような報告は、地域から私のところへ寄せられているところでございまして、この条例が健全な地域の環境を失いたくないという区民の要望にこたえていると、的確にこたえていくことができたと、このように考えているところでございます。 また、このマンスリーマンション等建築規制条例につきましては、極めて短期間に使用者の入れかわるマンスリーマンションあるいはウィークリーマンション、あるいはレンタルルームにつきまして、これらが違法な風俗の場として使われることの懸念、あるいは地域の健全な風紀を乱すおそれがあるということで、一定の地域については建築規制をするものでございます。 この条例に基づきます同意申請は十四件あったわけでございますけれども、いずれもマンスリーマンション等の適用を受ける物件ではなかったということでございます。 次に、商店街振興につきまして二点お尋ねでございました。 議員の御指摘のとおり、区内商店街の現状を見てまいりますと、商業・文化・観光スポットとしての集積力の大きい渋谷や原宿・恵比寿駅等を中心とする商店街、代官山もあるかもしれません。もう一点は、住宅地を背後に抱える周辺商店街等々とは、商業集積等に違いがある、あるいは地域性にも違いがあるというようなことから、その振興策はおのずから違ってしかるべきと、このような考え方は常々私は持っていたものでございます。 経済のグローバル化に伴いまして、商品企画・開発や輸入等において競争力の強いスーパー等の影響を受けまして、中小企業や小売業が廃業に追い込まれるというようなこともございます。そのために空き店舗となり、それがまた集客力を低下させ、その商店街に魅力がなくなっていく、人通りが少なくなるというようなことの現象が生じているわけでございます。そういった中で、地域密着型商店街の活性化をどのように考えるかということでございます。 この地域密着型商店街が生き残ってまいりますためには、一つは、地域住民を味方にするということが何よりも大切だと。もう一点は集積力を高める、そういったことの努力が必要であると、このように思っているわけでございます。そのためには、各商店会ごとに特色を出す、また、高齢者にやさしい商店会として地域のコミュニティの交流の場としていく、そのような基本的な姿勢も必要であろうと、私はそのようにも思っているわけでございます。 この少子・高齢化におきまして、地域商店街の顧客、それは高齢者が多い、このように思っております。この高齢者が日常生活を不自由なく送ることができるように、高齢者を中心とした消費者ニーズを深く掘り下げていく、また、そういったことへの対応のできる商店街づくりのための支援策を強化していく、あるいは拡充していくことは必要であろうと、このように思っております。 そういったことで、思いやり手形等の発行をする商店会もあるわけでございますけれども、そういったことの対応も、ほかの商店会でも考えていく必要があるか、あるいは生鮮三品等についての、この商店街を構成する基幹的な業種については、これまでも振興策を講じてまいりましたけれども、さらにこういったことへのてこ入れをしていくことも必要である、このように思っておりますし、また、地域密着型の電気店等につきましては、量販店にはない電球の取りかえ等日常サービスを行う、そういったサービスや、あるいはテレビのメンテナンス、電気商品のメンテナンスを通して高齢者とのつながりを持っていくというようなことも必要であろうと、このように思っているものでございます。 いずれにいたしましても、地域の消費者ニーズを的確にとらえまして具体的なサービスにつないでいく、顔の見える商店街づくりが欠かせない。日常商品については、近い、安い、そして安全、親切などの付加価値をつけていく、そういった強みもあるわけでございますし、そういった方向の対応が必要である、私、そのようにも思っているわけでございます。 パスモカードについての利用もあろうかと思っております。 電子マネーやポイントサービス等、多面的な利用が可能となるカード事業を導入するための経費を、今回、予算計上しておりまして、御審議をお願いしたいと考えております。その導入に向けての準備状況と今後の展望でありますけれども、現在、区の経営コンサルタントが地域に入りまして、参加商店会で構成される実行委員会とともにカード導入に向けた活性化計画を策定しております。あわせてシステム設計会社との打ち合わせ等を行っていると、このように聞いておりますけれども、この実施につきましては、この議会での予算議決をいただいた上で本年九月を目標に準備を進めてまいりたい。このことについては、先ほど笹塚・幡ヶ谷方面の商店街と、こういうふうに申し上げましたけれども、これらの効果等を検証し、将来的には区内全域での実施を視野に置いていきたいと、このようにも考えているところでございます。 二点目の、商店会への未加入を解消し、加入促進のための具体的な方策についてのお尋ねでございました。 商店会が地域のために懸命に努力をしている、その一方で、商店会に加入しないチェーン等が増えておって、区としても大変危惧を抱いているものでございます。 商店会は、各商店会全体の協力、努力があって初めて活性をするものでございます。本区はこれまでにも条例を制定し、商店会加入の努力義務を課するとともに、制度融資の金利に加入店、未加入店についての差を設けるなどの誘導策を講じてまいりました。そのことについては効果があったというお話を商店会長からも聞いているわけでございますが、本区としては、この制度融資の利子補給だけでなくて、信用保証料補助についても今後は差を設けたい、このように考えているところでございます。 またさらに、国等を初め関係機関、団体等について、全国規模で展開するチェーン店の加入に向けて強く要請をしてまいりたい。そういう面におきましては、私、商工会議所にも参りたい。先日は経済同友会に申しましたけれども、経済同友会はちょっとそことは違うんだよと、このようにお話がございまして、商工会議所にお願いをし、また都あるいは国にもお願いをして、それへの対応をさらに要請をしてまいりたいと、このように考えております。 商店街の衰退は、まちの光が消えるということでございます。私は、これからも真摯に地域の声を受けとめ、全力で商店街活性化のための施策を推進してまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、まちづくりについての方向についてのお尋ねでございました。 まちづくりの方向といたしまして、一つ、景観計画の策定、一つには土地利用調整条例の制定、もう一点は建築物の絶対高さ制限の三つの制度の導入に向けて、スケジュールとその内容についてのお尋ねであったと、このように思っております。 都市計画マスタープランに掲げられました副都心に代表される商業地と良好な住宅地という二つのまちの調和という課題を解決をしていく必要がある、そして区民が住み続けられるまちづくりであるためには、これからのまちづくりの方向として、これら三つの制度の導入を図ることが重要でございます。 まず、景観計画の策定でございますけれども、渋谷区が景観法に基づく景観計画の策定に取り組むことは、まちづくり条例にも規定をしているところでございます。 景観計画は区全域を対象として、良好な景観の形成のために届け出対象行為や景観形成基準を定めるものでございまして、景観に関するマスタープランとしての役割をも持たせていこうと、このように考えているものでございます。建築物の色彩やデザイン、高さなどの制限をするとともに、景観重要建造物や景観重要樹木、景観重要公共施設などを指定する制度でございます。現在、まちづくり審議会に諮問しまして、同審議会で景観計画専門部会を設置し、検討しておりますが、平成十九年度にはその素案をパブリック・コメントで、これにかけまして、この案をまとめていきたい、このように考えております。 土地利用調整条例についてでございます。 まだ内容が固まっておりませんけれども、一定規模以上の建築行為、開発行為、ワンルームマンションや集合住宅の建設、集客施設などの設置につきまして、計画の早い段階で近隣への周知あるいは協議を義務づけるとともに、あわせて区が独自に定める土地利用の基準に適合するよう区との事前協議を義務づけるなど、土地利用を総合的に調整していく条例としたい、このように考えております。 まちづくり審議会に諮問し、同審議会で土地利用専門部会を置いて、現在、条例素案について検討中でございます。十九年度には区議会に提案をしたいと、このように考えております。 続いて、建築物の絶対的高さ制限でございます。 これまでの高度地区によります斜線型の高さ制限に加えまして、区全域を検討対象とした各地域ごとの建築物の絶対高、すなわち最高の高さを都市計画として決定していく制度でございます。現在、都計審に諮問し、その審議会に専門部会が設置をされておりまして、検討を開始しているところでございますが、十九年度には建築物の絶対高さ制限の案を作成する、これをベースに各地域での説明会を開催し、十分合意形成を図ってまいりたいと、このように思っております。 これからのまちづくりの方向としてお示しをいたしました景観計画、土地利用調整条例及び建物の建築物の絶対的高さ制限の三制度につきましては、実効性あるものとするため、相互に連携、活用していくことが必要でございます。平成二十年度のできる限り早い時期に揃って施行することを目標としたい、このように考えております。 次に、代々木八幡の駅の改良計画についてでございます。二点ございました。 染谷議員におかれましては、この事業にかかわりまして、地域の様々の課題解決のために長年にわたって御尽力をされてまいったわけでございまして、敬意を表したいと存じます。これまでの区の取り組みを評価をいただき、あわせて感謝を申し上げます。 第一点目の、中央環状新宿線の完成時期が明らかになってきた中で、残された課題である代々木八幡駅の改良計画の協議について、どのようになっているかということでございました。 この小田急電鉄でございますけれども、輸送力増強を図りたい、各駅停車の編成を八両から十両にしたいと、このような計画を持っております。そのために、ホームの延伸及び形態の変更等が必要となってくるわけでございますが、駅施設のバリアフリーについてもあわせて、駅舎を全面改良する計画を持ちたいと、このように聞いているところでございます。 この駅舎改良のために、代々木方面の踏切の移設が必要になってまいります。区といたしましては、駅改良計画が区道や八幡橋からのアプローチ方法等を含めました駅周辺の問題、課題を解決し、この地域の総合的・一体的整備につながる計画となるよう調整をしてまいりたい、このように思っております。 この計画は、議員御指摘のとおり地域のまちづくりにかかわることであり、早期の具体化が望まれるところでございまして、私も過日、小田急電鉄の責任者に対して早期に具体案を提案するように、このように申しているところでございますけれども、このことについて、区としてこれを検討し、そしてまた地元にもお話しを申し上げて、そのことについて了解を得た段階でこれを駅改良計画としたい、このように思っているものでございます。一方的に電鉄側だけの事情でこれを進めることは決して相ならない、このように考えておりますので御理解をいただきたい、このように思います。 私の答弁は以上でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(齋藤一夫) 椿教育委員会委員長。 ◎教育委員会委員長(椿滋男) 私には、渋谷の教育について、様々な教育課題に対する新年度の具体的な体系と、その基調となる教員の指導力向上のための取り組みについてのお尋ねでございます。 教育委員会では、平成十六年度より学校選択希望制を、十七年度からは二学期制を導入し、学校教育の推進を図ってまいりました。 毎年一月から二月にかけて、私ども五人の教育委員は教育委員会において事務局各課からのこれまでの取り組みの報告を受け、それをもとに新年度の教育委員会の教育目標及び基本方針を定め、これを受けて施策の重点について協議を重ねております。このたびも教育委員五人の数々の熱心な、そして真剣な論議及び協議を経て、学校教育においては「子どもたちが確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよく育成し、将来国際社会で活躍し、地域に貢献できる力を育てよう」また「家庭、地域と連携して、礼節や思いやりの心、道徳的規範意識、基本的生活習慣の定着を図ろう」と方向性をまとめました。 そして、これをもとに、十九年度の学校教育施策の重点として次の六つの柱を設定いたしました。 その一つは、確かな学力の育成です。特に、学校図書館との連携を図って読書教育を推進し、読解力、そして判断力、表現力、想像力の育成を図ってまいります。 次に、道徳性の育成です。道徳授業や豊かな体験活動の充実に加え、あいさつ運動などを強力に推し進めていきたいと、こういうふうに考えております。 次に、特別支援教育の実施です。障害の有無にかかわらず、学習や生活場面での何らかの困難を抱えている子どもたちに適切な指導や支援をしていくという認識に立ち、専門委員会、巡回相談チーム、各学校における特別支援教室の整備と学習指導員の設置を推進してまいります。 次に、心と体の健康づくりです。特に今年度は「早寝、早起き、朝ごはん」を推進し、学校における食育にも取り組んでまいります。 次に、国際理解教育の推進です。本年度と同様に小中学校に外国人指導助手を派遣し、生きた英語に触れ、特に小学校では、区独自に作成したモデルプランを活用して、楽しい英語活動を行ってまいります。 これら五つの教育課題を推進するためには、先ほど染谷議員からも御指摘をいただきましたように、教師の力が基盤になります。そこで、教師の授業力、資質、能力の向上を中心の柱といたしました。渋谷区に勤める先生方には子どもや保護者、地域から信頼される、尊敬される質の高い、実力のある教師になってもらいたいという目標のもとに、初任者からベテランまで教員のライフステージに応じたスモールステップの目標を定め、それぞれに応じた各種の研修を実施し、指導、育成を進めてまいります。 特に、「鉄は熱いうちに打て」とのとおり、若手教員の育成に力を入れ、指導経験の豊富な退職校長二名を教育指導教授として新たに任用いたしました。教育指導教授は継続的に学校に出向き、初任者等の授業を観察して具体的な個別指導をいたします。こうした取り組みを通して、計画的に教師の力の向上を図ってまいりたいと思っております。 このような学校教育の推進を図るためには、何と申しましても家庭や地域のお力が必要でございます。子どもたちのために保護者の一層の協力を呼びかけ、家庭教育の充実も進めてまいりたい、こう考えております。今後とも御理解と御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(齋藤一夫) 池山教育委員会教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、いじめへの対策に関してアンケートの結果の分析と活用について、また、不登校への対策についてのお尋ねでございます。 いじめ問題に関しましては、いじめは絶対に許されないという認識に立ち、子どもたちが安心して楽しく通える学校にすることを第一に考えて、いじめの予防と問題の早期発見、解決に向けて、学校と一体となり、取り組みを行っておりますことを昨年の定例会で御報告をさせていただいたところでございます。 昨年十一月に実施いたしました中学生全員へのアンケート結果を分析いたしましたところ、生徒たちは、いじめはよくないことを認識しているものの、友達をからかったり暴言を吐いたりすることがいじめにつながることもあるという認識にはやや欠けていたり、ちょっとしたトラブルも自分たちで解決できない場合があることがわかりました。また、教員が把握できなかったいじめのケースも発見でき、このようなケースは学校現場と連携し、関係する生徒への対応を速やかに行いました。 また、アンケートには、いじめに対する生徒それぞれの考えを記述してもらいましたが、それを「いじめのない学校をつくるために」というリーフレットにまとめまして、全中学生と各小学校に配付をいたしました。これは子どもたちがいじめ問題を自分自身のこととして受けとめ、学級などで話し合い、いじめ問題の改善について一人一人がもう一度考え直してほしいとの思いから作成をしたものでございます。 この結果、このリーフレットを活用し、生徒会が中心になって全校にいじめをなくす活動を呼びかけたり、学級でいじめをなくす方法を話し合ったり、さらには友達のよいところを探すなどの取り組みを各学校で行いました。 しかしながら、いじめはすぐに、すべてが解決されるというものではありません。また、今後も発生することがあると私は考えております。教育委員会では、これまでに取り組んでまいりました様々な対策と今回のリーフレットを使った指導事例を小冊子にまとめまして、三月中旬にはこの小冊子を小中学校全教員に配布し、今後も継続的にいじめ解決への指導に活用してもらうように考えております。 また、この冊子は民生児童委員や青少年委員、子ども家庭支援センターなど、子どもたちの健全育成にかかわる関係機関にも配布をさせていただき、学校への取り組みについて御協力をいただけるようお願いしてまいります。 次に、不登校の児童生徒に対する支援体制でございます。 渋谷区では現在、子どもたちが教員や保護者には言えない悩みや不安を気軽に相談できるように、小・中学校にスクールカウンセラーを配置し、不登校にならない対策を講じているところでございます。しかしながら不登校になる、現在この原因は多様化しておりまして、特に子どもの家庭環境などによる不登校では、子どもの内面だけではなく保護者も含め家族全員への支援が必要となる、こういった場合も多く見受けられるようになってきております。 そこで、十九年度から教育センターの相談部門にソーシャルワーク機能を新設し、子どもを取り巻く家庭環境等への対応に当たりますとともに、土曜日の相談日をこれまで月二回実施していたところでございますが、これを月三回に増やし、相談体制の充実を図っていきたいと考えております。 また、不登校の子どもたち一人一人の学習や生活の相談を組織的に対応するために、けやき教室に新たに主任教育相談員を配置し、指導者の体制を整備してまいります。 いじめの問題は、学校だけで解決できるものではありません。一人一人の子どもたちが自分の命は自分だけのものではなく、親も友達も先生も、みんなが大切に思っていること、また、もしいじめを感じたらば半歩横にそれればまた別の世界があるから、勇気を出して周りに声を上げてほしいこと、そして、こういったことを家庭や地域を含め大人が子どもたちに繰り返し繰り返し伝えていくことが何より大切ではないかと考えております。 今後とも皆様の御協力と御理解をお願いいたします。 ○議長(齋藤一夫) 二十七番染谷賢治議員。 ◆二十七番(染谷賢治) 簡単ですので、自席でお許しください。 ○議長(齋藤一夫) どうぞ。 ◆二十七番(染谷賢治) 区長から情熱ある、愛情ある施政方針あるいは予算内容、感動して伺いました。これは平成十五年以前のこと、それから十五年後のこと、あるいは十九年からこれからのこと、これら継続してずっとつながってきている変化の激しいこの三期間のことを十二分に、これから先の渋谷区が見えるような気がいたしました。是非友党とともにですね、これからも続いて渋谷区を受け持っていっていただきたい。 教育についても内容がですね、よくわかりました。やはり施設のぬくもりのある環境、そういうことへの情熱、それこそが教師の人格ということの完成だというふうに思いました。 これからも、私どもも続けて一緒にさせていただきたいということを誓いまして、質問を終わります。 ○議長(齋藤一夫) 議事進行上、暫時休憩いたします。 ----------------------------   休憩 午後三時二十八分   再開 午後三時五十一分 ---------------------------- ○副議長(古川斗記男) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、会議時間の延長をいたしておきます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 三十番植野 修議員。 ◆三十番(植野修) 公明党が結党して四十年がたちました。国政に進出してから五十年が経過したわけでございます。創立者は池田大作創価学会第三代会長、現名誉会長であります。 昭和三十七年、公明政治連盟を経て、昭和三十九年十一月十七日、公明党は結党されました。その結党の日、壇上の左右には「大衆福祉の公明党」「日本の柱公明党」大きく掲げられておったわけであります。「大衆福祉の公明党」といたしましてはすっかり定着をして迎えました今世紀--二十一世紀、いよいよ「日本の柱公明党」として多くの方から評価をいただくまでになりました。結党以前から公明党を今日まで支えてくださいました多くの国民の皆様、そして支援団体、支持者の皆様に厚く御礼を申し上げますとともに、深く感謝を申し上げる次第でございます。 昨年の九月三十日、公明党は太田新代表を先頭にして「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との立党精神を再確認をさせていただきました。本日よりは、さらに前進また前進を開始してまいる決意でございます。 私は、渋谷区議会公明党を代表いたしまして、桑原区長、そして池山教育長にお尋ねをいたします。 初めに、次世代育成支援について区長にお尋ねいたします。 次世代育成プランの策定により、その実現に向け各自治体及び企業もそれぞれ努力しておりますが、昨年の十月、大手の新聞社の行政サービス調査により、行政サービスの総合評価が、我が渋谷区は二十三区を含む全国約八百の調査対象の自治体の中で総合的に第四位とありました。それもすばらしいことではありますが、同じ調査の中で高齢者福祉が二十七位、教育の部門では第四位、何と子育て環境の評価では全国第一位となりました。これは我が渋谷区議会公明党の提案により実現いたしました、出産までに要する期間、経済的な負担の軽減を図り、心安らかに出産を迎えられるよう支援するハッピーマザー助成制度が大きく貢献していると確信しておるところでございます。 昨日、二月末までのハッピーマザー助成の申請者は実に、既に昨年を上回っておりますが、千四百二十二人となっております。さらに、昨年実施の入院費に続き、本年十月より子ども医療費の無料化が中学三年生まで通院費まで拡大実施されることになれば、全国に誇る子育て支援策ナンバーワンの渋谷区として、引き続き評価されることは間違いないということであります。 この経費、約四億一千万円余を含む一般会計予算に、間違っても反対する議員はこの渋谷区議会には一人もいないと思っておりますが、どうでしょうか。 この間、桑原区長は、所信表明で述べられたように、厳しく行財政改革を進める一方、高い行政手腕及び交渉力を発揮され、都区財政調整の面では財源の確保に特段の努力をされました。その結果によりまして、今回の子ども医療費の無料化が本年十月より実施の方向となったわけであります。来年度以降も継続実施していくためにも、今回の英断を高く評価するものであります。 さらに、渋谷区議会公明党といたしましては、不妊治療助成を国・都に上乗せして実施してはどうかと提案をさせていただき、新年度予算に計上していただいたところであります。この特定不妊治療費助成事業制度では、医療保険の適用がない高度な不妊治療を選択せざるを得ない場合の経済的な負担の軽減を図るため、配偶者間の一定の不妊治療に要する費用の一部を助成するもので、体外受精及び顕微授精を対象とするものであります。一回十万円を年二回まで上乗せすることとなりました。 また、育児支援家庭訪問事業は、子育てや家事を手伝ってくれる同居の家族がいない妊産婦にとって大変に喜ばれており、産後の育児負担を軽減するものとして第二子以降などの拡大実施は対象者にとって朗報であります。 国においては本年、児童手当の拡充により、第一子及び第二子のゼロ・一・二歳児手当が倍額の一万円となります。平成十一年十月より連立政権に参画した公明党は、国でも頑張っております。平成十二年、三歳未満から義務教育就学前まで支給対象年齢を拡大し、平成十八年、小学六年終了前まで拡大してきました。そして本年四月より、連立参加より八年目にして五度目の児童手当の拡大となったわけであります。国と地方のネットワーク政党として、公明党は児童手当のさらなる拡充に努力してまいる所存でございます。 子どもを産み、育てる環境を整えるため、妊娠期間中及び出産後の検診費用の自己負担を今よりもっともっと軽減していき、ハッピーマザー助成に続き、近い将来自己負担ゼロにすべきと考えますが、区長の御所見を伺います。 子育て支援の施策は、生後のブックスタートに始まり読書運動の展開、「早寝、早起き、朝ごはん」に至るまで、福祉保健部、保健所、子ども家庭部、教育委員会と系統的な取り組みがなされてきており、一定の効果が実証されているところでありますが、さらに安心して出産を迎えられるようマタニティコンサートを開催されてはいかがか、そのように御提案申し上げますが、あわせて御所見を伺います。 また、区長が所信表明でも指摘されたように、渋谷区の未婚率は依然として高いのが実態であります。企画部広報課が昨年実施しました渋谷区民意識調査によっても、報告書を見ますと、特に二十五歳から三十九歳までの青年層が増加しております。高齢者施策、子育て支援、防犯・防災から環境、区民サービスに至るまで、とても内容のあるすばらしい調査結果であると同時に、今後の区政にどう反映していくかが課題と言えましょう。 そこで、地域貢献人材育成講座を開設し、受講者にカップリング、交流、出会いの場として提供してはどうかと提案するわけであります。合コンみたいではございますが、フレンドリーパークとして、講座の受講者の中から地域貢献人材登録を募り、それぞれ活躍していただき、ある人は、消防庁が百万人を目指し入団促進キャンペーンを展開している消防団に入るとか、ある人は福祉関係の資格を取るとか、さらにスキルアップに挑戦していただく、そして貢献度により、例えば家賃が十二万円から十六万円の住宅を区が借り上げ、その半額の六万円から八万円の自己負担で居住できるようにするとか、または一律毎月五万円を支給するなどの地域貢献人材住宅費助成制度を創設してはどうでしょうか。今後の地域を担う大事な人材確保策として検討していただきたいと思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。 また、最近、若者のニーズとして、スケートボード場やロッククライミングの練習場が欲しいとの声をよく聞いております。例えば宮下公園、都立代々木公園B地区などについて、実現の方向性をあわせてお伺いいたします。 次に、高齢者・障害者施策の充実について区長にお伺いいたします。 これまでの特養ホームの待機者解消に向けた取り組みに対し、最大限の評価をするとともに、さらなる特養ホームを区内に増設する予定はあるのかお伺いいたします。 また、このたび敬老館での洗髪ができるようおふろが改修されるのに伴い、脱衣所の床暖房を希望される方が多くおりました。高齢者センターも増設の予定で、ますます健康で長生きしていただける環境は整いつつあります。既存の敬老館も順次、高齢者センターとしていく方向が望ましいと思います。例えば「いきいき健康プラザ」などの名称も考えたらどうか、あわせて区長の御所見をお伺いいたします。 また、高齢者用住宅を代々木地域で借り上げる予定とのことですが、もっと多く優良な民間住宅を借り上げ、増設を促進すべきだと考えます。 さらに、グループホーム、グループリビングの民間活力による増設を促進すべきと考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。 医療関係では、放射線治療の普及、緩和ケアの充実が盛り込まれましたがん対策基本法が制定され、この四月よりいよいよ施行されます。 がん対策が今後の重要な課題となってまいりました。現在、日本人の三人に一人ががんで亡くなっています。かつては胃がんが多く、早期発見、早期治療、開腹手術で切除する方法が主流でしたが、最近は、その他の肺がん、大腸がん、直腸がん、乳がん、子宮がん、前立腺がんなどは、内視鏡手術や放射線治療、薬物療法などによる治療方法も進んできております。是非誕生月健診の周知徹底と同時に、徹底したがん検診の周知と受診を促進し、さらに検診内容の充実を図るべきと考えますが、区長の意のあるところをお聞かせください。 次に、教育環境の充実について池山教育長にお伺いいたします。 学校、家庭、地域が一体となって児童生徒の教育環境を守っていくことが大事だと思いますが、学校、家庭、地域それぞれの役割が果たされているか、現時点の問題点があればお聞かせいただきたいと思います。 また、ゆとり教育についての見直しが取りざたされておりますが、今までのゆとり教育についての総括が何よりも大事だと思います。教員の授業力、資質の向上はもちろん、特に特別支援教育を本格的に推進するためには、何よりも教育現場を預かる教師自身のゆとりがあるのかが心配です。教育長のお考えを伺います。 さて、安全な環境で豊かな放課後を過ごす放課後クラブが平成十六年から順次開設をし、本年四月より全二十小学校で完全実施されることとなります。この間の教育委員会と子ども家庭部の御努力は大変なものと感謝するとともに、敬意を表するものであります。 そこで、これまで先行実施してきた放課後クラブの成果と問題点、さらには今後の取り組みについてお伺いいたします。 次に、文化・芸術の振興策について区長にお伺いいたします。 平成十三年、文化芸術振興基本法が成立、施行され五年が経過いたしました。いよいよ待ちに待った、心の豊かさを大切にする文化の時代とするためにふさわしい施設として、旧大和田小跡地に中・小ホールを備えた複合施設が着工の運びとなりました。渋谷の新たな文化、教育、福祉、健康の拠点として、平成二十一年度完成が待ち望まれるところでありますが、今からそれぞれの人材確保が大事となるでありましょう。あらゆる人材が渋谷にはおります。その活用が重要であり、人材登録するなど具体化する段階になってきたのではないでしょうか。 また、今後の運営のため、財団方式を考えてはどうかと考えますが、区長の現時点の御所見をお伺いいたします。 次に、各種行政サービスについてお尋ねいたします。 待ちに待った神宮前・千駄ヶ谷ルートのハチ公バス、いよいよ実現の運びとなりました。特段の御努力に感謝申し上げるとともに、具体的な実施時期をお聞かせ願いたいと思います。 また、ワンストップサービスの実現も大いに喜ばれること間違いありません。「ハチ公バスに乗って「ワン」ストップサービスへ行こう」こういうキャンペーンもどんどんやっていただきたいと思っておるところでございます。第二・第四日曜日開庁サービスとともに、行政サービスの先端をいくものであると最大の評価をするものであります。 その際、定年退職を迎えた有能なベテラン職員に一役買っていただき、短時間のフロアマネジャーとして活躍していただいてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 また、納税などの振り込みにコンビニを利用できるよう望んでいる声が大変に多く聞かれます。給与所得者などの所得税が本年一月より、住民税は六月より、三位一体の改革により税額が変わりますが、納税などの収納率アップのため、コンビニ利用の実現の方策を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。 また、防災対策について、いよいよ今日から春の全国火災予防運動が始まります。平成十七年度の火災件数は全国で五万七千四百六十件、一日当たり百五十七件でございました。火災で亡くなった人は年間二千百九十五人にも上っております。そのうち、建物火災が実に五七・五%を占めているわけであります。 平成十七年度に、約四万棟ある区内の全建物を対象に震災対策基礎調査を実施し、平成十八年度に建物の倒壊危険度を五十メートルメッシュで表示した地震防災マップ、すなわちハザードマップを作成いたしました。その周知徹底と、相談窓口を設け対応すべきと考えるが、いかがでありましょうか。 防犯対策として、再びピッキング対策の補助を実施することとなりました。平成十五年、いわゆるピッキング防止法が施行され四年になろうとしております。防災が自然との戦いであるならば、防犯は人との戦いであります。人間同士こんなばからしいことはないのですが、世相ですか、混迷した現代の病根でありましょう。人が人をだまし、脅し、盗み、傷つけることがいかにばかげていることかを、モラルハザードとして啓発していかなくてはなりません。繰り返し繰り返し継続していくことによって、やがてこの渋谷区から犯罪の文字が消えることを願い、防犯対策の強化を伺いたいと思います。 次に、家庭用コンポストの普及促進を図るため、生ごみ処理機購入の半額助成の上限が一万円から二万円に増額実施されることとなりました。地球の温暖化、環境破壊を食い止めるため、その意識啓発を兼ねてとても重要な施策だと感謝いたしますとともに、効果的に実施するため、区民に周知徹底をお願いしたいところであります。 さて、いよいよ二〇一一年七月二十四日をもって、現在のアナログ放送から地上デジタル放送に完全に移行されます。 テレビは一九五三年に開始され、その放送は約五十年を経て、テレビ受信機は全国で四千八百万世帯に普及しており、ほとんどの家庭にあると言えます。二〇〇一年の電波法の改正により、十年以内にこれまでのアナログ放送からデジタル放送への移行が決定されました。ハイビジョンによる高画質、高音質やデータ放送のサービスなどのメリットを強調する反面、経済的負担も軽視できません。 そこで、公明党青年局では本年一月、地上デジタル放送の円滑な移行を求める要望書の署名運動を全国で展開しました。私たち公明党六人の区議会議員も青年局の先頭に立って、各駅頭で展開をいたしたところであります。一月三十日、参議院議員遠山清彦公明党青年局長が安倍首相あて、三百二十六万三千四百二人の署名簿とともに要望書を提出したところであります。 現在のテレビがチューナーの取りつけによってその後も見ることができるとはいえ、買いかえが進むと見るのが一般的であります。平成十三年四月より家電リサイクル法が施行され、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電四品目がリサイクルされることになり、処分する際に有料となりました。そこで懸念されるのが、買いかえによる古いテレビの大量廃棄であります。 平成十七年度、テレビの不法投棄処理は清掃事務所処理分で四十八件もありました。環境面に配慮し、今からその対処について準備すべきと考えますが、区長の意のあるところをお聞かせ願います。 以上、公明党を代表して、区長、教育長の御答弁をお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 桑原区長。
    ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党の植野 修議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。 「大衆福祉の公明党」と言われましたけれども、今や渋谷では大衆福祉だけでなくて文化も保健も教育も、すべての面で御活躍をされていらっしゃいまして、日本の柱だけでなくて渋谷区の柱にもなってもらいたいなと、そのように思っております。 順次お答えをしたいと思います。 まず、この妊娠期間中及び出産後の健診費用の自己負担の軽減についてでございます。 本区では、妊娠期間中の経済的負担を軽減するため、貴会派からの御提案を受け、ハッピーマザー助成を開始をしたということでございます。また、経済的負担も増える妊娠二十四週以降の健診の費用負担を軽減できるようにしているところでもあるわけでございます。妊婦健康検診につきましては、従来、前期と後期の二回まで公費負担制度でございますけれども、このたび国から「公費負担回数を拡大することが望ましい」という旨の見解を示されているということで、特別区全体で公費負担回数の増を検討しているところでございます。 近い将来、出産にかかわります健診費用の自己負担をゼロという議員の御提言は、まことに時宜を得た、意義のある御提言として受けとめをさせていただきたいと、このように思います。 次に、マタニティコンサートを開催してはと、こういうことでございました。 妊娠中は期待に満ちた時期であると同時に、体のあちこちに不快症状があらわれる、様々な制限を生じることによってストレスを感じたり、心身が不安定になりやすい時期でもあると、このように聞いているところでございます。こうした妊婦のために、ストレス発散などを目的としたリラックス方法として、マタニティコンサート、これ私、初めて聞いて申しわけないわけでございますけれども、これは音楽とか詩の朗読、あるいはリラックス体操など、あるいはこれが単独あるいは組み合わせた方法で行われて、参加者から好評をいただいているようでございます。 御提案をいただきました、このマタニティコンサートにつきましては、機会を得てまた検討してまいりたいと、このように思います。 次に、地域貢献人材支援制度についてでございます。 地域貢献人材育成講座を開設し、講座の受講者の中から地域貢献人材登録を募り、消防団とか、あるいは福祉の関係の資格を取るとか、その貢献度によって地域貢献人材住宅費助成制度を創設をしてはどうかと、こういうお話でございます。 少子・高齢化の急激な進展のございます今日、消防・防災活動や保健、福祉、医療の増進のための活動や教育・文化活動など、地域において支える若年層のこの人材の確保を図っていくということは地域力を維持・向上させるために大変意義があり、また、必要でもあると、このように思います。このため、議員御提言の地域貢献人材育成講座、あるいは地域貢献人材住宅費助成制度の創設も含めたこの御提案は、すぐれた御意見でございますけれども、一方ではなかなかこの財政負担も大きいということでございまして、今後の検討・研究課題にさせていただきたい、このように思う次第でございます。 次に、若者のニーズにこたえて、宮下公園内にスケートボードの練習場を整備するとか、あるいは都立代々木公園内にロッククライミングの練習場の整備をしたらと、こういうことでございます。 議員御提言のスケートボードの練習場につきましては、若者からの整備要望も多数ございます。今後、公園の環境整備の視点から、具体的にその場所あるいは管理方法等につきまして検討させていただきたいと、このように思います。 また、都立代々木公園内のロッククライミング練習場の整備につきましては、御提言の趣旨を踏まえまして東京都に要請し、実現に努めてまいりたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。 特養の増設についてのお話でございました。 特別養護老人ホームについては、植野議員からも高く評価されたところでございますが、一昨年の十二月、区内五番目の特別養護老人ホーム、全室個室ユニット型の「美竹の丘・しぶや」を開設をした。そして、待機者は昨年九月一日基準で四百六十人と、一昨年の六百六十五人と比べまして二百人以上の減少と相なっているわけでございます。 一方、平成十八年度の介護保険法の改正の中で、今後の介護サービスとして在宅を重視していく、このような視点から、地域密着型の小規模多機能施設や夜間対応型の訪問介護事業の充実が国から示されておりまして、三十人以上の大規模特別養護老人ホームの整備計画は都道府県の責務と、このように相なったわけでございます。したがいまして、現時点では、公設による特別養護老人ホーム増設の計画は持っていないところでございます。 しかし、待機者の動向を見ながら、次期介護保険事業計画等の策定の中で、福祉施設整備が本区の実態に即したものになるよう福祉基盤整備の検討を進めたい、このように思います。 次に、敬老館の施設改善等についてでございます。 敬老館で洗髪ができることに相なったということで、脱衣場の床暖房を希望される方が非常に多いと、こういうことでございます。また、既存の敬老館も順次、高齢者センターとしていく方向が望ましい、このようにも申され、「いきいき健康プラザ」という名称も考えたらということでございます。 敬老館の脱衣場の暖房化につきましては、本年度内に二敬老館で実施をしたい、このように考えております。 また、敬老館の高齢者センターとしての建てかえあるいはこの大規模改修でございますけれども、時期をとらえて検討してまいりたい、このように思っております。 まずは既存施設について、より利用しやすい施設となりますよう、洗髪ができますように給湯及び排水設備などの改修に努めてまいりたい、年度内にすべてが終わるように対応してまいりたいと、このように考えております。 また、施設の名称については、御提言を「なるほどな」と私、思いましたけれども、また利用されている高齢者の意見等も聞きながら決めてまいりたいと、このように思う次第でございます。 次に、高齢者住宅を代々木に建設予定であるけれども、さらにグループホームやグループリビングの民間活力を生かした増設を促進すべきである、こういうことでございました。 高齢者のグループリビングについては、御案内のとおり、昨年幡ヶ谷に、高齢者センターの上に設置をし、本年の一月から入居を開始をしたところでございます。また、認知症高齢者グループホームにつきましても、この一月にグループホーム笹塚がオープンいたしました。これらの施設管理に当たっては、民間事業者にそれぞれお願いをしているところでございます。 また、障害者のグループホームにつきましては、昨年三月に区の助成を受け、民間社会福祉法人が運営しているところでもあるわけでございます。 高齢者向け住宅につきましては、来年度、代々木地区に新たに民間の住宅を借り上げまして、十七世帯分の住宅を確保する。他方では、西原地区に民間による認知症グループホームの建設等の助成をも予定しているところでございます。 今後とも、高齢者及び障害者グループホームなど福祉施設の整備は今後の大きな課題であると、このように認識しているところでございます。また、運営に当たっては民間活力の導入を進めてまいりたい、このように思います。 次に、がん対策でございます。 このがん検診の周知徹底と受診の促進、あるいは検診内容の充実ということについてのお尋ねでございます。 本区におきましては、現在、がん検診につきましては区独自に、区民誕生月健診とともに個別通知を実施しております。検診機会の提供と受診の促進について周知を図っていると、こういうことでございます。加えまして、毎月の区ニュース、ホームページ等でもがん検診の普及啓発、受診の促進に取り組んでいるところでございますし、また、受診者には自己負担をお願いしておりません。 検診内容につきましては、医療の専門家から成るがん検診に関する検討会報告をもとに、国から示されますがん検診の指針に基づきまして、有効性の科学的根拠が明らかになりました検診の項目と方法について実施をすることといたしております。新たな科学的知見が出るたびに、対象年齢あるいは実施方法の見直し等を図ってまいりましたが、今後ともがん検診受診の周知徹底と検診内容の見直しを引き続き続けてまいりたいと、このように存じます。 文化・芸術の振興策として、大和田小学校跡地の中・小ホールを備えた複合施設ができた暁に、それに対応した人材確保と、このようなお話がございまして、また、財団の設立についてのお考えを聞きました。 この人材の確保が必要であるということにつきましては、確かにこの施設が区民のために有効に活用されるためには、この人材確保が大変重要であるというふうに受けとめております。その中で、一つには、すぐれた一流の音楽や伝統文化、こういったことに区民が触れる場が必要でございますし、一方では、地域の自主的な活動の場が必要だというふうに思いますし、一方では子どもたち、小学生等の鑑賞の場も必要であろう。様々なこの利用があると、このように思っておりますけども、これらの利用バランスを欠くことのないように、御提言の人材の活用と登用に踏まえながらも、御注意を受けたことに支障のないような形で努めてまいりたいと、このように思います。 また、財団方式についての御提言をいただきましたけれども、このことが適当かどうか今後とも内部で検討してまいりたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。 コミュニティバスについての御期待をいただいて恐縮に存じますけれども、この開設のためには、この走行ルートを決定しなくちゃいけない、あるいは停留所設置場所等の調整が必要でございます。その後で交通管理者である警視庁の許可あるいは国土交通省の認可等の様々な手続が必要でございますので、最悪の場合は十九年度末になると、このようなことに相なろうかと思いますけれども、区民の期待にこたえて早期な対応をしてまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと存じます。 ワンストップサービスについての御提言をいただきました。 本年一月から、戸籍住民記録課でワンストップサービスを開始をさせていただいたところでございます。年度途中の開始であるというようなことから、フロアマネジャーにつきましては、今年は委託事業としてスタートしたわけでございますけれども、議員御指摘のとおり、このフロアマネジャーには区のベテラン職員を配置することが最も望ましいと、このように思いますので、新年度からはそういった方向でやってまいりたいと、このように思います。 定年後、再雇用、再任用した職員について、経験豊富で区政にも精通しているというようなことでございますので、区民からも親しまれる、こうした区役所の顔にしたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。 納税方法の利便性の向上として、振り込みについての御提言をいただきました。 現在、区民税及び国民健康保険料につきましては、本庁舎及び出張所窓口、または各金融機関窓口を利用しての納付や口座振替により収納しているところでございます。議員の御質問の中にございましたように、コンビニエンス・ストアは店舗数も多い、また夜間、休日にも利用できるという利便性もございます。 このたび、新年度予算にコンビニ収納関連の調査経費を計上させていただきました。現在、開発している次期税務システムの稼働に当たりまして、これに合わせて導入に向けて準備を進めてまいりたい、このように思いますので、御理解をいただきたいと存じます。 防災対策として、ハザードマップの周知徹底と、相談窓口を設けての対応についての御提言をいただきました。 このハザードマップにつきましては、新宿駅周辺を震源とするマグニチュード六・九の都心西部直下地震が発生したことを想定いたしまして、区内の震度分布を示した「揺れやすさマップ」と、建物の倒壊危険度を表示した「地域の危険度マップ」でございます。現在、防災課の相談窓口で配布をさせていただくと同時に、区のホームページでもごらんをいただけるわけでございます。このマップのデータに基づきまして、倒壊危険度の高い建物所有者個々に対して通知をし、また、個別の耐震化相談会を出張所単位の十一地区で逐次開催をしてまいりたいと、このように思っております。 今年度では二地区で実施をしたわけでございまして、十九年度に順次開催し、それに伴います耐震診断コンサルタント派遣や木造住宅耐震改修助成事業につないでいきたい、このように考えております。 また、災害時要援護者対策につきましては、倒壊危険度の高い建物内に住む要援護者を優先的に避難支援することを目的としておりまして、消防団あるいは自主防災組織、あるいは民生委員、あるいは消防署等とともに、実際にまちを、このハザードマップをベースに検証してまいりたいというふうに思っております。 そのような形でハザードマップを活用すると同時に、建物の耐震化や家具の転倒防止、あるいは避難経路の確認の啓発手段としてこれを活用してまいりたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、防犯対策についてでございます。 この防犯対策の強化についてのお尋ねでございますけれども、私、区長就任以来、区政における重要な課題として安全対策を取り上げてまいりました。犯罪の発生を抑止する、あるいは子どもの安全確保を図るために地域全体で犯罪者を寄せつけない、そういう地域力の向上が重要である、このように考えているところでございます。区民の皆様や関係行政機関との連携を図った自主防犯パトロール、あるいはメール等によります犯罪発生情報の配信あるいは防犯カメラの設置を行うと同時に、自主防犯リーダーの育成等、幅広く防犯対策を進めてまいったところでございます。 さらに、十九年度予算におきまして、貴会派の御要望を入れまして防犯性能の高い施錠や人感センサー付ライト等を住居に設置し、空き巣対策等のための防犯対策補助金制度なども実施をすることといたしております。 区民の防犯意識の向上、啓発に努めながらも、安全で安心した、この暮らしやすいまちづくりの実現のために努力をしてまいりたいと、このように思っております。 地上デジタル化の備えについての、テレビの大量廃棄に対する懸念についてのお尋ねでございました。 現在、総務省と放送業界において、二〇一一年までにテレビ放送の完全地上デジタル化を推し進められております。二〇一一年に現在の地上アナログテレビ放送が終了をする、地上デジタルテレビ放送に完全に移行しますと、これに対応したテレビはデジタル対応のテレビに買いかえる、あるいは新しいチューナーを取りつけなければならない、こういうことに相なるわけでございます。 テレビなど家電製品のリサイクルルートにつきましては、家電リサイクル法によりまして業界内で既にそのシステムが確立している、テレビの買いかえに伴う廃棄物の発生に対しても対応できると、このように聞いておりますけれども、御質問の点につきましては、今後、国の取り組みなどを十分注意深く見守っていきたい、このように考えております。 以上で私の、御質問に対する答弁とさせていただきます。 御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、教育環境の問題点についてと、ゆとり教育、放課後クラブについてのお尋ねでございます。 学校や地域で子どもたちの明るい笑顔に接しますと、私は、子どもたちは未来の宝であると実感いたしております。子どもが生まれてから、その発達段階に応じて学問を身につけ、心豊かにたくましく成長するためには、家庭、学校、地域がそれぞれの教育機能をしっかり果たすとともに、三者が連携して渋谷の子どもたちをみんなが育てるという志を持ち、教育環境を整備し、守っていくことが重要であると、私も植野議員同様に思っているところでございます。 お尋ねの教育環境についてでございますが、現時点では、解決が困難というような大きな問題はございません。これは、渋谷区の地域や保護者の皆様が常に子どもたちのためにと御支援や御協力をくださるたまものであると思っております。例えば登下校の見守り、授業でのゲストティーチャーやボランティアの方々の支援、地域で大人と子どもが一緒に楽しむ行事など、家庭、学校、地域が一体となって子どもたちの学習や遊びを支援してくださり、大変ありがたく、感謝しているところでございます。 しかしながら、各学校への外部評価や学校保健委員会、教育委員会などに寄せられます手紙やメールなどには、教育環境についての御意見や御指摘をいただいております。その内容は、各学校の教育内容や教師の指導方法、あるいは学校の説明不足や対応の遅さについてが多く、時には学校現場での対応に苦慮する場面もございますが、御指摘に対しましては誠意をもって取り組んでおります。 今後とも家庭、学校、地域の連携が円滑に進むよう、私どもも教育環境の整備に努めてまいります。 次に、ゆとり教育についてでございます。 現在の学習指導要領は、それまでの指導内容を三割、時間を二割削減した中で、すべての子どもたちに基礎・基本をしっかり定着させるために、また、総合的な学習の時間を通して生きる力をはぐくむために整備されたものでございます。したがいまして、ゆとりとは、子どもにとってのゆとりという意味でございます。 このゆとり教育が学力の低下を生んだという声がございますが、指導内容や時間の削減をそのまま学力の低下に結びつけることは、やや難しいと思っております。教師は学習の基礎・基本の定着のために、子どもに応じた教材の研究、工夫などの準備に時間を要し、教師自身が忙しくなった面は確かにございますが、その努力は子どもたちの「授業がわかるようになった」という声になってあらわれております。また、総合的な学習の時間を創設したことで、学校全体の取り組みとして地域の方やその道のプロの方をお招きして一緒に授業することが可能になり、子どもが興味を示し、自分から進んで調べてみよう、学んでみようという態度や意欲が、また、問題解決能力が高まったという面もございます。 一方では、子どもたち一人一人の課題に応じたきめ細かい指導が求められていることも多くなってまいりました。保護者からの御要望にいたしましても、個々に対応するケースが増えてきていることもあります。そうした意味からは、教師の時間的・精神的ゆとりが少なくなっていることは否めません。 子どもへの学習指導は、その大半が教員の指導力にかかっているわけでございますから、よりよい授業や指導を行うためには、教員への支援や教育環境の整備が必要であります。また、一方では、教員自身も力量を向上させる努力も必要となっております。 区の少人数指導講師、地域人材活用や外国語指導助手派遣、個別の必要に応じた介助員、さらには教員の研修体系の整備と教育指導教授の設置、特別支援教育の学習指導員などのこれらの施策は、子どもたちのためということはもちろんでございますが、現場の教員の指導を支えるための施策でもございます。これからも教育環境のさらなる充実を目指してまいりますので、お力添えをよろしくお願いをいたします。 続きまして、放課後クラブの今までの成果と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。 放課後クラブは保護者の就労状況にかかわらず、一年生から六年生まですべての児童を対象として実施しており、このことは、学童クラブの課題であった待機児の解消や高学年の受け入れを可能といたしております。また、単に保護者が帰宅するまで過ごす居場所提供事業としてではなく、学校施設を十分に活用し、地域の方々の協力を得てお茶や生け花などの伝統文化活動、ミニバスケットなどのスポーツ活動、学習の基礎・基本を身につけるための土曜キッズクラブなど、学校の授業とは異なる教育的プログラムを実施しており、学童クラブにはない取り組みとなっております。 また、このような地域の方々の指導を受けることにより、子どもたちが地域の方々とあいさつを交わすようになったというような声も聞いており、少しずつ成果があらわれているのかなと感じているところでございます。 このたび区立小学校全二十校へ開設が完了いたしますので、今後は放課後クラブでは、子どもたち一人一人が持つ可能性を引き出すため多様な教育的プログラムを実施してまいりますとともに、各放課後クラブ同士の交流も視野に入れた取り組みを検討してまいりたいと考えております。 以上、御答弁とさせていただきます。 ○副議長(古川斗記男) 三十番植野 修議員。 ◆三十番(植野修) ただいまは区長並びに教育長、大変御丁寧な答弁をいただきました。自信を持って区政執行に当たっていただきたい、このことをエールとして申し上げたいと思っております。 昨年、私は、この場で桑原区長の再選に対してエールを送りました。公明党としましては、東京都本部で既に推薦決定をしたところでございます。と同時に、私ども区議会議員公明党の六人も党の公認をいただいたところでございます。元気いっぱいに、今日からは四月に向けてスタートしてまいりたいと思っております。 また再びこの場に戻ってくることをお誓い申し上げて、私の代表質問、終わります。 ○副議長(古川斗記男) 三十三番苫 孝二議員。 ◆三十三番(苫孝二) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区民の暮らし、福祉を守り、区民が安心して生活できる政治を実現する立場から、七つの柱で質問いたします。 現在、区民の暮らしは貧困と格差の広がりの中で一段と厳しさを増し、区民の生活不安はかつてない広がりを見せています。とりわけ多くの高齢者は、昨年、老年者控除廃止や年金控除額の縮小の上に定率減税の半減が強行されたことから、非課税の人が課税となったり、また、税額が何倍にもはね上がる人が続出するなど深刻な事態に直面しました。にもかかわらず、安倍政権が新年度予算に定率減税の廃止を盛り込んだことから、高齢者は今年もさらに増税に苦しめられることになります。 こうした国民に負担を押しつける一方で、低賃金やサービス残業、偽装請負などの違法な働かせ方で史上空前の利益を上げている大企業や大金持ちに対し、引き続き大減税をしようとしているのです。これではますます国民の間に貧困と格差は広がるばかりです。日本共産党渋谷区議団は、こうした逆立ちした自民党政治を変えるために全力を挙げることを表明するものであります。 最初に、第一の柱である平和問題について質問いたします。 安倍首相は施政方針演説で、憲法改定の推進と改憲手続法の成立を宣言しました。これを受けて自民・公明党が五月三日の憲法記念日までに改憲手続法案を成立させることで一致するなど、情勢は非常に緊迫した局面を迎えています。 これまで安倍首相は憲法改定の目的について、集団的自衛権の行使を可能にすることなどと述べてまいりました。これはアメリカとともに血を流す、海外で戦争する国をつくることにつながることになります。それだけに、今回の安倍首相の施政方針演説は極めて重大なものと言わなければなりません。 実際このことは、現在のイラク情勢を見れば、いかに誤りであり危険なものであるか明白であります。イラクでは、アメリカによる侵略戦争と占領支配が破綻し、連日爆弾テロ事件が起こり、多くの死傷者が生まれ、まさに悲惨で泥沼状態の内戦状態という深刻な事態となっています。 現在、アメリカの軍事力によって世界を動かすという政策は完全に破綻し、国連憲章に基づき、国際紛争は平和的、外交的に解決することが国際ルールとなってきているのであります。北朝鮮による核実験強行という危機が起こりましたが、六カ国が一致結束して平和的、外交的に解決するという方向で動き、朝鮮半島の非核化に向けて平和的に問題が解決していくことになりました。 こうした国際紛争を平和的に解決するという世界の先駆けとなっているのが、日本国憲法第九条の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という条項であります。 国民が平和に生きる権利を保障したかけがえのない現憲法を守るため、区長は、政府と国会に対し意見書を提出すべきと考えます。区長の答弁を求めます。 第二の柱として、区民生活を守る問題について質問します。 昨年十一月から今年一月までの三カ月間、我が区議団が行った区政アンケートでは、かつてない六百五十人の方から回答が寄せられました。そこでは多くの人々が、自身の生活について「事業税、都民税、消費税、所得税を支払うと商売していても何も残らない。いっそ商売を変えようかと思っている。入院をするように言われたけれど、薬で様子を見ている」と三十代の自営業の男性を初め、七十代の女性からは「区民税が一年で八万円上がりました。健康保険も一カ月一万五千円上がりました」など、厳しい生活に陥っていることを切々と訴える声が寄せられました。 政府の新年度予算案には、所得税と住民税の定率減税を廃止し、国民に一兆七千億円もの増税が盛り込まれています。これが実施されれば、サラリーマンを初め年金生活の高齢者まで、ほとんどの人が増税となり、国民健康保険料、介護保険料も上がり、過酷な状況が強いられるのです。区長は政府に対し、定率減税の廃止を中止するよう申し入れるべきです。区長の見解を伺います。 次に、安倍首相が施政方針演説で打ち出した消費税増税について質問いたします。 一九九七年をピークに、国民全体の所得は下がり続けています。消費税は低所得者ほど負担が重い税金です。したがって、消費税の税率が上がれば上がるほどますます格差が拡大し、低所得者の生活は圧迫されます。また、消費税の税率を引き上げることは、国内総生産の六割を占める個人消費をさらに冷え込ませ、今でも苦境にある中小企業、商店街に大打撃を与えることになります。 消費税廃止渋谷各界連絡会の消費税増税反対の署名活動の中で、各商店から「赤字続きで生活費もぎりぎり詰めている。住民税も上がった。消費税増税なんてとんでもない」「今年になってさっぱり売れなくなった。消費税増税なんて論外。借金があって商売をやめるわけにいかない。続けるも地獄、やめるも地獄」などという深刻な声が出されています。消費税の増税をやめるよう政府に申し入れるべきです。区長の見解を伺います。 今、重税から住民を守るため、各自治体で、地方税法の第三百二十三条の規定を使って独自の減免制度をつくっています。京都市の場合、高齢者で所得額が百三十五万円プラス扶養親族一人につき三十万円以下の人を税額を半減する、また、名古屋市の場合、高齢で低所得の単身世帯は所得額が百四十一万五千円以下、夫婦世帯については百五十八万円以下は税額を半減するという制度を設けています。 我が党区議団は、今議会に特別区税条例の一部改正案を提出しました。その内容は、厳しい生活実態にある区民を救済することを目的にしています。区民の生活を守るため、そうした減免制度の拡大を図るべきであります。区長の見解を伺います。 非課税から課税になった年金生活の区民は、約五千人に上っていると予測されています。これらの人に対し、十万円以上の医療費や所得の五%を超える医療費は控除の対象となること、また、国民健康保険料や介護保険料も控除の対象となることなど、各種控除があること、申告すれば税額が減額されることを知らせることが重要であります。少なくとも年金生活の全区民に、こうしたことの案内と申告書類をあわせて送るべきと考えます。区長の見解を伺います。 介護保険の要介護認定を受けている人を対象に、各自治体が障害者控除の認定書を発行し、高齢者を支援する取り組みが広がっています。隣の世田谷区では要支援以上を対象に、町田市では要介護度一以上を対象にしています。この制度を当区でも実施すれば、減税になる方が多くおります。当区でもこの制度を実施すべきです。区長の見解を伺います。 次に、第三の柱の、桑原区長の政治姿勢と二〇〇七年度予算案について質問します。 桑原区長の四年間の政治の問題点は、大企業優先の大型再開発を推進するとともに箱物建設を強引に進め、その一方で、切実な住民要求や福祉、教育を切り捨て、職員を大幅に削減し、区民サービスを低下させてきたことであります。さらに、住民無視、区議会無視のトップダウンで行政が進められてきたことです。 子育て支援策の重要な柱となっている学童保育、学童館廃止と、神宮前小学校のトルコ人学校の設置については、父母や区議会の意見を聞くことなく一方的に決定し、それを押しつけるという態度に終始しています。 桑原区長が編成した二〇〇七年度予算案では、渋谷駅周辺再開発の推進に五千八百万円、また、大和田小学校跡地複合施設建設に六億一千万円を計上するとともに、無駄なイベントである花菖蒲を観る交流会に五百六十五万円の予算をつける一方、学童保育のおやつ代二百四十五万円を削減し、また、公立保育園のゼロ歳児へのおむつ支給二百三十万円をカットするという、区民に冷たい姿勢が貫かれています。 一兆円規模と言われる渋谷駅周辺再開発事業は、東急を初めとする開発、建設、金融の大企業を応援するもので、地域住民や地域の中小企業を守るものではありません。この事業を区が主導して進めていくことは、区民に莫大な財政負担を負わせ、区民の暮らし、福祉を後退させていくことになり、区民を守るべき自治体としての役割を投げ捨てるものであります。区長はこの再開発事業を中止すべきです。区長の見解を伺います。 大和田小学校跡地複合施設建設計画問題についての質問でありますが、区長は先ほどの答弁の中で「この施設計画について非難している者がいる」などと述べていますが、多くの区民はこの施設計画に反対しているのであります。日本共産党区議団が行った区政アンケートでは、賛成がわずか一五%、反対、見直しが七三%という結果でありました。寄せられた意見では「新しいものをどんどんつくるやり方ではなく、既存のものを効率よく使うために何ができるかを考えるべき」「百二十億円あれば高齢者や子どもたちの笑顔が多くなるようにできるのでは」などの疑問や反対の声が多く寄せられました。 今、区民が望んでいることは、福祉、教育を充実させ、子どもやお年寄りが安心して生活できる渋谷区にしてほしいということであり、その願いを無視し、区長は不要不急の巨大施設に百二十億円もの血税を投じようとしているのです。だから多くの区民はこの施設建設に反対しているのであります。大和田小学校跡地複合施設建設計画は白紙に戻すべきであります。区長の見解を伺います。 桑原区長が提出した新年度予算では、五年間で四百人の職員を削減し、二千人にするという渋谷区新行財政改革要綱を推進するため七十三人の職員定数を削減することを打ち出しています。区長の行財政改革は、福祉、教育切り捨ての、政府の「官から民へ」の主張に追随する民間委託の強行というものです。このような職員の削減は許されるものではありません。 実際、保育に欠ける子どもの行き場をなくし、子育て支援と逆行する四学童館廃止で十五人の職員を削減するのを初め、多くの区民が文化活動に励んでいる上原・千駄ヶ谷社会教育館の民間委託化や小中学校五校の給食の民間委託など、きめ細かな福祉、教育を後退させるものとなっています。 住民福祉のかけがえのない機関である渋谷区の役割は、すぐれた人材を確保し、安定したサービスを提供することにあります。これと逆行する新行政改革要綱は中止すべきです。区長の見解を伺います。 国民健康保険料について、区長は所得の低い人に設定されている均等割世帯への保険料について、昨年に引き続き新年度も引き上げ、年額千八百円上げて三万五千百円にするとしています。また、所得割世帯でも、六十五歳以上の単身世帯で年金が二百万円の場合、四万七千三百円の保険料が五万七千円と、約一万円、二〇・六%も引き上げられます。まさに低所得者層を直撃する一億五千八百六十三万円の負担増を強いるものであります。 当区では、加入者の二六%の世帯が保険料が高くて払えず、滞納しています。そうした中で低所得者の保険料を引き上げることは、ますます滞納者を増やし、医者にかかれない人を増やすことになります。区の繰入金を増やし、区民の保険料を抑えるべきです。区長の見解を伺います。 第四の柱である、生活保護世帯に対する支援策の強化について質問します。 安倍政権は、生活保護の高齢者に月額一万七千九百三十円支給していた老齢加算を廃止した小泉政権の悪政を継承し、生活保護の母子家庭に対し母子加算の削減、廃止を強行しようとしています。母子加算は、ぎりぎりで暮らしている生活保護の母子家庭の生活費となっている母子加算が減らされれば、育ち盛り、伸び盛りの子どもたちの食事代や衣服代を削らなくてはなりません。余りにも母子家庭に対する冷酷無情の政治と言わなければなりません。 また、二月十四日、都内に住む十三人の高齢者が「老齢加算廃止は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』という憲法第二十五条に違反する」として、区や市を被告として東京地方裁判所に提訴しました。原告の人たちは「食事は一日二回に切り詰めて生活している」「旅行などは夢のまた夢」などと窮状を訴えています。政府に対し母子加算の削減、廃止の中止を求めること、そして老齢加算の復活を区長は強く申し入れるべきです。区長の見解を伺います。 現在、ふろのない生活保護世帯に対し、区は独自に年間一人当たり六十枚の入浴券を支給しています。これでは一週間に一度の入浴しかできず、特に夏場の暑い日は汗をかき、少なくとも二日に一度程度の入浴が欠かせない状態になります。健康で衛生的な日々を過ごすため、ふろのない生活保護世帯が人間らしい生活を送るため、区は入浴券の支給枚数を増やすべきです。区長の見解を伺います。 第五の柱である、介護保険制度の改善について質問します。 昨年四月から介護保険法の改悪によって、要介護度一以下の高齢者は原則として車いすや介護ベッドの利用ができなくなり、経過措置を受けていた人も、昨年九月末までに買いとるか、返還するか、自費レンタルにするかが迫られました。ある生活保護の人はベッドを買い取る資金がなく、生活上、必要があるのに泣く泣く返還をしなければなりませんでした。 こうした事態の中で、港区や調布市などは、介護ベッドの貸与や利用料・購入費補助の実施に踏み切りました。 車いすや介護ベッドについて、政府が、一定の条件を満たせば介護保険の対象にするという方針が出されましたが、その対象は、ごく一部の病気の人に限られています。これまで生活保護者は無料で利用ができ、また、一般の区民は月額千六百円程度の負担で済んでいました。それらの人々にとって、現在、安くても月額三千円の介護ベッドのレンタル料の負担は極めて大きいものです。区として補助制度をつくるべきと考えます。区長の見解を伺います。 私が調査した地域包括支援センターでは、ケアプラン作成のため一カ月二十人から三十人の申請があり、予防プランを作成した人は二百三十一人もいました。地域包括支援センターについて、担当する予防プラン作成対象者は七百人から八百人とされ、高齢者が安心して健康な生活を送るために区が行っている福祉と保健事業などを活用してもらうための総合窓口と位置づけられています。しかし、現状は、その位置づけとはほど遠いものとなっています。地域包括支援センターの体制を強化すべきです。区長の見解を求めます。 特別養護老人ホームの入所待ちの人々の数は四百六十人と増え続け、入所を待っているうちに亡くなる人も後を絶ちません。笹塚二丁目のAさんの場合、病院を退院しても、自宅で介護する夫人が高齢で軽い脳梗塞の持病もあるため、特別養護老人ホームに申し込んだものの、入所できませんでした。その結果、電車を乗り継ぎ三時間もかかる茨城県の病院に移らざるを得ませんでした。しかし、Aさんは、周りが重度の寝たきりで話もできない人たちばかりという病院に落ち着いていることができず、自宅に戻って介護を受けることになりました。体が弱ってきたAさんにとって、転院、退院、また入院という状況は肉体的にも大きな打撃となり、命を失ってしまいました。 私はその相談に携わって、特別養護老人ホームに入所できていたらと何度も思いました。必要な人が全員入所できるように設置することが不可欠になっています。 また、今年一月に開設されたグループホーム笹塚ですが、十八人の定員に三十八人の申請があり、二十人が入所できませんでした。二カ所目のグループホームの設置の方向が示されましたが、区として責任を持って地域ごとに整備していくことが求められています。 先ほどの答弁の中で、特別養護老人ホームについて「介護保険計画の基盤整備の中で検討していきたい」というような方向が示されました。しかし、今、この特別養護老人ホームの待機者が切実に待っているわけでありますから、是非とも早急に設置をすべきだというふうに思いますし、計画を早めて実施すべきだということを強く指摘をするものであります。 第六の柱である、災害に強いまちづくりのための耐震補強工事補助制度の改善について質問いたします。 昨年七月から当区でも、木造住宅の耐震補強工事に対する補助制度がスタートしました。その助成対象は、一九八一年五月以前に着工された木造住宅で、渋谷区の耐震診断で診断基準が一・〇未満の建物となっています。助成額は、高齢者世帯は工事費の三分の二で八十万円が限度、一般世帯は工事費の二分の一で六十万円が限度となっています。 その利用は、今年二月末現在で申請は九件、実施された住宅は四件にとどまっています。それは、多くの区民が、多額の費用がかかるこの制度の活用に二の足を踏む状況があるからであります。自己負担額を抑え、利用しやすい制度にするため、工事費に対する補助割合を変え、補助限度額をどちらも百万円に引き上げるべきです。区長の見解を伺います。 最後に、商店街と中小企業振興について質問いたします。 区長は二月一日の区ニュースで、商店会の悩みの一つとして「大企業は収益が増え、景気は拡大しているとされるものの、個人消費は増えず、お店の売上が増えないということです」と指摘しています。実際、区内の各商店会はそのとおりの実情となっています。 私は、商店会の支援策の一つとして、各商店の負担を直接軽減する措置が一番有効だと思います。 商店会の街路灯電気代補助は三年前に五〇%に引き上げられました。しかし、それでも売り上げが伸びない商店にとっては重い負担となっています。街路灯は、地域住民の安全を守る防犯灯としての役割を果たしており、住民生活に欠かせない公共的なものでもあります。街路灯電気代の補助額をアップすべきと考えます。区長の見解を伺います。 区内の中小企業の二〇〇六年の一年間の倒産件数は百五十八件、それにより職を失った人は九百六十六人に上っています。景気対策特別資金融資制度は、景気が回復したという政府の主張に同調して昨年度末に廃止されました。しかし、この融資制度の二〇〇五年度の実績を見ると、二百二十二件の申請があり、百七十九件の貸し付けがありました。 中小業者にとって必要なことは、前年度より売り上げが減った商店を対象とする景気対策特別資金融資制度を復活し、その悩みにこたえることです。区長の見解を伺います。 現在、建設労働者や自治体労働者を中心に全国各地で取り組まれている公契約条例の制定を求める運動は、自治体が業務対価を支払う請負、業務委託、その他の契約等において、その業務に従事する労働者への公正な賃金、適正な労働条件の確保をもって地域社会を豊かに発展させる公共事業、公共サービスの質の確保を目的としています。 「景気が回復している」と政府は盛んに宣伝していますが、建設関連企業の不振は依然として深刻なものがあります。このためダンピング受注競争も激しく、公正な元請、下請間の取引のルールが破られ、職人、労働者の賃金や労働条件が大きく切り下げられています。また、区が委託した業務に携わる労働者の身分も、不安定なアルバイトや臨時職員となっています。それだけに、区が発注する公共工事の現場や民間に業務委託した職場で働く労働者に、生活を支える賃金や労働条件を確保される仕組みづくりが切実に求められています。 現在、公契約条例の制定を求める請願や陳情に基づき、四百十二の地方議会で意見書が採択されています。東京でも六区九市で意見書が採択されています。区が委託する業務に携わる職員や区が発注する工事にかかわる労働者の生活を支え、公共工事の質を確保し、適正に行われることを目指し、当区でも公契約条例を制定すべきです。区長の見解を伺います。 ○議長(齋藤一夫) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、苫 孝二議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。 現憲法を守るために意見書をと、こういうお話でございました。 このことについては、何回ももう既に御質問のあったところでございまして、いつも申し上げておりますように、このことについては国会で議論していただき、そして国会が結論を出し、最終的には国民が判断することですから、私の方で意見書を出すという考え方は持っておりません。 定率減税の廃止について、これを中止を申し入れろと、こういうことでございます。 この定率減税は、平成十一年の税制改正で暫定対策としてこれをやったものでございますから、いつまでもこの制度を続けるということはいかがなものかと、このように思っております。 それから、消費税の増税をやめるようにと、こういうお話でございます。 このことについて、私、まだ具体的な方向について政府から聞いたことございません。したがって、申し入れようがないんじゃないかと、このように思っております。 住民税の減免措置につきまして、軽減措置として区民税の減免措置を講ずるべきだと、こういうお話でございました。 この住民税におきまして、担税力のない低所得者に対しましては、地方税法において一定の非課税措置が講ぜられているということでございます。本区におきましては、渋谷区税条例の第三十六条におきまして、生活保護の受給者、生活が著しく困難で公私の扶助を受けている者、また災害被害者等特別被害者について、減免の要件としているものでございます。このことについては法の規定に基づくものでございまして、区独自の減免規定は設けることはできない、このように考えております。 次に、年金生活者の区民に対して、各種控除等の案内書と申告書類をあわせて送付すべきだと、こういうことでございます。 本年度におきましても、課税対象と想定されます高齢者に対しては、控除の案内申告書などをあわせて送付しているところでございます。また、税制改正の内容等については、種々の機会をとらえまして周知を図っております。 それから、障害者控除。要支援以上の方を対象とした障害者控除の認定書の発行についてでございますけども、このことについても昨年の第四回定例会で御質問がございましたけれども、この障害者控除は所得税法施行令に限定列挙されているということでございます。したがって、介護保険の要介護認定を受けているだけではその適用はできない、このように考えております。 次に、渋谷の再開発計画を中止すべきということでございますけども、渋谷区自身はこの再開発計画を調整するべき立場にあるわけでございまして、何か一兆円以上の金を、この公共団体が出すかのような受け止め方をされないような話でございますけども、渋谷区はあくまで、この駅が全国有数の交通結節点でありながらも老朽化してきている、あるいはこのことについてのバリアフリーがされていない、あるいは駅前広場の機能や東西通路が十分確保されていない、そういう基盤整備の拡充、整備が求められているということでございますので、地元区として、そのことについての関係者の調整をしていく、そういう立場でこのことに取り組んでいるわけでございます。この中止ということは当たらないと、このように思っております。 大和田小学校跡地についても、もう何回も言われました。耳を傾けようとしないところに向かって何回言っても仕方がないかなと、このように思いますし、私、前のときもですね、あの美竹の丘の事業のときも、このときもこのことについての反対の意見がございました。しかし、ああいう形ででき上がってみると、特養としての施設として、また地域のコミュニティ施設として、あるいは文化施設として大変評価をされているわけでございまして、必ずやこの施設も区民から評価をいただける施設だと、このように思っております。 次に、行財政改革要綱を中止をしろということでございますが、公金を預かる立場として、効率的な行財政運営は当然のことでございます。この中止の考え方は持っておりません。 それから、国民健康保険料の引き上げ中止。中止、中止と、こう続くわけでございますけれども、このことについては二十三区の共通基準があるということでございまして、事業水準の均衡を図りながらも安定的な運営を図る、こういう趣旨でございます。十九年度は住民税のフラット化によりまして、一部の所得階層において住民税が増額になるということでございまして、これを算定基準とするために国民健康保険料が増額となる場合があるということでございます。このため、十九年度において全国にない、二十三区独自の緩和策を実施することといたしているわけでございまして、負担軽減を図って引き上げ抑制をされているところでございます。 なお、均等割保険料につきましては、法令の定めもございまして、加入している被保険者全員が負担をすることとされているということでございます。そういった仕組みでございますから、一方的に一般会計からの繰り入れということは考えていないということでございます。 次に、生活保護の老齢加算、母子加算についてでございます。 母子世帯の保護基準というのは、平均所得の母子世帯の消費水準と比較しても高いというようなことから、生活保護を受けていない母子世帯との公平を図っていくということでございますし、また、生活保護を受けている母子世帯の自立を促進していく等、様々な趣旨から見直しの行われるものでございます。 また、老齢加算につきましても同様な理由から、七十歳以上の消費支出の方が生活保護の基準と比較いたしまして、生活保護の基準額の方が高いと、こういうようなことから、そのような経緯になっているということでございます。 入浴券につきましては、本区は二十三区に比較して遜色のないものであると、このように考えております。 介護保険制度の改善ということで、三点についてのお尋ねがございました。 車いすや介護用のベッドの貸与につきましても、これも何度も御質問がございました。国におきまして車いすや介護用ベッドの貸与につきまして見直しが行われ、十九年四月からは、疾病その他の原因により状態が変動しやすい、状態の急速な悪化が見込まれる、症状の重篤化が見込まれる場合などの場合には貸与が認められることとしております。 昨年、これも四回定例会のときにお答えいたしましたように、本区におきましては必要な人には必要なサービスが受けられるよう、ケアプランを担当する各ケアマネジャーにはそのことを徹底をしていると、このように思っております。また、この四月からの改正につきましても周知徹底を図りまして、適切な運営に努めてまいります。 したがいまして、渋谷区独自の助成制度というのは考えていないということでございます。 包括支援センターの体制強化についてでございます。 国の基準でまいりますれば、社会福祉士、保健師等、主任ケアマネジャーの専門三職種を一名ずつということで、計三名配置を基本としているわけでございますけども、本区では、三名配置を基本としながらも、対象者の多い「笹幡本町」は五名の人員配置、また、「ひがし」、「せせらぎ」は四名配置でございます。また、職員にも気持ちよく仕事をやっていただいておりまして、私も感謝をしているものでございます。 こういったことから、私は、これまでの体制でお願いをしたい、このように思っております。 特養とグループホームの増設についてのお話がございました。 このことについては、先ほど植野議員に御答弁したところで御理解をいただきたいと、このように思います。 耐震補強工事補助制度について、これを補助額を引き上げよと、こういうお話であったと思います。 このことについては、平成十九年度は新たに木造以外の戸建て住宅の耐震診断助成も開始し、耐震診断助成の拡充も行っているところでございます。これは昨年七月から開始した制度であり、このことについて現段階で見直すという考え方は持っておりません。 それから、商店街の活性化でございまして、街路灯の電気代補助率の引き上げということがございました。 商店街活性化のこの方向につきましては、先ほど染谷議員にもお話ししたところでございまして、この電気代の補助率を引き上げることは活性化そのものにはならないと、こういうふうに私、思っております。見直す考え方は持ち合わせておりません。 景気対策特別資金融資を復活せよと、こういう話でございます。 過去三年間の申し込み件数及び貸付件数は、大幅に減ってまいっております。これで、そのために十八年度に終了したものでございまして、復活する考え方は持ち合わせておりません。 最後は、公契約条例制定のことであったと思います。 このことについての労働者の労働条件、これは労働基準法や最低賃金法などの労働関係法規に基づいて、関係労使で決定をされるということと相なるわけでございます。そのようなこと、また、この建設労働関係者の労働条件の確保は、それぞれ監督機関があるわけでございますから、改めて本区がこのことを制定するという考え方は持ち合わせておりません。 以上で答弁とさせていただきます。 ○議長(齋藤一夫) 三十三番苫 孝二議員。 ◆三十三番(苫孝二) 区長から答弁をいただきましたけれども、私は区民の切実な要求を取り上げ、ですから、何度も何度も必要だから取り上げているわけでありますけれども、区長は真摯に受け止めるという姿勢がない。まず、そのことを批判をしたいと思います。 まず私は、区長からは本当にですね、そういう冷たい答弁いただきましたけれども、地方自治体の本来の役割は住民の福祉と暮らしを守るという立場でありますから、やはりそういう点から、区民の暮らしはどうなっているのかということをしっかり見る必要があると思います。区長の政治姿勢は、先ほどの質問でも言いましたけれども、安倍政権の格差をますます広げる政治に追随して、大企業優先の悪政を渋谷区に持ち込み、政府の下請機関のような存在に渋谷区をしていっている、こう言っても過言ではないというふうに思います。 実際、私の質問で明らかになったように、桑原区長は学童保育の廃止など、住民のかけがえのない福祉をどんどん削る一方で、大企業のための渋谷駅周辺開発、これは区長が率先して地域指定をしたわけでありますから、そういう責任もあるわけであります。また、大手ゼネコンのための仕事づくりと言われても仕方のない大和田小学校跡地複合施設建設計画を強行しているわけであります。 私はこういう点で、子どもやお年寄りを大事にする政治を実現していくために、日本共産党はしっかり頑張っていきたいと思います。住民の手に区政を取り戻すために、今度の選挙で日本共産党はこの区政を転換するために全力を挙げることを表明して、私の質問を終わります。 ○議長(齋藤一夫) 議事進行上、暫時休憩をいたします。 ----------------------------   休憩 午後五時三十一分   再開 午後五時五十一分 ---------------------------- ○議長(齋藤一夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 区政一般に関する質問を続行いたします。 十八番芦沢一明議員。 ◆十八番(芦沢一明) 区議会民主党を代表して、渋谷区政が抱える課題に対し、区長、教育長に質問します。 まず、先ほど行われた区長の所信表明と、この議会に提出された新年度予算案、昨年実施され、先ごろ報告書がまとめられた区民意識調査に関して質問します。 本日開会したこの議会は、今任期中最後の定例会でもあり、ここにどのような予算案を出されるのか、冒頭の所信表明において区長が区民と議会に対して何を発言されるのか、極めて注目されていたところであります。 予算案に対しての詳細は、これからの審議にゆだねることではありますが、総じて渋谷区をどういう方向に持っていこうというのか読み取ることができません。所信表明でも、新聞社の七百自治体に対する行政サービス調査の総合評価で第四位と位置づけられたことを誇らしげに語っておられましたし、実際に、地域の新年行事などでもしばしば触れられていたところでもありますが、一期四年の十分な総括と検証の上に立っての予算案と所信表明とはなっておりません。 予算案のプレス発表では、区民ニーズにこたえる区民福祉の進展のためには、施策の断絶や区政の一時停止は許されないため、あえて骨格予算ではなく総合予算として編成したことを強調されています。選挙を控えた時期にあえて総合予算を編成したのであれば、渋谷区政全体をどのように方向づけていこうと考えているのか、議会のこの場でしっかりとお示しいただきたいと思います。お答えください。 二点目は、行財政についてであります。 国の三位一体改革による区財政への影響が心配されていましたが、七十八億七千八百万円の減収の見込みとなりました。分権改革が求められている中で、国の施策によって一般会計予算額の一割を超える減収を区に及ぼすやり方は、基礎自治体としての創意性、自律性を奪うものにほかなりません。 都区財政調整特別交付金が激変緩和措置として三十億円、普通交付金が十億円確保されました。この獲得のために行動された区長の努力は多とするものでありますが、これはあくまでも暫定措置という結果でしかないものであります。先ほどは、東京都との間では一定のコンセンサスが今後のことについてできているということでありますが、その中身がわかりませんし、今、国から都へは東京富裕論、都から特別区へは二十三区富裕論、二十三区の中では渋谷区富裕論といったものが横行する中で、東京都と区長会に対して渋谷区の利益を主張し抜き、根本的解決を果たしていく覚悟を持っておられるのでしょうか。 区民にとっては、納めた固定資産税が渋谷区のために直接見える形で一円も使えない仕組みは、公平性と自治という観点から、いつまでも放置できないものであります。区長会会長である西野大田区長は、一月三十一日に開かれた都区協議会の席上「今回の協議結果は、懸案となっていた都区間の財源問題に一定の区切りをつけて、新たな都区関係を築いていく出発点となるものであり、極めて大きな意義を持っている」と述べています。都区のあり方検討会などで特別区の再編問題なども俎上に上りつつある中ですが、渋谷区の立場として、財源問題を一区切りとしてこのまま終わらせることはできません。財調制度のあり方そのものも含めて、渋谷区の存在を際立たせていくためにどのような議論を求めていくのか、見解を伺います。 今後の行財政改革について「経費の削減だけを目指すのではなく、区民サービス向上につながるものでなくてはならない」と所信表明では述べられました。そのサービス向上が、区民が肌で実感できるものでなくてはなりません。 昨年、区が実施した区民意識調査では、「区役所に対して不便や不満に思ったことは何ですか」との問いに、回答者のうち「土日・休日・夜間に問い合わせや手続ができなかった」との回答が三七・三%とトップを占めています。「今後、区民サービスの向上のため、区が優先的に取り組むべきだと思うことは何ですか」との問いには「休日窓口の開設」が五二・一%とトップとなっています。新年度は福祉関係窓口を二階に集中させ、一カ所で受付や相談サービスを受けられるようにするためのワンストップサービスのさらなる推進、休日・夜間電話交換業務の開始などが打ち出されています。 休日の区庁舎窓口については、昨年三月から原則月二回、第二・第四日曜日に開設されており、住民票や印鑑証明など、あるいは転入・転出届の受理などが行われており、大変喜ばれています。私は、巨額の財政負担を伴うことなく進められるサービス向上策として、休日窓口は月二回から毎週日曜日実施への拡充、区役所から遠隔地方面に関しては、勤め帰りなどでも必要書類の交付が受けられるよう、平日の出張所の開所時間の延長を実施すべきだと考えますが、区長の御見解を伺います。 次に、少子化対策、子育て支援に関してであります。 柳沢大臣のたび重なる問題発言などから、国会でも論議を呼んでいるところでもあります。渋谷区の合計特殊出生率は、〇・七一ポイントと引き続いて全国の自治体で最も低く、今年の新成人の数も千七百人と二十年前の三分の一に減り、二十万区民に占める十五歳未満の子どもや青少年の数は八%という状況になっています。 だからといって、産めよ増やせよという風潮を政治や行政があおり立てるようなことはすべきでないのは言うまでもないことであります。子どもが欲しいのに授からない、あるいは医学的事情で出産を諦めざるを得ない、あるいは経済的理由で結婚や出産に踏み切れない、出生率の低下は様々な要因で起こっているのだと思います。もちろん、ライフスタイルの多様化という側面もあると思います。 所信表明では、「生みやすい」・「育てやすい」・「働きやすい」環境整備という観点からの言及がなされていましたが、生まれてきた大切な、小さな命を地域社会全体で温かく包み込んでいくための手だてをどう講じていくのかが問われていると思います。要望の強かった子ども医療費の助成拡大もようやく方向転換が示されて、小中学生の通院治療費について十月からの無料化が予算案に盛り込まれました。このように、区民ニーズをしっかりととらえ、施策化を図っていくことが求められていると思います。 この点で理解できないのは、学童クラブと放課後クラブとの関係であります。所信表明では「放課後クラブを全小学校で拡充実施し、安全で豊かな放課後の生活を実現していく」と言われましたが、学童クラブをどうしていくのかについては何も語られておりませんでした。 十二カ所の学童クラブのうち氷川、広尾、富ヶ谷、幡代の四カ所について、「放課後クラブへ移行するため」として十九年度の募集を行わず、事実上の廃止が打ち出されております。廃止というものが、きちんとした説明は、議会に対してはそういう表現ではまだ行われていないと思うわけでありますが、既定路線として進められ、跡地利用も、広尾学童館については子育て支援センターとしていくことが先ほどの答弁では明らかにされたところであります。百五十人近くの児童が通っていた四カ所の施設を廃止するのであれば、今議会にも廃止のための条例が提案され、その是非について議論がなされるものと思っておりましたが、提出されておりません。これはどういう考えからなのか、明確にお答えいただきたいと思います。 また、残された八カ所の学童クラブについては今後どうされるのですか。 おやつ代について十九年度予算への計上をしなかったことから、廃止の前触れではないかと大変に関係者は不安に感じているところであります。学童クラブはすべて廃止に持っていく計画をお持ちなのかどうか、御説明いただきたいと思います。 放課後クラブについては、残りの七校も新たに開設することになり、新年度には全区立小学校で揃うことになります。通い慣れた小学校で帰宅せず安全に過ごすことができる、保護者の就労状況を条件とせず、すべての児童が利用できることを利点としています。しかし、通い慣れた小学校といいますが、学校選択制を利用して、中には必ずしも、従来の指定された学区域以外の小学校に通学している児童はどうなるのか、不登校の子どもで、学校には今、行けていないけれども学童クラブには通えている子どもはどうなるのか、障害児対応指導員が追加配置されるとしているものの、学童クラブと同じ水準の体制が確実に確保できるのか、こういう予想されていた事態に対して具体策が十分講じられているのかどうか、疑問の残るところであります。こうした点をどうクリアしていくのでしょうか。私は、当面、両方の施設、児童が選択できる道を残しておくべきだと思います。 放課後クラブについては全部の区立小学校で実施されるのを機に、区の事業としてその責任を明確にする意味からも、条例上の位置づけをきちんと行うべきだと考えますが、区長の見解を伺います。 災害対策に関しては、十八年度のハザードマップの作成、木造住宅の耐震改修工事費の助成に加えて、新年度には木造住宅耐震診断コンサルタントの派遣や木造以外の戸建て住宅の耐震診断助成といった新規事業が打ち出されています。安全・安心なまちづくりの内実をより確かなものとしていくために、区民が震災対策に何を期待しているのか的確につかんでいくことも必要であります。 区民意識調査の中では、優先的に取り組むべき事業について、被災時に必要な物資の備蓄、災害時の的確かつ迅速な情報提供体制の充実が上位に挙げられています。このうち備蓄の現状について、年々拡充されてきたとはいえ、四万二千食の三日分という現状にあるわけであります。 区民の間には「いざというときの備えは行政がやってくれているから安心だ」こういう感覚も多いのが実情であります。大規模な地震の発生、その規模や日時、範囲など完全に予測することが不可能な中、被害が発生しても、その拡大をどれだけ防いでいけるのか、そのために行政、区民、事業者がどう協力していけるのかということが問われています。改めて区内の備蓄の現状を区民に丁寧に周知をして、せめて三日分の備蓄を家庭でも整えるよう真摯に呼びかけをすべきだと思います。 もう一つは、渋谷の特性として、昼間人口を考慮した備蓄体制を確立をしていくことであります。 有数の繁華街を抱え、事業所数も三万カ所に上って、大学や専門学校などの教育施設も多数抱えている渋谷区であります。昼間人口は五十万人をはるかに超え、大規模な震災が発生した際の帰宅困難者の発生は二十万人を超えるとの想定もあるところであります。交通機関が麻痺し、道路が寸断され、帰るに帰れない人たちが区民が集結をした避難所に殺到したらどうなるのか、想像しただけでも恐ろしいことであります。いざというときの区民の避難所での生活を保障していくためにも、区内の企業、事業所、集客施設に対しては、客と従業員用の食料などの備蓄をきちんと求めていくべきであります。 港区では、区内の企業、事業所の備蓄の有無を調査したところ、三六%の企業、事業所しか備蓄をしていなかった事実が明らかになりましたし、千代田区や文京区などではそのための条例改正を既に手がけているところであります。 「昼間人口の対策は、役割分担で都の仕事」と答えられるのかもしれませんが、実際に、都が渋谷区内の昼間人口を想定した備蓄を進めているのか。答えは否でありましょう。区民の不安を解消していくためにも、まずは実態調査を行い、その上に立っての役割分担がなされるべきだと考えますが、区長の見解を伺います。 次に、格差問題に対して、自治体の立場からどう取り組むかについて伺います。 今年も年明けから景気の回復が繰り返し強調されていますが、しかし、そのことを多くの区民が毎日の生活や仕事の中から実感できるものにはなっているでしょうか。勝ち組とそうでない者、富める者とそうでない者との格差をつくり出し、格差を広げ、格差を固定化しようとする政治の流れが支配する中で、日本社会全体に暗い影を落としつつあります。所得格差の拡大と貧困率の増大、雇用の破壊などが現に進んでいます。 こうした中で、区政には、国や東京都の施策によって光を当てられない人々、置き去りにされてしまっている人たちにも権限、権能を生かして手を差し伸べていくことも大切な役割であります。 そこで、まず、給食費など学校徴収金について教育長に伺います。 「義務教育は、これを無償とする。」憲法第二十六条にも規定された決まりであります。実際に、区立の小中学校二十八校には六千七百人の子どもたちが通っていますが、入学金や授業料などは確かに無料であります。しかし、子どもを学校に通わせる保護者には、様々な経済的な負担が生じてきます。給食費や体操着、図工や絵の具などの教材、中学になれば制服の購入や修学旅行の費用なども出てくるわけであります。「自分の子どもなんだから、それくらい当たり前だ」と突き放すのは簡単ですが、これらの負担が、小学校では年十万円、中学校になれば十五万円に上る学校徴収金の負担が重くのしかかっている保護者も増大をしているのであります。 就学援助世帯は、昨年末で要保護、準要保護合わせて小学校で千百四十四件、二二・三六%、中学校で同じく四百七十九件、二八・三六%と、十年前に比べて倍に膨らんでいます。こうした中で、給食費の未納、未払いは文科省の調査で全国では九万九千人、総計二十二億円に、都政新報の調べによりますと、未公表の江戸川区を除いて二十二区で計四千八百六十一万円に上っており、当区は六十万六千六十四円とされています。中には就学援助を受けながら給食費が未納になっている家庭もあることから、まずは目的外に使われることのないような支給方法の改善をどうしていくのか、教育長の見解を伺います。 払えるのに払えない保護者、一部にこうした傾向も確かにあると思いますが、払いたくても払うのが難しくなっている家庭、特に就学援助の認定からぎりぎりではじかれた世帯など、制度の狭間にいる家庭の状況は深刻であります。 義務教育、中でも区立の小中学校に通う子どもたちには、経済的な心配や影響が及ぶことは避けなければなりません。教育委員会として、学校徴収金の保護者負担の現状をどのように把握し、経済的負担の軽減についてどのように考えておられるのか、見解をお聞かせください。 区長には、公共工事をめぐる問題についての対応策をお尋ねします。 昨年来、公共工事における自治体トップの官製談合など不祥事が発覚し、逮捕や辞任に発展する事態が続発をしています。住民が納めた税がもととなって発注される公共工事でありますから、無駄や不正があってはならないわけであります。昨年、大手ゼネコン五社が「談合決別宣言」を出しましたが、その直後に名古屋の市営地下鉄工事をめぐって談合が発覚する事態も起きています。 こうした事態が後を絶たないのも、日本の生産システムが重層的であるからだとも指摘をされているところです。施工の労働力を下位下層の事業所が担っていることが多いために、発注者と元請間での契約の際の設計施工の積算に当たって計上されている労務費が、下位下層に行けば行くほど減額されているということであります。 実際に、公共工事は税によって公共の福祉向上や社会資本整備を目的としているのであり、現場で携わる人たち、働く人たちに、工事金額を積算する際に定められた賃金を減額することなくきちんと支払うシステムを確立することが必要であります。実態は、一次、二次、多いときには三次、四次業者へと渡され、例えば一日二万五千円で見積もっても、現場では半額程度しか支払われないこともあります。談合による利益を生み出したり、介在した人へのキャッシュバックができる余地をなくしていくことも無駄の排除には欠かせませんし、働くルールの再確立が社会的に求められている今こそ、区が発注する事業の中で、携わる人たちの労働条件と生活保障の観点から、公共工事の契約にかかわる労働賃金の透明化を図っていく具体的な手だてについて、区長の見解を伺います。 次に、政務調査費の支出透明化、使途基準の厳格化について区長の見解を伺います。 品川や目黒などの目的外と言うべき不適切な支出が次々と明るみに出たことを受けて、渋谷区の制度をどう改めていくのか区民の高い関心を集めてきた問題であります。 政務調査費は、地方自治法で規定された、議員の政治活動に係る費用の一部を公費から支出する制度であります。議員の調査・研究活動、政策立案のための経費として有効に使われなくてはならないものであります。地方でのタクシー代が都内でのものとして処理がされたり、夫や夫人同伴の視察経費に充てられたり、飲食店に白紙の領収書の提供を求めたり、私的な物品購入に使われたり、次から次へと出てくる各地の自治体での不適切な支出の実態は、地方自治体と議会に対する信頼を失墜させるものとなりました。 渋谷区議会の政務調査費に関しては、平成十三年二月の検討委員会答申を受けて、領収書の添付を義務づけないルールのもとで運用が続けられてきましたが、支出の透明化と使途基準をどう厳格なものに改めていくのかが注目されているところでもあります。 昨年十二月には区議会として、制度見直しのために区長に対し検討委員会の設置を要請し、去る二月九日に答申がまとめられたものであります。短期間のうちに議論が行われて、一定の結論を出されたことは多とするものでありますが、それを受けて区長からの条例改正案について、昨日、議案送付がなされた段階であります。細部のルールづくりをどうするのか、この点は会派間の議論も続けられているわけでありますが、本日の渋谷区ニュースでは、検討委員会答申の一部が掲載されています。 この答申を受けて条例改正の提案に至った考え方について、区長にお尋ねしたいと存じます。 まず、支給対象についてです。 葛飾区などでは、会派あての支給にもかかわらず、個々の議員への分配が常態化していたことが大きな問題となりました。議員の調査・研究活動の費用という目的に照らした支出でなければならないこと、議員一人一人の責任をさらに明確にし、使途の透明性を徹底させる意味からも、会派でなく議員に対する支給に改めていくべきと考えます。今回の答申では、この点、特には触れられていませんが、区長はどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。 次に、使途基準についてです。 答申では、現行の条例第九条の別表に規定されている支出項目、調査研究、研修費、会議費、資料作成費などの八項目を答申では大項目--目的分類として、内訳を小項目--形態分類として規定することが明記をされました。さらに、使途禁止事項として交際費的経費、会議等に伴う飲食以外の飲食費、選挙活動経費、政党活動経費などの九項目を挙げています。 ここで、飲食費については会議費、研修費の小項目に盛り込まれたわけであります。答申では、飲食を主目的とする会合を除き、社会通念上、妥当性のある範囲において許容されるべきものとされています。つまり、政務調査費を飲食費に充てることを認めるものとなっています。むしろ、まずは飲食が主目的の会議や研修については禁止ということを明確にすべきと考えますが、この点について、条例改正案ではすべて施行規則に委任するものとなっていますが、区長の見解を伺います。 さらに、町会、商店会、社会教育団体などの総会や新年会などの会費について、一件五千円以内を許容するものとしています。支給対象を引き続き会派としながら、個人の会合出席の経費への支出を容認することは理解できないところであります。議員のこの種の会合への出席は、会派代表として赴くものは極めて少数であり、多くは一人一人の区議会議員としてのものであります。短い時間をかけ持ちで出席し、あいさつをして、名刺やリーフレットを会場内に配って回って次へ行く、こうしたものは政務調査というよりも、明らかに議員個々人の政治活動で、これを会派支給の政務調査費の支出として認めていくことは避けるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 次に、人件費について、家族の雇用を除外したのは当然でありますが、常勤について除外したのはどういうねらいからなのでありましょう。そのことよりも、雇用形態や勤務実態を明確にするルールを策定した方が、むしろ調査・研究の補助という目的にかなうと私は考えますが、区長の見解をお聞かせください。 さらに、支出について適正化、透明化を徹底させ、使途基準を明確にするための制度改正を行い、それを検証する手だてをどう担保するのかも問われているところであります。 定期的な外部監査の導入も、そのために欠かせない要件であると考えますが、答申では、監査基準や費用を理由として今回は見送りとされたところであります。監査を導入せずにいかに制度の適正な運用を確保していくのか、具体策について区長はどのようなお考えをお持ちですか、お聞かせいただきたいと存じます。 そして収支報告書についても、現在の制度では五年間の保存、領収書及び会計帳簿は三年間の会派における保存が施行規則で定められているところであります。答申では、渋谷区文書編さん保存規程に準じた期間とすることが盛り込まれましたが、ここだけを見ると、今よりも後退するのではないかという懸念が生じてくるところであります。つまり、情報公開と説明責任の後退につながるおそれであります。保存期間については、むしろ延長することを明確にすべきであります。区長の見解をお伺いをいたします。 次に、廃プラスチックのサーマルリサイクルに関して区長に質問します。 平成十七年の区長会決定により、廃プラスチックはサーマルリサイクルに乗せるという方針が固まって、現在のところ四区で実証実験が行われているところであります。渋谷区としても、この方針が示されているところであります。 これまで、ごみ処理については発生の抑制、そして再利用、資源再生、熱回収という段階があり、どれにもできないものが燃焼や埋立処理に回されているという流れでごみの減量化についての概念は構築されています。つまり、区長会の決定、すなわち従来は埋立処理をしていた廃プラスチックについて、熱回収に変更するということは、ごみ減量化に向けて段階を一歩進めることだということは理解をするところであります。 また、方針決定の背景として、埋立処分場の容量が限界に来てしまっていること、清掃工場の技術や設備が廃プラスチックの焼却に耐え得るほど向上していること、清掃工場における焼却温度を高めるために、現在は燃料を投入していますが、プラスチックはカロリーが高く、燃料の代替物となり得ること、さらに、廃プラスチック自体を完全に分類することは不可能であり、現状でも既に数%は可燃ごみに混入してしまっていることなどの諸事情があることも一定理解をするところであります。 しかし、今まで不燃ごみにしていたプラスチックを可燃ごみに変更してしまうということは、一人一人の生活上に大きな変化をもたらすものであります。ごみの分別に熱心に取り組んできた人たちにとって、違和感は当然生まれるものでしょう。また、環境意識の高まりにより、CO2の排出やダイオキシンなど環境汚染の問題については、非常に大きな関心が持たれているところであります。廃プラスチックを焼却することにより環境に対しどのような影響があるのか、不安を持たれている区民が多いのも実情であります。 モデル実施を行った四区での結果も出てきておりますが、これを受けて、渋谷区で廃プラスチックを焼却した場合、CO2など温室効果ガスがどの程度増加すると予測しているのでしょう。試算によると、大きな変動はないとされていますが、改めて試算結果についてお示しをいただきたいと思います。 さらに、廃プラスチックの焼却によって渋谷区の大気がどの程度影響を受ける可能性があるのか。ダイオキシンについては、プラスチックを焼却している各自治体では法規制値をクリアしているとのことでありますが、具体的な根拠をお示しいただきたいと思います。 そもそも廃プラスチックを焼却する方向で検討を進めていることについて、区民への周知が足りないとの指摘も各方面から出されているところであります。区議会民主党が独自に実施したアンケートでは、廃プラスチックの焼却の実施について知っていた区民はわずか一九%でありました。区民生活を大きく変える方針転換に際し、これでは基礎的条件を十分整えているとは言えません。行政の都合だけで物事を一方的に進めるのではなくて、また、方針を決定してから周知をするというのではなくて、事前に十分な周知を行って、メリットとデメリットをつまびらかにした上で理解を求めることが重要であります。区民的な議論を喚起し、パブリック・コメント制度などを活用して、区民と区が意識を共有することが必要であります。 昨年度、渋谷区一般廃棄物処理基本計画の際のパブリック・コメントでは、寄せられた意見の三分の一がサーマルリサイクルに関するもので、関心の高さが見てとれるところであります。パブリック・コメントの実施を含め、区民への周知はどのように進めていくおつもりなのか、お尋ねしたいと存じます。 渋谷区は、全般的に分別や資源化の取り組みについての努力が足らないという指摘も出されているところであります。二十三区でも、豊島区のように八品目十二分別の区がありますし、全国では二十品目を超える自治体もあります。サーマルリサイクルも大事でありますが、やはりマテリアルリサイクルにもさらに力を注ぐべきではないでしょうか。ペットボトルの回収を拡充し、トレー回収を始めていくことも示されてますが、そもそもこの事業も、今では決して早い方だとは言えなくなっているわけであります。昨年の組織改正では清掃リサイクル部がつくられましたが、リサイクルを前面に押し出した組織をつくった意義をさらにここで打ち出すべきではないでしょうか。 東京都廃棄物審議会の答申では、飲料用ペットボトル、刺身・加工食品用トレー、発泡スチロール、レジ袋について、これはマテリアルリサイクルは比較的容易であると指摘しているところであります。また、飲料用以外のペットボトルについては、マテリアルリサイクルができないわけではないとしています。ここまでサーマルリサイクルに持ち込めば、二五%のプラスチックの減量につながるとしています。 サーマルリサイクルが本格実施される前に、リサイクルのルールをつくらなければなりません。現在、可燃ごみで出されている布類なども積極的に資源化していくべきだと考えますけれども、区長の見解を伺います。 リサイクルとともに重要なのが、ごみの発生抑制であります。レジ袋税などはこの観点からの施策でありますが、渋谷区ではこれまで、残念ながら発生抑制に対する独自のアプローチが弱かったと言わざるを得ないと思います。今後の努力を求めるものでありますが、区長の見解を伺います。 最後に、教育再生の課題について、区長、教育長にそれぞれ質問します。 今の内閣の最重要課題として位置づけられているのが教育の再生であり、教育再生会議の中間報告では、学力向上のための授業時間の増加や、法で禁止が規定されてきた体罰についての規定の緩和が議論されています。中央教育審議会でも、学校教育法、教員免許法の改正が議論されています。 教育再生会議は、公開されない議論によって方向が打ち出されており、子どもが置かれている現状や、学校現場で何が起こっているのかについてどこまで実情を反映できているのかは、疑問を持たざるを得ない状況であります。今、渋谷の教育行政の現状に照らして求められているのは、公教育の再構築に向けて課題をどう整理し、具体策を編み出していくことであります。 所信表明において、区長は「戦後、個人の自由と平等を基調とするデモクラシーの進展は、人々の結びつきを弱め、公共への関心を失い、他方において私的・経済的関心を高め、「自分さえよければ」という傾向を生んでいます」との問題意識を披露されました。私にはこの点、意味がよくわからないところであります。 デモクラシーの進展そのものがこうさせたのでありましょうか。人間の尊厳や命の重みが真に尊重される社会を追求し、知恵を絞っていく努力をしていくことで、他者への尊重の心がおのずとはぐくまれるのではないでしょうか。区長の「デモクラシーの進展によって社会規範は失われた」という考えは、私に言わせれば、やや短絡的だと言わざるを得ないと思うのであります。「自分のために社会がある」と良識を発揮できる人間に育ってほしいということよりも、「社会があって自分がある」「他者とのかかわりの中で自分の存在が成り立っている」私はこう認識できる子どもたちであってほしいと願うものです。 改めて区長に、戦後民主主義、戦後教育というものをどのようにとらえておられるのかを伺います。 新年度予算案では、いじめ問題への対応として、教育センターにソーシャルワーク機能を持たせることを打ち出しています。 私は、いじめ問題の解決に向けては、子どもの発するSOSをどう正面から受け止められる教員、学校、家庭の対応力をつくり出していくことが求められていると思います。一月に開かれた教育研究全国集会での報告では、いじめへの相談相手として先生を挙げたのは、子どもたちのうち一三%しかいなかったと報告されていました。いじめに遭い、苦しい状態にある子どもの声がぶつけられる先をどう用意していくのかが重要であり、二十四時間対応できる相談窓口の設置も必要だと考えますが、教育長はどのようにお考えでしょうか、お答えください。 課題とされている教員の授業力と資質向上のために、研修体制の見直しと、初任者から四年目までの若手教員に対する指導教授として元校長二名の配置が打ち出されています。教員への授業指導のためならば、元校長よりも、直近まで実際に教壇に立ってきた退職直後の教員で指導力にすぐれた人材を配置した方が、実践により役に立つのではないでしょうか。これは現場で実際に耳にした声ですが、教育長の見解をお尋ねします。 資質向上には、授業する力をつける、その態勢を教員に具体的に用意しなくてはなりません。 今、各学校とも、放課後かなり夜遅い時間まで職員室の明かりが灯っている状況を目の当たりにします。増える校務分掌や提出書類に追われ、課題のある子どもへの個別指導などに時間が割けない教員が増えているとのことであります。制度上、保障されているはずの休憩・休息時間が満足にとれない、あるいは年次有給休暇なども消化できない、こういう中で、心身ともに健康を害する教員も増えているのが実情であります。「聖職者だから仕方がない」とばかりは言えない状況だと思います。 授業力、資質の向上のためには、子どもと存分に向き合える態勢をきちんと確立すべきであると考えます。教育長の見解を伺います。 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(齋藤一夫) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会民主党、芦沢一明議員の代表質問に順次お答えをしたいと思います。 この時期に総合予算を提出したのであれば、渋谷区政をどのような方向に方向づけをしていこうとしているのか、この説明をしろと、こういうお話だったと思います。 また、その中で、私がこの新聞社の調査報告を誇らしげに語っているという言葉を言われましたけども、どういう言葉をとって誇らしげに私が語っているんでしょうか。私はそのことについて、みんな渋谷を愛する議員のお力でこういう結果が生まれたんだと、このことを何回も言っているじゃないですか。私は、このことを誇らしげに言うわけではなくて、自分の評価というのは自分がやることでなくて、周りが言うことを、それを斟酌していくことが必要だよと、そういう意味で私は言っているわけです。 また、この総括とか検証というのは、だれがやるんでしょうか。自分がやったことは自己満足にしかすぎないじゃないですか。そのようなことを検証とか総括とか言わないですよ。 また、この総合予算。このことについて、都知事はどうしたんでしょうか。他の区長はどうしているんでしょうか。今、このことを骨格予算だの総合予算だの言うところというのはないと思いますよ。 私はこの中で、新聞の調査報告には調査基準が示されている、だから私は引用させてもらいましたけれども、子育て環境であれば、就学前児童当たりの認可保育所定数や保育料、あるいは乳幼児医療費助成がどういうふうになっているか、そういったもろもろのことを基準として判断をされている、こういうことでございましょう。また、高齢者福祉であれば、月額介護料や特養の施設数や総定員数等が、それが取り上げられているわけでありましょう。教育であれば、小学校当たりのパソコン導入数や年間英語教育時間数、あるいは私立幼稚園の独自補助等が取り上げられている。また、財政水準であれば、それは経常収支比率を取り上げている。その中で渋谷区を全国的に比較して、渋谷区がこの評価をされた、このようなことであって、私は、そのことについても別に自慢しようと思って言っているわけじゃないんですよ。 私の評価をするとすれば、それは小学校への学校警備員の導入をした、あるいは参宮橋公園や水無橋のこの整備もしてきた、あるいは高齢者への敬愛を示す敬老金、これは私はひそかに全国に誇るべきものだと、このようなふうに考えておりますが、そんなことを一つ一つ並べて自慢することではなくて、いいことであれば、そのことについては区民がよいと、そのように率直に褒めていただいていると、このように思っております。 私の目には、この社会状況の変化がすべて見えるものではございません。財政も、国の財源配分によってどう変わっていくのか、あるいは国際社会も国政も、あるいは地域も刻々と変わっていくわけでございまして、その中で、私といたしまして効率的な財政運営、あるいは責任ある行政執行を通して区民生活の課題を直視して、一つ一つの課題を解決していく、そのことが区長としての役割であろうと、このように考えております。他との比較においてではなくて、無心無為にこの職務に専念することが何よりも大切だと、このように思っております。 私の区政の方向については所信表明でも述べているところであって、よく読んでいただければ私の今日の時代認識、あるいはどのような考え方で、区政をどのような方向に結びつけようとしているのか、そのことは御理解がいただける、私はそのように思っております。 次に、行財政についてのお話でございます。 平成十九年度財調の都区協議が終わったと。この区長会の会長は一区切りとしてきているということだけれども、区にしてみれば、このようなことは一区切りにはならんだろうと、このようなお話だったと思います。 この三位一体改革というのは、確かに本区に減収をもたらした。さらに、その上に国は財源再配分も考えていると、そのようなことを安倍総理大臣は所信表明の中で言っております。その言っても返らぬことをいつまでも言うんでなくて、私は、さらに区として創意、自律性を考え、さらにさらに遂行していくことこそ必要でございますし、税収を増やすためにどうしていくか、あるいは行財政運営についてどのような創意ができるのか、そういったことについて考えることが私の責任だと、このように思っております。空理空論を言うことではない、現実の区政をあずかる者としてそのことについて適切に対応していく、そのことが何よりも大切だと、このように思っております。 財調についての取り扱い、固定資産税が云々だとかいうような問題は、これまでも多くの議員から指摘されてきた問題であります。そのことに対して、だからどうするのか、区として何ができるのか、そのことについて、日ごろから研さんしてそのことへの対応を考えていく、そのことが何よりも大切じゃないですか。 財調制度を変えるとしたら、現行では普通公共団体になるしかないわけです。しかしながら、都は財調を残そうとしている、あるいは政令市になることにも否定的であります。その中でどういう手を打っていくのか、これは議員と一緒に考えていかなければならない課題だと、私はそのように思っております。 次に、区民サービスの向上ということで、休日窓口についてのお話がございました。 休日窓口、この月二回から毎週日曜日、実施をしたらどうだ、あるいは出張所の平日開所時間の延長をしたらどうだと、こういうようなお話でございました。 休日窓口につきましては、昨年の三月から原則月二回を実施し、区民から好評を得ているところでございます。最近の休日窓口の実施状況を見ますと、転出入などの届け出につきましては平日の八割五分に達しておりますが、住民票の写しなどの証明の発行につきましては四割程度でございます。休日窓口の開設につきましては、さらに周知をしてまいりたいと、このように考えておりますが、この取り扱い件数からまいりますと、当面の間は現在の月二回程度で最も効率的な実施規模であると、このように考えているところでございます。 したがいまして、直ちに休日窓口の回数を増やすという考え方は持ち合わせていないところでございます。 また、出張所の平日夜間の窓口開設でございますけれども、他の区でやっている状況、七時までのこの開設では勤め帰りの人には利用ができないと、このような課題を抱えているわけでございます。そういったことを考えますと、また、少人数職場の職員ローテーションなども考えあわせますと、出張所で直ちに実施するということについてはもう少し考えなくちゃいけない、こういうふうに私は思っております。 次に、少子化対策、子育てにつきまして、学童館を廃止するのであれば廃止条例を提出すべきであり、その是非について議論がされてもいいのではないかと、こういうようなお話であったと思います。 このことにつきましては、十九年四月に区内全校小学校に放課後クラブが開設されることに伴いまして、サービスが重複する学童館事業を見直し、順次放課後クラブに統合してまいりたい、そのように考えております。その中で、学童館の現在は過渡的な対応であり、そのことへの課題を見極めた上で対応してまいりたい、このように考えております。 なお、放課後クラブや学童館のあり方、方向につきましては、これまでも区議会で議論を重ねてこられた、また、私にもあったと、このように思っておりますし、保護者に対しても、またこの学童館についても、あるいは小学校単位、あるいは町会等でその説明を、それぞれ所管の課長がやっていっていただいているところでございまして、その周知徹底には努めてきたと、このように思っております。 残された八カ所の学童クラブについてのことでございますけども、この存続につきましては、これまで議会に何度も説明してまいりましたけども、放課後クラブの整備の状況及び学童への利用上の課題を見極めた上で対応してまいりたい、このように考えております。 この放課後クラブに、学校選択希望制に基づく学区域外の小学校に通学している児童、あるいは不登校の子どもへの対応、あるいは障害児対応等についてのお尋ねがございました。 放課後クラブは、当該校の全児童を対象とする事業でございますから、新入学に際しては、放課後の過ごし方も含めて学校を選択するよう保護者に説明がされているところでございます。通学する小学校の放課後クラブを利用するように相なることと、このように思っております。 不登校児の対応につきましては、単に居場所を確保すれば解決する問題ではない。原因を探り、学校現場あるいは教育センター、けやき教室等が家庭と連携して、学校に帰るようにすることが教育的対応であると、このように考えております。 放課後クラブの障害児対応につきましては、今まで学童クラブでは難しかった心身障害学級との連携が可能となり、障害児担当指導員が学校長や養護教諭の助言を受け、対応を行っており、充実した体制になっていると、このように考えております。今後とも放課後クラブの充実に努めてまいりたい、このように思っております。 災害対策についてのお話でございます。 帰宅困難者に関しまして、区民の避難所での生活を保障していくためにも、区内の企業、事業者あるいは集客施設に対して食料などの備蓄をきちんと求めていく、そのための実態調査についてのお尋ねでございます。 私は、このことにかかわりまして考えておりますことは、帰宅困難者の対策は、基本的には広域行政を担う東京都の責任であると、このように思っております。しかしまた、本区で物理的に対応できる課題ではない、このように思っているわけでございます。 私は、その意味におきまして、このことについて来街者を多く受け入れる、そういう企業等の集合体、商工会議所渋谷支部にこういったことへの対応をお願いしたい、このようなことを申してまいりました。避難所の確保、これは例えば都立高校等の確保をする、そのことについては渋谷区で協力をしてもいい、しかしながら、そこの運営等についてはこれを渋谷支部の方でやってもらうとか、それぞれ備蓄の問題、あるいは広域避難所の運営の問題、様々の問題があろうと、このように思いますけども、そのことについては今後、一つ一つ課題解決を商工会議所渋谷支部と詰めていく、こういうことで考えており、また、商工会議所渋谷支部の方でもそのことについては前向きに体制をとっていく、こういうお話になっているところでございます。 一部のNPOでは、さらにはそれぞれ事業者にも呼びかけをして避難所を確保したい、そういった動きもございます。そういったことも視野に入れながら、区としてこの問題についての、帰宅困難者対策の方向を見極めていきたい、このように思っております。 公共工事をめぐる問題についてのお話がございました。 このことについては、先ほどの議員からの質問にもございました公契約条例の考え方と同じことであると、このように思いますので、先ほどのお話で御理解をいただきたい、このように思っております。 政務調査費についてのお話がございました。 私は、当時の芦沢一明区議会議長その人から、政務調査費のあり方について第三者機関による検討委員会を設置するように要請を受けたところでございます。政務調査費については、その検討委員会内部でも、本来は議会において自律的に定めることが望ましい、そういう意見もございました。しかし、区議会からこうして全会派一致で要請のあったことだと、また、議会でない第三者による公平で適切な方向づけを望まれているんであろうと、そのような趣旨で、私はこの検討要請を受け止めたわけでございます。 そこで検討委員会を設け、弁護士あるいは大学教授、公認会計士等、その他各界で御活躍をされる区民の方々に御参加をいただいて、年末の大変お忙しい時期であった、また年始の大変お忙しい時期であったと、このように思いますけれども、この議会の対応に間に合わせるように私は、早急に御検討いただくことに相なったわけでございまして、それぞれの委員に感謝をするところでもあるわけでございます。 しかし、当時の芦沢議長からの検討の要請を受けまして区民の皆様方が検討した上でいただいた答申を、その要請をした御本人が個々別々の問題について区長の見解を伺うというのは、その意図が那辺にあるのかいささか苦しむところでございます。もし答申をさらに補完し、よりよいものにしたいということであれば、議会内部において御提言をすれば足りることでございます。本会議において私に対する質問は大変残念なことだと、このように思っておりますし、政務調査費の調査権を有する議長職にあった方の御見識という点からもいかがなものかなと、このように思っております。 議員一人一人の責任を明確にする、あるいは飲食費や会費の支出を禁止するというような問題、これは条例の大きな枠の中で、規則あるいは区議会の申し合わせ、そういったことで対応できることではないでしょうか。私に一々区長の見解を問うというのは的外れであると、私はそのように感じております。 また、人件費につきまして、本来、調査・研究を補助するための職員を使うものでございますから、常勤職員を置くというのは本来の趣旨から外れると、そのようなことからこのような答申に相なった、私はそのように理解しているところでございます。 また、外部監査のことにつきましても、検討会で議論がありましたけれども、そのことについては情報公開の徹底により区民の厳しい目にさらされることになるので、透明性の向上につながると。そういったことを踏まえ、議員の自律性を尊重する、そういう答申に相なったと、私はそのように思っております。 さらに保存期間は、この規定の準用により結果的に五年となったということでございますから、現行より延長されていると、このように私は思っているものでございます。 次に、廃プラスチック、サーマルリサイクルについてのお尋ねでございました。この点についての四点のお尋ねでございますので、順次お答えをさせていただきたいと思います。 このサーマルリサイクルを実施した場合のCO2の増加やダイオキシンについてのお尋ねでございます。 現在、廃プラスチックを焼却処分するモデル事業を四区で実施しているわけでございますが、清掃工場でのダイオキシンを初め公害防止に関する測定結果は、いずれも環境への影響がない、問題がないということが出ているわけでございまして、そのことについては芦沢議員も御承知のことだと私は思っております。二十三区におきますこうした実証確認を踏まえました上で、本区におきましてもモデル事業を実施することにより、サーマルリサイクルの安全性を改めて確認してまいりたいと、このようにも思っているところでございます。 CO2などの温室効果ガスのことでございますけれども、廃プラスチックを焼却するということは、二酸化炭素の増加は見込まれるわけでございますけども、反面、廃プラスチックの埋立処分量が減少いたしますので、廃プラの残滓から発生するメタンガスが大きく減少することに相なる、さらにはサーマルリサイクルによる発電量の増等を考えあわせますと、温室効果ガスの発生抑制が見込まれると、このように思っているところでございます。 したがいまして、これらの削減効果により、サーマルリサイクル実施による温室効果ガスの増加はほとんどない、このように考えているところでございます。 次に、区民への周知が足りないと、こういうことでございました。 平成十八年度から、先ほども申し上げましたけども、四区においてこのモデル実施をされている。そのことについては清掃一部事務組合により実証確認がされているところでございまして、その結果につきましてはホームページ等で順次公表されている。また、本区におきましても、区議会所管の委員会や清掃リサイクル審議会においても詳細に報告をしているところでございます。 本区におきましては、平成十九年度に廃プラスチックのサーマルリサイクルのモデル事業を予定しておりますけれども、実施に当たりましては、区民、事業者に対してその目的や分別方法の変更内容について説明会を実施し、理解と協力を求め、また、各戸へのチラシ配布など徹底した周知を図ってまいりたい、このように思っております。 渋谷清掃工場におけるモデル事業の検証結果につきましては、区議会、清掃リサイクル審議会への報告を初め渋谷区ニュース、ホームページなど多様な媒体を活用して、区民へのこの周知を図ってまいる、このように思っております。 次に、コストはかかるけれども徹底的にマテリアルリサイクルを進めるべきだと、こういうことでございました。 ペットボトルやトレーは単一素材で再資源化がしやすい、分別や異物の除去等が容易なことから、ペットボトルについてはこれをさらに集積所による分別回収を拡大していこうと、このように考えておりますし、トレーについては、これも今までの集積を新しく回収し、ペットボトル等のマテリアルリサイクル、ややこしい言葉でございますけども、進めたいと、このように思っております。 ペットボトルやトレー以外のプラスチックは、コストをかけて回収しても現在の技術では完全な資源化は難しい。そのようなことから、サーマルリサイクルによって処理をしていこうと、こういうふうに考えるものでございます。 最後に、このごみ発生抑制が基本である、渋谷区はレジ袋などの点について無策であると、こういうようなお話でございました。 もったいないと、こういう思想は大切であろうと、このように思います。これまでも渋谷の「くみんの広場」で、清掃協力会連合会がマイバッグキャンペーンにおいてレジ袋削減のための買い物袋の持参を呼びかけてきた、あるいは生活学校においては一昨年、昨年とレジ袋の課題に取り組んできて、その課題についても御承知のことかと思います。 このことは日本で、もともと容器包装リサイクル法の改正があって、この有料化が見送られているわけでございます。しかし、海外では、ドイツや韓国等ではレジ袋の削減、レジ袋に対して有料を義務づけているというようなことをしているわけでございまして、法制度の対応が一つは一番有効であろうと、このように思っております。レジ袋を辞退した方に割り引きやポイント加算をする手法では、まだまだ、スーパーと違ってコンビニや百貨店等では有効な手法になり得ない、そのようなことがあるわけでございまして、本区では、そのようなことを踏まえながらも、現行のことにおいてはリサイクルバザール、よく芦沢議員もお見えになられますけども、ああいう形で区民は大変尽力をしている、そのこともよく御承知のことであろうと、このように思っております。 サーマルリサイクル等につきましては、このことについては区がやることでなくて区民がやることでございますから、これからも区民ともどもそういったことへの対応をしていく、そのように考えております。 それから、私の所信表明で申し上げたことへのお話がございました。戦後、個人の自由と平等を基調とするデモクラシーの進展、それが個人の自由のみを強調した社会は人々の結びつきを弱め、「自分さえよければ」という傾向を生んでいるということでございます。 このことは、私だけが言っていることじゃないんです。みんなそのことについての、思いやりややさしさを失って、皆自分さえよければいい、そこには自己利益のみを追求する今日の社会の方向が見えるよと、こういうことについては恐らく芦沢議員もあちこちでお聞きのことだと、このように思っております。 「国家の品格」の著者、藤原正彦先生は、「自由と平等であるためには神の熟慮が必要だ」と言われました。そこには、自由には責任や規律が伴うことが必要であります。その熟慮を欠いた自由は、他人のことを考えず自己の利益のみを追求する傾向にある、その結果が思いやりややさしさに欠ける人間を間々にして生むと、こういうふうに思っております。 また、平等は「機会の平等」でなく「結果の平等」のみが強調されている。そのようなことは画一的で学習意欲を、これを減殺しているということでございます。伸ばすべき能力を生かしていない、そのようなことは、これまでも指摘されてきました。しかし、二十一世紀は知的創造社会でなくてはいけません。子どもたちが世界の人から尊敬され、社会に貢献する人々として育っていくためには、節度ある自由の感覚、あるいは人それぞれの能力に応じてこれを伸ばしていくことが大切であると、このように私は思っております。 渋谷の未来を担う子どもたちが将来に夢と希望を持つこと、あるいは好きなスポーツや音楽、美術、あるいは得意な勉強に子どもたちが一生懸命になれるよう教育環境を整備していくことが今こそ求められている、このように思っているものでございます。 以上で私の答弁とさせていただきます。 --学童クラブも放課後クラブも、当面は学童が選択できるように道を残しておくべきでないかというお尋ねでございました。 今まで何回も答弁申し上げておりますけども、放課後クラブは学童クラブ機能も包括する事業であるということから、学童クラブは順次、放課後クラブに一定の期間を置いて検討の上、統合してまいりたいと、このように思っております。 また、放課後クラブの条例化につきましては、放課後クラブ事業は区の施策として教育委員会が責任を持って行うものでございますが、その位置づけについては教育委員会とも協議し、早期に結論を出していくと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。 どうも失礼しました。 ○議長(齋藤一夫) 池山教育委員会教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、教育関連の御質問ですが、順次お答えをいたします。 まず、就学援助を受けながら給食費が未納である保護者への対応についてのお尋ねでございます。 御質問にありましたとおり、平成十七年度、渋谷区の小中学校の学校給食費未納金は六十万六千六十四円で、この金額は給食費総額の〇・一九%に当たります。東京都全体の平均は〇・四%でございますので、これに比べますと低い割合でございますが、ゼロではございません。 御質問の、就学援助を受けながら給食費が未納の保護者への対応につきましては、繰り返し督促をいたしまして、納入をお願いしているところでございます。 今後はこのような事態が起きないよう、教育委員会が直接当該校の給食口座に振り込むなどの対策を早急に進めてまいります。 次に、学校徴収金の保護者負担の現状と軽減についてのお尋ねでございます。 渋谷区では、学校徴収金の保護者負担を軽減するため、学校が行う様々な行事に一定程度公費負担を行っております。その結果、保護者が負担する経費は平均で年間、小学校では四万九千円、中学校では七万二千七百円となっております。この金額につきまして負担が困難な家庭、これはおおむね世帯所得が生活保護基準の一・二倍までとしておりますが、このような家庭に対しまして就学援助を行っているところでございます。 学校徴収金の負担軽減につきましては、今後、学校行事のあり方の見直しの中で研究をしてまいりたいと考えております。 続きまして、二十四時間対応できるいじめ相談窓口の設置に係る御質問でございます。 議員御指摘のように、子どもがいじめに遭った際に相談できる窓口がどのように整備をされているかは、いじめ問題を早期に解決するために重要なことでございます。渋谷区では、子どもが相談できる窓口として各学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、教育センターや子ども家庭支援センターなどに相談窓口を設置し、それぞれの機関が学校と連携しながら、いじめの早期発見、早期対応をしてまいりました。 御質問の相談窓口といたしましては、渋谷区では、教育センターが二十四時間受信できるメール相談を平成十七年度から実施しております。また、東京都教育相談センターがいじめ相談ホットラインを二月一日から開設し、二十四時間対応の電話相談を実施いたしておりますので、教育委員会といたしましては、いじめの未然防止や早期発見、早期対応の充実を図ることに重点を置き、教育センターにソーシャルワーク機能を持たせ、これまでの、子どもの内面に焦点を当てた臨床心理士によるカウンセリング支援に加え、子どもの家庭環境や生活面に焦点を当てた支援を充実してまいる考えでございます。 次に、若手教員育成のための教育指導教授についてのお尋ねでございます。 この教育指導教授は、校長経験者の中でも豊富な授業観察の経験があり、教員としても高い指導力を有し、指導、助言にすぐれた人材を配置いたします。この教育指導教授による指導方法は、名称は異なりますが、十七年度から学校経営指導員として教育委員会指導室の中に一名の校長経験者を配置し、初任者教員の個別指導に当たり、試行してまいりました。その結果、本区では一年目で挫折する初任者はなく、また、落ち着きのない学級を立て直した実績などもあり、その成果を踏まえてのことでございますので、やはり教員ではなく、適切な指導ができる校長経験者が適任であると考えております。 次に、教員の資質向上のための態勢についてのお尋ねでございます。 ここ数年、全国的な教育改革が進む中で、教育評価など新たに作成するものや、新規事業に伴う事務が増えていることもありますが、それは子どものため必要なことでございます。一方、子どもや保護者の実態が多様化し、個別の対応が必要になっていることや、学校週五日制による土曜、日曜日の行事の増加、また保護者からの学校や教員への要望に対して苦慮する例も少なくありません。 私どもは、先ほど植野議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、少人数指導講師、特別支援教育の学習指導員、必要に応じた介助員、スクールカウンセラー等々、人的環境を整備し、教員が子どもたちにかかわる時間がとれるように支援しております。また、二学期制にしたことで通知表の事務作業が減り、夏休みの最後まで給食を実施して、授業時間数や子どもと接する時間を確保しているところでございます。 一方、学校では、夏休みを有効活用いたしまして教員の会議や研究会を実施し、普段の会議を減らすとともに、個別面談や補充教室などを実施して、子どもとじっくりかかわる機会を持っております。また、普段の日には、例えば小学校では毎朝の教員の打ち合わせ会を前の日の夕方に実施することで、朝、教室で子どもを迎えて話ができるよう工夫をしたり、中学校では、全校で教育相談期間を設定して生徒の相談に応じたりする工夫もいたしております。 教員として、子どもたちが学校にいる間はなかなか休みをとることは心情的に難しい場面もございますが、勤務の振りかえ等も適切に実施しております。教育委員会といたしましては、今後も学校とともに、教員が教材や授業の研究をしたり、子どもとかかわる時間を確保したりする態勢を工夫してまいりたいと考えております。 ○議長(齋藤一夫) 十八番芦沢一明議員。 ◆十八番(芦沢一明) ただいま区長、教育長からそれぞれお答えをいただいたわけですが、十分その内容については承服できない点もあるところであります。 一つ一つすべてやっていきますと時間がとても足りませんが、幾つかお聞きをしたいと思います。 まず、学童館の廃止条例を出さなかったことについてですけれども、過渡的云々というお答えがあったわけですけども、現に問題が出てくるのではないかなというふうに思うわけです。それは、例えば幡代学童館の扱いについてであります。 廃止ということについて、議会に条例改正を出して議決がない中で、つまりはその施設が残ったところに新たに放課後クラブとして使われることがどうなのかということ、この点、きちっと手順を尽くして、賛否については、もちろん私も賛同できるかどうかは議論してみないとわかりませんが、そのことについては提案して区切りをつけるというやり方、やはり区民の財産でもありますから、そのことについてはきちっとすべきではないかなというふうに思うわけです。この点、もう一度お聞きをしたいというふうに思います。 それから、政務調査費についてでありますけども、経過については区長からもお話がございましたけれども、検討委員会にお願いをして答申を出していただいた、その答申を尊重して区長から条例改正について提案がありましたから、その中身について幾つかの点、お尋ねをしたわけでありますので、これを質問するのがいかがかということを言われるのは、私としても納得のいかないところであります。よりよいあり方についていろいろな場で議論をする、発言をするというのは、私はあってしかるべきだというふうに思うところであります。 それから教育の中で、戦後教育、戦後民主主義というものについて区長のお言葉、所信表明について意味をお聞きをしたんですけれども、私は、何も藤原正彦先生のことがどうと言っているつもりはありません。区長の御発言がございましたので、その意味するところについてお尋ねをしたわけでありますけれども、区長の御発言では、デモクラシーの進展が今日の事態を招いたということに、どうしてもそう読める表現であったわけであります。 思いやりであるとか包容力であるとか、社会規範や礼節の重要性、区長もいろいろなところで強調されているわけでありますけれども、今日の社会がこのような状況になったその要因が、戦後デモクラシーの進展、そこだけにあるとは私は思わないわけでありますので、この点もう少しかみ砕いて、改めて御説明をいただきたいというふうに思います。 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(齋藤一夫) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 芦沢一明議員の再質問に御答弁をさせていただきたいと思います。 幡代学童館をお取り上げになって、このことについての、きっちり区切りをつけたらどうだと、こういうようなお話がございました。 このことにつきましては、これを法律的な見地からどのように考えるかということでございましょうけれども、私はこのことについて、今、この廃止をしなければこのことについての、放課後クラブは置くことができないとか、そういう課題ではなくて、あくまでこれを公の施設として使っていこうと、そういう点では変わりはないわけでございますから、その点については私は、この区切りはつけなかったということでございます。 これは法律的な見解をどういうふうに持つかということでございまして、私は、この点について今、直ちにやらなければ放課後クラブになり得ないものではないと、そういうふうに考えたということで御理解をいただきたいと思っております。 それから答申、政務調査費のことにつきましてはですね、これは私、任されたくなかったんですよ。しかし、私の方に任せたいと、こういうことですから、そのことについて私は関係者にお願いをしたわけです。ですから、このことについていろいろと御意見があるんでしたら、最初から区議会で全部やればよかったんです、いろいろあれば。また、なくてもですね、そのことについては議会で、私はそのことについての、こういう答申が出てきているということについては御報告させていただいているわけですから、その段階でお考えになればよかったわけです。今、私に向かってですね、いろいろと言われることは筋違いだと、こういうことを言っているだけでございますから、御理解をいただきたいと思っています。 最後の、デモクラシーの進展ですね。デモクラシーの進展の基調は、自由と平等ということを基本に置いている、その上でのデモクラシー、民主主義体制ですから、民主主義、自由と平等ということを中心に置いて私は申し上げたんです。 そのときに、芦沢議員は私に、生命の尊厳ということをたしか言われたと思うんですね。生命の尊厳を理解した上で自由と平等であれば、そういうことはないと言われたんですけど、なかなか人間というのは個人の生命の尊厳というものに思いが至らない。軽薄に自分のことだけを考えるから、だからそういうことが起きるんだということを私は言っているわけなんです。 そういう意味で私は、先ほどの藤原正彦さんを取り上げたのは、藤原正彦さんも「重しがない」「自由と平等に重しがないんだ」と。この熟慮の結果というものがその中に、配慮になければ自由と平等は生かされないんだよということを言っておられる、私はそのことを言っただけなんですよ。どうぞ御理解をいただきたいと思います。 ○議長(齋藤一夫) 十八番芦沢一明議員。 ◆十八番(芦沢一明) 再度のお答えをいただきました。 まず、幡代学童館ですけれども、区長のお答えでは、幡代学童館について、廃止ということをしないままでも放課後クラブとしてその施設、敷地等の利用が、やることがあっても法律的には何ら問題はない、こういうことだろうというふうに確認をいたしたいというふうに思っています。 それから政務調査費について、区長も任されたくなかったということであります。議会では、幹事長会の場で私どもの会派からも、議員提案という形、その方がむしろよいのではないかなと、幹事長からもその提案もさせていただいたところでありますけども、結果として区長からの条例改正の提案という形でなされて、現に提出をされておりますので、その中身について幾つかの点、お尋ねをしたわけであります。その点、筋違いだということを言われるのは、私の立場からは逆ではないかなというふうに改めて申し上げておきたいというふうに思います。 それからデモクラシーの解説について、何度聞いてもよく区長のお考え、わからないんですけれども、確かに戦後のこのデモクラシーの進展、自由と民主主義が進み過ぎたから今日の事態を招く要因となった、その解釈には賛同しかねるということも、あえて申し上げておきたいというふうに思います。 内容の一つ一つすべてについて承服できるものではありませんけれども、少なくとも区長が今、何をお考えであるのかということについてはよくわかったつもりであります。 質問と答弁という形で議場でこのように相まみえる機会がまたあるのか、ないのか、四月二十二日を待たなければだれにもわかりませんけれども、少なくとも残された任期を桑原区長が健康に留意をされて御活躍いただきますよう、そのことを願って、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(齋藤一夫) 二十八番座光寺幸男議員。 ◆二十八番(座光寺幸男) 私は、社会区民連合を代表して、区長に五点にわたり質問をいたします。 最初に、渋谷区ニュースについての感想を述べさせていただき、その後、逐次質問に入らせていただきます。 今日、渋谷区では、広く区民に区政情報を伝え、開かれた区政を推進するために様々な広報活動を行っています。その中でも大きな位置を占めているのが、毎月一日と十五日に発行されている「しぶや区ニュース」ではないでしょうか。区の主催する行事や事業が写真やイラストで紹介され、今、区が重点を置いている分野や目指している方向がよくわかります。 ところで、平成十五年四月に桑原区長が第二十二代渋谷区長に就任されてから、区ニュースを見るのを心待ちにされている方も多く、実は私もその一人であります。それは、一面に掲載されている区長のコラム「お元気ですか 区長です」があるためであります。 就任後の七月十五日号の初掲載から、既にこの三月一日号で実に六十七回になります。テーマは区の仕事に限らず、区長が日々区政をとり行う中で感じたこと、区民との触れ合いや行事に参加して区政を振り返って思うことなど、区長自身の言葉でつづられており、まるで区長から手紙をもらったような親しみを感じる次第です。 また、少年野球や保育園の運動会など渋谷の未来を担う子どもたちのこと、シニアクラブの作品展など高齢者のこと、消防団や地域の花づくり運動などの地域活動のことなど、あらゆる分野に言及されています。その根底には人と人とのつながりや思いやり、そして、人生に潤いと活気をもたらす文化を大切にされている様子や人柄をうかがうことができ、大変興味深く拝読しているところであります。 短い文章とはいえ、毎回テーマを持って書かれていることは大変な所業であり、御苦労でもあろうと拝察いたします。しかし、渋谷のまちには目立たないけれど地道に地域での活動を継続されている方々がおられて、そういう方々によって渋谷のまちも、区政も支えられていることがよくわかります。区長のこのコラムによりこういった地道な活動に光が当たり、区民の皆さんに知っていただく、まさしくそのことが、互いに触れ合い、助け合う、心豊かな地域社会の発展に大きな力になっていることと思います。 加えて、渋谷区政を身近に感じ、より区民相互の理解と協調が深まることにもつながり、この桑原区長四年間の円滑なかじ取りに、その効果は顕著にあらわれております。 ところで、最近、区役所庁舎が明るくなり、利用しやすくなったとの区民の声が私のところに届いております。 庁舎は平成十六年度にリニューアル工事が行われ、庁舎の顔である中央一、二階のフロアは快適で明るい空間に改善されました。本年度は一階から六階までの中央トイレを改修し、きれいで使いやすい清潔な空間と変わりました。また、絵画を飾り、鑑賞する楽しみもあり、座る席も設けるなど、高齢者にとっても若い方にとってもありがたく、渋谷公会堂は「渋谷C.C.Lemonホール」と言われていますが、そのリニューアルと相まって、区に来訪される方が楽しみとされ、来訪者が増えているのではないかと思うものであります。 休日窓口の開設やワンストップサービスを目指すソフト面の改善とともに、このようなハード面の創意工夫は区政を区民に近づける一助となり、評価するものであります。 一方、最近の新聞報道によれば、国は格差対策の基礎となる成長力底上げ戦略の基本構想を明らかにしました。その内容は、人材能力戦略として、フリーターの就職活動を助けるため、また、公的機関が職業訓練の受講歴などを記載した証明書を発行するジョブ・カード制度の創設、障害者や生活保護世帯などの就労を支援して自立を助ける就労支援戦略などであります。 このような就労支援策は、本来、国や都道府県の役割と思うわけでありますが、渋谷区では既に平成十六年七月に勤労福祉会館内に就労支援センター「しぶやビッテ」を開設し、ハローワークと連携し、きめ細かな就労支援の取り組みをしております。 具体的には、求職中の区民に対する個別カウンセリング、各種就職支援セミナー、職業紹介等でありますが、実績を見ますと、カウンセリング参加者が十七年度で二百九十五名、十八年度、四百五十名、就職のための新規来談者が十七年度、百十九名、十八年度、三百三名であり、就職決定者が十七年度、六十二名、十八年度、百八十四名となり、成約率も十七年度、五二・一%から十八年度、六〇・七三%と着実に成果を上げております。 私は、今日の自治権を持った身近な区政として、区長のこのような先見性のある取り組みには敬意を表するものであります。 区長は就任以来、少子・高齢化への対応、障害者施策、健康施策、防災・震災対策の強化、安心・安全対策、商店街、中小企業振興、環境保全、協働型のまちづくりの推進、青少年育成などの施策を確実に、先を見据えて推進し、成果を上げてこられました。とりわけ、新たに入所施設、総合相談機能、ショートステイ、デイサービス等を有する障害者福祉の核となる障害者福祉複合施設を平成十九年度は本格的に整備され、平成二十年六月には開設すると聞いており、新たな障害福祉計画の策定と相まって、障害者福祉施策が一層充実していくものと感じています。 区長は「区民生活のあらゆるところに進んで出席するよう努めて、そこから教えを受けることが多くあり、これを区政に反映してまいりたい」と終始変わらぬ所信を表明されました。平成十九年度当初予算案は、このような区長の考えのもとで、縦割りを排除し、区が一体となった推進体制のもとでソフト面に配慮した予算だと拝察いたします。子どもからお年寄りに至る各人のライフサイクル、いわば人生の各段階において、住みなれた地域で健康で生き生きと暮らすことに配慮した予算であると思います。 私が何にも増して評価したいのは、三位一体改革に対する区長の対応であります。 私は、平成十八年第一回定例会においても、この問題について質問いたしました。渋谷にとりまして最重要課題であると考えたからであります。 区長は平成十九年度予算原案発表の全員協議会で、次のように発表されました。「十八年度税制改正によって、本区は七十八億七千八百万円余の減収となりますが、先手を打って東京都と協議を進め、さらに区長会にも理解を求め、都区財政調整特別交付金として三十億円、普通交付金として十億円を確保できる見通しとなったため、これを歳入予算として計上すると同時に、本区基金を十億円取り崩して予算編成をいたしました」と。この発言をお聞きし、私は、区財政の難局をひとまず乗り切ったと安堵し、区長の御努力を改めて高く評価するものであります。 そこで、質問に入らせていただきます。 都区財調による特別交付金は暫定措置とお聞きしており、また、基金も有限であり、今後、三位一体改革による影響を考慮した財源の中で行財政運営を推進する必要があると存じます。区長は、財源に制約がある中で、今後どのようなことを次なる施策課題としてお考えなのか、お尋ねいたします。 旧大和田小学校跡地施設整備について。 次に、旧大和田小学校跡地施設整備についてお尋ねいたします。 渋谷区実施計画によりますと、この施設のコンセプトとして、渋谷の新たな文化、教育、福祉、健康の拠点づくりを掲げております。また、各施設の導入に至った経緯としては、文化・芸術の振興に寄与する施設、次世代の担い手となる子どもたちの育成に寄与する施設、区民の福祉保健に寄与する施設の三点を挙げております。 この中で、区民の福祉保健に寄与する施設としては、区民健診や予防接種などで区民が利用している現在の医師会館の老朽化等の課題に対応するため、区民の健康を守り、健やかな子どもの成長のために、休日・夜間の救急医療や区民健診、予防接種などの新たな拠点として、健康センターを整備するとしております。あわせて健康センターとの連携が可能な医師会館及び医師会付属看護学校を医師会の負担で整備するとしております。 看護学校は、少子・高齢化が進む中で必要とする看護師を育成していくものであり、区民に還元されるものであると期待いたします。 いずれにいたしましても、本区の文化、教育、福祉、健康の拠点として、パブリック・コメントを実施し、区民意見を取り入れた施設整備であり、その開設が待たれるところであります。 平成十九年度は、いよいよ本格的な施設整備を進めていくことになります。区長は「二十一世紀は文化の時代でなくてはならない」と言い切っています。ジュニアからシニアまで、未来に向かって夢と希望を持って生きていくためにも、人にやさしい心を持って助け合って生きるためには、文化の振興は重要であります。したがって、この施設整備につき、小・中文化ホールを中心とした施設建設経費を計上しております。総務部に民間から副参事を招いて対応するなど、区長の中・小ホールにかける意気込みを感じるわけであります。 そこで、区長にお尋ねいたします。 この中・小ホールを区民のためにどのようにお使いになるのか、お尋ねいたします。 次に、認知症高齢者グループホームについてお尋ねいたします。 急速な高齢化が進む中、しかも、これから団塊の世代が高齢者の仲間に加わってくる時期を迎え、それに備えた対策の必要性が声高に言われております。昨年の介護保険法の改正も、団塊の世代が六十五歳以上に到達する二〇一五年--平成二十七年、今から八年後を見据え、介護予防の推進や地域ケア体制の整備に取り組んでいくこととされました。 十年もたてば、四人に一人が高齢者という超高齢社会の到来が見込まれるわけですが、この改正に当たってのもう一つの大きな課題として、認知症ケアの推進があります。 当時、約百五十万人と推計された認知症高齢者は、国の予測では二〇一五年には約二百五十万人になるとしております。本区の現状はどうかと見ますと、平成十九年一月末時点で、認知症高齢者の日常生活自立度の判定において「ひとり暮らしが困難な場合も見られる」という二以上に該当する人は三千百十二人。これは要介護認定を受けた方の中だけでの数字ですので、実際には高齢者約三万六千人の一割近い人数になるのではないかと思われます。 加齢に伴い心身機能が低下していくことは生理現象であり、高齢者の増加に伴い、認知症の人が増えるのも必然と言えましょう。私たちは人間としてそれを自然に受け入れつつ、その機能が低下した分を家族や地域の方々、あるいは行政等の力をかりながら、できる限り元気で楽しく長寿社会を過ごしていこうと願うものであります。 もちろん、三千百十二人がすべて今すぐ支援が必要というわけではありません。しかし、真に支援が必要な状態にある認知症高齢者の方々には、地域と行政が連携・協力し合って支えていくことが欠かせません。その意味で、虐待等に対する緊急一時保護や区内六カ所目となる認知症対応型デイサービスの実施は、桑原区長の目配りのきいたタイムリーな施策と言えます。 また、何よりも、区内初の認知症高齢者グループホームとしてこの一月にスタートしたグループホーム笹塚は、桑原区政の福祉施策として、「美竹の丘・しぶや」と双璧をなすものと高く評価するものであります。そして、この施設の建設に当たっては、既存の公園敷地の一部を使用するということもあって、当初、一部に反対の声もあったようですが、桑原区長自ら熱心に、精力的に取り組まれたこともあって、最終的には町会を初め地元の方々の御理解と御協力をいただき開設に至ったことに、深く心から敬意を表するものであります。 御案内のように、グループホームは少人数で家庭的な雰囲気の中で共同生活を送ることにより、認知症の進行が緩和される効果があると言われており、認知症高齢者対策の切り札とも言われています。また、特別養護老人ホーム等の施設と異なり、入居者が近くの商店街にも買い物に出かけたり、公園を散歩したり、従来の日常生活と同様の過ごし方ができる、そして地域の方々も、そのような認知症高齢者の行動を温かく見守るということで、まさに血の通った、地域に密着したサービスでもあります。 このようにメリットの多いサービスですので、是非ともこのグループホーム笹塚で終了とするのではなく、さらに必要な施設整備を続けてほしいと願うものであります。 そこで、認知症高齢者グループホームについて、大きく二点についてお尋ねいたします。 まず、グループホーム笹塚の状況についてお尋ねいたします。 開設後、一月半が経過し、入居者の方々も新しい環境に徐々に慣れてこられたと思います。私も、入居者の家族の方などから大変喜ばれているとの声を聞いており、地域の施設として順調な運営がなされていると思いますが、現在の入居状況や職員体制はどのようになっているのでしょうか。 また、グループホーム笹塚を利用するには、介護保険の自己負担分を含めて十六万円ほどかかります。利用者の中には低所得の方もいらっしゃると思いますが、その対策はとられているのでしょうか。 次に、今後のグループホーム整備の考え方について、お尋ねいたします。 先ほども述べたように、グループホームには特別養護老人ホームとは異なるメリットだけでなく、最大二ユニット十八人という規模からすれば、特養を建設するほどの敷地がない場合でも設置が可能となります。また、グループホーム笹塚の募集では、定員十八人のところ三十九人の申し込みがあったと聞いており、ニーズも高いと思われます。 そこで、例えば、介護保険制度の改正に伴い、本区においても昨年策定された第三期の渋谷区高齢者保健福祉計画において、区内を三つの日常生活圏域に分けることとしておりますので、今後はこの生活圏域ごとにグループホームを順次整備していくなど、その方向性を示していただければ区民にとっても安心できると思いますが、どうでしょうか。 また、本区では、民間事業者の誘致策として、区独自にグループホームの整備助成制度を設けておりますが、平成十九年度予算案ではこれを拡充するとし、さらに、具体的な候補地として西原地区が上げられております。 民間誘致の強化策として、さらに区独自の助成策の充実を図っていただけるよう要望するとともに、今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、渋谷駅周辺整備について。 平成二十年六月の地下鉄「副都心線」の開業、平成二十四年度末の副都心線と東急東横線の地下相互直通化を踏まえ、平成十七年十二月に都市再生緊急整備地域に政令で指定されたことなど、渋谷駅周辺の再開発、まちづくりが大きく動こうとしております。 とりわけ渋谷駅と駅前広場等、渋谷駅に直結する区域では、緑やゆとり空間に欠け、地形的にも谷や坂が多く、歩行者のバリアとなっております。まして渋谷駅は東急や京王井の頭線、JR線や地下鉄が複雑に乗り入れ、乗降客等で混雑し、東西の駅前広場をつなぐ動線も弱く、歩きにくいという現状があります。また、渋谷駅そのものも戦前に整備され、わかりづらく、かつ老朽化し、区が標榜する安全・安心のまちづくりとかけ離れているのではないでしょうか。 渋谷駅周辺整備は、二十一世紀の渋谷を左右する一大プロジェクトであると考えるものであります。そこで、区長にお尋ねいたします。 この渋谷駅を中心にした地域は、旧渋谷と新渋谷との路上交通面からしても重要な結節点となっておりますが、官民の役割を踏まえつつ、このプロジェクトにお取り組みになる区長のお考えをお伺いいたします。 最後に、教育に関して区長のお考えを伺います。 区長は在任の四年間、教育に対する情熱は並々ならぬものがあったと思います。特に、幼児、児童生徒が安全に学べる教育環境の整備と安全対策に力を注がれました。 まずは区長就任直後の平成十五年度から十七年度にかけ、区立幼稚園・小学校・中学校の全教室を冷房化し、暑い日でも快適に就学できるよう環境を整えたこと、また、小中学校の体育館については、災害時には避難所にもなることを考慮し、遠赤外線の暖房を設置されました。 さらには、小学校の校庭を人工芝にされたことで、子どもたちが裸足になって元気よく飛び回っている姿を目にします。校長先生からは、人工芝にしたおかげで転んでもけがが少なく、子どもたちは安心して走り回っているとの話も聞いております。校庭に子どもたちの元気な声が響いている光景は何とも微笑ましく、うれしいものであります。 また、安全対策については、平成十三年の大阪、池田小学校における惨事を機に、渋谷区において学校現場での不審者対策に力を入れられていますが、子どもへの安全対策は、これで完璧というものはありません。可能な限りの対策は今後も続けていかなければならないと考えます。桑原区長は、小学生に対し防犯ベルの携帯はもちろんのこと、平成十六年、全小学校に防犯カメラの設置や昼間警備員の配置、さすまたや防犯スプレーなどの配備など、防犯対策を強化されてきました。 このような学校施設整備や安全対策の施策のみならず、子どもたちの将来に夢と希望が持てるようにとの施策を実施されてきました。こども夢チャレンジやミライプロジェクト、また音楽鑑賞、お茶やお花、邦楽など日本の伝統文化など、学校での様々な体験学習を通して、子どもたちはそれぞれの分野で本物に触れ、そして体験することができ、このような得難い経験が、子どもたちに生きる力を醸成することに大いに役立っていると私は理解するものであります。 加えまして、全小学校に放課後クラブを設置し、これを教育委員会事業とした区長の英断は、放課後の安全な子どもの遊び場を確保する意味でも、また、学校施設を活用しての教育的支援が受けやすいという意味においても、すばらしい施策であると感心しています。 桑原区長が区長在任中に実施してきた教育の施策について、実績を挙げれば数多くありますが、これら区長の四年間にわたる教育への様々な施策は、高く評価するところであります。 このような実績を踏まえ、区長に、これからの教育施策に対する区長のお考えをお聞かせいただきたく思います。 教育力の向上のために、教育研修の充実として教育指導教授の設置。いじめ・不登校対策としてパンフレットの作成、活用、ソーシャルワーク機能を設置。読書活動の推進として「渋谷おすすめの本五十」。特別支援教育の実施として特別支援教室設置、推進体制の確立。健康的な生活習慣の推進として「早寝、早起き、朝ごはん」、メタボリック・シンドロームへの取り組みなど。区長の目を通しての内容についてお答えいただけたらありがたいと思っています。 なお、本件につきましては、先ほど教育委員長が染谷議員の質問に対して原則的に、また実質的に、明快に御答弁なさっているので、本質問については取り消させていただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(齋藤一夫) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 社会区民連合の座光寺幸男議員の一般質問にお答えをさせていただきたいと存じます。 最初に、区長の区ニュースのコラム欄のことにつきまして大変御評価を賜り、恐縮に存じております。 このコラム欄を始めましたきっかけというのは、区民の側から「区長は何をしているのか、何を考えているのかわからないよ」と、こういうようなお話がございまして、それで私の日記のつもりで書き始めたというのが実情でございます。私の記事が、また地域のボランティア活動に光を当てているということでございまして、そういうことであるならば、渋谷にはもっともっと多くのボランティアの尊い活動があるわけでございまして、そのことについて書き切れていないな、申しわけないなと、こういうような気持ちで聞かさせていただいたわけでございます。 これからも、私のいる限りは精進をして、そのことのまた努力をしてまいりたいと、このように思いますので、御指導のほどお願い申し上げる次第でございます。 今日の三位一体改革に対します影響につきまして、私の財源確保のための対応について御評価を賜ったわけでございますけれども、これは私一人の力ではございませんので、また、こうして区議会議員の先生方が後ろでバックについていただいた、そのことを私は、この責任として感じ、そしてやってきたことでございますから、私一人の力では決してないわけでございます。大変ありがたく思っているものでございます。 その他、財政上の課題を抱えながらも、これから区政はどういうことをやっていこうと、このように考えているか、次の課題は何だ、施策課題は何だと、このようにお話がございましたが、私、今、区政の置かれている状況は何か、その中で、私は次の施策課題が決まってくると、このように思っているわけでございまして、先ほどから申し上げておりますけども、少子・高齢化に伴います様々の課題があるわけでございますが、他方においては人心の荒廃が家庭や地域を崩壊に導いている、そのことを考えますと、そのことが一方では青少年の教育の課題を生み、さらには高齢者対策、お互いが支え合い、助け合っていく心の連帯をはぐくんでいくことが課題であると、このようにも思っているわけでございますし、あるいは治安や震災対策等、こういったことへの目配り、気配りもその課題に相なってくるであろうと、このように思っているわけでございます。 そういった中で、私自身、このことへの行財政改革を進めながらも、一つ一つ区民サービスの向上のため、区民福祉の向上のために力を尽くしていくことが渋谷区には求められていると、このように私、思っているところでございます。 次に、旧大和田小学校施設跡地について、中・小ホールをどのように使うのかと、こういうようなお話がございました。 私は、この文化というものが、やはり区民にとって勇気を生む、そして光を放つ、そのことが夢と希望を区民の心の中に生み育てていくと、このように思っておりまして、そのことへの対応がこれからは求められてくる。とりわけ都立の児童会館が、二十年でこれが閉鎖される、こういうことであってみれば、渋谷のこの施設、「自然と文化とやすらぎのまち」としての文化発信の拠点が何としても必要だと、このように思っているわけでございます。 子どもにとっても若者にとっても、あるいは高齢者や区民一般の方々にとっても必要だと、こう思われる施設を整備し、また、それを使いこなしていくことが何よりも大切であると、このように思っているものでございます。 この中ホールにつきましては、どちらかといえば音楽等の演奏、あるいは聞く場所にしていくためには、高品質の施設整備をしていく、音響の対応をした施設にしていく必要がある。そしてバレエでも演劇の鑑賞にも耐え得る、そういう機能を備えつけていかなくちゃいけない。音響性能においてしっかりしたものにしていかなくちゃいけない、このように思っているわけでございます。 また、この練習室も充実をさせていくということで、そういう、みんなが文化活動に学んでいこうと、そういう気持ちを生み出すような施設でなくてはならない、このようにも思っております。 小ホールにつきましては、どちらかといえば日本舞踊等々、伝統文化を主目的としながらも、多目的な区民の発表の場、あるいは区民や地域団体の、そのいろんな文化活動に活用できるような、そういうものにしたいと考えておりますし、また一方、考えてみれば、人と人との触れ合い、人と人との言語や国籍を超えた交流というのは、この文化でございますから、こういう拠点を通して平和・国際都市としての文化発展の機能を持たせることが何よりも大切であろうと、このように思っているところでございます。 さらに、オープンスペース等につきましては、区民ギャラリーとしての活用をできるようにと、そういうようなお話がございまして、こういった空間等についても、私どももこれからさらにさらに考えた活用を考えてまいりたい、このように考えているものでございます。 いずれにいたしましても、こうしてお金を使うわけでございますから、区議会の議員の皆様方にも、また区民の皆様方にも御期待に沿うような、そういうような施設整備、そしてまた施設利用を考えてまいりたい、このように思っているところでございます。 次に、認知症高齢者グループホームについてのお尋ねがございました。 まず、このグループホーム笹塚の現在の現況についてのお尋ねでございますけども、現在の入居状況は、この定員十八名のうち十五名の方が入居をされているわけでございます。残りの三名につきましては、骨折あるいは入居者の御都合によりまして、退院をされた後にここに入居される予定でございます。 職員につきましては、十四名の介護職員と一名の施設管理者、計十五名の職員が早番、遅番、夜勤等のローテーションでお世話をする、こういう形に相なろうと思っておりますけども、近隣の商店街への買い物に出かけたり、あるいはリビングで食事をつくったり、あるいは近くの公園に散歩に出かけたりというようなことで、日常生活と変わらない過ごし方をいたしておりまして、この入居者、家族の方からも喜ばれていると、このように聞くところでございます。 また、この受託法人がすぐ近くに保育園を運営しているということでございまして、保育園児、その家族との交流等もこれから期待をされるところでもあるわけでございます。 次に、低所得者対策につきましては、区独自に、収入が単身者の場合で百八十万円以下の方で預貯金が三百五十万円以下など、一定の要件を満たす方には、居住費、食費を四分の三に減額する対応をしておるわけでございます。さらに、本年の四月からは収入基準の緩和も検討してまいりたいと、このように思っております。 渋谷区初めての認知症高齢者グループホームでございますグループホーム笹塚は、現在、順調に運営をされている。今後とも地域に愛される施設として、その運営に万全を期してまいりたい、このように思っております。 次に、この認知症高齢者グループホームの整備についての考え方でございますが、本区は、高齢者が生涯にわたって住みなれた住まいや地域において安心して暮らすことができるよう、また、長寿を喜び合える地域社会の構築に向けまして、その環境整備に努めているところでございます。 その中で、本年一月に開設いたしました区内初の認知症高齢者グループホームであるグループホーム笹塚につきましては、区政の福祉施策として高い評価をいただいたことに感謝を申し上げる次第でございます。また、グループホーム笹塚におきましては、十九年度から区内で六カ所目となります認知症対応型のデイサービスや、さらには高齢者虐待等に対応した緊急一時保護事業を新たに実施するなど、認知症の高齢者に対する支援体制を充実しているところでございます。 今後のグループホームの整備の方向につきましてのお尋ねでございましたが、認知高齢者グループホームが地域密着型サービスの一つであることを踏まえまして、認知症の高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、座光寺議員の御提案がございましたが、基本的には、第三期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画におきまして策定しました東部地域、中部地域、西部地域の三つの日常生活圏ごとに整備をしてまいりたいと、このように考えております。 この整備に当たって民間事業者の誘致を進めるために、本区独自にグループホームの整備助成制度を設けてきました。しかしながら、地価が高騰するという本区におきまして、民間事業者からの助成制度の問い合わせはあるものの、建設等の整備費助成だけでは事業的に運営が、採算がとれないということから、認知症高齢者グループホームの整備には至っていないのが現状でございます。このため、民間誘致の強化策といたしまして、これまでの建設費助成に加え、新たに事業費運営の一部助成の創設も考えているところでございます。 なお、認知症高齢者グループホームを西原地区を候補地といたしまして検討中でございますが、協議が調い次第、また議会にも御報告をさせていただきたい、このように考えております。 次に、渋谷駅周辺整備についてのお尋ねでございます。 官民の役割を踏まえながらも、路上交通上の重要な結節点であるということで、この渋谷駅周辺整備のプロジェクトの取り組みについてのお尋ねでございました。 二十年六月の地下鉄副都心線の渋谷駅開業、平成二十四年の東横線との地下相互直通化運転などが予定される中で、渋谷駅周辺整備は鉄道施設の改良や駅前広場、東西歩行者動線の拡充等、駅周辺の都市基盤を整備する、二十一世紀の渋谷をつくる一大プロジェクトであると、このように思っております。 そういった中で、文化会館跡地街区、渋谷駅街区、桜丘口地区再開発、そして東横線ホーム跡地開発等の再開発の計画や構想があるわけでございます。基盤整備に当たりましては、各開発事業の関係性が強いということもございまして、事業も複雑に錯綜している長期にわたる整備事業であることから、国、東京都、渋谷区、そして学識経験者や鉄道事業者で構成する渋谷駅街区基盤整備検討委員会で、事業スキームやスケジュールについて協議、調整をしているところでございます。 座光寺議員の御発言にもございましたように、旧渋谷と新渋谷を結ぶ路上交通としての東西広場のバスターミナル等につきましても、その計画推移についても十分に関心を払いつつこの計画をまとめてまいりたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたい、このように思っております。 最後に、私に対しての質問ということでなくて、教育の課題についてお話がございました。 私自身、このことについて非常に関心を持っていることでございますけども、児童生徒の心豊かな育成のために、教育委員会がこの課題を絞ってこういう形で教員の指導力の向上のために体制を組む、こういったことは今までなかったと、このように思っております。そういった意味で、これからも私は子どもたちの課題に対応した対策を絞り、そして、そのことへの対応を強く期待をしているところでございます。 御提言に対して深く敬意を表し、一言ごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(齋藤一夫) 二十八番座光寺幸男議員。 ◆二十八番(座光寺幸男) ただいまの五点の質問について、区長より懇切に御答弁をいただき、ありがとうございます。 渋谷区のトップリーダーとして、区長の識見、人間性を遺憾なく発揮されて、広く区民の胸に伝達されることに感銘を受けました。 また、同時に、桑原区長がネクスト・トップリーダーとしても区民のために活躍されることを、期待感を持って強く望みます。 私も、おかげさまで区議会三十六年間を大過なく過ごさせていただき、議会を通して教えられたことは、教訓として忘れられないものがあります。 自治権確立運動における小野寺勝男議員の先駆的な運動とバイタリティ、特に昭和四十八年から五十年に至る区長公選に向けた精力的な情熱は、党派を超えた活動として位置づけられ、敬意を表します。 また、昭和四十七年、私が文教委員長として近隣の東武ホテルの建設に当たっての請願の審査について、小学校そばの旅館業法に関する三法協議会の帰趨に関する件において審議していただいたとき、公明党の大先輩の鈴木 震議員は、結石の病気を抱えつつ苦しさを押して議会に御出席をいただき、筋を通した主張で協力していただいたことは感激以外の何物でもありません。 また、教育経験を持つ自民党の豊浦 学議員の大義を貫く意思を持っての協力姿勢は、勇気と自信を示唆してくださり、当時、新人一年生の私にとって、緊張感のさなかでの議会における貴重な体験は、いまだに私の脳裏を離れがたい、ありがたい御指導でありました。 また、議会の運営は、議員が自らを律して節度ある対応の必要性をしみじみと感じました。 今、平成十九年度の予算審議等、重要な案件の中で、私、総務区民委員長の立場で取り組ませていただけることに感謝を申し上げます。審議に当たっては、より謙虚な立場で努力することをお誓いさせていただき、以上をもって私、社会区民連合としての座光寺幸男の質問を終了いたします。 ○議長(齋藤一夫) 大変御苦労さまでございました。 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔小湊次長朗読〕 ---------------------------- △日程第一 会期決定の件 ---------------------------- ○議長(齋藤一夫) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から三月二十六日までの二十六日間とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(齋藤一夫) 御異議ないと認めます。 よって、会期は二十六日間と決定いたしました。 お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(齋藤一夫) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明三月二日、午後一時に開議いたします。 なお、日程は、当日文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。 ----------------------------   延会 午後八時四分 ----------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長   齋藤一夫渋谷区議会副議長  古川斗記男渋谷区議会議員   松岡定俊渋谷区議会議員   五十嵐千代子...