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  1. 世田谷区議会 2022-11-28
    令和 4年 12月 定例会-11月28日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年 12月 定例会-11月28日-01号令和 4年 12月 定例会 令和四年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十七号 十一月二十八日(月曜日)  出席議員(四十七名) 一 番  神尾りさ 二 番  佐藤美樹 三 番  そのべせいや 四 番  青空こうじ 五 番  ひうち優子 六 番  上川あや 七 番  くりはら博之 八 番  つるみけんご 九 番  小泉たま子 十 番  あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠席議員(一名) 十六番  河野俊弘  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 政策経営部長 加賀谷実 DX推進担当部長        菅井英樹 総務部長   池田 豊 危機管理部長 大塚 勇 財務部長   工藤郁淳 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        大澤正文 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 後藤英一 保健福祉政策部長        田中耕太 高齢福祉部長 山戸茂子 子ども・若者部長        柳澤 純 世田谷保健所長        向山晴子 都市整備政策部長        畝目晴彦 防災街づくり担当部長        笠原 聡 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        青木 誠 教育長    渡部理枝 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長 小泉武士 教育総合センター担当参事        平沢安正 総務課長   中潟信彦     ──────────────────── 議事日程(令和四年十一月二十八日(月)午後一時開議)  第 一 代表質問  第 二 同意第 六 号 世田谷区教育委員会委員任命の同意     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問  五、日程第二 委員会付託省略、表決     ────────────────────     午後一時開会
    ○下山芳男 議長 ただいまから令和四年第四回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 本日の日程はお手元の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 議事に先立ちまして、一言申し上げます。  本会議の運営に当たりましては、さきの定例会に引き続き、新型コロナウイルス感染症への対策を十分講じた上、進めてまいりたいと思いますので、議員各位の御協力をお願いいたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 それではまず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   二十二番 中山  みずほ議員   二十五番 たかじょう訓子議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十二月七日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、区長から招集の挨拶の申出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和四年第四回世田谷区議会定例会に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  十月十六日、昭和女子大学人見記念講堂で開催された世田谷区制施行九十周年記念式典・記念イベントには、長年にわたって区政に功労のあった方々を中心に千五百人の方々が集いました。名誉区民の顕彰と区政功労者の表彰を行い、次の十年で区制施行百周年を迎える世田谷区の歩みの大きな節目となりました。これからの十年は過去の延長ではありません。いまだかつてない気候危機や不安定な国際情勢などグローバルな危機のただ中で、区政は区民とともに進化を遂げていかなければならないと考えています。  初めに、次期基本計画の策定についてです。  令和六年、二〇二四年からスタートする次期基本計画の策定に向け、九月八日の第一回世田谷区基本計画審議会を皮切りに、十月二十日に第二回、十一月十七日に第三回が開催され、議論が続いています。第二回審議会において、今年度初めに区の若手職員が互いの問題意識を基に創り出したい未来のせたがやについてグループ討議を重ねた問題意識を発表しました。また、区民委員からも身近な区民の視点に立った活発な意見をいただいています。  議論では、気候危機やコロナ禍の現状をウエルビーイングの視点から、世田谷の町をみんなが助け合える居心地のよい住みやすい姿にしていく必要があるといった指摘や、学校教育の改革について画一的な教育から、子ども一人一人の潜在能力、得意なことを見つけ伸ばしていく教育への転換といった意見が出ています。健康、福祉の分野だけが独立してあるのではない。身近なまちづくりに参加することが、地域のエンパワーメントを高め、健康、幸福につながるという視点も大切だという考え方や、八〇五〇問題、ひきこもりなど細分化された行政のはざまに陥りやすい、若年女性への支援など特有のリスクが増大しているが、まだ社会全体が認識していない大きな課題等の問題提起など、基本計画の前提となる意見をいただいています。  また、計画、評価ともに縦割りであり、双方向の関連施策がどのように相乗して効果を出しているかを見ていく必要性と、これによる組織連携の醸成が必要といった指摘もいただいており、今後の議論に生かしていく必要があると思っております。今後も審議会を継続し、来年三月、基本計画大綱として答申をいただく予定です。あわせて、審議会での状況を議会、区民に報告し、意見、提案をいただき議論を重ねていきます。  次に、経済対策についてです。  資源高や食糧供給不足が続く中、ロシアによるウクライナ攻撃が長期化し、日銀の金融緩和が続く中、一ドル百三十九円、十一月二十七日現在となり、円安が続いています。十月には値上げ対象が約六千七百品目に達し、十一月以降も乳製品などで値上げが相次いでいますが、物価上昇に対して実質賃金は低下しています。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、八月の一人当たり賃金は、物価の変動を考慮した実質賃金で前年同月比で一・七%減少となっています。  区では、これまでも、子育て世帯生活支援特別給付金の対象世帯に対する区独自の上乗せ支給をはじめ、せたがやPayによる個店支援と消費喚起の拡充など、物価高騰に伴う区民、事業者への支援策に取り組んできましたが、国が増額し、区にも追加交付が示された地方創生臨時交付金を有効に活用し、より効果的な対策を準備していきます。物価高騰対策と併せて暮らしと経済支援に取り組んでいきます。  次に、地域行政制度の改革についてです。  さきの第三回区議会定例会で議決された世田谷区地域行政推進条例は、世田谷区地域行政推進計画とともに十月一日にスタートいたしました。まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として明確に位置づけたことを契機として、五か所のまちづくりセンターにおいて総合支所の保健福祉四課と映像システムでつなぎ、オンライン相談のモデル実施を今月末から開始いたします。今後、令和六年の全地区実施に向け、区民の御意見を伺いながら準備を進めていきます。  世田谷区地域行政推進条例の施行に当たって、区ではDXの進展と呼吸を合わせて、今後の窓口改善について具体的な方針を決めています。まずは、窓口混雑の大きな原因となっているマイナンバーカードの処理について、来年度より幾つかのまちづくりセンターにおいて、先行して新たにマイナンバーカード更新用の機器、統合端末を設置し、転入等に伴わないカード更新の単独処理を担う準備を始めます。  次に、国の引っ越しワンストップサービスの進捗に合わせて、まちづくりセンターで、マイナンバーカード所有者の転入、転居の手続については、くみん窓口、出張所等と連携した処理をDX改革で実現できるよう検討してまいります。さらに、繁忙期の出張所、くみん窓口の混雑に対応するため、まちづくりセンターを使用した窓口の分散化を図るとともに、全庁的な応援体制や臨時窓口の開設などについても検討をしていきます。  世田谷区地域行政推進計画にのっとって、以下の課題を解決していきます。デジタル化に不慣れな方も支援するデジタルデバイド対策を進めるために、今年度、まちづくりセンターではスマートフォン講座を実施し、好評いただいています。また、ワクチン接種の際にまちづくりセンターで予約支援に取り組んだように、高齢者等に寄り添った対応も行ってまいります。また、まちづくりセンターからの情報発信を強化します。従来の手法に加えてSNSも利用して、まちづくりのコミュニティーコーディネーターとしての総合調整機能を発揮します。  デジタル技術も活用したワークショップなどを各地区で開催し、多世代の区民が身近な生活圏である地区の魅力や町の将来像などを考え、対話する機会をつくります。職員が区民とともに企画、構想し、活動団体とのマッチングも進めながら、区民との協働によるまちづくりを実践していきます。  まちづくりセンターを中心に児童館を加えた四者連携による地区協働体制を確立し、従来の三者連携の取組に子ども・子育てネットワークなども加え、地区課題の解決や見守りなどを活発にしてまいります。こうした改革を進めるため、まちづくりセンターの組織強化も併せて行うとともに、総合支所と本庁の事業所管との協議により、地区の課題に対して施策の実施や予算に反映させる仕組みづくりを進め区政課題に取り組むとともに、区民とともに解決するボトムアップの区政を充実させてまいります。  次に、不登校についてです。  不登校児童生徒は、子どもの数が減少しているにもかかわらず年々増加し続け、昨年度は全国で約二十四万人と過去最高を記録しています。世田谷区でも不登校児童生徒は急増して、平成二十五年度の四百四十二名から令和三年度には千二百二十八名と約三倍となっています。  区は、不登校に悩む児童生徒に対して、多様な学びや居場所での支援を通じて子ども一人一人の個性や能力を伸ばし自立する力を育む機会を提供する取組を重ねてきました。不登校児童生徒に寄り添った居場所であるほっとスクールの運営に当たり、平成三十一年二月には民間のNPO法人に委託したほっとスクール希望丘を開設し、本年四月にはほっとスクール城山を教育総合センターと合築してスペースと定員の拡充を行いました。また、教育総合センターでは不登校児童生徒の相談体制を強化しました。本年四月には、中学校の不登校特例校分教室ねいろをスタートさせ、小規模で静かな環境の中で学びの場を獲得した生徒たちが通い、通学希望者を増やしています。  一方で、こうした学習環境の整備が不登校児童生徒の増加に追いついていないという課題もございます。新型コロナウイルスの流行が始まった令和元年以降、臨時の学校休業を含め、分散登校オンライン授業など大きな変化が学校現場に及びました。GIGAスクール構想の導入なども急速に進み、変化の波が激しい中で、従来の不登校支援の角度を切替え、これからの不登校児童生徒への支援の取組とともに学校教育自体の大きな枠組みを改善していくことが問われています。  十月二十二日に開催した第二回総合教育会議では、「不登校・ひきこもりの子どもの学び」をメインのテーマとして行いました。筑波大学教授で精神科医でもある斎藤環氏の基調講演では、不登校の原因は、当事者の子どもの声によれば、いじめ、ハラスメントが二大理由となっていると指摘されました。学校が子どものSOSを受け止めて、どうしたら子どもが元気になれるのかを基本に、不登校の児童生徒に学校以外の学びや居場所の提案ができていないと問題点を挙げられました。また、家庭でも親子がフラットな関係で当事者と関わりを持ちたいという肯定的で対話的な関係が重要で、議論、説得、尋問、アドバイス等の上下関係が前面に出ると、会話はできても対話にならない、親子で何げない対話が必要だと話されました。  第二部の教育大綱に関して基調講演をお願いした東京大学名誉教授の汐見稔幸氏からは、「世田谷の教育のめざすべき方向」について問題提起がありました。子どもたちがコロナ禍で痛んでいて、ネット社会の中で入ってくる知識には触れるが、体感的な経験が薄くなっている。非認知的な能力を伸ばす世田谷区の教育が、新しいタイプの豊かに表現するアート型の学校が求められているというお話がありました。  お二人の話は共通して、学校は、子どもたちにとって楽しい場所でなくてはならないとお話しされていました。通いたくなる学校の魅力が大切な視点であり、狭い意味での不登校支援にとどまらず、時代の要求に則した教育改革を子ども最優先で行うことについての出発点に立った総合教育会議でした。  次に、教育総合センターについてです。  昨年十二月に教育総合センターをオープンして一年になります。教育研修等による人材育成、登校、特別支援教育など総合的な教育相談、乳幼児期の子どもたちに質の高い教育・保育を実践するための支援など、学校教育や乳幼児教育・保育をバックアップする拠点としての取組を着実に進めてまいりました。  一階入り口に広がる区民交流エリアえがおの森は活発に利用されていて、特に夏休み期間中は子どもや親子でにぎわい、十月末時点で延べ二万人近くの方々に御来館いただいております。STEAM教育講座では、科学や工学、芸術などの分野を横断して総合的に学べる多様な体験型の講座の開催を重ねています。区内の高校生や大学生が子どもたちに向けて行う専門的な講座など、ふだんの授業とは異なるアプローチで展開される新たな学びが展開されています。  さて、こうした取組を幅広く区民に発信するために教育総合センターメッセを十二月十日に開催いたします。特別支援学級やほっとスクールの子どもたちの作品展示、運動遊び体験、区内大学の留学生との交流、アトリエコーナーでのアート体験など、世田谷の学びを体験できるメニューをたくさん用意しております。  教育総合センターは、区内大学との連携のハブ的な機能も発揮します。区内及び近隣には十七の大学、学部があり、平成二十六年、二〇一四年より、年一回の大学学長と区長との懇談会を定期的に開催してきました。九回目となる懇談会も十一月九日に駒澤大学で開催し、十四の大学、学部に参加いただき活発な議論を交わしました。  区内の大学と顔の見える関係を構築することで、互恵関係を発展させていくことには大きな意義があります。世田谷区や教育委員会だけでは解決が難しい課題も、大学の持つ専門性や人材を生かしながら相互に連携、協力することで解決に導けます。現在、災害対策、教育、生涯学習、地域コミュニティーなど、相互に連携、協力するプロジェクトは約百五十事業に上ります。今後とも区内の国立、都立、私立高校三十五校も含めて、大学、高校とのネットワークの拠点に教育総合センターを生かしていきます。  次に、自治体交流と電力連携についてです。  世田谷区総合戦略では、心豊かな暮らしを実現するための地方、都市との連携、交流を戦略の柱として位置づけています。自治体同士だけでなく、住民相互に交流を進め、互いに多様な価値を発見し、親睦を深めていくことを大切にしています。せたがやふるさと区民まつりふるさと物産展に参加する交流自治体の市町村長との意見交換を続け、平成二十七年より総合戦略に基づく自治体間連携フォーラムとして交流自治体を巡りながら年一回実施してきました。  世田谷区のように人口九十二万人を抱える都市部では、全国の地方自治体と交流、連携することは大きな意義があります。東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震において被災地支援のための寄附金の贈呈や職員派遣にも積極的に取り組んできました。  この間、自治体間交流の分野で関心が高まっているのが自然エネルギーの活用を基軸とした自治体間の電力連携です。世田谷区では平成二十八年、二〇一六年に、電力による自治体間連携を川場村と初めて締結し、平成二十九年、二〇一七年に長野県の県営水力発電所、続いて青森県弘前市の豪雪対応型メガソーラー、新潟県十日町市の温泉バイナリー地熱発電所、津南町の小水力発電所へと連携を広げてきました。本年十月下旬には津南町と十日町市の発電施設の現地視察をさせていただき、隣接する桑原悠津南町長、関口芳史十日町市長と世田谷区の交流も深めていく旨の相談をいたしました。  また、十月二十八日には、今年で八回目となる自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議を開催しました。今回は「脱炭素先行地域」をテーマに、環境省の講演、川崎市や長野県、世田谷区の事例紹介を行い、全国から七十七の自治体や団体に御参加、視聴をいただき、共に学び、新たな連携について意見交換をいたしました。現在改定中の世田谷区地球温暖化対策地域推進計画(素案)にお示ししているように、交流自治体との連携による再生可能エネルギーの買取り総量の拡大に向け、さらなる連携と交流を深めていきます。  次に、本庁舎等整備についてです。  工事は、基礎工事を終え、現在、地下二階部分の柱や壁などの構造体を構築しています。十二月には、大地震に強い建物とするための要となる免震装置が設置されます。また、高さ約七十メートルにも及ぶタワークレーンが立ち上がり、地上の鉄骨部材の組立てが開始されるなど、いよいよ新庁舎の建設は地上部分へと移行していきます。保存、再生する区民会館ホールでは、耐震補強とともに建設当時の姿の復元に向けた外壁補修を進めています。新たにホールの設備機能も充実させ、長く、安心して使える施設として再生し、リニューアルオープンの予定です。  区では、昨年度から、整備に伴い伐採せざるを得なかった樹木について、製材などに取り組む区民ワークショップを実施しており、新しい区民会館のエントランスホールには、この木材を活用した家具を設置することも検討しています。引き続き安全に工事を進めるとともに、本庁舎等が区民自治と協働、交流の拠点として親しまれる施設となるよう区民の皆さんとの協働を進めてまいります。  次に、児童養護施設退所者等への支援の拡充についてです。  区は、平成二十八年、二〇一六年に児童養護施設退所者等支援事業、せたがや若者フェアスタート事業を開始し、児童養護施設や里親等の元を巣立った若者の将来が、生まれ育った環境に左右されることなく進路の幅を広げる支援のために、給付型奨学金、住宅支援、居場所支援・地域交流支援に取り組んできました。給付型奨学金については、社会的養護を経た若者の進学応援を社会全体で支える仕組みとするために、世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金を創設して、区民並びに全国の個人や企業、団体などからの寄附金を原資として給付しています。  基金の創設以来、多くの理解者の支援が広がり、令和四年度、二〇二二年度十月には累計で二億一千九百万円に達しました。一方で、社会経済情勢の急激な変化により、退所者等の自立はさらに困難を増しています。もともと進学率が低い上に奨学金受給者の三割近くが中退している厳しい状況があり、同時に就職しても離職率が高いといった調査結果も出ています。当初の支援対象が大学、専門学校に進学する若者たちに絞られていたことを見直すことを念頭に、昨年度、世田谷区児童養護施設退所者等支援事業検討会を設置し、有識者に、自ら社会的養護の当事者であった若者も交えて熱心な検討会を四回にわたって進めました。  検討会での意見や議論を踏まえ、令和五年度から新たに措置延長中や自立援助ホーム入所中の若者も奨学金の給付対象とするほか、新たに就職者も対象とした運転免許をはじめとした資格等取得支援や家賃補助も実施することといたしました。これらの事業拡充に伴って、基金に寄せられた寄附を最大限に活用し、いただいた御厚志が着実に児童養護施設退所者等の社会的自立に生かされるようにするため、本定例会へ条例の一部改正案を提案します。  また、児童福祉法改正で盛り込まれた自治体による相談支援も、国の制度を活用して令和五年度から開始する予定であり、せたがや若者フェアスタート事業が児童養護施設や里親等の元を巣立つ若者の社会的自立に向けた歩みの一助となるよう取り組みます。  次に、ヤングケアラーへの支援についてです。  区は今年度、区立小学校に在籍する四年生から六年生の児童、区立中学校に在籍する全生徒及び区内在住の高校生世代の約五万一千人を対象にヤングケアラーに関する実態調査を行いました。調査結果を見ると、自分が世話をしている家族がいると回答した人が、小学生では一七・七%、中学生では七・七%、高校生世代では四・九%となりました。小学生へのアンケートの設問では、お世話の説明は食事の用意や後片づけ、きょうだいのお世話や保育園への送り迎えなどの例示にとどめ、ヤングケアラーという言葉は用いなかったため、日常生活におけるお手伝いとお世話が一定程度混在して現れていると推測されます。ただし、区においても家族の世話を担っている子どもが確かに存在するということが明らかになり、困難を抱える子どもを早期に発見し、その家庭の状況に応じた支援を届けることが必要です。  調査結果からは、周囲の大人が広く見守る中で、子どもの小さな変化を敏感に捉え、心理的な配慮をしながら本人へ働きかけていく必要があることや、学習支援や居場所支援、本人が身近なところで相談しやすい環境づくりなどの検討課題が見えてきました。また、世話をすることが本人のやりがいになっている場合もあることから、支援に当たっては、子ども本人の心情や家庭等の背景に十分配慮した見守りや働きかけが重要となり、ヤングケアラーと子どもの人権について、当事者を含め、広く普及啓発を行う必要があります。  今後は、学校や福祉現場でのヒアリング調査の結果を踏まえた支援の仕組みづくりの検討を進めるとともに、十二月十五日にはヤングケアラー・若者ケアラー支援シンポジウムを開催します。また、ヤングケアラーに関する新たな普及啓発や支援マニュアルの策定などを予定しています。  次に、災害対策についてです。  阪神・淡路大震災や東日本大震災、令和元年の台風第十九号をはじめとして大規模災害を経験するたびに、区は災害対策を大きく見直してきました。そして現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をはじめとする昨今の社会情勢の変化を受け、区の防災、災害対策も大きな転機を迎えています。これまで多くの関係機関や区民の皆さんの御協力の下、区民の生命と安全を確実に守るための体制づくりに全力を尽くしてきました。これらは、言わば災害対策の重要な基盤となる土台づくりであり、そこから実効性のある実働体制の整備と、その機能を鍛え上げていく局面にシフトしていかなければなりません。在宅避難者をはじめとする被災者支援体制の整備や、指定避難所運営の見直し、また、避難行動要支援者の個別避難計画策定の全区展開、外部人材を活用した危機管理体制の強化など、新たな展開に向け全力で取り組んでまいります。  次に、玉川野毛町公園拡張事業についてです。  令和三年五月に基本計画を策定した後、住民参加により継続的に公園の利活用を考える玉川野毛町パークらぼを開催し、重ねて検討を進め、このたび公園の整備内容を具体的に示す基本設計案を作成したところです。パークらぼでは、生き物や緑、歴史文化、防災、食と交流など、七つのテーマで、区民が主体となり、積極的で意欲的に様々な活動を行ってきています。約一年間で、延べ六千人を超える方々の参加を得て、公園を利用した活動とデザインを考えてきました。  ランドスケープデザインは、日本を代表する一人である忽那裕樹氏が全体を指揮し、緑や地形、活動が公園から町に広がるグリーンウエーブをデザインコンセプトに、自然的でありながら質の高い景観づくりを行います。このほか、災害時を想定した施設整備やパークPFIなどの制度を導入した民間店舗の誘致にも取り組みます。また、拡張区域の整備に合わせ、テニスコートの移設や野毛大塚古墳の保全など、既設公園区域も順次改修してまいります。引き続き、基本設計策定後は、令和六年三月の一部開園、令和七年度中の拡張区域全域の開園に向け、百年後も地域や人々に愛される質の高い公園づくりに区民とともに取り組んでまいります。  次に、公共交通不便地域対策の取組についてです。  砧モデル地区において、これまで地域の皆様と検討を重ねてきたワゴン車によるコミュニティー交通の導入ですが、来年度の実証運行に向け取組を進めています。運行形態は、デマンド型交通と呼ばれる利用者の予約に応じた運行時刻、運行経路により車両を配車する予約制乗合交通にて実証運行を行います。このデマンド型交通は、乗降地点を効果的に配置することにより、地区会館などの地域コミュニティーの核となる施設へのアクセス向上が図られ、高齢者のフレイル予防効果などにも期待できるものと考えています。  一方で、乗車する際に事前予約が必要となることから、地域の皆様に対する丁寧な情報周知と説明が不可欠です。また、スマートフォン等の機器に不慣れな方が取り残されないように専用の予約サイト等のほかに、電話による予約を可能とするなど、地域の皆様に安心して御利用いただける仕組みを運行事業者と協議し、準備してまいります。今後見込まれる超高齢社会や単身世帯の増加等を踏まえ、住み慣れた地域で自立して暮らし続けることができるよう、買物や通院をはじめ外出による社会参加を支援する本取組の重要性はこれまで以上に増していると考えています。砧モデル地区における実証運行は、交通不便地域対策のファーストステップであり、新たなコミュニティー交通の幕開けとして、実証運行の検証を基に他地域への展開を進めてまいります。  また、既存バス路線の存続も区として大変重要な課題です。来年度より地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく地域公共交通計画の策定に向けた検討を開始し、既存バス路線の存続や交通不便地域の定義などの課題も含め、区内の公共交通について動向把握に努め、議会や区民の皆様と地域公共交通のこれからの在り方を議論し対策を進めていきたいと考えています。  次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについてです。  区では、誰もが暮らしやすい生活環境の整備に向けて、平成十九年にユニバーサルデザイン推進条例を制定し、福祉のまちづくりに取り組んでいます。東京二〇二〇大会において世田谷区は共生社会ホストタウンに登録され、さらに、これまで区が進めてきているユニバーサルデザインのまちづくりや、心のバリアフリーの取組が高く評価され、先導的共生社会ホストタウンに令和元年、二〇一九年に認定されました。これは、全国でも十五団体の数少ない事例です。  区ではこれを契機にユニバーサルデザインのまちづくりをさらに加速させ、誰もが住みやすい地域共生社会の実現を目指す取組の一環とするため、現在、世田谷区移動等円滑化促進方針の策定に着手しているところです。策定に当たっては、バリアフリー法に基づき、学識経験者、高齢者、障害者、子育て団体、施設管理者や交通事業者、交通管理者などにより構成する協議会を設置し、検討を積み重ねてまいりました。また、区民参加による町歩きやワークショップを開催し、意見交換を行うとともに、年末には、パブリックコメントを実施する予定です。施設の利用と移動に関するバリアフリー化の促進を基本目標に、様々な事業者との連携、協力により、ユニバーサルデザインのまちづくりをさらに進めてまいります。  次に、職員の給与改定等についてです。  去る十月十一日に、特別区人事委員会より職員の給料及び特別給について引き上げるべき旨の勧告がなされました。また、特別職の報酬等については、十一月二十二日に世田谷区特別職報酬等審議会より特別給を引き上げるべき旨の答申をいただきました。これらを受け、職員の給料及び特別給並びに特別職の特別給の引上げを実施する必要があると判断いたしました。このため条例改正を行う必要が生じましたので、御提案する次第でございます。  次に、令和四年度一般会計第五次補正予算案についてです。  このたびの補正は、保健所体制や社会的検査体制の確保をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、せたがやPayを活用した消費喚起キャンペーンの拡充など、速やかに対応すべき施策について、歳入歳出それぞれ二十八億八千百十四万三千円の補正予算を計上するものであります。  最後に、本議会に御提案申し上げます案件は、令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)など議案二十件、諮問一件、同意二件、報告六件です。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、挨拶といたします。 ○下山芳男 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔水谷次長朗読〕 報告第五十五号 議会の委任による専決処分の報告(世田谷区奨学資金貸付金返還請求事件に係る訴えの提起)外報告六件 ○下山芳男 議長 ただいまの報告のうち、報告第六十一号については、企画総務委員会で提案され、関係機関に要望したものであります。御了承願います。  以上で諸般の報告を終わります。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時三十七分休憩    ──────────────────     午後一時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより日程に入ります。
    △日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕 日程第一 代表質問 ○下山芳男 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、自由民主党を代表して、三十七番加藤たいき議員。    〔三十七番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(加藤たいき 議員) 質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  我が国では、国民から選挙された議員で組織された国会が指名する内閣総理大臣が内閣を組織し、国会に対して責任を負う議院内閣制が採用されております。一方、地方自治体では、住民が首長と議会の議員の双方を直接選挙で選ぶ二元代表制が採用されています。二元代表制では、共に住民を代表する首長と議会が相互の抑制と均衡によって緊張関係を保ち、議会には首長と対等の機関として自治体運営の基本的な方針を決定し、執行を監視し、そして積極的な政策提案を通して政策形成の舞台となることが期待されていることは皆様御存じだと思います。  さて、近頃、地方議会が首長に対して地方自治法に基づく不信任決議を議決したというニュースを複数耳にしております。事情はそれぞれのようではありますが、首長自身が住民の代表である一方、同様に住民を代表する議会の意見を無視して執行権を振りかざすようなことがあっては二元代表制の趣旨にもとります。我々区議会議員も保坂区長も任期が残り少なくなってまいりましたが、保坂区長には、政策決定のプロセスにおける区議会との議論を避けることなく、決して結論ありきではなく虚心坦懐に行っていただくことを改めてこの場で申し上げておきます。  保坂区長が四期目に意欲があるのかは分かりませんが、選挙まで半年を切ったこの時期、庁内及び区議会での議論や合意形成が不十分なままに合理性や長期的視点を欠いたまるで人気取りと言わんばかりの政策決定がなされないことを強く求め、順次質問してまいります。  まず、令和五年度予算編成について伺います。  世田谷区が活力ある自治体として成長し続けていくためには、リーダーが将来の目指すべき姿を明確に示した上で実現に向けて各所管が有機的に連携し、政策を効果的に進めていく必要があります。しかし、今の区政はこのような運営がされているのでしょうか。確たる理論やエビデンスに基づいた長期的なビジョンがないまま、場当たり的に個別施策を進めていった先に一体どのような未来が待っているのか。遠くない将来に区政が立ち行かなくなるのではないかという強い危機感を持っています。真の為政者とは一部の声に迎合することなく、将来を見据えた行政運営をぶれずに行うものではないでしょうか。もちろん現下の厳しい社会経済状況から区民生活や事業者を守る取組は重要ですが、区長は、十年、二十年先の世田谷の将来像をどう描き、実現に向けてどのような視点を持って来年度予算を編成していくのかお伺いします。  さて、国の高税収に呼応するように、区は今年度、そして来年度以降も大幅な税収増を見込んでいます。しかし、一時の高税収に気が緩み、未来を担う子どもたちに重いツケを残すようなことがあってはなりません。財政規模を肥大化させることなく、区が抱える課題を速やかに解決し、将来の不安を少しでも多く取り除いていくことが現役世代の我々に課されている使命です。あれもやりたい、これもやりたいでは子どもたちに負の遺産を残すだけであり、トレードオフの観点が欠かせません。  持続可能な自治体経営に向け、現下の区民生活を支援する施策と将来への投資にバランスよく取り組んでいくために、常に各事業の実施、継続の可否についての必要性、有効性、公平性、そしてコストと効果のバランスなど幅広い視点から施策を優先順位づけし、スクラップ・アンド・ビルドを徹底していくことが必要です。財政規律の維持に対する区長の認識を伺います。  さて、区長が意欲を見せている学校給食費無償化についてです。  給食費無償化は、短期的な恩恵を受けやすい響きのよい施策ですが、我々はほかにもっと優先順位が高い施策があると考えます。子ども・子育て支援の充実であれば、未来への投資として少子・高齢化を食い止めていくための出産費用や育児負担の軽減といった中長期的視点から世田谷区が成長していくための種を植えることが今なすべき施策と考えます。また、既に二十三区で最高水準の就学援助を実施している点、私立校に通う生徒との公平性の観点からも給食費無償化の優先順位は決して高くないと考えます。  保坂区長も応援されていた前杉並区長の田中良さんが給食費無償化について警鐘を鳴らす記事が都政新報に掲載されていましたので、その一部を紹介します。給食費の無償化は、区の負担額の大きさから言っても区長会として意見集約して都や国に働きかけるなら分かるが、議論を深めずに区が単独で先行するというのはいかがなものか、サービス合戦のようなことをしたら将来に禍根を残すと危惧している、首長が人気取りのために教育を道具にしていることになりかねない。現に慎むべきだとの見解を示されています。全くの同感です。また、田中前区長を破り当選された岸本区長も公約に掲げていたものの、財源が限られる中、実現可能性や優先順位も考えて今後検討していく段階で、短期的には判断できないとトーンダウンしたコメントも聞こえてきます。  また、教育課題に目を移しますと、教科担任制への対応やいじめ・不登校対策などソフト面の課題に加え、老朽化した学校施設の改築もまた待ったなしの問題です。公共施設等総合管理計画によると、学校施設の更新、改修経費は平成二十九年度から十年間合計で約六百八十二億円を見込む一方、令和九年度からの十年間では約一千五百八十八億円と二倍以上の大幅増を想定しています。財源は幾らあっても足りません。  教育長は、これら山積する教育課題を踏まえ、真に取り組むべき教育施策は何であるとお考えでしょうか。給食費の無償化が一番必要とお考えなのでしょうか、教育長の見解を伺います。  また、区長は幾つもの重点施策が滞っている中で、莫大な予算が恒久的にかかるこの施策を何をおいても実行すべきとお考えなのか、見解を伺います。  次に、少子化対策についてです。  少子化対策こそ将来の日本のために必要な政策であり、あらゆる対策を講じていかなければなりません。子どもを望む方の障壁を取り除くため、出産や育児にかかる金銭面での負担解消に資する各種手当の充実や子育て世代の経済的ゆとりの創出、育児休業をはじめとした働き方に関わる政策の強化、保育や学童事業による子育て環境整備、義務教育後も含めた教育施策の充実など様々な施策を体系的に取り組んでいく必要があります。しかし、区は、子育て支援策をもって少子化対策と考えているように思えてなりません。私は、子育て支援と少子化対策が結果的に交わることはあっても同じものではないと考えます。幾ら子育て環境を整えても出生率に反映されていないことは区も把握しているはずです。子育て支援をしただけで少子化対策をした気になっているとすれば、少子化はどんどん進んでしまいます。  令和三年の合計特殊出生率を見ると国は一・三〇、東京都では一・一二と低い数値でありますが、区では一・〇二と国や東京都以上に極めて深刻な数値であり、もし区に危機感がないとすれば大問題です。少子化対策は取組を始めてすぐに効果が現れ出生率が上昇するという性質のものではないため、迅速かつ恒久的な施策展開が求められます。出産にかかる根本的な支援こそ区に欠けている対策なのです。  厚労省の調査によると、公的病院の都道府県別出産費用は東京都が全国トップの五十五万三千円であり、出産一時金の四十二万円を大幅に上回っています。私はそもそも子どもを産むことにお金がかかること自体非常に違和感を感じています。国では十万円分のクーポンを配付する出産準備金の創設に向けた調整が進んでいますが、出産費用の実質無償化に向けて、出産一時金に上乗せした出産費助成を第一子から行うべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、不妊治療費助成について伺います。  本年四月より不妊治療に対して保険が適用されることになりました。しかし、全ての治療が保険の適用対象になるわけではなく、その対象は限定的です。また、保険適用外の治療のうち一部が先進医療として保険診療と併用できますが、先進医療ではない保険適用外の治療については自由診療となります。島根県松江市では、市独自の不妊治療費助成として、混合治療における先進医療費に対する助成を行うにとどまらず、保険診療外の治療費用に対しても助成を実施しています。子どもを授かりたいと考える方が経済的負担を理由に諦めてしまうことのないよう、高額な自己負担が発生する先進医療にかかる費用や保険診療外の治療費に対して区独自の助成を検討すべきと考えます。見解を伺います。  次に、DX推進について順次伺ってまいります。  世田谷区DX推進方針では、行政サービスのリデザインとして役所に足を運ばずに手続や問合せ、相談ができる世田谷区の実現がうたわれていますが、なかなか具体的な進展が見えずにもどかしい思いが募ります。お隣の渋谷区では住民票の写しなど各種証明書の発行申請や国民健康保険の手続、各種障害福祉サービスの申請、飼い犬の登録など様々な業務のデジタル化が進んでいます。こうした分野での遅れを挽回することを含めDXで優先的に取り組むべきことはたくさんあるはずです。  区は、DX推進委員会を立ち上げ課題ごとにプロジェクトチームを設置し取組をスピードアップするとのことですが、非来庁型行政をはじめDXの取組の進捗状況と今後の重点テーマ、実現へのロードマップについて松村副区長の認識を伺います。  次に、ガバメントクラウドの活用について伺います。  政府は、自治体における情報システムの標準化・共通化の基本方針を十月に閣議決定しました。これにより、令和七年度末までに住民記録や福祉など二十の基幹業務システムについて、デジタル庁が整備するクラウドを活用した標準準拠システムへの移行が求められています。移行によるメリットとして、自治体が独自に行っているシステムの開発、維持管理、改修にかかる負担が軽減できるとともに、システム改修の時間短縮により新たなサービスの迅速な提供が可能になります。また、セキュリティー対策はガバメントクラウドが一括して行うため常に最新の対策を講じることができます。さらに、クラウド上でデータを一括管理するため各システム間でのデータ連携が容易になり、各種行政手続のオンライン化、ワンスオンリー化への大きな貢献が期待できます。世田谷区もガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへ国が示すスケジュールに沿って速やかに移行すべきであると考えますが、現在の進捗状況について伺います。  次に、マイナンバーカードの取得促進策について伺います。  政府は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い紙やプラスチックカードの健康保険証を令和六年の秋に廃止する方針を発表しました。一体化によりこれまでの健診結果や診療行為、処方薬等に関する情報の一元化が実現するとともに、転職や引っ越しをしても保険者での手続が完了次第、新しい保険証の発行を待たずに医療機関等を利用することが可能になります。十一月一日現在、マイナンバーカードの交付率が五三・九%にとどまっている当区としても、カードの取得促進を一層強力に進めていく必要があります。  徳島市では、マイナンバーカードの普及を進めるため、カード取得者に鬼滅の刃のキャラクターと市内の代表的な景観を組み合わせた特製のカードケースを配付する取組を公表しました。区もウルトラマンやサザエさん、徳島市と同様に縁のある鬼滅の刃等とコラボした特製カードケースを導入するなど、様々な工夫を凝らしてあらゆる視点からマイナンバーカードの取得促進に取り組むことを求めます。見解を伺います。  次に、災害対策について伺います。  本年九月、東海地方に記録的な豪雨をもたらした台風第十五号は三名の貴い命を奪い、一万三千棟近くの家屋に被害を与えました。ライフラインへのダメージも大きく、特に上水道の被害は深刻で約七万六千戸が断水しました。静岡市清水区では二十四日に五万五千戸以上で断水が確認されたにもかかわらず、自衛隊に災害派遣を要請したのは二日後の二十六日、対応が後手に回ったことで復旧が遅れ、被害をさらに大きくする結果となり、災害対応での初動の大切さを改めて認識する機会となりました。  我が会派は、かねてより即応体制の強化に向け、災害対策のスペシャリストである自衛官経験者を危機管理監として配置する必要性を訴えてきました。さきの定例会でも求めましたが、残念ながら区の答弁はいつまでたっても検討、検討と前に進む気配は感じられません。静岡市の対応を対岸の火事とせずに危機管理体制を強化すべく、速やかに自衛官経験者を危機管理監として配置することを求めます。見解を伺います。  次に、経済政策について伺います。  コロナ禍も三年近くに及び社会は感染症の拡大を防止しながら日常生活や社会経済活動を継続することで仕事や生活の安定を支え、成長していくステージへ移行しています。区内経済の持続可能な発展に向けては、コロナ初期の対症療法的な経済政策から脱却し、物価高騰などの新たな課題もケアしつつウィズコロナの時代に即した経済政策を強力に推進しなければなりません。そのためには、改めて区民や事業者のニーズを的確に把握するとともに、政府が進める新しい資本主義の視点も十分に踏まえ、従来から続けてきた事業を厳しく検証し、経済政策全体をブラッシュアップする必要があると考えます。感染症や物価高騰などのリスクに負けない力強い地域経済の構築に向けた経済政策見直しの必要性について区の見解を伺います。  また、経済政策の見直しに当たっては、客観的な数値に基づく事業の効果測定が大変重要になります。令和三年度の主要施策の成果を見ますと、経済政策では、補助件数や支援者数、事業参加者数など様々な数値を用いて計画と実績を比較されていますが、金額で評価されている施策はありません。経済政策であれば、どれだけ金銭面でのインパクトを与えたかという視点を常に持ち、成果が上がっている施策には継続して予算を投入するなどエビデンスに基づき政策を実行すべきです。もちろん全ての経済政策の効果を金額で測ることは困難なことは承知しておりますが、事業の趣旨によっては、現在の指標に加え金額でも成果を把握すべきです。経済効果を金額で測る必要性について区の認識を伺います。  さて、あっという間に終わったせたがや全力応援祭と銘打った三〇%ポイント還元が話題を呼び、マスコミにも多数取り上げられた結果、登録者数と加盟店舗数が飛躍的に伸びたせたがやPayですが、いつまでも税金を投入したキャンペーン頼りというわけにもいきません。今後しっかりと区民に定着していくには、商業的な利便性に加えて利用できる行政サービスのメニューを増やしていく必要があります。  これまでも提案してまいりましたくみん窓口等における各種手数料や区民利用施設の使用料に加え、電子申請手続における決済手段として活用すべきです。さらに、子育て利用券をはじめとした各種利用券事業に加え、ボランティアポイントなどの様々な手続、事業との連携を早期に実現することを求めます。これらを実現し、その存在意義を高めていくことで区民生活に欠かせないアプリ、地域通貨として定着するものと考えております。  せたがやPayが注目されている今、機を逃さずに様々な行政手続との連携を進め区民に利便性をアピールすべきです。実現に向けせたがやPayの可能性を所管の垣根を越えて共有し、副区長が先頭に立って区役所全体で真剣に活用策を検討し、さきに挙げた提案を実現することを求めます。副区長の見解を伺います。  次に、スポーツ施設について伺います。  区は、身近な地域で気軽にスポーツに親しみ、楽しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けて、成人の週一回以上のスポーツ実施率六五%を目指していますが、今年の区民意識調査では四八・二%と大きく乖離している状況です。昔のように道路で遊ぶこともできずにボールが使える公園も限られている中、スポーツ施設が果たす役割は大きいものがあります。しかし、区のスポーツ施設、特に野球場やグラウンドは大変不足しています。例えば、区が管理するサッカーグラウンドはたったの八面。一面当たりの人口は十一万人を超える状況となっており、近隣区市と比較すると一面当たりの人口は倍以上という状況です。本年一月、J&Sフィールドがオープンし、今後も上用賀公園拡張整備や和田堀給水所の上部を活用したスポーツ施設利用などの計画もありますが、これらを勘案してもなおスポーツ施設の不足は解消されません。  区民が身近な地域で運動、スポーツできる環境を区は責任を持って整えていく必要があると考えます。見解を伺います。  次に、環境政策について伺います。  区は、気候変動を食い止めていくため地球温暖化対策地域推進計画の改定を進めています。計画素案では中期目標として二〇三〇年度のCO2排出量を二〇一三年度比で六二・六%削減することを目指し、区民や事業者の取組として脱炭素型のライフスタイル、ビジネススタイルへの転換や再生可能エネルギー等の利用拡大を掲げています。削減目標の達成には区民、事業者の取組が欠かせませんが、その前に区自らが範を示すべきです。職員が現状をしっかり把握し、区役所自身のCO2削減の目標の達成に向けて庁内一丸となって取り組んだ上で区民、事業者へ啓発し、協力を求めていくことが当然と考えます。公共施設におけるCO2排出量の削減状況と具体的な取組について伺います。  また、学校で環境教育を行っておきながら、教員が自分の学校でどの程度のCO2を排出しているか把握していないという話を耳にしました。気候非常事態宣言を行った当区としてもこれでよいのか疑問です。教育委員会の姿勢に問題があるのではないでしょうか。教育委員会は、個々の学校におけるCO2排出量や削減の状況について把握しているのか、また、教員への周知は徹底されているのか、伺います。  次に、高齢者施策について伺います。  まず、スポーツジムと連携した健康づくりについて伺います。  インターネットの検索サイトで区内のスポーツジム、フィットネスクラブを検索すると六十件以上が見つかります。規模の大小や地域に偏りがあるとはいえ、二十八のまちづくりセンターを上回る数が稼働していることが分かります。現在スポーツクラブは社会資源としてあらゆる世代の健康づくりに大きな役割を果たしており、我が会派は特に高齢者の健康づくり、居場所づくりの観点からより積極的に活用すべきリソースであると認識しております。  これまで区の委託を受け要支援の認定を受けた方を対象に介護予防筋力アップ教室を開催してきていますが、より一層の役割を果たしてもらいたいと考えます。居場所としての視点に加え、ジムのインストラクターが定期的に接し見守ることで地域の高齢者の健康状態を把握する役割の一端を担うことができるのではないでしょうか。なり手不足が深刻な課題となっている民生委員の負担軽減にもつながり、担い手確保の一助になり得ると考えます。コロナ禍の状況を見極める必要はありますが、区として高齢者の民間スポーツジム利用促進の取組を適切な利用者負担の下で具体化すべきです。区の見解を伺います。  次に、eスポーツを活用した健康づくりについて提案いたします。  今年の夏、会派で福岡のeスポーツリサーチコンソーシアムの取組を視察してまいりました。同団体はeスポーツによる地域振興を理念の一つに掲げeスポーツの啓発を進めるとともに、生きがいづくりや健康寿命の延伸効果等々の研究にも取り組んでいます。福岡県豊前市は同団体と協定を結び、市内の公民館で高齢者の方にゲームセンターで人気の太鼓の達人を継続的に体験していただき、脳波測定や認知機能のテストを続けています。まだ調査中とのことですが、どのような結果が出るのか大いに注目しています。一般的にはゲームによって脳を刺激して体を動かすことで、予測能力や認知機能など様々な好影響があると言われています。また、ゲームを通じて他者と交流を持つことも認知症予防には大変効果的です。太鼓の達人は従来のゲームコントローラーに不慣れな方でもなじみやすいことも参加者を夢中にさせている要因の一つのようで、健康マージャンや囲碁などに比べ誰もが気軽に参加できる活動だと考えます。当区においても、誰もが親しみやすいゲームを活用し、認知症予防の取組を多世代交流の機会として捉えて実施してみてはいかがでしょうか。地域の子どもたちと高齢者をつなぐ場とすることで、高齢者の参加意欲の向上も期待します。まずは各地域で試行した上で、まちづくりセンター単位で実行することを提案いたします。eスポーツを活用した多世代交流、健康づくり事業の実施について区の見解を伺います。  次に、公共交通機関対策について伺います。  生活に最も身近な交通機関として区民生活を支えているバス交通ですが、新型コロナの感染拡大以降、リモートワークやオンライン授業、自転車利用者の増など生活様式の変化から乗客が減少していると伺っています。かねてからの乗務員不足や燃料費の高騰もあってバス事業者が路線の維持に苦慮されていることは承知してはいましたが、一昨年、区に事前の相談もなく突如、都立01系統など幾つかのバス路線の再編、廃止が決定、公表されるというショッキングな出来事がありました。当該路線を日常的に利用している区民から困惑の声が私の下にも多く届きました。区としても交通不便地域が拡大した事実を重く受け止めているとは思いますが、二度と同じことがないよう対策を講じるべきです。  事業者は公共交通を担っているとはいえ営利企業ですから採算面での廃止は致し方ないことではありますが、このままではさらなる路線廃止も懸念されます。そこで、バス交通網の維持に向け事業者との協議の場を設置し定期的に意見交換を行い、路線維持に向けた課題や区に求める具体的な支援などについて事業者の本音を聞くべきです。日頃からの意見交換を通じて信頼関係を構築し課題を適宜共有することで共に解決の道を探ることができると考えます。路線廃止の決定前に相談があれば、利用状況の改善に向けて地域の方々にバス利用を促すこともできたでしょうし、それによって利用者が戻り、路線が維持できたかもしれません。全国を見渡すと地域住民にバス利用をPRした結果、利用者が増加に転じた例は幾つもあります。  バス事業者各社との定例的な協議の場を設置し、意見交換の機会を確保すべきです。また、ふだんから区民に対しバス利用を働きかける取組についても注力すべきです。区の見解を伺います。  日頃からの連絡体制の強化は新規路線の拡充に向けても重要です。区内での新規バス路線の開通は、平成二十九年に本格運行された等々力操車所から梅ヶ丘駅を結ぶ路線まで遡ります。この路線は補助一五四号線の開通を契機に粘り強い交渉が実を結び実現しました。今後、京王線の立体化や自由が丘の再開発など区をめぐる交通環境が大幅に改善することが見込まれています。都市計画道路の整備や踏切の解消、新たに整備される駅前交通広場におけるバスロータリーの整備など、これまでバス運行のネックになっていた諸課題の解消を捉えて路線の延伸や新規路線の開通について交通事業者に働きかけ、区民の念願である南北交通の拡充に向け取り組むことを求めます。見解を伺います。  また、高齢者をはじめ移動支援は喫緊の課題です。デマンド型コミュニティー交通の検証と並行して環境にも優しい新たな交通サービスの活用を含む地域交通の在り方について多角的に検討すべきです。超高齢社会を目前に控え移動支援サービスの早期確立に向けた区の見解を伺います。  次に、教育政策について伺います。  まずは教育長の課題認識についてです。  渡部教育長は区立船橋小学校に着任以降四十二年間、学校現場で子どもたちと向き合ってこられ、その経験を保坂区長が高く評価し教育長に就任されました。就任に当たっての挨拶では、今の学びが将来に役立つことを子どもたちに実感させ、学ぶ意義を子どもに理解させること、そして子どもの自己肯定感を高める取組の重要性を訴えるとともに、これまで校長として取り組んできた一人の子どもも置き去りにしない教育を区内に広げていくことを抱負として述べられていました。また、その半年後、二度目の選任同意を伴う挨拶では、子どもたちの多様性を尊重し、子どもたち一人一人が自分の居場所を見つけ、自分の可能性を信じ、将来に向けて学び続けられるよう、子どもたちのために教育の改革を全力で目指したいとおっしゃられていました。教育長任命の同意の判断に当たり伺っていきます。  これまで三年半の間、教育長として取り組まれてきた施策の成果について、教育長御自身の評価を具体例を挙げてお聞かせください。また、区の教育行政が抱える課題をどう認識しどのような取組を進めるべきか、渡部教育長に伺います。  次に、学校教育の在り方についてです。  教育委員会は、質の高い義務教育の実現を目指し、小中学校での学びを一体に捉えた世田谷九年教育を平成二十五年から推進しています。さらに令和二年には乳幼児教育の視点や地域社会との関わりをプラスさせた「せたがや11+」に取り組みを発展させましたが、その意味合いが残念ながら保護者に届いておりません。  区立小から区立中への進学率は九年教育の開始以降も減少が続き、昨年度は五九・五%にまで落ち込みました。世田谷だけのトレンドではないことを承知していますが、子どもや保護者には九年教育の理念が浸透していないことが分かります。また、一部の中学校校舎の規模は四割程度の子どもが私立校へ進学することを前提に考えられていることから、教育委員会はこの現状を是としているということでしょうか。また、九年教育は居住地によっては通っている小学校の学び舎に属する中学校に入学できない仕組みにもなっています。加えて、学区は約八十二万人の人口であった平成十九年当時から変わっておらず、現在の人口推計を踏まえて考え直す時期に来ているのかもしれません。学区も含め、「せたがや11+」、世田谷九年教育について評価、検証すべきです。教育委員会の見解を伺います。  さて、このような中でも特色ある活動が目を引いて子どもや保護者から選ばれている学校もあります。校則がない中学校として有名な桜丘中学校、区長は桜丘中の独自性ある教育方針を評価されていますが、教育委員会は桜丘中以外の学校に対してはなるべく特色を出さず、均一な教育環境を求めているように感じます。世田谷区はどちらが公教育のあるべき姿と考えているのか。桜丘中の評価は保護者や教員の中でも賛否が分かれていますが、近隣校の二倍以上の生徒が桜丘中に在籍している現状に鑑みると、特色ある学校には魅力があり、学校を選択できる余地をつくっていくことも必要ではないでしょうか。桜丘中学校のように学校が独自性を持つことに対する教育委員会の見解を伺います。  次に、子どもの体力向上の観点から十分な校庭面積の確保について伺います。  区立小中学校の児童生徒数を十年前と比較すると、区立中が約一千四百人の増であるのに対し、区立小の児童数は約七千人も増加しており、特に小学校の狭隘化が大変心配されます。中でも校庭の狭隘化は深刻です。校庭は授業だけにとどまらない大切な活動の場ですが、休み時間の校庭利用を学年ごとに曜日で区切って使い分けるなど大変な不便を強いている学校が多くあります。  学校教育法に基づく小学校設置基準では、学校規模にもよりますが一人当たりおおむね十平米の校庭面積が求められている中、区の平均は七・五四平米にとどまります。ちなみに区立小で最も広いのが池尻小学校で断トツの十六・六二平米、さらに池尻小は現在、旧池尻中の校庭も活用しているため実質二十四・一七平米となり、区内の平均三倍以上です。その一方、最も狭いのが代沢小学校で僅か三平米。区内平均の半分にも足りないなど学校間の格差は非常に大きいものがあります。均等な教育機会の確保に向けて、校庭面積が狭い学校の近辺に適地が出た際には機を逸することなく取得し、第二校庭として整備すべきです。そこで、あらかじめ第二校庭取得の基準を定めておき、適地が出た際にはすぐに交渉できるよう備えるべきと考えます。校庭の学校間格差について教育委員会の認識と併せて見解を伺います。  また、あわせて校庭の稼働率を向上させる取組を求めます。校庭が狭い分、稼働日数を増やす工夫をすべきであり、全天候型の人工芝の活用を求めます。環境面の影響を心配されていることは承知していますが、詳細なデータを示すことなく子どもたちの活動環境の改善を後回しにすることでよいのでしょうか。スポーツメーカーのミズノでは、飲料メーカーの伊藤園と共同で、これまで廃棄してきた飲料生産後の茶がらを配合したロングパイル人工芝を開発しました。茶がらには、お茶の木が吸収したCO2が蓄えられており、この茶がらをリサイクルした人工芝はサッカーコート一面当たり約四・三トンのCO2を削減している計算になると公表されています。二〇五〇年の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す当区として脱炭素にも貢献できるのではないでしょうか。  いつまでも子どもたちに不便な環境を強いてはいけません。限りある校庭を天候に左右されずにフル活用できる人工芝化を求めます。まずは校庭の狭い学校をモデル校として効果を検証すべきです。教育委員会の見解を伺います。  次に、子どものSOSを見逃さないためにタブレット端末の活用を提案いたします。  いじめは子どもの生命や心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼすことから対策強化は急務です。区は全児童生徒を対象にしたアンケート調査を定期的に実施するほか、電話やLINEでの相談窓口を用意していますが、全ての児童生徒がスマホなどを持っているわけではなく、より一層相談しやすい環境整備を徹底すべきです。また、いじめが生じた際には学級担任等特定の教員で抱え込むことなく組織的に対応することや、学校だけの解決に固執することなく保護者や教育委員会に速やかに報告して適切な連携を図ることがいじめの早期対応において重要な視点です。  文科省によると、令和二年度のいじめの認知件数は小学校で四十二万八百九十七件、中学校では八万八百七十七件です。あくまでも単純計算ですが、小学校では約十五人に一件、中学校では約四十人に一件の割合で発生していることになり、特に小学校ではどのクラスにも年二件はいじめがあった計算になります。一方、区における令和二年度のいじめ認知件数は二百二十八件と極端に少ない状況です。実際にいじめが少ないのであればよいのですが、いじめは潜在化しやすいため、実際にはもっと多くの子どもたちが悩み苦しんでいることは想像に難くありません。  大阪府吹田市では、学習用タブレット端末を活用して、いじめなどで困っている子どもが学校や教育委員会に直接SOSを発信できる環境を整備しています。直接発信することが苦手でも、チャットやSNSではしっかりと自分の考えを伝えることができる子どももいます。いじめに悩む子どもが声を上げやすいように、そして相談を受けた特定の教職員間や学校内だけでいじめの問題を抱え込むことがないように、学習用タブレットを活用して子どものSOSを見逃さないチャンネルを幾つも構築すべきです。教育委員会の見解を伺います。  今年、文教常任委員会で視察した岐阜市では、いじめの未然防止や早期発見、発生時の対応に専任するいじめ対策監を各市立校に一名ずつ市の単費で配置されています。この例も参考に、あらゆる手法を講じていじめ対策を強化していくべきであることも申し上げておきます。  最後に、北朝鮮による拉致問題を風化させない啓発について伺います。  先月、今月と北朝鮮が過去に例を見ない頻度で弾道ミサイルを発射しています。この暴挙は、国連安保理の決議に違反した国際社会の平和と安全に対する脅威であり、断じて容認することはできません。政府が強い姿勢で北朝鮮に臨むことを一国民として期待しています。  このように予断を許さない北朝鮮情勢ですが、忘れてならないことがもう一つあります。拉致問題の早期解決です。平成十四年十月に五人の拉致被害者が帰国して以来、政府の懸命な対応もむなしく具体的な進展は残念ながらありません。当時中学校一年生であった横田めぐみさんが拉致されてから四十五年もの月日が経過してしまっています。拉致被害者自身やその御家族の高齢化が進む中、一日も早い解決のためには、拉致問題を風化させずに国民が一丸となって強い意思表示を続けていくことが重要です。  保坂区長は、本年第一回定例会における我が会派の阿久津議員の一般質問に対し、「北朝鮮に対して全ての被害者を必ず取り戻すという強い決意を持ち続け、困難であっても、周辺国を含めた粘り強い交渉を進め、その決意に揺るぎがないことを北朝鮮に対して表し続けることが大切だと考えています。世田谷区としても、区民にしっかり啓発する活動は重要だと認識しております」と答弁されております。区長がおっしゃるとおり行動あるのみです。  来月、十二月十日から十六日は北朝鮮人権侵害問題啓発週間です。保坂区長を先頭に管理職の皆さんがブルーリボンバッジを着用して公務に当たり、そしてそのことを区として発信することが区民に対するこれ以上ない強いメッセージになると考えます。ブルーリボンバッジの着用について保坂区長のお考えを伺い、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 加藤議員にお答えをいたします。  まず、令和五年度予算編成に向けて長期的視野でどのように考えているのか、予算編成についてということで御質問でした。  現在、区では、基本構想で掲げております九つのビジョンを実現すべく、次期基本計画の策定に向けて審議会で御議論をいただいているところでございます。中でも昨今の出生数の減少、人口減少の加速の動向を踏まえますと、グランドビジョンに示したように子ども・子育て支援の基盤を底上げすることに総力を挙げて持続可能な自治体経営に取り組んでいく必要があると考えております。  このため、子ども・子育て支援で子育て家庭を切れ目なく支える政策の再構築による子ども・子育て応援都市宣言のバージョンアップのほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰から区民生活や事業者を守るための取組に万全を尽くしていきたいと考えております。また、年を追うごとに進展する気候危機に対応するCO2削減の取組や学校をはじめとする公共施設の改修、改築に財源を効果的に割り当てていく必要があると考えています。このような状況の下、区民生活や地域経済の実態を捉えながら喫緊の課題に迅速かつ的確に対応を図っていくとともに、中長期的な財政需要に対しても確実に対応していく視点から、来年度の予算編成を始めているところでございます。  次に、財政規律の点で認識という御質問でございます。  区は、現下のコロナ禍において区民の生活と健康、暮らしを守ることを最優先に取り組んでおりまして、施策の実施に当たっては、国や都の財源を有効に活用、そして高齢や障害、子ども関連をはじめとした区民サービスの維持を念頭に必要な支援が効果的に区民全般に行き渡るよう組み立ててまいりました。令和五年度予算におきましては特別区税において一定の増収を見込んだ予算フレームを示したところですが、新型コロナウイルス感染症や物価高騰による影響が長期化する中、円安による企業収益悪化も懸念されており、さらには今年度八十七億円を超えたふるさと納税による財源流出も拡大の一途をたどっているなど厳しい状況下での予算編成となっております。  こうした状況の下、全ての事務事業について費用対効果、必要性を踏まえて優先順位を整理してまいります。また、増加する財政需要に対して中長期的な視点に立って基金や起債の計画的な活用を図りながら確実に対応を行っていくとともに、限りある財源を効果的、効率的に配分し、将来を見据えた財政規律の維持に努めてまいります。  次に、学校給食無償化についての認識、見解ということでございます。  給食費の無償化については、子ども・子育て応援都市にふさわしい子ども・子育て施策のさらなる充実の方針の下、妊娠・出産期から乳幼児期、学齢期といった各ステージに合わせた支援として、出産費支援や在宅子育て支援などとともに重要な課題であると捉えております。現在、エネルギー価格・物価高騰が続き区民生活にも多大な影響が出ている中、来年度に何らかの方法で給食費の無償化を実現するよう検討を重ねているところでございます。区財政への影響を含め具体的な内容については今後の予算編成の中で判断を示してまいります。  最後に、北朝鮮拉致問題の啓発に当たってブルーリボンバッジについての御質問でございます。  私は、さきの議会で、北朝鮮の拉致問題のような重大な人権侵害を風化させず、問題解決の後押しにつながるように区民の皆様の関心と認識を深める取組を進めていく旨御答弁をいたしました。ブルーリボンバッジを職員が着用することは拉致被害者の生存や早期救出の願いと全ての拉致被害者を取り戻すという固い意思表示をする意味合いがあると考えております。一方で、職員のブルーリボンバッジの着用については、その時期や方法についても検討する必要があり、管理職といえども自身の判断で決められることで、一律に着用を課すべきかどうかについては議論のあるところでございます。区といたしましては、できる限り啓発週間などについての情報提供をしてまいる所存でございます。  以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、出産一時金についてです。
     国の調査研究結果によると、差額室料などを除く東京都の公立病院での出産費用の平均値が約五十六万五千円となっており、健康保険制度による出産育児一時金四十二万円を大きく上回っています。国は出産育児一時金の大幅な増額を検討しており、その動向を注視しているところではありますが、第一子、第二子にかかわらず、近年の子育て世帯に係る経済的負担が膨らんでいることについては区としても十分に認識をしております。さらに、物価高騰が続く今の社会状況の中、子育てに関する費用負担の軽減という観点から国における出産育児一時金の増額なども勘案し、給食費無償化とともに引き続き検討してまいります。  次に、危機管理監についてです。  現在区は、首都直下地震や大型台風に加え、集中豪雨の頻発など災害の発生リスクはこれまでになく高まる中、来年度の庁舎移転に合わせ新たな防災情報システムの構築を進めているところです。このシステムの構築とともに区長を中心とした危機管理体制のさらなる強化を図ることとしており、その一環として危機管理監の設置について検討に取り組んでおります。  スケジュールといたしましては、外部人材の登用を視野に入れていることから、その採用手続なども考慮し、令和六年度からの新体制の施行を目途としているところです。当区に最もふさわしい組織体制を構築するとともに、どのような人材を求め配置するかが最大の課題となることから、この点についてもしっかりと検討し、区民の安全を確かなものとするべく実効性のある体制の実現を目指してまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、経済対策について二点御答弁申し上げます。  最初に、経済政策見直しの必要性についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大が始まった令和二年当時においては、厳しい行動制限、とりわけ飲食店等に対する時短営業の要請などの影響により区内事業者の事業活動そのものが休止や縮小を余儀なくされたことから、資金繰り対策として緊急融資あっせんを中心とした支援策を実施いたしました。その後、行動制限は緩和され経済活動が再開されたものの需要の落ち込みにより事業者の売上げが十分に回復しない状況であったことから、せたがやPayを活用した消費喚起策を令和三年二月より実施し、現在に至るまで景気の下支えをしているところです。  さらに、この間の在宅消費やオンライン需要が拡大したことなどの経済環境の変化を踏まえ、アフターコロナを見据えた事業再構築やイノベーションによる売上拡大を支援するため、専門家によるハンズオン型の支援事業を令和三年度より開始し、拡充を図ってまいりました。お話の新しい資本主義の視点も踏まえ、地域経済の発展と社会課題の解決の両立を目指す地域経済の持続可能な発展条例に沿って、令和五年度開設予定の新たな産業活性化拠点も活用しながら、次の時代にふさわしい経済政策を展開してまいります。  次に、せたがやPayについて区役所全体で活用策を検討すべきとの御指摘についてです。  せたがやPayの地域通貨活用に関しては、ボランティア活動などへのポイント付与によるインセンティブや寄附による地域活動支援など、市民活動支援のツールとして活用することで共感や愛着など地域通貨としての付加価値を高めることが重要であると考えています。今後、経済産業部に対し引き続き商業的な活用の充実を図りつつも、商店街のボランティア活動やソーシャルビジネスで運営する子ども食堂の支援など、世田谷区商店街振興組合連合会と連携協力し、先行事例となる取組を検討、実施するよう指示してまいります。並行して、庁内で地域活動、市民活動を支援、推進する各部や窓口調整を担う担当部、子育て利用券などの各事業を担当する部署など全庁を挙げて連携して活用策の検討を行ってまいります。  以上です。    〔松村副区長登壇〕 ◎松村 副区長 私からは、DXの取組の進捗状況についてお答えいたします。  DXの推進方針にございます時間や場所を選ばず問合せや手続ができる環境をつくっていくということにつきましては、私もそうしていきたいと思っております。一方で出張所やくみん窓口の混雑解消についても早急な対策が必要な状況でございます。全庁体制で課題解決を図るためDX推進委員会を設置いたしまして、その下に今八つのプロジェクトチームを設けて具体的な取組を進め始めたところでございます。具体的に言いますと、DXの人材育成、窓口改善、それからオンライン相談手続、キャッシュレス推進、オープンデータなど重点テーマを対象にしております。  課題解決に当たっては、サービスのあるべき将来像を頭に置きながらも直近の課題をスピーディーに解決し、必要に応じてプロジェクトチームの形を変えながら将来像に向けてトライ・アンド・エラーを重ね、経験と実績を積み上げていこうと考えております。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 二点について御答弁申し上げます。  一点目は、取り組むべき教育施策についてお答えします。  子どもたちがその成長過程において、自分なりの生き方を考え将来に希望を抱きながら成長していくことが重要です。そのために第二次世田谷区教育ビジョンの中で目指すべき子どもの姿を明らかにして目標実現を目指しています。社会の変化やICTの進展による学び方の変化、多様性に応じた教育の在り方、いじめへの対策、不登校の子どもたちの学び方とともに、ハード面では三十五人学級による教室の増加、学校施設の改修、改築など様々な課題があります。全てが重要な課題であり、議会の御協力をいただきながら全職員及び全教職員とともに鋭意取り組んでいるところです。  学校給食につきましても、栄養面や食育の観点に鑑み、高騰する食材費への対応や学級数増に伴う給食室改修などの喫緊の課題に加え、適切なアレルギー対応や食材の質の向上、自校調理化の早期実現など安全安心で安定的な給食提供に向けた取組を進めているところです。この流れの中で、給食費無償化については、区長の答弁にありましたように、子ども・子育て応援都市にふさわしい子ども・子育て施策の充実という視点から財源の確保や実施に向けた方策を検討されており、教育委員会としても並行して学校現場での課題を整理し、適切に対応してまいります。  二点目は、教育長として取り組んだ施策の評価と進めるべき取組について御答弁申し上げます。  私は、就任の挨拶で申し上げた一人も置き去りにしないをテーマにして職務に取り組もうとしていた矢先に新型コロナウイルス感染症との闘いが始まりました。このコロナとの闘いが私の三年半の全てとも言えます。想像だにしなかった全校休校措置に直面し、前例のない中で様々な決断の連続でした。議会の御協力をいただいた一人一台のタブレット配付により世田谷区では早くから子どもがタブレットを使いこなせるようになり、また、オンライン学習の開始では五万人の子どもたちと全教職員約四千人が工夫と改善を重ね乗り切ってくれました。また、多くの学校で不登校の子どもたちがオンライン授業に参加してくれた事実は新たな喜びとなりました。  コロナ禍の混乱の中、議会の御理解をいただきたどり着いた教育総合センターの開設でしたが、まさにオンラインとリアルなつながりの拠点として乳幼児から大人まで、また、地域や大学、企業との縦と横のつながりの可能性が見えてまいりました。今後は、教育分野においても多様性を尊重した新しい学び方が主流になると思います。ICTの活用が子どもたちにとって当たり前になり、教育が大きく質的に変化することは、今後の子どもたちのより幅広い可能性を生み出す原動力になると考えます。現在、次期ビジョン策定に際して子どもたちや教職員の貴重な経験を生かすことに努めております。  課題については、私は現場出身の教育長として職務に努めてまいりましたが、やはり学校現場と教育委員会、区行政それぞれにこれまで以上の連携の必要性を感じています。適切な連携があってこそ教育の効果は最大限に発揮されるものと考えます。現場出身者として、それぞれがうまく機能する連携の在り方を追求してまいります。子どもたちが明るい未来を思い描ける子どもを中心とした教育のためには、変化を恐れず、まずは教育委員会と学校が変わっていく必要があると考え日々取り組んでいるところです。  以上でございます。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、不妊治療費助成についてお答え申し上げます。  国は、令和四年度より、日本生殖医学会が取りまとめた生殖医療ガイドライン等を踏まえ、採卵から胚移植に至るまでの一連の標準的治療は全て保険診療で賄うこととしました。さらに、通常は保険診療と保険外診療の併用は制度上禁止されていますが、不妊治療については追加的に実施される可能性のある一部の先端医療について、特例として保険診療と保険外診療との併用を可としました。先進医療には安全性、有効性等について観察、評価が必要な治療が含まれており、新たな治療法の認定も含めて先進医療会議において継続的に審議されています。  今回東京都は、保険適用と併用して自費で実施される先進医療の一部に限って費用の一部助成を行うこととし、令和五年一月から受付が開始されます。区は、この東京都の費用助成事業を産科医療機関の協力や令和五年一月に開始する妊活オンライン相談事業等を通じ広く区民に周知するとともに、都事業の活用状況や国の先進医療の動向等を注視し引き続き研究してまいります。  私からは以上です。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からは、ガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行について御答弁申し上げます。  自治体情報システム標準化は、住民記録、地方税、福祉など自治体が基本的な事務を処理する基幹系システムを国の標準仕様書に基づきまして開発事業者が国のクラウド基盤上に構築する標準準拠システムに移行し、自治体のデジタル化の基盤を整備する取組です。区では今年三月に庁内推進体制や第一期、第二期に分けて業務別に進める方針を策定いたしまして、四月には情報システム標準化推進委員会と業務ごとに各所管課を事務局とする作業部会を設置いたしまして本格的な検討に着手しております。これまでのところ作業は予定どおり進捗しておりまして、来年四月には第一期移行業務につきまして、開発事業者の選定を行う予定でございます。  課題といたしましては、区独自施策に係るシステム機能の実装等の検討事項に加えまして、全国自治体一斉のシステム移行による開発事業者のシステム開発遅延や人材不足、さらには国の補助金が十分でないことなどが挙げられますが、国の定める令和七年度中の移行完了を目指しまして、必要に応じて国に財政措置等の要望を行いながら着実に取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、マイナンバーカードの取得促進に向けた取組について御答弁申し上げます。  本年十月末時点の区のマイナンバーカード申請交付状況といたしまして、まず申請件数ですが、制度開始以来の延べ件数として六十二万七千五百四十一件、交付数、交付率では四十九万三千五百八十四件、五三・九%となってございます。現行の健康保険証を令和六年秋を目途に廃止する方針を国が表明したことからカードの申請が急増しており、この機会を捉えたカード取得促進の取組が重要であると考えてございます。  静岡市では、サッカーJリーグ清水エスパルスの創設三十周年を記念したマイナンバーカードケースを作成するなど、各自治体が創意工夫を凝らしてカード取得のインセンティブを提供してございます。区でも八月に開催したふるさと区民まつりの際に、マイナンバーのキャラクターであるマイナちゃんをあしらった世田谷区オリジナルのエコバッグを配付したところ大変好評いただきました。世田谷ゆかりのキャラクターやスポーツチーム、観光スポットなどとの連携により魅力的なノベルティーグッズを製作し、国の補助金等も有効に活用して取組を検討してまいります。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 経済効果を金額で測ることの必要性について御答弁申し上げます。  御指摘のとおり経済政策が区内経済の活性化を目指すものである以上、その成果を経済効果で測定することが重要であると考えてございます。現在実施している政策のうち資金繰り対策である緊急融資あっせんは事業者の経営存続を支援する趣旨であることから経済効果が明確に数値として現れてくるものではございませんが、せたがやPayによる消費喚起策は予算投入による直接的な消費増加額に加え、地域内消費の増加額、消費意欲の刺激による追加消費額などを測定可能であると考えられます。今後、アンケート調査などにより推計値を測定してまいります。  また、事業者の新たな挑戦を支援するハンズオン支援事業は、事業者の売上げの回復や増加を目的の一つとしていることから、令和三年度に支援した事業者に対しヒアリング調査等を行い、立ち上げた新事業の成否や売上げなどを把握することで政策の有効性を評価いたします。さらに、現在運営事業者を公募中の新たな産業活性化拠点では、その運営期間において支援した事業者の売上げがどれだけ向上するかをKPIの一つに設定しています。これらをはじめ今後も経済政策の効果を測る指標の一つとして経済効果額を設定し、把握に努めてまいります。  以上でございます。 ◎大澤 スポーツ推進部長 私からは、スポーツの場の整備について御答弁いたします。  区では、スポーツ推進計画の重点的な取組の一つとしてスポーツの場の整備を掲げ施設の整備に努めていますが、野球場やグラウンドなどの数が区民のスポーツ需要に応え切れていない状況があると認識しております。一方、都市化の進展や都市計画などの法の制限などにより整備可能な用地が限られ、まとまった用地の確保が難しい状況となっています。そういう状況の中、今年一月に第一生命保険株式会社との連携により、同社が保有するグラウンドを野球やフットサルができるJ&Sフィールドとして開設し、この十一月には同敷地内のテニスコートの区民利用も開始したところです。また、現在、上用賀公園拡張用地や和田堀給水所の上部利用といった新規スポーツ施設の整備に向け具体的な整備の検討を行っているところでございます。  区民のスポーツニーズも多様化していることから、引き続き民間事業者や大学などが保有する施設の区民利用に向けた連携の検討を進めるとともに、今後、次期スポーツ推進計画を策定する中で誰でも使いやすい施設機能の充実したスポーツの場の確保の在り方についても検討してまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、環境政策について、公共施設におけるCO2排出量の削減状況と具体的な取組について御答弁申し上げます。  区では、区施設全体の環境負荷低減に向け、平成二十五年度より環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」を運用しており、令和四年度の取組方針では次の三点、省エネルギーの推進、事務用コピー用紙の削減、環境関連法令の一層の遵守徹底を掲げ取組を進めているところでございます。  直近の令和三年度の二酸化炭素排出量の削減状況としましては、基準年度である平成二十一年度の排出量と比較して約一・四%減少しております。具体的には、設備の運用改善や高効率照明改修の実施、ESCO事業の推進といったハード面の取組に加え、各職場で省エネルギー行動計画を策定、実践し、不要な照明の消灯や空調の適正な管理運営等のソフト面の取組を実施しております。さらに、内部環境監査の実施により優良取組とした事例については庁内への水平展開を図っております。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、教育に関し三点お答えいたします。  まず、各学校におけるCO2排出量等を把握しているかについてです。  教育委員会では、法令等に基づいて学校施設におけるエネルギーの使用の合理化に向けた取組方針を策定し、各学校では小まめな消灯や雨水利用などの省エネ対策を実施するなどエネルギー使用量削減に向けて取り組んでおります。令和三年度における全区立小中学校のエネルギー消費量は、原油に換算しますと約一万一千キロリットル、二酸化炭素排出量は約二万一千トンでございました。過去五年間の二酸化炭素排出量は、増改築等により施設の面積が増えたことや体育館及び格技室への空調設備の整備に伴い増加傾向が見られております。  今後は、教育委員会で把握している二酸化炭素排出量の削減の状況につきまして学校内でも可視化できるように学校への情報提供の方法を検討し、教職員等の省エネに対する意識の醸成が図られるよう取り組んでまいります。  次に、校庭面積が狭い学校における第二校庭の取得についてお答えいたします。  学校の敷地の多くは開校当初から大きく変わっておらず、また、児童数の増加に対応するための校舎の増築を行ってきたことから、特に小学校は六十一校中四十五校において国が示す学校設置基準の児童数に応じた校庭面積が確保されていない状況です。校庭は体育やクラブ活動、学校開放等における運動の場や放課後の遊び場でもあることから、全ての学校において子どもたちが伸び伸びと体を動かすことができる環境の確保が重要であるものと認識しております。そのため敷地が狭小な学校に近接した土地所有者の協力が得られた際には、この間、用地の取得等を行い第二校庭等を整備してまいりました。  区内の土地所有者が一定規模以上の土地を有償で譲渡する場合は、法に基づき世田谷区に対して届出を行い、区が土地取得希望の有無を通知する制度がございます。こうした制度を有効に活用するほか、学校等から周辺敷地の情報収集に努め、必要な第二校庭としての適地の取得機会を逸することがないよう、学校の狭隘化の解消に努めて対応してまいります。  最後に、校庭の狭い学校を対象に人工芝生化のモデル事業を実施できないかについてお答えいたします。  教育委員会では、本年四月にスポーツ用品メーカーのミズノへのヒアリングを行い、議員よりお話がございました茶がらをリサイクルした充填材を使用した人工芝や雨水側溝にフィルターを設置して人工芝の流出を抑制するなど、環境に配慮した人工芝の開発等が進められていることを確認しております。また、他のメーカーでは、植物由来の樹脂を配合し、温室効果ガスの排出低減の効果がある人工芝が開発されるなど今後ますます技術革新が進むものと思われます。  本年一月に校庭整備における基本的な考え方を取りまとめておりますが、人工芝生化のモデル事業の実施につきましては、人工芝の流出抑制効果や環境に配慮した新素材の開発動向などを踏まえた上で、クレイ系舗装の採用が困難な学校に加え、運動や遊びの場をより確保するといった観点から、校庭の狭い学校も含め校庭整備の際に改めて検討を進めてまいります。  私からは以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは二点お答えいたします。  初めに、高齢者のスポーツジムの利用促進についてです。  区では、地域での学びや仲間づくりを通じて、高齢者がいつまでも生き生きと暮らせるよう、現在、高齢者の居場所づくりや健康づくりをはじめとする地域参加促進施策を実施しているところです。健康づくり事業では、令和三年度から世田谷保健所、世田谷区保健センターとともに高齢者クラブを対象とした運動定着支援事業を、また今年度から、日本女子体育大学と連携し健康と運動に関する講義を行いながら身体機能をチェックする取組をそれぞれ実施しております。  高齢者の民間スポーツジム利用促進につきましては、厳しい財政状況や新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から令和三年度の事業化を見送った経過がありますが、区民サービスの充実に向けましては一定の効果があると考えております。今後、高齢者の志向の多様化も踏まえ、改めて高齢者の関係団体を中心に当事者の声をお聞きするなどニーズを把握した上で具体の検討を行ってまいります。  次に、高齢者施策でのeスポーツ活用についてです。  eスポーツは、オンラインで誰とでもつながることができることから幅広い年代で一緒に楽しむことができ、多世代交流や地域の活性化等の促進につながると期待されているとともに、フレイル予防や心身の健康増進の観点からも効果的との分析があることは区としても認識しております。高齢者を対象としたeスポーツの導入に当たっては、会場や機材の確保のほか、機器の操作やゲームの楽しみ方を教える人材の確保も重要と考えております。今後、こういった課題に加え、他自治体での取組事例も参考にしながら、eスポーツを活用した多世代交流、健康増進事業の可能性について検討を図ってまいります。  以上です。 ◎青木 道路・交通計画部長 私からは、公共交通機関対策について三点御答弁を申し上げます。  まず、既存バス路線の維持についてでございます。  バス運転手の不足は一層深刻化する一方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う利用者の減少や在宅勤務の普及、さらには燃料費の高騰なども加わりバス事業者は非常に厳しい状況に置かれていると聞いております。路線廃止などへの対策といたしましては、これまで廃止された路線の原因や影響などを分析するとともに、来年度に地域公共交通計画の策定に向けて立ち上げるバス事業者、学識経験者、交通管理者、利用者である区民などによる法定の協議会の場を活用し、バス事業者などとの情報共有や意見交換の機会をつくっていきたいと考えております。  また、区では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、区民に対するバス利用の働きかけなどを控えておりましたが、十一月十五日発行の「区のおしらせ せたがや」において、路線バスの積極的な利用と自家用車からの路線バスへの転換などを呼びかける記事を掲載したところでございます。バス路線の維持のためには区民にバスに乗っていただくことが第一であり、より多くの区民に路線バスを利用していただくため、バス事業者とも協力しながら利用促進に取り組んでまいります。  次に、新規バス路線の拡充と新たな交通手段の確保についてでございます。  世田谷区交通まちづくり基本計画においては、誰もが快適に安全安心な移動ができる世田谷を理念に掲げ、その実現のための施策として南北方向のバス路線網の充実を掲げております。新規バス路線の導入のためには、都市計画道路などのバスが走行できる道路環境のほか、起終点における転回機能のための交通広場の整備などが必要となります。引き続き新たな都市計画道路整備や連続立体交差事業に伴う駅前交通広場の整備などに合わせて、懸案である南北交通の交通環境改善のため、バス事業者とも情報を共有し、新規路線バスの拡充に向けて取り組んでまいります。  最後に、移動支援の在り方についてでございます。  世田谷区交通まちづくり基本計画では、様々な交通手段を活用し、誰もが快適に移動できる持続可能な交通を実現することを区の交通まちづくりの理念としております。砧モデル地区では現在、令和五年五月からのデマンド型交通の実証運行に向けた準備を進めているところでございますが、小型バスですら通行が困難な地域でワゴン車を活用した新たなコミュニティー交通の導入に向けた取組であり、他地区への展開を視野にしっかりと検証してまいります。  また、交通まちづくり基本計画において、三つの目標の一つに環境に配慮した移動を掲げ、お話のありました自動車交通における環境負荷の軽減策についても電気自動車の普及など技術開発や社会的な受容性等を踏まえ必要に応じた活用や支援について検討していくこととしております。区といたしましては、他自治体や民間事業者との情報交換等を通じて、高齢者や子育て世帯の移動支援サービスにつながる様々な交通手段を福祉所管とも連携して検討し、世田谷区における地域交通の在り方について多角的な視点から研究、検討してまいります。  私からは以上でございます。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、教育について二点お答えいたします。  最初に、世田谷九年教育と学校の独自性についてです。  これまで教育委員会では、乳幼児期から小中学校を一体とした教育を通して子どもたちに必要な基礎的な力や資質を育み、質の高い教育の実現を目指してまいりました。その結果、学び舎における異学年や異校種間の連携の定着や地域運営学校としての取組の推進など地域が参画する学校づくりの基盤を築くことができました。  一方、議員御指摘のとおり区立中学校への進学率は六割ほどにとどまっております。その理由については様々な要因が考えられますが、特色ある教育活動を推進することで入学者数を増やしている中学校もあります。お話のありました桜丘中学校では現在、不登校生徒の新たな居場所の設置や生徒会が主体となったルール作成などさらなる特色ある学校づくりを積極的に進めており、教育委員会も支援しております。  そのほかにも特色ある取組として、例えば千歳中学校では、生徒が環境問題についてSDGs達成のための自分たちの考えを区の職員へ提案する学習を実施したり、船橋希望中学校では、生徒が新聞から様々な情報を取り出し自分の意見を形成していく取組を推進し、全国大会で発表したりしています。教育委員会としましては、各学校が子ども一人一人の多様な個性や能力を伸ばすことができるよう、このような特色のある取組を一層推進し、魅力ある学校づくりを進めてまいります。  次に、子どものSOSを見逃さないことについてです。  現在教育委員会が配付している学習者用タブレット端末のデスクトップには、児童生徒が直接いじめ等の悩みを相談できる各種窓口を閲覧できるようにしております。しかし、学習者用タブレット端末から直接相談窓口に連絡することはできず、児童生徒が相談する際は個人の電話やスマートフォンを利用する必要があります。議員御指摘のとおり、子どものSOSを見逃さないためにも、他自治体の例も参考にして学習者用タブレット端末から直接相談できる仕組みの構築について検討してまいります。  以上でございます。 ◆三十七番(加藤たいき 議員) 今、学校の独自性についてですが、支援をしていくと――再質問しないので大丈夫です、支援していくということですけれども、中学校でさえ越境を既に禁止されているところもあったりして、学校の選択制の関係と学区制との矛盾というところを今後考えていかないといけないんではなというふうに思っておりますので、これはまたどこか違う機会でやりますから。  もう一点が、スポーツをする場所は、九月の段階で少年サッカーの方から聞いたんですが、もう百試合以上、その年で中止になってしまっているということで、千六百人以上の子どもがもう使えない状況になってしまっているというところをぜひ考えてもらわないと駄目だと思っております。今、eスポーツの高齢者の話もありました。東玉川では現にもうゲームを使って高齢者の方々が非常に楽しく盛り上がったところがあるんで、それをぜひ地域で、またトライアルでやってもらいたいなというふうに思っております。  再質問に入っていきますが、幾つかまとめて聞いていきますが、まず区長、少子化対策について、区長の考え、世田谷区において胸を張って言える施策って、私、正直見当たらないと思うんですが、世田谷区、どんなことを考えているのか、区長のお気持ちをお聞かせください。  また、拉致問題の啓発、職員に強いることができないということだと思うんですが、端的に言うと、区長は一体、じゃ、どうするのかということが語られていないんですが、啓発週間にバッジをつけて臨むのか、臨まないのか、それを教えてください。  それと、給食費無償化の話です。  私自身も一保護者、小学生の子どもがいますんで一応保護者としては恩恵を預かれる立場なんですが、こういった声って、実は私は保護者間で聞いたことないんですよね。本当にこの施策が必要であるんであれば、まず区長会で保坂区長が中心になってまとめ上げるということもやってきたほうがまだ説得力があったと思うんですが、まず世田谷区だけでやる理由がまだ私は分からないんで今日聞いたわけですが、その答弁の中で物価高騰で影響があるという答弁でしたが、それを理由とすると全区民への対策が妥当ではないんですか。  この無償化はやっぱり小中学生の子どもを持つ親だけが享受できる仕組みですし、なぜ小学校、中学校の保護者のみが厳しい状況であると断定し給食費無償化を中身として物価高騰と結びつけたのかというところは、これは明確に根拠だったりエビデンスがあるんだったら、これを示してください。  厳しい予算編成だと先ほど区長はおっしゃっていたわけじゃないですか。二十億円のこの給食費無償化が乗っかることによって厳しくなっちゃっているんじゃないですか。この今の物価高騰の話をひもづけて給食費無償化をやるんであれば、恒久的にやる必要というのはなくなってきてしまいますよね。決算のほうで我が会派の幹事長のおぎの幹事長の質疑で、恒久的に行う旨考えているような発言をしていますが、恒久的に必要だという根拠、やっぱり物価高騰、エネルギー価格高騰で、これはやっぱり整合性を取れないですよね。  今日も質問の中で言いましたけれども、これから学校の耐震化、もう何十校とやっていかなきゃいけない中で、二校から三校に加速していくわけですが、これと給食費無償化と同時並行でちゃんとやれるのかという担保ができるのか、加えて、令和に入ってからこの四年間で行革した金額を調べたんですけれども、約九億三千万円ということで、この九億三千万円大部分が所管の方々が本当に細かい数字からやってきたのを私も調べて聞いていますよ。ただし、この大きな金額の中では学校の建て替えの後ろ倒しが一番のメインの金額であって、行革ではないんですよね。だから、その二十億円というのをどう持ってくるのかというのは本当に大きな大きな話なんですが、財源の確保という言葉が先ほどありましたが、この財源の見込み、どういったところから捻出するのか、お聞かせください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 加藤議員の再質問にお答えをいたします。  まず、少子化対策に向けた姿勢ということですが、日本の出生率は過去最低の減少を続けており、予想よりはるかに早く今年八十万人を割り込むのではないかと言われています。言わば世田谷区のみならず日本全体の大いなる危機ということになります。持続可能な社会モデルが大きく瓦解をするということで、これは立場を問わず大変危機感を持っているという意味では私も同じでございます。
     そういう意味では、将来世代、次代を担う年齢層に厚みを取り戻すという取組は大変急務であると。私の覚悟、姿勢という意味では、素案として提出させていただいた子ども・子育て会議で議論いただくグランドビジョンにも書かれておりますけれども、子ども・子育て支援施策を縮小するのではなく、妊娠期から出産・乳幼児期をシームレスに支えるための支援施策を充実させていく。そういう意味では子ども・子育て応援都市のバージョンアップが必要だということで、具体的な施策をお示ししていく予定でございます。  二番目に、ブルーリボンバッジについて、私自身はどうなのかという御質問をいただきました。  現在は児童相談所を持つ区として児童虐待防止キャンペーンが行われておりますので、オレンジバッジ――オレンジリボンバッジですかね、この時期着用することが多くなっております。しかし、この着用も自発的なもので、自ら選択し判断をしつけているものでありまして、ブルーリボンバッジについても同様であります。時期や場などの機会を捉えて、着用すべきときと自ら判断したときに着用してまいります。  次に、学校給食費について幾つか御質問をいただきました。  この学校給食費について、答弁でお話ししたように、何らかの方法で来年度給食費の無償化を実現するように検討を重ねているというところでありまして、お尋ねの財源について、最終的に区財政への影響を含め具体的な内容については予算編成の中で判断を示してまいりたいということでございます。  物価高騰をなぜ出したのかということも御質問にございました。もちろん物価高騰対策については全区的に対策をしていかなければならず、子育て世代だけが物価高騰対策を必要としているということは全くありません。ただし、先ほどのいわゆる少子化対策への覚悟ということと関連してきますけれども、子ども・子育て応援というところをどこまで本格的にやるのかということと関連をするんだろうというふうに思っております。既にお示ししている二校から三校へという学校改築、これも相当手法において工夫をしなければなりません、建築費もかなり高騰しています。これについては取り組んでいくということについては変わらないということを申し上げて、再質問への答弁といたします。 ◆三十七番(加藤たいき 議員) 給食費無償化の件ですが、理由もなく我々は反対しているのではなくて、しっかり優先順位をつけてくれという話をさせてもらっているんですよ。EBPMの観点からも、やっぱり判断材料を我々に、賛成か反対かというところの判断材料すら正直私は与えられていないと思っているんですよね。答弁に対して、私が質問して答弁に対しての質問のわけですから、確たるエビデンスというものは出してもらわないと、正直何のためにひもづいているのかとかという話も、区長は上手に、私はかわされたなというふうな気がしてなりません。  やっぱり予算というのはトレードオフで、二十億円出っ張らせるのだったらどこか削減しなきゃいけないというところは、ここは素直に考え直さないと、かなり厳しい財政状況になるわけですよね。区が独自でやるのであれば、やはり決定的な根拠、基本的な根拠がもう私は乏しいんではないかなという。だとするんであれば、私は、給食費ゼロよりもいじめをゼロにします世田谷区とかのほうがよっぽどインパクトがある。子どもたち全体の恩恵があると思いますし、教員というのは残業手当もない中で、実際朝から働いてみると労基違反になる可能性が高い、かなりきつい環境なんですよね。教科担任制が待っています。教科担任制も鑑みても、やっぱり子どもたち全体にしっかりと還元できる施策、区長自身がこういったものをやりますと言ったら、世田谷区すごいですねと、すばらしい事例ですか。教育の先進例になるんじゃないかなというふうに思うんですよね。  少子化の話を先ほど言っておりましたけれども、やっぱり未来へ還元していくのであれば、複合的に対策を打つといっても非常に大事だと思っています。ただ、第一子の出産費用、不妊治療も少々厳しい答弁でしたけれども、東京都の混合治療についての助成に対して、超えてしまった分の上乗せ補助を私は望んでいますので、ぜひ検討を望みます。  また、足立区、保護者年収八百万円以下の御家庭に、八百二十五万円を上限として給付型奨学金を支給するなんていう話も出てきています。ぜひメッセージ性のある施策を世田谷区には望みます。 ○下山芳男 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十六分休憩    ──────────────────     午後三時三十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 代表質問を続けます。  公明党を代表して、十九番津上仁志議員。    〔十九番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十九番(津上仁志 議員) 世界経済は、高インフレとそれを防ぐ金融引締めのため景気の回復が鈍化しています。一方、日本経済は物価高騰による消費の落ち込みが大きく、十月に政府が発表した総合経済対策は相殺され、実質GDPは伸びないと予想がされています。急速に進む円安や物価高騰、コロナの収束も見通せず、私たちの生活は非常に厳しい状況に置かれています。  その中で、庶民にどこまでも寄り添い生活と暮らしを守る行動と実践が今ほど求められるときはありません。この危機的と言っても過言ではない状況を乗り越えるため、地域社会の変化に迅速に対応すべく、我々公明党区議団が一丸となり大衆の中に飛び込み、その声に応えていくことをお約束し、公明党世田谷区議団を代表して質問並び提案をいたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  この冬は、感染拡大第八波と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されており、休日夜間診療や発熱外来など医療体制の強化と併せ、ワクチン接種率を加速させることが医療逼迫を軽減していくことにつながります。また、世田谷区の対策などを正確に区民に周知することが混乱を防ぐ重要な取組となると考えます。国は九月二十六日より新型コロナ感染者の全数把握を簡略化し、医療機関が陽性者の氏名などを保健所に提出する発生届の対象が高齢者、妊婦や重症化リスクの高い人などに限定されました。  発生届の対象外となる方は、医療機関や検査キットで陽性と分かった時点で自主的に東京都陽性者登録センターに登録し、その後、健康観察、配食、パルスオキシメーター貸与や宿泊療養施設入所など希望する支援を申し込むことになります。しかし、登録先の東京都陽性者登録センターのホームページを見てもインターネットでの登録ができないように見え、電話での申込みが可能であることが分からない状況です。  発熱などの症状を抱えながら煩雑な申込みを行うことが困難な方やインターネット環境が整っていない方がいることも想定できます。第八波に備え、発生届の対象外となる人に陽性時の登録方法の周知と併せて、オンライン環境が十分でない方への登録方法について分かりやすく周知徹底を図るべきです。区の見解を伺います。  次に、総合経済対策について伺います。  世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ侵攻に加え深刻な物価高騰が続いています。我が国でも歴史的な高騰が続き、区民の不安は日に日に増大しています。基礎自治体としての責務は一層重いと認識し、時宜を逸することなく対策を講じることが必要です。政府は十月二十八日、物価高騰や円安に対応するため四本の柱を掲げた総合経済対策のために第二次補正予算として二十九・六兆円を閣議決定しました。  この総合経済対策には、公明党が現場の声から提言し、物価高騰対策として電気、ガス料金の負担軽減策が盛り込まれ、来年一月から九月まで、標準世帯において総額四万五千円程度が軽減される見込みとなりました。さらに、子育て支援においては妊娠・出産時に計十万円相当の支援を行うこととし、経済的負担の軽減とともに育児の不安を一人で抱え込み孤立化することを防ぐ対策として伴走型相談支援の拡充が盛り込まれました。  そこで、三点質問します。  一点目に、物価高騰対策としてのせたがやPayの活用についてです。  総務省によると、十月の消費者物価指数によると、生鮮食品を除いた総合指数は一〇三・四となり、同年同月よりも約三・六%も上昇しました。一方で賃金をめぐる状況は、厚生労働省の発表によると、今年九月の実質賃金は前年同月比でマイナス一・三%と六か月連続でマイナスとなり、区民からは悲鳴にも似た声が寄せられています。そんな中、せたがやPayポイント還元キャンペーンが加盟店、利用者ともに非常に好評で、来年一月末までの予定が大きく早まり、既に予算上限に達してしまいました。利用者からはさらなる継続を求める声は多く寄せられています。一方で、還元率は低くても長く実施してほしいとの声もあります。また加盟店からは、手数料無料化を継続してほしいとの要望を多くいただいております。恒常的なキャンペーンの実施と手数料無料化のさらなる継続について区の見解を伺います。  二点目に、子育て伴走型支援についてです。  総合経済対策に盛り込まれた子育て伴走型支援では、手帳交付時に保健師や助産師による面談後、自治体の判断で新生児一人当たり十万円分の出産準備に使えるクーポンが給付され、出産に備えた物品購入に加え、産前産後ケア、子どもの一時預かりや家事支援などのサービスにも自治体の判断で利用が可能となります。区においても、総合経済対策を活用し、産後の母親への支援を手厚くするとともに、子育て家庭の実情に合わせたサービスの充実を図るべきです。区の見解を伺います。  三点目に、学校給食費の完全無償化についてです。  これまで完全無償化の決断を求めてきましたが、区長からは、しかるべき時期に判断との答弁に終始されました。来年度実施に向け決断するしかるべき時期は今ではないでしょうか。保坂区長の最終決断を求めます。  次に、せたがやPayとマイナンバーカードの連結による機能充実について伺います。  昨年二月からスタートしたせたがやPayは、十一月二十五日時点で加盟店が三千九百十店、ダウンロード数は二十四万九千五百を超え、区の経済対策の一翼を担っており、せたがやPayポイント還元事業は中間所得層への支援にもつながっていると評価しています。しかし、スマートフォンを所持していないなどの理由で利用ができず、恩恵を受けられない区民がいらっしゃる現状もあり、まちづくりセンターで対応するなどの対策も併せて進めるべきです。  また、恒常的にせたがやPayを利用できる仕組みとして、これまでも我が党が求めてきた地域通貨とマイナンバーカードを連結させた自治体版マイナポイントの導入も決断すべきです。例えば、健康ポイントや介護ポイントなどの福祉サービスや省エネポイントなどの環境分野など自治体版マイナポイントの導入によって様々な観点から区民サービスの向上に寄与できると考えますが、区の見解を伺います。  次に、公有地・公共施設の活用について伺います。  さきの第三回定例会でも触れたように、公共空間、公共施設を有効に活用し、収益要素を生み出せる意識醸成が不可欠であると申し上げました。例えば、公共施設・空間を生かして町を盛り上げる運営手法の一つとして群馬県の新たな制度、ぐんまトライアル・サウンディングを紹介しました。特に公共財産の中でも公有地の有効活用は大変重要な課題であり、区では世田谷区公共施設等総合管理計画については、令和三年九月に策定した以降、工事積算単価などの継続的な上昇により、年間五百五十億円程度の将来経費の財政目標から大きく乖離し、再シミュレーションの結果をもってしても五百八十億円と増大しています。  一方、上用賀公園、玉川野毛町公園の整備や学校改築の年三校へのペースアップに向けた新たな財政出動の中で、岩崎学生寮周辺、旧都立玉川高校、さらに国立医薬品食品衛生研究所のそれぞれ跡地についても、今後どのように有効活用していくのか方針さえ定まっていません。いわゆる活用目的が明確でないにもかかわらず取りあえず取得するという場当たり的な財政出動に区政運営への危機感を禁じ得ません。  そこで、三点質問いたします。  一点目に、既に取得している、また予定している大規模用地の活用方針や収益要素の創出についていつまでに示すのか、明快な答弁を求めます。  二点目に、コロナ禍による影響も相まって民間賃貸住宅やアパートの老朽化に伴う建て替えや転用によって住まいの確保がより困難な状況に陥っています。都市型軽費老人ホームやサービス付高齢者住宅、さらには障害者グループホームの整備など安心して住み続けられる施設をどう確保していくのかは喫緊の課題となっています。  大型都営団地の建て替えに伴う創出地や新たに取得する公有地を活用し確保するなど主体的に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  三点目に、さきの常任委員会にて、既に上北沢に整備されているまいぷれいすを、今般玉川地域にも区内二か所目として、公共施設を転用し新たに整備するとの報告がありました。確かに子どもと家庭を支える学習・生活支援としての拠点事業は大変重要な機能であることは理解しています。  我が党はこれまで、学習・生活支援の拠点は児童館にて担うべきと一貫して申し上げてきましたし、今後の子ども政策の考え方、グランドビジョンでは、児童館は休館及び閉館後を活用した中高生の活動や子ども・子育て支援、学習支援の場へと充実を図るとの方向性を示しています。しかし、なぜ児童館を同事業の場として活用しないのでしょうか。既存施設でのキャパシティーに限りがあるのであれば、未整備地区に整備予定の新設児童館にも組み込めるはずです。公共施設の活用としては重複していると言わざるを得ません。区の見解を伺います。  次に、高齢者の住まいについて伺います。  ひとり暮らしや高齢者のみ世帯においても、コロナ禍の三年間で仕事や生活環境の変化による収入減など、これまで支払ってきた家賃が重く生活にのしかかってきています。社会状況が大きく変化している中、住まいの需要と供給のバランスを整え、その変化に対応した住宅政策、住宅セーフティーネット政策へと変革していくべきです。  そこで、二点質問します。  一点目に、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮が必要な方が今後も増加する見込みですが、住宅セーフティーネットの根幹である公営住宅については大幅な増加が見込めない状況にあります。一方で、民間の空き家、空き室は増加していることから、それらを活用した住宅セーフティーネット制度がありますが、世田谷区ではひとり親家庭に限って実施しています。住宅確保策として対象を高齢者や障害者にまで拡充すべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、せたがやの家でのシルバーピア事業について伺います。  さきの都市整備委員会にて、高齢者シルバーピア六団地を返還するとの報告がありました。区は、東京都より区に移管される都営住宅で対応するとのことですが、高齢者の住まいとしては戸数が減ることになるだけです。高齢者など住宅確保要配慮者は今後も増加する中、削減のみの方針は看過できません。新たなシルバーピアの創出や高齢者への家賃助成など区独自での高齢者の住宅確保策を打ち出すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、障害、高齢、保育、幼稚園などで働く福祉人材の確保について伺います。  国は、令和四年十月の障害福祉サービス等報酬改定において、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算が創設されました。基本給等の引上げによる賃金改善を一定求めつつ、他の職種の処遇改善も行うことができる柔軟な運用が認められています。区としてもこうした状況を処遇改善の好機と捉え、福祉人材の確保策に一層取り組む必要があります。  そこで、三点質問します。  一点目は、福祉職員宿舎借り上げ支援事業の拡充についてです。区は今年度、介護職の住まい支援による介護人材の確保・定着支援を実施したことは評価します。一方で、私立幼稚園では少子化による経営難や人員不足を背景にサービス残業が常態化し、早期離職者が目立ちます。専門家は、保育士以上に厳しい労働環境にある幼稚園教諭は多いと指摘しています。また、障害者施設においても、放課後等デイサービス数が大幅に増加し人材不足に拍車をかけており、このような状況を見ると、今後の区の障害者施設整備計画にも影響を及ぼしかねず、幼稚園や障害者施設職員へも拡充する必要があると考えますが、区の見解を伺います。  二点目は、福祉人材の確保、支援、定着を推進するための基金の創設についてです。子どもや高齢者、障害者が安心して地域で暮らせる町を目指すためにも福祉人材の確保は必要不可欠であり、福祉分野で働くエッセンシャルワーカー等の処遇改善を図ることは社会全体に資することにつながります。福祉施設で働く方に温かなメッセージを伝える意義も込め、基金創設と寄附を幅広く呼びかけるべきと考えますが、区の見解を伺います。  三点目は、奨学金返還を支援する制度の創設についてです。大学生の約四割は貸与型の奨学金を受けており、平均の貸与額は三百二十四万円です。平均賃金が全産業に比べ月六万円も安い介護現場で働く場合、返済が重荷となり、やむなく離職する要因にもなっています。こうした実態を重く受け止め、我が党の提案で国においては、勤務先の企業がその返済を負担した場合、法人税を軽減する制度が設けられました。東京都においても、都議会公明党の働きかけで平成三十年度から年間六十万円の借入れができ、五年間業務に就くと返済が猶予される介護職員奨学金返済・育成支援事業が実施されています。他業種から介護職に就く機会とするため、制度のPRを含め、さきに提案した基金の活用と区独自の奨学金返還を支援する制度の創設を実施すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、外郭団体の在り方について伺います。  現在、外郭団体改革の取組方針に基づいて令和五年度までの期間における最終年度に差しかかっています。この間、区では担当副区長を座長とした外郭団体改革PTや課題別の検討部会の体制により一定の整理を行ったと報告を受けています。しかし一方で、社会変化の大きい時代背景や世界的な感染症拡大に伴う経済活動の転換や物価高騰における国内回帰など、区政を取り巻く新たな課題に外郭団体としての公益的使命や存在意義、役割をどう見据えるのか、分水嶺に直面しているのではないでしょうか。  にもかかわらず、一向に体質改善の成果が見えない団体も存立する中、今般、(仮称)外郭団体将来ビジョンの策定に着手するとのことですが、各団体における具体的な方向性をどのように示していくおつもりなのか、自主性、自立性を高めるなどという枕言葉ではなく、区の関与の在り方など、いつまでに整理されるのか、明確な答弁を求めます。  次に、狭隘道路対策について伺います。  杉並区は二〇一七年一月から杉並区狭あい道路の拡幅に関する条例に建築基準法第四十二条第二項道路の後退用地に花壇やプランター、自動販売機などの支障物を置くことを禁ずる条項を盛り込みました。違反者には除却の勧告、命令を行い、命令に従わない場合は行政代執行に基づく措置を行う内容となっています。世田谷区でも杉並区のように積極的な取組を区民に示すべきと二〇一六年第三回定例会から求めてきましたが、これまで前向きな答弁はありませんでした。  二〇二〇年一月に報告された杉並区狭あい道路の拡幅に関する協議会における支障物件への取組についての答申内容を見ると、二〇一八年度末時点では、二〇一六年度以降の「事前協議における自主整備箇所での支障物件の設置は確認されず、円滑に避難・通行できる空間が確保されていることは、条例の大きな効果」が出ており、改定前からの案件についても、長期化する課題はあるが、確実に実績を積み上げていることを評価するとされています。  公開されている実績を見ても、総件数百十八件に対し六十九件が解消しており、大きな成果と言えると思います。実際に杉並区都市整備部狭あい道路整備課の職員の方にお話を伺いましたが、これまで勧告、命令、行政代執行が必要となるケースはなかったものの、そこまでできるとの後ろ盾があることで職員の方も思い切り交渉ができるようになり、区民の理解も進んでいると感じているそうです。そのため今年度は対象路線をさらに増やすことを検討されています。  世田谷区でも新たな助成制度を設けるなど努力していることは認識しておりますが、支障物件除去には財産権に抵触するなどの課題もあり、何よりも職員が思い切り取り組めるよう、杉並区のように一歩大きく進める決断が必要だと思います。条例化に向け取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、脱炭素社会に向けた施策について伺います。  気候変動問題を背景に世界各国が脱炭素社会に向けた政策にかじを切る中、日本でも二〇五〇年までにCO2などの温室効果ガス排出量実質ゼロを実現するため取組を加速させ、二〇五〇年実質ゼロを明記した改正地球温暖化対策推進法を成立させて法律上でも根拠づけされました。  世田谷区においても、令和二年十月十六日に世田谷区気候非常事態宣言を行い、区民、事業者と連携協力して二〇五〇年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、脱炭素社会の実現を目指し取り組むとしています。我が党の提案により推進されました環境配慮型住宅リノベーション事業においては、多くの区民、事業者に活用され、住宅部門での取組は一定の評価をいたします。しかし、CO2排出量が二〇二〇年度で一七・七%を占めている運輸部門での脱炭素化に向けた取組が非常に重要であり、国では二〇三五年までに新車販売で電動車一〇〇%という目標を掲げています。今般、区にあっても、本庁舎整備を契機に公用車をリース方式に変更し、更新に当たってはEV車を導入していく基本方針を示しました。  そこで、二点質問いたします。  一点目に、区内には公用車よりも区民、事業者の所有する自動車が圧倒的に多く、ガソリン高騰が続く中、EV車への買い替えも進んでいます。今後、公共施設にEV車のためのインフラ整備として充電ステーションを着実に設置すべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、水素を利用した燃料電池自動車、FCVとの併用についてです。汎用性を高めるためには水素の供給をどう進め確保していくのかが課題です。神戸市では水素スマートシティ神戸構想を掲げ、産官学が連携し、つくる、運ぶ、ためる、使うまでのサプライチェーンの構築に取り組み、水素でつくり出した電気と熱を町なかに供給し、FCVの普及、水素ステーションの整備などにも取り組んでいます。  一方世田谷区では、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画素案において、ゼロエミッション車、ZEVの普及、利用促進を取組内容としていますが、現在の取組のほかに新たな取組は何も示しておらず、そのことを担当所管課に指摘しても問題意識すらありませんでした。区はTokyoスイソ推進チームの一員となり水素社会の実現に向け民間企業や関係団体と連携して取組を進めるとしていますが、これまで何に取り組んでこられたのでしょうか。今後、水素エネルギーの活用などどのように取り組むのか、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画案に示し取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、デジタル人材育成について伺います。  経済協力開発機構の調査を見ると、日本の平均賃金は一九九〇年から二〇二〇年の三十年間ほとんど伸びておらず、先進国中で最下位という結果になっており、国内総生産も同様に低迷していることから、日本経済はほとんど成長しておらず、終身雇用、年功序列といった慣習からいまだ脱せずにいることも要因の一つではないでしょうか。デジタルトランスフォーメーションを推進し、業務効率を上げる一方で、大学での学び直し、リカレントと、新しいスキルを身につけるリスキリングを推進することも重要だと考えます。国は本年四月二十六日に女性デジタル人材育成プランを決定し、今後、三年間集中的にこのプランに基づき女性デジタル人材の育成に取り組むことを発表しました。  我が会派は、これまで女性のデジタル人材育成として、ITスキルを身につける講習会と就労までの一貫したパッケージとして構築することを求め、区は、今年度より官民連携による世田谷ITカレッジをスタートしたことは評価しますが、対象者や講習内容がかなり限定的であり、改善が必要だと考えます。  そこで、二点質問いたします。一点目に、令和五年度に向けて、国のプランに示されたように、男女共同参画センター、経済団体、大学等と連携した女性のデジタル取得、向上のためのリスキリング、教育訓練やデジタルスキルを生かした就労支援等、女性の活躍を後押しする集中的な取組が求められますが、区の見解を伺います。  二点目に、女性のみならず、男性も同様にリスキリングの推進のための教育訓練やデジタルスキルを生かした就労支援などを必要としています。区として取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、プレコンセプションケアの推進について伺います。  プレコンセプションケアとは、女性やカップルの将来の妊娠のために必要な健康管理を促す取組のことですが、我が国は、二〇二一年の出生数が過去最少を記録したことで想定よりも八年程度早く少子化が進んでいると指摘されていることもあり、この取組は、出産を希望する方に対して、少子化対策としても推進する必要性を感じています。  先月、公明党の勉強会において、成育医療研究センターの母性内科で診療部長を務める荒田氏より、プレコンセプションケアの推進に関する講演を拝聴いたしました。講演では、妊娠前からの生活習慣病やその他疾患が妊娠、出産、赤ちゃんの健康に影響すること、また、妊娠、出産の問題は、赤ちゃんのその後の健康状態に影響することなど、具体例を通し紹介していただき、女性やカップルがプレコンセプションケアを認識することがいかに大切なのかを実感いたしました。  本区では、本年四月一日より、性と生殖に関する健康や権利についての思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツに係る周知啓発の在り方について、健康づくり推進委員会の下、専門部会を設置しましたが、会派として、これまで再三、学校現場における性教育の推進を訴えてきたことから、今後、教育部門との連携の中で、思春期世代への効果的な周知啓発の取組が進むことを期待しています。その検討と並行して、妊娠、出産を考えている女性やカップルに対し、丁寧なプレコンセプションケアの推進が必要だと考えます。  ここで、二点質問いたします。一点目に、さきの専門部会において、思春期世代へのプレコンセプションケアに関する啓発も併せて推進することが必要と考えます。教育現場の考えとして、区の教育委員会の見解を伺います。  二点目に、これから生まれてくるお子さんの健康のためにも、ネウボラの妊娠期面接やぷれパパママ講座等の機会を通じてプレコンセプションケアの啓発を推進することも必要だと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 津上議員にお答えをいたします。  本日、松野官房長官の記者会見で、少子化がさらに加速をしていると。五十九万人台、昨年、非常に過去最低だった時期の出生数、五%近く今年はさらに下回っているというようなことのニュースが出ておりました。区では、この重大な少子化の危機に関して、妊娠期から就学前までの子育て家庭を切れ目なく支えていく、世田谷版ネウボラを御存じのとおり展開をしているところです。  今般、国は、こうした取組を全国に広げていくために、総合経済対策の中で出産・子育て応援交付金を創設しまして、妊娠期及び出産後に対する経済的支援と併せて、伴走型支援を実施する自治体を応援しようという趣旨だと伺っています。  先般、こども家庭庁準備チームと厚生労働省の方々と会い、現状の少子化傾向の加速について何が自治体でできるのか、国の政策との整合性についても意見交換したところでございます。  区は、今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)におきましてお示ししたとおり、これから全ての子育て家庭が妊娠期から孤立することなく、地域の人々や子育て支援サービスにつながりながら安心して暮らせることができるよう、日々の暮らしの身近なところに産前産後からの子育て支援をさらに拡充しようと考えております。  国の出産・子育て応援交付金事業の仕組みを十分活用し、経済的支援と併せて、世田谷版ネウボラ、さらに細かく、子育て家庭に、お子さんに、保護者に寄り添ってまいりたいと思います。  以上、総合経済対策についての答弁でございました。  次に、学校給食費の完全無償化ということについての御質問です。  給食費の無償化については、さきの区議会定例会について、複数の会派から無償化を求める御意見をいただいた一方、これは慎重に考えるべきだとの意見もございました。また、無償化の手法として所得制限をつけるべきではないとの御意見など、様々な議会からの御意見を踏まえ、この間、私なりに多方面からの検討を重ねてまいりました。子ども・子育て応援都市にふさわしい施策の充実や、現在のエネルギー価格・物価高騰により大きな影響を受けている区民生活を下支えするとの視点から、学齢期のお子さんがいる保護者負担の軽減は早急に対応すべき重要な課題であると捉えております。  このため、来年度に何らかの方法で給食費の無償化を実現するよう検討をしているところでございます。区財政への影響を含め、具体的な内容について、今後の予算編成の中で判断を示してまいります。
     以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、四点御答弁いたします。  まず、大規模用地の活用についてです。  区ではこの間、公共施設の需要や緑の保全、まちづくりなどの観点から、公有財産としての必要性を検討した上で、より有効な活用方法や維持管理手法、建設手法を見据えて、土地の取得を進めてまいりました。  例えば、玉川野毛町公園の拡張用地は、官民連携手法の導入に向けた事業者公募を令和五年度より行っていく予定です。また、上用賀公園の拡張用地は、スポーツの場として必要な機能を定めた基本構想を令和二年三月に策定し、令和五年度中を目途に官民連携手法を含めた事業手法を明らかにしてまいります。さらに、北烏山七丁目緑地については、貴重な緑を保全する目的で取得し、現在、地域の防災機能の向上や官民連携の視点を含め、基本構想の策定に向けた調査を実施しています。それぞれの状況に合わせ、区としての考え方がまとまり次第、議会にお示しをしてまいります。  御指摘の旧玉川高校や国立医薬品食品衛生研究所などの敷地も貴重な大規模用地として大変重要な土地であることから、区としての活用の有無及び具体的な活用案について、土地を所有しています国や都の動きに遅れることがないよう検討してまいります。  各敷地の状況や整備する公共施設により様々な違いはありますが、活用方針を策定する際には、この間、御指摘をいただいておりました収益、整備費の縮減などの観点から、これまでとは違う視点からのアプローチによる効果的で効率的な設計や運営手法について検討し、お示ししてまいります。  次に、障害者施設の職員宿舎借上げ支援事業についてです。  区は、今後の障害者の増加を踏まえ、令和二年九月に障害者施設整備等に係る基本方針を策定し、通所施設の所要量の確保やグループホームの整備などを重点課題として取り組んでおり、そこで働く人材の確保の支援についても必要であると認識をしております。  お話しの宿舎借上げ支援につきましては、東京都福祉保健財団が障害福祉サービスを提供する事業者に対し、職員宿舎の借上げに必要な経費の一部を助成する事業を実施しております。これまでは対象が福祉避難所に限定されておりましたが、今年度から一部助成要件はあるものの、福祉避難所以外にも対象が拡大されており、より活用しやすい仕組みとなっております。  区といたしましては、職員の住宅費負担軽減を図り、人材の確保、定着を進めることは重要であると考えております。当該事業の募集期間である令和六年度までの時期を逸することなく、丁寧な説明と周知をしてまいります。  次に、福祉人材の確保支援、定着を推進するための基金の創設についてです。  区では、この間、国の経済対策に基づく収入の引き上げや宿舎借上げ支援のほか、介護の仕事の魅力を伝える広報の工夫、採用活動や研修経費の助成などを通じまして福祉人材の確保・定着支援を進めてまいりました。人材確保がさらに厳しさを増す中、処遇改善の御提案をいただきましたが、高齢、障害、子ども分野を合わせますと一万五千人を超える方々が区内で働いておりますので、基金で継続的に処遇改善を図ることは難しいことが想定されます。現在、地域保健福祉等推進基金を活用し、介護施設と職員の負担軽減に資する物品の購入助成などを通じて、人材確保・定着に取り組んでおります。  区といたしましては、福祉人材の確保、定着の現状と課題を改めて広く周知しながら寄附の呼びかけを強化するとともに、地域保健福祉等推進基金を活用し、福祉人材の確保、定着に向けた効果的な取組を検討してまいります。  次に、外郭団体の在り方についてです。  区の外郭団体は、公共サービスの効率的かつ効果的な提供のため、専門性が高い事業や、収益性が低く民間事業が参入しにくい事業について民間手法を取り入れ、運営することを目的に設置をしてきました。一方で、区民ニーズの多様化や、民間事業者がこれまで参入が見込まれなかった領域にも事業の幅を広げるなど社会経済情勢が大きく変化する中で、各団体はそれぞれが置かれた環境を踏まえて、これまでの役割や事務事業、人事制度や組織体制の検証と見直しに着手をしているところです。  区は現在、外郭団体を所管する副区長と各部長、外郭団体の代表者らで構成する検討会において、外郭団体の新たな方針策定に取り組んでいます。来年度にかけてより議論を深め、新たな基本計画とともに令和六年三月に策定をする予定です。  各団体ごとに将来へ向けて果たすべき公益的使命を明確にし、それぞれの団体の強みを生かした主要事業を確立するとともに、区の支援の在り方についても整理をしてまいります。来年九月には中間のまとめとして議会へお示しし、御意見をいただきながら進めてまいります。  私からは以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、新たなシルバーピアの創出や、高齢者への家賃助成に関する御質問に御答弁申し上げます。  高齢者の安心な暮らしを支えるためには、意向を踏まえた多様な住み替え先の確保や、住み慣れた地域で暮らし続けられる支援等の仕組みが必要であり、区では、区営住宅やシルバーピア、グループホームやサービス付高齢者向け住宅の確保、また、お部屋探しサポートや保証会社紹介制度に取り組んでおり、自宅で住み続けられる見守り施策や安否確認サービスなども実施してまいりました。  せたがやの家は二十年の借用期間をさらに十年間延長しましたが、令和六年度より順次満了時期を迎え、第四次住宅整備方針及び世田谷区立公営住宅等長寿命化計画に基づき検討した結果、九団地のうち、高齢者の住宅ニーズや地域分布等を踏まえ、三団地は区が借り上げ、六団地を返還し、減少する住戸数については、都営住宅の移管受入れにより確保をすることとしております。  区といたしましては、既存区営住宅の改築等に合わせ、世帯用の間取りを単身用へ変更することにより戸数を増やすほか、都営住宅や東京都住宅供給公社の住宅の建て替え時に戸数を増やしていただくよう要望していくなど、今後ともシルバーピアの確保に努めるとともに、居住支援協議会において効果的な居住支援策を検討するなど、様々な手法で高齢者の住宅確保を図ってまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、所管事項の二点お答え申し上げます。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。  令和四年九月二十六日から新型コロナウイルス感染症の発生届の対象が限定されたことにより、届出対象外の方が健康観察や配食、パルスオキシメーターの貸与、宿泊療養を希望する場合は、東京都の陽性者登録センターへの登録が必要となっております。  陽性者登録センターの登録には、本人確認のための身分証明書と陽性の診断を受けたことが分かる書類の添付が必要であるため、オンラインでの登録を原則としておりますが、オンラインでの登録が難しい方については、東京都自宅療養サポートセンター、通称うちさぽ東京において登録の御相談を受け付けております。  現在、陽性者登録センターへの登録については、医療機関での案内チラシ配布のほか、区ホームページをはじめ様々な媒体を活用して御案内をしているところです。また、冬の感染拡大を前に、「区のおしらせ」十二月一日号においても改めて周知を予定しております。引き続いて区民の方にしっかりと情報が伝わるよう、また、安心して療養していただけるよう周知啓発に努めてまいります。  次に、プレコンセプションケアの推進についてです。  区では、全国や都と比較して高齢出産の方の割合が高く、平成三十年の初産平均年齢は、国が三十・七歳、都が三十二・二歳であるのに対し、区が三十三・〇歳、また、特定不妊治療費助成の申請数は、令和二年度千四百五十五件、令和三年度、千九百二十四件と年々増加しています。この現状から、区民の中にはプレコンセプションケアが必要な方や不妊治療に悩む方が多くおられるものと認識しております。  このことから、区では、令和五年一月から妊活オンライン相談事業を開始する予定です。具体的には、不妊治療に悩む方及び不妊治療をこれから始める方並びに将来子どもを持ちたいと思う方々を対象に、不妊症看護認定看護師等の専門家によるオンライン相談と、区民に向けた不妊やプレコンセプションケア等に関する正しい知識を学ぶ機会の提供を予定しております。  ネウボラ面接やぷれパパママ講座、乳幼児健診等を受けられる方の中には、第二子以降の妊娠を希望している方もおいでですので、プレコンセプションケアについても周知してまいります。  私からは以上です。 ◎後藤 経済産業部長 三点御答弁申し上げます。  まず、せたがやPayの手数料無料化の継続、恒常的なキャンペーンの実施についてでございます。  せたがやPayは、この間、コロナ禍により売上げが大幅に落ち込んだ事業者の経営を支えるため、商店街振興組合に御理解、御協力をいただきまして、補助金により人件費、事業実施に係る運営費を支援することで、事業者のアプリ利用手数料を無料とする取扱いを継続してまいりました。  しかしながら、民間事業者の自主事業を支援するという趣旨を踏まえますと、補助金による運営費の全額負担は、コロナ禍における臨時的、緊急的な対応であると考えてございます。また、商店街に加入している店舗が負担する商店街会費の一部は、連合組織である商店街振興組合連合会の会費となってございまして、現在もせたがやPay事業の運営費の一部を負担してございます。このことから、商店街に加入していない店舗との間で均衡が生じているという指摘もあり、手数料の取扱いについて商店街振興組合連合会と議論を重ねているところでございます。  また、恒常的にキャンペーンを実施すべきというお話がございましたが、令和五年度の国、都の特定財源の状況も見ながら、せたがやPayによる区内消費の喚起と小規模事業者の支援という本来の政策目的を踏まえ、継続的に消費を区内中小個店に誘導する施策の実施を検討していきたいと考えております。  続きまして、デジタル人材育成について、二点御答弁申し上げます。  まず、女性の活躍を後押しする取組についてでございます。  御指摘の世田谷ITカレッジは今月から第二期を開始いたしましたが、第二期は第一期での実施状況を勘案し、対象者をこれまでの二十九歳以下の学生以外の休職中、非正規雇用の方から、大学生や三十代の区民の方にまで拡大しました。参加者は、第一期、第二期を通じて約半数が女性という状況でございます。  本事業は、オンラインでの研修を基本にしていますが、第一期の途中から新たに集合研修を組み込む等のアレンジをしながら、参加者の方に寄り添った支援を行うなど、日々改善を図っているところでございます。  一方、三茶おしごとカフェ等の利用者からは、一時的に仕事を離れブランクのあった女性の方などを中心に、パソコンスキルの基礎的な訓練を希望する意見も寄せられており、らぷらすや東京都と連携した取組ができないか検討してまいります。また、今後はさらに団体や大学等との連携を見据え、プログラミングから基礎的なパソコンスキルまで、就活希望者の方のレベルに合ったデジタルスキルの取得につながるメニューをそろえ、区民の方の活躍の幅を広げる、時代に即した支援の充実を図ってまいります。  二点目、男性の就労支援についてでございます。  働き方やDXの推進に代表される産業構造の変化が進む社会情勢の中におきましては、女性のみならず男性もまたリカレントやリスキリングは大変重要と認識しているところでございます。先ほど御答弁申し上げた世田谷ITカレッジにおきましても、今年度の状況を踏まえ、これまでのシステムエンジニアを目指すコースに加え、RPAやAIの使用を想定したコースなど、さらなる講座の拡充を検討しており、仕事に直結するリスキリングの拡大を図っていきたいと考えております。  また、現在、開設に向けて準備を進めている旧池尻中学校跡地を活用した産業活性化拠点におきましても、産業と連携した学びの場として、IT等を中心とした幅広いリスキリング、リカレントの場の展開を予定してございます。  今後は、この産業活性化拠点における学びの場を中心に、世田谷ITカレッジと区内事業者が連携して事業を展開するなど、新たなチャレンジやキャリア構築を目指す区民の方が必要なスキルを身につけられるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、自治体版マイナポイントの導入について御答弁申し上げます。  本年十月にスタートいたしました自治体マイナポイント事業につきましては、国が整備したマイナポイントの基盤を活用した自治体独自のポイント給付事業施策であり、マイナンバーカードを使って申請を行うことでキャッシュレス決済でポイントが付与される仕組みでございます。キャッシュレス決済サービスには、自治体が発行するデジタル地域通貨を登録することも可能であることから、せたがやPayとの連携により、キャッシュレス決済の利用促進や地域経済活性化等の効果も期待できます。  一方、健康保険証の原則廃止に伴いまして、今後、カードの交付申請の増加が予想されることから、区としては、まずその対応に全力を挙げて優先的に取り組むことが重要であると考えてございます。現在、実施されております来年二月期限のマイナポイント第二弾事業に対して、臨時窓口も活用した申請支援を強化するとともに、自治体マイナポイント事業については、他自治体の動向も見極めながら調査研究を続けてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、高齢者、障害者の住まい確保における創出地、それから、公有地を活用した施設整備について御答弁いたします。  区では、必要な公共需要に見合う施設をどのように整備していくかにつきまして、国や都の未利用地の状況、区内における大規模な施設の建て替え等の状況を鑑みて各施設整備における最適な手法を選択し、実施をしてきているところでございます。これまでも大蔵の都住宅供給公社や都営下馬アパートの建て替えに伴います創出用地を活用し、高齢者施設や障害者施設の整備を行うこととしております。  今後の公共施設は、高齢者や障害者の住まいの確保のほか、地域や地区での活用の促進、児童館に見られます新たな需要への対応、さらに老朽化による建て替えの増加やZEV化など施設面での対応、運用面では、合築による複合施設としての運営や災害時の対応など様々な課題への対応が求められております。  このような観点からも、未利用地等の活用につきまして、機会を逃さずに国や都との調整を進め、公有地における行政需要や周辺地域の状況などを正確に捉えまして、施設機能の最適化に向けて、公共施設等総合管理計画の検討の中で、施設の整備手法や運営方法を含め、庁内関係所管とも協議をし、まとめてまいります。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、学習生活支援の拠点事業、まいぷれいすの児童館活用について御答弁申し上げます。  生活困窮世帯等の子どもの成長と家庭の生活の安定に向けた学習生活支援の拠点事業まいぷれいすの実施に当たっては、運営事業者職員の実地研修ですとか、児童館イベント等の活用、中学卒業後の支援のつなぎ先、地域での見守りなどを通じ、児童館と連携しているところでございます。一方で、利用している子どもは、不登校や発達障害などにより集団になじめず、他者とのコミュニケーションに課題を抱え、児童館の利用にはつながらない傾向がございます。  まいぷれいすを通じて複合的な課題を抱えている子どもや家庭を支援すると同時に、身近な地区における子ども・子育て支援の中核的役割を果たす児童館では、地域での多様な支援や見守りを進め、裾野を広げるべく、夜間や休館日を活用した地域の団体による子どもの学び場を実施していく予定でございます。  また、令和五年度に実施予定の子どもの生活実態調査の結果を踏まえまして、次期子どもの貧困対策計画を検討する中で、地域での多様な支援や見守りの場として児童館の活用も考慮しながら、生活困窮世帯等の子どもへの支援の在り方について検討してまいります。  次に、福祉職員宿舎借上げ支援事業の幼稚園への拡充について御答弁を申し上げます。  区内の私立幼稚園は、年々人材確保が厳しく、さらに一部の私立幼稚園では、ここ数年の少子化の影響もございまして経営が厳しい状況になっていると聞いてございます。  これまでも区といたしましては、幼稚園における教職員の資質向上や人材育成といった視点も踏まえ、安定した幼稚園運営に資することを目的とした様々な施設補助に取り組んでまいりました。また、保護者に対する保育料補助につきましても、補助額の増額や支給方法の改善などを行いまして、施設側と保護者側の両面から支援を実施してきたところでございます。  御指摘の私立幼稚園教員に対する宿舎借上げといった支援につきましては、国や東京都においても現在そのような支援制度はございません。区が独自に取組を行うことについては、財源確保をはじめ課題もあると考えてございます。  一方で、私立幼稚園の人材の確保や定着、離職防止といった視点は重要な課題であると認識してございます。引き続き、国や都の動向、社会情勢なども踏まえ、私立幼稚園の支援に向けた検討を重ねてまいります。  以上でございます。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、国の住宅セーフティネット制度の対象の拡充に関しての御答弁です。  区は、国の住宅セーフティネット制度を活用し、家賃低廉化補助制度を実施しておりますが、制度上の課題から、賃貸人の事務的負担の増加や補助の期間が限定されるなど、補助対象住宅の継続的な安定した確保が難しい状況でございますことから、まずは経済的に困窮するひとり親世帯を対象とした支援に取り組んでございます。  区は今年、国と意見交換を行うなど、この間継続して制度の改善要望を行う一方で、不動産事業者や建物所有者等団体への制度説明のほか、昨年度からは、補助対象協力賃貸人への協力金制度を区独自に設けまして、補助対象住宅の供給促進につなげる取組に努めてきてございますが、大幅な増加には至っていない状況でございます。そのため、さらなる取組として、東京都住宅供給公社と連携いたしまして検討、協議を積み重ね、本年十二月より、年間五戸ではございますが、公社住宅を補助対象住宅として提供いただける運びとなったところでございます。  区といたしましては、お話にございました住宅確保要配慮者となる高齢者や障害者への対象の拡大には、補助対象住宅を増やしていくことが重要と認識してございます。こうした取組の継続と併せまして、居住支援協議会におきまして課題等について具体に議論し、効果的に検討を行っていく体制もまた必要と考えてございますことから、専門部会等の設置について進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、福祉人材の奨学金支援について御答弁いたします。  東京都では、介護保険や障害福祉事業所を対象に奨学金返済・育成支援事業を実施しています。これは資格取得を目指すなど、事業所が育成計画に基づいて職員の育成をしながら、奨学金返済相当額を手当として支給する場合に事業者に対して補助するものです。また、保育分野では、質の高い保育士の養成、確保を目的に、指定保育士養成施設に在学し、保育士を目指す学生に対して、区を経由して申請する保育士修学資金貸付等事業を実施しています。  区としては、高齢・障害・児童分野における現在の人材確保策を横断的に確認、整理した上で、今後の人口構成の変化等も見据えながら、区として取り組むべき方策について、奨学金返還を支援する区独自の制度の必要性も含め、検討してまいります。  私からは以上です。 ◎笠原 防災街づくり担当部長 私からは、狭隘道路対策について御答弁申し上げます。  道路拡張部分の機能確保や、支障物存置の回避のためには、セットバック部分のL型側溝の移設などを行い、道路状に整備していくことが重要でございます。  区では、区民の協力の下、令和三年度までに約百五十キロメートルの整備実績がございます。その一方、塀や建物はセットバックしているものの、道路状に整備されず、駐輪、駐車、あるいは植栽に利用され、通行の支障となっているケースがあることについても区は認識しております。  このような狭隘道路のセットバック部分の支障物につきましては、区民からの情報提供や拡幅整備を行う周辺部分で確認した際に、狭隘道路の拡幅整備の重要性などについて所有者等へ丁寧に説明し、セットバック部分に支障物を置かないことなどの協力を要請しております。近年では、所有者等に対して要請文を送付するなど、一件でも多く解消するよう取り組んでおります。  杉並区の条例による規制につきましては、区でも聞き取りを行っております。一定の実績が上がっていることを認識しております。その一方で、区民一人一人の財産に関わる規制であることから、導入には慎重な検討が必要と考えております。引き続き、杉並区へ運営状況の聞き取りを続けながら、効果や課題の確認をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、区内の拡幅整備部分の支障物につきましては、現地の点検や所有者等への働きかけをさらに強化していくことで実効性のある狭隘道路の拡幅整備につなげてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、脱炭素社会に向けた施策について、二点御答弁申し上げます。  まず、EV車充電ステーションの整備について。  国の二〇三五年までに新車販売で電動車一〇〇%という目標を踏まえ、区では、現在改定中の地球温暖化対策地域推進計画の素案におきまして、重点施策にZEVの利用促進とインフラ整備を掲げており、EV用の公共用充電設備を整備していく必要があると認識しております。  東京都の調査によると、令和三年三月末現在、公共利用が可能なEV用充電器は都内で二千七百六十四基で、そのうち七十三基が区内にあり、中でも、国、都、民間事業者による急速充電器の設置導入に向けた動きが加速している状況でございます。  一方、区内の急速充電器設置状況には偏りがあり、区の率先行動としては、EV所有者の不安解消と、今後、所有を希望する方への購入意欲向上につなげられるよう、各地域一か所の公共用急速充電器の設置を目指し、設置工事の準備等を進めているところです。  まずは来年度の大蔵第二運動場の駐車場における設置をはじめとして、その他の急速充電器の設置可能な公共施設を順次選定し、ZEVの利用拡大に向けた取組を進めてまいります。  次に、燃料電池自動車、FCVとの併用についてです。  脱炭素社会のためには、安定供給と脱炭素効果が期待される水素エネルギーの汎用性を高めていくことは非常に重要であると認識しております。国では、水素をカーボンニュートラルに必要不可欠なエネルギー源と位置づけ、エネルギー基本計画においては、二〇三〇年電源構成をアンモニアと合わせ一%にすることや、水素ステーションの戦略的整備に取り組むこととしております。  区では、まずは需要側である区民への周知啓発が重要と考え、平成二十九年度からFCVを公用車として導入し、区民まつりや246ハーフマラソンでの展示、走行等により、区民への水素エネルギーの普及啓発を図ってまいりました。また、世田谷清掃工場内では移動式水素ステーションを運用しており、昨年度からは、利用の増加を見込み、週二回から三回へと運用を拡充しております。さらに、定置式水素ステーションの可能性についても、関係団体へのヒアリングや適地の検討を続けております。  今後でございますが、来年度、水素エネルギーをテーマとした特別区長会調査研究機構に参画し、研究及び情報収集を進めるとともに、東京都との連携ではさらなる広報、PR活動を図り、地球温暖化対策地域推進計画の取組を進める中で、より効果的なZEVの普及促進策の検討に加え、新たな施策を追加し、実施、検討してまいります。  以上でございます。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、思春期世代へのプレコンセプションケアの啓発についてお答えいたします。  各学校においては、学習指導要領に基づき、児童生徒の生涯にわたる心身の健康の保持、増進を図るため、食事や睡眠の重要性や感染症及び生活習慣病の予防、過度な飲酒や喫煙、薬物乱用が及ぼす健康被害等について指導しております。また、性に関する諸課題への対応や、妊娠や出産の仕組みを理解し、正しい判断や行動ができるようになることを目的として、東京都や世田谷保健所と連携し、希望する学校に外部の専門家を派遣できるよう支援をしているところです。
     教育委員会といたしましては、区長部局とも連携し、各学校において、児童生徒の性と生殖に関する健康や権利への理解と併せて、妊娠前の生活習慣や健康推進の大切さに関する理解が深まるよう周知啓発に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十九番(津上仁志 議員) 答弁ありがとうございました。  再質問させていただきたいと思います。  まず、学校給食費の完全無償化についてなんですけれども、区長に御答弁いただいたんですが、無償化というふうにおっしゃっていたんですが、これはもう完全無償化というふうに認識していいのかどうか、その点一点御確認したいと思います。  もう一つが、せたがやPayのキャンペーンについて伺いたいと思うんですけれども、三〇%のキャンペーンについて、質問でも申し上げたとおり、継続を望む声が非常に多いんですね。利用者の方、また、個店双方から非常にたくさんいただいたんですけれども、物価高騰対策として、幅広い方への支援とつながっているこのせたがやPayのキャンペーンを、還元率三〇%というわけにはいかないのかもしれないですけれども、ぜひとも補正で組まれています二月までの間、キャンペーンが一か月で終わってしまったということもありますので、ぜひ十二、一、二と実施できないかということを検討していただきたいというふうに思います。国からの追加交付も見越せるんじゃないかなというふうにも思いますので、その辺の見解を伺いたいと思います。  もう一つが、まいぷれいす機能の児童館で担える体制整備について伺ったんですけれども、来年度、実態調査の結果を見てから検討を始めるということなんですが、これはもう既にまいぷれいすを整備するときにもどういったものがいいかということで検討されてきたはずですので、これから新設される児童館、もう既に計画も立っていますけれども、スペースの問題だったり、また、動線の問題、どうしてもほかのお子さんとなかなか交わることが難しいというお子さんがいらっしゃるということも認識しているんですけれども、そうであるならば、新設する児童館でそういう工夫をしたような整備をした上で実施に踏み切る、モデル実施をぜひやりながら、そういうことも検討すべきだというふうに思うんですけれども、その見解を伺いたいと思います。  もう一つが、自治体版のマイナポイントの導入について伺いたいんですけれども、マイナンバーカードの普及は、本当にDX推進には不可欠な要素だというふうに思います。御答弁いただいたように、キャッシュレス決済の利用促進や地域経済活性化等の効果も期待できるというふうに御答弁いただいているのであれば、交付申請の対応に注力するだけじゃなくて、どうやったらDXを進められるのか、また、自治体版のマイナポイントを導入して、さらにキャッシュレス決済が進むのかということも併せて検討していくのが普通、そういうふうに思うんですけれども、それをなぜまずは事務手続というんですか、手続のほうを優先して、その検討は後回しにするのか、その辺が非常に疑問に思うんですけれども、その辺、なぜ実施に向け検討できないのか伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 津上議員の再質問にお答えをいたします。  先ほど来年度何らかの方法で給食費の無償化を実現するよう検討しているところですというふうに答弁した内容についての確認かと思います。  まずは、現在も所得制限を設けて一定の対象者に、無償化を既に世田谷区では実現をしております。そこの部分の制限をかけずに、一部ではなく全体でということを何らかの方法で実現したいということをまさに検討している。この内容については、予算編成の中で、財源も含めてお示しをしていきたい、こういうことでございます。 ◎岩本 副区長 私からは、再質問について二問御答弁申し上げます。  最初に、せたがやPayの継続に関してです。  せたがやPayによる消費喚起につきましては、今年度の当初予算でも計上させていただいており、また、新型コロナの長期化、物価高騰を踏まえまして、二回の補正予算で拡充、継続をさせていただきました。また、本定例会でも継続実施に向けた経費を第五次補正として御提案をさせていただいているところです。  ポイント還元キャンペーンにつきましては、財源として、東京都の生活応援事業と地方創生臨時交付金を活用しておりまして、継続実施する場合には東京都からの追加交付金交付が必要となり、また、地方創生臨時交付金につきましても御指摘いただきましたけれども、国で審議中の第二次補正予算案で追加交付が予定されていますけれども、まだ詳細が示されていない状況でございます。  こうした状況も踏まえまして、引き続く厳しい区内経済状況の動向も見据え、今後の消費喚起策につきましては関係部とともに検討をしてまいります。  あともう一つ、マイナンバーカードに関してです。  マイナンバーカードの取得促進に向けましては、自治体独自にマイナポイントを付与する取組が幾つかの自治体で行われておりまして、効果があると認識してございます。一方で、健康保険証との兼用に関する国の動きによってカードの申請が急増してございますので、その体制、交付体制の強化も課題となっております。  他自治体の取組の実態などについてもう少し調査研究させていただくとともに、区が実施する場合にどのような事業との連携が可能なのか、また、それぞれの情報システムとの連携や費用対効果の面も含めて課題を整理させていただければと思っております。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童館でのまいぷれいす事業のモデル実施ができるのではないかということについて、再質問にお答えいたします。  まいぷれいすでは、生活困窮世帯や児童相談所、子ども家庭支援センターが支援している子どもや家庭を利用対象者としてございますが、利用する子どもの多くが不登校、発達障害等により集団になじめず、ほかの方とのコミュニケーションに課題がある、そういった複合的な問題を抱えてございます。  こうしたことから、まいぷれいすでは、利用する子どもが人目を気にすることなく安心して利用できる環境、これを確保していくことが重要であるというふうに考えてございます。一方、誰でもが利用できる児童館を活用して、幅広く利用できる学習支援や子どもの居場所を充実する必要性は認識してございます。身近な地区における子ども・子育て支援の中核的役割を果たす児童館で、そういったスペースや動線を工夫してモデル実施ということでございましたが、複合的な問題を抱える子どもにも学習生活支援の拠点として安心して利用していただくことにつきましては、その環境の在り方について、次期子どもの貧困対策計画の策定において、児童館での子どもの学び場の展開、それからまいぷれいすの事業実績、これを踏まえまして検討してまいります。  以上でございます。 ◆十九番(津上仁志 議員) 再質問ありがとうございました。  学校給食費完全無償化についてはしっかり見ていきたいと思いますので、予断なく着実に進めていただきたいと思います。  あと、せたがやPayの三〇%については、国のものがまだ不透明だということで、これは私たちもしっかりと国のほうに求めていきたいなというふうに思いますけれども、ぜひともお声が非常にたくさんいただいているという事実は皆さんも御存じだと思いますけれども、ぜひ前向きにまた検討もしていただきたいなというふうに思います。  自治体版のマイナポイント導入についてなんですけれども、先ほどと同様の答弁が続いたわけなんですけれども、有効であるということであれば、ぜひ併せて検討を進めていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。  そして、まいぷれいすについては、十分その理由は分かるんですけれども、必要とするお子さんがその地域に限定されてしまうということが非常に問題ではないかなと私たちは思うんですね。できれば、そういった子たちも、地域の中にある児童館の中でしっかりと見ていってあげれば、遠いから利用できないとか、そういったことがなく、各地区で、各地域で実施がといいますか、見ていけるんじゃないかなという思いでこういうお話をさせていただいていますので、しっかりとその思いも酌んでいただいて、児童館で実施ができる、そういった子たちまで見ていけるような児童館にぜひ生まれ変わらせていただきたいなというふうに要望しまして、公明党の代表質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で津上仁志議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十一分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  世田谷立憲民主党を代表して、四十五番桜井純子議員。    〔四十五番桜井純子議員登壇〕(拍手) ◆四十五番(桜井純子 議員) 世田谷立憲民主党を代表して、質問いたします。  まず初めに、持続可能な区政運営に向けて伺います。  新型コロナウイルス感染症拡大への対応は三年目を迎え、世界経済の悪化や物価高により個人消費も停滞し、経済的な危機感が広がっています。繰り返される補正予算では、高騰するガソリン代や光熱費への支援策が盛り込まれるなど策が講じられてはいますが、経済的厳しさが増す一方で、好転する兆しは見られません。特に来年十月から始まるインボイス制度は、区内中小企業や自営業者、個人事業主などに影響を与え、場合によっては廃業も余儀なくされるのではないかという懸念が広がっています。  区は、インボイス制度の導入に対する影響調査を行い、支援策を模索することが必要なのではないでしょうか。区内中小企業への支援策を強めることと、中間層への支援を求めます。今後の経済支援に対する考えをお聞きします。  コロナ禍は、経済の脆弱性を顕在化させる引き金でしかありません。今の経済的に厳しい状況は、人口減少による市場縮小や人手不足などの課題への効果的な対応策が取られていなかったことが一因です。外出自粛を契機にサービス業を中心に失業者が出るなど、経済的に立ち行かなくなった人が増加し続けていることは、例えば住居確保給付金の申請、継続状況からも明らかです。区民の経済的危機は、区内経済の縮小につながることから、区内経済の活性化策は喫緊の課題です。  今年度、取り組まれている地域連携型ハンズオン事業SETA COLORは、区内企業の業態転換や新規の事業拡大などを直接支援するもので、特徴ある取組です。今後の成果に期待をしています。SETA COLORへの評価と今後の取組についてお聞きします。  さらに、公契約条例の活用についても検討が必要です。区独自の労働報酬下限額が東京都の最低賃金よりも高く設定されていることは、労働者の収入が上がるということのみならず、企業にとっては、時給を上げることによって労働者確保にも寄与するとの評価を得ています。また、公契約ではない地域産業でも時給などの賃金の底上げにもつながっているとも聞きます。  この間、労働報酬下限額を定めることによってどのような効果があったと区は考えているのか。また、現在千百七十円となっている労働報酬下限額の引上げを二〇二三年度も行うべきだと考えますが、区の見解をお聞きします。  私たち会派がこれまで一貫して反対をしてきた学校主事の外部委託の問題では、区政運営の姿勢が問われています。昨年、示された学校主事の外部委託の理由は、行政改革の視点であったことから、教育の領域に効率化、行革の視点を取り入れることが妥当なのかどうかを問いかけてきました。特に学校主事は、学校現場での例えば、子どもが急にいなくなってしまったときなど、臨機応変な対応が必要になることから、外部委託では、指揮命令系統の面から偽装請負につながるおそれがあることや、教育委員会も認めている小学校特有の業務もあり、外部委託にはなじまないことを指摘してきました。  しかし、今年度の検証もままならない中、来年度も一校に導入するとしています。これ以上取組を広げるべきではありません。区長の考えをお聞きします。  これまで子どもの権利に関わる政策については、普遍主義の立場に立ったものにすることを求めてきました。その立場から、子どもを対象とした医療費無償化についても、高校生世代まで広げる際も、所得制限のない制度にすることを提案しました。来年度から始まる所得制限を設けない高校生世代の医療費無償化を支持します。  そこで、改めて学校給食については、所得制限を設けない完全無償化を来年度から実現することを求めます。区長の考えをお聞きします。  インクルーシブな教育の実現を目指す世田谷の教育改革と課題についてお伺いします。  国連障害者権利委員会は、日本政府に対して、障害を理由に学ぶ学校やクラスを分ける分離教育から、障害のあるなしにかかわらず、共に学び共に育つインクルーシブ教育への転換を強く求め、インクルーシブ教育の実現への具体的なプランを示すことを勧告しました。例えば、フルインクルーシブ教育を実施しているイタリアでは、障害は社会の資源となり得るとし、障害のある子どもへの教育体制づくりを通し、教職員の専門性の強化など、全ての子どもの教育内容の充実を実現しています。  世田谷区では、真のインクルーシブ教育を目指すとし、教育総合センターをインクルーシブ教育の実現の拠点と位置づけるなど、取組を進める姿勢を示しています。改めて、国連の勧告をどのように反映するのか、教育長の決意をお聞きします。  決算特別委員会で教育委員会は、不登校特例校と既存の学校との違いをゆとりある教育プログラム、少人数学級、子ども主体の学校づくりと答えました。これは不登校の子どもたちが示した学校現場の改革を求める重要な内容と捉えています。特に子どもの意見を尊重する子ども主体の学校づくりは学校運営の基本とするべき、子どもの権利に関わるものではないでしょうか。  教育委員会は、決算特別委員会で不登校特例校の実践を生かすとしていますが、どのように取り組む考えなのかお聞きします。  四月にはクラス担任の教員が不足するなど、学校現場では教員不足は深刻な問題です。なぜ教員不足が生じているのか、原因を捉えた取組が必要です。  区は、二〇一九年に教員の働き方の実態調査を行い、教員が働きやすい環境づくりへの取組に対し期待されましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の対応策の前にうやむやにされた感があります。特にコロナ対応の影響によって、教員の働き方、多忙化に変化はないのか、現状の把握とともに、世田谷区独自のカリキュラムの検証なども行い、教員の多忙化を解消し、働きやすい環境を確保することで教員不足への対応策に取り組むべきです。見解をお聞きします。  憲法二十六条では、義務教育は無償であることが規定されています。しかしながら、学校給食費をはじめとして、家計からの支出による私的な経済的負担に頼っています。子どもの権利として、教育費の無償化が望まれます。  副教材などの私費負担の現状を把握し、学校教育の完全無償化に向けて検討することを求めます。区の見解をお聞きします。  昨日十一月二十七日、数々の問題が指摘され、反対の声も上がる中、英語スピーキングテストが実施されました。区教育委員会が英語スピーキングテストの実施に対する賛否の態度を表明できないことは理解します。しかし、子どもたちの高校受験に影響があることに対して何も言わずにいることも責任の放棄ではないかと考えます。例えば、受験会場の指定では、近くに会場があるにもかかわらず遠い場所を指定され、子どもに負担がかかる内容だったことから都教育委員会へ申入れをした学校があると聞いています。今回、実際にテストが実施されたことで分かった課題も多いのではないでしょうか。  その聴取と検証を行い、課題と改善点などをまとめ、区教育委員会から都教育委員会へ意見として上げ、改善またはテストの見直しを求めるべきです。見解をお聞きします。  次に、子どもの権利に沿った子ども政策の推進について伺います。  現在、子ども政策の総合的な視点を示す子どもグランドビジョンの策定中です。そこで示されている区立幼稚園の統合問題は、大きく子ども政策を変えることにつながると考えています。統合対象になっている幼稚園がある地域では、保護者の反対や懸念の声が大きく、区は丁寧な説明をするということですが、そもそも子どもグランドビジョンを示すまでの議論が十分ではなく、答えありきであるとすれば、到底理解が得られるとは思えません。子どもグランドビジョンが目指すこれからの子ども政策を共有した上で、現在ある幼稚園など含めた子ども施設がどのような役割を担っていくのかという、その視点で考えられるべきではないでしょうか。  現状での議論を強硬に進めることは、認められません。見直し、または立ち止まることが必要と考えますが、見解をお聞きします。  昨年八月に生活困窮世帯の中学生への支援策としてまいぷれいすがスタートし、一年余りたちました。この間、報告も受けましたが、児童相談所の一時保護から家庭へ戻った子どもにとって家以外の安心できる居場所となっていることや、一年かけて子どもの様子に変化が見られていること、地域のボランティアにも支えられている様子がうかがえます。  今後、考えなくてはならないのは、義務教育以降の高校生世代への支援です。子どもの時期に自分の人生のモデルとなる先輩や大人に出会うことは、子どものその後の生き方にとって意味のあることと思います。支援策が圧倒的に乏しい高校生世代への支援が切れ目なく続けられるよう施策展開を求めます。見解をお聞きします。  また、子どもの権利を保障するためには、意見表明権の保障が重要です。不登校特例校での子ども主体の学校づくりにも見られるように、子どもの意見を大切に扱うことは、子ども本来の力を伸ばし、守ることにつながります。教育政策も含む子ども政策における子どもの意見表明権の保障について、区の考えをお聞きします。  次に、地域共生社会を目指す福祉政策について伺います。  国連障害者権利委員会からの九十一もの勧告を受けたにもかかわらず、残念なことに、日本政府は勧告に対して真摯な態度を示していません。  一方で、世田谷区は国連の勧告を受け、第三回区議会定例会において、私たちのことを私たち抜きで決めないでという言葉を引用し、地域共生社会の実現とインクルーシブ教育の実現への決意を区長が示しました。同定例会で、障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例が制定されたことも意義深いことと感じます。これから策定に着手するノーマライゼーションプランでは、徹底した当事者参加の保障が重要な視点であると考えます。国連障害者権利委員会は、十八人中十七人の障害当事者で構成されており、中には知的障害者も委員として職責を果たしています。  国連の勧告を受け止めるとするならば、世田谷区の当事者参加をいかに発展させるのかが問われると考えます。区の見解をお聞きします。  障害者の地域における自立生活では、災害時の対応も重要な視点です。個別支援計画の策定においては、地域のまちづくりセンター、あんすこ、障害部門のケースワーカー、担当の相談支援専門員の連携などが重要な役割を果たすものと考えますが、地域の理解はいまだ進んでいません。どのように取り組む考えかお聞きします。  世田谷区は高齢化率が二〇%を超え、ひとり暮らし、高齢者のみ世帯が著しい増加の一途をたどっています。このことから、年齢を重ねても住み慣れた場所、自宅で生活することを支える政策の強化がさらに望まれます。コロナの影響で外出がままならないなど、高齢者の生活全般に変化が見られることから、制度から考えるのではなく、暮らしから考える政策が求められています。  日常生活支援総合事業の総括を区はどのように考え、今後の政策に生かしていくのかお聞きします。  次に、男女共同参画政策の推進について伺います。  第三回定例会では、刑法の性犯罪規定の改正を求める意見書を世田谷区議会から国へ上げました。性暴力、性犯罪の被害に遭うことの人生への影響は計り知れません。性暴力、性犯罪の被害者への無理解が社会に根強いために、勇気を持って告発した被害者がバッシングを受けることがあるように、性暴力、性犯罪がいまだ理解されているとは言い難い現状です。むしろ被害者側に被害に遭う理由を見つける傾向にあることから、告発につながりにくい犯罪になっています。  世田谷区では、昨年、犯罪被害者相談窓口を設置し、性暴力被害者への支援にも取り組んでいます。性暴力被害者の支援では、被害者の気持ちに寄り添うことが必要です。加害者の傾向で言えば、見知らぬ人よりも知っている人が加害者であることが多く、被害に遭った直後、すぐに支援を求めることは難しいケースも多いのが現状です。女性の自殺が増加していますが、自殺につながるような生きづらさの中には性暴力被害が影響している場合もあり、様々な相談事の背景に性暴力被害からの影響が潜んでいるケースも少なくありません。  このことから、相談を受ける担当者が性暴力被害が及ぼす影響や対応、暴力の構造などを理解することが大切です。徹底した研修が求められます。併せて、性別にかかわらず相談が受けられるように相談者の育成を行うことも重要です。性暴力被害者支援に対する区の取組について伺います。  次に、多文化共生社会の実現に向けて伺います。  多文化共生の推進を目指し、条例が制定されて来年度で六年目となります。さらなる多文化共生施策の推進が求められます。今年二月、ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻が始まり、母国から逃れてきた人々が避難民として世田谷区にも暮らしています。ウクライナの方だけではなく、ほかの国からも祖国を追われて日本へ入国してきたなど、事情を抱えていらっしゃる方に対するワンストップの相談、支援が求められます。区の取組をお聞きします。  次に、緑を増やし、気候変動対策を進める持続可能な環境政策について伺います。  十月十六日、世田谷区制九十年の式典が行われました。区は、十年後の区制百年にみどり率三三%を目指していますが、みどり率は年々減る一方です。  地球温暖化や都市のヒートアイランド現象の問題では、緑が持つCO2吸収源や気温低減の効果が期待されていることから、みどり率の減少をいかに食い止めるかが問われます。例えば、緑の保全と創出が期待できる土地の購入などを積極的に行い、公園や農地などの広い面積の緑化によって、温室効果ガスの削減、ヒートアイランド現象への取組など、脱炭素の取組の一助を担うべきです。  北烏山七丁目の緑地の公園計画では、脱炭素を意識し、自転車が安全で走りやすいクリーンな移動手段を推進するモデルとするなど、気候変動対策の視点を持ったまちづくり政策を求めます。見解をお聞きします。  次に、平和政策の推進についてです。  世田谷公園に設置されたせたがや未来の平和館は、過去の戦争だけではなく、現代の紛争も展示に加え、展示内容のブラッシュアップによって来館者が増加していると聞いています。  平和政策としては、沖縄等への子どもの派遣なども求めてきましたが、さらに、暴力によらない平和的な問題解決を知ることなど、平和学の視点に立った平和の創造に対する見識を深めることを求めます。学校現場のみならず、区民への取組として広げていくことが大切ですが、区の見解を求めます。  最後に、来期の区政について伺います。  来年五月に区長や区議会議員の任期は改選となります。今期はコロナ対策に翻弄された任期とも考えられますが、まだまだ区政では取組を進めていかなくてはならないことが山積みです。  区政に対する来期に向けた保坂展人区長の決意をお聞きいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桜井議員にお答えをいたします。  まず、小学校への学校主事の外部委託問題について御質問がございました。  学校が子どもたちにとって通いたくなるような魅力あるものとするためには、校長が明確なビジョンの下でリーダーシップを発揮し、教職員だけではなく、学校で働く全ての人たちが力を合わせ、保護者、地域の高校、大学や民間企業など、地域に根差した力を活用して質の高い教育をしていくことがますます重要であると認識しています。  学校主事業務を民間委託した学校においても、この業務の従事者が子どもの教育を支える学校のチームの一員となるよう努めていると伺っておりますが、引き続き教育委員会において、令和四年、五年度の委託校に対して、学校関係者、児童、保護者など、多くの方からの評価、検証を実施してまいります。  このような認識の下、令和六年度以降の学校主事業務については、教育委員会における検証結果を踏まえ、客観的かつ子どもの安全や様々な学びを保障する視点から、今後の方針について判断していきたいと考えております。  次に、学校給食の無償化について御質問がございました。  給食費の無償化については、これまで他会派にも答弁いたしましたとおり、子ども・子育て応援都市にふさわしい施策として来年度に何らかの方法で実現するように検討しておりまして、具体的な内容については、今後の予算編成の中で判断を示すこととしております。既に所得に応じた無償化は実現しております。所得制限を課さない形での実施について、どのように具体的に実施をするのかの検討を現在しているところです。
     この検討に当たって、現在のエネルギー価格・物価高騰による大きな影響を受けている区民生活を下支えするという視点から、保護者負担の軽減を図ることを配慮するとともに、議員お話しの子どもの権利の保障という視点も含め、検討を進めていきたいと考えております。  最後に、来期について区長がどのように考えているのかという私自身の今後についての御質問がございました。  私にとって三期目の任期、この相当期間は新型コロナウイルス感染症対策に費やすことになり、この対策は今も継続をしておりますが、区民の命と健康を守るという役割は、何はさておいても最優先で取り組むべき課題として、これは当然のことだったと思います。  他方、他の政策展開にはやはり大きな影響がありました。来年の春以降もバランスを持って喫緊の区政改革に全力で取り組んでいくために、私自身、区長として重責を果たしていく決意でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、三点御答弁いたします。  まず、子どもの意見表明権についてです。  子どもの権利条約では、命が守られて育つこと、最善の利益が優先されること、意見が尊重されること、差別のないことという四つの一般原則が掲げられており、来年四月に施行されるこども基本法にも引き継がれています。  こうした子どもの権利保障は、区が子ども政策を進めるに当たって基本理念となるものです。子どもの権利を保障するためには、子どもが自身に関係のある事柄について自由に意見を表明することができ、大人が子どもを単に保護の対象にとどまらず、権利の主体として認め、障害の有無にかかわらず、子ども一人一人の意見を尊重し、十分考慮することは大変重要であると認識しております。  先日の子どもと若者が参加したシンポジウムやワークショップでも、日常的に安心して意見が言える環境づくりや、子どもが意見を形成し、表明することを支える大人の必要性などの御意見をいただいているところです。  引き続き、子ども・子育て会議の子どもの権利部会において、教育も含めた子どもの社会参加や意見表明など、子どもの権利保障について具体的に議論を重ねてまいります。  次に、障害者施策の当事者参加についてです。  私たちのことを私たち抜きで決めないでという当事者参加の考えは、障害者権利条約の重要な概念です。このことに基づき、条約では、当事者の参加に関し、法令や政策の策定、障害者に関する問題の検討に係る意思決定の過程において、障害者との緊密な協議や積極的な関与の必要性について定めています。  区でも、障害に関する協議会や団体との連絡協議会などにおいて、当事者の方を含め御意見をいただいておりますが、条例の制定や国連の勧告などを踏まえ、当事者の意見を聞く取組をさらに進める必要があると考えております。まずは次期せたがやノーマライゼーションプランに関する検討の場やシンポジウムなどで障害当事者の参加を試行的に進められるよう検討するとともに、今後、区の計画や施策に対しても当事者の参加が進むよう、課題等を整理しながら検討をしてまいります。  次に、個別避難計画についてです。  区では、避難行動要支援者の個別避難計画について、今年度、玉川・砧地域の浸水想定区域内にお住まいの方の作成を優先的に行っており、令和五年度、六年度で区内全域の避難行動要支援者の計画策定に取り組む予定です。計画策定に当たっては、災害時の安否確認や避難生活も想定しながら、できる限り実際に即した準備が大切です。玉川・砧地域では、エリア自立支援協議会で障害者の災害対策への理解促進の取組を進めるなど、地域、地区で連携を図り、取組を進めております。  今後、相談支援機関や福祉専門職、地域で自立生活をしている障害者が在宅避難や避難先、避難時の支援者などに関する理解を深め、災害時に個別避難計画を活用できるよう、総合支所などの関係所管と協力、連携して検討をしてまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 インクルーシブ教育の実現を目指す教育改革と課題について御答弁申し上げます。  障害のある全ての児童が合理的配慮を受けられること、そのために十分なリソースを確保し、質の高いインクルーシブ教育の実現に向けて国を挙げて計画し、動くこと、これは今年度九月に行われた国連の障害者権利委員会による審査を受けた国連の勧告です。教育の制度そのものに関わる変革を意味し、国としての対応が必要ですが、一朝一夕にできるものではないと認識しています。しかし、子どもたちは日一日と成長することから、世田谷区としては、できることから着実に一歩ずつでも前へ進めていきたいと考えます。  質の高いインクルーシブ教育の実現のためには、障害に知識と理解を持ち、一人一人に寄り添える教員の存在と、合理的配慮が受けられる学校の体制が必要となることから、現在、内容や方向性を吟味しながら、インクルーシブ教育のガイドラインを作成しています。様々な改革や改正には当事者の意見を聞くことが重要であることから、障害のある子どもたちや保護者の方の声や専門家の意見などを反映しながら作成してまいります。  全ての子どもたちが安心して過ごせるよう、共に学び共に育つ環境の実現を目指し、各学校が従来の枠組みにとらわれず、差別を生まない環境となるよう全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、インボイス制度の導入に対する影響調査、それから今後の支援について御答弁いたします。  インボイス制度につきましては、区におきまして、税務署の依頼を受け、「区のおしらせ」や区ホームページに説明会の日程を掲載するなど、制度周知に努めているところでございます。しかしながら、制度開始で大きな影響を受ける、これまで消費税の免税事業者であった中小事業者を中心に、インボイス制度そのものを知らない、また、いまだ制度理解が進んでいないとの指摘もあり、より一層の周知と現状把握が必要と考えております。  国では現在、来年度の税制改正におきまして激変緩和措置を検討しているといった報道もございますが、区として早急に事業者団体などに聞き取りを行い、インボイス制度への理解、困難な点、不安な点などについて、区内事業者の状況をまとめ、区長会等を通じて国に声を届けてまいりたいと考えております。  また、インボイスの状況把握の中で、物価高騰など厳しい状態に置かれている区内事業者の状況についても浮かび上がってくるものと思われます。区内事業者などの経営支援につきましては、こうした観点も踏まえ、引き続き来年度予算編成の中で検討してまいります。  以上です。 ◎後藤 経済産業部長 SETA COLORの評価と今後の取組について御答弁申し上げます。  コロナ禍の影響により、在宅消費やオンライン需要の拡大など経済環境そのものが大きく変化したことから、多くの事業者は、事業の再構築や販路拡大、新商品の開発が必要となってございます。  お話しのありましたSETA COLORは、これらの取組に対し専門家による伴走型の支援を行うもので、令和三年度には三十事業者を、四年度は約百事業者を支援してございます。  支援した事業者からは、赤字状態から抜け出し、経営が軌道に乗ったという報告もいただいているところでございます。引き続き事業者へのヒアリング調査を実施しまして、売上げ回復等の状況を把握し、本支援事業そのものの評価も改めて行う予定でございます。その評価を踏まえ、区内経済の持続可能な発展に向け、令和五年度末に開設予定の新たな産業活性化拠点において、さらに充実した支援を行ってまいります。  以上でございます。 ◎工藤 財務部長 私からは、労働報酬下限額について御答弁申し上げます。  区では、労働者の適正な労働条件の確保と事業者の経営環境の改善による区民福祉の増進という理念を高く掲げ、平成二十七年に公契約条例を施行して以来、公契約適正化委員会から御提言をいただきながら、労働報酬下限額をはじめとした各施策に取り組んでまいりました。  現在の委託等契約における労働報酬下限額は、時間単価千百七十円としておりますが、労働報酬下限額の設定には、区公契約の従事者の賃金底上げにより事業者全体の人材確保と定着につなげ、さらには、この好循環が地域経済の活性化へと広く効果が波及していくことが期待できると考えております。  今後の労働報酬下限額は、公契約適正化委員会の労働報酬専門部会において昨年設定した新たな中期的目標へ向け、段階的に引き上げていくこととされており、来年度の引上げ金額についても具体的な議論がなされております。  区といたしましては、これらの議論をまとめ、近々にいただく予定となっている同部会からの意見書の内容を十分尊重し、下限額引上げの効果を踏まえながら、区の財政状況等も考慮した上で適切に対応してまいります。  以上です。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは、二点お答えいたします。  まず、不登校特例校についてです。  子どもたちを取り巻く環境が変化している中、不登校児童生徒数の増加が顕著となっており、今後、不登校支援の取組とともに、従来の学校教育の枠組みを変えていくことが求められていると捉えております。本年四月に開設した分教室ねいろでは、子どもの自主性や個性を尊重した教育活動の下、以前、不登校だった生徒たちの安定した登校や学びにつながっており、こうした取組や成果は、全ての子どもたちにとって学びやすい環境を築いていく上で礎になるものと捉えております。  今後、生徒や保護者、教員からも意見を聞きながら運営の評価検証を行い、この間、培われたノウハウや具体的な実践事例等を不登校対応ガイドラインに反映し、不登校支援にとどまらず、全ての小中学校において従来の枠組みにとらわれない教育活動の展開につなげ、全ての子どもたちが安心して楽しく過ごすことができる環境の構築に取り組んでまいります。  次に、区立幼稚園についてです。  区では、乳幼児教育・保育施設をめぐる状況の大きな変化を踏まえて、区立幼稚園の集約化等に関する計画を七月二十七日の文教常任委員会において御報告させていただき、その内容はグランドビジョンの中にも取り入れられております。  計画の策定に当たっては、保護者の声等を参考にするとともに、策定後には全園において保護者への説明会を実施いたしましたが、保護者や地域の方々に一層の御理解をいただくために、機会を捉えて、グランドビジョンの考え方も含めて、より丁寧な説明や意見交換を行ってまいりたいと考えております。  今後は、グランドビジョン等を踏まえて、区立幼稚園の跡地の活用などにより、乳幼児教育・保育を含む子ども・子育て施策の再構築と支援の充実を図ってまいります。その際には、保護者や地域の声、区議会の御意見等を十分に伺いながら、関係所管部と連携して検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、教育について二点お答えいたします。  最初に、教員不足への対応についてです。  教育委員会といたしましては、教員の働き方改革は喫緊の課題であると認識しており、これまでスクールサポートスタッフの全校配置などの人的支援や留守番電話の導入などの物的支援などを実施してきました。また、各学校においては、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけとして、教育活動の見直しや精選、ICTを活用した教材等の共有化や事務作業の効率化を図っております。しかしながら、多忙化の解消や、途中退職や病気休職などによる教員不足への対応は、まだまだ十分とは言えない状況です。  教育委員会といたしましては、今後も人的、物的な支援などを通じて教員の多忙化解消を進めるとともに、区独自の取組についても、目的や内容を勘案しながら、実施方法の工夫、見直し、整理などを進めることで働き方改革を一層図り、教員が心身ともに健康で働きやすい環境の整備を進めてまいります。  次に、スピーキングテストについてです。中学校の英語スピーキングテストは、昨日、十一月二十七日に実施され、本日、生徒の受験状況についての報告を取りまとめているところです。  今後につきましては、運営主体である東京都において検証等が行われるものと考えますが、区教育委員会といたしましては、生徒の受験状況や全体的なスケジュール、受験会場、受験方法、結果の活用などの課題について、これまでの学校からの意見等も含めて改めて整理した上で、必要に応じて東京都教育委員会へ報告してまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校における副教材などの私費負担についてお答えいたします。  教科書は無償給付する旨、法で定められておりますが、児童生徒が使用する教材など個人所有となるものについては保護者負担となっております。一方で、例えば、彫刻刀や柔道着などを共用物品として貸し出すなど、それぞれの学校で工夫し、保護者負担の軽減に取り組んでおります。  教育委員会では、年一回、各学校から学年ごとの教材や実習に要する物品の品名や単価、数量などを報告させており、保護者負担の状況について現状を把握しております。今後は、学校間、学年間の傾向や違いなどを把握、分析し、他自治体の動向等情報収集も行いつつ、保護者の経済的負担をできるだけ抑えられるよう、学校とともに取組を進めてまいります。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、高校生世代の支援が切れ目なく続けられるように施策の展開を求めるについてお答えいたします。  区では、子ども計画に内包する子どもの貧困対策計画にて、高校中退防止に向けた支援を掲げ、現在、生活困窮世帯などの子どもと家庭を支える学習・生活支援の拠点事業や、ひとり親家庭などの子どもの学習支援事業について、中学卒業後も高校生が活用できる奨学金や給付金制度などの情報提供を行うなど、定期的に連絡しまして、アフターケアを実施してございます。また、ボランティアなどの世代間交流を通じ、学習習慣や生活習慣の習得をサポートする生活困窮の子ども支援事業では高校生も対象に実施しておりますが、高校生世代の支援が十分であるとは認識しておりませんが、令和五年度に実施予定の高校生世代も対象にした子どもの生活実態調査の結果も踏まえまして、次期子どもの貧困対策計画の策定において、高校生世代の切れ目のない支援の在り方についても検討してまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、日常生活支援総合事業の総括について御答弁いたします。  この間、コロナ禍により利用者数が落ち込み、フレイルの広がりが危惧されましたが、ズームや動画を活用して自宅でも介護予防に取り組めるよう実施手法を工夫し、現在は利用者数の回復傾向が見られる状況にございます。今後も、区内の総合事業の対象者は増加傾向が続くと見込まれる中、新たに多様な担い手によるサービス提供も徐々に広がっております。  区といたしましては、こうした地域の力を後押しし、多くの高齢者が身近な地域で総合事業に参加し、住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けられるよう、介護予防や生活支援の多様なニーズに応えるサービスを展開してまいります。  以上です。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、三点お答えいたします。  初めに、性暴力被害者支援についてです。  暴力は、被害者に恐怖と不安を与え、活動を束縛し、従属的な状況に追い込むものであり、その背景には、差別や性別での役割分担などに根差した経済力の格差や上下関係による力の支配という社会構造的な問題があることを十分に把握し、支援と根絶に向けた努力を続けていく必要があると考えております。特に性暴力は、その後の生活の様々な場面で甚大な影響を与えることが多く、支援に当たっては、庁内どの窓口でも性暴力を受けることの影響を理解し、適切に対応できるようにすることが大変重要と考えます。  現在、庁内で様々な連携や発信を行っておるところですが、今後そういった場や機会を捉え、性暴力についての理解を徹底し、相談者の理解に寄り添い、困難な状況から抜け出すプロセスや支援手法について研修等を実施してまいります。  次に、外国人移住者の支援についてです。  外国から移住された方が国から難民として認定を受けた場合、国民年金や福祉手当等の受給資格が得られるなど、日本国民と同様の行政サービスを受けることができます。一方、難民認定申請中の方は、仮滞在許可や仮放免など、その方の置かれた状況に応じて受けられるサービスが異なるため、窓口などでの丁寧な相談対応が必要となります。  区では、ウクライナ避難民への支援に際し、庁内でプロジェクトチームを立ち上げ、生活文化政策部を中心に、日常生活の様々な課題について切れ目のない支援に取り組むとともに、出入国在留管理庁や国連難民高等弁務官事務所など関係機関とも連携を図ってまいりました。  難民への対応につきましては、ウクライナ避難民支援で培ったノウハウを十分に生かし、関係機関及び区の外国人相談窓口をはじめとする関係所管と緊密な連携を図ることで、相談者のニーズを丁寧に把握し、適切な支援へつなげてまいります。  最後に、平和政策の取組についてです。  平和資料館では、現在、戦争から平和の尊さを考える取組のほか、人々の平穏な生活や尊厳を脅かす差別、貧困、ジェンダー、環境などの社会課題についても、日常生活での実践を促す取組を志向しているところです。  平和を創造するためには、他者の考え方を尊重し、お互いの信頼を形成していくことが重要であり、平和に係る問題を様々な視点を持った人と一緒に考え、協力して活動に移すことが平和文化を地域社会に根づかせていくものと考えます。  現在、学校への出前授業や平和に関するメッセージの展示、大学や青少年施設と連携したワークショップや平和交流など区民参加型の試みを行っておりますが、今後も検証と改善を繰り返していくことで、区民に取組を広げてまいります。  以上です。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは、気候変動対策の視点を持ったまちづくりについてお答えいたします。  議員お話しの北烏山七丁目の敷地は、貴重な自然として地域で長年親しまれてきた岩崎学生寮周辺の約三ヘクタールの樹林地でございます。整備に当たりましては、樹林地としての保全を求める地域住民の長年の思いを踏まえ、豊かな自然を生かすことを基本方針として進めてまいります。また、併せて新設する六メートル道路につきましては、公園利用者や地域の皆様の安全な交通環境を確保しながら、緑地の整備と併せ、自転車などの環境負荷の低い移動を促進し、緑豊かな環境を感じられる整備を行ってまいります。  議員お話しのとおり、公園緑地は、CO2吸収のみならず、気候変動に対する適応策として、大気汚染の改善、雨水浸透による水害の軽減、ヒートアイランドの抑制など様々な効果があり、区民にこの効果を実感していただくことは、みどり33への共感を得るために重要なことだと考えております。  こうしたことを踏まえ、公園と道路一体で、自転車などで自然の中の道路を快適に移動し、緑がもたらす環境改善の効果を実感できるなど、気候変動対策のモデルとなる豊かな空間の実現に向けて検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十五番(桜井純子 議員) ありがとうございます。答弁の中にありました子どもの権利条約の内容です。命が守られて育つこと、最善の利益が優先されること、意見が尊重されること、差別のないということ、この四つの一般原則について副区長が触れられていましたけれども、この一般原則四つというのは、どの場面にあっても、本当に重要なポイントだと思います。ですので、子どもの権利というところに足を置いた、足場を置いた政策展開というのが望まれると思うんですね。  ですから、例えば学校給食の件ですけれども、これは経済的な下支えということも必要なのかもしれません。だけれども、子どもの権利というところに照らせば、経済がどうあろうと子どもの権利を守る、子どもの教育をどういうふうに考えるのか、社会の中で子どもがどう位置づけられるのかということが大切なんだと私は思います。  私たち会派の視点としては、この子どもの権利ということを踏まえて、学校給食費の件についても考えていくべきだと思っておりますし、今回取り上げさせていただきました教育費全般の無償化ということですけれども、これについても経済対策という視点ではなく、子どもの権利としてどうなのか、それが今、日本の教育の中で実現されているのかということをやっぱり徹底して議論をしながら、このことを進めていく必要があると思っています。ですから、まずは学校給食の完全な無償化というところを突破口として進めていただきたいということを重ねて要望します。  そして、幼稚園統合に関わる問題として、子どもグランドビジョンについて触れましたけれども、この子どもグランドビジョンをつくることはとてもいいことだと思います。それぞれがばらばらで子ども政策が行われているということではなく、一体となって子どもの育ちをどう支えていくかということがとても重要な政策のポイントだと思いますし、先ほど触れた子どもの権利条約の中にある四つのポイント、これを押さえていくことが必要だと思いますが、現在の大きく問題となっている幼稚園の統合問題というのは、そこに子どもが主役としているのか、これが問われているんだと思います。  その議論のプロセスについて、私はおかしいのではないかと申し上げているわけですけれども、この議論のプロセス、大切にしていかないと、幼稚園の統廃合の問題だけで地域にかなりの負担を与えているということ、そして、その背景は子どものグランドビジョン、子どもの政策を世田谷区はどういうふうに捉えていくのかということがいまだまだ固まっていないというところに問題があると思います。  この子どもグランドビジョンは私はいいと思いますけれども、この件についてしっかりと押さえてから、この幼稚園統合を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 再質問にお答えをいたします。  区立幼稚園は、これまでも配慮を要する児童について積極的にこれを受け入れ、手厚い支援をしてまいりました。今後も、このような各園において蓄積された様々な経験や知識を活用して、要配慮児を含めた三歳児からの教育、保育を実施するとともに、個々の児童の発達や特性に応じたきめ細やかな支援など、インクルーシブな教育、保育を推進してまいります。  また、グランドビジョンの考え方につきましては、子ども・若者部などの関係所管部との連携により調整を図りながら、子ども・子育て支援の機能転換と拡充を図るとともに、発達に課題がある子どもを含めた全ての子どもと子育て家庭について、日々の暮らしの身近なところで子育て支援につながるための場や機会を充実させることができるよう検討を進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆四十五番(桜井純子 議員) この子どもグランドビジョンのつくり方も含めて、政策の議論というのは透明性をしっかりと確保して、当事者参加で行っていかなくてはならないと思います。これがとても大事な区政の根幹に関わることだと思いますので、これからの議論の中でも重要視していきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で桜井純子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、四十七番田中優子議員。
       〔四十七番田中優子議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(田中優子 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、質問を行います。  初めに、DXの推進について、X世代を化石化させないためにという観点から伺います。  DXとは何のことか、まだまだ一般的には知られていないと思います。DX、デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革とは、絶え間なく進化するデジタル技術を用い、社会や人々の生活をよりよいものへと変革させることを意味します。DXの推進には、それら技術の進化を受け入れ、いかに早く使いこなせるかというマインドの問題、すなわち人々の意識改革も含まれていると考えます。  かつて携帯電話にカメラ機能をつける発想から画像精度を上げる技術、そして、通信速度の上昇が実現し、やがて動画を送ることができるようになった。現在では、リモート会議もできるようになっています。カメラつき携帯電話など、最初は誰も見向きもしなかったのですが、今ではインフラを支える技術となっています。  DXの前に言われていたのは、IT化でありました。IT化は情報活用技術を用いて業務やサービスの在り方を変えることで、具体的にはペーパーレス化からと言えるでしょう。ペーパーレス化については、私たち区議会においても、ここに来て大分進んだと言えるかもしれません。  では、DXで何ができるのかといえば、大きなポテンシャルを持った道具、つまり想像もつかなかったようなことができる可能性を秘めているということではないかと思います。これはある評論家が言ったことですが、十九世紀の終わり頃にT型フォードのようなエンジン車が登場した。当時のイメージでは、それまでの馬車や馬の代わり程度にしか見られていなかった。馬車や馬に慣れていた人々は何を今さらと思っていたかもしれないが、馬よりもエンジンのほうが早い、そして大量生産ができたり、扱いが馬車より簡単だったわけで、その評論家に言わせれば、馬車を止めて自動車に乗り換えることが現在においてはIT化に当たるということです。  では、自動車の普及によって何が起こったかといいますと、様々ある中で、一つは、郊外に人が住めるようになった、そして移動ができる範囲が格段に広がった。その結果、高速道路ができ、サービスエリアができ、さらには車を使うことでショッピングモールのような商業施設が地方で成り立つような社会となったというのです。つまり百年前、馬車に固執せず、エンジン車を選択したことによって、いわゆるモータリゼーションを起爆剤とする社会の発展が加速したということなのですが、この自動車の普及によって付随して起こった様々なことがDX効果に当たるのではないかということです。  このように、DXの未来というのは何が起こるか分かりません。その時々の技術、恐らく人工知能やAIとのコラボになるだろうと思いますが、それゆえにビジネスチャンスがあるだろうと言われています。民間企業の間ではDXは大変期待されるものとなっていますが、民間と行政とでは異なる部分があります。  そもそも行政は、それらの技術を作る側ではなく、使う側であります。それでも、より先進的な技術を組み合わせられないかという発想は大事です。行政の仕事の流れは民間企業にはない仕組みがありますが、どこにDXを取り入れていくか、ここが課題です。現場を知っている行政職員にこそ、様々な発想が可能ではないかと期待するものであります。  以上のような考えや実例を踏まえて、DX推進について伺います。  まず、世田谷区の潜在能力は高いと信じていますが、実際のところ、IT化レベルでは二十三区中でどのぐらいにあるのか、そのレベルでDXの推進をどのように進めていくのかということ。  二点目、先頃、特別委員会にDX推進委員会プロジェクトチームの検討状況等についてなる文書が配られ、八つの課題が挙げられていました。この件について、予算はしっかりつくのか、人材の配置はできるのか、どれほどの完成度のある検討状況なのか伺います。  また、これは先週、サイボウズの社長がラジオで言っていたことですが、手挙げ方式で、こういうアプリやシステムを使ってみたいという若手なり中堅なりにトライさせると案外うまくいくという事例があるようです。世田谷区では、庁内で手挙げ方式でトライさせる考えはあるのか、もしくは既にやっているか伺います。  最近、様々な部署で計算ミスが原因での事故が多発しているように思います。エクセルの事故です。聞くところによれば、エクセルで苦労している人にキントーンという魔法のようなソフトがあるとか、宣伝で見たりしますが、そんなにすごいものなのでしょうか。表計算といえばエクセルとしみついているのですが、どう違うのか伺います。  また、決算でも述べましたが、決算書等のデジタル化、つまり今のような単に紙をタブレットに入れただけではないデジタル決算書についてどうされるのか伺います。  DXの推進はある部署だけの課題ではなく、全ての部、全ての課、それこそ地域行政のあらゆる部分にかかってくるものです。そのためには全ての職員の意識改革が必要です。その点にも十分配慮して進めていただきたいと要望します。  次に、霊感商法被害者を救済する対策について、被害者の家族という立場から伺います。  十一月二十二日に文部科学省は、旧統一教会に対し、法人の組織運営や収支、財産に関して報告を求める書類を送り、宗教法人法に基づく質問権を行使したと発表しました。今後、旧統一教会の報告などを受け、法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為など、解散命令に該当し得る事実関係を把握した場合、裁判所への請求を検討することにしているとのことです。  このような動きを受け、私は三十九年前に起きた我が家における霊感商法事件のことを思い出しました。三十九年前、私の母が旧統一教会の霊感商法に引っかかってしまい、高い印鑑を買わされ、さらにはもっと高いつぼまで買わされそうになっていたという事件がありました。母が吉祥寺に買物に出かけたある日、私のために作ったという印鑑と、つぼを購入する契約書を持って家に帰ってきました。印鑑三本でたしか五万円を超えていたと思いますが、なぜそんな高い印鑑をと聞いたところ、高いと思って迷っていたら、ここでお会いできたのはとてもラッキーです。この印鑑を購入しなければお嬢さんは不幸に陥りますよ、一家に災いが起こりますよといろいろ怖いことを言われたから、そんなことになっては困ると思って購入したと言うのです。  こちらがその印鑑です。三本セットで入っています。もう少し分かりやすくパネルにいたしました。三本セットで五万円以上払って購入したものです。こちらの柄をちょっと覚えておいてください。  私は、本当にこれが旧統一教会が売っていたものかどうかネットで確認しました。検索してみましたら、同じ印鑑ケースの柄のものがネットでも出ておりまして、なぜか一万三千円とか一万六千円とか、このセットでそういう値段だったので、うちの母は相当高い物を買わされたなというふうに思っております。  これを思い出したわけですけれども、そのとき母は、立て続けに、印鑑だけでは不十分です、このつぼを購入したほうがいいですとパンフレットを見せられ、つぼを家に置くことであなたの家族は皆守られます、つぼがなかったらこれからいろいろ不幸な出来事が続けて起こるでしょうというようなことを延々と言われ、契約するまで帰れない状況になっていたと言うのです。今思うと軟禁状態です。つぼの値段は六十三万円ぐらいだったと記憶しています。世間で騒がれている金額よりかなり安いと感じるかもしれませんが、そこには巧妙なからくりが潜んでいました。後ほど説明したいと思います。  そんなお金はないですと母が言うと、月賦払いで大丈夫、月賦という言葉も懐かしいですが、月賦で大丈夫、月々たったこれだけでありがたいつぼが手に入りますと説明され、つぼ自体はなくて、何やらいろいろな計算式が書いてある契約書だけを渡されたのでありました。幾ら見ても計算式の意味が分からなかったので、翌日、当時婚約者であった夫にその契約書を見てもらったのですが、やはり何の数字が並んでいるのか全く分かりませんでした。日付も三年ぐらい過去のものになっていて、意味不明でした。こうしてまた一日が過ぎていきました。  その次の日、夫が分かったと言うのです。これは気づいたよと。その契約書は金利一八%ぐらいで、三年前に購入契約を結び、月々幾ら支払うというつくりとなっていて、それにもかかわらず一度も支払われていないまま既に三年経過している。そのため、物すごい金利と延滞金がかかっているという非常に巧妙に偽造された契約書だったのであります。それを見破るのも一苦労という恐るべき細工が施されていました。まさに詐欺です。本当に悪質だと思いました。  気づいた日の翌日、私と夫で契約書に書いてあった会社を探し当て、現地まで行きました。事務所はワンルームマンションの一室で一応表札はあるものの、応答はありません。これでは契約解除ができないじゃないかと非常に焦りました。どうしたものかしばらく茫然としていたのですが、そうだ、消費生活センターに相談してみようと思いつき、すぐに電話して相談しました。そして、適切なアドバイスを受け、期限内に何とかクーリングオフができたのでした。  もしあのとき、消費生活センターを思いつくことができず、金利一八%ものローン契約を無視して三年も放置していたことにされたままだったらと思うと、恐ろしくてなりません。恐らく何千万円とか億単位に借金が膨らんだところで返済を求められ、脅される可能性が高かっただろうと当時、背筋が寒くなった覚えがあります。一家破産とか、家族離散という事態に陥っていた可能性すらあったわけです。母は非常に落ち込んで、しばらく精神状態が不安定でした。  私の場合は何とか未然に防いだものの、このようにしてだまされている犠牲者がたくさんいるのだろうなと当時から強い不信感を持っていました。と同時に、消費生活センターの存在のありがたさが身にしみました。クーリングオフができたことは、私の家族にとっても非常に大きいことでした。  先ほどの文科省の発表では、旧統一教会や信者の不法行為を認めた民事裁判の判決が二十二件あり、賠償額が少なくとも十四億円になるということでしたが、それも氷山の一角で、水面下には、私のように訴えていない人もたくさんいるのではないかと実感として思うわけです。そして、実際、被害に遭ってしまった方々が現在もまだまだ苦しんでいるのではないかと、たくさんいらっしゃるのではないかと心配しているところであります。これまでもずっと被害者の方々は弁護団とともに統一教会の実態を訴えてはいましたが、根本的な解決策は出てきませんでした。しかし、今、ようやく国も動き始めました。  世田谷区内にも、誰にも相談できずにいる被害者は存在すると思われます。一番身近な自治体の役割として、実態把握に努め、霊感商法被害者相談窓口などの設置、周知を行い、被害者を救済する手だてを取るべきではないかと考えます。そして、困ったときは消費生活センターでクーリングオフというキーワードも広めてほしいです。それが頭に入っているだけでもかなり違うのではないでしょうか。  広く区民に知ってもらうには、ホームページだけでは不十分です。「区のおしらせ」、これで大きく取り上げ、周知する必要があると考えますが、区としての見解を伺います。  次に、学校給食完全無償化について、前回の代表質問に引き続き、再度伺います。  十一月二十三日東京新聞、斎藤美奈子氏のコラムで、物価の高騰が家計を圧迫している今だからこそ、給食費は無料にすべきで、実際それができている地域もあると紹介されていました。世田谷区においては、かなり前から他会派が無償化の提案をしていますが、今年度になって私たちの会派が完全無償化を提案したのは、急激な物価上昇とコロナ禍での経済的打撃を受けているこの背景があったからこそ、今、無償化の必要性が生じているという判断であります。  他会派への答弁で、来年度に何らかの方法で実現するよう検討しているとありました。そして、完全無償化を思わせる答弁もあったと思います。本当に完全無償化の実現ということで進めているということでよろしいでしょうか、確認いたします。  最後に、保坂区長が民主主義をないがしろにして導入した世田谷ナンバーを撤回する最後のチャンスについて伺います。  まず、世田谷ナンバーに関する区長へのメールについて、十一月二十五日、先週の金曜日の時点で百七十五件となっていると聞いていますが、状況を確認いたします。  私の知るところでは、百七十五件のうち賛成は二件のみ、百七十三件が不適切なアンケートで導入された世田谷ナンバーは廃止してください、区長は裁判所から重大な指摘を受けていることを反省していないのですか、保坂区長ひどいですよ区民に謝ってください、業務上具合が生じています、いまだに顧客に評判が悪いことを区長は御存じでしょうか等々、切々とした訴えが並んでいました。  それだけでなく、十一月九日、区のホームページに唐突にアップされた世田谷ナンバーの訴訟についてを読んだ区民の方々から次々怒りの声が届いています。裁判所から、対象者の抽出に問題がある、賛成に一定の誘導がなされている、区民に納得感を与えるものではないと明確に問題点が指摘されているにもかかわらず、そのホームページでは、東京高裁の判決においてアンケート調査についての指摘は受けておりますがで終わっています、のみで、指摘内容の言及はあえて避け、反省の弁や区民への謝罪は全くないというのはどういうことでしょうか。  違法とまでは言えないと区はさんざん、区長は特にさんざん述べていらっしゃいますが、その判決が出たからといって問題がないと言われたわけでは決してありません。問題はあると指摘されました。本当に東京高裁の指摘を重く受け止めているなら、素直に反省するべきではないでしょうか。区長は区民に謝ってくださいという声も大変多く区長へのメールの中にありました。一番重要なのは、住民全体のニーズです。それが崩れたら、民主主義も何も全て崩れてしまうことになります。ほかから要望もありましたとか、そんなことで補えるものではありません。  ここで伺いますが、導入云々ということは置いておいて、住民アンケートが不適切だったことに対し、区長は区民に謝るお気持ちはないのでしょうか、お答えください。  区は、世田谷ナンバーの導入は国の判断で決定されたものと、国の責任をホームページでアピールしています。なるほど、だから、国は今回廃止も可能としたわけですね。なぜなら、当時、国交省は世田谷区の言い分を真に受け、世田谷ナンバーの導入を許可しました。しかし、その後、様々な問題があることを知り、導入の判断は間違っていたと認めざるを得なくなったと推察されます。世田谷区内には国の役人も多く住んでいて、彼らの間でも世田谷ナンバーは非常に評判が悪いと教えてくれた方がいらっしゃいます。国交省の中でも話題となっていたのかもしれません。また、裁判の原告の方々が国交省に対し、世田谷ナンバー導入には問題がありました、廃止できるようにしてほしいと、何人も、何回も電話をしたという事実もあります。世田谷以外に御当地ナンバーでもめているところはないことからも、世田谷区のため以外に廃止も可能とする理由は見当たりません。  六月議会では、引き続き世田谷ナンバーの定着に向けて努めるという答弁がありました。世田谷ナンバーは強制です。車を買い換えたら自動的に変わってしまうのに、なぜ努める必要があるのでしょうか、分かりません。このような誠実な答弁は、区民の気持ちを逆なでし、区と区長への不信感を増大させるだけです。区長へのメールにも同じ指摘が多数ありました。どんなに不都合であっても、もう少し区民に対し誠実に正直に答えるべきではないでしょうか。  最後に、これらのことを誠実に真摯に受け止めるのなら、国交省が打ち出した世田谷ナンバーを撤回する最後のチャンスに手を挙げるべきではないでしょうか。期限は十一月三十日、あと二日です。保坂区長の誠実な判断に期待いたします。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中優子議員にお答えをいたします。  まず、給食費無償化についてでございます。  給食費の無償化については、他会派にも本日答弁を続けているとおり、子ども・子育て施策の充実と物価高騰による区民生活の影響を踏まえ、来年度に何らかの方法で実現するように検討しており、既に世田谷区では、一定の所得水準をメルクマールにして対象となる児童生徒の無償化が実現しているわけですが、今回はこの制限を課さない無償化の実施について検討しているところです。その具体的な内容につきましては、今後の予算編成の中で判断を示してまいりたいと考えております。  次に、世田谷ナンバー、これを撤回せよというお話、また、そのアンケートに関する反省や謝罪ということについて御質問をいただきました。  まず、重要なことですから、この世田谷ナンバー訴訟の要点を振り返ってみたいと思います。この訴訟は平成二十九年十一月十六日、今から五年前だと思いますが、最高裁で裁判官全員一致で受理、本件を上告審として受理しないと区側が勝訴しております。そして、この高裁判決は、その年の三月八日にありまして、やはり本件控訴を棄却するということで、原告の損害賠償請求は認められないという内容になっております。  議員が御紹介の東京高裁判決の中には、確かに本件住民アンケート調査の賛成者への一定の誘導がなされたという批判が可能であることは認められるという記述がございます。しかし、判決文をめくっていくと、しかしながら、この点は本件アンケート調査の妥当性の問題、当不当の問題にとどまり、被控訴人らが本件アンケート調査を実施したこと、また、そのような本件アンケート調査の結果を踏まえて、本件、世田谷ナンバー要望行為に及んだことを国賠法一条一項の適用において違法と評価することは無理があるというふうに東京高裁は判断しているところでございます。  世田谷ナンバーの要望に当たりましては、区内産業団体をはじめとした推進の声とともに、一部にやはり品川ナンバーということに愛着があるということで反対の声が確かにございました。国土交通省の審査時にも国交省側から、そういう意見の対立、あるいは反対意見があるのかということについても質問があり、私が答えております。今年に入って、特に九月以降メールが多数到着をしています。このため、司法の場で審議が尽くされ、決着していることに理解を得るために、ホームページへのアップを所管部がしたところでございます。  現在、十三万三千台にまで及んでいる世田谷ナンバーをめぐり、これを廃止する相当な理由は見当たらず、この全経過について謝罪の必要があるとは考えておりません。    〔松村副区長登壇〕 ◎松村 副区長 私からは、世田谷区のIT化、どのくらいのレベルであるのかと、どうやっていくのかということについて御答弁申し上げます。  ICT環境につきましては、総務省の示す情報セキュリティポリシー等に基づいているため、基本的な部分におきましては二十三区で大きな差異はないと推測いたします。中には、渋谷区のように一部突出した取組を行っている例もあり、そうした先駆的な取組なども見学に行ったり、視察に行ったり、参考にさせていただいて、現在、本区のICT環境の改善や職員の情報リテラシーの向上に取り組んでいるところでございます。  人材で言うと、副区長に就任して半年、職員の方と対話を続ける中で、ICTに関する知見を皆さん結構な方がお持ちで、やる気や柔軟な発想を持つ職員が多いと感じているのですが、その能力を引き出すことも私の役目だと考えております。一方、デジタルネイティブな職員だけでなく、デジタル技術に距離を感じている職員の方につきましても、変革に向けたマインドを持って主体的に業務の見直しに取り組んでいただくことがDXを成功させるために不可欠なものと考えております。  DXは、在住、在勤、在学者の生活を豊かなものにしていくための手段であると考えております。世田谷区に関わる全ての人の幸せの極大化を目指してまいります。  以上です。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からは、三点御答弁いたします。  初めに、DX推進委員会プロジェクトチームについてです。  デジタル技術等を活用した課題解決を継続して行うためにDX推進委員会を設置し、その下に現時点で解決すべき目標を設定したプロジェクトチームを設け、具体的な対応策等を検討しております。また、PTは一つの課題を解決して終わりではなく、状況に応じて目標設定や構成メンバーなど、PTの数や形も変えながら柔軟に対応していくこととしております。  現在、設置している八つのPTに関しましては、DX人材育成、オンライン相談、ICT執務環境など、今年度必要な予算を確保しているものもございますが、来年度以降につきましては、現在編成中の令和五年度当初予算や、必要に応じて今後の補正予算の中で議会に御提案させていただきます。一方で、DXの推進はスピード感も大切だと考えております。そのため、PTの検討結果をできるだけ早く実現するために、DX推進・公共施設整備等特別委員会などでの御意見も伺いながら迅速な庁内手続を進め、今ある予算や人員体制の中でできるところから取組を進めてまいります。  次に、職員へのアプリケーションツールの活用支援についてです。  区ではこの間、若手・中堅職員の発案により、個人情報を扱わない一部の業務でクラウドサービスを利用しているほか、職員自らがパソコンでの定型作業を自動化するRPAや手書きの文字を電子データとして認識させるOCRを活用した業務改善を進めており、DX推進担当部では、こうした導入を積極的に支援しています。これらの業務改善の事例につきましては、定期的なレポートにより庁内で共有し、職員の事務改善意欲の向上を図っています。また、現在、導入準備を進めている次期情報化基盤では、クラウドサービスをよりスムーズに利用できるようになるほか、マイクロソフト365を導入することで職員自身がアプリの作成やデータの見える化、処理の自動化をできるようにするなど様々な業務のDXを可能にしてまいります。  今後とも職員が自らの創意工夫でDXに主体的、積極的にチャレンジできる環境づくりに向け、業務変革の支援やDX人材育成を推進してまいります。  最後に、業務アプリケーション作成のソフトウエアについて御答弁申し上げます。  議員お話しのソリューションに限らず、プログラミングの知識を持たなくても、業務に合わせたアプリケーションの作成を自ら行うことができるクラウド型サービスは、官民問わず利用が増えていると認識しております。クラウド型サービスを利用することで、これまで外部委託としていたアプリケーション開発などが自前で簡単に短期間で作成することが可能となりますが、一方で、インターネット上での利用が前提となりますので、強固なセキュリティー対策や職員の情報リテラシーの確保が基本となります。業務の性質によって適しているツールは異なると認識しており、ツールの活用に当たりましては、業務内容や解決すべき課題に応じて多角的に比較、検討してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、決算書等のデジタル化について御答弁いたします。  決算状況などのデジタル化による財政見える化の取組は、区民への説明責任に応えるものであることに加え、容易に経年比較や検索ができることからデータ活用の自由度が増し、より多角的に施策検証できるなど、様々な効果が期待できるものと考えております。  区の決算状況に関しましては、決算書や主要施策の成果、世田谷区の財政状況など、PDFデータで区のホームページの公表にとどまっており、資料の関連性、区民にとっての見やすさ、データ活用の点から課題もあります。東京都におきましては、プログラムの専門知識がなくてもアプリケーションを職員が自前で作成できる、いわゆるローコードツールを使用してデータをビジュアル化し、財政見える化ボードを構築しております。  区でも今後、事務用パソコンにこうしたローコードツールを導入していく予定ですので、区財政のデジタル化、見える化につきまして、事務負担や業務スピード等も十分考慮し、まずは令和五年度予算から始め、その状況を踏まえ、決算状況を追加していくなど段階的に導入できるよう準備を進めてまいります。  以上です。 ◎後藤 経済産業部長 三点御答弁申し上げます。  まず、世田谷ナンバーについて二点御答弁いたします。  区長へのメールの状況、区民の声の状況についてでございます。世田谷ナンバーに関する区民の声の状況ですが、九月五日以降、多くの御意見をいただいており、十一月二十五日金曜日の時点までで延べ百七十五件ほどの意見をいただいております。主な御意見といたしましては、世田谷ナンバーの廃止を希望する御意見やアンケート調査に関する御意見、また、品川ナンバーとの選択制にしてほしいなどといったものであり、反対意見が百七十三件ほど、賛成意見については二件という状況になってございまして、様々な意見があると認識してございます。  二点目、国土交通省の制度、今回の変更に関する見解を確認させていただきましたので、御答弁申し上げます。  国土交通省に対して制度の検討過程での議論について確認をいたしましたところ、地域名表示の変更、廃止については、検討会において特段の議論がなされたものではなく、地域名表示の変更、廃止ということが制度化されていなかったことをそもそもの課題と捉え、今般、改めて追加をしたということでございました。  続きまして、霊感商法被害者を救済する手だてについて御答弁申し上げます。  区で把握している霊感商法の相談件数は、過去五年間で十八件でございます。しかしながら、被害に遭ったことに対して、誰にも相談できない、認識していない、被害を受けた認識はあるがどう対処したらよいか分からない、かなり昔の被害なので諦めたなどの表面化していない被害を受けた方々は相当数いることが推測されます。こうした中、国は、九月から合同電話相談窓口を設置いたしました。十一月十四日からは、日本司法支援センター法テラスに霊感商法等対応ダイヤルを開設して相談窓口を引継ぎ、電話相談に応じているところでございます。  区では、消費者被害に対処するため、消費者被害に精通した消費生活相談員が特定商取引法に基づくクーリングオフ制度の適用など、助言、情報提供、あっせんなどを行ってございます。消費生活センターは、消費者被害に遭った方々を救済する区の窓口として広く被害者の声に耳を傾けてございます。今まで以上に霊感商法の相談も随時受け付けるよう、霊感商法等対応ダイヤルの掲載などホームページを充実するとともに、お話しの「区のおしらせ」などの広報媒体手段でも周知を図るよう努めてまいります。  以上でございます。 ◆四十七番(田中優子 議員) 旧統一教会関連の被害についてなんですけれども、霊感商法だけでなく、様々なトラブルで法廷闘争が起こっています。その中で、教団側が被害者を訴えるというケースも多発しているようで、被害者にとっては大変な脅威となっています。旧統一教会の弁護士については、様々言いたいことがありますが、またそれは別の機会があればやろうと思います。  とにかく区は、国任せではなくて、被害者の救済に全力を注いでいただきたいと、一番身近な自治体として頑張っていただきたいと思います。  そして、世田谷ナンバーについて、先ほど区長は、導入に問題はなかったから、そう考えているから謝罪をする必要はないとおっしゃっていましたけれども、裁判所が認定したように、導入云々じゃなくてと私は先ほど言いました。  区民ニーズをきちんと調査していないことが明らかになっている不適切なアンケート、それは民意をちゃんと反映しなかったアンケートをやってしまったんですね。やっておかしいと、さんざん私たちも会派を挙げて、議会でその件については指摘したにもかかわらず、やり直さなかったということがある、それは問題じゃないですか。  間違えたら誰でも人は謝ります。間違えたり、おかしいと言われたら、その点に関しては、それは素直に申し訳なかったと言うのが人というものであって、わざとやったんだから謝るわけないじゃないというのが今の区民の多くの方々の評価なんですよ、区長。故意に行ったから謝るわけないでしょうと、より一層疑いを深めていることに区長はお気づきになりませんか、そんなことでいいんですか。わざと不適切なことをしたから言い訳するしかないじゃないか、逃げるしかないじゃないか、そう考えてくださって結構ですよとまるで私は言われているような、毎回そう言われているような気がします。これは私一人じゃないですからね、百七十五件もこんな短い間に来るということは、私一人が反対しているからということでは決してありません。  そのことを踏まえて、アンケートのことですよ。やっぱり不適切だって裁判所に事実認定されてしまった、そんなことをやってしまったことに対しては、区民にそれは申し訳なかったですと、そういう気持ちはありませんか、再度伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  まず、世田谷ナンバーに関するメールなんですが、実は二〇一九年、令和元年度ですか、年間を通して二件、二〇二〇年には十件、二〇二一年には四件でしたが、今年の九月以降、百七十五件となっております。そのうち八〇%はお名前がない方ということになっております。  その中には、最高裁判所で世田谷ナンバーアンケートが不適切という最終的な確定をしたから撤回しろというような、まさにその論調がありましたので、ホームページで事の概要を掲示し、今、先ほど答弁したような判決ですよと。東京高等裁判所は、いわゆるアンケートの取り方について、このような疑念や問題を生じさせたというふうに疑われる、そういう内容はあるとしても、だからといって、精神的損害を国家賠償請求で補償するほどの違法性はないのであるというふうに決しているわけでございまして、その司法の判断ということを、司法をめぐって今お話ししていますので、そこから言うと、世田谷区も争った当事者ですし、一連の損害賠償請求をめぐって、これは五年前に決着を見たということであって、アンケートの取り方の改善などについてはしっかり心して、その後の施策に役立てていきたいというふうに思っているところです。 ◆四十七番(田中優子 議員) だったら、謝ったらいかがですか。今後アンケートはしっかりやります、この間のは駄目だったと思いますと、ごめんなさいと、申し訳ないと、一言、区長お願いしますよ。 ○下山芳男 議長 以上で田中優子議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕
     日程第二 同意第六号 世田谷区教育委員会委員任命の同意 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ただいま上程になりました同意第六号「世田谷区教育委員会委員任命の同意」について御説明を申し上げます。  本件は、世田谷区教育委員会委員のうち、亀田徹委員の任期が令和四年十一月二十八日をもって満了となるため、その後、後任として、坂倉杏介さんを委員に任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第二項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  坂倉杏介さんは、これまで慶應義塾大学のグローバルセキュリティ研究所特任講師や世田谷区社会教育委員などを歴任され、現在は、東京都市大学都市生活学部准教授を務めるなど、教育行政の発展向上に貢献いただいております。  このような教育に関する豊富な知識と経験に加え、優れた識見と誠実な人柄は教育委員会委員として任命するにふさわしいと考え、任命の同意を求める次第でございます。  何とぞ御同意賜りますようお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。採決は起立によって行います。  お諮りいたします。本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○下山芳男 議長 起立全員と認めます。よって同意第六号は同意と決定いたしました。  ただいまの同意に伴い、新旧教育委員から挨拶があります。 ◎亀田 旧教育委員 亀田でございます。これまで任期中におきまして、区議会の先生方には温かい御支援をいただきまして心よりお礼を申し上げます。  この四年間で事務局の皆様にお支えいただきまして、私自身、教育委員として実現できたことも多かったですし、なかなか難しかったこともございました。そのうち一つを申し上げますと、私は不登校のお子さんの保護者の方々と定期的にお話しする機会がありまして、様々なお声を伺っておりました。例えば、不登校の支援に関する情報がなかなか得られないというお話を伺いまして、事務局の方に御相談して、このような不登校支援に関する案内資料を作っていただきまして、今は公立小中学校の全ての保護者の方々にお届けするようになりました。  保護者の方々のお声を伺って、それによって政策を修正していく、区議会の先生方はそうした役割を担っていらっしゃるかと存じますが、教育委員会でも、もっと保護者の方々の声を伺っていくことがよいのではないかという問題意識を持っています。議会の先生方におかれましては、ぜひ引き続き保護者の方々の声を教育委員会にお届けいただけるとありがたく存じます。  私自身はこれで任期が終わりとなりますが、世田谷の教育としては、今後、教育の多様化をさらに進めていただきたいと思っておりまして、例えば不登校のお子さんが様々な学びを選択できるように教育の多様化を促進していく。また、世田谷の場合、小学校高学年の段階で学校生活や学習面の充実を図る必要があると考えておりまして、そうした小学校高学年の教育を変えていく、そうした点が今後の課題かなと考えております。  世田谷の教育のさらなる進展に向けて、先生方のお力添えを引き続きお願い申し上げますとともに、四年間の感謝を申し上げたいと存じます。誠にありがとうございました。(拍手) ◎坂倉 新教育委員 皆さん、こんにちは。坂倉杏介と申します。  このたび新しい教育委員の任用に際して御同意いただきまして、誠にありがとうございます。私は出身も世田谷区、そして、御縁がありまして、今、世田谷区内の大学で働いております。私の専門は教育ではなく、コミュニティーやまちづくり、地域づくりということで、大学の地元である尾山台地区のいろいろな方と一緒に、大学の地元のまちづくりを進めさせていただいておりまして、その中で地元の商店街や福祉・医療関係の方だけではなくて、小中学校、教育関係の方々、お父様、お母様、子どもたちと一緒に町の活動を続けてきました。  その中で本当に思いますのは、子ども、教育ということだけではなくて、やはり町の大人たち、いろいろな立場の方が自分らしく生き生きと働いて、町のことを真剣に考えて協力し合いながら前向きに活動している、そういう様子を子どもたちが見られる、一緒に活動できる、そういう環境が何より子どもの自発的な学びや成長につながるというようなことを実感してまいりました。  教育については、これからまだまだ勉強することばかりですけれども、子どもたちが伸び伸びと成長できるような、そういう環境づくりに精一杯尽力していきたいと思います。  先生方、皆様には、何とぞ御支援、御指導いただきますよう心からお願い申し上げます。  簡単ですが、御挨拶に代えさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十九日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十五分散会...