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令和 4年  9月 定例会-09月21日-02号

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  1. 世田谷区議会 2022-09-21
    令和 4年  9月 定例会-09月21日-02号


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    令和 4年  9月 定例会-09月21日-02号令和 4年  9月 定例会 令和四年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十三号 九月二十一日(水曜日)  出席議員(四十八名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 世田谷総合支所長        清水昭夫 玉川総合支所長        馬場利至 政策経営部長 加賀谷 実 総務部長   池田 豊 庁舎整備担当部長        佐藤絵里 危機管理部長 大塚 勇 財務部長   工藤郁淳 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        大澤正文 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 後藤英一 保健福祉政策部長        田中耕太 高齢福祉部長 山戸茂子 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        向山晴子 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 道路・交通計画部長        青木 誠 土木部長   工藤 誠 教育長    渡部理枝 育総務部長  知久孝之 教育政策部長 小泉武士 教育総合センター担当参事        平沢安正 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   中潟信彦     ──────────────────── 議事日程(令和四年九月二十一日(水)午前十時開議)  第 一 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ────────────────────
    ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  四十四番中村公太朗議員。    〔四十四番中村公太朗議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(中村公太朗 議員) まずは、ダンピング対策について聞いていきます。  世田谷区で入札におけるダンピング、できもしない金額で落札された悪質工事や手抜き工事がいまだかつて一度も認知をされていない事実は、区が明確に答弁をしてきたわけですが、二月から新しく取り組まれている建設工事総合評価方式における評価基準価格の設定については、公契約条例の徹底に向けた見返り的な要素を含んだ仕掛けということで理解が及ぶ余地はあるものの、区民の税金が無駄に支出される結果へとつながる可能性があり、影響を懸念しています。  また先日、新たなダンピング対策として、委託契約における変動型最低制限価格制度の導入に向けた方向性も示されました。こちらについても、運用次第では同様の懸念がありますので、実施が予定されている来年度に向けて深い議論が必要だと感じています。  いずれにしても、公契約適正化委員会と区の判断及びその根拠が国や都の方向性に流され、世田谷区の実態に即した取組でないのであれば、単に低入札価格調査制度を回避したいだけとのそしりを免れることはできず、議会において誰よりも入札制度改革をテーマに取り上げてきた立場として、警鐘を鳴らすのが自分の役目であり責任です。  新たな総合評価方式の実施件数、その中で一番札以外が落札業者となった件数、その契約金額の総額及び一番札との差額の合計が幾らなのか、それぞれ答弁を求めます。  コロナ感染拡大の影響に加え、ウクライナの情勢も受けて資材高騰が直撃をする中、スライド条項の適用が取り沙汰をされています。世田谷区としても、物価等の急激な変動に基づく契約金額の変更、追加に取り組んでおり、受注業者を適正金額で保護するこの制度について、今まさに必要な対策だと思います。  そうした状況下、先般の特別委員会で報告をされた本庁舎整備におけるスライド条項の運用について、受注業者の変更請求額五十三億円に対して、区の算定による追加額は二十四億円と、常識では考えられない金額の差が生じ、話題となりましたが、この三十億円もの乖離についてしっかりとした精査がされていません。  単純に追加の税金支出が少なくて済んでよかったねという話ではなく、適正金額とは何なのかという非常に重要な問題です。果たして今回の巨額な乖離が、区の積算額が適正で、事業者側の請求額が吹っかけられた金額だったのか、逆に事業者の提示額が市場価格を捉え妥当な金額で、区の試算があり得ない負担を強いているものなのか、これまでの情報では判断することができません。  改めて経緯と原因について区の説明を求めるとともに、今後のスライド条項適用において、どのような積算とチェックがなされていくのか、適正金額をしっかりと捉えることができるのか、あわせて区の答弁を求めます。  さて、大分浸透し話題のせたがやPayについて、現在実施されているせたがや全力応援祭は、三〇%ポイントバックということで大好評となっていますが、この取組自体がコロナで苦しむ区内個店支援から始まっているという大前提が忘れられ、単なるお得な電子マネーとして広がっていくことは、世田谷区にとってもろ刃の剣です。  ポイントバック次第で、ただ得をしたいだけの利用者が一気に離れる可能性もあり、それを止めるために、国の補助金がなくなった後も、代わりに区が巨額な税金支出を永久的に続けざるを得ない事態へと陥りかねません。  この事業は商連が運営主体ですから、そうならないように日々知恵を絞っているとは思いますが、少なくとも利用者に個店支援という理念の理解を広め、お得なポイント以外の有用性を創出するアプリとして完成を目指していかないと、せたがやPay自体の継続が困難だと確信をしています。  であれば、必然的に多機能化で利便性を高めることが継続の絶対条件となりますから、以前から提案をしている内容を含め、改めて申し上げます。  まず、個店支援という成り立ちを鑑みれば、より加盟店側のメリットを追求していくべきで、どの地域で、どのような属性が、どのような消費行動をしているのか、商品開発や営業戦略に大きく貢献する区内の利用状況などのビッグデータの提供は必要不可欠だと思います。実施に向けた検討が進んでいるのか、進捗を伺います。  もう一つは、利用者の立場から見て、キャンペーン時の還元されたポイントの累積額の表示機能がないことで、現在、あと幾らの利用までポイントバックが受けられるのかが分かりづらい状況です。この機能を実装すれば、最大までお得に利用する人が増え、加盟店サイドは利用促進の恩恵が得られるだろうとも考えます。  今でも取引履歴から入金の属性を独自に足し上げていけば計算が可能ではありますが、一目で分からなければ上記の効果は得られませんので、ぜひ検討すべきと思いますが、区の見解を伺います。  社会における横のつながりが希薄化し、都会型の生活スタイルが定着する環境の中で、個人に一番リーチができるコミュニケーションツールとしてのLINE活用は、世田谷区にとって非常に大きな意味を持つと考えます。しかし、残念ながら区の公式LINEは、今のところ行政情報の発信に特化しており、LINEが持つ双方向でつながっているというメリットを生かせていないのが現状です。  区民の側からアクセスを試みる際には、LINE上で目的のメニューをタップし、リンクされている担当所管のホームページやメールフォームに飛ぶことで、お問合せまでたどり着くことは可能といえば可能ですが、そこに何段もの作業を挟み、何枚ものブラウザーを開くことになり、利用者にとっては面倒なのと同時に、デジタル上でたらい回しを受けているのと一緒です。これではせっかくのダイレクトツールの意味がありませんから、区民からの相談や問合せが区の公式LINEでワンストップにやり取りできる環境整備を検討すべきではないでしょうか。  庁内部署間の連携についても、相談・問合せが来た際に自動的に担当へ伝達するシステムを組めば、イニシャルでの負担はあるものの、ランニングにかかる手間やコストは極めて抑えられるはずです。公式LINEを活用した相談窓口の実現に向けて、区の見解を伺います。  また、行政サイドから個人へリーチできるということは、例えば選択型の区民アンケートをいつでも何度でも実施することが可能ということですから、意見の収集にも活用しない手はありません。普及率の高いスマホで簡単に回答できることで、紙のアンケートに比べ回収率も期待ができますし、そこにかかる経費の削減に直結することはもちろん、何より区民参加のハードルが下がり、意欲が促進されるのではないでしょうか。  実際、地域行政制度のパブリックコメントでは、公式LINEを活用し九件の意見が寄せられたと聞いています。DXが本格化するこのタイミングに、しっかりとグランドデザインを描いて積極的に取り組んでいくべきと強く申し上げ、区の見解を伺います。  最後に、インスタの活用について触れます。  区には公式のアカウントがありませんが、一枚の写真や画像が持つ力は、時に想像をはるかに超え、大きな感動を起こし、強い関心を呼ぶことがあります。逆に無機質な行政情報を文字で流すだけでは、これからの時代に無関心を拡大させるだけではないかと心配しています。  準公的な位置づけとして、世田谷まちなか観光交流協会のアカウントはありますが、区の行政情報やイベントのチラシをそのままアップしているだけの投稿ばかりで、これでは観光協会の目的は一切達成できていないと思われます。  ちなみに、フォロワー数は二千三百。一方で、個人アカウントで世田谷のグルメ情報に特化したものや、それこそ観光協会としてやるべき区内のお勧めのスポット、風景、夜景を目を引く画像でアップしているアカウントもあり、これらはフォロワー数が一万を超えています。  また、インスタ内の検索機能によると、「#世田谷」が百五万件、「#setagaya」で三十万件の投稿が存在しています。これだけキーワードとしてあふれながら、当の世田谷区が何も手をつけていないというのは、あまりにアンテナが低過ぎるのではないでしょうか。  先進自治体世田谷は、もっと映えるべきです。そしてインスタ上にある百五十万のハッシュタグをもっと活用すべきです。世田谷区の公式インスタアカウントの新設と、個人アカウントや個人の投稿との連携も含む効果的な運用、魅力発信に向けて区の見解を問い、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 財務部長 私からは、総合評価方式の効果と実績について御答弁を申し上げます。  今年度より試行している工事請負契約に係る新しい総合評価方式入札は、公契約条例の趣旨を入札制度に具体的に反映させる観点から、条例に基づく事業者の取組を評価項目に追加し、この取組を含む工事品質とのバランスを重視した価格評価と併せて落札者を決定するものです。  価格評価の方式といたしまして、入札価格が低ければ低いほど価格点が高くなる従来の方式を見直し、品質とバランスが最適と考えられる評価基準価格を新たに設定し、この価格を下回ると、価格点が徐々に低くなっていく仕組みを導入することで、ダンピング防止につなげています。  この価格評価と施工能力、地域貢献、公契約の各評価の合計値により争う本方式により、八月末までに十四件の入札を実施し、その落札額は合計で税込み七億二千七百万円余りとなっています。  価格のみの競争入札と異なり、最低入札価格でない価格で落札した案件は、このうち五件で三億六千二百万円余り、最低価格との差額を合計しますと二千百万円余りとなります。  一方、この十四件の中に低入札価格調査の対象となった案件はなく、ダンピング対策としての効果は認められるものと考えますが、さらに試行を重ねて、入札結果や事業者アンケートの検証を進め、今年度中に公契約適正化委員会や区議会に御報告をしてまいります。  以上です。 ◎佐藤 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備工事におけるスライド条項に基づく算出額についてお答えいたします。  本庁舎等整備工事における工事請負契約約款第二十五条の規定、いわゆるスライド条項の適用につきましては、本工事の残工事金額に対する入札時点から二年間の建設物価の上昇分として、まず受注者である大成建設から五十二億九千七百六十万円が提示されました。これに対し区は二十三億七千五百五十九万三千円と算定し、このたび追加額として受注者に通知したところです。  双方の算出額に乖離が生じた主な要因として、工事価格の構成要素のうち、公共積算単価に基づく以外の部分について、受注者は、今後、本工事に関わる協力業者による見積りまたは過去の契約実績に基づく独自の物価変動率を採用したことに対し、区は、公共刊行物に掲載されている類似単価から算出した変動率などを根拠とし、積み上げていることがあります。  結果として区が算出した追加額は、残工事金額に対して約八・三%であり、国や都が毎月公表する同類のモデル建物による変動率と比較しても、おおむね同程度であることを確認しております。  引き続き物価変動の状況を注視するとともに、契約金額変更の必要が生じた場合には、受注者と丁寧に協議を行ってまいります。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 せたがやPayの多機能化について二点御答弁いたします。  一点目、せたがやPayの持つビッグデータ活用についてでございます。  せたがやPayは、スマートフォンアプリである特徴を生かし、各店が自分の店の商品やサービスの魅力を消費者に情報発信し、消費を促すためのプラットフォームとして発展させることを目指しております。  現在、せたがやPayの加盟店は約二千五百店ございまして、各店はパソコンやスマートフォンから加盟店管理画面を通じて、自店舗の取引履歴データや明細書の出力など売上げの状況を確認することができます。  これに加えて、御指摘のように売れ筋の商品や売上げが高い時間帯、購入している年齢層などの売上げ分析や、全体の状況との比較分析をできるようにすることで、データを活用して売上げ向上につなげることができると考えており、世田谷区商店街振興組合連合会や運営事業者とも議論を進めているところでございます。今後、世田谷区商店街振興組合連合会とも協力しながら、必要な機能拡充について検討をしてまいります。  二点目、アプリ内のポイント履歴等の表示方法の改善についてでございます。  現在実施中のせたがや全力応援祭キャンペーンについては、テレビ、新聞、ニュースサイト等のメディアで報じられたこともございまして、利用者及び加盟店から大きな反響をいただいているところです。  御指摘のとおり、利用者にはキャンペーンを積極的に利用していただき、区内の魅力ある中小個店や商店街を知るきっかけを提供するとともに、売上げ向上を促す役割がせたがやPayには期待されていると認識してございます。  キャンペーンでの獲得ポイントの合計額や獲得予定ポイントの即時表示機能については、利用者にとってより利用しやすいアプリとなるよう、せたがやPayの運営主体である世田谷区商店街振興組合連合会と連携しつつ改善を進めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、LINEとインスタグラムの活用について御答弁申し上げます。  まずLINEについてでございますが、LINEによる情報発信は、区では令和二年度から試行実施を経まして、令和三年度から本格運用を開始しております。新型コロナワクチンや子育て情報について配信を希望する情報を選択できるセグメント配信を運用してございます。  今年度は、計画や条例策定時に、区民からのパブリックコメントの試行実施、八月からは、公園内での不具合における通報機能を追加してLINEの活用を拡充してございます。  しかしながら、現在は区からの情報発信を主に活用しており、区民からの御意見や御要望を聞く機能としての活用は幅広く実施していない状況です。事業所管課では、業務委託における相談業務の一部をLINEにより対応している事業もございますが、活用の効果、有効性は今後の参考としてまいります。  まずは、区のLINEでの情報発信の強化により、友だち登録者数の増加を図る一方、インタラクティブな相談、対話等、時代に即した活用について検討していく必要があると認識しております。問合せやアンケート機能の拡充、申請機能についても導入を進めるなど、機能拡充の検討を進めてまいります。  次に、インスタグラムについてでございます。  個人のスマートフォン所持率が六七・六%とされている中で、インスタグラムの国内ユーザーは三千三百万を超え、観光や商品PR、イベント等においても視覚的には有効的なツールとして活用されてございます。  区ではこれまで、情報の拡散性が高いツイッターを中心に情報発信として活用し、今年度から試行的に写真を添付した施設紹介やショートムービーによる事業紹介を実施してございます。  区がインスタグラムの特性である注目を集める写真の投稿を継続して運用するには、職員の体制、より効果的なPRを可能とする外部の活用など、人材面の課題があるものと認識してございます。  一方で、様々な広報媒体を活用して、多世代に幅広く区の情報や区内にある様々な魅力を発信していく必要があると認識もしてございます。  インスタグラム公式アカウント実施に向けまして、多くのフォロワーを有しているアカウントとの連携も視野に入れた効果的かつ継続した運用が必要であり、体制や目的など課題を整理した上で、実施に向け検討してまいります。  以上です。 ◆四十四番(中村公太朗 議員) 区長の入札制度改革に対するスタンスというのはいまいち見えないので、ぜひお伺いをしたいと思います。  今説明いただきましたけれども、新しく取り組んでいる総合評価方式の実績、約三分の一が一番安く入れた札よりも二番手のところが落とした、その差額が金額の約一〇%ということになります。これがもし仮に全公共工事で行われたとしたら、大体年間、今二百億円ぐらい。これから学校改築をどんどん進めていきますよというような発表もありましたから、もっと増えるかと思いますけれども、二百で計算しても六億円ぐらいが多く支出されるということになります。  これ、恩恵を受けられるのは落札をした事業者だけですから、本当に区内事業者を守るのだとすれば、別の形で区内の建設産業を守るという、全ての対象に行っていくという使い方もあるでしょうし、これからどんどんとお金が厳しくなっていくとか、ふるさと納税もあります、様々な状況もあります。ほかのことに転用するという考え方だってあると思うのですけれども、ぜひお考えをお聞きしたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中村議員の再質問にお答えします。  公契約条例の制定以来、一つの特徴として、区で定める、諮問を受けて私が決定する労働報酬下限額、これについては経済的に働く皆さんの現場の最低賃金を上回る賃金水準をじりじりと底上げをする効果はあったというふうに考えております。  一方で、公契約条例、世田谷区の場合は、労働団体のみならず、事業者側とずっと議論をしております。事業者側から常々上がってきていた話題としては、いわゆる入札制度改革を進めてほしいと。例えば区に災害対策等で相当貢献しよう、また、そういう体制を組む、あるいは地域のコミュニティーに参加するなどの努力をしてきている企業と、価格差だけでいわゆる仕事が横取りされてしまうような状況を客観的に評価する方式はないだろうかというお話があり、また、区の所管のほうでも考えて、今回、公契約条項というような条項をつくった結果、従来の総合評価方式よりも、今、委員おっしゃるように、いわゆる札を入れた価格が高くても、総合的な評価でその最低価格を上回る企業が落札するということが起きてきています。これは、そういったことが起きてくることを前提にして組んだ制度でありまして、問題は、これは始まって半年たつわけですけれども、これが地域貢献、ワーク・ライフ・バランス、様々な公契約条項がありますが、これを底上げして建設事業者全体の仕事の仕方、それから地域産業の育成の推進にきちんとなっていくかどうか、これはちゃんと検証をして、この政策、今のところしっかり進めていきたいと思っております。  以上です。 ◆四十四番(中村公太朗 議員) 今おっしゃったことは評価点の部分で、価格点というのはまた別のロジックで動いているので、ある程度理解されていることは分かりましたけれども、今言ったこととはまた違う反論がありますので、決算でやります。 ○下山芳男 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、一番神尾りさ議員。    〔一番神尾りさ議員登壇〕(拍手) ◆一番(神尾りさ 議員) 通告に基づき質問します。  まずは環境政策についてです。  今年の夏も大変な猛暑日が続きました。気候危機問題が待ったなしであることを感じさせる夏でした。専門家の予測によると、このまま異常気象が続くと、三十年後の日本では、紅葉のピークがクリスマス頃になったり、二月でも二十度を超えたりする日が続く可能性があるそうです。  この間、区では気候変動を食い止めるため、地球温暖化対策地域推進計画の見直しを行い、今般計画素案が取りまとめられました。先日開催されたオンラインの区民説明会には、多くの方々が参加して活発な議論が交わされ、区側では、環境政策部に加え、経済産業部、清掃・リサイクル部、都市整備政策部、教育委員会など、部署の枠組みを超えて取り組む姿勢が見受けられました。  来年策定される計画を基に、個々人がこの問題に主体的に関わっていくためには、区が大きく目標を掲げ、率先して取組を推進し、区民や事業者と一体となって議論と実践を重ねていく必要があります。  国では、二〇五〇年の脱炭素社会の実現に向けて、全国から百か所の脱炭素先行地域を選定し、年間二百億円の交付金を設けて地方自治体の事業を支援することとしており、本年四月に第一回の選定結果が発表されました。当区における環境施策への熱意をより一層高め、区民や事業者とともに取組を加速させるためにも、また区内の地域特性に応じた事業展開に弾みをつけるためにも、世田谷区としてこの脱炭素先行地域に応募すべきと考えます。  脱炭素先行地域では、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現するため、太陽光発電などの再エネ設備や基盤インフラ、断熱改修などの省CO2棟設備などの整備に交付金を活用できます。まずは区内における広域生活・文化拠点や公共施設、住宅街での取組など、それぞれの地域特性を比較し、脱炭素に向けた先行的な取組を行うのにふさわしい地域を選定し、来年度以降の応募に向けた検討を早急に始めるべきと考えますが、見解を伺います。  一方で、区内の五地域では、まちの将来像を踏まえた地区計画や地区街づくり計画などを策定しています。そういったまちづくりの取組においても、今以上に環境について意識する必要があるという観点から、一例として、これまでも取り上げてきた三軒茶屋を中心としたまちづくりについて伺います。  広域生活・文化拠点の一つである三軒茶屋駅周辺では、まちの未来像の実現に向けて、三茶のミライ、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画が策定されました。また、三軒茶屋一丁目地区では街づくり懇談会が開催され、現況や課題、まちづくりの方向性などが話し合われています。  一方、三軒茶屋の隣の三宿では、道路占用を活用した環境整備などを実施しており、将来的な都市再生推進法人の認定を目指した動きも始まっています。  先週末の九月十七日に三宿の実証実験で使われたヤマハのモビリティーが、一昨日の九月十九日に三軒茶屋にある茶沢通りの社会実験でも活用されるなど、三軒茶屋駅周辺を面的に捉えた産官学民連携のユニークな事例も見られます。  今後の三軒茶屋周辺地区におけるまちづくりの取組においても、積極的にウオーカブルや脱炭素などの視点を取り入れ、環境によいまちづくりを推進していくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、八〇五〇問題についてです。  八十代の親が五十代の子どもの生活を支える八〇五〇問題の背景には、子どものひきこもりがあるとされ、平成三十年度の内閣府の調査によると、満四十歳から六十四歳のひきこもりの人数は約六十一・三万人で増加傾向にあります。  疾病や貧困、DV、虐待、精神疾患や障害などが要因となる場合もあり、長期にわたる包括的な支援が必要とされます。また、現代の八〇五〇問題の原因として、一九八〇年から九〇年代にかけて、若者のひきこもりに対応してこなかったことが関係しているとも言われています。つまり、八〇五〇に至る前の七〇四〇、六〇三〇、五〇二〇の時点で予防的な関わりを持つことができるかどうかが重要であるということです。  区では、本年四月にひきこもり相談窓口リンクを開設し、生活困窮者自立支援センターのぷらっとホーム世田谷と、生きづらさを抱えた若者を支援するメルクマールせたがやが連携して運営しています。若者や生活困窮、高齢や障害などのほか、教育機関とも連携した支援体制の構築が必要です。まずは多様な機関が連携して支援を行うための環境整備について、どのような体制で行うのか伺います。  また、当事者の社会的孤立を防ぐためには、課題を解決するのみならず、自己肯定感や心の回復力を向上させ、地域で信頼し合える人間関係を構築するための伴走的支援も欠かせません。
     日常生活の中に小さなゴールを見いだし、様々な関係者でたすきをつなぎながら、長期的に寄り添う姿勢が必要とされます。そのためには、関係機関がケース会議を行い、各団体が持っている情報を共有し、それぞれの役割を確認し、支援の経過を把握することが重要ですが、対面による会議や紙での情報共有には限界があります。  現在、医療・介護現場では、多職種連携、地域包括ケアの実践を支えるための情報共有システムを活用しているとのことですが、現在の活用状況について伺います。  また、区として八〇五〇問題を含め、DXを活用した地域包括ケアシステムを推進するためには、両医師会の取組を参考に、関係機関による情報共有の仕組みを検討する必要があると考えますが、見解を問います。  最後は、国際政策についてです。  本年二月にロシア連邦がウクライナへの軍事侵攻を開始してから半年以上が経過しました。子どもを含む五千五百人以上の市民が犠牲になったとされ、また、ウクライナから周辺国に避難した人は一千万人を超えており、第二次世界対戦後最大の人道危機となっています。  この夏に、私はウクライナの隣国、ポーランドを訪問しました。二百万人以上のウクライナ難民を受け入れているこの国では、まちの至るところにウクライナの国旗があり、レストランやホテルでは多くのウクライナ避難民が雇われていました。国を挙げて支援に取り組む姿勢や、これから極寒の冬を迎えるに当たっての課題意識などを学びました。  また、現地で献身的に避難民の支援を行っている日本人の方からもお話を伺いましたが、戦況が長期化するにつれて人々の関心が薄れていくことを懸念されており、小さな支援でいいから長く続けてほしいとおっしゃっていました。  日本では、九月十二日時点で千八百七十八人のウクライナ避難民を受け入れています。世田谷区では、軍事侵攻開始から約一か月で、ウクライナ避難民の受入れ及び支援に関するプロジェクトチームを立ち上げ、住宅、福祉、就労、日本語教育など部署を超えて対応する仕組みを構築し、これまでに数組の避難民を受け入れました。国や他自治体の動きを待つことなく迅速な対応を行い、多くの部署が連携して強固な支援体制を構築されたことを評価します。  これまでの日本は、欧米と比較しても消極的な難民支援体制でしたが、今回のウクライナ支援は、日本の難民政策の転換期にもなり得ると考えます。現に政府は、昨年夏から激変したアフガン情勢に対しても、人道面を配慮して対応しており、先月末までに年間の過去最多を上回る百三十三人のアフガニスタン人が難民認定されました。受入れ人数そのものは決して多くはありませんが、日本で生活を始める避難民一人一人の状況に寄り添い、個々人のニーズに合った支援を提供できるのが日本の強みだと思います。当区の支援体制が日本のよさを生かした自治体サービスの模範となれるよう、また、一人でも多くの避難民が世田谷で穏やかな生活を送れるよう、今後どのように支援を継続、強化していくのか伺います。  一方で、世田谷に住む外国人の生活を長期的に支援するためには、ボランティアの育成も欠かせません。当区には、様々な国の言葉を習得し、また他国の文化に関心を持つ方々が大勢います。そういった方々の力を生かして外国人の生活支援を行うなど、多文化共生の推進に向けて具体的な策を講じるべきと考えますが、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎清水 環境政策部長 私からは、脱炭素先行地域づくりについて、広域生活・文化拠点や公共施設、住宅街などの地域特性を比較し、応募に向けた検討を加速すべきという御質問に対し御答弁いたします。  国が募集する脱炭素先行地域では、二〇三〇年度までに地域内の民生部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロ実現をはじめ、地域の特性に応じた温暖化対策の取組、脱炭素の取組に伴う地域課題の解決や、住民の暮らしの質の向上などの複数の選定要件が定められています。  区としましては、提案書の作成に当たっては、区内の地域特性や地域課題を踏まえつつ、綿密なCO2削減手法の構築、地域住民や事業者等との合意形成など、様々な事項の評価を高めていく必要があると認識しております。  現在、既に選定された他自治体の事例研究や情報収集を行い、応募の可能性を模索しているところであり、今後も関係所管と連携調整を図りながら、区内の具体的なエリア及び課題の設定などについて前向きに検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎清水 世田谷総合支所長 私からは、今後のまちづくりの取組について御答弁いたします。  多様な主体が連携し、みんなの計画であることを基本理念とした三茶のミライは、誰でも気軽に出かけられるまちなど九つの未来像を描き、環境負荷の低減を踏まえた魅力ある拠点づくりを進めるための取組などを示しております。  居心地がよく歩きたくなるまち、ウオーカブルなまちづくりは、人々がまちを歩くことにより心と体の健康を育み、まちには人の回遊によるにぎわいと活気や新たな魅力が生まれ、脱炭素社会への効果も期待されています。  このような一環として、産学官民連携によるマーケットイベントの開催と併せて、人が憩える滞留空間創出を兼ねたグリーンスローモビリティーの展示や、車道部分にウッドテラスを設けた、ゆとりとにぎわいのあるウオーカブル空間を設けるなど、環境の視点を取り入れた社会実験に取り組んでおります。  区といたしましては、これまでも地域の方々とともに歩行者空間の整備充実など、ウオーカブルの推進に関わる目標や、緑化のルールを定めた地区計画等による持続可能なまちづくりを進めてきております。  今後も引き続き、環境政策部をはじめ関係部署と連携し、脱炭素など環境の視点を取り入れた地区特性に応じたまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、八〇五〇関連で、まず環境整備について御答弁いたします。  この四月に世田谷区ひきこもり相談窓口リンクが開設され五か月が経過し、これまで約百二十件の新たな御相談を受け付けています。リンクでは、本人や御家族からだけでなく、関係機関からの相談も受け付け、世帯の今の状況をアセスメントするとともに、今後に生ずる可能性がある状況変化を見据え、例えばあんしんすこやかセンターや介護事業所など多機関と協働した体制づくりや役割確認を行い、ひきこもり当事者やその家族の意向を伺いながら伴走型支援を行っております。  また、メルクマールでは、相談者の約七割に不登校経験があることや、ひきこもり期間が長期にわたるなど課題が複合化、複雑化する傾向があることから、区立中学校個別訪問など、教育委員会と連携し、支援が途切れないよう、卒業前から情報を共有するなど、早期支援の強化にも努めております。  今後も関係機関とともにつながり、情報を共有し、支援体制を整えてまいります。  次に、情報共有の仕組みについてです。  在宅療養患者を支える体制を整備するため、世田谷区医師会及び玉川医師会が中心となり、医療・介護職等の専門職による情報共有システムを平成二十八年度に導入しました。  現在、地区単位、職種ごと、患者単位など様々なグループを作成し、医師、ケアマネ、介護職員など千名を超す専門職が情報共有を図っております。  一方、八〇五〇問題を含めた保健福祉の支援においても、御指摘の情報共有システムを活用することができれば、関係機関は適宜情報を共有することにより、迅速で的確な支援ができるものと考えています。  区としては、個人情報の取扱いやシステムの課題を整理しながら、両医師会や他自治体の取組を参考に、情報共有システムの活用に向け関係部署と検討してまいります。  私からは以上です。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、ウクライナ避難民支援などについて二点お答えいたします。  初めに、今後の支援をどのように継続、強化していくかについてです。  区では、避難民の生活ニーズに対応した切れ目ない支援が展開できるよう、三月に庁内プロジェクトチームを立ち上げ、関係所管で連携を図りながら支援に取り組んでいるところです。  具体的には、避難民受入れ世帯への一時金の支給をはじめ、住まいの支援としての区営住宅の確保、生活に必要な日本語学習の支援、転入手続や国保加入手続の支援、情報発信における多言語化対応など多面的な支援に加え、支援に向けた区民への啓発なども進めております。  ウクライナ情勢の先行きが不透明な中、区としましては、引き続き避難民の方々に寄り添いながら支援に取り組んでいく必要があると認識しております。  さらには、この間に培われた庁内の連携体制や関係機関との協力関係、支援のノウハウを十分に生かしながら、ウクライナ避難民に限らず、全ての在住外国人が安全安心に暮らせる多文化共生のまちづくりにも一層取り組んでまいります。  次に、多文化共生の推進に向けた具体策についてです。  新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、減少傾向にあった区内在住外国人数は、本年四月より増加に転じており、ウクライナ避難民にとどまらず、外国人全体の生活基盤の充実を図っていくことは重要と認識しております。  取組を進める上で、行政のみならず、外国人支援に関心のある区民の参加と協働の視点が必要と考えており、現在、東京二〇二〇大会での語学の堪能な区民ボランティアの方々に協力をいただける仕組みについて、世田谷ボランティア協会や、せたがや国際交流センターと連携して検討を行っているところです。  区内に住む外国人が、地域住民との相互理解を深めながら安心して地域社会で暮らすことができるよう、世田谷区多文化共生プランの基本理念である、「多文化共生のまち せたがや」の実現に向け取組を推進してまいります。  以上です。 ◆一番(神尾りさ 議員) 脱炭素先行地域への応募について、一点要望します。  四月の第一回選考結果で選ばれた自治体の中には、約十億円を交付されて先行的な取組を行っているところもあります。そういった大きな額の交付金を活用できれば、世田谷が描く環境によいまちづくりのビジョンを形にしていくことができると思います。応募について前向きに検討することを強く要望し、続きは決算特別委員会で伺います。 ○下山芳男 議長 以上で神尾りさ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 質問通告に従って、順次質問してまいります。  まず初めに、手話言語条例の制定に向けた実効性のある取組についてです。  私は、平成二十九年三月、三十年九月の一般質問や、平成三十一年の予算特別委員会でも取り上げ、誰もが平等に言語としての手話を学ぶ環境を整えることを求めてきました。  世田谷区の身体障害者手帳を持っている聴覚障害者は、直近のデータでは約千九百人いますが、手話を使える人は約二〇%程度と言われています。聾学校では、口の動きを見て意味を理解する口語法が重視され、手話が禁じられてきた歴史の弊害が大きく、手話教育や手話通訳の配置を充実させるためにも、手話を言語として認め、広く普及する手話言語条例の制定は、聴覚障害の方々の悲願であり、私も求めてまいりました。  保坂区長は、手話言語法の制定を目指す全国手話言語市区長会のメンバーでもありました。手話言語法の動きを促進する上で必要な手話言語条例の早期実現を期待していましたが、ようやく検討することになり、当事者団体の皆様の希望につながっています。ぜひ当事者の声を生かした実効性のある条例の早期制定を求めます。見解を伺います。  また、手話を言語として位置づけ、広く普及する上では、区内に手話に触れ合い、就労にも結びつく場所が必要です。  令和二年には、手話を共通言語とした国内初の店舗、スターバックス、サイニングストアが東京国立市に開業しています。区内でも新庁舎や公共施設内での場づくりを視野に、こうした民間事業者の事例などを参考に具体的な検討を進めるべきです。見解を伺います。  さらに、手話通訳者の育成も必要です。世田谷区内には男性の手話通訳者が存在せず、通院などでの同性通訳者が求められており、課題があります。専門性が求められる手話通訳ですが、その報酬には自治体ごとにばらつきがあり、世田谷区の報酬単価は全国平均を下回ります。速やかに報酬単価を見直し、男性の手話通訳者も確実に増えるよう、せめて全国平均を下回ることがないよう改善すべきです。見解を伺います。  次に、心のバリアフリーと合理的配慮についてです。  私は、これまでも障害者差別解消法の具体的な取組を進めるために、世田谷区独自の条例の早期制定や、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを契機に、誰もが暮らしやすいまちを目指したユニバーサルデザインや心のバリアフリーを推進することを求めてきましたが、残念ながらあまり変わっていない印象です。  生活者ネットワークでは、七月から八月にかけて、実際に車椅子を利用して、一部の商店街や横断歩道など、まちのバリアチェックを行いました。  段差が解消された道路であっても、その距離は百メートルほどで、その先は、車椅子を押す手に力を入れなければ真っすぐにスムーズな移動ができにくい状態でした。  また、店舗では、車椅子に乗ったまま利用できるトイレはほとんどありませんし、段差解消スロープは一店舗のみ、筆談ボードや点字メニューはゼロ、大型チェーン店舗では合理的配慮がなされているとは言い難く、ハード面での対応はまだまだです。  他方、ソフト面では、障害のある方や高齢の方、ベビーカーを利用する方が安心して外出でき、困った方がいたら声をかけあえる社会を目指し、心のバリアフリーを広める活動を進めるNPO法人ココロのバリアフリー計画の代表、池田君江さんのお話を伺いました。  池田さんは、バリアフリー対応のお店でなくても、周囲の優しさで行けるところが広がる、障害のある方が店舗などを訪問するときに必要なのは、バリアの有無よりも具体的な情報とも話され、令和二年からはシェアスロープを設置する店舗を増やす活動にも力を入れており、優しさをシェアする取組に共感いたしました。こうした取組にも光を当てて大きく育てていくことも必要です。  今定例会には、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例が提出されています。心身の機能に障害のある方々などが安心して暮らし続けることができる地域にするためには、ハードとともに心のバリアフリーを進めることが必要です。見解を伺います。  また、平成二十八年の一般質問では、合理的配慮への具体的な取組として、点字メニューや筆談ボード、段差解消スロープの設置などを求め、商店街に予算がつきましたが、今年度から外されています。合理的配慮を進める上でも必要な予算です。ぜひ予算の再開を求めます。そして、シェアスロープなど設置後の店舗情報が、必要な人に届くよう、当事者団体などとも意見交換を重ねるなど、周知の工夫も併せて伺います。  次に、エディブルシティに向けた区有地の農的活用についてです。  エディブルシティとは、直訳すると食べられるまち、経済格差の広がる社会状況を背景に、新鮮で安全な食を入手することが困難なアメリカの都市を舞台に、一部の市民が始めた、アスファルトやコンクリートをガーデンに変えていく活動を紹介するドキュメンタリー映画のタイトルでもあり、御存じの方も多いのではないでしょうか。  最近では、お料理やスイーツなどのお皿に彩りを添えるように、食べられるお花、エディブルフラワーを使ったお店が人気ですが、まち全体を食べられる都市に、すなわちエディブルシティも同様に、世界に変化を促しています。  一方、私たちはロシア連邦のウクライナへの侵攻によって、既存の食料システムや社会システムがいかに脆弱かを目の当たりにしています。  日本の食料自給率は四〇%を切る中で、農への関心や新鮮な食べ物を自分で作れる環境を求める区民の声は高まっています。これまでも空き地の有効活用の一つとして、イギリスのトッドモーデンの取組を紹介し、公園や区有地の空き地などの農的活用を求めてきました。  道路用予定地や代替地など、区が所有している土地で使用されていない土地の農的活用は、みどり33の達成と気候危機を防ぐためにも重要な取組であり、積極的に進めるべきです。見解を伺います。  自己決定権が尊重された性教育について伺います。  日本の性教育の遅れは、子どもたちが性に関する科学的知見に基づいた知識を身につけることの機会と、自分自身の身を守るための手だてを奪うもので、自己決定権が尊重された性教育には程遠い現状です。  小さな子どものときから自分の体の大切な部分、いわゆるプライベートゾーンですね、こういったところを触られるようなときに、ノーと言える権利など、幼児期から自分を守るための包括的性教育の重要性を指摘し、外部講師を活用した性教育やリプロダクティブ・ヘルス/ライツの推進などを求めてきました。  区では、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの周知啓発の在り方について、前身の会議体である世田谷区健康づくり推進委員会から専門部会を設置し、具体的な啓発と取組への検討を進めています。  私はこれまで、性と生殖に関する権利を伴う教育は、保健所だけではなかなか進まないことから、教育所管や人権・男女共同参画課が同じテーブルに着いて議論を進めることの必要性を指摘してきました。ようやく形になり、具体的な検討が進んでいることを評価します。  今回の検討は思春期に向けたものですので、今後は幼児期から年齢に応じた包括的性教育が進むことを求めるとともに、先駆的な取組が他自治体へも波及することを期待しております。  一方、現在の義務教育の学習指導要領には、いわゆる「はどめ規定」と言われる性教育に関する制限があります。小学校五年生ではヒトの受精に至る過程が、中学校保健体育では妊娠の過程が、取り扱わないものとするなどとされており、学校現場での性教育から性交というテーマが排除されています。  また、保護者の理解や学校全体で共通理解を図ることが、中学校の学習指導要領に記載されていることで、「はどめ措置」とも言われる運用上のハードルとなり、学校での性教育は遅々として進みません。  性に関する知識不足の実態は、日本社会全体の問題です。性に関する自己決定権が尊重された地域社会の実現のためには、性教育問題を社会全体の課題と捉え、関係所管が連携し、性教育を充実させる必要があります。  区長と関係所管の見解を求めて、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中議員の御質問にお答えをいたします。  日本の性教育の現状をどういうふうに世田谷区として取り組んでいくのかという御質問です。  令和三年におきます性犯罪は、東京都内だけでも認知件数七百八十三件、東京都の相談窓口には五千九百九十四件の相談があったと聞いております。被害に遭った後も、長期間精神的なダメージを負ってしまう性犯罪は、重大な人権侵害であり、とりわけ子ども、年少の時期に被害に遭うと、これが表面化しにくいという深刻な犯罪であります。  このような性犯罪が繰り返され、またなかなか表面化しない背景には、日本の性教育の在り方にも一つの要因があると考えております。  私は、性に関する正しい知識を伝えることが、いわゆる議員御指摘の「はどめ規定」により制限をされていて、性行為と妊娠に至る過程の教育が行われておらず、ある出版社で聞きましたけれども、小学生が、お父さんのメダカとお母さんのメダカが泳いでいて、次に今度赤ちゃんが生まれると、これが性教育だと聞いて非常にびっくりしたことを覚えておりますが、十代の望まない妊娠も相変わらず増えています。そして、社会全体がまだまだ性に関する話題をタブー視していることも背景にあるかと思います。  その一方で、インターネットの中では、ゆがんだ性情報があふれ返っておりまして、暴力や女性の人権を踏みにじるような情報に、子どもたちはさらされて、しかも影響を受けているということも見逃せません。  性教育は人権教育であり、互いを思いやり、命、尊厳を守る取組として、幼少期から年齢に応じて、発達段階に応じて取り組んでいくことが肝要だと考えております。  区といたしましては、人権、保健福祉、教育の各機関、またトータルに、残念ながら日本の性教育、実はほとんどしっかり行われていないということをもう一度総括的に捉えて、慎重な判断と行動の下に、子どもたち自身が、あるいは成人してからも、自らの尊厳を守り、性に関する自己決定権を行使して、その自己決定権を尊重し合うという地域社会の構築に向けて取り組んでいくということをしっかりと発信をしていきたいというふうに考えております。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、手話言語条例、それから心のバリアフリーについて順次御答弁を申し上げます。  まず、聴覚障害者の当事者交流の場、就労の場の設置についてというところになります。  お話の国立市の喫茶店は、聴者、聞こえる人と聾者、聞こえない方が共に働く場所で、多様な方々の居場所となることを目指して民間企業が開設した店舗というふうに認識をしてございます。  この店舗では、手話が共通言語となることで、聾者にとっては、障害による社会的障壁を感じることなく働ける就労の場となり、聴者にとっては、言語としての手話を身近に感じられる場所となっているものと考えております。  こうした障害のあるなしに関わらず、同じ場所で共に働き、そこに人々が自然に訪れるというような場は、障害理解の促進につながります。今後、お話の事例なども参考に、障害者団体や民間事業者、関係機関などからの御意見をいただき、課題を整理しながら検討してまいります。  続きまして、手話通訳の報酬改善や男性の手話通訳についてです。  手話通訳の報酬については、令和元年度に社会福祉法人の調査により、派遣事務所に所属する方の全国平均が、一か月五・六回の派遣で約三万三千円、一回当たりに直しますと約六千円となってございます。  派遣時間が異なりますので、単純な比較はできませんけれども、区の手話通訳の派遣は、現在、派遣時間二時間三十分で三千四百二十円となっております。
     男性の手話通訳につきましては、令和三年度、全国約四千人のうち一割となっておりまして、区の手話通訳者等派遣センターに登録されている男性はゼロとなってございます。  また、聾者の方にとって手話言語は、自身の考え等を率直に伝え、他者との意思疎通を図るために必要な言語であります。日常生活において病院の受診などで、同性の手話通訳者が望まれる場面など、プライバシーにも関わってくるものというふうに考えてございます。  今後、手話言語条例の制定に向けて検討を進める中で、男性を含めた手話通訳者の養成、それから報酬の在り方、こういったものについても、当事者、関係団体等に御意見を伺いながら検討をしてまいります。  続きまして、条例制定のスケジュールについてです。  手話言語条例につきましては、本定例会に御提案している条例案の検討をする中で、同じ条例に位置づけることも検討いたしましたが、言語としての手話と、意思疎通手段としての手話を同一の条例に盛り込むことは、言語としての手話について社会の認知や理解が深まらないおそれがあるといった御意見もありました。こうしたことを踏まえまして、今般の条例案とは別に、独立した条例として検討することとしております。  今後、令和六年度から次期せたがやノーマライゼーションプランが始まります。この検討のスケジュールと併せ、手話を必要とする方々の権利の尊重を基本とした手話言語条例の制定に向けまして、当事者、それから関係団体からも御意見をいただき、検討を進めてまいります。  続きまして、心のバリアフリーの推進についてです。  区では、東京二〇二〇大会を、障害理解を促進する大きな機会と捉えまして、国から先導的共生社会ホストタウンの認定を受け、ユニバーサルデザインのまちづくり、パラスポーツの推進、心のバリアフリーを柱といたしまして取組を進めてまいりました。  障害理解を促進し、差別を解消するためには、道路や建物などの物理的なバリアを取り除くことはもちろんですけれども、これに加えて、様々な人々が相互に理解を深めようと、コミュニケーションを取り、支えあう心のバリアフリーがとても大切です。  区といたしましては、本定例会に御提案しております世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例案、こうしたものを基に、誰もが安心して暮らし続けることができる地域づくりに向けて、当事者の参加や活躍、それから支えあいを促す取組など、具体的な施策展開について検討してまいります。  最後に、物品助成の再開、それからシェアスロープの周知等についてです。  区では、先ほど申し上げましたが、東京二〇二〇大会を契機に心のバリアフリーを推進してまいりました。この一環として令和元年度から三年度まで、商店等に対する段差解消スロープや点字メニュー、筆談ボードなどの物品購入の助成を行っております。  本事業は、当初より期間限定だったため、三年間で終了してしまいましたけれども、ふだんはあまり接点のない事業者の方へのアプローチといったものもあり、有効な事業であったと考えております。  今般、先ほど申し上げました条例案に基づく事業といたしまして、今後の実施に向けての調整をしてまいりたいというふうに考えてございます。  また、段差解消のスロープを複数の店舗で共有して使うシェアスロープにつきましては、段差解消はもちろんですけれども、複数の店舗で共有するということで、地域のつながりづくりということにもなるかというふうに考えてございます。  先ほどの助成事業での活用や、当事者の方への情報提供など、様々検討してまいります。  私からは以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 性教育についての保健所の取組についてお答え申し上げます。  これまで保健所では、性感染症予防教育、いのちと性の健康教育を助産師会に委託し、希望する中学、高校に出張講座を実施してまいりましたが、現状としてこの取組が区内学校全体までは広がっておりません。  今年度より思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関わる周知啓発の在り方について、世田谷区健康づくり推進委員会に新たに部会を設置いたしました。  部会は、健康、人権擁護、教育を所管する部署との連携の下、多様な分野からの外部委員及び庁内の関係管理職委員から構成し、議論を重ねているところでございます。  先日開催いたしました保護者と若者世代を対象に実施したワークショップでは、性的接触や性交について教育を受けてこなかったので、正しい知識を教えてほしい、性について語り合う場が欲しいなどの声をいただきました。  さきの常任委員会においても、検討状況について様々な御意見を頂戴しております。区としては、初めての取組でございますが、議会をはじめ公の場で議論をいただいていることに意義を感じております。  引き続き専門部会で議論を深め、庁内連携の下、世田谷区の思春期世代に届く周知啓発を実現させてまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、自己決定権が尊重された性教育について、教育委員会の取組についてお答えいたします。  現在、教育委員会では、担当職員が、世田谷保健所が推進する思春期世代に向けて性教育の大切さを周知啓発することを検討する専門部会、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発専門部会に参加しております。  そこでは、思春期世代が心身の健康についての正しい知識等を身につけ、心身の健康を保持することを共通の目的として検討を進めております。  各学校においては、児童生徒の発達段階を考慮しながら、性に関する基本的な知識等を習得させるとともに、対話を通して自分の意見を表明したり相手の意見を受け止めたりしながら合意形成を図っていく能力を育成することなどとしているところです。  また、希望する学校には、産婦人科医や助産師を派遣して、命の尊さや望まない妊娠、性感染症予防などについて、生徒が専門家から学ぶ機会を設定するとともに、他校の教員がこれらの授業を参観し、学校の実態に即した性教育の推進を図ることができるよう周知しております。  引き続き専門部会の検討状況を踏まえ、区長部局や東京都教育委員会等と連携し、各学校の性教育が充実するよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、区有地の農的活用、地域コミュニティーの醸成についてです。  国は、都市における農地がもたらす機能は、農作物の供給にとどまらず、良好な緑や景観、防災機能などの多様な期待から、都市農業振興基本計画におきまして、都市農地の位置づけを、宅地化すべきものから都市にあるべきものへと大きく方向転換し、この間、生産緑地法の一部改正や制度の創設など、農地保全への施策を展開してきてございます。  区では、農地保全や農業振興を喫緊の解決すべき課題と捉えまして、様々な施策に努めてきており、その中の一つに、多面的な機能を有する地域の財産として、区民と農がつながる取組を広げながら、農地の保全と活用を進めていくことといたしまして、令和三年度より官民連携による提案型協働事業を実証的に始めたところでございます。  この取組は、区有地を暫定的に活用し、NPOや地域の皆さんとの協働により、多様な方々とのつながりを育てる畑を目指し、名称をタマリバタケとして農的活用を進め、農の大切さと農の多面的な機能の理解を深めながらコミュニティーの醸成を図るもので、休日には家族連れなど多世代にわたり多くの人が集まり、自然共生農法や堆肥づくり、ベンチづくりなどを通じて、人と人との新たな交流が生まれております。  一方で、継続的な活動場所や財源など、さらなる展開に向けた課題も見えてきたところでございます。  区といたしましては、こうした取組を通じて、さらなる農への理解、環境や景観形成、教育に加え、地域のコミュニティーの醸成にも大いに寄与するものと考えており、さらなる活動につながるよう、引き続き庁内連携してまいります。  以上でございます。 ◆十三番(田中みち子 議員) この続きは決算で行います。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時七分休憩    ──────────────────     午前十一時二十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  七番くりはら博之議員。    〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手) ◆七番(くりはら博之 議員) 通告に従い、一般質問を行います。  まず、未払いのNHK受信料などの時効援用に関して質問をいたします。  未払いのNHKの受信料などについては、民法上の消滅時効期間は五年となっていることから、受信契約または最後の支払いから五年以上経過した分については、時効援用によって支払い義務がなくなる可能性があります。  ただし、集金に来た訪問員に、今後の受信料を払っていただければ、これまでの分は支払わなくてもいいと言われて支払った場合は、未払い期間の債務承認をすることになるので、時効の援用ができません。  また、時効は自動的に成立するわけではなく、契約者がNHKに対して配達証明つきの内容証明郵便で時効援用の通知書を送ることで初めて成立いたします。  NHKの受信料をはじめとした様々な支払いができずに苦しんでいる方も多くいらっしゃいますが、時効援用についての相談があった場合、区はどのような対応を行っているのか、お伺いいたします。  次に、宗教団体へのお布施や献金、霊感商法と言われる、高額な物品の購入を宗教団体が強いる問題について質問をいたします。  去る七月の参議院議員選挙において、安倍晋三元総理大臣が応援演説中に男に銃撃をされ、不慮の死を遂げました。この場をお借りし、安倍元総理の御冥福をお祈り申し上げます。  安倍氏を銃撃した人物は、マスコミ等による連日の報道で知られるところでありますが、母親が旧統一教会、世界基督教統一神霊協会、現在の世界平和統一家庭連合の信者であり、消費者金融を利用してまで教団に多額のお布施や献金を行い、自己破産したことによって家庭が崩壊したとのことですが、旧統一教会と親密な関係であると考えた男は、安倍氏を標的にし、犯行に及んだわけであります。  ここで質問をいたしますが、旧統一教会に限らず、一部の宗教団体がお布施、献金と称して信者から多額のお金を納めさせることや、先祖の霊、因縁がつけられているなどと述べて、信者などを不安な心理状態に陥れて、それに付け込み、印鑑やつぼ、掛け軸や絵画などを高額で売りつけることなどが度々問題となっております。  ここで二点お伺いいたします。一点は、こうした宗教団体への現金の納付や宗教団体による高額な物品の販売に対する区の見解と対策についてお尋ねいたします。  二点目は、国が「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議を設置し、議事録も公表していますが、区も旧統一教会の霊感商法などの不法行為の相談、被害者の救済のために参考にするべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  続いて、行政対象暴力に関して質問をいたします。  平成十九年四月に、当時の長崎市長であった故伊藤一長氏が、選挙中に元反社会的組織構成員の男に銃撃されて死亡する事件が発生いたしました。  行政対象暴力とは、暴行、威迫する言動その他の不当な手段により、都道府県や市区町村に対して違法または不当な行為を要求することを言います。  伊藤前市長を狙った男も、反社会的組織の資金源としていた建設会社の経営が苦しくなった際に、市の融資制度が適用されなかったことから、市に対して抗議を始めました。  また、市の発注した道路工事現場で事故を起こした際に、車両保険が支払われなかったことでも、市に対して強い不満を抱いたと言われています。  この事件で逮捕、起訴され、現在は故人となった男は、自分の要求が通らなかったことに腹を立てて、テレビ朝日の報道ステーション宛てに抗議文を送りつけたと言われています。  これ以外の行政対象暴力の具体的事例を申し上げますと、指名競争入札に特定の業者を指名すること、またはしないことの強要、区市町村が発注した工事の二次あるいは三次下請の強要、機関誌や紳士録などの購読料や賛助金の要求、行政上の手続などに因縁をつけた不当な要求、発注工事現場での安全対策等にクレームをつけて要求することなどが挙げられます。  区役所の各窓口には、連日多くの方が訪れております。中には反社会的な団体等からのいわゆる行政対象暴力のほか、一般区民の方からの不当と思われる要求も少なくないのではと危惧するところであり、対応の誤りは、本来なすべき区民サービスへも影響を与えかねないものと考えます。  そのような不当要求など行政対象暴力に対して、現在、区はどのような対応を取っているのかお伺いいたします。  また、不当要求等行政対象暴力に対応した職員には大きな精神的負担がかかると思われますが、区はそのような職員に対しどのような対応をしているか、併せてお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わりにいたします。(拍手) ◎後藤 経済産業部長 三点御答弁いたします。  一点目、時効援用などに関する区民からの相談への対応についてでございます。  時効の援用とは、お話のとおり、時効の完成によって利益を受ける方が時効の完成を主張することでございます。時効の援用についての消費生活相談を受けた場合には、速やかに区で行っている弁護士相談や、弁護士会が設置している法律相談センターなどを御案内しております。  二点目、霊感商法、宗教団体による高額な物品の販売などに対する区の対策についてでございます。  霊感商法とは、単なるつぼや印鑑、置物などに、あたかも超自然的な霊力があるように言葉巧みに思わせて、不当に高い値段で売り込む商法を言います。すぐ霊感商法と分かる相談は、ここ数年、毎年数件程度見られるものの、訪問販売などで売りつけるケースの中に混在していることも想定されます。  そうした際には、消費生活相談員が状況に応じてクーリングオフ制度を紹介するなど、相談の解決に向けた助言を行うとともに、必要に応じて警察や法律相談等を御案内しております。  今後も被害に遭う方を減らすよう、既存の出前講座のメニューを活用するほか、消費生活センターだよりや区のホームページなどで周知を図ってまいります。  最後に、国の立ち上げる会議体についてでございます。  先月から消費者庁が主催して、霊感商法等の悪質商法への対策検討会を、また、法務省が主催して、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議を開催していることは承知してございまして、区といたしましても、消費者被害救済に関する視点での動向を注視しているところでございます。  以上でございます。 ◎大塚 危機管理部長 私からは、行政対象暴力について二点御答弁申し上げます。  初めに、行政対象暴力があった際の対応についてでございます。  区では、暴力団等反社会的勢力などによる不当な行為等を防止するため、世田谷区暴力団排除活動推進条例や、世田谷区不当要求行為対応要綱を定めており、区や区職員に違法または不当な行為等の行政対象暴力があった場合は、これらに基づき、関係所管が連携して組織的な対応に努め、必要に応じて区内各警察署の指導支援を得ながら対処しております。  また、個々の職員が、より適切な対応が取れるよう、職場における不当要求行為の対応の心得や個別対応事例を掲載したマニュアルを作成しているほか、危機管理研修や、危機管理部が各職場に赴いて実施している防犯講座においても、不当要求行為などへの具体的な対応要領を指導しております。  さらに、毎年度、警視庁と暴力団追放運動推進都民センターの協力を得て、管理職及び係長を対象に、不当要求行為等対応研修を実施しており、受講者は職場の不当要求防止責任者として選任され、対応に当たることとしております。  今後もこうした取組を鋭意継続していくことにより行政対象暴力を防止し、公正な職務の遂行と区民や職員の安全の確保を図ってまいります。  続きまして、職員への対応、ケアについてでございます。  議員御指摘のとおり、不当な要求行為等の行政対象暴力に対応する職員の精神的負担は非常に大きいものがあり、区として、職員が安心して職務に専念できる環境をつくることは重要な責務であると考えております。  行政対象暴力に対しましては、各職場の不当要求防止責任者が中心となり組織的に対応することで、職員個々の負担軽減や、特定職員に対する逆恨みなど、危害の防止を図るとともに、産業医によるこころの健康相談や、外部の心理カウンセラーの紹介など、職員の精神的ケアの体制を整えております。  職員が安心して職務に専念し、その能力を最大限に発揮できることは、最良の区民サービスにつながるものと認識しております。引き続き職員の精神的負担やそのケアに十分留意しながら、行政対象暴力に適切に対応してまいります。  以上です。 ◆七番(くりはら博之 議員) 御答弁ありがとうございました。  まずは行政対象暴力への対応についてですが、こちらは条例などに基づき、警察署の支援も受けながら対応されているとのことです。また、被害を受けた職員への精神的ケアの体制も整えているとのことですので、引き続きよろしくお願いいたします。  次に、宗教団体へのお布施や献金などについてですが、こちらは連日報道されており、今後このような被害が明るみに出てきて、区への相談も増えていく可能性もありますので、適切な対応をお願いいたします。  そして最後に、NHK受信料などの時効援用につきましては、区民からの相談があった場合は、速やかに法律の専門家である弁護士を御案内していただけるとのことです。先ほども申し上げましたが、NHKの受信料などの支払いができなくて困っている方が大勢いらっしゃいますので、相談者の気持ちに寄り添った丁寧な対応を引き続きお願い申し上げまして、以上で一般質問を終了いたします。 ○下山芳男 議長 以上でくりはら博之議員の質問は終わりました。     ────────────────────
    ○下山芳男 議長 次に、十六番河野俊弘議員。    〔十六番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆十六番(河野俊弘 議員) 質問通告に従い、順次質問いたします。  初めに、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについてお聞きします。  三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて、前定例会においても、産業政策の観点と、三軒茶屋を中心に点在する貴重な区所有の公共空間の活用が求められていることなどを質問してまいりました。  小さなまちづくりから大きなまちづくりへつなげるために、今ある貴重な公共空間を生かさなければなりません。具体的には、ふれあい広場や旧保健センターの跡地の活用、さらには御幸ビルの老朽化に伴う建て替えの可能性など、三軒茶屋駅周辺の顔とも言える貴重な空間をより生かせるポテンシャルがあるにもかかわらず生かせていません。地域のニーズに即し、新たな魅力を創造し、さらにもっと便利で、誰もが訪れたくなる魅力あふれるまちとしての、さらにそれが再開発の機運をさらに高めることができる取組として具体的に示していかなければなりません。  三軒茶屋を中心とした地域として、児童館が未整備地区であること、さらには超高齢化社会を見据えた際には、高齢者施設の不足など、明確な課題もあります。多世代多様な交流を見据えた場の創出など、一新された公共空間が、地域のニーズに合った方針を聞き進めていく、そのために、以前、三軒茶屋一丁目地区において、世田谷総合支所街づくり課によってゲリラ的に実施されたアンケートを実施していますが、三軒茶屋一丁目に限ることなく、周辺の各地域によって必要な地域の求めるまちの姿を意見聴取し、今後、より地域に即した形で実施すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、eスポーツの推進について伺います。  今夏、我が会派の行政視察にて福岡eスポーツリサーチコンソーシアム、通称FeRCの視察を行いました。FeRCは、全国的にも珍しい産学官組織であります。企業や研究者、視能訓練士、鍼灸師、臨床心理士といった多彩なメンバーで構成されています。  推進団体の福岡eスポーツ協会とも連携し、理事長には、九州産業大学人間科学部の磯貝浩久教授が務め、eスポーツについて科学的エビデンスをもって健全な発展の後押しを進めています。  FeRCの参画団体である福岡天神医療リハビリ専門学校では、民間資格である健康ゲーム指導士を育成し、資格保有者が高齢者向けeスポーツ体験会のファシリテーターとして活躍し、高齢者のフレイル予防としてeスポーツの活用が非常に効果的であるというところを見てまいりました。  福岡市では、この産学官の組織を支援する形で進めているのですが、世田谷区においては各所管ばらばらで、区においてeスポーツの位置づけが明確になっていないことがまず問題であると考えています。  eスポーツを年齢、性別、障害の有無など問わない、全ての人が楽しむことができる新たなスポーツの新競技として、区がどのように活用していくのか。  スポーツの語源であるラテン語のデポルターレの意味から言うところ、スポーツは日常から離れて気分転換を図り、非日常で元気を回復するなどの意味合いがあるので、リフレッシュのために行うものを意味しています。  そもそもなぜ区の組織としてスポーツ推進部があるのか。それは、スポーツは健康づくり、健康とは、身体の健康のみならず、心の健康も含まれているということ、一般的にスポーツ習慣があることは、スポーツによってリフレッシュし、心身ともに健康になり、さらには友達同士で一緒になって楽しめるものが多く、共に非日常の時間を過ごすことで、人間関係であったり、社会関係資本を高めることにもつながります。  区民にとって非常に有益であることから、スポーツを楽しむことができる環境を区が提供する、そして、そのスポーツにエントリーがしやすい様々な教室を実施したり、スポーツ団体のバックアップなど、これまでやっていると思います。  これについてはeスポーツも同じで、コミュニケーションツールにもなるコンピューターゲームをやることで心身のリフレッシュにもなる、健康増進にもつながるのではないでしょうか。フレイル予防にも限らず、全世代、全区民にとっていいことではないかと思います。これまでのスポーツと何が違うのか、新しいスポーツ競技として捉え、進めていくべきではないかと思います。  区にとってeスポーツの位置づけを明確にするべきだと考えます。各所管が一つのツールとして活用し、ばらばらに動くのではなく、eスポーツという新たな競技、新競技を区の中で位置づけ、明確にし、柱となる所管から、産業面や福祉面など連携を図り、継続的な取組を進めていくことを求めますが、区の見解を伺います。  位置づけを明確にしたことを前提に、eスポーツを産業振興や観光の観点から、区が今後どのように活用できるか、区の見解を伺います。  さらに、先ほど福岡市の例を基に、eスポーツは高齢者のフレイル予防にもつながるが、ゲーム指導士の活用も視野に、区として今後の活用をどのように考えているのか伺います。  次に、災害時におけるデジタルデバイド対策について伺います。  昨年、高齢者に対してスマートフォン三千台を無償貸与した渋谷区の調査において、災害時でもリアルタイムで避難所の開設情報を把握し、迅速に対応できたのは、SNSをよく利用する若者世代だったとしており、同区の防災課災害対策推進係によると、令和元年東日本台風の発生時、区内では、避難所に避難した人の約五割が二十代から三十代の若者で、六十五歳以上の高齢者は一割にも満たなかったと言います。  そこで、提案並びに質問をします。スマートフォンを保有していない、インターネットを利用していない区民にとって身近な、テレビを活用した災害時の情報伝達について、非常に有効と考えます。  これは前にも言い続けていますが、昨年、区がケーブルテレビ事業者と締結した地域BWAの活用に関する協定を基に、他自治体でも取組を進めている地域BWAモバイルルーターを使ったインターネットの開通、工事が要らないインターネット開通になります。テレビを活用した緊急情報の提供を例に、区も取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  最後に、喫煙環境の整備について伺います。  日本たばこ産業株式会社の調査による世田谷区内の指定喫煙所の充足率――これは所管の環境保全課のほうも目を通していると思います。既存の指定喫煙所のほとんどがキャパオーバーの状態であることが分かりました。  これは、持っている携帯電話の通信エリア等を基に出している数字で出ております。このような状況で、残念ながら、迷惑というクレームも寄せられているような状況で、このままでは、既存の喫煙所がやむなく閉所になる可能性もあります。  近年では、下北沢駅に設置された、煙が屋外に出ないコンテナ型の喫煙所は好評であり、コンテナ型の喫煙所整備について、今後より一層進めていくべきと考えます。たばこ税の活用を基に、喫煙所の整備は急務であります。区の見解を伺います。  さらに、既存の喫煙所の負担は大きくなっています。たばこが灰になって少なくならない電子たばこの普及によって、ごみの量が実際にもう増えている。新型コロナウイルスによる消毒液の設置等による経費の増、以前のたばこ関連の質問でも言い続けていますが、喫煙所の維持管理経費に関わる支援を早急に進めるべきと考えます。あわせて区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎清水 世田谷総合支所長 私からは、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて御答弁いたします。  本年三月に策定した三軒茶屋駅周辺の基本計画である三茶のミライでは、誰もがまちづくりに関われるまちなど九つの未来像が描かれ、活気に満ちた魅力ある拠点づくりを進めるための取組などが示されております。  これらの未来像実現には、まちに関わる人々がまちづくりに参加し関われる機会を増やすほか、まちづくりに関する情報について様々な機会を設けて提供し、共有することが重要となります。  三軒茶屋駅周辺では、先般実施した三軒茶屋一丁目におけるまちづくりの検討に関するアンケートやワークショップのほか、茶沢通りの歩行者天国でのにぎわいや、滞留空間創出の社会実験と併せた、地域の方々への公共施設等の公共空間活用に向けたアンケート調査など、様々な形でまちづくりに関わる機会などの創出に取り組んでおります。  区といたしましては、三軒茶屋駅周辺のまちづくりを推進するためにも、三茶のミライに基づき、多様な主体がまちづくりに参加できるよう、三軒茶屋駅周辺の公共空間を活用した社会実験などにより、まちに関心を持ち、まちづくりに参画する人を増やし、引き続き様々な議論の場の創出につなげてまいります。  私からは以上です。 ◎大澤 スポーツ推進部長 私からは、区におけるeスポーツの位置づけについて御答弁いたします。  eスポーツは、単に楽しむためだけのゲームではなく、地域活性化や産業振興といった側面に加え、高齢者のフレイル予防や世代間交流の促進、また、障害のある人もない人も共に楽しめる環境づくりにも有効であり、今後、各分野においてさらなる発展も考えられております。  このため、eスポーツの位置づけや取組などにつきましては、各自治体においては、地方創生や産業振興、高齢者対策等様々でございます。また、自治体としてeスポーツに取り組むには、事業者、関連団体等、民間との連携が不可欠であるとも認識しております。  区といたしましては、こうした状況なども踏まえ、関係所管と連携して、国や他自治体の事例も参考にしながら、どのような取り組み方がeスポーツの活用に有効なのかを検討してまいります。  私からは以上です。 ◎後藤 経済産業部長 eスポーツを産業振興や観光の観点からも活用すべきとの御質問に御答弁いたします。  eスポーツは、ソフトコンテンツや周辺機器をはじめとした産業の裾野が広い分野であり、さらにはeスポーツ大会などのイベントを通じた興行による集客など、地域経済の活性化に寄与する分野であると認識してございます。  実際、本年十月開催予定の産業フェスタ二〇二二においては、地域経済活性化や区内産業のPRに向けた手段の一つとしてeスポーツを取り上げることとなってございまして、集客の大きな目玉となると考えてございます。  今後ますます市場が拡大し、研究も進められていくと考えられることから、市場の動向に加えまして、国、東京都、他自治体の動向も注視しながら情報収集するとともに、関係所管と連携して、産業振興や経済活性化、観光等の観点からの利活用についても検討していきたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、eスポーツの高齢者のフレイル予防への活用について御答弁いたします。  コンピューターゲームの対戦競技であるeスポーツは幅広い層で楽しめることから、地域の活性化や世代間のコミュニケーションの促進だけではなく、高齢者の健康寿命の延伸や単身高齢者の社会参加促進への効果も期待されております。  このため、フレイル予防や多世代交流の手段として、太鼓ゲームなどのeスポーツを通じた体験交流会を開催している自治体や、健康デジタル指導士養成研修に参加した住民が、運転ゲームなどのeスポーツ講座を実施し、高齢者同士の新たな交流や、若者世代との交流に取り組んでいる自治体もございます。  現在、世田谷区では、介護予防事業へのeスポーツの効果的な活用について検討しておりますが、実施する会場や機材の確保、高齢者をサポートするスタッフ体制などの課題もあることから、引き続き他自治体の取組事例など、情報の収集に努めるとともに、関連所管とも連携して進めてまいります。  以上です。 ◎大塚 危機管理部長 私からは、災害時におけるデジタルデバイド対策について御答弁申し上げます。  区では、これまでエフエム世田谷、区ホームページ、災害・防犯情報メール、ツイッター、防災行政無線など、様々な情報発信ツールを活用し、重層的に災害情報の発信に取り組んでまいりました。  また、準災害時とも言える昨年来のワクチン接種予約は、高齢者を中心に、まちづくりセンターで約一万五千人の予約を職員がお手伝いしております。  このほか、令和元年台風第十九号による風水害対策総点検を受け、情報が取りづらい方への対策として、防災行政無線の電話応答サービスを拡充したほか、電話、ファクスによる災害時緊急情報配信サービスも開始しております。  災害情報につきましては、多種多様な伝達手段で発信することにより、スマートフォンなどを持たない方など、区民が誰一人漏れることなく情報を入手できる環境を整えておくことが重要と考えております。  議員お話しのとおり、区では昨年、ケーブルテレビ事業者と無線アクセスシステム、地域BWAの活用に関する協定を締結しております。  区といたしましては、御提案のテレビを活用した情報発信など、協定も生かした新たなサービスの可能性を探るとともに、現在導入しているサービスの一層効果的な活用に取り組み、情報が取りづらい方にも行き届いた情報伝達手段の整備を進めてまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  一点目、喫煙所の整備についてです。  これまで指定喫煙所につきましては、世田谷区指定喫煙所整備方針に基づき、地域の方々に御理解をいただきながら、公設、民設を合わせ主要駅周辺等四十二か所に整備してまいりました。  区内主要駅の中でも、三軒茶屋駅周辺はオフィスや飲食店が多く、滞在人口に対して喫煙所が充足されていない地域と認識しております。特に三茶パティオにございます指定喫煙所は、歩道に接した場所をパーティションで区切った形にしており、歩行者からの煙に対する苦情が大変多く、新たな喫煙所設置は喫緊の課題でございます。  こうした状況を踏まえ、三軒茶屋駅周辺では、年度内をめどに、民設の指定喫煙所の設置を目指しており、さらに、現在、公設のコンテナ型喫煙所設置の可能性も探っているところでございます。今後も、区内における喫煙マナーの向上と指定喫煙所のさらなる整備に向け取り組んでまいります。  続きまして二点目、喫煙所の維持管理経費に関わる支援を進めるべきという点についてです。  現在、区で設置した二十七か所の区立指定喫煙所の維持管理においては、週二回の吸い殻の廃棄や清掃などを区が実施しております。  一方、コンビニエンスストアやパチンコ店、個人商店など十五か所の民間の指定喫煙所においては、これまで新設時の整備費を助成してまいりましたが、維持管理についての支援は行っておらず、その費用が負担になっているというお声をいただいております。  他区の民間指定喫煙所の維持経費に係る支援について調べましたところ、委託費を助成する自治体は二十三区中九区でした。しかし、特に支援を希望されている個人商店等では、喫煙所の清掃で事業者に委託をするということが少ないため、その助成制度を有効に活用し切れていない状況でございます。  こうしたことから、他自治体の例も参考に、新型コロナウイルスの感染状況も鑑みながら、小規模な喫煙所の多い世田谷区の特性に合った有効な支援策を早期に実現できるよう検討してまいります。  以上でございます。 ◆十六番(河野俊弘 議員) 御答弁いただきました。まず、災害対策について、情報が取りにくい方へもきめ細かくということですが、私が言っているのは、リアルタイムで伝えていくということが大事だということを改めて伝えておきます。  あと、喫煙所については、先ほどこれから探っていくというところもありましたけれども、今ある公共のコインパーキングだったりとか、そういったところを活用した車型のコンテナを持っていくとかという手法もあるということを聞いていますので、しっかりと進めてください。  最後に、eスポーツについて改めて申し上げます。多様性が叫ばれている昨今、誰もが楽しめるスポーツであるというふうに私は思います。今回の質問を通告するに当たって、eスポーツはVRフェンシングであったりとか、あとはサイバーボッチャなど、実競技との融合によるものはスポーツと思えるというような話があって、コンピューターゲームというのは手先しか動かしてない、その点についてスポーツとは明確に言えないという思いが、話の中で区は見え隠れしているのかなというふうにも、私、感じました。  これは私、私見ですけれども、であれば、オリンピック・パラリンピックの競技種目である射撃であったりとか、その点とは何が違うのかというふうにも思いますし、様々な競技が、何とかスポーツ、何とかスポーツと、例えば将棋とか囲碁だったりとかもマインドスポーツとかと言うのですよね。  ただ、このeスポーツについては観客がいたりとか、今回は東京大会でもサーフィンだったりとか、スケートボードだったりとか、新たなスポーツがオリンピックの種目になるほど新たなカテゴリーが生まれている昨今だというふうにも思います。  eスポーツについて、区の位置づけを早急に定めて、eスポーツ先進都市として、世田谷区の新たな魅力を発信していただくように求めて、一般質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 私は今回、犯罪をした人や非行のある少年の立ち直りを支える活動をさらに充実させたいとの思いから、私の保護司としての経験を踏まえ、質問していきたいと思います。  犯罪を犯した人や非行のある少年の立ち直りを支える活動は更生保護と呼ばれ、再犯を防ぐこの活動は、社会を支える大変重要な運動です。こうした取組は、保護司会や更生保護女性会、BBSなど多くの更生保護ボランティアによって支えられています。  また、民間団体や企業による支援活動も行われていて、こうした活動において、地域社会における息の長い支援がされてきました。  世田谷区においても、これまで更生保護活動の中核を担う保護司会に対し、助成金の交付や活動場所の提供といった支援を行ってきましたが、保護司の身近な場所での面接場所の確保が長年の課題となっていました。  私も区議会議員になる前は、保護司として六年間、保護観察の対象者を担当していたとき、いつも私の家ではなく、下北沢の駅近くの喫茶店で、モーニングを食べさせながら対象者と面接をしていましたが、やはり最近でも、家が手狭で、面接用の部屋の確保が難しかったり、自宅の面接は家族の理解を得ることや、近隣の住民への配慮、そして面接者のプライバシーの保護など、活動を継続するのは難しい点がありました。  こうしたことから、私は令和元年に区議会で質問させていただき、当時の課長さんの努力によって、区内の二十八か所のまちづくりセンターを面接場所として確保していただき、きちんとした場所で守秘義務にも配慮しながら、保護司として活動ができるようになりました。  このことは、私の議員生活の中でも、自分が保護司をやっていたこともあり、大変うれしかったことの一つで、印象深く感謝しております。  こうした区の協力により、保護司がより活動をしやすくなったわけですが、まだまだ課題は山積しています。まずは、最も根本的な問題である保護司の成り手不足です。  保護司は、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員で、犯罪を犯した人や非行のある少年の立ち直りを地域で支える実質無給の民間のボランティアとして、保護観察の生活環境調整や犯罪防止活動などに精力的に取り組んでいます。  しかし、近年では高齢化が著しく、平均年齢は六十五歳を超え、原則七十八歳までしか活動できません。私もおととし、保護司を退任しましたが、退任者は今後大幅に増えると思います。退任者が新任者を上回る状況とのことで、担い手の確保は絶対逃げられない問題です。  また、後任を選ぶときには、個人のつながりで見つけることが多く、最近では、家族の理解を得られないことや、忙しいなどの理由で断られることが多いようです。  そこで提案しますが、荒川区では、区長が区内在住の区役所の職員に対し、地域社会における更生保護の重要性を訴え、保護司就任を呼びかけ、数人の職員の保護司が活躍しているそうです。現役の区役所の職員が保護司を務めることは難しい課題もあると思いますので、ここは現役ではなく、退職された区役所の職員に対し、保護司就任を呼びかけるなど、新たな保護司の安定的な確保に向け、区としてさらに支援協力を行うべきと考えますが、見解をお伺いします。  次に、協力雇用主の普及について伺います。  犯罪を犯した人や非行のある少年は、再び地域に戻ってきます。これらの方が再犯に至らないためには、仕事に就き、職場に定着し、責任ある社会生活を送ることが重要です。  当時、私は保護司として、担当した保護観察の対象者には、まず初めに、職を探すときにも有利で身分証明にもなる運転免許証を取ることを勧めました。そのかいがあって、ラーメン屋さんとかパスタ屋さん、そして、一生懸命働いて、自分の店を持つために一生懸命頑張るといったおかげで、私の対象者は幸い、再犯する人は一人もいませんでした。  出所者の就労意欲が高くても、保護観察の終了時には、およそ四分の一が無職で、刑務所に再入所の約七割は再犯時に無職だったそうです。  また、保護観察対象者の再犯率は、有職者の五倍で、仕事がないと生活が安定しない、生活が安定しないと犯罪に至ってしまう可能性が増すという負の連鎖を断ち切るためには、就労支援や雇用の確保が何よりも重要です。  これらの方の就労支援を効果的に実施し、再犯や再非行を防ぐためには、受入先となる協力雇用主の方々の存在が不可欠です。  豊島区では、区が発注する建築工事においても、協力雇用主の受注機会の増大を図るために、評価項目の一つに、法務省の協力雇用主制度の登録を設けているそうです。  こうした他区の先進的な取組があるようですが、協力雇用主についての現状認識と今後の取組についてもお伺いします。  平成二十八年に再犯の防止等の推進に関する法律が制定され、以降、国や都では、再犯防止推進計画が策定され、再犯防止の推進が重要な取組と認識されるとともに、地域福祉との一体的な展開が求められていて、とりわけ福祉、医療、保健などの各種サービスを提供する基礎自治体の役割が非常に重要になってきていると思います。
     また、犯罪をした方の多くは、安定した仕事や住居が確保できない、相談相手がいないなど、立ち直りに向けた様々なハードルを抱え、必要となる支援が多岐にわたります。  再犯防止に向けて、今回取り上げた保護司の確保や協力雇用主といった民間協力者の活動促進のほか、犯罪をした方への福祉的な側面からの支援や地域社会の普及啓発活動など、取組は多岐にわたることを踏まえると、区として再犯防止を推進するために、基本的な方向性を定めて、総合的な対策を進めていくべきと考えます。見解をお伺いします。  再犯防止を計画に位置づけるということは、行政としても本気で取り組んでいくための根気が要るということです。非常に大事なことだと思いますが、ぜひ頑張って進めてください。  また忘れた頃にお聞きしたいと思いますが、数年前に世田谷区でも、保護観察中の少年を二人雇用してくれたと、私は頭に入っておりますが、今ちょっと中断しているもので、ぜひまた保護観察のお子さんがおりましたら、区のほうでも使っていただければ幸いと思います。これからも保護観察の子どもたちを末永くよろしくお願いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、保護司関連について三点御答弁いたします。  本年八月現在、保護司の定数二百五人に対し百二十八人、充足率は約六二%であり、地域福祉を支える担い手の確保は重要な課題であると認識しています。  一方で、同じく担い手確保が課題となっている民生委員では、昨年度より、退職する世田谷区職員に向けて周知チラシの配布などを行っており、今後は保護司についても民生委員と同様、周知を図ってまいります。  また、区ホームページなどを通じて、保護司の活動内容や必要性等について広く理解を得るための情報発信を行うとともに、地域団体等にも広く呼びかけるなど、地域の核となる人材の発掘、担い手確保に取り組んでまいります。  次に、協力雇用主についてです。  区における協力雇用主数は、本年八月現在で二十四社、うち実際に雇用している協力雇用主は一社であり、ここ数年増加傾向にあるものの、さらなる普及が必要な状況と考えています。  区では、社会を明るくする運動における重点事項として、協力雇用主等の更生保護ボランティアの成り手を増やすための取組を掲げております。  協力雇用主の割合が高い製造業、建設業の会員が多い世田谷工業振興協会の会員向けニュースへの掲載など、広報活動に取り組んでいるところです。  今後、他自治体における取組を参考に検討するとともに、ぷらっとホーム世田谷などの就労支援機関とも連携を図り、協力雇用主制度のさらなる普及啓発を図ってまいります。  次に、総合的な対策についてです。  社会復帰後、地域社会で孤立することなく安定した生活を送るには、就労、住居確保の支援や、保健医療、福祉サービス等を提供する庁内関係部署をはじめ、保護司会、保護観察所など、関係機関や民間団体等と連携し、再犯防止の取組を総合的に推進していく必要があると認識しております。  こうした状況を踏まえ、令和六年度からの次期世田谷区地域保健医療福祉総合計画の策定に合わせ、庁内や関係機関等と連携を図りながら、再犯防止推進に向けた検討も行ってまいります。  私からは以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございます。よく保護司の方と時々会うのですが、世田谷区では、保護司さんに一番喜ばれているのは、まちづくりセンター二十八か所で、保護観察の子どもたちがそこで面接できる、その場所を東京の二十三区でやったのは、世田谷区が一番初めてです。ぜひこれからも保護司のほうをよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時九分休憩    ──────────────────     午後一時開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十七番宍戸三郎議員。    〔十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆十七番(宍戸三郎 議員) 質問に入ります。  私はこれまで、一貫して区民の安全安心を第一に考え、日々活動を行い、区議会でもそのことに関して質問を重ねてまいりました。また、将来を担ってくれる子どもたちのことにも多く触れています。  そこで、今回はまず、区立小中学校の空調設備について伺います。  今年六月は、連日猛暑が続き、天気予報の中でも、エアコンを利用して熱中症対策を講じてくださいと呼びかけられていました。  このような状況の中、多くの区立小中学校では、空調設備の不具合で、児童生徒はもちろん、先生方をはじめ多くの学校関係者に苛酷な状況を強いることになり、我が会派からも早期改善を求め、教育長に対し緊急要望を提出いたしました。  現場でお話を聞く中で不具合の原因を調べてみると、既に耐用年数を超過している設備が使用され、修理をするにも機種が古く、部品製造の終了など、調達が困難で対応できないとのことでした。  空調が効かない猛暑の中で授業を行うというような劣悪な教育環境では、いかにICT教育を推進しようとしても、また、先生がどのようなすばらしい授業を行ったとしても、児童生徒によりよい教育を提供することは不可能です。  もちろん区は、空調設備の耐用年数はあらかじめ承知しているはずです。それに伴い、部品の調達も困難になるということは当然予測できたと考えます。  そこで伺います。何よりも万全でなければならない教育環境を第一に考えているのか。また、今回のことを踏まえて、今後どのように対策を講じていくのか、お聞かせください。  次に、買物弱者支援事業についてお聞きします。  現在、交通不便地域の解消をどうするのか、議会でも議論されています。しかし、どんなに交通不便地域が解消されたとしても、区内には、要介護度は低いが、足が不自由で買物に行けない、周りに買物を頼める人がいない、インターネットでの買物ができない、など多くの買物弱者が確実に残ることになります。  今後、高齢化が進み、一人世帯が増えれば、さらにそのような方々が増加することが予想されます。自助が困難な買物弱者を放置すれば、人の健康や命に関わります。これを何とかしたいと、区の商店街連合会では、令和二年から東京都の補助を活用して買物弱者支援事業を烏山地域で試行しています。  先日、実際に事業を行っているNPO代表者にお話を伺いました。実施されている買物弱者支援事業の内容は、移動販売サービスと、買物代行サービスの二つです。  移動販売サービスは、毎週木曜日、烏山地域の三、四か所で実施し、取り扱う商品は生鮮品から日用品まで約百五十品目、昨年度は約五十日、延べ百五十か所で百四十万円ほど売り上げたそうです。  また、買物代行サービスは、民生委員、社会福祉協議会、あんしんすこやかセンターが買物困難者と判断した区民に対し、基本的に週一回、無料で買物代行をするサービスです。  区商連のスタッフや区民協力者の六人が、買物困難者からの注文品を協力店で買物し、利用者に届けて代金を受け取っています。昨年度は十二名の利用者で、延べ二百六十四回の利用があったそうです。  しかし、事業を三か年試行してきた中で、解決しなければならない様々な課題があることも判明しました。また、コロナ禍で、協力者等の確保も難しく、烏山地域で試行し、その後、砧地域に拡大し、全区展開まで持っていくという計画が予定どおりに進まなかった、それでも多くの経験と課題を得たので、今後の事業展開につなげたいというのがNPO代表者の方のお話でした。  しかし、これを今の形で続けるには、数多くの問題があります。私は商人として、この事業の難しさはよく分かります。需要をどう把握するのか、仕入れはどうするのか、協力店舗や配達人材の確保、支払い方法など、一つ一つに多くの課題があります。  買物弱者の増加が予想される中で、一つ一つの課題を解決し、何をどこまでやるか、それを誰がやるか、そして、区はどのような役割を果たすのかを速やかに整理していかなければなりません。  区が関与するとすれば、持続可能な事業でなければならないし、公平性の観点から、全区展開が必要となります。買物弱者支援事業の需要調査など、全庁挙げての研究を始めるべき時期だと考えますが、見解を伺います。  また、近年、宅配サービスやネットスーパーなど、民間での新規事業も活発になってきており、社会福祉的観点だけではなく、産業振興の観点も求められています。地域振興、産業振興につながるような制度設計をどのように進めていくのか、区の見解を伺います。  最後に、せたがやPayに関してお聞きします。  九月に入り、マスコミ等で、せたがやPayの三〇%ポイント還元が数多く取り上げられています。このことで、せたがやPayの認知度が上がり、昨日時点でユーザー登録者が約十四万五千人と劇的に増加し、決済可能な事業者も二千七百八十二店舗に増え続けていると聞いています。  せたがやPayはユーザー目線に立ち、持続可能な地域通貨として、便利で使いやすいものに構築されていくべきものと考えます。  そして、国では今後を見据え、キャッシュレス化を強く進めています。せたがやPayの普及は、この動きに非常にマッチしていると思います。  そこで、三点伺います。  せたがやPayを活用し、国が推進するキャッシュレス化の先駆的モデルとして取り組んでいく絶好の機会であると考えます。区はこの機会をどのように捉えているのか見解を伺います。  また、この状況をさらに推進するためにも、高齢者のせたがやPay利用普及が必要不可欠であると思います。例えば、まちづくりセンターやあんしんすこやかセンターでのスマートフォン講座に、せたがやPayの講習を取り入れるなど、せたがやPay普及のため、高齢者のサポート体制づくりを早急に行うべきと考えますが、区の見解を伺います。  最後に、今回のような国や都の一時的な補助金がなくても、地域通貨として育て続けていく、事業をやめない強い覚悟があるか、区の決意を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎知久 教育総務部長 私からは、区立小中学校に関する空調設備に関する御質問にお答えいたします。  教育委員会では、学校環境の向上を図るため、順次、管理諸室、普通教室への空調設備の整備に取り組み、令和元年度からは体育館及び格技室への整備を行い、令和三年度に全区立小中学校の整備が完了いたしました。  空調設備の耐用年数は、一般的に十五年程度とされておりますが、毎年の定期点検に加え、部品によっては一定期間は供給が可能であることから、設備の老朽化の状態を踏まえつつ、設置後おおむね二十年をめどに、早期に整備した管理諸室等の空調設備より順次改修を進めてきております。  今後は、普通教室の空調設備が設置後二十年を迎えていくことから、昨年度、改修計画を取りまとめ、計画的に改修工事を進めることとしておりました。  しかしながら、連日最高気温が三十五度を超えた六月末の猛暑の際、複数の学校の空調設備に不具合が確認されたため、急遽、他の学校で使用しなくなった設備の部品を交換するなどの緊急対応を行ってまいりました。  今後も異常気象が懸念されることから、このたび改修計画を前倒しし、第三次補正予算案に中学校四校の空調設備工事費を計上させていただきました。  加えて、空調設備の耐用年数を踏まえ、関係所管と調整を行い、更新サイクルの時期や整備手法などの見直しを行い、良好な学校環境の維持保全に危機感を持って全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、買物支援の需要調査などについて御答弁いたします。  現在、高齢者に対する買物支援として、御紹介いただいたNPOの取組、社会福祉協議会による家事支援による買物、外出支援による買物の同行などが行われています。  買物に困ることが課題となっている地区では、地域団体、まちづくりセンター、社会福祉協議会などによる買物ツアーや移動販売会などに取り組んでおります。  今年度は、さらに地区の状況に応じ、社会福祉協議会による地域で支えあう買物支援等を充実することとしており、現在、ニーズ調査を七地区、ニーズに応じた支援の協議を四地区、既に買物ツアーの実施または実施予定が二地区、移動販売の実施が三地区となっております。  区民意識調査による地域での困り事の中で、買物が不便と回答している方は区全体で七・三%程度ですが、八十歳以上の女性に限ると一〇・四%となっており、高齢者の方がよりお困りになっている状況と考えられます。  今後、第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けた高齢者ニーズ調査を行う中で、買物を不便とする方が、どのような方法での買物を望んでいるのか、細かな需要を確認し、現在区が支援している様々な取組や民間でのサービスなどに加え、新たな支援の方策について検討してまいります。  私からは以上です。 ◎後藤 経済産業部長 四点について御答弁いたします。  まず、産業振興の観点からの買物支援についてでございます。  昨今は、大手スーパーやコンビニなどを中心に、宅配サービスやネットスーパーが活発に利用されていることに加え、EC販売などの利用も非常に多くなっていると認識してございます。  一方で、買物支援については、福祉的な観点からの検討に加えまして、今後の需要増加も想定することに鑑みますれば、サービスを提供する側である産業やビジネスの観点からも一つの機会と捉えることができるものであり、市場への進出やさらなるサービスの充実など、事業者の取組を促し、引き出していくことや、行政と民間の連携などについて検討していくことも重要と考えてございます。  買物支援の状況や実態を踏まえながら、産業振興の観点からも検討していきたいと考えています。  続きまして、せたがやPayについて、一つ、今後の取組、それから高齢者のせたがやPay利用普及、それから事業をやめない覚悟について、三点について一括して御答弁申し上げます。  現在実施しているキャンペーン、せたがや全力応援祭をきっかけに、せたがやPayのアプリダウンロード数は十四万を超え、また、加盟店舗も、先ほど私、他会派の御答弁で約二千五百と申し上げましたけれども、最新状況を確認しましたところ、お話のとおり二千七百八十二店に達しまして、区民や事業者にとって身近なキャッシュレス決済になりつつあると感じてございます。  区と世田谷区商店街振興組合連合会、商店街との協働により、幅広い層への普及が実現できたことが特徴で、今後も官民で連携して取組を進めてまいります。  お話の高齢者をはじめとしたデジタルへの対応が苦手な方々への配慮につきましては、より読みやすいマニュアルの作成などを検討しているほか、あんしんすこやかセンターや総合支所、まちづくりセンターとも連携しながら、アプリ登録や使い方の講習等も準備してまいります。  次年度以降も、せたがやPayは、区と世田谷区商店街振興組合連合会との協働により事業を継続します。消費喚起のためのツールとしてのみならず、スマートフォンアプリの特徴を生かし、お店と利用者の利便性を向上させ、区内経済の循環を促進する地域通貨として発展をさせてまいります。  以上でございます。 ◆十七番(宍戸三郎 議員) 教育委員会には、来年以降、同じことが二度と起こらないように強く要望しておきます。  買物弱者支援事業には多くの課題があり、事業展開するには、現在実施している事業の検証が必要です。買物が不便と八十歳以上の女性一〇・四%が回答しているとの答弁でした。約四千四百人の需要があるわけです。公助で支援するのはどこまでなのか、支援をできる協力者や団体は確保できるのか、また、商店街、スーパー、コンビニ等の活用も考えながら、買物弱者支援に対し広い視野を持って、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思いますが、中村副区長の見解を伺います。 ◎中村 副区長 買物弱者支援についての再質問にお答えいたします。  先ほど部長から御答弁いたしましたとおり、まずは一番お困り事が想定されます高齢者への支援策について、第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けたニーズ調査において高齢者の要望を把握してまいります。  現在、社会福祉協議会が地域に根差した様々な取組を実施しており、まさに地域の中のお困り事を聞き取り、地域で支援できる協力者や団体とつなげ、地域の中で支えあう地域共生社会の実現に向けて取り組んでいるところです。  この社会福祉協議会の取組を検証するとともに、お話のありました商店街、スーパー、コンビニの活用など、地域の資源と有機的に組み合わせながら、買物にお困りの方への支援ができるよう、持続可能な制度設計について広く検討してまいります。  以上です。 ◆十七番(宍戸三郎 議員) ぜひよろしくお願いいたします。  もう一点、二か月前とは比較にならないほど、せたがやPayは注目されています。もちろんポイントの還元率が高いのも大きな要因ですが、一度利用した方は、その決済の便利さを痛感しています。  そこで、例えばワクチン接種のときの、まちセンでのサポートを行ったように、この機会を逃すことなく、高齢者にせたがやPayを利用していただき、キャッシュレス化を推進すべきと考えますが、区長のお考えを伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 宍戸議員の再質問にお答えをいたします。  高齢者がせたがやPayをより使える状況ということについてのお尋ねでございます。  おっしゃるように、せたがやPayは、数々ニュース番組、メディア等に取り上げられておりまして、また、世田谷区外からも、区内で使うのであれば、その利便に付すことができるということ。また、これだけの物価高、今極めてひどい状況になってきている、そのタイミングで、これは東京都の補助金などが大きいわけですけれども、三割ということの還元も注目されている一つだと思います。  なかなかこの地域通貨というのは普及が難しいのですが、どうやら先ほどの二千七百という加盟店舗の数字を見ても、十四万というダウンロード数、十五億円台のチャージ分というのも一定の枠を超えて、普及の基礎的な土台ができてきたというふうにも思います。
     その際、その利便性を主に享受というか、使えているのが、デジタルを使いこなすことができる世代が多いということだと思います。  したがって、やはり生活困窮ということでは高齢者の方も、デジタルに不慣れな方も、より一層深刻だということはありますので、議員おっしゃるように、ワクチンの予約を一万五千人が職員サポートでやりました。今、松村副区長とも相談をしておりますが、例えばまちセン、あるいはもっと地域の商店街ともお話をして、まずインストールについては少し難しいので、お手伝いをしてあげる。  多分使い方については、レジ、売場みたいなものを造っておいて、二、三回やれば、相当の方は使えるようになると思います。  ややハードルが上がるのが、チャージをするというところでありまして、これも、ちょっとマニュアルの不備とかもありますが、実際にやってみて、やれるという方も出てくるサポートはできるのではないかと思います。  いずれにしても、今この還元率というものが、ちょうど幅広く使われているさなかですので、これに遅れることないように、準備期間が短くて即効性のある御提案の趣旨を早急に検討してまいりたいと思います。 ○下山芳男 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十八番菅沼つとむ議員。    〔二十八番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  最初に、昭和信用金庫三軒茶屋支店の公共施設の活用について聞きます。  世田谷区は本庁舎整備工事に着手し、三軒茶屋の御幸ビルに入居している経済産業部等は、令和九年度に本庁舎に移転する計画です。このたび昭和信金より三軒茶屋支店の建て替え計画があり、建て替え後の地下一階、三階から六階について、世田谷区は活用するのか打診があり、世田谷区は仮賃貸借契約の覚書を交わしました。昭和信金の家賃は年間一億九百八万円で、二十年契約です。新しい建物なので、約六千万円高くなると思います。  第一に、昭和信金の区のホールは、音響、天井高等を満たし、設備費は高くなると思います。設備費は幾らか聞きます。  第二に、昭和信金の借りる施設の年間の維持経費は幾らか、大体で結構ですけれども、お示しください。  第三に、昭和信金の区のホールはコンサートができるのか、どのくらいまでできるのか聞きます。  第四に、昭和信金に移転するのは三茶しゃれなあどホールと一階の受付です。残っている産業振興公社を含めた産業プラザ機能等は御幸ビルに残っています。令和九年まであと四、五年です。世田谷区の具体的な計画を聞きます。  次に、新BOP学童クラブの時間延長のモデル事業について聞きます。  学童クラブは、十八時十五分から十九時までの四十五分延長するモデル事業です。  第一に、前回、学童クラブが時間延長モデル事業を行ったが、利用者が少ないので中止した。なぜまた学童クラブ延長モデル事業を行うのか聞きます。  第二に、区立小学校の六十一校でも、児童数は千百人も超える学校もあり、また、二百六十人ぐらいの学校もあります。モデル事業なら、学童の多い学校、平均的な学童の学校、学童が少ない学校にしなくて、モデル事業になるのか、また、学童の多い学校だけでいいのか聞きます。  第三に、令和三年の世田谷区の人口推計によると、ゼロ歳から五歳の人口は、令和元年には四万四千九百五十五人から、令和六年では三万八千六百二人で、六千三百人減る推計です。  また、六歳から十一歳は、令和六年では千五百八十人減る推計です。世田谷区は将来を見据えた計画になっているのか聞きます。  次に、新BOP学童クラブ民間活用、放課後児童健全育成事業について聞きます。  放課後民間学童クラブの安全安心対策について確認します。  第一に、民間学童クラブは区内で十五か所設置する。  第二に、学校から徒歩で十五分以内、一・二キロ以内に設置する。  第三に、民間学童クラブは一か所約八十人で職員は四人。  第四に、学童一人の床面積は一・六五平方メートル――トイレ、事務所、キッチンを除いた面積。  第五に、バリアフリーで、安全対策などで出入口は二か所。世田谷区に確認します。  第二に、民間学童クラブの応募資格は、東京都内または近接県で、放課後児童健全育成事業を実施している事業者だけです。区内保育園、幼稚園が民間学童クラブをしたくても参加資格はありません。保育園、幼稚園は子育ての専門家です。世田谷区は、区内保育園、幼稚園はなぜ資格がないのか、具体的に説明を願います。  次に、旧池尻中学校跡地活用について聞きます。  旧池尻中学校跡地を生かした新たな産業活性化の公募選定が始まりました。ものづくり学校は十七年間行っていたが、産業活性化はできなかったため、新運営事業者の公募選定に対しては、具体的な条件を区が示しました。  一つ、区内起業・創業者数、年間十五社。第二に、入居者同士や区内産業とのビジネスマッチング十件。第三に、大手企業が新興企業に対して支援、出資を目的とした募集、年間百社。第四に、区内事業者の売上増、四・四億円。第五に、地域内経済効果、年間九・八億円など。達成率が七〇%を下回った場合には改善要求を出す、改善が見られなかった場合には契約解除を行う。区に確認します。  第二に、池尻中学校跡地活用の基本コンセプトである、第一に、これからの未来を担う子どもに向けた学びの場。第二に、SDGs。第三に、誰もが考えつかないアイデアの市場開拓。第四に、農業のものづくり体験。第五に、ショールーム機能など、運営事業者の公募選定の条件に入るのか聞きます。  第三に、池尻小学校と経済産業部の土地の境界確定はいつになるのか聞きます。  壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、昭和信用金庫三軒茶屋支店の公共活用につきまして順次御答弁いたします。  初めに、賃借料、音響設備経費について御答弁いたします。  区では、昨年十二月に昭和信用金庫三軒茶屋支店の建て替えに伴い、施設活用についての打診を受け、この間、検討を進めてまいりました。さきの特別委員会にて、三茶しゃれなあどホール機能を維持向上することができ、さらに区民が継続して使用できることから、この機を逃さず移転をすると。また、今後のマイナンバーカードの発行、更新の増加に対応するため、マイナンバーカード専用窓口等を設置する案を報告させていただきました。  三茶しゃれなあどホールの設備費などの金額につきましては、今後ホール機能などを含む詳細設計を行い、その過程で詳細が分かってくるものと認識しておりますが、金額につきまして、これまでよりは高額になるものと考えております。  今回の移転では、区民の利便性向上を図るため、現在の約一・二倍の広さとして整備を行い、集会室としての機能を向上させます。  お尋ねの設備費等を含め、次年度以降、適切な賃料となるよう交渉を行い、賃貸借契約を結んでまいります。  次に、施設の維持管理経費についてでございます。  施設維持管理経費につきまして、現在の施設では集会室の利用率が高く、指定管理施設として、利用料金制による収入で、清掃業務などを除いた維持管理経費を含む経費の全額を賄っており、費用は約一千二百万円でございます。  移転後につきましては、集会室機能の充実や、全体面積の増加で現在よりも経費が上がるものと認識しておりますが、新たな施設におきましても、同様の手法で運営を行うなど、経費の削減を図ってまいります。  次に、コンサート利用の有無についてでございます。  新たな施設におきまして、現在行われているピアノや管楽器を使用したコンサートなどに対応できるような集会室を整備し、文化や芸術の拠点である三軒茶屋において多彩なニーズに対応できるよう、天井高や音響施設の充実、防音機能などを備えた、これまで以上のホール機能を備えるよう、今後、ホールの設計を行ってまいります。  最後に、産業プラザ機能についての具体的な移転計画についてでございます。  三軒茶屋分庁舎内にあります産業プラザ機能につきましては、令和九年度に経済産業部が本庁舎へ移転することに伴い、区及び関係団体等で機能の在り方に関する検討を現在進めております。今後の方向性を踏まえまして、設置場所について改めて検討し、お示ししてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、学童クラブについて順次御答弁申し上げます。  まず、新BOP学童クラブの時間延長モデル事業について、三点御答弁申し上げます。  なぜ、またモデル事業を行うかについてでございます。時間延長モデル事業については、前回の実施においては、常時時間延長が必要な御家庭を対象といたしましたが、一定程度のニーズがあったにもかかわらず、実際の利用者が少ないという状況がございました。  一方、本年三月に実施した新BOPの保護者、子どもアンケートでは、毎日時間延長が必要な御家庭は必ずしも多くなく、週に何日かある、または月に何日かといった必要な御家庭が多いという状況が見られました。  このような状況から、今回は月ぎめ利用に加え、新たにスポット利用を実施することとし、保育所等から小学校に入学した際に仕事ができなくなるなどの、いわゆる小一の壁にも対応していきたいと考えてございます。  新BOP学童クラブの時間延長、今回四十五分間でございますけれども、経済的に就労が必要な家庭や、一人で過ごすことが困難な子どもにとって、セーフティーネットの機能を担うものとして考えており、全校実施に向けて取り組んでまいります。  次に、モデル事業は大規模な小学校だけではなくて、平均的な学校や小規模な学校でも行うべきではないかについて御答弁申し上げます。  新BOP学童クラブの状況は、六十一校中三十七校で、登録児童数が百二十人を超えるなど大規模化が進んでございます。一方で、地域によっては登録児童数の少ない新BOP学童クラブも一定程度ございます。  今回のモデル事業では、新たに導入するスポット利用や、それに伴う利用申込み、入退所などの運営方法といったものを確認するとともに、実際に利用した児童や保護者の意見を検証したいと考えてございます。そのため、モデル校については、より多くの利用を見込むことができる、比較的大規模な学校を加えまして選定してございます。  今後、区としては、児童や保護者の声を聞くとともに、運営上の課題を導き出し、改善した上で、小規模校についても安定して運営できる体制を検討し、児童が安心して利用できるよう準備を進めてまいります。  次に、このモデル事業と将来の人口推計、見据えたものになっているのかについて御答弁申し上げます。  今回の、この間のシミュレーションによりますと、令和四年度の学童クラブ登録数は、小学校六十一校を平均すると、一校当たり百四十二人、六年後の令和十年度は児童数が減少してございますが、一校当たり平均百二十一人でございます。  民間学童を計画どおり誘致した場合、学校内の学童クラブは百二人となりますが、今から六年後も学校内の学童クラブは多くの児童が利用する見通しでございます。  また、本年七月の将来人口推計によると、小学校年齢の児童数は、今から十年後まで減少しますが、その後は、参考値ではございますけれども、ほぼ横ばいであること、この間、保護者の働き方や共働き家庭の増加を背景に、学童クラブの利用ニーズが増加していることを踏まえると、学童クラブ登録数の大幅な縮小により時間延長や民間学童が不要になるといったようなことには至らないと考えてございます。  新BOP学童クラブの時間延長については、何らかの御事情で時間延長を利用しなければならない御家庭のセーフティーネットの役割を果たしていくものと考えてございますので、午後六時十五分までの基本的な時間帯と組み合わせ、御家庭で必要とするときに御利用いただけるよう実施していくものと考えてございます。  次に、学童クラブの民間活用について御答弁申し上げます。  まず、民間学童クラブの十五か所を確保していくのかについてでございます。  学校外に開設を誘導する児童福祉法に基づきます放課後児童健全育成事業所でございますが、国、都及び区独自の補助事業を活用し、令和十年度までに児童千二百人分、一か所の想定定員は八十人でございますので、十五か所程度の確保を計画してございます。  学校から歩いて十五分、一・二キロメートル以内に設置するのかについて御答弁申し上げます。  まずは、令和五年度から登録児童数二百人前後の超大規模化した新BOP学童クラブを中心に、徒歩十五分程度、これはおおむね一・二キロメートルと考えてございますが、この範囲内に優先的に誘導し、その後、登録児童数百二十人以上の学校の周辺に誘導することとしてございます。  次に、民間学童クラブは、児童八十に対して職員四人で配置するのかについて御答弁申し上げます。  放課後児童健全育成事業の設備や職員数など運営については、児童福祉法において厚生労働省令で定める基準を参酌して市町村の条例で定めるものとされてございます。  区では、条例により、支援単位ごとに放課後児童支援員を二人以上と定めてございます。この基準に基づき、児童八十人を定員とする二つの支援単位を設ける場合には、四人以上の所定の資格を有する放課後児童支援員の配置を求めてまいります。  次に、事務所、トイレ等を除き一・六五平方メートル確保するのかについて御答弁申し上げます。  民間の学童クラブの誘導に際しては、世田谷区放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例に基づきまして、事務所、トイレ、キッチンなどの共用部分を除く児童の活動スペースとして、児童一人につきおおむね一・六五平方メートル以上の確保を求めてまいります。  次に、バリアフリー、安全対策、二方向避難の確保についてでございますが、民間の学童クラブの施設に関しましては、法令等に基づきまして、募集要項において、バリアフリーや二方向避難など安全対策を求め、児童の安全と安心を確保してまいります。  最後に、民間の放課後児童健全育成事業者の募集の要件について御答弁申し上げます。  本事業の応募に当たっては、現在作成中の募集要項において、放課後児童クラブの質の確保と安定的な運営のため、放課後児童健全育成事業の運営実績を求めることとしてございます。  学齢期児童の生育支援を担い得る事業者である必要がございますので、保育園や幼稚園の運営実績だけでは学齢期児童を支援する運営能力の確認はできず、支援の質を確保することを判断することは困難と考えてございます。  区といたしましては、学童期児童の生育支援といった特質を鑑みまして、実際に放課後児童健全育成事業を運営している施設と運営実態等を確認することによりまして、事業の質と安定した運営が可能かどうかの判断をしてまいります。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 旧池尻中学校跡地活用について三点御答弁申し上げます。  まず、事業者選定に挙げる具体的条件についてでございます。  旧池尻中学校跡地活用事業については、本年七月より運営事業者の募集を開始いたしました。KPI等については、おおむね議員の御指摘のとおりですが、募集要項については、ベースとなるKPIを示し、例えば、区内起業・創業者数を年間十から十五社、アクセラレータープログラムによる支援を八十から百社などと示し、さらにKGIとして、区内事業者の売上げ増や、区内経済効果を示してございます。  なお、提案者から、より適切なKPIが提案された場合には、評価委員会の判断を経て、その変更も認めることとしてございます。  各種取組を進めた結果、KPI達成度が七〇%を下回る場合は、質的な面も考慮した上で、改善要求を出すこととしており、その上で、評価委員会における総合的な検討の結果、改善の見込みが小さいなどと判断した場合は、契約解除勧告を行うこととしてございます。  二点目、基本コンセプトに挙げる事項が公募要項に条件として入っていることで間違いないかということの御質問です。  議員御指摘の先駆的な起業家の育成拠点やショールーム機能、農業やものづくり体験ができる場などは、基本コンセプトで掲げる地域特性を生かした、にぎわいをつなぐ場、多様な企業、人材が新たな価値を創造する場などの四つの柱を具現化する例示として示しているものであり、必ずしも全てを兼ね備えることを条件としているものではございません。  同様に、公募要項におきましても、この基本コンセプトを基に、拠点における主な機能とした、さらに具体的な想定例を示しておりますが、今後、事業者からの提案を踏まえて、最終的な施設や機能がよりよいものとなるよう取り組んでまいります。  最後に、池尻小学校と旧中学校側の境界についてでございます。  現在、旧池尻中学校の校舎は普通財産、校庭及び体育館は教育財産となっており、今後、産業活性化拠点として活用するに当たって、校庭と体育館を普通財産に変更する予定をしています。  なお、募集要項におきましては、校庭の大まかな位置を示しておりますが、今後、運営事業者との間に土地の賃貸借契約を結ぶためには、正確な位置と面積が必要となることから、現在、池尻小学校と中学校の敷地について、現況測量調査を行っているところでございます。  また、あわせて、旧池尻中学校校庭部分の実施設計を予定しており、この実施設計の中で、境界部分に設置するフェンスの細かな位置等についても決定することから、これを経て、民間事業者との賃貸借契約を予定している令和五年四月には、分筆登記等の手続を完了させる予定でございます。  以上です。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  昭和信金の質問で、第一点、設備費は大体幾らぐらいか答弁していません。  第二に、昭和信金に係る維持経費は清掃を含めて幾らぐらいか。なぜ言うかって、家賃が分かっていて維持経費と設備費が分からなかったら、この建物が幾らだか、いいか悪いか言えないではないですか。もう一度答弁をお願いします。  それから、産業振興公社、これから改めて考える。これはどういうことか。最初、本庁舎がやったときにはもう考えていかなければいけない話でしょう。あの三軒茶屋のほうで残っていると言ったら、元保健センターか、元商工センターか、ものづくり学校か、そんなものしか残っていない。あとふれあい広場、そのくらいしかないではないですか。場所を決めれば床面積が決まるのだから、場所も分かれば返答してください。 ◎加賀谷 政策経営部長 再質問にお答えいたします。  初めに、設備経費についてでございますけれども、今現在、詳細な設計をこれからしていく予定でございますので、その中で賃貸借契約になる賃料交渉も併せて行います。その中で具体的な設備に係る経費は明らかになってくるというふうに認識をしてございます。
     それからもう一点御質問の維持管理経費についてでございます。現在のホールに係る維持管理経費、約一千二百万円でございます。そちらにつきましては、施設全体を指定管理施設として、利用料金制による収入で事業者のほうで賄ってございますので、新たな施設につきましても、基本的には同様の形態で運営していくと。ただし、一定程度、施設が若干広くなることもありますので、費用については若干上回ってくるという見立てをしてございます。  いずれにいたしましても、施設全体、賃貸借契約を結ぶということで、今現在、相場の家賃想定で一億九百万円ほど仮試算をしてお示ししてございますけれども、今後は詳細設計を踏まえまして、昭和信金のほうと賃料交渉を重ねてまいります。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 再質問にお答えいたします。  産業振興公社をはじめとした産業団体の、令和九年に経済産業部が新庁舎に移るということで、場所を含めて、どういった形の状況が望ましいのかというところで、実は今、事務的な検討を基に、本年、条例が施行されました産業の発展条例に基づいた会議をこの秋に予定しているところでございます。  その検討の中で、過去いろいろ産業プラザ設立の経緯を含めて、改めまして三軒茶屋という場所にこの産業団体があるのはどういうことなのか、今後、新しい時代に向けて産業団体、産業振興公社、それから経済産業部がどのような形で配置、どのような形で事業展開するのがよいのかといったところを全て含めまして、今検討しているところでございます。なので、いましばらくお時間をいただいて、時期が参りましたらお伝えしてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 産業プラザも含めて、あそこは今言ったように場所が限られているのですよ。それでもなかったら、また高いビルに金を出して借りると言うのなら分かりますよ。十年とか二十年高い金を出して借りる。それを早めに示してください。もうずっと前から言っています。お願いします。 ○下山芳男 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十二番金井えり子議員。    〔十二番金井えり子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(金井えり子 議員) では、質問を始めます。  世田谷区は、気候非常事態宣言を行っています。今回の台風十四号も全国で猛威を振るい、まさに気候危機を実感しました。二〇一九年の多摩川の水害を教訓に、強力な台風や集中豪雨などの自然災害から区民を守る対策として、砧、玉川地域の避難行動要支援者行動シートの配布や、個別避難計画が進められています。  この地域から始まり、世田谷区全域にその他の災害対策の個別避難計画も広げていくとのことですが、のんびりしている暇はありません。どのようなときに、どうやって、どこに避難するのか、緊急連絡先、支援者、御近所の情報など、あらかじめ確認しておくことは本当に重要です。  砧、玉川地域の避難行動要支援者の個別避難計画の進捗状況と、ほかの地域の個別避難計画の進捗、今後について伺います。  避難行動要支援者のうち、ケアマネジャーなどの支援者と頻繁に会うことができる高齢者にはアプローチしやすいと思いますが、障害のある方からは、情報が不足しているので不安という御相談がありました。まずは当事者御自身の防災意識を高めること、そして、それぞれの障害の特性に合わせた個別避難計画の作成です。  避難所への避難はもちろんのこと、在宅避難にしても、長期間になり備蓄がなくなったら、物資の調達は誰がどのようにしてくれるのか、電源の確保はできるのか、タイムリーに情報は入ってくるのか、また、支援者の確保など備えておくことが必要です。  北沢地域で、個別避難計画をつくるために、地域の支援者や、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会と一緒に実地訓練をした方にお話を伺いました。具体的なことを計画に書き込んでいくと、紙が何枚にもなったそうです。一緒にやってみることで、地域の方々もそれぞれの気づきがあり、参加したみんなにとって有意義な訓練になります。  個別避難計画を紙面上だけの情報にとどまらせず、地域の人や支援者とのつながりをもって実際に使えるものにすべきです。見解を伺います。  この個別避難計画で、福祉避難所までを描けると安心です。二次避難所である福祉避難所の受入れ体制は万全なのか、また、二段階ではなく、直接福祉避難所へ行きたいという声は多くあります。国の改正で直接の避難ができるということになりましたが、世田谷区ではどのようにお考えでしょうか、今後についても伺います。  次に、人と動物との調和の取れた共生推進について伺ってまいります。  ペットは家族の一員、それ以上の存在である場合もあります。コロナ禍で、さらにペットを飼う人が増えました。世田谷区でも、人と動物の共生推進プラン改正の素案が示されています。中でも高齢者とペットについての対策は急務です。  ペットが高齢化すると面倒を見切れない、自分にもしものことがあったらペットはどうなるのか心配、誰か預かってほしい、いや、ペットは生きがいだから離れたくない。飼い主の思いも様々です。こうした課題に対応するためには、相談できる場や頼れる相手が必要です。  横須賀市にある特別養護老人ホーム、さくらの里山科では、ペットとともに入居ができ、また自分のペットがいなくても、施設の犬や猫と触れ合えるようになっています。その方の思いを大切にした対応がなされています。  福岡県古賀市では、昨年からペットと暮らすシニアの備えサポート事業が環境課と福祉課で始まりました。シニアとペットの安心した暮らしのためのチェックリストというものに、飼い主がペットのかかりつけ医や緊急時の預け先、万が一のときのことなど、あらかじめ記入し、ケアマネジャーと確認をしておきます。市には登録したボランティア団体があり、ペットに関するサポートが必要な高齢者への訪問なども行います。民間事業者のサービスの情報も提供されます。  このような工夫があれば、飼い主の選択肢も増え、ペットと引き離すばかりではなくなります。御本人の思いが尊重されることは、その後の生きる希望へもつながります。  高齢であっても、御本人が飼い主として責任を持ってペットの行く末までを選べること、その思いに寄り添える共生推進プランになることが求められます。見解を伺います。  ペットがこうして地域で暮らしていくためには、周囲の理解が必須です。犬仲間でコミュニティーができたり、猫を飼っているという共通点だけで話題が広がったり、その関係性はとてもよいのですが、反面、動物が苦手な方や考え方が違う方とのトラブルは、とても心配です。双方が我慢するのではなく、共生できるように、区はどのように進めていくのか伺います。  そして、次に子どもの権利について伺います。  今年六月に、子どもの権利条約に対応する国内法として、こども基本法が成立しました。世田谷区は、二〇〇一年に制定された世田谷区子ども条例で子どもの権利の尊重を定め、その後、子どもの人権擁護機関、せたホッとを設置しています。  しかし、二十年以上たっても、区内において条例の周知は足りず、大人には子どもの権利に関しての理解がされていません。そして子ども自身は、その権利を自分に引き寄せて考えることができていません。改めて、子どもの権利を保障する条例の視点から、幾つか質問いたします。  せたホッとのチラシなど、学校で配布している様々なお知らせは、学校は配るだけ、あとは福祉、こっちは環境などと、区の事情の縦割りでばらばらに動いています。教材として有効活用すればいい、ただ配るだけではもったいないという声も聞きます。子どもに関わること、本当に多岐にわたります。子どもの最善の利益を思えば、区として一貫性を持って取り組むべきではないでしょうか。  いま一度子ども条例を周知し、子どもの権利について理解を広げることが求められます。地域全体で子どもを見守っていくために、区は全庁を挙げて取り組むべきと考えます。区長の見解をお聞かせください。  世田谷区では、今年五月にヤングケアラー調査が行われました。有効回収率は小学生、二八・五%、中学生、二二・三%、高校生、一二・八%、詳細な分析はこれからとされています。  このアンケートを学校で配布することで、先生方にもヤングケアラーという問題を認識していただき、子どもたち自身の気づきにもつながると期待しておりました。しかし、小中学校では説明もなく配られたそうです。重要な調査なら、子どもに一言説明すべきではなかったでしょうか。  この調査は子どもを支援につなぐ大事なものです。ヤングケアラーの問題は、子どもの成長に影響を及ぼす大きな問題です。子どもには当たり前に学習したり遊んだりする権利があります。先生方の理解と配慮が必要です。改めてヤングケアラーをはじめとする子どもの権利について、どのような認識でいらっしゃるのか、教育委員会の見解を伺います。  世田谷区子ども条例では、子どもの意見表明権が保障されています。子どもの意見を聞くことはとても大切、そのためには学校と福祉の連携が重要です。意見表明できる環境、安心できる場、信頼できる人、子どもの思いを聞き、つなぐ人の存在が必要です。スクールソーシャルワーカーも少ないのですが、そもそも子ども分野のソーシャルワーカーの数がとても少ないと聞きます。  二〇二四年から子ども家庭福祉ソーシャルワーカーが民間資格となりますが、それを待っているだけでは、今困っている子どもを救えません。地域行政制度の中に四者連携として児童館が入ることで、子どもたちの課題をより察知しやすくなることを期待します。  ヤングケアラーなどの子どもの権利に関する問題には、学校とも新BOP、プレーパークなどとも連携を深め、専門家だけでなく、地域の大人が子どもの権利をベースに子どもを見守り、子どもが安心して意見表明ができる環境を増やすことです。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 金井議員にお答えをいたします。  子どもの権利条約自身を子どもがまだ知らない現実について、区の取組を御質問いただきました。  まず、議員の御質問にもあったように、ようやく、こども家庭庁の発足とともに、こども基本法という法律ができたと。ここには子どもの権利条約に即した子どもの権利というものをようやくうたわれるようになりました。  一九九〇年代に日本が子どもの権利条約、児童の権利条約を批准して以来、私自身はジャーナリストとしてメディアで、あるいはその後は国会でも、国内法を整備しろということを申し上げてきましたが、当初、今から十五年前、十七、八年前は、この子どもの権利条約というのは途上国の、いわば貧困や生存の危機に見舞われている子どもを救済する条約であって、日本の子どもには何の関係もないのだと、こういう誤った答弁が政府からされていたことを思い出します。  ウィーンで開かれている子どもの権利条約締結国会議では、度々そうではないのだ、日本の子ども自身の人権や権利保障、これがその条約の趣旨なんですよということで、国内法整備を度々求めていたことを考えると、大きな、いい曲がり角、ターニングポイントを迎えているなと思います。  二十三区で初めての子ども条例を施行してから二十年になります。この条例の下で、この条例に加える形で、子どもの人権擁護機関、せたホッとをつくりまして、まさに子どもの権利保障、子ども第一の原則にのっとって、いじめの悪化の未然防止や、あるいはSOSを発する子どもたちの声を聞き取りながら、大人として、あるいは学校と第三者機関であるせたホッとが協力して、幾多のプロジェクトを子どものために展開してきたことは、世田谷区の財産であるというふうに思います。  今年度、子ども・子育て会議に子どもの権利部会を設置しまして、来年四月のこども基本法の施行も見据えながら、地域づくりを含めた子どもの権利の普及啓発等、今後の政策展開に向けた議論を重ねているところであります。  また、この議論は、子ども、若者自身が参加して初めて意味があるものでありまして、シンポジウムやワークショップに子ども、若者自身が参加をし、地域の大人とともに、このテーマについて議論を深めていく、そういうチャンスを広げてまいりたいと思います。  子どもが権利の主体として、その成長発達に応じた意見表明ができて、そして自らの尊厳を守りながら、いじめや暴力、様々な差別から脅かされることなく健やかに伸びていける地域社会をつくっていきたいと思います。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、個別避難計画関連二点、御答弁いたします。  区では、令和元年台風十九号の経験も踏まえ、地域防災計画の改定を受け、令和四年四月に避難行動要支援者避難支援プランを改定し、プランに基づき個別避難計画の作成を順次行っています。  令和四年度については、多摩川の洪水浸水想定区域内に居住している避難行動要支援者の約五百人の方について、玉川、砧の総合支所より個別避難計画の調査票を送付しました。返信は約五割となっており、現在はまだ返信がない方や、重要な項目が未記入の方などへの再調査に取り組んでおります。  令和五年度以降については、今年度に個別避難計画を作成した方の情報の更新はもちろんのこと、震災や中小河川の洪水なども含め、区内全域での避難行動要支援者の個別避難計画の作成ができるよう準備をしているところです。  次に、計画を実際に使えるものへについての御質問についてです。  令和四年度の玉川、砧の総合支所では、個別避難計画の作成に当たり、新たな避難支援に係る協定や避難場所の確保などを行い、対象者の方には、各地域の避難場所等が掲載されたリーフレットの同封、福祉サービス提供事業者には、対象者と同じ防災情報の共有や、作成に当たっての協力を依頼することで、個別避難計画の補強をしているところです。  今後、区内全域に個別避難計画の作成を着実に広げるためには、地域地区のハザードの状況に合わせた意識啓発や、福祉サービス提供事業者への協力の依頼を継続的に行う必要があります。  また、地域で既に実施されている勉強会や連絡会などと、総合支所をはじめ関係機関が連携協力することも重要だと考えています。  地域地区の実態に見合った個別避難計画を作成し、当事者の方が着実に避難行動を取れるよう努めてまいります。  私からは以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、福祉避難所の現状、直接避難について御答弁申し上げます。  災害時に自宅や指定避難所等での生活が難しい障害者の方を一時的に受け入れる福祉避難所におきましては、区内には区立、民立の障害福祉施設、それから都立の特別支援学校の合計四十二施設と施設の提供、それから被災住民の受入れに関する協定の締結を行っております。  各施設では、定期的な避難訓練のほか、福祉避難所として住民を受け入れるための訓練などを重ねて、災害時に備えている状況です。  直接避難につきましては、令和三年の五月に災害対策基本法の一部が改正されまして、福祉避難所の確保・運営ガイドラインにも、自宅から直接避難が規定されましたが、受入れの人数や必要な人員、物資の確保など課題がございます。  今後、福祉避難所への直接避難ができるだけ早い時期に可能となるよう、他自治体の検討状況などの情報を収集しながら、課題の解決に向けて関係所管と連携して検討を進めてまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、ペットに関連して二点お答え申し上げます。  少子高齢化や核家族化が進み、動物が家族の一員として絆を深め、心の癒やしを与えてくれるなど、大切な存在となっています。議員からお話ございました他自治体におけるペットと暮らす特別養護老人ホームにつきましては、入居者がペットと引き続き暮らすことができる点や、アニマルセラピーによる癒やしの効果など、メリットがあると認識をしてございます。  一方、ペットが苦手な入居者との関係や、施設管理や衛生面を維持する人材確保などの課題もあり、こうした施設が必ずしも進んでいないものと認識しております。  区は、終生飼養の備えなど、飼い主がペットを責任を持って飼育することの重要性を周知徹底していくことが基本であると考えています。特に高齢者の飼い主には、万一入院等が必要になった際の一時的なペットの預け先や緊急連絡先の確保など事前の準備や心構えを、機会を捉えて促してまいります。  その上で、緊急の入院等によりペットの預け先が見つからない場合などは、都や福祉関係部署と連携し、適切に対応してまいります。  次に、ペットとの共生に関する地域の理解の点でございます。  人と動物との調和の取れた共生社会を実現するには、飼い主が飼っているペットが地域社会に受け入れられていると認識すること、動物を飼ったことがない人や苦手な方を含め、命ある動物に対する理解を深めて、動物が人の生活環境内に存在しているという認識を持つことが重要と考えております。  現在改定中の人と動物との調和のとれた共生推進プランにおいても、区民、関係団体、行政が相互に連携して調和の取れた共生社会を推進し、健康で豊かな生活環境を形成することを目指しています。  ペットが、家族の一員としてはもとより、地域の一員として受け入れられるためには、飼い主が飼育マナーや周辺環境への配慮等、秩序を守り、終生飼養や経済的負担に備え、責任を持って飼育することが重要です。  区は、住宅地が主体であるという地域特性を踏まえ、ペットの飼い方や飼い主の責務の重要性について飼い主にしっかりと伝えるとともに、区民の理解促進に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、ヤングケアラーをはじめとする子どもの権利についてお答えいたします。  本年五月に学校において実施いたしましたヤングケアラー調査は、子どもが適切な養育を受け、健やかな成長と教育の機会を得られるようにするとともに、子どもが介護、世話をしている家族等を必要な支援につなげるための施策立案に必要な基礎資料を得ること、また、本調査を通じて、子どもたちに子どもの権利やヤングケアラーに関する啓発を行い、気づきを促すことなどを目的としたものです。  教育委員会といたしましては、ヤングケアラーについて、子ども自身が自分の置かれている状況を説明することが難しいこともあり、教職員が日頃から児童生徒のささいな変化などにも気を配りながら、変化の兆候を捉えた場合は、教職員間で情報共有して組織的に対応するとともに、区長部局や外部機関と連携を図りながら適切に対応することが重要であると考えております。  引き続き学校が、子どもの権利が尊重され、自身の持つ能力を最大限発揮できる学び場となり、全ての子どもが安心して学習したり遊んだりする中で育つことに喜びを感じることができるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、ヤングケアラーなどの子どもの権利に関する問題について、子どもを見守り、安心して意見表明ができる環境を増やすべきとの御質問に御答弁申し上げます。  ヤングケアラーが抱える問題は、家庭の中のことのため、本人が誰にも相談しづらかったり、困難を抱えていても、本人に自覚がない場合も多いため、周りの大人が子どもの変化を敏感に感じ取り、丁寧に子どもの声に耳を傾けるなど、本人の意思を確認しながら、見守りや必要な支援につなぐことが重要だと考えてございます。  学校や新BOP、児童館、青少年交流センターなど、地域も含めた子どもに関わる大人が、ヤングケアラーをはじめとする子どもの権利についての理解を深め、日頃より子どもとの信頼関係の構築に努めることにより、子どもが気軽に相談でき、思いを酌み取れる環境が整えられるよう、機会を捉えて研修などを行ってまいります。  以上でございます。 ◆十二番(金井えり子 議員) 御答弁いただきました。子どもの権利についてなんですが、国連から何度も勧告を受けてきながら、やっと国が動き出したというところかと思います。今、改めて世田谷区でもこの子どもの権利の周知を広げていくチャンスかなと思っています。先ほど区長がおっしゃっていた子どもの参加というところで、川崎市などは子ども会議がありますし、本当に子どもの意見をたくさん入れていただいて、世田谷区の財産である子ども条例、せたホッとなどを使って、ぜひぜひ子どもたちを守っていっていただきたいと思います。十一月にシンポジウムもあるということで、大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。(拍手) ○下山芳男 議長 以上で金井えり子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十三分休憩    ──────────────────     午後二時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  三十九番和田ひでとし議員。    〔三十九番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(和田ひでとし 議員) 通告に従い、順次質問してまいります。  まず、指定避難所の課題についてです。
     区では、首都直下地震など、大震災発災時の指定避難所として区立の小中学校を指定しております。そして、その避難所の運営は周辺住民が中心となった避難所運営委員会に委ねられていますが、まだまだ多くの課題と不安の声が聞かれ、各避難所の運営についてはしっかりとした見直しが必要となっております。自分たちの町は自分たちで守るという基本に立ち返って質問をしてまいります。  避難所運営委員会の方々からいただく不安の声の一つに、避難所となる建物の安全確認があります。区立の全小中学校は耐震化が図られているとはいえ、実際の被害状況を把握し、安全性を確認できなければ、責任を持って避難者の受入れはできません。事前に建物のどこをどのように確認すればよいのか、そういった知識が必要でありますが、一般の人がその確認をすることは難しく、避難所運営マニュアルにも十分に示されていないのが現状であります。  避難所として使う建物について、あらかじめ専門家が構造を調べ、また現場を見て、どうなっていれば使用を中止するべきか、そういったことを避難所運営委員会にしっかりと伝えておくべきであります。区は、このことを一連の見直しの中で考えておく必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。  さらに、実際に地震が起きた場合、自宅が安全であっても不安になって避難所に来てしまう人が少なからずいると想定されます。区は在宅避難が基本であると全面的に打ち出す一方で、大きな混乱の中、避難所運営委員会は、このような避難者をどのように扱うべきかを明確にしておく必要があります。  混乱期のパニックに近い状態で避難所に来る避難者に対して断ることができないことは、法的な位置づけとして明記されています。在宅避難が基本としつつも、このことを誤解のないように避難所運営委員会に伝えておかないと混乱の原因となるのではないでしょうか。  このように、在宅避難を推進していくことが重要である一方、在宅避難が不安となる災害弱者と言われる方々や、さらに新型コロナウイルス感染症の自宅療養者等を迎える体制も必要であります。指定避難所運営の見直しの中でどのようにこのことを整理し、避難所運営委員会に示していくのか、区の見解を伺います。  次に、地域での初期消火体制についてです。  在宅避難を基本としていく上で、まず火を出さないことが求められますが、火災が発生してしまったとき、消防署や消防団の皆さんにも体制に限界があることを認識しなければなりません。そこで、地域での初期消火体制が大変重要となってまいります。特に初期消火を行う資機材として有効とされる消火栓に直結して使用できる消火用スタンドパイプの配備が進んでいると聞いておりますが、住民の皆さんが自分たちで使用できるようにしなければ意味がありません。  そこで現在、配備されたこの消火用スタンドパイプの使用方法について、どのように区民に周知啓発と指導をしているのか伺います。  これまで区では、町会・自治会などに消火隊を結成したときには可搬式D型消防ポンプ一式と格納庫などの支援がありましたが、このD型ポンプが間もなく製造中止になると伺っております。地域での初期消火体制の課題として、町会や商店会等でも消火用スタンドパイプを配備することは初期消火力を向上させるために大変重要であると考えます。しかし、設置場所を確保しなければなりませんし、消火栓がどこにあるのかも知っておかなければなりません。さらに、その消火栓を開けて、接続して操作する方法を自分たちの力でできるようにしなければなりません。  そこで、町会や商店会等への消火用スタンドパイプの設置場所と訓練、そして消火栓の課題等について区はどのように考えているのか伺います。  次に、奥沢区民センター、図書館、子育て児童ひろばについて伺います。  奥沢区民センター、図書館は建物の耐震化ができないために、いよいよ今年度末で現在の場所から仮移転し、子育て児童ひろばと同様に仮運営を余儀なくされることになりました。これら三つの公共施設は、奥沢地区、九品仏地区の大変重要な地域コミュニティーの核となる公共施設であり、たとえ仮移転、仮運営とはいえ、両地区の区民約三万九千人の皆さんへの影響は計り知れません。  区は、この建物の耐震不足が指摘されてから、これら公共施設を何とか維持するために努力してこられたと思いますが、昨年、第二回定例会でのこの問題に関する私の一般質問での答弁は、強い意志を持って一歩前に踏み出すということでした。しかし、あれから一年が経過しましたが、残念ながらこのような事態になってしまいました。  平成二十七年に耐震不足が判明してから、現時点でも耐震化が図られていない。そして、区民センター、図書館までもが仮移転という事態になってしまう。この状況について、改めて区の認識を伺います。  毎年秋にこの区民センターで開催される奥沢文化祭は、地元の皆さんの一年間の活動の集大成でもあり、今年は来月十五、十六日に予定されております。今回の仮移転発表を受けて多くの方々が、来年以降どうなってしまうのか大変心配されております。奥沢図書館は、取りあえず仮移転先と運営概要は決まったということですが、区民センターについては仮移転先も運営概要も具体的に示されていません。現時点での状況と今後の見通しについて伺います。  最後に、大井町線、東横線の踏切解消に向けて伺います。  区内の鉄道立体化による踏切解消は、区民の困り事ランクでも常に上位にあり、長年の願いでもあります。世田谷区内では大変長い年月をかけて小田急線が実現し、現在、京王線が事業中でありますが、玉川地域の大動脈であります大井町線、東横線について、我が会派の阿久津政調会長が代表質問でも伺いましたが、着実に進めていかなければなりません。そのためには、世田谷区と東京都、さらに国の連携と鉄道事業者、そして何よりも地元の熱意が大変重要であることは言うまでもありません。  現在、隣接する目黒区では、自由が丘駅周辺地区の街づくりがいよいよ具体的な動きとして始まっており、駅前ロータリーに面している地区が先行して二〇二五年には竣工予定と聞いております。既に店舗等の移転、撤退が進んでおり、目に見えていよいよという実感があります。  この動きに伴って、自由が丘駅周辺の大井町線、東横線の立体化による踏切解消も目指していると伺っており、世田谷区にとっても目黒区との連携をしっかり取りながら、両線の連続立体化として進めるべきと考えます。  そこで伺いますが、まさに千載一遇のこの機を捉え、開かずの踏切解消を自由が丘駅付近だけにとどめず、隣接区同士の世田谷区と目黒区がしっかりと連携し、大井町線、東横線の世田谷区内の範囲を含めた連続立体化事業として検討を進めていくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎大塚 危機管理部長 私からは、災害対策に関しまして、避難所施設の安全確認、災害弱者などの避難所の受入れについて御答弁申し上げます。  避難所施設の安全確認につきましては、今般の見直しの中で平成二十七年に内閣府が示した大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針を参考に避難所開設に当たり、安全確認を行うべきポイントなどを改めて整理し、お示ししたいと考えております。  指針では、議員御指摘にございますとおり、建築の専門知識を有しない者が点検を行うことを念頭に、事前に専門家が建物の構造や確認するべきポイントを調査した建物カルテの作成を示しており、区といたしましても、このことを踏まえて、カルテの導入についても検討してまいります。  また、災害弱者と言われる要配慮者や感染症の感染者の指定避難所での受入れでございますが、発災直後の緊急の安全確保が必要な段階においては、避難を必要とする方は、いずれも受け入れることとなります。そのため、指定避難所では要配慮者のためのスペースの確保や感染症対策物資の配備、発熱者専用区域のゾーニングを行うこととしております。  一連の見直しの中で、この扱いについて改めて避難所運営委員会へお伝えするとともに、特に現場からの不安のお声が大きい感染症対策の強化策といたしまして、避難所訓練などの際に専門家が現地で感染症対策の助言や指導などを行うサポート体制の構築についても検討してまいります。  以上です。 ◎馬場 玉川総合支所長 私からは、まず消火用スタンドパイプの使用方法の周知啓発について、及び設置場所、訓練、消火栓の課題等についての認識という点について、併せて御答弁申し上げます。  区では、スタンドパイプセットをまちづくりセンターと地区会館等の合計五十二か所に配備し、町会・自治会や事業所等を対象に貸出しを行っております。また、町会等も区の資機材助成制度等を活用し、自主配備を進めていらっしゃるところでございます。スタンドパイプにつきまして、区のホームページで設置施設を周知するほか、防災訓練の申込みの際に機材の紹介をしてございます。使用方法につきましては防災教室の項目の一つとして位置づけており、消防署の指導による基本操作や放水などの訓練として行っているところでございます。  また、区では町会・自治会や商店会などが防災区民組織を組織し、さらに防災区民消火隊を結成した場合にはスタンドパイプなどの提供を検討しており、従来の可搬式D型消防ポンプの提供と同様に、格納庫の提供や、消防署、消防団の御協力により操作方法の研修を実施してまいりたいと考えております。  これらを通じまして、地域で活動される町会・自治会や商店会などへスタンドパイプの普及啓発を進めるとともに、地域のより幅広い方々を対象にした防災教室の実施などにより、地域が一丸となって自分たちの町は自分たちで守るという理念の下、防災活動、消火活動に取り組んでいただけるよう支援に努めてまいります。  続きまして、奥沢区民センターについて二点御答弁申し上げます。  まず、耐震不足が判明してから七年経過するが、現在でも耐震化が図られていないという点について御答弁申し上げます。  奥沢センタービル・三敬ビルの耐震不足が判明してから来月で七年たちますが、いまだ耐震化が完了しておらず、利用される方々の御不安や御心配をおかけしていることは、誠に申し訳なく思っております。耐震化に向けまして大きな課題でございますが、平成二十八年に全体管理組合総会で決議した工事に要する資金が集まっていないということで、区は全体管理組合の理事長として法的措置により資金を確保することを目指しており、理事会を中心に調整を進めているところでございます。  既に今年四月に開催した全体管理組合の総会におきまして法的措置に必要な経費を徴収することを決議しており、法的措置に必要な経費を確保した後に管理組合の手続を経て法的措置に着手する予定でございます。  一方で、法的措置を進めたとしても、管理組合における手続、または工事の期間などを含めますと耐震化が完了するまでには五年程度を要する見込みでございます。そのため、大地震発生時における利用者等の安全確保を最優先に、耐震化されるまで奥沢区民センター、奥沢図書館について、令和五年四月に耐震基準を満たす建物に仮移転し、耐震化工事の完成後に子育て児童ひろばと共に奥沢センタービルに戻ることを想定しております。  来年四月の仮移転では、耐震性が確保された建物を御利用いただける一方で、区民センター、図書館、共に現在のフロアよりも狭くなる見通しであるため、一刻も早く奥沢センタービルの耐震化を図ってまいります。  次に、奥沢区民センターの仮移転先の状況と見通しについて御答弁申し上げます。  奥沢区民センターにつきましては、まず近隣で比較的探しやすい規模である床平米百五十平方メートル程度の物件に来年四月に暫定的に仮移転することを目指しており、現在、不動産会社数社を通じて物件を探しているところで、年内には移転先を決めてまいりたく取り組んでおります。  また、暫定的な仮移転から二年後の令和六年度末を目標に現在の区民センターの床面積七百三十四平方メートルと同程度の民間施設を借り上げ、再度仮移転することを想定しており、現在様々な検討を行っている段階で、来年春までには地域の皆様に御説明できるよう目指しております。  現時点で来年四月予定の暫定的な仮移転先、また、その二年以内を目標としている現在と同規模の仮移転先が決まっていない状況で、地域の皆様方には大変な御心配と御迷惑をおかけしているところでございます。区といたしましても、一刻も早くしっかりと説明できるよう強い決意で臨んでまいります。  以上でございます。 ◎青木 道路・交通計画部長 私からは、大井町線、東横線の踏切解消について御答弁を申し上げます。  昨年度より目黒区では、自由が丘駅付近における都市基盤整備の方向性や、道路と鉄道の立体化の調査検討に取り組んでおります。一方、大井町線、東横線における開かずの踏切対策につきましては、平成十六年に東京都が定めた踏切対策基本方針の中で鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられております。  世田谷区といたしましては、自由が丘駅付近のみならず、区内大井町線、東横線の踏切解消が大きな課題であると認識をしております。大井町線、東横線の検討対象区間は世田谷区と目黒区にまたがっていることから、鉄道立体化の検討に当たっては目黒区とも情報共有を図り、両区で取り組むことが重要になると考えております。  鉄道の立体化には多くの費用と期間を要し、さらには、地域におけるまちづくりに加え、交差する都市計画道路や駅前広場の整備なども必要になることから、目黒区をはじめ関係機関とこれまで以上に連携を図り、区内を含めた大井町線、東横線の開かずの踏切解消に向けた調査検討を行ってまいります。  以上でございます。 ◆三十九番(和田ひでとし 議員) それぞれ答弁いただきましたが、まず奥沢区民センター、これは世田谷区内でも第一号の区民センターとして開設し、今年がちょうどその五十周年に当たるという本当に節目の年だったんです。そういった年にこういった事態になってしまったということは本当に残念なんですが、毎年、奥沢区民センターでの文化祭には区長も展示参加をされておりますし、支所長も毎回来場されておりますので、地区の皆さんの熱意は、恐らく肌で感じておると思います。  改めて、この現状を玉川地域の長として、支所長、どうお考えなのか、もう一回伺います。 ◎馬場 玉川総合支所長 奥沢区民センターでございますが、この地域の中心となる奥沢駅前に位置し、地域の一大イベントである、今、議員からも御紹介がございましたが、奥沢文化祭が毎年開催されるなど、図書館と共に地域コミュニティーの重要な核であることをしっかりと認識しているところでございます。  一方で、万が一の大地震発生時における公共施設利用者等の安全確保は必要不可欠であり、建物の耐震化までにまだ時間を要することから、今回、苦渋の決断ではございますが、七月二十七日の区民生活常任委員会及び文教常任委員会にて御報告をさせていただいたとおり、令和五年四月に図書館と共に、やむを得ず一旦仮移転することといたしました。  この間、地域の方々には長きにわたりまして大変な御心配をおかけしていることを重々承知してございます。まずは区民センターの来年四月の仮移転先を早急に決めるとともに、来年以降も奥沢文化祭が途切れることなく毎年開催できるよう、さらには、建物の耐震化により子育て児童ひろばと共に少しでも早く現在の場所に戻れるよう、地域の皆様にも丁寧に御説明をし、御要望もしっかり承りながら強い意志を持って取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三十九番(和田ひでとし 議員) 改めて支所長からも力強い答弁をいただきましたが、何とかこの区民センター、そして図書館、さらには子育て児童ひろば、これが元の場所に戻れるような、そういった努力を区としてしっかりしていただきたいことを再度要望いたしまして質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で和田ひでとし議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三番そのべせいや議員。    〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆三番(そのべせいや 議員) これまでも学校、保育園のデジタル化を叫んできましたが、今回はキャッシュレス化で効率化、トラブル抑止ができないか伺います。  既に給食費、保育料は銀行口座からの引き落とし、教材費も現金取扱い校がいまだ残っているものの、ほとんどの学校では同じく口座引き落としで収納率が九割後半となっていることから、いまだに残っている細かい現金のキャッシュレス化で煩わしさを減らす観点で伺います。  まずは、現金のリスクについて。  現在も学校まで児童生徒に現金を運ばせて、教員が集金する仕組みが物品購入や遠足代金などで固定化をされているようですが、そもそも区立小中学校は児童生徒が日常的に現金を持ってくることを想定して運営されているのでしょうか。  また、運んでいる間や集金するまでの間に紛失、いじめ等で隠される、盗まれるケースもこれまで各地で幾度となく発生をしてきましたが、トラブルが発生した際、学校、教育委員会でどのように対応するのでしょうか。そして集金後も、職員室でのトラブルも想定されます。二〇一七年には、金庫に入れたはずの現金の一部である二十五万円が二か月間紛失状態となり、都教委により戒告処分も下されました。このほかにも、現金収受後の教員による現金紛失や着服等の服務事故が発生をしたことはあるのか。その際に改善策は取られたか確認をします。  続いて、既に実施をされている銀行引き落としにかかるコストについて、世田谷区立学校では給食費と教材費が引き落とし、振込で対応されていますが、ここにかかるコストは誰が負担して、どの程度の額なのか伺います。  最後に、現金に依存する学校を通した民間事業者からの物品購入について伺います。  一律で購入し、引き落とす教材費とは異なり、内容、金額が一律でないもの、自前で用意してもよいものについては学校が購入の案内をし、現金を封筒で回収する昔ながらの運用が続いていますが、既に個別注文の集金をキャッシュレス決済やクレジットカード等で代行する事業者は複数登場しており、トラブルの元となる現金回収から新たなサービスに切り替えることで現金にまつわる煩わしさやトラブルは全て回避をすることができます。多忙と言える教員の負担軽減も含め、民間の決済代行サービスで代替できる現金授受はすぐに切り替えるよう、教育委員会主導で業務プロセス改善ができないでしょうか。  続いて、保育について。  認可保育園はそもそも口座振替による請求となっており、既に現金を扱う機会はほぼ存在しませんが、ほっとステイの一時預かりでは現金、子育て利用券での決済が中心です。現金が存在することで神経のすり減る事務作業が発生をし、保護者側にも数百円の現金が足りないためにコンビニのATMを探す、手数料を払うコストがかかっており、キャッシュレス化すれば双方の負担がなくなります。時代に合わせたキャッシュレス決済に切り替えることで業務改善し、その分を子どもたちへの時間として還元ができないでしょうか。  出産前後の支援について伺います。  先日発表された第十六回出生動向基本調査によると、結婚したら子どもを持つべきと考える未婚の十八歳から三十四歳は、男性五五%、女性三六・六%と急減し、もはや親になるというイベントは通過儀礼ではなくオプションの一つとなっています。  また、二十代男性の四割、二十代女性の二五%がデート経験なしとの報道が衝撃的に受け止められる一方で、この国での出産の前提となる婚姻について、二〇二〇年の五十歳男性の三割、五十歳女性の二割が未婚となっており、若い世代の変化というより既に社会全体の傾向と言えますが、この変化は個人の選択によるものだけでなく、三十年間、経済が停滞したことで、現代の若者は、平均的には親から受けた生活を超えられなくなり、実家から出ること、子どもを育てることは生活水準を切り崩すことと同義で、論理的に考えるほど残念ながら子育てはリスク、あるいは金持ちの道楽としか言えなくなっています。  それでも家族が欲しいと思う人としてのささやかな願いがかなうように、また、いわゆる無敵の人による拡大自殺やテロ行為を防ぐためにも、勝者が総取りをする状態よりも望む人が家族を形成できるほうが多くの人の未来に希望が持てると考え、今回はとりわけ出産前後の支援にフォーカスをして伺います。  まずは妊婦健診について。  二〇〇九年以降、全国的に十四回分の健診に補助券が利用できるようになっていますが、日本産科婦人科学会の統計によると、モデルケース上、十四回を使い切らないこととなる三十七から三十九週での出産が約六割となる一方で、約七%は十四回を超える四十一週となり、この場合、数回分、完全自己負担となります。  健診回数が多くなる多胎妊娠への追加助成は八月から申請受付を開始しましたが、いつ陣痛が始まり出産体制に入るかはコントロールができないことから、受診控えにつながる数回分、完全自己負担の可能性を残す補助制度は見直せないでしょうか。  続いて、保育による支援について。  世田谷区では、以前より出産が上の子どもの保育園利用要件の一つとなっており、四月時点の待機児童が出現をしなくなったことでまだ多くないものの、出産のための保育園利用もかなうようになりました。産前二か月から産後二か月までの五か月間は誰もが利用できますが、育児休業制度を利用する場合は、一年間の育児休業期間が明けても出産から丸二年までは本人の希望を基に入園待機通知書が発行されれば三歳児、年少クラス以上はその後も継続して上の子どもの保育園利用が可能、二歳児クラス以下でも各年度末まで利用可能です。  育児休業制度のない自営業者、フリーランスについては、みなし育休として出産一年後の月末まで利用できるものの、それ以降、復職しない限りは退園となり、生まれた子どものお世話をしつつ上の子どもを保育園で継続してお願いする選択肢はありません。  専業主婦、主夫の場合は、産後二か月を過ぎると現在の利用要件をそもそも満たさなくなるため、多胎児、障害、育児ノイローゼ、孤立状態、どんなに困窮した状態だとしても保護者の症状に診断書がない限りは各地で余裕の生まれた保育リソースを活用することはできません。保護者の会社への所属状況で、同じように二人目以降を出産した場合でも保育利用の扱いに大きな乖離が生じています。  これまでは保育園入園自体が難しかったため、産休、育休による退園防止を最優先したことは理解しますが、既に保育リソースに余裕が生じてきた今、遠くの親戚にも近くの他人にも頼れない現代東京において二人以上の子どもを持つことを前向きに考えられる支援として、上の子どもを保育園に預けて下の子どものケアに専念できる選択肢を育児休業中以外の人にも広げられないでしょうか。  続いて、出産一時金について。  区内の代表的な産院の出産費用を調べると、五十万円台の病院もある一方、厚労省が調査をした東京都の公的病院の平均五十五万円、国民健康保険中央会が調査をした正常分娩の東京都平均六十二万円を上回る病院が多く、今月も岸田首相が出産一時金の大幅増額に言及したり、東京都は国に先駆けて赤ちゃんファースト事業と称して十万円分の現物給付を実施していますが、国が十万円以上増額しない限り、世田谷区民が近所で正常分娩をする出産費用は結局カバーがされません。  翻って以前より、第三子以降に向けてのみ出産費用六万円として追加助成をしていますが、第三子以降の出産費用助成で出生増といった経済支援以外の顕著な成果はあるのか、それとも、本来的に経済支援が目的であれば、毎年六百人以下、年間出産総数の六から八%を対象とする支援ではなく、広くあまねく支援はできないでしょうか。  また、同じく経済支援について、東京都は都の全額持ち出しで妊娠期面談での一万円給付に加え、さらに健診が任意となる一歳、二歳で面談に代わるアンケートや情報提供を受けることで一万円を給付するバースデーサポート事業を展開していますが、世田谷区では二種類の一万円給付を一つの事業にまとめて妊娠期、または転入時にネウボラ面談を受けると一万円の子育て利用券の配付という、どちらか一方の一万円しかもらえない制度設計となっており、妊娠期の一万円と並列して転入者ではない多くの区民が受け取れるはずだったバースデーサポート事業の一万円分が受け取れません。区からの持ち出しもなく、また、各種子育て支援とつながる接点が増えることも鑑み、多くの子どもに追加で一万円の経済支援ができるバースデーサポート事業をフル活用してください。  また、出産が高年齢化していることで実親に頼れず、産後ケアの重要性はますます高くなります。今月の福祉保健常任委員会でも産後ケア拡大の方向性が示されたことは大変心強いですが、区内の産院のウェブサイトを見るだけでも、七か所の産院で出産直後の産後ケア入院が可能となっており、そのうち二施設、久我山病院、青木産婦人科に至っては杉並区との区境に近く、杉並区は助成対象とする一方で、地元世田谷区では助成対象外という逆転現象も起きています。  出産した病院でそのまま直後に産後ケアを利用するプランも多く登場している現状に合わせ、対象施設を拡大し、さらに利用しやすい制度とできないでしょうか。  最後に、これまでも歩道の段差解消や子どもへの理解促進といった子育て環境の向上を訴えてきましたが、特に最近話題に上がる公共交通機関の利用しやすさ向上について伺います。  SNSには、子連れで公共交通機関を使うのがあまりにも大変だという声があふれており、私自身も舌打ちをされる、文句を言われるなどは何度も経験をしたことがありますが、大抵健康そうな三十代男性の私が反応すると反論すら返ってきません。日頃のストレスのはけ口として子どもや母親といった弱い立場と見られる人が利用されていることが容易に想像されます。  特にベビーカーが邪魔だと言われるようですが、既に二〇一四年に国土交通省として公共交通機関でベビーカーを折り畳まずに使用できるよう取り扱うことを基本とし、電車については、二〇一九年に都営大江戸線で、また、今年八月、都営新宿線、今年九月、浅草線で子育て応援スペースが導入をされ、区内を走る小田急線でも今年三月、子育て応援車が導入されました。  バスについては、二〇二一年六月の都営バスを皮切りに、今年五月より都内全てのバス路線で二人乗りベビーカーも畳まずに乗車できる方針が示され、事業者も改善に乗り出しています。  それにもかかわらず、いまだにどなられる、蹴られるといった体験談を目にするたびに、現代日本にとって子どもは異物であり、この社会の前提には子どもや子連れの人が存在をしていないことを思い知らされます。子どもがいることで虐げられる、不利になる社会では、自分で子どもを守れる人しか子どもが欲しいと思えず、実際に嫌な目に遭遇してしまっては、もう二度とこんな思いはしたくないと、二人目、三人目をちゅうちょする要因となります。  これまでも区が行ってきたベビーフレンドリーな社会の醸成に加え、実態的な生活しやすさが確保されるよう、既に対策に乗り出している小田急電鉄以外の京王電鉄、東急電鉄、また各バス会社に対して、子連れでの移動が邪魔されないサポートを区としても強力に推し進めてください。  以上で壇上からの質問を終えます。(拍手) ◎小泉 教育政策部長 私からは、学校における現金の取扱いについて、一括してお答えいたします。  まず、学校への現金持ち込みについてですが、一般的に学校では、児童生徒に対して学習等に必要ないものは持ち込まないよう指導しており、現金についても持ち込まないことが前提となっております。ここ数年、区教育委員会では、先生が集金するまでの間に現金を紛失するような児童生徒間のトラブルについては、報告は受けておりません。  次に、教職員による会計等に関する服務事故が発生した場合についてです。  校長は、関係者への速やかな聞き取り等を行い、区教育委員会に報告するとともに、事故の内容によっては警察など関係機関との連携も図っております。教育委員会では、学校からの事故報告の内容に基づき、関係者の聞き取りを行い、都教育委員会への報告を行います。これまで区立学校で発生した教員による会計等に関する服務事故の内容としましては、児童生徒から徴収した現金を机などに一時的に保管する際に、その一部を紛失したケースなどがありますが、現金の着服等での処分は発生しておりません。  各学校では、会計事故を受け、改めて学校徴収金等取扱要綱にのっとった適切な会計処理を行うとともに、現金を扱う際には複数でチェックし、現金をできるだけ校内にとどめおかないよう改善を図っております。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校における完全キャッシュレス化について二点お答えいたします。
     まず、給食費等の学校引き落とし等にかかるコストについてでございます。  給食費については、毎月行っている引き落としの手数料、一件当たり十円は区が負担し、年間約六百八十万円を予算計上しております。一方、教材費等については、各学校で多少の違いはございますが、学期ごとに一回、計年三回、口座引き落とし、あるいは学校指定の口座への振込を保護者に依頼しています。手数料はそれぞれ金融機関の規定によりますが、把握している範囲では、口座引き落としで一件十円から百十円となってございます。  手数料につきましては、給食費は公会計として区が負担し、教材費等は個々の児童生徒の購入であることから、保護者に御負担いただいております。  次の御質問、民間の決済代行サービスの活用について御答弁いたします。  学校での教材費等の徴収は、金融機関を通じた取引を基本としております。現金での取扱いは児童生徒がそれぞれ選択し、金額が異なる一部の教材等を購入する際の例外的な扱いとなっております。教員の負担軽減及び事故防止の観点から、現金の取扱いの生じない御提案の民間の決済代行サービスは有用であると考えておりますが、一方で、発注や保護者ごとの請求内容の入力といった事務は解消されないことなどから、どのような取組が適切かつ効果的か、他自治体の事例なども参考に完全キャッシュレス化と併せて引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、キャッシュレス化と出産前後の支援について順次御答弁申し上げます。  まず、一時預かりにおけるキャッシュレス化についてです。  区内のほっとステイ事業で実施している一時預かりでキャッシュレス決済に対応しているのは、現在二十六か所のうち三か所となってございます。せたがやPayを含めたキャッシュレス決済は利用者、運営事業者双方に利便性向上等のメリットがありますが、キャッシュレス決済を用いない利用者がいるほか、運営事業者が支払う手数料等の負担もあり、完全キャッシュレス化には運営事業者と共に課題を整理する必要があると認識してございます。  導入に関しては運営事業者の自主性に委ねられるところでございますが、運営事業者がキャッシュレス決済導入を検討する際に適切な助言、情報提供を行えるよう、運営者、利用者双方のメリット、デメリットを把握してまいります。  次に、出産前後の支援について三点御答弁申し上げます。  まず、産後ケア事業の拡充についてです。  産後ケア事業は、心身の健康または育児に対する不安等があり、不安等について御家族などから支援を受けることができない産後四か月未満の母子を対象とした児童虐待二次予防事業として実施してございます。現在、区立産後ケアセンターとママズルームの二か所で実施しておりますが、区直営の事業として実施しており、いずれも出産病院にかかわらず受け入れることを前提としてございます。  こうした体制の中で、子ども家庭支援センターや健康づくり課など関係機関との緊密な連携を図ることも可能となっており、育児不安の早期解消、虐待の未然防止につながっているものと考えてございます。今後も新たな取組による利用状況なども見極めながら、事業の在り方について検討を進めるとともに、実家を頼ることのできない母子も安心して出産に臨める在宅子育て支援の充実に努めてまいります。  次に、出産費用の助成について御答弁申し上げます。  区では、子育て世帯の経済的負担を軽減する目的で、平成二十一年度より第三子出産費助成にて出産費用と出産一時金の差額を最大六万円まで支援する施策を行っており、助成件数はおおむね年間三百件台で推移してございます。この間、区の出生数は平成二十七年をピークに減少していますが、これは我が国において子育て世帯自体が少子化の影響を受けて漸減しているとともに、晩婚化や晩産化の進行、未婚割合の上昇に加えまして、区内の住居費など複合的な要因と推測してございます。子育て世帯にとって出産費用は第一子、第二子にかかわらず大きな負担となっていると認識してございます。  現行の制度において、対象者を第三子以降から第二子以降というふうな形に出産した方を拡大した場合、令和三年度歳出額一千七百万円を基に算出した推定の支出額は約五倍の八千三百万円になります。こうしたことも含めまして、今後、区における出産育児一時金の増額等の議論の動向、並びに都市部の状況も踏まえつつ、区議会の様々な御意見、御要望、財源の問題も含めて検討し、区として必要な制度改正等を行ってまいります。  最後に、公共交通機関への子連れでの移動へのサポートについて御答弁申し上げます。  区では、赤ちゃんを泣きやませなければと追い詰められがちなママやパパたちを温かく見守り合える地域にしたいとの思いから、世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクトに取り組んでございます。公共交通機関に対しても周知啓発の働きかけを行っており、SDGsトレイン車内や駅構内へのポスター掲示、リーフレットの配架等、御協力をいただいている交通機関もあり、利用者への周知啓発につながってございます。公共交通機関への理解促進に向け、今後は都市整備領域とも連携して進めてまいります。  以上でございます。 ◎向山 世田谷保健所長 母子保健事業につきまして、二点お尋ねがございました。  まず、妊婦健診についてでございますが、昨年度の妊婦健診の受診率は一回目が九五・六%、二から十四回目は七三・八%でございます。国は、平成二十七年三月に妊婦に対する健康診査についての望ましい基準を作成し、スクリーニングのための健診頻度と出産までの健診回数の目安を示しており、通常は十四回で賄うことができます。  健診の際、必要な場合には医師の判断で医療に切り替えることが一般的であり、妊娠中の受診の全てが必ずしも妊婦健診とは限らないのが現状でございます。引き続き、妊婦が安心して出産できるよう母体や胎児の健康管理への支援を継続してまいります。  次に、都事業を活用したバースデーサポートについてでございます。  現在、バースデーサポート事業補助金については、ネウボラ面接を受けて子育て利用券を得る機会を逃してしまった産後転入者や里親家庭などを含む二歳になるまでの子どもがいる家庭への配付に活用しております。このたびの子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査結果からは、子育てが配偶者やパートナーだけで行われている現状が明らかになりました。乳児期の子どもを持つ家庭への相談支援の一層の強化に向け、既存の母子保健及び子ども家庭支援施策との調整を図りながら、バースデーサポート事業のさらなる活用に向けて検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎和田 保育部長 私からは、上の子どもを保育園に預けて下の子どものケアに専念できる選択肢を育児休業中以外の人にも広げられないかという点について御答弁いたします。  今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)では在宅子育て支援を拡充することを掲げており、出産前後の支援の面からも緊急一時保育の充実や多様な保育ニーズに対応する認証保育所強化支援などに取り組んでまいります。第二子以降の出産を前向きに考えられる支援の観点も含め、保育施設における地域の子育て家庭支援を進めてまいります。  以上でございます。 ◆三番(そのべせいや 議員) データを見ると、独身、既婚を問わず二十代、三十代は貯金ゼロの人が多く存在をしています。貯金がたまるまで待っていると妊娠、出産の時期を逸して、今年、二〇二二年の出生数は恐らく八十万人を下回ると言われていますが、さらに下回ることが予測をされます。だからこそ産める、そして育てられる環境整備、そして経済支援を国や東京都に任せるのではなく、世田谷区として責任を持って進めていただきたいと要望して質問を終えます。 ○下山芳男 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十三番藤井まな議員。    〔三十三番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(藤井まな 議員) まず最初に、災害対策について質問をしてまいります。  来年は関東大震災から百年ということで、改めて災害に対する啓発に力を入れて取り組む必要があると考えます。防災の日の区報「せたがや」を見た方から御意見をいただきました。分かりづらかった、紙面に工夫がほしい、在宅避難特集だったが、もっと災害対策で重要なことがあったのではないかなど声をいただきました。  もし関東大震災クラスの地震が起きた場合、区では全ての避難者を避難所に受け入れることはできません。区が持っている危機意識を区民の皆様にもっと積極的に伝えていかなければならないと思います。より効果的な周知をお願いしたいと思いますが、区の考え方はいかがでしょうか。  さて、避難所についてもお伺いいたします。  障害者、高齢者の福祉避難所や母子避難所についてはスフィア基準を満たしておりません。スフィア基準に関しては以前も質問しましたが、基準が高く導入が難しいと答弁がありました。区民が被災した際に安心できる避難所を提供することはとても大切であると考えます。せめて障害者、高齢者の福祉避難所や母子避難所についてはスフィア基準を満たした運用をするべきだと考えますが、区はどのように対策しているか、お伺いをいたします。  福祉避難所の話をしましたが、災害時要支援者の避難計画についてもお伺いをいたします。  現在、避難行動支援計画を策定中だと思いますが、町会や自治会と協定がない地域も多くあり、災害時に駆けつけてくれる支援者の欄に名前を書けない人もいることが想定されます。協定を結んでいない率は何割ぐらいなのか、現時点までに策定した計画の中で支援者の欄が空欄の避難行動要支援者はどれほどおられるのか、そういった皆様に対して区はどのような対策を講じていくのか、お伺いをいたします。  最後に、以前この場所から区と町会とマンションの三者協定を提言いたしましたが、災害対策の打開策として地域の防災力を高めるためにも進めていくべきと考えますが、区が推進している様子はありません。この協定に対して区は重要とは考えていないのでしょうか。区の考え方をお伺いいたします。  次に、シルバー人材センターについてお伺いいたします。  シルバー人材センターは意思決定プロセスが不透明なこと、会員の声を聞いていないこと、会員に提供できる仕事が少ないこと、問題点を挙げれば枚挙にいとまがありません。八月二十五日の区民生活常任委員会ではシルバー人材の経営について報告がありました。山田正孝会長からは、大田区や目黒区など近隣六区で構成しているブロックの中で六十歳以上の人口割登録者数が世田谷区は最も低い一・二%だと報告し、その中でも女性の登録数のパーセンテージが低く、割合が低い理由について、これだけ女性が少ないのは意識の中にある潜在的なものであり、女性の働く意識が低いからだと発言されています。はっきり申し上げて、この発言には納得できません。女性が少ないのは意識が低いからではなく、シルバー人材センターに魅力がないからです。意識が低いからと発言していることに、委員会に同席している区側関係者からは訂正がなかったことにも危機感を覚えます。区は、シルバー人材センターに女性の登録者数が少ないことを意識が低いからと考えているのか、お伺いをいたします。  また、事務局長も委員会の中で、これまで指摘してきた陶芸教室について、理事会で廃止を決めていただいたと発言がありました。理事会の中で主導的役割を担う理事当人であるにもかかわらず、まるで他人が決めたような報告です。理事会の詳細な議事録も存在せず決定過程が不透明であり、組織として改善する必要があります。この場で陶芸教室を復活させろと言うつもりはありませんが、会長や事務局長のやり方、考え方に不信感を抱く会員がいることを知っていただきたいと思います。当事者意識を持ち、透明性をより確保し、組織体質の改善を行い、民主的組織に生まれ変わることができないのなら、補助金の見直し等も含めて厳しい指導が必要です。区の考え方をお伺いいたします。  次に、部活動の地域移行についてお伺いをいたします。  来年度から部活動の地域移行が本格的に始まります。このことについて三点質問いたします。  まず、部活動の地域移行後のニーズと部活動の実態把握について質問いたします。  現在、先生方は部活動のために休日も勤務になり休息が取れないこと、経験のない部活動の顧問になってしまい不安があるなど、部活動に対する悩みを持っているなど多くの問題点があります。  そこで、地域移行後に地域の一員として指導したいと思う先生方はどれぐらいいるのかなど、先生方のニーズや動向を知る必要があります。また、生徒や保護者のニーズも多様化しています。区には、先生方や生徒、保護者のニーズを把握するとともに、部活動の環境不備の実態をしっかりと把握し、部活動支援員を必要としている学校を明確にしていただきたいと考えます。  そこで、区はどのように先生方や生徒、保護者のニーズを把握しようと考えているのか、また、部活動の実態把握についてはどのように努めていくのか質問をいたします。  次に、来年度に向けてさらなる外部からの指導員の確保が必要不可欠です。現在、杉並区や渋谷区では部活動の地域移行が先行しています。これらの地域では、企業と連携しているところもあります。  そこで、世田谷区でも企業などとの連携体制を整えていくべきだと考えます。文教常任委員会では区内大学への協力を求めていくと報告がありましたが、区内には区外の大学に通っている学生もいるため、区外の大学とも協定を結ぶべきだと考えます。また今後、指導の質の向上のため、プロの方からの指導を受けられるような体制も整えていく必要があると考えます。  そこで、区ではどのようにして人員を確保しようと考えているのでしょうか、お伺いをいたします。  最後に、部活動支援員には謝礼が支払われることになっていますが、その謝礼は監督に千二百円、部活動支援員、緊急派遣指導員、顧問サポーターに千円となっていますが、この謝礼では部活動支援員は集まりません。また、今後、部活動地域移行を進めていく中でプロなどに指導してもらうことも想定した様々な謝礼の在り方を検討するべきだと思います。区はこの点に関してどのように考えているか、お伺いをいたします。  最後に、インボイス制度についてお伺いをいたします。  私は、これまでも議会においてインボイス制度について取り上げてまいりました。インボイスとは、消費税に関する制度であります。事業を営んでいる法人や個人事業主が税務署に登録して登録番号を請求書や領収書に書くことになります。この登録番号が書かれた書類が適格請求書などと呼ばれ、これがインボイスと呼ばれます。このインボイスに登録できるのは課税事業者のみとなっています。  さて、個人事業主は課税売上げ上の一千万円以下の事業者へ消費税の免除という規定があります。もしインボイス制度に登録すると免税事業者も消費税を支払うことになります。この規定は小規模個人事業主に対する減税措置であり、登録するということは個人事業主にとって実質的な増税となります。この制度は任意であり、利用しないで事業を継続することも可能です。  しかし、登録しなければ他事業者との取引から除外されることが考えられ、事業が立ち行かなくなる区内の事業主が出てしまう可能性が考えられます。導入開始は来年十月であり、この制度の導入延期などを国に申し入れてほしいと思いますが、今回の質問では、世田谷区内でこのインボイス制度で納税状況が変化する事業者がどれだけいるのか、登録が既に始まっていますが、どれだけの事業者が登録したのか、理解度はどれほど深まっているのかを世田谷区が把握しているのかをお伺いしたいと思います。もし詳細なデータを持っていないなら、徹底的に調査把握する必要があると考えます。先日発行された区報「せたがや」でもインボイス制度の説明会を行っていますと紹介されていますが、私はそれだけでは足りないと思います。少なくとも私の肌感覚では、まだまだインボイス制度の理解が深まっていないと思います。区はどのように考えているのか、お伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎大塚 危機管理部長 私からは、災害対策について四点御答弁申し上げます。  初めに、福祉避難所のスフィア基準を満たした運用についてでございます。  高齢者、障害者の福祉避難所の要配慮者の受入れは、当該施設の介助者の状況や要配慮者の特性を考慮して受入れ調整を行うこととなります。受入れ人数は施設の定員を目安とした人数となるため、過密な状況にはならないものと見込まれます。しかしながら、福祉避難所として指定している施設の数が十分とは言えず、また、国の福祉避難所の確保・運営ガイドラインに基づき、要配慮者が福祉避難所へ直接避難できるようにしなければならないという課題がある状況です。  福祉避難所母子につきましては、助産師による育児相談、授乳相談、乳房ケア、健康相談の支援などを行うことからプライバシーの保護や衛生面などに十分な配慮が求められることを踏まえ、運営マニュアルの整備等を進めているところでございます。現在、このような状況にあり、施設の拡充や運用の詳細を定めるに当たりましては、避難所を所管する高齢福祉部、障害福祉部、子ども・若者部の各部と連携し、スフィア基準の理念である被災者の権利保護の原則を念頭に置き、被災者の生活の質が守られた避難所環境となるよう努めてまいります。  次に、地域とマンション、区の三者の協定についてでございます。  先般公表された都の新たな被害想定では、マンションのエレベーター停止による避難生活者の増加が見込まれ、また、災害時は指定避難所に避難するといった認識が一般に浸透していることなどから、適切な避難所運営への影響が懸念されているところです。このため、区といたしましてはマンションの自主防災組織の結成や備蓄、防災資機材の整備を支援することなどにより、自助、共助の意識を醸成し、マンションにおける在宅避難を進めてまいりたいと考えております。  こうしたマンション防災の取組を展開し、マンションの自主防災組織と町会・自治会などが連携して防災活動等ができる関係を築いていくことにより、議員御提案の地域とマンション、区の三者の災害時の協定締結につなげていけるよう取り組んでまいります。  続きまして、避難行動要支援者の避難支援についてでございます。  議員御指摘のとおり、避難行動要支援者名簿の提供の協定を結んでいない町会・自治会の区域で生活し、かつ個別避難計画を策定する中で支援者を確保できないことが明らかとなる方もいらっしゃると想定されます。従来より、災害時に備えて消防、警察と要支援者名簿を共有しており、各機関にこうした方々の安否確認や避難支援に御協力いただくとともに、災害発生時には民生委員、児童委員、社会福祉協議会、福祉サービス事業者、消防団などの協力団体に対象者名簿を提供し、安否確認等の御協力をいただくことなどの対応を行うこととしております。  しかしながら、あらかじめ身近な支援者を確保し、確実な避難行動が取れるように備えることが個別避難計画を実効性あるものとする上で不可欠であると考えております。支援者の確保に向けましては、学校、PTA、近隣の大学、商店街などに防災塾や防災訓練などへの参加を呼びかけ、広く避難行動要支援者支援の現状を知っていただくことで地区の潜在的な担い手の発掘につなげるなどの取組を進めてまいります。  最後に、在宅避難の啓発についてでございます。  効果的な啓発のためには、客観的に見て、区民にどのように受け止められたかを正確に把握することが必要であると認識しております。議員御指摘のような受け止めがあったことは在宅避難の啓発を展開する上で重要なヒントとなるものであり、今後、十分参考とさせていただきます。  これにとどまらず、さらに効果的な啓発を展開していくために、紙媒体やSNSなど多様な手法を取り入れていくことを考えております。各媒体の特性を生かした啓発や、視覚効果や目を引くキャッチコピーなどによる呼びかけなど、啓発スキルの向上に努め、区民に在宅避難を強く訴えてまいります。  私からは以上です。 ◎後藤 経済産業部長 シルバー人材センターについて、二点お答えいたします。  まず、区民生活常任委員会での会長の発言についてでございます。  御指摘の発言は、会長より女性の会員が少ないことの課題認識があり、会員を増やすためには就業先の開拓等、シルバー人材センターの魅力を高める必要があることに関連する中でエピソードと感想を述べられたものですが、シルバー人材センターに加入していない方が意識が低いようにも受け取られる可能性があることから、シニア世代の多様な働き方や生き方を支援する立場からは適切さを欠いた発言と認識してございます。  なお、委員長の発言後、事務局長より、女性の会員の数が少ない理由につきましては、何か理由があるかは分析を深めていかなければいけないと思っているという発言があったため、区のほうからは修正ということでその場での発言はいたしませんでしたが、その部分については反省をしております。申し訳ございません。  二点目、今度は事務局長の発言についてということで、陶芸教室の、この間の廃止の経過を踏まえて、非常に不透明感が強いので区としてどう考えるのかという御質問に御答弁いたします。  シルバー人材センターは公益社団法人であるため、年一回の総会で前年度の事業報告や決算などを審議、決定するほか、御指摘の独自事業をはじめ各業務の遂行については理事による理事会で決定し、理事会の下で事務局が事務を執行いたします。御指摘の発言は、そうした組織の仕組みを踏まえ、事務局長が事務局の立場から行ったものと認識してございます。  また、陶芸教室でございますけれども、昨年十二月の理事会にて廃止を決定いたしましたが、その前後に三度にわたり陶芸教室の就業会員の代表の方に対し状況の説明及び廃止に至った経緯等を説明してきたと局長に確認をしております。  また、決定した後の一月には就業会員及び全受講者に対し文書にて陶芸教室の廃止をお知らせしてございます。また、今年に入りましてからは、四月に就業会員の方と受講者の方に作品等の引取りの御案内をし、六月の定時総会におきまして改めて陶芸教室廃止の御報告もいたしましたが、この間、教室の閉鎖に関し説明会を求めるような声もなかったことから、センターとしては特段のアクションはしていないということでございます。  一方で、いまだに作品を取りに来られない方もいらっしゃるということですので、センターに対しましては区としても引き続き丁寧に対応するよう働きかけをしてまいります。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、部活動の地域移行について三点お答えいたします。  まず、ニーズなどの把握についてです。  現在、区立中学校では約四百の部活動で教員が顧問を担っていますが、そのうち二百九の部活動で約四百五十人の部活動支援員に御協力いただいております。先般、中学校部活動の地域移行についてスポーツ庁、文化庁それぞれに対し有識者会議から提言が示され、区では今後、検討組織を設置し、区における課題や対応、方針についての検討を慎重に進めてまいります。  新たに必要とされる支援員配置数や、それぞれの部活動に求められるものは各学校の状況にもよるため、検討の中でこうした部活動の現状の詳細を把握していくものと考えます。検討に際しては、生徒や保護者へのアンケートに加え、教員の動向等についてもアンケートを取り、それぞれの学校の部活動の実情に合わせ、必要な環境を確保していけるよう検討を進めてまいります。  次に、部活動支援員の人員確保と様々な謝礼の在り方について、併せてお答えいたします。  中学校部活動の地域移行を円滑に進めるためには、提言において指導者の確保等の課題が挙げられていることから様々な団体との連携が必要であり、地域活動団体や区内や区外の大学、プロやセミプロのスポーツチームなどによる指導等への協力は中学生の活動において様々な効果を生むものと考えられます。  また、地域移行後の部活動において経験の豊富な優秀な指導員を持続的に配置していくためには、報酬の適正化に加え、様々な謝礼の在り方、配置の仕組みづくりなどが検討すべき課題であると考えております。これらの課題について、今後の検討組織の中で様々な視点から幅広く議論し、生徒たちにとってよりよい部活動の地域移行が実現できるよう検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、インボイス制度についてお答えいたします。  インボイス制度につきましては、国の制度としまして令和元年十月に消費税の軽減税率を実施した際に、令和五年十月より実施することが決められ、免税事業者からの仕入れにつき、その消費税が全額控除可能な期限としてあと一年間となっているところです。  区内の事業者に対しましては、区内三つの税務署が説明会を開催してございまして、これまで百十回ほど行った説明会に約千二百名の参加があったものと聞き取っております。区としましても、税務署からの依頼を受けて、「区のおしらせ」や区ホームページでの説明会の周知、エフエムせたがやの区提供番組内での告知などを行っております。同時に、区内の大半の事業者が中小企業であることから、産業振興公社におけるセミナーの開催なども行っております。  御指摘のように事業者への影響が大きいことから、より一層の周知と現状把握が必要と考えております。税務署へよりきめ細やかな情報提供を求めるとともに、区としても産業団体への広報媒体等を利用した周知に加えまして、産業基礎調査の中で実態把握を行う方向で、現在、経済産業部門とも連携するなど区内事業者への理解度の実態把握に努めるとともに、制度理解が高まるよう引き続き努めてまいります。  以上でございます。 ◆三十三番(藤井まな 議員) まず教育委員会に再質問したいんですけれども、今、部活の地域移行の質問をしましたけれども、現場の生徒さんたちが来年になってお金を支払うことがあるように変わるんじゃないかという心配の声があったりすると私は聞いています。まだまだ制度を来年に向けて整えている最中だと思いますけれども、お金を払うようなことがないような制度にしていただきたいと思うし、そういった声があることもしっかり調査をしていただきたいということを聞いていますけれども、それに関して教育委員会に質問いたします。  あと、シルバー人材センターについてですけれども、適切な発言じゃないというふうにお認めになりましたね、今ね。そのことに対して、じゃ、どうするんですか。適切な発言をしない人がシルバー人材センターのトップでいいんですか。  あのときに、じゃ、行政側は発言を聞いていたけれども、シルバー人材の事務局長がちょっと情報修正したから、あの発言はもうそれで修正されたからオーケーだと考えたということですね。区民生活常任委員会に出ていた人たちは、あの発言を聞いたけれども、もうそれでオーケーだと考えたということですね。それを確認したいと思います。
     その二つ、再答弁をお願いします。 ◎内田 生涯学習部長 部活動の地域移行に関して、再質問にお答えいたします。  部活動の地域移行に当たりまして、今後の検討組織の中で様々議論をしていくというふうに考えておりますけれども、確かに議員がおっしゃるとおり、生徒の会費の在り方といったものについては課題になるというふうに認識しておりますので、その点につきまして議論のほうは進めていきたいと思います。  以上でございます。 ◎後藤 経済産業部長 再質問にお答えします。  繰り返しになりますけれども、御指摘の発言ですけれども、意識が低いとの発言が当初ございまして、話題として不適切な部分があったと先ほど御答弁申し上げました。もともと区とシルバー人材センターはそれぞれ独立した組織であるということと、あと、センターとしての見解が最後に会長自身から、その当時の発言の後に、最終的にはその原因が分からないとされていること、それから、その後、事務局長のほうから、繰り返しになりますけれども、何か理由があるかは分析を深めていかなきゃいけないと思っているという発言があって、その時点で区が修正するものではないというところで判断をしたところでございます。  また、その後の別の区民生活常任委員の方から、どうしたら人が門をたたいてくれるか、シルバーに何かないかと言ってくれるような中身をつくっていくことが重要ではないかという御指摘に対しても、これからも会員の中でのコミュニケーションを取ること、さらには対象の年代の方にPRしていくということを努力してまいりたいという発言があったから、区が修正をその時点ではすべきではなかったと、すべきでないというか、しなかったということでございます。  なので、その発言一言だけを捉えて判断したのではなく、その議論の中の状況を踏まえまして全体で判断して修正をしなかったということでございます。  以上です。 ◆三十三番(藤井まな 議員) 教育委員会には、収入の格差で部活動を諦めるようなことがないように、お金がかからないようにしてください。  あと、今のシルバー人材の話ですけれども、じゃ、一つの言葉を切り取って取り上げていたみたいな発言をしましたけれども、だったら、女性の意識が低いと言っていいんですか。そのことについて、もう区からはシルバー人材センターには何も言わないんですね。女性の意識が低いと言っている会長をそのままもう野放しにするんですね、それでいいんですね。  あと、陶芸教室の説明会を求める声がなかったと言いますけれども、僕は、そのシルバー人材側の会員さんが会長や事務局長に直接説明会を求めている現場に立ち会っていますよ。それはありましたからね、絶対。 ◎後藤 経済産業部長 再質問にお答えします。  不適切でなかったかどうかというところについては、先ほどの答弁で不適切な部分があったということで御答弁を申し上げました。それで、御発言があって、それでよしということでは決してなくて、そうした誤解を招くような発言については、しないような指導だとか助言、それはしていきたいと考えております。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十三分休憩    ──────────────────     午後三時四十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。  六番上川あや議員。    〔六番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆六番(上川あや 議員) 初めに、地域行政推進条例について伺います。  課題の第一は、区が条例案第六条に規定する広報広聴機能の充実をいかに機能させるのか、具体的なルールが何ら見えないことについてです。第六条では、「まちづくりセンターは、情報通信技術等の多様な手段を用いて、地区におけるまちづくりに係る情報の区民への発信及び区民との情報の共有を図るとともに、区民との対話により地区における多様な意見を把握し、これを生かしてまちづくりの促進及び行政サービスの充実を図るものとする。」と規定しています。  一方、区では従前より、区に寄せられた様々な住民の声を区民の声取扱要領のルールに基づき、迅速、的確に記録し、管理してきました。区民の声取扱要領では、区に寄せられた区民の声が区民の声システムにより一元管理されています。基本、お声を寄せられた区民の方の住所、氏名が明らかで回答を求める内容ならば区民の声システムに記録され、原則四開庁日以内で回答します。  また、所管課からの回答は広報広聴課で進行管理され、区長等に情報共有された後、区民に公表し、データは五年間保存されるというすばらしいルールです。しかし、その適用対象は受付施設や連絡手段が限定されており、本庁舎、あるいは総合支所に直接申立者が来たもの、そのいずれかに電話、ファクスで来たもの、一般の封書やはがきで来たもの、出張所やまちづくりセンター、図書館等で配布している区長へのハガキで来たもの、区のホームページ等を介した区長へのメールで来たものに限定されています。  このため、条例案第六条の情報通信技術等の多様な手段の活用も同要領規定の想定外。合致しないままとなっています。また、区が議会に示した地域行政推進計画案から取組の具体的な方向性を見ても、まず区が区民生活を包括的に支援する拠点と位置づけるまちづくりセンターが実態として区民の声取扱要領の対象外となっています。昨年度の受付実績も二十八のまちづくりセンターでたった一件と機能していないことは明らかです。  また、そこでいただく御相談等を映像システムで本庁、総合支所へとつなぐ区の重点取組、オンライン相談も映像システムが同要領の規定にはない想定外。オンラインやSNS等を活用した意見交換の実施も、またしかりというないない尽くしとなっています。  このような状況である以上、区民の声取扱要領の適用対象を条例施行に合わせバージョンアップ、拡大させるか、それに準じた記録、保存、回答と共有、区民公開のルールが別途必要なはずですが、そのいずれもが現状見当たらないのです。これでは、いただいた意見、要望、提案がどう記録、保存、回答、共有、公開されるのか分からず、ややもすると単なるガス抜きの場を増やすことにしかつながらないのではと危惧します。  このため、さきの委員会でも私より、これら条例案六条で規定する広聴手法の充実について、区民の声取扱要領並みの明確な対応サイクルが明文化されるべきだと求めましたが、想定外の質問に戸惑われた御様子で、納得に至る御答弁はいただけませんでした。  この点、全体として対応サイクルをどのように明確化させるのか、ぜひ所管のまたがる課題として副区長より御答弁いただければと思います。  さきの特別委員会では、私よりもう一点、新条例と区の行政手続条例との関わりについても指摘をいたしました。区は、地域行政推進条例案の第四条、基本方針(1)の規定で、今後まちづくりセンターが区民生活を包括的に支援する行政拠点として多様な相談及び手続に対する窓口を担う点を明確にしたと説明をしてきました。その変化と行政手続条例第五条の規定は両立するのでしょうか。  行政手続条例の第五条第一項及び第二項は、審査機関に申請者に対して許認可等をするかどうかの判断基準をあらかじめ定め、その基準はできるだけ具体的でなければならないとし、続く第三項では、特別の支障があるときを除き、審査基準は申請の提出先とされている事務所における備付け、その他の適当な方法により公にしておかなければならないと定めています。  この審査基準は、区の例規類集にある条例や規則、区の要綱集にある要綱のレベルだけではないはずです。現実には庁内でも、本庁の担当職員数人しか承知していない手元マニュアル等が数多くある中で、二十八か所のまちづくりセンターで行政手続条例が規定する事務所における備付け、その他の適当な方法により公にしておくことが実現できるのか疑問です。  この点もさきの委員会で質問しましたが、やはり答えに窮した御様子で不安が残ったというのが正直なところです。ここでも、条例規定にある逃げ口上、特別な支障があるときに該当し、示せないといったことにならないよう、対応力の強化、整備を求め、区の見解を問います。  最後に、区が素案を取りまとめた個人情報保護条例の全部改正についてです。  昨年五月に公布されたデジタル改革関連法により個人情報保護法が改正され、従来、国と自治体、民間で異なっていた個人情報のルールも一本化されることが決まりました。しかし、全てが一律というわけではなく、区の裁量で条例化できる部分も残されています。その一つが、条例要配慮個人情報の設定です。  改正個人情報保護法では、その中で明示的に規定されていない個人情報でも、自治体においてその保有が想定され、その地域性に応じて不当な差別、偏見、その他の不利益が生じないよう特に配慮を要する場合には、その自治体が適正な取扱いを確保できるよう、条例で条例要配慮個人情報として定めることができる規定が設けられています。  しかし、この条例要配慮個人情報に対する区の考えを最新の常任委員会資料から確認しますと、具体的な想定事項がないことから現時点では規定を置かないこととすると、あっさり素通りです。本区は、男女共同参画と多文化共生を推進する条例を制定し、全国で初めて民族・国籍差別を禁ずるとともに性的指向、性自認に基づく差別も禁じた人権擁護の先進自治体の一つです。  また、お隣、渋谷区と共に、全国に先駆け同性カップルを認める同性パートナーシップ宣誓制度をスタートさせ、この七年で利用者は四百名を超えています。こうした中、既に国の個人情報保護制度の見直しに関するタスクフォースによる最終報告でもLGBTに関する事項、一定の地域の出身である事実等が条例要配慮個人情報の例として示されているところです。  ならば、ぜひ区には条例要配慮個人情報の整備を目指していただきたいと思うのです。区外を見渡せば、二〇一八年四月施行の国立市条例を皮切りに、性的マイノリティーの性自認や性的指向などを第三者が勝手に暴露するアウティングと呼ばれる行為を禁止する条例制定が増えており、都内では港区、豊島区、江戸川区でも成立をしております。こうした中、世田谷区の個人情報保護条例での対応が劣後に置かれることがないようにと願っています。  そこで、最初の質問です。  条例要配慮個人情報を規定した法第六十条第五項が前提とする地域の特性その他の事情には、本区が独自の施策として取り組んできた同性パートナーシップ宣誓や性的マイノリティーに特化した電話相談等の個人情報も含まれ得るように考えるのですが、いかがでしょうか。  二点目に、関連規定の解釈をめぐる国の個人情報保護委員会とのやり取りから、現状では条例要配慮個人情報にLGBTや国籍等の違いを追記することが難しい場合でも、それに代わる内部規定はしっかり定めると、お約束をいただきたいと考えております。この点、いかがお考えになるのかを伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、地域行政推進条例について、条例に規定する新たな広聴の手法についても区民の声取扱要領並みの明確な対応がされるべきとの御指摘についてです。  まちづくりセンターでは、現在、区民の方から様々な意見をいただいており、担当するまちづくりに関する意見については、その都度回答し、他の業務に関する意見については地域振興課に報告し、区民の声取扱要領に基づき受付、管理することとしておりますが、実績は少ない状況です。  令和元年度に実施した地域行政に関する車座集会では、その場で回答したものを除き、回答を保留したものやアンケートなどで寄せられた意見については、各総合支所地域振興課、または広報広聴課が区民の声として取扱要領に基づき対応を行っております。  福祉の相談窓口や四者連携による課題対応、地区アセスメントの実施やオンラインなどによる区民との意見交換会の開催、総合支所におけるタウンミーティングの実施など、条例などに基づく取組を進めることで、地区、地域において区民からいただく意見や提案等が増えることが想定されます。  また、区長へのメールには、日々、数十件のメールが寄せられており、区長と各所管が共同して、原則四開庁日以内で回答を返しております。これらのことを踏まえ、より的確かつ迅速に対応する必要があると認識し、まちづくりセンターにおける区民の意見の取扱いについては改めて確認、徹底を図るとともに、福祉の相談窓口における四者連携相談記録簿の活用を徹底してまいります。  また、オンラインでの意見交換や映像システムでの相談など、新たな仕組みでまちづくりセンターに寄せられた意見については、区民の声として区民の声取扱要領にのっとり取り扱うもの、まちづくりに関わる意見として、まちづくりセンターで受け、回答、記録管理するもの、それぞれについてモデル実施等を踏まえ、検討し、必要なルールの整備を図ってまいります。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、まちづくりセンターにおける相談手続の対応と行政手続条例との関係、対応力の強化について御答弁申し上げます。  行政サービスの充実強化に向けまして、まちづくりセンターと総合支所や本庁を映像システムでつなぐ仕組みを導入し、総合支所や本庁の窓口まで出向くことなく相談や手続を行うことを目指してまいります。令和六年度の全地区での実施に向けまして、まずはモデル地区において総合支所の保健福祉四課とつなぎ、相談をお受けするとともに、区から送付した書類と手続方法を御案内することから始め、申請などの手続につきましては課題を整理しながら段階的に実施する予定でございます。  申請などの手続を行う際の運用として、区民への説明を含む対応全般は担当所管の職員が画面越しに行うことから、行政手続条例における申請者と行政庁との関係にまちづくりセンターが介在することはないものと考えております。  しかしながら、申請をお受けする担当所管とは物理的に離れている状況であることから、担当所管が画面を通しても分かりやすい説明資料の作成や説明方法の工夫を行うとともに、まちづくりセンターのプリンターに関係書類を出力して提供するなど、丁寧な情報提供と説明が行えるよう、まちづくりセンターによる支援についても具体的に検討し、対応してまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは二点、まず個人情報保護条例における条例要配慮個人情報についてです。  改正個人情報保護法は、各自治体が保有する個人情報のうち、地域の特性その他の事情に応じて本人に対する不当な差別、偏見、その他の不利益が生じないように、その取扱いに特に配慮を要するものとして、条例で要配慮個人情報を定めることができる旨を規定しております。  御指摘のとおり、世田谷区では同性パートナーシップ制度をはじめ、独自の政策に基づき様々な個人情報を取り扱っており、また、男女共同参画と多文化共生を推進する条例において差別を禁じていることからも、LGBTの方などに関する個人情報には十分な配慮が必要であると認識しております。  一方、国の個人情報保護委員会からは、法律の規定は、主にその自治体が個人情報保護の観点において他の自治体とは異なる地域特性を有している場合を想定したものであるとの回答を得ており、審議会でもLGBTの方の個人情報の取扱いについて丁寧な議論をいただいたところですが、現時点で法に規定する地域の特性、その他の事情に該当する個人情報とまでは言い切れないことなどから、条例素案では区独自に要配慮個人情報を定める規定は設けてございません。  改正法の該当規定については、いまだ国の解釈にも不確定な部分があることから、引き続き、国や他自治体の動向に関する情報収集に努めるほか、現在実施しておりますパブリックコメントや今後の審議会の議論なども踏まえ、条例案の整備に向け、引き続き検討を重ねてまいります。  次に、条例に係る内部規定についてでございます。  今回の条例改正に際し、情報公開・個人情報保護審議会からは、条例に区独自の要配慮個人情報に関する規定を設けることは見送ることが相当であるとしつつ、LGBTの方やDV被害者の方などに関する個人情報には特段の配慮が必要であり、現場での対応にそごが生じないよう、可能な限り具体的な内部規定の整備を検討すべきとの趣旨の御意見をいただいております。  今後の検討を通じて、条例に区独自の要配慮個人情報に関する規定を設けるか否かにかかわらず、内部規定の整備を通じてLGBTの方やDV被害者の方の個人情報が保護されるよう取り組むべきものと考えております。内部規定の具体的な内容などにつきましては、改めて審議会に諮問をさせていただき、その御意見を十分踏まえて整備してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆六番(上川あや 議員) 地域行政推進条例に関して、二点再質問いたします。  まず、まちづくりセンターにいただいた御意見も区民の声取扱要領で受け付け、管理しているという御答弁だったんですが、広報広聴に確認したところ昨年度の受付実績はたった一件、二十八か所のセンターで、一件です。これでは管理しているなどとは到底言えないはずですが、いかがでしょうか。また、改善されるおつもりがあるかどうか。  また、二点目です。区がおっしゃった四者連携では連携相談記録簿の活用を徹底するという御答弁だったんですが、同記録簿は単に記録をするだけで対処の進捗管理もないと確認しております。その点も改善される見通しがあるのかどうかをお伺いいたします。 ◎舟波 地域行政部長 再質問にお答えいたします。  まず、まちづくりセンターにいただいた御意見につきまして、区民の声による受付実績が一件であったことについてどう改善されるのかということについてでございます。  現在のまちづくりセンターの窓口での対応につきましては、質問や問合せなど、その場で必要な情報を区民にお返しする場合ですとか、あるいは内容を聞き取りさせていただいて担当所管につないで解決を図るケースが多いと認識してございます。ただ、改めまして、まちづくりセンターに寄せられた意見の対応ルールでございますけれども、これにつきましては総合支所地域振興課と連携して確認をしまして、運用の徹底を図ってまいりたいと考えております。  もう一つ、再質問でございますが、四者連携の連携相談記録簿の活用、特に進捗管理がされていないのではないかということに対する改善の御質問でございます。  現在の三者連携の相談記録簿につきましては、まちづくりセンターでの地区の三者がそれぞれ受けた相談等につきまして、他所管につないだ事例等を中心にその内容を共有いたしまして、課題の確認ですとか、あるいは解決に向けた検討を行う資料として使用してございます。  今後につきましては、児童館を含めた四者連携会議で、他所管につないだ事例等の対応状況ですとか、あるいは結果をしっかりと共有する仕組みをつくりまして、その上で進捗の状況に応じて関係所管への確認ですとか、あるいは総合支所との解決に向けた調整、それから社会資源の開発等に取り組めるよう、連携相談記録簿のさらなる活用を検討してまいります。  以上でございます。 ◆六番(上川あや 議員) いただきました御答弁を踏まえて、その賛否を検討したいと思っております。  終わります。 ○下山芳男 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは、質問してまいります。  まず、子育て施策について伺います。  静岡県の認定こども園の送迎バス内に園児が放置され、亡くなるという痛ましい事故がありました。こうした事故を決して起こしてはならないと思いますが、惨事は繰り返されております。世田谷区には送迎バスを利用している保育園や幼稚園などがありますが、区としてどのような把握をしているのか、お教えください。  また、置き去り事故を防ぐ指導やガイドライン、安全確認マニュアルの作成も必要です。国では、置き去り防止装置を全ての送迎バスに導入を進めると聞きます。子どもの命を守る区の対策と取組について伺います。  明石市の泉市長のエッジの効いた先進的な子育て施策が全国自治体の注目を集めています。子育て五つの無料化の取組の特徴は全て所得制限がありません。  明石市は、医療費は十八歳まで完全無料です。病院も薬代も無料です。世田谷区でも十八歳まで医療費完全無料化を要望いたしますが、区の現状と今後の取組について伺います。  明石市は、保育料は、二人目以降、完全無料です。三人目も四人目も子どもの年齢も関係ありません。世田谷区でも保育料は二人目以降完全無料を要望しますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、おむつは一歳まで無料で家にも届けています。世田谷区でもおむつは一歳まで無料で家に届けることを要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、給食費は財源の都合で、中学校は無料です。私は給食費無料化を要望してきていますが、世田谷区でも財源を考えると、給食費はまず小学校か中学校のどちらかでの無料化実施が現実的と考え要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、公共施設の遊び場も親子で無料です。世田谷区でも公共施設の遊び場も親子で無料化を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  また、明石市は、それらの無料化と併せて様々な全国初の施策を展開しております。  明石市は、親の別居、離婚などで生じる養育費を立て替えて払っています。世田谷区でも親の別居、離婚などで生じる養育費立て替えの取組を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、親子の面会交流で別居している親子の時間をつくっています。世田谷区でも親子対面交流で別居している親子の時間をつくる取組を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、戸籍のない子どもの支援もしています。世田谷区でも戸籍のない子どもの支援を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。
     明石市は、児童扶養手当は毎月支給しています。世田谷区でも児童扶養手当は毎月支給を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、子ども食堂は全ての小学校区にあります。世田谷区でも子ども食堂は全ての小学校区への設置を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市は、児童相談所の改革で第三者の審査も国に先立って実施をしています。世田谷区でも児童相談所の改革で第三者の審査実施を要望いたしますが、区の現状と今後の取組を伺います。  明石市の泉市長は、これらは全部全国初で、自慢できることではなく世界でのグローバルスタンダードは日本だけやっていない政策ばかりで、国がやらないからやむなく実施していると主張しています。  保坂区長、明石市の市民一人当たりの財政支出は年間約三十九万五千円で、世田谷区は三十六万四千円です。さほど大きく変わるわけではありませんが、この違いはなぜなのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。  明石市では、子育て五つの無料化などの積極的な子育て支援が人口増と税収増につながり、消費の拡大など、市全体の経済効果の好循環をつくり出したと聞きます。世田谷区も攻めの子育て施策に取り組んでいただきたいと思いますが、提案している所得制限の撤廃や無料化に対する考えも含め、区長の見解を伺います。  高齢者施策について伺います。  高齢者の増加に合わせて、各自治体で高齢者の福祉増進に向けた様々な取組が行われておりますが、世田谷区でも特にひとり暮らし高齢者が増加しております。高齢でも健康で人としての尊厳を保ちながら自立した生活ができるよう健康維持の取組や健診のさらなる充実が必要です。特に認知症検診に関しては、現在、早期発見することで進行を遅らせることができる医療の進展や薬の開発が見られ、検診の重要性が認識されます。江東区では、七十歳の区民全員が受けられる無料の認知症検診を実施するとのことです。世田谷区での実施を提案いたしますが、区の見解を求めます。  障害者施策について伺います。  世田谷区は、医療的ケア児にポータブル電源を無料配布しておりますが、年齢に関係なく医療的ケア者にも無料配布すべきと考え提案をいたしますが、区の見解を伺います。  今年六月に東京都手話言語条例が制定されましたが、聴覚障害者の皆さんから、東京都ではカバーできない世田谷区の施設や施策に対応した世田谷区手話言語条例の策定の要望をいただきました。条例制定を要望いたしますが、区の見解と検討状況、今後のスケジュール等についてお答えください。  福祉政策について伺います。  出産費用は、現在、普通分娩の場合は公的保険の対象外とされ、自己負担となっています。負担を軽減するため、健康保険などから子ども一人につき原則四十二万円の出産育児一時金を支給しておりますが、都市部を中心に出産費が高騰しております。民間団体などからは、妊婦側が一時金で賄えない数十万円を負担する例もあると指摘し、公的保険の適用対象とすべきだとの意見も出ております。  また、東京都羽村市、立川両市は、新型コロナ禍と物価高騰対策として、妊娠中や出産後の家庭の経済支援をすると発表いたしました。羽村市は妊婦に現金十万円を給付し、立川市は出産後の家庭にICカード、Suica二万円分を配付するとのことです。両市とも国の地方創生臨時交付金を財源に充てるとのことですが、出産一時金については国でも増額に向けた議論があり、国の動向も注視する必要がありますが、今後、仮に国の出産一時金が増額したとしても、全国一律の増額となった場合、自己負担支出分に追いつかない都市部の妊婦さんへの支援が世田谷区でもできないものかと考えます。いずれにしても、現状においても妊婦が一時金で賄えない部分の支援が必要です。区独自の補助を提案いたしますが、区の現状と見解を求めます。  最後に、感染症についてです。  昨年の第三回定例会一般質問で提案をいたしましたオンライン診療が実現し、医療現場の負担軽減に成功したとの報道に、区の取組を評価いたしたいと思います。オンライン診療の現状と今後の取組、そして、今後の利用拡大について伺います。  欧米を中心に感染が広がるサル痘の国内四人目の感染が確認されました。もしもサル痘の感染が疑われる場合はどうすればいいのでしょうか。今後もサル痘の感染者が出るおそれがあり、感染動向を注視する必要があります。国内での治療・検査体制はどのような状況でしょうか。また、区内でのサル痘に対する治療や検査体制についてお答えください。  次に、川崎市はコロナと同時に流行するおそれに備えて高齢者のインフルエンザ予防接種の自己負担分を無償化するための費用を予算案に計上いたしました。世田谷区での実施を求めますが、見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えします。明石市の子育て政策を御紹介いただきまして、これに対する所見ということでございます。  明石市は子どもを核としたまちづくりを掲げまして、独自の保育料や医療費等の子育てにかかる経済的な負担軽減を政策化し、子育て世帯の流入による人口増につなげる政策を泉市長自身、積極的に展開していると認識をしております。一方で、区は平成二十七年三月に子ども・子育て応援都市宣言を行い、待機児童解消に向けた保育園整備、妊娠期からの在宅子育て支援のための子育てひろばの全区展開、世田谷版ネウボラの開始、子どもや若者が主体的に活動する場の確保や機会の充実など、様々な子ども・子育て支援施策を行ってきました。明石市とはまた別の特徴ある政策展開をしてきたと考えております。  このたび素案としてまとめた、今後、子ども政策の考え方の基本となるグランドビジョンでは、子どもの人口減に合わせて子ども・子育て政策を縮小するのではなく、子ども・子育て応援都市にふさわしい子ども・子育て施策をさらに充実をさせていくため、これまで施設や支援のジャンルごとに分かれていた施策を総合的に組み替え、再配置し、一体化する方向を目指しております。  るる御紹介いただいた明石市の独自施策については、それぞれ大変参考になる部分があるかと思います。他方、この九十二万という多くの区民が住む世田谷区の財源の持続的な確保も含めた議論をしっかりしながら、世田谷区らしい攻めの子ども・子育て支援策を実施し、その効果によって出生数が増加に転じたり、あるいは子育て世代の定住、他地域からの転入の増加につなげてまいりたいと思います。 ◎和田 保育部長 私からは、子育て政策について二点御答弁いたします。  まず、送迎バスの利用を区は把握しているのか、また、区の対策と取組についてです。  区では、毎年の調査により、保育施設及び幼稚園のバス送迎の実施園数や実施状況について把握しております。また、今回の事故を受けて、安全管理に関する緊急点検等を実施中です。今後も安全管理に関する注意事項の速やかな周知徹底をはじめ、安心してバスの送迎を利用していただけるよう、各園と連携して取り組んでまいります。  次に、保育料についてです。  区の認可保育園保育料の多子軽減制度は、第二子は半額、第三子以降は無料ですが、第二子から無料にした場合、約七億円の収入減と想定されます。令和元年十月から幼児教育・保育の無償化により、三から五歳児クラスの全世帯、ゼロから二歳児クラスの住民税非課税世帯のお子さんの保育料は無償化されていますので、明石市と同様に第二子以降を無料とする場合は、この無償化の効果を見極める必要があると認識しております。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子育て政策、それから、福祉政策について御答弁申し上げます。  初めに、子育て政策について順次お答えいたします。  十八歳までの医療費完全無料化についてお答えいたします。明石市では、子ども医療費助成制度を、対象年齢を高校生相当世代、十八歳年度末まで所得制限、自己負担なしで実施してございます。世田谷区では、子ども医療費助成制度を中学生までを対象に所得制限、入院時食事療養費を含めた自己負担のない完全無償化で実施してございます。令和五年四月から現在の中学生までを十八歳年度末までの高校生世代に拡大しての完全無償化に向け、本議会に必要な条例案を提出してございます。  次に、おむつの支給について御答弁申し上げます。  明石市の見守り訪問、おむつ定期便でございますが、生後三か月から満一歳の誕生月まで、子育て経験のある見守り支援員が赤ちゃんと保護者に会い、紙おむつなどを毎月無料でお届けすることで見守りによる不安解消、子育て情報の提供、赤ちゃん用品の支給を行う事業でございます。世田谷区では、同様の事業は実施してございませんが、子育てをしている方が身近な地域での顔の見えるネットワークの中でほっと一息ついて子どもや子育ての話ができ、子育ての情報の交換や子育て情報が提供できるおでかけひろば事業などを展開してございまして、町のおうちとしてさらなる支援の充実を図ってまいります。  次に、養育費の立て替え払い、親子面会交流について併せて御答弁申し上げます。  養育費の確保については、明石市では養育費の不払いがあったときに市が支払い義務者に働きかけ、それでも支払いがない場合に、市が子ども一人当たり一か月につき上限五万円、対象期間は最長三か月として立て替え払いをした上で支払い義務者に対して督促をしておりますが、世田谷区では同様の取組は実施してございません。今後、養育費の確保に関する国や他団体の取組や効果なども参考にしまして、区としても施策の研究を行ってまいります。  親子の面会交流支援事業については、明石市は所得制限を設けずに面会交流のサポートをしておりますが、世田谷区では独自に同様の取組は実施しておりません。現在、東京都では所得制限を設けた面会交流支援事業を実施しており、所得制限を設けない面会交流支援については、来年度に予定しておりますひとり親家庭調査などでニーズを把握した上で、それを踏まえ、国や他団体の取組や効果なども参考に、区としても施策の研究に取り組んでまいります。  次に、児童扶養手当の毎月支給について御答弁申し上げます。  明石市では、児童扶養手当法の規定に従い児童扶養手当を奇数月ごとに支給しておりますが、明石市の社会福祉協議会がひとり親家庭応援貸付金制度、これによりまして希望する受給者に対し手当を支給月より前に分割して一か月ごとに貸付けし、次に支給される手当から返還させるといった取組を実施してございます。  世田谷区では同様な法の規定により、奇数月ごとに支給してございます。このほか、ひとり親家庭等には区条例に基づき児童育成手当を年に三回、これは二月と六月と十月でございますが、ここで支給し、児童扶養手当と支給月が重ならないようにすることで、ひとり親等の方に家計のやりくりの負担を減らすようにしてございます。  次に、児童相談所の第三者審査について御答弁申し上げます。  明石市では、児童相談所が行う一時保護を実施するに当たり、第三者委員が子どもや保護者などからの申出に基づき一時保護の継続等に関して調査を行っているということでございます。世田谷区では、このような第三者委員による調査の仕組みはございませんが、令和四年六月に成立した改正児童福祉法では、一時保護を開始する際に親権者等が同意した場合などを除きまして、裁判官に一時保護状を請求するなどの手続を設けることが盛り込まれてございまして、国の動向を注視しつつ、区でも実施に向けて準備を進めているところでございます。  最後に、福祉政策について、出産費用の区独自補助について御答弁申し上げます。  国の令和三年度の調査結果によりますと、室料差額等を除く東京都の公的病院での出産費用の平均値が約五十五万三千円となってございまして、健康保険制度による出産育児一時金の四十二万円、これを大きく上回り、子育て世帯に係る経済的負担が大きくなっているものと認識してございます。  区では、第三子出産費助成として、出産費用と出産一時金の差額を最大六万円まで支援する施策を行ってまいりました。今後、国における出産育児一時金の増額等の議論の動向、並びに都市部の状況を踏まえつつ、区議会の様々な御意見、御要望、財源の問題も含めて検討し、区として必要な制度改正等を行ってまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、給食費の無償化について御答弁させていただきます。  明石市のように中学校の給食費無償化を実施する場合には、約四億八千万円、小学校を対象にした場合で約十五億二千万円の予算が必要となり、いずれにしましても財源の確保が大きな課題となるものと認識してございます。  給食費の無償化については、今後、区議会での御議論を踏まえ、区長の判断を仰いでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 公共施設の親子での利用料無料化についてお答えいたします。  区の公共施設の利用料金につきましては、子どもたちの利用促進として子どもの日のプール利用料や、土曜、日曜、祝日、休日及び夏休み期間の世田谷美術館常設展を中学生以下無料とするなどの取組を行ってございます。今後、時期を見定めて、区民生活を取り巻く社会状況の変化を幅広く捉えた検証を行いまして、区民利用施設等の使用料、利用料の見直しとともに、御指摘の考え方も含め検討を行ってまいります。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、戸籍のない子どもへの支援について御答弁申し上げます。  戸籍のない子どもへの支援の取組では、明石市が平成二十六年十月に相談窓口を開設しておりますが、同年八月に区では、庁内の各窓口から無戸籍者の情報を戸籍担当に集約して把握する体制を整えております。その上で、支援の取組といたしまして、無戸籍者本人や御家族からの相談の依頼があった場合など、必要に応じて東京法務局から職員を招き、無戸籍解消の相談の場を設けたり、庁内の関係所管と連携して住民登録の手続や各種サービス受給の支援に取り組んでおります。今後とも、戸籍のない子どもの個々の状況に寄り添った支援を行ってまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、子ども食堂について御答弁いたします。  現在、区内で社会福祉協議会が把握している団体として六十三団体が活動しておりますが、子ども食堂の立地については小学校区に一か所という形での運営がされているわけではありません。社会福祉協議会では、子ども食堂同士の関係を構築することで地域の子どもたちを地域の中で協力して見守るネットワークづくりを推進しており、今後とも社会福祉協議会と連携し、この取組を強化する支援を行ってまいります。  私からは以上です。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、江東区で行っている七十歳認知症検診を世田谷区での実施はできないのかについて御答弁いたします。  区では、早期発見、早期診断の取組をさらに強化するため、まずは七十五歳到達時に送付する後期高齢者医療被保険者証に認知症の気づきチェックリストを同封することといたしました。認知症検診の実施に当たっては、対象年齢や医療機関で認知症と診断された御本人の診断後の支援体制を含めた仕組みの構築や、財源持続可能性の視点も踏まえつつ、両医師会をはじめとする関係機関からの御意見を伺い、総合的に検討する必要があり、現時点で御提案の検診を行うのは難しいものと考えております。  以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、障害者施策二点について御答弁を申し上げます。  医療的ケア者のポータブル電源の無料配布について御答弁申し上げます。  在宅で人工呼吸器等を使用する医療的ケアが必要な方にとっては電源が生命維持に直接関わり、災害時の電源確保が重要となるため、まず今年度は医療的ケア児の笑顔を支える基金を活用し、十八歳未満の医療的ケア児にポータブル電源等の個別配布を実施しております。今後、十八歳以上の医療的ケア者の方につきましても、災害時の備えとしてポータブル電源等を配布できるよう、関係所管課と協議し、検討してまいります。  続いて、手話言語条例についてです。  東京都の手話言語条例が九月一日に施行され、手話を見る言葉とし、手話を必要とする方の権利の尊重等の責務が定められております。区といたしましては、言語としての手話の理解促進や普及、手話を学ぶ、使うといった環境整備、手話言語に関する区の考え方などの内容を検討してまいりたいと考えております。今後、当事者、関係団体等からの御意見もいただきながら、次期ノーマライゼーションプランの検討と併せて条例の検討を進めてまいります。  以上です。 ◎向山 世田谷保健所長 私からは、感染症対策に関連して三点、順次お答え申し上げます。  まず、新型コロナウイルス感染症のオンライン診療についてのお尋ねでございます。  区は、感染第七波の発熱外来の逼迫解消を目的として、新型コロナウイルス感染症のオンライン診療を行う医療機関支援を開始し、八月十日から九月十日までの一か月間で千七百五十五名の方が受診をされました。また、七月下旬は発熱外来を受診できないという電話の相談が一日に百三十五件寄せられていたものが、八月後半には二十七件に下がっております。  軽症の有症状者をオンライン診療につなげることで、重症化リスクの高い区民がより地域医療につながりやすくなる効果があったものと捉えており、今後、インフルエンザとの同時流行などの懸念もありますが、感染状況に応じてオンライン診療の支援に取り組んでまいります。  次に、サル痘の治療・検査体制についてのお尋ねでございます。  サル痘は感染症法上の四類に規定をされておりまして、感染経路は飛沫感染や皮膚病変を介した接触感染と言われております。発疹の原因は多彩であるため、まず医療機関を受診していただき、疑われる場合は医療機関から保健所に連絡をいただいて、東京都の検査センターの結果によって確定診断を行います。治療方法は症状に応じた対症療法が主体となりますが、重症化はまれです。保健所は疫学調査を行い、感染拡大の防止に努めてまいります。  最後に、高齢者のインフルエンザワクチンについてでございます。  日本では、この数年、インフルエンザの流行はありませんでしたが、今年度、南半球のオーストラリアでは流行があり、今年の冬は日本において新型コロナとの同時流行が懸念されています。このような状況を受け、今回、東京都は高齢者のインフルエンザ予防接種の自己負担分を無料とする特別補助事業を公表しました。区は、この都の補助事業の活用を含め、適切に対応してまいります。  私からは以上です。 ◆十番(あべ力也 議員) 再質問をさせていただきますけれども、それぞれ御回答をいただきましてありがとうございました。  財源の問題がありますので、それぞれすぐできるということは難しいでしょう。しかしながら、少子・高齢化対策は持ったなしです。ツーリトル・ツーレイトという状況を打破する明石市の取組は参考にするに値すると考え、子育て施策について、明石市と対比をしながら、この際、全ての項目について伺いましたが、特に今般、他会派から要望のあった給食費無償化ですが、これは長らく私と公明党会派の皆さんから要望を続けていると認識しておりますが、内容的に厳しければ段階的な実施も検討すべきと考え、小学校か中学校どちらかの実施も検討すべきと考え質問いたしましたが、全国自治体での動きも少しずつではありますが、無料化に向かっていると感じます。  二十三区でも他区に先を越されることになりましたが、区長の意気込みを再度伺っておきたいと思います。特に中学校では四億円でできるということですから、これは何とかできないのかなと思いますが、区長の御回答をいただきたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えします。  この定例会、各会派、議員の皆さんから子育ての支援について、もちろん、給食費無償化を含めてたくさんの提案をいただいています。これらを持続可能な財源と照らし合わせてどう配分していくのか。これはまさに皆さんの意見を聞きつつ、また、区民の声もあるでしょう。ここを、もちろん明石市の取組も参考にしながら決していきたいと思います。  子どもが減っていく時代に、同時に縮小していくという自治体が出てくる中で、世田谷区はその道を歩まないという決意はしっかりと申し上げておきたいと思います。 ◆十番(あべ力也 議員) 給食費の無償化について、実施をすると力強い回答をいただきたかったんですが、決算委員会でまたお尋ねしますので、よろしくお願いします。  私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十二番中山みずほ議員。    〔二十二番中山みずほ議員登壇〕(拍手) ◆二十二番(中山みずほ 議員) 質問を始めます。まず、小中学校へのより積極的な外部支援の必要性について伺います。  教員の働き方改革が急がれます。まずは、教員の負担を軽減すること、そのための具体的方法として外部支援員をより積極的に活用していく必要があると考えます。  まず、部活動指導員についてお伺いします。ある地域クラブの方から御相談を受けました。お話によると、運動部の顧問の先生が部活動を支えてくれる指導員を探しているが、世田谷区の報酬が低過ぎるためなかなか話がまとまらず、むしろ業務負担を招いているという本末転倒な状況でした。教育委員会が示す部活動指導員の手引きによると、先ほど藤井議員からもありましたが、一時間当たりの謝礼単価は千円、監督になると千二百円と提示されています。近隣自治体を確認してみますと、横浜市、川崎市では千七百十二円、江東区では二千五百円とばらつきはあるものの、世田谷区と比較するとかなり高い状況です。今後の部活動の地域移行を見据え、必要な部活動指導員の確保と持続可能性を考えますと、適正報酬を算出し、できるだけ早い段階でアップすべきと考えます。見解を伺います。  次に、ICT支援員について伺います。  コロナ禍で一気に進んだ学校におけるICT活用は教員の働き方改革にも寄与するものとされていますが、導入期においては、むしろ負担と捉えられていることも周知のとおりです。一人一台端末が実現し、通信環境整備などハード面も整ってきました。今年度、来年度に至っては、さらなる活用、定着のフェーズに入っているのではないでしょうか。また、学校格差、学級格差を生まない体制もより必要です。現状、外部委託をしているICT支援員の登録数は二十七名、昨年度より月二回の訪問から週一回の訪問となり、その増員効果を教育委員会としても実感しているのではないでしょうか。さらに訪問頻度を上げ、より多くの授業支援をすること、様々な活用事例を蓄積し、ノウハウを共有すべきと考えます。ICT支援員のさらなる拡充、この投資は今こそ必要です。見解を伺います。  次は、不登校の児童生徒へのフォロー体制についてです。  世田谷区立の小中学校の不登校数が千二百名を超えました。学校や教員だけで完全にフォローできる数ではありません。この四月に開設した不登校特例校には三十名の生徒が入学しています。また、ほっとスクールには三か所で二百十六名が登録、そのうち五十六名の通室が三か所の一日平均であると伺っています。この数字を見ましても、不登校の児童生徒に対する公的支援の仕組みは圧倒的に不足している状況と言えます。選択肢が必要です。  そんな中、昨年度より開始された教育委員会とNPOとの協定事業、オンラインによる伴走型支援は一定の効果を発揮するのではないかと期待しております。学校には行けないが、勉強したい、親以外の大人に進学相談がしたい、こういった声は当事者の方々よりよく聞かれます。これらの要望に対し、オンライン活用は親和性が高いのではないでしょうか。より検証を高め、予算化、事業化も視野に入れて強化すべきと考えます。見解を伺います。  次に、区立幼稚園の在り方について伺います。  区の将来人口推計が大幅に見直されました。ゼロ歳から五歳の人数が令和六年まで四万五千人程度で推移すると見込んでいたものが、現在の推計では、令和六年には約三万八千人になると大幅に下方修正されています。この子どもの数の急激な減少が様々な子ども施設の在り方を問うものとなることは、九月に報告された子ども政策のグランドビジョンにも示されており、今後大きな議論になると予想しております。
     さて、教育委員会はこの八月、区立幼稚園集約化計画を示しました。まず、この計画名は少子化を理由に合理化が図られるイメージしか湧かず、子どもを中心にした計画なのか想像しづらいものです。  そこで、教育委員会が考える今後の区立幼稚園について伺います。  昨今、配慮を要する児童が増加しています。区立幼稚園における配慮が必要な児童の比率は、平成二十九年度には一五・二%、令和四年度には二五・二%と大幅に増えています。実際のケースとして、私立幼稚園に入園したものの、発達特性などで事あるごとに親の付き添いが求められ、親子共々疲弊し、区立幼稚園に転園するケースなどもあると聞きました。三年保育から二年保育への転園となるため翌年まで待たなければならない状況が生まれています。  これまで、三年保育のニーズに関する実態把握を教育委員会はされたことがあるでしょうか。先ほど述べた昨今の状況を踏まえますと、利用者、または利用者となり得る方の声を定期的に把握すべきではないでしょうか、見解を伺います。また、集約化を踏まえたハード整備とともに三年保育をできるだけ早く実施する必要があるのではないでしょうか、見解を伺います。  次に、これからの区立幼稚園の在り方についてお伺いします。  公が運営する意味を踏まえ、誰一人取り残さない多様な子どもの受皿としての機能を強化すべきであると考えます。見解を伺います。  最後に、多様化する住民ニーズの把握と区民参加を促進する区政運営について伺います。  奈良県生駒市の市民満足度調査の分析に大変興味深い統計があります。平成二十九年度のものですが、まちづくりに意欲的な人は定住意向が七二・九%、満足度は七点満点中五・四八点と大変高い数値であることに対し、まちづくりに意欲的でない人の定住意向は二六・八%、満足度は三・七三、大きな差があったのです。  生駒市はこのことを根拠に、自治体三・〇のまちづくりというものを掲げています。市民をお客様にせず、市民力を最大限に生かしたまちづくりのことを定義したものであり、結果として高い定住意向率が実現しているのです。参加と協働を掲げる世田谷区においても、名称こそ違えど、目指すべき区政の在り方、まちづくりの在り方は近いのではないでしょうか。昨日の保坂区長の答弁でも名前が挙げられました大場啓二元区長の著書「手づくり まちづくり」を改めて読んでみました。住民参加のまちづくりに関しての一貫したお考えや、その御苦労が随所に語られています。様々なエピソードの中には、役所を飛び出し、町に出る職員の姿もよく描かれております。三十年前から描いてきた世田谷区の在り方は打てば響くまちづくりという言葉に集約され、今に至るということを思い知った次第です。  さて、この三十年の中で、なぜ今、地域行政推進条例制定に動き出したのでしょうか。その背景、必要性、また条例制定によってすべきことは何か、改めてお伺いします。  次に、地域行政推進計画に示されている政策形成、予算編成の仕組みについてお伺いします。  推進計画では、総合支所における地域経営の取組を政策、予算形成に生かす手法について示されています。このことは、補完性の原理にあるように、地区や地域だけで解決できない課題を区全体で議論するという仕組みであり、ボトムアップでの課題解決という意味で大変重要であると考えます。具体的にどのような仕組みを構築していくのかをお伺いします。  最後に、まちづくりセンターの機能強化のための人材育成について伺います。  特に、まちづくり人材に必要な能力は、一般的な事務吏員に必要な能力だけではなく、住民参加やつながりを促進するファシリテーション能力、また、新しいまちづくり企画を立てるプランニング能力などではないでしょうか。今後、これらのスキルを持つ人材をどのように育成していくのか、また、民間からのプロフェッショナル人材の活用も必要になるかと思います。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎内田 生涯学習部長 私からは、部活動支援員の報酬についてお答えいたします。  平成十八年度に開始した区立中学校における部活動支援員制度は、現在、約四百五十人の方に登録いただいており、二百九の部活動において競技や指導の技術、経験をお持ちの保護者や地域の方などから部活動への指導に多くの御協力をいただいております。今年度から検討と取組を始めていく中学校部活動の地域移行において、部活動支援員制度についても、その位置づけなどを検討するところですが、重要な役割を担うものと考えられることから、これからもより多くの優秀な人材を継続的に確保していくことが必要不可欠であると考えます。部活動の地域移行における持続性の観点からも、優秀な指導者等の人材を確実に配置していくため、適正な報酬金額について検討し、その確保に向け、調整してまいります。  以上でございます。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは、合わせて五点、お答えをいたします。  まず、積極的な外部支援員の必要性について二点お答えいたします。  ICT支援員の増員の必要性についてです。  一人一台端末が配付されてからこの間、ICT支援員の継続的な配置により校内のICT環境は格段に整備され、教員はICT支援員から様々なICTの活用方法を学び、習得しながら授業の充実を図っています。情報化社会に生きる児童生徒がICTを活用して協働的に学び、課題を解決していく力を確実に身につけていくためには、ICT支援員による支援をさらに充実させ、教員と協働した授業づくりを今以上に行っていくことが重要であります。  ICT支援員による支援が区内全学級に均一に行き渡ることで、教員及び児童生徒のICT活用力はさらに向上し、今求められている協働的な学び、個別最適な学びを実現することができると考えます。児童生徒がこれからの社会で必要となる資質、能力を身に着け、広く社会で活躍する人材に育つことができるよう、学校のICT活用の推進を図るICT支援員について増員を検討してまいります。  次に、不登校児童生徒に対するオンラインを活用した学習支援についてです。  教育委員会では、昨年度の六月よりNPO法人カタリバと協定を締結し、オンラインを活用した不登校児童生徒の居場所や学びの場として子どもたちの興味や関心に合わせた学習支援や面談等を実施しております。昨年度は、ほっとスクールに登録があるものの通うことに至っていない児童生徒のうち、オンラインによる支援を希望した四名を対象に試行的に実施したところ、全ての事例で実際にほっとスクールに通うことができました。  今年度は、教育総合センター内の不登校支援窓口の相談支援において、オンラインによる支援を希望する方に対象を拡充するとともに、対応スタッフ数を増やすなど、支援体制の強化も図りながら実施しております。  今後、支援対象者数や参加状況、学校への登校や、ほっとスクールの利用につながった事例等を評価、分析し、オンラインを活用した居場所や学習支援の有用性を精査し、事業化の可能性についても検討してまいります。  次に、これからの区立幼稚園の在り方について三点お答えいたします。  まず、三か年保育ニーズに関する実態把握についてです。  区では、乳幼児教育・保育施設をめぐる状況の変化を踏まえ、区立用途転換等計画の見直しを行うとともに、今後の区立幼稚園の在り方を示した区立幼稚園集約化等計画を本年八月に策定いたしました。この集約化等計画では、現在八園ある区立幼稚園等を五園に集約化するとともに、インクルーシブな教育、保育の推進や質の高い教育、保育の実践に向けて三年保育を導入することとしています。三年保育の導入を決定するに当たっては、在園児の保護者の声や、世田谷区立幼稚園・こども園PTA連絡協議会の要望をお聞きするとともに、区立幼稚園の現場を担う園長会、副園長会の意見なども参考といたしました。今後、区立幼稚園への三年保育の導入を具体化していくに当たりましても、保護者の声や現場の意見などに耳を傾けながら、検討、取組を進めてまいりたいと考えております。  次に、今後のハード整備と併せた保育期間延長の必要性についてです。  要配慮児や医療的ケア児に早期から教育、保育を実施する体制について、現状では十分とは言えず、その対応は重要な課題となっております。また、幼稚園教育要領や保育所保育指針等においては、三歳以上の教育、保育の内容がおおむね共通化されております。このような状況を踏まえ、区立幼稚園集約化等計画に基づき集約化した区立幼稚園においては、三年保育を導入し、要配慮児等への早期からの教育、保育に取り組むとともに、幼稚園教育要領等の内容を踏まえ、三歳児からの質の高い教育、保育の実践に向けて研究等に取り組んでまいります。  また、集約化等計画では、区立幼稚園の集約化に当たって既存施設を一部改修し、活用することを基本としております。今後は、集約化に併せて三年保育を円滑に実施できるように必要な改修の内容について調査するとともに、教育、保育の実践内容等について整理、検討を進めてまいります。  最後に、区立幼稚園に求められることについてお答えします。  区立幼稚園等については、個々の幼児の発達に応じたきめ細やかな教育、保育など、これまで蓄積されてきた経験や知識を活用しながら地域の教育、保育の拠点としての役割を果たすことが求められています。具体的には、学び舎等を活用しながら施設種別を超えた連携や、就学前教育と義務教育との円滑な接続を先導するとともに、乳幼児教育支援センターを中心に展開する特色ある授業や研究等の取組を牽引してまいります。  また、保護者の負担軽減等に向けて預かり保育などの機能充実を図るとともに、私立幼稚園等とも連携しながら、配慮を要する児童や医療的ケア児に対応するなど、インクルーシブな教育、保育を推進する役割を担います。今後とも、区立幼稚園等の現場において世田谷区教育・保育実践コンパスに掲げた乳幼児教育・保育の基本を実践し、子どもたちが豊かな経験をしながら成長していくことができるような取組を進めてまいります。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、地域行政推進条例に関し三点御答弁いたします。  まず、条例制定の背景、必要性、取り組む内容についてでございます。  高齢化の進展などに伴いまして地域での支えあいの重要性が再認識される一方で、働き方の変化や新型コロナウイルス感染症の拡大、情報通信技術の急速な発達等を背景に人と人との関わり方も変化しております。防災や防犯、介護、子育て等、多岐にわたる地域課題の解決に向けて、身近なところでの区民生活の支援の必要性が高まっていると認識しております。  条例案では、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、多様な相談や手続に対応する窓口の実現、区民との協働によるまちづくりの促進、防災力の向上や児童館を加えた四者連携による課題解決力の向上を図ります。今後も高齢化が確実に進み、単身世帯の割合が半数を超える中で、災害時の対応など持続可能な地域社会を目指すときに改めて世田谷区の基盤である地域行政制度について、その意義、目的に沿って体制の強化等を条例として定めることが必要であると考えております。  条例におきましては、地区及び地域において区民が必要な行政サービスを利用することができ、区民が区政に関する意見を述べる環境を整備し、区民がまちづくりに取り組むために必要な支援を行うことを区の責務として定め、これを区民に示すことで着実に取組を進めてまいります。  続きまして、地域行政推進計画において、ボトムアップによる課題解決の仕組みづくりについてでございます。  地区における区民からの日常の相談対応や、地区の団体や区民との交流の機会、また、四者連携会議等を通じて地区で解決すべき課題と解決の方向性などを地区アセスメントにまとめ、区民と協働して解決に取り組みます。総合支所は地区アセスメント等から地区だけでは解決できない分野横断的、専門的な課題などにつきまして、総合支所の専門性や地域の社会資源を活用して課題の解決に取り組むとともに、本庁所管との協議の下に全庁的な計画の策定や施策の実施につなげます。  このような総合支所の取組につきましては、地区、地域で解決すべき課題や解決のために必要な総合支所の体制整備などを地域経営の方針、計画などとしてまとめ、基本計画、実施計画とも連携させるなど、地域経営を踏まえた政策形成につなげます。  このため、総合支所における地域への取組については、地域課題が解決できるよう総合支所で予算等をまとめ、それを庁内の意思決定手続などに上げ検討するなど、地区からのボトムアップの課題解決を着実に進める地域行政制度の改革を行ってまいります。  最後に、まちづくりセンターの充実強化に伴う人材育成についてでございます。  地域行政推進計画案では、人材育成に関して多様な主体や区民活動を尊重し、必要な活動支援や活動をつなげる取組を進め、地域課題の解決を図る職員の育成を図ると掲げ、まちづくりに関するスキルの向上に取り組みます。まちづくりセンターが地区の将来像を区民と共有し、多様な地域コミュニティーとの交流、マッチングを進め、区民と共に考え、課題解決に取り組む相互調整機能を発揮するためには、行政の専門知識とともにコミュニケーションやファシリテーションのスキルが求められます。今後、条例、計画による取組の共通理解を深めるとともに、職員研修においては、例えば民間のファシリテーターを招くなど工夫をするとともに、まちづくりの事例研究なども加え、実践的な職員育成を進めてまいります。  以上でございます。 ◆二十二番(中山みずほ 議員) 不登校に関して、オンラインの親和性は高いのではないかと考えています。夏休みが明けて、不登校の御相談は私の下にも増えておりまして、そのつらい親御さんたちの声、また、一番つらいのは子どもたちだと思います。計画を立ててやっていくのはもちろん大事なことですが、このオンラインに関しては事業化とともに、個人的には補正予算を組んでもいいのではないかと思うぐらいたくさんの方が苦しんでおられますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。  また、まちづくりセンターに関しては、先ほど人事面でスキルアップのお話をいただきましたけれども、一番大事なのは、まちづくりセンターの所長、この所長を誰がやるのか。二十八名、どんなスキルを持ち、どんな職能を持った方がやるのか、ここが大事だと思っております。実際、二十八か所一つ一つが一つの経営体と考えたときには、人、物、金、情報、これらの資源をきちんと投入できるよう要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ○下山芳男 議長 以上で中山みずほ議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十六分休憩    ──────────────────     午後五時十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 日本共産党世田谷区議団を代表し、質問します。  初めに、国葬、統一協会について質問します。  岸田政権は、安倍元首相の国葬を九月二十七日に強行しようとしていますが、我が党は安倍元首相の国葬に反対です。国葬は安倍氏を特別扱いし、憲法十四条、法の下の平等に反します。また、区民に弔意を強制することになり、憲法十九条、思想及び良心の自由に反します。国葬の強行は安倍元首相が行った安保法制強行、森友、加計、桜の国政私物化などを国家として公認することとなります。  また、統一協会と自民党との癒着が問題となっていますが、その中心にいたのが安倍元首相です。国葬をすることが国としてのお墨つきを与え、統一協会との癒着を免罪することになります。七月の私的葬儀の際、本庁舎、総合支所庁舎に半旗が掲揚されたことは区民への弔意の強制につながりかねず不適切でした。その後、区長が市民団体や我が党の申入れに応え、国葬の際に庁舎や学校での半旗掲揚や黙祷は行わないと表明しました。区長が七月に半旗掲揚の判断をした理由は何か、説明を求めます。また、国葬について明確に反対を表明することを求めます。区長の認識を伺います。  統一協会は、霊感商法、集団結婚などで甚大な被害を出している反社会的カルト集団です。マインドコントロールで違法な霊感商法や高額献金に駆り立て、多くの被害者を出してきました。区は、統一協会と一切の関係を持たず、被害者救済のために取り組むべきです。統一協会についての調査の結果、イベントの後援、掲示板の使用、集会施設の使用などが明らかとなりましたが、公金支出についても再調査することを求めます。区としての今後の対応の方針を広く公表することを求めます。  次に、子ども政策についてです。  子ども計画(第二期)後期計画が内包する子ども・子育て支援事業計画の残り二年の調整計画策定の中で、今後の子ども政策の考え方としてグランドビジョンが示されました。この計画には、区立保育園を令和十六年までに四十六園から三十九園に七園減らす統廃合計画が含まれます。区立保育園の廃止は公的責任を縮小し、地域の子育て支援の力を後退させることになります。我が党は、統廃合計画に反対です。  これまで詰め込みで行われてきた保育の在り方を見直し、ゆとりのある環境をつくることや、その中での公立の福祉施設としての区立保育園の役割の発揮を進めることこそ地域の子育て支援の強化につながります。議会などの僅かな議論で来年三月策定ではあまりに拙速です。当事者である子どもや保護者、子育てに関わる広い区民に呼びかけて参加と協働で議論を重ね、今後の方針を出していくべきです。  グランドビジョンでの基盤整備の考え方に施設の必要な再配置、在宅子育て支援に重点的に振り向けなどの言葉が並び、区立保育園の統廃合計画の数字が示されています。施設から在宅へとの意図があると考えます。見解を伺います。  かつて、区立保育園の民営化が進められたときに、延べ十三万五千筆の署名が区と議会に提出され、区立保育園を廃止するなの大きな世論が示されました。区立保育園がなぜ必要なのか、多くの声が寄せられました。地域の子育てを支える拠点であり、保育の質の基準であり、配慮の必要な子どもの受皿として欠かすことのできない存在です。この声が民営化ガイドラインとなり、現在の保育の質ガイドラインへとつながっています。令和元年の台風十九号による浸水被害に遭った尾山台保育園は一階が使用できなくなりました。近隣の区立奥沢西保育園が改修工事が完了するまでの四か月半、年長組二十人をクラスごと受け入れました。区立園のセーフティーネットとしての役割が改めて注目されました。  平成三十一年に策定された区立保育園の今後のあり方には、区立保育園は地域における身近な公設の児童福祉施設として、全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障するとして、地域の保育の質の維持、向上、支援が必要な家庭の早期発見と対応、地域子育て支援機能の充実、災害時や緊急時のセーフティーネットなどの役割が示されています。区立保育園の役割を児童館と同様に子育て支援の核としてグランドビジョンに位置づけるべきです。見解を伺います。  私立保育園関係者から、区立園は今の数のままセーフティーネットの役割を果たしてほしいなどの声も聞かれます。区立保育園の統廃合計画を多くの保育関係者、保護者は知りません。参加と協働は区政の根幹です。子ども・子育て応援都市宣言では、「地域は、子育て家庭が楽しく子育てできるように応援します」とあります。地域全体の参加と協働を進める立場です。  そもそもグランドビジョンは、子ども・子育て支援計画の今後二年間の調整計画です。調整計画に区立保育園の統廃合計画を反映させることを拙速に進めず、参加と協働で議論を進めることを強く求めます。見解を伺います。  私立保育園のゼロ歳児欠員への経済的支援を求めます。  出産時期や育児休業の条件は様々です。年度途中で入園できることは正常な状態です。私立保育園の委託費は子どもの数に応じて決められ、定数に空きが出ている状態で職員を確保する費用は施設の持ち出しです。私立保育園からは、職員を確保するためにも世田谷区へ補助を求める切実な声を伺っています。共産党都議団の調査で、都内三十一自治体が私立園の欠員への補助をしています。新宿区は月ごとに欠員数分の公定価格(基本分)に相当する金額を補助しています。  私立保育園の職員確保のための補助実施を求めます。見解を伺います。  詰め込み保育からの転換に踏み出すべきです。  待機児問題が深刻な時期に弾力化と称して詰め込みを行ってきました。今年四月時点で、区立保育園での弾力化は二百六十八名です。そもそも国の保育基準は七十年以上一度も改善されず、国際的にも低い状況です。二歳以上の面積基準は一人当たり一・九八平米、フランス・パリ市は三歳以上五・五平米です。職員配置基準も四、五歳児は三十人に一人、フランスは三歳以上十五人に一人です。子どもの減少をゆとりある保育へ転換するチャンスと捉え、これまでの職員や施設を維持すべきです。区独自に保育基準の見直しに取り組むとともに、国に対し働きかけることを求めます。  多子世帯の国保料の独自減免を求めます。  国は、四月から未就学児の均等割を半額軽減する措置を取りましたが、対象が狭く不十分です。我が党は、国が対象拡大に取り組むまでの時限的措置として区独自の対象拡充を求めています。狛江市では、本年度より十八歳未満の第三子以降の均等割全額を免除しています。独自に実施する自治体が全国に広がる中で、国は未就学児の均等割保険料の軽減措置に係る考え方についてという通知を出しました。この中で減免について、法令違反とは言えないものの、適切ではないと示しています。  国会議員団を通じ国に確認したところ、自治立法権を侵害するものではなく、従来と解釈は変わらないとの回答を得ました。自治体独自で特別の事情があるときは減免できるということです。この文書に対する区の認識を問います。  国保料の独自減免にはシステム改修が必要になりますが、国によるシステム標準化も控えています。国に対し、区の独自施策のためのシステム改修費の財源を求めるべきです。見解を伺います。  英語スピーキングテストについてです。  東京都は、今年度から東京都中学校英語スピーキングテストを都内全公立中学校の三年生全員を対象に実施し、その結果を都立高校入試に活用する計画を示しています。ベネッセがテストを実施し、フィリピンで採点を行い、一月中旬に結果が返却されます。テストを受けるにはベネッセに個人情報を登録する必要があります。個人情報の登録を拒否すれば試験は受けられず、零点となります。  一方、国立や私立中学はスピーキングテストを受けるかどうかは任意です。東京以外の中学では受けません。こうしたスピーキングテストを受けない者の点数は、同じ高校の学力検査で同点である他者のスピーキングテストの結果の平均で出されます。入試の点数が他者の結果で評価されるということです。どの設問が何点かなどの採点内容は通知されません。採点が公正か検証できません。人生を左右することもある入試の公平・公正性に欠けています。  都議会では、都立高入試に英語スピーキングテストを使わないようにする条例案が出されました。中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願、これが継続審議となりました。保護者の声を受け止め、都教委に対して高校入試での英語スピーキングテストの中止を求めることを求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中里議員にお答えをいたします。  安倍元首相の葬儀の際、本庁舎及び総合支所に半旗を掲揚した理由と経過、また、国葬についての私の見解についてお尋ねがございました。  まずは、安倍晋三元首相が選挙期間中、凶弾に倒れ、亡くなったことに心より追悼の意を表したいと思います。民主主義の根幹である選挙の最中、殺害されるという事件は極めて衝撃的であり、決して許されない行為であるということは区民の多くの方々に理解される思いであると判断したことから、安倍元首相の葬儀、告別式に際しまして区役所本庁舎や総合支所において半旗を掲げ弔意を表するよう、私が指示いたしました。不適切との御意見をいただきましたが、以上が判断の経過であります。  一方、九月七日の記者会見でも申し上げたことですが、私自身、九月二十七日に予定をされております国葬儀、国葬と言われていますが、正しくは国葬儀に対しまして、この決定プロセスを含めて違和感を率直に覚えたものであります。既に戦前に制定された国葬令は失効しておりまして、吉田茂元首相を除く戦後の歴代首相の葬儀は内閣・自民党合同葬、また、三木武夫氏の場合、衆議院・内閣合同葬という形で行われている中で、なぜこれが踏襲できなかったのかという思いがまずありました。世論調査でも、この国葬儀の是非について意見は、当初の賛否半々から、最近だと反対の声がかなり大きく上回っております。  何より、国内に新たな分断を生じるようなことは避けるべきと考えております。岸田首相をはじめとする政府関係者は、地方公共団体や教育委員会に弔意表明の協力要望は行わないとの見解を示しておりまして、区としては半旗の掲揚などを行わず、静かに見守ることとしたいと考えております。  国葬に反対をというお尋ねでしたが、私自身は違和感を隠せないと申し上げておきたいと思います。  以上です。 ◎池田 総務部長 私からは、旧統一教会に関連する調査などについて御答弁いたします。  区と社会的に問題となる行動が指摘されている旧統一教会及びその関連団体との接点については、調査の結果、関連団体のイベントへの名義使用承認一件、地域の清掃活動のポスター掲示承認一件などが確認されました。区が団体等の活動を擁護しているとの誤解を生じる可能性のある名義使用承認などは、今後は行わない方針を区議会議員の皆様にお示しするとともに、区ホームページにも掲載したところでございます。  御提案の団体等への公金支出の状況につきましては、今後追加の調査を検討させていただきたいと考えております。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子ども政策について、グランドビジョンの基盤整備の考え方に施設から在宅へとの意図があるのかについて御答弁申し上げます。
     このたびの今後の子ども政策の考え方、グランドビジョンでございますが、子どもの施設を廃止して全て在宅子育て支援に移行させるという政策転換を意図するものではございません。子ども人口の減少に合わせて、単に支援や施設を縮小していく方策を取らずに、妊娠期からの在宅子育て支援を拡充することをベースに必要な施策を柔軟に組み替え、子ども政策全体で切れ目なく支えるよう政策を再構築し、子ども・子育て応援都市のバージョンアップを図ってまいります。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは、子ども政策について四点御答弁いたします。  まず、区立保育園の役割を児童館と同様に子育て支援の核としてグランドビジョンに位置づけるべきについてです。  ニーズ調査の結果において、子育て家庭の孤立化が進んでいる状況が明らかになり、改めて区立保育園が公的なセーフティーネットとしての役割を担っていくことの重要性について区としても認識しており、グランドビジョンにおいても区立保育園は園児に限らず、就学前の子どもの育ちのセーフティーネットの役割を果たすと位置づけております。  区立保育園では、緊急保育、一時保育の拡充等を進めるとともに、本年四月からは区立保育園、おでかけひろばにおいて、理由を問わない一時預かり、ほっとステイを開始したところです。今後も引き続き、区立保育園が就学前の子どものセーフティーネットとしての役割を行政の責任の下、担い、児童館と共に全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障するための取組を着実に進めてまいります。  次に、区立園の統廃合計画については調整計画に反映させず、今後、参加と協働で議論を進めるべきについてです。  区立保育園の新たな再整備計画につきましては、七月二十八日の福祉保健常任委員会において御報告させていただき、グランドビジョンはその内容を反映したものとなっており、九月に発行した保育のごあんないに掲載したほか、当該園の保護者へも丁寧に説明しているところです。今般、私立保育園の定員の空き増等の課題へ対応するため、定員数調整や弾力化定員の解除などにより保育定員の適正化を図る必要があります。  さらに、区立保育園は施設の老朽化と今後の保育需要を見据え、計画的に再整備を進めるとともに、そこで生み出される人員、財源を就学前の子どものセーフティーネットとしての役割を果たすための事業に転換していくことが必要であると考えております。  引き続き、再整備計画につきましては平成三十一年二月の区立保育園の今後のあり方及びグランドビジョン等を踏まえ、子ども条例のシンポジウムにおいてグランドビジョンを取り上げるなど、今後も機会を捉えて保育現場や利用者等からの声もよく聞き、保育需要を慎重に見極めながら進めてまいります。  次に、私立保育園への補助を実施すべきについてです。  区の将来人口推計においても、就学前人口の減少が続く中、区立保育園における定員の削減や弾力化の解消を進め、私立保育園等への入園申込みの増加を図ることで私立保育園等の安定的な経営につなげていけるよう取組を進めているところです。  令和四年四月の私立保育園等のゼロ歳児クラスの定員の空き数は、新規開設等による三十三人の定員増にもかかわらず、昨年度の二百二十五人から百九十二人と改善しており、九月時点ではさらに十四人まで減り、昨年度よりも早いペースで解消に向かっている状況です。今後も保育需要を慎重に見極めながら保育定員について判断し、定員の空きの問題も含めて関係者の声を聞きながら取組を検討してまいります。  最後に、区独自に保育基準の見直しに取り組むとともに、国に対しても働きかけを行うべきについてです。  就学前人口が減少に転じ、区では、保育定員の適正化を図る中、待機児対策として行ってきた定員弾力化の解消を進めているところです。弾力化の解消による定員適正化は保育の質を今後さらに高めていく機会になると認識しています。  一方で、私立保育園は年度の途中において空きがほぼ埋まってくる状況であり、また、保育人材の確保も引き続き課題となっております。直ちに保育基準を変更できるほどの余裕が生じている状況ではございませんが、待機児童ゼロを継続しながら、同時に質の高い保育の実現に向け、国への基準改善の働きかけや、区独自の補助も含めた今後の保育施策について、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、国保関連二点御答弁いたします。  御指摘の厚生労働省の通知では、均等割保険料の子どもの対象範囲の拡大等については地方団体と協議を行いながら検討していく必要があると示しました。一方、保険料の減免に関して、特別の理由がある者に対し、条例を定めて減免等ができるものとしていますが、特定の対象者にあらかじめ画一的な基準を設けて減免を行うことは、明確に法令違反とは言えないものの、適切でないと示しており、財源も含めて減免の範囲については検討が必要だと認識しています。  区としては、今回の就学前の子どもを対象とした均等割保険料の五割軽減では、子育て支援策としては不十分であると考えております。先日の特別区長会にて、就学後の子どもを含めた国保での子育て世帯への支援について問題提起し、議論を重ね、国に要望書を上げました。今後も、国や都に対して積極的に要望してまいります。また、国保の子育て支援について、制度面の検討等、引き続き課題を整理してまいります。  次に、システム改修についてです。  地方公共団体情報システムの標準化に関する法律に基づいて、国民健康保険システムも標準準拠システムへの移行の準備を進めています。国が示す標準システムへの導入であることから一部経費に対する財政支援が行われますが、国からの詳細は明らかにされておりません。国民健康保険は全国統一の制度であり、国が責任を持って対応すべきものと考えております。あわせて、導入に当たり、現行のシステムとの差異に対応するための個別対応や、独自施策に取り組むものについても必要となるシステム改修費用についての支援を国へ要望してまいります。  私からは以上です。 ◎小泉 教育政策部長 私からは、英語スピーキングテストについてお答えいたします。  中学校英語スピーキングテストの都立高校入試への活用については、その延期、中止を求める請願が東京都議会に提出されるなど、都において様々な動きがあることを承知しています。区教育委員会ではこれまで、保護者、生徒等の不安の解消に向けて、学校から聞き取った課題、保護者の声や生徒の実態等を東京都教育委員会へ情報提供してまいりましたが、引き続き、学校や保護者、生徒の皆さんから寄せられる御意見等について、東京都教育委員会に伝えてまいります。  以上でございます。 ◆二十三番(中里光夫 議員) グランドビジョンについてですけれども、子どもの施設を廃止して在宅支援に振り替える意図はないという明確な答弁がありましたけれども、だったらなぜ区立保育園を減らすのかと。区立保育園の統廃合計画については、多くの保育関係者や保護者は知りません。参加と協働は区政の根幹なんじゃないかと。調整計画に区立保育園の統廃合計画を反映させることは、これを拙速に進めず、参加と協働で議論を進めること、これを強く求めて、続きは決特で行います。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で中里光夫議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、五番ひうち優子議員。    〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆五番(ひうち優子 議員) 本日は、まずシェアサイクルの普及について伺います。  私は、自転車施策をライフワークにしておりますが、その中で今注目しているのがシェアサイクルであります。世田谷区は、ハローサイクリングと官民連携による実証実験を行っております。世田谷区の持っている公共用地を提供することで利用者の選択肢が増え、自転車が交通手段の一つとして確立すると考えます。民間シェアサイクルの特徴は、サイクルポートの数を多く設置することで短距離の乗り捨てができ、この短距離利用が中長距離移動の世田谷区のコミュニティーサイクルにはないメリットの一つであります。今後、シェアサイクルは交通不便地域における新たな交通手段としてだけでなく、災害時の足としても期待できる公共性の高い交通サービスであると考えます。  現在、公有地のサイクルポートは十七か所ありますが、今後は交通不便地域や広域避難場所に指定されている砧公園や芦花公園、駒沢オリンピック公園などにもポートを設置し、民間シェアサイクルが新たな交通手段の一つとして定着できるようにしていただきたいと考えます。見解を伺います。  次に、官民連携のシェアサイクルの拡充について伺います。  この質問は過去二回質問しておりますが、世田谷区では現在、公共施設を提供してハローサイクリングと連携をしておりますが、区民の方からはドコモのシェアサイクルとも連携をしてほしいとの声をいただきます。  そこで、複数の他の民間シェアサイクルとの連携も提案をいたします。都心部でのシェアが高く、区民の方から導入要望の多いドコモのバイクシェアとの官民連携も実証実験に加えていただきたいと考えます。様々なシェアサイクルと連携をすることで区民の方のシェアサイクルの利用範囲が拡大し、選択肢が広がります。ひいては交通不便地域の解消にもつながると考えます。  過去の答弁では、今後新たな事業者からの官民連携の提案があった際には、効果や条件、費用負担の有無などを踏まえ、連携の是非について判断を行うとありました。ドコモのシェアサイクルとの連携について、見解をお伺いいたします。  次に、スマートフォンを活用した駐輪場の利用について伺います。  民間の駐輪場が増える中、区の駐輪場には新たな取組が必要と考えます。民間のサービスに、スマートフォンから空き駐輪場を探して予約し、キャッシュレスで支払いができる民間の駐輪場シェアリングアプリ、みんちゅうがございます。このアプリを区営駐輪場の運営に導入することで区民の方の利便性向上につながると考えます。見解をお伺いいたします。  次に、二子玉川の多摩川河川敷の利活用について伺います。  コロナ禍でテレワークになり、運動不足の方が増え、スポーツジムなどの室内での運動ではなく屋外で運動する方が増えた印象があります。私もたまに走りますし、私の周りでもランニングをする方が増え、特に二子玉川の多摩川沿いでランニングを日課にしている方が多くいらっしゃいます。ランニングは、車両通行が少なく、一旦止まらなければならない信号機がない環境がベストですが、区内にはそのような場所は少ないと思います。また、新たな場所を確保するのは困難でもあります。  そこで、多摩川河川敷のランニングコースの整備を提案します。以前から、多摩川沿いの世田谷区側が砂利道なのでランニングロードを舗装して走りやすくしてほしいとの声を多くいただいております。ちょっとした整備で多くのランナーが喜ぶと考えます。スポーツの普及や推進の観点から、二子玉川の多摩川河川敷はまだまだポテンシャルを秘めており、ランニングロードの確保、ランニングステーションの整備など、ランニング環境の向上が図れると考えます。  スポーツの観点から二子玉川の多摩川河川敷の利活用を進めることに対して、世田谷区はどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。  また、経済の観点からも、都内でも指折りの乗降客数を占める二子玉川駅界隈は今後ますます発展する可能性を秘めた地域と考えます。都市と自然が隣接している場所は数少ない。その中でスポーツを行うことは大変貴重であり、河川敷を利活用することは観光の視点からもよいと考えます。スポーツの建物の整備は難しいですが、アスファルト、コンクリート、芝のスポーツ整備は可能であります。観光の観点から、二子玉川の多摩川河川敷の利活用を進めることに対して世田谷区はどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。  次に、昨年、一昨年に質問した電子図書館の改善についてお伺いいたします。  電子図書館は、以前から区民の皆様からの御要望をいただき、ようやく整備され、利用者の方からは、コロナ禍、図書館に行くことなく本を借りられる、時代の流れ、また、高齢なので視力に問題がある中、電子図書館はありがたいという、うれしい御意見をいただいております。  一方で、図書が少ない、偏りがある、貸出期間、予約数、予約取り置き期間を広げてほしい、順番がなかなか巡ってこないとの声もあります。今後、電子図書館を発展させていくために利用者の方の声を聞き、よい方向に改善していただきたいとの質問を以前にしましたが、進捗状況についてお伺いいたします。  次に、以前から幾度となく質問している滞在型図書館、梅丘図書館について、進捗状況について伺います。  梅丘図書館は、立地と広さから本格的な滞在型図書館として整備予定であります。貸出し、返却、ネット予約貸出しは自動にして、貸出し機能以外の部分、例えば、Wi―Fi、電源といったネット環境を整備し、閲覧席を時間制、ネット予約可能にして自習室を大幅に増やす、そして、人々が集えるようなセミナールーム、小中学生用の学習室、読み聞かせ室など、幅広い世代の方々が様々な用途で使用できるようにする、また、カフェも併設をして区民の皆様が休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごせるような癒やしの空間を提供できる文化施設としての図書館として期待したいところであります。  梅丘図書館の進捗状況についてお伺いいたします。  次に、小中学校における通級指導について伺います。  世田谷区の特別支援教室、すまいるルームは、通常の授業におおむね参加をできているが、発達上の特性により一部特別な指導が必要な場合に、週に一回程度、コミュニケーションスキルの向上などの指導を行う教室です。このすまいるルームの利用者は年々増加している状況にあり、指導に当たる先生方の負担も増えているのではないかと懸念されます。こうした状況の中、世田谷区においても教員の方の負担軽減、指導の質の確保の観点から支援が必要と考えます。  そこでまず、世田谷区の区立小中学校で特別支援教室での指導を受けている児童生徒の推移をお聞きします。また、教員の方の負担軽減と指導の質の確保に向けた支援が必要と考えますが、今後の取組について見解をお伺いいたします。  最後に、未就園児の支援についてです。  保育園にも幼稚園にも通っていない、いわゆる未就園児の問題を取り上げます。子育て支援に取り組むNPO法人フローレンスは、全国で約百八十二万人いると言われる未就園児の実態を明らかにしました。それによると、未就園児の保護者のうち、子育てで孤独を感じると答えた人が四三・八%に上り、これは保育園や幼稚園に通っている保護者よりも一〇%高いことが判明したとのことです。一方、北里大学医学部の調査では、未就園児は低所得、多子、外国籍などの家庭や、発達や健康の問題を抱えた子どもで多い傾向が明らかになっています。  未就園児が問題なのは、本来、これらの最もセーフティーネットを必要とする子どもたちが保育園や幼稚園というセーフティーネットから漏れてしまっていることです。また、制度的にも保育園や幼稚園に子どもを通わせることは義務ではなく、現行制度では通わせない自由もあるために、なかなか行政の支援が届かないという現状があります。  このような調査結果から、未就園児を養育する保護者が孤立をし、孤立感や不安感から子どもへの虐待リスクが高まることを懸念した政府は、来年度より未就園児に着目した支援に乗り出す方針を固めました。厚生労働省によると、一部の自治体では既に未就園児の支援に独自に取り組んでいるそうですが、世田谷区でも未就園児に対する施策を実施すべきと考えます。  そこで、お伺いをいたします。  一、現在、世田谷区では未就園児に対するどのような支援を実施しているのでしょうか。二、また、政府は来年度予算に関連費用を計上するとのことですが、来年度に向けて世田谷区はどのような施策を検討しているのか、お伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 土木部長 私からは、自転車に関しまして三点について御答弁いたします。  まずは、シェアサイクルポートの拡充についてです。  令和二年度から官民連携の取組として始めました民間シェアサイクルの実証実験は現在三年目を迎え、区内の公有地やコンビニなどの民間商業施設に設置したポート数は百三十近くにまで増え、月平均の区内利用者数は一万三千人を超えるなど、多くの区民に御利用いただいております。現在、区内に設置中のポートにつきましては駅に近い場所がほとんどとなっており、公共交通不便地域では三ポート、都立公園につきましてはポートは設置されない状況でございます。  お話しの公共交通不便地域にはコンビニなど民間商業施設が少ないことから、区有地の活用を検討するとともに、都立公園を含めました都有地の活用につきましても都と協議を進めてまいります。今後は、区政の多様な課題解決につながる実証実験をしっかり検証し、さらなるサイクルポートの拡充の支援を進め、公共交通不便地域の解消や、災害時の移動手段として民間シェアサイクルが新たな交通手段の一つとして確立できるよう取り組んでまいります。  次に、新たな事業者との官民連携についてです。  ドコモバイクシェアは都心部でのシェアが最も高く、世田谷区への導入要望の声が数多く寄せられており、今年度は隣接する杉並区でもサービスが始まるなど、連携する自治体が一層広がっている状況でございます。また、現在ドコモバイクシェアより区に対しまして官民連携の提案をいただいているところでございます。  区といたしましても、ハローサイクリングとの実証実験期間中に他社のシェアサイクルの利用サービスが拡充することで、より多様なデータを集め、民間事業者における区のサイクル事業との補完の可能性を検証するには有効であると考えております。今後は、ドコモバイクシェアとの実証実験に向け、既に導入している関係区、東京都との調整に取り組んでまいります。  最後になります。スマホを活用しました駐輪場の利用についてです。  現在、区営自転車等駐車場は五十四か所、約二万四千五百台が、民営駐輪場では百一か所、約二万九千五百台が収容可能であり、駅周辺の駐輪場整備が進んだことで駅周辺の放置自転車は昭和六十二年のピーク時の三万三千百六十一台から、令和三年度は千二台と年々減少傾向にあります。  一方、駅から距離がある、または場所が分かりにくいといった理由で利用率が低い一部の区営自転車等駐車場につきましては利用率の向上が課題となっております。お話しいただきました、みんちゅうのような民間シェアリングアプリを導入した場合、駐輪場の位置や空き情報、利用料金を手元のスマホからリアルタイムで探せることから利用者にとって利便性が向上するとともに、利用の少ない区営自転車等駐車場の利用率が上がることが期待できます。区といたしましては、民間シェアリングアプリなど、新たなシステムの導入を検討するなど、自転車等駐車場のサービス向上に努めてまいります。  以上です。 ◎大澤 スポーツ推進部長 私からは、スポーツの観点から多摩川河川敷の利活用について御答弁いたします。  多摩川河川敷につきましては、ランニングなど多くの方が気軽にスポーツを楽しむ場として利用されていると認識しております。一方で、議員御指摘のとおり、未舗装の部分もあることから走りにくいといった声もあり、設置管理しております国に対し、これまでも利用者の要望などを伝えてきているところでございます。  区では、区民が身近な地域で気軽にスポーツに親しみ、楽しむことができるよう、スポーツの場の確保に努めているところでございます。今後も引き続き、国に対し要望を伝えていくとともに、次期スポーツ推進計画策定の中で、多摩川河川敷などの既存の環境の活用なども含め、スポーツの場の確保の在り方について検討していきたいと考えております。  以上です。 ◎後藤 経済産業部長 観光の観点から、多摩川河川敷の利活用について御答弁申し上げます。  多摩川河川敷を含む二子玉川駅周辺地区は、商業的なにぎわいと豊かな自然が調和した魅力的な地域であり、都市再生推進法人に指定されている一般社団法人二子玉川エリアマネジメンツを中心として、地域における持続的なまちづくり活動を推進しております。二子玉川ライズ内に地域交流の活動拠点を整備し、情報発信などを行うとともに、特に河川敷においては兵庫島公園を中心とした水辺空間における各種イベントやキッチンカー、テント等による飲食店、売店事業などを展開し、にぎわいが創出されています。  区経済産業部といたしましては、コロナ後における観光の在り方を見極めつつ、玉川総合支所及び二子玉川エリアマネジメンツと連携を図りながら、観光の観点から多摩川河川敷の有効な利活用について検討してまいります。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、図書館について二点お答えいたします。  まず、電子図書館についてです。  電子書籍サービスは、コロナ禍に対応した非来館型サービスとして、令和二年十一月にコンテンツ約四千三百点で開始しました。その後、段階的に拡大を図り、令和四年八月末のコンテンツ数は一万一千二百六十一点、利用登録者が二万五千七百一人となるなど、多くの御利用をいただいております。  電子書籍の充実につきましては、コンテンツの数を増やすだけではなく、より魅力あるコンテンツを提供できることが必要だと考えており、令和四年十月からは、一般雑誌から専門雑誌まで約百タイトルの電子雑誌の閲覧サービスを導入する予定です。今後、電子書籍につきましても各分野の基本的及び実用的な書籍を中心に、児童書や人気のある書籍など、より魅力的なコンテンツの充実に努めてまいります。  次に、滞在型図書館についてです。  世田谷区立図書館では、平成三十年度に世田谷図書館と経堂図書館にICタグを活用した自動貸出し機を初めて設置し、その後順次設置を進め、改築工事を予定している梅丘図書館以外の全ての図書館、図書室に、令和四年七月、自動貸出し機の設置が完了しました。  梅丘図書館につきましては、令和五年度の工事着工に向けて設計の一部変更や代替施設の検討を進めています。改築後の梅丘図書館では、インターネット等で予約した図書をカウンターでの確認なしに貸出しすることができる予約図書コーナーを設置するほか、Wi―Fi環境と電源の整備、閲覧席の充実、自由に飲食しながら読書を楽しめる空間の創出など、快適に滞在できる図書館の実現を目指してまいります。  以上でございます。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは、小中学校における通級指導についてお答えいたします。  区の特別支援教室、すまいるルームで指導を受ける児童生徒は年々増加傾向にあり、今年度は五月時点で小中学校合わせて約千八百名となっており、この五年間で約一・六倍の人数となっております。こうした状況も踏まえ、区教育委員会としましても教員の負担軽減と指導の質の確保に向けた取組が必要と捉えております。  教育委員会といたしましては、特別支援教室での指導が充実するよう、拠点となる学校に区の非常勤講師を配置するなどの人的支援を行うほか、教員研修や特別支援教育コーディネーター連絡会などを実施して教職員の特別支援教育への理解を深めることができるよう支援してまいります。  また、併せて教員の配置等についても機会を捉えながら東京都教育委員会に要望し、特別支援教室における教員の負担軽減と指導の質の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、未就園児への支援について二点御答弁申し上げます。  まず、未就園児に対する支援について御答弁申し上げます。  現在、区における未就園児支援としては、在宅子育て支援を実施しているところでございます。区内には、児童館の子育てひろばと保育園併設などを含めたおでかけひろばが六十八か所ございます。おでかけひろばは零歳児から御利用いただいており、スタッフが子育てに関する様々な相談を受けたり、利用者同士で情報共有するなど、相談、交流の場と機会の提供をすることで孤立の防止を図っております。  妊娠期や産後に実施するネウボラ面接や乳児期家庭訪問、地域子育て支援コーディネーターによるアウトリーチなど、機会を捉えてひろばの利用を促しておりますが、今後は産後ケアセンターや保育園、児童館などとも連携し、在宅子育て支援の底上げを図ってまいります。  次に、来年度に向けて区はどのような施策を検討しているのかについて御答弁申し上げます。  区では本年度、子ども・子育て支援事業計画の中間年に当たるため、ニーズ調査を実施し、その結果を踏まえまして子ども・子育て会議で検討を進め、令和五、六年度を期間とする調整計画の作成を進めております。先日の福祉保健常任委員会において調整計画の素案をお示ししたところでございますが、その中で重点政策として、身近なところで地域の人々や子育て支援につながる場づくりを進めていくこととしております。
     具体的には、ベビーカーや子どもが歩いて十五分程度で行ける身近な場所に現在の六十八か所から、令和八年度までに八十か所のおでかけ広場を整備する予定でございます。また、おでかけひろばに日帰り型のレスパイト機能を設け、安心して子育てができるよう妊娠期を含めた産前産後の支援の充実を図ってまいります。  加えて、児童館を中心として区立保育園や子ども家庭支援センターやおでかけひろば、各種福祉相談窓口などがつながることで子どもや子育て家庭を温かく見守り、支える地区のネットワークを構築し、日常的に支援につながる仕組みづくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆五番(ひうち優子 議員) それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございました。  民間のシェアサイクル事業ですが、複数の事業者と官民連携を図ることで公共交通不便地域の解消にもなりますし、あとは区民の方の利便性の向上にもなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十二日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十七分散会...