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  1. 世田谷区議会 2022-09-20
    令和 4年  9月 定例会-09月20日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  9月 定例会-09月20日-01号令和 4年  9月 定例会 令和四年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十二号 九月二十日(火曜日)  出席議員(四十八名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 真鍋よしゆき 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 加藤たいき 三十八番 畠山晋一 三十九番 和田ひでとし 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 阿久津 皇 五十番  山口ひろひさ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     水谷 敦 庶務係長   星野 功 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 議事担当係長 阿閉孝一郎 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 副区長    松村克彦 政策経営部長 加賀谷 実 DX推進担当部長        菅井英樹 総務部長   池田 豊 庁舎整備担当部長        佐藤絵里 危機管理部長 大塚 勇 財務部長   工藤郁淳 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 後藤英一 保健福祉政策部長        田中耕太 高齢福祉部長 山戸茂子 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        向山晴子 住民接種担当部長        久末佳枝 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        青木 誠 教育長    渡部理枝 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長 小泉武士 教育総合センター担当参事        平沢安正 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   中潟信彦     ──────────────────── 議事日程(令和四年九月二十日(火)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会
    ○下山芳男 議長 ただいまから令和四年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 本日の日程はお手元の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 議事に先立ちまして、一言申し上げます。  本会議の運営に当たりましては、さきの定例会に引き続き、新型コロナウイルス感染症への対策を十分講じた上、進めてまいりたいと思いますので、議員各位の御協力をお願いいたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 それではまず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   二十一番 いそだ久美子議員   二十八番 菅沼 つとむ議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十月二十一日までの三十二日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって会期は三十二日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、出席説明員に異動がありましたので、御報告いたします。  お手元の出席説明員一覧表のとおりであります。御了承願います。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、区長から招集の挨拶の申出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和四年第三回世田谷区議会定例会に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  三年目となったコロナ禍に加えて、大きな変化の波が地域社会にも及んでいます。区民の健康と安全を守るための区政の土台を確保していく時期だと捉え、着実に施策を重ねていきます。  初めに、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。  七月から感染力の強いオミクロン株亜系統BA・5への置き換わりが進んだことで、新規感染者が全国的に急増しました。区内で確認された一日当たりの陽性者は第六波を大幅に上回り、最高で三千四百五人もの陽性者が発生しました。保健所を中心として全庁を挙げた体制を取り、第六波で構築した自宅療養者への体制を基本に、社会的検査の拡充を実施するなどして第七波に対応してまいりました。第七波では重症化する方の割合は低かったものの、BA・5系統の感染力が極めて強いことで、有症状の方が検査や診療のために医療機関を受診できない状況に陥りました。  八月のお盆の時期に、地区医師会による診療協力とともに、区独自の取組として、八月十日より区民を対象とした大規模なオンライン診療体制を支援し、発熱等の有症状の方のうち重症化リスクの低い方をオンラインの医師による診療につなげました。申込みをいただいて、抗原検査キットを自宅にお届けして、陽性反応が出た場合にオンライン診療を予約していただき、診療後に処方した薬をバイク便で、原則診療日のうちに届けています。  第七波のピークは過ぎ、国は、ワクチン接種の推進とともに、この間の新型コロナウイルス感染症の臨床的、疫学的変化を踏まえた施策の再構築を検討しているものと認識しています。区は、国の動向を踏まえつつ、二年半にわたるこれまでの感染防止対策の徹底を区民の皆さんにお願いするとともに、地域医療機関と連携をして、検査、診断、治療を効果的に実施できる体制を強化、構築してまいります。  次に、新型コロナワクチン接種についてです。  四回目接種は六十歳以上の方の接種率が約六五%に達し、希望される方の多くが接種を終えています。課題であった若い世代の三回目接種もウィークエンド夜間接種などの勧奨策に取り組んだこともあり、三十代では六割弱、二十代もようやく五割近くに達しました。九月下旬からは、オミクロン株対応ワクチンの接種が開始時期を前倒して始まります。  区は、六十歳以上の方など、現在、四回目接種の対象者で、まだ四回目接種を受けていない方を対象に、集団接種会場では九月二十七日から接種をスタートします。十月四日からは、新たに四回目接種の対象となった五十九歳以下の方の接種も開始し、十月中旬からは、確保した十三の集団接種会場をフル稼働させ、個別接種医療機関の御協力もいただきながら速やかに接種を進めていきます。また、現在、国において接種間隔の短縮も検討されており、その動向も注視しながら必要な接種体制を整えていきます。  先般、実施が決定された五歳から十一歳の方の三回目接種も、併せて十月から本格的に開始します。新たな感染の波が懸念される真冬を迎える前に、総力を挙げてワクチン接種に取り組んでまいります。  次に、次期基本計画の策定についてであります。  自治体経営に肝要な政策立案とは、社会の動向を機敏につかみ、将来を予測し、見通すことであります。九月八日に第一回基本計画審議会が開催され、区制百周年を迎える今後の十年間を見据えて、世田谷区を長期にわたり政策配置する次期基本計画の策定に向けた本格的な議論がスタートしています。この基本計画審議会に先駆けて、七、八月に三回にわたり区民検討会議を開催しました。区民検討会議では、実人数四十三人、延べ百十人の区民が参加し、世代の異なる区民同士がテーブルを囲んで、またオンラインでも意見を出し、議論を通じてグループの意見としてまとめ上げていきました。四十歳未満が二十九人、四十歳以上が十四人と、若い世代の方々にも積極的に参加していただきました。  語り合った将来像などについては、みどりと自然環境を守り、子育て支援NO・一などブランディングでみんながあこがれる世田谷、乳幼児から高齢者まで孤立させない、みんなにとって安心する居場所など多岐にわたりました。これらを実現する区民参加の手法として、積極的なプッシュ型の情報発信、区政への興味関心を育てる、デジタルを活用した参加しやすい仕組みづくりなど、各グループで議論を重ね、区民の視点から御提案をいただきました。区民検討会議のメンバーから選出された五人の方が基本計画審議会の区民委員となって、審議会での議論に参画しています。第一回審議会では、区民委員より区民検討会議での議論の報告があり、他の有識者委員も検討結果にしっかりと耳を傾けていらっしゃいました。  今後、多分野の専門的な見地から御意見をいただく有識者委員と、区民委員で構成する審議会では、この間のコロナ禍を経験して見えてきた新たなライフスタイルの転換や持続可能な社会を営むための哲学、価値観など、幅広く分野横断的に議論していただきます。審議会は毎月開催されて、来年三月、基本計画大綱として答申をいただく予定です。同時並行で、審議会での状況を議会、区民に報告をし、議論を重ねていきます。  次に、地域行政推進条例案についてです。  平成三年に、打てば響くまちづくりを目指す地域行政制度を導入してから三十年余りが経過し、社会情勢が大きく変化する中、コミュニティーの在り方や、介護、子育て、社会的孤立、貧困など、多岐にわたる地域社会の課題の解決に向けて、身近なところでの区民生活の支援の必要性が高まっています。また、防犯、防災の備えも欠かせません。  区は、地区及び地域の実態に即した体制を整備することにより、区民に身近な相談や手続に対応する窓口を含む行政サービスの改革を進め、区民が区政について意見を述べ、まちづくりに取り組む住民自治を支え、安全安心で暮らしやすい地域社会の実現を図る必要に迫られています。  このため、地域行政推進条例案は、区政運営の基盤である地域行政制度の改革について必要な事項を定め、その基本方針では、まちづくりセンター、総合支所、本庁の三層における行政の機能強化を図ることを明確にしました。  まず、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、多様な相談及び手続に対応する窓口を担うとともに、地区の実態に即した取組の実施及びまちづくりの支援を行います。地区のコーディネーターとして、デジタル技術も活用しながら地区課題への区民参加の促進を図り、区民活動団体間の交流、避難行動要支援者の共助、互助への支援も進めます。また、地区課題を区民と共有、協働しながら解決する方策を立案し、児童館を加えた四者連携を進め、地区課題の解決に取り組む総合調整機能を強化いたします。  総合支所は、地域の行政拠点として、所管する業務の専門性を生かし、社会資源を活用して、計画的に地域の課題の解決に当たる地域経営を担うとともに、まちづくりセンターの取組への支援を強化します。  本庁は、法制度や社会状況を捉え、幅広い視野で地域経営を踏まえた政策立案等を行い、まちづくりセンター及び総合支所と情報を共有して、チーム世田谷として施策を展開するとともに、適切な政策手法の活用とマッチングを行うことにより、区民生活を改善する効果的な区政運営を企画、実行していきます。こうした内容を盛り込んだ地域行政推進条例案を今定例会に提案いたします。  次に、DX推進についてであります。  区では、自治体DXを力強く推し進めるため、松村副区長を最高デジタル責任者、CDOとし、全領域の部長級管理職を構成員としたDX推進委員会を八月に発足させました。松村副区長には、区のデジタル技術を統括する立場から、民間企業出身者ならではの視点からの大胆なアイデアや、強いリーダーシップを発揮してもらうことで、組織に横串を入れた横断的な改革を一層加速させていきます。  また、職員の仕事の質を高め、区民サービスを向上させるための次期情報化基盤の整備を本庁舎等整備を見据えながら迅速かつ着実に進めていきます。さらには、デジタルデモクラシーの実現に向けたデジタルツールを活用しての区民参加を促す取組や、まちづくりセンターでのオンライン相談をはじめとした地域行政におけるICT技術を活用したDXの推進、DX人材の育成や業務改革などについて、全庁で力を合わせて「Re・Design SETAGAYA」に取り組んでいきます。  日本各地で豪雨災害が続いています。また、六月から記録的な猛暑が各地で続き、気温上昇による家庭や企業での電力需給が逼迫し、電力の安定供給が綱渡りとなり、一層の節電を求められる状況に陥りました。この冬はさらなる電力需給逼迫が予想されていることから、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用拡大を進めてまいります。  住宅からの二酸化炭素排出削減を目的とした環境配慮型住宅リノベーション事業では、今年度、窓の断熱改修の補助率をアップしています。また、昨年度より太陽光発電システムの設置を補助対象に加え、今年度は補助金の上限を増額しました。電気代を節約できるとともに、蓄電池や電気自動車を組み合わせることで、災害時やブラックアウトの際には分散型電源として活用できます。また、初期費用がゼロとなるPPAモデルによる区立中学校六校への太陽光発電設備及び蓄電池の設置を九月までには終了し、十月以降に順次試運転を始める予定です。PPAモデルは住宅や事業所でも活用できることから、普及促進を図ります。  昨年、百十三自治体が参加、視聴した自然エネルギーによる自治体間ネットワーク会議の開催を十月に予定しています。再生可能エネルギーの自治体間連携を拡大し、区内でも連携自治体からの電力を公共施設へつなぐ導入拡大を検討していきます。  次に、グリーンインフラの取組についてです。  区は、集中豪雨や台風による浸水被害軽減のため、東京都から下水道整備の一部を受託するなど、雨水管の整備を推進しています。また、今年の三月に改定した世田谷区豪雨対策行動計画では、流域ごとに流域対策の目標値を設定し、下水道や河川への雨水の流入を抑制する流域対策の取組にグリーンインフラの考え方を取り入れています。  グリーンインフラの取組は、気候危機と水害リスクに直面する現在、極めて重要です。下水道や河川への雨水流入を抑制するため、大型施設や公共用地への雨水貯留浸透施設の整備のほか、雨水浸透施設や雨水タンクの設置助成により、各家庭への雨水浸透枡、雨水タンクの設置の支援を広げます。また、昨年度から多くの方に熱心に受講いただいている区で主催するグリーンインフラ学校を引き続き開催するなど、他自治体や国の取組の知見を共有し、広報、啓発を強めて区民の取組を支援していきます。  気候危機は、生物多様性も含めた身近な自然や生物にとっても危機となります。樹木をはじめとした緑は、CO2を吸収するだけではなく、生物多様性の維持を支え、ヒートアイランド現象を緩和し、大気の浄化や気温、湿度を調整する機能など、生存条件をつくり出しています。公園における雨庭整備などの取組によって、雨水流出抑制と緑の充実を車の両輪にして、グリーンインフラを推進していきます。  プラスチックごみの海洋流出による汚染対策も一刻も猶予が許されない課題です。先日、「マイクロプラスチック・ストーリー」という映画の上映会に出かけました。ニューヨークの小学五年生が調査し、行動してプラごみゼロに挑んでいく物語でしたが、熱心な親子での参加者が目立ちました。プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が本年四月施行され、区による家庭から排出される使用済みプラスチック製品の分別収集、再商品化への努力義務が定められました。  区においても、プラスチック資源循環の在り方について、専門家の知見や区民等からの意見を広く得るために、清掃・リサイクル審議会で八月から議論を開始しています。区民や議会の意見を伺いながら対応方針を決定してまいります。  区では、全国の自治体に先駆け、フードドライブに取り組み、プラスチックや食品ロス削減に取り組む店舗を認証し、推奨するせたがやエコフレンドリーショップなどの事業を進めてきました。本年七月には、区、区民、事業者、関係団体などが協力して実現する世田谷区食品ロス削減推進計画を策定しています。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅ワークや巣籠もり消費により、令和二年度はごみ量が大きく増加をしました。その後は減少に転じているものの、削減は十分ではありません。引き続きごみの減量に取り組み、最終処分場の使用期限の延命とともに、ごみの収集運搬、処理、リサイクルを効果的に進めて、発生するCO2の減少に努めます。  次に、エシカル消費についてです。  今だけ、ここだけ、自分だけの消費行動から、人、社会、地域、環境などに配慮した自分で考える消費者になるエシカル消費の重要性が高まっています。マイバックやマイボトルの使用や、使い捨て容器からリユースへの転換に取り組みます。また、せたがやそだちの食材を活用した地産地消について、せたがや動画オフィシャルチャンネルでせたがやそだち・おつまみレシピなどで紹介をしています。  次に、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の見直しについてです。  昨年、環境審議会に諮問するとともに、全庁一丸となって気候変動に取り組む気候危機対策会議の中で、各部の個別テーマについての議論を進め、計画の素案を取りまとめました。今月七日には区民説明会を開催し、十五日からは計画素案に対する意見募集を行っているところであります。気候危機の影響を大きく受ける子どもたちの意見も大変重要です。  十月には、大学生ボランティアによる環境出前授業や、昨年に引き続き中学生、高校生、大学生を中心に気候変動などをテーマとした若者環境フォーラムを実施します。また、小中学生を対象に地球温暖化に関する子どもたちの行動や意識を把握するためのアンケート調査を実施し、子どもたちの意見や提案を生かしていきます。今後、計画案に向け議会、区民での御議論をいただきながら、二〇五〇年に向け、区内の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指してまいります。  次に、農福連携事業等についてであります。  農福連携事業は、昨年度より事業地を貸借して進めてきましたが、このたび当該事業地と隣接する区民農園を併せて買収することになり、補正予算案を提案します。  また、都市における農地の魅力を区民に幅広く発信する取組として、区とNPOとの協働提案事業で、上野毛地区にタマリバタケというコミュニティー農園を運営する実証実験が二年目を迎えています。区の事業用地を暫定的に農園等として有効活用する事業で、農について学び、人々が交流するたまり場として、畑、ベンチ、テーブル、雨水タンク、砂場などを区民の方々が設置し、徐々に居心地のよい空間になってきました。週末には二十名前後の方が入れ替わり立ち代わり、水やりや手入れ、似顔絵書き、おしゃべりなどを楽しみに集まっています。こうして多くの方が気軽に土や植物に触れることで、子どもから高齢者など多世代の方々が楽しく活動できる居場所でのコミュニケーションが生まれ、土いじりはストレスも低減するなど、様々な副次的便益、コベネフィットを生み出しています。  次に、子ども・若者、子育て支援についてです。  区は、平成二十七年三月に子ども・子育て応援都市宣言を行い、保育待機児童の解消に向けた保育園整備や、在宅子育て支援のための子育て広場の全区展開、全妊婦面接から始める世田谷版ネウボラの開始など、子どもや若者、子育てに係る支援を充実させてきました。令和二年度以降、コロナ禍の影響もあって、育児休業の利用の拡大、テレワークの普及等、子どもと子育て家庭を取り巻く環境や仕事のありようなど、ライフスタイルが変化しています。新たな区の人口推計では、ゼロ歳から四歳の転出超過傾向に加え、今後、ゼロ歳から十四歳までの年少人口の逓減が予想されるなど、子ども・子育ての背景は大きな転換期を迎えています。  本年五月に区内の未就学児及び就学児の保護者一万二千名を対象とする調査を実施したところ、前回調査を実施した平成三十年度と比較し、妊娠中や出産後に周囲の手伝いや声がけが減っているなど、コロナ禍で妊娠や出産、子育てが家庭だけで行われ、人と人との関わりや助け合いの中での出産、子育てが難しい状況が明らかになりました。  区では、子ども施策の基本的な考え方として、令和二年度から令和六年度までを計画期間とする子ども計画(第二期)後期計画を策定し、ここにある子ども・子育て支援事業計画の中で、就学前の子どもが利用する保育施設や幼稚園等の教育・保育事業と、ひろば事業や一時預かり事業等の地域子ども・子育て支援事業の確保の内容及び実施時期等を定めています。  このたび調査結果や計画の進捗状況と評価を踏まえ、この計画を見直すとともに、今後の子ども政策の考え方の基本となるグランドビジョンを同時に併せて示し、令和五・六年度を期間とする子ども・子育て支援事業計画調整計画の素案を取りまとめました。  今回、グランドビジョンにより、子どもの出生数減少に直面して、子ども・子育て支援施策を縮小するのではなく、妊娠期から出産、乳児期をシームレスに支えるために子ども・子育て支援施策を充実させ、区、医療、地域が連携して、子育て家庭を切れ目なく支える世田谷版ネウボラを深化させ、全ての子どもと子育て家庭が日々の暮らしの身近なところで地域の人々や子育て支援につながるための場や機会を充実いたします。  子ども・子育てのニーズ等を踏まえ、地域や家庭、学校など、子どもを取り巻く社会資源や環境の変化を的確に捉えながら、柔軟に必要な施策を組み替え、子ども・子育て応援都市の土台を確かなものへとバージョンアップを図ってまいります。  次に、ウクライナ支援についてです。  ロシア連邦のウクライナ侵攻から既に半年以上が経過しましたが、残念ながら戦闘の終結には至っておりません。区では、六月の第二回定例会で御議決いただいた補正予算により、区内で避難民を受け入れる御家庭への支援金の支給を開始するとともに、手続の支援や日本語教育の支援など、多面的な避難民支援の取組を継続しております。また、ウクライナ国内あるいは国境を接する周辺国等において避難生活を続ける方々を支援するため、現地で人道支援活動に取り組む日本赤十字社及び国連難民高等弁務官事務所、UNHCRに対して、世田谷区国際平和交流基金を財源として、それぞれ三百万円、計六百万円を寄附させていただきました。ウクライナ危機をきっかけとして、紛争や迫害等、様々な事情で母国を離れることを余儀なくされた方々の難民問題に対して注目が集まっています。  世田谷区もこの問題に向き合い、難民の人権尊重、支援の輪の拡大に寄与できるよう、UNHCRが自治体との連携強化を目指して取り組むグローバルキャンペーン、難民を支える自治体ネットワークに賛同し、世界二百八十二自治体目、国内では七自治体目の署名を行いました。今後、UNHCRや賛同自治体と連携し、難民問題に関する啓発活動などを実施してまいります。  次に、障害施策についてです。  このたび、心身の機能に障害のある区民のみならず、多くの区民が互いの多様性を尊重し、異なる価値観を認め合い、共に暮らし続けることができるインクルーシブな地域共生社会を実現するため、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例案を取りまとめました。また、障害当事者や家族にとって、家族の急病等の緊急事態に当たって、速やかな相談及び対応ができる地域の体制づくりが課題です。十月から、障害者と家族の緊急時のコーディネートを行う二十四時間体制の緊急時バックアップセンターの試行を北沢地域において開始し、障害者の地域生活支援機能の強化と障害者と家族の安全安心の向上を図ってまいります。  次に、総合教育会議についてです。  三年目となる新型コロナウイルスの蔓延は、子どもたちの学校生活を大きく変化させました。突然の学校一斉休校から始まり、運動会や遠足、校外学習や修学旅行の休止や延期に翻弄されました。マスク着用により子ども同士が互いの表情が分からないことへの影響も心配されます。一方で、教育のデジタル化が一気に進むなど、学びの状況を大きく変えています。  このような中、今年度の第一回目の総合教育会議では、七月三十日にコロナ後を見据えた学びの変化についてをテーマとして開催しました。下北沢小学校校長で全国連合小学校長会長を務める大字弘一郎先生から、学校に行くのが楽しいと思う子どもや将来の目標を持っている子どもが減少していることを、また、東京大学名誉教授で、せたがや文化財団理事長の青柳正規氏からは、子どもが得た知識は学校行事などの体験を通して自分のものとなり、これがチャレンジにつながり成長していくが、コロナ禍でこうした体験が減少していることへの危機感が語られました。  学校教育が大きな転換点を迎え、主体的で対話的な深い学びを獲得していくことを見据えて、自己有用感や自己肯定感を育てる教育をどのように構築するのかを議論するのが総合教育会議の役割です。学校教育現場への具体的施策に関しては教育委員会が担いますが、総合教育会議は、地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱と呼ばれる基本的な枠組みについて、自治体の首長として開催し、教育長、教育委員とともに議論して決定していく場となります。  今後は十月に開催し、増加する不登校児童生徒をどう受け止めるのか、不登校特例校の実証を踏まえながら、さらに先駆的に特色ある教育内容を提示する公教育の可能性を論じていき、今回の大綱をバージョンアップしてまいります。  次に、区制九十周年についてです。  いよいよ十月一日で、世田谷区は区制九十周年を迎えます。十月十六日に人見記念講堂で開催する記念式典において、名誉区民として、石川さゆりさん、永井多惠子さん、中川李枝子さん、美輪明宏さんの四人を顕彰するとともに、今日の世田谷区の発展に貢献された方々に敬意を表し、区政功労表彰を行います。この節目に当たり、区民の皆様に深く感謝申し上げるとともに、今後も区政のより一層の発展に取り組んでいきます。  また、記念式典から引き続いて開催となる記念イベントにおきましては、区内の様々な団体が世田谷の夢を奏でようをテーマに歌や演奏、ダンスなどでこの節目の年を盛り上げるとともに、区制百周年に向けた新たなスタートとしていきたいと思います。  次に、せたがやふるさと区民まつりについてです。八月六、七日の二日間、第四十三回せたがやふるさと区民まつりを実施しました。新型コロナウイルスの影響により、三年ぶりの会場開催となりました。今年は、世田谷区民会館、区役所中庭が本庁舎整備工事で使用できず、若林公園、松陰神社、国士舘大学世田谷キャンパスの一部での実施となり、併せて、感染拡大防止対策のため、会場内でのアルコール提供を取りやめ、飲食スペースの設置などを行った上でワクチン接種啓発コーナーを設置し、開催時間も縮小し、開催しました。  会場では、世田谷区のほか、全国十五の交流自治体が参加するふるさと物産展が開催され、区民活動団体によるステージイベントや、子ども向けの手作り体験、紙芝居など、子どもからお年寄りまで多くの方が楽しめる催し物や出店でにぎわい、三年ぶりの開催に浴衣を着た親子や若者など多くの皆様に御来場いただき、当初予想来場者数二万六千人を上回る四万三千五百人の来場者数となりました。  次に、世田谷区制九十周年たまがわスカイランタン&ミニ花火フェスティバルについてです。世田谷区たまがわ花火大会は、新型コロナウイルス感染症の影響で、残念ながら三年連続の開催見送りとなりましたが、区民とともにコロナ終息を願うイベントとして、花火大会を予定していた十月一日土曜日にスカイランタン打ち上げとミニ花火ショーを実施します。ヘリウムガスの力で空に浮かび上がるスカイランタンのカラフルで幻想的な明かりと、打ち上がる高さが三十メートル程度の一般に市販されているいわゆるおもちゃ花火を中心に、打ち上げ花火のプロである花火師が構成したミニ花火ショーを来場者の方々に楽しんでいただきたいと思います。  感染対策のため、入場は完全チケット制として、来場者は事前購入の方に限り、約五千人のみとさせていただきます。御好評につき、チケットは八月二十二日の発売開始で即日完売となりました。コロナ禍でも開催可能な新たな形でのイベントとして、成功につなげてまいりたいと思っております。  次に、決算についてです。本定例会で御審議いただく令和三年度の歳入歳出決算の概要について申し上げます。  一般会計の決算ですが、歳入は、新型コロナウイルス感染症防止対策に伴う国庫支出金や都支出金の増があったものの、特別定額給付金に係る国庫支出金の減などにより、歳入総額は三千七百六十六億円、前年度と比較して一二・一%の減となりました。歳出は、ワクチン住民接種事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策関連経費などの増があったものの、特別定額給付金の減により、歳出総額は三千五百六十八億円、前年度と比較して一三・二%の減となりました。  この結果、令和三年度決算の実質収支は百七十億円となります。なお、年度末における基金残高は過去最高の千二百八十億円となり、昨年度に引き続き、特別区債残高六百三十八億円を上回っております。また、健全化判断比率につきましては、令和三年度においても引き続き健全な状況を維持しました。  次に、補正予算案について申し上げます。  このたびの補正は、オミクロン株対応ワクチン住民接種をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、エネルギー価格・物価高騰に伴う区民、事業者への支援などについて速やかに対応するため計上するものであります。併せまして、国民健康保険事業会計など四つの特別会計につきましては、前年度繰越金の確定などに伴う補正を行っております。全ての会計を合わせますと百九十二億九千六百万円の増額補正となっております。  最後に、本議会に御提案申し上げます案件は、令和四年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)など、議案三十二件、認定五件、諮問一件、報告二十五件です。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願いいたしまして、挨拶といたします。 ○下山芳男 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。
        ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔水谷次長朗読〕  報告第三十号 令和三年度世田谷区財政健全化判断比率の報告外報告二十四件 ○下山芳男 議長 以上で諸般の報告を終わります。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時四十一分休憩    ──────────────────     午後一時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔水谷次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○下山芳男 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、公明党を代表して、四十二番福田たえ美議員。    〔四十二番福田たえ美議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(福田たえ美 議員) まず初めに、台風十四号により被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々に心より御冥福をお祈り申し上げます。  一九六二年九月十三日、公明党の不滅の原点である立党精神である大衆とともにとのスローガンが示されて今月で六十年を迎えます。当時の世界情勢は、東西冷戦の中、アメリカとソ連間の緊張の高まりは核戦争の脅威への高まりとなり、核戦争まで最も近づいたと言われたキューバ危機の年でもありました。一方、日本の政界においては、既成政党が不毛なイデオロギー論争や派閥争いに明け暮れ、庶民が置き去りにされていた状況にあって、民衆の幸福のための政治を誰が担うのかという党の創立者の全ての思いが凝縮をされた言葉であり、貫かれた志であります。  さて、六十年を経た今、私たちは激甚化、頻発化する自然災害の猛威や新型コロナウイルスとの闘い、ウクライナ危機に伴う諸外国との外交における高まる緊迫感、さらに輸入に依存しているがゆえに押し寄せる物価高騰など、直面をしている課題は多く、区民の命と暮らしを守る政治の責任は極めて重いことを痛感せざるを得ません。これからの近未来を展望するに当たり、持続可能な地域社会を築くためには、何を言ったかではなく、何を成し得たかを自らに問い続け、区民の衆望にどこまでも応えるべく、懸命に取り組んでまいります。  それでは、公明党世田谷区議団を代表して、質問並びに提案をいたします。  初めに、未来への投資について、四つの観点から伺います。  第一に、学校給食の完全無償化の実現に向けて伺います。学校給食は、学校給食法第八条、学校給食実施基準に基づき、児童生徒が生涯にわたり健康な生活を送るための栄養バランスが取れた食事のモデルとして、家庭での食生活の指標となり、いわば義務教育における食の教育に位置づけられています。  我が党が再三求めてまいりました教育費の負担軽減として、給食費の無償化を令和元年十月より所得制限つきで、就学援助の対象者を拡充いたしました。ところが、コロナ禍で、年度途中での所得急変への対応は未対応のままであり、物価高騰も相まって、家計の負担が一層深まっております。  ここで伺います。来年度から全児童生徒の給食を保障するため、所得を撤廃した給食費の完全無償化を求めます。区の見解を伺います。  第二に、才能の芽を育てる取組として、(仮称)子ども科学館の開設について伺います。本年四月に開館をした北九州科学館「スペースLABO」に会派として七月に視察をいたしました。スペースLABOは、児童科学館、児童文化センター、プラネタリウムを統廃合し、市直営の新科学館として開設されました。企業十五社と市内の理工系三大学の協力による同館の展示物を見て、聞いて、触って、科学の不思議を五感で体感することで、才能の芽がぐんぐんと引き出されるのを感じます。さらに年間を通じたサイエンスショーなど、魅力あふれる工夫がなされています。その結果、来館者数、年間目標の五十万人に対し、開館から僅か二か月で十万人を超える盛況であります。これまでも、会派として科学館の設置を重ねて求めてまいりました。保坂区長が調査検討すると答弁をされてから七年が経過をしています。  ここで質問をいたします。本区の中央図書館にもプラネタリウムが併設をされていますが、その活用が十分になされていません。これまでも提案をしてきましたが、中央図書館の機能を見直し、才能の芽を育む感動教育を体感できる新たな(仮称)子ども科学館の開設を目指すべきです。区の見解を伺います。  第三に、新BOP学童クラブの時間延長について伺います。我が党が求めてまいりました新BOP学童クラブにおける時間延長について、本年十月より小学校五校で時間延長モデル事業を再開します。区が示した計画では、狭隘化改善の大規模校から学校外での民間を誘致し、時間延長も実施するとのことです。この計画では、狭隘化と時間延長がセットとなっており、全校での時間延長の図柄が描けていない現状です。今回実施するモデル事業に時間を費やすのではなく、過去のモデル事業の検証を生かしながら、効率的に実施に踏み切る事業を行うべきであります。  ここで、質問をいたします。学童クラブの現場における人材の確保も喫緊の課題と聞いています。この課題を直営では解決できなければ、民間委託も視野に入れるべきであります。学童クラブ時間延長のモデル実施から、実施体制の検証、改善を速やかに行い、来年度から全校実施への道筋をつけるべきです。区の見解を伺います。  第四に、小学校における教科担任制について伺います。今年度より、教科ごとに担当教員が教える教科担任制が全国の小学校五、六年への一部授業に本格的に導入され始めました。先日、全国を先駆けて教科担任制を導入している兵庫県姫路市に会派で視察に伺ってまいりました。兵庫県では、平成二十四年度から全県で兵庫型教科担任制を導入しています。小学校五年生と六年生の担任が理科と社会の授業を交換し、受け持つことで教師と児童に効果が表れています。教師は負担軽減と専門性の向上、児童には学習意欲の向上と関わりのある教師が増える安心感であります。さらに、制度の定着が不登校の出現率を減少させています。社会は大きく変化し、予測不能な時代に突入をしています。その時代を生き抜く人づくりを担う学校教育に問われるものが大きいと言っても過言ではありません。  ここで質問をいたします。兵庫県では、既に兵庫型教科担任制を導入し、評価、検証を行っています。先進自治体の取組も参考にしながら本区における取組を推進していくべきです。本区における教科担任制についてのお考えと導入の道筋について、区の見解を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について、二つの観点から伺います。  第一に、オンライン診療についてです。七月中旬以降、コロナ第七波となる急激な感染拡大による医療機関の逼迫は、発熱等の症状がある区民の受診機会を喪失していきました。その打開策として、区は、八月より医療機関によるオンライン診療体制を確保し、受診環境を整備しました。症状がありながら医療機関につながれず、不安を抱えて在宅療養を強いられてしまうケースを解消していくために大変有効な取組と評価をしますが、感染ピークの時期から一か月以上過ぎた八月十日からの事業開始は、遅きに失した感が否めません。  現在、オンライン診療が可能な医療機関は約三十か所。今後、時期を逸せず、予想される第八波を見据えた、平時から診療所やクリニックでオンライン診療受診の環境を整備するため、拡充に必要な予算を講じるなど具体的な支援をすべきと考えますが、区の見解を伺います。  第二に、接種会場についてです。区の集団接種会場を八月までは八会場を開設をしていましたが、九月に入り、梅ヶ丘の区立保健医療福祉総合プラザ、旧二子玉川仮設庁舎、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターの三会場に縮小しました。一方で、個別接種会場となる医療機関では、発熱患者等の対応で逼迫したこともあり、四回目のワクチン接種を希望する区民に対して十分な対応ができない状況があったと聞いています。三か所の集団接種会場までのアクセスが悪い地域の高齢者にとっては、接種ができず、混乱の声が届きました。  今後は地域偏在が生じることがないよう、時々刻々と変化する医療現場の状況に応じた迅速な対応を求めます。区の見解を伺います。  次に、物価高騰に負けない暮らしについてです。  コロナの収束も不透明な中、物価高騰の影響は家計で許容できる範囲を既に超えており、低所得者層に限らず、全所得階層へ深刻な状況と言えます。こうした中、公明党の推進により、政府がコロナ対策で新設した地方創生臨時交付金は、物価高騰対策にも対象を広げたことを逃さず、我が党が五月に行った区長への緊急要望における物価高騰対策として、せたがやPayの活用に充当し、キャンペーンの拡充を実施したことは大いに評価します。利用者のみならず、加盟されている事業者の皆様からも喜びの声が届いております。一方で、キャッシュレス決済サービスの恩恵を受けられていない区民も多くいます。こうした方へのきめ細かなサイドサポート策を講じるべきと考えます。  そこで、三点質問いたします。一点目に、区として物価高騰に苦しむ区民に対して地方創生臨時交付金を活用し、一律の現金給付を実施すべきです。区の見解を伺います。  二点目に、来年二月まで実施しているマイナポイント第二弾のキャンペーンにより公金受取口座の登録が進められています。先ほど提案をした一律現金給付を効率的に行うため、登録された口座を活用し、実施すべきです。区の見解を伺います。  三点目に、さらにマイナンバーカードの登録を推進するため、身近なまちづくりセンターで、マイナンバーカードの登録支援とマイナポイント第二弾の登録支援を行い、多くの区民に支給できるよう取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、地域行政改革について、三つの観点から伺います。  本年、世田谷区は区制施行九十周年の佳節を迎えます。平成三年には地域行政制度を導入し、三層制の下、保健福祉やまちづくりの地域展開、もっと身近に打てば響くまちづくりがスタートしました。しかし、二〇二五年に団塊世代の方が後期高齢者に突入する大介護時代を目前に、高齢化の進展、単身世帯の増加、災害の多発化や新型コロナ感染症対策など、総合支所単位の地域展開ではなく、まちづくりセンター単位の地区展開にならざるを得ない状況です。区制百周年へ向け、また百万都市を見据えて、地域行政推進条例は、世田谷区の姿勢、区職員の仕事が大きく変革する宣言でなければなりません。今後の世田谷区の将来像や姿、目指すビジョンも明確に表現すべきです。  そこで、地域行政改革に関連して、三つの観点から伺います。  第一に、まちづくりセンターの課題解決機能と総合調整機能についてです。これまで四者連携会議で総合調整機能の充実を図ることを目指すと繰り返し答弁をしています。現場では、高齢化社会と単身世帯の増加による地域課題は、防犯、防災にとどまらず、様々な課題が常に進行中です。一番身近な町会・自治会は、多くの困難事例を抱えながら助け合いのコミュニティーをつくっています。調整機能では、困り事は解決できません。まちづくりセンターは、この条例で変わると区は言っています。町へ出て、町会・自治会や住民と一緒に取り組む地区展開への仕事転換を明確に書き込むべきです。区の見解を伺います。  第二に、地区の課題解決についてです。交通不便地域のモデル事業として、砧での実験運行について、先日、報告がありました。さらに数年を要するとのこと、いつまで検討するのでしょうか。交通不便は大きな困り事であり、地区の課題です。それぞれの地区、地域においても、地区発で施策をまとめることが必要です。区の見解を伺います。  第三に、間断なき地域行政改革の推進についてです。計画には、地区ごとに指標を定め、そこに住む区民や町会・自治会による区民満足度の調査で評価し、まちづくりセンターや総合支所の改革を重ね、真に区民のための地域行政制度に進化すべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、行政改革について、三つの観点から伺います。  行政改革とは、時代に即した行政需要に的確に対応し、住民サービスのより一層の向上を図るために、組織、制度や行政運営の在り方を見直し、行財政運営の適正化、効率化を図っていくことを言います。人口約九十二万人を擁する世田谷区の事業は千を超え、新型コロナウイルス感染症、激甚化する災害対策など、年々多様化するニーズへの対応に併せて、DX推進への業務改善など、従来の組織構造や意識では到底乗り切れないことは周知の事実であります。  しかし、その業務を担う最も大切な職員の適正配置について計画が策定されておりません。今年四月時点での常勤職員は約五千五百名、会計年度任用職員は約四千九百名と拮抗しており、正常とは言い難い状態です。さらに、我が党が再三指摘をしている行政サービスや施設運営について、従来どおり公共が担うのか、それとも民間に委ねるのか、いまだに明確な基準は示されておりません。こうした課題に目を背け、中途半端に先送りをするようでは、限られた人材の能力を十分に発揮することができません。  そこで、三つの観点から伺います。  第一に、職員の適正配置と全事業評価を客観的に行う所管についてです。新公会計制度を最大限に活用するため、事業評価に特化した部署を創設し、時代の環境変化に対応できる経営の軸組みへと反映するべきです。毎年、組織・職員定数についてと題して通達が出されていますが、何ら改善への取組はかいま見えません。特に常勤職員と会計年度任用職員の実質的な偏在化の解消や人材確保が困難な新BOP学童クラブ事業の民営化、さらに保育待機児が解消されている区立保育園の統合を踏まえ、限られた職員を区政運営における重点的な事業へ重層的に適正配置できるよう計画を策定すべきと考えますが、区の見解を伺います。  第二に、稼ぐ公共についてです。これまで我が党は、公共空間、公共施設を有効に活用し、収益要素を生み出しながら区民サービス向上への意識醸成が不可欠であると申し上げてまいりました。群馬県では、公共の遊休施設、土地を有効かつ持続可能に活用し、町を盛り上げる民間事業者を募る施策であるぐんまトライアル・サウンディングを行っています。この制度は、行政が保有する公共施設等を希望する民間事業者に一定期間、暫定利用をしてもらう制度です。民間事業者側は、実際に利用することで、立地や使い勝手、採算性など集客の反応を確認することができ、一方、行政側は、民間事業者の事業集客力、信用、施設との相性など信頼できる民間事業者であるかどうかを判断できるメリットがあります。  このように双方にとってメリットのある制度を正式に導入し、これまで所管ごとに行ってきた実証実験を発展的にまとめ、バージョンアップすべきです。区の見解を伺います。  第三に、公有地の有効活用についてです。公共財産の中でも公有地の有効活用は大変重要な課題であります。区では、平成二十六年度に十年間における施設整備方針を定め、来年、最終年度を迎えます。同方針では、老朽化する施設に対して、今後三十年間の改築、改修に係る経費が年平均百六十三億円、施設維持管理経費は年百七十億円が見込まれる一方、高齢化などに伴う社会保障費の増加、多様化する区民ニーズ等への対応は大きな課題であります。ゆえに利用率の低い施設の在り方、地域偏在の解消、老朽化や統合による空き地の活用や、さきに述べた収益要素の確保など、政策と知恵を総動員した新たな方針が求められています。  特に新庁舎が竣工した後、現在、仮庁舎になっている旧都立玉川高校跡地については既に区は取得の意向を定めていますが、立地や環境などを考慮すれば、新ふじみ荘機能とする温浴施設、野毛青少年交流センターの老朽化に伴う機能の移転、未整備地区である児童館の新設、さらに、区内二か所目となる健康増進施設(仮称)たまとぴあの開設、いわゆる多世代交流施設として整備、活用することを提案したいと思います。区の見解を伺います。  次に、災害に負けない備えについて、二つの観点から伺います。  第一に、集合住宅の在宅避難の支援についてです。都の新しい被害想定にも対応するため、在宅避難を確実に進めていく必要性が求められています。さきの特別委員会で、在宅避難の推進及び在宅避難者支援の強化について報告がありました。マンション居住者をはじめとした地域住民の町会への加入は、年々低迷しています。玉川総合支所で見ていきますと、今年四月の時点で、町会・自治会、マンションなどの集合住宅による防災区民組織は約四十にとどまっています。例えば新宿区では、区内のマンション自主防災組織の結成促進、活動支援のため、区が選定をした二十品目から、マンションなどの自主防災組織が選んだ防災資機材を合計二十万円まで限度に現物支給も行っています。  災害に負けないとの観点で、世田谷区においても、マンションなどの集合住宅が自主防災組織としての備えや訓練を推進できるよう、まちづくりセンターから積極的にアプローチをするべきと考えますが、区の見解を伺います。  第二に、公共施設のシェルター化について伺います。我が党の夏季議員研修会において、静岡県立大学特任教授の小川和久先生の講演を拝聴いたしました。日本の安全保障について、今そこにある危機に何も対応をしていない日本の防衛論議の欠陥を克服すること、そのために必要なのは、通常弾頭のミサイルの破片から区民を守るための、普通の建物の一階と地下シェルター化をすることであります。Jアラートが発令される緊急時に区民が逃げ込み、安全を確保できるよう公共施設の一階部分だけでも強化を行うべきであります。すぐにでも検討すべき課題と考えます。区の見解を伺います。  次に、健康寿命の延伸について、三つの観点から伺います。  第一に、フレイル予防に関連して、暮らしの保健室、認知症カフェなどの場の整備についてです。我が党が平成二十六年度より主張をしてきた暮らしの保健室については、身近な場所で、誰でも医療や介護、健康など、暮らし全般の相談が受けられる施設として大変重要と訴えてまいりました。暮らしの保健室は、孤立、孤独を防ぐだけでなく、世代を超えた交流や、地域医療や介護、福祉の連携の場である一方、地域ボランティアの育成の場として全国的な広がりを見せています。また、我が党の提案で二年前に施行された認知症とともに生きる希望条例の理念に沿って、認知症の御本人や御家族が身近な場所で、医療や福祉の専門職への相談や地域の方との交流の場として認知症カフェが展開をされています。  暮らしの保健室や認知症カフェは、高齢化する地域社会において、新たなコミュニティーの場として、ますます必要性を増しています。場の確保は喫緊の課題であります。我が党は、これまで特定有料施設や特養の地域交流スペース、利用率の低い公共施設などを活用し、場の充実を図るべきと再三訴えてまいりましたが、健康寿命延伸に向けて実施すべきときに来ています。区の見解を伺います。  第二に、介護保険未利用者へのキャッシュバック制度の創設についてです。私の知人に、要介護一ですが、介護保険会計に少しでも貢献したいと考え、介護保険サービスを利用せず、日常生活を送っている方がいます。全国にはこうした方が大勢いることは各地の調査結果からも明らかになっています。  そこで、介護保険の利用率が高くなる七十五歳以上、かつ要介護二までの方で、家族介護慰労金支給を受給せず、介護保険サービスを使わず、日常的に介護予防に努めている方に、区独自に感謝の意を表す意味でキャッシュバック制度を実現すべきと考えます。介護のお世話にならずに頑張っている方を顕彰することは、介護予防の意識を高めることになります。区制九十周年の目玉として実施してはいかがでしょうか、区の見解を伺います。  第三に、区民の健康を増進し、同時に区内の経済効果を高める施策について伺います。現在、実施されているせたがやシニアボランティア・ポイント事業は、口座に振り込むという手法ですが、今後、ポイントをせたがやPayに付与し、区内の活性化に資する事業に再構築する必要があると考えます。また、国民健康保険健康ポイント事業についても、介護予防、健康の維持、社会参加の促進のみならず、地域とのつながりを実感できる重要な事業と考えます。  今後は、この事業の継続を前提として、せたがやPayにポイントを付与する体制を合わせてつくることで、物価高に負けない経済の活性化につなげるべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、持続可能なフードドライブの仕組みづくりについてです。  会派として、食品ロス削減とともに、家庭からの未利用食品を子ども食堂や福祉施設などを循環する仕組み、フードドライブを提案し、この六年間で着実にその取組が進んでまいりました。その間、物価高騰の波が押し寄せ、家計への影響は深刻な事態となり、食品ロスを削減し、フードドライブで各家庭をつなげる取組の必要性が一層高まってきています。  本年七月に会派で、子ども食堂を持続可能とする取組を行っている北九州市を視察いたしました。市内四十五か所の子ども食堂を持続可能とする取組を二つの視点から行っています。  一点目は、食材をストックする拠点整備です。市内のみならず、県内の企業、団体からの寄附の食材をストックするロジ拠点四か所と、各子ども食堂が食材を受け取りに来るハブ拠点四か所を整備し、冷凍・冷蔵庫や冷凍ストッカーを備えています。二点目には、運営費です。子どもの居場所づくり応援基金や寄附型自動販売機の設置は、寄附による持続可能な運営につなげています。  ここで、二点質問をいたします。一点目に、本区においてストックヤードを確保したことは評価をいたします。ところが、区内に一か所で賃貸契約であります。六十三団体ある子ども食堂や多世代食堂等、食の支援の持続可能な運営を維持するためには、ストックヤードのさらなる確保が必要です。今後、本区として、奥沢区民センターの転居後のスペースの活用や上用賀公園拡張整備など、公共施設、公共空間を活用したロジ、ハブ拠点の整備を計画的に進めることを求めます。区の見解を伺います。  二点目に、今現在、国の補助金を活用し、子ども食堂の運営を維持している団体が半数近くあることから、持続可能なものとするためにも、子ども食堂等に活用できる基金を創設し、広く区民へその活動を周知することを求めます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 福田議員にお答えをいたします。  まず、学校給食の無償化に関わる御質問でございます。  区では、令和元年十月に就学援助制度の全費目を対象とした所得基準額を引上げまして、さらに、一定の所得以下の御家庭の給食費負担を無償化する措置を導入いたしました。また、今年度には高騰する食材費への公費負担を実施するなど、保護者への負担軽減に取り組んでまいりました。給食費の完全無償化には、さらに約二十億円の予算が必要となることから、安定的な財源確保が課題であり、今後の財政見通しなどを踏まえて、この財政への影響や確保について、現在、庁内で検討を進めているところでございます。  今般、素案として取りまとめた子ども政策の考え方では、子ども・子育て応援都市にふさわしい子ども・子育て施策を充実させていくために、これまでの支援や施設ごとに分かれていた施策を総合的な視点で組み替えて一体化する方向を目指しております。  現在、エネルギー価格、物価高騰により、子育て世帯にかかる経済的負担は大変大きくなっていると認識しております。給食費の無償化についても、改めてこれまでの支援の拡充に捉われず、子ども・子育て施策の充実という視点から検討を行う必要があると認識しており、区議会の皆様の様々な御意見、御要望、財源問題も含めて熟慮いたしまして、適切な時期、なるべく早いタイミングで判断をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、物価高騰対策について、区民への直接支援というようなお尋ねに関してでございます。  新型コロナウイルス感染症による影響が依然として続いている中、長引く物価高騰は、区民生活の様々な場面において大きな影響を及ぼしているものと受け止めております。  この間、区では、国の低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の区独自の上乗せ支給や、小中学校給食食材費上昇分への公費負担、せたがやPayにおけます区民、事業者支援など、幅広い世代が享受できる取組を進めてまいりました。とりわけせたがやPayに関しましては、三〇%の還元率と、取扱店に対しても、手数料を払っていただくのではなく逆に五%差し上げるという特典など、地域経済振興に役立っておりまして、ダウンロード数は十三万件を超え、チャージされた入金総額は十五億円を超えています。また、高齢・障害者施設や保育園等への食材費、光熱水費上昇分についての支援、公衆浴場への燃料費補助の拡充、エネルギー価格、物価高騰に伴う速やかに対応すべき施策をまとめて、本定例会に補正予算案として提案しているところでございます。  今後、国の地方創生臨時交付金の増額や東京都の補正予算など、国や都の補助金も最大限活用しながら、区民生活を守るため、物価高騰に伴う必要な施策について、時期を逸することなく早めの判断、対応をしてまいります。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、新BOP学童クラブの時間延長についてです。  新BOP学童クラブの時間延長モデル事業について、十月から五校で再開いたします。実施に当たっては、これまでの月ぎめ利用だけでなく、保護者の多様な働き方などに合わせ、延長利用が必要なときに利用できるよう、新たに日ぎめのスポット利用を実施いたします。  新BOP学童クラブの時間延長は、共働き家庭の一定のニーズがあることに加え、経済的に就労が必要な家庭や、家で一人で過ごすことが困難な子どもにとってはセーフティーネットの機能を担うものと考えており、全校での実施に向けて取り組んでまいります。モデル事業について課題を速やかに検証し、規模の大小にかかわらず全校で安定した運営ができるよう必要な人員の確保に取り組むなど体制を確保し、クラブをはじめ、学校、児童館など関係機関、職員と十分な調整を行い、令和五年度のできるだけ早い時期の実施に向け、年内にその道筋をお示ししてまいります。  次に、職員の適正配置についてです。  この間の新型コロナ感染症対応などをはじめとして、区政の優先課題に効果的に取り組むためには、事業の内容や規模に応じた執行体制を考慮した職員の適正配置とともに、民間事業者の活用も重要な手法の一つです。民間事業者の活用に当たっては、行政しかできないこと、行政がすべきことを整理した上で、民間の持つ高い専門性やノウハウ、柔軟性や迅速性などの強みと、選定に当たっては、事業者の財務体質や労働条件の確立等にも目を配りながら、区民福祉の向上につなげることができるか慎重に判断する必要があると考えています。  そのために、実際に事業を実施している所管部が一つ一つの事業の背景や利用の実態などを踏まえ、その事業固有の評価の視点を明らかにした事業評価を行うとともに、政策経営部において、新公会計制度のさらなる効果的活用など、全庁的な視点で評価、検証を加えていきます。併せて外部専門家の意見を取り入れた評価手法のレベルアップや、DXの視点による大胆な事業手法の見直しを図ることで、会計年度任用職員を含め、限られた人材の適正配置に努めてまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、地域行政改革について、二点御答弁申し上げます。  最初に、地区発で施策をまとめることが必要との御指摘についてです。  地域行政推進条例案においては、まちづくりセンターにおける総合調整機能として、地区の状況や課題を明らかにし、これを区民と共有するとともに、課題への取組を立案し、区民、総合支所などとの調整を行う機能を強化し、課題の解決を図るとしております。地区における区民からの日常の相談対応や、地区の団体や住民との交流の機会、また、四者連携会議や地区アセスメントの拡充等の取組においてまちづくりセンターが主体的役割を果たし、地区の課題と取組の見える化を行い、区民と協働して解決を図ります。総合支所は、まちづくりセンターが明らかにした地区の実態を基に、専門性を生かした取組を充実させるとともに、本庁との協議のもとに、それに即した計画づくりや施策の実施に向けて取り組むことも条例において規定しているところです。  地区における課題解決力の向上が本条例の大きな目的であり、地区課題の解決に係る取組の具体化を図るとともに、全庁で事例を共有し、地区からのボトムアップの課題解決を着実に進めてまいります。  次に、区民満足度評価により改革を重ね、地域行政制度を進化させるべきとの御指摘です。
     地域行政推進条例において、まちづくりセンターの広報広聴機能の充実を掲げ、推進計画においては、地区アセスメントの実施結果を区民と共有し、地区情報連絡会の強化と発展的な展開を図る中で、区民や活動団体などと話し合う場を設けるとしております。また、地域行政の推進に関する状況について、定期的に区民の意見を聞く機会を設けることを定め、毎年、実績や進捗状況を明らかにして、必要に応じて見直しを図ることとしています。  こうした規定に基づき、各地区における取組を見える化し、区民に進捗状況をフィードバックするとともに、区民満足度など区民の視点に立った指標を基に評価を行い、その結果を次の取組につなげる循環型の方策について具体化し、地区の方々に取組の効果を実感いただけるよう取り組んでまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 教科担任制の認識と導入の道筋について御答弁申し上げます。  教科担任制については、これまで議会においても様々な御議論をいただいております。私としては、教育のさらなる質の向上を目指し、教員が専門性の高い教科の指導を行う教科担任制は有効であり、さらに、担任だけではなく複数の教員が児童と関わることで、多角的で、よりきめの細かい個に応じた指導が行えるという観点から有効なものとも考えております。  現在、文部科学省では、中学校への円滑な接続の観点から、小学校高学年における教科担任制を推進するため、専科指導教員の配置充実を図り、計画的に定数改善を進めています。この教科担任制は、教員の負担軽減及び質の向上のためにも有効ですが、そのためには何よりも人材の確保が重要です。国の高学年における教科担任制の早期実現を働きかけるとともに、区独自の学校への講師の配置など、積極的に教科担任制の導入に努力をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、中央図書館の機能を見直し、子ども科学館の開設を目指すべきということについてお答えいたします。  第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画では、中央図書館の機能を拡充することを施策の方向性の一つに掲げ、魅力ある図書館づくりに向けて取り組んでいるところです。  議員御指摘の科学について学ぶ視点を取り入れた取組として、中央図書館では、昨年の十二月からプラネタリウムを中央図書館の機能の一つとして位置づけ、プラネタリウムの番組投影と関連図書の展示や音楽を融合したイベントなどを検討、実施しているところです。  子どもたちが科学に興味を持って、夢を持って学べるような取組については、今後、教育総合センターを拠点としたSTEAM教育のより一層の充実を図りつつ、中央図書館によるプラネタリウム機能や施設全体を生かした機能拡充に向けて、大学や教育機関の協力や民間との連携などを視野に入れ、中央図書館と教育総合センターが連携して多様な視点から総合的に検討してまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、三点、まずオンライン診療について御答弁いたします。  本年七月以降の急激な感染拡大を受け、特にお盆の時期には、発熱等の症状がある場合でも医療機関での受診が困難な状況が見込まれました。重症化リスクの低い有症状者をオンライン診療につなげ、重症化リスクの高い有症状者を地域の医療機関で受け止める環境整備を図る目的で、八月十日より医療機関によるオンライン診療体制の確保を開始しました。  お話しの区内医療機関でのオンライン診療の拡充については、東京都では、オンライン診療用機器導入補助や健康観察の支援補助制度はありますが、医療機関側の人員体制確保や設備等準備の負担など課題があり、引き続き、医療機関と相談してまいります。  区では、第八波への対応、インフルエンザとコロナの同時流行を見据えた方策を検討するとともに、オンライン診療の活用も含め、医師会など関係機関とも協議を進め、次の波に備えた体制を構築してまいります。  次に、子ども食堂の倉庫についてです。  現在、社会福祉協議会では、食品の保管、在庫管理、搬出、配送に係る一連の業務を区内の食品卸会社に委託し、本年五月より食品倉庫をストックヤードとして一か所確保し、運用しております。食品の配送については、倉庫から、社会福祉協議会の五地域社協事務所に委託先の食品卸会社に配送していただいていたり、地域社協事務所に子ども食堂の方に取りに来ていただくほか、直接、社会福祉協議会の職員が倉庫に取りに行き、子ども食堂にお届けしており、近くに地域社協事務所がない子ども食堂の方には御不便をおかけし、また、社会福祉協議会の職員の配送時間も課題となっております。  御提案の公共施設をストックヤードとして活用するには運用面や費用面での課題があり、慎重な検討が必要と考えておりますが、子ども食堂の持続可能な運営に向けて、ストックヤードの必要性について、子ども食堂を運営している方の御意見も伺いながら、社会福祉協議会とともに引き続き検討してまいります。  次に、子ども食堂への基金活用についてです。  区では、社会福祉協議会を通じ、子ども食堂に対し東京都補助を活用した補助事業を行っており、九月現在、三十四団体の申請をいただいております。さらに、社会福祉協議会において、開設の相談や子ども食堂への食料配付、食材費や支えあい活動保険料の助成、食品衛生の研修開催など、子ども食堂の活動を継続することができるよう様々な支援を行っております。  なお、社会福祉協議会では、子ども食堂支援と指定した寄附を受け付け、子ども食堂への支援に活用させていただいております。しかしながら、東京都の補助金の継続性や社会福祉協議会への寄附金額も一定ではないことから、子ども食堂を継続して運営するには、これまでの補助金や寄附金以外の支援も必要であると認識しております。今後は、区の福祉の向上のために活用される地域保健福祉等推進基金の活用も含め、子ども食堂の支援について総合的に検討してまいります。  私からは以上です。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナウイルスワクチンの接種会場についてお答えいたします。  四回目接種は六十歳以上の方等に対象が限定されたため、接種が七月から八月末までの二か月間に集中し、その後、対象者が大幅に減少すること、また、オミクロン株対応ワクチンの受入れに当たり、支所を中心とした会場で速やかな準備が整えられるよう、九月は集団接種会場の開設を世田谷文化生活情報センター、うめとぴあ、旧二子玉川仮設庁舎の三会場に絞りました。これにより一時的に烏山地域の集団接種会場がなくなり御迷惑をおかけいたしましたが、当該地域の接種需要は依然として高いことから、急遽九月二十三日と二十四日の二日間、烏山区民センターを開設する対応を行います。  オミクロン株対応ワクチンは、九月中旬からファイザー社ワクチンが数多く供給されることとなり、九月二十七日から区内六会場で当該ワクチンの接種を一斉に開始し、十月中旬には、モデルナ社ワクチンの会場も含め、十三会場に拡大いたします。  今年の冬はインフルエンザの予防接種も増えると見込まれるため、両医師会には引き続き個別接種のお願いをするとともに、区内全域に配置した十三の集団接種会場をフル稼働し、安全なワクチン接種体制の確保に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、マイナンバー制度、地域行政について、三点御答弁申し上げます。  初めに、マイナンバーカードで登録する公金受取口座の活用についてでございます。  預貯金口座を国に登録する公金受取口座制度は、令和四年一月からマイナンバーカードによる所得税確定申告と同時に登録ができるようになり、三月からはマイナポータル経由での登録も始まりました。報道では、九月四日時点で全国で約一千四百万件の口座が登録されているとのことでございます。  今後、給付金等の支給に当たり、より多くの方に公金受取口座を活用した迅速かつ正確な給付を受けていただけるよう準備を進めておくことが重要と考えております。このため、公金受取口座が未登録の方に向けましてはホームページやチラシなどでメリットをお伝えして登録の促進を図るとともに、御自身で登録ができるシステム環境をお持ちでない方には、各総合支所のマイナンバーカード特設窓口におきまして登録操作の支援に引き続き取り組んでまいります。また、給付業務を担う担当所管とも連携して、公金受取口座への給付金支給の手続が簡便に行えるよう事務運用等に関する調整を進めてまいります。  続きまして、マイナポイントやカードの申請支援を重層的に行うことについてでございます。マイナポイントにつきましては、各総合支所のマイナンバーカード特設窓口で、日曜、祝日、第三土曜日を除く毎日、申請支援を行っており、八月は五つの総合支所で三千二百二十九件の申請をサポートいたしました。一方、マイナンバーカードの申請は、キャロットタワー専用窓口のほか、まちづくりセンター活動フロアや区民会館会議室等を巡回する臨時窓口でお受けしてございます。  いずれの申請も対応のスマートフォンやパソコンをお持ちでない方や操作の分からない方などが取り残されてしまうことのないよう、各窓口で丁寧な支援を行うとともに、まちづくりセンター等を巡回するマイナンバーカード申請の臨時窓口の対応を強化することも検討してまいります。また、チラシやホームページで申請方法を御案内するほか、区のマイナンバー制度コールセンターでも御相談をお受けするなど、きめ細やかな対応を行ってまいります。また、まちづくりセンター窓口における申請支援につきましては、地域行政推進計画において、問合せ対応の強化や電子申請の操作の在り方と併せて実施の可能性を検討してまいります。  最後に、地域行政改革により、まちづくりセンターの仕事の転換を明確にして書き込むことについてでございます。  まちづくりセンターは、区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として、町会・自治会をはじめ、まちづくりに取り組むコミュニティーとの情報交換の機会を積極的に持ち、それぞれの活動だけでは解決が困難な課題を共に考え、取り組む役割を強化してまいります。また、まちづくりセンターは、児童館を含めた四者連携の中心となって多様な活動のネットワークづくりを進め、SNSなども活用した情報発信や交流の機会を創設し、多世代による区民参加の促進を図るなど、地区課題への対応力を高める取組も進めてまいります。  このような区民とともにまちづくりを推進する具体的な役割や取組につきましては、出張所処務規程など関連規程等に定め、地区のまちづくりに取り組む体制についても、新たな業務内容に応じて責任を持って強化してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点、初めに、稼ぐ公共として、プロジェクトチームを発足させることについてでございます。  土地や建物の資産を活用しました税外収入の意義は十分認識しておりますが、用地取得や施設建設の経緯、財源などの制約から、本来の目的、用途に基づく運用が最優先され、管理する所管においても新たな着眼点による有効活用が踏み出せていない状況にございます。そのため、税外収入の取組全般を所管する政策経営部がマッチング役を担い、今後、御紹介のありました群馬県の事例なども参考に未利用地等の情報を集約して広く外部に発信し、民間から効果的な提案を求める取組を行ってまいります。また、場所や施設等を限定せず、広く施設の空きスペースや狭小スペースなどを有効活用するアイデアを求める取組を併せて進めてまいります。  これらの取組により、スモールスタートやトライ・アンド・エラーの視点を持って庁内プロジェクトチームを組むなど、横断的に連携しながら、スペース等の有効活用による区民サービスの拡充や税外収入の確保に取り組んでまいります。併せて、今後これらの事例を積み重ねまして、その中で得た知見、ノウハウを蓄積し、提案が有効活用される仕組みづくりを検討してまいります。  次に、都立玉川高校跡地活用整備についてでございます。  旧都立玉川高校跡地につきましては、現在、仮設庁舎及びワクチン接種会場などの用途で活用しており、二子玉川地区の貴重な公有地と考えております。二子玉川駅からの大規模な商業施設をはじめ、多摩川河川敷、二子玉川公園、閑静な住宅街、そして国分寺崖線が続く娯楽、スポーツ、にぎわいのある駅周辺地区となってございます。  当該地の活用について、これまでも洪水ハザードマップで浸水が想定されている地域でもあることから、立地条件を勘案した災害対策機能や健康増進の拠点としての活用など、様々な御提案をいただいてまいりました。一方で、感染症への対応などを踏まえまして、災害時には屋内外に一定の広さの確保の必要性など、平常時、災害時を問わず利用できる施設機能の配置が必要であり、現在、区として検討に着手したところでございます。  今後、土地の取得、施設機能も含めまして、全区的な公共利用の観点から、区としての考えをまとめた上で東京都に要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎大塚 危機管理部長 私からは、災害への備えについて二点御答弁申し上げます。  初めに、集合住宅の在宅避難の支援についてでございます。  議員お話しの集合住宅への支援といたしましては、既存の住宅に対し、自助、共助の意識の醸成を図ることに重点を置き、集合住宅が避難所としての機能を果たすことができるよう自主防災組織の結成の支援などを展開してまいりたいと考えております。他自治体では、これらの支援を外郭団体の事業として実施するなどの工夫がなされており、当区においても関係機関や関係者の御意見を踏まえながら検討を進め、令和五年度からの実施を目指してまいります。  一方で、集合住宅の在宅避難推進の取組を円滑に進めるためには、まちづくりセンターを通じた各地域の集合住宅への呼びかけや、町会・自治会との連携が大変重要になってまいります。この取組を進めるに当たりましては、まちづくりセンターをバックアップする総合支所と全庁を通じた計画や支援を担う危機管理部の連携があって初めて持続可能な取組になると考えており、この取組を具体化する中で、しっかりと連携体制を構築してまいります。  続きまして、公共施設のシェルター化についてでございます。  ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮からのミサイル発射など、世界情勢が緊迫する中、都は国からの要請を受け、国民保護法に基づき、爆風などから直接の被害を軽減する緊急一時避難施設の指定拡大を進めております。区内では既に区立小中学校など九十二施設が緊急一時避難施設として指定されておりますが、区では、区民の安全安心を守るため、さらなる指定拡大に向け、現在、都との協議、調整を急いでおります。  シェルターにつきましては、海外の状況から国内での関心が高まってきていると認識しております。一方で、緊急時に区民が逃げ込みやすく、より安全を確保できるシェルターを整備する場合、一層堅牢な施設整備が必要と想定されますが、現在、国からはシェルター整備の考え方などは示されておりません。  区といたしましては、国等の動向を踏まえつつ、公共施設のシェルター機能の在り方などについて調査研究するとともに、引き続き都と連携し、地下施設を含めた緊急一時避難施設の指定拡大に危機感を持って取り組んでまいります。  以上です。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、健康寿命の延伸について三点御答弁いたします。  まず、場の整備についてです。  人生百年時代と言われる中、健康寿命の延伸は全ての高齢者の願いです。そのために高齢者が一人でも気軽に足を運べ、くつろぎ、話ができる場や身近な相談窓口の確保は重要であると認識しております。  区では現在、約三十か所の認知症カフェの活動を支援するとともに、二十八か所の徒歩でも通える生活圏内において、保健師など専門職が常駐するあんしんすこやかセンターとまちづくりセンター、社会福祉協議会、児童館の四者が連携した福祉の相談窓口を開設し、いつでも気軽に様々な相談を受け付けております。  今後も、公共施設の改築、複合化の機会を捉えたスペース確保や利用の少ない区民利用施設などの活用も含め、認知症カフェや参加型プログラムのある居場所など多様な場づくりを進め、全ての高齢者が孤立や孤独に陥ることなく、健やかに自分らしく暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。  次に、介護保険未利用者への保険料キャッシュバック制度の創設についてです。  介護保険制度は国民の共同連帯の理念に基づき設けられており、介護保険法では、介護サービス費のうち、利用者負担分を除いた費用の総額を国、都、区が賄う公費と保険料で原則五〇%ずつ負担することが定められています。  そのため、御提案のような保険料キャッシュバック事業を実施する場合、その財源はほかの方の保険料で賄う必要があること、また、対象者の条件設定によっては、必要な介護サービスの利用を敬遠される危惧があることなどから慎重な検討が必要となります。  介護制度とは、リスクの生じたときにリスクに直面していない被保険者が支える制度であり、交通事故や火災に比べて介護の必要となるリスクは格段に高いという特徴と認識しております。  今後とも、健康であり続けようと努力をしていただいている高齢者の方々がモチベーションを保ちながら介護予防に取り組めるよう、はつらつ介護予防講座をはじめとする予防事業等の充実に努めてまいります。  最後に、せたがやPayを活用した区事業のポイント制度についてです。  せたがやシニアボランティア・ポイント事業は、ボランティア研修を修了した高齢者が介護保険施設などでボランティア活動を行った場合に、一時間につき一枚のVスタンプを交付し、年間百二十枚、金額にしますと六千円を上限に、実績に応じて介護保険料の負担軽減資金として御本人の口座に支給しております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で介護保険施設等でのボランティア活動が難しい状況もございますが、ボランティアの方の中には十年以上活動されている方も多くいらっしゃいます。  御提案の内容につきましては、介護保険料の負担軽減資金であるという事業の趣旨を踏まえ、ボランティア活動されている方や介護保険施設等への環境整備なども考慮しながら、課題を明確にした上で、せたがやPayの活用も視野に入れ、検討してまいります。  以上です。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) 御答弁ありがとうございました。  地域行政についてなんですけれども、我が党が提案してまいりました処務規程が明記されたということで、今後、本当に区民のお役に立つまちづくりセンターへと変わっていくことを期待していきたいと思っております。  私からは、三点再質問をさせていただきたいと思います。  まず一点目には、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、過去にこの第五波のときですが、酸素供給が必要な方への療養センターの設置、また、第六波のときですが、PCR検査、行政検査が追いつかなかったときに、上用賀で臨時の検査場も体制が追いついていなかったということがございました。それぞれピークアウトをしたときに時期を逸していたという感じを受けました。  今般のオンライン診療の拡充も、次の感染拡大に備えてタイムリーな体制整備が不可欠であります。生活現場の最前線における肌感覚を研ぎ澄ませていくことが肝要ですが、まずは区長のリーダーシップを改めて伺います。  もう一つ、二点目には、物価高騰に負けない暮らしについてという観点から再質問いたします。  御答弁では、第二弾のマイナポイントの申請のお手伝いは五支所のマイナンバーカード特設窓口のということでしたが、足立区では、区内十六か所の会場を設けて一週間ごとに巡回をし、申請のお手伝いを行っています。誰もが受ける権利のあるこのマイナポイントです。この恩恵を受ける環境をきめ細かく整備をすべきと考えます。実施の可能性を検討している間に申請期間が終了してしまいますので、即時、地区ごとに申請手続のお手伝いの場を整備すべきですが、区の再答弁を求めます。  最後に、健康寿命の延伸についてですが、介護保険のキャッシュバックは、変化の多い時代であるからこそ、健康維持に努力されている方への恩恵について、制度の隙間を縫うような手法で考えていくべきだと思います。この介護ボランティアのように、マイナポイントやせたがやPayなどを活用した還元やシルバーパスの無料提供など、真剣に考えていくべきです。  改めて、この保険未利用者へのモチベーションアップと、社会に応じたボランティアの工夫が必要と考えますが、区の再答弁を求めます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 福田議員の再質問にお答えをいたします。  今後のコロナ対策のリーダーシップということでございます。  これまで保健所を中心に全庁を挙げた体制を構築し、区独自の酸素ステーション、あるいは社会的検査に加えまして様々な取組を、抗原検査キットの配付、高齢者等に薬局などでお渡しする等、取り組んでまいりました。折に触れて有識者アドバイザーの御意見にも耳を傾けてきたところでございます。  特にこの七月下旬から八月上旬にかけて、オミクロン株BA・5の猛威で、これまで以上に、いわば新規感染者の方が大変多く増加をいたしまして、有症状の方でも、医療機関、もともと予約が入らない、朝六時からお並びになって、それでもなかなか難しい等の声が保健所の発熱相談センターに多く寄せられているということを受け止めまして、これは全国的な現象でございました。  七月の半ばに準備に入るよう指示し、実は世田谷区で構築した仕組みは、全国あまねく見てもあまり前例がないものでございまして、準備に若干の時間を要して、八月十日よりこのオンライン診療、ピークのトップには間に合わなかったですが、かなり多い時期に地域診療機関での対面診療を高齢者の方にゆとりを持ってやっていただくような、いわばオンライン診療自体で医療機関の負担軽減のそういった効果はあったと思いますし、今後の波について、こういった仕組みを持っておけば、インフルエンザとコロナの同時、第八波ですか、こういったことがどう来るか全く予想がつかないわけですけれども、やはり地域のクリニックがもう予約が入らない、病院もいっぱいである。そして、救急車を呼んでも救急搬送先が百か所目で決まるとか、こういった状況がございます。そこを最悪を想定して、今のうちからしっかりと有効な対策を、この二年間の教訓を踏まえて、時期を逸することがないように手配をしてまいりたいと思います。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、マイナポイントの申請に関しまして、地区ごと、足立区の事例も御紹介いただきましたけれども、地区ごとにお手伝いする場を整備すべきだという再質問について御答弁申し上げます。  マイナポイントの申請につきましては、総合支所特設窓口の操作支援をこれまで以上にきめ細やかに行うとともに、分かりやすい申請、操作のマニュアル等を作成して周知をいたします。また、地区、地域を巡回してマイナンバーカードの申請、交付をお受けしています臨時窓口でございますけれども、今までこちらで行っていなかったこのマイナポイントの申請支援につきましては行うことができないか、申請期限も決まっている制度でございますので、至急検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、介護保険未利用者へのモチベーションアップと社会に応じたボランティアの工夫について、再質問に御答弁いたします。  ボランティア実績を介護保険料の負担軽減資金として支給するシニアボランティア・ポイント事業と、健康維持に努力されている方のモチベーションアップは、連動して検討することで効果が見込まれるかと思われます。そのため、還元手法と併せて検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) ありがとうございました。命とやはり暮らしを守るというこの二点で、新型コロナウイルス感染症対策については、今、区長から力強い御答弁をいただきまして、やはり時を逸すると救える命が救えなくなるというのが医療の現場のことでございますので、これは本当に第八波に向けてぜひともしっかり進めていただきたいと思います。  そして、暮らしを守る部分では、やっぱり物価高騰の対策も中の一つでもありますけれども、このマイナポイントに関しては、非常にやはり今の物価高騰にも有効な手だてでもあります。そういう意味では、どうしてもここに申請ができないでいらっしゃるという方がいることには、きめ細かく迅速に本当に行っていただきたいですので、第二弾のマイナポイントの申請が終わるまでにしっかりと進めていただきたいと思います。  以上で公明党世田谷区議団の代表質問を終わらせていただきます。 ○下山芳男 議長 以上で福田たえ美議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十六分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
        ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 代表質問を続けます。  世田谷立憲民主党を代表して、三十二番中塚さちよ議員。    〔三十二番中塚さちよ議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 台風十四号によって亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。  今月二十七日、安倍元首相の国葬が行われます。立憲民主党は、国葬を行うことについて、三権の了承なく閣議決定したことを問題視しています。我が会派も、このような国葬は中止すべきと考えます。国葬決定の経緯や国葬にかかる費用など、国民への説明責任も果たしていません。国民を分断する国葬の決定に遺憾の意を表明し、世田谷立憲民主党区議団を代表して、質問に入らせていただきます。  最初に、新型コロナ対策に関する国への申入れについて質問します。  国は八月二十四日に感染者を全数把握するかどうかを自治体の判断に任せると発表しましたが、その後、九月六日には全国一律で見直しすると方針転換し、医療現場や自治体の混乱を招いています。九月二十六日からは、詳しい報告の対象が全国一律で重症化リスクの高い人に限定されることとなりますが、先行して簡略化を行った自治体の状況に関する報道では、コロナ患者の発生届が激減して保健所の負担が減ったとの評価もある一方、自宅療養者のフォローアップで医療機関の負担は増えたとも報じられています。発生届の対象とならない軽症者や基礎疾患のない若い方などでも、少数ですが急変した例もあり、区民からは不安の声も聞かれています。  新型コロナウイルスに関しては、変異を繰り返す中で感染力の強いタイプ、ワクチンの効かないタイプ、より強い毒性を持つタイプが発生する懸念もあるなど見通しが不透明であり、自治体に判断を委ねるのではなく、方針は国で定めるべきです。新型コロナ対策に関しては、このようなことが繰り返されないよう、世田谷区は国に対して申入れをすべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、区民の暮らし底上げのための対策について、三点質問します。  一点目は、労働報酬下限額の引上げについてです。厚生労働省、国民生活基礎調査によると、二〇二一年の所得中央値は四百四十万円で、一九九六年の五百四十万円から百万円も減少しています。所得分布を見ると、五百万円未満の世帯が大幅に増えていて、中間層の所得が激しく落ち込んでいます。食料品や衣料品など生活必需品の値上げが続き、医療、介護など社会保障費の負担増も区民生活の圧迫に拍車をかけています。こうした中で、今年八月、最低賃金は三十一円の引上げが決まり、東京都は十月から千七十二円となることを受け、公契約条例による労働報酬下限額の引上げに区は早急に着手すべきと考えます。  労働報酬下限額の引上げは、特に苦境に立たされている区内中小下請企業で働く方々の待遇改善につながるものですが、対象となる労働者だけではなく、保育、介護、看護従事者の賃金の引上げなどに対しても波及の効果が見込めます。また、企業の規模にかかわらず、同一技能・技術、同一職務の労働に対し同一賃金を達成し、大企業と中小企業との格差是正につながる効果もあると考えております。区の見解を求めます。  二点目は、後期高齢者医療費についてです。後期高齢者の医療費負担増も十月から実施されます。区では、二万人以上の後期高齢者が一割負担から二割負担になると見込まれています。負担額の上限や三年間の激変緩和はありますが、受診控えにもつながりかねず、区には丁寧な周知や対応を求めます。区の答弁を求めます。  三点目に、悪徳商法による消費者被害防止策の強化について質問します。  旧統一教会問題で、霊感商法などの悪徳商法が再び注目されています。被害者の救済を目的に、国では九月五日から三十日までの間、合同電話相談窓口を開設して、法テラス等関係機関とも連携し、集中的に対応することとなっています。  我が区でも悪徳商法や特殊詐欺は継続的に発生しています。老後不安を抱える国民感情につけ込んで退職金を狙った詐欺的投資、学生や若者、女性などをターゲットとしたインターネットを介した通販、情報商材、マルチ商法など、巧妙化、悪質化し、区民が高額被害に遭うケースも後を絶ちません。二〇二一年には、多様な消費者被害に対応すべく特定商取引法が改正されています。中には返金や解約可能な場合もあり、区の相談対応の強化が期待されます。  我が会派では、これまでもリフォーム詐欺の実態と改善策などを提案してきました。対象者の属性等を踏まえた効果的な啓発と対策が求められます。所得が伸びない時代に、区民の貴重な財産を守るため、区はどう取り組んでいくか、御答弁ください。  次に、人権・男女共同参画に関する職員及び区民意識の向上について、二点質問します。  一点目は、いわゆるカルト宗教による人権侵害への視点と対応についてです。旧統一教会問題から、これまで明るみに出てこなかった宗教二世の苦悩がクローズアップされています。家族の多額の献金などで生活が困窮したり、非常識な教義を押しつけられたり、出家等によるネグレクトなど、当事者による証言がメディアで報じられるようになってきました。  区内で起こっている貧困や虐待の背景には、こうした問題が隠されている可能性にも目配りが必要と考えます。あらゆる区の相談窓口で、カルト宗教問題に対し共通の認識を持ち、頭の片隅に入れて相談者に対応することが重要です。研修等を行ったり、必要時には他機関との連携が適切、迅速に行えるよう、職員の意識向上、スキルアップを促進するよう求めます。区の答弁を求めます。合わせて、新たな差別や偏見を防ぐため、宗教全般から明確にカルトを定義する法律の検討が必要です。  二点目に、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発と子どもの権利擁護についてお尋ねします。  区では、四月より、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発の取組を検討しています。その背景には、子どもの性被害が存在しているとの区の認識があるのではないでしょうか。性被害、性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、その後の人生に大きな禍根を残す重大な犯罪です。  我が会派では、刑法改正による性交同意年齢の引上げを行うことが子どもの権利を守ることにつながると考え、勉強会や意見書作成など議論を重ねてきました。自分の身を守るための知識や人権意識を身につけたり、すぐに相談できる体制を区がつくることは言うまでもなく重要ですが、人権の認識が難しい年齢の小さな子どもも守られるよう、被害者の自助努力に頼るのではなく、性教育の推進や加害者に対する抑止力を強化することが望まれます。区の子どもの性被害への認識と今後の取組について伺います。  次に、区民生活の向上に資する世田谷区地域行政推進条例の制定について質問します。  今定例会では、世田谷区地域行政推進条例の制定が目指されています。憲法における地方自治の本旨を鑑みれば、地方自治体が自律的に行政運営を行う根拠として、地域住民が地域行政、地方政治に参画し、地域のことを自ら決定することは不可欠です。世田谷区地域行政推進条例に住民自治という言葉が書かれることは当たり前のことであり、既存の町会・自治会も含め、広範な地域住民の区政参加を進めることに特段問題があることとは思えません。  地域行政の実際の現場においては、区民主体のまちづくりという考え方に基づいて区の職員が事業に当たることが不可欠です。条例制定に当たっては、組織の役割やデジタル化の必要性だけではなく、区民にとってこの条例がどう生活に役立つのかを示すべきですが、区の見解を求めます。  次に、世田谷区が目指すべき環境・エネルギー政策と取組について二点質問します。  一点目は、自治体からのエネルギー転換を全国へ広めることについてお尋ねします。岸田首相は八月二十四日のGX実行会議にオンライン出席し、唐突に原発再延長、原発新設を打ち出しました。これは原発推進、再稼働を求める声があった自民党内ですら、増設、建て替えといった一線は超えずに従ってきた原発の依存度を可能な限り低減するという国の従来のエネルギー政策を急転換する発言です。今なお、福島第一原発では廃炉のための作業が続いている中で、安全性に疑問があり、コストアップ必須の原発新設は国民をさらに苦しめることになりかねず、看過できません。  区では、保坂区長就任以来、再生可能エネルギーの導入推進、地球温暖化対策、CO2削減に率先して取り組んできました。また、他自治体で同じ考えを持つ首長らと連携した取組も行われています。こうした成果を具体的な数字などで示していくことで、原発に依存しないエネルギー転換をやればできると広く他自治体に波及させ、さらに国に向けて発信していくことができるのではないでしょうか、区の実績と見解を伺います。  二点目に、官民連携によるCO2削減取組の推進についてお聞きします。脱炭素社会の実現には、区民、事業者、区の協働による取組の展開が不可欠です。区内には大企業が少ない中、区民と事業者、区の協働による取組を、小さなことでも広く、きめ細かく展開していくことが有効と考えます。その一つに、官民連携で進めている宅配便ロッカーPUDOステーションがあります。物流業界の調査では再配達の割合は全体の約一六%と言われており、再配達のトラックから排出されるCO2は年間およそ四十二万トンと推計されます。この取組は再配達を減らすことでCO2削減に寄与するとともに、物流業界で働く方々の労働環境の改善にもつながっている好例と言えます。  他地域では、都営住宅等にも宅配ロッカーの設置が進められています。これまで議会では、PUDOステーションには公共施設の土地の一角を民間事業者に貸すことで得られる税外収入に注目されてきましたが、こうした環境に対する効果検証とPR、さらなる推進を求めます。  次に、全ての子どもの健やかな育ちと学びを支える教育環境の整備について、二点質問いたします。  一点目に、学校給食費完全無償化の区長の決断についてお尋ねします。我が会派でも繰り返し求めてきた学校給食費完全無償化は、既に首都圏でも市川市など複数の自治体で実施されています。二十三区でも、葛飾区が九月七日、区立小中学校の給食費の所得制限を設けない完全無償化を二〇二三年度当初予算案に盛り込むと発表しました。  学校給食費の在り方については、第二回定例会での我が会派の代表質問に対し、保坂区長から、適切なタイミングで判断をしてまいる所存でございますとの答弁がありました。今がまさにその適切なタイミングではないでしょうか。来年度からの実施について、区長の決断を求めます。  二点目に、小学校学校主事業務委託の進め方の問題について伺います。このたび文教委員会で報告された小学校主事の業務委託の進め方は、性急であり、容認できません。中学校への業務委託導入の際にも慎重な対応を求め、小学校では軽々に導入することのないよう訴えてまいりましたが、その際の議論をないがしろにされており、遺憾です。  子どもたちの学校生活、学校運営をサポートする仕事でありながら、学校側から直接指揮命令系統がなく、子どもへの関わり方について指導をすると労働基準監督署から是正指導をされてしまうような形態に不安が払拭できません。一方で、民間に業務委託した場合のメリットも検討しましたが、一校当たり六十万円程度の費用削減効果とのことでした。もともと我が国では、諸外国に比べて低いと言われる子どもにかける教育予算という観点からも、この額を削減すべきとは考えられません。再検討を求めます。  次に、地域共生社会の実現に向けて、三点質問いたします。  一点目に、障害者が安心して暮らせる住まいの場の拡充についてお聞きします。現在、区では、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例の制定を進めています。条例制定の目的には、安心して暮らし続けることができる地域づくりが掲げられており、障害者グループホームなど多様な住まいの確保は、これを実現するために欠かせない重要な施策です。障害者グループホームは長らく親亡き後対策と考えられてきましたが、親の支援のあるなしにかかわらず、障害当事者誰もが地域で自立した生活を過ごすことができるよう施策を講ずることが区の責務と考えます。  区では、公有地、公共施設を活用した障害者グループホームを開設していますが、年間一か所程度の整備にとどまっており、地域共生社会を実現するためには到底十分とは言えません。今後も活用可能な物件については、障害者グループホームへの転換を推進していくよう求めます。  他自治体では、補助金支出が柔軟で、本区に比べて民間事業者の整備も進んでいると聞いています。公有地に限らず、民間も整備しやすいよう、他自治体の状況も参考に研究、検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目に、保育従事者処遇改善に向けた継続的取組についてお聞きします。東京都で実施されている保育士への家賃補助は、家賃の八分の七を国、都、区が負担するという制度であり、この制度を利用することで、八万二千円までの家賃のところに自己負担ゼロ円で住むことができるため、本区でも保育士確保に役立っています。しかし、この制度は恒久的なものではなく、単年度の事業として行われているため、保育現場からは、将来的な生活の見通しが立てられない、継続的な保証をしてほしいとの声が上がっています。  根本的な問題は、そもそも保育士の給料が低いことにあります。家賃補助ではなく、給与そのものを民間の平均賃金に近づけることが望ましいため、国でも賃上げを行っていますが、現状では乖離が大き過ぎることから、数年で追いつくものとは思えません。その間、区で継続した予算措置を行うことは難しいのでしょうか。都に対しても、区は制度の継続を強く求めるよう要望します。  三点目に、介護サービスの安定的な確保のための支援について伺います。新型コロナの感染拡大により、介護現場では人員不足、訪問の見合わせや通所の休止、ショートステイの利用制限など、在宅要介護高齢者や家族に大きなしわ寄せが生じました。現在も、現場では感染防止のための取組が欠かせない状況です。継続的な介護サービス提供が行われるよう、事業者に対し、国や都の支援制度の活用を促進するとともに、区としても、感染再拡大に備えた介護事業者への支援の取組が求められます。区の見解を伺います。  最後に、区の将来像を見据えた地域公共交通政策の在り方について、二点質問します。  地域公共交通の整備は、目指すべき区や地域社会、区民生活の将来像を実現するための手段であって、目的ではないと我が会派では考えます。例えば脱炭素社会の実現に向けて、既存のバスや鉄道なども含めた乗り入れの再編を行い、環境に配慮した小型EVバス等を導入するなどの取組でCO2削減を推進するといった地域公共交通の在り方を考えることが必要です。  また、高齢者、障害者、子ども、子育て世帯などの地域共生社会を実現するためには、ハード、ソフト両面におけるユニバーサルデザインのまちづくりを併せて推進することが求められます。商店街の取組とも連携して地域での消費を伸ばし、地域経済活性化を図ることも必要でしょう。実証実験を開始することを目的化せず、このように、目指すべき区の将来像と、区民、事業者との連携、協力について区民にも分かりやすく示すことが重要ではないでしょうか、区の見解を伺います。  砧のデマンドバスモデル事業は、これまで区の出費を伴わずバス整備を図ってきたことから、大きな方針転換となるものであり、新たに区税を支出することになるのであれば、合理的な理由や説明が求められます。特別委員会での報告では、区税に依存せず採算を見込めるだけの収入が確保できるのか疑問です。当てにしている大口の寄附が得られなかった場合はどうなるのか、七十歳以上は割引料金の百円にすると、定員の限られたデマンドバスに割引料金のお客様ばかりになれば採算は取れるのでしょうか。フレイル予防などと理由を後づけしたことで矛盾が生じています。  収支が厳しい中で、運転手の確保も難しく、新たな官製ワーキングプアを生み出すことにもつながりかねません。実証実験をやる前に、本来の目的からしっかりと考え直すとともに、デマンドバスの事業計画、予算のシミュレーションを明確に示すべきです。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中塚議員にお答えをします。  学校給食費の完全無償化の決断についての御質問でございます。  区は、これまで就学援助制度の所得基準額を引き上げ、給食費の無償化対象者を拡大をいたしまして段階的に無償化を進めてきたほか、今年度におきましては、高騰する食材費対応として、給食費一〇%相当を食材費に上乗せし、この部分を区負担とするなど、保護者の負担軽減に取り組んでまいりました。このたび葛飾区が二十三区で初めて来年度から給食費の完全無償化を実施することを公表いたしましたが、子ども・子育て応援都市としてさらなる施策の充実を目指している私としても、大変強い関心を持って受け止めております。  給食費の完全無償化の実現には、区は追加で約二十億円負担する必要がございます。これまで、ふるさと納税による大幅な税収減や新型コロナウイルス感染症拡大により区財政の見通しが不透明な状況となっているなど、財政面の課題はなお大きいものと認識しております。この間、教育分野においては、学校改築の手法の見直しで、七年間で約十二億円の削減効果を生み出しましたが、全庁の事業見直しの徹底により経費削減の積み増しを図るなど、財源の問題を整理した上で、なるべく早いタイミングで給食費完全無償化の実施の可否を判断してまいります。  以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、新型コロナ対策に関する国への申入れについてです。  議員御指摘のとおり、今般の全数把握見直し等につきましては、当初、国からの情報がないまま一部報道等により検討内容を把握するなど、対応に苦慮する場面もございました。また、新型コロナワクチンの接種間隔や優先接種の対象範囲などが二転三転したことで自治体は対応に追われ、医療機関や福祉施設が混乱したことも事実です。  新型コロナウイルス感染症は、二年以上にわたり変異と感染急拡大を繰り返しています。いまだ感染の収束が見通せない中で、刻々と変化する感染状況に臨機応変に効果的な対策を講じていくためには、制度設計を担う国、広域行政を担う都、最前線を担う区がより連携を密にして取り組んでいくことが不可欠です。  国は、今後、コロナ対策を段階的に見直していくとしています。区といたしましては、国や都に対して基本的な方向性を明示するとともに、コロナ対策の第一線に当たる保健所や医療機関に具体的な改正内容を早期に示し、現場の意見を踏まえた検討を進めるよう、機会を捉え、申入れをしてまいります。  次に、障害者グループホームの整備についてです。  区では、令和二年九月に障害者施設整備等に係る基本方針を策定し、グループホームの整備を重点課題に掲げております。現在、重度障害者を対象とした整備が公有地を活用して三か所進んでいるところです。一方で、民有地の活用の整備は、中軽度の障害者を対象とした施設が令和二年度から本年九月までに十七か所進んだものの、重度障害者の対象施設は、一定規模の土地の確保や運営経費の負担増などから整備が進んでおりません。そこで、重度障害者グループホームの整備促進のため、既存の施設整備の補助制度に加え、令和四年度からは、施設の新規、既存を問わず、重度障害者の受入れ補助制度を創設いたしました。  今後も不動産団体に対する物件情報の提供協力の依頼や、土地所有者からの相談を直接受ける体制の確保など、他自治体やこれまでの私立保育園の整備手法を参考に、民有地でのグループホームの整備促進策を検討してまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、地域行政推進条例について、条例制定により区民生活がよくなる点を明確に示せとの御指摘です。  地域行政推進条例では、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、総合調整機能を強化し、参加と協働により地区課題の解決を図る体制の強化を目指しています。  まちづくりセンターは、区民参加による地区アセスメントの実施やオンラインワークショップなど、若者や子育て世代などが参加しやすい対話の機会を創出し、防災意識の向上や防災訓練等への参加促進、地域包括ケアの地区展開における児童館を加えた見守りネットワークの強化など、地区課題の解決に向けた取組を強化いたします。  総合支所では、業務の専門性や地域の社会資源を活用し、また、本庁等の事業所管とも協議しながら計画や予算に反映させ、これまで以上に実効性のある取組につなげます。安全安心で暮らしやすい地域社会の実現という条例の目的の実現に向けまして、地区防災力の向上、見守りネットワークの強化、窓口サービスの拡充など、具体の取組を進め、区民生活の向上について評価いただけるよう取り組んでまいります。  次に、地域公共交通の整備について、区の将来像と、区民、事業者との連携、協力について分かりやすく示すことが重要だとの御指摘についてです。  区では、都市整備方針の分野別計画として交通まちづくり基本計画を策定し、誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷を理念として、交通体系や交通サービスの確立を目指し、区の交通施策に取り組んでまいりました。  こうした中、国は、地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿を明らかにするマスタープランである地域公共交通計画を定めることを自治体の努力義務とする法改正を令和二年に行い、区では、地域公共交通計画策定に向けた調査検討を来年度より行う予定です。  地域における移動手段の維持、確保は、交通分野の課題解決だけにとどまらず、まちづくり、健康、福祉、環境など様々な分野で大きな効果をもたらすことから、策定に当たっては、環境や福祉所管とも連携を図るとともに、地域公共交通の目指すべき姿や、区民、事業者との協力体制の大切さについて区民に分かりやすく示していきたいと考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 小学校の学校主事の業務委託の進め方について御答弁申し上げます。  学校主事については、中学校においては平成二十五年度より民間委託を開始し、中学校委託の評価を踏まえ、小学校は令和四年度に二校で始め、学校に対するヒアリング等を確認した上で、令和五年度には新規で一校を委託するということを御報告しているところでございます。  小学校導入に当たりましては、議会の皆様にこれまで以上に丁寧な説明が必要であったと反省をしております。今後は、御心配いただいている交通安全誘導など小学校特有の課題についても再度調査を行い、児童や保護者の声を聞くなどして連絡調整機能の強化なども含め見直しを行うなど、丁寧に御説明を申し上げながら進めてまいります。  今年度の委託校についても、学校、受託事業者、教育委員会の三者で打合せを行い、問題点を洗い出しながら検証を確実に行い、慎重かつ丁寧に進めることといたします。  以上でございます。 ◎松村 技監 私からは、砧モデル地区のデマンドバス実証運行についてお答えをいたします。  公共交通不便地域は、既存のコミュニティバス路線で活用されています小型バス車両すら通行できない狭隘道路が多いため、砧モデル地区では、ワゴン車両を活用したコミュニティー交通導入の検討を進めてまいりました。このワゴン車両は乗車人員が限定されるため、採算性の確保が難しく、運行経費の公費負担を考慮しなければならない状況となっております。一方、コロナ禍による外出自粛によりまして、特に高齢者の健康不安と人との社会的交流の希薄化が叫ばれるようになり、高齢者の外出促進に寄与する移動支援サービスの提供がこれまで以上に求められるようになったと考えております。  砧モデル地区での実証運行では、地元企業等による協賛金などの運賃外収入の確保に努めるとともに、目標利用者数を設定しまして、乗降場所の設置の工夫や地域の連携によりまして利用を促進し、可能な限り公費負担の抑制に取り組みながら、収支の精査と公費負担の在り方をしっかりと検証しまして議会に御報告をしてまいります。  以上です。 ◎工藤 財務部長 私からは、公契約条例における報酬下限額について御答弁申し上げます。  委託契約などに係る労働報酬下限額は、昨年十一月末に公契約適正化委員会から、区職員の高卒初任給相当額に期末手当を加えた額を新たな目標に設定し、一定の期間をかけて段階的に引き上げていくことが妥当との意見書を頂いております。令和四年度の額は、東京都最低賃金の二十八円の上昇なども考慮し、四十円の引上げが適当とされ、一時間当たり千百七十円としております。  既に同委員会の労働報酬専門部会では、東京都の最低賃金が十月より三十一円引上げの千七十二円となることや、八月の人事院勧告にて初任給の引き上げが示されたことなどを踏まえ、新たな目標に向けた来年度の労働報酬下限額の引上げについて活発な御意見が交わされているところです。今後、同専門部会において、特別区人事委員会の給与勧告や労働・経済情勢なども勘案したさらなる御審議の上、意見書を頂く予定となっております。  区といたしましては、着実な労働報酬下限額の引上げが地域における賃金引上げと人材確保へつながっていく効果も見据え、意見書の内容を十分尊重し、区の財政状況なども考慮した上で適切に判断してまいります。  以上です。 ◎後藤 経済産業部長 悪徳商法、消費者被害の防止のため、より効果的な啓発をとの御質問に御答弁いたします。  ここ数年、消費生活相談は年間で約六千から七千件前後と横ばいで推移し、減少する傾向はなく、被害自体が明らかになっていないケースも多くある現状がございます。こうした中、今年六月には、特定商取引法の改正により、インターネット通販サイトの規制強化なども行われました。消費生活相談員は、これらも適用しながら区民の被害救済に取り組んでいるところでございます。  悪徳商法の手口は多岐にわたり、若者ではマルチ商法、高齢者では屋根の点検商法といった、年齢層によって被害がより顕著に見られる事例もございます。このため、例えば大学などと連携した若者への啓発や、高齢者には身近な地域の事業者や区民の方々による見守り活動など、世代に応じた取組を効果的に進めるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 保健福祉政策部長 私からは、高齢者医療関連、御答弁いたします。  お話しのとおり、十月より後期高齢者医療制度における自己負担割合について、これまでの一割、三割に加え、新たに二割が導入されますが、急激な負担増を抑制するため、外来受診の負担増額を月三千円に収める措置が施行後三年間の経過措置として設けられています。対象の皆様には、既に二割になる方へというお知らせとともに、二割の負担割合を示した被保険者証をお送りしております。  東京都後期高齢者医療広域連合では、医療機関でのポスター掲示、新聞折り込み等を行っており、加えて、区としても、「区のおしらせ」での御案内やデイサービスなどへのポスター掲示をしております。今後も多数の問合せが想定されますが、区としては、丁寧な説明と周知をしてまいります。
     私からは以上です。 ◎池田 総務部長 私からは、様々な背景を抱える区民への相談対応について御答弁いたします。  経済的問題や虐待など、区の各種相談窓口を利用する区民の背景には、表面的な問題だけでなく、家族との関係や様々な人や団体との関わりなどが存在する可能性があり、また、信仰の強制や行動の制限などの重大な人権侵害が潜んでいる可能性もございます。  区の各種相談窓口を担当する各所管には、区民の抱える様々な背景をも勘案して相談を行うとともに、専門分野において支援が必要な場合に必要な連携を迅速に講じることができるよう、情報収集や職員の相談スキルの向上に取り組むよう周知してまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、子どもの性被害への認識、それと今後の取組についてお答えいたします。  自分自身が望まない性的な行為は、どんな理由、相手でも性暴力であり、尊厳を大きく傷つける重大な人権侵害です。同意のない性行為や、互いを大事にすることの理解が不足することで、加害者、被害者、関係者が被害の深刻さに気づかず、無知、偏見が原因で支援につながれずに長期にわたり悪循環に陥る場合もございます。  区では、子ども期、思春期からの性教育による正確な知識とリスク回避を人権の問題として伝えることが重要と認識しており、性に関する知識や権利意識を身につける機会、地域の中で多世代と関わる場、ワンストップ型の相談窓口へのアクセスのしやすさなど、関係機関との連携をより一層充実させていく必要があると考えております。  誰一人として、性暴力の加害者、被害者、傍観者とならないよう、関係所管と連携し、子どもの人権侵害の未然防止と早期発見に努めてまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、世田谷区が目指すべき環境エネルギー政策と取組について御答弁申し上げます。  平成二十六年以降、区は、みうら太陽光発電所の開設、公共施設の屋根貸し等、エネルギーの地産地消と、川場村のバイオマスや長野県の水力発電等の電気を区内へ供給する自治体間連携を進め、令和二年には気候非常事態宣言を発出しました。  実績でございますが、区民、事業者による太陽光発電設備の設置は、平成三十年度の七千二百四件から三年間で八千百七十三件に、区の公共施設への設置は同じく五十一件から七十件となっております。  そのほかの世田谷版RE一〇〇として、本庁舎を含む九十二施設で再生可能エネルギー一〇〇%電力を活用し、平成二十七年度から七回目となる自然エネルギー活用の自治体間ネットワーク会議は、昨年百十三自治体が参加、視聴し、情報交換をきっかけに連携が始まるなど、自治体間の相乗効果と全国への波及が起きています。  今後は、現在改定中の世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の重点施策を中心に、区民、事業者と連携、協働し、再生可能エネルギー導入をさらに推し進め、自治体からのエネルギー転換を積極的に発信してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、官民連携で進めている宅配便ロッカーの公共スペースへの設置について御答弁いたします。  区では、平成二十九年度より、官民連携指針に基づく民間提案によりまして、公共施設に宅配便ロッカーを設置する取組を進めてございます。本年七月に新たに設置しました砧総合支所を含めて現在五か所の設置となり、月間約二百五十件前後利用され、区民の利便性向上と税外収入の確保を図ってございます。  宅配便ロッカーは、このほかにも駅やコンビニ、スーパーなどをはじめとしました区内約百七十か所の民間施設等にも設置され、普及が進んでございます。また、民間シンクタンクの報告では、再配達率が一ポイント低下すれば約二万トンのCO2排出量が削減可能との試算もあり、御指摘の再配達の減少によるCO2排出量の削減やドライバーの労働環境の改善など、宅配便ロッカーの設置により、社会全体で享受するメリットについても効果が見てとれるものと認識しております。今後も事業者との協議を重ねながら、区民ニーズと利用可能な区のスペースのマッチングを図り、設置箇所の増加に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは、保育士の処遇改善の取組について、二点御答弁いたします。  まず、区が行っている家賃補助についてです。区は、国や都、区独自の処遇改善補助により保育士の給与が改善されるよう取り組んでいます。国の賃金構造基本統計調査における保育士の基本年収は、国の処遇改善等加算が始まった平成二十五年と令和三年の年収を比較すると七十二万四千円上昇しており、全職種の女性の平均年収との乖離についても、当初のおよそ三十万円程度から五万円程度まで縮小しています。  保育士等宿舎借上げ支援事業は、国の令和五年度予算の概算要求において継続が示されていますが、対象年数が見直されています。国の補助額の減額分は、都が補助することにより、保育士の家賃補助基本額である八万二千円は維持されているところです。保育士等宿舎借上げ支援事業は賃金格差の一部を補填する役割もあり、必要不可欠な事業と認識しており、継続には国や都の財源が欠かせないことから、国や東京都に対し、確実に予算措置されるよう強く要望してまいります。  次に、国や都に対して制度の継続を強く求める点についてです。国は、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策として、令和四年二月から九月までの間、保育士の給与三%に相当する九千円程度の賃金改善を行うための保育士等処遇改善事業を実施し、区においても本事業を活用し、保育士の処遇改善に努めています。  十月以降の対応については、国は、公定価格の見直しにより同等の措置を講じるとしており、また、この間、国の対象施設になっていない保育施設事業においては、東京都の運営費補助等独自の支援が示されており、区ではこれも活用しています。  引き続き、保育士等宿舎借上げ支援事業と併せ保育士の継続的な賃金改善が図られるよう、国や東京都に対して働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは、介護サービスの安定的な確保のための支援について御答弁いたします。  長引くコロナ禍において、介護サービス事業者が感染予防対策を講じながらサービスを継続していただいていることは、介護を必要とする高齢者の暮らしを守るために大変重要なことであると認識しております。  介護サービス事業者への支援策として、感染者の発生に伴う衛生用品の購入費や感染性廃棄物の処理費用、入所者や職員を対象とした自費検査に関わる費用等の補助を都が既に実施しているところです。  また、区においても、区内介護サービスを維持するための取組の一環として、利用者または職員に感染者が発生した際の設備の消毒、職員の感染等による人材確保のための職業紹介手数料や割増賃金等のかかり増し経費の補助を昨年度に引き続き実施する準備をしているところです。  こうした介護サービスを安定的に提供していくための補助等の制度について、介護サービス事業者が有効に活用できるよう、一層の周知と丁寧な説明に努めてまいります。  以上でございます。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 御答弁ありがとうございました。  今回の私どもの代表質問では、実質賃金が上がらない中で社会保障費の負担が上がり、また物価高が区民の生活を非常に苦しくしていると、そうした認識に基づいて、いかに区民の生活を守っていくか、ここに主眼を置いた質問を多くさせていただきました。そうした中で、労働報酬下限額の引上げについては早急に取り組んでいただきたいと、前向きな御答弁をいただいたと思いますので、ぜひ着実に進めていっていただきたいと思います。  もう一点、区長からも答弁がありました学校給食費、これもまさに本当にあらゆる世帯の家計への影響の大きい課題と思っています。  いただいた答弁については、第二回の代表質問に対しての答弁であったり、あるいは公明党さんへの答弁にも、なるべく早いタイミングで判断していくような答弁だったんですけれども、最後のほうに、区長のほうからなるべく早いタイミングで実施の可否を判断してまいるという一言がありまして、じゃ、実施の否という判断があるのか、私はちょっと驚いているんですけれども、もう一度、それについて確認させてください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  他会派からも、給食費の完全無償化についての決断、これはいつなんだと、そのありようはどうなのかと、財源についてはどうなのか、いろいろ質問が続いております。  可否と申し上げました。なるべく早いタイミングまでは一緒なんですが、可否という言葉が入っていたのは、要はやるかやらないか、これが可否ですよね。ですから、まず給食費完全無償化に対する決断をする前に、もちろん財源も含めてですが、子ども・子育て施策の総合的なグランドビジョンを組み立てようとしております。様々な御意見があろうかと、議会からもいろんな意見が、また、議会外の区民からの意見もあろうかと思います。それらを全部酌み取った上で、これはなるべく早いタイミングですから、そう遅くなくしっかり判断をしていきたいということでございます。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 多くの会派から、前回の定例会からもこの質問が出ております。ぜひ早いタイミングで、実施の否というような判断が下されないことを願っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  終わります。 ○下山芳男 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、三十五番大庭正明議員。    〔三十五番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆三十五番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して質問をします。  区立学校給食完全無償化について再度強く求めるものですが、保坂区長はまだ決断がつきませんか。他会派の質問と重なりましたので、ここでは今どうして区立学校給食完全無償化なのかの議論は省きますが、実施する場合、財政的にどのように可能なのか、この部分について絞ってお聞きいたします。  完全無償化については、新たな追加予算は約二十億円だそうですが、その資金をどうやって調達、調整するのか伺います。具体的に何を削って給食費に充てるのかという説明を求めます。  保坂区政において、行財政改革が進まないことに私たちは強いいら立ちを覚えております。区立学校給食完全無償化について再度強く求めることは、必要な改革を実行させ、そのために無駄な支出を削らせる、まさにプッシュ型の行財政改革であり、先取り改革であります。財務実務の責任者に詳細な答弁を求めます。  次に、地域行政推進条例について伺います。  この条例案は、誕生の経緯からして、二転三転している非常に腰の定まらない条例であります。ようやく本年五月に、条例の目的など基本的な見直しを図り、条例素案が出てきたのですが、実はそこからまたまた変わって出されたのが九月六日の特別委員会での本条例案です。条例の中身がころころと変わり、挙げ句の果てには、条例の目的を基本的に見直したとはどういうことでしょうか。  そもそも条例の目的を基本的に見直すとは、つまり、別物の条例ということであります。にもかかわらず、世田谷区地域行政何とかという条例名だけは続けているわけです。五月二十七日版の第一条(目的)と九月六日版の第一条(目的)の違い、変更理由について説明を願います。  二つの条例案とも区政運営の基盤である地域行政制度の、ここまでは同じですが、その先が、充実強化について必要な事項、が改革について必要な事項、に変えているのです。どう違うんですか、教えてください。さらに、区の責務に関する条文も変わっています。  このように、五月から九月にかけて、実質数か月で条例の目的も内容も、基本的な見直しを図らざるを得なかった条例案は、まさに条例を通すことだけが目的化しているのではないでしょうか、お答え願います。  区役所とは、大きなくくりで言えば、区民から見える部分としての手続系と相談系と二つのラインがあります。もしくはその二つが重なっている部分もあるでしょう。それをこの条例案ではごっちゃにしているから、何でもかんでも窓口を増やすようになっているのではないでしょうか。  行政手続系は、この条例案では、いわゆるDXもどきのような感じで何となく逃げていますが、地域行政部が本当に現在のDX事情と、役所内のIT環境のお粗末さを理解しているでしょうか、お答えください。  そもそも地域行政制度なる制度はありません。これは何回も申し上げていることですが、世田谷区には基本構想があり、その下に基本計画があり、その中に多くの分野における計画があります。それらが、本庁、総合支所、まちづくりセンターの各現場を通じて執行され、区民の皆さんにたどり着くのが地域行政です。  また、見えにくい行政というのもあります。それは直接区役所の職員と窓口で接触や関係を持たない部分です。ちょっと前、ある缶コーヒーのCMで、地球は誰かの仕事でできているというのがありました。区民の皆さんが歩く道路にしろ、農業公園にしろ、それこそ制度にしろ、いわゆる世田谷区の社会インフラがさきに挙げたそれぞれの計画の中に位置づけられているわけです。もちろん実際に働くのは請負工事の業者等でありますが、すなわち、地域社会の必要な部分は区役所の誰かの仕事でできているのです。それは当たり前のことですが、区民の皆さんにはあまり意識されないか、知られていません。  ここで申し上げたいのは、区民から比較的見える地域行政としての手続系、そして相談系がある一方で、区民には見えづらい系というか、意識されない地域行政というものもあるわけで、それらがいろいろと絡み合って地域行政と呼ばれるものを構成しているのだと思います。その絡み具合がうまくいっていない、不協和音を生じている、それが地域の課題として浮かび上がってくるのではないでしょうか。  地域行政とは、何から構成されているのか、それが地域の人々にどういう関わりを持っているのか。そういう区分けをしないで、手続系、相談系、インフラ系等を一緒くたにして地域行政と称し、行政サービスの改革を行うなどと前文で書いてあること自体が机上の作文なのです。どうせまた地区アセスメントとか漠然とやるのでしょうが、漠然とやっても何も得られません。地区アセスメントについてお答えください。  また、四者連携とか称して、今年度は会議体をつくるそうですが、指示系統が不明のままくっつけても何が変わるのですか、教えてください。  既に予算委員会でも、地区の区分けが不自然で、人間の動線に反しているのを放置したままやるのは、計画倒れになる可能性が高いと申し上げております。区民の活動動線に反している地域を残したまま、いわゆる詰めの甘いまま条例をつくれば、それが混乱の元にならないでしょうか、担当者に伺います。  いずれにしても、これ、全部DXの対象課題となります。手続系のDX、相談系のDX、インフラ系のDXの推進を上から打たなければ、地域地区に響かないのが区役所なのです。上から打たなければ、というのは、トップがリードしなければだめだということです。このことについては次の質問項目で触れます。  さらに、条例案にくっついていた推進計画のいいかげんさについても一例質問します。  推進計画では、地区まちづくり支援職員制度というのが載っていて、こう書いてあります。地区まちづくり支援職員(管理職)制度を評価検証し、まちづくりセンターにおける地区アセスメントの作成支援など、管理職の経験、知見を生かせる仕組みを整備します。この表現では、まるで管理職がまちづくりセンターに張りつくような印象ですが、しかし、実は最後のほうに用語解説というページがあり、そこでは地区まちづくり支援職員制度というのがこう説明されております。「区の職員、課長級職員及び希望する職員が」とあり、ここで管理職だけではないことになっております。さらに、「該当の職員は各地区のまちづくりセンターに配置され、年に数回程度、地区のまちづくり活動に従事する」とあります。年に数回、管理職あるいは希望する職員が地区まちづくり支援職員制度の実態なのです。これが権限の移譲なのでしょうか。権限なくして地区の体制の強化などできるのでしょうか、お答えください。  これでは、地域のお祭りやイベントに参加することで、現状と何も変わらないのではないですか、何が変わるのか、お答えください。(「何も変わっていない」と呼ぶ者あり)そのとおりです。  次に、DXについて伺います。  さて、行政でも議会でも今や普通に語られるようになったDX、デジタルトランスフォーメーション、日本語ではデジタルによる変容となるようですが、いま少し調べてみると、経済産業省のDX推進ガイドラインにたどり着きます。そこでは、DXとは、データとデジタル技術を活用し、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化の風土を変革し、競争上の優位性を確立することと定義されております。業務や組織、プロセス、企業文化の風土を変革するなど、一朝一夕でできるようなことではありません。ともすると、DXを区民の立場から捉え、スマートフォンを利用しながら、お手軽で便利なサービスがどんどん出てくるものだと受け取りがちですが、それを実行するほう、すなわち、区役所側に立つなら、まさに行革そのもの、デジタル行革をなさねばなりません。  言うまでもなく、経済産業省のDX推進ガイドラインの対象は明らかに民間企業であります。そして、DXの必要性は、二〇二五年の崖問題が根拠となっております。二〇二五年の崖問題とは、日本の企業の既存システムがここ数十年にわたり複雑にカスタマイズされ、その維持のために多くのコストや人的リソースが費やされ、新規分野に資源が投入できなくなって袋小路に陥っていることを指します。このまま既存システムを放置していると、日本の国際競争力が低下し、日本経済が没落するということだそうです。この問題は過去の決算委員会でも他会派が取り上げていますが、今回の質問は既存システム云々の話ではありません。  先ほど述べた経済産業省のDX推進ガイドラインは、早い話、これをやらなければ、会社、つぶれちゃうよという危機感に裏打ちされております。では、行政はどうなのでしょう。DXをやらなければ、行政はつぶれるのでしょうか、区役所はなくなってしまうのでしょうか。つぶれません。区役所はなくならないんです。旧態依然でも構わないんです。実はそこが行政におけるDX推進の最大の障害なのです。むしろ職員レベルで考えると、なぜDXを推進するのか分かっていないと思います。  実は、もう二十年くらい前のことですが、当時は臨時職員というのでしょうか、相談を受けたことがあります。その方は女子大を出て銀行に就職し、その後、結婚退職していたのですが、世田谷区の臨時職員募集を知り、採用され、その当時の出張所に配属されたそうです。相談の内容は、出張所を訪れる人の中に、聴覚に障害がある人がいたので、筆談のスペースを設けるべきだと提案したり、逆に声が大きい高齢者には、プライバシーを守るようブースを作るように提案したり等々、いろいろと気がついたことを実践していったそうです。  彼女にとっては、公共という仕事にやりがいを感じていたのだと思います。しかし、ある日、係長に呼ばれました。そして、こう言われたそうです。あなたが動き回ると仕事が増えるんだ。私たちは定時で帰れるから文句を言わずに仕事をしているんだ。残業代も年間で決まっているんだし、所長から言われたとおりやっていればいいんだ。臨時の人があまりかき回さないでよ。彼女は頭にきたそうです。住民が喜ぶことを、住民が便利だと思うことをどんどんやるのが公務員であり、公共の福祉向上につながるはずだ。そのことに制約などあるはずはないと。そして、そのことを所長に訴えたそうです。  しかし、所長はこう答えたそうです。あなたの言うことは分かる。しかし、あの係長がこの出張所を回しているので、彼の機嫌を損ねるといろいろとね。分かってよと。まさしくなすすべなくという状況で、私のところに来たということでした。その後のことはここでは省きます。これは二十年以上前の実話です。現在の話ではありませんが、どうでしょう。  それでは、現在の話をしましょう。松村副区長が就任される数か月前の予算議会で、世田谷区の基本計画、これは八年にわたる長期計画で、昨年度で終了したのですが、その計画の達成率は四割前後なのです。少し詳しく説明すると、八年計画は前後四年で区切られており、前期、後期とも四割前後なのです。つまり、申し上げたいのは、コロナの影響があったから特別ということではないのです。二十年前の出張所での出来事、そして、現在の区役所の長期計画に対する姿勢をお話ししました。その上で、改めてDXを行政において、この区役所において実現できるのか、松村副区長に伺います。  長期計画達成四割でも責任を問われない。それでいて、誰一人取り残さないで定年まで保障という組織にあって、DX推進の原動力は何なのでしょうか。実は、このDXの推進について保坂区長は、令和二年十二月の定例会で、他会派の質問に対してこう答えています。DXを契機とした改革は、各種手続の電子化、自動化によって区民に時間を返すこと、区の職員にとっても、ここで定型的な事務処理に追われていた時間が短縮する、その生まれた時間で区民の課題に向かい合う、そういう方向性で進めたいと思う。約二年前の発言です。  まさしくそのとおりですが、何か変わったでしょうか。Re・Design SETAGAYAと英語っぽく称して宣伝はしていますが、何か実行しているでしょうか。区民サービス以前の区役所内での手続において、電子化、自動化への通達を区長は出しましたか、お答えください。  先ほどの二十年前の話からすれば、上からの指示がなければ公務員は動かないのです。係長は所長の命令がないと動けない。しかし、上位下達のシステムが甘いので、係長の機嫌を損ねると組織が回らないジレンマに陥る。さらに、デジタルスキルギャップが管理職と若手職員との間で逆転している。つまり、区役所の中でのDXが進まない理由が山ほどあるわけです。  その区長が、他区では存在も意識もされない当たり前のような地域行政推進条例なるもので、区民サービスが向上すると盛んに喧伝しているのですが、現実は逆です。DX問題の解決に取り組んでこそ、地域行政の推進につながるのです。  九月九日に東京都は、東京のDX推進強化に向けた新たな展開を発表しました。小池都知事と宮坂副知事の二人で、その内容をかなり詳細に説明されております。そこでは、これまでの延長線上にはない東京全体のDXを推進するための新たな展開を発表とありました。いいですか、これまでの延長線上にない東京の全体のDXです。  片や世田谷区は、地域行政推進条例という三十年前の制度設計を掘り起こし、その上塗りをこれからしようとしているのです。これまでどころか、古いかなたの区政の延長線上にDXを捉えようとしているのです。東京都が全部が正しいとは言いませんが、世田谷区は時代に逆行しているのではないでしょうか。  DXに関しては、東京都は活動拠点を都庁の外部に置くそうです。そのことに関して宮坂副知事は、九月十三日の都政新報でこう述べています。求められるスピードに対して、行政では限界があると痛感している。例えば、民間のIT系企業では事業評価を年四回行い、事業配分もすぐに措置できるものに対して、行政の場合は、事業評価も予算措置も原則年一回という違いがある。給与面でもトップ経営者層が億を超える年俸の民間と行政では差が大きく、行政内部の取組はこうした競争には不利だということです。  世田谷区のRe・Design SETAGAYAのコンセプトにはこう書かれております。DXは社会全体を変えていきます。先行して変化している人々の生活に地方自治体、つまり、世田谷区が追いつかないといけませんと。しかしながら、東京都の内部にいる宮坂副知事は、今回、行政内部ではDXは推進できないと喝破しているのです。そこで出てきたのがやはり事業評価です。  要するに、四割行政のトップでは、DXやDXの推進など到底できないということになりませんでしょうか。行政のDX推進の手法は東京都のまねでいいと思います。むしろ財政力勝負というところもありますので、東京都の仕組みを取り込み、また、東京都も財団を通じて提携することを推奨しています。  松村副区長は、宮坂副都知事と面識が既にあるとのことですが、はっきり言って、区立小中学校の給食無償化について、今回もやるという決断ができない。そんなトップの下で、先行して変化している区民生活に行政がついていけるでしょうか。この点について、松村副区長の考えをお聞きしたいと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 学校給食完全無償化の財源について御答弁いたします。  学校給食費の完全無償化には追加で約二十億円の予算が必要となり、総額では約二十七億円の大規模な財政負担が生じるため、税収増や基金財源に頼ることなく、今後の財政見通しを踏まえた安定的な財源の確保についてしっかり見極める必要があります。  今般、今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)では、これまでの子ども政策を総合的な視点で組み替えることをお示ししております。また、行政経営改革においては、十の視点に基づく取組の着実な推進にとどまらず、将来への負担が大きい公共施設の改築改修などの一層の効率化、DXの視点での抜本的な事務事業見直し、実効性の高い税外収入の確保など、全庁的な取組を積み増していくことが必要です。子ども・子育て施策の充実という観点から、引き続き財源確保の方策を追求した上で、区議会からの様々な御意見、御要望も含めて整理し、区長の判断を仰いでまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは地域行政推進条例について順次お答えをいたします。  最初に、条例案第一条、条例の目的の変更について、また、充実強化から改革への変更について併せて御答弁申し上げます。  地域行政推進条例案において、多岐にわたる地域課題の解決に向けて、身近なところでの区民生活の支援の必要性が高まっている認識の下、区が区政の課題解決を図る体制を強化し、地域の実態に即した総合的な行政サービスとまちづくりを進めるという基本的考え方については、条例素案の検討段階から一貫してお示しをしています。この間の区議会の議論をはじめ、庁内検討、パブリックコメントの御意見を踏まえ、条例の前文や目的、基本方針について、規定の内容をより明確にする観点から見直しを行ってまいりました。  第一条、目的については、地区を要とし、地域行政制度を改革する観点から、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点と位置づけ、区が区政課題の解決を図る体制を強化することを条例の中心に据えることとし、第一条の目的の規定を見直しました。  また、第四条の基本方針や第五節、区の体制の強化において、まちづくりセンターなどの機能の充実強化のみならず、総合支所が地域の行政拠点として、地域経営を担い、本庁と一体となって施策を実施する体制の確保、必要な権限の配分と組織体制の整備、人員体制強化など、いわゆる執行体制の改革にも取り組むこととしたことから、改革という表記をさせていただいたものです。  次に、条例が目的化していないか。この条例により何が変わるかとのお尋ねです。  地域行政推進条例案では、安全安心で暮らしやすい地域社会を実現することを目的とし、まちづくりセンター及び総合支所の機能の充実強化の内容を具体に規定しております。まちづくりセンターでは、窓口サービスの拡充や地区課題への取組の立案、総合的な調整、防災意識の向上や防災訓練等への活動支援、地域包括ケアの地区展開における児童館を加えた見守りネットワークの強化などの地区の課題の解決に向けた取組を強化します。さらに総合支所は、業務の専門性や地域の社会資源を活用して地域経営を担い、本庁等の事業所管とも協議しながら、計画や予算に反映させていきます。
     本条例では、前文で身近なところでの区民生活の支援の必要性が高まっている、との課題認識を記載した上で、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点と位置づけております。条例を制定することにより、地区防災力の向上や窓口サービスの拡充など、区が取り組むべき内容と地区地域の体制の強化など、地域行政制度の改革に関する区の姿勢について区民に明確にお示しし、区として行政サービスの拡充とまちづくりに着実に取り組むことができるものと考えてございます。  以上です。    〔松村副区長登壇〕 ◎松村 副区長 私からはDXに関して二点お答えいたします。  まず、区職員の皆さんにどうやってDXを理解してもらって、邁進させるかという御質問についてです。  私は、前職におきまして、地方の疲弊した自治体というのを幾つも見てまいりました。どこの役所も、少子高齢化、働き手不足、財源不足の中で悪戦苦闘されておられました。幸いにして、世田谷区に来ますと、まだ時間的猶予はあるように感じております。ですが、私は相当な危機感を今持っております。  六月に着任して以降、各部長や若手の皆さんと「ザツダン」や意見交換をしてまいりました。それらを通じて私が感じたのは、DXを推進するに当たりまして、何となく変わらないといけないんではないかと感じてはいますが、何を目的にすればよいのか分からない。また、通常業務に忙殺されていて、企画立案、学習をする余裕がない方が多いのではないかということでございます。現在の業務プロセスを前提としたペーパーレス等のデジタル化は進めながら、何を目的とした仕事なのか改めて整理し、目的達成を効率的に進めるという意識改革を進めていくのが、御指摘のとおり、課題だと強く感じております。  そのためには、まずDXの必要性や各業務の目的を明確にした上で改善していくという内容の、DXマネジメント研修というのを管理職の皆さんに受けていただきました。また、その動画を全職員を対象に公開しております。さらには、DXの担当部につきましては、ICTの支援をするためのICT環境の整備や、業務効率化支援を進めるようにというふうに指示を出しております。  また、DXを理解し、自ら推進するためには、実は小さくていいので、成功体験を積み重ねて、それを周りと共有していくということが不可欠なんですが、そのために、職員が主体的な判断と自由な議論が安心してできる場づくり、そして失敗を恐れずトライする組織づくりというのが大事になります。そのために、私自身もトライ・アンド・エラーを重ねながら取り組んでまいりたいと思います。  続きまして、二点目です。都と一体となってDX推進に努めるべきという御質問です。  九月九日に東京都が政策発表会におきまして、GovTech東京という新たな団体を来年設立するという構想が打ち出されました。都と区市町村を含めた東京全体のDXを効果的に進める新たなプラットフォームとして、DX推進を牽引していくというもので、私としましても非常に野心的な取組だと評価しております。この新団体を活用し、都と区市町村が協働する新たな枠組みとしまして、デジタル人材のシェアリングや共同調達の仕組みをつくるなど、展望を打ち出しております。  世田谷区を含む都、区市町村としましては、実はこれまでも、法人格はありませんが、東京電子自治体共同運営協議会を設置しまして、職員派遣を含めて各自治体の協働事業としまして、電子申請サービスや電子調達サービスの共同調達や運用など、二十年に及ぶ実績がございます。さらには、特別区協議会において、特別区のスケールメリットを生かした業務効率化検討会というのを二年がかりで取り組んできたところでございます。この中でシステムなどの共同調達の仕組みづくりなどを検討しているところでございます。  今回のGovTech東京はまだ構想が発表されたばかりで、具体的な検討はこれからです。二十三区で先行した先ほどの二年間取り組んできた研究調査を基に、具体的な協議を始めることになると考えており、都のほうもそのように御認識いただいております。今後、都と連携してDXを前進させてまいりたいと思っております。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 私からは地域行政推進条例につきまして五点御答弁いたします。  まず、DX事情や庁内のIT環境を理解した上での条例案かということについてでございます。  地域行政推進の取組では、まちづくりセンターにおいて、総合支所や本庁に行かなくても、相談や手続が可能となるよう、DX推進方針に基づく取組に位置づけて推進してまいります。実施に向けましては、新たにまちづくりセンターの通信環境を整備するとともに、自宅やモバイル機器で申請等が困難な方なども、相談や手続がスムーズに行えるよう、DX推進担当部とも連携し、オンライン会議ツールなどのソフトウエアや機材などをモデル職場に導入し、運用を評価した上で全地区に展開してまいります。  また、自宅やモバイルなどによりまして、来庁せずに行政手続を行うことができる仕組みにつきましては、現行の電子申請の仕組みやマイナポータルの利用促進を図るとともに、問合せ対応や区民意見の集約などのデジタル化については、最新技術や利用しやすいシステムを調査検討して、全庁的な推進体制の下に取り組むこととしてございます。  次に、地区アセスメントをどのように行うかについてでございます。  地域行政推進条例案では、まちづくりセンターは、地区の状況及び課題を明らかにし、これを区民と共有すると定め、区民参加による地区アセスメントを作成します。これを基にまちづくりセンターが課題への取組を立案し、区民等との協働による課題の解決や総合支所、本庁による施策や計画の策定につなげてまいります。現在の地区アセスメントは、地域包括ケアの地区展開を契機に、福祉分野を中心に三者連携において作成しておりますけれども、今後は、まちづくりセンターがより広く地区の課題を掌握するため、地区の現状や社会資源、共通する課題を捉え、課題解決の方向性なども見据えて作成し、活用してまいります。  続きまして、四者連携による会議体についてでございます。  地区におきましては、相談事例などから見えてくる地区課題の解決に向け、社会資源開発や活用の調整を行う三者連携会議を実施してございます。今年度から児童館を加えた四者連携に移行しており、子ども・子育て分野のネットワークと高齢者福祉やまちづくり、防災の分野などとの連携を一層進め、多世代による地域参加の促進を図り、地域の課題解決力を高めます。この四者連携会議は、まちづくりセンターが中心となって、福祉の相談窓口に寄せられた区民の困り事や、それぞれの事業を実施する中から把握した課題を共有し、解決に向けた方向性、解決手法などを取りまとめます。また、四者連携会議の結果を踏まえ、総合支所や関係所管と取組の調整を行ってまいります。  続きまして、区民の活動の動線に反する地区の区割りを残した条例づくりでは、区民の混乱にならないかということについてでございます。  地区の区分については様々歴史的な経緯があり、町会・自治会の範囲や道路、河川なども考慮した区域割として、この区域割を見直す場合は、人口や面積のほか、地域コミュニティーの状況や行政施設の整備なども勘案し、地域住民との検討を重ね、理解を得る必要がございます。働き方の変化やデジタル化社会を迎える中で、区は、区民生活が多様化し、生活エリアが拡大することによる様々な区民ニーズを捉え、施策を推進する必要がある一方で、安全安心な区民生活を実現するため、身近な生活圏である地区の防災対策や、複雑化する福祉課題への相談支援を強化していくことが重要と考えます。  このため、地域行政推進条例案では、これまで活動の蓄積がある地区の単位で、まちづくりセンターが中心となり、地区の活動団体の支援や多様な活動団体による交流連携を進め、また、児童館のネットワークとも連動させた地域包括ケアの地区展開の充実を図り、防災力や福祉の対応力を強化した地域づくりを進めていくこととしてございます。  最後に、地区まちづくり支援職員制度は権限移譲なのか、地区の体制強化につながるのかについてでございます。  昭和五十八年に誕生しました区民主体のまちづくりを進める身近なまちづくり推進委員制度、現在は協議会としてございますけれども、この制度を区職員として支援するものとして、庁内の課長級職員や公募による職員が各地区のまちづくりを支援する制度が地区まちづくり支援職員制度でございます。  支援職員の活動内容は地区により様々ではございますけれども、採用三年目から五年目の若手職員による地区まちづくり担当職員とともに、地区の行事や定期的な活動に参加して、運営の一部を担っております。今後でございますけれども、必要に応じて、権限に属する事務の配分を行ってまいりますけれども、まちづくりセンターが実施する地区アセスメントの作成や、地区課題への対応を立案する取組等におきまして、管理職の支援職員の関わりを強め、経験や専門知識を生かすなど、支援職員制度の改善を図り、まちづくりセンターの課題解決力を強化してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からはDX推進における区長の指示等について御答弁申し上げます。  区のDX推進につきましては、区長の指示により世田谷区DX推進方針Ver・1を策定するとともに、世田谷区未来つながるプランの第四章において、DXの推進といたしまして、二年間の重点取組によりオンライン手続、相談等を拡充していく方針等を庁内外に打ち出しました。さらに、こうした方針や計画に基づく電子申請の拡充やキャッシュレス決済の導入、DXの推進を支える人材育成などの具体的な取組について、区長の命を受けまして庁内への依命通達、また、部長会での周知などを図り、全庁挙げて取組を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆三十五番(大庭正明 議員) DXのトップは誰なんですか。松村副区長なんですか、それとも保坂区長なんですか。まずそれを答えていただきたいと思います。  それから、地域行政推進条例の第二十一条に、この条例の施行に関し、必要な事項は区長が定めるとあります。必要な事項は区長が定める。(委任)と書いてあります。これは誰が誰に対する委任だということなんですか。しかも、委任の内容は、先ほど岩本副区長が言われたような包括的な全てのことに関することに関して、全てを区長が決めることができるというふうに、これは条例で書いてあるように解してよろしいのか。まずこの二つについて質問します。 ◎松村 副区長 御質問ありがとうございます。先般八月、CDOということで、DXの最高責任者、松村ということに決めましたので、私が最高責任者だというふうにお考えください。  以上です。 ◎舟波 地域行政部長 条例の委任の関係でございますけれども、具体的な詳細につきましては規則等で定めるということで、これにつきましては区長の決定の下で委任するという趣旨でございます。  以上でございます。(「誰から誰に委任するのかと聞いているの。誰にと聞いたでしょう。誰に委任するのか、誰に」と呼ぶ者あり) ○下山芳男 議長 答弁漏れはありますか。 ◎岩本 副区長 条例化するに当たり、一般的な委任条項としまして、条例の下に規則を定めますけれども、規則に委任するという意味でございます。規則については区長決定で記載させていただく。具体的な取組事項について規則で定めるという趣旨の規定でございます。  以上です。 ◆三十五番(大庭正明 議員) だから、具体的なことがよく分からないんですよ、推進条例についてはね。区長がこれから勝手に決めると。勝手というか、区長の判断で決めるようにこれはなっていますから、この条例案ではね。  それから、松村副区長、それは間違っていますよ。DXのトップは区長なんですよ。区長がDXの意味を分かっていなければDXは成功しない。これはもう当たり前なんです。選挙で選ばれたトップがDXの責任者でなければいけないと思うんです。共同でもいいと思いますね。答えてください、もう一度、区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再々質問にお答えします。  もちろん選挙で選出された私が区政全般の責任者です。DXに関しては、デジタル技術の活用だけではなく、大庭議員言われたように、あらゆる仕事の発想、組織の組み方、事業の展開の仕方、全ての改革であります。ですから、そういった視点で、松村副区長をDX専管で登用し、CDOとして大いに手腕を発揮していただけるように、区政全般を見渡しながらこれを推進してまいります。 ○下山芳男 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十八分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、四十九番阿久津皇議員。    〔四十九番阿久津皇議員登壇〕(拍手) ◆四十九番(阿久津 皇 議員) 質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  去る七月八日、安倍晋三元内閣総理大臣が参議院議員選挙の演説中、凶弾に倒れました。誠に痛惜の念に堪えません。このたびの蛮行は、民主主義の根幹を揺るがす卑劣極まりない行為であり、断じて容認することはできません。私たち自由民主党世田谷区議団は、暴力に訴えるあらゆるテロ行為を許さない社会をつくるため、全力を尽くす決意をここに改めて表明いたします。  三千百八十八日という憲政史上最長の在任期間を数えた安倍晋三元首相は、強いリーダーシップの下、教育基本法の改正、防衛省の創設、国民投票法の制定、さらには、アベノミクスと呼ばれる経済政策によって雇用を改善し、デフレ脱却と経済成長に道筋をつけました。安全保障面では、日米同盟の強化、国家安全保障局の設置、集団的自衛権行使の限定的容認、さらには平和安全法制の整備など、大きな成果を残しました。  また、TPPによる自由貿易の国際ルールづくり、自由で開かれたインド太平洋構想の推進、QUADの制度化など、外交面でも大きな成果を残し、我が国が直面する諸課題の解決に向け、全身全霊をかけて取り組まれました。志半ばとなりましたが、自由民主党はその遺志を継ぎ、現下の不安定な国際情勢や、感染症、大規模災害の脅威に負けない強い日本をつくり、豊かな未来を創造するため邁進してまいります。  また、我が区を取り巻く状況に目を向けると、コロナ禍前には、二〇二〇年代後半に百万人を超えると見込まれていた区の人口は、現在の九十二万人をピークに減少するとの推計であり、急速な高齢化の進展が見込まれます。加えて、頻発化し、激甚化する豪雨などの自然災害、いまだ終息に至らない新型コロナウイルスとさらなる未知の感染症、緊迫する安全保障環境への備えなど、過去に類を見ないほど先行きが不透明になっています。  このような厳しい環境において、我々自由民主党世田谷区議団は、世田谷区が五十年、百年と持続可能な社会を構築するという視点に立った政策を推し進める必要があると考えます。激しい変化が起こり、これまでの常識が覆されるVUCAと呼ばれる時代を生き抜くには、一人一人が自立し、新たなテクノロジーを使いこなし、常に学び続け、自ら将来を切り開く強さを身につけることが必要だとされています。この国を背負っていく子どもたちが将来に夢や希望を持てる世田谷区とするため、行政の役割は、区民一人一人の自立を支え、サポートしていくことであるという考えの下、順次質問をしてまいります。  まず少子化対策について、出産一時金等の増額について伺います。  持続可能な社会の構築には、労働生産力を維持し、社会保障制度を支えるバランスのよい人口構成を維持していく必要があります。区における合計特殊出生率は令和二年に〇・九九となるなど、深刻な少子化に陥っています。区は、子ども・子育て応援都市を宣言し、世田谷版ネウボラによって妊娠期からの切れ目のない支援に取り組んでいますが、少子化に歯止めをかけるには至らず、よりインパクトのある政策を打ち出す必要があると考えます。国においても、出産一時金の増額に向けた議論が行われているところでありますが、区としても、出生率の改善に向け、第三子以降に限定せず、出産一時金の上乗せ給付や、子育て利用券の大幅な増額など、出産・子育てを応援するというメッセージ性と具体性のある取組が必要と考えます。見解を伺います。  なお、給食費の完全無償化については、既に二十三区で最も手厚い水準の就学援助を実施していることを踏まえ、私立校に通う子どもたちとの公平性、二十億円にもなる財源の確保、学校環境整備等と比較した政策の優先順位等々、教育施策全体を俯瞰した上で、慎重かつ冷静な議論が必要だと考えます。  次に、リカレント教育の推進について伺います。  リカレント教育とは、学校教育を終えて社会に出た後、新たなキャリア選択のために求められる能力やスキルの取得を目指し受ける教育のことであります。年功序列や終身雇用といった旧来の日本型の雇用や働き方の常識が崩壊しつつあり、転職や新たに起業する方、子育て後に復職する方、定年後も新たな仕事に挑戦する方など、区民一人一人の自立を支援するため、大いに推進する必要があると考えます。区内には十七もの大学、学部があります。学園都市としての側面も持つ我が区において、区内大学が学生向けに実施している資格取得講座を区民向けに公開していただくなど、各大学と連携した取組を展開できないでしょうか。  また、池尻中学校跡地での創業支援事業におけるリスキリング支援機能の活用や、知と学びの拠点である図書館におけるキャリアアップ支援の取組など、区全体をリカレント教育の推進の場として所管横断的に運営すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、都市整備について、駅前再開発による積極的なまちづくりについて伺います。  我々団塊ジュニア世代もいよいよ五十歳の大台を迎え、高齢化に備えたまちづくりやインフラ整備は、持続可能な世田谷区とするため喫緊の課題です。駅周辺においては、ビルの経年化が進み、更新時期を迎えつつある地域は少なくありません。この更新時期を契機に、地域の実情や機運を捉え、行政も積極的にまちづくりに関わるべきと考えます。  例えば、区内の駅周辺で道路が狭い地域や木密地域など、防災や区民の利便性を考えると、この向上に資するまちづくりが必要で、まちづくりの機運が高い地域において、勉強会などを開催し、地域の声を聞き、地域の実情に合わせたまちづくりを誘導していくことが必要です。建物の更新時期に周辺を巻き込んで集約化し、空いたスペースに歩行者用の道路や広場などを一体的に整備することで、防災性の向上に加え、新たなコミュニティースペースやにぎわいの創出が可能になります。  地権者の方や地元住民の合意などクリアすべき課題も多くあります。しかし、将来にわたって持続可能なまちづくりを推進していくには、行政のビジョンや熱意が欠かせません。今こそ駅周辺のまちづくりに区も積極的に関わり、将来を見据えたまちづくりを推進すべきと考えます。見解を伺います。  次に、開かずの踏切の解消についてです。  世田谷区内には九十か所以上の踏切があり、そのうち四十一か所はいわゆる開かずの踏切です。電車は重要な交通インフラですが、線路による地域の分断や踏切での交通渋滞の発生など、負の側面も持ち合わせており、区民意識調査における開かずの踏切が存在する地域での困り事ナンバーワンは、電車の踏切がなかなか渡れないです。  京王線の連続立体化の事業期間は令和十二年度末まで後ろ倒しされましたが、少しでも早い事業完了に向けた努力を改めて求めます。  また、大井町線や東横線の連続立体化については、目黒区と協調しながら、世田谷区としても、地域住民の長年の懸案である踏切解消に向け、東京都や東急電鉄等との検討に臨むべきです。大井町線や東横線の踏切解消に向けた区の取組について伺います。  次に、みどり政策について伺います。  令和三年度のみどりの資源調査によると、区のみどり率は二四・三八%となり、平成二十八年度の調査と比較して〇・八ポイント減少しました。みどり33の実現に向けては、この厳しい現実に正面から向き合い、あらゆる手を尽さなくてはなりません。行政だけでなく、区民や事業者、NPO、そして我々議会も含め、様々なステークホルダーが関わり、オール世田谷で取り組むという大きな運動へと広げていく必要があります。年々残高が増える一方のみどりのトラスト基金やふるさと納税制度を活用して、積極的な公園緑地の取得や、様々な団体、幅広い区民と連携した民有地の緑化推進施策の強化を求めます。区の見解を伺います。  また、みどり率の向上に取り組む一方で、区民に緑の癒やしを体感していく施策、いわばみどりの質を高める取組から緑の保全につなげていくことも提案します。  ガーデンシティーという都市計画の概念があります。日本語では田園都市や庭園都市と訳されますが、特定の地域において、庭園のような環境を開発、維持していくというものであり、英国で発祥し、渋沢栄一によって日本に紹介されました。この考えを全区的に展開し、例えば、公共施設や公園では、管理のしやすさを優先して同じような植栽にするのではなく、イギリス式の庭園、イタリア式の庭園、あるいは日本庭園など、地域地区の特色を生かして様々な種類の樹木や草花を植え、定期的に手を入れることで、利用者の方に美しい癒やしの空間を体感していただくことが可能です。公園に芝生広場を増やすことも効果的でしょう。  加えて、区民の自主的な活動を支援し、美しい界隈を区民とともに形成することで、癒やしだけでなく、地域への愛着やにぎわいの創出も期待でき、結果として民有地の緑の保全、創出につなげることも期待できると考えます。このみどりの質を高める取組の強化について見解を伺います。  次に、災害対策について、自衛隊の危機管理監の設置について伺います。  東京都は本年五月、首都直下地震等における被害想定を約十年ぶりに更新しました。昨今の実情を反映して見直された新しい被害想定によると、世田谷区では避難生活者の大幅な増加が見込まれています。地震災害をはじめ、豪雨等による洪水や土砂災害、火山の噴火など、自然災害の危機は年々地域に迫りつつあります。災害対策本部長でもある区長は、危機管理における特段の知識や経験を有しているというわけではなく、非常時の司令塔としてはいささか不安があると言わざるを得ません。非常時に災害対策本部長の判断をサポートする専門家による危機管理監の設置が必要です。  我が国の災害現場において、被災者の救助や地域の復旧で中心的な役割を果たしているのが自衛隊です。緊急派遣で様々な経験をしている自衛隊は、危機管理のノウハウを最も備えている組織であり、自衛官は危機対応の知見に加え、あらゆる脅威から国民を守る強い使命感を日々の活動を通じて身につけています。災害時に区民生活を守る即応態勢を強化するため、自衛官経験者を危機管理監として起用すべきです。見解を伺います。  次に、経済対策について、区内産業への投資について伺います。  岸田総理が掲げる新しい資本主義は、官民連携により社会的課題を解決し、新たな市場創造、成長の果実を国民に広く還元することで、成長と分配の好循環の実現を目指すものです。とりわけ資本主義の持続可能性と強靱性を高めていくためには、先端技術開発や創業支援という市場だけでは進みにくい分野に対して、重点的に官民が連携し、取組を実行していくことが求められます。区内産業のさらなる活性化に向けて、池尻における創業支援事業に加えて、投資による直接的な支援も必要だと考えます。  東京都では、中小企業支援の一環として、民間が運営する投資ファンドに有限責任組合員として出資し、投資ファンドから中小企業等に投資を行う形で金融支援を行っています。民間のファンドを活用し、投資的な資金を拠出することで、事業収益や株式会社化による株式取得などから、回収をするといった手法も地域産業の活性化には有用と考えますが、見解を伺います。  次に、産業振興公社の改革について伺います。  産業振興公社は、事業費のほとんどが区からの補助金や委託料によって占められていることから、我が会派は収益事業の展開等、体質改善を常々求めてまいりました。公社は今年二月に改革方針を定めましたが、その提案内容は具体性に乏しく、唯一掲げられた取組も、区のふるさと納税対策業務の受託といった区に依存したものです。果たしてこれが改革方針といっていいものなのか、甚だ疑問であります。  さらに、改革の本気度を疑うような出来事が七月にありました。区から公社への経済産業担当参事の派遣です。本気で改革を進める気持ちがあるならば、しがらみのない外部人材を招聘し、聖域なくメスを入れていく道を選ぶはずです。区に依存し切った姿勢からは、改革にかける本気度は全く伝わってきません。公社には生き残りをかけたラストチャンスであることを自覚していただき、聖域なき経営改革が行われ、真に世田谷の産業政策を担うパートナーとして生まれ変わっていただけるよう、区として厳しく指導していく必要があると考えますが、見解を伺います。  区への依存体質の改善や自ら定めた改革方針に掲げた内容が実現できないようであれば、公社の解散、統廃合についても視野に入れるべきであることを申し上げておきます。  次に、子育て支援産業の育成について伺います。  喫緊の課題であった保育待機児が解消し、今後は子どもが減っていくといった見込みの中、区では在宅子育て支援を充実させ、おでかけひろばや児童館の充実を図るとしています。これらも重要な取組ではありますが、子育て家庭のニーズは、家事を手伝ってほしいであるとか、子どもを一時的に預かってほしい、母体ケアを受けたいなど様々です。  また、環境の変化や時代の変化とともに、そのニーズは刻々と変わっていきます。多様で変化していくニーズに的確に応えていくためには、支援の内容やメニューを区が決めるのではなく、市場がニーズを酌み取り、事業者がサービスの提供体制を整え、利用者が使う支援を選択できる、そういった仕組みを構築することが重要です。その実現には民間を育てていくという視点が欠かせません。  子育て利用券を利用はできないが、良質な子育て支援のサービスを提供する事業者は区内にも数多くいらっしゃいます。利用者が子育て利用券をきっかけとしてよりよい事業者と出会い、その後も継続的に利用することで、事業者を育てていくという循環を生み出すためには、より多くの事業者で利用券を使えるようになる仕組みが必要だと考えます。  例えば、せたがやPayを活用して事業者の中途参入を容易にしたり、利用者が身近な事業者を探しやすく使いやすくすることで、子育て支援事業者を支援、育成し、その結果、子育てしやすい環境を充実させていくような取組を、経済政策的観点からも推進すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、エネルギー価格・物価高騰への対応についてです。  まず、スライド条項適用の手続の改善についてです。区は建築資材の価格高騰の現状に鑑み、対象の資材を限定することなく、スライド条項の適用を協議する旨、区内事業者に通知しましたが、ほとんど適用されていないのが現状です。事業者によると、手続が煩雑であるため、中小の事業者においては、手間とスライド額の比較から申請を諦めざるを得ないという声を聞いています。この苦境から事業者を救うための手続です。中小事業者の過度な負担にならないよう、例えば、区で価格が急激に高騰している品目を把握し、該当の品目については手続を簡略化するなど、改善を求めます。見解を伺います。  また、世田谷の福祉を支える高齢者施設や障害者施設、子ども・子育て施設の運営も大変厳しい状況にさらされています。このたび、区が補正予算で提案された支援内容は、近隣他区と比較しても手厚く、我が会派としても評価するところです。しかし、原油価格の高騰は長期化が予測され、状況を注視し続ける必要があります。一方で、価格高騰分を補助し続けていくことは区財政に大きな影響を及ぼします。財政規律を保ちながらも、事業者支援を行うという難しい判断が求められることになりますが、今後のエネルギー価格高騰に対し、どのような考え方を持って財政規律と事業者支援を両立していくのか、区長に伺います。  次に、本庁舎等整備における区内事業者の活用状況について伺います。  昨年七月の着工から一年余りが経過しました。非常に難易度が高い工事のため心配しておりましたが、ここまで順調に進んでいると報告を受け、我が会派としても安心しているところです。引き続き安全かつ遅滞なき進捗を期待しております。
     そして、もう一つ期待していることが区内事業者の積極的な活用です。総合評価方式で行われた施工者選定において、選定された事業者からは、地域貢献として区内事業者に対する八十億円近い発注が提案されました。六月末までに三十億円以上が区内事業者に発注されたと伺い、こちらも順調と見ていたのですが、先日、少し気になる話を区内の建設事業者の方から伺いました。  施工者から示される一部業種の工事は採算性に見合っておらず、さらに長期にわたるために受注できる工事が極めて少ないというお話です。区は、地域経済の持続可能な発展条例に建設業の振興を明記されたばかりです。その立場から、区内の建設事業者が業種に偏りなく活用されるよう、施工者に働きかけていくべきと考えます。見解を伺います。  次に、DX推進について伺います。  DXの推進には、国が主導する自治体情報システムの標準化・共通化への対応や、マイナンバーカードの普及促進、人材の育成などが必要です。庁内システムの改善によってDX推進の基盤を固める一方、DX最大の果実は、言うまでもなく区民サービスの向上です。我が会派は、DXを劇的に加速させるために松村副区長は就任されたと認識しており、さきの定例会ではロケットスタートを求めたところです。副区長就任から三か月が経過しました。この間、区民サービスの向上にどのような成果を上げられたと松村副区長はお考えでしょうか、見解を伺います。  民間出身の副区長に対する区民の期待は大変大きいものがあります。キャッシュレス決済やオンライン手続、オンライン相談の拡充だけでは物足りません。例えば、行政が持つ様々なデータを活用して、区民の健康リスクを発見して対策に結びつけたり、日常生活に支援が必要な方に対するICTを活用した見守りなど、柔軟な発想で縦割りや前例踏襲を乗り越え、リスクを恐れず、区民サービスを大胆にトランスフォーメーションすべきです。今後の取組について伺います。  次に、地域活性化施策について伺います。  これまで地域を支えてきた町会・自治会や商店街といった組織は、組織率の低下や高齢化によって継続が難しくなっています。これら既存の組織に加えて、地域の企業やNPOなど、新しい組織との連携を進めることで、将来にわたって持続可能な仕組みを構築していく必要があると考えます。  近年、民間が主体となってにぎわいの創出や、公共空間の活用等を通じて、地域の価値を向上させるエリアマネジメントの取組が拡大しています。エリアマネジメントとは、特定の地域において、民間が主体となってまちづくりや地域経営を積極的に行おうという取組であり、全国各地で実践されています。こうしたことを背景に地域再生法が改正され、地域再生エリアマネジメント負担金という制度が平成三十年に創設されました。区におけるエリアマネジメントとしては二子玉川エリアで先行事例がありますが、今後、町会・自治会、商店街、地元企業と行政が連携し、まちづくりの新たな形を模索しながら地域活性化を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  また、持続可能な地域の確立には、これからの世田谷区を支える若者の地域参加が欠かせません。若者の地域参加には、子どもの頃から地域参加に対する意識の醸成や、若者たちが地域活動に積極的に参加したいと思わせる仕組みづくりが必要です。子どもにとって地域との関わりは、異世代との交流、学習以外の体験、さらには地域への愛着の醸成といった意味を持ち、子ども時代に地域活動の経験が豊富な大人は、人間関係能力、共生感などが高いという調査結果もあります。教育委員会においては、子どもの頃から清掃活動やお祭りなど、地域活動への参加を促すと同時に、学校施設を地域施設としてフルに活用する取組を進め、地域と連携して子どもを育てる教育環境を構築すべきと考えます。見解を伺います。  また、区内各大学においては、それぞれの強みを発揮した教育、研究の成果を様々な形で地域に還元しており、地域活性化に向けては、区内在学、在住の大学生のさらなる地域参加を促進する必要があると考えます。例えば、総務省消防庁は、学生消防団活動認証制度を設け、消防団員として活動する学生に対し証明書を交付し、就職活動に役立てていただくことで、学生団員の拡充を図り、成果を上げています。区においても、様々なインセンティブを活用し、若者の地域参加促進によって、持続可能な地域を構築するような取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、環境施策についてです。  グリーンボンドやESG債を活用した幅広い資金の調達について伺います。近年、地球規模の気候変動に伴い、世界の様々な国が熱波や寒波など異常気象に見舞われ、この連休も台風十四号で各地で大きな被害をもたらしましたが、我が国においても台風や豪雨など自然災害が頻発化、激甚化しており、区においても、令和元年台風十九号に伴う多摩川浸水被害は記憶に新しいところです。地球規模の気候変動の原因とされている温室効果ガスの削減は、持続可能な社会の実現に向けた世界共通の課題であります。世田谷区としても、削減効果の高い施策を的確かつ積極的に展開していかなくてはなりません。  こうした中、先般、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の素案について報告がありました。建物のZEB化など、大規模な設備投資を伴う事業も多く、限られた財源の中、今後の事業展開に向けて資金調達が重要となります。区は気候危機対策基金を創設しましたが、今後、この基金に対し区民から継続的な寄附をいただくための工夫や、環境施策におけるふるさと納税制度の活用、また、一部の自治体で活用が進んでいるグリーンボンドやESG債といった債権の発行など、資金調達の多様化を図る必要があると考えます。区の見解を伺います。  次に、教育政策について、教育監について伺ってまいります。  九月一日付で粟井前教育監が文部科学省に戻られました。突然の異動に驚きましたが、教育監のポストは教育長が事務取扱者となると伺い、さらに困惑をしております。教育監というポストの意味を改めて考えさせられます。  我が会派は、教育監を新設する際に代表質問でその役割を問いました。教育委員会からは、教育長の補佐役として、国や都の教育政策に対し幅広く専門的な知識と経験を有される立場から企画を立案し、教育委員会事務局と教育現場を横断的に調整し、また、新たに取り組むべき特命事項について総合的な調整機能を求めている旨、答弁がありました。  教育監を設置した一年半前と比較して、教育長の補佐役は不要なほどに教育課題が片づき、教育行政が順調に進んでいるとの自信の表れなのでしょうか。そうであれば、我が会派と教育委員会との自己評価には大きなずれがあると言わざるを得ません。教育長は、御自身の補佐役である教育監というポストをどのように評価した上で、後任を求めなかったのでしょうか。ポストを廃止せずに事務取扱という対応とした理由と併せて伺います。  次に、部活動の地域移行について伺います。  本年六月、運動部活動の地域移行に関する検討会議がスポーツ庁に提言を行いました。少子化による持続可能性や教員の働き方改革の観点から、休日の部活動から段階的な地域移行や、生徒の多様なニーズに合った活動機会の充実、地域のスポーツ団体等と学校との連携、協働など、改革の方向性が示されました。また、八月九日、文化系部活の地域移行についても、文化庁の有識者会議による提言が示されたところです。  これらを踏まえ、区においても中学校部活動の地域移行の進め方に関する検討会を設置すると伺っておりますが、円滑な地域移行に向けては積極的な民間活用の視点が欠かせません。渋谷区は、昨年十月、一般社団法人渋谷ユナイテッドを設立しました。一つの中学校では人数が少なくて設置ができない部活を統合して地域チームをつくり、指導者も同法人が渋谷区と関わりある企業、アスリートなどを招き、指導に当たっています。さらに、生徒から要望の多かったダンスや料理、スイーツの部活を新設するなど、生徒本位の部活動実現に寄与しています。  部活動が地域移行された場合の運営は指導員の確保だけでは済みません。区内の様々な団体とのコーディネート機能を含め、積極的な民間活用を検討するべきと考えます。教育委員会の見解を伺います。  次に、教育総合センターの有効活用について伺います。  我が会派は、教育総合センターの整備に当たり、理念に掲げられた乳幼児教育の支援機能や教職員の資質向上の必要性等、その意義は十分に認めつつも、新たな箱物を造るだけにならないよう、実効性ある事業展開を求めてまいりました。感染症の蔓延やオンラインによる会議、研修の普及といったICT環境の変化など、構想時点では想定していなかったことも多々あるかとは思いますが、昨年十二月の開設から約十か月が経過し、教育委員会は教育総合センターの活用状況についてどのように評価しているのでしょうか。また、コロナ禍やDXの進展を受けた今後の運営方針についても伺います。  次に、放課後児童健全育成事業について伺います。  新BOP学童クラブの規模適正化や多様化する保育ニーズに応えるため、民間の放課後児童クラブ誘導に向けた取組が今般示されました。大規模化した新BOP学童クラブの周辺を優先的な対象として、令和十年度までに段階的に合計十五か所、千二百人分の定員数を確保していくという計画です。  事業用地の確保や子どもたちの移動手段、学区との兼ね合いなど、課題は様々ありますが、その応募資格について、都内または近接県で放課後児童健全育成事業を運営した実績があることが定められています。放課後児童健全育成事業を運営した実績がなくても、子どもを預かる実績やノウハウを持つ事業者は区内に多く存在します。安全性を担保した上で、幅広い事業者に声をかけて比較検討することで、よりよい事業展開が望めるのではないでしょうか。放課後児童健全育成事業の応募要件を広げることについて区の見解を伺います。  次に、高齢者施策について伺います。  ICTの普及に伴う社会の変革により、高齢者の趣味嗜好や行動様式にも大きな変化が見られます。スマホやデジタル機器を自在に使いこなす高齢者も増えており、これまでの高齢者観や常識に捉われない施策展開が求められます。例えば、介護予防には他者との交流、特に多世代交流の有効性が指摘されています。まちづくりセンターにカフェを設置してSNSで発信し、これまで行政と接点のなかった高齢者や若い世代を呼び込んで、新たな交流の機会につなげていくなど、柔軟な発想があってもよいのではないでしょうか。これからの高齢者施策は、従来の概念に捉われることなく新たな視点から検討すべきです。区の見解を伺います。  また、年齢を重ねると、自転車の利用や離れた駅、バス停まで歩くことが難しくなってきます。高齢者一人一人が容易に行きたい場所に移動して、好きな活動ができる環境を整えていくことも重要であり、来年度に砧地区で予定するオンデマンド型のコミュニティー交通は、高齢者の移動支援策の一つとして期待をしているところです。  地域の力による高齢者支援も効果的と考えます。奥沢地区で開催されている、ひがたまカフェでは、開催に合わせてパンと魚の移動販売車に来てもらうことで、買物支援の役割も果たしています。区がコーディネートして、自家用車を運転する御近所の方々の協力によって、高齢者の日頃の買物や通院をサポートするなど、厚生労働省の提唱するボランティアポイントや、せたがやPayの活用も含めて、地域の力を生かした総合的な高齢者施策を構築することはできないでしょうか、区の見解を伺います。  次に、地域行政推進条例について伺います。  長い時間を費やし議論してまいりました地域行政推進条例が、パブリックコメントを経て今定例会に提案されました。いよいよ議決に付される段階に来たわけですが、いまだに曖昧な点があるため、判断するに当たり質問させていただきます。  これまでもこの条例を制定する目的は何か、条例制定によってどのように区民サービスが向上するのかと本会議や委員会で伺ってまいりました。しかし、区の答弁は曖昧で歯切れが悪く、私たちも区民の方に分かりやすい説明ができません。改めて、この条例制定により区民サービスがどのように変わるのか、明快かつ具体的な答弁を求めます。  次に、この条例が想定する住民自治についてです。  住民自治の根幹は、言うまでもなく、住民から負託を受けた議会との対話です。その大前提の下に行政が区民の声を的確に把握し、区政に反映していく仕組みの構築が求められているのです。参加と協働は区長のキャッチフレーズですが、あくまでも責任の主体は行政にあります。まちづくりセンターが地区住民の声を聞き、地区の課題を把握し解決していくことは今の仕組みでも十分に可能と考えます。地区住民自身が決定権を持つ地域協議会のような会議体をつくることは、地区に分断を生みかねないことから、私たちは反対です。パブリックコメントでは、まるで議会制民主主義を否定するかのような意見も寄せられました。区が目指す地域行政像が受け手によって異なる、曖昧な条例案には大きな不安を覚えます。  第二回定例会の代表質問で自治基本条例との関連について伺いました。区長からは、自治基本条例とは性格が異なる条例である旨の答弁がありましたが、新規条例案の判断に当たり改めて伺います。区長は、この条例制定を契機として、地区住民自身が行政の意思決定に直接参画するような地域行政像を見据えられておられるのでしょうか、お考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 阿久津議員に私から三点お答えをいたします。  まず、少子化対策において出産一時金、現在の運用を抜本的に変えるべきではないか、また、子育て利用券の拡充などについての御質問です。  出産一時金の現在の上乗せ給付は、平成二十一年度より第三子出産費助成として、出産費用と出産一時金の差額を最大六万円まで支援する制度でございまして、また子育て利用券は、平成二十八年からネウボラ面接を受けた妊婦の方に、産前産後サービスに利用することができる額面一万円の利用券を配付している事業でございます。  国の令和三年度調査研究結果によると、室料差額等を除いた東京都の公的病院での出産費用の平均額が五十五万三千円となっており、健康保険制度による出産・育児一時金の四十二万円、これを大きく上回っておりまして、子育て世帯にかかる経済的負担は大変大きいものと認識しております。  御提案の出産子育ての応援メニューについては、今後の子ども・子育て施策の充実を目指す中で、いわば総合的に検討する必要があると考えております。国における出産育児一時金の増額の議論も始まっていると伺っております。区議会の様々な御意見、御要望、財源の問題も含めて検討し、しかるべき時期に判断をしてまいります。  次に、エネルギーの価格高騰、これに対して事業者支援と財政規律をどう両立させるかという御質問です。  新型コロナウイルス感染症や円安の影響、ウクライナ侵攻の長期化に伴い、エネルギー価格、物価のさらなる高騰が懸念されるなど、企業活動や区民活動は厳しい状況が続くものと認識しております。こうした中、今回、補正予算案において約十六億円の予算を計上いたしまして、事業者等を支援する取組について提案をしているところでございます。これらの検討に当たっては、国や都の特定財源の有効活用の下、高齢者、障害、子ども関連をはじめとして区民サービスの維持を念頭にしながら、必要な支援が効果的に行き渡るように組み立ててまいりました。  今般、国において地方創生臨時交付金の増額強化策として、全国自治体に対し総額六千億円の追加交付が示され、また来月には、総合経済対策が策定されるという見込みと聞いております。引き続き、限りある財源を有効に活用するとともに、国や都の具体的なこうした施策を見ながら、社会経済状況をきちんと把握をして、必要な支援策について検討を深めてまいります。さらに、中長期的な視点に立ち、今後の財政需要を見据えながら、財政規律の維持と、そして区民、事業者支援の両立を、そのバランスを図ってまいりたいと思います。  最後に、地域行政推進条例案についてです。再度の確認の御質問ということでございます。住民自治についての考え方を申し上げます。  まず世田谷区は、基本構想で、自治の担い手である区民が区政に参加できる機会を数多く設けます。幅広い世代の区政への関心を高め、多様な声を反映させるため、区民が意見を述べる場を今後もつくります。地域の課題解決に取り組む区民や団体が互いに協力して自治を進められるよう支援しますとしています。基本構想の下につくられた今期基本計画の基本方針においては、第一に、区民が主体的に地域を運営する住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実するとともに、地域行政を進め、住民の意思を尊重した区政運営を行いますとしています。  今回の地域行政制度の条例化の前提に、基本構想や基本計画の認識がございます。ただし、今回の条例に即して言いますと、住民自治で地域の課題を解決することと、行政の意思決定に参画するということは同義ではなく、行政の判断や政策決定と住民自治は互いに補い合い、議会での議論も経て、トータルに編み上げられ、つくり出されていくものと私は考えております。  条例では、区民が意見を述べることができる環境の整備を区の責務とし、区民の意見を区政に反映する仕組みを強化することを基本方針として規定していますが、地域課題の解決に向けては、区民参加による地区アセスメントの実施や、新たな交流の創出に資する地区情報連絡会等を通して、区民と地区課題を共有し、まちづくりセンターが要となって地区の取組を立案することを想定しております。  以上です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 危機管理監の設置と自衛官経験者の起用について御答弁いたします。  これまでの区議会での御議論も踏まえ、区は昨年度より消防署長経験者と自衛官経験者を防災アドバイザーとして配置し、専門的な助言を受けるなど、危機管理体制の強化に努めてまいりました。首都直下地震や大型台風に加え、集中豪雨の頻発など、災害の発生リスクがこれまでになく高まる中、来年度の庁舎移転に合わせ、新たな防災情報システムの構築を進めているところであり、この機を捉えて区長を中心とした危機管理体制のさらなる強化を図っていきたいと考えております。  具体の取組として、危機管理監の設置に向けた検討を進めてまいります。他自治体の例を見ると、危機管理監の役割や組織体制も様々であり、当区で設置する場合、どのような体制がふさわしいか、慎重に検討する必要があると考えております。また、危機管理監としてどのような人材を求めるかが大変重要なポイントとなります。この点についてもしっかりと検討し、区民の安全を確かなものとするべく、実効性のある体制強化の実現を目指してまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは三点御答弁申し上げます。  最初に、京王線連続立体交差化の早期の事業完了に向けた努力、また、大井町線や東横線の踏切解消に向けた取組についてです。  京王線の連続立体交差事業につきましては、笹塚駅から仙川駅間において、平成二十六年二月に事業に着手しておりますが、用地取得の進捗状況を踏まえ、東京都は本年三月に令和十二年度末までを事業期間とする変更認可を国から受け、事業を延伸いたしました。引き続き東京都をはじめ関係機関と連携し、完成に向けてしっかりと取り組んでまいります。  大井町線の緑が丘から等々力駅付近までの区間及び東横線の都立大学から田園調布駅付近までの区間につきましては、東京都が平成十六年に策定した踏切対策基本方針において、鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられております。区といたしましても、京王線に続いて開かずの踏切解消に向けて取り組んでいく必要があるものと認識しており、自由が丘駅周辺での検討を進める目黒区や鉄道事業者などの関係者と協調し、また、東京都とも情報交換を行いながら、大井町線を含めた開かずの踏切解消に向けて調査検討に取り組んでまいります。  次に、産業振興公社の経営改革についてです。  産業振興公社は、長年にわたり中小企業の資金繰り対策としての融資あっせん制度の運営や、中小企業診断士、社会保険労務士等による経営相談、福利厚生サービスの実施などにより、地域産業の基盤を支えてきました。区としては、御指摘の改革方針に基づく取組に加え、より幅広い事業者に支援を届けることができるよう、情報発信のさらなる強化やアウトリーチ型の支援など、新たな角度からの取組も進める必要があると考えております。  今後、区内事業者の経営を下支えする取組の重要性はさらに高まることから、公社としての事業戦略の立案と経営改革、それをマネジメントできる人材が必要不可欠であると考え、産業関係実務の経験があり、様々な機関と密接に連携できる人材を区から派遣したものです。区としては、改革方針に基づく具体的な取組が主体的に立案され、かつ実効性を持って取り組まれるよう指導調整をするとともに、実行段階においても進捗を把握し、改革が完遂できるよう適宜、必要な指導を行ってまいります。  最後に、地域行政推進条例について、条例の制定により区民サービスがどのように変わるのかの御質問です。  今回御提案している世田谷区地域行政推進条例は、区が地区や地域で区政の課題の解決を図る体制を強化するため、まちづくりセンターを区民生活を包括的に支援する地区の行政拠点として位置づけ、多様な相談や手続に対応する窓口を担うことを定めます。まずは、まちづくりセンターと総合支所や本庁を映像システムでつなぎ、今まで本庁や総合支所に行かなければできなかった相談や手続が行える窓口の実現を目指します。  また、地区の課題解決に向けて、まちづくりセンターにおける総合調整機能の強化を条例に定め、防災に関しては、地区防災計画作成支援による区民の防災意識の向上や避難所運営訓練の支援の強化、さらに地域包括ケアの地区展開では、児童館を加えた見守りネットワークの強化など、まちづくりセンターが中心となって具体な取組を進めていきます。  今回の条例では、こうしたまちづくりセンターなどの機能強化を規定する一方で、総合支所や本庁と一体となって施策を実施する体制の確保、必要な権限の配分と組織体制の整備、人員の配置や専門人材の活用なども合わせて条例として規定することで、地区を要とした改革に関する区の姿勢を区民の皆様と共有させていただき、区は行政サービス向上とまちづくりに着実に取り組んでまいります。  以上でございます。    〔松村副区長登壇〕 ◎松村 副区長 私からDX、特に就任後三か月の振り返りをお答えさせていただきます。  私のミッションは、区に関わる全ての人の幸せを高められるようなDXを推進することだと捉えております。そのためにも、区民の視点や困り事に立ち返りながら、行政システムに目に見える変革をもたらすことが重要であると考えております。  私の就任後の区民サービス系の取組といたしましては、LINEによる地域行政推進条例・計画素案へのパブリックコメントの試行や、公園施設の不具合通報サービスを開始し、また、九月からは世田谷区のDX情報の発信のためのツイッターを始めました。  DXを推進していくために担当領域を超えたコミュニケーションや情報共有を図り、組織横断的な課題解決を行う体制が不可欠と考え、庁内に私を委員長とするDX推進委員会を立ち上げ、改革を実行してまいる所存でございます。就任して三か月、現状把握と体制づくりを進めたため、小さな取組の積み重ねとなってしまっておりますが、区役所を挙げてのチームワークの下で、区民サービスの向上を目指し、さらにギアを上げて取り組んでまいりたいと思います。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 二点について御答弁申し上げます。  一点目は、子どもの頃からの地域参加への意欲醸成と地域と連携した環境づくりについてでございます。  子どもたちが地域の一員として、地域活動を通して多世代の方々と関わり、様々な体験をすることは、自己肯定感などの非認知能力を育むとともに、地域に対する愛着と自らが次世代を担う一員としての自覚が生まれると考えます。このためには、子どものときから地域等の活動に参画し、人と関わる楽しさや心地よさ、成就感や達成感を味わうことが活動参加意欲を高めます。  世田谷区では、地域の祭りに子ども自身が企画したお店を出したり、商店街と連携した販売活動を行ったり、おはやしを学校の授業で指導するなど、単なる参加者から子どもが活動の主体となる工夫がされています。今後も、学校施設等の有効活用を推進するとともに、地域の町会・自治会、青少年委員、青少年地区委員会等とともに、子どもの頃から積極的に地域活動に参加できるような環境を整備し、地域全体が子どもから大人までの学びの場となるよう努めてまいります。  二点目は教育監のポストについて御答弁申し上げます。  教育監は、教育政策のより一層の充実を図るため、教育政策に係る専門的事項に関し、教育長を補佐する職として令和三年四月に設置いたしました。粟井前教育監は、教育総合センターの開設や文科省との細やかな折衝を行い、不登校特例校の設置に積極的に取り組むとともに、いじめ防止基本方針の改定など、これまで培った知見により、区のいじめ防止対策の強化に道筋をつけていただきました。  今年七月下旬、急遽、派遣元である文部科学省より人事異動の連絡があり、私どもとしては引き続き粟井前教育監の後任の方の派遣を求めました。結果、後任の方が決まり、派遣時の国における役職のバランス等により、教育政策部長として採用することとしました。教育監の職は、長期的に見て、にわかに廃止せず、一旦私、教育長の事務取扱いとするとの判断に至りました。今後も、小学校三十五人学級への対応や部活動の地域移行に向けた取組の推進、教職員の働き方改革など、依然として教育を取り巻く課題は山積しています。部の枠を超えて区の教育施策を俯瞰的に見ながら、教育長職を補佐していく教育監の役割は、今後さらに重要であると考えており、教育監の配置に向け、引き続き国等への要望と併せて、人事部門とも調整をしてまいります。  以上でございます。 ◎松村 技監 私からは駅前再開発によるまちづくりについてお答えをいたします。  区では、都市整備方針に目指すべき将来都市像として、安全で災害に強く復元力のあるまち、活動と交流の場をもち、魅力を高めるまちなど、四つのまちの姿を示し、これまで区民、事業者、行政が共に様々な施策、事業に取り組んでいるところです。商業、行政サービスなどが集積すべき周辺地域については、都市整備方針において生活拠点に位置づけまして、これまで小田急線や京王線の連続立体交差事業などを契機として、地域特性を踏まえて地区計画などによるまちづくりを進めているところです。  こうした事業を進める中で、駅周辺地域においては、お話のありました再開発などにより建物の共同化によるにぎわい空間の創出や、壁面後退による歩いて楽しい歩道状空地の確保などを誘導し、魅力あるまちに更新する好機でもあると考えております。  区としましては、駅周辺地域の実情を踏まえたまちづくりビジョンや、実現するための様々なまちづくり手法について、地域の参加と協働による検討を進められるよう、専門家の派遣や活動経費の助成をはじめとした支援などを積極的に行いながら、まちづくりへの理解促進や機運醸成を図り、地域の方々との連携により魅力ある駅周辺まちづくりに着実に進めてまいります。  以上です。 ◎後藤 経済産業部長 三点御答弁申し上げます。  まず、区全体をリカレント教育の推進の場として位置づけるべきという御質問に対してです。  働き方やDXの推進に代表される産業構造の変化の中、新たなチャレンジやキャリアチェンジを目指す区民の方々は、今後ますます増加していくものと考えており、こうした人材への支援は、区民福祉の向上及び区内経済の発展にも寄与する大変重要な取組になると考えてございます。そのため区では、来年度中の開設を目指している旧池尻中学校跡地におきましても、産業と連携した学びの場の構築を大きな柱の一つに据えて、現在、運営事業者の募集を行っているところでございます。  この新しい学びの場につきましては、今年スタートした世田谷ITカレッジの取組も生かしたリカレント、リスキリングの拠点となることを目指すとともに、区内大学や各種団体とも連携して、区民生活に直結する福祉産業や建設業まで、幅広い分野での人材育成に取り組み、区内産業の発展を支えていただける人材が多く生まれるよう取り組んでまいります。  二点目、民間の運営事業者が運営するファンドの活用についてでございます。  地域産業の活性化に向けては、事業者の状況や置かれたステージ、また、取り巻く社会経済状況などに応じた多様な支援メニューを提供することが重要と考えてございます。現在検討を進めている旧池尻中学校跡地を活用した新たな産業活性化拠点においては、既存産業の活性化に向けた専門家による伴走支援や経営改善支援、起業・創業者に対する事業スペース提供やマッチング支援に加え、専門家による資金調達に係るサポートなども行う方向で検討を進めているところでございます。  ファンドへの出資及び投資については、新たな産業活性化拠点で今後実施する支援の状況や成果などを見極めつつ、また、他自治体での事例や成果の状況なども研究しながら、地域産業活性化に向けた支援手法の一つとして検討してまいりたいと考えております。  最後に、子育て利用券でのせたがやPayの活用についてでございます。  せたがやPayは、区民と区内の中小個店や事業者の接点をつくり、区民の生活を支える身近な産業を育成することを狙いとしてございます。御提案のありました子育て利用券の運用にせたがやPayを活用することで、例えば、利用者からリクエストのあった事業者を中途で参入させることが容易になったり、身近な事業者を探しやすくなったりする効果が考えられます。  東京都の補助金を活用する子育て利用券には補助条件があるなど、一定の要件を満たす必要がありますが、区内の子育て支援産業の育成という経済政策的観点も加味して、事業の拡充や再構築を行い、結果として、区民の子育てを支える産業の充実を図ることができないか、世田谷保健所と連携してまいります。  以上でございます。
    ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からはみどり政策について二点お答えいたします。  まず、緑化の推進についてです。  議員お話しのとおり、区のみどり率につきましては、前回調査より僅かながら減少となっており、この十年間の推移でもほぼ横ばいの状況でございます。区ではこの間、公園緑地の取得を積極的に進め、民有地についても、集合住宅などでは緑被率は増加しており、緑化地域制度による建築行為に伴う緑化が効果を上げているものと考えております。一方で、農地やいわゆるお屋敷と呼ばれる敷地の土地利用転換や細分化が進んでおり、緑全体として増えていない状況でございます。  CO2吸収効果やヒートアイランド現象を抑制する効果など、ますます緑の重要性が高まっている状況も踏まえ、みどり33の実現に向けて、まずは守るべき緑を確実に守り、そして新たな緑を創出する。こうした取組を加速していくことが必要となります。そのために、これまでの取組を検証し、緑に関心を持っていただけていなかった区民の方にも取り組んでいただくため、お話にあった基金など様々な財源を活用し、緑地の保全や緑化助成制度の拡充、まちづくりとの連携による地区単位での緑づくりなど、より実効性の高い新たな施策展開を検討してまいります。  次に、みどりの質についてです。  平成二十九年度に改定したみどりの基本計画において、緑の豊かさを示す区民満足度の指標として、計画の目標にみどりの質を追加したところでございます。区は、これまで樹林地をつくる植樹活動、都市農業への理解を深める農作業体験、小学生が生き物の多様性を学ぶみどりの出前講座など、各種事業を展開する中で、区民が緑に触れ、親しめるよう努めてきており、最新の満足度調査では、区の緑に大変満足しているという評価が、計画改定前の調査より四・三ポイント増加の一六・三%となったことは、一定の成果が出始めていると考えております。  一方で、区民の評価がみどり率を増加させるムーブメントに至らなかったことは課題だと捉えており、緑に関わる参加の促進や生き物の生育に配慮した植栽の多様性、花や葉が織りなす豊かな色彩演出など、魅力ある景観形成にさらなる工夫と、区民の協力を得て取り組む必要があると感じております。  世田谷のブランドの一つである緑を守り、今後も緑豊かな住宅地として選ばれ続けるには、議員お話しのように、区民や事業者、NPO、さらには区議会など、様々なステークホルダーとの連携強化は欠かせません。様々な機会での協働を通じ、今まで以上に区民が緑の豊かさを実感し、緑を保全、創出する推進力として、量と質を備えた世田谷らしい緑の環境づくりに皆が取り組めるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 財務部長 私からはスライド条項の適用に関して御答弁差し上げます。  工事請負契約に係る今般の資材高騰への対応につきましては、契約約款における物価などの急激な変動に基づく契約金額の変更に関わる、いわゆるスライド条項の的確な運用を図るため、従前から単品スライドの対象であった鋼材類、燃料油に加え、その他の資材も適用対象といたしました。また、請求方法などの手順を分かりやすく整理の上、六月末から区内事業者への通知や区ホームページへの掲載などにより、制度周知を行っているところです。  さらに、必要かつ適切な契約変更請求につながるよう、工事監督所管の監督員から契約中の事業者に対する個別説明を実施しております。その中で、契約時期や工期、規模や内容などが異なる個々の工事案件に応じたスライド内容の検討や、必要な添付書類などの相談を行うこととしております。こうした制度運用の趣旨から、お話にもありました手続が煩雑であるために、申請を諦めざるを得ないといったようなことがないよう、改めて工事監督所管と認識を共有し、事業者の事務負担にも配慮した一層丁寧な説明、相談に努めてまいります。  以上です。 ◎佐藤 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備における区内建設事業者の活用につきましてお答えいたします。  本庁舎等整備工事では、落札者である大成建設から約八十億円の区内事業者への発注提案を受けており、令和四年六月末時点で累計金額は約三十億円となっております。金額の内訳といたしましては、建設事業者への下請負契約が約十九億六千万円、資機材の購入またはリースが約十億五千万円、飲食物その他の日用品の購入が約三百四十万円となっております。本庁舎等整備工事における全発注階層の合計では、区内の建設事業者十四社が参加しています。  区といたしましては、業種に偏りなく多くの区内建設事業者が本庁舎等整備工事に参加することは、世田谷区の都市基盤及び生活基盤を支える建設産業の振興につながることから大変重要であると認識しております。本庁舎等整備工事が全体竣工する令和九年度までの間、区内建設事業者への通知や工事現場見学会の開催などを通じた周知に努め、幅広い建設事業者の参加につなげるとともに、入札時の提案金額の確実な達成に向けて、引き続き大成建設に働きかけてまいります。  以上です。 ◎菅井 DX推進担当部長 私からは今後のDX推進の取組について御答弁申し上げます。  DXの推進に当たりましては、リスクをコントロールしつつ、スピード感を重視し、トライ・アンド・エラーを積み重ね、できるところから改善を図っていかなければならないと考えております。  このたび設置いたしましたDX推進委員会では、組織横断的な課題解決を目的といたしまして、本委員会の下にプロジェクトチームを設置し、具体的な課題に対しタスク単位で即時検討し、実行していくプロセスを積み重ね、DXを見える化しつつ、機動的に推進していくことを目指しています。オープンデータや分野横断的な庁内でのデータ利活用、新たなクラウドサービスの活用などに関しましても、関係所管課で構成されるプロジェクトチームの設置等により、仕組みや運用ルールなどの整備を含めまして検討を進めてまいります。  多様な職員の発想を生かしまして、議論を重ねながら、より多くの区民の皆様に従来よりも行政サービスが便利になったことを実感していただけるよう、区民視点での快適なサービスの再構築に取り組んでまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からはエリアマネジメントについての御答弁です。  エリアマネジメントは、民間主体によるまちの課題解決や管理を積極的に行い、ソフト面からまちの魅力やにぎわいの創出、イメージアップ等を図る取組でございまして、区内では二子玉川エリアマネジメンツが、二子橋の橋脚や野川の護岸の清掃等によります公益還元事業をはじめ、水辺の魅力を生かし、多くの人が交流し、懇談するイベントの開催や、キッチンカーを導入しました河川敷利活用事業など、まちの価値を高める様々な取組活動を進めてございます。  一方で、こうした団体の活動を持続可能とするためには、安定的な活動資金の確保が課題であり、国は、平成三十年に日本版BIDとして、安定的な収益と公益還元の好循環を目指します地域再生エリアマネジメント負担金制度を創設いたしました。本制度は、自治体が区域内の受益者から活動に要する費用を徴収し、エリアマネジメント団体へ交付することにより活動資金が確保されますが、受益者の範囲や額の特定、団体が受益者の同意を得る必要があるなどの役割も大きく、大阪市での社会実験以外まだ実績はない状況でございます。  区といたしましては、先進事例等をはじめ様々な手法を研究するとともに、地域主体の取組として、エリアマネジメント活動を目指す団体等の機運醸成を図る勉強会などへの積極的な支援等により、さらなる促進に努めてまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは若者の地域参加の促進についてお答えいたします。  区が進める大学連携については、区内十一の大学及び学部と包括協定を結び、連携の目的である区政課題の解決や、公共サービスの提供と充実につながるよう取り組んでおります。また、大学では区と連携することで、研究成果の活用や学術研究の発展、学生の成長など、区と大学がそれぞれにメリットを生かし、地域社会の持続的な発展につながるよう取り組んでいるところです。  お話のように、若者の地域参加は地域の活性化につながるとともに、多世代との交流や人間力の醸成など、若者自身の経験としても意義のあることと考えております。大学と連携した取組の一つであるせたがや学生ボランティアフォーラムでは、大学生が地域で活動している事例等の発表やパネルディスカッションなどを通じて、大学生による地域活動への参加意識を促進しております。今後は、こうした取組に参加する大学生に参加証を交付するなど、地域参加におけるインセンティブを活用した取組について検討してまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、環境施策について、資金調達の多様化を図る必要があるという御質問に御答弁申し上げます。  区が現在検討を進めている世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の素案におきましては、二〇三〇年までに温室効果ガス排出量の五七・一%削減を目指すという中期目標を掲げており、目標の達成に向け全庁一丸となって危機感を持って取り組むとともに、安定した事業資金を確保する必要がございます。例えば、環境省では、施設のZEBReadyを達成する場合の一例として、一〇%程度のコスト増が見込まれるとしており、仮に四十億円の建築費用を要する学校施設であれば、四億円程度の追加経費が必要となります。このような状況を踏まえ、恒常的な資金確保は重要な課題であると認識しております。  気候危機対策の取組を推進するためには、環境施策におけるふるさと納税の寄附の呼びかけをはじめ、御指摘いただいた様々な手法も視野に入れ、さらなる資金調達について財政所管と協議してまいります。  以上でございます。 ◎内田 生涯学習部長 私からは部活動の地域移行についてお答えいたします。  中学校部活動の地域移行について、先般、スポーツ庁、文化庁それぞれに対し、有識者会議から提言が示されたところです。区では今後、検討組織を設置し、区における課題や対応、方針についての検討を進めてまいります。検討会では、運動系と文化系の部活動を合わせ、休日部活動の地域移行に限らず、平日の移行など課題検討を行ってまいります。  議員お話の民間事業者の活用につきましては、様々な種目の優秀な指導者の派遣をはじめ、コーディネーターとして地域団体等と学校をつなぎ、総合的に連絡調整を行うなど、幅広い活用方法が考えられます。全二十九校もの区立中学校がある世田谷区においては、新たな制度の構築に当たり、課題解決のための効果的な手法の一つと考えられることから、導入検討を進める必要があると認識しております。教育委員会としましては、今後、検討会での議論と並行して、民間事業者等による部活動支援のトライアル事業などを含め、導入についての検討を行ってまいります。  以上でございます。 ◎平沢 教育総合センター担当参事 私からは教育総合センターに関する御質問にお答えいたします。  区は、教育総合センターを教員及び区職員等の研修施設、乳幼児教育支援センター、教育相談室、ほっとスクール、区民交流エリアなどを備えた複合施設として設置し、昨年十二月に開設してから約十か月が経過しました。  この間、センター内の研修室は様々な研修や事業等で活用されており、新たな予約が取りづらい状態です。コロナ禍を考慮したオンライン研修に切り替えるなど、ICT環境や設備を生かした研修も進められております。また、区民交流エリアでは、親子でものづくりを楽しめるアトリエコーナー、子どもたちがSTEAM教育を体験できる、らぼラボなどを中心に着実に利用者が増えております。さらに、気軽に相談できる総合教育相談体制を整備するとともに、ほっとスクールは入室者が増加しております。  一方で、二階の研究スペースにつきましては、利用が十分でない状況も見受けられます。現在、教員の研究活動を中心とした利用としておりますが、今後は、区職員の研究活動や研修のグループワーク、オンライン会議の場など、より幅広い用途、目的で活用できるように仕組みを工夫してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは放課後児童健全育成事業の応募要件を広げることについて御答弁申し上げます。  民間の放課後児童健全育成事業の誘導に当たり、区は、放課後児童健全育成事業者の運営の質の確保に加え、安定性を重要なポイントの一つとして捉え、放課後児童健全育成事業運営方針を策定し、その方針に沿った募集要項を作成することとしております。  応募資格については、学齢期児童の成育支援を担い得る事業者である必要がございますが、今般、東京都が示した認証保育所での学齢児の受入れについて、区内認証事業者に参入の意向を伺ったところ、保育スペースが狭いことに加え、零歳から二歳児を中心に預かっていることから、学齢児の保育の質を確保するノウハウがないなどの意見があり、参入を希望する事業者はありませんでした。  区といたしましては、学齢期児童の成育支援といった特質に鑑み、放課後児童健全育成事業を運営した実績があることを要件とし、財務審査や書類審査のほか、既存施設等を実際に確認し、施設職員にヒアリングなどを行い、必要な助言、指導を行うことで、事業における質の確保や向上を担保してまいります。  以上でございます。 ◎山戸 高齢福祉部長 私からは高齢者施策について二点御答弁いたします。  まず、これからの高齢者施策は、従来の概念にとらわれることなく、新たな視点から検討すべきについてです。  区は、住み慣れた地域で支え合い、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現を第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の基本理念とし、高齢者福祉施策を総合的かつ計画的に推進しております。今後、高齢者のライフスタイルや生活意識、ニーズなどが多様化していく中、スマホやデジタル機器を使いこなす高齢者も増えてくることから、御提案のSNSを活用した多世代交流の取組など、これまでの高齢者観にとらわれない高齢者施策を展開していくことは重要であると認識しております。  本年十一月より令和六年度から八年度までの三年間を計画期間とする第九期高齢・介護計画の策定に向けた議論が本格的に始まります。第九期計画の策定に当たっては、従来の高齢者観にとらわれることない柔軟な発想を持って高齢者の自立支援に資する施策を検討してまいります。  次に、地域の力を生かした総合的な高齢者施策の構築についてです。  第八期高齢・介護計画の施策展開の考え方の一つに参加と協働の地域づくりを掲げ、住民や地域活動団体、事業者等の協働による地域づくりを進めております。また、昨年度も高齢者の方に区内の健康づくり、学び、楽しみ、くつろぎのための場やプログラム等を紹介する冊子「いっぽ、外へ シニアお出かけスポット」を作成し、地域の身近な居場所を紹介することで、高齢者の外出促進のきっかけづくりに取り組んでいるところです。現在実施している住民や事業者等の連携による移動販売や買物ツアーは、高齢者をはじめ多くの利用者に好評を得ており、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための効果的な取組であると認識しております。  今後、第九期高齢介護・計画の策定に当たり、高齢者の外出、移動支援策として、御提案の内容や、例えばデイサービスの車両の空き時間を利用した移動支援などの先行事例を研究するなど、地域資源の有効活用に向けて議論してまいります。  以上でございます。 ◆四十九番(阿久津 皇 議員) 様々御答弁いただきました。  少子化対策について、区長はしかるべき時期に判断されるというふうにお答えになりました。これは前向きな回答というふうに受け止めさせていただきます。世田谷区が本気で少子化対策に取り組んでいるというその意思が見える政策をぜひ実現していただきたいと思います。  それから、リカレント教育です。今、産業構造ですとか必要とされる人材のそういったもののニーズの変化というのはすごく速くなっています。そういった状況に対応していくためにも、区民一人一人のスキルアップというのは非常に重要でありまして、米国ではコミュニティーカレッジというものがございます。これは一つの州のカウンティーに幾つかあったりするんですけれども、そこの住民が誰でも低予算で高等教育を受けられる。そういった施設になっていまして、なかなかそれを公立で、この国で、あるいはこの区でやっていくというのは難しいんでしょうから、既存の大学施設、こういったものを活用して、いわゆる成人教育、生涯教育みたいなものを含めて、包括的に進めていく必要があるのかなというふうに思います。これは既存の大学施設にとっても、大学も生徒が減っていく中で、メリットがあると思いますので、ぜひ協働して進めてください。  それから、駅前の再開発についてですけれども、これは今、本当に更新時期が近づいている建物が多くて、今この機を逃すと、結局、地主さんなり建物のオーナーが同じような容積だったり高さで建てるだけ、結果としてまちの危険度だったり、利便性みたいなものがなかなか向上しないというまま、また次の五十年になりますから、ここを今契機と捉えて、御答弁は積極的に関わるというお話がありましたけれども、言葉だけじゃなくて、しっかりと取り組む、特に地域のまちづくり課と都市整備の市街地整備担当がしっかりと連携して進めていただきたいと思います。  それから、みどり33についてですけれども、御答弁にありましたが、緑というのは世田谷のブランドであり、資産価値を形成するものであると思います。ここを今のままと同じ取組ではなかなか進みませんから、申し上げたような区民全体の機運を盛り上げるような取組、これは我々議会も協力しなきゃいけないと思いますので、ぜひ一緒になって進めていただきたいというふうに思います。  それからもう一つ、環境です。御答弁ありましたけれども、ここはコストがかかります。御答弁で、ZEB化をやると、結局、一割建築費用が増すというお話がありました。今まで環境に対しては、いい面ばかりが先行して、そこにはやっぱりコストがかかるとか、様々負の側面というか、ネガティブな面もあるので、そこもしっかりと検討しないと、なかなかしっかりとした議論ができないと思いますので、コスト面、いろいろコストに関しては、いわゆる炭素価格、カーボンプライシングという中で、ちょっと試算が変わりますけれども、これは二〇五〇年までに本当にゼロにするんでしたら、多分区全体で毎年九百億円必要になってくると思いますので、そういったものの資金調達というものはしっかりと検討していただきたいと思います。  最後に、地域行政推進条例です。御答弁の中で、どう変わるのかというところで、条例と規定するところで定める、進めるということがありました。まちづくりと地域行政の推進について、これはわざわざ条例でやらなきゃいけないことの意味ということについて、条例でなくてはいけないのか、条例じゃなきゃできない理由について教えてください。 ◎岩本 副区長 条例化することの意味、必要性について再質問をいただきました。  先ほど御答弁では、この条例でまちづくりセンターや総合支所の機能強化や本庁と一体となった実施体制の整備、人員体制の強化などを規定しておりまして、区民サービスの向上に向けて具体的に取り組んでいくという旨を申し上げました。条例化によりまして、こうした内容を区民に具体的に明示をしまして、関心を持っていただいて、まちづくりにつなげていくといった効果があると考えてございます。それに加えまして、条例で定めた目標達成に向けまして、区の責務といいますか、条例化させていただいたことによる責務を明確にして、着実に取り組んでいくためにも条例化が必要であるというふうに考えているところです。  以上です。 ◆四十九番(阿久津 皇 議員) もう一つ我々が懸念している住民自治の概念についてです。区長は御答弁の中で、行政の意思決定に参画することと同義ではないというふうにおっしゃいました。この条例を契機に住民が直接意思決定に参画することはないということでよろしいか、改めて聞きます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 阿久津議員の再々質問にお答えをいたします。  この条例を準備する際に、三十数年前の大場区長時代の検討会とかいろいろ座談会とか資料がございます。こういったものを読んでみると、おっしゃるとおり、住民自治という言葉自体が相当熱くその当時語られているということを確認をしております。  今回、住民自治そのものを、これは住民自治を拡充するという三十年前のスタートライン自体を変更するということは考えておりません。今回の条例では、まちづくりセンターや総合支所、本庁それぞれの責務を明らかにしておりまして、地域住民が課題解決に当たることをまちづくりセンターが支援するという構造で描いております。これらの全体を取りまとめ再定義したことで、よりまちづくりセンターを拠点にする活動が活発になることを願っているわけですが、ずばり申し上げますと、これから超高齢化社会と言われる社会が、世田谷区も高齢化率二割からさらにどんどん上がってまいります。大変行政ニーズは日ごとに増してまいります。  例えば、そこを区職員の増員だとか委託先をどんどん増やしていく。これは財政の限界。持続可能性を持って構築しなければいけないので、こういった様々なニーズの中で、例えば高齢者の孤独解消というニーズもあります。これについては、もう既に三者連携で社会福祉協議会で様々やられているサークルや活動がございますよね。そういったところをつなげて、特に直接行政が支援するということになっていないで、ちゃんと解決をしている例もございます。  今後、残念ながら格差の拡大で、子ども食堂、大人も含めて食の問題というのは大変重要になってまいります。ただ、この子ども食堂をやろうにもなかなか場所がないというときに、例えば児童館は六時で終わっている。六時以降の児童館を例えば住民が自発的な事業体をつくって、区と契約協定の下で活用していくことはできないだろうか。これは就任当初から描いていた一つイメージでございます。  今、活動サロンがまちセンの中の唯一のセンター長が許諾できるスペースになっておりますが、地区における地区会館から集会所から、児童館や、あるいはその他の区の公共スペースを区民福祉の充実増進のために活用する。そのためには、区が全てを背負い込んで、財源も全部手当てしてということではなくて、区民の中から積極的、自発的な、まさにこれ、やっていこう、こういった声が起きて、その動きが地域の福祉をしっかりしたものにしていく。これも私から言わせれば、住民自治の姿であります。  ですから、非常に狭い意味で住民自治で協議会、このようなイメージは持っておりませんが、今これからの時代を乗り切っていくために、地区住民の皆さんに主体となって、受け身ではなくて、地区の課題にともに、まちづくりセンターや区の職員とともに解決に当たっていただくというのは、重要なことだろうというふうに考えております。 ○下山芳男 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十一日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十一分散会...