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令和 4年  3月 予算特別委員会−03月22日-07号

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  1. 世田谷区議会 2022-03-22
    令和 4年  3月 予算特別委員会−03月22日-07号


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    令和 4年  3月 予算特別委員会−03月22日-07号令和 4年  3月 予算特別委員会 令和四年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  令和四年三月二十二日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十六名) 委員長  菅沼つとむ 副委員長 平塚けいじ 副委員長 藤井まな      阿久津 皇      石川ナオミ      おぎのけんじ      加藤たいき      河野俊弘      宍戸三郎      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ      和田ひでとし      いたいひとし
         岡本のぶ子      河村みどり      佐藤ひろと      高橋昭彦      津上仁志      福田たえ美      いそだ久美子      桜井純子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      大庭正明      田中優子      ひえしま進      桃野芳文      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      金井えり子      高岡じゅん子      田中みち子      小泉たま子      つるみけんご      あべ力也      上川あや      ひうち優子      佐藤美樹      そのべせいや      神尾りさ      くりはら博之      青空こうじ  欠席委員(一名)      上島よしもり  出席事務局職員          議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   政策経営部   財政課長  五十嵐哲男   教育長           渡部理枝   教育監           粟井明彦   教育総務部   部長    知久孝之           教育総務課長                 安藤良徳           学務課長  田中勝将           学校健康推進課長                 山下裕光           教育環境課長                 青木 徹           副参事   秋元勝一   教育政策部   部長(教育監兼務)                 粟井明彦           学校職員課長                 前島正輝           教育指導課長                 毛利元一           教育ICT推進課長                 齊藤真徳           教育研究・研修課長                 隅田登志意           教育相談・支援課長                 柏原耕治朗           乳幼児教育・保育支援課長                 本田博昭           副参事   北村正文           副参事   塚本桂子   生涯学習部   部長    内田潤一           生涯学習・地域学校連携課長                 谷澤真一郎           中央図書館長                 會田孝一     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和四年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和四年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和四年度世田谷区学校給食費会計予算文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開催いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日の欠席者の届出がありますので、御報告いたします。欠席者は、上島委員であります。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 おはようございます。それでは、生活者ネットワークの文教所管の質問を始めます。  まず初めに、自動販売機の設置についてです。  企画総務所管でも取り上げましたが、脱炭素の観点に基づいた自動販売機の設置についてです。区の庁舎や施設に飲料水などの自動販売機、その数は六十六か所に百八十五台、二千七百万円の税外収入があるということは分かりました。省エネ技術が進歩しているとはいえ、気候危機の問題は待ったなしです。これまでのように利便性の向上と税外収入が見込めれば、余裕のある敷地に設置していく区の方針は見直すべきと考えます。  本日は、文教所管の質疑です。先般、学校に自動販売機を設置する方向で実証実験を行うとの報告がありました。改めてその趣旨や経緯と脱炭素の観点で教育委員会としてはどのような話合いがされたのか伺います。 ◎安藤 教育総務課長 平成三十年に桜丘中学校生徒会より、自動販売機の設置が学校に対し要望されました。当該中学校より、PTA役員会や学校運営委員会でも賛同が得られたことから、教育委員会に設置に関する相談が寄せられ、教育委員会では、生徒、教職員、学校開放利用者等の利便性向上と、災害時等の飲料水確保等に寄与するものと認識しております。  今般の自動販売機の学校設置については、中学校長会でその趣旨や経緯を説明してきておりますが、各学校長の自動販売機設置への意向はまちまちのようです。  また、教育委員会では、試行設置に際し、SDGsや脱プラスチックの観点からも検討を重ねてまいりました。自動販売機導入のメリットだけでなく、課題も総合的に勘案し、学校として積極的に環境教育に取り組んでいくことも踏まえ、中学校敷地内への自動販売機の設置を試行することといたしました。 ◆田中みち子 委員 今、生徒会からの要望ということでしたけれども、環境に配慮したライフスタイルを推進し、CO2排出削減を目指す世田谷区にあっては、子どもたちに環境問題と捉えて考え直す機会にすべきではないでしょうか、見解を伺います。 ◎安藤 教育総務課長 当該中学校では、社会科や道徳、総合的な学習の時間にSDGsや環境に関する学習を行っており、美術の授業や生徒会においても、SDGsに関するポスター制作、掲示に取り組んでいると聞いております。また、校内において「プラスチック・スマート」キャンペーンに取り組んでおり、地区のごみ拾いイベントへの参加、学校周囲の清掃活動、ポイ捨て禁止の啓発、プラスチックの3Rなどについて活動を進めております。  今後、自動販売機の設置を契機に、SDGsの学習との関連づけ、カリキュラムマネジメントにより、計画的に学習指導を行っていくとともに、熱中症予防の指導、金銭教育、防災教育も進めるほか、生徒会によるマイバッグ持参運動や、自動販売機利用ガイドラインの作成などに取り組んでいく予定があることを学校から確認しております。 ◆田中みち子 委員 脱炭素や海洋プラスチック問題を踏まえれば、安易に自動販売機を設置する方向に進む前に、保護者からもニーズが高い水筒などにも対応した給水器―本庁にあるタイプです―を設置する方向で検討を進めるべきと考えます。見解を伺います。 ◎安藤 教育総務課長 浄水器の小中学校への導入につきましては、水道水と比較し、不純物を取り除くなど、浄化された水が提供できる反面、生徒数に応じた複数台数の設置費や、ランニングコストなど経費的な負担をはじめとする課題もあるものと認識しております。  試行で設置する自動販売機は、災害発生時に停電になっても、機内の製品を取り出せる機能や省電力対応販売機とすること、また、取扱いに熱中症対策飲料を加えるなどによる設置効果も期待できることから、まずは今回の自動販売機試行設置を実施してまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 まずは、自動販売機試行設置を行っていきたいということですが、さきの文教委員会では、これは特に問題がなければ、令和五年度からは設置を希望するほかの中学校へも拡大すると、拡大という言葉を使ってスケジュールが示されたわけです。気候非常事態宣言を行って、この対策を進める世田谷区にあっては見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
    ◎安藤 教育総務課長 お話しのとおり、世田谷区は気候非常事態宣言を行い、区民の皆さんとともに脱炭素の取組を進めております。当該学校におきましては、自動販売機の試行設置に当たり、これを契機として、生徒一人一人がSDGsや環境配慮の取組にこれまで以上に力を入れて取り組んでいくと聞いております。来年度設置校における自動販売機設置に係る効果検証を予定しており、自動販売機の利用状況、そのメリットや課題と改善点、御指摘のほか、区立中学校への導入の是非なども含め、今後の方向性をまとめてまいります。 ◆田中みち子 委員 二〇五〇年二酸化炭素排出量実質ゼロを実現するための道のりは容易ではないということは、今御答弁いただいています元環境計画課長が一番よく御理解されていると思います。気候危機対策を進める上では、環境への影響に配慮し、行動する職員一人一人の意識こそが重要です。区も本庁舎に浄水器を設置して、増やそうとしています。その政策の足を引っ張る真逆の取組として、学校への自動販売機が増え続けることのないように、慎重に検討を進めていただきたいと思います。  また、この自動販売機の商品については、海洋プラスチックの問題につながるペットボトルがあります。これまでのやり取りの中で、スポーツドリンクなど、子どもからのニーズがある飲料水の容器がペットボトルであるため、ラインナップから外せないと聞いていますが、企画総務では、契約前の条件にペットボトルを外すことができるそうです。契約を見直してペットボトルをラインナップから外すべきではないでしょうか、見解を伺います。 ◎安藤 教育総務課長 区では、この間の議会の質疑や教育委員会での議論、プラスチックごみ抑制や環境配慮の視点から、昨年十二月、一旦掲載した事業者募集を取り下げ、自動販売機で取り扱う飲料の容器について検討を重ねてまいりました。その後、事業者にもヒアリング等を行いまして、取り扱う容器がほぼペットボトルに限定される水やスポーツドリンクなどを除き、販売する飲料の容器は、原則ペットボトルを不可といたしまして、今後、入札を実施し、自動販売機設置事業者を決定することとしております。 ◆田中みち子 委員 気候危機は、今の子どもたちが三十代、四十代になったときに、このままだと環境が悪化して生きること、暮らすことが大変になってしまうんだということが現実にあり得るんですよということを伝えることが教育の重要な務めだと考えますので、ぜひ慎重に対応をお願いいたします。  次は、HPVワクチンの積極的勧奨に対する教育委員会の対応についてです。  子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスについては、ワクチンが有効であると言われています。このことについては、令和三年第二回定例会でも取り上げて、情報提供の見直しや定期検診受診率の向上、性教育の推進などを求めました。  さきの一般質問では、国からの勧奨再開による区の対応を質問しています。世田谷区独自の健康調査や実態調査は行わず、これまでどおりの把握の仕方を通すことや、被害報告が集まるPMDAからの情報を議会に示すことさえ検討したいと消極的で、その姿勢には問題があります。  国の報告では、重篤者は一万人に五人、副反応の疑いは一万人に九人と、ほかのワクチンと比べても高い副反応疑いの報告があります。また、国の十二月二十八日付通知では、自治体での相談支援や医療体制等の整備ができる前の積極的勧奨に慎重な対応を求めており、相談支援体制の中には学校との連携も含まれています。  そこで、教育委員会としてどのように対応するのか伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 HPVワクチンの予防接種は、接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みが特異的に見られたことから、平成二十五年六月から積極的な接種勧奨を控えることとされておりました。このたび、国によって最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたため、本年四月より、本人または保護者への個別勧奨が進められることとなり、世田谷保健所では、中学一年生から高校一年生までの方を対象に、三月末にその旨を通知すると伺っております。  教育委員会としましては、ワクチン接種における学校生活への影響を考慮し、保健所から個別勧奨通知が発送されるタイミングに合わせ、ワクチン接種に関する留意点や相談窓口などを学校及び保護者宛てにお知らせする予定でございます。  学校には、接種時やその後の体調の変化が起きた場合は原則欠席となりますが、新型コロナと同様の症状が見られた場合は出席停止とすることができること、接種後は激しい運動は控えるよう指導することのほか、子宮頸がんの現状やかかる仕組み、子宮頸がん検診の重要性、ワクチンの効果と副反応などをまとめた国のリーフレットを周知するとともに、管理職や養護教諭だけでなく、学校全体で情報共有を図るなど、学校においても接種に関する理解を深め、接種後の体調の変化にも対応できるよう依頼してまいります。  また、保護者の方にも国のリーフレットを周知し、ワクチン接種の有効性とリスクを十分理解した上で接種を判断していただくよう、教育委員会として通知することを予定しております。 ◆田中みち子 委員 HPVワクチンを接種するかしないか、これを判断するには国のリーフレットを活用していきますということですが、理解を進める上では被害者の声に耳を傾けることも必要ではないかと考えて、一般質問でも、HPVワクチンに関するポスターいっぱい運動のポスターなどの活用を求めていました。  この間、HPVワクチン被害者の支援団体が作成したリーフレット「HPVワクチンのほんとうのこと  ワクチンを打つ前に知っておきたいこと 読んでほしいこと」というのが新たにできており、とても分かりやすい内容です。それをちょっと今、プリントアウトしたものを持ってまいりました。こんな形のリーフレットになっていて、必要なところをダウンロードして活用できるような形で工夫されています。  中を見させていただいて、少し見たいと思うんですけれども、これは子宮頸がんとHPVワクチンについて適切な情報を把握して、接種についての判断をしてほしいんだ、それを切に願っていますという趣旨で作られたものです。それで、HPVというのはどんなウイルスなんですかというところについては、性交渉によって感染しますよとか、八〇%の女性が一生に一度は感染するありふれたウイルスだということや、子宮頸がんに至るまでの割合というのは、感染者の僅か〇・一五%ですよということとか、国のリーフレットよりもより一層詳しく書かれているんです。  がんになる前に治療することができる。ですから、子宮頸がんというのをしっかりと防ぐには検診というのが重要で、日本では子宮頸がん検診と衛生状況の改善によって、一九七〇年以降、ワクチンなしで子宮頸がんによる死者を減らしてきましたとか、ワクチンを打っても、やはりこのワクチンというのは二種類の方にしか効きませんよということなので、しっかり検診を受けてくださいねとか、本当に図解で分かりやすく説明しているものです。こんなものを参考資料として活用いただけないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎山下 学校健康推進課長 HPVワクチンの予防接種は、接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みや運動障害等の副反応が報告されたことを受け、平成二十五年六月から積極的な接種の勧奨を差し控えられていた経緯を踏まえ、今般の個別接種勧奨に当たっては、ワクチンの有効性とリスクについて、本人とその保護者が理解を深めていただくことは非常に重要なことだと認識してございます。  このたび積極的勧奨が再開されることに合わせ、教育委員会では、接種後に注意いただく事項をまとめた国のリーフレットを事前に案内することや、ワクチンに関する相談先を案内することとしております。また、ワクチン被害者の支援団体が作成した、今、委員にお話しいただきましたリーフレットを学校に情報提供してはどうかと御提案をいただきましたが、学校から生徒や保護者へ発信する情報につきましては、有効性とリスクを偏りなく提供する必要がございますので、その点に鑑み、学校への情報提供の内容につきましては慎重に判断してまいります。 ◆田中みち子 委員 やはり被害者支援団体が作っているというところで一部に偏りがあるのではないかということを御懸念されての答弁だったと思うんですけれども、これは必要なものだけ、先ほども申しましたが、部分的に活用というものも可能ですので、工夫していただけないかなとも思います。  そして、今学校では、接種した後とか、その後の体調変化など、そこでの対応というのも必要になってきます。これは複合的な副反応が出てきてしまうんですよとこのリーフレットには書いてあって、道が分からなくなってしまうんだとか、お母さんの顔が分からないとか、すぐに疲れてしまうとか、真っすぐ歩けないんです、体のいろんなところが痛いです、サングラスをしないと、まぶしくて目も開けられないんですよとか、こういったことまで書いてあります。そして、被害者を詐病扱いするようなお医者さんもいたりして、全国に設けられた医療機関が十分に機能していないということとか、被害者を真摯に診てくれる数少ない病院を頼って千キロ以上も移動しなければいけない被害者もいるんですよとか、こういったことが事実として書かれていますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。  そして、国の積極的勧奨再開に当たっては、これから中一から高一の四学年、一万二千人に予診票が個別送付されます。とはいえ、ワクチンの成分は勧告中止以前のものと同じで改良されたものではありません。子宮頸がんは早期発見、早期治療ができます。ワクチン以外の選択肢として、定期的な子宮頸がん検診を進める必要がありますが、現在の仕組みでは定期検診は二十歳以上となっており、子どもたちへの性教育と定期検診はセットで推進する必要があります。  これまで求めてきたオンラインを活用した外部講師による性教育の実施状況や保健所と連携した子宮頸がんの内容についての取扱いについても併せて答弁をお願いします。 ◎塚本 副参事 外部講師による性教育の授業については、区内の学校で東京都による産婦人科医を招いたものや、保健所による助産師を招いたものを実施しており、例年は十校程度を募集しておりますが、昨年度に引き続き今年度もコロナウイルス感染症の影響により三校での実施となっております。そのうちの一校は新たな取組として、タブレット端末を活用してオンラインによる実施をいたしました。来年度以降の助産師を招いた授業については、学校の要望により、子宮頸がんについての内容を取り扱うなど、保健所と連携をして進めてまいります。  今後も外部講師による授業を広く区内の教員に公開するなど、学校の実態に即した性教育の推進を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 これまでは全校で性教育を進めてくださいということで申し上げて、なかなかこれは進みません。ぜひとりあえずオンライン、一校で始まったということですが、これをしっかり全校で広めていただくように検討を要望いたします。  次に、教育現場での大学連携についてです。  世田谷区内には大学の学部が十七もあって大変恵まれた環境にあります。その専門性は多様であり、それぞれの大学独自の取組を発揮した教育、研究や地域貢献が進んでいますが、その実効性や継続性など課題があり、大学側からの提案に対する受入れ体制の整備が求められます。  十一月には、区長と大学学長との懇談会が実施され、教育総合センター開設に向けた大学との連携について意見交換の場がありました。教育委員会としても参加されたと聞いていますが、大学からはどのような御意見や御提案があったのでしょうか、伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 区では、世田谷区総合戦略の中で、地域人材と社会資源を活用した活力ある地域社会の構築を掲げ、地域社会の発展に向けた大学教育との連携協働を推進するものとしており、区と大学との連携事業の状況報告や意見交換の場として、交流推進担当部が事務局となり、大学学長と区長との懇談会を実施しております。  昨年十一月十七日に実施した懇談会では、教育総合センターと大学との連携の可能性について意見交換を行いました。参加された学長からは、乳幼児教育の支援や不登校対策として学生サポーターの派遣など、各大学の専門性や資源を活用して実施できる連携事業について、多くの御提案をいただいたところでございます。 ◆田中みち子 委員 懇談会後の具体的な取組というものもなかなか見えてくるものがありません。大学が持つポテンシャルを十分生かし切れていないのではないでしょうか。現状と課題認識や、学長懇談会の意見などを踏まえた教育センターを中心とした仕組みづくりを今後どのように展開していくのでしょうか、伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 現在も部活動や特別支援教育のサポートとしての大学生ボランティアの派遣や、特別支援教室専門員の研修の支援を行っていただくとともに、小中学校側も教育実習生の受入れを行うなど、教育現場と各大学とで相互に連携、協力した取組を様々な分野で行っているところでございます。  一方で、例えば連携事業が属人的に実施されていて、人事異動に伴い継続できず終了とするケースがあったり、大学連携の実践成果を区内小中学校で共有する仕組みがないといった課題があることも認識しております。  今後の連携の仕組みといたしましては、例えば幼稚園、保育所等と区内大学と連携して、乳幼児期の非認知的能力の育成や体力づくりなどの取組及び共同研究、また教員の資質向上のための研修など、各大学の協力をいただきながら、学校支援や、子ども家庭支援に生かしてまいりたいと考えております。  今後とも、各学校のニーズを把握するとともに、各大学と教育委員会とによる協議の場を設けるなど、教育総合センターを基軸として、世田谷の教育課題の解決や教育の質の向上を目指した取組を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 大学と教育委員会の協議の場をぜひしっかり進めていただきたいと思います。  そして、今答弁にあった特別支援教室専門員について聞きたいんですけれども、これは発達に課題が見られる子どもたちの障害特性の理解と支援の在り方など専門性が求められます。現在の特別支援教室専門員は各校に一名配置されています。小学校六十一名、中学校二十九名ということで合計九十名です。聞いたところでは、決まった異動年限はないそうで、特別な事情がない限り、基本的には配置した学校でずっと勤務し続けるという実態です。  一方、各学校に在籍し、特別支援教室を利用する子どもは、三年前の平成三十年から約六百人増えて、令和三年度では千七百二十人と年々増加傾向にあり、特別支援教室の円滑な運営を行う上で要となる重要な役目を担う特別支援専門員の効果検証と質の担保が重要と考えます。見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 特別支援教室専門員は、特別支援教室が設置されている学校に一名配置された東京都の会計年度任用職員でございます。主な業務としましては、特別支援教室における指導の様子や在籍学級における配慮事項を学級の担任に伝えるなどの業務を行っており、特別支援教室を円滑に運営する上で重要な役割を担っていることから、その専門性や質の向上が重要と捉えております。  東京都及び区では、それぞれ初任者を対象とした研修を行うほか、区においては大学や関係機関の学識経験者等に協力を依頼し、発達障害に対する理解促進や具体的な支援の在り方など、より実践的な研修も実施し、その専門性や質の向上を図っているところでございます。  今後も大学をはじめとする関係機関と協力、連携を図りながら、教育実践の場で生かされる研修を実施するとともに、その効果を検証し、特別支援教室の円滑な運営に向け、研修の内容の充実を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 世田谷区内にはスクールソーシャルワーカーに必要な社会福祉士など、専門資格を学ぶ大学がありますので、この大学と連携した人材育成も視野に取組を進めることも必要だと思いますが、答弁いただけますでしょうか。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 新風・せたがやの風の文教領域の質疑を始めます。  初めに、幼児教育・保育の質の向上について伺います。  区は、私立、区立、幼稚園、保育園など、様々な施設の種別を乗り越えて共有すべき基本的方針を示す羅針盤として、今年度、世田谷区教育・保育実践コンパスを作成されました。一方で、区では、世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンにおいて、ことばの力、体力向上、外遊び、文化芸術、自然との触れ合いなどの世田谷の特色を生かした教育、保育の推進を掲げられています。羅針盤たるコンパスとビジョン、これらの役割分担がいま一つ明確ではないように思います。  今後、この世田谷区教育・保育実践コンパスの活用を通じて、ビジョンに掲げる世田谷らしい幼児教育・保育をより一層推進するに当たり、どのような取組、展開を想定されているのか、中長期的な展望と併せてお考えをお聞かせください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 区では、世田谷区の特色を生かした教育、保育の推進を理念的に掲げた世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを平成二十九年七月に策定し、令和二年度からは幼児教育・保育推進ビジョンの理念などを踏まえて、乳幼児期の教育、保育の在り方について検討を重ね、区内の教育・保育関係者が施設種別を超えて共有すべき基本的方針として、昨年十二月に世田谷区教育・保育実践コンパスを取りまとめました。  今後は、乳幼児教育支援センターを中心に、実践コンパスに基づく研修や各園への専門人材の派遣等による人材育成、また、学び舎の仕組みを活用とした幼保小の連携の促進に取り組んでまいります。  また、外遊びや文化芸術等の様々な体験を通じて、非認知的能力等の、子どもたちがこれからの社会を生き抜く力の基礎を培うことができる環境づくりを進めてまいります。  さらに、各園の現場の実践事例を共有化するために、先進事例の情報について乳幼児教育支援センターを拠点として、各園や保護者等に発信するなど、様々な取組を通じて、幼児教育・保育推進ビジョンの理念を具現化するとともに、実践コンパスの内容の共有化を進めていくことにより、区全体の乳幼児期の教育、保育の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 今御答弁にありました事例の共有化ということにつきましては、事例集を作成するというような従来の手法とともに、より効果的に好事例などの情報が共有されるよう、現場目線のDXなどの視点も取り入れていただきたいと考えます。  次に、このたびの区長の招集挨拶で示された全国的に子ども、若者の自殺が急増した、社会的孤立を深め鬱の状態になる人も増えたとの区の御認識を踏まえ、福祉保健領域で取り上げた区民の鬱状態と自殺との関係性について、教育委員会の御認識を伺ってまいります。  いじめ、不登校、ひきこもり、家族間、友人間でのトラブル、コロナによる様々な分断、こうしたことが複合的に絡まり、鬱状態になり、さらに深刻化した場合には、自殺に至ってしまうということが想定されます。このようなことが引き起こされないよう様々な施策を組み合わせて、何とか子どもたちの悩みに早めにアプローチし、深刻化を防ぐ手だてが必要と考えます。  教育の現場では、日々、先生方を中心に子どもたちと直接的に関わり、その変化を敏感に察知できる環境にあることを鑑みると、教育現場はこの予防施策の最前線の一つであるとも考えられると思います。  教育委員会として、この子ども、若者の自殺の増加、鬱状態の方の増加についてどのように捉えておられるのか、また、子どもたちの悩みを把握すること、その悩みに寄り添うことなどの難しさについて、現場の先生方がどのように感じておられるのか、現場での課題について、教育委員会として把握されている現状を併せてお聞かせください。 ◎塚本 副参事 新型コロナウイルス感染症対策が長期化し、今後の見通しが持ちづらい状況下であることで、漫然とし、不安と悩みを抱える子どもが増えていると認識しております。実際に子どもたちは保護者の在宅ワーク等により自宅での生活リズムに変化が起きたり、友達同士で外遊びがしづらい環境にあるなど、生活環境の変化に直面しています。  また、学校生活においても、児童生徒で互いに距離を取ることや、会話が弾み、楽しいはずの給食の時間も、黙って食べる黙食が定着するなど、今までの学校生活にはないストレスにさらされやすくなり、さらに、コミュニケーション不足から、孤独、孤立、鬱状態になる可能性なども危惧されているものと考えられます。  このため、学校では、日々の教育活動の中で、学級担任だけではなく、学年教員、教科担任教員、養護教諭など複数の目で日常的に子どもたちを見守り、観察するなど、子どもたちの変化を見逃さずにキャッチできるよう取り組んでいるところです。  教職員は、子どもの変化に気づきやすいため、日頃から必要に応じて子ども自身や保護者へのアプローチを行っておりますが、専門性が必要な対応が迫られることもあり、より適切な支援を行うために、スクールカウンセラー等と連携することで、日々実態に応じた支援を行っております。 ◆つるみけんご 委員 今御答弁にもありましたように、現場の先生方をはじめ、教育委員会の皆様は、これまでも子どもたちの様々な悩み事に対応してこられたものと思いますが、コロナ禍により悩みを持つ子どもたちが増加しているという前提に立てば、さらなる取組が必要となるはずです。  鬱状態、あるいはその手前の様々な悩みを持つ児童生徒に対し、これまでの取組に加え、さらなるアプローチの方法としてどのようなお考えをお持ちか、また、併せて教育委員会としての現状に対する課題認識をお聞かせください。 ◎塚本 副参事 不安や悩みを抱える子どもたちにとっては、相談できる人の存在が重要であるため、引き続き学校では、困ったときには身近な大人に助けを求めることの大切さを繰り返し指導してまいります。また、スクールカウンセラーによる小学校五年生と中学校一年生の全員面接を行っており、あわせて、教育相談週間中に子どもが話しやすい先生を指名して面談を行うことで相談することを身近に感じてもらえるような取組を行っている学校もあります。  今後このような各学校の取組を随時全校に共有し、一人でも多くの悩みを抱えている子どもを支援してまいります。一方、家庭や友人間のトラブルなど、学校や教員に相談しづらい悩みを抱えている児童生徒がいることも想定されることから、学校だけで全ての子どもたちの不安や悩みを解決することは困難であると考えます。  こうしたことも踏まえ、子どもを孤立させないよう、より有効な手だてについて、教育委員会で検討するとともに、福祉の関係部署等とも連携して進めてまいります。 ◆つるみけんご 委員 ぜひとも子どもと接する現場を持つ教育委員会から、コロナ後の日常生活を念頭に置いた子どもたちの実態に即した対応や施策を福祉所管にも提案し、連携に基づく実践の成果につなげていただきたいと考えます。  次に、教育総合センターのさらなる活用について伺います。  昨年末に教育総合センターが開設し、区長は今定例会の招集挨拶で、教育改革の土台となる拠点ができたと力強くおっしゃられました。教育長を中心に、教育委員会の皆様には、この教育総合センターを大いに活用していただき、世田谷の子どもたちがこの町で育ってよかったと思える教育を実現していただきたいと思います。  その教育総合センターの広報紙である教育総合センターだよりには、交流エリアや屋外広場を設け、広く区民の皆様に御利用いただき、にぎわいのある施設にしていくとの表明がありました。  一方で、教育総合センター条例では、教育総合センターが行う事業は、教育及び保育に関することと規定されています。つまり教育総合センターは、教育施設として広く区民の皆様に御利用していただくということになろうかと思います。  コロナ禍で予定していたイベントが延期になるなど、現在は難しい運営を強いられているわけですが、今後を見据えて、教育的観点から、いかにして区民に開かれた教育総合センターをつくり上げていくのか、その展開と将来のビジョンを含め、お考えをお聞かせください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 教育総合センターは、教育課題の研究や教員の育成、教育相談、不登校対策など、学校、子ども、保護者を支援することを主たる目的とする施設でございます。それに加えて、通称えがおの森と呼ばれている一階の区民交流エリアと屋外広場につきましては、地域の方や子育て世代の保護者の交流の場、乳幼児期からの子どもの遊びや学びの場として、午前九時から午後五時まで区民に御利用いただけるようになっております。  区民交流エリアは、誰でも自由に御利用いただくことができ、昨年十二月の開設以来、近隣の保育園の園児や乳幼児期の子どもとその保護者などを中心に御利用いただいている状況でございます。その一方で、教育施設という印象があり、気軽に立ち寄っていいのか分からないといった御意見もいただいております。  今後は、案内チラシやホームページ、SNSなどで誰でも自由に御利用いただける施設であることを広く周知するとともに、表示を工夫するなど、気軽に立ち寄りやすい雰囲気づくりに努めてまいります。  また、交流エリア内では、乳幼児期からの非認知的能力を高めることを目的とした遊びが学びにつながるような仕掛けを工夫するとともに、子どもや子育て世代、高齢者といった幅広い世代が集まって交流することで、生涯学習や地域連携にもつながるような取組を検討することで、区民の皆様に親しまれるようなにぎわいのある施設を目指してまいります。 ◆つるみけんご 委員 ぜひともこの教育総合センターでは、従来の視点にとらわれない新たな学びの在り方を創出するために、広い視野と柔軟な発想を持って果敢に新たな取組に挑戦していただきたいと思います。  次に、教育ビジョン調整計画による今後の展開について伺います。  一月三十一日の文教常任委員会にて、第二次世田谷区教育ビジョンの調整計画の案が示されました。今後この計画に示されている視点や、次期ビジョンの目指すべき方向性、リーディング事業として取り組むべき重点課題など、これらが世田谷の教育全体で共有され、一丸となって取り組まれることで、初めてこの計画が本当の意味を果たすものと考えます。  この調整計画には概要版もありますが、本編は一二三ページに及び、幼児教育から生涯を通じた学びまで広く教育全般にかかっているため、相当なボリュームがあります。ただでさえコロナ禍で日常業務が増加し、多忙を極めると言われる教育現場の先生方が、全てを網羅的に熟読することはなかなか困難なことのように思います。  教育委員会として、この調整計画をどのように教育現場と共有し、世田谷の教育全体、それぞれの教室、授業に至るまで浸透させていかれるのか、お考えをお聞かせください。 ◎安藤 教育総務課長 教育委員会では、保育園、幼稚園、小中学校など教育現場への教育ビジョンや調整計画の共有につきまして、校長会や研修の場を通じて、基本的な考え方や施策の柱など重要なポイントを現場の教職員等に理解していただき、教育、保育の実践の中で生かせるよう工夫してまいります。また、地域の方々や保護者、教育・保育関係者の皆様には、学校や区のホームページ、教育広報紙などの広報媒体を活用するほか、関係所管とも連携し、学校運営委員会や総合教育会議、催物の場など様々な機会を通じ、周知徹底してまいります。  今後とも様々な手法を活用して、第二次世田谷区教育ビジョンや調整計画の内容について、教育現場をはじめ、世田谷の教育、保育に関わっていただいている方々に浸透を図ってまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 調整計画については、令和四年、五年度を実施期間としており、その間に、その後の世田谷の教育の方向性を示す次期教育ビジョンが組み立てられることとなっております。大変スケジュール的には厳しいものがありますが、変化の激しい時代だからこそ、この調整計画の取組の成果を、次期教育ビジョンの組み立てに生かしていくことが求められるものと考えます。  教育委員会として、調整計画における教育現場での取組の成果を、令和六年度からの次期教育ビジョンにどのように反映させていくのか、その政策形成過程も含めてどのような考えをお持ちか、お考えをお聞かせください。 ◎安藤 教育総務課長 教育現場の取組成果につきましては、毎年第一回区議会定例会の中間日報告において、教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況について、教育委員会自らが点検評価を行い、報告書を提出しております。その結果を踏まえ、課題を認識し、次年度の計画の推進につなげております。  次期教育ビジョンの策定に当たっては、点検評価の実施過程や結果を踏まえながら進めていくとともに、策定委員会を設置し、地域の方や学校関係者、教育委員会や関係所管の管理職などで教育施策に関して意見交換、検討などを行っていきます。また、新たに当事者となる子どもの声を反映させるために、ワークショップ等の手法を検討してまいります。  このような様々なチャンネルを通じて、教育に関わる多様な意見を集約しながら、家庭での学び、学校での学び、地域での学びの連携により、子どもたちが未知の世界を切り開く力を育むことができるような学びを推進していくことで、新たな時代に即した次期教育ビジョンを組み立ててまいります。 ◆つるみけんご 委員 今、最後に新たな時代に即した次期教育ビジョンを組み立てていかれるということですけれども、次期教育ビジョンは、言うまでもなく、今後の世田谷の教育の基本的方針を示す羅針盤とも言うべきものです。ぜひとも従来の方針に何かを付け加えて引き継ぐという形ではなく、新しい視点、広い視野、柔軟な発想、そして子どもたちに何かを教えるという一方通行的な発想ではなく、これからの時代を担う子どもたちと私たちとが共に学び合うための教育の在り方を探求するという視点を持って、新たなビジョンを組み立てていただきたいと考えます。  以上で質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 質問してまいりますが、今回、学校プールについて質問したいと思います。  都内の他の自治体でも学校プールの整備や水泳の授業の見直しが進んでいます。特に来年度の予算の案の中で、例えば多摩市の場合は、公立小学校全十七校の水泳の授業を校内の野外プールから民間の市営の屋内プールに移し、インストラクターに指導してもらう費用として五千八百万円を計上したというようなことです。市によると、学校単位での同様の措置はあるけれども、自治体が全校の水泳の授業を実施するのは全国でも珍しいというようなことです。  近年の猛暑で、野外プールで授業ができないケースが多摩市の場合には相次いだということで、そういうことの解消のために、屋内プールの民間にお任せをするというようなことも検討されているようです。それが大変好評だということで、プールのメンテナンス費を減らすということができて、教員の働き方改革にもつながるということで、市長も実施をしたいということで強力に推進をするということのようです。
     また、葛飾区は、同じように区立小学校水泳の授業で、郊外の野外温水プールの活用を始めると。八校で先行実施をし、四校で体験試行する。区立総合スポーツセンターや民間プールなど十施設の利用料など九千百万円を計上したということです。区は季節や天候を問わず利用できるなどの利点を挙げているということで、二十八年度までには区立小の四十九校中の四十校で、また郊外プールに移行する方針だということで、これは二十三区で初めての取組だということのようですけれども。  翻って世田谷区を見てみますと、世田谷区は、小学校六十一校、中学校二十九校で、ほとんどはもう自校でプールの整備をしているという状況のようですけれども、その稼働率とかいうこととか、あと、年間の授業日数はそれぞれ十時間程度ということのようです。また、プールの建設費は約三億円、年間維持費に関しては三百万円ぐらいの維持費がかかっている。水道代が、二十五メートルプールをいっぱいにするのに大体二十五万円ぐらいかかるということのようですから、それぞれ各校にプールがあるということの経費は莫大なものになるのではないかというふうに考えます。  また、その指導によって子どもたちの泳力がどれぐらい向上したのかということを、区内の小学校で毎年調査をしているようですけれども、教育委員会のお答えでは、泳力調査の結果では、子どもたちの泳力に大きな変化はないということで言われているということであります。  昨今、子どもたちも民間のスポーツクラブで、スイミングクラブに通われているという児童が大変増えているという中で、学校での水泳の授業の在り方そのもの、また基盤整備の在り方も含めて見直しを進めていく必要があるというふうに私は考えるわけですけれども、それにはまず、子どもたちがどれぐらいそのスポーツクラブなんかで水泳をしているのかというようなことの実態の把握をする必要があると思いますので、そうした現状把握のアンケート調査を実施すべきだと思いますけれども、教育委員会のお考えを伺いたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 現在、スイミングスクールに通っている児童の割合というのは認識をしておりません。今後、今お話のありましたアンケート調査について実施可能かどうかも含めて検討させていただきたいと思います。 ◆あべ力也 委員 ほかの自治体では、水泳の授業そのものは、私は水泳の授業は必要だとは思うんです。何年か前に、韓国で水難事故があって、韓国では水泳の授業がないというので、子どもたちが皆さん水難で亡くなったというようなことが報道でありましたけれども、日本の場合には水泳の授業があるので、そういうことはないのかなというふうに思います。  水泳の授業の大事さというのは私は認識をしておりますので、授業をなくせという話ではなくて、基盤整備の考え方であったりということで、例えば各校に整備をするというんではなくて、いわゆる学び舎の中で一校にきちんとしたプールを整備するとか、共同利用等の考え方もできますし、様々考え方というものはできると思いますので、ほかの自治体がこういう動きがあるという中で、世田谷区も検討するいいきっかけにしていければいいんじゃないかなと思うんですが、教育ビジョンの中にも見直しの検討なんかを位置づけられることではないかと思います。  また、ほかでは民間のプールとか、スポーツクラブ、スイミングスクールなどの活用とかということを視野に実施をされているということですけれども、こうしたアウトソーシングの考え方というのも教育現場に取り入れていく必要が私はあるんじゃないかなと思いますけれども、教育長、今後の世田谷の学校プールの在り方として、様々検討していく必要があると思うんですが、今後の考え方としてどういうお考えをお持ちでしょうか。 ◎渡部 教育長 自校以外のプールを活用した水泳授業のモデル事業として、今現在行っています二校程度、来年度はもう少し広げて、民間の指導員を派遣してというところで今広げているところです。  これらを行いながら、課題も認識をしております。それは移動の時間がかかる、それから、子どもたちのカリキュラムをどのように組み立てていくか、評価はどのようにするかなどでございます。そのようなことを全て把握した上で、今後検討してまいります。 ◆あべ力也 委員 アウトソーシングや基盤整備の在り方、授業そのものの在り方についても様々課題があると思いますので、課題の整理をしながら、他区で実施しているような検討を世田谷区でもしっかりしていただきたいということを要望しておきたいと思います。特に民間の施設を利用した考え方なんかは、世田谷区ではまだやっていないわけですから、そういうことも検討の中にしっかり取り入れて、子どもたちの泳力の向上のために資するような授業を展開していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 区立図書館における漫画の扱いについて伺います。  せんだって区立図書館を利用する区民の友人から次のような疑問の声が届きました。以前、都内の北区に住む同僚が北区立図書館で借りた漫画作品、よしながふみさんの「大奥」を職場の休み時間に読んでいたそうです。図書館で借りられるよというので、世田谷区立図書館でも探してみたけれども、検索をかけてもヒットせず、区立図書館の書棚で漫画の配架を見たことがなかったので、世田谷区立図書館に漫画の蔵書はないものだと思っていた。それでも借りたかったので、他区からの借受けを区立図書館にお願いしたところ、漫画の借受けはうちでは駄目です、取次ぎもできないと一律に切られて驚き、漫画は借受けすら駄目なのかと思っていた。  その後、何年かして世田谷区立図書館でたまたま手にしたのが、原作者がタレントさんで話題だった「大家さんと僕」という作品です。作品をよく知らぬまま一緒に借りて読んだら、えっ、漫画じゃんと驚いてルールが変わったのかと理解をしたそうです。その友人は、休日、畑を借りて農作物を育てていまして、ルールが変わったのなら、農業従事者だった実体験に即して描かれた荒川弘さんのコミックエッセイ「百姓貴族」はないかと考えて、区立図書館で探したら、やはりなく、他区からの借受けを頼んだら、漫画は駄目だと以前と同じように返されたそうです。「大家さんと僕」も漫画なのに、区立館に所蔵されていて、借りることができた。どういう判断基準なのか訳が分からないと言われました。  この話は私にとっても疑問でした。区立の世田谷文学館では、先日も漫画家の「谷口ジロー展」を開催し、昨年は「あしたのジョー!展」、おととしは「安野モヨコ展」、その前年は「萬画家・石ノ森章太郎展」も開いており、全てが漫画家作品に焦点を当てた世田谷区立の施設での特別展です。ところが、同じ世田谷区立の図書館では漫画は駄目だと一律に切り捨てられる、一体どういう判断なのでしょうか。  私は漫画も立派な表現手段の一つであって、図書であることに変わりはなく、重要なのはその中身だと考えます。私も小難しい文書を読むより、よほど現場理解の助けになるのではと考えまして、生活保護のケースワーカーを追いかけた漫画作品、「健康で文化的な最低限度の生活」、こういったものを何冊も持っています。このように分かりやすく理解を助け、教養を高める漫画図書だって幾らだってあるのに、漫画だからと一律の排除はおかしいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎會田 中央図書館長 現状、世田谷区立図書館では、漫画は原則として収集しないこととしております。ただし、生活、教養、学習、調査研究及び娯楽、趣味に資するものや、地域の著名な作家の作品などについては一部収集の対象としているところです。  漫画の蔵書につきましては、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会の報告書でも、集客やにぎわいの観点から蔵書に加える方向の提案をいただいております。今後、漫画というカテゴリーで収集対象から除外するのではなく、中身の議論を深めることで、より柔軟な図書資料の収集を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 次に、他区には蔵書があるにもかかわらず、区民が他区のコミックエッセイを取り寄せたいと相談したところ、漫画は駄目だと一律に排除をされていますが、そこまで排除する必要もなく、過剰だと考えます。この点も改善していただけるとよいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎會田 中央図書館長 世田谷区立図書館で所蔵のない資料について、ほかの自治体の図書館から貸出し、借受けを行う制度を相互貸借と呼び、区民要望に応えるサービスの一つとして行っているところです。しかし、多くの自治体は、漫画を相互貸借の対象外としており、また、貸出予約の多い資料は利用者への提供が優先されており、取り寄せが難しい状況です。さらに、世田谷区の運用として漫画については利用者からの取り寄せ依頼をお断りしておりました。  今後につきましては、漫画の収集に関する検討と併せ、他自治体から取り寄せが可能な資料については提供できるようにするなど、より区民要望に応じた図書館サービスの充実に努めてまいります。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  続けて、話は変わりまして、毎年十二月の人権週間に開かれている「講演と映画のつどい」についてです。  人権とは何かを考えていただく人権週間に当たり、映画鑑賞とそれにまつわる講演があるというのは、御参加いただく方にとっても伝わりやすい、よい啓発手法であると思います。  しかし、一点、とても残念に思うのは、区の主催イベントにおける映画上映が、総じてバリアフリーの視点を欠いていることなんです。特にこのイベントでは、人権週間のイベントですから、各障害特性に応じた配慮があってしかるべきですし、そのほうが御参加いただく他の方にとっても新たな気づきを得る機会となり、よいと考えるのですが、そのような配慮が薄いように感じます。昨年十二月の区のチラシを見ましても、特殊ニーズへの配慮は、字幕つき作品、保育ありというだけ、音が聞き取りづらい難聴者にとって助けになる補聴ループの活用や、その御案内もなければ、目の不自由な方が一緒に映画を味わえる副音声への配慮もありません。  この点、練馬区が昨年十二月の人権週間に人権週間映画会を開き、その広報にはこうあります。車椅子席、難聴者用イヤホン、映画の音声ガイド、手話通訳、要約筆記を利用したい方はその旨、お知らせください。また、保育室を利用したい方はお子さんの氏名、年齢もお知らせくださいとも書かれています。残念ながら、当区にあるのは後者だけ、配慮の幅も深さも違うように感じます。世田谷区でもせめて人権週間のイベントでは、この練馬区のように、難聴者や視覚障害者への配慮を心がけていただけないでしょうか、いかがでしょうか。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 人権週間事業「講演と映画のつどい」における障害のある方への情報保障など、配慮の重要性については、委員御指摘のとおりでございます。  平成元年の事業開始以来、上映する映画につきましては、聴覚障害者に向けて字幕スーパー及び要約筆記を準備して情報保障をしてまいりましたが、難聴者の聞こえを補う補聴ループ、視覚障害者への副音声の用意まではできていない状況でした。  事業の実施に当たりましては、当該年度の講演内容にマッチした映画を選定することとなりますが、今後、映画を選定する際には、視覚障害者への情報保障についても十分に留意してまいります。  また、施設状況に即した補聴ループの対応など、障害の特性に応じた配慮に努めるとともに、当該イベントの御案内の際には、より丁寧な周知を行ってまいります。 ◆上川あや 委員 世田谷区の区民会館のほうには補聴ループがもともと購入して配備されておりますので、ぜひほかのイベントでも御活用いただきたいと思います。  また、先ほどの漫画についてなんですけれども、今では公立の漫画図書館もある時代です。漫画だからと一律に排除するということではなくて、より関心を持たせて学びを深めさせていくという一つの手法としてもとても有用だと思いますので、ぜひ新たな展開でお願いできればと思います。  以上で私の質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時五十七分休憩    ──────────────────     午前十一時十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、学校への防災ヘルメットの配備について伺います。  四月から小学一年生になるお子様を持つお母様から次のような御意見をいただきました。入学準備をする中で防災頭巾を購入するように言われた。もちろん何も備えないよりはよいが、耐衝撃を考えると、なぜヘルメットではないのかなと思う。防災頭巾と収納するケースを購入すると約五千円弱するので、決してヘルメットより安いとも言い切れない。ヘルメットにしてほしいとの声です。耐衝撃という点を考えると、防災頭巾よりヘルメットが防災の観点からよいと考えます。ヘルメットは火の粉からも守れるし、動きやすいとも思います。  横浜市では、一年生全員にヘルメットが支給され、椅子の下に収納し、有事の際にはすぐに出してかぶることができるように配備しているとのことであります。世田谷区内の小中学校への防災ヘルメットの配備について見解をお伺いいたします。 ◎安藤 教育総務課長 御指摘のとおり、現在、小学校から保護者に対しましては、座布団と兼用できるような防災頭巾を準備していただくよう依頼をしており、学校安全対策マニュアルでは、大地震の際には素早く机の下に潜り、体を保護することとしており、揺れが収まった後、防災頭巾などで頭部を保護し、素早く校庭に避難することとしております。  御提案の防災ヘルメットは、衝撃に強く、落下物から頭を守る機能として優れており、二十三区の他区においても学校へのヘルメットの導入や中学校に限ったヘルメットの貸与などが実施されてきていることを確認しております。  今後、防災ヘルメットに関しましては、発災時に容易に扱えることができる収納方法や、活用する対象の範囲などの具体の課題を整理し、学校及び関係所管と協議しまして、子どもの安全のために何が最善かという視点から、適切な防災用品について検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、令和元年に質問したキャリア教育についてお伺いをいたします。  社会人経験をした人材を教育に生かすことが必要であり、様々な職種に携わっている人材を教育の中に入れることで、様々な大人を見て育つことができ、教育の観点から重要であると以前から申しております。例えば法律、金融、経済、メディア、ITといったそれぞれの専門分野の方を教育現場に入れることで、経験豊かな方々の考え、仕事の内容を学ぶことができ、刺激的で子どもたちによい影響を与えると考えます。  また、一つの職を全うされている方、転職をされている方、そしてパラレルワークをされている方など、多様な職業人の話を聞くことで、職業は一つではない、人生はやり直しが利くんだといったメッセージを伝えることもできます。  また、特に学校の保護者の方には様々な職業の方がいらっしゃいますので、キャリア教育としてよい環境にあり、今後、積極的にその学校の保護者の方々によるキャリア教育の場をつくることが効果的と考えます。  以前に質問した際の答弁では、自己肯定感を育むことは重要な要素である。子どもたちが多様な生き方があることを学び、自分の将来について柔軟に考える力を培う環境を整えていく。また、今後は、保護者の方の協力を得て、地域を舞台とした世田谷区全体で推進する新しいキャリア形成の在り方について検討していくとのことでしたが、進捗状況と今後についてお伺いをいたします。 ◎隅田 教育研究・研修課長 各学校においては、新型コロナウイルス感染症等の影響下において、保護者や企業の方をお招きすることが難しい中、ICTを活用し、工夫することで、子どもたちに貴重な学びの場を用意し、実施してまいりました。  また、教育委員会においては、全校における好事例を集めた「キャリア・未来デザイン教育カタログ」を作成し、区内全教員や区立小中学校の保護者へ周知したり、キャリア教育担当者が参加する研修会の中で紹介したりすることにより、学校独自の取組を世田谷区全体で推進できるようにしてまいりました。  その結果、全国学力・学習状況調査においては、キャリア教育の成果指標となる自分にはよいところがあると思うかという質問に対して肯定的な回答をした児童生徒の割合が八〇%を超えるといった状況にあり、児童生徒の自己有用感、自己肯定感が高まったという成果が得られました。  今後は、子どもたちが夢や希望を持ち、思い描く未来の自分になるために必要な力が育まれるよう、キャリア教育の理解とともに、キャリア・パスポートの効果的な活用方法を子どもたちと教員、保護者が共通理解できるような資料を作成するなど、各学校のキャリア教育の一層の充実に向けて支援してまいります。 ◆ひうち優子 委員 様々な大人を見て、子どもたちに選択肢を与えていただきたいということを要望いたします。  次に、プログラミング教育などの人材確保について伺います。  以前に非常勤講師の方々の人材確保策について何度か取り上げてまいりました。教員の人員不足、具体的には育休代替職員や非常勤講師などの講師探しに苦労する現状があり、実際に教員でもある私の友人に伺ったところ、若い世代の教員が現場には多いが、ちょうど産休や育休に入る人が多く、その代わりが見つかりにくい。また、少人数学級や特別支援学級など、今は様々な非常勤講師のニーズがあるが、探すのに大変で、希望者が限定されると申しておりました。  現在、世田谷区では、少人数学級の際など、ニーズがあったときにはすぐに対応できるように、教師ではないが、教員免許を持っている人に登録をしてもらい、非常勤講師のリストを作って、世田谷区で働く教員の確保に努めているとのことです。  こうした中、プログラミング教育をバックアップする人材を探すのが大変という声も聞きます。プログラミング教育は、各教科の授業の中で計画的に行い、問題の解決には必要な手段があることに気づき、論理的思考力を育むことを狙いとする教育です。学校におけるプログラミング教育を支援していく人材の確保を行っていただきたいと考えますが、どのような支援を行っていくことができるのか、お伺いをいたします。 ◎隅田 教育研究・研修課長 学習指導要領においては、これからの高度情報化社会を見据え、ICTを効果的に活用しながら、論理的、創造的に思考し、課題を解決していくための資質、能力を育むために、小中学校の発達段階に応じたプログラミング教育を実施することが求められております。  プログラミング教育を実施するに当たり、ICT支援員がプログラミング授業の仕方を教員にレクチャーしたり、授業を実施する際には支援したりしております。また、区内小学校では、民間企業から人的支援を受けて、プログラミングの授業を行う学校もございます。  今後は大学との連携により、学生ボランティアを充実させるなど、教員の支援に努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 今日は、まず、新教育センターに期待したいことという思いから三点伺います。  まず、先日の本会議やまた福祉領域でも質疑をしたんですけれども、障害のある子どもの教育、保育といった部分についてです。  この質問の起点になったのは、今回の特別支援学級の整備計画の改定というのが出てきて、この改定をするような背景になった障害のある子どもたちの今のニーズ、実態というところを把握して、また見える化をする必要があるんじゃないかということを申し上げまして、さきの福祉領域でもその見える化という部分について、これがその質疑で使ったパネルなんです。このピンクの星のところが船橋小学校で、あともう一つ、多聞小もピンクで書いてあるんですけれども、情緒、自閉の固定級があるところ、赤い丸が未就学児の子たちの通う児童発達支援のうち、放課後デイはやっていない児童発達支援だけで知的と発達の対応をしている事業所、こうやって見るとやっぱり砧地域というか、船橋地区に多くて、船橋に固定級が開くと、やっぱりこういうところにニーズがあるんだなというところが見えてくる一つの要因だろうなというふうには見えるわけです。  こういった情報のニーズの実態把握とか、見える化の部分は福祉保健のほうで障害福祉としてやっていくとして、区の区教委側もこの情報を共有して、こちらが持っている情報もあると思いますので、そういうことを整合させながら、各計画や施策に反映させていただきたいというふうに考えています。  また、福祉保健のところで、もう一点申し上げた点なんですけれども、先日、私の知り合いの方が等々力のほうで児童発達支援の事業所を開所した際に、近隣の幼稚園、保育園に、これはちょっと詳細は申し上げませんけれども、今後、連携をしていきませんかという呼びかけを、連絡を取ったところ、ほかともう連携していますということで、幼稚園側から、保育園側から断られたと。やっぱり幼稚園あるいは保育園と、児童発達支援の事業所の連携というのが進んでいくということが、その後のその子たちが小学校に上がっていった接続の部分でも様々な点で寄与すると思いますので、よくいうところの幼保小のショウが障というふうに考えて幼保障というところの、こういった考え方を持って新教育センターのところでもこれから進めていっていただきたいと考えますが、見解を伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 区立幼稚園と児童発達支援事業所では、子どもの状態や課題について共通理解を図るために個別に連携を行っており、配慮を必要とする園児に対し、介助員を配置するなど必要な対応を講じております。また、ぷらみんぽーと及び区立保健センター乳幼児育成相談による巡回技術援助指導等を受けております。巡回技術援助指導では、専門の指導員と一緒に対象児童の様子を確認し、その後、幼稚園職員へのアドバイスや意見交換を行っており、子どもに対して一貫性のある支援を行うとともに、療育施設との連携を図っております。  一方で現状では、巡回技術援助指導以外に地域全体で交流、連携する機会は少ないことから、今後、障害福祉部など関係所管部とも連携を図りながら、区立幼稚園と児童発達支援事業所との交流連携の促進に向けた手法等について検討を進めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 私のほうも引き続き提案をし続けたいと思います。  次に、二点目として、探究的学びについて、その探求的学びを進めていくに必要な教員のレベルというところ、レベルアップというところに触れたいと思います。  子どもたちがタブレットを使うようになって探究的学びというのが加速してきたという話を総括でも触れたと思います。今、子どもたちが与えられた課題をタブレットで掘り下げていって、タブレットの中のチームズというアプリでクラスメイト同士でディスカッションもしていって、自分たちでいろんな提案をするといったことが定着をしてくると、ややもすると、小学校の子がもう中学生レベルのことに触れていたり、中学生がそれ以上のレベルに触れていたりと、それに対応する先生たちも、今までであれば学習指導要領に定められていたことを押さえていれば対応できたというところも、いろんなところでそれを超えるものを対応していかなきゃいけないという場面に、恐らく現場ではなっているんではないかなというふうに考えます。  先日、ある区立中学校の校長先生とお話ししてきたときも、やはりそういう子どもたちのすごいスピードというのが、タブレットを持ってさらにスピードが上がっているところを、教員は引っ張っていけないまでも、阻害しないようにしないといけないよねというような御意見もありました。私自身も子どもたちを見ていて、やっぱりややもすると、ちょっと違う道に行っているところを軌道修正する力であったり、見守りながらそういう力も先生たちに必要になってくるんだろうなというふうに考えています。  非常にこの探求的な学びが進めば進むほど、教員のレベルというところも非常に高いものが求められていくと思いますし、新教育センターのところで、そういったところをどう補充、補完していくのか、ここは教育長のお考えを伺いたいと思います。 ◎渡部 教育長 探求的な学びは、自ら問いを持ち、その解決を目指すために、友達と共同的に学び、自らが答えを導き出すという学び方で、全員が同じ問いを持ち、同じ答えを導き出す一斉授業とは違った学び方と言えます。  一人一台配付されたタブレットは、そのためのツールとしてとても有効に活用されています。小学校の中高学年から中学生はチームズを活用して、いつでもその中で自由に意見を交換し、そこで得た情報から考えを広げ、学びをさらに豊かなものにしています。これには教員の理解が一番必要だと考えているため、このポイントを示した「せたがや探求的な学び」の手引を作成し、全教員に配付したところです。  今後は、小中学校の教育研究会と連携し、実践事例をデータベース化し、これを基に全教職員で探究的な学びの指導について研究を進めてまいります。これから研修等をさらに充実させ、学びの質の転換を図ってまいります。 ◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。  もう一点、「まなBASE」って、前回の決算委員会で取り上げました船橋地区で始まっている、中学生の学びを地域の大学生が支えるという大学連携というような文脈もある政策ですけれども、これについてもちょっと質問しようかなと思っていたんですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、要望にさせていただきます。  先日、やはりこの船橋地区青少年委員会の企画で、地域の大学生の声を聞くというのがあったんですけれども、大学生側も地域に貢献したいという子たちが結構いるんだなということが分かりました。なので、この「まなBASE」を通じて、中心として、こういった大学生とつながる取組をこれからも広げていただきたいと思います。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 総括でも教育費が一九九二年度、二百四十八億円から二〇二二年度、二百五十四億円とほとんど変化がない点について取り上げました。ちなみに三十年平均は約二百三十億円、最大値でも二〇一七年度の二百九十八億円と三百億円に達した年はありません。一方で、消費者物価指数を見ても、教育関連の物価は一〇から四〇%と上昇しており、教育費で得られる教育内容は実質的に減少しているのではないかと危惧をしています。  ほかの指標を見ても、小学生は一九九二年、三万四千人弱から二〇〇一年が最小で二万八千人、そこから上昇が続き二〇二一年度には過去最高の三万八千四百人といまだ上昇を続けていますが、小学校費を区立小学生の数で割った一人当たりの投資額は一九九二年、三十六万四千円、最小は二〇〇三年の十八万八千円、今年度は二十八万三千円、三十年前のマイナス二二%となっています。  中学生は一九九二年の一万六千人が最大で、二〇〇五年の九千八百人が最小、二〇二一年は子どもの増加に伴って一万一千五百人まで回復しており、同じく中学校費を区立中学生の数で割った一人当たりの投資額は一九九二年、四十四万六千円、最小は子どもの数とは関わりなく、一九九七年、二十七万六千円だったようですが、今年度は四十五万六千円、三十年前からプラス二%、横ばいとなっています。  日本は既に守りの三十年でほぼ全ての優位性を使い果たし、頼みの綱の自動車産業すら欧米が仕掛けたゲームチェンジに大きく翻弄されており、既に最新技術の分野では台湾や韓国に太刀打ちができなくなっている今、次世代の育成のための投資を切り詰めては、もう先がありません。教育へ惜しみなく投資が拡充できないのか、予算が上がっていないのはなぜか、ぜひ反論を聞かせてください。 ◎安藤 教育総務課長 教育予算の推移につきましては、ここ三十年間、教育委員会から区長部局への事務移管などもございまして、比較が難しいところもございますが、教育費においては、今年度開設した教育総合センターの整備など、年によって増減幅のある投資的経費を除く行政運営費は七七%ほど増加しております。平成四年度と令和四年度の一般会計当初予算を比べますと、四八・三%増となっており、これを上回っております。  この間の教育における取組といたしましては、児童生徒数の増加による小中学校の改築改修や、保護者の経済的な負担軽減を図る就学援助における所得基準の引上げなどを行ってまいりました。また、直近の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴って前倒しされたICTを活用した新たな学びのための小中学生へのタブレット配付や教育ネットワークの環境整備に取り組み、必要な課題解決に向けて取り組んできたところです。  今後は、多くの小中学校の校舎の改築事業を控えておりますことから、引き続き、児童生徒が安全安心に学べる環境づくりの実現に向け、必要な予算の確保と執行に取り組んでまいります。
    ◆そのべせいや 委員 大まかに答弁を要約すると、同じ予算規模の中でも施設整備にかける予算が減っているだけで、その分カリキュラムの充実のための予算を増やしているということでした。カリキュラムに予算が増えることは歓迎されるべきですが、一方でなぜ施設整備にかける予算が減ったのでしょうか。  かつては百三十億円とカリキュラム等その他の経費を上回る規模で予算がついていた施設整備費が、直近では六十から八十億円弱程度、二〇二二年度に至っては五十六億円と半減をしているようです。もちろんこの数十年で工法が変わり、同じ量の建て替えや改修の費用がコストダウンできているのであれば問題ありませんが、例えば鉄筋コンクリート構造で比較をすると、現在の単価はバブル期並みまで上昇しているようで、予算を三割抑えられる画期的な手法としてリノベーションを喧伝した割に、実績は一件、今後の採用は未定と、要は予算を投じなければ必要な建て替え、改修も難しいことが分かります。  過去最高の区立小学生数を記録する世田谷においては、デジタル化の波の中にあっても、教育施設や災害時の避難所として物理的な学校施設はまだ必要なものであるとすると、予算を抑えているほうが不自然ではないでしょうか。  一方で、学校施設についてもほかの公共施設と同じく公共施設等総合管理計画の中に位置づけられており、区が所有する建物の過半数を占めるため、教育委員会事務局以外の都合に大きく左右されてきた実績もありますが、福祉需要は、高齢者人口のピークを迎える向こう三十年はさらなる拡大フェーズにある中で、今後の学校施設にかける予算は今以上に確保できるのか伺います。 ◎青木 教育環境課長 今後は多くの学校が建て替えの時期を迎えてまいります。また、建設工事単価が上昇するなど、必要な経費が増加していくものと考えられますが、仮設校舎経費の抑制や長寿命化による建設コストの平準化などにも取り組みながら、計画的な学校施設整備を進めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 最後に、予算を投じる以外の形で教育が拡充できないか伺います。  まず、大学をはじめとした研究機関の研究対象として、世田谷区立小中学校の活用を売り込んでいただきたいという提案です。教育研究について、特に国立大学教育学部の附属学校を実験対象として先進的な取組が実施されていますが、国立大学、また教育学部に限らず、学齢期の児童生徒を対象とした研究は多数行われており、社会的な価値だけでなく、被験者の能力開発や経験に資する研究、実験も行われています。  これまでも教育委員会が主体となり、区立小中学校から数校のみを特定分野の実験校、研究校として設定をし、全体へ広げる前のモデルケースづくりを行ったケースもありましたが、こうした取組の場合は、予算は区の持ち出しで予算確保が前提となります。  一方で、区内にも多くの学校があり、また区内在住の研究者の方がいらっしゃいますが、教育委員会として区立小中学校を新たな教育のテスト対象として積極的に門戸を広げることで、区が予算を用意せずとも民間の投資やリソースで区立学校の教育プログラムが拡充、最新の知見に触れることができます。  区内大学を皮切りに、日本中どこかの学校で行われるはずの小中学生向けの実証実験を世田谷に集めることができないのか伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 教育カリキュラム研究における大学や民間企業との連携に関する一例として、現在、区内小学校三校を体育指導力向上研究協力校に指定し、区内大学教授による通年の研究支援として、複数回授業観察をし、その分析を基にして事業改善を図るなどの取組が行われているところです。  さらに、教育総合センターにおいて、環境教育や防災教育、乳幼児教育などの様々なテーマを対象とした区内の大学との共同研究について意見交換を行い、その中で教育DXに向けた取組として、学習ログの活用や統合型校務支援システムの運用などの共同研究について検討していくこともできると考えております。  今後も世田谷区の教育の質向上につながるよう、さらなる大学等との連携強化を図ってまいります。 ◆そのべせいや 委員 予算をつける以外の形について今質問をしましたが、教育所管独自で資産を活用して教育費を稼げないのかという観点の質問につきましては補充で行うこととします。  以上で質問を終えます。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。 ◆神尾りさ 委員 本日は、教育所管の国際交流事業について伺うんですけれども、その前に、現在、海の向こうではウクライナへの軍事侵攻が続いています。ある日突然、平穏な生活が脅かされて、戦火の中で生命の危機にある人々に思いをはせて、平和を維持することの重要性というのを私たち自身もかみしめなければならないと思います。現在、ウクライナの十八歳から六十歳の男性は、国内にとどまることが義務づけられています。つまりウクライナから避難した多くの子どもたちは、泣く泣く父親と引き裂かれて、不安な中で生活を続けなければなりません。  今回取り上げる国際交流というのは、単に外国語を話したりですとか、外国の人と楽しく交流したりすることだけにとどまりません。なぜまた戦争が起こらなければならないのか、どうしたら平和な世界が築けるのか、一人一人が他国の歴史ですとか、文化ですとか、そういったことをまず知り、そして相手の立場に立って考えるということが国際社会の一員としての責務であり、それは大人も子どもも同じだと思います。  学校での学びというのは、教科書の中だけにとどまりません。日々の生活ですとか、社会、そして世界情勢ともつながっています。世田谷の子どもたちには、ぜひ今、家族と一緒にいられること、そして毎日学校に行かれること、友達と遊べること、そういったことがどれだけ幸せなことであるのかを気づいて、そしてまた、自分には何ができるのかということを考えるきっかけを与えていただきたいと思います。このことについては、教育長のリーダーシップに期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  区内の小中学生を対象とした国際交流事業ですけれども、新型コロナ禍ということもありまして、大変困難であったと思います。まずはこの間、どのような事業を展開してきたのか伺います。 ◎塚本 副参事 新型コロナウイルス感染症の影響下でも、学校においてはオンライン等を活用して、例えば姉妹都市のバンバリー市の学校とつながり、互いの文化や学校生活を紹介し合うなど、工夫して取り組んでおります。夏休みには、昨年度に引き続き、テンプル大学での国内留学プログラムを広く小中学生に紹介し、参加者の一部に費用の助成を行いました。小学生対象のものは、音楽、体育、図画工作など、なじみやすいトピックを扱いながら、楽しく交流するプログラムの内容であり、中学生対象のものは、ディスカッション形式で話合いを深めるプログラムの内容であり、それぞれ三日間実施いたしました。  また、二月には区立中学校の二、三年生の希望者を対象にオンラインによる海外交流プログラムを実施しました。オーストラリアの一家庭に三人の生徒がオンラインでつながり、ホストファミリーとの会話を通して生きた英語に触れるだけでなく、オーストラリアの自然や文化、日常生活の様子などを学ぶことのできるプログラムの内容であり、二日間実施いたしました。 ◆神尾りさ 委員 コロナ禍であってもオンラインを使ったり、そして区内にある国際色豊かなテンプル大学、こういった資源を活用して様々な取組を実施されてきたということをまずは評価したいと思います。特にこのテンプル大学の国内留学プログラム、夏に開催されまして、これは二回これまで実施されているんですけれども、大変人気があるというふうに伺っています。参加人数等の状況を伺いたいと思います。 ◎塚本 副参事 テンプル大学と連携した国内留学プログラムに応募した世田谷区の児童生徒数は、小学五、六年生が約七百名、中学二、三年生が約二百名で、定員以上の応募があったことから、そのうちプログラムに参加できたのは小学生三百四十名、中学生百七十名でした。また、今年度試行として行ったオンライン国際交流には、二十名の定員に対して十一名の中学生の応募がありました。 ◆神尾りさ 委員 テンプル大学のプログラムへの応募ですけれども、小学生が約七百名、中学生約二百名ということですので、やはり大変な人気だと思います。来年度の予算を見てみますと、テンプル大のプログラムに百九十五万円、そして海外オンライン交流プログラム、先ほど説明がありましたが、そちらには二百九十万四千円が計上されています。どちらもとても意義があるプログラムだと思いますけれども、将来的な予算の増額というのも踏まえて、プログラムの拡充を検討できないでしょうか。  また、テンプル大に通う大学生の約六割が外国人でして、そして国籍も様々だというふうに聞いています。せっかくこういった区内に多国籍の学生がいるのですから、そういった大学生が、例えば地域の小中学校を訪問してプログラムを行うなども可能ではないかと思いますが、見解を伺います。 ◎塚本 副参事 委員がおっしゃるとおり、テンプル大学の国内留学は、小中学生ともに定員を大幅に超える応募があり、今年度は応募状況に応じて定員の拡充を行うことになったプログラムです。  次年度もたくさんの応募が見込まれることから、テンプル大学には定員の拡充や、講座数の増加などについて要望し、現在調整を図っているところです。今後は、応募状況を勘案して、より多くの児童生徒が参加できるようにしてまいります。  また、次年度以降、国内留学プログラムだけでなく、要望のある小中学校にテンプル大学の留学生を派遣することで、生きた英語や文化等を学ぶ機会とするなど、各学校の国際交流の取組を支援してまいります。  今後とも、テンプル大学との連携を進めることで、子どもたちが身近に国際感覚を身につけることができるように努めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 大学生の小中学校の訪問ですけれども、こちらが実施されれば、小中学生のみならず、これはテンプル大学の大学生にとっても大変貴重な経験になるのではないかと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  当区では、区内にある幾つかの大学と包括連携協定を結んでいます。テンプル大ともそういった関係性というのを視野に入れて、様々なプログラムを通して多くの子どもたちによい経験を提供できるよう努めていただきたいと思います。  先日の一般質問では、区の多文化共生・国際交流政策について伺いました。その推進のためには、三軒茶屋にあるせたがや国際交流センター、クロッシングせたがやを今以上に活用していく必要があると思いますが、今、まだ教育所管との間に縦割りの壁があるなというふうに感じています。まずは当施設のことを広く学校に知ってもらって、小中学生を対象にした国際交流事業等で可能な限り連携していただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎塚本 副参事 国際交流や多文化理解を深める様々なイベントや講座、情報発信等を実施しているクロッシングせたがやと連携することは、学校で国際交流の取組を進める上で有意義であると考えます。  今後は、校長会や副校長会等でクロッシングせたがやの活動を周知していくとともに、クロッシングせたがやが所有しているノウハウ等を活用しながら、各学校における国際交流の取組を推進してまいります。 ◆神尾りさ 委員 ぜひ推進してください。  以上で質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、学校における工作物及び機器、遊具等の安全点検についてお伺いいたします。  昨年四月、宮城県白石市の小学校で防球ネットの支柱が根元から折れ、遊んでいた児童が死傷する痛ましい事故が発生いたしました。白石市の教育委員会によると、児童六、七人がネットに寄りかかったり、揺らしたりして遊んでいたところ、木製の支柱が根元から折れ、児童二人に直撃してしまったとのことです。折れた支柱は、高さ六メートル、直径十七センチで、重さは約四十キロ、留め具などでは固定されておらず、恐らく二十年程度経過したものであるとのことです。  市の教育委員会では、学校の遊具に対しては、年一回の点検を業者に依頼しているものの、このネットは対象外でありました。白石市の教育長は、安全安心であるべき学校という場で、絶対あってはならない人命に関わる事故が起きてしまったとおっしゃっています。  世田谷区の学校では、このような痛ましい事故が絶対に起きないよう、日々の確認や定期的な点検の徹底を求めるものですが、学校設備の安全点検について、教育委員会ではどのような設備、器具、遊具などを対象にどれくらいの頻度で取り組まれているのかをお伺いいたします。 ◎青木 教育環境課長 学校の施設及び設備の安全点検につきましては、学校において児童生徒等が通常使用する窓や戸棚、遊具などを対象に毎月点検を実施するとともに、教育委員会が専門事業者に委託し、各種法令で定められた建物の構造や昇降設備、防火設備などを対象に定期的に点検を実施しております。  また、エアコンやプールのろ過機などにつきましても、設備に応じて年一回以上の自主点検を実施しており、遊具につきましては、令和元年度に専門事業者による一斉点検を実施しておりますが、来年度以降は、学校の日常点検に加え、防球ネットを含めて定期的に点検を実施することとしております。  事故を未然に防止するため、引き続き学校と教育委員会が協力し、遊具等の安全点検の実施とともに、必要に応じた補修や使用停止等の措置を講じ、学校環境の安全確保に取り組んでまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。学校設備の老朽化などによる事故のニュースは残念ながら、年に一、二回は耳にすることがあります。コロナ禍で新しい課題が増えておりますが、この問題についてもしっかりと注意し、児童生徒が安全に学校生活を送れるよう、学校任せにすることなく、教育委員会としても問題意識を持って取り組んでいただくことをお願いいたします。  次に、通学路の安全対策についてお伺いいたします。  昨年六月、千葉県八街市の通学路で下校中の児童の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童五人が死傷するという痛ましい事故がありました。この事故を受け、国から通学路の安全点検の実施について、区にも依頼がありました。  区では、昨年十月から十一月にかけて四百二十か所を点検し、一月三十一日の文教委員会では、そのうち百五十か所について対策を実施し、百七十三か所を実施予定、また九十七か所について検討中、実施見送りと報告されました。  ここで伺いますが、検討中、実施見送りとされている九十七か所のうち、実施見送りの箇所数と対策の具体的な内容をお伺いいたします。  また、実施見送りとした箇所についてはどのようにして安全を確保していくものなのかをお伺いいたします。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、国からの通学路の合同点検の実施依頼を受け、区立小学校全六十一校を対象として、学校、PTA、道路管理者、警察とも連携し、主に十月から十一月にかけて実施いたしました。  点検に当たりましては、国の実施要領に基づき、見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車の速度が上がりやすい箇所や、大型車の進入が多い箇所などの観点を基に、学校とPTAが点検すべき箇所を抽出し、その合計は四百二十か所となってございます。  点検の結果、学校などから要望があった安全対策について、検討中、実施見送りとしたのは九十七か所となっておりますが、このうち実施見送りは二十八か所となっており、主な内訳は信号機に関するものが十四か所、横断歩道に関するものが五か所、スクールゾーンに関するものが五か所で、多くは交通規制に関するものとなってございます。  信号機や横断歩道については既に設置されているものとの間隔や交通量などから、設置場所として適さないと判断されているものが多く、スクールゾーンにつきましては、地域住民との合意形成が難しいこと、通行車両の適当な迂回路がないなどが見送りの理由となってございます。  続いて、どのように安全を確保していくつもりなのかということでございますが、合同点検の結果については、小学校の校長会で報告した後、学校を通じてPTAの校外委員の方々にもお知らせしており、各小学校の安全マップに反映するなど、児童への交通安全指導に御活用いただくようお願いしているところです。  委員御指摘の実施見送りとした箇所については、先ほど御答弁させていただいたとおり、定められた基準に合致しないことや、地域住民との調整を要することなどから、直ちに対応することは困難であると認識しており、まずは各小学校での児童への交通安全指導を通じて、登下校時の安全確保を図ってまいります。  また、今後も区の通学路交通安全プログラムに基づいた合同点検を継続し、学校やPTAからの意見、要望を踏まえ、道路管理者や警察とも一層の連携を図りながら、通学路の環境整備と安全対策に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。本件についても、事故があってから対策を講じるのではなく、常日頃から問題意識を持って、子どもたちの安全の確保に向けた取組を徹底していただくことを求め、私からの質問を終わりにいたします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は、毎日下北沢小学校近くで児童の登校を見守る活動を行っております。この活動も早いもので五年目にもなりました。挨拶を交わした子どもたちは、小学校を卒業し、中学校に入学し、そして高等学校、大学へと進学する子どもたちがいれば、早くから手に職をつけて社会で活躍している子どももいます。そんな子どもたちの成長を感じることができることも、この見守り活動の楽しさの一つでもあります。いつも子どもたちと挨拶を交わすついでに、たわいのない会話を楽しんでいるのが近況でもございます。  こんな話がありました。今日は担任の先生ではなくて、ほかの先生と勉強するんだよ、何だかどきどきするけれども、楽しみだなと言っているんです。四年生の女の子が教えてくれたんですが、私は最初は、その女の子の話がよく分かりませんでした。担任の先生が体が悪くて、お休みでもしているのかなと思ったんです。下北沢小学校では、教科によって勉強を教える先生が替わるということなんです。  私が小学校の頃は、担任の先生が国語、算数、理科、社会、体育、音楽、図工、家庭科など全ての教科を教えてくれたと記憶しています。近頃では、音楽や図工など専門の先生もいるようですが、世田谷区の小学校の指導体制は、現在どのような状態なのかお伺いします。 ◎毛利 教育指導課長 教員の定数については、東京都教育委員会より定められており、現在十六学級以下の学校に二名、十七学級以上の学校に三名の専科教員を配置できるようになっております。さらに、二十二学級以上の学校には英語の専科教員も配置しております。加えて、算数については、習熟度別指導の実施を希望する学校へ一名の教員を配置しているところです。  世田谷区の小学校における専科教員の配置は、音楽、図画工作が全六十一校、家庭科が三十五校、理科が三校となっており、英語の専科教員は二十校への配置となっております。区内の学校においては、担任の教員が国語や社会、体育などの教科を交換し合って、複数の学級で指導するような取組を独自に実施しているところもございます。 ◆青空こうじ 委員 次に、この教科担任制の実現についてですが、調べてみますと、文部科学省では、小学校の高学年における教科担任制を本格導入するために、来年度から四年ほどかけて、毎年九百五十人ずつ、合計三千八百人の教員を増やすという計画を立てていて、理科、算数、外国語、体育の四教科を優先していくとのことです。これが実現すれば、小学校教員の一人当たり週に三時間から五時間分の授業を減らすことができるという試算でもあると思います。教科の専門の先生が教えれば、子どもたちの学習はより楽しく充実したものになるでしょうし、先生の負担が減るのであれば、一石二鳥だと思います。  この小学校における教科担任制について、区の方向性をお伺いします。 ◎毛利 教育指導課長 現在、下北沢小学校では、東京都教育委員会より、小学校教科担任制の推進校として指定されており、中学校の理科教員を新たに配置し、理科の専科指導を実施するとともに、担任による教科の交換を実施するなどして、教科担任制の効果的な指導の在り方など研究を進めているところです。  今後、教科担任制を拡大していくかについては東京都教育委員会の判断によるもので、現時点でそのような報告は受けておりません。  区教育委員会としては、推進校の研究成果を、区内の全ての学校に広く共有していくとともに、教科担任制の拡大の際は、教員の採用配置を担う東京都教育委員会に対して、教科の専門性の高い教員を確実に配置するよう希望してまいります。 ◆青空こうじ 委員 続いて、話はちょっと違うんですが、オリンピック・パラリンピックの教育についてです。  今年度の夏は、東京オリンピック・パラリンピック競技が開かれました。一年延期されて実施されたオリンピック・パラリンピックですが、新型コロナウイルス感染の拡大もあり、世田谷区では小中学生の子どもたちが観戦できなかったことが残念だと思います。  しかしながら、テレビで見た世界中のアスリートの方々の活躍は、今でも鮮明に覚えています。スケートボードでは、日本史上最年少の十三歳で金メダリストになった西矢椛選手が技を決めた瞬間、アナウンサーの方が、十三歳、真夏の大冒険の実況は、これはいいしゃべりだなと、私も漫才をやっていますが、なかなかこういうことを言えないなと思いました。すばらしかったです。  若者が世界で活躍する姿は、日本国民に夢と希望を与えたのではないでしょうか。そして、年が明けると、今度は北京での冬のオリンピック・パラリンピックが開催されました。私の世代では、冬といえばスキーですが、近頃の若者はスノーボードを好む人が多いようです。このスノーボードでも、平野歩夢選手が金メダルを取りました。空高く舞って、くるくるっと回る姿に私はびっくりしました。  この平野選手は、夏の東京オリンピックのスケートボードでも出場していると聞いて、二度びっくりしました。同じ年度に二回もオリンピック・パラリンピックを見ることができた子どもたちは大いに刺激を受けたのではないでしょうか。  このように、盛況に終わったオリンピック・パラリンピックですが、オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの世田谷区の教育委員会の取組についてお伺いします。 ◎毛利 教育指導課長 区教育委員会では、平成二十八年度から区内の全ての学校において、オリンピック・パラリンピック教育を推進するため、学習指導要領に示された各教科等の学習内容と、オリンピックやパラリンピックを関連づけた取組を展開してまいりました。  具体的には、子どもたちがアスリートと触れ合い、スポーツの魅力に触れる機会を設定したり、水墨画に挑戦したりすることで自国の伝統文化を体感したり、ブラインドウオークを通して障害者理解を深めたりするという活動が挙げられます。 ◆青空こうじ 委員 これで質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時四分休憩    ──────────────────     午後零時五十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 午後の質疑を始めてまいります。  私からは、砧小学校、砧幼稚園の改築について伺います。  砧小学校の改築については、平成二十七年度に改築校として選定されたということなんですけれども、昨年度のプロポーザルが不調となって、本来であれば、今年度、令和三年度にプロポーザルを改めてというところだったと思うんですけれども、それももう一年後ろ倒しとなって、来年度、令和四年度に改めて基本構想を変更してプロポーザルを実施していくという流れになっているかと思います。  一度プロポーザルが不調になったということで、その基本構想も見直して、事業費についても六十二億円から六十八億円へということで増額になったということなんですけれども、そこの前回、不調となった原因を把握して、今度改めてプロポーザルになるわけですけれども、そこの原因の解明、解消というところに至っているのか、現在の状況について教えてください。 ◎青木 教育環境課長 今、委員のお話がありましたとおり、砧小学校と砧幼稚園の改築事業につきましては、昨年度に実施した設計施工一括発注方式による事業者選定プロポーザルが不調となったことから、この間、改築整備手法等の見直しの検討を進めてまいりました。  特に施工難易度が高い敷地南側の住宅に接している階段状の擁壁の再整備につきましては、改めて実施した複数の施工事業者へのヒアリング結果を踏まえ、住宅地への十分な安全性を確保するとともに、将来、住宅地内にある擁壁が撤去されることも考慮した計画に見直ししております。  現時点における概算事業費は、当初の基本構想から六億円の増額となる約六十八・一億円を見込んでおりますが、来年度のプロポーザル実施に当たっては、区が事業者に提案を求める要求水準において、擁壁に関する内容をより明確に示すなどの工夫を行いながら進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 平成二十七年に改築校として選定されてから既に六年たっているのかな、これから来年度、ようやくまたさらに基本構想の変更というところで、御答弁にもありましたけれども、この工事自体は、西側が崖地になっていて大変難しい工事であるということもありますし、あるいは近隣の通学路、危険な箇所もあるということで、大変難しい工事であるということは間違いないと思うんですけれども、この間ずっと先送りになって、地域の方たち、子どもたちの学習の安全の環境というものも毀損されている状況ということですので、しっかりと早期再開、またさらに工事も七年から八年かかるということです。七年、八年たつと、入学したときに工事に入った子は、そのまま仮設校舎、あるいは校庭が使えないという状況のまま卒業していく子も出てくるのかなというところですので、ここは工期のしっかりとした管理も含めて、適切に進めていただきたいと思います。
     砧小学校に関しては、基本構想に先立って、先般、文教委員会でも報告があったかと思いますけれども、その内容について、医療的ケア児の受入れのモデル校とするということなんですけれども、この医療的ケア児のモデル校として位置づけたその理由ですとか、その内容についてどのように検討を進めていくのか教えてください。 ◎北村 副参事 砧小学校及び砧幼稚園につきましては、改築に合わせまして医療的ケア児を幼稚園から小学校、新BOP学童クラブまで一貫して受け入れるモデル的取組の一環を担う施設として位置づけてまいります。砧幼稚園は、成育医療研究センターの近傍に位置し、医療的ケアを必要とする園児の受入れが多いこと、また、幼稚園と小学校、新BOP学童クラブが同じ敷地に整備され、一貫した受入れの検討が可能なことなどから、モデル的取組の一環を担う施設と位置づけたものでございます。  検討に当たりましては、子ども・若者部や教育委員会など関係所管で組織する医療的ケアの作業部会を立ち上げまして、学校等での円滑な受入れや医療的ケア児受入れのモデル的取組みに必要な施設整備などについて検討を進めまして、令和四年度末をめどに検討結果をまとめてまいります。 ◆阿久津皇 委員 この医療的ケア児の受入れということで、幼稚園から小学校への連携というところも、同じ敷地内にあるということでスムーズになるだろうと。福祉保健の分野でもお伺いしましたけれども、医療的ケア児が増えていると。そういった子たちの受入れがなかなか区の責務として課題があるというところはよく分かってきましたが、その中で、特に近隣には成育医療センターがあるということで、そういった医療的ケアをするお子さんの親御さんが、近隣にお住まいになったり、敷地内にそういった宿泊の施設もありますけれども、そういったことで長期にわたってこちらで医療的ケアを受けているお子さんも増えているということですので、このモデル校化ということは必要なんだろうなというふうに思うんです。  その中で、来年度にかけて、まずは医療的ケア児の受入れに関するソフト面、ハード面、作業部会で看護師の配置方法、あるいは必要な施設整備について検討するという中で、来年度、先ほど基本構想、あるいは入札、プロポーザルを行っていくということとこの検討、医療的ケア児の受入れの施設整備について検討、これは同時進行で進めていくわけですけれども、そのプロポーザルの内容、事業者の事業費のところも含めて、影響が大いにあるのかなと思うんですが、それを同時進行で進めていくことに対して問題がないのか、どのように進めていくのか、教えてください。 ◎青木 教育環境課長 来年度に実施する事業者選定プロポーザルは、夏頃に公告する予定としております。そのため、作業部会の検討内容につきましては、区が事業者に提案を求める要求水準に反映することはできませんが、医療的ケア児を受け入れる学校と幼稚園施設としての基本的な考え方を記載するなどの検討を現在進めているところでございます。  プロポーザルは事業者を選定することが目的であり、必要な機能等の詳細な検討につきましては、令和五年度からの設計時となりますので、設計時において作業部会での検討内容を計画に反映させていきたいと考えてございます。 ◆阿久津皇 委員 作業部会の検討内容については要求水準に反映することはできないということで、そのプロポーザルに事業者に提案していただくに当たって、そこの部分が反映されていないと、公費あるいは工期というところも影響があるんじゃないかなという懸念がありますので、そこはしっかりと情報共有しながら、事業者とも連携してしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  また、これも福祉領域でもやり取りさせていただいたんですけれども、医療的ケアが必要な子どもたちの受入れというのをしていくに当たって、そういった子どもたちに限らず、医療的ケアを外れた子ども、あるいは医療的ケアには至らないんですけれども、医療的な配慮を要する子どもたちというのもたくさんいらっしゃるということで、ケース・バイ・ケースで今、柔軟にそれぞれの施設で対応しているというふうに伺っています。  医療的ケアに限らず、障害を持ったお子さんであったりとか、いわゆる今、要配慮の子ども、言い換えると気になる子ども、あるいは障害がある程度とは認められないけれども、ボーダーラインにある子ども、あるいはグレーゾーンなんていう言い方もしますけれども、そういったいわゆる要配慮の子どもがたくさんいらっしゃると。そういった子どもたちが今幼稚園、保育園で受け入れされているということなんですけれども、様々資料なんかを見てみますと、そういった子たちの受入れ、大変苦労されている施設が多いというふうに伺っています。  この特別な配慮というところ、要配慮のところなんですけれども、様々、定義がありまして、落ち着きがない子どもであったりとか、ルールが守れない、あるいは集団の場面で不適応が起きるとか、かんしゃくやパニックを起こしやすい、様々いわゆるASD、自閉症スペクトラム障害、あるいはADHD、LDなんていうのもあります。そういった子供たちは、小学校に入ってくると、だんだん症状が固定されるというか、安定してきて、特別支援なんかのそういった制度もあって、様々対応されるんですけれども、幼稚園と保育園においては、まだまだ発達の途中、成長の途中ということで、そういった子どもたちも一緒に同じ施設、同じ先生の中で受け入れていくということかと思いますが、こういった要配慮の子どもたちに関して、公立、私立問わず受け入れていると思いますけれども、区立幼稚園と私立幼稚園、こういったところでの配慮が必要な子どもたちの受入れの数に違いがあるのか教えてください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 御質問の区立幼稚園及び私立幼稚園の配慮を要する子どもの受入れ数についてお答えいたします。  まず、区立幼稚園につきましては、令和三年十月現在になりますが、就園相談の結果、配慮を要すると判定された児童が、在園児数五百三十五人のうち百八人となっております。  次に、私立幼稚園等につきましては、こちらの令和三年五月現在の数字ではございますけれども、世田谷区私立幼稚園等特別支援教育事業費補助金の対象となり、配慮を要する児童に相当するお子さんが、在園児数八千六百五十二人のうち百十二人となっております。 ◆阿久津皇 委員 区立幼稚園においては五百三十五人のうち百八人が配慮を要するとされていて、私立は八千六百人のうち百十二人ということで、区立は約二割、私立が一・三%ぐらいということで、その受入れの状況が全然違うということが分かりました。  そういった子どもたちというのは、当然小学校に入るまで幼稚園、保育園で受け入れるということなんですけれども、なかなか私立の幼稚園というところではまだまだ受入れが進んでいないと。この医療的ケアのこともそうですけれども、私立でなかなか受け皿ができてこないということであれば、当然それは区立、公立でしっかりと受け入れていかなきゃいけないんだと思いますけれども、私立でそういった受入れが難しいという状況があるんであれば、その私立の幼稚園に対して、そういった子どもたち、あるいは医療的ケアも含めた子どもたちの受入れというものもしっかりとしていただけるような環境の整備というものもしなきゃいけないと思いますし、と同時に、直近というか、短い時間軸においては、公立でしっかりと受け入れていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますので、そういった体制をしっかりと整えていただきたいと思います。  特に幼児教育・保育の無償化というものがされています。これは親の経済的な負担の軽減ということだけではなくて、全ての子どもに質の高い学校教育、保育を提供する、そういった体制を確保していくということがしっかりと明記されていますので、そういったことの実現にしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に移ります。  次は、小中学校のネットワーク環境についてです。  昨年度、いわゆるGIGAスクール構想ということで各小学校、中学校にタブレットが配付されて、そのネットワーク環境も整備されてきましたと。今また、まん防、まん延防止措置というのが昨日で終わったわけですけれども、ネットワークを使った授業を行っているということは午前中の質疑でもありましたが、その中で、やっぱりどうしてもネットワークが遅いというようなお声をたくさん伺います。導入から一年で早くもそういった改善の作業というものを今行っているというふうに聞いていますけれども、これは僅か一年でさらにネットワーク環境を改修しなくちゃいけなくなったと、その経緯について教えてください。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 区では、文部科学省のGIGAスクール構想に基づき、令和二年度に児童生徒一人一台のタブレット端末を配備するとともに、全区立小中学校の通信環境の再整備を実施いたしました。再整備に当たりましては、タブレット端末で動画等の大容量コンテンツを利用することを考慮し、文部科学省が示した標準仕様書を超える高速大容量のインターネット回線を整備いたしました。  しかしながら、コロナ禍に伴うオンライン学習の実施等により、マイクロソフトチームズ等の双方向型ウェブ会議型のアプリの活用が急速に進んだことで、端末の動作が遅くなるといったケースが増加してまいりました。他の自治体でも同様の状況が発生しており、それを受けて国は、通信環境最適化ガイドブックを新たに公表し、各団体に改善を促しております。  区におきましても、このガイドブックを基に通信環境の改善作業を進めておりまして、今年度中に全校で作業を完了する予定でございます。 ◆阿久津皇 委員 導入から一年でネットワーク環境を改善しなくちゃいけないという事態に至ったということは、もともとの制度設計が甘かったのかなということも思いますし、伺う限り、各学校、同じネットワークのシステムというか、設備を構築しているというふうに聞いています。小学校では、一クラス、二クラス、学年でというような二百数十人の学校から、今もう七クラス一学年というところで千百名を超える学校まであります。端末の数も当然違うわけですし、であれば、当然ネットワークの機材、機器あるいは帯域、こういったものも生徒数に応じて変えていくのが当たり前、当然だと思うんですけれども、そういったことはできないのか、今後やっていくのか伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 今年一月に全校にアンケートを行った結果、規模の大きい学校ほど通信遅延が多発しておりますが、小規模校においても遅延が発生していることが判明いたしました。そのため、今回は全校を対象としてネットワークの改善作業を進めております。まずは改善作業を全校で完了させた上で、その後の状況を検証し、検証結果を踏まえて、学校の規模等に応じた追加の改善策を検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 小規模校において遅延が発生しているということは、大規模校では恐らくさらに遅延が発生しているということだと思います。まん延防止措置も終わって、リモート授業というものも双方向での通信、当面減るのかなという状況でありますけれども、今後、さらにそういった状況、双方向での通信が増えてくることもありますので、しっかりとした対応を要望しまして、質問者を替わります。 ◆河野俊弘 委員 引き続き質疑を続けます。  私からは、今、阿久津委員からもネットワーク環境についてということの話がありましたけれども、区内小学校六十一校、中学校二十九校、九十校、全体それぞれにやっぱり格差があってはいけないという話を訴えてまいりました。その中でも、各学校の規模、生徒数を鑑みれば、全て統一した、私のほうは教育内容というところについても進めていくことは難しい点というのがあるというふうにも思っています。  誰一人置き去りにすることなく、一定の指標を持ってICT教育を推進する。そのためにも、教員間、学校間での情報共有についても、これまでとは違ってスピード感を持って、ICT環境をフルに活用した学校間の垣根を越えた情報共有を進めていくべきだというふうに思っております。  教員それぞれが優れた授業事例をオンラインで随時共有し、教育委員会でそれをさらに好事例として各学校へ発信、評価をしていくこと、学校ごとのICT活用事例を、その格差を埋めるために全体のレベルアップを図るその体制を構築していくこと、さらにはそれを児童生徒間においても共通の課題、研究成果の共有を推進していくべきだというふうにも思っております。  児童生徒間での情報共有という点においては、単に授業に関わることだけではなくて、先月ですけれども、地元の小学校での展覧会がありました。展覧会はフリーで時間を分けて保護者も見に行けたんですけれども、そんな中でもやっぱりすばらしい作品がそれぞれあるんですよね。それがやっぱり地元の学校だけじゃなくて、ほかの学校はどういうふうなものが出ているんだろうとか、そういったものももし見られたら、それが子どもたちにとって成果物として、こういう同じ課題もあると思うんです。  そういったものも見られたときに、新たなまた創作意欲というのが湧く可能性もあると思いますし、そういった情報共有の在り方というのもしっかりやっていくべきだなというふうにも思っています。実際にはロイロノートというのを活用すれば、例えば今後、夏の自由研究でやったものとかを各校で共有して見ることができますし、様々なカテゴリーに分けて見詰め直すことができるというふうにも思います。  GIGAスクール構想が本格的に始動した昨今においては、具体的に好奇心を湧かせる仕掛けを教育委員会として進めていくべきだと考えます。子どもたちにとって授業につながる様々な情報を、自分たちがインターネットで調べることができないような二十三区有数の学校数を誇る世田谷区ならではの各校の成果を共有できるように、既に環境が整っていると、先ほど齊藤課長も御答弁されていましたので、その環境を生かして、ぜひとも情報共有を図っていただきたいというふうに思います。  児童生徒のみならず、教員間においての好事例の集約であったり、それをこのたびできた教育総合センター内においての情報発信の拠点として、それがハブとなって機能を発揮すべく、情報を専門的に評価、検証するためにあるというふうにも思います。  これも以前提案していますけれども、専門的な人材からアドバイスを受けて、それを各校へ展開していく、その内容を随時教育総合センターにフィードバックをして各校に展開していくような循環するスキームのようなものが必要だというふうにも思っております。  教員のICTの活用、指導力を向上させるためにも、専門家の人材等のアドバイスをしっかり受けながら教育総合センターの活用をしていただきたいというふうに思います。区内学校間で差異なく、共有を進めていくこと、教員間、そして児童生徒間においてもお願いをしているところですけれども、現在の進捗についてお伺いします。 ◎隅田 教育研究・研修課長 世田谷区では、学習用タブレット端末、高速インターネット回線が整備され、オンライン学習を実施する環境が整っております。各学校でのオンライン学習の取組について、各学校のICT推進リーダーを中心として、オンライン学習に向けて組織的に取り組んだり、チームズを活用して学校間を超えて、オンライン学習の効果的な活用について情報共有を行ったりすることにより、学校間の差は小さくなりつつあります。子どもたち同士の交流、共有につきましても、例えば近隣小中学校の子ども同士がオンラインでつながり、進学を迎える小学生に中学生が学校生活の様子を伝えるなどの活動を行っております。引き続き、子どもたち同士の交流、共有を推進するように取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 今の御答弁の中にも、子どもたち同士、学校間交流について研究していくというような答弁がありましたけれども、この点について幾つか具体的に伺っていきたいというふうに思います。  今定例会の一般質問ではコロナ禍での学校運営についてということで伺ってきましたけれども、オンライン学習の現状における環境の改善については必要に応じて求められ、その中でも答弁いただいて、先ほども言ったとおり、環境を整えたということですから、そういったふだんとは違った体験を生み出すことというのに期待をしています。オンライン環境を生かしてふだんの学習に結びつく、オンラインでしかできない数多くある事例をこれから少し紹介したいというふうに思います。  美術館からの出前授業であったりとか、あとはものづくりの教室、プログラミングの学習、英会話で海外の文化を学ぶことだったり、そういったもののいろいろな専門的な講師の方へとつないでいくこと、ユニークなそういった授業を受けられるということ、あとは区内の大学生との交流などなど、様々なことにチャレンジするべきであります。これらの例示に対して、今後、具体的にICTを活用した様々な世界に触れて、児童生徒の新たな学習機会の創出、コロナ禍によって、校外学習であったり、移動教室、林間学校など、これまで通常行われてきた一生の思い出に残るような授業が、行事が失われている今こそ、スピード感を持ってしっかりとその取組を進めていくことが、子どもたちの今より、よりいいものにしていく、その機会を私たち大人が奪ってはいけないというふうにも思います。  一点、姉妹都市交流という点について、今そういった中でも、交流ができていないということがありますけれども、そこについて今の現状を確認させてください。 ◎塚本 副参事 国際交流の視点では、姉妹都市に限らず、大使館とオンラインで交流するなどの取組を行った学校があるなど、タブレット端末を活用した交流は進んできていると認識しております。また、姉妹都市交流につきましては、時差等を考慮し、今年度、校長会等でバンバリー市の学校との交流について紹介をすることで、学校同士がオンラインでつながり、互いの文化や学校生活について紹介し合う活動を行った学校がありました。  今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、交流先の国でも学校閉鎖があったこと等により、学校間での姉妹都市交流が思うように実現できなかった現状がございますが、今後も国際課と連携し、相手国の状況を確認しながら、継続的な姉妹都市との交流を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 実際に姉妹都市交流の一環として幾つかの学校でオンラインでの交流を行ってきたとのことでありますけれども、コロナ前を振り返れば、区内で限られた児童生徒が実際にホームステイを通じて友好を深めてきたということですけれども、今後そのオンラインの環境を生かしていくということで、それは対象の学年の低年齢化ということも可能であるというふうにも思います。多くの児童生徒が参加できる観点からも取組を、数校ということではなくて、できる限りのことで全校展開していくことを進めていくことを国際課とともに連携を取って進めていただくことを要望しておきます。  そして、これから迎える卒業式、入学式について、三年連続コロナ禍となった今年は、必要最小限で式を行う学校がほとんどになるというふうに思います。三日後に、二十五日に卒業式があります。式がなくても卒業ができますし、命がけで行うものではないというような意見もありますけれども、ただ、ピークエンドの法則という心理効果があるというふうにも言われています。  これによると、学校生活の最後を飾る卒業式にいいセレモニーをすることが、次のステップへのやる気や希望を生み出す原動力になるため、卒業式を行うことは子どもたちにとってかけがえのないものであり、一生に一度の経験を今現状に合わせて最大限にいいものにしていかなくてはいけないというふうにも思います。  卒業式、入学式などがコロナ禍でなかなかコロナ以前のようにはできない、こうした機会が子どもたちからできる限り奪うのはよくないと思いますし、今できる現状のもので取組を進めていくというふうにも思います。オンラインでの活用も含めて今の取組を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 コロナ禍における卒業式、入学式等の学校行事については、感染症対策を十分に講じながら、子どもたちの貴重な学びの機会として確保できるよう学校を支援してまいりました。  これまで各学校では、入学式や卒業式において式の様子を当該学年以外に対してオンラインで配信したり、運動会や学習発表会などの行事においても、各学年が一堂に会さなくても参観できるように、リアルタイムの配信や、後日録画した動画で参観したりするなど、様々な工夫を行いながら取組を進めてきたところです。  区教育委員会では、各学校が工夫して取り組んでいる様々な好事例について、各校で共有することができるよう情報提供していくとともに、さらなる子どもの学びの機会の充実を図っていきたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 オンラインでの配信について、今後はめり張りを持たせた手法というのが求められるというふうにも思います。  昨今、プライバシーへの配慮というのが求められる中で、子どもたちをやはり最優先に考えて、これまで申し上げてきたICT環境を生かした取組を進めていくのは、学校のみならず、地域や保護者との交流の部分というのを補完していくことにもつながるというふうに思います。その保護者との交流という点においては、すぐーるの導入によって保護者との連絡手段については、現代に合わせた形にはなっているというふうに思いますが、業務的な文章のやり取りだけでは交流が深まるものではないというふうに思います。  コロナ禍で学校との交流もない、もっとつながりが欲しいという声もあります。保護者と学校とは、何らかの子ども同士のトラブルがきっかけで教職員の方とのやり取りを始める、そういったときはもう時は既に遅く、トラブルの解決、関係を修復するというのが非常に難しい状況になっているということも聞いております。このような状況を打開していくためにも、日頃から定期的な保護者や地域との交流の機会というのが必要だというふうにも考えます。  教育委員会として、こういった部分をどのように補完をしていくのか、オンラインを活用した取組というのもそこに必要かというふうに思いますが、一つ、学校公開という機会があります。学校公開で学校の様子を見てもらうことをオンラインで行うこと、これは学校によっては実施している学校もあるというふうに聞いていますが、学校と保護者や地域を結ぶ、こういった部分をしっかりとオンラインを通じてやっていくことというのが見える化というところにもつながってくるというふうに思うんです。  一律でそういった部分をやはり教育委員会として差異なくというところが今回のテーマなんですけれども、学校間差異なく担っていくために、教育委員会がしっかりそこを担っていって進めていっていただきたいというふうな思いなんですが、学校行事に関わることなどを差異なく進めていくために、保護者、地域との交流等の補完について、教育委員会の考えを伺います。 ◎毛利 教育指導課長 委員お話しのとおり、保護者や地域に対して学校の様子を広く公開したり、直接交流したりする機会については、新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでと同様に実施することが難しい状況にあるとは認識しております。そのような状況の中ですが、各学校では、学校行事等をオンラインで配信したり、ホームページを活用して日頃の学校の様子を掲載したりするなど、様々なツールを活用しながら、保護者、地域の方々へ情報を発信しているところです。  また、教育委員会では、先ほどもお話もありましたが、今年度より、保護者からの欠席連絡や問合せ等に対してすぐーるを活用した迅速な情報発信や、双方向でのやり取りができるよう環境整備を行ってきました。  今後も引き続き、各学校が保護者、地域へ学校の取組を発信していくとともに、さらなる教育活動の充実を図っていけるよう支援してまいります。 ◆河野俊弘 委員 今、学校行事について、あとは学校公開という観点からも、そういったオンラインを活用した取組で、やっぱり効果が出るところと出ないところというのが、非常にしっかり分けられるというふうにも思うんです。  今、まん延防止が今日で明けましたけれども、それまでは選択制の授業というのがずっと続いていまして、やはり自宅で受ける授業の体制と、現場、教室で受ける授業の体制、これは各家庭の状況にもあると思うんですけれども、自宅は生活をする場であって、そこで画面を通じて授業を受けるというところで、あとは学校の教室で受ける授業、あまりにも環境の差というのが僕はあるというふうにも思います。あくまでもそういった緊急的な措置であって、そこで全てが完結できるものではないというふうに思っていて、そこで、やはり対面授業という部分の大切さというのが非常に、今後、各家庭においてもしっかり伝えていかなければならない部分なんだろうなというふうにも思っております。  実際に自宅でチームズを通じて授業を受けていると、インターネット環境がまず充実してきたということなんですけれども、まだやっぱり画面に顔を映さないで授業をしている状況が、私の聞いている限り結構多いんですね。やっぱり顔を映して、対面でその中でもしていかないといけないと思うし、やっぱりリアルで会えないからこそ、そういった部分でしっかりやらなくちゃいけないというところと、あとは保護者の方が授業に入ってきてしまうようなこともあるみたいなんです。そこはやっぱり自宅の中で今お仕事されているお父さん、お母さん、家庭の方が多いと思いますし、そういった中で、やっぱり子どもが学習に集中するというところにも非常に難しい点があるというふうにも思います。  対面授業の大切さというところで、実際に現場の先生からも、どういった部分がやっぱり大事なんだろうなという話をちょっとしたときに、やっぱり学び合いなんだという話をしていました。対面での教育の大切さというのは、語彙力であったりとか、コミュニケーション能力の向上というのは、子ども同士が教え合ったり、学び合い、自発的に学習していく授業というのが重要である。先ほど他会派の教育長の答弁の中にも、探究的な学習という話もありましたけれども、そういったところを自発的にやっぱり、ほかの人が分からない問題を教え合ったり、分からない人に教え合うというような、そういった場所がリアルの場ではつくられる場所が何回も出てきます。そういったところを繰り返し、繰り返し行っていくことによって、学び合いは多様な人とのつながり合い、対応力というところにもつながっていきますし、子ども同士がやっぱりつながっていくと、集団として安定をするというところにもつながってくるというふうにも思います。  そもそもオンライン学習での在り方として、対面での授業を基本とした取組が大事だというふうにも思いますが、生活をする場と教室の環境との差が大きい。しっかりとめり張りをつけて今後の取組をしっかり進めていくべきだというふうにも思うんですが、区の見解を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 これまで各学校では、コロナ感染症への対応と教育活動の両立のため、オンライン学習の充実を図ってまいりました。オンライン学習により安心して学習ができたことや、不登校の子どもが授業に参加できるようになったことなど一定の成果がありました。一方、より質の高い学習を充実していくためには、子ども同士の関わり、地域との連携、体験的な活動の充実など、対面での学習によるところが大きくあります。  区教育委員会では、引き続きコロナ感染症対策を実施しながら、これまで学校教育が大切にしてきた対面での学習が充実するよう、学校への支援を行ってまいります。 ◆河野俊弘 委員 先日、現場の部分でやっぱり子どもたちが実際にそういったところに触れ合うところの大切さというのを本当に感じたことがありました。先日、教育総合センターにおいて、新・才能の芽を育てる体験学習というところで、竜馬さんから学ぼうというところで、音楽の体験授業があったんです。そのとき、教育長もいらっしゃったんですけれども、私もその様子をちょっと見させていただいて、実際にプロの方が演奏する音楽を聞くことのみならず、その楽器を触って、実際にどんな音が出るんだろうというのを低学年から高学年まで分かれて、実際にそういったところを触れる、体験するというところの、やっぱりそういった実際のリアルな場をしっかりやっていくことも大事だし、今そういったところで、やっぱり限られた方しか入れないというのもあるんです。  この間の講座に関しても、たしか定員が数十名だったところに申込みが百六十人ぐらいあって、かなりの倍率、これは夏に毎年、才能の芽を育てる学習があるんですけれども、学習の講座によってはすごい倍率が高いものにもなっているというふうにも聞いています。そういったところで、しっかりオンラインの環境というのもうまくやっぱり生かしていくべきなんじゃないかなというふうにも思っております。  申込みが多いということは、保護者、子どもたちが、こういったものをやってみたい、やってみたいということをきっかけに多分講座を申し込んでいると思うんです。やっぱり初めて申し込む方も多いでしょうから、その様子をちょっと見てみたいというのもあると思うんです。そういったところをしっかり配信ができる環境が、今みんなタブレットを持っていたりとか、家庭内でのインターネット環境がほぼほぼそろってきている昨今でありますから、しっかりと補完をして見られる環境というのをつくっていくべきだというふうにも思います。  もしそういったところの教育長の見解があれば、最後に伺いたいと思います。 ◎渡部 教育長 先日の才能の芽を育てる体験活動では、音楽家の方に来ていただいて、バイオリンを子どもたちが触ったり、それから、打楽器を子どもたちが触ったりというようなことを行いました。そこにはやっぱりリアルでしかできない感動がありました。多くの子どもたちがそこで音楽を聞きながら、やっぱり心が成長したというふうに感じましたが、一方で、それを見ることができなかった子どもたちにも何らかの方法でそれを届けることができないかなというふうにも私も思いました。  今後は、オンラインの整備が出来上がっていますので、そういうところにもできるところから始めていきたいなというふうに思っています。 ◆河野俊弘 委員 話を少し整理すると、やっぱりしっかり授業でやるところと、あとは学校行事だったりとか、特別な体験をする部分だったりとか、しっかりと役割を分けて、オンラインで使ったらうまくできるんだろうなというところを、この一年、二年を通してしっかりと分けられてきたというふうにも思いますので、しっかりとそういった学習の場、子どもたちの体験する場というのをうまく効率よく、リアルとオンライン、ハイブリッドでやるところはハイブリッドでやる、リアルじゃなきゃやっぱりできないことはしっかりそっちを伝える。その様子を伝えることをオンラインでできるかもしれないとか、様々な可能性を探って、しっかりとGIGAスクール構想にのっとって、ICT活用した学習の場を整えていただきたいということを最後に要望して、宍戸委員と交代します。 ◆宍戸三郎 委員 他会派から質疑がありましたが、私からはまず、通学路の安全確保について伺います。  昨年の十月二十四日の読売新聞と十二月二十六日の日経新聞に、通学路の危険箇所の記事が載りました。この記事によりますと、対策が必要とされる危険箇所が全国で七万二千か所あるそうです。また、読売新聞によりますと、主要七十四自治体の小学校通学路で、平成三十年度から令和二年度までの三か年で計約二万七千件の改善要望があったそうです。  この改善要望は、実際には道路所管のほうで出されるのかもしれません。区内の小学校の通学路で、合計四百二十か所あったということですが、これは小学校六十一校で割ると平均で七つの危険箇所があるということで、しかも危険箇所は、予算や道路形状の制約などがあり、なかなか改善されないのが現状のようです。制約などがあるのは理解しますが、児童の安全安心に関わることですから、今後も引き続き、教育委員会として危険箇所の改善に向け、継続的に取り組むことを強く求めておきます。そして、一度点検したからといっても、通学路の状況が変化することもあり得ますので、定期的な点検の仕組みも必要になるってくると考えます。  各小学校での通学路の安全点検システムは、年に一回、学校とPTAが安全点検を実施する。それに加えて四つのグループに分け、四年に一回、道路管理者と警察を交えて合同点検を行うとのことですが、子どもの安全安心につながる話ですから、ここは教育委員会としても、各学校に任せるばかりでなく、情報を共有し、進行管理することが重要だと思います。  私も地域で見守り活動をしていますが、通学路で危ないと感じることがあります。危険箇所を改善しないまま放置すれば、あってはならない事故につながります。  先ほど申し上げました十二月二十六日の日経新聞では、金沢市のITを利用する事例が紹介されています。金沢市では、金沢工業大学と連携して、令和元年から令和二年にかけて、映像とマイクで収集したブレーキ音や子どもの声をAIで分析し、子どもの行動や歩行者と車の距離を調べて、危険な場所を地図上で示すアプリを開発中とありました。このAIを活用した対策の研究検討を行ってはどうかと思うのですが、見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 これまでの合同点検などで危険箇所とされたところでは、スピードの出し過ぎや周囲への配慮を欠いた運転など、自動車や自転車の運転マナーの改善が必要と思われるケースが多く、注意喚起の看板設置や、路面舗装などの運転手の視覚に訴える対策など、できる限りの対策はしておりますが、児童や保護者の方が安全を実感できる、または未然に危険を察知できるためには、さらなる工夫が必要ではないかと考えております。  委員御提案の金沢市での取組は、通学路上の交差点にカメラやマイクを搭載したAIセンサーを取り付け、乗用車やトラック、自転車、歩行者を識別して、それぞれの通行量を記録するほか、エンジン音やブレーキ音、子どもの声などを判別して、交通状況を詳しく把握し、どのような状況のときに危険が生じているのかを解析するもので、これまでの人の目視や感覚による点検とは異なる新たな取組であるというふうに認識しております。  子どもたちが安心して学校に通うことができるよう、金沢市を含め、他自治体での先進事例も参考にしながら、関係機関とも連携し、様々な観点から安全対策の手法を研究し、通学路の安全確保に一層努めてまいります。 ◆宍戸三郎 委員 金沢市の試みもアプリの開発中ということで、これからまだ進化していくと思いますので、ぜひ継続的に調査していただくことを要望しておきます。  通学路の安全対策としては、ガードレール、カーブミラーや減速帯の設置、そして歩道の整備、地域の見守りの強化などがあります。その危険箇所に応じた有効な安全対策を考えて、教育委員会を挙げて子どもたちの安全を守っていただくようお願いします。  次に、教員の確保について伺います。  昨年の四月一日に改正義務教育標準法が施行され、公立小学校の学校人数の上限が四十人から三十五人になった問題は、昨年の予算委員会で取り上げました。そして、昨年の四月段階では、全国的には少子化による生徒減を踏まえても、以降五年間で計一万三千五百人の教員が必要になるとのことでした。しかし、昨年の四月時点で既に学級担任が不足し、校長や教頭などが担うなどの事態だったので、文部科学省が教員不足について全国調査を実施するとのことでした。そして、その調査結果が年明けに出ています。  二月一日の読売新聞の記事によりますと、小中高教員は合計二千五百五十八人の不足、欠員は深刻で、千八百九十七校に上り、全学校の五・八%に当たるとあります。うち小学校は千二百十八人、四・九%の九百三十七校で不足が生じているとの調査結果です。  全国的には教員が足りないということですが、東京都世田谷区での調査結果はどうだったのでしょうか。欠員の生じている学校、また担任が不在で、校長や教頭が担任を担っている学級はあるのでしょうか、現状を教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 文部科学省では、今年度当初に、教員の任命権を持つ都道府県、指定都市等の教育委員会に対して、教師不足に関する実態調査を実施しました。  東京都教育委員会の調査結果は、小学校及び中学校ともに不足人数はゼロとなっております。世田谷区の小中学校は、任命権者である東京都教育委員会から教員が配置されるため、欠員は生じておりません。世田谷区では、都から配置される教員のほかに、区の財源で講師を小中学校に配置しており、その講師を確保するため年間を通じて「区のおしらせ」やホームページを活用し、募集をかけております。  区教育委員会では、講師や産休・育休代替教員について、応募者の情報をデータベース化し、必要な学校に速やかに配置できる仕組みを構築し、対応をしております。 ◆宍戸三郎 委員 都では不足ゼロ、世田谷区の欠員なし、全国的に教員が足りないと言っている中で、区では配置される教員のほかに、区の財源で小中学校に講師を配置しているという、他道府県から見れば非常に恵まれた状態だということを理解しました。  ところが、一方で、読売新聞の記事は、令和三年度採用の小学校教員試験の全国の倍率は過去最低の二・六倍と、なり手不足も深刻であると報じています。これは何も今始まったことではなく、昨年四月十八日の読売新聞でも教職の不人気、小学校の危機感として特集を組んでいます。多忙な職場が敬遠されて、受験者は減る一方だと報じていました。  そして今年になり、一月三十一日に発表された小学校教員試験の倍率は、過去最低だった令和二年度の二・七倍を下回り、二・六倍、三年連続で過去最低となっています。もちろん教員の採用は都の管轄であることは私も承知しています。いずれにせよ、先生は区に配属されるわけですから、競争率が下がるということは、一般的には教員の質の低下が心配されるところです。改めて教員研修の重要性を考える必要があると思います。  そこで、令和四年度教育センター事業で予定している若手教員育成研修の内容や対象者人数などを教えてください。 ◎隅田 教育研究・研修課長 教職員に対する研修については、教職員の資質能力の向上を図り、複雑化する教育課題の解決や、子どもに寄り添った指導を実現していくためにも重要であると認識しております。  令和四年度の世田谷区における一年次から三年次の教員を対象とした若手教員育成研修の受講予定者は約四百名となりますが、教育委員会が推進しているキャリア教育、せたがや探求的な学び、ICT活用を研修体系の柱とするとともに、人権教育や特別支援教育などに関する研修も充実させ、教員として求められる資質能力を育成してまいります。  また、区長部局が実施する研修の受講を初任者研修の課題別研修で選択できるようにするなど、教育総合センターの機能を生かした研修を充実させるとともに、地域の施設等と連携した研修も実施してまいります。  教育委員会では、教育総合センターを拠点とし、国や都、世田谷区の状況や教育課題等を注視しつつ、教員一人一人の資質能力の向上を図る教員研修の推進に取り組んでまいります。 ◆宍戸三郎 委員 教育総合センターの機能を生かした研修を充実させるということなので、大いに期待しております。  次に、コロナ禍でのリモート学習の実施やタブレットの活用はどんな状況になっているのか伺います。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷区では、今年度より全ての児童生徒に学習用タブレット端末が配置され、授業や自宅学習などで活用できる環境整備が整いました。新型コロナウイルス感染症対策のため、五月からオンラインでのリモート学習の準備を進めてきました。九月には、区内全ての学校、学級において分散登校及びオンライン学習を実施しました。九月のオンラインでのリモート学習についてアンケートを実施し、画面の見づらさや音声の聞きにくさ、子ども同士の学び合いのしづらさ等の課題が見えてきました。
     これらの課題を改善するため、一月からのオンライン学習の選択制を実施する際には、先進的な取組や学校の工夫などを情報共有することで、各学校でのオンライン学習の取組の底上げを支援しています。 ◆宍戸三郎 委員 今年度からタブレット端末が配置され、区内の全ての学級で分散登校とオンライン学習を実施したとのことです。他自治体より進んでいるということでしょうか。  しかし、一つ心配なことがあります。多くの報道で、日本の義務教育における学校でのデジタル機器の活用は主要国中最低レベルで、遠隔授業の実施率は多くのアジア諸国を下回ったという新聞記事がありました。今でも世界に置いていかれている日本の教育は、さらに遅れてしまうのではないかという危機感が生まれてくるのは、私ばかりではないと思います。  未来の教育について、教育委員会としてどのような見解をお持ちか、ぜひ教育監に伺いたいと思います。 ◎粟井 教育監 委員御紹介の新聞記事にありますとおり、遅れを取っている日本の教育ICTを大きく挽回するためにGIGAスクール構想を始めましたが、思うような成果が出ていない自治体も多くあるということを私も耳にしているところでございます。  記事には、学年や教科で足並みをそろえることが優先されがちという指摘もございましたが、世田谷区では、ICT活用の進捗が遅い学校は支援を強化して引き上げ、進みの早い学校はモデルケースとして全体を牽引するとともに、さらに高みを目指すというよい流れができてきており、現場の意識も高まってきていると認識しております。  急速に進展するデジタル化の流れは、今後も社会のあらゆる面でさらに加速していくことは間違いないと思います。子どもたちの将来は、デジタル技術と無関係ではいられず、デジタル技術をツールとして使いこなす力が求められます。そうした力を養っていくことが、未来の教育の使命であると考えております。  教育委員会では、来年度から教員が子どもの学びのデータや日頃の生活データを組み合わせて一目で把握できるようにし、それぞれの個性、能力に応じた学びを進めていく予定でございます。こうした取組を通じまして、子どもたち一人一人が自らの将来像を描くことができるような教育を推進してまいります。 ◆宍戸三郎 委員 私の読んだ本にも、教育の未来が語られていました。現在、アメリカでは百六十万人の教師が不足し、ユネスコの推計では、二〇三〇年には世界で六千九百万人の教師が不足する。また、現在でも世界で二億六千三百万人の子どもたちが基本教育を受けられていないと言われています。  このような大きな問題が、タブレット端末と独学用のソフト、そしてインターネット環境を整備することで、年十億人のアンドロイド教師を用意でき、課題解決につながると解説しています。また、AIを搭載したAR、VRの学習ソフトと生徒の反応をモニタリングするセンサーを組み合わせて、個々の生徒に最良な学習環境をつくり出し、画一的な教育をやめ、分散型で、個人に合わせて最適化された学習環境になるとしています。  そこで、現場の話に戻りますが、教員のデジタル機器の取扱いの巧拙によって、生徒間に格差が生じてはなりませんが、実際に現場では起きているのではないかと思います。デジタル機器の取扱いの不得手な教員に対しては研修が必要です。先ほどお話しした教育センターでの研修を徹底し、生徒間に格差が生じないようにしっかりとした対応をお願いしておきます。  次に、部活動の指導について伺います。  先ほど教員の不足のところで、その原因として、教員が多忙であり、敬遠されているとの記事を紹介しました。確かに教員は多忙です。教育熱心な先生ほど、さらに多忙になります。生徒の学力を上げるために、教科を研究し、教案を考えなければならない。ましてや、部活の顧問を引き受けると、土日の休みもなく、自分の子どものために使う時間もないというのはよく聞く話で、改善すべき問題と考えます。  地域には、スポーツを指導できる人材が数多くいると思います。中でも、区内には体育大学やスポーツの強い大学があり、体育指導員を目指す多くの学生がいます。区内にある大学の学生を活用して、部活動の指導をしていただいたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 教育委員会では、大学生ボランティアによる区立小中学校への教育活動支援に取り組んでおり、学校運営や学校行事の支援、配慮を要する児童生徒への支援、部活動指導の補助を通じて大学生と児童生徒が交流しており、また区内の大学の学生には部活動支援員としても多数活動いただいております。  大学生が部活動支援員として活動することは、自身の指導力向上などに寄与すると同時に、指導を受ける中学生にとっては、大学生との交流が育まれる中で、区内大学に高い関心を持つなど、教育上有意義なことであると認識しております。  教育委員会としましては、部活動支援員の人材確保の点から、今後より多くの大学生に部活動支援員として活動していただけるよう、職員が直接大学に伺い、事業の内容を詳しく説明するなど、区内大学への一層の働きかけを行ってまいります。 ◆宍戸三郎 委員 実は私も大学時代の四年間、現役の野球部員として附属中学のコーチを務めていました。この四年間は、自分の練習や試合に加え、中学生のコーチとして一日中グラウンドに立っている日も多く、肉体的には非常に厳しい期間でした。しかし、それ以上に選手としても、人間としても、非常に得るものが多く、今振り返っても一番貴重な経験をさせていただいたと、とても感謝しています。  それは大きく三つあります。一つ目は、中学生に指導する中で、最も重要な基本を反復することで、自らの技術向上にもつながったこと、二つ目は、子どもたちの模範となるために日頃の挨拶や返事などをはじめ、日常の行動にもより責任を持つようになったこと、三つ目は、附属中、附属高校の生徒たちが大学野球部の選手たちに憧れ、応援に来ることで大学まで野球を続けることになり、OB同士として今でも強い友好関係が築き上げられ、交流が続いていることです。  このような経験からも大変有意義な取組と考えます。先生の負担は減る、子どもたちはよい指導を受けることができる、学生は指導方法を実践でき、後には世田谷区に教員として戻ってくることも想定できます。このように、大学と地域が今まで以上につながり、将来にわたる多くの効果が狙えると思いますので、問題点を整理して、積極的な導入に向けた取組をお願いして、加藤委員と質問を替わります。 ◆加藤たいき 委員 自民会派の仲間が時間をたくさん残してくれたので、最後まで私、この後、全部やり続けますので、よろしくお願いします。  まず、私からは、教科担任制からの質問を、前期の最後のほう、毎年のように質問してきております。昨年度の令和四年度に、五、六年生に対して教科担任制を導入する方針が中央教育審議会より出されました。昨年の一定の一般質問において、東京都教育委員会が行う予定のモデル校に手を挙げてもらいたい旨の要望を私から出させていただきました。その結果、今年度の秋より下北沢小学校がモデル校になり、現在授業が行われています。  この間の学校の内部評価と教育委員会としては、まずどう受け止めているのか、率直な意見をお願いします。 ◎毛利 教育指導課長 委員お話しのとおり、下北沢小学校において、今年度より三年間、東京都教育委員会の小学校教科担任制の推進校の指定を受け、教科担任制の研究を進めております。下北沢小学校では今現在、研究を進めているところなんですけれども、まず小学校で高学年の専科化というところですが、学習が高度化する五、六年生の外国語、算数、理科や体育などの授業を専門の教員が指導を行うことで、児童の学習理解度、定着度の向上につながるとともに、教員の授業準備などの負担軽減につながり、複数の教員が関わることによって、個々の児童をより多面的に理解できることが期待されているところです。  文部科学省では、今後、四年間を通して、小学校高学年における教科担任制のため、三千八百人程度の定数改善を見込んでいるということですけれども、区内六十一校全ての小学校において教科担任制を実現するためには、国における新たな定数改善計画が策定される必要があります。  区教育委員会では、今後全ての小学校において教科担任制を進め、専科指導教員の計画的な配置、充実を図るよう国や都に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 現場サイドでは秋からということで、なかなか課題なんかも見つかったんではないかなと思っておりまして、区立小学校ですし、教員は、担任になると全科目、専科授業等もありますけれども、大体の授業、国語、算数だったりというところを持つことになっていますので、専門性よりもユーティリティー性が求められてきたのがこの間の公立小学校の流れだと思うんです。  教科担任制になると、教員採用に当たっても、今後、専科採用だったり、国語の授業の特化された小学校の教員だったりというのが正直生まれると思うんですよ。ただ一方で、現在、今現状働いている教員の方々の分担、今まで担任されていた方は全部を持っていたけれども、今度は国語だけを教えていくとか、そのようにどうやって差配していくのかというのはすごく課題だと思うんですけれども、今、この現状、下北沢小学校はどのように行っているんでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 委員御指摘のとおり、教員によって得手、不得手という部分がありまして、下北沢小学校では、現在、中学校の教員が理科の専科に入っておりますが、そのほかの教科につきましては、国語、社会、体育についていろいろな方式で持ち合いをして、どのような形がより適切なのか研究をしているところです。 ◆加藤たいき 委員 今後、いろんなところで教科担任制が全国的に始まってくると、国語の先生がだぶついてきちゃったりとか、算数の先生がだぶついてきちゃったりとか、そういった課題も生まれてくると思うんですよ。そこはどう考えていくのかというのは、これも文科省の部分もあったり、東京都が人事権を持っているので、うまく差配していってくれないと世田谷区としてはできませんよということは、ぜひ現場側の今、下北沢小学校で行っておりますので、それはぜひ東京都のほうに声を上げていただきたいなという要望はしておきます。  三年間モデル校、先ほど答弁にもありましたけれども、今後どのようにしていくのかというのは、三年後終わった後、すぐ四年目、すぐ教科担任制に移行するのかとかというのはどう考えているのか。下北沢小学校は終わってしまうのかという懸念もあったりするんで、それはどう考えているのか伺います。 ◎毛利 教育指導課長 都教育委員会の推進校指定は三年で終了いたしますが、その成果と課題を踏まえ、教科担任制の推進に向けて、区独自の講師配置なども視野に入れて研究を進めてまいりたいと思っております。 ◆加藤たいき 委員 初年度のまだ半年半ばで、なかなか答えづらいとは思うんですが、正直、私はこれまでも担任との相性だったりで、一年間なかなか学校になじめなくなってしまう児童というのは結構相談もあったりするわけです。そういったところに、子どもによって教員のチャンネルが増えるというのは、私はすごくいいことだなと思っておりますので、ぜひ世田谷区としては、全校展開しますとかという展開になっていくことを望みますし、もっと言うのであれば、五、六年生だけではなくて、一年生からできたら、私はすごくありがたいなというふうに思っております。  次に行きます。記憶に新しい方もいますけれども、今日も先ほどまで雪がちょっとぱらついていて、一月上旬には積雪、すごい状況があって、二月十日に私、たまたま事務所でこの定例会に向けて、もう二月の頭ぐらいから準備していたんですが、夜中一時ぐらいまで作業して、帰りには雪が結構降っておりまして、傘なしでは帰れないぐらい道も雪が積もっておりました。  次の早朝、環八、第三京浜の上野毛辺りで、報道ベースなんですけれども、車が路面凍結によって横転したというニュースがありました。ちょうどその時刻ぐらい、私、朝六時ぐらいに息子と地元のボロ市通りを歩きまして、路面凍結して、また雪も端っこのほうにまだ残っている中、歩いて、実はその日、息子のサッカーの試合があって、サッカーをしておりまして、中止の案内がないから、とりあえず向かおうかなんて言って、朝六時ぐらいに自宅を出たわけです。  先ほど申し上げた環八の上野毛のちょっと先の丸子橋を渡ったすぐ辺りの川崎フロンターレの等々力競技場の隣にある人工芝のグラウンドで朝八時より試合開始だったわけです。非常に寒い中だったんですが、人工芝においても全く問題なく、また子どもに聞くと、靴の中もぬれなかったという、地面凍結があった中でしたが、人工芝は快適に使えたと息子がおっしゃっておりましたので―おっしゃっていましたはちょっとおかしい。  午前中だったので、私は昼間に帰ってきて、子どもとサッカーの試合の反省を踏まえて、ちょっと練習しようよなんて話をして、近隣の公園に行ったわけです。そうすると、どろどろで、二月十一日は結構晴れていたんですけれども、なかなか使えない。校庭開放だったら使えるかねなんて言って、近隣の地元の公立小学校に行ったんですが、やはり非常に荒れていて、校庭開放自体中止になっていた。ほかの友人のお父さん、お母さんに聞いても、その日、区内のスポーツチームは、私が聞いている限りでは全ての校庭が使えないというところで、スポーツチームの練習もなくなっていたという話でした。  私も、できることであれば、天然芝が敷けたら、子どもたちの環境だったり、スポーツの環境だったり、CO2の話だったり、海洋プラスチックの話だったりというところは望ましいと思うんですよ。でも、一方で、日本の風土、四季や梅雨、台風、雪、いろんな角度から見ても、晴れていても霜が降りていて何日も使えないということなんてよくある話ですし、一方で、天然芝、烏山北小の話がありますよね。養生期間の課題から、世田谷区では遊ばせておける専有面積というのが学校になかなかない中で、今回烏山北小は、十七年間、天然芝でしたが、剥がすことになってしまった。  これは総じて言えるのは、全天候型が望ましいわけだと思っているので、この件に限って言えば、どこの会派の人たちも否定する部分ではないと思うんです。ただ、これに人工芝と付随してくるとなかなか賛同を得られなかったりというところが今状況だと私は思っています。  一月三十一日の文教常任委員会で、駒沢小学校のこれまで人工芝を試行しますという話だったんですが、ゴムチップ舗装にして、校庭の舗装をしていきますという報告がありました。その中では、生活者ネットさんが人工芝に対して否定的な意見をされておりましたが、委員会内部では、おおむね人工芝に対して肯定的な意見が私は多かったんではないかなと思っております。  今回、この人工芝の質疑をするに当たって、立憲さんもなかなか否定的な発言をされておりますので、生活ネットさんと立憲さんが人工芝をやったほうがいいんじゃないかというような質疑ができたら、私は正直いいなと思って今回取り上げさせていただいております。  委員会内で、一月三十一日の中で、私のほうから今後の方針として、区内の幾つかの場所では人工芝化方針があるのに整合性が取れていないんではないですかという発言をさせていただきました。部長がその際に、ちょっと議事録がまだ出ていないので、ちゃんと私も覚えているわけではないので、ちょっとうろ覚えな部分があるので、この発言ではない後半の部分で部長が手を挙げられて、世田谷区内のグラウンドの人工芝は事業化されていないから整合性が取れているという発言をされたと思っているんですよ。私もそのときにおかしいなと思ったんですけれども、今年度やっている工事があるのではないかなと思って、後に調べたら、先月、二月にオープンした第一生命グラウンドのJ&Sフィールドが、今年度、十一月、十二月に工事が終わったものがあって、今年度、人工芝を敷いているわけです。そうしたら、やっぱり整合性が取れていないんではないかなと思うんですが、まず、これ一点いかがでしょうか。 ◎知久 教育総務部長 ちょっとこの御答弁だったかどうかというのが定かではないんですが、来年度について世田谷区として新たに人工芝化する予算については、スポーツ施設等についても確保してございませんという趣旨の御答弁をさせていただいた記憶はございます。 ◆加藤たいき 委員 その答弁をされたのは、私も正確な答弁を今求めているわけではなくて、J&Sフィールド、第一生命のグラウンドが、人工芝を今年度工事しているわけです。それなのに世田谷区の駒沢小学校は、人工芝化を止めた、整合性が取れていないんですかという質問ですが、多分かみ合わないと思うので、次に行かせていただきます。  これまで、私、議員になってから一年目からこの人工芝を実はずっと取り上げ続けておりまして、その際も、何度お聞きしたか分からないんですけれども、コスト面の課題からなかなかすみませんというところだったんですが、一点いろいろありまして、今期に入ってから試行を行う考えになってくれて、私は教育委員会にすごく感謝しておりますし、地域の方々も、駒沢小関係の方々も非常に喜んでいるという声が届いていたわけです。一月三十一日に人工芝の試行を行う予定であったのに、はしごを外された。駒沢小学校はゴムチップ舗装をしているという形になってしまったんです。  でも、委員会で出された資料によると、ゴムチップ舗装と人工芝のコスト比較というのは大体同額程度で、これは答弁も資料もあるので、今後はこのコスト面で人工芝はできないという議論はならないと思うので、それだけはちょっと御理解いただきたいなというふうに思っています。  さきの定例会に、本日、委員長もやられている菅沼議員が、駒沢小学校の人工芝になぜしなかったんだという中身の質問をされておりまして、その際に、部長が、駒沢小の舗装の選定理由として、マイクロプラスチックの発生要因となるからという発言をされているんです。これは録画を見たので、間違いなくこれは言っているんです。  平成十八年に駒沢小学校が今のゴムチップ舗装に施工されて、令和三年度が終わりますので、大体十六、七年で、ゴムチップ舗装が今、結構剥がれている状況になっているんです。  まず、一点聞きたいのが、この程度の期間で補修って正直おかしいと思うんですよ。世田谷公園は、使う頻度にもよると思うんですが、十五年間人工芝を敷いて補修に入っていない中、いまだ現状使えるという中で、ゴムチップが、今、駒沢小学校へ流れていってしまっていないのかという考え方です。人工芝は流れるから否定されて、ゴムチップが、劣化して、剥がれて、流れていくという考えはないのか、それをまず一点伺わせてください。 ◎青木 教育環境課長 ゴムチップ舗装の使用につきましては、ゴムチップが、接着剤、圧着されてという、固まっているところがございますので、通常は飛散する、剥がれて飛ぶということはないかなと思っていますけれども、当然ながら、使用頻度によって、経年劣化によって、表面が剥がれてゴムチップがぼろぼろになるというんですか、崩れるというような形状になると、飛んでいく、また側溝に流れていくという可能性はあるものと認識してございます。 ◆加藤たいき 委員 だから、ゴムチップ舗装も結局は流れていくんですよね。人工芝も流れていくというところもあるので、ここで議論しても、どっちみちあまり環境によろしくないのではと、教育委員会の考えから、私はそういった考え方があまりないんですけれども、菅沼議員のさきの定例会の中で、人工芝の飛散についても再質問されていて、その際に答弁で知久部長が、環境省の調査では日本の沿岸ではプラスチック製品の破片が主なマイクロプラスチックの発生源としてという発言が冒頭に出てきているんです。  私、環境省の膨大な資料、結構長い資料、この海洋プラスチックのを読ませていただいて、確かに人工芝の単語というのが記載されてはいるものの、もういろんな種別の中に羅列されている中の二つだけなんです。それは、しかも、スポーツ人工芝と断定されていないんですよ。この間、立憲さんだったりが言っていたピリカさんの調べでも、スポーツ人工芝の五倍以上、家庭等の人工芝が多いとされているという数字は一応は出てきているんですが、公共のデータ、環境省だったりのデータに数字がないと、根拠として弱いと思うんです。  環境省のデータの中には、数字、この人工芝以前に、海洋プラスチックの中の中身、純然たる根拠となる数字というのは、記載が全くないんです。マイクロプラスチックの発生要因としての答弁があったわけですが、何をもって発生源を人工芝として教育委員会として受け止めているのか。微細なプラスチックイコールスポーツ人工芝って証明されていないわけじゃないですか。海洋プラスチックとスポーツ用人工芝の因果関係が証明されていない中で、海洋プラスチックの要因での人工芝を敷かないとした方針の転換というのは、私は立たないと思うんですよ。その辺、いかがお考えですか。 ◎知久 教育総務部長 第一回定例会におきます菅沼委員長ですが、やり取りを私ももう一度確認させていただいたんですけれども、議員のほうからいただいた意見としましては、人工芝が敷地周辺に飛散しているのかという御質問だったと記憶しております。  それに対して、二段構えでお答えさせていただいていたんですが、環境省の調査等を見ても、日本の沿岸ではプラスチック製品の破片が主なプラスチックの発生源と考えられるといったような報告も出ておりますということと、二段落目で、実際に目視で確認することは難しいが、頻度の高い使用によって、磨耗あるいはちぎれて人工物の破片が、微細なものとは思うが、衣服に付着や周囲に飛ぶことは起こり得るということです。その前段でマイクロプラスチックの行方というんですか、流れていくこと、後段で議員のほうからいただいた、飛散しているのかということについてのお答えをさせていただいておりまして、この中で、具体的に人工芝のプラスチック化ということについては、特段触れてはいなかったのかなというふうに思います。 ◆加藤たいき 委員 いやいや、そういうことを聞いているわけじゃなくて、最初のほうの質問で、マイクロプラスチックが発生要因となるから、人工芝を取りやめてゴムチップ舗装にしたと駒沢小学校で言ったわけじゃないですか。それに対して、私はマイクロプラスチックの発生源として、何をもってスポーツ用の人工芝が環境省のデータにもないのに、選定から変換をしたのかというところを聞いたんですよ。もう一度お願いします。 ◎知久 教育総務部長 飛散した、その……。 ◆加藤たいき 委員 飛散した話ではなくて、マイクロプラスチックの発生源となるからゴムチップ舗装にしたというふうな答弁だったわけじゃないですか、駒沢小学校をゴムチップ舗装にした理由としては。なのに、私は環境省のデータの中に、根拠たる数字がないじゃないですかと、因果関係、人工芝にもいろいろ種類があって、スポーツ用人工芝というのはほぼ記載がないんですよ。ほぼというか、環境省の中にはないんですよ。だから、なぜそれを外したのかと。マイクロプラスチックがイコール人工芝、スポーツ人工芝とは断定できないのに。 ◎知久 教育総務部長 ちょっとそのときの答弁自体の趣旨としては、ちょっと繰り返しになるんですけれども、この飛散するかということについてのお答えをさせていただいて、その行方ということで、こちらの環境省の中の報告書にもございました日本での沿岸の状況をちょっと補足としてお伝えしたという状況です。 ◆加藤たいき 委員 だから、今の論点は飛散の話ではなくて、駒沢小学校にゴムチップ舗装にした理由を聞いたら、マイクロプラスチックの発生要因となるからと、これは一般質問の最初の議場での菅沼議員の質問で、知久部長がそう答えていらっしゃるんですよ。何をもってマイクロプラスチックの発生要因となるのかというデータが何もない中で、再質問の中に、環境省の調査ではという話があったので、環境省の調査で飛散の話はしているわけではなくて、環境省のどこのデータを見てこの形をつくり上げたのかということですよ。  これを聞いてもやっぱり進まないので、ちょっと先に行かせてもらいますけれども、だったら、スポーツ用の人工芝が流出するというんであれば、流出抑制装置だったりというのが開発されて出ているんですよ。そういったことを検討したんですか。どうですか。 ◎知久 教育総務部長 今現在、人工芝を研究対象として、一旦モデル事業として中止したということは、まだまだ我々としても事業者からの聞き取りですとか、今後の人工芝の製品の開発ですとか、そうした見極めも必要であろうということで一旦止めたので、様々な工夫が必要の中で、モデル事業をやるというのではなく、一旦その条件がそろった中でモデル事業というものについては取り組むべきという解釈でございます。 ◆加藤たいき 委員 因果関係が正直証明されていないですよ、環境省の件に関しても。流出抑制装置もあまり検討もなかったということで、結局スポーツ用の人工芝を校庭に敷くというのを試行してみないと、採用実績が生まれて、課題だったり、これを全部やっていくべきだね、全部やっちゃ駄目だねという考え方にもならないわけじゃないですか、そこにプロセスをすっ飛ばして、人工芝をやりませんというふうに勝手になってしまっているから、答弁もかみ合わなくなっちゃっているわけじゃないですか。  これの話をしているとまた時間がどんどんなくなっていくので、安全性と近隣の配慮について意見を言っていきます。区が出してきた校庭の使用の種類の安全性の部分によると、クレー系舗装って、グリーンダストと微粒子調整型緑色スクリーニングスという二種類があるわけです。グリーンダストのほうは擦り傷等が生じやすい、運動には必要な適度な弾力性を有するが、乾燥すると硬くなる。散水や側溝清掃、三百六十五日砂塵対応を考えなくてはいけない。スクリーニングスのほうです。擦り傷は発症しにくい、固化しにくく、運動に必要な適度な弾力性を有する。グリーンダストに比べて砂じん対応が改善している。  本当にこれは現場を知っていたら、私は教育委員会として、メーカー側の意見なのかもしれないんですけれども、記載しないと思うんですよ。水はけがいいと言われても、過去のものと比べてなので、全然雨が降っていなくても霜で三日使えないとか、ざらにある話なんです。教育長は校長先生をやられていたんだから、多分知っていると思うんですよ。夏場でも雨の翌日で使えなかったりとかするわけです。  砧公園のほうで、私、先ほど息子がサッカーをやっていると言いましたけれども、週に二回ほど今練習、小サッカー場で砧公園の中でしていて、今年度、実は土の入れ替えがあって、恐らく緑色スクリーニングスに入れ替えたんですが、砂ぼこりが舞うと自分の子どもがどこにいるか分からないぐらいガスっているような状況になってしまっているんですよ。それが学校の近隣に住む住宅の方々に迷惑がかかっているんじゃないですかというのが他会派からも意見があった、公明さんなんかもおっしゃっていましたよね、近隣の方。確かにゴムチップ舗装だと砂じん対応しないでいいんですが、人工芝でも砂じん対応しないでもいいんですよ。  安全性の話に戻しますけれども、ゴムチップ舗装は足腰の負担が少ないと教育委員会の資料で書いてあるんです。人工芝だけ弾力性に優れているため、足腰に優しいとかなり好意的な意見で書かれているんです。これは教育委員会が出している資料です。  まず、ちょっと話をそれて、駒小のPTAの方々の意見というのは今、区長だったりに出しているはずなんですけれども、これはどう教育委員会で対応したのかちょっと教えてください。 ◎青木 教育環境課長 先日、区民の声、元PTAの方から御意見等をいただいてございます。既に区からの回答はさせていただいてございますが、この間の議会報告の内容、また、駒沢小学校は、先ほど委員からもお話をいただいたとおり人工芝のモデル実施の対象校として想定していたところだったんですけれども、まず駒沢小学校のゴムチップ舗装の状況が、大分劣化が進んできていると、補修等一部してございますけれども劣化も多く見られるということから、児童の安全を最優先に、来年度、ゴムチップ舗装での改修を進めていきたいという御回答をさせていただいたところでございます。 ◆加藤たいき 委員 劣化で、時間がないというのであれば、だったら補正なりを組めば議会としても納得がいってすぐに対応したと思いますよ。この期間になったのは、行政側の言い分じゃないですか。コロナ禍で財政が厳しくなっていくかもしれないとかという話になって、駒沢小学校のPTAの方々の要望に対しても、私も誠意がないなと思うんですよ。自分たちの校庭の機能の部分を言っているんですよ。一方で、池尻小の要望が出てきたときは、区長も真摯に対応するみたいな発言をされている中で、池尻小の要望は旧池尻中にかかっていた部分を言っているのに、池尻小の部分じゃないじゃないですか。だからこそ、ここは教育長ですか、私は駒沢小も同じように会って、要望を聞いてあげるべきだと思うんですが、いかがですか。 ◎渡部 教育長 駒沢小学校は人工芝のモデル校というふうに想定していたことを途中でやめたというところで、大変御迷惑をおかけして、期待をしていた分、申し訳なく思っています。これから様々なことをやりながら、どのような方法がいいかというところをやっていきますが、駒沢小のPTAの方にもお会いして、お気持ちはお伺いしたいと思います。 ◆加藤たいき 委員 教育長、駒沢小の方々からしっかりと意見を聞いてどうするか。校庭の仕様の決定権というのは多分、教育長が持っているんですよね。では、誰が持っているんですか、それを伺います。 ◎渡部 教育長 何をどうというところでなかなか難しいんですが、学校の施設の管理は学校長がやっていますが、その施設を全て持っているのは区長ということになっています。今、御質問いただいたところで、私がどこまでというところはお答えしにくいんですが、今回のこの件に関しては様々にお話を伺いながら、様々なところで実証実験が行われているので、これから様々な調査を重ねながら決定をしていきたいと思います。 ◆加藤たいき 委員 今の答弁でちょっとびっくりしちゃったんですけれども、教育委員会というのは区長部局から独立性があって、学校の施設に関しては教育長が決められないということ、つまりは今回の人工芝をゴムチップ舗装にしますと決めたのは教育長ではなくて区長という認識でいいんですか。 ◎知久 教育総務部長 今回、一月三十一日に文教常任委員会で御報告させていただきましたが、校庭整備における基本的な考え方については、教育委員会のほうで取りまとめて御報告をさせていただきました。  区長というお話が出たんですが、その予算を確保して配分していただくのは区長ですが、教育の中での校庭の話ですので、こちらについては教育委員会のほうで決定をさせていただきました。 ◆加藤たいき 委員 では、今の話をまとめると、駒沢小学校をゴムチップ舗装に決定したのは区長ではないということでいいんですか。 ◎知久 教育総務部長 こういうことで教育委員会の中で決めさせていただいて、予算の要求をさせていただいて、予算措置をしていただいた上で、教育委員会、私の教育総務部の中になりますが、教育環境課のほうで執行するという流れになると思います。 ◆加藤たいき 委員 まず、今回のことは教育委員会が取りまとめた。では、教育委員会として、人工芝に変更しますという方針の変換もできるわけですね。 ◎知久 教育総務部長 今回の考え方の中でも、こちらについては述べさせていただいておりますが、一旦モデル事業として取り組むということは見合わせることとはしておりますけれども、今後、新素材の技術開発などの動向について引き続き調査研究を進めていくということでしております。 ◆加藤たいき 委員 今、聞きたかったのは、教育委員会の判断が、イエス・オア・ノーで人工芝を設置できるかできないかの話を聞きたいんですが、まず、それだけ答えてください。 ◎知久 教育総務部長 そちらへの切り替えといいますか、校庭整備の仕様については教育委員会の中でできるということで判断しております。 ◆加藤たいき 委員 議会の中で、教育委員会内で決められるでいいんですよね。 ◎知久 教育総務部長 おっしゃるとおりです。 ◆加藤たいき 委員 また教育長のほうに聞きたいんですけれども、これまでいろいろとるるお話しさせていただきました。弾力性に優れているため足腰に優しい人工芝、PTA、学校側も望んでいる。一方で、スポーツ用人工芝として、因果関係というのが、マイクロプラスチックの発生源というのが立証されていないじゃないですか。片や子どもたちの教育機会の損失だったり、先ほど雪の日でも使えたという話もさせてもらいましたし、使える頻度だったり、足腰に優しい成長面、学校近隣の砂じん対応だったりというところの両てんびんにかけたときに、どちらかを取らなければいけないといったら、教育長はどちらを取るんですか。 ◎渡部 教育長 教育という観点から、子どもの学習の環境を快適に、天候に惑わされることなくというのはとても大事なことだと思っています。一方で、持続可能な社会の実現に向けて、環境についてということは子どもたちに学ばせる必要もありますから、十分な配慮が必要になります。どちらかに偏ることなく、教育としては、そこはバランスよくやっていく必要があると思います。 ◆加藤たいき 委員 でも、今バランスが取れていないじゃないですか。砂じん対応はゴムチップ舗装だったらできるかもしれないですけれども、今の環境面で言うと、マイクロプラスチックの発生要因で人工芝を取りやめたという答弁の中で、環境省が出している中で、それがデータとして立証されていないわけじゃないですか。今までの話でそうですよ。  もう時間がなくなってきたので駆け足で行きますけれど、答弁の中でもうちょっと二酸化炭素の排出量とかの話が出るかなと思って、頭の中で想定していたんですけれども、世田谷区の中で、環境配慮をして二酸化炭素排出量を抑えていきましょうよというところは多分皆さん一致していると思うんですよ。片や世田谷区の小学校でZEV化を進めていくという方針はありますよね。  でも、いつやるかということがまだ決定していない中で、そうすると、私は回し者でもないですし、会ったこともないので、あえて企業を出しちゃいますけれども、今、ミズノさんが人工芝を設置するのに非常にいろいろと考えて、海洋プラスチックをはじめ、二酸化炭素の排出も大変抑えようとしているんです。グラウンド一面、サッカーコート一面分置けば、人工芝を敷いたと想定して、そこに茶殻を詰めた充填材だったりをまくことによってサッカーボール五号球、これぐらいのボールが三十九万個分、四・三トンCO2を抑えることができるというようなデータも出しているんですよ。海洋プラスチックの立証ができていない中で、だったら、二酸化炭素の排出量を下げるために人工芝を敷きますのほうが私はよほど説得力があると思うんですよ。  またもう一つ言えるのが二酸化炭素排出量、教育現場全部の排出量というのを世田谷区は学校ごとにそれぞれデータを持っていないじゃないですか。そういったことも出していないのに、片や海洋プラスチックの発生要因なのでとデータもないのにゴムチップ舗装にしますと、やっぱり私は整合性が取れないんじゃないかなと思うんですよ。第一生命グラウンドも現に今年度工事をしていて、もしかしたら今後も教育委員会の所管外で人工芝を張っていく可能性も大いにあるわけじゃないですか。  理念とか理想、環境に配慮したまちづくりというのは私も大事だと思いますし、進めていくのにはおおむね理解はしています。だけれども、やっぱり公共で環境省とかが出しているデータがない中で、データが伴って初めて環境が世田谷区にとってどういう町になっていくというのが説明されてしかるべきじゃないですか。それすらない中で、人工芝を外すというのは私はやっぱりおかしいと思うんですね。  教育長にもう一回聞きますけれども、人工芝を敷いていくという覚悟を見せてもらえないですか。 ◎渡部 教育長 今お話しいただいたように、サトウキビだとか、茶殻を使った新技術のものが開発されているということも理解しています。それから、マイクロプラスチックの流出を防ぐネットを張るという実証実験についても理解をしています。引き続き、そのようなところからいただいた御意見を基に調査研究を進めて検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 実証実験がありましたけれども、環境省のデータが出たら、人工芝に変わるという方針転換をしてもいいと思うんですよ。また、中学校とかだったら今部活とかで使う機会が非常に多いですから、小学校だけと言わず、今後、奥沢中、弦巻中と建て替えをするので、人工芝に方針変更をしてもらいたいと要望し、自民党からの文教所管の質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十分休憩    ──────────────────     午後二時四十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
     公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の文教所管の質疑を始めさせていただきます。  まず、私のほうから、初めに、学校給食の牛乳の取扱いについて伺います。  今年に入ってからのコロナ第六波では、児童生徒の感染や濃厚接触者となっての欠席が相次ぎ、さらに学級閉鎖、学年閉鎖に追い込まれている事態が続いております。そんな最中、給食時の牛乳がクラスに残ってしまった場合、教室のバケツにじゃぶじゃぶと捨てているといった現状があり、賞味期限切れ前のまだ飲める牛乳を捨てていることに、学んでいるSDGsの取組とのギャップに子どもたちが心を痛めているとの声を耳にしました。なぜ未開封の余った牛乳を児童生徒が処分するような事態となっているのか、正しい取り扱いなのかどうか、区の認識を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 学校給食につきましては、食中毒等の事故を防止し、安全な給食提供を第一に考え、国の学校給食衛生管理基準などに基づきまして衛生管理の徹底に努めているところでございます。国の基準では、牛乳を含めた生鮮食品につきましては、原則として当日搬入、当日提供といたしまして、翌日に繰り越して使用しないこととされております。  世田谷区での学校給食用牛乳は、現在、給食日の前日または当日に納品されており、給食日の三日から五日前の正午までに事業者へ数量の変更を行う必要がございます。学級閉鎖や欠席等により発注のキャンセルができなかった牛乳につきましては、おかわり用として各クラスに分配しておりますが、それでも残った牛乳は飲み残した牛乳と合わせて廃棄することとなります。 ◆河村みどり 委員 区では、学校給食衛生管理基準に基づき、翌日に持ち越してはいけないと判断しているとのことです。ここについては後で再度確認させていただきたいと思いますが、牛乳の数量変更に三日から五日の時間を要し、欠席する児童生徒がいる場合、時間的なロスがあるので必ず余る牛乳が出てしまうが、おかわりとして子どもたちに提供しているとのことです。ただ、じゃぶじゃぶと捨てているとの話によると、クラス内では飲み切れない牛乳があって、区のルールとして当日破棄することになっているため、子どもたちが処分していることが容易に想像できます。  もう二年前にはなりますが、二〇二〇年一月に開催された区立中学校の生徒会サミットにおいて、学習の機会を通して学んだSDGsの推進について、食品ロスやエネルギーロス削減など、生徒たちの身近な日常生活の中で具体的に取り組んできた実践報告を伺う機会がありましたが、子どもたちの取組に大変感動したことを覚えています。  持続可能な開発目標SDGsの二〇三〇年達成を目指し、学校現場でも様々な学習の機会を通して児童生徒が現在学んでおります。まだ十分に飲める牛乳を学びとは正反対に捨てざるを得ない状況に子どもたちが疑問を持つことは当然のことではないでしょうか。未開封の余った牛乳を教室で処分していることを教育委員会としてどのように認識されておられるのかお伺いいたします。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会としましては、未開封の残った牛乳はそのまま調理室に戻すよう各学校に周知しておりますが、一部の学校では、クラスで児童生徒が専用のバケツにのみ残した牛乳と一緒に処理している実態があると聞いてございます。  今後、改めて未開封の牛乳の取扱い方法を周知しまして、ルールどおりに取り扱うよう指導してまいります。 ◆河村みどり 委員 食中毒を絶対に起こしてはならないということは当然の大前提として、そもそも当日に破棄するルールでは、このコロナ禍では相当な数の牛乳ロスが生じることは当然懸念されるわけです。子どもたちに捨てさせる行為が改善されたとしても、決して根本的な解決にはなっておりません。ここで改めて、今年に入ってからの学級閉鎖の状況をお聞きします。 ◎山下 学校健康推進課長 本年一月以降の学級閉鎖の状況でございますが、三月十八日現在で、小学校全六十一校で延べ五百八十五クラス、中学校二十九校のうち二十七校で延べ九十八クラスとなっております。小学校一校と中学校三校でそれぞれ一学年ずつ学年閉鎖も行ってございます。これまでに最も多く閉鎖していた日は二月三日で、小学校三十八校八十二クラス、中学校十一校二十五クラス、合わせて四十九校百七クラスとなってございます。 ◆河村みどり 委員 小中学校九十校中八十八校が学級閉鎖を経験して、二月三日には何と百七クラスに及ぶ学級が閉鎖されたということです。現在もホームページで公表されておりますけれども、数に変動はありますけれども、それが現在に至ってずっと続いているということになっています。  コロナ禍になって、飲めるのに捨てられている牛乳ロスが果たしてどの程度あるのかなと。教育委員会ではきちんとした数が分からないということでしたので、目安として考えてみますと、例えば、今回最も多く閉鎖していた二月三日の百七クラスの閉鎖時には、例えば一クラス三十五人として計算すると三千七百四十五人分の牛乳がロスの対象となり、大変大げさかもしれませんけれども、たった一日だけで四千本に迫る牛乳ロスとなる可能性を秘めているということになります。  そもそも区は、学校給食衛生管理基準に基づき翌日に持ち越してはいけないとの判断をしているということですが、その基準の文言については、保冷庫から取り出し、各クラスに配膳している牛乳のことを指しているのであって、安全に管理している保冷庫に保存したままであれば、当日破棄せずに繰り越すことは、学校給食衛生管理基準に逸脱していないということをこのたび東京都の教育委員会に確認をしております。改めて区の見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 学校給食衛生管理基準では、生鮮食品は原則として当日購入するとともに、一回で使い切る量を購入すること、パン、牛乳、おかず等の残品は全てその日のうちに処分し、翌日に繰り越して使用しないこととされており、区教育委員会としましては、牛乳を翌日以降に繰り越して使用することは衛生管理の面からはあまり望ましい対応ではないと考えてございます。牛乳は生鮮食品に当たるため、適切な温度管理をした上で速やかに消費することが重要でございます。  御指摘の繰越し使用を認めた場合、数量調整が整うまでの数日間にわたって賞味期限の管理を行うこととなり、複数のクラスで学級閉鎖が重なった場合には管理がさらに煩雑になることから、人為的なミスや事故につながりかねないと考えております。  学校給食における食中毒は大規模で発生する可能性が高く、多くの児童生徒の健康を脅かす結果になることはあってはならないことであり、衛生管理を徹底した安全な給食提供を優先し、事故につながるリスクはなるべく未然に防ぐよう、現在のような対応を取ってございます。 ◆河村みどり 委員 本当に安全第一でというふうなことを区が求めてこれまでやっているということは本当に重々承知をしております。私は、子どもたちを危険にさらすようなことを決して求めているのではありません。これまでの取組が間違っていると申し上げているものでもありません。私たちは、もはや世界市民の一員として、今、地球環境を守る責任が問われているわけです。令和元年十月、食品ロスの削減の推進に関する法律の施行に伴って、区においても昨年十一月に区の食品ロス削減推進計画(素案)が区民生活常任委員会にて報告をされました。その中の推進計画に、行政の役割として学校の食品ロスが位置づけられております。  今回、給食の残渣だけでなく、牛乳ロス削減についてもどうしたら推進できるのか真剣に検討すべきではないでしょうか。都内区市の公立学校においては、ローリングストック方式で牛乳ロスを削減している複数の事例があると伺っております。  区においても安全対策を施したルールをつくり、ローリングストック方式で牛乳ロスを削減すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 繰り返しになりますが、学校給食は、食中毒等の事故を防止し、児童生徒の健康を害することがないよう、安全、衛生管理を第一に考えた対応を継続していく必要があると考えております。一方で、委員がおっしゃる食品ロスの削減につきましては、学校教育の中でも重要な事柄の一つでございまして、残った牛乳の対応についても解決すべき課題であると認識してございます。  また、区では令和三年十一月に世田谷区食品ロス削減推進計画(素案)をまとめ、取組を進めていくこととしている現状も踏まえまして、教育委員会といたしましては、今後、学校や牛乳納入業者と、当日納入や数量調整期限の変更について調整するとともに、国の基準の範囲内で御指摘の繰越し使用、ローリングストック方式も含めて、廃棄以外の対応方法につきまして、必要に応じて保健所や関連所管とも連携、相談しながら検討を進めてまいります。 ◆河村みどり 委員 繰越し使用も含めて検討していただけるとの御答弁でございました。どうしたら改善できるか、ぜひしっかりと御検討をよろしくお願いいたします。  それでは、次の質問に移らせていただきます。次に、特別支援学級について質問してまいります。  先日、区議団の代表数名で特別支援学級が設置されている区立松沢小学校を視察させていただきました。松沢小学校は、知的障害学級、肢体不自由学級の二つの固定級と、拠点校となっている特別支援教室「すまいるルーム」があり、都内においても特別支援教育が充実している特徴のある区立学校です。  三つの特別支援教育を推進している松沢小学校は、障害のあるなしに関係なく、誰もが互いの人格と個性を尊重し合い、認め合う共生社会を構築していくためのインクルーシブ教育システムにとって最適な環境であり、共生社会を担う互いの子どもたちにとっても大変恵まれた環境と言えます。そのためには、合理的配慮の提供や一人一人に応じた個別の対応など、ハード、ソフト面にわたり重要となっています。  実際、教室に伺うと、肢体不自由学級では、教職員の方々、特別支援学級支援員の皆さん、そして、地域の方などに御協力いただいている学校生活サポーターの方々、さらには医療的ケアを行う看護師もおられ、特に低学年のクラスでは一人の児童に一人の大人が対応している状況が見受けられまして、給食やトイレの支援もされておられました。まさしく総力戦の手厚い人的支援があって、学びの確保が実現していることを実感いたしました。その中で、特別支援学級支援員については、児童数に応じた配置となっていること、学校生活サポーターについても規定内の勤務時間の制約があり、いっときも目が離せない現場での人的支援の御苦労が感じられます。  厚労省によると、特別支援教育の現状について、年々児童生徒が増加傾向となっています。また、区の特徴からも、医療的ケア児の増加により特別支援学級の児童数の増加の可能性も考えられるのではないでしょうか。特別支援学級においては、毎年の児童の個々に応じたきめ細かな個別計画を行って学びの支援をされていると伺っております。規定による人的配置のみならず、個々における多様なニーズなど、その年の学級の実情による適正な人的配置が必要ではないでしょうか。また、学校生活サポーターの確保についても、学校任せにすることなく、区としてバックアップすべきと考えます。配慮を要する児童生徒が増えている中で、今後、特別支援学級における人的支援のさらなる充実について区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 教育委員会では、特別支援学級に通う児童生徒の支援として、学級担任のほかに担任を支える補助者として特別支援学級支援員、学校生活サポーターを各学級の状況に応じて配置しております。特別支援学級に在籍している児童生徒の増加や多様化などにより人的支援のニーズは高まっており、引き続き充実を図っていく必要があるものと考えております。  教育委員会としましても、特別支援学級に通う児童生徒の数やその様態、学級の数を見定め、状況に応じて支援員等の適切な配置を行っていくとともに、特別支援教育巡回グループによる支援や助言も行いながら円滑な学級運営を図ってまいります。  また、学校生活サポーターの人材確保の面におきましても、教育委員会としましては、引き続き区のホームページ、区立施設や大学での広報を行うとともに、支援の担い手となる人材の養成方法や確保策についても検討を行い、学校を支援してまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひよろしくお願いいたします。配慮を要する児童生徒の様態は様々で、個々の状況に応じて寄り添った支援が必要です。日々支援に携わっておられる特別支援学級支援員とともに、学校生活サポーターの方々の専門性や質の向上は大変重要と考えます。  今後、区として専門性や質の向上にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 ◎柏原 教育相談・支援課長 特別支援学級に通う児童生徒の状況は様々でございます。一人一人に寄り添った支援を行うためには、特別支援学級支援員や学校生活サポーターの専門性を高めていくことが大変重要であると認識しております。  教育委員会では、これまでも特別支援学級支援員を対象に研修を実施しておりましたが、今後さらなる専門性の向上に向け、特別支援学級支援員のみならず、学校生活サポーターを対象に、配慮を要する児童生徒の多様な状態を理解する力や児童生徒の成長を促進するための効果的な関わり方、学級担任との連携に関する研修を実施し、質の向上を図ってまいります。  なお、研修の実施に当たりましては、教育総合センターの研究研修部門と連携し、動画による配信を行うなどICTを活用した取組を進め、参加しやすい環境についても築いてまいります。 ◆河村みどり 委員 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは最後に、特別支援教育に関連いたしまして、分身ロボットOriHimeについて伺ってまいります。  区では、今年度、東洋大学と協定を結び、登校が困難な医療的ケア児への支援として、分身ロボットOriHimeを活用した研究事業に取り組んでまいりました。今定例会での他会派からの質問の答弁によると、児童生徒からは、自分の意思が伝えられるようになった、お友達とのコミュニケーションが増えたとの感想があったとのことです。また、一緒に学んだクラスメートからも、手足の動作以外に表情の変化の工夫についてなどの意見があったことをお聞きいたしました。当事者の支援はもちろんのこと、周囲の児童にとっても障害理解の促進につながっていると感じております。  さらに、次年度についても事業の継続を検討するとの表明があり、ぜひともしっかりと進めていただきたいことを私からも要望させていただきますが、現在の研究事業において、たった一台のOriHimeを学期ごとに対象の学校に回しているという現状では継続的な支援となっておりません。その調査結果を待つことなく、研究事業としてではなくて、支援を必要としている児童生徒にOriHimeを積極的に導入できないでしょうか。対象となる全ての児童生徒にとって当たり前のツールとして支援ができるよう、区として導入を図るべきです。  さらに医療的ケア児に限らず、例えば肢体不自由児等の配慮が必要な児童生徒にも対象の可能性を広げていくべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎北村 副参事 医療的ケアを必要とする児童生徒を対象にしました分身ロボットOriHimeを活用した研究事業につきましては、医療的ケアが必要な児童生徒のコミュニケーションツールとしての活用に加えまして、分身ロボットと一緒に学ぶ児童生徒にとっても医療的ケア児への理解、それから配慮にもつながっております。通常学級での医療的ケアが必要な児童生徒の学校活動への参加は有効であるということが分かってまいりました。  医療的ケアが必要な児童生徒の支援につきましては、現在、学校等で円滑な受入れの庁内検討を始めたところであり、令和四年度末までに検討結果をまとめる予定でございます。検討に当たりましては、分身ロボットOriHimeの研究成果の検証や導入の在り方、また、対象とする児童生徒の状況などについても検討いたしまして、配慮が必要な児童生徒への支援につなげてまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひとも導入に向けて検討していただきたいことを再度要望させていただきます。  それでは、私からの質問を終え、福田委員に交代いたします。 ◆福田たえ美 委員 私からは、教育と福祉の連携について伺ってまいります。  学校現場では、いじめ、不登校、児童虐待等の深刻な課題を抱える児童生徒への対応、障害のある児童生徒など、特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応など、解決すべき課題が山積をしております。年々不登校児童生徒数、また、特別な教育的支援を必要とする児童生徒数は急激に増加をしてきております。こうした課題が複雑に絡み合っていることから、学校には、児童生徒の的確な実態把握に基づくきめ細かい支援を行うことが求められています。  このような複雑かつ多様な課題に対し、教員だけではなく、福祉分野のスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門家や関係機関等と密接な連携を図りながら、組織として適切に対応が図られることが極めて重要です。国としてもスクールソーシャルワーカーの活用事業の歴史は浅いですが、課題解決に欠かせない事業として位置づけております。  本区においても、教育現場における福祉との連携の重要な役割を果たす六名のスクールソーシャルワーカーが配置をされておりますが、実際にはどのような体制で支援を行っているのか伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 福祉との連携に当たりまして、福祉の専門職であるスクールソーシャルワーカーの役割は大変重要であると考えております。現在、スクールソーシャルワーカーは教育支援グループ及び特別支援教育巡回グループに各一名、地域担当四名の計六名となっており、学校からの相談に応じて、福祉的な支援が必要な児童生徒や家庭への働きかけや関係機関との連携調整を行い、必要な支援を行っております。  来年度につきましては三名の増員を図り、学校からの相談のほか、総合教育相談ダイヤルや教育相談室への相談についても、その内容に応じて、スクールソーシャルワーカーや心理職、教育相談専門指導員で構成する会議体で支援方針を計画し、必要に応じて福祉所管や専門機関と連携を図り、組織的で継続的な支援体制を組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 教育相談室への来室相談件数をちょっと確認してみたんですけれども、平成三十年は二千八十九件で、コロナ禍に入りました令和二年では二千二百十四件と増加傾向にあり、中でも就学相談数というのが顕著に増えておりました。就学相談は、教育と福祉の両方の視点から障害や発達の様子が気になる子ども一人一人の教育ニーズに応じた就学先の決定の手助けとなっております。  福祉的視点から考えると、さらに気になるデータがありました。区内の不登校児童生徒数は、平成三十年は八百二十五人、令和二年には九百六十八人と増えております。しかし、不登校の児童生徒数が増加するにもかかわらず、スクールソーシャルワーカー対応の対象となる児童生徒数というのが平成三十年には四百四人が令和二年には三百三十七人と減少しております。この数字からもスクールソーシャルワーカーにつなげている数が減ってきているということが読み取れます。  社会福祉士や精神保健福祉士などの福祉に関する専門的な資格を有するスクールソーシャルワーカーは、不登校など様々な課題を抱えた児童生徒の家庭状況の把握や、福祉的資源をはじめとした社会資源とつなぎ、解決に導く役割を果たします。唯一、教育と福祉をつなぐ重要な役割を果たす存在であります。しかし、スクールソーシャルワーカーが勝手に動き出すということはまずありません。先ほどの御答弁にもありました学校からの要請が出されて初めて子どもたちへの相談に対応していくということになります。  私の元に御相談をいただいた方は、子どもが不登校で悩む保護者の方で、学校に相談をするという方法しか知らなかったということで、一人悩んでおりました。しかし、随分時間がたってからですけれども、スクールソーシャルワーカーの存在を知り、そこから少しずつ解決へと導いていってもらったということです。もっと早く出会っていたら、自分ではつながれない支援につながれ問題が長期化しなかったのではと、そんないろんな悔やむ思いがふつふつと沸いてきたそうです。家庭の複雑な事情で不登校気味となった生徒さんたちからも声を聞きましたら、やはり同じように、スクールソーシャルワーカーの存在すら知らなかった、本当に様々な社会的資源が自分の周りにあって、そこにつながっていたら今の状況とは大きく変わっていたのではないかと言っておりました。このように複雑化した課題は、教育と福祉の両面からの支援により複雑に絡む糸をひも解くように解決へと導いていきます。  杉並区では、課題解決に一層取り組むためにスクールソーシャルワーカーの活用を適切に行えるよう学校や家庭への理解の一助とするリーフレットを作成し、活用を促進しています。  区においても来年度からスクールソーシャルワーカーが増員されるということですが、課題を抱える児童生徒の家庭に教育と福祉をつなぎ、多くの社会的資源を駆使し、解決に導き大切な支援につなげるためにも、学校現場からスクールソーシャルワーカーの適切な活用につなげられるよう、杉並区のようなリーフレットなども参考にしっかりと周知をしていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 ◎柏原 教育相談・支援課長 学校現場におきましては様々な課題を抱えた児童生徒の支援を行っており、その中には福祉的な課題を抱えた児童生徒もおります。こうした児童生徒の支援に当たりましては、学校とスクールソーシャルワーカーが連携し、役割分担の下、福祉所管や専門機関との連絡調整、児童生徒や保護者、家庭への働きかけを行うことで、より適切な支援につなげることができるものと捉えております。そのためには、学校に対してスクールソーシャルワーカーの役割について理解を深めていくことが重要となるため、お話にあった他自治体の取組も参考に様々な工夫を凝らしながら、今後、小中学校の校長会等の機会を捉え周知を図り、スクールソーシャルワーカーの活用を促進してまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。スクールソーシャルワーカーへの相談は、学校側からの要請がないとなかなか活用ができないといった現状で、今回、増員することによってさらにスクールソーシャルワーカーと接することも割合的には高くなるかもしれませんが、スクールソーシャルワーカーの活用対象となった児童生徒は、今見てみますと不登校の児童生徒の約三割にとどまっていたということと、そのほかの課題を持つ生徒さんも考えていきますと、スクールソーシャルワーカーと運よく巡り合えたという方は三割を切るというような状況になっております。早期から教育分野以外の地域資源や医療的資源など、多岐にわたる福祉的な資源の情報提供やつなぐといったことから孤立を防止することができると考えられます。  複合的な課題を抱える児童生徒に対する支援に対して、教育委員会の取組だけではなく、福祉部門との連携が大変重要になってまいります。相談内容に応じてですが、福祉部門における支援の案内や、また、つなぐということをしっかりと行う必要性があると考えますが、区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校をはじめ、いじめや特別支援教育など、相談件数は年々増加傾向にございまして、その内容も複合的な要因によるものも多く、繰り返しになりますが、福祉的な支援を必要とするケースも多い状況にございます。  こうした相談について適切な支援につなげていくためには、お話にありましたスクールソーシャルワーカーをはじめ、スクールカウンセラーや教育相談室の相談員など支援に携わる方が、教育委員会の取組のみならず、保健福祉領域における支援や相談機関を熟知し、必要に応じて適切に案内やつなぎを行っていくことが重要と考えております。  教育委員会としましても、研修等の機会を通じて、引き続きその専門性の向上を図るとともに、福祉保健領域における支援内容や相談機関の取組についても理解を深め、保健福祉領域と連携を密にしながら、適切な支援の案内や相談機関へのつなぎを行ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひともお願いいたします。子どもたちにとっては、問題が長期化するということが大切な義務教育の期間を損なってしまうことになりますので、ここはしっかりと進めていただきたいと思います。  この後は、中学校卒業後の支援ということで、不登校のお子さんの中学校卒業後の支援について伺ってまいります。  不登校ぎみだった生徒が高校生活になじめず、通学し続けられないという不安な声も届いております。高校で不登校になると、今度、また新たな相談窓口を探すことの難しさや理解をしてもらうことの難しさに一層の不安が募ってまいります。今まで発達の段階から情報が蓄積をされている世田谷区に引き続き相談できる体制が親子にとって大変大きな安心感につながります。しかし、世田谷区においては、教育総合センターでも御相談をしていいのかというふうな相談を受けましたが、やはり中学校を卒業してからの引き続きの相談には十分なものではないということが分かりました。  そこで、四月から三軒茶屋に開設をいたしますひきこもり相談窓口は、中学校卒業後も相談できる唯一の機関となります。今回、卒業する生徒にも、引き続き世田谷区には相談窓口があるということを周知すべきと考えます。さらにスムーズな相談体制を構築するためにも、教育委員会に蓄積をされた情報を本人の同意に基づき、ひきこもり相談窓口や、場合によっては通う高校へも提供をして、スムーズに連携を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎北村 副参事 教育総合センターにおきましては、不登校に関する相談窓口として不登校支援窓口を設置しており、四月からは不登校支援グループを設置するなど、児童生徒の不登校支援に取り組んでおります。  お話しの区が四月に開設する世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」につきましては、中学校を卒業した生徒も利用できる相談窓口となってございます。不登校から長期のひきこもりにつながることがないよう、教育委員会で取り組む不登校保護者のつどいや、ほっとスクールにおいて区が設置するひきこもり相談窓口やメルクマールせたがやの事業周知を行うなど、中学卒業後も支援が継続するよう連携強化をしてまいります。  また、本人及び保護者との確認に基づきまして、支援に必要な情報のひきこもり相談窓口や高校への提供などにつきましても、提供の方法、また、内容などについて検討してまいります。 ◆福田たえ美 委員 続きまして、フリースクールとの連携について伺ってまいります。  平成二十九年に施行された不登校児童生徒への支援について、初めて体系的に規定した教育機会確保法、不登校が生じないような学校の環境づくりはもちろんですが、同時に不登校の児童生徒が教育の機会を失わないようにするため、学校以外の多様で適切な学習活動の重要性などが規定されました。それにより、学校以外の場、特にフリースクールなどの民間の団体等や家庭での学習等に対する支援に焦点を当て、教育委員会、学校と民間の団体等が連携した支援の推進や心身の状況等の継続的な把握が求められています。  フリースクールは公的な学校とは認められてはいませんが、在籍している学校長がフリースクールを不適切だと判断しない限り出席扱いとなり、フリースクールが半ば公的な役割を担っている側面があります。しかし、フリースクールなどが果たしている役割や取組について、学校側、また教育委員会の理解がまだ十分に進んではおりません。  そこで区は、フリースクールとの連携について会議体を持つと言ってからもう二年程度が経過をしております。コロナ禍の影響もあり会議体の開催が難しいことは察しておりますが、その間にも不登校の児童生徒は存在します。今後、区とフリースクールとの連携を進めていくべきですが、区の見解を伺います。 ◎北村 副参事 不登校児童生徒の支援につなげるためにフリースクール等の民間施設と協力する意義は大きく、情報共有や事例共有の場の設定など、相互に連携促進に向けた取組を行うことは重要であるというふうに認識しております。連携として、フリースクール等の民間施設での相談、支援につきましても、各学校長に対し、不登校児童生徒の将来的な社会的自立に向けた進路選択を支援するという趣旨から、積極的な出席扱いについて留意するよう周知、通知するなどしてございます。  引き続き、フリースクール等の民間施設等での指導要録上の出席扱いや学習の評価といった課題の整理、検討を進めるとともに、フリースクールと民間施設との情報共有や事例共有のための場としての連絡会などにつきましても、不登校児童生徒の支援に向けて取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 よろしくお願いいたします。  では最後に、学校施設マネジメントについて伺ってまいります。児童生徒数に占める特別支援学級のニーズというのが高まってきております。先ほども申し上げましたが、教育相談における就学相談は、他の相談内容と比較して増加傾向が顕著になっております。今後、特別支援学級のニーズは増加する傾向と推測されます。第一回定例会でも質問いたしましたが、特別支援学級の地域偏在解消に向けた取組は一層確実に進めていただきたいと思います。  世田谷区の学校施設長寿命化計画においては、公共施設整備方針と整合性を図り進めていることは分かりますが、区が保有、管理している公共施設の延べ床面積は、約百三十万平米のうち学校施設は約七十万平米と全体の五四%を占めております。令和五年度からは、建物の目標耐用年数である築六十五年を迎える学校施設が増え、全ての学校を目標耐用年数前に改築することの財政的な大きな負担が喫緊の課題となっております。  学校施設長寿命化計画は、財政的負担の課題と最善の教育環境の提供という両面を解決すべく、教育委員会が果たすべき重大な事業と言えます。従来の学校長寿命化対策というハード面の安全性というのは第一の重要事項でありますが、そこに機能性を盛り込んだ学校整備方針を検討し直す必要があると実感いたします。府中市では、平成二十九年度から学校施設改築・長寿命化改修計画の作成着手に当たり、新たな学校づくりと題して、推進協議会と議会では特別委員会を設置し、多方面から審議し、整備計画の作成がなされております。計画には、建物の課題のみならず、新たな教育ニーズの取組として特別支援教育への取組を実施する上での施設としての課題と取組が落とし込まれていることが我が区と大きな違いであります。  我が党としても、長年、特別支援学級の地域偏在解消を求めてまいりましたが、一向に課題解決が図られていません。建て替え時の学級整備が主たる方法であることが要因と考えられます。世田谷区学校施設長寿命化計画に特別支援教育など求められる機能面が反映されていないということが大きな問題です。建物の整備に学校施設に求める機能を反映した整備方針とすべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎青木 教育環境課長 学校施設整備の考え方につきましては、平成二十八年度に策定した公共施設等総合管理計画に、少人数学習や特別支援学級、避難所機能なども含めて記載をしてございます。一方、令和二年度に策定した学校施設長寿命化計画は、主に老朽化した施設や設備の長寿命化を図ることを目的に内容を取りまとめており、ソフト面に関する整備方針につきましては含まれておりませんでした。  新BOP学童クラブの活動場の狭隘化や特別支援学級の地域偏在など様々な課題も見られていることから、今後、予定しております長寿命化計画の改定に当たりましては、特別支援学級等整備計画などとの整合が図れるよう、学校施設整備方針の記載内容等について検討を行い、計画に反映してまいります。 ◆福田たえ美 委員 ここのところは、私もよくよく読んでみましたら、なぜなかなか特別支援学級の地域偏在の解消につながらないのかというのを調べ抜いたときに、ここのところにぶち当たりまして、特別支援学級の整備計画というのが別にありますけれども、まずはやはり学校本体の整備計画にしっかり落とし込んでいって初めて大きく事が動き出すだろうなというふうに思いますので、ここはしっかり今後の新しい方針の中に落とし込みをしていただきたいと思います。計画に盛り込むことが第一歩でありますけれども、確実に計画を実行するためには、府中市では、教育部学校施設課に、学校施設のマネジメント部門である老朽化対策マネジメント担当を設けて確実に進めております。  本区においても専門部隊も視野に入れ、確実な計画の推進を行うべきであります。整備方針に機能面の盛り込みのみではなく、ソフト対策を担う所管課が課題解決に向けて検討を進めるためにも、施設カルテのようなハード面の内容を教育委員会で情報共有ができる仕組みも必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎青木 教育環境課長 教育環境課では、毎年度、学校施設の利用状況を確認し、施設の図面を作成しておりますが、その内容につきましては庁内で共有できる仕組みとなってございます。小学校三十五人学級の対応や児童生徒の増加など新たなニーズに対応する必要が生じた場合におきましては、その都度、学校はもとより関係所管課と検討、調整を行った上で改修計画を取りまとめることとしております。  今後、関係所管課とともにどのような情報を共有することが有効的か、また、組織体制の強化につきましても併せて検討し、教育委員会内で横断的にハード面とソフト面の課題解決が計画的に進められるよう取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 今申し上げた内容は、特別支援学級の地域偏在によって皆さんが安心して通える環境が整っていないという本当に悲痛なお声から始まっておりますので、ぜひとも確実に進めていただきたいと思います。  以上で私からの質問を終わり、高橋委員に替わります。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党、最後です。  最初に、文教の所管で四年間ずっと取り上げてきたんですよ。四年間ずっと取り上げ続けてきたのが、マルチメディアデイジー教科書の導入ということをずっと言ってきたんです。最初は教育指導課長だったり、特別支援教育課長だったり、教育総務課長だったりと毎回毎回答弁する人が違っていたんですけれども、ようやく利用が可能になったというありがたい話をお聞きしまして、このやり取りをしている間に突然話が来たものですから、それはありがたい、四年間ずっと言い続けてなかなかできなかったことが課長の時代にやっとなったねというふうに言ったんですよ。  これはどういうふうに利用が可能になって、どういうふうに進めていくようになったのか。マルチメディアデイジー教科書というのは、要は普通に教科書が読めない子どもたちがいる、読みに困難を抱える子どもたちがいるんですよ。なので、音声を聞きながらハイライトでずっと読めるような、文字を確認しながら学習ができる、読み聞かせをしなくても自分でも学習ができるような状況になっておりますよという大事な施策だったんですけれども、これは課長、どうですか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 読むことに困難がある児童生徒の支援に向けまして、この間、お話にあったとおり、マルチメディアデイジー教科書の導入に向けた検討を行ってまいりましたが、このたび利用に向けた準備が整ったため、先般、区立小中学校の校長会において利用についての御案内を行ったところでございます。  マルチメディアデイジー教科書につきましては、児童生徒のタブレット型情報端末で利用できることから、学校の授業や家庭学習での予習、復習など様々な場面で活用していただければと考えております。  今後の運営に当たりましては、児童生徒や教員の声も聞きながら必要に応じて改善を図るなど、児童生徒に対する支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 柏原課長時代にようやくできましたので、しっかり導入をしていただいて、本当に誰でもが勉強できるような体制をつくっていってあげられるように、一人一人にしっかり導入を進めてくださいね。よろしくお願いいたします。  次に、先ほども話が出ていましたスクールソーシャルワーカーについて、私からも質問をさせていただきたいと思うんです。  実はスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けた調査研究というのがあるんです。横浜市教育委員会が文科省からの委託を受けて調査研究をしたと。SSWというのは非常勤なんです。会計年度任用職員、今、六人いる世田谷区のSSWも全員そうなわけですね。先ほども福田委員に話がありましたけれども、三人が追加というか、三人がなって、今度は九人体制になる。九人体制になるにしても、これもやっぱり会計年度任用職員で採用していきますよという話ですよね。先ほども話があったとおり、SSWというのは実は非常に重要な位置を占めているわけですね。
     僕はずっと昔、平成二十三年でしたか、四日市の思春期の子どもの心のサポートということを文教委員会でも取り上げたことがあったんです。四日市早期支援ネットワークという方策が、教育委員会と保健所を中心とする福祉と医療機関と、この三者で家庭にも入っていきながら、心の不調のある子どもたち、心の不調があるとどういうふうになっていくかというと、やっぱり不登校になっていく。それは家庭の中に入っていかないと家庭の状況が分からないという状況があったので、ここの三者で連携しながら家庭にも入り問題解決に当たっているというのが相当前に行われていたので、それを視察をしに行ったことがあったんです。  やっぱりそういう連携と家庭との相談支援というのが非常に大事なんだよねという話をずっとしてきたんですけれども、今行われているのは、SSWによってこういうことが可能になっているわけですね。そういう意味では、なかなか解決の糸口がつかめなくて困っているという教員に対しての大きな支援にもなっているわけです。では、SSWというそういう状況が出来上がった、その人たちはどういうふうに確保していったらいいのかということはやっぱり大きな命題になっているんじゃないかなというふうに思っていたんですね。  そういうときに教えてもらったのがスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けた調査研究というものだったんです。これを読んでみると、様々な課題があるけれども、横浜市では常勤化に向けた研究をして、それをどう展開していくかということを研究しますと、何がメリットで、何がデメリットなのかということも含めて研究しますという内容になっているんですね。  この常勤化というのは、全員を常勤化ではないんだけれども、常勤化にするメリットということでここにまとめてあるのは、専門職としての長期的・計画的育成ができる、要はSSWを世田谷区の子どもたちに合った状況にどう計画的に育成をしていくことができるかということで一つはメリットがある。また、能力、経験のある人材が流出することを防止できる、要はほかの区や市に取られちゃうということがなくなっていくのではないかということ。それと、SSWを目指す意欲のある優秀な若者を確保できるんじゃないか、要は常勤職の採用がないSSWだから、それを目指すことを断念してしまうという学生もいるんじゃないのかということをここではまとめているんです。また、保護者相談等現場の実態に合った勤務時間を確保できるのもやっぱり常勤化のメリットじゃないか、そんなことをこの横浜市の中では結果としてまとめているんです。  これをどういうふうに展開されているかというのは、その後のことなんですけれども、先進都市として、福岡市や名古屋市や明石市でも常勤化というのは始めていますよという内容でなってきているんですけれども、SSW、不登校支援とか心の不調とか、児童虐待とか、この支援と相談をしっかり担っていくという状況があるんだけれども、この常勤化ということに向けての考えはどういうふうに思っていらっしゃいますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 現在、区におけるスクールソーシャルワーカーにつきましては、先ほどもお話にあったとおり、合計六名のスクールソーシャルワーカーがおり、区の会計年度任用職員として採用、配置を行っているところでございます。  スクールソーシャルワーカーにつきましては、多様で複雑な家庭の課題に対し、福祉の専門職として福祉所管や専門機関と連携し、適切な支援に取り組んでおりますが、その専門性から知識や経験を積み重ねていくことが重要であり、常勤職員として採用することで支援の質の向上が期待されるものと捉えております。一方で、常勤職員として雇用するに当たりましては、採用や処遇等の人事的な面において課題もあるため、十分な検討の必要があるというふうにも考えております。  教育委員会としましては、今回の横浜の取組もそうですが、他自治体における先行的な取組を参考にしながら、スクールソーシャルワーカーの常勤化についての効果や課題について研究してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 研究してまいりたいということで、一つには、九人の採用になってくる。そうすると、スクールソーシャルワーカーの中でもやっぱりどうしても中心的存在が必要になってくるんじゃないかなと。様々なサポートもしていかなきゃいけないし、今もSCとか、様々な方々と一緒にチームになってやってくださっているわけですけれども、SSWとしての入り方、また人材の育成の仕方、そういったことも、やっぱり九人になって、またこれからも増えていくというか、採用はしていかなければいけない状況は、不登校の高止まりとかを考えるとこれからもどうしても必要だということが見えてきているわけですから、しっかりと子どもたちに寄り添って、家庭もしっかりと相談に乗ってあげながら、一人一人の成長を促していくためには、このSSWをどう育成し、そして確保をし、やっていかなきゃいけないのかという状況になってくると思うんです。そういう意味での中心的存在、いわゆるスーパーバイザーとしての配置が必要なんじゃないか、だから、そのために例えばそういう人を常勤化していくということがあり得るんじゃないのかということは、横浜市の調査研究でもそういうふうには一応なっているんです。  そういった高い専門性、現場の豊富な経験を持つスーパーバイザーによる人材育成、教育委員会の事業の戦略だとか、エビデンスの蓄積だとか、研究とか、これらをどう構築していくのかというための中心的存在をしっかりと育てていくための方策が必要なんじゃないかというふうに思うんだけれども、いかが考えますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 来年度スクールソーシャルワーカーを三名増員し、教育委員会として九名のスクールソーシャルワーカーを配置してまいります。そういったようにスクールソーシャルワーカーの人数が増える中で、高い専門性と現場での豊富な経験を持つ方をスーパーバイザーとして配置するということは、全体の統括を行い、より効果的に機能することが期待されるものと捉えております。  他方で、スーパーバイザーにつきましても、経験年数や給与体系など、処遇の面で配置に当たって整理すべき課題もあるものと考えております。先ほどの常勤化と同様、他の自治体において調査研究を行っている事例もございますので、こちらにつきましても併せて研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 SSWの育成と確保というのは、やっぱり現場の教員の皆さんの手助けにも必ずなるわけですから、しっかりと進めていただきたいと思います。  午前中もありましたか、こういった人材をどう確保していくのか、それはまた大学との連携にもあるんじゃないのかというふうに言われていますけれども、こういう有能な若い担い手をどう確保していくのかというのは、やはりそういった社会福祉学科を抱える大学というのが非常に重要になってくるんです。世田谷にもあるわけですけれども、そことの連携をどういうふうにしていくのか、実習をどうやって受け入れていくのか、そして、研究を一緒にどういうふうに進めていくのか、そういったことが必要になってくると思うんだけれども、そういう人材確保の点においての大学連携というのはどう考えていらっしゃいますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 区におけるスクールソーシャルワーカーの育成や確保に当たりましては、有能で意欲のある人材の確保が重要であり、そのために大学と連携を図っていくことは効果的であると考えております。  現在、教育委員会では、大学と連携し、スクールソーシャルワーカーの育成を目的に大学生を実習生として受け入れを行っておりますが、今後、実習生の受け入れに当たっては、より実践的で魅力ある実習プログラムを組み、区でスクールソーシャルワーカーとして働く意欲を醸成してまいりたいと思います。また、大学に対しても、例えば教育現場のニーズを踏まえた教育カリキュラムについて共同研究を行い、即戦力となる人材を育成するなど多様な方策が考えられますので、人材の育成や確保について大学と意見交換を行ってまいります。 ◆高橋昭彦 委員 世田谷区の子どもたちのために、そこをしっかり充実させられるようにお願いいたします。  次は、学校の飲料水の確保について、要は災害時に避難所となるのが小中学校です。小中学校で、私は実は地元の赤堤小学校の避難所運営委員会をやっているんですけれども、去年、避難所運営委員会でいろんな方々がいらっしゃって、震災時に受水槽のバルブを閉めなきゃいけないんじゃないのという話が出てきたんですね。バルブを閉めるってどこを閉めるのというような話をしていたんですけれども、受水槽ですから、飲料水がたまっているというか、そこを経由して学校内にポンプで動かしているわけですけれども、赤堤小学校は二十五トンの受水槽があるんです。その受水槽は今も使っているんですかねと言ったら使っていますよと言うんですけれども、どこを閉めるのって、どこを閉めるんでしょうかと誰も分からなかったんですね。  分からなかったので、秋元さんに、どうなっているんでしょうかねと去年聞いたら、いろいろ調べてくださって、調べていくと、受水槽の形というのは学校ごとに全然違うということも分かったんです。受水槽をどうするかというと、震災時、何かあったときに、水道水が断水した場合に、学校に避難してくる子どもたちの唯一の飲料水になるわけですね。これをトイレとか普通に使っちゃったら飲み水ではなくなってしまうわけですね。だから、まず閉めるんだと言うんですよ。  では、そんなことを誰がやるのと言ったら、避難所運営の人たちがやるんですと言うんです。では、それをちゃんと教えておかなかったらできないじゃないかと言ったら、よく調べてもらったら、まずは受水槽に入ってくる、バルブといったってでかいハンドルみたいなんですよ。これを閉めなきゃいけない。また、ポンプ室に行くところの栓も閉めなきゃいけない。どっちをどう閉めて、どうやったらまた本管からの水をここにためることができるのというやり方が全然違う。また、物によっては自動でばんと閉まるという自動のやつもあると言うんだよね。では、どうやって開けるのと。止まったままになったら水は飲めないのとか、いろんな問題が学校それぞれで違うんだと言うんだけれども、前に上川委員が―上川委員はいないか、受水槽に蛇口をつけて、そこから飲料水にすべきなんだという話が昔あった。それはちゃんとついているんだけれども、そのような飲料水としての活用方法はどうやってやるのかということも学校ごとに全然違う。避難所運営委員会も知らないという状況は解消しなければいけないんだけれども、秋元さん、どうですか。 ◎秋元 副参事 教育委員会では、避難所となる学校施設の受水槽の水を利用するために、今お話がありましたように、この間、非常用の給水栓の設置を進めてまいりまして、設置当初には危機管理部とも協力しまして、受水槽の構造や給水栓の位置などを避難所運営マニュアル標準版に記載しまして、地域への周知などを行ってまいりました。一方、水道管の耐震化が進むとともに、衛生面などを考慮し、給食室への水道の供給などは水道管との直結を進めてまいりました。また、今、委員からもお話がありましたように、これまで全国で起きた幾つかの災害時において、受水槽から先の配送管ですとか蛇口の破損などから受水槽の水が流れ出てしまうというような事態もあったことから、新たに設置している受水槽には災害時の緊急遮断弁を設けまして水を確保する対策を施しております。  委員御指摘のとおり、受水槽の機能や非常用給水栓の位置などは学校ごとに異なっております。まず、学校ごとに状況を調査しまして、安全対策を含めて学校や関係機関に周知をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆高橋昭彦 委員 受水槽の栓、バルブの開閉の手順とかをやっぱりきちっとマニュアル化しなきゃいけないと思います。今のマニュアルにはそこから水が取れますよとしか書いていないから、その開閉の手順や、まずは応急給水栓で、この水が大丈夫なのかどうか試薬で調べなきゃいけないという手順もある。そういったことをやっぱりマニュアル化しなきゃいけない。そういったことはどういうふうに考えているんですか。 ◎秋元 副参事 今、委員もお話しのとおり、災害時の避難所にとって水の確保は最も重要な項目でありまして、これまでも日本全国で起きている多くの災害時において、水の確保や供給は課題とされております。このため、避難所となる学校施設にある受水槽の水の確保と活用は、災害時には確実に行っていかなければならないものと認識をしております。  委員より御指摘いただきましたとおり、新たな受水槽の整備等によりまして、学校ごとに操作方法が異なっており、避難所ごとに作成するマニュアルに反映しづらくなっている部分がございますので、区の標準的なマニュアルの見直しにつきましても担当所管と調整を図ってまいりたいというふうに思っております。 ◆高橋昭彦 委員 標準的なものとともに、各学校で操作手順が違うから、それを避難所運営委員会にしっかりと提示していただいて、実際に大事な水がちゃんと確保できるような状況をつくらなきゃいけないと思います。よろしくお願いしたいと思います。  最後に、登下校の見守りについて一言だけお話ししたいんですが、登下校の見守りシステムというのは、世田谷区の学校の中で四社入っているんですね。それは東急セキュリティがやっているものとか、安心でんしょばとか、あんしんおしらせメールとか、ottaとかこの四社がそれぞれ入っている。  それぞれ入っていて、お金を払って加入している人と加入していない人がいるんだよね。お金のある人は守られて、お金のない人は守られないみたいな状況があってはいけないんだけれども、それぞれでいいのかなというふうには思っていたんだけれども、今回、新BOP学童クラブで新たにこういった機能も付加しているシステムができているわけです。これは各児童や家庭は無料でこのシステムを使っているわけですね。無料のところがあって、有料のところがあって、例えば同じ小学校一年生でも、学童に行っている子どもたちは、そういうふうに今学校を出ましたとか今入りましたということがちゃんとできるけれども、それ以外の人は、そういうのが必要だったらお金を払ってくれれば登録しますよみたいなことになっていたりする。こういうこといいのかどうか、一言、すみません、一分になってしまった。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 委員お話しの見守りサービスは、児童の登下校を保護者へお知らせするシステムとして事業者が保護者向けに提供しているサービスです。令和四年三月現在、区立小学校三十九校において主に保護者主導で導入されており、費用は利用する保護者が負担しております。一方、新BOP学童クラブの放課後児童システムは、今年度、区立小学校十五校で先行稼働し、令和四年五月から全校で運用を開始する予定です。今後、教育DXの取組の中で、学校管理システムとの連携等の可能性についてなど慎重に検討する必要がございます。  教育委員会といたしましては、登下校時の児童の安全確保、保護者負担の公平性の観点などを踏まえ、登下校の見守りサービス導入に当たっての諸課題を整理し、検討してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 時間がなくなっちゃって、すみませんでした。よろしくお願いします。よく考えてください。公平性をちゃんと、子どもたちは全員一緒……。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時四十九分休憩    ──────────────────     午後四時五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷立憲民主党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 立憲民主党からの質問を始めます。  まず、オンライン授業の際の出席停止という扱いについて伺います。  二〇二〇年の一斉休校に始まり、コロナウイルスがもたらした学校における大きな変化の一つに、オンラインによるコミュニケーションがあります。当初は学校やクラス、PTAなど、個別の判断で行われてきました。その年の年末には一人一台タブレット配付が進み、分散登校や、オンラインか通常登校かの選択授業が行われてきました。本日は、オンライン授業導入に伴う出席停止という表現についてお伺いいたします。  現在、文科省の通知では、学校には登校せず、自宅等でオンライン学級による指導を受けた場合は出席にも欠席にもならない日数として位置づけられ、通知表には出席停止という欄に日数が記入されます。この停止という言葉にはネガティブな印象がついて回り、保護者からも不安の声が寄せられてきました。実際には不利益がないことは御連絡をいただいた方々にお伝えしてまいりましたが、また、学校からもそういった連絡がなされ、一定の理解は進んだように思います。  しかし、この表記を変えないままでいるという理由はないように思います。来期から変えるべきかと考えますが、見解を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 委員御指摘のとおりですが、現在、文科省の通知によりますと、学校に登校せず、自宅等でオンライン学習による指導を受けた場合は出席にも欠席にもならない日数として位置づけられております。この出席停止という名称により、子どもや保護者の方から何か不利益があるのではないかといった不安の声が寄せられておりますが、教育活動や入学者選抜などにおいて不利益を被るものではないことを文部科学省や東京都教育委員会にも確認をしております。  区教育委員会では、保護者に学習状況を分かりやすく伝えられるよう、各学校の通知表の備考欄にオンライン学習に参加した日数を記入するようにしておりますが、今後より学習状況を分かりやすくするため、出席停止の欄とは別の欄を設けるなど、通知表の様式について検討してまいります。 ◆中山みずほ 委員 他の自治体では既に独自の判断をしているところもありますので、ぜひ来期から進めていただきたいと思います。  次に参ります。次は、今後の区立小中学校における特別支援の在り方について伺います。  本日は、特別支援学級の通級と特別支援教室の二つについて伺います。まずは特別支援学級の中のことばの教室について伺います。この教室は、吃音などを含む言語障害などのある子どもたちが通います。毎日通う固定学級ではなく、通常学級に籍を置きながら決められた時間に設置された学校へ通い、指導を受けるという、いわゆる通級と呼ばれている教室です。世田谷区内では、駒沢小学校、九品仏小学校、砧小学校、烏山北小学校の四校に設置されています。世田谷区では、そのことばの教室に現在二百九名の児童が通っていると伺っています。  しかし、中学校に上がると、そのことばの教室がありません。接続した指導や支援が受けられないのが現状です。理由としては、東京都の通級設置要綱には、中学校におけることばの教室の設置は示されていないからです。これまでも不安の声はあったのかもしれません。しかし、来年の都立高校の入試より英語のスピーキングテストが実施されることから、吃音などの障害を抱える子どもたちの保護者たちが東京都に意見書を提出いたしました。このことで、吃音の生徒に対しての合理的配慮の必要性が報道等で知られることとなりました。  実際、吃音、どもりとか、私も学校時代を思い出すと、そういう子がクラスにいたなと思い出すんですけれども、あまり障害と認識されず、結構軽めの印象が私の中ではありました。ただ、実際には、いじめやからかい、また笑いの対象にされるなど、大変傷つくような声もいただいております。本人も傷つき、周囲とのコミュニケーションを取らなくなったり、また、本来持っている能力を発揮できなくなるなど、深刻な悩みとなるということを聞きました。特に中学生、思春期という特有の時期である中学校においては、他者からどう見られるか気になる年頃でもあります。学習や生活に大きな影響を及ぼしているということは様々な視点からも見られます。自尊感情、自己肯定感の低下など二次障害になるという専門家の意見もあります。また、私は吃音だけじゃなくて発声障害をお持ちでいろいろ苦しんだ方、もう既に成人なんですけれども、その方のお話も伺うと、やっぱり中学校、高校時代が本当につらかったということでした。  世田谷区内でも、吃音のお子様を持つ保護者は、小学校でことばの教室が終了してしまう不安を訴えています。中学校においても、ことばの教室の設置の検討、もしくはそれに代わる支援が必要ではないでしょうか、見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 現在、区では、吃音等話し言葉におけるリズムに障害のある児童、話す、聞く等の言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある児童等を対象に言語障害の通級指導学級において必要な指導を行っております。この言語障害の通級指導学級につきましては、先ほどお話にあったとおり東京都の制度上、小学校のみでの設置となっており、中学校には設置されていない状況でございます。一方で、吃音など言葉の障害に悩む中学生もおり、その程度にかかわらず抱える悩みは大きく、一人でその悩みを抱えてしまうことも考えられることから、中学生に対しても個々の状態に応じた配慮を行っていく必要があるものと捉えております。  教育委員会としましても、機会を捉えて、言語障害の通級指導学級の中学校での設置について東京都に要望を行っていくとともに、他自治体の取組事例を参考にしながら、吃音など言葉の障害に悩む中学生の支援策について検討を行ってまいります。 ◆中山みずほ 委員 他自治体の取組ということで、実際、新宿区が独自でことばの教室をやっています。ぜひそういったことも参考にしながら、また、世田谷区は教育センターが新しくできました。そういうことも含めて、ぜひ設置の方向、もしくは支援をしていただきたいと要望いたします。  次に参ります。次は、特別支援教室についてです。  世田谷区では現在、特別支援教室「すまいるルーム」を小中学校九十校全てに設置しています。通常学級に籍を置きながら一定の時間だけ通う教室であり、学校内に設置されていることから保護者の付き添いの必要もなく、大変ありがたいという声を伺っています。通常学級よりも手厚い指導や支援が受けられることもあり、もっと時間数を増やしてほしいという声をこれまでもよく耳にしてきました。東京都は、令和三年三月に特別支援教室の運営ガイドラインを改定いたしました。本日は、そのガイドライン第三章に示された原則の指導期間は一年とするという指導期間について伺いたいと思います。  まず、私がこの章を読んで思ったのは、原則一年というのは、すまいるルームを取り巻く実態に即しているのだろうかということでした。そこで、当事者の保護者の方々とともにすまいるルームの利用に関するアンケートを行いました。実施期間は二月三日から十二日の十日間、区内八十一名の方より御回答をいただきました。  九問ほどある設問を全部御紹介できないので、今日は象徴的な期間の話だけ、小さい図で申し訳ないんですけれども見えますでしょうか、すまいるルームの利用期間はという質問に対して、濃い青いところの一年未満が七・七%、一年というのが九・六%、実際、二年が二三・一%、三年が一九・二%、四年が一七・三%、驚くべきことに五年以上通うというのが二三・一%。実際、原則一年ということから踏まえると、一年、一年未満を足しても一七%ぐらいしかいなくて、皆さん、それ以上通われているということがこの結果で分かりました。もちろん八十一名なので統計学上これが有意かどうかというのは分かりませんが、少なくとも今回のアンケートでは、このような結果が出たことをお示ししました。  指導期間を原則一年とする新しいガイドラインをそのまま運用した場合、実際には困ってしまう児童生徒や保護者の方が出てくる懸念があります。改定したガイドラインに即した運用を始める本年四月以降、教育委員会としてはどのような影響があると考えますか、伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 特別支援教室の運営につきましては、令和三年三月に都教育委員会より、特別支援教室の運営ガイドラインが発出されたところでございます。今般の改定では、特別支援教室「すまいるルーム」における原則の指導期間が一年間であることが示されておりますが、これは対象の児童生徒が現状で抱える困難さや課題をより明確に捉え、定められた期間での指導目標を設定することで、より今後の適切な指導や支援に結びつけるものであると捉えております。  改定の内容につきましては、学校現場や保護者より不安の声も上がっておりますので、教育委員会としましては、各学校に対し、一年間の指導を通して個々の指導目標がどの程度達成されたのかを保護者と丁寧に共有、検証し、通常の学級での支援への移行や引き続きの支援の必要性などについて検討するよう周知を行ったところでございます。 ◆中山みずほ 委員 あと、このアンケートの回答とは別に、来年度からのすまいるルームの継続支援を先日断られたばかりだという保護者の方からお話を伺いました。数年前から私のほうで御相談を伺っていたんですが、不登校のことで御相談をいただいておりまして、すまいるルームが唯一通える場所になっていたということです。このようなケースがあちこちで発生するのではないか、もしくは既に発生しているのではないかという不安を持っています。  教育委員会としては、今後このような子どもたちをどのように支援するのか伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 すまいるルームの対象児童生徒は、通常の学級に在籍し、知的発達の遅れがなく、通常の学級での学習におおむね参加することができ、発達障害等の発達の特性により、一部特別な指導を必要とするお子さんとなっています。一方で、すまいるルームにおいて継続的に指導や支援を必要としている児童生徒がいることも認識しております。  教育委員会としましては、こうした児童生徒が継続的によりよい学校生活を送ることができるよう、在籍校と連携を図りながら、すまいるルームをはじめ、学校全体でお子さんを見守ることができるよう柔軟に対応できる体制を確保してまいります。 ◆中山みずほ 委員 今現在、すまいるルームを利用している児童生徒の数は、小中学校合わせて、平成三十年度では千百十七人、令和三年度は千七百二十人と三年間で一・五倍になっています。教室も、教員も足りなくなってきているということは容易に想像できます。  東京都がガイドラインを示した本質的な理由がここにあるのではないかと疑う声もありますが、実際にはその物理的な理由をもって子どもたちへの支援や合理的配慮を狭めることは許されないと考えます。先日の東京都議会の文教委員会では、年度途中から不登校の状態になった場合でも、そのまま特別支援教室での指導を受けられるのかという風間ゆたか議員の質問に対して、このような御答弁がありました。国は、不登校状態の子どもについて、発達障害による困難さなどを把握でき、通級で改善が見込まれる場合は指導可能とし、それ以外は、つまり発達障害がない場合ですね、別室登校等の支援が適当としている。国の考え方に基づき区市町村教育委員会が適切に判断する、これが御答弁で、東京都の見解としては、区市町村教育委員会が適切に判断するということを明確に答えられています。  先ほどの課長の御答弁にもあったとおり、特別支援教室の利用要件に、通常学級での学習におおむね参加することができるということがあります。不登校の子どもの居場所ではないということは私も承知しておりますし、保護者の方々も一定理解はしております。ただし、結果として、学校との唯一の接点になっている児童生徒がいることは否定できません。不登校と発達障害による困難さは密接に関係があるケースが多々見受けられることは教育委員会の方々も御存じだと思います。  これまでの運用の中で、結果的に不登校の児童生徒の居場所としてすまいるルームが機能してきたことは、アンケートの結果を見ても事実として浮かび上がってきます。このアンケートは、九問の設問のうち最後の二問はフリーアンサーで、一つは今回のガイドラインをどう思うかということと、もう一つは自由に書いてくださいということだったんですが、皆さん物すごくたくさん書いてくださいました。ここでは全部一つ一つ示せませんが、私も全部読んでみると、やっぱりこの切実な思いということが伝わってきました。  ちょっと事例を挙げますと、現在週三日のペースでやっとの思いで登校しています。完全不登校にならずにいられる理由はすまいるルームの存在があるからです。また別の方です。小二から不登校が始まり、小三から教室に入れませんでした。小四、小五、小六にすまいるルームに通うことで少しずつ先生や教室に慣れ、卒業する頃にはすまいるルームだけは楽しく通えるようになりました。この親御さんの思いを聞くと、いわゆる不登校対策ではないということだけで、その子たちを次に継続していけないというのは本当に切実な問題だと私も感じています。また、フリーアンサーの中には、東京都のガイドラインが今後運用されていくことへの不安の声も多数ありました。  まず、指導期間が一年で終了した場合、ガイドラインには、在学のクラスで支援していくよというふうに書かれているんですけれども、現状のクラス体制、三十五人に担任一人、例えば非常勤のサポーターがつくなど、こういった体制で実現不可能ではないか。要するにガイドラインには、いやいや、すまいるを出てからもちゃんとクラスで受け止めますよと書いてあるんです。すまいるというか、特別支援教室ではなく普通学級で受け止めますよと書いてあるんですけれども、その言葉をにわかに信じられる親御さんというのはなかなかいません。  また、すまいるルームでの数年は社会に出た後の数十年を支えるものになると感じているので、本人が終了を希望するまで続けられる制度であってほしいと願います。また、指導期間の数字を示すことは、たとえそれが支援打ち止めの意図でないとしても、現場においては、実質、目標数値として運用されるんじゃないか。原則という言葉がどれほどの強制力があるのか、ここが私たちもまだ見えないことで、保護者の方も大変不安になっていることがうかがえます。こういった具体的な、私がたかだかネットで皆さんとやって、八十一名しか集まっていませんけれども、それ以外に千七百名近くの方が通っていらっしゃるということを踏まえると、もっともっと多様な声があると思います。  こういった具体的な声を確認していくための手段として、すまいるルームを利用している子どもや保護者たちの声を把握する仕組みが必要と考えます。その有効な手段としては、各学校のすまいるルームで保護者会を定期的に開催すべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 発達障害等のある児童生徒の保護者同士が日頃の悩みや思いを共有し、情報交換を行う場を設けることは、保護者のお互いの支えにつながっていくものと認識しております。  教育委員会としましては、保護者の日頃の悩みや思いを共有できる場として、各学校に対し、すまいるルームにおける保護者会等の開催を働きかけるとともに、指導に当たる巡回指導教員を対象とした連絡会を開催し、学校現場や保護者の声を丁寧に聞き、ガイドラインの趣旨を踏まえつつ、利用実態等に即した運営に結びつけていけるよう取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 保護者会をやっているところとやっていないところがあるという実態がありました。実際に保護者会を定期的にやっているよと、すまいるルームに通っている保護者の方に聞くと、やっぱりピアサポート的な、同じような課題を抱えている親御さん同士が顔を合わせてお話しするだけでも大変心が安らぐ、もしくは具体的な助言をもらえたりするということもありました。通常のクラスの保護者会で、うちの子はすまいるに通っていますと打ち明ける方もいらっしゃるんですけれども、実はずっと内緒にしている方もいらっしゃるということがあります。なので、ぜひ保護者会を定期的に行う、そして、その声をきちんと教育委員会は聞くということを徹底していただきたいと思います。  最後に、今回取り上げてきた通級、ことばの教室も、特別支援教室「すまいるルーム」も、通常学級に籍を置きながらみんなと同じ教室で過ごし、必要に応じて別の教室で指導や支援を受けるものです。インクルーシブ教育を掲げる、つまりみんなで学んでいこうという教育を掲げる世田谷区においては、絶対に後退させてはいけない教室だと私は考えています。  最後に、教育長に伺います。今、様々な議論を受けてどのようにお考えでしょうか、一言お願いします。 ◎渡部 教育長 今、様々にお話をいただいて、やはり学校の在り方として考えていかなければいけないところはあると考えました。例えば、保護者の思いを受け止めて保護者会等を行っている学校もあれば、それを行っていない学校もあるという実態があります。それぞれの学校の中で、そういう教室の中にいづらい子どもたちの居場所をしっかりと確保している学校もあれば、なかなかそこまで追いついていない学校もあると実感しています。教育委員会の役割は、そういう学校を支援していくことにあると思っています。これからも続けて支援をしてまいります。 ◆中山みずほ 委員 以上で質問を終わります。 ◆藤井まな 委員 私からは、まず最初に、スクールカウンセラーとかカウンセリング室について質問をしていきたいと思っています。  今日たくさん不登校の話が出ていましたけれども、文教常任委員会で配られた第二次世田谷区不登校支援アクションプラン素案概要版というのを見ていますと、世田谷区における不登校児童・生徒を取り巻く現状と分析、実際に不登校になっている児童のうちの一六%、不登校になっている生徒のうち二二%が学校のカウンセラーや養護教諭に相談をしていなかったという数字が出ています。もちろん今回取り上げるのはスクールカウンセラーとカウンセリング室なので、不登校に限った話ではないですけれども、不登校はこうやって数字が出ますよね。確実に不登校が何人いて、その人たちに聞いたら相談しない人が何人という割合が出ると思うんですけれども、実際には不登校までいかないけれどもいろいろ相談したいなと思いながらも、そういうことが相談できていない割合の生徒や児童がいるような気が私はするんですけれども、担当課長はどう思っていらっしゃいますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 児童生徒の中にはスクールカウンセラーへ相談することを躊躇してしまい、相談につながらない児童生徒もいるものというふうに認識しております。 ◆藤井まな 委員 多分そうだと思うんですね。実際に潜在的にカウンセリング室に行かないという子どもたちはいると思うんですね。うちは高校生とか大学生のインターンを毎年この時期も採っていますけれども、いろいろ話や意見を聞いてみると、やっぱりカウンセリング室に行きたい、行きやすいという雰囲気はなかったと。今現役の中学生とか小学生じゃないから、今というわけではないですけれども、そういうイメージが多いと。いろんな人に聞いてみると、やっぱり困っている人が行くところというイメージが強過ぎて、行くのを躊躇してしまう子どもたちが多いという話を聞きます。  やっぱりこれを少しでも変えていくことによって、世田谷区の小中学校で、悩みの度合いというのはたくさんあると思うんですけれども、小さな悩みが解決できたにつながっていくと思うんですね。そのためには、例えばカウンセリング室をほかの学年との交流できる場所にしたりとか、そもそものイメージを変えていく、気軽に相談できる環境に変えていく必要があるのかなというふうに考えているんですけれども、世田谷区の教育委員会はどう考えているのかお伺いをいたします。 ◎柏原 教育相談・支援課長 この間、各学校のスクールカウンセラーにおきましては、休み時間に校内を巡回しながら児童生徒に声をかけたり、休み時間中に相談室を開放したりするほか、進級、進学に対する不安や悩みを抱えやすい小学校五年生と中学校一年生を対象とした全員面接を実施するなど、児童生徒と顔の見える関係づくりを行っております。このほかにも、相談室だよりや学校ホームページ等を活用して相談室を紹介するなど、来室しやすいような雰囲気づくりにも取り組んでおります。  教育委員会としましても、各学校における効果的な取組、これをスクールカウンセラー間で共有を図りながら、それぞれ効果的な取組について各学校で実践できるよう支援してまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 もちろん議会の声とか保護者の声も重要ですけれども、やっぱり子どもたちがどう考えているのか、どう思っているのかというのをぜひともしっかり調べていただいて、相談しやすいカウンセリング室というものをつくっていただきたいというふうに思います。  次に、給食費についてお伺いをさせていただきます。  さきの都議会議員選挙でも多くの政党さんが給食費無償化ということに対して政策を述べていらっしゃいましたし、我々も、それこそ、一回解散しちゃいましたけれども、民進党時代から給食費無償化をするべきだなというふうなお話をしてまいりました。いつだったかの文教常任委員会で、債権管理重点プランという中で、教育委員会では給食費に関する債権という話が出ていました。債権管理重点プランに関しては、教育委員会の中では給食費のところしか載っていなかったですよね。  つまり給食費というのは、滞納している人もいるし、それに対して徴収をしたりする作業も起こっているということですけれども、今、その給食費の滞納状況とか、あとは回収に幾ら使ったりして、教育委員会はそういう予算を使っているのかというのをお伺いさせていただいてもよろしいですか。 ◎山下 学校健康推進課長 給食費につきましては、現在、原則、口座振替により納入をしていただいております。給食費の徴収に向けて、まずは口座振替の登録を積極的に促しまして、未登録者については、納付書の送付とともに口座登録を促しているところでございます。  給食費の滞納があった場合には、毎月未納のお知らせを通知しており、なかなか納付に応じていただけない場合は、民間事業者による電話催告の実施、あるいは教育委員会の職員が御家庭を訪問して納付依頼なども行ってございます。さらに、再三の催告にもかかわらず納付及び納付相談に応じない滞納者には、関係所管課と連携し、弁護士名による催告等も行ってございます。これら給食費の収納、徴収に係る経費としましては、令和四年度の当初予算案では約四千二百万円を計上してございまして、このうち滞納者、これは現年分と過年度からの滞納繰越分も合わせてということになりますが、これら催告に係る経費については約一千万円というふうになってございます。  続いて、令和二年度におけます現年分の収入未済額ですけれども、こちらは約一千三百万円となってございまして、これまでの滞納繰越分と合わせますと、収入未済額の総額は約三千九百万円となってございます。滞納者の人数は約千百名という状況でございます。 ◆藤井まな 委員 今、もろもろどれぐらいお金がかかっているのかという話がありましたね。さらにプラスして言うと、それに関わる職員さんの人件費も多分、さらにかかるということで、給食費無償化をするということは、そういった予算も同時にかからなくなるという意味も含めて、やっぱり人への投資というものをしっかり行うということに関して考えれば、この給食費が浮いた分、もしかしたらそのお金で何か習いたいことがもう一つできるかもしれないし、こういったところの子どもたちへの投資、人への投資ということにつながっていくと我々は思っておりますので、ぜひとも給食費に関して、無償化に向けて取り組んでいただきたい、また、東京都にもそういった意見等を言っていただきたいなというふうに思いますけれども、教育委員会の見解をお伺いいたします。 ◎山下 学校健康推進課長 今、委員のお話にありましたとおり、給食費無償化をした場合につきましては、先ほど御答弁しましたとおり、事務経費約四千二百万円が不要になります。また、担当の職員五名分の人件費もほかの事業に振り向けることが可能でございます。また、各家庭におきましても、現在支払っていただいている給食費につきましては、また別な形でお子さんのほうに御活用いただけるというようなところになってございます。  しかしながら、現在、全児童生徒約五万人の保護者の皆さんに御負担いただいております給食費につきましては、令和四年度当初予算案では約二十七億円を計上してございます。給食費の完全無償化を図るには、安定的な財源の確保が大きな課題であるというふうに認識してございます。  給食費の無償化につきましては、区の財政状況や国、都の動向、他自治体の取組にも注視いたしまして慎重に検討してまいります。 ◆藤井まな 委員 もちろん二十七億円という数字は大変大きな数字でありますから、今すぐに来年からなんていうことはなかなか難しいかもしれませんけれども、やっぱりこういった部分に対して東京都や国に意見を言っていくということはできると思いますし、ぜひとも教育委員会にはそういった行動に移していただきたいなということを要望させていただきたいと思います。  次に、プログラミング教育についてお伺いをしていきたいというふうに思っています。
     プログラミング教育に関してももちろんそうなんですけれども、今、世田谷区の小中学校で使っているOSというのは、iPadを使っているので、当然、ウィンドウズじゃないわけですよね。  例えば、世の中のプログラミングソフトとかプログラミングというのを扱っている皆さんとかに僕はいろいろ話を聞いてきたんですけれども、プログラミングはほぼほぼウィンドウズを使ってやっているんですって。中には違う人もいるらしいんですけれども、そう考えると、将来的に世間に出たときに、プログラミングだけに限らないんですけれども、このOSに関して、ウィンドウズというものに関してもやっぱり知識を持たせてあげることも重要なのかなとプログラミング教育について調べているときに思ったんですけれども、まずOSに対する認識というのは、教育委員会はどう考えていらっしゃるのかお伺いをさせていただきます。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 OSに関しましてですが、GIGAスクール構想におきまして、国は端末のOSとして、マイクロソフトウインドウズ、グーグル、クロムOS、iPadOSのいずれかを推奨しておりまして、区では、庁内の関係管理職で構成した選定委員会で比較検討し、iPadを選定いたしました。決め手となりましたのは、iPadOSは操作方法が比較的直感的で分かりやすいこと、あとはタッチパネルで利用できるため低学年の子にもなじみやすいと考えられたこと、また、日本ではiPhoneのシェアが高く、保護者も操作に慣れている方が多いと考えられて、家庭でのスムーズな活用を期待して導入いたしました。さらに、アプリストアから無償で提供されている教育用アプリケーション、その他の学習用教材が豊富であったことなども決め手の一つとして挙げられております。  委員御指摘のプログラミング教育での活用に関しましては、全台キーボードつきケースをつけているため、パソコンと同じような感覚で利用できますし、クラウドサービスとして、まさにマイクロソフト365を導入しており、オフィスアプリも利用できるため活用しやすいと考えております。多くのプログラミング、ウェブ教材もiPadOSに対応しております。  委員御指摘のとおり、社会で利用されているパソコンとしましてはウィンドウズが主流ではございますが、まず重要なのは、小学校、中学校で身につけていただくこととしましては、デジタル技術一般を使いこなすリテラシーですとか、そういったマインドを身につけることであると考えております。OSに依存しないクラウドサービスが主流になってきていることですとか、オフィスソフトも活用してきたことを踏まえますと、世田谷の子どもたちは社会人になってからも問題なくICTを活用できると考えております。 ◆藤井まな 委員 僕も教育委員会の発言はすごくよく分かるんですけれども、今の社会で最前線で働いている人たちの声を聞くと、やっぱりそういったOSのこととかというのも重要だなという話を聞いているので、保護者の方からいただいた意見ですから、そういった意見があるということはぜひとも皆さんにも知っておいていただきたいと思います。  あと、本題のプログラミング教育に関してなんですけれども、いろんな取組を僕も見させていただいているんですけれども、着地点がどこなのかなというのが分かりにくいなと思っていて、それによって、今のプログラミング教育をやっているからどうなれるというのがまだまだ見えないなと思っていて、例えばプログラミング教育の検定とかもいろいろあると思うんです。漢検もあるし、英検もあるじゃないですか、それと同じように実は今プログラミング検定とかもあるんですけれども、そういったある程度のある種目標を設定するだとか、区が目指すプログラミング教育というものの着地点、あくまでも今の僕の意見なので、ある程度明確化したほうがいいんじゃないのかなという話を、これはプログラミング会社の方からも、世田谷区のプログラミングの研究をちょっとしてみてくださいよとお願いして返ってきた回答がそういう話だったので、ぜひともそういった着地点というか、ビジョンというものをもうちょっとはっきりしてもらったほうがいいのかなと思うんですけれども、教育委員会はどう思われますか。 ◎隅田 教育研究・研修課長 これからの高度情報化社会の中では、ICTを適切に活用して問題を解決していく力が求められており、学習指導要領においてはプログラミング教育を実施することが明記されております。  プログラミング教育の狙いは、自分の意図する一連の活動を実現するため、一つ一つの動きに対応した記号の組み合わせやその改善方法などを論理的に考えていく力といったプログラミング的思考を育んでいくことです。さらに、プログラムのよさや働き、仕組みなどを理解させるとともに、自分の学びや生活を豊かにするためにICTを効果的に使おうとする態度も育んでまいります。 ◆藤井まな 委員 いろんな皆さんの声とか、専門家の声もぜひ聞いてみて、教育委員会にはプログラミング教育についてもっと明確なビジョンを示していただきたいと意見をさせていただきます。  最後に、僕は福祉領域で医療的ケア児の在宅レスパイト事業の教育現場への適用に関して質問をしているんですけれども、そのときの福祉所管の答弁をどなたか聞いていた方はいらっしゃいますか。特別支援担当の課長さんか、部長さんか、誰か聞いていた方はいらっしゃいますか。 ○菅沼つとむ 委員長 覚えている人はいますか。いないならいないでもいいですよ。 ◆藤井まな 委員 では、いないということでいいんですけれども、何ていう答弁が返ってきたかというと、特別支援学校というのは都立の学校だから、それは設置者である東京都が考えるべきだという答弁だったんですね。ただ、在宅レスパイト事業の教育現場への適用というのは、僕は世田谷区立の小学校の支援級に通っていらっしゃる医療的ケア児を抱えている保護者の方からも意見をいただいているんですね。ということは、福祉所管で学校の設置者が対策を講じるべきだと話をしているということは、区立の支援級に通っている方の医療的ケア児の在宅レスパイト事業の教育現場への適用というのは、世田谷区が決めることができるし、教育委員会にもある程度のそういう話を聞くという使命があると思いますので、これは意見として言っておきますけれども、そういった声があるし、そういった答弁をしているということをぜひとももう一回映像で確認してください。よろしくお願いします。要望です。替わります。 ◆桜井純子 委員 では、私からは、一般質問でも取り上げました不登校対策についてお聞きをしたいと思います。  その際に申し上げましたように、不登校対策をするときにも、どこか居場所をつくって子どもたちをそこに行かせればいいだろうというような考え方ではなくて、そこにも世田谷区の教育の全体の考え方と示されているインクルーシブ教育という考え方ですね。全ての子どもたちが共に学べる環境というものをしっかりと追求をしていくんだ、そういう考え方の下で不登校のことも考えていく必要があるだろうということを申し上げさせていただきました。  その心はというと、では、なぜ学校に行かない子どもがいるのか、行けない子どもがいるのか、このことについては何が問題なのかということを、私たちは公の教育を担う、携わっている者として考えていかなくてはならないだろうということです。子ども固有の問題ではなくて、社会に起きている問題として考えていくこと、これが本当に重要なんだということを私は申し上げさせていただきたくて、今回、一般質問、そして予算特別委員会でも取り上げさせていただいています。  ただ、今現に学校に行っていない子どももいるわけですから、その子どもたちに対する対応というのも十分に子どもの立場に立ってしていかなくてはならないということで、二〇一六年にできました教育機会確保法に基づいて、今回、四月からは不登校特例校の分教室というものができるわけですけれども、ここには大きな期待がかかっているなということを感じています。  不登校の子どもの学習権の保障という観点からも、教科学習というものをしっかりと行う場所をつくっていくことは重要だろうと思います。そして、そこがこれまで取り組んできたほっとスクールなどとの違いだということも認識をしていますけれども、まず四月からのスタートに当たって、この分教室にはどのような体制がしっかりとしかれているのかということがとても気になりますので、まず教員の体制はどうなっているのかお聞きします。 ◎塚本 副参事 不登校特例校分教室では、学習指導要領に基づいた教科の内容について計画的に学ぶことができ、教科担任制となりますので、全ての教科について免許を持った教員の配置が必要となります。今回、開設する不登校特例校分教室は、教員の配置基準により東京都より四名の正規教員が配置され、正規教員で指導することのできない教科については、区の予算で講師を雇うための準備を進めております。 ◆桜井純子 委員 不登校特例校分教室はまだスタートしていないわけですけれども、その本校になる学校の教員からは本当に十分なのかという不安の声も聞こえているということもありまして、このことについてお聞きをしています。そして、期待がすごく集まっているということで言えば、その期待を裏切れないということがあると思います。  今回、この不登校特例校については、不登校で学校に行けなかった子どもが行くんだという強い意思を持って通っていくことを決めているということです。四月から二十一人入室予定だということも聞いていますけれども、こういった状況の中で十分なカリキュラムの体制というものがしかれていくのか、どういう内容にするのか、改めてお聞きします。 ◎塚本 副参事 不登校特例校分教室では、生徒の特性や学習状況に応じて、学年全体での指導や少人数での指導などの授業、週に二日、ICT等を活用しながら今までの学習の振り返りを行うことができる学び直しの時間を設定するなど、生徒一人一人の基礎学力の定着や個に応じた学びを進めてまいります。また、生徒一人一人の将来の進路を実現するためには、体験活動、探究活動、表現活動を重視したキャリアデザイン学習を進め、生徒や保護者とのガイダンス機能を充実させてまいります。  教育委員会といたしましては、不登校特例校が生徒一人一人の個性や能力を伸長し、自己肯定感を高め、学ぶ喜びや楽しさを実感することができる場となるよう支援してまいります。 ◆桜井純子 委員 このカリキュラムの内容で語られている内容ですよね。生徒一人一人の基礎学力の定着や個に応じた学び、また、体験活動、探求活動、表現活動を重視したキャリアデザインの学習、個性や能力を伸長し、自己肯定感を高め、学ぶ喜びや楽しさを実感するような場所というものというのは、これは振り返ってみれば、通常、普通に通っている地域の既存の学校で当たり前に実現していていいものではないかと私は思います。なぜこういった本来だったら既存の学校になくてはならないものが、わざわざ違う場所をつくってつくらなくてはならないのか、そして、不登校特例校に対してこのテーマをなぜ持ってこなくてはならなかったのか、ここについてやはり考えていく必要があると思います。  そして、不登校アクションプランの中にも書かれていますけれども、教員から見た不登校の理由というのに無気力、不安というのが断トツに多いわけですね。不登校になっている理由が子どもたちの無気力や不安というところに理由を見つけているというところは、私は問題だと思っています。このことについて、学校現場で働いてきた校長先生、教員の経験をしている方々も教育委員会の中にいらっしゃいますし、教育長も校長先生だったわけですけれども、こういう学校現場で働いてきた人として、この無気力、不安というのが断トツに多いということはなぜだというふうにお考えになるでしょうか。 ◎北村 副参事 こちらにつきましては、教育委員会の中でもいろいろ議論があったところでございます。文部科学省が行う児童生徒の不登校に関する調査につきましては、教員から見た不登校の理由の主たる原因については、子どもの無気力、不安が最も多い結果という形になってございます。  不登校の要因につきまして、児童生徒や保護者からはっきりした理由を聞き取ることは大変難しく、別の項目理由としても多く挙げられている学業不振、それから家庭状況など、様々な複数の要因が複雑に関係していることというふうに認識しております。こういった子どもの状況を早期に把握できるよう、状況を把握するためのチェックリストの活用や教員への研修などを実施いたしまして、把握と支援につなげてまいります。 ◆桜井純子 委員 子どもの無気力、不安が最も多いというこの視点ですよね、ここのところを変えていかないと、不登校の問題というのは、ほっとスクールの数を増やしても、様々な場所、相談を考えていっても、そして、不登校特例校というものを編み出していってもその数は増えていくということになるのではないかと思っています。ですので、今回、不登校特例校を取り上げたのは、不登校特例校をつくるという、そこに踏み切った理由と、そして、その中身ですね。不登校特例校の中で、先ほど私は指摘しましたけれども、そういうものを引き上げて、この学校に実現していこうということ、このこと自体が一つの問題点を引き上げてきているのではないか、現わしているのではないかというふうに感じましたので、不登校の問題として不登校特例校の在り方ということを取り上げさせていただいています。  ですので、もう一つお聞きしたいと思います。既存の学校、今の学校と不登校特例校分教室の違いというものはどういうところにあると考えていらっしゃいますか。 ◎北村 副参事 不登校特例校分教室につきましては、年間総授業数を縮減して教育課程を組むことができ、体験型の学習やコミュニケーション能力を高める学習の充実を行ってまいります。不登校アクションプランでも、支援の基本的な考え方としまして、不登校児童生徒の社会的な自立につながる支援を行うこととしております。不登校生徒の状況に合わせながら、学習意欲の高まりに対応する不登校特例校分教室を開設いたしまして、ほっとスクールなど様々な支援の選択肢を用意してまいります。 ◆桜井純子 委員 ここですよね、年間授業数を縮減するということの対応だったり、これはすごく具体的だと思います。そして、カリキュラムに関しても、体験型の学習だったり、子どもが実際に感じることのできるような学習内容にしていくということですね。実感のある学習内容、机上の空論だけではないということだったり、あと、ここのところはポイントなんですけれども、支援の基本的な考え方として不登校児童生徒のというくだりがありますけれども、ここを不登校を取って児童生徒だけにすると全ての子どもたちに照らせる、それは障害があろうがなかろうが全ての子どもです。そういう考え方だと思います。児童生徒の社会的な自立につながる支援を行う、これは学校のやらなくちゃいけないことですよね。不登校の子どもだからといってやらなくてはならないことではなくて、障害があってもなくても同じところで学びながらこれを育んでいくということ、これが一つの目標ではないかと思います。ですので、私自身は不登校特例校が四月からスタートすることを物すごく注目しています。そして、ここで実現をしていくこと、この実現をしていくこと一つ一つが今の既存の学校の在り方、そこに影響を与えていくことができるような不登校の対策、不登校だけではなくて世田谷区の教育の政策というところに影響を与えるような分析の仕方をしていくことが重要なのではないかと思っています。  そして、既存の学校と比べて、例えば授業日数を減らすとかそういうところでどんな授業が実現できていくのかということを一年、二年というスパンで見ていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。不登校特例校、ここで実現をしていく学習内容、教育内容というのを既存の学校に対しても活用していく、そんな要素があるというふうな目線で見ていく必要があると思いますが、教育委員会のお考えをお聞きします。 ◎北村 副参事 不登校特例校分教室でございますけれども、不登校の生徒が学校での教科を学びながら、生徒の興味や関心に合わせた学習活動や様々な体験活動を実施してまいります。個性や能力を伸ばしながら、社会的な自立に向けた特色のある教育活動を行ってまいります。各学校におきましても、全ての子どもたちの多様性や個性が認められ、子どもたちが安心して通い続けられることが重要と考えております。  不登校となる背景や要因をしっかりと把握し、ICTやオンラインも活用しながら、多様な子どもたちが共に学び共に育つ教育を推進いたしまして、学校現場での実践につながるよう取り組んでまいります。 ◆桜井純子 委員 学校に行けない体験というのは、そういうふうにしなくてはある意味生き延びていけない、そういう体験だとも思います。そして、多分ほとんどの子どもが夜寝るときに明日学校に行こうと思って眠りにつくと思います。朝起きるとどうしても体が動かない、そういう本当に毎日苦しい朝と、そして、どうにか明日は行こうと、そういう決意の夜を送っている子どもたちがいるわけです。そして、そういう子どもたちを生み出しているのは、子どもの無気力ではなくて、もしかして無気力だとしたら、その無気力を生み出している社会であり、今の既存の学校ではないかということ、そういう目線で不登校特例校というものを見ていただければと思います。教育長、いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 全ての子どもたちがその多様性や個性に応じて学ぶことができて、そして、その内容が子どもの興味や関心に応じたものであり、子どもが学校の中で自分の居場所を見つけて、その中で学んでいくということが理想だと思っています。そうした中で、今それのネックになっていくのは時間数であったり、学級の人数であったりというところになっています。不登校特例校では、時間数を極限まで減らして、そして、その内容や進め方も個人に応じたものにする、それから少人数でというところの条件をそろえています。  今後は、この不登校特例校がどのように進んでいくのか、またはそのやってきた要素、子どもが興味、関心を示すような要素を各学校に広げられていけるといいかなというふうに思っていますので、今後も不登校特例校の在り方を改善していきたいと思っています。 ◆桜井純子 委員 課長ともいろいろとやり取りをしている中で、かなり考え方というのが一致しているなというふうな気がしました。それのベースにあるのは、やはりインクルーシブな教育をつくっていくんだというところの数年にわたる議論があったかなというふうにも感じていますので、大きな視野を持って一つ一つの教育政策を見ていただければと思います。  そして、インクルーシブ教育について一つお聞きをしていきたいと思います。  就学相談のことについてです。世田谷区はインクルーシブ教育を推進するということ、これについては何度も確認をしています。そして、四月からは新たに教育ビジョン調整計画など各種計画が進んでいくわけですけれども、そのときに一つ大きなポイントとなるのが就学相談の在り方だと思っています。ただ、この就学相談ですけれども、学校に通い始めて新学期を迎えるときなどには、いじめられるのではないか、ついていけなくなる、学校では何も対応できないと教員のほうから言われて、普通学級に通うべきではないのかなというふうに保護者が思うと、そういう人たちが必ず出てきているということが実際です。なぜこういうことが起きると思いますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 就学相談や就学先の決定に当たっては、国の通知において総合的な観点から就学先を決定し、本人や保護者の意見を最大限尊重することが示されており、また、障害者差別解消法においても、合理的配慮は、一人一人の障害の状態や必要な支援、活動内容等について建設的な意見を伝え合い、合意形成を図っていくことが示されておりますが、こうした考えの浸透が一部図られていなかった点があったためと考えております。  今回、教育ビジョン調整計画においてインクルーシブ教育の実現を掲げる中において、こうした事態が生じないよう、インクルーシブ教育の理念を職員や学校現場に対して働きかけ、浸透を図ってまいります。 ◆桜井純子 委員 就学相談ですね、これからはインクルーシブ教育を実現するため、それを目的としていただきたいなと思っていますけれども、地域の学校に通うことを前提とした相談というところに立っていただきたいと思いますけれども、目的をどういうふうに考えていらっしゃいますか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 教育委員会としましては、インクルーシブ教育の実現を掲げる中において、就学相談に当たっては地域の学校で受け入れるという考えの下、特別支援学級や特別支援学校のみならず、通常の学級における指導内容や方法、教育環境等に関する情報についても分かりやすく提供し、多様な選択肢の下、本人や保護者が安心して就学先を決定できるように取り組んでまいります。 ◆桜井純子 委員 このときに、インクルーシブ教育をこれからどんどん実現をしていくという立場に立っていくわけですけれども、今までの就学相談の在り方、その考え方に立っていると、やはりちょっと違ったことになるのかなと思います。相談員の方の就学相談の内容の研修というのがとても重要となると思いますが、どのように取り組んでいくお考えでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 就学相談に当たっては、職員一人一人がインクルーシブ教育に対する理解を深めていく必要があると考えております。就学相談を行う職員を対象とした研修において、インクルーシブ教育に関する内容を盛り込んでいくほか、通常学級における支援の好事例を学ぶ機会を設けるなど、職員のインクルーシブ教育に対する理解を高め、今後の就学相談に生かしてまいります。 ◆桜井純子 委員 インクルーシブ教育の実現に向けて、改めて就学相談の在り方、どんなふうな方向で持っていくのか、研修だけではなくて、その方向性、在り方というのを検討し直す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 教育委員会としましては、先ほど申し上げた研修等を通じまして、本人や保護者が安心して就学先を決定できるよう、職員一人一人が地域の学校で受け入れるという考えを持って、子どもの発達や成長という観点を大切にしながら就学相談に臨むとともに、保護者の伴走者として、本人や保護者の意見を尊重しながら親身になって相談に応じていくこと、まずはこのことを職員に周知徹底していくことから取り組んでまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 今日は不登校の問題と、そして、インクルーシブ教育に絡みまして就学相談についてお聞きをしたわけですけれども、この根底にあるのは、子どもたちを競わせて点数で並べているというような能力主義的な教育が根底にあるというふうに私は思っています。ぜひこれから新しく取り組んでいく不登校特例校の中にどのような教育が実現していけるのか、そのことが世田谷区の子どもたちにとって大きな教育の転換点にもなると思いますので、その意識でインクルーシブ教育に向けて取り組んでいただければと思います。  以上で世田谷立憲民主党の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時一分休憩    ──────────────────     午後五時十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆ひえしま進 委員 初めに、学校現場での新型コロナ感染症対策についてお聞きします。  学校でも第六波が襲い、オミクロン株は猛威を振るいましたが、まず、一月以降の学級閉鎖の状況について教えてください。 ◎山下 学校健康推進課長 本年一月以降の学級閉鎖の状況でございますけれども、三月十八日現在で、小学校全六十一校で延べ五百八十五クラス、中学校二十九校のうち二十七校で延べ九十八クラスとなっており、小学校一校と中学校三校でそれぞれ一学年ずつ学年閉鎖も行っております。 ◆ひえしま進 委員 学級閉鎖の基準は文科省からの一律の基準ということではなくて、各自治体が独自に設定しているようですが、世田谷区の場合はどうなっているでしょうか。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、一月の感染拡大を受けまして学級閉鎖基準を見直し、一月二十六日付で各学校長宛てにその旨を通知してございます。新たな学級閉鎖基準は保健所とも相談し、原則として、同一学級において連続する四日間のうちに二名以上の感染者が判明した場合に、その翌日から三日間の閉鎖としております。なお、閉鎖期間の三日は、オミクロン株の潜伏期間の中央値が三日程度と考えられていることを参考にしてございます。 ◆ひえしま進 委員 一般質問での答弁では、学級閉鎖に際して抗原定性検査キットを配付するということでしたが、これについては私の元に保護者の方から疑問の声が多数届いております。小学校のケースですが、児童に感染者が出ると緊急連絡メールが保護者に届きます。そこには、学級閉鎖のお知らせとともに抗原検査についての注意書きも記されています。そのまま読みますと、抗原検査は周囲の感染者(陽性者)の早期発見、感染拡大防止のために行う検査です。PCR検査よりも精度が低く、しっかり鼻の粘膜をこする必要があったり、一定以上のウイルス量が必要であったりするため、偽陰性が一定数出てしまうこともあるようです。抗原検査キットを使用する際は御注意くださいとあります。  これを読んだ保護者の方から、こういうただし書をするんだったら症状のある人に素早くPCR検査をすればよいのであって、精度の低い検査キットを配るのは税金の無駄じゃないのかとの声が上がっておりますが、見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 抗原定性検査はPCR検査よりも感度が低いため、陽性判定には一定以上のウイルス量が必要とされており、抗原定性検査で陰性の結果となった場合でもPCR検査では陽性の結果が出る、いわゆる偽陰性の可能性があるとされてございます。  このようなことから、抗原定性検査の特性を正確に理解していただき、誤解のないように対応していただくためにも、偽陰性がある旨を学校や保護者に案内しているものでございます。抗原定性検査は自宅などで検査ができ、短時間で結果が出ることから、学級閉鎖時の感染の疑いや不安があるような場合の初期対応として有効な手法であると考えております。 ◆ひえしま進 委員 そう言わざるを得ないんでしょうけれども、保護者の方からは、検査キットを配っても学級閉鎖が相次いでいるわけだから感染予防になっていないのではと半ば怒りの御意見もいただいておりますが、これについてはいかがでしょうか。 ◎山下 学校健康推進課長 学校からは日々百名前後の感染報告が届いておりますが、その中には配付した抗原定性検査キットにより陽性が判明したとの報告もございます。現在の感染拡大の原因であるオミクロン株は、従来株より潜伏期間が短く高い感染力を有していることが判明しており、その特徴や無症状の感染者がいることから、感染拡大を完全に防ぐ点においては難しい状況にございますが、速やかに検査結果が判明する抗原定性検査を活用することは、迅速に感染者を特定し、適切な対応につなげ、感染拡大防止を図る一定の効果があるものと認識してございます。 ◆ひえしま進 委員 検査キットを配られても使っていないし、捨てているという声もあります。教育委員会は、検査キットの使用状況を調査しているのか、していないのであれば、これから調査する用意があるのかお聞きします。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会としましては、各学校に配付された数や学校ごとの在庫数は把握してございますが、検査自体は任意のものであり、保護者の方には、検査の結果、陽性が判明した場合に学校へ報告していただくようお願いしてございます。このため、実際の使用状況までは把握しておりませんが、ただいま委員のお話があったような声が学校にも届いているか、機会を捉えて確認してまいります。 ◆ひえしま進 委員 検査キットの使用状況は、教育委員会としてもしっかり把握しなければならないと思います。ピーク時には医療現場でキットが不足し、有症状者に適切な処置を講じられなかったということは大きく報道されていました。もし学校で有効に使用されていなければ、今後は医療現場に回すということだって考え得ると思います。調査するよう要望します。  これも私の一般質問で明らかになりましたが、修学旅行などの行事前検査というのを小中学校合わせて二万六百人に実施して、一名しか陽性者がいなかったわけです。限られた資源を有効に使うという観点から、こういう検査についても果たして適切な予防策なのか、甚だ疑問に思うところがあります。  ここでお聞きしますが、小中学校の修学旅行の実施状況はどうなっているでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 昨年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により小中学校での宿泊行事は中止せざるを得ない状況でしたが、今年度は、感染症対策を徹底することで、全ての小学校において川場移動教室と日光林間学園を実施することができました。また、中学校においては、実施時期の移動や規模の縮小、行き先の変更などにより二十二校が修学旅行を実施するとともに、宿泊ができなかった学校も、鎌倉、川越、富士急ハイランド、浅草演芸場、劇団四季など、日帰りの代替行事を実施することで、卒業に向けた子どもたちの絆を深める機会を持つことができました。  今後も区教育委員会においては、子どもたちの豊かな学びを実現するため、学校の教育活動の支援を行ってまいります。 ◆ひえしま進 委員 修学旅行については、我が会派としても、当初から学校ができる限り実施できるよう教育委員会のバックアップを強くお願いしてきましたし、私の所属政党である日本維新の会も、環境を整えるよう国に要望してまいりました。他自治体では中止が相次ぐ中、このように多くの子どもたちにすばらしい思い出となる行事が実施できたことは、教育委員会、学校はもとより、保護者の皆さん、何よりも子どもたちの強い思いを酌んで皆さんが懸命に努力されて実現できたものだと思います。私も保護者の一人として感謝を申し上げたいと思います。  五歳から十一歳のワクチン接種についてお聞きしますが、福祉保健領域でも申し上げましたが、子どものワクチン接種については保護者の皆さんが悩まれているという声を聞いております。また、子どもたちも初めて経験しますので、不安もあるでしょうし、接種の可否がトラブルの原因にならないとも限りません。教育委員会はどのような対応をするのでしょうか、お聞かせください。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、五歳から十一歳の方を対象にした接種券の発送に合わせ、ワクチン接種の担当所管とも連携し、学校及び保護者宛てに接種に当たっての留意事項などをまとめ、通知してございます。保護者宛ての通知では、主に今回のワクチン接種は予防接種法上の努力義務は適用されておらず強制ではないこと、ワクチンによる発症予防効果や副反応などのリスクを理解し、お子さんと相談していただくことなどを案内しており、併せて参考に厚生労働省のリーフレットや質問回答集も確認できるようお知らせしております。さらに、差別やいじめ、SNSでの誹謗中傷等は許されないこと、受ける、または受けないよう強制してはいけないこと、ワクチンを接種することができない人や接種を望まない人もおり、その判断は尊重されるべきであることなど、人権に関わる配慮についてのお願いも周知してございます。  次に、学校には、接種後の学校活動での留意点として、行事などへの参加にワクチン接種の条件を付さないこと、当日の激しい運動は控えるよう指導することのほか、ワクチン接種や副反応が出た場合には出席停止とすることができる旨などを通知しており、学校内で情報共有を徹底するよう依頼してございます。 ◆ひえしま進 委員 保護者や児童からの相談には丁寧に乗っていただくよう強く要望をいたします。  コロナ禍で学校、保護者双方ともに試行錯誤の連続だったと思いますが、国のGIGAスクール構想によって児童生徒にはタブレット端末が配付されています。区内のある小学校での出来事ですが、児童の端末に不具合が生じ、交換を申し出たところ二週間も待たされ、この間、児童は何もできず不利益を被ったとの連絡を保護者の方からいただきました。既に事態は改善されているとのことですが、これは問題だと思います。端末に故障など不具合が生じたときはどのような対応をしているでしょうか。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末が故障などで使えなくなった場合、まずは学校に連絡いただければ、オンライン学習時の補助等の用途で各学校に数台ずつ追加配備している共用端末に交換することで対応しています。その上で、区が委託しているICTサポート窓口に学校が連絡し、ICTサポート窓口の担当者が故障端末の回収と新しい端末への交換を行うという流れになっております。また、インターネット上のウェブフォームにより御家庭からICTサポート窓口に直接お問合せいただくことも可能です。軽微な不具合であればそれで解決できることもありますが、解決できない場合は、学校を経由して交換等の対応を行うことになります。  委員お話しの事例でございますが、共用端末による交換対応ができることを学校が十分認識していなかったことや、学校とICTサポート窓口との情報伝達にそごがあったことに起因していると考えております。新年度に向けまして、ICTサポート窓口の業務フローをいま一度見直して改善を図るとともに、学校に対しても不具合対応の流れを周知徹底し、迅速かつ確実なサポートができる体制を整えてまいります。 ◆ひえしま進 委員 このようなことが二度と起こらないよう学校への指導徹底をお願いします。  これに関連してですが、子どもたちが端末を紛失したり、破損したりすることがあると思いますが、これまでどれぐらいの件数があったのでしょうか。また、予備の端末はどの程度用意されているか教えてください。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 初期不良以外の理由で破損し、交換対応を行ったのは、令和四年三月現在で五百七十九台です。紛失した台数は十三台となっており、全て交換対応を実施しております。紛失した端末は遠隔操作により端末ロックを行い、操作できない状態にすることで情報漏えいを防止しております。予備機につきましては、当初は故障台数を全体の一%程度と見込んでICTサポート窓口で五百台用意しておりましたが、想定以上に故障が発生しているため、八百台に増やしております。 ◆ひえしま進 委員 端末を壊したときには基本的に弁償してもらうということでよろしいのでしょうか。そのようなケースはこれまでどれぐらいあったか教えてください。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 タブレット端末を誤って故障させてしまうことを心配して活用しにくくなることがないよう、現段階では弁償はお願いしておりません。ただし、故意に投げつけて破損させてしまったというような事情により弁償を依頼した事例はございます。その場合、市販の同様の機種の端末を御購入いただき、その端末を区に納入いただいております。なお、端末を配付する際には、大切に扱っていただくよう、保護者に端末利用に当たっての留意事項を記載した確認書に署名いただくとともに、学校でも指導を行っております。 ◆ひえしま進 委員 私の子どもも動画を見たり、何を検索しているのか分かりませんけれども、いつまでも端末を操作していまして、睡眠時間など生活リズムに影響が出るんじゃないかと心配をしています。同じ思いの保護者の方は結構いらっしゃいまして、夜間は使用できないなど何らかの制限を加えるべきとの意見もありますが、見解を伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 タブレット端末の設定につきましては、児童生徒が学校だけでなく御家庭でも自ら主体的に活用できるよう、先進事例や学識経験者の意見も踏まえ、利用制限をなるべく少なくしております。一方で、委員御指摘のとおり、子どもが動画を夜中まで見続けてしまい生活リズムが乱れてしまい困っている、夜中は利用できなくするなど何らかの利用制限を行うべきだというような保護者の声もいただいております。  他の自治体では、深夜の時間帯の利用制限を行っている例もございます。タブレット端末の導入からもうすぐ一年が経過いたします。これまでの活用状況や保護者の御意見、他自治体の事例を踏まえ、学校現場とも議論しながら、時間帯による利用制限なども視野に入れて検討を進め、端末を日々の学びに安心して活用できる環境整備に取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 次に、体育着や上履きなど、学校用品の購入についてお聞きします。コロナ禍で外出できないなど、用品を買う際に学校が指定する店でしか買えないのは大変不便との声が届いています。このような指定店の中には、値段が高かったり、土日は閉店していたりと利便性が低い店もあるようです。ネットを使えば早く安く手に入るケースもあり、指定店仕様でなくても色や形状が近ければ問題ないとしてもらえれば非常に助かるとのことですが、見解を伺います。 ◎田中 学務課長 各学校においては、新入学の案内などの際に、体育着、上履き等を取り扱う近隣の洋品店などを御案内している状況です。取扱い店の中には、コロナ禍の中、混雑を避けるため予約制にするなど工夫しているところもあるようです。また、お店に出向く以外の購入方法としては、学校での保護者説明会などの折に展示会や受注相談会などを設定する場合もあるようですし、ネットでの注文も可能な取扱い店もあると確認しています。なお、学校で案内しているものに準じた色、デザインのものを着用することも基本的には可能と考えておりますので、御心配な場合は学校に御相談いただきたいと考えております。  今後も、体育着など保護者に御用意いただくものについて、学校の考え方などが十分伝わるよう、説明会等での説明や案内方法について改めて各学校に周知してまいります。 ◆ひえしま進 委員 桃野委員に替わります。 ◆桃野芳文 委員 私からもOriHimeについて聞いてまいります。  医療的ケア児に分身ロボットOriHimeを使った取組を学校でやっているということで、私は令和三年の九月十六日の一般質問で取り上げたんですね。そのときは、医ケア児が分身ロボットOriHimeを遠隔操作して授業に参加したり、友達と交流したりする取組が区立校一校で行われている、非常によい取組だということで、今後、拡充していくべきだという趣旨で取り上げました。それが令和三年の九月だったんです。そのときの答弁は、粟井教育政策部長の答弁ですけれども、本研究事業は今年度末までだということで、私はこれは拡充するべきだという趣旨で取り上げたんですけれども、今年度末で終わりですよと。その後は、研究成果も踏まえて今後の支援について検討するんだというようなことで、この事業は今年度末で終わりだということの答弁でした。  先日、自民党の阿久津議員が一般質問でも医ケア児のOriHimeの件を取り上げられまして、今日、公明党の河村みどり議員が取り上げられまして、答弁を聞いていると、来年度についても継続してやっていかれるようなふうに聞こえるんです。断定はされていないんですけれども、答弁のトーンが変わってきて、私は大変よかったなと思っているんですけれども、来年度について、基本的には事業継続に向けて、その方向で進んでいるんですよねということを確認させてください。 ◎北村 副参事 お話しのOriHimeでございますけれども、本年度、東洋大学と協定を結びまして、分身ロボットOriHimeを活用した研究事業として、医療的ケアが必要な児童生徒の学びの支援を行ってございます。本事業は区立小学校で実施し、通常の授業や班活動など、医療的ケアを必要とする児童生徒とクラスメートのコミュニケーションでも効果的に活用されており、クラスメートからもOriHimeの機能についての御意見をいただくなど、一緒に学ぶ児童への理解や配慮につながっているものと認識しております。  来年度につきましても、現在、東洋大学と事業継続に向けて協議を進めております。研究事業を継続する中で、OriHimeやタブレット端末を活用した医療的ケアが必要な児童生徒の学校への参加を広げ、また、今後の様々な活用についても検証し、支援につなげていけるよう取り組んでまいります。
    ◆桃野芳文 委員 事業継続に向けてということですから、ぜひしっかり続けていただきたいのと、やはりいい事業だということは皆さんの評価の中でもされているわけですから、これはより拡充する方向でぜひともやっていただきたいということを改めて申し述べておきます。  続いて、これはコロナ対策とも関係するんですけれども、学校の水道について聞きます。保護者の方からこういう声が寄せられることもあるんですけれども、やっぱり学校の水道の水が冷たいので、冬場はなかなか子どもが丁寧に手を洗わないというようなことが起きているということなんです。手をしっかり洗うということは、当然、新型コロナ対策でも重要ですし、ノロウイルスだとか、通常のインフルエンザといったことも踏まえて、やっぱり手を清潔にするということは基本的な予防策だと思うんですね。そういったこともあるので、学校の水道からお湯というか、ぬるま湯というか、多少温度の高いもの、水、ぬるま湯といったものが出るようにできないかということなんです。  今いろんなものが出ていまして、貯湯式、それぞれの蛇口に対して小さな機器をつけていくというようなものもあるようですし、そういった対応をぜひ私は進めていくべきではないのかなというふうに思うんです。  まず、給湯設備について、コストですね、どれぐらいのものが学校で可能性があるのか、それについてまずお答えください。 ◎青木 教育環境課長 貯湯式タイプの給湯設備はお湯をためるタンクの容量が幾つかございますが、新たに小中学校へ導入を考えますと、六リットル程度の容量を想定し、一つの蛇口に対して一台当たりの設置費用は五十万円程度の想定を見込んでございます。  なお、学校に設置されている水道の蛇口は三百か所程度ございまして、そのうち廊下やトイレなど子どもたちが利用する水道の蛇口は二百か所程度ございます。全てを設置した場合は、一校当たり約一億円の費用を要するものと思われます。 ◆桃野芳文 委員 今、学校改築費は四十億円ぐらいですか、その中で改築の機を捉えてということもありますし、当然コスト面でクリアできればそれぞれ個別に設置していくと。学校の全ての水道でお湯が出ますよということではないかもしれないけれども、やはりそういうお湯が出る水道も設置していくことで子どもがより丁寧に手を洗うというようなことも促していけるのではないかなと私は思うんです。導入を進めるべきだというふうに私は考えているんですけれども、区の考えを教えてください。 ◎青木 教育環境課長 手洗いの徹底は感染予防として大変重要であるものと認識してございます。手洗い場への給湯器設置につきましては他の公共施設においても設置がされておらず、学校現場からもこれまでに要望は伺っておりませんでしたが、夏場に比べて冬場は児童の手洗い回数が減っているとの話を聞いてございます。  今後の設置の必要性につきましては、学校等の要望とともに、他の設備機器等の更新の優先度や設置場所、費用なども勘案しながら検討してまいります。 ◆桃野芳文 委員 当然コストはかかりますけれども、先ほどひえしま委員も取り上げましたが、例えば学校での抗原検査キット、これなんかは無症状者への使用というのはそもそもそんなに推奨されていないものであるにもかかわらず一億円以上のお金を投入しているわけですよね。予算書を見ても様々な学校での抗原検査キットということで丸めてありますから、そこだけ抜いて幾らか分かりませんけれども、行事前検査というものもクラスター予防という意味ではほとんど効果がなかったということは、これもひえしま委員も指摘しましたが、そういうことに多額のお金が使われているわけです。やっぱり水道でしっかり丁寧に手を洗って手を清潔に保つということは、自動水洗にして、お湯が出て丁寧に洗うということはクラスター予防にも効果的だと思うので、ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思います。  続いて、学校のルールだとか、校則について聞いてまいります。  これも保護者の方からの御相談もあったんですけれども、小学校の体育の授業で、通常、体操服に着替えて当然授業をするわけですけれども、その上に、例えば寒ければトレーナーを着たり、長ズボンのようなものをはいたりということをやるのが、私は寒いときはそうやって体育の授業を受けるのが当然なのかなと思っていましたら、ある学校では、ズボンは体育の半ズボンしか認めません、寒くてもその上から何かはくことは認めませんというようなことをされているようです。  私は、こういうのはやっぱりおかしいと思うんです。寒ければしっかり着てやる、汗をかいて体が温まってくれば脱ぐというのが正しい対応だと思うんです。いまだにこういうことをされているようなんですけれども、事前に確認してくださいとお願いしていますから、まずそういう指導をしている学校があるのかないのかということと、そういう指導は適切だということなのか、不適切だということなのか、その辺について区の見解を教えてください。 ◎塚本 副参事 小学校の体育の授業では、多くの学校が体を動かすことに適した服装として半袖と短パンを指定しており、素材や形状については学校ごとに定めております。また、気温や運動内容、個々の児童の健康状態に応じて、特に寒い冬場については、全ての学校がトレーナーなどの長袖の着用を認めております。また、長ズボン等についても多くの学校が着用を認めておりますが、一部認めていない現状もございます。引き続き、学校へは授業中の児童の体調の変化を見取り、健康面や安全面に配慮した上で、体育着の着用については一律ではなく、児童の実態に応じた指導を行うよう周知してまいります。 ◆桃野芳文 委員 これも事前に確認をお願いしておりますけれども、例えば、子どもが冬場だと寒いのでタイツをはいている場合があるんですね。タイツをはいて、その上からズボンをはいている。タイツをはいていくと、体育の授業でタイツをはいたまま体操服を着ていくのは駄目だと。もしタイツをはいている場合は授業に参加させないというか、実際に体育の授業には参加させない、見学ですよというような対応をしているような事例もあるようなんです。  それも確認していただいていますけれども、そういったことがあるのかないのかということと、私は、タイツをはいていたら参加させないというのはやっぱり認められない、学校の対応としてやってはいけないことだと思うんですけれども、それについての見解を教えてください。 ◎塚本 副参事 今、委員の御指摘のとおり、こちらのほうで調べましたら、体育の授業でタイツの着用を不可としている学校がありました。実際にそちらについても学校には指導を入れまして、来年度以降、やはり先ほどもお話ししたとおり、体育着の着用については一律ではなく児童の実態に合わせて指導するようにということで校長のほうには指導を入れております。 ◆桃野芳文 委員 これまで私は、小学校に限らず中学校でもおかしな校則はもうやめようと、やっぱり時代に合わせた校則に変えていくべきだと。その際は、生徒や保護者ともしっかり意見交換をしながら、校則を時代に合ったものに変えていくべきだということで取り上げてきました。  最近、東京都も都立高校で理不尽校則はもうやめようということで決めたということが大きく報道されてもいましたし、大きな時代の流れ、当然のことになってきたなというふうに思っています。ただ、それが個々の教員までしっかり落とし込まれているのかなということもあるんですね。世田谷区が校則に対してどういう形で取り組んでいるか、どういうものとして運用しているかということがちゃんと個別に落ちているのかなという気がしております。  例えば、これもこれまで取り上げてきたんですけれども、校則にはラッシュガード禁止とは書いていないんです。ラッシュガードというのは水泳の時間に水着の上に着るようなもので、ラッシュガード禁止というのは書いていないんだけれども、実際に現場ではラッシュガードは禁止ですよと言っているような学校もあると。それはおかしいでしょうということで取り上げて、ラッシュガードが禁止ということはないんだということは各学校に周知するというようなことがありました。  これまで世田谷区でおかしな校則はやめましょうと言ってきたんだけれども、これも私は保護者の方から御相談を受けたんですけれども、学校に子どもが行ったら、その髪型は華美だから駄目だということで、切ってきなさいということで、スポーツ刈りのような形に、そういうふうにしてきなさいということになって、子どもは泣く泣くそういう髪型にしたというようなこともありました。  なので、そういう各教員への落とし込みですよね。世田谷区の生徒手帳を見ると校則はこうなっているというのはよく分かりますけれども、そこには細かな規定というのはなくなっているということはよく分かりますけれども、それが学校現場にしっかり落とし込まれているのか、教員に対して世田谷区は校則についてこういうスタンスなんだよということをしっかりやっているのかどうか、その辺を教えてください。 ◎塚本 副参事 中学校の校則については令和元年度より各学校が見直しを進め、ホームページ上でその内容を公開することで広く地域や保護者の方々へ周知することができ、見直しにより学校が改めて校則の意義について考えることができたと認識しております。  生徒自らが学校生活をより充実したものにするために、生徒会が中心となって自治活動を進めていく過程では、生徒が教員と話合いを重ね、校則について生徒の意見を反映することも重要であると考えております。  今後も生徒に校則を守らせる一方的な指導に陥ることなく、必要に応じて見直し、時代に即した校則の在り方を考えていくとともに、教員が個人の感覚で指導することがないよう、一人一人の教員にまで校則の意義を周知徹底するよう中学校へ指導してまいります。 ◆桃野芳文 委員 やっぱり学年によって違うとか、先生によって対応が違うとか、校則とはまた違うところでそれぞれ違う指導というか、そういうことがなされているという声は保護者の方から届いております。  なので、世田谷区でこの間取り組んできた校則に対する取組、運用、やってきたこと、校長先生を含めて、現場の先生も含めて、先生の入れ替わりというのはやっぱりあると思うんですよ。他の自治体で先生をやっていた方が世田谷区の区立小中学校に来るということは例年繰り返されていることですから、それぞれの先生のところに世田谷区はこれまで校則についてこういう形でやってきたんだと、細かい規定というのはなくしているんだということをしっかり落とし込んで、ゆめゆめ校則はそうなっているけれども、それは駄目なんだというような、私の感覚ではそれは禁止だというようなことをやる教員が出ないように、皆さんのほうからもしっかり現場に働きかけていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  まず、学校施設のバリアフリー化についてです。  文科省の学校施設バリアフリー化推進指針では、障害の有無や性別、国籍の違い等にかかわらず、共に育つことを基本理念として、物理的、心理的なバリアフリー化を進め、インクルーシブな社会環境を整備していくことが求められています。いわゆるバリアフリー法及び同法施行令の一部改正により、公立の学校施設が新たに位置づけられ、既存の施設についても同基準適合の努力義務が課せられました。学校施設のバリアフリー化をより一層推進していく必要が高まっています。  こちらは武蔵丘小学校の体育館の前の渡り廊下のところです。ここは体育館に上がるまでに階段が五段あります。ここに対してこういったスロープがかけられているわけですね。ここは介助者が車椅子を押すときに相当力が要りますというお話を伺いました。また、こちらですけれども、これは五センチぐらいの段差があるんですが、入学式なんかで高齢者が参加される場合にここは危ないですからというふうに毎回言うそうですが、それでも二人ぐらいはここで転ぶというようなお話を伺ってきました。  例えば、武蔵丘小学校には、身体障害の児童は在籍していませんが、昨年、足を骨折した児童が車椅子を一時的に利用した際に、僅かな段差があるため近くのトイレが利用できなかったことがあったと伺いました。こうした経験から、バリアフリー化の必要性を実感したというふうにおっしゃっています。  一方、こちらは十一年前に改修工事をした芦花小学校ですね。これは全く段差はありませんし、これは玄関から、昇降口から全部、本当にどこも段差がないと。近くのトイレにもスムーズに入れる、障害者が対応できるトイレになっている、そういった状況がつくられているというふうになっています。やっぱりこういったバリアフリー化が進んでいない学校施設での早急な対応が必要だというふうに思います。  世田谷区においては、校舎内の障害者用のトイレの設置については一定進んでいるというふうに伺っていますが、それ以外は大規模改修や建て替えが進んでいる学校以外では進んでいないと、早急な対応が必要です。国は、学校施設のバリアフリー化を推進するための補助金の補助率を三分の一から二分の一に引き上げました。補助金を活用した学校施設のバリアフリー化に積極的に取り組むことを求めます。伺います。 ◎秋元 副参事 区立小中学校におけるバリアフリー化につきましては、これまでユニバーサルデザイン推進条例に基づきまして、改築時や大規模改修時などを捉まえまして、エレベーターやスロープの設置、多機能トイレの設置などを進め、誰もが安全で安心して利用できる施設の整備に努めてまいりました。  委員お話しのとおり、いわゆるバリアフリー法の改正によりまして、昨年四月一日からは公立小中学校の既存校舎につきましてもバリアフリー化が努力義務とされたことから、改築や大規模改修のタイミングにかかわらず、一層のバリアフリー化が求められております。  教育委員会では、将来的な財政状況を見据えまして、既存施設の計画的な改修等を進めるため、学校施設長寿命化計画を策定しており、この計画にはバリアフリー化の視点も盛り込んでおりますので、委員お話しの補助金の活用も踏まえて、今後、計画的、着実に学校のバリアフリー化に取り組んでまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 早期にバリアフリー化を進めていただきたいと考えますけれども、国の補助金の期間が令和三年から七年の五年間としています。実際、世田谷区において令和七年度までに完了することは困難と考えます。国に期間の延長を求めるべきと考えますが、いかがですか。 ◎秋元 副参事 今、委員お話しのとおり、国が令和七年度までの五年間に目標とするバリアフリー化につきましては、例えば体育館への車椅子使用者用トイレの整備や体育館までのスロープの設置をおおむね全ての学校に求めるなど、区の現在の整備状況からすると非常に厳しいものがございます。  教育委員会でも様々な改修等の機会を捉えながら、常にバリアフリー化の視点を持って取り組んでまいります。また、区の進捗状況によりましては、国に補助金の継続など様々な支援を要望してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 小学校施設は、災害時の避難所にもなっております。災害はいつ起きるか分かりません。早急に進めていただくことを求めます。また、学校施設のバリアフリー化について、今後、具体の予算措置も早急な対応を求めます。  次に、新BOP学童クラブのスペース確保について伺います。  区は、新BOP学童クラブの大規模化、狭隘化の解消のために、普通教室の活用と外部に民間学童クラブを誘致する方針を出しましたが、この間の議論により、来年度からの民間学童クラブの誘致を延期しました。区は、学童クラブの狭隘化及び大規模化している小学校について、既存のスペースに加えて普通教室を活用するとしました。四月から各校の施設の状況を踏まえた上で順次実施するとしています。この間、どう取り組んできたのか、何校で教室を確保できたのか、来年度までに間に合うのか伺います。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 新BOP学童クラブにおける大規模化、狭隘化、多様化するニーズへの対応といった喫緊の課題解決に向けた取組は、その進め方を一部見直すことといたしました。しかしながら、喫緊に対応すべき課題のうち、狭隘化解消に向けた普通教室の確保などは、できるところから早急に取り組む必要があると考えております。  現在、教育委員会では、普通教室の利用に向けて、大規模化を含め、狭隘化が進んでいる新BOPの小学校を中心に調整を行っているところでございます。利用に当たりましては、各校の施設状況を考慮する必要があるとともに、学校教育に支障のない範囲で運用していくこととなります。普通教室の利用に向けましては、引き続き特別教室等の利用可能なスペースの確保や有効な活用方法についての調整も含め、取組を進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 これは来年度というか、もう四月からですけれども、間に合うんでしょうか、伺います。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 四月からの順次開始に向けまして調整に努力してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 今回の対応は、昨年五月時点の新BOP学童クラブの登録児童数を基に出された方針です。昨年の登録者数は合計で七千八百八人でした。しかし、今年二月十日時点の入会決定者は四百人増の八千二百六十九人になっていました。二百人を超えている学童クラブは、桜丘、松沢、東深沢、経堂、山野、塚戸、砧南、芦花の八校となっています。  教育長に伺います。子どもの放課後の健やかな育ちを保障するため、責任を持って進めていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 子どもにとって放課後の時間は学級や学年を超えた友達との交流があり、様々な体験を通した学びがあり、成長につながる場であると考えています。学校内では、ランチルームや会議室や理科室、家庭科室などの特別教室を新BOP学童クラブに提供しておりますが、大規模化や狭隘化に向けてさらなる場所の提供が求められています。一方で、教室は、授業の準備や子どもの作品の展示、それらとともに、次の日の授業の内容を一度板書して確認をしておきたいという教員もいます。  このように新BOP学童クラブの活用スペースは学校の教育に支障のない範囲で確保していくことが必要となりますが、柔軟な考え方で、それぞれの学校に応じて、普通教室を含めて、さらに提供できる場所を確保するよう話合いを重ねてまいります。新BOP事業の共同所管である子ども・若者部とともに、活動スペースのさらなる確保に向けて取り組んでまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 学校にもいろいろ事情があると思いますけれども、今後、その進捗状況については随時議会に報告をしていただくことを求めます。  次に、特別支援教室について伺います。  昨年三月、東京都教育委員会は特別支援教室の運営ガイドラインを策定し、指導期間を原則一年、最長二年とすることが盛り込まれました。さらに来年度から児童生徒十人に対し一名の教員配置基準を十二人に対して一人に引き下げます。我が党は、さきの議会で、指導期間について、期限に縛られず、子どもにとって必要な期間の保障を求めました。区教委は、原則の指導期間内に指導目標を達成できない等の継続した指導が必要な児童生徒に対し、改めて支援策を検討し、特別支援教室での指導の継続も含め、必要な支援を行っていくというふうに答弁しています。  また、四月より、すまいるルームの教員の配置基準を十人に一人から十二人に一人に引き下げられますが、すまいるルームの教員からは、教員一人当たりの負担が増えること、さらに指導の質の低下にもつながる懸念の声も伺っています。保護者にとっても、同様に我が子が十分に指導を受けることができるのか、こういった不安の声も伺っています。  学校ごとのすまいるルーム保護者会などを開催するとか、保護者への丁寧な説明が必要ではないでしょうか。また、教員、保護者などの声を聞くなど実態把握を行っていただきたいというふうに思います。指導の質を後退させることのないよう、教員や支援員の加配など、区として必要な支援を行うことを求めます。 ◎柏原 教育相談・支援課長 今回のガイドラインの改定に当たりまして、必要に応じて指導期間を延長する場合がある旨も含め、改定内容やそれに伴う手続等について、教員向けの説明会の開催や保護者向けの通知によりその周知を行ってまいりました。四月からの運用開始後におきましても、特別支援教室の巡回指導教員を集めた情報共有の場や保護者会等あらゆる機会を捉えて、保護者や学校現場に対し、引き続き丁寧に説明を行うとともに、教員や保護者の声を丁寧に聞き、まずは利用実態やニーズを把握した上で、特別支援教室を安心して運営、利用できるよう具体的な支援に取り組んでまいります。  また、指導の質につきましても、巡回指導教員や特別支援教室専門員など、支援に関わる方の研修について、その内容を充実させ、質が後退しないよう取り組んでまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 確かに子ども十人に対して一人という基準を十二人に一人と変えることは、明らかに教員への負担というのは多くなるわけですから、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っています。  次に、教育DXについて伺います。  区は来年度、統合型校務支援システムの導入を進めて令和五年度から運用開始するとしています。説明資料では、児童生徒の成績や出欠、家庭の様子などのデータなどが一元的に管理できるとしています。教員からの現状課題として示されている中身では、いじめ防止、早期発見等に必要となる児童生徒の様子の記録、共有、分析に手間がかかることなどを挙げており、こうした課題を解決しますという内容になっています。児童生徒の様子の分析対応こそ教員の仕事であり、機械任せにするような仕事ではありません。  区はこの間、教員へのアンケートを行っていますが、児童生徒のデータの利活用の是非などを問うものではありませんでした。教員からは、こうした機能を活用し、依存することによって、教員としての専門性が育たず、ノウハウが失われるのではないかという声も伺っています。そのような懸念にどう応えていくのか伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 令和五年度から運用開始予定の統合型校務支援システムでは、タブレット端末等で学んだ学習データと出席情報、成績情報等の校務系のデータを一元管理し、児童生徒一人一人の学びの成果や学校生活の状況を可視化するダッシュボード機能を設ける予定です。この機能は、教員が子どもたちの状況をデータに基づき把握する上での助けとなるものですが、子どもたちの日々の様子をしっかりと見守り、一人一人の歩みに寄り沿った指導を考えていくベテラン教員のノウハウは、デジタル技術の導入が急速に進んでいくこれからの教育においても不可欠であると認識しております。  ベテラン教員の豊富な指導経験を引き続き活用していくとともに、教員が日頃の教育活動に役立てることができるツールとしてシステムを構築し、子どもたちの学びや学校生活を充実させる効果を上げることができるように努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 区の説明によると、子どもの成績や出欠、家庭の様子などのデータの利活用に関する記述があります。利活用の主体、範囲を伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 データの利活用は、教員が子どもたちの状況を把握し、指導に役立てていくために行うものであり、利用主体は教員を想定しております。また、児童生徒が自分の学びの成果を振り返り今後に生かすことや、保護者に学校での子どもの様子を情報提供するといった活用も想定されます。  ダッシュボード機能を含めたシステム構築に当たりましては、現場の教員も加わったプロジェクトチームを立ち上げて議論していくとともに、チームに参画していない教員の意見も十分に取り入れながら進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 国が目指す教育分野のDXについて、個別最適化された学びは、情報通信技術や先端技術を使い、一人一人の子どもの学習傾向やスポーツ・文化活動などのデータを分析して、それぞれの子どもに最適化された学習内容を提供するとしています。児美川孝一郎法政大学教授は、教育現場のICT環境の整備自体は重要ですし、個々の子どもに合った学習をきちんと保障することも大切です。しかし、教科の学習は全てパソコンやタブレットを使って先端技術で個別最適化すればいいというのは大問題だと言っています。さらに、集団での学びは、型から外れたような発想をする子がいて、そこからみんなが学ぶことで考えが深まるということがあります。個別最適化で効率よく学ぶだけでは、学ぶ過程が平板になり、深みがありません。  豊かな学びを実現するには、教師の充実した指導やそのための条件整備が必要ですが、中央教育審議会総会に報告されたこれからの小・中・高校などの教育の在り方に関する論点取りまとめにはそうした観点がない。また、学びへのモチベーション、意欲をどう引き出すかという観点もありません。そういった視点もありません。やる気のある子はどんどん進むけれども、そうでない子は幾らあなたに合った学習だと言われてもやる気にはならない、できる子だけがどんどん進み、格差が広がります。個別に効率的に学び、試験問題ができればいいというわけではありません。学ぶことの意味、公教育の意義を国民的に議論していくことが必要になっていると思いますと述べています。  教育長に伺います。子どもたちの豊かな学びの実現のため、集団での学びの重要性についてどう考えるか伺います。 ◎渡部 教育長 子ども一人一人が自分の興味、関心に応じて、それぞれに合った方法とペースで学びを進めることは、子どもの意欲につながり、個に応じた学びが実現できると考えます。その際に、ICTは子どもの学びの効果的なツールとして活用が期待できます。一方で、課題の解決に向けて、友達同士で考えを伝え合い、話し合いを深める協働的な学びは、子どもの学びを広げ深めるとともに、解決したときの喜びをともに味わえることや、子どもの自信を育むなどの効果が期待できます。  世田谷区では、探求的な学びの手引きを全教員に配付したところです。この学び方は個々の特性に応じた学び方であり、多様な人たちと協働しながら学ぶことであり、これらは切り離して考えることはできません。今後も、子どもたちがICTを文房具として使いこなし、友達とともに学ぶ楽しさを味わう教育を推進してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ありがとうございます。国が進めるDXは、子どもの成績や出欠の情報、健康情報など、個人情報を民間企業などが利活用できるようにすることが目的の一つとなっています。今回の運用開始予定の統合型校務支援システムでは、情報の利活用の範囲は限定的ですが、その運用については慎重に進めることを求めます。  最後に、図書館運営協議会について伺います。  区は、(仮称)図書館運営協議会を令和四年度から設置するとしています。昨年十二月十七日の常任委員会の報告では、協議会の構成員について、一、公募区民、二、学識経験者、三、区立小中学校の教職員、四、教育機関、区内高校、大学、特別支援学校など、五、おはなし会などボランティアの団体、六、民間事業者、出版社、生涯学習関連NPO法人など、七、区職員など図書館関係者を想定しているというふうに報告しています。  新宿区では、平成十一年に図書館の運営及び館のサービスに関して必要な検討を行うことを目的として、区立図書館運営協議会を設置しました。世田谷区と同様、図書館法に基づく図書館協議会とは異なる機関ですが、構成員は、図書館法に基づく図書館協議会の基準に準じています。この基準は、学校教育及び社会教育の関係者、家庭、教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者としています。  当区の場合は、図書館協議会の基準にはない民間事業者を加え、社会教育の関係者は除されています。図書館運営協議会では、区民目線で図書館の運営状況を評価検証などを行い、区民にとってよりよい図書館運営を目指すために協議をしていただくことが重要だと考えます。事業者からの意見が必要になるとは考えられません。また、ガバナンス機能を果たすとしておりますが、区の図書館政策に一定の影響力があるものと考えますが、そこに営利企業が入ることは違和感があります。図書館法に基づく図書館協議会の基準に準ずるべきと考えます。民間事業者を加える理由は何か、伺います。 ◎會田 中央図書館長 (仮称)図書館運営協議会は、図書館法が規定する協議会を参考に、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会からの報告書を踏まえて、図書館全般の運営状況の評価、検討などのガバナンス機能を果たす協議会として、令和四年七月設置に向けて準備を進めているところです。協議会の構成員には、区職員や教員以外に、今、委員お話しいただいたような構成を予定しているところでございます。  この構成につきましては、図書館法の基準よりも広く、幅広い知見を持つ方々に参画いただき、様々な視点から検討を重ね、ガバナンス機能を発揮できる体制が必要と考え、六の民間の知見も加わることも有用というふうに考えてございます。  委員お話しの社会教育関係者からの構成員についても地域連携を強化する視点から検討してまいります。図書館の評価検証、利用者目線の図書館運営、サービス計画への意見、提案などを生かし、知と学びと文化の情報拠点の実現を図ってまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 図書館運営協議会の構成員に営利目的の民間事業者が入ることのないよう要望いたします。  以上で日本共産党の質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十二分散会...