世田谷区議会 > 2022-03-15 >
令和 4年  3月 予算特別委員会-03月15日-05号

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  1. 世田谷区議会 2022-03-15
    令和 4年  3月 予算特別委員会-03月15日-05号


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    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  3月 予算特別委員会-03月15日-05号令和 4年  3月 予算特別委員会 令和四年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第五号 日 時  令和四年三月十五日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十三名) 委員長  菅沼つとむ 副委員長 平塚けいじ 副委員長 藤井まなな      阿久津 皇      石川ナオミ      おぎのけんじ      加藤たいき      宍戸三郎      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ      和田ひでとし      いたいひとし      岡本のぶ子
         河村みどり      佐藤ひろと      高橋昭彦      津上仁志      福田たえ美      いそだ久美子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      大庭正明      田中優子      ひえしま進      桃野芳文      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      金井えり子      高岡じゅん子      田中みち子      小泉たま子      つるみけんご      上川あや      ひうち優子      佐藤美樹      そのべせいや      神尾りさ      くりはら博之      青空こうじ  欠席委員(四名)      上島よしもり      河野俊弘      桜井純子      あべ力也  出席事務局職員          議事担当係長 長谷川桂一  出席説明員   副区長           中村哲也   世田谷総合支所 保健福祉センター所長           (生活支援課長事務取扱)                 土屋雅章           保健福祉課長                 白木裕二   北沢総合支所  保健福祉センター所長           (生活支援課長事務取扱)(健康づくり課長事務取扱)(保健相談課長事務取扱)                 安間信雄   玉川総合支所  保健福祉センター所長           (生活支援課長事務取扱)                 山本恵造   砧総合支所   保健福祉センター所長           (生活支援課長事務取扱)                 三羽忠嗣   烏山総合支所  保健福祉センター所長           (生活支援課長事務取扱)                 相馬正信   政策経営部   財政課長  五十嵐哲男   保健福祉政策部 部長    澁田景子           次長(保健福祉政策課長事務取扱)                 有馬秀人           地域包括ケア担当参事(保健福祉政策部長兼務)                 澁田景子           保健医療福祉推進課長                 小泉輝嘉           生活福祉課長                 工藤木綿子           臨時特別給付担当課長                 佐久間聡   高齢福祉部   部長    長岡光春           高齢福祉課長                 杉中寛之           介護保険課長                 瀬川卓良           介護予防・地域支援課長                 望月美貴   障害福祉部   部長    須藤剛志           障害施策推進課長                 太田一郎           障害保健福祉課長                 宮川善章   子ども・若者部 部長    柳澤純           子ども育成推進課長                 山本久美子           児童課長  須田健志           子ども家庭課長                 中西明子           児童相談支援課長                 木田良徳           若者支援担当課長(子ども育成推進課長兼務)                 山本久美子           子育て世帯特別給付金担当課長(子ども家庭課長兼務)                 中西明子   児童相談所   所長    土橋俊彦           副所長   河島貴子   保育部     部長    和田康子           保育課長  大澤正文           保育運営・整備支援課長                 志賀孝子   世田谷保健所  所長    辻佳織           副所長   馬場利至           健康企画課長
                    大谷周平           健康推進課長                 宮本千穂           感染症対策課長                 安岡圭子           地域保健課長(感染症対策課長兼務)                 安岡圭子           生活保健課長                 佐藤秀和           副参事   荒木義昭   住民接種担当部 部長    久末佳枝           住民接種調整担当課長                 寺西直樹           接種体制整備担当課長                 田村朋章     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和四年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和四年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和四年度世田谷区学校給食費会計予算福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日、欠席の届けがありますので、御報告いたします。  欠席者は、上島委員、河野委員、桜井委員、あべ委員でございます。以上でございます。  それでは、質疑に入ります。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 おはようございます。私から、まずHPVワクチンについて聞いてまいります。  これまで他会派からも、本会議等で質問、質疑が出ておりますけれども、HPVワクチンの対象者は、大体小学校六年生から高一相当ぐらいまでの女子が対象ということで、これまで積極的な勧奨の差し控えということが行われておりましたけれども、昨年十一月に政府は勧奨再開を決めたということがあります。  この勧奨の差し控えが行われていた期間に、この年齢、先ほど申し上げた接種対象年齢を過ぎてしまった方、こういった方がいらっしゃるわけですね。そういった方で、既に自費で打ったと。例えば勧奨再開が十一月に決まって、それ以降いち早く自費で打ったという方もいらっしゃると思います。こういった方に対して、例えば自費接種の方への費用助成、こういったことが私は必要なのではないかなと思っておりますけれども、世田谷区の考えを教えてください。 ◎安岡 感染症対策課長 国は、今月十一日の自治体向け説明会で、HPVワクチンの定期接種の機会を逃した方であって、既に自費で接種を受けた方に対して費用を償還する考えを示しており、その標準的な取扱いにつきましては、年度内に技術的な助言として示す予定としております。今後、国より示される取扱いを確認し、接種費用の償還払いについて具体的な方法や課題などについて精査した上で、都や医師会等関係機関と協議してまいります。 ◆桃野芳文 委員 これはしっかりやっていただきたいんですけれども、どのように実際に自分が支払ったということを証明していくかということが、多分打った方にすればあると思うんですね。例えば今、領収書を持っているとか、何かそういう証拠になるものを持っている方がいらっしゃると思いますので、今答弁のあった内容というのをしっかりと早めに発信して、領収書を持っているんだったら、例えば捨てないでくださいとか、そういったことは早めに発信をされて、助成を受けられる方がつつがなく受けられるように、早めに私はやっていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。これは要望です。  次に、生活保護世帯のケース記録について聞いていきます。  当然生活保護を受けられる方は、役所の窓口で様々相談をして、じゃ、生活保護でしばらくやりましょうということで話し合った上でそういった対応をされていくということになります。どういった話をしたか、どういった対応をしたかというのはしっかり記録に残していくということが当然のことでありますけれども、これは私がある区民の方から御相談を受けたんですけれども、自分が書類を見ると非常にずさんだと。自分の相談記録がきちっと整理されて残っていないんだということで御相談がありました。  私、その方が御自分で入手された資料も拝見させていただいたんですけれども、確かに非常に役所の記録として問題あるんじゃないかというものでした。それについて聞いてまいります。  こういうものなんですけれども、パネルに作ってまいりましたが、ちょっと簡易に作っていますけれども、例えばケース記録というのが書いてあって、電話連絡がありましたと。何日にこういうことについて電話連絡がありました、こちらからこういう対応しましたというようなことが書いてあります。この書類を作った更新日ですね。最終更新日が記載されていて、この内容について決裁した日というのも記載されている。こういう書類になるわけです。  これを見ていくと、例えばこういう書類がありましたということなんですけれども、十一月二十六日に何々について電話連絡がありましたということが書いてある。更新日は十一月二十六日なわけですね。最終更新日は。十一月二十六日に電話があったわけだから。その下に、十二月七日にこういう届けを受領したと書いてあるんです。だけれども、更新日は十一月二十六日のままなんですね。そして、決裁日が十二月二十日と。  何でこんなことが起こるのかと。まず一つに、これは電話連絡に対するケース記録ですから、こういうことが記載されていることが、一枚のところに、日付の違ったもので違う内容のものが記載されているということがすごく不自然なんです。それ以上に、最終更新日が十一月二十六日なのに、十二月七日にこういうことがありましたということが記載されている。なぜこんなことが起こるのか。こういうことは、こういう書類が存在することがおかしいんじゃないかと思いますけれども、区の見解を教えてください。 ◎三羽 砧総合支所保健福祉センター所長 ケース記録は公文書としての記録の側面があるとともに、ケースワーカーが教育や指導を受ける手段ともなっております。ケースワーカーが行った対応記録について文書で報告を受け、査察指導員と管理職が記録を読み込む中でよく吟味し、確認し、場合によっては訂正や補足の記述を求めることがあります。  更新日より後の日付の記事が記載されているという御指摘の事例は、当時の記録システムが更新日を自動取得する仕様となっておらず、時系列的に別のものをまとめて記入し、更新日も別の日を記載したものと考えられます。このような例では適宜修正を指示し、ケースワーカー指導を行う必要がございますが、そこまで確認が至らなかったものと考えられます。 ◆桃野芳文 委員 簡単に言うと、端的にちょっと答えていただきたいんですけれども、一枚にこういう日付の違うこと、なおかつ種類の違うことを記載するのは正しくない扱いなんですよねということを確認したいのが一点。  もう一点は、この更新の日付、今の答弁だと、当時は手動で入れるものだったということなんですけれども、仮に、これはよくないですけれども、こういう書き方をすれば、十二月七日と手動で書かなきゃいけないはずなのに、それをしていなかったということなんですよねということが二点目。  もう一点は、当時のということは、今はここが自動で入る、自動で入る仕組みに変わったというふうに捉えられるわけですけれども、自動で入ったものについてはもう書き換えられない。例えば十二月七日とここに自動で入ったんだけれども、それから自分が手動で十一月二十六日というふうに書き換えることはできないという仕組みになっているのか。  この三点、教えてください。 ◎三羽 砧総合支所保健福祉センター所長 まず、記録の件について、別の日付をやるというのは、後で読み手が混乱する要因となると思いますので望ましくなく、補整すべきかと考えます。  それから、この更新日、ケース記録が査察指導員の指導結果から補整されているということもありまして、現行のシステムでは決裁完了後も決裁を取り消すことにより修正が可能な仕様で、修正後のデータについては上書きされ、履歴等は残りません。 ◆桃野芳文 委員 結局、これは今の話だと、自動で一旦入った数字も後から手打ちで変えられるということですよね。だから、やっぱりそれは駄目ですよ、正しい記録が残りませんから。これまで、私、例えばDV支援措置のことなんかを取り上げてきましたけれども、そのときの教訓は、窓口でどういう対応をしたかということが争いになることもあるということですよ。説明したとか、いや説明は聞いてないとか、そういう説明はしていないとか、だから、やっぱり事ほどさように、こういう記録というのは大事なんですよ。何日にどういう話をしたのか。そして、ここの更新日が十一月二十六日のところに、十二月七日にこれをしたなんていうことが書いてあったら、後から何か取ってつけたんじゃないかと、そういうことだって疑われてしまうわけですよ。  なので、例えばこういうところ、日付なり中身を後から書き換えたときに、いつ誰が書き換えたのか、これしっかりと履歴として残るシステムにしておかなければ、私は意味がないと思うんです。かつては紙で文書を管理するということが基本になっていたのでそういう発想もないのかもしれませんけれども、今全てデータですから、きちんとどこをいつ誰が直したかというのを残すのは簡単なんですよ。それはしっかりやらなければいけないと思いますけれども、区の見解を教えてください。 ◎三羽 砧総合支所保健福祉センター所長 ケース記録は職員指導の手段であるとともに、ケース対応の客観的な資料として、不服申立て等があった場合の根拠資料となることが想定されています。ケース記録の作成に当たっては、ケース記録法については、平成二十九年度に内部検討を行う中、客観的な事実に基づく記録とすることを留意事項として整理しているところです。  御指摘の点も踏まえまして、客観的な資料としての信頼性向上の観点及び決裁後の修正については経過状況の記録を行うことを明確化するなど、記録法の改善の検討を行ってまいります。 ◆桃野芳文 委員 しっかりと記録が正しく残るように、役所がどういう仕事をしたのかが残るように改善していただきたいと思います。  次に、フェアスタートについて聞いていきます。  児童養護施設の退所者に対して奨学金等を寄附していくというフェアスタート事業ですけれども、私これまで、これについては議会で何度も取り上げてきました。そもそも平成二十八年の二月二十五日の一般質問、フェアスタートの施策が始まる前ですけれども、全然中身がきちんと練られてないじゃないかと、退所者をしっかり支援していくには、やっぱり在学中のキャッシュフローをしっかりと賄っていくのが大事なことで、奨学金を月に三万円渡したら大学に通えるというようなもんじゃないということも話しましたし、東京都はもっと優れた政策を入れることにもう決まっているから、ダブった施策をやる必要はないし、児童養護施設退所者は例えば東京都の施策でやってもらって、そういう対象にならない方で経済的な理由で進学できない方、これがこぼれ落ちちゃうわけだから、こういう方をしっかりとサポートしていくべきだと、こういったことも質問してきました。  昨年の十二月一日も一般質問をしまして、導入されてから、これは今考えてみても非常に問題がやっぱりあるということで、改めて取り上げました。  そのとき申し上げたのは、寄附金はたくさん積み上がっているわけですよ。累計でもう二億円ぐらいあるんですよ。青字が寄附金累計、この黄色いほうが給付金の累計。これだけしか使ってないんですよ。こんなにお金があるのに。だから、これは駄目ですよ。全然やっていないじゃないですか。  これをきちっとやらなきゃいけないんだということで取り上げたら、さきの福祉保健委員会で改善策というのが出てまいりました。二月一日の委員会の資料を見ても、寄附金額が積み上がっていて、給付実績というのが非常に少ないんだということもきちっと書いてあります。ここには、月三十万円ぐらいの奨学金だったのを、月五十万円ぐらいに上げますとか、パソコン費用を見ますとか、ちょっと今までの施策に毛の生えたような仕組みになっているんですよ。だけれども、それじゃ、無理ですよ。だって、こんなにお金あるんだから、ちょっと小手先でやったって。これを有効に使うという観点で言えばね。  なので、私は、これはもう根本的に改めるべきだと思いますよ。児童養護施設の退所者への給付金は、やってもスタートした初年度は十一人ぐらいでしたか。だけれども、今九人、八人、七人とかとどんどん減ってきているわけですよ。その人たちでこのお金を使うというのは、普通に考えてやっぱり無理というか、過剰に寄附金が積み上がっているわけですよ。なので、当初から申し上げたように、当然、進学したい人をサポートするというのはいいですよ、児童養護施設退所者のね。でも、それ以外の方だって困っている方がいっぱいいるわけですよ。それも区民がね。  このフェアスタートは、他区の児相の措置者も含んでいるんですよ。世田谷区と縁もゆかりのない人が世田谷児相に措置された場合も対象になるわけです。だけれども、今申し上げたように、世田谷区民で経済的な理由で進学できない人には届かないわけじゃないですか、この給付金は。そういったところでも矛盾をしているし、やっぱりより対象をしっかりと広げて、児童養護施設退所者にやるのはいいですよ。だけれども、それだけじゃないじゃないですか。経済的な理由で進学できない方は。だから、もうちょっと幅広く対象者を見てやっていくべきだと思います。改めてその意見を申し上げますけれども、区の見解を教えてください。 ◎木田 児童相談支援課長 給付型奨学金につきましては、大学等中退者の学び直しや自立に向けた多様なキャリア形成に対応するため、申請の年齢上限を引上げ、再申請も可能とするとともに、オンライン授業に対応するためのパソコン購入費用への対応、学業と生活の両立を支援するための就学継続支援費を新設するなど、対象者や対象経費の拡充を行ったところです。一方で、この間、学校等を中退する者などが多い実態があることも事実であり、経済的な支援だけでなく、個々の課題の克服に資する伴走型支援などが一層求められているものと受け止めております。  こうしたことから、現在基金に寄せられた寄附について最大限の活用を図るため、当事者、学識経験者等による検討委員会を立ち上げ、進学者以外の対象者等も広く対象に含めた自立に向けた相談支援体制の在り方などについても議論を進めているところです。  区民等の厚志が着実に退所者等の社会的自立に生かされるよう、検討委員会での議論も踏まえながら、給付型奨学金をはじめとしたフェアスタート事業の対象者や支援内容のさらなる拡充について検討してまいります。 ◆桃野芳文 委員 今の答弁の中に含まれるのかどうかというのは定かじゃありませんけれども、別に進学することだけが全てじゃないわけですよ。児童養護施設を退所して仕事をしようという方で、例えばダンプカーの免許を取ってこれで働こうとか、重機の運転免許を取って働こうとか、もしくは土木関係の資格を取ってよりいい仕事をしたいとか、そういう方もたくさんいるわけですよ。  だから、もしも児童養護施設の退所者を支援することが目的なんだったら、進学に偏るというのは変ですよ。やっぱりそれは自立に向けて、こういう資格が取りたいんだという方もサポートしていかなければ、何のためにやっているのか私は分からないと思いますよ。何か美しいことをやって、これでいいですよねみたいな曖昧なことで、区民の税金なり寄附金というのがこういう形で全く使われないで置いてあるというのは、私はこれは問題だと思いますので、早急に改めていただきたいと思います。  ひえしま委員に替わります。 ◆ひえしま進 委員 まず、保育園における事故対応についてお聞きします。  今年の一月五日、ある私立の認可保育園におきまして、子どもが口にやけどを負うという事故がありました。原因は、担任の先生がお茶の温度を確認し忘れたため、そのまま口にした園児が口の中をやけどして水疱ができたというものであります。保育園は保護者に説明したものの、謝罪がなかったことなどから不信を抱いて区の保健福祉サービス苦情審査会に申し立てたということでありますが、この件を区はどのように把握していますか。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 令和四年一月五日の水分補給時に園児がお茶を飲み、高温だったため口内にやけどを負い、病院を受診いたしました。この件に関して、翌日一月六日に、園の対応について保護者から区へ相談がありました。区では、一月十二日に保育園に対して事故報告書の提出を求めるとともに、事故の経過について丁寧に保護者に説明するよう指導を行いました。一月二十五日には、区の保健福祉サービス苦情審査会事務局に保護者から相談がありました。 ◆ひえしま進 委員 保護者は事故の翌六日に区へこの件を電話で伝えたということですが、園から区へ事故の第一報があったのは何日のことでしょうか。事故が起きた場合は報告書を作成することになっているはずなんですけれども、園から事故報告書が区へ提出されたのはいつか、一連の経過を報告してください。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 保育園から区に対して事故概要の電話連絡があったのは一月二十五日です。翌二十六日に事故報告書の提出があり、事故報告書を基に事故の経緯に加え、給食室の温度確認、保育者による試飲を徹底していることなどの再発防止策について、園長に電話で確認しました。 ◆ひえしま進 委員 事故が起きてから報告書が提出されるまで、実に三週間もかかっているわけであります。これはあまりにも危機管理がなっていないと言わざるを得ません。  この保育園が、これほど時間がかかった理由は何か説明してください。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 この時期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により仕事を休む保育士も多く、園内部で事故内容の確認に時間がかかったこと及び区も数日間のうちに事故報告書が届くのではないかという受身の姿勢であったことが、まず反省点でございます。結果として、対応に時間がかかるきっかけとなってしまいました。 ◆ひえしま進 委員 コロナ禍で休園したり、保育士の人員が足りなくなるなどの様々な理由はあるにせよ、安全確認や事故報告がないがしろにされてよいということにはならないわけですね。こういう状況だからこそ、なお一層気を引き締めて注意を怠らないようにすべきでありますが、区はこの保育園に対してどのような指導をしたんでしょうか。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 一月二十六日に園が提出した事故報告書において、事故が発生した要因分析などが不十分であったため、二月十日に園長に対して、本件の事故の検証を行うよう指導いたしました。二月二十四日に園に対して、本事故に対する検証の取組状況を確認しましたが、進捗していないことから、保育運営支援専門員が保育園を訪問するなどして、検証方法の指導助言を行いました。  本件については、園の事故後の対応に不十分な点が多く、また区の対応についても、新型コロナウイルス感染症の感染が急激に拡大した時期と重なっている部分はあるとはいえ、時間がかかり過ぎていました。  園に対して、事故が起こったときの報告手順を改めて周知徹底するとともに、区の対応についても仕組みを改善し、スピード感を持って取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 この園のみならず、保育園の事故対応に関して不信を抱く保護者の方が少なくないようであります。私のもとにも何件か実際に相談があります。  ここでお聞きしますが、年間、保育施設からどのくらいの事故報告がありますか。 ◎大澤 保育課長 昨年度は、認証保育所や認可外保育施設も含めまして二千二百八十一件、今年度は、この二月末現在で二千九十二件でございます。 ◆ひえしま進 委員 大体年間二千件以上あるということですが、小さい子どものことですので、内容は多岐にわたると思います。病院を受診する判断基準を教えてください。 ◎大澤 保育課長 顔や首から上のけがや、頭、歯、目などにつきましては、園に対しまして、医療機関を受診させるなど慎重な対応を行うよう指導しております。そのほかのけが等につきましても、園で判断に迷った場合には医療機関の受診を勧めております。また、受診に悩んでいる場合は、保育課に配属の看護師が相談に応じており、指導助言を行っております。 ◆ひえしま進 委員 では、事故報告書を作成しなければならないとする基準はどうなっているかということと、また提出期限はどうなっているのか、併せてお答えください。 ◎大澤 保育課長 区では保育施設の事故につきましては、認証保育所や保育室等も含めて、事故により医療機関を受診したものや、置き去り、誤食等につきましては園からの報告を求めております。また、認証保育所や保育室以外の認可外保育施設につきましても、国の通知に基づき、治療を要する期間が三十日以上のものなどにつきましては報告を求めております。  区への事故報告につきましては、事故が発生した日に電話等での報告を求めるとともに、その後、事故の発生状況や応急処置、原因、問題点、改善策など、施設での再発防止策を検討した上で、事故発生から一週間後をめどに事故報告書の提出を求めているところでございます。 ◆ひえしま進 委員 私の子どもも、保育園で階段から落ちて頭を強く打ったということがありましたけれども、園のほうですぐに受診してもらって、素早く電話で報告をしてくれました。また、迎えに行ったときも詳しい説明がありまして、謝罪もあったわけであります。問題となった保育園のように、中には基本的な保護者との信頼関係が築けていない園もあるんじゃないかと心配しています。区には園からの相談にも親身に乗っていただくよう要望し、次の質問に移ります。  五歳から十一歳の子どもへのワクチン接種についてお聞きします。  世田谷区でも接種券が送付され、予約受付がスタートしましたけれども、対象者の数と現在の状況を教えてください。 ◎田村 接種体制整備担当課長 小児接種は、今月三月三日に区内の五歳から十一歳の対象者約五万三千名弱に接種券を送付しているところです。集団接種会場での接種は八日から一斉に予約受付を開始し、先週の土曜日十二日から区内三会場にて開始いたしましたが、大きな問題等はございませんでした。現在の予約状況は四月中旬までに約四千人が二回接種できる予約枠を設定しましたが、全て埋まっている状態でございます。また、今週末からは区内の病院や診療所において、準備ができた医療機関から個別接種が始まる予定です。 ◆ひえしま進 委員 私のもとに保護者の方から、接種すべきか否かと悩んでいるとの声が多数届いておりますので、区には、まず正確で丁寧な情報提供に努めるよう要望しておきます。  確認しますが、世田谷区の十一歳までの新型コロナ感染者数は何人でしょうか。また、そのうち亡くなられた方はいるのかということと、オミクロン株の重症化率が分かれば教えてください。 ◎安岡 感染症対策課長 十一歳までの陽性者数は、三月十三日時点で一万七百五十四人でございます。死亡者ですが、十一歳までの子どもにおいて、区内で亡くなった事例はございません。オミクロン株の小児の重症化率につきましては、区内での人工呼吸器やエクモの利用者はいない状況でございます。 ◆ひえしま進 委員 今答弁にありましたとおり、小児で亡くなった人というのはいないわけでありまして、重症化もしにくいわけであります。こういう状況にある中で、区は小児に接種する意義をどう考えていますか。 ◎田村 接種体制整備担当課長 国は小児における新型コロナ感染症について、中等症や重症例の割合は少ないものの、オミクロン株の流行に伴い新規感染者が増加する中で、重症に至る症例数が増加傾向にあること、また感染者全体に占める小児の割合が増えていることなどを踏まえ、小児へのワクチンの接種を行うことを決定しました。特に基礎疾患等重症化のリスクの高い小児に接種機会を提供することが望ましいとされており、区は国のこうした方針を踏まえ、お子さんへ接種を希望する保護者や接種を受けることを希望するお子さん自身が速やかに接種を受けられるよう、必要な体制を整備いたしました。 ◆ひえしま進 委員 基礎疾患がある方や重症化リスクが高い小児については接種するベネフィットはあると思います。これは大前提ですね。しかし、オミクロン株について、成人についてのデータが出始めているようなんですけれども、小児の感染予防効果とか重症化予防効果の知見はないわけです。ですから、小児から高齢者などの同居家族に感染を広げないために接種するというのは、やっぱり理屈にすぎなくて、また期待にすぎないわけであります。  そして、ワクチンの副反応についてですが、厚労省の審議会で心膜炎、心筋炎というのが認められていまして、当然なんですけれども、これもしばらくは分からなかったことで、今後もどういう形で副反応が出るのか予測できないわけであります。WHOは健康な十二歳未満の接種を必ずしも推奨はしていません。要するに、小児に関するワクチン接種は今のところ不確実な事柄が多いので慎重であるべきというのが私の意見ですが、保健所長の見解はいかがでしょうか。
    ◎辻 世田谷保健所長 新型コロナウイルスワクチンは十二歳以上は接種勧奨と努力義務の規定が適用されますが、五歳から十一歳の小児接種につきましては、接種数が多くないため、小児のオミクロン株に対する感染予防効果や有効性のエビデンスが十分でなく、現時点では予防接種上の努力義務が課されておりません。そのため接種の対象となる御本人やその保護者が接種のリスクとベネフィットを勘案し、かかりつけ医にも相談しつつ、接種について御判断されることが基本となります。  小児接種に関する情報は、今後、接種の進展や海外の実績などを踏まえ、新たな知見が随時示されるものと考えており、こうした情報を正確かつ速やかに区民にお知らせし、接種の判断材料としていただくことが重要です。国は重症化リスクの高いお子さんには接種の機会を提供することが望ましいとしており、早期に接種を受けたい方も一定数いることが想定されます。  区は、接種を希望する方、希望しない方の双方の意向を尊重し、小児接種の体制整備や情報提供など、必要な取組を行う必要があると考えております。 ◆ひえしま進 委員 今答弁の中にもありましたが、小児の接種は、日本維新の会の強い申入れもありまして、努力義務の規定が外れました。HPVワクチンなどとは違って、積極的勧奨ではないとの理解でよろしいですね。 ◎田村 接種体制整備担当課長 先ほど御答弁を差し上げましたけれども、コロナワクチンの小児接種につきましては、接種勧奨の規定は適用されるが努力義務が課されておりません。一方で、HPVワクチンには、接種勧奨と努力義務の両方が課せられている点で、国の取扱いが異なっているものと認識しております。 ◆ひえしま進 委員 つまり小児への接種は、HPVワクチンのような積極的勧奨ということではないんですよね。あくまで扱いの最終判断は自治体に任せられているわけでありまして、泉大津市のように接種券の一括送付を行っていないという自治体もあります。世田谷区も、何でも国の言いなりになるんじゃなくて、必要なときには主体的に判断をしていただきたいということと、今お答えになったように最新の情報提供を速やかに行っていただくよう要望します。  ちょっと時間がないですが、最後に、新型コロナの検査体制について伺います。  まず、抗原定性検査キットの配布についてなんですが、駅頭などで実施された四万キットのばらまきの失策については、さきの一般質問で厳しく指摘しましたし、他会派からも疑問の声が上がっておりますので繰り返しませんが、ここでは三月一日からスタートした区内二百二十か所の薬局を通じた九万キットの配布状況を聞きたいと思います。 ◎小泉 保健医療福祉推進課長 今お話しのとおり、三月一日から区内薬剤師会を通じまして、会員薬局二百二十か所で配布を始めております。開始当初は、コールセンター等に配布場所がどこかということで問合せが多く寄せられましたが、最近では徐々にその傾向もなくなって落ち着いている状況でございます。大きな混乱もなく順調に配布できているものと認識してございます。引き続き、薬剤師会の皆様と連携を密にしながら、事業実施を努めてまいります。 ◆ひえしま進 委員 続きは補充で行います。終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  私からは、高齢者への補聴器購入費への助成を求め伺います。  この間、多くの区民から、聞こえの問題を抱えている、しかし補聴器は高過ぎて買えない、何とかしてほしいなどの声が多数寄せられています。高齢者ニーズの調査を見ますと、全体の三割が聞こえに支障があると回答し、要介護を受けていないが、総合事業対象者では五割が支障があると答えています。認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランでも、難聴等が認知症の危険因子とされております。この間、コロナの影響により認知症予防やフレイル予防の重要性がさらに増しています。  二十三区の状況を見ましても、今ここに示しているのが、黄色い部分が実施区で、白いところが未実施です。荒川区は来年度中に実施ということです。ここも含めますと、実施しているのが十四区、未実施は残り七区となります。その中でも、台東区は令和五年度に実施を検討中ということですので、今の状況で十四区が実施している中で、約二十三区の七割が補聴器購入費助成をやっている、あるいはやろうとしているということです。  コロナの影響によって、認知症予防やフレイル予防の重要性がさらに増している中、当区でも早期実施に向けて積極的に取り組むべきではないでしょうか、見解を伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 高齢者にとって、周囲とのコミュニケーションの確保を図るという意味から、聴覚に関するバリアフリーを進め、日常生活の質を高める上で補聴器を使用することは重要であると認識しております。補聴器購入費の助成は、高齢者の自立した生活のため、加齢により聴覚機能が低下した方に対する支援として、ニーズの把握や他自治体での取組状況等を踏まえて、区民間の公平性や制度の持続可能性など、多角的な視点も考慮しながら検討していく必要があります。  来年度、令和六年度から八年度の三年間を計画期間とする第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けた高齢者ニーズ調査の実施を予定しており、当調査において補聴器購入費の助成に関するニーズの把握に努めてまいります。さらに、来年度後半から、第九期高齢・介護計画について、世田谷区地域保健福祉審議会の高齢者福祉・介護保険部会において審議することとなりますので、補聴器購入費の助成についてニーズを把握した上で、高齢者福祉サービスの一つとしてその必要性等について議論を進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 残り七区となります。早期の実施が求められているというふうに思います。令和五年度からの実施を求めます。  次に、制度設計について伺います。港区では、購入後の調整を継続的に行うことをセットにした制度になっております。さらに、購入後五年以上たっていれば、買替えの際の再申請を可能としています。つまり、補聴器は買っただけでは役に立たず、認定補聴器技能士などが行う補聴器の調整と、脳が補聴器の音を聞き取れるようにするトレーニングを一体に行うことなしには言葉が聞き取れるようにはならないということや、補聴器の寿命は五年から六年と言われており、補聴器購入費への助成が一回だけでは十分ではないことなどを踏まえた制度設計になっています。港区は、制度設計の際には専門家などに聞き取りをしていると伺っています。  当区においても、制度設計の際には補聴器の専門家や医師などに意見を聞くことが必要です。見解を伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 区では、世田谷区立保健センターにおいて、言語聴覚士による聞こえや補聴器に関する相談や検査、情報提供等のほか、聞こえに関する相談会の開催、あんしんすこやかセンターからの依頼による講演等により、難聴者の支援や、聞こえと補聴器の正しい知識の普及に努めているところです。  補聴器購入費の助成については、先ほど答弁させていただいたとおり、高齢者福祉・介護保険部会においてその必要性等を議論していくこととなります。議論に当たっては、補聴器購入費の助成の是非だけではなく、加齢により聴覚機能が低下した方に対する支援の在り方について、先行自治体の実施状況も踏まえた上で、医師や言語聴覚士等の聞こえに関する専門的な見地からの意見を求める機会を持つことも検討いたします。 ◆たかじょう訓子 委員 今後、高齢者福祉・介護保険部会に耳鼻咽喉科の医師に入っていただくことも含めて検討していただきたいというふうに思います。また、現状補聴器をお持ちの方でも、よく聞こえないといってタンスの肥やしとなっている方もおられます。購入後の調整を行うフィッティングとトレーニングが必要だということを、ぜひ周知していただく、お知らせしていただくことも重要と考えますので、ぜひ充実させていただきたいというふうに思っております。  私からの質問は終わって、交代いたします。 ◆中里光夫 委員 それでは、私からは新BOP学童クラブについて質問します。  区は、新BOP学童クラブの大規模化、狭隘化の解消は喫緊の課題だとして、普通教室の活用と外部に民間学童クラブを誘致する方針を出しました。民間学童の誘致は一年間延期し、その間に保護者や関係者の議論をするとなっています。一方、狭隘化は看過できない喫緊の課題だとして、登録児童数が二百人を超えた五校程度から、一校当たり二教室の普通教室を活用すると、可能なところから早急に取り組むとしていますが、進捗状況はどうでしょうか。  教育委員会の担当に聞きますと、普通教室以外の使用できる場所で調整しているなどと言っていますが、これで必要な場所は確保できるのか、教育委員会任せにせずに、区長部局として責任を持って進めるべきと考えますがいかがでしょうか。 ◎須田 児童課長 区では、新BOP学童クラブの狭隘化、大規模化の解消等のため、学校外に放課後児童健全育成事業者を誘導する方向で進めてまいりましたが、運営の質の確保など、さらなる検討を進めるため、喫緊の課題解決に向けた取組の進め方を一部見直しまして、一年間実施を先延ばしいたしました。  それまでの間、区では新BOP学童クラブの大規模化、狭隘化を解消し、子どもたちの過ごす環境を少しでも改善させるため、普通教室の活用などできるところから取り組むこととしております。現在、教育委員会事務局におきまして、四月以降の普通教室の利用に向けて調整してございまして、一部小学校でそのための設備面の改善を進めているところでございます。  子ども・若者部としましても、特に大規模校について、狭隘化解消のため普通教室の利用に加え、学校施設をより有効に活用できるよう、必要に応じて子どもたちの活動場所の工夫など環境改善に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 教育委員会任せにしては進まないと思うんです。担当に幾ら聞いても、具体的なことが何にも出てこない。やはりこれは、学童に責任を持つ区長部局が個別具体にどうなっているのか詰めていく必要もあると思います。副区長、いかがでしょうか。 ◎中村 副区長 普通教室の活用につきましては、教育長にも直接依頼して具体的に進めているところです。可能なところから始めまして、課題などがあれば随時改善して、普通教室を活用できる学校を広げていきたいと考えています。 ◆中里光夫 委員 ぜひしっかりと個別具体に詰めて進める必要があると思います。子どもの安全を確保し、一人一人に目が行き届くには、職員配置を充実する必要があります。大規模化が進む中で、従来の職員配置基準は百三十三人以上の規定がありません。二百五十人と、その二倍近くの規模に達するクラブもある中で、特に正規職員については九十五人以上は二人、これでもう頭打ちです。正規職員の配置、こういったものもきちんと増やすべきですが、見解を伺います。 ◎須田 児童課長 新BOP学童クラブでは、共稼ぎ家庭の増加など、保護者の働き方の変化などにより年々登録児童数が増加しておりまして、職員が子ども一人一人と関わる時間が少なくなるなどの課題が生じてございます。現在、新BOP学童クラブの運営につきましては、事務局長、常勤職員の児童指導のほか、日数や時間の異なる指導員、プレイングパートナーとなどを組み合わせて、安全安心な運営に向けて取り組んでいるところでございます。  大規模化の進展が収まらない中、民間事業者の学校外での活用なども視野に入れて取り組んでおりますが、今後は策定中の世田谷区放課後児童健全育成事業者の運営基準に準拠いたしまして、子どもたちが放課後を過ごす場所がよりよい環境となるよう、これまで以上に活動の場や人員の確保に努めるとともに、常勤職員や会計年度任用職員を含めた適正な人員配置について検討してまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 人の配置、しっかり進めてください。新BOP学童クラブは直営が基本です。民間学童クラブで、職員の入れ替わりが激しいことなどが問題になっています。渋谷区では、二〇〇八年に学童保育を廃止し、全児童対象の放課後クラブという事業に転換し、営利企業などに委託し実施しています。指導員は派遣会社などが集め、突然辞めたり、年度途中の配置転換も多いと。経験が少ない人も多く、事故の連絡が適切にできなかったり、子どもの気持ちや体調に寄り添った保育が行われていない、行きたがらない子どもが増えている、こんな指摘もされています。企業は利益を求め、人件費を抑える。低賃金、不安定な雇用となって、職員の専門性も育たないなどの問題がよく起こります。  一月に行われた区民団体のシンポジウムで、関係者の方の発言が印象的でした。学童の職員は、子どもの様子に気を配り、適切な対応をする専門性が求められるんだと。子どもたちの交流の中で学びや育ちを獲得している、子どもたちにとって安心できる居場所となっている、配慮を要する子どもの見守りや関係機関との連携も学童クラブの重要な役割だ。経験を積んだベテランの職員の存在がとても重要だと、直営で続けてきたからこそ、世田谷の職員にはこうした専門性も備わっているし、今後も直営を続けることが重要だと。  指導員の専門性、区の職員が長年蓄積してきた経験やノウハウについて、区はどのような認識か伺います。 ◎須田 児童課長 新BOP学童クラブでは、職員がこれまでも遊びを通して子どもたちと関わる中から、子どもたち一人一人の状況を観察しまして、必要な支援等を行っております。また、配慮の必要な子どもについても積極的に受け入れてございます。  学童クラブの職務に従事する常勤職員は、主に児童指導員や保育士の資格を有する学童保育に精通した福祉職を配置しておりまして、そのほかの会計年度任用職員を含め、東京都放課後児童支援員認定資格研修を受講させているほか、都の支援員資質向上研修など必要な知識及び技術の習得並びに課題や事例を共有するための研修を受講することによりまして、資質の向上を図っているところでございます。  これまでも、区の職員につきましては、長年蓄積してまいりました経験やノウハウを、ベテラン職員から若手職員に引き継いで、子どもとの適切な関わり方を習得するとともに、家庭との面談を行うなど、子どもや家庭の状況把握に努めているところでございます。  また、ソーシャルワークについてスキルアップの機会を設けるなど、支援の必要な児童や家庭について、他の所管や専門機関と連携をしていくための取組も進めているところでございます。  区としましては、小学校内に運営する新BOPについては、引き続き公設公営で運営し、区の職員が培ってきた経験やノウハウを生かしながら、児童館や子ども家庭支援センターとも連携しながら、セーフティーネットの役割を果たしていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 こうした経験やノウハウ、専門性というのは本当大事だと思います。しっかりと守っていただきたいと思います。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。  総合事業は、平成二十六年の法改正で、介護保険の給付費削減などを目的に要支援一、二の方の訪問通所サービスを介護保険給付から外し、自治体が担う総合事業に移しました。総合事業には主に二種類あります。一つは、緩和型の住民主体サービスなど主に無資格の地域ボランティアが担い手となった地域デイ、二つは介護事業者による従前相当サービス。  国の調査で、多様なサービス、新しいサービスは訪問型で三二%、通所型で二五%にとどまり、大半は従前相当サービスが利用されているという実態です。国は、要介護一、二も総合事業に移し、介護保険給付から外すという動きをしました。そのとき、国は世田谷区の事例を持ち出して根拠にしました。  しかし、二〇二〇年九月の議会で、世田谷区にそのような意図はないということを区長は明言しています。その年の十月、省令改正が行われ、総合事業を利用していた要支援者が本人希望と市区町村判断で、要介護認定後も総合事業を行えるという要件緩和が行われました。十一月に区内介護関係者のシンポジウムが開かれました。この省令改正に対して、要介護の介護給付外しにつながるんじゃないか、住民ボランティアによる要介護者への介護はリスクがある、ボランティアの善意が介護給付削減の動きに利用されているんじゃないか、こういう多くの意見が出されています。  十一月の議会で、我が党の八期の導入は拙速であり見送るべきだとの求めに対し、区は、地域デイサービスの利用者や運営団体などから現場の実態を把握し、議会などの意見も伺いながら、区の方針を検討すると答弁しました。ところが区は、四月に要介護者を総合事業の対象とすることを表明し、介護関係者からは、説明がないまま区は導入しているという声が上がっています。  また、地域デイはボランティア団体が実施します。要介護となった利用者が常に見守りが必要だとか、身体介護が必要など従来専門職でなければできなかった介護をボランティアに行わせることになるんじゃないか。ボランティアが身体介護など、従来専門職でなければできなかった介護を行うようなことはないのかどうか、区の見解を伺います。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 総合事業の対象者弾力化により、地域デイサービスの新たな補助対象者となる継続利用要介護者は、国のガイドラインにより次の要件となります。  一つ目、令和三年四月一日以降、介護認定による介護給付サービスを受ける前から継続して地域デイサービスを利用していること。二つ目、地域デイサービスの団体が引き続き利用を受け入れること。三つ目、利用者本人の希望に基づき、ケアマネジャーがその利用の適切性を判断し、ケアプランに位置づけること。この三つとなります。  地域デイサービスは、地域住民やNPO法人が運営する週一回三時間程度の定期的な通いの場で、食事や心身状態のフレイル予防を目的とした体操などの軽運動やレクリエーションなどを行っており、サービス提供はボランティアが担っているため、身体介護を前提としておりません。  今回の制度改正では要支援者または事業対象者として地域デイサービスを利用していた方が、要介護認定による介護給付のサービスを受けた後も継続して地域デイサービスを利用するものでございます。このため、要介護者が従来の対象者である要支援者または事業対象者と同様に、身体介護のないボランティアによるサービスであっても、その方の自立支援につながるかどうかは、本人や家族の希望を踏まえた上で、ケアマネジャーがケアマネジメントの中で判断することになります。いずれにいたしましても、介護のルールを変えるものではございません。 ◆中里光夫 委員 ボランティアが身体介護は行わない、ケアマネジャーが判断するという話ですけれども、実際の運用でそういかない場面が出てくるんじゃないかと。例えば目の前で何か起こったときに手を出せないということにはならないんじゃないかと。現場ではそういう心配がたくさんあるということです。本当に大丈夫なのかという疑問にしっかりと説明できるのか、ここを問われていると思います。  次に、ボランティアに身体介護をさせないという保障はあるんでしょうか。区の責任や区の判断というのはあるんでしょうか。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 繰り返しになりますが、地域デイサービスは身体介護が必要な方を想定としたサービスではございません。団体の受入れ意向とともに、要介護者が身体介護のないボランティアによるサービスであっても、その方の自立支援につながるかどうかを本人や家族の希望を踏まえた上で、ケアマネジャーがケアマネジメントの中で判断することになります。  区は、国の総合事業のガイドラインに記載された市町村の役割を踏まえ、地域デイサービス団体に対する研修機会の提供などを通じて支援してまいります。 ◆中里光夫 委員 結局、区は研修機会の提供などと、判断は現場に任せるということですけれども、ボランティアに身体介護させない保障は本当に不確かなものだというふうに思います。地域デイを行っていない介護事業所も、介護制度に関わる問題として関心を寄せている、そういう人たちが説明がないと怒っているんです。広く区民、介護関係者に説明の場を設けることを求めます。いかがでしょうか。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 今回の総合事業の弾力化に当たって、区は、制度改正の内容を精査した上で議会から御意見を伺うとともに、当事者となる地域デイサービス団体や居宅介護支援事業所、あんしんすこやかセンターに対してアンケートや説明会などを通じて、制度改正の趣旨等を説明し、御意見を伺いながら、令和四年四月一日に対応を開始することとし、準備を進めております。三月の下旬には、あんしんすこやかセンターへの説明やホームページの掲載を行うなど丁寧に説明、周知を行ってまいります。今後も必要に応じて関係者に対して説明し、周知してまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 関係者に対する説明をするということですが、これは本当にしっかりとやっていただかなきゃいけないと思います。  それから、要介護の人もボランティアに委ねるという、これは規制緩和です。利用者の安全や介護の質の低下につながりかねない問題です。命に関わる問題、今後区としても実態を把握し、必要な対応をしていくべきと思いますが、部長いかがでしょうか。 ◎長岡 高齢福祉部長 先ほど課長から答弁申し上げたとおり、当事者となる地域デイサービスの団体等に意見を聞きながら、四月から開始するということで準備を進めております。  ただ、今、委員おっしゃられたとおり、実際に実施していく中で危険なことがないように、実態を見ながら、状況に応じて対応してまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 しっかりと実態を見て対応していただきたいと思います。  最後に、手話言語条例について伺います。区は、障害理解の促進や障害者の差別解消、情報コミュニケーション等に関する条例を検討していますが、手話言語条例を別立てとすることを求めて質問します。  手話言語条例には二つの役割があると思います。一つは、手話が言語であることの理解を広げるということです。手話が言語であるということは、障害者権利条約や障害者基本法に明記されていますが、日本語は音声で伝えることを基本とした言語、これに対して、手話は体の動きや顔の表情が語彙であるとか文法だというふうに言われています。生まれつき聞こえない人にとって、音声を基にした日本語の習得は特別の努力を必要とすると。音声の言語と手話は別の言語だと。聴覚障害者の方からは、生まれつき聞こえない人は筆談や字幕が理解しづらいという人もいる、大阪府が乳幼児向けの手話教室を開いている、聴覚障害者にとっての母語となる手話を幼少期から習うことで思考力の発達にもよい影響が期待できる、こういう話を聞きました。  第二に、手話を使用する人に社会的障壁のない社会をつくるということです。過去、聾学校で手話が禁止され、社会では手話を使うことが差別された歴史があります。社会的障壁のない社会に、聴覚障害者の皆さんは五つの権利を求めています。手話を身につける権利、手話を使った学習をする権利、手話を教科として学べること、そして手話を自由に使え社会参加できるように手話通訳者などを増やすこと、そして言語としての調査研究です。  言語としての手話について、区の認識はいかがでしょうか。 ◎太田 障害施策推進課長 平成十八年に国連総会で採択され、日本も批准している障害者権利条約では、言語は音声言語及び手話、その他の形態の非音声言語と定義され、手話は言語として国際的にも認知されているものと認識してございます。聴覚障害者団体や当事者の方からは、独自の語彙や文法体系を持つ言語としての手話は、聾者の方にとって大切なアイデンティティーであると伺っており、手話は情報の取得とコミュニケーションの手段として重要な役割を担っていると考えてございます。  こうしたことからも、区としては、手話は音声言語と同じ言語であり、その理解を深め、手話を普及し、手話を使用できる環境を整備していくことが重要であると認識してございます。 ◆中里光夫 委員 別立てとするべきです。いかがですか。 ◎太田 障害施策推進課長 今後、条例素案の取りまとめに当たりましては、当事者等の方から御意見を伺いながら、手話言語条例を別立てとするかについても整理してまいります。 ◆中里光夫 委員 終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時五十七分休憩    ──────────────────     午前十一時十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆金井えり子 委員 福祉保健所管の生活者ネットワークの質問を始めます。  先日、区民の方々とうめとぴあを見学しました。この施設ができてもう二年もたちますし、健康診断などで利用しているので当たり前のように思っていましたが、一緒に見学した区民の方の中には、初めて足を運んだという方もいました。うめとぴあと保健センターとどう違うのと聞かれたこともありました。見学に一緒に行った方からは、何だかがらんとしていてもったいないわねなんていう御意見もありました。コロナ禍だからでしょうか、人も少なかったように感じました。  区民が利用できる会議室などもあり、一階のカフェはオープンで居心地もよい空間となっています。うめとぴあがもっと区民に利用されるよう、区民へ丁寧な説明をし、周知すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎小泉 保健医療福祉推進課長 うめとぴあでございますが、区立の複合施設でございます保健医療福祉総合プラザ、世田谷区医師会、それと隣にございますが、民間施設棟の東京リハビリテーションセンター世田谷で構成する区の保健医療福祉の拠点の愛称でございます。  この保健医療福祉総合プラザの中には、区立保健センター、福祉人材育成・研修センター、認知症在宅生活サポートセンター、初期救急診療所、休日夜間薬局が入ってございます。現在うめとぴあ内の各施設で構成する運営協議会などにおきまして、拠点としての取組に関する意見交換や情報共有を図りながら、各施設との連携事業や地域、関係団体との交流促進などの事業展開を進め、しかも、また現在はここでワクチン接種の会場としても活用しているところでございます。  このうめとぴあは、令和二年四月に稼働して以降、先般御承知のように、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、参加人数を抑えながらの事業を実施しているところでございますが、この間、情報紙うめとぴあ通信ですとか、保健医療福祉総合プラザのホームページなど、様々な媒体を活用しながら多くの方々に認知いただけるよう、努力を引き続きさせていただきたいと思います。 ◆金井えり子 委員 改めて、うめとぴあについて今御紹介いただきましたけれども、区民の方、なかなか知らない方が多いということが分かりましたので、ぜひ周知を広めていただきたいと思います。  そして、このうめとぴあの保健医療福祉総合プラザのがん相談とか、それから障害者専門相談など、本当に大変充実しているなと思いました。殊に、がん相談ができるお部屋には様々な図書もあり、少し奥まったスペース、本当に落ち着いた安心できる空間となっていると思いました。  そのような中、精神疾患のある方への相談支援が同じ部屋で行われているということが表立って書かれていません。何となく隠されているようにすら感じました。障害のある方への支援は様々進んでいますが、精神疾患のある方への支援はなかなかないと聞きます。保健医療福祉総合プラザでは、精神障害のある方々に対し、どのような支援を行っているのでしょうか。現状と今後について伺います。 ◎宮本 健康推進課長 保健医療福祉総合プラザの開設に合わせ、区は保健センターに、こころとからだの保健室ポルタを設置し、心の健康に関する情報コーナーの運営や予約不要の思春期、青年期向けの相談事業を行うなど、敷居の低い相談の入り口としています。また、平日夜間、休日のこころの電話相談では、専門相談員や精神疾患を経験のピア相談員が対応するほか、ピア相談員の養成も行っています。また、統合失調症等をはじめとした精神疾患の理解促進に関する講演会を開催しています。さらに、一階のカフェスペースでは、精神障害のある方も参加いただき、ここからカフェを月一回開催し、区民が気軽に立ち寄り、心の健康づくりを身近に感じていただく場を設けています。  引き続き、区民の心の健康や精神障害への理解促進を図る機会を設けるとともに、地域社会全体で心の健康づくりへの意識を高められるよう取り組んでいきます。 ◆金井えり子 委員 引き続きお願いしたいと思います。  そして、この保健医療福祉総合プラザには、福祉人材育成・研修センターがあります。福祉の人材不足、本当に社会的な大きな問題です。多様なニーズに合わせたサポートを求められる福祉現場、人材育成や研修は本当に重要です。この研修センターでの人材育成、どのように進められているのか伺います。 ◎小泉 保健医療福祉推進課長 区では、世田谷区社会福祉事業団に福祉人材育成・研修センター事業を委託し、高齢、障害、子ども・子育て、保健医療など様々な福祉の人材育成に取り組んでおります。この福祉人材育成・研修センターでは、令和二年度より保健医療福祉総合プラザ内に開設いたしまして、関係各部の研修事業など集約することで得られるメリットを生かした事業実施を進めております。  しかしながら、先ほども御答弁申し上げましたが、この新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、集合研修の実施が困難となったことですとか、各研修室が現在ワクチンの接種会場で使用されていることから、研修の手法を動画配信型の研修ですとか、ズームなどを使ったリモート型の研修に切り替えるなど、新たな手法に積極的に取り組んでいるところでございます。  このようなコロナ禍の状況におきましても一定の成果を上げておりまして、今後も多様化する福祉ニーズに対応できる人材育成の拠点として活用できるよう、引き続き努めてまいります。
    ◆金井えり子 委員 高齢、障害、子ども・子育て、保健医療など、様々な福祉の人材育成に取り組んでいるということですけれども、福祉人材育成・研修センターで研修を受けた方々、ズームなどを使用して工夫していらっしゃるということですけれども、この研修を受けた方々は現場でどのように活躍されているのでしょうか。これまでの成果などを伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 福祉人材育成・研修センターでは、介護職員としての高い専門性と当事者意識を醸成し、介護に関する知識や技術のほか、人権の視点も踏まえながら、高度化、多様化する介護ニーズに応え得る人材の育成に取り組んでいます。この間、新型コロナの感染拡大防止のため、集合形式ではなくオンライン形式による研修を新たに開始し、録画した教材を職場や自宅で自由な時間帯に受講することが可能になったことで、研修受講者数が伸びたことは大きな成果です。グループワークを含む研修もオンラインで実施しており、介護職員への研修等は質を落とすことなく実施できております。  令和二年三月に研修センターが実施した福祉事業所実態調査報告書によれば、約四割の介護サービス事業所が研修センターの研修を利用していると回答しています。研修等を受講した職員からは、新たな知識や技術が習得できた、基本に戻り一つずつ見直すことができたといった声があり、区内の介護サービスの質の向上につながっていると評価しております。 ◆金井えり子 委員 質の向上につながっているということですけれども、本当にこの慢性的な人材不足、今後どのように改善していくのか本当に不安なところです。  国は二〇二二年二月から九月までの限定的な施策として、介護や福祉職員の月給を九千円相当上げる補助金、これを決めました。各自治体を通じて申請のあった事業者に渡すとしていますが、介護職の平均年収は三百五十万円程度であり、全職種の平均四百三十万円以上に比べたら本当に明らかに低くて、十万円増えたとしてもその差は埋まりません。  世田谷区の令和四年度予算に組み込まれた介護職の住まい支援などは、今後に期待できる支援だと思っています。世田谷区内に住み、福祉の仕事で暮らしていけるようなこういった支援を使って、介護現場に必要な若い方が集まってくれるとよいと思いますが、この若者人材育成、どのようになっているのでしょうか。  世田谷区には福祉の専門学校もあります。今は大変厳しい状態と聞いていますが、こういった区内専門学校との連携など、若い方の人材育成の取組はあるのでしょうか、伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 御指摘のとおり、介護人材不足が課題となっている中、若者に介護現場で働いてもらうための取組が必要です。世田谷福祉専門学校は、これまで数多くの介護福祉士を輩出しており、専門的な知識や技術を身につけた卒業生たちは、福祉介護の現場で活躍をしています。区内にこのような専門学校が存在していることは、介護人材の確保育成という観点から非常に重要であると認識をしております。  世田谷福祉専門学校とは、これまでも研修センターで実施している介護技術に関する研修講師を依頼したり、介護福祉士受験対策講座を担っていただくなど協力をしてもらっております。昨年十月には、私自身、福祉専門学校に直接伺って、校長先生と若者の介護人材確保に関して意見交換を行い、課題の共有化と連携を強めていくことを確認しました。引き続き、福祉専門学校との連携を強化して、若者の人材確保に取り組んでまいります。 ◆金井えり子 委員 介護並びに福祉の現場、本当に若い力が必要だと思いますので、人材育成をお願いいたします。  そして、介護事業のほとんどを占めている小規模事業所について、本当に日頃、きめ細やかなケアを担って、なくてはならない存在ですが、どこも運営が厳しい日常です。コロナ禍がさらに追い打ちをかけ、閉じてしまう事業所も出てきています。三年ごとの介護保険改正だけでなく、毎年の改正手続がとても大変です。先ほど挙げた九千円の賃金アップのための補助金も新たな申請手続が必要ですし、処遇改善加算の対象の事業所にしか出ないと聞いています。また、何回も何回も同じ書類を書くなど煩雑な事務に手間を取られるというお話も聞いています。小規模事業所は事務職担当がいるわけではなく、事務作業に介護職としての時間も奪われてしまいます。処遇改善加算においてもICT化で効率的に進めるとよいのですが、整備をするに当たっての時間や人の手当がとても大変と聞いています。  デジタル環境整備促進事業など、今回の予算にもついていますが、申請の煩雑さや使える範囲、また規定など面倒なことはないのでしょうか。使いやすい支援制度、そして助成金などが必要と考えますが、いかがでしょうか伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 区では介護事業所に対する様々な助成事業を行っておりますが、申請書類に添付する書類が多いこと、またインターネットによる振込みが主流になりつつある中、領収書の添付は困難といった声が事業所からあることは承知しております。区では、介護事業所の事務負担を軽減するため、財産目録や貸借対照表等の添付書類については、高齢福祉課の他の助成事業の申請時に共有可能とするなど、申請の簡素化に努めております。  区が実施する助成事業につきましては、令和三年六月に設立した世田谷区介護人材対策推進協議会での御意見を伺いながら、介護事業所にとって使いやすくかつ事務負担の少ない助成事業となるよう改善を検討してまいります。 ◆金井えり子 委員 よろしくお願いいたします。  そして次に、認知症とともに生きる希望条例について伺っていきます。  認知症とともに生きる希望条例ができまして、希望計画を進めるに当たり開かれた令和三年度第二回世田谷区認知症施策評価委員会を区民の一人として傍聴いたしました。古い認知症観の払拭、認知症をキーワードに地域をつくる、委員の方々から次々と出てくる御意見に、世田谷らしい前例を超えた条例であると改めて感じました。昨年のシンポジウムでも、認知症当事者の方がパネルディスカッションの登壇者になるだけでなく、進行も認知症当事者で行われました。  今、小中学校で認知症当事者も参加の出前講座がモデル的に始まっていると伺いました。大変好評で、本当に子どもたちが食い入るように眺めているというふうに伺ってきましたけれども、子どもたちがそうやって学んで素直に受入れて、それが大人たちに波及していく、そんなよい流れができたらと思っています。  私たち生活者ネットワークは、認知症希望条例ができ、誰もが自分らしく暮らせる町を描いていけるととても期待しています。事故が起きたときの保険より事故を起こさないまちづくり、何かあったときの助け合いやつながりが重要と考えます。  これから認知症サポーター養成講座が生まれ変わり、アクション講座として、また地域でアクションチームをつくっていくということですが、そのためには、まさに地域のつながり、区民の理解が求められます。このアクションチーム、アクション講座はどのようなものになるのか、また区民への周知や、どのように広げていくのかも伺います。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 認知症とともに生きる希望計画では、認知症観の転換や希望と人権を大切に、暮らしやすい地域を共につくる等の四つの重点テーマに対応した四つのプロジェクトを一体的に進め、令和五年度末までに区内二十八地区においてアクションチームを始動していくこととしております。  アクションチームとは、認知症の御本人を含め、認知症に関心を持つ様々な人たちが参加し、認知症になってからも暮らしやすい地域づくり等をテーマとした話合いを行いながら、自分たちができることなど、地域の中での自主的な活動を行うものとしております。このアクションチームについては、世田谷版認知症サポーター養成講座のために新しく作成したテキスト、世田谷認知症とともに生きるみんなでアクションガイドを活用して、区民への周知を図ってまいります。  具体的には、世田谷版認知症サポーター養成講座、いわゆるアクション講座や認知症講演会、家族会、認知症カフェの交流会など各事業を通して活動例を交えて説明するほか、認知症在宅生活サポートセンターやあんしんすこやかセンターの広報誌なども活用し、周知を図ってまいります。  引き続き四つのプロジェクトを一体的に進め、認知症になってからも安心して暮らし続けられる地域づくりを進めてまいります。 ◆金井えり子 委員 私の周りでもこの新しいアクション講座、とても待っているという声がありますので、お願いいたします。  先ほどの御答弁にもありましたけれども、世田谷認知症とともに生きるみんなでアクションガイド、これは本当にできてきているということで、見せていただいたら、デザインもとてもかわいらしくて、すてきだなと感じています。みんなでアクションガイドの内容について、どういったものなのか伺います。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 区では、認知症とともに生きる希望計画に基づき、普及啓発用のテキストや認知症の御本人が出演された動画を作成いたしました。本テキストは、世田谷版認知症サポーター養成講座のテキストとして新しく作成いたしました。  このみんなでアクションガイドは、三つのステップで構成しております。ステップ一では、認知症を正しく理解し、認知症になってからも自分らしく生きていける可能性を感じてもらえるよう、認知症の特徴や症状とともに、認知症の御本人の体験談を掲載しております。ステップ二では、認知症を自分事として考え、認知症観の転換を図るために、認知症についてのイメージを振り返り、これからの暮らしについて考える場面を設けております。ステップ三では、認知症を自分だけでなく、地域の仲間等と出会って、自分たちができることなどを語り、アクションチームの活動につながるよう働きかける場面を設けております。  今後は、みんなでアクションガイドや認知症の御本人が出演された動画を活用し、世田谷版認知症サポーター養成講座、いわゆるアクション講座を広く進め、認知症観の転換を図ってまいりたいと考えております。 ◆金井えり子 委員 動画などもできているということですが、地域に幅広く伝えていく準備が整っているように感じます。先ほども申しましたけれども、待っている区民もいます。そして、まだ全然このことを知らない区民も大勢います。ぜひ様々な方法でアクションガイドの内容を積極的に周知していただきたいと思いますが、この周知について伺います。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 みんなでアクションガイドのテキストは、今後、区及び認知症在宅生活サポートセンターのホームページや広報紙、あんしんすこやかセンターの広報紙なども活用して、世田谷版認知症サポーター養成講座のテキストとして広く周知してまいります。このほか、各あんしんすこやかセンター等が家族会や認知症カフェ、自主グループなどへ出向き、地域づくりを進める中で、従来のテキストから区独自の新しいテキストを作成したことを説明し、周知を図ってまいります。 ◆金井えり子 委員 本当にすてきなガイドなので、ぜひ多くの方に広めてください。お願いいたします。  それでは、一般質問でも伺った続きになりますが、ヤングケアラー支援について伺ってまいります。  このヤングケアラーと呼ばれる子どもたちの中で、相談をした経験があるのは、中高生の二割程度だといいます。ヤングケアラーは自分中心の考え方ができない、大変さを自分で気づけないなど相談につながらない、相談しない、できないとなっているようです。立正大学の森田久美子先生は、子どもの相談力という表現をされました。プライバシーが守られ、身近な相談と解決に向けた相談とが連動するような場、必要に応じてつながれる、そんな相談の場があれば、子どもの相談力も高まるのではないでしょうか。  神戸市では、令和二年に福祉局、健康局、こども家庭局、教育委員会などから成るプロジェクトチームを立ち上げ、令和三年に子ども・若者ケアラーの相談窓口や居場所、市民向け研修会などを実施しています。世田谷区ではこれから調査が始まるというところですが、このアンケートをきっかけに相談などが増える可能性があります。区では、ヤングケアラーの相談窓口についてどのようにしていくのか伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 ヤングケアラーは、家庭内の問題でありなかなか表面化しにくいことから、必要な支援につながりにくい状況にあると認識しております。区は、子どもの権利侵害に関する相談窓口として、せたホッと、世田谷区子どもの人権擁護機関を開設しているほか、福祉に関する悩み事については、あんしんすこやかセンターが窓口になっています。これまでも、あんしんすこやかセンターで気づいたヤングケアラーの子どもとその家庭を、必要に応じて子ども家庭支援センターにつなげたケースもあります。  来年度の実施を予定しているヤングケアラー実態調査の結果も踏まえながら、今後、子どもが気軽に相談できる窓口の充実について検討してまいります。 ◆金井えり子 委員 相談できる場、本当にいろいろなところに多くあって、いろいろなつながりがつくっていけるとよいと考えます。  先行事例である神戸市の相談窓口には、学校、ソーシャルワーカーなどからの相談が多く、小中学生の子ども本人から直接の相談というのがなかなか上がってこないということでした。神戸市では居場所づくりも並行して進めていますが、この相談窓口にというよりも、居場所での話の中から相談や解決策につながることが多いそうです。相談窓口とともに安心して話ができる、交流や情報交換ができる、そんな居場所づくりが必要だと思います。区の居場所づくりについて伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 悩みを抱えた子どもが深刻な状況に陥らないためにも、身近なところに子どもの居場所があることは重要なことと認識しております。区には現在、ヤングケアラーに特化した居場所はありませんが、子どもや若者の居場所として児童館や青少年交流センター、若者総合支援センターなどがあります。  東京都は、来年度からヤングケアラー支援に関連して、ピアサポートなどの相談支援を行う団体やヤングケアラー同士が悩みや経験を共有し合うオンラインサロンの設置運営等を行う団体への支援を行うとしています。区としては、来年度実施を予定しています実態調査の結果を踏まえながら、都の制度を活用することも含めて、気軽に参加できる子どもの居場所の確保について検討してまいります。 ◆金井えり子 委員 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。  次に、五歳から十一歳までの子どもへの新型コロナワクチン接種について伺ってまいります。  このワクチンは、長期的な安全性が確立されていないワクチンであります。努力義務でないものでもあります。このことをしっかりと伝えていくべきと考えます。日本国内での十歳未満のコロナ患者の死亡例は、三月四日、川崎市で発表されたのが初めての事例となっています。先ほど他会派の質疑の中にもありましたが、一般的に子ども自身の新型コロナの症状は重症化しにくいと言われています。子どものコロナ感染と重症化についてや副反応事例の数など、判断の参考となる具体的な情報を保護者は必要としています。基礎疾患がある子どもやそれぞれの事情でワクチン接種を求める声もあります。  本当にそれぞれがその子どもに合った選択肢を選んでいく。それには選ぶ材料が必要です。子どもとその保護者に、このコロナワクチンは、努力義務ではないことを明確に伝え、打つか打たないかを正しく選べるように、正しい情報提供を求めます。見解を伺います。 ◎田村 接種体制整備担当課長 五歳から十一歳の子どもを対象とする小児接種については、区のホームページや「区のおしらせ」において、あくまでも任意であること、国の予防接種法の特別臨時接種に位置づけられているものの努力義務の規定を適用しないことを明確に伝えております。  また、接種することのメリット、デメリットを考慮いただき、接種を受ける本人やかかりつけ医師にも相談の上、検討いただくようにお願いしています。周りの人に接種を受けることを強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしないよう、子どもに伝えていただくようにお願いしております。  小児接種については、接種を受ける子ども、その保護者がしっかり判断できるように、区として正確な情報の提供に努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 ありがとうございます。正確な情報提供を求めて続けてまいります。よろしくお願いいたします。  以上で生活者ネットワークの質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 新風・せたがやの風の福祉保健領域の質疑を始めます。  まず初めに、鬱状態、鬱病に対する区の施策について伺ってまいります。  今定例会の招集挨拶において、区長は、コロナ禍で全国的に子ども、若者の自殺が急増した。社会的孤立を深め、鬱状態になる人も増えたとの御認識を示されました。報道等でも女性の自殺者数の増加、コロナ鬱の増加などが指摘されており、早急に区内の現状を把握し、有効な施策を展開していく必要があると考えます。  ここで、まず議論の前提として、区長が招集挨拶でおっしゃった鬱状態と、いわゆる鬱病の違いについて、医学的にどのように異なるのか、その違いを教えてください。 ◎宮本 健康推進課長 医学的な基準ですが、現在、鬱病は米国精神医学会によるDSM―五の鬱病の診断基準によりますと、抑鬱状態と興味、喜びの著しい減退の二つの症状があり、ほかの七つの症状と合わせて五つ以上が二週間以上続いている場合を鬱病、症状が四つ以下の場合のものを抑鬱状態とされております。 ◆つるみけんご 委員 つまり鬱病と鬱状態というのは医学的には異なるということだと思いますが、では、区長の招集挨拶や、つながるプランなどでも記載されている、鬱状態になる人も増えたということについて、福祉保健領域としてどのように捉えておられるのか、区内の現状と併せてお聞かせください。 ◎宮本 健康推進課長 区内の鬱状態の方の状況でございますが、区の把握する数値といたしまして、自立支援医療の精神通院医療の新たな申請の中で、鬱状態を含む気分障害の割合が、令和二年度の四二・五%に対し、令和三年度では二月末時点で四三・二%と若干増加となっております。一般的な傾向としましては、昨年六月に経済協力開発機構、OECDが実施しましたメンタルヘルスに関する国際調査では、鬱病や鬱状態の人の割合は、新型コロナウイルス感染症の流行前後の二〇一三年と二〇二〇年の比較で二・二倍になったとの報道もございました。  区の様々な心の相談窓口への相談は、現時点では大きな増加は見られていないものの、こうした状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による感染への不安や生活様式の大きな変化により、心に不調を来している区民が増加している可能性はあると推測しています。 ◆つるみけんご 委員 比較されている基準が異なるので一概には言えませんが、区が把握されている数字では増加と言ってもほとんど誤差の範囲というくらいに見えるわけですが、一方で、OECDの捉えている数値では二・二倍の増加ということであれば、区は区内の現状について的確に把握できていないということも可能性として考えられると思います。  厚生労働省の都道府県自殺対策計画策定の手引という資料によりますと、社会が多様化する中で、地域生活の現場で起きる問題が複雑化、複合化しているということが示唆されております。さらに、子育ての不安、進路の悩み、介護疲れ、いじめ、失業などの様々な悩みが複合的に絡み合ったその先に鬱状態というものがあり、そこからさらに深刻化してしまったときに自殺が起きているという図が描かれています。  つまり鬱状態の方への早めのアプローチ、さらには、その手前の段階で区の施策がその方々に届くことが、結果として自殺予防にもなり得るわけですが、区は今回の予算案において、自殺予防に関する周知啓発等の施策の拡充ということを盛り込まれております。これらの施策や現在の区の各種相談体制はどういった状態、段階の方へのアプローチを想定しておられるのかお聞かせください。 ◎宮本 健康推進課長 区の自殺対策については、世田谷区自殺対策協議会において、学識経験者から自死遺族会の方々まで幅広く御参加いただき、総合的に進めているところです。施策としては、広く区民へのアプローチとしては、身近な方が心の不調に気づいて支援が必要な方を相談につないでいただくためのゲートキーパー講座をはじめ、総合支所の保健師や保健医療福祉総合プラザに設置の夜間休日の電話によるこころの相談等を実施しているほか、自殺リスクが高まるとされる対象へのアプローチとしましては、自殺未遂者への個別支援や身近な方の自死などの苦しみに寄り添うグリーフサポート活動への支援などを行っています。  令和四年度予算案では、自殺予防に関する周知啓発の拡充として、思春期世代に向けたメンタルヘルスへの意識啓発として、アニメ動画の配信や児童生徒のタブレット端末への心の相談案内等を検討しています。 ◆つるみけんご 委員 区内の自殺者数について、事前に所管にお調べいただきましたところ、ここ数年は百人前後であったのに対し、令和三年、昨年は百三十四人ということで、大変悲しいことに大幅な増加と言わざるを得ない状況だと思います。そうした現状を踏まえて、お亡くなりになられた方々に区の施策が届いていたのか、この点について、区としての御認識をお聞かせください。また、区としての課題、今後の展開についても併せてお願いいたします。 ◎宮本 健康推進課長 御指摘の点につきましては、大変重く受け止めております。背景といたしましては、新型コロナウイルス感染症の拡大など区民を取り巻く生活環境が大きく変化する中で、お一人お一人が抱える問題が複雑化し、結果として、区の様々な施策を必要な方にお届けすることが難しくなった側面があったかと考えております。保健所といたしましては、広く関係者の御理解と御協力をいただきながら、一人でも多くの自殺の危険を抱えている方に支援が届くよう全力を尽くしているところですが、今後、一層の創意工夫をしていかなければならないと思いを新たにしております。  課題としましては、自殺は様々な要因が絡み合い、追い込まれた上での死が多いことから、周囲の方々の気づきの感度を上げ、いかに早期に適切な支援とつなげられるか、また、医療機関や警察、消防等の地域の関係機関との連携を深めて、いかに有効な対策につなげていけるかなどの点があると認識しています。今後、庁内関係課はもとより、世田谷区自殺対策協議会において、自死遺族会や民間団体、関係機関等の方々からも御意見を伺いながら、世田谷区の自殺対策が必要な方に届くよう取り組んでまいります。 ◆つるみけんご 委員 昨日のNHKニュースにおいて、千葉県柏市の取組が取り上げられておりました。具体的には、例えば死にたいというような自殺に関連する単語、言葉をインターネット上で検索すると、市の相談窓口を紹介する広告が表示されるというものです。ニュースによると、昨年四月から今年の一月までの十か月間で約六万二千回、この広告から市の相談窓口のページが開かれたそうです。そこから相談につながった方が約百名いるということですので、一つの有効な施策になっているのだと思います。  また、この手法は自殺予防という観点だけでなく、広く鬱状態の方へのアプローチをはじめ、様々な施策において、積極的に区の施策と区民とがつながる一つの手法として考えられると思います。世田谷区としても、この方法に限らずですが、相談体制の拡充と併せて、区自らがお困りの区民の方々に情報を届けられるよう、鬱状態の方へのアプローチも含めた積極的予防策を展開していただきたいと思います。また、その前提として、まずは区内の現状をより的確に把握していただき、実情に合った全庁横断的なアプローチと施策の展開を行っていただきますようお願いいたします。  次の質問に移ります。今定例会の一般質問で、我が会派の小泉委員の地域行政に関する質問に対し、岩本副区長は次のようにお答えになられました。今後も安全安心で、より暮らしやすい地域社会をつくるという今般の地域行政制度改革の目的を全職員と共有し、自らの業務に照らして、区民の目線で課題を出し合い、改善を図る機運を高め、区民サービスの向上のために努めていく。  この御答弁を踏まえて、地域行政推進条例と計画の作成に向けて考えられる地域の課題について、福祉保健領域としての御認識と具体的な課題をお聞かせください。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 保健福祉領域として認識する地域の課題でございますが、例えば八〇五〇問題、ひきこもりやヤングケアラー支援など、高齢者、障害者、子どもといった分野をまたぐ複合的な相談について、区民がどこへ相談してよいか分からない課題への対応でございます。  地域行政推進条例を契機としまして、まちづくりセンターの複合調整機能が充実強化されることにより、地区の多様な活動と四者連携による取組をつなぎ、複合的な問題が、福祉の相談窓口で相談された場合にも、速やかにアセスメントを行い専門機関につなぐとともに、関係機関を集め支援策を検討し、支援を継続するなど、地区課題の解決力を高めていくことが重要であると考えています。  御質問の地域行政推進条例、計画の策定に向けてでございますが、福祉の相談窓口に持ち込まれる個別の相談は地区で受け止め対応することを原則としつつも、全ての事例を地区で対応するのではなく、例えば精神障害や子どもの発達など、より専門性を生かして課題の解決を図る事例の場合は、地域や全区レベルの専門機関につなぎ、連携協力することで成果があったことから、区の相談体制については改めて確認するなど必要があると考えております。 ◆つるみけんご 委員 区民の皆様の福祉の困り事が複合化しているという前提に立てば、その困り事に対応するためには、まちづくりセンターがどういう機能とそれに伴う人員配置を持つべきか、さらに、そのために総合支所や本庁の機能はどのように変わっていくべきか、この点を庁内横断的に整理し構築し直していかなければ、条例や計画の骨格が出来てこないものと考えます。ぜひとも福祉の現場を持つ福祉保健領域の職員の皆さんから、福祉の相談窓口をはじめとする現場の声をつぶさに分析して、区民生活に即した地域の総合行政が展開されるよう、これからの地域の福祉保健行政の在り方について、所管をまたいだ検討を進めていただきたいと考えます。  次の質問に移ります。認知症に係る損害賠償の補償制度について伺います。  区長はさきの本会議で、他会派からの質問に対し、今後は認知症施策評価委員会での意見を伺うとともに、あんしんすこやかセンターや本人交流会、家族会などから広く意見を求め、議論の到達点を踏まえて、最終的に私自身が判断していくと言われました。  三月四日に行われた認知症施策評価委員会は、私もオンラインで傍聴させていただきました。そこでは、この件について結論は出ませんでした。つまり評価委員会としての議論は今後も継続されるということなのだと認識しております。しかし、評価委員会の事務局である区としては、当然一定のスケジュールを持って日々職務を遂行されているものだと思いますが、事務局としては、委員会としての結論をいつまでにお出しいただく予定なのか、今後のスケジュールをお聞かせください。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 令和四年三月四日に実施いたしました認知症施策評価委員会では、認知症損害賠償保険に関するこれまでの委員からの意見及び先行自治体への調査結果と公平な制度設計についての課題等をお示しし、部会の委員を兼ねていない方を中心に広く意見を求めました。  委員からは、認知症は保険をかけるほど危ないのかというイメージが出てしまうとよくない、その前に条例の啓発や理解をきっちり行うのがよい、果たしてこれからの時代、この保険が本当に普及していくのか、住民同士の力で解決していく等の根本的な方法を考えていくのも一つではないか、一つの区の中の話ではなく、国の話になっている気がする、御家族が監督責任を問われる場合にも保険が適用できる範囲、程度など賠償の内容を調べる必要がある、説明不足な資料で検討するということ自体ちょっと雑ではないか等の意見をいただきました。  こうした意見を踏まえて、来年度にあんしんすこやかセンターや本人交流会、家族会等に出向いて、認知症損害賠償保険に関する忌憚のない御意見を伺い、その結果を認知症施策評価委員会で、保険に関する基本情報や分析と併せて説明した上で意見を伺ってまいります。  区といたしましては、認知症施策評価委員会や、これまで伺ってきた御意見を参考に、条例の趣旨に沿った議論を重ね、区として検討を進めるとともに、準備が整い次第、判断してまいります。 ◆つるみけんご 委員 区としての業務はいずれも区民生活に直結するわけですので、あらゆる事業がきちんとしたスケジュールの下で進められるべきではないでしょうか。特にこの施策については、区としてその重要性を認識しておられるはずですので、準備ができたら判断するという受身な姿勢ではなく、区民生活を支える区の責務として、トップリーダーたる中村副区長を中心に確実に前に進めていただきたいと考えます。  それと、今御答弁の中で様々委員の皆様の御意見を御紹介いただいたわけですが、おととしの十二月二十一日の施策評価委員会の部会では、認知症の御本人から、家族が少しでも助かるんであればいいかなという気は私はしますというような制度に肯定的な御意見もありました。一方で、今御紹介いただいた先日の評価委員会や、本年一月に行われた部会では、制度に否定的な御意見ばかりが出てきていて、それがこのような形で議会に報告されています。このことが私は不思議に思います。  今の御答弁や、さきの定例会の区長の発言において、本制度については、これからあんしんすこやかセンター、本人交流会、家族会などに広く御意見をいただくとのことでした。これらの御意見については、透明性のある形で議会にお示しいただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 委員お話しのありましたあんしんすこやかセンターや本人交流会、家族会などからの御意見については、公開の会議である認知症施策評価委員会でお示しし、会議後は資料及び議事録も併せて今後も区のホームページで公開してまいります。 ◆つるみけんご 委員 議会に報告していただきたいと申し上げましたので、評価委員会でお示しし、終了後、区のホームページに公開するというのは、議会に向き合う区の姿勢として疑問を持ちます。所管から区長に御提案される際には、認知症の御本人からの制度に肯定的な意見もきちんと御報告してください。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で新風・世田谷の風の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 終活支援について伺います。この質問をするのは三回目になります。  葬儀やお墓を生前から準備する、いわゆる終活が盛んな昨今ですが、身寄りのない方は、これらの準備をしても亡くなった本人が死亡を伝えることはできませんので、生前契約はふいになる可能性も高く、下手をすると公費で火葬、埋葬することにすらなってしまいます。このギャップを埋める支援を区に求め、区も社協と話し合い新規事業がつくられましたが、積極的な広報はないままで利用者もゼロのまま。しかも、社協の事業は、その死に接した方から御好意で連絡いただくスキームで、生前契約の実現は不確実です。死亡届の出る区から連絡をしても葬儀社が先に決まっている可能性があるなど課題は残されています。  その一方で、同じく世田谷社協の成年後見センターでは、この間、成年後見事業のオプションで、見守り支援や入退院時の支援、葬儀支援のサービスまでをも始めています。ならば、こちらを終活支援に結びつけたほうが生前意思の実現が確実だと思えるのですが、終活に結びつく制度としてはほとんど知られていないというのが残念です。ここはぜひ両者を結びつけ、しっかり広報もしていただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。 ◎工藤 生活福祉課長 区では、さらなる成年後見制度利用促進のため、令和三年度からの世田谷区成年後見制度利用促進基本計画を策定し、成年後見制度の普及啓発に取り組んでおります。以前より、成年後見センターでは判断能力が低下する前から利用できる任意後見制度の利用者向けのオプションとして、訪問による見守りを実施しておりました。令和元年十二月からは、電話による見守り、入退院時の支援、葬儀や納骨の手配などを新たに加えたところでございます。  今後とも、区民向けには啓発誌の発行やホームページの利用、申立てや成年後見制度の説明を目的とした成年後見セミナーや、遺言や相続、自分の将来を考えるきっかけとなる老い支度講座を活用するとともに、あんしんすこやかセンターなどの関係機関職員へも、終活支援にもつながる任意後見を含めた成年後見制度の普及に取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 とてもよい制度だと考えますが、世田谷では利用者数が伸び悩んでいますよね。その背景には、後見人への報酬が重い負担に感じられるというのがあるのではないでしょうか。区も報酬助成を持っていますが、その内容は生活保護と同等の方のみが対象で、生活保護を受給せず、自らの収入や資産だけですれすれの生活を送っている非課税の方などには利用しづらい任意後見制度のままとなっています。  二十三区では、報酬助成の対象を非課税世帯まで広げている区も多いのに、当区はこの点、後れを取っております。当区も支援対象を広げるべきと考えるのですが、いかがでしょうか。
    ◎工藤 生活福祉課長 報酬助成は二十三区全区で実施しておりますが、報酬助成の対象を非課税までとしている区は、令和二年度の五区から令和三年度は十三区に増加し、約半数が生活保護受給者以外の生活に困窮する方も対象となっております。令和三年度に実施したヒアリングでは、社会福祉士が後見人等になった場合で、非課税の方を含め年間十二件程度、報酬がもらえていない実態を把握しております。  今後、被後見人等の実態や他自治体の状況を改めて把握した上で、成年後見制度が身近で利用しやすい制度となるよう、報酬助成の対象要件の見直しに取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひお願いいたします。  続けて、区の福祉人材育成・研修センターで、医療者向けにもLGBTQの研修はできないでしょうかという質問です。  以前、石川県立看護大学の研究者が、東京、石川、静岡の一都二県の病院の看護部長に送ったアンケート調査の結果では、LGBTに関する看護職員向けの研修は九二%が未実施である一方で、八〇%もの医療機関が全職種、全職員向けの研修を希望しており、ニーズがあることは明らかでした。また、同じ調査では、手術の同意にも、患者をみとる家族にも、同性パートナーも含まれ得るとの見解が既に国から示されているにもかかわらず、現場に理解が乏しい現状も明らかとなっておりまして、この点でも研修が必要だと考えています。  昨年、区の福祉人材育成・研修センターで実施した介護職員向けのLGBT研修では、定員枠の百名を超えて受講生が集まったとも把握をしております。そこで、ぜひその対象を医療、看護職にも広げてほしいと区とセンターに御相談したところ、既に区も研修会実施に向けて事前の調査に乗り出してくださっていると伺っています。  それでは、今後どのように取り組まれるのか、そのお考えをお示しいただければと思います。 ◎小泉 保健医療福祉推進課長 医療機関の方々に対しまして、性の多様性について正しく理解し、それに基づく適切な対応を依頼、促進していくことは必要であるものと認識しているところでございます。委員お話しのとおり、今年研修を実施しましたが、来年度は医療関係者向けの内容も加えるよう検討してございます。また、三月四日に開催されました区内の病院の院長会におきまして、性的マイノリティーへの理解を重ねて依頼するとともに、来年度の研修をより医療現場の方のニーズにも沿ったものとするために、研修に関するアンケート調査への回答を依頼させていただいたところです。  引き続き、福祉人材育成・研修センター、関係所管部と連携しながら、この研修を企画、実施し、性の多様性の理解に係る医療機関の方々への働きかけを進めてまいります。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  最後に、新型コロナのワクチンの予約用の特設サイトについて伺います。  先日、現在のサイトは色覚障害のある方にとって、文字と網かけ部分との色が重なり、読み取りづらいという声が届きました。当区には、平成十八年に策定した視覚情報のユニバーサルデザインが既にあり、先進的にこの分野で取組が進んできたのに、どうしてこうしたことが起こるのだろうと不思議だったのですが、今後もワクチン接種は続くことが予想されますので、ぜひ改善をしていただけたらと思います。いかがでしょうか。 ◎寺西 住民接種調整担当課長 区のワクチンの予約サイトは接種事務の受託事業者から提供を受けているもので、他の自治体も多数利用しており、機能や画面のレイアウトなどは共通で、個々のカスタマイズには対応してはございません。御指摘の点は予約の空き枠を会場から探す際に、空き枠がある日付の数字が緑色の四角で色づけされるというものでございまして、この背景のコントラストが十分ではなく、色覚に障害がある方が見分けづらいということが考えられます。  今後、予約サイトの受託事業者には、表示の色の変更や空き枠の日に印をつけるなど、改修の要望を強く伝えてまいります。また、予約サイトのお知らせ欄に、区ホームページに掲載している会場の空き枠一覧のリンクを貼るなど、予約サイトだけに頼らない改善にも取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひ積極的に、急いでお願いいたします。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩    ──────────────────     午後零時五十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、妊活支援について伺います。  昨年六月の一般質問で、妊活支援について取り上げました。そのときの質問では、妊活から妊娠、出産、育児まで包括支援体制を考える自治体が増えてきており、妊活による身体、精神的、経済的な負担の大きさを考慮して、一刻も早い相談しやすい環境を整えること、そして望んだときに妊娠、出産ができるような環境を整えることが急務である。  例えば横須賀市では、この妊活の相談体制を構築するためにLINEを活用した専門性を備えた民間企業の妊活サポートサービスを導入しており、世田谷区も横須賀市の事例を参考にし、官民連携で区民の方に妊活支援を行っていただきたいとの質問をいたしました。  その後の進捗状況と今後についてお伺いをいたします。 ◎宮本 健康推進課長 横須賀市は、全国に先駆けてLINEを活用した妊活相談サービスを民間事業者と連携して開始しましたが、その後、令和三年度に杉並区が同様のサービスを開始したことを区は把握し、この間、情報収集を重ねてまいりました。妊娠を希望する区民にとってLINEによる専門的な相談を匿名で受けることができる民間事業者による相談サービスは、区へ直接相談するよりも敷居が低く、利用しやすいと認識しております。  こうした利用しやすい相談体制の整備が強く求められている一方で、個人情報保護の面では課題も残されていることから、妊娠を希望する区民が安心して気軽に相談できる体制整備に向けて、慎重に検討を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 今後もよろしくお願いいたします。  次に、コロナ禍での高齢者の方の健康維持についてお伺いをいたします。このテーマもおととしの九月議会で取り上げました。  コロナ禍、高齢者の方の活動が軒並み休止となっており、高齢者の方は家にひきこもりがちになり、認知症が悪化するなどの懸念があります。おととしの質問では、他自治体の高齢者施設で人型ロボット導入したり、ひとり暮らし高齢者の自宅に見守りロボットを無償で配付して、朝、昼、晩の安否確認と警備会社への通報サービスを行うなどの例を取り上げ、コロナ禍におけるロボットの導入やオンライン健康体操について質問をいたしました。  その後の進捗状況と今後の対策についてお伺いをいたします。 ◎杉中 高齢福祉課長 ロボット導入に関してですけれども、区内の特別養護老人ホームにおいて、国や都の補助事業を活用し人型ロボットを導入したところ、見守りやコミュニケーション支援等に効果を発揮し、入所している高齢者から好評をいただいていると聞いております。また、在宅の高齢者向けに救急通報とコミュニケーション機能を持ったロボットを導入した自治体では、一定の効果があったことを確認しております。今後、人型ロボットの導入に関して、国や都の補助事業の動向を注視した上で、対費用効果も含めて、引き続き研究検討してまいります。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 コロナウイルス感染症の流行が続く中、高齢者の外出自粛の長期化による心身機能の低下を防ぐため、ICT機器を用いて、御自宅でも介護予防に取り組んでいただくことは重要でございます。そのため、今年度新たにズームを利用したオンライン介護予防講座を試行的に二回実施いたしました。開催前には、オンライン型の講座は敷居が高い、スマホは持っているが通話の利用が中心という状況の方が多かったですが、講座終了時は、参加した高齢者からは、コロナ禍なので自宅で参加できてよかった、参考になった、もっとやってみたいとの声をいただきました。  また、外出自粛の中、介護予防講座の動画を作成し、令和四年一月から三月まで、区の公式ユーチューブでの配信を行っているところでございます。  今後も、スマホの操作方法、二次元コードの読み取り、ズームの利用方法などの説明をするスマホ教室とオンライン介護予防講座を組み合わせて開催するなど、ICT機器の取扱いに慣れていない高齢者へも配慮しながら、オンライン形式の教室やアプリ、動画を使った介護予防の取組を広げていく予定でございます。 ◆ひうち優子 委員 特にコロナ禍、高齢者の方はなかなか家から出ないといった方を私も多く聞きますので、引き続き、オンラインですとかロボットの導入などよろしくお願いいたします。  次に、介護事業者へのPCR検査の体制についてお伺いをいたします。  私のところに、次のような声が届きました。父親が介護サービスを利用していて、自宅に訪問してもらった際に介護者の方から移ってコロナになった。また、その後、母親も移り両親ともにコロナにかかった。もともと基礎疾患を持っていたため父親は肺炎がひどくなっている状態、母親も以前に脳出血で倒れかつ抗がん剤を打っているために重傷化しないか不安。事業者に直接電話をしたところ、PCR検査の体制を整えていなかったとのこと。行政としてしっかり監督をしているのか、世田谷区に監督責任があるのではないかという声です。  もちろん誰でもコロナに罹患する状況下ですので、介護者の方を責めることはできません。一方、世田谷区には、御高齢の区民の方を守る責任があります。日頃区長は、社会的検査を推し進め、定期的にPCR検査を行う体制を整えているとおっしゃっておりますが、今後このようなケースが起こらないよう、世田谷区として介護事業者へのPCR検査の体制を整える必要があると考えます。区の見解をお伺いいたします。 ◎瀬川 介護保健課長 感染防止のためには、検査体制を整え、定期的に適宜検査することも重要であると認識しております。区では、令和二年十月から社会的検査を実施しており、約千百の施設や事業所に対し検査の勧奨を実施してまいりました。また、東京都におきましても定期検査等を実施しており、区でも広く周知をさせていただいております。都及び区の検査も希望による申込み制になっておりまして、実施については施設や事業所の判断に基づきますが、感染防止のために、今後も関係所管と連携し、引き続き周知や勧奨に取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 周知や勧奨に取り組んでいくということで、しっかり事業者のPCR検査体制を整えていただけるように、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 本会議の続きで、障害福祉と教育の連携というテーマで伺っていきます。  先日の質問で、今回、区の教育委員会事務局のほうで出した特別支援学級等の整備計画というのが、計画を去年の今頃出したんだけれども、その中で情緒障害、自閉症の固定学級などが、結局設けた数よりも実際にそこに入りたいという人たちの数が多くて、もう一回その増設をしなきゃいけない。だから、改定をするという内容について触れて、そもそも障害のある子たちの実態やニーズというのをどのぐらい精緻に捉えていたのかという論点の質疑をしました。  障害のある子たちの実態把握というところについては、こちらの障害福祉の所管が、まずは、例えば未就学児の子たちの実態把握をしていて、そこが上がっていった学校というところに情報の連携というふうにされていくので、障害福祉の側にもそこを求めたいと考えています。  なぜこういう質問をそもそもしたのかというと、情緒障害、固定学級の今回増設になった小学校のうちの一つが私の娘の通う小学校で、やはり校長先生からも二学級固定学級をつくったんだけれど、もう既にいっぱいという状態に対して、そもそもの見立てはどうだったんだろうという困惑の声も聞いてきましたし、他方、保護者とか保育園、幼稚園関係の関係者の方たちからも、もともと砧地域というのは成育医療センターもありますし、児童発達支援の事業所も多いんじゃないかという声もいただいてきたところです。  どのぐらい児童発達支援であったり、障害のある子の通う施設が区内に分布しているんだろうというのを自分なりに区のホームページで見てみたんですけれども、結局区のホームページは、今、障害のある子の通う施設というページ、タイトルがあって、ちょっと打ち出した一覧があるんですけれども、五十六ぐらいの施設がだあっと何の分類もなく、地域別もなく一覧になっているだけなんですね。  例えば杉並区のほうを見ると、児童発達支援と放課後デイと、あと保育系のと、カテゴリーの分類がされていて、さらにマップにプロットもされていて非常に見える化がされていて、利用する方にとっても便利ですし、所管側も把握しやすいんじゃないかなというふうに思いました。  今、当区は児相の移管を受けて、児童発達支援の事業所の指定業務というのも権限を有しているわけですので、今後を見据えても、せめて地域別、あるいはカテゴリー別にこういった施設も把握をしていく必要があるかと考えますけれども、見解を伺います。 ◎宮川 障害保健福祉課長 障害児通所施設の利用を希望する方への施設案内につきましては、区のホームページに一覧形式で載せていることに加えまして、各施設の事業概要をまとめた資料を掲載しています。保護者は子どもの通所先を選ぶ際、利用対象や支援プログラムの内容、自宅からの通いやすさなどを確認していると考えられますが、現在は利用希望者の地域性に配慮した一覧とはなっていない状況です。御指摘を踏まえまして、地域性や事業種別の順に並び替えるなど工夫をした上、関係所管にも周知して、子どもの通所先を探す保護者の利便を向上できるよう努めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 私は、この事業者一覧から地図に頑張って丸でプロットしてみたんですけれども、やっぱりちょっと砧地域、全体で児童発達支援の事業所は二十九あるんですけれども、そのうち十一が砧地域というのが分かりました。別にマップに落とさなくてもいいんですけれども、こういう分析をしていくことが、行く行く障害福祉としても計画的な事業所の指定というところにもつながっていくかなと思うので、ぜひお願いしたいと思います。  また、障害福祉と教育の連携の部分についても一点伺いたいんですけれども、先日、その児童発達支援事業所を開所した施設長の方から、近隣の幼稚園に、これからここにこういうふうに開けましたので連携していきましょうというコンタクトを取ったところ、うちは既にほかと連携しているので必要ありませんというような、断られたというような話を伺いました。その経緯とか詳細は分かりませんけれども、幼稚園と保育園と、こういう児童発達支援の事業所の連携の部分というのは、先ほども申し上げましたけれども、この先の小学校に上がったときの接続という意味でも非常に重要な連携になってくると思うので、区のほうから連携をすることに際して積極的にやっていってほしいというような発信をしていただきたいと考えますが、見解を伺います。 ◎宮川 障害保健福祉課長 就学前の子どもを対象とした児童発達支援事業所は、発達の特性等に応じた支援プログラムを実施し、利用者の個々の状況に応じて、幼稚園などの関係機関とも連携を行っていると認識しています。  児童発達支援事業所と幼稚園等との連携は、個別支援の面では子どもに対する一貫した支援につなげられ、施設全体では、インクルージョンの観点から交流を図ることができるなどの効果が期待できます。現状では、双方の施設において、地域連携の方法や効果に対する理解が進んでいないと考えられますことから、国が示すガイドライン等の周知を行った上で、交流連携の推進に向けて、教育等の関係所管とも検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。  次に、総括質疑の続きで、子どもの権利について学ぶということに関して教育長に伺いまして、今子どもたちがタブレットを使って探究的な学び、自分たちで掘り下げて、その課題について自分たちが提案をするような、そういったプロセスが定着しているというお話ですとか、そういう中で子ども権利についても学んでほしいということで、教育長から御答弁いただいた次第です。  これから、各教育現場で出てきた学びの結果、子どもたちの意見などを子ども・若者部のほうで今度は集約をして、ワークショップだとかシンポジウムという形式で共有するような仕掛けもしていただきたいと考えますが、見解を伺います。 ◎山本 子ども育成推進課長 区では、区立小中学校の児童生徒、保護者に子ども条例のパンフレットを配布し、学校での授業に活用したり、子どもの人権擁護機関せたホッとが、学校での出前授業でグループワークを行うなど、教育委員会とともに子どもの権利に関する啓発や学習を推進してまいりました。  今年度の子ども・子育て会議においても、子ども自身が子どもの権利について考え、体感できるような取組の提案や、子どもに関わる大人も含めた理解促進の取組の充実について意見が出されたところでございます。令和四年度は、子ども・子育て会議に子どもの権利部会を設置し、教育委員会とともに具体的な取組についても議論を行う予定でございます。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でSetagayaあらた質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 今日は、冒頭、予算計上が一円も必要ない提案をします。  これまでも非効率な保育園運営の負担を家庭に押しつける因習を、愛情や伝統というあたかもすばらしいことのような表現をして温存していることを、時代に即してアップデートする提案をしてきましたが、本会議であべ委員からの提案がありましたが、おむつの運用を変えられないか細かい点まで伺います。  以前より世田谷区では、認可保育施設のゼロ歳とゼロ歳児クラスのおむつについては税金で補助していることから、調達、管理、処分まで全て各保育園で行っています。一方、一・二歳児クラスについて、少なくとも区立保育園では毎日保護者が大きなスタンプで逐一名前を押印したり、おむつに油性ペンで名前を記載して五、六枚持込み、二〇一八年より処分は区の費用で実施をしています。記名するくらいですので、もちろん本人の名前のおむつを履かせますし、私も現場にいたとき、たまに間違えましたが、謝罪の対象にもなります。また、基本的には持ってきた範囲で使うため、保育園からの持ち出しが生じた場合は、後日保護者が無記名のおむつを返す必要もあります。  先日は、渋谷区立保育園でのおむつのサブスクリプション、つまり使い放題で提供する事業者の話がありましたが、長谷部区長率いる渋谷の極めて先進的な事例ではなく、既に区内の私立園十四園で導入が進んでおり、また、町田市でも市立保育園で導入されています。  冒頭で予算を一円もかけずと申し上げたとおり、区からの持ち出しはなく、事業者と家庭で直接契約を行い、従来は個別に棚、ロッカーに区分けをして置いてあったおむつとおしり拭きについて、契約家庭分のおむつが一括して各保育園に発送され、従来子ども単一、一日単位だったおむつ管理が、契約者分まとめてのサイズ単位、在庫管理に切り替わります。  実際、事業者に問合せたところ、保育園に求められるのは一部のレイアウト変更、在庫の置場所の確保、保育園側での在庫管理の三つで、本来個々の事情の少ないおむつが、これまで運営の都合上、完全個別持込管理だったところから、一部でも一括管理に変わることで現場のコストは下がります。また、従来生じていた毎日のおむつに記名をする保護者の徒労、通勤時に荷物がかさばる保護者の負担、おむつを忘れた、足りなかったというコミュニケーションコストや、足りないことに起因する子どもへの負担、たとえ全く同じ製品でも、保育士が間違えて履かせてしまった後のやり取りといった、毎日保護者が五、六枚のおむつを用意する運用から生じる従来の煩わしさを一切消し去ることができます。  先日は保護者の意見を聞くとの御答弁でしたが、確かに契約主体が保護者となるためニーズ調査は必要ですが、実際のハードルは現場での課題整理ではないでしょうか。現場の負担軽減も高いため、導入にメリットは高いと感じていますが、現場で整理すべき課題はないのか、今すぐ実証実験が始められないなら課題はどこにあると捉えているのか伺います。 ◎大澤 保育課長 渋谷区では、昨年の十一月から全区立保育園におきましてサブスクリプションサービスの実証実験を行い、この一月から導入したと聞いております。一歳児以降の導入といたしまして、委員のお話しのとおり、保護者の負担の軽減につながる反面、定額制ということもあり、保護者によっては割高と感じる方もいると予想しております。また、このサービスを行っている事業者が、現在複数あることから、希望する保護者の方々が事業者を選定していただく必要があると考えております。さらに、園への納品につきましては、事業者が五箱を単位としていると渋谷区から聞いており、園によってはおむつを一時的に保管するスペースがないことなどが課題として考えております。  導入に当たりましては、契約は保護者の任意でございますけれども、このサービスについての捉え方が様々であること、また、利用に際して利用する保護者によって複数の事業者から選定をする、もしくは複数の事業者を利用する際の園での管理方法など保護者の声を聞きながら検討する必要があると考えております。  また、区立保育園の倉庫には、三日分の防災備蓄品が収納されており、大半の区立保育園では、倉庫以外の保管場所がないことから、区立保育園全園での実施については慎重に検討する必要があり、また一部の保育園の実施の場合であっても、先ほどの課題から、保護者の声を聞きながら検討していく必要あると考えております。 ◆そのべせいや 委員 以前、おむつの処分を区がしていなかった頃に区で処分すべきだと主張したときにも申し上げましたが、おむつの運用について、布から紙、衣類の一部から消耗品に代わって三十年以上、保護者が持ち込まざるを得ない布おむつの時代と同じ運用が続いていることには強く違和感があります。サブスクか区が直接用意するのか、やり方や事業者は問いませんので、従来の手法を早急に考え直してください。  続いて、学童保育について。  保育には莫大な金額、予算書上は四百七十億円、区立園の人件費まで含めると五百四十億円がつぎ込まれていることは既に取り上げましたが、その一方、学童保育は児童育成費の中に学童クラブ運営一・八億円のことでした。前提条件や運営時間も異なりますが、未就学児保育に四百七十億円、就学児保育には〇・四%分の予算しかついてないのはいびつではないかと聞こうと思っていましたが、実際には教育費の中にも、社会教育総務費に放課後の遊び場対策、BOPとして五億円計上があり、加えて職員費に十六・八億円計上されているそうです。  現在二十三・五億円と予算がある程度の規模であったことは安心感を覚える一方、なぜ予算で言えば全体の八%以下の子ども・若者部が担当しているのでしょうか。二十三・五億円の予算のうち、約十七億円を占める人件費も教育委員会事務局にひもづき、人事の指揮系統としても教育委員会事務局に属すると考えるのが自然です。予算から考えれば教育委員会の事業であるべきですが、なぜ子ども・若者部が担当しているのか、なぜ長年予算と権限がいびつに進んでいるのか、今後学校の外に出る際はどこから予算が出るのか伺います。 ◎須田 児童課長 BOPにつきましては、小学校施設を利用して遊び場を確保し、遊びを通じた異年齢児間の交流を促進することにより、子どもたちの社会性、創造性を培い、子どもの健全育成を図ることを目的として教育委員会の事業として発足した経緯がございます。現在の新BOPは、児童館内など小学校外で運営していた学童クラブを段階的に小学校内に統合したため、事務局長や指導員等の人件費はBOP発足当時から引き続き教育委員会予算とし、学童クラブ事業のみで使用する消耗品や間食の費用などを児童課で予算化することとなりました。  新BOPの運営につきましては、子ども・若者部と教育委員会との共同所管とすることとしており、主に児童館職員が現場の運営を担うこととし、施設面やBOPなど学校に関わることは教育委員会で行うなど分担して取り組んでいるところでございます。  今後、学校外に誘導する予定の民間の放課後児童健全育成事業については、子ども・若者部において健全育成事業の質を確保し指導していくことから、子ども・若者部に予算計上する予定でございます。 ◆そのべせいや 委員 時間の都合上、次に進みますが、最後に児童福祉費について、先日の質疑で三十年で伸びた五百九十五億円のうち、保育園が四百六億円、子ども手当、児童手当に百十五億円、子ども医療費助成四十一億円だと示しました。残りの三十四億円で何を拡充したのか、過半数が十九・五億円の児童相談所ですが、それ以外で何をやっていたのか、簡潔にお話しできれば最後答弁ください。 ◎山本 子ども育成推進課長 例えばの拡充ですが、子育て中の親子が気軽に立ち寄るひろば事業などでは、七年前の平成二十七年度の予算額が約七千万円だったものが、令和四年度当初予算額では約三億九百万円となっております。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。 ◆神尾りさ 委員 先日の一般質問で、障害がある方が個性を生かして活躍できる場の拡充に向けた取組について質問いたしました。障害のある方が支援の対象者であるという意識を変えて、お互いに支えあい、共に暮らせる機会というのをもっと提供する必要があると考えます。そこで、まずは来年度から始まる農福連携事業について伺います。  この事業の担い手として、電通国際情報サービスが決定いたしました。本事業に期待する点としましては、電通という組織力や実現性があること、障害者の賃金の向上が期待できること、そして、それが区の農地保全にもつながっていくことなどが挙げられるかと思います。今後の事業継続のためには、区にとっても、電通にとってもメリットがあることが望ましいと考えておりますが、まずは区へのメリットが何か、そして障害者の工賃がどれぐらい向上すると見込めるのか、また電通へのメリットは何かという点について伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 農福連携事業の障害者雇用につきましては、障害者にまず農作業体験をしていただいて、本人の希望があれば雇用前の実習、それから農作業の適正の判断をした上で、各企業に雇用されるといったことを想定をしております。  区のメリットといたしましては、まず雇用された障害者に農作業を通じしっかりとした収入が確保されること、また、本事業により区内農地が保全されることが挙げられます。収入といたしましては、現在の福祉作業所での一か月当たりの作業工賃が平均一万五千円、この農福連携事業で仮に一日六時間、月二十日の勤務といたしますと、収入は一か月当たり約十二万円になるというふうに見込んでおります。本事業に関わる電通関連の各社の主なメリットといたしまして、障害者雇用により各企業の法定雇用率の向上が挙げられます。区及び電通関連各社の双方にとってウィンウィンの関係となるよう事業を進めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 通常の福祉作業所での工賃が約一万五千円で、本事業による収入というのが約十二万円見込めるということで、八倍程度になるとも考えられるということです。これが実現すれば大変画期的な取組であると思いますけれども、双方へのそうしたメリットを踏まえて、今後事業を拡大していくためには、事業者と雇用者への定期的なヒアリングですとか農福連携事業の魅力の発信、そして今後の農地の拡大などが必要であると考えます。見解を伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 雇用の安定した継続のためにも、受託者からは月一回程度、定期的な報告を受けるとともに、情報を共有しつつ、必要に応じて企業と支援機関、こうしたものをつなぐなど、雇用された障害者の方への支援体制の構築を図ることが重要です。  農福連携事業の魅力発信につきまして、区の広報媒体のほか、電通各社の持つメディアネットワークを活用し、効果的な広報に努めてまいります。障害者施設に対しましても、事業に従事した当事者の体験など、やりがいを伝えて就労希望者の拡大につなげるとともに、区内外に対して広く発信することで障害理解の促進を図り、生産品の販路拡大にもつなげていきたいというふうに考えております。  今回の農福連携事業をしっかりと実施していくことで、課題を明らかにした上で、経済産業部との連携をしながら、第二、第三、こういった農福連携事業の展開を検討していきたいと考えておりまして、そのためにもノウハウや実績を着実に積み上げていくことが重要であるというふうに考えてございます。 ◆神尾りさ 委員 先日、農福連携事業に伴って、障害者が参加する農作業体験イベントというのがあるそうですけれども、そのチラシの情報提供がありました。これが、さすが電通と言えるような本当にすてきなデザインで今後の広報にも期待が持てるものでした。こういった形で電通のよさというのをしっかりと生かして、理解の促進や生産品の販路拡大などに努めていただきたいと要望いたします。  次に、障害者の活躍の場の拡大について伺います。  障害の種類によっては、就職が困難な方というのもいらっしゃいまして、そういった方が能力を生かせる別の手段としてアートが挙げられるかと思います。区では毎年、障害のある方のアート作品の展示の機会を設けているようですけれども、まずはこの取組について内容を伺います。
    ◎須藤 障害福祉部長 障害福祉部の取り組むアートの作品の展示といたしましては、平成十六年度から世田谷美術館で、世田谷区障害者施設アート展を、平成十九年度からは玉川髙島屋で世田谷区障害者施設アート・オムニバス展をそれぞれ開催いたしまして、区内の障害者施設を利用する方が作られた絵画や陶芸、貼り絵など美術作品を展示しております。そのほか、障害者週間記念事業として開催しております区民ふれあいフェスタにおきましても、絵画や造形などの展示を行っているような状況です。  しかしながら、新型コロナの感染拡大、こうした影響によりまして、玉川髙島屋でのアート・オムニバス展は、令和二年度、三年度と実施を見送っている状況にございます。令和四年度につきまして、会場での開催を前提としつつ、今後の感染状況を見据え、オンラインでの開催などを含めて再開の検討をしてまいります。 ◆神尾りさ 委員 取組の内容はとてもよいと思うのですけれども、当区では共生社会ホストタウンに力を入れていることからも、もっと広く一般の方々に知っていただくことはできないでしょうか。例えば期間や場所などを限定するのではなくて、駅や商店街、そしてスーパーマーケットなどで、継続的に障害者の作品を展示できるように行政として働きかけることはできないか伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 御提案の公共的な場における障害者の作品を展示し、ふだんから目に触れる機会があるということについては、障害理解につながるというふうに考えてございます。その実施に向けましては、区内の交通事業者や商店街、各企業等の協力を得ることがまず必要であるというふうに考えてございます。そのため経済産業部など関係所管と相談連携しながら、実現に向けた課題の洗い出しで、まずは試行的なスタート、こうしたものを目指して検討していきたいというふうに考えております。  また、障害者施設の運営事業者に対しましても、こうした公共的な場での作品の展示に関するアンケートなども行って、実施に向けての意見を聞いてまいりたいと思います。 ◆神尾りさ 委員 伺った取組の一つ一つが条例に向けた障害理解促進にもつながると考えます。障害について触れて考える機会というのをもっと増やし、多くの人にとっての日常の一部にしていただきたいと思いますけれども、最後に今後の事業展開についての意気込みを伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 障害の理解促進や差別解消には、互いを知って理解することが重要で、ふだんから地域で共にいるといったことが必要かと考えてございます。そのためには地域生活を支えるソフト、ハードを整える必要があり、条例制定も含めて推進をしていきたいと考えております。  そうした中で、お話しの障害のある方の個性が生かされるよう、選択ができたり、アピール、広報の機会を増やすなど、庁内はもちろん、区民、事業者の方々と協力して施策を進めていきたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 今後ますます事業を推進していってください。  以上で質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、子育て世帯及び住民税非課税世帯に対する臨時特別給付について伺います。  昨年政府が決定した子育て世帯及び住民税非課税世帯への臨時特別給付は、区では、児童手当を受給している子育て世帯に対して、昨年中に現金での一括給付の手続がされたと伺っております。  ここで、まず伺いますが、児童手当を受給している対象世帯には漏れなく給付が届いているのでしょうか。区内での引っ越しや新たに転居されてきた方への対応なども含め、対応状況をお伺いいたします。 ◎佐久間 臨時特別給付担当課長 子育て世帯への臨時特別給付につきましては、迅速な給付を目指し、児童手当の仕組みを活用して対象児童や銀行口座情報を区が把握している世帯に対しましては、改めて申請を要しない、国が示すプッシュ型支給で支給を行いました。  世田谷区から九月分の児童手当を支給している世帯につきましては、区内で引っ越しをした方を含め十二月末までにクーポン相当分を上乗せした現金十万円を一括支給しており、一月末までに一部調査が必要だった世帯を含め、ほぼ漏れなく支給をしております。基準日となる令和三年九月三十日以降に区外から新たに転入してきた方は、前住所の自治体から給付を受けることとなり、お問合せのありました場合はその旨を御案内しております。現在は、基準日以降の出生児童の養育者などに対し、児童手当の申請をすることにより、改めて申請を要しないプッシュ型支給などで随時支給を行っており、今後とも対象世帯には漏れのないよう支給をしてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  続いて、高校生など児童手当の仕組みが活用できない世帯への給付についてお伺いいたします。  昨年末、一万八千六百六十二人の方に申請書を発行したと聞きました。先月末で申請期限を迎えましたが、期限を過ぎて区に届いた申込書があったのか伺います。また、あった場合、区ではどう対応されたか伺います。 ◎佐久間 臨時特別給付担当課長 高校生を養育する保護者や、児童手当を世田谷区ではなく勤務先から支給されている公務員の養育者へ、十二月二十四日に申請書をお送りさせていただき、所得制限などの支給要件を満たす場合には申請をいただいております。この申請の期限を二月二十八日までとしておりましたが、期限を過ぎても到着する申請書はままございます。区といたしましては、三月以降に届いた申請を一律に無効とせず、国の補助の関係もございますので、最長四月二十八日までに申請をいただいた方を審査の対象として受け付ける予定でございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  続いて、住民税非課税世帯等に対する給付について伺います。  区では、対象を十万七千世帯と見込んでいるようですが、困窮している世帯が確実に受け取れるよう、しっかりと給付の対象となる世帯へ案内していく必要があります。既に対象世帯や住民税未申告世帯に申請書等を送付され、「区のおしらせ」等も全戸配布されています。御自身の意思で受け取らないのはよいのですが、必要な方に届ける努力も続けるべきです。既に申請があった方への支給が開始されておりますが、現時点での支給数と支給までにどれくらいの日数がかかるのか、お伺いいたします。 ◎佐久間 臨時特別給付担当課長 住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金につきましては、二月七日から住民税非課税世帯、住民税の未申告世帯、また区外からの転入により、令和三年度の住民税の情報を区が持っていない世帯など、支給の対象の可能性のある約十二万世帯に順次申請書兼確認書を送付しいたしました。三月十一日までに約六万九千世帯から申請をいただき、要件を確認する等、手続を進めており、そのうち約四万四千世帯の審査手続が完了しております。  区では、申請を受け取り次第、速やかに調査、審査に取り組んでいますが、口座に振り込むまでに約一か月のお時間をいただいております。なお、給付金の審査状況等を区のホームページに掲載させていただき、進捗状況をお知らせするとともに、臨時特別給付専用ダイヤルを設け、区民からのお問合せにも丁寧に対応しているところでございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  また、家計急変世帯への支給については九月末が申請期限となっております。こちらについては対象者が把握しにくいため、より多様な手段で継続的な案内をする必要があります。どのような対応を想定しているのか、お伺いいたします。 ◎佐久間 臨時特別給付担当課長 家計急変世帯につきましては、区ではその情報が把握できないため、御自身が対象になるのではないかと思う方から申請をしていただく必要がございます。家計急変世帯への給付金の支給につきましては、二月の上旬に「区のおしらせ  せたがや」特集号を全戸配布し、区内全世帯に周知を行ったところです。  また、ホームページに申請書を掲載するとともに、対象となる方が申請の機会を逃がすことのないよう、相談に立ち寄る可能性のある生活困窮者自立相談支援センター、ぷらっとホーム世田谷をはじめとして、出張所・まちづくりセンターなど、地域の身近な場所にも申請書類を一式配架し、申請へのアクセスをしやすくしております。そのほかに、各総合支所の生活支援課や民生委員会長会、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会、ケアマネジャー連絡会等へ御案内し、対象となる可能性のある方へ情報提供していただくよう依頼しております。引き続き、関係機関や広報所管と連携し、家計急変世帯に該当する世帯に対し、より効果的に伝わるような周知に取り組んでまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  支援が必要な方にしっかりとサービスが受けられるよう広報していくことを求め、私からの質問を終わりといたします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 一般質問では、地域共生社会の実現に向けたヘルプマークやヘルプカードを活用した心のバリアフリーの取組について質問しました。本日は、福祉保健所管分におきましても、この視点から質問を続けたいと思っております。  初めに、精神障害者ピアサポート事業についてお伺いします。  地域共生社会の実現に向けて、障害のある方もない方も、それぞれが持っている力を発揮して地域の中で生き生きと暮らしていくことが大切です。障害のある方同士が仲間として支えあうピアサポーターが少し広がっていて、世田谷でも精神障害のピアサポーターが力を発揮していると伺っております。精神障害のピアサポーターをこれからも増やし、それぞれが活躍できるような仕組みづくりに向けて、区はどのように取り組んでいくのか、まずお伺いします。 ◎宮川 障害保健福祉課長 精神障害の方が安定した地域生活を継続していくためには、住まいの確保や生活の支援だけでなく、本人ができることを生かして地域と緩やかにつながることも大切と認識しています。同じ障害や病気の経験を生かし仲間として支えあうピアサポーターにつきまして、区では現在、養成研修を行い、精神科病院長期入院者の訪問支援事業や、こころの電話相談において活躍いただいている状況です。  令和四年度には、精神障害者ピアサポーターの活躍を推進するため、養成研修修了者の意向等を踏まえながら、ピアサポート活動の体験や実習派遣などを行うピアサポーター登録・派遣事業を開始予定です。また、ピアサポート活動を行う団体への活動費等の支援も行い、地域における重層的な支援体制を確保し、地域共生社会の実現に向けた取組を推進してまいります。 ◆青空こうじ 委員 次に、商店などにおける共生社会促進助成事業についてお伺いします。  この事業は、障害のある方が商店や事業所を利用しやすくするために、段差解消のための簡易なスロープや点字、音声コードを添付した料理メニューなど、合理的な配慮の提供に必要な物品を設置した商店や事業所などに対して経費を助成するものです。平成二十九年度の東京二〇二〇大会の開催に当たり、ユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーの取組の一環として、この事業は経堂農大通り商店街や梅丘商店街、山下商店街、豪徳寺商店街の四つの商店街で試験的に導入され、平成三十年度から区内全域で展開されるようになり、少しずつですが区内に広がってきているようです。  そこでお伺いしますが、共生社会促進助成事業の取組の状況について、今はどのようになっているのかお伺いします。これまでの助成の実績についてもお伺いしたいと思います。 ◎太田 障害施策推進課長 商店等における共生社会促進助成事業につきましては、平成二十九年度では五十四店舗、平成三十年度では二十一店舗、令和元年度では十七店舗、令和二年度では二十一店舗に助成を行っております。助成事業に合わせて、障害当事者や団体関係者が商店街や店内を実際に歩き、気づいた点を取り入れることで、誰もが利用しやすい商店づくりにつなげる取組を行ってございます。  御協力いただいた商店からは、ちょっとした工夫や気配りを常に心がけるようになったことや、障害当事者からは、商品の陳列や表示の仕方を工夫することにより買物がしやすくなったことなどの御感想をいただいております。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。先導的共生社会ホストタウンである区としては、心のバリアフリーをさらに進めるためにも、何らかの形で助成事業が継続できるよう取り組んでいただくことが必要ではないでしょうかと考えております。  あわせて、先ほど答弁もありましたが、まち歩きについては、障害者の目線から町を点検、そして見直すものであり、こうした地域の小さな小さな支えあいが広がり、障害のあるなしにかかわらず、誰にも優しいまちを築いていくことが区の地域社会の実現に重要だと考えておりますが、区の見解をお伺いします。 ◎太田 障害施策推進課長 助成事業につきましては、区の地域保健福祉推進基金を活用し、地域の支えあい活動の推進を目的として実施しております。助成事業により、商店や事業所における障害理解の促進や合理的配慮の提供につながっているものと認識してございます。  一方、より多くの商店や事業所に御参加いただくためには、広報の仕方にさらなる工夫が必要なことや、まち歩きによる点検の成果を広く周知し、より多くの商店や事業所で御活用いただくための取組が必要なことなどの課題もございます。今後、障害当事者や団体等に御意見を伺い、関係所管と連携して評価検証を行いながら、新たな事業展開に向けて検討していきたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 頑張ってください。助成事業が継続され、合理的配慮の提供が、区内に少しずつ身近なところから広がっていくことを期待して、私からの質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時四十二分休憩    ──────────────────     午後二時開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆加藤たいき 委員 それでは、自民党の福祉領域の質疑を始めさせていただきます。よろしくお願いします。  まず、私からは、上用賀公園拡張用地で行っているPCR検査についてから伺います。  有症状の世田谷区民で、かかりつけ医や地域の身近な医療機関での診療、検査が困難な方までは、先日の七回目の拡充でできるようになりました。遡ること二月十五日には、陽性者が発生した社会的検査の対象施設、幼稚園、小中学校、新BOP、児童養護施設等で、濃厚接触者となった無症状の利用者及び職員に対しても拡充をされています。  現在、学校では学級内に二人の陽性者が出た場合に学級閉鎖を行ってきていますが、同じ教室内でも濃厚接触者に準じない児童が多いわけです。この間、オミクロン株で陽性者が増えた際に保健所が逼迫されて、教育委員会が学校内においては陽性者の対応を見極め、検査に今つなげています。とすると、教育委員会の権限では、保健所とは違い、濃厚接触者の断定ができずに放置している側面があると思っています。  現状、これまでのオミクロン株の陽性者数がかなり増えてしまっているということで、保健所を責めるつもりは毛頭ないですし、教育委員会も必死に濃厚接触者だったり、陽性者の隔離にしっかりと励んでいるとは聞いているんですが、現状、学級閉鎖があって断定されていない児童の保護者から、私の息子は塾があるんですけれども出かけていいですかとか、検査を受けたほうがいいんですかとかという声が届いてきているわけです。  区では、先ほど申したとおり、濃厚接触者のみ無症状でも上用賀公園に検査対象として案内しているわけですが、濃厚接触者に準じない児童がいる家庭の影響を鑑みて、その方々が医療機関に検査を受けに来ているというふうに、医療検査をしている看護師さんだったり、医師からも、ちょっとこれはどうにかならないのかという声が届いております。  とするならば、濃厚接触者でなくても、学級閉鎖に伴う出席停止中の方に対して、児童、教員を問わずに上用賀でも優先的に検査を受け入れる考えはないのか伺います。 ◎小泉 保健医療福祉推進課長 上用賀の臨時PCR検査会場でございますが、こちらは急激な感染拡大に伴いまして急増する検査ニーズに対応すべく、緊急措置として臨時の診療所を設置したものでございます。委員お話しの小中学校をはじめとする対象者には、ほかに高齢や障害、保育等の社会的検査対象施設において、濃厚接触者となった無症状の職員及び利用者、無症状で抗原定性検査キットなどにより陽性疑いとなった方、また陽性者となった方と同居する方のほか、三月七日からは有症状も対象者に含めまして、区の検査のセーフティーネットとしての役割として担っております。  一方で、区内の小中学校に対する検査体制でございますが、こちらの上用賀の臨時PCR検査会場が、診療所ということで有料ということと、それから陽性者が発生した際に、無症状の職員、児童生徒を対象にPCR検査を実施する区の社会的検査の随時検査、それからこの随時検査の受検に一定期間時間を要する場合は、感染不安、体調が気になる場合などは抗原定性検査キットの配布をして社会的検査として実施しており、委員お話しのございました学級閉鎖の際も、この抗原検査キットを活用し対応を図っているところでございます。  また、感染不安な都民ということで、現在東京都がPCR検査等無料化事業ということで、無料の検査ができる体制を現在区内で三十七か所ひいてございますが、今御質問のございました、濃厚接触者に当たらない児童生徒、教員、都民であればその対象にもなるということでございます。  小中学校に限らず、区としてはこの身近な検査場所の分かりやすい周知が必要であるというふうに考えてございますので、この上用賀につきましては三月下旬をもって終了する見込みですが、引き続き四年度以降も検査が受けられるよう、区が実施する検査のみならず、東京都の事業も含め様々な検査を活用いただくために、ホームページですとか、SNSなど広報媒体を駆使しまして情報周知に努めてまいりたいと思います。 ◆加藤たいき 委員 抗原検査キットを配布して、陰性だとしても、有症状でPCR検査を受けたら陽性だったという話というのは結構ざらにある話なんですよ。東京都の無料PCR検査の事業も、皆さん、区民は知っている方は多いのかなというふうに思っているんですが、今回何が言いたいかというと、濃厚接触者に準じる方でも、家庭の都合で検査を受けたい方って実はある一定の数いるんですよね。そういった方が優先的に受けられる場所が必要という観点から質問したわけで、今現状、濃厚接触者で無症状でないと受けられないというところを、濃厚接触者に準じる、学級閉鎖等だったりという、結構断定しやすいとは思うので、そこの方々に無症状だろうと、PCR検査を受けられる環境というのは、優先的に受けられる場所、今、東京都の事業もそんなにすぐできるわけじゃ―場所によってはできるのかもしれないですけれども、そういったところの場所を設けてほしいというところで聞いたわけです。  当初は学校のほうに、それぞれ学級閉鎖があった学校の保健室に四日後ぐらいに児童が来て、それでPCR検査とかをやってきたわけじゃないですか。そういうことを優先的な場所で設けてほしいと。これは要望ですので質問しませんので、大丈夫です。  それで、次に行きます。学童問題、他会派からも午前中にありましたし、かねてより、私もここ何年も続けてきた問題です。  これまで待機児童問題が叫ばれてから久しい中で、保育園を区は増設してきたわけですよ。一千人規模を十年近く拡充し続けたんですから、もうこの学童問題というのは確実に区として頭に入れておかなきゃいけなかった問題ではないのかなというふうに思っております。  保育園をつくったからよしみたいな考え方で思考停止するんではなくて、この学童までを出口施策と一緒に、待機児童問題と学童をセットで考えなくてはいけないのに、それをおざなりにしてきたツケが、今ようやく区も本腰を入れてやっていきましょうみたいな形になって、それに対しては、民間の分も含めて私は評価をしておりますが、これはどこの所管でも確実にちょっと御理解いただきたいのが、課題が浮き彫り化してくる前に対策というものは取っておかないと、後手後手に結局なってしまうと、優先課題事業からもっと派生して課題というのが大きくなっていってしまうということは、ぜひ御理解いただきたいなと思っております。  民間委託に対しては、私もこれまで議場で質問しているぐらいですから、非常に賛成をしている部分でもあります。ただし、直近にできることをせずに、民有地を利用した民間委託で解決するだろうというのは、いささかこの学童問題を軽く見ているんではないかなと正直思っている部分でもあります。民間導入検討と同時に、公的にできること、そして制度設計の見直しをしていかないといけないんではないかという部分で質問をしていきます。  先日の議場のほうの定例会、我が会派の代表質問において定員制の話がありました。この課題ですが、利用調整という部分がかなり大きな部分になるのかなとは思っておりますが、区として我々議会、他会派も含めて、共通認識としては、本当に困っている方に対しての門戸は確実に広げていかないといけないと思うんですよ。定員制をしていくという考えの中に、どのような部分を整理して、区として考えているのかをまず伺います。 ◎須田 児童課長 新BOP学童クラブにつきましては、児童の放課後の居場所を確保するため、待機児童が生じないよう定員を設けず運営してまいりましたが、児童数の急増と小学校の三十五人学級の導入によりまして、活動場所の狭隘化や大規模化が進みまして、小学校内で現状の運営方法を継続していくことが困難となってございます。今後、新BOP学童クラブが適正な規模で運営できるよう、学校外への放課後児童健全育成事業の誘導や、児童館やプレーパークなど以外にも子どもたちが自ら選んで過ごせるような多様な居場所の創出等を進める必要があると考えております。  新BOP学童クラブの定員制の導入につきましては、待機児童を生じさせないことを基本としまして、子どもたちが学校外の放課後児童健全育成事業も併せて、子どもたちがよりよい環境で過ごせることを前提に慎重に検討してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 今答弁でもありましたように、外出しとかという考えがある中で、今年度の冬口ぐらいですか、新BOP、学童の新たな考え方が出て、民間、外に切り出す、民有地を使って民間を外に切り出すという方針がありましたけれども、ちょっといろいろ議会があって、一年後ろに倒すことになっています。  正直、民間に場所まで考えさせるというのは、私は行政課題を転嫁している部分があるんではないかなというふうに感じていて、その上、いつまでも、先ほど学童の待機児童を生じないようにという答弁でしたけれども、いつまで狭隘化、大規模化が続くか分からない中で、民間をどれぐらい誘致していくのかというのは非常に大きな課題かなと。  結局、保育園も一千人規模でつくり続けて、今、認証の保育所だったり、企業型保育所が非常に厳しい状況になってしまっているということで、学童の部分も適切適正な形をつくっていかないと、同じ轍を踏んでは、やっぱり民間の方々にも御協力いただくということでもありますし、そこの辺の整理はしていかないといけないと思います。  先ほど他会派から午前中ありましたけれども、直近にまずできることが普通教室の拡充ということで、これもかれこれ、私、前期だったか質問しているんですけれども、ようやく教育委員会では、私、文教所管の所属なので、文教委員会のほうでようやく説明をされたわけですけれども、当初、先ほど民有地は一年後倒しにすることになりましたけれども、当初四月からプロポーザルをやるという考え方があった中で、普通教室もそうしたら同時並行で四月ぐらいから始まるのかなと思っていたんですけれども、その話が聞こえてこないということは、ちょっと文教の所管外なので、委員会をまたいで今度聞いていこうかと思っているんですけれども、普通教室の拡充というのは行政課題としてすぐにやらないといけないものではないかなとは思っています。  今回、民間を誘致しますというところまでは一年後ろ倒しされたわけですけれども、今回、放課後児童健全育成事業者のみ参加できるスキームとして、補助金絡みの部分が多分にあるのかなと思うんですが、この放課後児童健全育成事業者以外の学童事業者というのが、世田谷区は実は、私も知る限り、駅の周り何個かあったりすると思うんで、そことの整合性を取っていかないといけないと思うんですね。  区が誘致する放課後児童健全育成事業者には公金が入っていくわけじゃないですか。一方で、これまでの民間、民間学童というふうに言いますけれども、民間学童クラブには入らないということで、保護者負担の考え方をすると、利用料が民間学童のほうが割高になると思うんですね。その辺、民業圧迫化してしまうんではないかなという嫌いがあるんですけれども、そこら辺はどう考えているんでしょうか。 ◎須田 児童課長 区内には児童が放課後を過ごす居場所等を提供している事業者が多数存在しまして、それぞれの事業者が送迎を行う、英語等の習い事ができる、学習指導が受けられる、スポーツに特化する等の独自のサービスを展開しておりまして、子どもや保護者はニーズに合わせサービスを選択しているものと認識してございます。放課後の過ごし方については、子どもと保護者によって様々でございまして、新BOPと民間の居場所等を併用して利用している家庭もございます。  区が公設公営で、あるいは学校外に民間事業者を誘導して実施する児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業につきましては、区の公的な責任の下、条例で定める基準と現在策定を進めている放課後児童健全育成推進事業運営方針に基づき、必要とする子どもに放課後の適切な遊びと生活の場を確保して質の高いサービスを実施していくものでございます。  こうしたことから、放課後児童健全育成事業と児童福祉法等の規制を受けない民間の居場所等については、事業内容や利用方法も異なっておりまして競合するものではないと考えてございます。 ◆加藤たいき 委員 現状切り分けをしているのは、それは公設公営でのみ今世田谷区がやっているもんですから、その切り分けはされていて当然だと思っているんですけれども、今回民間を導入してくることによって、その切り分けがちゃんとできていくのかというところも課題だと思っています。  今、放課後児童健全育成事業者というものは世田谷区で二つほど、桜新町と三軒茶屋のSHOWAさんがやっているところがありまして、それ以外にも今懸念している、民業圧迫になるんじゃないのと言っている学童クラブもある中で、こういった事業者の方々と世田谷区は、民間で外に切り出して、民有地を借りてやっていきますよみたいな話というのはしてきているんですか。 ◎須田 児童課長 学校外の放課後児童健全育成事業の誘導の検討に当たりまして、区内で公費の補助を受けていない民間の児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業者と、法に基づかない放課後児童の居場所等を運営する民間の事業者にヒアリングを行いました。  法に基づく事業者からは、受けられる補助内容のほか、補助を受けることとなった場合に、現在区を介さずに利用している子ども、保護者への対応が必要になることから、利用募集の条件、時期など事前の対応について検討が必要であるなどお話を伺いました。法に基づかない放課後児童の居場所等を運営する民間の事業者からは、場所の確保の課題があること、条例に定める基準等を満たすかの確認が必要になるなどのお話を伺いました。ヒアリングの範囲では、補助などの運営面や設備面での要件を満たすことができれば、学校外での児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業への転換、参入に前向きなお話も伺ってございます。 ◆加藤たいき 委員 民間の事業者の聞き取りをしたということは、私は評価をします。一方で、民間の事業者、今、放課後児童健全育成事業者ではない事業者が、例えば世田谷区で学童を一緒にやりましょうという形になった場合、場所も既にあったりするんで、既存の民有地で新たに誘致するよりもスピード感があると思うんですよ。今回、この学童クラブというのは喫緊の課題だと思うので、誘致という形よりも提携みたいな形で、一つでも二つでも進めるものは進めていってもらいたいなというのは、実際問題、確実に、私も子育て世帯ですし、友人もそういった方々も多いんで、聞こえ漏れている声なんですよ。  今、民間事業者がもう転換してもいいんではないかと考えていらっしゃる方もいるというふうにあったと思うんですけれども、例えば事業者が転換した場合、あるいは補助金があれば転換してもいいよという事業者がもしかしたらいるかもしれないじゃないですか。そういった補助とかというのは区として考えているんですか。 ◎須田 児童課長 民間の放課後児童健全育成事業者の誘導につきましては、新たな整備運営を基本としておりますが、現在区内で児童福祉法に基づかない児童の放課後の居場所等を営む民間の事業者におきましても、新BOP学童クラブの大規模化や狭隘化の解消に寄与し、区の定める基準や要件等を満たした上で法に基づく放課後児童健全育成事業に転換するものにつきましては、補助金の対象とすることで検討してございます。  法外の民間事業者の転換を促すことにより、早期の新BOP学童クラブの大規模化や狭隘化の解消に加え、多様な子どもと保護者のニーズへの対応も可能となることから、今後転換を希望する事業者から相談があった場合には、区の定める運営方針や基準等につきまして案内し、人員配置や施設面の条件等について対応してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 相談があった場合とは言わず、一律に全学童施設にお伝えするのが当然だと思いますけれどもね。場所があるんですから、御協力いただきたいと思います。  今回、民間誘致するに当たって、事業者にどこまでのサービスを求めるのかというところも大きな課題だと思っておりまして、小学校の周りに送迎をしてくれる車とか、議員の方も見たことがある方は多分いらっしゃると思うんですよ。そういったオプションをしている事業者だったり、あるいは勉強もしっかり教えてくれる、また、英語の授業もやってくれるとかという学童クラブもある中で、区としてどこまでのサービスを放課後児童健全育成事業者に求めるのかというのは整理できているんでしょうか、伺います。 ◎須田 児童課長 民間の事業者を誘導するためには、国や都の補助金を活用することとしており、補助要件において、新BOP学童クラブと同様のサービスの提供及び学校外への移動が伴うことから、学校から施設までのお迎え、十九時までの預かりについて基本のサービスに位置づけることを考えてございます。  また、新BOP学童クラブで実施していない、いわゆるオプションとなる個別の学習指導、習い事、夜食の提供、十九時以降の預かり、家までの送り等、個別のニーズに基づくサービスにつきましては、保護者の自己負担となるものと考えてございます。オプションのサービスにつきましては、子どもと保護者の選択により利用するものでございますが、基本サービス部分につきましては公費による補助を実施していることを鑑みまして、補助条件及び運営基準におきまして、一定の要件を定めていく必要があると認識しており、今後区として、オプションのサービスの要件について検討してまいりたいと考えております。
    ◆加藤たいき 委員 学校内で公設公営でやっていく学童というのはオプションをつけられないけれども、民間の民有地に外出しして借り入れしてくれた学童施設というのは、オプションがつけられる可能性があるというのは、ちょっとここは制度設計としてしっかり整理していかないといけない部分かなと思っておりますので、そこは丁寧に進めてもらいたいなというふうに思っています。  ちょっと整理で、学童の予算がフルコストと、一人当たりにどれぐらいの予算を、児童一人当たりを預かるのにどれぐらい年間予算がかかっているのか教えてください。 ◎須田 児童課長 新BOP学童クラブの児童一人当たりに係るコストにつきましてですが、コロナ禍の影響のない令和元年度で、一人当たり年間五十一万五千円のコストがかかってございます。全体のフルコストとしましては十七億八千百九十二万二千円でございます。 ◆加藤たいき 委員 年間五十一万五千円がかかっているということで、先ほど申し上げましたけれども、世田谷区に放課後児童健全育成事業者が二社あるということで、一社を例に出しますと、月謝を四万円ぐらい保護者から頂いてて、夏休みだったりの長期休みであれば五万円程度いただいているというところで、相場観で言うと、今五十一万五千円ということなんで、世田谷区の学童の年間予算、大体四万円強ぐらいですかね。それぐらいなんで、相場観としては、事業自体の相場としてはとんとんなんだなというふうには理解できました。  今回、民間を誘致するに当たって、事業者に一人当たりのコスト、一人預かりに対してどれぐらいの金額を考えているのかというのは出ているもんなんでしょうか、伺います。 ◎須田 児童課長 定員八十人と考えまして、一支援単位が四十人ということで定めてございますので、それが二支援単位。それを一か所の運営費補助といたしまして、国、都の補助基準に基づく障害児加算、送迎加算、賃料加算等を加えた額として、四千五百七十二万一千円、これに現行の新BOP学童クラブと同額の利用料で御利用いただくための区独自の利用補助一千四百四十万円を加えまして、一か所当たり、合計額は六千二十一万二千円でございまして、利用者一人当たりにすると七十五万一千円でございますが、国、都の補助金がありますので、そちらを除く区の単独費用につきましては四十三万二千円となります。 ◆加藤たいき 委員 四十三万二千円となると、年間でいうと、年間四十三万二千円は年間でしたか。もう一回お願いします。 ◎須田 児童課長 こちらは年間の金額でございます。 ◆加藤たいき 委員 そうすると、世田谷区が今年間で五十一万五千円としているので、区が直営で運営するよりも民間委託のほうが割安ということになるのかな。公設公営の考え方、公設民営の考え方というのもそうすると生まれてくるんではないかなとは思うんですが、財政負担もマンパワーのリソースも今学童のほうも職員の方々が、アルバイトの方も含めてなかなかいないという中で、そうすると公設民営、いわゆる学校の中の施設を民間の事業者にやってもらうという考え方も生まれるんではないかなと思うんですが、その辺いかがでしょうか。 ◎須田 児童課長 新BOP学童クラブにつきましては、これまでも遊びや日々の育成の中から、子どもたち一人一人の状況を把握しまして必要な支援を行ってまいりました。今回、学校外に民間の放課後児童健全育成事業者を活用することとしてございますが、新BOP学童クラブにおきましては、児童が自身で放課後を過ごすために必要な時間の管理を伴う自己の予定の把握や約束事を守ることができるようになる、予測して行動するなどの自立を支援することに時間をかけて取り組んでございます。  また、配慮を要する児童の積極的な受入れや支援が必要な子どもや家庭を発見し、子ども家庭支援センターや児童相談所につなぐなどのセーフティーネットの役割を果たす必要がございますため、現時点では公設公営で運営していくこととしてございます。 ◆加藤たいき 委員 今の答弁ですと、配慮を要する児童の積極的な受入れや、支援が必要な子どもや家庭を発見し児童相談所につなぐセーフティーネットの役割を果たすということを強調されていましたけれども、これは民間ではできない、民設民営ではできないという考えから、こういった考えが生まれているんでしょうか。ちょっとそれだけ確認させてください。 ◎須田 児童課長 民設民営では全くできないかと言われれば、できるところもあるかとは思いますけれども、区の公的責任としまして、区がこれまで取り組んできましたことですとか、今まで築き上げてきました様々なネットワークですとか、あとは例えば配慮を要する児童につきましては、医療的ケアの児童もお預かりするとか、そういったところも今後出てまいりますので、そういった意味では、区としてしっかりやっていければというふうに考えているところでございます。 ◆加藤たいき 委員 学童に限ったことではないんですけれども、区立幼稚園が今、定員割れしている中で、私立幼稚園にも配慮を要する障害を持つお子さんだったりを今後受け入れるとかというお願いとか相談とかがあってしかるべきだと思うんですけれども、そういった声、私立幼稚園の全部の園に私は聞いたわけじゃないんですが、ちょっと今話が飛んでいますけれども、私立幼稚園のある園長先生から、そういう話は一切区からないんですよねという話が聞こえてきちゃっているんですよ。  なので、民間だからできないとかではなくて、民間でもできることがありますよと言ってくれている部分があるんですから、学童も公設公営でやっていくというのであれば、私はそれはそれで世田谷区の姿勢としては悪くはない、公設民営の部分がいい部分もあるとは思っていますが、覚悟があるんだったらそれは推し進めてもらいたいと思っていますけれども、できないって最初から決めつけるんではなくて、できることというのは民間にもありますから、それはぜひ相談したり、進めてもらうところで、そこの気持ちというのは沿ってもらいたいなというふうに、これは要望しておきます。  保育園で、最初のほうで認可至上主義的なものが今現在残っていて、認証、企業型等、本当に保育所の方々、今非常に厳しい状況になっているということで、東京都のチルドレンファーストですか、先日プレスリリースがあった認証保育所で学童児童を預かりますみたいなスキームが発表されたと思うんですけれども、これは世田谷区はどうしていくんですか、伺います。 ◎須田 児童課長 こちらは東京都からお示しいただいた制度でございまして、認証保育所を運営しながら、その中で学童も預かっていいというような制度のつくりになってございます。そういった意味では、例えばゼロ―二が多い認証保育所の中で学童期の大きいお子さんと一緒に過ごすことが大丈夫かどうか、もしくは人員配置の問題ですとか、いろいろちょっと課題は多いものと考えてございますので、今後実施するかどうかにつきましては、区として検討させていただければと思います。 ◆加藤たいき 委員 認証保育所さんもなかなか、ゼロ歳から預かる場所で、小学生一・二・三年生、どの学年が来るか分からないですけれども、そういった方々と一緒にするというのは、ちょっと保育所側としても結構難しいかなというところも触感であるんですけれども、もし学童施設に転換したいという相談があればぜひ相談に乗ってもらってあげてくださいというところが、まず要望を出しておきます。  ちょっと児童館の話も含めてしたいんですが、学童の受け皿として児童館というのは非常に大事な部分かなと思っておりまして、でも、自宅に帰らないと児童館は実は教育委員会としては認めていないんですね。一方で、ランドセルを背負って学校には行かなくていいというのは、私、過去の質問で教育委員会から答弁を引き出しているんで、リュックサックでも行っていいんですよ。児童館には、リュックサックに行く分には、児童館の職員は分からないんで、下校時に行けてしまうという矛盾点。また、自宅へ帰らずとも塾に行っていい、運動スポーツスクールに行っていいという矛盾点がある中で、児童館の受け皿というのは今後学童施設としての一定の役割はあるかと思うんですけれども、それはどう考えているでしょうか伺います。 ◎須田 児童課長 区立小学校では、下校時の安全確保について、家庭と連携して、放課後の遊びや塾、習い事などは一旦帰宅してから行くことを原則としてございますが、塾などの業者が小学校や家庭等を送り迎えできる場合は、保護者の要望を受けて小学校もこれを認めてございます。小学校のこの原則の下、児童館でも小学校と連携し、子どもたちへの帰宅後に保護者の了解を取ってから児童館へ遊びに来るよう案内しているところでございます。  一方、児童館における学童クラブの開設につきましては、児童の児童館までの移動手段や学童クラブの専用スペースの確保等に課題がございますので、学校外に民間の放課後児童クラブを誘導する方向で今検討しているところでございます。今後、児童館の放課後の居場所としての活用につきましては、児童の安全確保を前提に、教育委員会とも協議しながら、成長と自立に合わせた放課後の過ごし方を、児童が自ら選択できる居場所の一つとなるよう、その考え方を整理してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 私の時間の持分が少なくなってきたんで、もう意見にとどめておきますけれども、学区の問題で、自宅から一番近い学校が学区外だったりすることも結構あったり、保護者によっては、駅から近い学校の学童施設を選びたいという、いろんな多様な意見があると思うんですよ。でも、ただ一方で、狭隘化、大規模化の中ではなかなか解決できるスキームではないので、今後待機児童が出ないで定員制を設けていくとかという考えの中に、一定の考え方があってもいいのかなとは正直思っております。  もう一点、要望にしておきますけれども、公共施設、学校外に今、中丸小、松丘小学校は、たまたま近くに駐車場だったり、教育センターの部分があったんで学童の分ができたんですけれども、区民センターだったり、近くの施設に学童施設という考え方、外の切り出しという部分で考えてもらいたいなと思っております。  放課後児童システムのほうも意見だけにしておきますけれども、ミマモルメ等があって、重複事業になってしまっているのは過去に指摘してきております。学童利用者は無償で、それ以外の普通に学校に通っている保護者が有償で使うというのは、やっぱりこれはおかしいと思うんですよ。今DXと言われている中で、細分化していくんじゃなくて、一つにまとめていくというのがやっぱり利用する方々にとって一番便利なものであるし、事務的経費の負担の軽減というところもあると思うんですけれども、その考え方は議会だったり、議員だったり、行政というのは理解できなくはないんですけれども、区民だったり、保護者にとっては、正直この行政的な言い分ってどうでもいいことなんですよ。利用している側としては。ですので、行政サービスが不公平であってはならない、特に公教育の場所ですから、児童の安全に関わるものを、ぜひ一本にしてもらいたいなというふうに、これは要望しておきます。  今回、三つほど質問させてもらった全部の話が教育委員会と福祉所管でまたがっている話なんですね。これは行政側ではなくて議員側に言いたいんですが、やっぱりこういったまたがる議論は深まらないし、煮詰まっていかないんですよ。十五歳以下であれば、やっぱり共通で委員会で話せる機会というのをぜひ設けたいというふうに個人的には思っておりますので、ぜひ御理解いただきたいなと思い、阿久津委員に替わります。 ◆阿久津皇 委員 それでは私からは、まず、高齢者の移動支援というところについて伺ってまいります。  区では、今高齢者の地域参加促進ということで、様々施策を進めているところでありますけれども、急速な高齢化が進む中で、公共交通、高齢者が地域参加する場所までの足がなかなか確保されないんじゃないかというふうに意見しておりますし、そのような指摘があるというところです。  高齢者になって、なかなか歩いて通う、あるいは自転車で通うということが難しくなってくると、いわゆる公共交通手段というものに頼っているわけですけれども、先般の一般質問でも私からも質問させてもらいましたが、我が国の高齢化というものが急速に進んでいると。世界でも群を抜いて超高齢化、高齢化率が二九・一%というところにあって、この急速な高齢化と若年人口、いわゆる生産年齢人口の減少によって、鉄道やバスの需要が減り続けていると。  特に路線バスにおいては、約七割の全国の事業者が赤字となっていて、ここ十年でバス、鉄道とも一万キロ以上の路線が廃止となっているというような状況にあるということで、区内のバス事業者に目を向けてみましても、昨年、幾つかの路線が廃止あるいは縮小ということになりましたし、今後さらに進んでいく高齢化によって、区内においても、バス路線の廃止、縮小というものは進んでいくんだろうというふうに懸念をしているところです。  このバス業界、あるいはタクシーも含めて、自動車運転業というんですか、そこのまた問題がドライバーの高齢化と人手不足ということで、令和二年度の国土交通白書によりますと、自動車運転業の有効求人倍率は三・一倍、全業種の平均と比べて倍以上、これは労働時間が長いこと、あるいはその所得が比較的低いことが要因にあるというふうにされています。  また、労働力調査―これは総務省ですけれども―によりますと、バス、タクシーの運転手の就業者のうち、五十五歳以上の就業者割合が六五・二%ということで、全産業の平均三一・二%、これも倍以上、上回っているというところで、バスやタクシー、その路線そのものが黒字であったとしても、人手不足というところで事業継続が難しくなってきているという状況にあるということです。  高齢者の免許返納等の動きもあって、自動車免許の非保有者というのが増えていて、高齢者自身が公共交通がなくなると生活ができなくなるんじゃないかと、いわゆる買物難民というところも含めて、そういった不安が増大しているというところで、国土交通省の国民意識調査の中でも、老後の不安について、六十歳以上の回答者では、車の運転ができず、移動が困難になるということを選択した方が、三大都市圏で三五%、政令市、県庁所在地、中核市で五六・四%、人口五万人以上では六六%、五万人未満では六七%と、非常に多くの方が将来的な移動の難しさというものに対して懸念を感じていらっしゃるという現状があります。  今、砧地域で公共交通不便地域対策ということで様々な事業、その前段階の準備を行っていると思いますが、そこで様々行ったアンケートの回答率というところを見てみると、六十五歳以上の方の回答率というのは、六十四歳以下の方々の回答率に比べて大幅に上がっている、高いという状況もありますので、区内における公共交通不便地域対策、これも高齢者の利用意向というものが強いと、関心が強い、高いということは明らかになっていると思います。  これらを踏まえた上で、昨年十二月の定例会において、この公共交通不便地域対策について、予算面も含めて福祉所管の積極的な関与というものを求めたところなんですけれども、そのところは福祉所管も積極的に関与していくということでありましたが、その後の状況について教えてください。 ◎杉中 高齢福祉課長 区では、高齢者の社会的孤立の防止や健康寿命の延伸、さらにはコロナ禍におけるフレイル予防に向けて、居場所づくり、健康づくり、地域参加、地域貢献などの五つのプロジェクトから成る高齢者の地域参加促進施策に取り組んでおります。  都市整備領域で進めております公共交通不便地域対策については、高齢福祉部長も出席している公共交通不便地域対策調査・検討委員会において議論をしているところであり、本年二月の開催時には買物支援対策も含めて、改めて現状や課題の整理を行い、今後の取組について認識の共有を図ったところです。引き続き、都市整備領域と連携を深めて、情報交換や課題の共有化を行うなど積極的に関与してまいります。 ◆阿久津皇 委員 連携を深めていくということなんですけれども、高齢化による公共交通の存続の難しさというところが、このコロナウイルスの感染拡大によってさらに拍車がかかっているというところで、一般の路線バスの輸送人員は二〇二〇年で、その前年と比べて五割前後の落ち込み、二〇二一年度も、いまだ二割、三割の減少が続いていると。これは鉄道も同様で五割以上減少、昨年でも二割以上減少というようなところで、コロナによって様々な生活様態が変わってきたと。  マイカーを使われる方、あるいは自転車に切り替える方、これは比較的若年層ですけれども、そういった方々が公共交通機関、感染も恐れてというところもあるかも分からないですけれども、利用しなくなってきたというところで、各事業者とも、感染状況が落ち着いた後も完全に乗客は戻らないというふうに見ているということで、先ほど申し上げた高齢化、免許返納といったことで需要が減っているということに加えて、公共交通事業者業界自体の衰退という、供給サイドも縮小してくるというところが急速に進んでいる中で、公共交通と、いわゆる福祉輸送、こういったものの統合というか、一緒になった考え方、そういったサービスに対する需要が今高まっているということで、言うまでもなく、高齢者が自由に移動できず、家に閉じ籠もりがちになるなどすると、身体機能の低下、認知機能の低下、様々な健康状態の悪化が想定される中で、厚生労働省あるいは各市町村、福祉部局でも移動に対する問題意識というものが高まっているということです。  区においても、高齢者の移動支援というところをしっかりと福祉部門で検討していただく必要があるというふうに考えて、都市整備領域との連携というところを先般伺ったんですけれども、さらに積極的というか、福祉所管の施策事業としてしっかりと考えていただきたいなというふうに思うんですけれども、その辺についての認識を伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 高齢者への移動支援、つまり外出支援ということになってくると思いますけれども、高齢者が外出して体を動かすことによる介護予防や健康維持に資することに加えて、地域活動への参加を促すことによる孤立化の防止や見守りにもつながる等、様々な効果が見込まれ、重要であると認識しております。  なお、第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の計画目標の一つに、高齢者の活動と参加を促進するということが位置づけられております。さらに、計画目標の評価指標の中には、外出頻度を掲げており、週二回以上外出している方を増やしていくこととしております。引き続き、高齢者が生きがいや役割を持って活躍できるよう社会参加を促す施策に取り組んでまいります。 ◆阿久津皇 委員 高齢者の移動手段の確保というところで、その具体のどういった輸送手段を使うかといったところに関しては、都市整備領域のほうが専門でしょうから、そういったところと連携して、領域の縦割りを超えて事業を進めていただきたいと思います。というところを申し上げまして、次の質問に移ります。  次が医療的ケア児の支援について伺っていきます。  これも先般、一般質問で質問させてもらったんですけれども、日本というのが乳児死亡率、出生時から満一歳までに子どもが亡くなる確率、これが二〇二〇年で千人当たり一・八人の子どもが残念ながら亡くなるというところで、これは世界でも一番低い、それも断トツで低いと。様々データがあるのが、シンガポールで二・四、スウェーデンは二・五、英国、イギリスで三・九、米国は五・九という数字があります。  この乳児死亡率が断トツに低いというところで、一方で、それに伴って、それまでなかなか救われなかった命が救われるようになってきたというところから、様々その医療的ケアの必要な子どもたちが増えているという側面があると思うんですが、これはいわゆる乳児死亡率が低い周産期医療の発達というところで、日本で特に顕著に見られる課題なんだろうというふうに認識しているところですけれども、そんな中、昨年、医療的ケア児支援法というものが施行されて、家族の負担を軽減し、子どもの健やかな成長を図ることが地方公共団体における責務であるということが定められました。  そんな中で、今日は保育のことについて伺っていくんですけれども、区立保育園、区内の保育園において、現在四園、定員にして四名の医療的ケア児の受け皿があるということですけれども、これはこれで十分だというふうにお考えでしょうか。 ◎大澤 保育課長 今、委員お話しのとおり、現在区立保育園四園で一名ずつ、計四名の医ケア児の受入れを行っており、今年度末の卒園や今年度途中の医療的ケアの終了によりまして、令和四年四月には二名分の受入れ枠があります。  医療的ケアを必要としている児童の認可保育園入園についての相談のうち、令和四年四月に医療的ケア受入れの区立保育園指定園の入園を希望された方は四名で、一名は医療的ケアが終了する見込みがあることから通常保育として内定し、医療的ケアの要件を満たす二名につきましては、区立保育園指定園の入園を内定としました。また、残りの一名につきましては、症状が安定しておらず、保育園でできる医療的ケア以上のことが必要なことから、内定には至りませんでした。  また、例えば給食の際に食材を細かく刻み、かつ、喉に詰まらせないように職員が注意を払いながら食べさせるなど、医ケアとまでは言えない特別な配慮が必要な子どもにつきましても、病状や発育状況などを踏まえ、保護者やかかりつけ医などの協力を得ながら、医療的ケア指定園以外の区立や私立認可保育園で受入れを行っているところでございます。  令和五年度の開設予定の玉川地域拠点保育園での受入れにより、各地域でそれぞれ一か所整備されますので、今後こうした状況を踏まえ、これまでの申込み状況や受入れ状況なども分析し、課題なども整理しながら、かつ、保育園や事業者が安心して子どもを受け入れることができるよう、受入れに当たっての環境づくりなどについても検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 今年度、定員四人中四名の方が在籍されていて、新たに新年度四名の方が問合せされたと。幸い、その四人の方はそれぞれ行き先が決まったということでありますけれども、定員に対してぎりぎりの状況と、何とか綱渡りかなというふうに思いますし、これから医療的ケア児が通常の学級で学びたい、あるいは通常の保育を受けさせたいという、そういったニーズが高まってくるということも想定されます。しっかりとその受け皿の拡充というものは進めていただきたいと要望しておきます。  今御答弁の中で、課題ということで幾つかおっしゃいました。食べ物を細かく刻むですとか、そのほかに様々課題はあると思うんですけれども、その保育の子どもたちが成長して、いずれ区内の小学校に通う、それ以外の小学校に通っていくというところがあるかと思いますが、それらの子どもたちが小学校へ進学する、そうした際における学校側との連携、そういったところの状況について、どのようにされているかお聞かせください。 ◎大澤 保育課長 医療的ケア指定園からこれまでに一名が卒園、また一名が今月卒園をする予定でございます。小学校への就学に向け、まずは子どもの状況や医療的ケアの内容などの情報を共有することが必要との認識の下、定期的に保育園と園医、専門性の高い医療機関などによる医療的ケア連絡会に教育委員会の担当所管も同席をいただいております。就学先が決定した後も、保育児童要録などを就学先に引き継ぐ際に、教育委員会担当所管を介し、丁寧に子どもの状況や学校生活における配慮すべきことなどを引き継いでおります。  この三月に卒園する園児につきましても、現在就学予定の小学校に対しまして、丁寧に引継ぎを行っているところでございます。 ◆阿久津皇 委員 区では、小学校との連携も含めて様々取り組んでいらっしゃるでしょうけれども、医療的ケア児の支援あるいは受入れというのは、ハード面、ソフト面、様々整備をしなくてはいけない。あるいは、その施設側、学校側の意識、受け止めというものもしっかりと変わっていかなくてはいけないということがあって、そういった設備面の整備、こういったところでは様々財源がかかるというところはあるんですけれども、区では、医療的ケア児の笑顔を支える基金として、今般、医療機器用のポータブル電源などを配付するという取組を進めていらっしゃいますけれども、この基金についても、医ケア児の受入れをしていく保育園の設備であったりとか、あるいは私立の幼稚園、小学校でもそういった子どもを受け入れたい、そういった子どもたちがそういったところで通いたい、そういったニーズがあると思います。そういったところへの活用というものは考えられないかお伺いします。 ◎宮川 障害保健福祉課長 世田谷区医療的ケア児の笑顔を支える基金は、医療的ケア児及びその保護者等の支援に関する事業等を推進し、医療的ケア児の笑顔を支えることを目的としています。基金の対象としまして、現在医療的ケア児と兄弟の支援、災害対策の取組を対象としておりまして、今後は医療的ケア児等を対象とする支援事業を新たに始める事業者への支援についても対象としてまいります。  民間事業者が運営します私立保育園、私立幼稚園、私立学校などが、今後医療的ケア児を受入れ、支援を提供していくことも考えられますので、例えば環境整備についてなど、区の基金を効果的に活用いただく方法を関係所管とともに検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 いずれにしても、その当事者、お子さんですとか親御さんの希望に沿った保育の環境、あるいは学習環境というものをしっかり提供できるように進めていただきたいと要望させていただきます。  次に、児童養護施設退所者等の支援について伺います。  午前中、ほかの会派からもありましたけれども、フェアスタート事業は平成二十八年度にスタートして、大変大きな御寄附をいただいているというところです。昨年度、一年間を見ても、およそ二千九百万円の御寄附に対して―ごめんなさい、令和三年度ですね。二月末までで二千九百万円の御支援に対して、給付が二百二十万円ということで一桁違う。トータルで見ても二億九百万円に対して、給付が一千七百万円と一割にも満たないというような状況が続いていて、これに対しては制度設計が甘いと言われればそれまでなんですけれども、ある意味では、いい意味での誤算というか、児童養護施設の入りのほうが大きいという状況ですので、これは制度をしっかりと変えて、整えて、区民の御厚意に対してしっかりとお答えできる、そういったものに変えていかなくてはいけないんだろうなというふうに考えています。  この基金自体は、児童養護施設の退所者等を対象にしているということで、今テレビドラマですとか、あるいはタイガーマスクみたいなところで、施設に対する御支援というのは大変広がっていて、その関心あるいは支援というのは強くなっていると。この支援者というのは、その施設の子どもたちが幸福になっていただける、幸せな環境というものを築かれることが最終的な目的でしょうから、この基金というものも、その対象を広げる、活用の使途を広げるだけではなくて、この基金の制度そのものを見直していかなきゃいけないだろうというふうに考えています。  この基金ですけれども、世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金となっている以上、なかなか子どもたちの進学にしか支出ができないという縛りがあるんでしょうから、例えばこの奨学基金というものを自立支援基金ということで、例えば名称を変えるというだけで、午前中もありましたけれども、例えば就労される方、そういった方の技術の習得であったりとか、もう一つあるのが、子どもたちのメンタルのケアが必要だなというふうに思っておりまして、子どもたちが退所して社会に巣立っていく、あるいは進学していく、その中で、皆さん一様におっしゃるのが、くじけそうになったとき、学業でつまずいたとき、あるいは仕事でつまずいたときに、なかなか支えとなってくれる人がいないというところを皆さんおっしゃいます。  我々であれば、仕事でつまずいた、あるいは学業でつまずいたときに支えてくれる、あるいはアドバイスしてくれる家族がいたり、安心して寝れる場所、帰る場所があるというだけで、次の日、また一日頑張ろうというふうな気持ちになれるのかなと思うんですけれども、施設出身の子どもたちには、なかなかそういうところが確保できないというような状況にあるというふうに思いますし、実際にそういうふうに聞いています。  そこで、区でも今、居場所支援という事業を進めていますが、なかなかその活用度合いというのはどうなのかなというところで、そもそも高齢者の地域参加促進もそうですけれども、居場所というのはなかなか行政が提供して、そこに来てくださいというよりも、子どもたち、あるいは高齢者の方々が自主的に行きたいところ、集まりたいところで様々な人間関係を育んでいくということが本来だと思いますので、そういったところへの支援を拡充していただきたい。  この条例の例えば名称を変えるだけで、そういったところへの幅広な支援ができるようになるかと思いますけれども、その辺についての御検討はいかがでしょうか。 ◎木田 児童相談支援課長 お話しのとおり、児童養護施設等を退所した方たちは、心身の健康上の問題や人間関係の悩みなど様々な課題を抱えている方もおり、そういった場合、出身施設の職員などが相談相手となることもありますが、安定した社会的自立を目指す上では、一層の支援体制が必要であるものと認識しております。  一方で、世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金は退所者等を直接支援するという趣旨で皆様から御寄附をお寄せいただいておりますが、社会的養護全体の取組の中で、寄附金を基にした基金をどこまで活用できるかということは整理する必要があると考えております。  現在、当事者、学識経験者等による検討委員会で進学者以外の退所者等も含めた自立に向けた相談支援体制の在り方の検討などについての議論も進めているところであり、寄せられた寄附について最大限の活用を図るため、条例の取扱いについても議会に御相談しながら、寄附金と基金活用とのバランスも保ちつつ、使途のさらなる拡大を目指す方向で検討してまいります。 ◆阿久津皇 委員 先ほど申し上げた奨学基金と言ってしまうと、なかなか使途が限られるというところなんですが、この事業自体はフェアスタート事業というふうに名づけておりまして、フェアスタートということで、子どもたちが等しい機会、生まれた環境にかかわらず同じだけのチャンスが与えられる、そういった環境にできるだけ近づけていくということが本来の趣旨でしょうから、その趣旨に近づけるものにしていただきたいですし、区民から寄せられている多数の御寄附に、御厚意にしっかりと応えられる制度としていただきたいということを要望して、私のほうからは最後の質問に移ります。  私からは最後は、新型コロナワクチンの小児接種について伺ってまいります。  これも他会派から午前中ありましたけれども、私のところにも、小児への接種というのは絶対やめてほしいと、そういった声が複数届いているというのは現実です。区では、三月三日に接種券を一斉送付して、三月の八日から予約受付、十二日から接種を開始したということですが、既に四千人の枠は埋まってしまったと。これはもう一日で埋まったというふうに聞いています。  この小児接種を積極的に行いたいという親御さんがいることも、これは一定の事実で、受験生を抱えた親御さん、その御家族、あるいは高齢者、要介護の高齢者と同居している御家族などですね。ワクチンを所望される方は一定数いらっしゃると。私の同級生の話なんですけれども、奥様が乳がんの手術を受けられるということで、家族含めて絶対に感染するわけにいかないんだというところで、PCR検査も受けたい、あるいはこういったことで、そこは小さい子は今いないんですけれども、小さい子がいればワクチンを受けさせることもあるのかなと思いますし、様々な御家庭がいらっしゃる中で、申請によって送付する、そういった自治体もあるというふうに聞いています。  区として、申請による送付、それがそもそも制度として許されている、大丈夫なものなのか、あるいは区が一斉送付とした理由、これについてお聞かせください。 ◎寺西 住民接種調整担当課長 小児用の接種券の送付につきましては、大阪府の泉大津市のほか複数の自治体で、一斉送付ではなく希望者からの申請方式を取っていると把握しております。国は対象者や保護者に小児接種の概要やワクチンの有効性、安全性など、必要な情報を個別に周知した上で、自治体の判断により希望者からの申請方式による送付を行うことも差し支えないとしております。  区では、小児接種には予防接種法の努力義務は適用されていないものの、接種勧奨の規定が適用されていることを踏まえ、お子さんへの接種を希望する保護者や接種を受けることを希望するお子さん自身が速やかに接種を受けられるよう、接種対象となる五歳から十一歳の方、約五万三千人に接種券を一斉送付いたしました。 ◆阿久津皇 委員 一斉送付ということで、これが申請方式ということだと、まずは、区に連絡して接種券を送ってもらうということで、そこだけの手間もかかる、時間もかかる、場合によってはその情報が行き切らないかもしれないというところで、どうしても打ちたい方が一部いるのであれば、その一斉送付という判断、これは正しかったと思うし、それしかなかったんだろうなというふうに思いますけれども、その際、しっかりと情報提供していただいて、親御さんが、特に小さい子どもを抱えていたら、接種券が区から届いたら自動的に打ってしまおうみたいな、打たなきゃいけないのかなというような考えにつながる方もいらっしゃると思うので、努力義務ではないというところとか、あるいは副反応というところについても、情報提供に関してはしっかりと行っていただきたいというふうに思います。  今、四千人の方が予約をされて、接種し始めているということなんですけれども、他区ではなかなか予約が取れないという状況にはないということも聞いていますし、あるいは第六波というものが今は収まりつつあるというようなところもありますので、一定数が打ち終わったところで、もしかしたら、区のほうでもその状況というのは落ち着くのかなとは思いますけれども、区のほうで、五万三千人に対して六割を接種していくと、そういう計画であるというふうに聞いていますけれども、その六割とした根拠についてお聞かせください。 ◎田村 接種体制整備担当課長 五歳から十一歳の小児に対する新型コロナワクチン接種については、国からの情報が、ワクチン供給と開始時期が三月頃ということだけが示される中、自治体は困惑しながら準備を進めてきたという経緯がございます。今年一月二十一日にファイザー社の小児用ワクチンが特例承認されましたが、その時点では、まだ厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会において、努力義務を課すべきか否かの議論が続いておりました。その後、二月十四日になって、厚生労働省が小児接種に努力義務を適用しないとの方針を示しました。  そのような中、世田谷区における小児接種の計画は、当初は予防接種・ワクチン分科会で示された国立成育医療研究センターアンケートや、国における他の予防接種のこれまでの接種状況や他自治体の調査等を参考にして、該当者約五万三千人弱のうち六割の方が集団接種会場における接種と病院や診療所での個別接種を合わせて、六月末までに二回接種できる体制の確保を目指した計画といたしました。  その後、他区が実施した保護者アンケートでは、早急に接種したいとされている方が三割程度となるなど、小児接種への考え方が変化している感がございます。他区の状況を聞いても、予約が取れないという状況ではないというものでございました。今後、予約の埋まり具合を見ながら、柔軟に体制整備を図ってまいります。 ◆阿久津皇 委員 その六割という数字は、あくまで接種の計画であって、目標ではないということはしっかりと私も確認したところですし、今日、実際に陽性となって委員会をお休みの方もいらっしゃいます。あるいは我々の会派でも、お子さんが感染されて濃厚接触だということで、委員会を欠席されたという方もいらっしゃいます。現段階では感染症の二類相当とされていて、就業の制限だったりとか、無症状感染者、あるいは濃厚接触者、こういったところの行動も制限される以上、感染拡大を防いで社会活動を維持していくという意味では、この小児接種というのも一部やむを得ないのかなというふうに思いますが、今御答弁にもありましたけれども、今後その新たな知見や情報というものが示された場合には、適宜適切に情報提供をお願いしたいということを申し上げまして質問者を替わります。 ◆山口ひろひさ 委員 ペーパーレスということで、事務局のほうから、こうやって私たちはタブレットを支給されるようになりまして、ペーパーレスで早速この委員会、本会議も持ち込めるようになって、ほかの会派の方はこれ一本でやっている方もいますけれども、今日の私はこのように書類が多くて、ペーパーレスではなくてペーパーですになっちゃっているんですけれども、今後の課題として、やっぱり早く私もこれ一本でできるようにやっていかなくちゃいけないなというふうに思いますし、これから積極的に検討していきたいなというふうに思っています。  では、何でタブレットを持ってきたんだと、格好つけかというふうに思われるかもしれませんけれども、これはストップウォッチの機能が入っているんですよね。さっきからずっと私はやっているんですけれども、ただ、ちょっと不便なところは、放っておくと、やっぱり消えちゃっているんですよ。こうやって暗証番号を押して、またこうやらなくちゃいけないんですけれども、たまたま先ほど阿久津委員が昔ながらのストップウォッチを置いていっていただいたので、一途に時間を刻むこのストップウォッチ、何か愛おしさを感じるような気がいたしますけれども、そこで質問に入りたいと思います。  実はこれは新聞記事なんですけれども、都心のカラスがピーク時の七分の一に減っているという調査がありまして、この新聞記事があったんですけれども、場所は渋谷区の明治神宮とか、あと文京区、港区の国立科学博物館附属自然教育園というんですか、この三か所でカラスのいわゆる実態調査を行っておりました。  今まで都心のカラスというのは、生ごみを荒らしたり、そういうふうに本当に嫌われてと言っちゃいけないんだけれども、この世田谷区の中でも困り事の上位、いわゆる今で言えばメダリストというんですかね。そういうふうなところでずっと上位を占めていたわけですけれども、この減った原因というのが、それぞれ世田谷区もやっていますけれども、カラスネットの普及、こういうのもあると思いますし、やっぱりコロナで飲食店がお休みのところが多いじゃないですか。そういう餌が減ったというところにも、減った原因があるんじゃないかなというふうに書いてありました。  増えた原因というのは、都心の生ごみが豊富にあったということと、天敵となる鷹とかワシとか―ワシはいるのか分からないけれども、そういう猛禽類というんですかね。それが都心にはいないので、カラスにとっては天国みたいなところだったと思うんですけれども、ただ減ることによって、カラスは自然の中でそれなりの役目というのがあるらしいですね。生ごみを食べるだけじゃなくて、例えばネズミや鳥の死骸をカラスというのは食べるそうなんですよ。だから、そういう部分で、本当に減少傾向はいいと思うんですけれども、このままカラスが減り続けると、逆に今度はネズミが多く発生したり、こういう動物の死骸が町の中に散乱するんじゃないか、こういうこともこの調査した方は指摘しているんです。  こういうことを言うと、だんだん口をきいてくれる方が少なくなっちゃうんですけれども、この第二庁舎も委員会室の向こう側とか、時々カラスがとまっている姿を見るんですけれども、実はよく見るとカラスはかわいいですよね。一番かわいいのは、まばたきした瞬間、丸い目がまばたきした瞬間が本当にかわいいんですよ。よく考えれば、昔、七つの子を皆さんも歌ったと思いますけれども、「カラスなぜ鳴くの」ね。最後は、「山の古巣へ行ってみてごらん」と、「丸い目をしたいい子だよ」ということで、カラスというのは決して悪い動物じゃないんですよ。  自然の中では、やっぱりそういう役目というのもありますし、だから減ってきたということはいいことなんですけれども、ただ、これからやっぱりこうした野生の動物に対して私たちが―カラスネットでこういうふうにありますけれども、過剰に干渉しないことだそうです。ですから、意識して私たちもごみ出し、カラス食べてくれよと出しているわけじゃないので、それはもう本当にしようがないと思うんですけれども、ただ、こういう委員会、議会の質問の中でも、いわゆるカラスやハトへの餌やり、こういう質問が、何とかしてくれよというのが出ていますけれども、このまさしく餌やりというのは過剰な干渉ですよね。  こういうことをするために、別にカラスが嫌いじゃない方も、いろいろ散らかされたりすることによって、やっぱり敵対心というのが出てきちゃうわけで、だから、カラスだって餌を食べて、何で俺は嫌われなくちゃいけないんだというふうに思っている部分もあるんだろうと思います。餌やり等というのはここの所管じゃないと思いますけれども、環境のほうかな。頑張っているので、ぜひこの中で、何かこれに対する応援のエールじゃないですけれども、そんな気持ちがある方がいらっしゃったら手を挙げていただければいいなと思うんですけれども、いらっしゃらないですね。  そういうことで、コロナが始まりまして、コロナの質問もありましたけれども、もう早二年が経過しているんですけれども、コロナ禍で非常に危惧することは、在宅勤務、テレワークとかがこういうふうに進んできて、家にいる時間が推奨された時期がありまして、それで犬、猫を飼う方が本当に非常に増えてきまして、この五年間で一番増えているらしいです。  ただ、それと同時に、飼育放棄じゃないですけれども、される方というのも非常に増えていて、かわいいから飼ったんですけれども、今度、在宅ワークから本当に普通のまた同じ勤務になって、忙しくなったから飼えないだとか、飼ってみたけれども、ほえてうるさくて近所迷惑になっているとか、そういうことで手放される方も本当に多くなっている。これは本当に悲しいサイクルといいますか、ただ、そうした保護団体の数も増えているということで、やっぱり、私たちの中にいろいろ今は殺処分ゼロとか、こういうのがありますけれども、そういう意識がだんだんこの地域、また日本の中でも大きくなってきているのかなというふうに、その辺はちょっとうれしく思う部分なんです。  やっぱり生き物を飼う、命ですからね。最後までみとるという責任を考えて、癒しになるから、かわいいからという安易な考え方だけじゃなくて、そういう気持ちで、ぜひかわいい命を預かってもらいたいなというふうに思います。  そういう観点から、世田谷区は人と動物との調和のとれた共生社会ということで、その実現に向けた取組をこれからいろいろ行っていくということで、実はいろいろこのボランティアの支援をすることになっています。譲渡ボランティア、一時保護ボランティア、捕獲・運搬支援ボランティア、地域猫活動支援ボランティアと。この上の三つは、もうほぼ単価とか、その辺の内容が決まっているんですけれども、この地域猫活動支援ボランティアというのは、何かまだ検討ということで先送りになっているんですけれども、その辺の何か理由がありましたらちょっと教えてください。 ◎佐藤 生活保健課長 人と動物との共生推進ボランティア事業は、既に地域団体等に取り組んでいただいている、委員が先ほどおっしゃられた譲渡ボランティア、一時保護ボランティア、捕獲・運搬支援ボランティアにつきまして、これらの活動費用の一部支援を令和四年六月より実施するための予算を本議会に提案させていただいているところでございます。  地域猫活動支援ボランティアにつきましては、飼い主のいない猫に対し地域住民の理解の下で、不妊・去勢手術、餌やりやふんの始末などを行い、地域で猫を適正に管理していく地域猫活動を支援するものでございます。地域とボランティアとの関係づくりの進め方、活動に関する責任の所在の在り方等、議論すべき課題がございます。  そこで、地域猫活動の支援につきましては、来年度開催予定の人と動物との共生推進のための連携協議会や区民ワークショップ等の議論を経て、様々な御意見をいただきながら検討し、地域猫活動をしっかり支えられる制度として、令和五年度の事業開始を目指してまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 活動に対する責任の所在の在り方というんですか、答弁の中でありましたけれども、非常に大事なことだと思いますし、ぜひその辺も含めてしっかり協議をして、そして、このボランティアをやられる方に対して支えになるように進めていっていただきたいなというふうに思うんですけれども、今出ました人と動物との共生推進のための連携協議会というのは、例えば今この対応が始まりましたので、ある程度時限的で、何回かやったら終わっちゃいますよというものなのか、それとも、継続的にこういった協議会というのは存続して、何か課題や問題があった場合に対応していくという形になっているのか、ちょっとその辺を教えてください。 ◎佐藤 生活保健課長 人と動物との共生推進のための連携協議会は、庁内の関係所管や東京都動物愛護相談センター、東京都獣医師会、ボランティア団体等をメンバーに、近年課題になっている健康状態など様々な理由によりペットを飼育できない飼い主をめぐるペット問題について、情報共有と意見交換を行いながら、日頃から連携する体制づくりを進めるものでございます。  協議会は、第一回を昨年十二月に開催しておりまして、令和四年度には三回程度開催を予定しております。また、人と動物との共生社会の実現への取組は継続的に進めていく必要がございますので、令和五年度以降も庁内関係所管や関係団体と意見交換や連絡体制を確認する機会を持ちまして、飼い主とペットが地域で幸せに暮らすことのできる地域社会の実現に取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 こういうペットの問題、動物の問題というのは、もちろんその動物愛護という観点も非常に大事な部分ですけれども、人と動物との共生を実現する中で、やっぱり考えなくちゃいけないのは、人と人との共生というんですか、それも考えていかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思います。僕は非常に動物が好きなので大丈夫ですけれども、やっぱり中には、もう動物が駄目だという動物嫌いの方も実際にいるわけですよね。別にそんな動物を見ていればかわいいなと思うけれども、例えば動物のいわゆる餌やりや、例えばふんやおしっこをすることで本当に困っていると。そうなってくると、やっぱり猫に対するその気持ちというのも、いい印象は出てこないわけで、何とかしてほしい、どっか連れていっちゃってくれよとか、そういう感覚になってくると思うんです。
     そういう人と人との、やはり考え方が違うわけなので、そこはうまく本当に共通した意識を持てるそのルールの中で、やっぱりかわいい動物たち、地域猫でしたら、しっかりと育てていく、守っていくということが大事なことだと思いますので、ぜひいろんなペットに関して、地域猫に関しては課題、問題というのも、この時期を過ぎればもう終わるという問題じゃないと思いますので、ぜひこういった協議会等、この連携の場を継続してやっていただきたいなというふうに要望をさせていただきます。  それで、よく地域の保護猫の活動をされている方、僕も知っている方がいるんですけれども、猫も年に二回ぐらい子どもを産むんですよね。一回に六匹とか、多く子どもを産むので、本当に去勢だとか避妊の手術をしないと、やっぱりどんどん地域の猫が増えていっちゃうということで、よく捕獲をやって、去勢や避妊の手術をして、自然に減らしていくという活動をされている方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう中で、獣医さんに連れていって、その手術をお願いするんです。ただ、時々僕の耳に入ってくるのは、獣医さんは自由診療ですから、本当に致し方ない部分はあるのかもしれませんけれども、非常にその幅があると。  この資料を見ますと、世田谷区では一万円と五千円の補助になっていますよね。例えば、その辺のところをもっと統一じゃないですけれども、同じレベルの幅にできないのかという、ボランティアでそうした活動をされている方にとっては、少しでも安ければ、それだけ多くの猫の手術をできるわけですから、そういうふうな気持ちになるのは当然なのかなというふうに思うんですけれども、それぞれ獣医師会に登録されている先生、していない先生というのもいらっしゃいます。その違いもあるのか分かりませんけれども、何かその辺の幅を多少、統一は難しいんでしょうけれども、できる方法というのはないんでしょうか。 ◎佐藤 生活保健課長 不妊手術、去勢手術の費用についてお答え申し上げます。不妊手術、去勢手術も含めた動物病院の診療は自由診療とされておりまして、治療、麻酔の方法、治療薬等の費用が動物病院によって異なっております。診療費用につきましては、独占禁止法により、獣医師同士や獣医師会などが基準料金や、協定して料金を決めることが禁止されております。  このため、不妊手術、去勢手術の費用につきまして、区が統一的な価格を提案することは困難でございますが、今後も獣医師会と連携し、区民の負担が過度にならないよう意見交換を行ってまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 自由診療で今答弁いただいたとおり、独禁法に引っかかるという部分でありますので、本当にこれはしようがない部分なのかなというふうに思いますけれども、区民の過度な負担にならないようにというお言葉もいただきましたので、ぜひそういう声も出ていますので、連携の中で、そんな意識をちょっと持っていただければ本当にありがたいなというふうに思います。  それで次に、随分前にペットの生体販売、いわゆるケージに入れて販売するペットショップの質問をしたときがあるんですけれども、単なる偶然だと思いますけれども、随分前ですよ。随分前の質問だからあれですけれども、今そのペットショップもそういう生体販売はやめて、今はトリミングのコーナーになっています。時々ペットの御飯を買いに行くんですけれども、本当にうれしく思います。ただ、お隣の目黒区の場所は言っちゃいけないかもしれないけれども、自由が丘にはちょっとまだあるんですよ。今、本当にそれが非常に気になっているところなんです。  冒頭にちょっとお話ししましたけれども、やっぱりコロナ禍の中で、かわいいからペットを飼って、それでその飼育をやめちゃうという事例が非常に増えているということですけれども、やっぱり安易にペットショップというのは、確かに行けば、子犬とか子猫を見ればかわいいから飼いたいとなっちゃう気持ちは分かりますけれども、ただ、ペットの寿命も今は長いですから、長生きするのは十五年、十六年は生きていきますし、そういったことを考えると、やっぱりその責任を持って最後までみとる。その気持ちで飼ってもらわなくちゃ困るし、できれば僕は、世田谷区の権限ではないと思うんですけれども、こういういわゆる生体販売というのは、もう世田谷区では認めませんよと、こういうことができるのかどうか分からないけれども、何かそういう方法というのはないのかな、声を発してもらいたいなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。 ◎佐藤 生活保健課長 生体販売は、ペットショップなどで動物を気軽に購入できてしまうことが、その後、飼育できなくなった飼い主が簡単にペットを手放してしまう要因の一つであるとも言われております。フランスでは、動物の店舗販売を二〇二四年から禁止する法律が成立し、入手方法がブリーダーからの直接購入や保護施設からの引取りなどに限定されます。我が国におきましても、昨年六月に動物愛護法の改正により、生体展示販売時間の制限、それから展示動物への配慮の規定を設けるなどの規制の動きがございます。  区としては、動物が法に基づき適切に扱われるよう、今後も不適切な取扱いを行う事業者など、動物取扱業に関する通報が保健所にあった場合には、立入検査、改善勧告、改善命令や業務停止命令の権限を持つ東京都に情報提供を行うなど、連携して対応してまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 今、フランスのお話がありましたけれども、ヨーロッパというのは、ペットのこういう生体販売とか、その辺は先進国で、なかなかやっていないところが多いんですよ。実はフランスはまだやっている中で、やっぱり捨て犬、捨て猫の数がヨーロッパの中でも非常に多い国だったそうですね。ヨーロッパの中ではホームラン王だというふうに言われていたんですけれども、それがこうして法律で禁止になったわけです。資料とか見させていただくと、パリ市民の中では歓迎の声が上がっているということで、本当に日本も、ぜひこういうところに続いてもらいたいなというふうに思っているんですけれども、世田谷区の権限ではありませんし、国の法律もいろいろ規制は厳しくなっていますけれども、まだそこまではいっていないので、ぜひできる範囲の中で頑張っていただきたいなというふうに思うんです。  実は頂いた資料の中で、これはコピーなんですけれども、「飼う前も、飼ってからも考えよう」と、課長から資料を頂き、これは環境省が出しているパンフレットなんですけれども、やっぱりこういう資料をどんどん普及させてもらいたいですよね。例えば、生体販売しているペットショップだって、まず、ちょっとだっこしてみますかじゃなくて、まずこれを読んでもらえますかというぐらいの体制を持って、やっぱり命を育てる、命を預かるという、その気持というのを一人一人が持っていくことが、本当の意味の殺処分ゼロにつながることになるだろうと思います。  僕は譲渡会で猫を飼っているんですけれども、譲渡会は意外とそういうところが厳しくて、家まで来るんですよ。家の中を見て、ここはどうか、飼えるかと。あと、二週間トライアルして、飼えるんだったらということで、いろいろ厳しい条件があるので、つらい思いをした犬、猫に、やっぱりもう二度とそういう思いはさせたくないというあれで、そういう厳しいものがあるんだろうと思いますけれども、ぜひ、環境省ですからあれですけれども、こういうものを普及させていただいて、そして世田谷区も、いわゆる動物愛護の先進自治体になっていただくように期待をしておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  すみません、うだうだしゃべっていたら緑のランプがついちゃったので、二番目に質問しますなんて予告しておいたんですけれども、ちょっと五分しかないので非常に中途半端になっちゃったら申し訳ないんですけれども、今回、メルクマールせたがやとぷらっとホーム世田谷ですか、これが窓口が一つになって、一体でひきこもり、不登校の対策を行っていくということですけれども、ひきこもりというのは、小学生から中学生、そして大人にもあるわけですけれども、これがいわゆる一元化されることによって、継続的にこの対応がなされるという理解でよろしいでしょうか。 ◎工藤 生活福祉課長 令和四年四月に開設する世田谷ひきこもり相談窓口リンクは、年齢を問わない相談窓口となり、切れ目のない相談体制を目指しております。現在、小中学校の不登校支援につきましては、主に教育委員会が実施している総合教育相談ダイヤルですとか、不登校支援窓口などにおいて相談をお受けしております。令和二年に実施した実態調査では、ひきこもりになる要因として、不登校からが約三割であったことから、不登校支援との連携は大変重要と考えておりますので、教育委員会とひきこもり相談窓口が密に連携し、情報共有を図って対応していくこととしております。 ◆山口ひろひさ 委員 やはり、これは連携をして取り組んでいくということは非常に僕は重要だと思いますし、このひきこもりというのは、不登校もそうですけれども、いろんな複雑な理由によって発生をしているわけですよね。それで、その解決に対しても非常に複雑で、時間と熱意のかかる対応になってくるわけですけれども、ただ一つ、やっぱり思うのは、早いうちに対応するということが大事だと思うんです。やっぱり早いうちに対応することによって、今右肩上がりで増えていますけれども、そういった地道な活動が、やがて横ばいになり、そして減少傾向につながっていくということになると思います。それぞれケース・バイ・ケースのことがあるので非常に難しい課題だと思いますけれども、やっぱりその辺の視点というのはしっかり持っていくべきだと思うんですけれども、その辺の対応についてはいかがでしょうか。 ◎山本 若者支援担当課長 これまでのメルクマールせたがやの取組の中で、ひきこもり期間が短い人ほど支援機関の利用、就労、就学の準備、就労、就学につながることが多いことが分かっております。このためメルクマールでは、早期支援、早期介入を目的に、十代の若者への支援であるティーンズサポート事業を重点事業とし、区内全中学校への訪問やチラシの配布により、事業周知を図ってまいりました。  今後は、例えば教育委員会が実施している不登校保護者のつどいやほっとスクール、各学校のスクールカウンセラーなどに、ひきこもり相談窓口の周知や居場所支援等の事業周知を行い、早期発見、早期支援に取り組むとともに、教育委員会とも連携をし、その後の支援プランを作成するなど、中学校卒業後も支援の隙間が生じないよう連携を強化してまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 コロナ禍で在宅ワークや、そして教育もタブレットが導入されて、学校へ行かなくても学びが確保できるようになったわけですよ。世の中、本当にいろいろ変わっていますので、やっぱり私たちのひきこもり、不登校に対する視点も変えて、ひきこもりって決して悪いことじゃないと、元気なひきこもり、明るいひきこもり、こういう方を、僕らもそういう視点で見ることによって、何かトンネルを抜けるきっかけになるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひそんな視点を持ってまた取り組んでいただくことを要望しまして、自由民主党の質問を終わらせたいと思います。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十六分休憩    ──────────────────     午後三時五十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の福祉保健所管の質疑を始めさせていただきます。  まず、私のほうから初めに、昨年の第一回定例会で取り上げましたオストメイト支援、一時的ストーマの助成について質問させていただきます。  大腸がん、クローン病など、治療の一環による一時的な人工肛門の造設によって、身体障害者手帳を取得できない場合、日常生活用具給付の対象とならないため助成が受けられず、医療保険が適用されないストーマ装具の月一万円程度の自己負担について、区民の切実な御相談から区独自で助成すべきことを求めてまいりました。  人工肛門になったストーマ保有者の苦労は、局部の管理、皮膚障害、排せつ物の漏れや臭い、食事や入浴、対人関係や家族関係にまで影響が及ぶケースもあります。さらに、仕事を失ったり、制限せざるを得ない状況になるなど、そもそも経済的な困難さも生じてきます。負担については、ストーマ装具のほか、皮膚の保護などで必要な、いわゆるストーマ用品十三品目も用意しなければなりません。  今般、ストーマ外来などの医療関係者で構成されているNPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクトチームが調査研究したストーマ保有者のストーマ用品費用の自己負担額と負担感に関する要因の分析によると、一時的ストーマの自己負担額とその負担感が高いことが浮き彫りとなりました。今後は、一時的ストーマ保有者の支援が望まれると結論づけられています。  都内外の複数の自治体が独自の助成を行っていますが、江戸川区では、令和三年度の給付決定人数が二月現在四十八件と年々増加傾向と伺いました。  区では、身体障害者手帳を取得できず、ストーマ装具の助成を受けられない区民の方からの御相談は届いているのでしょうかお伺いいたします。 ◎太田 障害施策推進課長 区では、重度障害者児の日常生活を支援するため、日常生活用具給付事業を実施してございます。ストーマ装具につきましては、膀胱・直腸・小腸機能障害に係る身体障害者手帳の交付を受けた方を給付の対象としてございます。  お話の一時的なストーマ装具につきましては、身体障害者手帳の交付の対象とならないため、現在区の日常生活用具給付事業の対象とはなってございません。具体的には、ストーマ装具を着用しないで済む新たな治療法が確立されてきておりますが、手術した部分が回復するまでは、一時的にストーマを装着する必要があり、その際、手術費は保険診療の対象となりますが、ストーマ装具代は保険の対象とならず、利用者の負担となってございます。障害者団体からは、装具にかかる自己負担額が高額となることから、年間で十件程度は相談が寄せられている状況と伺っております。 ◆河村みどり 委員 医療の進歩により、新たなニーズからの御相談も届いているとのことで、やはり、一時的とはいえ、人工肛門になったことで、これまでの在宅生活が一変し、QOLの低下や多くのストレスを抱え、さらに今後も手術や治療が続いていく中で、装具代の負担が軽減されることは大きな支援につながると考えます。  区においても、一時的ストーマの助成制度の導入を行うべきと考えますが、見解を伺います。 ◎太田 障害施策推進課長 区として独自に一時的なストーマ装具の利用者に対して給付する場合、事務手続としては、日常生活用具給付事業の仕組みを活用することになりますが、財源としては、国の地域生活支援事業の対象外となります。今後、特別区担当課長会等において、都や他区とも情報共有するなど、他区市の取組を参考にしながら、財源確保などの課題を整理し、引き続き検討したいと考えております。 ◆河村みどり 委員 引き続き検討するとのことですが、質問を行って既に一年が経過をしております。江戸川区が実施しているわけですから、財源の課題を乗り越えて、区で導入できないことはないと考えます。ぜひ、部長からも一言御答弁いただけないでしょうか。 ◎須藤 障害福祉部長 一時的なストーマ装具の利用につきまして、装具代が利用者の負担となっているという現状をしっかりとまず受け止めをさせていただきまして、区独自の支援については課長が御答弁したとおり、課題はございますけれども、関係所管と調整しながら対応していきたいというふうに考えてございます。 ◆河村みどり 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、高額障害福祉サービス等給付について質問してまいります。  先般、肢体不自由のお子さんが利用している障害福祉サービスの利用料金について、保護者の方より御相談をお受けいたしました。そのお子さんが利用している障害福祉サービスは、小学校の登下校時の移動支援サービス、放課後等デイサービス、また、在宅でのケアのため居宅介護サービスと三つの事業を利用しておられます。昨年決定した障害福祉サービス等の利用者負担上限額の認定により、利用額が大幅な増額になってしまい、支払いについての窮状を訴えてこられました。  まず初めに、この障害福祉サービスによる利用者の負担、またそれに伴う高額障害福祉サービス等給付の仕組みについて御説明をお願いいたします。 ◎太田 障害施策推進課長 高額障害福祉サービス費等給付費制度につきましては、同じ世帯に障害福祉サービスや障害児の通所・入所支援等を利用している方が複数いる場合などに、一か月の利用者負担額の合計が世帯の上限額を超えた場合、超過した金額が利用者の申請により償還される制度でございます。住民税非課税世帯や生活保護世帯は、サービスの利用に当たって負担はございませんけれども、収入がある世帯については、収入に応じた負担があり、月額に世帯の上限額が設けられております。  世帯の上限額については、障害児がいる世帯は特例措置が設けられており、世帯の住民税所得割額の合計が二十八万円未満の場合、在宅で生活する児童がいる世帯は月額四千六百円、施設に入所する児童がいる世帯は月額九千三百円となり、住民税所得割額が二十八万円以上の場合は月額三万七千二百円が上限となっております。 ◆河村みどり 委員 事務的なことで少し分かりづらい部分がありますが、まず、利用者負担については、今回のお子さんのケースの場合では、収入に応じ月四千六百円、または月三万七千二百円のこの二つの区分のいずれかの支払いであること、また、高額障害福祉サービス等給付については、負担軽減策として上限額を超えた金額は償還されるとのことです。  このお子さんの場合、これまでの月額負担上限額は一事業四千六百円だったため、三つの事業の利用で月一万三千円で済んでおりました。ところが、奥様のパート代が若干増えたことで認定が変更となり、これまで月四千六百円だったところ、一気に三万七千二百円に、そして合計で月一万三千円の支払いのところ、十一万一千六百円と約九倍の支払いが生じることとなりました。  現在利用している三つの事業は、お子さんの日常生活にとって、どれも欠かすことのできないサービスだと言います。その御家庭では、コロナ禍で収入が激減されたことも影響しておりますが、そもそも毎月十万円以上という高額な金額を誰でも簡単に支払えるものではありません。その一方で、高額障害福祉サービス等給付として、このお子さんの場合、十一万一千六百円の負担額のうち、三分の二の七万四千四百円が償還され、実際は三万七千二百円の負担でよいはずなのです。  しかし、ここで問題なのは、負担軽減策にもかかわらず、現在の区のシステムによると、給付されるのが六か月後になり、ある意味六か月もの間、立替えが続く状況となります。六か月後には給付されるべき金額が合計四十四万六千四百円にも膨れ上がる計算になりますが、実は六か月後に丸々全額戻ってくるわけではなく、給付開始から一か月ごとの償還分が、一か月ごとずれて給付されるため、この四十四万六千四百円となる立替え分は解消されないまま継続され、まさしく今支援が必要としている人に生かせていない現状があります。  どうして六か月もの時間を要してしまうのか、現状をお聞かせください。 ◎太田 障害施策推進課長 利用者の方への支給につきましては、利用者の自己負担分を除く費用を事業所が都の国保連へ請求し、国保連で審査した後、区が再審査して費用を確定するということになってございます。その後、区から利用者に申請を促す勧奨通知を送付し、利用者からの申請を受けて支払う仕組みとなっており、お話のとおり支給までに六か月を費やしております。 ◆河村みどり 委員 事業者と都の国保連が絡んでいる複雑な流れであるということで、こんなにも時間がかかってしまっているという現状とのことですが、しかし、もう目の前におられる区民の皆様が現実苦しんでおられます。障害を抱えている方の日常生活で欠かすことのできないサービスにおいて、この二区分の認定区分のはざまで高額な負担を工面している御家族にとって、スムーズな給付こそ必要な支援ではないでしょうか。区のシステムの改善を図るなど、区ができることをしっかり探っていただきたいと思います。  その上で、大本となる都の国保連への問題提起をして、一日も早い給付となるよう改善を図っていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎太田 障害施策推進課長 請求審査事務につきましては、都内各自治体が同一のスケジュールで行われており、事業所のミスにより審査事務の日数がさらに増える場合もあり、利用者の方に一時的な負担となることについては、区としても認識しております。区単独での期間短縮は難しいと考えておりますが、利用者の負担軽減に向けて、区のシステムの改善の可能性について、開発業者と相談するとともに、事業所に対してミス発生の軽減に向けた注意喚起を行ってまいります。また、都の担当所管や他区とも現状の問題について情報共有してまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 どうぞ、改善を目指してよろしくお願いいたします。  それでは次に、産後ケア事業について伺います。  区の産後ケア事業の対象は、産後四か月未満の母親と子とあり、母子同伴のサービスとなっています。医療的ケア児を抱えておられるお母様から、我が子との利用はかなわないかもしれないが、一人の産後の母親として、私たちも産後ケアセンターを利用させてほしいとのお声をいただきました。医療的ケアを必要として誕生したお子さんは、数か月間、NICUに入院を余儀なくされ、現状での産後ケアセンターを利用できる環境が整うことがほぼ不可能と考えられます。しかし、母親は一人で、退院後、新生児を抱える母として毎日病院に母乳を届けるなど、母乳のケアなど様々な産後の不安を抱えています。  ところが、現在の産後ケアセンターでは、母親一人での利用は認められておらず、我が子と利用することができない母親はそもそも対象になっていません。医療的ケア児は医療機関とつながっていますが、母親が医療機関で産後のケアを受けられるわけではありません。医療的ケア児を抱えている母親でも助産師に適切な指導を受けられるべきではないでしょうか。区の産後ケア事業において、母親一人での利用が可能になるよう、明確に位置づけを要望いたします。見解をお伺いいたします。 ◎木田 児童相談支援課長 産後ケア事業では、助産師等が中心となり、母体ケア、乳児ケア並びに今後の育児に資する指導、カウンセリング等を行っており、産後早期に母の身体的回復と心理的安定を促進することに加えて、母の子育てスキルの向上と子との愛着形成を促すことを目的とした事業であることから、原則として、母子での利用とさせていただいております。  医療的ケア児についても、母親自身がケアに必要な物品の準備、片づけ、医療機器の持ち帰り等の管理ができる場合には御利用いただくことが可能ですが、医療者による医療行為が必要となる場合には、施設の対応が困難であるため、御利用いただくことができないこととなっております。  しかしながら、医療的ケアの必要性により、お子さんと一緒ではかえってサービスが利用できなくなるようなケースでは、その母のみで利用することについても考慮していく必要があると思われます。今後、事業者とも協議しながら、医療的ケアが必要な児の母のみの利用について検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひしっかりと検討していただきたいと、位置づけをぜひよろしくお願いいたします。  その上で、医療的ケア児の御家庭をはじめとし、産後ケアを受けたくても様々な理由から施設に赴くことができず、現在区が行っている宿泊型、デイケア型ではサービスが受けられない方々もいらっしゃいます。  厚生労働省が平成二十九年に策定した産後ケア事業のガイドラインには、宿泊型、デイケア型のほか、アウトリーチ型の三類型の実施方法を示しており、二十三区でも中野、品川、目黒、江戸川など複数の区が実施しています。令和三年四月には、母子保健法の一部を改正する法律が施行され、産後ケア事業の利用時期が今までの産後四か月未満から一年未満になり、三類型の実施している先ほどの区においても、それぞれのサービスによって利用時期に角度をつけて実施をされております。  一人一人の母親に寄り添い、産後ケアの選択肢を増やすべきではないでしょうか。区においても、アウトリーチ型の産後ケア事業に踏み出すことを求めます。見解をお伺いいたします。 ◎木田 児童相談支援課長 助産師等が利用者の居宅を訪問し、母体ケア、乳児ケア並びに今後の育児に資する指導等を行うアウトリーチ型については、移動の負担がない点、慣れない場所に行くことの心理的負担がない点、ふだんの生活状況や住環境に合わせた指導、助言を受けることができる点などがメリットとして挙げられております。  令和四年度のプロポーザル方式による区立産後ケアセンター事業者選定の実施に向けて、今後、産後ケア事業全体の評価検証を行い、さんさんプラスサポート事業や乳児期家庭訪問事業などといった他の訪問型支援との位置づけなども整理しながら、アウトリーチ型の支援の在り方も含め、より効果的な産後ケア事業の展開を検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 来年度のその事業者選定に合わせ御検討をされるということで、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。これまでも産後ケアを希望する母子が増大していることから、我が会派としても、第二の産後ケアセンターの整備、そしてデイケアの拡充、私自身も地域偏在の課題改善を求め、これまで質問をしてまいりました。多くの課題があることも承知しておりますが、産後ケアを希望している母子に支援が届くように改善を求め、私からの質問を終わらせていただき、岡本委員に交代させていただきます。 ◆岡本のぶ子 委員 それでは、私からは、多胎児支援に関して伺います。  私は令和二年第一回定例会一般質問において、国や都が約千六百名の多胎児家庭の保護者の要望を受け止め、令和二年度から十分の十補助で、当面五年間、多胎児家庭への支援事業を実施するとしたことから、本区においても、多胎児家庭のニーズに応え、家事育児支援、移動支援、産後ケア支援等の迅速な実施を求めました。  その後、本区は、令和三年度より多胎児家庭支援のために、ツインズプラスサポートと移動支援の事業を開始したと認識しております。先日、他区から転入された多胎児の保護者から、生後九か月になる双子と三歳になる長女の三人を育児しているが、転居前の自治体と比べ、世田谷区の多胎児支援は子育て家庭のニーズに合っておらず、不慣れな土地で育児不安を抱き、困惑しているとの悲痛な御相談をいただきました。  ここで伺います。本区における多胎児支援サービスの対象年齢と家事・育児サポーター派遣の時間数、移動支援事業の補助額を伺います。 ◎中西 子ども家庭課長 区の多胎児支援サービスでは、ヘルパー派遣事業のツインズプラスサポート及び移動支援事業のタクシー料金助成とも、妊娠期から一歳未満の多胎児のいる御家庭を対象としてございます。ツインズプラスサポートの利用時間数は、年間百二十時間を上限としておりまして、移動支援事業の補助額は二万四千円を上限としてございます。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁を伺い、なぜ十分の十の補助があるにもかかわらず、区は多胎児家庭のニーズに応えることなく、本来、ゼロ、一、二歳児が対象の支援事業をゼロ歳児のみに限定し、家事・育児サポーター派遣の時間数も二分の一にしてしまったのか理解に苦しみます。その理由を教えてください。 ◎中西 子ども家庭課長 区では、国と東京都の補助金を活用しまして、今年度より開始した多胎児支援事業のツインズプラスサポートの実施に当たりまして、各総合支所保健福祉センター健康づくり課の保健師や地域子育て支援コーディネーター、おでかけひろば等の支援者へのアンケート調査や、多胎児を育てる保護者の声を直接伺いながら、区としての事業の組立てをしてまいりました。アンケートや保護者の声からは、妊娠期から育児に対する不安が強いこと、母子ともに健康状態が悪化しやすい出産直後の負担や疲労が大きいことなどが把握できたことから、多胎妊婦及び一歳未満の多胎児のいる御家庭を対象といたしました。  ツインズプラスサポートでは、令和元年度より実施しております産前・産後訪問支援事業のさんさんプラスサポートの仕組みを活用いたしまして、利用者支援事業を担う中間支援センターが利用家庭のニーズに合ったヘルパー訪問事業者を確実にマッチングすることで、多胎児を育てる御家庭への負担軽減を図るため、利用上限を百二十時間としてございます。  移動支援では、当事者へのヒアリングからタクシーを利用する際、子どもに加え、荷物もある中で、一人で乗車するのはとても難しく、手助けが必要であるとの声もありまして、健診や予防接種等のために必要な外出の機会が比較的多い時期に、ツインズプラスサポート事業と併用して外出時の負担軽減を図るということから、対象年齢を合わせることといたしました。 ◆岡本のぶ子 委員 全く納得がいきません。先ほど申し上げたように、千六百名もの多胎児家庭のアンケートを基に、要望を基に、ゼロ歳児、一歳児、二歳児に必要な支援が求められて、そして、国と東京都がゼロ歳児には二百四十時間、一歳児には百八十時間、二歳児には百二十時間の家事援助サービスを事業化したわけです。にもかかわらず、世田谷区はゼロ歳児のみに限定をして、しかも、百二十時間しかその支援をしていないという、ここの一点からしても、誰の声を聞いたんですかと本当に驚いて、もう残念でなりません。  御相談をいただいた保護者同様、育児不安を抱える多胎児家庭の実態を踏まえ、とうきょうママパパ応援事業の標準仕様は作成されたものと認識しております。まずは、本事業に沿った区の改善が求められます。  また、先ほど会派の河村委員も産後ケアの拡充について触れましたが、区では、多胎児家庭への産後ケアへのニーズにも十分応えられていない実態があります。北区では、ゼロ歳児の多胎児家庭への家事・育児サポーター派遣の時間数二百四十時間のうち、二分の一に当たる百二十時間に産後ケア事業所の派遣を充当する取組を既に実施しております。  ここで伺います。今後、区の多胎児家庭支援の対象年齢をゼロ歳児限定から二歳児まで引き上げるとともに、家事・育児サポーター派遣の時間数の拡充と産後ケアを担える事業所の確保、移動支援サービスの拡充など、令和四年度への切れ目のない柔軟な制度の改善が求められます。区の見解を伺います。 ◎中西 子ども家庭課長 昨年十二月から今年の一月にかけまして、事業評価検証のために行ったアンケートでは、多胎児支援の対象百十六家庭のうち九十八家庭、約七八%から御回答をいただきました。  アンケート結果では、ツインズプラスサポートを利用した方で、役に立った、少し役に立ったと回答された方は八九・四%ございました。一方、自由記述には、ゼロ歳まででは足りないので時間を延ばしてほしい、ヘルパーの訪問時間を増やしてほしいといった御意見も多くございました。また、タクシー料金助成を利用した方で役に立った、少し役に立ったと回答された方は七一・八%で、自由記述には、対象年齢を延ばしてほしい、理由を問わないタクシー利用も対象にしてほしいと御意見も多くございました。  今後は、アンケート結果等も踏まえまして、事業の運用方法や対象年齢等の拡充について検討するとともに、ヘルパー訪問事業者の確保に向け、事業者開拓も併せて進めてまいります。なお、産後ケアも含めました家事援助サービスにつきましては、今後、産後ケア事業との位置づけも整理しながら検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、内容については今後検討して、拡充の方向性が見られるなと思うんですけれども、私は質問の中で、先ほどの保護者、既に九か月のお子さんなんですね。世田谷区の基準ではゼロ歳までしか見てもらえない。もう令和四年度になると、この保護者は多胎児を抱えながら、どうしていいのか分からない状態になってしまうということが、すぐ見てとれるわけです。私は、令和四年度への切れ目のない支援の改善を求めておりますが、ここに言及が不明瞭でしたので、ここは十分の十、国と都の補助がありますから、世田谷区の持ち出しはさほどないと思っておりますので、担当副区長に再答弁を求めます。 ◎中村 副区長 御指摘の事業の見直しについてですけれども、スピード感を持って検討して対応するよう、子ども・若者部のほうには指示をしてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、多胎妊娠の妊婦健康診査について伺います。  令和三年度より国は、多胎児を妊娠した方の妊婦健康診査の補助を始めております。東京都も令和四年度より補助を始めるとのことです。今後、本区として、多胎妊娠の妊婦健康診査の補助制度の早急な導入が求められます。区の見解を伺います。 ◎宮本 健康推進課長 現在区では、全ての妊婦に対して、妊婦健康診査の費用を十四回分まで助成しております。御指摘のとおり、多胎妊婦の健診費用につきまして、国は令和三年度より多胎妊娠の妊婦健康診査支援事業として、五回を限度に基準額の二分の一を補助する事業を開始しており、さらに今般、都は令和四年度より基準額の四分の一の補助を予定しています。これらを踏まえ、今後、御指摘の費用助成につきまして、導入できるよう取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 早急な対応をお願いいたします。  次に、話をがらっと変えまして、食を介した地域のネットワークづくりについて伺ってまいります。  令和三年第一回定例会の一般質問で、SDGs達成に向けた食品ロス削減の拠点整備について私が取り上げたことに対し、中村副区長は、家庭や企業からの食の提供を受けられる拠点の整備は、持続可能な取組につながるものと認識しておりますと答弁されました。本区では、フードドライブの常設窓口に寄贈された家庭の未利用食品を子ども食堂や福祉施設などに循環させる仕組みが定着しつつあり、コロナ禍でも、未利用食品の寄贈の総量は年々増加傾向にあります。  そうした中、課題になってきたのが、フードドライブに寄贈された未利用食品の保管場所の確保です。昨年十一月に訪問した社協事務所のロッカールームなどには、箱詰めの未利用食品がうず高く積まれており、適切な保管と管理の必要性を実感いたしました。  ここで伺います。令和四年度の世田谷区予算説明書別冊、重点項目説明資料五八ページの支援が必要な子ども・家庭サポートの中に、子ども食堂等を通じた食の支援として四千百五十二万一千円が計上されておりますが、その内訳が判然としません。まず、内訳を教えてください。 ◎工藤 生活福祉課長 子ども食堂等を通じた食の支援についての内訳は、総計四千百五十二万一千円のうち、都の補助が一千四百七万円、区の負担は二千七百四十五万一千円でございます。子ども食堂への支援のほか、新たに世田谷区社会福祉協議会が実施する食の支援事業として、寄附された食品を保管、管理するストックヤードを確保するため、食品保管と管理のスキルを持った食品仲卸業者に委託し、子ども食堂等の支援団体へ安定的な食の支援を行っていくことや、食品を寄附したい事業者などと支援活動を行う団体などを直接つなげるフードシェアウェブサイトせたべるの運営支援などに取り組むこととしております。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、会派として再三求めてきたロジ・ハブ拠点につながるストックヤードと、その未利用食品を区内の子ども食堂等で活用するウェブサイトが整備されていることが分かりました。評価いたします。  ここで気になるのが、ストックヤード、倉庫の広さと、真夏の炎天下の中でも食品をきちんと管理できる設備の有無です。東京都のフードパントリー開設への補助事業や国の休眠預金を活用した子ども食堂のネットワーク構築に向けたロジ・ハブ拠点の整備において、冷凍・冷蔵庫や保冷車などの購入費用が含まれていると伺っております。  今後、食の安全管理を適切に行う上でも、ストックヤード、倉庫に冷凍・冷蔵庫や運搬に活用する保冷車の手配は欠かせません。国、都の補助メニューや官民連携の手法を取り入れて、設備の準備が求められます。区の見解を伺います。
    ◎工藤 生活福祉課長 ストックヤードの広さは約五十平方メートルでございます。生鮮食品や冷凍食品などを取り扱う場合は、冷凍・冷蔵庫による保管や管理のほか、食品を運搬する際の品質劣化を防止する対策や、配布する場所での保管方法などの課題がございます。  令和四年度は、先ほど申し上げましたとおり、食品を保管するストックヤードを確保しているため、一つ一つ課題を解決しながら、冷凍・冷蔵食品の取扱いについても検討し、よりよい食の支援に取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ストックヤード、倉庫が順次整備されるということで、やはり、今フードドライブで寄せられる寄贈品というのは、二か月間の消費期限があり、かつ、生ものではない。なので、良質のたんぱく質ですとか、そういうようなものがほとんどレトルト食品からでしか支給できていないという状況がありますので、今後、子どもたち、また多世代の方たちが食事を介した地域での支えあい活動に多くの方に参加してもらうためにも、良質なたんぱく質、たんぱく源の食材が用意できるような、またお野菜などが用意できるような環境整備というのは求められると思いますので、よろしくお願いいたします。  その上で、家庭のみならず、区内外の食品関連事業者から寄贈される未利用食品の増加が今後期待されてまいります。継続的な地域での食を介するネットワークづくりに、このストックヤードが寄与するものと考えます。その上で、継続的な事業運営には財源の確保も重要です。以前にも提案しましたが、北九州市での子ども食堂のネットワークづくりを支える取組は大変参考になると考えます。  今後、区の補助のみならず、社協の自主財源の確保策を含め、官民協働で支えあう食を介したネットワークづくりの取組が求められます。区の見解を伺います。 ◎工藤 生活福祉課長 世田谷区社会福祉協議会では、平成三十年度に策定した財政健全化計画に基づき、事業執行の一層の効率化を図り、支出の抑制に努めるとともに、広報活動を強化し、自主財源の拡充に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症の影響により、会員会費や事業収入の減少は今後も不透明ではございますが、令和三年度に設置しました世田谷区社会福祉協議会の連携推進課を中心に、他都市の取組を参考に、ホームページやSNSを活用した寄附募集など広報活動を強化し、自主財源の確保を目指す新たな取組に区も期待をしているところでございます。  区といたしましても、世田谷区社会福祉協議会が実施する新たな福祉ニーズへの事業が定着するまでは、世田谷区社会福祉協議会と連携し、共に課題を整理しながら、財政健全化計画の進捗管理を行い、財政基盤安定化への取組を支援してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いします。  次に、地域の支えあいの観点から、いざという災害時に独居の高齢者を地域で見守ってくださる民生委員さんの安全対策について伺います。  先日お会いした民生委員さんより、災害時に自身や家族の安全を確保した上で、担当する高齢者等の家を見回りに行くことになっているが、災害時の落下物等に備える装備品が支給されていないのはどうしてかとの御意見をいただきました。  今後、区として、民生委員さんなどの御意見を踏まえ、災害時に地域の見守りに備えたヘルメットなどの装備品の支給が必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎工藤 生活福祉課長 民生委員の皆様には災害に備え、平常時に訪問や見守りの活動の中で、避難や備蓄など、自助としての備えを促していただいております。また、災害時には御自身と御家族の安全を最優先とし、可能な範囲で避難行動要支援者等の安否確認などに御協力をいただいております。  民生委員の皆様からは、災害時の活動に協力する上で、ヘルメットなどの防災装備品の支給に関する要望が上がっている一方で、防災装備品を支給するほど民生委員を頼りにされても負担が大きいといった御意見もいただいているところでございます。  区では、来年度の一斉改選に向けて、民生委員活動での課題や負担感などについて、民生委員の皆様へ実態把握調査を行うこととしており、見守り活動における防災装備品などの課題についても確認し、検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、介護現場の負担軽減に向けた取組について伺います。  コロナ禍が三年にわたり続く中、重症化リスクの高い高齢者が利用する介護施設の現場では、通常業務に加え、感染防止対策に神経をすり減らす日々が続いております。クラスターが発生すれば利用者が減少するなど、事業継続にも影響が出ることから、これまでも会派として、複数回にわたり支援強化を求め、様々な支援策が講じられてきていると認識しております。  まず、介護事業所への助成制度の申請率を教えてください。 ◎杉中 高齢福祉課長 区では、介護人材の確保・育成・定着支援の取組として、介護事業所に対する様々な助成事業を行っております。介護事業所を運営している法人を対象とした介護人材採用活動経費助成事業を例に取りますと、令和二年度は対象三百九十八法人中百二十二法人から申請がありました。  利用状況の内訳は、介護施設を運営している法人の申請率は約七割の一方、訪問介護事業所のみを運営している法人の申請率は約三割と、小規模の法人からの申請率は低い状況です。特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム等を対象とする職員研修費助成事業においても、同様の傾向が見られます。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、小規模法人の申請率が約三割ということが分かりました。せっかく支援メニューが拡充されたとしても、申請手続の煩雑さゆえ申請に至らないというのでは、介護現場の窮状の打開につながらず、人材確保面、介護現場の尊厳重視のケア等に支障が出てくることが予想されます。  今後、区として、例えば手書きでの申請を法人マイナンバーを活用した電子申請に切り替えることで、各種助成申請の手続の簡素化が図られると考えます。また、電子申請が苦手な事業所に対しては、申請をサポートする相談窓口を開設することで、介護事業所の負担軽減につながると考えます。区の見解を伺います。 ◎杉中 高齢福祉課長 区では、法人、事業者の事務負担を軽減するため、高齢福祉課所管の助成事業については、財産目録や貸借対照表等の添付書類を他の助成事業の申請時に共有できる等、申請の簡素化に努めております。  お話しのインターネットを利用した電子申請の導入につきましては、さらなる手続の簡素化につながるものと考えております。電子申請の導入に当たりましては、添付書類の電子化等のシステム上の課題もありますので、相談窓口の件も含めて、今後検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  私からは最後の質問になります。こども家庭センターの設置に向けた取組について伺います。  国は、令和五年四月にこども家庭庁の創設を目指し、さらに母子保健法に基づき、妊産婦や乳幼児の保護者の相談を受ける子育て世代包括支援センターと、児童福祉法に基づき、虐待や貧困などの問題を抱えた家庭に対応する子ども家庭総合支援拠点が併存していることで、二つの機関で情報が十分に共有されず、支援が届かない事例が指摘されていることから、組織を統合して体制を強化するとして、令和六年度には、全国の市区町村へ子育て世帯を包括的に支援する機関として、こども家庭センターの設置を目指すとしています。  今後、国の方針を受け、区として支援が必要な家庭の見落としを防ぐためにも、こども家庭センターを設置し、区民に分かりやすい案内表示ができるよう、担当所管の業務の見える化が必要と考えます。本件に関する区の認識と今後の取組を伺います。 ◎木田 児童相談支援課長 政府が今国会に提出した児童福祉法等の一部を改正する法律案には、今お話がありましたとおり、現行の子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターについて、これらの設立の意義や機能は維持した上で組織を見直し、一体的な組織として、市町村が全ての妊産婦、子育て世帯、子どもの包括的な相談を行うこども家庭センターの設置に努めることが盛り込まれているところです。  区では、現在、各総合支所保健福祉センターの下、子ども家庭支援課に子ども家庭総合支援拠点、健康づくり課に子育て世代包括支援センターの機能を整備し、両課それぞれ専門性を生かした相談対応を行うとともに、健康づくり課と子ども家庭支援課を兼務する保健師を配置することにより、母子保健及び児童福祉が緊密に情報を共有しながら、両機能が一体となって対応しております。  今後の国等の動向等を注視しつつ、まずは現在の実施体制における現状や課題等の把握を行うとともに、法改正の趣旨を踏まえて、全ての妊産婦、子どもとその家庭へ適切な支援が行えるよう、区民への分かりやすさという視点も踏まえた体制の整備に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で私の質問を終わり、高橋委員に替わります。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党最後の質問です。  認知症の希望条例、希望計画について何個か質問したいと思うんです。今日、金井委員のほうからも認知症のことで質問がありましたし、つるみ委員のほうからもありましたので、重ならないように質問いたしますけれども、希望計画が始まってちょうど一年がたったんですかね。三年で一期の計画をやるということで、そのうちの一年間が過ぎました。いろいろ計画を立てて、その計画どおりに進んでいるかどうかということの検証も、この間やられたんですよね。その状況からどう進めるかと、四つのプロジェクトを進めますよというふうにしていましたね。情報発信のプロジェクトとか、本人発信の参画のプロジェクトとか、いろいろ提案もした希望ファイルのプロジェクトとか、あとは地域づくりだよと、地域づくりプロジェクト。四つのプロジェクトを動かしてきました。  この四つのプロジェクトが、この一年間でどのぐらい進んできたのか、簡単に説明していただけますか。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 まず一つ目、情報発信・共有プロジェクトと、二つ目、本人発信・参画プロジェクトについては、普及啓発用のテキストや認知症の御本人が出演された動画を作成、条例施行一周年記念イベントや認知症講演会では、認知症の御本人が登壇し、自ら思い等を語りました。参加者アンケートからは約七割の方が、認知症のイメージがネガティブからポジティブに変化したとの回答を得ました。また、区や認知症在宅生活サポートセンターのホームページや機関紙なども活用し、認知症観の転換を推進いたしました。  三つ目の「私の希望ファイル」プロジェクトでは、ひな形作成に向けて準備を重ねており、四つ目の地域づくりプロジェクトでは、各地区で条例等に関する勉強会を開催するほか、深沢、砧、上北沢の三地区をパイロット地区として、アクションチームにつながるための取組の話合い等を進めているところです。  引き続き、四つのプロジェクトを進め、認知症観の転換や認知症になってからも安心して暮らし続けられる地域づくり等に取り組んでまいります。 ◆高橋昭彦 委員 今回、さっきお話もありましたけれども、今もお話がありましたけれども、世田谷版の認知症サポーター養成講座、それの要はガイドをつくった、アクションガイドをつくりましたよと。これを普及していきますよということになるわけですけれども、この認知症の条例のときに、ずっとお話をしていましたけれども、条例をつくるとともに、やっぱり子どもに対して分かりやすく、そういったものをつくりましょうよという話で、やりますというふうに長岡部長はそのとき言っていたんですよね。  僕らは大牟田市へ行ったんですが、大牟田市へ行ったのはもう九年前なんですけれども、それをここで状況を説明して、大牟田市は認知症ってどういう症状なのという絵本を作って、子どもたちに教えているんですよね。ということは、もう九年前でしたよ。そういう話をしたわけです。それは子どもたちにいろんなこういうことを教えると、やっぱり家に帰って両親にも話をする。そういう意味では、きちっとその認知症観を転換するというのも、子どもたちから始めるというようなことを大牟田市ではやっていたわけですね。  だから、子どもから大人への理解が広がっていくという大事なことなわけですけれども、この子どもが認知症というものが分かるような、そういったものをつくりますよと部長は言っていたんですけれども、これはどんな状況になっていますか。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 多世代の区民が認知症を正しく理解し、認知症観の転換を図っていくために、来年度は子ども用のテキスト等の作成にも取り組んでまいります。子ども用のテキストができ次第、まずは小中学校の校長会へ出向き、概要を説明し、御理解をいただきます。そして、従来より学校との連携の中で実施してきた家庭教育学級や福祉に関する学習会等でテキストとして活用するとともに、あんしんすこやかセンター等が地区の中で地域づくりを進める中で活用してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 来年度、令和四年度に作成をするということですね。分かりました。よろしくお願いしますね。しっかりいいものをつくってくださいね。  それとともに、この大牟田での取組というのは、八年前に質問しましたけれども、要は、認知症のSOSネットワークをつくりなさいという話をずっとしてきました。これは八年間言い続けているわけですけれども、要は、道が分からなくて家に帰れないとか、何度も何度もそういったことを繰り返してしまうとか、そういったような状況もあるよということから、子どもたちも交えて、そういったSOSネットワークを大牟田市ではつくっていましたよ、だから、こういうことは大事なんじゃないんですかということをずっと言ってきました。  SOSネットワークというのは、行政とか、警察とか、消防とか、交通機関とか、そしてまた地域の団体とか、区民を巻き込んで、市民を巻き込んでやっているものじゃないですかと、それこそが高齢者の安心やセーフティーネットになるんじゃないんですかという話をずっとしてきましたよね。大牟田市では、それをほっとあんしんネットワークというふうに名づけてやっているわけです。この間、去年ですか、もう一つ取り上げましたけれども、文京区でもやっていますよというふうな話をさせていただきましたけれども、「ただいま!支援SOSメール」というのを文京区がやっていますよと、これも警察も絡んでやっている。こういった取組をどうなんだというふうに言っているんだけれども、これはどうなっていますか。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 地域づくりプロジェクトの活動の一環として、地域での見守りネットワーク等を一層強化し、認知症の方の安心安全な外出を守る地域づくりを実現するため、令和三年十月にセーフティーネットについて検討する部会を立ち上げ、これまで計二回開催いたしました。  この部会では、認知症当事者の方を含む評価委員会の委員のほかに、四警察署、区の社会福祉協議会等をメンバーとし、まずは、区及び社会福祉協議会の見守りに関する事業の実施状況や実績等の実態把握を行いました。また、警察署からの情報提供の下、行方不明に関する統計などを整理するとともに、行方不明を繰り返す方への支援強化や区及び社会福祉協議会の事業における連携強化を一層図ることといたしました。  具体的な検討成果の一つとして、事業名に徘回という言葉を使うことの認識を改め、改称の方向とするほか、見守りに関する事業の連携方法として、区の高齢者見守りステッカー事業と社会福祉協議会の見守りネットワーク事業のそれぞれの登録希望者に他方の事業を周知し、両事業の区民の登録促進につなげてまいります。また、訪問等で地域に出向いていらっしゃる医療・介護事業者について、発見協力者となっていただけるよう進めてまいります。  そして、行方不明の事案が発生した際には、区及び社会福祉協議会の双方で情報を共有することで、さらに発見協力者を拡充するほか、世田谷区災害・防犯情報メール配信サービスの活用についても検討してまいります。  今後も引き続き、見守り事業等の検討を進めるとともに、安心安全な外出を守る地域づくりを一体的に進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 検討します、検討を続けています、いつできるのかなというふうに思いますけれども、早くやりましょう。もうこういう質問をして八年になりますからね。  地域づくり、地域での認知症観の転換もしなきゃいけない。地域に出ていかなきゃいけない。先ほども金井委員が説明してくれたけれども、みんなでアクションガイドという、このガイドを持って、結構いろんなところに当たっているんですねという評価をされていましたけれども、要はこれがどう区民に届くのかということなわけですよ。地域づくりというのは、地域にもっと出ていかなきゃいけない。長岡部長、どういうふうに進めていくのか、もう転換を早くしなきゃいけないと思う。ちょっとどういうふうにしていくのか、決意を聞きましょうかね。 ◎長岡 高齢福祉部長 先ほど委員のほうからもお話がありましたけれども、昨年の四月にこの条例に基づく希望計画がスタートしていまして、四つの重点テーマに対応した四つのプロジェクトを一体的に進めております。  今お話があったみたいに、どういうふうに地域に出ていくのかということで、先ほど答弁でも少しお話ししましたが、まず各地区において、新しい条例の考え方を理解していただくために勉強会を開催するような形を取っています。具体的には、地域包括ケアの地区展開の中心的な担い手である、三者であるまちセン、あんすこ、社協の職員さんたちにできるだけ集まっていただいて、そこに説明しに行くと。現実的にはなかなか集まれなくて、ばらばらに説明しに行くことも多かったんですけれども、各地区でできるだけ、まずはそこに説明をして、地域包括ケアの地区展開の中では、地区の課題を抽出して対応もいろいろやっていますので、中心的に関わっている人たちに新しい条例が区でできましたよと、こういうことも念頭に置きながら、地域づくりをやってくださいねということで、まずは普及をしていきたいと。  まだ二十八全地区に、ちょっとコロナもあって入り切れていませんので、令和四年度につきましてはできるだけ入っていきまして、地区の中で自主的に活動をするものであるアクションチームと名づけていますけれども、そういった自主的な活動につながっていけるように、取組を着実に進めていきたいというふうに考えております。 ◆高橋昭彦 委員 着実にというよりも、しっかりと気を入れてやってください。今言われていました地域包括、地区展開ですよ。大事なのは。そこで、それについて今から質問します。  つるみ委員もさっき言われていました。地域包括、地区展開はどうするんだと。今、地域行政制度の条例をつくろうということで、じゃ、地域包括の地区展開がどうやって地区の中で行われるの、誰が責任持ってやるのということがよく見えてこない。それをしっかりと体系立てなきゃいけないというふうに思っているわけですよ。それは僕だけじゃなくて、さっき言っていたように、誰もが感じているわけです。  さきの代表質問でも話しましたけれども、地域包括ケア、三者連携会議というものでなくても、四者連携会議なんじゃないですかという話をしたら、そうですというような、四者連携というものをしっかりと進めてまいりますというふうに、中村副区長からは前回言われていましたね。だから、もう三者連携という名前はやめましょう。四者連携会議とちゃんと明確にするということが大事だと思いますよ。三者だけで話し合っていても認知症というのは進まない。だから、子どもも入れるということをさっきから話しているので、四者連携会議をしっかりやっていくというような状況をつくっていかなきゃいけない。  四者目は誰が担うのかといったら、児童館ですというふうにずっと言われていましたよね。この地域包括ケアの地区展開の中で、じゃ、児童館がどういうことを取り組みますよということに今は決意をされているのか、児童課からお話しいただきましょうか。 ◎須田 児童課長 児童館につきましては、世田谷区子ども計画(第二期)後期計画に基づきまして、児童館を拠点とした地区における子ども・子育て家庭の見守りのネットワークの強化を進めることとしております。  そのため、令和四年度からは、全二十八地区で四者連携を始めることができるよう準備を進めており、まずは児童館が全ての地区の三者連携会議に参加し、児童館が把握している地区における子育てや、子どもの外遊び、居場所などの情報、また、地区社会福祉協議会が把握している子ども食堂などの様々な地域団体の自主活動や地域人材の情報を持ち寄り、子ども・子育てに関する課題等の共有を進めながら、各地区で子どもを見守る意識づくりを進めていきたいと考えております。  まずは、四者連携を通じて、児童館と地区で活動する町会等の地域団体とも関係性を深めるとともに、地域子育て支援コーディネーターや地域の子育て支援団体と児童館が持つ支援のネットワークを生かして、子ども・子育て家庭等を地区全体で見守り、育て、必要な支援につないでいくことができる体制を築いていきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 ちょっと今火事が、私に通報が入っているんですけれども、進めますね。  地域包括ケア、地区展開で児童館がそのように、要はアンテナを張って、その地区の中でしっかりと見守りというか、支援の体制をつくりますよと。各まちづくりセンターに入って、ちゃんと会議にも参加をして、来年度からやりますよということを明確にされたということでいいわけですよね。  さあ、四者連携。四者連携が行われたとしても、地区の課題解決は、まちづくりセンターで行うわけですよ。このまちづくりセンターが中心となるのかどうかということが大事で、主体となるところがどこなのかということが非常に重要になってくるんです。このことは何度も言っていますけれども、四者の中、四者がそれぞれに連携を取ればいいということではないわけですね。さっき長岡部長が言ったとおり、その地区の中に入っていったときには、やっぱりまちづくりセンターが、まちづくりセンター所長が指揮を執ることが大事なわけです。だけれども、現実は、まちづくりセンターは福祉じゃないと思っている人もまだたくさんいますよ、現実には。福祉はあんすこがやればと思っている人たちがまだたくさんいますよ。だから進まないわけですよ。  四者連携は誰が中軸になってやっていくのか、地域包括ケア、地区展開は誰が中心になって、誰が回していくのかということを明確にしなきゃいけないということだと思うんだけれども、どういうふうに考えていますか。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 区では、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指し、地域包括ケアの推進をしております。福祉の相談窓口では、福祉の困り事など様々な相談を受け、地区で解決できない問題は専門機関等に適切に引き継ぎ、支援に結びつけることを目指しております。また、相談を受けるだけではなく、地区における福祉的な課題を把握、共有し、その解決を目指しております。  まちづくりセンターは、区民に最も身近な行政機関として様々な相談を受け対応するとともに、児童館を含めた連携会議を開催し、地区の課題の解決に向けた方向性、手法等について話合いを行い、四者の調整や取りまとめを行う。また、地区の社会資源や人材等の情報を活用した地区のネットワークづくりを行い、地区住民や事業者等に対して課題の共有化、連携強化を図る役割を担っております。  この間、八〇五〇問題やヤングケアラー支援など、高齢者、障害者、子どもといった分野をまたぐ複雑・複合的な問題が生じており、問題を早期に発見し、様々なネットワークを活用した対応が必要となっております。こうした複雑・複合的な問題が福祉の相談窓口に寄せられたときは、速やかにアセスメントを行い、専門機関につなぐとともに、関係機関を集め支援策を検討し、支援を継続する。そのためには、委員御指摘のまちづくりセンターが地域行政推進条例を契機として、地区における総合調整機能を一層発揮する必要があることから、関係部署と連携を図りながら、まちづくりセンターを中心とした地区における課題解決力の向上を目指してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 地区における総合調整機能を一層発揮する必要がある、本当にそのとおりですよ。関係部署の連携を図りながら、まちづくりセンターを中心とした地区における課題解決を目指す。それぞれが勝手にやっていては駄目なわけですね。しっかりとした軸があって、そして、地域包括ケアの地区展開がなっていかなきゃいけないわけですよね。まちづくりセンターのあの中で、まだまだ縦割りがありますよ。連携は取れているか取れていないかって、行けばよく分かる。どういう指示を所長は出しているのか、どういうことを所長は聞いているのか、所長がどういうことに手を出しているのか。  やっぱり、あんすこさん、社協さんとよそ者になっていては、なかなか問題解決は進まない。小泉さんが言っていたけれども、地区の中の福祉の資源をしっかりと地区が、まちづくりセンターが掌握をして、どう使いこなせるのかということが本当の地域行政なんじゃないのかというふうに言われていましたけれども、そのとおりだと思いますよ。それができるようなものに変えなきゃいけないというのが、今回のテーマなんじゃないでしょうかね。そういうことがちゃんとできるかどうか。総合調整機能を発揮する、本当に発揮ができるのかどうか、中村副区長にお聞きしたい。 ◎中村 副区長 先ほど、次長のほうからの答弁でも触れましたけれども、この間の地域包括ケアの地区展開の取組を通じて、地区の課題というものが、いわゆるごみ屋敷の問題ですとか、買物困難地区の対策など、福祉の領域を含めた複合的な課題が多いということが分かってきたと思っています。こうした地区の課題をまとめて課題解決に向けて取り組むには、まちづくりセンターが中心となって、あんすこ、社協、児童館の四者ですね。四者連携はもちろんですけれども、専門的なものについては、本庁や総合支所の関係所管につないだりして協力体制を築いていく、そういった総合調整機能が不可欠だと考えています。  今般、地域行政推進条例の素案において、まちづくりセンターの総合調整機能の充実ということを明記しました。このことを契機としまして、まちづくりセンターが自らの役割として、この総合調整機能を実践できるよう、所長の権限の整理、見直しを含めて、具体的な取組を進めてまいりたいと考えています。 ◆高橋昭彦 委員 ちゃんと形をつくってください、副区長。よろしくお願いします。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十四分休憩    ──────────────────     午後五時十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 世田谷立憲民主党の質問をさせていただきます。  私、中塚からは、最初に高齢者の健康づくりについてお尋ねいたします。  二月一日の福祉保健常任委員会で、高齢者の地域参加促進施策の取組について示されました。高齢者の地域参加促進施策、いろいろ取り上げられましたけれども、これは令和二年に老人休養ホームふじみ荘を廃止したことから、改めて、居場所づくり、健康づくり、地域参加・地域貢献、知と学び、就労・就業支援、こうした五つのプロジェクトを関係所管が連携して取り組むということで、その実績と進捗の報告があったということです。  その中で、特に健康づくりのプロジェクトについてお尋ねしたいと思います。今、高齢化の中で、区民の命と健康を守る、こうした重要な取組と考えておりますけれども、私は昨年も決算特別委員会で、保健センターの委託事業、再委託事業等である元気体操リーダーについて取り上げました。介護現場で仕事をしていまして、特に今コロナになってから、非常に閉じ籠もりがちだったり、そうした高齢者の方が健康を害しているということでした。  後日、改めて、再委託先であった団体の方々に直接、元気体操に関する取組を伺う機会が得られましたので、その決特のほうで私が発言しました内容について、補足をさせていただければと思うんですけれども、そのときに、元気体操リーダーを派遣している団体からリーダーを派遣してもらうには、ここの団体に入会金一万円と年会費一万円をお支払いするということをお話ししましたが、これは、この団体に入会することは決してマストではなくて、任意ということでしたので、誤解もあったので補足をさせていただきたいと思います。  この団体の方々、非常に使命感を持って健康づくりに取り組まれていまして、それは行政や保健センターだけでは、こうした健康づくりの体操が区全体に広がっていかないと、大々的に展開していくためには、こういう組織というのが必要だということで委託をされていると、本当に熱心に取り組まれていました。  ですが、今回出ましたこの二月一日の高齢者の地域参加促進施策の取組についてでは、全くこのことについてどこにも触れられておりません。そのように見えるんですけれども、どうなんでしょうか。 ◎大谷 健康企画課長 高齢者の地域参加促進施策の取組でございますが、令和二年度から全庁横断的に取り組む高齢者の居場所づくり、健康づくりなどの五つのプロジェクトの実績や進捗を取りまとめたものです。せたがや元気体操リーダー事業につきましては、地域で健康づくり活動をしている区民団体を支援する取組として、区が保健センターに委託し、さらに保健センターからNPO法人へ再委託しており、事業の対象が高齢者に限定されていないことから、先般の常任委員会の御報告には記載されておりません。  区民の健康保持の推進には、こうした地域の健康づくり活動は重要であり、保健所では、高齢者も含め様々な世代が参加できるよう、引き続き健康増進事業に取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 元気体操は高齢者だけを対象にしていないというような答弁がありましたけれども、実際は、ここに出てくる取組も、じゃ、全部が高齢者だけを対象にしているものなのかというのは、千歳温水プールとかもそうなんでしょうかね。ちょっとどうなのかなと思いますし、また、区の税金を使ってこうした取組をしていると。保健センターの補助金等の見直し等については、私は企画総務委員会所管のほうでも質疑をさせていただきましたけれども、そうした中で行われている事業、しかもかなり大々的に展開していくと、そのためには行政だけじゃ駄目だということで取り組んでいる事業について、全く報告がないというのは、ちょっとおかしいのではないかなというふうに感じました。区としても、責任を持って、ぜひそうした健康づくりについて取り組んでいただきたいと改めて要望いたします。  ここでもう一つ気になったことは、この高齢者の地域参加促進施策の取組なんですけれども、今は健康促進ということでいいますと、やはり予防ですよね。この介護、フレイル、これを予防していくためには三つの柱があると言われていまして、運動、社会参加、それから栄養です。運動や社会参加については、この地域参加促進の取組の中にいろいろと書かれているんですけれども、特に栄養のことについては、あまり触れられている様子がないんですね。今、特に低栄養というのは、メタボ以上にフレイルのリスクが高いということが様々な調査でエビデンスも出ています。  区が示している健康づくりプロジェクト、これは決してふじみ荘がなくなったからあるものを並べたということだけではなくて、もともとこの老人休養ホームというのも、やはり高齢者に心身の健康の増進を図るということを目的としていたわけですから、それに従って考えると、この栄養に関する取組というのは欠かせないと考えます。御答弁をお願いしたいんですけれども。 ◎望月 介護予防・地域支援課長 委員御指摘のとおり、高齢者にとって食事摂取量の不足や栄養バランスの偏りなどによって筋肉量が減少し、歩行能力の低下等につながるため、低栄養予防に取り組むことは大変重要でございます。常任委員会報告に記載の健康長寿プロジェクトの一つである、六十五歳以上を対象とするはつらつ介護予防講座など、一般介護予防事業では、食べる機能を維持するためのお口の健康とバランスのよい食事について、必ず講話の内容を含め、低栄養予防の普及に取り組んでおります。  また、あんしんすこやかセンターで実施する普及啓発講座においても、今年度より保健所が作成した低栄養予防のための食生活チェックシートを用い、各総合支所の健康づくり課とあんしんすこやかセンターが連携し、栄養講座や低栄養の早期発見と相談等につなげる取組を開始いたしました。  今後も、保健所や生活文化政策部、スポーツ推進部など関係機関と連携し、低栄養予防の視点を持って取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今取組について、ここにはお口の健康しかなかったですけれども、いろいろお話はいただいたんですが、特に私はケアマネジャーの仕事をしていますと、在宅で暮らしていらっしゃる高齢者の方々の訪問が仕事なわけですが、栄養や食事に本当に課題を抱える方は多いです。特に、コロナで外出の頻度が減っていることで、やはり動かないので、なかなか食欲不振になってしまっている方も増えている、買物なども制限しがちで低栄養につながる、そうしたリスクが高まっているということも言われています。  糖尿病などの疾患がある方は、特に食事のコントロールがうまくいかない方がとても多くて、やはり食事というのは毎日のことなので、もちろんそうした講座をやっていただくのもいいんですけれども、特に独居の方で自己管理が難しい、調理がちょっと厳しいとか、あと経済的に大変な方って、糖尿病食の配食って高いんですよ。そうした一人一人の生活の実態をしっかり見て、食生活に対する介入をしていただくことというのは、やはり訪問をして、その人の生活を見て、そこでアドバイスをいただくのが一番現実的で、効果的な指導が受けられるというふうに感じているんですね。  ただ、実際やはりこれを区がやるのか、行政がやるのかといったら、そこまで今はそんな人もいないし、予算もかけられないと。そうした中で、世田谷区内に数はあまり多くはないんですけれども、訪問栄養食事指導を行っている医療機関ですとか、事業所というのが幾つかあります。こうしたサービスというのは、糖尿病とか疾患のある方は医療保険、要支援・要介護認定を受けている方は介護保険で利用できます。つまり、負担を抑えながら、実際におうちに来てもらって、効果的な指導を受けられるので非常にいいサービスだと思うんですよ。
     ですが、こういったものについての情報というのが、なかなかケアマネジャーがすぐに情報収集、この地域でここというのが、簡単になかなか収集できない現状もあるので、ぜひ、そういったものは区のほうで分かりやすく情報提供していただくということをお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎瀬川 介護保険課長 訪問栄養食事指導は、高齢者が低栄養にあると医師が判断した場合に、介護保険の居宅療養管理指導において、本人または家族等に指導することが可能とされております。特に、独居の高齢者等の食事や栄養の課題への対応は、重度化防止の取組において重要なものであるため、栄養や口腔機能向上の具体的な取組を紹介していく中で、訪問栄養食事指導についても、ケアマネジャーに対する周知に取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 周知と言いましたけれども、実際にこういったところに利用できるというのが分かりやすく、区のホームページ、あるいは情報提供があればしっかり利用して、利用者さんの運動、社会参加、栄養と、この三つでしっかり介護予防、介護が重度化しないような取組というのを現場のほうで進めていけるのかなと思っています。  次の質問に入らせていただきます。介護現場の声が生かされる地域包括ケアについてということで質問させてください。  本日、いろいろな会派から、この地域包括ケアについて取り上げられていましたけれども、私からは、地域ケア会議の開催状況についてお聞きしたいと思います。地域ケア会議というのは、高齢者個人に対する支援の充実、それを支える社会基盤の整備、これを同時に進めていく、まさに地域包括ケアシステムの実現に向けた手法の一つとされています。  具体的には、地域包括支援センター等が主催し、ケアマネジャーが事例を提出して、医療、介護等の多職種が協働して意見交換して、その高齢者の個別の課題解決を知恵を持ち寄って図るとともに、ケアマネジャーのケアマネジメントの実践力を高める。また、個別のケースの課題分析を積み重ねることで、地域に共通した課題を明確にする、また、共有された地域課題の解決に必要な資源開発、地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげるということを企図しているものです。  つまり、まさにこれこそ現場からの制度の改善であり、政策立案を含むものと考えています。世田谷区では五地域、また地区でも開催されていると認識していますが、開催状況はいかがでしょうか。 ◎白木 世田谷総合支所保健福祉センター保健福祉課長  区では、地域ケア会議を二十八地区で行う地区版地域ケア会議、五つの地域で行う地域版地域ケア会議、全区レベルで行う全区版地域ケア会議の三層に分けて行っております。  このうち、地区版地域ケア会議は、個別ケース検討をはじめ、地区課題の抽出、地域づくり、社会資源開発などを目的として、あんしんすこやかセンターが主体となって行っており、令和二年度では八百五回実施をし、区職員は四百三十二名参加をしております。また、地域版地域ケア会議は、地区から上げられた地区課題を集積するとともに、地域課題を抽出し、解決に向けた検討を行うことを目的として、支所保健福祉課が主体となって行っており、開催回数は令和二年度で世田谷地域八回、北沢地域六回、玉川地域八回、砧地域九回、烏山地域二回となっております。 ◆中塚さちよ 委員 今答弁にありましたとおり、地域によって多いと九回、少ないところは二回と差があるようです。コロナ禍でなかなか会議も難しくて、現場の負担も増えている中で、事例提出の担当に当たったケアマネジャーの仕事を間近で見ていると、もう本当に夜遅くまで準備しています。ぜひ有意義な会となるように、多くの区の職員の方々にも、この会議に参加してほしいと思っています。  他職種で意見を出し合うことは当然ですけれども、先ほど申し上げたとおり、この地域ケア会議は現場から、この制度に上げていく、政策立案、こうしたことも含んでいるということを考えますと、もう本当に区の職員には奮って御参加をいただきたいと思いますが、地域ケア会議への区の職員の参加状況はどうでしょうか。 ◎白木 世田谷総合支所保健福祉センター保健福祉課長  地域ケア会議のうち、地区版地域ケア会議には、保健福祉センターの地区担当ケースワーカー、保健師などが参加をしております。また、地域版地域ケア会議には、保健福祉課長をはじめ、保健福祉センター各課の係長、ケースワーカー、介護予防・地域支援課などの職員が参加をしております。また、会議のテーマに応じて、保健所や清掃所管、あるいは住宅所管等の職員なども参加をしております。 ◆中塚さちよ 委員 いろいろな所管の方が参加されているということです。実際、この地域ケア会議の内容を見てみますと、もう本当に八〇五〇といった共通するような課題もあれば、玉川地域では消費者被害がすごい広がっていると、そうした地域の課題なども出ています。ですので、本当に各所管、地域の特に事業者対応とか窓口とかをやっている方々には、もうぜひとも御参加いただきたいと、また、隣接領域の方にもぜひ御参加いただきたいと思っています。  今後、オンラインなど開催方法の工夫、また開催機会を確保し、また、この現場からの課題をしっかりと受け止めて解決につながると、そうした道筋や解決した方法、いろんな現場から生まれている取組があります。こうしたものをフィードバックしていただけますと、現場のほうの参加意欲というのもさらに向上すると思いますが、いかがでしょうか。 ◎白木 世田谷総合支所保健福祉センター保健福祉課長  地域ケア会議は、地域包括ケアの地区展開を進めるためのツールの一つであり、会議の開催回数を確保すること、また、区職員が会議に参加をし、地区との連携を進めていくことは大変重要であると考えております。地区には様々な課題があり、あんしんすこやかセンターをはじめ、関係事業者の方々による活動が日々行われております。  区といたしましても、このような地区の状況を知り、地区活動の支援が適切に行えるよう、今後も様々な工夫を行い、地域版地域ケア会議を開催するとともに、また、これまで参加をしていなかった職員が会議に参加をするなどして、地域包括ケアの地区展開がさらに進むよう取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 ありがとうございます。  では、介護現場からということで、コロナ感染者への対応についての質問にさせていただきます。  ワクチンに関することは、この後、中山委員より私よりも手厳しく、たくさん質問をされたいということですので、私からは一点だけ、掛かり増し経費のことを確認させていただきたいと思います。  今回の一般質問で他会派からも質問が出ていましたけれども、介護現場でコロナ陽性者の方に対応しなくてはいけなくなった場合、高齢者の施設、あとは医師や訪問看護師には非常に手厚く手当が出るんですけれども、訪問介護のヘルパーには全くないということで、もう本当に感染リスクがある中で、こうした介護に入らざるを得ないヘルパーさん、あるいは事業所の負担が大きい現状にありました。実際、在宅の要介護高齢者の中には、特に医療系サービス、訪問看護も訪問診療も何も利用していない利用者さんって結構多くて、そうしたところには、もう本当にヘルパーさんが命綱となって、日々の介護に入っているという現状です。  この問題について、三月二日、国の厚生労働委員会で、我々立憲民主党の山井和則議員が後藤大臣に質問をしましたところ、既存の補助金、掛かり増し経費と言われるものですとか、これを使って、一回の訪問に対するヘルパーへの給料と同程度の特別手当を出すことが可能ですといった答弁が得られております。また、この特別手当を申請するに当たっては、特段医療機関とかからの証明書を発行してもらわなきゃいけないということではなく、また昨年の四月から遡って申請することができるということも、既に報道で確認をされているとおりかと思います。  ぜひこれについて、世田谷区からも介護事業者のほうに周知を図っていただいて、煩雑でなく申請いただけるということで、区のほうからもお知らせしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎瀬川 介護保険課長 今なお自宅療養者が多い状況下において、事業者が訪問サービス等の提供を続けていくための環境整備に対する支援は重要であると認識しております。訪問介護事業所等の介護サービス事業所に、東京都はサービス提供体制確保事業により、利用者に陽性者が発生した場合の掛かり増し経費等に対し補助を行っております。また、区でも高齢者・障害者施設等支援金として、利用者に陽性者が発生した事業所等には、事業継続に必要な人員確保のための賃金や手当等に補助金を交付し、事業所の支援に取り組んでおります。  こうした制度は、サービスを継続していただくための制度であり、活用していただくことが重要でございます。委員からお話があった国等からの通知に基づきまして、引き続き制度の周知に努めるとともに、事業所に対する必要な支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 最終的には、ちゃんと働いた人に手当が渡っているようにも目配せしていただきたいと思います。藤井委員と交代します。 ◆藤井まな 委員 私も保健所のコロナ対応についてお伺いをさせていただきたいと思います。  保健所の皆様は、本当にコロナに関して最大限働いていらっしゃると思いますし、敬意も表したいと思いますけれども、ただ、不適切なそういった何か行動があった場合には、しっかりと議会としてはチェックをしていかなければいけないし、指摘もしていかなければいけないと思っています。  区内の民間医療施設で、仮に新型コロナウイルスの陽性者が出たとして、その場合は、民間の医療施設から、電子カルテみたいな、いわゆるHER―SYSという名前の発生届が電子データとして区役所に送られてくる、保健所に送られてくる。それを保健所は国に届けて、新型コロナウイルスの感染者が発生をしたということができ上がるという一連の流れでありますけれども、本来このHER―SYSというのは、十九項目書くところがあって、それを民間の医療機関のお医者さんとかが診た場合には、十九項目を書き込んで、そのまま保健所が受け取って、保健所から国に出すという流れですけれども、これがうわさに聞いたところによると、お医者さんにはお話ししないで、保健所の中で書き換えて国に出しているという事例があるといううわさを聞いたことがありますけれども、こういったことが区内で起こっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎荒木 世田谷保健所副参事 今、委員御指摘の事案でございますけれども、新型コロナウイルス感染症に関する発生届の提出を受けまして、保健所が委託した事業者の看護師が、患者さんから発症日を聞き取り、診察した医師が聞き取った発症日と異なっておりましたけれども、その医師に確認をせず、電子上の発生届の発症日を上書き修正したケースが一件ございました。この患者さんは、本来、診療医療機関により健康観察を行っており、発症日の変更について診察した医師に確認することが原則であったと認識しております。  新型コロナウイルス感染症に関する患者様の健康観察に際し、不適切な対応で混乱を招くなど、大変御迷惑をおかけしましたことについて、おわびいたしました。 ◆藤井まな 委員 お医者さんがつくった、いわゆる電子カルテみたいなものに対して、保健所が勝手に書き換えると。確かに、聞き取り調査をするのは保健所がやるわけですから、それは事実と違ったことがあるのかもしれないですけれども、それを書き換えるんだったら、やっぱりお医者さんに一言言っておかないと、やっぱりかかりつけ医って何のためにいるんですかみたいな話になってくるし、お医者さんとの信頼関係がなくなっていくことって、保健所にとっても大変大きな問題になると思うんですけれども、これが二度と起こらないように、再発防止策とかを保健所は考えていらっしゃるのかお伺いさせていただきたいと思います。 ◎荒木 世田谷保健所副参事 発症日等、療養に影響のある項目に関する取扱いにつきましては、調査員が自ら判断せず、担当保健師への報告、相談を徹底しております。なお、同項目の発生届の記載を修正する場合には、当該医療機関への連絡、確認を必ず行い、決められた手順を遵守するよう、委託業者内にも周知徹底を図り、再発防止に取り組んでおります。 ◆藤井まな 委員 保健所の皆さん、本当にお仕事が多いですし、本当に今が一番大変な時期だということは我々も分かっていますけれども、一方、民間の医療機関のお医者さんもすごい大変な状況なわけですよね。  だから、やっぱり一致団結して、民間とか世田谷区の保健所とか関係なく、このコロナに対して向かっていくんだというのは、信頼関係の構築こそが大事なんですけれども、ある種、お医者さんとか医療機関のプライドというか、自分たちは自信を持ってやっているんだというのを、何か区が傷つけるようなことになってしまうことがあってはいけないわけで、例えば保健所長は、この中で唯一、この空間の中ではお医者様だと思うんですけれども、こういったお医者さんとの信頼関係って大事だと思うんですけれども、保健所長、こういうことに関して何か思うことがあれば、ぜひ一言お願いします。 ◎辻 世田谷保健所長 このたびは大変申し訳ございませんでした。実際に私どもは診察をしているわけではありませんし、診断ができる立場でもございません。そういった中で、きちんと診察をして診断をしていただいた医師の、その書き換えというようなことが、もし必要があれば、やはりきちんと医師のほうに確認をすべきでした。そこの点については、私からもその医師のほうに謝罪をいたしました。 ◆藤井まな 委員 しっかりと一致団結して、信頼関係を構築してコロナに対応していっていただきたいというふうに思います。  次に、私がずっと取り組んできた医療的ケアの質問をしていきたいと思うんですけれども、昨年の決算特別委員会でも医療的ケア児のお話、施策の推進についてお話をさせていただきました。昨年の決算のときにお伺いをさせていただいたのは、区内にはヘレンがあったり、あと花見堂で新しい区施設ができたりと、就学前の施設が充実をしてきた―充実をしてきたという言い方じゃないですけれども、徐々に広がってきているという状況でありますけれども、就学した後に、保護者の方が仕事を諦めなければいけないという状況に追い込まれる事例があるという話をさせていただきました。  だからこそ、放課後デイサービスや学童とかの施策の拡充とか、充実ということを求めてきましたけれども、今そこから半年以上たってみて、区としてこういった離職防止に向けての課題認識、改めてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎宮川 障害保健福祉課長 医療的ケア児を育てる保護者の離職防止に向けましては、家族会や世田谷区医療的ケア連絡協議会からこれまでも意見をいただいておりまして、夕方の居場所や送迎の確保、医療的ケアの担い手の確保、育成が大切と認識をしております。医療的ケア児の夕方の居場所について、区においては、放課後等デイサービスが一定の役割を果たしていると認識しておりまして、医療的ケア児を夕方遅くまで受け入れる場合、看護師を含めたスタッフ体制や送迎運行の確保などの課題があります。 ◆藤井まな 委員 そうですよね。梅ヶ丘の施設もそうでした。スタッフとかの体制にいろいろ意見を言ったこともあります。さらには、送迎の問題に関しても、まだまだ充実をさせていただかなければいけないと思いますけれども、世田谷区はこうした課題に対して、現時点ではどう取り組んでいくのかお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎宮川 障害保健福祉課長 現在の取組状況ですが、梅ヶ丘民間施設棟の放課後等デイサービスの送迎について、東京都の新規施策であります障害児の放課後等支援事業を財源として活用しまして、看護師が添乗して送迎を実施しています。また、医療的ケアの担い手の確保、育成につきましては、看護師等の医療職を対象とした研修や介護職員等の研修費の一部補助などを行っています。 ◆藤井まな 委員 そういった取組、よく理解できます。また、令和四年度になって様々な予算がつくと思いますけれども、放課後デイサービス等、様々な取組があると思いますけれども、令和四年に限らず今後の取組に関して、世田谷区はどういった取組を進めていくのかお伺いさせていただきたいと思います。 ◎宮川 障害保健福祉課長 放課後等デイサービスにつきましては、令和四年度に医療的ケア児を夕方十八時以降まで受け入れる場合の運営費助成の導入を予定しています。医療的ケア児の状態や見守りの必要度に応じまして、段階的な補助を設定し、夕方の看護師配置と送迎の確保につなげてまいります。  担い手の確保、育成につきましては、各種研修を実施することに加えまして、医療的ケア連絡協議会に人材の確保、育成に関するワーキンググループを設置し、現場の看護師から具体的な意見をお聞きしてまいります。様々な区の取組を安定的に実施していくため、財源確保についてなど、機会を捉えて国や都に意見を上げまして、医療的ケア児を育てる保護者の離職の防止につなげられるよう取り組んでまいります。 ◆藤井まな 委員 様々この間に取り組んできたものが、少しずつ前に進んでいるという感覚はもちろん受けますので、区の取組に関しては評価をしている部分であります。  一方で、他区では行われている事業であっても、世田谷区でできていない、逆に他区からは、世田谷区はそれをやっていないんだというような指摘を受けるような事業もあります。例えばそれの一つが、重症心身障害児の在宅レスパイト事業、これは半分を東京都がお金を出して、残りの半分は世田谷区が出すという形でありますけれども、これはあくまでも在宅レスパイト事業でありますから、在宅という形がついているんですけれども、二十三区内には、それを特別支援学校に適用させたりというような取組をしている区が出てきています。  これに関して、やはり区が違うとできないのかと、世田谷区がやってくれれば、どんどんもっと前に進むのにという様々な声を聞いていますけれども、この在宅レスパイト事業を特別支援学校にも適用できるようにするということに関して、世田谷区はどう思っていらっしゃるかお伺いをさせていただきます。 ◎太田 障害施策推進課長 在宅レスパイト事業につきましては、在宅の重症心身障害児者等に訪問看護師が自宅に出向いて、家族に代わってケアを行い、家族の休養を図ることを目的として行ってございます。本事業の実施に当たりましては、先ほどお話がございましたように、都の補助事業を活用し、都から財源として二分の一の補助が行われている状況でございます。  特別支援学校内での医療的ケア児への対応につきましては、お話のとおり、台東区や大田区などで実施されていることを把握してございますが、都の補助対象外となることから、区独自で補助していると伺っております。区単独で補助を行う場合には、財源確保が課題となりますので、昨年成立した医療的ケア児支援法の趣旨から、学校設置者である都が第一義的に対応すべきものと考え、まずは都の補助対象とするよう、都に対して求めていきたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 今、台東区とか大田区で実施されているという話でしたけれども、僕が聞いたのは、台東区の課長さんからも直接聞きましたし、中央区の区議会議員の方からも直接お話を聞きました。これはその人たちが、世田谷区が進めれば本当に影響は大きいと。やはり、医療的ケア児が多いのは世田谷区であって、成城に成育がありますから、そういった面でも世田谷区が決断するのは大変に大きいというふうな話をされていました。  確かに、区の単費を使うということで、財政的な問題はありますけれども、ぜひともそういった声があるということは、改めて皆さんには知っておいていただきたいと思いますし、今特別支援学校ということで、学校設置者である都が第一義的に対応すべきものであるという考え方を話されていましたけれども、逆に世田谷区の支援級に通う保護者の方からも、そういった声をいただいています。幅広く多くの皆様から声をいただいて、世田谷区としては受け止めていただきたいということを、意見としてお伝えをさせていただきたいというふうに思います。  また、それ以外にも、移動支援に関して様々な御要望もいただいています。区内の特別支援学校の医ケア専用車両の待機待ちの期間に介護タクシーの助成をお願いしたいであるとか、これまでも私は医療的ケア児の通学に関わる移動支援について、様々な提言や御質問をしてまいりましたけれども、世田谷区はこの移動支援に関して、今現時点ではどう考えているのかお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎太田 障害施策推進課長 移動支援事業につきましては、国の地域生活支援事業を活用し、移動が困難な障害児者が充実した社会生活を営むことができるよう、ヘルパーを派遣し、社会参加等に必要な外出時の支援を行うものでございます。対象につきましては、全身性の障害児者をはじめ、視覚や聴覚、知的、精神、高次脳機能障害の障害児者としており、通学に係る移動支援は、一か月につき、支給基準時間四十時間のうち二十三時間までとしてございます。  世田谷区外にある特別支援学校に通う場合は、通学時間が規定の二十三時間では足りないとの御要望をいただいておりますので、これを受けまして、本年二月より個々の状況に応じて、上限の四十時間まで活用できるよう対応したところでございます。 ◆藤井まな 委員 少しずつ改善は見られていると思いますけれども、この分野でも当事者の皆様の声をしっかりと聞いていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。  前回の決算か予算で、私は上半身の障害を持った方に関しての移動支援のお話をさせていただきました。渋谷区では、上半身の障害が認定されても移動が困難である事例があって、その人たちに対して、渋谷区は移動支援をしているという事例を紹介させていただきました。また、今回私がいただいた御意見としては、精神障害の方で二級の方で、一級の方は手当が出ているけれども、二級の方は手当が出ていないと。  何が言いたいかというと、前半の話は、区の境がサービスの境になっている。今の話は、一級と二級の境がサービスの境になってしまっている。線を引くと、すぐ外側の人たちが一番困ってしまうという状況になってしまうんですけれども、まさにこのうち二つの事例、もちろん二級に手当を出してあげれば一番いいと思いますし、渋谷区のように、上半身に障害があっても移動支援を出してくれるようにすればいい。もちろんそう思いますけれども、多分、今日もいろんな会派の方から様々な予算要望等がありました。予算の意見がありました。確かに全てを実現することは不可能だとは思いますけれども、やっぱり寄り添う姿勢が大変に大事であると思いますけれども、そういった線を引かれた中でも、すぐ外側にいる人たちに寄り添う気持ちというものを持って対応していただきたいと。  もちろん、僕のこの質問では、そういった手当を出してほしいということは―もちろん当然、出してほしいという意見はありますよ。ただ、もしも仮に出せないとしたら、その外側にいる人たちに寄り添った対応を区にはしていただきたいと思っているんですけれども、そこに対して世田谷区は今どう考えているのかお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎太田 障害施策推進課長 精神障害のある方への移動支援といたしまして、国の地域生活支援事業における移動支援事業により、移動が困難な方にヘルパーを派遣し、外出時の支援を行ってございます。精神障害のある方がお困りの内容について丁寧に伺い、必要なサービスをできる限り寄り添って提供できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 寄り添う気持ちを大切にしていただきたいと思います。  最後に、時間がないので意見だけ、要望だけしたいんですけれども、私も小宮山洋子厚生労働大臣の下で秘書をやっていたことがあって、児童虐待防止問題にはすごい関心を持って今までも取り組んできたんですが、今回、成人の方の虐待問題ということも相談が来ました。  成人といっても、例えば認知症の方であったり、私の母親も高次脳機能障害ですけれども、そういった高次脳機能障害であったり、さらには高齢者であったり、そういった人たちが直接殴られたり、蹴られたりはしないけれども、例えば経済的な虐待ですね。例えば、年金は全部親族の人が持っていってしまって経済的な虐待、これも立派な虐待でありまして、こういった事例は目に見えないことが多いと。そういった方たちがたくさんいるんじゃないかと、潜在的にいるんじゃないかということがあります。  こういったことを防ぐには、やっぱり成年後見制度とか、あとは施設、障害施設とか様々な施設がありますね。そういうところに一時的に入れて、まさに児童虐待と同じようなスキームで、一回入れてから後見人をつけるとか、様々な解決策があると思います。  ぜひとも、世田谷区にはこういった、児童虐待はもちろん大事ですけれども、高齢者、障害者、そういった皆さんの成年の虐待に関しても、的確な適切な行動を取っていただきたいということを意見をさせていただきまして、質問者を交代させていただきたいと思います。 ◆中山みずほ 委員 私からは、在宅子育て支援、子どもの一時預かりの拡充について伺います。  区では、今年一月から区立保育園おでかけひろば二園において、保護者の理由を問わず利用できる一時預かりを開始しました。また、私立保育園等の一時預かりにおいても、今年四月より利用要件を緩和、これまで保護者の就労、通学、通院などに限定されていた利用要件に追加して、子育て不安や育児疲れ、保護者が必要とするとき、つまりリフレッシュとかレスパイト、こういった理由も加えるということの報告がされました。大変評価したいと思います。  そもそも区は、この一時預かり専用の保育室を設置することを認可保育園の公募要件にしていたかと思いますが、この要件はいつから始まったでしょうか。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 認可保育園の事業者募集要項において、一時保育の実施を条件としたのは、平成二十二年度の事業者募集からとなります。それ以前の平成二十一年度までの事業者募集においても、一時保育の実施は応募事業者が任意で提案できることとしておりましたが、応募の条件として定めたのは平成二十二年度からです。 ◆中山みずほ 委員 平成二十二年といいますと、まだ待機児童が七百人超えで、まさにその後の千人超えに向かっていく最中だったかと思うんですけれども、なぜこのタイミングで一時保育室を設置要件に入れたのでしょうか。 ◎志賀 保育運営・整備支援課長 平成二十二年度から平成二十六年度を計画期間とする世田谷区子ども計画後期計画を策定する中で、女性の就労率の高まりや働き方の多様化、地域における子育て環境整備の必要性などを背景として、一時保育を含めた多様な保育の提供を求めるニーズが高まっていました。このため、計画では、保育待機児解消等に加え、多様な保育の提供を取組の視点の一つに掲げ、認可保育園が在宅子育てを含めた地域での子育て支援の核として役割を果たすことができるよう、機能の充実強化を図ることといたしました。  計画に基づく具体的な取組の一つとして、認可保育園における子育て支援を実施するため、平成二十二年度以降、認可保育園の新設に合わせて一時保育の専用スペースの設置を求めることといたしました。 ◆中山みずほ 委員 世田谷区子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査を拝見しました。この中で、子育てを楽しいと感じる保護者の割合という質問の中で、つらいと感じることが多い、どちらかというとつらい、楽しいとつらいが半々である、そういった答えが二割ぐらい、平成二十五年、平成三十年を通してあります。いわゆる二割ぐらいが、やっぱり子育てがつらいというところがあるということが書かれています。また、同じ調査でも、一時預かりの今後の利用希望の有無というところがありますけれども、平成三十年の調査結果では六四・八%、この方々が利用したいというふうに答えていらっしゃいます。  また、利用者支援事業、地域子育て支援コーディネーターの相談においても、一時預かりの相談は、事業開始当初から現在に至るまで大変多いということを委託先のNPOの方々から伺っています。実際どのぐらいかと確認しましたところ、大体、年間二千五百件ぐらいの御相談がある中で、一割が一時預かりの御相談であるということでした。  また、預かり以外にも、これまでも認可保育園では、地域に開かれた子育て家庭への支援を行ってきました。例えば、園庭で催しなど通園児以外の方々も参加できる行事などを行い、地域の親子が気軽に保育園に寄れるような努力をしてきたと思います。コロナ禍でままならない昨今かと思いますけれども、当時の課題としても、その情報が対象者に伝わっていないということが見受けられました。例えば、せっかく催しをやるとしても、保育園のフェンスのところにチラシが掲げられていて、そこを通った方しか見ない、もしくは対象の方が通ったとしても、保育園というのは就労していないと入れないものだというふうに思っている方も多いわけで、なかなか情報がリーチしていなかったという課題があったと思います。  また、区が行う子どもの一時預かり事業に関しては、今の保育園、既に今の利用要件では四十五園が一時預かりをやっているということで、あと、子育てステーションやおでかけひろばがやっているほっとステイ、そして、社協がやっているファミリーサポート、こういったものがありますけれども、所管がまたがっていることや、事業内容も多少違うことでばらばらに広報され、登録も申込方法もおのおのに電話をしなければならないということになっています。  こんな状態の中で、理由を問わない一時預かりが保育園でも可能であるということ、この周知をどのような方法で行っていくのでしょうか。 ◎大澤 保育課長 委員お話しのとおり、区では今後の保育施策の取組方針に基づきまして、区立保育園おでかけひろば二園で、保護者の理由を問わず利用できる一時預かりを開始いたしました。この周知につきましては、近隣の児童館やおでかけひろばにもチラシ配布等を協力依頼し、地域子育て支援コーディネーターを通じた働きかけなども行っております。その結果、予約開始日には全ての予約が埋まる園もあり、一定の効果があったと考えております。  今お話しのように、四月以降は私立保育園においても実施可能な園から、これまでの就労などの要件に加え、子育て不安や育児疲れによる保護者が必要とする場合も加えた一時保育を開始してまいります。今後は私立保育園の取組などを区立保育園が取りまとめ、児童館など地域の身近な子育て支援施設にも情報提供を行うなど、さらに周知を図って取り組んでまいりたいと考えています。 ◆中山みずほ 委員 今御答弁いただいたように様々、実際、今回一月で実施したところの園長先生のお話なんかを聞いても、あっという間に埋まったと。こんなに要望されていたんだ、また、断った方もいて心苦しいというようなお話を伺いました。今、区はホームページにいろいろと情報を載せていますけれども、検索の仕方によってはピックアップされるページがばらばらなんですね。だから、なかなか一時預かりをしたいという方への情報提供というのがすごく難しい状況かなと思っています。また、せたがや子育て応援アプリも三階層目、三階層に行かないとその情報にリーチできず、またその情報もばあっと羅列されているだけの状態、そこから電話していかなきゃいけないわけですね。  この子どもを一時的に預けたいというニーズに対して、そのソリューションの周知と利用しやすいシステムの必要性を感じています。これはDX推進における行政サービスのRe・Designに直結するものであり、ICTを利活用したサービスデザインが必要と考えています。  また、事業者側のほうから見ても、御存じのとおり、一時預かりというのは大変事業者を悩ませることが多いです。課題としては、突然のキャンセルがあったり、また申込みがすごくたくさんあって断る方もいたり、様々そういった事業課題があるという中で、利用者だけではなく、運営側から見てもこのサービスデザインが必要ではないかと考えています。情報の一元化、空き情報の見える化、あと申込みのICT化、これら預けたい人と受け入れる施設の全体最適、これに資すると考えられます。ぜひ、区は今御答弁いただいたように、平成二十二年からこの一時預かりを考えてきたわけで、十年越しですよね。しかも、今DXを進めようとしているこのタイミングですので、ぜひ一時預かり事業を利用しやすく進めていただくことを要望いたします。この件については、引き続きまた注視していきたいと思います。  次に移ります。  五歳から十一歳の新型コロナウイルスワクチン接種が始まりました。集団接種に関しては、四千人が既に申込み済みと伺っています。今回のこのワクチン接種に関しては、接種させるべきかどうかと悩む保護者の方々からの声が届いています。自身は既に接種しているけれども、小さな子どもに打つ必要性があるのか、また、副反応や後遺症は大丈夫なのかといった心配の声が圧倒的に多かったということが特徴として挙げられます。  例えば、江東区や渋谷区はこういったことを推察して、アンケートを対象者に行っているんですね。江東区だけが公表していますけれども、約九割が不安であると。渋谷区も公表はしていませんけれども、ちょっと伺ったところによると、江東区と同じような数値だということでした。  また、今国会のやり取りを確認しましても、我が党の立憲民主党、蓮舫参議院議員の質疑に対して、堀内ワクチン接種推進担当大臣は、小児ワクチンに関しては、デルタ株での臨床であり、オミクロン株に関しての十分な情報の集積がないと答弁されています。また、後藤厚労大臣からも、予防接種法には、個人を守るということと、社会を守るということがあり、接種勧奨を行うことが原則。ただし、子どもにおける発症予防効果や重症予防効果に関するエビデンスがまだ十分でないことから努力義務の規定を適用しなかったという答弁がなされています。  この大臣たちの答弁の根拠でもある厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の議事録を読んでみました。小児接種に関しては、全会一致で進めようという方向の議論ではありません。専門家によって意見が分かれていることが読むと分かります。小児は重症化しにくいというのが一般的な理解であり、小児にワクチン接種をするのであれば、何のためにするのか、共通理解を持つべきではないか。小児は軽症が多いので慎重にしたほうがよいのではないかといった意見も出された中で、今回の決定がなされたわけです。また、日本小児科学会、日本小児科医会が、それぞれ小児接種に関しての考え方を一月十九日発表しておりますが、その文面を拝見しましても慎重な姿勢がうかがえます。  自治体によって判断も様々で、泉大津市や大府市などは、今回の接種券の一括配布は行わず、希望する人が申請する設計にしています。都道府県庁所在地と政令指定都市五十二市区のうち約五六%、二十九市区が小児接種に関しては集団接種会場を設けず、医療機関での個別接種に限定していることが共同通信の取材で分かりました。近隣県の自治体でいうと、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市などは医療機関での個別接種のみということです。  つまり、これは何が言いたいかというと、小児接種に関しては、効率化よりも安心感が持てるその体制の確保に軸足を置いたという形と考えます。もちろん政令市と世田谷区の考え方は違うと思いますが、まず安心感というところに軸足を置いたということを考えたんだと思います。  片や、世田谷区は一括配布を三月三日からされたと思いますけれども、実際に封入物を確認しました。その中には、予診票、接種券、接種会場の案内、接種までの流れ、保護者の皆様へと書かれたお手紙のようなものが入っていました。これだけ国の議論があるにもかかわらず、区から提供される情報量が圧倒的に少ないと感じたんですね。特に、最後の保護者の皆様へと書かれたものは、いろんなことが決まってくるのがすごく急なのは理解できるんですが、A3の二つ折りで箇条書きで、八割は事務的な話、そして内容も箇条書きで、だあっとめり張りなく打たれていて、全くポイントが分かりづらい。必要な情報もリンクに飛べば、QRコードで行けるといったような内容でした。これは大変残念だなと私は思っています。  一方で、「区のおしらせ」三月一日号、区報ですね。これを見ますと、限られたスペースの中で、とても分かりやすくこれは書かれているんですね。これを一目見ただけで今回のポイントが何か、今、私が申し述べたようなことをずらずら考えなくても、ぱっと一目見ただけで、厚労省のホームページの新型コロナワクチンQ&Aの概要が、赤い太字を使って書かれています。これを見れば、何だ全部のQRコードに飛ばなくてもいけるわけですよね。こういったことを考えると、今回の封入物は本当に残念だったなというふうに考えます。  自治体ができること、今回、国の決定ですから、そこに逆らうことはできないと私も理解しておりますが、ただ、広報するということに関して、保護者の方々が理解しやすいように情報提供すること、これが基礎自治体の役割ではないかと考えます。今回の情報提供に関してどのような議論がなされたか、また、今後アップデートされた情報、新たな知見などについては、どのように広報していくのか伺います。 ◎寺西 住民接種調整担当課長 小児接種は、今、委員お話がありましたとおり、予防接種法の努力義務は適用されていないものの、接種勧奨の規定は適用されており、国は一月下旬の時点で、自治体に対して早期に接種券を送付することを通知をしております。区は、こうした通知や接種勧奨の規定も踏まえ、接種券の一斉送付の発送準備を進めましたけれども、その時点では小児接種に関する確定的な情報が示されていなかったことから、最新情報は区ホームページに掲載することを前提に、接種券に同封した保護者向けの御案内では、区ホームページから最新情報を御覧いただくことを促す対応といたしました。  その後、二月中旬以降、国からの小児接種用のパンフレットの提示や小児接種には努力義務が適用されないことの決定、また、小児接種に関する国の新たなQA等が示されたことから、こうした情報を区ホームページに掲載するとともに、今御紹介いただきました「区のおしらせ」三月一日号での周知や、また区立小学校、幼稚園等の保護者への一斉メール、すぐーるでも発信をいたしました。  情報提供に当たっては、リスクとベネフィットを勘案し、接種について判断できる材料を提供することが大切と考えており、今後、接種の進展とともに、新たな知見や情報が示された場合には、引き続き利用可能な媒体を活用して、正確かつ速やかな情報提供に取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。広報することに関して、やっぱりプッシュ型とプル型があると思います。この接種券を送付するというのは、最大のプッシュ型だったわけですね。今回の対象の方、保護者、御家族の方が、別に自分から情報を取りに行かなくても、郵便ポストを見れば来るわけですから、この最大のプッシュのタイミングを今回区は逃したと私は感じています。もちろん、期間がなかった、いろいろあるかと思いますけれども、本当はこの区報に書かれたようなまとめ、はっきり言ってリンクを飛べば見られる内容なんですよ。だけれども、やっぱり情報をちゃんと伝えるということに関しては、ここは大変重要だったと思います。  例えば、この「区のおしらせ せたがや」、これは折り込みとかに入っていて、これもある種、プッシュ型にはなると思うんですけれども、ただ大変残念なことに、今回の五歳から十一歳の対象の方の御家族、大体二十代後半から四十代ぐらいかなと想定したときに、新聞購読をほとんどしていないんですよ。購読率を見ますと、全国平均ではありますけれども、三十代で三二・四%、これは最新の情報ですけれども、この程度のところなんですね。つまり、プッシュ型の通知というところが、第一弾、この接種券を送るところでできなかった。その後、この世田谷の広報紙はありますけれども、これはプッシュとは言えない。この対象に対しては、プッシュとは言えないんじゃないかと私は考えています。  さらに、今すぐーるとか、五歳から十一歳というと何らかの学校やら施設に通っていますから、そこを通じてのお知らせ、すぐーるでしたということに関しては大変評価いたします。私も実際その内容を見てみましたけれども、やっぱり直接飛ぶのがホームページで、そこからいろいろ探るんですよね。何が言いたいかというと、一発で行きたいところに行かない。やはり、何らかの方法で、もう一度周知をきちんとしたほうが、プッシュ型でしたほうがいいんじゃないか。例えばLINEでもいいと思います。昨日もLINEが来ていました。これは予約枠の拡充ということのお話だけで、いわゆる事務的な話でした。そうではなくて、今使える資源を最大限使って、プッシュ型でいけないかと思うんですがいかがでしょうか。
    ◎寺西 住民接種調整担当課長 今、様々御指摘いただきまして、プッシュ型という御提案もいただきました。こういったことを踏まえて、また改めて、大切な情報になりますので、小児接種に関する周知に取り組んでまいりたいと思います。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ、これはもう始まってしまっていることです。次の予約もまた始まるわけですので、ぜひ必ずやっていただきたいと思います。  私のほうとしては、実際、保護者の方からの声と区の温度感をすごい感じているから、今日ちょっとこれだけ熱く語ってしまっているんですけれども、仕方がない部分もあるし、ホームページに掲示しているからいい、これはプルなんですよ。完全に見に行かなければならない。忙しい保護者がそこまで見に行って、もちろん情報を探している方は見てくれますけれども、やっぱりどういうことが今ポイントなのかということは、区がまとめてお知らせすること、これが基礎自治体の義務じゃないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思いまして、私からの質問を終わります。  立憲民主党の質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時六分散会...