• いじめ自殺(/)
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  1. 世田谷区議会 2022-02-24
    令和 4年  3月 定例会−02月24日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  3月 定例会−02月24日-03号令和 4年  3月 定例会 令和四年第一回定例会 世田谷区議会会議録第三号 二月二十四日(木曜日)  出席議員(四十七名) 一番   神尾りさ 二番   佐藤美樹 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   つるみけんご 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  加藤たいき
    十六番  河野俊弘 十七番  阿久津皇 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 和田ひでとし 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 宍戸三郎 三十八番 真鍋よしゆき 三十九番 畠山晋一 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 石川ナオミ 五十番  山口ひろひさ  欠席議員(一名) 二十二番 中山みずほ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 玉川総合支所保健福祉センター所長        山本恵造 政策経営部長 加賀谷実 デジタル改革担当部長(政策経営部長兼務)        加賀谷実 総務部長   池田 豊 庁舎整備担当部長        佐藤絵里 危機管理部長 菅井英樹 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        辻  正 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        辻 佳織 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 防災街づくり担当部長        笠原 聡 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        田中太樹 土木部長   青木 誠 教育長    渡部理枝 教育監    粟井明彦 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長(教育監兼務)        粟井明彦 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和四年二月二十四日(木)午前十時開議)  第 一 一般質問  第 二 議案第 一 号 令和四年度世田谷区一般会計予算  第 三 議案第 二 号 令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  第 四 議案第 三 号 令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  第 五 議案第 四 号 令和四年度世田谷区介護保険事業会計予算
     第 六 議案第 五 号 令和四年度世田谷区学校給食費会計予算  第 七 議案第 六 号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第八次)  第 八 議案第 七 号 令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第二次)  第 九 議案第 八 号 令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計補正予算(第二次)  第 十 議案第 九 号 令和三年度世田谷区介護保険事業会計補正予算(第二次)  第十一 議案第 十 号 令和三年度世田谷区学校給食費会計補正予算(第二次)  第十二 議案第 十一 号 世田谷区基本計画審議会条例  第十三 議案第 十二 号 世田谷区個人情報保護条例の一部を改正する条例  第十四 議案第 十三 号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例  第十五 議案第 十四 号 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例  第十六 議案第 十五 号 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例  第十七 議案第 十六 号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例  第十八 議案第 十七 号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例  第十九 議案第三十一号 大六天橋耐震補強工事委託契約変更  第二十 議案第 十八 号 世田谷区気候危機対策基金条例  第二十一 議案第 十九 号 世田谷区産業振興基本条例の一部を改正する条例  第二十二 議案第 二十 号 世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第二十三 議案第二十一号 世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例  第二十四 議案第二十二号 世田谷区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例  第二十五 議案第二十三号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更に関する協議  第二十六 議案第二十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第二十七 議案第二十五号 世田谷区立身近な広場条例の一部を改正する条例  第二十八 議案第二十六号 世田谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例  第二十九 議案第二十七号 世田谷区道路の構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例  第三十 議案第二十八号 特別区道路線の認定  第三十一 議案第二十九号 特別区道路線の認定  第三十二 議案第 三十 号 特別区道路線の廃止  第三十三 請願の付託     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、日程第二から第六 予算特別委員会設置、付託、表決  三、日程第七から第十九 企画総務委員会付託  四、日程第二十及び第二十一 区民生活委員会付託  五、日程第二十二から第二十五 福祉保健委員会付託  六、日程第二十六から第三十二 都市整備委員会付託  七、日程第三十三 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  三十七番宍戸三郎議員。    〔三十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(宍戸三郎 議員) おはようございます。先日、新聞のコラムに、近所を散歩していると子どもの声が大音量で聞こえてきた。おじいちゃん、おばあちゃん、私たち小学生からのお願いです。住宅街を巡回するパトロールカーが流しているらしい。家族を装う電話を例に、それはうそ、留守番電話にすれば安心だよと注意を促す。お年寄りの胸には孫世代の言葉が染みるに違いない。特殊詐欺が奪うのは老後資金にとどまらない。被害者はだまされた我が身をさいなみ、時に親族までになじられて生きる気をなくしてしまうとありました。  特殊詐欺は、本当に卑劣極まりない許し難い犯罪です。  私は昨年の第四回定例会において、特殊詐欺の現状と対策について質問をいたしました。今定例会においても、引き続き、区が実施する特殊詐欺撲滅に向けた取組について伺ってまいります。  前回の報告では、被害件数は十年連続で二十三区ワースト一位という大変不名誉な記録を継続中。また、被害金額、件数とも令和二年よりも十月末時点で大幅に増加しているため、年末の対策強化がされたと聞いております。特殊詐欺ワースト一位であるという汚名を返上するために、区としてできるだけの対策を講じるべきと考えます。  もちろん警察のように区が捜査権や逮捕権を行使するわけにはいきませんが、区には区民の生命と財産を守るという重大な責務があります。例えば、自動通話録音機、防犯カメラの設置、ATMでの携帯電話遮断、そして防犯パトロールなどの広報啓発活動などの犯罪防止策を精査し、警察の役割と区の果たすべき役割をきちんと整理し、費用対効果を十分に検討した上で防止対策を講じる必要があると考えます。犯罪を起こそうとする者が、世田谷区では特殊詐欺はできない、犯してもすぐ捕まってしまうということになれば、大きな抑止効果が働き、被害防止につながるのではないでしょうか。  また、他自治体で実施している広報や啓発活動などの特殊詐欺防止策とその成果について、できれば未然防止や逮捕につながった事例別の件数、金額抑止の効果についてなどの事例研究をしてはどうかと考えます。  そこでまず、令和三年中における区内の特殊詐欺被害状況、また、年末に実施された対策強化の具体的な内容と併せ、区の現在の取組と新たな施策、他自治体の先進事例や取組について伺います。  保坂区長は、私の昨年第四回定例会の一般質問の答弁で、特殊詐欺被害の防止に向けた取組は重要課題であり、自動通話録音機の拡充や即効性のある被害防止対策に早急に取り組むと述べられました。確かに今定例会において、今後審議が行われる令和四年度予算案には、自動通話録音機の拡充やATMコーナーにおける携帯電話抑止装置の設置経費が計上されていると伺いました。  もちろん特殊詐欺防止の入口である自動通話録音機の拡充、そして最後のとりでであるATMでの振込み阻止につながる携帯電話抑止装置の設置には、特殊詐欺被害の防止とその撲滅を目指す我が会派としても一定の評価はしますが、即効性のある被害防止策が、これだけで十分であると果たして言えるでしょうか。  そこでお聞きします。この予算化において、自動通話録音機の需要、台数の算定、機種の選定などについて庁内での議論はどのように行われたのかお答えください。  また、先ほど紹介した新聞のコラムには、以下の続きがあります。「騙す側の犯人も割に合わないよ、そんな調査を総務省が公表した。有罪になった人のうち、被害者からお金を受け取る『受け子』と、銀行ATMでお金を下ろす『出し子』の六割は、詐欺団から約束の報酬をもらえなかった。二十代以下の若者が多い、悪い先輩をまねて気軽に加わっても、大半は実刑を食らう。失うのは良心、信頼、時間、将来である」とあります。  だまされてしまったお年寄り、気軽に犯罪に手を染めてしまった若者、どちらも被害者になってしまうという、何ともやりきれない悲しい事態です。  このコラムの中に、私は特殊詐欺撲滅についてのヒントが多く含まれていると感じます。子どもたち、お年寄りへの啓発、軽い気持ちで犯罪行為に手を染めてしまい、希望ある将来を台なしにしてしまう。東京都内における特殊詐欺犯人の検挙数のうち、二十才未満の少年は、令和元年が八百十四人中百六十人、令和二年は六百九十三人中百十六人、令和三年は七百三十三人中百三十人と大変多くなっています。さらに驚くことに、近年では十四歳、十五歳、十六歳の少年が逮捕されるという事件も多数発生しています。将来ある青少年が卑劣極まりない特殊詐欺犯罪組織の都合のよい捨て駒のように扱われている現状を見過ごすことは絶対にできません。  そこで伺います。特殊詐欺の加害者、被害者になり得る青少年に向けた対応について、区の現状と対策、また他自治体での先進事例などを伺います。私は、地域の安全安心を第一に考え日々活動をしております。高齢者の方々の大切な財産と暮らし、そして今後の地域を担ってくれる子どもたち、若者たちの将来、地域人材としての貴重な財産を区として守っていくことは至上命題と考えます。  また、区に任せるばかりではなく、町会・自治会、商店街やPTAなどが力を合わせてこのような問題を自分ごとと考え、地域の財産を守るために十分に取り組んでいく必要があると思います。私の地元である松原地区では、民間交番、明大前ピースメーカーズを平成十四年に設立し、十年後には犯罪減少率九七%を達成したすばらしい実績があります。これこそが地域の底力の真骨頂だと考えます。今後も地域での人材資源を活用して、広報、啓発をさらに進めていくことを提案いたします。  前段で申し上げましたように、警察の役割と区の果たすべき役割を整理し、十分に連携して特殊詐欺被害撲滅に向け早急に防止策を進めていただきたい。そのためには、危機管理部のみならず全庁挙げての取組を行っていただくことを要望し、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎菅井 危機管理部長 私からは、特殊詐欺対策について三点御答弁申し上げます。  初めに、区内特殊詐欺被害状況や区の取組などについてです。  令和三年中における区内の特殊詐欺被害件数は、警察からの聞き取りによる暫定値ではございますが、被害総件数二百二十九件、前年比プラス五十七件、被害総額にあっては約五億八千万円、前年比プラス約一億九千万円と、減少傾向にあった令和二年を大幅に上回り急激な増加傾向に転じました。区といたしましても、より実効性、即効性の高い対策実施の必要性を認識しており、危機感を持って各種被害防止対策を実施しております。  特に増加傾向が顕著となった昨年夏以降は、警察と連携をさらに強化し、区内金融機関への強力な働きかけによる「ストップ!ATMでの携帯電話」運動の促進、世田谷区内犯罪ゼロの日を契機とした各種広報媒体、広報機会の活用による自動通話録音機の普及促進や地域の見守り活動の促進、二十四時間安全安心パトロールによるアポ電入電地域でのスポット広報や周辺警戒の集中運用など、その広報内容や手法等を随時検証いたしまして、庁内関係所管や警察、区民や事業者等の皆様とともに、より区民に直接届く注意喚起に努めております。  また、警察や他自治体等とは常に情報共有を図っておりまして、警察や他自治体において既に実践稼働事例のあるATMコーナーにおける携帯電話抑止装置につきましては、次年度早期の導入に向けまして、現在準備を進めているほか、AIを活用した自動通話録音機など先端技術を活用した被害防止対策につきましても、引き続き効果検証や企業等への意見聴取などを進め、積極的に検討してまいります。  次に、自動通話録音機についてです。  自動通話録音機の令和三年中における月平均の貸出台数が約百七十台、年間約二千台で推移していることから、次年度の購入台数を二千台と算定いたしました。また、今後の普及促進強化による貸与台数の増加が予想される分につきましては、現在の在庫と返却品のリユースにより対応してまいります。  導入機種につきましては、警察や他自治体との意見交換、利用者からのアンケート結果などを基に企業への聞き取り調査を実施の上、高齢者にも取扱いやすく、他自治体での実績を含め十分な効果を発揮していると認められる現行の仕様と同等の機種を選定しております。  また、庁内各所管と協議、連携いたしまして、来年度より高齢者見守り協定連絡協議会や消費者安全確保地域協議会など、各種見守りネットワークの構築に係る事業の一環として新たに特殊詐欺被害防止を位置づけ、各協議会を通じた関係機関や事業者への働きかけによる自動通話録音機のさらなる普及など、引き続き特殊詐欺被害防止に取り組んでまいります。  最後に、特殊詐欺被害になり得る未成年者等に向けた対応についてです。  詐欺犯罪グループの中でも、逮捕されるリスクの高い受け子や出し子の成り手が減少していることから、SNS普及などにより犯罪者との距離が近づいてしまっている未成年者の犯罪加担が増加傾向にあると聞いてございます。  区内小中学校では、警察と連携したセーフティー教室や学校配付のタブレット端末等へのSNS利用の注意喚起動画配信、ネットリテラシー醸成講座などを実施しているほか、特に中学校におきましては、他校や警察等との定期的な情報共有を図っております。また、区内所在の大学等にチラシや画像データを提供しての新入学生等を対象とした犯罪加担防止啓発活動を実施してございます。  今後は、町会・自治会、商店街、PTA等を対象とした出張犯罪講話や他自治体でも実践事例のある児童から祖父母、近隣高齢者への手紙など、特殊詐欺被害防止と若年層の犯罪加担防止、双方の対策として、当事者となる本人はもとより、高齢者の子や孫、若年者の親、そして近隣者など、地域全体の防犯意識向上と見守り活動の促進を精力的に進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 令和三年の特殊詐欺被害の件数が二百二十九件、被害金額は約五億八千万と前年比でも大きく増加している中、令和四年度の特殊詐欺被害防止の予算措置で十分に対策強化できるのかとお考えなのかお聞きします。  また、答弁の中に、実践稼働事例のあるATMコーナーにおける携帯電話抑止装置の早期導入、またマスコミでも報道されているAIを活用した自動通話録音機など先端技術を活用した防止策を検討するとありましたが、今後特に進めていくべき防止策について、あわせて地域の底力とも言える明大前ピースメーカーズのような各自主防犯団体の活動に対する評価、また支援について、区長の見解をお聞きします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 宍戸議員の再質問にお答えをいたします。  まず、特殊詐欺撲滅に向けた区の対策で、ここに関わる決意と、また効果ということでございます。  区内で急増する特殊詐欺被害から区民を守ることは、区民の皆様が安全で安心して暮らすことができる地域社会を実現する上で大変重要だと考えております。この間、刑法犯認知件数はずっと急減を、ピーク時から四分の一近く減ってきているわけなんですが、私が警察署長さんとイベント終了時、あるいは年末年始、様々な機会でお会いしますと、全般的な犯罪状況は非常にいいんだけれども、これだけは非常に困ったもんだいうお話を常々伺っているところでございます。  来年度、令和四年度は、新たに携帯電話抑止装置、電磁的なバリアを張って携帯電話の使用不可とすると、こういった装置の導入や、従前から取り組んでいる自動通話録音機をさらに追加して購入するなど、被害防止に向けた対策に重点的に取り組むほか、二十四時間安全安心パトロールをはじめ、区で行う特殊詐欺対策、警察とも連携を図りながら全庁を挙げて進めてまいります。  平成三十年当時、特殊詐欺がやはり大変急増したということを受けて、キャンペーンを警察署とも連携しながら行いました。東急世田谷線の車内を広告で埋めたり、バスに大きなラッピングを施したり、また街頭パレードなどをして区民に訴えたこともございました。  近年、コロナ禍の影響でなかなか表に出れない、いわゆる啓発活動などがしにくい、こういうことがありますけれども、この隙を突いて、日々手口を変え、巧妙に犯行に及ぶ犯罪グループに対処するため、警察、自治体との連携や情報共有を一層徹底しまして、あらゆる分野の企業などから新しい技術や情報の収集などを積極的に行って、これら先端技術を活用して対処するなど、即効性、実効性の高い対策の導入を加速して行っていくよう、危機管理部に指示をしているところです。いずれにしても深刻な事態だというふうな認識を持っております。  次に、明大前ピースメーカーズのお話を御紹介いただきました。区内には、自治防犯団体が約二十団体、町会・自治会、PTAを加えると、三百を超える団体の皆様がそれぞれ防犯の活動に日々担っておられている。非常に心強く思います。  お話しの明大前ピースメーカーズは、日頃の防犯活動の成果により内閣総理大臣賞、警視総監賞をはじめ多くの賞も受賞しておりまして、商店街の会長さんからも、あの周辺の皆さんからも、その効果と苦労についてもいつもお話を聞いているところでございます。区におきましても世田谷区長賞を送らせていただきましたが、この明大前ピースメーカーズの取組など、自発的に区民の方々が防犯活動を実施し、そして確実に犯罪発生件数などの急減、減少につなげたということ紹介をしてまいりたいと思います。  このような各団体の地道で粘り強い活動が、区や警察の防犯対策を力強く支えて、時には先頭に立って区民の皆さんが牽引していただき、先ほどちょっと触れましたように、刑法犯認知件数は四分の一にまでなっております。しかし、特殊詐欺だけは例外ということになります。区といたしましても、この自主防犯活動を実施していただいている団体の皆様に対して、この間の防犯活動に使用する物品配布や活動に伴う保険料の助成、防犯カメラの設置や維持管理経費の補助など、各種支援を実施しながら、この特殊詐欺対策についても強く連携し、効果を上げていきやすい環境をつくってまいりたいと思います。  以上です。 ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 特殊詐欺などの犯罪防止に限らず区の課題である地域行政改革、産業振興、高齢化、子育て、また、地域防災においても一番重要なのは、地域で活躍してくれる人材の確保と育成だと考えます。地域人材の確保、活躍こそが、持続可能で安全安心な地域、そして暮らしやすい世田谷につながっていく最善策だと考えております。ぜひこれを推進していただくことを要望し、質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十八番菅沼つとむ議員。    〔二十八番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  最初に、昭和信用金庫三茶支店の公共施設の活用について聞きます。  世田谷区では、本年度より本庁舎整備工事に着手し、三軒茶屋の御幸ビルに入居している経済産業部等は、令和九年度に本庁舎に移転する計画です。このたび昭和信金より三軒茶屋支店の建て替え計画があり、建て替え後の建物の三階から六階について、世田谷区は活用するのか打診がありました。世田谷区としては、借りる前提で昭和信金と検討しています。
     第一に、世田谷区が借りる予定の昭和信金の三階から六階の中に商店街、工業振興協会、商工会議所、産業振興公社などをはじめ、三つの集会室を借ります。家賃、設備費、維持経費の予算は幾らか聞きます。また、借りる仮契約をしているのか聞きます。  第二に、昭和信金の三軒茶屋支店の建て替えでは、信用金庫、集会室など、多くの区民が大勢集まるビルになります。自転車で来る人も多いと思います。昭和信金の本設計ができる前に自転車設置条例の要請をするべきです。考えを聞きます。また、駐輪場は約何台になるのか聞きます。  次に、旧池尻中学校跡地活用についてお聞きします。自民党のおぎの議員の代表質問で答弁がありましたが、具体的にお聞きします。  第一に、令和四年予算に、旧池尻中学校改修工事等二億三千七十四万九千円の予算になっています。令和五年四月には外構工事、内装工事実施とありますが、予算は幾らか聞きます。また、世田谷区が予算を出すのか、また事業者が負担するのか聞きます。  第二に、池尻小学校と池尻中学校の境界線は、世田谷区の答弁では、決める時期については、現在、経済産業部、教育委員会、政策経営部と協議をして判断すると言って八十五日もたっています。判断結果を聞きます。また、用途変更に係る設備費に予算は幾らか聞きます。  第三に、世田谷区のKPI事業やSIBなど機能を使って目標を世田谷区は示しています。第一に区内産業へのハンズオン支援、新ビジネスの開発で年間十五件。第二に、入居者、他の事業者とのビジネスマッチング年間十件。第三にアクセラレータープログラム、大企業と世田谷区等が事業融資する年間百件。第四に区内事業者の売上高三・二億円。第五に区内経済効果、年間七・四億円。世田谷区は目標を示しているが本当にできるのか、具体的に説明を求めます。  第四に、区の地域経済の持続可能な発展でSIBを使い、区内各地で起業、事業を再構築した事業、十年間千五百社、三百六十五億円の売上増と示しているが、間違いないか、具体的に聞きます。  次に、駒沢小学校人工芝について聞きます。  第一に、区内小中学校の校庭整備については、グリーンダストの砂が、周辺環境への影響が大きく、また、人体への健康被害もあります。また、天然芝は、芝の養育期間があり、三か月は校庭を使えません。駒沢小学校の校庭のゴムチップ舗装は、もともと車のタイヤなどに色をつけてチップにしたもので、色落ちが激しく、雨が降ると滑りやすく、ゴムの性質上、時間がたつと硬くなりぼろぼろにはがれます。ゴムチップ舗装は、約八年ぐらいで補修工事が必要になります。また、ゴムチップ舗装と人工芝の予算はほとんど変わりません。聞きます。  第二に、世田谷公園の人工芝は十五年たっても使われています。駒沢小学校の校庭では、ゴムチップ舗装の実証実験をして結果が出ています。区内小中学校は人工芝の校庭はありません。駒沢小学校の校庭を人工芝にして実証実験をするべきです。また、来年度の校庭整備についても聞きます。  第三に、人工芝が川、海に流れて環境を壊していると議会でもありますが、駒沢小学校の人工芝にしても、下水道は合流方式なので、川、海に流れるのか確認します。  壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、昭和信用金庫三軒茶屋支店を活用した公共施設について御答弁いたします。  昭和信用金庫三軒茶屋支店の建て替え後の建物につきましては、三軒茶屋分庁舎に入居する三茶しゃれなあどホール及び産業プラザ等の事務所機能の一部移転先として活用を図ることを前提に、昨年十二月に要望書を提出いたしました。御指摘の家賃や設備費、維持管理経費につきましては今後の協議事項となるため具体的な予算につきましては現段階ではお示しすることはできませんが、信用金庫が地方自治体に賃貸等を行う場合について、金融庁の指針におきまして、賃貸等の規模が当該不動産を利用して行われる固有業務の規模に比較して過大のものとなっていないこととの規定もあり、賃料収入がその判断材料となっていることから、相場より高い賃料にはならないものと考えております。  また、区においても、適正な金額となるよう今後不動産鑑定及び財産評価委員会の評価を基に昭和信用金庫と協議をしてまいります。現段階では仮契約はしておりませんが、今後の具体的な検討に当たりまして昭和信用金庫と建物の一部使用に係る覚書を取り交わすことを考えており、改めて区議会に御報告させていただきます。  以上です。 ◎青木 土木部長 私からは、昭和信用金庫の建て替え計画に関する附置義務駐輪場の確保について御答弁を申し上げます。  区の自転車条例では、自転車等の大量の駐車需要を生じさせる施設を設置する者は、設置者の責務として、利用者の利便に供するため自転車等の駐車場を設置するよう努めることを規定しております。中でも一定規模以上の大規模店舗、金融機関、遊技場等、スポーツ施設、学習施設を定められた用途地域内で新築及び増築しようとする者は、面積の基準により算定した台数以上の駐輪場を整備しなければなりません。  このたび、昭和信用金庫三軒茶屋支店の建て替え計画を契機とした三軒茶屋分庁舎の一部機能が移転される予定でございますが、銀行部分も含めて駐輪需要に応じた台数を確保するよう、既に政策経営部を通じ事業者に伝えてきたところです。駐輪場の台数につきましては、今後、事業者による検討が進む中で計画が具体化されるものと考えております。必要な台数が整備されるよう、本設計がまとまる前の段階においても、引き続き政策経営部と連携を図りながら条例に基づき適切に対応してまいります。  私からは以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、旧池尻中関連四点御答弁いたします。  まず、工事費などについてです。  令和四年度においては、旧池尻中学校跡地活用関連経費として、耐震補強工事、中長期保全改修工事などの予算を計上しています。令和五年四月以降に行う予定の外構工事につきましては区が負担して実施する予定ですが、現在、工事内容を精査しているところであり、現時点での予算額は未定です。内装工事に関しましては、運営事業者の負担で行っていただくことを予定しています。  次に、境界線などの費用についてです。  この間、旧池尻中学校土地利用手法に関する政策経営部の検証を経て、区としては、改めて新たな産業活性化拠点のプロジェクトとすることが有用であると報告をしてきました。新たな産業活性化拠点として活用する場合の境界については、令和三年二月の文教常任委員会にて、おおむねの位置をお示しし検討を進めているところですが、休日や放課後にグラウンドを使用している活動団体から校庭の活用方法について御意見御要望をいただいており、引き続き、教育委員会と協議をしているところです。  財産の用途変更については、境界の位置を決定した後、敷地測量を分筆登記を行う予定で、令和四年度予算として約一千百万円を計上しております。また、フェンスにつきましては外構工事に合わせて実施する予定ですので、今後工事内容を精査し積算してまいります。  次に、KPIについてです。  現在お示ししている成果指標、KPIについては、民間企業と連携しその達成を目指していきます。なお、KPIの達成度を含む運営状況については、毎年モニタリングを行い、第三者を含む評価委員会において厳格な評価を行ってまいります。  最後に、十年間の目標についてです。  掲げている毎年のKPIを達成することを前提とし、その積み上げた数値として十年間で千五百社、累計売上げ増三百六十三億円と試算をし、お示しをしています。このような効果が出るよう民間事業者と連携し、一つ一つの目標を着実に達成することで、中長期にわたり区内事業者の活発な活動を支え、区内経済へ大きな効果があるよう全力で取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、順次校庭整備についてお答えいたします。  まず、ゴムチップ舗装の耐用年数についてでございます。  人工芝のモデル事業として想定しておりました駒沢小学校についてですが、平成十九年度の全面改築時に校庭をゴムチップ舗装に整備をいたしまして、十五年が経過をしております。ゴムチップ舗装の耐用年数はおおむね十年程度と言われておりますが、御指摘のとおり、使用頻度や多様な使い方により表層材が剥がれるなど劣化している箇所が一部見られております。  次に、人工芝とゴムチップ舗装のコスト比較についてお答えいたします。  人工芝とゴムチップ舗装は多種多様に種類がございますが、学校用途に採用される仕様におきましては、耐久性とともに整備費には大きな差はないものと思われます。ゴムチップ舗装は、廃タイヤをリサイクルした舗装材であることや、人工芝と比べて飛散がしにくいという特性があること、また、滑りにくく、表層材の採用により子どもたちの転倒を抑止する効果があることなどから、校庭整備に当たり採用することといたしました。  次に、人工芝モデル事業を実施すべきではないかについてお答えいたします。  学校の校庭整備につきましては、整備における基本的な考え方を取りまとめ、さきの文教常任委員会にて御報告をさせていただき、人工芝につきましては、マイクロプラスチックの発生要因となる自然環境への影響が一部報道機関で取り上げられたことなどから、延期しておりましたモデル事業を取りやめ、新素材の技術開発の動向や製造メーカーによる実証実験などにも注視し、引き続き検討していくことといたしました。  一方、教育委員会では、これまで他自治体への視察や施工事業者等へのヒアリングを行いまして、天候に左右されずに利用ができ、また日常管理も容易であるなど人工芝の優位性も確認してきております。今後はより一層に持続可能な社会の実現に向けた取組の推進が求められることから、御指摘のモデル実施も含め、校庭整備における基本的な考え方につきまして適宜見直しを行ってまいります。  次に、人工芝が川に流れていく下水の処理方式についてでございます。  世田谷区内の下水の処理方式は、おおよそ区の北東部が合流式、南西部が分流式の区域に分かれており、駒沢小学校の地域は合流式となっております。下水の合流式とは、汚水と雨水を一つの下水道管に集めて下水処理場に運ばれる方式であることから、晴れの日や弱い雨の日は人工芝が下水を通じて河川等に流出することはないものと認識しております。しかしながら、強い雨の日は市街地を浸水から守るため、汚水混じりの雨水が河川などへ放流される仕組みとなっていることから、駒沢小学校周辺の放流先である呑川に人工芝が流出する可能性があり、また、人工芝の衣服や靴への付着や学校敷地周辺へ飛ばされるものもあるものと考えております。  最後に、来年度の校庭整備についてお答えいたします。  令和四年度に校庭整備を予定している学校につきましては、駒沢小学校のほかに烏山北小学校と駒繋小学校の全三校を予定しております。烏山北小学校は現在、校庭全面が天然芝となっておりますが、トラック部分をクレー系舗装に改修し、駒繋小学校は現在のクレー系舗装を改修いたします。なお、改修に当たっては、これまでの舗装材に比べてほこりが立ちにくい仕様とし、防塵性を高めてまいります。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  旧池尻中学校跡地活用で、令和四年四月に、あと二か月で運営事業者の公募となっています。全体に係る経費を議会に示さないで運営事業者の公募をするのか聞きます。  第二に、旧池尻中学校の活用で、区の答弁ではKPI事業やSIB、アクセラレータープログラムなどをやります。新興企業へ対して大手企業、世田谷区から支援します。出資が焦げついたとき誰が責任を持つのか、また、二子の画像機能会社のように、また税金で穴埋めをするのか、聞きます。  第三に、烏山北小学校の校庭はすることになりましたが、烏山北小学校は十七年前全面芝化にして、校庭を全面使用できたのは年間三二%、六八%は校庭全面を使わせなかった学校です。教育委員会は、校庭全面を十七年も使わせなかったというのは大変重いと思っています。生徒のためにも十七年前の校庭に戻すべきだというふうに思います。教育長の答弁を求めます。  また、教育委員会の答弁では、人工芝が学校敷地周辺に飛んでいますという答弁がありました。私は長年人工芝のグラウンドを使っていますが、見たことも聞いたこともない、間違いないか具体的に答弁を願います。 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  烏山北小学校の全面芝生に対しての使い方ということで、烏山北小学校は、校庭を全面自然の芝にしていたので、確かに使い勝手という意味では使いにくかったことがあると思います。今後は、トラックの部分を天然芝からクレー舗装にして、子どもたちの使い勝手というところで変更してまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 池尻中跡地活用について再質問をいただきました。  二点ほどいただいておりまして、まず一つ、公募の時期でございます。様々議会から御指摘いただいていまして、この議会の議論を踏まえて判断していきたいというふうに考えております。  次のもう一点、創業者に対しての出資、それが焦げついた場合どうするのかといった御質問ですけれども、こちらについては事業の創業について、起業もそうですけれども、事業者の責任ということでやってございます。かつての産業政策部が行った補助金について同様のことをするのかというような御質問でありましたけれども、今回の場合、補助の仕組みではございませんので、そういったような考えはございません。 ◎知久 教育総務部長 人工芝における破片の飛散についての御質問がございました。この間、いろいろ国等でも調査をされておりまして、環境省の調査等を見ましても、日本の沿岸ではプラスチック製品の破片が主なマイクロプラスチックの発生源と考えられるといったような報告も出ているところです。  実際に目で、目視で確認するというのはなかなか難しいと思うんですけれども、やはり頻度の高い使用によって、摩耗、あるいはちぎれて、そういった人工物、プラスチックの破片が飛散をするということはあり得るものというふうに考えております。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 旧池尻中の跡地なんですけれども、今聞いたのは、区が出資して焦げついたときはどうするんだと。そうすると焦げつかないのか、出資しないのか、その辺をしっかり答弁をお願いします。  それから、人工芝について飛んでいるって話だけれども、そんなこと聞いたことも見たこともない。教育委員会が答弁している。飛んでいる。だから、本当にそうなのかという話なんです。聞きます。 ◎田中 経済産業部長 再質問に御答弁いたします。  事業者に対しての出資というのは、区のほうからすることは予定しておりません。  以上です。 ◎知久 教育総務部長 再質問に御答弁させていただきます。  どうしても、やはり使用の頻度によっては破片であるとか、その断片がなかなか、非常に微細なものだと思いますけれども生じていると。そういうものが衣服に付着、あるいは周辺に飛散する、飛散という言葉が、飛ぶということでしょうかね。そういった状況は起こり得ると考えます。 以上です。 ○下山芳男 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 質問通告に従い、質問します。  まず、コロナ対策です。  感染状況は依然深刻で、一日当たりの死亡者数は過去最多、接種率は全人口の一五%にとどまっています。不十分なコロナ対策に政権支持率は下がっています。我が党は政府に、オミクロン株に即したワクチン、検査、医療、保健所強化、そして暮らしの支援などの対策強化を求めています。  都議会第一回定例会で、都立病院廃止条例が提案されました。厚労省調査では、コロナ病床確保数は都立・公社病院が全国の中で一位から十一位を占めています。都民の命のとりでである都立松沢病院を含む都立病院の独立行政法人化に反対します。  以下二点伺います。  一点目は保健所です。この間、要介護の障害者・高齢者家族から、陽性後、保健所から連絡がない、自力で往診クリニックなどを探したが、保健所からの連絡がないと対応できないと断られたなど御相談が続きました。保健所の逼迫は区民の命に直結します。当面、支所の業務見直しや、全庁の応援などあらゆる方策での強化を求め伺います。  また、我が党はこの間、コロナ禍を踏まえ、保健所の抜本的強化を求めてきました。つながるプラン案の重要施策である健康危機管理体制の強化に、保健所体制強化の明記を求め伺います。  区長は、さきの議会で我が党に、計画的に必要な人員を配置し、保健所体制の抜本的強化に取り組むと答弁をしています。来年度からの保健師などの計画的増員と、次期基本計画も見越して具体的な抜本的強化の認識を伺います。  二点目は大規模検査です。区はこの間、感染抑止及び社会経済活動維持のため、社会的検査の対象拡充と体制強化を推進してきました。第五波で百二十六の保育園が休園という事態を受け、区は昨年末に抗原検査キット配布対象を、保育園・幼稚園利用家庭へ拡充、一月には高齢、障害、学校の利用者、入所者にも配布、社会基盤を支える福祉・学校施設へいち早く手だてを講じました。  ある保育園からは、陽性者発生で希望する園児、職員が社会的PCR検査を受検、無症状陽性者を二名発見し、クラスター防止になった。また、ある中学校の保護者からは、陽性者発生で学級閉鎖、クラス全員に抗原検査キットが配布、直ちに使用できた。その後の社会的検査でも陰性が確認、親は仕事を続けられた、検査の重要性を実感したなど伺いました。さらに、福祉事業所や区民からは、濃厚接触者となったが社会的検査が混雑して七日間の健康観察中に検査できなかった、期間の短縮を。障害者や認知症高齢者は前鼻腔方式の抗原検査を怖がる、唾液式に改善を。また、広く区民対象の検査キット配布の再開をなどなど要望が届いています。  多くの事業者、区民は必要なとき、不安なとき、直ちの検査を求めており、区の対応を評価しています。大規模な検査で感染者を見いだし、治療、隔離につなげ命を守り、そして地域や施設に感染を持ち込ませず広げない、これは感染症対策の基本です。今後も社会的検査の対象拡充と体制強化及び広く区民対象の実施を求め伺います。  次に、今後の区政運営における区長の基本的姿勢についてです。  まず、財政運営です。この間の財政見通しと大きく異なり、新年度予算案は前年度比百三十六億円増、約三千三百三十六億円の過去最大規模となりました。どのような経済情勢下でも貫かれるべきは、区長が表明してきた区民の健康と生活を守り抜く、また憲法で保障されている基本的人権と平和を守る役割は、区民生活に責任を持つ自治体の責務を発揮した区政運営です。  我が党はこの間、財政運営の基本として三点提案してきました。一点目は、サービスカットや公的責任の後退につながる民間活用などの従来型行革ではなく、参加と協働を徹底し、区長が推進してきた財政構造、体質改善で財源をつくる、区民に信頼される行政経営改革。二点目は、国、都からの財源確保。三点目は、計画的な基金積み立てです。  区は令和二年度から、効果額計約百五億円の事務事業見直しに取り組みました。その基本的考えは「単なる削減ではなく、区民、利用者の視点を中心に、議会、区民の御意見をいただきながら進める」です。一方、見直しに算定されたふじみ荘廃止などは、区民理解や参加と協働で課題を残しています。新年度財政が好転したからこそ、この間の総括と課題改善を求め伺います。  非常時における国、都からの財源確保はますます重要です。区長はこの間、国を動かし、社会的検査を行政検査と認めさせるなど財源確保に積極的役割を果たされてきました。これは区政の基本的姿勢であって、つながるプランなどに明記すべきです。今後の区長の財政運営の基本姿勢を伺います。  次に、世田谷区未来つながるプラン案です。  長期化するコロナ禍で区民生活は厳しさを増しています。あるフリーランスの芸術関係者は、第六波で公演中止、延期が続き、仕事はコロナ前の三分の一程度に減少、生活困窮者が取り残されていると伺いました。当面の暮らしを守る支援強化、さらに今後の区政運営として、経済的弱者対策を根幹に据えた誰一人取り残さない区政運営を徹底していただきたい。我が党はこの間、新自由主義から脱却し、ケアに手厚い住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮する区政発展を求めてきました。  案では、健康リスクや災害リスクから生命を守る取り組みが次の基本計画の基軸と明記され、重要な方向性です。具体的にどうするのか、今後の区政運営の区長の基本姿勢を伺います。  参加と協働や区民の視点に立った行政経営改革、また国の社会保障制度の改変から区民生活を守る取組の位置づけを求め伺います。  次に、子育て世帯の負担軽減です。  十八歳までの子どもの医療費助成について、我が会派は、昨年の第四回定例会でその実施を求めました。また、我が党都議団は、平成三十年と昨年第四回定例会で、所得制限、自己負担なしの十八歳までの医療費助成を求め条例案を提案しています。これらや大きな世論があり、都の新年度予算案で準備経費が計上されました。既に都へ所得制限なしで財源協議に臨むと区は答弁されています。同時に、現在の都の助成では自己負担は通院一回二百円、また入院中の食事療養費、多くの場合一食四百六十円ですが、これは医療費助成外です。入院中の食事は医療の一環であって、自己負担を求めるべきではありません。都に対し、所得制限、自己負担なし、さらに入院中の食事療養費も助成とすること、また財源は都の責任で行うよう求めていただきたく伺います。  最後に国保です。この間、全国知事会や区長会などは、国へ子育て支援に逆行する多子世帯均等割減免を要請してきました。これらや世論が国を動かし、来年度から未就学児の均等割は半額になります。区長はこの間、対象を未就学児にとどめており、子育て支援としては不十分、小中学生まで拡大できるよう国へ働きかけていくなど答弁しています。区長会での要請が今般の制度改善につながったことからも、しっかり要望していただきたい。  一方、我が党は、国などによる多子世帯軽減策実施まで、子育て支援としての区独自の時限的対応を求めてきました。この間、区長は総合的な子育て支援策の観点から取り組むと答弁され、区として具体的検討に踏み出した経緯があります。  国などによる対象年齢拡充まで、区独自の時限的対応として、来年度途中、または令和五年度からの対象年齢拡充を求め伺います。  今月、都から、来年度国保料は前年度比六・二%の大幅値上げが提示されました。我が党は、昨年度と今年度の二回、次期保険料の抑制、引下げを求め区長に申入れをしました。今年度保険料は、区長が昨年、一定で御答弁したように、コロナ禍で例年どおりの算出でいいのか課題意識を投げかけ、それが区長会での保険料負担抑制判断につながりました。来年度保険料を決する区長会総会は既に実施され、区長の対応及び結果を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えをいたします。  まず、今後の財政運営の基本姿勢について並びに命を守る取組、これを基本計画の中にどのように位置づけていくのかという御質問でございます。
     区民生活の実態は、この間の度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出により景気回復が鈍る中で、原油高等の影響による生活必需品の値上げなど、依然として厳しい状況にあると認識しております。コロナ禍による行動制限が、高齢者をはじめとした多くの皆様に社会的孤立、孤独な状況を加速させ、同時に気候危機により激甚化する自然災害、異常気象、この影響もありまして、次の十年間はまさに生存の危機と向き合う時代となると考えています。この困難な局面を乗り越えていくためには、これまで以上に地域でお互いのつながりを強めて、健康や災害のリスクから命を守る取組を進めていかなければなりません。  こうした状況の中で、人と人がつながるコミュニティー、居場所、プラットフォームを、持続可能な区政運営、世田谷区を支える土台とし、今後の地域行政、またDXの推進による行政サービスの在り方の見直しと併せて、公共施設の改築、改修や大規模災害、大規模自然災害への備えなど、年々増加する行政需要に対してもしっかりと将来を見据え、公的役割を踏まえて着実な対応を実施してまいります。  世田谷区財政においても、感染症の影響が長期化することで、今後も予断を許さない状況が続くということが見込まれています。中期的な財政見通しの下、国や都の財源確保にしっかりと努力をし、持続可能で強固な財政基盤の構築を図りながら、不合理な制度改正に向けてもしっかりと粘り強く提案し指摘するなど、区民の暮らしを守る取組を進めてまいります。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、コロナ対策における保健所体制強化等について順次お答えいたします。  まず、応援体制強化です。  今般のコロナ第六波の感染拡大では、全庁挙げて体制強化を図っております。また、総合支所に配置の保健師をさらに保健所に配置するため、区民健診等一部の支所の保健業務を休止し、人員体制を増強しております。また、事務系職種は感染症対策課の職務の経験者を含む人員を一時的に保健所兼務とし、業務時間中、また時間外に応援職員として配置をしております。  これらにより現在の保健所の人員は、民間事業者を含めて、新型コロナウイルス感染等が発生する前よりも三百二十一人増の四百八十六人体制となっております。新型コロナウイルス感染症は、変異株の特性等で急拡大となる場合もあり、迅速かつ臨機応変な応援体制が必要です。今後も保健師、事務系職員等の迅速な応援、民間委託の拡充等、あらゆる手法により体制を強化していきます。  次に、つながるプラン案の内容についてです。  つながるプランでは、今般の新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、組織的また迅速に新興感染症等に対応するため、健康危機管理マニュアルや新型インフルエンザ等対策行動計画の改定に取り組むことを記載しました。  また、健康危機管理マニュアル、新型インフルエンザ等対策行動計画につきましては、世田谷区健康危機管理連絡会、世田谷区新型インフルエンザ等対策地域医療体制検討部会で専門的見地から検討を行うとともに、一般公募の区民等も含まれる健康づくり推進委員会からも御意見をいただき策定に取り組んでまいります。策定に当たりましては、この間の感染拡大への区の対応を検証し、計画、マニュアルをより実効性のあるものとして改定するとともに、抜本的な保健所体制の強化も含め、検討を進めてまいります。  最後に、保健所の抜本的強化についてお答えをいたします。  保健所は、新興、再興の感染症の発生時には蔓延防止に向けた防疫措置の実施や、平時には感染症対策の普及啓発、情報発信を図り、健康危機管理業務の根幹を担っております。今回の長期に及んでいる新型コロナウイルスの流行下だけでなく、今般のコロナ禍を踏まえ、今後とも区の感染症対策が持続可能となるよう、保健所はじめ組織体制を強化し、人員配置の工夫、民間委託の活用等、あらゆる手段を活用して機能拡充を行う必要があります。  防疫業務を担う保健師の人員につきましては、感染急拡大を踏まえ、中長期的に計画的に人員体制を強化できるよう人事関連部門と調整を図るとともに、地域に根差した感染予防の啓発など総合支所と連携した防疫業務の推進を図ってまいります。  私からは以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、社会的検査の対象拡充、体制強化について答弁いたします。  現在ワクチンの三回目接種や治療薬のさらなる開発、研究が進む一方で、国や東京都も無料のPCR等検査事業を実施するなど検査体制の確保を進めております。感染者の中には無症状者がいることが確認されていることから、検査により感染者を早期発見することは大変重要であり、陽性者発見後の早期治療、さらに感染拡大防止の対策として臨時の診療所を設置するなど進めてまいりました。  令和四年度の社会的検査については、PCR検査である随時検査のほか、抗原定性検査キットを活用した施設や家庭における感染防止対策等を実施し、また、その運用は区内の感染状況等を踏まえ、体制強化や対象を拡充するなど、その状況に応じて適宜見直してまいります。  十月以降につきましては、感染状況や国、都の動向等を踏まえ、実施の必要性を判断してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、昨年度の見直しに対する評価と今後の改善の取組でございます。  昨年度政策方針を踏まえまして、全ての事務事業について継続を前提としない本質的な見直しの取組を行いました。また、今年度はさらに課題の残る事業を抽出し、手法の見直しを行ったところでございます。これらの取組を通じまして、コロナ禍に即応できる区政の一定の体質改善を図ったものと認識しております。  これらの取組を一過性のものとせず、区民、利用者の視点に立ち、多角的な視点から必要性、有効性などを客観的に検証する見直しの考え方、プロセスを定着させ、既存、新規を問わず事業構築を行っていくものとしまして、行政経営改革十の視点に沿って、コロナ後の時代の変化を見据えた事務事業の見直しに取り組んでまいります。  また、未来つながるプランで掲げるデジタル・デモクラシーの深化を踏まえ、参加と協働の多様化、充実を基本に置き、質の確保に留意しながら区民の視点に立った不断の行政経営改革に取り組んでまいります。  次に、未来につながるプランにおける位置づけに関してでございます。  さらなる参加と協働の推進に当たりまして、デジタルツールも活用しながら多様な区民参加を促し、議論を深め、説明責任を果たすことが必要と考えております。行政経営改革の取組について区民の視点に立った改革とするため、低所得者等への配慮の観点とともに、民間活用におけるサービスの安定性、安全性や質の確保の観点を重視して取り組むこととしております。  また、区として国や都の制度是正に向けて率先して働きかけを行い、産後ケアセンターの法制化、国民健康保険の未就学児の均等割軽減など実現したことを踏まえまして、引き続き社会保障制度の課題解決を含めた区民の生活を守るための取組を進めてまいります。こうした認識の下、未来つながるプランをまとめ着実に取り組んでまいります。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子ども医療費の助成について御答弁申し上げます。  区では、平成四年度から医療費のうち、保険診療分の自己負担分と入院時の食事療養費の定額負担分に係る子ども医療費の助成を開始し、現在十五歳までの全ての子どもに対し、所得制限や自己負担なく助成しております。先般都では、令和五年度の高校生相当年齢への医療費助成制度の開始について公表していますが、先日の特別区長会における説明では本制度の詳細は未定で、所得制限や自己負担分、また区にどこまでの財政負担を求めるかなど何一つ決まっていないとのことでございました。特別区長会の場で従来まで小中学生までの医療費無償化に対しての都の消極的評価を改め、財源構成も、子ども医療費全般にわたって明確に示すよう強く求めたものです。  区といたしましては、今後課題整理を進め、令和五年度の実施に向けしっかりと制度設計しつつ、入院時の食事療養費など区独自で実施している部分も含め、都に対しては制度の見直しや財源確保などの必要な措置を求め、区全体あまねく子どもの保健の向上と健やかな育成が図られるよう要望してまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、国保に関連して二点お答えいたします。  まず一点目、国保の子育て支援としての区独自減免等についてでございます。  国民健康保険における均等割保険料は、年齢や所得に関係なく全員が負担の対象となるため、特に子育て世帯への負担が重く、早急に改善すべきとして、区では国に対し制度改正を重ねて要望してまいりました。こうした中、国は令和四年度より、全ての未就学児を対象に均等割保険料を五割軽減する法改正を行いました。これを受けて、未就学児の保険料軽減の新規実施を含む国保条例の一部改正について、今議会でお諮りする予定でございます。  区といたしましては、今般の国の制度改正をまずは第一段階として一定程度評価しておりますが、区長も従前述べていますとおり、子育て支援としては不十分と認識しております。国民健康保険は全国統一の制度であり、その制度上の課題は国が責任を持って対応すべきものです。区としては、対象年齢の拡充など必要な制度改正を引き続き国に働きかけてまいります。  また、区といたしましても、この間の経緯も踏まえまして、子育て支援施策の充実に向け、財源の確保や仕組みなどの課題を整理してまいります。  次に、保険料抑制の区長の対応と結果についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症による医療費増のため、保険料を引き上げざるを得ない状況となっておりましたが、区長が特別区長会におきまして、例年どおりの算定ではなく工夫して保険料上昇を緩やかにすべきという課題認識を示されました。それを基に、十二月に特別区長会として国と都に対し必要な財政措置を講じるよう緊急要望を行ったところでございます。  今回の特別区統一保険料の算定におきましては、従来の公費負担に加え、新型コロナウイルス感染症に係る医療給付費概算額百六億円を特別区に各区の公費で負担する判断を区長会としていたしました。このため、制度改正による保険料の激変緩和措置といたしまして、原則毎年一%ずつ増やすとしてきました納付金の賦課総額算入割合を、本年度の九六%から当初の平成三十年度と同じ九四%相当とし、区民の保険料負担の増加を抑制することとしております。  今後とも新型コロナウイルス感染症の影響などにより、保険料や窓口負担が上がることで、区民が受診控えをしないよう注視いたしまして、国保財政の運営に取り組むとともに、国に対して一層の財政支援を要望してまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 国保について、区長が来年度保険料抑制の立場で積極的役割を果たされてきたことを評価します。さらに、子育て世帯の負担軽減として、区独自の対応、子どもの均等割軽減の対象年齢拡充、ぜひ進めていただきたく要望し、終わります。 ○下山芳男 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十二分休憩    ──────────────────        午前十一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十七番田中優子議員。    〔四十七番田中優子議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(田中優子 議員) 初めに、町会・自治会に対する半強制的と思われる募金集めの見直しについて、昨年の決算特別委員会で質問、提案いたしましたことの進捗状況を伺います。  毎年九月から十二月にかけて赤い羽根共同募金と歳末たすけあい募金が行われます。募金に反対するものではありませんが、集め方に問題があることを指摘し、改善を求めました。町会・自治会の役員になると戸別訪問して募金集めをしなければならず、行くのも来られるのも嫌なのに断れない、初めから金額が決められているのはおかしい、区から協力を求められ実質的な強制募金である、誰が出したとか出さないとか個人情報がだだ漏れ、何とかやめさせてほしいと、区民の方々から悲痛な声が寄せられました。これは地域の問題として、特に今後の人間関係にも及ぶ大きな問題ではないでしょうか。  私からは武蔵野市のやり方を紹介し、世田谷区も学ぶべきであると具体的な提案をいたしました。すなわち、町会・自治会単位ではなく、個人に向けて、誰でも募金していただけるように、公共施設などに募金箱を設置したり、キャッシュレス決済や銀行振込の案内をしたりであります。本来、募金とは町会単位ではなく個人ですべきものであり、区から町会・自治会に協力依頼をするなど強制力が働くようなことは直ちにやめるべきであると申し上げました。  具体的には、この募金集めの事務局を区が担うことはやめるべきです。二十三区中、既に十二区は区が事務局は担うことはしておらず、社会福祉協議会が自立して行っています。  以上のことを踏まえ、その後どこまで改善されたか、答弁を求めます。  次に、民生委員の成り手不足解消に向けた取組について伺います。  昨年十一月の代表質問で取り上げましたが、民生委員の成り手がいなくて、現在も三十人ほど欠員が出ているという問題を解消するため、実費弁償の活動費だけではなく、報酬が出せるように工夫すべきであると提案いたしました。私のこの質問に対し保坂区長より、手当については必要な提案だと考える、年金程度に至るかどうかはともかく、現状これでよいと思っていないので、改善に向けての努力をしたいと、非常に前向きな答弁がありました。  民生委員には法の縛りがあって報酬は出せません。ですから、例えばとして、民生委員を担ってくださっている方を社会福祉協議会の特別職と兼務する形であるとか合法的なやりようがあるはず。何とか報酬を出す手だてを考えるべきであると提案いたしました。これは政治的な判断があればできることです。現に保坂区長が必要だと考え、答えていらっしゃいます。保坂区長の答弁は職員は決してできない英断であります。  あの後、私のもとには知人、友人のみならず、全く知らない区民の方々からもたくさんの賛同の声が寄せられました。いわく、まさにそこが民生委員の引受手がいない問題です。少ない活動費のみで大変な労力と時間を費やし重責を負わされる仕事、手当なしのボランティアではこの先無理。それなりの報酬があればパートよりもやりがいがあると考える人は少なくないです。家計のためにパートをせざるを得ない人にも担ってもらえる可能性が広がります。これは喫緊の課題です。検討レベルではありません。今、ぜひとも実現してほしいなどなどであります。  もし社会福祉協議会の特別職という役割を兼ねる以外に何かよい方法があれば考えていただきたいですが、最初から年金程度に至らずとも、少しでも手当や報酬が出せるようにする、その第一歩が、世田谷区に、保坂区長に期待されています。その後、区長はどのように所管に指示をされ、所管はどのように改善の努力をされているか進捗をお聞きします。  最後に、精神障害のある家族を持つきょうだいへの支援について伺います。  精神障害者の家族支援を行っている世田谷さくら会で長年活動されている相田華子さんが昨年九月、「聞かせてよ、愛の言葉を」という本を出版されました。こちらの本ですが、心を病んだ人を抱える家族の実態がリアルに描写されている作品で、小説仕立てではありますが、御自身や知り合いの方々の経験から生まれた本であるということです。タイトルの下には、「ひきこもりは親の責任なのか 人は心の病を治すことができるのか」とあり、表紙をめくりますと最初に、「二〇一九年六月、農林水産省の元事務次官が、東京練馬区の自宅で四十四歳の長男を包丁で刺して殺害したとして世間を驚かせた 家庭内暴力の挙句の殺人事件はなぜ起こるのだろう 親は子の責任をどこまで取れるのだろうか―それを問いたくてこの物語を書きました」とあります。  私もこの事件には衝撃を受けました。元事務次官は、このままでは息子が誰かを殺してしまうかもしれないと懸念していたことから、その前に自分の手でその可能性を絶たなければと思ったということでした。何と凄惨で悲惨な事件でしょうか。  相田さんは、あの事務次官と同じような気持ちで苦しんでいる家族がいます。あの事件の後も、精神障害者の家族による事件が幾つも起こっています。つい先月も、川崎市内の自宅で約四か月にわたって長男を拘束し死亡させたとして、両親と妹が逮捕されたという事件がありました。支援が必要ですと切実に訴えていらっしゃいました。  実はその相田さんにとって想定外だったという意外な反響があり驚いたそうです。それは精神障害のある子のきょうだいたちの苦しみでした。以下そのきょうだいたちの訴えを御紹介します。  私たちきょうだいは、どんなときも障害のある兄の時間に縛られていた。お母さんを独り占めしたくても、母は兄から目を離せないから、それは生まれた頃からずっと、そりゃ寂しいよね、小さい私。きょうだいたちが逃げたいときにさっと行けて、家に帰りたくないとき立ち寄れて、同じきょうだい児同士で話したり、誰かに聞いてもらったり、一緒に遊んだり、一人で勉強できたり、本当に無理なときはお泊まりもできるような、そんな場所があったらいいな。私のほうが兄よりも早く死んだら、私の旦那さんや子どもに兄の世話が行くのか、悪口じゃなくて、純粋に兄はいつまで生き続けるんだろう、こんなことを押しつけられて、たまったもんじゃない。  以上、きょうだいたちの苦悩のほんの一部ですが、引用させていただきました。  相田さんいわく、きょうだいたちへの負担を考えるとか、親として彼らにやるべきことが全く抜け落ちていたと気づかされました。私自身、精神障害のある子どものことで手いっぱいで、きょうだいである子どもについては、小学校の卒業式すら出られなかった。どれほどつらい目に遭わせていたことか。  ほとんどのきょうだいたちが親から置き去りにされて、寂しくても悲しくても不満だらけでも誰にも言えず、ただひたすらじっと我慢してひっそりと過ごしているのです。家に友だちを呼ぶこともできず、結婚できないかもしれないという心配や、親亡き後どうしたらよいのという不安を抱えながら、世の中の親は随分と健常な子どもに甘えていることが分かりましたと相田さんはおっしゃっていました。  最近、ヤングケアラーの問題が可視化され認知されるようになり、支援の必要性が訴えられています。しかし、精神障害者の家族がいる場合、家族全体という名の親への支援はあっても、きょうだいへの支援という視点が抜け落ちています。こうした問題に目を向け、障害者のきょうだいたちが不幸にならないように、希望が持てるように、きょうだいに視点を置いた取組が必要ではないかと思います。  そのために、以下の四点を提案いたします。  一、区内にある松沢病院、関東中央病院、国立成育医療研究センター、昭和大学附属烏山病院、東京都医学総合研究所などと連携をした取組。  二、区立小中学校へのスクールソーシャルワーカーの配置。  三、きょうだい支援、相談窓口の設置と周知。  四、きょうだいがほっとできる居場所の確保。  あなたたちのこと気づいているよというメッセージがきょうだいに届くように、世田谷区から一歩踏み出せたらと思います。  以上、区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中委員にお答えをいたします。  民生委員の成り手不足問題についての私の指示についてでございます。  私も民生委員を担っていらっしゃる方から、度々活動の様子や困難な状況についてお話を聞いてまいりました。民生委員は、住民の立場として地域住民の相談に応じ、地域住民に寄り添いながら多様なニーズを発見し、行政や公的相談機関に適切につないでいく重要な役割を担っていると認識しています。  前回、田中議員より、民生委員の負担に見合った手当や報酬を出すべきとの御提案に対し、私も現状これでいいとは思っていない、改善に向けて努力をすると答弁をさせていただきました。所管に対して、民生委員の皆様の負担が非常に重くなっていることに鑑み、依頼する行政調査などの精査を行うことで負担の軽減に取り組む、これをしっかりやることとともに、現状に見合った活動費の金額の改善を、民生委員の皆様からの御意見も伺いながら進めるように指示し、今後報告を受けていく状況になっております。現在検討中でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。  一点目、町会・自治会の募金集めの見直しについてでございます。  赤い羽根共同募金は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、様々な地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する「じぶんの町をよくするしくみ」として全国で取り組んでいる募金でございます。第一種社会福祉事業の赤い羽根共同募金は、社会福祉法第六十条において、国、地方公共団体、社会福祉法人が実施主体となることとされており、二十三区中十一区において区が事務局を担っております。  御提案をいただきました事務局の在り方につきまして、社会福祉協議会と協議を行っておりますが、来年度につきましては引き続き区が事務局として、町会・自治会、民生児童委員、社会福祉団体等から推薦された協力員に対して募金活動をお願いしてまいります。また、募金方法につきましては、昨年十月に協力員の皆様に対し、募金封筒の使用、募金箱の設置、郵便振替、銀行振込、インターネット、QRコード決済などの方法があることを改めて周知させていただきました。  来年度も募金の趣旨、使用用途、様々な募金方法などを丁寧に御説明し理解を深めていただくとともに、まちづくりセンターにQRコードのスタンドや募金箱を設置するなど、協力員が募金活動しやすい環境を整えるとともに、区民の皆様にも募金を通じた社会福祉活動への御理解と御協力をお願いしてまいります。  二点目でございます。民生委員の成り手不足解消に向けた取組の進捗状況についてでございます。  現在、所管では区長からの指示を受けまして、民生委員の活動費のさらなる充実や負担軽減に向け、来年度の三年に一度の一斉改選前に、民生委員の皆様の実態把握調査や他都市への民生委員の担い手確保に向けた取組状況の調査の準備を進めておりまして、この調査の結果を考慮し、活動費や民生委員の担い手確保の具体的な取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、精神障害のある家族を持つきょうだいへの支援につきまして二点にお答えいたします。  まず、区内の病院等との連携についてお答えします。  精神障害のある家族を持つきょうだいは、社会での精神障害に対する誤解や偏見により孤独を抱えやすいため、患者に加え、そのきょうだい児にも着目することは重要であると認識をしております。区は、精神障害者の家族支援を行う民間団体への補助による相談事業や家族セミナー等を活用し、きょうだいも含めた家族の不安の軽減を図っております。  また、総合支所では、保健師が行う地区活動において、きょうだいも含めた御家族の支援を行っているものの、その認知度は高いとは言えず、また、きょうだい自身を中心とする支援の制度は現状としてはない状況です。区内には精神障害者への支援の造詣の深い病院もあることから、それらの精神科の医師、看護師等と連携し、きょうだいも含めた家族支援に関するスキルアップを図ることが重要であると考えております。  今後これらの病院との連携を密にし、総合支所も含め、精神障害者のきょうだいへの理解を深め、また支援のスキルも高め、重層的な支援を図るとともに、相談できる窓口を区民に周知をしてまいります。  次に、きょうだいの相談窓口についてお答えします。  区では、精神障害のある家族を持つ方からの相談について、総合支所の保健師によるこころの健康相談や精神科医による子ども思春期こころの相談、専門スタッフによるこころスペースで受けておりますが、今後はきょうだいについての相談、きょうだい御自身の相談につながるよう相談の御案内の工夫をしてまいります。  さらに、精神障害者のきょうだいの存在や支援の必要性について、地域社会での認知度を上げるため、きょうだいに視点を向けた講演会を開催するなど、精神疾患者の御家族に関する理解促進に向けて取り組んでまいります。  私からは以上です。
    ◎粟井 教育政策部長 私からは、区立小中学校へのスクールソーシャルワーカーの配置についてお答え申し上げます。  お話しにございましたスクールソーシャルワーカーにつきましては、区立小中学校への配置には至ってない状況でございますが、現在、教育支援グループ、特別支援巡回グループに各一名、地域担当四名の計六名を教育総合センターに配置し、学校からの相談に応じて、福祉の専門職として必要な家庭の支援を行っております。  このたび、教育総合センターでは、昨年十二月の開設に合わせ、いじめや不登校、特別支援教育など教育に関する様々な相談に対応する総合教育相談ダイヤルを開設したところでございます。  総合教育相談ダイヤルでは、その相談内容に応じて、課題が深刻化する前に、不登校や特別支援教育の専門チームや学校が連携して解決に取り組んでおり、福祉的な課題を抱える場合には、スクールソーシャルワーカーが福祉的な支援へのつなぎ等を行います。  お話しにございました精神障害のある家族を持つきょうだいにつきましては、悩みを抱えつつも相談につながりにくい現状があり、こうした児童生徒や保護者、学校に対しても相談できることを積極的に周知していくことが重要と考えております。教育委員会といたしましても、引き続きチラシやリーフレットによる周知を図るほか、学校緊急連絡情報配信サービス「すぐーる」も活用し、児童生徒や保護者、学校に対し広く周知を図るとともに、安心できる居場所の確保と必要な支援について、保健福祉領域の関係所管と連携して検討してまいります。  以上でございます。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは、きょうだいがほっとできる居場所の確保ということについて御答弁申し上げます。  家族会などからいただいた御意見などから、障害のある方と暮らす家族にとって、自宅から一時的に離れてほっとしたり、自分と同じような経験をしている人と共感できる場があることは大切であるというふうに認識をしております。せたがやノーマライゼーションプランでは、精神障害者施策の今後の取組といたしまして家族支援の拡充に取り組むこととしております。障害当事者への対応を家族に任せないために、グループホームの一室を活用したレスパイト機能の整備等を例示しているというような状況でございます。  家族の中のきょうだいへの視点につきましては、医療的ケア児等の支援施策において、ふるさと納税を活用した事業に取り入れてはいるものの精神障害者の支援策においては具体的な記載がないという状況です。  今後レスパイト機能の整備など家族支援を具体化するに当たっては、きょうだいの視点も加えながら、利用しやすい運営形態や専門職員の配置等について、保健、医療、福祉、こういったものの協議の場であります世田谷区精神障害者等支援連絡協議会、また家族会などからの御意見をいただきまして検討してまいりたいと思います。  以上です。 ◆四十七番(田中優子 議員) 募金についてですけれども、最低限、町会・自治会の役員が戸別訪問をして集金しなければならないということだけは、しなくてよいと区からぜひとも周知するべきだと思いますが、いかがでしょうか。  また、きょうだいの支援、これは今ない状況ですね。世田谷区としては。いろいろな意味で周知も足りていません。ぜひきょうだいがほっとできる場所、居場所をつくってください。  それから、民生委員の報酬ですけれども、保坂区長は手当について必要だと考えると前回答弁されていらっしゃいます。それが、なぜ手当ではなく活動費に今回すり変わってしまったのでしょうか。大変残念な答弁です。活動費は実費弁償でしかないと私は所管に確認をしています。でも区長は、もしかしたら活動費の中に手当、報酬を盛り込むことができるという、そういう意味での今回の答弁でしょうか。まず、そのことを確認いたします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えをします。  現状これでいいとは思っていない、改善に向けて努力をしたい、その手当という言い方は確かにいたしました。今回、委員から社協の特別職等の報酬を出す仕組みの提案などもいただいていますが、まず私としては、現行制度の枠組み内でなお区として努力できる改善の余地というのが存在すると考えています。そこから着手していきたいというふうに考えているところです。 ◎澁田 保健福祉政策部長 募金に関する再質問にお答えいたします。  戸別訪問をしなくていいように伝えるべきというふうに御質問いただきましたが、この赤い羽根共同募金につきましては、先ほど御答弁もさせていただきましたように、このコロナ禍におきまして戸別訪問が非常に難しくなっているという現状に鑑みまして、戸別訪問ではなく、募金方法を封筒を活用したり、また募金箱の設置、また議員から提案がありました郵便振替、銀行振込、インターネット、またQRコードの決済ということで周知をさせていただいております。  また、実際に募金を担っていただいている方からは、直接伺うことで御理解をいただき募金をしていただけるということも伺っておりますので、訪問しないでこちらから募金をしてくださいということは、区からはちょっと今申し上げられない状況と考えております。  また、お願いします協力員さんに対しましては、意見を伺いながら、この募金方法について進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆四十七番(田中優子 議員) 募金なんですけれども、訪問しなければ集まらないって、それはおかしいじゃないですか。訪問することに強制力があって、嫌でも払わなきゃいけないみたいなことになっている、それが問題だというふうに言われているんです。個人情報もだだ漏れです。ぜひともそれは改善すべきだということを再度申し上げておきます。  また、区長、手当について必要だとおっしゃったことについての責任ですよ。多くの区民が期待しています。これは政治判断すればできることなんです。現行、枠組み内で改善できることをすると、それはそれでやってください、もちろん。だけれども、それ以上のことを期待されている、それ以上のことを区長は前回答弁されました。それをできませんと変更するんですか。現行枠組み内でということは、それ以上のことはできないんですと、今回そういう答弁に変わったということでしょうか。それだと非常に残念で、やっぱり区民の方の期待を裏切ることになると思いますが、いかがでしょうか。お聞きします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再々質問にお答えいたします。  まず、私が先ほどの再質問答弁で申し上げたのは、まず現行制度の枠組み内でも着手できる改善の余地があるということであります。  ただ一方で、委員がいろいろ御指摘、御紹介いただいているように、民生委員の方々から私も様々意見を聞いております。活動の実態の中で苦労されているお話を聞いておりますので、まずはその着手をしますということは枠組み内でと申し上げましたけれども、民生委員の皆さんの声をよく聞いて、それ以外のことについては今後検討していきたいと思います。 ○下山芳男 議長 以上で田中優子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 初めに、未来につなげる気候危機対策について質問します。  昨年の気候変動に対する国際会議COP26では、パリ協定で提示された一・五度目標が国際的な共通目標として明確化されました。既に地球の平均気温は産業革命以降、一度上昇しています。一・五度を超え二度にまで上がるとこの上昇傾向が後戻りできない、そういった次元に達し、干ばつ、熱波、巨大台風、高潮など、人類の全ての生存に関わる危機が予測されているためです。この気候危機を引き起こしている最大の原因物質は、人類の活動による温室効果ガス、CO2の過剰な排出です。石油に代表される化石燃料を使うことで経済的な豊かさを享受してきた私たち中高年世代に対し、未来を担わなくてはならない若い世代から真剣な取組を求める声が全世界で上がっています。  世田谷区は気候非常事態を宣言し、来年度中に二〇三〇年度までを期間とする世田谷区地球温暖化対策地域推進計画を改定し、二〇五〇年実質ゼロを目指すとしています。それはつまり一・五度目標に合った形に改定することを意味しているはずです。  先日、骨子案が提示されましたが、二〇三〇年までの削減目標設定については、従来の施策の積み上げでは四八%、都などの目標に合わせるために逆算した場合、求められる五三%から五五%減を目指すべく検討との報告でした。環境審議会を傍聴し、この目標設定を聞いた複数の区民から、区の気候危機対策への懸念の声が私に寄せられています。  世田谷区の最大のCO2発生源となっているのは家庭部門、つまり区民の暮らしです。ですから、CO2排出削減という目標を全ての区民が共有し、暮らしの変革に向けて行動する必要があるのです。国や都に追従するだけのバックキャスティングでは、多くの区民を巻き込んで挑戦していく目標にはなりません。例えば脱炭素先行自治体に応募し、全国をリードしていくようなビジョンを掲げるべきではないかと考えます。  そんな中で、来年度、気候危機対策基金の創設が提示されました。二〇五〇年に確実に脱炭素を達成するためには、今から二〇二五年までのスタートダッシュが大事です。危機感や切迫感を持ってCO2削減のため、今できることは全て着手するぐらいの取組が求められています。保坂区長に、この基金を今創設する狙いや気候危機対策推進についての見解を伺います。  二〇五〇年に社会の中核を担うことになる現在十代、二十代の若者にとって気候危機は大きな問題です。先入観のない若者世代にこそ、高度経済成長期の暮らし方や経済活動のパターンを脱し、暮らしを持続可能なものに変えていく可能性が残されています。ですから、世田谷区として、若者世代から脱炭素に向けた提案を積極的に聞き政策に取り入れていくことや、活動を始めた若者の情報発信や活躍の場を用意することが必要です。若い世代を巻き込んだ気候危機対策実現への方策を伺います。  地球温暖化対策は環境所管だけで実現するものではなく、全庁挙げての取組を今までも何回か求めてまいりました。世田谷の町を低炭素な暮らしが可能なものに変えていくには、特に歩行者や自転車、電池自動車などを活用した低炭素の移動を可能にする道の整備、車中心都市から人中心の歩いて楽しい魅力的なまちづくりが重要です。災害対策と一体化したグリーンインフラの充実なども都市整備所管にしかできない気候危機対策と言えます。都市整備領域所管による主体的な地球温暖化対策の推進を求めます。見解を伺います。  世田谷区立の小中学校では、長年エコライフ活動を続け、省エネ行動などが学校生活の一部となっています。SDGsの学習などを通じ、社会や経済活動の基盤となるのは、地球規模の環境であるということの理解も進んできているのではないでしょうか。教育委員会からさらに一歩進んで、気候危機に対し実験や化学の目で研究する子どもの後押しをすることを提案します。ガリレオコンテストを、省エネや断熱、異常気象など気候危機に関連する中学生の研究発表の場として活用すれば、地域や保護者にも波及効果が期待できる環境教育となります。そういった教育活動に対して創設が提案されている基金の活用も考えられるのではないでしょうか。来年度以降の気候危機対策に焦点を当てた環境教育の推進について伺います。  改築中の本庁舎の環境性能も大きな課題です。設計時には二〇五〇年八〇%減が全国共通の目標でした。今、二〇五〇年には実質ゼロが目標になっています。これから造られる新庁舎はもちろん二〇五〇年以降も区の中心的な施設として使い続けます。今からでもできる限りの手法を駆使して、新庁舎のCO2排出の削減を図り、二〇五〇年にも区民が誇りを持てるZEB、ゼロエネルギービルディングを目指すべきです。区民に気候危機対策としてライフスタイルの変換を求めていく世田谷区としては、新庁舎を通じて区の率先行動を区民に見える形として示していくことが必要です。新庁舎の気候危機対策の強化を求め、見解を伺います。  次に、資源循環型社会の実現に向けたリユースの推進について質問します。  地球の資源は限られており、日本も大量生産、大量消費、大量廃棄、大量リサイクルではない、新たな資源循環型社会に向かおうとしています。世田谷区は、そもそもごみになるものをつくらない、買わない、リデュース、物を安易に捨てず製品の形のまま必要としている人に渡すリユースの2Rをごみ減量の主力に位置づけてきました。しかし、区の収集するごみになる前に2Rに回ってしまう物品は清掃・リサイクル事業の中では可視化しにくく、かろうじてエコプラザ用賀での家具の再生利用や区民団体との協働による2R推進会議などによる啓発だけにとどまっていました。  昨年秋から行われた民間事業者との連携によるリユースの実証実験事業は区民に大変好評で、来年度さらに一年間、実証実験を延長するとの報告を受けています。新たに区からの予算をつけての実証実験継続になります。狙いや効果検証、その後の区政への活動などを明確にした上で、今後リユースに本格的に取り組んでいくべきだと考えます。見解を伺います。  リユースを根づかせることは、製品プラスチックを安易にごみとして捨てる習慣を見直すことにもつながります。プラスチックごみからリサイクルに適したものだけを分別することの困難やリサイクルの処理費用が自治体の持ち出しになることなど、プラスチックごみの処理に関しては課題が山積しています。  世田谷区は多くの区が容器包装リサイクル法に基づく資源分別化に取り組む中で、ペットボトル以外のプラスチックは分別せず燃えるごみとしてもよいとしてきました。生活者ネットワークは、プラスチックを安易に燃やし、ごみとして処理することには反対し続けています。世田谷区の分別の甘さは、暮らしの中で何がごみかを考え、資源として生かしたり、リユースに回したりという意識を薄めてきてしまいました。来年度以降、分別の在り方などを検討するに当たっても、リユースの啓発をさらに徹底することが真の資源循環型社会形成にも役立つ有効な手段ではないかと考えます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高岡議員にお答えいたします。  二〇五〇年二酸化炭素排出量実質ゼロの実現に向けまして、決してこれは容易な道でないということであります。区民、事業者が主役となり、共に脱炭素に貢献するライフスタイルやビジネススタイル、この転換を大きく進めていくことが重要であると考えています。一方、これから三十年先の未来を担う若者世代が一斉に声を上げ、区民、事業者を巻き込むムーブメントが海外で、そしてこの日本国内でも始まっています。彼らの声に応え、脱炭素に向けて着実に歩みを進めることは、私たち大人世代の責任にもなります。  昨年十月に実施しました若者環境フォーラムで、若い世代の活動のモチベーションの向上に加えて、できるところから環境配慮の行動、アクションを捉えていきたい。一人の百歩より百人の一歩が大切だという声もありました。今後、この課題に関しては、必ず将来世代、今の子どもたち、若者の意見とともに論じていくようにしていきたいというふうに考えます。  今定例会に気候危機から区民の命と財産を守り、二酸化炭素排出量を削減し、気候変動を食い止める施策を安定的、継続的に行うための財源を確保していくために、仮称でありますが、世田谷区気候危機対策基金を創設する条例を提案させていただいています。現在、気候危機対策会議で、新たな中期目標やこれを達成する具体的な施策等について検討を進めるよう指示しております。また、区、区民、事業者が連携し、個人、NPO、専門家、企業、様々な人たちが力を合わせながらこの課題について大きな効果を上げていく対策のよりどころにしていきたいとも考えております。  区民、事業者だけではなく、もちろん区も率先垂範して行動に取り組むことが気候危機対策では欠かせません。今後策定します計画素案において、全庁的な検討体制の下、区独自の取組は具体的にこれだとしっかりとお示ししながら、若者環境フォーラムなど次世代の若者たちと問題意識、課題意識を共有し、発言をしっかり酌み取って環境審議会や区民説明会、また区議会での御意見を伺いながら、この政策を進めてまいりたいと思います。  こういった御意見、御議論を踏まえ、若い世代にとっても夢や希望が持てる、いわば数字合わせではない、根拠ある目標値を示していきたいと思っております。 ◎松村 技監 私からは、気候危機対策における都市整備領域所管による取組と推進についてお答えをいたします。  現在の地球温暖化対策地域推進計画の五つの施策の一つに低炭素都市づくりと適応策が掲げられています。その取組として、コミュニティバスの導入促進やレンタサイクルの整備、自転車走行環境整備などによる自動車に過度に依存しない都市づくりや、CO2吸収効果のあるみどりの保全・創出の推進、雨水貯留浸透施設の設置などによる豪雨対策・ヒートアイランド対策等の推進などグリーンインフラの整備があり、都市整備領域が担う役割は大変大きいものと認識しております。  これらの取組は、世田谷区都市整備方針に基づく分野別の方針、計画などにより着実に推進をしてきておりますけれども、今回推進計画骨子案で示している区内CO2削減目標達成に向けては、各所管が地球温暖化対策に寄与する施策をしっかりと意識しながら、道路、公園や公共施設整備における先導的な取組を推進していく必要があると考えています。  加えまして、区民一人一人の参加と協働が欠かせません。区民の行動変容を促す例えば歩きたくなる、自転車に乗りたくなる環境の整備や、みどりの保全・創出、豪雨対策に皆さんが取り組んでいただく意識啓発や助成の拡充などにもさらに力を入れていかなければならないと考えています。  今後、地球温暖化対策地域推進計画の見直しや次期基本計画の検討におきまして、気候危機対策の観点から戦略的、効果的な都市整備政策を検討し、職員一丸となって取り組んでまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、若い世代を巻き込んだ気候危機対策の実現の方策について御答弁を申し上げます。  二〇五〇年の目標達成に向けては、区民、事業者とともに脱炭素に貢献するライフスタイルへの転換を進めていくことが不可欠であり、とりわけこれからの未来を担う若者世代の参加と協働が重要と考えております。  昨年実施しました若者環境フォーラムでは、持続可能な社会の実現に向け、既に活動している高校生、大学生の環境保護サークルや区立中学校の代表生徒など若者同士の交流や意見表明の場づくりを行いました。フォーラムでは、自分たち以外の同世代の活動を知って活動のモチベーションが向上したといった声のほか、環境政策に対する御要望もございました。  今後もこうした取組を継続し、次世代を担う若者が発信できる機会を設け、主体的に取り組む若者からの政策提案も受けながら、中長期的な視野に立った施策の展開を進めてまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、学校におけるエコライフ活動についてお答え申し上げます。  学校におけるエコライフ活動につきましては、各学校での自主的な取組として実施しております。さらに、SDGsの研究校においては、身近な生活から地球規模まで自分たちができることを見つけ、実体験、体感を伴う教育活動を行うなど、より広い視点での環境教育を推進しております。そのような取組が浸透したことによりまして、若者環境フォーラムに中学生が参加し、大学生と高校生とともに気候危機問題について活発に議論しました。  また、ガリレオコンテストの応募作品の中には、環境に優しいプラスティックやグリーンな社会を目指した発電用風車についての研究など、気候変動を取り扱った研究が複数応募されております。教育委員会といたしましては、今後、環境政策部及び子ども・若者部と連携し、環境サポーターと呼ばれる大学生ボランティアを派遣した若者主体の出前授業を実施するなど、児童生徒一人一人が気候危機対策を自分ごととして関心を持ち、今後の気候変動を食い止めるための行動を取ることができるような取組を推進してまいります。  以上でございます。 ◎佐藤 庁舎整備担当部長 私からは、新庁舎における環境危機対策の強化についてお答えいたします。  本庁舎等整備においては、平成二十八年度の基本構想の段階から、環境と調和し、環境負荷の少ない持続可能な庁舎を基本的方針の一つに掲げ、環境性能の観点でも先導的役割を担うべく設計を進めてまいりました。快適な室内環境と省エネルギーを両立するため、高効率機器のほか、自然換気システムや二酸化炭素濃度による外気量制御システムなどを採用した結果、設計では一次エネルギー消費量を現行の建築物省エネ法で定める基準より四〇%以上削減するZEBオリエンテッドを達成しております。同時に建築環境総合評価システムによる建築物評価CASBEEでは、最高ランクのSランクを取得する計画となっております。  新庁舎等の環境性能に関しては、今後は建物の完成後において、エネルギー消費量等の実績値を計測し、設備機器等の運用改善を繰り返しながら省エネルギー効果を高める取組を続けていくことが重要と考えております。引き続き、地球環境、地球温暖化対策、脱炭素に資する本庁舎等整備を進めるとともに、新庁舎等における省エネルギー効果の見える化など、区民に分かりやすい発信方法の検討も行ってまいります。  以上でございます。 ◎辻 清掃・リサイクル部長 私からは、リユースの推進につきまして二点御答弁申し上げます。  まず、実証実験の継続についてでございます。  実証実験を一年間延長することによりまして、開始三か月間で六千件を超える大量のリユースが可能となった要因や、ごみ減量などの効果を検証し、さらに世田谷版として理想的に事業を拡大していくための効果的な手法を探ってまいりたいと考えてございます。  大量のリユースが可能となった要因としてフリマアプリを活用したほか、特に区と民間事業者が連携して設置した不要品持込みスポットの存在がございます。スポットへ気軽にリユース品を直接持ち込み、また引き取ることができるため、物を大事に使う、もったいない意識の醸成と地域内での物の循環の見える化が図られたと現時点で考えてございます。  本実験の効果として、リユース促進によるごみ減量効果、それに伴う収集経費等の削減やリユース品の譲渡による収入がありますが、季節変動や申込みから収集までのタイムラグ等があるため、年間での検証により精査することが必要であると考えております。また、より効果的なリユースを行うため、リユースに適する品物の精選、譲渡する際の価格づけ、大型家具のリユース、駐車場を含めたスポットの規模、粗大ごみ以外のごみ種への拡大等につきまして、令和五年度の本格実施を見据え検証を行ってまいります。  区が収集した粗大ごみのリユースを含めまして良好な結果が得られると想定される場合は、世田谷版の新たなリユース事業として展開してまいります。  次に、リユースの啓発を徹底すべきとの御質問でございます。  現在行っている粗大ごみの新たなリユースの仕組みに関する実証実験においては、衣装ケースや子どもの遊具、電化製品などプラスチック製品も多く持ち込まれ、また引き取られております。このようにプラスチック製品をリユースできれば、ごみの減量、ひいてはCO2の削減にもつながってまいります。今回の実証実験のような身近で分かりやすい好事例をきっかけに、粗大ごみやプラスチック製品をはじめ、リユースという選択肢が区民に広がれば、単なるごみの減量にとどまらず、循環型社会の実現に近づいていくものと考えてございます。  いまだ大量生産、大量消費、大量廃棄の面影を残す社会状況にございますが、区民の、物を大切にする意識を醸成し、簡単にごみとして排出するのではなく、大事に使い続ける行動変容が区民に広がるよう、効果的な周知や啓発等に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十一番(高岡じゅん子 議員) おのおの御答弁いただきました。  気候危機についてです。やはり若者世代の意見や提案をしっかり受け止め政策に生かしていただき、また活動に参加する若者を増やしてください。教育委員会とも連携し、小中学生からの提案も引き出し、地域を巻き込んでいけばより効果的だと考えます。  他会派からの質問に対して、先行地域への応募も検討していくという趣旨の答弁がおとといございました。これに応募するとすると、家庭部門での目標値が六六%減ということが求められます。思い切った目標設定を求めます。先行地域に選ばれると、庁舎のZEB化、ゼロエネルギービルディング化に国の補助が出る可能性もあると考えております。脱炭素のまちづくりではMaaS、モビリティーアズサービスなど最新の技術を駆使することも含め、公共交通手段の確保へ積極的な取組を求めます。  リユースについてです。リユースを事業化するに当たっては、以前ありました区民に伝わりやすいごみ減量課という名称を復活させて、ごみを減らしていくという区の意気込みを見せるということも考えてみてはいかがでしょうか。大量消費、大量リサイクルではなく、やはり循環型社会を目指す……。 ○下山芳男 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十九番津上仁志議員。    〔十九番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十九番(津上仁志 議員) 質問通告に従い順次質問してまいります。  まず、旧池尻中学校跡地活用事業におけるグラウンドの利用について伺います。  昨年第二回定例会において、体育館やグラウンドを利用している地域団体の活動が継続できるよう取り組むよう求めました。区は体育館については地域利用枠を設けるといたしましたが、グラウンドについては代替地の可能性を確認、検討すると答弁しましたが、さきの区民生活委員会においても何も示さないだけでなく、事業者公募だけは四月に行うとの報告がありました。  昨年六月に行われた住民説明会においても、池尻小学校保護者などから同様の質問がなされましたが、八か月以上も対応を怠った結果、請願が出される事態となりました。区はグラウンドの活用として、起業、創業した飲食店のチャレンジショップや体験型コンテンツなどのテストマーケティングの場とするとしましたが、委員会報告に参考資料として示されている豊島区のイケ・サンパークではPark―PFIも活用し、カフェなどのほか、創業希望者も出店できる小型店舗も整備しました。また、大阪府堺市では、Park―PFIで再整備された大蓮公園で、毎週開催されるマルシェへの出店がきっかけで実店舗を持つ方もいるなど、創業の育成の場としています。  経済産業部が示したグラウンドを利用した事業は、既存公園や広場機能を有する公共施設を活用することのほうが効果的であると考えます。  そこで、三点質問いたします。  一点目に、いまだグラウンドを利用している小学校保護者やスポーツ団体などの関係団体に対して、この場所で活動できるのか、代替地が確保できたのかなど全く説明がなされていません。区は活動場所の確保を確実に行うのか、いつそれを示すのか伺います。  二点目に、飲食店のチャレンジショップや体験型コンテンツなどのテストマーケティングの実施については、既に人でにぎわっている旧池尻中学校の目の前にある世田谷公園など、区立公園や公共施設などを活用するほうが効果的と考えます。にぎわいを創出して改めて人を集めなければならない旧池尻中学校グラウンドを利用する必要はないと考えますが、区の見解を伺います。
     三点目に、これまでも求めてきました既存公園でのPark―PFIを活用し、カフェの設置のみならず出店スペースの設置など、区民や行政が必要とする新たな機能を付加していくべきと考えます。Park―PFIを新たに整理する公園での結果を見てから検討するのではなく、既存公園での導入の可能性を民間の意見も聞きながら今進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、旧保健センター跡地の活用について伺います。  現在、新型コロナ対策のために利用されていますが、感染症が収まり活用の必要がなくなれば、世田谷区医師会と建物解体、跡地の売却等について検討するとしています。区は令和元年度に実施された若林地区車座集会で、住民からの保健センター跡地を三軒茶屋地区に不足する児童館や図書館など子どもが活動できる複合施設にしてほしいとの要望に対し、医師会との協議の進捗を踏まえて検討すると回答いたしましたが、検討結果について、いまだ地元への説明や回答は行われておりません。  一方、児童館未整備地区への児童館整備については、学校等との複合化を基本に整備を行うと、さきの委員会で報告されましたが、三軒茶屋地区に隣接する未整備地区である太子堂地区では、太子堂小学校の改修は完了し、太子堂中学校内には認可保育園が整備されるなど児童館整備のための適地がない状況となっております。  旧保健センター跡地の敷地面積は約二千四百平方メートルで、世田谷区の区分所有率は約七一%、面積は約千七百平米となります。区所有分の敷地面積だけで算出すると、建蔽率は角地であり耐火建築物とすれば七〇%となり、建築面積は千百九十平米。容積率は前面道路の幅が八メートルですので三〇〇%となり、延べ床面積は五千百平米となります。児童福祉施設最低基準に示されている児童館に設置が必要な集会室、遊戯室、図書室などは十分に設置が可能で、用途地域も第一種住居地域となり、児童厚生施設の設置についても問題はありません。  そこで二点質問いたします。  一点目に、車座集会での発言にも区は責任を持つべきです。医師会との協議の進捗に合わせ検討すると地元住民に説明をしておきながら、何の回答もないまま未来つながるプラン案にも解体、除却、売却等について検討すると示したことを改め、要望のあった児童館等の整備についても検討を進め、その結果を住民に対し説明すべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、太子堂地区のように、児童館未整備地区でありながら地区内に適地が確保できない地区での児童館整備について、区はどのように対応するつもりか伺います。  最後に、グラウンドでの飛球に対する安全対策について伺います。  二〇一八年、軟式野球ボールの仕様が変更され、従来の軟式ボールよりも大きく重く硬くなり、硬式ボールに近づきました。そのため、グラウンド場外への飛球が公園利用者に当たらないように、特に総合運動場の野球場利用者からは、ファールボールが高速道路へ出てしまうのではないかとの心配の声もあり、これまで以上の対策を講じる必要があると考えます。  一方、硬式ボールが硬いため、公園利用者にボールが当たった際の事故の危険性から、公園にある球場では硬式野球は少年の小学生のチームでもプレーすることができない状況となっておりますが、軟式と硬式ボールの硬さの差が少なくなっていることを考えると、公園に設置されているグラウンドにおいても、安全対策を強化することによりプレーが可能となると考えます。  そこで二点質問いたします。  一点目に、バックネット裏や内野側面へのファールボールがグラウンド場外へ出るケースが多く、その対策を進めることが、場外への飛球を防ぐことに有効だと考えます。例えば既存バックネットへ天井ネットを設置する、移動式のバッティングゲージを用意するなどの対策を講じることで安全性を高めることができると考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、区がグラウンドでの安全対策を強化することで、小学生の硬式野球チームもプレーすることが可能と考えます。これまで求めてきたJ&Sフィールドでは、小学生の硬式野球チームも練習ができるように取り組んでいただいたことは大変評価をしております。しかし、プレー場所が非常に限定されている事実は変わりません。区立公園内のグラウンドについてもバッティングゲージを用意し、小学生の硬式野球チームの練習は可能にするなど、安全対策を取りながら利用制限を緩和すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、旧保健センター跡地の活用について御答弁いたします。  旧保健センター跡地について、跡地における建物と土地は世田谷区医師会と世田谷区とで区分所有しており、活用の方向性については平成三十年度から世田谷区医師会と協議を開始し、既存施設の解体、除去、跡地の売却などについて現在も引き続き協議を進めているところです。御指摘の太子堂地区を含め、児童館未整備地区の整備計画を令和四年度を目途に策定をいたします。  なお、旧保健センター跡地の活用の方向性の決定には時間を要することなどから、現時点において、当該地への児童館の整備は難しいものと考えております。  令和元年度の若林地区での車座集会の中でいただいた御意見に対しては、当時政経部長をしていた私から、区分所有者である世田谷区医師会と跡地の扱いについて協議中であること、また協議の進捗を踏まえて検討する旨をお答えさせていただいております。一定程度、跡地の取扱いの方向性が見えた段階で、近隣の皆様や関係者にはしかるべき御説明をさせていただく必要があると考えております。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは二点、まず池尻中での活動場所について御答弁いたします。  旧池尻中学校跡地活用事業では、校庭、体育館も活用することで、子どもから大人まで広く区民に開かれた場、地域コミュニティーの場、区民と事業者の交流の場、新しく事業に挑戦する方のテストマーケティングの場としていきたいと考えております。  現在、休日や放課後にグラウンドを使用している活動団体からは、これまでも御意見、御要望をいただいており、本年一月にもその団体を含むPTA関係者と面談し、アンケート結果等をいただきました。引き続き団体やPTA、学校関係者と対話を重ねるとともに、今後事業を進めるに当たりましては、平成三十年三月に閉校した北沢小学校の事例などを参考に、団体活動の代替場所等を確保できるよう調整してまいります。  次に、テストマーケティングについてです。  旧池尻中学校跡地活用において、既存産業の活性化や起業、創業を支援するためには、事業者のチャレンジショップや体験型コンテンツなどのテストマーケティングをはじめ、区民と新たな事業に挑戦する事業者との情報収集や意見交換は大変重要であると考えております。昨年七月に実施したサウンディング型調査におきましても、校庭と体育館を一体的に活用することで、区民、入居事業者や関係する企業などとの交流、事業連携、先端技術などの社会実証の場として、有効性があると示されました。  今後こうした場が区内各所で展開されることは、地域産業活性化に寄与するものと考えられます。御提案の区立公園等の活用もその一つとして考えられますが、まずは旧池尻中学校跡地活用における取組を中心に据え事業を進めていきたいと考えております。  私からは以上です。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは二点御答弁いたします。  まず、Park―PFIの活用についてです。  現在、玉川野毛町公園において、Park―PFIや公園施設設置管理許可制度を活用した飲食や物販店などの便益施設誘致に取り組んでおります。三月にサウンディング型市場調査を実施すべく準備を進めているところでございます。  既存の公園においても、Park―PFIなどの活用は利用者が多く、事業の採算性が見込める大規模な公園が対象となり、世田谷公園などが可能性の高い候補地になります。既存の公園における民間施設誘致については、現在進める玉川野毛町公園でのケースを検証し、効果的に進めていく考えでございます。  既存の公園では、例えばこれまで培ってきた地元商店会などとの関係を十分に生かし、対話を重ねながら地域のにぎわいにつなげていくなどの取組が必要であると考えております。今後につきましては、周辺事業の動向にも注視しつつ、地域との関係を大事にしながら、ノウハウを生かした事業展開を検討してまいります。  続いて、区立公園の野球場についてです。  公園所管で管理する区立公園内の野球場は、世田谷公園のほか三か所あり、飛球に対する安全対策として、公益財団法人日本体育施設協会発行の指針を参考に、高さ三メートルを超える防球フェンスで囲っております。しかしながら、特にファールボールとなる打球は高く上がることが多く、九メートル程度の高さがある世田谷公園においても場外に飛び出してしまうことがある状況でございます。また、球場を二面で使用している場合は、利用者同士の安全対策も課題となっております。これらの状況から、区立公園の野球場において、硬式野球で利用する際は安全に配慮できる練習に限られるかと考えます。  今後、公園を大規模改修する際は、フェンスの更新などボールの飛び出しに対する安全対策を講じるとともに、硬式野球利用の可能性についても検討してまいります。また、現時点で改修計画がない公園につきましては、議員御提案のバッティングゲージの設置なども含め、他球場の事例なども参考に検討してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童館未整備地区における整備について御答弁申し上げます。  児童館につきましては、地区における子どもの見守りなどの支援を行う中核としての役割を果たしていくものとしており、地域包括ケアを推進する観点からも、地区ごとに整備することとしております。整備候補地につきましては、児童館の機能を担うために必要な面積を確保するため、敷地規模の大きな学校施設の改築等の機会を捉えて複合化を図ることを基本にしつつ、未整備地区内における他の公共施設などの改築、改修の機会や跡地活用も含め、幅広く柔軟に選定してまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、野球のファールボール等の安全対策につきまして御答弁申し上げます。  軟式野球のボールにつきましては、近年、規格が変更され、以前に比べボールが硬く弾みにくくなった一方、飛距離が出るようになり、安全対策はこれまで以上に重要であると認識をしております。区の野球場では、各施設の状況に応じてフェンスや防球ネットを設置するなどの安全対策を行っておりますが、多くの野球場では軟式野球のみを利用としており、硬式野球ができる野球場といたしましては、多摩川緑地広場及び小学生等に限定して大蔵運動場とJ&Sフィールドがございます。  区といたしましては、野球場の広さや既存のフェンスの形状、周辺環境などを踏まえ、御提案のバッティングゲージなど効果的な対策を検討し、特に御指摘の大蔵運動場につきましては、大蔵第二運動場を含めた再整備計画の中で飛球に対する安全性をより高めてまいります。  以上です。 ◆十九番(津上仁志 議員) 御答弁ありがとうございます。要望と再質問をさせていただきたいと思います。  まず、旧保健センター跡地の活用についてなんですけれども、児童館の整備は医師会との協議に時間がかかるため難しいという御答弁だったんですけれども、であるならば、区の所有分の敷地だけでもぜひ検討を進めていただけないかなというふうに要望します。  また児童館、これから地区内に二つある児童館をどうするかという議論も出てくると思います。その中で、整備が地区内に難しいというところにどうするかという議論も、ぜひその検討に合わせてしていただきたいということを要望しておきます。  できれば、世田谷地域にはないアップスのような青少年交流センターであれば、保健センターの跡地でも敷地の面積を見ても可能であるんじゃないかなと思いますので、これも併せて要望しておきます。  質問は二点なんですが、旧池尻中学校の跡地活用事業について二点なんですが、まず一点目に、北沢小学校の事例を参考にとおっしゃったんですけれども、あちらは三年かけて何度も話合いをした結果できた事例だと思います。片やこの事業については、たった一回行われただけで、しかも一月にやった協議についても、保護者側から要望してできた話合いだったと思います。答弁についても、私が八か月前にした質問と全く変わっていないような答弁をされていますので、これではちょっと納得できませんので、しっかりと確保するということを明言していただきたいと思いますので、もう一回質問させていただきます。  もう一点は、チャレンジショップなどなんですけれども、区立公園で実施した上で、その結果を見てこの事業に有効だからやるということであればまだ話は分かるんですが、何もやっていない状況でサウンディング参加団体から有効ですよという話だけ聞いて、それでやりますよではあまりにも無責任な対応だというふうに思います。まずは、今ある資源でやってみてどうかという検証をするとか、そういう必要があると思うんですけれども、もう一回再考すべきだというふうに私も考えるんですが、このあたりについてもう一点伺いたいと思います。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  まず、一点目、北沢小学校の事例にということでお話しさせていただきました。廃校に至る過程で長い年数をかけられて、一方、池尻中の場合はもう既に廃校している状態ということで、年数の比較はなかなか難しいと思っていますけれども、区としては直近で行われた活動団体のほかの場所へのどういった形での活用の方法があるのかという御提案は、北沢小学校が事例になると考えていますので、この事例を参考にしながら、今あらゆる活動団体の方がいらっしゃいますけれども、そういった方と対話をしていきたいと考えております。  もう一点目が、チャレンジショップにつきましては、チャレンジショップはいろんな形態があり、飲食などのやり方は非常に分かりやすい事例で、公園などでもやれるような状況ですけれども、それ以外のことについて、産業面であらゆるものができると思っていますので、まず池尻中学校での活用の検討というのは進めていきたいというふうに考えています。  以上です。 ◆十九番(津上仁志 議員) 全く答弁していただいていないんですが、まずはしっかり場所を確保するのかどうか、そこをもう一回答弁していただきたい。さらに、公園の中では飲食店と言いますけれども、イベントなんかであれば別に物販してもいいわけです、フリーマーケットもやっているわけですから、そういう取組の方法もあるんですが、そういう検討はされたんでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  北沢小学校の事例ということでお話しさせていただきました。池尻についてもそれと同様のやり方を考えていきたいと思っています。  それからもう一点目、チャレンジショップにつきましては、池袋の再開発のイケ・サンパークのほうとかその辺の視察をしております。そういったところでの物販中心のやり方というのは一つ有効的なのかなと考えていますけれども、それ以外の物販以外のいろんな製品、それからサービスを使った上でのテストマーケティングが、イベントというよりは常態としてできるのかどうかというのも議論の一つというふうに考えています。その中で、そういったものができる可能性があるということで、池尻中学校では考えております。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で津上仁志議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時三十六分休憩    ──────────────────        午後一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十三番羽田圭二議員。    〔四十三番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初に、持続可能な地域経済に向けて幾つか質問いたします。  政府は昨年から新しい資本主義実現会議を設置し、今後の日本経済の在り方について議論を開始しています。DXの推進や働き方の変革、地方創生などの項目を掲げ、新たな経済の在り方を提案しているのが特徴です。この背景には、全てを市場に委ねる経済の在り方が貧困と格差を拡大し、地球環境に大きな悪影響を与えており、この進行を止めなければ資本主義経済は維持できないという強い危機感があると言います。  産業構造の変化とともに、産業別の就業者構成の割合も変化し、第一次、第二次産業の就業割合は減少したまま推移しており、サービス業においては多種多様な企業参入が続き、そこで働く労働者が増加をしています。  こうした変化を見据えた地域経済政策や就労・就学支援の在り方が問われています。その一つとして、持続可能な経済に向けて、個人の生活保障と経済活動への参加を保障することが欠かせなくなっています。  個人の生活保障の課題では、制度のはざまで必要な支援が受けられない方への支援の在り方が問われています。コロナ禍における経営や就労状況の悪化による個人の生活への影響が浮き彫りになる中で、改めて生活保障の在り方を選別主義から普遍主義に置き換えていく必要性が増しています。  区は、教育総合センターにおいて、高校中退者の相談体制の強化を行うとしていますが、やり直しの機会を保障することも視野に入れることが必要です。高校授業料の無償化は所得制限の下で実施され、国家試験資格取得のための各種学校などにも適用されますが、高卒程度認定試験等を受験するための通信教育等の費用は、ひとり親家庭への支援があるものの、多くは自己負担となっている現状です。負担軽減に向けた対応が問われていないでしょうか、区の見解を伺います。  東京都は高校生相当年齢までの医療費助成を予算化しました。区はゼロ歳から中学校卒業までを対象に医療費助成を行っています。東京都が高校生相当年齢までの医療費助成を行う場合、二十三区が各区の負担にならぬよう都に求めるべきです。区の見解を伺います。  次に、個人の経済活動の保障の課題です。  地域産業の発展に向けて、既存産業支援と起業創出支援が求められていますが、既存産業支援の課題の一つに建設業支援の課題があります。コロナ禍において自宅での生活時間が延びる中で、訪問によるセールスが増え、中には悪質な訪問商法によって被害を受けるケースもあります。事業者が屋根の上に上り、家主に見えないところで屋根を一部破損し、それを写真に撮って見せ、必要のない屋根工事を迫るというリフォーム詐欺もあると言います。これらを防止するための事例の周知とともに、区内事業者との連携による被害防止策が問われていないでしょうか、区の見解を伺います。  今年十月から労働者協同組合法が施行され、労働者が新たな仕事をつくり運営する機会が増えるとともに、地域の需要に応じた事業の実施などが期待されています。さらに、フリーランスや第三次産業で働く方々の支援の課題です。例えばフリーランスは、個人事業主として労働関係法令が適用されませんが、事業者の指揮監督下の労働や時間単位の報酬決定などがある場合は労働者性を認め、労働基準法が適用できるとするガイドラインを国は設定をしています。  産業構造の変化とともに、労働の規制緩和が進められ、自由と人権を保障するというような触れ込みとともに、多種多様な働き方が生み出されています。そこで、今後の起業支援では、働く人全てが働きやすく、やりがいの持てるよう、労働環境や雇用関係の改善に向けた支援が必要であり、旧池尻中学校の活用が期待されています。区の見解を伺います。  さて、全てを市場に委ねるという考えとともに、官から民へと公共サービスの効率化、コスト削減が言われ、民間委託、民営化が進められてきました。小学校の学校主事の業務委託については改めて異議を申し上げます。児童の健全育成、突発的な対応など、子どもたちと向き合う職員間の協力、これが欠かせない学校運営全体から見ても、業務委託はなじまないと考えます。  そこで区は、公共の責任と役割、災害時の対応や福祉、教育との連携についてどのように考えているのか、区の見解を伺います。  公共サービスにおける業務委託契約の困難さは、区が委託契約先の事業者と労働契約を結び働いている労働者は、区が雇い入れた労働者ではないことから、区の職員はその労働者に対して指揮命令権はありません。改めて業務委託における職員と委託先労働者との関係で偽装請負になっていないかも含め検証し、どのような場合に偽装請負になるかなどの周知徹底が求められています。区における業務委託契約に関する区の認識を伺います。  次に、インクルーシブ教育の現状と課題について質問します。  東京都は令和三年三月に、特別支援教室の運営ガイドラインを作成し、原則の指導期間は一年間とする旨の内容を示しました。特別支援教室の普通学級で一緒に学ぶといっても、情緒障害学級とかすまいるとか一つの学級で学ぶとなっていない現状があります。みんなが一緒に学ぶためには、教員の配置とともに障害理解に向けた教員研修の強化が必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。  イエナプランをモデルとした中里小学校の取組では、異学年学級編制の際の教員配置や周辺校との連携の在り方など、幾つかの課題が明らかになっています。今後の区の対応を伺います。  最後に、災害対策と公有地の活用について伺います。  東京都は昨年三月、東京水道施設整備マスタープランを発表しています。今後、東京都は都内にある浄水場や給水所の更新、整備などを進めていきますが、区内の玉川浄水場については廃止提案が出されております。  玉川浄水場は、一九六〇年代の高度経済成長の下で、多摩川の水質汚濁によって飲み水として適さないとされ、それ以降は工業用水として利用がされてきました。区民生活にとって欠かせない水道事業は、地震や気候危機の進行に伴う風水害、渇水、水質悪化などのリスクの下で安定給水を確保することが求められています。  そこで、玉川浄水場施設の区部南部の水源確保、給水所拠点として維持するとともに、都の浄水場や給水所の災害時における緊急給水所としての機能を生かすべきと考えます。区の対応を伺います。  また、今後の都有地の活用については、旧都立玉川高校を含めて、公共施設として活用できるよう区の積極的な対応が必要と考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず、高等学校卒業程度認定試験受験に向けた支援について御答弁申し上げます。  現在、学び直しの支援としては、各総合支所子ども家庭支援センターにて、通信制講座を含めた講座の受講費の一部を交付する、ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業を実施してございます。この事業は、基本的には国の制度を活用して実施しており、国制度としては、ひとり親家庭の親とその二十歳未満の子どもを対象としておりますが、区では独自に対象を拡大し、ひとり親家庭の子どもについては、三十九歳未満として事業を実施しております。  全ての子どもが等しく学び、夢や希望を持つことができる環境の整備が必要であり、ひとり親家庭に限らず、あらゆる子どもの学び直しの機会を充実させていくことは大切であると認識しております。今後も必要な支援について、財源等も含め広く検討してまいります。  次に、高校生相当年齢までの医療費助成の各区負担について御答弁申し上げます。  先般、都では子育て支援の充実のため、高校生相当年齢への医療費助成制度の開始に向け、現行制度の義務教育就学児医療費助成を参考に制度構築し、令和五年度に実施することを公表しております。現行制度は国の社会保障制度ではなく、各市町村が実施する乳幼児等に係る医療費の助成援助について都が要綱に基づき補助しておりますが、特別区においては都からの補助ではなく、都区財政調整交付金で一部算定してはおりますが、区の一般財源からの支出としております。  高校生相当年齢への医療費助成制度の開始に向けては、現行制度も含め、特別区の負担とならないよう区としては都に対し要望し、特別区の意向としても伝えられるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは二点、まずは建設業支援について御答弁いたします。
     区民に身近な建設業の育成は、安心安全な区民生活を支える上で重要と考えており、産業振興基本条例の改正案では建設業を都市基盤や区民の生活基盤を支える重要な産業と位置づけ、その振興を図ることとしています。  お話にあった必要のない住宅屋根工事の訪問営業については区内建設事業者においても同様の問題意識があり、区はR60―SETAGAYA事業において、地域貢献したいシニアとのマッチングによりドローンを使った屋根診断を始めるなど、地域から信頼される建設業となるための支援をしています。  今後、地域経済の持続可能な発展を目指す産業振興基本条例改正案の理念に基づき、ハンズオン支援や人材確保、研修助成など建設業への支援の取組を強化してまいります。  次に、フリーランスなどの支援についてです。  産業振興基本条例の改正案では、誰もが自分の個性や能力を発揮できる働きやすい環境を整備することや、地域の特性を踏まえた起業を促進することで、多様な働き方の実現につながることなどを基本方針として掲げました。一方で、コロナ禍においては、個人事業主やフリーランスの方など、雇用条件や仕事の減少で生活が厳しくなる方もおり、ぷらっとホーム世田谷での各種支援、また、国や都の給付金など申請のサポートを産業振興公社で行うなど、様々な支援に取り組んできました。  最近では、仕事の幅を広げたい、地域課題を解決したいなどのニーズも挙がっており、区では業態転換の支援やSETAGAYA PORTなど地域課題解決を目指す方が参加しやすい仕組みづくりにも取り組んでいます。  今後、旧池尻中学校での新たな産業活性化拠点においては、個人事業主やフリーランスの方が交流し、学べる環境等を整備し、多様な働き方の実現に寄与してまいります。  私からは以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、三点御答弁します。  初めに、公共の役割についての認識でございます。  公共の役割の基本は住民福祉の向上であり、区は区民ニーズをしっかりと捉え、必要なサービスを提供するとともに、その質の向上を追求し、地方公共団体としてその役割を広く担っているものと認識しております。区はその役割を果たすべく様々な事業を行っておりますが、事業の性質、内容によっては区の職員が直接行うよりも民間企業等のノウハウや資源の活用によりサービスの向上を図れる場合もあり、そのような場合は区の責任主体の下、民間の事業者に委託をし、事業を行っております。  現在多くの事業で事業者への委託を行っておりますが、委託する場合は単にコスト面、効率化のみに偏ることなく、しっかりと住民福祉の向上に寄与するよう行政の責任を明確にし、質の確保に十分留意することが重要であると考えております。  次に、委託に関しての業務請負の指揮命令に関する認識です。  現在区が行っている民間事業者の委託の多くは、請負契約の仕様に基づき事業者が業務を行う業務委託契約であり、このような契約では、区が現場の従事者に直接業務上の指示命令はできないことから、いわゆる偽装請負となります。区はこうした認識の下、民間活用に際して各業務の特性を踏まえ、委託内容を明確にし契約を行う必要があるため、改めて庁内に周知徹底を図ってまいります。また、業務委託が偽装請負とならないよう、委託開始後も各所管にて業務内容を検証しながら適切に対応するよう促してまいります。  最後に、区内都有地の活用についてでございます。  区内都有地の活用について、区はこれまで都立梅ヶ丘病院跡地を取得したうめとぴあの整備、国家戦略特区を活用した都立公園での保育施設整備、都営住宅建て替えによる創出用地を活用した保育施設、高齢・障害者施設の整備など、東京都の協力の下、様々な活用を行っております。また、このたび和田掘給水所の上部及び敷地について、区民に親しまれる施設となるよう活用を要望し、整備を進めていくところでございます。  お話しの都立玉川高校は、現在仮設庁舎、それからワクチン接種会場として活用しておりますが、その後の活用の可能性については、関係所管部とも引き続き検討を行い、東京都との調整時期を打診してまいります。  玉川浄水場の御指摘もございましたが、都有地は大規模敷地が多く、区内にある貴重な公有地となっております。今後とも都有地の情報収集に努め、跡地や創出地が見込まれる際は、行政需要や地域ニーズ等を踏まえて活用の必要性を判断し、東京都へ積極的に働きかけを行ってまいります。  以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  一点目、インクルーシブ教育の実施に伴う教員の配置及び教員研修の強化についてでございます。  世田谷区におきましては、教育総合センターにおける学校支援及び教員支援の機能を生かし、障害の特性等に関する理解や特別支援教育に関する基礎的な知識、合理的配慮についての理解に向けた教員研修を充実させてまいります。特にこれまで特別支援学級等での指導の経験のない教員が異動等により配置されている状況もあることから、特別支援教育に関する研修は重要であると認識しております。  今後は通常の学級とすまいるルームの連携に重点を置いた特別支援教育研修や、障害の特性に応じた指導方法の工夫等に重点を置いた研修を夏季教育課題研修の一つとして実施するなど、全ての教員の特別支援教育に関する専門性を向上させてまいります。  次に、イエナプランの今後についてお答え申し上げます。  中里小学校につきましては、今年度、世田谷区教育委員会研究指定校として、異学年児童の交流というテーマで教育研究に取り組んでおります。本研究の成果といたしましては、児童同士の学び合いが促されたことや、いつも発言しない子が異学年での学習の中で積極的に発言していたという児童の変容が報告されております。一方で、子どもの実態に適したグループ編成の難しさや多様な学習活動があるため、教員が授業準備の時間を十分に取ることができないなど幾つかの課題があることも認識しております。  今後は、今年度の研究で得た成果と課題を踏まえ、複数の学校を研究校に指定し、異年齢集団を大切にした学びの効果について検証してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、災害時における給水拠点について御答弁申し上げます。  災害時における給水拠点につきましては、区の地域防災計画上、都が指定した区内外十四か所の浄水場や給水所、応急給水槽等において区民への給水活動を行うこととなっております。  お話しの玉川浄水場につきましては、現在水道事業を休止しており、東京水道施設整備マスタープランでは廃止となる計画でございますが、その後も災害時の給水拠点機能は残す予定であると東京水道局に確認し聞いてございます。災害時における飲料水の確保は生命を維持する上で極めて重要であることから、引き続き東京都や区民防災組織等と連携いたしまして、お話のありました給水拠点の機能を生かした給水体制や手法の検討、応急給水訓練の実施などについて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初に質問いたしました生活支援の課題で、高卒認定試験等の通信教育費用の支援について伺いました。ひとり親家庭の親と子どもを対象にしているということで、一定の改善の方向が得られているのかとは思いますが、実際の利用実績、これが極めて少ないということを伺っております。最近の数字でも、一件とか二件とかといったような状況があると思うわけですが、制度上のハードルの高さが一点あるんではないかというふうに思いますが、この点についての区の見解を求めたいと思います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の利用実績が少ないのではないかという再質問にお答え申し上げます。  ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業は、講座の受講料の六割を支給する制度でございますが、支給のタイミングとしては受講を修了した場合に四割を支給し、試験に合格した場合に残りの二割を支給するという制度になってございます。このように受講を開始するタイミングでは支給していないため、利用者が一旦は受講料全額を負担する必要があり、利用実績が少ない背景には、こういった制度上のハードルも要因の一つではないかと認識してございます。  令和四年度には、国の制度改正により、受講開始時に受講料の三割を支給し、受講修了時に一割を支給するように変更される予定で、受講開始時に利用者の負担が軽減されることで利用につながりやすくなるものと考えてございます。  以上でございます。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初の答弁の中にもありましたが、ひとり親家庭に限らず、あらゆる子どもの学び直しの機会を充実させるということが必要だと思っています。その意味では、この間主張しておりますように、所得制限などで選別した支援ではなく、支援される側と支援する側との分断を生まない、そういった普遍主義に向けた制度改善を求めておきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十六番河野俊弘議員。    〔十六番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆十六番(河野俊弘 議員) 質問通告に従い、順次質問します。  初めに、せたがやPayについて伺います。  昨年の第二回定例会においても、せたがやPayについて質問をしてまいりました。そのときの質問では、区の共通通貨として、住民票等様々な公的書類の発行手数料や公共料金、施設使用料などの納付に利用ができるようにしていくこと、民間では成し得ない価値を創造していくべきと訴えてまいりました。  しかしながら、今定例会にせたがやPay関連の当初予算にて、自治体DXの推進に関わる予算として、くみん窓口及び出張所へのキャッシュレス決済の導入、特別区税等の電子マネー決済の導入の項目が出てまいりましたが、ここには残念ながらせたがやPayの文字がなく、非対応であるとのことでありました。せたがやPayの普及に向けた取組を進めていくことは、地域経済の活性化はもちろんのこと、区民目線で世田谷区民だから使える特別な機能を持ち合わせ、より幅広い年代の方に寄り添ったものでなくては普及促進につながらないと考えます。  経済産業省が公表したキャッシュレス・ビジョンの、二〇二五年までにキャッシュレス決済比率を四〇%に、将来的には世界最高水準の八〇%を目指す。そのような中で、区独自のキャッシュレスシステムについては、他民間のキャッシュレスシステムと同じ土俵、同じ分野での競争相手になるのではなく、官民がそれぞれで創意工夫を凝らした方策を通じて、区内はもちろん社会全体のキャッシュレス普及拡大を図らなければなりません。  この間、区はせたがやPay関連事業として、ポイント還元やシステム導入補助金を設けるなど、各店のキャッシュレス決済の導入実績が既にある中で導入店舗を増やしてきているものの、それに比例してせたがやPayの利用者は増えているのでしょうか。  利用者側にとってより使いやすい機能の拡充、チャージ方法について、アプリ内でのクレジットカード決済、ネットバンキングからのオートチャージ機能を含むオンラインでのチャージ方法の拡充、あるいは地元信用金庫各社を含む各社銀行窓口やATMでのチャージ対応、せたがやPay加盟店での店頭チャージ、さらには、区内二十八か所まちづくりセンターにてチャージができるチャージ機を設置するなど、チャージ方法の多角化についても、どの程度進み、具体的にどこまで目指し進めていくものか明らかにして進めていくべきであります。  利用先についても、区共通通貨としての認識を明確にし、住民票等様々な公的書類の先ほど言った発行手数料、公共料金、施設使用料などの納付ができるようにしていくこと、民間ではなし得ない区内共通通貨としての付加価値を創出し、消費者目線、区民目線に立った区内共通通貨として目指すべきものを示すべきであります。区の明快な答弁を求めます。  次に、コロナ禍における学校運営について、今回は主にこの間、区内小中学校の学級閉鎖の状況及びその対応状況について伺います。  第六波による感染者拡大に伴い、現在、授業の選択制等も始まっているが、オンラインでの学習が増えている今まさにオンライン授業の強化充実が求められています。オンライン授業の現場からは、児童生徒がまだ日常的にその環境に慣れていないこともあり、疲れやすく、一日二こま程度が集中力の限界であるというふうな声も聞きます。  オンラインでの学習は学び合い、相互のやり取りは難しく、通常の学びと同じようにできないのが現実でありますが、時間を分けて少人数のグループで実施するなど、各学校で工夫しながら進めている学校もあると聞いています。学びを止めないという観点で進めていくために、これまで約二年に及ぶコロナ禍での学習環境の整備には、随時対応をしていかなければなりません。  そのような中、目下の課題として改善していくこととして、Wi―Fi環境の整備、この点においては、一度緊急事態宣言下での休校期間を経験したにもかかわらず、今なお通信容量が足りずつながりにくい状況やラグが出てしまう。第六波においてのオンライン授業を選択する生徒が増えてきた現状、再度対応できていないことが浮き彫りとなりました。  各家庭での通信環境によるものもありますが、根本的に学校の通信キャパオーバーによって、学年合同で進めなければいけない学習内容で、その際につながりにくい状況が出てきています。早急に対応すべき問題であると考えますが、区の見解をお聞きします。  あわせて、昨年度に一人一台タブレットの支給がなされ、新たな学校運営を進めていく上で、教員の負担軽減については置き去りになってしまっているのではないでしょうか。教員一人一人の負担は増すばかりであります。大中小零細問わず、各企業のコロナ禍における対応としてリモートワークの取組は今や当たり前となりつつあります。教員が学校に行かなくても事務作業ができるようにすることや、多様な働き方により業務負担を軽減する観点についても早急に全校展開していくべきだと考えますが、あわせて区の見解を問います。  最後になりますが、プラスチック資源循環施策についてお聞きします。  昨年の十一月に区民生活常任委員会の報告にて、今後のプラスチック資源循環施策の報告がありました。その中身は、本年四月より施行されるプラスチックに係る資源循環の促進等に関わる法律により、これから家庭より排出される使用済プラスチック製品の分別回収や再商品化が努力義務と定められていること、東京都として二〇三〇年までに廃プラスチック焼却量四〇%を目標としているという報告であります。  区は現在の使用済プラスチック製品の扱いは可燃ごみとして収集しておりますが、他区を見てみると、二十三区中十二区が既にプラスチックの分別回収を行っており、そのほかの数区でも一、二年以内に実施検討していると聞いています。  しかしながら、実際にプラスチックリサイクルの手法によっては再商品化事業者に引き渡す際の費用として約二十億円もの事業費が発生することに加えて、分別収集の人員体制や再商品化をするための施設整備等が大きな課題であり、現在の区の状況を見ると容易に進めることができない非常に難しい問題が山積しています。  こうした取組を調査研究していく上でより正確な情報収集が必要であるとともに、仮に分別収集になれば、区民一人一人に新たな行動を求めていかなければならないことになるがゆえ、区民周知の在り方についてもより丁寧にしていかなければなりません。分別収集だけの問題にあらず、廃プラスチック焼却量削減については、現在区の水準はどれほどのものなのか、その目標について区はこれからどのような行動を示し進めていくのか、実際の数字で示していくことも必要なのではないでしょうか。  これまで区は、組成調査によってプラスチック量を想定しているところですが、現在主にスーパー等民間企業においてプラスチック再利用収集を行っているところも数多くあり、民間の取組状況の把握は、実際に区内のプラスチック量を把握する上で重要であるとも考えます。今後、より民間に対して協力を求めていくことも必要ではないかと思います。  さらには、プラスチック焼却量削減に向け分別収集を区単独で行ってしまえば、近隣区からのごみの持ち出しや持込みの問題が想定されることからも、近隣の区と歩調を合わせて進めていく検討も必要であります。その調整についても議論を深める必要があると思います。  プラスチック分別収集等、これからプラスチック資源循環の取組を進めていく上で、これらの問題を整理し、これからの区の考え方について見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 経済産業部長 私からは、せたがやPay関連御答弁いたします。  区民、消費者の目線でせたがやPayを使いたいと思うためには、まずは便利であることが重要であり、そのためには、お話しの行政サービスの決済も含め、日常的に買い物する店舗などや利用できる場を拡大することが先決と考えています。引き続き加盟店を増やす取組や区の他所管への働きかけを行い、利用場所の拡大に努めてまいります。  また、消費者にお得感を持っていただけるよう継続的なポイント還元を実施するだけではなく、各店舗のクーポン発行や前払い式のチケット発行などの機能も今年度内に追加いたします。さらに、せたがやPayにしかない特徴ある活用方法として、せたがやPayを使って地域の子ども食堂を寄附で応援したり、クラウドファンディングでお店の新商品開発を支援したり、商店街のイベントの協力者への感謝の気持ちとしてポイントを贈ったり、地元を応援したい、困っている人を助けたいという思いがある方を後押しするツールとして活用を図るなど、付加価値的な活用方法も商店街振興組合連合会と連携して広げてまいります。  私からは以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学級閉鎖とその対応についてお答えいたします。  現在、学校では感染症対策の徹底に努めておりますが、日々、百人前後の感染者の発生報告があり、感染拡大防止のため一定の基準に該当する場合には学級閉鎖を実施しております。学級閉鎖の基準は、保健所とも相談の上、原則として同一の学級において連続する四日間のうちに二名以上の陽性が判明した場合に閉鎖することとしており、閉鎖期間はオミクロン株の潜伏期間の中央値が三日程度と考えられていることを参考に、陽性判明の翌日から三日間の閉鎖としております。  なお、令和四年一月以降の学級閉鎖の状況ですが、二月二十二日現在で、小学校二十四校三十三クラス、中学校四校七クラスとなっており、これまでに小学校六十一校の全校で延べ三百九十四クラス、中学校二十九校のうち二十五校で延べ七十七クラスが学級閉鎖になり、学年閉鎖は中学校二校で各一学年となっております。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、Wi―Fi環境の整備状況及び教員の業務負担軽減につながるリモートワークについてお答え申し上げます。  区では昨年度、一人一台のタブレット端末導入と併せて、区立小中学校のネットワーク環境の整備を行い、全九十校の全ての学級においてタブレット端末でインターネットが利用できるようになりました。一方で、新型コロナウイルス感染症第五波に伴う二学期のオンライン学習や、このたびの第六波に伴うオンライン学習において、ネットワークがつながりにくい、遅延が発生するなどの御意見もいただいており、現在ネットワークの増強を進めております。増強作業を行った学校では、多数の端末を同時接続しても支障なく利用できるようになっており、極力早期に全校で増強を完了できるように作業を進めております。  また、コロナ禍のような状況において、教員が学校に行かなくても事務作業ができるようにすることや、多様な働き方により業務負担を軽減する観点から、教育DXに向けた取組の一つとして、教員のリモートワーク環境の整備を予定しております。来年度から学校と協力して検証を進め、教員の働き方改革の一環として取り組んでまいります。  今後ともICTの持つメリットを十分に活用して、コロナ禍においても子どもたちが安心して学べる環境づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎辻 清掃・リサイクル部長 私からは、プラスチック分別回収の課題など、区の考え方についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、プラスチックの分別収集に当たっては、収集やリサイクル手法によっては、年間約二十億の経費増が想定されるなど、コスト面に大きな課題がございます。したがいまして、本区といたしましては、都や国に財政的支援を強く要望しております。また、お話しの分かりやすい区民周知の実施、分別収集の体制や再商品化のための施設整備に加えまして、再商品化手法によって大きく異なるCO2削減効果など、ほかの課題もたくさんございます。  近年の地球温暖化やマイクロプラスチック問題への意識の高まりから、プラスチックの資源循環が求められており、環境に配慮した持続可能な循環型社会を目指す区といたしましては、実効性ある取組を進めていく必要がございます。様々な課題と多数の手法が存在することから、国、都の財政支援策の動向や他自治体の取組を注視しつつ諸課題を整理し、各手法それぞれのメリットやデメリットの比較、評価などを行うなど十分な検討を行うとともに、清掃・リサイクル審議会の審議も踏まえつつ区の対応を決定してまいります。  以上でございます。 ◆十六番(河野俊弘 議員) 一点、再質問させていただきます。  コロナ禍における学校についてということで、今コロナ感染拡大から約二年がたとうとしておりますけれども、コロナ感染者が出てしまったといったときの情報公開の在り方について、今、学校名等も非公開ということで進めているわけですけれども、地元の住民の方から、地元の学校で何が起きているか分からないといったような声があって、実際のところその保護者の方だったりとか地域の方から話づてでどこの学校で出たというのは実際に知ってしまうわけですね。なので、一定、地元の住民に対しては丁寧な情報提供等も必要ではないかというふうに思っているんですが、区の見解を伺います。 ◎知久 教育総務部長 再質問にお答えいたします。陽性者が発生した場合の公表の考え方についてお答えさせていただきます。  区が定めている新型コロナウイルス感染者数の公表等に関する考え方によりまして、教育委員会では、学校内で濃厚接触者が特定された場合は、学級閉鎖を決定した場合に当該校の保護者に周知するとともに、施設種別や感染者数を区ホームページに学校名を伏せて掲載をしております。児童生徒の活動は学校内だけでなく、習い事や地域のスポーツ活動など他校の児童生徒との交流も多く、御指摘の学校名を公表することにより不当な差別やいじめにつながるおそれもあると考えられることから、公表には慎重に対応する必要があると認識しております。  教育委員会では、今般の感染者数の大幅な増加に伴い、学校での感染状況を分かりやすく区民に公表するため、感染者を実人数で表すとともに、学級閉鎖の状況も併せて、日々の増減の推移は分かるようグラフでお示しするなど、ホームページの掲載内容を改めたところでございます。  今後も個人のプライバシー保護や学校現場への影響、議員御指摘の公益上の必要性とのバランスも考慮しながら、可能な限り分かりやすい公表に努めてまいります。  以上でございます。 ◆十六番(河野俊弘 議員) 公表の在り方については、個人情報とプライバシーの観点からということで承知をいたしました。ただ、本当にそういった情報の在り方はしっかりと慎重にやっていただきたいというふうに思います。  あと、学校内でのオンラインでの話なんですけれども、増強を行ってラグとかそういう遅延が出にくくなっているということなんですが、実際のところチームズを使ってオンライン授業をやっているときに、画像を出してしまうと重くて、画像を出さないでくださいという形で、児童の顔が見えない形での授業になっているんですよね。なので、やっぱり画像が見えて双方の理解というのが深められる部分というのもしっかりありますから、そういったところも完全に対応ができたということが言えるようになるまでしっかりと進めてください。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは、通告に基づき質問してまいります。  まず、次期基本計画策定に向けてでございますが、国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す国民負担率は、五十年前の昭和四十五年度には二四・三%でしたが、令和三年度は四八%と高齢化に伴う社会保障の負担増加などにより、これまで最大となる見込みです。一方、国の財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は六〇・七%の見込みであります。このような重い負担の現状で考えさせられるのは、負担と再配分の公平性です。  私は世田谷区の人口や世帯の動向を基に、全世帯の五三%に及ぶひとり暮らし世帯や一七%を占める夫婦のみ世帯といった、人口から見ても世田谷区の半分にも達する方たちが具体の行政サービスがないという現状について質問を重ねておりますが、国においてもこうしたひとり暮らし世帯やその予備群で、孤独や孤立感の中で様々な悩みを持っていらっしゃる方々に何ができるかを政策として実行していくため、菅内閣で英国に次いで世界で二番目となる孤独・孤立対策担当大臣を任命し、具体的な支援策などを議論するため、内閣官房には孤独・孤立対策担当室も設置されています。  新型コロナウイルスの影響によって孤独や孤立など、人々が引き籠もる状況が深刻化していることもその背景にありますが、世田谷区などの都市部においては、人口構成に占めるひとり暮らし世帯や夫婦のみ世帯が増加傾向にあり、合わせて七〇%という深刻な状況です。
     また、ひとり暮らしの高齢者は年々増えていて、そのうちの七割は女性です。あるひとり暮らし世帯の当事者の方から、自分の身元を保証してくれる人はいずれいなくなる、保証人がいなければ賃貸への入居を断られるのが現実、ひとり暮らし世帯の自分の緊急連絡先は一体誰なのか分からないといった不安や悩みを聞きますが、どのように解消していくのかも自治体の課題の一つです。  世田谷区として、国の孤独・孤立対策担当大臣や内閣官房の孤独・孤立対策担当室に呼応した所管や施策の展開を期待するものですが、現状、具体の政策は何があるのか。また、今後、次期基本計画などに区民構成の現状に即したこうした視点を取り入れ、具体の政策展開と実現に軸足を移すぐらいの検討をしていただきたいと要望するものです。  また、総務省の自治体DX推進計画では、データ様式の統一化を図り、客観的証拠に基づいて、行政の効率化、高度化を図ることが打ち出されております。すなわち根拠が必ずしも明確でない政策の形成や、その執行を行ってはならないということです。デジタル化により、今後、様々なデータを取得しやすくなりますし、区の統計の資料は、政策決定に向けたエビデンスにもなることから重要と考えます。詳細な転入転出の状況や様々な側面からの数字は、区議会議員をはじめ、区民にとっても、区の現状を把握し、どのように改善する必要があるかを示す指標です。詳細な統計資料の作成を要望するものですが、併せて区長の見解を伺います。  次に、電子マネーについてです。  地域電子通貨せたがやPayへの提案ですが、飛騨市の地域電子通貨さるぼぼコインは二百万円までの高額決済で、現状乱立する全国区の電子通貨との差別化により、地域でのシェアを勝ち取っていると聞きます。世田谷区の地域電子通貨せたがやPayは商連が運営主体で、さるぼぼコインは地域の金融機関が運営主体とのことですから、生い立ちが違うので比較することは難しいこともありますが、現状の十万円の決済上限額を上げる見直しをし、使い勝手や大手の電子通貨との差別化に取り組み、付加価値の増加と区民の利用機会を拡大してはいかがと思い、提案いたしますが、区の見解を伺います。  次に、区民サービスについてです。  区は世田谷区最大のサービス機関でありますが、子どもと一緒に区役所にいらっしゃるパパ、ママが子どもを大変重そうにだっこしていたり、おんぶしている姿を見かけたり、区役所の玄関脇のポールなどにワンちゃんのリードをくくりつけて用事を済ませる区民を見かけるたびに、民間のショッピングセンターなどですら、ベビーカーやペットカートを貸し出して利便性を向上させているのに、来庁する区民への配慮が足りないように感じます。本庁舎や総合支所などに貸出し用のベビーカーやペットカートの設置を要望いたします。  また、併せて、性差のない子育て環境の整備のために有効とされる男子公共トイレへのおむつ替え用のベビーベッドやベビーチェアの設置を求めますが、所管はともに検討しないとのことでしたけれども、区長の見解を求めておきます。  次に、保育サービスについてです。  保護者から、世田谷区の保育園では一歳から毎日紙おむつに名前を書いて持参すると聞きました。渋谷区では、紙おむつのサブスクリプションサービスが利用できるようになったと聞きます。世田谷区の区立保育園でも同じようにサブスクリプションサービスを利用できるようにしていただくことはできないでしょうか。記名する親の負担だけでなく、並べられたおむつの中からおむつを探す保育士さんの負担や、何度もおむつを触って記名を確認する点で衛生面でもデメリットが大きいように思いますというものです。実施を要望しますが、区の見解を伺います。  また、他の五歳と四歳の子どもがいる保護者からは、世田谷区の保育園では年長までお昼寝をしています。保育園の中には、眠れない子は起きていて、静かに遊んでいいよという園がある一方、決められた二時間程度までは、眠れなくてもお布団にいるように子どもたちに強制する園もあります。保育園に、お昼寝が必要でない子どもは昼寝をさせなくてもいいのではと相談しても、休み時間も必要、寝せたら寝るということはまだ睡眠が必要との回答で、聞き入れてもらえません。三歳以降も昼寝をすると、自宅に帰って寝る時間は二十二時から二十三時になってしまいます。無理に寝させられることが子どものストレスにもなっていると思います。先生方の御事情も配慮した解決策があれば、一緒に考えていただくことはできないでしょうかとのことです。見直しを求めますが、区の見解を求めます。  民法改正に向けて。本年四月の民法改正で、成年年齢が十八歳に変更されることに伴い、親権者の同意のない場合の未成年者の取消権の消滅により、十八歳、十九歳が詐欺などの被害に狙われると警鐘を鳴らす報道等がありますが、区として、法的に新成人になる消費者の被害をどのように防止するか、伺います。  我が国の初等中等教育では、お金の話はどうもタブーのようで、現状学習指導要領において、資産としてのお金の管理や投資家としての知識を育成する金融教育の実施が規定されていないことの問題や他国の金融に関する教育の取組と比べて劣っていることが指摘されています。将来、投資の失敗や詐欺に遭わないためにも、金融全般や資産形成に関する知識の醸成など、小中学校での取組が必要です。簡単なファイナンシャルプランナーのカリキュラムの活用等も考えられますが、教育指導課の見解を求めます。  最後に、ワクチン接種についてでありますが、ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応については、以前の一般質問で意見と要望を申し上げましたが、これまでの積極的な勧奨を差し控えていた取扱いが終了し、本年四月から定期接種が再開されます。今後の定期接種に当たっては、個人の意思を尊重するとともに、ワクチン接種機会を喪失した方へのキャッチアップも含め、的確な情報提供を求めるものですが、新たな視点として、男性への任意接種の情報提供についても提案しておりますが、区としての検討状況をお聞かせください。  また、検査ももちろん重要です。検査にかかる費用に対する区の補助等の充実を求めるものですが、現状と今後の取組について伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の御質問に答えます。  まず、ひとり暮らしの方が非常に増えている当区における次期基本計画策定との関係について、そして、統計数値のオープンデータ化についてのお尋ねをいただきました。  ひとり暮らしの区民の割合は御指摘のように増加傾向にあり、家族や世帯における支えあい機能の低下が懸念される中、コロナ禍により全国的にお子さんの自殺や不登校が急増し、また、高齢者をはじめとした多くの方が行動抑制を余儀なくされて、孤独、孤立はもはや社会生活のあらゆる場面で起きているものと考えています。社会的に孤立しがちな方が増えることで、将来の介護需要の高まりや、若年層も含めたひきこもりや閉じ籠もりの増加、社会との関わりの低下による生きがいの喪失、あるいは自ら命を絶つ自殺の増加など、様々社会的な影響が心配され、今後の区政運営において大変大きな課題であると認識しております。  区では地域行政制度の見直しを進めていますが、今後身近な地域で受け止め合う居場所や人と人のつながりが重要になってまいります。SDGsの理念でもある誰一人取り残さない社会の構築に向け、セーフティーネットの強化はもとより、地域包括ケアのさらなる深化、あらゆる世代の居場所づくりや就労、社会参加活動の場づくりなどが要求されていると考えております。次期基本計画の検討においては、改めて人口推計を行い、人口の構成をはじめとして、今後の世田谷区の地域社会の見通しなど、様々な角度からデータを分析し、影響を見定めてまいります。  御指摘の転入転出の推移についても、幅広く開示をすることを通して、より正確な実態を区民に把握してもらうよう検討いたします。審議会や区議会の皆様としっかり議論を重ね、情報公開や統計のオープンデータ化を図りながら、命を守る取組を基軸に、必要な施策の実施を準備してまいります。  次に、本庁舎整備、そして、区民への配慮、サービス、ホスピタリティーについてお尋ねをいただきました。  本庁舎整備において、高齢者、障害者、子ども連れの皆さんなど、想定される多様な利用者に配慮した施設の実現を目指しておりまして、トイレに関しても区のユニバーサルデザイン検討会等において専門家や区民の方々に御検討、御助言をいただきながら、設計に反映させてきております。この中でベビーベッドについては、男女共用の多機能トイレのうち、乳幼児連れの来庁者が想定されるフロアを中心に合計十五か所、ベビーチェアについても、区民利用が想定されるフロアの女性用だけではなく、男性用一般トイレ全てに配置する計画としております。子育て環境の充実を図っていきます。  さらに、本庁舎、総合支所におきますベビーカー、ペットカートの貸出しにつきましては、どなたでも来訪して困ることのない窓口環境を整えるために考慮すべき課題であります。一方で、安全性や衛生面への配慮が必要であると認識しておりまして、直ちに実施することはできませんが、今後とも利用者の立場に立ったサービス向上に取り組んでまいります。  引き続き、全ての人に分かりやすく利用しやすい人に優しい庁舎の実現に向けまして、本庁舎整備を着実に進めてまいります。 ◎田中 経済産業部長 私からは二点、まずはせたがやPayについて御答弁いたします。  現在せたがやPayは、チャージ額の上限が十万円となっているため、一度に決済できる金額の上限は、ポイント残額と合わせても十数万円程度となります。他のキャッシュレス事業者の決済額上限を見てみますと、例えばPayPayでは五十万円、auPayでは二十五万円など各社で異なりますが、多いところでも百万円程度となっております。せたがやPayで百万円単位の決済ができるようにするには、ポイントの不正取得や機能拡充を予定している送金機能の悪用、スマートフォン紛失や盗難時の不正使用などの高いリスクが伴います。中小個店での日常的な買物では十万円程度の決済額で十分であると思われますが、電動自転車の購入や自動車学校での教習料金の支払いなど、十万円を超える商品もあることから、一回で決済が済むよう、チャージ額の一定程度の引上げについて、商店街振興組合連合会とも検討してまいります。  次に、十八歳成年についてです。  十八歳への成年年齢引下げについては、未成年者という理由での契約の取消しができなくなるなど影響が大きく、国や都とともに普及啓発を進めているところです。区では、ホームページ、消費生活センターだよりに成年年齢引下げについての特集や若者に多いトラブル事例の掲載、区内大学、専門学校等へのチラシや区立中学校三年生への啓発リーフレットの配布等を行い、消費者被害の未然防止に取り組んでいます。  今後、さらに区広報紙、ツイッター、エフエム世田谷等、各種広報媒体を活用して、消費者被害防止のための情報発信を広く行うとともに、消費者トラブルについての相談窓口である消費生活センターの周知にも努めてまいります。  私からは以上です。 ◎和田 保育部長 私からは、保育について、二点御答弁いたします。  まず、紙おむつのサブスクリプションサービスについてです。  渋谷区では、昨年十一月から、全区立保育園において紙おむつのサブスクリプションサービスの実証実験を二か月間行い、このサービスに満足と答えた方が九割を超えたことから、一月から導入したと聞いております。このサービスは、利用を希望する保護者が企業へサービスを申し込み、企業が保育園におむつを配送し、紙おむつが減ってくると保育園が追加発注する仕組みで、保護者は定額料金を支払うものでございます。世田谷区の区立保育園では、平成二十七年度よりゼロ歳児クラスにおいて紙おむつを区が用意し、廃棄も区が行うなど保護者の負担軽減に努めてきております。一歳児以降につきましては、保護者が登園時に必要な紙おむつを御持参していただいているところです。区のこれまでの取組状況や渋谷区での取組などについて、保護者からの御意見なども聞きながら検討していきたいと考えております。  次に、保育園のお昼寝、午睡についてです。  午睡は園児の体力の回復や脳を休ませたりするものであり、乳幼児期の発達過程や一日の活動において必要なものであることから、保育園では安心して眠ることができる安全な環境を確保する必要がございます。一方で、園児一人一人の在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人により差があることから、一律の取扱いとならないよう配慮が必要であると認識しております。  こうしたことや五歳児の園児については、小学校での生活を見通し、午睡のない生活に慣れていくことも必要であることから、一律の対応ではなく、一人一人の園児に合わせ、柔軟に対応していくことが必要と考えております。  以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、金融教育の実施についてお答え申し上げます。  金融教育は、教育課程上の位置づけを踏まえつつ、各教科等において、それぞれ固有の狙いに合わせて実施されております。例えば社会科では社会生活や経済、歴史等の側面からお金や金融を捉えたり、算数、数学では数理的な処理の技能を生かしたりすることが考えられます。金融を主として行う教科は存在しないため、金融教育と各教科等とを関連づけ、充実を図っていくことが重要となります。  今後は、金融教育に関する指導用資料の提供、児童生徒向けの教材の紹介や金融教育における専門家を招聘する環境整備など、さらなる金融教育の充実に向けて各学校を支援してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、HPVワクチン接種とHPV検査についてお答えいたします。  国は昨年十一月、HPV、すなわちヒトパピローマウイルスワクチンの対象者への接種勧奨を再開するよう区市町村に通知いたしました。予防接種法に基づくHPVワクチンの接種対象は小学校六年生から高校一年生相当の女子ですが、男性への接種は令和二年十二月に我が国で任意接種として認められ、現時点では希望される方に自費で受けていただいております。  また、ヒトパピローマウイルスは性交渉により男女を問わず感染し、男性に多く認められる中咽頭がんや肛門がんなどの原因となることが分かってきました。区といたしましては、性感染症に係る相談事業等において、感染しない性行動の啓発に加えて、ヒトパピローマウイルスに関する最新の情報やHPVワクチンに関する有効性と副反応といったリスクを相談者に情報提供し、御自身の健康に役立てていただくよう工夫をしてまいります。  なお、HPV検査は、子宮頸部から組織を採取して、ウイルス感染の有無を確認するものです。令和三年三月に開催された国のがん検診のあり方に関する検討会では、HPV検査で陽性となった方の経過観察法や精度管理体制について検討されているところであり、区といたしましては、こうした国の動向を注視し、必要に応じて医師会等と協議するなど対応を検討してまいります。  私からは以上です。 ◆十番(あべ力也 議員) それぞれ御回答いただきまして、ありがとうございました。  区長に一点、再質問させていただきますが、全世帯の五三%に及ぶひとり暮らし世帯や一七%を占める夫婦のみ世帯といった、人口から見ても世田谷区の半数に達する方たちへの孤独・孤立対策の具体的な支援策や議論がないという現状を解決し、政策方針や提供するサービスの決定に当たっては、行政の考える対策が住民のニーズにマッチしているかが大事なことだと思います。住民ニーズの把握に向けた調査等がミスマッチを防ぐと思いますけれども、今まで目が向けられていなかったひとり暮らし世帯や夫婦のみ世帯の住民ニーズ調査も詳細に実施していただきたいと思いますが、見解を求めます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えをいたします。  私は、今御指摘のひとり暮らしの方、あるいは夫婦のみでお過ごしの方は、もう区民の中では多いわけですね。伝統的に日本では世帯という単位で住民を把握したり、サービスを提供したりしてまいりました。この世帯イコール家族というふうに考えていた時代が一定程度ありましたけれども、おひとり暮らしの方の家族というのは自分しかいないわけですから、そういう意味で、一人世帯というのは行政用語でありますけれども、一般的には通用しない言葉なのかなと。  御指摘のように、これからの区政の骨格を形づくる上で、御本人、当事者の方がどのように感じられていらっしゃるのか、あるいは孤独や孤立の問題、いざというときの不安の問題、様々だろうと思います。そういうところにしっかり目線を置いた現状把握、その声をいただいていくことは大変重要だと思っております。これらが把握できるようなお尋ねの仕方、調査の方法を工夫して、今後の区民検討会議や区議会の皆さんとの議論、その骨格に生かしてまいりたいと思います。 ◆十番(あべ力也 議員) 以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十一分休憩    ──────────────────        午後二時四十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。  まず、区長招集挨拶についてです。  区長招集挨拶は何のためにあるのですか。私はこれまで二十数回、予算議会を経験していますが、今回のように意味、内容が感じられない招集挨拶は経験したことがありません。招集挨拶は単なる区の事業の紹介の場とお考えなのか。今回の挨拶の中で意味があるとするならば、科学的知見と先を見通した広い視野が必要不可欠と言われ、区政運営の中で計画的、系統的に進めていくことの重要性と緊急事態に機敏に対処する柔軟性が大切だと言われたことだけです。区長は、そのことを念頭に、以下により具体的な区政運営を行うとして各事業の説明をされましたが、区長が指摘されたことが、各事業のどこに、どのように反映されているのか、その気配すらないのはどういうことですか。改めて議会開催に当たっての区長招集挨拶の意義が何であるのか、伺います。  さらに、最重要課題であるはずのDXと地域行政についてなぜ全く述べないのか、区長の考えを伺います。  計画行政の在り方について伺います。  未来つながるプランは理解できません。区長はこの二年を区制百周年に向かう助走期間となるとし、さらに、次の基本計画のテーマを見据え、連続的に架橋していく内容とすると招集挨拶で述べられました。このプランのどこにそのような内容が書かれてありますか―ありません。今の事業を二年間続けるだけではないですか。これを未来つながると言えますか。私は区民に向けて恥ずかしく思います。この二年間、区は冷凍保存状態でよいのですか。区政は冷凍食品ではありません。日々どんどん変化していってしまう。この二年間、何も起きないと思っているのですか。区のお考えを伺います。  この区の機能不全状態の原因は、区全体を見渡した司令塔の不在が原因であると考えます。区の考えをお伺いします。  公共交通不便地域対策について伺います。  今回の招集挨拶で公共交通不便地域対策が出されています。区民生活を支える重要な取組ですが、まさに現時点でバス路線の見直しにより、交通不便地域が出現しようとしている。そのことについて区民が署名入り要望書を区に手渡そうとしたところ、事業者、区の意向に沿わない区民の意見要望は受け取らないという信じられない事態が起きました。区の姿勢は許されるものではありません。区長は交通不便地域対策について、区民の皆さんの御意見をお聞きしながら取り組むと招集挨拶で言われましたが、区の意向に沿った意見は聞くが、区民の本当に困ったことについては聞く耳を持たないという姿勢は疑問です。区のお考えを伺います。  教育の基本的姿勢について伺います。  区長招集挨拶では、教育総合センター開設と不登校児童生徒問題、図書館のみが取り上げられています。果たしてこれが世田谷の教育の現時点での最大の課題なのですか。招集挨拶で区長は、教育機会確保法により、不登校の子どもたちに多様な学びの機会を保障することが区に求められていると言われました。では、この法律がなければ、区は多様な学びの場を保障することに取り組まないのですか。担任であれば、自分のクラスの子どもが学校に出てこなくなれば、何とか様々な努力をするのが当たり前のはずです。教育現場のことは現場でしか分からないことが多いだろうし、行政が法律の観点から枠をはめることについて慎重な配慮が必要なはずです。原点に立ち返り、現場出身の教育長として、何が現場の問題であり、行政の支援がどのようにあればよいのかを改めて示す役割があると考えます。教育長の感想を求めます。  旧池尻中跡地活用について、現在の区の対応を認めることはできません。全区的な観点から見直すべきです。今の区は、地域行政の改革と言いながら、本庁、総合支所についてはほとんど手をつけず、ただまちづくりセンターの機能拡充のみを言います。間違いです。地区での行政の在り方、区民の生命と財産を守り、日々の暮らしが安全安心に包まれているためには、どのような仕組みになるべきかを検討すべきです。拠点、そしてキーパーソンを明確にすべきです。地区において行政の縦割りを持ち込まず、総合行政を行うべきです。これに伴い、総合支所、本庁の役割を根本から見直すべきです。これらについて区のお考えを伺います。  対面窓口の重要性はますます高まっています。その認識が区にはありません。早急に検討すべきです。その中で、現状、いかに区民に不便を感じさせているか、いかに区民を待たせているか、たらい回しがどのように起きているかを検証することから始めるべきです。お考えを伺います。  区長は区民に時間を返すと言われました。では、具体的にどうするのですか。特に三月から始まる異動時期の窓口混雑問題をどう解消するのですか。許されるものではありません。このことは昨年も問題にしました。行列が外まで延び、支所の外側に椅子が並べられたという異常事態でした。それを何とも思わない。感覚が麻痺しています。今年、どのように改善策を実施するのか、伺います。そして、条例、推進計画策定の流れの中で全く何も決めていない、このようなことがあってはなりません。お考えを伺います。  地域行政の理念が区全体に徹底されていません。区長、副区長から管理職、職員に至るまで、区民サービスをどのように考えているのか、どのようにしたら区民の身近でサービス提供ができるのかという意識が欠如しています。わざわざ遠い二子玉川まで出向かせ、寒い中、区外の方たちとともに並ばせて抗原キットを配布することが当たり前のことのようになっている。区全体の考え方を変えるべきです。お考えを伺います。  このような絶望的な区政の中でも、頑張っておられる職員の皆さんがいらっしゃいます。一昨年十二月にくみん窓口、出張所の現状と課題についてという報告書を提出された現場の職員の皆さんに感謝します。その報告書には、現状として、窓口は常に混雑し、職員は疲弊していると書かれ、報告は区民と直接接して業務を行っている職員の実態と、これまでのデータに基づく分析を踏まえ、現在実際に現場で生じている問題点や課題を整理したものであるとされ、様々な分析、それに基づく提案がなされています。この報告書を区は全く取り上げない、無視する、一体いかなることか。区長、副区長、部長、課長は、一体どこを見て仕事をしているのか。  報告の最後に次の文章があります。大多数の区民が望んでいる行政サービスは、住まいの身近な地域で、待ち時間が少なく行政手続が完了することである。今後は区民と行政窓口サービスの接近性を重要視し、窓口を地区に分散化し、自宅の近くで行政手続ができるような体制を構築するべきであると書いてあるのです。現場の方々が一年以上前にこう言っているのです。私は、このような方々にこそ区政運営を任せたいと感じます。  区長はいつも区民、職員の声を聞くと言われます。一体誰の声を聞いているのですか。現場の職員の方々は、何か建設的な意見を言おうとしても取り上げられない実態から、ただ黙々と仕事に取り組むだけ、何を言っても通らないという諦めを感じている方も多いとお聞きします。ですから、私は、いわゆる区の偉い人たちに向かって言い続けることにします。利用者の声を聞きなさい。三月、四月の寒い中、二時間も待たされる区民の声を聞きなさい。そして、現場で頑張っている職員の声を聞きなさいと。  私は、区政の最前線の職場窓口で一生懸命仕事に取り組んでおられる職員の皆さんのことを思うと、本当にありがたく思います。地域行政は本庁の机の上で行われているのではない、現場で行われているからです。最前線の現場を支えている職員の皆さんには、ぜひとも頑張っていただきたい。皆さん方の努力を評価する状況は必ずや生まれるはずです。私は全力でこの改革に取り組むことを皆さんにお約束いたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  招集挨拶の中でDX、地域行政について述べていない理由についてお尋ねがございました。  今回の招集挨拶におきましては、新型コロナウイルス感染症対策、この間の社会的検査や抗原定性検査キットの配布、ワクチン接種の取組など冒頭から述べさせていただきました。DXと地域行政については確かに今回の招集挨拶には直接触れておりませんが、今年度、令和三年二月定例会、第三回定例会、第四回定例会の連続した招集挨拶において、そのたびに取り上げてまいりまして、全体の分量の中で今回は触れていないということでありますが、招集挨拶について網羅的に必要な事項について全て、たとえ数行であっても触れるべきであるという考え方もあろうかと思います。しかし、漏れなくその課題を全部並べていくということになると、その記述は、全体の制約もありますので少なくなり、議論を深掘りすることが難しいというふうにも考えます。  ですので、招集挨拶において、DX、地域行政に触れていないことが、それをもう、いわば除外して運営しますよということでは全くありませんし、この間の連続的な招集挨拶の内容を引き継いで、また、御質問に誠実に答えながら両者を推進してまいる姿勢でございます。そのような理由で、二つのことについては今回は触れていないということであります。今後も触れていきます。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、大きく二点御答弁申し上げます。  最初に、地域行政について検討するなどの内容が多く、何も決めていない。このようなことはあってはならないという御指摘。また、地域行政の理念が徹底されていない、区民サービスをどのように考えているのかという御指摘の二点に併せて御答弁申し上げます。  地域行政制度は、地域に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開し、区政への住民参加の促進を図ることを制度の基本理念としております。地域行政推進条例の検討においては、基本理念を基に、防災や防犯、介護、子育て、社会的な孤立、貧困など、多岐にわたる地域課題の解決が区民ニーズとして求められている状況に対し、区民に身近な行政拠点でのまちづくり機能を充実強化するとともに、利便性の向上を図る窓口改革が必要であると考え、まちづくりセンターなどの機能の充実を主眼として進めることを基本方針としているところです。  また、地域行政推進計画については、計画期間内で実施する施策、次の計画期間での実施に向けて詳細を検討する施策、中長期に検討する課題などを記載し、連続性を担保したいと考えており、今後、庁内議論の活性化を図るとともに、区民等の御意見と議会の御議論を踏まえ、具体化を図ってまいります。  今後も、安全安心で、より暮らしやすい地域社会をつくるという今般の地域行政制度改革の目的を全職員と共有し、自らの業務に照らして区民の目線で課題を出し合い、改善を図る機運を高め、区民サービスの向上のために努めてまいります。  次に、公共交通不便地域対策について、区民の意見を聞いているのかといった御指摘でございます。  現在、コロナ禍において、区内の路線バスの需要が減少し、バス等の旅客事業が厳しい状況にある中、交通網の維持確保が重要となっております。先般、宇奈根・喜多見地区の運行形態変更に向け、運行事業者と連携して実施した説明会では、現行の路線維持を求める声のほか、廃止とならず安堵する声や乗り継ぐ際のバス待ち環境の充実など、様々御意見をいただいております。説明会の場において、地元町会より、現行路線の維持を求める署名を区に対しても提出いただきましたが、その場で受け取る判断に至らず、改めて機会を設けて受け取ることになったことについては、声を受け止める姿勢が足りず、御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。  区としては、今後も引き続き地域の声をしっかりと受け止め、区民生活を支える移動手段となるよう、運行事業者と連携し、取組を進めてまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 教育の基本姿勢について御答弁申し上げます。
     一般の行政現場では、何よりも公平公正な扱いが基本です。一方で、学びの最前線である学校の役割は、子どもが学ぶ喜びを感じ、友達や人との関わりの中で、一人一人の力を存分に伸ばしていくことにあります。随分と違いがあると感じます。現場の授業は、一人一人の子どもの気づきや知的好奇心から生まれたひらめき、疑問に思ったことの解決、それらが分かった喜び、できた喜びを感じるこの瞬間の積み重ねです。授業を行う教員の醍醐味は、これらの瞬間に立ち会えることにあります。  教育委員会の役割は、教職員がそれぞれの子どもの成長に向き合い、同時に、教職員自身が成長していく条件、基盤を整備することです。そのため、教育総合センターの機能を充実させ、子どもに接する教職員自身が学び、多様な子どもの支援や保護者支援の在り方をきめ細かく整えていく基盤を充実させます。教育の責任者として最善を尽くします。  以上です。 ◎池田 総務部長 私からは、区長招集挨拶の位置づけ、また、科学的知見などの記載が招集挨拶のどこに反映されているかとの御質問にお答えいたします。  招集挨拶は、区議会の開催に当たり、区民の皆様に区政の重要施策などを分かりやすくお伝えするとともに、区議会議員の皆様の御質疑、御議論に資することを目的としております。今回の招集挨拶の冒頭で述べております科学的知見、広い視野、計画性、系統性につきましては、基本計画の策定や基本構想審議会での議論などに対しての基本的な考え方を示すものであり、また、柔軟性につきましては、喫緊の課題である不登校やひきこもりへの対応、気候危機対策などに対処していく基本姿勢へとつながるものとなっております。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは、四点御答弁申し上げます。  まず、区民の生命と財産を守る上での地区行政の在り方、その拠点やキーパーソン、地区での総合行政についてでございます。  安全安心な区民生活の実現に向け、特に災害対策の観点からは、身近な地区における防災活動や地域コミュニティーの醸成が重要であり、区は、町会・自治会や活動団体、事業者などによる防災活動を支援し、地区の様々な公共施設や機関が日頃から防災訓練などを通じて地区を基盤とした連携を強固なものにしておくことが重要と考えております。  災害対策に限らず、介護や子育て、社会的孤立、貧困等多岐にわたる中で、地区の多様なネットワークや福祉の相談窓口などから見えてくる、これらの地区課題を掌握し、地区全体で解決につなげる取組を総合的に調整し推進する、その拠点がまちづくりセンターであり、その責任者であるまちづくりセンター所長の下に、今後、児童館を含めた四者連携の取組と併せて、課題解決力の強化を図ってまいります。地区課題が多様化する中で、高齢者、障害者、子どもなども包括した地区課題の解決に向け、総合的な行政サービスの充実を地区から進めてまいります。  続きまして、総合支所、本庁の役割を根本から見直すべきについてでございます。  地域行政推進条例の検討においては、総合支所は、災害対策や保健福祉などの施策を一体的に実施する機能を高め、まちづくりセンターの充実に向けた支援機能を強化するとともに、地域における区民参加の機会づくりや地域の活動を横つなぎして、社会資源のネットワーク化の充実を図ってまいります。また、まちづくりセンターが取りまとめる地区づくりの取組に、総合支所の地域経営の視点を入れ、本庁等において実施計画をはじめとした各種計画に組み入れていくことを目指しております。総合支所、本庁の役割については、このような基本的な考え方に基づき、具体的な仕組みや体制等について条例や推進計画に反映させてまいります。  続きまして、現状の窓口の区民に不便を感じさせていること、また、対面窓口の重要性についてでございます。  窓口の混雑や窓口が分かれていることの不便さの検証を進め、自宅やモバイルからの電子申請の拡充や、総合支所、本庁等々、映像システムで結ぶまちづくりセンターでの手続、相談の充実を図ります。その一方で、相談者の潜在的ニーズや課題の発見などから、対面で接する窓口がますます重要になると認識しており、来庁された方との会話などから様々な気づきも得ることができることから、職員育成を進め、窓口での対応力の向上を図ってまいります。  最後に、窓口の混雑問題と今後の改革についてでございます。  三月中旬から四月にかけてのくみん窓口、出張所窓口の混雑緩和に向け、昨年は住民票の写しなどの証明書の交付について、まちづくりセンターでの取次ぎ発行、コンビニ交付の利用、郵送による請求について「区のおしらせ」、ホームページや広報板などで周知し、窓口での証明書の発行件数が前年より減少いたしました。今年もこのような取組を継続するとともに、デジタルサイネージによる周知の機会を増やすなど、さらに窓口の混雑緩和に向けて取り組んでまいります。  今後、自宅やモバイル機器から手続を行える仕組みやまちづくりセンターと総合支所、本庁とを映像システムでつなぐ仕組みにより、窓口の混雑緩和を図るとともに、国が進める引越しワンストップサービスの導入等も踏まえ、窓口職員の声も聞きながら、窓口サービスの改革を行ってまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、未来つながるプランの内容についてでございます。  未来つながるプランは、コロナ禍により大きく変化した社会状況を踏まえ、次期基本計画につながる計画としまして、このたび内容を取りまとめたところでございます。地域に根差した生命を守る取組を進め、社会的孤立から人と人とのつながりの修復へと変容させる視点に立ち、地域行政制度の見直しの議論を着実に進めるとともに、ひきこもり支援や高齢者の地域参加促進などコミュニティー、居場所、プラットフォームを土台とした持続可能な政策を展開いたします。  また、コロナ禍の影響を踏まえた健康危機管理体制の強化をはじめ、気候変動による激甚化、頻発化する災害に対し、防災・減災の取組を強化するとともに、参加と協働のさらなる発展を目指します。令和四年度からの二年間は、未来つながるプランに基づき、こうした取組を進めるとともに、次期基本計画の検討も併せて行い、社会状況の変化を捉え、区制百周年までの今後十年間をしっかりと見据えた連続性のある区政運営を行ってまいります。  次に、司令塔不在という御指摘について御答弁いたします。  今後の十年間は、DXの推進とともに、行政運営の在り方が未来に向けて大きく変革していく期間だと認識しております。これまでの行政サービスの進め方から、従来の延長線上を超えた新たな視点や発想を持って、柔軟かつ大胆に、何よりも迅速に取り組み、実効性を高めて進めていく必要があります。各分野における事業を担う所管部長あるいは課長について、現場の司令塔として常に区民本位で責任ある判断、行動を起こさなければならないと思っております。このことを肝に銘じ、各部課長が現場の実態を踏まえた実践的かつ効果的な事業計画や事業手法等をしっかりと組み立て、刻々と変化する課題や区民ニーズ、あらゆる難局にも、組織一体となって的確に対応できるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◆九番(小泉たま子 議員) 区長招集挨拶は新製品の発表会ではありません。区政にとって、今、何が大切かを表明する場です。前に言ったから、もういいという態度は何でしょう。  私は今の時期の窓口混雑について十七年も前から質問していますが、全く改善の意欲がない。区長は、区民、職員の声を聞くと言いますが、自分にとって都合のいい意見を聞いているだけのことではないですか。このことについては予算委員会で取り上げます。  質問に答えていません。区全体の司令塔、司令官が不在と質問しているのに、部長が頑張りますと。これは何ですか。区全体の司令塔、司令官が不在です。これがあらゆる区の事業に影響しています。区全体の司令塔、司令官をどうするか、答えてください。 ◎中村 副区長 再質問、区全体の司令塔についていただきました。  先ほど政策経営部長が御答弁申し上げましたとおり、今後、行政運営の在り方が大きく変革する中で、各分野の事業を担う所管の部長と課長の主体的な判断や行動、これは不可欠なものだと考えております。そして、その部課長の主体的な判断や行動を促して、区政の流れをつくる区全体の事務方の司令塔は副区長である私だと思っています。本議会において、地域行政やDX、旧池尻中の活用、新BOP学童クラブなど、厳しい御指摘も多数いただいております。ここからまたよい流れに巻き起こしていくのも、両副区長の使命だと考えています。社会情勢の変化を的確に捉えて、区が目指す将来像を明確にして、刻々と変化する区政課題や区民ニーズに庁内一丸となって迅速に対応できるようベストを尽くしてまいります。  以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四十二番福田たえ美議員。    〔四十二番福田たえ美議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(福田たえ美 議員) 質問通告に従い、順次質問をしてまいります。  まず初めに、特別支援学級の整備について伺います。  昨年四月に、多聞小学校、船橋小学校、世田谷中学校に固定の自閉症・情緒障害学級の開設に大きくかじを切ったことを評価いたします。ところが、特別支援学級等整備計画では、令和四年四月に世田谷地域の旭小学校、令和六年四月に北沢地域の池之上小学校の開設予定となっております。既存の多聞小学校と同じ北沢地域と隣接する世田谷地域であります。知的障害学級においても同様ですが、ニーズに応えるためには、受皿を早急に用意することも必要でありますが、地域偏在の解消にどう取り組むのでしょうか。  世田谷区立小中学校特別支援学級等整備計画の一部改定案では、特別支援学級等の整備の方針として、従前の学校の建て替え、大規模改修に合わせた新設から、これらの日程に左右されず、特別支援学級の増設のみを目的とした整備を進めていくことが明記されていますが、計画では既存の手法での整備としかうかがえません。特に小学校の特別支援学級の計画を検討する場合、体力の違いが顕著な低学年の児童と高学年の児童では、通学距離と通学時間が与える影響が大きく異なります。通学時の保護者の付添い、障害特性による通学の困難さが地域偏在による遠方への通学を断念せざるを得ない児童が存在します。このような児童たちが安心して学べる場を得られず、不登校になっていくケースも見受けられています。地域偏在が教育条件の不利になると考えられます。安心して学べる環境で学びたいとの児童生徒の心に応えるためにも、特別支援学級の整備においては、アクセスの課題改善や地域偏在の解消に向けて、既存の手法にとらわれず、一層教育政策部と教育総務部が連携を取り、確実な整備に取り組むべきと考えます。区の見解をお聞かせください。  次に、学習障害の児童への通常学級での学習支援について伺います。  私が議員になって最初の御相談が通常学級における発達支援の教育でした。インクルーシブ教育の重要性を何度となく議会で取り上げてまいりました。現在では、全小中学校に発達障害児童生徒のための特別支援教育「すまいるルーム」が整備され、保護者の通学の付添いに左右されない支援体制が構築されました。すまいるルームでの週一時間から八時間の指導では十分でない児童生徒たちへの支援の必要性が浮き彫りとなり、自閉症・情緒障害特別支援学級が開設されました。  ところが、発達障害の学習障害、注意欠落多動性障害においては、程度に関係なく通級での指導となります。学習障害については、学校での読み書き、算数といった学習のメイン部分での困難に直面し、程度も様々であります。学習指導と合理的配慮の二面からの支援が重要になります。学習指導は小学校低学年の段階で早期に対応することで、その後の学習面に大きく差が生じてきます。  近年、多くの研究者により、科学的な根拠に基づく効果が検証された検査方法と支援法が開発されています。東京都の読み書きアセスメントや通常の学級における個別指導では、読み書きのつまずきを早期に発見するためのテスト方法が示されており、対応するための科学的根拠を持った音読指導アプリも開発されています。京都府長岡京市では、合理的配慮との観点から、文字の読み書きが苦手な学習障害の児童の理解を支える道具としてタブレット端末を活用し、テストでの利用も認めています。指導以外にタブレットを有効活用し、必要な支援を受けられるよう効果的な学習を取り込むことも必要です。  ここで、三点質問いたします。  一点目に、学習障害における通級での支援の状況について伺います。  二点目に、児童生徒の状況を的確に把握することが適切な指導につなぐ重要な鍵であります。アセスメントのさらなる向上について区の見解を伺います。  三点目に、科学的根拠に基づいた指導並びに合理的配慮をしたタブレットの有効活用について区の見解を伺います。  次に、子どもの人権を守る体制について伺います。  離婚し、父親と離れて暮らす子どもが精神的苦痛により情緒不安定な行動が出るようになり、その療養として父親と定期的に面会交流を行った結果、普通の状態に戻っていったという事例がありました。子どもの視点に立ったとき、母性と父性が健全育成には必要ということが分かります。平成二十四年四月一日施行の民法等の一部を改正する法律により、同法第七百六十六条に離婚後の父母と子が面会交流する権利が規定されました。面会交流の取決めに関しては、離婚時に感情的になっていたりすると父母間で争いに発展しやすく、行政など第三者によるサポートが重要であります。区は第三者機関として東京都の面会交流支援事業を紹介していますが、所得制限などがあり、誰もが安心して相談ができる機会が喪失されています。  子どもの視点で面会交流支援事業を行う自治体が増えてきています。兵庫県明石市は、利用料は無料で、面会交流の日程調整、子どもの引き合わせにスタッフの同行など、子どもが安心して交流ができる配慮がなされています。二十三区では、文京区、港区においても、子どもの視点から面会交流支援事業をスタートしました。  離婚後の親の支援を行うことが子どもの人権を守ることになります。我が党が子どもの人権を守るため、開設を訴え続けた子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」並びに児童相談所は、子どもたちが唯一行政とつながる大切な機関でもあります。  ここで、二点質問いたします。  一点目に、子どもは自分の置かれた立場をうまく伝える難しさがあります。子どもの人権擁護機関であるせたホッとへの相談から親との交流などにつなげる体制について伺います。  二点目に、子ども・子育て応援都市宣言を行っている本区において、離婚後も子どもたちが安心安全に面会交流を行えるよう、区として交流費用と人的支援に取り組むこととともに、周知の工夫をすべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、別居中、離婚前のひとり親家庭への支援について伺います。  様々な理由で別居をし、なかなか進まない離婚手続の中で、必死に仕事をし、子どもを育てている低所得の実質ひとり親世帯の方がコロナ禍でさらなる窮地に追いやられている実態があります。厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均年収は約二百万円、四割以上の人が正規職員以外のパート、アルバイト等の就労形態であり、コロナ禍で就業状況が不安定となっています。別居中、離婚調停中などのひとり親家庭は、離婚成立後のひとり親家庭と比較をして公的支援に制限があり、一層困窮の度合いが増していきます。  条件によっては、申請により受給が可能となるのが児童手当や児童扶養手当などです。児童手当については、申請をすることで年間十二万円から十八万円が支給されます。ところが、最大で年間五十一万円近く支給される児童扶養手当に関しては、離婚調停中などのケースに当てはまる父または母から一年以上遺棄されている児童という条件に関しては、自治体が支給要件の判断に苦慮し、受給の大きな壁になっています。  二〇二一年十二月二十一日、地方分権改革に関する閣議決定をされた方針に、児童扶養手当の受給資格要件の明確化が示されました。離婚調停中でも受給可能に制度を見直す方向性が示され、令和三年度中に通知予定となっています。今まで支給対象外のひとり親家庭も、法改正により対象となる御家庭にも公的支援が届くよう、周知に余念なく進めていただきたいです。  ここで、二点質問いたします。  別居中、離婚前の御家庭について、一点目に、コロナ禍における相談状況と区の支援について伺います。  二点目に、今回の法改正により、新たに支給対象となる御家庭にも情報が行き届くよう、十分な周知が必要です。国のパンフレットも参考に、関連情報へのアクセスを向上させて、リーフレットの作成やぷらっとホームなど、関係機関やアプリなどを活用した情報提供に最大の工夫を行うべきです。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎粟井 教育政策部長 私からは、大きく四点御答弁申し上げます。  初めに、特別支援学級の整備について、通学しやすい場所の整備や地域偏在の解消についてお答え申し上げます。  就学相談の件数が年々増加しており、特別な支援を要する児童生徒が増えている中において、特別支援学級の増設、地域偏在の解消は喫緊の課題であると認識しております。特に自閉症・情緒障害特別支援学級につきましては、現在設置校が三校であるため、お住まいの地域によっては通学に負担が生じていることも課題として捉えております。特別支援学級に入級する児童生徒の特殊性を考慮すると、徒歩圏あるいは公共交通機関の利用による通学が望ましいことから、特別支援学級の整備に当たっては、交通の利便性等も踏まえ、設置校の数を増やしていく必要があると考えております。児童生徒数の増加や小学校三十五人学級に向けた整備などにより、特別支援学級の教室の確保の面では課題がございますが、学校の改修や、改築の機会や、既存校舎の有効活用などの従来の手法にとらわれることなく、柔軟な発想の下、様々な手法により、地域偏在の解消に向けて整備に取り組んでまいります。そのためにも、まずはソフト、ハードの両側面から、各学校の状況と整備の可能性を丁寧に確認してまいります。  次に、学習障害における通級での支援状況についてお答え申し上げます。  学習障害のある児童生徒は、基本的には全般的な知的発達に遅れはないものの、読み書き、計算などで著しい困難を示す状態があり、個々の障害の状態に応じた配慮が必要な場合や特別支援教室などにおいて特別な指導が必要になる場合がございます。特別支援教室では、音読が苦手、書くことが苦手、計算が苦手といった児童生徒一人一人の状態を踏まえ、自分に合った学習方法を習得し、その方法を取り入れて、通常の学級での学習を円滑にできるようにするための指導を行っております。  次に、アセスメントの向上についてお答え申し上げます。  学習障害は、障害そのものの社会的認知が十分ではなく、また、一部の能力の取得と使用のみに困難を示すものであるため、単に学習が遅れている、あるいは本人の努力不足によるものとみなされてしまうなど、見過ごされやすい状況があります。学習障害におきましては、早期から支援につなげていくことが効果的であることから、教職員がその特性を理解し、個々の状態に応じた適切な指導や必要な支援につなげていくことが重要となります。そのためにも教員一人一人の学習障害に対する理解促進に向けた研修の実施や、児童生徒の特性を把握するためのチェックリストの有効な活用などにより、教職員の専門性とアセスメント力の向上を図り、早期に適切な指導や必要な支援につなげていけるよう取り組んでまいります。  最後になります。学習障害における科学的根拠に基づいた指導及びタブレットの活用についてお答え申し上げます。  学習障害につきましては、困難の程度や度合いは児童生徒によって様々であることから、個々の状態に応じた適切な指導や支援を行っていくことが重要となります。そのため、より効果的な指導や支援を行うためには、医師等の専門的な意見を踏まえた科学的根拠に基づく指導や、タブレット型情報端末や学習支援アプリなどを活用した多様な支援などにより、各学校における指導内容や支援方法の充実を図っていく必要があります。教育委員会といたしましても、各学校や東京都、他自治体における先進的な取組やICTを活用した授業事例等の情報を収集、データベース化し、各学校との共有を図り、学習障害の児童生徒の状態に合った指導や支援の充実に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子どもの人権を守る体制について、二点御答弁申し上げます。  まず、せたホッとの相談体制です。  せたホッとには、いじめなどの学校生活に関する相談や家庭、家族に関する相談など、様々な相談が寄せられております。こうした相談の約六割が子ども本人からの相談で、相談の中には、両親の関係悪化に伴い、不安や悩みを抱え、誰にも相談できずにせたホッとに気持ちを打ち明けるというケースもございます。せたホッとでは、こうした子どもたちの声に、子どもの人権擁護委員のほか、社会福祉士や心理士などの資格を有する相談・調査専門員が丁寧に耳を傾け、子どもの気持ちに寄り添いながら、必要に応じて子ども家庭支援センターや児童相談所へとつなぐなど、関係機関と連携を取りながら、子どもの最善の利益のために支援を行っております。  次に、面会交流支援、その周知方法の工夫について御答弁申し上げます。  面会交流は子どもの生育のためにも必要不可欠であり、離れて暮らす親にとっても子どもを支えたいという思いを持ち続けることにつながることから、重要であると認識しております。面会交流が適切に実施されるには、まずは取決めが重要であるため、区のホームページなどにて御案内しております。  また、昨年四月より、離婚届出書配布等のタイミングを活用し、国が作成した養育費や面会交流の取決めに関する手引と区のひとり親家庭支援の紹介冊子を一緒にお渡しすることで、早期の情報提供を行い、相談支援につなげていくなど、戸籍窓口等と子ども家庭支援センターとの連携を強化し、支援につながる仕組みの充実を図っています。様々な要因から、当事者間で面会交流を実施することが難しい場合には、第三者による面会交流支援が有効であると考えております。  区では、相談内容に応じて、東京都ひとり親家庭支援センターはあとをはじめ、法律相談やその他ニーズに合った支援事業を紹介しております。しかし、はあとの面会交流支援には所得制限があり、その要件を超えた場合には必要な支援が届かないという課題もあると認識しております。そのような課題認識も踏まえ、面会交流が適切に行われ、子どもの健やかな成長につながっていくよう、国の動きも注視し、区としての必要な支援や効果的な周知方法について検討してまいります。  以上でございます。 ◎山本 玉川総合支所保健福祉センター所長 私からは、別居中、離婚前のひとり親家庭への支援について、二点御答弁申し上げます。  まず、相談状況と支援の状況についてです。  総合支所子ども家庭支援課では、ひとり親の御家庭からの様々な御相談をお受けしており、児童に関する手当て、経済的な自立を目的とした貸付けや給付金の支給、住宅に関する情報提供といった支援などを行っております。離婚に関しても様々な御相談を受けている中で、新型コロナ感染症の拡大の影響による家庭環境の変化や経済的な困窮なども一つの要因となった御相談も受けております。離婚に際しての問題整理や別居中や離婚前での住まいや経済的な不安を相談されている現状がございます。  しかしながら、ひとり親の御家庭への手当や貸付けなどの支援については、離婚が成立する前では、支給要件等で実際に提供できる支援に限りがある状況です。そのため、離婚前での御相談の際には、離婚後、早急に各手続の申請などができるよう、ひとり親として受けることができるサービスが記載されたリーフレットをお渡しするなど、事前に御案内をさせていただいております。  また、家庭相談員による家庭相談では、離婚成立前の別居中の生活費や離婚後の養育費などに関する情報提供や助言を行っております。経済的な困窮の御相談の際には、必要に応じて生活保護やぷらっとホーム世田谷、男女共同参画センターらぷらすの働き方サポート相談などへおつなぎするなど、関係機関と連携しながら支援を行っております。  次に、法改正等の周知に関してです。  国では、児童扶養手当における支給要件の児童扶養手当の遺棄の認定基準についての一部改正が予定されております。法や制度などの改正が行われるに当たっては、議員お話しの国のパンフレットも参考に、関係所管と連携して、リーフレットやアプリなどのツールを活用し、改正に関する情報を分かりやすく区民にお知らせしてまいります。また、ぷらっとホーム世田谷などの関係機関にも情報提供を行い、丁寧な周知に努めてまいります。窓口等で御相談をお受けした際には、職員が改正の内容をしっかりと熟知した上で御案内を漏れなくし、適切な支援につなげられるように努めてまいります。  私からは以上です。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) ただいま御答弁いただきましたが、まず、地域偏在ですけれども、特別支援学級の地域偏在に関しましては、ハードの問題がたくさんあることは十分承知しておりますが、やはりそこを一歩、脱却していけるよう現場をしっかり確認して進めていただきたいと思います。  そして、面会交流に関してですけれども、子どもさんの人生に関わる重要な時期に親子の交流ができるかというところの支援は重要だと思いますので、ぜひとも区としても御支援していただけるように、前向きに検討していただきたいと思います。  以上で私からの質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で福田たえ美議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十五番加藤たいき議員。    〔十五番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆十五番(加藤たいき 議員) 前定例会では、国と世田谷区の人口推計を使い、既に迎えている少子高齢化に当たっては、これまで政治的恩恵、行政と関わることが薄かった年代にフォーカスする必要性を数字を用いて発言させていただきました。続きですので、導入は簡潔に申しますが、時代時代でも、そのときに生きる高齢者を支える多くの方々は生産人口世代です。少子高齢化が今以上進み、人口年齢分布がいびつな形になると、次世代以降に今以上の税金という形で負担が行き、負のスパイラルに入ります。その流れを変えていくことが今を生きる我々の責務ではないでしょうか。  この課題は、具体的に有効な施策がなかなか見つからない、たとえ施策を打っても、長期間かけて是非が問われるもので、現在においては禅問答のようなものなのかもしれません。それでも、税収に余裕のある今だからこそ手をつけなくてはいけない課題です。  単身世帯、多子世帯、核家族、地域コミュニティーに属していない方々、フィーチャーしなくてはいけない行政の恩恵があまりなく、こぼれている方々の一部を列挙しました。単身世帯は統計上増えていくことが想定されていますし、多子世帯や核家族に対しても現行薄く、実効性のある施策が必要ではないでしょうか、伺います。  町会等も高齢化が進み、ここに頼りきりだった行政の在り方も問われてきています。地域コミュニティーに属していない方は、今後世代問わず広がっていく可能性が高く、社会的孤立に陥るケースが危惧されます。課題が表面化する前に対策を講じるべきではないでしょうか、伺います。
     少子化を憂いた発言が他方で出てくる一方、出生率に寄与する施策以前に、子どもを産むことに関わる費用が、保険適用があるとはいえ、持ち出しがあることにひどく違和感を感じます。世田谷区では、平成二十一年より、第三子からのみ、六万円を上限に区の単費で助成していますが、正直言いますが、中途半端なものとしか言えません。単費で行うからには、説得力やそれに代わるメッセージ性が必要なはずです。それも見えず。この際、区では、第一子から経費を除いた出産費用は無償化にかじを切る大胆な方針に転換できないでしょうか、伺います。  次に、先日の子育て給付金についてです。  個人的には不平等なばらまきは反対です。国の制度ではありますが、根本的な解決にはならず、長い目で見ると、累進課税や控除の見直し、可処分所得を上げる施策のほうが次世代には必要です。その上であえて伺います。この給付金ですが、区では児童手当を受けている中学生までの児童のうち、所得制限に引っかかり、四四%の方が受給されませんでした。区長は日頃より国政の批判を行ってきておりますが、この件については、コロナ対策なら一時的なものだが、子育て支援であれば一回でいいのかという疑問があると言及しています。中途半端な制限により、一回ももらえない家庭があり、区内では半数の世帯が分断されている面があり、国の施策に背き、いろいろとプレゼンスを発揮できるチャンスかと思いますが、検査キット配布よりも喜ばれるのではないでしょうか、区長に伺います。  次に、スポーツジムを利用した高齢者施策です。予算化されるものと考えていた施策ですが、削除されたものであります。  これは良策と考えています。世田谷区未来つながるプラン案でも、具体的な政策や施策検討にあたっての視点の中の「地域コミュニティ」の欄に高齢者の居場所の確保が課題と記述してあります。公共施設に設ける考えがあってもよいですが、民間の施設であり、かつマンパワーまで補填してくれるジムというのは、健康増進だけではなく、高齢者の居場所という視点を鑑みても寄与してくれるのではないでしょうか。  その上、現在は、ジムというものは、高齢者が足を延ばさなくても、公共施設よりも近隣に数多くあります。孤立化を減らすためにも、誰かがいる場所を行政がバックアップし、敷居を低くした上で、場所も人も提供してもらう施策は有効かと思います。複合的な施策になり得るこの施策、いま一度進めるべきかと思いますが、伺います。  次に、デジタルデバイド対策です。  デジタルをアレルギーのように毛嫌いしている方もいらっしゃる一方で、スマートフォンやPCで買物、ゲーム等を利用したい高齢者も多くいます。誰もが時間や場所にとらわれず、手続ができるのは間もなく当たり前になることでしょう。また、買物弱者対策や安否確認の意味合いの解決の光としても、デジタルデバイスは誰もが利用できるようにすることも、これからの行政として求められるものではないでしょうか。その上で、今年度、来年度、世田谷区が銘打っているデジタルデバイド対策高齢者向けスマートフォン体験会の開催は貧弱という感想しかありません。加えて、都の高齢者スマートフォン普及啓発事業を利用し、それに甘んじているのみで、本当に対策をしていきたいと思っているのか、たかだか月一回の都からの講師を招いた指導で解決すると思っているのか、伺います。  まちづくりセンターの数よりも携帯キャリアのお店は区内には点在し、現に場所によっては高齢者向けに指導を行っています。また、高齢者は疑問が生じた際に聞ける環境が必要で、定期的開催よりも常設的な場も設けるべきです。キャリアも囲い込みのためにそういった疑問に応えているのでしょうから、理解を示してくれるのではないでしょうか。こういった検討はしたのか、また、今後のこの対策について伺います。  先ほど申し上げたとおり、買物弱者対策や安否確認、また、行政のデジタル化、せたがやPayの利用拡大など、まちセン等でも対応しないといけない時期が来ていると思っています。職員も対応できるようにすべきだと考えますが、伺います。  前期から特殊詐欺対策については何度も具申してきたつもりです。それに伴い、税金を使った施策について、自動通話録音機の拡充やATM携帯電話抑止装置は評価をしています。一方で、荒川区が防災無線を活用し、初年度より実績を積み上げている施策の提案をしてきましたが、それはいまだに。防災無線の活用も含め、地域住民にリアルタイムに届く広報の実施を検討願い、伺います。最近ですと、品川区がNTTと契約し、AIを使った対策、このAI対応自動通話録音機など新たな技術を活用した機器の導入及び表に出すことでの抑止効果についての見解と今後の方針について伺います。  自分は大丈夫と現実感がなかなかなく、また、被害に遭った方は気がつかない等があるために、潜在的な被害者は実数値より多くいることでしょう。どこか他人事のようになっているこの特殊詐欺。高齢者のみならず、区民にはもっと近しいところで起きているという実感も必要ではないでしょうか。町会等の地域活動をされている方には行政の策というものは届きやすいですが、届いている方は一部のみです。最近では不審者情報がヤフー等からポップアップでスマホに通知が来ます。こういったポップアップの活用、または災害メールのようなものは活用できないでしょうか、伺います。  最後に、池尻中跡地活用についてです。  この間、議会でも、区民からも疑義が上がっております。この地の施設、世田谷らしい新たな産業と観光拠点の育成、創業に関する技術的な支援と場の提供、ものづくり体験と交流の場の提供を主な事業内容として掲げていましたが、区民の大半は、この約二十年間、どんなことをしてきたのかさえ知らないでしょう。総括次第によっては事業継続しない可能性もあるとしていたのに、総括をした結果、企画総務委員会では議論されず、区民生活委員会でのみ議論されている。経済系の継続路線の結果ありきで、プロセスを飛ばしているわけです。企画総務で質疑の結果、経産部に移管されるなら話は分かりますが、それはなし。経済系施設の継続になったプロセスがあるならばお示しください。また、比較検討した事業があるでしょうから、それぞれの部署の所感、中身もお示しください。  今回、耐震費用を載せてきたわけですが、三十七年先の利用を踏まえた未来を見据えたプロジェクトの割に、この瀬戸際まで煮詰まっていない、委員会報告も遅過ぎると、到底このままでは理解を示せません。この予算が通過すれば、この事業が動き始め、検証には年月が必要なことになり、時間がたたないと事業のよしあしが分からない。ここにいる理事者の皆様は、その時期には退職されている方も多くいらっしゃるでしょう。ましてや三十年以上先となると、恐らく誰もいないでしょう。未来に対して責任が持てますか。ものづくり学校も当初は脚光を浴びていましたし、一部の方には好評を博しているのも理解しています。しかしながら、多くの区民はどうでしょう。この敷地が塩漬けされる未来があってはならないのです。  スタートアップ等の事業者支援策は、区民の総数が他区を引き離している分、利用したい方の総数は多いのかもしれません。しかしながら、率で考えるとどうでしょう。こういった数値も出さずに経済施策として求められているのか、理解ができません。まずは潜在的な利用者の数字と根拠、KPIはどのくらいの期間を想定して算出し、達成しなかった場合を伺います。  往々に行政はやめる勇気が持てず、庁内慣行により、やめない勇気が発揮されることがあります。それを懸念しています。区民意識調査としても望まれているものとは遠く、区が池尻という一等地で専門的な施設として開設する必要性すら説明しておりません。もしかしたら違う場所でもよいのかもしれませんし、箱も不必要なのかもしれません。世田谷区は夜間人口の多い住宅都市です。そこにマッチしているのでしょうか、伺います。  総じて言えるのは、区民全体に受け入れられる施設にするべきだと考えます。その上で経済観点に縛られずに事業者提案を受ける必要を感じます。事業者によっては区が考えつかない施設の有効活用が生まれるかもしれません。まずは、もう一度政経部主導で事業者に調査をかけ、あらゆる角度から提案を受けるべく、スキームをつくるべきと思います。伺います。  結果、経済的観点を持った施設になったのであれば、それはそれでよいと思っています。行政ではなく、民間の企画力が必要ではないでしょうか。加えて、産業振興公社のように、区民からしたら、入り口違えど出口は一緒、そのような見え方の窓口が三つになります。この点も大きな課題になると思っています。  ここ最近、総じて世田谷区の二元代表制とは一体何なのか、議会の存在がないがしろにされていると感じています。この言葉、ぜひ真摯に受け止めていただきたいと要望し、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず一点目、出産費助成の在り方について御答弁申し上げます。  区では、平成二十一年度より、子どもを産み育てやすい環境を整備することを目的として、子どもの出産に要する出産費の一部について、第三子出産費助成を交付しております。この制度は、第三子以降を出産した場合、助成上限額四十八万円、または出産費の額のいずれか低い額から国民健康保険法や社会保険各法により支給される出産に係る給付である出産育児一時金額を差し引いた差額を助成するもので、令和二年度の支給件数は三百四十一件、歳出額は約一千六百万円でございました。国民健康保険中央会の二〇一六年度調査では、東京都の出産費用平均額は六十二万一千八百十四円、全国平均額は五十万円超との結果が出ており、第一子、第二子の出産時を含め、子育て世帯に係る経済的負担が大きくなっているものと認識しております。  出産費用に係る支援としては、これまでも国での議論があったことから、出産育児一時金の検討状況など、国の動向を注視し、時期を捉え、区として必要な制度改正などを行ってまいります。  次に、少子化対策について御答弁申し上げます。  平成十六年以降、区の出生数及び合計特殊出生率は増加傾向にありましたが、平成二十九年をピークに減少に転じ、令和二年の出生数は六千六百八十四人、合計特殊出生率は〇・九九となりました。国や都も同様で、さらにコロナ禍の中で、婚姻件数、妊娠届出数は減少しており、新型コロナウイルスの流行が少なからず影響を及ぼした可能性があると認識しております。  区は平成二十七年三月に子ども・子育て応援都市宣言を行い、在宅子育て支援のためのおでかけひろばの拡充、全ての妊婦面接から始まる世田谷版ネウボラの開始、保育施設の整備による待機児童の解消など、子どもや若者、子育て世代の支援の充実に取り組んでまいりました。  妊娠期から支援につながる仕組みや保育所などの地域の子育て施設の充実が図られた一方で、零から二歳児は、保育所や幼稚園に通わず、家庭で育児をする割合が依然として高く、零歳児は七五・一%が家庭で育児をしております。今後、妊娠期から出産、在宅での育児負担を軽減するための支援の充実により一層取り組むことで、子育て世帯が子育てしやすいと感じられ、安心して子育てできる環境の整備をさらに推進できるものと考えております。現在、令和二年度から六年度までの期間とする子ども・子育て支援事業計画の中間年の見直しに向け、子ども・子育て会議での議論をスタートしております。昨年七月の区の将来人口推計の補正結果や来年度に予定している子育て世帯を対象としたニーズ調査の結果も踏まえて議論し、基礎的自治体として少子化を減速させる役割をしっかりと果たしてまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、子育て世帯の臨時特別給付の対象外となった世帯への対応についてお答えいたします。  今回の子育て世帯への臨時特別給付は、子どもたちを力強く支援し、その未来を開くことを目的としたもので、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、特に強く影響を受けたと思われる方々に対し行う支援策の一つであり、この観点から国において所得制限を設けております。この給付につきましては、所得制限を設けずに全ての子どもに支給してほしいとの要望があることや、実際に所得制限を撤廃し、独自に支給を行う自治体が幾つかあることは承知しております。世田谷区において所得制限外の方に対し独自に給付を行う場合の試算をしたところ、区の負担が六十億円程度かかることが見込まれ、限りある財源の配分としては難しいと考えております。  区としましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、支給対象者の方には、年内に支給を行いました今回の子育て世帯への臨時特別給付のように、迅速かつ確実に支援が届くよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、生産年齢人口層に対する政策についてでございます。  ひとり暮らしの方の割合がこの間増加傾向にあるなど、社会的に孤立しがちな方が増えることで、ひきこもり、閉じ籠もりの増加、社会との関わりの低下による生きがいの喪失など様々な影響が懸念され、今後の区政運営において非常に大きな課題であると認識をしております。また、町会・自治会等には、区政における様々な活動を担っていただいているところですが、高齢化による組織運営が難しくなっている状況も承知をしております  このような中、地域コミュニティーを活性化させていくに当たり、人と人とのつながりを取り戻すことが重要となります。区ではこれまでも地域包括ケアの地区展開や活動の場、居場所の確保などに取り組んできておりますが、今後は既存のコミュニティーに属していない方々も巻き込んだ社会参加活動の場づくりなど、民間のアイデアも活用しながら、より一層進めていく必要がございます。  次期基本計画の視点としまして「地域コミュニティ」を掲げており、子育て世代や働き盛りの世代を含め、誰もが住みやすい地域づくりを目指して、コロナ後を見据えた職住近接の取組やデジタル技術を活用した地域のつながりの確保など、様々な角度から検討してまいります。  次に、池尻中学校跡地の活用についての検討プロセスについてでございます。  旧池尻中学校の跡地活用につきまして、全庁的な議論を踏まえ、令和三年一月に新たな世田谷区の産業、学びの拠点となり、区内経済循環の活性化を実現していくといったコンセプトに基づき事業展開を図ることを政策決定し、この間、新たな展開に向けた準備を進めているところでございます。産業振興施設として継続的に活用することとした検討過程については、跡地活用を所管する政策経営部として、区内産業に変革をもたらす産業を呼び込む必要性やIT産業の中心地である渋谷、今後、変化を続ける三軒茶屋にほど近く、また、国道二四六号線沿いにスタートアップ企業が広がる池尻という立地特性などを総合的に勘案しまして、産業振興施設としての活用を最優先とし、具体的な検討を経済産業部とともに進め、区としての政策決定に至ったという次第でございます。  検討の過程に当たり、周辺公共施設の状況等を踏まえ、例えば近隣学校、複数校の改築時の仮校舎としての活用なども検討いたしましたが、六十五年の改築サイクルを前提とした場合、建物を継続的に有効活用することが難しいことなどから、検討を見送ることといたしました。新型コロナウイルスの感染拡大により、深刻な影響を受けた産業と雇用環境の改善に向けまして、区内産業の活性化と新たな産業の創出による区内経済の持続的発展につなげていくプラットフォームの構築は、新たな世田谷ブランドの成長を期待するものと考えております。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、高齢者の居場所、健康づくりについてお答えいたします。  区では、高齢者が身近な地域でいつまでも生き生きと暮らし続けられるよう、今年度より、高齢者の居場所づくりや健康づくりをはじめとする地域参加促進施策に取り組んでおります。御質問のありましたスポーツクラブの活用につきましては、昨年度、先進的な自治体への聞き取りや民間スポーツクラブとのヒアリングを進めておりましたが、厳しい財政状況や新型コロナウイルス感染拡大防止等の観点から、令和三年度の事業化を見送ったところです。  コロナ禍から二年余りが経過し、収束がいまだ見通せない状況でありますが、東京都後期高齢者医療広域連合からの補助金も見込めることから、高齢者の社会的孤立やフレイル予防、健康寿命の延伸に向けた取組を着実に進めるため、関係機関とも連携を図りながら、スポーツクラブとの連携も含めた高齢者の居場所や健康づくり施策について、引き続き検討を図ってまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、特殊詐欺対策について、三点御答弁申し上げます。  初めに、防災行政無線の活用などについてです。  特殊詐欺被害防止には当事者意識が感じられるリアルタイムな情報を一人でも多くの高齢者をはじめとした区民の目、耳、心に届けることが重要であると考えております。お話しの防災行政無線を活用した特殊詐欺の注意喚起放送でございますが、区は他の自治体の事例や過去の世田谷区での実施状況、また、議員からの御指摘なども踏まえまして、より一層リアルタイムに、かつアポ電集中地域を重点的に、また、入電内容に即応した注意喚起広報や周辺地域の警戒を行うため、現在二十四時間安全安心パトロールカーを活用し対応しております。具体的には、アポ電の発生が集中している地域に二十四時間安全安心パトロールカーを急行させての注意喚起等を行っており、令和三年中の実施総件数は四百七十四件でございます。  今後も、広報内容や手法、パトロールカーの運用などについて随時検証し、より区民に直接届く注意喚起広報に取り組んでまいります。  次に、新たな技術を活用した特殊詐欺対策についてです。  議員御指摘のとおり、区が新たな被害防止対策を打ち出すことは、区民に安心感を与えるとともに、犯罪者に対する大きな犯罪抑止効果を生むものと認識しております。現在、携帯電話抑止装置の早期運用開始に向けまして準備を進めているところでございますが、お話にあったAI対応型の自動通話録音機をはじめとする先端技術を駆使した被害防止対策につきましても、引き続き他自治体での導入実績や機器の性能、効果の検証、各企業等からの意見聴取などを積極的かつ具体的に行いまして、より有効で即効性、実効性の高い対策実施に努めてまいります。  最後に、スマートフォン等へのプッシュ型の情報発信についてです。  お話のヤフー防災速報アプリは、登録した地域の災害、防犯等の情報をアプリ利用者にプッシュ型で通知するもので、区内不審者情報につきましては、区内の各警察署が警視庁の情報発信ツールメールけいしちょうで発信した情報を基にしております。一方、メールけいしちょうを通じて各区内、各警察署が発信した区内のアポ電の注意喚起メールは年間五百七十件を超えておりまして、現在、本アプリにおきましては通知されておりません。  そういった状況などを踏まえまして、今後は区内警察署と連携調整を行い、区の情報発信ツールである災害・防犯情報メールとメールけいしちょうの情報発信内容を明確にした上で、区民への情報過多により重要案件が埋没しないよう、区もメールけいしちょうの登録普及を行うなど具体的に検討し取り組むとともに、議員御提案の民間企業の各種サービスの活用につきましても、区民に対しまして、より現実感のある直接的かつ効果的な情報発信を目指し、鋭意検討してまいります。  以上です。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、高齢者のデジタルデバイド対策について御答弁いたします。  コロナ禍を背景としまして、日常生活においてもデジタル機器の利用による非接触の手続などが急拡大をしておりますが、昨年十月にデジタル庁が公表いたしました日本のデジタル度二〇二一によりますと、スマートフォンの保有率について、三十歳代の九九・三%に対し、七十歳代は七七・一%と依然として高齢層が低い状況にございます。デジタルデバイド対策イコールスマートフォン教室だけとは考えてございませんが、現状を踏まえますと、まずはスマートフォンの利用に慣れていただくことも重要と考えまして、来年度は身近なまちづくりセンターなどでのスマートフォン教室の開催を計画しています。  しかしながら、スマホの操作で覚えることは多々ございますし、御指摘のとおり一回の教室だけでは不十分な部分がございますので、継続した操作に慣れていただけるよう、既存の携帯キャリア等の知恵も借りながら、例えば手続などと連動した操作方法などのコンテンツを作成することも検討してまいりたいと思います。  デジタルデバイド対策は、スマホやパソコンの操作のほか、デジタル機器を意識せずに利用できるサービスデザインの考え方も重要です。利用者目線を原則とする行政サービスのデザインに努め、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指してまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、旧池尻中関連、三点御答弁いたします。  まずはKPIについてです。  成果指標KPIの考え方については、本年一月三十一日の区民生活常任委員会にてお示しをしました。現在実施している事業者支援施策や他自治体の類似施設が掲げるKPIなどを参考に一年ごとの数値として設定しています。潜在的な利用者数については、区内事業者と全区民を対象とする施設であり、来場者数をKPIとして掲げる予定ですが、提供するコンテンツにより目標とすべき数字も変わると考えられますことから、具体的な数値については、事業者決定後、提案を基に決定していきたいと考えています。  KPIの評価については、KPIの達成度合いを含む運営状況について毎年モニタリングを行います。必要に応じて出される評価委員会からのKPIを含む運営状況に対する改善要求に応じた対応を実施しない場合には、契約解除の措置も検討することとしています。  次に、住宅都市での必要性についてです。  区内産業の活性化は経済活動を活発にし、企業の成長力向上や市場の拡大につながり、ひいては町のにぎわいや区民一人一人の豊かさの向上につながるなど、いわゆる住宅都市においても区民生活の基盤をなすものであり、その活性化は極めて重要と考えています。池尻の地は先進的な企業や豊富なIT人材が集まる渋谷に近いこと、区内事業者が集積する三軒茶屋に近接すること、国道二四六号線沿いに起業・創業者が集まりつつある現状など、そのような場所から人材確保、地元事業者との連携協業、事業者、創業者間の横のつながりが期待されるなど、立地や利便性の観点で優位性の高い地であると考えています。  また、提供する多様なサポートには一定の物理的な面積も要することから、旧池尻中学校はそのような観点からも適していると考えています。さらに、現ものづくり学校としての実績や知名度など目に見えない大きな資産を有し、この優位性を最大限に活用することが効果的であり、これらの観点から、旧池尻中学校跡地施設を新たな産業活性化拠点とするプロジェクトとして検討を進めています。  次に、民間事業者への調査についてです。  旧池尻中跡地の活用については、政策経営部において、周辺公共施設の状況等も踏まえて総合的に勘案し、産業振興施設として活用することになったことを先ほど政策経営部長より御答弁させていただいたところです。その上で、現在お示ししている新たな産業活性化拠点については、区内事業者のみならず、区民に広く開かれた地域経済にメリットのある施設として運営ができるよう準備を進めています。昨年実施したサウンディング型市場調査に加え、民間事業者との意見交換を行うなど、引き続き市場調査をしてまいります。  私からは以上です。 ◆十五番(加藤たいき 議員) 政経部と経産部に一点ずつ確認します。  池尻中の跡地、先ほど仮設校舎としては検討したが、収益事業や区の施策を落とし込む施設としては、経済系以外は検討しなかったということでよろしいのか、まず端的にお願いします。  それで、経産部にですが、KPIを一年ごとに設定とのことですが、初年度から適用され、達成されなかったら契約解除することになるということでよろしいでしょうか。それとも、トリガーなどを設けて、議会に対しての説明、報告をする考えはあるのか。 ◎加賀谷 政策経営部長 私から再質問にお答えします。  検討経過についてでございますけれども、周辺の公共施設の需要としまして、例えば高齢、障害、保育サービスなどの福祉施設についてですが、一定程度周辺については充足をしていたということ、それから、先ほど御答弁させていただきました学校施設改築時の仮校舎の活用、六十五年の改築サイクルを前提とした場合ですけれども、建物を継続的に有効活用していくことが難しかったことなどがございます。  一方、産業施設の取組の必要性と池尻の立地特性などから、産業振興施設として最優先としたことを区として総合的に判断したという経過でございます。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  KPIの評価につきましては、KPIの達成度合いを含む運営状況について毎年モニタリングを行い、必要に応じて出される評価委員会からのKPIを含む運営状況に対する改善要求に応じた対応を実施しない場合には、契約解除の措置も検討することとして今想定しております。そういう想定ですので、KPIが未達イコール即契約解除ということではないと考えています。  以上です。 ○下山芳男 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十八分休憩    ──────────────────        午後四時十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。  二十六番和田ひでとし議員。    〔二十六番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◆二十六番(和田ひでとし 議員) 通告に従い質問します。  東京都の試算によれば、都の人口は二〇二五年をピークに減少に転じて、本格的な人口減少社会に突入すると予測しています。あと三年後、少子高齢化はいよいよ深刻な問題となってくることを我々は強く認識しなければなりません。高齢化問題と子育て対策は喫緊の課題として真正面から捉えていかなければならない中、子ども・子育て応援都市を宣言している世田谷区は本当に子育てしやすい都市なのか、問われております。  そのような中、区は乳幼児教育・保育施設を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、先日の文教常任委員会で区立幼稚園用途転換計画の見直しの当面の方向性について報告がありました。  そこでまず、本日は、区の乳幼児教育・保育について伺ってまいります。  我が会派では、これまでも、区立幼稚園の在り方については、時代の変化とともに見直しを検討すべきと度々申し上げてきました。用途転換等の計画が進む中、ここへ来て、区立幼稚園において、入園者数が大幅に減少してきている現状があります。あわせて、一部の私立幼稚園においても、入園者数が減少傾向の中、経営が大変厳しい状況になってきている園もあると聞いており、閉園を考えている園もあるようです。このような状況の中で、今後、区立幼稚園の在り方を区はどのように考えていくのか、伺います。  一方で、保育園については、区内では認可保育園がかなり充足してきており、待機児数も今のところゼロとなっております。しかし、令和三年四月にはゼロ歳児に欠員が生じるなど、時代の変化とともに、これからの保育の在り方そのものが問われてきているのではないでしょうか。このように区の乳幼児教育・保育施設を取り巻く環境が大きく変化している中、これからの区立保育園の在り方についても、増設されてきた認可保育園等との関係が気になるところです。一部空きが出てきている園もあると聞きましたが、そうした中で、区立保育園と民間の認可保育園等との共存を今後どのように考えていくのか、伺います。  次に、新教育センターについて伺います。
     昨年十二月、世田谷区教育総合センターがまさに区の肝煎りで開設いたしました。子ども・子育て応援都市宣言を掲げる世田谷区にとって、まさに象徴的な施設ができたわけです。期待も相当高まるところですが、時代の変化は予想できないところも多々あります。人口推計についても見直しが余儀なくされたり、コロナという想定外の事態が起こったりする中、子どもを取り巻く環境も大きく変化しています。  区では、新たに教育総合センター内に開設した乳幼児教育支援センターを拠点として、幼稚園、保育所等の枠を超え、乳幼児期の子どもたちに質の高い教育、保育を提供する体制を構築していくこととしています。これまでの教育センターがある中で、新しく教育総合センターが本当に必要なのか、いまだに疑問符がつきますが、そこで、新たな教育総合センターでは、幼児教育についてどのようなことを目指していこうとしているのか、具体的な取組について伺います。  次に、区立学校での公共施設複合化についてです。  我が会派の代表質問でも申し上げたとおり、公共施設等総合管理計画の問題点として、学校改築についてはこれまで年二校のペースで進められてきたものが、この間、先延ばしになってしまっている現状があります。子ども・子育て応援都市宣言を掲げているにもかかわらず、教育総合センターは最優先で整備された一方で、あまりにも老朽化が進む区立の小中学校で学ぶ子どもたちの教育環境の改善が先延ばしになってしまっているのはいかがなものでしょうか。  区長は、この間、ふるさと納税による減収が大きいことを例えて、このところの年間の減収額は学校が二校建て替えられるほどですとよくおっしゃっています。だから進まないというわけではないとは思いますが、誤解を招かないよう、たとえふるさと納税の影響があるにせよ、老朽化した学校の建て替えは子どもの教育環境の根幹であり、また、学校は地域にとっても重要な公共施設でもあります。税収の増減で簡単に後回しにせず、着実に進めるべき重要な課題であります。公共施設等総合管理計画によれば、新たな施設は増やさない、これからは学校等の複合化を進めていくという方針を打ち出し、少しずつ進み始めているところではありますが、あまりにもペースが遅過ぎます。また、地区にもよりますが、区立中学校の生徒数が減少傾向になってきているのも事実です。  そのような中、奥沢中学校では棟別改修が延期されていましたが、昨年、地元からの児童館設置に関する要望書が提出され、また、私からも昨年の第二回定例会において、児童館未整備地区の解消に向けて質問しました。このたび、奥沢中学校は、棟別改修ではなく、全面改築して複合化し、児童館を整備するという方針が発表されました。しかし、実現までにはまだ七、八年の年月を要しますし、区内にはまだまだ児童館未整備地区が奥沢地区以外に七地区あります。児童館整備だけではありませんが、新たな公共施設は造らないという方針であるならば、複合化を着実に、そして、スピーディーに進め、老朽化、狭隘化した公共施設を改善し、充実させなければなりません。  そこで、特に区立中学校の生徒数が減少傾向の地区もある中で、学校等の改築、改修に合わせた公共施設の複合化をさらに加速すべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、狭隘道路解消に向けた取組についてです。 区民意識調査で、地域における日常生活での困り事の一位が道路が狭くて危険、二位が住宅が密集し過ぎているとなっています。さらに、区が積極的に取り組むべき事業の回答では災害に強いまちづくりが一位です。我が会派としても、新たな道路整備をはじめとして、狭あい道路拡幅整備事業については、これまでも強く区に対して要望してきたところであります。区民生活に直結する道路問題。特に狭隘道路の解消に向けてはこれまでも区の助成制度が活用されてきましたが、毎回困り事上位にランクされるということは、なかなか進まない現状があると思われます。家の建て替え時はともかく、やはり建て替えを伴わない整備については、費用面においても現実と乖離があるのが現状のようです。災害に強いまちづくりの観点からも、狭あい道路拡幅整備事業は重要かつ喫緊の課題と言えます。  そこで、区は補助制度を改正して狭隘道路解消を進めるということですが、具体的にどのような効果を目指しているのか、伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎粟井 教育政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、区立幼稚園の今後の在り方についてお答え申し上げます。  区では、平成二十六年八月に区立幼稚園用途転換等計画を策定し、区立幼稚園について、区立または私立の幼保連携型認定こども園への用途転換を進めてまいりました。しかしながら、未就学児人口の減少や保育待機児の解消、また、令和元年十月から三歳児からの幼児教育・保育の無償化が開始するなど、用途転換等計画策定時とは区立幼稚園をめぐる状況は大きく変わっており、区立幼稚園の入園児数は大幅な減少傾向にございます。また、私立幼稚園においても、入園児数の減少が進んでいることは認識しております。  こうした状況を踏まえ、区といたしましては、用途転換等計画の見直しを行うことといたします。計画の見直しに当たりましては、区立幼稚園について、区内五地域の教育、保育の拠点として、質の高い教育、保育の実践に取り組んでいく方向で検討を進めてまいります。  また、引き続き配慮を要する子どもたちの受皿として役割を果たすとともに、医療的ケア児への対応など、インクルーシブ教育を積極的に推進する役割を担ってまいりたいと考えています。こういった方向性に基づき、区内の公私立幼稚園・保育所等の状況も踏まえながら、今後の区立幼稚園全体の適切な規模や果たすべき役割等について検討体制を構築し、本年七月を目途に新たな幼稚園の在り方を示してまいりたいと考えております。  次に、幼児教育について、教育総合センターでの取組についてお答え申し上げます。  昨年十二月に開設した教育総合センター内に設置いたしました乳幼児教育支援センターは、区の乳幼児期の教育、保育の充実に向けた推進拠点としての役割を担うものでございます。乳幼児教育支援センターでは、今後、令和三年に作成いたしました世田谷区教育・保育実践コンパスなどを踏まえ、研修や各園への専門人材の派遣等を実施し、乳幼児期の教育、保育の現場を担う保育者の人材育成に取り組んでおります。また、学び舎の仕組みを活用しながら、公私立幼稚園・保育所等の枠を超えた連携を促進するとともに、就学前教育と小学校教育の円滑な接続を図ってまいります。  さらに、子どもたちが外遊びや文化芸術、ICT等の様々な体験を通じて、非認知的能力などこれからの社会を生き抜く力を培うことのできる環境づくりや保護者等を対象にした講座等の実施など、社会の教育力向上に向けた支援の取組も進めてまいります。こうした乳幼児教育支援センターの事業が教育、保育の現場の実践に即したより有益なものとなるよう、公私立幼稚園・保育所等の保護者の声に耳を傾けながら、区全体の教育、保育の実現に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは、区立保育園について民間の認可保育園等との共存を今後どう考えていくのか、御答弁いたします。  区では二年連続保育待機児童ゼロを達成する一方で、既存の認可保育園等では、特に四月時点ではゼロ歳児の欠員が目立つようになり、九月にはほぼ欠員が解消しましたが、私立保育園等の経営状況に影響を及ぼす状況となりました。こうした状況を受け、既存施設の支援強化のため、当面の間、認可保育園の新規開設を実施しないとともに、今年四月の入園に向け、区立保育園の定員調整や弾力化定員の解消を進めてきているところです。  また、今般、この状況に加え、将来的な就学前人口減少の予測や令和四年四月の入園申込み状況等を踏まえ、平成二十三年以来、保育待機児童対策として、旧用賀保育園を活用して、緊急的に運営を継続してきた用賀保育園分園を令和十年三月末に閉園することとしました。  今後も、保育待機児童ゼロを継続していくことを最大の目標として、刻々と変化する保育需要に対応できるよう、入園選考の見直しも含めたさらなる保育定員の適正化への対応策を総合的に検討し、実施してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、区立学校の公共施設の複合化について御答弁いたします。  令和三年九月にお示ししました公共施設等総合管理計画一部改定における重点方針の一つとしまして、学校を中心とした複合化整備の推進を掲げております。これまでも代沢小学校や松原小学校等の改築に際して、まちづくりセンター等との複合化を進めるなど、施設総量の抑制とともに地域コミュニティーの活性化にも寄与する取組を進めてきたところでございます。もとより学校施設については、地域にとって貴重な財産であり、改築に当たりまして周辺公共施設などとの複合化による一体整備を図るとともに、敷地の高度利用や余剰面積の活用等も併せて検討し、効率的な整備をより一層推進していく必要がございます。  御指摘の築六十三年を迎えます奥沢中学校の改築に合わせて、奥沢地区に未整備であった児童館を学校敷地内に整備する方針を示したところでございます。他の未整備地区における児童館の整備計画につきまして、令和四年度を目途に策定する予定です。整備に当たりまして、引き続き学校の改築、改修に合わせた複合化を基本としつつ、該当地区におけます他の公有地等も含め、多角的な視点で最適かつ早期の整備可能性も含め、関係所管部とも鋭意検討をしてまいります。  以上でございます。 ◎笠原 防災街づくり担当部長 私からは、狭隘道路の解消について御答弁申し上げます。  区では、災害に強いまちづくりとして、昭和六十年より狭隘道路の拡幅整備を開始いたしました。その後、建築を伴わない整備につきましても土地所有者の協力を得られやすくするため、平成二十九年度に、金額に上限を設けながらも、地下埋設配管の撤去、移設に係る費用等へ助成するなどの整備の拡充をいたしました。この建築を伴わない整備は、建築を伴う整備と同時に、両隣やお向かいの敷地を同時に整備するものであり、視覚的にも整備が進んでいることを区民の方に実感いただけます。また、連続した空間の整備が進むことにより、その路線での協力も得られやすくなります。さらに、工期や費用の面でも削減が見込め、建築を伴う整備と同時に、連続した空間の整備をしていくことで、効果的、効率的な狭隘道路の拡張整備を進められると考えております。  平成二十九年度の助成制度の拡充後、若干でございますが、実績は増加いたしました。しかしながら、現行の制度では、いまだ土地所有者の方に費用負担が生じ、協力を得られないケースもございます。そのため、今回の見直しでは、複数の配管など条件を付しながらも、改めて助成金額を拡充して、土地所有者の費用負担を少なくすることで整備実績の増加を見込んでおります。引き続き、効果の検証なども行いながら、区民の御理解、御協力の下、より効果的、効率的な狭隘道路の拡張整備を進めてまいります。  以上です。 ◆二十六番(和田ひでとし 議員) いろいろ答弁いただきましたけれども、なかなかスピードアップされていかないという現状、これをやっぱり何とか打開して、公共施設整備についても、あるいは狭隘道路の拡幅にしても、しっかりと進めていただきたいということをまず申し添えておきます。  そして、先ほど他会派からもありましたけれども、今定例会の区長招集挨拶では、この道路事業については全く触れておられませんでした。今回私が取り上げました狭あい道路拡幅整備事業は、災害など非常時にはもちろんですが、日常的にも緊急自動車が入れないなど区民生活の大きな不安材料の一つであります。安全安心な暮らしを守るために、道路事業へのさらなる強化をしっかりと要望しておきたいと思います。  そして、この学校改築・改修に合わせた複合化ですけれども、やはりこれをしっかりとスピードを緩めずに、学校改築・改修とともに複合化を進めていただきたいことも申し添えておきたいと思います。  最後に、教育総合センターでありますが、仏作って魂入れずという言葉がございます。時代の変化に合わせた子ども・子育て応援都市にふさわしい中身のある施設となるよう、我が会派としても、しっかりこれから注視してまいりたいと思っております。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で和田ひでとし議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二番佐藤美樹議員。    〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆二番(佐藤美樹 議員) 通告に基づき質問します。  先月六日、東京でかなりの積雪があったことは皆さんも記憶に新しいと思います。その際、急激な気温低下により電力不足に陥る危機があったことを、後日、「世界が真っ暗に!?電気が消える日」と題した「ガイアの夜明け」という番組で私は知りました。  昨今、様々な資源不足、木材や半導体、樹脂等々の資源不足が関連産業に影響を及ぼしていますが、それ以上に電力は根幹であり、持続可能な発展をいかに遂げるか、あらゆるジャンル、あらゆる組織単位での再構築が求められています。このようなすぐそこにある危機を起点として、持続可能な地域社会に向け、以下三点、質問と提案をいたします。  一点目は、従来から実施してきた事業、政策をSDGsの視点で捉え直すことです。  SDGsの視点を生かし、成長戦略などにつなげる自治体の事例は様々あり、例えばコンパクトシティーを掲げてきた富山市では、SDGsの視点を入れ、地域課題を捉え直し、富山市SDGs未来都市計画を策定しています。  翻って当区はというと、世田谷区未来つながるプランにおいて、各施策がSDGsのどのゴールに当たるかのひもづけをし、策定しています。ひもづけされた各施策がPDCAのP、プランだとして、その実施に当たっては、後ほど取り上げますが、今回、砧地区での交通不便地域解消事業においてオンデマンド手法の検討をするように可変的に実施していき、今年度、評価の際、PDCAのチェックのタイミングですが、従来の成果指標などの評価に加え、SDGsで横串に刺した検証を入れ、次の計画につなげてはと考えます。見解を問います。  二点目は、さきに述べた交通不便地域解消事業についてです。  今回、砧地区で交通不便地域解消という地域課題に対し、これまで検討してきた定時定路線に併せ、オンデマンド形態を検討するとした展開に期待しています。交通不便地域において移動したい人が移動したいときにだけ資源を費消していくような形態は、持続可能性という観点からも理にかなっており、他の交通不便地域においても生かせると考えますが、今後の取組について伺います。  三点目は、電力不足や気候危機への対応です。  気候危機対策としての政策は複数ありますが、その中で創エネ、すなわち自然エネルギーなどの創出についてです。昨年のオリンピック・パラリンピックの際、馬事公苑前けやき広場に設置されたシンボルサイン。これは布張りの四角柱でありますが、ここには上部に太陽光パネルがついており、夜間照明の電源となっていました。屋根の上だけでなく、区民の皆さんが日頃目につく身近なところで使う分を賄おうとする様々な取組は、電力不足や気候危機への意識啓発にもつながると考えます。太陽光パネルの身近な場所での活用などの創エネについて、今後の取組を併せ、見解を伺います。  次に、教育領域と福祉領域の連携について二点、教育DX、そして、世田谷らしい新BOP学童について伺います。  まず、教育DXについて、これまで閉域で存在していた学習系と校務系ネットワークをクラウド上で一元化させるとして、そのビジョンを示したことは評価します。子どもたちの学校生活における情報を一元化し、利活用していくダッシュボード機能も示されましたが、このイメージ図にある学校生活の様子、学習の様子に放課後の情報、すなわち新BOP学童クラブでの様子は含まれておりません。放課後学童クラブでの学びや過ごし方は、翌日の教室でも学びにつながり得ることを考えれば、当然こうした情報も一元化すべきではないでしょうか。  他方、放課後の子どもたちの情報については、学童登録の児童のみを対象として、児童クラブ支援システムが今年度十五校、これから残りの四十六校に入ろうとしています。これまでも何度か指摘してきた点ですが、児童クラブ支援システムはスタンドアローンのシステムであり、今のままではダッシュボード機能には統合されません。教育DXの一環で既存のシステムにある情報も一元化できるよう、システムの在り方を見直していただきたいと考えますが、見解を伺います。  次に、世田谷らしい新BOP学童クラブの在り方についてです。  大規模化など課題解決や学童クラブの外部化を含め、区では当事業の運営方針を策定すべく、検討委員会にて議論を始めています。この運営方針は今後の当事業の羅針盤になるものでありますから、今度こそ議論を尽くし、世田谷らしい新BOP学童クラブにつなげていただきたいです。そして、その世田谷らしさといえば、これまで申し上げてきましたが、地域に子どもたちの放課後をよりよいものにしようと活動している団体や場。例えば子ども食堂や放課後居場所などが区内には多数あり、そうした地域に既にある場や人を生かせるような運営方針であってほしいと考えます。また、場、スペースという資源については、区立幼稚園の用途転換の見直しを視野に入れてはと考えます。この点は教育所管との情報共有も必要ですが、見解を伺います。  最後に、特別支援学級の課題について伺います。  今年度からの特別支援学級等の整備計画について、先日、一部改定がなされました。そのうちの一つ、船橋小学校など区内二校に設置されている情緒障害、自閉症の固定学級について伺います。  情緒障害、自閉症の固定学級の設置については、今年度、船橋小に二学級、多聞小に一学級の計二十四名分を設置していますが、既に二十二名まで埋まっており、その中に六年生がいなく、次年度への新規枠がないため、来年度二学級増やすとする改定案が出されました。ですが、それでも教室が足りなくなる可能性があるとのこと。情緒障害、自閉症の固定学級に対し想定以上の入室希望があるためとのことですが、そもそも当初の計画は、このような固定学級に対するニーズを数値化し、地域別で捉えた上で策定されたのでしょうか。  さらに言えば、障害のある児童については、未就学時での実態。すなわち、どこにどのようなニーズを抱えた児童がいて、児童発達支援施設などの利用はどうなのか等を捉え、計画に反映すべきです。このような情報については障害福祉所管のほうが多く有しているので、福祉領域と教育領域の連携が必要とも言えます。今後の特別支援学級の計画策定において、実態を捉えたものにするためにも、福祉領域との情報共有は必須ですが、見解を問います。  また、情緒障害など固定学級への入室について、狛江市などでは新一年生については固定学級で受入れをせず、まずは通常学級と当区で言うすまいるルームの併用で様子を見るような運用をしています。事一年生については、少しでも通常学級を経ることで学校全体を知ることや、また、保護者同士とのつながりという意味でメリットがありますが、このような進め方についての区の見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、未来つながるプランにおけますSDGsの視点での検討、取組について御答弁いたします。  お話の富山市のコンパクトシティーの取組は、地域住民の需要に応えるだけではなく、SDGsの視点を盛り込み、複合的な側面から課題解決を図る持続可能な取組として、両立された事例と認識しております。未来つながるプランでは四つの政策の柱に基づく十九の個別施策とSDGs、十七のゴールの関係を明らかにしており、次期基本計画の検討の視点として、SDGsを意識した施策展開をお示ししております。基本計画の検討に当たりまして、民間の調査サービスを活用し、区のSDGsの取組状況や課題を把握、分析の上、未来つながるプランの施策評価方法を検討するなど、次期基本計画、実施計画における具体の施策につなげてまいります。  次期基本計画期間には、SDGsの目標年限である二〇三〇年を迎えることから、庁内横断的な議論や区民事業者との連携強化、従来の施策、事業の在り方の見直しを図る好機と捉え、経済、社会、環境の三つの側面により統合的な解決を図るSDGsの理念の実現に向けて取組を加速させてまいります。  以上です。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、公共交通不便地域対策について御答弁申し上げます。  公共交通不便地域対策などにおけるデマンド型交通は、利用者が乗車希望時間や乗降場所を指定し、予約内容に応じてAI等が最適ルートや乗降時間などをリアルタイムで算出しながら運行するものなどがあります。お話にありましたように、利用者が移動する際に予約し、御利用いただく運行形態であることから、従来の定時定路線型と比べ、効率的な運行が可能となる側面がございます。また、ミーティングポイントと呼ばれる乗降地点を効果的に配置することで、目的地選択の幅が広がり、利便性向上につながる可能性があることなどから、今回砧モデル地区において需要予測アンケート調査及び分析を行い、定時定路線型と比較検討することとしております。新たな地域交通のファーストステップとなる砧モデル地区での調査検討も踏まえ、他地域での展開に向けた取組を推進してまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、気候変動対策として、身近なところでの創エネの取組について御答弁申し上げます。  現在、既存の中学校に太陽光発電設備と蓄電池を設置する新たな事業に向け、共同事業者の選定を進めています。太陽光発電により創出された電気を中学校で消費することで、二酸化炭素排出の削減効果が見込まれるとともに、災害停電時には避難所のさらなる電源の確保が可能となります。また、設置校に環境対策及びその効果、災害時の対応を示した事業啓発物を掲示することにより、生徒を含め、地域の皆様への普及啓発を図ることを考えております。このように身近な場所において、区の率先行動による意識啓発、環境教育を進めることで、引き続き再生可能エネルギーの促進に努め、気候変動適応策と地球温暖化緩和策に向けた取組を進めてまいります。  議員御紹介の事例は創エネの見える化となり、区民や事業者にとっても、具体的な活用として、利用促進及び啓発の面で重要な視点であると認識しております。今後もあらゆる機会を捉えて関係所管と連携し、取り組んでまいります。  以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  初めに、既存のスタンドアローンのシステムの情報を一元化してはどうかという教育DXについてお答え申し上げます。  来年度から予定をしております教育DX推進に向けた取組におきましては、様々なデータを集約して子どもたちの日々の状況を把握できるようにするなど、教育データの利活用を進めてまいります。教育データの利活用に際しましては、議員お話しのとおり、新BOP学童クラブの放課後児童システムとの連携も視野に入れてまいります。統合型校務支援システムで管理している情報の一部を連携させることなどが想定されますが、情報セキュリティー保護に十分に配慮しながら、必要な情報に限定して安全に送受信する仕組みの構築が課題となります。放課後児童システムの更新時期を見据え、クラウド化など経費の削減と必要な情報連携を行いやすくするよう、関係所管と協力しながら検討を進めてまいります。  また、国におきましても教育データを分野横断別に活用していく構想が示されております。こうした動きも踏まえ、関係所管の十分な連携の下に、教育DXの推進に取り組み、施策の効果を一層高められるように努めてまいります。  次に、情緒障害、自閉症の固定学級の設定についてお答え申し上げます。  令和三年三月の特別支援学級等整備計画の策定に当たりまして、令和三年三月に自閉症・情緒障害特別支援学級につきましては、令和元年度に実施した調査に基づく想定需要数と令和二年度中の就学相談の状況を考慮しながら児童数を推定し、整備計画を策定したところでございます。しかしながら、今年度の就学相談の状況を見ますと、自閉症・情緒障害特別支援学級への入級希望は依然多いことから、今般、整備計画の見直しを行い、令和四年度におきましても新規開設や既存設置校の学級数の増により、受入れ体制の強化を図ってまいります。  令和五年度以降の整備に当たりましては、お話にございましたとおり、障害福祉部と情報共有を図りながら、配慮を要する未就学児の施設の利用状況等、地域の特性も十分に考慮しながら、設置校の増に向け整備を進めてまいります。  次に、普通学級を経てから固定学級に決定するという進め方についてお答え申し上げます。  特別支援学級等への入級につきましては、就学相談の申込み等を経て、個々のお子さんの状況を丁寧に見取り、就学に当たっての必要な支援や望ましい就学先について専門家を交え検討しております。小学校の入学時より、自閉症・情緒障害学級での支援を必要とするお子さんや入級を希望する保護者が一定数いる現状もあり、必要な支援や就学先について丁寧に相談を進めているところでございます。  一方で、就学相談の結果が自閉症・情緒障害特別支援学級の就学が望ましいとの見解でも、保護者が通常の学級を希望する場合もあり、その場合には、特別支援教室での支援を行いながら、可能な限り通常の学級への適応を促していけるようお子さんに必要な支援を行っております。  教育委員会といたしましては、就学相談を通じて配慮を必要とするお子さん一人一人について、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見等を踏まえながら、子どもにとって望ましい就学先について検討してまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、世田谷らしい新BOP学童クラブの在り方について御答弁申し上げます。  新BOP学童クラブでは、児童数の増加による活動スペースの狭隘化、大規模化が進み、その解消のため、学校外に民間の放課後児童クラブを誘導することに取り組むこととしており、区の放課後児童健全育成事業の質を確保するため、現在、区独自の運営方針の策定に向けた検討を進めております。放課後をより豊かにするためには、子どもたち自らが身近な地域の中で放課後の過ごし方を見つけられる環境をつくることが大切であり、その実現のため、地域活動団体などとの連携が必要であると考えており、運営方針の中にも地域との連携について示していきたいと考えております。区内には外遊び支援など様々に活動する団体もございますので、こうした団体や子ども・子育て会議などでの意見を伺いながら、次期子ども計画の策定の中で、その方策についてさらに検討してまいります。  また、子どもたちの放課後の過ごし方の充実のため、学校施設のほか、公共施設の活用も視野に入れ、教育委員会とも連携して場の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◆二番(佐藤美樹 議員) 御答弁いただきました。  SDGsについて、未来つながるプランの今後の評価のところで視点を組み込むということを提案させていただいたんですけれども、御答弁で加速させていくと言われましたけれども、それに対しては推進体制面も課題があると考えています。この辺はまた予算委員会で伺いたいと思いますが、一点、再質問として、特別支援学級の整備計画のほうでお伺いします。  今回、想定需要数というのがそもそも妥当だったのかということをお伺いしているわけですけれども、今後は、結局未就学児の時点での情報というのが福祉領域のほうにあるので、そことの情報共有、連携ということで、その部分が必要ではないかという質問をさせていただきました。教育所管側の御答弁をいただきましたけれども、福祉領域、障害福祉のほうとしては、こういった情報について教育の計画に反映できるようにさせていく部分をどうお考えか、伺いたいと思います。 ◎須藤 障害福祉部長 私から再質問に御答弁をさせていただきます。  特別支援学級へ入学する児童の方は、就学前の段階から子どもの発達に関する相談機関ですとか、障害児の通所施設等を利用していることが多いというふうに考えられます。区内には発達障害相談・療育センターのげんきのほか、区、それから民間事業者が運営いたします児童発達支援の事業所がありまして、発達障害等の児童の相談や通所での療育を実施いたしております。げんきでは、保護者の相談対応において、進路選択に関して教育所管と連携するといった場合もございます。児童の様子は年齢や環境など様々な要因によって変化してまいりますので、個々の状況に応じた丁寧な対応が必要になるというふうに考えております。  発達障害等の児童と保護者の進路選択を一概に把握するということはなかなか難しい状況ですけれども、特別支援学級を計画的に整備していくためには、障害福祉部といたしまして、げんきや児童発達支援事業所の利用状況等の情報の活用について、個人情報に留意しながら、教育所管と協力連携して検討したいというふうに考えております。  私からは以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) それぞれありがとうございます。続きは予算委員会で問いたいと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。
     これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十分休憩    ──────────────────        午後五時開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長  △日程第二から第六に至る五件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 議案第一号 令和四年度世田谷区一般会計予算外議案四件 ○下山芳男 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第一号より議案第五号に至る五件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第一号「令和四年度世田谷区一般会計予算」につきまして御説明いたします。令和四年度世田谷区予算書の資料右下の三ページを御覧ください。  本件は、令和四年度における世田谷区の財政運営に要する年間経費でございます。予算総額は歳入歳出それぞれ三千三百三十六億三千三百七十万六千円で、前年度当初予算に対して四・三%の増となっております。  歳入予算につきましては、特別区税をはじめ特別区交付金、国庫支出金、都支出金、その他の収入を計上しております。  歳出予算につきましては、予算編成の基本的考え方の下、新たにスタートする世田谷区未来つながるプラン二〇二二―二〇二三(実施計画)に掲げる四つの政策の柱に基づき、コロナ後を見据え、誰もが安全で安心に暮らせるまちの実現を目指す、地域社会から福祉を向上させる予算として編成しております。  また、債務負担行為につきましては、本庁舎等太陽光発電設備整備事業ほか三十七件について、翌年度以降に債務を負担するものであります。  特別区債につきましては、本庁舎等整備事業ほか三件の起債限度額等について、また、一時借入金につきましては百億円の借入れ最高額をあらかじめお認めいただくものであります。  次に、議案第二号「令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計予算」につきまして御説明いたします。一七ページを御覧ください。  本件は、国民健康保険事業に要する年間経費であり、予算総額を歳入歳出それぞれ八百二十三億六千九百四十七万六千円とするものであります。  次に、議案第三号「令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計予算」につきまして御説明いたします。二三ページを御覧ください。  本件は、後期高齢者医療事業に要する年間経費であり、予算総額を歳入歳出それぞれ二百三十三億八千二十六万八千円とするものであります。  次に、議案第四号「令和四年度世田谷区介護保険事業会計予算」につきまして御説明いたします。二九ページを御覧ください。  本件は、介護保険事業に要する年間経費であり、予算総額を歳入歳出それぞれ六百九十九億二千六百三十一万二千円とするものであります。  次に、議案第五号「令和四年度世田谷区学校給食費会計予算」につきまして御説明いたします。三七ページを御覧ください。  本件は、学校給食事業に要する年間経費であり、予算総額を歳入歳出それぞれ三十億八千七百五十七万八千円とするものであります。  以上、議案第一号より議案第五号に至る五件につきまして、よろしく御審査のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本五件を審査するため、四十七名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本五件は、四十七名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。  ただいま設置いたしました予算特別委員会の委員選任につきましては、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から指名いたします。  お諮りいたします。  お手元の予算特別委員会構成表のとおり指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よってただいま指名いたしました各議員を予算特別委員会委員に選任することに決定いたしました。    ──────────────────       予算特別委員会構成表 阿久津 皇 石川ナオミ おぎのけんじ 加藤たいき 上島よしもり 河野 俊弘 宍戸 三郎 菅沼つとむ 畠山 晋一 真鍋よしゆき 山口ひろひさ 和田ひでとし いたいひとし 岡本のぶ子 河村みどり 佐藤ひろと 高橋 昭彦 津上 仁志 平塚けいじ 福田たえ美 いそだ久美子 桜井 純子 中塚さちよ 中村公太朗 中山みずほ 羽田 圭二 藤井 まな 大庭 正明 田中 優子 ひえしま進 桃野 芳文 江口じゅん子 たかじょう訓子 中里 光夫 金井えり子 高岡じゅん子 田中みち子 小泉たま子 つるみけんご あべ 力也 上川 あや ひうち優子 佐藤 美樹 そのべせいや 神尾 りさ くりはら博之 青空こうじ    ──────────────────    ○下山芳男 議長 この際、本議場において予算特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行うため、ここでしばらく休憩いたします。     午後五時六分休憩    ──────────────────        午後五時十四分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  休憩中に行われました予算特別委員会の正副委員長の互選の結果を事務局長に報告させます。 ◎林 区議会事務局長 御報告いたします。  予算特別委員会委員長 菅沼つとむ議員  同     副委員長 平塚けいじ議員  同     副委員長 藤井 まな議員  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で報告を終わります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第七から △第十九に至る十三件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第七 議案第六号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第八次)外議案十二件 ○下山芳男 議長 本十三件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第六号より議案第十七号及び議案第三十一号の十三件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第六号「令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第八次)」につきまして御説明いたします。令和三年度世田谷区補正予算書の資料右下の三ページを御覧ください。  本件は、抗原定性検査キット配布事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策や事業進捗等を踏まえた経費の増減への対応に加え、特別区税や特別区交付金などの歳入の増を踏まえ、基金繰入金と特別区債を抑制するとともに、今後の行政需要に備えた基金への積立てを行うため、補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に百四十三億六千二百四十一万六千円を追加し、三千七百八十三億五千六百六万三千円とするものであります。  次に、議案第七号「令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。一五ページを御覧ください。  本件は、国民健康保険事業に関し、保険給付費の増額などにより、既定予算に二十五億五千百十三万四千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ八百三十三億三千九百五十万四千円とするものであります。  次に、議案第八号「令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。二一ページを御覧ください。  本件は、後期高齢者医療事業に関し、広域連合療養給付費負担金の増額などにより、既定予算に一億五百五十八万一千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ二百二十四億二百六十五万七千円とするものであります。  次に、議案第九号「令和三年度世田谷区介護保険事業会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。二五ページを御覧ください。  本件は、介護保険事業に関し、保険給付費の増額などにより、既定予算に三億九千十一万七千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ七百八億三千三百三十九万二千円とするものであります。  次に、議案第十号「令和三年度世田谷区学校給食費会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。三一ページを御覧ください。  本件は、学校給食事業に関し、給食賄費の増額により、既定予算に一千六百八十八万八千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ三十一億一千七百十九万七千円とするものであります。  次に、議案第十一号「世田谷区基本計画審議会条例」につきまして御説明いたします。  本件は、令和六年度を初年度とする新たな基本計画の策定に当たり、区長の附属機関として世田谷区基本計画審議会を設置するため、新たに条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十二号「世田谷区個人情報保護条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の廃止及び個人情報の保護に関する法律の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十三号「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第十四号「幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本二件は、不妊治療のための休暇について定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十五号「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、育児休業を取得しやすい勤務環境の整備に関する措置について定めるとともに、非常勤職員における育児休業の取得要件を緩和する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十六号「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、児童相談所に勤務する職員の特殊勤務手当について定めるとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十七号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の改正に伴い、長期優良住宅建築等計画の認定を受けた住宅の容積率の特例許可申請手数料を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第三十一号「大六天橋耐震補強工事委託契約変更」につきまして御説明いたします。  本件は、令和二年第一回区議会臨時会において議案第四十九号として工期の変更を行ったものでありますが、契約の相手方である中日本高速道路株式会社東京支社が発注した工事の終了に伴い、工事費が確定したため、契約金額の変更を行うものであります。
     本件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第五号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第二条の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第六号より議案第十七号及び議案第三十一号の十三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本十三件中、議案第十三号から第十六号までの四件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、お手元の資料のとおり、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しております。  本十三件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十及び △第二十一の二件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十 議案第十八号 世田谷区気候危機対策基金条例外議案一件 ○下山芳男 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第十八号及び議案第十九号の二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第十八号「世田谷区気候危機対策基金条例」につきまして御説明いたします。  本件は、地球温暖化の防止を図るために行う施策等の総合的な推進に必要な経費の財源に充てるため、世田谷区気候危機対策基金を設置するに当たり、必要な事項を定めるため、条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第十九号「世田谷区産業振興基本条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、条例の題名等を変更するとともに、地域経済の持続可能な発展を推進するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第十八号及び議案第十九号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十二から △第二十五に至る四件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十二 議案第二十号 世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例外議案三件 ○下山芳男 議長 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第二十号より議案第二十三号に至る四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第二十号「世田谷区指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、社会福祉士及び介護福祉士法の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十一号「世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、瀬田小新BOP学童クラブの活動場所を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十二号「世田谷区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十三号「東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更に関する協議」につきまして御説明いたします。  本件は、東京都後期高齢者医療広域連合の経費の支弁方法の変更に伴い、東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する必要があるため、地方自治法第二百九十一条の十一の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第二十号より議案第二十三号に至る四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十六から △第三十二に至る七件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十六 議案第二十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例外議案六件 ○下山芳男 議長 本七件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第二十四号より議案第三十号に至る七件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第二十四号「世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立下馬五丁目庚申公園ほか三か所の区立公園を設置するとともに、公園に係る使用料及び占用料の額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十五号「世田谷区立身近な広場条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、身近な広場に係る使用料及び占用料の額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十六号「世田谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、道路の占用料の額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十七号「世田谷区道路の構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、自転車通行帯の構造の一般的技術的基準を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第二十八号及び議案第二十九号の特別区道路線の認定二件につきまして御説明いたします。  本二件は、いずれも新たな特別区道の路線の認定に関するものでありまして、道路法第八条第二項の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第三十号「特別区道路線の廃止」につきまして御説明いたします。  本件は、特別区道路線の廃止に関するものでありまして、道路法第十条第三項の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第二十四号より議案第三十号に至る七件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本七件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第三十三を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第三十三 請願の付託 ○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十五分散会...