世田谷区議会 > 2021-12-01 >
令和 3年 12月 定例会-12月01日-03号

  • いじめ自殺(/)
ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2021-12-01
    令和 3年 12月 定例会-12月01日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 3年 12月 定例会-12月01日-03号令和 3年 12月 定例会 令和三年第四回定例会 世田谷区議会会議録第二十号 十二月一日(水曜日)  出席議員(四十八名) 一 番  神尾りさ 二 番  佐藤美樹 三 番  そのべせいや 四 番  青空こうじ 五 番  ひうち優子 六 番  上川あや 七 番  くりはら博之 八 番  つるみけんご 九 番  小泉たま子 十 番  あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  加藤たいき
    十六番  河野俊弘 十七番  阿久津皇 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 和田ひでとし 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 宍戸三郎 三十八番 真鍋よしゆき 三十九番 畠山晋一 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 石川ナオミ 五十番  山口ひろひさ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 世田谷総合支所保健福祉センター所長        土屋雅章 砧総合支所保健福祉センター所長        三羽忠嗣 政策経営部長 加賀谷実 デジタル改革担当部長(政策経営部長兼務)        加賀谷実 総務部長   池田 豊 危機管理部長 菅井英樹 財務部長   工藤郁淳 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 須藤剛志 子ども・若者部長        柳澤 純 児童相談所長 土橋俊彦 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        辻 佳織 住民接種担当部長        久末佳枝 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        田中太樹 土木部長   青木 誠 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育監    粟井明彦 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長(教育監兼務)        粟井明彦 生涯学習部長 内田潤一 選挙管理委員会事務局長        渡邉謙吉 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和三年十二月一日(水)午前十時開議)  第 一 一般質問
     第 二 議案第九十三号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)  第 三 議案第九十四号 世田谷区公文書管理条例の一部を改正する条例  第 四 議案第九十五号 世田谷区情報公開条例の一部を改正する条例  第 五 議案第九十六号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例  第 六 議案第九十七号 世田谷区立上祖師谷中学校耐震補強工事請負契約  第 七 議案第九十八号 仮称世田谷区立玉川地域拠点保育園新築工事請負契約変更  第 八 議案第九十九号 特別区人事及び厚生事務組合規約の変更に関する協議  第 九 議案第 百六 号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 十 議案第 百七 号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第十一 議案第 百八 号 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第十二 議案第 百九 号 世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例  第十三 議案第 百十 号 世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例  第十四 議案第百十一号 世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例  第十五 議案第百十二号 世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例  第十六 議案第 百 号 世田谷区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例  第十七 諮問第 四 号 人権擁護委員候補者推薦の諮問  第十八 議案第 百一 号 世田谷区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第十九 議案第 百二 号 世田谷区保健所設置条例の一部を改正する条例  第二十 議案第 百三 号 世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例  第二十一 議案第 百五 号 世田谷区立図書館の指定管理者の指定  第二十二 議案第 百四 号 世田谷区立総合運動場及び世田谷区立大蔵第二運動場の指定管理者の指定  第二十三 請願の付託     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、日程第二から第十五 企画総務委員会付託  三、日程第十六 区民生活委員会付託  四、日程第十七 委員会付託省略、表決  五、日程第十八から第十九 福祉保健委員会付託  六、日程第二十 都市整備委員会付託  七、日程第二十一 文教委員会付託  八、日程第二十二 スポーツ・交流推進等特別委員           会付託、表決  九、日程第二十三 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○下山芳男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○下山芳男 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) おはようございます。通告に基づき質問します。  九月の決算特別委員会の質疑の中で、自民党の幹事長より、地域行政の改革についてこう変えるべきという共通認識が庁内にない。これでは制度改革しようにもできないのではないかという懸念、指摘がありました。まさにその指摘が現実のものとなりました。今回示された条例素案では、本庁の在り方の変化や、地域経営に責任を持つ総合支所の在り方については何ら書かれていません。疑問です。  さらに、区長は地区を重視すると言われ、地区の行政拠点が生活基盤を支援するなくてはならない場と言われていますが、しかし、条例素案において示されているのは、地区のまちづくりセンターのことだけです。区長や区は、まちづくりセンターが区民に最も身近な行政機関と言われますが、現状間違いです。まちづくりセンターの利用者数は、児童館利用者数の三分の一以下、あんしんすこやかセンター利用者数の六割程度です。  児童館は、公明党の提案により、全地区においての整備が進み、地区における子育て支援の中核組織の役割を果たしていく可能性があり、また、あんしんすこやかセンターは、区の努力により全地区に整備が完了しているのです。これらをなぜ条例上明らかにしないのか。区民の日常生活の支えともなり、膨大な経費を費やしているはずと伺うと、地域行政部門としてはまちづくりセンターを考え、そのほかはそれぞれの所管が担当することのようです。今回の条例案は、まさに地区に縦割り行政を持ち込むものです。今の素案は、一つの担当部が作成したまちづくりセンター機能充実条例でしかありません。ですから、これが果たして条例に値するかという議論が出てくるのです。全面的に見直すべきです。お考えを伺います。  今回の地域行政の検討が単なる一部門の検討課題となり、地区の区民生活を支える総合的な姿を描けていないことが大きな問題です。担当部が区民生活領域にいることの限界です。全体のシナリオを描くのは無理と言わざるを得ません。DX改革も同様で、担当部門の課題として、単なる事務改善の一環でしかないという意識では何も変わりません。全庁を挙げたDXの成果が地域行政制度の仕組みを通じて区民に還元される、このような筋書きがあるはずです。そのことが全く示されない。その原因は責任者不在にあると考えます。今後、全庁、全職員の意識を改革し、あるべき姿を共有し、一丸となって改革に向かっていくか、その真の責任者がどのような指揮命令をするのか、その具体の方策を伺います。  区を挙げたワンストップサービスの実現は、区民に時間を返す改革の一環であり、全ての分野に適用されるものです。ところが、この間、地域行政担当に伺うと、自分たちが担当するのは、まちづくりセンターでのワンストップサービスの実現であり、そのほかの窓口は、自分たちの所管ではないというようなことのようです。一体全体、地域行政とは何なのでしょうか。区を挙げたワンストップサービスの実現の責任者は誰であって、どのように全庁的体制を取り、その実現を図っているのか伺います。  地域行政条例は、議会が議決し責任を持つものですが、一方、地域行政推進計画は、行政計画として区が責任を持って実行していくものです。計画策定に当たっては、目標の設定、目標を実現するに当たっての様々な課題の分析、整理、取るべき戦略、手段の選択、それを達成するための人材確保、これを支えるための予算を明らかにするなど、区を挙げての取組が必要ですが、実際どのように検討され、来年二月に計画素案を出されるのか、責任者が誰であって、どのように進められるのか、伺います。  次に、参加と協働というテーマの条例上の位置づけについて伺います。  今回の条例素案の前文において、参加と協働を土台とした共創による地域づくりとありますが、疑問です。突如現れた共創、共に創る、つくるは創立記念日の創と書くのですが、この新たな言葉は何を意味しているのか。参加と協働と新たに示された共創とはいかなる違いがあるのかお答えください。  地域行政推進条例はあくまでも行政の仕組みであって、区民参加や区民との協働については、改めてしっかりと区民と向き合う中でつくり出していくべきと考えます。参加と協働はとても耳触りのよい言葉ですが、この言葉を区民に向かって言う前提として、区の役割、姿勢、区がやるべきことをはっきりと区民に示すべきです。それなくして、地区などでまちづくりを協働でやりましょうと言うのは、区の責任逃れ、責任回避と言わざるを得ません。さらには、区民の間に分断を生じかねさせないことは、様々な開発などで経験済みのことです。区民が混乱するばかりです。見直すべきと考えますが、区のお考えを伺います。  区の将来を見据えた予算の組立てについて伺います。  区の都市整備部門の日々の取組を評価いたします。必ずしも全ての区民の方々から感謝されるとは限らない事業についても、区の将来を見据えて黙々と仕事に取り組む態度は誠に望ましい姿です。問題はこの都市整備部門の予算上の在り方です。  過去二十年の一般会計予算に占める土木費の比率は、平均一二%弱、最高が平成二十一年の一六・六%、最低が令和三年度の七・七%です。金額では、最大が平成二十一年度の約四百億円、最少が平成二十五年度の約二百三十億円です。この二十年間で、金額、比率とも二倍程度のぶれがあります。自治体の責務として、将来にわたって区民の生命と財産を守る課題があり、土木費の比率、金額は最も長期的な観点から安定して確保されるべきものです。災害対策も含め、都市整備部門についてはもっと予算を投じ、スピードアップを図るべきであり、その基本として、予算額は将来に向けてどの程度が適正な水準と考えるのか伺います。  コロナ禍後の区民生活の在り方について伺います。  九月議会において、私は、コロナ禍が区民の生活の全般にどのような影響を及ぼすか把握し、総合的対策を講じる体制の確立などの具体的な姿を見せるべきと質問し、答弁をいただきましたが、その後何らの対応が見られないことから、改めて質問いたします。  まず、コロナ禍での外出自粛により、高齢者を中心とした行動弱者、活動弱者については、緊急事態解除後においても、従来のような活動ができない、ひきこもりとなり、認知症予備軍となりかねません。このような高齢者をはじめとする行動弱者への積極的働きかけが今必要と考えます。区のお考えを伺います。  さらに、この外出自粛、在宅勤務などの影響により、バス利用者が減少したことから、区内においてバス運行廃止の動きがあります。今言いましたとおり、コロナ後に向けて、高齢者をはじめ多くの区民が活動を再開しようとしている時点でのバス路線廃止は、寝耳に水と言わざるを得ません。バス事業者の意向とは別に、区民の自由な活動、行動を保障、支援するべき自治体として責任を持った対応をすべきです。さらに、当該地区においては人口が急増し、最寄りの小学校が来年度は七クラスになるという事態も発生しています。このことはバス事業者は御存じなかったのですが、これは地元自治体の情報提供不足と言わざるを得ません。区民の生活を守る観点からの区のお考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、地域行政の条例化につきまして、地域行政の検討が総合的な内容になっていない、全庁課題になっていない、また、DXの推進やワンストップサービスの実現に向けて、責任者は誰で、どのような体制をつくっていくのかといった御指摘について御答弁申し上げます。  地域課題が多岐にわたり複雑化する中で、区は区民生活の視点から総合的に課題を捉え、分野を超えた施策を組み合わせるとともに、行政サービスやまちづくりにおけるDXを推進し、地域課題の解決を図ることが求められていると認識しております。このため、(仮称)地域行政推進条例については、まちづくりセンターの窓口機能やまちづくり機能の充実と、デジタル技術の活用を一体的に捉えて、組織横断的な体制の下で検討しており、地域行政の目指す具体的な姿を広く庁内で共有し、総合支所、本庁における業務の見直しも進めてまいります。  特に行政サービス改革においては、区の様々な窓口業務の見直しの視点が不可欠であることから、まちづくりセンターの窓口と総合支所、本庁をつなぐ仕組みやデジタル化する手続、様々な相談業務について、デジタル部門と緊密に連携し、両副区長の下で全庁を挙げた体制により検討を進めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎舟波 地域行政部長 私からは地域行政推進条例に関して三点御答弁申し上げます。  まず、地域行政推進計画の検討とその体制についてでございます。  地域行政の推進計画につきましては、(仮称)地域行政推進条例に基づきまして、地域行政制度の充実に向けた基本的な考え方や方向性を明らかにし、施策の内容や実施時期等について定めるものでございます。まちづくりセンターまちづくり支援や窓口業務の在り方につきましては、この間、まちづくりセンター所長や総合支所の管理職との意見交換、若手職員によるコミュニティーに関する検討、また、区議会での御議論や区民等との対話を通じましてまちづくりセンターの課題を抽出し、望まれる姿を構想しながら、副区長をトップとした庁内検討体制において検討を進めてまいりました。来年二月にお示しする予定の推進計画素案では、区が取り組む施策の方向性や当面取り組む具体的な内容のほか、令和六年度以降の次期基本計画やDX推進と整合を取った重点的な取組方針をお示しして、条例素案と併せて広く区民の方にも分かりやすく説明し、条例計画づくりを進めてまいります。  続きまして、行政の仕組みとしての地域行政条例と参加と協働の考え方についてでございます。  区は、基本構想におきまして、一人でも多くの区民が区政や公の活動に参加することができることをビジョンの一つとして掲げ、現行の基本計画において、参加と協働を区政運営の土台に据えてまいりました。基本構想や基本計画の実現に向けましては、きめ細かい地域行政を展開するため、区民に身近な総合支所やまちづくりセンターにおいて、区民が区政に参加する機会を数多くつくる取組を進めなければなりません。このため、(仮称)地域行政推進条例では、全ての区民が必要とする行政サービスを利用し、受けることができる環境、執行体制等を整備するとともに、区民等が主体的にまちづくりに取り組むための支援の拡充、また、区民が区政に関する意見を述べ、区政への参加が図られる環境の整備に努めることについて、区が責任を持って進める観点から規定してまいります。  最後に、参加と協働を土台とした共創についてでございます。  区は、日常的に区民の声を伺うシステムを設けるとともに、パブリックコメントやワークショップの実施などにより、多様な区民の意見を事業計画や施策の実施に生かしてまいりました。また、町会・自治会の活動をはじめ、身近なまちづくり推進協議会など、区民主体の取組を支援し、また、大学との連携やNPO等を対象とした提案型協働事業の実施など、協働によるまちづくりの推進にも積極的に取り組んでおります。しかし、地域社会の急激な変化や地域コミュニティーの新たな価値が見直される中で、複雑化する地域課題に対しましては、取組や解決策を区民や多様な主体と対話し、知恵を出し合い、課題解決を図るとともに、町の新たなにぎわいや魅力を共につくり出す共創によるまちづくりが求められていると考えております。  共創によるまちづくりに向けましては、区は、区民や民間事業者など、多様な主体の交流の機会を率先してコーディネートするとともに、DXの推進によるまちづくりの活動の効率化、負担軽減も支援しながら、まちづくりセンターを核として、町の将来像を構想した地域づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、都市基盤整備費の予算額、適正規模等についてお答えいたします。  公共施設等総合管理計画一部改定におきまして、建物、都市基盤整備経費を合わせまして年間五百八十億円程度を財政目標としており、この財源として、起債、基金の適切な活用を見込んでございます。このうち、都市基盤整備費は年間百八十億円程度を財政目標とし、各年度ごとの対象案件や事業量などを所管部と調整しながら、必要な予算を計上しております。また、毎年度の予算査定では、都市基盤施設の安全性や緊急性、事業進捗などを十分に考慮し、実施時期を調整しながら、当初予算だけではなく、補正予算も含めて対応を図ってきてございます。今後とも百八十億円の財政目標を基本にしつつ、国・都の財源や繰越財源を活用し、補正予算による前倒し対応や、複数年度予算の考え方による発注時期の平準化なども行いながら、都市基盤整備のスピードを緩めることのないよう、必要な予算を確保してまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、コロナ禍の区民生活の在り方、高齢者の支援についてお答えいたします。  区では、高齢者がいつまでも生き生きと暮らせるよう、地域での学びや仲間づくりをサポートしていくことが区としての重要な役割であり、高齢者生きがい講座や生涯大学をはじめ、各総合支所や教育委員会などの事業として、高齢者向けの各種講座などを実施しているところです。お話にもありましたコロナ禍で外出できなくなった方や、元気であっても学びの意欲が低下した方などをはじめ、高齢弱者の方々が身近な地域で改めて学びや様々なことにチャレンジすることができるよう、現在、区で取組を進めております高齢者の地域参加促進施策の居場所づくりの中で、今後、庁内関係所管と連携し、高齢者の志向の多様化なども踏まえながら、手法の検討を進め、生きがいづくりを推進してまいります。  以上でございます。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは公共交通における今後の区の取組についてお答えいたします。  バス路線は、区民の生活に欠かせない公共交通の一翼を担っていることから、これまでは利用者への配慮などから、路線単位での収支状況のみで判断することなく、バス事業者の全体の収支に基づき、路線全体が維持されてきたものと理解しております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により需要は減少し、現時点でもテレワークなどの普及により、コロナ前までの回復が見通せない状況を踏まえ、バス事業者の総合的な経営判断から、路線再編などによる収支改善の取組が行われております。  一方、コロナ後の将来を見据え、区民生活を支える公共交通機関のネットワークを充実させるためには、バス路線などの基盤となる道路整備に計画的かつ着実に取り組む必要がございます。区といたしましては、誰もが快適に安全安心な移動ができる世田谷の理念の下、交通まちづくりの総合的な視点に立ち、誰もが移動しやすい交通環境の確保や、交通ネットワークの充実に向けて取り組んでまいります。  以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 再質問します。  失望しています。通告をした質問に的確に答えていないという以前に、今の区には全く意欲というものが感じられません。あるべき姿を考えることをせずに、自分の範囲内でできることだけをやろうとする。先進事例を見て、できることしかやらないのは今の区の姿勢ではないですか。招集挨拶と実務の間に隔たりがあるように見えてなりません。区がばらばらになっていく危機感も感じます。  地区に縦割り行政を持ち込まない。地区で区民の生命と財産を守る仕組みをつくる。地区から大都市世田谷の行政の在り方をつくり直していく。これが今求められているはずです。前も申し上げましたが、区民は区役所を選べない。区は区民の信頼を受け、全力で課題に立ち向かうべきなのです。どのようにその音頭を取り、職員の意識を高め、心を一つにして課題に挑戦していけるのか、お考えを伺います。 ◎舟波 地域行政部長 再質問にお答えいたします。  地域行政推進につきましては、この間お示ししておりますけれども、まず地区の重視ということを大前提として考えたいと思っております。そのために、地域行政推進条例の中では、地区の充実策といたしまして、まちづくりセンターの強化というところを中心に据えております。また、このまちづくりセンターの強化につきましては、まちづくりセンターが単体で行うものではなくて、やはり地区のいろいろな方々の力を借りながら、ともに町をつくっていくということがやはり必要なことだろうと思っております。そのために、今後、地域行政推進計画において具体的な取組をお示ししながら、町の方々との理解も含めていただきながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆九番(小泉たま子 議員) 同じ質問を副区長にしたいと思います。担当の副区長はどう考えるんですか。 ◎岩本 副区長 児童館、あんしんすこやかセンターの利用者の数の御指摘をいただきました。まちづくりセンターにいらっしゃる区民の方よりも多いといった御指摘をいただきました。前回、他会派からの御指摘で、まちづくりセンターの課題を解決する組織にならなくちゃいけないといった御指摘もいただいております。まさに区民生活を今後支えていく中で、地区の拠点としてまちづくりセンターはどういう役割を果たすべきか、現在もいろいろ様々機能を果たしていますけれども、地区の拠点として充実強化していくということを目指して、今条例化の議論をさせていただいているところだと考えております。  様々の御指摘をいただいておりますけれども、身近な相談の窓口というコンセプト、スマートフォンの操作支援とかありますけれども、幅広く区民生活を支えるような機能をどうやって備え、かつ人材を配置していくかというところがテーマだと思っていますので、条例化に向けてより具体的な姿をお示しできればと考えているところです。  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ────────────────────
    ○下山芳男 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは質問してまいります。  世田谷区の相対的魅力と価値低下、その再生について伺ってまいります。  九月二十一日、東京都が都内基準地価を発表、世田谷区が都内地価下落ワーストテンを独占し、日経新聞などでも取り上げられ、話題になりました。その十の基準地は、岡本三丁目、千歳台二丁目、赤堤三丁目、給田四丁目、喜多見四丁目、給田五丁目、北烏山一丁目、尾山台一丁目、八幡山二丁目、船橋四丁目で、全て第一種低層住居専用地域の住宅地です。共通するのは、駅から遠い立地で、交通の便が悪く、コンビニも近くにないなど、利便性に欠ける地域とのことです。  また、特集記事を書いた光文社のライターは、残念ながらこの地域は、計画的な開発がなされる背骨の通った町とは言えません。今、一棟を何棟もの戸建てに分割し、新たに分譲するディベロッパーがこれらのエリアにも進出しています。しかし、それでは町並みが変わり、保たれてきた高級感が失われてしまいます。住民からも反発があるでしょうと分析をしておりますが、この十地点ばかりではなく、世田谷区全体の平均地価も前年度比〇・五%下落しています。  世田谷区の魅力が低下していることは間違いありませんが、そうした自覚が行政にないところに大きな問題があるのではないでしょうか。コロナ禍で経済が停滞しているのは二十三区どの自治体も同じです。世田谷区の地域が他の区と比べて特に下落しているわけですから、この世田谷区の相対的魅力と価値の低下をいかに再生するのか、区長の所見と対策を伺います。  次に、軽自動車税についてです。  十月二十二日に行われた東京都税制調査会で軽自動車の増税の提言をしておりますが、全く賛同できませんし、反対です。提言とはいえ、軽自動車税は地方税法により市区町村が課すことが定められており、市区町村を頭越しにした東京都のミスリードは看過できません。世田谷区としての立場を明確にする必要があると思いますが、都税調による軽自動車税増税の提言に対する区の見解を求めます。  次に、世田谷区内を通る私鉄電車内での犯罪から区民利用者を守る安全対策についてです。  小田急線、京王線等列車内において相次いで発生した刃物等を使用した無差別凶悪事件は、区民の安心安全な暮らしに大きな不安を与えるものであり、事件発生後、国土交通省から各鉄道事業者に対し、安全対策の見直しに関する指示が出されたと聞きますが、自治体としてできる再発防止に向けた具体の対策の検討状況について伺います。  次に、区民生活の向上に向けてですが、継続して要望している課題の現状について伺ってまいります。  まず、区内の公園での犬の散歩についてであります。  砧公園ファミリーパーク内で犬の散歩が禁止されています。砧公園の近隣にお住まいの区民の方から、駒沢公園では全域で犬の散歩が可能なのになぜ禁止されているのか、その理由がよく分からないとの御意見も多く寄せられております。公園利用者ニーズの多様化に応えていない現状の改善を求めるものですが、例えば、日中の利用者の多い時間を除いて、夜間から早朝までの時間帯は犬の散歩で利用可能となるよう、都と協議するなどの対応が求められますが、区の見解を伺います。  次に、防災無線の音声デジタル化と補完についてです。  聞き取れない防災無線の音声デジタル化と、発信される情報の補完として様々なチャンネルを同時に配信することが必要と考えますが、現状と今後の対応について伺います。  給食費の完全無償化についてでありますが、世田谷区の全児童生徒数は五万百九十一人で、給食費の無料化適用の児童生徒数は一万三千六百人と、全体の二七・六%が現状で、完全無償化にはあと約二十七億円が必要です。現在、この費用の内訳は、国や東京都の補助金は一切なく、児童生徒一人当たり負担金年間四から六万円から成る全額保護者負担金で賄われております。大学を含む教育にかかる費用の無償化は福祉先進国では進んでおりますが、我が国ではなかなか進んでいません。せめて給食費ぐらいはと提案を重ねておりますが、世田谷区でも取り入れるには財源の問題等、ハードルは高いと認識をしております。それでも未来を託す子供たちのために何とかチャレンジできないものかと腐心するものですが、一案として、ふるさと納税のクラウドファンディングなどで、区の給食費の無償化へ向けた寄附を募るなど検討してみてはいかがでしょうか。安定財源とはならないまでも、そうした区の取組に対し、区民の協力と関心の喚起につながり、有効と考えますが、区の見解を求めます。  公共施設での完全禁煙についてです。  私は、公共施設、新庁舎や学校施設、スポーツ施設等も当然含んだ施設でのたばこの完全禁煙実施を要望してきておりますが、以前の私の質問への答弁で、新庁舎でも分煙等の対応で庁舎敷地内に喫煙所を設置するとしておりましたが、現在、公共施設での全面禁煙は社会的コンセンサスとして当たり前の状況になってきております。この点について、今後の施設整備に当たって、公共施設やその敷地内での喫煙は原則認めないという認識でいいのか、区の見解を確認しておきたいと思います。  公共施設や敷地を除いた民有地、場合によっては歩道や空きスペースにポイ捨て対策として、密閉型の喫煙所の設置もある程度必要と考えますが、大蔵運動公園の近隣の住民の方から、運動公園の歩道に喫煙所を設置しているのは、健康増進をする施設の目的に反するとの苦情が私の下にも来ております。設置場所に関しても十分な議論が必要と考えますが、この点についても見解を求めます。  また、区職員の喫煙者数及び喫煙率は減少傾向にあるものの、現状九・七%が喫煙者とのことです。区民の喫煙者数、喫煙率も減少傾向にあるものの、区民の肺がん等の疾患数、死亡者数はここ数年三百五十人程度で推移をしており、大きく減っておりません。区たばこ税収入は約四十一億円で、現在一般財源化されておりますが、たばこに関わる喫煙所の整備や、喫煙者の禁煙促進と、健康増進のためだけの財源にこの地方たばこ税を充てるなど、使途目的の明確化が必要と考えますが、区の見解を伺います。  最後に、歩きスマホの禁止条例についてです。  区が行う歩きスマホの防止に向けた啓発事業や、歩行者の交通量が多い三軒茶屋、二子玉川、下北沢の駅付近での簡易的な実態調査の実施は評価をいたします。調査の結果、八・九%の方が歩きスマホを行っている状況に加え、歩きスマホに起因した障害者や高齢者が被害に遭うトラブルは後を絶ちません。世田谷区のような都市部で人口密度の高い自治体においては、住民が互いに快適に暮らすための一定のルールは必要であります。提案している歩きスマホ禁止条例制定に関し、その後の検討状況について伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えをいたします。  世田谷区の相対的魅力と地価下落についてであります。  今般の地価下落についてまず考えられることとして、新型コロナウイルス感染症の影響により取引自体が減少したことや、在宅勤務の増加により住宅ニーズに変化が生じたことなどが挙げられるかと思います。一方、バス路線の削減など、公共交通の事情変化により、どのような影響が出ているのか注意深く見ていく必要があると考えております。また、目前に迫った生産緑地の二〇二二年問題や、敷地の細分化による狭小宅地開発などによって物件供給が過剰になれば、地価の下落のみならず、緑の減少に通じ、防災などにおける環境悪化も懸念されます。現在、バブル期に迫る、あるいは一部にはバブル期を超えた不動産価格の上昇が見られましたが、折り返し点に差しかかっているという可能性もございます。二〇二一年七月から九月の実質GDP成長率が再度マイナスに転じるなど、経済の収縮、低迷が続く中で、ふるさと納税による減収も七十億円を超えて、区財政は大きな打撃を受けています。  このような状況にしっかり対応して区政を前に進めていくために、これまでの延長ではなく、次の十年に向けて区政の転換を図る必要があると考えています。良好な町並みや住環境を保全をするとともに、子育て世帯へのさらなる支援の充実、グリーンリカバリーや、民間事業者との連携による先駆的なまちづくりの取組など、持続可能な魅力ある世田谷区を発信をしていき、再び再稼働させていく必要があると考えております。  コロナ禍で持続可能な財政運営のために、生活基盤を支える施策についても、従来の延長にとどまらないきめ細かな地域生活支援を必要とするという時期に差しかかっていると考えています。区民生活を守り、事業者の活動を支え、誰もが住みたい、住み続けたい、住んで楽しいと思える世田谷の実現に向け全力で邁進してまいります。 ◎工藤 財務部長 私からは軽自動車税について御答弁をさせていただきます。  軽自動車税は、地方税法により、自治体の自治事務として市区町村が課することが定められており、その税率は地方税法の下、区税条例に規定され、令和二年度の調査では、区内に約一万三千台の自家用軽乗用車が登録されております。  税収の確保は区政運営を支える重要な要素ですが、一般社団法人日本自動車工業会が二〇一九年に調査した軽自動車の使用実態調査報告書によりますと、軽自動車は比較的収入が少ない方が使用している現状が見てとれ、区民の皆様の生活に欠かせない移動手段の一つとして定着している軽自動車の安易な増税は、税の逆進性を強めるものと認識しております。引き続き都や国の動向を注視し、今後、都がさらに具体的な措置を講じてきた場合には、課税権を有する区としての考え方を明確に示していく必要があると考えております。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは二点について御答弁申し上げます。  初めに、公共交通機関における安全対策についてです。  電車内において相次いで発生した凶悪事件は、区民の安全安心な暮らしに大きな不安を与えるものであり、これを受け、警視庁と都内各公共交通機関が連携して、駅、車両内等の警戒を実施しているところです。  また、昨日、十一月三十日には、警察及び東急電鉄株式会社が合同で、東急田園都市線二子玉川駅と三軒茶屋駅にて、車両内における凶悪事件発生を想定した実践訓練を実施し、区もこれに参加いたしました。訓練は、犯行の抑止や区民の安心感の提供にもつながり、現場において、区、警察、事業者と実践的な連携体制の再確認、区が関与できる安全対策の検討もなされました。  今後も、警察、公共機関等と連携し、緊急連絡体制の再構築、一時避難場所の確保、各種合同訓練を実施するとともに、事案発生時には安全安心パトロールカーや防犯情報メール、ツイッター等、あらゆる広報ツールを活用した区民への情報提供、注意喚起、被害拡大防止を優先的に実施し、区民の安全で安心な暮らしを守る危機管理体制の強化に取り組んでまいります。  次に、防災無線放送とその補完についてです。  防災行政無線の聞きにくさを解消するため、近年においては、お話にあった音声のデジタル合成技術や、均一で明瞭な音を伝える技術を取り入れたスピーカーなど、様々なツールが登場してございます。区はこのような状況を踏まえまして、令和五年度の災害対策本部機能の新庁舎への移転に合わせた新たな防災システムの構築に当たり、デジタル合成音声により無線放送ができる機能を取り入れる方向で検討を進めております。  また、現在のスピーカーは、平成二十七年度から令和元年度にかけまして整備したもので、耐用年数はおおむね十年程度と見込まれております。今後、機器の更新の際には、より明瞭な音を伝える技術を用いたものへ順次切り替えていく方向とし、最新の技術の調査把握に取り組んでまいります。  あわせて、無線放送の内容を確認することのできる電話応答サービスやテレビのデータ放送、メール、ツイッター、ホームページにより、無線塔からの放送だけでなく、必要な情報が確実に区民に伝わるように取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎釘宮 みどり33推進担当部長 私からは砧公園ファミリーパークでの犬の散歩についてお答えいたします。  通常、公園では引き綱をつけ、ふんを放置しないなど、利用マナーを守っていれば、犬を連れての利用は可能となっております。しかし、お話しの都立砧公園内西側のファミリーパークと言われる芝生広場のように、植物や施設保護、利用者の区域分けなどの考えから、犬を連れて入ることを禁止している箇所もございます。砧公園での運用については、禁止区域の解除を求める声がある一方、利用マナーの問題から利用に反対する意見もあると聞いております。  区といたしましては、人間と犬との共生を促進していくには、飼い主のマナー向上や利用者間の理解を求めることが大切だと考えております。そのため、これまでも定期的に犬のしつけ方教室を区内の各地で開催し、飼い主への適正飼養の指導、普及啓発を行っているところでございます。引き続き区立公園などでマナー啓発に関係所管で取り組むとともに、御指摘の禁止区域を解除してほしいと願う利用者側の声、そして御提案をいただいた時間限定の開放などについては、管理者となっております東京都に伝えてまいります。  私からは以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは給食費の完全無償化についてお答えいたします。  給食費は、学校給食法等の規定に基づき、保護者の皆様には食材費を負担していただいております。令和三年度予算では約二十七億円となっており、全てを区の公費で賄うには、安定的な財源の確保が大きな課題であると認識しております。一部の自治体では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一時的措置として給食費の無償化を実施している自治体や、多子世帯などを対象に給食費の補助を実施している自治体もございます。区では、令和元年十月より就学援助制度の支給対象者を拡大し、保護者の負担軽減に取り組んでまいりました。給食費の完全無償化については、区の財政状況を踏まえ、他自治体の取組や、国、都の動向も注視し、議員御提案の方策やその他の手法も含め、現実的な対応策を慎重に検討してまいります。  以上でございます。 ◎清水 環境政策部長 私からは公共施設での完全禁煙について三点御答弁申し上げます。  まず、今後の施設整備に当たって、区公共施設やその敷地内での喫煙は原則認めないという認識でよいかについてです。  現在、区施設における喫煙規制につきましては、小学校、中学校、保育所、幼稚園などについては敷地内禁煙にしております。また、庁舎については屋外喫煙場所を設置し、分煙措置を取っております。区では、喫煙する人としない人が理解を深め合い、たばこマナーを向上できるまちづくりを目指しております。一方で、受動喫煙防止の観点も踏まえますと、公共施設の外に指定喫煙場所を設置する必要があると考えております。  続いて、喫煙所の設置場所に関しても十分な議論が必要と考えるがという点についてです。  区による指定喫煙場所整備は、駅周辺の道路、公園、区施設の敷地等の公有地で、かつ屋外に整備する必要があると考えております。  最後に、喫煙所の整備や喫煙者の禁煙促進と健康増進のためだけの財源に地方たばこ税を充てるなど、使用目的の明確化が必要という点についてです。  地方たばこ税については、使途が制約されず、どのような経費にも使用することができる一般財源であることから、指定喫煙場所の整備や喫煙者の禁煙促進と健康増進も含めた区の施策に広く活用しております。今後につきましては、国の動向を注視しつつ、一方で、区内の路上喫煙や吸い殻のポイ捨てが後を絶たないことから、引き続き指定喫煙場所の整備は計画的に進めてまいります。  私からは以上です。 ◎青木 土木部長 私からは歩きスマホに関する御質問についてお答えをいたします。  歩きスマホは、歩行の際のマナーや危険性の認識が不足していることが主な原因であり、区はこの間、「区のおしらせ」やデジタルサイネージ、交通安全教室の場などを活用し、歩きスマホの防止を呼びかけてまいりました。そのほか、新年度に合わせて高校や大学に交通安全運動期間に合わせ、町会等に啓発ポスターの掲出を依頼するなど、多くの啓発を積み重ねております。  また、歩行者の交通量が多い三軒茶屋、二子玉川、下北沢の駅付近で簡易的な実態調査を行い、約八・九%の方が歩きスマホを行っている状況を確認しているところでございます。一方で、日常生活の中では、多くの区民が様々な場面や用途でスマートフォンを利用しており、道路交通法などにも規定がない歩きスマホを条例で規制を行うことは、慎重な対応が必要であるとの指摘もいただいております。  区といたしましては、歩きスマホの防止については、策定中の世田谷区交通安全計画にて新たに示したとおり、関係機関と連携して、交通安全意識の向上を図ることが重要と考えており、広報媒体の活用やキャンペーン等により、幅広く意識啓発に取り組むとともに、引き続きルールづくりの必要性の観点において、区民全体における機運や周辺自治体の状況等を注視してまいります。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) それぞれ御回答いただきましてありがとうございました。また、引き続き要望しているものに関しては、計画をまた伺ってまいりたいと思います。  一点再質問させていただきますけれども、世田谷区内を通る私鉄電車内での犯罪から区民利用者を守る安全対策はもちろん重要なことですが、そうした対策で再発を完全に防げるわけではありません。  東京新聞でも、法務省法務総合研究所の報告、無差別殺傷事犯に関する研究によると、犯人には幾つかの顕著な傾向がある。収入面でも不安定な状況があり、交友や交際関係が乏しい。恵まれない生活の中で、社会に絶望や憎しみを抱いている人物が多い。社会を攻撃したい犯人の存在は憎んでみても消えない。社会的な病理であり、どうしたら減らせるのかという議論を重ねることが大切だとしておりますが、こうした事件を起こした犯人の傾向から、やり直しができにくい現代社会において、自治体の長としてどのような議論が必要か、今後、こうした犯罪の再発防止に向けて何に取り組むべきか、区長の見解を求めておきます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えをいたします。  八月に小田急線の車内で、十月に京王線の車内で、相次いで公共交通機関において無差別死傷事件が発生いたしました。乗り合わせた車内で被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、早期の御回復を心からお祈りするところでございます。  議員より無差別殺傷事犯の傾向に関する研究報告を御紹介いただきました。防犯上の対策をさらに充実させることはもちろん必要ですが、直接の監視体制強化やチェックというだけでは、この類型の犯罪が完全に根絶できないんではないかという観点だと思います。自暴自棄に陥り、間接自殺、あるいは拡大自殺とも言われる、他者を巻き込んで、目的は死刑になることだ、こういった犯罪、あるいは一切の社会的関係に絶望して、刑務所にエンドレスで逃避したい、こういう動機、いわばここに陥らない地域社会の実現はいかにあるべきかということだと思います。  こういった大変悲惨な犯行を起こす前に、人間関係を緩やかに回復できる機会があったのかどうか、あるのかどうか、これが問題だと思います。自ら傷ついて自己否定感の強い方が競争的環境ではなく、それぞれの状況に合わせた居場所や、やり直しのできる福祉的な環境が必要だと考えます。区では、ひきこもり支援や農福連携等、若者を中心とした幅広い支援も行っていますが、広い意味で社会の中にそういう柔らかい構造、一旦失敗をして孤立をした方を再びその傷を癒して、社会に少しずつコミットメントできるような仕組みが必要だと。あえて言えば、社会から突き放された絶望から生じる自爆的犯罪を抑止するために、人生においてUターンや途中下車も可能な仕組みを地域でいかにつくれるか、こういった重い課題をいただいたと考えています。 ◆十番(あべ力也 議員) ありがとうございました。区長が言われるような仕組みを世田谷区としてつくっていけるように要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従いまして質問いたします。  コロナ自宅療養者の安否確認について質問します。  八月中旬には自宅療養者計一万一千五百七十二人を数えた新型コロナですが、ワクチン接種が進むとともに、罹患者も減り、現在は、自宅療養者、入院患者とも一日十人前後に落ち着いています。感染が収まっている現在、いま一度自宅療養者が置かれている状態と安否確認の方法について質問いたします。  自宅療養は比較的軽症の方が当てられているものと思われますが、新型コロナの場合、予期せぬ容体の急変で重症化、死に至ることもあります。神奈川県では、自宅療養に入る前に、該当者に、生活の自立度、緊急連絡先、同居人やペットの有無、ワクチン接種歴など聞き取り調査を行っています。世田谷区は事前にこのような調査を行っているか、まずお聞きします。  昨年四月、コロナ感染が疑われ、自宅療養中だった男性が社員寮で亡くなられた事案は、新聞報道によれば、保健所に電話を何度かけてもつながらなかった形跡があったということでした。コールセンターの運用、配食サービスや健康観察の方法などに関するアンケートを取り、数量的にも分析して対策に役立てるべきだということは、私も決算特別委員会や福祉保健委員会でも申し上げました。区は、三千七百人余りの回復後の区民に後遺症に関するアンケートを行っていますし、公的サービスに関する調査と分析も、患者本人の記憶が新しいうちに実施いただけますよう重ねて要望いたします。  九月には、自宅療養者の支援体制を刷新し、電話をかけるほうの機能を分離し、健康観察センターとして自宅療養者に対応したと聞いております。逆に患者のほうが電話を取らず、事態が把握できないということはあったでしょうか、考えられる原因とともに、状況をお知らせください。  これに係る例で、八月中旬、PCR検査を受検後に、住所は分かるが、電話連絡先が分からず、連絡が取れなかった六十代男性が、後に自宅で不審死として警察に発見されるという最悪の事案も発生しました。仮に神奈川県のように、本人以外の緊急連絡先を検査の際に聴取しておけば防げたかもしれません。御住所には連絡を下さいと手紙を郵送したとのことですが、せめてこれ、電報にすれば、手渡しできたかどうかは電報センターに確認できたはずです。保健所の人手不足で訪問しての適時の安否確認ができなかったということですが、ならば、あんしんすこやかセンターまちづくりセンター、民生委員など、別組織との連携で訪問、安否確認はできないでしょうか。次回の感染拡大期にも同じことが起こらぬように、改善策をお伺いいたします。  次は、ものづくり学校から旧池尻中跡地の新たな活用への移行について質問いたします。  旧池尻中跡地活用計画の素案については様々な課題があり、先送りとなっていますが、一方で、耐震補強工事が一年延長されたのが気になっています。区の計画は先送りになっても、老朽化と地震は待ってはくれません。耐震工事を延長してもよいと判断し得るデータの根拠は何か、また、土地建物の活用方法については別の案が出てくるなど、話がぶれ始めていますが、今期中には方針を決定するということで、耐震工事へのアクションプランと、その間の安全対策についてお伺いします。  現在の運営事業者との契約は令和四年五月終了で、再契約の予定はないと伺っています。区の都合で退去を強制しては困る入居事業者もあるだろうと、今どれぐらいの入居者があるか調べましたところ、三階建て校舎の区使用分を除く三十四室に八十九社が入居者としてホームページに掲載されています。コ・ワーキング・スペースの二教室には、実に四十五社が入居しています。活動実態があるんでしょうか。単なる名義貸しにも見え、区が定義する世田谷区内での創業を計画し、その職能を区の地域貢献活動に生かせる事業者であるという選定を経ているのか疑問です。  参考までに大田区は、六郷BASEという創業支援施設を今年十月にオープン。担当部門にお聞きしたところ、指定管理者はいるものの、入居者選定は区も一緒に面接、書類審査している。また、部屋の使用状況、活動状況になりますが、カードキーで入退室管理できるということです。当区の事業者選定への関与の在り方、その後の活動実態を把握し、了承しているのかを御説明ください。  有名になったものづくり学校内というアドレスが欲しいだけなら、ものづくり学校はどこかマンションの一室にでも移転し、名義貸し料を集めていれば成り立ちます。創業支援アドバイスも必要ないことでしょう。そうではなくて、旧池尻中校舎を使って地道に創業し、経営を続けてきた事業者もいます。彼らが今後も区内で事業を続けられるよう、例えば産業振興公社などは、移転先の案内など相談に乗るべきと考えますが、ものづくり学校の入居者の運営事業者契約終了後の対応について見解を伺います。  区が創出した事業としては突出して有名になるとともに、様々な問題が指摘されている本事業ですが、私が経営コンサルタントらの意見を聞いた中で、株式会社に運営を任せたのが間違いとの指摘もありました。株式会社は自社の利益が最優先、区が社会貢献事業を任せたいならば相手はNPOにするなど、運営方法を見直すべきであったと、これは一つの意見ですが、事実、隠岐の島ものづくり学校は株式会社ものづくり学校との契約を解除し、自治体直営に切り替えました。旧池尻中校舎の新たな活用計画の中でも創業支援は続けるということですから、この十七年を振り返って、事業スキームにおいて次に継承したい点、見直すべき点につき、区の見解をお伺いします。  ビジネスプランコンテストの今後の展望についてお伺いします。  本年七月から九月にかけて、世田谷育ちの農作物を使った加工品の商品化を目指すせたがやそだち加工品ビジネスプランコンテストが区の主催で行われました。私も会社員時代に社内の開発提案やビジネスプランコンテストに応募、入賞した経験もあったりしたので、興味を持って知人の農家さんに紹介してみました。折よく、農産物の捨ててしまいがちな部分を使った加工食品を考え、試作品の段階まで進めていたとのことですが、今回の応募要項を読んでみたら、製品のアイデアだけでなく、実際の生産体制、事業開始時期及び事業計画まで要求されるもので、とても生産体制までは書けないと断念されたということでした。  生産農家は、現場を知る立場だからこそ、農産物を無駄なく、よりよく生かす方法を思いつきます。製造販売計画や収益性までセットで考えるのはハードルが高く、さきの農家の方のように、加工品のアイデアはあったけれども、募集要項を見て諦めたという人もいたと思われます。改めてコンテストの応募要領と実施結果についてお知らせいただくとともに、製品企画だけを募集して、優秀作は製造者と結びつけるなど、区が仲立ちをすれば応募者も増え、よりよい成果が出るのではないかと思われますが、そのようなマッチングをすることは可能か、区の見解を求めます。  今ちょっとネットで検索をすると、ものづくりにとどまらず、アイデアコンテストは数多く企画され、内容もユニバーサルデザインやロボット、省エネ、ビジネス創造など、時流に合うテーマが展開されています。品川区が共催するビジコンは、副賞に区内共通商品券五万円がついているのが、また別の意味でよいアイデアかなと感じました。  区では、四月よりSETAGAYA PORTという若者や事業者を募り、環境や食住など、四つのテーマについて考え交流するプラットフォームを創設したと聞いております。現在は交流の輪を広げるところから活動を開始しているということですが、軌道に乗ったら、時間を区切ってテーマに沿った製品やサービスを企画、事業計画をつくるところまでやってはいかがでしようか。  さきの世田谷育ちの農産物の加工品立ち上げほか、コロナ禍のステイホームで需要が生まれるビジネス、せたがやPayの活用に関連するビジネスプランなど、取り組んでほしいテーマはたくさんあります。SETAGAYA PORTに集う人々で製品やサービスとして確立するまでのプログラムを課題として取り組めば、世田谷の新しいビジネス創出の手がかりになるかと思われますが、SETAGAYA PORTの現状とともに、今後の展望について区のお考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からはコロナで三点、まずコロナ自宅療養者の事前の情報収集についてお答えします。  保健所は、医療機関から発生届を受けた後に、患者さんから緊急連絡先や同居されている方の有無等、発生届にない項目を聞き取っております。しかし、第五波においては、患者数の急増により届出された日に聞き取りを実施することは難しくなりました。第五波を振り返り、患者情報を正確に、かつ速やかに収集することは課題の一つであると認識をしております。  先日、議員のお話しの神奈川県に視察に行き、区におきましてもその取組を参考にしながら、検査を受けた方の同意の下、緊急連絡先を含む情報を電子申請で事前に取得し、医療機関から発生届が提出された際には、既にいただいている情報を基に、速やかに適切な療養につなげる仕組みづくりに現在着手をしております。次の感染拡大を見据え、今後も患者さんの安心と安全に向けて最善を尽くしてまいります。  次に、電話を取らない患者についてです。
     保健所は、医療機関からの発生届を確認し、患者さんの体調など、状況調査の結果も加味した上で、入院や宿泊療養、自宅療養等の療養方針を電話でお伝えします。  また、自宅での療養中に自動音声による体調確認に応じない場合には、健康観察センターにより電話で安否を確認しております。その際、電話に応じない方には訪問をし、玄関先で応答のない場合には、必要に応じて警察や消防等の関係機関と連携し、安否を確認しております。なお、多くの方は体調の急変を認めず、御自宅での療養を継続されておりました。  電話に応答しない理由としては、携帯電話に登録している電話番号以外には出ないことや、体調を管理されることの煩わしさが挙げられております。  陽性が判明した際には、患者さんには自動音声の電話番号を事前に周知することに加えてまして、体調の変化をつかみ、適切な医療につなぐといった健康観察の意義を自宅療養者に御理解いただくよう、関係機関と連携しながら対応してまいります。  最後に、コロナ自宅療養者の訪問による安否確認についてです。  第五波において、安否不明の方への訪問が徹底されなかった事案が発生しましたことを大変重く受け止めております。このたびの事例を踏まえ、電話に応答しない方の管理や訪問に関する手順をいま一度見直し、対応の流れを新たに確立いたしました。  御指摘のように、訪問につきましては多くの人手を要することから、保健所職員に加え、庁内外を問わず、訪問の協力を求めているところでございます。第六波に向けて、連絡の取れない自宅療養者の訪問を確実に実施できる体制を構築してまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは六点、まず旧池尻中関連の四点を御答弁いたします。  初めに、旧池尻中の耐震工事についてです。  旧池尻中学校校舎の耐震診断の数値は、西側A棟が〇・五、東側B棟が〇・四八となっております。このため区では、当初旧池尻中学校校舎棟の耐震補強工事を今年度に予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による財政状況を勘案し、令和四年度に工事の実施を延期することとしました。一方で、直ちに建物の使用停止等の緊急対応は行わず、避難訓練等を行いながら、耐震補強工事までの間、通常の利用をするという判断をしています。  今後、令和四年五月に現事業者との契約は終了となります。その後の耐震補強工事の実施につきましては、現在、政策経営部とともに検討を進めている旧池尻中学校施設の活用方法について及び産業活性化拠点の在り方についての検討結果や、区議会からの意見を聞きながら判断してまいります。  次に、コ・ワーキング・スペースに入る企業の活動実態についてです。  世田谷ものづくり学校のコ・ワーキング・スペースは、区と運営事業者が締結する世田谷ものづくり学校の運営に関する協定書及び世田谷ものづくり学校におけるフリーアドレスの運営に関する覚書に基づき、他のスペースと同様、将来的に世田谷区内で創業もしくは拠点開設または世田谷区内への企業移転の計画を有するもので、世田谷ものづくり学校において行う行事への参加等を遵守することができるものが登録できます。登録の際には、運営事業者である世田谷ものづくり学校に事業計画等を提出し、区の承諾を得て最終的に登録できる仕組みとなっています。活動の実態については、世田谷ものづくり学校からの報告で把握に努めております。  次に、ものづくり学校終了後の移転先についてです。  令和四年五月で世田谷ものづくり学校との定期建物賃貸借契約は終了します。契約期間終了の説明については、世田谷ものづくり学校から各入居者に対し、契約が終了することを伝えております。世田谷ものづくり学校は、退去される事業者から多数の相談を受けており、自社ネットワークによる不動産事業者やワークスペースを紹介しています。今後、必要に応じて産業振興公社も相談に乗ってまいります。  一方で、これまで区内で創業、企業移転するのに当たり、家賃、広さ、立地など、ニーズを満たすことが難しいという課題もありました。新たな産業活性化拠点では、他自治体の例や御提案の産業振興公社の活用など、効果的な仕組みについて検討してまいります。  次に、事業スキームについてです。  現在の世田谷ものづくり学校は、校舎建物を民間事業者に有償で貸付け、民間事業者がそのノウハウを十分活用し、行政ではなし得ない事業手法を工夫する事業スキームにより、区内産業の育成と地域活性化の実現を目指してきました。今回、この手法を継続して実施することとし、サウンディング調査を実施しました。また、この間の反省点や議会からの御指摘を踏まえ、新たな産業活性化拠点については、区がメンバーとなる運営委員会や第三者による評価委員会の仕組みを入れ、事業に積極的に関わっていきます。加えて、新たな活力の創出や既存産業の活性化の方策など、区民、区内事業者にどのような価値をもたらすかといった観点も含め、より具体的な検討を行い、具体的な内容について議会に報告したいと考えております。  次に、ビジネスコンテスト関連二点について御答弁いたします。  区では、新たな農業ビジネスに係る六次産業化の展開支援として、地産地消の加工品開発を目指す区内事業者と、農産物の販路拡大を検討する区内農家との販路開拓を目的としたせたがやそだち加工品ビジネスプランコンテストを実施いたしました。今回のコンテストに当たっては九件の応募があり、審査の結果、区内で飲食店等を経営する事業者三者が入賞しました。内容は、野菜ピューレ、七味唐がらし、クラフトビールとなります。入賞者には製造販売等に係る経費に対して区が補助金を交付し、JA等と協力して販売支援を行ってまいります。  区としては、今回の商品化プロセスを農家と事業者の新たなビジネスモデルとして発信するとともに、持続可能な事業を目指してまいります。今後、さらに多くのアイデア、御提案をいただけるようなコンテストの在り方を検討し、実現性のある提案に区が開発支援や関係事業者とのマッチングを行うなど、きめ細やかなサポート体制の構築を目指し、生産、加工、販売等に携わる様々な事業者のアイデアの具現化と事業の実現化を図ってまいります。  最後に、SETAGAYA PORTとの関係についてです。  SETAGAYA PORTは、区内産業を担う若手事業者やフリーランス、会社員、区民などの交流を促進することで、異業種連携や地域課題解決につながる取組のプラットフォームとして活動を行っています。  具体的取組として、意欲ある区民や事業者の協働による地域課題の解決に向けた実践型プロジェクトの実施や、事業者間の連携促進支援、区内で活動する若手起業家を応援するためのビジネスプランに関するピッチイベントなどを予定しています。例えば、区内事業者同士が互いの強みを持ち合ってイベントの実施やプロダクトの開発等、事業間連携による成果も見込まれています。各プロジェクトを一つ一つ前に進め、成果や取組を事例として周知していくことで、意欲や解決したい課題を持つ若手起業家、支援する区内事業者、大手企業も集まる好循環を生み、新たなビジネス創出などの区内産業の活性化につなげていきたいと考えています。  私からは以上です。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) おのおの御答弁ありがとうございます。  一点、ものづくり学校の入居事業者選定について再質問いたします。  入居事業者選定については、最終段階に区は書類審査のみ加わっているようですが、今まで書類審査の段階で何らかの不適格を感じて差し戻ししたり、不合格としたことはあるんでしょうか。恐らくこの段階まで来て断ることはできない。事業者、その前のものづくり学校の結果をそのまま承認していたんではないかと思われます。こういうことは入り口が肝心ですので、入居者事業者選定には、大田区のように、区も最初から面接に加わり、判断するのが行政の公的責任と考えますが、いかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  世田谷ものづくり学校では、これまで入居の際に書類審査と面談を実施した上で、入居希望者の審査を行っており、その段階で入居を認めなかったケースは聞いております。しかしながら、世田谷ものづくり学校の審査を経た後で区が承諾をしなかったという例はございません。  なお、ものづくり学校の反省点として、区の関与の低さに指摘もあります。今後、新たな産業活性化拠点事業を実施する際には、運営と評価で区が関与する仕組みの構築を進めていきたいと考えております。また、お話しのような仕組みについても併せて検討してまいります。  以上です。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) ありがとうございます。  これまで他自治体で創業支援事業の話をしますと、世田谷のものづくり学校を視察に行きましたよ、先進事例ですねとお褒めをいただきますが、大体後発の自治体は、前例を見て、それを改善して、よりよい運営方法を工夫されています。逆に世田谷区は、最新の事例を研究して、そういった例を区の次の施策に生かすよう要望いたしまして、私の質問を終えます。 ○下山芳男 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十二分休憩    ──────────────────     午前十一時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  一番神尾りさ議員。    〔一番神尾りさ議員登壇〕(拍手) ◆一番(神尾りさ 議員) 通告に基づき質問します。  令和二年四月、当区において区立初となる児童相談所が設置されました。このことは戦後から続いてきた児童福祉の在り方を大きく前進させました。あらゆる子どもには家庭が与えられるべきという理念の下、新型コロナ禍での挑戦が始まり、様々な課題や困難に直面しながらも、着実に体制を築いてきたように見受けられます。  まずは、これまでの約一年半を振り返り、運営体制が都から区に移管されたことによる利点をどのように事業に生かしてきたか、また、これから取り組むべき課題についてどう捉えているか、伺います。  先般報告された令和二年度の児相の運営状況では、当区の児童虐待件数千六百五十二件のうち、心理的虐待が最も多く、千百四十二件、次が身体的虐待の三百二十五件、ネグレクトが百七十五件、性的虐待が十件でした。約七割が心理的虐待であり、中には、教育を理由に心理的に追い込む教育虐待も含まれるようですが、このような当区の虐待の特徴を踏まえ、今後の支援につなげるための具体的な方策について伺います。  一方、区では家庭養育を推進するための里親等委託率の数値目標として、就学前の子どもの七五%以上、学童期以降の五〇%以上を目指しています。里親登録数を増やすことは、里親と子どものマッチングの達成比率を上げることにもつながりますが、日本ではまだまだ里親制度に対する理解が深まっているとは言えず、具体的な対策が必須です。里親になっても、それまでの生活が続けられるよう、里親家庭の幼稚園や保育園入園時の配慮や相談支援体制の強化とともに、里親制度の普及啓発の取組も推進していく必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、区立児相設置を契機として、新たな都区制度の実現を目指すべきという観点で質問します。  児童相談所事務について都区間で検討し、都から区に移管されるべきとされたのは平成二十年のことであり、令和二年の開設までには長い年数を要しました。なかなか議論が進まない中、平成二十二年に江戸川区での児童虐待死亡事件という痛ましい事例を受けて、区側から事務移管の先行検討を申し入れました。平成二十五年に総理大臣の諮問機関が児相の権限移譲について触れ、同年に区長会が児相の移管モデルを策定、平成二十八年に児童福祉法等の一部を改正する法律が成立したことにより、政令で定める特別区でも児相を設置できるようになりました。これは都区の役割分担における大きな事業移管であり、財源の配分についても適正に変更される必要があります。  都区財政調整制度における児相設置前の配分割合は、都が四五%、区が五五%でしたが、設置後、都側の特例的な対応により、令和二年度に配分割合が〇・一動き、都が四四・九%、区が五五・一%となりました。配分割合を動かせたことは一つの成果ではありますが、このことを今後のさらなる議論につなげていく必要があります。人材や財源の確保が非常に難しい中、最初に児相事務を移管できた当区、荒川区、江戸川区の三区には、あとに続く特別区のためにも実態に見合った配分となるよう主張していく責任があると考えます。現在の都区財政調整における児相経費の算定状況と、三区の児相の決算が出そろった後、財調協議においてどのように進めていくのか伺います。  また、今後は都区間の関係性において大きな一歩となった児相の取組を踏まえ、都区の在り方に関する協議を加速していく必要があります。この間、新型コロナ感染症の影響もあり、社会情勢は大きく変わりました。二十三区で既に感染症の影響を踏まえた人口推計の補正を示しているのは、当区を含めて三区のみであると認識しており、社会経済状況の変化をいち早く数値化しようとした区の姿勢が受け取れます。世の中が大きく変わったという共通認識を政策に生かせる今を契機を捉え、特別区は基礎自治体にふさわしい地域の事務を担い、強固な行財政基盤を構築する、そして都は、広域自治体として東京をより魅力ある都市に発展させていくという方向性について積極的な議論を展開すべきです。  本年五月に示された当区の自治権拡充検討に伴う基礎調査では、都から区に移管されることが特に重要と思われる権限と、それらが移管された場合の住民サービス等への影響について整理されました。その中で、義務教育教員人事権については、採用、育成等に係る権限が移譲されれば、当区ならではの特色を出した教職員の育成が可能になるとの見解が示されました。子ども・子育て応援都市である世田谷にとって、この権限移譲のために議論を進めることは、目指すべき自治体の姿に近づくことになるとも考えます。都は、特別区の区域再編の議論とセットでなければ、具体的な協議には入れないと主張していますが、そういった雲をつかむような議論に踏み込むよりも、一つ一つ権限の拡充を積み上げ、着実な成果につなげていくべきです。  当区には、国家戦略特区制度を活用した規制緩和による都立祖師谷公園と都立芦花公園内での保育園の建設や、提案募集方式による産後ケアセンターの法的位置づけなど、本来はできないはずの施策を実現させてきた事例があります。また、今般の区立児相の設置にも真っ先に手を挙げ、開設にこぎ着けることができました。その都度議論を重ね、失敗を恐れず挑戦を続けたからこそ、状況を変えることができたのではないでしょうか。今月開設される教育総合センターを活用し、世田谷らしい特色ある教育を展開していくためにも、次なる目標として教職員の人事権移譲を掲げるべきと考えますが、見解を伺います。  最後に、間もなく開設される教育総合センターの運営体制についてです。  教職員の人事権移譲の議論を進める間にも、子どもたちは当区で学び育っていきます。世田谷らしい教育活動を担う教員を育成していくために、教育総合センターが大きな役割を担います。  今般の開設に向けて教育委員会では、四月に組織改正が行われ、それまでの教育指導課が教育指導課と教育研究・研修課に分かれました。教育の質の転換を担い、複雑な課題に臨機応変に適応できる教員の育成が急務であり、そのためには広く社会とつながり、地域の力を活用することも求められます。教員が世田谷に愛着を持ち、地域を知るために研修等の機会を最大限活用すべきです。若手や中堅職員を対象とした課題別研修等において、世田谷の特徴や魅力、自治体として目指す姿などを共有し、教員自身が当区への愛着を深められるよう工夫が必要と考えますが、どのような取組が可能か伺います。  また、教員自身が校外へ出ていき、地域の人々とつながることにより、教育活動の質の向上や地域の中での子どもの育成にも好影響をもたらすと考えますが、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎土橋 児童相談所長 私からは二点についてお答えいたします。  初めに、児童相談所が区に移管されたことによる利点と、これから取り組むべき課題についてお答えいたします。  児童相談所を区が開設したことに伴い、虐待通告窓口を一本化し、共通のアセスメントシートを用いて、リスクに対する視点を共有して、ケースを区分けすることで、児童相談所と子ども家庭支援センターの専門を生かした役割分担が可能となりました。また、システムの共有によって、子ども家庭支援センターとの意思疎通が円滑になり、書類のやり取りも迅速化する等、区が運営するメリットを発揮した相談援助活動が展開されております。開設当初は、相談対応の区分けの基準に関して、両機関の対応の考え方に解釈のずれがあり、やり取りに手間取る事例もありましたが、定期的な会議での意見交換や情報共有によって、共通認識を図るように努め、現在は連携が円滑に進んでおります。  今後の課題としては職員の人材育成があります。開設後一年半で経験が浅い職員も多いことから、他自治体の経験者を任期付職員として採用し、また、都の児童相談所職員の派遣を受けてノウハウの吸収に取り組んでおります。こうした経験者の活用や研修の充実により、引き続き職員の育成に取り組んでまいります。  次に、区の虐待の特徴を踏まえた今後の支援につなげるための具体的な方策についてお答えいたします。  令和二年度の区児童相談所における虐待対応件数では、心理的虐待が一番多く、全体の七割を占めており、その中には、受験勉強や成績をめぐっての親子間の葛藤が原因となり、口論や家庭内暴力となり、警察などから通告を受けるものもあります。また、このほかにも発達に特性を抱える児童に対して、保護者の受容は十分でなく、児童への対応がうまくできず、親子関係が悪化したことで相談につながるようなケースもあります。対応に当たっては、必要に応じて子どもの一時保護や心理検査などを実施し、その児童に最も適した対応を保護者に助言するなど、親子間の調整を図り、虐待の再発予防や重症化予防に取り組んでおります。  今後、区における虐待相談ケースの傾向について分析を進め、その傾向を庁内で共有し、支援を必要とする家庭へのより効果的なアプローチを検討するなど、施策にフィードバックしてまいります。  私からは以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、里親家庭への配慮、相談支援体制の強化、里親制度の普及啓発の取組について御答弁申し上げます。  里親による家庭養育の推進のためには、例えば、里親がともに就労している場合でも受託いただけるなどの環境整備が必要と考えております。里親の就労等で保育園の入園が必要な場合は、子どもの置かれている状況に着目し、実親不存在として入園に当たっての一定の配慮を行っております。また、本入園が可能となるまでの間も、緊急保育制度を活用し、本入園を待たずに受託が可能となる取組も行っております。  フォスタリング業務のうち、里親のリクルートや普及啓発については外部委託し、SNSの活用や広報動画の作成など、民間ならではの手法で多くの方が里親に関心を持っていただけるような取組も進めております。また、現在行っているフォスタリング業務の在り方検討の中でも、さらなる普及啓発の取組と相談支援体制の強化も含めて検討を進めております。引き続き子どもの最善の利益の保障に向けて、子どもが安心して暮らせる家庭養育の場の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは二点御答弁いたします。  初めに、都区財政調整におけます児相経費の算定状況と今後の財調協議についてでございます。  世田谷区における児童相談所経費の算定状況ですが、令和三年度都区財政調整では約十四億円が基準財政需要額に算定しているのに対しまして、令和二年度の区立児童相談所経費の決算額では、一般財源ベースで約十六億円となっており、さらなる算定の充実が必要であると認識しております。  令和二年度都区財政調整算定に向けた協議におきまして、都区の配分割合は、都側四四・九%、区側五五・一%に暫定的な措置として変更されてございます。来年度に行われる令和五年度都区財政調整算定に向けた協議において、先行三区の実績を踏まえ、改めて配分割合の在り方について議論することとしてございます。児童相談所移管の先行区としまして、取組実態に見合った適切な算定に向け、特別区間で情報共有し、都区間の調整にも積極的に関与をしてまいります。引き続き都区の役割分担に応じた財源保障がなされるよう、主体的に協議に臨んでまいります。  次に、教員人事権移譲の検討を進めるべきとのことについてでございます。  議員お話しいただきました今般の自治権拡充検討においての区が実施しました基礎調査研究では、教員人事権の移譲の定性的な効果としまして、区の特色を出した教員育成が可能になることをメリットに挙げてございます。  教員人事権に関する動向では、地方分権改革推進委員会第一次勧告において、市町村立小中学校教職員の人事権を中核市へ先行移譲すべきとしているほか、都区のあり方検討委員会幹事会では、県費負担教職員の任免や給与決定などを都から区へ移管する方向で検討する事務としております。こうした経過も踏まえ、区では、機会を捉えて区立小中学校の教員人事権の財源を含む移譲について、特別区長会を通じ国や都へ要望をしてございます。  子どもの学びの環境も変化する中、個別最適な学びや乳幼児期からの質の高い教育など、区の教育方針実現のために重要な権限と認識しております。折しも十二月に開設いたします教育総合センターでは、教員育成を充実させる機能を掲げているところです。区が自らの責任の下で教員を確保育成し、世田谷らしい特色ある教育を展開し定着させるためには、区としても教員人事権の移譲は必要であると考えてございます。  以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは二点御答弁申し上げます。  初めに、若手、中堅教員を対象とした課題別研修等についてお答え申し上げます。  議員お話しのように、教員が勤務する地域について愛着を持って理解を深め、子どもたちを育てていくことは大切であると考えております。若手教員研修や中堅教員研修の課題別研修等で、地域の商店街や学校周辺の図書館などで、教員が働く環境により地域の方々と触れ合い、地域をより詳しく知る機会を設けるといった取組を行っております。また、学校悉皆となっているキャリア教育研修においては、地域と連携した活動例を情報共有する場を設けることにより、世田谷区だからこそできることなどに気づき、他校の成果を自校に生かせるよう努めているところです。  教育委員会といたしましては、世田谷の特徴や目指す子ども像等の理解についての内容について、さらに詳しく取り扱うことや、近くの学校同士の情報共有、学校の近隣で行われているイベントが初任者研修の課題別研修で選択できるようにするなど、教員自身が世田谷区への愛着を深められるよう研修を充実させてまいります。  次に、教員と地域の人とのつながりについてお答え申し上げます。  教員自身が校外に出ていき、地域の人々とつながることは、各学校の教育活動の質を向上させるために大切であると考えております。職場体験や町探検に向けて、教員が実際に店舗等に出向いたり、町並みを歩き、地域のことを考えたりして授業の計画を立てております。その際、タブレットを活用して町の様子などを写真や動画に撮り、授業で分かりやすく見せることで、子どもたちの学びが深まるよう取り組んでおります。ほかにも、地域の方にゲストティーチャーとして依頼することで顔見知りとなり、親近感や信頼感が生まれ、地域の人たちによる学校への協力体制がつくられております。  教育委員会といたしましては、研修において地域との連携の重要性や地域理解を深める内容を取り扱うとともに、地域人材の活用やボランティア等を通して、地域の方々と教員が協力し、子どもを育む教育を推進してまいります。  以上でございます。 ◆一番(神尾りさ 議員) 教職員の人事権移譲について教育委員会に伺います。  先ほどの御答弁では、今月開設の教育総合センターにおいて、世田谷への愛着を深め、地域とつながれる教員を育成し、教育活動の質の向上を目指すとお答えいただきました。区の責任で教員を育成していくためにも、また、地域とのつながりが深まった教員を他の自治体に流出させてしまうことになる現状を変えるためにも、財源を含む教職員の人事権移譲を実現させる必要があると考えます。多額の財源を使っているのですから、それくらいの覚悟を持って教育総合センターを運営していただきたいです。  国では、個別の任命権移譲は事務処理特例等で可能としており、既に実施している自治体もあります。当区よりも人口が少ない政令市においても、こういった権限を持っています。人口九十二万人の世田谷区としてあるべき姿を描き、動き出すタイミングは今であり、主体性を持って動くべきは教育委員会です。文部科学省出身の教育監に改めて教育委員会としての見解を伺います。 ◎粟井 教育監 再質問にお答え申し上げます。  教職員が長期的な展望の下に、新たに開設する教育総合センターを中核とした世田谷らしい特色ある教育活動を安定的に推進していくことが重要であると認識しております。  教職員の人事権につきましては、人事権だけでなく、給与負担や定数決定権も含めた移譲が不可欠であるとの認識から、国や東京都への働きを行っているところであります。現行制度の下では、教育管理職も含め、効果的な人事交流が行われるなどのメリットもございます。こうしたメリットも残しつつ、どのように人事権の移譲を実現していくか、関係所管と十分に議論し、今後の移管に向けた戦略を整理していきたいと考えております。  以上でございます。 ◆一番(神尾りさ 議員) 今、教育委員会より、今後の移管に向けた戦略を整理していくと御答弁いただきましたことを受けて、最後に区長に伺います。  区立児相開設の事例にもあるように、都区間での権限移譲に関しては、区単独で動かせるものではなく、他区とも連携して大きなうねりをつくっていく必要があります。手挙げ方式による児相の開設や新型コロナ感染症の影響による教育の変革、そして今般の教育総合センターの開設等、様々な条件がそろったこのタイミングを逃さず、教員人事権の移譲につなげていくために、区長はどのような覚悟で挑まれるのか、最後に伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 教員人事権を都から区に移管させることについての私の考えを述べたいと思います。
     児童相談所を移管させるに当たって、区長としても、区としても長期戦略を立てました。一つは、厚生労働省から所管課長を四年にわたって世田谷区に招き、そして、区長会の議論を常にリードして、区で児相がやれるんだという土台の案をつくっていきました。同時に、やはり政治的な揺さぶりもあったわけで、これは当時の区長会会長、西川さんも国会議員出身者ということもあり、児童福祉法改正の中で、中核市や区も設置できるというところにこぎ着けていくというダイナミックな過程がありました。  今回の教員の人事権の問題は、これから内覧会等開かれますけれども、教育総合センターは、大変大きな敷地に、小学校の大半の敷地を使いながら、そして地域にも開かれ、そして狭い意味での教育だけではなくて、区職員も、地域資源である大学や企業も、いわゆる世田谷の資産を、資源をいわゆる学校教育に還元させるべく大変大きな取組になっていると思います。そこで、そうして培った地域の教員が都の人事の中で簡単に動いてしまうと、こういった問題、ここは今言っていくべき時期だろうというふうに思います。ただし、現在の都と区の交渉は、必ずしもどんどん進んでいる状況にありません。児童相談所が特出しされた形で、しかも、長年にわたって、これはだんだん移管するという、こういう方式になりましたので、区長会の中でよく議論をした上で、やっぱり一気呵成に、次の焦点は教員人事権の移管であると、こういう論陣を張り、仲間をつくり、そして、しっかりと都と交渉をし、成果を上げていきたい、このように考えております。 ○下山芳男 議長 以上で神尾りさ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、十五番加藤たいき議員。    〔十五番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆十五番(加藤たいき 議員) 昨年は今年度の予算編成に対して懸念を早期から示し、昨年八月には異例の時期に両副区長より依命通達が出されました。昨年の四つの指針は私も議場で言いましたが、非常に厳しいものではあるがゆえに、実現できるのか早くから危惧をしておりましたが、正味、公共施設改修改築の先送りからの予算減額が大部分であり、根幹にある抜本的な改革や、これまでの施策のよしあしに対しては大きな言及すらなかったのではないでしょうか。確かに所管の職員の方々の奮闘があり、細かいものの積み上げで見直しがされているとは思います。それでも大なたを振るったとは言えず、異例の通達の効果とは何だったのか、非常に疑問だけが残っております。  しかも、この通達を出した両副区長は既に世田谷行政の中にはおらず、振り返り総括といったものすら何もされないまま来年度予算編成に向かうわけです。中村副区長は当時、途中まで政経部長として行革の一翼を担った部署の責任者だったはずです。現在の立場より細かいところに目が届いていたはずで、四つの指針の総括と効果はいかがお考えか、その上で来年度予算編成に当たりどのように考えているのか伺います。  また、昨年度想定よりも財政の悪化に陥らず現在に至るわけですが、行財政改革に限っては止まらずに行い続けないと、昨年度の見直しは水泡と帰します。来年度以降の方針も厳しく考えるべきだと思いますが、伺います。  これまでも言及し続けておりますが、学校の改築改修は財政が厳しくてもやらなくてはいけないものです。幾ら先送りしても、いずれ必ず行うわけです。これまでも見込みの甘い人口推計からの児童数増加でイレギュラーな工事が増えておりますし、三十五人学級開始に伴い普通教室の増築工事も始まりますが、この改修と学校根本の建て替えは全くの別物であります。改築周期の後ろ倒しを行うと、玉突きのように全校が遅れることになります。そろそろ覚悟を持って学校改修改築に限っては聖域化し、行革の一つとして当てはまらないとし、事業と予算の執行を必ず行うと断言してもらえないでしょうか、伺います。  昨年度、全く予想していなかった人口動態が日本中で起こりました。世田谷区でも昨年七月から転出超過の状況が続いた経緯から、人口推計をいま一度至急出し直すべきと考え、早い段階から議会で発言してきました。そして、七月に取りまとめが出されたわけですが、これまでの推計よりも大きく修正がされました。二〇三一年には百万人までは右肩上がりで増える見込みでしたが、九十五万人満たずと予想され、今年度には約九十四万人程度としていましたが、約九十二万人現在です。コロナ禍という特殊な環境、そしてあくまでも推計と勘案したとしても、たかだか四年前、二〇一七年に出したものとこんなにも差異が出ると、政策の方針転換が必要かと思います。  公的に絶対に守らないといけないところは大前提で守る、そこに異論がある方は少ないでしょう。世田谷区だけではないですが、全方向に厚くという理想論はありつつも、なかなかできてこなかった。予算というものは有限でありますから、どこか厚くすると、どこか薄くなる。だからこそ、今の日本全体の施策のゆがみが生まれ、年齢分布、社会増減、自然増減にも影響が生じた、生じていると私は考えています。  今年度から社会増減は単年で下げ止まり、この後右肩上がりで増えていく想定ですが、自然増減では二〇二〇年から逆転現象が起こり、減っていくことになっています。社会増減に関しては、その都度社会的要因に起因し、期待値から上振れも下振れもあるために、公的に判断するのは難しいものではあります。  出生率についてですが、国の一・三六からも著しく低い〇・九九。自然増減に関して下降トレンドに乗ってしまったというのは行政の責任であると考えられます。しかしながら、世田谷区にも一因があるとはいえ、都、国と全体的に責任があると考えられるので、区だけに責任があるとは思っていません。一方で、この傾向が見えているのに策を講じられない、講じないというのは未来に対して責任がないと言えます。だからこそ、全く区として見えない少子化対策を建設的に求めるわけです。適正人口という課題にも踏み込まなくてはいけませんが、自然減が続く限り、世田谷区においてだけではなく、日本という国家の衰退の一因になると考え対策が望まれます。  国による五十年スタンスで見ると、今後、高齢者の増加幅は落ち着くものの、現役世代の減少が加速されるとしています。総務省が出している直近の国勢調査、約一億二千万人中、生産人口世代割合が五九・五%、高齢化率が二八・四%、国立社会保障・人口問題研究所によると、二〇六五年には八千八百八万人になると予想し、生産人口世代割合が五一・四%、高齢化率が三八・四%、直近三十ポイントの差から十二ポイントと顕著に幅が狭まるとしています。つまりは、現役世代の負担が間違いなく増加するのは火を見るよりも明らかです。高齢化社会への対応においても、現役世代への施策を厚くする必要性があるのではないでしょうか。  これまでも不妊治療助成や子育て施策については何度も何度も取り上げ改善を求め、変わっていきましたが、もっとマクロに焦点を当てるべきです。AYA世代、単身世帯や比較的金銭的余裕が生まれにくい世代に対して施策が薄く、定住率を上げるべき策を講じるべきです。ミクロ施策で言うと、核家族化対策として、二世帯以上の家族住宅支援策や子どもの出産費用の全額助成、加えて著しく低い出生率対策に第二子以降の出産に対して、金銭的、環境的にもためらわない多子世帯へのインセンティブを求めます。伺います。  税収が厳しいのでできませんという答弁は聞きたくありません。我々がいなくなった先の未来の世田谷区にツケを回さないのが、今を生きる私たちの責任ではないでしょうか。  幼稚園の役目も変わってきていると考えています。幼児教育無償化が進んだことにより、地域偏在はありますが、保育園数も飽和化対策も望まれている一方で、幼稚園ももろにあおりを受けています。区立幼稚園では一学級の半分に満たないところも。私立園も経営努力を求めるわけですが、相対的に児童数の減少と保育園の完全無償化により厳しくなっています。幼稚園と保育園の助成の格差は、同じ時期に子どもを預かる場として是正は必要と感じます。代表答弁で保護者負担の軽減が出され、大いに賛同するところではありますが、先ほども述べたように、第二子以降は無償化などの門戸を広げるべきかと思います。区立園の考え方も分岐点ではないでしょうか、伺います。  高齢者施策に関してはまた違う場でさせていただきます。  いずれにしても、政策にも予算配分にもメッセージ性を持ったものを世田谷区には望むものです。  次に行きます。三回目接種のワクチンの供給量が示されました。二月から三月の供給量は、ファイザーとモデルナの割合は約半々とのこと。一、二回目、ファイザーで接種した方全員が、三回目もファイザーで接種したいと思っても量が足りない。そうなると、モデルナが承認されて使用開始される二月以降、区民は会場や日程と併せてワクチンを選択することになるわけです。時期によっては、希望する会場でファイザーを選択したいが、ファイザーの予約枠がなくなっていた場合、モデルナを選択せざるを得なくなる場合もあります。その場合、それぞれのワクチンの副反応や違い、交互接種をした場合の効果も変わらないのかについても、あわせて説明していくべきでありますが、どのように周知をしていくのでしょうか。  また、診療所などの個別接種ではモデルナを扱う診療所もあるのでしょうか。今回も、一、二回目接種と同様に、診療所は訪問接種もしていくのか、職域接種は実施されるのかも伺います。  次に、一、二回目接種時は、障害者の専用枠を設けた集団接種会場での接種や通所施設への巡回接種など、障害者が安心して接種できる環境を整えられ、障害者の家族からも感謝の声が届いています。三回目の接種においてはどのような支援を考えているのでしょうか。  高齢者施設で働く方は、区外に住んでいる方も多く、接種券が届いていない方も考えられます。高齢者施設では、クラスターを起こさないために、施設の入居者、職員が一斉に接種するべきだと考えますが、接種券がない場合はどのように接種できるのでしょうか。  最後に、鳥類の餌やりによる迷惑行為についてです。  条例制定前から何度もしてきた件です。当初、勧告等の是正ができるような条例になるのではと考えていましたが、でき上がったものは、区民の責務としての努力義務として、いまだに地域の不満の声が届いております。私の地元であり、たびたびテレビ番組にも取り上げられている非常に問題視していた弦巻は、一向に変わる気配もございませんし、ますます地域と当該者との溝が広がるばかりです。役所の方や地域の方から注意がしにくい深夜に餌やりをし始め、結局、元の木阿弥です。  ここは小学校の通学路の一角であり、子どもたちもたくさん通る場所でもあります。今後、区内で同じようなケースが生まれる場合もありますので、予防策として、通学路や通園路に限り、私有地だろうと禁止規定なども考えられるのではないでしょうか。この問題で引っ越しした方もいると聞いています。ケースは違いますが、横須賀市はごみ屋敷問題を特措法を用い私有地内に乗り込んだケースもあります。これ以上看過できません。区として対応してきたのも重々承知ですが、対応の強化を求めます。また、鳥類の嫌がる忌避剤は、ぶら下げるもの、散布するものとあるようです。ぜひ導入し、配付を求めます。  条例制定はゴールでなくスタートです。運用が難しい、開けてみて変わらないのであれば、次のステップを考えるのが世の常です。箕面市や荒川区では、勧告、命令、名前公表、罰則と条例内に規定しています。抑止力になりますので、他自治体でできていることを世田谷区でもすべきです。伺います。  今後も厳しい対応を望みますし、改善するまで何度も取り上げてまいります。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは予算編成について御答弁いたします。  令和三年度に向けた昨年度の予算編成過程では、極めて厳しい財政見通しの下、ソフト、ハードを問わず、全ての事務事業についてあらゆる角度から検証を行い、事業規模や手法の見直しなど、全庁を挙げて取り組み、八十二億円もの予算の削減を行ったことで、厳しい財政状況に即した予算を組むことができたものと考えております。  御指摘のとおり、削減額としては、公共施設の改修経費等が多くを占めていますが、職員一人一人が危機感を持って担当する事務事業の有効性や効率性を改めて点検した過程は重要と考えております。一方で、今回の取組が全ての施策や事務事業の本質的な見直しに至っていたかは課題が残っており、昨年度の取組を一過性のものとせず、継続的な見直しに取り組むことが不可欠と考えております。来年度の予算編成に当たっては、こうした見直しを継続するとともに、特にDXによる新たな視点を踏まえた手法の転換や、将来を見据えた業務プロセスの再構築を進め、(仮称)世田谷区未来つながるプランに掲げる施策を着実に推進することを優先に予算編成を進めてまいります。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは今後の政策と予算編成につきまして三点御答弁いたします。  初めに、行革の取組の強化についてでございます。  行政経営改革につきましては、実施計画に位置づけて継続して取り組み、特に昨年度はコロナ禍の区民生活や区財政への影響に対応すべく、政策方針に基づき全ての事務事業の本質的な見直しとして取り組んだところでございます。  令和四年度予算編成の依命通達におきましては、昨年度の見直しで休止等しました事業について、コロナ禍を経た地域社会や区民ニーズの変化を的確に捉えた参加と協働の新たなスタイルをつくるなど、事業手法の再構築を図ることを基本方針に示し、必要性や有効性、効果とコストのバランスなどの観点から、事業の在り方を慎重に見極めることとしてございます。  また、継続事業の見直しや新たな事業の検討に当たりましては、コストや成果を客観的に分析する行政評価のプロセスを全庁に定着させるべく、事務事業評価の作業に取り組んでございます。変化の大きな時代の中、事業やサービスの在り方も時代に合わせた変革が求められることを常に念頭に置きながら、全庁を挙げて実効性のある行政経営改革の取組を進めてまいります。  次に、学校建替え予算についてでございます。  学校改築につきましては、周辺の公共施設との複合化など、公共施設等総合管理計画に基づく施設整備の考え方等を踏まえ、これまで基金や起債の計画的な活用を図りながら、おおむね年二校のペースを基本に計画的な整備を進めてまいりました。一方で、昨年度コロナ禍による極めて厳しい財政見通しを踏まえ、全庁を挙げた事務事業の緊急見直し等を行う中で、学校を含む公共施設整備においても、施設の安全性や緊急性などを考慮した上で、一部を先送りするなどスケジュールを見直し、必要な財源の確保を図ってきたところでございます。  今後の学校改築につきましては、優先度の高い安全安心の観点を十分見極めた上で、中長期的な計画を基本に着実に進める必要があると考えてございます。来年度につきまして、財源見通しなどを踏まえた上で、事業目的、優先度に応じて適切に対応をしてまいります。  最後に、現役世代への施策を厚くする必要性についてでございます。  御指摘いただきましたとおり、今後の少子・高齢化の進展により、将来的に現役世代の負担が大きくなることが懸念されます。若い世代や子育て世代も含めた現役世代を呼び込み、定着に資するよう人口構成のバランスを重視した政策が必要と考えております。子ども・子育て応援都市の深化となるべく、妊娠期から出産、在宅育児と保育・幼児教育をシームレスにつなぐ環境のさらなる向上と改善に取り組むなど、少子化対策、子育て支援の充実、さらには町のにぎわいづくりや職住近接の取組など、産業基盤の強化、住宅都市としての魅力向上により、総合力を高めていく取組が重要です。来年度から行う基本計画の検討に当たりましては、高齢化社会への対応と子育て施策など、将来を見据えた現役世代に対する施策とのバランスを意識して、全ての世代が住み続けたい町となるよう議論を行ってまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、核家族化対策としての子どもの出産費用、第二子以降の出産への支援、多子世帯へのインセンティブについて、まずお答えを申し上げます。  区では、平成二十一年度より子どもを産み育てやすい環境を整備することを目的として、子どもの出産に要する出産費の一部について、第三子出産費助成を交付しております。この制度は、第三子以降を出産した場合、助成上限額四十八万円または出産費の額のいずれか低い額から、出産育児一時金額を差し引いた差額を助成するもので、令和二年度の支給件数は三百四十一件、歳出額は約一千六百万円でございました。出産費用に係る支援としては、これまでも国での議論があったことから、出産育児一時金の検討状況等、国の動向を注視し、時期を捉え区として必要な制度改正などを行ってまいります。  また、著しく低い出生率対策につきましては、区として、子育て世帯への取組全般の見直しや、総合的な取組の在り方とともに、子どもを産み育てやすい環境の整備として検討してまいります。  次に、幼稚園助成の第二子以降の無償化など、門戸を広げるべきであるという点について御答弁申し上げます。  区では、私立幼稚園等の園児の保護者を対象に、経済的負担軽減等を目的として、保育料等について一定額を補助してございます。補助基準額につきましては、現在も年収や兄姉の有無等に応じて段階的に加算をしており、例えば年収が三百六十万円以下の世帯については、国の一律給付に都区の上乗せ額を加えた合計額で比較すると、第一子では、合計で月額二万八千五百円から三万八千九百円の補助額になるのに対しまして、第二子以降では、合計で月額三万三千八百円から三万八千九百円の補助額となるよう設定をしているところでございます。  幼稚園と保育園では無償化の制度が異なるため、一律には論じられませんが、区内の各私立幼稚園では、子どもを取り巻く状況の変化により、近年、保育料の増額を余儀なくされており、保護者が区内の私立幼稚園を選択できる環境が守られるよう、まずは保護者全体の負担軽減の見直しを図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、三回目の新型コロナワクチン接種について三点御答弁申し上げます。  初めに、ファイザー、モデルナの選択の際の情報提供についてです。  来年二月、三月に国から供給されるワクチンの量は、一、二回目と同一のワクチンを用いるためにはファイザーが不足し、その不足分をモデルナで補う必要があることから、交互接種として初めてモデルナを接種しようとされる方に向け、正確な情報提供が必要と考えております。交互接種の安全性や有効性に加え、ファイザー、モデルナともに同じメッセンジャーRNAワクチンであり、同様の効果が得られることや、副反応のデータのほか、今後国から示される来年四月以降の供給量によっては、一時的に待っても、ファイザーを接種できない可能性もあることなど、接種を希望する方が適切に判断し、安心して接種を受けられるよう、区のホームページや「区のおしらせ」、チラシなど、様々な媒体により必要な情報を周知してまいります。  次に、個別接種と職域接種についてです。  区では、三回目のワクチン接種について、一、二回目と同様に、集団接種会場での接種、診療所等での個別接種、高齢者施設等での巡回接種により実施をしていきます。三回目接種に当たりましては、個別接種に当たりましては、一、二回目と同様、訪問接種にも使用できるファイザー社のワクチンで実施していただく予定ですが、今後のモデルナ社ワクチンの供給状況によっては、改めて検討をしてまいります。また、在宅療養者への訪問接種も引き続き行う予定で、既に実施意向を示している診療所もございます。  職域接種につきましては三月からの実施が国から示されております。一、二回目接種においては、複数の区内大学や楽天などで実施されましたが、追加接種においても、区民の方々まで対象としていただけるか等、今後実施の意向について確認をしてまいります。  最後に、高齢者施設の接種券なしの接種についてです。  三回目接種については、国の説明会において、接種券が届いていることが基本とされています。高齢者施設等のクラスター防止のためには、入居者、職員が効率よく同時に接種を進めることが必要となりますが、区外在住の方など、接種券の発送時期が異なったり、VRSの入力状況により、接種券発行の手続が間に合わないことも想定され、施設での一斉接種ができないことになってしまいます。  先日、国から接種券がない場合の運用について、例外的な取扱いとして示されましたが、接種日に記入した白紙の予診票を後から接種券の印刷された予診票に本人が転記することになっており、高齢者の接種などを考えると、現実的でない事務運用となっております。一月にスタートする高齢者施設での接種における具体的な手順については、今後、高齢福祉部と整理していくとともに、引き続き国に対して手続の簡素化について要望をしてまいります。  以上でございます。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは障害のある方への三回目の接種について御答弁を申し上げます。  三回目のワクチン接種に関しましては、一、二回目と同様に、集団接種会場やかかりつけ医等による接種を基本としながら、通所施設の巡回接種、施設職員の同行や障害者専用枠の設定による集団接種会場での接種、福祉タクシー券等の追加給付による移動支援を行う予定としております。  なお、三回目の接種に当たっては、接種開始当初から身近な地域での個別接種が可能となるため、巡回接種や障害者専用枠などでの接種を希望される人数に変更があることも想定しております。引き続き庁内で連携を図りながら、障害のある方にとって利用しやすく、安心してワクチンを接種していただけるよう体制整備に努めてまいります。  以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは鳥類への餌やり問題について御答弁申し上げます。  平成三十年四月より、世田谷区環境美化等に関する条例にて、野鳥への餌やりによる迷惑行為をしないことを区民の責務として定めており、区といたしましても、餌やり防止のPR活動やポスター、チラシの掲示を行うとともに、職員によるパトロールなど、積極的な対策に努めてまいりました。しかしながら、その後も野鳥への餌やりの被害が多い地域の皆様からは、迷惑行為に対する状況改善の要請をいただいております。最近では、議員お話しのとおり、深夜、明け方の餌やりも増え、職員による待ち伏せパトロールを強化しております。  御提案の条例による厳罰化については、私権の制限に関わることでもあるため、法令や他自治体の条例の運用状況等を慎重に見据え、よりよい方策を研究する必要があると考えております。  今後の対応といたしましては、迷惑行為パトロールのさらなる強化や、被害の多い地域の方々に対する忌避剤の配付等を検討してまいります。  以上です。 ◆十五番(加藤たいき 議員) 出生率に関してなんですが、都、国よりも著しく低い〇・九九、これはやっぱり世田谷区は本腰を入れていかないといけないものだと思っています。出産費用も今第三子助成という、三人目、〇・九九ですよ。一を切っている状態で、三子というのも、整合性がやっぱり取れないと思うんで、やっぱり私は、もう子ども・子育て応援宣言している区であるからこそ、第一子から、そんな気概を見せてもらいたいと思います。  また、ハト、カラスの餌やりは、今後もぜひ力を入れて、ちょうど時間になったので、またどこかで。 ○下山芳男 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 川場村と縁組協定締結四十周年について、本定例会の前日、十一月二十八日に世田谷区と川場村の縁組協定締結四十周年の記念式典とシンポジウムが、東京農業大学の横井講堂で行われて、区の関係者のほか、川場村からも多くの方が参加されました。四十年の長きにわたって交流を深め、まさに世田谷区民の第二のふるさととして、多くの方々に親しまれたことを改めて実感いたしました。  世田谷区内の小学校五年生は、移動教室で川場村を訪れて、豊かな自然と美しい田園風景を楽しんでいます。今年も私の地元の下北沢小学校の五年生の児童の一人は、移動教室から帰ってきて、川場村に行って本当に楽しかった。そして、健康村で出された食事がとてもおいしくて、たくさんお代わりしたと言って、大変喜んでいました。  また、健康村の施設も多くの区民の方が利用しています。コロナ以前には年間延べ人数が六万人以上の方が利用しています。四季折々の川場村の魅力を満喫して、ふじやまビレジにはすばらしい露天風呂の温泉があり、そしてなかのビレジのほうでは、友好の森で森林保全の活動をはじめとした様々な事業に多くの区民が参加されて、村の方々と触れ合いを通じて交流を深めてきました。  川場村に行きますと、その魅力に引かれて、多くの方がリピーターとなって、第二のふるさとと感じて、何度も泊まりに来るそうです。川場村の方々も、梅まつりや区民まつり、そしてボロ市をはじめとした区内の様々なイベントでは、川場村の物産の販売が行われていて、年間約六十回、土曜、日曜には区内のどこかで川場村のリンゴやヨーグルト、最近では大粒のおいしいイチゴも評判です。また、四季折々の野菜なども買うことができ、多くの区民の方々が楽しみにしています。  こうした交流は、四十年という月日を重ねることで深まってきました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染症の影響で、昨年は初めて移動教室が中止となってしまいました。また、様々な交流事業が中止となって、区民の方々が川場村の魅力を感じる機会が少なくなりました。このような状況の中でも、むしろ困難な状況だからこそ、世田谷と川場村の絆を強くして協力していくことが大事だと思っております。四十周年の先、五十周年、百年と世田谷区と川場村の交流を深めていくために、区としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  また、川場村のなかのビレジ周辺の約八十ヘクタールに及ぶ山林が友好の森として、区民と村の方々が協働して植林し、下草刈りや枝払い、間伐などの森林保全活動を三十年にわたって続けてきました。川場村を訪れた子どもたちは、この森で昆虫採集をしたり、蛇やトカゲなどを見つけて、様々な生き物と出会い、そしてドングリや松ぼっくりなどを拾い、世田谷区では経験することのできない自然体験をしております。森や水の大切さを学ぶ絶好のフィールドとなっています。地球温暖化対策や国土の保全の面からも、森林を健全に保全していくことや、環境問題に対する意識を高めるためにも、友好の森での活動は大切だと感じております。  気候変動についての国際的な会議です。COP26では、十一月十三日に、産業革命前からの気温上昇を一・五度に抑えるために努力を追求するという内容を盛り込んだ成果文書を採択しました。私たちは、豊かで暮らしやすい環境を子どもたちに受け継いでいく責任があります。住宅都市としての世田谷区で取り組めるのは、省エネや再生可能エネルギーを活用することなど限られたものになっています。しかしながら、自然豊かな川場村と世田谷区が連携して取り組めることは様々あると思います。川場村の木質バイオマス発電により生み出されたエネルギーを世田谷区民が利用するといったことも行われております。川場村と連携した環境保全や温暖化対策にどのような取組をこれから進めていこうと考えているのか、これもお伺いします。  世田谷区では、四十年にわたって築き上げた川場村との絆があります。これを次世代を担う子どもたちにしっかりと継承していけるよう取組を進めていただきたいと私も思っております。  そして、新型コロナウイルス感染症がまだ子どもたちの学校や家庭での生活を変化させていて、子どもたちの行動にも大きな影響を与えています。在宅で仕事をする保護者も増え、夫婦げんかや親子げんかが増えていて、けんかの内容を聞いた子どもたちがストレスを感じることもあると思います。また、人との関係が少なくなり、誰に相談したらよいのか分からず、常に家庭で不安を抱えている子どもたちも増えていると思います。さらに言えば、コロナの影響で密を回避するなどの対策が必要となり、非常に残念なことに、学校での子どもたちの活動は多くの制限に縛られている状況となってしまっております。学校にはスクールカウンセラーも配置されていますが、子どもたちの身近にいる大人がしっかりと連携して、こうした子どもたちのストレスや悩みに真剣に向き合う体制を一層強化していただきたいと思います。  こうした中、文部科学省が昨年度の児童生徒の問題行動・不登校などに関する調査結果を公表しました。子どもたちが直接対面してやり取りする機会が減ったことで、いじめは減少したものの、不登校や自殺が増加していて、特に自殺は、調査開始以来、最多の人数になっているそうです。非常に心配しております。不登校が増えているということは、学校が楽しいと思わない子どもたちが増えているということなのでしょうか。  最近、都内でもいじめによる自殺がありましたが、ここで改めて、二度とこのようなことが起こらないよう、みんなが真剣に考えなければ、私も毎朝登校する子どもたちの見守り、子どもたちの発する小さなサインを見逃さないように、丁寧に声かけをしていますが、子どもたちの周りにいる誰かが子どもたちのSOSをキャッチすることで、子どもたち自ら命を絶つことを絶対に防がなければならないと思っております。  そこでお伺いしますが、区立学校では、不登校や自殺の予防のためにどのような取組を行っているのかお伺いします。  子どもたちは、成長する過程で様々な不安や悩みを持っていると思いますが、それも友達や先生に相談することで解決に向かうことができ、そして学校はそのような場所でなければならないと思っております。コロナ禍はまだまだすぐに終わりそうもありません。これまで以上に学校が子どもたちにとって成長できる場所、楽しく安らげる場所となるよう、教育委員会のさらなる取組をお願いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 青空議員にお答えをいたします。  川場と世田谷区との四十周年の記念式典が先日ございました。川場村を縁組協定の対象としたことはまさに先人の知恵であり、長期的な視野に立ったすぐれた政策であったというふうに改めて感じております。十一月二十八日に縁組協定四十周年の記念式典、都市と農山村の交流をテーマとしたシンポジウムには、外山村長をはじめとして川場からバス二台で参加をいただき、また、区内からも多数の方に御参加をいただきました。  これからの取組として、ウィズコロナ時代に合わせた新たな交流による文化や価値を創造すること、都市部と農山村部のお互いの強みを生かしながら連携を強化し、そして豊かな地域社会をそれぞれ実現を目指すこと、芸術、スポーツ、学術など、より多面的な文化交流について、さらに発展させることなどを盛り込んだ宣誓書を、川場村の外山村長と私で取り交わさせていただきました。  また、シンポジウムで御講演をいただいた、教育委員でもいらっしゃる澁澤先生からは、これから人口減少社会を迎えるために、都市の問題は都市だけでは解決できない、地域の問題も農山村の振興策だけでは解決できないことから、地方創生は経済創生ではなく社会創生だ、持続可能な社会をつくるために、人と人、人と自然、世代と世代がつながる必要がある。江戸時代の循環的な社会のありようと現代を比較しながら、大変感銘深い基調講演もいただきました。  そして、この講演の後に、林野庁や総務省の方々も参加されたシンポジウム、ここで五十年、百年と今後交流を深化させ、先人たちが目指したような新たな長期ビジョン、これを川場村との間で共有をしていかなければならないというふうに強く思います。四十周年を節目として、都市と農山村が相互に交流し、協力し合い、そして縁組協定という名にふさわしい未来に誇れる、そして次世代につながる川場村との絆をさらに力強く発展させていきたいと感じています。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、川場村と連携した環境保全や温暖化対策の取組についてお答えいたします。  区では、平成二十八年度から川場村と自然エネルギー活用による発電事業に関する連携協力を開始し、村の木質バイオマス発電所で発電した電気を小売事業者を通じて区内四十世帯に供給しております。川場村では、間伐や製材により生じる木材をチップとして再利用する仕組みを構築しております。また、ふじやまビレジでは、木質バイオマスボイラーを設置して、健康村施設で消費する重油の量を削減し、CO2排出抑制の取組を進めております。  長年取り組んでいる友好の森における森林保全活動では、樹木のCO2吸収効果により、群馬県のカーボンオフセットの認証を取得することを目指し、環境政策部とも連携した取組を進めております。
     今年度からスタートした世田谷区民健康村第五期事業計画の施策目標の一つとして、協働による自然環境の保護と循環型社会の構築を掲げており、より多くの方に環境問題への関心を高めてもらえるよう、今後も着実に取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、区立学校における不登校や自殺予防の取組についてお答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症により子どもたちの生活が変化し、昨年度は全国的に不登校や自殺が増えている状況であることについては認識をしております。各学校では、日頃から子どもたちの様子を丁寧に見守るとともに、気持ちに寄り添い、適切な対応ができるよう、学期に一回以上学校生活についてのアンケートや、ハイパーQUという、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケートなどを活用して、安心して過ごせる学級づくりに努めているところでございます。  また、SOSの出し方についての指導やスクールカウンセラー等による支援などの相談機能の充実を図っているところでございます。このほか、管理職及び教育相談主任を中心とした校内委員会を定期的に開催して情報を共有し、対応策を協議するなど、組織的な取組を進めているところでございます。  教育委員会といたしましては、児童生徒が楽しく、安心して成長できる場所と、区としての魅力ある学校づくりを支援してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございました。  十一月二十八日、川場村は、あの日はちょうど全国的に寒くて、川場村も雪のところをこっちに来てくれたということで、本当にありがたいと思っております。  また、川場村のイベントができないというのもすごく残念だし、ボロ市ができないのも残念。川場村との交流がなかなかできない。毎年お正月、役所のほうでもやったりするのも楽しみにしていたんだけれども、本当に残念だと思います。  また、もっと残念なのが中学校の愛知県の弥富の包丁で刺した件ですね。あれは、僕、できれば、昔は手荷物検査って学校でやったんですが、ああいう検査はやっちゃいけないのか分からないけれども、やっぱり何かあるときには、子どもたちの本当に発信しているとき、何か話を聞くと、生徒会の問題で、それが応援するのが嫌だったりするんで、原因だとかいうんだけれども、また、中学生が刺身包丁を買えるということもちょっとおかしいなと思って、その点、一点だけ伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ◎粟井 教育政策部長 やはり日頃から子どもたちの変容というものを丁寧に見ていくことが必要だと思います。そのためには、学級担任の先生も含めですが、あるいは複数の教員で見ていくとか、それから、やっぱり日頃からの早期対応、子どもの変容の早期対応というものをやっぱり丁寧に見ていく必要があると考えておりますので、その辺、さらに留意して丁寧に対応してまいりたいと思っています。  以上でございます。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございました。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時三十一分休憩    ──────────────────     午後一時二十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十二番福田たえ美議員。    〔四十二番福田たえ美議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(福田たえ美 議員) 質問通告に従い順次質問をしてまいります。  まず初めに、東京外かく環状道路事業周辺地の豪雨対策について伺います。  東京外かく環状道路事業は、大蔵、宇奈根、喜多見地域に流れる野川の新井橋から上流に向けてトンネル施工が行われる事業であります。東名ジャンクションより南側の野川下流域では、平成十七年の大雨により二百世帯以上が浸水被害を受け、令和元年台風第十九号では、多摩川より野川へのバックウオーターにより増水し、浸水被害を避けることができませんでした。  国土交通省が設置した検討会が公表した気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言では、気候変動による豪雨災害の激甚化、頻発化するとの考えを基に、治水計画を将来のリスク予測型への転換が急務であることを指摘しています。区が示した世田谷区豪雨対策行動計画改定の素案で、令和十九年度までの各流域対策の目標を示す中で、野川流域の達成時期が他の流域の達成時期と比ベスピード感に欠けています。東京都では、野川流域豪雨対策計画において、八か所の調節池の整備予定を示しています。  ここで伺います。東京都が示している東名ジャンクション付近の新井橋から上流の谷戸橋手前までの世田谷区間を含む野川流域の調節池等の整備予定について、今後の気候変動、都市化の促進など、洪水のリスクが高まることを考慮し、あらゆる手法で検討し実現するよう都に働きかけるべきと考えますが、区の見解を伺います。  東京外かく環状道路は東名ジャンクションから東名高速道路につながります。高速道路の機能上、雨水を素早く排出するため約二十メートルごとに排水管が設置されています。降雨量によっては、排水管を通じて何百トンを超える雨水が河川に流れ出ます。高架下に雨水を貯留する施設が設置されれば、河川への雨水流出を抑制できます。他の地域では、道路高架下に設置された雨水貯留施設が流出抑制に寄与をしています。  ここで伺いますが、東名高速道路から排出される雨水に対しても、河川への流出抑制も洪水被害の抑制につながると考えます。事業者に今後の雨水流出抑制策を講じることを働きかけていくべきです。区の見解をお聞かせください。  先日、東京外かく環状道路工事区間である大泉ジャンクションに隣接する白子川調節池群を見てまいりました。白子川の一時間五十ミリを超える規模の降雨にも対応するため、大泉ジャンクション内に白子川取水施設を設置し、地下三十五メートルに小学校のプール七百杯分相当を貯水する白子川地下調節池を整備し、洪水の大きな受皿として実績を上げています。  ここで伺います。東京外かく環状道路事業に伴う雨水流出抑制施設の整備について、大泉ジャンクションでの調節池なども参考に様々な手法を検討し、今後の気候変動にも耐え得る豪雨対策を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、公共交通不便地域対策の取組について伺います。  本年十一月十二日の公共交通機関対策等特別委員会では、世田谷区宇奈根・喜多見地区バス路線玉04、05系統の運行形態の変更が報告されました。東急バス株式会社が示した新たな運行形態は従来と大きく変わります。定時定路線型は通勤通学の朝の時間帯に限られ、日中から夜間の時間帯は予約に応じたオンデマンド型へと変更され、かつ二子玉川駅に行くには必ず乗り換えが必要となります。玉04、05系統は、地域住民が二子玉川方面に出る路線バスを強く要望したことで、平成十九年度に二子玉川駅から宇奈根地区会館を経由する玉05系統が、平成二十五年度には、約千三百名の署名活動により喜多見住宅まで延長した玉04系統が導入されました。苦労して勝ち取ったバス路線が実質廃止と言える報告に、存続を願う多くの声が私の下にも届いています。  ここで伺います。宇奈根・喜多見地区の新たな運行形態のバス路線に関して、区はバス事業者と協力しながら、運行形態などの変更の周知はもちろんのこと、オンデマンド方式による利用方法の丁寧な説明をまちづくりセンターあんしんすこやかセンターの協力も得ながら随時対応すべきと考えます。また、停留所となるミーティングポイントを喜多見東地区会館など、利用者を増やす工夫を区は事業者と連携をし取り組むべきと考えます。区の見解を伺います。  区内の公共交通不便地域解消となるコミュニティバスの導入は、平成十年を皮切りに数年ごとに一路線ずつ導入され、平成二十九年一月に十路線目となる等々力・梅ヶ丘路線導入以降、導入が進んでいません。一般社団法人地域公共交通総合研究所の二〇二〇年の百二十四社のバス事業者へのアンケート調査から、路線廃止や減便の検討路線が五割との数字に、今後のバス事業の継続の困難さがうかがわれます。社会状況の変化も相まって、一向に導入が進まない公共交通不便地域への解消に向けて、あらゆる手法の導入を視野に入れて取り組んでいくべきです。  ここで伺います。今回、東急バス株式会社が示した新たな運行形態について、今後の状況も確認しながら、地域に即した運行方法を既存交通事業者などとの連携で、交通不便地域の解消に向けて取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  最後に、医療的ケア児の移動支援について伺います。  医療的ケア児支援法が本年六月十一日に成立、九月に施行されました。医療的ケア児が初めて法律に明文化され、医療的ケア児の健やかな成長を図り、家族のケアが理由による離職の防止を目的として、国や自治体に学校や幼稚園、保育所などに対して、保護者の付き添いがなくとも適切な医療ケアや支援を受けられるよう、看護師などを配置することを求めています。  東京都は、法整備を待たず、都議会公明党の提案、要望を受け、平成三十年度から医療的ケア児専用通学車両の運行を開始し、看護師を同乗させることで、医療的ケア児の学ぶ機会の拡充及び保護者の負担軽減に喜びの声が届く一方で、一部の車両にはいまだ保護者が乗車していると聞いております。  私の下に、医療的ケア児の通学に必要な移動支援について御相談の声が届きました。相談者の医療的ケア児は、区外の聾学校に往復二時間をかけて通学をしています。当学校においては、医療的ケア児専用通学車両の運行を行っておらず、通学時の親の付き添いを小学校三年生まで、医療的ケアなどが必要な児童は小学校六年生までと長期間にわたります。往復二時間の通学を六年間通じて行うことは、保護者にとって、心身面、家計面に大きな負担がかかっています。医療的ケア児の区外の特別支援学校への通学支援は、法的にも自治体に求められています。  ここで伺います。医療的ケア児の区外の学校への移動支援について区の見解をお聞かせください。  区では、移動が困難な障害児の必要な外出時の支援を行う地域生活支援事業の移動支援事業において、児童に一か月支給される基準時間数は四十時間、そのうち通学に使用できるのは二十三時間、通学の二十三時間とは、区内の学校に通う想定で、往復一時間で、二十三日をカバーするものです。往復二時間かけて区外の学校に通う場合は、二十三時間の支給では約十一日分の通学支援にとどまります。支給される基準時間数である四十時間を通学にも使用できるよう、柔軟な対応で保護者の経済的な負担を軽減すべきと考えます。  ここで伺います。医療的ケア児の移動支援事業において、四十時間の支給を通学への支援にも使用できるよう柔軟な対応を行うべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、野川の調節池等の整備に係る東京都への働きかけについてお答え申し上げます。  東京都では、野川など多摩エリアを流れる河川におきまして、時間六十五ミリ降雨に対応する整備を進めており、このうち、時間五十ミリの降雨に対応する部分につきましては、護岸の整備や河道を深く掘削することにより対応しております。また、これを超える十五ミリ分につきましては、調節池等の整備や流域対策により対応することとしております。  野川の東名ジャンクション付近から上流部の調節池の整備につきましては、現在、小金井市内において、最大貯留量が二万八千立方メートルの野川第一調節池と、二万一千立方メートルの野川第二調節池、また、三鷹市内におきましては野川大沢調節池が整備されております。このうち、野川大沢調節池につきましては、東京都によりこれまでの九万立方メートルの最大貯留量を十五万八千立方メートルに拡大する整備が先月末に完成したところでございます。また、野川の河道掘削につきましては、世田谷区内の工事が令和元年度に完了しており、現在では上流側の狛江市内で進められているところでございます。  区といたしましては、世田谷区が野川の最下流地域に位置することを踏まえまして、野川の治水安全度を高めるため、野川の世田谷区間より上流の区間も含めて、野川流域豪雨対策計画に定められている調節池をはじめとする施設整備が早期に図られるよう、引き続き関係自治体と連携を図りながら、東京都に働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎青木 土木部長 私からは東名高速から排出される雨水について御答弁申し上げます。  区では、世田谷区豪雨対策行動計画に基づき、国、東京都、区並びに区民や事業者が一体となって流域対策を進めております。行動計画では、東名高速道路のような公共公益機関の新築や改築時には、世田谷区雨水流出抑制施設の設置に関する指導要綱に基づき、流域対策の実施を要請していくと定めております。  現在、東名高速道路の高架部に降った雨は、雨どいを通じて地表部にある東名高速道路の敷地内にある排水施設に流れ込んでおりますが、排水施設の詰まり等により、周辺の道路に一部雨水が流れ出ていたことから、先日、施設管理者であるNEXCO東日本に改善を要請し、排水施設の清掃を実施しております。区といたしましては、NEXCO東日本に対し、東名高速道路の適正な雨水処理に努めていただくよう働きかけていくとともに、大規模改修等の協議があった際には、雨水浸透施設等による流域対策への協力を要請してまいります。  以上でございます。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは三点順次御答弁申し上げます。  まず、東京外かく環状道路における雨水流出抑制についてです。  外環道の整備に伴う雨水処理につきましては、これまで外環事業者に対し、世田谷区雨水流出抑制施設の設置に関する指導要綱に基づく雨水流出抑制施設を設置するよう指導してきており、事業者におきましても、その必要性について十分認識し、必要な調査検討を行っております。現時点で具体的な設置計画などは決まっておりませんが、議員お話しの外環道の事業区域で実施された浸水対策なども参考に、豪雨時における東名ジャンクション周辺部の浸水被害の軽減に寄与する必要対策量の確保及び雨水流出抑制施設の設置について、関係所管と連携しながら事業者と調整してまいります。  次に、宇奈根・喜多見地区バス路線の利便性向上についてです。  喜多見・宇奈根地区を運行する玉04、05系統は、二子玉川駅を起終点とする循環バスで、従前から厳しい収支状況である運行であり、新型コロナウイルスの感染拡大による収支悪化が追い打ちとなり、路線維持が困難となったものでございます。こうした厳しいバス事業者の経営状況にあっても、当該バス路線が廃止とならぬよう、区とバス事業者が協議し、輸送需要に応じた運行形態へ変更することで、区民生活を支える交通網の維持を図るものでございます。  運行形態の変更では、朝方は定時定路線型による運行、日中以降は乗降場所となるミーティングポイント間をワンボックス車両により、予約に応じて運行するオンデマンド型輸送となり、居住地によっては、これまでのバス停よりも近くで乗降できることになります。  一方、乗車予約の手間や二子玉川駅方面へ向かう際には、砧本村などの停留所で乗り継ぎが必要となることから、高齢者をはじめ区民に向けた丁寧な説明や対応が大変重要でございます。そのため、乗車予約に関しては、専用の予約サイトのほかに、電話予約でも御利用いただけますが、より多くの皆様にバスを御利用いただけるように、予約手続をサポートする説明会等をバス事業者と連携して実施するなど、丁寧な対応に努めてまいります。  最後に、事業者との連携による公共交通不便地域対策についてです。  区と民間事業者が連携する官民連携事業は、厳しい財政状況において、民間企業が有するリソースや発想、手法を活用し、区が抱える様々な課題を解決するための有効な手段であると認識しております。今般、民間のバス事業者が喜多見・宇奈根地区において実施する収支改善に向けた新たな運行形態の取組は、区内では初めてのオンデマンド型輸送による区民生活を支える公共交通でございます。また、今回のオンデマンド型輸送により、新たに乗降場となるミーティングポイントが新設されることにより、喜多見・宇奈根地区の公共交通不便地域の一部が解消される予定でございます。今後も公共交通不便地域対策の検討に、既存交通事業者をはじめ民間事業者との連携による様々な手法を活用しながら、安全で継続した運行ができるよう取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎須藤 障害福祉部長 私からは医療的ケア児の移動支援について二点御答弁申し上げます。  まず、区外の学校への移動支援についてでございます。  都立の特別支援学校は、東京都全体で適正な規模、配置が行われておりまして、世田谷区内には、肢体不自由、病弱、視覚障害、知的障害の生徒を対象とした特別支援学校がありますが、聴覚障害の生徒は区外にある特別支援学校に通学することとなっております。また、特別支援学校での通学送迎バスは、肢体不自由や聴覚障害など、移動の支援が必要な生徒の通う学校では運行されておりますけれども、聴覚障害の生徒を対象とした一部の学校では運行が行われていないというふうに伺ってございます。区外の特別支援学校に通学する生徒に区が送迎バスによる移動の支援を行うことにつきましては、役割分担や経費面などの課題を整理するなど、慎重に検討する必要があるというふうに認識をしております。  続きまして、医療的ケア児の移動支援についての柔軟な対応をということについて御答弁を申し上げます。  医療的ケア児と家族が個々の心身の状況に応じて適切な支援を受けられるようにするため、令和三年六月に法が制定されました。その中で、国や自治体、学校設置者については、在籍する医療的ケア児が保護者の付き添いがなくても支援が受けられるよう、必要な措置を講ずるものというふうに定められてございます。こうした法の趣旨を踏まえますと、都立学校の児童生徒については、一義的には学校設置者である東京都が適切に対応すべきというふうに認識をしておりますけれども、せたがやノーマライゼーションプランに掲げます医療的ケア児の支援の充実、こうした観点から、区としても保護者の負担にも配慮する必要があるというふうに感じてございます。区といたしましては、都や学校に働きかけるとともに、移動支援事業の柔軟な対応については、近隣区の状況、想定される対象者の数の把握、財源など課題の整理に努め、検討をしてまいります。  以上です。 ◎青木 土木部長 先ほどの東名高速から排出される雨水についての質問におきまして、NEXCO東日本と申し上げましたが、正式にはNEXCO中日本でございました。申し訳ございませんでした。訂正いたします。 ◆四十二番(福田たえ美 議員) 御答弁ありがとうございました。  まず豪雨対策については、やはり激甚化して、また頻発化している自然災害ということもありますので、被害を最小限に抑えて、人命を守る取組を間断なく強化をしていただきたいと思います。  そして、公共交通不便地域対策の取組についてですが、社会状況が今大きく変わっているときでございます。路線の導入というのがゴールではなく、やはり路線をどう維持していくのかというところにも、既存事業者とともに区も取り組んでいただきたいと思います。  そして最後には、医療的ケア児の移動支援についてですが、先日、区に確認をした際に、区外の学校に通う医療的ケア児を把握されていないということでした。今後また検討される通学支援についても、区外の学校に通う医療的ケア児の保護者にも情報がしっかり届くよう配慮をお願いしたいと思います。  以上で私からの質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で福田たえ美議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、三十七番宍戸三郎議員。    〔三十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 先月十一月十九日、メジャーリーグ、エンゼルスの大谷翔平選手がアメリカン・リーグで最も活躍した選手に贈られるMVPに満票で選出されました。あのイチロー選手に並ぶすばらしい偉業を成し遂げられたことに大きな感動をいただきました。また、その人間性を異国の方々に高く評価されていることを誇りに感じているのは、私ばかりではないと確信しています。少年野球に長く携わってきた身として、これから育っていく将来ある子どもたち、若者たちにも大いに目標としていただき、また、大谷選手のような多くの日本人が世界で活躍することを願っています。そして、大谷選手自身の来季以降のさらなる活躍を期待しています。  それでは、令和三年、我が会派のラストバッターとして、通告に従い、質問をしてまいります。  私は、今年も一貫して区民の安全安心を第一に考え、また、そのことについて質問してまいりました。今回は、安全安心な地域社会の実現に向けた民生委員の役割と重要性について伺ってまいります。  民生委員制度の始まりとも言われる済世顧問制度が一九一七年、岡山県で始まって百年余り、時代の変化とともに、民生委員の役割も大きく変化していますが、社会福祉の奉仕ということは変わっていません。世田谷区では現在、民生委員に委嘱されると、高齢者だけではなく、妊産婦、乳幼児から六十五歳未満も見守りの対象となります。まさに地域で埋もれている課題を行政につなげていく大切な役割を果たしています。さらに、そのような活動の中で御自分や退任なさった方の後任探しも大きな負担になることもあると委員の方から伺っています。  一方、地域において様々な場面で貢献が期待され、重要な役割と言える民生委員の方々に対しては、他会派の代表質問でも指摘がありましたが、交通費や電話代など活動費が費用弁償として僅かに支給されているだけで、基本的には無給であり、ほとんどボランティアで地域の奉仕者として活動していただいているというのが現状です。こうした中、民生委員の方が今年の八月十四日、長崎県西海市で、大雨の中、見守り活動を行った結果、お亡くなりになるという事故が起きました。その方の責任感の強さに敬意を表するとともに、心より御冥福をお祈り申し上げます。  そこで改めて、地域のあらゆることの相談役である民生委員の現状と、その仕事について伺ってまいります。  最初に、本年の第二回定例会一般質問でも取り上げましたが、コロナワクチン接種申込みにおいて、二十八地区のまちづくりセンターでの受付サポートに関する情報が多くの高齢者に伝わったのは、民生委員の方々の丁寧な周知があったからではないでしょうか。これから始まる三回目の接種申込みにおいても大きな力となってくれると信じています。まさに民生委員の方々の日頃からの相談役としての活動の成果と言っても過言ではないと思います。また、区民に対して、まちづくりセンターの存在価値にも寄与したと考えますが、区の認識をまず伺います。  次に、他県で、大雨災害の中、犠牲者が出てしまったことを踏まえ、日頃からの見守り活動などによる民生委員の災害弱者に対する避難支援について、区は具体的にどのように想定しているのか伺います。  民生委員の任期は一期三年ですが、二期六年従事すると、地域でのつながりや仕事に対してのやりがいが築き上げられてくるという意見も多くあります。しかし、全国的には約三割の方が一期目で辞めてしまうとも聞いております。  世田谷区では約六百五十名定員の中、一期目で辞めてしまう割合はどれくらいなのかお聞きします。また、現在の欠員数は三十五人、欠員となった方の分の役割を同地域の方が担当区域に加えて活動してくださっていると聞いています。そのような状況を区はどのように捉えているのか伺います。  また、多くの区民は、民生委員の方は、活動費ではなく報酬を頂いていると間違えた認識をされていると聞いております。そのことに対する区民周知や正しい区民理解の促進に対する区の努力が重要と考えますが、見解を伺います。  次に、特殊詐欺撲滅に向けた民生委員の方々の活動に関して伺います。  近年、十年連続二十三区内で不名誉な特殊詐欺被害ワースト一位の世田谷区ですが、さらに被害件数、被害額ともに昨年より急増していると聞いています。卑劣極まりない特殊詐欺によって被害を受けた方にとって、金額的な損害はもちろん、身内にも相談できない精神的な被害を受けた高齢者の方々の心痛を思うと、被害を未然に防ぐための特殊詐欺撲滅対策を何としても進めなければならないと考えます。  世田谷区内での特殊詐欺被害の現状と、その対策を伺います。  また、自動通話録音機を設置しているお宅での特殊詐欺被害はゼロ件と聞いております。非常に有効な対策と考えます。しかしながら、世田谷区内の現時点での自動通話録音機の設置台数は、区内の六十五歳以上が居住する世帯数十三万六千四百十九世帯に対して、令和三年七月末時点で僅か一万一千四百五十四台と聞いております。この設置台数は、被害対策効果を考えると、あまりにも少ないのではないかと思います。特殊詐欺撲滅、そして、区民の安全安心を守るため、区として、今後さらに自動通話録音機の普及を早急に進める必要があると思いますが、区の方針をお聞かせください。併せて、自動通話録音機設置に関して、民生委員の方々の活動による設置数の増加や普及効果についてお聞かせください。  日常生活の様々な場面での安全で安心な地域社会維持のために必要不可欠な民生委員の方の役割と重要性についてお聞きしてまいりました。  区としては、民生委員のなり手不足の現状と、なり手不足解消に向けた今後の取組についてどのように考えているのかお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わりますが、先日十一月二十七日に開催されたボッチャ世田谷カップが多彩な参加者の下、熱戦が繰り広げられ、盛大に開催されたことに対し、大会関係者の皆様にねぎらいの言葉を申し上げます。(拍手) ◎菅井 危機管理部長 私からは、特殊詐欺被害の現状と対策及び民生委員の方々による自動通話録音機の設置促進とその効果、今後の区の方針について、併せて御答弁申し上げます。
     区内の特殊詐欺被害は、一昨年、昨年と減少傾向を見せていたものの、本年は十月末現在で昨年同期比でプラス四十四件と急増しており、既に昨年一年間の被害件数をも二十二件上回り、被害総額も十月末現在で約四億六千四百万円、昨年同期比でプラス約一億五千六百万円と大幅に急増しており、区といたしましても、より実効性のある対策の早急な検討が必要であると考えてございます。  特殊詐欺被害の手口はほぼ全てアポ電と言われる犯人からの電話で始まっており、通話内容を録音することをあらかじめ犯人に呼びかける自動通話録音機は被害の入り口を遮断する有効な被害防止対策であり、区は、平成二十七年から区内高齢者を対象に自動通話録音機の無償貸与事業を開始し、現在、約一万二千台が区内で稼働しており、今後もさらなる普及活動に努めてまいります。  また、議員のお話しのとおり、実際に高齢世帯と接する民生委員の皆様の発信力は高いものがあり、毎年夏に実施しているふれあい訪問後には自動通話録音機の貸出し台数が伸びる状況が確認されてございます。  今後も民生委員の皆様の協力を得て、高齢世帯の多い地区や被害の発生状況等に応じた集中的な自動通話録音機の普及活動など、より有効な被害防止対策を推進してまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、民生委員関連の御質問に三点お答えいたします。  一点目、まちづくりセンターでのコロナワクチン接種申込みサポートについてでございます。  民生児童委員は、住民の立場に立ち、子どもから高齢者まで様々な地域住民の相談に乗り、適切な機関につなげるなど、住民と行政との橋渡しを行う重要な役割を担っていただいており、地域行政を進めていく中で非常に重要な存在であると認識しております。  区の集団接種会場におけるワクチン接種の予約は、予約専用電話と専用ホームページからの予約が必要でしたが、電話が殺到し、つながりにくい状態が続き、御迷惑、御心配をおかけする事態が発生したことから、高齢者の方を対象に、まちづくりセンターにおきましてインターネットによる予約申込みのサポートを実施いたしました。  この事業の周知を行うに当たり、日頃から地域の中で活動している身近な相談相手でもある民生委員の皆様に対し、ワクチン接種の予約申込みにお困りの高齢者の方に御案内いただくよう御協力をお願いいたしました。民生委員の皆様には積極的に働きかけていただき、また、まちづくりセンターまで御同行いただくなど献身的に支援をしていただきました結果、二十八か所で約一万五千人の予約ができ、また、まちづくりセンターが地域の中の身近な行政であることを改めて認識するきっかけとなったと考えております。  二点目でございます。民生委員の災害弱者に対する避難支援についてお答えいたします。  世田谷区民生委員児童委員協議会では、災害時対応マニュアルに基づき、災害時には民生委員として日頃の訪問や見守り活動等で把握している方の安否確認と避難支援の活動を行うとともに、区と連携しまして、避難行動要支援者等の安否確認に可能な範囲で協力すること、また、避難所や在宅での被災者のニーズを把握して支援につなげることに努めることとしております。  直近では、十月七日の夜に発生いたしました千葉県北西部の地震の際には、ひとり暮らしの高齢者などへの電話や訪問による安否確認や、団地のエレベーターが停止してお困りの高齢者の方の階段での移動の支援を行っていただきました。また、現在、策定しております世田谷区避難行動要支援者避難支援プランにおいても、避難行動要支援者の安否確認や避難支援者となっており、民生委員の皆様の御協力が不可欠と考えております。  なお、東日本大震災や近年の大雨による災害におきまして、民生委員が避難支援の活動中に犠牲となられていることから、民生委員の皆様には、自身や御家族等の安全を確保した上で、民生委員の災害時での活動に御協力いただくようお願いをしております。  三点目でございます。民生委員の欠員やなり手不足の現状と、その解消に向けた今後の取組について、お答えいたします。  民生委員の中には、その認知度が低く、住民の理解が得にくい、また、業務量が多く負担を感じているという声がございます。十一月一日現在、三十五名の欠員が生じておりまして、欠員区域は同じ地区の民生委員の方が担当区域に加えまして活動をしていただいている状態でございます。一方、民生委員の多くの方がやりがいを感じていただいておりまして、世田谷区におきましては、平成二十八年度に初めて民生委員を委嘱されました百十六名のうち一期でお辞めになった方は七名で約六%と、多くの方が引き続き高齢者等への支援や災害時の支援など、積極的に活動をしていただいております。  現在、区では、担い手を確保する取組といたしまして、令和元年度より、東京都の基準に区費を上乗せいたしました活動費の増額や、PRチラシを独自に作成するなど努めてきておりますが、さらに民生委員制度や活動内容、また、必要性ややりがいなどを区の広報紙等で広く区民に周知し、区民の皆様の正しい理解を促進するとともに、民生委員活動の魅力を発信してまいりたいと考えております。  また、近年の傾向といたしまして、PTA活動の実績がある方の割合が増加傾向にございますので、例えば小中学校を通じ、民生委員について児童生徒とその保護者の方へ周知し、民生委員活動に興味を持っていただけるよう教育委員会と連携するなど、民生委員の御意見も伺いながら担い手確保の効果的な方策を検討してまいります。  以上でございます。 ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 区長に再質問いたします。  まず、民生委員のなり手不足は、高齢社会を迎える今後の区政運営においても、地域の安全安心を守っていくためにも解決すべき優先課題と考えますが、見解を伺います。  次に、特殊詐欺被害対策についてですが、くしくも保坂区長在任期間と重なる過去十年間にわたり、我が世田谷区は二十三区の中で最多の被害件数であるというのが現状です。その対策について、自動通話録音機の普及を含め、区長の考えをお聞かせください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 宍戸議員の再質問にお答えをいたします。  まずは民生委員の方々の役割の重要性についてでございます。  民生委員の皆様には、人と人が支えあう地域共生社会の実現、住民に寄り添い、支援を必要とする人が孤立をしてしまうことのないよう、地域の身近な相談相手として住民と行政、あるいは関係機関とのかけ橋になり、地域福祉の扇の要として活動をしていただいています。  とりわけコロナ禍において、経済的困窮や社会的孤立、ひきこもりなど、様々な課題もかつてより顕在化し、さらには地震や豪雨をはじめとする自然災害など、地域と一体となって解決に取り組むべき課題に対しても民生委員の方々の御尽力が不可欠であると考えています。  民生委員のなり手不足の要因も、地域の共通した課題である高齢化のほか、町会・自治会加入率の低下や地域の人間関係の希薄化などが根底にあり、これらの課題解決に向けて、制度や分野などの枠を超えて、例えば地域課題解決のための地域のそれぞれの方々の社会資源として、互いに出会っていく、地域単位で多世代の異なる人々が力を合わせて取り組める仕組みをつくりながら、民生委員のなり手不足の解消を進め、包括的な地域社会での共生の実現に区全体で取り組んでまいる決意でございます。  次に、特殊詐欺対策について御質問いただきました。  区内の特殊詐欺被害については、今、所管部長から答弁があったように、再び増加を見て、過去十年にわたり、御指摘のように、特別区二十三区中で最も多い被害件数となっています。世田谷区は人口最多であるとはいえ、毎年、多くの区民が実際に特殊詐欺の被害に遭っている状況が現存するということについて深刻に受け止めています。区民が安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指す区としても重要課題と考えております。  私としては、被害増加が顕著になった四、五年前より区内警察署長と協議をいたしまして、大規模な交通キャンペーン、あるいはパレードなども一度は行いました。  そして、御指摘の自動通話録音機、これは台数が当時限られていまして、かなりその争奪戦もあったわけですが、これをできる限り最大限確保して普及をさせる活動、これは警察、それから地域の皆さんと町会などとともに取り組んでまいりました。しかし、おっしゃるようにまだ比率的には低いということでございますので、さらに拡充をしてまいりたい。  危機管理部では、警察、金融機関のほか、民生委員の皆さんや、また、民間事業者にもこの特殊詐欺対策、被害をなくしていくことに対する協力を求め、実効性、即効性の高いこの被害防止対策に早急に取り組むように、既に指示をしているところでございます。 ◆三十七番(宍戸三郎 議員) 民生委員のなり手不足、そして特殊詐欺被害対策は、今、区長から答弁いただきましたが、本当に区民の安全安心を守るためには早急に解決すべき問題だと思います。  区長自ら先頭になって取り組んでいただくよう要望して、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、四十六番桃野芳文議員。    〔四十六番桃野芳文議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(桃野芳文 議員) 質問通告に従い、質問します。  初めに、区立小中学校における新型コロナ対策についてです。  これまで我が会派は、医学的、合理的根拠なく、区長が進めるコロナ対策を厳に戒めてきましたが、区長には馬耳東風のようです。議案第九十三号、令和三年度一般会計補正予算(第五次)に、十二月に終了予定となっていた区立小中学校における行事前抗原定性検査を来年三月まで継続する予算が含まれています。幸いなことに、現在、新型コロナの新規陽性者数は減少し、昨日は東京で二十一人でした。感染は拡大しているが子どもたちに行事はさせてあげたい、事前に検査をすれば実施できるのではないかとの発想が出てくるような状況ではありません。この検査の目的、延長しなければいけない理由をお答えください。  次に、高齢者施設等での抗原検査と関連して聞きます。  これらの施設に対し、区は、感染者や感染疑いのある方に接触した可能性が高く、かつ、感染の不安がある場合や、軽い喉の痛みなど体調が気になる場合に迅速に検査ができるよう、検査キットを配付するとしています。喉がいがいがする、新型コロナにかかったかもと不安を感じた方が病院に行かずまずは簡易に検査ができることと、無症状の児童生徒全員に行事前に一回限りの検査を強いることは全く違います。なぜ児童生徒だけにこのような検査を課すのかお答えください。  文部科学省は、抗原検査簡易キットについて、ホームページで、小中学校においては、基本的に教職員の使用を想定したものとし、児童生徒が登校後に体調不良を来した際に、すぐに帰宅することが困難な場合や、速やかに帰宅させ医療機関を受診できない場合に限るなど、補完的な対応として小学校四年生以上の児童生徒が検査キットを使用することが考えられるとしています。また、文科省は、令和三年九月の小学校及び中学校等における抗原簡易キットの活用の手引きにて、有症状者に対して適切に使用した場合に有用と明示しています。日本医師会の中川俊男会長も、抗原検査キットは無症状の方に実施して感染していないことを確認するものではないと明言しています。  区は、なぜ文科省や医師の示すことを否定し、無症状の児童生徒を抗原検査簡易キットで検査し続けるのか、根拠をお答えください。  次に、児童養護施設等退所者への支援についてです。  世田谷区では、児童養護施設の退所者に対して、返済不要の給付型奨学金、月一万円で住まいを提供する住宅支援などのフェアスタート事業を行っています。区長は、二〇一九年六月十九日のウェブサイト「論座」に、「児童養護施設を巣立つ若者へ奨学金、世田谷の挑戦、『奨学基金』で広がる寄附文化。『フェアスタート事業』に予想超える反響」の記事を書いています。また、二〇二〇年八月三十日の保坂展人さん個人ツイッターでは、児童養護施設退所者への支援があまりにも薄いことに衝撃を受け、世田谷区長としてフェアスタート事業を開始したとツイートしています。  区長の自画自賛はさておき、実態はどうでしょう。住宅支援は全五戸、定数十三名の事業ですが、これまで利用者は年間五名を超えたことがありません。区は、この現状をどう捉えているのか、施策見直しの必要性も含め見解を伺います。  給付型奨学金は、平成二十八年度は十一名に給付、その後どんどん受給者は減り、令和三年度は七名です。また、制度開始以来五年半で受給者の合計は三十名ですが、その内訳を見ると、学校中退が七名、そして、何と区が在学中なのか、中退したのかも把握していない、不明としている方が二名です。  まず、この人数を確認します。そして、受給者の三割が中退、不明というのは、区の施策に問題があるからではないのか。今後、中退、不明を生まないためにどのように取り組むのかお答えください。  区は、この給付型奨学金に対し、ふるさと納税の仕組みを使って寄附を募っており、今年三月末時点の寄附総額は約一億八千万円にも上ります。一方で、これまでの五年半で、この事業に充当された寄附金は約一千五百万円にすぎません。寄附は引き続き募られており、これからも増えていくのでしょう。  年間十名にも満たない奨学金受給者に対し、一億八千万円ものお金をどのように活用していくのか、今後の方針をお答えください。  次に、生活保護法第六十三条の規定による費用返還についてです。  生活保護受給者が資力を得た場合、遡って、保護金品の返還を求められることがあります。例えば、Aさんの夫Bさんは大病を患い長期入院していましたが、生活保護により医療費は全額医療扶助となっていました。その後、Bさんは亡くなります。一方、この間、Aさんの親族が亡くなっていたことが分かり、Aさんは遺産を相続することになりました。Aさんが遺産を相続する旨を区に申し出たところ、区は、親族が亡くなった時点に遡り、亡き夫Bさんの医療費全額も含めた保護金品を返還せよとAさんに求めます。Aさんが生活保護を受けていなければ、後期高齢者医療の被保険者として医療費の一部負担を要したにすぎないにもかかわらず、区がこれを大きく超える扶助費全額、つまり医療費十割の返還を求めることは裁量権の濫用で妥当性を欠くのではないか、見解を伺います。  次に、指数、保育の調整基準についてです。  保育園の入園選考は、入園希望者から提出される書類により保育の指数を確定し、指数の高い方から内定する仕組みです。認可保育園に入園中の二歳児が連携施設がないことで三歳児で新たな認可園を希望する場合の指数は二十点、一方、認可外保育園に入園中の二歳児が三歳児で新たな認可園を希望する場合の指数は六点です。ゼロ歳児の時点で希望がかなわず、認可外を利用している方に三歳児の時点で大きく点差をつけるのは不公平で改めるべきではないか、見解を伺います。  次に、区の燃料電池自動車、FCVについてです。  平成二十九年度に導入された区のFCVの近年の年間走行距離は、令和元年度、九百九十九キロメートル、令和二年度、千三百七十九キロメートル、令和三年度は十月末までの七か月で八百十六キロメートルでした。五年間で四百四十四万円と高額なリース料に対して活用されていないFCVは、契約最終年度となる今年度で導入を終えるべきです。見解を伺います。  区は、FCVを水素エネルギーの普及啓発に活用していると言いますが、区民に広く区のFCVが知られていると思えません。これまでの施策の効果について見解を伺います。  今後もFCVを導入したいのであれば、具体的な活用策を示すべきです。例えば、車の外観に燃料電池自動車水素で運行中、世田谷区長が乗っていますと大きく示した上で、区長公用車とするのはどうでしょう。このアイデアに対する考えも含め、今後の活用策をお示しください。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎知久 教育総務部長 私からは、コロナ対策について、三点お答えいたします。  まず、抗原検査の目的と延長理由についてです。  新型コロナウイルスの七月からの感染拡大に伴い、夏休み中に児童生徒の感染者数も急激に増えたことから、区では、九月からの新学期開始に当たり、学校での感染拡大を防ぎ、学校活動を継続していくため、分散登校の実施のほか、児童生徒が安心して宿泊行事などに参加できるよう抗原定性検査を活用することを決定し、今般、来年三月まで延長することを計画しております。  現在、新型コロナウイルスの感染者数は減少しておりますが、その減少要因は明らかにされていないものと認識しており、懸念されている第六波の感染拡大への備えとして、速やかに検査することができ、結果も直ちに判明する抗原定性検査の活用は引き続き必要であると考えております。  次に、なぜ児童生徒だけに一段高いハードルを課すのかについてお答えいたします。  現在、新型コロナウイルス感染症の感染者数は少ない人数で推移しておりますが、小学校など、ワクチン接種がまだ行き渡らない世代です。また、小中学校の宿泊行事等は、学年やクラスが一堂に会し、同じ宿舎や部屋で寝食や活動をともにするものであります。こうしたふだんの学校生活と比較して密になりやすい宿泊行事等については、より高い意識での感染対策が重要であるため、抗原定性検査を実施する必要があるものと考えます。  最後に、無症状者の児童生徒に検査を実施することの有効性についてです。  抗原定性検査で陽性者を特定するには一定以上のウイルス量が必要とされており、議員御指摘のとおり、特に有症状者に対して適切に使用した場合に有用とされております。  しかしながら、区が本年五月にまとめた社会的検査で陽性となった事例のウイルス量に関する報告書では、無症状者にもかかわらず、ウイルス量の多い陽性者が一定数いることも確認されており、無症状者に対しても一定の有効性があるものと考えております。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、児童養護施設等退所者への支援について、三点御答弁申し上げます。  まず、住宅支援の現状、施策の見直しについて御答弁申し上げます。  住宅支援につきましては、高齢者向け借り上げ区営住宅の空室を活用し、児童養護施設退所者等の退所後の居住地として、月一万円の入居負担金で提供し、施設職員が入居者に対し、生活習慣や金銭管理などのサポートを行っております。  この間の利用実績としては、お話しのとおり、五戸、十三名の定員に対して最大で五名が利用しているという状況ですが、利用者に対して行ったアンケートでは、家賃の不安がなく生活の安定につながった旨の声も頂いているところでございます。一方で、シェアハウス方式であることから、こうした他人との共同生活になじまない方、また、通勤通学などの事情で区外に住む必要性のある方などもおり、利用実績が伸びないという状況があるものと受け止めております。  今後、奨学金事業やその他の支援も含め、フェアスタート事業全体の中で、より効果的な住宅支援の在り方についても検討してまいります。  次に、中退、不明を生まないための取組について御答弁申し上げます。  これまでに奨学金を給付した方は三十名となっておりますが、そのうち、卒業した方が十二名、中退した方が七名、在学中が九名でございまして、状況が確認できなかった方が二名となっており、その方二名を除くと、進学した方のうち中退した方の割合は二五%となってございます。  国の調査では、一般を含めた大学進学者全体の中での中退者の割合が約二%であるのに対し、東京都が行った児童養護施設等退所者についての調査においても、進学後の中退者の割合が約二〇%となっており、学費等のほかにも退所者等が抱える就学を続ける上での課題があるものと認識しております。これは奨学金給付者の中退に至った理由として、アルバイトとの両立が困難になった、心身の健康上の問題、大学等の授業についていけなくなった、あるいは進学後の人間関係の悩みなどといった声も聞いております。経済的な支援だけでなく、退所者等が社会生活を送る上で抱えている個々の課題の克服に資する伴走型支援などが一層求められているものと受け止めております。  今後、利用者のその後の状況についても可能な限り把握できる手法について検討するとともに、広く進学者以外の退所者等も含めた自立に向けた相談支援体制の在り方についても検討してまいります。  最後に、基金活用の今後について御答弁申し上げます。  奨学基金に対しては、この間、多くの寄附が寄せられており、今後、寄附を最大限活用できるよう見直していくことが必要であると考えております。昨年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、大学等に進学した児童養護施設退所者等に対し、アルバイト収入の減少等でさらなる経済支援を行う必要性が生じていることを受けまして、給付対象経費について、これまで対象としていなかった教科書、参考書代、通学に必要な交通費、技能習得費、こうしたものを加えるとともに、交付額の上限額、これを撤廃する見直しを行ったところでございます。支援を必要とする退所者や対象経費などの拡充についてさらなる見直しを行い、就学の継続にも一層に資することができる制度となるよう取り組んでまいります。  また、今後の基金の使途については、拡張し、実効性のある支援とするよう、所管部としては度々指示を受けてございます。進学、就学継続は基本としつつ、より拡大した進路を包括した支援の可能性についても検討しているところでございます。児童養護施設出身者や社会的養護の専門家などの意見も伺いながら、区民等の御厚志が着実に退所者等の社会的自立に生かされるよう検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎三羽 砧総合支所保健福祉センター所長 私からは、生活保護法第六十三条の規定による費用返還について、医療費十割の返還を求めることは裁量権の濫用で妥当性を欠くのではないかという点についてお答えいたします。  生活保護受給者には国民健康保険が適用されないため、医療費の十割が医療扶助として支給されます。このため、費用の返還を求める際も、支給した医療費十割の返還を求めることとなります。支給した保護費の全額を求めることは、世帯の自立を著しく阻害する場合には返還免除することができますが、国が実施要領に定める認定基準には、保険適用時との差額を免除するという考え方はございません。しかし、国民健康保険等では、自己負担額のみで足りるということからすると、医療費十割の返還は保険適用者との均衡を失していると考えます。  このため、区では、国に実施要領に対する改正意見として、国民健康保険による給付と均衡を失しない範囲で返還額を減額できるようにされたいとの意見を都を通じて国に提出いたしました。今後も、制度による返還額の均衡との観点より、引き続き国や都に働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎和田 保育部長 私からは、保育の入園選考における調整基準について御答弁いたします。  入園選考指数の調整基準番号二十六において、利用調整の対象となる年齢上限がある区内の保育所等の最終年齢クラスを卒園するが、連携施設がない場合に二十点を加点しております。これは、区が設定すべき卒園後の連携施設がない代わりとして、該当児の入園選考に配慮したものでございます。  一方、調整基準番号二十において、認可外保育施設を有償で預けていることを常態としている場合に、五点または六点を加点しております。この加点をさらに大きくすることは入園選考を有利にすることを目的とした認可外保育施設の利用者が増え、真に利用したい御家庭が利用できない事態が懸念されるため、さらなる加点はしておりません。  指数の在り方については、選考の公平性を確保するとともに、様々な立場の方からの御理解が得られるよう、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎清水 環境政策部長 私からは、区の燃料電池自動車、FCVについて御答弁申し上げます。  区では、環境基本計画において水素エネルギーの利用拡大と認知度の向上を掲げており、今後も脱炭素社会に向けて、ゼロエミッション・ビークル、ZEVとして、電気自動車、EVとともに、FCVも普及拡大していく必要がございます。FCVは公用車として走行するほか、環境イベントや避難所運営訓練、学校での環境学習において展示及び外部給電機能を紹介した啓発に加え、災害時の非常用電源としても活用可能となっています。また、さきの246ハーフマラソンでは排気ガスを出さない先導車として走行し、PRしております。  区のFCVの平成二十九年度からの累計走行距離は約一万二千キロメートルですが、今後、役職を問わず職員もFCVを使用できるよう車両管理所管と調整するとともに、来年度以降は閉庁日の区民向けカーシェアを検討してまいります。  御指摘の経費については、リユース車の導入やカーシェアによる税外収入等により抑制する工夫をし、引き続きFCVを導入したいと考えております。  以上でございます。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) 学校でのコロナ対策について、二点聞きます。
     答弁を聞いて、改めて全く科学的な思考を欠いた施策だなというふうに感じました。高齢者施設でもやっていないことをなぜ学校でやるのかと聞いたら、寝食や活動をともにするからという答えでした。社会的検査といってこれまで対象としてきた施設の多くがまさに寝食や活動をともにする場所で、かつ、罹患したら重症化リスクの高い方々がいるところです。今回そこを外して学校だけでやるというのは全く理屈に合わないんじゃないですかという指摘なので、その点を踏まえて改めて答弁してください。  二点目、抗原定性検査は無症状者を対象にするものではないというのは、これは医学的なコンセンサスです。それを引っくり返す根拠として、学術論文でもない、科学的に信頼に足る報告だと認められてもいない、単なる区の主張を持ってくる、しかも、高齢者施設での検査結果という極めて限られた条件下でのデータを一般論に置き換えてしまう。そして、あの報告書には、これまで我々が主張していた検査は週一回もしくはそれ以上の頻度でやるべきだというような大学の教授のコメントもついています。区に都合のよい話だけをつまみ食いしてすり替えていく、こんなことまでして無症状者への抗原定性検査を制度化するのはなぜなのかと、その理由を教えてください。  あと、フェアスタート事業についても聞きます。  まさに答弁にあったように、実効性のある支援とするようにという趣旨で取り上げています。それに対して、できていない言い訳として、度々指示を受けているができていないという旨の答弁が出ることに危機感を覚えます。できていないと指摘されて、それは区長の責任ではありません、区長は指示を出しているんですと、所管がやっていないんですというようなこと、こんな答弁が出てくるというのが、まさに区役所の組織の力を落としているのではないかと思います。聞きます。 ◎知久 教育総務部長 再質問にお答えいたします。  まず高齢者施設、障害者施設と比べてという御質問にちょっとお答えしていなかった部分がございますが、高齢者施設や障害者施設は、小中学校と比べワクチン接種が進んでおりました。第五波における感染の発生状況では、高齢者施設、障害者施設より小中学校で多く発生していた状況、こういうものを含めまして、この検査を実施していたということでございます。  その他のもう一点、抗原定性検査の有効性の件なんですが、国のほうからワクチン・検査パッケージ制度要綱に関するQ&Aというのが出ておりまして、令和三年十一月十日付で出ております。その中で、抗原定性検査は無症状者には推奨されないとされているが問題ないかと、こういう問いがあるんですけれども、これにつきまして、無症状者に対する抗原定性検査は確定診断としての使用は推奨されないが、無症状者の感染者のうちウイルス量が多いものを発見することにより場の感染リスクを下げるとの考えに基づき、事前にPCR検査等を受検することができない場合にも対応する観点から抗原定性検査も利用可能とすると、こういうものも出ておりますので、今回の使用については適切に運用しているというふうに考えております。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、基金活用の今後についての再質問に御答弁を申し上げます。  所管部としましては、度々、基金活用の方策について検討するように指示を受けているところでございますが、これは私ども、基金の使途として、条例に制定がございますような学費等に助成といったところでの検討から始めておりますが、区長からの御指示をいただいているところでは、施設の退所者の子の未来を広げていく、そういったことで、より広く考えて検討せよといったようなことで指示を受けているところでございます。  検討について、様々な学識経験者や、実際に奨学金を活用して進学された方、そういった方の御意見も伺いながら、実りある制度設計になるように検討のほうを進めてまいります。  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で桃野芳文議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時二十九分休憩    ──────────────────     午後二時四十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  六番上川あや議員。    〔六番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆六番(上川あや 議員) 区立図書館の不合理、不適切な障害者サービスの改善を求めて、伺います。  先頃、視覚障害のある区民の方から、区立図書館の対面朗読サービスが昨年の春から止まったままで困っているとの御相談を受けました。御相談内容のみを議会で問うのは性に合わないと、今回、区立図書館の全ての障害者サービスについて点検を進めると、問題だらけです。そこで、以下、改善を求めて伺います。  第一の課題は、区立図書館で配布している障害者サービスのしおりです。図書館利用に困難のある方の代表格は目の不自由な方々ですが、区立図書館で配布しているしおりは、墨字版、音声版、点字版の用意はありません。全ページに、その内容を読み上げる音声コードこそつけていますが、その存在と位置を知らせる切り欠きはなく、音声コードの位置もまたずれています。加えて、印刷面は、音声コードに不適切な再生紙。コピーを重ねて画質も落ちていると見え、障害施策推進課から借り受けた読み上げ装置をかざしても、全ページで音声が読み取れず、あきれました。  日本盲人会連合は、都道府県、政令市に対し、音声コードの添付だけでは的確な情報保障にはなり得ないとし、点字や音声の併用を求めています。音声コードがあれば足りるとする区の認識は疑問です。それぞれ善処を求めますが、いかがでしょうか。  第二に、所蔵資料の案内が不適切です。  まず、区立図書館所蔵の点字図書は、全点、図書検索の対象外、検索できるようにするべきではないですか。また、点字図書の目録はウェブ公開されていますが、単なる画像のPDFであり、文字列は拾えません。つまり読み上げ機能は使えず、図書検索もできません。  日本点字図書館では、図書目録を文字列の拾えるPDFの墨字版と点字データ版の二通りでダウンロードできるよう工夫しています。区立図書館もかくあるべきではないですか、それぞれ見解を問います。  第三に、提供される図書自体、限定的にすぎるものとなっています。  区立図書館に点字図書は千点以上ありますが、新規の購入は二十年以上も途絶え、自館制作も行ったことがない上に、さきに挙げたしおりでも、点字図書については、区立図書館所蔵の点字図書も御利用になれますとのみ書かれ、区外の公共図書館等から借り受ける姿勢すらありません。  区教委は、同じしおりの中で、音声図書のカセットテープ、デイジーの二種類については、区立図書館所蔵のもののほか、全国の公共図書館、点字図書館から取り寄せますと案内しているのに比べ、あまりにも中身が貧弱で不親切です。加えて、同しおりは音声図書でもマルチメディアデイジーについてのみ他館からの借受けを否定しています。一部著作権に係る図書はあるにせよ、借受けの全否定は過剰です。それぞれアクセシビリティーの改善を求めますが、いかがでしょうか。  第四に、サービスの根拠規定が理不尽な内容の非公開文書であることです。  障害者サービスの根拠規定は、世田谷区立図書館障害者サービス要項ですが、要項の項は、綱という文字ではなく項目の項、このため、区が全文公開している要綱集データベースにも掲載のない非公開規定となっています。  区教委は、同要項の第三章、録音図書サービスで、視覚障害等により普通に図書を利用できない者のために、録音図書の作成・貸出しを行うと定め、区民要望に応じ、録音図書の作成も行うとしていますが、その御案内は、さきに挙げたしおりにも、図書館ホームページにもなく、いわば区民には知らせない裏メニューとなっています。広報するべきではないですか。また、行政手続条例に照らせば、こうした行政サービスの基本文書こそ公表するべきです。それぞれ見解を問います。  第五に、点字図書の作成についてです。  同要項の第四章、点字図書サービスは、同サービスを、点字資料の閲覧、貸出しをいうと、ごく短く定義をしています。ここで注意をするべきは、第三章、音声図書サービスにはあった図書作成がすっぽりと抜け落ちていることです。つまり区民要望に応じて点字図書を作成するつもりなどさらさらない、そういう意味だろうと思います。  これと符合するように、都立図書館が毎年、都内の全区市町村立図書館を調査し、公表している障害者サービスのデータ集でも、区立図書館は障害者向け図書を自館作成する場合の謝礼について、音声図書についてのみ各手順ごと単価を細かく記載した一方で、点字図書の謝礼は不存在を示す横棒の連続となっています。ところが、この差異を中央図書館長に伺うと、区立図書館に自館作成の点字図書が一切ないことを認めながらも、点訳図書作成の謝礼単価は音訳のそれと同じであると、少々無理のある御説明です。ならば、なぜ中央図書館は、かつて区内点訳サークルの活動用に寄附された点字プリンターやコピー機を同サークルに無断で捨て、その作業部屋を閉鎖したのでしょう。せめて図書館のコピー機使用を認める等、できる支援策を検討するべきではないですか。  また、区は、同点訳サークルとの没交渉を改め、その活動継続と後継者の育成を支援するよう求め、それぞれ見解を問います。  その上で、前出の要項にも、点訳を区民サービスとして明記し、謝礼の規定も整備するよう求めます。これまで軽視してきた点字図書の作成、活用にも敬意をもって当たることを、現在、策定中の図書館ビジョン行動計画にも明記するべきです。それぞれ見解を問います。  目の不自由な区民の図書利用、希望者は、点字図書の作成に全く後ろ向きな区立図書館に失望し、高齢化が進み、活動メンバーも半減した区内点訳サークルに新たな図書の点訳をお願いし続けています。そこでは、点字出力に必要となる台紙の代金等、材料費の約二割を点訳を依頼する区民障害者が支払い、その他、一切の手間、暇、コストを点訳サークルの方々が丸抱えする形で支援が続けられておりますが、このような依頼者、支援者双方の御負担をどうお考えであるのか伺います。  第六に、昨年度、今年度と丸々休止をしたままの対面朗読についてです。  冒頭、御紹介した全盲の方は、区内では長らく途絶えた対面朗読サービスをほかで求めるため、はるばる広尾の都立中央図書館まで一人、足を運ぶことを余儀なくされ、大変な御負担だと嘆いておられました。こうした目の不自由な方の御不便をどうお考えであるのか、まず問います。  また、今回の質問に先立ち、都立図書館と都内二十二区の全区立図書館について、コロナ禍での対応を調べましたが、コロナ禍でも対面朗読を中止しなかった区が二区、一時中止はしても現在再開している区が十六区あり、当区同様、今に至るまで休止したままの区は五区だけと分かりました。  サービス提供を再開した十六区のうち八区は、マイクとスピーカーを活用し、朗読者と利用者で別室に分けるなど工夫をしています。当区もこれらを参考に早期再開を求めますが、いかがでしょうか。  さらに、今後は、電気製品の説明書やお手紙等、持参された資料も朗読対象とするよう求めます。区の移動支援では居室での朗読はできず、居宅介護の活用にも新たな手続が必要で、短時間、不定期に発生する代読ニーズには合いません。区立図書館も他区の図書館同様、持込み資料の朗読にも柔軟対応するべきです。それぞれ見解を問います。  最後に、点字図書や録音図書を三十万タイトル以上所蔵するネット上の図書館「サピエ」の活用についてです。  この障害のある方が自宅にいながらにして豊富な図書資料をダウンロードし、楽しめる「サピエ」ですが、個人会員の登録については、「サピエ」に加入した図書館、団体の利用登録者に限られています。ところが、区立図書館は昨年度、ようやく「サピエ」に加盟しながらも、その個人会員の登録は認めない施設のままとなっています。既に都内六区がその個人会員登録を受け付ける中、こうした不親切も改めるよう求め、見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎内田 生涯学習部長 私から、区立図書館の障害者サービスの改善について順次お答えいたします。  まず、障害者サービスの御案内の資料についてです。  区立図書館における障害者サービスにつきましては、利用者への周知のため、障害者サービスの御案内の資料を作成し、各図書館で配布しております。議員御指摘の音声コードへの対応につきましては、音声コードの位置修正や印刷用紙の選定、切り欠き加工の確認等を行い、内容についても一部修正し、確実に音声が読み取れることを確認した上で早急に修正版へ差し替えます。また、音声コードだけでない、音声版や点字版の併用につきましても、課題を整理した上で作成に取り組んでまいります。  次に、所蔵資料の御案内についてです。  区立図書館の障害者サービス資料には、主に録音図書であるデイジー、文字や音声、画像を同時に再生するマルチメディアデイジー、点字資料の三種類があります。そのうち、デイジー及びマルチメディアデイジー資料についてはシステム検索対象としていますが、点字資料については、PDF化した画像データの目録のみで検索することができません。今後、システムからの検索ができるように、システムへの登録作業を進めてまいります。  また、図書目録について、文字検索や読み上げ機能が利用できるPDF墨字版の作成については、情報関連所管と相談しながら、必要なアプリケーションの選定などを進めてまいります。点字データそのもののダウンロードにつきましては、点字の知識だけでなく、データ形式やソフトウェアなどのICTに関する技術的調査も必要なことから、引き続き、その改善策を検討してまいります。  次に、点字図書などの借受け等についてです。  点字図書の区外図書館等からの借受けについては従来から行っておりますが、障害者サービスの御案内の資料中に借り受けできないと誤解を招くような表現があり、修正してまいります。また、点字図書の新規購入についても検討してまいります。  マルチメディアデイジーのアクセスのしやすさについては、利用者から資料借受け等の要望を受けた場合に、世田谷区外の図書館等から借り受けることができるように、早急に改善をしてまいります。  次に、世田谷区立図書館障害者サービス要項における公表と規定内容の点について、併せてお答えいたします。  世田谷区立図書館障害者サービス要項は、区立図書館における障害者サービスの実施に必要な事項を定めたものです。これまで内部業務のマニュアルとして積極的な公表をしていませんでしたが、内容を再整理した上で、区や図書館のホームページなどを利用して公表をしてまいります。また、要項に記載されている録音図書、いわゆるデイジーの作成について、購入するだけでなく、利用者からのリクエストを踏まえて図書館で作成する旨を、区や図書館のホームページ、障害者サービスの御案内を活用して周知するとともに、点訳資料の作成についても、議員御指摘の点も含め、要項改正を実施し、周知をしてまいります。  次に、点字資料の作成に関して、点訳サークルの活動支援、利用者等の御負担、図書館ビジョンへの反映の点について、併せてお答えをいたします。  区内点訳サークルの作業スペースについては、点訳プリンター等を活用し、中央図書館地下一階の対面朗読室で活動拠点となっておりましたが、点訳プリンターが破損し、修理が不可能となったため、平成二十年三月を最後に、点訳設備等のある福祉関連施設に活動拠点を移されたことを確認いたしました。区内点訳サークルの方々との連絡が途絶えたことで、点訳図書を必要とされている区民、点訳サークルの方々には必要以上の御負担をおかけしてきたことは大変申し訳なく思っており、早急に改善を図る必要があると認識をしております。  図書館が蔵書すべき図書資料の点訳図書等の作成に当たっては、点訳ボランティアの皆様の協力を欠かすことができず、活動グループと協議を再開し、福祉保健領域の担当所管とも連携しながら、区としてできる支援、後継者の育成等についても検討してまいります。また、今年度策定中の第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画において、点字文化について明記することを検討してまいります。  次に、対面朗読サービスに関して、休止により御不便をおかけしたこと、再開のこと、対象とする資料の点について、併せてお答えをいたします。  昨年度、今年度と、新型コロナウイルス感染症対策とはいえ、視覚障害者の皆さんの貴重な情報収集の機会である対面朗読を実施することができず、区外の図書館に足を運ばれた方には御不便をおかけしたと反省をしており、より早い時期に再開する必要があったと認識をしております。  今後、換気対策などの感染防止対策を徹底した上で、施設の状況に応じて、マイクやスピーカーによる対面、あるいはズームを活用したオンライン実施などの様々な手法により、条件が整った図書館から、順次、対面朗読を再開してまいります。また、対面朗読の対象は、今まで図書館の蔵書に限定してまいりましたが、利用者が持参された電気製品の説明書や資料、手紙などを対面朗読の対象とすることについても、プライバシーへの配慮などの課題を整理した上で取り組んでまいりたいと考えます。  最後に、ネット上の図書館、「サピエ」の活用についてです。  世田谷区立図書館では、令和二年度より、視覚障害者及び視覚による表現の認識に障害のある方々に対し、点字、デイジーデータなどの様々な情報を提供するネットワークである「サピエ」に加入しております。「サピエ」のサービスを自宅等で利用するためには、「サピエ」への加入施設、団体の利用登録者である以外に、「サピエ」に加入する施設、団体でも個人会員を受け入れる施設、団体であることが条件となります。  これまで区立図書館は個人会員登録を受け入れない施設となっておりましたが、議員の御指摘を受け、個人会員登録受入れ可能な施設に変更いたしました。また、個人会員の登録は、利用者がインターネット経由で「サピエ」のサイトから直接行うことができるほか、図書館職員が利用者を代行して利用者情報を入力する方法があります。代行入力は、ネット環境や個人情報の扱いなどの課題から、現在、世田谷区では行っておりませんが、さらなる図書館サービスの向上として、図書館窓口のインターネット環境の整備や個人情報保護の課題を整理した上で、代行入力実施に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆六番(上川あや 議員) 各課題、それぞれ改めていただけるというふうに確認をいたしました。毎年、七万タイトルもの図書が新たに刊行される中で、点訳、音訳が行われる資料は一割に満たないと言われているそうです。健常者に比べて図書アクセスが圧倒的に不利となる区民に対し、区立図書館の音訳、点訳サービスは使えない、区外の図書館からの借受けもしない、対面朗読も止めたまま再開しない、それでいて彼らを支援する点訳者を支援する姿勢のない区政はあまりにもひどいです。今日、行政の合理的配慮の欠如は差別そのものですよ。この点、しっかりと自覚ある対応をしてください。  また、点字図書館が行った調査によりますと、やはり点字図書館の調査です。同図書館の利用者が録音図書、点字図書をどう使い分けているかを聞いたところ、音声図書は速報性のあるもの、雑学的、娯楽的に聞き流せる内容でニーズが高く、学習や調べものなどの正確性が求められるところでは点字図書の選択が八割から九割だそうです。音声図書があれば足りるという認識も見直しが必要だと思います。この点も抜かりなくしっかり取り組んでいただくよう改めて求めまして、私の質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、七番くりはら博之議員。    〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手) ◆七番(くりはら博之 議員) 質問通告に従い、順次、質問をいたします。  まず、NHK放送受信料の免除申請について伺います。  私は、過去の一般質問において、生活に困窮された方が、生活保護の受給申請を行った際に取り交わされる書類の中にある放送受信料免除申請書の問題点や、同じく生活に困窮された方が生活保護を申請された場合に生活支援課で受け取る生活保護のしおりの中に、公的扶助受給者が日本放送協会放送受信料免除基準の中に定められているにもかかわらず、詳しく書かれておらず、本来、受信料を免除されるべき生活保護受給者の方の自宅を受信料集金人が訪問し、強引に契約を迫り、受信料を取り立てるケースが多くあることを指摘いたしました。令和二年度の免除世帯は六千五百十六件、生活保護世帯が八千八百五十五世帯ですので、おおむね七割強の世帯が免除となっているとのことでした。  ここで質問ですが、今年度の生活保護受給者の世帯数と、NHKの放送受信料の全額免除申請数をお伺いいたします。  また、生活保護受給者がNHKの放送受信料の免除制度を利用できることについて、広く区民に周知することにより、生活保護申請者への強引な契約や受信料の取り立てを抑制することになると考えています。例えば、区の生活保護のしおりには、生活保護受給者へのNHK受信料の免除制度について項目しか記載されておりませんが、生活保護受給者がNHK受信料の免除制度を利用できることを広く区民に周知するために有効に活用するべきと考えます。  生活保護受給者がNHK受信料の免除制度を利用できることについて、区はどのように周知されているのか、取組状況をお伺いいたします。  続いて、コロナ禍での子どもの社会的孤立と自殺について質問いたします。  文部科学省は本年十月、全国の小学校、中学校、高等学校から報告があった昨年の児童生徒の自殺者数は四百十五人であり、調査を開始した一九七四年以降で最多であったと発表しました。二〇一九年度の三百十七人と比べて三一%の大幅な増加で、新型コロナウイルス感染症の流行が子どもの心身をむしばんでいると見られ、文部科学省は極めて憂慮すべき状況にあるとして、相談体制や窓口の充実などに努めると言っております。自殺した四百十五人の男女別は、男子二百二十四人、女子百九十一人で、学校別では高校生が三百五人で、昨年より八十三人の増、中学生は百三人で十二人の増、小学生が七人で三人の増となっており、特に高校生の件数が目立っております。  自殺した子どもが置かれた状況について、学校が把握してきた内容のほかに、保護者やほかの子ども、警察などの情報を基に分類したところ、家庭不和が一二・八%、精神障害が一一・一%、進路問題が一〇・六%で、いじめの問題を抱えている子どもは二・九%であったとのことで、最多は、周囲が見ても悩みを抱えている様子が見受けられなかったなど、不明とされた五二・五%だったそうです。  そこで質問ですが、まず、今回、公表された子どもの自殺者数と原因について、区の見解を伺います。  また、こうした自殺の背景には、コロナ禍での収入減少による親の不仲や精神的に不安定になること、進路や将来への不安、孤立などがあると思われますが、区の対策について伺います。  最後に、平成十二年十二月三十日に発生した世田谷一家殺人事件の事件解決に向けた区の取組について質問いたします。  世田谷一家殺人事件につきまして、犯人未検挙のまま、今年で発生から二十一年目を迎えようとしています。平成十二年十二月三十日の夜、緑豊かな都立祖師谷公園の一角にある一戸建ての御自宅で、家族四人、平和に暮らしていた御家族が何者かに刺殺され、一夜にして、その幸せな生活と尊い命が奪われた凄惨かつ許されざる事件であり、犯行の残忍さや、その後の警察の捜査で判明した犯人の異常な行動は社会に強い衝撃を与えるとともに、事件解決に至っていないこの事件は世田谷一家殺人事件と称され、いまだ地域に暗い影を落としています。  犯人逮捕に向け、現在も地道な捜査を継続している捜査本部の捜査員をはじめとする警察の皆さんには改めて敬意を表するとともに、犠牲になられた御家族及び御遺族のためにも、一日も早い犯人検挙、事件解決を期待しております。先ほども申し上げたとおり、事件発生から二十一年という長い歳月が経過しようとしています。周辺住民の入れ替わりも少なくなく、事件解決の有力情報が入り難い状況にあると思われます。  しかし、マスコミ報道などで御存じの方も多いかと思いますが、世田谷一家殺人事件の約一か月後の平成十三年二月六日、広島県福山市内で発生した主婦殺人事件は、約二十年もの歳月を経て今年の十月二十五日、犯人が逮捕されました。SNS上では、二十年目の犯人逮捕の報道に対する驚きとともに、地域住民と思われる多くの方が安堵の思いを伝えるメッセージを投稿されており、犯人逮捕の一報が住民に与える安心感がいかに大きいものであるかがうかがわれます。  たとえ事件発生から長い年月がたとうとも、警察だけではなく、区としても事件の風化を防ぎ、犯人検挙と事件解決に向けた取組を積極的に行うことは、事件の解決に加え、区民が安全で安心して暮らせる地域社会の実現のために必要と考えますが、区の認識と取組について伺います。  以上で壇上からの質問を終わりにいたします。(拍手) ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、今年度の生活保護受給者の世帯数とNHKの放送受信料の全額免除申請数についてお答えいたします。  生活保護受給世帯が受信機を設置して締結いたしますNHKの受信契約につきましては、放送法第六十四条第二項の規定に基づいて放送受信料は免除されます。各生活支援課では、毎年、十月頃に本人同意の下、NHKから送付される生活保護受給者リストに基づき、被保護者の放送受信料免除の該当事由について、変更や解除がないか調査を実施しております。  その調査結果によりますと、令和三年度は六千百十一件が免除の対象者となっており、生活保護世帯数が令和三年十月には八千七百八十九世帯で、約七割弱、六九・五%になりますが、この世帯が免除の対象となっております。  以上でございます。 ◎土屋 世田谷総合支所保健福祉センター所長 私からは、生活保護受給者がNHK受信料の免除制度を利用できることについての周知の取組状況について御答弁申し上げます。  生活保護受給者に対するNHK受信料の免除制度につきましては、生活保護の申請を受け、支給開始の手続の際に担当者から御案内をしております。希望する方に対し、受信料免除申請書等の必要書類をお渡しするとともに、毎年、定期的に生活保護受給者の方にお送りする通知にも、生活保護の方が利用できる制度の一つとして内容を明記しております。また、保健福祉センターの窓口にて生活保護のしおりを配架し、区ホームページに同様の内容を掲載して周知を図っております。ホームページには、今年の一月から十月までで約一万五千件のアクセスがございました。今後とも、この免除制度の周知につきまして引き続き丁寧な対応に努めてまいります。  以上です。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、子どもの自殺者数の原因及び区の対策について御答弁申し上げます。
     文部科学省によりますと、近年、児童生徒の自殺者数は高止まりの状況であるとのことでございます。その原因につきましては、委員御指摘のとおり、家庭不和、精神障害、進路問題などが三分の一を占める一方、原因不明が半数を超える状況でございまして、様々な原因が考えられるところでございます。このため、児童生徒一人一人の不安や悩みを和らげ、解決に向けた支援を図る必要があると認識しております。  これまで各学校では、アンケート調査や教育相談を実施し、悩みを抱える児童生徒の早期発見に努めるとともに、学級担任や養護教諭などを中心としたきめ細やかな健康観察、相談の実施等により、児童生徒の状況を的確に把握し、スクールカウンセラー等による支援を行うなど、心の健康問題に対応しております。また、長期休業明けの時期に自殺者が増加する傾向を踏まえ、保護者や地域、関係機関等とも連携、集中的な見守り体制の構築なども進めております。  教育委員会といたしましては、様々な状況にある児童生徒に対し、より細やかな対応ができるよう、教育総合センターにおける子ども支援、教育相談、個別支援などの体制を強化するとともに、学校や関係諸機関とも連携し、児童生徒の不安や悩みの解決に向けて支援してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、世田谷一家四人強盗殺人事件に対する区の認識と取組について御答弁申し上げます。  お話しの上祖師谷三丁目で発生した本事件につきましては、警察による懸命の捜査にもかかわらず、未解決のままで今年で二十一年目を迎えました。区といたしましても、区内で発生し、一家四人全員が犠牲となった痛ましいこの事件を決して風化させることなく、警察と連携し、犯人検挙に結びつく情報の提供を引き続き呼びかけていくことは今後も必要であると考えてございます。警察によりますと、事件発生から昨年までに一万三千件以上、昨年中も約百件の情報が捜査本部に寄せられていると聞いております。  区といたしましては、区関連施設における情報提供を呼びかけるポスター掲示や多言語対応チラシの配布に加え、本年も事件が発生した十二月には、来週六日から年内、第二庁舎一階ロビーにおいて、警察提供の犯人像などのパネル展示及び第一庁舎一階ロビーや各出張所など、区内十一か所のデジタルサイネージを活用するなど、広く情報提供を呼びかけるキャンペーンを展開してまいります。  今後も警察と連携を図り、事件解決に向けた支援を積極的に実施していくとともに、区民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会実現のための取組に努めてまいります。  以上でございます。 ◆七番(くりはら博之 議員) 御答弁ありがとうございます。  まず、NHKの受信料免除申請は、いまだに知らない方もいるため、さらなる周知をお願いいたします。  また、子どもの自殺対策では、コロナ禍前より相談等が増えており、家庭の問題など複雑な理由も考えられます。大変難しい問題ではありますが、丁寧な対応をお願いいたします。  世田谷一家殺人事件では、世田谷に暮らす御家族が殺害され、いまだに未解決です。先ほども申し上げましたが、今年、広島の二十年前の未解決事件の犯人が逮捕されました。このことを考えれば、世田谷一家殺人事件も、粘り強い捜査で事件解決も考えられます。区は引き続き警察と連携し、事件解決へつなげていただきたい旨を申し上げ、私からの一般質問を終了いたします。 ○下山芳男 議長 以上でくりはら博之議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、八番つるみけんご議員。    〔八番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆八番(つるみけんご 議員) 通告に基づき、質問いたします。  初めに、新型コロナワクチンの予約受付体制について伺います。  今年の春の一回目、二回目の新型コロナワクチン接種の予約時に、区民の皆様を電話の向こう、画面の向こうで長時間、さらには数日間にわたってお待たせし、結果として、区民お一人お一人に大変大きな御迷惑をおかけしてしまったことは、とても残念なことです。電話がつながらない、予約システムにアクセスできないという事態が発生し、当時、世田谷区内では、拡大する新型コロナウイルスの脅威と、待ちに待ったワクチン接種の予約ができないことへの不安の声が多く聞かれました。  区長は、本定例会の招集挨拶においてこのことを振り返り、この春の反省を踏まえ、予約しやすい環境整備に取り組む、希望される方が円滑かつ速やかに接種を受けられるよう庁内一丸となって取り組むとの表明をされました。既に他会派から三回目のワクチン接種に関し様々な質問がありましたが、予約受付体制の主な改善策としては、電話回線を最大百五十回線に増設すること、発送時期を週単位に分けて発送することが提示されていますが、果たして、今の受付体制で区民の皆様をお待たせせずに予約を受け付けることができるのか疑問です。  今般、示されている予約受付体制の整備に当たり、区として、前回の予約受付時のデータの集計、分析の結果を今回の体制整備にどのように生かされたのか伺います。併せて、今回は区民の皆様をお待たせしない形となっているのか、区としての想定、予想をお聞かせください。  次に、ワンストップサービス、たらい回しゼロの実現について伺います。  区長は、本定例会の招集挨拶において、DXの推進に当たり、まず区民に時間を返す改革に着手すると表明されました。区長は、本年六月第二回定例会においても、区民の立場から見て、区の窓口やサービスの在り方を見直して、区民からの各種申請や手続等の合理化を進め、これまでと比べて、区民に時間を返す改革を実現すると表明されています。区長として、DX推進を契機とした、この改革に並々ならぬ思いがおありだと推察いたします。  しかし、一方で、残念なことに、世田谷区の次期基本計画につながる令和四年度、五年度の実施計画である未来つながるプランを読みましても、区長の言われる時間を返す改革という言葉が見当たりません。区長の強い思いのこもった改革が、計画や全庁、全職員に浸透せずに、トップのかけ声だけで終わってしまうということになっては、改革に期待する一区民として大変残念です。改革とまで言われた以上、区民に時間を返す、区長の言われるこの言葉の真意と、この改革の定義が明確化され、庁内全職員と区議会はもとより、区民の皆様と共有し、実現に向けた道筋とスケジュールが明らかにされることが必要です。  区民に時間を返す改革が実現することにより、区民の皆様がこれまで膨大な時間を割かざるを得なかった各種手続や移動などが合理化され、オンライン対応はもとより、対面においても、最も身近な行政拠点であるまちづくりセンターに行けば、ワンストップサービス、つまりは、たらい回しゼロの行政サービスが受けられるものと期待をしております。  区民に時間を返す改革には、いわゆるワンストップサービスの実現、つまりはたらい回しゼロ行政の実現が含まれるということだと思いますが、区の御見解をお示しください。  さらに、区民に時間を返す改革は、これまでの区民の皆様と自治体の在り方を変える大改革となるはずのものであり、当然、区の実施計画に当たる世田谷区未来つながるプランに反映されるべきものと考えますが、現在の未来つながるプランからは、そのことが見てとれません。  区として、今後どのように計画に反映していかれるのか、併せてお考えを伺います。  次に、次期教育ビジョンの新たな展開について伺います。  区長の招集挨拶では、コロナ禍の中で教育は大きなターニングポイントを迎えているとされ、さらに、子どもたち一人一人が探求的な学びへと転換できるよう、教育全体の質的改革を進めると言われています。このことから、現在、調整計画の作成に向けて検討されている次期教育ビジョンの目指すべき方向性については、区長の言われる質的改革を裏づける新たな展開と在り方が期待されるわけです。次期教育ビジョンは、これまでの第二次教育ビジョンの単なる延長ではなく、コロナ禍で大きく変わった教育現場の実態と、変化の激しい時代に対応できる教育の在り方、国際化の進展と多様性の尊重など、これらのことを反映したものとして、新たに全体の組み立てが図られるべきと考えます。教育委員会の御見解を伺います。  現在、作成中の調整計画は、もともとは第二次教育ビジョンの最終二か年の個別事業計画として作成されるものではありますが、コロナ禍で変化した社会状況を踏まえれば、第二次教育ビジョンの最終段階という位置づけを超えて、むしろ次期教育ビジョンの理念を先取りする計画となるべきものと考えます。教育委員会の御見解を伺います。  さらに、コロナ禍においても多額の予算を費やした教育総合センターについては、より一層区民の皆様にとって価値あるものにすることが求められています。  区長招集挨拶では、教育全体の質的改革を進め、そのため、教育総合センターを教育実践と学校運営を支えるための拠点とするとの表明がありました。このことより、次期教育ビジョンの理念を先取りし、実現していくための中心的な機能の発揮こそが、教育総合センターが担う重要な役割であると考えます。教育委員会の御見解を伺います。  次に、セーフティーネットとしての行方不明者対策に対する区の基本的考え方について伺います。  これまで、子どもや高齢者などの行方不明事案の発生時に対する区の対応について様々伺ってまいりましたが、区は、それぞれの所管で緊急時に対する体制やネットワークを整備すると言われています。しかし、それぞれの所管のセーフティーネットが個別ばらばらに張られるということは、施策として非効率であるばかりか、最大の問題として、どこに穴があるのか分からなくなるという問題をはらんでいます。このことから、行方不明になられた区民の命を守るための最終的なセーフティーネットは一つであるべきと考えます。  ごく最近、複数の近隣自治体で行方不明事案が発生し、御家族からの申し出により、警察のみならず、市役所でも捜索活動を行い、さらには市役所の防災無線にて緊急的に全市民に捜索を呼びかける措置が取られました。行方不明者の命を守るために、市役所が全市民に協力を呼びかける体制を迅速に取られたということです。市役所のこの一連の対応からは、行方不明者の捜索は、第一義的に警察の所管であるなどという縦割り対応、人任せ対応は一切感じられません。このうちの一つの事案については、行方不明となられた方が自宅から十キロ以上離れたスーパーで防災無線を聞いた買物客の方に発見され、無事に御家族の元へと帰ることができたようです。このことは、十一月二十二日付の東京新聞に、御家族から関係された方々への感謝の気持ちとして掲載されています。  世田谷区として、同様の事案が発生した際に、どのような形で最終的に区民の命を守る体制を取ることができるのか、区としての御認識を伺います。  以上で壇上から質問を終わります。(拍手) ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチンについて、次回の受付時は区民を待たせないよう分析して計画をしたのかという御質問に対し、御答弁申し上げます。  まずは一回目、二回目のワクチン接種予約の際、特に高齢者の方々にとって、なかなか予約が取れず御迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っております。前回の七十五歳以上の予約受付では約十万七千人の方に接種券を一斉送付し、受付開始の初日には約十六万件の電話をいただき、応答できたのは約四千三百件でした。十六万件には複数回かけ直しされた方の件数も含んでおり、コールセンターがつながりやすくなることで総件数も減ると見込んでおります。  今回、電話回線は、七十五歳以上の予約開始の時点からおおむね倍増となる百五十回線を用意いたします。また、一回分の予約受付となるため、二回分の予約を受け付けた前回よりも通話時間は短くなると見ており、一日九千件程度まで受付が可能になると想定しております。また、七十五歳以上高齢者の三回目用接種券は、一回当たり最大二万人程度となるよう分散発送する予定です。過去の七十五歳以上の方の予約の分析からおおむね三割に当たる六千人程度の方が電話予約をすると見込んでおり、混雑を避けてお電話をいただければ、今回発送する一回当たり二万人程度の方の電話予約は、おおむね一日程度で予約できるものと想定しております。  このため、十二月中旬に全戸配布を予定している「区のおしらせ」ワクチン特集号では、電話がつながりやすい時間帯を案内し、混雑を避ける御協力をお願いしてまいります。そのほか、まちづくりセンターの予約支援など様々な対策を組み合わせ、区民をお待たせしない受付体制を整えてまいります。  以上です。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、区民に時間を返す取組、それから未来つながるプランへの反映について御答弁いたします。  未来つながるプランでは、区民が行政手続や相談業務等について、デジタル化によって時間や場所を選ばずに必要な情報を得たり、問合せや手続ができることなど、窓口業務の見直しを検討することとしております。見直しに当たりましては、御質問のたらい回しとならないことを含め、区民が必要とする情報の提供や手続などがスムーズに行えるよう、区民の視点に立った行政システムの変革を目指してまいります。  こうしたことを称しまして区民に時間を返す改革としてございますが、今後、お示しする未来つながるプラン案の中で、改革の概念が分かりやすいよう表現等を工夫し、記載をしてまいります。  以上です。 ◎知久 教育総務部長 私からは、次期教育ビジョンについて、三点お答えいたします。  まず、次期教育ビジョンの在り方についてお答えいたします。  次期教育ビジョンは、御指摘のとおり、新たな視点から全体の組み立てを図っていく必要があると考えております。教育現場では、昨年来のコロナ禍によってGIGAスクールの前倒しが進み、ICT教育環境が劇的に進展し、教育を含め、社会の在り方が大きく変化しております。来年度より策定の準備に着手する次期教育ビジョンは、新しい価値観や教育観を中心に、世田谷の教育の在り方について十分議論を重ね、検討を進める必要があるものと認識しております。  次に、現在、策定中の調整計画についてと新たな教育総合センターの役割、二点についてお答えいたします。  現在策定中の調整計画では、次期教育ビジョンにつながる視点として、未知の世界を切り開く力を育むことの重要性を掲げまして、子どもたちが自らの将来像を描きながら、主体となって人生の指針をつくることができるよう、キャリア・未来デザイン教育を通じ、自ら課題を解決する探求的な学びやICTを活用した学びを推進することなどを計画に位置づけ、お示ししていく予定でございます。こうした次期教育ビジョンの方向性を踏まえた調整計画を推進する上で、その中核を担うのが、世田谷の新たな教育の拠点として今月開設する教育総合センターとなります。  教育総合センターでは、調整計画の着実な実行とともに、予測困難な社会を生きる子どもたちが主体的に考え、社会と向き合い、自らの可能性を信じ、夢や希望を持ち、たくましく成長できるよう、子どもや保護者、教員等に対する支援と次期教育ビジョンにつながる取組を全力で行ってまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、区の行方不明者対策について、併せてお答えいたします。  行方不明者の対応につきましては、これまで議員から受けました御指摘を受けまして、子ども、障害者、高齢者を所管する各部に確認しましたところ、それぞれ対応マニュアルは整備しておりますが、比較してみますと、対応の手順や区以外のネットワークの活用方法などに違いがあることも分かりました。  行方不明者の対応は、子ども、障害者、高齢者など、それぞれ事案ごとに適時適切に判断、対応していく必要があり、捜索方法や情報発信、情報提供時の留意事項は異なりますが、手順や考え方などについては、基準となる共通事項を押さえておく必要がございます。さらに、行方不明者を捜索する際は、各部が日頃から関わりのあるネットワークを活用することが効果的であることから、ネットワークの範囲や情報発信の手順などにつきましても保健福祉領域内で検討し、改善を図ることで行方不明者の早期発見に努めてまいります。  以上でございます。 ◆八番(つるみけんご 議員) 新型コロナワクチンのまず予約受付体制につきましては、後々の区のデータの収集と制度設計への活用技術の向上といった観点から、現在、区が想定している体制について、きめ細かく事後の検証を行っていただきたいと思います。また、その結果については区議会への報告をお願いいたします。  それと一点、行方不明者対策について、再質問いたします。  今の御答弁で、早期発見に努めると明確におっしゃられたことは評価いたします。ネットワークについても改善するとの表明がありましたので、その点はぜひとも迅速に進めていただきたいのですが、先ほどの事例を御紹介しましたとおり、他の自治体では、捜索の目を増やすために防災無線を用いて、全市民に御協力を依頼するということを既にやっておられます。その結果、無事に発見に至ったというケースがあるわけですので、この点について、世田谷区としてはどのようにお考えでしょうか、防災無線の活用についての御見解を伺います。 ◎菅井 危機管理部長 私から、行方不明事案における防災行政無線の活用について、再質問について御答弁申し上げます。  区の防災行政無線は、災害時の避難情報や、震度五弱以上の緊急地震速報、国民保護などの際のJアラート放送など、緊急時の区民の避難や安全確保に使用してございます。また、昨年十一月には、公開捜査となりました区内児童の行方不明事案、最近では、新型コロナウイルス緊急事態宣言下における感染症の拡大防止などについても活用しております。  お話しの行方不明事案につきましては、特定の個人であっても、警察、消防など、関係機関と協議を行いまして、その身体、生命に重大な危険が及ぶおそれがあり、緊急を要する事案の場合には、区は、防災無線だけでなく、二十四時間安全安心パトロールカーによる広報、捜索、防災・防犯メール、ツイッター、ホームページなどにより広く区民の皆様に御協力を求める方針であり、今後も事案発生時にはそのように対応してまいりたいと考えてございます。  また、議員からお話がございましたことを踏まえまして、また、御紹介いただきました活用事例をはじめ、他自治体の運用状況などを参考に、今後も常に検証を行いまして、適切かつより効果的な運用に取り組んでまいります。 ◆八番(つるみけんご 議員) 本当に防災無線で救える命があるわけですので、命を守るための最終的なセーフティーネットとしての役割を果たしていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十三分休憩    ──────────────────     午後三時四十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 一般質問を続けます。  三十二番中塚さちよ議員。     〔三十二番中塚さちよ議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 通告に従い、質問してまいります。  投票率、有効投票率向上の取組についてお尋ねします。  去る十月、衆議院議員選挙が行われました。選挙期間中には、街頭で期日前投票をされた方々から、比例で民主党と書いてしまった、立憲民主党に入れたつもりだったのにと多くのお叱りを受けました。有権者の皆様の一票にかける思いを重く受け止め、以下、質問してまいります。  衆院選に先立って、私はインターンの大学生とともに、通行人に衆院選での投票意向などを聞く街頭シールアンケートを行いました。先日、他の議員から、十八歳、十九歳の投票率が上がったとの話がありましたが、確かに素通りしがちな若者も、こちらから積極的に話しかけると、政治への関心は意外と高いものでした。コロナの感染拡大が学生生活を直撃したことも原因と考えています。しかし、投票したいけれども、住民票を実家から移していない、不在者投票は手間で諦めているといった声も聞かれました。本来は速やかに居住自治体に住民票を移すべきですが、選挙権は重要な参政権であり、基本的な権利の一つであることを考えると、住民票を移していなかった学生への投票サポートも必要ではないでしょうか。  衆院選前に見た区のホームページでは、不在者投票のやり方が分かりにくく、不在者投票用紙は郵送で請求する必要があり、ぎりぎりだと投票が間に合わないリスクもあります。また、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用し、不在者投票用紙をオンラインで請求する方法もありましたが、一、ICカード読み取り機が必要、二、専用ソフトのダウンロード、三、署名ツールのインストール、四、読み取り機のドライバのインストール、五、東京共同電子申請・届出サービスへの申請者情報の登録が必要と、煩雑過ぎてオンラインなのに逆に不便、これではICTにたけた学生でも無理です。不在者投票を手軽に行えるよう、ネット上で分かりやすく、マイナンバー読み取りではなく、フォームなどで投票用紙を請求できる仕組みを整えられないでしょうか。  また、政治や選挙への意識啓発や投票率向上の取組を行っている学生や若者団体が、ドットジェイピー、アイ・ヴォート、アイカスなどが有名ですが、幾つかあります。他自治体では、こうした学生団体と選挙管理委員会とで連携し、投票率向上に取り組んでいる例もあるので、参考にして、学生団体や学生サポーターなどによる投票支援を行ってはどうでしょうか、区の見解を伺います。  投票立会人を務めた地域の方のお話では、今回初めて投票に来たと思われる若い人たちが、三回の投票にまごつき、投票用紙を持ち帰りそうになるアクシデントも見られたとのことでした。また、私自身は開票立会いを務めましたが、疑問票の整理に朝の五時までかかりました。ミミズのはうような字でも投票者の意思を生かしたいとの職員の努力に頭が下がる思いです。  今回、本区の衆議院小選挙区の無効投票率は都全体より低いほうでしたが、世襲の候補者の父親の名前を書いていたり、似通っている二人の候補の名前がごっちゃにされていたり、最高裁裁判官の投票に丸をつけたものなど、せっかく投票したのに無効はもったいないことです。会場内外に分かりやすく投票方法等を図やイラストを使って示してはどうか、区の見解を伺います。  次に、介護従事者の待遇格差改善と人材確保の支援について質問します。  岸田政権の分配戦略の一つとして、介護士、看護師、保育士の賃上げが打ち出されました。しかし、先日、会派代表質問で藤井議員も指摘したとおり、区は、現場で働く人たちに還元されているのか注視し、取り残されがちな事業者や従事者を支援する必要があると考えます。  二〇一九年にも自公政権下で勤続十年の介護士の給料八万円アップをうたった特定処遇改善加算が新設されましたが、介護クラフトユニオンの調査では、加算導入前の二〇一九年六月、導入後の二〇二〇年六月を比較して、月給制組合員の賃金の平均は月額二十二万八千六十六円から二十三万五千四百一円と七千三百三十五円の上昇にとどまっており、賃上げの実感に乏しいのが現状です。また、もともと入所系と比べて、訪問系、通所系の賃金は低いですが、賃金上昇率も訪問系は低くとどまっており、加算が取れていない事業所もあるなど、同じ介護職でもサービス種別や職場により賃金格差が広がっています。  そして、加算新設もむなしく、二〇二〇年は介護事業者の倒産が過去最多となっています。内訳を見ると、小規模な訪問介護事業が約半数と突出しており、次いで通所・短期入所介護事業が約三割と多くなっています。東京商工リサーチの分析によると、コロナの影響もあるものの、ヘルパー採用難、大手との競合に負けた小規模零細事業者の倒産が大半を占めるなど、事業者の規模による格差が浮き彫りとなっています。  区でも介護事業者への実態調査を行っており、参考にすべきですが、アンケート調査だけでは現場の実態が十分には把握できません。小規模の訪問介護事業者はなぜ特定処遇改善加算を取得できないのか。書類が煩雑なだけではなく、ヘルパー不足でサービスを縮小せざるを得ず、得られる加算額も少なく賃上げに回す額を下回ってしまうため加算を申請しない、加算がないから高い給料は払えず新規採用も難航するという悪循環、こうした制度上の課題も経営者と直接膝を突き合わせてお話を伺っていく中で見えてくるものです。  一方で、加算以外にも、介護事業者が活用できそうな補助金や助成金はあります。例えば、離職率低下のため、評価処遇制度の整備に取り組む事業者に対する雇用管理制度助成など、十分活用されているのでしょうか。区内事業者の経営改善は、働く人の待遇はもちろん、区の法人税収にも影響します。小規模事業者では、管理者も現場に出ていて、助成金獲得のための情報収集や書類作成に費やす時間がないという実態を鑑み、区は、支援策を網羅して分かりやすくホームページで案内したり、申請の負担軽減を図るなど、中小事業者や従事者向けの支援に注力すべきです。  一方で、区のふるさと納税の使い道にも採用された介護ロボットの導入のような支援策は、現場が希望しているのかとの意見もいただいています。区の実態調査でも、介護ロボットは施設系を入れても導入予定がないと回答した事業者が八割近くでした。区の支援策も現場のニーズに見合ったものに改善すべきと考えます。  介護の仕事に就く人の裾野の拡大も急務です。区では、介護職員初任者研修受講費の九割助成を行っていますが、資格取得後に一定時間働いた後に助成される仕組みになっており、最安値でも三万円程度から十万円近くの受講費用の先行投資が必要です。区内の介護人材不足を解消するための助成制度なので、方向性としては正しく、利用実績も上がっておりますが、東京都の制度であれば、最初の自己負担ゼロで初任者研修を受けられたり、実際に事業所で働きながら自己負担ゼロで資格が取れます。コロナの影響による収入減、失業など、区民の生活は苦しく、身近な地域で介護の仕事がしたくても、最初の自己負担が厳しく他産業に流れてしまう人もいます。事業所向けの助成制度も三月で打切りのものもあり、使える制度は早急にPRを行っていただきたいと思います。それぞれ区の見解を伺います。  最後に、コロナ感染者への対応の改善について質問いたします。  この三日間の質疑を通して多くの議員から指摘がありましたが、コロナの第五波では、自宅療養者の支援に関し様々な課題が明らかになりました。私のもとにも、コロナの第五波で中等症近くまで悪化された方から、保健所から何日も連絡が来なかった、保健所と委託業者、医療機関の情報共有が全くなされておらず、息が苦しいのに電話で何度も同じことを説明させられてとてもつらかったと悲痛な訴えが寄せられました。  オミクロン株の陽性者が国内でも発生した中、従来の感染予防策であるワクチンやマスクの継続が重要なのは言うまでもありませんが、それでどこまで防ぎ切れるかは未知数です。医療体制を充実し、まずはこんな症状の方が自宅療養などということにならないようにすることが第一ですが、第六波を見据え、第五波での感染者、自宅療養者などにアンケートや詳細な意見を伺い、移動に関わるリスクや情報共有、連携の在り方、連絡ツールの工夫など改善に取り組んでいただきたいです。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
    ◎渡邉 選挙管理委員会事務局長 私からは、選挙に関連して、三点御答弁申し上げます。  初めに、不在者投票をインターネット上で分かりやすく、また、フォームなどで請求できる仕組みを整えることはできないかについてでございます。  不在者投票は、出張等により滞在している住所地の選挙管理委員会で投票することが可能ですが、初めに、不在者投票宣誓書兼請求書を直接または郵便等により、名簿登録地の選挙管理委員会に御送付いただく必要がございます。こうした中で、平成二十八年十二月に関係法令が改正され、マイナンバーカードの公的個人認証サービス等を利用した不在者投票用紙等のオンライン請求が可能となり、区においても、平成二十九年六月から、電子申請サービスを利用してインターネットによる不在者投票の請求が可能となってございます。  しかしながら、インターネットによる請求は、御指摘のように、マイナンバーカードと、それを読み込むカードリーダーや専用ソフトのインストール等、一定の環境が必要であり、実際のインターネット請求は、選挙につき数件程度の現状となっているところでございます。  お話しのように、インターネットによる請求がより容易になることが望ましいと考えますが、現在の法律では、マイナンバーカードによる個人認証を前提としておりますので、そのことを外した仕組みで整えることは非常に難しい状況でございます。なお、不在者投票用紙の郵送による請求は、宣誓書兼請求書を一枚お送りいただくだけで決して難しい手続ではございませんので、今後は、請求書の様式や請求方法等について、ホームページでアクセスしやすい、また、分かりやすい場所に掲載し、不在者投票の手続が容易に行えるよう努めてまいります。  次に、学生の活動団体やサポーターなどによる投票支援を行ってはどうかについてでございます。  選挙人名簿の登録は住民票を基に作成しますけれども、区内に在住する学生の中には、住民票を異動せず実家に残したままの方が潜在的に多数いらっしゃると思います。一方で、そのような学生等がどこに住んでいるのか、これを把握することができないことも課題であり、直接的に周知することが難しい中で、若者がよく利用するインターネットやSNSの活用、また、大学を通じての周知が有効ではないかと考えてございます。  現在、選挙管理委員会では、若者の投票率を向上させるため、若者による若者への情報発信を行っている「ねつせた!」と連携しまして、ツイッターやインスタグラムによる情報発信をしていただいているほか、区内大学の食堂に投票日を印刷したペーパーナフキンを備え置き、学生に向けた啓発活動を行ってございます。御紹介いただいた活動団体の中には、学校との具体的な活動事例について公表しているところがありますので、今後、詳細な活動内容等を確認しながら、連携が可能かどうか検討してまいります。  次に、投票方法を分かりやすく図やイラストで示してはどうかでございます。  今般の衆議院選挙では、小選挙区選出選挙と比例代表選出選挙、また、最高裁判所裁判官国民審査の三種類の投票がございました。投票所では、初めに、御持参いただいた入場整理券等に基づき、パソコンにより選挙人名簿との照合を行い、先に小選挙区の投票用紙を交付して、投票用紙への記載、投票箱への投函をしていただきました。その後、比例代表と最高裁の投票用紙を同時に二枚交付し、記載して、それぞれの投票箱に投函していただきました。これらの投票の順序等は国からの通知に基づくものでありますが、初めて投票所に来た方など、投票に慣れていない方にとっては、丁寧な説明がないと分かりづらい点があったかもしれません。投票所では、投票所の順序に関するポスターや、投票方法や手順が分からない方は投票所内に設けている相談係へどうぞと書いたポスターを入り口付近に掲示しておりますけれども、このほかにも複数の表示物を掲示しておりますので、全ての方の目に留まっていたとは考えてございません。  投票方法を図やイラストを使用して示したらどうかとの御提案をいただきましたけれども、投票所のレイアウトは全ての投票所で異なっていること、また、体育館のような広い投票所がある一方で、保育園など狭い投票所もあり、一律に図で表示することは難しい状況もございますので、イラストによる工夫や、従事職員による説明の充実など、投票に来た方が戸惑うことがないよう、分かりやすい御案内に努めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、介護従事者の待遇の格差改善と人材確保の支援について、三点お答えいたします。  まず、中小の事業者、従事者向けの支援についてです。  区は、総合的な介護人材対策を推進するため、区内介護事業者やハローワーク、学識経験者などを構成員とする世田谷区介護人材対策推進協議会を六月に設立いたしました。協議会には、全体会のほか、在宅系と入所系の二つの部会を設置し、行政等による取組や介護事業所の人材確保の状況や課題を共有し、人材不足解消に必要な対策等について意見交換を行ってまいりました。その中で、行政等の取組が必ずしも浸透していないことや、申請書に添付する書類の多さなどの御指摘がございました。  区では、引き続き、申請書類の見直しを進めるなど事業者の負担軽減に努めるとともに、機会を捉えて情報を発信することで助成事業の利用促進に取り組んでまいります。また、中小零細事業者を対象とした支援につきましては、国や都などの助成事業を活用した取組事例を紹介することでその活用を促すほか、介護人材対策のテーマの一つとして協議会で取り上げ、意見を踏まえながら検討してまいります。  次に、実態調査等を踏まえた支援策の改善についてお答えいたします。  区は、令和元年度に区内介護事業者を対象とした実態調査を実施し、事業運営の状況や課題、従業員の確保、育成に向けた取組、利用者への対応などについてお聞きいたしました。その中で、人材確保のための取組の実施状況と効果の認識について伺っていますが、事業所や施設のホームページ、SNS、ブログ等で個性をアピールしていると回答した事業者は六六・一%と最も高く、また、四九・六%が効果があると思うと回答しています。  区では、令和元年度より介護人材採用活動経費助成事業を実施しており、ホームページの構築、改修に係る経費や施設の魅力をアピールする動画制作経費なども補助対象にしております。引き続き、実態調査における人材確保のための取組の実施状況と効果の認識などについての回答結果や、介護人材対策推進協議会での御意見も踏まえながら、中小零細事業者等の現場のニーズに合った支援策に取り組んでまいります。  最後に、無料で資格を取れる制度などの周知についてお答えいたします。  お話しのありました事業所で働きながら無料で資格を取れる制度としましては、ハローワークの公共職業訓練や求職者支援制度、東京都の実施している介護職員資格取得支援事業や介護職員就業促進事業などがございます。また、区においても、自己負担が一割にはなりますが、初任者研修などの資格取得助成事業を行っております。  働きながら、あるいは失業給付などを受給しながら介護の資格を取得できる仕組みは、新卒者はもちろん、再就職や転職を目指す方にとって非常に魅力的かつ有効な取組であると認識しております。御自身の生活状況に合った制度を御利用いただき、一人でも多くの方に介護の仕事に就いていただけるよう、機会を捉えてさらなる情報発信に努めてまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、コロナ感染症への対応について、感染者から意見を聞き改善をとの御質問にお答えいたします。  区は、令和三年四月十五日までに提出された発生届の患者を対象に療養後の症状をお伺いする後遺症アンケートを行い、先般、その結果を御報告いたしました。本アンケートにつきましては、いわゆる第五波での感染者急増の影響も踏まえ、第五次補正予算に必要経費を計上し、令和三年九月三十日時点で区の把握する患者を対象に追加実施を行いたいと考えております。今後、予定しておりますアンケートでは、療養生活中に困ったこととして、不安やストレスなどに加えて、治療に関すること、公的支援に関することの二つの項目を追加し、課題を把握できるように工夫しております。このアンケートに限らず、これまで療養中の区民の皆様からは、様々な御意見や御指摘、厳しいお言葉もいただいておりますので、それらも含め十分に分析し、次の感染拡大において適切な療養支援が行えるように備えてまいります。  以上です。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。  再質問は、介護従事者の処遇改善とか人材確保のところなんですけれども、この三月からまた四月に変わる辺りで、大分いろんな助成制度が終わったり、また新しく変わったりとかというものも出てきていますので、そういったものとかも漏れなく情報が分かりやすく、ホームページで一覧表、リンクとかが網羅されていれば、ぱっと見てすぐに応募できるのもあるかなと思います。また、お仕事をしたい方にとって、やはり最初の自己負担がかからない介護初任者研修の受講は本当に魅力的です。失業されちゃっている方とか、生活保護を受給していたり、あるいは障害者の就労支援の施設で事業所に行っている方とかでも、チャンスがあればお仕事したいと、本当にそうした声をよく聞いております。そういった関係機関との連携はどうなっておりますでしょうか。 ◎長岡 高齢福祉部長 介護従事者の待遇改善と人材確保の支援についての再質問にお答えいたします。  まず、現在、区のホームページでは、区が実施している介護人材対策事業の御案内については掲載をしておるところでございます。また、都の事業につきましては、都が発行している「かいてき便り」というものの中で紹介しており、区のホームページにリンクを貼って周知をしておりますが、国や都などが実施する個々の事業の見やすい形での紹介を行っていない状況でございます。  今、議員から御指摘がありましたように、今後、区のホームページに国や都の事業も含めて一覧表にするなど体系的に掲載することで、事業者が必要とする情報にアクセスしやすくして、制度を知らないで利用できなかったということがないように取り組んでいきたいと思います。また、国や都などとの連携ですね。先ほど申し上げました協議会というのを区でつくっておりまして、そういう中で情報交換したり、課題について、あるいは解決策についてのやり取り等もしておるところでございます。今後も、より一層連携を強めて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十二番(中塚さちよ 議員) 御答弁ありがとうございました。協議会のほうでいろんな事業者さんに入っていただいて声を聞いていると思いますけれども、資格を取りたいという方に関しては、そもそも女性の方だったり、障害者の方、職業訓練を受けたい方とか、そういった多方面と連携をし、進めていただきたいと要望を申し上げまして、終わりにします。 ○下山芳男 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、二番佐藤美樹議員。     〔二番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆二番(佐藤美樹 議員) まず、新BOP学童クラブの民設民営化について伺います。  今回、区は、来年四月から、大規模化、狭隘化の解消を目的に、芦花小など区内五つの小学校において、学校の外、周辺に民間事業者を誘致、学童を整備したいと打ち出しました。学校内の新BOP学童クラブは区直営のまま残すので、学童クラブについて、学校内と外、また、運営主体も区と民間とが併走することになります。  放課後事業で起こる各課題に関し、民間活用、委託すること自体はこれまでも推してきた立場ではありますが、今回の進め方には幾つか懸念と課題があります。そもそも、突如報告された学校外の民設学童の導入は、大規模化、すなわち人員配置の問題、そして、狭隘化、すなわちスペースの問題の解消が第一義的な目的とされていますが、五校それぞれ学校の外に設けないとどうにもならないのはどの程度なのかの数値による報告がなく、検証が十分なのか不明です。  先日、私も導入対象となっている五校のうち二校に伺い、お話を伺いましたが、無論、広々使えているとは言えないまでも、日々現場で工夫され、やりくりしている様子を見てきました。また、外部の民設学童においては、時間延長ニーズに応えるのも目的とのことですが、これも導入後、どの程度の利用が見込めるのか。コロナ禍前の平成三十一年度の延長モデル事業でのニーズだけでなく、コロナ禍を経て変化したニーズをベースにして議論すべきと考えます。  今回の進め方、展開により最も懸念するのは、これまでの新BOP学童クラブが学校内にあることで果たしてきた子どもの主体性や、地域とともに育む意義が損なわれないかという二点です。以下、それぞれについて伺います。  まず、子どもの主体性の点。平成二十六年、国は、共働き家庭への支援と、そういった家庭状況のいかんにかかわらず、子どもたち自らが過ごしたいような過ごし方、そして、子どもの主体性を育むとして、放課後子ども総合プランを打ち出し、学童クラブと放課後子ども教室の一体化を進めてきました。当時、当区は、この一体化について先進自治体だったそうですが、一方で、一体化の際にその実施体制としては二つの所管、教育委員会事務局と子ども部のまま運営をしてきました。ゆえに先日の児童クラブ支援システムの導入しかり、縦割りの弊害が起こりがちで、このたびの学校外の民設学童は縦割りの弊害を深めかねないとも見ています。  今回、当区で言う学童とBOPの一体化とその実施所管体制の二十三区状況を調べてみたところ、学童、BOPを一体化させている自治体で実施所管を一本化している自治体は、二十三区中十六区ありました。例えば渋谷区では、放課後クラブと称して学童、BOPを一体化、所管は教育委員会事務局に一本化しています。当区も学校外に民設学童を導入するのであれば、複雑化する運営を統括すべく所管の一本化を検討すべきと考えますが、見解を問います。  次に、地域との関わりの点です。  世田谷区では、地域とともに子どもを育むことに重きを置いた様々な制度があり、地域には、子どもたちの放課後に関わろう、支えようとする資源、場や人が多数あります。例えば、船橋地区では、先月からおやつステーションという名で、毎日、商店街の喫茶店一角で、子どもたちにおやつを配るような取組が始まっています。ほかにも下校途中の子どもの立ち寄り場所になっているカフェの事例もあります。子どもにとって、放課後は地域とつながる時間でもあり、親とも先生とも違う地域の大人たちと関わることは成長の一つにつながるはずです。学校外に民設学童を組み込むのであれば、これまでのこうした地域との関わり、地域とともに子どもを育むことが貫けるようにすべきです。  様々述べましたが、今、一たび子どもの放課後はどうあるべきかの原点に返り、学校の中に一体化させてきた意義を損なわない制度設計を求めます。見解を問います。  次に、地域経済の持続可能な発展条例について伺います。  当条例は、従来の産業振興から、世田谷の地域経済の持続可能な発展ということに軸を置き、コアな考え方をまとめたもので、この条例とともに具体の施策として展開される一つが池尻中跡地活用であると見てきましたが、活用案のほうにはそのつながりがいま一つ見えません。  例えば、条例には、各施策の担い手となる事業者の責務として、地域及び社会の課題の解決並びに持続可能性を考慮した事業展開に努めることとありますが、このような責務を理解する事業者の参画にどうつなげていくのか、池尻中跡地活用においても、条例との整合性、あるいは条例の具現化といった位置づけを求めますが、見解を伺います。  また、池尻中跡地活用の再検討においては、元は学校、学びの場であったというDNAを引き継いでいくことが必要と考えます。新たな価値を創る産業拠点としての軸だけでなく、例えば区内事業者がDXに取り組む際の学びなど、そうした新たな価値につながるような学び、あるいは学び直しを軸にしてはと考えますが、見解を問います。  次に、自然エネルギーの区内事業者向け供給について伺います。  さきの決算委員会で、新潟県津南町の小水力発電エネルギーの供給に際し、区内民間事業者の方たちへの切り替えにはインセンティブや経済的メリットが必要と問いました。その後の検討状況を伺います。  民間事業者向けの既存の取組としては、自然エネルギーへの賛同を求めるせたがや版RE一〇〇があり、こちらには賛同者にステッカーを配付しているとのこと。インセンティブとまでは言えませんが、今回の自然エネルギーを導入した事業者向けにも別途ステッカーなどを検討してはと考えます。また、脱炭素経営や自然エネルギー導入に関心のある事業者の方からの相談としてよく聞かれるのが、どこにどのように申し込みしたらよいのかという点です。切替えを検討される事業者の方向けの手続フローや申込先について、分かりやすい告知が必要と考えます。  また、告知、PRのチャネルについては、経済産業部のほうで持っている情報サイトやツールを活用することで、より関心のある区内事業者の方たちにダイレクトに届くようにしてはと考えます。区内事業者向けの自然エネルギーの導入について、今後の取組を伺います。  最後に、感染拡大時の自宅療養者対策について伺います。  さきの福祉保健常任委員会で、今後の自宅療養者対策として、健康観察センターや区保健所によるフォローと、陽性の発生届を出した医療機関のフォローとをコーディネートする機能、往診等調整機能を導入すると報告されました。さきの第五波の際には、私のところにも、自宅療養中で高熱が続いてもどこからも連絡が来ない、電話もつながらないという声が多くありました。  今後の感染拡大時、同様の逼迫した状態に備え、往診調整機能を用意しておくことは重要と考えますが、有効に機能するためには、コーディネートの担い手として医療分野の専門的知見を有していることが必要です。また、調整内容を国のシステム、HER―SYSなりに一元化していく運用も重要ですが、どのように取り組まれるのか見解を伺います。  以上で壇上よりの質問とします。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、新BOP学童クラブの課題について、二点御答弁申し上げます。  まず一点目、所管の一本化についてです。  区では、学校施設を活用した放課後の遊び場であるBOP事業を総合的な放課後事業として学童クラブ事業と統合し、新BOP事業として、教育委員会事務局と区長部局が共同で所管し、全区立小学校で運営しております。学校を所管する教育委員会事務局と地域の子育て拠点の児童館を所管する子ども・若者部が共同所管することで、学校教育と地域での子育てが乖離することなく地域で一体となって子どもたちの自立を支援し、学齢・学童期以降も見据えた総合的な子どもの居場所支援に取り組んでおります。  一方、他の自治体では、首長部局、あるいは教育委員会のいずれかに所管を置き、管理運営を一元的に行っている事例があることは承知しております。新BOPは、児童館職員が学校施設内で運営していることから、引き続き、共同所管であることの強みを生かしつつ、学校外部に誘導する民間の放課後児童健全育成事業者とも積極的に連携を図ることを基本として考えてまいります。  次に、学校の中に一体化させてきた意義を損なわない制度設計について御答弁申し上げます。  厚生労働省が定めた放課後児童クラブ運営指針においては、運営主体である地方公共団体や民間事業者等に対し、地域の協力が得られるように、自治会をはじめとする地域組織や子どもに関わる関係機関等が情報交換や情報共有をし、相互交流を図るよう定めております。  新BOPにおいては、保護者代表、青少年委員、主任児童委員、町会・商店会等の協力団体や関係団体の関係者を招いて連絡協議会を開催し、幅広く意見を聴取しておりますが、この中で、民間の放課後児童健全育成事業についても情報共有を図っていきたいと考えております。  子どもの生活は地域の中で営まれており、今後、区が定める運営方針を民間事業者とも共有し、新BOP学童クラブ及び児童館が持つ地域ネットワークを生かして、学校や地域とのつなぎ役になるなどして、子どもたちを支えてくださる地域の場や人の関係を保てるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点、まず条例の改正素案についてです。  産業振興基本条例の改正素案では、条例の視点を産業の振興から地域経済へと移行し、経済発展のみならず、非経済的な価値の重要性も踏まえた地域経済の持続可能な発展を目指すこととしています。今後、改正素案に掲げる地域経済の持続可能な発展に向けて、あらゆる取組を実行していきますが、お話しの旧池尻中跡地は、イノベーションによる区内産業の活性化、起業、創業や多様な働き方の支援、地域課題の解決に向けた取組など、区内事業者や区民とも連携しながら、新たな条例の目的実現に向けた取組を具現化する中心的なものとして活用するということで基本コンセプト等を定めてきたところです。  次に、産業活性化拠点での学びについての考え方です。  旧池尻中跡地活用については、議会からの御意見を踏まえ、土地と建物の有効かつ効果的な活用手段について改めて検討するとともに、併せて、産業活性化拠点の在り方についても再度調査、分析をする旨を十一月十日の区民生活常任委員会に御報告したところです。これまで産業活性化の拠点として、学校跡地という特性も生かして、新たな産業、学びの拠点として活用することを基本コンセプトとしてお示ししています。  今後、将来を見通すことがさらに困難となる時代においては、アントレプレナー教育やSTEAM教育などを通じた未来の産業を担う子どもや若者の育成、お話しのあった地元産業人材の学び直しに資する取組の重要性がますます増加していくものと考えております。引き続き、議会や地域、地元産業界などの御意見を踏まえながら、教育委員会とも連携しつつ検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎清水 環境政策部長 私からは、自然エネルギーの区内事業者向け供給について御答弁申し上げます。  津南町との自然エネルギー活用を通じた連携につきましては、「区のおしらせ」十一月十五日号の第一面にて、津南町の小水力発電所で発電された電力を区内事業者の皆様につなげる仕組みを紹介しております。津南町産電力を販売する小売電気事業者については、発電事業者である津南町が選定いたしますので、供給の準備が整いましたら、区のホームページ等で御案内を行う予定です。  また、電気の産地直送として、自治体産電力の購入を通じて津南町を知っていただくためにも、御提案のインセンティブやステッカーについては、津南町との今後の交流内容と併せ検討を進めてまいります。  津南町産電力への切替えを検討している区内事業者への告知については、導入の契機となるよう、手続方法やQ&Aを分かりやすく整理し、区のホームページやツイッター等を通じて、また、区内事業者と密接に関わる経済産業部門と連携し、周知してまいります。  私からは以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、医療機関のコロナ診療のコーディネートと情報の一元化についてお答えいたします。  第五波では、保健所への自宅療養者からの往診等の要請が急増したため、事前に整備していた往診、電話、オンライン診療につなぐ機能が目詰まりを生じ、保健所から十分に地域の医療機関等に診療を依頼できない状況でした。  区では、第六波を想定して、自宅療養者からの要請に対し、電話、往診などの対応が可能な診療所等の選定を迅速かつ効果的に担うコーディネート機能を早期に実現できるよう、事業者委託の準備を行っているところです。具体的には、健康観察等の経験を有する看護師を派遣する事業者を選定して医療的専門性を確保した上で、地区医師会の御協力の下で作成した地域の医療機関リストを活用し、コーディネートをする仕組みでございます。また、患者情報の共有、一元化につきましては、地域の医療機関をHER―SYS上で健康フォローアップ機関として位置づけ、発生届の提出に加え、健康観察記録の入力、閲覧を医療機関もできるようにするなど、HER―SYSによる患者情報の一元化と地域の医療機関との即時の情報共有を進め、次の感染拡大に備えてまいります。  以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。  一点、新BOP学童クラブについて再質問させていただきます。  今回、この件で何度か児童課長とやり取りさせていただいて、その数日の間――この数日の間もいろいろ新しい情報というか、例えば私が学校の中でBOPで五時まで過ごして、五時以降、外の民間の学童に行くような、そういう使い方もできるのかと聞くと、そういうことも検討しますであったり、本当に詰め切った上で今出しているのかなというのは非常に疑問です。先ほどの御答弁を聞いていても、現場や地域の状況を本当に踏まえているのか、非常に私は懸念もしていますし、危惧もしています。都の補助対象になるからとかそういう理由じゃなくて、子どもたちの放課後としてどうなのか、先ほども申し上げましたけれども、どう制度設計したらいいのかを、ここは一たび、先ほど共同所管とおっしゃいましたので、共同所管である教育長に伺いたいと思います。 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  社会状況とともに、子どもを取り巻く環境は大きく変わってきています。保護者のニーズや価値観も多様化し、これらに的確に対応していくことも教育現場の役割です。  安全安心な子どもの放課後の遊びと生活の場については、施設の規模や子どもの人数などを鑑み、様々な地域の資源の活用を考えながら、子どもたちにとって魅力的な仕組みとなるよう、所管と連携をしながら検討を重ねてまいります。  以上です。 ◆二番(佐藤美樹 議員) 引き続き、この問題、踏み出す前にこれからも問うていきたいと思います。  以上で終わります。 ○下山芳男 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十七分休憩    ──────────────────     午後四時四十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。     ────────────────────
    ○下山芳男 議長 △日程第二から △第十五に至る十四件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 議案第九十三号 令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)外議案十三件 ○下山芳男 議長 本十四件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第九十三号より議案第九十九号及び議案第百六号より議案第百十二号に至る十四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第九十三号「令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)」につきまして御説明いたします。補正予算書三ページをお開きください。  本件は、ワクチン住民接種をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、せたがやPayを活用した事業者支援など、速やかに対応すべき施策について補正計上するものであります。  この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に七十八億八千五十四万四千円を追加し、三千四百三十四億六千九百四十万八千円とするものであります。  次に、議案第九十四号「世田谷区公文書管理条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、区政に関する重要事項が記載された公文書を重要公文書とし、その保存期間が満了したものを特定重要公文書として永久に保存するとともに、特定重要公文書を一般の利用に供する制度を設ける必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十五号「世田谷区情報公開条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、行政情報の開示の請求に係る制限を廃止するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十六号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の改正に伴い、長期優良住宅の建築等計画認定申請手数料等を変更するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十七号「世田谷区立上祖師谷中学校耐震補強工事請負契約」につきまして御説明いたします。  本件は、学校等の耐震再診断を踏まえた補強工事の基本方針に基づく耐震補強工事を実施するものであります。  本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施いたしました。  その結果、東京コーポレーション株式会社が落札し、同社と一億七千四百九十万円で契約しようとするものであります。  次に、議案第九十八号「仮称世田谷区立玉川地域拠点保育園新築工事請負契約変更」につきまして御説明いたします。  本件は、令和二年第四回区議会定例会において、議案第九十八号として工期の変更を行ったものでありますが、工事着手後、地中障害物が発見されたことによる建物のくいの設置位置の変更に伴い、再度、建築基準法に基づく申請等が必要となったため、工期の変更を行うものであります。  本二件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第五号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第二条の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十九号「特別区人事及び厚生事務組合規約の変更に関する協議」につきまして御説明いたします。  本件は、特別区人事及び厚生事務組合規約を変更するため、地方自治法第二百九十条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百六号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例、議案第百七号「幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百八号「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の三件につきまして御説明いたします。  本三件は、いずれも職員の給与を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百九号「世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百十号「世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百十一号「世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百十二号「世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」の四件につきまして御説明いたします。  本四件は、いずれも期末手当を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第九十三号より議案第九十九号及び議案第百六号より議案第百十二号に至る十四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本十四件中、議案第百六号から第百八号までの三件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しております。お手元に配付の資料のとおりであります。  本十四件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十六を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第十六 議案第百号 世田谷区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第百号「世田谷区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明申し上げます。  本件は、個人番号を利用することができる事務として、心身障害者の医療費の助成に関する事務を追加する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十七を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第十七 諮問第四号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 諮問第四号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明いたします。  本件は、人権擁護委員二名の任期満了に伴い、次期候補者を法務大臣に対し推薦する必要があるので、御提案申し上げた次第です。  候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区社会福祉協議会、世田谷区医師会から御推薦いただいたものであります。  慎重に検討しました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。  よろしく御審議賜りますよう、お願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第四号は諮問どおり答申することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第十八及び △第十九の二件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第十八 議案第百一号 世田谷区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例外議案一件 ○下山芳男 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。中村副区長。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 ただいま上程になりました議案第百一号及び議案第百二号の二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第百一号「世田谷区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、特定教育・保育施設等が書面により行うこととされている作成、交付等を電磁的記録及び方法により行うことができる旨の規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百二号「世田谷区保健所設置条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷保健所の位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第百一号及び議案第百二号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十 議案第百三号 世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第百三号「世田谷区建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明申し上げます。  本件は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げる次第でございます。  よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕
     日程第二十一 議案第百五号 世田谷区立図書館の指定管理者の指定 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第百五号「世田谷区立図書館の指定管理者の指定」につきまして御説明申し上げます。  本件は、指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を文教委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十二 議案第百四号 世田谷区立総合運動場及び世田谷区立大蔵第二運動場の指定管理者の指定 ○下山芳男 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。岩本副区長。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 ただいま上程になりました議案第百四号「世田谷区立総合運動場及び世田谷区立大蔵第二運動場の指定管理者の指定」につきまして御説明申し上げます。  本件は、指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○下山芳男 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件をスポーツ・交流推進等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって本件はスポーツ・交流推進等特別委員会に付託することに決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、 △日程第二十三を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二十三 請願の付託 ○下山芳男 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十八分散会...