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  1. 世田谷区議会 2021-11-29
    令和 3年 12月 定例会-11月29日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 3年 12月 定例会-11月29日-01号令和 3年 12月 定例会 令和三年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十八号 十一月二十九日(月曜日)  出席議員(四十八名) 一 番  神尾りさ 二 番  佐藤美樹 三 番  そのべせいや 四 番  青空こうじ 五 番  ひうち優子 六 番  上川あや 七 番  くりはら博之 八 番  つるみけんご 九 番  小泉たま子 十 番  あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  下山芳男 十五番  加藤たいき
    十六番  河野俊弘 十七番  阿久津 皇 十九番  津上仁志 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 和田ひでとし 二十七番 上島よしもり 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  岡本のぶ子 三十一番 平塚けいじ 三十二番 中塚さちよ 三十三番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 宍戸三郎 三十八番 真鍋よしゆき 三十九番 畠山晋一 四十番  いたいひとし 四十一番 佐藤ひろと 四十二番 福田たえ美 四十三番 羽田圭二 四十四番 中村公太朗 四十五番 桜井純子 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 おぎのけんじ 四十九番 石川ナオミ 五十番  山口ひろひさ  欠  員(二名) 十八番 三十四番  出席事務局職員 局長     林 勝久 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 議事担当係長 髙橋 亮 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    中村哲也 副区長    岩本 康 北沢総合支所長        木本義彦 政策経営部長 加賀谷実 デジタル改革担当部長(政策経営部長兼務)        加賀谷実 交流推進担当部長        小澤弘美 総務部長   池田 豊 危機管理部長 菅井英樹 財務部長   工藤郁淳 施設営繕担当部長        小柴直樹 生活文化政策部長        片桐 誠 地域行政部長 舟波 勇 環境政策部長 清水優子 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        辻  正 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 高齢福祉部長 長岡光春 子ども・若者部長        柳澤 純 保育部長   和田康子 世田谷保健所長        辻 佳織 住民接種担当部長        久末佳枝 技監     松村浩之 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        釘宮洋之 道路・交通計画部長        田中太樹 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育監    粟井明彦 教育総務部長 知久孝之 教育政策部長(教育監兼務)        粟井明彦 生涯学習部長 内田潤一 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和三年十一月二十九日(月)午後一時開議)
     第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○下山芳男 議長 ただいまから令和三年第四回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 議事に先立ちまして、一言申し上げます。  本会議の運営に当たりましては、さきの定例会に引き続き、新型コロナウイルス感染症への対策を十分講じた上、進めてまいりたいと思いますので、議員各位の御協力をお願いいたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 それではまず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   十五 番 加藤たいき議員   三十七番 宍戸 三郎議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十二月八日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○下山芳男 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、区長から招集の挨拶の申出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和三年第四回世田谷区議会定例会に当たりまして、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  この夏、猛威を振るった新型コロナウイルス感染症のデルタ株の影響で、世田谷区でも検査陽性者は、いっときは一日に四百人を超え、在宅で療養される方が約三千五百人と危機的な事態を生み出しました。医療機関での治療はもとより、訪問診療や在宅酸素吸入、また酸素療養ステーションの設置等、医療関係者の懸命な努力もあって、第五波はピークアウトし、八月二十三日からは東京都内でも検査陽性者が前の週を下回る状況になりました。十月一日、東京都においても緊急事態宣言が解除され、十月二十五日には東京都の飲食店に対する時短要請も解除され、社会経済活動も次第と活発になってきています。十一月第一週、東京都で検査陽性者百四十一人、区では七人と落ち着いています。  他方で、世界に目を転じて見れば、流行は周期的な波形を描いており、ワクチン接種が進んでいる国や感染者増加を抑えていた国でも、感染者増は繰り返しやってきており、これから寒くなる冬の時期に、第六波の襲来への備えも怠ることはできません。世田谷区でも八割を超えるワクチン接種率や、罹患時に重症化を防ぐ抗体カクテルや経口薬等の治療手段が使用できるようになってきているのですが、ここが昨年春との大きな違いです。  一方で、二回のワクチン接種にもかかわらず、既にブレイクスルー感染も報告されており、高齢者施設を中心に警戒をしていく必要があります。  今後流行が懸念されるインフルエンザ対策も含め、専門家の助言も得て、ウイルスの変異等の警戒情報をいち早く取得し、第五波の教訓を生かして、全ての検査陽性者に診断と治療が可能となる体制を築き、世田谷区・玉川両医師会、地域の診療所、病院等の医療ネットワークを日常的に保ち、保健所を中心とした公衆衛生と、機敏で緻密な連携ができる体制を構築してまいります。  また、来年、区制九十周年を迎えます。地域社会全体がコロナ禍の影響を受けて、コミュニティー活動が停滞し、社会的孤立が広がるなど、町の将来というものが見えづらくなってきています。区制九十周年とは、次の区制百周年に向けて、スタートアップの最初の年として、今後の明るい希望に満ちた世田谷区政の在り方を区民の皆さんとともに考えていきたいと思います。  次に、ワクチン接種についてです。  ちょうど一年前の十二月、区では九十二万区民に対して二回のワクチン接種を実施するという未曽有の仕事を着実にやり遂げるために、新たに使用されることになるメッセンジャーRNAワクチンの特性や取扱い上の課題等について、専門家を招いて勉強会を開催し、国や東京都とも連携して、集団接種を基軸として、個別接種と巡回接種を組み合わせていく方針を策定し、本年二月には保健所内に新たに住民接種担当部を立ち上げました。  四月に高齢者施設の巡回接種を開始し、五月の連休中より集団接種を始めて、約半年間で十二歳以上の区民の接種率は、十一月十日で八〇%を超えました。途中、深刻なワクチン入荷不足もありましたが、楽天グループ株式会社や狛江市による住民接種への御協力、地域医療機関での精力的な個別接種、職場での職域接種等の取組が、短期間で接種率を引き上げてくれました。改めて、それぞれの持ち場で接種に当たっていただいた関係機関の皆様への感謝を申し上げる次第です。  さきに触れたように、ワクチンの効果を持続させるための三回目の接種が十二月から始まります。現在のところ、対象者は二回目接種完了後八か月を経過した方とされています。既に十一月二十四日に初回の接種券を発送しており、まずは医療関係者から開始します。今後、二回目接種から八か月を迎える方に順次接種券の発送を進めていきます。年明けからは高齢者施設の入所者と従事者、続いて、一月下旬からは一般の高齢者の接種が始まります。高齢者施設でのクラスター等で、ブレイクスルー感染で症状が悪化する方を抑止していくために、少しでも早く効率的な三回目接種を国に求めていきます。  今年の春、四月末から五月にかけて区の高齢者の方々のワクチン予約が始まった際に、コールセンターに何度かけてもつながらない、予約システムにアクセスできないといった苦情を大変多くいただきました。今回は、この春の反省を踏まえ、コールセンターの回線数を、前回のスタート時の二十回線から最大八十三回線に拡大した規模を、十二月の開始当初から百回線を用意し、最大百五十回線まで対応可能とするとともに、接種券の発送時期を週単位で小刻みに分け、予約や問合せの集中を避けるなど、予約しやすい環境整備に取り組んでいきます。  また、予約等の手続に支援の必要な高齢者を中心として、まちづくりセンターでの職員による予約支援も引き続き体制を組んでいきます。三回目の接種を希望される方が円滑かつ速やかに接種を受けられるよう、庁内一丸となって取り組んでまいります。  次に、「世田谷区新型コロナウイルス感染症後遺症アンケート」の結果についてです。  区では、令和二年二月以降から令和三年四月十五日に至るまで、区内で感染された方の療養後の症状を把握し、後遺症への適切な対応や感染予防の啓発を行うためのアンケート調査を行いました。調査の対象は八千九百五十九人で、三千七百十人に回答いただいた結果を報告書にまとめました。  まず、アンケートに回答いただいた四八・一%の方々に何らかの後遺症があったことが分かりました。実に二人に一人は後遺症に悩まれていました。また、後遺症は男性より女性のほうが発症しやすく、年齢的に見ると三十代から五十代の五〇%以上の方が発症していることも分かりました。  感染後の症状別で見た場合、軽症、中等症の方は六〇%以上、無症状の場合でも二七・五%の方に後遺症があるということが分かりました。この無症状の検査陽性者は、区が高齢者施設等での社会的検査で把握した方たちも含まれています。  年代別の後遺症の症状では、十代から三十代は嗅覚障害、四十代から六十代は全身の倦怠感と、年代によって多く出る症状に差があることが分かりました。後遺症が続いた期間を見ますと、陽性と診断されてから三十日後では、後遺症があるとお答えいただいた方のうち、男女ともにほぼ全ての年代で六〇%以上の方に後遺症が残っているという結果になりました。  十月三十一日現在、区で新型コロナウイルス感染症に感染された方の累計は二万八千人に上っています。アンケート調査から浮かび上がってきたのは、多くの方に、罹患後、治療が終了してからも日常生活を送る上で支障となる後遺症が見られたこと、それぞれの症状に応じた治療につながる相談窓口を強化していく上で重要な調査となりました。四月十五日までの検査陽性者が対象であったことで、その後に拡大したアルファ株、デルタ株の症例がほとんど含まれていないこともあり、引き続き、本年九月末までの感染者を対象とした追加調査も続行してまいります。  今後、本調査の報告書をオープンデータとして区のホームページに掲載するとともに、調査結果について国や東京都、医師会、医療機関、関係所管等に情報提供して意見交換し、区としての分析の上、感染予防の啓発に加えて、後遺症対策に係る国への要望等を含め、今後の対応について検討してまいります。  次に、本庁舎等整備についてであります。  本庁舎等整備が本格化しています。七月に着手した区民会館の低層部、中庭部分の解体作業が十一月末でひと段落し、十二月からは、いよいよ新庁舎建設のステップに移行していきます。今後、新庁舎の基礎工事のため、地表より深さ十七メートルまで掘り下げていくとともに、保存再生する区民会館については、外壁コンクリートの修復などの作業を開始します。  世田谷の文化芸術の魅力の発信拠点となる区民会館ホールは、このたびの大改修での整備によって、音響、照明等の性能が大幅に向上するとともに、定員を千二百名から九百名に減じたことで、座席空間も従来より広く確保されます。また、ホワイエ地下のリハーサルにも利用可能な練習室や、舞台のバックヤードの楽屋も増築、充実し、より使いやすい施設となって、令和五年度中にリニューアルオープンの予定です。  さらに、令和七年に予定する二期工事完了時には、区民自治と協働、交流の拠点として、区民が交流し、世代やテーマを超えて活動する人々が活用できる区民交流スペースが、現在の第一庁舎一階の位置に完成をします。区民会館やホワイエ、中庭、屋上庭園等とも一連となって、より広がりを持った活用が可能となります。長い工期を要する本庁舎等整備事業ですが、区民がアイデアを出し合い、こうした空間を活用するためのワークショップや意見募集等を重ねていき、多くの区民が新庁舎の誕生を心待ちにするような環境と運営の在り方をつくり上げていきます。  次に、教育総合センターについてであります。  教育総合センターは、旧若林小学校跡地に教育推進拠点として、十二月二十日にスタートいたします。ここには、不登校の子どもたちを支えるほっとスクール城山が移転して、伸び伸びと過ごすことができる施設が併設され、区の職員研修所やせたがや自治政策研究所も、センターの事務スペースを使用し、区民や地域住民の皆さん、子どもたちが集う場としての機能も持つ複合的施設として開設します。  この四年間実施をしてきました総合教育会議では、教育委員の皆さんとともに、学びの質の転換を議論してまいりました。コロナ禍の中で、教育は大きなターニングポイントを迎えています。教育総合センターでは、世田谷区にある地域資源を存分に生かし、区の総合力を生かした教育現場を担う教員へのバックアップや、子どもの学びを支える教育スキルを醸成する拠点としての機能を発揮していきます。  新型コロナウイルス感染症の流行や激甚化する自然災害、地球規模で常態化した異常気象は、人類の生存の条件すら脅かしています。子どもたちはこれからの時代を、想定外の事態と向かい合いながら、学び、成長していくことになります。大人自身も正解を持っていない予測不可能な未来を生きていくためには、従来の学力観から脱して、自ら問いかけて考える力を育み、利他の心を培って、他者を尊重し、多くの人々と協働しながら物事を実現するコミュニケーションの力、試行錯誤をいとわない粘り強い探究心など、不安定な社会を生き抜いていける資質や、知力と体力を育成することが求められています。  第二次教育ビジョンの教育目標や基本的な考え方に掲げています「あらゆる生命・人権の尊重、他者への思いやり、豊かな情操や規範意識、自己肯定感、コミュニケーション能力、ものごとを成し遂げる力の育成等」を図るとともに、「発達段階に応じた体力の維持向上、健康増進を図る」ことは、時代の変化にかかわらず、重要です。  学校での学びにおいては、子どもたち一人一人が未来に向けて、自らの将来像を描きながら、主体となって人生の指針をつくることができるように、キャリア・未来デザイン教育を通して主体的に課題を解決する探求的な学びを積極的に推進することとし、そのためにもICT活用を充実させていきます。  令和二年三月から、全国の学校で臨時休業措置が取られる中、学びを保障する手段として、オンライン教育の実施など、ICT環境整備は必要不可欠となり、せたがや版ICT教育の充実のための前倒しを行いました。ICTの技術開発は日進月歩で、既に日常生活を先端技術が大きく変えようとしています。  ICT機器を効果的に活用することによって、世田谷の教育を就学前から小中学校を通して知識を教えることを重視した従来型の教育から、子どもたち一人一人が課題を見つけ協働して解決を目指す探究的な学びへ転換できるよう、教育全体の質的改革を進め、そのため、教育総合センターを教育実践と学校運営を支えるための拠点としてまいります。  次に、DXの推進についてです。  区では、現行の世田谷区基本計画において、参加と協働を区政運営の土台に据えてきました。デジタル技術の飛躍的発展を応用して、区政のボトムアップと政策形成の練度を向上させていくために、地域課題に積極的な住民参加と熟議を定着させるツールとして活用し、デジタルデモクラシーの深化を生み出すDXを実現いたします。  まず、着手するのは、区民に時間を返す改革です。これまでの書類申請中心の手続を見直してデジタル化を進めるとともに、区民に最も身近なまちづくりセンターで、デジタル情報発信や総合支所、本庁の窓口とつなぐオンライン相談、各種手続のサポートを丁寧に行います。現在、地域行政制度の条例化を準備していますが、まちづくりや福祉の課題について、より身近な区役所組織が区民ニーズに機敏に応えられるよう、細部の制度設計に当たっていきます。  保育園の入園申請など、オンライン手続の拡充を進めています。引き続き、区民の利便性向上に向けて、子育て関係、介護関係など、来年度以降もオンライン化対象業務を拡充するとともに、LINEを活用した対象者別の行政情報の配信、セグメント配信、窓口におけるキャッシュレス決済の導入などの実現を図ってまいります。  誰一人取り残さない社会的包摂を基本とするデジタル社会の実現のためには、デジタルデバイド対策を徹底する必要があります。この春、まちづくりセンターでのワクチン接種予約支援業務を振り返り、高齢者を中心にスマートフォンの操作などを支援するプログラムを組み立てます。  まずは、都事業を活用しまして、今年度、区内十六か所のまちづくりセンターで、十一月下旬から令和四年二月まで、高齢者向けスマートフォン体験会を実施します。中高生から学生等の若者が高齢者を支援するボランティアとして地域参加する道筋も描いてまいります。  また、五月に成立しましたデジタル改革関連法のうち、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律では、住民基本台帳など、十五の基幹情報システムについて、令和七年度を目途に、国が定める標準仕様に基づくシステムへの移行が求められており、新庁舎への移転後の区民サービスの在り方を見据え、さらに、世田谷らしい地域行政の充実に向けて全庁を挙げた検討体制の下で対応してまいります。  次に、グリーンインフラグリーンリカバリーについてです。  教育で触れたように、近年の気候危機は、豪雨災害や大雪、異常高温による熱波など、激甚化する自然災害となって私たちの暮らしを脅かしています。まさに異常気象が常態化し、自然災害のリスクが大きくなっています。とりわけ、台風や低気圧による集中豪雨による水害は、区内でも一昨年の台風第十九号の被害が記憶に新しいところであります。  アスファルトやコンクリートに覆われた都市構造の中で、短時間の集中豪雨が下水道や河川に流入することで起きる内水氾濫を軽減、防止するために、下水道の整備や洪水調節池の新たな整備等を促進させるとともに、雨水の下水道への流入を抑制し減少させるグリーンインフラの取組を計画的に進めてまいります。  グリーンインフラを取り入れた施設整備例としては、うめとぴあがあります。地上に降った雨水を一時的にため込むレインガーデンや、屋上からの雨水を吸水しながら下に流すじゃかごどいなどを考案し、施設全体がグリーンインフラとして機能するようになっています。そのほか、雨庭を有する公園の整備など、区が率先して取り組んだ事例をせたがやグリーンインフラライブラリーにまとめて紹介しています。  一方、大型施設や公共用地だけではなく、区民の参加によって実現する下水流入抑制策にも力を入れていきます。区では、雨水浸透施設、雨水タンク設置や緑化などの助成制度を用意しています。また、グリーンインフラの啓発を目的に開催しているグリーンインフラ学校では、今年度、自分でもできる雨庭づくりをテーマにして、高い関心を集めています。今後、効果的な補助支援策も織り込みながら、九十二万人区民が取り組むグリーンインフラに広げていきたいと考えています。  また、コロナ禍からの経済復興、再生政策として、グリーンリカバリーの取組が世界中で始まっています。昨年十月の世田谷区気候非常事態宣言を、区において実効性のある行動と施策に結びつけていくために、庁内の気候危機対策会議の場で議論を進めてきました。環境を重視した施策の実施を通して、地域経済を活性化させ、雇用の創出、拡大につながる成果を引き出すことで、コロナ禍前とは異なる持続可能な経済と社会の復興を目指すことを、区におけるグリーンリカバリーとして定義をいたしました。  平成二十五年、二〇一三年から取り組んでいる環境配慮型住宅リノベーション推進事業は、区内事業者による施工を補助の要件としておりまして、昨年度から今年度にかけて当初予算規模を上回る需要を喚起して、補正予算をお願いして、二年続けて対応をしてきました。住宅の熱効率と断熱性能を高め、ヒートショックのリスクが抑えられるよう、壁や窓等の断熱改修をさらに促進するメニューについても検討を指示しました。環境配慮型住宅リノベーション推進事業の地域的な経済効果は高いため、今後の地域経済政策の中でも重点化したいと考えています。  さらに、気候危機対策の困難な課題は、温室効果ガスの排出削減です。区におけるCO2排出は、電力消費に相当する部分が五割を超えるため、その電力を全て再生可能エネルギー由来の電源に切り替えることができれば、相当なCO2削減効果があります。  夏に作成した世田谷区気候非常事態宣言のリーフレットの中で、気候危機に対し、私たち一人一人ができる取組の例として、住宅や事業所への太陽光パネルの設置や区民、事業者が再生可能エネルギー由来の電気を購入することなどを呼びかけています。  区民や議会の皆さんとも、今後最大の課題となる気候危機の課題を共有し、地域経済の活性化と両立することができる区の事業や政策について議論を重ね、具体化を図ってまいります。  次に、交流の推進についてです。  世田谷区は、多くの自治体と自治体同士、あるいは住民同士が交流し、多様な価値観に触れ、受け入れることでお互いの親睦を深め、緩やか、穏やかな協力を進めてまいりました。こうした中、豊かな自然を有する山村自治体である群馬県川場村を世田谷区民の第二のふるさととして、昭和五十六年、一九八一年に区民健康村相互協力に関する協定、縁組協定を締結し、四十年を迎えました。  この間、小学生の移動教室と交流事業を柱に事業を展開するとともに、友好の森事業、木質バイオマス発電による自然エネルギー連携や環境保全の分野など、政策課題解決に向けた事業にも取り組んでまいりました。また、世田谷区総合戦略を策定し、心豊かな暮らしを実現するための地方、都市との連携交流を戦略の柱として位置づけ、全国三十五の自治体との自然エネルギーの利用の促進や災害時の協力協定等の具体的な取組を進めてまいりました。  既に、この総合戦略の下で、平成二十七年、二〇一五年に首長会談を開催し、その後、自治体間連携フォーラムは、開催地として交流自治体を巡りながら、過去七年にわたって五回実施してきました。さらに、区内及び近隣には、十七の大学、学部があり、平成二十六年、二〇一四年より、年一回の区長と学長の懇談会を定期的に開催しています。大学の持つ専門性や資源を生かしながら、区と大学が相互に連携協力する取組みとして教育、災害対策、生涯学習、地域コミュニティーなど、約百二十の事業を展開しています。  東京二〇二〇大会が終わりました。世田谷区を訪れる多くの方々と区民が交流することで、多様性を尊重する世田谷区の特色を伸ばし、共生のまち世田谷の実現をレガシーとして次世代につなげるため、区民の代表の方々とともに、おもてなし・交流・参加実行委員会として準備を進めてまいりました。新型コロナウイルス感染症の拡大により対面交流が難しく、多くの事業が中止になりましたが、交流を基軸にする区民の参加と協働を主体とした取組は、大会後も民間、大学、他自治体等、多様なステークホルダーとともに、新たな地域でのつながりを強化する価値創造へと回路は継続し、今後に生かしてまいります。  自治体には、住民の福祉の向上に全力を傾注する責務がございます。一方で、世田谷区のように、九十二万人口を抱える都市部では、全国の地方自治体との顔の見える関係を構築することで、互恵関係を発展させていくことに大きな意義があります。区内での大規模な再生可能エネルギーの創出には限りがありますが、自治体間連携を深めることで、小水力、地熱、木質バイオマス、大規模太陽光発電の電力供給が可能となりました。今や世田谷区の主催する自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議には百十三の自治体が参加しています。平成二十三年、二〇一一年の東日本大震災、平成二十八年、二〇一六年の熊本地震、平成三十年、二〇一八年の北海道胆振東部地震において、寄附金の贈呈や被災地支援のための職員派遣等を積極的に行ってまいりました。顔と顔の見える自治体間の相互扶助は、支援活動を通して、持続的な交流関係に発展をしてきています。  交流は、継続し深化することで、一時的、表面的な関係ではなく、世田谷区と区民の見えない社会的資産を構築します。地方自治体や大学等の高等教育機関、小中学校、区民の個人やグループ、そして区内事業者、商店街等が重層的に豊かな関係を紡ぎ出し、世田谷区の特性を十分に生かしたネットワークを稼働させること、良質な社会資源を醸成することを確信しています。  次に、小田急線上部利用についてです。  長い年月をかけ、北沢デザイン会議を中心として、北沢PR戦略会議など、重層的に展開してきた上部利用を基軸としたまちづくりは、鉄道事業者の商業施設等が次々とオープンして、街を支える支援型開発として注目を集め、仕上げの時期が近づいてまいります。  区はこれまで、世田谷代田、下北沢、東北沢駅間の線路跡地約一・七キロメートルにわたって、防災と緑の基軸となる通路や緑地広場、そして、駅前広場の整備を進め、世田谷代田駅及び東北沢駅周辺の整備が完了しました。今年度は、下北沢駅周辺における整備を進めています。  下北沢駅東口の駅前広場予定地では、電線類地中化に向けた電線共同溝整備を、下北沢駅南西口や京王井の頭線高架下では、鉄道事業者と区の施設整備がそれぞれ進められており、京王井の頭線高架下の商業施設内には、来年三月下旬の開設に向け、二子玉川、三軒茶屋に続く三か所目として、予約資料の貸出し、返却を主な機能とする図書館カウンターの設置準備を進めています。  次に、花見堂小学校跡地、複合施設の開設についてです。  本年十二月二十二日、旧花見堂小学校の跡地に花見堂複合施設を開設します。児童館、地区会館と、来年度に開設する医療的ケア児を含む障害児の通所施設を併設します。地域が活用でき、多目的利用ができるフリースペースを設置するとともに、災害時は地域の避難所となります。  平成二十五年、二〇一三年十一月に、花見堂小学校跡地活用検討ミーティングとして、地域の皆さんをはじめ、花見堂小学校関係者と区の関係所管が同じテーブルで意見を出し合い、跡地活用の検討を始めてから、計二十六回を数えるミーティングを重ねてまいりました。  現在、新たな地域コミュニティー拠点となる施設の運営を進めるための運営体制を立ち上げる準備が進んでいます。地域の施設運営への参加と施設内のフリースペースの場を通して、地域活動をつなぐ運営を地域の皆さんと協働して進めてまいります。  次に、松原複合施設の開設についてです。  来年一月に松原まちづくりセンターが、松原小学校敷地内に新築した施設に移転をいたします。まちづくりセンターの機能が小学校に併設されるのは、代沢まちづくりセンターに続いて二か所目となります。また、この施設にはプールや新BOPなどの小学校施設と、松原ふれあいルームも併設されます。  松原複合施設の開設で、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の一体整備が、二十八地区全てで完了しました。平成二十八年、二〇一六年に全地区で開始した地域包括ケアの地区展開の取組が各地区で進んでいます。松原地区でも、施設完成とともに三者連携がより緊密化され、身近な福祉の総合窓口として区民の身近な相談に応じるとともに、参加と協働の地域づくりを一層進めてまいります。  次に、ひきこもり支援の今後の展開についてです。  区では、令和三年三月に、世田谷区ひきこもり支援に係る基本方針を策定し、ひきこもりの状態を含む、社会との接点が希薄な方や社会との接点が持ちづらい状況にある方とその家族が、気軽に相談、支援につながることができ、当事者が自分らしく暮らすことができる地域づくりをめざすことを基本目標に掲げ、令和三年度から、国の重層的支援体制整備事業を活用し、ひきこもり支援を推進しています。  令和四年四月にはメルクマールせたがやとぷらっとホーム世田谷を同一建物内に配置し、(仮称)ひきこもり相談窓口を開設します。また、メルクマールせたがやの対象年齢を四十歳以上にも拡大し、ぷらっとホーム世田谷とともに、双方の専門性を生かした、年齢を問わない伴走型の支援を行います。
     さらに、令和四年度より、(仮称)ひきこもり支援機関連絡協議会を設置し、窓口開設後のアウトリーチによる支援や居場所事業の共同実施などの、取組内容の効果検証を行うとともに、地区の福祉の相談窓口や教育委員会、医療機関と連携できる体制を整備し、ひきこもり支援の一層の充実と一体的な実施に向けて取り組んでまいります。  次に、世田谷区食品ロス削減推進計画についてです。  食品ロスは、本来食べることができるにもかかわらず廃棄されている食品のことですが、世田谷区において、家庭ごみの組成分析調査により、食べかけのお惣菜や未開封の食材、買ったまま使われていない野菜等が可燃ごみの中に確認されています。これまで区では食品ロスに対して、平成二十六年度に全国の自治体に先駆けて実施をしましたフードドライブや、小学生向けのエコなお買い物体験などによって、発生抑制を中心に区民に普及啓発をしてきました。  今般、令和四年度、二〇二二年から令和十二年度、二〇三〇年の九年間の計画として、世田谷区食品ロス削減推進計画の素案を取りまとめました。区民、事業者、行政がそれぞれの役割を意識し、区民、事業者の皆さんと連携を強化しながら、食品ロス削減に取り組むことを目的としています。  今後、区民の皆さんや区議会の御意見もいただきながら、来年七月の策定を目指して取り組んでまいります。  次に、世田谷区公文書管理条例の改正についてです。  これまで、公文書管理委員会における議論を経て、公文書管理条例の改正素案に対する区民意見募集の結果を踏まえ、公文書のうち、将来にわたって残していくべき重要な公文書を永久保存するとともに、それを広く利用していただくことができる仕組みに対する規定をこの条例に追加するために検討を行ってまいりました。  今般、この仕組みの追加により、文書を適切に保存することを通して、現在だけではなくて、将来の区民に対しても説明責任を果たし、さらに開かれた参加と協働の区政の実現を目指し、本定例会へ条例の一部改正案を提案します。  次に、職員の給与改定等についてです。  去る十月二十日に、特別区人事委員会より、職員の特別給について引き下げるべき旨の勧告がなされました。また、特別職の報酬等については、十一月二十二日に世田谷区特別職報酬等審議会より、職員と同様、特別給を引き下げるべき旨の答申をいただきました。これらを受け、職員並びに特別職の特別給の引下げを実施する必要があると判断いたしました。このため、条例改正を行う必要が生じましたので、御提案する次第でございます。  次に、令和三年度一般会計第五次補正予算について申し上げます。  ワクチン住民接種事業をはじめとした新型コロナウイルス感染症防止対策や、せたがやPayを活用した事業者支援など、速やかに対応すべき施策について、歳入歳出それぞれ、七十八億八千五十四万四千円の補正予算を計上するものであります。  最後に、本議会に御提案申し上げます案件は、令和三年度世田谷区一般会計補正予算(第五次)など議案二十件、諮問一件、同意一件、報告十二件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。 ○下山芳男 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第五十八号 議会の委任による専決処分の報告(広報板の損壊に伴う損害賠償請求事件に係る訴えの提起)外報告十二件 ○下山芳男 議長 ただいまの報告のうち、報告第七十号については、企画総務委員会で提案され、関係機関に要望したものであります。御了承願います。  以上で諸般の報告を終わります。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時四十分休憩    ──────────────────     午後一時五十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○下山芳男 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、四十七番田中優子議員。    〔四十七番田中優子議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(田中優子 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の代表質問を始めます。  最初に申し上げますが、区長招集挨拶、長過ぎます。しかも、長いのに、区長として表明すべき肝心な部分が抜けているのではないでしょうか。  冒頭に伺いますが、最近とみに顕在化する保坂区政の不祥事についてであります。あり得ないミスが続いています。簡単にミスでは済まされない深刻な事態であります。  既に、十一月十七日の区長記者会見で、保坂区長自ら深刻な事態と認めていることが四件あります。一つ目は、総選挙における投票箱の置き間違い事件、二つ目は、最高裁判所の投票数を誤ったまま都選管に報告した事件、三つ目は、高額介護サービスに関する誤算定事件、誤った算定の事件、そして四つ目は、区民税減免申請の未処理事件であります。選挙においては、区民の皆さんが投じた六票が無効になったということです。民主主義の根幹を揺るがす事態です。  ほかの三件においても、既に所管の委員会で報告と謝罪等があったということですが、区長はどうされたのでしょう。記者会見で四件の事件を報告し、マスコミ向けに謝ったからもう済んだことというほどの認識なのでしょうか、お尋ねします。  率直に申し上げて、組織が緩んでいるとしか考えられません。あちこちの職員を責める前に、この十年で組織を緩ませたトップの責任ではないでしょうか。  ヒューマンエラーはあるものです。むしろヒューマンエラーがあるのが普通でしょう。しかし、ヒューマンエラーを組織のエラーにしない、させないために、管理職なり、区長という、より強い権限を持った責任者がいるのではないでしょうか。数々の不祥事は現場だけの責任ですか。組織としての責任、ひいてはトップとしての区長の管理責任ではないでしょうか、伺います。  保坂区政となり十年が過ぎました。この間、職員は優秀になったけれど、組織は逆に劣化しているのではないかと感じます。  象徴的な事例では、昨年の世田谷モデル騒動がありました。一部のマスコミと保坂区長だけが知っていて、副区長以下、誰も知らない計画を区長が勝手にマスコミにぶち上げたあれであります。結果として、無駄な予算、無駄な人材投入、医療資源の浪費、時間の浪費に至り、保坂区長のプライドを守るためだけの負のレガシーしか残りませんでした。さらに今年は、新型コロナ感染者の自宅での死亡についての発表の意図的な遅れがあり、それを指示したのは保坂区長だったことが、福祉保健委員会での質疑で明らかになっています。  新型コロナ感染者が自宅で死亡していたことを区が知ったのは九月八日のことです。しかし、公表されたのは十月二十二日の区長記者会見。一か月半もの間、議会には秘密にされていました。その間、第三回定例会や福祉保健委員会、さらには決算委員会まであったにもかかわらずです。世田谷区で、いわゆる自宅での新型コロナ感染者の死亡事例は、一昨年の会社の社員寮の例を除けば、自宅では初めての事件です。にもかかわらず、公表されたのは、決算議会が終了した三日後の十月二十二日の区長記者会見においてでありました。  福祉保健委員会での質疑によれば、この報告の遅れといいますか、結果として隠蔽工作とも言えますが、最終的に指示したのは保坂区長であり、その理由も、何でもマスコミとの記者会見での約束があったとか、何やらおかしなことを言っていらっしゃいました。  保坂区長はどこを向いて仕事をしているのでしょうか。区民の代表である議会は無視で、マスコミさえ相手にしていればよいとお考えですか。事の詳細は省きますが、本当にそのようなことが理由だとすれば、あまりにも重症ではないでしょうか。九月八日に警察の通報により世田谷区は知ったのですから、当然、個人情報に触れない範囲で公表すべきではないですか。事件ですから、議会への第一報も当然のことです。区長のマスコミ会見に合わせて、一か月半もの間、箝口令を敷かれた職員は、この間、非常に窮屈な思いだったことでしょう。  なお、この隠蔽が組織的隠蔽でないことは、九月八日、警察からの通報があった日ですが、区のホームページに、自宅での死亡者がプラス一となっていることから、取りあえず統計までごまかしてはいなかったことが分かります。その点はほっとしております。つまり、組織的ではなく、保坂区長ただ一人の隠蔽工作であったと言えるでしょう。  ここまで申し上げましたのは、保坂区長の身勝手な行動によって、世田谷区政はいいようにつくられている部分が少なくないということです。それはすなわち、中間管理職による見ざる、聞かざる、言わざるの体質への蔓延につながっているのではないかと懸念されます。  マスコミ向けには事件報告を丁寧にやり、正直者を演出し、議会での報告と責任は副区長以下にやらせるということを繰り返し、そんなことを続けて十年もたつと、依命通達を何回出しても組織は改善されなくなってしまいます。組織の中の人間は常にトップを見ているからです。外づらだけがよいトップで、組織はがたがたというのが保坂区政の実態ではないでしょうか。  本日の直前にも、教育委員会事務局において考えられないようなミスを犯し、何とか期日までに挽回したと聞いています。そういうことからすれば、恐らく事件、事故に至らない表面化しないミスを含めると、あちこちで発生しているのではないかと推察されます。  このような前提で、以下、招集挨拶の中から伺ってまいります。  十一月十七日の記者会見では、三回目の新型コロナワクチン接種について、高齢者や高齢者施設からの早期の開始の要望が実に多いと、保坂区長自ら述べられています。一方で、現在のような感染状況からすれば、三回目の接種は逡巡する人もいるでしょう。早く打ってくれという集団と、様子見という集団に偏りが生じ、再び感染拡大が、例えば前回のように、一週間で状況が急激に変わると、様子見集団が一斉に殺到することもあり得ます。まさに今、変異株のオミクロンの脅威がどうなるか予断を許さない状況です。そのようなことが起こった場合の対応は準備できているのか、伺います。  次に、新型コロナ感染症後遺症アンケートについてです。  無用とまでは言いませんが、この調査と分析と公表について、五百三十九万円ですか、そんなに使われていたとは。そして、委託したとはいえ、実際、保健所の仕事になっています。第五波の大変な最中に、このようなアンケートは最優先事項でしょうか。これも招集挨拶で、それぞれの症状に応じた治療につながる相談窓口を強化していく上で重要ですとか、感染予防の啓発とか述べていらっしゃいますが、実際何をやるのかといえば、つまるところ、国への要望を検討するというだけのことではないですか。  このことは福祉保健委員会でも議論があり、他会派の委員の指摘ではありますが、後遺症に関するアンケートよりも、感染された方々が、世田谷区や保健所の対応がどうであったか、率直な意見を聞きたかったと述べていらして、私もそのとおりだと感じました。感染された方の思いや不満、あるいは感謝の度合いなど、今後の保健行政に役立つ情報の収集に努めるべきだと感じますが、いかがでしょうか。  招集挨拶では、これまでのアンケート対象者にはデルタ株の症例が含まれていないので、追加調査も続行すると言われましたが、それよりも、今申し上げた調査に切り替えるべきだと考えます。答弁を求めます。  最近のニュースでは、後遺症でも労災認定が受けられた事例があり、国は後遺症に当たる症状も労災の対象になるとして、相談するよう呼びかけています。しかしながら、まだまだそのことは広く国民に周知されているとは言い難い状況であり、相談にたどり着いたとしても、ほとんどが認定されないというのが実態です。厚生労働省の集計では、コロナ感染に伴う労災保険の申請件数は九月末で一万八千六百三十七件、このうち認定されたのは一万四千八百三十四件。日経新聞は、日本の百七十万人を超える感染者総数の一%弱にとどまっていると指摘しています。認定された人の七七%は医療従事者だそうです。  世田谷区は、後遺症の調査をしたのであれば、いまだ後遺症に苦しんでいる人たちがどこにどう救いを求めればよいか、労災が受けられるにはどうしたらよいか、区は労災認定の手続の支援をする用意があるということなのか、ただ調べておしまいであれば何のための調査なのか、甚だ疑問です。お聞きします。  引き続き、区長招集挨拶の中から、教育総合センターのくだりについて取り上げます。  区長はいつから道徳家にでもなったのかと驚きました。利他の心ですか。長々と説法が始まったことに違和感を禁じ得ませんが、やたらと長い招集挨拶はこういうところにも一因があるのだと思いました。  ここで、一つだけ教育委員会に確認します。区長が述べておられる、従来の学力観から脱してとは、具体的に何を指しているのでしょうか。私は、従来の学力観とは、教育の基本であり根幹をなす重要なものと捉えています。その上で、新たなニーズを構築することが求められているのだと考えますが、保坂区長は従来の学力観や従来型の教育なるものを否定的に捉えているようです。それで正しいのでしょうか。教育委員会が捉えている教育観と整合性が取れているのか、伺います。  区長挨拶の次の、DXの推進についてです。  区民に時間を返す改革はよいと思います。しかし、具体的に何をやるのでしょうか。いつも検討という語尾で終わる招集挨拶が、保坂区政になって増大しています。また、DXの推進というのであれば、前回の私どもの会派代表質問で提案いたしました、渋谷区で先行している仕組みの進捗はどうなっているか、お聞きします。  さらに、高齢者を中心にスマートフォン操作を支援する政策、これもよいと思いますが、あくまでも対症療法にすぎません。なぜなら、まちづくりは基本的にコミュニケーションが必要であるからです。何気ない一言でも、天気の会話でも、人間はつながりを感じるものです。DXが進行する一方で、時代の変化に対応できなくなる人がいることは事実です。そういう方々の孤立を防ぐには、地域に密着した人手が必要です。そして、それはなかなか外部委託でできない分野です。その地に住み、地域の事情にある程度詳しくなければ、基本的なコミュニケーションも取れません。守秘義務も必要となるでしょう。  そこで、受け持つ区域がある程度限定され、地域に定着している人材、人と人とをつなぐ、余計なおせっかいにならない程度の情報と情報をつなぐ役割を担う人材が必要であり、それに最も近い制度が民生委員ではないかと、これまでにも申し上げてまいりました。  しかし、現状、なり手不足が深刻化しています。現在民生委員は、活動費という名目で、東京都の基準だと月八千八百円が支給されているということです。世田谷区においては二千二百円上乗せして、月に一万一千円を支給しているということですが、しかし、この程度の活動費だけで奉仕しろというのは、それこそ時代に即していない、限界が来ていると考えます。  時間がたてば、区民の全世代がDXが活用できるようになるかもしれませんが、それまでのつなぎの期間の問題解決策として、例えば、民生委員を社会福祉協議会の臨時職員等と兼務し、年金相当の支給を区の予算で賄うという、これは一つの考えではありますが、可能でしょうか。法的問題がないか、まず確認します。  この考えを、長らく民生委員をしている友人に話したところ、ぜひやってほしい。もし、ある程度の報酬があれば、民生委員を引き受けられる人材はもっと増えると思う。地域貢献ができる仕事という意味からも、パートよりやりがいが持てるはず。今は、働く必要のない高齢の方、または少し若手だと、多くの人がパートを減らしたりしながら仕方なくやっている、あるいは頼まれても断っているのが現状と言っていました。  この考えに法的問題がないとして、月に年金相当の支給をするとしたら、仮に区費で月に六万円出すとしたら、どの程度の予算が必要となるか、伺います。  区長挨拶、いろいろ続きますが、時間の関係で最後に、公文書管理条例についてです。  保坂区長の発言について、どこまで公文書として認めるのか、伺います。  保坂区長は、区長記者会見や、区長である保坂展人個人ツイッターや、いろいろな媒体で発言、発信されていますが、そのことから様々な問題が生じていることは、これまでに何度も指摘し、改善を求めてきております。  今年の七月七日のツイートも、まるで自治体のトップとしての公式な見解を発信しているとしか思えない、しかも、いち自治体のトップではなく、多くの自治体を代表してと思わせるような内容であり、一体いつからそのような立場になられたのかというツイートで驚きました。  一部紹介いたしますと、「私たち自治体は、逃げられない場に立つので、そんな時は、まず謝罪する。」「私たちは国に代わって謝罪し続けることになる」と、いかにも多くの自治体を代表しているかのような発信で、しかも潔く謝罪する、マスコミに受けそうなつぶやきを個人ツイッターでされていました。  ことほどさように、保坂展人さん個人ツイッターはどういう位置づけなのか分かりません。それだけでなく、不正確な情報や間違った情報を安易に発信することもありました。区民を混乱させることにつながりかねない問題をはらんでいることを、今議会においても再度、指摘せざるを得ない状況です。具体的に伺います。  まず、現在に至るまで、イベルメクチンは新型コロナ感染症の治療薬としての効果があると確認されているのか、保健所に確認します。もしそうでないのであれば、八月二十日時点での保坂区長のツイートは、いかにもイベルメクチンは期待できるものと思わせるような内容で、区民に限らず、全国レベルで多くの人々に混乱を招いています。  保坂展人さん個人ツイッターが個人のものだとはいえ、以前から私たちの会派が指摘しているように、世田谷区長を標榜しているアカウントですから、一般の方々からしたら、保坂展人世田谷区長のツイッターでしょう。それに対し、尋常ではない否定的なコメントが集まり、大炎上していました。保坂区長はそのことに対し、責任を感じないのか、反省する気持ちはないのか、区長の見解を伺います。  また、公文書とは何か、区長発言はどこまでが公文書の取扱い、すなわち公式発言であり、どこから私的発言となるのか、お聞きします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中議員にお答えをいたします。  まず、マスコミ向けの記者会見で謝罪をした件についてでございます。  この間の一連の不適切な事務処理によって、区民の皆様には多大な御迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っております。このことは区民の区政への信頼を大きく裏切るものであり、あってはならないものとして、大変重く受け止めております。改めて、区民並びに議会の皆様におわびを申し上げます。  このたびの不適切な事案を受け、直ちに部長会を通して全庁に対し、改めて気を引き締め、適正な事務処理を徹底するよう指示をしたところであります。今後このようなことが二度とないよう、危機感を持って再発防止に努めてまいります。  次に、ツイッターの正確さについて、以前から御質問の点でございます。  これまでも申し上げているとおり、私のツイッターアカウントは、まず、政治家保坂展人としてツイッターをフォローされている皆さんに、私の活動や発言に関心、興味を持たれている方にお伝えをするという目的で発信をしているもの、また、そのときよりの世界並びに国内経済、社会状況についても発信をしているものであります。  一方、世田谷区民も御覧になっているということなので、区が、例えば、広報のツイッターなどで発表している公式の発表ですね。それについてはリツイートをして御紹介をしているということであります。  御指摘のイベルメクチンですが、その有効性については、既に多くの論文が発表されていることに加え、御存じのように、ノーベル賞を受賞し、世田谷区の名誉区民である大村智教授や東京都医師会の尾﨑会長からも、これを積極的に使用できないか、できるようにするべきではないかという意見を直接伺っています。また、本年二月の衆議院予算委員会で、当時の菅首相は、イベルメクチンをコロナの治療薬として早期に承認できるようバックアップすべきだという質問に対して、日本にとって極めて重要な医薬品であると思っているので最大限努力すると答弁をしています。  こうした中で、私は第五波がピークを迎え、八月に大変感染拡大をいたしました。新型コロナウイルス感染症に苦しんでいる方々の症状の緩和に有効に寄与できるものであれば、一刻も早く、これは東京都の医師会の尾﨑会長などの御意見と同様ですが、このことに着目していいんじゃないかということをツイートしたものであります。  現在は、イベルメクチン自体はメルク社という、治療薬を開発、経口薬を開発したところですが、そちらのほうから出荷されないということで、国内での利用ということが難しい状況ではあります。一方、ジェネリックについて、いわゆる治験が始まっているというふうに聞いております。その行方をしっかりと見守ってまいりたいというふうに思います。  以上、私のツイートの内容が不正確なものだとは考えておりません。  次に、後遺症のアンケートについても言及、御指摘がありました。  新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染拡大し始めた昨年の早い時期から、味覚障害や嗅覚障害などの症状が注目されてきましたが、その全体像は把握し切れないまま推移をしてまいりました。自治体の役割は住民福祉の向上にあり、区民で陽性になった方々からの後遺症の訴えが私の元にも続いていたことから、実態を把握し、対策に役立てることはとても重要だと考えました。  今回、区のアンケートでは、約九千人の方に対して送達し、三千七百十名の方が郵送やインターネットで答えていただいたという大規模な調査となり、後遺症にスポットライトを当てた点で、広く注目を集めました。  この調査の目的は、この後遺症に苦しむ人たちが決して少なくないことについて、例えば職場、あるいは地域など、社会的な理解を深めていただくとともに、後遺症の原因究明と治療方法の早期確立、この点について、先日、厚生労働省に赴きまして報告書を提出し、また、要点を説明して、今後の対策を改めて要望してきたところであります。  また、アンケートは自由記載欄を設けてありまして、療養中の御不安やお困り事など、七百人以上の方から大変貴重な回答を寄せていただいています。今後、こうした集計数値に直接には現れてこない意見についても分析をしまして、今後の対応、対処にしっかりと生かしてまいりたいと考えております。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、三回目のワクチン接種について御答弁いたします。  三回目接種の集団接種や医療機関での個別接種については、基本的に二回目接種終了後、八か月以上経過した方が接種できるよう準備を進めております。計画では、三月下旬から四月をピークと想定し、順に会場や開設日数を減少させていく想定です。  一方で、新たな変異株の出現や感染状況により、御指摘のように、様子を見ていた方々が一斉に接種を希望する事態も想定されます。接種予約の状況なども見ながら、集団接種会場の開設日数の増減や期間の延長、接種件数の確保など、柔軟に対応できるよう準備を進めてまいります。  また、ワクチン接種に責任を持つ現場の立場から、引き続き、国へ必要な要望を行うとともに、感染状況や国の方針変更にも即時に対応し、区民の方々が安心して三回目接種を打てる体制を確保してまいります。
       〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 学力観について御答弁申し上げます。  我が国のこれまでの学校教育では、知識、技能の習得と、思考力、判断力、表現力等をバランスよく育成するとともに、体験活動の重視、体育、健康に関する指導の充実により、豊かな心や健やかな体を育成してきました。この結果、国際的な学習状況調査などにおいては、平均得点が高い上位グループに位置しております。  社会情勢が変化をした今求められるのは、子どもたち一人一人が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら、むしろ社会の変化に積極的に向き合い、自らが望む人生を切り開く力を身につけさせることです。  子どもたちが一人一台のタブレットを手にした今、私は教育の責任者として、これまで蓄積してきた教育実践を生かしつつ、知識伝達型の学習から、一人一人に応じた学びの実現に向け、教育の質の転換を図ってまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは二点、まず新型コロナ感染症の治療薬としてのイベルメクチンについてお答えします。  イベルメクチンは、腸管糞線虫症や疥癬の治療に適用される医薬品であり、厚生労働省作成の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによりますと、日本国内で開発中の薬剤として有効性や安全性が確立されていないため、臨床試験に登録の上で使用すべきとされております。また現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が支援する研究事業において治験が行われております。  イベルメクチンのような既存の医薬品を適用外使用により、新型コロナウイルス感染症の治療に用いる場合は、有効性についても、医師が個々の症例に応じて医学的に判断するものと考えております。  次に、コロナの後遺症アンケートにつきまして、労災認定に関してお答えいたします。  新型コロナの後遺症につきましては、年齢、性別、基礎疾患やワクチン接種の有無など、様々な要因の影響や発症のメカニズム等が解明されておらず、確立した治療方法も示されておりません。  先日、区長とともに厚生労働省を訪れ、医務技監や新型コロナウイルス感染症対策本部戦略班の担当者と意見交換をする機会を得ました。本区の報告書を提供するとともに、国として後遺症の研究を進め、一日も早い治療方法の確立や、御指摘の労災認定の周知、円滑な認定等についても要望してまいりました。国としても、労災認定につきましては、ほかの疾患を鑑みるに困難ではあるが、本区の調査結果も参考に考えていきたいと回答いただいておりますので、後遺症の治療方針も含め、今後の国の対応を注視してまいります。  以上です。 ◎加賀谷 デジタル改革担当部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、区民に時間を返す改革の具体的な取組についてでございます。区では今年度より、保育園の入園申請や児童手当の現況届など、オンライン申請の拡充や、来年度からは、国民健康保険料や学校給食費などの口座振替のオンライン登録など、これまでは区役所や金融機関に出向く必要があった手続につきまして、自身のパソコンやスマホから行えるサービスの拡充にできるところから取り組んでおります。  同時に、地域行政の推進に関する検討と併せまして、まちづくりセンターと本庁や総合支所をオンラインでつなぎ、相談などが可能となる仕組みについて関係所管と検討を進めており、まずはモデル的な実施等により検証を行いながら、身近な場所で行える行政サービスの拡充を目指してまいります。  デジタル技術の導入や活用によりまして、区民の行動や区職員の働き方の変革、変容につなげ、そこから生み出される時間やコストをさらなる区民サービスの向上につなげていきたいと考えてございます。  次に、渋谷区で先行しております、いわゆるLINEの活用についての導入の状況でございます。  区のLINEの活用につきましては、昨年度より始めている新型コロナウイルスワクチンの接種情報等に加えまして、新たに年内を目途に区民が必要とする情報を選択して受信できるセグメント配信の準備を進めてございます。セグメント配信により、例えば子育て情報や地域のイベント情報など、区民が受けたい項目を選択したり、子どもの生年月日等を登録することで、健康診断時期や子育て事業の案内など、対象者ごとにお知らせしたい情報配信が可能になります。  まずは、子育て情報の配信などからスモールスタートし、徐々に配信情報を増やしながら、区民の利便性向上を目指してまいります。  一方で、登録をしていただいた区民の方でございますが、情報発信の内容、頻度によってはブロックをされることもあることから、運用につきまして検証を重ねながらサービス拡充を進めてまいります。LINEを活用しました公共施設等の通報機能、アンケート機能につきましても、来年度からの実施に向けて、引き続き関係所管と調整を進めてまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、民生委員の報酬等についてお答えいたします。  民生委員は、東京都の非常勤特別職の地方公務員としての身分を有し、東京都の指導監督を受けております。また、民生委員法の規定により、給与は支給されませんが、区では東京都の基準に上乗せし、活動費を支給しております。なお、都も区も通信費や交通費などの実費弁償として支給をしております。  御提案の、民生委員が社会福祉協議会の職を兼ねるということは可能でございますが、活動内容や個人情報の取扱いにつきまして、区と社会福祉協議会との役割分担を明確にすることや、仮に一律月六万円とした場合、年間で約三億六千万円の増額となりまして、財源の確保など、様々な課題がございます。  顔の見えるつながりを基本といたしました民生委員活動は大変重要と考えており、欠員の速やかな補充等による負担軽減のため、世田谷区の民生委員の実態や他都市での活動費の状況を改めて把握し、活動費のさらなる見直しも含めた担い手確保について検討してまいります。  以上でございます。 ◎池田 総務部長 私からは、公文書という視点からも区長の発言について御答弁いたします。  世田谷区公文書管理条例においては、公文書を実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものと定義しております。  区長の私的なツイッターに記載された文書については、区が組織的に用いるものとして作成や取得をしたものではなく、また、区が保有しているものでもないため、一般論として公文書管理条例の適用はないものと考えております。  一方、公務に係る会議の議事録や定例記者会見の要旨などについては、区長の発言を含め、公文書管理条例が適用されるものと考えております。  以上でございます。 ◆四十七番(田中優子 議員) DXの推進のところで、LINEを活用した公共事業等の通報機能やアンケート機能については、来年度からの実施に向けて、関係所管と調整という答弁がありました。ぜひ実施していただきたいと思います。  再質問、三点伺います。民生委員の活用について、一点目、学童保育の民間委託で将来的に年間六億円の持ち出しが見込まれているということが福祉保健委員会で報告ありました。財源というのは優先順位で変わるものだと思います。民生委員のなり手がいないというこの現状を打破し、喜んで引き受けてもらえるような手だてを思い切ってすべきではないでしょうか。法的にも問題がないということです。  区の予算で、民生委員に年金程度の報酬が出せるようにするためには、三億六千万円ほどになるという答弁がありましたけれども、これ自体、未来永劫続くものではありません。どうしても今、対面でなければいろいろなことができない、分からないという世代がいる。その補完的な役割であって、将来的にはもう民生委員の必要性も薄れてくるのではないかと思うわけです。今その過渡期だからこそ申し上げています。  今こそ、財政の優先順位を上げる、これは政治的な英断が必要だと思います。それこそ区長の出番ではないでしょうか。区長にそのお考えを伺います。  二点目、数々の不祥事について、先ほど保坂区長、謝罪されましたけれども、そもそもなぜこのような重要なことが区長招集挨拶に盛り込まれていないのでしょうか。これは素朴な疑問なんですね。区長招集挨拶でスルーしているということは、今回私が質問しなければ、議員や区民に正式に謝るということをしなかったということになると思いますが、それは大問題じゃないですか。区長招集挨拶という、本会議場で区長が述べられる非常に重要な場で謝罪をされなかったのはなぜか、お聞きします。  三点目です。イベルメクチン、これ大炎上した問題のツイートなんですけれども、保健所の答弁もありましたけれども、現在の段階、区長がツイートされた時点でもですけれども、まだ効果は立証されていないんですね。治験中ということは存じております。ここに来て、東京都が治験に協力するということも承知しています。その治験は、来年の三月三十一日までだそうですが、今、現時点ですね、あるいは八月の時点ですよ、不正確な情報じゃないですか。期待したいという気持ちは分かります。私もイベルメクチンが本当に効果のある薬となればどんなにいいだろうという、その気持ちは保坂区長と一緒です。  しかし、やはりはっきりと証明されていない、効果があると証明されていないものを、いかにも効果がありそうだよとにおわせるような取り上げ方、それは適切ですか。まして、プロフィールに世田谷区長を掲げているからこそですよ。一個人がツイートしたのとは違うんです。影響力が大きいです。だから、多くの人たちが大炎上を起こしているのではないでしょうか。世田谷区長ひどいな、大丈夫かとか、世田谷区の人たちお気の毒様みたいなコメントの嵐です。  例えば、私は思いますけれども、あの段階では一〇〇%正確とは言えないツイートだったかもしれない。今後はツイート内容に十分気をつけたいという答弁があれば、炎上の嵐の中にいた人たちにも納得し、理解する人も増えることと思います。そのよい機会をさらに炎上させるような、不正確とは思いませんと断言してしまうような答弁で、本当にそれでよいのでしょうか。老婆心ながら、私は本当に、本当に心配しているんです。もし、少しでも反省のお気持ちがあれば、答弁をお願いしたいと思います。最初の答弁と同じ、全く同じというのであれば、このことについてはお答えしていただく必要はないと思いますが、保坂区長、いかがでしょうか。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 田中議員の再質問にお答えをいたします。  まず、一番目の民生委員の方に対して、手当の引上げについて、より検討すべきではないかということは、大変御意見として貴重な提案だと思います。どのようにこれを取り組んでいくのか。負担が非常に重くなっているということもありますので、ぜひ、年金程度という一つのゲージを出していただきましたが、そこまで至るかどうかという問題がありますけれども、現状をこれでいいとは思っていませんので、改善に向けての努力をしたいと思います。  不祥事についての記者会見でおわびをしたこと、この招集挨拶に入っていなかったということは、締切りの関係等はありましたけれども、今後は入れていくようにしたいと思います。その点についてもおわびをいたします。  イベルメクチンについては、大村先生は世田谷区の名誉区民でありまして、先生自らがかなり発信をされていたということもございます。加えて、東京都医師会の尾﨑会長、八月の段階で尾﨑会長の元にもいろいろな反論とか反響があったようですけれども、やはりこれだけの拡大に何ら手が打てない、いわゆる原則自宅にいなければいけないというときに、何らかの対処ができないのかということで着目されたということで、情報交換も行ってまいります。  一方で、そのジェネリックの知見と、これは厚生労働省の手続で正確に、いわゆる段階を踏んでいるものですから、この結果についてしっかり見守っていこうと思っております。  したがって、ツイートの仕方とか中身の情報を、申し訳ありませんということで謝罪し、撤回するというものではないと思っております。 ◆四十七番(田中優子 議員) 今、保坂区長より、民生委員の手当について、金額はともかくとして、現状これでいいとは思っていないと、改善に向けて取り組んでいきたいという、大変前向きな御答弁をいただいて、心強く思います。ぜひ世田谷区発信で改善をしていっていただきたいというふうに思います。  あと、イベルメクチンですね。期待されるのはいいんですけれども、何て言うんですかね、現状の状況で、これは期待できるぞみたいなことを、そういうふうに読み取られるようなツイートは、やっぱりちょっと不謹慎なのではないかというふうに思うわけですね。ですから、これで正しいんだとかそういうことではなくて、やはり見守っていくというつもりでのツイートでしたとか、そういう一言でもあればまた違うと思うんですよ。もうこれでいいんだ、言いっ放しということで大炎上のままになっている、この状況を少し改善されたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再々質問にお答えします。  具体的な御提案もいただきました。改めて、イベルメクチンの現在の状況等をもう一度調べまして、委員のお話もよく考えて、発信をしていきます。 ○下山芳男 議長 以上で田中優子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十二分休憩    ──────────────────     午後二時四十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、三十八番真鍋よしゆき議員。    〔三十八番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆三十八番(真鍋よしゆき 議員) 今月十一日から十七日までは税を考える週間ということで、区役所第二庁舎のロビーには税にちなんだ小学生たちの書道の作品が展示されていました。どの作品も大人顔負けの傑作ばかりで、大いに感心させられました。  税といえば、以前、税金はなぜあるのですかと通学途中の小学生に聞かれたことがあります。そのとき私は、個人ではできないことをみんなで出し合った税金を使ってやっているのだよ。例えばあなたたちの通学路である歩道や道路は、個人で造れるものではなく、みんなで出し合った税金を使って整備されているのだよと答えました。小学生たちは納得してくれたようでしたが、説明した私の心中にはじくじたる思いが込み上げてきました。その小学生たちは、ガードレールのある歩道を歩いて通学していますが、他の地区における通学路の現状はどうなのだろうか。ガードレールもなく、歩行者の脇を車がばんばん通り抜ける危険な通学路も世田谷区内には多々あり、これまでも悲しい事故が起きているではありませんか。  税金は、インフラ整備など官公署にしかできない事業に対し、集中的に投入し、民間でできることは民間にお任せするべきであります。世田谷区では、指定管理者制度やPFI、PPPをはじめとする民間活用が十分に行われているのでしょうか。令和の時代になっても庁内には、区が直接施行するほうが高品質で安心であるとの古い価値観が蔓延しているように思えます。  そこで、本日は、官から民への潮流を力強く推し進める視点を持って、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行ってまいります。  まずは、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。  新型コロナワクチンの三回目の接種が十二月からスタートします。先週の厚生労働省の発表によると、接種を受けられる時期は二回目の接種完了後、原則八か月以上の間隔を置いて接種するとのことです。  これから本格的な冬を迎え、感染の拡大が懸念されます。また、南アフリカでは新しい変異株であるオミクロン株の感染が確認されたことから、日本においても、医療機関等でのクラスターの発生により、厚生労働省の通知にある例外的に八か月以上の間隔を置かずに追加接種をしなければならない状況になるおそれもあると考えます。その場合に備え、区には、柔軟かつ迅速に接種体制を構築していただきたいと思いますが、現時点での準備状況を伺います。  次に、国からのワクチン供給について伺います。  一、二回目接種では、二回共に同じワクチンを打つことが決まりとなっていましたが、三回目の接種では、一、二回目と異なるワクチンを接種する交互接種が認められることになりました。このような制度変更が背景にあるためか、先日、東京都を通じて国から示された来年二月から三月に使用する三回目接種用のファイザー社ワクチンの供給量は、一、二回目接種時にファイザー社ワクチンを接種した人数と比較して約四万人分不足しており、この不足分はモデルナ社ワクチンの交互接種で対応することが前提とされているとのことです。  高齢者の多くは、ファイザー社ワクチンで接種を受けており、三回目も同じワクチンを接種したいという方は多くいると思います。また、モデルナ社ワクチンは、若い世代の男性に副反応が出る頻度が高いというデータもあり、三回目接種はファイザー社を選択したい方もいるでしょう。  区は、ファイザー社ワクチンの供給が不足するという状況にどのように対応するつもりなのか見解を伺います。  また、一、二回目の接種の際には、接種予約に関する様々な課題が浮き彫りになりました。そして、今後予定されている新型コロナワクチン三回目接種に関しても、区民の関心が非常に高く、私たちのもとには多くの高齢者の方々から、ワクチン接種の予約でまたやきもきすると思うと憂鬱になる、日時と会場を指定してもらえれば、そのとおりに接種しに行くよという声が届いております。そのため、我が会派は、さきの決算特別委員会において、高齢者にはあらかじめ日時と会場を指定した接種券を送付し、変更を希望する方のみ、電話等で申し出ていただく予約方法を提案しましたが、個別接種との関連上、課題があるとの答弁でした。  区の説明によると、三回目ワクチン接種の対象者には、一週間または二週間に一度の頻度で小まめに接種券を発送するとともに、コールセンターの電話回線数を前回の約二倍に増やすとのことです。果たしてそのような対応で十分であるか心配です。過去の反省点であるワクチン接種予約時の混乱を避けるため、また、高齢者の負担軽減のためにも、比較的に電話がつながりやすい時間帯の周知徹底や、家族総出で予約電話をかける行為を控えていただくように依頼するなど、工夫の余地はまだ残っていると思います。区の見解を伺います。  続いて、第六波到来に備えた自宅療養者対策の強化についてです。  十一月二十四日現在十二名と小康状態を保っている区内自宅療養者数でありますが、デルタ株が猛威を振るっていた今年の八月下旬には、連日三千名を超える高い水準で推移していたため、我が会派は、区内感染者を可能な限り宿泊療養施設に入所させること、また、医師会への協力要請や外部委託先の増員などにより、自宅療養者の経過観察体制を早期に強化することなどを記した緊急要望書を区長に提出いたしました。  たとえ無症状、軽症であっても、新型コロナウイルスに感染した方の不安、負担を減らすため、また家庭内感染を防ぐためには、自宅療養者を限りなくゼロに近づけることが望まれます。そして、やむを得ず自宅で療養されている方に対しては、きめ細かい観察と支援が必要です。ヨーロッパでは、今月に入り、再び感染拡大が続いている国もあり、日本においても予断を許さない状況であることは間違いありません。  区では、宿泊療養者の受入れを再三再四東京都に要請したとのことですが、その後、宿泊療養施設の十分な確保はできているのでしょうか。  また、区では、本年九月より自宅療養者相談センターを新設するなど、自宅療養者への支援体制を強化しましたが、オミクロン株による第六波が到来した際に、十分対応できる体制となっているのでしょうか、併せてお尋ねします。  次は、健康増進施策についてです。  一、二回目の新型コロナワクチンをかかりつけ医で受けられないため、接種をためらっているという方が私の身近にもいらっしゃいます。かかりつけ医に対する信頼の表れと感じました。実際にかかりつけのお医者さんや歯科医師は、自身や家族の健康について気軽に相談でき、専門的なアドバイスをしてくれるとともに、患者の小さな異変にも気づいて、素早い対応につなげることができます。また、かかりつけ薬局も持つことで、処方薬の情報を一元的、継続的に掌握することが可能となり、薬の重複や副作用の防止に加え、医療費の削減効果が期待できるのではないでしょうか。  しかし、昨年、区が実施した二十歳以上の区民を対象にした調査では、かかりつけ医がいると答えた人は約六八%、年齢が高いほどかかりつけ医がいる割合が高い一方で、三十代男性で約三割、二十代女性では約四割にとどまっており、さらなる啓発が必要です。  年齢や世帯構成などの属性によっても効果的なアプローチは異なると思いますが、医師会や歯科医師会、薬剤師会にも御協力をいただき、例えば子育て世帯をターゲットに学校と連携した講座の実施や啓発動画を作成するなど、様々な手法を用いて啓発の強化に努めていくべきだと考えます。区の見解を伺います。  続いて、口腔ケア推進の取組についてお聞きします。  口腔の健康は、身体的フレイルや糖尿病、認知症のリスクなど、全身の健康と密接な関連があると言われております。区でもその重要性を認識し、八〇二〇運動をはじめ、歯科医師会と連携して、お口の元気アップ教室を実施するほか、七十五歳以上の区民全員にすこやか歯科検診のチラシを送付するなど啓発に努めていますが、このコロナ禍で、かかりつけの歯科医通いや歯科検診などを控える区民の方々も少なくないのではないでしょうか。また、長時間のマスク着用が口内環境に悪影響を及ぼすおそれも指摘されております。  歯の健康は一度失ってしまうと、取り戻すことはできません。コロナ禍においても、オーラルフレイル対策を強力に進めていくためには、例えば高齢者施設への出張検診や身近なまちづくりセンター単位での口腔ケア教室の実施、LINEを活用した歯科検診の受診勧奨など、より積極的なアプローチにより効果を上げるべきだと考えますが、区ではどのように取り組んでいくのか伺います。  次は、令和四年度の予算編成についてです。  国内では、新型コロナワクチン接種が進み、一定の効果が現れているものの、感染症の完全な収束、また我が国における社会経済活動の正常化には、しばらく時間を要する状況にあります。景気変動に左右されやすい歳入構造を持つ特別区において、来年度以降の税収を見込むことすら非常に困難な状態ですが、そのような中でも、住民に最も身近な基礎自治体として、限りある財源を効果的かつ効率的に配分し、引き続き感染拡大防止の徹底に努めるとともに、区民の生活を守り、そして区内事業者の活動を力強く支える施策を展開していかなければなりません。その屋台骨となる来年度予算の編成も佳境を迎える時期だと思います。  予算編成に関しては、八月に副区長が依命通達で示したとおり、全ての事務事業について、施策の優先順位を整理するとともに、全ての職員が変革する意識を持って、将来を見据えた業務プロセスの再構築を図ることに尽きると我が会派も認識しております。不断の行財政改革により財源を生み出すことはもちろんのこと、区に対しては、未来への投資を短絡的に先延ばしすることなく、特別区債や基金を適正に活用して、区民ニーズに沿ったバランスのよい予算を編成し、多くの区民に希望と安心感を届けていただきたいと思います。区長の見解を伺います。  続いて、ふるさと納税について伺います。  ふるさと納税制度により、昨年度は五十六億円、今年度は七十億円を超える税収減となっています。実に区民税の五・八%相当額が他自治体に流出しており、区長は事業の先送りや住民サービスを削る選択に迫られていると、先月発行の「区のおしらせ」で述べています。一方、昨年度は四億一千万円の寄附が世田谷区に寄せられていますが、いかんせん流出する七十億円とは比較になりません。  ふるさと納税に関しては、上位三市が百億円を超える収入を得ています。肉やフルーツ、ウニ、イクラといった山の幸、海の幸がグルメファンの心をくすぐっているようです。  世田谷区は、返礼品競争にはくみしない。不公平な制度の是正を国に求めていくという姿勢を堅持しており、その主張自体は継続すべきであります。しかし、この制度は既に定着し、地方経済にとって重要な役割を担っており、当面、廃止されることにはならないように思います。  そこでお聞きしますが、区内事業者が特許を持っている製品や魅力的な区内農産物などによる感謝の品のアイデアを広く募集してはいかがでしょうか。また、地球規模で深刻化する気候危機への対策のような重要施策とふるさと納税を結びつけて、相乗効果を狙うのも一案です。寄附による資金協力で再生可能エネルギーの創出や、公共施設における木材活用、緑化の推進などに取り組み、関心を高めることも有効であると考えます。併せて見解を伺います。  次は、区内産業の振興について順次聞いてまいります。  区内事業者の安定した経営基盤が築かれない限り、労働者の処遇改善はもちろん、労働環境すら守ることはできません。そのため、かねてより我が会派は、適正な入札環境を構築して、過度な価格競争を排し、品質が十分に確保されること、また、受注工事に携わる事業者の健全な経営環境が確保されることが重要であると主張してまいりました。  このたび、区では、低入札価格調査が増加している状況等を踏まえ、現在の総合評価方式入札を改定する予定です。区内建設業の健全な発展に寄与する改定であることを切に望むものでありますが、地域貢献による加点など、これまでに区が実施してきた入札制度改革を振り返りますと、区の当初の狙いとは程遠く、過度な価格競争が是正されていないのが現状であり、今回の入札制度改革においても、同じことが繰り返されてしまうのではないかと一抹の不安が残ります。
     来年度には、当制度の試行が始まります。この検証結果を踏まえつつ、早期に対象とする工事の幅を広げ、区が期待する効果が区内産業全体に行き渡るように努めるべきではないでしょうか。  また、今回の入札制度改革を契機に、公契約条例の趣旨に沿って適正な賃金の支払いなど、労働者の労働条件が守られるよう、区はしっかりと監督して、区民の福祉増進につなげていただきたいと考えますが、併せて見解を伺います。  なお、現在、区が検討している本庁舎等の施設管理については、区内事業者の育成という観点を忘れることなく進めていただくよう強く求めるものであります。また、施設管理業務委託の仕様書案の作成支援業者が一円入札により決定したと伺いました。民間企業には利益追求という大命題がある中での今回の入札結果は不可解です。我が会派は今後、施設管理事業者の選定が適正に行われるか、プロポーザルの実施状況を注視してまいります。  さて、本年四月から六月期の区内中小企業の業況DIはマイナス二六・二と、依然として厳しい数値を示しています。中でも新型コロナウイルス感染症の影響を多大に受けた小売業のDIはマイナス三七・九と、他の業種と比較して著しく低い数値であり、小売業者への支援の強化が求められている現状です。区では、せたがやPayの加盟店に決済額の五%を還元する補正予算案を今定例会に提出するなど、地域経済の活性化を図っているところですが、せたがやPayの普及に向けた小売業者への導入促進にもっと力を入れていただきたいと思います。  また、昨年来のコロナの影響により商店街における各種集客イベントの中止が相次いでいます。コロナが早期に収束して、商店街のお祭りや歳末大売出しなどによる町のにぎわいを一刻も早く取り戻してほしいものですが、そこで課題となるのが、商店街組合等に加入していない事業者が、相応の費用を負担することなく、便益を享受している問題であります。このフリーライダー問題は、集客イベントなどのソフト事業だけではなく、街路灯の維持、更新や防犯カメラの設置などのハード事業にまで至っています。  区は、来年の第一回区議会定例会において、産業振興基本条例の改正を予定しています。条例改正を機に、商店街組合等に加入している方々が抱いている不公平感の是正に向けた商店街への加入促進について、もう一歩踏み込んだ対応ができないものでしょうか、見解を伺います。  次は、区民意識調査により改善を求められている施策について順次聞いてまいります。  地域における日常の困り事として十六年連続で一位になっている項目、それは道路が狭くて危険です。熊本前区長は、この区民の声に対して真摯に耳を傾け、二倍のスピードで道路整備を行うと明言され、強い信念とリーダーシップを持って職員を牽引されてきました。一方で、保坂区長のスタンスは、スピード感よりも対話を重視されていると理解しております。話合いを重ねることで迅速に事業が進むのであれば大変結構なことですが、果たして成果はいかがでしょうか。  区長は、さきの決算特別委員会において、下北沢の駅前広場整備を例に挙げていましたが、接続する補助五四号線のⅠ期区間工事は、Ⅱ期・Ⅲ期区間を優先整備路線から外してまで注力すると宣言されたにもかかわらず、進捗はいまだ芳しくない状況です。また、事業着手から五十五年もの年月が経過した恵泉通りでは、区長が直接地権者の方と会ったのはたった一度だけと聞いております。あとは副区長以下に任せっきりという無責任な行動は取れないはずです。  区民の一番の困り事解消に向け、今日からでも下北沢や恵泉通りの現場に区長が先頭に立って足しげく通い、区長自ら事業の必要性を説明し、事業への協力をお願いすべきであります。区長の見解を伺います。  また、道路はつながってこそ最大に機能が発揮されるということは言うまでもありませんが、この道路を分断しているのが開かずの踏切です。区民意識調査の結果を地域別に見てみますと、玉川南部、北沢西部、烏山地域における一番の日常の困り事は、電車の踏切がなかなか渡れないことです。通勤ラッシュ時には一時間のうち五十分以上も遮断機が下りている踏切もあり、町を分断して人々の往来を妨げるだけではなく、緊急車両の通行にも大きな支障を来しています。  区長は、恵泉通りのように何十年も区民の困り事を放置することなく、東急大井町線、東横線であれば、東京都や東急電鉄に対してもっと積極的に早期立体化を働きかけ、また、京王線の連立事業であれば、区長自ら現場に赴き、早期の合意形成を図るべきだと考えます。開かずの踏切の解消に向け、区長はどのように臨むのか伺います。  次は、地域行政制度についてです。  平成三年度に区役所本庁と五つの総合支所、二十七の出張所でスタートした地域行政制度ですが、様々な変遷を経て、現在大きな見直しが進められております。大場区長の下で、地域行政が導入された当時は、自ら責任を持った自治体経営を行い、政令指定都市の行政区のような五つの地域を置いて地域課題に沿った独自性のある行政を行う。また、区民に身近な出張所が区民ニーズをキャッチするとともに、日常の手続や相談ができるという明快な姿が描かれ、示されていたと記憶しております。  その後、熊本区長の時代には、行政の効率化、簡素化を進める目標の下、土木部門を本庁に集約するとともに、窓口を有する出張所と地域コミュニティー活動支援を中心とするまちづくりセンターに役割を分担しました。  翻って、今回の地域行政に関する検討はどうでしょうか。ここに来てようやくまちづくりセンター機能の充実強化という方針が示されましたが、明確な姿は見えてこず、残念ながら具体的な議論には至っておりません。区長は、まちづくりセンター機能を充実強化することで、具体的にどのような区役所を目指しているのでしょうか。  我が会派は、区民の目線に立ち、DXの推進によって抜本的に行政サービスの在り方を変革すべきと考えます。わざわざ本庁や総合支所に行かなくても、自宅からオンラインで各種相談や行政手続ができるようにする、デジタルに不慣れ方でも、まちづくりセンターに行けば相談や手続ができる、この視点こそが令和の時代にふさわしい地域行政改革と考えますが、区長のお考えを伺います。  次は、旧池尻中学校の跡地活用についてです。  旧池尻中学校の校舎の築年数は今年で四十六年を迎え、そのうち、世田谷ものづくり学校として使用された期間は十七年になります。既存の校舎に耐震補強・中長期保全改修工事を施し、今後、二十年間にわたって起業・創業支援などの場として有効活用を図るという区の考え方に対し、我が会派は、これまでの十七年間の実績からして本当に大丈夫なのか、貴重な区有財産であるだけに、これからの世田谷区のためにどのような事業を展開するのか、じっくり検討すべきとの立場であることを改めて表明しておきます。  また、本件について我が会派は、一つの部局での検討ではなく、全庁的な課題として、広く民間のアイデアを募ったほうがよいと考えており、その一例として、さきの決算特別委員会で定期借地権を設定し、安定的に賃料収入を得る方法も提案いたしました。区はその後、どのような対応をされているのでしょうか。  また、区が当初のスケジュールを見直したことにより、二億円以上もの耐震補強工事費を拙速に予算計上する必要はないものと認識しておりますが、その点についても併せて伺います。  次は、学校改築についてです。  この間、区では、学校等の耐震再診断への対応や学校体育館への空調設備整備など、緊急的に対応すべき課題が生じたため、本年に入り、公共施設等総合管理計画の一部改定を行いました。改定後の将来経費シミュレーションによると、計画期間における年平均経費は五百八十二億円となる見込みであり、施設総量と経費の両者をさらに抑圧して、持続可能な公共施設の維持管理を実現しなければなりません。  また、区では、公共施設の総量の過半数を占める学校を中心に、施設の複合化整備や共同利用を推進することを重点方針の一つに掲げています。さらに、小学校三十五人学級への対応や避難所としての機能充実などが学校施設に求められており、区立小中学校の改築事業に関しては、効率的、計画的に推進しなければならないものであると我が会派は認識しております。  さきの定例会で財源確保に向けた取組を検討し、ありとあらゆる創意工夫を行い、計画的な学校改築に取り組むと教育長より答弁がありました。来年度予算の財源見通しが不透明ではありますが、我が会派は、学校改築をこれ以上先送りせずに、義務教育施設整備基金を活用して事業を加速すべきと考えております。区長の見解を伺います。  次は、子育て支援に関し、まずは今後の保育行政について聞いてまいります。  区では、認可、認証、保育室、保育ママと、それぞれの特性を生かしながら総合的な体制で待機児童ゼロを達成いたしました。中でも認証保育所は、土地代の高い都内において、より迅速に整備でき、より柔軟に子育て家庭のニーズに応えることで、区の保育待機児対策の一翼を担ってきたと認識しております。しかしながら、この数年間における区の待機児童対策は、認可保育園の整備が中心であり、認可の需要を必要以上に喚起しているようにも思えます。  このたび、区は、区立保育園の定数を削減して、私立保育園の定員割れを防ぐとの方向性を示しましたが、本当にそれでよいのでしょうか。年度後半には、空いていたゼロ歳児の定員が埋まってきているとも伺っております。そうであるならば、認可、認証にかかわらず、これまで確保してきた定員数をしっかり維持して、いつでも受け入れられる体制を確保しておくということが区民のニーズに沿った方策ではないでしょうか。  区から新たに示された認証保育所への補助の拡大も、その対象範囲があまりにも狭く、認証保育所をどうしたらいいのか、区の考えが全く見えません。区は認証保育所をバックアップしていく気があるのか、それとも市場原理に任せて自然淘汰を待つのか、認証保育所についての見解を伺います。  続いて、他区と比べてあまりにも低い私立幼稚園の保護者負担軽減補助についてです。  区によると、私立幼稚園には、保護者負担軽減補助のほかにも、幼児教育振興のための補助金も拠出しており、トータルで見れば、決して私立幼稚園への補助額は低くないとのことであります。しかし、多くの私立幼稚園は、定員割れによって保育料収入が大幅に減少しており、経営を維持するために保育料の増額を余儀なくされております。このことがさらなる保護者の負担となり、一層の定員割れを引き起こす負の循環に陥っているのが現状です。  さきの決算特別委員会において、区は、保護者の負担軽減や幼稚園運営の安定化に資するため、保護者補助、私立幼稚園の補助の全体について見直し検討していくと、前向きとも取れる答弁をしていましたが、その後の具体的な検討状況について伺います。  また、区の幼稚園行政の在り方についても質問いたします。  もともと区内の幼稚園は私立が担ってきており、第二次ベビーブームにより幼稚園が不足した際に、私立幼稚園の整備誘導を区が図りました。それでも足りずに区立幼稚園をつくったのが区の幼稚園行政の経緯であります。  現在、定員割れを起こして廃止する私立幼稚園が後を絶たない状況下、区立幼稚園に至っては、待機児ゼロを達成する前の平成二十六年に策定した区立幼稚園の用途転換計画に基づき、区立幼稚園を温存しつつ、一部の園について粛々と認定こども園への移行を進めています。  私立幼稚園を取り巻く環境が大きく変わった今、区立幼稚園は本当に今の数が必要なのでしょうか。区立幼稚園の数を減らして私立幼稚園に対する支援を厚くしていくべきではないでしょうか。今後の区の幼稚園行政の方向性をどのように考えているのか伺います。  次は、障害者施策についてです。  知的障害者の就労継続支援施設である烏山福祉作業所では、令和四年度に改修工事が行われます。その間、北烏山地区会館に一部機能を移すことで、利用者の方々には就労を継続していただくと聞いております。障害のある方々にとって環境が変わる中でのお仕事は大変な面があると思いますが、地域に見守られながら安心して働けるよう、区としても十分に対応していただきたいと思います。  また、障害のある方が住み慣れた地域で暮らし続けるためには、居住の場の確保、適切な日常生活支援、そして安定した収入が必要です。区内には作業所などの施設に通っている方だけではなく、企業などへの就職を目指して頑張っている方も多くいらっしゃいます。区では、障害者就労支援センターなどを中心に、障害特性など、本人の状況に合った雇用とのマッチングに取り組んでいますが、その現状と今後の拡充に向けた課題について伺います。  さて、本年開催されたパラリンピック競技大会は、コロナの影響により残念ながら無観客となりましたが、テレビ中継を通じてアスリートの熱い戦いを堪能しました。同じ競技でも障害の種別や程度で細かくクラスが分類され、ルールも微妙に異なるなど、見慣れない者としては若干戸惑う場面もありましたが、それだけに人間は本当に多様なんだと改めて胸に刻むことができたという意味でも、非常に意義深いイベントであったと思います。  区は、障害理解促進に関する条例の検討を進めていますが、この条例によって障害者の親亡き後対策をはじめ、区民の生活にどのような好影響がもたらされるのか伺います。  続いて、農福連携事業について伺います。  人類が生きていく上で欠かせない産業が農業です。太陽と土と水の恵みに人が手を加えることで生きる糧を生産します。土地が経済的に大きな価値を持つ大都市においては、簡単に継続できないのが悩ましいところです。この貴重な都市農地と障害者の雇用、就労を結びつける農福連携事業の準備が粕谷二丁目で進んでおり、我が会派はこの取組に大いに期待しております。しかし、天候など思いどおりにいかない要素が多い農業の分野で、スキルを持たない方が成果を上げるには困難を伴うことも想定されます。  障害者の工賃にも直結する対価を得る産業としていかに成立させるのか、例えば技術を持ちながら離農せざるを得ない熟練農業者の力を借りるなどの手法も考えられますが、農業経営の面でどのような展開を想定しているのか伺います。  続いて、農地の保全についてです。  生産緑地地区の当初の都市計画決定から三十年が経過する来年十月三十日を前に、特定生産緑地として営農を継続するための手続期限が今年の十二月末までと迫ってきております。先日の決算特別委員会では、対象のうち八八%を超える農地が移行申請されたと聞きましたが、その後の申請状況について伺います。  また、特定生産緑地に移行しない農地については、やがて買取りの申出がなされ、区が取得しなければ制限が解除されて、マンションなどの宅地に転用されることも見込まれます。食の供給をはじめ、環境保全や防災空間としての役割など、多様な機能を持つ農地は区民の共通の財産であり、少しでも多く、少しでも長く保存することが大切であります。  積極的に区が取得し、緑の空間として活用していただきたいと考えますが、買取りの申出を受けてから、その都度対応を検討するのでは、予算措置を含め取得の判断は困難であると思います。あらかじめ取得の是非を一次判断しておくなど、計画的な備えが必要ではないでしょうか。また、生産緑地として継続されなくても、宅地化農地としての営農が選択できるよう助成制度を充実させるなど、戦略的な農地保全策を講じることができないでしょうか。併せて区の見解を伺います。  最後は、マンション管理の適正化についてです。  区が本年六月に策定した第四次住宅整備方針に衝撃的なコラムが掲載されています。外壁が崩れ落ち、鉄骨に吹きつけられたアスベストが露出して廃墟と化した滋賀県野洲市の分譲マンションの事例です。野洲市はこのマンションを特定空家等に認定し、昨年、行政代執行により約一億一千八百万円をかけて取り壊しました。解体費用は一部の所有者からしか回収できておらず、結果的には市民の税金が費やされる見込みです。  一たびマンションが管理不全に陥ると、倒壊のおそれなど周囲の住民にも危険が生じます。また、倒壊の危険性を感じて周辺住民が転居すれば、地域の目が行き届かなくなることで犯罪の温床となり、さらには町がスラム化してしまうおそれもあります。  区では、建物の老朽化と居住者の高齢化という二つの老いを抱える分譲マンションの維持、再生と適正な管理を第四次住宅整備方針の重点施策の一つに掲げています。分譲マンションの居住者や管理組合が、自主的かつ計画的に建物の老朽化の抑制に努めていただけるように、都の条例に基づくマンション管理状況届出制度の活用や、世田谷区マンション交流会を通じての情報提供、さらには、法に基づくマンション管理適正化推進計画を策定するなど、区にはあらゆる手法を駆使して積極的に取り組んでいただきたいと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員に、私から六点お答えをいたします。  まず、ブースター接種、三回目の接種についての体制についてであります。  先週金曜日に厚労省から、この三回目追加接種の時期を六か月以上に前倒しできる場合の考え方の基準、これが示されましたが、高齢者施設や医療機関などでクラスターが発生した場合、その施設の利用者や従事者に限って接種を認めるというものでありまして、大変残念な見解でした。感染予防効果を高めることを目的とする追加接種の基準としては、あえて申し上げますが、的外れであると言わざるを得ません。  私は、これまで二回目接種後、五か月から六か月程度でワクチンによる抗体価が低減していく、低下していくと、このようなデータの下、高齢者施設入居者と介護に当たる職員の皆様及び新型コロナウイルス感染症の患者さんに対応する医療従事者については、ファイザー社ワクチンの薬事承認の期間である六か月を経過することを条件に追加接種を認めてほしいと厚労省に要望してまいりました。厚労大臣は、感染がさらに拡大した場合には、現在の基準、現在というのは金曜日に発表した基準ですが、これを見直しすることを検討するとも言っていますが、引き続き、国に対して、南アフリカの新たなウイルスの出現も大変脅威でございますので、追加接種の早期実施、特に高齢者施設などについては巡回して接種することに大変時間もかかります。ということで、こういったことができるように要望してまいりたいと思います。  先ほど申し上げたオミクロン株等の感染が確認をされている国が続々広がっております。ホテルの相対する部屋でも感染があったそのお二人は、二回ともワクチン接種を受けている方だとも報道されています。  今後、国内でどのような影響があるのか、政府は、海外からの渡航を一時的に強く遮断する方針を明日にでも発表するとニュースで伝えられておりますけれども、緊張感を持って、区として最悪の事態、残念ながらこれを想定しながら準備していきたいと思います。  三回目のワクチン接種を前倒しするためには、これは集団接種を早くやるということについては、会場や医療従事者、また様々な調整など、多くの実は課題がございます。しかし、多くの感染を広げない、また重症者や犠牲者を出さない、命、健康を守るという原則で総力を挙げて臨んでまいりたいと思います。  次に、予算編成についての考え方ということでございます。  現在、来年度予算の編成に入っておりますが、緊急事態宣言の解除により、社会経済活動の回復がこの数か月見込まれているんですが、内閣府が公表した、これは夏、秋の時期が入っていますが、GDP速報値で二・四半期ぶりにマイナス成長、年率換算三%に転じるなど、夏の感染爆発の大きな影響もあって、区財政を取り巻く状況は、引き続き予断を許さないものとなっていると認識しております。  一方で、国の経済対策では、成長と分配の好循環を実現し、経済を自律的な成長軌道に乗せると、これは岸田首相の言葉ですが、様々な施策を打ち出すなど、今後の経済の対策ということに我々も一定の期待をするところであります。  区として、不安定な財政状況の中にありましても、行政手法の転換による行政経営改革をさらに進め、税収等の財源の動向も的確に捉えながら、基金と起債の計画的な活用を図って、将来を見据えた財政の持続的な土台をつくることを継続していくことが不可欠であると考えています。  こうした取組により、仮称でありますが、世田谷区未来つながるプランに掲げている施策の推進や、学校改築をはじめとした将来への投資にも着実に対応していけるよう、引き続き努力をしてまいります。  次に、道路整備についての御質問です。  道路は、区民の日常生活を支える最も重要な都市インフラの一つであり、区では、せたがや道づくりプランを策定し、都市計画道路から地先道路まで道路ネットワークの整備に計画的に取り組んできているところでございます。  議員御指摘の補助五四線第Ⅰ期区間におきましては、駅前交通広場のアクセス路として確実に開通させていくことが必要であると認識しており、これまで執行体制を強化いたしまして、取組を進めてまいります。現在の用地取得率五割を超えるというところまで進捗してまいりましたが、今後も早期開通を目指して取り組んでまいります。  一方、主要生活道路一〇六号線につきましては、これまで土地収用法に基づく手続、裁判等を踏まえながらも、生活再建プランの提案など、繰り返し働きかけを続けていますが、現在のところ、いまだ土地の明渡しがされていない状況です。今後も事業の完了に向け、引き続き面談、働きかけを重ね、事態の転換を図るべく交渉を進めながら、私自身の行動、協議も含め、取り組んでいく決意でございます。  次に、開かずの踏切についてでございます。  区民の長年の懸案である開かずの踏切解消は、交通渋滞、地域間の分断や踏切事故の危険など、多くの問題を抱えている状況から、区を挙げて解決すべきという課題に位置づけて、歴代区長が取り組んできたところでございます。  小田急線においては、連続立体交差事業により、区内二十八か所の開かずの踏切は全てなくなりました。現在は、京王線連続立体交差事業が、東京都、沿線区、鉄道事業者の協力により、早期の事業完了に向けて取り組まれています。京王線の連続立体交差事業における用地取得は、事業主体である東京都が行っており、昨年度末時点の取得率は約七七%に達して、明大前駅東側付近などで高架橋の躯体が立ち始めるなど、工事も進捗してきていると聞いています。  また、御指摘の大井町線につきましては、東京都が策定した踏切対策基本方針において、目黒区内の自由が丘駅付近の東横線と併せて、鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられており、今年度より自由が丘駅付近のまちづくりを契機に、目黒区が着手した調査、検討に世田谷区としても参加をしております。  道路、鉄道の立体化には多くの費用と期間を要することになりますので、今後も引き続き、東京都や関係区、鉄道事業者と連携を密に図りながら、開かずの踏切解消に取り組んでまいりたいと思います。  次に、地域行政制度でございます。  オンライン手続などの活用についての御質問です。  区民の方が来庁することなく、行政手続や相談ができる行政サービスの変革を推し進めていくとともに、地域課題の解決に対して、住民参加をより簡易に促進できるデジタルデモクラシーの深化を生み出すDX改革を実現したいと考えています。  今年度の区民意識調査では、まちづくりセンターでの窓口サービス拡充のニーズが六割となりましたが、総合支所や本庁の窓口とオンライン映像で結んだ各種手続や、より専門性の高い相談の実現に向けた取組の指示をしているところであります。また、デジタル化時代の急速な進展で、そこに取り残されていく区民を生まないように、身近な行政拠点であるまちづくりセンターにおいて、ICTに不慣れな高齢者など、区民に対する丁寧な案内やスマートフォンなどの操作支援の実施にも取り組んでまいります。  このため、まちづくりセンターや総合支所などのデジタル環境の整備を進める必要がありますが、全地区の改革を進めるとともに、さらに一歩進んだ新たなまちづくりセンター窓口の実現に向けて、まずは、モデル地区での実施を実現し、区民の皆様、その地区の皆様の評価を踏まえて全地区展開を目指してまいります。  最後に、学校改築についての考え方でございます。  区の財政状況は、新型コロナウイルス感染症の状況や地域経済の動向、七十億円の流出という規模まで膨れ上がったふるさと納税の影響など、今後の見通しが大変不透明であり、厳しい財政状況が続くものと想定されます。  昨年、コロナ禍の入り口で、私どもはリーマンショックをはるかに大きく上回る税収減を想定し、緊急対応のできる予算を編成してまいりました。学校改築等公共建築工事もその影響を被ったことは御指摘のとおりであります。  学校施設は、子どもたちの学びや生活の場だけではなく、地域コミュニティーの拠点や災害時の避難所としての役割を担う重要な公共施設であり、今後も他の公共施設との複合化など、既存施設を最大限有効活用し、より一層効果的、効率的に施設整備を必要としていると考えています。  学校の改築に当たりまして、仮設校舎をなるべく造らず、あるいはその縮減をしていくこと、そして既存の校舎のリノベーションによる積極的な活用を進めること、施設の長寿命化による建設コストの平準化など、様々な改革に取り組んでいきながら、国の補助金や義務教育施設整備基金を活用しながら、施策の優先順位を判断し、スピードを持って、今後の学校改築計画を着実に提示、実施してまいります。  以上になります。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、六点御答弁させていただきます。  まず、ワクチン三回目接種に当たり、ファイザー社ワクチンの供給が不足するという状況についてです。  国は、九月下旬の自治体説明会で、三回目接種のワクチンは、一、二回目に用いたワクチンと同一ワクチンを用いることを基本とすると示し、区はこれを受け、ファイザーとモデルナを別の集団接種会場として接種人数枠を設定するなど、三回目接種の接種計画を策定しました。しかしながら、十一月十七日の国の説明会では、来年の二月、三月分のワクチン供給量は、一、二回目と同一ワクチンを用いるためにはファイザーが不足し、その不足分はモデルナで補う必要があることが分かりました。四月以降もワクチンの供給量によっては同様の事態が想定されます。  区は、こうした状況の改善と、現在のワクチン供給見通しを広く国民に周知することを国に求めるとともに、区といたしましても、区民に対してワクチンの選択には限りがあるなど、丁寧に説明をしてまいります。また、交互接種の安全性や有効性も併せて発信し、区民が安心して交互接種を受けられるよう努めてまいります。  ワクチン別に定めた集団接種会場についても、供給量を踏まえて再検討するなど、接種計画の見直しも速やかに行い、円滑な接種に影響が生じないよう取り組んでまいります。  次に、宿泊療養施設と自宅療養者支援についてです。  宿泊療養施設の十分な確保に向けては、これまでも都に対し繰り返し要請を行ってきたところであり、先日も保坂区長から東京都の黒沼副知事に対して、ズームを介した意見交換の場で直接申入れを行ったところです。  都が確保した宿泊施設の部屋数は、第五波において最大で三千三百七十室と聞いておりましたが、実際には患者の急増時に必要な数が確保されず、区内の自宅療養者が最大で三千五百八十八人まで増加しました。次の波に向けて、都は約四千五百室を確保するとしていますが、区といたしましては、宿泊療養の対象となる方々が確実に宿泊施設で療養できるよう、適時適切な宿泊施設の確保や運用方法の見直しなどを引き続き都に働きかけてまいります。  また、区としても、自宅療養者の支援については、九月から全ての自宅療養者に対してシステムによる自動架電を含め、一日二回の電話による健康観察を行うとともに、二十四時間体制で確実に相談を受けられ、必要な方に、オンライン診療や訪問診療につなげることができる体制として強化をしたところです。  今後、第六波の到来を想定し、都や医師会をはじめとする全ての関係機関と緊密に連携し、自宅療養される方々の安心と安全を確保するために全力を尽くしてまいります。  次に、ふるさと納税についてです。  ふるさと納税については、寄附金控除と返礼品を受けた一部の区民は恩恵を受ける一方で、その他の区民は、区民税の減収による行政サービスの低下のみを受け入れざるを得ないという不公平が生じるなど、制度のゆがみが顕在化しています。区民税流出額七十億円は、その規模と財政の影響において看過できない額です。  区は、これまで様々な機会を捉えて国に見直しを働きかけており、去る二十五日には改めて特別区長会として要望書を提出し、制度の抜本的見直し、特別区を含む減収団体への財政措置などを強く求めたところです。今後も粘り強く是正を求めてまいります。
     区は、施策への共感と参加意識を基礎とする寄附文化の醸成に向け、十月には区報特集号で寄附金の使い道を丁寧に周知するなどPRに努め、新たな寄附の申出や制度を問題視する意見など、反響が寄せられています。また、世田谷への愛着につながるような参加型の記念品、区内障害者施設の生産品や世田谷みやげなどを感謝の印として提供し、共鳴の枠を広げています。  寄附者の心に残る感謝の表し方について、今後、御提案がありました官民連携の観点も含め、新たな取組を多面的に検討し、工夫をしてまいります。  次に、旧池尻中学校の跡地活用についてです。  旧池尻中学校の跡地活用については、この間の区議会の御提案を踏まえ、政策経営部において、民間コンサル事業者にヒアリングを行ったところ、区が必要とする公共施設の面積と当該地の用途地域上の制約を勘案すると、民間事業者の幅広い提案は期待できず、住宅用地としての活用が最も収益が見込まれるとの回答を得ました。このことから、既存建物の活用のほか、定期借地権の設定やPFI手法の活用などによる民間集合住宅を整備することを前提条件に、土地利用の収益性の最大化を図った場合の事業シミュレーションを行っております。  例えば当該地を更地にして、七十四年間の定期借地権を設定し、民間事業者が百八十戸程度の大規模集合住宅を建設し、区が公共施設に必要な面積を買い取る方式では、七十四年間で五十億円余り、年当たり約七千二百万円の収支が見込まれることが確認できました。既存建物を改修し、活用した場合、二十年の期間で四億円余り、年当たり約二千万円の収支見込みとなりました。  一方で、当該地は区内でも数少ない大規模敷地であることはもとより、学校跡地でもあり、この間、学校が地域において果たしていた機能の一部を継承し、新たなコミュニティーづくりや交流の場としての機能なども担っております。また、校庭などの空地の確保は、防災スペースとしての安全安心の面から最優先であり、区の政策としては、こうした空地を含めて利益を最大化し、活用することは難しいと考えております。  政策経営部で行っているこのシミュレーションにつきましては、当該地周辺の公共施設需要や行政課題などを含めて整理し、議会へ御報告をさせていただきます。  次に、障害特性など本人の状況に合った雇用とのマッチングについてです。  区では、区内三か所にある障害者就労支援センターを中核に据え、就労支援に取り組んでおりますが、昨今の新型コロナウイルスの影響により、広く活動できない状況が続きました。今後、企業等の採用活動の再開が本格化することを期待しているところです。  一方で、就職希望者と雇用先との就職条件のミスマッチの発生や、新たな分野での雇用創出など、個々の障害特性に合った就労支援には課題があるとも認識しております。  区といたしましては、多様な働き方を支援するため、短時間、短期間の就労を目的としたせたJOB応援プロジェクトを実施し、企業などにも御理解をいただきながら実績を伸ばしているところです。  また、就職を目指して区役所で一定期間の業務経験を積むチャレンジ雇用を継続実施しているほか、現在進めています農福連携事業での新たな雇用創出にも力を入れております。  引き続き、各部署や区内関係機関と情報共有等の連携を行いながら、御本人の状況に合った就労支援の強化、充実に努めるとともに、就職後においても、一人一人に寄り添った定着支援を行い、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現に取り組んでまいります。  次に、障害理解促進に関する条例についてです。  区では、せたがやノーマライゼーションプランにおいて、障害のある人もない人も、お互いの人格や個性を尊重し、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して継続できる社会の実現を基本理念に掲げています。障害のある人が、日常の生活や地域社会における活動をするためには、その人にとって障壁となる慣行や概念、ルールなどをできる限り取り除いて、自分らしい生活や活動ができる環境をつくる必要があり、家庭、地域、社会における理解と協力が不可欠です。  そのためには、区民や事業者の方々に障害への理解を深めていただく必要があり、現在取り組んでいます施策に加え、条例を制定することで、より一層の促進を図りたいと考えております。  こうした取組で地域の理解を進め、障害者の高齢化、重度化や親亡き後を見据えたグループホームの整備や地域での受入れが促進されるなどの効果につなげていきたいと考えております。  今後、条例の検討を進める中で、より多くの区民や事業者等の参加協力をいただき、地域における障害理解や差別解消を促進しながら、地域全体で障害者や家族の生活を支えるための取組を進めてまいります。  私からは以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、三点御答弁申し上げます。  最初に、気候危機対策への寄附などの活用についてです。  気候危機の状況は、まさに非常事態に直面しており、二酸化炭素の排出を削減し、気候変動を食い止める取組と、今起こっている気象災害から区民の生命と財産を守る取組を進めていく必要があると認識しております。  区では今年度より、地球温暖化対策地域推進計画の見直しに向け、環境審議会において多角的な御議論をいただいており、庁内では、この九月より部長級の気候危機対策会議を立ち上げ、領域横断的な議論を行いながら、具体的な施策の検討を進めているところです。二酸化炭素の排出量を大幅に削減するためには、施策の中心である区民や事業者の皆様と状況を共有し、一人一人に自分事として取り組んでいただくことが何より重要であります。  また、施策の拡充に向けては、財源の確保が課題となってまいります。区民、事業者の皆様に高い関心を持っていただくとともに、区として安定的な財源を確保し、有効な施策を計画的に実施できるよう、御提案の寄附金制度の積極的な活用に取り組むほか、森林環境譲与税を活用した基金の設置などを検討してまいります。  次に、池尻中学校の耐震補強工事予算についてです。  旧池尻中学校の跡地活用につきましては、産業、学びの拠点として新たな事業展開を図るために、当初は、今年度をもって現在のものづくり学校を廃止し、校舎棟の耐震補強工事を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による財政状況を勘案し、令和四年度に工事の実施を延期することといたしました。  また、令和元年十一月の区民生活常任委員会で御報告した世田谷ものづくり学校事業の検証と今後の方向性についてをベースに、有識者との意見交換、基本コンセプト作成、サウンディング調査などを実施してまいりましたが、この間の区民、事業者、また議会等の御意見を踏まえ、現在改めて政策経営部とともに、旧池尻中学校施設の活用方法について、及び産業活性化拠点の在り方についての検討を進めているところでございます。  今後、特に産業活性化拠点の在り方について、新たな活力の創出や既存産業の活性化の方策など、区民、区内事業者にどのような価値をもたらすのかといった観点も含め、より具体的な検討を行い、区議会に御報告したいと考えております。  耐震補強工事の予算につきましては、これらの検討を基本に、区議会からの意見をお聞きしながら適切に判断してまいります。  最後に、農地保全策に関して計画的な備えが必要ではないか、また、宅地化農地への助成制度の充実について、併せて御答弁申し上げます。  計画的な農地の保全に向けて、区では、農地保全方針を策定し、生産緑地等が一団で存する地区を農地保全重点地区として、区内七地区を指定いたしました。重点地区内では、農業振興拠点となり得る一団の生産緑地を農業公園として、地区ごとにおおむね一か所ずつ都市計画決定することを目標としており、今年度の上祖師谷農業公園で全ての重点地区内での都市計画決定が完了しました。  都市計画決定した生産緑地は、所有者が農地を手放さざるを得なくなり、農地として保全できない場合に、農業公園として取得し、活用を進めてまいります。農業公園以外でも、生産緑地の指定解除の際に、区が取得して公園整備を行った事例もございますが、議員お話しのあらかじめ取得の是非を判断しておくことにつきましては、取得の時期が見通せない中で、区全体の公園の整備状況や、区の財政状況などをその都度考慮する必要があると考えており、今後、農業振興の取組と併せて、引き続き検討を進めてまいります。  補助制度の充実については、宅地化農地の維持を支援する仕組みとして、緑域環境維持農地補助金の制度があり、予算の制約はありますが、農業関係者の御意見を聞きながら、制度の充実に向け検討してまいります。  この六月に領域を横断した世田谷区農業振興・農地保全PTを設置し、各種の事例研究や提案型連携事業として、NPOとの連携によるコミュニティー農園の実施などについて検討を進めており、今後とも、庁内連携しながら、各所管で実施している事業をしっかり進めるとともに、効果的な農地保全策の検討を進めてまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 幼稚園行政の在り方について御答弁申し上げます。  現在八園ございます区立幼稚園につきましては、令和元年十月からの幼児教育・保育の無償化の影響等により園児数は減少傾向にあります。また、平成二十六年八月に策定した区立幼稚園用途転換等計画では、区立幼稚園を幼保連携型認定こども園に用途転換することを基本としておりますが、区内保育施設整備の進捗等により、令和二年度、三年度と保育待機児が解消したことなどを踏まえて、当面の間、新規の保育施設整備は実施しないこととしております。  その一方で、医療的ケア児支援法の施行に伴い、今後は配慮を要する児童に加えて、医療的ケア児に対して適切な支援に取り組んでいくことが、新たな課題として生じてきております。  区としては、こうした状況を踏まえ、現在、区立幼稚園用途転換等計画の見直しに向けた検討に着手しているところでございます。この見直しの中で区全体の乳幼児期の教育、保育の充実に向けて、適切な規模や期待される役割など、区立幼稚園が今後どのようにあるべきかについて検討し、来年一月には一定の方向性を示してまいります。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、ワクチン予約時の混乱を避けるための工夫について御答弁申し上げます。  接種予約の受付を開始した四月下旬から五月にかけて、コールセンター、予約システム共につながりにくい状況が生じ、大変御迷惑をおかけいたしました。その後、電話回線の増設や予約システムの改善を行ってまいりましたが、三回目接種でも高齢者の予約受付は最重要課題の一つと捉えており、スムーズな受付の実現に向け準備を進めているところです。  電話受付の回線数は前回の最大八十三回線から百五十回線に増やすとともに、前回は二回に分けて発送した高齢者の接種券を一週間置きに十回程度に分けて発送いたします。また、まちづくりセンターでの予約支援を予約開始と同時に体制を整えて実施するとともに、案内チラシを接種券に同封し周知を行います。十二月中旬に全戸配布する「区のおしらせ」特集号で予約の電話がつながりやすい時間帯の御案内や、混雑を生まない電話への協力を促すとともに、予約システムでの予約方法を解説するなど、ウェブによる予約への誘導も行います。  また、世田谷区高齢者クラブ連合会をはじめ、複数の団体の会合で三回目接種について御説明し、こうした場でも混雑を避けた予約への協力を依頼するなど、様々な対策を組み合わせ、円滑な予約受付の実現に取り組んでまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、かかりつけ医、歯科医、薬局の啓発強化についてお答えいたします。  区が昨年九月に実施いたしました世田谷区民の健康づくりに関する調査では、かかりつけ医がある区民が六十歳以上で八割を超える一方、若い世代ほどかかりつけ医がないと回答した割合が高く、同様の傾向がかかりつけ歯科医、かかりつけ薬局にも見られます。  お話にありましたとおり、日頃から診察はもとより、健康に関することを何でも相談できる身近なかかりつけ医やかかりつけ歯科医、薬の飲み方などの相談ができるかかりつけ薬局を持つことは、区民が健康を保持増進するためにとても大切であると認識しております。  区では、これまでもホームページをはじめ、「せたがやシルバー情報」、お薬手帳に挟み込む連絡カードのほか、せたがや子育て応援ブックへの掲載など、様々な媒体を活用し、区民がかかりつけ医などを持つことができるよう、周知啓発を行っております。  区では、引き続き、区内医師会、歯科医師会、薬剤師会の御協力をいただきながら、特に若い世代に向けた、より効果的な働きかけができるよう、御指摘の点も踏まえまして、関係所管と連携し、せたがや子育て応援アプリの活用など、さらなる周知啓発に努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、オーラルフレイル対策についてお答えいたします。  団塊の世代が七十五歳以上となり、国民の三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上となる超高齢社会を目前に控える中、高齢者の健康を守ることは、活力ある地域社会の実現に向け大変重要であると考えております。  議員御指摘のオーラルフレイルは、口の健康意識の低下から始まり、食べこぼしなどの些細なトラブル、口腔機能の低下から食べる機能障害へ陥り、心身の機能低下につながる場合があるなど、全身の健康に深く関連していることが分かっております。  区では、現在、全二十八地区で行う介護予防講座や、お口の元気アップ教室、各種歯科検診等の口腔ケアに関する取組等をあんしんすこやかセンターや歯科医師会等との協力、連携の下に実施しております。  今後は、御提案いただきました事例を参考に、コロナ禍を考慮したプッシュ型通知等、外出せずとも情報を入手できる広報等を研究するとともに、口腔の健康と全身の健康との関連性につきましても、全世代を対象としたエビデンスを踏まえた分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。  以上です。 ◎工藤 財務部長 私からは、入札制度改革について御答弁をさせていただきます。  今回の入札制度改革は、公契約適正化委員会からの公契約条例の実効性確保を求める答申や、低入札価格調査の増加など、公契約をめぐる地域経済の現状を踏まえ、条例の趣旨を入札制度に反映させる観点から実施するものです。  改革の柱となる新しい総合評価方式入札では、条例に基づく取組の公契約に係る評価とともに、品質とのバランスを重視する価格評価により、過度な低価格の抑止などによる事業者の経営基盤と雇用の安定化、ひいては区内建設業の健全な発展に寄与するものと考えております。  また、労働者にとっても適正な賃金の支払いなど労働環境の確保、向上につながる仕組みとなっており、その効果が確実に発揮されるよう、労働報酬下限額の遵守について、入札時に加え、工事完了後にも確認するほか、労働者への下限額周知カードの配布など、実効性確保の取組も併せて進めます。  来年度は、新方式の試行として、事業者の準備も勘案し、工事入札全体の一割程度の案件を工種、規模、発注時期などから選んで実施する予定ですが、公契約条例が目指す公共事業の品質確保と区民福祉の増進に向け、年度末を待たずに結果の検証を行い、可能な限り早期に拡大を図ってまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、三点御答弁いたします。  まず、商店街の加入促進についてです。  各商店街では、新しい店舗の開店に際し、それぞれ加入勧奨を工夫しており、例えば商店街の活動や街路灯の維持、防犯、見守りなどの社会的役割を記したパンフレットを持参し、マンションの管理費などを例に、商店街加盟費の必要性や具体的な経費内訳を示すなど、じっくり話を聞いてもらうことで、活動に理解を得て加入してもらうことができている事例があります。また、売出しをはじめとしたイベントに加入する前に参加してもらい、売上増を実感してもらうことで、メリットを理解してもらい、加盟につなげたという事例も少なくありません。  コロナ禍を経て、身近な地域が見直される中、商店街の果たす公共的な役割はより一層重要となると考えています。条例改正を契機に、これまでの各商店街の加入促進の取組を商店街連合会と確認、点検し、効果的な支援の在り方について共に検討してまいります。  次に、農福連携事業での農業経営についてです。  農福連携事業は、現在、運営方法の細部を詰めているところです。まずは、障害者が通所している施設などから、屋外就労として農作業を体験することから始め、農業の就労に結びつけることを目指しています。  農福連携事業で、農作業に不慣れな障害者の工賃の向上や就労につながるには、御指摘のとおり、熟練農業者の力を借りる必要があります。農業分野の関係者から一年間の作付計画の流れや自然災害などアクシデントへの備え、また、単価の高い野菜の栽培方法や廃棄ロスが出ないような加工品への活用など、様々なアドバイスをいただきながら、農福連携事業の経営向上に努めます。  次に、特定生産緑地への移行申請状況です。  移行申請割合が八八%でお答えさせていただいてから、その後の進捗状況ですが、追加の申請は二件で、申請のパーセンテージに大きな変化はございません。なお、申請締切りを前に、JAとも協力して未申請の農家に申請漏れがないよう、一件ずつ丁寧に確認を行ってまいります。  私からは以上です。 ◎和田 保育部長 私からは、認証保育所への支援について御答弁いたします。  令和三年十一月十一日の福祉保健常任委員会において御報告いたしましたように、令和四年度より、認証保育所の補助対象利用時間を月九十六時間以上の契約まで拡大し、短時間勤務や求職活動中の方も利用しやすい制度とすることとしております。しかしながら、年度途中の入園により、欠員状況は四月の三百六人から十月の二百二十人へと改善はしてきたものの、コロナ禍において、地方出身の保育士確保が難しくなっていることなどにより、経営上の判断から閉園に至る事業者もあり、認証保育所の経営は厳しい状況が続いていると認識しております。  夜間利用や短時間利用など、多様な保育の受け皿である認証保育所への支援につきましては、地域の子育て支援施設としての役割強化や保育の質の向上について、事業者との意見交換を行いながら、また、今年度からサポーター園となった区立保育園と連携しながら、具体的な検討を進めてまいります。さらに、東京都に対して、引き続き新たな支援策や基準の見直しを求め、保護者のニーズに応え、保護者から支持され、地域に根差した施設となるよう、認証保育所への支援を続けてまいります。  以上です。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、私立幼稚園の保護者負担軽減の検討状況について御答弁申し上げます。  区では、私立幼稚園を対象に、園児が急激に減少した小規模園に対しての運営費の一部、幼児教育無償化に伴う事務手続に係る事務費の一部、食育普及促進や研修研究のための助成金などを支給し、私立幼稚園等の振興及び発展、区民の教育文化向上の促進に努めてまいりました。また、園児の保護者を対象に、保育料等について一定額を補助し、私立幼稚園に通う園児の御家庭への経済的負担軽減等にも取り組んでおります。  補助額については、令和元年十月からの幼児教育・保育の無償化の実施に伴い、区内の平均保育料などを参考に、年収等に応じて月額二万八千五百円から三万八千九百円と認定し、そのうち国、都の補助を除いた区の上乗せ補助額は年収に応じ、月額千円から七千円としているところでございます。  議員お話しのとおり、区内の各私立幼稚園では、子どもを取り巻く状況の変化により、近年、保育料の増額を余儀なくされており、区としては、保護者が区内の私立幼稚園を選択できる環境が守られるよう、保護者の負担軽減や幼稚園運営の安定化に資するため、保護者補助の上乗せ部分の見直しに向けて前向きに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、マンション管理の適正化についての御答弁です。  高経年マンションにおきましては、居住者の高齢化に伴う管理組合の担い手不足や修繕費積立ての停滞、老朽化が進行する建物の適正な維持管理、再生に向けた取組の強化が喫緊の課題となってございます。区では、第四次住宅整備方針にマンションの維持、再生と適正な管理を重点施策に掲げまして取り組んでいくこととしてございます。  現在、区では、東京都マンション条例に基づき、管理組合の設置が義務化される昭和五十八年以前に新築された分譲マンションを対象に、管理状況届出制度を開始し、管理組合はないなど、管理不全の兆候が見られるマンションに専門家によるヒアリング調査をはじめ、マンション交流会でのセミナーや講習会を毎月開催するなど、課題や対応等の情報共有を図り、解決へつなげる取組を進めているところでございます。  区といたしましては、建物の老朽化や居住者の高齢化に伴うマンションの管理不全を抑制していくためにも、マンション実態調査によりまして、現状把握を行うとともに、国や都の動向を踏まえ、住宅委員会において御議論いただきながら、専門家による助言や支援、法に基づくマンション管理適正化推進計画の策定など、施策や支援策について検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十八番(真鍋よしゆき 議員) 御答弁ありがとうございました。  再質問、まず一点だけ、三回目の接種ですけれども、ファイザーを打っていた方が、今度は違うものだよと言われた場合、やっぱりあくまでファイザーがいいとか、そういう方はいらっしゃると思うんですよね。そういう場合、区はどう対応されるのかお尋ねします。 ◎久末 住民接種担当部長 ファイザー社ワクチンを希望される、特に高齢者が多いのかと思うんですけれども、この方たちへの対応について御答弁いたします。  ファイザー社のワクチンは、希望する方が多いことが想定されることから、まずは、今後も国に対して追加供給をするように要望してまいります。また、現時点で国が示しているワクチン供給量は、令和四年三月分までであることから、四月以降には希望する方がファイザー社製ワクチンを接種することが可能になるのか、今後のワクチン供給の見通しを早期に示すよう国に対して求めてまいりたいと思っております。  同時に、区民の方々に対して、ファイザー社とモデルナ社のワクチンは、メッセンジャーRNAワクチンという同じ働きをするワクチンであることや、モデルナ社のワクチンの効果や安全性など、正確な情報を積極的に周知し、ワクチンの種類にかかわらず、できるだけ多くの方に三回目接種を受けていただくよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆三十八番(真鍋よしゆき 議員) 御答弁ありがとうございました。何点かお尋ねしまして、それぞれ答弁いただいたわけですけれども、特に区長が六点お答えいただきまして、その中で、区民の困り事の十六年間一位である道路が狭くて危ない、このことについて、具体的な例も出しました、区長自らの行動も含めて、積極的に動いてくださるというふうに理解しました。  主要生活道路一〇六号線ですが、これまでも取り上げてきましたが、前回の決算特別委員会で、この事業に当たって五十五年、課長さんは何人替わっているのかといったら、二十一人という答弁をもらっていますけれども、これはちょっといかに何でも、それぞれの人の思いはあると思うんです。でも、やはりこれは個人の権利と公共の福祉という問題なのか、いろいろ重い問題もありますけれども、やっぱりその方のもちろん哲学もあるんでしょうけれども、そこをやっぱり世田谷区の長として説得をして協力してもらう、もうその時期だと本当に思います。保坂区長のこれこそ出番だと、私は本当に思っています。  それから、鉄道の立体交差事業も、今どんどん動いてきているわけですけれども、今の例をもってみても、やっぱり協力してくれない方がいらっしゃったら、そこでまた時間がかかってしまう。しかし、もう毎日毎日開かずの踏切の問題、本当にそれぞれ区長も、皆さんも、知っておられると思いますが、もう毎日が大変な状況です。それこそやっと踏切が開いて、自転車と歩行者が入っていった。そうしたら、もう途中でまた閉まっちゃって、もうみんながバーを上げながら、協力しながら、毎日過ごしている、こんな状況です。ですから、やっぱりこれが現実ですよね。だからこそ、区民の意識調査を取れば、それがやっぱり困り事一番になるんですよ。  その点に対して、世田谷区は真正面から真摯に向き合っているかというのをやっぱり皆さん見ていると思うんです。ですから、これまでも各会派の皆さんもそれぞれ様々な思いで取り上げてきたと思いますが、ぜひとも、区民のニーズに応えて、区長自らが先頭に立って、懸案を解決してもらいたいと思います。それがやっぱり区行政にとっても、我々議会にとっても、世田谷区は一生懸命やっているなということを示すことだと思いますので、本当に心の底からその結果、成果に期待をしております。  そのほか、最初に申し上げましたとおり、財政が厳しい、厳しい、七十億円足らないから、学校改築も厳しいかもしれないけれども、でも、スピード感を持ってと言ってくれましたけれども、厳しいと言いながら、税外収入を得るということに対して、何かまた違うような感じがするし、厳しいならもうありとあらゆることで税外収入を得るんだ、税外収入を得るよりも、やはり区の財産を大切にして、近隣住民とやっていくんだみたいな、何か違う世界にいるような気がするんです。だから、先ほど、これは池尻中学校跡地のことですけれども、これからいろんな形で議会に意見を聞き、また説明をすると言ってくれていますんで、これからの委員会での審議について注目していきたいと思います。
     このことを述べまして、自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○下山芳男 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時十一分休憩    ──────────────────     午後四時二十五分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  公明党を代表して、四十番いたいひとし議員。    〔四十番いたいひとし議員登壇〕(拍手) ◆四十番(いたいひとし 議員) 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、日本社会はこれまで経験したことのない危機に直面しました。長期にわたり国民の命と暮らしが脅かされ、とりわけ子育て世帯や女性、非正規労働者などの生活に大きな影響が及んでいます。加えて、日本社会がもともと抱えていた貧困、格差、社会的孤立、少子・高齢化、感染症対策の脆弱性、デジタル化の遅れなどの課題も浮き彫りとなりました。  我が党は、コロナ禍が国民生活に及ぼした教訓を生かし、誰一人取り残さないとの理念の下、社会的孤立を防ぎ、多様性を尊重し、誰もが希望を持ち、安心できる区政の構築に総力を挙げて取り組んでいくことを改めて申し上げます。  さて、質問に入る前に、令和元年度に発生した台風十九号の被災者に対する特別区民税・都民税減免申請の還付手続の一部につき、不適切な処理がなされたことは誠に遺憾であります。私は、被災者からの声を伺い、特別区民税の減免を議会で求めてきた立場からすると、今回の事案は、区全体として被災者に寄り添うという意識が希薄している証左であります。いま一度、区幹部への猛省を促したいと思います。  それでは、質問に入ります。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  十一月二十六日現在で二回目のワクチン接種を終えられた方は、対象者人口の八一・二%であります。一方で、一六・九%の約十四万人の方は未接種という状況にあり、そのうち六割が三十九歳以下の若者世代であります。これまでの取組を踏まえ、以下、五点質問してまいります。  第一は、柔軟な接種体制です。  三十九歳以下の未接種者の若者が八万人いるということを考えると、ワクチン接種の啓発及び若者世代の生活様式に寄り添った柔軟な接種体制が求められます。そのためには、三軒茶屋や下北沢でのウイークエンド接種に加え、夜九時までの時間延長や予約なし接種など、柔軟な体制構築が必要です。接種率向上に努めるべきです。区の見解を求めます。  第二は、三回目の接種に向けた課題です。  さきの福祉常任委員会において、三回目の接種に向けて、前回の接種における取組や課題を振り返り、今後の改善に生かす接種計画及び実施手順が発表されました。その多くが、我が会派の提案が反映されたものであり、評価しますが、さらなる改善を求めます。  特に高齢者からの接種が始まることを考えれば、対象者以外の高齢者からの問合せや予約が殺到することが想定されます。混乱を生じないレスポンスのよさが問われます。また、好評であったまちづくりセンターでの予約支援が継続的に受けられるよう、体制整備も必要です。  しかし、要介護者や難病で移動が困難な方や、その家族から要望が強かった接種会場までのタクシー券の交付については検討されておりません。介護度三以上の方を対象に加えるよう強く要望しますが、区の見解を伺います。  第三は、第六波に備えた自宅療養、サポート体制です。  第五波のピークを迎えた八月初旬から新規感染者数が一日に四百人を超える状況になり、医療機関の病床が逼迫し、重症患者の入院調整が困難となりました。その影響で、自宅での療養を余儀なくされた方が、一日最大三千六百名に迫り、医療機関での陽性判定後、保健所からの療養措置決定に関する連絡が滞り、混乱を招きました。  そのはざまで、第五波での自宅療養者合計一万一千五百七十二名中六十二名の方に対して、状況や安否確認が徹底されない事態が生じ、残念ながら一人の方がお亡くなりになりました。心からお悔やみを申し上げるとともに、そうした教訓を踏まえ、保健所体制の強化や酸素療養ステーションの整備に加え、自宅療養者の不安解消に応えるべく、電話やオンラインを活用したスムーズな対応、さらに訪問による体調確認など万全な体制を構築する必要があります。特に医師会をはじめとする医療機関と緊密な連携体制を築いておくことが肝要であります。区民に寄り添ったきめ細やかな対応について見解を求めます。  第四に、後遺症実態調査の目的です。  先般発表されたアンケート調査は、四月十五日の時点で保健所に発生届を提出した八千九百五十九人を対象に行い、三千七百十人の方から回答を得た結果をまとめたものです。もちろん後遺症に関する問題に取り組まなければならないとの認識は共有しますが、一方で、この結果をどのように活用するのか、目的が不明確であります。  既に厚生労働省は、実態を把握するための調査を実施しており、同省のホームページには、その中間結果が報告されています。また、今年度末に最終結果が取りまとめられます。にもかかわらず、区は今般の補正予算第五次において、追加調査費用として千三百五十万円を計上しています。我が党は、目的が定まっていない調査に税金を投入すること自体極めて不適切であり、アンケート調査に協力してくれた方に対して誠意を欠くものであります。国や都、医療機関との連携もなく、一体どのように活用するのか。具体的かつ明確な答弁を求めます。  第五は、(仮称)ワクチン・検査パッケージ制度です。  国においては、感染対策と日常生活の回復の両立に向けて、将来の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下においても、感染リスクを低減させることにより、飲食やイベント、人の移動等の各種分野における行動制限の緩和を可能とするための制度を検討中であり、実証実験も行われています。  我が党は、同制度を活用した行動制限緩和は必要と考えますが、アレルギーなどの理由でワクチン接種ができない人が社会的に不利にならぬよう、PCR検査や抗原検査を無料で受けられる体制を準備する必要があると考えますが、区の認識を伺います。  次に、新BOP学童クラブの民営化についてです。  先日の常任委員会で、新BOP事業の喫緊の課題解決に向けた取組についてが報告されました。子育てを支え、応援する学童クラブとして、時間延長を実施するための方策や多様なニーズに応えるための民間活用など、具体的な改革方針が示されると期待をしていました。  しかし、時間をかけて検討した結果は、学童クラブを利用する児童が多くて、処遇が困難な職場だけを喫緊の課題として、七年かけて十五か所の民間施設を整備するとの方針には正直驚きを隠し得ません。職員の負担軽減のために多額な予算をかけてシステムの導入を決めたにもかかわらず、今回の取組案は、登録児童を外へ出して、学校内の学童クラブの利用人数を少なくし、職員のための余裕ある職場にするための方策と言わざるを得ません。一番大事な行政改革には全くなっていません。  他自治体では、時間延長などのニーズに応えるため、公設公営のままでも利用者へのサービス拡充を行っています。また、民営のほうがサービス向上に対応できることから、学校内での学童クラブも公営から民営に切り替えているのが実態です。仮に民間誘致でニーズに対応する方針であるのならば、十五か所を令和五年までに整備するぐらいの大胆な施策を打ち出すべきです。進め方に大いに疑問があります。  そこで二点質問します。  一点は、学童クラブの民営化です。  今回の方針は、子どもたちの遊びの分断を生まないとしてきたこれまでの方針を百八十度転換する結果になります。裏を返せば、大規模化への対応が後手になり、身動きが取れなくなっているのです。小手先の対応ではなく、学校内外を問わず、新BOP及び学童クラブを民営化し、早急に対応策を講じるべきです。見解を伺います。  二点目は、公有財産の活用で民営化を進めることです。  民営化を進める上で課題となるのが、土地や建物の確保です。区では、民間に委ねて学校外に確保する方針ですが、あまりにも無責任と言わざるを得ません。公有財産の活用を提案して民営化を進めるべきです。子ども・子育て応援都市宣言をしたにもかかわらず、子育てを応援する世田谷区はどこへ行ってしまったのでしょうか。今回の判断が区長の姿勢でしょうか、区長に伺います。  次に、福祉人材の確保、定着、育成についてです。  当区においては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムの構築と、二〇二五年までに特別養護老人ホーム千床整備計画をはじめとする介護施設の整備が進められています。  しかし、一方で、介護サービスの担い手となる人材の確保は厳しい状況です。特に団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年以降、介護サービス需要の増大が想定されており、全国では三十二万人の介護人材が不足し、うち東京では三万五千人、さらに世田谷区では二千二百人不足すると見込まれています。このままでは介護難民が発生する事態もすぐそこに来ています。  特養などでは、人材を確保できず、人材仲介・派遣業者に頼らざるを得ない状況にあり、業者への支払いが経営を圧迫するなど、厳しい実態が我が党にも寄せられています。  その中、政府は、十九日に決定した経済対策に介護職の賃金を月額三%程度、九千円引き上げることを盛り込みました。区としてもこうした状況を処遇改善の好機と捉え、介護人材の確保策に一層取り組む必要があります。  そこで、既存の制度活用について三点質問します。  一点目は、東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業です。  本事業は、住宅費の負担を軽減することで、介護職員の働きやすい職場環境を実現し、介護人材の確保や定着及び処遇改善につながる事業であり、大いに期待されています。区としても、都の事業の活用に加え、対象事業所の拡大や、借り上げ期間の延長など、さらなる拡充を図るべきです。区の見解を伺います。  二点目は、介護人材の確保です。  国においては、今年度、返済免除つきの介護職就職支援金貸付事業の創設がされました。この事業は、介護未経験者、無資格者、無職等の求職者が、介護職員初任者研修などの公的職業訓練機関における介護研修を受講して介護職場に就職すると、都道府県社会福祉協議会から最大で二十万円の貸付けを受けることができ、その後、介護職場で二年間勤務すると、返済免除となるものです。  介護研修は、ハローワークのあっせんによって受講することができますが、雇用保険受給資格のある方は、雇用保険を受給しながら無料で受講できます。雇用保険受給資格がない方でも、一定の要件に合致すれば、毎月十万円の給付を受けながら無料で受講することができます。こうした制度の周知や福祉人材センターとの連携で、新たな介護人材の掘り起こしを行うべきです。区の見解を求めます。  三点目は、介護人材の育成、定着です。  大学生の約四割は、貸与型の奨学金を受けており、平均の貸与額は四百五十三万円です。平均賃金が全産業と比べて月六万円も低い介護現場で働く場合、返済が重荷となり、やむなく離職する要因にもなっています。  こうした実態を重く受け、我が党の提案で、国においては、勤務先の企業がその返済を負担した場合、法人税を軽減する制度が設けられています。東京都においても、都議会公明党の働きで、平成三十年度から介護職員奨学金返済・育成支援事業が実施されています。年間六十万円の借入れができ、五年間業務に就くと返済が猶予されます。他業種から介護職に就く機会とするため、制度のPRを含め、区独自の追加策として、期間の延長や半年以上の経験者も対象に加えるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、障害理解の促進についてです。  区は、障害理解の促進及び障害者の差別解消、手話言語などの情報コミュニケーション等に関する条例制定に向けた考え方を先般示しました。条例制定の目的は、共生社会ホストタウンとして地域共生社会の実現を目指して、将来にわたってレガシーを築いていくという区の姿勢を明確に示し、必要な施策を展開していくために条例を制定することが必要であるとしています。  しかし、骨子案において、区が障害者を見守る対象とした考えは、地域共生社会の実現の具現化を目指す上で逸脱した内容であることをさきの決算委員会で指摘しました。また、区が示した条例検討の発想は、障害の理解、差別が解消されていないから条例をつくるのだと言っていますが、既に様々な行動計画もあります。屋上屋を架するものであります。  また、条例のモデルとして、鳥取県のあいサポーター制度を例示していますが、同制度は、障害のある方も暮らしやすい社会を実現するため、様々な障害を正しく理解し、障害のある方へのちょっとした配慮や手助けができるサポーターの養成を十三年前から行い、現在、五十七万人のサポーターを養成するなど着実な取組をしています。区民を巻き込んだ運動は条例がなくてもできます。  さらに、手話言語などの情報コミュニケーション等に関する検討案は、障害種別に関して、公平性に欠ける条例と言わざるを得ません。手話言語だけ特筆することに違和感を覚えます。他自治体では、全ての障害種別に公平なコミュニケーション手段を講じることを目的とした条例制定となっています。区の条例検討は共生社会実現に逆行しています。  そこで二点質問します。  一点目は、これまでの条例や計画に対する行動の姿勢です。  障害の理解、差別解消は、条例云々以前に取り組むべき課題であります。例えば鳥取県のようなあいサポーター制度の導入や、視覚障害者の側に立って、点字ブロックが整備できているのか、音響式信号機の不足はないのかなど、障害種別に応じて総点検するだけでも障害者理解につながります。条例がないから障害者理解が進まなかったと責任転嫁するのではなく、共生社会実現のために職員自らが町に出て範を示すべきです。見解を伺います。  二点目は、条例制定の再考です。  国の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律や、東京都の障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例では、誰もが地域で共に暮らすために必要な配慮が記されています。何度も申し上げますが、今必要なのは、条例をつくることではなく、既にあるノーマライゼーションプランや世田谷区障害者福祉計画などを着実に実現する行動力であります。再考を求めます。  次に、災害対策における助成制度の活用と創設についてです。  令和元年十月に発生した多摩川流域の水害をはじめ、近年、集中豪雨による被害は区内各所で発生しており、都市型水害対策の強化が必要不可欠となっています。現在改定中の世田谷区豪雨対策行動計画の着実な推進が求められる一方で、いつ発生するか分からない自然災害に対して、災害に強い住まいへの取組が求められます。  そこで二点質問します。  一点目は、長期優良住宅化リフォーム推進事業の活用です。  新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、避難所での感染症予防対策の強化とともに、在宅避難の重要性が再認識され、区民自ら災害に備える自助力の強化がますます重要となっています。その一方で、避難行動要支援者への取組や町会の自主防災組織の高齢化や担い手不足から、共助力の低下が大きな課題となっています。  こうした社会的変化を背景として、我が党は、災害に対する自助力を高める立場から、区民向け蓄電池導入補助事業を提案し、二年目の本年も半年で予定額に達する大反響となっています。  さらに、我が党は、自然災害に対応する住宅改修工事を行った場合の補助制度を国に求めてきた結果、本年四月より、既存の長期優良住宅化リフォーム推進事業に、自然災害に備えた改修工事が追加されました。具体的には、水害に備えた止水板や自家発電設備、蓄電池、水の確保のための非常用貯水タンク設置など、各家庭で取り組めるメニューとなっています。区としても、この長期優良住宅化リフォーム推進事業を広く周知し、活用を図るべきです。見解をお伺いします。  二点目は、防災対策優良マンション認定制度の創設です。  多くの区民が暮らすマンションが、それぞれ災害対策に取り組むことは、地域防災力向上につながる重要な取組だと考えます。中央区では、マンションの防災力向上と地域とのつながりを高めるため、防災対策を進めるマンションを防災対策優良マンションとして認定して、AEDや大型炊き出し器、仮設トイレの購入助成を行っています。認定の条件として、町会・自治会への加入を条件にすることで、地域との連携が日常で取れるように工夫されています。  さらに、炊き出し訓練など防災訓練実施に対しても助成を行っており、マンション住民や近隣マンションとの交流などにも活用されています。当区においても、マンションごとに防災対策を進めることができ、マンション住民と地域住民が交流を持つ機会の創出にもつながります。防災対策優良マンション認定制度を導入すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、働く女性と子どもの自殺防止についてです。  政府は、今月、二〇二一年の自殺対策白書を決定しました。その中で働く女性の自殺者数は、昨年度千六百九十八人となり、過去五年間の平均千三百二十三人と比べて三割近く増加しました。自殺の原因や動機では、職場環境の変化や人間関係などの勤務問題が最も増えていることなどから、新型コロナウイルス感染拡大による労働環境の変化が関連した可能性があると指摘しています。また、児童生徒の自殺者数も四百九十九人と過去最多となっています。  自殺者に対する対応として当区は、令和元年に自殺対策基本方針を策定し、対策に取り組んでいますが、昨年の自殺者数は百五人と三年連続で増加しています。加えて平成二十五年から医療機関と連携し自殺未遂者の支援も行っていますが、これまで支援してきた百七名のうち四名がその後自殺をしています。フォローしても自死に至るという現実を考えると、対策の難しさを感じます。  そのことを踏まえ、二点質問します。  一点目は、働く女性の自殺防止対策です。  区においては、働く女性の相談窓口に男女共同参画センターらぷらすがあり、これまで女性のための悩みごと・DV相談として、家庭、人間関係、生き方など様々な問題のカテゴリーで悩みを伺ってきました。近年、自殺をほのめかす相談も増えていると伺っています。したがって、らぷらすと保健所、健康づくり課などの連携は欠かせません。また、SNSなど、働く女性の様々な声を聞く相談機関はほかにもあります。  区としても、相談を実施している民間団体とも情報の共有化を図り、専門家や関係団体との定期的な連携を行うなど、セーフティーネットを細やかに構築し、孤立させない取組が必要と考えますが、区の見解を伺います。  二点目は、児童生徒の自殺防止対策です。  親のテレワークや学校行事の中止、友人との関わりの変化など、コロナ禍での子どもの心にも変化が生じています。国立成育医療研究センターの調査では、約半数の児童生徒が、先生や大人に話しかけにくくなったと回答し、また、七割以上が何らかのストレス症状を抱えているとの調査結果が出ています。子どもは自分の気持ちを客観的に見ることが難しく、いらいらや不安に気づいたり、収めたりする力も不十分です。また、コロナ禍による環境の変化は、知らないうちに心や体、行動面のストレス反応を生じさせる要因にもなっています。  こうした中で、子どもの声を聞き、寄り添うための教育現場や行政の工夫が欠かせません。また、大人が子どもの声を丁寧に聞くせたホッとの役割もますます重要になってきています。子どもの声を聞く取組について見解を伺います。  次に、学校施設の環境整備についてです。  九月に改定した世田谷区公共施設等総合管理計画では、今後、毎年五百八十億の公共施設の整備費及び維持管理経費が必要との試算であります。特に経費がかかる学校施設においては、令和七年度まで三十五人学級への対応や、老朽化した学校の改築、大規模化対策など、様々な問題が重層的に絡み合っています。これらの課題を今後どのようにベストミックスで解決していくのか、児童生徒の学びの環境を整備していくのか、戦略的な対応が求められます。  そこで二点質問します。  一点目は、三十五人学級、老朽化、大規模化への対応です。  三十五人学級に向けては、大規模な改修工事が必要な学校が十五校あり、その多くが大規模校であり、新BOP事業の狭隘化や学童クラブ待機児が多い学校です。我が党は、三十五人学級に対応すると同時に、新BOPや学童クラブの狭隘化の解消にも寄与する総合的な観点で改修計画を推進すべきと考えます。もちろん特別教室の転用で三十五人学級に対応する三十五校においても、新BOP事業の狭隘化につながる転用は避けるべきと申し上げます。区教委の見解を伺います。  二点目は、学校施設における未利用地の活用です。  学校施設におけるビオトープ、畑などの既存施設については、時間の経過とともに管理不全となり、本来の目的を果たせずに野放しになっている施設が散見されます。学校の大規模化、狭隘化が大きな課題となっている学校において、有効利用の観点から、学校施設の総点検を行い、最大限教育環境整備に努めるべきです。見解を伺います。  最後は、世田谷区地域行政推進条例についてです。  今般、条例の検討状況が報告されました。条例案は、これまでまちづくりセンターが行ってきた業務を整理して、改めて条例化するものだと説明がありました。しかし、この条例を制定し、果たして地域行政がどのように変わるのか、否、変えようとしているのか、その方向性が全く見えてきません。  地域行政制度が導入されて三十年が経過し、高齢化の進展、地域活動の担い手の不足、情報技術の進展など生活環境が大きく変化しており、住み慣れた地域で安心して住み続けられる地域社会の実現に向け、地域コミュニティーの醸成を促進し、住民参加の機会づくりを進めなければなりません。  そこで二点質問いたします。  一点目は、まちづくりセンターは地域課題を解決する組織にすることです。  条例案では、まちづくりセンターの業務は、福祉相談や事務の取次ぎをするとありますが、これでは何の変化もありません。我が党は、地域課題を解決する組織にすることを求めてきました。すなわち、地域住民から寄せられた相談などをきっかけに、個別に必要な支援につなげ、地域のネットワークづくりなどに取り組むコミュニティソーシャルワーク機能を求めているのです。そのためには、まちづくりセンターの業務を大胆に見直し、課題解決をするための権限や予算を付与する必要があります。区の見解をお伺いします。  二点目は、まちづくりセンターにおける所掌事項の明記です。先ほどまちづくりセンターは地域課題を解決する組織にすべきと申し上げました。そのためには、所長の責務やまちづくりセンターの業務を明確に条例に定め、所掌事項をきっちりと明記して、所長のリーダーシップの下、地域の課題解決に取り組む組織にすべきであります。見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕
    ◎保坂 区長 いたい議員に、私から三点お答えいたします。  後遺症アンケートについてでございます。  新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染が拡大し始めた昨年の早い時点から、味覚障害、嗅覚障害などの症状が注目されました。ただし、その全体像は把握し切れないまま推移をしてまいりました。自治体の役割は、住民福祉の向上にあり、区民の中で陽性になった方々が後遺症を抱えている実態を全体像として把握するということは重要だと考えました。もちろん区で大規模調査を実施する前に、国や研究機関など、様々な後遺症の調査の有無を確認し、複数の医師や医療機関、専門家の話も聞きましたが、いずれの調査も入院患者が対象であったり、回答数も数百にとどまるなど、比較的規模の小さな調査がほとんどでありました。  今年度に入り、全数アンケートの調査ということの実施をいたしました。まずは実態をつかむこと、そして結果をオープンにデータ化して開示をし、コロナ治癒後も、ウイルスが消えた後も、後遺症に苦しむ人々が決して少なくないことについて、社会的な理解を進めるとともに、多くの知見の協力を得ながら、最終的には後遺症の原因究明や治療法の確立に役立っていくことにあります。  新型コロナ対策については、これまでも国や東京都と協力して進めてきましたが、世田谷区の調査により判明した知見をそれぞれの機関で普遍的に活用していただくことも重要だと考えております。  つい先日、私も厚生労働省医務技監へ直接この報告書を持参いたしまして、今回の調査結果を、私、そこにポイントとなる幾つかの特徴を説明させていただきまして、国としてより大規模な調査を実施するとともに、後遺症の原因究明と早期治療方法の確立を訴えてまいりました。厚労省からは、こうした住民対象の調査は大変貴重だと評価もいただきました。  今後の追加調査に当たりましては、厚労省との設問項目の調整等も綿密に行いまして、区内医療機関とも連携しながら、区民をはじめ後遺症に苦しむ多くの患者さんが、一日も早く回復されるよう、貴重なデータを活用してまいります。  次に、新BOP学童クラブの在り方についてであります。  区は、民間の放課後児童健全育成事業所を学校外に誘導することにより、喫緊の課題である大規模化を解消、これまでの新POP学童クラブを含めて、子どもたちが思いっきり遊び、様々な体験ができる環境を整えたいと考えています。公的責任の下に、子どもや保護者の選択肢を広げることは、子どもや子育てを応援する上で有効な方策と考えています。  民間の放課後児童健全育成事業所を学校外に誘導するに当たりまして、適切に持続的な運営を担っていただく事業者の確保とともに、その運営が可能な場所を確保することは大きな課題であると認識しています。この誘導の手法につきましては、事業者が運営場所を見つけて提案することを基本としていますが、迅速かつ計画的に誘導が進められるよう、運営場所として活用できる公共用地の活用も含め、様々な手法を検討するように所管に指示をしてまいります。  最後に、まちづくりセンターの在り方についてであります。  (仮称)地域行政推進条例の検討でお示ししている参加と協働を土台にした共創による地域づくりを進めるためには、まちづくりセンターにおいて、区民や町会・自治会、NPO、事業者など地区で活動する多様な団体等を相互につなぎ、また、地区展開を目指す児童館や小中学校関係のネットワークとも連携をいたしまして、地区の状況や課題を一体的に共有し、解決に結びつける総合調整機能の充実が何よりも期待をされます。  現在、社会福祉協議会地区事務局が、生活支援コーディネーターとしてコミュニティーソーシャルワーカーの一翼を担っています。福祉に限らず、多様な生活課題を、地域資源をマッチングすることで解決につなげていくコミュニティーソーシャルワーカーの働きは、まちづくりセンター充実の中でしっかりと位置づけていきたいと考えています。  福祉がともすると専門的に分化していく中で、支援対象の異なる公的サービスを横断的に把握し、活用の方法を提示できる広い視野と知見を持ち、実務に通じるコミュニティーソーシャルワーカーを育成していくことは、区の喫緊の課題です。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、五点御答弁いたします。  まず、三回目ワクチン接種についてです。  現在、二回目接種を終えた区民は八〇%を超えております。しかしながら、まだ接種を希望していながら接種していない方や、新たに十二歳になる方に向け、毎週金曜日と土曜日の日中、うめとぴあと旧二子玉川仮設庁舎の二つの集団接種会場を継続して開設し、勧奨を行っております。今後、三回目接種も含め、接種状況により夜間接種や予約なし接種についても改めて検討してまいります。  三回目接種に当たりましては、現在、一、二回目の接種の取組を振り返り、一つ一つ課題を改善し、十二月から始まります三回目の接種に向けて準備を進めているところです。コールセンターでの予約の際は、電話の集中を避けるため、接種券の発送を一週間単位の頻度で順次行うほか、予約電話のピークに合わせ、コールセンターの回線を増やす対応を行っております。また、前回、約一万五千件弱の御利用をいただき、大変好評だった区内二十八カ所のまちづくりセンターにおける予約支援についても、体制を整え、実施をしてまいります。  次に、第六波に備えた自宅療養、サポート体制の整備についてです。  第五波の自宅療養者の支援につきましては、当初、区の健康観察センターが、体調の確認や自宅で療養される方の電話相談に対応していました。しかし、陽性者の急増で業務が逼迫し、自宅療養者の不安を十分に解消することができなかったため、従来の健康観察センターに加え、九月には自宅療養者相談センターを新たに開設し、二十四時間の相談体制を拡充しました。  また、健康観察についても、国のシステムを利用した音声案内による健康観察の導入に加え、発熱の続く方や高齢者等のリスクのある方に対し、電話をかけて積極的に体調を確認し、その情報を保健所や医療機関と共有する仕組みを構築しています。  なお、自宅療養者の医療提供体制として、医師会を通じて電話やオンライン診療、訪問診療に対応可能な約八十医療機関を確保し、区の受診調整部門が適時適切に医療につなぐ体制を確立しました。  都が整備した訪問看護や助産師等による訪問事業も活用し、第六波の感染拡大に向けて、御自宅で療養される方々の安心と安全を最優先に、きめ細やかな取組を進めてまいります。  次に、新BOP学童クラブについてです。  今般の新BOP学童クラブの見直しは、大規模化の解消に加えて、この間課題となっています時間延長ニーズへの対応について、学校外に民間事業者が運営する放課後児童健全育成事業所、いわゆる民間の放課後児童クラブを誘致し、解決に向けて取り組むものです。  学校内の新BOP学童クラブは、引き続き区職員が支援が必要な児童の早期発見、子ども家庭支援センターや児童相談所が関わる困難ケースや要配慮児の丁寧な見守りなど、セーフティーネットなどの役割を担うとともに、学校外の民間放課後児童クラブとも連携し、必要とする全ての子どもに適切な遊びと生活の場を確保することで、育成支援に努めてまいります。  今般の民間の放課後児童クラブの誘致は、大規模校の近隣から実施する予定ですが、他校の子どもも利用できるようにするなど、できる限り早く必要とする子ども、保護者が放課後を過ごす場所を選択できる環境をつくりたいと考えております。  次に、地域共生社会の実現のために、区職員自らが模範を示すべきという御質問をいただきました。  障害のあるなしにかかわらず、誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現を目指す上では、その旗振り役としての区において、職員が率先して障害当事者の立場から状況を把握し、合理的配慮の提供に努めるなど、実践していくことが不可欠です。  これまでも、障害当事者や家族などから寄せられた相談や苦情の事例を集約し、全庁での共有を進め、改善にも努めておりますが、職員の資質向上や、当事者の視点に立った合理的配慮の提供など課題もあり、さらなる取組強化の必要があると痛感をしております。  引き続き、地域共生社会の実現に向け、せたがやノーマライゼーションプランに掲げる取組を着実に進めるとともに、区民や事業者による合理的配慮の推進や施設のバリアフリー化など、地域全体での行動の促進に向けて、職員一人一人が模範となるよう、職員研修を含め、あらゆる機会を活用し、全庁に徹底をしてまいります。  次に、障害理解の促進に関連しまして、条例の制定についてです。  区では、せたがやノーマライゼーションプランにおいて、地域の支えあいの推進、障害差別の解消、権利擁護を目標の一つに掲げ、障害理解を促進するため、講演会やシンポジウム、小学校への手話講師の派遣などに取り組んでおりますが、区議会や障害者団体、当事者から鳥取県のあいサポート運動についてのお話もあり、地域共生社会の実現に向けては、区民と一体となったさらなる行動が必要であると考えております。  そうした中、本年開催された東京二〇二〇大会を最大の契機として、障害理解の促進に向けて、区としての姿勢を改めて示していきたいと考えております。  今後、法律や都の条例、せたがやノーマライゼーションプランなどの計画を踏まえ、区議会をはじめ、障害者当事者や御家族、専門家などの御意見を伺いながら、条例については、進め方などの課題を整理してまいりたいと考えております。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは、まちづくりセンター所長の所掌事項について御答弁申し上げます。  まちづくりセンターを地域課題を解決する組織として強化していくためには、まちづくりセンター職員が積極的に町に出て地区の実態に触れ、区民や活動されている方の声を受け止めることが出発点になると考えております。  その上で、区民や多様な活動団体と情報を共有し、解決に向けた協力関係を築くコーディネート機能を充実させることが重要であり、支えあう機運を高めて、共に課題解決を図っていくことが必要と認識をしております。  体制の強化や専門性の向上などの課題はありますが、こうしたまちづくりセンター像を描く中で、まちづくりセンターが果たすべき役割を明確にして、具体的に事務分掌に位置づけるとともに、まちづくりの現場を掌握し、実践、支援する上で必要となるまちづくりセンター所長の責務と権限の在り方について、具体的に検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、四点お答えいたします。  まず、新型コロナウイルスワクチンの三回目接種の移動支援についてです。  区では、移動が困難な在宅の高齢者や障害者の外出を支援するため、福祉タクシー券等の交付による福祉移動サービスを提供しております。三回目接種に関して、自宅から集団接種会場に移動する際に御利用いただくよう、前回と同様、既存の制度を活用して、障害者には福祉タクシー券を、車椅子やストレッチャーを利用する障害者や高齢者には、予約料、迎車料の補助券、ストレッチャーの利用免除券を追加給付することといたしました。  なお、福祉タクシー券の対象者のうち、約六四%の方が障害者手帳を持つ高齢者でございます。  また、今回は、当初から、より身近な地域の病院や診療所での個別接種を実施するほか、在宅診療を行っている高齢者の方に対しましては、訪問医が御自宅に伺ってワクチンの接種を行う訪問接種も実施いたします。  さらに、何らかの事情により、かかりつけの訪問医による接種が受けられない方の相談をワクチンコールで対応することや、高齢者の方やその御家族、ケアマネジャー等に丁寧に周知を行うなど、安心してワクチン接種をしていただける環境整備に取り組んでまいります。  次に、福祉人材の確保、定着、育成について、三点お答えします。  まずは、都の宿舎借り上げ支援事業の活用と、区独自の助成の拡充についてです。  区では、福祉人材育成・研修センターでの各種研修や資格取得費用助成、採用活動経費助成など、様々な取組を進めております。お話しの東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業は、区と福祉避難所協定を締結している介護サービス事業所を対象とした事業で、利用定員数により最大二十戸まで四年間を上限に補助しているものでございます。  区においても、都事業の対象外である地域密着型サービス事業所に対し、平成三十年度から同様の事業を開始しております。また、令和二年度からは、区独自の特別養護老人ホームを対象にした宿舎借り上げ支援事業を開始しており、都事業の補助対象外の職種も対象に加えております。  区事業のさらなる拡充等につきましては、都事業の新規募集が令和五年度をもって終了予定であることから、都の動向を注視するとともに、区内介護サービス事業者や学識経験者等を構成員とする世田谷区介護人材対策推進協議会での御意見を伺いながら検討を進めてまいります。  次に、就職支援金貸付事業の周知と新たな人材の掘り起こしについてです。  区の福祉人材育成・研修センターでは、介護人材確保対策として、ハローワーク渋谷や東京都社会福祉協議会等と連携し、せたがや福祉のしごと入門講座、相談・面接会や区内介護施設等見学会等を実施しております。また、令和元年度から介護の基本的な知識を五日間、二十一時間で学ぶことができる入門的研修を実施しております。研修の最終日には、特別養護老人ホーム施設長会が主催するイベントと同日としたり、施設紹介のビデオを上映するなど、福祉の仕事への就労のきっかけづくりを行っております。  お話しの介護分野就職支援金貸付事業など都の介護人材関連事業については、都が毎月発行している「かいてき便り」の中で紹介しており、区のホームページにリンクを貼って周知しております。また、区が毎月発行するFAX情報便においても、個々の事業を適宜御案内しているところでございます。  今後も、区や都、ハローワークなどが実施する様々な事業について、機会を捉えてさらなる周知を図るとともに、コロナ禍においてもより多くの方に御参加いただけるよう、動画やウェブの活用を一層進めるなど工夫をしてまいります。  最後に、奨学金支援事業の周知と、区独自の支援の拡大についてです。  働きながら奨学金を返済する介護事業所等の若手職員に対し、その返済を支援することは、離職の防止と人材の定着に一定の効果があるものと認識しております。お話しの介護職員奨学金返済・育成支援事業は、今年度より、新卒でない介護業務を経験していない方も対象としたほか、高校の貸与型奨学金も対象にするなど、補助要件が拡充されました。  今後、より多くの方に本事業を活用していただけるよう、事業者に対して制度についてのさらなる周知を図ってまいります。  また、区独自の追加支援策につきましては、世田谷区介護人材対策推進協議会の議論を踏まえた上で、対応を検討してまいります。  以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、アレルギーや健康上の理由からワクチンが打てない人の検査の環境整備について答弁いたします。  十一月十九日にコロナ克服・新時代開拓のための経済対策が閣議決定され、その中には、健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない者を対象に社会経済活動を行う際のPCR・抗原定性等検査を来年三月末まで予約不要、無料とできるよう国が支援するとしました。あわせて、感染拡大の傾向が見られる場合に、都道府県の判断により、感染の不安がある無症状者等に対し検査を無料とする支援を行うとしておりますが、これについては詳細は示されておりません。  区では、これまで社会福祉施設に対し、PCR検査による定期的な検査や陽性者が発生した場合等に随時検査を実施し、さらに簡便かつ迅速に検査結果が分かる抗原検査キットを活用した抗原定性検査を実施するなど、検査開始から区内の感染状況等を見定めながら、その検査体制を適宜見直し改善を図ってまいりました。  議員お話しの区による検査で、予約なしの検査の実施ですが、国や都の動向に注視するとともに、国内だけではなく、海外の感染状況やワクチン接種状況も加味しながら、検査に係る財源の確保や運用場所、方法などの具体的な課題について検討してまいります。  以上でございます。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、災害対策に係る助成制度についてお答え申し上げます。  国土交通省によりますと、気候変動の影響で二十一世紀末には全国平均で降雨量が一・一倍に、また洪水の発生頻度は二倍になるとされており、水災害の軽減、防止の取組は一層重要性を増しているところでございます。  こうした中で、国では、議員のお話にありましたとおり、既存住宅の性能向上等の整備に資する優良なリフォームを支援する長期優良住宅化リフォーム推進事業の中で、自然災害に対応する改修への支援を今年度追加しており、直接補助する制度を新設しているところでございます。区といたしましても、この制度は浸水被害を防ぐ、備える手段などとして、区民に大変有益な制度であると認識しております。  今後、既存の区の助成制度とともに、この国の新たな助成制度につきまして、庁内の関係所管と連携して、区民への周知などを図り、水災害の被害軽減、防止に一層取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、防災対策優良マンション認定制度の導入について御答弁申し上げます。  お話しの中央区における本制度は、マンションの防災力向上と地域とのつながりを高めることを目的としており、マンション防災組織の設置や町会等との連携を図ることなどがその認定要件となっております。そうしたことから、地区における防災活動の担い手の確保など、地域防災力の向上につながるものであると認識してございます。  一方、区では、マンションなどの防災力向上を図るため、集合住宅の防災対策をまとめたパンフレットを作成し、配布を行うことで、入居者、住居者、所有者、管理者に対しまして、災害時の対応などの周知啓発に取り組んでいるところです。  議員お話しの本制度の導入に当たりましては、マンションの防災ニーズや地元町会の意向などの把握、モデル地区の設定なども視野に入れ、関係所管が連携して制度導入に向けた調査研究を進めてまいります。  以上でございます。 ◎片桐 生活文化政策部長 私からは、働く女性の自殺防止対策についてお答えいたします。  男女共同参画センターらぷらすでは、お話しの女性のための悩みごと・DV相談のほか、ライフステージに応じた女性のための働き方サポート相談などを実施し、誰でも気軽に相談できる敷居の低い窓口を開設しております。  希死念慮をメインにした相談は、令和元年度以降で十五件ですが、メンタルヘルスを主訴とする相談は、令和二年度で七百二十八件と、前年度に比べ約二・五倍に急増しており、この中には、死にたいほどのつらさを訴える方の相談も少なからず含まれております。希死念慮が疑われる相談があった場合、まずは傾聴に努め、状況を把握した上で、世田谷保健所などの関係機関につないでおります。  今後の課題といたしましては、相談者が抱えている問題や背景を的確に捉え、相談者に寄り添いながら伴走していくことだと認識しております。そのために、総合支所や保健所をはじめ、民間団体も含めた関係機関などとの連携をさらに深めてまいります。  以上でございます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 私からは、子どもの自殺防止対策における子どもの声を聞く取組について御答弁申し上げます。  せたホッとでは、子どもの権利侵害の救済を目的に、フリーダイヤルの電話相談、メールでの相談を中心に、子どもの声に寄り添いながら、丁寧に対応しております。  新型コロナウイルス感染症拡大による社会環境の大きな変化の中で、親の在宅ワーク機会が増えたことなどを踏まえ、子どもが親に知られずに相談できる手法として、今年度から、相談はがきの配布を新たに開始いたしました。  はがき相談は、十一月十九日の時点でございますが、新規相談件数が六十三件となっており、傾向としては、コロナ禍で減少していた小学校低学年、特に一、二年生からの相談が多く寄せられております。寄せられた相談への対応では、教育委員会をはじめ、児童相談所、子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携して相談対応への体制を整え、子どもの最善の利益の実現に向け取り組んでおります。  今後も、社会環境の変化に応じて新たな手法を導入するなど、一人でも多くの子どもの声を相談につなげられるような取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 教育総務部長 私からは、学校施設整備について、二点お答えいたします。  まず、三十五人学級、新BOP事業の狭隘化等への対応についてです。  教育委員会ではこれまで、施設の老朽化を踏まえた計画的な改築とともに、児童数の増加に伴う大規模化に対応するため、計画を前倒しした増改築や改修を進めてまいりました。しかしながら、国の施策による小学校三十五人学級への対応は、令和六年度末までに対策を講じる必要があることから、特に、狭隘化が進んでいる十五校につきましては、新BOP室の専用スペースを維持しつつ、多目的室やその他転用可能な部屋を普通教室に転用することを基本といたしました。  これら十五校につきましては、新たに改築や一部改築された学校が多く、少人数教室や大規模化に伴う新BOP学童クラブの活動の場などを敷地内に確保することが困難な状況であります。そのため、多目的室等の再設置や新BOP室の狭隘化解消に向け、改築改修など、優先順位にも配慮しながら、例えば、松丘小学校や中丸小学校において、学校敷地外に新BOP棟を整備するといった手法なども含め、関係所管と連携し、検討を進めてまいります。  次に、学校敷地内における未利用地の活用についてです。  学校の敷地規模は学校によって異なり、また敷地形状が不整形であったり、敷地内に高低差がある学校など、必ずしも児童生徒数に応じた敷地が確保されていない状況もございます。  このような敷地条件の中、学校施設以外に、地域防災施設や設備の設置、敷地の一部には学校ごとの特色を生かしたビオトープや畑を地域とともに管理するなど、学校敷地を様々な活用がなされております。  今後も、学校ごとの状況や建築の制限などを踏まえながら、学校敷地を最大限有効活用できるよう創意工夫し、学校の大規模化、狭隘化の解消に向けた検討を進めてまいります。  私からは以上です。 ◆四十番(いたいひとし 議員) 四点再質問します。  まずは、タクシー券のことですけれども、障害者福祉法よりも、介護保険法のほうが上位法であります。その上位法である方にタクシー券が出ないということが、この法律の立てつけから言うと、全く逆の話であります。なぜ、このタクシー券が交付されないのか、改めてこの法律の立てつけに併せて答弁を求めます。
     それから高齢者は、特に六十五歳以上からは、介護保険の重症者については、みなし制度もあります。ですから、四とか五の人は障害者手帳一級二級というふうにも読み替える制度もありますので、それに順応するということも必要だと思っております。明確な答弁を求めます。  それから、新BOP学童クラブについては、七年かけて十五か所の民間施設を整備するということでありますけれども、先ほど前倒しをするという趣旨の答弁がありましたけれども、改めてその決意を求めます。  三番目に、障害者理解の促進について、この手話言語というところ、私は今もやっておりますが、NHKの手話ニュースというのがあるんですけれども、私、それに出たことがあるんですよ。手話でテレビに出させてもらったんですよね。そう考えると、その手話というものはもっと奥が深いですよ。皆さんが考えているこの手話言語のコミュニケーション、もうちょっとこの障害者に寄り添った対策を、私たちはその条例よりもしっかりやっていただきたい。それで、障害者の理解促進であるパラスポーツで力を入れるとか、例えば、これから障害者施設が不足します。それに向けてどう取り組んでいくのか、そうしたちゃんとした目的があって条例制定をするのはいざ知らず、とにかくつくることに前向きだということで、私たちはこれを、見直しをぜひすべきだと思っております。  それから、地域行政についてですけれども、答弁の中で、所長の権限と予算について求めてまいりましたが、御答弁がなかったので、この辺について再答弁を求めます。  以上です。 ◎中村 副区長 再質問にお答えいたします。  まず、新BOP学童クラブの今般の民間の放課後児童健全育成事業誘致の前倒しという点についてです。  今回の取組につきましては、子どもたちの放課後の遊びと生活の場について、これまでの新BOP学童クラブだけでなく、民間事業者を活用した放課後児童健全育成事業も選択できるようにするという大きな転換でもあります。育成支援の質と人員体制など、サービスの持続性の確保などを慎重に進める必要があると考えています。  一方で、新BOP学童クラブの適正規模化や、時間延長を含めた子どもや保護者の選択を確保し、そのニーズに対応することは喫緊の課題であるとも考えておりますことから、実施状況を確認、評価し、加速して進められる状況を見極めた上で、前倒しについても取り組んでまいりたいと考えています。  続きまして、障害理解促進に関する条例に関連して、障害者施設の建設についてのお話をいただきました。区ではこれまでも障害理解を促進するために、継続的に講習会やシンポジウム、区のお知らせなど、広報を通じた取組を実施しておりますが、さらなる取組が必要であると考えております。  また、民間事業者による障害者施設の整備に当たりましては、整備に関することはもちろん、周辺住民の方などへの説明についても、事業者とともに考え、助言支援し、障害のある方の地域移行、地域定着に向けた施設整備を進めてまいりたいと考えております。  先ほども答弁いたしましたが、条例の進め方など、課題を含めて、今後丁寧に整理して検討してまいります。  以上です。 ◎岩本 副区長 私からは、地域行政制度についての再質問について御答弁申し上げます。  先ほど区長から、コミュニティーソーシャルワークの機能をまちづくりセンター充実の中で位置づけるという答弁をさせていただきました。今回の条例制定に当たりましては、今後の地域社会を考えるときに、まちづくりセンターはこれまで以上に大変重要な役割を果たすと考えてございます。権限や予算の在り方につきましても、まちづくりセンターの充実強化を図るというプロセスの中で、一歩踏み出して検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、新型コロナウイルスワクチンの三回目接種の移動支援について、再質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合には、介護保険サービスを優先することとなっております。  一方、今回のタクシー券の給付につきましては、法外サービスであることから、各自治体の判断によるものと考えております。一、二回目のワクチン接種では、個別接種や訪問接種の開始時期をすぐにお示しすることはできませんでしたが、今回のワクチン接種、三回目のワクチン接種におきましては、当初より八か月経過した方へ、個別接種や訪問接種に対応することとしております。また、前回のワクチン接種の際に、ケアマネジャー等から、個別接種が始まって以降は、より身近な医療機関で接種することが可能となったため、移動に伴う負担が軽減されたという声もいただいているところでございます。  区といたしましては、集団接種会場や医療機関での接種が困難な方で、何らかの事情により、かかりつけの訪問医の接種が受けられない等の場合には、相談の上で御自宅に訪問して接種する等の対応を含め、様々な選択肢を用意して、接種を希望する方の機会が失われることのないよう、十分に配慮してまいります。  以上です。 ◆四十番(いたいひとし 議員) 今年を代表するビジネスワードに、パーパスという言葉があります。一言で言えば、社会において企業が何のために存在し事業を展開するかということです。今まさに世田谷区がパーパスが問われていると思います。  以上で質問を終わります。 ○下山芳男 議長 以上でいたいひとし議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時三十分休憩    ──────────────────     午後五時四十分開議 ○下山芳男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  世田谷立憲民主党を代表して、三十三番藤井まな議員。    〔三十三番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(藤井まな 議員) 世田谷立憲民主党区議団を代表して、代表質問を行ってまいります。  さきの総選挙では、新型コロナウイルスの感染防止対策をはじめ、暮らしを立て直す経済対策、税と社会保障の在り方に多くの有権者の関心が寄せられました。私たち世田谷立憲民主党区議団はこうした課題と合わせて、CO2の削減目標の達成やジェンダー主流化の実現に向けて、我々が自治体レベルから全力を挙げて取り組んでいくことをお誓い申し上げて質問をしてまいります。  新型コロナウイルス対策について質問いたします。  現在は、感染爆発というような状況ではありませんが、連日報道されており、感染力が強いと言われているオミクロン株に対する懸念が高まっています。海外ではワクチン接種が進んだ国でも、毎日のように多くの感染者が出ている国があります。緊張感を持って対応していく必要があると思います。  現在、国における水際対策には不安な面があり、第六波がいつ来てもおかしくありません。今までの感染者が多く出ているときを振り返ってみると、国、東京都、世田谷区のそれぞれ見えている状況が違うように感じました。保健所など、現場の負担だけが重くなることがないように、引き続き、今後も世田谷区から国に必要な提言を行っていくべきだと思います。  世田谷区では、社会的検査である教育現場などでの抗原検査キット配備を行っており、拡充を進めてきました。政府は、PCR検査を三月まで無料にするという補正予算の議論をしようとしています。区が目指してきた、いつでもPCR検査に国のほうが近づいてきており、現実的になってきました。世田谷区の教育現場などでの取組は来年の三月までとなっておりますが、四月以降も引き続き子どもたちの命と健康を守るために取り組んでいただきたいと思いますけれども、区の考え方をお伺いいたします。  区長の招集挨拶でもありましたが、次に注目されるのは三回目のワクチン接種だと考えております。今まで二回打ったワクチンとは別のワクチンも打てる交互接種が認められるなど、今までとは違う対応になりそうな三回目のワクチン接種です。十一月二十六日には、例外的運用で二回目からの間隔を六か月にするというような話が自治体にも伝えられました。それでも、厚生労働省のホームページでは、いまだに二回目の接種は原則八か月以上後の接種と書かれています。  こうした事例からも、区民に混乱が広がらぬように、丁寧かつ分かりやすい対応をお願いしたいと思いますが、三回目のワクチン接種対応について区の考え方をお答えください。  ワクチンの副反応についても質問いたします。  一回目、二回目、どちらの接種でも副反応が出たという方が多くいらっしゃいます。私も一回目の接種では何ともありませんでしたけれども、二回目の接種で、次の日が起き上がれないような、そんな副反応がありました。また、区民の中には、長期入院をされた方など深刻な病状にある方もいらっしゃいます。世田谷区としても、コロナ罹患者に行った後遺症調査のように調査を行い、現状把握をする必要があると考えます。  また今後、子どもたちへの接種も実施されるといった場合には、副反応の説明はより徹底して行う必要があります。ワクチンの副反応について、世田谷区はどのように考えているか、お伺いをいたします。  ワクチンの質問の最後に、抗体検査について伺います。  中和抗体検査とも呼ばれていますが、自分の置かれた状況を確認する意味で重要となってきます。現在の抗体検査は数値化されており、誰もがどれだけ抗体を持っているか分かるようになりました。抗体はどれぐらいの期間で少なくなっていくのか、個人差があります。病院での検査や薬局での自主検査なども行われています。世田谷区は、抗体検査の詳細を広く区民に周知していくことが必要だと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  災害対策について質問いたします。  出水期だったこともあり、集中豪雨や台風対策が多く議論をされてきましたが、地震に対する備えはいつでも意識しなければならないと思います。今後三十年以内に、七〇%以上の確率で首都直下型地震が起こると言われていたのは十年以上前のことです。いつ起きてもおかしくない地震対策は、世田谷区が区民の生命と財産を守るために最も重要視して取り組まなければいけない政策です。  地震の際には避難所が開設されますが、仮に世田谷区の避難所が全て開設しても、十七万七千人しか収容できず、九十二万区民が避難所に入ることができない在宅避難となります。避難所が足りない問題の解決も進めていかなければなりませんが、自宅に避難することを想定し、そういったことを周知、そして食料の備蓄、さらには電源確保の取組をより一層進めていく必要があります。幅広い非常食も出てきており、様々な事例の紹介や、災害時に水と食料、トイレと並んで重要なのが、スマートフォンの電源を確保することだと周知し、我が会派が提言してきた蓄電池の普及に向けた取組など、来年度予算でも災害対策により一層取り組むべきと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  経済対策について質問いたします。  コロナの影響もあり、七~九月期実質GDP成長率がマイナス〇・五六%と、マイナス成長であったことは危機的状況です。個人消費の伸び悩みが主な原因でありますが、これらの打開策としては、賃金を上げ、内需を拡大していき、お金の循環を進めるしか方法はありません。その意味で、我が会派が取り組んできた公契約条例の労働報酬下限額の引上げなどは、全体の賃金を押し上げる意味でも、特に中小企業にとっては大事なことであると改めて主張をさせていただきたいと思います。  来年の四月で下限額の引上げ、職種別の労働報酬下限額の設定を求めます。世田谷区の公契約条例に関する適正化委員会は、労働者側と事業者側が参加と協働の形で進んできました。この世田谷モデルは全国に誇れるやり方であり、引き続き適正化委員会の提言に真摯に耳を傾けてほしいと思いますが、区の考え方をお伺いいたします。  産業振興基本条例改正について伺います。  ここまで、区民生活常任委員会や検討委員会などで議論されてまいりました。さらには、パブリックコメントでも区民の声が寄せられています。これらを踏まえて、区が条例を、産業の発展から地域経済の発展や活性化を目指すとして、地域経済の持続可能な発展をという内容となっています。  発表された産業振興基本条例改正素案、(仮称)世田谷区地域経済の持続可能な発展条例は、あくまでも理念条例であります。実効性が担保されていない特性上、具体策が必要です。農業やものづくりなどの既存の産業も重要視し、なおかつ新しく増えていく産業の支援が重要となってきます。計画の具体化を進め、区内事業者に分かりやすいロードマップを示すことが重要と考えますが、区の考え方はいかがでしょうか、お伺いをいたします。  また、令和五年十月一日からインボイス制度が導入をされます。この制度に関して、この後も申し上げる様々な問題点を抱えている制度であり、立憲民主党は改善や導入延期を求めています。このインボイス制度は、適格請求書等保存方式という正式名称ですが、まだまだ区内の事業者の方々で御存じない方も多くいるのが現状です。売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝えるものがインボイスとなります。仮に、予定どおり導入されるならば、区は大きく変わるこの税の仕組みを幅広く周知していくことが求められます。相談窓口の強化、分かりやすい広報などを行っていく必要があると考えます。また、このインボイス制度が導入をされた場合、消費税を払っていない個人事業主、フリーランス、ひとり親方、小規模事業者が既存の取引から排除される懸念や値引きを強要される懸念があります。税の免除を受けている事業者がインボイスの交付を受けるためだけに負担が増える可能性があります。  区は、業種に関わらず広く意見を募集し、制度のスタートまでに対策を講じていかなければなりません。区内の影響を受ける事業者がこの制度によって排除されない対策を今のうちから準備していくことが重要だと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  気候変動対策について質問いたします。  先日までイギリスにおいてCOP26が開催されていました。現実的なエネルギー問題を考えると、新たな対策に踏み出しにくい、日本には厳しい会議となりました。気候変動問題に関しては、若い世代ほど関心が高く、自分たちの将来の環境がこのままでよいのかという議論が世界中で行われております。  脱炭素社会に向けたグレート・リセットが叫ばれる中、エネルギー配給を考えると、急激な脱炭素に現政権が踏み込めないでいる国の姿勢を世田谷区が押す役割を担うことが重要だと考えます。二〇五〇年、二酸化炭素排出実質ゼロを目指し、世田谷区でもさらなる全庁的な取組が求められています。  その中でも、公共施設のZEB化への取組を我が会派では重要視しています。ZEBとはゼロ・エネルギー・ビルの略称です。自然エネルギーや再生可能エネルギーの積極的活用、屋内の省エネルギー化などを取り入れ、エネルギーの収支ゼロを目指す建物を指します。このZEBは四段階の定性的及び定量的定義がなされており、完全なるエネルギー消費ゼロの段階がZEB、限りなくZEBに近い段階をニアリーZEB、ZEBを見据え効率的な省エネ設備を備え五〇%以上の消費量削減に適した建物をZEBレディー、ZEBレディーを見据えた第一段階での省エネ建築物がZEBオリエンテッドとなっています。  区内の学校では、屋上での太陽パネルの設置など、委員会でも報告されており、一歩進んでいるなと実感しますが、庁舎やその他の区施設はどうでしょうか。特に、本庁舎は世田谷区の象徴でありますから、周りに与える影響は大きいと感じます。現在工事が始まっておりますが、本庁舎のZEB化は、段階で言えば、一番下のZEBオリエンテッドの段階であり、ZEBを目指し、段階を引き上げる目標を立てるべきと考えます。ほかの区内施設の方向性も含めて、区の考え方をお伺いいたします。  福祉分野に関して、二つお伺いをしてまいります。  まず、介護についてです。  我が会派では、看護師、保育士、介護士の人材確保に向けた賃金はもちろんのこと、労働実態の調査を求めてきており、引き続き現場で働く方々の処遇改善を求めてまいります。また、国に対しても賃上げなどの意見を述べていくべきと意見をしてまいりました。特に、看護師の賃上げはコロナ禍でもあり、非常に重要です。今回、国では保育士や看護師、介護士の賃上げを目指していると報道されていますが、本当に働く現場の方々に回ってくるのか、世田谷区が注視していかなければならないと思います。  保育園で働く保育士はもちろんのこと、大小に関わらず、介護事業所で働く看護師など、公定価格が引き上がった際には、働く人たちへと行きわたることが大事です。現場で働く皆さんが賃上げされずに取り残されることがないようにしていただきたいと思いますが、区は実態調査など、具体的に取り組む気があるのでしょうか、お伺いをいたします。  新BOP学童クラブについてお伺いをいたします。  先日の福祉保健・文教両常任委員会で示された新BOP事業の取組の報告では、私が提言してきた医療的ケア児の受入れなどが新たに明言されたことは評価いたします。しかし、一人一人の状況も違い、対応の仕方などをより丁寧に表現していく必要があると考えます。狭隘化の問題は我が会派としても区と同じ意識を持っており、緊急の課題であり、対処しなければならないと思います。しかし、その解決策として、民間に誘導するという方向性に持っていくならば、まだまだ議論が必要であり、来年二月に事業者を募集するのは時期尚早ではないかと考えます。  この後の質問でも取り上げますが、公的な責任が担保されない状況になることも考えられ、慎重に検討する必要があると考えます。学校内のあらゆるスペースの活用や、三十五人学級の改築とともに進めることなどの考えはないのでしょうか。区の考え方をお伺いいたします。  実社会教育への取組について質問いたします。  昨今、ウーバー等、区内でも海外から入ってきた食事等の宅配サービスで働く方が増えています。区内で働いている人たちに聞いてみると、二十分かけて届けて三百円などの例もあり、最低賃金を下回るような働き方が見られます。業務委託契約なので、最低賃金法の適用外ではありますが、このような働かせ方に危機感を覚えます。また、大学生が居酒屋などで辞めたくても辞めさせてもらえない、長時間の残業を強いるなど、ブラックバイトの問題が緊急事態宣言解除によって再燃化する可能性もあります。若者の労働力搾取とも取れるこの働かせ方には、人生設計を壊しかねない危険をはらんでいます。これらの問題には、公教育の中で労働という分野をしっかりと教えてこなかったという点が大きく関わっているのではないでしょうか。  世田谷区教育委員会が行っているキャリア教育では、労働問題に気がつくことはできません。事例として出したこの労働者教育や租税教育、実社会で生きていくために必要な教育こそが重要であると考えます。教育委員会の考え方をお伺いいたします。  前回の代表質問に続き、行政の公的責任とは何かというテーマで質問いたします。  教育分野での小学校の学校主事業務の委託や図書館の指定管理者の問題、区内にある都立松沢病院の独立行政法人化など、場所や場面は違えども、公が担うべき責任が離れていくことが多くなっていると感じます。民間にできることは民間にというところは重要ではありますが、昨今の委託などの流れは性急に進み過ぎているのではないかと感じます。また、本来行政が失ってはいけない公的な責任が次々と流失していくのではないかという危険性を感じます。立ち止まり、総括し、本当に前に進めていいのか、徹底した議論と検証こそが求められているのではないでしょうか。  このまま進めていくと、行政の公的責任が劣化していくのではないかと危惧しています。中学校の主事を委託する際には、小学校は年齢が低いため委託するのはどうかという議論があったにもかかわらず、そのことを無視するように、突然委託を発表しました。図書館の指定管理では、先行して指定管理となっていた経堂図書館に関して、あり方検討委員会から様々な指摘がなされています。人件費に関する不明瞭な問題が見られるなど、疑問点が多く、さらにはこの五年間の指定管理について、総括が何らなされていないにもかかわらず、指定管理者を拡大しようとしています。委託や指定管理にするのは簡単ですが、元に戻すのは容易なことではありません。世田谷区はむやみに結論を出すのではなく、熟議の中で公的な責任を考えていかなければならないと考えますが、区はどのように考えているか、お伺いをいたします。  地域行政の推進に関する条例について質問いたします。  区の条例は、区職員のためにあるわけではありません。区民のためにつくるのが条例です。今回議論されている地行条例は、区職員の士気を高める効果はあるかもしれませんが、区民目線からは離れた条例に感じます。まちづくりセンターの重要性は承知をしておりますし、それらをなくしていこうとも思いません。むしろ、まちづくりセンターには今後さらなる町の要としての役割を期待しています。しかし、それを条例にする必要性が伝わってきません。条例のタイトルを聞いて、何人の区民の方が、この条例が大事だと思うのでしょうか。中身を類推することが難しい条例となってはいないでしょうか。制定するならば、区民に分かりやすい名称に変えること、区民目線で議論を重ねていくことが重要だと考えます。  さらには、この条例の議論が始まったときは、参加と協働が重要視されていましたが、現在の条例の中にはその部分が欠落してしまっています。若い世代やNPOなど、新しい地域の団体など、幅広い地域団体が理解してこその地域行政ではないでしょうか。条例を制定するならば、参加と協働の観点を含め、区民の理解を深めてから進めるべきだと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  池尻中学校跡地問題について伺います。  ものづくり学校は本来の目的を十分に果たせず、今後の展開に懸念があります。これまでも議論が行われてきましたが、世田谷区はもっと地域の声を聞く必要があります。この地域は独自のにぎわいを持つ、個性豊かなお店も多い地域です。そんな個性的な地域の声を聞いてきました。校舎を壊さないで、できる限りこのままの状態で残してほしいという声や、チャレンジショップが入る施設にしてほしい、そんな声を聞いてきました。我が会派としても、地域の声を大切にするべきと感じます。  世田谷区は収益性だけを求めるのではなく、世田谷区らしい起業支援や業態転換を支援する拠点を目指すべきではないでしょうか、区の考え方をお伺いいたします。  最後に、最近の世田谷区はヒューマンエラーやシステムエラーが多いことが気になります。衆議院選挙における投票箱の置き間違え、豪雨災害に関する税免除のミス、介護サービス費過少支給ミスなど、行政が一番丁寧に行わなければならない分野において間違いが多発しています。区民の生命と財産を守る世田谷区はこういったミスは許されません。労働環境の問題を含め、様々な原因が考えられます。原因究明などを進めていくことが必要です。  昨今のDXへの取組が議論されておりますが、ヒューマンエラーやシステムエラーをできる限りゼロにする取組に全力を挙げて取り組んでいただきたいと意見を申し上げ、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 藤井議員にお答えをいたします。  三回目のワクチンの接種のタイミングについてでございます。  実は、十一月十五日、厚労省のワクチン部会は、八か月を原則、しかし、感染状況等を踏まえて六か月以上、自治体判断で行うという旨の発表をいたしました。六か月は薬事承認基準の期間であります。  ところが、この発表で全国の自治体から、八か月のラインが崩れて、例えば七か月、あるいは六か月半で、いろんな自治体が始めるということは非常に混乱をする、また、なかなかできないという声があったというふうに聞いております。  そして、十六日翌日、厚生労働大臣、ワクチン担当大臣が同時に記者会見をしまして、自治体は勝手にできないんだと、前倒しはできない、原則八か月、例外が六か月、こういうふうに言いました。その例外の内容が、先ほど他会派に答弁したとおり、クラスターが発生したときという、極めて残念な基準であります。  というのは、二回目接種完了から抗体価が落ちていき、高齢者施設の高齢者を守るという点では、高齢者施設全体の訪問接種は、やはり二か月、三か月かかりますので、もう十二月一日からでも始めていきたいというふうな我々の考えを伝えてきましたが、現在のところはストップがかかっている状態です。そして、南アフリカで御指摘のような、まだ詳細は分かりませんが、大変感染力が強いんじゃないかと言われる新株が今世界に広がっております。世界中の、いわば出入国、特に海外からの入国を、日本においても一時遮断しようという声も出されるとも聞いております。  こういう中で、二回目以降の期間の問題は、世界中、当初八か月で決めていた国においてもなるべく早めようと。お隣の韓国においては、アストラゼネカで始めたというところが日本とは違いますが、四か月から五か月ということで、なるべく早くという動きとどうも正反対の状態であるということについては、引き続き変えられないか、特に、高齢者施設の訪問接種は急がなければいけないんだということを申し上げていきたいというふうに思っております。  議員御指摘のように、この接種間隔、あるいはその交互接種、ファイザー、ファイザー、ファイザーではなくて、ファイザー、ファイザー、モデルナと、あるいはモデルナ、モデルナ、ファイザーもあり得るわけですが、こういったことも出てきたということで、広報については、十二月中旬に全戸配布するワクチン特集号で触れておりますけれども、大変複雑と言えば複雑なので、分かりやすく丁寧に周知を重ねていきたいと思います。  このワクチン接種については、三回目の接種で防御を高めていくということは大変重要だという問題意識から、感染状況を見ながらしっかりと取り組んでいき、また、ワクチン接種のみならず、再拡大ということを私たちは残念ながら想定しなければいけないんじゃないかという認識の下に準備をしてまいりたいと思います。  次に、公契約条例についてお尋ねをいただきました。  区では、労働者の適正な労働条件の確保と、事業者の経営環境の改善による区民福祉の増進という理念を掲げまして、平成二十七年に公契約条例を施行して以来、公契約適正化委員会から御提言をいただきながら、労働報酬下限額の設定や、公契約条例に照らした評価加点の創設なども含めた入札制度改革などに取り組んでまいりました。  委託等業務に関わる下限額につきましては、特別区職員の高卒初任給を時給換算した額をまずは目標に引上げを行い、昨年実現をしました。令和四年度の下限額については、適正化委員会の労働報酬専門部会にて、特別区の給与勧告や最低賃金の推移等の指標に加えて、コロナ禍を契機とした労働経済情勢の動向も踏まえ、次の目標設定と引上げの方向が示されたと伺っております。  また、委託等業務の職種別下限額については、本年二月の答申に基づく検討適用を踏まえ、部会にて、まだ決定するには慎重な課題があるとの議論に基づく一方で、委託に係る過度な低入札への対策も早期に強化すべきとの意見も出されているところであります。  区としましては、これらの議論をまとめ、近々に頂く予定の意見書の内容を十分尊重し、現下の財政状況も踏まえた上で、公共事業の品質確保、区内産業の振興、地域経済の活性化並びに福祉の増進という条例の目的に沿った取組を着実に前に進めていく決意でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、新BOPについて御答弁いたします。  この間、新BOP学童クラブは、狭隘化や大規模化が進み、学校敷地内だけでは活動場所の確保に限界が生じていると考えております。普通教室を含めたさらなる学校スペースの活用とともに、学校外に民間事業者を活用した放課後児童健全育成事業者、いわゆる民間の放課後児童クラブを誘致することで、解決に向けた取組を進めたいと考えております。
     民間の放課後児童クラブの誘導、指導、監督に当たっては、現在国が質の確保のために定めた放課後児童クラブ運営指針を基に子ども・子育て会議の意見を踏まえ、区独自の運営方針の策定に向け、取組を進めているところです。  学校内の新BOP学童クラブは、引き続き区職員が、支援が必要な児童の早期発見や要配慮児の丁寧な見守りなど、セーフティーネットなどの役割を担うとともに、学校外の民間放課後児童クラブとも連携をしてまいります。  引き続き、三十五人学級化に伴う改修改築の機会も含め、あらゆる学校スペースの活用の工夫とともに、公的責任の下、民間放課後児童クラブを含め、必要な子どもたちが伸び伸びと過ごすことができる遊びと生活の場の確保、質の高い育成支援に取り組んでまいります。  以上です。    〔岩本副区長登壇〕 ◎岩本 副区長 私からは二点御答弁申し上げます。  初めに、地域行政条例の制定についてでございます。  (仮称)地域行政推進条例につきましては、地域行政制度の充実について必要な事項を定める条例としており、まちづくりセンターの機能の充実強化を主眼としております。この条例は、地域社会の大きな変化の中で、多岐にわたる地域課題を解決するため、地域行政制度の充実を図ることで、全ての区民が必要とする行政サービスを利用し、受けることができるようにすること、また、地区、地域、本庁という三層制を生かし、参加と協働が一層進むよう、区民の意見が区政運営に的確に反映される仕組みを強化することを区の責務として明示し、取り組むことを目的としております。  この取組をDXの推進と一体的に行い、条例について、名称の御指摘も含め、若い世代やNPOを含め、幅広く地域の方々に御理解いただくよう努め、参加と協働を土台とした共創による地域づくりを目指してまいります。  次に、旧池尻中跡地活用について、地域の声を大切に、世田谷らしい拠点を目指すべきとの御指摘についてです。  旧池尻中跡地活用については、土地と建物の活用手段について改めて検討するとともに、合わせて産業活性化拠点の在り方について具体の検討を進めております。  産業活性化の拠点として、御指摘のような地元産業の活性化に向けた業態転換や企業の支援、子どもから大人まで体験的、実践的に学べる場の機能など、重要な要素と考えており、これまで学校の跡地として担ってきた交流の場という機能も踏まえ、地域特性を生かしたにぎわいをつなぐ場、多様な企業、人材が新たな価値を創造する場という基本コンセプトをお示ししてきたところです。  地域住民や学校関係者との意見交換会などを行ってまいりましたが、引き続き、地域の皆様の意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 実社会教育について御答弁申し上げます。  文部科学省では、主権者教育の推進に向け、中央審議会における最終報告で子どもに社会の形成者としての意識を醸成させること、地域の課題解決を主体的に担う力を身につけさせること等をまとめています。  委員に御示唆いただいたとおり、労働や租税の学習としては、小中学校の社会科の授業において、政治の働きと税金の使われ方、社会保障の制度などについて学び、中学校では、非正規労働者や外国人労働者など、労働をめぐる環境の変化など、今日的な課題を含めて学び、人々が生き生きと働ける社会の実現に向けて考えを深めているところです。  ICTの進展により、今後、労働の内容がどのように変化をしたとしても、よりよい社会をつくるという目標を学校と社会が共有し、働くことの意義を子どもたちが感じられるよう、必要な資質、能力を明確にしながら、地域社会、企業と連携協働し、その実現を図ってまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、教育現場での抗原定性検査についてお答え申し上げます。  抗原定性検査は、区立小中学校等をはじめとした社会的インフラを継続的に維持するために、七月から八月にかけて感染拡大した第五波における課題等を踏まえ、随時検査の補完と行事前の検査を区立小中学校等において実施しております。  現在、この検査のさらなる活用としまして、随時検査の補完の場合には、学校内等での感染者が発生した場合に加えて、感染者や感染疑いのある方に接触した場合、体調が気になる場合などに教職員が使用できるよう、対象事由を拡大するとともに、抗原定性検査の実施期間を令和四年三月までとしました。  今後も、第六波などの感染拡大に備え、クラスター発生の抑止、重症化防止を図り、区立小中学校等の教育活動を継続していくために検査を実施してまいりますが、令和四年四月以降の実施に関しましては、感染状況や国の動向などにも注視しながら、関係所管と連携協議してまいります。  次に、小学校の学校主事業務の委託についてお答え申し上げます。  学校主事が担っている業務は、児童生徒が気持ちよく安心して学習活動ができる環境づくりであり、委託化を進めるにしても、こうした環境を整備するのは教育委員会の責務であると認識しております。  この間、平成二十五年度から実施してきた中学校の委託業務の履行状況について、毎年各校長による評価を実施し、おおむね良好となっていますが、問題点等は事業者に改善を求める等、各学校の意向を可能な限り反映しているところでございます。  また、小学校については、登下校時や校外活動時の児童の安全確保業務など、中学校にはない業務があることから、委託を開始するに当たりましては、中学校における評価、実績のほか、小学校長の意見や他自治体の状況等も踏まえて慎重に検討、判断させていただいたところでございます。  今後も、事業者の持つ強みを生かしながら、教育委員会として主体性を持って、質の高い教育環境の整備に努めてまいります。  以上でございます。 ◎久末 住民接種担当部長 私からは、新型コロナワクチンの副反応についてお答えいたします。  ワクチン接種後の副反応の把握は、接種部位の腫れ、痛み、発熱など、一般的な症状は、十一月から国がアプリによる把握を開始したほか、治療を要するなど、より重い事例は医療機関が国へ報告することが義務づけられています。区は、国からの副反応に関する最新情報をホームページ等で周知し、随時対応を行っております。直近では、十代、二十代の男性にモデルナ接種後の心筋炎等の発症頻度が高い傾向が見られたことから、希望する方はファイザーを接種できることを周知いたしました。  三回目接種では交互接種が認められ、ワクチンの選択が可能となることから、接種の判断材料として、リスクとベネフィットに関する正確な情報発信がより重要になると考えております。  引き続き、副反応の情報に加え、発症や重症化を予防する効果など、ワクチンに関する十分な情報提供を行い、区民が安心してワクチン接種を受けられる環境を整えてまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。  一点目、抗体検査についての御質問にお答えいたします。  御指摘いただきました市販による抗体検査でございますが、血液採取により十五分程度で結果が出る簡易検出法をはじめ、様々な抗体検査キットが市場に流通し、一部の医療機関におきましても、抗体検査キットを用いた検査が自由診療にて実施されております。  現在、多種多様な抗体検査キットが市販されておりますが、キットによって精度が大きく異なることから、国も使用に当たって注意喚起を促しております。区民等から問合せがあった場合は、保健所では国が認めた体外診断用医薬品ではない抗体検査の実施を御案内することは難しいため、主治医との御相談を勧めております。  御指摘がございました三回目の接種を促すために、区では二回目のワクチン接種後、一定の期間がたつと抗体が少なくなるという国内外のデータや副反応などにつきまして、正確な情報を区民に提供し、接種に当たってのリスクと効果を総合的に御判断いただいた上で、一人でも多くの方に三回目接種を行ってもらえるよう周知に取り組んでまいります。  二点目でございます。福祉分野で働く方々の処遇改善についてお答えいたします。  令和三年十一月十九日に国から示されましたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策におきまして、公的部門における分配機能の強化等として、看護、介護、保育などの現場で働く方々の収入の引上げを含め、公的価格の在り方の見直しについて言及されております。  今回、国が示した公的価格の見直しの詳細は不明ではございますが、看護についてはこれまでも民間医療機関からの支給であり、区での確認は困難でございます。介護や保育におきましては、公定価格の処遇改善費等加算については、事業所からの報告書により、現在も確認を行っているところです。  区といたしましては、国の制度設計にもよりますが、今後、示される国の通知等に基づき、介護、保育につきましては今回の見直しに伴い職員の処遇が改善されているかを確認するなど、適切に対応してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、在宅避難の際の備蓄の周知と電源確保について御答弁申し上げます。  区は、災害時の避難として在宅避難を推奨しており、これまで水や食料の備蓄の周知啓発や購入あっせんを行ってまいりました。これらに加えまして、ポータブルソーラー充電器の購入あっせんや再生可能エネルギーの有効活用も兼ねての蓄電池の導入補助を行っており、令和三年度の蓄電池補助実績は、定置型、ポータブル型合わせて八十一件ございました。  また、指定避難所等でも様々な手法により、非常用電源の確保に努めておりますが、これらの電源だけでは、在宅避難者まで含めた全ての電力の需要に応えることは困難であり、お話しのとおり、スマートフォンが重要な情報通信手段となっている現在におきましては、在宅避難を推奨する上で、各家庭での充電器や蓄電池の備蓄など、電源の確保の推進が大きな課題であると認識してございます。  今後、ローリングストックの推奨などと合わせ、令和四年度もポータブルソーラー充電器などの普及促進に努めるとともに、携帯型の充電式電池等の備蓄など、家庭でできる取組を呼びかけるなど、家庭での電源確保の必要性をより前面に打ち出しまして、その推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、条例の具体化についてです。  (仮称)世田谷区地域経済の持続可能な発展条例は、世田谷区の地域経済発展の方向性や、その実現に向けた基本的方針等を定めるとともに、地域経済の持続可能な発展に関する施策を総合的に実施していくための指針についても策定することを条文において規定しております。具体的には、昨今の社会経済状況の変化やコロナ禍の影響を踏まえ、平成三十年に策定した産業ビジョンの見直しを検討してまいります。  地域経済の持続可能な発展に向けた具体的指針を明確に示すことにより、地域経済に関わるあらゆる関係者が連携して積極的な取組を進められるよう努めてまいります。  次に、インボイス制度の周知についてです。  インボイス制度ではお話しのとおり、課税売上高一千万円以下の免税事業者が最も影響を受けると言われております。商品等を売った先に適格請求書を交付するためには課税事業者になる必要があり、消費税の納付義務が生じます。一方、適格請求書が交付できない場合は取引を打ち切られる可能性があります。  区内事業者を対象に、令和四年二月に産業振興公社により、インボイス制度と商圏分析を開催いたします。講座では、インボイス制度に精通する講師が、制度内容や事業者の対応策等についての講義を行い、制度内容の理解を深めてもらえるようにしていきます。  また、商店街で実施する会議体、融資経営相談に来られた機会を捉え、事業者等へ案内チラシを配付したり、制度内容について説明を行い、区内事業者が制度開始までに対応できるように周知を図ってまいります。  私からは以上です。 ◎小柴 施設営繕担当部長 私からは、区の公共施設のZEBへの対応についてお答え申し上げます。  ZEBにつきましては、地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画である地球温暖化対策計画の中で、公共施設における取組として、率先したZEBの実現が掲げられております。ZEBの実現は、建物の規模によって難易度が異なり、大規模な事務所などでは困難な場合が多く、ZEBの達成は厳しい状況が一般的でした。  こうした状況を踏まえて新たに創設されたのが、延べ床面積一万平方メートル以上を対象としたZEBオリエンテッドという仕組みで、事務所などについては省エネで、基準一次エネルギー消費量から四〇%以上の削減を目指すものです。  本庁舎等整備計画では、基本的方針の一つに、環境と調和し、環境負荷の少ない持続可能な庁舎を掲げており、実施設計の最後の段階まで、窓や断熱仕様、設備機器の検討を重ね、本計画に適した省エネ手法を採用しております。その結果、七万平方メートルを超える大規模な庁舎でありながら、ZEBオリエンテッドの基準を達成させたというものです。  その他公共施設につきましても、区議会でもZEB化の検証が求められ、世田谷区気候危機対策会議においても、公共施設におけるZEBの実現可能性を検証することとしております。  世田谷区における公共施設のZEBの可能性検証を行う組織として、施設営繕担当部にプロジェクトチームを立ち上げる準備をしているところです。今後、このプロジェクトチームで、世田谷区の公共施設のZEBの実現に向けての課題を整理するとともに、目指すべき方向性を検討してまいります。  以上です。 ◎内田 生涯学習部長 私からは、行政の公的な責任について、図書館への指定管理者制度に関してお答えいたします。  行政の責任は、住民の福祉の増進を図ることであり、区民の知る自由を保障するために、公立図書館はマネジメント、選書、除籍、レファレンスといった公共性、専門性を有する機能を維持しながら、安定したサービスを継続的に提供していくことが重要です。この責務を果たしつつ、民間の持つノウハウや柔軟性、迅速性などの強みを生かした、より魅力ある図書館づくりに向けて、指定管理者として指定するための議案を本定例会に提出させていただきました。  スタッフの定着率や収支計画に対しての支出超過などの課題に対しては、指定管理者候補者から支出超過とならない収支計画や安定継続雇用などの改善提案が示されており、今後、中央図書館のマネジメント機能等を強化し、運営状況の把握や指導の徹底に努めるなど、公的役割を果たしてまいります。  さらに、来年度に設置する(仮称)図書館運営協議会において、区民や学識経験者など、様々な立場の方から全区立図書館の評価検証を行い、図書館運営、サービスのさらなる向上を図ってまいります。  以上でございます。 ◆三十三番(藤井まな 議員) まず、公契約条例の区長の答弁を聞いていると、来年の四月に上がるのかななんていう期待をすごい感じる答弁でありましたので、引き続き注視をさせていただきたいと思いますし、区長が御決断をされて、具体的な金額が分かる日には真っ先に皆さんに、しっかりと分かる形で示していただきたいと思います。  それと、インボイスのお話、知らない方がすごい多いです。もう至るところでインボイスって知ってるとどんどん言っていただかないと、本当に知らない人が周りにも多いんで、とても不安なんで、心がけてどんどん言っていただきたいなと思います。  あとは、公的責任の問題、図書館のお話も今出ましたけれども、先行導入した経堂図書館の検証は十分できたと思っていらっしゃいますか。まずこれが一つ、再質問の一個目です。  二つ目は、学校主事さんの委託の話もありましたけれども、これなんか校長先生から指示命令系統はないんですよね。登下校の見守りするんですよね。でも、校長先生から委託した主事さんには何にも命令することもできないわけですよね。それで本当に子どもたちの安全を守れるんですか。何で拙速にこうやって進めていくのかということを僕たち問うているんですよね。そこら辺、まずその二つについて、お二人の方に再質問いたします。 ◎内田 生涯学習部長 図書館についての再質問にお答えいたします。  指定管理者の業務につきましては、毎年の区におけるモニタリング調査や事業者からの報告に対して評価しまして、改善事項の指摘を行うことに加えて、指定管理者選定委員会による評価も行ってございます。  今後は、さらに(仮称)図書館運営協議会による運営状況等の評価検証を行ってまいります。  以上でございます。 ◎粟井 教育政策部長 学校主事の業務の委託につきましてでございます。現在でも、二十三区中、十七区のほうで業務委託が進んでいることや、それからあとは評価におきましても、(「指揮命令の話を聞いているんだよ」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。指揮命令系統につきましては、業務委託をさせていただくということでございますので、委託業者のほうにその委託内容というものをきちんと精査し、定めることによって、業務委託を行ってまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆三十三番(藤井まな 議員) いやいやいや、だから図書館の、今の答弁って、今後検証しますでしょう。だって、経堂から二つ増やすという話ですよね、今回上がってきている議案って。下馬と烏山。そこまでに増やすんだったら、ここまでの検証を徹底的にここまでやって、こんだけのいいことがあったから今後増やしていきますよというのを出さなきゃ、増やすということにつながらないじゃないですか。そこら辺のことをもうちょっとしっかり言ってほしいという話を僕はしているんです。  学校主事さん、本当にいいんですか。ここも立ち止まらなきゃいけないですよ、指揮命令系統はないんですよ。校長先生が子どもたちの登下校を見守っている、その主事さんに何も言うことができないんですよ。現場で言えないんですよ。それでも安全を守れるんですか。本当にこれでいいんですか。立ち止まったほうがいいんじゃないですか。もう一回、教育監だけでいいのでもう一回、再質問します。 ◎粟井 教育政策部長 委託に際しましては、仕様書を作成させていただきます。その内容につきまして、きちんと内容を精査いたしまして進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○下山芳男 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○下山芳男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明三十日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十九分散会...