世田谷区議会 2021-10-06
令和 3年 9月 決算特別委員会−10月06日-05号
令和 3年 9月 決算特別委員会−10月06日-05号令和 3年 9月 決算特別委員会
令和3年決算特別委員会
決算特別委員会会議録第五号
日 時 令和三年十月六日(水曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十三名)
委員長 加藤たいき
副委員長 いたいひとし
副委員長 ひえしま 進
阿久津 皇
石川ナオミ
おぎのけんじ
河野俊弘
宍戸三郎
菅沼つとむ
畠山晋一
真鍋よしゆき
和田ひでとし
岡本のぶ子
佐藤ひろと
住民接種調整担当課長
寺西直樹
接種体制整備担当課長
田村朋章
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本日の会議に付した事件
認定第一号 令和二年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 令和二年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 令和二年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 令和二年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 令和二年度世田谷区
学校給食費会計歳入歳出決算認定
(
福祉保健委員会所管分に対する質疑)
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午前十時開議
○加藤たいき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
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○加藤たいき 委員長 本日は、
福祉保健委員会所管分の決算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。
◆田中優子 委員 おはようございます。それでは、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を始めます。
まず、
スポットビジョンスクリーナー、
多角的屈折検査機器の導入について伺います。
子どもの弱視や屈折異常は、早期に発見すれば将来にわたっての視力が回復できる可能性が高いそうです。それを発見することができるのが
スポットビジョンスクリーナーです。私は、今年三月の予算委員会で、ぜひとも
スポットビジョンスクリーナーを使った検査を世田谷区で導入するべきであると提案いたしました。ほかにも、福田たえ美委員、加藤たいき委員長などが提案されていましたが、超党派で必要性を区に訴えたという経緯がございます。その後どうなったか伺います。
◎宮本 健康推進課長 子どもたちの弱視を早期発見し、治療や訓練によって就学までに治癒が期待できるため、三歳児健診において
スポットビジョンスクリーナーによる検査を実施することは大変効果的であると認識しております。先行して導入した他自治体へのヒアリングを踏まえ、現在、医師会や検査会場となる各総合支所との調整を行うなど、
スポットビジョンスクリーナーの導入に向けて具体的な準備を進めている状況でございます。
◆田中優子 委員 具体的に準備を進めているということですけれども、来年度から導入できるということでよろしいでしょうか。
◎宮本 健康推進課長 来年度の導入に向けまして準備を進めてまいります。
◆田中優子 委員 それはとてもいい情報です。先月ですけれども、九月九日読売新聞に、厚労省が弱視を早期発見するために希望する市区町村に屈折検査機器の購入費の半額を補助する方針を固めたと出ていました。この補助が使えるのではないかと思いますけれども、令和四年度の予算としては幾らぐらい計上されているのか伺います。
◎宮本 健康推進課長 先行して導入した他自治体へのヒアリングを踏まえ、現在、予算要求額の調整をしております。具体的な経費内訳につきましては、
スポットビジョンスクリーナーの機器にかかる経費や従事する看護師などの人件費、また健診結果を記録する
母子保健システムの改修費用などでございます。
歳入予算につきましては厚生労働省の補助を見込んでおり、健診に必要な備品の整理として、補助率は二分の一となっております。対象経費の詳細はまだ明らかにされていないこともありますので、引き続き、令和四年度予算案について精査を続けてまいります。
◆田中優子 委員 とてもいいことだと思うので、ぜひしっかりやってください。
次に、終活登録という制度について提案と質問をいたします。
最近では終活、就職活動ではなくて、終わりの活動のほうですが、終活について考える人が増えてきていると思います。
エンディングノートという言葉もよく聞かれるようになりました。私は、昨年の予算委員会でACPの取組を広げる必要があるということを取り上げておりますけれども、ACP、アドバンス・ケア・プランニング、日本語では人生会議と命名されていますけれども、この人生の最期をどのように迎えたいか、それを家族や周囲の人たちと話し合うことが大切だとされています。
世田谷区では、今年の三月に在宅療養・
ACPガイドブックを作成したということですけれども、活用状況について伺います。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 区では、人生の最終段階で自分が受けたい医療などを、医療・介護関係者や信頼できる人と繰り返し話し合うACPについて考えるきっかけといたしまして、今年の三月に在宅療養・
ACPガイドブックを作成いたしました。これは、区ホームページに掲載しダウンロードを可能にしているほか、各地区の
あんしんすこやかセンターで相談窓口や訪問先、区民向けの講座などで配布するなど、主に区内の医療・介護関係者を通じまして広く区民に配布してございます。
また、今年六月には講習会を開催し、百七十名を超える多くの関係者の参加がございました。区の講習会の実施状況やガイドブックの活用例などにつきまして、区の
医療連携推進協議会でも報告し、御意見を伺うなど、ガイドブックをより有効に活用できるよう取り組んでいるところでございます。
◆田中優子 委員 もう一つ終活関連で言いますと、社会福祉協議会のほうでは、「私のノート」というものを作成し、販売しているということです。そちらはどのように活用されているのか伺います。
◎工藤 生活福祉課長 「私のノート」は、世田谷区社会福祉協議会の
成年後見センターが、平成二十六年度に医師や民生委員、サロン・ミニデイ、区民成年後見人、NPO法人などの協力を得て作成した社協版の
エンディングノートで、令和二年度末現在で約二千四百冊を販売しております。
自分の将来の生活について考え、周囲に自分の思いを伝えることで安心して生活するために、生い立ちをはじめ、親族、友人関係、緊急連絡先、葬儀、財産管理などをどのようにしたいかを書き残すノートで、御本人の考えが変わった際にはいつでも書き直すことができ、自分の考えを整理するきっかけとなっております。
「私のノート」は、高齢者が不安に感じることの多い相続や遺言、資産管理、成年後見制度などについて説明する老い支度講座や、
あんしんすこやかセンターで開催するいきいき講座などで紹介をしており、御希望がございましたら、「私のノート」をテーマにした出張講座も
成年後見センターで行っております。
◆田中優子 委員 今説明を伺った在宅療養・
ACPガイドブックも「私のノート」も、書くことで考えや、御本人に関するいろいろな情報を残すことができる、それはとてもよいと思うんですけれども、果たして持っている人がきちんと活用して書いているかというと、後追いはできていないということでした。また、仮にきちんと書いていたとしても、その存在、一体どこにあるのかというのを誰も知らなかったら、いざその方が亡くなられたとき本当に困ってしまうわけです。そういうことが起こるかもしれないので、今回提案したいのが就活登録というものです。
こちらなんですけれども、これは横須賀市がやっている終活登録制度というものです。横須賀市では、わたしの終活登録、無料で受け付けています。自由な登録で項目は選べますというつくりになっています。
これは登録項目として、先ほど述べられていたような本籍、緊急連絡先、支援事業所や所属サークルなど。また、かかりつけ医、リビングウイル、尊厳死協会に入っているかとか、
エンディングノートの保管場所、それから臓器提供に関すること、葬儀や遺品の整理、お墓の所在地、その他自由項目、何でも書けるようになっています。順番としては、本人、後見人、親族、知人の順で登録できるというつくりになっているんです。
この終活登録を知った友人が、こういう制度が世田谷区にもあったらどんなに安心できるでしょう、こういうのをつくってほしいというふうに話していました。私もこれを知ったとき、直感的に、こういうことを自治体が登録して保管してくれていたら、どんなに安心して過ごせるかな、よい制度だなと思いました。特に予算を必要とするものでもないということですし、ぜひこういう制度を導入してはと思うんですけれども、区の見解を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 世田谷区の社会福祉協議会では、御案内の「私のノート」、いわゆる
エンディングノートの作成及び販売のほか、終活相談会の開催、成年後見制度などの将来の備えを説明する老い支度講座などを実施して、様々な終活支援に取り組んでいるところでございます。
高齢者が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けるために、御本人の状況や意向に合わせて、御本人が倒れたときや亡くなられたときのように、万が一の場合に備えた支援の仕組みが用意されていることは重要であると認識しております。
区としては、委員から御紹介のあった横須賀市の制度を含めて、他自治体の事例も参考に、社協で実施してきた終活支援の取組状況なども踏まえた上で、関係所管と連携して、高齢者が安心して暮らし続けるために、万が一の場合に備えた支援の在り方について研究検討してまいります。
◆田中優子 委員 高齢化も進んでいますし、研究とか検討で終わらないように、具体的に進めていっていただきたいということを要望します。
桃野委員に替わります。
◆桃野芳文 委員 九月二十八日の読売新聞に、こんな記事がありました。「私大ほぼ半数が定員割れ、経営難の恐れも…今春『充足率』初めて一〇〇%下回る」ということで、
日本私立学校振興・共済事業団の調査で定員割れとなった大学の割合はほぼ半数、十八歳人口の減少が主な原因ということが書いてありまして、ほかの要因としては、
新型コロナウイルスの影響による外国人留学生の入国制限、これも大きく影響を与えているという記事でした。
こういったニュースが、世田谷区内にある例えば専門学校においても同様の影響があるんだなというふうに思わせられるような事柄がありました。
世田谷区の
世田谷福祉専門学校、地域でも親しみを込めて世田福というふうに呼ばれていますけれども、これが区内で唯一の福祉系の専門学校です。この世田福が令和四年春の生徒募集を休止するというふうに発表されました。先日、学校長をはじめ関係者の皆さんとお話しする機会があって、いろいろと意見交換をしておったんですけれども、今後とも学校運営は続けていくと、生徒募集は今後再開したいというお話でした。
巷間、介護人材不足が課題として叫ばれている中で、区内にある福祉専門学校、介護福祉士の養成校、世田谷区内にこういう学校があるということは、私は非常に大切なことではないかというふうに思うんですけれども、まずこれについての区の見解を教えてください。
◎杉中 高齢福祉課長
世田谷福祉専門学校は区内唯一の
厚生労働大臣指定の
介護福祉士養成校として、これまで数多くの介護福祉士を輩出しており、専門的な知識や技術を身につけた卒業生たちは福祉、介護の現場で活躍をしております。介護人材不足が課題となっている中、区内にこのような専門学校が存在していることは、介護人材の確保育成という観点から非常に重要であるというふうに認識しております。
◆桃野芳文 委員 介護福祉士の資格を取るには幾つかのルートがありますけれども、一つには実務経験を積み重ねていって受験資格を得るルート。もう一つは、養成校などの学校で学ぶことを経て受験資格を得るルートというのがあります。それぞれもちろんいいところがあると思いますし、それぞれのルートをもちろん否定することはないんですけれども、やっぱり学校でしっかり腰を据えて、二年間なら二年間学んで介護の現場に出ていくということ、これはこれで非常に大切なことだなと思います。
これまで当然世田谷区も、区内にある唯一の福祉専門学校ですから、この世田福と様々連携してきたと思いますけれども、お願いしてきた仕事とかいろいろあると思いますけれども、例えばどういったことがあるのか教えてください。
◎杉中 高齢福祉課長
世田谷福祉専門学校には、現在、福祉人材育成・研修センターで実施している介護技術に関する研修講師の派遣を依頼したり、
介護福祉士受験対策講座を担っていただくなどの協力をしてもらっています。
また、総合的な介護人材対策を推進するために、世田谷区
介護人材対策推進協議会を本年六月に設立いたしましたが、その前の取組として、令和元年度に
介護人材対策ワーキンググループを開催いたしました。
ワーキンググループには、当時の
世田谷福祉専門学校の校長にもメンバーとなっていただき、介護人材に関する意見交換や検討を行いました。
◆桃野芳文 委員 様々講座をやっていただいたり、
ワーキンググループにも入っていただいたりということで連携してきたというふうに思うんですけれども、今、前段申し上げたような世田福の状況もある中で、より連携をしていって、やっぱり学校経営がより充実していけるようなバックアップといいますか、そういったこともやるべきなんじゃないかなというふうに私は思っています。
そんな中で、最近ちょっとはやっている言葉というか、経済産業省が学び直しをテーマにいろいろ施策を提言しているようなこともあるかと思いますけれども、こういったこと、例えば
区立特養施設職員の学び直しの機会に何か講座をやっていただくとか、例えば区内の、これは区立かどうかは関係なく介護人材の
国家試験対策講座をやっていただくとか、あとは世田福の学生と区内の施設をどうつないでいくかとか、様々地域の、世田谷区内の福祉向上に向けて一緒に多々取り組んでいけるようなことがあると思うんですけれども、これからどういったことをやっていけるのか、その可能性について何か教えていただければと思います。
◎杉中 高齢福祉課長
世田谷福祉専門学校とは介護人材不足という共通の課題解決に向けて一緒にしてまいりたいというふうに思います。
先ほど福祉人材育成・研修センターで講師を依頼しているという話もありましたけれども、福祉人材育成・研修センターは研修、ちょっと今コロナでできておりませんけれども、例えば施設のバス見学などいろんな事業をしておりますので、そういった福祉人材育成・研修センターでやっている事業へのさらなる協力も仰ぐなど、これまで以上に
世田谷福祉専門学校との連携強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
◆桃野芳文 委員 学校という機能を生かして、ぜひ能力をしっかりと引き出していただいて、区民のためにいいことであればどんどん連携していただきたいと思いますので、やっていただきたいと思います。
それと、ちょっとこれは領域をまたぎますけれども、福祉の分野の魅力をより多くの人に伝えていくということも必要ではないかなと思います。これは面白い取組だなと私は思ったんですけれども、これは雇用、産業政策のほうでやっていることですけれども、「きみも福祉の仕事してみない?」ということで、世田谷区が雑誌のPOPEYEと連携して冊子をつくっていて、これを区立図書館なんかで配布しているというものです。これはPOPEYEらしく、表紙も非常にかわいくて、デザインがすごく凝っていて、写真もふんだんに使われていて、なおかつ福祉の現場で働いている方の日々の日常みたいなものが描かれていて、非常に魅力が伝わってくる、職場の魅力が伝わってくるよい冊子だなというふうに思うんです。
こういったものにも、例えば世田福の方に出ていただいたりだとか、もしくはその卒業生に出ていただいたりだとかといったことも考えられると思いますし、
あと区立小中学校での例えば出前講座みたいなもので、福祉の現場ってこうだよ、福祉の仕事ってこうだよというような授業ができるんじゃないかなということも思いますし、あと、世田福はかつて手話通訳の学科もあったんですね。なので、手話講座もできます。今、パラリンピックの後のレガシーみたいなことも盛んに語られますけれども、こういった手話講座なんかもやっていただけるんではないかなというふうに思います。
あとは、「きみも福祉の仕事してみない?」の中にも出てくるんですけれども、学校を卒業してIT企業に就職したんだけれども、様々な経緯があって介護の世界に転職しましたという人が出てくるんですけれども、二年間学校で学べて、助成金も出るし、これでその後の仕事も楽しくて非常に充実しているというような記事になっているんです。助成金だとか貸付金だとかそういった制度も充実している部分もありますから、例えば三茶おしごとカフェだとか、
ぷらっとホーム世田谷、こういったところとのコラボなんかも考えられると思うんですけれども、それについて見解をお聞かせください。
◎杉中 高齢福祉課長 先ほど委員がおっしゃったとおり、介護職の魅力の向上というのは介護人材不足を解決する上で非常に重要だというふうに認識しております。区もこれまで、合同入職式ですとか永年表彰とか、魅力向上につながる事業をやっておりましたけれども、先ほど委員の御紹介のあった、いろんな関連所管と連携して、特に若者の方が介護の職にちょっと魅力を感じて就職していただけるような環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆桃野芳文 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
コロナ関連についても聞いてまいります。
コロナ禍の中で、改めて日本の国民皆保険制度がしっかり機能するということが大事だなということを痛感しました。誰でもどこでも(「何度でも」と呼ぶ者あり)、何度でもではなくて、安価で日本全国津々浦々で適切に医療につながること、これが症状の軽重を問わず、一次医療を含めてこういったことが非常に大事だなというふうに思いました。
この間、コロナのこともあって私も町のクリニックを経営されているお医者さんと話す機会も多々ありました。その中で、私、これは早急に区に取り組んでいただきたいなと思ったことが幾つかありまして、その中の一つが、第五波のさなかで、これまで見たことない、いわゆる商売の世界で言うと一見さんと言うんですか。これまで来ていなかった患者さんが来るようになったと。
その話を聞いてみると、いつも行っている地域のお医者さんに、熱が出たんで診てもらえますかというふうに電話をすると断られてしまったと。断られてしまったので自分で探してきたんですという患者さんがどんどん増えてきたと。そういった声が寄せられました。やっぱりこういうコロナの中なんで、一回お医者さんに電話してから行こうというふうに考える方はたくさんいらっしゃると思うんですけれども、その中でやっぱり断られてしまうといった事例が出てきているということなんです。
感染拡大のいわゆる第五波と言われていたこの山の部分、七月から八月にかけて、恐らく世田谷区の発熱相談のほうにも、断られてしまったんだけれどもというような相談が寄せられていると思うんですけれども、どういった状況だったか教えてください。
◎大谷 健康企画課長 感染第五波と言われる七月後半から八月で発熱相談センターが受けた電話の事例の総数が、一日当たりで平均すると二百二十から三百六十件という状況でございました。この総数に対して、先ほど委員がおっしゃったクリニックでは診察できないというふうにおっしゃられたケースで、区の発熱相談にお電話いただいたものですけれども、一日当たりで平均で四・一件、多い日では最大で九件という状況でございます。大半の方は身近な医療機関で診療検査が行われていたという状況にございました。
◆桃野芳文 委員 大半の方は身近な医療機関で診断を受けてもらうというのは当然なことで、その中で一日四件程度、多いときで九件程度、診てもらえない、断られちゃったんですというふうに出てくること自体が、当事者のことを考えてみるとすごく不安になるし、場合によってはコロナかもしれない中で遠くまで、場合によっては公共交通機関を使って行かなければいけないというようなことも、その人の心の中ではやっぱり心配がよぎる話だというふうに思うんです。
こういったことについては、ここから次の感染拡大というのが、当然来てほしくないですけれども、来たときには同じようなことが起きないようにしっかりと準備をしていただきたいと思うんですね。そんな中で、例えば医師会を通じて発熱している人はお断りだよというようなことはないようにお願いしていくとか、世田谷区としても取り上げていただきたいというふうに思います。
あとは、お問合せの前に自分でスマホだとかパソコンで見つけられる仕組みというのもしっかり充実させてもらいたいと思うんです。やっぱり熱を出し苦しいときに電話するのも正直大変ですから、そのときにスマホで調べられるという状況をつくっていただきたいと思うんです。
もろもろ調べていましたら、東京都は各地域別、市区町村別でこういう病院が発熱外来をやっていますよというのをリストでホームページに上げていたんですけれども、やっぱり世田谷区民が困ったときに東京都の保健福祉保健局のサイトを見に行くということはなかなかないと思うんです。正直見つけられないと思うんです。なので、世田谷区はしっかりと区のホームページの目立つところに、当然感染状況によりますけれども、感染が拡大しているときは、目立つところに発熱外来リストみたいなものをしっかり公表して、皆さんが情報にアクセスできるようにしておくべきではないかなと思うんですが、前者の医師会へのお願いという部分と、発熱外来リストの部分についてお答えください。
◎大谷 健康企画課長 まず、医師会へのお願いという点でございますが、この間、第五波の中で、両医師会様には発熱患者をしっかり診ていただきたいということ、また、そういう機会を定期的に設けてお願いをしている状況でございます。第六波に備えて、定期的な意見交換、通常の業務の中でも発熱患者をしっかり診ていただけるようにお願いはしてまいりたいというふうに考えております。
また、二点目のホームページの件ですけれども、東京都で現在出している診療検査医療機関ですが、こちらは公表の同意をいただいた医療機関が都のほうに出ているという状況でございます。区のほうでもそのリンクを区のホームページに掲載して、区民の方があらかじめ診療検査医療機関が分かるよう周知をしてまいりたいと考えてございます。
◆桃野芳文 委員 今は幸いなことに感染状況は落ち着いていますけれども、逆に今できることはたくさん、今できることというか、今のうちにやっておかなければいけないことというのはたくさんあると思いますので、しっかりと準備をしていただきたいと思います。
あと、この時期ということで心配なのがインフルエンザ。昨年はインフルエンザの流行がなかったという本当にまれな年になりました。みんながコロナ対策をやって、マスクをやったり手洗いをしていたんでインフルエンザの罹患者がすごく減ったというふうに言われています。桁で言うと三桁違うんですよね。インフルエンザにかかった人は身近に私もいなかったですけれども、少なかったんですけれども、じゃ、今年同じようになるかという保証は当然ないわけです。
逆に言うと、コロナの新規感染者数というのはどんどん下がっているんで、相関関係、まだ分かりませんけれども、もしかしたら代わりにインフルエンザの罹患者が増えてくるかもしれないといった状況があります。
そういった中で、十月一日から世田谷区の例えば高齢者へのインフルエンザの助成だとか、あとは十五歳以下でしたか、お子さんのインフルエンザの費用助成なんかが十月一日から始まったところです。これも、より多くの人が身近なクリニックでインフルエンザの予防接種ができるという状況をつくっていくのが私は大事だなというふうに思っているんです。
その中で、区のホームページをチェックしていましたら、例えば高齢者インフルエンザ予防接種についてですけれども、これは六十五歳以上の方、もしくは六十歳以上六十五歳未満の方で基礎疾患のある方だとか、一級相当の身体障害者手帳をお持ちの方、これについて助成をしますということなんですけれども、これは自己負担二千五百円という状況ですけれども、基本的には指定医療機関で接種してくださいという形になっているんです。
インフルエンザの予防接種の事業が医師会への委託事業になっているので、基本的には医師会に加入している指定医療機関で接種してくださいというふうに書いてあるんです。指定医療機関以外で接種も一応できるということになっているんですけれども、これが入院だとか施設等への入所などのやむを得ない理由であれば、指定医療機関以外でも接種できますよというふうに書いてあるんです。
これを見ると、入院とか施設の入所者以外はこのリストの中から打ってくださいというふうに、素直に読めばそういうふうになるわけですけれども、ただ現状は、所管に事前にお聞きすると、そうではありませんと。かかりつけ医があればそこで打っていただくことは可能で、ちゃんと助成の対象になりますということだったんですね。ですので、現状そうなのであれば、ホームページだとか予診票だとかそういったところに、かかりつけ医で打ちたい方はこうしてくださいというようなことを、入院とか入所に限らずできますよということはしっかり明記するべきではないかなというふうに思うんですが、見解を教えてください。
◎安岡 感染症対策課長 ただいま委員御指摘いただきました指定医療機関以外での費用助成についてというところにつきまして、費用の助成の対象になり得るという表記が分かりにくいという御指摘を踏まえまして、区といたしましても分かりやすい通知ですとか、あとはホームページ等での広報に努めてまいります。
◆桃野芳文 委員 お子様のインフルエンザ予防接種費用の一部を助成しますという御案内についても同様で、同様というか、ちょっとこちらのほうがより分かりにくいんですけれども、お子様の予防接種については、接種一回当たり千円が減額されるというような仕組みでやっているわけですが、これの区からの案内を見ると、お子様が医学的な理由により主治医の監督下で接種を受ける必要があり、指定医療機関で接種できない場合は、世田谷保健所感染症対策課までお問い合わせくださいというふうに書いてあるんですね。
だから、これ見ると打てるとも打てないともちろん書いていないし、医学的な理由により主治医の監督下で接種を受ける必要がありというのが、一般的な医学の知識のない私なんかが見ると、何かよっぽどのことがないとこの対象にはならないのかなというふうにやっぱり受け止めてしまう表現なんです。
これも事前に確認すると、先ほどの高齢者への予防接種と同様に、通常のかかりつけのお医者さんで打てますよと、その場合はこうしてくださいねという形になっているということでした。なので、お子様のほうもしっかり、これは高齢者のほうの表記以上に分かりづらい表記になっているんで、こちらも分かりやすいように直していただいたほうがいいかと思うんですけれども、これについても所管の御意見をお聞かせください。
◎安岡 感染症対策課長 ただいま委員の御指摘がございました子どもインフルエンザ予防接種費用助成につきましても、現在区のホームページでは、お子様がやむを得ない場合、入院、里帰り出産、ワクチンの成分にアレルギーがある等により接種できない場合はお尋ねくださいとなっている状況でございます。予防接種を受けるに当たり、医師に相談する必要がある方の具体を示す等、所管といたしましても検討してまいります。
◆桃野芳文 委員 最後にちょっと一問だけ簡単に。ワクチンの接種、コロナのワクチンの接種、ほかの自治体では予約なしで受けられるというようなことも始まっているようですけれども、世田谷区ではそういうことができるのかできないのか、私はぜひやったほうがいいと思うんですけれども、四十秒ぐらいでお答えいただけますか。
◎羽川
住民接種担当参事 仕事の予定とかが流動的で予定を立てづらい方にも予約なしの接種というのは重要で、一部では予約なしの接種は行っております。区における実施の有効性は見極めて検討を行いたいと思います。
◆桃野芳文 委員 私からの質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆中里光夫 委員 それでは、日本共産党の質問を始めます。
最初に、保育について。
初めに、第五波における保育園の相次ぐ休園についてです。
さきの総括質疑で、第五波における保育園の感染者発生に伴う休園が八月、九月で百二十六園に上り、感染の広がりを抑止する検査が十分機能していないということを指摘しました。保育部の第一の責務は、質の高い安定的な保育事業の運営です。検査を受けたくても受けられない、第六波に備えた対応をしてほしい、こうした現場の声を真摯に受け止めていただきたいと思います。
第五波で広がった休園、区としてどう受け止め、今後どう対応するのか伺います。
◎大澤 保育課長 区では八月二日から保育対応レベルを二に引き上げ、登園自粛をお願いし感染予防に努めてきましたが、今お話しのとおり、第五波では区内保育施設の職員及び園児で多くの感染者が発生いたしました。保育施設では、陽性者の判明時に世田谷保健所が施設の濃厚接触者の特定などを行い、保育部が濃厚接触者の状況等を踏まえまして、当該施設に対する休園措置を行っているところでございます。
今般の第五波におきましては、感染者が急激に拡大し始めた七月下旬からは、陽性者の判明時から保健所が行う濃厚接触者等の特定までに時間を要する場合もあったことから、陽性者の判明時に、区の社会的検査の申込みを行うとともに、陽性者の判明直後から濃厚接触者が特定されるまでの間、休園措置としたため、休園数が多くなったというふうに見ております。
このような状況を踏まえまして、いわゆる第六波に備えまして、引き続き区の社会的検査を活用することに加え、このたび東京都において保健所の濃厚接触者の特定等が即時に実施されない場合に、保健所に先行してPCR検査を実施することになりましたので、この仕組みも活用し、または抗原検査キットも活用しながら、感染防止を図ってまいります。
◆中里光夫 委員 百二十六園と、大変な広がりだったわけです。まさに区の第一義的な責務だということで、しっかりと今後については対応していただきたいと要請しておきます。
それでは、次に進みたいと思いますが、四月の保育の欠員を見て、来年度からの定員だとか再整備が今議会では議論されています。
まず、ゼロ歳児の欠員についてです。
四月に欠員があっても年度途中で入園がある。年度当初約二百五十人と言っていたゼロ歳児の欠員、現在はどうなっているでしょうか。
◎大澤 保育課長 今年四月時点の認可保育園のゼロ歳児の欠員は二百三十三人でございましたが、途中入園が進み、十月一日現在で十七人の欠員となり、ほぼゼロ歳児の欠員が解消されてきている状況でございます。
◆中里光夫 委員 ほぼゼロ歳児の欠員はなくなったということですね。年間を通してお子さんは生まれてくると。育休が取れる職場ばかりではない。産休が明けたら、年度途中でも入園できる今の状況はむしろ正常な状態になってきたと言えるんじゃないでしょうか。
年度途中で入園できることに対して、区はどのように認識していますか。
◎大澤 保育課長 今般、この状況につきましては、
新型コロナウイルスによる影響など一過性のものなのかどうかというのはまだ不透明な状況というふうに見ております。現在、来年四月の入園申込み状況等も見ながら、今後分析をしていきたいと考えております。
◆中里光夫 委員 コロナがあるかどうかで年度途中があるかないかなんてことはないんじゃないですか。それはおかしいんじゃないですか、どうですか。
◎大澤 保育課長 今回のゼロ歳児の欠員につきましては、特に今年度に至って特に目立ち始めてきたような状況でございます。そういった状況を見ていきますと、
新型コロナウイルスの感染の状況もあるかもしれないというふうに見ておりますので、その状況ももうちょっと見ていきたいというふうに考えております。
◆中里光夫 委員 産休明け保育をどうするかなんていうのはかつて大議論されて、産休明け、どこで入園できるかというのが大きな問題になってきたというのが過去ありますよ。これは普通の話なんですよ。
では、次に行きます。次に、幼児の欠員をどう見るか。この間の答弁で、欠員数について、四月に九百八人、九月に七百九人という新しい数字が出てきました。ゼロから五歳の全年齢の数を今回出してきたと。新設園を整備するとゼロ・一・二・三歳は埋まるんですけれども、四歳、五歳はほとんど埋まらないというのが通常なんです。その後、二年かけて三歳児が四歳になり、五歳になりということで欠員がなくなっていくと。
過去の欠員数も見てみました。待機時が四百八十六人いた平成三十年六月時点の欠員は千百十人でした。四歳、五歳が大部分を占めています。四歳、五歳の欠員はこれまで同様今もたくさんいますけれども、いずれなくなっていく性質、だんだん年が上がってなくなっていくと。こうした欠員に対して、これまで区は何の対策もしてきませんでした。四歳・五歳児の欠員に対する区の認識はいかがですか。
◎大澤 保育課長 四歳、五歳児クラスにつきましては、幼稚園も含めまして、既に保育施設に入園している園児が多いことから、保育待機児童が多いときにも、新設園における四歳児、五歳児クラスについては、欠員が生じておりました。今もそのような状況が続いているものと認識しておるところです。
◆中里光夫 委員 半年でゼロ歳児の欠員はほぼ解消していると。また、人口推計でも、将来は就学前児童が増加に転じると見込みが出されていますし、コロナの影響はどうなるのかという先ほどお話もありました。区は将来人口を見据えた長期的な検討、待機児ゼロの継続など、保育需要を慎重に見極めると答弁していますけれども、この姿勢が非常に重要だと思います。
次に、私立園の減収補填について伺います。ゼロ歳児は人手もかかる、手間もかかる、保育単価も高いので減収の影響が大きい。ゼロ歳児が四月には埋まらずに年度途中で埋まっていくということは、これはもう先ほど言ったように正常なこと、当たり前であるのに、欠員が出ている間も職員を確保する必要があって、そこが減収になってしまう。
かつて世田谷区のゼロ歳児保育を担っていた保育室、世田谷区独自に、欠員があっても定員に応じた補助の仕組みがつくられたんです。その結果、保育士の確保、安定的な運営、質の高い保育のための大きな役割を果たしてきたというふうに思います。
私立園の減収補償に向き合い、定員減ではなく、きちんと対応をすべきです。私立園へのゼロ歳児欠員への減収支援が必要です。区は、他会派への答弁で、課題を整理し検討を進めるとしています。どのような支援が考えられるのか、いつまでに提示するのか伺います。
◎志賀 保育運営・整備支援課長 本年四月時点では、私立認可保育園において九百八名の欠員となりまして、年度当初には多くの保育園から欠員が多く、園運営の影響大きいというお話もございました。こうした状況を受け、私立保育園の安定的な園運営の支援に向けた課題を整理し、検討を進めるとともに、既存施設の支援強化のため、既に事業決定しているもの除き、当面の間、認可保育園の新規施設整備は実施しないこととし、また、区立保育園の定員を見直して私立保育園への入園を促しているところです。
一方で、この間、私立保育園の年度途中の入園は、ゼロ歳児を中心に徐々に進んできており、また、本年四月から九月までのゼロ歳児人口が増加していることからも、来年度に向けての入園選考の申込み状況等を今後も注視していきたいと考えております。
◆中里光夫 委員 私立園に対する減収への支援をしっかりと講じていただきたいと、このことを強く求めていきたいと思います。
それでは、次の質問をしたいと思います。次に、区立園の再整備についてです。
区立園の減少は公的責任の後退につながる、こう考えます。何人かの私立園の園長さんにお話を伺いました。年度当初ゼロ歳児の欠員が五人いた、十月にようやく埋まった、これは大きな減収になる、しかし区立園の定員減はセーフティーネットの低下になる、区立園は地域の保育をまとめる役割を果たしてほしい、私立の減収については独自の財政支援をしてほしい、こうおっしゃっていました。また、別の方は、拙速に区立園の定員を減らして大丈夫なのか、五年、十年見据えた検討が必要だ、また待機児を生むんじゃないか。またある方は、私立園長会の役員会には出ていないので、来年度からの区立園の定員減、それは全く知らなかったというふうにおっしゃっていました。
参加と協働が貫かれていないという我が党の指摘に対して、区は答弁で、区立園長会に案を出し保育のごあんないで、令和四年四月一日予定の認可定員として周知したとしています。しかし現状は、多くの保護者、保育関係者、区民はこのことを知りません。保育のごあんないを見ても、区としてこうした理由で定員を減らしたなんていうことは書いてありません。
未来に向けた区立保育園のあり方では、区立園は、地域における身近な公設の児童福祉施設として、子どもの育ちのセーフティーネットとしての役割を行政の責任の下担い、全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障すると規定されています。具体的には六つの役割として、一つ、保育の質の維持向上、二、より質の高い教育・保育の提供、三、支援が必要な家庭の早期発見・対応、四、配慮を必要とする子ども・保護者への支援、五、地域子育て支援機能の充実、六、災害時・緊急時におけるセーフティーネットなどが明らかにされています。
こうした役割は四十六園全ての園が担っているんです。区立園を減らして公的役割が担えるんでしょうか。増加する医療的ケア児は区立園が担っています。今後ますます拡充が必要ではないでしょうか。
風水害時に浸水などで臨時休園になったときに、区立園が応急保育を受け入れることになっています。ハザードマップで浸水危険区域にある八十二の施設それぞれに対し対応する区立園が決められ、これが二十五園指定されているということです。これでは一つの区立園が複数の園の対応を迫られます。いざというときにこれで大丈夫なのでしょうか。
参加と協働が貫かれていない拙速な対応です。区はこれまで、保育に関しては質を落とすなという保護者の声を聞き、区独自に処遇改善などにも取り組んできました。参加と協働は一体どうなったのか。また、区立園再整備を進めると言いますけれども、区立園を減らすことは、在り方に規定された公的役割の後退につながるんじゃないでしょうか。副区長の見解を伺います。
◎中村 副区長 まず、区立園の公的な役割が後退するのではないかという点につきましてですけれども、区立保育園については、地区における子どもの育ちのネットワークの役割とともに、地域の拠点園が地域の保育施設間のネットワークの中心的役割や在宅子育て支援を担うという基本的な考えに変わりはありません。
今年度から各地区の区立園をサポーター園として指定しまして、認可外保育施設も含めた地区内の保育施設から、保育などに関する相談を受ける、こうした取組も開始しています。
また、区立園の福祉的役割を強化して、一次保育の利用条件を緩和したモデル実施により、支援を必要とする家庭の早期発見、継続的な見守りを行うこととしております。今後も区立園が地域、地区における身近な児童福祉施設として、その役割を十分果たすことができるように取組を進めてまいります。
また、参画と協働という点ですけれども、引き続き保育待機児ゼロの継続というのは区政の重要課題と認識しています。今後も区立園の弾力化、改修を含めた定員調整ですとか再整備については、保育需要ですとか、地域の保育施設の状況を踏まえまして、保育現場からの声もよく聞きながら慎重に見極めてまいります。
◆中里光夫 委員 今回、保育のお知らせでいきなり数を知らせてと、本当に乱暴だと思います。全く皆さん知りませんから。
それで、現場からの声も聞きながらというお話でしたけれども、参加と協働が全然できていないと思います。しっかりと議論を、いろいろな保育に関わる方たちが情報をちゃんと分かって、そして議論ができる、そういう場をつくることを強く求めていきたいと思います。
区立園の定数減や再整備について、一度立ち止まって、参加と協働及び保育需要など慎重に見極め、定数を戻すことを含め再検討すべきと思いますが、認識を伺います。
◎中村 副区長 お話しの区立園の定員調整や老朽化に合わせた再整備ということは、いずれも必要な取組であると考えています。一方で、繰り返しになりますけれども、保育待機児ゼロの継続ということは、引き続き堅持していきたい重要課題です。
冒頭、認可保育園のゼロ歳の欠員が年度途中で大きく埋まってきたという課長からの答弁もありましたが、そうしたことも含めまして、今後の保育需要をきっちり見極めて、慎重に見極めながら進めさせていただきたいと思います。
◆中里光夫 委員 区立保育園の公的役割を強化しなきゃいけないという話を、先ほど議論もありました。そういう中で、区立園を縮小するようなことは公的責任の後退になるというふうに、私たち強く危惧いたします。しっかりと再検討することを求めて、次の質問に行きたいと思います。
次に、学童クラブについてです。
大規模学童クラブの人員確保について、対応する人員の確保について、民間活用の検討の議論が続いています。慢性的な人手不足で、区はこれまでどう努力してきたんでしょうか。職員の欠員状態は今も続いています。たまたま現状は、コロナ対応で利用を控えるよう要請して、登録数の半分程度の出席なので回っているという現場のお話ですが、これからBOPも再開されるという話で、そうなったらどうなるのかと、現場は戦々恐々のようです。
今般の民間活用検討の理由に、区は大規模化、人員確保が課題で困難としていますけれども、我が党は、コロナ禍で国が新たにつくった補助金活用も提案して、保育のように他区と比べて当区が選んでもらえるように、時給を大幅に引き上げること、職員をきちんと確保することを求めて提案してきました。
学童保育の質を守る根幹は職員です。それにふさわしい努力があったのか伺います。
◎須田 児童課長 新BOPでは、ここ五年間で大幅な登録数の増加や、全国的な福祉人材不足などの影響で、指導員の欠員や活動場所の狭隘化などが課題となっております。この間、指導員につきましては通常の募集のほか、大学等を通じた募集周知や求職サイト、就職フェアへのブース出展等を活用しながら人材確保に努めておりますが、登録児童数の急増に追いついていない状況でございます。また、活動場所につきましては、学校の協力を得ながら、校庭、体育館のほか特別教室も活用しながら運営しております。
今後も教育委員会とも連携し、さらなる学校施設の活用に務め、狭隘化の解消に取り組むとともに、人員確保に努めてまいります。
◆中里光夫 委員 昨年、コロナで一斉休校があったときに、翌日から学童を全校で終日開かなくてはならないとなったときに、児童館の職員も応援して対応したと。また、そのときにBOPの職員の方が、それぞれのつながりに声をかけて何とか人員を確保したというお話も聞きました。現場任せになっていたんじゃないでしょうか。
区として、質の根幹に関わる人員確保という課題、民間活用で解決という方向性に行政の責任の後退につながるということがあるんじゃないでしょうか。新実施計画の考えとも異なるものと指摘します。
今後、人員確保は民間活用で補っていくのか。区として職員の時給アップなど、さらなる人員確保に取り組むべきと思いますがいかがでしょうか。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブにつきましては、狭隘化と大規模化の解消を図るとともに、保護者や子どもの選択肢を増やすため、民間事業者を活用した学校外での放課後児童健全育成事業所を誘致している他の取組例について検討しております。この間、指導員につきましては、通常の募集のほか、大学等を通じた募集、周知や求職サイト等を活用しながら人材確保に努めており、必要な人員の確保につきましては徐々に改善しているところでございます。
指導員の報酬につきましても、この間、常勤職員を上回る改定を含め処遇改善を図ってきたところであり、仕事の魅力などの周知に努めながら、人員確保策を進めてまいります。
◆中里光夫 委員 これまで努力してきたと言うんですが、さらなる努力が必要です。現に今、欠員が解決していないんです。これをどうするのかということが問われています。
公設学童と同じ水準のサービスを民間学童で利用できるのかということについてです。
他区の状況を聞きますと、学校や児童館でない自治体が補助を出している民間学童、これはほとんど庭などのないビルの一室、そういう施設ばかりだというふうに伺いました。今の新BOP学童クラブでは校庭が使えるというだけじゃなくて、雨の日も体育館や図書室、視聴覚室、こういったものも活用して、子どもが密にならず十分な活動ができる、体も動かせる、運営の工夫で対応しています。そういったことが民間学童でできるんでしょうか。
外遊びや十分な活動の場を保障できるのか伺います。
◎須田 児童課長 民間事業者を誘致する場合におきましては、区が条例で定める設備運営の基準を満たすことはもとより、子どもたちの成長のため、遊びや様々な活動ができるような環境が必要と考えております。お話しのとおり、民間放課後健全育成事業者の環境は様々でございますが、事業者ごとに工夫しながら子どもたちが豊かな放課後を過ごさせるために取り組んでいるものと認識してございます。
◆中里光夫 委員 それは事業者任せということですか。
◎須田 児童課長 民間事業者もそれぞれ工夫をして取り組んでございますし、様々な事業者ごとに運動場を確保したりとかということもやっているとも聞いております。あと、区とはいろいろ情報を共有化しながら、どんなことができるのかということは考えてまいりたいと思います。
◆中里光夫 委員 区としては、そこにどう責任を取っていくんですか。
◎須田 児童課長 区としましては、これは民間を誘致した場合でございますけれども、一定程度いろいろ情報交換等を行いながら、どういったことができるか、より改善できるようなこと、一緒に区も民間も子どもたちを支えていくという観点で連携して取り組んでまいりたいと思っております。
◆中里光夫 委員 しかし、他区に聞きますと、認証保育を皆さん想像していただければいいと思いますけれども、ああいった施設がほとんどだというふうにも伺っています。今、工夫してというお話しありましたけれども、本当に保障できるのかということを問われてくると思います。
さきの他会派の質問に、副区長は、保護者や子どもが選択できる環境を具体化して示すと答弁しました。しかし、子どもや家庭の事情によって格差が生じる、新BOP学童クラブは月五千円ですけれども、そして就学援助なら免除される、配慮が必要な子どもは六年生まで受け入れる、こういった対応ができていますが、民間学童でこうした対応ができるのか。今、区内の学童保育、月に四万五千円程度の料金です。保護者や子どもが選択できる環境と言いながら、実際には家庭の経済力や子どもの障害の有無などで選別されることになるんじゃないか。また、現在既に放課後育成事業の基準にない民間施設を利用している家庭も多くある。新たに区が導入を検討している民間学童と、ここもまたサービスや利用料で差異が生まれることになる。
これは、基本計画の副題にある「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」、保坂区長が大切にしてきた子どもの最善の利益を最優先、この姿勢と異なるんじゃないでしょうか。
保護者アンケートでニーズ調査をしたとはいえ、多くの保護者も子どもたちも知らされていない中での検討です。家庭や子どもの状況により差異を生じる選択肢を、区として制度設計することになる。区の基本姿勢が問われます。認識を伺います。
◎中村 副区長 まず、本区の新BOP学童クラブの長所は、定員がなくて希望する全ての子どもが小学校内で、学童の子も放課後を一緒に過ごすことができるというところですけれども、大規模化などを含めましてかなり困難な状況にあると考えています。今後、今議会での議論を踏まえまして、検討状況について、年内にできる限り早い時期にまとめて、議会にもお示しするとともに、保護者にも丁寧に御説明してまいりたいと考えています。
◆中里光夫 委員 質問に答えていないですね。直営が基本です。芦花小学校などは中学校の教室まで使って工夫をする、いろんな工夫があります。
○加藤たいき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十時五十七分休憩
──────────────────
午前十一時十五分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆金井えり子 委員 生活者ネットワーク、福祉保健所管の質問を始めます。
親年齢という年の数え方があります。親の年齢のことではなく、第一子誕生から親になった年の数を数えるものですけれども、初めての出産から親となって、まずは親年齢ゼロ歳、生まれたての親赤ちゃんです。これはお父さんも同じです。ゼロ歳の赤ちゃんとゼロ歳の親が始める子育て、子育ち、さらに出産後のお母さんはホルモンバランスの影響もあり、心身ともに不安定で支援が必要な時期です。
特にこのコロナ禍の一年半、実家や親戚にも頼れない親子が多くいました。区は、母親学級、両親学級などは対面講座に加え、オンラインなどを取り入れたり、乳幼児健診なども日数を増やし、人数の調整をしたりと様々な工夫をされていると思いますが、以前のように健診などで一緒になることも少なく、親年齢の同じ友達がつくりにくいとも聞きます。自分と赤ちゃんの二人きりになってしまったような、取り残された感じ、そう表現したお母さんもいました。孤立感を深めたり、赤ちゃんと真剣に向き合い過ぎて疲れてしまったり、今、そんな親子への支援が必要です。
親子への寄り添いの支援として、地域の自主事業として、区内でも活躍する家庭訪問、子育て支援ホームスタートがあります。家事支援や預かり保育ではなく、親子と一緒に過ごし、話を聞く地域の子育て経験者のボランティアによるサポートです。一緒に子どもを見ることで、ボランティアさんを通して子どもの成長が分かったり、話をすることで気持ちが軽くなったりと、心の余裕と安心が生まれます。お母さんの安定が赤ちゃんやお父さんにも伝わって家族関係がよくなることもあるそうです。
乳幼児期のアウトリーチ型の寄り添い支援はとても重要です。世田谷区にはさんさんプラスサポートという訪問型支援がありますが、さんさんプラスサポートも昨年は利用控えなどが多かったのではないでしょうか。昨年の利用状況などを伺います。
◎中西 子ども家庭課長 さんさんプラスサポートは、体調不良や育児不安などによりまして一時的に支援が必要な妊婦や、出産後おおむね一年以内の産婦のいる御家庭に、健康づくり課保健師がアセスメントを行い、ヘルパーが週一回二時間、最大十二回訪問し、子育て家庭の負担軽減や育児不安の解消を図る事業となってございます。
利用に当たっての申請理由といたしましては、産後家庭での支援者がいない、または育児に追われ家事が進まない、保護者の体調不良などがありまして、ヘルパーが日常的な家事支援や育児補助を中心に、通院や買い物の同行、育児に関する相談などの支援を行っております。
令和二年度の実績ですが、利用決定件数は百六十件、延長決定件数が六十七件となってございます。
◆金井えり子 委員 利用決定件数が百六十件、延長決定件数が六十七件ということでしたけれども、延長利用の方が大変多いようだと思いました。この延長というのは、どのような方にどのように決めているのか伺います。
◎中西 子ども家庭課長 地区担当保健師は、さんさんプラスサポート利用者についてヘルパーが訪問ごとに作成する訪問支援状況報告書によりまして訪問時の状況を把握し、利用者への電話や訪問などにより利用家庭の状況把握に努めております。その上で、利用決定時と同様にアセスメントを行う中で、体調の回復に時間を要している方や育児不安が続いている方など、引き続き支援の必要がある場合には、一回に限って延長を決定してございます。
◆金井えり子 委員 引き続き支援の必要な方に、一回限りの延長ということですけれども、支援の必要な方ということなので、延長後が気になります。その後は地域につないでいくということでしょうか。世田谷版ネウボラのいわゆるのりしろの部分だと思いますけれども、どのようにつないでいくのか伺います。
◎中西 子ども家庭課長 さんさんプラスサポートは、利用後に地区担当保健師が利用状況確認表を作成し、利用者から負担軽減したかどうか等を聞き取り、利用目的に対して効果検証の上、今後の支援につないでおります。あわせまして、おでかけひろばや産後ケア事業、養育困難等の子育て支援事業に関して、利用者の利用状況を把握するとともに、利用者の状況に応じた支援事業を御案内し、必要な資源につないでいるところです。
また、ヘルパー事業者のマッチングを行っております中間支援センターでは、民間等も含めた支援などの案内や相談への対応、より身近な地域で相談できる地域子育て支援コーディネーターを紹介し、メールや訪問等による相談支援、おでかけひろばなどへの同行支援など様々な地域資源へつないでいるところでございます。
◆金井えり子 委員 おでかけひろばなどへの同行支援も行ってくださっているということで、少し安心した部分があります。
区立の保育園、こちらも地域支援事業というのをやっているということで、その中にママサポートという訪問相談があります。令和二年度は十二件の実績がありますが、どのように行われているのでしょうか、伺います。
◎大澤 保育課長 保育園では、保育士や栄養士、看護師による子育て相談や講座、園庭開放などの地域交流事業を行っているほか、保育士等が保育ママの現場にも出向きこのような事業を行っております。また、ある区立保育園では、地域交流事業を地域の方により知ってもらうために、おでかけひろばの協力などもいただきながら、保育士や栄養士などの保育園職員が出向き、子どもとの遊びを通しながら、地域交流事業の周知拡大を図っているところでございます。
おでかけひろばの利用者からは、区立保育園における地域交流事業については、保育園での子育て相談など、地域交流事業を行っていることを知らなかった、事前予約ではなく、当日直接訪問し利用できたらいいなどの声をいただいております。
◆金井えり子 委員 今はまだ、保育ママさんとか、おでかけひろばなどへの訪問のような状態かと思いました。実はおでかけひろばや保育ママさんにつながっていない、そこに行けない親子というのがいるんだと思います。その方たちとつながっていただきたいと思っています。相談というよりは傾聴、アドバイスよりも笑顔でうなずいてくれる、そんな寄り添い支援が求められています。
保育園の地域支援事業もこれからかと思いますけれども、ホームスタートのような今ある地域資源を、世田谷版ネウボラの中に位置づけ、上手に活用し、寄り添い支援を進めていただくように要望いたします。
親子の問題としては、母子生活支援施設に入っている方への支援について、これから一問伺います。
児童福祉法第三十八条には、母子生活支援施設は配偶者のない女子、またはこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のために、その生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とするとあります。様々な事情がある親子が、まず落ち着いて生活や気持ちを整え、新たに社会生活を始める準備をする、そんな場だと認識しています。
退職後について、相談その他の援助を行うとされていますけれども、見守りのような支援はあるのでしょうか。地域につながるにしても、特別な配慮が必要かと思います。退所後の支援、区がしっかりと取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
◎藤原 世田谷総合支所
子ども家庭支援課長 区では、三か所の母子生活支援施設があり、様々な事情で入所された母親と十八歳未満の子どもに対して、心身と生活を安定するための相談援助を進めながら、社会的自立に向けて支援しております。入所中は、子ども家庭支援センターや施設の職員が、母子の生活状況に応じて子どもとの関わり方や法的な手続、経済・健康面などの相談に乗り、適切な機関につなげるなど、子どもの健全育成や安心して生活できる支援を行い、母親とは定期的に自立支援計画の面接を行って、今後の就労や退所時期を見据えた資格取得などの支援及び地域での生活に向けて総合的な観点から見立てを行っております。
また、退所時には母子の住居の確保、今後の安定した生活、良好な母子関係などを母子とともに確認し退所を決定しており、さらに生活していく上で必要な情報提供や各種手続などの支援を行い、困ったときにはいつでも対応できることを伝えております。
今後も子ども家庭支援センターは母子の状況に応じて要保護児童支援地域協議会の調整事務局として、子育て支援機関や保育園、学校などと連携協力して情報共有を図り、母子の見守り機能の役割を担っていくと考えております。
◆金井えり子 委員 ぜひお願いいたします。改修などの話も出ているようですので、地域へのつなぎもぜひぜひよろしくお願いいたします。
次の質問です。国連子どもの権利条約の中で、児童労働や貧困に関する部分は日本には関係がないように思われますが、日本でも子ども七人に一人が貧困、コロナ禍で親が仕事を失うなど、子どもの貧困がますます深刻化しています。中には労働者として時間を取られてしまうヤングケアラーの存在もあります。家族のケアのために学校に行けない、自分の時間もないなど、学ぶ権利、休暇、余暇、遊びを楽しむ権利、あらゆる搾取から保護される権利など、子どもの権利を侵害されている場合があります。家族の介護をするのは当たり前、つらくても誰にも言えない、そもそも自分が置かれている状態がおかしなことと思わないことすらあります。
デンマークのケアラー憲章には、ケアラーがよい生活を送るための十の条件が挙げられています。ケアラーの意見表明権、ケアをしていることの影響を自分で理解すること、ケアラーとして貢献が認められ尊重されること、また行政担当者や専門職との関係性まで書かれています。自分自身も、そして周囲からも理解されること、日本のケアラーにも、特にヤングケアラーに必要な条件ではないでしょうか。
世田谷区では平成二十六年にヤングケアラーの実態調査を行っています。その後どうなっているのか、また今後の調査はどのような計画があるのか伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 区では平成二十六年度に、自分の親などを介護している子どもがいるのではないかとの視点で、区内居宅介護支援事業所に対しヤングケアラーの実態調査を実施し、三十六事業所から六十人のヤングケアラーがいるとの回答を得ました。この回答結果を踏まえて、ヤングケアラーが広く社会的に認知されるとともに、支援の輪が広がることを目的としたシンポジウムを平成三十年度と令和元年度に開催いたしました。
また、ヤングケアラー当事者やその支援者などを対象とした普及啓発チラシを作成配布したほか、令和元年度からヤングケアラーの理解を深めるため、
あんしんすこやかセンターや子ども家庭支援センター、児童相談所の職員のほか、区立小中学校のスクールカウンセラーを対象に個別講座を実施しました。
ヤングケアラーの実態調査につきましては、子ども・若者部、児相、子ども家庭支援センター、障害福祉部、教育委員会など関係所管で構成される支援連絡会の中で早急に検討してまいります。
◆金井えり子 委員 普及啓発チラシを配布しているとのことですが、区民の目に触れるところまでは届いていないのではないでしょうか。ヤングケアラーは地域で早く見つけて支援につなぐことが必要です。そのためには、地域の住民への意識啓発が大切です。ヤングケアラー、若者ケアラーの調査をした江戸川区の市民有志「ケアラーパートナー〜木の根っこ〜」は、「気づいてほしいあなたのそばのヤングケアラーに」というリーフレットを作りました。このリーフレットの中には、ヤングケアラーとしての体験談や、またヤングケアラーとはどういった人なのかといったことが書かれています。とても分かりやすいリーフレットです。
ヤングケアラーとはどんな子どもか、ヤングケアラー当事者の声など、そういったものも盛り込まれたこのリーフレット。江戸川区の教育委員会では、小中学校の教員向けに配付を決めたそうです。ぜひ参考にしていただき、世田谷区でもこういった分かりやすいリーフレットなどを作成し、配布先なども工夫していただけるとよいと思います。見解を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 国は、令和二年度に行ったヤングケアラーの実態に関する調査研究において、ヤングケアラーについて聞いたことはないとの回答が八割と、ヤングケアラーの認知度が低かったことを受け、令和四年度からの三年間を集中取組期間として、ヤングケアラーの社会的認知度の向上に集中的に取り組むとしております。区でもシンポジウムでの参加者アンケートの結果では、興味を持って来場された方でさえ、その認知度は五割ほどでありました。
地域住民がしっかりと子どもの異変に気づき、必要な支援に結びつけるために、今後福祉系事業所で働く職員向けの研修を福祉人材育成・研修センターで実施するほか、青少年地区委員会及び青少年補導連絡会での研修会も予定しております。
また、シンポジウムの実施のほか、普及啓発チラシを子ども向けと地域住民や支援者となる大人向けに分けて作成、周知するなど、地域でヤングケアラーの課題を認識できるよう取り組んでまいります。
◆金井えり子 委員 ぜひぜひ分かりやすいパンフレットを配っていっていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたけれども、このヤングケアラーの問題は、子どもの権利侵害です。今もずっと御答弁いただいているのが高齢福祉部ですけれども、高齢福祉部が窓口と聞いて違和感を覚えました。さきの調査からの流れということですけれども、子ども計画にもヤングケアラー、若者ケアラーへの支援として周知啓発に努めるというふうに書いてあります。ヤングケアラーへの支援は、学校や福祉の連携強化が必要です。ヤングケアラーは子どもの問題として、子ども所管、教育委員会が主体となって横断的に取り組んでいただきたい。見解を伺います。
◎柳澤 子ども・若者部長 ヤングケアラーの問題については、家族のケアを担う子どもの権利、生きる、育つ、守られる、参加するといった子どもの権利が保障されなければならないとの観点からも重要な課題であると認識しております。若者についても同様でございます。
区では、経済的な理由により生活困難を抱え、支援を必要としている子どもを早期に把握し、支援につなげるため、せたがや子ども応援気づきのシート、こういったものを活用していますが、これは地域の支援者や学校などの関係機関がヤングケアラーに気づくきっかけとしても役立つ点があると認識してございます。また、若者についてでございますが、メルクマールせたがやにおいても、生きづらさを抱えた若者からの相談、これでヤングケアラーの支援につなぐことも考えられます。
今後も総合支所保健福祉センターや高齢福祉部、学校、教育委員会などの関係機関と連携しながら、気づきの感度を上げ、支援が必要な子ども・若者と、その家庭への必要な支援、サービスにつなげてまいります。
◆金井えり子 委員 子どもの権利については世田谷区がトップランナーと思っています。ぜひぜひ子どもの権利をしっかり守っていただきたいと思います。
次に、介護人材に関しての質問に移ります。
国の第八期介護保険計画から介護人材の必要数というのが出てきます。二〇二三年に二百三十三万人、二〇二五年には二百四十三万人必要ということで、二年後には二十二万人、四年後に三十二万人の介護人材を増やさなければならないとされています。
区の人材確保として、昨年四月、区立保健医療福祉総合プラザ内に福祉人材育成・研修センターが整備されました。先ほども研修のことが出ておりましたけれども、その効果や、また新たな取組を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 福祉人材育成・研修センターは、令和二年四月に保健医療福祉総合プラザ内に移転いたしました。大小三つの研修室と介護実習室、調理実習室などの環境を整えまして、体系的に介護をはじめ福祉のことを学べる環境が整ったと考えております。
今年度の新しい取組としては、まず施設系介護事業所を対象としたデジタル環境整備促進事業を開始いたしました。本事業は、通信環境整備や見守り支援機器等の導入に必要な経費を補助することで、介護職員の負担軽減に資するとともに、介護人材の定着及び確保に資することを目的としております。
また、総合的な介護人材確保を推進するため、区内の介護事業者団体や、ハローワーク渋谷等の職業紹介機関、学識経験者等を構成員とする世田谷区
介護人材対策推進協議会を六月に設立いたしました。本協議会において議論を重ね、効果的で実効性のある介護人材対策について具体的な検討を進めてまいります。
◆金井えり子 委員 今、六月に設立したと伺いましたけれども、世田谷区
介護人材対策推進協議会、こちらの協議会では具体的にどのような議論があるのでしょうか。検討は進んでいるのでしょうか。伺います。
◎杉中 高齢福祉課長
介護人材対策推進協議会は、構成員全員の全体会議のほか、入所系サービスと在宅系サービスの各部会を設置しております。六月の全体会議では、一つ目として介護人材の状況、取組、課題、二つ目として人材不足解消に向け必要な施策、三つ目として人材不足解消に向けた今後の取組、四つ目として行政や福祉人材育成・研修センターの現在の事業の実施状況について、意見交換などを行いました。
各部会では、少子高齢社会の進展、生産年齢の減少、高齢者人材の活用及び参加支援、外国人労働者、介護ロボット、ICT機器の活用による働きやすい環境の整備、介護職の魅力向上などをキーワードに議論いたしました。また、委員からはICT機器や介護ロボットなどを活用した職場環境改善の取組や、短時間労働の導入による人材確保といった事例の紹介もありました。今後、好事例集として様々な取組をまとめ、研修センターのホームページ等で公開し、広く共有する予定であります。
引き続き、中長期的な視点も含め議論を重ねながら、効果的な施策が展開できるよう介護人材対策に取り組んでまいります。
◆金井えり子 委員 ぜひぜひお願いしたいと思います。訪問介護のヘルパーの問題も、高齢化などがありまして本当に心配なところです。コロナ禍で感染リスクが高く、また人手不足のために代わってくれる人がいないなど、相変わらず大変な思いが続いています。
以前コロナの特別手当などがあったかと思いますが、職員が陽性になった場合の補償はあるのでしょうか。このような災害とも言える事態の中で、自身の健康と利用者の安全を守るエッセンシャルワーカーが安心して働ける労働環境になるよう、今考えなければ、今後人材不足を埋めていくことは難しいと考えます。見解を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 このコロナ禍においても、訪問介護事業所が安心して事業が継続できるような環境整備に対する支援が重要と認識しております。訪問介護事業所を含む介護サービス事業所、施設に対しては、都がサービス提供体制確保事業により、陽性者が発生した場合等に、サービス提供体制を確保するために必要となる費用に対し補助を行っております。
また、区においても、高齢者・障害者施設等支援金として、陽性者が発生した事業所等に対して、事業所が休業した際の職員の賃金や手当等に対する補助を行っており、国や都から提供されるマスクや手袋等の衛生防護物品についても、訪問介護事業所等の各事業所へ配付し支援をしております。引き続き国や都の取組も有効に活用しながら、介護サービス事業所に対する支援に努めてまいります。
◆金井えり子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次の質問です。企画総務所管では、区の障害者雇用の離職率を中心に質問いたしましたが、区ではきめ細かくコミュニケーションを取って進めていると伺いました。一般には障害のある方の働きづらさや、また就職への道筋はとても厳しいものです。そんな中で就業経験の不足や長期のブランクなど、就職につながることが難しくなった人の職業救済措置としてトライアル雇用という制度があります。この中には障害者トライアル雇用もあり、企業が国から助成金を受け、試用期間雇用し、期間終了後、その人と仕事が合っていればそのまま雇用、もしくはほかの選択をという仕事に就くためのきっかけや自信を育てるものです。
自治体向けにはチャレンジ雇用という仕組みがあるそうですが、世田谷区のチャレンジ雇用についてどのように行っているのか伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 チャレンジ雇用は平成二十年度から国において実施しておりまして、働く意欲のある障害者を非常勤職員として一年単位の期間として任用してございます。一年から三年程度の経験をした後に、ハローワーク等を通じて企業等への就職する制度でございます。区では、知的障害者や精神障害者を対象に平成二十二年度から実施しております。事務補助員として採用しまして、意欲や適性に応じて、次のステップとしての嘱託員へ進む運用をしてございます。
一般就労を目的としてございますので、チャレンジ雇用は就職への通過点としての位置づけでございます。
◆金井えり子 委員 チャレンジ雇用、これで自信をつけてステップアップしていくということですけれども、これまで一般の就職につながった実績を教えてください。
◎山田
障害者地域生活課長 十月一日現在ですが、チャレンジ雇用で六十一人に対して四十二人が一般就労につながってございます。民間企業だったり、世田谷区の人事課の採用でございます。
◆金井えり子 委員 六十一人中四十二人が就職につながったということで、この成果は本当に大きいと思います。数字に表れないけれども、変化が生まれた方もいらっしゃるかもしれません。このチャレンジ雇用、どんどん進めていきただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 現在はチャレンジ雇用専門の支援員や心理士の下、支援に努めております。これまで積み上げてまいりました実績、またノウハウを基に、これから企業に求められる人材を育成できるよう、時代に合った支援内容の充実を図ってまいりたいと思っております。
◆金井えり子 委員 以上で生活者ネットワークの質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。
◆つるみけんご 委員 新風・せたがやの風、福祉保健領域の質疑を始めます。
初めに、
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
先日の第三回定例会において、
新型コロナウイルス感染症による区民の心と体への影響に着目し、閉じこもりやひきこもり、不登校、鬱病や自殺などのリスクの増加について取り上げました。短期的及び中長期的な観点から対策を講じる必要性について区のお考えを伺いましたところ、短期的かつ中長期的に区民の実態把握を行う、庁内で情報を共有しながら実態把握や、それに即した具体的な対策を検討するとの御答弁をいただきました。長期的な影響については、アンケート等を通じ実態を把握され、事業の組み立てを行っていかれるということでしたので、ぜひともこれは確実に実施するとともに、的確な施策を展開されるべきと考えます。
一方で、短期的な影響と対策につきましては、既に昨年度の時点で全国的に自殺者数が増加していること、また世田谷区では、区民への健康づくりに関する調査において、会話の機会の減少、ストレスや孤独感の増大という実態が数字として表れているわけですので、一層緊急性と即時性を持った対策が必要であるはずです。
子どもや働く世代、高齢者など施策の対象となる世代によって必要な対策は異なりますが、まずは、これまでの区のアンケート調査と、保健師やケースワーカー、保育士や教員の方々など、現場の方々が感じ取っておられることから分析を進め、早急に区民の心理的不安の軽減策と、区民生活の再構築に向けた積極的孤独解消策を展開すべきです。お考えを伺います。
◎有馬 保健福祉政策部次長 令和二年九月に二十歳以上対象として保健所が実施いたしました世田谷区民の健康づくりに関する調査のうち、
新型コロナウイルスの感染拡大前と比較した、いわゆる新しい生活様式における健康面等の変化について、複数回答ではございますが、回答者の三割強の方々が会話する機会が減った、ストレスを感じることが増えた、運動の機会が減ったと答えております。また、一割前後の方が孤独を感じることが増えた、あまり眠れないことが増えた、生活習慣のリズムや食生活が乱れたと回答するなど、区民の生活に影響を及ぼしていることがうかがえます。
また、本調査実施から一年以上が経過していることを踏まえますと、子どもから高齢者までの心と体により深刻な影響が及んでいる可能性がございます。区としましては、それぞれの現場で感じている変化や、心の健康に関する窓口に寄せられる相談等を基に実態把握に努めるとともに、様々なニーズに合わせた居場所づくりや運動、コミュニケーション機会の創出など、具体的な対策の充実を各部と連携を図りながら進めてまいります。
◆つるみけんご 委員 次に、区の行方不明対策について伺います。
行方不明というと、めったに起こり得ない特殊事案のように思われるかもしれませんが、昨年一年間で区内四警察署に届け出された行方不明届の数は合計で二百五十五件です。私自身は認知症に関する施策を学ぶ中で、世田谷区において、三年前に区民の方が行方不明となり命を落とした事例があることを知りました。今後このような悲しい事故が二度と起きてほしくない、起こしてはならないと、そのような思いで度々この行方不明対策を取り上げております。
行方不明者の捜索に当たっては、捜索の目をいかに早く増やすかということが極めて重要です。今回、各所管にお聞きし、区の行方不明対策について調べてみますと、保育園には保育園の、障害者施設には障害者施設の、認知症高齢者には認知症高齢者の行方不明対策があり、それぞれの所管が別々の仕組みと考え方をお持ちでいらっしゃることが分かりました。
人命に関わる行方不明対策について、このような縦割りの考え方で、果たして、いざというときに迅速に捜索のための連動した動きが展開できるのでしょうか。行方不明の捜索に資する真に実効性のある対策を講じるためには、縦割りの枠を超えて、福祉保健領域を中心とした区民の命を守る捜索ネットワークの構築が必要だと考えます。
本年三月の予算特別委員会において、行方不明対策について副区長にお考えを伺いましたところ、副区長は既存の取組を検証するとともに、実効性のある取組を進めていきたいとのお考えを示されました。副区長がおっしゃられた既存の取組の検証状況はどのようになっているのか伺います。また、それに対する区のお考えと今後の進め方、スケジュールについてあわせて伺います。
◎有馬 保健福祉政策部次長 行方不明者への対応ですが、お話しのとおり、子ども、障害者、高齢者等の各施設において、それぞれのマニュアル等に基づき、保護者等から事情を伺い、了承を得た上で警察へ連絡し、あわせて区関係所管でも捜索を行うことを基本としております。認知症等高齢者の方が行方不明になった際は、関係所管で共有している行方不明通報時対応フローに基づき対応することとしております。区としましては、関係所管との情報共有を図りながら、各部がそれぞれ現行の対応方法を検証し、必要に応じて改善を図るなど、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向け取り組んでおります。
なお、行方不明事案への対応は、その対象、状況等により捜索方法のほか、情報発信、情報提供時の留意事項についても事案ごとに大きく異なるため、行方不明者の状況や事件性の有無を考慮し、保護者の意向や警察の判断等を踏まえ、事案ごとに適時適切に判断し対応してまいります。
◆つるみけんご 委員 今の区の個別的な対応は疑問です。今必要なのは、いざというときに全区的な体制が取れるということで、さらにそれを区民の方々に広く知っていただき、安心していただくということであるはずです。
次に、認知症政策に係る区の姿勢について伺います。
認知症政策については、昨年十月に施行された世田谷区認知症とともに生きる希望条例を契機に、今年度から認知症とともに生きる希望計画の取組が始まりました。まさにこれから世田谷区の認知症政策が大きく転換していくのだろうと大変大きな期待をしております。
その中で、その認知症の区の施策を評価するための委員会、認知症施策評価委員会というものがありますが、この委員会に関連し、何点か伺ってまいります。
認知症施策評価委員会は、認知症とともに生きる希望条例の第十八条の規定に基づくもので、条文によりますと、認知症施策を総合的かつ計画的に推進する上で必要な事項を調査審議するため、区長の附属機関として設置されています。また、区長の諮問に応じ、認知症計画について調査審議し、区長に対して意見を述べるものとするとありますので、一般的な審議会のように、専門的な見地から、区の施策に対して御助言をいただくということになろうかと思いますが、まずはこの理解でよろしいか伺います。
◎望月 介護予防・地域支援課長 委員お話しのとおり、認知症施策評価委員会は、認知症施策を総合的かつ計画的に推進する上で必要な事項を調査審議するために、学識経験者等有識者から区の施策の裏づけとなる専門的知見を得るために、認知症の御本人や御家族から、当事者や区民の目線での御意見をいただく貴重な機会であると認識しております。
◆つるみけんご 委員 八月三十日に今年度の第一回目の施策評価委員会が行われました。この際に配付された資料を見てみますと、施策評価委員会の下にはプロジェクト推進チームというものがあり、評価委員会はこの推進チームを調査審議し、推進チームは評価委員会に対して報告を行うという図式が描かれています。
評価委員会当日、事務局、つまり区側はこのことを次のように御説明されています。四つの重点テーマ及び四つのプロジェクトを推進していくためのプロジェクト推進チーム、こちらは本委員会の下部組織の位置づけで、二十八地区でのアクションチームの創設、活動の後方支援を担うものとしております。つまり施策評価委員会の下にプロジェクト推進チームがあるということです。
議事録によりますと、この推進チームの発足の際には、評価委員の皆様にお声がけし、推進チームへの参加の御意向を伺ったとのことですが、これはそういうことでよろしいでしょうか。また、このプロジェクト推進チームと区の施策事業との関係性について、あわせてお聞かせください。
◎望月 介護予防・地域支援課長 世田谷区認知症とともに生きる希望計画では、令和三年度から五年度の第一期は推進体制の基盤づくりとしております。そして、プロジェクト推進チームはプロジェクトの企画、実施、見直しを継続的に行うために設置しており、区と認知症在宅生活サポートセンターが事務局を担うとしております。
区としては、希望計画の基盤づくりの観点から、プロジェクト推進チーム発足の際には、まずは希望計画の検討に参画いただいた認知症の本人委員を含む認知症施策評価委員会の委員等へ意向を伺った上で、プロジェクト推進チームへの参画をお願いいたしました。
現在プロジェクト推進チームは、二十八地区でのアクションチームの活動を後方支援しており、アクションチームと認知症在宅生活サポートセンター、
あんしんすこやかセンターが担う認知症の在宅支援事業を含めた認知症施策を総合的に進めていくこととしております。
◆つるみけんご 委員 八月三十日の評価委員会で配付された名簿を見ますと、二十六名の評価委員会の方々のうち六名が推進チームの世話人となっていただいており、そのほか十一名の方が推進チームへの参加の御意向を示してくださっているとのことで、認知症の方や専門的見地をお持ちの先生方が、区の事業の推進に御協力、御参加くださるということは本当にありがたいことです。しかし、一方で見方を変えてみますと、認知症施策評価委員会の本来の役割とは、区の認知症施策の評価をしていただき、提言をしていただくことであるはずです。
ここで疑問が生じます。施策の評価を行う側と逆に評価を受ける側が一体となっていることに問題はないのかということです。
実際に八月三十日の施策評価委員会の議事録を見ますと、事業実施に必要な経費について、予算要求のようにも見えるやり取りが行われています。一般的に予算を用いて施策を実行する側と、その施策を評価する側との関係性を考えたときに、評価する側の独立性が担保されていなければ、その評価の正当性そのものが疑われるということにつながりかねません。第三者の視点で、専門的な見地から施策の評価をする組織と、実際に施策を実施し評価を受ける組織が一体になっているということについて、区としてどのような整理をされているのか、お考えを伺います。
◎望月 介護予防・地域支援課長 評価委員会は認知症条例に定める自治法上の附属機関として計画について調査審議し、区長に意見を述べる機関でございます。評価委員会の委員がプロジェクト推進チームの一員として実際の事業に関わり、実施状況を把握することで、より実態を踏まえた議論を進めることができると考えております。また、推進チームを兼ねていない委員から、それぞれの立場、または専門的見地からの意見をいただくことで、委員会全体としては偏りのない議論ができると考えております。
現在評価委員の委員二十六人のうち、四分の一程度がプロジェクト推進チームを兼ねております。今後も評価委員会やプロジェクト推進チームの皆さんの連携、協力の下、評価、改善のPDCAサイクルを回して、認知症の方が住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らすことができる施策を構築してまいりたいと考えております。
◆つるみけんご 委員 実際に配付された資料を見ましても、議事録を読みましても、プロジェクト推進チームというものは評価委員会の下部組織となっています。ということは、推進チームの事業の責任は最終的に評価委員会が受け持つということになるわけです。また、実質的にこの両方に同じ方々が参加していただいているということも事実です。
こうしたことから見ますと、区のプロジェクトとその推進チーム、そして評価委員会、それぞれの役割と、それぞれの責任について、区はきちんと整理して考えておられないのではないかと疑念を持たざるを得ません。区が行う事業というのは全てにおいて民主的なチェックが必要であり、まさに議会によってそれがなされなければならないわけです。
一方で、専門的な見地から施策を評価していただくという意味で、施策評価委員会の皆様の施策に対する評価というものは、議会のチェック機能を果たすための重要な指標ともなることから、議会にとっても極めて重いものと考えます。その評価をしていただく委員の方々に、今回は区の予算を用いた事業の推進チームへの御参加を依頼し、実際の事業の中心的役割を担っていただいている。委員の方々に過度な御負担をおかけするばかりか、結果として、評価委員会の本来の役割である施策の評価、この正当性すら疑われかねない状況を区が生み出してしまっているのです。
副区長、このことにつきましてお考えなり、御感想がありましたら伺います。お願いします。
◎中村 副区長 本件につきましては、ただいま課長から御答弁しましたとおり、この評価委員会において、認知症の施策を評価して次の改善に結びつけていくためには、実態を踏まえた議論をいただく必要があるというふうに考えています。そのためには希望する委員には推進チームを兼ねてもらって、実際に現場に出向いて、実際の事業に関わっていただくことが有効であると判断をしたところです。
委員が評価対象の事業に関わる機会があるということをもって、委員会自体の評価の正当性を欠くというまでの認識には立っていませんが、御指摘の御懸念については、今後の委員会やプロジェクト推進チームの進捗を十分見ていきたいと考えています。
◆つるみけんご 委員 今の副区長のお話は承りましたけれども、私としましては、区の対応にいろいろと理解しかねるところが多々あります。引き続き、私としては様々考えていきたいと思っております。
以上で終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは質問してまいります。
まず、総括質疑で、区長にひとり暮らしの方とか、また夫婦二人で子どもがいないという方の施策を展開してほしいという話で、その中でペットの話題を事例としてお話をさせていただきました。
やっぱり実態をまず把握するということが私は大事なことだと思うんですけれども、たまたま犬の場合には区に届出をするということになっておりますので、その届出をしたりする場合に、飼育をされている方がどういう世帯の方なのかというようなことを、例えば書類に書いていただくのが一番正確なんでしょうけれども、それが個人情報の関係で難しいというんであれば、提出をしていただくときにアンケートで、例えばひとり暮らしの方なのか、それとも夫婦なのか、それとも家族、多人数でお暮らしなのかというようなことのアンケートを取るということも一つできるんじゃないかなと思うんですが、その所管であるのは保健所でありますから、保健所でそういうことは可能なのかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
◎佐藤 生活保健課長 世田谷保健所では、飼い犬情報としては、飼い犬の登録申請書に記載された飼い主の住所と氏名のみを把握している状況でございます。
委員お話しの犬を飼っている方の世帯状況の把握につきましては、その必要性や目的、具体的な方法などについて、東京都獣医師会世田谷支部や動物愛護ボランティア団体等の関係団体や庁内関係所管と今後十分に協議してまいりたいと考えております。
◆あべ力也 委員 ぜひ我々も提言するにしても、そういう実態を把握しないとなかなかできないものですから、ぜひ大切なことだと思いますので、内部で検討していただいて、ぜひ飼育している飼い主の環境がどういう環境なのかということを分かるように、アンケートを取るなりなんなりぜひ実施していただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、避難行動要支援者の避難支援プランということについてですけれども、令和元年十月の台風十九号を受けて実施した風水害対策総点検に基づいて、取組の成果などを反映させて、災害時における避難行動要支援者への支援が、個別避難計画の作成によって実効性のあるものとをすべきだというふうに考えますが、この点について区の見解を伺っておきたいと思います。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 国のほうで、今年五月に災害対策基本法の改正がございまして、それを受けまして、現在区では、国がいう五年以内に作成というものを三年を目途に計画を作成するということで検討を進めております。
この避難計画の作成に当たっては、対象となる要支援者の個々の状況把握が課題の一つと認識でございます。また、計画の作成にとどまらず計画を踏まえた具体的な検討や訓練などを通じて、災害時における避難行動の実効性を高めることが重要とも考えてございます。
今後検討の中で、ケアマネジャーをはじめとする福祉の専門職、町会・自治会、民生委員など、それぞれ十分な検討や丁寧な説明が今後必要と認識してございますので、引き続き、関係所管とも協力しながら実効性のある計画となるよう着実に取り組んでまいります。
◆あべ力也 委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、保育認定に関してでありますが、保育認定に関しては、ほかの議員からも、例えば待機児童が解消して、現状では逆に各保育園とかで空きが出ていて、経営にいろいろな影響が出ているというような話もございました。つまり保育園と子どもの皆さんのニーズのマッチングという問題が大変重要であって、マッチングをする場合に、今、世田谷区の場合には人手でやっているんですね。
それで、東京大学の小島武仁さんという方が、マーケットデザインの経済学で大変高名な方でありますけれども、この方が待機児童の解消とかの問題、入園決定に人手でやっているというようなことと、あと子どものニーズと、空きの問題、年齢による枠であったり、様々問題を解決するには、いわゆるAIを活用したアルゴリズムというのは大変有効だということで、現状でも例えば山形市や渋谷区、多摩市などと、IT企業などとも共同して新方式を実用化する計画を進めているということなんです。
ところが、世田谷区にこういうお話をすると、いや、できません、手作業でやっていて、そのほうが実は効率がいいんですと。費用対効果も聞いたら、手作業のほうが安いんですよという話なんですね。
でも、僕はよく区民の皆さんから言われるのは、どうも世田谷区の職員の皆さんは保育園に入れて、我々は入れないということがあって大変不満だという話をされて、手作業でやっているというのは、何か自分たちが都合がいいから手作業でやっているのかなというふうに思われかねないと僕は思うのね。
だから、AIとかそういうことで不正がない、分かりやすいシステムを導入して、これはできないということではないと思うんです。ですから、AIの活用ということは大事なことだと思いますし、今、国も地方もDXということでそれを進めようというのに、何か所管課がこういうことにあまり乗り気じゃないということだと、どうなのかなと、世田谷区のDXというのは進んでいくのかなというふうに思ってしまうんですけれども、副区長どうですか。こういうことにしっかりDXを取り入れて、大変透明で分かりやすいシステムを導入していくということは私は大事だと思うんですが、副区長のお考えを伺っておきたいと思います。
◎中村 副区長 保育園入園の話題でしたけれども、ほかの業務に関しても客観的に効率的にできるようなという観点から、DXというのは全庁で進めたいという基本的な考えは持っております。
◆あべ力也 委員 隣の渋谷区も積極的にこれをやると言っているんですね。世田谷区もぜひ検討していただいて、透明なシステムを構築していただきたいと要望しておきたいと思います。
○加藤たいき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 同性パートナーも家族として扱われる医療機関の情報が区内のどこにもないことについて伺います。
この課題での質問は三回目になります。前回の質疑で中村副区長は、まず区内の病院、診療所において、厚労省のガイドラインに沿って法的な意味での家族だけでなく、同性パートナーも家族と同様の対応に含めているかどうか実態を把握させていただくとお約束になられた。そこで回答を取り寄せましたが、その結果には落胆せざるを得ませんでした。
調査対象となった区内二十八の医療機関のうち、同性パートナーも婚姻関係にある親族と同様に受け入れているとした病院は二か所だけ。今後行う予定とした病院も三か所、検討するも三か所だけで、残る二十か所が未回答。最初の課題提起から二年でこの結果です。
これをどう改善するのかをお伺いする前に、今日はこの課題の解決に時間的猶予などないことを二つの事例からお話をしたいと思っています。
今年に入り、同性婚の実現を願い続けてきた二人の友人、知人が亡くなりました。一人はふるさと青森市に根を下ろし、故郷を帰れる町にしたいと同性パートナーと二人、仲間たちが集えるカフェを開き、パレードを開催してきた宇佐美翔子さんという友人です。先週の木曜日、がんのため亡くなりました。
宇佐美さんたちカップルは二〇一四年、婚姻届を地元市に提出しましたが結果は不受理。二〇一八年に進行がんが見つかると、地域のがん拠点病院は、法的に配偶者でないパートナーを緊急時の連絡先として認めず、二人はがん拠点病院という選択肢を失います。男女の夫婦だったらあり得ない排除です。
一月には同性婚裁判の原告の一人だった佐藤郁夫さんが脳出血で亡くなりました。佐藤さんが救急搬送されたのは都内の誰もが知る有名な病院でしたが、同性のパートナーであると申し出たよしさんに、病院側は血縁者でないことを確認すると病状説明は佐藤さんの肉親に対してのみ行われ、十七年間、共に暮らしてきたよしさんが肉親、夫婦と同様に扱われることはついぞないままに終わりました。これも今年に入り、都内で起きた現実です。
このように結婚を願い続けてきた同性カップルの一方が亡くなるたびに、婚姻の平等と安心してかかれる医療機関の確保はまさしく待ったなしの課題だと痛感します。この二年、区が悠長に構えている間にも人生の大切な時間は過ぎ去っていきます。
こうした状況を、前回調査をお約束になった副区長はどのようにお考えになるでしょうか。
◎中村 副区長 お話しのありました同性カップルの方々が、人生の最終段階の医療において、法的な婚姻関係にある親族と同様に対応されることなくお亡くなりになってしまったことを大変重く受け止めています。
私からは、本年三月の質疑において、まずは実態調査をさせていただきますとお約束をしましたが、本年五月に行ったこの調査の結果については、区条例や世田谷区パートナーシップ宣言、それを踏まえた医療同意について、区の理解促進や協力依頼の取組が不十分ではなかったかという反省があります。
今お話しのとおり、まさに待ったなしの課題と認識しております。医療機関への働きかけをさらに進めるよう所管部に指示をしてまいります。
◆上川あや 委員 真摯な御答弁と受け止めます。
そこで、お願いがあります。まずは一か所からでも結構です。同性カップルが家族として扱われる区内医療機関を同意の取れたところから順次広報できないでしょうか。区は、病院院長会内の合意形成を優先し、一部の理解ある医療機関の情報までをも秘匿したままとしています。このため同性カップルが安心してかかれる区内医療機関の情報が全くない状態が長引いています。改善を求めますけれども、いかがでしょうか。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 五月の病院院長会において御説明申し上げ、アンケート調査を行ったところですが、二十八の医療機関のうち回答を得た病院が八か所。先ほどお話しございましたが、同性パートナーの方を親族と同様に受け入れている病院が二か所ということで御回答いただきました。それ以外にも、検討するですとか、今後行いたいという病院がございます。
同性パートナーの方を親族と同様に受け入れていると回答した病院がございますので、今後調整をさらに進めまして、同意の取れたところから情報提供ができるよう順次取り組んでまいります。
今回検討中とか未回答であった、御指摘もございましたこちらについても、引き続き医師会をはじめ、一つでも多くの医療機関に親族と同様に取り扱っていただけるよう、理解協力を求めてまいります。
◆上川あや 委員 この問題は当事者にとってはまさに死活問題です。本来、一か所や二か所の病院の対処で済む問題ではないことに理解を求めたいと思います。
本区の条例でそもそも同性カップルへの差別的取扱いは禁止です。厚労省のガイドラインを見ても、同性パートナーを夫婦と同様に扱え得るとしており、どの病院でも平等な対処が理想であり基本です。
しかし、その実現までの間、同性カップルにフェアな医療資源をまとめて可視化をしていくことについては、本区より他の自治体が先行しております。例えば昨年十二月から当区と類似のパートナーシップ宣誓制度を始めた群馬県は、県内三十七か所の理解ある医療機関リストを公表しています。先月、同制度を始めた三重県でも、四十か所の理解ある医療機関のリストを公表しています。一方で、パートナーシップ宣誓制度の本家本元、六年がたとうとする世田谷区の対応はなぜこうも遅いのでしょうか。区には改めて、区内の医療機関全体における理解増進と平等に御対応いただける医療体制の整備に本腰を入れていただくように求めます。
区はいつ頃までに、またどのように改善させるお考えなのでしょうか。スケジュール感を含めてお伺いします。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 ただいま委員から群馬ですとか三重のお話がございましたが、ホームページ上で病状の説明ですとか面会などにつきまして、同性パートナーの方に対する家族と同様の対応を行っている医療機関の名前が掲載されている事例がございます。
このようなことから、医療機関ごとや区のホームページに掲載し、広く周知していくことで、パートナーシップ宣誓の取組への理解につなげるものと考え、積極的な対応を医療機関に働きかけていく必要があるというふうに認識してございます。
この病院院長会は定期的に開催されており、今月末にも予定されていることから、今般のアンケート調査を報告するとともに、調査時において前向きに御回答いただいたところに対しては、情報公開なども含めて、さらなる推進をお願いしたいと思っております。
今、改善の時期という趣旨でございますが、ちょっと難しい部分もございますが、引き続き、医師会をはじめ医療機関からの協力を得ながら、関係所管とも連携し、できる限り速やかに周知方法が改善できるよう努めてまいりたいと存じます。
◆上川あや 委員 今回は医療連携ということで小泉課長に御答弁いただいたのが中心ですが、人権・男女共同参画課、一緒に推進していただかなければいけないんですけれども、どうも私は温度差があるような気がして仕方がありません。しっかり人権・男女課とも連携していただくよう、課長にも副区長にもお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○加藤たいき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時十一分休憩
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午後一時五分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、コロナ陽性者の自宅療養者の方への支援について伺います。
コロナ陽性になった私の友人から、次のような声をいただきました。八月にコロナになったが、九死に一生を得て生還することができた、自宅療養を強いられ、治療を受けられず苦しんだことについて疑問を持つようになった、そこで私が経験したことが少しでも今後につながるように話したいということでお話をいただきました。
八月にコロナ陽性が判明、酸素飽和度は常に一〇〇%近くだったので医療機関は軽症との判断で自宅療養になった。三十九度の熱が一週間続き、カロナールで一時的には解熱されるも、食事も喉に通らなくなり、徐々に弱っていく。ふだんから運動をしており、体力には自信があったが、点滴も打ってもらえず何の治療も受けておらず、風邪薬を飲んでいるだけなので自己回復するチャンスがない、せきで喉が腫れ、たんも出て、このままでは死ぬと思い救急車を二回呼んだが、酸素飽和度九五%以上なので軽症と返された。やっと入院できたときには肺炎悪化、食事も取れておらず、体のあらゆる数値が低下しており、中等症一から二の診断だった。軽症との判断は何だったのか。酸素飽和度は一つの指標にすぎず、これだけで一律自宅療養の指示が出ているとしたら問題といったものです。
そこで、今後の自宅療養者の方への対策として、一、肺炎になり高熱が続いて食事も取れない人間に点滴一本打ってくれないことは本当に怖いことであり、自己回復のチャンスを自宅療養者に与えることが必要で、自宅療養者も軽症段階で点滴が受けられる体制が必要と考える。二、オンライン診療、電話相談、また自宅療養の家族は何もできないことから、自宅療養者の家族向けのマニュアルが必要と考えます。
この二点について、見解をお伺いいたします。
◎安岡 感染症対策課長 区は、民間事業者を活用し、自宅療養者の健康観察や医療相談に加え、必要に応じて電話やオンライン及び訪問による診療を円滑に実施する仕組みを本年二月十五日より開始し、おおむね二千四百人の自宅療養者に対応できるよう体制を強化いたしました。
一方、この夏の感染拡大により、ピーク時の自宅療養者数は三千五百人を超える状況があったため、急遽医師会へ、自宅療養者の電話相談や診療を要請し、多くの医療機関の御協力を得たところでございます。しかしながら、自宅療養中に医療へのアクセスに関して不安を抱えながら過ごされた方もいらしたということを大変重く受け止めております。この感染拡大を踏まえ、九月には自宅療養者相談センターを新たに設置し、自宅療養者の支援体制を強化いたしました。今後、御指摘の医師の診断に基づく点滴治療を含め、医療体制のさらなる充実を進めてまいります。
また、自宅療養者とともに過ごされる方に向けて、家庭内感染を防ぐための留意点もお示ししておりますが、引き続き有用な情報を提供できるよう努めてまいります。
◆ひうち優子 委員 今後、第六波が来ないことを願っておりますが、今後の波が来たときに、しっかり生かしていただきたいということを申し上げます。
次に、オリンピック・パラリンピックの食品衛生監視について伺います。
この夏、オリンピック・パラリンピック東京二〇二〇大会が、コロナウイルスの影響で無観客開催されました。世田谷区でも無観客で馬術競技が開催されましたが、選手、スタッフ、VIPなどの方々は来日しておりますので、地元自治体としてしっかりとおもてなしを行い、対応する必要がありました。
区内で唯一開催された馬術の舞台、馬事公苑では、保健所の食品衛生監視の職員の方が毎日通って、選手やスタッフの食の健康を守ったとお伺いしました。具体的にどのような活動をされていたのか伺います。
◎佐藤 生活保健課長 七月二十三日から九月五日まで開催されたオリンピック・パラリンピックでは、提供する食品の安全確保の観点から、選手、厩務員、報道関係者、運営スタッフ等を対象とした飲食提供施設の食品衛生監視を行いました。大会に前後して厩務員宿泊施設が開設されており、四十六日間で延べ百六十六名が衛生監視に従事しております。
新型コロナウイルス感染拡大期にもかかわらず、杉並保健所及び中野保健所からも延べ三十三名の応援協力を受け、三区の協力体制の下で監視業務を行いました。
具体的な対応としては、保健所の食品衛生監視員が二人一組で、一日二回飲食提供施設の厨房等に立ち入り、厚生労働省作成の大量調理施設衛生管理マニュアルに基づいて、加熱温度が適正か、調理品の衛生管理が適正かなど食品取扱状況などを確認するとともに、細菌検査、アレルゲン検査などの食品検査、職員従事者の手指や調理器具等の拭き取り検査を実施いたしました。検査結果等は良好で、選手等からの苦情もなく、大会は無事終了いたしました。
◆ひうち優子 委員 無観客で開催された馬術競技でも、コロナ対策で忙しい中、保健所の職員の方が活躍されていたことを改めて知り、保健所が
新型コロナウイルスだけではなく、食品衛生の面でも大会を支えていたこと、大変頭が下がります。
長期間の監視活動で様々な貴重な経験を積んできたことかと思います。この経験は、世田谷区だけではなく、オリンピック・パラリンピックを開催していない自治体とも共有し、今後の大規模イベントの開催のときの財産として活用していくべきと考えます。
特にホスト側として、食品衛生監視は外交、国防にも関わる大変重要なことであります。保健所はこの経験をどのように生かしていくのか伺います。
◎佐藤 生活保健課長 世田谷保健所では、令和元年度のラグビーワールドカップ開催に伴い、会場である調布市の調理施設等に食品衛生監視員を派遣しました。その経験を生かして、今大会の監視手法や監視スケジュールを作成しました。同じく、令和元年度に馬事公苑で開催したオリンピックテスト大会での弁当保管温度の検証実験を含めて、世田谷保健所が行った監視活動内容は全て記録しております。
今後、本大会の衛生監視における課題を抽出した上で、東京都が開催している東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の監視指導に関する検討会で最終報告を行うなど、大会運営上の情報を他保健所等と共有するとともに、同様の大規模イベント等が開催された際に、今回の経験が十分に生かせるよう、実際に行った業務の詳細や今後の課題を保健所内でしっかり伝承してまいります。
また、今大会で衛生監視業務において近隣区からの応援協力を初めて得ました。大規模食中毒発生時や災害時など、他自治体との相互連携が必要となった場合に迅速かつ的確に対応ができるよう、全ての業務を振り返り、危機管理対策にも反映して、食の安全安心の確保に取り組んでまいります。
◆ひうち優子 委員 今回の経験を今後にしっかり生かしていただきたいことを要望いたします。
以上で質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 まず、新BOPの話から質疑したいと思います。
先日、日経新聞に、恵泉女学園大学の大日向先生が新政権に向けて子育て支援政策に期待することというような文脈で記事があったんですけれども、その中で、コロナ禍で新たに発生した、生み出された問題というのは実は少なくて、もともと水面下にあった問題が顕在したんだというようなことを冒頭に触れていらっしゃって、確かにそうだなというふうに実感をしたところです。
このコロナ禍で水面下にあったものが顕在化した課題、行政の課題はたくさんあると思うんですけれど、その中でも、私が一つ顕在化したなというふうに感じているものが縦割りの弊害というものであります。今日は福祉領域ですので、縦割りの弊害の中で、そういったものが凝縮されているなと感じている政策、新BOPについて伺っていきたいと思います。
新BOPというのは、予算委員会の際にも、今日はそのときに出せなかったパネルを出してきたんですけれども、結局、学童は子ども・若者部所管、BOPの部分は教育委員会事務局の生涯学習のセクションで、学校の中にありますので、学校全体はというと、また教育委員会事務局のほかのセクションが担当しているということで、大体この三つのセクションが、新BOP事業に何かと関わっている中で進めているというのが、一つこれが物事が何も進まないことの原因であるのではないかというふうに考えています。
私も新BOPの問題、特に民間活用であったり、民間委託というテーマで質疑をしたのは、今回改めて会議録を見てみたら、六年前の平成二十七年のところにあって、こんなに年月がたっても変わっていないんだなというところを改めて思っているところです。
民間活用に関して言うと、これも以前の議会でも取り上げましたけれども、区直営のみで実施しているという今のこの世田谷区のスタイルというのが二十三区中四区のみという状況にありますので、こういうところを考えても、やはり区だけで放課後の児童健全育成事業、あるいは学童といったところをやっていくことに無理があるんだろうなというふうに思います。
今回は、一向に民間活用であったり、民間の委託も含めて進まない、なぜ進まないのかというところを最初にお聞きしたいと思います。
◎須田 児童課長 新BOPは、他自治体に先駆けて学童クラブと放課後子ども教室であるBOPを一体的に取り組む制度を教育委員会と共同で運営しております。教育や児童福祉の現場で経験豊かな人材が事務局長を務めており、学校と調整を図りながら情報の共有化や場所の確保など円滑な運営を確保してまいりました。
これまで新BOP学童クラブにおいて待機児童を出さない方針で運営しておりまして、その多くが大規模化して児童の活動の場が狭隘化し、また、児童・保護者ニーズの多様化への対応など課題が生じている中、子ども家庭支援センターや関係機関と連携した子どもと家庭のセーフティーネットとしての役割も果たしてまいりました。
この間、庁内検討ではこの枠組みを見直し、学校内外で新たな場の確保ですとか、民間事業者等の活用など、持続可能な放課後児童健全育成事業、新BOP事業の構築に向けた検討しております。
お話しの民間委託や民間人材の活用につきましては、事務局長の職務や児童館との関わりの整理など、現行の新BOP事業全体の運営体制に影響することでもあり、現在進めている新BOP事業全体全体の在り方を検討する中で、他区の事例も参考に、子どもたちの放課後の過ごし方がより一層豊かになるよう、地域の様々な活動団体等との連携、民間活用といった手法についても検討してまいります。
◆佐藤美樹 委員 そういった御答弁も、申し訳ないですけれども、正直、今までとあまり変わっていなくて、冒頭申し上げましたけれども、やはり縦割りの弊害というところで、幾つものセクションがこの新BOP全体を考えるということ自体に無理があるのかなというふうに、六年たってみてそういうふうな思いもありますので、そういう縦割りが阻むのであれば、一層のこと子ども・若者部なり、教育委員会事務局のどちらかに当該事業を寄せてしまうというのも、まずはそこなのかもしれないなというふうにも考えています。この辺は引き続き取り上げていきたいと思います。
次に、子育て応援アプリについて伺います。
この子育て応援アプリは、私の記憶ですと、保育待機児がピークだった頃に保育コンシェルジュという議論があって、そういったものの流れでこのアプリを区が作るというふうになったと思っています。その後、妊娠期から切れ目のない支援の子育て利用券の情報であったり、そういったものがたくさんこのアプリに盛り込まれていった結果、対象事業、対象ユーザーが多岐にわたるので、結果としてアプリが非常に使いにくい、探しにくいという今状況にあると思います。
また、先日も一時預かりの予約ということに触れましたけれども、昨今、アプリで予約をするというのが主流になってきている中で、やはりアプリでそういったことが完結しないというのも使いにくいところになっていると思います。
今この子育て応援アプリについて、もう立ち上げから数年たってきていますので、一度この趣旨であったり、どういったことに向けてこのアプリを活用してほしいというところを見直す時期なのかなと思いますが、見解を伺います。
◎山本
子ども育成推進課長 子育て応援アプリは、平成二十六年十月より運用を開始し、その後、平成二十八年に、出産予定日を登録できるようにすることで、妊娠週数に応じて必要となる情報を届けることができるようにしたほか、フリーワード検索機能を追加するなどの改修を行っております。
改修から五年が経過し、この間の社会的な変化などによる区民ニーズの変容を捉え、必要に応じて改修は行うべきと考えますが、委員御指摘のような予約システムの導入については大規模な改修が必要となるため、改修コストが発生いたします。今後マイナポータルを活用したぴったりサービスをはじめ、様々な行政手続の電子化が加速することが予想されるため、アプリの改修については、こうした動きを注視しながら、必要性や有効性を見定めて判断してまいります。
◆佐藤美樹 委員 アプリ大規模改修にはコストもかかるということですので、例えば他区でもやっていますけれども、LINEを活用しての、ほかのSNSでもいいのではないかと考えますが、この辺について、すみません、短くお願いします。
◎山本
子ども育成推進課長 委員お話しのLINEによる利用ですけれども、特に子育て世帯についてはLINEを利用している方も多いので、子育て情報の発信ツールとして有効な手法として考えております。これにとどまらず……。
○加藤たいき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 総括から続いて、保育園の職場環境是正について伺います。
男子学生が、保育園ではなく、学童、児童館、児童養護施設といった
児童福祉分野でも既に男性が受け入れられている分野に進むケースが多いと言われますが、この選択に保育園の職場環境が関わっているのであれば事業者である世田谷区に責任があります。改めて女性保育士しかいない施設でもそれが普通という前提を見直し、産休、事故、突然の退職等で、明日から代替で男性保育士が来ることも想定をした環境を整えなければ、実質的に女性しか働けない職場であり続けることとなります。
いつでも男性保育士が赴任できる環境を事業者として整えてください。回答をお願いします。
◎大澤 保育課長 さきの総括質疑でも御答弁させていただきましたが、区立保育園では、独立した更衣室がない場合、男性職員の声なども聞きながら、限られたスペースを有効に使用しております。また、建て替え時や再整備時に合わせ複数の更衣室を整備するなど、環境面での改善を図っているところでございます。
今後もハード面の整備を含め、男女を問わず保育園職員が生き生きと働ける職場環境づくりを目指すとともに、世田谷の保育園で働きたいと思える保育を実践してまいります。
◆そのべせいや 委員 続いて、学童保育の飲食について伺います。
学校給食は学校給食摂取基準に基づいて、また保育園の給食とおやつは日本人の食事摂取基準に基づいて、それぞれが栄養士の監修の下、子どもたちに日々提供されており、加えて近年は食育という言葉も普及する中で、学校給食衛生管理基準では、食品添加物に対して、有害もしくは不必要な着色料、保存料、漂白剤、発色剤、その他の食品添加物が添加された食品(中略)については、使用しないことと言及をされています。
国内で流通する食品に使用されている全ての食品添加物は、厚生労働省として安全のお墨つきを与えて一般に販売をしているにもかかわらず、あえてこのような記述があるということは、大人が口から摂取する分には影響が極めて少ないものであっても、子どもに食品添加物等を摂取させることを避けようとする表れとして捉えるのが自然です。
学童保育における飲食については、法的な位置づけとしては放課後児童クラブ運営指針によって規定をされているものの、子どもにとって放課後の時間帯に栄養面や活力面から必要とされるおやつを適切に提供する程度の言及にとどまり、また現在の世田谷区の学童保育は区による直営であり、おやつについては区による一括購入です。
その内訳を見てみると、果物や果汁一〇〇%ジュースといった健康に配慮されていそうなものだけでなく、市販のスナック菓子やクッキー、ビスケット類といった食品添加物が当たり前に使用されている食品も含まれています。場合によっては、日本で認可された食品添加物の中にも海外で既に禁止されているものもあり、子どもへ提供することの判断は分かれると考えます。
学校給食、保育園での給食やおやつは規定があるのでその規定に従っている、同じ六歳でも生まれが数か月違うと、先に小学校に上がって学童でスナック菓子を与えられ、一方、保育園に通っていると手作りの栄養価に配慮したおやつ、補食が出てくるという状況には一貫性がありません。
学童保育には調理機能や食材保存の機能がないことなどは今さら説明を受けるまでもないですが、区として一括で納入していることを鑑み、どんな食品をおやつにするか、栄養価や食品添加物といった観点からコンサルティングができる人間を間に挟むか、発注する業者を選定する際にその観点を盛り込むか、学童のおやつについても子どもの成長に資するものへ再検討を求めます。見解を伺います。
◎須田 児童課長 国が示す放課後児童クラブ運営指針におきまして、おやつは子どもの成長に合わせて、放課後の時間帯に必要とされる栄養面や活力面を考慮し、補食としての役割もあることから、提供時間や内容、量等を工夫するとされております。
新BOP学童クラブには調理する設備はなく、一日平均六十四円で、スナック菓子を含む菓子類、果物、乳製品、ジュースを組み合わせて提供しております。菓子類の提供業者はプロポーザルにより選定しており、提案されたメニューに対して、栄養士も含む選定委員会からの意見を反映させるようにしております。スナック菓子等につきましては、多様なメニューを工夫する中で、児童が好むお菓子として提供しておりますが、保護者から食べさせたくないという意見をいただいた場合は、おせんべい等、添加物の比較的少ない菓子類に変更するなどの個別の対応を行っております。
子どもたちが安心しておやつを楽しめる環境を整えられるよう、業者選定時には栄養的な観点も加味し、メニュー改善を図ってまいります。
◆そのべせいや 委員 個別対応ではなく全体として改善をしていくことをぜひお願いします。
続いて長期休業中の昼食について伺います。
世田谷区は学童保育を実施している新BOPの学童保育部門では、これまで要望を受けながら様々な観点で配食サービスや給食を導入することを困難であると答弁を繰り返してきましたが、先日、河野議員の質疑で初めて、今後実施の方向で検討すると示されました。本当に全校で実施が可能となるために問題点の整理として、改めてここでも伺います。
今年四月時点で本件について児童課へヒアリングをしたところ、現金の収受や配食の管理、人手や保管場所の確保、アレルギー対応のリスクといった観点で実施が難しいとの回答があり、そこから今回インターネットでの注文による配食サービスであれば、現金収受や配食管理について負担軽減が図れるという提案と回答があったものと認識しています。
一方で、職員の人手が足りない、学校によっては受け取った後の弁当の保管場所がないといった問題は解決に至っていません。また、あくまでも学童、新BOPとしては、業者からの配送は受け取り配ることしか担わず、システム導入や父母会を中心に保護者が取りまとめた場合に補助はしていくものの、主体的な保護者がいない場合には区として静観をする構えのようですが、自主的な動きを認めるのであれば本来早急に進めていくべきでしたし、直営していることのメリットは、一律に同水準のサービスが提供できることである中、サービスレベルに同じ区でありながら差が出ることは払拭をすべきです。
今後問題点をどのように解消するか、またできるところだけ実施するのではなく、少なくとも横展開できるようなサポートは、同一事業者として展開する以上、最低限進めるべきであると考えますが、見解を伺います。
◎須田 児童課長 弁当配達の受入れに向けては、他区の大規模学童クラブの先行事例を参考にしながら、世田谷区の新BOP学童クラブの実態と照らし合わせて、解決すべき課題等を整理し、学校等と調整するとともに、保護者の意見も伺いながら検討していくこととしております。
まずは、学校とも調整しながら、弁当を安全に一時保管できる場所の確保や職員体制に影響が少ない仕組みを保護者の方々と相談した上で、保護者の方と事業者との取り決めが可能なところから準備を進めていきますが、他のクラブで要望があると認識しておりますので、さらに展開できるよう、学校の規模や施設状況は様々でありますが、調整してまいります。
◆そのべせいや 委員 現在区の直営ですけれども、それだと難しいと思いますが、例えば民間に委託をしたりするとオプション講座をやったり、土曜講座なるものを実施をしてみたりということも含めて、利用者からもある程度別のルートからお金を頂いて、それを原資にして人件費や人手を増やしていく、捻出していくというようなことは、単に区から予算を増やせた増やせなかったという議論で止めずに、子どもたちのために前向きに議論を進めていくということを改めて考えていただきたいということは要望して、今回の質問を終えます。
○加藤たいき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。
◆神尾りさ 委員 多胎児を育てる家庭への支援について伺います。
育児は子どもが一人でも大変ですが、双子、三つ子を同時に育てるとなると想像もつかない苦労の連続で、心身の負担は一人のときと比べて二倍以上かかるとも言われます。子どもが生まれてからは余裕がなくなり、支援を受けたり、誰かとつながったりするのも一苦労です。世田谷にはネウボラの取組がありますが、まずは妊娠期からの多胎児支援について、どのような体制で取り組んでいるのか伺います。
◎宮本 健康推進課長 多胎妊婦について、区では各保健福祉センターの健康づくり課において、妊娠届や妊娠期面接により把握しております。特に多胎妊婦は妊娠中から様々な不安を感じている場合が多く、妊娠期面接において、まずは母子保健コーディネーターが丁寧にお話を伺っています。その上で、心配事などを引き出し、必要な情報を提供しているところです。
例えば多胎妊婦とその家族にとって、妊娠中から身近な地域で多胎児を育てている親たちと出会うことは大きな支えとなります。そこで、多胎児の親たちの集まりなどの情報が得られるメールマガジンを紹介したり、多胎児支援サービスが掲載されたリーフレットなどをお渡ししています。さらに、ネウボラチームの一員である子育て応援相談員から、おでかけひろばや保育園などの具体的な情報も伝えております。
また、地区担当保健師が中心となって定期的に多胎妊婦の状況を確認し、アセスメントを行っています。多胎特有の出産準備や子育てについての見通しを一緒に共有するとともに、子ども家庭支援センターや病院などと連携しながら、多胎妊婦御本人の現状やニーズに応じた支援体制を整えております。
さらに、地域子育て支援コーディネーターなどの地域の支援者とも連携いたしまして、地域の中で切れ目なく安心して多胎児の子育てができるようサポートしております。
◆神尾りさ 委員 調べていただいたところ、妊婦さんが多胎かどうか分かるのは、大体妊娠五週目程度以降のようです。妊娠期に多胎育児のネットワークにつながることがとても大事であると考えます。ネウボラチームの中の地区担当保健師が中心となってサポートするとのことですので、しっかりとした体制で支えていただきたいと思います。
現在、当区において多胎児を妊娠している方は何人くらいいらっしゃるのでしょうか、伺います。
◎宮本 健康推進課長 二人以上の多胎妊娠をされている妊婦数は、令和二年度の妊娠届出数七千五百十八人のうち八十九人でございました。令和元年度は、妊娠届出数七千七百六十九人のうち九十人でありました。令和三年八月末現在、九月一日以降の出産予定の方でございますが、多胎妊娠をされている妊婦は四十七人いらっしゃいます。
◆神尾りさ 委員 毎年約百名弱の方が多胎児を妊娠されているということが分かりました。新型コロナ禍でもその数字にはあまり変化がなかったようです。一定数の多胎妊婦の方がいらっしゃることが分かりましたので、多胎妊婦や、その家族を対象としたファミリー教室の開催なども必要ではないかと思いますが、見解を伺います。
◎宮本 健康推進課長 多胎妊婦やその家族が、多胎妊娠に関する生活面の注意点や配慮の仕方などの知識を得ること、そして多胎児を育てる家族と出会い、出産後の育児のイメージ、仲間とのつながりを得ることは非常に重要であると考えております。今後区は、多胎妊婦や多胎児家庭を対象としました講座などの開催につきまして検討してまいります。
◆神尾りさ 委員 多胎児家庭を対象とした講座等開催の際には、会場まで足を運ぶことが難しい方に配慮し、ぜひ対面とオンラインを併用するハイブリッド方式で実施していただくことを要望します。
次に、出産後の多胎児家庭への支援事業について、今年度から始まった事業内容を伺います。
◎中西 子ども家庭課長 ツインズプラスサポート(ヘルパー訪問事業)ですが、こちらにつきましては健康状況が悪化しやすい時期ですとか、保護者の身体的負担感、疲労感の軽減を図ることを目的といたしまして、妊娠中から一歳未満の多胎児を育てる御家庭に定期的にヘルパーが訪問し、家事や育児などの手伝いをしております。
利用に当たりましては、利用者支援事業を担う中間支援センターが利用者の希望に合ったヘルパー訪問事業者をマッチングいたしまして、困り事や相談等への対応をしてございます。
また、タクシー料金助成につきましては、乳児健診等の母子保健事業や、多胎児家庭の交流会への参加等の際に利用したタクシー料金を助成し、外出時の経済的負担を軽減し、外出を促進しております。
ツインズプラスサポートとタクシー料金助成は令和三年度より事業を開始しておりまして、多胎児を育てる御家庭に向け作成したリーフレットをネウボラ面接等で御案内をしてございます。リーフレットには児童館やおでかけひろばの多胎児の会や身近な場所で相談できる地域支援コーディネーターなども御紹介し、多胎児を育てる御家庭を支えるサービスの周知に努めております。
◆神尾りさ 委員 それぞれの事業の利用者数を教えてください。
◎中西 子ども家庭課長 令和三年八月末現在となりますが、ツインズプラスサポートの利用決定件数は六十四件、タクシー料金助成の助成認定件数は五十三件となっております。
◆神尾りさ 委員 利用が六十四件あったということですので、やはり支援を必要とされる方のニーズが高いことを表していると思います。多胎児育児当事者の方々からは、時間的にも精神的にも余裕はなく、多胎児支援サービスについてゆっくり読み込んで理解して申請にまでこぎ着けるのが一苦労という声があります。ネウボラチームや多胎育児の経験者などが説明、記入、申込み、運用までをサポートできるような仕組みの構築や、DX推進に伴いスマホで簡単に申請できるよう工夫が必要と考えますが、見解を伺います。
◎中西 子ども家庭課長 ツインズプラスサポートにつきましては、母子保健コーディネーターや保健師がネウボラ面接、乳幼児健診等の際に、利用の御案内、申請書をお渡しし、事業内容の説明をしてございます。利用申請書は郵送等としてございます。
委員からお話しのありましたとおり、利用者の利便性の向上を図るよう、ツインズプラスサポートの電子申請につきまして検討してまいります。
◆神尾りさ 委員 最後に、一歳までの多胎児支援事業を利用された後の子育て期における継続的な多胎児を育てる家庭の支援について、少し短めにお願いいたします。
◎中西 子ども家庭課長 ツインズプラスサポートにつきましては、各地域の保健師によりますネウボラ面接や赤ちゃん訪問等でのアセスメントによって把握した支援を要する御家庭に対して、ヘルパー訪問等による支援を実施して、保護者やお子様の様子などを把握してございます。また、中間支援センターのほうでも案内の周知、子育ての悩み等にも応じております。
こういった支援を通しまして、育児困難や養育不安等のさらなる支援が必要な状況が把握できた場合に、地域の保健師と子ども家庭支援センター等が連携し支援することで、妊娠期から子育て期にわたって継続的なフォローを実施しております。
◆神尾りさ 委員 今後も丁寧な支援をお願いいたします。
以上です。終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。
◆くりはら博之 委員 私からは、昨年の決算特別委員会、今年の予算特別委員会に引き続き、生活に困窮されている方に対する支援策についてお伺いいたします。
まず、住居確保給付金について伺います。
受給要件の緩和や特例再支給など、長期化するコロナ禍に対応し、コロナ禍で生活が困窮する多くの方々の生活を支えている住居確保給付金ですが、令和三年度の新規申請数について、昨年度と比較して教えてください。
◎工藤 生活福祉課長 住居確保給付金は、昨年四月の制度改正により、離職後二年以内で住まいを喪失または喪失のおそれのある方だけではなく、休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある方まで対象が拡大されました。
令和二年五月の申請件数二千三百七件をピークにその後は減少し、令和二年度の一年間の申請件数は六千七百二十五件となりました。また、令和三年四月から八月までの新規申請は六百九十三件で、昨年度の四月から八月までの五千三百二十五件と比べると大幅に減少しておりますが、令和三年四月以降、毎月百件以上の申請が続いており、今後も同様の申請件数を見込んでおります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。住居確保給付金の給付終了が迫っている方には、就職支援を強化するため、
ぷらっとホーム世田谷での支援につなげられるよう案内を強化していると、さきの予算特別委員会で伺いました。
ここで伺いますが、実際に住居確保給付金を受給されていた方が、
ぷらっとホーム世田谷での支援によって就労につながったケースはどれくらいあるのかをお伺いいたします。
◎工藤 生活福祉課長
ぷらっとホーム世田谷では、就労相談や就労準備などの就労支援や家計支援や日常生活へのアドバイスなど、安心して暮らしていけるよう様々な自立相談支援メニューを提供しております。住居確保給付金の受給が終了した後も、生活に困窮した方が安心して暮らしていけるように継続して支援をしております。
就労の御相談を受けた方のうち、令和二年度から現在までで百八十五名の方が就労につながっております。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。また、給付期間中に就労ができない場合には、生活保護を受給する道しか残されていないように思われますが、生活に困窮する方に対する支援が途切れることがあってはなりません。就労先が確保できるうちに、住居確保給付金の支給が終了してしまった方に対し、
ぷらっとホーム世田谷での支援から、どのようにして次の支援につながっていくのでしょうか。また、そのような方が昨年以降、どれくらいいたのか、あわせて教えてください。
◎工藤 生活福祉課長
ぷらっとホーム世田谷では、相談者の状況や意向を丁寧にお伺いし、必要に応じてほかの機関での多様な支援につなげております。例えば生活保護の相談が必要な場合は、お住まいの地域の生活支援課を御紹介し、必要に応じて
ぷらっとホーム世田谷の職員が同行するなど、それまでの支援状況や相談者の意向をお伝えし、支援が途切れないように配慮をしております。昨年度から六十四名の方が生活支援課の支援につながりました。
今後とも、
ぷらっとホーム世田谷では、相談者の困り事を一緒に整理し、一緒に解決策を見つけ、一緒に振り返りを行う伴走型の支援に取り組んでまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。
続きまして、生活に困窮されている子育て世帯に対する国の特別給付金について伺います。
昨年の特別定額給付金では、支給までにかなりの時間を要するなど、必ずしも速やかな支給ができなかったと記憶しておりますが、今回の子育て世帯に対する給付金はその反省を生かし、迅速かつ確実に届けなくてはなりません。
この給付金は申請が要らない方と申請が必要な方がいるようですが、どのようにして情報を届けているのでしょうか。また、申請が必要な方のうち、申請率はどれくらいであったのかお伺いいたします。
◎中西
子育て世帯特別給付金担当課長 国の低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金は、低所得のひとり親世帯とひとり親世帯以外の子育て世帯へ支給しております。ひとり親世帯への支給では、令和三年四月分の児童扶養手当を受給している方は申請の必要はなく、児童扶養手当の振込口座に振込する旨通知をしてございます。一方、申請が必要となります収入が減少した世帯等へは、児童扶養手当等の認定を受けている全てのひとり親世帯に申請書を送付しております。
また、ひとり親世帯以外への支給では、令和三年四月分の児童手当等を受給し、令和三年度分の住民税均等割が非課税である方は申請の必要はなく、児童手当等の振込口座へ振込する旨通知をしてございます。一方、申請が必要となります収入が減少した世帯等へは、対象児童の養育要件と所得要件に応じて申請書等を送付してございます。
区ではこの間、申請書等の送付により個別周知に努めるとともに、区ホームページや、ひとり親メールマガジンによりまして広く周知してまいりました。お尋ねの申請率ですが、九月三十日時点となりますが、ひとり親世帯では約六三%、その他世帯では約二〇%となってございます。申請期限が令和四年二月二十八日までとなってございますので、それまで丁寧な対応に努めてまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。ワクチン接種も進んでおりますが、
新型コロナウイルス収束までの道はまだまだ見通せません。必要な方に必要な支援を迅速かつ確実につなげていけるよう、これまでの経験と反省を全庁で共有し、取組を進めていただくことを求めて、質問を終了いたします。
○加藤たいき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 長期化するコロナ禍において、子ども家庭を取り巻く環境の変化について伺います。
私は、これまで区内の小中学校のPTAや青少年補導員、北沢分区の保護司などを通して子どもたちの成長を見守ってきました。ここ数年、北沢地域で毎朝旗を振りながら学校に通う子どもたちの安全を見守っております。
子どもたちに、おはよう、いってらっしゃいと声をかけると、初めのうちははにかんだ子も、日々触れ合いの中で、おはようございますと元気な声が返ってくるようになってきました。私自身も反対に元気をもらっています。小学校入学したての一年生は、横断歩道を渡るときもまだまだ注意が足りず、飛び出してしまったり、おしゃべりに夢中になったり、危険な場面が多々あります。常に大人がそばにいて、交通ルールを教えながら子どもたちに安全を確かめていくことの大切さを感じています。
しかし、福岡県の保育園で大変残念な出来事が起きました。保育園の送迎バスに五歳児を置き去りにして熱中症で死亡させるという痛ましい事故が起きてしまいました。置き去りにされたお子さんを思うと、さぞ怖かっただろうし、苦しかっただろうし、御両親もどんなに悲しみにくれているのかと思うと心が痛みます。心より御冥福をお祈りします。
常に日頃から子どもたちの安全を守るべき大人が危機管理意識を持ち、安全を確認していれば防げたはずの事故であると痛感します。こうしたことが二度と起きないように、大切な子どもの命を預かる関係機関はあらゆる場面を想定して、危機意識を持つように心がけなければいけないと、私自身つくづく思います。
さて、世田谷区においても、
新型コロナウイルスの変異株による感染者が急増し、大人だけではなく子どもたちへの感染が広がっています。コロナ禍の危機管理として、常にマスクの着用、手洗い、うがい、消毒はもちろん、学校では分散登校や、楽しいはずの給食も会話を控えて黙食、オンライン授業など、当たり前のようになってきました。
このような子ども同士や大人との触れ合いの希薄さは、子どもが人として健やかな成長するためには、危機的状況と言えます。一方で、お子さんの保護者からは、学校が休校となり子どもが家にずっとこもっていることに不安を感じるなどの声を伺い、長期化するコロナ禍が子ども家庭を取り巻く環境にも幅広く影響していることを感じています。
そこでお伺いしますが、これまでも地域の子ども家庭支援センターが中心となって、子育ての相談や支援をしてこられたと思います。長引く
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世田谷区では、子ども家庭を取り巻く環境はどう変化し、子ども家庭支援センターに寄せられる問合せ、相談はどのような状況になっているのか、お伺いします。
◎小林 北沢総合支所
子ども家庭支援課長 新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化は、子どもの健全な心身の育ちにおきまして、不安や問題が生じております。子ども家庭支援センターで把握している中には、保護者がコロナを心配して子どもを学校や保育園に行かせないことで、子どもから友達との交流がなくなってしまった、学校からタブレットを渡されたが勉強についていけないなどの声が聞かれます。さらに、在宅勤務により親子で顔を合わせる機会が増えたことが原因で、保護者にうるさがられる、どなられるなど、子ども家庭支援センターが対応するケースが増えております。家庭の経済面におきましても、仕事が減って収入が減ってしまったなど、休業や失業を余儀なくされて経済状態の逼迫を訴える家庭も多く、深刻さが増している現状でございます。
◆青空こうじ 委員 長引くコロナの影響で休業や失業による生活困窮だけではなく、そこから派生する家庭内の問題や支援を必要とする家庭も多くなっていると思いますが、そこでお伺いしますが、支援を要する子どもや家庭に対する救済や支援はどうなっているのかお伺いします。
◎小林 北沢総合支所
子ども家庭支援課長 子ども家庭支援センターは、地域の子育て支援機関との意見交換の場として、要保護児童支援地域協議会を毎年開催しておりましたが、昨年、今年とコロナの影響により一堂に介することができず、書面開催となりました。
しかしながら、関係機関と情報交換や児童虐待への予防策について課題を共有するため、感染対策を講じ、子育て支援コーディネーターや民生児童委員との連絡会を定期的に開催し、また、学校、保育園のほか、ひろばや児童館に直接出向くなど、積極的に支援体制の強化を図っております。
さらに、子ども家庭支援センターは、児童手当、自立支援事業の申請窓口でもあります。コロナの影響により生活に困窮する子育て世帯へ、国の給付金事業や母子・父子・女性福祉資金などの御案内を丁寧にさせていただいております。
◆青空こうじ 委員 子ども家庭支援センターでも様々な対応をされているお話がありましたが、
新型コロナウイルス感染症への対応はまだまだ続いていくと思いますが、地域の中で子どもたちが健やかに育っていくためにも、子ども家庭支援センターとして、今後さらに求められる機能と役割は何か、ちょっとこの辺をお伺いします。
◎小林 北沢総合支所
子ども家庭支援課長 子ども家庭支援センターでは、これまでも子どもに関する相談窓口として、あらゆる御相談に対応してまいりました。長引くコロナ禍の影響により、子育ての困り事だけではなく、夫婦間や生活困窮、健康面などの問題を抱えている困難ケースもございます。子ども関係の総合的な相談窓口としての機能を充実し、聞き取った相談内容をその場で的確なアセスメントを行い、子どもと家庭が安心できる支援につなげることが重要な役割です。
複合的な要因を持つケースの場合にも、子ども家庭支援センターが調整役となって、総合支所保健福祉センター福祉四課と連携し、最善の支援を提供していく機能を一層強化していきたいと思っております。
今後も地域のネットワークを生かして、支援、調整機能を果たし、世田谷区子ども・子育て応援都市宣言にあるのびのびと安心して育つ環境をつくります。
○加藤たいき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後一時五十四分休憩
──────────────────
午後二時十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆河野俊弘 委員 それでは、自由民主党世田谷区議団の福祉保健領域の質疑を開始させていただきます。
私からは、まず、介護人材の不足についてということで伺っていきたいというふうに思っております。
団塊の世代の高齢者が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年までもうあと四年ということになりますけれども、東京都における介護人材の需給推計を世田谷区の人口や要介護認定者の比率で推計すると、二〇二五年には上位推計では約三千百人、中位推計では二千三百人、下位推計で約千二百五十人と、介護人材の不足が見込まれるというふうにしております。
介護福祉人材の確保は、人口が集中している都心部において急務であります。大都市の世田谷においても明確な目標を示し、人材の確保を進めていくこと、さらには、人材の確保とともにサービスの質の向上を進め、増加傾向にある介護放棄、いわゆるネグレクトであったりとか虐待などをしっかりと防いでいかなければなりません。支援が必要となる高齢者が安心して住み慣れた町に住み続け、十分なサービスを受けられるためには、人材の確保とともに、増加する介護ニーズの多様化、複雑化にも対応していくことが必要であります。
医療、介護、予防、住まい、生活支援、この五つを一体とした地域包括ケアの構築をより具体化していく上で、介護人材の確保やサービスの向上が欠かせません。人材の確保やサービスの質の向上について、区は現状どのような課題を捉えているのか。
私は今回、その点で外国人介護人材について焦点を当てて聞いていきたいというふうに思います。
二〇二〇年は、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため世界中で入出国制限が敷かれ、人流が大幅に制限をされました。日本の外国人労働者数は、二〇年には前年比での増加幅が大きく縮小しましたけれども、医療、福祉の分野ではこれが逆に拡大をしたことが注目をされています。
医療、福祉に従事する外国人労働者の在留資格別で見ると、二〇年には、技能実習(介護)における技能実習ですけれども、前年比でプラス九七・四%と突出した伸びを記録しているというふうに聞いています。介護関係職種の有効求人倍率は、コロナショックの影響がほとんど見られず、高水準で推移をしているということが見えます。この強い労働力の需要が、医療、福祉の中でも特に介護――に従事する技能実習ですけれども――が大きく増加した要因の一つであるというふうに考えています。
さらに、もう一つの要因として考えられるのが、政府が介護人材の確保策として外国人労働者の受入れを推進していること、介護、技能実習(介護)、特定技能の在留資格を創設し、介護人材として従事するための窓口を広げたということです。さらに、これらの在留資格間の変更を認める、さらに変更しやすくすることで、外国人介護人材の日本への定着を図っているということも大きく要因として考えられます。
もっもと、労働力不足解消のために創設された特定技能、そして、介護福祉士資格を持つ介護の受入れ人数が伸び悩んでいますけれども、今後、政府は、特定技能及び介護の在留資格保持者を増やすための対策をより徹底するということが求められております。
世田谷区において、まず、外国人介護人材の受入れ状況というのをお聞きしたいというふうに思います。
◎杉中 高齢福祉課長 令和二年度に区内の特別養護老人ホームを対象に福祉人材育成・研修センターが実施した調査では、特養二十七施設のうち十八施設で外国人を採用しており、EPA、いわゆる経済連携協定と言われるものが三十九人をはじめ、技能実習生十六人、特定技能十三人、その他二十四人、合計九十二人の外国人が働いていることが分かっております。
特別養護老人ホームにおいては、外国人人材の積極的な受入れが進んでおり、職場の戦力として欠かせない状況になっていると考えております。
◆河野俊弘 委員 私も杉中課長とやり取りしている中で、世田谷区においてこの人数が出ていますけれども、主にこれは特養での人員がほとんどということで、やっぱり多種多様な介護サービスの中で働きづらい職種もあるのかもしれないなという話をさせていただいていました。
この介護職は専門職として非常にやりがいであるということと同時に、やはり外国人のみならず日本人においても、低賃金であったりとか重労働、不衛生といった悪いイメージがまだまだ残っているということがあるかもしれません。人材不足の背景と言えます。人材獲得のために介護職のイメージアップも同時に並行していかなければなりません。
関連してですけれども、認知症についても、先般、そういった認知症患者の自動車事故などが取り上げられ、認知症患者は何を起こすか分からないとか、どこかに行ってしまうのではないかとか、軽度の認知症患者に対しても、周りから避けられるようになったりとか、自分にとって住み慣れた町で生きづらくなってしまうといった声もあるというふうに認識しています。
施行から一年となります認知症希望条例を推進して進めていくためにも、介護職に対するイメージアップについて並行して進めていかなければならないというふうに考えています。その中でですけれども、イメージアップと同時に処遇についての問題も、先日、特養の施設長会さんとのヒアリングの中で伺ったところ、派遣会社を通しての雇用と直接雇用との差は最大で千円以上開きがあるというような現場の話も聞いています。そういったところも、時給に換算すると千円ということでの大きい弊害があるというふうにも思います。
介護の仕事というのは人対人の仕事でありますし、大変なこともありますけれども、それ以上に感謝されることも多く、ありがとうという言葉、感謝の気持ちの交換で成り立っているというところも大きくあると思います。気持ちが通い合い、質の高いサービスというのは利用者の満足とともに、介護従事者のやりがいにもつながり、そうしたことをアピールすることも重要だというふうに考えております。
さらに、近年のICT技術の革新によって、私も以前から介護ロボットの推進というところを進めておりますけれども、現場のイメージの改善というのは日々図られています。排せつリズムを管理できるセンサー、あるいは介護ロボットの様々な形での実務の効率化、介護報酬を得るための指定されたフォーマットへの入力、そういった事務的な作業に関しましても効率化が求められ、進められています。今後は、ペーパーレスであったりとか外部ITサービスの活用によって、職員一人一人の労働環境の改善とともに満足度というのも日々向上していくものだと考えています。
介護現場の状況をより多くの区民に知らせて、実態に合った仕事の魅力をPRするということが必要だというふうに思います。そして、一度離職した介護人材についても、再研修の機会などを通じて進化した介護人材をPRすべきだというふうに思います。
慢性的に続く人手不足を解消するためにも、介護福祉士の資格を持ちながら介護職に就いていない潜在介護福祉士の現場復帰に注目が集まっているというふうに思います。
実際に、大阪府ですけれども、二〇二五年に介護人材が二万人以上も不足するとされているというふうに推計されておりまして、二一年度の新規事業として潜在介護福祉士の再就職支援に予算が計上されています。
やりがいのある仕事、皆様の活躍を期待していると、現場の施設長さんがその場に出向いて参加者に呼びかけたり、その場で参加者が、今、VRといって、装着をして、その介護現場を実際に体験ができるような、それを使ってみとりの体験など、現場感覚を取り戻してもらうということも実際にやっているそうです。
世田谷区においても待ったなしの介護人材確保について、様々な手段を使って具体的な目標を達成するために、先ほど述べた大阪府で実施している潜在介護福祉士再就職支援事業など、潜在人材の掘り起こしに取り組んではどうかと考えますが、区の見解を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 令和三年八月現在、都内に現住所がある介護福祉士の登録者数は約十三万人となっております。また、令和三年七月に公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表した社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の「就労状況調査」によれば、介護福祉士の有資格者のうち、福祉等以外の分野で仕事をしている方は七%、現在仕事をしていない方が一三・八%であり、約二〇%の方がいわゆる潜在介護福祉士と推測しております。
同調査では、これらの潜在介護福祉士に対し福祉分野への就業意向を聞いており、約四〇%の方がぜひ働きたい、または条件が合えば働きたいと回答しており、その際に希望する支援策として、現在の福祉・介護・医療制度に関する研修が最も多く、次いで介護技術に関する再研修となっております。
介護人材不足が続く状況の中、潜在介護福祉士などの人材を即戦力として介護の現場に呼び戻す取組は大変重要であると考えています。福祉人材育成・研修センターでの各種研修は、原則、介護事業所に勤務している職員を対象としておりますが、潜在人材にも対象を拡充するなど、有効な支援策について、本年六月に設立した世田谷区
介護人材対策推進協議会での意見も踏まえながら検討を進めてまいります。
◆河野俊弘 委員 先ほども言ったように、明確な人材の確保策、明確な目標というのが本当に必要かなというふうに思いますので、そこら辺もしっかりと進めていきながら、その潜在介護福祉士のみならず、あらゆる手段を使って進めていただきたいというふうに思います。
介護現場のデジタル化という部分についても、やはり介護を受ける人にとってはコミュニケーションのそれが機会にもなっているというふうにも思います。デジタル化が進むことで介護を受ける側の不安や孤独感というのが増すことがないかというふうな声も実際に聞きました。しかしながら、本来、介護職員というのは、目の前にいる利用者とのコミュニケーション、あとは利用者に満足してもらえるケアを考える時間をもっと持つべきというところですけれども、それを阻害するほかの事務作業だったりとかというのが多過ぎるという話も聞きました。デジタル化の狙いは、そういった障害を取り除くことで専門性を高めて、利用者が望む、究極、人生の最期を迎えさせてあげることに集中できる環境というのをつくることにあるというふうに思います。
人の表情や声に反応して、触れたときに実際ぬくもりが感じられるようなロボットであったりとかというのも出ています。利用者のみならず、介護をする職員に関しましてもこれは精神的なケアにつながっているという声もあります。将来的には、その技術の導入だったりといった知見を多種多様な介護現場へ提供し広げていくこと、訪問介護サービスでもセンサーつきのベッドであったりロボット導入が進んでいると思いますけれども、負担軽減をあらゆる方策で図っていくこと、そうしたことが普及していくことで何か一つでも負担が軽くなっていくということも本当に重要だというふうに思います。
一方で、デジタル化というのはコストがかかる、費用面から導入へのハードルが高いことも事実でありますけれども、従来のやり方に慣れた施設からすると、心理的な障壁というのもあるかもしれません。そういったところを行政が手を差し伸べて、様々な支援メニューを構築しながら、介護をめぐる悲しい事件が起きない社会とするためにも、慢性的な人材不足の解消に向けて環境を整え、一刻も早く具体的な取組を先ほど述べた人材確保策も含めてしっかりと進めていくように要望し、次の質問に移ります。
次ですけれども、
新型コロナウイルスワクチンの接種券の配付が高齢者はもう九割以上終わっているというところですけれども、この接種券の配付状況で得た情報を基に、今回は発送と福祉との連携というところで聞いていきたいというふうに思います。
まず、コロナワクチンの接種券については、もちろんほとんどの区民に送られていますけれども、郵送した中には戻ってくるものもあるというふうに思うんですけれども、その不達になっている中には、配慮を要する世帯もあったり、その場合は福祉等の支援につなげられること、あるいはデジタルデバイド対策にもつながるというふうな様々な、今までは行政につながることができない方への支援につながるというふうにも考えます。
まず、その不達の状況と不達があった場合の取扱いについて伺いたいというふうに思います。
◎寺西
住民接種調整担当課長 新型コロナワクチンの接種券につきましては、これまでに接種対象者となる約八十三万人の方に接種券をお送りし、そのうち約三千件程度が主に宛て所に尋ね当たらないという理由で区に返戻、戻ってきております。戻ってきた接種券につきましては、その方の氏名や住所などを一覧に記録した上で保管をしておりますけれども、福祉的な課題を抱えた方であるかなどを個別に確認はしていない状況でございます。
◆河野俊弘 委員 この戻ってきている方に対しての対応というところが、私も自分なりにいろいろと調べて、ほかの自治体でどういう取扱いで、自治体はこういうことをやっているかな、福祉サービスをつなげたりしているかなというのを見てきたんですけれども、ほとんどないというか、なかったです。
今回、ワクチン接種の接種券の配付に関しましては、この後三回目というのも控えておりますし、そのまた先もずっと、これはある程度、一定続いていくものかなというふうに思いますし、ワクチン接種を進めている中で課題があると気づいた、気づきになるきっかけをここでもらえるかなというふうにも私は思っております。
電話での受け答えの仕方であったりとか、今はコールセンターだったりとかも委託でやっていますけれども、その際の何か異変に気づく。今まで行政と関わりがないといっていいか、自分から行くような方じゃない、今まで行ったことがないという方も多くいると思うんですよね。そういった方への庁内でそういった気づきに対応できる体制づくりというのも今後、これは高齢者に限ったことではないと思います。様々お困りの方の気づきにつながるというふうに思っているんですけれども、その体制づくりが今後必要かと思いますけれども、区の見解を伺います。
◎寺西
住民接種調整担当課長 ワクチン接種は十二歳以上の全ての区民が対象であり、高齢者や障害者、また配慮を要する方をはじめ、全ての方が円滑に接種を受けられるよう、庁内の各所管と連携し、きめ細かい対応を行うことが必要だと認識しております。
これまでも、予約が困難な高齢者への対応として、まちづくりセンターでの予約支援や民生委員への協力依頼などを行ってきたほか、障害者の方が安心して接種を受けられるよう、障害者専用会場の設置、またDV被害者への配慮など、丁寧な対応に努めてまいりました。
委員お話しのとおり、日頃、区とつながりのない方も、ワクチン接種が区とつながるきっかけとなり、困り事や課題の把握に結びつくケースも考えられることから、御提案を踏まえ、三回目の接種に向け、まちづくりセンターをはじめとした区の窓口や福祉所管との連携をより一層密にし、課題のある方を必要な支援につなげる対応にも取り組んでまいります。
◆河野俊弘 委員 今お話しいただいている三回目の接種に向けて、まちづくりセンターという言葉も出ましたけれども、やはり福祉の窓口ということでやっている以上、そういったところでの連携が三回目以降も非常に重要になってくると思います。予約の支援だったりとかというのも非常に好評で、区民の方一人一人が本当に助かったという声も私も多く聞いていますけれども、そういったときにやっぱり区民の方一人一人と接するきっかけの一つということも一つ頭に置きながら、今後の接種体制の構築とともに様々な福祉メニューとの連携、あるいは様々なお困りの方のニーズを捉えられる体制というのも、まちセンでやった場合とかにはしっかりとそういった連携も取れるような形もつくっていただくように要望して、次の質問に移ります。
最後の項目になりますけれども、私から一般質問のほうで取り上げさせていただきました、先ほど他会派からもありましたけれども、新BOP学童クラブのお弁当配達サービスの導入の検討状況についてということで、先日の一般質問の中で、今、現状の話、これからどうしていくんだ、早期に導入して進めていくんだという話をいただいていますけれども、私もこの話を元からたどっていくと、二〇一四年の話からこの要望というのは実際にずっと出ておりまして、その中でBOPの児童数というのも二〇一四年の頃、世田谷は四千四百九十七人で、私の手元の資料ですけれども、東京都の福祉保健局の資料ですけれども、人数がありまして、二〇二〇年には七千四百六十一と八・八%で、二千九百六十四人、児童数は増えています。
今後もこれは増えていくだろうというところで、これを見返すと、他区の状況とかというのも一律で見ていくと、例えば板橋区とかであると、同じく二〇一四年には二千五百三十一人で、二〇二〇年には六千六百四十二人と、同じく板橋は定員制をたしか設けていなかったと思うんですが、一七・四%で四千百十一人と、大幅な増加を見せています。一律で増えているところがほとんどというところです。児童数は日々日々、やっぱり地元の学校でもクラス数が増えていったりとか感じるところがあります。
そんな中で、世田谷区においても新BOP学童クラブでの様々なニーズ、あるいは保護者の方々の働き方というのも変わっている中で、今回の長期休暇期間に限っての話でございます。お弁当導入ということをお話しさせていただきました。今回は導入状況というところについて、今、私のほうでも実際に現場を見に行くというような話も聞いていましたけれども、直近の今の進捗状況をまずお聞きしたいというふうに思います。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブの長期休暇中の昼食につきましては、朝、お弁当を作る時間的負担から、民間事業者のデリバリーを要望する保護者からの多くの要望をいただいております。長期休暇中のお弁当の受入れにつきましては、他区において先行して進んでおりまして、世田谷区での実施を検討する上で参考にすべき事例があると考えております。
この間、二十三区の実施状況等を確認し、十月四日に豊島区、五日に杉並区へ児童館長、新BOP職員と視察し、具体的な流れやお弁当の保管場所の状況、実施する上での問題点等を確認してまいりました。この後、視察で確認した内容を基に、世田谷区と他区との環境の違いを踏まえ、実施するために解決すべき課題の整理を始めたところであり、その結果を踏まえ、保護者と課題の共有化をした上で協議を進めていく予定でございます。
◆河野俊弘 委員 早速に昨日、おとといと現場のほうに出向いていただいて、現場の職員とともに具体的に今後の流れだったりとか導入した場合の問題点等を確認したというふうにおっしゃられましたけれども、今回、杉並区と豊島区というところですけれども、なぜこの二区を選択したというのを具体的に理由をお聞かせ願えますか。
◎須田 児童課長 この間、全二十三区に学童クラブの長期休暇中における弁当の配達サービスについて聞き取り調査を行いまして、その結果を踏まえまして、一クラブ当たりの人数が二百人を超える学童クラブがあって、公設公営で運営し、かつ事業者と保護者で契約を行っている区につきまして視察先として考えました。
この二区につきましては、どちらも注文や支払いに区が関与していないんですけれども、杉並区では保護者の有志が業者を選定しているのに対し、豊島区は区が事業者と協定を締結しております。杉並区と豊島区は異なる手法で実施しておりまして、世田谷区が実施するための課題やその解決方法を検討するための参考としていけるものと考えました。
◆河野俊弘 委員 それぞれ、区が事業者と締結している場合と、豊島区がそうで、杉並は保護者の有志ということでの話なんですけれども、私も今回いろいろと他区の状況とかを調べていく中で、基本的には配達、お弁当の事業者とがそれぞれ契約、保護者との契約の中でやっているというところが恐らくほとんど多いのかなというふうな認識です。
実際に学童、新BOPの職員の方々が懸念されているのは、今この定員制がない、世田谷区の中で児童もどんどん増えている、そういった中でその部分に手が回らないんじゃないかというような話が最初あったかと思います。
ただ、そんな中で、今回は保護者の方と事業者とが手を結んでというか、それぞれしっかりとルール決めを進めた上でやっていくということが恐らく前提になっていくんだろうなというふうに思っています。そういったところで、しっかりとスピード感を持って導入してほしいというところもあるんですが、今後、具体的なスケジュールも必要だなというふうに思いますし、先ほどそのべ委員のほうでは全体で進めていく、やっていく、区が事業者である以上はしっかりと全体で進めていくんだという話がありましたけれども、そこの道筋はもちろんあった上で、私はスモールスタートというところを別のタイムラインで考えています。
全体スタートという最終的なゴールがある上で進められるべきところでしっかりと進めていく。それはなぜかというと、新BOPのやっている各学校の環境というのがやっぱり大きく違いがあるというふうに思います。狭隘な新BOPの教室であったりとか、あと、もちろん児童数の問題、あと学校が今回小学校六十一校で、その中でやっぱり大規模校、少し規模が小さい学校と、やっぱり世田谷区はかなり多種多様な学校がありますし、児童数も違う、教室の広さも違う。そういったときにやっぱり進められるところからまずやっていかなければ、モデルケースとしてそこが見本になってほかの学校に広まっていくというのが従来の進め方であろうというふうに思います。
なので、しっかりと環境が整っているところから進めていくべきだというふうに思っておりますし、それらはやっぱり子どもたちの目線でもしっかりとその意見を聞いていく場面になっていくと思います。実際には、お弁当を頼んであるからそのお弁当を必ず食べたいというお子さんももちろんいるかもしれないし、たまにはやっぱりお父さん、お母さんが作ったお弁当を食べたいというような子どもの気持ちも大事だというふうに思うんです。
そういったところのコミュニケーションがやっぱり今なかなか取れない、時間帯が取れないというような、今、保護者の働き方の環境というのもありますから、そういったところもやっぱりやらなきゃ分からないと思うんですよね。一斉にいきなり始めていくというのは、私はかなり現実的には難しいというふうに思いますし、できるところからしっかり進めていくということを前提として考えていきたいというふうに思っているんですが、この点について改めて確認させてください。
◎須田 児童課長 現在、新BOPは、小学校の児童数や学童クラブ登録児童数の増加により活動場所が限られまして、配達された弁当の置場がないこと、長期休暇中の一日育成においては、職員がローテーションで勤務するため、弁当を管理する人手に余裕がないなどの弁当配達サービスを利用する際の課題が明らかになっております。
そのため、区としましては、視察を踏まえ課題を整理して、条件の整った新BOPから実施に向けて準備を進めていきたいと考えております。今後、保護者の方々と情報共有化を図りまして、実施方法を確認した上で実施時期について協議していければと思っております。
各学童クラブにつきましては、学校の規模や施設の状況が様々でございまして、先行実施した新BOPの実施状況を踏まえてさらに展開できるように調整してまいりたいと考えております。
◆河野俊弘 委員 しっかりと先行実施した新BOPの実施状況を踏まえてということで、本当にそこをしっかり進めていただきたいというふうに思います。本当に保護者が望んでいることでもあるし、そこはやっぱり子どもたちの環境を整えていくというところにもしっかりつながるんだというふうな認識を持っていただきたいというふうに思います。
そんな中で、やっぱり子どもたちが自由に取り組んでいく、そういった場が新BOPの放課後健全育成事業というところでの観点では大事かなというふうに思います。先日、新BOPの職員のある方と話をしたんですけれども、放課後という言葉の意味、放課後というのはもう課業から放たれた時間なんだと。子どもたちが主体的に考えてやらせる時間なんだというところが本当にその方の話だと大事なんだということをすごく力説いただきまして、本当に親御さんの考えている気持ちだったりとか、多少そういったときに新BOPでもこうしてほしい、ああしてほしいというような声もあったりとかするんですが、やっぱり基本的には子どもが主体的に考える場というのが必要だなというふうに私も考えておりますので、そういったところを自由に問題解決する力を育むというところで、学童クラブも一定以上公設でやっているところ以外にも、民間であったりとか、そういった受皿が区内にはほかには二か所しかないという話も聞いています。
そういったところの受皿が今後必要であるというふうに思いますし、そういった環境をどんどん整えていった上で、世田谷区においても、今の新BOP学童クラブの定員制についても、一定以上区切った考え方をしなければならないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブは、定員を設けずに待機児童を出さないことを前提に、これまでの学校内だけの公設公営のみの運営を実施してまいりましたが、学校の児童数の増加や保護者の働き方の変化等により登録児童数が急激に増え、狭隘化や大規模化が進んでおります。
お話しのとおり、子どもは遊びなどを通して人と関わりながら、将来に向けた様々な能力を育むことが重要でございまして、そのためには適正な規模で育成する環境が必要と考えております。
現在、国や都の運営補助を活用した民間事業者による放課後児童健全育成事業所の誘致など、他自治体の取組事例等を参考にし、民間事業者にヒアリングしながら、事業内容の評価や民間事業者が参入するに当たっての課題、区の役割などを整理し、具体的な方策を検討しているところでございます。
子どもや保護者の選択肢を増やして、子どもたちが伸び伸びと質の高い育成が受けられる制度となるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
◆河野俊弘 委員 今回、定員制というところの話にも行き着きますけれども、今回はそういった環境をまず整えていく。今、在り方検討もされている中で、狭隘だったりとか人が多い、そういった部分をしっかり解消するための方策として、ほかの民設民営でも公設民営でも様々な力を借りて、しっかりと子どもたちの放課後健全育成事業というのを進めていきたいというふうな部分は一致していると思いますので、しっかりその部分は進めていただくよう要望いたしまして、阿久津委員と交代します。
◆阿久津皇 委員 私からは、昨日に引き続いて農福連携の事業についてまず伺ってまいります。
昨日、区民生活領域でも伺ったんですけれども、今般、粕谷で農福連携の事業というものがスタートすると。今、公募型のプロポーザルが行われて、複数の企業から手が挙がっているということですが、今後、その中でどのような提案がされて、どのような案が採用されるのか、大変期待しているところでございます。
また、これも昨日お話ししましたけれども、この農福連携の事業というのは、農業営農者、また障害者、農業と福祉の双方によい効果が期待されるということとともに、今回目指すところとして聞いている限りでは、農福のところで障害者がその企業の戦力として、労働力として期待されているというところが非常に大きいのかなというふうに考えています。
この障害者雇用という面で考えて、日本ではいわゆる法定雇用率というものを定めておりますが、そういったところで義務として障害者を雇用しようとする国と、日本や欧州諸国がそのような制度を採用していますけれども、米国やカナダではその雇用義務制度そのものが差別につながるといった考えから、合理的配慮も徹底的に行った上で、働ける人は健常者と一緒の雇用条件、その同等の競争の下で雇用を勝ち取り、就職をしていくと。一方で、なかなかそこに働けないという方は福祉で守っていくシステムを採用している、そういった国があるということなんですね。
もちろんそれらはどちらがいいということではないんでしょうけれども、日本型の障害者雇用というものも模索する必要があるのかなと思いますし、その中で、自立できる方は自立をしていただいて、その環境整備を行政が後押ししていくということが一つ必要になっていくだろうというふうに考えています。
今般の農福連携事業というのはそのモデルとなるような事業だと思いますし、企業が参加し障害者が雇用されることから、それで労働の対価を得ること、これによってやりがいを見いだすと同時に、また、将来的な自立につながる事業となり得るというふうに考えていますけれども、所管としてはその雇用のところをどのように考えているか教えてください。
◎山田
障害者地域生活課長 障害のある方が就労することというのは、経済的な自立だけではなく、社会の一員として生き生きと暮らす原動力になると考えております。
今般スタートします農福連携事業は、農作物が大きく育っていく驚きや消費者から届く感謝の声、また、自分が育てたという達成感や自信、あるいは失敗による挫折感、そういったものの障害者の多彩な感情に働きかけるものとなって、その経験は日々の生活を豊かにするものと考えております。
労働の対価を得ることはもとより、今般の取組が多くの障害者にとってやりがいのある事業となるよう進めてまいります。
◆阿久津皇 委員 今おっしゃった農作物が育っていく、あるいは収穫の喜び、そういったことはまさに障害者の心身の改善に寄与するんだろうということは大いに賛同するところですし、今般の事業による取組によって、障害を抱えた方々が自信を持って社会に参画していく、そういった取組にしてほしいですし、また、参画した事業者が付加価値のある商品を生み出して利益を出して、そしてまたさらに雇用を拡大していく、そういった好循環につなげていただきたいというふうに考えています。
では、そういった活動の実例として、栃木県足利市にココ・ファーム・ワイナリーという会社がありまして、御承知の方も多いと思いますけれども、昭和三十三年に足利市の特殊学級の中学生たちと担任の教師によってスタートした社会福祉法人で、知的障害の方たちが中心となってワイン造りを始めて現在でも続いていると。当初、園生が三十名、職員九名でスタートした社会福祉法人が、現在は利用者が百四十七名、職員が百二十三名、また、ワインの製造販売とカフェ運営等を行う有限会社のスタッフが合計で四十八名というふうに順調に拡大をしてきている、地域に根差している、そういった事業があると。
そこの製造したワインは、二〇〇〇年の九州・沖縄サミットの晩さん会であったりとか、二〇一六年G7広島外相会合、当時の岸田外相夫人主催夕食会だったりとか、二〇一九年のG20ワーキング・ランチなど、様々な国際的な会合で採用されていたりとか、JALやANAの国際線ファーストクラスで採用される、あるいはJR東日本の四季島、いわゆる観光列車ですかね、そこでのワインとして採用されたりしていると。一部ではもしかしたら障害者が携わったワインということで話題的な側面もあるのかも分からないですけれども、後半で申し上げた国際線のワインとして採用されるというのは、当然その品質というものも重視されるんでしょうし、必ずしもその話題だけということではないんだろうと思います。
様々、福祉や教育に尽力した渋沢栄一の精神を受け継ぐ企業経営者を対象とした渋沢栄一賞というものを受賞されていたりとか、持続可能な社会の実現につながる優れた商品を表彰するソーシャルプロダクツ・アワード、こういったものも受賞されているということで、まさに障害者が中心となって付加価値の高い製品を生産し、社会に認められていく、そういった存在として障害者が社会の一員として貢献していく真のノーマライゼーションを実現している事例なんだろうというふうに思います。
本事業においても、将来的にこのココ・ファームのような成果を期待するものでありますし、まずは勤労意欲の高い障害者が様々な仕事に就ける、そういったお手本となっていただいて、ほかの企業が障害者を雇用していく、そういった雇用拡大の手本となるような事業として進めていただきたいんですけれども、見解を教えてください。
◎山田
障害者地域生活課長 今年の六月に実施しました区内障害者施設への農業に関するアンケートでは、農業に興味のある障害者が一定数いることが分かりました。これからスタートする農福連携事業は、農業に興味のある障害者の就労意欲向上につながるものと考えております。
区内障害者施設等に通所している障害者がこの農福連携事業で農業に就労するという新しい働き方を広く施設に知らせていくことによりまして、就労を目指すほかの障害者にとっても、就労先を検討する幅が広がったり、また、より多くの方の就労意欲向上につながることが期待されます。
さらには、この事業をきっかけといたしまして、障害者就労の多様な可能性を企業が認識し、障害者就労に対する意識改革や雇用意欲の向上につながることが期待できることから、区のホームページやエフエム世田谷、障害者雇用促進協議会などで障害者をはじめとした区民や雇用する企業などに広くPRし、しっかりと農福連携事業の周知を実施してまいります。
◆阿久津皇 委員 まさに障害者の勤労意欲、就労意欲の向上ですとか、ほかの企業への波及効果、そういった好循環を期待しておりますし、加えて、障害者が社会の一員として寄与できる、そういった可能性を広く区民全体に、不特定多数というか、区全体に波及する効果というものも大変大きいと思うんですね。この事業というものはぜひほかの地域にも広げて、様々な事業形態であったり就労形態というものを実現していただきたいと思います。そういった期待を持ちながら、次の話題に移ります。
続いて、今後の保育政策について伺ってまいります。
区では、待機児童がゼロとなり、保育園でも空きが出て経営を圧迫している、そういった状況になってきたということで、早生まれの子どもであったりとか、他自治体から引っ越してきた転入された子どもたちの途中入園、そういったものに対応したりとか、あるいは緊急保育への対応も含めて、一定のというか多少の余裕を持たせておくことも大事なんだろうというふうに思いますが、今後、保育施設、こういった整備計画なんかに関しては、その需要というものをしっかりと見極めながら行わなくてはならないというふうに感じています。
先般、保育需要予測というものも御報告いただきましたけれども、これは区の人口推計と連動しているんでしょうが、数年の減少の後に需要が増大していくというところで、その内容を見る限り、少々甘いのかなというか、どの程度の信頼性があるのかというのがちょっと疑われるところではあります。
その保育需要の予測というのは、出生率とか転入転出の増減に加えて、女性の社会進出に伴う保育ニーズの増減というものも加味する必要があって、なかなかその推計を出していくというのは難しいと思いますけれども、どのように予測されていくのか教えてください。
◎大澤 保育課長 保育待機児童につきましては、昨年度に引き続きゼロを継続できた一方で、世田谷区の就学前人口は平成三十年以降、減少を続け、本年七月の区の将来人口推計でも当面の間、減少傾向が続くものの、その後増加に転じると推計しております。さらに、既存保育施設の欠員の増加や
新型コロナウイルス感染症の影響によります今後の保育需要の不透明さなどの課題が生じております。
一方で、年度途中入園が進んでいることや、本年四月から九月までのゼロ歳児人口が増加しているなどの状況もあることから、来年度に向けての入園選考の申込み状況なども現在注視しているところでございます。
来年度には、区の将来人口推計の補正や子ども計画後期計画の中間年に当たることから、ニーズ調査も予定されておりますので、これらの状況などから今後の保育需要を見極めていきたいと考えております。
◆阿久津皇 委員 来年度、人口推計を含めて保育ニーズを見極めていくということですけれども、保育需要の増減といったものを施設だったりとか保育士の数といったある程度固定化されたハード面で調整していくというのはなかなか柔軟性に欠ける、難しいんだろうと思います。じゃあそこにどう対応したらいいのかなと考えたときに、利用条件の緩和であったりとか、あるいは一時利用、こういった枠を設けて、制度上、あるいはソフト面で供給枠にある程度余裕を持たせて、幅を持たせて需要の増減に対応する必要があるのかなというふうに考えています。
現在は週五日、基本的にはフルタイムで働かないと保育園に預けられないという前提であるでしょうけれども、中には週三日で預けて働きたいといったパートタイム保育というのかな、そういったニーズがあったりとか、あるいは、午後二時まで、午前中はパートで午後からは家庭で育児したいとかもありますし、あるいはその逆に幼稚園なんかの降園後というんですか、午後二時以降とか、そういったことで預けたり、そういったニーズもあるというふうに聞いているところで、区立保育園においては、そういった短時間保育のニーズに対して利用条件の緩和をしたモデルの実施を行うというふうに聞いていますけれども、具体的にどのように取り組んでいくのか、もう少し言うと、家庭で育児をされている方を対象とした理由を問わない短時間保育、そういったものも考えているのか、併せて伺います。
◎大澤 保育課長 今般お示しいたしました今後の保育施策の取組方針の中で、地域に開かれた子育て家庭への支援の充実を重点方針に掲げ、保育施設が専門性を生かして地域の子育て家庭を支援していくこととしております。この重点方針に基づきまして、今年度中にひろば事業を活用した理由を問わない預かり、いわゆるほっとステイを一部の区立保育園のひろば事業において試行的に実施することとしております。この預かりについては時間単位での預かりも検討しているところでございます。
◆阿久津皇 委員 パートタイムですとか短時間保育、こういったことで拡大することで新たな保育ニーズも掘り起こすことができるんでしょうし、それによって、現在空きができ始めている保育園の供給というものを埋めることも可能になるんだろうと。より細やかな保育ニーズに対応していただきたいとお願いをするところです。
また、特に家庭で育児をされている方の保育を積極的に行っていくということも子育て支援の観点からも大変重要ですし、それぞれ申し上げたような一時保育というものをある程度バッファーとしながら、長期的な保育ニーズを確認していく、そのようなこれまでの保育園をつくる一辺倒から、そういったバランスを重視していくような保育施設の調整というものが必要になってくるだろうと思います。
もう一つ加えて、先ほどちょっと申し上げましたけれども、幼稚園に通わせている親御さんのいわゆる保育ニーズというものはやはり強いものがあって、一方では幼稚園での預かり保育というものはなかなか進んでいかないということですので、そこのいわゆる認定こども園というのかな、そういったものの受皿みたいなものの整備もしっかりと検討していただきたいということを申し上げまして、次の話題に移ります。
次はワクチン接種、あるいは健康診断等のメリット、デメリット、あるいはその費用対効果というところについて伺っていきたいと思います。
新型コロナワクチンの接種が進んでおりますけれども、現在、二回の接種を終えた方が六割を超えてきたと。国立精神・神経医療研究センターが今年二月に行った大規模調査によりますと、国内のワクチンの忌避者、いわゆる受けたくないという方が一一・三%ということで、どこかのところで一旦ワクチンの接種というものは頭打ちになっていくんだろうと思いますけれども、一方で、コロナワクチンに対しては様々ないわゆるデマというものも流布されていて、忌避されている方に一定の影響を与えているということを指摘されています。
二〇一九年にWHO、世界保健機関は、世界の健康に対する十の脅威の一つとしてワクチン忌避を挙げているということです。ワクチンが安全であり効果的であるということが科学的に評価されている、証明されているにもかかわらず、一部の副反応を過度に恐れたり、あるいはそういったデマの流布からワクチン接種を拒否する人が増えると、本来ワクチンで予防できるはずの病気が流行し、場合によっては死に至らしめることがあるということで、その最たる事例というのが子宮頸がんワクチンかなというふうに思っています。
子宮頸がんというのは、若い女性がかかるがんの中では乳がんに次いで多い病気で、原因となるヒトパピローマウイルス、これは女性のほとんどが一度は感染すると言われていて、それが悪性化したものががんになるというものなんですけれども、厚生労働省のデータによりますと、毎年一万一千人が子宮頸がんを罹患し、二千八百人余りが亡くなっているということです。また、およそ一千二百人が三十代までに治療のために子宮を失うというデータもございます。
このHPVのがん化というものはワクチンで一定程度防げることが確認されておりまして、厚生労働省のデータによりますと、五〇から七〇%、スウェーデンで百六十万人の臨床で調べた数字では八八%は防げるということで、その効果が確認されているんですけれども、二〇〇九年に国内で承認され、二〇一〇年から任意での接種開始、二〇一三年四月に法律に基づく定期接種の対象に指定され、無料で接種が受けられるようになったということなんですが、残念ながら、その同じ年、接種後、歩行困難になるような、一部重篤な副反応をマスコミが大々的に報道したということ、それに伴う世論のいわゆる盛り上がりみたいなもので、定期接種の指定から僅か二か月後に厚生労働省は積極的な呼びかけというものを中止したということです。
実際には、そこを数字で調べてみると、治験時期から今日まで子宮頸がんワクチンは八百万回以上接種がされていると。そのうちCRPSという重度の副反応が疑われる症状が出るというのはほんの数例であって、三例とか五例とか言われていますけれども、そういった重篤な副反応は百万から四百万接種に一回起こるとされています。
海外ではおよそ百か国以上で公的な予防接種が行われていて、イギリス、カナダ、オーストラリアでは接種率が八〇%を超えているということで、日本も一時期、任意で接種が行われた時期には、ちょうどその世代の女の子たちは七〇%の後半ぐらいの接種が行われるわけですけれども、日本で仮に七〇%、八〇%のワクチン接種が行われていれば、先ほど申し上げた予防効果、予防期待値みたいなものと掛け合わせると、毎年およそ二千八百人亡くなっている方のうち半数以上、千五百人ぐらいが防げたのではないかというふうに推定されるわけです。
つまり、ほんの数例の重篤な副反応を恐れるあまりに、毎年千数百人、接種が止まった二〇一三年から累計すると一万人以上の救える命を失ったかもしれないということで、世論は間違うということの事例なんだろうなと思いますが、その当時、区でどのような議論がされ、なぜそのような経緯をたどったのか教えてください。
◎安岡 感染症対策課長 平成二十五年四月に子宮頸がんワクチンが定期接種化され、区では平成二十五年五月下旬に中学一年生の女子に予診票を個別送付しています。しかしながら、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が報告されたことから、同年六月十四日に厚生労働省は積極的な接種の勧奨を控えるよう勧告いたしました。
これを受け、区では、医師会や教育委員会に加え、五月に予診票を個別送付した対象者に個別通知による情報提供を実施しております。情報提供の内容といたしましては、区は国の勧告に基づき接種対象者に対して積極的に接種を勧奨しないこと、接種対象者が希望されれば接種できること、接種に当たっては国のリーフレットを参考に有効性と副反応のリスクを十分理解した上で接種することをお伝えしてございます。
また、接種希望者には、接種に当たっての注意事項や健康被害救済制度に関する情報を予診票送付時に併せて提供いたしております。
◆阿久津皇 委員 WHOは、二〇三〇年までに全ての国々で十五歳までの女児のワクチン接種率を九〇%以上にするということを目標にして、厚生労働省の専門部会でも先般、十月一日、子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐワクチンについて、積極的な接種呼びかけを再開するという方向で意見が一致したということですので、区においても、同じ過ちを犯すことなく、ワクチンのメリット、デメリット、予防効果と副反応、こういったことをしっかりと数値化して比較することで、冷静に区民に伝えて、区民の生命を守る施策を貫いていただきたいと要望いたします。
また、このワクチンについて、予防効果と副反応、そういった比較もあるんですけれども、それと同時に、費用面、いわゆる費用対効果というか、接種することによる費用と、それによって防ぐことができる疾患、その病気を防いだことで削減されるであろう医療費の比較というものも数字として出すことが可能かと思いますけれども、そういった計算というのはされているでしょうか。ワクチンのほうでお願いします。
◎安岡 感染症対策課長 ワクチンの定期接種化を検討する際、国では予防接種・ワクチン分科会等で費用対効果に関する評価が実施されています。委員御指摘の高齢者肺炎球菌ワクチンにつきましては、厚生労働科学研究班によりますと、毎年六十五歳の方全員へのワクチン接種を行い、ワクチン接種の効果が五年間持続すると仮定した際、一年間のワクチンの導入コスト百四十四億円が発生する一方、肺炎関連の医療費が五千二百五十九億円削減されるとの推計がございます。こうしたワクチンの予防効果や費用対効果を踏まえ、接種率を向上させることは大切であると認識しております。
区では、接種率の向上の取組といたしまして、接種予診票の個別送付に加え、かかりつけ医による診療や
あんしんすこやかセンターでの個別訪問時に、予防効果を踏まえて、直接接種を働きかけていただく等、関係機関と連携を図ってまいりました。引き続き接種率の向上に向けて取組を進めてまいります。
◆阿久津皇 委員 今、その数字を教えていただきまして、接種による費用と削減効果を比較すると三十六倍、国全体で五千億円以上の削減効果が期待されると。これを区に人口比で当てはめてみても数十億円の効果が想定され、六十五歳全員というのはなかなか難しいのかもしれないですけれども、これを人口一人当たりに比較すると、数十万円の、期待値ですけれども、その削減効果が期待されると。
先般お伺いした限りでは、肺炎球菌ワクチンが一本当たり八千円の費用がかかるということで、八千円の費用に対して数十万円の医療費削減効果が期待できるということですので、そういった数字なんかも接種の勧奨に使えると思いますし、実際に患者さんというか予防接種を打たれる方の自己負担は千五百円ということですので、患者さん個人の負担額、こういったものの費用対効果、あるいはその比較ということもできると思いますので、そういったところの目標値みたいなものもしっかりと定めていただきたいと思います。
同じことは、国民健康保険で行っている健康診断なんかにも言えると思いますので、そういったことをしっかりと数値化してデータで検証した上で区の政策に反映していただきたいということを要望して、菅沼委員に替わります。
◆菅沼つとむ 委員 最初に、世田谷区のひきこもり支援についてお聞きします。
世田谷区は、これまではひきこもりの支援、相談をやっていましたが、あまり進んでいないと思います。ひきこもりを支援する団体、メルクマールせたがや、
ぷらっとホーム世田谷、
あんしんすこやかセンター、教育委員会、世田谷区の若者サポートステーション、障害支援機関のみつけば、それから、ほっとスクール、保健福祉センター、発達障害就労支援など、様々な所管が別々にひきこもり支援をやっていましたが、第一に、今度の世田谷区のひきこもり支援に関わる基本計画方針案は進むのか聞きます。
◎工藤 生活福祉課長 菅沼委員のおっしゃるとおり、いろいろなところが、世田谷区のいろいろな所管がひきこもり支援をしてまいりました。ひきこもりの状態の方につきましては、精神や発達の障害が疑われる方が多かったり、不登校や失業などが要因であって、それがまた重複していることなど、また、八〇五〇問題や生活困窮など様々なことがございます。ひきこもり当事者だけではなく、その家族にも課題のあるケースがあるというふうに認識しております。
若者支援、生活困窮者支援、障害者支援、また、
あんしんすこやかセンターや各支所の保健福祉センターなど、様々な支援機関がそれぞれの専門性を発揮して連携して支援に取り組むこととしております。
(仮称)ひきこもり相談窓口では、各支援機関の適切な役割分担と、支援の隙間が生じないように確認、調整を行ってまいります。
◆菅沼つとむ 委員 答弁は簡潔によろしくお願いいたします。
第二番目に、国の厚生労働省は、六か月以上家庭にとどまっている方はひきこもりの評価、支援の対象とする、確認します。
◎工藤 生活福祉課長 厚生労働省のほうでそのようにしておりますが、区のひきこもり支援の中では、その中でもひきこもりの状態を含む社会との接点が希薄な方や社会との接点を持ちづらい状況にある方とその家族を対象としております。
◆菅沼つとむ 委員 実際に厚労省のほうは六か月以上、それで、世田谷区のほうはひきこもりが本当は早期発見、早期支援なんですよね。その辺をしっかりできているのか聞きます。
◎工藤 生活福祉課長 ひきこもりにつきましては、メルクマールの実績から、ひきこもり期間が短いほど支援機関の利用ですとか就労、就学の準備、就労、就学につながることが多いことが分かっております。このため、早期の段階での、例えば教育委員会との連携等が重要であると考えております。
◆菅沼つとむ 委員 それに、今、ひきこもりの各サポートをしている様々な団体がありますけれども、ひきこもりの対策予算というのは幾らぐらいか、また、東京都、国の予算はどのくらい入っているのかお聞きします。
◎工藤 生活福祉課長 令和三年度の予算で申しますと、まず、
ぷらっとホーム世田谷とメルクマールせたがや、みつけばルーム全体で約四億円になっております。国のほうが約二億四千万円、都が二千三百万円、区で一億三千万円程度となっております。
◆菅沼つとむ 委員 結構な国の予算、都の予算、区の予算を使っていると思うんですけれども、ずっと見ていると、予算に対してそんなに少なくなっているなという感じがないんですよね。世田谷区のひきこもり調査では、これもさっき教育委員会と言ったんですけれども、不登校からひきこもりになった方は二九・二%、約三〇%の小中学校の子どもたちがひきこもりになっているということなんですけれども、これはどういうふうにしていくのかお聞きします。
◎山本
若者支援担当課長 メルクマールせたがやでは、開設から七年目を迎えまして、相談者に関するデータが積み上がってきた中で、やはり相談者の多く、約七割が過去に不登校であった経験を持つことなどが裏づけされております。
そのような背景から、平成二十八年度より、義務教育終了時点で生きづらさを抱えた若者を支援につなぐということで、十代からの早期支援、ティーンズサポート事業に力を入れております。こうした取組の中で、区立中学校全校生徒にリーフレットを配付したり、また、教員の方にメルクマールを知っていただき、相談先として紹介していただけるように事業説明を行っております。
今後も、教育委員会と連携を取りながら、そういった支援を続けていきたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 教育委員会の中は、また具体的なやつは教育委員会で聞きます。だけれども、実際に三〇%ぐらい不登校の人がひきこもりになっている。これはやっぱりきちんとしないと、元を絶たないと、幾らになっても減らないというふうに思っています。
それから、ひきこもりの定義ですけれども、十八歳以上じゃないとひきこもりという定義はしない。逆に言うと、小中学校の場合には結局、不登校ということになっちゃうんですよね。だから、そういうことじゃなくて、小学校も中学校も含めてひきこもりということを、やっぱり教育委員会だけじゃなくて区全体で、教育委員会は頭が固いですから、その辺も含めて、やっぱり福祉のほうも頑張ってもらわなくちゃいけない。その辺の対策は、答弁できる人はいないね。
◎工藤 生活福祉課長 教育委員会においても、十二月から教育総合センターを開設して、不登校支援に力を入れるというふうに聞いております。こちらでやっております様々な支援事業もそちらには御紹介しつつ、不登校のほうでも不登校保護者の会などを実施しておりますので、連携して協力して取り組んでいきたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 それと、区のひきこもりの調査結果が出てきているんですけれども、一番大事なひきこもりの本人からの調査が困難である、それから、会話が困難であるという人たちが四七・四%いるわけですよ。だから、一番つらいところは、本人から何がひきこもりになった理由か、そういうものが聞けていない。だからなかなか進んでいかないのかなというふうに思っています。これは、対策は難しいよね。
次に行きます。区のひきこもり調査で、精神障害や発達障害の疑いのある方が結構いらっしゃいます。何%とは言いませんけれども、いらっしゃいますけれども、これはどちらかというとひきこもりの人たちに対して医療的対策が絶対必要なんですよね。ひきこもりと医療というのはセットじゃなくちゃいけない。この辺の対策はどういうふうに考えているのかお聞きします。
◎澁田 保健福祉政策部長 委員おっしゃるとおり、ひきこもりの調査でそういう障害をお持ちの方、診断がついている方、疑いの方がかなりいらっしゃるということが分かっております。ですので、今回、ひきこもりの(仮称)相談窓口を三軒茶屋につくらせていただきますが、そこではぶらっとホーム世田谷とメルクマールせたがやを一緒にしますので、専門職がまず御相談に来ていただいた方をアセスメントいたしまして、医療が必要な方は医療に、また、福祉サービスが必要な方は福祉サービスにということで、そこでアセスメントを十分にした上で、御家族の御要望、御本人の御要望も伺って支援につないでいくということで考えております。
◆菅沼つとむ 委員 医療体制とひきこもりというのは障害も含めて大変密接な関係があります。その辺をしっかりやっていかないと減らないというふうに思っています。
それから、もう一つ大変なのは、高齢者時代、後期高齢者、団塊の世代がもう七十超えています。そのときに、ひきこもりの八〇五〇問題、高齢者の問題が出てきます。この辺は世田谷区としてどういうふうに考えているのかお聞きします。
◎工藤 生活福祉課長 例えば令和二年度の全区版の地域ケア会議では、ひきこもり、八〇五〇問題のことを題材にして、
あんしんすこやかセンターや様々な機関と話合いをしております。
あんしんすこやかセンターのほうにひきこもりの相談があるというのが、令和二年度、百一件ございます。その中にはやはり親御さんからの御相談、自分が高齢になってきたから、引き籠もっているお子さんのことが心配だというような御相談もたくさんございます。そういう中も、あんすこと連携をしながら、一つ一つ丁寧に状況をお伺いしながら、必要な支援につなげていきたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 確かに高齢者のひきこもりは、認知症が絡んでくるんです。そうすると、認知症の疑いのあるひきこもりというのが増えてくる。認知症というのは、ずっと認知症じゃなくて山があって、様々なことでなかなか家から出なくなってひきこもりになるということになると、それが夫婦であったり、それから単独であったり、そういうところに手を伸ばすのがすごく難しくなる。
あんしんすこやかセンターでも含めて、この辺を聞いてもなかなか難しいよね。じゃ、次に行こうか。
次に、ひきこもりの支援で、若者家族がより身近なところで相談できる場所として、希望丘青少年交流センターは、結構皆さん来て、いろんな相談して、なかなかいいなというふうに思っています。それに比べて、野毛青少年交流センターは機能していないと思うけれども、何か原因があるの。希望丘と比べて。
◎山本
若者支援担当課長 委員おっしゃられるように、希望丘の青少年交流センターにおきましては、今、出張相談ということで、メルクマールせたがやの職員が出張して相談を受け付けているということを行っております。それに対しまして、野毛青少年交流センターとあと池之上青少年交流センター、二つございますが、こちらのほうではまだそういった事業を展開しておりませんので、委員のおっしゃられるようなことは今のところないというような状況でございます。
◆菅沼つとむ 委員 本当に希望丘のほうは人がたくさん来るし、そういう相談機能だとか、若者が来ていい。だけれども、野毛のほうはどっちかというと閑古鳥が泣いているみたいで、たまに子どもたちがゲームをやったり何かをやったりして、ひきこもりだとかそういう相談をしているように見えないんだよね。
やっぱりその辺はしっかり所管の人たちは、片方がよくて片方が駄目だったら何か原因があるんだから、その辺をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
それから、ひきこもりの特に四十前後の方々は、周辺に知られたくないということで、区の相談窓口に来ないケースがたくさんあるんですよ。高齢者も含めて、本当にひきこもりの方をきちんと世田谷区は数をつかんでいるのか。私はつかんでいないと思いますよ。実際には八十まで行っていない、七十か六十ぐらいだと思いますけれども、答弁できる方は。
◎工藤 生活福祉課長 委員おっしゃるとおり、昨年度行いました実地把握調査では、回答数三百二十三件ということで、なかなか把握し切れなかった事例の掘り起こしというのが今後の課題になっております。
国の調査で出ておりました出現率で考えますと、四十歳以上は四千八百人、また、三十九歳以下は四千四百人になって、合計九千二百人程度ということで想定をすることができております。
今後、まだひきこもり窓口につながっていない方々について、どうやって把握して、その方をどうやって支援していくかということは考えていきたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 それから、ひきこもりの方も大分高齢者になっているんですよね。そうすると、親が亡くなったときの後の収入ですとか、はっきり言って誰が面倒を見るの。そういう問題が出てくるんですよね。だから、世田谷区はこういう問題を含めて支援をやっぱりきちんとしないとやっていけない時代になってくる。これから団塊の世代がどんどん増えてくる。数が多くなる。当然、そういうひきこもりの人たちも多くなる。親も亡くなる。収入源もある。この辺をしっかりやっていただきたい。質問にしますか、要望にしますか。(「要望で」と呼ぶ者あり)要望。はい、じゃあ要望にします。
次に行きます。地域生活支援拠点等の整備に向けた検討についてお聞きします。
障害者の高齢化、重度化、親亡き後を見据えた障害者の地域生活支援をさらに推進する観点から、地域における居住支援の在り方を検討され、地域生活支援の拠点整備の方針が示されました。求められる機能、相談、緊急時の受入れ、体験機能と場所、専門人材の確保、育成、地域の体制づくりを行います。
第一に、全国の自治体では約六割が整備しています。しかし、世田谷区は地域生活拠点の整備は、これは結構、本当に難しい仕事なので、多分後回しにしていたんじゃないかというふうに私は思っています。
その中で、予算は障害児団体の事業者をまとめるコーディネーター機能の人材費と報酬加算だけですか。予算全体を教えてください。
◎太田
障害施策推進課長 来年度に向けましては、拠点等の整備に関する関係機関や事業所等との意見交換会ですとかシンポジウムを開催するほか、今おっしゃった緊急時の相談に対応し、区内の地域資源と調整を行う専門のコーディネーターの確保が必要と考えておりますので、そのための経費についても検討しているところでございます。
また、歳入につきましても、できる限り国や都の財源を活用していきたいと考えておりまして、例えばコーディネーターの配置については、国の事業の活用により補助率四分の三となっております。ただ、実際は予算の範囲内とされております状況でございますので、引き続き予算については精査してまいりたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 難しいのは、統合失調症だとか身体障害者、精神障害者、知的障害者などが今、一生懸命その障害の別々、障害の人たちが自分たちの障害のグループをつくって、親の会をつくって、別々に事業者と運営しているんですよね。本来はそれを一本化して、障害がある人が急に具合が悪くなったらいつでも入れるようにしなくちゃいけない。だから、個々に障害者の家族会だとか事業者は頑張っているんだけれども、言葉では言うんだけれども、誰がまとめるの。どういうことを考えているの。その辺を聞きます。
◎太田
障害施策推進課長 障害者のそれぞれの方の状況に合った適切な対応をするということですと、御本人の状況ということも知らないといけませんし、また、世田谷区内にはたくさん地域資源がございます。そういったことも把握するということが必要だというふうに考えております。
本人の状況については、日頃、ケースワーカーですとか相談支援事業所が把握していると思いますけれども、区内の資源というのはなかなかまとまって把握するのが難しいというふうに思っております。そこのところはやはり専門のコーディネーターが担うのかなというふうに思っております。
既に先行している自治体さん、先ほど六割ほどとおっしゃいましたけれども、そういったところも状況を確認しながら、今後、専門家会議ですとか障害者団体、そういったことの御意見をいただきながら、もちろん事業者さん、施設のほうの御協力もいただきながら、専門人材、コーディネーターについて検討を進めたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 実際には、本当は世田谷区は一番大事なのは、障害者の一つの場所に拠点をつくって、集約した機能をつくるのが一番いいんですよ。ところが、頭から世田谷区はやりませんと。これはどういうこと。普通、大体、検討するとか、これから考えていきますとか、その程度はやるけれども、初めから大変だからやりません、これはどういう判断なの。
◎太田
障害施策推進課長 国の形で言いますと、機能としては五つあるんですけれども、それを一つに集約した多機能拠点整備型というのがございます。世田谷区の場合は、もう既に様々な事業所さん、施設等々ございますので、それをうまくつなげていくのが効率的、効果的でいいのかなと思っております。そういったところから、国で面的整備と言っているんですけれども、そんな形でネットワークをつくって、最大限そういった形で活用していくのがいいだろうということで、今、面的整備で考えているところでございます。
◆菅沼つとむ 委員 実際には、グループのまとめ役は、多分どこかの障害グループだとかそういう人たちが自分の仕事をしながらそれをまとめていかなくちゃいけない。区がまとめられるかというと、まとめられないでしょう。だから、そういうことを含めて、本当は一つの拠点、例えば世田谷でできないのかといったら、ふじみ荘が空いているし、厚生会館があるし、何ならものづくり学校だって空いているし、どこでもやる気ならできるじゃないですか。
だから、本当はこの辺は、やっぱりこの事業というのは本当に障害者に大事な事業なんです。だから、その辺はきちんと考えていただきたい。本来は副区長か区長に聞きたいんだけれども、私の持ち時間もあまりないから、言いっ放しでやめておきます。本当に副区長もよく考えてよ。この事業は本当に障害者のために大事な事業ですから。
次に行きます。次に、生活困窮世帯の中学生の成長に向けた学習生活支援の拠点についてお聞きします。
愛称まいぷれいす@はなももは、生活困窮世帯の中学生の食事の提供、学習支援などを行っています。第一に、個人情報が厳しい中、生活困窮世帯の区内の中学生を本当に集められるのかお聞きします。
◎中西 子ども家庭課長 今お話にございました生活困窮世帯等の子どもの成長と家庭の生活の安定に向けました学習生活支援の拠点事業、まいぷれいす@はなももでございますが、こちらにつきましては、八月から運営を開始しておりまして、今のところ、子ども家庭支援センターや児童相談所からのケースのお子様の利用をいただいてございます。
◆菅沼つとむ 委員 それで、はなももは中学生の学習の支援の場であって、実際には子どもたちや中学生が来ても来なくても学習のスタッフをそろえておかなくちゃいけないんですよね。その辺もボランティアを含めてしっかりやっていただきたい。
それから、はなももは、遊びだとかおしゃべりだとか読書だとかゲームだとか、食事したり、中学生の居場所ということもあるんだけれども、中学生の居場所はほかにもあるんですよ。だから、本当は生活困窮者の中学生の学習の場として頑張っていただきたい。やっぱり中途半端はやめていただきたい。その辺をお願いして、自民党の質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時三十分休憩
──────────────────
午後三時四十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆岡本のぶ子 委員 ただいまから公明党の福祉所管の質問を始めさせていただきます。
まず初めに、児童相談所の新たなフォスタリング業務の在り方について伺ってまいります。
先日、米国メリーランド大学のネイサン・A・フォックス教授が書かれた乳幼児期の施設養育がもたらす子どもの発達への影響に関する論文を読み、衝撃を受けました。詳細は省きますが、脳は生後間もなく時間をかけてつくられていき、認知能力、情動、社会性は全ての発達の過程で複雑に絡み合っていること、そして、愛着障害が起きる要因に、乳幼児期の一対一のスキンシップが大きく関係しているというものでした。
国は、こうした背景を重く見て、新しい社会的養育ビジョンでは、愛着形成に最も重要な時期である三歳未満についてはおおむね五年以内に里親委託率七五%以上を実現するという目標を掲げています。その期限となる令和六年度末までを集中取組期間として位置づけ、各自治体に里親委託・施設地域分散化等加速化プランの毎年提出を求めています。
令和二年度の世田谷区の児童相談所の運営状況の報告で、保護した乳幼児十一人のうち、乳児院への入所が十人、そのほか医療機関への委託が一人で、残念ながら世田谷区で里親への委託はありませんでした。
ここで、区の児童相談所開設後に乳児院に入退所した児童の人数とその委託期間についてまず伺います。
◎木田
児童相談支援課長 世田谷区児童相談所の開設後に乳児院を退所した児童の人数は十四名となっております。その内訳は、八名が家庭引取り、五名が里親委託、一名は障害児入所施設に措置変更となっております。これらの退所した児童の在籍期間につきましては、三年が一名、二年以上三年未満が二名、一年以上二年未満が一名、六か月以上一年未満が七名、六か月未満三名となっております。
また、九月末時点で入所中の児童は八名で、二年以上三年未満が一名、一年以上二年未満が一名、六か月以上一年未満三名、六か月未満三名となっております。
◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、退所した児童十四名のうち、六か月以上乳児院に在籍していたお子さんが十一名いたこと、また、九月末時点で入所中のお子さんのうち、六か月以上在籍しているお子さんが五名いらっしゃることが分かりました。
愛着障害を抱えてしまう要因を取り除くためにも、たとえ短期間であったとしても、できる限り家庭的養育が望ましいと考えます。これまで乳幼児の里親委託が区で進まなかった状況を分析していただき、子どもの最善の利益の観点から、乳児院への委託だけではなく、里親委託へのシフトが必要です。
そのために、乳幼児専門里親を育成し、継続して乳幼児専門里親をサポートすることができる新たなフォスタリング業務として付け加えることを求めます。区の見解を伺います。
◎木田
児童相談支援課長 全ての年齢の子どもにとって家庭養育は重要ですが、委員のお話のとおり、愛着形成に最も重要な時期である乳幼児におきましては、とりわけ重要な課題です。
区の社会的養育推進計画においても、国の社会的養育ビジョンで示された就学前の子どもについては、七五%以上を目標として達成に向けて取組を進めております。
里親制度には、様々な事情により家族と暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭で養育する養育家庭のほかに、専門的な援助を必要とする子どもを養育する場合の専門養育家庭や、養子縁組などを目的とした養子縁組里親などがございますが、子どもの年齢に応じた区分はございません。
お話しの乳幼児を専門とする里親は、養育の専門性向上に期待が持てる一方で、委託期間が長期間に及ぶ場合、委託がしにくくなるなどのことも考えられ、子どもの年齢により区別することの課題を整理する必要があります。
区としましては、乳幼児の里親委託をさらに進めていくためには、リクルートから任意委託の養育家庭のトレーニング等も含めて、乳幼児を養育することができるスキルを持った里親の育成が重要であると考えております。
また、実親との交流も進めながらの養育委託が必要なケースも多くあることから、里親の負担も大きくなるため、里親の悩みを受け止める相談援助の充実なども課題です。
現在行っているフォスタリング業務委託の在り方検討の中で、乳幼児の委託を進めていくに当たって、こうした課題について議論していくとともに、里親からの相談体制も一層充実させることで、委託後、スムーズに養育できるような体制づくりを検討してまいります。
あわせて、乳児委託研修を充実させ、乳幼児に係る家庭と同様の環境における代替養育の推進に取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひお願いいたします。
次に、障害児の家庭的養育についても伺ってまいります。
先ほどお話をしました令和二年度の児童相談所の運営状況の報告の中で、区が児童養護施設へ措置した児童八十五人中、四十九人が虐待により心身に傷を受けた児童や何らかの障害がある児童など、個別的ケアが必要な児童となっていますが、こうしたお子さんの里親委託率がどのようになっているか伺います。
◎木田
児童相談支援課長 ただいまお話のありました個別的なケアが必要な児童は、その多くが発達の問題や情緒的問題を抱え、生活面や心理面で個別的な対応を必要とする子どもとなりますが、同様に、里親やファミリーホームに委託している子どもについて見た場合、この個別的ケアが必要な児童に当たるのは二十三人中およそ十二人となり、里親の委託率としては、児童養護施設と合わせた全体の六十一人のうち約二割ということになります。
◆岡本のぶ子 委員 やはり障害があったとしても、御両親の愛情をたっぷり注いでもらって育つ家庭的な養育がそのお子さんの健やかな成長につながると思います。実親の養育が困難ケースの場合、里親委託をベースにぜひ進めていただきたいということを求めます。
今後、新たなフォスタリング業務の検討の際に、障害児の家庭養育が進むよう、里親育成も追加していただくことが求められます。区の見解を伺います。
◎木田
児童相談支援課長 里親制度の一つとして、障害を持つ子どもなどの専門的なケアを必要とする子どもを養育する専門性を備えた専門養育家庭があります。登録に当たっては、国の指定した専門的な研修が必須となりますが、研修日程の負担などから、受講に結びついておりません。区では、研修費用の補助制度も用意しておりますが、現時点で専門養育家庭として登録している方は一名のみとなっております。
一方で、世田谷区児童相談所が里親に委託している子どもの約半数は、発達障害や実親との愛着形成ができていないことに起因する情緒的な障害などのケアニーズを持っており、里親による適切な養育が重要であり、専門養育家庭に限らず、ケアニーズのある子どもを養育できる里親を増やしていく必要もあります。
こうしたことから、音などに過敏であったり気持ちのコントロールができないなどの特性等を持った子どもが生活しやすい環境づくりや配慮の仕方などを学べるフォローアップ研修を実施しているほか、受託後の里親の個別の相談に心理士が対応する事業も実施しております。
いずれにしても、家庭養育優先の考え方の下、ケアニーズの高い子どもにも安定した家庭的な環境を提供し、子どもが心身共に成長、発達できるよう努めていく必要があると考えております。新たなフォスタリング業務委託の在り方検討に当たっても、こうした認識の下、子どものニーズを見据えた里親リクルートや里親の養育力の向上に資する里親研修の充実とともに、発達障害相談・療育センター「げんき」等の地域の支援機関と連携した支援など、受託中の里親支援のさらなる充実についても検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひ、とにかく低年齢児の段階から家庭でしっかりと家庭的養育が進むような取組を求めたいと思います。
次に、他会派からも質問がありましたが、来年四月開設予定の(仮称)ひきこもり相談窓口について伺ってまいります。
私は、平成十九年に初当選当時、区内に若者に特化した相談窓口がなかったことから、若者のひきこもり対策の相談窓口の開設を求め、平成二十一年に都内で五か所目となる若者サポートステーションを誘致、さらに、平成二十七年度には、ひきこもり家庭へのアウトリーチ対応や専門的な知識のあるメルクマールせたがやを開設する後押しもさせていただいてまいりました。
区はその後、発達障害などの課題を抱えた若者の就労支援や居場所支援などを順次拡充されてきたことを評価いたします。ただ一方で、支援機関が区内に点在する中で、支援を必要とする方々に相談窓口の存在が分かりづらく、会派として相談支援機関を集積するなど、その改善をこれまでも求めてまいりました。
今般、区が(仮称)ひきこもり相談窓口の開設をすることが報告されましたが、区として期待する効果について伺います。
◎工藤 生活福祉課長 区では、ひきこもり状態にある方の状況を把握するため、令和二年度にひきこもり実態把握調査を行いました。その結果、幅広い年齢層で地域的に偏りがないことや、何らかの障害を有すると思われる方が多かったこと、ひきこもり期間が十年以上の方が多いこと、不登校、就労したが失業した、病気を発症したことなどがひきこもりに至った経緯となり、重複をしていること、また、会うことが困難、会えるが会話ができないなどのコミュニケーションが取りづらいことなどが分かりました。
このような調査結果を踏まえまして、ひきこもり支援基本方針では、相談窓口の明確化と支援機関相互の連携強化、当事者、家族それぞれの課題やニーズに寄り添ったきめ細かな支援の充実、ひきこもりへの社会的理解及び支援者育成の促進を三つの目標とし、ひきこもり支援に取り組むこととしました。
その中の目標の一つである相談窓口の明確化と支援機関相互の連携強化の実現のため、令和四年四月にメルクマールせたがや、
ぷらっとホーム世田谷が同一建物に移転し、(仮称)ひきこもり相談窓口を開設いたします。ひきこもりの相談窓口を一元化し、ひきこもり当事者の見立てや家庭内の課題を的確に捉えるとともに、若者サポートステーション、みつけばハウスなど多様な支援機関が連携し、重層的にひきこもり支援に取り組む体制整備に取り組むこととしております。
◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、相談窓口が明確になること、支援機関の相互の連携の強化につながるとの効果が期待されることが分かりました。
新たに太子堂四丁目のSTKハイツにメルクマールせたがや、若者サポートステーション、
ぷらっとホーム世田谷のひきこもり相談窓口が移転し、相互に支援機関との連携が強化できたとしても、区の示されたイメージ図では、相談窓口につながった当事者が今後自立して生活するためには、国の重層的支援体制整備事業を区が活用するとしておりますが、そのつながった当事者の方が社会で孤立することがないよう、相談から生活支援、就労、社会参加へのアクションなど、一人一人の生き方を尊重しつつ、緩やかに支えあえる地域づくりの取組が不可欠だと考えます。
今後、区の孤立防止に向けた地域づくりへの展望を伺います。
◎工藤 生活福祉課長
ぷらっとホーム世田谷では、例えば地域ケア会議で八〇五〇問題を取り上げ、高齢者の親を
あんしんすこやかセンターで支援し、ひきこもり当事者をぷらっとホームで支援するなど、支援機関相互で連携をして支援を行っております。
ひきこもりになるきっかけは、不登校や精神的な障害を持っている事例も多く、早期発見のため、教育委員会や障害者支援施設ですとか医療機関との連携も強化する必要があると考えております。さらに、相談につながっても、対人関係が苦手な当事者が多いため、コミュニケーションの機会や社会復帰のきっかけとして、トラストまちづくりのやっております里山農園を利用させていただき、ほかの方々と交流をしながら種まきや水やり、畑の整備などを行う就労準備支援事業を取り入れるなど、自らが暮らしている地域の中で自らの存在意義ややりがいを実感することができるような取組も行っております。
(仮称)ひきこもり相談窓口の開設をはじめとして、ひきこもり支援基本方針に基づく取組を着実に実行し、早めに発見し、早めに介入すること、当事者本人の個人の尊厳と将来の生活に対する希望を尊重し、支援の隙間が生じないよう、各支援機関の持つノウハウを生かし、必要なときに適切な支援につなげ、さらに困難ケースなどにも対応できる体制や仕組みをつくり、ひきこもり当事者が自分らしく暮らすことができる地域づくりの実現に努めてまいります。
◆岡本のぶ子 委員 支援窓口はできます。また、世田谷区には様々な支援機関もできていますが、最終的には地域で暮らしていくことが最も望まれていることですし、どこかの施設に入るわけではありませんので、ぜひその方たちが本当に孤立、孤独にならないような、そういう地域とのコミュニティーのつながり方といいますか、そういったことをぜひ、地域ではNPOの方たちも一生懸命活動されておられますので、そういう人的なつながりを構築することもセットでこの窓口の整備を求めたいと思います。
次に、母子健康情報の提供について伺ってまいります。
平成二十九年より、子育て中のお母さんの不安を解消するために、障害や疾病を抱えたお子さんが保育園、幼稚園に入園し、その後、小学校、中学校、高校、大学、就労などのライフステージにおいて、教育や療育の場面で切れ目のない支援を受けるために、そのお子さんの生育履歴を行政の関係窓口と保護者が共有し、いつでも確認できるよう母子健康情報の電子化をし、提供するサービスの構築を私は求めてまいりました。
区はその要望を受け、世田谷版ネウボラを支えるシステムとして母子健康情報が電子化されたことは評価いたしますが、しかし、残念ながらこの間、区とのやり取りの中で、この母子健康情報の保管年限は従来の五年間のままと伺っております。
国は、妊娠期に始まり、小児期、思春期を経て成人に至る一連の生育過程において、子どもたち一人一人の健やかな発育を目指し、個別の医療のほか、公衆衛生学的な視点や、教育、福祉等の幅広い分野において、従来の主な施策と今後期待される施策を連携、子ども、子育てのサポートを一層推進するための理念法である成育基本法を制定しております。
今後、区として、乳幼児期から成人期に至るまでの健康情報の区民への提供が可能となるよう、母子健康情報の保管年限の延長が求められます。区の見解を伺います。
◎宮本 健康推進課長 区の母子保健情報の保存年限は、その内容が医師による診断を含むため、保険医療機関の診療録、カルテと同等としまして、保険医療機関及び保険医療担当規則九条に倣って、最終相談日から五年間が適当と判断してまいりました。このため、現状では、最も一般的な三歳児健診が最終相談となった方については、八歳まで記録が保存されます。
委員御指摘の長期保存が必要な場合の対応についてですが、ただ今現状でも、就学に当たり母子保健情報が必要な場合には、学校等への引継ぎが可能な状況でございます。さらに、医療的ケア児や障害児など継続相談の方の記録は、相談が継続する限り保存期間を延長しております。加えて、障害支援の対象となった場合には、保護者の同意の下、障害担当へ情報が引き継がれております。
母子保健システムによる母子保健情報の保存年限と区民への健康情報の提供につきましては、成育基本法の理念及び国が示すマイナポータルでの閲覧項目を踏まえて、区として対応を検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いします。
昨年六月より、本区でもマイナンバーカードを所持していればマイナポータルで母子健康情報の閲覧が一部可能となりましたが、区が選択した項目は最低限の情報となっていると伺いました。今後、転居や災害時、様々な状況に対応できるよう、母子手帳と同等の情報を提供できるようなマイナポータルでの活用を拡充することが求められます。区の見解を伺います。
◎宮本 健康推進課長 区は、
母子保健システムに登録されている母子保健情報のうち、国が最低限電子化すべきと定めた三・四か月児健診などの乳幼児健診情報やB型肝炎やロタウイルス等の予防接種などの情報について、平成三十一年四月一日以降の情報を副本登録いたしました。これによって、国が閲覧可能とした令和二年六月からは、マイナンバーカードを所有する区民がマイナポータルで閲覧できるようにしております。今後は、より広く利用されますように、ホームページにより情報を発信し、周知に努めてまいります。
お話のありました母子保健情報の閲覧項目のさらなる充実につきましては、マイナポータルを活用した子育て支援の充実の上から必要なことであると認識しております。現在、国が我が国の電子的な母子保健ツールと活用に関する実態調査というものを行っておりまして、区も協力しているところでございます。今後の国の動きを見据えながら、関係所管と緊密に連携しながら、その活用や充実につきまして検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひ電子母子手帳をマイナポータルで閲覧できるまで充実を図っていただきたいことを重ねて要望いたします。
最後になりますけれども、令和二年の第三回定例会の昨年の一般質問で、私は、子育てワンストップサービスの迅速な導入に向けて、マイナンバーカードを活用した取組をしていただきたいということで、区に対して児童手当、児童扶養手当、保育、妊娠届の導入に向けた見通しについて質問をいたしました。その後の進捗状況について、それぞれ簡単な、簡潔な答弁を求めます。
◎山本
子ども育成推進課長 私からは、児童手当、児童扶養手当の進捗状況についてお答えいたします。
まず、児童手当の現況届については、今年六月からマイナポータルのぴったりサービスにて、電子申請ができる環境を整え、九月末までの四か月間で三千八百三十件の電子申請を受け付けております。また、児童手当の認定請求書や児童扶養手当の手続については、今年度中の実施に向け準備を進めていたところでありますが、今年四月の国からの通知で、今後、国が全国一律で導入するとしている標準化システムに関連した申請管理システムの導入が予定されておりまして、また、新たな国庫補助の仕組みを設けるという情報もありまして、現在、国などの動向を注視しながら慎重に検討している状況でございます。
◎伊藤 保育認定・調整課長 私からは、保育に係る申請について進捗状況をお答えします。
昨年御答弁いたしましてから早速導入に向けて検討を開始し、まずは既に区において運用を行っている東京共同電子申請サービスを活用して電子申請の導入をすることとし、本年六月には幼児教育・保育の無償化に伴う現況届を、八月には保育施設の利用における現況確認、九月には認可保育施設入園申込みにおいて電子申請を導入したところです。
ぴったりサービスの導入につきましては、今後、現在行っている電子申請において、申請方法や申請後の事務処理等の運用面も含めて検証するとともに、先ほども御答弁にありましたとおり、国における標準化の動向も注視しながら、導入について検討を進めてまいりたいと考えております。
◎宮本 健康推進課長 私からは、妊娠届の進捗状況についてお答えいたします。
令和三年四月に、総務省より、妊娠届を含む子育て・介護関係の二十六の手続につきまして、マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を行うなど、新しい施策が打ち出されました。あわせて、総務省が整備する標準準拠システムへの移行に向けて、健康管理業務につきましては厚生労働省において令和四年夏までに標準仕様書が作成されることが示されました。健康管理業務に妊娠届が含まれる可能性が高いことから、標準準拠システムへの移行の動きも踏まえつつ、妊娠届の電子化を令和四年度末までにマイナポータルによる電子申請を開始できるように目指している、そのような状況でございます。
◆岡本のぶ子 委員 ありがとうございました。それぞれ今、国はデジタル化に向けてマイナンバーカードの普及を目指しております。そこに合わせて子育てワンストップサービス、世田谷区として遅滞なく進めていただくことが区民の皆様の利便性にもつながっていくものと思っておりますので、ぜひその普及啓発を含めた上での周知の徹底も今後併せてお願いしたいと思います。
以上で高橋委員に替わります。
◆高橋昭彦 委員 それでは、引き続いてやってまいりますけれども、私のほうからはがん対策ですね。
日本の死因の非常に多いのはがんですよね。去年、二〇二〇年には年間で約三十八万人ががんで亡くなっているんです。多いと言われながら、どのぐらい多いかというと、
新型コロナウイルスで亡くなった方は累計で一万七千五百人以上ですけれども、比べると相当な数が年間にがんで亡くなっているわけですね。
生涯のうち二人に一人はがんに罹患すると言われていますので、これはもう何回もやってきた内容ですけれども、徹底的にがん対策をやらなきゃいけないねというところから、がん対策推進条例をつくらなきゃいけないねということにしてやったんですよね。
この区議会でも、検診率の向上とかがんに罹患した区民とその家族への支援などを強く求めてきました。条例もできました。だけれども、本当にがんに打ちかつ、がんをしっかりと支援できる、そういった区になったのかどうか。まだまだかなと僕は思っているんです。
例えば、今年の春の予算委員会で、若年の末期がんの患者の在宅の療養支援策というのが議題になりましたね。このとき上川委員、上川委員はいないけれども、あと、うちの福田委員、中村副区長はこのとき答えていましたね。検討が進んでいるんだろうなと僕は思っていたんです。
実は、この夏に、私の知り合いで三十五歳の女性が、御主人は三十七歳で、その方が若年性なんだけれども、でも三十五歳だからね、末期ガンで病院からもう退院して自宅でという話になったんですね。在宅療養というふうな、そんな話もあって、世田谷区でどのような支援があるかねと実はそのとき有馬さんと話したんですよ。いや、実はまだできていないんですよと。この春、上川委員と福田委員が、副区長も答えているんですけれども、できていないんですという話をした。
その御主人、仕事を休んで、子どもが幼稚園の年長さんと年中さんなんです。自宅で奥さんの面倒を見たり子どもの面倒を見たりするので仕事を急に休むということにした。退院するのにお金がかかるからといってお金も借りて、何とかならないのかねというような話をしていたんだけれども、実は先月末に亡くなったんですよ。
だから、若いと本当に、亡くなった僕の知り合いの奥さんもかわいそうだけれども、残される家族も、やっぱり何か手助けができないのかという感じがそのときしましたね。というか、残されるほうもつらいよね。がん対策推進条例とかいって条例もせっかくつくったのに、何も手助けもないというのは、情けない思いがしましたよ。
これはどうなっているんですか。この若年の在宅の療養。検討しますと言いましたね。一体どうなっているんですか。
◎馬場 世田谷保健所副所長 区は、思春期及び若年成人世代、いわゆるAYA世代のがん患者に、法的な制度のはざまということで、この年代に当たる、そうしたことから、公的支援の機会が少ないということ、あるいは、全体のがん患者さんの中での情報量が少ないということを踏まえまして、独自の対策が必要であるとしまして、健康せたがやプラン(第二次)後期の中でこのAYA世代のがん患者の支援ということを位置づけて検討してまいりました。
今年度に入りましてでございますが、五月には世田谷区がん対策推進委員会及び都内がん診療連携拠点病院など、日頃よりAYA世代のがん患者さんに接している機関へ、一体どのように御対応されているか、また、どういう支援を必要とされているかということにつきまして実態把握調査を実施いたしました。また、八月には、世田谷区がん患者等支援ネットワーク会議におきまして、AYA世代のがん患者を支援する団体の参加、協力を依頼しまして、必要とする支援について議論を行ってございます。
このプロセスにおきまして得たAYA世代を支援する社会資源の情報でございますとかAYA世代の相談事例など、区が保健センターに委託しておりますがん相談にフィードバックすることで、AYA世代のがん相談を充実させるということが一つ。それから、実態調査の結果を基に、委員からお話ありました若年末期がんの在宅療養支援につきましても検討を進めているというところでございます。
◆高橋昭彦 委員 まだ検討しているんだよね。副区長は三月に急ぐと言ったんだよ。世田谷区としての姿勢が本当にどうなんだろうと思うよ。ちゃんと区としてやってよ。
◎中村 副区長 冒頭、委員からお話ありましたとおり、数年前になりますが、代表質問で福田委員から御質問いただき、今年の決特で、また福田委員と上川委員とに御質問いただいたことは鮮明に覚えております。そのときにAYA世代のがん患者の方が制度のはざまだと、支援が必要だと、検討しますということを御答弁したつもりです。
今、AYA世代のお知り合いの方が亡くなったということをお聞きして、それも重く受け止めています。決特のときには検討が遅れていたから加速しますというような御答弁をさせていただいたと思いますけれども、今年度に入りまして早速検討してまいりましたが、現状としては、今、副所長が答弁したとおりの段階でありますが、より具体化をしていきたいと思っています。
◆高橋昭彦 委員 本気になってやりましょうよ。検討が遅れてすみませんという答弁がいろんなもので多いよね。謝ってばかりじゃないの。そうじゃなくて、ちゃんと検討しましたということが大事ですよ。こういう人を一人でもなくすためにやっぱり検診が必要なんだとずっと言ってきているんですけれども、国の第三期がん対策推進基本計画では、検診率を二〇二二年、来年には五〇%以上にすると言っているんだよね。世田谷区の検診はどうなっているでしょうか。
去年は
新型コロナウイルスの影響もあって受診を控えて、かなりがん患者が増えたという報道もありましたけれども、世田谷区の場合、受診率を調べてみると非常にまだまだ、多いものでも子宮頸がん二五%、乳がん二三%、胃がんについては九%程度という数値も出ていますね。
この間、がん対策推進条例をつくってがん検診をしっかりやろう、がん相談もしっかりやろうというふうに決めたわけだよね。この五〇%を目指してというところまでどういうふうに持っていくつもりなのか。向上に向けて、検診率向上というふうにどういう手を打ってきたのか、それで今後どういうふうにしていくつもりなのか。
◎馬場 世田谷保健所副所長 まず、がん検診の受診率でございますが、国の目標が五〇%とございますけれども、まず、五〇%に対して区の実施は、区が実施している検診と、それから、あるいは人間ドックでありますとか職域の検診で実施しているものがございますので、これはトータルで五〇%になるべきだということで、そういう点では区の目標というのを個別に設定させていただいております。
具体的には、胃がんでいきますと、五〇%のうちの一五・八%が区が検診を実施する、要するに一五・八%区の検診率が到達すれば全体としては五〇というふうに推計できるという例でいきますと、今、残念ながら、胃がんにつきましては九・一%という令和二年度の暫定値でございます。それから、肺がんでいきますと、二四・五%に対して一七・八%の実施率、受診率、それから、大腸が二八・九に対して一六・七でありますとか、乳がんは二三・二%が到達すればいいということに対して二三・四%と、ここは五〇%の達成ということにはなってございます。
向上するにはどうしたらいいかということで、今やっているのが、特定健診、あるいは長寿健診等の受診票の中に同封するということをやっています。それからあとは、これまで個別に検診を勧奨しているところでいきますと、翌年度また個別に勧奨するというのをこれまでもやっておったんですけれども、さらに、例えば、がん検診は医師会さんにお願いしている部分と、あと保健センターで担っている部分がある。梅丘に保健センターという新たな施設ができましたので、そこの御利用をされる方に対してがん検診を受けましょうというようなプロモーションの打ち出し、そういったことも今後考えてまいりたいと考えています。
◆高橋昭彦 委員 保健センターはきれいになって、新しくして、あそこをがんの拠点にしようよという話を何回もしてきたけれども、この保健センターでのがん検診も全てができるわけじゃなかったりするじゃないですか。保健センターで検診車は二台持っているんだけれども、一台は今年で駄目になるという、来年度から一台になりますよみたいな、マイナスというか、後ろ向きな話ばかりで、検診車がなくなったら今度は内視鏡でしっかり頑張るしかないんだろうけれども、そういうこともちゃんと広がりを持っていかなきゃいけないと思うし、保健センターをどう活用していくのか。
世田谷区はこの条例を基に徹底してがん対策をやるんですよといったら、この保健センターは本当にがん対策の中心拠点になるようなぐらいまで徹底してやるべきだと思いますよ。そうじゃなかったら意味がない。何のためにつくったのか。
保健センターは乳がん検診をやるけれども、子宮頸がん検診は外のクリニックじゃなきゃできませんよとか、いろんな何かばらばらな制約があったりしているから、そういうのもちゃんと考えながら、保健センターはどうやってこれから、がんは本当に徹底して世田谷区はやりますよと、若い人ががんに罹患して亡くなるような、そんな世田谷区じゃないですよというような状況まで持っていけるようにやっぱり頑張らなきゃいけないと思いますよ。せっかくある保健センターだから、これを徹底的にやってください。要望しておきます。
次は、第二回定例会で一般質問でしました人と動物の共生について、あまり時間がないんですけれども、ちょっとやりたいと思います。
この推進プランと言われる計画なんですけれども、この間もお話ししたとおり、十五年経過しているんです。時代に即した計画にしなきゃいけないよとずっと訴えているんですけれども、特に大事な福祉との連携だよという話です。高齢社会でもあるからという話をしています。
京都市は、そのときも御紹介しましたけれども、今年二〇二一年から二〇三〇年の十年間の計画をつくりましたと。これは第二期の京都市の動物愛護行動計画ですと。世田谷区も共生プランを一期はつくったけれども、二期になっていないよね。やっぱり今に即した政策というのが必要で、計画が必要なんだよというふうに実感をしているからこうやっているんですよ。十年間の計画にしますと。
特に、ずっと話をしているように、ひとり暮らし高齢者への対応、終生飼育に当たっての支援をどうするのかとか、高齢者や介護事業所に対してどういうふうにしていくのかとか、きめ細かくやっていますよ。多頭飼育崩壊にどういうふうに対応していくのかとか、災害時の対策をどういうふうにしていくのか、世田谷区は災害時のボランティア制度もつくったけれども、これもどうやって普及していくのか、計画にもきちっとなっていなかったりする。
京都市は毎年この事業に対して事業達成度の評価を行って進行管理しますというふうにこの計画にも書いてある。そして、状況変化を鑑みて、策定後おおむね五年間で見直しも行いますと。これはこういうふうに言っています。
この間の私の一般質問のときに、ぜひともやってまいりたい、プランをつくってまいりたい、第二期をつくってまいりたいという話をしましたけれども、進捗状況はどうなっていますか、課長。
◎佐藤 生活保健課長 ペットに関するトラブルは、動物担当部署だけの問題ではなく、高齢福祉、地域福祉、健康増進等の健康福祉分野にも影響ある事案でございまして、ペットの問題に対する取組が我々が担うべき区民福祉の向上に直接結びつくものであることを認識し、地域全体で取り組む必要があると考えております。
委員お話しのとおり、区では現在、平成十七年策定の人と動物との調和のとれた共生推進プランに基づき、人と動物の共生社会の実現を図るべく、様々な施策に取り組んでおります。一方、同プランは策定から十五年経過して、区民のライフスタイルも大きく変わっており、飼い主の高齢化等に伴い、飼養の継続が困難になるケースの増加、それから、地震や水害などの災害発生時における動物救護対策など、社会情勢や環境変化等に対する課題がございます。そこを踏まえ、プランの見直しに向けて準備を進めているところでございます。
また、(仮称)人と動物との共生推進のための連携協議会を新たに立ち上げ、ここで様々な立場の方々に参画をいただいて、課題の抽出と、解決に向けた議論を深め、プランの見直しに反映してまいるべく準備を進めているところでございます。
◆高橋昭彦 委員 今年度中にその連携協議会をつくって、ようやく検討しようということをやりますよということだね。様々な関係者を呼んで、まずは話をしてまいりますと。課題は明確なわけだから、特に多頭崩壊とか高齢者が飼っているペットとか、一番困り事で分かるのは全部地域、身近なところですよ。町会とかそういうところですよ。そういう意味では、まちセンとかあんすことかがしっかりこの計画段階から絡むということが大事だと僕は思いますよ。
地域行政制度というのを今検討しているわけだから、そういう意味では、長岡さん、全然関係ないけれども、認知症なんかもそうなんだよ。そういうふうにやらなきゃいけないと僕は思っているんだけれども、ペットもそうだよね。やっぱり計画段階からそういう人たちをしっかり巻き込みながら、よし、自分たちでこの町をしっかり守っていこうというふうにしていかなきゃいけないと思うんだけれども、その連携協議会のメンバーとかはどう考えているんですか。
◎佐藤 生活保健課長 人と動物との調和のとれた共生推進のための連携協議会は、先ほど申し上げたとおり、令和三年度中できるだけ早い時期に立ち上げるために現在、学識経験者、それから東京都獣医師会世田谷支部、動物ボランティアなどの関係団体、福祉所管を中心とした庁内関係各課と調整を進めているとともに、関係会議体に情報提供を今進めているところでございます。
また、人と動物の共生推進の観点から、地域地区の方の視点も重要と認識しております。保健所は今後、総合支所やまちづくりセンターとも情報を共有し、調整を進めてまいります。
◆高橋昭彦 委員 進めてまいります。スピード感を持ってやりましょうね。いつぐらいにはできるというようなスケジュール感を持っているんですか。
◎佐藤 生活保健課長 プランは、区民、ボランティア、関係団体、区役所といった動物愛護管理に関わる様々な主体に共通の行動指針となるもので、関係者が互いの立場への理解を示し、強みと弱みを補い合う関係を構築し、協力体制を築いていくものとすることが重要だと認識しております。
今後、早々に開催すべく準備を進めている連携協議会の開催と並行してプランの見直しを進めてまいります。区民の方から意見を伺いながら、見直し案の策定に着手してまいります。
また、連携協議会は今年度中、早急に第一回を開催するとともに、来年度、複数回実施して、プランの見直しに議論を反映させてまいります。その過程を適宜、区議会に御報告するとともに、区民の方々から意見を聴取し、多様な方々の声が新しいプランに反映するよう丁寧に対応して、人と動物の調和の取れた健康で豊かな生活環境の形成に向けて今後も取り組んでまいります。
また、策定後は、関係者がおのおのの役割を十分に果たして、区内全域で施策が展開されるよう、関係者や庁内各課と連携し、プラン全体の着実な推進を図ってまいります。
◆高橋昭彦 委員 いつぐらいまでという答えがないんだけれども、丁寧にやってまいりますがずっとまた検討しちゃ駄目だよ。どこかの在り方検討会みたいにずっと長くやっていちゃ駄目だよ。ちゃんと決めて、課長、最初の仕事だ。頑張ってくれ。
以上で終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時二十七分休憩
──────────────────
午後四時四十分開議
○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷立憲民主党、どうぞ。
◆中塚さちよ 委員 立憲民主党、本日最後の質疑となります。中塚さちよです。
八年くらい私はケアマネジャーの仕事をしていますけれども、この二年ぐらいで在宅の高齢者の方々の健康状態が非常に悪化しているということを実感しています。特に要支援とか割と軽度の方、自立に近い方が、これまで買物とかで外出していたり、お友達と会ったり、デイサービスで筋トレしたりとか、そういうことをしていた方がコロナでやはり閉じ籠もりがちになっていまして、非常に体力とかが落ちてきているという声をよく聞きます。
要支援、要介護の認定というのも、状態が悪化してきたらば、認定期間中に区分変更といいまして、実際の落ちてきた体力とかに見合った介護度になるように申請することができるんですけれども、私もケアマネジャーをやって、本当にこの二年、何度この区分申請を、特に要支援の方、要介護になった方は何人いるか、本当に一年間ケアマネをやっていてこんなに区分変更の申請をしたのは初めてじゃないかなというぐらいやっています。
全部がコロナのせいではないかもしれないですけれども、歩行機能が低下したとか、お友達とか家族とかとも会えなくなって鬱傾向になってしまったり、あと、生きがいがなくなってしまったことで認知症が急に症状が出てきたといった、そうした方もいらっしゃいました。
そのような中で、利用者の方とか御家族から、ぜひこういうのを近くで参加して健康づくりに努めたいという希望が多かったのが体操教室なんですけれども、私は令和二年十二月の定例会でもこの体操教室を取り上げたので、もう一度ここでこの体操教室に関する区のはしご外しとNPOの中抜き問題について取り上げたいと思っています。
はしご外しというのは、これは区民の方々が介護予防や健康づくりで体操教室とかの自主グループをつくると、五年間は保健センターから指導員を派遣してくれます。ですけれども、五年間でこの指導員の派遣は終了して、あとは自分たちでやってくださいと、こういったことなんですけれども、これは国の介護予防事業の補助金の仕組みによるものかなと認識しています。
コロナが長引いているので、これも国も五年といわず延長してほしいというのもあるんですけれども、もう一つの中抜き問題、こちらは、保健センターから指導員の派遣が五年で終わっちゃう代わりに、保健センターでは地域の方々を対象に体操指導員の講習会をやります。この講習会を修了した方々が元気体操リーダーというんですか、指導員になるわけですね。こういった育成を行って、この指導員の方々に講師になるということでNPOへの登録を促しています。一方で、地域でこの体操教室やっている自主グループの方々にもこのNPOへの登録を保健センターのほうから促していまして、このNPOの傘下に入れば、NPOから登録したその元気体操リーダー、指導員の方を派遣してもらえるという仕組みになっていると聞いています。
保健センターがこのように登録を勧めているNPOというのは、一体どういう法人なんでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 保健センターから委託している法人は区の健康せたがやプラン(第一次)策定の際に、世田谷区地域保健福祉審議会の専門部会として設置された世田谷健康づくり区民フォーラムの有志の方々により設立された法人で、住民参加型の地域づくり、また健康増進を目的に幅広い活動を行っている団体でございます。
◆中塚さちよ 委員 今御答弁ありましたとおり、世田谷区の地域保健福祉審議会の専門部会として設置されたのがもともとのスタートということなので、区のお墨つきのNPOということだと思うんですけれども、ここのNPOにお願いして、体操の自主グループの方々が指導員の方を派遣してくださいとお願いする場合、このグループから一回四千六百二十円をお支払いすることになっていると。四千六百二十円をお支払いして、指導者の方々は交通費込みで二千円を頂くということなんです。つまり、二千六百二十円をNPOが中抜きしているわけなんですね。このNPOはどんなNPOかしらと思いまして、ちょっとホームページ拝見させていただきましたけれども、保健センターに言われて勧められたとして、指導員になるのに個人の方は入会金千円と年会費千円かかるということで、恐らく指導員の方は入会金千円と年会費千円を払っている。団体、この自主グループのほうは入会金一万円と年会費一万円を払わなきゃいけないということなんですね。
つまり、行政が進める健康づくりや介護予防に取り組もうと、そういう団体の方々というのは、五年間ではしごを外された上に、入会金一万円、年会費一万円を支払って、なおかつ体操教室で指導者を呼ぶごとに四千六百二十円をお支払いしてこの介護予防、健康づくりの活動していかなきゃいけないという仕組みになっているようなんです。
そのNPOのホームページ見ますと、どういう活動をしているかといいますと、いろいろ活動されていますが、活動されているというか活動のバックアップをしているんですかね。民間の賃貸マンションを一室借りていまして、この賃貸マンションがNPOの事務所になっていると。その賃貸マンションの営業時間が週二回、火曜日、木曜日、午後一時から四時の三時間だけと。つまり、さんざん会費を取って中抜きをして、このマンションを週二回の一時から四時の三時間しか使っていないということなんですよね。中抜きしたり会費を頂いた分がこの経費にかかっているんだと思うんですけれども、非常に固定費がもったいないと思うんですよ。
私も自分の事務所でいろんな区民の方々と学習会をしたり報告会をしたりやっていこうと思って事務所を借りていたんですけれども、このコロナ禍で高齢者の方は集まるのが厳しいと。貴重な政務活動費ですから、更新しないでもう今回一旦クローズすることにしたんですけれども、やっぱり貴重な税金の使い方だからしっかり考えなきゃいけないし、この補助金も、何でこの三時間のために、こういった事務所、マンションが果たして必要なんでしょうか。お金を払ってでもこの健康づくりに取り組みたいという人たちが払っているお金が無駄になっているのではないかと思うんですけれども、教えていただけますでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 当該法人の運営ですけれども、御指摘のとおり、事務所を借り上げ、所定の時間で事務を行っていると。その事務所は法人宛ての郵便物であったりとか電話などの対応で必要であるというふうに聞いております。ただ、御指摘のとおり、健康づくりに取り組む区民に、より効果的に体操教室を提供するという観点からは、これら管理費の見直しは重要な視点であるというふうに認識をしております。保健センターを通じて、この法人の保健センターからの受託事業の経費につきまして、より適切なものとなるよう働きかけてまいります。
◆中塚さちよ 委員 そして、この指導者の方々が一回二千円交通費込みと。一回二千円交通費込みでは、やはりなり手の確保も厳しいのではないかと思うんですね。
ちなみに、この話を調べていたところ、同じ会派の羽田議員が教えてくださったんですけれども、区にはほかにも健康体操連盟というのがあるよと。その健康体操連盟というのも指導者を派遣しているようだと。そこでも一応、講師の指導員の方々には最低の料金、これぐらいはという規約があると思うんだけれども、二千円ということはないんじゃないかと言われたんですよ。
実際、そこの契約の単価というのは一体幾らなのか、この指導員二千円というのはその単価と比べてどうなのか、教えていただけますか。
◎大谷 健康企画課長 スポーツ振興財団が世田谷区健康体操連盟と契約しているスポーツ教室、こちらでは指導員に対して実費弁償相当の謝礼が支払われております。単純に比較することは内容が違いますので難しいところではありますけれども、このNPO法人に保健センターが支払っている金額よりも、その世田谷区健康体操連盟が受け取っている金額のほうが高いという状況でございます。
◆中塚さちよ 委員 健康体操連盟のほうが高いということは、やはり二千円交通費込みというのは体操を指導する方々にとってもちょっと厳しい金額なのではないかと思います。
さらに確認をしたところ、健康体操リーダー、NPOの方々は、二千円でもらっている以外に、ほかのところで健康の体操の指導はお金をもらってしないようにという契約をNPOのほうで結ばされるということなんです。
つまり、もともとは国とか区からの補助金でこうした健康づくりの体操を指導してくださいと補助金をもらって育成された方々が、地域でこのNPOと関係ないところで幅広く、せっかくスキルを身につけた健康体操を広めたい、教えてほしいという方々に健康づくりを進めようとしたらば、それはNPOの規定に反することになってしまうので教えられないというんですね。ほかの体操教室をやっている方が、たまたま自分ところの指導者の方が、いろいろ事情があってちょっと指導に来られないというので、知っているここのNPOに登録していらっしゃる指導員の方にちょっと代替で少しの間だけでも指導してもらえないかとお願いしたけれども、結局そういう規定があるのでどうなのかなということになってしまったと。
今どきこんな、ただでさえ健康体操連盟よりも下回る金額なのに、副業禁止というのはもう全くもっておかしな話なので、幅広く地域でスキルを生かしていただけるように、この副業禁止というのはやめてほしいということをまず強く要望したいと思います。
なおかつ、区のお墨つきのNPOのほうに登録をしていると、こういう体操教室をやっていますよということで、保健センターの「げんき人」にも何か広報とかをしてもらっているようで、「げんき人」にそういうのが出ているんですけれども、ここのNPOの傘下に入っていなければ「げんき人」でも広報もされないわけですね。
実際にNPO傘下以外にも、こうした自主的な体操グループであったり、あるいはこの健康体操連盟のほうでやっている体操のグループもあると思います。こうしたものをどこの傘下だからということで差別するんじゃなくて、健康づくりをしたいという区民の方からは私にも身近なところであったらぜひ紹介してくれという希望もあるわけですから、そういう情報を全部一元管理して、皆さん区民の方がぱっと見たときに、この地域にこことこことここがあるなというふうに情報が提供されれば区民の方にとっても非常にメリットがあると思うんですけれども、この情報の集約と提供について御答弁をお願いいたします。
◎大谷 健康企画課長 高齢者の健康づくりを支援していくに当たり、せたがや元気体操リーダー事業について、きめ細かく周知を図り、区民が目に見える形で体操教室の情報を把握できる仕組みは重要と認識してございます。体操教室を含めて、健康増進の指定管理者としての保健センター、また、まちづくりセンター、
あんしんすこやかセンター、地区社協が連携して情報共有をして、区民に分かりやすく周知できるように工夫してまいります。
◆中塚さちよ 委員 ぜひ工夫をお願いいたします。
そして、このNPOの週二回の三時間しか使わないマンション契約とか、こういったのは本当にすぐ見直していただいて、その分、中抜きしない、高い会費を頂かない、あるいは、会費とかを頂くのであれば、その分しっかり指導員の方がちゃんと活動できるような体制にするとか、質の高い指導員の方を確保するとか、体操教室もいろいろな幅広いところに指導員を派遣していただくというように改革を行っていただきたいんですけれども、御答弁をお願いいたします。
◎大谷 健康企画課長 せたがや元気体操リーダー事業は、地域の健康づくり活動団体の増加に伴い、保健センターの運動指導員だけでは派遣依頼に応え切れないことから、保健センターの運動指導員に代わって、有償ボランティアとしてこのせたがや元気体操リーダーを育成して、現在、六十四人の方が健康づくり支援の担い手として活躍をされています。
区民の健康の保持増進のためには地域の健康づくりの活動は不可欠であり、こうした住民参加型の健康づくりの取組を推進していくことは重要と考えてございます。
また、この事業は、区民の健康づくりを推進する取組として、区、保健センター、NPO法人との協働で始まったものでありまして、リーダーの養成から派遣までの業務を円滑に実施する上では、保健センターからこのNPOへの再委託は必要なものというふうに認識しております。
しかしながら、今御指摘の点を含めて、例えばより質の高い指導員の確保については、元気体操リーダーの適切な謝礼額の設定が重要と認識しております。保健センターを通じて、こうした手数料も含めて、本事業に関連する費用の在り方について検討してまいります。
また、元気体操リーダーをはじめとしまして、健康増進事業などの体操教室、これらの頻度につきましても、保健センターを通じて工夫を図ってまいりたいと考えます。
◆中塚さちよ 委員 よろしくお願いします。
次に、障害者の就労支援について質問いたします。
二〇二〇年は障害者の雇用も最高に伸びましたけれども、伸び率というのは鈍化しているといった報道を拝見いたしました。
新型コロナウイルスによって全般的に採用活動が厳しかったという影響もあったと思うんですけれども、そうした中でも、二〇二一年は三月一日に法定雇用率の引上げがあり、対象となる事業主の範囲も拡大されました。コロナ禍は逆に一方で言うと、テレワークとかリモートワークの環境整備が進んだことで、例えばこれまで身体障害の方とか通勤が難しかったりしたような方々も、コロナが今後落ち着いていくようであれば逆に就労の可能性が広がるということも考えられるのではないでしょうか。
区では、民間企業と障害者のマッチングを図る面接会を毎年行っていたということを区内の障害者の方からお聞きしましたけれども、どうなっているんでしょうか。テレワークが進んだことで新たなマッチングが期待できるのではないかと思いますが、答弁をお願いします。
◎山田
障害者地域生活課長 お話しの面接会でございますが、ハローワークと共催で実施していたものでございます。求人内容は障害者に配慮しているとはいえ、仕事内容や勤務時間、勤務日数などが十分でないことからなかなか採用につながらない状況が続きながらも、平成二十八年度まで実施してまいりました。
区といたしましては、こうした状況を踏まえまして、令和二年度から短時間労働など多様な働き方を支援するせたJOB応援プロジェクトを展開しているところでございます。一方で、お話しのとおり、テレワークの環境も進んでおります上、企業の求人内容も変化している部分があると思っておりますので、面接会の実施の可能性につきまして、ハローワークと協議してまいりたいと思います。
◆中塚さちよ 委員 経済の回復にはまだ時間がかかると思いますけれども、ダイバーシティ就労とかに取り組む企業も出てきているということで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
また、特に重度の身体障害の方の就労というのは、まさに通勤できないとか、あるいは就労中に水分を取ったりトイレに行ったりといった介助が必要ということがネックになってきたという現状があります。それについては、公的な介助サービスがその間、就労中とか就労関連のときには使えないということが大きなネックになっていたということがれいわ新選組の参議院議員の方から国会で出てきたことで一石を投じたというのはもう皆さん御承知と思うんですけれども、そうした中で、今般、国で雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業というのを開始しています。重度訪問介護や同行援護などを利用している方々を対象に、こうした就労中や通勤の生活の介助を支援する制度というのがスタートしています。ぜひ世田谷区のほうもこれを活用していただきたいと。さいたま市などで取り組んでおります。区の見解を伺います。
◎太田
障害施策推進課長 国は、令和二年十月より、障害者の通勤や職場等における支援をすることを目的に、重度障害者の就労に当たり、勤務先への通勤途中や勤務先における身体介護等を提供する支援事業を開始してございます。重度障害のある方でも、介助を受けながら職場で働いたり、在宅ワークをしたりするなど、雇用の創出につながることが期待できることから、他自治体におきましても、国の事業を活用して事業を実施しているところもございます。
事業の実施に当たりましては、通勤や職場等における支援が必要な方のニーズの把握や、対象者の範囲の決定、企業との調整、財源の確保などの課題があり、こうした課題を整理しながら、他区の状況も参考に検討してまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 私はこの制度のことを聞いて、実際に重度訪問介護を提供している事業者の方々とかサービスを利用している方々に大分お話を伺いました。そうしましたら、今は障害があって仕事をしていないけれども、もともと働いていた、そういう制度があるんだったらぜひ仕事をしたいとか、事業者の方でもやっぱり若い利用者さんとか、そういう制度がないから諦めているけれども、あれば働けるし働きたいという人はいるよというようなお話を随分伺いました。
この国の制度のほうは、介助サービスを使えるようにするというだけじゃなくて、採用をする企業のほうにも補助金が支払われる仕組みになっておりますので、ぜひニーズの把握を行ったり、採用に意欲的な企業の開拓のほうも行っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎太田
障害施策推進課長 事業の検討に当たりましては、通勤や職場等における支援が必要な方のニーズがどのようなものであり、どの程度の方が必要とされているのかなどを把握することが重要でございます。障害当事者、家族のほか、障害者団体、重度訪問介護事業者など、幅広く御意見を伺いながら事業の検討を進めてまいりたいと考えております。
現在でも企業では、福祉用具の専門企業やユニバーサルデザインの関連会社など、障害当事者の視点を活用できる業務に採用してございますが、重度障害者を企業が採用するに当たりましては、どのような仕事があり、どんな効果が期待されるかなどの情報につきまして、企業から丁寧に聞き取ることが重要と考えてございます。
事業の検討に併せ、企業へのヒアリングを行いながら、重度障害者の採用を企業に働きかけていくことについても検討してまいりたいと考えてございます。
◆中塚さちよ 委員 東京都ではぜひ世田谷区が一番先に取り組んだというふうに実現していただきたいなと思います。
いそだ委員と交代いたします。
◆いそだ久美子 委員 私からは、新型コロナの入院以外の療養者への対応について、順次お伺いしてまいります。
第五波は全国的にもこれまでの最大の感染者となり、当区でも本年八月二十日には過去最大の三千五百八十八人が自宅療養者となり、同日の宿泊療養者は四十人、入院は四百七十三人でした。我が会派としても、なるべく自宅療養者を減らして、宿泊以上の対応にできるように緊急要望書を提出しております。
区では、在宅療養者二千四百人を想定し、自宅療養者への支援システムを組んでいましたが、医療相談の電話がつながりづらく、九月からは架電、区から電話をかけるほうですが、健康観察センターと受電、療養者からの電話を受けるほうは自宅療養者相談センターへ機能を分けたということですが、この運用変更の概要及び効果について簡潔に御説明ください。
◎大谷 健康企画課長 自宅療養者への健康観察については、これまで一つの事業者が架電と受電を担っていましたが、第五波の感染拡大を受け、これまでの事業者に加え、新たに主に受電を担う事業者に委託をし、双方が連携して自宅療養者への健康観察業務を運用する形に変更しました。
この運用の変更により、健康観察業務に厚みを持たせ、対応可能な件数を拡張し、第五波相当の自宅療養者に対しても架電と受電による健康観察を目詰まりなく実施できる体制の強化をすることができたと考えてございます。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。
少々古いデータですが、二〇一二年のアメリカン・エクスプレスの調査によれば、日本人がコールセンターにつながらないときに待てる時間は六分、アメリカ人が十三分、最長はインドで十六分だそうです。調査対象国の中では日本が一番短かったそうです。受電については待ち時間六分を切ることを指標に体制を組んでいただければと思います。
さて、七月から八月にかけて保健所から感染症後遺症アンケートを配付し、三千七百余りの回答を得たということです。医学的には大変有益な資料となり、各メディアでも取り上げられました。一方で、区の医療サービス改善に使えるような調査はされていないと思います。例えばこれを療養後アンケートとして、健康観察の頻度や方法、電話がつながりやすかったかどうか、また、配食サービスの内容、デリバリー方法などが適切だったか、そういうことも同時に調べるべきだったと考えます。大変これは大きな機会損失だと思いますが、今後こういった調査をする予定はおありでしょうか。
◎松本 地域保健課長 後遺症アンケートでは、療養生活中や終了後の生活において困ったことがありましたかという設問を設けて、療養中の困り事をお伺いしておりました。その中には、自宅療養中の家族への感染の不安や療養中の健康への不安などの御意見がありました。
現在、アンケートの分析中であり、その分析結果をもって区として何をすべきか、今後の調査の継続についても検討していく予定でございます。
◆いそだ久美子 委員 選択肢の回答でなく、文章で長く書いてあるものは分析が非常に難しいと思うんですが、せっかく書いていただいたことですので、ぜひ分析をお願いいたします。
また、自宅療養中でも、血中酸素濃度が下がるなど緊急を要する患者のために、区は酸素療養ステーションを設置しました。この経費ですが、六か月で計二十三床で五・七億円、高いかなと私は思っております。内訳を事前に提出いただきましたが、医療機関と社会福祉施設の二つの場所で設定して、両方とも単価的には一緒ですが、例えば医療機関のほうでは、医師三人、看護師六人、事務員一人で回すとして、一か月の人件費が四千六百万円です。一か月です。これをざっと見積もって医師一人一か月の経費が七百三十万円、一か月です。看護師の人件費はその半分と見積もっても一か月三百六十五万円の委託費となります。参考までに、世田谷区周辺の医療求人サイトでコロナ病棟勤務で検索すると、医師は高くても年収二千万円前後、看護師は月給六十万円前後です。今回の委託料はその四倍から六倍という計算になります。
今回の酸素療養ステーションは、世田谷区が企画したものでしょうか。それとも東京都から企画と予算がセットで降りてきた感じでしょうか。お願いします。
◎大谷 健康企画課長 七月から八月の第五波の経験を踏まえ、区が独自に立ち上げたものです。また、予算につきましては東京都の交付金を活用しています。
◆いそだ久美子 委員 企画立ち上げからスタートまでの期間はどれぐらいだったでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 八月中旬から二週間程度で開所させました。
◆いそだ久美子 委員 今回は立ち上げのスピード感が最優先で、二週間で区の企画で実現できたことは大変評価しておりますが、今後、酸素療養ステーションや抗体カクテル療法対応の病床として、第六波に備え、拡充も考えておかないといけません。そのためには、幾ら東京都の支出金一〇〇%だとしても、元は税金ですから、コストダウンが必須です。医療従事者の人件費が全体の七五%を占めていますが、専従者を兼務にするなどで節約はできないでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 今回、区が酸素療養ステーションを立ち上げた目的でございますが、第五波の際、入院病床、宿泊療養も逼迫する中、入院、宿泊が困難となる中でも、酸素投与が必要な患者の方に医療職の管理下で酸素投与を行い、入院待機する場所を確保することがございました。
御指摘のとおり、第五波では感染拡大に対して患者の生命を守ることを第一に考え、スピード感を優先して整備した側面はございます。一方、次に開設する十六床の酸素療養ステーションの運営では、特に人件費が高い割合を占めていることから、勤務体制を工夫し、人件費の抑制に努め、臨機応変に運用できるよう取り組んでまいります。
◆いそだ久美子 委員 先ほども指摘したように、委託会社の中間マージン――中抜きですけれども――が大き過ぎるのが一番見直したい点ですが、委託先の選択肢というのは検討の余地はありますか。
◎大谷 健康企画課長 酸素療養ステーションに従事する医師、看護師、事務職ですが、委託により確保してございます。御指摘のとおり、人件費の中で受託者側には一定の手数料がかかっており、この部分の圧縮を図り、臨機応変な従事体制を築くことは重要と考えてございます。
次に開設する酸素療養ステーションでは、委託事業者の選定に当たっては、複数の候補から人件費や手数料について、昨今の賃金事情を踏まえた適正なものとなるよう精査してまいります。
◆いそだ久美子 委員 いろいろお聞きしましたが、感染拡大が収まっている今、第五波の検証を十分にして、第六波が来る前にはこの夏より安心安全な体制、そしてコストも抑えて、そういった体制を整えられる準備をお願いいたしまして、次の質問に移ります。
一般質問に引き続き、本日他会派からも質問が出ていますが、コロナ禍の影響などにより伸び悩んでいる区の保健センターの健診受診者を増やす施策についてお伺いいたします。
いわゆる生活習慣病早期発見のための健診は、四十歳から七十四歳の方、そして七十五歳以上の方は長寿健診になり、全ての国民が健診を受けることを奨励されているわけですが、保健センターの側から区内事業者や区民に健診を御紹介するのにどのような手法で行っていますでしょうか。また、区の保健センターの健診の特徴や価格について、簡潔に御説明をお願いします。
◎大谷 健康企画課長 世田谷区保健センターでは、区の指定管理事業として、健康チェックや食事、運動など、日常生活へのアドバイスを行うことを目的に、健康度測定などの健康増進事業を行っております。これらの事業は、保健センターのホームページ、保健センターの発行する健康情報紙「げんき人」、こちらを通じて区民に周知をしております。
健康増進事業の中で最も区民になじみのある事業は健康度測定で、特徴としては、一般的な健診項目に加え、体成分測定、負荷心電図、呼吸機能検査、眼底検査、生活状況調査、体力測定が追加されてございます。さらに全員の方に二次測定を受けていただき、御希望の方は個別相談も受けられるなど、継続的なフォロー体制を築いており、区民が身近な場所で健康度を定期的に把握することができます。
なお、この健康度測定の経費でございますけれども、受診料が五千円となってございます。また、半年以内の健診結果をお持ちの方に関しては、この五千円が二千五百円となるような運用をしております。さらに、健康度測定に加えまして、トレッドミルなどを行う運動負荷測定、手軽な運動や食生活の指導を行う講座、教室などを設け、区民の健康維持に向けた総合的な指導を行ってございます。
◆いそだ久美子 委員 大変内容が充実した健診が非常に低価格でリーズナブルに受けられるということは、かなりの区民の方は知らないで過ごしていると思います。こういった保健センターがまず梅丘に移転したことの告知や、施設の快適さ、健診メニューの充実ぶり、こういったことを視覚的に訴えるにも、まずホームページのリニューアルからと一般質問でも申し上げておりますが、来期計画はされていますでしょうか。ホームページが刷新されたらどのようなアプローチに展開されますでしょうか。お願いします。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 公益財団法人世田谷区保健センターのホームページは、現在、約二十年前の二〇〇二年に作成されたものでございまして、音声読み上げや拡大機能などの障害者対応ソフト、それからスマートフォンに対応していないなど支障が生じていることから、現在リニューアルが検討されております。
ホームページが刷新された後には、保健センターの施設ですとか健康づくり教室の様子を写真や動画で紹介するなど、より保健センターを利用してみたいと思っていただけるような構成、画面づくりも検討されております。
また、健康増進指導、講座ですとか教室でございますが、コロナ禍で定員を減らして現在対応しておりますが、動画配信による減員分の補完、それから、平日日中になかなか参加が難しい壮年期世代を対象とした講座、教室の実施にも活用ができると考えてございますので、ホームページを見ていただけるよう、さらに工夫を重ねてまいります。
◆いそだ久美子 委員 二十年前のホームページのままということで、これこそ二週間以内ぐらいにもう刷新して取りかかっていただきたいと思います。
ホームページ以外に紙媒体での情報発信も必要です。健康情報紙「げんき人」にはコンスタントに掲載しているということですが、一紙だけでやはり読者が偏ってしまいます。他の媒体や手法ではどんなものが考えられますでしょうか。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 ただいま御紹介いただいた「げんき人」でございますが、こちらは年四回発行している健康情報紙でございまして、新聞折り込みで区内全域に配布しまして、幅広い対象者に向け保健センターの事業の紹介、講座や教室への参加者募集など、健康情報の普及啓発を行っております。
委員お話しの「げんき人」のほかということで、現在、「区のおしらせ」、それから、情報誌「おとな・り(re)」ということで最近では今年の二〇二一年春号に掲載してございますが、そのほか、うめとぴあ通信などの紙媒体への掲載、それ以外に町会・自治会への回覧、広報掲示板の利用、エフエム世田谷による放送、フェイスブックなどを使った情報発信を行っております。
今後も様々な機会を捉えまして、保健センターの取組などを広く情報発信できるよう取り組んでまいります。
◆いそだ久美子 委員 思ったより多くの紙面に掲載されていますし、フェイスブックなどでも発信しているということは正直、驚きました。ただ、フェイスブックでこの施設を知ってアクセスしてホームページを見てみると二十年前というのは、なかなか整合性が取れないので、ぜひホームページのほうの改革も進めていただきたいと思います。今後も確度の違う情報や季節や時流に合ったトピックを随時提供するなど、繰り返し露出に努めていただきたいと思います。
さて、最後になりますが、決算書に掲載されています区が外部から受ける受託検査について、小中学生の心臓精密検査が計画達成率一三八%、同じく小中学生の結核検診が一四九・二%で、ほかに比べて数値が高かったことが気になりました。過去二年を見ても、これらは一〇〇%を超えています。小中学生の検診については文教領域だということですが、結核は二類感染症でもありますし、小中学生も区民でありますし、この受託検査の概要と件数が多い背景など、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 一つ目の小中学生心臓検診精密検査でございますが、こちらは小学校一年生、四年生、中学校一年生を対象としてございます。一次検診は学校で実施され、その一次検診において、過去に心臓病の罹患履歴がある場合ですとか、気になる所見が認められた場合、医師会におきまして二次検診の必要性について判断を行い、その二次検診を現在保健センターにて受けていただいている状況でございます。
件数が増えているというところでは、児童生徒数の増加が大きな要因と考えられるのではないかということで、教育委員会のほうに確認をしてございます。
もう一方の小中学生結核検診精密検査でございますが、結核が流行している国などに滞在した場合など、家族に結核感染者が発生した場合など、区のほうで結核対策委員会というのがございまして、そちらで精密検査の対象者を決定いたしまして、保健センターにて検査を受けていただいている状況でございます。こちらの理由につきましては、海外から戻ってきた方が増えたということが考えられるということで、教育委員会のほうに確認をしているところです。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。実際には、精密検査の結果、結核が判明したという児童生徒はいなかったということですが、もし小中学校での検査で結核が判明しましたら、保健所はどのように対処するでしょうか。
◎安岡 感染症対策課長 学校における結核検診問診票で対象になった児童生徒は、保健センターで実施される結核検診で胸部エックス線検査を受けます。その結果、精査を要すると判断された際には医療機関を受診いただきます。なお、医療機関受診により結核の診断があった際には、診断医から保健所へ感染症法に基づき発生届が提出されるとともに、保護者や学校に結核の診断を報告し、学校を経由して教育委員会はその診断を把握します。
発生届の受理後、保健所は学校や教育委員会並びに必要に応じて結核対策委員会の専門家と協議の上、学校の疫学調査を実施し、接触者の範囲を定め、必要な方に健康診断を実施することで蔓延防止に努めております。その際には、結核にかかられた児童生徒の人権に十分配慮しながら対応しております。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。最近はコロナばかりに関心が行って他の疾病を見落としがちになりますので、区民の病気の早期発見、健康意識を高めるためにも、健診事業をますます推進していただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終え、質問者を替わります。
◆藤井まな 委員 他会派からもワクチン接種の話が出ていましたが、私もウィークエンド夜間接種を二十一時ぐらいまでやってくれないかという御意見はいただきました。そういう意見ももちろんあると思いますし、ただ、本来であれば、やっぱり会社とか企業がしっかりと、若い世代がワクチンを打ちたいと思ったときに、夜八時までにも打てるように企業側が送り出してあげるというのも大事なんじゃないかなというふうに思っています。
何が言いたいかというと、第三回目のワクチンも今後八か月後にあるという話もありますので、そういったニーズ調査というものはしっかりしていただきたいという意見を言わせていただいて、質問に入っていきたいと思います。
一般質問でも私から医療的ケア児に関する質問をさせていただきました。あのときはレスパイトの話をさせていただきましたけれども、この場所からでは、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、医ケア児支援法を御紹介させていただいて、質問していきたいと思っております。
医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の中に、医ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現を目指していくというふうな文言があります。この中で大事なのは、その家族の離職の防止という部分だと私は思っています。
保育園の待機児童がたくさんいたときに、小一の壁なんて言葉はすごくありましたけれども、今まさに医療的ケア児のヘレンがあり、そして花見堂小学校の跡地にもう一つ施設ができて、そういった小学校に入るまでの体制が徐々に確立をされている中で、やっぱりこの小一の壁というものは大変大きい。今のまま共働きの方がそういった施設から出ても、小学校一年で、子どもを最後、放課後に預けるところがなくて離職してしまうというリスクが大変に大きくなっていると思います。
七月四日に厚生労働省から各自治体の首長及び教育長に示された通知の中に、医療的ケア児は学童でしっかり見るようにという文章が書かれています。しかし、残念ながら、今、世田谷区の中において、学童、新BOPで医療的ケア児を見ているという状況にはないというふうに認識をしておりますけれども、世田谷区の学童というか新BOP担当の方はどういう認識をされているか御質問をさせていただきたいと思います。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブにおきましては、保護者の就労要件等を満たす児童につきまして、障害の有無にかかわらず利用可能としておりまして、これまで少数ではありますけれども、医療的ケアが必要な児童の利用の実績もございます。
ただ、今までは、学童クラブを利用するために、事前に新BOPの見学をしてもらい、児童を見守りながら、医療的なケアの実施や体調の急変に対応できる看護師の配置を保護者に依頼し、児童が安全に過ごせる場所の確保、子どもの過ごし方、職員の対応方法等について確認し、合意を得てからの利用としておりました。
今お話にありました九月十八日に施行されました医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律を受けまして、区としましては、国に対し必要な財政措置等を求めつつも、児童が適切な医療的ケア、そのほかの支援を受けられるようにするため、看護師の確保とともに、学校や関係所管と連携し、必要な支援を的確に提供できる環境整備に努め、保護者とともに児童の放課後の過ごし方について最善の方策を考えていきたいというふうに考えてございます。
◆藤井まな 委員 今までも何度か僕はこの場所から同じことを言っているんすけれども、今まで言い方が優し過ぎたなと思いますね。もうはっきり法律で離職の防止と書かれているんですから、区は本当に真剣にこれに取り組んでいただいて、厚生労働省からも、学童で医療的ケア児を見てねと書いてあるわけですよね。これは真剣に受け取らないとまずいですよね。
本当にこれをやっていただきたいと思いますし、前回、私はこの場所から、新BOPに関して新しく整備するところはバリアフリーでとかという話はさせていただいたんですけれども、そういうバリアフリーでというのは当たり前の話で、あえて踏み込むと、近々に新BOPが改築されたり増築されたりするのは、区内でいったら中丸小学校がありますけれども、やっぱりこうやって新しく施設をつくるときには、さすがに今あるところ全部に医療的ケア児を入れろというのは非現実的なので、例えばこうやって増築される、しかも棟として新しく整備をされるわけですから、こういった中丸小学校みたいなところに医療的ケア児を受け入れられるようにしていただければ、区内に仮に散らばっていたとしても、あと移動支援とかで中丸小学校に来て受け入れるということの道が開けるんですよね。すごく人数が多いわけじゃないですから、一か所受け入れられれば、そこでそれで離職をしないで普通に働いていけるという家族になるわけですよね。
医療的ケア児が生まれたことによって仕事を諦めなきゃいけないというものをどうにかして防いでいかなければいけないと、ついに国も本腰を上げて取り組んでいるわけですから、しっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、例えばこうした、たまたま次に中丸小学校が改築されるから事例で出していますけれども、こういったところに医ケア児を受け入れられるようにしていただけないですかね、課長。
◎須田 児童課長 中丸小学校につきましては、三十五人学級になるということによりまして、学級数の増加に対応するために隣接地に新BOP室を含む増築棟を整備することとしております。施設面としましては、ユニバーサルデザイン推進条例等に基づき整備されるため、現在考えている配置案には多機能トイレやエレベーターの設置など必要な設備が確保されていると認識しております。
医療的ケアが必要な児童は、障害の程度により必要な設備も異なってくるため、現在、障害のある児童が学童クラブに入所することが決定した場合と同様、児童の障害特性に合わせ、手すりの設置や移動が困難にならない工夫をするなど、環境を整えていくことを考えております。
中丸小学校に医療的ケアのお子さんを集めるということについては、まだ想定はしておりませんけれども、基本的には今考えているのは、各親御さん、保護者の方と御相談しながら、どこの施設で御利用いただくのがいいのかというのを親御さんの御意向をお聞きしながら考えていければというふうに考えているところでございます。
◆藤井まな 委員 もちろんあくまでも事例として、近々に新BOPの中で増改築をするというところがたまたま中丸小学校だっただけで、別にそこでというこだわりは僕はないんですよ。あくまでも区内のどこかの学童で受け入れることができれば、あとは移動支援の問題なので、違う課長と相談しますから、まずは受け入れるという方向性を打ち出していただきたいなというふうに思っています。
学童と同じように重要視されているのが放課後デイサービスであります。放課後デイに関してはただ、これはあくまでも働く親御さんたちのことを考えている施設ではなくて、療育施設であるから、例えばお母さんが仕事が終わるまで放課後デイで預かってくれるかといったら預かってくれないわけで、やっぱりこの学童と同じように放課後デイサービスも今の働く親世代に沿ったものに変えていく必要があると思いますし、例えば、もちろん梅丘にも新しくできましたけれども、大蔵とかにも新しく福祉施設の整備をするんですよね。
こういったところにそういった働くお母さん、お父さんのことを考えたような放課後デイサービス、放課後デイと呼んでいいのか分からないんですけれども、そういったものをつくっていただくようなことも考えてほしいなと思っているんですけれども、大蔵の福祉施設は全部中身がもう決まっちゃっているから難しいんですかね。そういった声も聞いているんですけれども、いかがですか。誰が担当なんでしたか。
◎山田
障害者地域生活課長 大蔵の場所でございますが、こちらでつくるのは、まずは重たい、いわゆる重度化したグループホームであったり、そういうものをつくっていこうということで今考えております。あと、今後、JKKのほうで公募していく中で、提案の中にそういうものが入っていけば、そういう提案を今後プロポーザルで決めていくという方法になろうかと思います。
◆藤井まな 委員 そういう声もあるということを頭の隅に入れておいていただきたいということと、時間がないので先に進みますけれども、私は企画総務のときに避難行動要支援者避難支援プランのお話をしたんですけれども、これも大切なことなんですが、医療的ケア児に関しては、医療的ケア相談支援センターのHi・na・taがこの避難支援プランを先につくるということで、実は今、区全体でつくろうとしている八千三百人に向けての避難支援プランに先駆けるという形になるということで、Hi・na・taの役割というのは大変重要であるなというふうに思っております。
ここに関しても、例えば今、まだまだ十月ですから台風シーズンでありますけれども、台風とか水害とか、そういったところの御家庭を優先してつくっていくということの認識でよいのか、場所によってその違いがあるのか、どういったふうに支援プランをつくっていくのか、分かっている範囲で教えてください。
◎宮川
障害保健福祉課長 区では、医療的ケア支援の充実に向けて、保護者等に対するワンストップでの相談対応や、病院を退院する際の在宅生活支援プランの作成、災害時個別支援計画の作成支援などを行う医療的ケア相談支援センターをこの八月に開設いたしました。
医療的ケアが必要な方の災害時個別支援計画につきましては、人工呼吸器が必要な方につきましては総合支所が担っておりまして、Hi・na・taではそれ以外の医療的ケア児等の保護者に対して支援を行ってまいります。
ひとまず以上でございます。
◆藤井まな 委員 多摩川流域であるとか、そういった水害に対して、僕が読んだのは、水害等の避難支援プランをつくると書いてあったので、やっぱり優先すべきはそういうところなのかなというふうに思っていますけれども、そこの優先順位はつけるんですか。順番的にはどういったふうにやっていくか、お答えできますか。
◎宮川
障害保健福祉課長 このたびの避難行動要支援者避難支援プランの改定につきましては、そこに作成の優先度につきましては記載してございますが、認識としまして、担当としても重要だというふうに考えております。一方で、Hi・na・taでの取組につきましては、保護者の申出に基づきまして、関係する支援機関と連携しながら一つ一つ対応していただくというふうに考えておりまして、その状況を見ながらになるかと思っています。
◆藤井まな 委員 もちろん個別具体の対応は違うと思いますけれども、もちろんその水害というものがまずは目の前に差し迫った危機でありますから、そういったことを水害に、特に被害に遭われるような地域というものを優先していただきたいというふうに思います。
それと、今、Hi・na・taのほうで先に支援プランをつくるということで、そこのこと、要はHi・na・taで医ケアの人たちの支援プランをつくるんですけれども、それも区が全体でやる中に内包されているわけです。先行するんですよね。そこら辺のことは担当の課と、災対もそうですし、あと、有馬次長のところは違うのかな、そことあと宮川課長のところと支援プランとかのやり取りはしているんですか。
◎有馬 保健福祉政策部次長 個別避難計画については、区として、来年度から国が五年のところを三年かけてつくるということでこれまで報告しております。一方で、これまで町会等で作成したものというのは個別避難計画に位置づけて、恐らくそういったほうがより個別具体的につくられている部分もありますので、そちらはそちらできちんと活用させていただき、一方で、そういったつくるつくらないということになりますと、今まで全ての方がつくられていない部分がありますので、区としては八千人を三か年かけてやるということです。
今お話のありましたHi・na・ta等につきましては、当然、関係所管で連携しながら会議を定期的に行っていますので、そこで情報共有しながら進めてまいります。
◆藤井まな 委員 今、情報共有していきますという話がありましたけれども、その一言が聞きたかったんですけれども、情報共有をしっかりして、せっかく先行して進んでいるものだったらそれを生かしていただきたいというふうに思います。
あともう一つ付け加えてお話をさせていただきたいのは、これは障害者の方もそうですし、高齢者に関しても避難支援プランをつくっていくわけですけれども、そのことに対して、例えば今、避難支援プランが既にあったりする方もいらっしゃいますよね。今までつくってきた方もいらっしゃいますね。でも、例えばそれに関わっているケアマネさんとか、ふだん生活で使っているデイサービスとか、そういった常日頃に福祉で関わっている人たちが意外とそういう避難支援を知らなかったみたいな事例もあるらしいので、福祉に関わる、もちろんそのプライバシーみたいなものもありますから、全ての人たちに共有するわけにはいかないですけれども、福祉に携わる、その避難支援プランをつくるその本人の福祉に関わる方たちには情報共有をしながらしっかりと連携をしていく必要があると思いますけれども、どう考えられているかお伺いします。
◎有馬 保健福祉政策部次長 御指摘のとおり、これから作成に当たっては、区が持っているデータと御本人の了解の下に作成していきますが、当然その中にはその方に関わる方々がいらっしゃいますので、個々の方々の了解を得ながらではありますが、関係する方とそのプランを共有しながら実効性の高いものをつくっていきたいと思います。
◆藤井まな 委員 よろしくお願いします。
最後に、これも一般質問で質問をしたんですが、障害を持った方たちの移動支援に関わる質問でございます。
上半身に障害がある方で、世田谷区にお住まいの方なんですけれども、そういう上半身に障害がある人たちの仲間内でいろいろ話していると、移動支援が全然違う、区によって違うという話でありました。一般質問をさせていただいて、来た回答がありましたね。慎重に検討する必要がある、特別扱いできないから慎重にならざるを得ないみたいな答弁がありましたけれども、それは僕はどっちかというと、気を遣っていきなり制度を全部変えるって難しいでしょうと。、例えば上半身に障害があるけれども、下半身にも障害にまでは行かなくても移動支援が必要な人たちはいるわけだから、ケース・バイ・ケースで区は対応するべきなんじゃないですかという質問をしたら、そういうのは特別扱いできないから慎重に検討すると言われたんだったら、じゃあ制度を変えてくださいよと僕は言いたいんです、どっちかというと。
だって、移動支援を受けたかったら世田谷区から出ていってくれ、違う区に移ってくれという答弁じゃないですか。そうじゃなくて、寄り添ってほしいんですよ。そういう慎重にとかという答弁じゃなくて、何かもうちょっと、じゃあこうしましょうとか、寄り添う発言が欲しいなと思っているので、僕はそういう慎重な検討と言われちゃうと、じゃあもう制度を変えてくださいと言わざるを得ないんですけれども、そこら辺、担当の方はいかがですか。
◎山田
障害者地域生活課長 上肢の障害を持っている障害者の方をタクシーの対象にしている区というのが幾つかあるというのは承知しております。各区それぞれの実情に応じて対応しているというのが我々としては理解しておりまして、各区でやはりそれぞれの状況が違うのかなというふうには思っています。
お話しのとおり、我々としては、世田谷区としては、歩行困難であって単独での公共交通機関の利用が難しいということを客観的に手帳などで確認をして対象者を決めているということをやっておりますので、今お話があったような、ほかの自治体の状況も鑑みながら、やはり慎重に研究してまいりたいと思っております。
◆藤井まな 委員 慎重の検討と研究が、どっちが上なのか分からないんですけれども、両方ともやらないということですよね。検討、研究と言われたら、もう僕なんかはやらないと感じちゃうんですけれども、ぜひとも本人と会って、課長、今度話を聞いてあげてくださいよ。そういう冷たい答弁だと、本当にこれを報告するのもつらいなというふうに思いますので、それぞれの人生においてそれぞれの障害は全部違うわけですから、ぜひともまず話を聞いていただいて、寄り添った対応をしていただきたいということを申し上げて、少し早いですが、これで質問を終わります。
○加藤たいき 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。
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○加藤たいき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時三十五分散会...