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  1. 世田谷区議会 2021-03-22
    令和 3年  3月 予算特別委員会−03月22日-07号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 3年  3月 予算特別委員会−03月22日-07号令和 3年  3月 予算特別委員会 令和三年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  令和三年三月二十二日(月曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  おぎのけんじ 副委員長 河村みどり 副委員長 いそだ久美子      阿久津 皇      石川ナオミ      加藤たいき      上島よしもり      河野俊弘      宍戸三郎      下山芳男      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ
         板井 斎      岡本のぶ子      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      津上仁志      平塚敬二      福田たえ美      風間ゆたか      桜井純子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      藤井まな      大庭正明      田中優子      ひえしま 進      桃野芳文      神尾りさ      小泉たま子      佐藤美樹      つるみけんご      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      金井えり子      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      ひうち優子      そのべせいや      くりはら博之      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 下村義和  出席説明員   財政担当部   部長    松永 仁   教育長           渡部理枝   教育総務部   部長    淺野 康           教育総務課長                 會田孝一           学務課長  田中勝将           幼児教育・保育推進担当課長                 本田博昭           学校健康推進課長                 桐山徳幸           教育環境課長                 青木 徹           副参事   秋元勝一   教育政策部   部長    池田 豊           学校職員課長                 内田潤一           教育指導課長                 毛利元一           教育相談・特別支援教育課長                 工藤木綿子           新教育センター整備担当課長                 北村正文           副参事   塚本桂子           副参事   隅田登志意   生涯学習部   部長    林 勝久           生涯学習・地域学校連携課長事務取扱                 林 勝久           中央図書館長                 谷澤真一郎     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和三年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和三年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和三年度世田谷区学校給食費会計予算文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○おぎのけんじ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 それでは、日本共産党の文教分野の質問を始めます。  私からは、区立図書館の在り方検討についての質問をしたいと思います。  一般質問でも確認しましたが、新実施計画の行政経営改革の視点には、サービス向上とコスト縮減が図れる場合は、行政の責任を明確にして、質の確保に十分留意しながら民間活用を進めるというふうにあります。区がこれまで行ってきた区立図書館の民間活用でどのようなサービス向上があったのか、区の認識を伺います。 ◎谷澤 中央図書館長 これまで地域図書館では、世田谷図書館、梅丘図書館に窓口等の運営に関する一部業務委託を、経堂図書館に指定管理者制度を導入し、民間活用を図ってまいりました。  民間事業者のサービス向上では、開館時間の拡大をはじめ、最新の設備機器の導入や、他自治体での経験を生かした講座やイベントといった事業企画などの取組がございます。設備機器の導入例としましては、座席管理システムの導入や書籍消毒機、デジタルサイネージの設置などがございます。また、事業企画の例としましては、各種ワークショップの開催のほか、世田谷区産業振興公社と連携した企業入門セミナーやおしごと相談、区内障害者施設の自主生産品の販売などがございます。  また、積極的な地域連携の取組としまして、指定管理者の経堂図書館では、近隣の東京農業大学と連携した講座を毎年開催しております。 ◆中里光夫 委員 最新機器の導入であるとか、他の機関と連携したセミナーとかというお話ですけれども、これはどれも直営でできることばかりじゃないかと、これはあり方検討委員会の中でも指摘をされて、区は明確な答えができていなかったと思います。そもそも何のため、そういうことをやるために民間活用をしたのかということだと思います。  それから、開館時間の延長について述べられていませんけれども、今のお話ではなかったんですけれども、開館時間の延長というのはサービス向上と捉えていないということなんですか。 ◎谷澤 中央図書館長 開館時間の延長もサービス向上というふうに認識しております。 ◆中里光夫 委員 これまで、民間活用で二十一時まで開館時間が延長された、このことを区は大変強調してきたと思います。開館時間の延長については今後も進めるべきかどうか検討が必要な時期なんじゃないかと思います。  利用者アンケートでも、時間延長の要求は一三%程度で低いと。それから、コロナ後の社会をより公正な社会にしていく視点、これは大事だと思います。コロナで生活スタイルが変わり、働き方改革も叫ばれている。長時間労働の是正が進められ、夜遅くまで働く働き方を変えていくべきだと、まさにそういう働き方の転換を自治体が率先してやっていくべきじゃないでしょうか。今後、夜間、長時間開くことはどうなのか、検討が必要だと思います。  それから、コストについて。世田谷区立図書館等施設概要及び行政コスト計算書、平成三十年度決算、令和元年度決算というのが、このあり方検討委員会に示されました。こういう大変細かい数字が並んでいる資料なんですけれども、これは新公会計制度によって図書館ごとの行政コストが明らかになったとして示されました。各館ごとに、人件費だとか、貸出し一冊当たりの行政コストなどが書かれておりました。この計算書について詳細を見ていきたいと思います。  図書館の規模や築年数などがコストに影響しているんじゃないかと、私はこう考えてみまして、見てみました。ところが、ばらばらで全然規則性が見えてこないんです。よくよく調べてみますと、単独の施設もあれば、複合施設もある。複合施設についても、小規模なものからホールと一緒の大規模なものまであると。条件があまりにも違うので単純に比較できないというふうに思いました。  それから、人件費についても確認しようと思いましてこれを見てみますと、各館の職員の数が出されていないんです。人数が分からなかったらよく比べられないじゃないかということで、比較のしようがないと思いまして、私、職員名簿から各館の人数を数えました。働き方を聞いてみますと、非常勤の職員は勤務パターンが複数あって、単純に人数で比較できない。比較できるのは常勤職員ということで、常勤職員一人当たりの人件費を各館ごとのデータから出してみました。  そうしましたら、結果は約五百三十万円から九百万円と館ごとにかなり開きがある結果が出てきました。これは職員の年齢構成などで大きく変わってしまうんじゃないか、五十代近い職員と新入職員では大きく賃金が違いますから、施設や職員配置の条件が様々で、館ごとのコストはばらばらだということがこの資料を調べて分かりました。  また、本の貸出数についても、駅に近いかどうかなどの立地条件に大きく左右される。このようなデータを基に、貸出し一冊当たりのコストを比較することに意味があるとは思えないというふうに私は思いました。  ただ、この一冊当たりのコストが比較できるデータが一つありました。それは、梅丘図書館です。梅丘図書館は、直営のときと、カウンター業務を業務委託した後のデータ、この二つが出ていました。これを比較すれば、カウンター業務委託の前と後の比較ができるということでこれを見てみました。そうしますと、委託のところの人件費も含めた人件費相当分合計という数字が大きく下がっています。約二千六百四十万円下がっているんですが、私の試算で常勤職員の平均の三・五人分に当たります。梅丘図書館の人件費相当分合計が平成三十年と令和元年を比べると大きく下がっていますけれども、なぜそうなったのか区の認識を伺います。 ◎谷澤 中央図書館長 運営体制を検討する上での一つの指標ということで、令和元年度決算と平成三十年度決算における施設別の行政コスト計算書を作成し、比較検討いたしました。令和元年度に直営から窓口業務等の一部業務委託を導入した梅丘図書館について検証したところ、人件費として年間約二千六百万円が委託することで下がったという状況になっております。
     梅丘図書館は、委託後の令和元年度から、休館日の月曜を開館し、平日十九時までの開館時間を二十一時に延長するなど、年間の開館日が四十三日、開館時間が一千二十七時間の拡大をした上での人件費となっております。区が定める労働報酬下限額を適用した上での人件費でございますので、民間事業者の柔軟な職員シフトによる効率的な運営によるものであると考えております。 ◆中里光夫 委員 開館日が四十三日、開館時間が千二十七時間拡大したと。開けている時間が大きく延びた中での人件費が減ったということですね。労働報酬下限額を守っているのは、公契約条例があるんだから当然のことですけれども、これは、いわば世田谷区が定めた最低賃金です。その最低賃金を守っているというだけで本当にいいのか、最低賃金のアルバイトを大量に雇っているというようなことはないのか。そういうアルバイトばかりで、安定雇用に反する、職員の質が下がる、そういう心配はないのかということがあると思います。  なぜ民間委託をすると人件費が安くなったのか、ここが問題だと思います。梅丘図書館の職員数、平成三十年は正規職員十人、嘱託員が十五人、令和元年は正規職員五人、委託先の職員が十四人、登録人数で六人減っています。また、非常勤の勤務形態は複数あるということもあります。  委託先費用も、正規、非正規がどうなっているか正確には分かりませんので、単純に人数を比較することはできないですけれども、四十三日、千二十七時間拡大した上で常勤職員の三・五人分の人件費が減っているわけですから、これは賃金が下がっているか、それとも人数が減らされているか、またはその両方が行われているということじゃないでしょうか。人件費の削減でサービスの低下はないのか、質は保たれているのか、公的責任は果たされているのか、その検証が必要だと思いますがいかがでしょうか。 ◎谷澤 中央図書館長 梅丘図書館は、令和元年度から業務の一部を委託しております。業務内容は、仕様書で規定をしておりまして適正に履行されております。図書館運営体制あり方検討委員会におきましては、運営面、サービス面の質を利用者の視点を含めて恒常的にチェックする図書館運営協議会のような体制の整備が必要であるとの御指摘をいただいているところでございます。  今後、検討委員会からの報告書を受けまして、具体的な取組について検討してまいります。引き続き、サービスの充実内容と経費のバランスが適正となるよう区としてしっかりと対応してまいります。 ◆中里光夫 委員 図書館協議会のような体制の検討というお話もありましたけれども、サービスの質がどうか、きちんと守られているかということを見るのは、役所の責任でやるべきじゃないでしょうか。公的責任を果たす、役所の責任、ここをどのように考えているか、お答えください。 ◎谷澤 中央図書館長 梅丘図書館につきましては業務委託で、仕様書で内容を定めておりますけれども、しっかりその内容が履行されているかの検査をしっかりやっていくように、区として当然対応していきたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 区は、しっかりと公的責任を果たして、質の低下がないのか検証し、ただしていくことが大変重要だというふうに思います。区は、民間活用は政策目的に照らして導入するとこれまで言っています。今進めようとしている民営が、知と学びと文化の情報拠点という区立図書館の政策目的を進めることになるのかが問われてくると思います。時間延長、人件費削減、それでいいのかということがあるんじゃないでしょうか。このまま全館民営などが進めば、職員を低賃金の民間職員に置き換えていく、これが進んで、政策目的に逆行して、図書館を支える人材がいなくなってしまうんじゃないでしょうか。  公立図書館は、その利用者があらゆる種類の知識と情報をたやすく入手できるようにする地域の情報センターです。その役割を果たすためには、専門性を持った司書職員の存在が欠かせません。司書の専門性の蓄積、長期にわたるコレクションの形成、長期にわたる安定した職員の体制が欠かせません。定期的に契約先の見直しのある指定管理者や、人件費を削減し、不安定な雇用の民間事業者に業務を任せることは公立図書館にふさわしくありません。あり方検討委員会では、教育基本法、社会教育法、図書館法の趣旨にのっとり直営を基本とするように報告書に明記せよ、それから、直営を基本としながら人材育成を進めることだ、それを市民が点検するために図書館協議会のようなものをつくるべきだ、こういう意見が続きました。民間活用を広げるのではなく、直営を基本に質を高める努力を進めるべきです。そうした方向が区立図書館が目指すべき方向だと私は考えます。  一般質問で、特別区の人事制度として、司書専門職の採用はないと答弁がありました。将来的には、区として司書の専門職を置くことができるよう制度を変えていくことも含めて取り組んでいくべきだと思います。当面、今の人事制度の中で司書を増やし適切に配置することや、必要な研修なども行い、スペシャリストを育てる必要があると考えます。今の制度の下でも、区の職員で司書の比率を高めること、スペシャリストの職員を育てることは可能ではないか、見解を伺います。 ◎谷澤 中央図書館長 司書専門職の採用を行っていないため、区職員における司書資格保有者の割合は、正規職員、非常勤の図書館嘱託員ともに約三割という状況でございます。また、図書館の実務経験が長く研さんを積んだ職員もおりますが、定期的な人事異動や定年退職などにより安定的な専門職員の配置が難しいという状況がございます。  こうした状況を踏まえまして、図書館運営体制あり方検討委員会では、区の職員の専門性を維持することが課題の一つに挙がっておりまして、民間活用を図る場合にも、区職員が民間事業者をマネジメントできるように人材育成計画を作成する必要性が指摘されております。  司書資格者の割合を高め、職員の専門性を高めるためには、図書館ビジョンにも、外部への司書資格取得研修派遣、専門研修の実施などを計画し実施しておりますが、より一層専門性の高い人材育成を推進していく必要がございます。区職員の司書資格保有やジョブローテーションを含めた実務経験の状況などを踏まえながら、館長をはじめとする司書等のスペシャリスト職員を計画的に育成し、職員の専門性維持向上を図ってまいります。 ◆中里光夫 委員 やはり図書館は専門的な職員がどれだけしっかりと仕事をするか、職員の質がまさに問われる分野です。人材の育成、これをしっかりと進めていただきたいということを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆たかじょう訓子 委員 私からは、ICTを活用した学びの進め方について伺います。  コロナ禍により、オンライン学習や教員と子どものコミュニケーションなど、ICT教育の必要性が高まりました。区は、文科省から示されたGIGAスクール構想を踏まえ、区立小中学校の児童生徒一人一台のタブレット配備に向け、約四万三千台の整備と全小中学校九十校の区内通信ネットワークの整備を進め、この三月に完了するとしています。私たちは、子どもへの健康被害などの懸念を指摘し、教員の自主性を尊重しながら、対面での指導を大事に、現場の声や保護者、子どもたちの声を聞き進めるべきと主張してきました。  また、教員へのサポート体制の充実も求めてきました。教員へのサポート体制としては、来年度よりICT指導員十二人を配し、世田谷全域でICTを活用した授業経験などを発信していく役割を担うインフルエンサー二十人が配置され、各学校ではICT推進チームに五人程度の教員が専任されると聞いています。  しかし、現場からはICTを活用した授業への不安の声が上がっています。教員の方にお話を伺いました。授業中にICT機器の不具合などにより授業が止まることになれば、子どもたちが集中して授業に取り組めない、ICTを活用した授業を進めるに当たり、教員へのスキルアップのためのサポートと同時に、機器の不具合により授業を止めることがないような手だてが必要、機器の不具合などに対応する人的支援が必要ではないかと伺っています。  ICTを活用した学びの充実をどう図るのか、区の認識とその対応について伺います。 ◎隅田 副参事 ICT機器を活用した学びを円滑に進めていくためには、ICT機器に不具合が生じた場合の支援体制を構築していくことが必要であると認識しております。日頃から児童生徒には、授業の事前準備として、タブレットの充電状況やアプリの更新状況など、不具合を未然に防ぐためのポイントを示して、自分で確認できるように指導してまいります。  また、授業中にICT機器の不具合が生じてしまった場合に備えて、これまでに発生した不具合と解決方法を情報共有し、教員同士でサポートし合う体制を構築するよう各学校に指導してまいります。なお、トラブルの影響を最小限とするため、保守運用サポートの委託業者が迅速に対応する体制も構築してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 保守運用サポート体制の構築は大変重要と考えます。早急に進めていただきたいと思います。その上でも、やはり今のままでは機器のトラブル対応も結局教員一人で行うことになるのではないでしょうか。今後、現場の職員の声をしっかり聞き、必要ならば体制のさらなる充実なども検討していただきたいと思います。見解を伺います。 ◎隅田 副参事 ICTを活用した学びを円滑に進めるため、ICT支援員を来年度は六名から十二名に増員するとともに、教員を補助するスクールサポートスタッフの全校配置や学習指導サポーターの増員により、教員の支援体制を強化する予定です。また、ICTを適切に活用した授業実践が展開されていく中で、児童生徒や教員のICT活用状況や現場の声を適切に評価しながら、教員へのさらなる支援の強化や負担軽減などを継続的に検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 検討をぜひお願いします。  次に、生活保護世帯のネット支援について伺います。  今年度は、休校に伴う対応として緊急にタブレット配付とネット環境がない家庭に対しWi―Fiルーターが貸与されました。来年度からは、就学援助受給家庭などに対し通信料として現金が支払われる予定ですが、これは就学援助の制度での対応ではないと伺っています。就学援助は、経済的困難な家庭に対し、給食費や学用品費を補助するもので、要保護と呼ばれる生活保護の部分と、準要保護と呼ばれる収入が生活保護基準以上一・四倍までの世帯の部分に分かれています。要保護世帯の就学援助は生活保護の教育扶助部分に当たります。  手元の資料ですと、二百三十一人というふうになっていますが、通常であれば、就学援助に含まれない通信料などが現金支給されれば収入認定され、毎月の生活扶助から支給分が差し引かれてしまいます。つまり最も生活が困難な生活保護世帯では、通信費を自己負担することになってしまいます。  令和二年五月に厚労省から通知が出され、特別定額給付金などの生活保護制度上の取扱いについて、収入認定しないとしています。生活支援課に問合せ、東京都に確認をしていただいたところ、国の通知の趣旨を踏まえて、収入認定の取扱いについては区が判断を行うと回答があったと伺いました。しかし、これはコロナ禍での時限的措置であり、通常に戻れば収入認定される可能性があります。文京区では、来年度から通信費については就学援助で対応するとしています。今後、生活保護世帯への通信費支給が収入認定されないよう、早急に就学援助対応などの検討が必要です。見解を伺います。 ◎田中 学務課長 ICT環境整備補助事業として、今年度は区立中学校に通う生徒のいる御家庭のうち、就学援助の全費目の認定者及び生活保護受給者を対象にタブレット端末の購入費、インターネット回線の使用料の補助を行っております。この補助事業について、就学援助の枠組みで対応することにより保護者の申請の負担が軽減する効果があると見込まれます。  なお、就学援助として取り組む場合には、制度設計やシステムの変更等、整理すべき課題もございます。他自治体の取組等も参考にしながら、関係課と連携し、検討してまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 昨年の保護者向けのインターネット環境に関するアンケートには、九九%の家庭が環境整備済みでした。残り一%、児童数で言えば約四百九十人と推定されます。この中には経済的事情でネット整備ができない家庭があります。ここに対する支援について伺いたいというふうに思っています。  区は来年度から、現金支給で通信費を支給するとしています。しかし、毎月の生活費がぎりぎりの家庭では、現金支給があっても他の光熱水費などに回ってしまうこともあると考えます。家庭の事情により子どもの教育環境が左右されてはならないというふうに考えます。ぜひ支援の仕方を検討するべきだというふうに思います。  今年度行ったルーターを貸与したケースがありましたけれども、家庭の事情にかかわらず利用できる支援を検討していただきたいというふうに思います。見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 タブレットの利用につきましては、原則は各家庭のインターネット環境を使っていただくと。その中で、就学援助認定者及び生活保護受給者等の対象については、補助ということを来年は考えています。今お話しのありました例外的なケース等々も出てくることも考えられますので、そちらにつきましては、今年度の学校休業中という特殊な状況の中でのWi―Fiモバイルルーターの貸与と今後についてはイコールではないかと思いますが、またいろんな手段もあると思いますので、ケース・バイ・ケースで対応をさせていただきたいと思います。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひよく御検討いただきますようお願いいたしまして、日本共産党の質疑を終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆金井えり子 委員 生活者ネットワークの文教所管の質問を始めます。  東京電力福島第一原子力発電所の事故から十年がたちました。いまだに解決されていない問題は山積しています。特に食べ物については、当時、放射能汚染のことで、何をどう選んでいくべきか、みんなが右往左往していました。世田谷区の区立小中学校の給食でも、いっとき牛乳が消えた時期もありました。  その後、区独自の放射能検査が行われるようになっていますが、他の自治体では少しずつ検査を取りやめているところも出てきました。子どもが毎日食べる給食、まだまだ心配の声もあります。こういった検査は続けていくことが重要と考えます。世田谷区の現状の確認と今後について伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食における放射性物質検査につきましては、平成二十四年四月から調理後の給食の検査を開始し、平成二十六年十一月から給食で使用する調理前の食材ごとの単品検査を併せて行っております。来年度につきましても今年度と同様の検査を実施する予定でございます。引き続き、安全安心でおいしい給食の提供に努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 子どもたちの給食に放射性物質が紛れ込んでいないことを、区独自の検査体制で調べ続けている世田谷区教育委員会の取組を確認しました。世田谷で育つ子どもの健康を守るため、とても価値のあることだと私たちは評価しています。  今年に入り、東日本大震災の余震とみられる震度五から六の地震が何回も起こっています。地震の多い日本の海沿いに原子力発電所が設置されているという現状から見て、九十万人の区民の食の安全、特に子どもたちの給食などに対する食の安全を自分たちの手で素早く検査できる体制を維持しておくことは重要な意義があります。定期的な検査と、子どもたちの口に多く入る食材に重点を置いた検査、また産地を絞り込んだ検査など有効な検査手法を工夫し、今後もより有効な検査に向け、研究も進めていっていただきたいと思います。お願いいたします。  そして、一般質問でも子どもの手荒れについて触れましたが、いま一度提案させていただきます。  手洗いをきちんとするようになり、新型コロナウイルス感染症に対してだけではなく、インフルエンザや手足口病などの感染症も減っているという結果が出ています。子どもの健康を守るためには、手洗いは本当に重要なものです。  しかし、小児科などにかかる子どもの数が減っていると言われる中で、皮膚科は患者数が増えているという話を聞きました。皮膚科の先生に伺うと、コロナ前までは手荒れ、これは医学用語で手湿疹、洗剤皮膚炎、進行性指掌角皮症などとも呼ばれているものだそうですが、この手荒れは美容師さんなど特定の職業の方に集中していました。しかし、この一年は一般の患者さん、特に子どもが多いとのことでした。  合成洗剤の手洗い剤の中には、皮膚炎を引き起こすおそれがあり、しかも、大部分のウイルスに対し効果が期待できないとされる化学物質を主成分としているものもあります。今はアレルギーのお子さんも大変多く、できるだけ子どもに影響を及ぼす可能性のあるものは避けるべきだと考えます。消毒剤入りや除菌効果をうたった合成洗剤ではなく、石けんで丁寧に洗うほうが効果があるとされていることはもう周知のことと思います。  子どもの健康を考え、小中学校ではリスクの低い石けんを選んでいくべきと考えます。見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 手洗いは、新型コロナウイルス感染症対策として基本的な感染予防として励行しており、各学校では例年以上に石けんや消毒用アルコールを設置するなど、手指衛生を保てる環境を整備しております。こうした石けんにつきましては、環境などに配慮したものを購入するよう学校へ周知しており、購入に当たっては、各学校の実情に合わせ学校の判断で購入しております。  手洗いは、当然のことですけれども毎日行われるものです。引き続き、子どもたちの健康を第一に考え、手に優しく環境にも影響が少ない石けんを選ぶよう周知してまいります。 ◆金井えり子 委員 もうぜひぜひ、本当に子どもたちの健康第一ということでお願いしたいと思います。  そして、石けんのアンケートを区民とともに区立小中学校に行ったんですが、その際に、給食着の香りについて、子どもの体調不良や保護者からの意見があるかということも聞きました。あると答えたのは二校、ない、もしくは子どもや保護者に確認していないと答えたのは五十一校でした。そしてもう一問、香りの害について先生方は御存じですかとの問いには、四十七校の先生が知っている、六校は知らないという答えでした。  学校で、この香害の啓発チラシを配布しているので認知度が高いのかもしれません。ただ、あのチラシは本当に啓発のためのものでして、香りの害に苦しんでいる子どもの話からは随分かけ離れています。柔軟剤、合成洗剤などに含まれる香料に触れると、めまい、頭痛、吐き気、咳き込み、また、目、鼻、のどのひりひり感、倦怠感、集中力の低下など本当に様々な症状が引き起こされる化学物質過敏症、これは本当に恐ろしいものです。化学物質過敏症は保険診療上では病名がつきましたが、いまだに診療や治療が確立されていないと言います。手荒れにしても、香害による化学物質過敏症にしても、まずは発症させないことが重要なんです。  石けんと合成洗剤の違いについてと同様、先生方には香害の被害、化学物質過敏症についてきちんと知っていただきたいと思います。見解を伺います。 ◎塚本 副参事 子どもたちへ香害について適切に指導していくためには、教員が正しく理解することが重要であると考えております。教育委員会といたしましては、教員一人一人が香害の正しい知識を身につけることができるよう、チラシを活用しながら校長会、副校長会などで再度周知するとともに、養護教諭や生活指導主任等へ情報提供することで、子どもの健康、安全、安心を守っていくことができるよう努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 ぜひお願いいたします。世田谷区の保健所では、昨年、一昨年でしたでしょうか。香りの害、化学物質過敏症についての講習会、とてもすばらしいものをやってくださっていました。たくさん保健所には資料があると思いますので、ぜひ教育委員会でも共有していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、次の質問です。SNSや新聞などの報道で、生理の貧困について多く取り上げられています。今年二月、ニュージーランドのアーダーン首相は、人口の半分にとって生活の一部である生理を理由に教育機会を奪われる若者がいてはいけないとし、全ての学校で生理用品を無料提供することになりました。昨年一月、イギリス・スコットランド議会でも、生理用品を無料提供する法案が全会一致で可決されています。  生理用品を買うお金がない、利用できる環境にない子どもがいるという事実は、日本でも同じです。コロナ禍の中、さらにつらい思いの子どもが増えています。経済的な理由を知られたくなくて、簡単に先生や友だち、親にさえ言えない状況の子もいます。また、思い悩んで外出もできなくなる子ども、そして長時間交換できないなど衛生的にも心配です。生理をタブー視してきたこれまでがそうさせてきたのかもしれません。  でも、人の命はこのおかげで育まれ、生まれてくることができるのです。女の子だけでなく、子どもたちみんなが自分の体をきちんと知って大切に思うこと、生と性の教育、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの視点がとても重要だということを、私たち生活者ネットワークは再三申し上げてまいりました。  こここそが、教育の出番だと思います。今は体格がよくなり、初潮も早く、きちんとした知識のないまま突然来て戸惑う子どももいます。子どもたちが必要なときに困ることがないよう配慮すべきと考えます。  ここで提案ですが、トイレットペーパーやペーパータオル同様、学校のトイレなどに生理用品を置くことはできないでしょうか、伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 生理用品やマスクなども含めた保健衛生用品につきましては、緊急用として保健室に備えており、忘れた児童や生徒の対応などで使用しております。こうした個人で使用する生理用品につきましては、現在はトイレに設置するなどの対応は行っておりませんが、教育委員会としましては、子どもの心身の健康を守るため、心身の成長に応じた正しい知識の指導を学校全体で取り組んでいくことも重要と考えております。  引き続き、子どもたちへの性教育に関わる指導や健康相談などを徹底し、学校と連携を図りながら、生理用品について誰もが気軽に使用できるよう努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 よろしくお願いいたします。本当に生命の源となる話ですので、ぜひぜひ学校できちっと教育を進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、NIE教育について伺います。  インターネットなどの普及で紙の新聞の定期購読が減っており、自宅に新聞がないという子どもも珍しくないようです。学校などで新聞を教材として活用するNIE、ニュースペーパー・イン・エデュケーションは、区では二〇二〇年度、中学校三年新聞配布事業として、各中学校三年生の全クラスに新聞を配布しました。二〇一九年七月、文部科学省も、全国学力テストの結果分析で、新聞を読む習慣のある子どもが正答率が高い傾向があるとしています。  まず、この取組を世田谷区で導入した経緯を伺います。 ◎隅田 副参事 区では、これまでも中学校二年生を対象に新聞社説を活用した朝学習を実施しておりましたが、新学習指導要領において、子どもたちの情報活用能力を育成する手法の一つとして新聞の活用が掲げられたことから、今年度より、中学三年生の各クラスに自由に閲覧できる新聞を置くことにいたしました。 ◆金井えり子 委員 三年生が自由に新聞を手に取って読めるという環境、本当に重要だと思います。二〇二〇年の十一月、喜多見中学一年生のNIE教育の事例発表の中では、教科「日本語」のほかに、道徳の授業でも活用されているということを知りました。  文部科学省が中学校でのスマートフォンの学校持ち込みを条件つきで容認したこと、これについて、まず賛成反対と自分の意見をプリントに書きます。そして、そのプリントはタブレットにアップされて、みんなに共有されます。自分以外の賛否もまずプリントに書き入れます。そこで新聞の投書を読んで、新たな理由を追加記入、再度賛否とその理由を考えさせ、自分の意見がどう変化したかを確認させるというものでした。  道徳というと、子どもがある程度丸になる答えを予想してしまったり、それから現在の教科書を見ると、全てが最後まで書いてあったりということで、これで子どもの心の評価をされてしまうのかなとずっと心配に思っておりましたけれども、この授業のお話を聞きまして、子どもの入りやすいテーマから、新聞の情報、それからほかの人の意見とともに自分の考えの変化までを追わせる、子どもにとってもとても面白くて、もっとやりたいなと思える授業になっていたのではないかと感じました。  今インターネット、それこそタブレットが手にありますので、とても便利に使えるツールとは思いますけれども、やっぱり新聞というのは、一部を開いてみると、政治、経済からスポーツ、文化など幅広いニュースが一部に詰まっているんですね。この新聞を学習に使うという手法は、本当に昔から先生方の工夫としてされていることかとは思いますけれども、でも、今だからこそ見直されるべきツールかもしれないなと感じます。NIE教育、子どもの考える力を伸ばすためにも、ぜひ進めていっていただきたいと感じます。見解を伺います。 ◎隅田 副参事 新聞は様々な情報を集約しており、その活用を通じて時事問題の把握や論理的な文章の作成能力や思考力、表現力、グラフや図表を読み解く力の向上を図ることができるものと考えております。各学校では新聞を学習教材として活用しており、例えば生徒がSDGsに関する記事を切り抜き、記事の内容を基に自分の意見を組み立て、発表を行う活動が行われております。また、昨年オンラインで開催された新聞を活用した教育活動の全国大会では、教科「日本語」の授業の中で新聞を活用した世田谷区の事例が紹介されております。  教育委員会といたしましては、各中学校での新聞の活用事例を取りまとめ、全校に共有することを通じて、新聞を活用した学習がより多くの学校で効果的に実施されるよう取り組んでまいります。 ◆金井えり子 委員 ぜひ新聞も見直していただきたいと思います。新聞を読んだことがない子というのが出てこない、そんな社会になっていくといいなと思っています。  新聞の教育は、アメリカでしたか、以前、新聞を取り上げなくなったらば、何と選挙の投票率が落ちたというようなことも聞いています。いろいろなことが詰まっている新聞の活用、ぜひぜひ今後とも進めていっていただきたいと思います。お願いいたします。  では続きまして、特別支援のことを聞いていきたいと思います。  今、通常学級に特別な支援を必要とする子ども、ここ十数年の間に本当に増えていると言われています。ニューヨークでは、二〇一五年時点で公立校約四万二千人、過去四年で三〇%も増えているそうです。世田谷区でも特別支援教室「すまいるルーム」を利用する子どもがとても増えていると聞いています。拠点校も増設されていますよね。十年前と比べて特別支援教室に通う子どもはどれくらい増えているのでしょうか、伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 十年前の平成二十三年度は、区内十三か所の情緒障害等通級指導学級に通う形となっており、利用している児童生徒は三百六十二名でした。その後、平成二十八年度より各学校へ特別支援教室の設置を開始し、令和二年五月一日現在の利用している児童生徒数は千五百九十九人となっております。 ◆金井えり子 委員 千五百九十九人という、本当に大きな数字になっているということですけれども、この特別支援教室を利用する子どもが増えているということは、その子たちにとって、学校や世の中が本当に生きづらいところとなっているということではないかと思います。この子どもたちは、困った子、困らせる子ではなくて、本当に困っている子なんですね。  アメリカでは、学校に作業療法士が配置されており、発達の凸凹のある子どもたちを見守り、指導していく手法として大いに活用されています。日本では、作業療法士の七五%が病院などで働いていますが、アメリカでは病院にいる作業療法士二八%だそうです。そして、二三%は学校作業療法士です。作業療法士の作業という部分ですが、作業とは人の日常生活に関わる全ての諸活動のことで、地域活動、家事、仕事、趣味など、人と社会をつなぐ接点のことだそうです。この作業を通して、その子どもの周りの生活をしやすく、環境調整をしていくプロフェッショナルが作業療法士です。  現在、日本でも昭島市や練馬区などは、地域の小児療養や民間の委託業者との連携で、支援の必要な子どもに作業療法士の活用が進められているようです。文京区では、教育センター総合相談室の相談員として作業療法士が入っています。神奈川県では、先生に対するコンサルテーションを行っていると聞きました。世田谷区では、この作業療法士の活用としてどのようなものがあるのでしょうか、伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 発達障害の傾向がある児童生徒の中には、運動機能のアンバランスさや困難さに悩んでいる子どもも多く、姿勢が崩れやすかったり、座っていても体がそわそわする、おはしを上手に使えない、字がうまく書けないなど、手先の細かい動作が苦手などの特性がございます。こうした困難や特性がある場合は、特別支援教室において感覚統合療法や、体幹トレーニングの要素を取り入れた指導を実施するケースもあり、教育委員会では、作業療法士などの外部専門家を学校に派遣し、教員を対象に専門的な助言をいただいております。 ◆金井えり子 委員 そういった機能訓練の部分でも、作業療法士さんは大活躍するポジションの方なんですけれども、今学校では先生の質を問われることが大変多いと思います。もちろんいろんな先生がいらっしゃるとは思いますけれども、これはもちろん資質ということもあるのかもしれませんが、時間がないということも、先生が思うように活躍できていない大きな要因だと思います。  これまで、専門職が入ることで様々改善されてきたことが多いと思います。世田谷区には、スクールカウンセラー、臨床心理士などの心理面の専門家が入って子どもたちや先生方を支えてくださっています。しかし、この作業につながる機能訓練や環境調整ができる作業療法士がいません。先ほど助言をいただいているというお話でしたけれども、外部専門家の学校への派遣はどのような状況なのでしょうか、伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 今年度は計画段階で、特別支援教室、特別支援学級を合わせて十二校、計三十三回の作業療法士の派遣を予定しております。 ◆金井えり子 委員 今年度、計画をしていただいていて、令和三年度から派遣が行われるということでよろしいでしょうか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 今年度の実施予定校ですので、来年度はまた改めて計画を出していただくことになっております。 ◆金井えり子 委員 ありがとうございます。もう三十三回の作業療法士の派遣があったということですね。  多分そのときに話を聞いた先生かと思うんですけれども、区立中学の特別支援の先生とちょっとお話をしました。これまで作業療法の視点というのは世田谷区には多分なかったと思う、とても重要だと思うというふうにおっしゃっていらっしゃいました。  作業療法士の作業の機能訓練についてももちろんすばらしいんですけれども、環境調整という部分で作業療法士のすばらしさがあります。環境という言葉の中には、生活作業に関わるものと、それから周りの人の部分、人間の部分も含まれています。何とかができない子というのではなくて、こういう方法でならできる子というふうに見方を変えることからまず始まります。これは障害の有無にかかわらず、子どもたちみんなに対して本当に必要な視点だと思います。  作業療法士がクラスに入ると、支援の必要なその子だけでなく、同じクラスの子どもみんなにも影響が出てくるそうです。以前ちょっと幼稚園のお話、区立幼稚園の先生のお話を伺ったんですが、初めてその園に行ったときに、障害のある子もない子も一緒に遊んでいたところ、なかなか入ってこられないみんなと作業の状況が違う子がいて、その方が手伝おうとしたら、ほかのお友達が、あの子はね、ちょっと遅いけれどもできるから手伝わなくて大丈夫だよと言われたというお話がありました。多分そういうことを自然に学べる環境というのが今なかなかなくて、それをつないでくれるのが作業療法士の自然な手法なんだなと思いました。  今、区立幼稚園ではそうやっていい教育をしてくださっていると思うんですけれども、それが小学校に来ると離れてしまったりということも出てきたりしているので、作業療法士が入ることで、周りの子も助け合いを学んだり、個性を認め合ったりという、子どもの育ちのチャンスというものも生まれてくるのではないかと思います。先生や保護者、クラスメート、それから支援の必要な子の周りの子たちみんなをつないでいく作業療法士です。  この役割はとても大きくて、今後、特別支援教室、特別支援学級だけでなく、通常学級にも入ってチームとなって進めていくことが有効だと考えますけれども、見解を伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 委員の御指摘のとおり、作業療法士のような外部専門家の助言を踏まえて指導していくことは大変有効なものと捉えておりますので、今後とも専門性の高い指導の充実に向け取り組んでまいります。 ◆金井えり子 委員 本当にすぐに全校に配置してくださいというのは難しいことは当然だと思いますけれども、今の御答弁の中にも、作業療法の視点は有効であるというふうな御答弁をいただいていますので、今後ぜひ進めていただけることを期待しております。  私たち生活者ネットワークは、同じ教室に本当に様々な子どもがいて、共に学び合っていくインクルーシブな教室を目指すべきだとずっと願っています。本当にみんなが育ち合うという教育、そういったところに世田谷区が立っていただいているということは分かっておりますけれども、ぜひぜひ今後とも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で生活者ネットワークの質問を終わります。
    ○おぎのけんじ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時四十八分休憩    ──────────────────     午前十一時五分開議 ○おぎのけんじ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいります。  私も文教の常任委員会に所属をしているもんですから、常々、委員会の中で質問をさせていただいているんですが、特に今年度、今年からタブレットが小中学校で配付をされて全児童生徒が持つことになるということは、教育現場にとっては大変なイノベーションだと思うんです。その上で、今まで教育委員会も、教育の現場である学校も、ともに教育の現場、子どもたちも含めて学校の中でのあらゆる課題を解決をするということに一生懸命検討をされてきていると思うんです。  例えば教員が仕事が忙しくて、なかなか本業である子どもたちの一人一人の学力の向上に向けた仕事に専念できないであったり、あとは、雑務が多くて基本的な授業そのものにも支障を来たすとか、あとは本来教員が行っていた部活であったり、課外事業であったりというところまでなかなか手が回らないとかというような、そういったことを何とかやりくりをしながら課題を整理し、解決してきたというのが今までだったと思うんです。  ところが、タブレットを活用するということで、もちろん学習上の様々な課題解決もできるということだと思うんですが、それは今までは紙ベースだったものが、紙ベースじゃないタブレットということで整理ができるということだと思います。  学習のことだけではなくて、私は委員会で度々取り上げているのは、いわゆるスマートスクールの問題でございまして、もう既に例えば私立の幼稚園であったり、私立の小中学校であったり、そういうところでは、例えば児童生徒の登下校の管理なんかもそうしたGPSを用いて、学校に登校したとか、もしくは自宅に戻ったとかというようなことの管理もしていたり、あとは、先生と家庭との連絡、公立でもやっておりますけれども、連絡帳などのやり取りなんかもタブレットを通して、いわゆる集計作業等もできるというようなことだと思うんです。  現状でタブレットの利用に関して世田谷区が考えていること以上に、タブレットの利用価値というのがあって、それを今後どういうふうに開発をしていくのかということによっては、例えば学校と家庭との情報のやり取りなんかも大変簡素されて分かりやすくなるし、お子さんも保護者の方も使いやすいでしょうし、学校の先生なんかも、児童生徒さんの管理に関して、今まで煩雑だったものが一元管理ができるというようなことで大変やりやすくなるんじゃないかというふうに思うんです。  まず、何回もこれは聞いているんですけれども、タブレットの端末にどのような拡張性を持たせて発展性を検討していくのかということについて、世田谷区がどういうふうに考えているか。もちろん文科省がどう考えているかとか、都教委がどう考えているとか様々あるんでしょうけれども、世田谷区としては、どういうふうに今後考えていくつもりなのか伺いたいと思います。 ◎會田 教育総務課長 学習用タブレット端末は、学校でも家庭でも使うことができるICTを活用した新たな学びを実現するツールと考えてございます。ただ、このタブレット端末は、委員お話しのとおり、学習以外にも、地域や保護者とのコミュニケーションツールとしての利用であるとか、位置情報を活用していくとか、様々な拡張性の可能性があると考えています。まずは学習支援アプリ、ドリル系アプリ、動画配信アプリ等を活用して探究的な学びの実現など、ICTを活用した学びを中心に活用してまいりますけれども、拡張性の検討も並行して行ってまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 どうも文科省は、タブレットを配布するということで、ICTの教育での活用ということで各自治体のほうで検討して、どういうソフトを使うかとか、そういうことは各自治体ごとに検討しろみたいな話のように聞こえるんですけれども、ただ、もちろん学習の内容であったりとかというのは各地域ごとに、または学校ごと、学校長の考え方もあるでしょうし、ソフトを選んだりとかということが私は必要だと思いますけれども、ただ、先ほどお話ししたように、学習以外の様々な利便性を享受できるような学校の管理であったり、生徒指導管理をするようなソフトとかというのは、どちらかというと統一の規格でつくっていただいて、国なり、東京都なりから各自治体に配布していただいたほうが効率的でもありますし、ソフトを一つつくるとか、カスタマイズするにしてもお金がかかりますから、そういう意味では国や東京都が主導で、ある一定のソフトを調整するということは私は必要だと思うんですが、そういうような要望も、世田谷区の教育委員会からしっかり届けていただきたいと思うんですが、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 現在のところ、アプリケーションソフト等について、国から統一規格が示される予定はないと認識しております。ただ、文部科学省から昨年十二月に公表されたデジタル推進プランでも、デジタル技術のさらなる効果的な活用等について検討を深めていくというようなことが明記されております。引き続き国や都の動向を注視しながら、必要に応じて要望等も行ってまいりたいと思います。 ◆あべ力也 委員 いずれにしても、親御さんも、児童生徒も、使いやすいタブレット、そして新しいことを実現できるようなタブレットの使い方を……。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 世田谷代官屋敷の活用方針について伺います。  かねて文教委員会で報告のあった積極的な内部公開と活用を進めていくとの方針と現状との違いに戸惑いを持っています。平成二十九年六月の文教委員会に、代官屋敷の保存・活用事業の御報告がありました。代官屋敷は、平成二十八年度の調査で耐震補強の必要性が明らかになっていた。これを受け、代官屋敷保存会を事業主体に耐震補強及び修理の工事を行い、これと併せて保存活用方針を策定し、文化庁、東京都、世田谷区で協力し、事業を進める趣旨から御報告するとのことでした。  そこでは、耐震補強工事と併せて今後の活用に必要な設備として、これまでなかったガスや水道についても補完し、土間や外見だけでなく建物内部の公開も行えるようにする。内部での展示等も可能になることから、事業の充実を図り、当時の歴史や文化の理解を深めるとともに、代官屋敷周辺の文化財等も含めて一体的に活用し、まちなか観光等に生かしていくといった御報告でした。その後、工事は二か年にわたり行われ、令和元年十一月末に終了しております。同工事には三か年度かけ、区からも千八百万円の区費が投じられました。  以後、代官屋敷は公開を再開しましたが、ふだん見学できるのは相も変わらず土間までです。土間から上、お座敷部分まで公開されたのは、私の知る範囲では二回だけ。おととし十二月と昨年十二月のそれぞれ一日だけの特別公開イベントだけは承知をしておりますが、全体としてのこの公開状況はいかがでしょうか。 ◎林 生涯学習部長 代官屋敷の土間から上までの公開につきましては、改修完了時の令和元年十二月の特別公開と、令和二年二月にお香体験等の親子ワークショップを実施、また、十二月に特別見学会を実施しており、計三日の公開となっております。 ◆上川あや 委員 私の知らない公開日があと一日あったわけですけれども、それにしても低調という印象です。  同じく、区教委で管理している区立の民家園二園、また二子玉川公園内の清水邸書院では、コロナ禍でも積極的に座敷以上の公開が維持されており、イベントも次々開かれております。古民家は現代建築に比べて圧倒的に通気性がいいですから、コロナ禍でも密に人を入れない限り活用すればよいと私も考えます。両民家園では、この春も例年どおり、三月三日までお座敷にひな壇が展示され、世田谷の各民家で行われていたひな祭りについての解説会も開かれました。また、この一週間は春の彼岸に当たり、十七日は入りそば、二十日は中日ぼた餅、二十三日は明けだんごと、季節に合わせた興味深い展示が続いております。  なのに、代官屋敷だけはお座敷に上がれず、季節を活用したイベント開催もほとんどないというのは、大変に残念です。この点はいかがでしょうか。 ◎林 生涯学習部長 代官屋敷の公開につきましては、所有者の大場代官屋敷保存会と協力しながら進めております。新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるための保存会の人員の体制や感染対策を十分配慮する点から、限られた公開となってございます。 ◆上川あや 委員 人員面での課題もあるようなんですが、区は人材面でも貢献できるのではないでしょうか。  区教委ではこの間、長く途絶えていた学芸員の採用を再開し、新たな人材も育ってきたと認識をしております。ここ最近の人員状況も御説明をいただければと思います。 ◎林 生涯学習部長 学芸員の退職に伴いまして正規職員の採用を計画的に進めております。平成二十九年度、歴史一名、平成三十年度、民俗一名、平成三十一年度、考古一名採用、また、令和三年四月に建築一名の採用を予定としております。  また、学芸員の体制は正規、再任用を合わせまして、令和元年度は考古四名、民俗一名、歴史二名の計七名、令和二年度は考古三名、民俗一名、歴史二名の計六名、令和三年度は考古三名、民俗一名、歴史二名、建築一名の計七名となっております。 ◆上川あや 委員 せっかく採用を進めてきた専門人材で、働くのも代官屋敷のすぐお隣の郷土資料館です。これを生かさない手はないと考えます。区は、平成三十年十一月の文教委員会で、代官屋敷の改修工事の着手について次のように述べています。  今回の耐震と修理を実施することにより、これまで外観と土間部分のみを公開していたのですが、内部の座敷についても見学できるようにいたします。また、新たに土間にかまどを設置しますので、餅つきや日々の生活の様子、年中行事などの再現など、当時の暮らしを体験できるような事業や暮らしぶりや、代官の職務が理解できるような展示を行うなど事業の充実に取り組みます。このように言い切り型で説明をしております。  この御報告に、私も工事後を楽しみにしていた一人なのですが、この二年、当初のお約束とその後の状況は大いに違うと感じます。代官屋敷の今回の工事には、国指定重要文化財の公開活用を前提とした国の助成金も使われていると認識していますが、いかがでしょう。 ◎林 生涯学習部長 委員御指摘のとおり、重要文化財建造物保存修理公開活用事業の国庫補助を活用しております。 ◆上川あや 委員 公開活用を前提とした国の助成金も得ている。ならば、積極的な座敷以上の公開と、郷土資料館が保管する豊富な歴史資料、また地域の歴史、民俗に精通した学芸員を生かした積極活用を希望いたします。区教委の見解を伺います。 ◎林 生涯学習部長 現在は新型コロナウイルス感染状況を見ながら実施時期を調整しておりますが、今後区では、解説会や好評であったお香体験等親子ワークショップなどの事業、また、社会科見学の充実を郷土資料館を中心に検討してまいります。また、所有者である大場代官屋敷保存会では、今後、茶道などの日本文化や歴史文化を学ぶ場としての開放などの活用も検討されていると伺っております。  区では、平成二十八年度に策定いたしました文化財保存活用基本方針におきまして、世田谷区の郷土を学べる場や機会の充実を進めております。大場家住宅主屋及び表門は区内唯一の重要文化財建造物であり、隣接する郷土資料館とともに、世田谷の歴史文化の中心的な施設として活用していくこととしてございます。  また、代官屋敷保存会では、地域の歴史、伝統文化を後世に伝えていくため、平成三十一年度に大場家住宅主屋及び表門保存活用計画を策定しております。今後も代官屋敷の積極的な公開、活用を図ってまいります。 ◆上川あや 委員 積極公開を望みます。終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、図書館へのテレワークステーションの整備について伺います。  一般質問でテレワークステーションの整備について取り上げ、子ワーキングスペースチャチャチャ、また区のインキュベーション施設である池尻ものづくり学校へのテレワークステーションの整備を提案いたしました。本日は、図書館へのテレワークステーションの整備について質問してまいります。  コロナ禍において、働き方、生活様式が大きく変わり、テレワーク当たり前の時代になってまいりました。一方で、自宅でずっとパソコンの前にいるのはつらいので、午前中はカフェ、午後は自宅といったように場所を変えてテレワークをしている友人もおります。区民の皆様からの声が多いのは、テレワークに最適な声を出すことができる場所が少ない、場所が欲しいということです。  私もオンライン会議などで、特に移動中にオンラインができる場所に困ることがあります。例えばJR東日本では、駅構内などにステーションワークを整備するなど、民間企業では整備が進んできておりますが、公共施設は未整備です。  そこで、図書館の中に、閲覧席とは別に、テレワーク用の声を出すことができるスペースを設けて、皆様の働き方に合わせ、テレワークステーションを整備していただきたいと思います。見解をお伺いいたします。 ◎谷澤 中央図書館長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、社会的にも、テレワーク、リモートワークなどの新たな働き方が定着しつつあります。図書館では、これまで館内にWi―Fi環境を整備し、一部ではありますが、電源を備えたパソコン利用が可能な閲覧席を設けるなど、図書館の資料等を活用した仕事のできる環境を整備してまいりました。  ただし、図書館内にある閲覧席という性格上、オンライン会議等の声や音の生じるものについては対応できていないのが現状でございます。オンラインでの会議や打合せ等に対応するためには、図書館内に防音対策を施した個室スペースを設ける必要があり、直ちに対応するのは難しい状況でございます。今後のテレワークの進展状況や、どのような設備が求められているかなど、民間や他自治体の設置例等を参考に研究してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ウィズコロナ、アフターコロナとして、働く方に合わせて整備を今後検討していただくことを要望いたします。  次に、教育分野におけるDX、デジタル教科書について伺います。  中央教育審議会は今年の一月に、教科担任制を二〇二二年をめどに本格導入することと、ICT活用指導力の一層の向上は急務との答申をまとめました。また、政府は、ICTを活用した少人数学級を行うために、公立小学校の一学級当たりの上限人数を三十五人とする改正案を二月二日に閣議決定いたしました。  今回は、デジタル教科書についてお聞きします。  政府はデジタル教科書の普及に向けて、現在は各教科の授業時間数の二分の一未満と定められている文部科学省令を改正し、時間の制限をなくす方針を固めました。今年の四月から制限が撤廃される予定です。十九年度に、文部科学省がモデル校で実施した結果、学校からは、制約なく自由に使えるほうがよい、制限がなくなれば多様な授業が可能になるといった声が出ているとのことであります。  デジタル教科書は、動画や音声のコンテンツを盛り込むことができ、児童がより視覚的に教科の内容を理解できるだけではなく、情報社会への対応を学べるメリットもあり、区立小中学校で積極的に活用すべきと考えます。世田谷区におけるデジタル教科書の導入状況と今後の予定についてお伺いいたします。 ◎隅田 副参事 デジタル教科書は、掲載されている映像や音声などの情報を活用することで、より分かりやすい授業につながるほか、文字を拡大する機能などにより、障害のある子どもの学習支援にもつながる様々なメリットがあるものと考えております。現在、教育委員会では、教員用のデジタル教科書を導入し、動画やシミュレーション教材を用いて、子どもたちにより分かりやすい授業を行うなど、デジタル教科書の本格導入に向けて準備を進めております。  また、来年度において、文部科学省が児童生徒用のデジタル教科書の実証授業を行うことを予定しており、世田谷区では全校が参加できるように申請しております。教育委員会といたしましては、デジタル教科書導入に向けた国の動向を注視しながら、デジタル教科書の有効活用について研究を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 今後、デジタル教科書の有効活用についてしっかりと進めていただくよう、よろしくお願いいたします。  次に、情報リテラシー教育について伺います。  スマートフォンやSNSが子どもたちの間にも急速に普及していることに伴い、インターネットの利用時間の長時間やSNSを通じて児童が被害に遭ったり、個人情報が不正利用されるなど危険が増大しており、これらの課題解決に対応するため、子どもたちに情報リテラシーを身につけさせることは重要です。新学習指導要領にも情報モラル教育が位置づけられ、様々な教材が出ておりますが、全国一律的な教材や授業では、進化し続ける教育のICTに対応することが難しいため、専門の事業者にモラル教育を委託している自治体もあります。  世田谷区も、教育のICTを進める一方で、情報リテラシー教育を一層充実させる必要があると考えますが、現在の取組と今後の方針について、区の見解をお伺いいたします。 ◎隅田 副参事 学校や家庭でのICT活用が広がる中、児童生徒の情報リテラシー教育を充実させていくことは重要であると考えております。区では、全校で専門業者によるネットリテラシー醸成講座を開催しており、インターネットやソーシャルメディアとの上手な付き合い方や、インターネットの危険性などについて理解を深め、ICTを正しく利用できるように取り組んでおります。また、保護者の方に向けても、ネットリテラシー醸成講座を開催するとともに、リーフレットやチラシなどを配布して、個人情報の流出やネット依存の防止について情報提供を行っております。ネットリテラシー醸成講座や保護者への情報提供を教育委員会から積極的に行っていくことで、情報リテラシー教育のさらなる充実を図ってまいります。 ◆ひうち優子 委員 情報リテラシー教育は今後も重要な分野となっていくと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 今回、児童生徒に一人一台配付したタブレット、キーボード一体型ケースの重さをそれぞれ教えてください。 ◎會田 教育総務課長 タブレット本体とキーボードつきのケースを合わせますと約一・一キログラムです。 ◆そのべせいや 委員 二〇一九年秋モデルのipad自体は四百六十九グラム、キーボード一体型ケース、ロジクールというメーカーですが、六百二グラム、充電器を合わせると約一・一キロです。  世田谷区議会でも以前より、加藤議員、諸星前議員、高久議員より、ランドセルが重い問題については取り上げられてきましたが、区の予定している運用では、毎日タブレットを持参するため、従来よりさらに一・一キロ背負うこととなります。デジタル教科書になればほかの紙の塊を持ち歩く必要がなくなり一気に軽くなる一方、今月の文科省の検討会議で、二〇二四年のデジタル教科書導入時、改変時には、紙の教科書の併用が決定しています。  以前の諸星前議員の質疑にもありましたが、我々ゆとり世代よりも大きく重くなった教科書と併用することで、既に重いランドセルに、さらに一・一キロ重くなります。また、ゆとり世代の名誉のために申し上げますが、週刊朝日オンラインの調査では、四十五年前の一九七六年の東京書籍の小学三年生の教科書の重さ九百九十グラム、現行の一つ前、二〇一四年版は千七百九十グラム、現在の半分だったそうです。  文科省からの事務連絡で配慮のお願いだけ出ていて、一方、世田谷区としてランドセルを軽くするために特別な対策もこの間取られていません。iPadの学校保管が選べないか教育指導課に伺ったところ、各クラスにiPad用の収納ラックを置くことも、教室のスペースを鑑みると考え難いとのことですが、例えば三十五人学級で、教室の足りなくならない学校については、もはや必要ない現在のコンピューター室、パソコンルームとなっているスペースの活用、せめて盗難によるコストの低い約一キロ分の学用品の教室保管などを進め、これ以上成長期の子どもの肩に重荷を背負わせないよう、我々大人が考えるべきです。見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 学校でも家庭でも活用するタブレット端末は持ち帰りが発生いたします。デジタル教科書が普及すると状況は大きく変わってくると考えておりますが、当面の間でも、今幾つか御提案をいただきましたので、できることを検討してまいりたいと思います。 ◆そのべせいや 委員 キーボード一体型ケースを外して、例えば四百六十九グラムの部分だけ持ち歩くですとか、また教科書を裁断して必要な部分のみ持ち歩くみたいなことについて見解はいかがでしょうか、できるでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 キーボードつきのケースはかなり頑丈でありまして、落としたりするときの対策ということもありますので、あまりそういうことは考えていないのが現状です。 ◆そのべせいや 委員 ぜひこの課題、しっかり取り組んでいただきたいです。  続いて、押印について、文科省からも学校が保護者に求める押印の見直し及び学校保護者間等における連絡手段のデジタルの推進という通知が出ていますが、区立学校でも認め印を廃止して、保護者からの提出物をデジタル、効率する基盤を整えられないでしょうか、見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 押印の廃止につきましては、区長部局とともに認め印などの廃止に取り組んでいるところでございます。デジタルにつきましては大分環境も整ってまいりましたし、効率の基盤というところまでまいりますと、今後の検討、アカウント等も検討しなくてはいけないと思いますが、考えていきたいと思います。 ◆そのべせいや 委員 四月より新たな連絡システムが導入されますが、システムの仕様を見ると、出欠連絡は完全移行できる一方で、学校、教育委員会側から見ると、区内全域、学校全体、学年全体、クラス全体へそれぞれ一斉送信できるものの、個別の家庭との連絡はできません。また、家庭側から見ると、出欠以外の内容を送ることもできず、何か相談が必要であれば従来どおり電話、連絡帳が必要となり、また家庭から保護者会の出欠、面談の日程調整、各種申込みの提出もできません。  教育委員会事務局はこれまで、全ての家庭に通信環境がないことをデジタルを拒否する理由に挙げていましたが、区立小中学校在学中の就学援助家庭についてはWi―Fi利用料を補助する体制を継続すること、また全児童生徒へのタブレット対応が完了したことを鑑みると、今やっと学校保護者間の手続をデジタルする環境は整いました。  区が現在進めている一部のデジタル移管では、ほぼデジタルによる一元、効率の恩恵を受けられず、連絡手法が散らばることで教員への負荷は上昇する可能性すらあります。個別連絡についてのデジタル移管について早急に進めなければ、総括質疑で取り上げましたGメールの問題、シャドーITは常態をし、保護者からの提出物のデジタル移管ができなければ、永遠に紙を刷り続ける必要があります。  個別連絡、提出物のデジタルの課題をこの場で示し、個人情報保護審議会の答申が必要であれば、直後に了解を取ってください。答弁を求めます。 ◎會田 教育総務課長 四月から新しい学校緊急連絡情報配信サービスを考えております。こちらはクラス単位の連絡まで可能になるというところなんですが、今お話しのありました個別ということになりますと、個人情報の取扱い等、より一層セキュリティーをどういうふうに制御していくかというような問題でありますとか、具体的な項目、内容につきましても、改めて情報公開個人情報審議会のほうに諮問する必要があるかと考えております。 ◆そのべせいや 委員 双方向の連絡ができるような体制をぜひ整えてください。  また、これまで教育委員会から区立学校に在籍をする全児童生徒、家庭へ配付をしていた紙について、企画総務領域でも郵便、庁内便の縮小を求めてきましたが、今の時代に情報を印刷した紙を印刷所から本庁、本庁から各学校、学校から各クラス、そして各家庭に配付する極めて前近代的な手法は、デジタルの環境整備をもって廃止し、教育委員会アカウントから家庭に一斉送信する、また紙を前提としていたからこそ、タブロイド判やA4サイズに情報を収める体裁が求められていましたが、タブロイド判、A4サイズという前提を撤廃し、テキストや画像、動画で必要な情報を適宜配信する体制へ移行を求めます。答弁を求めます。 ◎會田 教育総務課長 新しい学校緊急連絡情報配信サービスでは、保護者への情報配信機能としてデータを添付して配信する機能もございます。この配信機能で、紙プリントではなく電子データとして提供する機能を活用してまいりたいと考えてございます。  データ管理の安全性、その他のセキュリティー面などに十分留意し、学習支援のソフトウェアの活用などと比較しながら、最適な方法で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆そのべせいや 委員 配信する方法について、各メッセージにファイルを添付するということが、現時点では導入するシステムで可能となっていますが、一方で、逐一メッセージに一つ一つファイルを添付していくということになりますと、後から見返すことが非常に難しいであったりですとか、情報が散らばってしまうという問題もありますので、先ほど答弁もいただきましたが、学校と保護者が連絡する手段について、クラウドのサーバーにアップをするなど、アカウントの付与というような考え方も含めて検討いただきたい、早急に整備をいただきたいと要望して、質問を終えます。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、区立小中学校における感染症対策と校外活動について伺います。  昨年二月末、新型コロナ感染症の拡大を防止するため、首相から休校要請を受け、区立小中学校は三月二日から三月十四日まで休校となりました。休校措置は延長され、六月一日からの分散登校を経て、ようやく六月二十二日から通常の学校活動が再開できるようになりました。教育委員会では、不足した授業時間を確保するために、夏休みを短縮し、さらには児童生徒へのタブレット貸与を進めるなど、インターネット環境を活用した学習支援にも取り組まれました。未曽有の事態での、教育委員会や学校現場での御努力には大変頭が下がる思いであります。  しかし、コロナ対応への困難さから、学校再開後も大人数での活動や集団での移動を伴う様々な活動が、残念ながら中止となりました。修学旅行の中止について、区議会だけでなく、大きな議論ともなりました。教育委員会、学校現場としても苦渋の決断だったと思いますが、今年度、新型コロナ感染症によってどのような行事や校外活動を中止せざるを得なかったのかお伺いいたします。 ◎田中 学務課長 今年度、新型コロナウイルス感染症の拡大により休止となりました校外活動といたしましては、川場移動教室、河口湖移動教室、日光林間学園の宿泊行事がございます。また、中学校の修学旅行につきましては延期して実施することを検討した学校がございましたが、一月七日に発出されました緊急事態宣言を受け、多くの学校が中止となりました。
     その他に中止となった主な行事といたしましては、連合行事である小学校連合運動会などがございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。今年度中止になった行事などについては分かりました。  ただ、コロナ禍の中でありますが、コロナへの対策を十分に講じた上で実施ができた行事などもあるかと思いますが、その内容をお伺いいたします。 ◎田中 学務課長 新型コロナウイルス感染症の拡大の中ではございましたが、児童生徒の体験の機会を確保するため、手法の工夫などにより実施した行事などがございます。  例えば小学校の音楽鑑賞教室では、例年でございますと、大きなホールにおいてオーケストラの演奏を児童が鑑賞しておりましたが、ソーシャルディスタンスの確保などの課題があることから、感染症拡大防止対策を徹底しつつ、別の方法で実施できないか検討いたしました。その上で、教育委員会が学校や演奏者との連携、調整を重ね、各学校においてプロの管弦楽器奏者によるクラシック楽曲や、各校の校歌の演奏などを実施し、児童への音楽への興味関心を喚起する取組を行うことができました。  また、運動会などについて、開催日数や演目の精査など、各学校が創意工夫により実施するなど、体験活動の確保に取り組んだところです。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。来年度も、引き続きコロナ対応や財源不足の影響から、中学校歌舞伎教室やプラネタリウムコンサートなど幾つかの校外活動を中止にするという予定も伺っております。  一方で、実施規模を縮小して実施する川場移動教室など、工夫をして実施する活動もあると伺っております。実際に子どもたちが体験することは、何ものにも変え難い経験であるかと考えます。  教育委員会としては、できる限り実体験の場を確保していただいていると思いますが、ここで改めてお伺いいたします。校外活動の意義と確保に向けた教育委員会の対応についてお伺いいたします。 ◎毛利 教育指導課長 今年度は、新型コロナウイルス感染症への対応のため、様々な行事や校外活動を制限せざるを得ませんでしたが、学校教育における体験活動や校外活動は、実体験を通じて豊かな人間性や、自ら学び、自ら考える力など生きる力の基盤を育む重要な役割を果たしています。子どもたちは、具体的な体験や事物との関わりを通して、感動したり、驚いたりしながら、実際の生活や社会、自然の在り方などを学び、世界を広げています。  教育委員会といたしましては、各学校が感染症対策をしっかりと行いながら、可能な限り、体験学習の機会を確保できるよう、校長会とも連携しながら、各学校の取組を積極的に支援してまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。実体験に勝る学びはないと思います。様々な御苦労はあるかと思いますが、子どもたちが体験できる機会をできる限り確保いただきたいと思い、お願い申し上げまして、質問を終わりにいたします。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 本日は予算特別委員会の文教ということなので、私自身、長く関わってきたPTA活動についてお伺いします。  今の理事者の皆さんは御存じないかもしれませんが、私は小学校と中学校のPTA活動をしてきました。世田谷区中学校PTA連合協議会の会長も五年間やらせていただきましたが、区議会議員になる前、PTA活動をしていた頃から、はや十年以上たち、私の子どもたちも成人して所帯を持ちました。時がたつのは早いもんです。子育て中は、子どもたちが具合が悪くなったりしないか、学校で先生に御迷惑をかけているのかな、友達と仲よくしているのかな、いろいろ気をもみました。ただでさえ気をもむのに、昨年から続く新型コロナウイルスの感染症の心配は、これはただごとではありません。  ある日突然、小学校と中学校が休校となったので、どこの御家庭でも、自分の仕事のことや、休校中の子どもたちのお昼御飯とか、ずっと家にいる子どもたちがいることに戸惑いがあったのではないかと思います。  私は、毎朝、立ち番をしていますが、元気に登校する子どもたちの顔が見られなくなり、本当に心配でした。毎朝子どもたちに挨拶をしていると、今日はこの子、いつもとちょっと違う、元気がないなとか、学校に行くのが嫌なのかなというふうな子も見られます。いつも以上に張り切っている子どももいて、中には、いいことがあるのか楽しみだというふうなことが、子どもたちの表情を見ていると分かるもんです。そうした子どもたちが、休校中に窮屈な思いをしていないかととても心配したものです。  さて、休校期間中はちょうど新学期にかかり、卒業式や入学式もいつもどおりとは違うようでした。そして、新学期といえば、PTAの役員も一新するものです。そうした活動にも、新型コロナウイルスの影響があったのではないでしょうか。教育委員会の見解をお伺いします。 ◎林 生涯学習部長 昨年の新型コロナウイルス感染症第一波の緊急事態宣言によりまして、三月から五月は学校休業となったため、PTA活動につきましても、新旧の引継ぎや新体制による活動計画などができず、多くのPTAは九月以降に活動を開始されました。このような状況におきまして、役員以外は委員を決めず、最小限の活動にとどまるPTAや、オンラインを駆使して活動を行うPTAもあり、それぞれのPTAの実情に合った活動を行っております。  また、家庭教育学級は九十八の幼稚園、小中学校PTA中、約三分の一の開催にとどまっております。  また、PTAの連合体におきましても、コロナ禍により、従来の活動の中止や縮小を余儀なくされ、感染症の収束が見通しがつかない状況のため、来年度の活動計画の見直しが検討されていると伺っております。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございました。新型コロナウイルスの感染症に気遣いながら活動されているPTAの役員の皆様、本当に御苦労様です。  一つ、前から気になっていたことがあるんですが、私もPTA活動をやっているときに思ったんですが、ブロック分けなんですが、小学校は八ブロック、中学校になると四ブロックになります。半分になってしまいますが、PTA活動は大丈夫なのでしょうか、お伺いします。 ◎林 生涯学習部長 お尋ねのPTAのブロック編成でございますが、小学校は八つ、中学校は四つのブロックに分かれております。このブロック編成につきましては、長年、小学校、中学校のブロック編成に合わせております。世田谷九年教育の取組の一つである学び舎は、基本的には地域の小学校二校と中学校一校をグループとして編成しております。ブロック編成も同様の構成となってございます。  また、PTAが活動する上でこのブロック編成が支障となっている等の意見は現在のところいただいておりませんが、教育委員会といたしましては、今後PTAが活動しやすい環境づくりに取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  最近、いや昔もそういう声があったんですが、学校関係のPTA役員になると大変だとか、PTA活動は時間を取られておっくうだとか思う親御さんがいっぱいいるのではないでしょうか。そこは、時代に合った活動が必要だろうと思います。  私がPTAの頃は、津吹教育長さんと、武藤さんと、四元さんという方が頑張って、民間給食とかBOPをつくってくれました。渡部教育長さんになって、質問を私はしていなかったのですが、教育長さん、新型コロナウイルス感染を踏まえて、PTA活動の在り方についてお伺いします。 ◎渡部 教育長 第二次教育ビジョンでは、基本方針に、地域とともに子どもを育てる教育の推進を掲げておりますが、世田谷らしい質の高い教育を推進する上で、PTAの役割はおっしゃるとおり大切なものと考えております。  近年、核家族にとどまらず、共働き家庭の増加などに伴って、PTA活動を負担に感じる保護者が少なからずいらっしゃることを理解しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大により、PTAの活動が中止や縮小を余儀なくされているということも承知しております。  これからは、各PTAの実情に合った活動の見直しや、少しでも負担を軽減できる工夫、このコロナ禍においてオンラインの支援など、教育委員会としてできますことを支援してまいります。PTA連合協議会や学校とも連携をしながら支援を進めてまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。自分たちがPTAの頃に一番楽しかったのは、私は中学校を五年間やったもので、中学校のときに一番楽しかったのは、各ブロック、一ブロックから四ブロックがバス一台ずつに乗っかって河口湖に行きました。河口湖に行ってちょっと研修した後に、ごみ袋を持って近所を、大体五百メートルぐらい離れたところから河口湖の保養施設のところまでずっとごみ拾いをやったという思い出があります。本当にPTA活動をやっていて楽しいことがいっぱいありました。  でも、今はなかなかお仕事の関係でPTAの活動ができない方がいっぱいいるもんで、その点、区のほうでもそういう配慮をしていただくとありがたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩    ──────────────────     午後零時四十五分開議 ○おぎのけんじ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆宍戸三郎 委員 自由民主党の質疑に入ります。  私は常々、子どもは国の宝、地域の担い手として大きな宝であると申し上げてきました。学校への日々の登校時や地域でのお祭りなど、イベントの際には明るい子どもたちの声を聞き、いつも元気をもらっています。この子たちがすくすくと育ち、様々な人たちと接することで、生きる力を身につけ、人間力を高めて、将来の日本を、私たちの地域を引っ張っていってほしい、心からそう願っています。  そのためには、義務教育である小中学校でその基礎をつくることが非常に大切なことだと思っています。そして、その基礎をつくるためには何をおいても、児童の指導に当たる先生方の力が不可欠であり、魅力ある先生の養成に力を入れるよう申し上げてまいりました。先生の養成の方法論に入る前に、世田谷区の先生の現状について伺いたいと思います。  まず、世田谷区の先生の数を教えてもらえますか。また、年度初めで異動があると思うのですが、新規採用を含めて先生の異動はどのくらいあるのでしょうか伺います。 ◎毛利 教育指導課長 今年度の世田谷区の正規教員の人数についてですが、小学校と中学校を合わせて約二千六百人となっております。そのうち新規採用の教員の人数は約百八十人です。区内で異動した教員の人数は約六十人、区外から世田谷区に異動してきた教員の人数は約二百三十人となっております。 ◆宍戸三郎 委員 分かりました。そうすると、約二千六百人のうち約二割に当たる五百人弱の教員が一年間に異動になっているということになりますね。  それではもう一つ、先生の年齢構成と経験年数はどのようになっていますか。私の感じたところによりますと、世田谷区は若い先生が多いと思うのですが、どうでしょうか。また、その傾向は世田谷区独特のものなのか教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 今年度の小中学校の正規教員の年齢構成についてですが、二十代が約二〇%、三十代が約三三%、四十代が約二三%、五十代以上が約二四%となっております。また、正規教員の経験年数についてですが、十年未満の教員が約五六%、十年以上二十年未満の教員が約二五%、二十年以上三十年未満の教員が約九%、三十年以上の教員が約一一%となっております。このような傾向は世田谷区独特のものではなく、東京都全体の傾向であると聞いております。 ◆宍戸三郎 委員 それはそうですよね。世田谷区だけ若い先生が多いとなると、それはそれで問題になるということになりますからね。  私も、若い先生だけを増やせと言っているわけではなく、むしろ年齢とか経験年数はそれぞれバランスが取れていたほうがいいと思っています。経験のある先生から適切なアドバイスをしてもらったほうがよいこともたくさんあると思います。要はバランスが大切ということです。また、これからは三十五人学級や教科担任制などが導入されると、多くの先生も増やさなければなりません。  そこで伺います。何年度までにどのくらいの先生を増やしていくのか、教育委員会としてどのように推計しているのでしょうか、伺います。 ◎毛利 教育指導課長 三十五人学級については、令和三年度の小学校二年生から順次段階的に実現されることになっておりますが、区立小学校においては、児童数の増加への対応と併せて、今後五年間で約百名程度の教員を増員する必要があると想定しております。  また、小学校への教科担任制の導入の拡大については、教員の免許制度の見直しなども併せて検討されていると聞いており、導入拡大に伴い必要となる教員の増員の規模は現時点では定かではありません。 ◆宍戸三郎 委員 三十五人学級などへの対応には、準備を含め、抜かりのないようにお願いしておきます。  次に、先ほどこの一年に新規採用百八十人、区内異動六十人、区外からの異動二百三十人とのお話がありましたが、採用時や異動時に先生のほうから世田谷区を希望することはできるのでしょうか、伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教員の採用や異動の権限は東京都教育委員会にありますが、一方、世田谷区で働きたい教員を公募し、一定の条件を満たした意欲ある教員が世田谷区に異動できる制度がございます。この公募制度を活用することで、校長の学校経営に基づいた特色ある学校づくりの推進を図ることができ、今年度は、区外からの異動者約二百三十人のうち約五十人が公募制度を活用して世田谷区の学校で働いております。 ◆宍戸三郎 委員 今、答弁の中で、公募を活用して特色ある学校づくりの推進ができるというようなことを言われましたが、これはどういうことなのか、詳しく、できれば具体的に教えてもらえますか。 ◎毛利 教育指導課長 教育委員会では、各学校の特色や求める教員像などをホームページに掲載し、特色ある学校づくりに関心、意欲がある広い視野と、確かな力量を持った教員を募集しております。具体的には、学校の特色として、STEAM教育への取組やインクルーシブ教育の取組を紹介したり、求める教員として、地域とともに子どもを育てる意欲があふれる教員や、人と人との関わりを大切にし、子どもへの愛情あふれる教員などを掲げたりしております。 ◆宍戸三郎 委員 知るとつくるのサイクルを生み出す横断的な学びのSTEAM教育や、一人一人丁寧に、みんなが一緒に学ぶインクルーシブ教育への取組などは、私の地元の学校でもよく聞いています。地域とともに子どもを育てる意欲のあふれる、また、人と人との関わりを大切にし、子どもへの愛情あふれる教員を求めるという公募制度はとてもよい制度だと思います。ぜひ積極的に活用していただくことをお願いしておきます。  冒頭で、魅力ある先生を養成してほしいと申し上げました。魅力的とは、人間的な魅力であり、情熱を持って児童を育てる先生です。そんな魅力ある先生にどんどん世田谷区に来ていただきたい。そのためには教育に専念できるような環境を整え、ぜひ世田谷区で子どもたちを教えたいと言ってもらえるようにすることが必要だと考えます。  新しい教育センターもできます。その活用も含め、魅力ある先生の確保に向け、どのように取り組んでいくのか、教育委員会の見解を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教育は人なりと言われるように、学校教育の充実は教員の資質に負うところが極めて大きいと考えております。  教育委員会としましては、今後も各学校が魅力ある教育活動を行うことや、教育総合センターにおける研修、研究の充実を図ることで、この公募制度を活用して、より多くの教員が世田谷区で働くことを希望していただけるよう取り組んでまいります。 ◆宍戸三郎 委員 様々質問してまいりましたが、公募制度や特色ある学校づくり、新教育センターにおける研修研究の充実を図るなど、よい取組が考えられていると思います。しかし、本当に肝心なことは実践することです。ぜひ多くの教員が世田谷区に集まってくれることを期待しています。そして、児童生徒にとって魅力的な先生の養成に、新教育センターを十分に活用して取り組まれることを切望し、加藤委員と質問を代わります。 ◆加藤たいき 委員 引き続き、文教領域の質疑を続けてまいります。  まず、私からは、ICT教育について質問をします。  予算案に組み込まれた、先ほど午前中にもありましたけれども、デジタル教科書試行の意図を伺います。 ◎隅田 副参事 現在、文部科学省の有識者会議では、二〇二四年度にデジタル教科書を学校に本格的に導入することを検討しております。こうした動向を踏まえ、教育委員会ではモデル校を指定し、その有効活用について研究を進めることを予定しております。なお、文部科学省においても児童生徒用のデジタル教科書の実証授業を予定しており、世田谷区では全校が参加できるよう申請しております。申請が認められた場合は、モデル校に限ることなく、デジタル教科書を活用した学びを試行し、運用面などの課題の把握に努めてまいります。 ◆加藤たいき 委員 来年度の具体的な運用方針も伺っておきます。お願いします。 ◎隅田 副参事 教育委員会では、来年度に実施する検証を通じて、デジタル教科書のメリット、デメリットを把握してまいりたいと考えております。その上で、これまで使用してきた紙の教科書とデジタル教科書の双方のメリットを生かして、一人一人の児童生徒がより効果的に学べるよう、研究に取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 答弁をいただいた限りでは、当初の予算要求してきた方針とは変わって、予算案では二校、小学校一校、中学校一校でデジタル教科書の試行と聞いていたので、随分と変わった印象があるなというところで、先ほど午前中に、そのべ委員からランドセルの重たい問題、私もランドセル重たい問題を過去にやってきていますけれども、成長期の弊害があるんではないかというところで考えておりました。  私の息子も、先日iPad、タブレットを持ち帰ってきて、先ほど約一・一キロということで、ランドセルに一・一キロを乗せた上に教科書も乗っかって、日によっては両手に荷物を抱えて通学しているという環境を考えると、やはり重たい環境をこのまま続けるというのはちょっと考え直さなきゃいけないなというところで、デジタル教科書は非常に有効ではないかなと思っておりますので、紙のいい部分だったり悪い部分も、ここでデジタル教科書と対比してもらった上で、ぜひ置き勉だったり、デジタル教科書になると家庭でもクラウド上にアクセスして教科書を取りに行くこともできると聞いていますので、そういったところも使って、学校と家庭と教科書が両方でしっかりと置いておいても使えるという環境を、教育委員会も考えてもらいたいなというふうに思っております。  四年前に、このICT教育について初めて質問したときに、タブレットを導入したばかりの私立学校の教員との話をさせていただきました。その際に大変なのが、子ども一人一人のデバイス内の情報についてどう取り扱っていくかということにすごく課題があるというふうに聞いていて、今回、世田谷区でもタブレットがようやく一人一台ずつ配付されたとのことで、私立教員と話していて、子どもたちが家庭でどのように勉強に向き合っているのかとか、また、どのように家でタブレットを利用しているのかが分かるとのことで、今後世田谷区でもデータとなって分かってくるはずです。  そのようなログ記録をどうやって生かすのかが非常にこの後、一人一人大事になってくると思うんですけれども、まずはこのデータを吸い出すことができる仕組みになっているのか、また生かす方針があるのか伺います。 ◎隅田 副参事 児童生徒のタブレット端末やアプリの利用履歴は、個人情報などに配慮しながら記録することとしており、学習支援などに効果的に活用してまいりたいと考えております。  例えば来年度から導入するドリル系アプリは、子どもたちが取り組んだ問題や解答、所要時間、正答率などのデータをアプリ内に蓄積するとともに、ほかのアプリと連結可能なファイルデータとして外部に取り出す機能を持っております。  また、子どもたちが取り組んだ問題や解答所要時間、正答率等のデータを蓄積し、AIが分析して、例えば子どもたちに苦手とする分野の問題の解説を提供したり、類似の問題を出題したりすることや、教員に学習履歴を提供し、一人一人の学習の進捗状況に合わせた指導につながることが可能となっております。学習履歴の蓄積、AIによる分析などを効果的に活用し、児童生徒一人一人の学習状況に応じた個別最適された学習支援に取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 今、昭和から平成、昭和の環境から平成に変わったときでも大きく変更があった、学習指導要領では大きくあったという中で、今回、令和になってまだ三年たかだかなのに大きく時代が動こうとしている中で、教員の方々も非常にこの後大変になっていくかと思うんですが、取り巻く環境が大きく変わっていく中で、今の教員、今の状況で、慣れていない教員がこのデジタルな世界、iPadのログ記録だったりということに対応できるのかと非常に心配しているんですけれども、その辺はどう考えているんでしょうか。 ◎隅田 副参事 学校のICT環境が大幅に改善され、ICTを活用したこれからの学びを推進するためには、教員のICTスキルを向上させることが大変重要であると考えます。そのために、校内においては、教員同士がICT活用について連携し合える体制を構築してまいります。  ICTスキルの高い教員が推進役となり、先進的に取組を進めるとともに、一人だけの取組とならないように、教員同士がICTを活用してつながり、円滑に情報共有を図れるように努めてまいります。また、外部の学識経験者や民間企業と連携して、職層ごとにICTの専門的な研修を実施するとともに、区内のICTスキルの高い教員を推進の要として、効果的な活用事例や教材等などの情報共有を行う体制やシステムを構築してまいります。 ◆加藤たいき 委員 始まると学級ごとの差というのはちょっと出てきてしまうのかなというふうに思っております。環境に合うことができなくてタブレットの教育に苦手意識を持っている方々に合わせる必要は正直ないと思っておりまして、それぞれ教員の主体性だったり独自性をしっかりと教育委員会として尊重するような環境をつくってもらいたいなというふうに思っております。  往々にある話なんですけれども、現場サイドが上から下に下ろしてしまって、新しいことをなかなかやらない。今行政でも、後ほどしゃべりますけれども、メンバーシップ型の考え方を持っていると、やっぱり下の世代というのがなかなか言いにくい環境になってしまっているなというところがあって、教育行政でもそういったところ、上から下ではなくて、下から上の関係をつくってもらいたいなというふうに思っております。  だからこそ、さきの一般質問でも発言しましたが、現場の学校側提案で新しいアプリを、今、教育委員会は入れることはできない仕組みにしていると思うんですけれども、これは早急に変えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 現在、学習用のタブレットについては、導入時期においては管理者権限のみでアプリ等を入れるという形にいたしました。それは、一旦安定運用を目指しました。しかし、この後、学校側の提案によって、いろんなアプリを入れていったり、クラウド上のアプリを見に行けたりということは当然必要だと思っていますので、そこの仕組みはまた、権限を与えるのか、それとも申請方式にするのか等を含めて検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 先ほどの御答弁でも、児童生徒一人一人の学習状況に応じた個別最適された学習支援をしていくということで、習熟度がデータで分かるようになると、一人一人にどういった教育をしていくのか。予習だったり復習だったり、得意なことも苦手なことも、この子は算数の足し算引き算は得意だけれども、掛け算割り算が苦手だというところも、数値してくると、どういった教育をしていくか一人一人にしっかりと寄り添っていけると思うんです。今現在、少人数算数教室とかをやっているんですけれども、これ以上に横断的にできるようになるんではないかなと思っております。  要望になってしまいますが、横串を入れて、学級単位というよりも、学年単位でまたいろんな細かく分けた授業体制を私は望んでおきます。ぜひ前向きに検討してもらいたいと思っております。  また、セキュリティーの話になってくるんですけれども、個人情報だったり、家庭情報というのはセキュリティーによってしっかりと守らなきゃいけないというのは大前提ではあります。ただし、世田谷区は導入しなかったということで安心しているんですけれども、無害システムのように、教員の世界で、上の人に、主幹教員だったりに確認を取らないと、一々インターネットのホームページからプリントもできないという、そういったがんじがらめのセキュリティーだけはぜひやめてもらいたいということも要望しておきます。  続いて、教員の話もさせていただきますが、先日の企画総務領域でも人事の話をさせてもらったんですが、旧来であるメンバーシップ型雇用の脱却が、教育機関にも求められてきていると私は思っております。新学習指導要領の目玉にあるアクティブラーニングが入ってきたわけですが、一般企業だったら、上司だったり、経験がある方が、いわゆるOJTを通して若い人に教えるのですが、東京都英語教育改善プランを例に出しますが、新たにアクティブラーニングが加わったことにより、若い教師は中央研修で習い、旧体制のまま指導に当たっていた中堅以上の教員に持ち帰り、中央還元研修という形で若手がベテランに教える、いわゆる逆のOJTが生まれてしまっています。  英語で言うと、書く、覚えるからの脱却で、話す、聞くに変化を求められて、私もグラマー英語で育った口ですが、旧来の書く、覚えるも文法上必要だったと思ってはいるので、一概に書く、覚えるということを全否定するものではないと思っております。しかしながら、現場である学校の管理職もアクティブラーニングを推奨することによって使える英語だったりの方針になり、古い考え方をしているベテラン教師は低く評価をされ、最新式の授業に改めるよう指導されるとのことです。  しかしながら、学校現場というのは、教師が一たび子どもの前に立って授業を行うと、若手だろうがベテランだろうが、私はそれぞれよさがあると思っておりますので、年齢関係なく、若手だろうが、中堅だろうが、ベテランだろうが、実力本位でしっかりと子どもたちに教える環境を構築してないといけないと思っております。  デジタルが進むことによって、先ほども答弁でもありましたけれども、単元や授業、情報なんかも共有されることがもっともっと深くなっていくと思っております。そのいい部分だけ、ほぼ若手、先ほどの中央還元研修ではないですけれども、若手だったり、ベテラン、中堅、その溝というのは完全に取っ払って、いい部分だけをつくれる仕組みづくりを教育委員会にまずは求めておきます。  先ほど研修の話もありましたけれども、旧来どおりの研修、行政が課している研修を受けただけで何かが変わるとは正直私は思っておりません。教育基本法第九条には、教師は絶えず研修と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならないとあります。つまり教師は職務として学ぶ機会が必要とされています。  教育行政が計画し、強制する研修にのみ義務として参加をすることが職務として適用されてしまっている中で、自主的な学び、家庭内に持ち帰ってだったりというのは評価に値しないという風潮に最近ではなってしまっているようです。  教員の方と話したときに、最近子どもと触れる時間がどんどんどんどん少なくなってきてしまっていると伺っています。新教育センターをつくって、研修も増やして、教員の力を上げるという、この間この言葉を何度も聞いてきているんですけれども、自ら参加するのは分かるんですけれども、義務感だけで参加を考えている教員にとって研修がどれだけ意味があるのかなと思っておりまして、でしたら、私は自主的に学ぶことをもっと教育委員会として認めるべきですし、評価するべきで、学校内での研修ももっともっとやっていってもらったり、今オンラインの研修もできるようになったので、授業が終わった後に今は研修に行くことになっているわけですけれども、オンライン上で空いている時間に見てもらえば多忙の観点も消すことができると思いますし、正直録画でもいいと思うんです。オンラインのつくり方、何度も繰り返し見るほうが、逆に、いい研修になるんではないかと思っております。  義務として研修を課すのが、裁量労働制ならいざ知らずですけれども、多忙という天秤をかけて、職務後に新教育センターまで足を運んで受ける研修というのは、私は本当に必要なのかなと思っているんですけれども、その件はどう考えているんでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 委員おっしゃるとおり、教員は絶えず研究と修養に励むことが求められているところであります。区で行う研修については、職層であるとか経験年数、または課題等に応じて勤務時間内に行っておりますし、また、今年度はオンラインという形も取らせていただいております。また、各学校では仕事の時間内、OJTということで研修のほうも進んでいるところです。  また、教員の仕事の特性上ですけれども、時間外で自主的な研究を行っているという事例も聞いております。ここで大きく力を伸ばしている先生というのもあるわけですけれども、そのような自主的な研修というのも尊重しておりますけれども、やはり教育委員会としましては働き方改革というバランスも必要であるというふうに捉えているところです。
    ◆加藤たいき 委員 研修も、私はやらないよりはやったほうがいいと正直思うんですけれども、教員の方々の生活だったり、プライベートというのをしっかり尊重しないと、一般企業でも今しっかりと、働き方改革と毛利課長はおっしゃっていましたけれども、そういったところも含めて教員の改革、世田谷区の教育委員会から、ぜひそういった自主的な研修というのも認めてもらいたい、認めてあげてもらいたいなと正直に思っております。  余談ですけれども、あのリクルート、あのと言っちゃいましたけれども、リクルートは多忙な会社だという中で、週休三日という案を打ち出しました。本当にこういった一般企業でもそういった取組をしているんですから、教育委員会としても、週休三日というのは学校の制度上、正直難しいのは理解していますけれども、裁量労働制まではいかないですが、時間外もちゃんと働いていることを評価できる仕組みというのは私は必要だと思っておりまして、教員の成り手がいないいないと今叫ばれている中で、至極当然だと正直思っています。倍率が一・三倍という数字が出てきております。あまりにも今、教員の方々に負荷がかかってしまっているというのが周知の事実になってしまっている。話を聞く限り、教員の範疇を超えている対応も現状迫られたり、業務外業務により、本来しなくてはいけない仕事が滞るときもあるとも聞いています。  言わずもがなですが、教員に負担がかかると、本来あってはなりませんが、教員も生身の人間ですので、そのしわ寄せは子どもたちに行ってしまう可能性もあるということで、今、看過できない状況に教員の方々――私もたまに教員の方々から、匿名で、こういった状況なんですというメールをいただいたりとかするんですね。そういった声、声なき声というのを絶対に教育委員会としても無視してはいけないと思うんですけれども、こういった状況というのは、教育委員会は把握できているんでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 教員の多忙解消というのは本当に喫緊の課題であるというふうに認識をしています。文部科学省でも、教員の担う業務の明確ということで、教員がすべきもの、教員でなくてもできるものというのを今整理しているところだというふうに聞いているところです。  現在、区教育委員会では、まず環境面といたしましては、出退勤打刻システムの導入であるとか、留守番電話の整備、研修のオンラインなどの実施を通して教員の働き方改革も含めて支援をしてきております。また、人的な支援といたしましては、これまでも全校にスクールカウンセラーであるとか、学校包括支援員を配置し、児童生徒の心のケア、学習の補助などを行ってきております。  来年度はスクールサポートスタッフも全校に配置し、教員の業務の補助を行ったり、ICT支援員を増員し、ICTを活用した授業が円滑に進むよう支援していきたいと思っております。今後とも教員が学習指導や生活指導などに注力できるよう、学校を支援してまいりたいと思っております。 ◆加藤たいき 委員 本当に教員は特殊な働き方をされていて、夏休みもあるんですけれども、夏休みもそれはそれで忙しいとも聞いていますし、今ここに、教育委員会にいらっしゃる方々は課長級以上なので残業代は出ないということですが、教員の世界でも、残業代が出ないというところは私は非常におかしいんではないかなと思っていて、一般企業にならないと、教員も今ワークライフバランスということを、ちまたでもよく出るんですけれども、学校が完全に蚊帳の外になっているような気がしていて、大いなる夢だったり、子どもたちの未来に、これから日本の未来を僕たちが、私たちがつくっていくと言って教員になった方の話を結構よく聞くんですけれども、でも、いざ現場に行ってしまうと、取り捨ての選択をしなきゃいけないよなとか、仕事を増やさないためになるべくうまく回そうと思ってしまったりという声が実は届いてしまうんですよね。  でも、それは本来は子どもにとってよくない傾向になってしまうと思うので、教員の方たちがもっと尊重されるような環境づくりというのは非常に大きく大きくこれは求めておきます。  一番驚いたのが、先生方は怒らないのではなくて怒れなくなってしまっているというふうに聞いていて、私は一議員というよりも、一人の父親として、子どもたちが想定外に対応できる力を学校生活の中でも身につけてもらいたいなというふうに思っておりますので、怒れないじゃなくて、がんがん怒ってもらえるように、非常に難しいんですけれども、大人たちの容認、寛容さというのをもうちょっと求めていく必要があるんではないかなというのは正直思っております。  聖職者と言われた教員の世界でなかなか成り手がいないというのは、私はこれはどこかで打破する機会を、教育委員会からぜひ上の東京都の教育委員会だったり、文科省のほうにも上申してもらいたいなというふうに思っております。  次に、教育センター、中央図書館について聞いていきます。  まずは、タッチ・ザ・ワールド、何度取り上げたか分かりませんが、廃止は英断です。意味のない施設をだらだらと運用して無駄な税金を垂れ流すよりも、高い授業料を払ったと思って、これをどう生かすのか、同じ轍を踏まない考えが非常に大事かと思います。  確認しますが、タッチ・ザ・ワールドの跡地、部屋はどうするのか伺います。 ◎谷澤 中央図書館長 中央図書館では、現在、新型コロナウイルス感染症対策の一環としまして、閲覧席を百十六席から五十八席に制限しております。こうした状況の中、タッチ・ザ・ワールド事業の見直しに伴いまして、令和三年四月から十二月までの間、空きスペースとなるタッチ・ザ・ワールド跡地に臨時学習室を設置しまして、少しでも利用者の皆様に学習や読書の場を安全な環境で提供するための準備を現在進めているところでございます。開設期間は令和三年四月中旬から、暫定利用といたしまして、開設規模は三十席程度を予定しております。  令和四年度以降のスペースの活用につきましては、不登校特例校の開設に向けた工事も開始されるため、関係所管との調整を図りまして、喫緊の教育課題への暫定的な活用の選択肢を含めて、令和三年秋をめどに整理してまいります。 ◆加藤たいき 委員 時限的に学習室にするということで、これはまた後ほど触れさせていただきます。  現教育センターが出ていくことが決定している中で、図書館の倉庫を拡張するような話がありましたが、ここまでで話が止まっております。民間活用といって今TRCが、梅丘図書館だったり、税務署のところの世田谷図書館だったりが、図書館の民間活用という形で営利的側面がない図書館運営をされていると思っています。  自民党の有志で、前期、大和市の図書館、シリウスを視察した際に、幾つかの民間事業者が共同体で行政サービスも行いながら、飲食店や音楽ホール等を運営しておりました。世田谷区の中央図書館に限ったら、プラネタリウムがあったり、非常に施設としては面白い施設が、民間的に考えると税外収入が生める仕組みもつくれるんではないかなというふうに思っておりますが、そういった営利的側面、税外収入、このキーワードに施設運用も考えたほうがいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎谷澤 中央図書館長 中央図書館をはじめとした区立図書館の民間活用を含めた運営体制の在り方につきましては、図書館運営体制あり方検討委員会の中で現在議論を行っておりまして、検討委員会からの報告を踏まえて区としての方針を示したいと考えております。  現在、教育センターには一階から地下二階の保存庫まで中央図書館がありまして、一階にはプラネタリウム、喫茶室のほか、アトリウムの一部では飲食可能なスペースを設けております。また、二階にはタッチ・ザ・ワールド、そして三階には研修室などがございます。  教育センター完成後の現教育センターの活用につきましては、令和四年度に不登校特例校が暫定的に設けられ、本庁舎整備の仮執務室として生涯学習部が入る予定になっております。  このような状況を踏まえながら今後の中央図書館機能を拡充していくため、プラネタリウムをはじめとする施設管理におきましては、民間活用によるカフェ運営や空間利用など、にぎわい創出に向けて取り組んでいく必要があると考えております。 ◆加藤たいき 委員 さきの定例会にて、三十五人教室によって空き教室が著しく足りなくなり、令和八年度までにクラスが百クラス増えるとしています。その中でも、中丸小学校、松丘小学校は容積率の限界近くまで校舎が建っている状況です。とはいえ、区の方針では、令和七年度までにこの二校を改修予定としているわけですが、増築、改修もできない中で、どのように考えているのか伺います。 ◎青木 教育環境課長 先般国におきまして、小学校の学級編制の標準を令和三年度から五年間かけて段階的に三十五人学級としていくことが示されました。区におきましては、法に基づく東京都の基準により、既に第二学年も三十五人学級としていることから、令和四年度より第三学年から一学年ずつ三十五人に引き下げていくこととなります。  これらを踏まえまして、令和二年十二月時点における児童推計を基に、令和八年度までのクラス数のシミュレーションを実施しましたところ、三十五人学級に伴って、クラス数の増加が見込まれる小学校数は六十一校中三十九校となりました。そのうち、委員お話しの中丸小学校と松丘小学校も含めた十三校につきましては、普通教室の確保に向けて大規模な改修設計工事を行うことを基本に想定しております。  なお、今後の児童推計を見極めつつ、近接する区施設の活用なども視野に入れながら対応方法を検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 これでまた教育会館のほうに戻るんですけれども、私の地元が松丘小学校ということもあり、保護者や教員と、この間いろいろ話をさせてもらって、切実な声が届いています。あの学校は現在九百三十二人の子どもが通っていて、二十六学級ある。子どもと学級数はかなり大きな規模の学校なんですが、知っている方もいらっしゃると思うんですけれども、松丘小学校はサッカーコート一面も取れないような校庭で、サッカーのコートとしても、コーナーキックがかなりいびつな形にされていたりとか、学校の敷地としては非常に狭い学校なんですね。  今現状、五、六年生の少人数教室も完全に足りなくなってきたりとか、普通教室を確保するために、会議室などを改修するなど、とにもかくにも学校自体が普通教室ばっかりの校舎になろうとしていて、切実に勉強するスペースがなかなか、普通教室は取りあえず足りるけれどもそれ以外の教室が足りなくなってきてしまっているという声が届いています。  松丘小学校の隣には、区の施設である教育会館があります。教育センター移転後の教育会館を有効に活用することができないのか。分室とまでは言わないですけれども、できないのかというところをちょっと伺わせてもらいたいと思います。 ◎青木 教育環境課長 松丘小学校につきましては、児童数の増加に伴う教室等を確保するため、平成三十年度に普通教室への転用改修と、給食室の拡充改修工事を行い、また本年度は隣接する区有地に新BOP棟の新築工事を行っております。さらに、来年度も改修工事を行う予定としております。  教室が不足している状況は、教育委員会としましても認識しており、今後の児童推計を踏まえ、近接する教育会館の活用なども視野に入れながら、対応方法を検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 具体的に、教育委員会から初めて教育会館の活用を検討するとの答弁をいただきました。本当にありがたい言葉で、これを聞いている松丘小学校の関係者も、正直すごく喜んでいると思っています。  ただし、先ほど申し上げたとおり、学習に使用する普通教室以外の場所が足りていない現状で、先ほどのタッチ・ザ・ワールドの跡地も図書館で使いたいというのも分かりますが、まずは公教育が行える場所を確保するのが大前提ですので、その視点を必ず持っていただきたいと思っております。その上で、学校外に教室を確保することになりましたら、安全性を担保した上で、動線確保の策は必ず講じてほしいと願います。  中丸小学校にも触れておきますが、松丘小学校と同じような状況だと聞いています。ただし、松丘小学校の場合には、隣接している公共施設があるためにこういった提案ができました。中丸小学校にはありません。  議場でも発言しましたが、近隣公有地をやむなしとまでは言いませんが、何よりも大事なことは、教育が滞ることがないだと思っておりますので、あまり時間がありませんので、早急の対応策を求めておきます。  中央図書館の方針を外部委員会にて話しているわけですが、近隣の状況をこういった状況なんですよということは加味して伝えておいてください。  次に行きます。学校現場の環境について聞いていきます。  コロナ禍の中で、保健室の先生方もなかなか苦労されながら、このコロナだったり、子どもたちの病気に当たってくれていると聞いております。さきの定例会では、私は総務関係のシステム周りの話、ソフト面のシステム周りの保健室のデジタルについて伺いました。遅れているのはシステム面だけではなくて、ハード面も非常に世田谷区の保健室は遅れていると聞いておりますので、端的に聞いていきますけれども、世田谷区の小中学校の保健室に今PCが置かれていないという現状で、ぜひ置いてほしいという声が学校側から届いています。  また、Wi―Fiのアクセスポイントの工事を、今ようやく全校終わったということですが、保健室にもつけてほしかっただったり、体育館にもつけてほしかったという声も届いております。体育館は災害時においてもWi―Fiのアクセスポイント、クラスの普通教室につけるレベルだとちょっと足りないかもしれないんですけれども、災害時においてはかなりWi―Fiというものも今後必要になってくると思うんで、私もつけるべきだと正直思っているんですが、このPC問題とWi―Fiのアクセスポイントの問題、どう考えているのか伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 私からは、保健室のICTにつきましてお答えをさせいただきます。  今回コロナ禍の状況の中で、養護教諭が学校保健活動の推進に当たって中核的な役割を果たしており、新型コロナウイルス感染症の対策に当たっても、児童生徒の健康相談、健康観察をはじめ、風邪の症状が見られる児童への対応や心身の健康の把握など中心的な役割を担っております。  学校からは、こうした保健室の業務が中心となる中、児童生徒の健診に関する記録の整理や、学校保健運営に必要な資料づくりなどパソコンを利用する業務も多くあることから、保健室でパソコンが使用できる環境を整備してほしいという要望がございます。  教育委員会では、予算面のほか、不特定多数の利用がある保健室でのパソコンの使用に当たるセキュリティーの確保などの課題などを整理した上で、保健室でパソコンが使用できる環境を整備してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 環境でもう一点ですけれども、二酸化炭素の濃度が測れるCO2モニターというものがあります。この間、コロナ禍で、ほかの議員の方々もいろいろ相談があったと思うんですけれども、冬場に当たって、教室が寒過ぎる、換気をし過ぎて寒過ぎるという声があったと思いますが、私のところにも届いてきて、これはコロナでしようがない部分も大いにあったと思うんですけれども、夏になると今度は暑いという声が届くと思うわけですよ。  このCO2モニターを置くことによって二酸化炭素濃度が分かり、換気を見えるするというもので、経産省でも学校の感染症対策等支援の中にも、補助としてCO2モニターの購入経費というものが入っています。安価に設置ができる上に、エアコンのボタンと同期する程度で工事がほぼ必要ないとのことで、二酸化炭素濃度が高くなると勝手にエアコンが換気するようにしてくれるそうで、町田市なんかは学校の普通教室に全校配備したそうです。世田谷区でも、子どもの環境というところでこういったものを入れて、換気の状況を機械にやってもらうというのも必要ではないかなと思うんですが、見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 お話しのCO2モニターは、換気の指標として二酸化炭素濃度を計測するとともに、またコントローラーを設置することで、二酸化炭素濃度に応じて換気扇の運転、停止を自動制御する装置でございます。一方、コロナ禍における学校の換気につきましては、教育委員会で作成している学校・園における新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに基づきまして、エアコン利用時においても、可能な限り常時行い、困難な場合は学校等のドアや窓を少なくとも休憩時間ごとに開放し、数分間程度、窓を全開にして二方向の窓を同時に開けるようにするなどの工夫をし、また窓のない部屋は常時入り口を開けて換気扇を使用するなど、換気の徹底を図っております。  このため、今後も新型コロナウイルス感染症対策も踏まえた換気方法につきましては、気候や天候などを踏まえながら、窓の開閉と換気扇を活用し、十分な換気を行っていく必要があるものと考えます。  なお、空調機器の効率低下が懸念される場合におきましては、必要に応じてエアコンの温度設定やサーキュレーターの設置などによる対応も検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 ぜひお願いしたいと思います。  最後に一点、この総括から本日、教育長の声が聞こえていないなというところがあって、教育長にも話を聞きたいなと思って、一点だけ難しい質問をさせてもらいたいなというふうに思っております。  教育委員会の外部評価査定という観点で、教育長、この間、教育長をされて二年目ですね。校長出身の教育長ということで、これまで校長先生時代というのは、教育委員会となかなか考えというのは合致してこなかったりした部分が多分にあると思うんです。  評価というものは、教育委員会が学校側の評価をすることがあっても、教育委員会はこれまでかなりいろんなやり取りを私はしていますけれども、正直クローズドの世界。教育委員会は独自機関だと理解はしているんですけれども、クローズドな世界だなというのが、改めてこの六年、議員をさせてもらってまだ六年ですけれども考えている次第です。  学校長出身の教育長として、教育委員会の評価は、私は教育委員会の中から自分たちの評価はすごくしにくいと思うので、外部的な評価をするべきと考えているんですが、教育長としてどう考えているのかというところを。自分たちの首を絞めるような話にもなったりするわけですけれども、そういったところをどう考えているのかというのを、ぜひ学校側出身の教育長として教えてください。 ◎渡部 教育長 教育委員会と学校の関係について御示唆いただきました。現場を受け持つ各学校とそれを支える教育委員会は、私が現職の校長で教育委員会とやり取りしていた時点で考えていた以上に児童生徒、そして保護者、関係者との対応について一体となって動いているということを感じました。特に今回のコロナ禍での一斉休校に対する対応については、あのような緊急事態の中、教育委員会の考え方、学校の考え方がそれぞれ出来上がっていたわけでもなく、そのような中でも、話し合いを重ねながら一体となって動くことができたと感じています。  教育委員会としては、議会に御賛同いただくことができて、これは大変ありがたいと思いますが、タブレット端末をはじめとする環境整備を行うことができました。また、各学校の創意工夫を組み合わせて困難を乗り越えてきたということは、学校と教育委員会双方にとって貴重な経験となりました。今後とも、この経験を踏まえて、緊密な連携、双方向の情報提供に努め、信頼感を高めていきたいと考えています。  学校の評価につきましては、とても大切なテーマであるところ、私としては、まず現場で児童生徒から、そして保護者から、地域の方々から、そのお一人お一人に向き合う中で日々の評価をいただきたいというふうに考えています。もちろん委員御提案いただいた外部機関による評価というところについても、今後検討させていただきますが、その際には、各学校を比較したり、序列などにつながったりしないように、学校と地域のよさを生かすように十分留意していきたいと考えています。  また、教育委員会そのものについての評価でございますが、私としては、まずは議会においてしっかりと評価をいただくこと、これを念頭に、教育委員会の運営に取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 学校に序列をつけたいというわけではなくて、学校の中でしっかりと学校運営がされているかということを、もっと見えるはすべきだと正直思って、答弁は求めないです。大丈夫ですよ。  学校側の現場の教員、今、教育委員会から校長先生だったりというのは多分評価があると思うんですけれども、現場教員がどう学校運営に対して思っているかというのは、もうちょっと現場サイドで聞いてもらわないと、先ほど教員の話もしましたけれども、教員がどんどんどんどんやる気がなくなってしまうような仕組みづくりだけは避けてもらいたいというところがあります。  先ほど教育長としての答弁をいただきましたけれども、ぜひ行く行くは、二十三区の教育長会で自分たちの首を絞める教育委員会の存在、在り方というものをぜひ話してもらって、あそこの教育委員会みたいにならなきゃなというような考えを持って、何て言っていいかすごく難しくなってきちゃったんですけれども、教育委員会はもっと開かれた存在であるべきだと私は思っていますので、なかなか大変だと思うんですけれども、以上で私の質疑を終えて、菅沼委員に替わりたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 最初に、小中学校の施設の改修改築についてお聞きします。  世田谷区の学校施設の老朽への対応は、年間二校の全面改築をするのが達成できなくなったということで、困難になりましたということなんですけれども、第一に、区立小学校六十一校、中学校二十九校、合計九十校。学校の改築は一年に二校だったのが、年間一校か二年一校か、どういう計画になるのかお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 学校施設につきましては、これまでに増改築を行ってきまして、建築年度が異なる建物がございます。令和二年度時点で築五十年以上を有する学校数としては、小学校三十一校、中学校十四校ございまして、この建物が今後改築する予定となってございます。  平成二十八年度に公共施設等総合管理計画と建築物の建物整備保全計画がございます。そちらに記載させていただいておりますとおり、令和二十八年度までに順次改築整備等を検討することとしてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今まで一年間に二校でも四十五年かかるんですよね。それが困難になったということになると、約九十校小中学校でありますから、一年一校ですと九十年間、五十年以上の建物もありますので、本当にこのままで建て替えはできるの。 ◎青木 教育環境課長 繰り返しになりますけれども、今後は、改築に当たりましては公共施設等総合管理計画の方針にのっとりまして、なるべく建物を長く使うという長寿命の方針を踏まえながら、改築の検討を進めてまいりたいと思っています。 ◆菅沼つとむ 委員 総合管理計画、もちろん区の施設を全部、下手すると区の施設は七百から八百あるんじゃないかな。その中で順番に費用対効果で手を入れながらやるといっても、ある程度改修のお金がかかるわけですよね。  そのときに、小学校、中学校はどこが普通の区の建物と違うかといったら、みんな大事なんだけれども、災害時の避難所になっているんだよね。だから、特に重点的にやらなくちゃいけない。総合管理計画の中で言ったら七百分の一か二なんです。そういうことじゃなくて、この辺はどういうふうにしていくのか、その辺を考えがあればお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 大変厳しい財政状況でございますが、まずは現在の設計等を進めている学校の改築を着実に進めていきたいというふうに考えてございます。  引き続き総合管理計画、また建物整備保全計画の方針を基本といたしまして、施設の老朽の状況や児童生徒の増加への課題など、また今、委員お話しのありました災害対策の視点も踏まえながら、関係所管と連携して整備を進めてまいりたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 来年度の予算は少し厳しくなるけれども、その前は七年連続前回よりいいんですよ。逆に言うと、区が七年連続よかったときなんて滅多にないんです。それは、教育委員会だけじゃなくて区の責任もあるんだけれども、きちんとそれだけ金をかけて直してこなかったから、こういうことになっているんじゃないかというふうに思います。  その中で、第二番目に、区立小中学校で五十年たっている学校が小学校が三十一校、中学校が十四校、幼稚園もありますから、全部で四十六校あるんですね。それで、五十年以上たっているのが四十六校あって、じゃ、いつまでにこれはきちんと改修だとか、直して少し延ばすだとか、そういう計画は教育委員会であるの。 ◎青木 教育環境課長 平成二十八年度に策定いたしました建物整備保全計画に基づきまして、令和二十八年度までを三期に分けて、建物施設ごとに整備検討するという方針がございますので、それに基づきまして検討を進めていき、築六十五年になってございますので、基本的にその耐用年数の前に、学校施設が長寿命できるのか、それとも改築にしなければいけないのかという長寿の調査を踏まえた上で、今後の整備方針を検討していきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 何せ五十何年とか四年とか五年だとかがごろごろしているわけですから、幼稚園も含めて、それでもう長寿命といって多少手を加えて二十年ぐらい延ばすことは可能だと思いますけれども、それにしても四十六校あるわけです。その辺は、やっぱりそれ以上はもちませんよ。そうすると、七十四年とか五年になっちゃいますから。  この辺はきちんと教育委員会として、金がないないではなくて、今まではあったんだから。そういうことも含めてやっぱり区長ときちんと、金をもらわなくちゃこれはしようがないじゃないですか。教育長、どうですか。 ◎渡部 教育長 今お話をいただきましたが、計画的に進めるということは大切なことですので、区長部局と連携をしながら、今後の計画についてしっかりと形づくっていきます。 ◆菅沼つとむ 委員 計画どおりになっていればこんな質問はしません。計画どおりになっていないから、心配をしてこういう質問をしているんです。  それから第三番目に、これは三十三年しかたっていない、教育センターが今度新しいのできるという話なんですけれども、今お話しのように、予算がない中、新しい教育センターをつくるわけですよね。普通だったら、教育委員会だったら、教育センターをつくる前に五十年以上の学校がたくさんあるのに、そうしたら、まずは小中学校の改修改築を普通、教育者なら考えるんじゃないですか。子どもたちの環境を優先しない。これはどういうことかお聞きします。 ◎北村 新教育センター整備担当課長 お話がございました教育センターでございますけれども、こちらにつきましては二十九年に策定いたしました教育総合センター構想に基づきまして、若林小学校跡地に移転をするということで進めてございます。今、建築中でございます。  学校改築につきましても非常に重要だというふうにこちらも認識してございますけれども、若林小学校跡地に整備する教育総合センターは、新たな教育課題に対応していくための教育研究やICT活用の研修、それから乳幼児教育・保育の充実、配慮を要する児童生徒への支援など、様々な教育課題に対応していくということでございます。学校教育をしっかりとバックアップしていく必要がありまして、今回教育総合センターを整備するというものでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 個人的な意見ですと、まずは現場の子どもたちというのが私の考え方ですけれども、教育委員会の考え方が違っていたということだろうというふうに思います。  次に、区立小中学校の三十五人学級を見据えた普通教室の確保の対応についてお聞きします。  あと五年たつと一クラス三十五人学級になります。世田谷区は学級が足りなくなる学校が十三校あります。普通教室の確保に向けた大規模な改修工事が必要です。五年間で具体的な改修工事計画をお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 小学校全学年三十五人学級に伴う普通教室の確保に向けた改修のスケジュールにつきましては、令和四年度以降に設計工事などを実施し、令和六年度までに整備完了することを想定してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 では、この次の文教常任委員会で、そのスケジュールと学校名はきちんと出てくるんですね。確認します。 ◎青木 教育環境課長 十三校につきましては、令和二年十二月時点での児童推計を基にシミュレーションを実施した結果でございます。つきましては、改めて令和三年度の五月の児童推計に基づいてシミュレーションを実施いたしまして、整備対象校、また整備時期につきまして検証をしてまいりたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 普通、区はどこでもそうですけれども、直すとき、ある程度大規模改修をするときには、まず役所が見積りをきちんと設計して、それから幾らぐらいか補正など予算を取って、それでいつやるかということをやるわけですよね。今の説明ですと、十三校あるわけですから、これを一遍にやるということになる。 ◎青木 教育環境課長 改めて児童推計を見ながら整備時期は確認するところではございますけれども、令和四年度から設計をさせていただいて、令和六年度までという三年間で設計と工事を考えてございまして、十三校につきましては、令和五年度、令和六年度での工事を想定してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 来年度からは動かないの。補正予算でも予算はついているの。これは補正予算を組むの。 ◎青木 教育環境課長 今回のシミュレーションにおきましては令和四年度から設計を想定してございますので、現段階につきましては、令和四年度の予算というふうに想定をしてございます。改めて五月の推計を見て、予算措置について検討してまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 学校の修理だとか、ある程度の工事になりますと、当然月曜日から土曜日まで、隔週土曜日まで子どもたちが授業をやっているわけです。現場に行くと、当然夏休みしか駄目ですよという先生方も多いわけですよね。そうすると、ある程度早めにやらないと、五年たつと全部三十五人学級になるんだから、今の計画ですと間に合わなくなるんじゃないの。もっと早くやるべきじゃないの。 ◎青木 教育環境課長 この間、三十五人学級以外には、児童数の増の対応ということで、児童数増の改修工事等も実施してございます。また、区におきましては既に第二学年が三十五人学級となってございますので、まず来年度の対応はなく、令和三年度から第三学年が三十五人になっていきますけれども、現在のシミュレーションの状況につきましては、令和四年度からの設計で間に合うというふうに想定してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 しっかりとそのスケジュールと予算を取っていただいて、一年前ぐらいにはきちんと教室ができるようにお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。学校給食の食べ残しについてお聞きします。  第一に、区立小中学校の食べ残しの量を学校ごとに出しました。学校給食の食べ残しは減ったのかお聞きします。 ◎桐山 学校健康推進課長 まず、食べ残し量のデータにつきましては、令和元年十二月に各学校に情報提供いたしました。食べ残しの量なんですけれども、新型コロナウイルスの感染症拡大防止による学校の臨時休業もありますので、令和元年度の九月から二月と令和二年度の九月から二月の同期間六か月を比較いたしました。その結果、令和元年度の食べ残し量は約二百七十七トン、令和二年度の食べ残し量は約二百六十六トンとなっておりまして、前年度と比較しまして約十一トン減少しております。  なお、太子堂調理場なんですけれども、令和元年度の大規模改修工事によりまして、弁当方式給食を実施しました。そのため生ごみ回収を行わなかったので、食べ残し量を集計しておりません。そのため、今回の集計からは令和元年度、二年度、両年度とも除いております。 ◆菅沼つとむ 委員 この間、スマホで見たら、二十三区で一番おいしい給食はどこですかといったら、足立区ですよね。それで、日本一まずい給食はどこですかと聞いたら、大阪市の写真がたくさん載っていました。本当においしい給食、限られた材料、限られた中でプロの栄養士が作る。これは本当に栄養士の腕次第だというふう思っております。  例えば飲食店で、お客が来て食べ残しが出るような店はすぐ潰れますよ。だけれども、区の場合には職員ですから潰れることもないし、ごみの量だけが多くなるということだろうというふうに思いますけれども、一番大事な栄養士の考え方をお聞きします。 ◎桐山 学校健康推進課長 まず、学校給食なんですけれども、児童生徒に栄養のバランスが取れた多様な食事を経験させることを基本としております。そのため、子どもの嗜好や家庭での食事状況により、食べ残しの量も大きく変わってくると考えております。
     食への関心を高めるために、せたがやそだち給食や、オリパラ給食、児童生徒から希望を取るリクエスト給食なども実施しておりまして、食べ残しの多かった献立につきましては、その調理方法や味つけを工夫するとともに、家庭へも好き嫌いをなくすように働きかけております。  栄養士なんですけれども、食中毒対策や食物アレルギー対応などにおいても重要な役割を担っておりまして、各自が責任を持って専門性を発揮し、安全管理の徹底を図っているところでございます。栄養士につきましては、これらの学校給食での取組を通じまして、これからを担う子どもたちの心身の成長を支える助けになるよう日々尽力しているところでございます。教育委員会としましても、引き続き栄養士が学校給食の安全提供に最善を尽くせるよう指導支援してまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 当然ですけれども、栄養士はプロで、職業ですよね。毎日給食を作って毎日食べ残しを見ているわけですよ。それで、当然栄養のバランスなんていうのは、当たり前の話です。きちんと栄養のバランスを考えながら、目先を変えてやるというのは当たり前の話です。だから、本当に栄養士がきちんとそれだけの覚悟があるのか。やっぱりその辺ですよ。  私も、一応調理師の免許は持っていますけれども、やっぱり毎日現場でやっているんだから、こんなに残されて自分は栄養士として恥ずかしいと思うぐらいじゃないと、食べ残しはなくならないというふうに思っております。  それから、ちなみに意識を高めるために全国で給食甲子園大会というのがあるんですけれども、そういうふうに意欲がある栄養士がいたら出場させたらどうですかという話なんですけれども、出場するような栄養士はいらっしゃいますか。 ◎桐山 学校健康推進課長 今、委員お話しの全国の学校給食甲子園でございますけれども、内容としまして、給食に携わる栄養士や調理員が学校や給食施設単位で応募しておりまして、学校給食で提供されている郷土を代表する料理を競う大会を通じ、食育を啓発することや地産地消を奨励することを目的に開催されております。教育委員会におきましても、そういったことはお伝えさせていただいているところでございますが、私の知る限りでは、まだ出場はしていないところでございます。  こうした競技大会に出場し、賞を獲得することは、栄養士にとって励みの一つになるかとは考えております。そういったことで、今後とも学校における食育活動が、食に関する興味を持つ機会となるよう、そういった様々方策を検討しまして、そういったショーに出場していくことも一つの励みになるかと思いますので、勧奨に努めていきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 質問は、全国給食甲子園大会に出られるぐらいの勇気ある栄養士はいるかというんですけれども、多分、いてほしいなというふうには思いますけれども、質問と答弁が違いました。  それと、太子堂センター方式の給食なんですけれども、中学校七校は今給食はセンター方式で、自校方式になっていないです。昔、これは大規模改修だとか、学校を建てるときにはセンター方式から自校方式にして、太子堂調理場をなくすという計画だったんですけれども、これはいつになったらなくなるの。 ◎桐山 学校健康推進課長 こちらの太子堂調理場の自校調理につきましては、公共施設等総合管理計画を踏まえまして、大規模改修、また改築と合わせて自校調理を目指していきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 それを言ってから、もう十五年以上たっているんですよね。だから、本当にやる気があるんなら、もうなくなってもいい頃なんです。その辺をきちんとしないと、やっぱり計画どおり自校方式でやって、それで太子堂調理場をなくすということが、経費も安くなるし、子どもたちも喜ぶというふうに思います。  次に行きます。ICT活用で新たな学びに向けた取組についてお聞きます。  区立小中学校の生徒一人に一台のタブレットを配付しています。ICT活用をした新たな学びの実現に向けて取り組んでいますが、区はハードウェアの関連、学習支援アプリ整備、教員支援、人材育成など様々な経費を使ってやります。全体で幾らぐらいかかっているのかお聞きします。 ◎會田 教育総務課長 タブレットの購入に約二十一億円、ネットワークの構築に六億二千万円、あとアプリの購入で一億六千万円、ICT支援が六千万円等々あります。合計すると約三十億円程度になるかと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 私の持ち時間もだんだん少なくなったんで全部言いますと、要するにタブレットを一人一台やるのはいいと。だけれども、本当に千五百七十七のクラスが毎日タブレットを使ってきちんと勉強しているのか。その辺はどうなの、本当にやっているの。やらなかったらただの鉄くずじゃない。 ◎隅田 副参事 委員御指摘のとおり、このタブレット端末は家庭へ持ち帰り、学校でも家庭でも日常的に使うタブレット端末になります。ネットワークの環境、また端末の配備がようやく今月整うということで、委員がおっしゃるような学びが来年度できるように、教員の指導力、また子どもたちの操作性、また家庭の理解なども進めまして、進めていきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際にコロナで休校だとかああいうときは使うでしょう。だけれども、今、実際に小中学校は普通に先生方が黒板の前で子どもたちに教えているわけですよ。これだけのお金を使って毎日タブレットを使わない。前回もそうなんですけれども、教育的テレビですか。あれも入れたんですけれども、その時には先生方がほとんど使える人がいなかった。今も普通教室に入っているけれども、あれだってほとんど使っていないでしょう。だから、これは全部税金なんだから、この辺をやった以上はきちんと使うようにしなかったら、何の意味もないじゃない。誰か答える人はいるの。 ◎隅田 副参事 今、学び自体が変わろうとしている中で、これまでのようなICTの活用と全く違う形で学習にタブレットが生かされるというふうに考えております。使われないことがないように、先ほどの繰り返しになりますけれども、教員の指導力を高めながら、また家庭に理解いただきながら進めたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 最後に、令和二年度の監査報告、皆さん管理職だから読んだと思います。財務事務について見積りなどの日付の記載漏れが、それから仕様書の記載内容が不十分であると。職員の不注意や認識不足からミスが繰り返されている。なぜこれを質問するか。文教も含めてそうなんですけれども、二年連続監査で指摘されているんですよ。指摘されているのに、今までは指摘されていたら次の年はなくなっているんですけれども、なくなってない。こういうことがあるから、職員の通勤手当の不正受給だとか、赤信号を無視して区民にけがをさせるだとか、こういうものが出てくるんですよ。  この辺に対して、管理職の皆さんがどういうふうに考えているのかお聞きします。 ◎淺野 教育総務部長 今お話しいただいた部分は大変重要なことだと思っております。契約に関しましては、私ども教育総務課の中に経理係もございまして、学校等含めて厳しく周知徹底、ミス管理をしていきたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 終わります。 ◆阿久津皇 委員 自由民主党文教領域の最後の質問者となります。  私からは、幼児教育の推進について伺ってまいります。  区では、教育総合センターの整備に合わせて今運営計画を策定して、その中で乳幼児期の教育、保育の充実発展というものを新規事業として位置づけました。  一般的に、幼児というのは乳児期を過ぎた一歳から小学校入学前までの六歳の時期を指しまして、この時期には大脳神経系の約八〇%が出来上がるとされておりまして、言語能力や身体能力が著しく発達し、コミュニケーション能力や社会性を身につけ始めるということです。  この時期に受ける教育というのは、生涯にわたる人格の形成だったりとか学習の基礎、また学習の土台、人間性の土台というものをつくるとても重要な教育であるというふうに考えています。また、人格形成、あるいは学習の基礎づくりということと同様に、もう一つ重要な役割というのが、就学前準備だと思います。いわゆる小一プロブレムと言われる小学校一年生の児童がなかなか学校生活に適応できないといった問題行動が指摘されていますけれども、これに対する対策の一つとして幼児教育、特に就学前教育というものが重要であると言われています。  特にこの小一プロブレムは、都の調査によりますと、小学校の二割以上の学校で発生すると言われていまして、一旦発生するとその混乱状態のまま学年末まで継続するケースが半数以上だということで、積み重ねが大切である学習の観点からも、その後の学力にまで影響を及ぼす大きな問題であると考えます。  そういった意味で、幼児教育というのは、人間形成、あるいは就学前準備の観点からとても重要だと思いますけれども、区の考える今後の乳幼児教育、保育というものがどういうものか教えてください。 ◎本田 幼児教育・保育推進担当課長 区では、子どもを取り巻く環境の変化や、世田谷区における乳幼児期の教育、保育の状況などを踏まえて、平成二十九年七月に世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを作成し、公立、私立、また幼稚園、保育所等の枠組みを超えた乳幼児期における教育、保育の質の向上や、小学校教育との円滑な接続の実現などに取り組んでまいりました。  令和三年十二月に開設する教育総合センターにおきましては、乳幼児期の教育、保育の推進拠点としての役割を担う乳幼児教育支援センターで、研修等による人材育成、公立私立幼稚園・保育所との連携や交流の促進などを通じて、教育、保育を実践する上で大切にすべきものの共有を図って、子どもたちが在籍する施設の違いに関係なく、質の高い教育、保育を受けることができる環境づくりを目指してまいります。 ◆阿久津皇 委員 今御答弁いただいた中で肝となるのが、幼稚園、保育所の枠組みを超えたというところと、また、小学校教育との円滑な接続の実現ということだと思いますけれども、先ほど述べました小一プロブレムは、小学校に入学すると同時に、それまで遊び中心であったものから学び中心に変わるとか、それまで割と自由に行動、活動できていたものが、椅子に座ってある程度の時間集中していなきゃいけない。そういった環境の変化になかなか適応できないということが指摘されています。  その環境の変化というのは以前からあった話であって、この小一プロブレムというのが一九九〇年代ぐらいから顕在してくるわけですけれども、それ以前から環境の変化というのはあるもので、じゃ、なぜそういった問題が今増えてきているかということに目を向けると、家庭環境の変化、いわゆる社会環境の変化で、少子、核家族、あるいは地域社会の崩壊ということで、ゲーム機の普及なんかも言われていますけれども、子どもたちがいわゆる対人関係、人とのコミュニケーションをする環境、機会が減っているということが指摘されています。  そういった社会環境の変化によって、家庭教育だったりとか、地域教育の部分が少し足りない部分が出てきているということを補完するという意味でも、今般、できます乳幼児教育支援センターの役割というのは大変重要であると思うんですが、これまでの区が行ってきた乳幼児教育・保育と比べてどういった点が具体的に変わってくるのか、また、そういった連携体制、小学校との連携体制というのを教えてください。 ◎本田 幼児教育・保育推進担当課長 まず、乳幼児教育・保育の内容についてでございますけれども、近年、知能指数や知識量といった認知的能力だけではなくて、創造性とか自己肯定感、粘り強くやり抜く力、協調性といった非認知的な能力が、これからの社会を生き抜くために必要な力として重要性が増しております。非認知的能力が最も伸びる時期は乳幼児期だと言われておりまして、この時期に子どもたちが遊びや生活の中で様々な体験を通じて、非認知的能力を育むことが重要であると考えております。  区としても、乳幼児期からの体験的な学びを重視して、乳幼児教育支援センターを中心に、文化芸術体験や外遊びなど様々な体験を通して、子どもたちが非認知的能力などのこれからの社会を生き抜く力の基礎を培うことができる環境づくりを図ってまいりたいと思っています。  もう一つ、連携体制についてでございます。乳幼児教育・保育に係る連携体制としましては、令和二年度から、これまで小中学校で構成していた学び舎に区立幼稚園を加えており、今後は区立保育園、私立保育園、保育所等の交流連携も進めていくことを想定してございます。乳幼児教育支援センターにおいても、このような連携体制の構築に向けて支援を行ってまいります。  また、乳幼児教育支援センターを拠点としてこれらの取組を進めていくことにより、乳幼児期の教育、保育の内容の充実と公私立幼稚園、保育所等の枠を超えた連携、乳幼児期の教育、保育と、小学校教育の円滑な接続の実現などを図ってまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 今、御答弁中でも非認知能力と言われましたが、非認知能力という呼称はいろいろ問題もあると言われていますけれども、いずれにしても、社会環境の変化によって子どもが他者と接する機会が低下していると。それによって、いわゆるコミュニケーション力であったりとか、協調性、共感性、公共性など、いわゆるそういった非認知能力が低下しているということは様々指摘されていることかと思います。  その非認知能力の向上というところで今おっしゃられた内容があるんですが、文化芸術体験ということでアトリエリスタですか、そういった方の派遣ということも行われるということですが、ここに関しては、以前教育委員会で視察に行かれたレッジョ・エミリア方式の教育を手本としているんだろうなということはよく分かります。  先ほどの小学校との連携という部分に関しても、同様に、以前教育委員会で視察に行かれたフィンランドをはじめ、北欧諸国では手厚い対応が行われているということです。デンマークではSFOminiとして、またフィンランドではエシコウル、スウェーデンではフォルスコーレクラスということで、それは軒並みそれぞれほぼ一年間かけてプログラムを組んで就学前教育を行っているということですが、ゼロ年生という言い方もされるそうですけれども、小学校入学まで一年間かけて時間割で生活することに慣れたりとか、座って集中する力を養うとされています。  そういったことをどのように区で実現していくのかというところですけれども、北欧諸国は軒並み幼保一元も完了しているわけですけれども、文部科学省と厚生労働省、あるいは区においても、教育委員会と保育部ということで所管が異なる特に保育園でどのようにそういった教育、あるいは就学前準備に取り組んでいくのかお聞かせください。 ◎本田 幼児教育・保育推進担当課長 平成三十年四月に施行された幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領では、幼児期の教育、保育において育みたい資質能力や、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が示されるとともに、三歳以上の教育、保育における狙い及び内容については、幼稚園、保育園、認定こども園でおおむね共通したものが示されています。  保育所等では、保育所保育指針に基づいて、子どもたちが生活や遊びの中で様々な発見や、うまくいかないことを繰り返し経験しながら多くのことを学ぶことができる環境づくりを行い、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を意識した教育と保育、その両側面を大切にした実践に取り組んでいます。  現在区では、世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンや幼稚園教育要領、保育所保育指針などを踏まえて、幼稚園、保育所等の施設の種別を問わず、質の高い乳幼児期の教育、保育を実施することを目的として、区内の幼稚園、保育所等で共有すべき指針の作成に取り組んでおります。指針を作成した後には、乳幼児期に大切にすべき教育・保育内容について、幼稚園、保育所それぞれにおいても共有を進めて、現場における実践につなげていきたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 区の政策を見ても、乳幼児教育・保育としているということからも、保育園での教育活動、あるいは小学校への連携というものを充実したい、そういう意欲があるんだろうなということが感じ取れるわけですけれども、また現場の保育士さんたちに伺っても、教育という観点でとても意欲的に取り組んでいるということも聞いています。今後、その学び舎に保育園も含めていくということですけれども、保育園なんかではいろんな地域から、あるいは地区から子どもたちが通っていて、学区も異なるというところもあったり、なかなかハードルはあるんだろうなということを感じますが、その中でも、アプローチスタートカリキュラムというものもあるでしょうし、所管の壁を越えて、保育園における就学前準備というのはしっかりと充実していただきたいと要望いたします。  また、私立幼稚園についても伺うんですが、学び舎の中に私立幼稚園も含めていくということですけれども、今度こちらは子ども・若者部所管となって、私立幼稚園ということでは、それぞれが独自の教育方針で運営されていると。そういった中での連携というものは一層難しいのかなというふうに感じるんですが、こちらについてはどのようにお進めになるんでしょうか。 ◎本田 幼児教育・保育推進担当課長 先ほど御説明した、乳幼児期の教育、保育の指針につきましては、独自の理念や歴史を持つ私立幼稚園、保育所などの各園がそれぞれの個性や特色を生かしながら、質の高い教育、保育を実践することができるよう、公私立幼稚園や保育所等を問わず、重要な基本的な方向性や視点を示して共有を図ることを目的としています。  また、乳幼児教育支援センターにおいては、研修等を通じて、指針の公私立幼稚園、保育所等での共有の促進を図るとともに、私立幼稚園、保育所等を含めた協議や研究の場の設置などを通して、公私立幼稚園、保育所等の枠を超えた連携の促進を図っていきたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 区の幼児教育の基本となる区立の幼稚園、あるいは認定こども園を含めて、無償化の影響もあって相当な空き数があるというふうに聞いています。また、これは私立の幼稚園も一緒で、少子とともに年々減少していて、認定こども園の存在なんかもあるかと思いますが、定員割れしている幼稚園も多いというふうに聞いています。  そういった中で独自のカリキュラム、あるいは幼少一貫教育ということも今後必要なってくるのかなというふうに思いますし、私立幼稚園を含めて、様々そのいい部分は共有し合いながら相乗効果を生み出してほしいなというふうに思います。  先ほど加藤委員からもありましたけれども、世田谷の教育というものが、特に幼児教育を含めて全国の自治体の先端を走って、国の教育をリードできるようなそういった教育委員会となることを、環境となることを期待します。  続いて、学校、特に小学校における交通安全教育について伺ってまいります。  先般、都市整備領域でもちょっと伺ったんですが、町なかを見てみると、キックスケーターというものに乗って遊んでいる子どもたちをよく見かけるなというとこで、キックスケーターというものは、スケートボードやローラースケートと同様に道路交通法上では遊具として扱われるということで、ヘルメットの着用等の義務はないけれども、交通の頻繁な道路での利用は禁止されているという扱いだそうです。  それと同時に、今、電動のキックスケーターというものも流通し始めていて、そういったものを利用している方もたまに見かけるんですけれども、こちらは道交法上では原動機付自転車に分類されて、公道を走るのであれば、ヘッドライト、バックミラー、警音器、あるいはテールランプ、ナンバー灯といった保安部品を装備した上で、五十ccの原付として登録することで、初めて公道走行が可能になる。それ以外のものは違法ということになるんですが、そういったものが公道を走っているケースも散見されるというふうに聞いています。  また、そのナンバーを取得した場合でも、普通自動車免許が必要、原付のみの免許では運転できないということで、また自賠責保険への加入、またヘルメットの着用が原則義務づけられると。  こういった新しい遊具、あるいは交通手段というものが今出てきた中で、先ほどの電動か電動じゃないかも含めて、親御さんを含めて認識がなかなか進んでいないところがあるというふうに思います。電動か電動じゃないかで道交法上の扱いも変わってきたりとか、場合によっては法律違反になってしまうというような状況があるんですが、そういったものも含めて、交通手段について、学校で交通安全教育はどのように行っているのか教えてください。 ◎塚本 副参事 安全教育については、各教科や特別活動等において安全を守る行動について考えさせたり、朝や帰りの会、長期休業前等に指導を繰り返すことで確実に定着するよう計画的に進めております。特に交通安全については、小学校においてPTAや警察と連携をした交通安全教室を実施しており、自転車の正しい乗り方や標識等について学ぶことで、子どもたちが主体的に安全を意識した行動ができるよう指導しております。  また、自転車だけではなく、キックスケーターやスケートボードなどを含めて、正しい場所で正しい乗り方ができるよう指導しております。 ◆阿久津皇 委員 一義的には警察の所管となるのかと思いますけれども、子どもの安全を守り、またその親御さんを含めて交通のルール、あるいはマナーみたいなものをしっかりと周知していただきたいとお願いをします。  次に、中学校の校則、また制服について伺ってまいります。  まず、中学校の校則について、どのような手続、法的にどのように定められ、変更されていくのか、そういったところを教えてください。 ◎塚本 副参事 校則は、学校で教育目標を実現していく過程において、生徒が重視すべき学習上、生活上の規律として定められたものであり、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針と位置づけられております。校則について定める法令の規定は特にありませんが、校則を決定する権限は、学校運営上の責任者である校長であるとされています。 ◆阿久津皇 委員 法令の規定というのはないということですけれども、昨年度、様々議会からの指摘もあって、中学校の校則について大幅な是正を行ったということですが、具体的にどういった内容の校則が変更されたのか教えてください。 ◎塚本 副参事 校則の見直しについては、生徒自身が自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うためにも、学校を取り巻く社会環境や生徒の実情、保護者の考え方等を踏まえてしっかりとした議論を経た上で、最終的には校長が決定するものであると考えます。  一方、長年見直しが行われていないケースも多く、昨年度、標準服や髪型等における男女別の規定の表記や誤解を受ける懸念のある表記などを中心に、各項目の必要性や妥当性があるかを改めて見直すように、各校に指示をしたものです。 ◆阿久津皇 委員 区内のほとんどの中学校に指示をしたというふうに聞いていますが、それだけ多くの中学校に時代にそぐわないというか、実態に即していない校則が存在していたということになるかと思います。  一方で、そういった校則が存在していたとしても、現場の先生方の解釈とか運用の面でつくろっていた、賄っていた部分が大きいのかなというふうに考えますが、子どもの視点に立った場合、自分たちの校則が実態に即していない、あるいは実際の運用とはちょっと違うとか、そういった事態に直面したとき、ルールとは何なのかとか、あるいは合理性があれば守らなくてもいいんじゃないかといったような、そういった教育的に間違った理解につながる可能性があるなというふうに感じています。  そのような校則が何で今まで残っていたのか、昨年度ぐらいまで残っていたのかということが重要で、先生方に伺うと、やはり特に校長先生なんかは三年から四年で異動してしまうということで、実務的にそんなに大きな問題にならない中で、あえて変更していこうというふうな考えになかなかならないんだよねというようなお話を伺っています。  昨年度の大規模の改定によって、いわゆるブラックな校則というのは一掃されたのかなというふうに思いますけれども、これからも時代によって、校則については変更の可能性、必要性もありますし、あるいは新しい校則を定めるといった可能性もあると思うんですが、今述べた問題が解決されない限り、今後また同様の事態になっていく可能性もあるんだろうなというふうに思っています。  今いただいた御答弁にも、校則の変更については議論を経た上でということがありました。校則の変更、今後についても、子どもたち、生徒たちにしっかりと問題意識、当事者意識を持っていただいて、子どもたちの間でもしっかり議論して、手続を踏んで、柔軟に、実態に即した校則となるよう指導していただきたいというふうに要望いたします。  そうすることで、子どもたちにとっても社会のルールがどのように決められるのかとか、自分たちが決めたことによって自信を深めていったりとか、自分たちが決めたルールであればしっかりと守っていこうと、そういった意識にもつながるのかなというふうに考えています。  続いて、中学校の制服について伺います。感染症対策上、同じ制服を毎日着ていくことに抵抗があるといった親御さんの要望もあって、現在そのジャージ登校というものを認めているというふうに伺っていますが、現状を教えてください。 ◎塚本 副参事 各学校では、服装については六月の休校明けから柔軟な対応をしております。例えば寒い中で換気が行われる冬の時期など、授業中でもコートの着用やひざかけの使用を可能にしたり、標準服の代わりにジャージを着用可能にすることで体育の授業での着替えをする必要がなく、密を防ぐ工夫をしております。 ◆阿久津皇 委員 その密を防ぐということですけれども、ジャージ登校については、コロナが収束した後も当面継続して、この機に制服の在り方を見直していこうという声も聞こえています。  制服、この感染症対策ということであれば何でも許されるというか、それに反対したい人もなかなか言い出せないといったそんな風潮もあるのかなと思いますが、制服というものは、元来、身分とか貧富に関係なく同じ身なりで学ぶことができる象徴であったりとか、学校という空間での一体感ですとか、そういったものを醸成する役割を果たしていると。  コロナ禍においてもその役割というのは全く変わることはないと考えますし、あるいは礼服として活用できるとか、もう少し言うと、スーツ、我々は日常スーツを着て外出するわけですけれども、家に帰って制服をハンガーにかけるとか、アイロンをかけてしわを取るとか、ブレザーであればネクタイを締めるとか、そういった社会に出る前の身だしなみを学ぶツールでもあるというふうに考えます。  教育委員会においては、制服を着ることは教育の一環であると、そういった認識をしっかり持っていただいて、安易な議論にならないようにしっかりと指導していただきたいと要望しまして、自由民主党の文教領域の質疑を終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時二十一分休憩    ──────────────────     午後二時三十五分開議 ○おぎのけんじ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の文教所管の質疑をさせていただきます。  私からは、先日の企画総務所管にて板井委員から質疑をさせていただきました、コロナ禍における女性の負担軽減の観点から、女性の月経に関する生理の貧困の問題について質問させていただきます。  午前中、他会派からもありましたが、大変重要な問題でもありますので、私のほうからも重ねて取り上げさせていただきます。  生理の貧困とは、生理用品を買うお金がない、また、利用できない、利用しにくい環境にあることを指します。経済的な理由から生理用品を交換する頻度を減らしたり、トイレットペーパーなどを代用せざるを得ない状況は、発展途上国のみならず、格差が広がっている多くの先進国でも問題になっています。  先ほどスコットランドの生理用品を無償提供する法整備など、海外の動きについて他会派が触れられておりましたので、私からは割愛させていただきますが、この問題は、コロナ禍で特に女性が大きな影響を受けている日本においても、今回、任意団体の#みんなの生理が行ったアンケート調査によって、過去一年以内に五人に一人の女性が、金銭的な理由で生理用品の入手に苦労しているなどの深刻な状況が改めて浮き彫りとなりました。また個別事案として、貧困の中で購入ができない、ネグレクトなどで親から生理用品を買ってもらえない、こういった子どもたちがいるとの指摘もございます。  先般、我が公明党女性委員会はオンラインミーティングにて、全国の二十代、三十代の女性から生理をめぐる課題についての御意見をお聞きし、さきの参議院や都議会の予算委員会において、公明党より生理の貧困について取上げ、学校での無償配布などの提案をさせていただきました。  豊島区や足立区で、生活に困窮している女性を支援するために、区役所などで防災備蓄品を活用した生理用品の無償提供が始まっておりますけれども、今回、北区でも準備を進めているとの報道がされております。また、多摩市では、市立の全小中学校で希望する児童生徒に無償配布が始まっており、兵庫県明石市においても、この四月から市立の全ての小中高校、養護学校、また中高生の交流施設などで無償提供することが決まっております。このように国内においても、生理の貧困の解消に向けた動きが始まっています。  まず、ここでお伺いいたします。  先週の都議会での公明党の質疑において、都の防災備蓄品である生理用品の中で、メーカーの使用推奨期限を迎える物品が約二十七万三千枚となることが明らかとなりまして、有効活用するに当たり、都の福祉保健局が各区市町村に利用希望の意向調査を行い、区市町村にも配布するべきとの提案を行っております。その意向調査が既に始まったとお聞きしているわけですが、文教所管では、この都の意向調査が行われていることは御存じでしょうか。お伺いいたします。 ◎桐山 学校健康推進課長 先般、東京都より生理用品の寄附に関わる希望調査がありましたことは承知しているところでございます。 ◆河村みどり 委員 ぜひ、児童生徒のために有効活用できるように、都に要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎桐山 学校健康推進課長 教育委員会といたしましても、子どもたちのために、ぜひとも要望していきたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 区立小中学校の保健室には、いざという緊急時のために、生理用品が備えられていることは承知をしておりますけれども、児童生徒がその都度、保健室で受け取るにはハードルが高いのではないでしょうか。生理用品は生活必需品であることを考えると、校内で誰の目も気にすることなく手に取れる場所にあれば、たとえ家庭で思うように購入できないことがあっても、安心して登校できるのではないでしょうか。  コロナ禍において、決して子どもたちが置き去りにならないよう、区においても、この生理の貧困の課題を受け止め、児童生徒が気兼ねなく使用できるよう、小中学校のトイレに生理用品を置くなどの無償提供を検討していただきたいと思います。区の見解を求めます。 ◎桐山 学校健康推進課長 未来を担う児童生徒の育成に当たりまして、教育の基礎となる心身の健康づくりを担う学校保健の役割は極めて重要であると考えております。近年、児童生徒の心身の健康課題が多様、深刻している中、学校による保健指導に対する適切な対応が求められております。
     委員お話しの生理用品やマスクなども含めた保健衛生用品につきましては、緊急用として保健室に備えており、忘れてしまった児童や生徒の対応などで使用しております。こうした個人で使用する生理用品について、現在はトイレに設置するなどの対応は行っておりませんが、教育委員会といたしましては、子どもが心身ともに健全に成長、発達するよう支援し、心身の成長に応じた正しい知識を養えるよう、学校全体で取り組んでいくことも重要と考えております。  引き続き、子どもたちへの性教育に関わる指導や健康相談などを徹底し、学校と連携を図りながら、生理用品について児童生徒誰もが気兼ねなく使用できるように努めてまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひしっかりと推進のほうよろしくお願いいたします。  これを要望いたしまして、私からの質疑を終わり、福田委員と交代をいたします。 ◆福田たえ美 委員 私からは、ICT活用と子どもの健康について伺ってまいります。  子どもの近視は深刻な社会問題となっています。この三十年ほどでは子どもの視力低下が進んでいます。文部科学省が学びのイノベーション事業で情報通信機器の資料に示された健康面の影響で懸念をしている第一位に視力の低下を挙げています。文部科学省の令和元年度学校保健統計調査報告書によりますと、裸眼視力が一・〇未満の小学生の割合が三四・五七%、平成元年度の約二〇%と比較をしますと、ここ三十年で一・七倍以上に増えています。  視機能の発達は、八歳でほぼ大人と同じぐらいになり、十二歳頃まで発達が続きます。この時期が近視の抑制に大切な時期となります。長時間、タブレットやスマートフォンの画面を見た場合は、近くでものを見続けることで子どもの視力が低下をしていくと言われています。さらに、子どもは大人よりも光の感受性が高いために、数倍の影響を受けてしまいます。  ここでお伺いいたしますが、タブレット端末の使用で、子どもたちの健康への影響について認識を伺います。 ◎會田 教育総務課長 児童生徒に学習用タブレット端末が配備され、今後、学校及び家庭における使用頻度が増加いたします。児童生徒の健康に配慮した対応がより一層重要になると認識しております。 ◆福田たえ美 委員 区も教育現場においてICTの活用を進めるに当たっては、児童生徒の健康面にも留意することの重要性の認識を確認させていただきました。ところが、今年度、児童生徒、保護者に配布をされた学習用タブレット端末の利用についての御案内には、健康面に留意する視点でのルール等に関しては触れられていませんでした。この点に関しては、保護者の方からもお声をいただいています。  今年度中に小中学生全員に一人一台のタブレット端末が配備され、GIGAスクール構想が推進していきます。タブレット端末の使用は学校の授業のみならず、家庭における学びにも大いに活用されるとの想定であります。タブレット端末を価値的に活用し、子どもの健康を守るため、区としても使用に関する分かりやすいルールの提示が必要と考えます。  欧米の学校では、トゥエンティ・トゥエンティ・トゥエンティルールというのを実施しているそうです。二十分間のデジタル画面を見たら、二十フィート、六メートル先を二十秒間見て目を休めることで、目の健康を守れるそうです。これは年齢を問わず全ての世代に通ずる方法です。  視機能の発達段階でもある小学生、特に低学年においては、健康に留意をしたタブレット端末等の使用を進めていく必要があります。学校、家庭における健康に留意をしたICT活用のルール等を学校、家庭に浸透させていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎會田 教育総務課長 学校及び家庭でのICT活用に当たっては、文部科学省が策定した児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックを踏まえて、長時間連続して画面を注視しない、長時間同じ姿勢を続けない、タブレット端末を各自で見やすい角度に調整する等の留意事項がございますので、これらの周知をするとともに、委員お話しのありました、児童生徒、保護者への御案内でございますが、今、リーフレット「教えて!タブレット先生」というものを何回かに分けて配らせていただいておりますので、こちら次号で、健康に気をつけてタブレットを使おうということで、今お話のありましたような、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して目を休める等々、そういったことについても記載して、十分な周知をしてまいりたいと思います。 ◆福田たえ美 委員 続きまして、不登校児童生徒への学習支援について伺ってまいります。  我が党は、再三、学校に行けないお子さんへの学習の保障を求め、小学生にもeラーニングを求めてまいりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言とともに全校が休校となりました。第二波、第三波にも備えるため、急遽、令和二年度にロイロノート、ドリル系ソフトウエアが導入され、オンライン授業に対応できる環境が整備をされてきました。さらに、一人一台のタブレット端末の配備も行い、いよいよGIGAスクール構想に走り出します。  まず、ここでお伺いいたしますが、これまでのICTを活用した学びの現状について伺います。 ◎隅田 副参事 昨年の学校の臨時休業に際しては、学校に配置されているICT環境を最大限に活用し、学習支援を行ってまいりましたが、試行錯誤の部分もあり、また、通信環境や機器の台数の制約もございました。その後、児童生徒一人一台のタブレット端末の配置を進め、また、学校の通信環境の大幅な改善を行うとともに、学級閉鎖などの状況下において、オンラインを活用した学習支援や児童生徒とのコミュニケーション確保の取組を進め、その事例を全校で共有できるようにしてまいりました。 ◆福田たえ美 委員 オンラインを活用した学習支援の環境が整備をされ、活用されている事例も出てきているとのことですが、全校での共有はこれからとのことです。  二月十二日の世田谷区立小学校、中学校の校長会において、区より不登校児童生徒等の出席や評価等の対応について通達がなされました。登校することのみを重視するのではなく、柔軟に対応していくことも必要との考えから、各学校において、不登校児童生徒に対する出席や評価等についての適切な対応を進めていくことをお願いするものです。  出席の扱いとして、以下三点を示しています。一、登校への意思や態度を有し、時間に限らず学校に来ている。二、自宅においてICTを活用した学習、郵送、ファクスなどを活用して提供される等の学習活動を行っている。三、学校外の公的機関や民間施設での相談支援を受けている。このように出席への柔軟な対応とともに、学校以外の場における学習の保障をどう行っていくのかという課題が残ります。  ここでお伺いいたしますが、不登校児童生徒へのICT活用の可能性について伺います。 ◎隅田 副参事 一人一台のタブレット端末の配置は、様々な形で不登校の子どもたちへの学習支援を充実させることが可能になるものと考えております。不登校の子どもたちへの学習支援は、子どもたち一人一人の状況に応じた対応が必要となりますが、例えば学習支援アプリにより、教員と子どもたちが日常的なコミュニケーションを取ることが可能となります。また、授業への参加も、黒板の板書を撮影して送付することから始め、段階を追って電子会議アプリなどを使って、自宅や校内の別室から授業に参加することなども可能と考えております。  既に多くの学校で、不登校の子どもたちの学習支援にICTツールを活用しており、その取組を全校が共有し、不登校の子どもたちの学習機会をさらに広げていくことができるよう、学校の取組を支援してまいります。 ◆福田たえ美 委員 不登校児童生徒の中には、学校への復帰を望んでいるにもかかわらず、不登校であることによる学習の遅れなどが学校への復帰の妨げになっている児童生徒や、独学で懸命に努力を続けている児童生徒もいるようです。不登校の理由はそれぞれですが、学ぶ意欲のある不登校の児童生徒を最大限にバックアップすべきであります。  不登校の児童や生徒、また、病気療養児に対する学びの保障では、GIGAスクール構想によって一人一台端末が整備されたことを受け、自宅や病室で同時双方向による授業配信や動画を使った学習を可能といたします。福岡市や寝屋川市では、感染への不安から家庭での学習を希望する小中学生を対象に授業のライブ配信を始めましたが、不登校の子どもにも有効として対象の拡大に踏み切ったそうです。文京区では効果的なライブ配信授業を検討しているとのことです。ICTの活用は、教員側の力量に左右されず活用できる環境を整えることも大変重要であります。  本区において、不登校、病気療養などで学校に来られない児童生徒の希望者には、ライブ配信で学習の機会の確保を進めていくべきと考えます。学校以外の場所へのライブ配信の可能性について、区の見解を伺います。 ◎隅田 副参事 今年度、既に先進的に不登校の児童生徒を対象に授業のオンライン配信を実施している学校があり、その成果を全校で共有することで、不登校の子どもたちにもオンラインで授業を配信することが可能と考えております。  教育委員会では、不登校の子どもへのオンラインを活用した学習支援に取り組むよう各学校に通知しており、オンラインでの授業の配信を含め、不登校の子どもたちへの学習支援体制を全校が講じていくよう継続的に指導してまいります。 ◆福田たえ美 委員 学校や、また、担任による差が出てこないように、全校で希望するお子様にライブ配信ができるように、しっかりと進めていただきたいと思います。  そして、不登校児童生徒の中には、このタブレットの学習というのに苦労しているというお声を多くいただいております。小学生の場合は、特に家庭の御協力が多分にあるということです。誰も置き去りにしない学習支援の実現に向けて、タブレット端末を活用することがうまくできない家庭への支援が必要ですが、区の見解をお聞かせください。 ◎隅田 副参事 不登校の子どもたちへのオンラインでの学習支援には、御家庭の協力が必要不可欠であると考えております。子どもの状況を踏まえながら、オンラインでの学習支援などを保護者の方と相談し、必要に応じて端末の操作方法など丁寧に説明してまいります。また、担任教員のみではなく、学校全体でサポートしてまいります。  また、一般的な機械の操作方法やトラブルの対処についてはマニュアルをお配りしており、また、保護者の方も利用できるサポートセンターの設置も予定しております。保護者の方の御理解と御協力をいただきながら、不登校の子どもたちによりよい学びの環境を提供してまいります。 ◆福田たえ美 委員 誰も置き去りにしない学習の支援をしっかりと進めていただきたいと思います。  以上で私からの質問を終わり、板井委員に代わります。 ◆板井斎 委員 今日はナイチンゲールの生誕の日ということで、改めまして、医療の現場で働いている皆様、介護の現場で働いている皆様、教育、そして保育の現場で働いている皆様に感謝を申し上げて、質問に入ります。  まず初めに、図書館の行政コスト、レファレンス、選書についてお伺いをいたします。  二月の文教委員会で、区立図書館運営体制あり方検討委員会における検討状況の報告がありました。その議論の中で特に注目されるのが、世田谷区による図書館運営は、専門性維持が困難、レファレンスなど公共性を維持することが困難、サービス拡充が困難というテーマで検討されたことです。かなり厳しい現状が浮かび上がったのではないかと思います。  また、十二月に文教委員会で報告された民間評価機関が行った全図書館の分析結果によると、貸出し一点当たりの行政コストは、一番高いのが中央図書館で九百三十二円、月曜開館の四館が五百十三円、また他の地域図書館八館が五百九十円、その一方、経堂図書館は貸出し一点当たりの行政コストが百七十八円となっています。行政コストが高いのは人件費等、そうしたものが高いからだと誰もが想像できると思いますけれども、この直営の図書館には常勤職員が百七十三人、会計年度任用職員が二百四十七人、合わせて四百二十名が働いております。行政コストが高い中央図書館には、常勤職員と会計年度任用職員八十二名が配置されています。  民間活用している経堂図書館には配置基準を設けているので、その基準と比べて、中央図書館は業務量が適切なのか、配置基準はそれに見合っているのか、人件費、行政コストが適切なのかをお尋ねいたします。 ◎谷澤 中央図書館長 指定管理者により管理運営を行っている経堂図書館につきましては、協定書で館長と館長補佐のほか、図書館サービスを適切に行うことができる従業員の配置、常勤職員や司書資格保有者の割合を一定程度保つことなどの条件を示しております。請負契約であるため配置人数等の基準は設けておりませんが、モニタリング等を通じた区の評価や民間事業者の第三者評価などにおいても、適切な業務運営がなされていることを確認しております。  また、中央図書館及び地域図書館のうち区職員が運営する直営の図書館は、中央図書館及び地域図書館十二館でございます。職員の配置に関しましては、それぞれの地域図書館における状況に基づく業務量と職員の職種等を含めた配置状況を勘案した上で、職員配置を行っております。直営館と指定管理館、いずれにおきましても業務量に見合った適切な配置がなされるよう留意してまいります。 ◆板井斎 委員 今の答弁で注目する点があります。民間は請負契約であるため配置人数等の基準は設けておりませんが、適切な運営がされていると。また、この検討委員会の報告の中では、選書、イベント、窓口運営、施設サービスの四点を業務の柱として挙げております。  ですから、それぞれ四点が、その配置基準と比べて適切なのかということは、なぜそういう評価をしないのか、大変私は疑問でありますし、裏を返せば、民間はそういう基準があるからこそ、この人数でやれていると、そういうことになるはずです。ですから、その辺をよく捉まえていただかないと、これが正しいのか正しくないのか、私は別に図書館の中身のことはこれから議論をしますけれども、まずは正しい配置人数なのか、そこからやっぱり行政は見直していただきたいと思いますので、次の検討報告会までには、検討委員会でこの四点が挙げられておりますので、そうしたものを全て、全館出していただきたいと、これは伺います。どうですか。 ◎谷澤 中央図書館長 今、委員おっしゃられた四つの業務の視点でございますけれども、直営館に関して、この四点についての視点でもってというのは、確かに今までそういった意識というのはちょっと欠けていたところがあるかもしれませんが、ちょっとどういった形になるか分かりませんけれども、御意見いただいてちょっと考えていきたいと思っております。 ◆板井斎 委員 そうした基本的なことがなく、職員の配置基準が適切なんだと、よく答弁できたなと思いますよ。どういうことが適切だから、民間ではこういう基準で、だから請負でやれているわけですよ。では、行政はどうだということをちゃんと出してもらわなければ、私たちは議論ができない。ただ、民間から比べるとコストが高いということは、要するに人が余分に配置されているというふうにならざるを得ないです。  次に行きます。図書館司書の現状、これはレファレンスについてです。  このレファレンスは民間に任せられないというふうに、私は何度もここで質問して、皆さんそう答えてきました。その民間評価機関の分析結果では、直営の図書館ではスキル向上の取組が全く見られないと酷評されているではありませんか。一方では、指定管理者は全てのレファレンスを職員で共有し、その内容を世田谷区に全て報告していると。そういうことで民間のほうは高評価を得ているわけですよ。どちらがよいかということは明らかだと思います。  そこで伺いますが、この経堂図書館に対し図書館司書の資格者の配置基準を図書館司書の資格の状況を区立と、それから民営についてお伺いをいたします。 ◎谷澤 中央図書館長 図書館司書の区直営の数でございますけれども、令和二年四月一日現在、直営の区立図書館に配置している再任用を含めた常勤職員の司書は五十五人で、資格保有率は三一・八%となっております。また、会計年度任用職員の司書は八十人で、資格保有率は三二・四%となっております。また、経堂図書館につきましては、一応、常勤が資格保有率は五〇%、非常勤が三三・三%というような状況になっております。 ◆板井斎 委員 図書館の司書の割合、別に司書の割合で中身を決めるというつもりは毛頭ございませんが、世田谷区は司書を養成しているかということが大変大きな問題だと思います。以前も、毎年四名程度の図書館司書を養成する予算をつけているんですけれども、それが執行が悪いと。ですから、十年間で四十名取れるところで、実際は二十五名しか資格を取っていないと。もし、今の図書館の職員の異動がないとして、全員が司書を取るとしたら――民間並みの司書の基準にするとしたら十三年かかるんですよ。異動がなかったとしても、十三年かかって初めて民間に追いつくという、とんでもない状況じゃないですか。そのことだけは申し添えておきます。  三番目について、選書についてお伺いをいたします。  平成三十年の予算特別委員会で、私の質問に対し当時の堀教育長は、武雄市を見に行ったときに、これは私どもが求めている図書館ではないということも考えました。その後、指定管理のときは公共性をどこまで担保するかということを、職員とともに議論してまいりました。その中で出したのは、指定管理については、選書とレファレンスについては、我々行政が責任を持ってやっていこうという考え方で、今まで他の自治体で行っている指定管理とは違う形を示させていただきましたと答弁をしております。  具体的に選書はどうなっているかについて伺います。これは私は別に好んで質問しているのではないことをちょっと御了解していただきたいんですけれども、世田谷区の図書館検索システムで共謀罪というふうに入れました。そうすると、タイトルに共謀罪と記載されているのが十五タイトル、三十三冊の本がヒットします。抄録を見たところ、全てが否定的な議論、論調でありました。確かに国民的に関心のある出来事でしたが、同法案は二〇一七年国会で成立しています。保坂区長が書かれた「共謀罪なんていらない?!」という本は四冊も購入しております。  そこで、選書については、図書館資料管理規程に何と書かれてあるのかをお伺いいたします。 ◎谷澤 中央図書館長 世田谷区立図書館資料管理規程第七条二項には収集方針を定めております。多様な意見または対立する意見のある問題に関する資料は、それぞれの観点に立つものを幅広く収集するものとすると記載されております。 ◆板井斎 委員 対立する意見のある問題に関する資料は、それぞれの観点に立つものを幅広く収集すると書いているんですよ。そうなっているでしょうか。別に私はこの共謀罪だけじゃなくても、それぞれこれまで政治的な、いろいろと国会でも議論があった様々な検索を入れると、一方の論調の肩を持つような、そういうような本しかないんですよ。例えば、この共謀罪でも私はインターネットで調べましたけれども、解説本があります。そういう本でも購入していない。二〇一七年以降、例えばそういう本を購入しているんであれば、何となく中立を努力したんだなと思うんですけれども、そうではないと。  教育委員会は中立であるべきなのに、どうしてこのような偏った選書になっているのか。否定的な本だけを購入して、他には、このチェックがまさに働いていないと。さっきのレファレンスも駄目だけれども、選書も駄目なんじゃないですか。見解を求めます。 ◎谷澤 中央図書館長 現在区立図書館では、蔵書構成の中立性、公平性を保つため、複数人の職員によるグループ体制を取って選書を行っております。各グループで選書した資料は、別の担当者がさらにチェックを行っております。  先ほど委員御指摘の図書につきましては、区立図書館で持っている図書の出版情報によりますと、過去十五年間に出版された関連図書は約三十冊確認できました。しかし、内容が法案の問題点について書かれたものだけでございました。異なる立場で書かれた図書については確認できていないため、これまでのところ収集できていないというような状況でございます。  今後、選書の方法につきましては、他自治体の選書事例の調査研究を進めますとともに、蔵書構成の中立性、公平性に一層留意をいたしまして、可能な限り様々な観点からの資料を選択、収集してまいります。 ◆板井斎 委員 この議論上で、民間は選書がなっていないと、そういった発言もありました。どうなんですか、皆さん方、この事実。私は大田区とか近隣の自治体で主に共謀罪と検索しましたけれども、世田谷ほどこんなに買っているところはないですよ。  また、ある図書館では、やはりある政党の本を全種購入しているんですよ。相当な数を購入しております。それって各図書館に任せているという判断なんですよね。一つの図書館で五百万円ぐらい予算はあるはずですよ。そう考えたら、この中立性というよりも、選書そのものが、やはり職員の好みであったり、あるいはその方の政治信条であったりするわけです。それを税金で買っているということは、これは先ほど、全館の本を見直して、やはり私はより具体的な選書指針をつくれと平成二十九年に質問しているんですけれども、それもやっていただいていない。おまけにこういったていたらくですよ。本当にこれが公務員の図書館でやっていけると、自信を持って、谷澤さん言えるんですか、もう一回答えてください。 ◎谷澤 中央図書館長 選書基準といいますか、収集方針を定めておりますが、利用者の方の知る権利を保障しながら、委員がおっしゃられる中立性、公平性、そこを保つためにも、先ほどちょっと申し上げた繰り返しになるんですけれども、やっぱり他自治体の状況も調査しながら、改めてそういった方法について考えていきたいと思っております。 ◆板井斎 委員 それから、この続きは最終的には教育長に伺いますので、今後、三月にこの議論の最終の検討委員会を開いて、五月以降にその結果の報告を踏まえた教育委員会の考え方が示されると伺っておりますけれども、そういった報告の柱立て、また今後のスケジュール等があれば教えてください。 ◎谷澤 中央図書館長 図書館運営体制あり方検討委員会におきましては、専門性、公共性の維持、サービス拡充などを課題といたしまして、区職員の人材育成計画作成やレファレンス対応等に関する中央図書館と地域図書館の体制整備、図書館運営協議会の設置などについて、その必要性を御指摘いただいているところでございます。  こうした観点を含めまして、直営や民間活用など、区立図書館の運営体制についてどのような選択肢や組合せが考えられるのか、検討委員会において、コストの課題等に加えまして、人材育成やノウハウ継承、マネジメント手法、地域の特色を生かした取組など、様々な課題を御議論いただき、御報告いただく予定となっております。  三月三十日に行われます第五回検討委員会の議論を踏まえまして作成される報告書を受け、今後の区立図書館全体の運営体制の在り方について、五月を目途に区としての考えをまとめ、区議会に御報告してまいります。 ◆板井斎 委員 次の質問に移ります。まず、就学相談に絡んだ話をさせていただきます。  これまで、私は数多くの就学相談に関する苦情や要望を受けてまいりましたけれども、その多くが保護者や子どもの療育をしてきた専門機関、あるいはその主治医との見解の相違だと。要するに、教育委員会が就学相談で下した所見と保護者の思いが違うと、そこに尽きる話なんですけれども、平成二十八年度から令和元年度までの就学相談を受けた千二百九十三名の数字をいただきました。最終的な就学先は就学支援委員会が決めますけれども、この四年間、どうだったかということを総括してお話をします。  まず、知的学校と判断されたのが百八十三名、一四%、知的学級が二百五十名、一九%、あとは情緒、そしてその他となっております。この特別支援学校と判断された百八十三名のうち、その所見どおり特別支援学校へ就学した子どもが百二十一人、六六%、また、知的学級と判断された二百五十名のうち、判断どおり知的学級へ就学した子どもが百二十八人、五一%。要するに、特別支援学校・学級と支援委員会で判断されても、約六割程度の方しかそのとおりに進んでいないと。また、障害がありながら、就学相談を受けずに普通級に入学している子どもも相当数います。  そのことを考えると、この就学相談で、特に重たい子どもが、特別支援学校が学級に行ったり、普通校に行ったケースは、あまりこれはトラブルにならないというか、それはそれで受け入れているけれども、その逆の場合は特に意見が対立し、教育委員会はそれを認めないという構造になっております。就学相談は、そういったこまを埋めるような、そういう仕方ではなくて、要するに、どこに行ってもちゃんと教育委員会は支援しますよと、そういった思いがないから、教育委員会で決めたことのとおりにしてくださいというような形で就学先を決めているとしたら、何のための就学相談かということに私はつながると思うので、まずこの就学相談の現状、就学支援委員会と就学先の現状について伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 就学支援委員会は、心理職、保育士、幼稚園教諭、教員、医師、教育委員会の担当者などで構成しており、福祉、医療、教育などの専門的視点から客観的な見解を示し、保護者の方の判断の参考としていただくものです。多くの保護者にとって就学相談は、子どもの障害と正面から向き合う初めての機会であり、また、就学支援委員会の客観的な意見に向き合うには一定の時間が必要であることも多く、就学相談では十分な時間をかけて、保護者の方が子どもの就学先を検討し、自ら整理、統合して適切に判断することができるよう援助しております。  就学相談の担当者には支援の第一歩を担っていることを自覚し、就学に関する多様な情報を適切かつ正確に御説明し、保護者の方の不安な気持ちに寄り添い、葛藤に共感しながら相談に応じるように引き続き指導してまいります。 ◆板井斎 委員 その辺はよろしくお願いいたします。  また、教育委員会は入学前に子どもの状況をいかに判断し、新学期、入学に備え、クラス編制や一人一人の個別計画、支援計画を綿密に立てることが大事だと思います。私はそのための就学相談だというふうに思っていますけれども、区は、この情報を得る仕組みとして、就学相談での記録、また就学シート及び幼稚園、保育園からの情報を得る仕組みがあるようですが、それらの活用について伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 子どもたちの就学前の情報を可能な限り把握し、子どもたちへの支援や指導へとつなげていくことは大変重要であると考えております。就学相談で御提出いただき、学校への送付に同意をいただいた就学支援ファイルは、学校に送付するとともに、必要に応じ、就学相談で聞き取ったそれまでの支援内容、保護者のニーズと必要な支援の内容について、就学先の学校に直接お話をするなど、丁寧に引き継いでおります。  また、就学前の子どもたちの情報を小学校に伝える資料としては、保護者の方が幼稚園や保育園、療育施設などに依頼し、子どもたちの支援の状況を記載してもらい学校に提出する就学支援シート、保育園や幼稚園などから小学校へ、子どもの育ちを支える資料として送付する保育要録や指導要録などがございます。  各学校では、これらの資料や情報を活用し、管理職、特別支援コーディネーター、養護教諭、スクールカウンセラーなどが子どもたちの状況や課題を共有し、安心して入学を迎えられるよう、担任の配置方法やクラス編成、座席の位置など、一人一人のニーズに対応した具体的な支援策を検討しております。 ◆板井斎 委員 そうしたお子様の記録を、やっぱりどう有効に生かしていくか。それを単に、そのときだけで活用するのではなくて、幼稚園、小学校に上がる過程の中でも、また、成人になっていくまでの間もしっかりとデータして、その子どもに寄り添った教育支援をしていくということが、やはり求められると思うんです。そうしたものをしっかりデータして、その子どもの成長記録、指導内容に関する情報を、一定の情報の管理には留意する必要があると思うんですけれども、様々な関係機関が共有する仕組みが重要かと思うんですけれども、その取組について伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 現在、相談資料のほとんどはそれぞれの組織が紙媒体で保存しており、情報の集約や連携までに一定の時間を要している状況でございます。このような現状を改善するため、教育委員会では、教育総合センターの開設に合わせ、就園、就学相談から卒業までの相談支援業務に関する情報を一元的に管理し、情報共有するシステムを開発しているところでございます。  委員御指摘のとおり、一人一人の成育歴や現在までの支援内容などの情報は、必要な支援に適切につなげるため大変有効な情報であると考えておりますので、個人情報の取扱いに十分留意しつつ、切れ目のない一貫した支援のための情報共有や各組織間の連携強化につながるよう積極的に取り組んでまいります。 ◆板井斎 委員 ただ、一回入力すればそれで済むというものではないと思いますけれども、その更新についての手法について伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 情報共有システムは、教育相談・特別支援教育課が管理し、就学相談や教育相談など支援が必要となる子どもの相談支援業務に関わる職員が情報を更新してまいります。 ◆板井斎 委員 やはり、今後、教育委員会の教育相談・特別支援教育課が管理というか保管するという答弁でしたけれども、やはりその更新の時期とか頻度とかもしっかりと検討していただきながら、現場と一緒になって、その情報を更新していただきたいと要望しておきます。  関連して、その特別支援教育と新教育センターについてお伺いしますけれども、言うまでもなく特別支援教育というのは、障害のある児童生徒、また、重度や多様が進む中で在籍する子どもに対して教育、療育をしていくという、そうした大きな目的があるんですけれども、それが義務づけられて、平成十九年度から実施しておりますけれども、やはりそうした学校の教育現場を支援することが教育センターに求められる大切な役割だと思うんですけれども、そうしたことをしっかりと練られているのか、また、どのようにやっていくのか、その取組についてお伺いをいたします。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 就学後も専門的な視点で子どもの状況を継続的に見守り、支援する仕組みが必要であると考えており、今年度から特別支援教育巡回グループによる支援を開始したところでございます。教育総合センターでは、就学相談や特別支援教育巡回グループが関わったケース、各学校での特別支援教育の取組などを集約し、今後の特別支援教育の指導力向上のために活用するとともに、就学相談や就学前教育施設へも還元し、子どもへの一貫した途切れのない支援の実現に取り組んでまいります。 ◆板井斎 委員 ですから、就学相談を受けたお子様が、もし進路先と違っても、こういうお子様はこういうように将来発展しますと、変わりますよとか、やっぱり具体的なそのイメージを示していただかないと、やはり親が不安になって、相違のもとになっているというふうに私は思いますので、そうした就学相談の充実についても役立てていただきたいと要望します。  最後の質問に、学校での防火シャッターについて伺います。  東京都内では、公立学校二千三百二十八校中、平成七年度以降、防火シャッター、防火扉の誤作動が三百十件あり、そのうち二件で生徒が重傷を負っております。度重なる事故の発生を受けて、文部科学省からこれまで四回、防火シャッターの危険防止についての通知が出されております。また、平成十七年十月には建築基準法が改正され、防火シャッターへの危険防止機能の設置が義務づけられております。平成十八年には国土交通省からも危険防止についての通知が出されております。  そこで、当区において、この防火シャッターの設置校数と設置数はどのようになっているのか。また、この防火シャッターの危険防止対策の取組についての現状を伺います。 ◎青木 教育環境課長 現在防火シャッターが設置されている学校数と設置数でございますけれども、小中学校全九十校のうち駒繋小学校を除く八十九校に千百七十七か所ございます。なお、駒繋小学校は防火設備として、防火扉のみの対応となってございます。また、防火シャッターの危険防止対策の取組についてでございますけれども、防火設備検査員等の資格を有する専門業者による年一回の定期点検を行っており、設備の劣化及び損傷の状況や挟まれ防止装置の設置の有無や設備の動作確認などを検査しております。検査の結果、故障等が確認された場合につきましては、適宜改修等を行ってございます。 ◆板井斎 委員 私が調べたところ、平成二十五年から取替え工事、設置工事が始まっておりますけれども、その中でできたのが約五百二十か所、さっき千百七十七と言いましたけれども、半分程度ができたかなと。新築校もありますから工事しなくてもいい学校もありますから、そうすると、八年かかってやっと半分だということでありますので、やはり計画を立てて、二十三区を比べると、もう既に終わっている区も何区もあります。計画的な設置を望みますけれども、答弁願います。 ◎青木 教育環境課長 閉鎖時における挟まれ防止装置が未設置となっている防火シャッターにつきましては、児童生徒の挟まれる事故を防止する観点から、この間、順次この装置を設置する改修工事を行い、今年度は十三校、九十三か所を改修しております。しかしながら、現在挟まれ防止装置が未設置の学校数と箇所数は、二十八校、三百五か所ございます。限られた予算の中でございますが、安全安心の学校施設の確保に向けて、引き続き効率的に挟まれ防止装置の設置を進め、早期の整備完了に向けて取り組んでまいります。 ◆板井斎 委員 私の質問は終わります。 ◆高橋昭彦 委員 最後になりますが、私のほうからは、決特の続きでおさらいをちょっとしたいと思うんですけれども、一つは、給食の検査ね。特に残留農薬の検査を十月の決特のときに、今年度中にやりますというお話をいただいたんです。十月のときに、今年度、年明け以降に実施する予定でございますと。学校給食で使用する食品の中から、まず検体を選定して、そして、農薬の種類など調査項目については、健康被害への影響が懸念されるものについて具体的に検討してまいりたいというふうに桐山さんが答えてくれたんですけれども、これはやっていただいたんですよね。どんな状況だったのかということと、来年度はどのように進めていくのか教えてもらえますか。 ◎桐山 学校健康推進課長 今年度の残留農薬検査につきましては、毎年、民間検査会社に委託し実施している食品検査の一環としまして、学校給食で使用している小麦粉の残留農薬、二百八十項目の一斉分析とグリホサートの分析について実施をいたしました。結果は、いずれの検査も問題はないということでございました。あと、来年度の残留農薬検査につきましては実施する予定でございます。  なお、農薬の種類など調査項目につきましては、健康被害への影響が懸念されるものについて具体的に今後検討してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 同じものを同じようにやるということではなくて、もう一回中身を検討して、どちらにしても残留農薬検査ということは、きちっと毎年やっていきますよという方向性でいいのかな。 ◎桐山 学校健康推進課長 農薬の種類などは、やはりその時々の状況もございますので、そういった調査項目につきましては、健康被害の影響が懸念されるものを考えていきたいと考えておりますけれども、残留農薬検査につきましては、来年度実施したいと考えております。
    ◆高橋昭彦 委員 分かりました。そういう声もあったものですから、安心すると思いますよ。  それから、十月のときにも言ったのは、これは長いことずっと言っているんですけれども、マルチメディアデイジー教科書の導入というのを、會田さん、ずっと長く言っているんだけれども、要は普通の教科書の読み書きをするのに困難のある生徒、子どもたち、児童生徒がいらっしゃるよと。全国の各自治体でも導入が開始されて、しっかり対応しているんだよという話を何回もしていたんですけれども、この十月のときに、教育総務課長、今GIGAスクール構想で一人一人がタブレットを持つようになるので、非常に環境が大分変わってくる。そういうところで、今、一気にやろうと思っていたんだけれども、そういう状況もあるので今検討しているところですが、何とかこの配備に合わせてやってまいりたいというようなお話を言っていたんですけれども、そしてまた、それを導入したとしても、使い方が分からないとしようがないので教員への研修もしなきゃいけないということを、ぜひ進めてまいりたいというようなお話をしていたんです。  タブレットも配備できました。いよいよ導入できる環境は整いました。まず、教員への研修はどういうふうに進めていくということになりますか。 ◎會田 教育総務課長 デイジー教科書につきましては、決算特別委員会でも御答弁差し上げました。これまで日本障害者リハビリテーション協会や関係団体と連携しながら、その当時は既設のウィンドウズ端末を利用してアプリケーションの導入検討ということで進めてまいったわけなんですけれども、GIGAスクール構想を踏まえた一人一台端末の整備というところで、タブレット端末の整備、それから、学校内の通信ネットワークの環境の整備も先週までで、ほぼほぼ小中学校九十校整いまして、あとは総合テストを残す、全体的な負荷試験を残すのみというぐらいまでいっているところです。  というところで、このタブレット端末から基本的にはアプリをインストールするのではなくて、クラウド環境による利用という形でのデイジー教科書の導入を進めてまいりたいと考えてございます。クラウド環境での検証を行いながら教員の研修でございますが、こういった関係団体からも御協力いただけると聞いてございますので、効果的な研修のほうを実施してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 世田谷区の子どもたちが使っている教科書は、全てこのマルチメディアデイジー教科書が導入できるようになっているというふうに言っていましたので、そういう意味では、全部ダウンロードすると重くなっちゃってしようがないと。そういう意味では、クラウドからそれを引っ張ってくることができるんだよという状況があれば、一番使いやすいよねということなんだろうと思うんですけれども、教員への研修もしっかりと進めていただきながら、実際に来年度、どんなスケジュールでこれはきちっとやれますかね。また毎回の議会で聞くのもあれなので、會田さんがいるうちにきちっと明確にしておいてもらいたい。 ◎會田 教育総務課長 デイジー教科書は文字や図の拡大機能、文章の読み上げ機能などを有して、読み書きに困難がある子どもたちなどへの支援ということで有効だと言われているのは周知のとおりです。デイジー教科書のアプリケーションをクラウド上で配信して、タブレット端末のブラウザで再生することによって、学校でも家庭でも利用することができるという形にしたいというふうに考えています。学習タブレット端末と整備したネットワーク、先ほど御案内させていただいた形での新しいネットワークでの検証なんですけれども、具体的にはレスポンスに問題がないか、これが一つ大事です。それから、テキストと音声の同期再生、ちょっとずれる可能性もあるというのが言われておりますので、こういったことがきちんと本当に行われるかといったところを検証しながら、令和三年度上期に検証して、本格導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 ありがとうございます。上期に検証して、いよいよ導入ですよということでいいんですね。 ◎會田 教育総務課長 十分検証させていただいて、新しいネットワークですので、そういったところでクラウド環境でいくという、目指すところをぜひ実現したいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 了解しました。よろしくお願いしたいと思います。やっぱり、そういうタブレットを使ってという時代の状況になってきているので、さっきうちの福田委員も言っていましたけれども、やっぱりタブレットをずっと見ていると、目にも影響はあまりよくないよというふうにも言われているんですけれども、でも、それがないと、なかなか学力もしっかり進まないという子どもたちもいるので、どう見ていってあげながら進めていくのかということをよく見ていただきたいというふうに思います。  この学習用タブレット、いよいよ学校でも家庭でも活用されて、子どもたちの学習の幅が大きく広がっていくということに対して、非常に僕はいい方向だなというふうに思いますし、今の子どもたちというのは教育環境が大分違って、どんな将来になるのかというのは楽しみです。  この間、僕は地元の小学校の赤堤小学校の校長先生と話していたんですけれども、小学校六年生になると、SDGsについて勉強するんですね。六年生になって、そうすると学校の図書室なんかもSDGsの本がばあっと並んでいる。もう子どもたちがすごい一生懸命これを読んでとなるんですよと。学校の図書室も、今は民間の方が来てやってくださっているんだけれども、非常にそれが今、授業のほうと連動してすごくよくなっているんですよと校長が一生懸命言っていました。  そのSDGsを一年間勉強したことを、六年生が五年生にSDGsを学んだので伝えますというカリキュラムをやっているんですね。毎年やっている。六年生で学んだSDGsを五年生に伝える、こういうふうに学びましたということをやっているんですけれども、毎年それは模造紙に書いて五年生に教えていたのを、今年はこのタブレットがあるので、タブレットの中で子どもたちはそれをやった。そして、パワーポイントを使って動画を入れたりして、それを映して五年生に教えたんだそうですよ。こういうことができるのかと、なかなか大人でもプレゼンをしていくというのは非常に難しいんだけれども、今はそういうことを伝えるにも、こういったタブレットがあることによって数段よくなってくるよということを校長先生が自慢して語っていましたよ。  そういう上級生から下級生へいろんなことを伝えるという授業がいっぱいあるんだけれども、いつもは日光とか、また移動教室だとかに行ってきたことを、やっぱりこれも模造紙に書いて教えていたのが、今度はきっと同じようにプレゼンして、こんなことをやってきたんだよと伝えるようになるんじゃないですかねと、非常にわくわく感のある話をしてくださいました。  もう一つ使っていたのは、鍵盤ハーモニカ、ピアニカってありますね。吹くんだよね。チューブというか吹きながら鍵盤を押す。このピアニカを年度末で下級生に伝えていく、こうやって上級生はやったよというものを伝える発表会の場があるんだけれども、コロナの中でこれは吹くことができないから、みんなで教室で吹いて練習して合わせることができない。どうしようかと考えたときに、このタブレットにアプリを入れておいてもらってありがとうと校長が言っていましたよ。ガレージバンドというアプリがあって、そこはiPadに鍵盤があるから、それでみんなで音を合わせる練習ができましたと。校庭で実際にピアニカで吹いて演奏をできましたと。だから、やっぱり練習するのにも、それじゃなきゃできないけれどもどうしようかというときに、こういうことが役立ちましたというふうに言うんですよ。  なるほど、すごい時代になったなと僕は思いながら、感動もしたんですけれども、そういう現場での校長先生、先生方や子どもたちのこの工夫が、タブレットには大きな機会を与えてくれるという、そういった思いがしました。これがどのようにこれから進んでいくのかというのは非常に大事だなというふうには思うんだけれども、実はあまり時間がなくなってきちゃって、しゃべり過ぎちゃって。  僕は実は毎回ここで話している東京ティーンコホート研究というのがある。コホート研究、約三千人以上の子どもたち、世田谷区、調布市、三鷹市、そのうちのほとんどが世田谷区の子どもたち。約九年前に十歳の子どもを対象に様々な研究をしてきた。そして、十歳、十二歳、十四歳、十六歳と約二年ごとに様々な調査をかけてきた。十八歳研究もやるということに今なっていて、その子たちは今十八から十九になっちゃうという状況がずっと続いてきているんです。  そこで、実は十四歳研究のときに、これは十四歳の世田谷区の子どもたちがほとんど対象ですよ。その子どもたちが、十四歳研究だから、二〇一六年から二〇一八年の時代、まだこのタブレットがどうのこうのという時代ではないけれども、もう世の中には普及されているスマホの時代になってきているその中で、十四歳の思春期の児童のうち六割以上がネットゲームの経験があり、一割がネットゲームの依存の状態であることが分かりましたというんです。ちょっと恐ろしい話ですね。また、ネットゲームへのいわゆる課金――課金って分かりますか、僕はあまりよく分からなかったんだけれども、その課金を行った児童に絞ると、四割以上がネットゲーム依存の状態となっていると。実際に課金をしている児童は、課金をしていない児童よりもネットゲーム依存になるリスクが約四倍となっています。  今の時代のタブレットやスマホの使い方というのは、非常にこれからの時代で大事なツールでもあるんだけれども、すぐ手に取れるものになってしまっているものを手に取るなとは言えないけれども、だけれども、どういうふうに使っていくものなのか。そして、それがどういう影響も及ぼすんだということもよくよく分かった上での、やっぱりこれからの教育でなければいけないんだろうなというふうに思うんだけれども、そういったことに対して情報リテラシーとよく言うものなんだけれども、その教育はどういうふうにやっていくべきなんだろうというふうに思っていますか。 ◎會田 教育総務課長 今、委員のほうから様々、学校の具体的な事例まで御紹介いただきました。学校でも家庭でもICT活用が広がる中、一方で、今お話のあったネットゲーム依存等のそういった課題がございますので、これに対する情報リテラシー教育、これも大変重要だと考えてございます。児童生徒がICTを積極的に活用していく中では、単にネットの危険を避けてルールを守らせるような従来のモラル教育、そういったことだけじゃなくて、子どもたちがリスクを理解して、安全安心に利用しながら可能性を広げられるような、そういったネットリテラシー教育が重要だと考えています。ネットリテラシー醸成講座の開催や、リーフレット、チラシの配布等々、様々な機会を捉えて情報リテラシー教育のさらなる充実を図ってまいります。 ◆高橋昭彦 委員 そうですね。もう現実にあるもの、そして、現実にこれからは子どもたちみんなが手にするもの、そのものにはどういうものがあるのかということを、やっぱりどういう思いで、どういうことを注意しながら活用していく、そして、利用していくという側の数段上の状態をつくっていってあげなきゃいけないと思いますので、ぜひともそれは進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  今、そのゲーム依存、子どもたちはゲームにはまりやすいんだろうと思いますよ。はまりやすいんだけれども、それに触るなと言ってももう無理な時代になってきているので、どう触るのかということなんだろうと思うんですけれども、このゲーム依存、ネットゲーム依存だけではなくて、健康被害ということもあるんじゃないですかということを、このコホート研究をやっている方々に聞いたんですけれども、そのとおりですと。私たちが行った調査では、携帯電話の夜間使用とか、具体的には消灯後の就寝時での使用が、不安や鬱、自傷行為のリスクを上昇させることが分かっていますというんです。特に中学生までの思春期早期の年齢では、携帯電話に代表される電子デバイスの夜間使用は睡眠時間を短くしてしまい、その結果メンタルヘルスの悪影響につながると考えられますよ。そして、スマホやパソコンのディスプレーから出る光が睡眠に悪影響を及ぼすことはよく知られていますが、特に思春期早期の未成熟な脳には顕著に影響するものと思われますよという調査がもう出ています。  このことから、中学生までの低年齢では、親御さんによる夜間のスマホ、PCの使用の制限や家庭でのルールづくりが重要ではないかというふうに思いますというコホート研究チームの今の状況を教えてもらったんですけれども、「教えて!タブレット先生」にはそんなこともいろいろ書いてあるんですけれども、やっぱり親御さんがちゃんと理解してくれなきゃいけないよね、これね。  そういった何回も取り上げている東京ティーンコホート、東京大学と総合研究大学院大学と東京都医学総合研究所の三つの機関が連携して行う研究プロジェクトなんです。これはそろそろ十年たつので、最初の十歳でやった子どもたちが二十歳になります。これはまた、あと五年続けていくというふうにも言っていますけれども、青春期の健康・発達コホート研究、これは世田谷区にしっかり、この調査の対象が世田谷区の子どもたちがほとんどなんだから、やっぱりいよいよ教育総合センターを造る中で、調査、研究、研修という部分では、こことの連携は非常に僕は重要だと思うんですよ。本格的によく研究しながら、世田谷の教育に生かしてくんだという、やっぱり教育長のスタンスが必要なんだろうと僕は思うんだけれども、教育長、どうだろうか。 ◎渡部 教育長 今お話しいただいたティーンコホート研究ですが、思春期の子どもの健康発達に関する調査をして、思春期の子どものストレスや課題を理解するものとして大変有効なものであるというふうに考えています。長い期間、子どもの成長を追うとても効果的なものであるというふうに考えますが、子どもの成長は一人一人違っており、一人として同じ成長過程を経る者はいないと考えておりますので、成長の過程の子どもの一人一人の意思や選択を十分に尊重しながら、伸びやかに育っていくことを見守ることも大切であると考えています。  今回のこの調査結果を大切にして、連携をしながらも、保護者の方と連携し、目の前にいる子どもの成長を見守りながら、多くの目で支援してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 よろしくお願いします。ヨーロッパでやっているこのコホート研究は、前回も言いましたけれども、思春期時代、青年期時代の生活の仕方、そのときの感じたことが高齢者になって認知症になったときでも、やっぱり生かされるんだ、どういう状況になるのかというのが見えてくるというふうに言っていました。そういう意味では非常に重要な位置にあると思います。ぜひとも、しっかりとこれからも連携していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上で公明党の質問を終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時四十六分休憩    ──────────────────     午後四時開議 ○おぎのけんじ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 質問を始めます。  教育領域、文教領域に関しては、ほかの会派も含めて、世田谷区の子どもたちにとって何が必要かと、子どもたちにとってよかれと思う提案をしているところですので、ほかの会派の方の質疑もなかなか賛同できるものが多いなと思いながら聞いていましたけれども、先ほど自民党の質問で、あまりにも不見識だなと思うことがありましたので、たくさん教育に関して見識のある方々がいらっしゃる自民党を代表した質問として、教育委員会を評価するのが第三者機関にすべきだというような意見はちょっと看過できないなということです。当然その答弁にありましたように、区民が判断する、評価するものであり、区民としての代表である我々、議員が教育委員会を評価する。それがこういう場であったり、また、ほかの二十三区の教育長会でそんなことを求めるなんて話がありましたけれども、間違ってもそんなことがないようにしてもらいたいものですね。  教育委員会を客観的に評価するものとしては、先日の文教委員会でもちゃんと報告されましたように、学識経験者による事務の管理及び執行状況の点検及び評価報告書の提出についてというものが文教委員会に毎年出されるわけです。これを読んでいないのかどうか分かりませんけれども、こういったことがきちんとなされていて、それでもほかの教育委員会に比べて我々の教育委員会はもっとよくなるべきだということであれば、区民を代表して我々が求めていくということで、切磋琢磨をして、よりよい教育行政をしていってもらうということが、そもそも教育委員会を正していく在り方だと私は考えております。  もともと教育長というものは公選制であったというようなところから、有権者が判断をするというところから、今は首長による議会への同意というものが必要だということだったりするわけですから、まさに議会の能力が試されていることだと思いますので、私はこれは多くの世田谷区議会の議員の皆様は当然知っていることだとは思いますけれども、改めてこの場で確認をしておいて質問を進めていきたいと思います。  私たちの会派としては、なかなか優れた取組をしているのが熊本市の教育委員会だという話をしてきました。これはICTに関して、これまで提案をしてきたところでありますし、世田谷区の教育委員会もそれを取り入れていくということについては、非常によい取組だなと思って見守っているところですけれども、この熊本市の教育委員会は文部科学省の元官僚だった方が今は教育長をやっていますから、こういった教育行政に精通しているわけですね。ですから、どのように進めていくべきかということについて、学ぶべきところが多いと思っています。  私がこの間、取り組んできました中学校の校則問題だとか学校のルールという問題についても、このたび、熊本市の教育委員会は新たに取り組んでいくというようなことを知り、少し注視をしているところであります。先ほど自民党のほかの委員からの質問では、この中学校の校則問題、きちんと学校がどういう体制なのかということを確認しながら質問されていたので、そのことに関しては非常に私も同意することも多いですし、そういったきちんとルールにのっとって正していく必要があると思っています。  私がこれまで中学校の校則問題に関して提案してきたのは、生徒会サミットというものがせっかくあるので、生徒がきちんと自分たちのルールとして考えていく、これを主権者教育として位置づけて、自分たちがルールを当事者としてつくっていく側になる。そこにもう一つ加えていかなければならないのは、自分たちがつくったルールが、今後、後輩たちがその学校で守っていくべきルールになっていくんだということです。これは私たち議会が、立法機能も有している議会側が、後々のことを考えて提案していくということに非常に近いわけですから、こういったことを教えながら、生徒が一緒に考えていくことが必要であるということを提案したわけであります。  これだけだとなかなか進んでいかないのかもしれないと思いまして、この熊本市の教育委員会の取組というのが非常に参考になります。教育委員会規則(学校管理規則)を改正し、校長の校則制定権は必要かつ合理的な範囲に限るということを今提案しようとしているわけです。校則の制定プロセスに教職員、児童生徒、保護者が参画するであるとか、校則を公開するということを新たに会則に求めていくというようなことを今考えており、こういったことをきちんと議会に提示をしていこうということのようです。  世田谷区の教育委員会は、こういった形で生徒側がつくっていく、そのつくっていきやすい環境をつくるために、教育委員会としてこういうことを制定していくということに考えはありませんか、質問します。 ◎塚本 副参事 今、委員の御指摘のとおり、熊本市の校則についてというのは非常に興味深いものと考えております。来年度、生徒会サミット等のお話もありましたけれども、生徒会サミットでは、子どもたちが自分たちで何が課題かというのを考えていくようなシステムをつくっておりますので、ぜひそういうところでも一つ提案をしていきたいのと、熊本市の校則についての考え方も参考にして、進めてまいりたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 そのときの生徒たちがつくったものだろうということにならないように、きちんと教育委員会、行政体として、そういった大本のルールをきちんと決めていく必要があるなと、この熊本市の教育委員会の取組を見て感じましたので、ぜひ検討を進めてもらえればと思います。  そこには、例えば生まれ持った性質に対して許可が必要な規定であるとか、合理的な理由を説明できない規定や人によって恣意的に解釈されるような曖昧な規定に関しては、もう見直していくべきだということも明記していくようであります。この間、世田谷区の中でもかなり議論になってきたのは、こういったことに触れる内容なのかなと思いますと、一気に保護者から問題になっているような点、議会でも問題視されている点、こういった校則が見直される方向に向かうと思いますので、ぜひ進めていただければと思います。  校則とは少し異なりますけれども、小学校の学校側から提示されたルールについてです。やはり、おかしいなと思うものが最近報道されて、世田谷区はどうなんだということが、体操着の下に下着をつけてはいけない問題ですね。川崎市の議会質疑でテレビ報道されたということから、大きな問題とちょっとなっているようです。これは二〇一八年にもツイッターで出された投稿から少し話題になり、私も地元の小学校でそのような記載があったというようなことから、その当時は担当の課長さんとかとも意見交換をして、見直していくべきだよねというような話をした覚えがあるんですけれども、現状、世田谷区としてもまだあるぞというような声とかを寄せられています。  現段階で教育委員会として、どの程度の学校で、こういったルールが提示されていたか把握されていますか。 ◎塚本 副参事 今回の川崎市の件を受けまして、教育委員会でも小学校のほうに確認をいたしました。学年を指定している学校もあるんですけれども、小学校の約半数の学校が、このような下着の着用を禁止しているというふうに伺っております。 ◆風間ゆたか 委員 当時つけてはいけないというところが、学校によっては、例えば私が頂いた学校で配られたという資料を入手しましたけれども、女子児童は発達段階に応じてインナー(スポーツブラや体操着からはみ出ないもの)を着用してもよいですというような文章が書き加えられたという変化もあったりしたようなんですけれども、これはこれでまた問題だということです。では、その発達段階は誰が判断するのかということになりますし、そのテレビ報道では、それをチェックしているのが男性教員だったというようなことは、問題じゃないのかということも報じられていたということでありますから、非常にセクシャルな問題であり、子どものそれこそ尊厳に関わる問題だと思います。  下着を着る着ないの自由を学校側に制限されるということは、もはや人権問題にもつながりかねないことだと捉えておりますから、今度の四月、これは小学校一年生入学時に配布されるものと聞いておりますけれども、もう次の入学する子どもたちにこのようなものが配布されないように、このような規制がなされないようにするべきだと思いますが、教育委員会の見解を問います。 ◎塚本 副参事 委員のおっしゃることはごもっともでございまして、体育の際に下着の着用を禁止するということは学習の目的から大きく外れておりますので、適切でないというふうに認識しております。こちらについても、各小学校の校長には改善を求めるよう指導しております。 ◆風間ゆたか 委員 改善を求めていくじゃ駄目なんですよ。学校長が権限を持っているんだとしたら、学校長よりも、学校長にそういうことをきちんと撤廃させるということが言える人が教育長なわけですから、教育長、現場出身として、これを全部撤廃することができると言い切れるのであれば言ってほしいんですけれども、いかがですか。 ◎渡部 教育長 今回の下着の問題ですが、本当に長い時間、そのまま放置されていた問題であると考えます。生徒の生徒手帳と同じように、もうたくさん刷ってしまっているので、それをそのまま使っているとか、なかなか教育の現場の中では、それを見過ごせないというところがあります。ただ、やっぱりこれからは、教育の在り方について全て見直しをするべきだと考えておりますので、それについては各学校に伝えてチェックをしていきます。それから、全ての校則をつくる権限は校長にあるというところから、何回も協議を重ねて理解をしていただくようにします。 ◆風間ゆたか 委員 ちょっと分かりにくいんですけれども、今度の四月にこれが配られること、下着着用禁止というのが配られることはないと言い切れますよね。もう一度、教育長に問います。 ◎渡部 教育長 伝えてそのようにしていきます。 ◆風間ゆたか 委員 では、そのようになるように確認をしましたのでお願いします。  続いて、先ほどまた少し学校の過密の問題も出てきましたけれども、毎年起こってくる問題として給食室の改修問題があります。私も地元の小学校で、子どもが通っているときに給食室の改修があり、弁当持参というようなことがあったりしましたし、その子が中学校に上がると、今度は太子堂の調理室の改修で、これは弁当持参ではなく弁当給食という形になったというようなことを経験しておりますから、先ほど菅沼委員からおいしい給食の話がありましたけれども、本当に世田谷区の自校調理の給食はおいしいんですよね。私もPTAの試食で食べたことがありますけれども、おいしいし、給食室の改修後はさらにおいしくなったという子どもからの評判もあったりして、そのおいしい給食に比べて、弁当給食は本当にまずくて食べられないという声をあちこちから聞いて、この議会でも少し話題になったりしましたから、やっぱり世田谷区の給食ということに関しては誇るべきものがあるんだと思います。  それが突然、来年度ですか、給食室の改修は毎年二、三校と言われていますけれども、三校のうち一校が、先ほど過密でも問題になってきた松丘小学校、ここで通知されたのが、つい最近だということです。通常は一年ぐらい前から通知があるので、いろいろと保護者の皆さんに理解を求めながら、何とか弁当を持ってきてもらうというところになってきたようでありますし、ほかの来年度の小学校の関係者から、何とかならないのかというお話も私のところには寄せられていますけれども、この松丘小学校に関してはあまりにも急過ぎるということで、入学予定の保護者たちも、それでは本当に困るというようなことでかなり騒ぎになっているという声が寄せられており、何とかならないのか、毎年毎年二、三校ということなのであれば、教育委員会として何とかするべきだというような声が届いております。  私も当時から、担当の課長とどうにかならないかということをいろいろと意見交換をしてきましたけれども、かなり制約があるということは認識しているつもりでありますけれども、中学校でできたのに、なぜ小学校でできないのかというようなことも含めて、保護者からは疑問が寄せられているところであります。これについて、毎年のことです。何とかならないんでしょうか。見解を求めます。 ◎桐山 学校健康推進課長 まず、給食室の改修工事なんですけれども、児童生徒数の増加が見込まれる場合、現状の給食室のスペースにおいて、安全面や衛生面を保ちながら、追加で厨房機器などを設置することができない場合などにつきましては、必要なスペースを確保するために行っております。そのような場合には、学校が長期休業となる夏休み期間を活用しまして、工事を行うこととしております。工事内容によっては、十月から十一月までかかる工事もございまして、工事期間中は給食の提供ができなくなります。  工事期間中の弁当給食を行うに当たりましては、給食の一時保管、仕分け、下膳作業などを行うための配膳室、校舎に隣接した場所に配送トラックの搬入スペースの確保、また、各作業を行う人員、安全面や衛生面で必要な整備や体制を整える必要がございます。改修工事が必要な学校は、学級増により教室などのスペースの不足が見込まれる場合が多く、給食室の改修工事期間中に給食を提供するために、新たに配膳室などの設備を設けることは困難な状況でございます。  このようなことから弁当給食の安全性を確保することができないため、区として責任を持って子どもたちに提供することは厳しい状況でございます。保護者の皆様には御負担をおかけしておりますけれども、御家庭からの弁当持参をお願いするものでございます。 ◆風間ゆたか 委員 いまだに中学校の給食が提供できない自治体もあるぐらいですから、おいしい自校調理の給食が提供できている世田谷区、それが三か月間あるタイミングで提供されなくなるということに関しては、保護者としては大変な負担だという意見は教育委員会も理解していることと思います。であるならば、理解を得るために、やはり早めの情報提供、そして、いろいろな策を保護者も、これはできないか、あれはできないかということで知恵を絞っているわけですから、それに対してもこういう問題があるということを、やっぱり繰り返し行っていく必要があると思うんですね。まだ時期も少々あると思いますので、御理解を得るということなのであれば、きちんとそういったコミュニケーションを取っていくことを求めます。  続いて、今日は各会派からICTに関しての質疑がかなり行われてきましたけれども、私のほうからは、保護者とのやり取りについてです。ICT機器を使っていくということ、特にオンラインでどのように保護者とコミュニケーションを取っていくのかという点で質問をしていきます。  この三月には、保護者会がオンラインで行われた学校がかなりあると聞いています。教育委員会として、どの程度の学校でオンラインが併用、もしくはオンラインのみでなされたと把握していますか。 ◎隅田 副参事 今年度、オンラインを活用して保護者会を開催する学校が増えてきております。具体的には、三学期に開催された九十校の保護者会のうち、ズームなどを活用してオンラインで開催した学校が二十八校、動画配信と資料配布により開催した学校が五校、通常どおり学校で開催した学校が四十一校、書面開催とした学校が十六校となっております。 ◆風間ゆたか 委員 やはり、特に小学校一年生の保護者などは、最初のうちは何とか保護者会に出なければということで、お仕事を休んで、半休を取って来ているような方々もいらっしゃいますけれども、それをオンラインにすれば休憩時間で職場でもできるかもしれない、もしくは今はテレワークの人もいますから、家からは抜けられないけれども、オンラインであれば参加できるというような人がいるかもしれません。これまで何度も申し上げていますけれども、通っている学校によって、そういった仕組みが異なるということは、やはり不公平感を保護者にとっては感じることもあると思いますから、これは、ぜひ来年度は全ての学校でオンラインで参加できるような仕組みを教育委員会としても推し進めていくべきだと考えますが、見解を問います。 ◎隅田 副参事 保護者会については、開催時期やテーマ、参加者の規模などに応じて、オンラインの活用や体育館などでの開催を効果的に使い分けることは、学校にも家庭にも有用であると考えており、オンラインで保護者会を開催するための手法などを全校で共有し、各校が必要に応じて使い分けることができるよう支援してまいります。 ◆風間ゆたか 委員 これが進めば、PTAでもオンラインがなかなか進まなくて困っているという意見はかなり聞きますけれども、学校で一度やり始めれば、それに応じて使う人たちも増えてくると考えられます。ぜひ、全校でこれが進められるように、教育委員会で推し進めていくことを改めて求めまして、質問者、交代いたします。 ◆中山みずほ 委員 私からは、ICT教育について伺います。  一人一台の端末配備について、保護者への十分な説明がされているだろうかという点について伺います。  昨年十一月より配布されたiPadですが、それ以来、様々な御意見や問合せが私のもとには届いております。直接教育委員会に届く声もあるかと思います。また、都度、私も文教委員会等を通じて意見を述べさせていただきました。ただ、まだまだコミュニケーションが足りないと感じます。この件に関して、具体的にどういう取組を進めているか伺います。 ◎隅田 副参事 これまで各御家庭向けに「教えて!タブレット先生」というチラシを発行し、子どもたちが実際に疑問に思ったことなどを質疑応答形式などでまとめ、広く情報提供も行ってまいりました。一方で、保護者の方からさらなる情報提供を求める御意見を伺うこともあり、今後とも、引き続き学校でのタブレット端末の活用の進捗状況や追加のQアンドAなどをチラシなどにまとめて情報発信するとともに、保護者の方に向けてタブレットを配布した目的や具体的な活用方法などを直接説明する機会を設けるよう準備を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 今御説明があった「教えて!タブレット先生」ボリュームスリーがこの前配布されましたけれども、この今の情報というのももちろんすごく大事ですし、今回の試みは教育委員会から直接保護者に行くルートもありましたので、それは評価したいと思うんですが、今必要なのは、今の情報とともに、教育委員会がどういうビジョンを持っているかというところ、ここがなかなか示されていないなと感じています。  例えば、昨年十月三十一日に教育委員会が主催で教育推進会議があったと思います。私もズームで拝見していましたけれども、このとき、学芸大附属小金井小の鈴木先生が、死の谷を越える覚悟という言葉を使っていたかと思います。要するに、最初の配布時期はいろんなトラブルがあったり、もしくは一日中ユーチューブを見ている、どうするという保護者の声があったり、多分そういうことがいろいろあると。でも、それを死の谷というのに例えて、それを越えるんだというようなこと、その後にこういうビジョンがあるというのを示されていました。こういう全体像が見えると保護者も安心すると思うので、今後はそういったことも示していただきたいと思っております。  次に、端末配備の導入時期、まさに今だと思うんですが、このときの課題や実際に学校現場で起こった出来事、また、その対応方法などはあらゆる場面で共有すべきだと考えるんですが、区の見解を伺います。 ◎隅田 副参事 タブレット端末の導入時期においては、様々な課題が発生することが想定され、実際に起きた課題とその解決方法を学校間で共有することが大切であると考えます。これまで校長会や教員研修会などにおいて、実際に学校で発生した課題と解決方法を情報共有してまいりました。また、学校間でも情報共有して多くの教員が学べるように指導してまいりました。今後、各学校で起きている課題とその解決方法について、近隣の学校のICT推進者が集まる会議の中で事例検討会を行うとともに、そこで出された事例を全校で共有し、効果的に対処できるよう取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 今、事例検討会という言葉が出ましたが、ぜひ進めていただきたいと思います。私のもとにもいろんなお話が地域の方や保護者から来ているんですけれども、直接デジタルに関係ない問題も、たまたまデジタルを用いていたものだからデジタルが悪いというコメントもいただいたりしているんです。そういったことがないように、どういった対応をされたかとかも、あらゆる場面で検討会で共有してほしいと思います。  次に、ICT支援員の質の確保について伺います。来年度はICT支援員を現在の六名から十二名にすると伺っています。当然人数も必要だと感じますけれども、同時に支援員の質の担保も大切だと考えます。この件は昨年十一月の定例会で私のほうから触れました。  現在、教育委員会は内田洋行にICT支援員の派遣などを委託しております。内田洋行のICT支援員サービスの内容を確認しました。確かに、かゆいところに手が届くサービス内容で、このGIGAスクール構想に不可欠なICT支援員の役割や、そこに付随するサービスがワンストップで受けられる内容となっています。今多くの自治体がICT支援員を求める中で、ある程度の規模の企業への委託のほうが確実性はあるかもしれません。しかし、この支援員の中には他の自治体にも派遣される方々もいるわけですので、世田谷区の学校、また授業をよくしようというモチベーションがキープされるのかどうかと疑問に思うこともあります。  先ほど風間委員からありましたけれども、私たちは会派視察で熊本市に行ってきましたけれども、熊本市もICT支援員は委託でありましたが、熊本市の学校だけを回る支援員を準備されて構成されているわけです。産官学連携ががっちりできている熊本市と世田谷区を全く同じ環境であるとは考えておりませんが、最終的に今回のICT教育の成功のキーの一つは、やはり、この人の力であると感じます。区の見解を伺います。 ◎隅田 副参事 ICT支援員は四月から十二名に増員いたしますが、年間を通じて同じエリアを担当させることにより、継続的に責任を持って各学校に関わるとともに、教員との信頼関係も深めることにつなげてまいりたいと考えております。新たに着任するICT支援員には、区の方針や取組、学校のICT環境の整備状況などを伝える説明会を開催するとともに、教育委員会の指導主事がICT支援員とペアを組んで学校を訪問する機会を設け、各学校の状況や学年ごとの児童生徒の特性などを助言し、ICT支援員が効果的に学校を支援できるように取り組んでまいります。  また、教育委員会の担当職員とICT支援員全員がオンラインなどを活用して、定期的に意見交換、情報交換を行う場を設け、学校で生じた課題や先進的な取組事例などの情報を共有するようにし、ICT支援員が受持ちのエリアでその能力を最大限発揮できるよう取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 この件は、今後もまた注目していきたいと思います。  次に、子どもの発達について伺います。  一月二十六日の中教審――中央教育審議会の答申が出ました。その中の新しい時代の特別支援教育のところを読みますと、特別支援教育をさらに進展させていくために、次の二点が示されています。一、障害のある子どもと障害のない子どもが可能な限りともに教育を受けられる条件整備。二、障害のある子どもの自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場の一層の充実、整備を着実に進めると、こういった二点があります。  この二つを実現していくことが、今求められるインクルーシブ教育システムであるということが示されているわけですが、本日、私のほうは、この二つ目のほうの一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導の提供、この点について伺いたいと思います。  まず、例えば就学前健診というのがあります。秋に十月、十一月で幼稚園、保育園の子どもたちが、次に入学するために受けるんですけれども、この健診で少し気になるという子どもがいた場合、学校側が、この児童は通常学級で対応が難しいだろうと判断することはありますか。 ◎塚本 副参事 就学前健診での児童の様子から、学校が通常学級での生活は難しいのではないかと思われる場合もありますが、その場合は、学校と保護者でよく話合い、あくまでも最終的には保護者の意向で就学先が決定します。 ◆中山みずほ 委員 最終的には保護者の意向ということが確認できました。例えば、通常学級に入りました。その際、担任の先生などが子どもの困り感、もしくは発達の特性に気づいたとき、必要な支援につなげたほうがいいんじゃないかなと判断されることはあると思いますが、学校ではどのような対応をするでしょうか。 ◎塚本 副参事 子どもの変化や課題に気づいたときは、その様子をまず学年の教員で共有し、その後、具体的な支援の在り方について、特別支援教育コーディネーターが中心となっている校内委員会などで話し合われます。また、スクールカウンセラーとの面談を通じて発達等の検査や医療につながる場合もあります。 ◆中山みずほ 委員 今、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラーという専門家が判断をされるということを確認いたしました。その際、保護者とのコミュニケーション、情報提供はどのように行われるでしょうか。また逆に、保護者のほうから、いわゆる通級、すまいるルームに通いたいとか、特別支援学級を希望するという逆の場合もあると思いますが、どのように対応されますでしょうか。 ◎塚本 副参事 学校では、保護者の気持ちを丁寧に聞き取り、子どもの学校での様子や特性等を包括的に判断して、今後の学習の進め方や支援の在り方等について保護者と話合いを重ね、理解を深めてもらいます。学校は支援の在り方の一つとして、特別支援学級での就学を提案する場合がありますが、あくまでも子どもや保護者の希望を尊重します。話合いの中で保護者が、今までどおりの通常学級で学習することを望まれる場合には、その子どもに合った個別の支援について話合い、具体的な今後の支援を決めていきます。  一方、保護者がすまいるルームの利用を希望される場合には、学校に相談していただく必要があります。また、保護者が特別支援学級での就学を希望される場合には、特別支援教育担当の転学相談を御案内いたします。 ◆中山みずほ 委員 今、流れが伺えたんですけれども、こういった際に学校や教育委員会の見立てと言われるもの、子どもに対する見立てが保護者や子どもの希望と相違ある場合、つながらない場合があるかと思います。そういった場合はどのような対応がされるでしょうか。 ◎塚本 副参事 保護者の心情は様々であるため、就学相談特別職員や学校関係者は、保護者の意向をよく理解した上でその心情に寄り添い、学校生活に必要な支援等の確認を丁寧に行っております。教育委員会といたしましては、障害のある児童生徒の立場から、その障害の種類や程度だけではなく、その児童生徒のライフステージを見通し、一人一人の児童生徒の持つ可能性を最大限に伸長できる学びの機会が提供され、多様な子どもたちが誰一人取り残されることなく、個別最適された学びが提供される教育の実現に向け、引き続き取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 今までいただいた御答弁、流れの確認だったんですけれども、実際に届く保護者からの声、最後の質問にあったように、見立てに相違がある場合、やはり私たちのような議員のところにいろいろと相談が来るわけです。ここのコミュニケーションは本当に重要だと思います。例えば、今最初に質問した就学前の相談の中で、ちょっと課題があったとしたときに、学校長から呼ばれ、副校長、学校長がいる中で、私たちは受け入れられないということを明確に言われ、そして、とてもその気持ちに寄り添うような言葉じゃない言葉を言われた経験があるということを御相談いただきました。  それ以外にも、実際一年生に入り通常学級で学んできたけれども、途中で、やっぱりいろいろ課題が見えるなと思って、担任の先生なりスクールカウンセラーから、こういうふうに特別支援級を求められたり、いろいろするんだけれども、親の納得というのもすごく大事だし、やはり親としては、この発達の課題が見つかるときって物すごいショックなんですね。そこのコミュニケーションを、特別支援のほうへ行けば専門家に話せますけれども、学校現場でも本当に大切にしていただきたいと要望いたします。
     次に、指定校変更に関する御相談、これもやっぱりすごく今多いんですけれども、この中でも特に、世田谷区に多い私立中学校に通っていた子が区立中学校への就学を希望した場合、ここに特して今日は伺いたいと思います。今、区立小学校から私立中学、こちらの進学率はどのぐらいでしょうか。 ◎田中 学務課長 令和元年度の区立小学校の卒業者数は五千九百七十九名となっており、そのうち二千四十名、三四・一%の方が私立中学に入学しております。 ◆中山みずほ 委員 約三分の一ちょっとということです。逆に、私立中学校に入ったけれども、いろいろあって退学して区立中へ入学する人数はどのぐらいでしょうか。 ◎田中 学務課長 令和二年度において、私立中学校を退学し、区立中学校に転校する手続をした生徒は約六十名となっております。 ◆中山みずほ 委員 約六十名ということでありました。わざわざ頑張って勉強して、私立を受験して入って、区立に戻るというのは、それなりのいろんな理由があるかと思います。私のもとに相談に来られた方や実際不登校の御相談の中でヒアリングした中では、指定校変更の窓口対応が保護者にとっては変更はできないんじゃないかと思わせる対応であったり、あと、学区内の学校に行くことをとにかく促すといった印象を持ったと聞いております。つまり、地元の学区の学校に行くというと、言い方はあれですけれども、出戻ったと思われるのが嫌だなと思うのは、子どもの心情としても結構自然なものだと思うんですけれども、それだけじゃなく様々な思春期であります。いろんな事情がある中で、そこにハードルを感じるという親御さんの声が複数あります。  また、申請までに何度も電話で確認しなければならないとか、いわゆる情報の小出しですね。そういった事態もあると伺いましたが、丁寧な説明と寄り添う対応、これが必要と思うんですがいかがでしょうか。 ◎田中 学務課長 教育委員会では、お住まいの住所に基づき学区を定め、お子さんが通学する区立小学校、中学校を指定しています。私立学校を退学し、区立学校へ転校を希望される方は、教育委員会にて就学申請を行う必要がありますが、その際、指定校の変更を御希望の場合は指定校変更申請を行い、教育委員会の許可が必要となっております。御相談があった場合には、通学区域の学校に通えない理由や希望校を希望する理由などをお伺いし、指定校変更許可基準に該当する内容かどうかを確認しております。  通学区域校に通えない御事情がある御家庭に対しては、お子さんや保護者のお気持ちに寄り添い、丁寧な対応を心がけるべきものと考えております。日頃より、対応について担当間で共有するなど、丁寧な対応に努めてまいりましたが、さらなる対応の向上に向け、研修などを通じて、窓口における相談業務での対応などを学び、御家庭の様子や気持ちを適切に酌み取ることができる対応に努めてまいります。  また、申請に必要な書類などを分かりやすく御説明し、何度もお問合せいただく必要がないよう取り組むとともに、転校までの流れを世田谷区のホームページに分かりやすく掲載するなど、相談しやすい窓口となるよう努めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 ちょっと具体的な相談事例があって、保護者の許可も得ているのでお話をいたします。あるお子さんが私立中学校に行って、一年半不登校になってしまったと。その間、部屋に引き籠もってしまい、そのときから御相談をいただいて、私も区の支援だったり、資源、民間の資源だったりをお伝えしてきたわけですが、なかなかうまくいかなかったと。ところが、間もなく中三、進学も考えるということで、御自身から、自分から、やっぱり区立の中学校へ行こうかなと言ったと。この一年半つらい思いをした保護者の方は、もう雪解けのように、やっと出てくれるんだと喜んだわけです。  ところが、学務課に連絡をした際に、そのお子さんの条件が地元の学校にはちょっと行きたくないと。やっぱり、できればちょっと離れたところに行きたいんだというような希望があって、もし地元だったらどうすると聞いたら、絶対に行かないと、絶対という言葉があったので、保護者としては希望をかなえてあげようと思って学務課に電話するわけですよね。そうしたら、まず学区内に行ってから、そこで駄目だったらというような話がされたそうです。まずそれが第一弾です。それで保護者としては、そこでまた不登校になってしまったら、もう次の復活はないだろうと当然考えるわけですよね。  その後に、学務課の窓口の方が、もし具体的に希望する学校があるなら挙げてくださいというふうに、ということは聞いてくれるのかなと思って、具体的に自分たちで考えた三校の名前を挙げたそうです。そうしたら、まず校長の判断も要るから、その三校の校長はどう考えているかみたいな、何か課題のように与えられたそうなので、その保護者は必死ですからね。仕事も調整しながら三校を回ったわけですよ。校長先生の下を。そうしたら、どの校長先生もいいですよと、受け入れますよと言ってくださって、そのお母さんは泣きそうになりながら、どこも受け入れてもらえると思ったわけです。ところが、もう一回、校長先生は受け入れてくれますと学務課に電話したら、いやそれは校長が決めることじゃないんだということになったそうなんです。  これは多分、学務課の使命として、なるべく学区に行かせるということは、私は理解しているつもりですが、やっぱりこの今の状況を考えると、この方がそう言われたときの衝撃は計り知れないものだと思うんですね。どうしようということで説明会に行ったんだけれども、丁寧にもう一度説明していくと、まず申請書を出してくださいと、そこで丁寧に書いてくださいと。では、その子は小学校時代は不登校だったんですかと聞かれたけれども、その子は全く不登校じゃないんですね。つまり、小学校時代は何の問題もなく普通に通っていたと。それだとなかなか難しいとか、要するに、もうハードルをどんどん上げていかれるわけですよ。そういうことをいくと、何かやっぱり、この今の誰も取り残さないと教育長がおっしゃっている部分というのが、私としては本当に窓口で生きるのかと、こんなふうになっていいのかということを感じます。  私が求めたいのは、とにかく指定校変更の緩和です。中学から、私立から来るというのはそれなりに事情があります。小学校時代、うまくいっていたとしても何かあるわけですから、この緩和を求めたいんですけれども、教育長、いかがでしょうか。ここで学務課と相談して緩和をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 今この話を伺っていて、全く聞いていなかったので、これからちょっと調べていきたいというふうに思っています。これから、やはりそういうふうな子どもの状況をしっかりと理解して、そういう子どもたちが生きる道をこちらでつくっていくというのはすごく大事なことだと思います。これからは指定校変更のことについては、学校の規模とかもありますが、できる限り受け入れるようにしていきたいと思います。 ◆中山みずほ 委員 学務課の答弁も実は求めようと思ったんですが、ちょっと時間の関係であれですが、ぜひ話し合っていただいて、こういった六十名の中でも(「聞いたほうがいい」「大事なところだよ」と呼ぶ者あり)委員長、聞きます。  では聞けということなので、学務課にも確認します。この件は田中課長と何度もお話しさせていただいていますが、実際この指定校変更がそんなにハードルの高いものなのか、たかだか六十名と言っては失礼ですけれども、全員が同じ違う学区を求めているとは思えないんですね。いかがでしょうか。 ◎田中 学務課長 先ほども御説明しましたが、指定校変更につきましては、区の教育委員会のほうで決めさせていただくんですが、今回のやり取りの中でいろいろ御迷惑をおかけしたことについてはおわびをいたします。指定校変更につきましては、御相談があった学校について、通学区域に通えないところなど、希望校に変更したい理由などで対応しているところですが、様々なケースがあるものと認識しておりますので、丁寧に御事情をお伺いし、お子さんにとって通学区域への通学に一定の負担が認められるような場合には、御希望を十分に踏まえ、保護者やお子さんの気持ちに寄り添うようなことができるよう努めてまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ、その寄り添うと安易に言わないでほしいと思っているんですけれども、やっぱり窓口一つで、その保護者の方は私たちのところに声をかけてくれる人なんかまれなんですよ。そこでやっぱり諦めてしまったり、言うとおりに学区に行かせて、また不登校を繰り返したりと実例がもうあるんです。教育委員会にここで上げること自体、もしくは田中課長のところに相談に行くこと自体、拒否する保護者もいるんですよ。やっぱり、子どもが人質に取られているからと思って、上げないでくださいと。そうすると私の中に幾つかたまっているものもあって、この上げた事例だけではないということをちょっと深く考えていただけたらと思います。  以上で私の質問を終わります。 ◆中村公太朗 委員 タッチ・ザ・ワールドについて、一年前にこの場で何回目かの指摘をいたしました。いまさら繰り返しませんけれども、現状では誰がどう見てもおかしいよという使われ方をし、結果としても何も残っていないという施設で、至急改善をすべきだということを申し上げましたけれども、この一年間の検討はどのように行われてきたのか伺います。 ◎塚本 副参事 タッチ・ザ・ワールドについては、小学校四年生の移動教室や英語体験イベントなどは一定の利用が得られたものの、平日の利用については以前から様々な御指摘をいただいているところです。英語を学ぶことを目的とした充実したプログラムが提供できなかったことや、利用者ニーズを十分に把握できなかったことなどが広く区民の方に利用していただけなかった要因と認識しております。令和三年度は現在の施設での継続はいたしません。  今後の対応ですが、移動教室については、来年度以降、一人一人が英語をより多くしゃべれることを重点に置いたプログラムに見直すとともに、会場は令和三年度は各学校を訪問する形として、令和四年度以降については、学校の意見なども参考に、学校での継続実施、教育総合センターの研修室の利用などを検討してまいります。 ◆中村公太朗 委員 今後どうするかはさておきましょう。今おっしゃった理由は、全て一年前にここで指摘しているんですよ。分かっていること。その上で、あのときのやり取り――課長じゃなかったけれどもね。あのときのやり取りで、今後はTGGとの意見交換等含めて、改善に向けた検討をすると言っているんですね。その検討状況を僕は聞きたいんです。伺います。 ◎塚本 副参事 実際にTGGのほうも私も行って見させていただきました。TGGのほうの視察をして、そちらのほうのことについては、この四年生の移動教室についてのプログラムの変更というところで、実際にそちらを参考にさせていただいて、プログラムの改善を図るというところにしております。 ◆中村公太朗 委員 教育長、TGGに行ったんですよね。よかったですと言いましたよね、あなた。そもそも指摘として、何で小四かと、それは勝手に教育委員会が決めた話ですよと。世田谷で育っていく子どもたちが英語に触れると。たまたま学校の都合のいいところで、小四が学外授業で切り取られただけであって、去年ここで出ていますよ。七十数%のリピーターはほぼほぼ未就学児だったと。その他、幅広く利用されていたんですよ。人数は少ないけれどもね。それをなぜ小四だけにこだわって、さっき言った改善に向けた検討も、TGGとの意見交換も、その小四だけにクローズアップをして、そこにどれだけ反映されるか知りませんけれども、結果としては縮小されてという結果になるんでしょうか。どういうことですか、伺います。 ◎塚本 副参事 実際に先ほどもお話ししたとおり、平日の午後の利用というところでは、委員がおっしゃるとおりに未就学児の利用が多いということで、そちらの対応について、なかなか私どもの課のほうで対応することが、プログラムの改善等の提供ができなかったというところ、それから、その未就学児に対してのニーズも十分に把握できなかったというところになっております。 ◆中村公太朗 委員 よく分からないんですけれども、お手上げだったということですか。もともと民間の運営事業者、もう繰り返すのもあれですけれども、そもそも多文化になったこともそうだし、英語をしゃべらせなかったということもそうだし、そういうことをやってきた運営事業者があったわけでしょう。運営事業者が決めたのか、教育委員会がそのとき言ったのか知りませんけれども、それの見直しはどうされたんですかと。私どもで考えて、ちょっとうまく平日は入れられませんでしただけでは全く分からないじゃないですか。それ以降どういう検討をして、どういう民間のものを調べて、自分たちでどういうことをやろうとして、結局それがどう駄目だったから諦めたんですかということを聞いているんですよ。具体的に説明してください。 ◎塚本 副参事 本当に御指摘のとおりで、英語を学ぶ目的というところでは、充実したプログラムが提供できなかったというところで、そちらのほうの検討もなかなか進んでいかなかったというところと、利用者のニーズというのがこちらも把握できずに、それも改善できなかったということになっております。 ◆中村公太朗 委員 これは最初、イニシャル幾らかかって、結局この二年半、ランニング幾らかかったんですか、伺います。 ◎塚本 副参事 平成三十年度に開設しておりますが、このときは初期費用も含めて六千四百万円程度です。それから、令和元年度が二千五百万円、令和二年度が千七百万円になっております。 ◆中村公太朗 委員 結局一億円ぐらい使って、途中でお手上げですと。しかも、そもそもとんでもないものをつくってですよ。明確な理想の目指すべき像はあったにもかかわらず、それをトレースすることなく、自分たちで勝手に手を加えて多文化に広げちゃって、一億円かけて、もうやめますと。どぶに捨てるつもりですか、教育長、伺います。 ◎渡部 教育長 このグローバルの中で、子どもたちの英語力の向上というのは極めて重要だというふうに考えています。それで、前に多文化というところにいってしまったので、少し日本文化とか、そういうところにも今回のタッチ・ザ・ワールドの目的がいってしまっています。今回、このコロナ禍で学校を回る形にしたときに、英語力というところに視点を置いて、そして、子どもたちが英語を数多くしゃべれるようにということで、ALTの配置を少し多くして、そういう形で少しずついいものにということで、諦めたわけではなくて、少しでも前に進めるようにと考えているところです。  これから先、あそこの施設ということではなく、新しい施設の在り方というところも、これから考えていきたいというふうに思っています。 ◆中村公太朗 委員 何回も言うけれども、これは小学校四年生のためのプログラムじゃないんですよ。学校出前授業は小学校四年生だけでしょう。ほかの子たちは来ているじゃないですか。私立の子だって、学校の子どもじゃなくたって、大人だって、若い学生だって来ているんですよ。それに活用するようなものをつくれという話なんですよ。それをやめて、小学校四年生だけで、そこは充実するのか知りませんけれども、縮小して、それだけを世田谷区の英語授業の特した、こういうプログラムにするということですか。 ◎渡部 教育長 一番最初に四年生というふうに考えたのは、英語の入り口として、子どもが親しむというところで考えました。(「第一人が入ってないじゃない」と呼ぶ者あり) ◆中村公太朗 委員 出来がもともと違うんですよ。つくったものが違うんだから。 ○おぎのけんじ 委員長 答弁中です。 ◆中村公太朗 委員 やじを止めてくださいよ、委員長。どうなんですか、委員長。 ○おぎのけんじ 委員長 答弁を続けてください。 ◎渡部 教育長 ただ、イベントに関しては、参加者の年代は多岐にわたっていました。やはりニーズがとてもあるということは分かりました。すばらしいプログラムであれば参加する人数は多いということは分かりました。だから、今五万人の子どもがいる中で、一回だけでも必ず子どもにというところで、学年を区切らせていただいています。ただ、それ以外のときには多くの子どもたちが来られるようなプログラムというのを、これから考えていく必要を感じています。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、これから新しく取り組むということですか、伺います。 ◎渡部 教育長 このタッチ・ザ・ワールドに関しては諦めたわけではなく、今は新しい形で学校を回るという、訪問型のタッチ・ザ・ワールドにしています。これから、コロナがどういう形になっていくか分からないですが、子どもたちが英語に親しむ機会というのは絶えることなく続けていく必要というのを感じています。全くクローズにするということではなくて、子どもたちが数多く英語を話す機会、それから、ALTの本当の発音に触れる機会というのは、教育委員会としてつくっていく必要があると考えています。 ◆中村公太朗 委員 出前授業は拡充していくんですか。全ての学年とか中学校まで含めてやるということですか。 ◎渡部 教育長 今体育館で行っておりまして、それに関しては一定の評価はいただいています。ただ、体育館でやるということに関しては、体育館を一日使えなくなるとか、準備が大変だとか、または雰囲気がつくりづらいとか、そういう形のお声をいただいていますので、新しく教育総合センターが建ちますので、その中で場所を考えながら、雰囲気ができるようなつくりにしていこうと考えているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 ということは、そこにもしできた場合には、それは別に区立の小学校四年生だけでもなく、ほかが、全ての方がターゲットになるということでいいんですか。 ◎渡部 教育長 まだその制度設計の中で、区立の小中学生向けのものを今考えているところです。しかし、様々にお声をいただいているので、制度設計の中でまた考えていきたいと考えています。 ◆中村公太朗 委員 普通はストップしたり、修正をする時点で、その制度設計を終えて、次はこうしますということが分かってから次の動きがあるんじゃないですか。もちろん、今皆さん共有しているように、無駄な施設を、人もいない、金を垂れ流すものをだらだら続ける必要はない。むしろ、ここでやめるというか、一旦見直すという、去年一年間からずっと言っていますけれども、ここに向けて今言った制度設計を完成させなきゃいけないんじゃないですか。 ◎渡部 教育長 今年はコロナ禍でしたので、学校を回るというところのプログラムをつくるということに特してまいりました。これから先、教育総合センターの中で行うものに関しては、まだこれから制度設計をしていこうと考えているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 制度設計は別にコロナ禍でもできる話なので、実際に学校でどうこうするわけじゃないし、むしろ新しいところにスペースをつくるという話なんですよね。であれば、しかも実際の新教育センターの在り方も続いているわけですよね、そこで。それに組み込むということをするのであれば、それと同時進行していくべきなのではないですか。逆に言えば、それはいつぐらいに結論が出るんですか。今おっしゃっているその計画は、めどとしてはどうなんですか。 ◎池田 教育政策部長 今般、タッチ・ザ・ワールドの事業についていろいろ課題があるということで、教育センター、教育会館での実施について中止とさせていただくことになりました。一方で、学校への小学校四年生の移動教室については体育館という形でやる。今後、令和三年度については、イベント等を実施しないということで考えておりますけれども、令和四年度以降の事業について、令和三年度中に令和四年度の予算要求に向けて、どういったイベントを行うのか、事業を行うのかなどについて検討してまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 分かりました。こればかりに時間を取っていられないので、本当にちゃんとやってください。今の答弁も全く中身がないですからね。ただ同じことを繰り返しているだけじゃないですか。ちゃんとやってください。  それから、もう一つ心配しているのが、子どもの海外派遣、小中学生の海外派遣。コロナに突入をしたからやむを得ませんけれども、せっかく新規でスタートしたフィンランドが一年でストップ、今年はポーランドに派遣をする予定だった。来年度は台湾の派遣がスタートする予定だったものが、(「ポートランド」と呼ぶ者あり)すみません、ポートランド。ポーランドと言ったね。ポートランド、この三つが事実上、軌道に乗る前にこういう状況になってしまっているということです。  このままでいくと様々なものがストップをされる流れで、コロナのせいなのか分かりませんけれども、ストップをされかねない。しかも、このタッチ・ザ・ワールドを見ても、こうした英語に関わるもの、外国に関わるものには何か消極的な動きが出始めているような気もするので、極めて心配をしておりますけれども、もちろんコロナ禍でもオンラインという新しい技術もあって、やれることはあると思います。子どもたち同士じゃなくても、下打合せだって、むしろこちらのほうが簡単にできると。このフィンランド、ポートランド、台湾、進捗、今後の展望を伺います。 ◎塚本 副参事 姉妹都市と継続的に交流していくことは、グローバルが急速に進展する社会を生きる子どもたちにとって大変重要なことと考えております。今年度、新型コロナウイルスの影響で海外派遣事業は中止となりましたが、海外派遣先である姉妹都市のバンバリー市などと手紙のやり取りや映像による互いの学校紹介、有志によるオンライン交流などを一部の学校で実施しております。また、教育委員会でもオンラインでの交流の実施を検討してまいりましたが、新型コロナウイルスの影響により先方の学校が休学となるなどの状況の中、四月以降に改めて調整を行うこととしております。  来年度も海外派遣事業は中止になりますので、交流先の学校と引き続き連絡を取り合う中で、相手国の状況や時差などを考慮しつつ、オンラインを含む様々な形での交流の実現に向けて検討を進めてまいります。また、計画が中断している台湾の高雄市やオレゴン州ポートランド市とも連絡を取り合い、早期の実現に向けて調整を進めてまいります。 ◆中村公太朗 委員 早期の実現に向けて調整するということは、重ねて繰り返しますけれども、世田谷側として、今回全くこの事業は立ち消えていないと、進めていくべきだという立場でよろしいですね。 ◎塚本 副参事 委員のおっしゃるとおりでございます。 ◆中村公太朗 委員 必ずコロナ禍でもできることはあると思いますので、この灯が途切れることのないように、我々、議連もつくってやってきたという部分もありますし、何より世田谷の子どもたちが、そしてまた、これが各学校枠で派遣ではなくなったんですよね。今度は誰でもというか、その世代が応募をして行けるということになったわけですから、より選定作業というか、選定過程というのかな、重要になってくると思いますし、やる気のある子どもたちが、これまでは強制的にチャンスがなかった子たちも手を挙げて挑戦をするということができるようになったわけですから、ぜひコロナが解禁、違うな――コロナが収束をして、受入れ国もありますし、もちろん日本、世田谷側からの派遣もできなければいけないわけですけれども、そこで本当に、繰り返しますけれども、ホームステイも必ずつけてくださいね。必ずこれを実現をして拡大をしていくと、さらにさらに拡大をしていかなければいけないと思いますので、続けていただきたいというふうに思います。  最後にしますけれども、図書館の古本購入、これは毎年やっていますけれども、今年はいかがですか。 ◎谷澤 中央図書館長 現在区立図書館では、全集本や上下巻本等の図書で紛失等により欠本となった資料について、それが絶版となり、一般の流通手段では入手が困難な場合、中古図書を購入することにより補充をするなどの蔵書管理を行っております。日々出版される新刊本等につきましては、原則として、入札により落札した事業者から定価の図書を割引価格で購入しております。今回、中古図書の購入につきまして、大手の中古図書取扱い事業者に仮発注を行ったところ、約二百冊発注したうちの五冊しか確保ができませんで、また、手数料も含めますと新刊本を購入するよりも高くなるという結果になりました。今回、実際に中古図書の購入はしておりませんけれども、今後継続的な発注を行うためには、一定の冊数を確保することができるかが課題と考えております。  委員お話しのとおり、中古図書の購入により安く図書を購入することは大切なことと考えておりますので、引き続き、中古図書の取扱い事業者につきましての情報収集を行うなど、検討を進めてまいります。 ◆中村公太朗 委員 何か毎年と違う新しい角度の答弁なんですけれども、中古図書を二百冊買おうと思ったら、事業者が五冊しか用意できなかった。しかも高くなっちゃった。その事業者は誰が選んだんですか。 ◎谷澤 中央図書館長 職員に指示をしまして、職員の中でその大手の会社を一社だけですけれども、選んで試しにちょっとやってみたというところでございます。 ◆中村公太朗 委員 ゼロよりは、試しにちょっとはいいんですけれども、それはちょっと普通に考えてあり得ないと思うんですよ。どういう手法でやったのか、大手というのがどういう形で、ブックオフですか。ブックオフでももっと安く集まると思うんですけれどもね。二百冊で五冊しか、よっぽどの本当に絶版で、もう何年も前にしかないものとかということかしら、希少本ということですか。全然分からないな、これ。 ◎谷澤 中央図書館長 二百冊というのは、中央図書館で大体週に二百冊程度購入しておりまして、実際に発注したものと同じものを、試しにちょっとリストを渡してお願いしたところ、今回たまたまそういう結果ということでございました。 ◆中村公太朗 委員 ぜひ、その本のリストと事業者をまた後で教えてもらいたいなと思いますけれども、これで納得していいのか分かりませんが、これまでにない取組を半歩したのかなということで言えば、進んだと捉えられなくもないけれども、ちょっと結果が、それをやめるための理由にも聞こえかねないので、ちょっとそれは今後調査します。  以上で終わります。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時四分休憩    ──────────────────     午後五時十五分開議 ○おぎのけんじ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 これまで質疑を聞いてまいりまして、やはりこの教育という領域に関しては、コロナ禍であってもしっかりと予算を割いていく、やっぱりコロナを理由に、これもやめよう、あれもやめようという形で、決して思考停止にならないようにぜひしてもらいたいと思いますし、これまで他会派の委員の質問の中でも、そういう思いの入った質疑があったというふうに思います。私もそういう観点を含めて質疑をしてまいりたいんですけれども、まず不登校の問題について聞いてまいります。  令和二年九月一日の文教委員会の資料で、これは不登校特例校の設置についてという報告の中の文書なんですけれども、この中にこういうことが書いてあります。世田谷区における不登校(病気や経済的理由以外での三十日以上の欠席)の児童生徒の人数は、令和元年度で八百二十五名と五年前の平成二十六年度の五百二十一名の約一・六倍となっている。この傾向は全国的にも同様であるが、世田谷区では子どもの数も増えており、今後、不登校の児童生徒の数はさらに増加することが見込まれる。また、不登校の児童生徒の状況は多様であり、心の休養や居場所を必要とする児童生徒がいる一方で、学習意欲が高く、社会復帰などを目指した本格的な学習支援を必要としている児童生徒も多く、受入れ施設にも多様性が求められているというふうに書いてあります。  そうだなと、まさにそのとおりだなというふうに思うんですけれども、そういった中で、ほっとスクールについてまず聞きたいんですけれども、ほっとスクール関連の令和二年度の予算と令和三年度の予算、あと、各ほっとスクールの定員と通室者数について教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 ほっとスクール三か所の合計の予算額になりますが、令和二年度予算は約八千九百五万円、令和三年度の予算については八千九百二十四万円となっております。また、定員ですけれども、城山が二十五名程度、尾山台が十名程度、希望丘が五十名程度となっております。令和三年二月末現在の利用者数ですが、これは正式生と体験生とございますけれども、そちらを合わせますと、正式生、体験生を合わせますと、城山が五十三名、尾山台が二十六名、希望丘が百三名となっております。 ◆桃野芳文 委員 今の五十三名、二十六名、百三名ですから百八十二名ですね。それを全体の予算、今ので割っていくと、一人当たり大体四十九万円ぐらいになるんだというふうに思うんです。年間一人当たり四十九万円という予算ですけれども、これは子どもたちを自立に導いていくという上では、決して過大なものではないというふうに思うわけです。適切に予算をしっかりとそこに充てていかなければいけないというふうに思います。先ほど読み上げた常任委員会の資料でも、今後、不登校の児童生徒の数はさらに増加することが見込まれるというふうに言っているわけです。  一方、このほっとスクールの予算をしっかり割いていかなければいけないというのはあるんですけれども、ほっとスクールのパンフレットを見ると、ほっとスクールは自主性だとか社会性を涵養して、学校生活への復帰や、自分らしい進路の実現に向けて気持ちを整えていくための支援をしていますというふうに書いてあるんですね。なので、このほっとスクールが単なる居場所――居場所をつくるということも大事なんですけれども、やっぱり単なる居場所にとどまってはいけないと私は思うんです。  それが、今言っているようなほっとスクールの支援ということがしっかりできているのかどうかということは、これはしっかりと皆さんが事業評価をしなければいけないと思うんですけれども、こういう点については、どういう形でほっとスクールが、しっかりとこういう目的を達しているのかどうかということについて、どういうふうに評価をされているのかということについて教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 ほっとスクールでは、小集団での体験活動を通じて社会性や協調性を学んだり、子ども一人一人の生活習慣や学習状況などを踏まえた支援を行っております。具体的には、学習の遅れが心配なお子さんには、分かるところまで遡り、課題をクリアし学ぶ喜びを感じ、意欲を持てるようにするなどの支援をしております。また、支援内容につきましては、保護者や担任教員とも共有し、相互に連携した支援を取るよう取り組んでおります。  また、中学校三年生頃になると進学のための願書の内容を一緒に考えたり、作文や面接の練習を行うなど、在籍校や保護者との連携をしながら対応しており、全ての卒業生が高校に進学しております。 ◆桃野芳文 委員 全ての卒業生が高校に進学しているというのは、それはいいと思うんですけれども、ただ、逆に高校に進学させることが目的でもないし、先ほど読み上げたような社会性の涵養とか自主性の涵養ということが、やっぱり大事なことですよということになっているわけですから、そういったことがしっかりできているのかどうかということは、しっかりと皆さんにその事業評価をしていただきたいんですね。あれやっています、これやっていますと今のように羅列されるのもいいんですけれども、本来、事業としてそれができているのかできていないのかということはしっかり評価して、よりいい仕事をしていくということは引き続きしっかりやっていただきたいと思います。  先ほども言ったように、受入れ施設にも多様性が求められているということを、これは区自身が言っていますから、これはほっとスクールだけでは、やっぱり受け皿としては不十分だというふうに思うんです。例えば、本当に心の居場所が欲しい子どももいれば、学校にはちょっとなじまないけれども、勉強は一生懸命したいんだと、難しい勉強にもどんどんチャレンジしたいんだという子も中にはいます。そういった子が、ほっとスクールでそういう欲求が満たされるかというと、なかなかそれは難しいというふうに思うんですね。  そういった中で、この不登校特例校というのも、これからつくっていこうということになっていると思うんですけれども、これは区が今示しているのは一か所、定員も三十名から五十名ぐらいということで、なおかつスケジュールを見ると令和四年度ということですから、これもまだ少し先になるということです。そういった中で、世の中にはフリースクールというものもありますから、こういったところとも区はしっかり連携していくべきだというふうに私は思うんです。  まず、区立小中学校に在籍している子どもで、フリースクールに通っている子というのは、今何名いるのか教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 フリースクールに通っている子、令和元年度の数字になってしまうんですけれども、約五十名がおります。 ◆桃野芳文 委員 フリースクールは五十名ぐらいですけれども、当然、先ほど言ったように、不登校の子どもたちというのはもっともっと、その十倍、百倍ぐらいいるわけですよね。ですから、どの子たちをどういうところにつなげていけば、先ほど言ったような自主性みたいなのが涵養できていくのかということは、幅広い視野で皆さんにも考えていただきたいと思うんです。  そういった中で、フリースクールというところともどうやって連携をしていくかということなんですけれども、これは令和二年九月の佐藤弘人議員の質問に池田教育政策部長が答えているんですけれども、教育委員会といたしましては多様な学びの場の確保という観点から、民間のフリースクールとより密接な関係を築いていく必要があると考えていますと。密接な関係を築いていく必要があると言っているんですけれども、その次に続くのは、まずは区のほっとスクールや、民間フリースクールの関係者が集まり、情報交換を行う場の設定などに取り組んでまいりたいと考えておりますと言っているんです。なので、これは情報交換にとどまってしまっているというのが今現状です。  私は、例えばその子どもが、これはほっとスクールではなくてフリースクールのほうが向いていると、適性があるというふうに思ったら、それはもう積極的に案内していく、こういうところがあるよということでしっかり情報発信していくということが必要だと思いますし、その案内をしていくためには、ふだんから積極的にこのフリースクールはこういうところだ、このフリースクールはこういうところだということを、しっかりと日常から評価しておくべきだというふうに思うんですけれども、そういったことについての見解を教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 フリースクールを利用する方が一定程度いらっしゃるということは、こちらとしても理解しております。ただ、フリースクールは様々な運営方針ですとか、運営形態のフリースクールがある中、こちらから情報発信するにも検討すべき課題が多いと考えております。現在、教育委員会が主催する不登校保護者のつどいにおいて、フリースクールのスタッフを招き、その話を聞く機会などを設けており、この取組については学校と情報共有をするとともに、出席できない保護者の方を含め、広く情報発信をしたいと考えております。一つずつ、やれるところから実施したいと思っております。 ◆桃野芳文 委員 どうしても文教領域の皆さんというのは、公教育を絶対視する傾向が私はあるんじゃないかなと思うんです。官民連携をしていくのが極端に苦手な領域ではないかなというふうに思うんですね。福祉の領域だと結構やっているんですよね。例えば、NPO法人高卒支援会というのがあって、ここは世田谷区要保護児童支援協議会というところにも入ってもらって、これも区として付き合いがあるところなんですね。これはフリースクールを運営しているところですけれども、やっているんです。あと、先ほどのいろんな課題という中でおっしゃっているんだと思うんですけれども、例えば公金は公教育以外のところに支出できないみたいなことも、これは憲法の八十九条ですかね。そういったところにも書いてあるから、なかなか二の足を踏むというところもあるのかもしれませんけれども、これも福祉領域では様々やっているんですよね。  これは、例えばぷらっとホーム世田谷の事業ですけれども、学習塾等受講料貸付金というのをやっていて、これは所得制限はありますけれども、学習塾や通信講座、こういったところを利用するときに受講費用を貸付けますというようなことをやっていたり、あと、子どもの学びを支援する活動への助成というのもやっているんですよね。割とお金を出すということをやっているんです。  なので、不登校についても、最終的な公金はどこから出すかということは考えればいいと思うんですけれども、ただ、やっぱり不登校ということをつかめば、それはこちらの文教領域が一つ大きな入り口になってくるわけですから、いろんな制度はうまく利用しながら、例えばフリースクール、ここにも経済的な支援を行っていく。例えば、困窮だとか、不登校だとか、虐待というのは、これはもう密接に絡み合っているものです。なので、例えば本当は学ぶ意欲はあるんだけれども、不登校になってしまい、そして、困窮状態にあるからフリースクールに通うお金がないというような御家庭もあれば、そういう情報をキャッチすることができれば、例えばそういった御家庭に経済的な支援ということも考えていくべきではないかなというふうに思うんですが、見解を教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 フリースクールへの経済的支援につきましては、文部科学省でも検討されておりますが、現時点では方向性は示されておりません。一方、他自治体では、一定の基準でフリースクールの審査を行い、連携している例もあると聞いており、国の動向も見ながら、フリースクールとの連携の在り方などについて引き続き研究してまいります。 ◆桃野芳文 委員 先ほど読み上げたように、区ももう多様な受け皿が必要だということは認識されていると思うんですよ。どんどん不登校の数は増えていくということは認識されていると思うので、ぜひ前向きに考えていただきたいというふうに思います。  あと、先ほど前半で申し上げたほっとスクール、こちらも他会派からもこれまで要望があったと思うんですけれども、三か所で、なおかつその定員に対して利用者の数もやっぱり多いわけですよね。定員も何人程度といって、ある程度超えてしまうことを許容しながら運用しているという実態があるわけですから、もう少し広げて、例えばこれは三か所、世田谷区内を大体五支所といって分けていくわけですから、もう少し数を増やしていくということも検討すべきではないかなと思うんですが、その点についても教えてください。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 この間、ほっとスクール希望丘の定員を三十五名から五十名に増員し、令和四年四月には教育総合センターに移転するほっとスクール城山の定員を二十五名から三十五名に増員をする予定としております。一方、ほっとスクールの設置場所につきましては、地域的な偏在があると認識しており、お住まいの地域によっては遠距離で通いづらいなどの声も届いております。利用者の御意見や利用状況を踏まえながら、引き続き検討してまいります。
    ◆桃野芳文 委員 田中委員に代わります。 ◆田中優子 委員 私からは、まず、給食調理場におけるアレルギー対応について伺います。  最初に、太子堂調理場から配食される中学校七校には、アレルギー対応が必要な生徒は何人いるでしょうか、確認します。 ◎桐山 学校健康推進課長 太子堂調理場から給食を配送される中学校七校のアレルギー保有生徒数は百十七名でございます。 ◆田中優子 委員 たまたま自校調理ではない学校に当たってしまったということから、多くの日々、給食が食べられずに過ごさなければならないというのは、家庭の負担もさることながら、生徒自身にとっても給食の楽しさが半減することになってしまうのではないかと思います。なぜ調理場の給食は一切のアレルギー対応ができないのか、改めて伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 太子堂調理場から給食を配送している学校のアレルギー対応につきましては、現在、生徒による自己除去、生徒が自己除去を行うことが困難な場合は、一食分または一部を弁当として家庭より持参していただいております。自校調理校で除去食対応している学校におきましては、栄養職員または調理員から学級担任に内容を確認の上、手渡しすることを原則としております。  一方で、配送を受ける学校においては、栄養職員や調理員を配置しておりません。また、太子堂調理場から複数の学校に配送することから、学校内での提供とは異なり、確実な手渡しの確認が困難であり、誤配、誤食の危険性が高まる可能性がございます。さらに、太子堂調理場には、現在のところアレルギー専用の調理室がございません。これらのことから、配送を伴う学校におきましては、安全性を最優先とし、自己除去または家庭からの弁当持参をお願いしております。 ◆田中優子 委員 先ほどの対象者の数からすれば、それほど広い場所がなくても何とかなるのではないかと思うんですね。ほかの給食と一緒に運んだら危険だというのであれば、アレルギー除去食のみを民間委託して運んでもらうようにするということも考えられると思います。要は、取り組む気持ち、これがあるのかどうかということではないかと思うんですね。調理場が残っているのは世田谷区だけということですけれども、学校改築を待っていたら、一体何年先になるのか分かりません。それまで放置しておくんでしょうか、何とか対応を考えていただきたいということを引き続き要望してまいります。  次に、食文化を考えた学校給食の献立の改善について伺います。  私は、以前より、学校給食にはできるだけ米飯――お米です――を増やし、和食の文化が継承されるよう取り組むべきではないかと訴えてきております。なぜなら、残念なことに日本人は和食離れが進んでいて、お米の消費量はといえば、一九六二年度には一人当たり年間百十八・三キロだったのが、五十四年後の二〇一六年度には五十四・四キロと半減以下となってしまっています。これでは、日本の米農家も田んぼも減ってしまい、食文化だけでなく、食料の自給自足ということからしても、大変憂慮される状況だと思うからです。  今回の質問に当たり、太子堂調理場の献立をいただきましたけれども、それを見ると、和食のメニューの日は、代表的なアレルギーである乳製品と小麦がほとんど使われていないですね。つまり、米飯が増えれば必然的にアレルギー食品が減るという大きな利点もあります。それだけでなく、和食はヘルシーで優れたものとして世界でも称賛されています。和食以外のいろいろな食材を楽しむのはよいとしても、それはもうほとんどの家庭でやっている、むしろ和食は衰退しているわけです。せめて学校給食は米飯を増やして和食文化を継承し、アレルギーの心配を減らすということに、もう少し区教委も積極的に取り組んでもよいのではないかと考えます。完全米飯とまでいかなくても、現在の週三・二回から週四回程度に増やすことはできないでしょうか、見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食生活や食文化に関する正しい理解を深める上でも生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。世田谷区立小中学校の米飯給食につきまして、令和二年度実績といたしましては、週の平均で約三・二回実施しております。学校給食は国が定めた学校給食摂取基準に基づき、児童生徒に栄養のバランスが取れた多様な食事を経験させることを基本としております。そのため、主食を米だけでなく、パンや麺も用いることとし、それぞれの主食やそれに合う料理を楽しむことで、味や食感、色彩など、食材の変化を給食で経験することも大事であると考えております。  米飯につきましては、日本人に最もなじみがある主食であり、米飯給食は最も多く実施しておりますが、今後も他の主食とうまく組み合わせながら活用してまいります。 ◆田中優子 委員 今の御答弁、米飯はこれ以上増やしませんということのようですけれども、いま一度検討していただきたいと要望しておきます。  次に、就学前の視力・視覚検査の徹底についてです。  今議会におきまして、福田議員や加藤委員が取り上げていらっしゃいました。まさにお二人がおっしゃっていたとおり、目の検査は視力だけではなく、視覚異常がないかどうかをできるだけ早期に発見し、早期治療につなげることが大事であると私も思います。  私からは、岐阜県の例を紹介したいと思います。ある小児科の医師が述べていたことですが、最初は個人で近視、遠視、乱視などの屈折異常や斜視などを瞬時に発見できるスポットビジョンスクリーナーを購入し、クリニックで使い始めたそうです。当初は限られたお子さんにのみ有料で検査をしていたそうですが、あまりにも性能が高く、有料診断が受けられずに診断が遅れてしまうお子さんが出ることに罪悪感を感じるようになったそうです。そこで、誰でも受けられるよう無料での検査に踏み切ったとのことでした。その後、岐阜県知事との懇親会があり、スポットビジョンスクリーナーの性能の高さや検診の重要性を訴えたところ、岐阜県では予算がついたということです。  早期に発見すれば、子どもの将来にわたっての視力、これが回復できる可能性が高く、二十三区では既に四区が導入し、そこで発見されている弱視の割合と世田谷区での割合とでは五倍近くの差が出ているところもあります。つまり、世田谷区では、子どもの弱視や屈折異常が発見できていない可能性がかなり高いと言っても過言ではないと思います。これは大変深刻なことではないでしょうか。  一番必要なのは、三歳児健診のときだと思いますが、そのときに拾い切れない可能性もあります。就学前の検査でも従来の手法だけではなく、視覚検査を行うことが必要であると考えます。福祉の所管だけでなく、教育の所管と両方で導入しようという動きがつくれれば、多くのお子さんが救われることになるでしょう。教育委員会の姿勢はとても重要です。  スポットビジョンスクリーナー、これは一台百万円ちょっとするそうですが、必要な検査だと思いますので、ぜひとも導入することを提案いたします。教育委員会の見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 スポットビジョンスクリーナーは、まだ視力検査ができない生後六か月からの検査を行うことができる機器と聞いております。この機器は視力の測定はできませんが、近視、遠視、乱視などの屈折異常や斜視などを瞬時に発見できるものとして、三歳児健診時にこの機器を活用している自治体がございます。  子どもの視力が発達する時期は三歳から五歳がピークで、就学時健診を実施する六歳頃には成人とほぼ同じになるため、それまでに早期に発見し、適切な治療をすることが重要であると言われております。就学時健康診断におきましては、公益財団法人日本学校保健会作成の就学時の健康診断マニュアルに基づき、国際標準に準拠したランドルト環を使用した単独指標により、視力のスクリーニングを実施しております。  引き続き、文部科学省からの通達なども踏まえまして、学校とも連携を図りながら、適切な視力のスクリーニングに努めてまいります。 ◆田中優子 委員 今の視力検査だけでは駄目だと私は指摘しているんですね。そのような後ろ向きの答弁では、救われる可能性のある子どもが取り残されて、生涯にわたって手遅れになってしまうことが考えられるんです。もう置き去りです。  ちょっとここで教育長に伺いたいんですけれども、縦割りで決めつけるのではなく、福祉の所管と、せめてこの重要性とか、導入の可能性とか、協議してほしいんですけれども、そういうお気持ちはないでしょうか。 ◎渡部 教育長 今お話をいただきましたスポットビジョンスクリーナーは、とても効果的だということを伺っております。その中では、三歳から五歳の間に早期に発見が非常に重要だというふうに言われていますが、それを取り残した子どもがいるかもしれませんので、福祉所管と連携をしながら進めてまいりたいと考えます。 ◆田中優子 委員 本当に、これは早急にやっていただきたいということなんですね。今、福祉所管と協議していただけるということですが、深刻な問題だと思いますので、ぜひきちっと協議して前向きに進めていただきたいと、教育所管のほうからリードすることはとても重要なことだと思います。よろしくお願いいたします。  次に、ICTを活用した教育の推進について伺います。  世田谷区でもようやくICT教育の環境整備が進められています。これは不登校で家庭学習を選択している児童生徒、または世田谷区のフリースクールに登校している児童生徒たちにとっても朗報だと思うんですけれども、学校に行けなくても、学習アプリで学習した際には、成績の評価に入れてほしいという声が届いています。  まず、不登校の児童生徒の学習をどのように評価しているのかについて伺います。 ◎塚本 副参事 現在進めている学校のICT環境の整備は、不登校の子どもたちの学びの可能性を大きく広げるものであり、各学校でのオンラインでの授業の配信などの取組が進められております。教育委員会においても、ICT環境を活用した学習支援が全ての学校で行われるよう、家庭などでの学習を出席扱いとして取り扱うべきこと、オンラインでの学習支援に積極的に取り組むべきこと、学習評価につながる工夫を行うべきことなどを改めて学校に周知したところです。また、この教育委員会での不登校支援の考え方を全ての保護者の方に積極的にお伝えする準備を進めております。  不登校の子どもへのICTを活用した支援については、子どもたち一人一人の状況に配慮して行う必要があり、手探りの部分もございますが、先行する学校や他自治体の事例なども紹介しながら、各学校で確実に実施されるよう取り組んでまいります。 ◆田中優子 委員 そういう具体的な、どういうふうに進めますという情報がないと、児童生徒、または保護者の皆さん、とても不安になっていると思うんですね。ですから、ぜひとも不登校の児童生徒の学習意欲も上げられるように、しっかりそういった取組の内容を伝えていただきたいです。そして、答弁にもありましたが、確実に各学校で実施されるのかどうか、そこが大事ですので、その点もよろしくお願いいたします。  次に、目に障害のある児童生徒に対する端末利用時の読み上げ機能についてです。  区民の方からこんな御相談がありました。区が導入している学習アプリには読み上げ機能がないため、iPadの標準機能を使って読み上げるのですが、精度が悪いため改善していただけないでしょうかということです。目に障害のある児童生徒の学習にとても大きく影響することでありますので、これはぜひとも改善が必要だと考えます。答弁をお願いいたします。 ◎隅田 副参事 タブレット端末には、標準機能として音声読み上げ機能があり、インターネットの閲覧などで活用することが可能となっております。また、電子教科書についても、音声読み上げや文字の拡大表示の機能があり、視覚障害のある子どもや文字認識に困難さを抱える子どもたちの学習支援に効果的であると考えております。  一方、区が令和三年度に導入を予定している二つのアプリのうち、コミュニケーションツールなどとして活用する学習支援アプリは音声を記録して相手に送るという機能を持ちますが、ドリル系アプリについては音声読み上げなどの機能はついておりません。ドリル系アプリは現在、開発の黎明期、発展期とも言うべき時期にあり、現時点では各事業者とも対応する教科の拡大や問題数を増やすこと、AIの性能強化に開発の重点を置いております。  今後、障害への配慮が重要な要素であるということを各事業者に伝え、改良、改善を促すよう継続的に取り組んでまいります。 ◆田中優子 委員 事業者が改善するのを待つしかないのでしょうか。何かほかに手だてがないのか、教育委員会のほうとしても、さらに研究、そして検討していただきたいと思います。  次に、アプリのダウンロード権限についてです。  世田谷区から児童生徒に貸与しているiPadには、LD等発達障害がある子どもと相性がよいとされているアプリ、これは入っていないので、学びの機会を失ってしまう状況にあるということなんですね。個別にアプリのダウンロードをしたいと思っても、ダウンロード禁止なので、とても困っているということです。学習障害で困っている児童生徒と相性がよいアプリをダウンロードする権限を校長先生が持って、各学校で個別に相談し、許可できるようにすれば、多くの児童生徒が救われると思います。中には、生徒本人や保護者が気づいていない学習障害に先生が気づく場合もあるというふうに聞いています。  保護者の方からも、アプリをダウンロードする権限を校長先生に持たせることを早急に検討、対応していただきたい、子どもが学習できる機会を与えてくださいと切実な声が届いています。見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 学習用タブレット端末へのアプリケーションのインストールは、管理者のみの権限としており、教育委員会事務局で一元管理と、そういう形でスタートいたしました。今後、学校からのアプリのダウンロード要望に応えていけるように、学校長にアプリのインストール権限を付与する方法や、学校からの申請に基づいて教育委員会事務局がインストールするような仕組みをつくるなど、具体的な方法を示してまいります。 ◆田中優子 委員 具体的な方法を検討していただけると前向きな答弁ありがとうございます。早く進めていただきたいと思います。  最後に、学習障害がある子どもがICT機器を使ってテストを受けた場合ですね。プリンターは保護者が自分で用意して持込みを許可してもらわなきゃいけない、非常に負担となっているそうです。そのため、区立小学校の児童生徒がWi―Fi環境を利用して使えるプリンターとインクなどの備品を整備して、印刷できる環境を整えてほしいという要望があります。見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 学習用タブレット端末ですが、プリンターソフトはインストールしておらず、今学校に設置のプリンターから直接出力するという形にはなっていません。ただ、教室での学習用タブレット端末の利用については、クラウド上などにファイルサーバーでデータを共有するような形での、原則はペーパーレスを想定しています。  ただ、今、委員御指摘のとおり、プリントアウトが必要な場合ということでございます。この場合には、データの保存場所のファイルサーバーがございますので、そこから……。 ○おぎのけんじ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 文教所管最後になりました。Setagayaあらたの質問を始めます。  教育総務部長の淺野部長は、これまで区の主要な部署を務められ、現在は教育委員会の事務方のトップですが、今回御卒業ということで、一言お話をいただけますでしょうか。 ◎淺野 教育総務部長 ありがとうございます。私、昭和五十九年に入所させていただきまして、当時まちづくり――ハードのまちづくりですけれども、華やかなりし頃でして、最初は都市整備領域に十年いさせていただきました。作業着を毎日着ていましたので、土木技術と間違えられたこともあります。その後、総務領域であるとか、福祉所管、それから現在の教育ということで、様々に勉強させていただく機会がありました。特に管理職になってからは、議会の皆様からいろいろ直接お話しさせていただく機会もありまして、大変勉強させていただきました。ありがとうございます。感謝申し上げます。 ◆小泉たま子 委員 時間が短くて申し訳ありません。早口ですみませんが、教育総務課長の會田課長も教育委員会の庶務担当として御尽力されて、今日も大変御答弁が多いわけですが、今回同じく御卒業で、また一言お願いします。 ◎會田 教育総務課長 管理職として九年、教育委員会の管理職としては六年間務めさせていただきました。その間、特に中央図書館長としては、経堂図書館指定管理者制度の導入、また、教育総務課長としては、このGIGAスクール構想を踏まえたICT環境の整備など、議会の同意をいただきながら、様々業務に取り組ませていただきました。どうもありがとうございました。 ◆小泉たま子 委員 お二方とも、今後ともお体に御留意されて、別の立場で存分に御活躍してくださるよう期待いたします。ありがとうございました。  さて、このところ区長はよく西の神戸、東の世田谷と言われるわけですが、この世田谷はまちづくりの先導的な取組で全国的に有名であり、西の神戸、東の世田谷とまで言われていることは、御存じのとおりでありますが、このことを世田谷区の学校では、いつ、どのように教えているか、教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 小学校三年生の社会科において、「わたしたちの世田谷」という副読本を使い、世田谷区の地形、交通、土地の使われ方、歴史、公共施設などについて学習をしておりますが、しかしながら、その記述はございません。 ◆小泉たま子 委員 地域に開かれた学校と言いながら、何ら地域の成り立ち、それから、歴史に関心を持たないという姿勢が問題です。教科書の中には、それは載っていないでしょうが、実際の授業では教えないにしても、東の世田谷の特徴的な内容が三軒茶屋・太子堂地区であり、どのような内容かは教職員として知っていて当然と思います。地域の中で、このような町の歴史、成り立ち、その情報を把握している拠点が必要なのです。私は、この役割を地区の図書館が担うべきと考えます。  今回、区立図書館運営体制あり方検討委員会における検討状況が報告され、議会、委員会において活発な論議がされています。私はこの報告に疑問を持ちます。それは、運営主体の在り方を検討すると言われながら、その内容は、ほとんど運営手法としての民営の課題検討と見えるからです。具体的な手法の選択、運営は行政が責任を持って行うべきです。議会は基本的な方針をチェックする、行政が実務を行う、この役割分担をはっきりしていかないと、責任の所在が不明となります。手法ではない運営体制の在り方が、地域図書館の在り方と表裏一体のはずです。ところが、大切な地域図書館の在り方が見えません。  区の基本計画で図書館が、知と学びと文化の情報拠点と位置づけられています。しかし、その基本計画で図書館の主要な評価指標が、単に貸出件数の増加とされているのは、あまりにも単純、短絡的な話です。担当としてどうお考えか伺います。 ◎谷澤 中央図書館長 平成二十六年度から十年間の世田谷区基本計画におきましては、貸出数を重要な指標の一つとして取り扱ってまいりました。しかしながら、今後、知と学びと文化の情報拠点としての図書館を評価するためには、貸出数だけではなく、様々な角度から評価する新たな指標が必要であると考えております。 ◆小泉たま子 委員 ある方から、これでは世田谷の図書館は、単なる高級な無料貸本屋ではないかと言われました。すごく悔しかったです。現在の地域図書館が、地域と本当に連携した地域に必要な施設と言えるでしょうか。  私は地域行政を推進する立場から、地区レベルで基本的な施設機能を備えることが行政の責務と考えています。その特徴的な施設が区内にも何か所かある区民センターと児童館、図書館の複合施設です。ところが、この施設で例えば地域全体のお祭りをしようとするときに、図書館がどのような態度を取るのか、静かにしてください、こういうわけです。地域のイベントに理解を示して一緒に行うという姿勢を感じさせない図書館があります。図書館は、図書館とその利用者のことだけしか考えない。これで、知と学びと文化の情報拠点と言えますか。今回、検討委員会としてアンケートを取っています。区にとって望ましい図書館運営の検討のためでしょうが、このアンケートを利用者、来館者だけに行っているのです。これでは、貸出業務の評価だけです。まさに、図書館は図書館とその利用者のことだけしか考えていないという典型です。  私は先ほど言いましたように、地区を中心とした地域行政を推進していく立場です。その立場からは、今地区にいる職員の方々も、図書館など地域施設機能も民間活力を活用できるところは活用し、まちづくりセンターを中心とする窓口業務に全力を尽くしていただくことを想定しています。民営、民間活力の活用は大切なテーマですが、その検討の中で図書館が、図書館と現在利用している方だけを相手として検討作業を進めていくことは、これは本質を失うものです。誰のための民営ですか、誰のための図書館ですか。  初めに言いました、西の神戸、東の世田谷と言われた区民参加で全国を先導したまちづくりの現場が三軒茶屋にあり、地元の図書館に行けば、その詳細な資料を見ることができる。烏山では、もちろん烏山寺町の由来も分かる。そのほか、地元で由緒ある建物、道、橋のことも地元の図書館で分かる、様々な区民活動の歴史も分かる、地域の小中学校にも情報提供ができる。このようなことに積極的に関与してこそ、公立の図書館の存在意義があるはずです。  地域の歴史、地名や川の流れなど、ある程度以上のことについては郷土資料館に行ってくださいと言われました。私、行きました。でも、郷土資料館は区全体を扱っていますので、資料も細かくて、大変残念ながら利用しづらい。このような機能こそ、地域の図書館にあるべきではないでしょうか。総合支所の地域振興課との連携もほとんどありません。生涯学習を統括する部長としてのお考えを伺います。 ◎林 生涯学習部長 地域の中で情報拠点となる区立図書館の機能を発揮していくためには、地域住民との信頼関係を構築していく中で、その役割が果たせるものと考えております。現在、地域図書館では、まちづくりセンターと連携するなど、図書館周辺地域の歴史や特性に応じた資料の収集、発信や、関連した事業等に取り組んでおります。また、地域図書館の運営におきましては、図書館単体ではなく、地域と一体となった連携が図書館サービスの充実を図る上で大変重要であると認識しております。  今後も地道な努力を重ねることで地域との連携を築きながら、生涯学習活動の拠点としての図書館を目指してまいりたいと考えております。 ◆小泉たま子 委員 残念ながら、今の教育委員会には基本的姿勢として、図書館の知と学びと文化の情報拠点という観点が全く感じられません。民営の検討の前に、知る、知の拠点づくりにどのような人材、仕掛け、区民の協力が得られるのか、きちんと検討しなければなりません。それをしなければ責任放棄です。  教育委員会、中央図書館は、図書館を効率的に運営するだけではなく、それぞれの地域に根差した知と学びと文化はどのようなものが想定されるのか、地域で望まれているものは何なのかということを常に発信し、受け止め、地域の発展とともに図書館自身が成長していく、このような形を取らないと、いつまでたっても高級貸本屋の地位から抜け出すことはできない。単純に民間のほうがよいということになりますが、本当にそれでよいのか。専門性とは、図書館業務を深めるということだけではないはずです。民営の検討に当たって、知の拠点づくりにどのような手法が必要なのか明らかにすべきです。  基本計画策定当時の社会状況などにより設定された図書館の評価指標である貸出件数の増加ということが、時代の要請に合わなくなってきています。一度立ち止まって、新たな立場から真の地域図書館の在り方をつくり上げなければなりません。これらを基に、民間活力を活用した運営計画を策定していくべきです。責任者の答弁を求めます。 ◎渡部 教育長 まちづくりの先駆的な自治体である世田谷区において、図書館は地域の拠点として、閲覧機能だけではなく、にぎわいや居場所など、サードプレイスとしての役割も担い、地域とともに成長していくべきものと考えます。第二期行動計画において、知と学びと文化の情報拠点の基本理念を担った時期から、さらなる評価の指針を作成し、広い視野からの評価が必要であったと考えます。  検討委員会の中では、運営体制に重きを置いた検討となり、ともすると目的の検討が手段に主眼を置いた検討になりがちであったのは事実です。第二次図書館ビジョンの事業方針である世田谷の魅力を収集・発信する図書館、区民の暮らしや仕事に役立つ図書館としての機能を見詰め直し、よりよい運営計画を作成すべく、原点に立ち戻り、さらなる在り方を追求してまいります。 ◆小泉たま子 委員 今、教育長が述べられたような方向に向かって真剣に議論していただいて、いい方向性を見つけていただきたい。やっぱり地域のいい図書館をつくっていただきたいと、このように思います。  私の質問は終わります。佐藤委員に代わります。 ◆佐藤美樹 委員 私から、まず、児童クラブ支援システムというものについて伺います。  この児童クラブ支援システムというのは、恐らくここにいらっしゃる議会の皆さん、教育委員会事務局の皆さん、ほとんども初耳だと思うので説明をしますと、昨年度、おととしですね。児童課が主体で新BOPの学童の入退室管理、また、その保護者へのメール配信などを目的として導入すると意思決定したシステムで、プロポーザルの上、内田洋行という会社に決定をして、今年度、既にシステム開発がされています。来年度、もう来月から来年度になるんですけれども、十五校の新BOP学童クラブに導入すると、そういう決定をしているものです。子どもたちが新BOPに入ったときに、PASMOのようなカードを持たせておいて、それをカードリーダーにかざして、そうすると、システムに入退室の時刻が自動的に記録をされて、また、保護者にはメールが飛ぶと、そういうシステムになっています。  これは学童のほうが、もともとその主体というか軸足で、こういう入退室の管理の必要性があるということで、導入というのを検討した経緯だとは思いますけれども、今というか、世田谷区は新BOPということで、BOPと学童を一体して事業を進めますという立てつけになっているわけですので、このシステム導入については、生涯学習・地域学校連携課というのが一緒に検討してきたということだと思いますけれども、その点について、まず最初に確認をさせてください。 ◎林 生涯学習部長 委員御指摘のとおり、新BOPにつきましては、児童課、それから生涯学習・地域学校連携課の共同所管となっておりますので、決定に当たっては一緒に検討していたということでございます。 ◆佐藤美樹 委員 こういうシステムを導入して、今までは、新BOPのいわゆる管理業務というのがほとんど手書きで、子どもたちの入退室も、手で書いたものを職員の方が手入力をしていくというような、そういったやり方でやってきたものを、システムを導入することで自動記録、あるいは管理業務のいろんな書式にデータが自動的に組成されていく、そういうものを入れたいという、その趣旨は理解はするんですけれども、一方で、その意思決定の過程というのがどうだったのかというところですとか、さらに言うと、今、区全体としてDXというところをかなり推進してやっている方向性と照らし合わせると、果たしてこのやり方というのがどうなのかというのは、ちょっと幾つかの点で問題、あるいは課題を感じています。  その課題の一つとしては、既に学校に類似のものが導入をされていますので、そこの部分との重複があるのかないのか、あるいはその重複があるかどうかというのを検証したのかどうかという点が、一つ課題だと思っています。何のことを言っているかというと、これは、今六十一校の小学校のうち三十一校に入っている別の見守りツールの東急系のミマモルメというツールなんですけれども、こちらも初めて聞く方がほとんどだと思うので最初に説明をすると、ミマモルメも子どもたちのセキュリティーの文脈であるツールですが、こちらは学校の校門の下に埋設型と言われるセンサーを入れておいて、子どもたちのほうには、ランドセルにカードをつけておいてもらって、子どもが校門を通過すると学校に登校しました、あるいは下校しましたというのが保護者にメールが飛ぶと、そういうシステムになります。  これは学校単位で導入の意思決定をして、(「三十一校しか入っていないというのがおかしいでしょう」と呼ぶ者あり)はい。三十一校にやっているわけなんですけれども、今回そのミマモルメを入れている学校と、この四月以降、十五校に児童クラブ支援システムが入るとなると、当然ですけれども、重複する学校というのが幾つか数校あります。その重複する学校のほうにおいては、子どもたちはカードも二つ持って、校門を通過したときに保護者にまずメールが行って、また新BOPに入ったときに、あるいは出たときに、また保護者にメールが行ってというふうに、保護者のほうにも二回、ちょっとタイミングはずれますけれども、位置情報を知らせるメールが飛ぶと。  この位置情報を知らせることだけで考えたら、当然ここはもう重複ということになりますので、もう少し整理をするとか、統合できないかなということを考えてもよかったんじゃないかなとも思いますし、また、この児童クラブ支援システムを児童課が入れたいとした理由としては、位置情報の確認以外に、さっき申し上げた手書きでやってきた管理業務のほうにシステムを導入することで、そこのスタッフの人たちの負荷を軽減させるであったり、あるいはスタッフの方たちの出退勤管理にも使いたいというような、そういう話も聞いていますけれども、この辺の機能も、当然ですけれども、今入っているミマモルメのほうにも別メニューにはなりますが、サービスとしてはありますので、そっちのほうに寄せられないのかとか、いずれにしてもそういった検証をやっていただけなかったのかなというところがあるんですけれども、この辺について見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 教育委員会のICTを担当するという立場からになるんですけれども、この一年間でタブレット端末の導入であったり、ネットワークの整備等、学校のICT環境というのは急激に進んだと思います。今まではシステムの開発といえば、要件定義を書いて、そこからプログラムをつくって、サーバーを立ててみたいな、ちょっとそういった旧来型のシステム的な感じがいたしまして、それが昨年度なりに決定し、今は開発まで進んでいるのかなという印象を受けています。今後、クラウドということが中心になった、特にインターネットに接続するようなシステムについては、クラウドを前提とするということで、国も方針をはっきり今年度は出しているわけですので、そういった方向に進んでいかなくてはいけないというふうに考えています。  今後、改めて関連所管、あるいは区長部局にもICTを所管する所管もありますので、そういったところと協議の上、検証してまいりたいと考えております。 ◆佐藤美樹 委員 検証していただけるということで、一応さっき申し上げたように、今年度、既に初期のシステム開発で、児童課のほうに聞きましたら三千万円ほどかけて、もう開発は済んでいて、今は予算審議ですので、来年度予算の中ではどこなんですかと聞きましたら、この分厚いやつの二九七ページにある総務費の下の電子計算事務運営費の下のシステム開発及び改善というところで三・一七億円と載っているんですが、結局、我々議会で予算審議という形でやっていても、こういうシステム開発費みたいな形で合算して、いろんなものがその下には入っているんですけれども、上の丸めた数字だけで提示をされていると、その下にどういうものがあって、どういう開発があって、それが本当に必要なのか、費用対効果はどうなのか等々は分からないわけですよね。  先ほど、課長が検証して、私はやっぱり既存のものと重複する部分については整理が必要なんじゃないかという思いはありますし、先ほど課長が言っていたように、タブレットを全校生徒に配るというのが、これだけ一年かけて進められて、ある意味、想定したよりもこちらは早く進んだわけですので、じゃ、そっちを活用するという使い方はないのかとか、もう少し本来のDXの流れに沿った検証というのをしていただきたいですし、議会にもその検証の結果というのは何らかの形で、こういうふうにシステム開発が終わってから知るというんじゃなくて、報告していただきたいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 この運用に入る前に、システムの所管についても議会への報告ということはきちんと考えていると思いますので、文教領域としても、同じく時間を合わせて報告のほうをさせていただければと思います。 ◆佐藤美樹 委員 四月以降、先ほど申し上げた十五校に、この児童クラブ支援システムで子どもたちには登録というか、新BOP学童クラブを利用している子にはカードが配られて、ミマモルメを持っている子は二枚持って学校へ行くので、多分、子どもたちのほうがきっと、どうして同じようなことを二枚やっているのかなというような、そんな感想も言いそうだなというふうな気がしますし、これは児童課のほうに、どうしてこういう意思決定をしたのかという見解ですとか、あるいはICT推進課として、今のDXの流れで、やっぱり、どうしてもこういうものをシステムしようといって、システム開発して入れてとやっていった結果、いろんなものが今は林立している中で、統合しようという観点からはどうなのかとか、別の機会にまた聞きたいと思っています。  次に、タッチ・ザ・ワールドについて伺います。  これまでにタッチ・ザ・ワールドについては、会派として様々質疑をしてきました。基本的に、今の区立小における英語教育では、去年の代表質問のところで申し上げましたけれども、圧倒的にまだ英語のスピーキングというところでは足りていないので、そのスピーキングの実践の場はとにかく拡充していってほしいという、そういう立場から今日も伺っていきます。  今年一年コロナのことがあって、コロナ対策で期せずしてというか、出前型という形になって実施をしてきて、結果としては、英語のスピーキングの実践の場としてはどうかというふうに見た場合には、ある意味、あそこの場所でやっていたときよりもかなりコンテンツは充実してきたんじゃないかなというふうに見ています。というのも、体験した子どもたちですとか、私自身もそこの場面をいろいろ拝見させていただきましたけれども、非常にスピーキングの時間は増えているなということを実際見て感じています。  この一年間の出前型という形式で実施してのメリットや成果、逆に課題、あるいはデメリット、そういった部分はどういうものがあるのか、まず聞きたいと思います。 ◎塚本 副参事 今年度は、新型コロナウイルスの影響で小学校四年生の移動教室については学校への出張型へと変更するとともに、学級数に応じた実施回数を増やし、同時に参加する児童の数が多くならないようにいたしました。  出張型のメリットとしては、バスでの移動時間が必要なくなった分、児童の活動時間を増やすことができ、以前より多くのコーナーで体験できるようになったこと、また、同時に参加する人数を絞ったことで、児童一人一人の英語を話す機会が増やせたことなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、体育館を活動場所としていることで、ほかの学年が体育館を使えない、限られた物品での実施となったことなどが挙げられています。 ◆佐藤美樹 委員 デメリット等々、いろいろお伝えいただいたんですけれども、これも以前、代表質問のところで言いましたが、先ほどほかの会派からも例で出ていましたけれども、東京都が運営するTGG、東京グローバルゲートウェイというのが、その空間丸ごと海外にいるような場面設定であったり、舞台設定というのをしていて、ああいうものに近づけると、やっぱりおのずと話したくなる、コミュニケーションを英語でやってみたくなるというふうにつながるんじゃないですか、だから、ああいうことをコンテンツとして取り入れたらということを提案して、この出前型ですと、どうしても持ち運ばなければいけないので限界があるとは思うんですけれども、例えばそこに映像を組み合わせるですとか、音響で補完するですとか、そういった工夫を、これから出前型の中ではしていただきたいと思います。  あと、レベル設定の部分で、たまたま昨日、英検の試験の日だったんですけれども、学校の同じクラスの子とかの英検を聞いていると、やっぱり小学生でも準一級を持っている子ですとか、うちの子が今四年生ですけれども、同じクラスで、昨日は二級を受けていた子もいると聞いて、物すごく英語力のばらつきというか、幅が今あるんだろうなというふうに、そこも一つ課題としては感じているところです。  ですので、先ほど四年生云々という話がありましたけれども、四年生がどうだではなくて、様々なレベルに合わせて、そのプログラムを出前型の中で展開できるような、そういった工夫も併せてお願いしたいと思いますが見解を伺います。 ◎塚本 副参事 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来年度も学校への出張型を継続します。これまでの課題を受け、児童が外国語を話したくなる必然性のある場面設定や一人一人の発話量が増えるよう、現在プログラム内容の改善を検討しております。学校での実施なので使用できる備品は限られますが、写真や映像なども加えることで、リアルな海外空間を演出することも工夫の一つと考えております。さらに、学校が体験するプログラムを選択したり、児童一人一人の外国語活動能力に応じてプログラムの内容を変えるなど、プログラムの数や内容に幅を持たせるといったことも検討してまいります。
     引き続き、ふだんの外国語活動だけでは味わえない、英語による人とのコミュニケーションや体験を重視した活動内容となるよう取り組んでまいります。 ◆佐藤美樹 委員 引き続き、この英語のスピーキングの場がどういうふうに推移していくかというのは注視をしていきたいと思います。  最後にまた別のテーマで、幼保小連携に関連して、未就学児向けの取組というところで聞きたいと思います。  先日、区内のある学校、弦巻小学校ですけれども、そちらで未就学児とその保護者に向けてPTAのほうが企画をして、子どもたちは子どもたちで体育館でプログラムを受けて、その間に親は親で、これから学校生活に向けてのプログラムを聞くというような企画があって、大変好評だったというふうに聞いています。実際に一回でも同じ学校に通う保護者同士、あるいは子ども同士が顔を合わせる場があるかどうかによって、その後の新生活、その後に始まる学校生活への入学前の不安というのが軽減されたり、あるいはその場でいろいろ連絡先を交換できたりすることで、この関係性というのが始まっていって、顔と顔の見える関係から入学前の小一の壁というところが低くなるというようなことにつながっていると思います。  こうした取組、学校ごとにいろいろあるわけですけれども、区としても、教育委員会事務局としてもサポートしていただきたいと考えますが見解を、すみません、短めにお願いします。 ◎本田 幼児教育・保育推進担当課長 区立小学校では、これまでも各校の状況に応じて、実際に学校をその目で見て、小学校生活をイメージするような取組を行うことで、未就学児やその保護者の不安解消に寄与してきたものと考えております。現在はコロナ禍の影響もあって、学校体験会なども思うように開催できない状況はありますけれども、今後とも、区立小学校や幼稚園、保育所、また乳幼児教育支援センターが協力しながら、多くの未就学児や、その保護者が実際に学校生活を体験したり、就学に当たっての相談ができるような機会を様々な形で設けられるように取組を進めてまいり、子どもたちや保護者の小学校生活の不安の解消を図って……。 ○おぎのけんじ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○おぎのけんじ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時二十分散会...