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令和 2年  9月 決算特別委員会-10月13日-08号

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  1. 世田谷区議会 2020-10-13
    令和 2年  9月 決算特別委員会-10月13日-08号


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    令和 2年  9月 決算特別委員会-10月13日-08号令和 2年  9月 決算特別委員会 令和2年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第八号 日 時  令和二年十月十三日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       真鍋よしゆき    副委員長      中塚さちよ    副委員長      神尾りさ              阿久津 皇              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              河野俊弘              宍戸三郎              下山芳男              菅沼つとむ              畠山晋一              板井 斎
                 岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              平塚敬二              福田たえ美              いそだ久美子              風間ゆたか              桜井純子              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              小泉たま子              佐藤美樹              つるみけんご              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              ひうち優子              そのべせいや              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 菊島 進  出席説明員   区長             保坂展人   副区長            宮崎健二   副区長            岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長  志賀毅一           保健福祉センター所長                  堀込章仁   北沢総合支所  総合支所長  髙木加津子           保健福祉センター所長                  木本義彦   玉川総合支所  総合支所長  工藤 誠           保健福祉センター所長                  山本恵造   砧総合支所   総合支所長  原田茂実           保健福祉センター所長                  若林一夫   烏山総合支所  総合支所長  皆川健一           保健福祉センター所長                  柳澤 純   政策経営部   部長     中村哲也   財政担当部   部長     松永 仁   交流推進担当部 部長     小澤弘美   特別定額給付金担当部           部長(交流推進担当部長兼務)                  小澤弘美   総務部     部長     田中文子           総務課長   後藤英一   庁舎整備担当部 部長     松村浩之   危機管理部   部長     菅井英樹   財務部     部長     小湊芳晴   施設営繕担当部 部長     佐々木康史   生活文化政策部 部長     松本公平   地域行政部   部長     清水昭夫   スポーツ推進部 部長     内田政夫           ホストタウン調整担当参事交流推進担当部長兼務)                  小澤弘美   環境政策部   部長     竹内明彦   経済産業部   部長     田中耕太   清掃・リサイクル部           部長     辻  正   保健福祉政策部 部長     澁田景子           次長     有馬秀人           地域包括ケア担当参事保健福祉部長兼務)                  澁田景子   高齢福祉部   部長     長岡光春   障害福祉部   部長     片桐 誠   子ども・若者部 部長     加賀谷 実   児童相談所   所長     土橋俊彦   保 育 部   部長     知久孝之   世田谷保健所  所長     辻 佳織   都市整備政策部 部長     畝目晴彦   防災街づくり担当部           部長     小柴直樹   みどり33推進担当部           部長     笠原 聡   道路・交通計画部           部長     田中太樹   土木部     部長     関根義和           豪雨対策推進担当参事                  桐山孝義   会計室     会計管理者  工藤郁淳   教育長            渡部理枝   教育総務部   部長     淺野 康   教育政策部   部長     池田 豊   生涯学習部   部長     林 勝久
      選挙管理委員会事務局           局長     渡邉謙吉   監査事務局   局長     伊藤美和子     ──────────────────── 本日の会議に付した事件 認定第一号 令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定 認定第二号 令和元年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第三号 令和元年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 認定第四号 令和元年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第五号 令和元年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定 (補充質疑、採決)     ────────────────────     午前十時開議 ○真鍋よしゆき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 本日は、これまで審査してまいりました令和元年度決算五件の補充質疑を行います。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 おはようございます。生活者ネットワークの補充質疑を始めます。  初めに、十月から始まった世田谷区の新型コロナの社会的検査についての質問をします。  世田谷区の社会的検査の初回の事例は、特別養護老人ホームの入居者の一人に発熱の症状が見られ、PCR検査の結果、この入居者は陰性であったものの、事業所全体として万一のクラスター化を防ぐために社会的検査を活用し、無症状の入所者と職員への一斉検査を希望したものと理解しております。この検査の経緯と意義について質問いたします。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 介護事業所等を対象に、施設内で感染者が発生し、緊急性を伴う随時検査と、計画的に実施していく定期検査から成る社会的検査を十月より開始したところでございます。十月二日に初めて実施したケースでは、施設側から随時検査の要請を受け、施設の職員及び入居者で検査を希望した百一名が施設内で検査を受けた結果、症状のない職員一名が新型コロナウイルス感染症に罹患していることが判明しました。  今回検査を受けたその他の職員及び入居者は陰性であり、また、施設内で濃厚接触者に該当する方はおりませんでしたので、当該施設では施設の消毒など感染対策を徹底の上、休業せず運営を継続しております。なお、当日検査を受けることができなかった職員に対しては、先週以降PCR検査を受けていただいており、現時点において陽性者は確認されておりません。  今回、早期に無症状の陽性者の発見や濃厚接触者の特定を行い、福祉施設の速やかな事業継続や、感染拡大の防止対応に取り組むことができ、改めて無症状者の感染状況を把握することの重要性を認識したところでございます。 ◆高岡じゅん子 委員 この検査の目的、無症状の職員がそのまま勤務を続けた場合に起こり得るクラスター発生防止に役立った事例と言えると考えます。関係者全員が漏れなく検査を受けることも大切です。これから冬に向かい、施設内での発熱事例などに対応し、素早い随時検査で区民の安心安全を守るよう、より一層有効な社会的検査とするように努力を続けてください。  今回の事例は検査対象が百人以上ということで、比較的大きな施設での事例であり、職員内の濃厚接触もなかったということですので、サービスの提供は支障なく継続されていると思います。今後、検査に参加する事業者が安心して検査に参加できるよう、陽性者が出た場合のサービス継続へのバックアップや、事業者の運営に関する区の支援体制について再度確認いたします。 ◎長岡 高齢福祉部長 区では十月から社会的検査を開始するに当たりまして、区内介護事業所や高齢者施設に対し、検査の内容や、陽性者が発生した際の対応のほか、日頃の感染予防の徹底、区の支援策などについて周知をしております。職員の陽性が確認された場合に備え、濃厚接触者を極力発生させない日頃の感染予防の取組の徹底をお願いしたほか、七月から実施している動画配信による感染症対策研修の活用や、感染症アドバイザーの活用を促すなど、社会的検査を契機にした感染防護の再確認を呼びかけているところでございます。  経済的支援といたしましては、都が介護サービス継続支援事業等により、追加で必要な職員人件費、人材確保のための費用等への対応を行っております。また、区では感染防護及び事業継続に必要な衛生用品等の購入費助成を行っておりますが、さらに、社会的検査により陽性者が発生した際の支援として、その補助対象を拡充し、必要な職員人件費や人材確保のための費用等に対応いたします。  以上のような取組を進めることで不安の払拭を図り、全ての事業者が安心して検査を受けることができるよう支援してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 検査を受けることによる感染予防のレベルアップ、また、安心して事業者が今後も社会的検査受診に手を挙げられるように、引き続き支援をお願いいたします。  誰一人取り残さない共生社会の実現というのはSDGsの理念であり、世田谷型地域包括ケアシステムの目標でもあると思います。この決算資料の三四四ページなどからの成果指標の一覧を見ますと、区民の理解と参加で進める共生社会づくりがうまく進んでいないように見えるということが大変気にかかります。重点政策、介護や医療が必要になっても世田谷区に住みたい人の割合、マイナス七七・六%、障害者差別解消法の認知度、マイナス二三・六%、地域の絆事業の連携団体数、マイナス六六三・六%など、新型コロナの影響もあったと思いますが、計画開始時からの後退を示す厳しい数字が並んでいます。  今後深めていくべき地域行政条例の議論においても、区民の地域活動をいかに活性化し、区民の参加と協働で共生社会を実現していくかということは大きな課題です。地域の絆事業の今後の在り方と、コロナショック後の地域活動活性化に関して区の見解を伺います。 ◎志賀 世田谷総合支所長 地域の絆連携活性化事業は、新型コロナウイルスの影響から、各団体において事業実施の可否や、事業規模縮小など活動に苦慮されていることから、申請期間の延長を行うことで、計画が確定した団体から順次補助金を交付するなど、丁寧な対応に努めております。  また、各団体の交流や協力、連携等のために実施している交流会は、昨年度、全地域合同で開催し、約百団体、百二十名を超える参加がありましたが、今年度は密を避けるため分散して実施する必要があることから、各総合支所単位で開催する予定としております。  たとえコロナ禍であっても、町会・自治会等の地縁団体と公益的活動を行う団体が相互に協力し、地域の絆を深めることで連携を拡充していくことは、高齢社会における見守りや地域ぐるみの子育て、防災、防犯など地域のコミュニティー活性化につながる重要な課題だと認識しておりますので、今後とも工夫しながら各団体への継続した支援に取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 町会や自治会からNPOなど、新たな活動団体まで巻き込んで、地域の顔の見える関係をつくっていく地域の絆事業ですが、今までと全く同じ形では続けていきにくいという状況です。密を避けるための分散が分断や孤立につながらないためにも、地域コミュニティーの活性化に向けた新しい手法を、地域行政制度条例の検討に合わせ、区民と共に考えていく必要があります。  地域活動を進めていくためには話合いが欠かせないということには変わりがありません。コロナの中でも各団体は様々な通信手段を使い、活動を止めない工夫をしています。例えば、区民センターなどからインターネット会議のホストを立ち上げ、集まれる方と集まれない方が共に話し合うような、そんなやり方も始まっています。このようなインターネットとリアルの併用の会議は、今後も障害のある方や健康に不安のある方などが当事者として地域の話合いに参加できる有効な手段になり得ます。  また、さらに会場まで足を運ばないけれども関心を持っているという層が気軽に活動の経緯を見聞きできる、参加の機会の拡充にもなります。しかし、実際、Wi―Fiを使い会議ホストを立ち上げますと、回線が非常に不安定になり、話合いが難しいという声が私に寄せられています。区民集会施設のインターネット環境を改善し、インターネット会議のホストができるような回線の確保を求めます。区の見解を伺います。 ◎髙木 北沢総合支所長 区ではSETAGAYA Free Wi―Fiを、観光、防災、オリンピック・パラリンピックを目的に、区庁舎、総合支所、まちづくりセンター、避難所である小中学校、広域生活文化拠点である駅周辺などで整備いたしました。今般のコロナ禍において、インターネット環境も活用しながらの集会なども増加し、この傾向は続いていくことと想定されています。また、今後、ICTの進化や活用が飛躍的に進む中では、区民の利便性の向上のためにも、インターネット環境整備の拡充は、より求められていくものと考えております。  一方で、御質問の区民集会施設である地区会館や区民集会所などでのインターネット環境の整備につきましては、集会施設は数が多く、費用も多額になってまいりますので、利用者からのニーズ、整備コストや維持管理経費など、費用対効果を慎重に見極める必要があります。まずは関連する所管と連携しながら課題の整理などを行ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 コロナ禍の下、集まれる方と集まれない方ができています。参加と協働の地域づくりは、置かれた状況による分断を避け、多くの方の理解の上で進めていかなくてはなりません。新しい生活様式の中で住民活動を活性化するために、インターネット併用会議のための設備は必要なものです。厳しい予算の中ですが、国がコロナ対策とデジタル社会の推進に関しては別枠の予算をつける可能性もあります。特定財源の確保ができそうなときにはチャンスを逃がさず、ぜひ、この提案の実現に向け取り組んでいただきたいと要望いたします。  共生社会の実現に向けては、地域の誰もが障害理解を深めることも大切です。このたび認知症とともに生きる希望条例が成立し、区民全員が当事者意識を持って認知症理解に取り組んでいくということが掲げられました。障害理解に関しても、例えば、外見から気づきにくい聴覚障害の方や、困っていることは感じられても対応の仕方に悩む発達障害の方などと、コミュニケーションを誰もがしやすくなること、できるようになることが大切です。  障害理解についても入門的な体験ができる認知症サポーター養成講座の障害版のようなもの、こういうものを地区ごとに実施していくことはできないでしょうか。見解を伺います。 ◎片桐 障害福祉部長 外見では障害があることが分かりにくい方でも、地域の中で安心して暮らし続けられるためには、障害の特徴や接し方を知ることにより、様々なサポートにつなげていくことが重要と考えます。  区では、障害理解の促進や障害者差別の解消に向け、地域障害者相談支援センター「ぽーと」や、自立支援協議会、民間事業者等が行う研修や講演会などに専門調査員を派遣するとともに、ガイドブック「障害者差別解消法を知ろう」の中に「みんなができる心づかい」を掲載し、総合支所やまちづくりセンター、区内小学校に配布するなど、様々な取組を推進しております。  お話しの講座についてですが、区民に最も身近な地区において、様々な障害に関する基本的な知識を知り、習得できる機会を設けることは、共生社会を普及啓発する観点からも大変重要だと考えております。専門調査員が行う障害者の差別解消に関する講座と併せて実施するなど、手法について検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 できるだけ身近な場所で折に触れて体験講座が受けられ、認知症の方だけでなく、障害をお持ちの方とも当たり前の近所付き合いができるような世田谷に近づけていく必要があります。先ほどの朝の挨拶、おはようございますで、ちょっと手話を使ってみました。こういった小さなことから進めていきたいと願っております。  他会派の福祉所管の質問で、障害者差別解消条例や手話言語条例の検討状況についても触れられていました。私も、昨年の第三回定例会で、あいサポート運動なども活用しての手話の普及や、障害者差別解消、また、手話言語の条例制定に向けた取組を求めています。進捗状況について伺います。 ◎片桐 障害福祉部長 障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、障害理解を促進し、障害者の差別解消に向けた取組を推進することは大変重要であると認識しております。  お話しの手話言語条例につきましては、全国で三百五十以上の自治体で制定されておりますが、中でも、鳥取県のあいサポート条例や明石市の手話言語・障害者コミュニケーション条例など、先進事例として全国に取組が広がっている事例もございます。区としても、こうした先進自治体を参考にしながら、共生社会の実現を目指す上で、区民に心のバリアフリーを一層浸透させていくことが必要であり、そういった観点から条例の在り方について前向きに検討を進めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 条例ができることで大きな一歩が踏み出せます。実現を求めます。  心のバリアフリーが進むだけではなく、町全体のユニバーサルデザイン化が進み、誰もが参加しやすいまちづくりが進むことが必要です。  昨年度、北沢エリア自立支援協議会の報告会に参加し、豪徳寺商店街で面白い取組をなさっているカフェの店主さんのお話を聞きました。お店の出入口に段差があり、スロープをつけると歩道にはみ出してしまうために、スロープもつけられない。それでも車椅子の方にお店を利用してもらいたいと考えられたその方は、持ち帰り販売も行っている店先の車椅子から手の届くところにインターホンを取り付け、店内に御用の方はお声がけくださいというような表示をつけたとのことでした。その最初の利用者は、車椅子の方ではなくベビーカーの親子連れ。持ち帰りできますかという注文だったということでした。このお話を聞いて、共生社会に向けたユニバーサルデザインの町はこんなふうにつくられていくのかと興味深く感じました。  世田谷区のまちづくりの目指すユニバーサルデザインは、既存の福祉の枠を超え、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指すものだと思います。見解を伺います。 ◎畝目 都市整備政策部長 世田谷区は昭和五十六年の国際障害者年を契機に、福祉のまちづくりとして、公共施設の改善や、梅ヶ丘駅周辺地域をモデルに、総合福祉センター梅丘中学校周辺道路など、人に優しい施設整備を進め、民間施設の整備誘導にも積極的に取り組んでまいりました。  一方、社会では公共施設や駅、道路公園、住宅等をバリアフリー化し、高齢者や身体障害者にとって住みやすいまちづくりを促進することが重要課題となり、区は、よりきめ細やかな福祉的環境整備を推進するため、平成七年、世田谷区福祉のいえ・まち推進条例を制定いたしました。  その後、急速な少子・高齢化の進展、障害者の自立、全ての人々の社会参加の要請の高まりは、高齢者、障害者等に配慮した物理的な障壁の解消といった考え方から、自らの意思で行動し、参加できるユニバーサルデザインの考えを重要視するものとなりました。  区は、これまでの区民との協働による成果を踏まえまして、福祉のいえ・まち推進条例に代わる世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例を平成十九年に制定し、年齢、性別、国籍、能力等に関わらず、誰もが安全安心して住み続けられる地域社会の実現を目指すとともに、施策の点検、評価、改善を図るスパイラルアップにより、さらなる取組を進めているところでございます。 ◆高岡じゅん子 委員 スパイラルアップのワークショップなど、区民と共に進めていくことが大切だと感じています。  ユニバーサルデザインの町を目指すということは、高齢になっても、障害があっても、認知症でも、子育て中や、また、本当に思いがけない事故やけがのときにもアクセスしやすく、分断を起こさない場づくり、それを誰もが当事者意識を持ってつくり上げていくということではないでしょうか。地域行政づくりに当たっての提案の中に、世田谷区地域包括ケアの核となるような、小さな拠点というアイデアが書き込まれていました。他自治体の例で言えば暮らしの保健室。私の身近でこのイメージに近いのは、北沢地区で行われているおしゃべり★カフェかなと思い浮かべています。  イベント型の地域の絆事業がコロナ禍の中で思うに任せない中、常設または定期開催型で、誰もが気軽に訪れ、少人数であってもいつでも交流や相談ができる、福祉の縦割りにとらわれない居場所を創出し、活動の継続を支援する、そういう仕組みが必要ではないでしょうか。  コミュニティーの活性化のため、既存の助成の枠にとらわれず、地域、地区の実情に合った小さな拠点を創出していくための新たな支援の仕組みを、ぜひ地域行政条例の検討や計画づくりの中で具体化していく必要があると感じます。区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 コロナ禍における区民の影響は、第一に、罹患をしないように、感染をしないように、あるいは、してしまって治療を速やかによくできるようにというところで、まず第一にあるわけですが、もう一つ、大きな影響は、今、委員がおっしゃった、日常的なコミュニティー活動など、ほぼ全ての世代にわたって制約をされてしまったことによって、そのことは非常に難しくなった時期が相当あった、そして、今、工夫をしながら再開をされていると思います。  ひとり暮らしの、特に高齢者の方や障害のある方が参加できる地域の中の居場所づくりは大変重要だと考えております。特に、地域包括ケアの地区展開における三者連携において、居場所づくりをこれまで進めてきたわけですが、御指摘のおしゃべり★カフェは、この取組から始まって、まちづくりセンターが町会・自治会や商店街と協力をしながら、三者連携の下、地域丸ごと居場所という形でこれを支えていると。こういった活動が他の地域でも生まれてきております。  このような取組や、住民が参加しやすい環境づくりと継続して活動を行うことができる工夫が必要であって、この活動団体と連携したイベントの実施や、身近な町のカフェの活用など、実態に即した運営、予算や人的な支援など、まちセン、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーク、コーディネート機能が大変重要だと思います。  このコロナ禍における経験を生かして、小さなコミュニティー拠点を数多く、しっかり育て、定着をさせていく、このことが、コロナ禍の対策における非常に大きな課題だというふうに考えております。そのような地域行政の中で、しっかり位置づけていきたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 本当にコロナ禍の下、外出を自粛し、孤立感を深めていらっしゃる高齢の方、また、本当に障害をお持ちの方とかは、たくさんいらっしゃると思います。町の中にそういった方は出てこなくなってしまうので、本当に見えなくなってしまう。そして、見えないから気づかない、気づかれないから孤独感がどんどん高まっていくという、そういう負のスパイラルが起こらない。  そのために、実は、おしゃべり★カフェの事例を、ちょっと深く聞かせていただいたんですけれども、やはり、おしゃべり★カフェに、もともと参加していた方、おしゃべり★カフェ、数か月間、とても休止したそうです。休止している間、おしゃべり★カフェにつながっていたので、お電話をすると、一週間ぶりに人と話しました、そういった方もいらしたということを聞きました。やはりこういった定期的に顔が見える小さな集合場所、そして、障害の種別、細かい種別にとらわれない、そういった拠点というものを、ぜひ今回、これをきっかけにつくっていきたいと思っています。  こんなときだからこそ、地域とつながり、必要に応じて福祉や医療などの様々なサービスにつなげる、さりげないきっかけがつくれる、そういう小さな拠点、ぜひ具体的に進めていきたいと再度要望いたします。本当に、暮らしの保健室のような先行自治体の事例もありますので、新たな地域活動の形や地域行政の在り方、区民と共に、私もつくり上げていくために何かできたらと考えております。ぜひ前に進めていきたいと思います。  最後に、区立学校における香りの害、香害についての周知啓発について、確認のために再度質問いたします。  先日の文教所管での質問で、昨年度、保健所作成のチラシ、今年度はこれからの活用という御答弁でした。昨年は小学校六年生に配布、中学になると自分で、特に女の子なんかは自分の服を洗うという方が増えてくると思いますので、とても有効な活用方法だったと思います。  保護者に対しても機会を捉えて啓発を進めると、さらに有効な教育と周知啓発になると考えます。今年度の活用について具体的に確認させてください。 ◎池田 教育政策部長 香り成分など化学物質に関するチラシにつきましては、保健所で提供を受け、子ども向け、大人向けのチラシを区立小中学校や幼稚園において配布してまいりました。  教育委員会といたしましては、関連する学習を行う小学校六年生に配布するとともに、幼稚園入園時、小学校入学時に保護者の方に配布していくことが効果的であると考えております。必要な部数等につきましては、世田谷保健所と調整してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 子どもは昨年に続き、六年生教科で活用していただけるとのこと。持ち回りの給食着を洗う保護者全員に啓発チラシを読んでいただくよう、全家庭数の配布も御検討ください。教育委員会と保健所の連携を密に、毎年の継続な取組として進めていただくように重ねて要望し、以上で生活者ネットワークの補充質疑を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、今日は補充質疑なので、区長がいらっしゃるので、区長に二点質問いたします。  まず、避難所の問題です。世田谷区の避難所は、二十三区も含めて、大体避難所は、こういう感じだと思います。ほとんど何か雑魚寝の状態ということで、プライバシーとか、今、感染症の予防ということに関しての配慮がされていないというのが現状だと思います。  一方、避難所の進んでいるところでは、海外なんかは、これは、特に台風なんかではよく避難をされるというフィリピンですけれども、こういうパーテーションがしっかりしております。テントみたいな、こういう形になっていて、高さもありますから感染症の予防にもなるし、プライバシーも守れるというような避難所の形態を取っています。  私の質問は、こういうパーテーションをしっかり検討して、世田谷区の避難所でもプライバシーや感染症に対してしっかり対策をしていただきたいということなんです。まず、この点について区長に伺いたいんですけれども、時間がないので、この点が一点。  もう一点が印鑑の問題です。菅総理は七日に規制改革推進会議を開いて、全省庁の行政手続を対象に押印廃止や署名、対面主義の見直しに向けた方針を速やかに策定するよう指示をし、関係省で告示を年内に改正し、来年一月召集の通常国会に関連法案の提出を目指すということのようです。  国と違う地方自治体は、印鑑の廃止は、区で決めているものは区単独でできるというふうに私は思うんですけれども、ぜひ、区でもこうした運用を廃止するということを検討していただきたいということです。  まず、廃止できるものとできないものの選別や、廃止に向けたタイムテーブルの作成といった、国の手順と同じように見直しの方針をまとめるべきだと思いますけれども、行政庁である区長は、そうした意思決定等、指示を補助機関である役所の皆さんに指示をすべきだと考えますけれども、もし廃止をするならば、いつまでにその指示を出すということになるのか。今後の方針等も含めてお伺いしたいと思います。  以上二点、お答えをいただければと思います。 ◎保坂 区長 あべ委員にお答えします。  避難所の体育館については、明治以来ほとんど変化がないということで、国際的に見ても非常に環境はよくないというふうに言われております。世田谷にお住まいで世界で活躍される坂茂さんですが、もう有名になりましたが、紙管を組み立てて、そこに布を置いて仕切りを造る、こういった形での御提案を受けて、区でも協定を結んでいるところでございます。  この間の議論で防災庁というようなものが本来必要ではないかという議論がありまして、私もそれは本当に必要だと思っていまして、こういったパーテーションを、各基礎自治体が大変な量で備蓄するというのも、なかなか難しいということもあるので、それからまた、パーテーションだけじゃなくて、すぐ組み立てられるプレハブとか、こういったことも含めて国全体にも、その防災体制を求めていきたい。東京都ももちろんですけれども。と思います。  次に、判こ問題ですが、判この押印などの形式見直しということで、加速化されているというところです。先日の総括において私もエストニアの例を挙げました。コロナ禍において、やはり我々がこれまで当たり前としてきた、これも明治以来の窓口手続というものは、やはり大きく変える時期に来ているという認識でございます。  東京都については、慣習的に求めてきた押印については年度内に原則廃止という方針だそうです。区としても、廃止して支障のないというものについては、取り急ぎ廃止を実施していきたいと思います。 ◆あべ力也 委員 避難所に関しましては、ぜひ、このパーテーションを装備していただきたいと、重ねて要望しておきたいと思います。  それと、避難所の空き状況に関しては、ほかの自治体、多摩市なんかはリアルタイムで区民に空き情報の提供等をするというサービスを行っています。こういうサービスが、今、世田谷区にはないという現状で、一体どこに避難したらいいのかということが、今、災害が多くなっている現状で、避難所のそうした情報の提供ということも大変重要になってきていると思いますので、こうした情報提供の在り方も、ぜひ検討していただきたいと思うんですが、この点についても伺っておきたいと思います。 ◎保坂 区長 多摩市の阿部市長は時折、意見交換もしておりますので、その仕組みについてぜひ御提供していただきたいとも思いますし、世田谷区の場合は、地震の避難所と水害と、いろいろちょっと複雑です。ペットがどういう扱いなのかとか、いろんなことがあるので、それはスマホで可視化されるということができたら、相当数の避難対象の方が活用されることと思います。検討してまいります。 ◆あべ力也 委員 ぜひ、そうした区民の安心安全のために、避難所のさらなる進化をしていただきたいと思います。  あと、押印のほうですけれども、大変、デジタル庁をつくって、政府としてはデジタル化の動きが加速をしているということで、これは当然、各地方自治体にも下りてくる話でありますので、世田谷区としても、そのデジタル化に向けた流れをしっかり受け止めて、まさに変革のときでありますので、そうした変革に向けた備えをぜひしていただきたい。  判こについても、必要のないものは、ぜひ廃止をして、必要な判こは、これはやっぱり契約関係なんかは判こは必要なわけですから、必要なものと必要でないものの色分けをしっかりしていただいて、今まで認め印で済んでいたようなものは、なくしてもいいのかなと思いますし、区民だけじゃなくて庁内で必要な判こ、そういうものも、もう既に上り印なんかはなくしていると思いますけれども、そういうことを全て見直して、新たな電子自治体に向けた世田谷の構築に向けて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  要望いたしまして質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ────────────────────
    ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 私からは、LGBT関連で取り残した課題がありますので、取り上げます。  一つ目の課題は、区が条例等で規定するところの遺族の範囲に同性パートナーが入るのかどうかです。さきの一般質問では、本区における条例規定の解釈では、同性パートナーでも事実婚に係る規定に含まれ得るのではないか、既にそのコンセンサスもあるのではないかと問いました。幸い、区においては同性パートナーも事実上の婚姻関係に準ずるとする社会通念が形成されているとの画期的な御答弁をいただくことができました。  続く総括質疑では、同見解を前提に、国の上位法、都条例、また、二十三区共通基準から外れる範囲では、既に同性パートナーも読み込める条例等の規定があるのではないかと具体例を問いまして、職員の旅費に関する条例、世田谷区感染症法施行規則等が該当するとの御答弁がありました。  これらのやりとりから、当区では性的指向によらず、パートナーが同性でも、いわゆる事実婚に準じるものと見ていくのだと、その姿勢が明確化したと受け止めております。ならば、区条例等で単に遺族とのみ規定している場合でも、同性パートナーが読み込めるのではないかと考えています。  総括質疑と同じく、上位法や都条例、また、二十三区共通基準に反しない範囲で、同性パートナーも遺族と読み込める条例、規則等には何があるでしょうか。確認できた範囲を挙げていただければと思います。 ◎田中 総務部長 同性パートナーについて、条例等の根拠が法にあるものや、退職手当の支給のように二十三区共通の基準があるものなど、区の解釈だけでは遺族に含まれていると取り扱うことができないものもございますが、区の条例等におきまして、同性パートナーも遺族と区で解することができるものとしては、世田谷区表彰条例、世田谷区職員表彰規程、世田谷区墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例、世田谷区死体解剖保存法施行規則、世田谷区教職員及び児童生徒表彰規程などが確認が取れているものでございます。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  さきの総括質疑では、同性パートナーも、いわゆる事実婚の規定で読み込める場合でも、それらの制度が実際使えるものとなるためには、同性パートナーをどう認めるのか、その規定も必要ではないかと、その検討を求めましたが、遺族についても同じ課題があると考えます。この点の整理、検討を進めていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎田中 総務部長 この間、同性パートナーが対象となると判断された制度については、所管課でそれぞれ申請に係る確認書類などの準備を進めてまいりましたが、同性パートナーであることの確認方法の整理や制度の周知などに取り組む必要があると考えております。性的指向や性自認にかかわらず、全ての人が個性と能力を発揮できる地域社会の実現に向け、全ての人に使いやすい制度となるよう検討してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、私の一昨年九月の決算質疑、また、同じく本年三月の予算質疑を受けまして、区長部局のハラスメント防止に関する基本方針が大幅改定となりました。具体的には、次に挙げる三つの新たなハラスメントの類型が、例示も含めて追記をされたところです。一つ目は、巧妙かつ陰湿に繰り返される言葉や態度で相手を傷つけるモラルハラスメント、二つ目に、性自認、性的指向、LGBTなどへのハラスメントであるソジハラスメント、三つ目に、区条例に民族、国籍差別が禁じられたことに対応した人種差別一般を意味するレイシャルハラスメントです。  ところが、これらハラスメントを抑止する規定が区教委にはないままです。区長部局の取組も参考に、ぜひその内容の充実、強化を求めたいと考えますけれども、区教委のお考えを伺います。 ◎池田 教育政策部長 教育委員会では、世田谷区立学校等における教職員ハラスメントの防止に関する要綱を制定しております。この中にソジハラスメントという文言は記載しておりませんが、性的少数者などへの性的指向をやゆする言動などはハラスメントであり、認められない旨を定めているところでございます。  しかしながら、区長部局の定める職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針と比較した場合、記載内容に分かりにくい部分や不足している部分がございましたので、ソジハラスメントや国籍等に関するレイシャルハラスメントなど、区長部局に準ずる形で要綱の改正を行い、改めて教職員に周知してまいります。 ◆上川あや 委員 お願いいたします。  最後に、コロナ禍の下、区立学校で行われた分散登校についてです。  分散登校で登校する児童生徒の数を半分に減らすグループ編成をするに当たり、性別で半分に絞った学校があるようだと、この夏、知人から知らされて大変驚きました。まさかと思いつつ区教委に伺いますと、担当課長も大変驚いた様子で、念のために調べてくださったんですが、残念ながら区立小中学校各一校で、そのような扱いがあったことが確認されました。これは適切な対応ではないだろうと私は考えています。  戦後、教育基本法では男女共学が公立学校の基本であるとされました。また、本区は男女平等教育を重視して、男女混合名簿を都内でもいち早く導入した先進自治体の一つです。さらに、文科省からは、性同一性障害を持つ児童生徒への配慮を求める通知も複数回、教育現場には出ています。そして、性の多様性に配慮し、差別を禁止する区独自の条例を持っており、これに加えて男女共同参画の理念に照らしてもおかしいと考えます。ところが、あっさり学校現場では、一方のみの性別で登校させてしまう判断に驚いてしまいます。  職場の三密回避に男女どちらかだけを出勤させる。あるいは、議員の男女比が仮に男女同数だったとして、男女どちらかだけを議場、委員会室に入れて会議を進めてしまう。大人の環境に当てはめれば、すぐにおかしいと気づくはずの類別が安易に教室に持ち込まれる。こうした学校現場の判断には注意喚起を改めて求めたいと考えるのですけれども、お考えを伺います。 ◎池田 教育政策部長 新型コロナウイルス感染症対策のため、小中学校においては四月、五月の臨時休業、六月の分散登校期間を経て教育活動を再開いたしました。分散登校期間には、教室内の人数を半分に減らして授業を実施するため、各学校において出席番号などを基にグループ編成を行っておりましたが、小中学校それぞれ一校ずつ、男女別のグループ編成を行った学校がございました。  学校の対応は男女平等教育を行うべき教育機関として不適切であると考えております。各学校からは、今後は十分に注意するとの報告を受けておりますが、教育委員会といたしましても、校長会を通じて、改めて性の多様性に配慮した教育活動を推進するよう指導してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひ、多様性尊重の条例にしっかり合わせた意識の啓発、定着、お願いいたします。  以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、今回の議会で多くの方が質問されたマイナンバーカードの交付体制について伺います。  私のところにも、マイナンバーカードが待っても待っても届かない、遅い、申請してから三か月たっているのにという御意見が届いております。また、問合せをしようとコールセンターに電話をしても、なかなかつながらないといった声もあります。  マイナンバーカードについては、菅内閣が誕生し、行政のデジタル化を進める重要な手段としてマイナンバーカードの普及が挙げられ、健康保険証や運転免許証など、個人を識別する規定を統合した上で、カード一枚で行政手続が済むような改善が考えられております。  このような政府の動きを受け、既に民間では様々なサービスが発表されております。例えばLINEは、マイナンバーカードの電子証明を使って本人認証に来年の春から対応すると発表しており、今後、マイナンバーカードの交付申請が激増することが予想されます。  現在でもマイナンバーカードはパンク状態にありますから、今後は体制を見直す必要があるかと考えます。例えば、三軒茶屋の特設会場だけではなく、区民の方がそれぞれ住んでいる地域でマイナンバーカードの交付ができるように、五支所・出張所への専門窓口を設ける必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎清水 地域行政部長 今年度は、特別定額給付金のオンライン申請希望者の影響等により、五月の申請件数は区の計画の四倍に当たる約二万件、六、七、八月も同じく倍を超える約一万件以上の申請がございました。現在も計画の件数を大幅に上回る申請がなされているため、申請から交付するまでの期間を要し、御迷惑をおかけしております。  現在、出張所・各総合支所の区民窓口、三軒茶屋のキャロットタワーにある専用窓口で申請、交付を行っており、各総合支所の区民集会施設などを活用し臨時窓口を開設し、さらに世田谷区民会館ホワイエにて特設窓口を開設し、体制強化を図っております。  区民の方からは、御自身の住んでいる近くで申請、交付を受けたいという要望も多く受けておりますが、窓口を開設するスペースの確保、また、専門知識を有する職員の配置等が課題になることから、今後も引き続き交付体制の強化に向けて、区民の利便性も踏まえ検討を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 専用窓口スペースが可能な支所もあるようですので、できるところから専用窓口の設置を要望いたします。  次に、自転車の安全対策についてお伺いいたします。  十月一日から、世田谷区自転車条例の改正により、十三歳未満の子どもの自転車ヘルメット着用が義務になりました。自転車事故の死因は頭部の打撲が一番多い現状ですが、ヘルメットの着用は子どもだけではなく、様々な世代で重要です。都市整備委員会所管では高齢者の方への安全啓発について、ヘルメット着用の周知徹底を行うこと、また、動画配信の必要性について質問いたしましたが、それぞれの世代に合った自転車の安全教育が不可欠です。  コロナ禍、飲食店の休業要請を機に、自転車による食事の宅配がブームとなり、宅配業者による交通ルール無視の映像が度々報道をされております。それ以外にも事業で自転車が利用されておりますが、業務利用による自転車への安全啓発も必要です。見解をお伺いいたします。 ◎関根 土木部長 区内では、宅配事業者や介護サービス事業者をはじめ、多くの業務に自転車が利用されていることから、これら事業における自転車利用についても安全利用啓発を進めていく必要があると考えております。  自転車を業務に利用する事業者については、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例により、自転車安全講習を実施するなど、従業者に対して安全利用に関する情報を適切に提供するよう定められております。  また、委員お話にある一部の宅配事業における配達員については、事業者と雇用関係を持たない個人事業主であることから、一般の自転車利用者と同様の交通安全意識を高める啓発を行うことも含め、幅広い対応が必要になるものと考えています。  区といたしましては、業務利用における自転車の走行マナーの遵守について、従業者に向けた事業者の安全啓発の取組を引き続き支援するとともに、宅配事業者などの事業者の形態も踏まえ、周知の方法を工夫してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、自転車専用レーン、自転車ナビレーン、自転車ナビマーク上の駐車車両についてお伺いいたします。  私のところに寄せられる御意見の中で多いものの一つが、自転車専用レーン、ナビマーク、ナビライン上の駐車車両が危ない、取締りを強化してほしい、何とかしてほしいとの御意見であります。このテーマは過去に何度も質問しましたが、なかなか改善されておらず、再度質問いたします。  せっかく自転車専用レーン、ナビマーク、ナビラインを整備して自転車の安全性を確保したのに、駐車の車があっては自転車はよけて通らなければならず、逆に危ない、本末転倒であります。警察に取締りや見回りをするように要請することは、もちろん必要ですが、法的に駐車が取締りできないケースにおいても対応できるように、例えば自転車が走行します、駐車は控えるようにお願いしますといった看板を設置するなど、啓発に努めていただきたいと考えます。見解をお伺いいたします。 ◎関根 土木部長 自転車ナビマーク等の設置路線における違法駐車でございますが、区民からの通報や、職員による現場確認からも課題として認識しております。これまで違法駐車に対する警告横断幕などによる注意喚起や、所轄警察署による取締りのほか、所轄警察署と自転車ナビマーク上の駐車について合同パトロールも実施してまいりました。  いまだ利用者からの安全性を求める声が寄せられていることや、また、自転車ナビマーク等の整備延長が三十キロメートルを超えたこともあり、従来の手法に加え、さらなる対策が必要であると考えております。  区といたしましては、現在実施している対策を継続することはもとより、注意喚起看板の表示内容の見直しのほか、自転車ナビマーク等の意義や役割などの啓発、また、区内四警察署が集まる交通安全対策連絡会などの機会を捉えた違法駐車の取締り強化の要請などにより、自転車の安全で快適な通行空間の確保に努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 このテーマは、なかなか簡単にはいかないと思いますが、少しずつ前進するといった努力が必要と思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 これまでかたくなに進めなかったデジタル化を、いやが応でも進めざるを得なくなり、また、新政権の下でデジタル化への議論が以前より加速をしている状況で、例えば押印廃止などの、これまでは一顧だにされなかった提案も、価値観、優先順位が入れ替わった今、採用可能性が上がったと考え、今回の決算委員会は全てテクノロジー活用、デジタル化という視点で提案をしました。  今回、あべ委員の総括質疑への答弁で、区長は目指すところはエストニアという表現をされた真意について御本人に伺います。  それ以前、区長が初めてエストニアに言及をされたのは、今年三月の予算委員会で上島委員の総括質疑に対して、エストニアが行政手続がスマートフォン一台でできる事例を引き合いに出し、特別区の中でAI、ICTを駆使した行政サービスのシステムを共同開発できないかという検討の声が上がっているという紹介でした。  エストニアが電子政府の先進事例であることは既に世に知れ渡っていますが、エストニアの特徴を私なりに整理すると、e―IDの取得が義務化され、法体系もデジタルを前提に整備をされていること、利便性の向上のために電子申請という選択肢を増やす申請手法の多様化が目的ではなく、安全保障とコストの圧縮に主眼があること、ソビエト連邦から自由主義国家として再独立した経緯から、小さな政府、極力政府が介入しないことが正しいとされており、データオーナーシップ、個人の情報の利用に対しても、どこの誰が閲覧をしたのか、部署ではなく個人まで情報開示が徹底をされていること、既にIDがカード形式だけでなく、携帯電話のSIMカードやスマートフォンアプリと統合されていることです。  本当に世田谷区がエストニアを目指すのであれば、区も電子的な本人認証を普及させることになります。国内の電子的な本人認証を考えると、マイナンバーカードの普及が近道でありますが、例えば全国労働組合総連合、全労連が事務局を務めるマイナンバー制度反対連絡会など、マイナンバーカードに反対する団体や立場も存在をし、技術的課題よりも政治的課題が残っていると捉えています。  一方で、マイナンバーカードを普及させずとも、民間で既に一定の本人性が確立している携帯電話会社等のアカウントに、さらに身分証のスキャン等を要求したり、複数要素認証を利用することを視野に入れてもよいとの立場に私自身は立ちますが、世田谷独自の形式を取ると、区への申請は世田谷方式、都や国の申請はマイナンバーカードという互換性のない状況に陥ります。  今示した二つの手法以外の検討もあるのであれば、お示しをしていただいた上で、エストニアを目指すに当たり本人認証のハードルをどのようにクリアする展望なのか、区長へお考えを伺います。 ◎保坂 区長 エストニアについては、三、四年前ですかね。渋谷区長が行かれて、大変驚いたということでお話をいただいたり、あるいは、世田谷区の若手職員の勉強会でも特別報告を受けたりして、そのあたりから問題意識を持っておりましたが、やっぱり人口が少なくて、今、委員がおっしゃったような特性もあるので、全てエストニア方式でということを考えているわけではありません。  例えば他の国でも、お隣の韓国などは、日本で十数件しなければいけない引っ越しの窓口手続がございますよね。あと水道、電気から、こういったものは一回の手続で全部集約化されているというぐらいに、ある意味で、そういった電子的手続は非常に簡単になっているとも聞いております。  現在、委員おっしゃるように、本人認証で言うと、我が国ではマイナンバーカード。マイナンバーカードの普及ということで、区も総力を挙げておりますけれども、まだそれほど高い段階には至っておりません。なので、残念ながら、現在はマルチでマイナンバーカードが本人認証に使えているという状態ではなくて、手続ごとに整合性を取って使えるようにして、幾つか積み上げているという段階でございます。  おっしゃるように、世田谷区だけが独自の方式をつくるという時期ではなくて、国全体の方向性、もちろん東京都との連動、他自治体との共通性、ここがありますので、しっかりマイナンバーカードについては普及促進をしっかり取り組んでいきながら、この課題を、九十二万人自治体として区民の利便性を向上させていきたいというふうに考えております。 ◆そのべせいや 委員 マイナンバーカードを利用されるということであれば、やっぱり普及をさせる必要がありますし、一方で、マイナンバーでなくても、あるいは、本人認証がなくても進められる手続というのは幾らでもあると思いますので、そういったところからも、すぐ進めていただければと、これは要望しておきます。  対人で手続をする場合に、窓口がそのまま温存されて、区民に電子化をすることで便利な選択肢が増えたとしても、役所の申請受付に対するコストが並走して、二つ走ることで、これはコストの増大になるのではないかということを懸念をしています。今後、申請の電子化に伴い窓口の人員削減を行い、残った窓口も申請受付機能は生まれ年、生年の上限等を設け、基本的に廃止をし、複雑な相談業務に徹する組織改編が必要であると考えますが、これについても見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 今般のデジタル化に係りまして、窓口の対応については変わっていかなければならないと、こう思っております。  今、御指摘にもありましたように、だんだん仕事の複雑化、これは区民サービスにおいても同様でして、区民の方にどうやってこれをお伝えしていくかというのも肝心ですし、また、これを受け入れる窓口と言われている部分についても、内容が、やっぱり相談を中心になってくるだろうと思っておりますので、そこについては十分、区の中の業務を含めてを変えていかなきゃいけないというふうに思っております。  ただ、やっぱり内容の部分につきましては、例えば福祉の関係の手続などが、今申し上げた、複雑になっておりますので、そこをまず丁寧にやっていくことが必要ですし、また、その段階を追わなきゃいけない、一気になかなかいかないということも当然ありますので、そこのスケジュール感も含めて庁内共有して、また、区民の方にもそれをお知らせして進めていきたい、こう考えております。 ◆そのべせいや 委員 スケジュールを出して、目標を立てて進めていただければと要望します。  最後に一点、福祉領域で、子育て応援アプリから個人に最適化した情報をレコメンドすべきであるというお話をしましたが、子育てアプリに限らず、政策広報のレコメンドについて伺います。  世田谷区も最近アカウントを取得したコミュニケーションアプリ、LINEを活用して、先ほどお話のあった渋谷区などでは、生年、地域、興味関心、子どもの情報等を入力することで、その人の入力に基づき有益な情報をレコメンドして配信をするということは、既に行われています。  そうした技術を用いて、まずは、このLINEのアプリで一つ、レコメンドした情報提供ができないかということ、あわせて、もう一点、区のウェブサイトへPWA、プログレッシブ・ウェブ・アプスという技術を活用して、同じく情報のプッシュ通知ができないかということについて伺います。  スマートフォンでもアンドロイドのウェブブラウザーからでは、もう既にアプリをインストールしないでも、プッシュ通知を実現するということができます。区のウェブサイトへPWAのプッシュAPIを導入して、子育て支援、介護といったページにアクセスした人へ、情報更新のたびに必要な情報サイトを届けるというようなことについて、二点、簡潔に答弁を伺います。 ◎中村 政策経営部長 今現在、LINEについては実証実験中でして、来年度、本格実施をしていく際にセグメント配信を予定しています。また、この実施状況を踏まえまして具体的に検討してまいります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し、生活に困窮する方への対策や、特別定額給付金及び新型コロナウイルス感染症対応の休業支援金や給付金を狙った特殊詐欺の防止について質問をいたします。  まず、生活福祉資金の特例貸付けについてお聞きいたします。  生活福祉資金の特例貸付けは、新型コロナウイルス感染症の影響によって、休業や失業状態などにより、収入が減少して生活資金にお悩みの方に、緊急小口資金と総合支援資金に分けて特例貸付けを行うものです。それぞれの市区町村の社会福祉協議会、世田谷区の場合は、ぷらっとホーム世田谷になるかと思いますが、そちらで申込みを受け付けて、都道府県の社会福祉協議会が貸付けの決定と送金を行うものとされております。  世田谷区での緊急小口資金と総合支援資金の申請件数は、どのようになっておられるでしょうか。また、収入が減少し生活に困窮している方に対して、さきの福祉保健の際には質問させていただきました住居確保給付金も含めて、このような制度があることを、ぜひ知ってもらいたいと思いますが、区の対応をお聞きいたします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けまして、生活費に困窮されている世帯に対し、緊急かつ一時的な生活維持のための緊急小口資金といたしまして、二十万円以内の特例貸付けを御利用いただいております。また、生活の再建までの生活費が必要な世帯には、総合支援資金といたしまして、月額二十万円以内の特例貸付けとして、原則三か月間の融資を受けることができます。いずれも、ぷらっとホーム世田谷で受付をしており、九月末時点の申請件数は、緊急小口資金が八千八百四十四件、総合支援資金が四千九百十件となっております。  これらの制度につきましては、住居確保給付金も含めまして、「区のおしらせ」への掲載や、区及び世田谷区社会福祉協議会のホームページで周知を図るとともに、ぷらっとホーム世田谷等において、電話などによる問合せを受けた際には丁寧に御案内をしているところです。  また、利用を希望されている方が申請しやすいよう、いずれの制度もホームページから申請書をダウンロードして郵送で申請できるほか、住居確保給付金につきましては、申請方法を分かりやすく説明した動画をホームページで配信するなどの取組を行っております。引き続き、制度を利用しやすいように丁寧な対応を心がけてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  続いて、特別定額給付金及び新型コロナウイルス感染症への支援金や給付金を狙った特殊詐欺についてです。  この間、警視庁や消費者庁などにより、特別定額給付金を狙った詐欺については注意喚起が行われてきたと思いますが、全国的には厚生労働省や都道府県労働局、ハローワークの職員をかたって来訪する、または、電話をかけてキャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、手数料として金銭を求める詐欺や、詐欺未遂事件が発生している模様です。  そこで、二点伺います。  区内において特別定額給付金や新型コロナウイルスに関する支援金や給付金をかたった特殊詐欺事件や、アポ電強盗の発生は確認されていますでしょうか。また、特殊詐欺対策として、自動通話録音機の無償貸出しのほかにも、防犯イベントや防犯集会に参加する高齢者に直接注意を促すことも、防犯意識を高める効果が期待できる対策と考えられます。  しかし、コロナ禍において防犯イベントなどの開催が困難になっている状況ですが、区は被害の未然防止に向け、コロナ禍における特殊詐欺対策についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 ◎菅井 危機管理部長 現在、区内において特別定額給付金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金など、新型コロナウイルス感染症に関連した特殊詐欺被害の発生は確認されておりません。また、区内でのアポ電強盗の発生についても現在確認されてはおりません。このほか、先日、区内においてガス検針を装った強盗事件が発生いたしましたが、事前のアポ電の事実はなかったとのことです。  続きまして、コロナ禍における特殊詐欺対策ですが、防犯キャンペーンや防犯集会などの機会に、参加者に対して直接注意を促していきたいところですが、現在、開催自体が困難な状況でございます。そうした状況の下、区では区内警察署からの情報を受け、特殊詐欺の予兆行為であるアポ電の情報などについて、災害・防犯情報メールやツイッターなどの広報媒体を利用して注意喚起を行っているほか、特に、アポ電集中地域には、世田谷区二十四時間安全安心パトロールカーを急行させてのスポット広報に努めているなどの対策も講じているところです。  今後は、区民に対しまして、警視庁ホームページで公開されている特殊詐欺の手口を再現した防犯動画を周知していくほか、世田谷区オフィシャルチャンネルを活用して、区内で発生するアポ電や詐欺手口の傾向に応じた防犯動画の作成を検討するなど、動画を視聴することで犯罪手口を体感することができるような取組を行い、刻々と変化するだましの手口に対応できるよう、コロナ禍におきましても工夫を凝らした特殊詐欺対策を進めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。区民がそうした詐欺の被害に遭うことがないよう、周知、広報に力を入れていただきたいと思います。  以上で質問を終わりにいたします。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ────────────────────
    ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 持続可能な社会の実現に向けて伺います。  長雨の日照不足の危険な猛暑が続き、毎年のようにすさまじい台風が日本を襲っていますが、一昔、二昔前には想像できなかったことです。虫捕り網を持って麦わら帽子で走り回った子どもの頃、暑さの限度は三十度でした。でも、今は三十度の真夏日と聞くと、ほっとします。とてもホット。なのに、ほっとするのは皮肉なことです。  コロナ禍で外出を控えた上に、暑くて外出を控える。家にいても熱中症の危険がある。こんな世の中では人の世の楽しみがなくなって、持続可能な社会を目指す意欲も続かなくなってしまいます。  さて、限られた地球資源の中で、資源回収は持続可能な社会の実現に不可欠です。私は、かつて都市鉱山についてお伺いしました。いろいろな人たちの協力をいただき、レアメタルの回収ボックスの設置が実現しました。といっても知らない方も多いと思いますが、現在、総合支所や一部の出張所・まちづくりセンターなどに回収ボックスが設置されています。スマホはもちろんデジタルカメラ、ゲーム機など十二品目の使用済み小型家電の回収ができるものです。  レアメタルは社会を持続可能にする貴重な資源です。回収についてはもっと積極的な姿勢を持つべきと考えますが、現在の回収の状況や、今後のさらなる推進策についてお伺いします。 ◎辻 清掃・リサイクル部長 区は、平成二十五年四月より、レアメタル等の金属類を含んだ小型家電十二品目の回収を開始し、現在は区内十か所に専用回収ボックスを設置しております。また、小型家電は不燃ごみとしても一定量が排出されてしまうため、集積所から収集後、中継所で選別回収しております。  回収ボックスでの令和元年度の回収実績は約二千七百キログラムであり、これを不燃ごみから収集した分と合わせまして百七万円の売却収入がございました。また、平成二十九年度から三十年度には、委員お話しの都市鉱山プロジェクトに参加しまして、回収ボックスで回収した携帯電話約九千二百個を、東京オリンピック・パラリンピック大会のメダル作成に活用させていただいたところでございます。  今後の回収の推進につきましては、金属類の買取り市況や運搬経費などを考慮いたしまして、慎重に検討してまいります。 ◆青空こうじ 委員 ここ数十年で日本は随分と豊かな国になりました。生活に必要なものはもちろん、生活に潤いを与えるものまで、たくさん生産されていることは結構なことですが、一方で、私が子どもの頃には考えられなかった、食べられるものまでごみとして廃棄する食品ロスの問題が生まれています。  世田谷区でもここ数年、家庭ごみに含まれる未開封や手つかずの食品が目立つようになって、可燃ごみの約三%、量にすると年間約五千トンが廃棄されていると推計されるそうです。食品の生産には、その原材料はもとより、輸送にかかる燃料や、販売に伴う発泡トレーや包装紙など、生産から流通の過程まで様々な資源やエネルギーを使います。せっかくこうして作られた食品が、私たちの口に入らないまま、ごみとして廃棄されてしまうのは、資源やエネルギーの大きな損失です。  持続可能な社会の実現を危うくするものです。そこで伺いますが、区では食品ロスを減らすためにどのような取組を行っているのでしょうか、お聞きします。 ◎辻 清掃・リサイクル部長 これまで区では、例えば環境学習などで使用する「見えない水を追え」という小冊子を作成し、トウモロコシ一本の食品ロスは、その一本栽培するために必要となる八十七リットルの水資源をも無駄にしてしまうという隠れた問題を漫画で教えるなど、子どもにも理解しやすい啓発に努めてまいりました。また、他自治体に先駆けフードドライブに取り組み、常設受付窓口を各総合支所に配置するなど、食品ロスと食品の再利用を区民に身近なものとしてまいりました。  昨年、食品ロスに関する法律が制定され、自治体は食品ロス削減推進計画を定めるよう努めなければならないとされておりますので、今後は、各種調査を行うとともに、専門家等の御意見を伺いながら、実効性のある削減計画の策定に向け、関係所管と連携を図りながら取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 世田谷区では気候非常事態宣言を行うことが報告されていますが、この宣言の中では、区は二〇五〇年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すことが表明されています。大変よい取組であると評価しますが、言うまでもなく、環境問題への対応は、区が独自に取り組むだけで解決するものではありません。私たち一人一人の日々の行動が、積み重ねが、時間をかけて成果となって現れてくるものです。そのために、この気候非常事態宣言の趣旨や内容に基づく具体的な取組など、まず、広く区民や事業者に知ってもらうことが、理解してもらうことが大切です。  全ての人に関係する宣言について、今後、区はどのような啓発を行っていくのか、お伺いします。 ◎竹内 環境政策部長 区では、強力な台風や集中豪雨による気象災害などの、深刻化する気候危機の問題に立ち向かうため、二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すことなどを盛り込んだ、世田谷区気候非常事態宣言を行う準備を進めております。  宣言を行うに当たっては、区民、事業者の皆さんと直面する地球温暖化に伴う危機意識を共有しながら、環境に配慮したライフスタイルの転換と行動を実践いただけるよう、積極的な情報発信が必要と認識しております。地球温暖化の状況や災害への備え、太陽光発電や省エネの取組事例など、分かりやすくまとめた啓発リーフレットを作成、配布するなど、子どもからお年寄りまで広く理解が深まるような普及啓発を進めてまいります。  また、区として区民の生命と財産を守るため、気象災害の備えを加速するとともに、地球温暖化緩和策として緑を守り増やす、再生可能エネルギーの普及拡大、省エネなどに全庁を挙げて取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。頑張ってください。よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十三分休憩    ──────────────────     午前十一時三十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆おぎのけんじ 委員 自民党の補充質疑を始めさせていただきます。  まず、今回の一連のPCR騒動を私なりに振り返ってみますと、最も印象的だったのは、役所の方々の尻拭い力とでもいうんでしょうか。区長の失態によって生じた様々な火消しの作業を、補正予算書の提出を遅らせてでも、臨時の常任委員会を開いてでもやり抜いて、区長の面目を何とか保ったという点ですね。多少の皮肉を差し引いても本当にすごいなと感心をいたしました。  ただ、区長のわがままを何でもかんでも形にしてあげるということが続きますと、区長が裸の王様になっていって、職員の皆さんもどんどん疲弊していくだけだと思いますし、とても健全な区政運営だとは言えないと思うわけですね。  第三次補正予算案が議案審査された際の企画総務常任委員会で、私も自民党としての意見を述べさせていただく中で、区長の議会軽視ということについても触れさせていただきました。これまで再三繰り返し指摘をされてきた、また、前期は議会軽視をしてくれるなという決議が可決されたにもかかわらず、今回また、このような事態になってしまったということですね。我々ももちろんですけれども、今回特に役所側も相当お困りになられたというふうに思っています。  ただでさえ区民からの問合せが殺到し、そして、PCRの事業の組立てをどうするかということも考えなくてはならないし、議会からは進め方がおかしいという追及を受けるわけでして、そういうこともありましたので、私からその委員会で宮崎副区長にお願いをいたしましたのは、議会から何度言ってもなかなか理解してもらえないようだから、副区長からもぜひ、議会がなぜこれだけ騒いでいるのか説明をしてくれと。そして再発防止に努めてほしいということを要望させていただいたわけです。  それから一定時間がたちましたけれども、宮崎副区長はそのことをどう受け止めて、その後、実際この件に関して区長とコミュニケーションされたのかどうか、教えていただけますか。 ◎宮崎 副区長 企画総務委員会のときに、おぎの委員のほうからそのようなお話をいただいていることは承知しております。その件に限らずですけれども、この社会的検査の話になったら、特に、区長のほうとは議会の様子を含めて、いろいろ御相談もし、区長のほうの判断を仰ぐところも多々ございました。  区長のほうからは、もともと議会とのいろいろコミュニケーションの取り方についての部分についても、タイミングも含めてですけれども、いろいろ御指摘もいただいていますし、また、職員のほうに対しても、その部分については、どこまでを伝えているということについてのことも話し合ってきたつもりです。  そういう意味の中では、今般のPCR検査の、いろいろ報道関係を含めての部分について、区長のほうのスピードがちょっと早過ぎて、私たちのほうが、議会を含めての部分になりますけれども、なかなかスピードに追いついていかなかったということについては、先般申し上げましたけれども、私の反省点だと思っております。  また、今般のコロナ危機みたいな形のものですけれども、台風被害のときもそうですし、危機管理体制の、そのものの庁内に対しての体制強化、これは全体の話ですけれども、急務じゃなかろうかという、そういうような区長との相談もしております。  そういう意味では、今般の機に改めて、どういう体制を区として取っていくのかということについては十分議論して、なるべく早い段階で、区民に対する発信の仕方も含めて相談申し上げて決めていきたいと、こう思っているところです。 ◆おぎのけんじ 委員 そうなんですね。議会軽視って、議会だけじゃなくて、やっぱり裏切るというか、区民の方にも当然軽視をすることになりますし、庁内にも当然、今回のようにいろんな負荷がかかってしまうと思いますので、ぜひそこは、危機管理という範疇において今後徹底していただきたいと思います。  ちなみに、区議会の議事録で議会軽視というワードを、どれぐらい出ているのか調べたんですけれども、定例会だけで四十六件出てきました。一番古いのが平成元年ですけれども、保坂区長が就任されるまでの間で大体二十件、残りの二十五、六件が保坂区長就任以降のものなんですよ。ですから、わずか十年足らずの間に、どれぐらい議会軽視というワードが、いかに飛び交っているかということが、よく分かるんじゃないかなと思います。  私は別に、区長のエラーを見つけて謝れと言うことが自分の仕事だと思っていませんので、別に好きでこういう質問をしているわけじゃありませんし、正直、こういうやり取りをすることにも、うんざりしています。役所にしても、今、特にコロナの時期で余計なことにパワーと時間を使っている場合じゃないと思うんですよね。  この間、宮崎副区長は大変お忙しくされていて、部長さんがやるような仕事をやっていたようにも思いますし、有馬さんなんかは、次長になって突然矢面に立たされて、気の毒極まりないなと思うわけですよ。で、そこをぐっとこらえて頑張るというのも、立場上もちろん大事だと思いますけれども、区長の、さっき宮崎副区長がおっしゃられていたのは、スピードに追いつけないという。追いつく必要はなくて、区長がフライングしそうだとか暴走しそうだというサインを、副区長なのか、政経部なのか、区長室なのか分かりませんけれども、鋭くキャッチして、可能な限り事前にうまく収めるようにしていただきたいと思うんですね。  この件、区長に聞くと、ちょっと長くなるので聞きません。ただ、僣越ながら言わせていただくと、企総のときもおっしゃっていましたが、今回のPCRの件では真っ先に誤解をされたというようなことをおっしゃっていましたけれども、大事なのは、自分がどう伝えたかではなくて、相手がどう受け止めたか、相手にどう受け止められたかが問題なんですよ。そこの想像力が、ちょっと足りていらっしゃらないように思いますので、そこを十分理解、反省していただいて、もうこういうことが二度とないよう、よろしくお願いします。  では、質問に入ってまいります。  まず、主要施策の成果について伺っていきたいと思います。この冊子ですけれども。  私も昨年、この決算特別委員会の中でも、初の新公会計制度導入後の決算ということで様々意見が出されましたが、私からも特に厳しい言い方で、この内容じゃ全然駄目だという指摘をさせていただきました。それから一年たちまして、庁内の事業評価スキルだとか、あるいは、コスト意識みたいなものがどれぐらい磨かれてきたのかなという意味で、期待半分、不安半分で、この冊子を今年も熟読させていただきました。  まず、一八ページなんですけれども、ここに、上から四行目のところですが、「新実施計画事業における全百六十九の成果指標のうち、令和元年度末時点での目標を達成できたものは七十四指標である。前年度より進捗が進んだ事業もあるが、半数強の取組みは順調に進んでいるとは言えない」という記述があるんですね。つまり、五六%の事業が目標未達ということなんですけれども、まず、区ではこの数字を率直にどう捉えていらっしゃるのか、伺います。 ◎中村 政策経営部長 今、計画の期間が半分を経過した時点で、この目標達成が遅れていることについては、区民に対して誠に申し訳ない状況にあると認識をしているところです。  今回、新公会計制度によるコスト分析を活用して二年目になったわけですけれども、今回は各事業について、目標に対して取組内容は有効だったか、ニーズに対して行動量は十分だったか、その他、外的要因があったかなど具体的な観点から分析して、これを踏まえて次年度以降の課題及び今後の進め方というところで明確にしたところです。  今後に向けましては、これらの分析に加えて、引き続き、新型コロナウイルス感染症が区民生活や地域の社会経済に及ぼしている影響を的確に捉えまして、事業手法の転換や、新たな施策など必要な取組につなげるとともに、目標達成する事業の割合をより高められるように、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 その目標達成の割合を高められるように取り組むということで、分析もされるということでしたけれども、昨年は目標未達が四五%だったんですけれども、昨年のこの決算特別委員会での決算においては。今年度の決算委員会でのこの数字は、一〇%以上悪化しているわけですよ。  ただ、この冊子では、一八ページのそこの該当部分を読んだ後も、その後、追及するわけでもなくて、さらっと終わっているんですけれども、そもそもこうなってしまった原因というのは何だとお考えなのか、簡潔にお願いします。 ◎中村 政策経営部長 この新実施計画事業、個々それぞれに分野がわたっていますので、一つ一つの事情があると思っています。なので、総括としては、この半数強の取組が進んでいないということを総括させていただいた上で、各ページで個々の事業の反省点、また、進んだ点などを整理させていただいたという結果になっています。ちょっと、横断的に一つ総括的な原因があるというような分析には至っていません。 ◆おぎのけんじ 委員 私なりに見解を述べさせていただくと、そもそもの成果指標の設定の仕方に問題がある、もしくは業務執行能力に問題がある、そのいずれかか、もしくは両方だと私は思うんですよ。  この冊子のどこを開いて、駄目なポイントを指摘していると、それだけで終わってしまうので、今回やりませんけれども、全体として相変わらず目標達成意欲の低さだとか、コスト管理意識の低さというのを、私は今回もはっきりここから読み取りました。  例えば、昨年も指摘しましたけれども、「コスト面に関する評価」という欄が各事業についていますけれども、今年も文末が、何々何々、必要なコストであるとか、妥当なコストであるという締めくくりのオンパレードなんですよ。コピペですかというぐらい、ほぼ全ての事業がそうなっています。数字を出すことは大事なんですが、数字から仮説を導き出して、それをまた検証するということのほうがさらに大事なのに、そこがないんですよ。全体的にこれは、いいとこ探しだけで、悪い点は極力触れようとしない、そういうつくりになっちゃっているんですね。この冊子が。五六%が目標未達成なのにもかかわらずですよ。  その意味で、この冊子に書いてあるコメントは、私は全く明日につながらない、今後の政策判断に使えるものになっていないし、わざわざ手間をかけて数字を出している意味が全くないと思います。結局こういう書き方になっちゃうのは、役人のさがということなのかは分かりませんけれども、自分の仕事のマイナス面を強調したくないとか、来年度の予算を削られたくないとかという意識が強く働くんだろうと思いますが、そもそも目標の妥当性が分かっていないし、コストの適正水準も分かっていないし、そして、分からないまま作ろうとしない。だから自分のものになっていないんですよ。目標が。だから目標に行っていようが行っていまいが関係ない。毎回毎回どんな結果になろうが、コストは妥当、必要であるという表現で、まあ、いいかということになってしまっていると私は思うんですね。  これまでも、私は定例会だとか、こういう予算、決算の委員会の場で、何度も事業評価のやり方だとか、行革の仕方がまずいんじゃないですかということを指摘してきましたけれども、事、ここに至ってはボトムアップ、つまり、現場からの事業見直しというのは不可能だと結論づけたほうがいいんじゃないかと、私は思い至りました。  つまり、この事業評価の内容を見るに、来年度予算に向けて、事業見直し枠、六十二億円捻出も現場任せでは、私は確実に無理だと思いますし、一律一〇%削減という副区長からの依命通達も意味をなさないと思います。  以前、一律一〇%と書くことで庁内に危機意識を持たせるんだというようなことも聞きましたけれども、この冊子のトーンからして、私は、そもそも危機感が生まれるかどうかも甚だ疑問でありますし、危機意識が生まれることと、実際、各所管が事業規模を縮小するかどうかというのは全く別問題だと思うんですね。特に役所という組織においては。  特に来年度、再来年度の予算編成というのは、これはドラスチックにやらなきゃいけないということは、もう分かっているわけですから、現場からの積み上げで、ちまちまやるんじゃなくて、ここはリーダーシップを発揮して事業予算をカットする指示を出すと。つまり、トップダウン型の事業見直しにするしかないと私は思うんですね。  具体的には、先般出された世田谷区政策方針という資料がありまして、今後の大きな方針が示されていましたけれども、あそこに今後の世田谷区の事業の優先順位というものが示されていると私は思うんですよ。例えば、基礎分野で言えばICTの推進だとか、公共工事の効果的な実施となっていますし、もちろんコロナ対策、例えば区内事業者の経済対策というのは当然優先されると思いますし、そうした区が今、優先すべき事業というのは、ある程度見えているわけですから、当然、我々議会とも議論を重ねなくちゃいけない部分でありますけれども、こういう非常時だからこそ、トップが勇気を持って具体的な見直しの指示をして、めり張りのついた来年度予算になるようにリードしていくべきだと思いますし、現場も逆にそのほうが、上が言うなら仕方ないと割り切ってできると思うんですけれども、この点いかがですか。 ◎宮崎 副区長 まず、この評価内容については、いろいろ御指摘をいただいてきたわけですし、まだまだ改善の余地といいますか、それについてはあるということは、これは私だけではなくて部課長全体も、そういう認識はあると思います。  ただ、事業を手がけている立場ということを余りちょっと強調し過ぎていて、なかなか踏み出せないということも御指摘のとおりでして、ここは、やっぱり全庁全体で、その辺の改善を含めて取り組んでいかなきゃいけないと思いますし、それは、今般の予算編成にかかっての話もしていただきましたけれども、結局、こういう結果を出していく部のところの評価というものに対しての部分に、言ってみれば次があるということについては、やっぱりこれは部課長だけじゃなくて職員全体がその意識に入らないと、なかなか大所帯になってきました世田谷区という部分と、その施策も含めてが、いろいろ複雑に絡み合っていますので、そこについてのものを、庁内連携という形のもので何とか合理的にやろうということをしてきましたけれども、なかなかそれについてもまだまだ道半ばかなという気もしていますので、そこについても強化をしていきたいと思います。  そういう中で、今お話しのトップダウンですけれども、確かに政策方針、依命通達ということを繰り返し出してきている中で、なかなか遅々として進んでいないということも正直ございます。ただ、今般については、この三年度、四年度というのは、この間申し上げていますように、この危機意識の部分のところは、とにかく共有していかないと、ある意味、乗り切るのも難しくなってくる。  言ってみれば、これは逆に言うと、では、財源をほかのところで調達できるかというと、そういう仕組みもない。言ってみれば上から順番にカットしていくということになってしまいますので、そういうことにならないような形のものは、ぜひこの査定の中で区長ともども、先ほど言った、この辺はこういう考え方だということは方針を示していきたい、こう考えていますので、何とか一つの改善のきっかけをくれている部分もありますので、コロナという対策も含めてですけれども、何とか乗り切っていきたいと、こう考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 もちろん庁内の事業評価のスキルというのを上げていくということは、ここでやめてはいけないと思いますし、喫緊の課題で取り組んでいただきたいという部分はあるんですよ。ただ、やっぱり先ほどから繰り返し言っているように、今、危機的状況にある中では、やっぱりスピード感を持って取り組んでいかないと、形にしていかないといけないという場面では、やはり副区長の役割というのは相当大きいものがあるなと思いますし、事務方のトップの権限というものを私はフルに使っていただきたいなと思うんですね。  特に、現場に考えてもらうよりも、やっぱり行動してもらうことのほうが大事ですし、現場の皆さんは極めてオペレーションはエクセレントなわけですから、今、コロナを理由にして誰かが嫌われ者にならなければ、この危機的状況は乗り切れないと私は思いますので、ぜひ勇気を持って断行をしていただきたいと思います。両副区長のリーダーシップに大いに期待をしておきます。  続きまして、ICTの推進体制についてお聞きします。  既にこの委員会でも多数御意見、御提案が出ていますけれども、コロナを通して働き方も変わりましたし、DⅩだとか非対面経済というような言葉も出てきました。また、デジタル化を一気に進めるんだという国の動きに加えて、世田谷はこれから本庁舎整備に入っていくと。七年後に完成ということを勘案いたしますと、このタイミングで世田谷区がICT、デジタル化、その先にあるDXを強力に推し進めていく千載一遇のチャンスだと私も思っています。  この手のことを一気にドラスチックに進めるためには、私は形から入ることが極めて重要だと思っています。国でもデジタル庁創設に向けまして、いろいろ動き出していますけれども、世田谷区でもICT、今、課ですけれども、ICT戦略推進担当部のような、部に格上げをするだとか、庁内からも、外部から、民間からも人材を集めていくということを、今すぐやっていくべきだと思うんですね。  今のICT化って、たしか前身が情報政策課のような名前だったと思うんですけれども、庁内のシステムの保守運用部隊みたいな、どっちかというと、かなり内向きな組織のように私は見えていたんですけれども、これからはやはり、フロントといいますか、区民の側から見た望ましいオンライン行政サービスというものをどんどん考えて、そして、どんどん形にしていかないといけないわけでして、その意味でも、もう一度組織の在り方を考えるべきときなんじゃないかなと思っています。  区長は先ほど、そのべ委員の質問でもありましたが、総括のときに他会派の答弁で、目指すところはエストニアだとおっしゃっていて、随分大きく出たなと思いましたけれども、その心意気はよしとも思いました。そこまで言うなら可及的速やかに動いていただきたいですし、それほどの高みを目指すならば、民間から課長を一人引っ張ってきて、以上、終わりですということじゃないと思うんですね。  区長として世田谷区におけるICTの組織を今後どうしていきたいとお考えなのか、伺います。 ◎保坂 区長 大きな転換点に我々はいるというのは、委員の御指摘と認識は私も同じであります。とりわけ、もう日本の行政、近代化とともに生まれた役所が、ずっと変わらずにやってきたことが、大きくやっぱり変えざるを得ない時期に入ってきていると思います。  今、委員に御提案いただいたように、いわゆる保守管理とか、定期的ないわゆるバージョンアップだとか、そういうことを、いわゆる日常業務として担当するICTということではなくて、やはりその仕事の仕方、窓口なるものの根本的な見直し、そして、職員配置をドラスチックに変えていく。当たり前だというふうに、区民の方に合理的になったというふうに感じていただくようなデジタル技術の応用です。これは、最新の技術的知見と幅広い視野及び法令と行政実務にも通じた人材を入れて、また、職員自身にも、そのプロを養成していく必要があると思います。  この時期、強いリーダーシップを持って、今、予算のことで副区長が答弁しましたけれども、非常に厳しい時期だからこそ、この世田谷区役所のデジタル化に関する組織変容をしっかり引っ張って展開をしていきたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 もう一つ提案なんですけれども、ICTは当然、スピードと専門性が要求される分野でありますし、区民サービス全般が業務対象になりますし、あるいは、今、区長がおっしゃられたような旧態依然としたやり方だとか、庁内の反発と闘っていかなきゃいけないということを考えると、誰かが片手間でやるんじゃなくて、強力に組織を牽引して事業を推進するリーダーが必要だと思うんですね。  これから世田谷区もICT、デジタル化、DXに向けて本気で取り組むんだとするならば、今後、組織の強化とともに、例えば三人目の担当副区長のような新しいポストをICT分野に設けるということも検討すべきではないかと思うんですけれども、区長、いかがですか。 ◎保坂 区長 御提案をいただいた件につきましては、副区長をどのように選定していくか、これまでの経験、適性を勘案して判断していきたいと思います。御提案の御趣旨は受け止め、組織の中でどう生かすかを考えてまいりたいと思います。 ◆おぎのけんじ 委員 私は、担当副区長はICT分野に限ったことですけれども、恒久的にする必要はなくて、例えば本庁舎整備が終わるまでの七年間、七年後というのをベンチマークにして、世田谷区のICT・DX推進計画というものを新たにつくって、そこが終わるまでの間は最低やってもらうというようなことでもいいと思うんですね。その時々、時代時代で行政に求められることは変わると思いますから、副区長の枠組みというものを、ぜひ無駄なく戦略的に使っていただきたいと思います。  続きまして、台風十九号に伴う浸水被害の最終検証報告について伺います。  私も今年の予算委員会で、台風シーズン前に住民説明会を区長出席の下、開催することを要望いたしまして、実際、七月に開催されたわけですが、それでもなお、地域住民の方々の御不安の声というのは払拭されてはおりません。過日、最終報告が示されました。他会派からもありましたけれども、まず、出すのが遅過ぎるということを私からも指摘をしたいと思います。  これまで私も何度も言ってきましたけれども、昨年、被害に遭われた方々だとか周辺住民の方々は、大変大きな不安を抱えて暮らしていらっしゃるんですよね。すぐにその水害が根本的な解決になるというふうにも思っているんですけれども、ただ、その不安を少しでも軽くしたいと思っているわけですよ。結局、中間報告が出されたままの状態で、もう次の台風が来ちゃいましたけれども、もっと事の重大さを考えて、区民の視点に立って仕事をしていただきたかったと思います。  そして、検証報告の中で二つのシミュレーションの結果が示されていました。二子の無堤防区間が解消された場合、上野毛・野毛地区のピーク時浸水量、七万三千立米だったところが、六万九千立米まで減る。もう一つ、今回閉められなかった等々力樋門が閉められた場合、玉堤地区のピーク時浸水量二十四万五千立米だったところが二十二万三千立米まで減ったであろうということなんですね。  もちろん二子の堤防工事、間もなく始まりますが、地元の人間として、私も一日も早い完成を望む立場でありますけれども、シミュレーション結果を見て、私は、二子の堤防があっても、等々力の樋門がちゃんと閉められていても、結局は相当の浸水が発生してしまうんだなということが、残念ながらよく分かりました。  となると、やはり最終的に多摩川にどれだけ流し込めるか。多摩川のキャパシティーを増やさないと根本的には駄目なんだろうなということが、よく分かるわけですね。これを見ると。小河内ダムが多摩川水系の治水協定で、三日前から放流が可能になったということも大変大きな変化だと思いますし、国で進めている多摩川緊急治水対策プロジェクトの中で示されている河道掘削、川底を掘るという件ですけれども、これは、今の計画ですと、世田谷区の上流と下流の部分の掘削を令和六年度までに実施するとなっているんです。  ここでちょっと、まず二点お聞きしたいんですけれども、そもそもなぜ世田谷区のところだけ掘削対象から外れているのかということと、区長がたしか今年かな。近隣自治体と一緒に国土交通大臣に緊急要望を出されまして、その中に世田谷部分の掘削もしてくれと、お願いをされたと思うんですが、その打ち返しは何かあったのかどうか、教えてください。 ◎関根 土木部長 昨年の台風第十九号において、多摩川沿いで発生した甚大な浸水被害を受け、国土交通省では、当区を含む関係自治体等と連携し、社会経済被害の最小化を目指し、今年一月に多摩川緊急治水対策プロジェクトを取りまとめました。  河道掘削は、この計画に位置づけられているもので、多摩川の水位を低下させる対策の一つとして、台風第十九号の際に計画高水位を上回った区間を中心に、今後五年をかけて行うもので、世田谷区沿いの区間は対象外となっております。このため、今年二月に国土交通大臣に提出した要望書では、河道掘削の対象外となっている世田谷区の区間においても、河床の状況に応じ河道掘削を行うよう要望しております。  この要望について国土交通省京浜河川事務所からは、必要に応じ対応していくとの説明を受けており、二子玉川駅上流付近において既に実施しているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 河道掘削ですね。世田谷区も外れていますけれども、では、世田谷部分を除いた河道掘削が行われた場合、世田谷区の地域の浸水というのは、どれぐらい減るのかということを、ぜひ国のほうでシミュレーションしてほしいということを要望していただきたいと思うんですね。  上流、下流で掘削すれば世田谷は大丈夫ですということならば、世田谷は掘削する必要はないわけですけれども、上流、下流を掘削しても世田谷はなお浸水が出てしまいますということなのであれば、世田谷区も掘削しないとまずいということになりますし、区長からも言いやすくなると思いますので、ぜひそのあたりも国とコミュニケーションしていただきたいと思います。  私の質疑を終わります。 ◆河野俊弘 委員 引き続き自民党の質疑を続けます。  私からは、まちづくりについてということで、大きく何点かお聞きしたいと思います。  今年の六月、会派の代表質問で、私ですけれども、今般、新しい生活様式と言われている中で、今までの日常になったときの、それは準備であって、コロナウイルスを乗り越えた後の日常というのが戻ってきたときに、今現在やってきたことが糧となってプラスになるような取組姿勢というのを、世田谷区は出していただきたいということを申し上げていました。  私たちは今、誰もが経験したことがない未知の状況にいると思います。緊急事態宣言下における外出自粛の中で、半ば強制的に在宅勤務やテレワークに移行した方も多くいらっしゃったかと思います。当初こそ仕事と家庭が混然一体化するなど戸惑いが大きかったものの、一方で、実際にテレワーク等を行ってみたら、通勤等による疲れがなくなった、あとは、会社に行かなくても仕事ができるのではないかというような声も、次第に大きく聞かれるようになりました。  新型コロナウイルスの感染症をきっかけに新たな発見、あとは、キャッシュレス決済を利用したフードデリバリーだったりとか、あとは、簡単にこれまで今までと比べたらできなかったような世代の方々も、利用頻度が格段に上がっているというふうに思います。このような当たり前の見直しによって、今後の新しい当たり前、ニューノーマルという言葉も使いますけれども、様々なことが急速に定着していくことを、今後、様々な事柄で私は期待をしています。
     私は、こうした観点から、今回の質疑では、まちづくり、世田谷区におけるまちづくりの、その未来について、コロナの危機を契機とした今後のまちづくりの方向性についてお聞きしたいと思います。  国が八月に示した新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性というものが発表されておりますが、人や機能等を集積させる都市そのもののメリットを生かしつつ、三つの密の回避、あとは、感染拡大防止と経済活動の両立を図る新しいまちづくりが必要であるというふうにしています。  オフィス等での機能や生活圏、都市交通ネットワークなど五つの論点でまとめていまして、その論点の一つとして、まず、オフィス等の機能や生活圏につきましては、職住近接のまちづくりとして、テレワークの推進・進展、働く場と居住の場が融合し、働くにも住むにも快適な環境へのニーズが高まることを予想し、今後の複数の用途が融合した職住近接に対応するまちづくりや、役割分担した拠点形成としています。  先ほどちょっと冒頭にも申し上げましたが、外出自粛の影響から在宅の時間が長くなっていることによって、これはある意味、自分の暮らす身近な町に改めて目を向けるきっかけにもなっているというふうに思います。今まで風景として意識していなかったものを改めて見直し、様々新しい発見があったなど、SNS上でも多く取り上げられているというふうに思います。  これは、コロナ禍において自分の住む町の新たな魅力に気づくことができるチャンスであり、こうした状況下において、区としても区民に改めて魅力を伝えることができるまちづくりを見直すチャンスでもあり、タイミングでもあるというふうに思います。  区においても令和二年二月の、区政の在り方について若手職員を中心とした自治体経営のあり方研究会において、今後二、三十年にわたり取り組むべき施策を取りまとめた世田谷区自治体経営のあり方の報告書を拝見しましたが、その中の報告をちょっと取り上げます。  若い世代に選ばれる魅力のある都市であり続けるために都市として価値の向上に取り組まなければならない。あと、ライフスタイルは職住近接へと変容をし、これまでの住んでいる町から暮らしている町への転換が迫られている。歩いて行ける範囲の魅力や豊かさや利便性がキーワードになる、身近な生活圏に暮らしを支える小さな拠点が交通ネットワークの整備によりつながり、人々が望む暮らしや実現できる町の再構築や、あと少し、イコールこれはラストワンマイルという言葉も使っていますが、それをつなぐ新たな交通ネットワークを構築し、職住近接の環境の中、住むプラスアルファの先導的なモデルを描いていくべきであるというふうに記載をしています。  しっかりこの職住近接というのが、私はキーワードだと今回思っておりまして、世田谷区は広い地域ですから、環七の東側にわたる住宅の地域、あるいは、環八の西側にわたる農地がある、そして居住もあるというふうな農地が広がる緑が豊かな地域等、様々特色もあると思いますが、世田谷区において、この職住近接を推進し、コロナ禍において見えてきた新たな可能性について区の見解を伺います。 ◎畝目 都市整備政策部長 区では、都市整備方針において、住宅都市として安心して住み続けられる市街地を目指すことを基本に、活動や交流の拠点となる商業、業務などの立地等と住宅地との調和に配慮した適切な誘導を進めてございます。  これを踏まえ、委員お話しの職住近接のまちづくりといたしましては、商業、文化、行政サービス等が集積した活動や交流の場となる三軒茶屋をはじめとした広域生活文化拠点、また、区民の日常生活、身近な交流の場となります地域生活拠点などで可能性があると考えておりまして、昨年策定いたしました三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針におきましても、こうした職住近接の視点を盛り込んでございます。  区といたしましては、今後、都市整備方針の改定に当たりましては、コロナ禍による新たなライフスタイルとなる職住近接などの区民生活や都市の変化、国が示したまちづくりの方向性における有識者会議での実現に向けた方策の検討状況も注視し、区民の安全安心、そして、さらなる魅力価値を高める町の実現に向けまして取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 この職住近接の中でも、論点の、まだ中に進んでいきますけれども、交通ネットワークについてもお聞きしていきたいと思います。  コロナ禍において交通の需要がなかなか戻らない、厳しい状況下というのが言われておりまして、その中でも区内のバスの運行については、特に厳しい状況下であるというふうに聞いています。需要を取り戻して、三密の解消とともに、バスの定時性を確保するため、ロータリーの整備であったり交差点の改良、今後、さらにハード整備については、これからも区が責任を持って進めていかなければなりません。  そして、ハード面だけではなくてソフト面における改善、バス路線の再編だったりとか、バス事業者との検討をしているというふうにも聞いております。本数がとても多い、幹になるような主幹の路線、例えば二子玉川や、あるいは、区内から渋谷までつながるような、主要駅までつながる路線については複数のバス事業者が運行しておりますが、それに対し、そこまでつながるのではなくて、枝になるような路線の拡充も考え、進めていかなければなりません。  各地元の地域から主要駅まで必ずしもつなぐことではなくて、主幹のその路線につながる路線の往復便、枝となるような路線を増やし、効率を上げることで、地域の利便性やバス交通の効率化の向上が今後求められると考えますが、区の見解を伺います。 ◎田中 道路・交通計画部長 これまでの世田谷区における公共交通政策は、交通まちづくり基本計画により、誰もが安全で快適に移動できる交通体系や交通サービスの確立を目指すことを第一に施策を展開してまいりました。  公共交通機関の利用状況は、委員お話しのように、いまだにコロナ以前には戻らない状況でございます。一方で、通勤時間帯においては一部の列車やバスにおいては混雑する状況になっており、今後のコロナ禍における公共交通においては、利用者が減少する中で事業の継続という課題に加え、ソーシャルディスタンスを確保したサービスの維持が求められると考えます。そのためには、ハード、ソフト両面での解決を図っていく必要があり、例えば、現在行っている時差出勤等による混雑回避に加え、混雑状況のリアルタイム発信、また、委員御指摘のように、フィーダー系交通の拡充のためにもシェアリングモビリティー等の多様な手段による移動等、ICTの活用等による新しい取組も必要になると考えます。  また、バスの走行環境改善や定時性、速達性の確保のため、かつ、長期的には自動運転の導入を見据え、駅前広場や都市計画道路等の道路整備、バスベイの整備等の基盤整備が必要でございます。国土交通省において都市交通の今後の在り方と新しい政策の方向性に関する論点整理が行われ、今後、検討が進められていくと承知しております。  区といたしましては、国の動向を注視しつつ、地域住民や企業、交通事業者等、様々な主体と連携しながら、公共交通機関が安全で快適に、そして安心して利用できるよう取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 バス事業者も厳しい状況であるというような話もありましたけれども、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  あと、次に、在宅の時間が増えることによって、これは自分の気づかないうちに精神的なストレスも増えていることも問題視されている中、やはり一歩外に出て、そこにある一番身近な環境の充実、まちづくりの推進こそ生活の根幹をなすものであり、日々の生活、区民の安心と安全のみならず、健康の維持と増進にもつながるものであります。  その中で触れるのが公園と緑地です。公園緑地などではテイクアウトの販売場所として柔軟に活用すること、運動不足の解消、ストレスの緩和、あるいはフレイル予防など、外出を後押しする。そのためにも道路や公園、緑道などを中心とした快適で魅力的な歩行空間を創出していかなければなりません。密集、密接な状況が生まれるのは、人がとどまるオープンスペースが少ないことも要因だと考えます。  公園用地などを計画的に確保していくことは、密集、密接を避けるオープンスペースを増やすことにもつながるとともに、災害時の拠点ともなります。予算が厳しい中であっても将来の安全で快適な町のために、計画的なオープンスペースの確保に取り組むべきだと考えます。  また、コロナの外出自粛をチャンスと捉えて、町に出て快適に散策できる施設づくりに取り組むべきと考えますが、区の考えを伺います。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 在宅勤務や移動自粛など新たな生活様式の中で、散歩や軽運動、休息の場として身近にある緑豊かな環境を求める人が増え、その価値は高まってきております。中でも屋外飲食のニーズは高く、区立公園での取組に加え、経済産業部でもキッチンカー等の出店拡充に努めております。また、新たな展開といたしましては、二子玉川エリアマネジメンツでは、兵庫島公園でアウトドアオフィスの社会実験を検討していると伺っており、多様なニーズに応じた公共空間の柔軟な活用が進みつつあると感じております。  一方で、委員お話しのとおり、コロナ禍での健康維持は課題となっております。公園では、世田谷区保健センターの協力を得て「公園ベンチで健康体操」のチラシを作成し、配布するとともに、健康器具やベンチの設置などに努めております。  また、身近な地域環境を博物館として捉え、町なかを歩いて学び楽しめる世田谷・みどりのフィールドミュージアムを整備しており、これら健康増進を支え、外出を後押しする取組は、新型コロナを契機に、より積極的に取り組む必要性を感じているところでございます。  今後につきましても、庁内連携の下、快適に歩き休憩できる場であるとともに、災害にも強いまちづくりの基盤である公園や道路の用地取得に、財政計画との整合を図りながら取り組んでまいります。また、公共施設等総合管理計画に基づき、各施設の改修を計画的に行い、町に出たいと思える歩行者空間の整備をハード、ソフト両面から着実に推進してまいります。 ◆河野俊弘 委員 しっかりと、こういった整備が健康増進等にもつながるという観点を、忘れないでいただきたいというふうに思います。  次に、そのコロナ禍をきっかけとして、空間の有効活用という観点から、もう一点だけお聞きします。  その中で道路予定地の有効活用についても推進すべきと考えます。例えば、閉鎖管理しているだけではなく、歩行者通路の確保や、あるいは、一時的なイベントなどの活用など、状況に応じた区の対応を求めますが、区の見解を求めます。 ◎田中 道路・交通計画部長 道路事業による用地取得済みの道路予定地は、安全性などの面から通常は柵等で囲い、閉鎖した状態での管理を行っております。その一方で、周辺地域の交通状況、沿道の土地利用状況などにより積極的に道路予定地の有効活用を図っており、歩行者が安全に歩けるよう仮歩道を暫定整備する等、交通安全対策を行っている路線及び区間も多くございます。また、そのほかにも、町のにぎわい創出の一助として、駅周辺の道路予定地においては地元商店街と維持管理等に関する協定を締結し、地域の交流や憩いの場所となるよう、オープンスペースとしての活用を図っております。  区といたしましても、新型コロナ危機を契機としたオープンスペースの重要性を再認識しております。今後も、柔軟かつ多様な活用の視点に立った上で、安全面や管理面などに配慮しながら、地域の状況に応じた道路予定地の有効活用に努めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 道路予定地に関しては区施工、都施工とありますけれども、区施行の道路に関しましては柔軟な対応をしていただけるということもございましたので、しっかりと地域活用を使っていただきたいというふうに思います。  今、るる、まちづくりについて何点か申し上げましたけれども、総括の質疑において上島委員からも、防災まちづくりの観点からも様々質問させていただきました。今回、この補充の質問に入る前の都市整備の中で、宍戸委員からは土木費の推移についての話がありました。実際に平成二十一年の頃と比べると、二千四百十七億円の当初予算の中から四百億円、いわゆる構成比で言うと一六・六%の構成予算を持っていましたけれども、今、現状、令和二年では三千二百七十七億円のうち三百三十五億円と、一〇%をぎりぎり保つというような状況で、予算が増えて、全体的な当初予算の額が増えていても、土木費は逆に維持をされているというか、徐々に下がってきているようなことになっています。  この福祉施策、保坂区長就任以後、どうしても重要視されているのではないかというような観点を、私は総括でも申し上げましたけれども、しっかりと、この土木費を含めた、このハード整備、まちづくりこそが地域の、世田谷区に住んでよかったと思ってもらえるものづくり、そして、まちづくり、そして、このまちづくりは人づくりなんだというような言葉もありますけれども、しっかりと地域に根差した世田谷のよさを維持していくために、これからも推進していただきたいというふうに思います。まちづくりは福祉施策にもつながるんだという思いを、しっかり持って進めてください。  次に行きます。あと、自殺対策について、いじめ・不登校対策、複合的に聞いてまいります。  いじめの認知件数は年々増えていますけれども、児童生徒が一人で抱え込み、潜在している悩みを早期に掘り起こして、一人でも多くの児童生徒を守っていかなければなりません。コロナ禍において不安が募っている子どもも、親御さんを含めてたくさんいらっしゃる状況下です。  この認知件数が増えている中、昨今において、SNS等を活用した相談窓口を活用すべきというのは、私は長年、これは言ってまいりましたけれども、今、現状の取組等について改めて確認をします。 ◎池田 教育政策部長 各学校では、いじめの兆候や自殺、不登校などにつながり得る子どもの不安や変化をいち早く把握するため、学期ごとに全ての児童生徒を対象としたアンケート調査を実施するほか、小学校五年生と中学校一年生を対象とした、スクールカウンセラーによる全員面接を実施しております。また、SOSの出し方を教える授業を実施するとともに、電話やLINEを利用して悩みや不安を打ち明けることのできる相談窓口などの一覧を定期的に配布しております。  子どもの異変に気づいた際には、担任のみでなく、スクールカウンセラーや養護教諭、教育相談主任などがチームを構成し、また、保護者の方の協力も得ながら複数の目で子どもの様子を見守り、組織的な対応を行うことができる体制を講じております。子どもたちの変化を的確に把握し、子どもたちに寄り添った迅速な対応を講じることで、子どもたちに万が一の事態が生じないよう、引き続き取組を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり様々な取組の中でチームをつくってという話もありましたけれども、今、GIGAスクール構想等でICTの整備を行っていく中で、このICTのツールの活用の仕方というのも、非常に今後重要になってくるのかなというふうに思います。ただ、その中で、対面で話すことができる環境というものの価値の部分というのは、逆に僕は上がってくるというふうに思います。時間が限られている厳しい状況下であるからこそ、その価値を再認識していただきたいというふうにも思いますし、児童生徒と交流する時間の創出につながる活用というのを求めております。  次に、自殺の状況についても触れさせていただきます。  世田谷区における自殺者の件数は年々減少傾向であるというふうな質疑も、先日の文教質疑の中でもありましたけれども、今日、これは全国での統計ではあるんですけれども、自殺者の件数が、直近の八か月の間に亡くなった方が非常に増えているという速報値が先日報道されました。全国で千八百五名、去年と同じ時期と比べると百四十三名増えて八・六%増えたと。男女別では、男性が去年よりも〇・四人増えて千百六十六名、女性が二七・五%も増えておりまして六百三十九名となっていまして、特に女性の自殺者が大幅に増えているという状況です。都道府県別では、東京都が最も多く百九十四人、続いて、埼玉県が百十人、愛知県が百九人、神奈川県が九十五人などとなっています。今年の七月以降、三か月連続で去年と同じ時期よりも増えていまして、国は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響があるかなどの分析は進めるというふうにしています。  区においても、こうした状況を重く受け止めて、区民に寄り添った対応をすべきと考えます。自殺した人が去年と比べて増えたのは新型コロナウイルスの感染拡大の影響ではないかということを、しっかりと区は捉えているかと思いますが、多くの方が、その不安やストレスを抱えていることを想定とし、今後、慎重に区民の状況などを見定めていく必要があると認識しておりますが、区の見解を伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 自殺対策ですが、平成三十年度に区民を対象に行った、こころの健康に関するアンケートでは、約三割が、悩みやストレスを感じても積極的には相談しないと答えております。そのため、令和元年度に策定した世田谷区自殺対策基本方針では、区民の生きる力を高め、気づきの力を育み、声かけつなぐ支え合いの地域を目指し、心のケアが必要な方を相談窓口に的確につなげることが重要と捉えております。  今後も、区民や区民に接する機会の多い医師、歯科医師、薬剤師や理美容関係の方々などへの啓発講座等を通じ、身近な人の心の不調などへの気づきの感度を高めるよう努めてまいります。また、庁内の職員が窓口等で問題を抱えた区民に気づいた際に、専門の相談窓口など、早期の支援につなげられるよう、研修等を通じ意識啓発をするとともに、関係機関に対しては自殺予防の窓口を紹介するリーフレットや手引などを配布してまいります。 ◆河野俊弘 委員 冒頭に申し上げたとおり、様々な所管との連携というのが必要だというふうに私は思っております。まちづくりが福祉にもつながるんだというところは、区民の健康、心の健康にもつながるんだというふうに思っています。今後、様々な所管との連携を取って、区民の方が身近な自治体の様々な場面において、今おっしゃっていただいた啓発物品等、啓発のチャンスを様々な場面で出会えるように、幅広い視点で実行していただくように要望しておきます。  次に、最後、梅ヶ丘の拠点について伺います。  私からは、これは福祉の質疑の中でも出ておりましたけれども、まず、民間棟についてです。移設前に総合福祉センターから職員の出向をさせて、一部職員の異動などもあったんですけれども、その後、退職をされてしまったりとか、そういった中で、高次脳機能障害のリハビリ支援というのが、その後やっぱり強化をされていないのではないかというふうな御意見が数多く寄せられたというふうに聞いております。  現状、今の取組について改めて確認いたします。 ◎片桐 障害福祉部長 梅ヶ丘の民間施設棟の運営事業者では、開設前に総合福祉センターに複数名の職員を出向させ、支援のノウハウ等の引継ぎを行いましたが、出向職員の退職や異動等があったこともあり、総合福祉センター時代と比較して質が低下したなどの意見が当事者、家族より区に寄せられたところです。  高次脳機能障害者への支援向上に当たりましては、区と保健センター、民間施設棟、三者間の連絡会や関係機関との連携会議などの場を通じまして、民間棟運営事業者への指導、助言を行っております。今後におきましては、人材の育成、定着に向けての支援に合わせまして、保健センターが担う高次脳機能障害者個々の特性に合わせた評価を、民間施設棟での訓練プログラムに反映させる手法などについても、今後、三者間で整理した上で、支援機能の強化につなげてまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり、そういった声もまだ出ているということだと思うんですが、もう一つ、民間棟には放課後デイサービスもございまして、それがやはり、利用率のお話が以前出ていましたけれども、全体の一般的な利用率は約八割と言われている中で、民間棟の利用率は今まだ二割を下回っているような話も聞いております。  現在、その活用について課題があると思いますが、区の見解を問います。 ◎片桐 障害福祉部長 現在、区では利用率の向上に向けまして、未就学児を対象とする障害児通所支援事業等の定員配分の変更や送迎の改善につきまして、運営事業者と協議を行っているところです。梅ヶ丘拠点の放課後等デイサービスは、重症心身障害児や医療的ケア児の受入れ枠や受入れ人数を充実させ、一人でも多くの重度障害児に療育の場を提供しながら保護者の負担軽減を図っていくことを目的としており、今後、区としても運営事業者の指導助言を行いながら見直しを進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 この民間棟につきましては、議会の中でも様々御意見があったかと思います。ただ、この梅ヶ丘拠点について、民間の施設棟に関しては、開設から今、約一年半、あと、区複合棟も約半年が経過しました。課題がある中で、その解消に向けての取組というのは日々進めていただいているというふうに思っています。ただ、コロナ禍において、しっかり改善すべき点は改善されたんだということも報告していただきたいというふうに思います。  今回、地域の関係団体、あるいは三者協議と言われるような運営協議会に関しても、開催ができていないというふうなことも言われておりました。その回数も少ないというのは一つの要因かもしれません。地域の声をしっかり受け止める意味でも、改善しなければいけない部分をしっかりと、オンラインミーティング等のツールも今ございますので、そういったものをしっかり活用しながら、今後、全区的な医療、福祉の拠点として発展していただくことを期待しております。  最後に、すみません、梅ヶ丘拠点に関連しまして、旧保健センターについてお聞きします。  旧保健センターは、梅ヶ丘の民間棟に保健センターが移設し、あと、看護学校等も全て移設をし、今、中に人が入っていない状況にはなっております。今回その跡地活用についての状況について、医師会の持分であったり区の持分であったりの協議というのは終わっているというふうに聞いていますが、現状の検討状況について確認します。 ◎澁田 保健福祉政策部長 本年四月に保健センターが保健医療福祉総合プラザ内に移転したことに伴う保健センター跡地でございますが、この建物と土地は世田谷区医師会と区分所有していることから、活用の方向性につきましては、世田谷区医師会と協議を行った上で決定する必要がございます。  世田谷区医師会とは平成三十年度から、移転後の現施設に関する協議会を設置して協議を開始しており、引き続き検討を進めることとしております。 ◆河野俊弘 委員 この旧保健センターについては、跡地活用というものが示されて、現状、地元の方からは非常に関心がここは高くて、なぜかというと、そこにやっぱり保健センターがあった時代、あるいは看護学生がいた時代というのは、今は人が、簡単に言うと、いなくなっちゃったんですよね。地域のある意味、拠点になっていたんです。  私は、地元商店街でもございますので、そこにやっぱり通われていた高齢者の運動だったりとか体操教室とかというのも、これがなくなっちゃって、次どこに行けばいいんだろうなんていう相談も受けたりとか、そこの人の流れというものがなくなった、あるいは、勤めていらっしゃる方とか、そういった御用事だったりとか、体操教室に行くとかというふうなところを含めると、年間で何万人という方がそこに流れていたんだと思います。毎日の、そういった通勤だったりとかの人の流れというのも、今は全くない状態になっていますので、地域にとっては非常にマイナスな影響になっています。  なので、しっかりと、その跡地活用については方針をしっかりと、今後ということなんですけれども、地元の方にも進捗が分かるように示していただきたいというふうに思うんですけれども、見解を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 公共施設跡地等の有効活用につきましては、世田谷区新実施計画(後期)の推進状況におきまして公表をさせていただいているところでございます。今後も、有効活用方針が定まった際には公表させていただくとともに、解体等の実施におきましては町会等を通じて丁寧な周知を図ってまいります。 ◆河野俊弘 委員 基本的には、今後の話ですけれども、解体、売却であったりとか、あとは今の建物を活用するのか、そういった協議の場に、まだのっていないというふうに思うんですよね。  今年度末までには、そういった方針も固めるために、やっていくということですが、なかなか進みにくいのかなというふうなところもあります。ただ、今後、跡地活用の検討において、やっぱり医師会の方々との協議もしっかりと進めるべきだと考えておりますが、医師会との協議について改めて見解を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 今般の新型コロナウイルス感染症の対応といたしまして、世田谷区医師会はPCR検査を実施していただいております。また、今後のインフルエンザ流行に備えた検査体制の整備につきましても、検討を進めていただいているところでございます。  今年度の区と医師会との協議につきましては、PCR検査体制や協力連携の在り方を定期的に意見交換をしてきておりますが、跡地活用の協議につきましては、新型コロナウイルス感染症の推移や状況を見つつ、具体的に進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり、この新型コロナウイルスの、めどというか、まだまだ先が見えない中ですけれども、しっかりと地元の方の声も数多く私のほうにも来ておりますし、こういった跡地活用の面に関しても関心があります。しっかりとこのコロナを、先ほど、おぎの委員も悪者にしてというふうなこともありましたけれども、このコロナの危機をチャンスに変えていただいて、しっかりと今後の世田谷区にとっていい形をつくっていただきたいというふうに要望いたしまして、下山委員に替わります。 ◆下山芳男 委員 今回の決算特別委員会では、やっぱりデジタルとかICTとか、そういった質問も数多くあったんですけれども、私のほうからは、ちょっとアナログ的な質問になるかもしれませんが、まず最初に、最近の区政運営について質問させていただきます。  四月一日付で、宮崎副区長、岡田副区長の連名で、正確かつ確実な事務執行についてということで依命通達が各部長宛てに出されております。その中で、各部においては事務執行に際し、法令や規則、マニュアル等に沿った適正な処理を行うことに加え、職員一人一人が、その事務事業の持つ意義をよく理解するとともに、公務員としての使命感と緊張感を持って職務に当たるよう周知徹底を図れというようなことも書かれておりまして、正確かつ確実な事務執行を求めているわけですが、にもかかわらず、このところ様々な誤りが多発しているように思います。  まず、五月十五日付の保育課における、定められた賃料を支払い期限までに支払っていなかったこと、また、七月三十一日には国保・年金課で、特定健診受診券六万三千三百九十一件のうち四万七千八十九件について、記載事項に誤りのある通知文書を発送してしまった。さらに、先日の報告では、九月二十三日の建築工事の入札において、積算に通常では考えられない入力の誤りにより、入札結果に取り返しのつかない影響が出たとのことであります。また、そのほかにも、各常任委員会では毎回毎回、交通事故の報告が絶えません。職員に使命感と緊張感を持って事務事業に取り組むよう、再度注意喚起を行うことを強く申し上げます。  この状況について区長はどのように考えているでしょうか。 ◎保坂 区長 委員御指摘のように、この春、事務執行について注意を喚起する依命通達を出したにもかかわらず、大変大きな事務上のミス、国保についても個人情報の漏洩というところが、お名前のところがなかったというところは、まだしもではありますけれども、別人のデータが入ってしまったものが送達されてきたというのは、大変これは区民にとって不安だったというふうに思いますし、入札を、これは再入札をかけなければいけない、いわゆるふだんないようなミスと。これは続いていますことは、私からも深くおわびをしたいと思います。区民の皆さんと議会の皆さんにおわびいたします。  この四月、世田谷区コンプライアンス基本方針を策定しまして、行動指針や組織としての行動指針を挙げて庁内に示したところですが、御指摘を受けたような事態が続いていますので、私自身、先頭に立って、危機意識を持って、職員が安心して持てる能力や経験を最大限に発揮して、前向きに職務に取り組むことができる職場環境をつくるように、コンプライアンスを徹底してまいりたいというふうに思います。  こういったミスは、区民と長年培ってきた信頼、行政に対する信頼というものを簡単に打ち砕くことができる、大変我々にとっても怖い事柄だと思います。改めておわびいたします。 ◆下山芳男 委員 コロナの感染という、どこの自治体にとっても、また、区民の皆様にとりましても大変大きな災難が降りかかっているとはいえ、だからこそ、一人一人が小さな間違いもないように十分注意して事務を進めていくことが大切だと思います。国保・年金課の再送付には約四百万円もの無駄な経費がかかっていますし、その事務作業といえば、大変これは大きな影響があると思います。やはり区長も事務を進める最高責任者であるわけですから、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは、次に、都市整備の、まず、空き家の問題について質問させていただきます。  最近、「老いる家 崩れる街」という本を読みました。これは副題に「住宅過剰社会の末路」という副題がつけられているんですけれども、その内容を読みますと、改めて、この日本の空き家問題の深刻さというのを実感しまして、本当にちょっと背筋が寒くなるような思いがありました。  古い数字ですけれども、ちょっと古いんですが、二〇一三年度の全国の空き家総数は八百二十万戸、この十年で一・二倍、二十年で一・八倍、二〇二五年以降、団塊の世代が八十四歳前後となる二〇三五年前後から死亡数が一気に増えると、それに従いまして空き家の数も相当増加のペースが増すと考えられています。  一方、世田谷区が平成三十年十月に策定しました空家等対策計画によると、平成二十九年七月末時点で空き家等と推定している建物は九百六十六棟あるとされています。また、最近の報道によりますと、世田谷区内の空き家は五万戸で、都内最多という記事もありました。この九百六十六という数字と五万という数字には、大きな開きがあるわけですが、我々は、この数字の開きについてどのように理解すればよろしいでしょうか。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 今、御指摘がございました数字の開きについてですけれども、これは、二つの調査の調査対象と調査方法の違いによるものでございます。平成三十年、世田谷区空家等対策計画の九百六十六棟、これは平成二十八年から二十九年にかけて行った世田谷区空家等実態調査による数字となります。空家等対策の推進に関する特別措置法、これに定める空家等、これを対象としておりますので、アパート、マンションであっても全てが空き住戸になっている建物を一棟と数えます。  一方の、新聞記事に記載のある五万戸ですけれども、これは、総務省統計局が五年に一度実施している住宅・土地統計調査によるものです。本調査の空き家の数につきましては、建物一棟ごとの棟数ではなく、アパート、マンションなどの建物の空き住戸を含む戸数で集計されております。例えば百戸のマンションで空き室が三十室あった場合、統計調査では三十戸となりますが、実態調査によりますとゼロ棟となり、換算されないことになります。  また、調査方法につきましては、区で行った実態調査は全数調査となっており、現地での外観目視調査で把握した数となってございますが、住宅・土地統計調査ではサンプル調査からの推計値となっております。  なお、表示方法でございますけれども、空家法による空家等、この空家は二文字で漢字のみであるのに対して、住宅・土地統計調査では平仮名のきが間に入る空き家となります。 ◆下山芳男 委員 マスコミはセンセーショナルに報道するので、空き家についての区民の関心は高まると思いますけれども、空家等と、きの入る空き家の定義が異なることを多くの区民は知らないと思います。周知も必要と思います。  本日は空家法で言う空家等について伺います。  先ほど申し上げましたが、区内の空家等は九百六十六棟であり、平成二十三年から平成二十九年の六年間で三・五倍の量に増えている状況です。以前より我が会派は、空家等の急増を今後の大きな課題であると考えており、早急な対応が必要であります。昨年の第三回定例会においても我が会派の加藤議員も、都市のスポンジ化ということでこの質問をしております。  二〇一七年七月の日経新聞の記事に、世田谷区が民法の不在者財産管理人の仕組みを使って所有者の所在が分からない空き家を解体しました。この民法の仕組みを使った例は都内では初めての事例であったと掲載されておりますが、これ以降の区の取組について実績を伺います。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 区では、平成二十七年の空家等対策の推進に関する特別措置法の施行以降、著しく管理不全な状態と認められる空き家八棟について、法に規定する特定空家等と判断しております。民法の仕組みを活用して解体した一棟を除き、所有者に対して法的手続を重ね、その結果、残り七棟全てにおいて所有者が自ら解体を行っております。所有者に自ら解体していただくことで、民法の活用や行政代執行などの法的手続を、区が所有者に代わって措置することなく解決することができております。  そのほかに、所有者に改善要請を行っても改善されず、そのまま放置されると特定空家等となる可能性がある空き家として、世田谷区空家等対策審査会へ報告を行った空き家がほかに十一棟ございます。区から継続的な改善要請を行うことで、この十一棟のうち九棟については所有者による解体につなげることができ、残り二棟についても、所有者が改善に向けて具体的な取組を行っていることを確認しております。 ◆下山芳男 委員 大分進んでいるという報告をいただいておりますけれども、管理不全な空き家への対策も大切であると思いますが、平成三十年二月の空家等実態調査報告書によると、空家等の所有者が様々な困り事や悩みを抱えていることが分かります。その内容は、相談先が不明、年齢的に労力がかけられない、荷物等の処分に困っているなど多岐にわたっています。  当事者にとっては自分だけでは到底解決できない、余りにも大きなお荷物と言えると思いますが、有効に生かすために、空き家とならないよう普及啓発をする必要があると思います。特に土地、家屋を所有している高齢者への丁寧な説明や解決への手助けを積極的に行うべきではないかと思いますが、区の認識を伺います。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 区では、昨年度、空き家を放置した場合のリスクや、空き家の管理方法、空き家に関する相談窓口及び具体的な相談事例などを、イラストを交え分かりやすく表現した空き家対策ガイドブックを作成いたしております。「区のおしらせ」や世田谷線のポスターなどを活用してPRをしておりますが、これに加えて、平成三十一年三月に空家等対策に関する協定、この協定を締結した弁護士、司法書士、建築士などの専門家が所属する団体や、金融機関等の十五団体に配布の協力をいただいているほか、空き家の所有者に対して直接送付するなど、普及啓発に取り組んでおります。また、空家対策をさらに広く周知するための取組として、民間事業者が主催する空家等対策セミナーや相談会などへの後援も行っております。  委員お話しのとおり、高齢者への普及啓発も重要と考えておりまして、保健福祉部門などとも連携し、高齢者へ接する機会の多い民生委員・児童委員の方々へ、ガイドブックの活用について周知を行っておるところでございます。今年度につきましては、社会福祉協議会と連携して、人生の終わりについて見詰め直す、いわゆる終活相談会においても、高齢者に直接働きかける機会として空き家相談コーナーを設けることを検討しております。 ◆下山芳男 委員 やはり高齢者の皆さんって、なかなか自分のこととして考えるというのが、なかなか難しいと思いますけれども、あと、空家等の問題は、これまでの土地、固定資産税の課税の考え方とか、また、震災時を考えると、都市における空き地というのは非常に重要性も高まってきていると思いますし、また、これまで経済の浮揚策の一つとして、多くの住宅を新築することで経済を持ち上げていくような、そういった景気刺激策など、建築業界との複雑で関連する課題が多いと思いますが、空家等の増加を防ぐとともに、既に空き家になっている家屋を特定空家等にしない取組も重要であると思います。  空き家の所有者に対して、リフォームしての賃貸や、中古住宅として流通を活発にするなど、健全なうちに有効活用を促す取組も必要と思いますが、いかがでしょうか。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 区への空き家の苦情でございますが、年間約二百棟を超えておりまして、その都度、所有者に対して適正に維持管理をしていただくように要請しております。空き家の利活用につきましては、所有者の意思が必要となることから、こうした要請の機会を捉えて、今年度からは空き家所有者に向けて今後の御意向について伺う取組も始めております。その結果、個人情報の利用について御承諾をいただけた方に対して利活用を、その意向にマッチする協定団体へつなげております。売却や賃貸等の活用の御希望がない場合も、空き家管理サービス、家財整理、あるいは相続、登記の整理などの相談が可能となっております。
     また、意向確認には地域のために役立ててほしいとの項目を設けておりまして、この意向があった際には関係所管と連携して、地域のために役立てる方策を検討してまいります。 ◆下山芳男 委員 私も、二か月に一回なんですけれども、資源として新聞とか雑誌を、リヤカーを使って回収しているんですが、新しい一戸建て、また、おしゃれなアパートなんかが次々と町会内に建てられている一方で、それほど古くなくて立派な家に誰もお住まいでないというような建物が点々とあります。今後も、難しい課題ではあると思いますが、確実な対応をお願いをいたします。  次に、道路について質問をいたします。  昨年の台風十九号による浸水被害とか、また、今年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大への対応など、今、一番最重要な区のお仕事というのは、そういったことに対応することだと思いますが、そのような中で少々気になるのが、豪雨対策、水防対策を除く都市基盤整備部門の元気がないということです。コロナ禍の折、来年度以降の税収減が確実視されておりますけれども、脈々と受け継がれてきた都市基盤整備の流れを断ち切ることなく、相応の予算を確保して着実に推進すべきではないかと思います。  世田谷区の道路についての質問ですと、いつも枕言葉のように言われている、世田谷区の都市計画道路の整備率は五〇%程度で二十三区の下から何番目というふうなのが、いつも出ているんですけれども、こういった言葉を早く返上してもらいたいと思います。  一つ一例を挙げさせていただきますが、平成八年度から事業を進めている主要生活道路一三〇号線は上馬、野沢、下馬にかけて計画されております。当時は道路の拡幅整備に賛成の方よりも反対される方が多く、地元でも大きな議論がありました。その地域の都市計画道路、主要生活道路、そして地先道路を、地域全体の安全安心を考えて進めることで、地域の皆様からも理解を得られるのではないかと思いますが、現状ではなかなか事業の進捗が見えません。現在の進捗状況はいかがでしょうか。 ◎田中 道路・交通計画部長 主要生活道路一三〇号につきましては、上馬・野沢地区の密集市街地に位置しており、地域の防災性向上のため、建物更新時期にある地権者などに個別に事業協力をお願いして事業化する個別対応型路線として事業を推進しており、現段階で用地取得率は約二六%でございます。  道路整備の進め方につきましてですが、区では、道路の整備方針となるせたがや道づくりプランを策定し、都市計画道路、それを補完する主要生活道路、区民生活の基本となる地先道路がバランスよく機能する道路ネットワークの早期形成を目指して取り組んでまいりました。今後の大変厳しい財政状況の下、都市計画道路だけでなく道路事業全体として、これまで以上に精緻な事業進捗管理と国庫補助等の特定財源の確保に努め、主要生活道路一三〇号も含めまして、引き続き計画的かつ着実に道路整備に取り組んでまいります。 ◆下山芳男 委員 やはり道路整備って、本当にその地域の安全安心、そういった地域づくりに大切なことだと思います。ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。  私も以前、都市整備常任委員会の副委員長を務めさせていただいたことがあるんですが、その当時は委員長が羽田委員でありまして、大変その頃は、まちづくり、道づくり、そして世田谷のよりよい住環境など、多くの課題について長時間にわたり理事者との質疑がありまして、非常に元気があったように思うんですが、現在はその頃と比べると、よい意味でスマート、悪く言えばおとなしくなり過ぎていないでしょうか。  私たち、その当時は、本当に世田谷の町をよくするぞ、何としてもやり抜くんだというような、そういった気迫を感じたわけですが、もっと夢があって明るい未来を迎えられるような世田谷のまちづくりの提案を、都市整備領域の理事者から積極的に行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎岡田 副区長 今、都市整備領域のお話がございましたけれども、都市整備領域では平成二十七年度、新しい都市整備方針を改定して以降、高さルールですとか、下北沢の上部利用ですとか、様々な事業に取り組んでまいりました。また、現在は三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画、第四次住宅整備方針、自転車等の利用に関する総合計画、耐震改修促進計画の改定などに取り組んでおります。  都市整備領域は、私は、具体的に町をつくるという性格の仕事があって、専門性も高く、区民との対話の機会も多いものですから、職員の士気は高いというふうに感じております。仕事の進め方として、例えば町に出ろ、町を歩け、地域型で仕事を進めろ、常にやる方向で考えろ、仕事は元気に面白くやろう、こういったポリシーが先人から語り継がれておりまして、これを継いでいかなきゃいけないというふうに考えております。  今後、下北沢駅周辺の整備も本格化し、京王線連続立体交差事業に伴う駅周辺まちづくり、駅前交通広場や道路整備も進んでまいります。また、生産緑地の二〇二二年問題に伴う緑の確保策も待ったなしです。  厳しい財政状況の中、大地震や豪雨などの自然災害、または、コロナによる町や区民生活の平穏に対応するということのためには、創意工夫が求められますけれども、世田谷まちづくりのポリシーをつなぎ、他の領域も含め、一層強い連携の下、総合支所を含めた都市整備領域の職員が一丸となって、目指すべき将来都市像、安全で快適な暮らしをともにつくる都市世田谷の実現に向けて取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆下山芳男 委員 大変心強い、今、答弁いただきましたけれども、世田谷区内には木密地域の解消とか、そういった喫緊の課題もあると思いますので、創造力、そして先見性のある取組を大いに期待しておりますので、しっかりお願いしたいと思います。  それでは、次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。  世界陸連のセバスチャン・コー会長が先日来日されまして、十月八日には、来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場である国立競技場を視察されました。その後のJOC森会長との会談の中で、世界陸連を代表して東京大会の開催を非常に楽しみにしている、協力する姿勢があると述べられておりました。その前のIOC会長の発言など、コロナ禍であってもできる限りの対策をして開催すべく進んでいると考えられますが、また、区ではJRA馬事公苑で馬術競技が開催され、大蔵運動場、大蔵第二運動場ではアメリカ選手団のキャンプが実施されることから、大会開催に向けた準備は大変重要だと思います。聖火リレーの日程が示されるなど開催に向けた動きが進んでおりますが、現在、区はどのような準備をしているのか。今の状況について伺います。 ◎内田 スポーツ推進部長 東京二〇二〇大会の競技、そして聖火リレーの日程が決まりました。区内では馬事公苑において馬術の競技が合計で十六日間開催されます。また、オリンピックの聖火リレー、これが来年の七月九日から、パラリンピックの聖火リレーが八月二十三日に世田谷区内で実施をされます。段階的ではありますけれども、大会関連の情報が公表され、また、報道によりますと、IOCのバッハ会長が十一月の中旬に来日をするということで調整がされるというような報道もあります。したがいまして、大会開催のムードの高まりを期待しているところでございます。  一方、新型コロナウイルスの感染症の対策、事業の簡素化など、大会開催に向けた課題も挙げられております。区といたしましても感染症対策に力を入れるとともに、区民の理解を得ながら、レガシーにつながる事業を展開することが必要と認識をしております。  今後でございますが、組織委員会等から示される予定の新型コロナウイルス感染症に対する具体的な対策も踏まえ、安全安心な東京二〇二〇大会の開催に向けて、しっかりと準備を進めてまいります。 ◆下山芳男 委員 私、今年の第一回定例会において、東京オリンピック・パラリンピックでの感染症対策の重要性について質問させていただいたんですが、日本、そして世界中が、この新型コロナウイルスの感染拡大という、こういった事態になるとは思いもよらなくて、全く想像できませんでした。この感染症の恐ろしさというのを改めて感じたわけですけれども、来年の大会開催に向けた感染症対策は、本当にこれは万全に行う必要があると思うんですが、この現在の検討状況について伺うとともに、また、あわせて、USOPCキャンプについても万全の体制で臨んでいただきたいと思いますが、現状についてはいかがでしょうか。 ◎内田 スポーツ推進部長 新型コロナウイルス感染症対策、これはキャンプを実施する上で、アメリカの選手団、そして世田谷区にとって重要な課題だと認識をしております。  国の動きでございますけれども、この二〇二〇大会の感染症対策調整会議、こういうものを開催されておりまして、日本に入国するアスリート、ここは行動範囲を限定した形で十四日間の待機期間中も活動ができると、このような形で今検討されているところでございます。  また、国のほうで十月までに、いわゆるアスリートの移動のルールですとか交流事業、こういうものについてガイドラインを作成し、これに基づきまして各自治体、ホストタウン、もしくは事前のキャンプの自治体、ここの部分がマニュアルを作成する予定となってございます。USOPCとは様々な議論、意見交換をしてございます。  今後でございますけれども、区民との交流事業も視野に入れ、USOPCがこれから示すキャンプ時の具体的な感染症対策、これにつきましても区との役割分担を含め協議し、万全な体制でアメリカ選手団を迎えてまいります。 ◆下山芳男 委員 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  以上、質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時五十九分休憩    ──────────────────     午後一時五十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆福田たえ美 委員 これより公明党の補充質疑を行ってまいります。  我が党は十年以上にわたり一貫して幼児教育の重要性を訴えつつ、幼児教育センターの早期創設を求め続けてまいりました。なぜ一貫して訴え続けてきたのか。それは、一生に一度しかない幼児期における教育が、人格形成の基礎を培う重要な時期の教育であると考えるからです。二〇〇〇年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンは、五歳までの教育が人の一生を左右すると指摘しております。  今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの幼稚園、保育所等では、今までの集団教育・保育から休園、縮小保育、分散登園などの実施となり、現場での御苦労が大変大きかったと察します。しかし、この経験が新たな乳幼児教育の視点を生み出す時期とも捉えられます。  国は平成二十九年に幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂、保育所保育指針の改定が行われました。この改定により整合性が図られ、幼稚園、保育所、認定こども園の三施設における共通事項が定められました。生きる力の基礎を育むための資質、能力を育むこと、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を明確にして取り組むこと、小学校教育との接続をより円滑にすることなどが示されました。施設にかかわらず共通の取組をもって幼児教育が実施される土台ができ上がったと言えます。  同年、国におけるこの改定をベースに世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定されました。乳幼児期における教育・保育の充実、幼稚園、保育所、認定こども園、小学校の連携など五つの指針を掲げ、幼稚園、保育所等と小学校の連携を重視した取組の方向が示されました。このビジョンを推進する要となるのが、世田谷区立教育総合センター運営計画(素案)に示された乳幼児期の教育・保育の支援機能になります。  ここでお伺いいたしますが、世田谷区教育総合センター内に設置される乳幼児教育支援センター。教育総合センター運営計画には乳幼児期の教育・保育の支援機能として示されています。乳幼児期の教育・保育の支援機能とは、具体的にどのような取組が行われるのか、お伺いいたします。 ◎淺野 教育総務部長 乳幼児教育支援センターでは、公私の枠を超えた幼稚園、保育所等における世田谷区全体の乳幼児期の教育・保育の質の向上を目指します。そのため、各種研修や専門人材の派遣等により、教員、保育士等の人材育成を図ってまいります。また、世田谷型乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラムの開発、共有化などを通じて、乳幼児期の教育・保育から学校教育への円滑な接続を図る仕組みづくりに取り組んでまいります。さらに、子どもたちが非認知的能力等を育むための環境づくりや、家庭の教育力、養育力の向上のための講座、講演会の実施、また、保護者への相談対応といった家庭教育の支援などに取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 乳幼児教育支援センターは、従前の教育センターにはない初めての機能となります。教育と保育の連携体制が十分に確立されていない中、公立、私立の幼稚園、保育所等における乳幼児教育の支援を確実に進めていくためには、まずは体制づくりが重要と考えます。教育総合センター開設前、また、開設した後の、この継続的な体制づくりをどうしていくのか。乳幼児教育支援センター機能を果たすために、区内の公立、私立の幼稚園、保育所等の連携体制の構築を進めていく必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎淺野 教育総務部長 乳幼児教育支援センターにつきましては、乳幼児期の教育・保育全体の質の向上を目的としていることから、区立幼稚園を所管する教育委員会だけではなく、公私立の保育園を所管する保育部、私立幼稚園を所管する子ども・若者部が緊密に連携しながら進めてまいります。具体的には、乳幼児教育支援センターの運営開始前から、乳幼児の教育・保育の在り方について検討する会議を設定するとともに、運営開始後は事業の検証を実施する場を設けるなど、公私立の幼稚園、保育所等の枠組みを超え、質の高い乳幼児期の教育・保育を推進できる体制の構築を図ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 しっかりと、この体制の構築につきましては、今後のこの乳幼児教育支援センターの要ともなりますので、しっかりと進めていただきたいと思います。  国においては、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う、重要であるとの認識により、幼児期から児童期につなぐ教育の視点を重視した方針を示しております。区においては、乳幼児期における教育・保育と小学校教育の円滑な接続のため、幼稚園、保育所等ではアプローチカリキュラムを、小学校ではスタートカリキュラムを実施しています。区では先行してアプローチスタートカリキュラムを試行していると聞いておりますが、現在の取組についてお伺いいたします。 ◎淺野 教育総務部長 区では乳幼児期の教育・保育と小学校教育との円滑な接続を目指し、世田谷版アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムを作成し、平成二十九年度から三十年度の試行を経て、現在は全ての区立小学校、区立幼稚園、保育所等で取組を実施しております。また、幼稚園、保育所等には乳幼児教育アドバイザーを派遣し、カリキュラムの効果的な実践等に向けた助言等を行っております。  この取組の結果について区立小学校、幼稚園、保育園からの意見を聴取したところ、小学校からは、入学期における児童の不安が軽減された、また、幼稚園、保育所等からは、一つのことをやり遂げた成就感や達成感が自己肯定感につながりまして、新しい環境になっても適用する力が持てるようなスタートとなったというような声もいただいております。  今後は、現場から出された課題等も分析しながら、さらに効果的な実施手法について研究してまいります。 ◆福田たえ美 委員 世田谷区内の区立の小学校、幼稚園、保育所等では、このアプローチスタートカリキュラムを実施されておるということで、この幼稚園、保育所等と小学校の円滑な接続が、ある一定、効果があったというふうに今の御答弁で理解をいたしますが、カリキュラム自体が万全なものではないと考えております。より一層円滑な幼保小の連携を行えるよう、アプローチスタートカリキュラムを見直しながら、区が目指す乳幼児期の教育・保育への支援となるスタンダードカリキュラムの作成を目指すべきと考えます。  令和三年度の計画には、アプローチスタートカリキュラムの改編、スタンダードカリキュラムの統合となっていますが、この改編、統合とはどのように実施していくことなのでしょうか。区の見解をお聞かせください。 ◎淺野 教育総務部長 アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムは、それぞれ小学校入学準備段階の幼児と小学校入学後の児童が、乳幼児期の教育・保育から小学校教育へと円滑に進むことを目的とした教育・保育のカリキュラムとして、一定の効果があったものと考えております。  今後、この二つをスタンダードカリキュラムの中に組み込み、公私立の幼稚園、保育所等の枠を超えて共有化を図っていくことで、アプローチカリキュラムとスタートカリキュラムの私立幼稚園、保育所等への普及を進めるとともに、乳幼児期から小学校接続期までを通した教育・保育の充実を図ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 ということで、このアプローチカリキュラムとスタートカリキュラムは、ある程度限定された年齢の方が対象となるカリキュラムとなっていると思いますが、このスタンダードカリキュラムになることによって、乳幼児期から小学校までという全ての世代を包括していくカリキュラムになるということの理解でございますが、我が党として令和元年第二回定例会において、実は、大阪府堺市の幼児教育堺スタンダードカリキュラムというものを例に挙げ、世田谷版スタンダードカリキュラムの作成の提案をさせていただきました。堺市では、このゼロ歳から五歳児までの発達と保育の連続性というものを示しながら、幼児期の教育と小学校教育を円滑に接続するカリキュラムを作成をしております。  区は、幼児教育ではなく、この乳幼児教育としていることから、堺市のようにしっかりと、このゼロ歳児からの育ちの連続で、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を共通認識して進めていく、このスタンダードが重要と考えております。就学前の乳児期から幼児期の全ての子どもたちが質の高い教育・保育を享受できるよう、就学前教育のための世田谷版スタンダードカリキュラムの作成を求めてまいりました。  今回の第三回定例会の代表質問におきましても、スタンダードカリキュラムの作成については、令和三年十二月の教育総合センターの開設までに作成との御答弁をいただきました。この令和三年十二月の教育総合センター開設に合わせ、この世田谷版スタンダードカリキュラムを作成するとのことでありますが、作成までのスケジュールなどについてお伺いいたします。 ◎淺野 教育総務部長 スタンダードカリキュラムの作成につきましては、現在、公私立幼稚園、保育所等の代表等で構成しております世田谷区幼児教育・保育情報連絡会に複数名の学識経験者などを加えまして、新たな会議体を拡大再編し、本年中に第一回目を開催することを予定しております。新たな会議体につきましては六回程度開催し、令和三年十二月までにカリキュラムの具体的な内容を取りまとめたいと考えております。 ◆福田たえ美 委員 六回開催予定ということで、しっかりと議論を煮詰めていただきながら、教育総合センターの開設に合わせ、しっかりと進めていただきたいと思います。  この世田谷版スタンダードカリキュラムの作成についてなんですけれども、幼稚園や、また、保育所等の現場の声をいかに反映して、実りあるカリキュラムにできるかということが肝かと思っております。世田谷版スタンダードカリキュラムの作成には、専門家、幼稚園、保育所等の現場に従事する幼稚園教諭、保育士、保育教諭の代表の方々の御意見を十分に取り入れながら策定していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎淺野 教育総務部長 スタンダードカリキュラムの作成に当たる新たな会議体につきましては、乳幼児期の教育・保育に専門的な知見を有する複数名の学識経験者の方々に御参加いただき、御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。また、乳幼児期の教育・保育の現場の声を十分に生かすために、区内の公私立幼稚園、保育所等の教員、保育士等で構成する作業部会を設置しまして、日々の実践に基づく現場教員、保育士等の方々の知識や経験をカリキュラムの中に生かしてまいりたいと考えております。 ◆福田たえ美 委員 第二回定例会の我が会派の代表質問において、乳幼児教育支援センター開設に向けた準備についてお聞きしたところです。世田谷区幼児教育・保育情報連絡会による意見交換会等を通じて準備を進めていくということでありましたが、このスタンダードカリキュラムの実践を通じて、幼児期から児童期への接続の視点を大きく取り上げながら、世田谷らしい、この乳幼児期の教育と保育をどう進めていくのか。小学校との円滑な接続の視点を包含しながら、継続的に区内の公立・私立幼稚園、保育所等の連携体制が乳幼児教育の支援の要と考えます。  ところが、区内のこの就学前の教育・保育施設の所管が実は異なっております。区立、私立の保育園、私立認定こども園は保育部、私立幼稚園は区長部局の子ども・若者部、区立幼稚園、区立認定こども園は教育委員会事務局が所管であります。このように既に三つに分かれております。また、公立、私立では経営体制、教育方針も様々で、意見交換の機会さえもつくることができなかったと思います。公立、私立、幼稚園、保育所等の種別を超えて、この子どもの教育・保育の在り方への話合いを活発に進めていくということが必要でありますが、大変そこにも壁があるということも実感いたします。  会派で視察をいたしました、全国に先駆けて幼児教育センターを開設した京都市のこどもみらい館。こどもみらい館では公立、私立の幼稚園、保育所の垣根を越えた共同機構として取組を行っております。この共同機構の中で研究プロジェクトというものがありまして、そこで考え出したのが幼保小の連携、接続のポイントというものを編み出しております。  その中で重要なポイントといたしまして、名前と顔が分かる関係、園や学校を見せてもらう、交流は回数ではなく質、やってよかったと実感できるといった、こういった四つの視点を挙げながら、この幼保小連携の接続のポイントとして挙げております。これらの視点も意識をした研修などの場の創出が重要であるとされております。また、福井県の幼児教育支援センターでも、名前と顔が分かる関係の構築にもつながるような形式を取り入れた研修を活発に実施をしております。  ここでお伺いいたしますが、公立、私立の幼稚園、保育所等の垣根を越えた公私幼保育連携の構築が、今後の乳幼児教育支援を決すると言っても過言ではありません。まずは乳幼児教育の充実という同じ目標の下、公私幼保問わず共に学べる研修の開催などの実施で、交流の機会を増やすことも大きな一歩と考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎淺野 教育総務部長 小学校と幼稚園、保育園との連携につきましては、現在、就学前の園児が小学校を訪問して、施設の見学や小学生との交流を行っている例もございます。今後は、先ほど申し上げましたアプローチスタートカリキュラムの取組に加えまして、小学校と幼稚園、保育園との相互交流の活性化にも取り組んでまいります。  また、幼稚園と保育園との連携につきましては、区では合同研修の実施を通して、スタンダードカリキュラムの共有化を図るとともに、配慮を要する子どもへの対応、非認知的能力の育成に向けた環境づくりなど、公私立幼稚園、保育所等の別を問わず、乳幼児期の教育・保育に携わる教員、保育士の方々の能力の向上に取り組んでまいります。  さらに、共通した研修体系、体制の構築を図ることによりまして、例えば幼稚園は保育所等で行われている充実した研修体系を参考にすることや、保育所等は、幼稚園における長年にわたり蓄積された幼児教育の手法など、お互いの優れた部分を学び合い、共有化することができるようにしたいと考えております。 ◆福田たえ美 委員 初めての乳幼児教育支援センターということで、大変な御苦労もあるかとは思いますけれども、世田谷区の子どもたちのために、しっかりと頑張っていただきたいと思います。  以上で私からの質問を終わり、板井委員に替わります。 ◆板井斎 委員 今、福田委員から、るる、教育総合センターに対する期待も込めてのお話がありましたけれども、やはり皆さん方は若林に、あれだけの大きな教育センターを建てるわけであります。当然そのスペース、大きさ、中身に何を入れるのかということを逆算して建物を建てたと思います。しっかりと、教育としては最大のチャンスだと捉えて、余すところなく施設を隅から隅まで使い回すと。そのぐらいの気構えを持ってやっていただかないと若林庁舎になっちゃいますよ。教育センターが引っ越す意味がないじゃないですか。庁舎を建て替えているんだから。若林庁舎としてしばらく使って、本当に中身が充実するまでは引っ越ししなくたって、僕はいいと思っていますよ。そうじゃないと、引っ越して、職員のための庁舎というか、教育センターになってしまいますよ。教育のための庁舎では、私はもうなくなってしまうんじゃないかと。  それが職員の研修機能ということも絡めての話ですけれども、余すところなく使うということを考えたら、区長部局からそんな話があっても、いやいや、私たちはこのために使うんですという、そういう気構えがやっぱり感じられない。私は非常にそういうことは残念だと思っております。若林庁舎にならないように、しっかりと取り組んでいただければと思います。  あと、それから、スタンダードカリキュラムの話もありましたけれども、世田谷区は、やっぱり教育に対して骨格が私はないと思いますよ。しっかりと、この教育センターを開設するに当たって、ビジョンでも、ビジョンというか、世田谷区の宣言でも、条例でも、やっぱりちゃんとこの教育センターを裏づける、そういった柱立てを、ぜひ教育長、考えてください。これは要望しておきます。  私の質問に入りますけれども、企画総務委員会の続きですけれども、保坂区長が就任して以来、この十年間、行財政改革に私は本当に真剣に取り組んできたのかなと。そういうことを、今まで具体的な例を挙げて、この場で何回も取り上げてまいりました。今年は最大六十億円、来年度は百二十二億円の税収不足が見込まれると。この決算委員会、私も感じることは、他会派も同じですけれども、やはり皆さん方からの緊張感が伝わってこないということだと思います。なぜそうなのかなと。  企画総務委員会でも申し上げましたとおり、この十年間、そうしたことを取り組んでこなかった。ですから、ここに座っていらっしゃる管理職の中で、前熊本体制のときに全事業を一つ一つ、それこそ若林、世田谷公園のミニSLまで挙げて、菊花展をやめるか、やめないかとか、本当に議会と丁々発止の議論を繰り返して、そして進めてきたと。  そういう経験をね。働いている中で、そういうところを見ていた方も、管理職になられた方でいらっしゃると思うんですけれども、やはりそういった訓練を受けているというか、そういう経験がないということで、本当にその危機感を乗り越えられるのかということは非常に不安です。  ですので、企画総務委員会ではそうした、誰の目から見ても明らかなように、自分で自分の事業を必要ないと決めつけるのは、それは皆さん方には酷な話ですよ。ですから、そういう公会計制度を使って見える化をして、客観的に事業の在り方を一人一人が捉えると。そういう中に置けば、皆さんそんな、皆さん同じ条件で始まっているわけですから、この事業がいいとか、この事業は悪いとか、そういうことではなくて、世田谷区総体としてやっぱり取り組んでいるという。そういう意識をしっかりつくっていかないと、幾ら両副区長が号令をかけたって進まないと思っております。  ちなみに、概算要求の状況はどうなっているんでしょうか。 ◎松永 財政担当部長 現時点では集計中でございます。 ◆板井斎 委員 世田谷区は先般、決算の状況が発表になりましたけれども、経常収支比率は八一・四%、適正水準とされている七〇から八〇を超えて、二十三区の中ではワースト七番目と。そういう状況になっております。このままで行くと、本当に大きな財政への影響が間違いなく出てくるわけであります。  そうした中で、やはり私たちが求めているのは、この公会計制度を用いた区民への説明責任であったり、そして、それを行財政改革に使っていくと。そういったことが求められるわけであります。ですから、冒頭申し上げたとおり、この新公会計制度、公共施設や事業のコスト、フルコストをしっかりと分析して、それを事業や運営形態の改善に使っていく。このような手法が効果かつ効率的であると私は思いますし、そうしたことをしっかりと行っていくということが、今、求められていることだと思います。  その意味で、我が党が一貫して、図書館の民営化を進めるに当たりまして、コスト分析の観点から検証すべきだと。皆様方の理事者側のほうも見直しをしますということで聞いておりますけれども、その進捗状況についてお伺いをいたします。 ◎林 生涯学習部長 区立図書館の運営体制につきましては、新実施計画(後期)におきまして行政経営改革の取組に位置づけまして、多様な民間活力による運営体制の検討、導入に取り組むこととしてございます。また、第二次図書館ビジョン第二期行動計画におきましても、民間活力の活用を図ることとしており、新型コロナウイルス感染症対策等を踏まえ検討しているところでございます。  検討に当たりましては、新公会計制度を活用したフルコスト計算による利用者一人当たりコスト、貸出し一冊当たりコストなどの分析を行うとともに、来館者数、利用者満足度など、複数の指標に基づく全館比較の分析を行いまして、指定管理者制度、業務委託による運営と直営との比較といった視点での評価なども踏まえまして、図書館サービスの充実、効率的、効果的な運営体制の検証を行ってまいります。  地域との連携やICTの活用など、新たな図書館サービスの在り方など併せまして、区の果たすべき役割を明確にした運営体制の見直しを、有識者や公募区民等で構成する検討委員会で十月末から開始する予定でございます。 ◆板井斎 委員 有識者や公募区民等で構成される検討会ですか。このお話というのは、平成二十五年の五月から図書館の民営化を求めてきているわけです。七年間たってしまいました。もう七年間、皆様方は、もう飽きるほど有識者や、そうした区民の意見を聞いてきたと思います。それから、指定管理の結果についても、まとめられたものが報告されてきております。その上で、さらにまた、そうした有識者や公募区民という方々に意見を聞く会を設けて。ということは、今まで何をやってきたのかということになっちゃうんじゃないですかね。  この七年間、何をしてきたんですかね。もう一度答えてください。 ◎林 生涯学習部長 図書館の在り方ですけれども、これまで経堂図書館を指定管理者、それから、世田谷・梅ヶ丘図書館を一部業務委託など、民間活力を導入しておりました。  その先の、区立図書館全体としての運営体制の、どうあるべきかということにつきましては、大変時間がかかってしまいまして、今回、十月末から第一回検討委員会を開始して、今年度中に五回やりまして、そこで今後の方向性を定めた議論をしてまいりたいと思っております。 ◆板井斎 委員 しっかりと見守っていくしかないわけでありますけれども、単に私たちは図書館を民間委託するというのは、やはり今後ますます地域行政、それから、職員数もかなりこの近年、様々な需要で増えていますよね。  そうしたことを踏まえて、やはり効率的、効果的な行政運営って何なのかと。当然、あしたから、では、図書館を民営化しますなんて言っても、それはできるわけないんですよ。正直言って。様々な、これは乗り越えなきゃならない課題が、その先にまだあるんですよ。だから、そう考えたときに、決めたとしても、その先また、もう一度ちゃんと運営できるのかということも検討していかなきゃいけないので、早く次の段階に移れるように結論を導いていただきたいと、要望はしておきます。  この定例会もそうでしたけれども、宮崎副区長も二言目には重複事業の見直しという言葉を出されて答弁されていましたよね。私はこれまで、らぷらすの就労相談支援と、それから、産業振興公社が行っているソーシャルビジネス支援、せめてこれぐらい統合していいんじゃないという、ささやかなお願いをしてきたわけですよ。  今般、六十二億円、百二十二億円を生み出さなきゃいけないのに、区長、副区長が自らそういうふうに言っているんですから、しっかりと自分が、自らがお忙しいから、あれなんでしょうけれども、音頭を取っていただくぐらいなことをしてもらわないと、答弁を聞くたびに、何かここら辺にむなしさが、私は湧き出てくるんですよ。  これをやりますと言ったのは、私がやれって言っているわけじゃなくて、皆さん方が一回俎上にのせた案件なんですよ。私も、それはそうだと。前から言っていたとおり、では、いよいよ進むのかなと言って、この手の質問はもう数回、この場でやっているわけですけれども、なぜ事務事業が、重複事業が統合できないんだと。そういうちょっとジレンマもあるんですけれども、やっぱりこの、今は逆にコロナ禍ということもチャンスと捉えて、本当に六十二億円を生み出して、それを、後からちょっと質問しますけれども、このコロナで大分、一般財源もかかっているわけですよ。ですから、削っても削っても増えるものは増えているというのが、今、現状なんですよ。  そう考えたときに、六十二億円を、やっぱり重複事業のところでも、視点で、もうやっていただきたいと思うんですけれども、どうでしょう。 ◎中村 政策経営部長 現在、区民生活を守る財源を今後確保するために、施策事業の本質的な見直しを進めているところです。その中では、今お話ありました類似・重複事業の整理統合の視点のほかに、事業内容や手法の転換、事業そのものの縮減、廃止などにより、後年度に及ぶような歳出削減効果を目指して全庁挙げて取り組んでいるところです。その中では、新公会計制度による行政コストと、利用者などが得られる効果のバランスについても、判断における重要な要素の一つとして考えてまいります。  また、この見直しの経過の中では、コロナ禍の影響による一般財源歳入の大幅な落ち込みという財政危機を乗り越える観点から、安全性に関わらない工事や用地取得などの先送り、そうした年度間調整という手法も一定程度必要になると考えています。また、ソフト事業につきましても、新たな形で、リスタートに向けた一時休止という手法も想定をして進めています。  このような事務事業の見直しにつきましては、令和三年度の予算編成と併せて検討を行いまして、議会にも検討状況をお示しして、御意見をいただきながら進めてまいります。 ◆板井斎 委員 確かに今年度は、このコロナ禍の中の事務事業の見直しと、社会経済活動の両立を図りながら区政運営をしていかなきゃいけないという、大変今までに経験したことのないことを、皆さん方、日々努力をされてやっていらっしゃるということには、非常に頭の下がる思いでおりますけれども、私が一点気になるのは、何のために行財政改革というと、やっぱりそれを区民に還元すると。それを少しでも削っていくんだと。そういう思いがどこかにないと、単に予算を数字合わせだけで並べていく、積み上げていくだけではいけないと思っております。  この間、中長期の保全、改修工事の先送りなどもありますけれども、町を歩いてみて、必要なものは、やっぱり必要だと思うので、今回上がってきた見直しの中でも、必要なものを精査してやっていただくということが、それが区内の業者への還元にもなるし、経済活性化にもつながると思うんですが、その辺の御見解がありましたらお伺いします。
    ◎松永 財政担当部長 先ほど政策経営部長のほうからも御答弁させていただきましたが、令和三年度予算は、極めて厳しい財政見通しの中での予算編成となるため、事業の見直しですとか休止、先送りというのは避けられない状況であるというふうには考えております。  一方で、区民生活や区内事業者への影響というのも十分に考慮する必要がございますため、例えば公共工事などの投資的経費におきましては、前年度の決算繰越金を活用した補正予算による対応も含めて、複数年を見据えた計画的な予算の確保に取り組む必要があるというふうに考えております。  先般策定いたしました世田谷区政策方針におきましても、区内経済の循環と地域経済の活性化及び公共工事の効果的実施を当面取り組むべき重点課題に掲げておりまして、今後の区内経済活性化への波及効果をにらみながら、今年度の四次補正予算以降での計画的な対応についても検討していきたいというふうに考えております。 ◆板井斎 委員 先ほど私のほうで補正予算、三次にわたって補正予算で、定額給付金も含めて千百三十六億円規模になって、その一方で、やはり区の負担している部分というのもあると思いますし、また、それが来年度予算にどのぐらいの影響を及ぼすのかと。未知数な部分がありますけれども、概要をどのように認識しているのか伺います。 ◎松永 財政担当部長 この間のコロナ関連の予算でございますが、今年度につきましては、予備費での対応も含めまして、第三次補正予算までの一般会計では、特別定額給付金は除きまして、歳出合計で百三十億六千四百万円、そのうち特定財源につきましては百四億四千百万円、一般財源での負担が二十六億二千三百万円となってございます。  今後のコロナ対策につきましては、これからという形になります。ただ、新型コロナの収束が見通せない中では、一定の予算というのも必要になってくるというふうには考えております。今年度に引き続きまして、感染防止のためのマスクや消毒液などの消耗品、また、区内事業者支援の経費、PCR検査費用など、様々な経費が考えられますが、極めて厳しい財政状況の中での対応となりますので、国や都の特定財源等の動向も踏まえまして、今後の予算編成の中で見極めていきたいというふうに考えております。 ◆板井斎 委員 次に、PCR検査に関連した質問をします。  私どもも介護事業所等へのPCR検査を求めてきまして、紆余曲折がありましたけれども、徐々にですが体制が整いつつあることについては歓迎したいと思います。しかし、同時に求めていたのは、高齢者、障害者、子どもを介護、養育している方々が罹患した後の対策です。  入所施設である特養は特に心配です。特養で感染者が発生した場合は、当該施設職員だけで介護はできないことも容易に想定されます。代表質問でも、それから総括質疑でも、その点をどうするのかと。業務継続の支援をどうするのかといったことをお伺いしましたけれども、はっきりしたお答えがなかったような気がします。  改めて、この職員派遣等について、いかに考えているのかをお伺いします。 ◎長岡 高齢福祉部長 社会的検査により陽性者が発生した際、区といたしまして、施設運営維持のための支援を行うことが大変重要であると認識しております。  先日、社会的検査の実施に向けまして、特別養護老人ホームの施設長さんたちに集まっていただきまして、説明会、意見交換会を実施いたしました。その際に、職員の陽性が確認された場合に備え、濃厚接触者を極力発生させない日頃の感染予防の取組の徹底をお願いしたほか、感染症アドバイザーの活用を促すことや、社会的検査に当たっての接触状況の記録など、発生時の対応が円滑に行われるよう御説明するとともに、都及び区の経済的支援につきましても御説明したところでございます。  また、この説明会におきまして、陽性者が発生した場合でも事業継続が行えるよう、職員の相互派遣スキームと、発生時に必要となる感染防護物品の共同備蓄について、区としての具体案の提示も行わせていただきました。職員の相互派遣スキームは、陽性者の発生を受け、区があらかじめ登録いただいた各施設の派遣可能職員名簿を基に、派遣調整を行うものでございます。  今後も区内特別養護老人ホーム施設長会と協議を重ね、職員の相互派遣スキームなどの実現に向けて調整をしてまいります。 ◆板井斎 委員 相互派遣というのは、なかなかちょっと厳しい話だと私は個人的に思います。また、しっかりと施設長会の意見を聞きながら進めていただきたいんですけれども。  それから、もう一つの、家庭で陽性者が発生した場合の、その家族に要介護者、障害者、乳幼児を含めた小学生等がいる家庭での、その介護、養育している方が陽性になったときの、その対応についても、決まっているんだか、決まっていないんだか、よく分からないので、私は、ワンストップサービスで窓口と受入れ施設を明確にした体制を組むべきだという質問をしてきたんですけれども、改めてお伺いします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 PCR検査を受けて陽性の場合、原則として入院、宿泊での療養をしていただくことになりますが、陽性者と同居する御家族も濃厚接触者として健康観察の対象となることが想定されます。健康観察対象者につきましては、通勤や通学をお控えいただき、自宅などで過ごしていただくことになります。期間中は、体調に変化があった場合に御報告いただくほか、生活などに関して御心配がある場合は、保健所の担当に御相談いただき、関係所管につないでおります。  高齢者や障害者が濃厚接触者で介護者や介助者などが陽性の際は、保健福祉センターや居宅介護支援事業所で相談を受け、在宅サービスや緊急一時保護での対応を行い、児童が濃厚接触者で養育者等が陽性の場合は、保健所と児童相談所が連携し、医療機関への一時保護委託または一時保護所での保護を行っております。  御家族からの様々な相談に関しましては、どの窓口に相談に行かれても適切に御案内ができるよう、庁内での情報共有を図ってまいりますが、お話がありましたワンストップの対応も含めまして、窓口の充実について関係所管と検討してまいります。 ◆板井斎 委員 最後の質問にします。  関連して肺炎球菌ワクチンの接種についてお伺いしますけれども、世田谷区も、このインフルエンザと肺炎球菌ワクチンの同時接種の促進ということで、コロナ禍における重症化のリスクを減らす重要な取組であると所管から確認しておりますけれども、近年、私が調べたところによると、接種率が大分下がってきているというふうに聞いております。  先日の東京都議会でも、我が党の質問に対して、この区市町村への接種費用の助成について前向きな答弁もありましたので、それを先行する形で、世田谷区としてもこの無償化を検討すべきだと思いますけれども、そのお考えをお伺いします。 ◎辻 世田谷保健所長 国は平成二十六年度より、法定の肺炎球菌ワクチンの予防接種の対象を六十五歳とするところ、平成三十年度までの五年間は経過措置として、六十五歳から百歳までの五歳刻みの年齢等を対象といたしました。このことを受けまして、区は、当該予防接種の実施に当たり、対象の区民に個別勧奨を行うとともに、費用の一部を助成しておりますが、接種率は平成二十九年度、三十年度の約三〇%に対し、御指摘のとおり、令和元年度は約一六%と低迷をしてございます。  今般、国は未接種者に接種機会を引き続き提供するため、令和元年度から五年度までの間、これら年齢要件等を継続することとし、区も引き続き、当該予防接種の個別勧奨及び費用助成を従来どおり実施いたします。さらに、区ホームページ等での啓発や接種勧奨に一層取り組んでまいります。  なお、お尋ねの自己負担の無料化等につきましては、国や東京都、近隣自治体の動向などを注視しつつ検証してまいります。 ◆板井斎 委員 以上で私の質問を終わります。  岡本委員に交代します。 ◆岡本のぶ子 委員 公明党の最後の質疑になります。  十月八日の議会運営委員会において、第三回区議会定例会の継続本会議に世田谷区副区長選任の同意に関する案件が追加されました。新型コロナ感染症による未曽有の経済不況が懸念される中、感染症対策に万全を期すとともに、区民生活を支えるために、区の持てる力を総動員して区政の改善に努めるべきであることを申し上げておきます。  国は行政システムのデジタル化を推進する司令塔として、関連法案準備室を九月三十日に発足させました。加速化する行政手続のデジタル化に対応するためにも、会派として既に企画総務領域で提案いたしましたが、副区長が三人体制となる機会を捉え、戦略的な視点で行政デジタル化を推進する司令塔となる部署の設置が求められます。設置の時期を含め、区の明快な答弁を求めます。 ◎宮崎 副区長 まず、デジタル化の問題につきましては、先ほども他会派からもございましたように、区長のほうから既に御相談申し上げまして、来年度に向けまして、システムの開発、運用だけではなくて、全庁の業務改善や区民サービスの向上の実現に向けたデジタル化を戦略的に牽引して、司令塔となる組織体制、これらについても具体的に検討するように既に指示を受けているところです。  今般の国の動きにつきましては、デジタル化の問題と規制改革というのがセットで動いていますので、先ほども申し上げていますように、当然法令等に引っ張られる部分と、区のほうが単独で考えられるものというのをまず整理させていただいて、まずできるところから順次進めていかないと、このスピードの部分についてもやはりついていかなきゃいけないと思っていますので、そういう意味でも、今御指摘にありましたように、トップマネジメントを使いながら、デジタル化に向けて世田谷区全体に幅を広げて対応していきたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 時期はいつまでに。 ◎宮崎 副区長 例えばですけれども、押印問題とデジタルの問題というのは必ずしも重なっていませんけれども、例えば先ほど言ったように、規制改革の関係というのは既に動き出すということを聞いておりますし、先ほどの手続としての押印の部分については既に総務省から資料が流れてきておりますので、そういうことも絡めながら、まず今年度の部分の中でどこまでが整理がつくかということについて整理させていただいて、さらには、先ほど言った組織マネジメントの部分をどうしていくのかということについても今年度中に結論を出さないと間に合わないと思っています。  国のほうで言っている、今年度中に、デジタル庁がまだ出来上がっていない状況の中で何を示してくるのかというのは十分注意深く見て、スケジュール感も含めて改めて議会にお示ししたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いします。  次に、マイナンバーカードの申請、交付について伺います。  決算委員会の区民生活所管で、そのべ委員の質疑の際、国が令和四年度末までに全国民のほとんどがマイナンバーを保有すると計画していることに対し、区は一つの目安として、二十歳から六十四歳までの約六十万人の七割に当たる四十二万人への交付を目標とした場合、現在、毎月九千件の交付体制強化の取組で可能であると答弁をされておりました。私はびっくりしました。区の考えるほとんどの区民が四十二万人なのかと。  国は、マイナンバーカードを運転免許証としても活用することを検討しております。原付免許は十六歳から取得できます。七十代でも車を運転される方々はたくさんおられます。仮に区が十六歳から七十九歳までの区民を当面の保有対象とした場合、約七十五万人の方々の申請、交付への備えが必要となります。さきの区の答弁から約三十万人もの開きが出てしまいます。目標を見誤れば、申請、交付の対応に必ず支障が生じます。区が真に区民の利便性の向上を考え、行政のデジタル化の推進を図るのであれば、現状の申請・交付窓口だけでは、その対応は不十分であることが容易に想定できます。  現在、臨時に五地域で開設している窓口を常時、申請、交付できる常設窓口に拡充するなど、工夫が必要と考えます。区民目線に立った目標の設定と体制の強化について、区の見解を伺います。 ◎清水 地域行政部長 区では、従来の交付推進円滑化計画で毎月五千件の交付を計画しておりましたが、特別定額給付金のオンライン申請等の影響もあり、申請増加に対応するべく、世田谷区民会館、ホワイエでの特設会場の開設や、区民の利便性を踏まえた各総合支所、集会施設などを活用した臨時窓口を継続し、毎月九千件の交付体制強化に取り組んでおります。世田谷区におきましては、九月三十日現在、交付枚数は二十三万一千七百四十二件で、十月一日現在の人口九十二万二千二百五十七人に対する交付率は二五・一%となっております。  総務省が示しております全体スケジュールでは、令和四年度末の段階で全国のほとんどの住民がマイナンバーカードを保有する計画としております。こうした国の計画に基づきますと、世田谷区における全人口九十二万人のうち、十六歳から七十九歳までの人口七十五万人が最終的な対象と考えられます。このうちのどれだけの方が手続されるか、推計においても精査が必要ですが、国は、さらに未取得者に対し新たな勧奨を行うなど普及促進の計画もあることから、国や他自治体の動向に注視し、さらなる検討を重ね、総合支所との連携を図り、区民の利便性向上に努めるとともに、体制を強化し、取組を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、令和元年度の世田谷区各会計主要施策の成果について伺います。新公会計制度の導入により、財政の見える化を進める上で区の説明責任が重要であることを指摘をし、先日の企画総務所管でも質疑をさせていただきました。先日は時間切れになってしまいましたので、残りの一点を行わせていただきます。  主要施策の成果の二六九ページのところになりますけれども、(4)事業の成果のところに、②多様な就労形態等を可能とする環境整備の促進ということで、平成三十年度、検証三か所、令和元年度五か所、そして令和三年度の目標は検証三か所というふうに書かれておりました。私はここを読みながら、この検証という意味はどういう意味なのかしらと。検証した上で数が増えていくなら分かるんですけれども、検証ということはあまりこちらの議会のほうには伺わないまま、設置の箇所数が増えていることにいぶかしく思ったんですけれども、その後、二七〇ページ、二七二ページと同じ項目のページをめくっていきますと、また違う数字が並んできていまして、これは一体どういう関連があるのか、全くもって分からないという状況でございました。  そして、二七四ページのコメントのところに行きますと、子ワーキングスペースチャチャチャの利用者が二百六回と少なく、利用当たり一回のコストが約七千円であったので、低減に向けて利用の向上に向けて取り組むというコメントが載っているだけで、他の四施設、要はひろば型のワークスペースに関する表現は一言も載っていなかったということでございます。  要するに、事業の成果と実現に向けた行動量、単位当たりコストの関連が全く追えない資料では、区民への説明責任を果たしているとは到底言えません。改善を求めます。区の見解を伺います。 ◎中村 政策経営部長 ただいまお話がありました多様な就労形態等を可能とする環境整備の促進という項目ですけれども、ここは具体的には、子育て中の保護者の方にワークスペースを提供する事業となっています。この事業は二つの事業で構成されていまして、一つは、おでかけひろば併設型のワークスペースと、単独型のワークスペースという二つの形態があるというのが前提です。今回の主要施策の成果の表記には、まず、この二つのことを整理して説明していない部分がありまして、説明不足によって分かりづらくなっているというところは御指摘のとおりです。反省点だと考えています。  今後、こういった成果指標に対して複数の事業が対応しているものについて分かりづらくなっているものがないか、改めて横断的に点検しまして、今回のケースを含めて、区民への説明責任という観点から必要な改善を図ってまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 不足していると、そういったお答えでした。今後、改善を求めますが、私も検証と書いてある以上は、数字がどうなっているのかというところをこの決算委員会中に所管に問い合わせをしまして、それぞれのワークスペースの稼働率、これは昨年、コロナが始まる前、令和元年度、昨年度のひろば型のワークスペースの稼働率、そして三軒茶屋の三茶おしごとカフェにつくられた単体のチャチャチャの稼働率と一人当たりコストを確認して表にしました。前回は表にする時間がなかったので、今回は表にいたしました。  ここで見ていただきますと、ひろば型四か所、そして単体のチャチャチャですけれども、特に私が驚いたのは、この稼働率ですね。去年一年間の稼働率は、四〇%、五九%というのは、頑張ってというか、ニーズがあるんだなと思いますけれども、ひろば型で二二・二%というところと、あと、ぶらんこ粕谷というところは一七・九%、もっと驚くのは、三茶おしごとカフェにある世田谷区がやりたいと言い続けてつくられたワークスペースは一年間で九・二%です。この九・二%というのは一体何なんですかという感じなんですけれども、これを今度、金額でやりますと、一人のお子さんを預かってワークスペースを利用したときにかかるコスト、それがチャチャチャの場合は七千円、これは子どもを預かりませんけれども、利用するだけで七千円の税金がかかっている。また、ひろば併設型では、ぶらんこ粕谷でやったら二万八千円かかっている。そして、cottonだったら一万九千円かかっているというような数字が出てきているわけです。  最後に、特に問題なのは時間ですね。割り当ての時間があるわけです。時間割として取ってありますから、椅子を六席設けてとか二席設けて、その数字で割り返しますと、この稼働率というのはトータルで約二二%しか使っていないということが分かるんです。時間そのもので言うと、トータルで一万八千九百五十時間、デスクと椅子があって、お子さんを預かりますよという場所が格安で使えるようになっているんですが、ところが、そこで利用したのは四千九十八時間だけで、一万四千八百五十二時間は未使用なんです。一切使われていなかったということがこの数字で分かります。  こうやって、コスト分析とともに、真に多様な働き方に応えたいと区が考えたワークスペースの在り方も、しっかりと分析していただかないと、これは全て税金ですので、本当に区民の皆様に応えていくことができないのではないかなと思いますが、この件について所管課の答弁を求めます。 ◎田中 経済産業部長 今御指摘いただいたところで、使っていない時間が多大にあるということで、チャチャチャのほうにつきまして、コストの低減、それから利用率の向上に努めるのはもちろんのことですけれども、区民の就業促進という事業目的に対応する施設としてふさわしいものかどうか考える必要があると認識しております。  また、ひろば型につきまして、二か所でスタートしたというところで、最初スタートした二か所につきましては、利用登録者の増加も見られ、子育て世帯の多様な働き方の支援として有効と捉えているということもありまして、昨年までに計四か所と。しかしながら、年度途中での開設や活用されていない時間帯もあるということで、各施設の利用実績などに加え、今後は五地域全体での検証が必要だと認識しております。  今回、新型コロナウイルスの影響により働き方が変化している中、今後の区民ニーズに合わせたワークスペースの在り方を計画所管部である経済産業部が取りまとめまして、関連所管部と連携して実効性のある取組についてつなげてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今日午前中に他会派からもあり、また、板井委員からもありましたけれども、令和三年度の税収減が問題視される中、区が今後、事業の見直しをする際に、所管をまたいで実施されている重複事業などのコスト分析の在り方をしっかり検討して、真に区民に必要なサービスへの予算配分が求められます。区の見解を伺います。 ◎中村 政策経営部長 行政評価の目的は、まさに事業の成果とコストを適切に評価して、その分析結果を基に具体的な改善を図っていくことにあります。現在、優先施策に必要な財源を配分できるよう、全庁を挙げて施策事業の本質的な見直しを行っているところですけれども、今般の行政のフルコスト分析に加えまして、その事業の必要性、有効性、公益性の検証、そのほかに、またお話がありました所管をまたいで実施している他の施策事業と併せた見直しなどについても方向性を検討してまいります。これらの施策の事業の見直しにつきましては、検討状況も含めまして、第四回定例会前に議会にお示しして、また御意見をいただいた上で、当初予算に反映させるよう進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、今月九日に、二〇二〇年のノーベル平和賞が、自然災害や人為的災害、軍事紛争などの犠牲者に食糧援助を行う世界で最も大規模な国際的人道機関である国連の世界食糧計画に決定いたしました。読売新聞の報道によりますと、昨年二〇一九年は、アフリカや中東など八十八か国で約九千七百万人に援助を行い、支援した食糧は四百二十万トンに上ったとのことです。私は、この記事を読み、世界中で命がけで食糧を届けてくださるWFPの活動に感謝の思いが込み上げるとともに、その一方で、日本の食品ロスの量が平成二十九年度の推計値で約六百十二万トンであり、WFPが昨年支援をした食糧四百二十万トンをはるかに超える量を日本では未使用のまま廃棄しているということに本当に愕然といたしました。  ここで、時間がないので、短めに言いますが、一般質問でも取り上げましたけれども、食品ロスの削減に向けての取組に大きく一役買っていけることはフードバンクの創設だと思うんですけれども、このフードバンクの創設に向けて、コミュニティーを進めていくためにも、例えば支援に欠かせない食品庫ともなるフードバンク事業に、食品の仕分け作業などに日常的に区の災害ボランティアの方々に携わっていただくことで、いざという災害時には、各避難所での救援物資の仕分け等のリーダーとして御活躍いただくなど期待ができると思います。フードバンク事業を活用し、地区の顔の見える関係性の構築、防災力、福祉力の向上に寄与すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 今御案内いただきましたように、フードバンク事業については、まさにボランティアの方々が多く活動されているわけです。したがいまして、今、災害時などが例に挙げられますけれども、こういうコロナ禍ならではのこともありまして、地域コミュニティーの再生につながるということを考えておりまして、副次的な効果も含めて、このフードバンク事業を連動させることは非常に期待できると思っておりますので、これらについてどういうような取組ができるかということについて検討し、努めていきたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 防災力の向上に向けた取組に関連しまして、世田谷区は、洪水・内水氾濫ハザードマップを改定し、九月に全戸配布いたしました。昨年の教訓で、ペットの同行避難受入れに対して、今回水害時の避難所は三十一か所指定されていますけれども、全ての避難所で受入れると明言をされ、それが記載されたことは高く評価いたします。  その上で、それぞれの避難所の運営は職員の方々が行うということで、少人数の運営になると思いますので、この職員の方々に対して、ペットの同行避難の受入れへの留意点など、事前に研修などをすることが求められますが、区の見解を伺います。 ◎志賀 世田谷総合支所長 世田谷地域では、風水害時にまちづくりセンター職員が中心となって避難所を五か所開設し、支所内の職員やまちづくりセンターに割り振られている拠点隊員とともに運営を行います。  避難所の開設、運営に当たりましては、施設ごとにコロナ対策ですとか、ペット同行避難者への対応などにつきましてマニュアルを作成するとともに、従事する職員に対し、説明会を実施いたしました。引き続き、職員研修等で避難所での適切なペットの受入れに対する理解を深めるとともに、全ての方が避難所でできる限り快適にお過ごしいただけるように、避難者に寄り添った対応をしてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 最後に、明年に延期されたオリンピック・パラリンピックに向けた区の交流事業の在り方について伺います。  馬事公苑を囲む五駅周辺でのおもてなし交流事業をはじめとした様々なイベントが本年中止になりました。オリンピック・パラリンピック開催地として、区民の皆様と新型コロナに打ちかって、平和の祭典である大会をともに盛り上げ、ともに共感できるようにするためには、おもてなし交流事業により多くの地域住民の方々に関わっていただけるような工夫と丁寧な準備が必要です。区の見解を伺います。 ◎小澤 交流推進担当部長 コロナ禍においても世田谷が一体となり、おもてなしの心が途切れないよう、エフエム世田谷やSOKS通信などを用いまして、実行委員会の取組や東京二〇二〇大会の関連情報を分かりやすく工夫してお知らせしております。また、馬事公苑周辺五駅の情報を掲載した「世田谷ぷらっと」や、世田谷クリーン作戦、こちらには多くの区民の参加をいただきました。新型コロナウイルス感染拡大で中止した事業が多い中ではございますが、区民がおもてなしに関わる機会が途切れないよう進めております。  一方で、感染症の影響で延期や中止となった事業に参加を予定した方々の思いも途切れさせず、一人でも多くの方に関わっていただけるよう、新しい日常における交流参加の在り方や人と人とのつながりを踏まえまして、今後の地域の活動や参加の見本となるよう準備を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 時間が切れてしまったんですが、経済の復興なくしてオリンピックは迎えられないと思います。最後に、担当部長、お願いいたします。 ◎田中 経済産業部長 来年度に向けて、経済産業部で、経済界、事業者の声を聞きながら、いろんな策を考えていきたいと思います。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で公明党の質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十四分休憩    ──────────────────     午後三時五分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 本日でこの決算特別委員会も最終日ということで、立憲民主党社民党の質問をさせていただきます。  まず最初に、区民参加ということについてお尋ねしたいと思います。  区民参加ということは、世田谷区が本当に昔から大事にしてきたことで、今日でこの決算についての態度というのも決めていかなきゃいけないわけですけれども、決算書の二〇四ページにも、事業番号三〇一で豊かな地域社会づくりに向けた区民による参加と協働のまちづくりということが書かれています。中身を見ますと、具体的にはどういうことかといいますと、まず一番目に町会・自治会の活性化、二番目にはNPOとの協働、そして三つ目にボランティア・マッチング事業といったことが項目として挙げられているわけですけれども、一方で、保坂区長が区長になられてから区民参加、協働ということを掲げて、その中では車座集会をやってこられたり、また、無作為抽出で区民の方に参加をしていただくワールドカフェですとか、そうした従来、区が対象としてきた方々とは違ったところにも目を向けて多様な区民の声を聞くということをやってきたというのが近年かなと思っています。これについては賛否両論ありますけれども、我が会派としては、評価もしてきたというところです。  その中で、コロナ禍というのがあり、一人一人の方々と膝を突き合わせて、また多数集まって区民参加をしていただくというようなことが難しくなってきています。オンラインの活用といったことも多くの会派からも提案をされてきているところですが、区民参加ということについて、こうした取組をしてきた保坂区長としては今後どのような方向になっていくと考えているのか、区民の声や区民の力を区政に生かし、よりよい世田谷区にしていくためにどう取り組んでいくかお聞きしたいと思います。 ◎保坂 区長 九十二万人の基礎自治体、大変多くの方が住んでいる世田谷区において、参加と協働と、まさに地域の問題に自分事として参加をし、そして、行政職員も、住民の方も、事業者の方もともに知恵を出しながら汗をかく、こういう取組が大変大事だというふうに思います。  車座集会、これは毎年だととてもできないですけれども、過去三回やってきました。そのたびにいろいろ発見なり、ニーズの変化を感じます。小田急線の上部をどう利用するか、あるいは本庁舎整備の在り方などでは、構想の段階から公募の区民とともに無作為抽出で、この委員になりませんかと呼びかけて、なられるという希望の方が結構多くて、その中からさらに抽せんで選んでの議論を進めてまいりました。  ところが、今回のコロナ禍で、まさに集まって膝を交えて身近に語るということが一番リスクがあるということになってしまい、特に高齢系の方々も交えて、介護や認知症の問題など、本当に重要な認知症条例の手前のところで、こういったコロナ禍ということが影を差してしまいました。  ただ一方、だから何もできないというところに止まって悩んでいた時期もそれぞれあると思いますが、いろいろ工夫をしながらコミュニケーションの在り方を模索されていると思います。ズーム等を使ったビデオ会議などもそれぞれの領域で随分なされるようになってきたかと思います。また、インターネット等を利用したボトムアップというか、アンケート調査でいろいろ声を聞いて、この中からニーズを捉えるということが、区役所だけではなくて、NPOや、それぞれの専門領域に関心の深い方がやっていただくというところでは、膝を交えてではありませんけれども、区民の声、現場の声を直接聞くという意味では大事だなと思います。  これからコロナ禍を、一定の収束が見えたなというところを本当に待ちたいんですが、そのときに、ぜひ全庁的にやりたいと思うのは、インターネットやズーム等で情報を共有して話を進めてこられた人と、全くその情報の外側にいた人の差がやっぱり大きくなっていると思います。ここのところをもう一回振り返って、どんな認識が生まれてきたのかというあたりを共有する、このことも心がけていきたい。参加と協働をまた再建をしていく道だと思います。 ◆中塚さちよ 委員 今、保坂区長のほうからも、こうしたコロナ禍の中でもインターネット、ズームを使ったり、あるいはインターネットアンケートのことも言及していただきましたけれども、そういった手法を用いて区民の声を聞いていきたい、そういったお考えがあったということが分かったんですが、そういったお考えがあったにもかかわらず、今回、PCRの社会的検査のところで、福祉領域の日にも取り上げましたけれども、これは重症化したり、亡くなる方を一人でもなくしたいということで、とにかく急いで進めたというのは大事なことだったと思うんですけれども、一方で、本当にこの検査がうまくいくには介護事業者の協力が欠かせないわけですけれども、そうした現場の声というのを一体どれだけ聞いてきたのか。インターネットとかズームが使えるということが分かっていたら、そうしたことを使って聞くことが可能だったのではないかと思うんですね。施設長会とかとの意見交換はよくやっていらっしゃったと思うんですけれども、施設サービスというのは、事業者数でいうと区内の介護サービス事業所の一割未満ですよね。今回対象としている介護事業者だけで訪問、通所、居宅とかあります。また、障害とかもあります。それを考えたらば、本当にもっともっとやれることがあったんじゃないかと思うんです。  私は、自分でアンケートを取りました。これはファックスでやりましたけれども、調査票を作るところから、リストアップとかを始めて、締切りをどれぐらいで設定するかですけれども、急いでやれば三週間あれば全然できますよね。インターネット調査だったら、十問くらいの設問であれば、一週間で設定すれば二週間あれば集計まで出せますね。費用とかだって、郵送と比べればインターネットの調査というのは半額近く安くできます。  インターネット調査というのは信憑性などの課題とかはあるかと思うんですけれども、今回私自身もアンケートをやるときに、行政調査を多数手がけていらっしゃる専門家の方にも話を伺っていますけれども、こうした調査は行政でも結構活用されてきていると、特に専門職とかを対象にしたのには非常に使いやすいという話も聞いております。それだけアイデアがあったにもかかわらず、今回なぜそうしたことがなされなかったのかということは本当に残念に思っているんですけれども、今後、そうしたインターネットアンケートを活用した区民意見の把握ですとか施策の反映といったところについて、今度は所管の方にお話を伺いたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 今回、制度設計に当たって、本来であれば対象となる施設等の御意見を伺いながら初めてみて、やはり受けたいという気持ちと、なかなか踏み込めないというような様々なことが分かってきましたが、本来であればそれは事前に聞くべきだったと思っております。  今そういった反省を踏まえまして、現在は施設所管を通じて事業所等の御意見を伺っておりますので、今後は制度設計のところから事業所の意見を適切に聞いていきたいと思います。 ◆中塚さちよ 委員 丁寧にやっていっていただきたいと思います。  区民参加について、また、ICTを活用していくということについては、午前中、他会派からの質疑にもございましたけれども、役所の集会室とかでやるにしても、接続がよくないとうまくいかないというようなお話もありました。回線の環境を整えるには確かに費用等々かかりますけれども、実際、区民の方は高齢者の方でもスマートフォンをお持ちの方が結構多いです。  問題は、持っているし、パソコンも家にあってネット環境はあるんだけれども使いこなせない、こういう方がやはりそうした区民のいろんな交流とか活動からちょっと取り残されていくという懸念がありまして、さっき区長もおっしゃっていましたけれども、そうした中で、ぜひまちセン、最近、区民の方もまちセンになかなか足が向かないようですけれども、ここでそうしたズームとかスマホでの参加や交流をするやり方とかを気軽に学べるような機会があればと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎志賀 世田谷総合支所長 コロナ禍における生活様式や働き方が変化していく中で、コミュニケーションの取り方も変わっていくものと思われます。その一つとして、対話型オンライン会議ツールの利用拡大は、活動団体間の交流や子育て世代、若者の地域参加のきっかけづくりなど、地区、地域のまちづくり活動の広がりにつながる可能性があると考えております。  パソコンやスマートフォンをお持ちの方が急速に増える一方で、ソフトの操作に戸惑われている方が多いことから、オンライン会議ツールの利用促進に当たっては、まちづくり支援の一環として、その操作方法の説明や体験をまちづくりセンターなど身近な場所で受けることができる環境づくりも大切な視点であると考えてございます。今後は、地区で活動している方々の御意見も伺いながら、例えば身近なまちづくり推進協議会や青少年地区委員会などによる学習機会を活用した新たな学習や会議の在り方について検討してまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 役所の方が全部やるんじゃないにしても、機械とか場所を提供すればそうした活動を教えてくれる人も地域にはいらっしゃると思いますので、ぜひそういったこともきめ細かく進めていっていただきたいということと同時に、スマーフォンも実際お金がかかります。私の知り合いの生活保護の方とかも、いや、スマートフォンもお金がかかるということをおっしゃっていました。なので、一方で、やはりそういった方々も取り残されないように、顔の見える関係づくりといったことも、従来型のそうした区民参加ということも併せて進めていっていただきたい、感染予防のほうをしっかりしながらやっていっていただければということを要望させていただきます。区民参加ということを世田谷区は本当にもっと大事にしていただきたいなと思っています。
     次に、庁舎についてなんですけれども、新庁舎の建設については、コロナ禍以前に考えられた設計であったということで、今般、特別委員会とかでも、感染対策は十分なんだろうか、私からも、地下とかがあって窓がないとかというのもありましたので、そういうのも大丈夫なんだろうかとか、あるいは財政が厳しくなっていく中で、維持管理コストの問題で他会派からもいろいろな質疑等も出ていたと思います。また、新しい生活様式というのが出てきて、これに対応していくために、職員の方々の働き方というのもある程度定着していく部分もあるのかなと思いますし、そうすると、それに見合った設計になっているのかなとか、これまで十分いろいろ考えてきた中ではあるんですけれども、コロナといった今までなかったことが起こって大丈夫なのかなというようなところが指摘をされてきました。そうした中で、換気の面ですとか、ある程度改善が図られたのかなというふうには思っています。  これから工事着手というところの段階に来ているわけですけれども、特に区民利用スペース、これは先ほどの話ともつながってくるんですけれども、今般のコロナ禍で、区民の地域活動への参加であったり、こうした交流の在り方というのが大きく変化していっているということを考えると、今後、新しい庁舎が本当に区民の自治と交流の拠点として活用される庁舎となるためには、区民ニーズが今どうなっているのか、新たに区民の意見を十分把握していくというよりは、本当に区が区民とともに新たに考えていく、事業者もそうですけれども、こうした関係者がともに考えていくことが必要だと思っております。  庁舎の建築に当たっては、区民参加の機会というのは全ての段階において確保していくということが示されているかと思いますが、今後どのような区民参加が可能であって、そして、どのように区民の意見を反映していくのでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等整備につきましては、今後、施工者の選定を経まして、来年度からはいよいよ工事着手となります。区民参加も各工期の竣工を見据えて、区民の利用や、あるいは施設の運営の在り方の検討など、次の段階に入ってまいります。具体的には、令和七年度末の二期工事竣工後に運用開始となります区民交流スペースがございますが、今お話がありましたように、今後、具体的な運用方針などの検討について、区民参加の下で関係所管との連携の上で取り組んでいく予定でございます。  そのほかにも新庁舎では、緑化をする屋上や区民交流室、区民会館の練習室など、区民の皆様に御利用いただく新たな施設が生まれます。来年度については、屋上緑化に関する区民ワークショップの開催も検討しているところでございます。引き続き、区民参加の取組を重ねながら、区民自治と協働の交流の拠点としての庁舎の実現を目指してまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今後、区民利用の部分について様々なワークショップ等々もまたやっていくということです。ただ、基本的には、やはりこれまでの設計段階で出てきた意見というのがベースになっている部分もあるのかなと思うんですが、これはやはり本質的な要望であるかと思うんですけれども、新しい生活様式が定着していく部分もあると、コロナ以前には戻れないといった中で、やはりコロナ禍による変化というところに目を向けて、そして将来にわたって災害や感染症に対しても安全性の高い庁舎であり、また高齢者や障害者、子どもなど誰もが安心して利用できる、職員の方々が安心して働ける庁舎、そうしたものになっていくように、最後までベストを尽くしていっていただきたいということを要望させていただきます。  最後に、オンライン、ウェブ会議システムについてです。  今、これが庁舎内でもいろいろ利用もされてきているところです。本当であれば議会との対応とかもある程度こういうものが活用されたらいいんじゃないかなと思うことも多々あります。世田谷区はいろんなとこに庁舎が分かれていまして、そのたびに来ていただくと悪いなと思っているので、本当はもっといろいろ幅広く使っていただきたいんですけれども、今回は特に区民の方々のいろんな研修みたいなものであったり、区民が参加するようなシンポジウムみたいなところであったり、そうしたところでもズームというのは利用されてきているかと思いますが、これはやはり使い方次第だと思うんですね。意外とグループ分けができて、そして、グループごとにディスカッションをし、そしてまた最後に全体に戻ってくるとか、そうした形でのズームの活用というのも私もやったことがありまして、やはりこれまでとは違う、不便だと思っている方もいるかもしれないんですけれども、グループで買ったらそういうふうに議論もできたりと、今後、非常に可能性を感じているところです。  あともう一つは、やはり今までのスタイルだと、シンポジウムとか何かあってもどうしても都合が遠くて行けないとか、そうした方々がズームがあることで、その日、別の場所にいる方でも参加ができたり、あと私が関わっている勉強会では、コロナについてということだったんですけれども、海外の方とかも参加してくださって、そして今、ほかの国ではPCRをみんなやっていますよ、床屋さんからデパートの店員までみんなPCRをやっていますよという国の御報告があったり本当に面白くて、非常に有意義な意見交換とかができたんです。  そうした区民とのコミュニケーションという意味でも非常に活用できるウェブ会議システムなんですけれども、これについて今後どのように活動を展開されていきますでしょうか。 ◎中村 政策経営部長 現在、区ではウェブ会議システムを開催するために必要な有償ライセンスや専用機器を整備して、個人情報は取り扱わないという条件の下で、九月から全庁的な活用を開始いたしました。  お話がありましたようなズームを活用したシンポジウムなどについても、九月四日に自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議を百二十四名の参加で、十日町や福島県を含む自治体を含めてオンラインで実施をしたところです。また、妊娠期の両親学級なども、個人情報を取り扱う場合においても審議会で個別の審議の上に順次拡大をしているところです。  今後も利用状況を踏まえまして、費用対効果等を勘案しながら、利用範囲の拡大について順次検討してまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今回、特に感染予防という意味で非常にオンラインが注目を浴びていますけれども、そこにとどまらないいろんな可能性があると思っておりますので、ぜひ今後の世田谷区でもうまくこの種のものを活用しながら、また、覚えたいという人にはぜひサポートを惜しまず、そして、どうしてもこうしたオンラインがなじまない部分もあると思うので、そういったところには、顔と顔の見える関係づくりというところで住民参画、区民参加をしっかり進めていっていただきたいと要望を申し上げまして、羽田委員と交代いたします。 ◆羽田圭二 委員 この間、新型コロナの感染拡大によって、これまでの経済、社会、福祉や社会保障のもろさが浮き彫りになったと言ってまいりました。それだけに、脆弱だった経済や社会、福祉や社会保障を強くしていくために、社会全体で人々を支える、その仕組みや制度をいかに確立していくのか、この点が問われていると思います。  全国的に介護事業所の倒産、廃業が伝えられ、今後、小売店、飲食店の倒産件数の増加、業種転換の進行とともに、非正規雇用の雇い止めや解雇の増加が一層進むことが予想されているわけです。パートやアルバイトなど非正規雇用の雇い止めにとどまらず、正規雇用労働者の希望退職、賃金の切り下げ、ボーナスカットが既に始まっている状況です。新型コロナの感染拡大による住民生活や経済の悪化という状況を踏まえるならば、個人や一事業者の努力では限界にある、そういう認識に立つことも必要ではないかと考えています。  営業収益が減退している事業者支援の在り方についても重層的な内容が問われていないでしょうか。区民の足を守る立場からは、公共交通の確保、日々の生活に欠かせない飲食店への支援なども多面的な支援を考えるべきです。さらに、現役世代を支える税や社会の仕組みを整えることが問われており、子どもから御高齢になるまで、全世代を支える仕組みが求められていると考えます。区の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 今いろいろ御指摘いただきました。新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、飲食店をはじめとした区内事業者が大きな影響を受けていることから、区としては、これまで緊急融資、業態転換補助金、クラウドファンディング支援、総合経営相談など、急ぎ事業者に対して支援を行ってきたところです。また、国の持続化給付金や東京都の感染拡大防止協力金などは、需要の消滅によりまして激減した事業者の売上げや利益を補い、事業の継続や雇用の維持を支える一定の効果があったものと思っております。  今般のコロナ禍の問題につきましては、特に中期的に見ていかなければいけない、言ってみれば、来年度以降にも継続した対策を取っていくことがまず何より肝要かと思っています。そこで、働く区民はもとより、日々の区民生活や地域社会経済を支えるために欠くことのできない存在として、今般のコロナ禍を乗り越えるために、御指摘いただきましたように、社会全体で支えていくことが重要であると考えております。  区は、区民生活、地域社会経済を支えている様々な環境に十分目を配りまして、実態をしっかり把握いたしまして、必要な施策を時期を逸することなく講じてまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 社会全体で支える仕組みの確立といったときに、分かりやすい施策の一つに、今回のPCR検査の拡充、社会的検査の実施があったと思います。日本の感染封じ込め対策は、発熱や咳など、有症者と感染者の濃厚接触者のPCR検査に力が注がれてきました。他国で行われたような軽症者や無症状の検査を行いませんでした。また、無症状者のPCR検査の多くは自己負担で行われているという現状がありました。  ところが、新型コロナの特徴の一つに、感染しても軽症、無症状の方がおり、感染に気がつかないままに他の人に感染させてしまうというケースがあったこと、今後、インフルエンザと新型コロナの同時流行や軽症者のクラスター化の懸念もあり、陽性者が発生した箇所やその周辺で、濃厚接触者と言えない方々のPCR検査も感染拡大防止対策として有効と考えます。  それだけに、人と人との接触が避けられない医療・介護施設をはじめ、保育、そして学校施設などの従事者のうち無症状の方を含めたPCR検査の必要性が出てきたのだと思います。PCR検査の意味を改めて確認しておきたいと思います。区の見解を伺います。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 区では、新型コロナウイルス感染症対策としまして、施設内における高齢者の重症化回避と感染を防ぎ、職員が安心して業務に従事できるよう、介護事業所等を対象とした社会的検査を十月より開始したところでございます。  検査手法としましては、施設内で感染者が発生する等、緊急性を伴う場合を対象とする随時検査と、対象施設を順次計画的に検査を実施していく定期検査からなり、有症状者や濃厚接触者を対象とする従来型のPCR検査とは異なり、無症状の方を対象に実施しております。  今回、社会的検査を実施することによりまして、これまでに複数の事業所において陽性者を発見することができました。早期に無症状の陽性者の発見や濃厚接触者の特定を行い、福祉施設の速やかな事業継続や感染拡大の防止対応に取り組むことができ、改めて無症状者の感染状況を把握することの重要性を認識したところでございます。(「学校はやるのか」と呼ぶ者あり) ◆羽田圭二 委員 なんか今、学校はやるのかという話がありましたので、陽性者が発生した箇所で限定した検査をする、ここは今後、特に学校などの感染も心配なわけでありまして、この点については拡充をするつもりがあるかどうか、検討するつもりがあるのかどうか、この点についてもお答えください。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 まずは十月から、介護事業所、障害者施設、保育、幼稚園等で開始をさせていただきまして、この実施状況等も踏まえ、また、学校等の意向等も確認しながら、対象施設の拡大なのか、それとも検査回数を増やすのか、それとも両方なのか、その点につきましては今後検討してまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。  次に、心の健康対策についてお聞きをします。  こころの健康相談件数、精神保健福祉法に基づく警察官通報件数並びに医療保護入院届、これらが一定増加傾向にあるのではないか。区は、この間、こころの健康相談事業を展開し、訪問型の相談・指導体制も整えてきたかと思います。今後、感染拡大や収入減、これによる心への影響が広がることも考えられます。精神障害者の病院から地域社会へということが言われてきましたが、地域社会の受け皿は必ずしも整っていない、そうした現状があるかと思います。  改めて、障害者の地域生活を支えるための地域施設や相談体制の強化、この点が問われているかと思いますが、区の対応を伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 区の心の相談支援体制につきましては、精神疾患を心配する方とその御家族、関係者等を対象に、医師、保健師によるこころの健康相談を総合支所保健福祉センター健康づくり課にて実施しております。令和元年度は百七十一回、延べ三百九十五人に対応いたしました。また、令和元年度より、保健師、精神保健福祉士等で構成する多職種チームを編成し、総合支所の保健師等と連携した訪問支援事業を実施しており、令和元年度は、未治療や治療を中断した精神障害者等二十八人に対し百八十四回の訪問支援を行いました。さらに、本年四月より国の退院後支援ガイドラインに基づく措置入院患者への退院後支援を同チームが担いまして、これまで三名への支援を開始するなど、精神疾患がある方も住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、一人一人への支援に段階的に取り組んでおります。  御指摘のコロナの蔓延やコロナ禍での収入の減少等による不安感は、精神疾患などを抱え地域で暮らす区民の精神状態にも様々な影響を及ぼすと推察し、今後の感染症の状況等を見ながら、心の相談支援事業等をより充実してまいります。 ◎片桐 障害福祉部長 区では、この間、精神障害の方の地域での住まいの場として、グループホームの整備に取り組んでまいりました。現在、区内の精神障害者の方のためのグループホームの定員は百二十一人となっております。精神障害を含めた重度の障害をお持ちの方のためのグループホームの需要は多いと認識しており、本年九月に策定した障害者施設整備等に係る基本方針において重点的に取り組む課題として位置づけております。  今後は、障害福祉計画や公共施設等総合管理計画等と整合を図りつつ、計画的な整備につなげ、精神障害を持つ方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支援してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、高齢者の居場所と在宅介護支援の課題についてお聞きします。  コロナ禍によって、高齢者の活動や交流、人と人との交流が少なくなりました。ここを回復するための対応が求められているかと思います。第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて議論が開始をされているかと思います。高齢者を巡る課題の一つに、高齢者の居場所づくりがあり、高齢になっても元気で暮らし続ける高齢者をどう包んでいくのか、この点が問われています。活動拠点の整備を含め、日常活動の支援の在り方、この点について改めて問われていないかと思います。区の対応を伺っておきます。 ◎長岡 高齢福祉部長 第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案におきましては、区民の健康寿命を延ばす、高齢者の活動と参加を促進する、安心して暮らし続けるための介護・福祉サービスの確保を図るの三つを計画目標として掲げておるところでございます。施策体系の大項目、高齢者の活動と参加の促進では、就労・就業や地域社会への参加支援など、様々なニーズを持つ高齢者に、孤立を防ぎながら、健康寿命を促進する必要性を明示したところでございます。  元気で暮らし続ける高齢者の多様なニーズに対応できるよう、生活文化政策部等関係所管と連携し、身近な地域、地区において様々な高齢者の居場所づくりをさらに推進してまいります。 ◆羽田圭二 委員 もう一つは、在宅介護支援の課題にあるかと思います。介護当事者の高齢化の進展とともに、介護する側の介護者の高齢化も進んでおり、今年三月の高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査報告書では、介護度が高くなるほど在宅介護の困難さが増し、在宅と施設介護の併用や施設入所への希望、ここが強くなる。依然、介護者は女性が多く、介護当事者の子どもや配偶者が介護者としてその負担がかかっている状況にあることが分かっています。  また、以前から指摘されているヤングケアラーの実態も見逃せない。厚生労働省は、ヤングケアラーに関し、初の実態調査を今年十二月に開始する方針を決めたと言っています。こうした高齢者の介護の実態を踏まえた第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定が求められていると思いますが、区の見解を伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 第八期高齢・介護計画の素案におきましては、要介護になった方が安心して暮らし続けるための介護・福祉サービスの確保も引き続き重要施策として捉えております。  お話しのありましたヤングケアラーなど、総合的な課題に対応するあんしんすこやかセンターの相談支援の充実、サービス提供や見守りと一体的に行う相談支援などを強化するとともに、在宅介護を支える小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスの基盤整備及び福祉・介護人材の確保等を進めてまいります。  高齢者ニーズ調査・介護保険実態調査等により、高齢者介護の実態を踏まえ、三つの計画目標のそれぞれの施策を相互に関連させて推進するとともに、地域包括ケアの地区展開をさらに進めることにより、第八期におきましても、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ今回の事業計画の中でしっかり体制を整えていただきたいと思います。  次に、地域行政制度について伺っておきます。  コロナ禍で、役所の手続にも変化が出ていくだろうということが言われているかと思います。しかし一方で、対面によるサービスの提供、これも欠かせない状況にあるかと思います。  今後、地域行政制度では、総合支所の機能と権限の強化、まちづくりセンターとの連携、地域特性を生かした施策展開、区民にとって最も身近な課題につながった地域行政を可能にするための取組が求められていると考えます。条例制定で目指すものは何か、この点について見解を伺っておきます。 ◎岡田 副区長 地域行政の条例につきましては、区政への住民参加を促進し、地域の実態に即したまちづくりを進めるという地域行政の理念の下に、地区、地域の住民意思を的確に反映することができる地域内分権をさらに進めること、また、地域コミュニティーの促進を図り、区民や事業者など、多様な方々が地域の担い手としてまちづくりに関わっていくことを目指して制定するものでございます。  重点的な取組として、住民参加の下、地区の特性や課題を踏まえた防災、福祉、またハードのまちづくりなど、具体的な地区の計画づくりを土台に、総合支所として地域への視点を入れた地域計画を立て、全区的な各種計画に地区、地域の意思を反映させる、そんな仕組みづくりに向けて検討してまいりたいと考えております。また、区民や多様な活動団体の連携を図り、地域課題や政策課題の共有化やまちづくり予算の在り方を見直し、住民主体のまちづくり活動が進めやすい仕組みに変えていきたい、このようなことを考えてございます。  このような基本的な考え方を条例に組み込むとともに、実際の取組におきましては、総合支所、まちづくりセンターの企画調整機能や権限の強化、職員支援体制の整備などが課題となるため、具体的な見直しのポイントを示し、区議会での議論、また、区民参加による検討を踏まえまして、条例化と並行して推進計画の検討を進めていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 先ほどの質疑にもありましたけれども、区民参加、今、副区長からも区民参加という点について触れられていましたが、そこをしっかり据えながら取り組んでいただきたいと思います。  次に、教員の働き方との関連で質問をいたします。  文教所管で三十人学級の実現について文科省が動き出した、そういう話がありました。今回の提案の中身は、来年度から実施をすれば教員を八万人から九万人に増やす必要があるが、十年かけて段階的に行えば、少子化で生じる余剰人員によって可能という考え方を示しております。つまり今やるつもりはないという中身であるかと思います。学校一斉休校、これによって、その後の分散登校が行われました。一つのクラスを二つに分けて登校したわけですが、教員は感染予防対策などで様々な対応が問われておりましたが、現場からは、本来これくらいの人数でクラス対応ができれば本当に行き届いた教育ができるという感想も寄せられています。  インクルーシブ教育の現状、通常学級と特別支援学級の分離、これもこうしたクラスに子どもたちが多過ぎることと無縁ではないと思います。また、教育の資質向上を言うならば、少人数学級にすれば、教員の資質も上がり、子どもにとっても丁寧な学習・教育指導が可能になるとも言われています。分散登校を通じて一時的に少人数学級を体験できた教員は、極めて好意的な感想をお持ちだといいます。  現在の四十人学級では、子どもたち一人一人の学びと遊び、人と人とのつながりを保障するということが難しくなっているのではないか。十年かけてではなくて、今ある問題に最も目を向けなくてはならないのではないか、この点について教育委員会の見解をお聞きします。 ◎渡部 教育長 小中学校においては、四月、五月は臨時休業、六月は分散登校期間を経て教育活動を再開してまいりました。六月の分散登校時には、教室の中を半分にして授業を行うことで、子どもたち一人一人の学習状況や生活状況を教員がしっかりと把握することができました。そういう意味では、個に応じた指導を充実させるということができまして、少人数学級は教育の質の向上に非常に効果的であったと感じております。少人数学級の早期の実現に向けては、引き続き、教育長会を通じて、都や国に働きかけを行ってまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひその点を踏まえて、今後も力を注いでいただきたいと思います。  教員の労働時間は、この間、タイムレコーダーで計るということが言われていますけれども、タイムレコーダーを打刻してから仕事をしているという実態が多くあるということが指摘されています。そうした状況も踏まえて、教員の現在の働き方は非常に過酷になっている、そうした現状をこれからもしっかりつかみ取りながら対応を図っていただきたいと思います。  風間委員に代わります。 ◆風間ゆたか 委員 今回の決算特別委員会では、総括のときから、区役所組織のマネジメントだとかガバナンスということについて議論をしてきましたし、先日の文教所管でも、教育委員会のこのところの組織体制の在り方ということについて苦言を呈したところでありますけれども、いま一度、今の区役所組織、今日ここに列席されている理事者の皆さんが、皆さんの先輩のときと比べてどうかというところを少し考えていただければと思うんですね。  私が十四年前に新人議員としてやり始めた頃には、特に部長級の皆さんがそれぞれの当事者意識を持って、当時の区長はあまり答弁されない人でしたけれども、各所管の部長がどんなことでも答えられるというような状況だったと思うんです。それに比べて皆さんはどうかなということを少し先輩と比較をしてみてもらえれば思うんですが、やっぱり組織というのは、常に発展、成長していく使命を負っていると思うわけです。区長が保坂区長になってからこの組織は発展してきているのかということは、やっぱり皆さん自身が日々考えていかなければならないことだと思いますし、皆さんが引退された後に後輩たちが育ってきているのかということも各管理職が意識をしていくべきことだと思うんです。そういう視点から見たときに、私は少し物足りなさを感じるというのが正直なところであり、先日の文教所管のときには、そういったお話もさせていただきました。  そういう状況下で、副区長三人制という話は、今年の三月に我々も同意をしたわけですけれども、副区長を増やす、いたずらに管理職の数を増やすということには賛成できないと申し上げましたし、三人目が入ることによって活性化をするということであれば賛成しますよというお話をしたところです。コロナにあって、この副区長三人制というのが少し見送られているという状況から、今定例会に同意人事案件が出てくるということになりまして、三人目の副区長がいよいよ現実的なものになるんだないうふうに考えておりますけれども、一体何のために三人制にするのかということがやはり重要だと思うんですね。  今コロナの状況で組織が非常に疲弊をしているというのは私たちも見て分かるところですし、それをより強化していくために、やはり事務方のトップをもう一人置く必要があるんだということに対しては一定の理解をします。ただ、この三人目の副区長は、単純に部長から昇格するということで本当に組織として強くなれるのかということについては、まだまだ見えないところがありますので、このあたりを区長はどのように考えているのかということをお聞かせください。 ◎保坂 区長 新型コロナウイルス対策の渦中に現在あるわけですが、そういう意味では、健康危機の事態、非日常的な事態がかなり長期にわたって続いているということだろうと思います。区民生活の安全、そして健康、生命を守り抜くということは第一命題になり、様々な対策を中心としながら、また、この影響で困難を極める事業や、暮らし、雇用についても支えていく、こういう時期だろうというふうに思います。また、コロナの対応が長期化しておりまして、そういう意味では、水害、地震等のいわゆるダブル災害という確率も高まっているという時期だと思います。  令和三年度以降の財政見直しは、この間申し上げているとおり、大幅な減収、そして、複数年にわたってこれまでのような回復がなかなか見込めない前提で持続可能な行財政運営を確保するとともに、この間、政策方針に掲げました四つの重要政策をはじめ、区民ニーズにしっかり素早く応えて的確に事業執行していくための力強い体制を構築する時期であるというふうに判断をいたしました。  今後、コロナ対策をはじめとする山積する重要課題を、より一層適切、迅速に対応し、そして、私の指示の下、副区長自らが機動的に活動し、とりわけ国や都との調整も多岐にわたります。部や領域を超え、全庁的な視野に立った迅速な判断、リーダーとして幹部職員をはじめとする職員の適切な指導、牽引など、主導的な役割を発揮できるよう、副区長を三人体制として政策方針を実行していきたいと考えております。  世田谷区の基礎自治体としての役割は、既に政令市規模の人口による多様なニーズに応えることが求められておりまして、機動的で、なおかつ全体性を持った、大きな視野を持った区政の運営のためにも、新たな体制で求められるニーズに精いっぱい応えて成果を上げていきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 保坂区長が就任をして、いわゆる政治家の首長となり、政治家としての理念、それを世田谷区で実現していくということで、先進的に取り組んだ事例、我々が提案をしたものも含めてですけれども、進められてきたものに関してはもちろん評価されるべき点も多いと感じているところでありますけれども、政治家、首長が就任した後の弊害としてよく言われるのが、やはりトップダウンになってしまって、それが長期化することによって、部下の皆さんたちは言われたことだけをやるような組織になっていく。これは民間企業でもよくあることですけれども、このような傾向が少しあるのではないかなというふうに感じるところです。  そうなってくると、本来であれば、冒頭述べましたように、各部長、もしくは課長が自らの発案で、これまでの経験に基づきよりよい区政の提案をしていくという力がそがれていってしまう、そういった弊害もあるのではないのかななんていうことを近頃感じているわけです。こういったことについては、私も新人議員だった頃に課長だった皆さんが今、部長になられて、この席に座られているわけですけれども、そういう議論を大分させてもらったなという思いもあったりするわけです。そういったことに対して、先日、教育委員会の問題点についても指摘をしたところですけれども、そういった能力を引き上げていくのも本来は副区長の役割ではないかなというふうに感じるわけです。  副区長は、実際に先ほど指摘もされていましたけれども、副区長自らが部長のような働き方をしているんじゃないかというような話もありましたけれども、やっぱり上の人間が細かなことまで指図をしたり、やったりしてしまうと下が育っていかないというのはどこの組織にも通じて言えることです。こういった指摘について、事務方のトップとして最も長い宮崎副区長、どのように感じていらっしゃいますか。 ◎宮崎 副区長 今般の副区長三人制ということについては、区長にも、ある意味、お願いもし、区長のほうからも、どういうような組織運営をしていくのかということを御相談申し上げながら、議会のほうに今般お願いをしたという経過がございます。  今お尋ねの件でございますけれども、一つは、やっぱりそれぞれの力量もあると思いますし、例えば私自身の部分のところの至らなさももちろん災いになっているかなという気は常々思っております。  そういう中で、職員の体質そのものの部分については、一つは、昔はやっぱりボトムアップというものが世田谷の中では非常に際立っていたという部分のところで最近ないのが、例えばですけれども、この仕事の流れを含めて、そうは言わなくても、言ってみれば、昔は世田谷に呼び起こすような動きをしてきたものを、今は、地方分権の流れ以降の部分でもありますけれども、例えば世田谷区において人口規模が大きいことも含めてですけれども、東京都と重ねて事業をやっていくというよりは、だんだん独立してやっていくということも、東京都自身も認めているところですけれども、そういう仕事が多くなってきたとなるならば、国や東京都の部分の流れをくんで、例えば区長の指示を仰いでというよりは、そこで自分たちがどうするかということをやっぱり考え直さなきゃいけないと思いますし、今般のICTの話などは典型的だと思います。  いろんな規制緩和とかいうのはやっぱり国のほうから飛んでくると思いますけれども、そのときに私たちが一番考えなければいけないのが、区民サイド的にこれがどういうふうに使われていくのかということを考えて、代弁すべきところは代弁しますし、そこでどういうような使い方をするのが一番効率的であり、かつサービス的に見ても、一番これがふさわしいというものを選択しなければいけない。この辺になりますと、これは各所管部がいろいろ規模が大きくなってきましたので、それぞれの部分のところでそういうことを考えた上でマネジメントをやっていってほしいと思いますし、また、そうでなければ、組織を幾らいじっても、転換期に来ている部分のところでは中身次第だと思いますので、やっぱりそこに合わせた組織になっていくのが一番自然だと思いますので、そういうことを肝に銘じて、今後の区政運営に言ってみれば尽力していきたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 まさにトップダウンの対極にあるのがもしかするとボトムアップなのかもしれません。私たちの政党は、ボトムアップということで指示を受けてきた政党であったはずですけれども、行政体として、ボトムアップというのは、区民からの意見を反映する区議会からの話があって、町場で職員さんが吸い上げてきたボトムアップの話があって、両方からのボトムアップを政策に反映させていくというのが地方自治体のあるべき姿なんだろうなと私も常々思っているところです。  そう考えると、今回の定例会では、私たち会派からもPCR検査の件でかなり厳しめな指摘もさせていただいたところですけれども、区長のリーダーシップというのが前面に出てきた結果でもあるかもしれないなと思いますと、これが長期化することによって組織が萎縮していくということは十分に考えられるわけでありまして、保坂区長も三期目ということで、こういったことが見えてきたということを、今後、三期目も後半も含めてまだ二年半あるわけですけれども、こういったことを今後の区政運営で、保坂区長はどのように意識されて取り組んでいきますか。 ◎保坂 区長 以前、大場区政時代ですが、自由闊達に、もちろん財政的な根拠もありましたから、どんどん自由にやれと、責任は俺が取るというような当時の助役と幹部職員、あるいは一般職員との関係があったと。そして、今、我々の資産にしているような例えば世田谷美術館やパブリックシアターや様々なまちづくりとか、現在引き継いでいるというところはあると思います。  私もボトムアップ、職員、特に管理職だけではなくて、入って四年目、五年目、仕事に慣れてきたけれども改革が必要だと、こういう皆さんの意欲的なプランをどんどん実現させていきたいと思い続けているんですが、現状は、やはり風間委員が言われるように、突出して、これはどうしてもやるんだということで、それぞれのセクションで提案がなかなか上がってこない状態だと思います。一方で、細かい指摘であるとかアイデア、あるいは人脈であるとかということで提示したりもしますから、そのことが、その課題にとってはいいんですけれども、その次の時期になると、要するに区長や副区長も含めて、結局いろいろ具体的に変更とか、こうやれということは具体的な指示が出るんだからということで、これが絶対だというところまでしっかりプランを固めないようなところの弊害です。まさにそれは出てきていると思います。  だから、もう一度、この三人制を機会にしながら、やはり現場にいる職員が意欲を持って、この前、今年入った一年生、コロナのさなかで研修もできなかった世代と話をする機会がありましたけれども、やっぱり十分問題意識を持って、この半年で課題をそれぞれ、こういうことをやりたいというのを彼らは持っているということも分かりましたので、組織改革、そのモチベーションをしっかり引っ張り上げながら、熱意と実行力を自立的に引き出していくという組織に変えていくための改革を行っていきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 この状況でまずは内部の組織を固めていくということを、特にこの財政難という状況の中で副区長三人制でやっていくということについては、まずはしっかり取り組んでいくことを私たちも注視していきたいと思いますけれども、やはり半年前に私たちが求めましたように、組織をさらに発展させていくには、外からの人間を活用していくというのは非常に有効なことだと感じます。今、区役所内でも管理職の中で民間から登用された方が何人かいらっしゃいますけれども、または国から来ている管理職もいると認識していますが、私たちも議論をしていて非常に刺激を受けますし、生え抜きで区役所の中で育ってきた幹部職員とは少し違う観点を持っているなというふうに感じるわけですね。これが副区長であれば、マネジメント力も含めて期待できるような人物を見つけてくるというのはさらに大変なことだと思いますけれども、やはり三人目ということについては、今後はそういった新たな外部人材ということも視野に入れていく必要があると思いますので、そのことはぜひ検討を進めてもらえればなと思います。  次に質問しますのは、これも総括で取り上げました経済産業政策についてです。  仮称せたがやペイについての問題点ということを指摘しましたけれども、システムを組んでかなりのお金をかけて、それを商連が管理していくということは本当に大丈夫なのかということを確認したところでありますけれども、電子決済サービスということで言えば、大手のPayPay等が自治体とタイアップをして、かなり多くの自治体が導入しているというようなことも把握をしているところですけれども、地元に本社がある企業という意味では、楽天も楽天ペイというものをやっていたりするわけで、こういったところとのタイアップというのも十分に考えられたのではないかと思いますけれども、このあたりは検討されたのかどうか伺います。 ◎田中 経済産業部長 今お話があった例えばPayPayはかなりの自治体でやっていて、毎月新しいところが、例えば自治体が二〇%のお得の部分を原資をもってやるというようなことをやっています。  私たちも、検討の過程で様々な電子決済事業者を検討してみたところです。例えば大手の部分のポイントを区の税金で原資で持つということは、例えば千円の買物をしたときに後で二百円のポイントが返ってくるというのは、二割増し、自治体が原資を持つということになりますけれども、最初は、例えば区内のお店でお買物をして、その後のポイント、二百円分というのは、使う方が自由に、まさに日本全国で使える。例えば最初に出たPayPayなんかはインターネットショッピングでも支払いができるということで、自治体が税金で払ったプレミアム分、割増し分というのが最後はどこに着地するか分からないというところで、私たちもそこに乗っかれば基本的なインフラは整えなくて済むということもあったんですけれども、ここはやはり地域内循環というのを考える上で、先行してやっている、木更津とか飛騨高山なんかでやっているような割とクローズした中でやるほうが地域内循環としてメリットがあるんじゃないかということで、今回そういう構えにしております。 ◆風間ゆたか 委員 おっしゃったとおり、私も研究したところ、やはり大手のサービスですと、当初の目的である世田谷の個店支援にならないということであれば、そもそもやる意味がないと思うんです。これまでプレミアム付商品券の問題点は、私たちはかなり指摘してきましたが、不正利用される懸念がまだ残っているということを指摘しました。  今回、国がやっているGo Toイートに関しても、不正とまでは言えない、誰の支援になってしまっているのか分からないような事態になってしまっていて、今日の報道なんかだと、商店側が架空の予約を受け付けたというような形でポイントを集めているなんていう話もあったりしましたから、当初PayPayがプレミアムをつけたときにも、こういった転売問題なんかも起こったわけで、新しいことをやると、やはり不正に利益を得ようとする人たちは出てくるわけです。そういったことも十分に検討する必要があるわけで、今のお話ですと、経済産業部としてかなり取組は進めているなということを議論していても分かるところですけれども、もう一つ、この前から指摘している懸念は、本当に商連で運用していけるのかということと、どこの自治体もあまりうまくいかなかった地域通貨への移行ということも含めて検討していけるのかということがやっぱり鍵だと思うんですね。地域通貨にしていくことによって、その価値は常に地域の中で使われ続けるというようなことをうまく実現することができれば、世田谷区としても大いにやりがいのあることだと思います。これは商連だけだと正直難しいと思うんです。  私たちは、外郭団体の整理、統合については求めてきたところですけれども、例えば区と外郭団体と一緒になってこの仕組みをつくっていくということであれば、ある一定の理解ができますけれども、これについてはいかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 不正利用については、次から次に新しいことが出ていますので、それは若手職員も中心に巻き込んで検討していきたいです。  それから、今回、産業振興公社が大部分関わってやってまいりますので、こちらは両者で全力で支援していきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 この件については引き続き注視していきますので、議論を進められればと思います。  質問を以上で終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時九分休憩    ──────────────────     午後四時二十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
     無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の補充質疑を始めます。  先ほど来から出ている組織というものは、ある意味、人間の組み体操みたいな部分があって、一番トップにいる人がぐらぐらすると下に余計な負担がかかって、組織全体が瓦解するということもある。または、二番目の人が働き過ぎて持ちこたえられなくなると、それが元で全体ががらがらと崩れることもある。いろんな意味で、持ち場持ち場の人が全力で働いていると、そこに余計な負荷をかけるととんでもないことになるということなんです。  それをまず一つのテーマとして申し上げておきますけれども、区長にお聞きしたほうがいいと思うんですけれども、唐突ですみませんけれども、デマというのはどういうことか御存じでしょうか。 ◎保坂 区長 事実でないことを流布するということです。 ◆大庭正明 委員 辞典で調べますと、事実に反する先導的で謀略的な宣伝というふうに書いてあります。または、いいかげんなうわさ話、流言。謀略的なというのをまた引きますと、人を欺くようなはかりごと、相手を信頼させておいてだますというようなこと、また、うそを言ったり、偽物を使ったりしてそれを本当と思わせることというのがデマの厳密な意味だと思うんです。  最近、ネットで見つけた文章で、そういうふうに感じる向きもあるんだなと思って、僕もかなり賛同したんですけれども、ある人がこう言っているんですね。保坂世田谷区長殿がマスコミ相手にぶち上げた世田谷モデルも一種のコロナデマだな。物理的に不可能な検査体制、未認可の検査方式、素直な人たちはだまされて期待したと思いますよ。しまいには、あれは誤解です。ニューヨークの話です。どうよ、これ異常でしょうと。  今回、一連の定例会と、また、それ以前の七月から八月、九月にかけての委員会を通じての議論の原点であったものです。それが七月末から始まった一連の無症状者のPCR検査を巡る騒動で、世田谷モデルとやら、社会的検査とやら、従来型検査の補充とやらと、あるときはテレビで、あるときは区からのメールで、あるときは区長の記者会見から、変幻自在の果てに出された補正予算に関して、その発端となったBS―TBSのテレビについて伺いたい。まずこのことが全ての原点なんですよ。このことが話がどんどん広がったり、横にそれたり、最後は、副区長が一生懸命やって美談めいた話で終結していますけれども、そうじゃないんですよ。  ここにパネルを用意しましたのは、今年七月二十八日の夜に放送された番組、「報道1930」の中でも、世田谷モデルに触れた冒頭の部分です。こんな感じで、下は私が手書きで書いたことなんですけれども、ところで、七月二十八日に区長は出演されているんですけれども、出演のオファーはいつ来たんですか、それからギャランティーは幾らだったんですか。 ◎中村 政策経営部長 七月二十八日に放送されましたBS―TBSの区長のテレビ出演の依頼ですけれども、前日の七月二十七日の意見交換の後に、区長と児玉教授が取材を受けたときに、BS―TBSのほうから依頼がありました。 ◆大庭正明 委員 僕は相当前から仕込まれていたんじゃないのかなというふうに思うんですね。こういう形でテレビに出て、区長はリモート中継だということで区役所から御出演されたそうですけれども、そのときの一問一答について、全部書いてしまうと紙面が足りなくなってしまうので簡単に申し上げますと、ここで司会者が保坂区長に尋ねているわけです。  ギャランティーはどうだったの、こういうのは報酬はないんですか。 ◎保坂 区長 一連のテレビのリモートなどについては報酬がない場合が多いですが、この番組についてはありました。 ◆大庭正明 委員 幾らですか。 ◎保坂 区長 三万円ほどだったと思います。 ◆大庭正明 委員 これは区の規定では、個人がもらっていいんでしたか、部長級とかそういう人が研修か何かで出た場合というのは、報酬費みたいなものは取らないとか、区にもらうとか、そうなっていませんでしたか。 ◎中村 政策経営部長 一般職の部長、課長であれば、兼業、兼職などの手続を経て、認められれば報酬を得る場合もございます。制度的なことではございます。 ◆大庭正明 委員 区長はもらったんですか、自分のポケットに。 ◎保坂 区長 一連のテレビ等の出演の中で、この番組についての今のお話は振り込まれておりました。 ◆大庭正明 委員 本題に入りますけれども、司会者が保坂区長にまずこの番組で尋ねているわけです。一つは、誰でも、いつでも、何度でもPCR検査を受けられるということで値段はどうなるのかという質問をしています。これに対して保坂区長は、何を言っているのかよく分からない本会議での調子でいろいろしゃべられて、大量に全自動でやるとか、一つの検体に何人のものを入れる、プール方式のことでしょうけれども、等々述べて、こう言っているのです。ということで、コストを下げていくということは、まあ、できるはずなんですね。世田谷区の区長が、まあ、できるはずなんですねと、こういう答え方をしているんです。そこから今度は値段のことはそっちのけで、PCRを大胆にやろうじゃないかとか、ニューヨークだってやっているんだから見習おうみたいな演説調になって、次に、司会者が一日にどれくらいの検査数をイメージしているのかと、一日にどれぐらいやるのかと言ったら、桁を増やすとか何とかと言って、保坂区長はこう言っています。そうですね、二千人、三千人という単位でしょうかねというふうな話なんです。  お断りしておきますけれども、今この画面に出ているところで、最初はここは、誰でも、いつでも、何度でもを目指す、これは児玉教授が提案するPCR、世田谷モデルと書いてありますけれども、ここにリモート中継で並んで映っているので、これは区長も同意されているというふうに映るわけですね。対象は、飲食店、学校、理容室、劇団、介護施設、スポーツジムなどになっていまして、現在の話とは全く違う話から始まっているんですよ。足す、これに接触確認アプリで濃厚接触者の検査と、これが一つのセットになって、誰でも、いつでも、何度でもを目指すということを区長は言っているわけです。では、それに対して、桁数はどれぐらいですかと言ったら、二千から三千ですというふうに答えているわけですね。  そして、この場面での最後の質問になるんですけれども、司会者が、一番心配なのは、予算はどうですか、皆さんお金は大丈夫なのか、そこのところはいかがですかと。ここの保坂区長の答えは、長いのですが、そのまま引用します。お金を大丈夫ですかと聞かれて、区長は、はい、これは社会的経済活動を前回のように全部止めて、息を潜めてというのはなかなかこれ以上難しいというところに来ていますし、効果も、それはそのとき自身は下がりますけれども、また解除される、途端に出てくるということですから、やはり検査コントロールして、見つかった人はその隔離をして治療をしていくと、このサイクルを徹底してやっていく以外ないし、そこにお金をかけるのは、一番費用対効果が、いい予算のかけ方のはずなんですね。ですから、一つ一つの事例が、実例が出てくれば、東京都も、国も、これではこういう方式でいこうじゃないかというふうになるはずだと思っています。ここでもそうなるはずと言っているんですね。  この保坂区長のお金は大丈夫ですかという司会者の質問の答えをいま一度要約すると、前回のような非常事態宣言のような社会活動を止めることはもうできないので、PCR検査を徹底してやって、陽性が出たら隔離と治療を何度もやるのが一番費用対効果のある予算のかけ方のはずだ。世田谷区がその実例をつくれば、国もこういう方式、つまり誰でも、いつでも、何度でもになるはずだと言っちゃっているんですね。これは無責任な話じゃないですか。保坂区長の言葉には、何度もできるはずとか、いい予算のかけ方のはずとか、あるいはなるはずというように、はずという語尾が使われているんです。  このはずという意味は、ヤフー知恵袋で見ますと、論理的に得られた確信と出ています。つまりここまでの話は、PCR検査を一日に二千や三千ぐらい大量にやれば、またプール方式でやればコストは下がるはず。さらに世田谷区でやれば、実例をつくれば、国も、誰でも、いつでも、何度でもPCR検査をするはずという保坂区長の論理的に得られた確信とやらで成り立っていて、ちっとも答えていないんですね。他人の国や東京都もやるはずみたいな、世田谷区が世田谷モデルとしてやると言っているんですよ。財源はどうなっているんですかと聞いているのに、それには全然答えないで、こういう検査はやるべきだと、やらなくちゃいけないんだとかと強く主張して、しかも、ニューヨークはやっているじゃないか、東京でもできないはずはない、世田谷でもやれないはずはない、はずはずはずなんですね。世田谷区長として、こういうことをもってテレビで発言していいんですか。 ◎保坂 区長 まず、そのパネルですけれども、児玉教授の提案する世田谷モデルということで、これはこのフリップ以外に、こういうところから始めていきたいということで何枚かあったように思いますけれども、児玉教授の提案する世田谷モデル、いろいろなところでやるということの列挙も児玉教授の提案ということです。それから、いつでも、どこでも、何度でもということで、たびたび議論になりますけれども、私自身は、文脈の中で、それを実現しているニューヨーク州をモデルにこれを広げていきたいと、こういうふうに発言しているわけで、九十二万人を全員やりますというようなことは発言をしておりません。  それともう一つは、今の世田谷モデル、あるいは世田谷区方式でもいいですけれども、そういうことを取りあえず従来の検査を倍にする、それから、社会的検査として、介護施設などリスクのあるところ、クラスターとか重症化のリスクのあるところを中心にやっていきますよと補正予算として八月に発表しました。そのときの輪郭と、やはり骨格は変わらないことを述べているわけです。そして、この番組の中で、田村厚生労働大臣になりましたけれども、当時は自民党のコロナ対策本部長ですね。こういう提案が出てくることを待っていたというふうにおっしゃっています。PCR検査を自分たちも増やしたいんだけれどもと。ですから、根本的に増やしたい増やしたいと首相も言うし、本部長も言っている、しかし増えない。PCR検査というのは、世界の中でやはり非常に低い水準に当時もあっただけではなくて、七月の後半というのは感染者が激増していたわけです。その中で、何か打つ手がないのかというところの中で、やはりPCR検査のハードルを低くしていこうと。二千、三千と言ったのは、今やっている数の十倍を目指していこうということです。ただ、二千、三千が、結果として、八月に提案させていただいたのは千件ということで減じている、そこは二千件か三千件が少し手前になったと。また、プール方式も、実証試験で四検体程度で結構正確に出るということも明らかになっておりまして、これは国自体がそのことを認めていけば、いつでも実施ができるわけです。  ただ、問題は、この発言も含めて、別に流言飛語で何かをだました云々という話ではなくて、PCR検査がこんなに伸びない、できない、壁になっている、そこをしっかり破るんだと、そういう意思を明確に示したということであります。 ◆大庭正明 委員 田村さんも、お金の面で国は協力するんですかと言ったら、お金は出しませんと。もう既に出した予算の中で、それを使ったらいかがですかと言って金銭面的には全然―国はいい提案だとは言っていましたよ、そういう提案を出すのはいいけれども、お金は出しませんとあの番組では明確に言っております。ですから、来ていないんです。  それから、児玉先生が言っていると言ったって、あなたは、この児玉先生のものを受け入れたと言っているんですよ。だから、児玉先生のせいにするなんていったら児玉先生がかわいそうじゃないですか、そんな人のせいにして、あなたが児玉先生の提案を受け入れて、要するに今日ここで発表するから価値があるんですよ。他の首長だったら、絶対にこういうことを言わないですよ。  それで私が問題にしたいのは、二十八日ですよね。二十七日に専門家を呼んで話を聞いたと、コロナ対策本部会議が開かれたと、そこでは何も決めていないんですよ。何も決まっていないまま、あなたが単独で出て、この児玉先生の話をもって、それを世田谷区がやるようにべらべら言っているんですよ。それを視聴者が聞いたら、世田谷区はやるんだなと思いますよね。ですから、冒頭のような文章が出てくるんですよ。これは立派としたコロナデマだなと。物理的に不可能な検査体制、できていませんよね、対象の人なんかなっていませんよね、いわゆる介護従事者だけに今なっていますよね。理容師さんとかそういう一般的な人たちはなっていませんよね。物理的に可能な検査体制、未確認の検査方式、プール方式なんていつできるんですか、もう十月も半ばですよ。プール方式で価格が安くなるということで、多くの人が何回でもできるんじゃないですかというのが一つの根拠だったんですよ。プール方式というのが今回の一番最初の出発点だったんですよ。それが延びて延びて延びて、いつできるか分かりませんけれども、今もってできていないということからすると、これはコストが高過ぎてやるべきではないんですよ。毎回毎回の頻度、それから、前日に言ったなんていっても、会議の中で児玉先生が説明したときに、そんなのできっこないと宮崎副区長は止めているんですよ。それから、九月十日の委員会でも、コロナ検査を二週間に一遍もやったら予算がパンクするということを言っているんですよ。そう答弁していましたよね。 ◎宮崎 副区長 まず、七月二十七日の日は確かに児玉先生の御提案に対して、これについて手を挙げさせていただいて、世田谷区としてこれを受け入れるとすると、お金の問題を含めての部分について非常に懸念材料があるということについては申し上げました。  それと、九月十日のほうですけれども、これは大庭委員とのやり取りの中で、この回数と、これが意味のあるのかないのかという中で、私のほうが、もし委員のお話の中の部分のところだけ受けるのであれば、二週間きっちりできるかという部分の予算組みがあるのかということに対しては、今そういう状況ではないということを申し上げたつもりです。 ◆大庭正明 委員 だから、もろもろそういうことも含めて、区長は財政的に世田谷区単独では無理だということを言いながら、世田谷区が一度実例をつくれば都や国もまねをするだろうというふうに言っていて、自分の財源がないということが分かっていながら、こんな危険なことを言っているわけですよ。これをもしやっていたら、世田谷区の財政なんてパンクすると副区長が言っているじゃないですか。それで国や東京都がついてこなかったら、全部パンクですよ。そういうことを何で言っているんですかということですよ。何の権限があるんですかと。  区長といえども、やっぱり幹部会とか、政策会議だとかそういうところで決定をしてから言うのが当然であって、区長しか知らないことを区長の思いで、児玉さんと区長しか知らないようなことを、何万、何十万人の人が見ているか分かりませんけれども、とうとうとこういうテレビの番組で述べるということはすごいことですよ、これは大変なことじゃないですか、そういう認識はあったんですか。  それから、あなたはPCR検査、PCR検査と言っていますけれども、先ほどから介護現場の人たちが、もしそこで受けて陽性者が出たら、介護施設等とかお店だとかの後始末というか、後のフォローですよね。そういうことはどういうふうに考えていたんですか。何も考えずに、ただPCR検査、PCR検査と言っていたとすれば、それはPCR検査だけのことであって、では、その後にもし陽性者が出たらどうするんだということまで考えずに発言しているじゃないですか。 ◎保坂 区長 議会で、私区長に対して御懸念や御批判、疑いをどのように発言されてもいいですが、当時は毎日、新たな感染場所、この中で介護施設が多かったですね。では、こういう中で代替のサービスをどう入れるかとか、事業者がグループなので、そのグループで集まってもらうとかということは、その都度ずっと対応してきたんですよ。その対応したことの集積の中で、何人かクラスターになってから対応するのではなくて先回りしてという児玉先生のその提案をよしとしたわけです。その前は、抗体検査で実情を見ようということで、五月、六月は準備していました。ですから、このことは唐突にぽんとそこで出てきたわけではなく、ずっと集積の中で、とりわけ社会的検査ということについて議論を積み上げてきたということになります。  それから、もともと東京都の区市町村の連携予算であるとか、いわゆる地方創生拠出金、田村氏も言っていますけれども、こういった中でコロナ対策に使ってくれという財源はあったわけです。あった中でそこをそれぞれ活用しながら、例えば医療機関支援や、あるいはPCRを二倍にするや、この社会的検査についても宮崎副区長を中心にいろいろ案をつくってもらいました。ただ、結果として、国も考え方を進めて、こういった社会的検査については有効だと、したがって行政検査で国費を充当しますという見解を出したじゃないですか。これについては、プール式の話ですけれども、プール式についてのみ、世田谷区がやろうとしたことについて照会をかけたところ、プール式についてはまだ認めていないので、これを使った場合は充当はできませんという返答が来ているので、プール式は今棚上げしているということなわけですよね。  それから、東京都についても、高齢施設を押しなべてやっていこうという話が出ました。また、今回、都議会の中で、閉会をしていますけれども、高齢施設等へのPCR検査についてはさらに拡充、支援をしていこうというふうになっています。ですから、はずと言って逃げたのではなく、あるいは評論したのではなくて、翌日から動いていますよ。国とも連絡を取って、東京都とも連絡を取って、相対して話していますよ。 ◆大庭正明 委員 議員が、委員が区長に対して何を言っても構わんわみたいな発言というのは、委員長、これは不誠実な答弁ですよ。冒頭に言ったように、批判を言っても構わないがみたいな言い方をするのは、我々は批判したり、そういうことをするのが仕事なんですから、そういうことを何か軽く受け流すような形で、何を言っても構いませんよというような形で対応されるのは非常に不誠実だと僕は思いますよ。  翌日から動いたといっても、翌日の次の次の日に、福祉保健委員会で、僕は宮崎副区長に聞いたんですよ。まず報告事項がない、どうなっているんだと。宮崎副区長はよく知らないと言ったんですよ。翌日になっても、自分は番組の文字起こしを読んで、それで再点検している段階ですと答えた、そうでしょう。 ◎宮崎 副区長 確かに七月二十八日の部分については、三十一日の福祉保健のほうでそういう御質疑があった中で、それについては今文字起こしをして確認をしている段階ですということを申し上げました。 ◆大庭正明 委員 区長の言っていることは全然違うじゃないですか。我々、区議会議員が詳細を知っているのは、八月の半ばになってからですよ。それまで一切音沙汰がないんですよ。だから、皆さんのところに電話や問合わせが来ても、一体どうなっているんだと、誰が受けられるんだと。これを見れば介護従事者だけではないというふうに見てとれますから(「賛成多数で決まった話じゃないかよ」と呼ぶ者あり)一度決議したことでも検証はできますよね。これは検証をしているんですよ。要するに、後で議事録を読んで、一体あそこの騒動は何だったんだというようなことが分かるようにしないと、テレビのところが原点なんですから、その部分から話していかないと、この話が途中でどんどん変わっていくんですよ。宮崎副区長がいろいろ言ったり、動いたりして、国のほうも変わってきてはいるんですよ。  要するに区長の言っていることは、長々と言っているけれども、当初説明されたことをみんな期待している向きはあったんですよ。でも、それが現実、今となったときに全く違ったものになっているんですよ。定期的にやるといっても、これはどれぐらいの頻度なんですか。テレビ番組でも定期的でいいと言っていますよ、区長は定期的にやると。 ◎宮崎 副区長 今般の部分については、言ってみれば、まず随時のところから陽性者が出ましたので、そこの部分についてのものを、どれぐらいのサイクルというのは今検討しているとこですけれども、定期的な部分と随時の部分を今度組み合わせということになりますので、その期間という部分については改めて、議会からも、それについては十分協議してほしいということもございましたので、この段階の部分においてはまだ結論を出しているわけではありませんので、お答えといいますか、その辺についてはまた改めてということで、議会のほうと協議していきたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 定期的にやらないと意味がないというのは、今の厚労大臣も言っているんですよ。世田谷さん、定期的にやるというのは大変なことですよと、長い道のりになりますねみたいなことまで言っているんですよ。  来月から東京で世界体操大会が開かれます。そこでは選手は毎日PCR検査を受けるということが義務化されています。その関係者もそうです。要するに、PCR検査は極限ではなくて毎日やらないと意味がないんですよ。要するに日常活動をしているのは、一回やって、また一か月後とか、そういうのは意味がないんですよ。だから、その頻度については、せめて病歴の発症時間が十日とか、そういう期間ですから、二週間ぐらいたてばいいのかもしれないというふうに言われていますけれども、もう一度、頻度は二週間に一回とかということにはならないんですか。 ◎宮崎 副区長 一つの事例としては、二週間ということも頭に入れましたけれども、今般の部分で、検査をして、今二例、そういう意味での陽性者が出ましたので、随時のほうとの見合いの部分の中でサイクルを考えていきたいので、今の段階で、定期的な部分のところについて、定期的にやっていきたいということは考えていますけれども、その期間の部分についての答えをまだ持ち合わせていないというのが状況です。 ◆大庭正明 委員 要するにPCR検査というのは間隔を空けると意味がないというわけですし、今回、区長が言われるように、もしやっと国が動いたというんだったら、PCR検査は国費が全部つくんでしょう。では、二週間でやればいいじゃないですか。一応、当初は財源問題があったけれども、国が動かないということが当初だったんですよ。それが今動くようになったんです。だから、やればいいじゃないですか、なぜやらないんですか。 ◎宮崎 副区長 国費の部分については、先般来、御説明している九月十一日に、具体的に世田谷区の内容について、国費について行政検査として認める、さらには、九月十五日にいわゆる方針として改めて全国に発信しています。  したがいまして、世田谷区の枠という部分については、例えば頻度で、例えば何倍という形になったときに、改めて具体的に答えを聞かないと、全額の国費という部分についてのものの担保というところまでは見えていないというのが今の現状です。 ◆大庭正明 委員 では、区長の言っていることと違うじゃないですか。国費がついているわけではないし、国が動いたわけではないんですよ。解釈の仕方を変えただけなんですよ。それはそれでいいですよ。  それで、ここに区長の出した本があって、「八十八万人のコミュニティデザイン」という私の愛読書で、そこのところで、二回目のコントみたいになって申し訳ないんですけれども、何年か前に私は実務家に徹しましたというところを取り上げて、本当に実務が堪能かなということを申し上げたつもりなんです。実はその後にこれが書いてあるんです。私はできもしないことを大言壮語をするタイプではありません。力もないのにアドバルーンを勢いよく上げて、一瞬の世間の耳目を集めるような振る舞いは根っから嫌いです。政治は結果が全てですと、六年前に出された本に書いてあるんですよ。  今回のしたことは、要するにテレビにいきなり出て、副区長の反対している財源問題がクリアになっていないのに出て、それで区長がさんざん大きな話をして、つまり大きな話をしたからTBSが出演依頼をしたんですよ。こんな大胆なことを言う人はほかにいませんよ。財源が幾ら豊かだって、東京都だってこんなことは言っていませんよ。あなたは六年前の保坂さんに向かって、どうなんですか。 ◎保坂 区長 そちらのパネルがこちらからは見えないので(「書いてあったのを読めばいい」と呼ぶ者あり)分かりました。  その中で、結果が全てだということが一番大事だと思います。今回は大変な危機感で、PCR検査が制約をされている、やはり新しい仕組みをつくらないと伸びない、増やせない、あるいは廉価にならないというところでの壁を何としても突破しようと。ぜひ日本記者クラブでの記者会見、これは私自身が全部組み立てて言っているものですから、それもぜひ取り上げていただきたかったんですけれども、そういう自治体からの提案、そして意思表示ということで、これからインフルエンザとの同時流行が大変心配されますけれども、この大きな感染拡大を防ぐという布石を世田谷区から打って広げていくという結果にしていきたいと思います。 ◆大庭正明 委員 結果が全てだといっても、最初の結果とは全然違うじゃないですかということを言っているわけですよ。その部分についての謝罪も何もなくて、あなたたちが誤解したんでしょうというだけの話で終わらせるというのは非常に不満です。  これは十月十日の東京新聞ですけれども、民間のPCR、例のソフトバンクが二千円でやっているといいます。こちらのほうが効率的でいいのではないかと思うので、もし感染が拡大するようであればそちらのほうに切り替えたほうがいいのではないですか。今、感染はだんだん収まりつつあると思います。ただ、これは病気ですから分かりませんけれども、以上で私の補充質疑は終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 Setagayaあらたの補充質疑を始めます。  先日の福祉保健領域の質疑で取り上げました認知症の方が踏切事故に遭うなどで損害賠償が発生した際の区の対応について伺います。  この件について、区の現在のお考えを伺いましたところ、先行自治体の実施状況を参考にしつつ、保険の専門家にも相談し、認知症の御本人や御家族の意見も参考にしながら検討してまいりますと答弁をいただきました。今回の質問に当たり、改めて認知症の方の損害賠償について、区のこれまでの議会に対する答弁を遡ってみました。  初めに、この話題が議会で取り上げられたのは今から三年前、平成二十九年の決算特別委員会福祉保健領域での質疑でした。その際、個人賠償について行政が補助することにつきましては様々課題がございますため、他自治体などの取組など、様々情報収集しながら研究してまいりたいと存じますと、当時の介護予防・地域支援課長が答弁をされています。平成三十年第四回定例会では、保坂区長自ら、鉄道事故の高額の賠償請求について次のように発言をされています。認知症家族にとって、介護生活、介護しながらの生活の基盤を揺るがす問題だと考えています。こうしたテーマを専門家とともに、認知症の御本人、そして御家族の意見も伺いながら、私自身、先頭に立って、この検討作業を進めてまいりたい。昨年の令和元年第二回定例会では、担当副区長である宮崎副区長が、先行自治体の実施状況を参考にするだけでなく、保険の専門家にも相談するとともに、認知症の御本人や御家族の意見も伺いながら、認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域で安心安全に暮らしていける地域づくりに寄与するよう取り組んでまいりますと答弁をされています。この答弁と、先日、私が福祉保健領域で質疑した際の区の答弁は、ほぼ同じ内容です。この一年四か月の間に進展はなかったのでしょうか。区長が先頭に立って検討作業を進めると発言されてから、二年近くたっています。リーダーである区長が自ら先頭に立って二年もの間、検討されてきたわけですから、恐らく様々な議論がされてきたものと推察いたします。  この件は、これまでに何度も議会で取り上げられ、その都度、検討するという答弁を繰り返してこられましたが、その検討の成果と今後のスケジュールを明らかにすべきです。見解を伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 認知症の御本人やその家族の支援につきましては、事故後の対応だけにとどまるのではなく、地域による見守りを強化するなど、事故を未然に防ぐ地域をつくるといった視点も重要となります。  お話しの認知症賠償保険補償制度につきましては、認知症施策の重要な課題のうちの一つであると認識しており、他の自治体の先行事例及び導入を検討している自治体の状況も参考にするとともに、保険会社へも相談しながら検討しておるところでございます。検討を進める中で、どのような状況の方を対象とするのか、また、認知症の方だけを補償するのか、申込み制にするのかなどの課題があり、慎重に検討する必要があるというふうに考えておるところでございます。  認知症賠償保険補償制度につきましては、引き続き、導入している先行自治体の実施状況を参考に、認知症の御本人、御家族の意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ◆つるみけんご 委員 検討の成果と今後のスケジュールを伺ったんですが、結局、今の御答弁ではよく分かりませんでした。  前回の福祉保健領域の質疑では、民間の認知症個人賠償保険について、自治体が全額負担している例と、御本人、御家族が負担するという考え方があると御答弁をされています。保険料を自治体が支払うということについて、どういう課題があるとお考えでしょうか、見解を伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 先行自治体の兵庫県神戸市のように、認知症事故救済制度等を公費で実施するために、市民税均等割に年間四百円上乗せしているという自治体もございます。一方、一般的な賠償責任保険は、保険に加入する方がその費用を負担し、加害事故によって法律上の損害賠償責任が発生した場合に、その損害賠償金等を保険会社が保証するものでございます。通常は個人に帰する費用負担であることや、例えば対象者を絞り申し込む手法を採用した場合、救済する範囲を限定してしまうことになるなど、課題があるというふうに考えております。 ◆つるみけんご 委員 では、もう一方で、御本人、御家族に御負担いただく場合についてはどのような課題があるとお考えでしょうか、伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 区民の方が加入しやすいよう、区民交通傷害保険事業の仕組みのような認知症高齢者賠償保険を新規に創設する場合は、保険会社では、加入される方の規模や保険料の設定を考慮いたしまして、保険として成り立つのか、また、民間の保険には安価な個人賠償保険や認知症を対象とした商品が既にある中、保険会社が新たに区民交通傷害保険のような保険を用意できるか等の課題もあります。 ◆つるみけんご 委員 今、自治体が負担する場合と、御本人、御家族が負担する場合の課題をそれぞれ伺ったわけですが、自治体が負担するか、それとも御本人、御家族に御負担いただくか、どちらかを選択する際の区の判断の基準とは何か伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 認知症の御本人やその家族の支援につきましては、先ほど申し上げましたが、事故後の対応にとどまるのではなく、地域による見守りを強化するなど、事故を未然に防ぐ地域をつくるといった視点が重要というふうに考えてございます。  国が令和元年六月に公表しました認知症施策推進大綱におきましては、幾つかの自治体において、早期診断の促進や、行方不明時の捜索等と併せて、認知症の人の事故を補償する民間保険への加入を支援する取組が始まっている、これらの取組について事例を収集し、政策効果の分析を行うというふうにしております。  区におきましても、自治体が保険料全額を負担するのか、認知症の御本人やその御家族に負担していただくかは、先ほども申し上げましたが、対象とする方の範囲などの課題とも併せまして、先行自治体の実施状況を注視しつつ、認知症の御本人、御家族の意見を伺いながら、今後も引き続き検討してまいります。 ◆つるみけんご 委員 仮に区が認知症の方の損害賠償保険に係る保険料は御本人、御家族が負担するべきとするならば、当然保険に加入する、しないの選択の自由は個人の判断であるとしても、例えば踏切事故はじめ、近所の壁や窓ガラスを壊してしまった、誤って他人にけがをさせてしまったなど様々なケースにおいて発生し得る損害賠償は、あくまで個人が支払うべきものということになるわけです。身近なところで言えば、自動車や自転車についても保険制度がありますが、ここで改めて保険制度というものを調べてみました。  日本で初めて保険制度について触れられたのは、福沢諭吉の「西洋旅案内」という書籍だそうです。この本は、西洋を旅行するための実践的なガイドブックのようなものであったとのことです。当時は保険という言葉がまだ存在していませんでしたので、災難請合のこととして記されています。一部引用して紹介いたします。  災難請合とは、商人の組合ありて、平生無事の時に人より割合の金を取り、萬一其人へ災難あれば組合より大金を出してその損亡を救う仕法なり。其大趣意は、一人の災難を大勢に分ち、僅かの金を棄て大難を遁るる譯にて。  つまり保険とは、商人の組合があって、平穏無事に過ごしているときにお金を集めて、万が一その中の誰かに災難があった場合には、組合から大きなお金を出して災難による損害を救う仕組みである。その目的というのは、一人の災難をみんなで分け合い、少しのお金を捨ててでも、大きな災難からみんなで逃れようというものであるということです。自動車や自転車に乗っていて、万が一損害賠償が発生した際には、保険会社が補償するわけですが、そもそも、その原資となる保険料は自動車や自転車に乗る人がそれぞれ支払うことになっています。つまり、万が一の損害賠償のリスクを、自動車、自転車に乗る多くの人々で分け合うことで制度が成り立っています。  これを認知症に置き換えてみます。認知症の方が万が一、踏切に立ち入って電車を止めてしまった、あるいは隣の家の窓ガラスを割ってしまった、他人にけがをさせてしまったなどの損害賠償が発生したとします。これも民間による認知症損害賠償保険に加入していれば補償されるわけですが、当然そのための保険料は個人、つまり認知症の御本人、御家族が支払うことになります。制度としては、これも同じように損害賠償のリスクを多くの認知症の御本人とその御家族で分け合うことで成り立っています。あるいは、保険に加入していない場合は、その損害賠償は御家族が負担することになります。いずれにしても、今の制度では、認知症の御本人と御家族だけが損害賠償というリスクを負うことになってしまっているのです。  ここで申し上げたいことは、自動車や自転車に乗るということは、自分の意思で選択することができます。移動のための手段として利便性を求めて乗るわけですから、これはその利用に伴う保険、つまり利便性を得るための対価として保険料を払うという考えが成り立ちます。一方、認知症はいかがでしょうか。区がこれまでの答弁でも繰り返してきたように、認知症は誰もがなり得るものであり、そこに自分の意思による選択の余地はありません。だからこそ、認知症とともに生きる希望条例は、その第一条にあるように、全ての区民が認知症とともに生きる意識を高め、その備えをし、もって一人一人がともに安心して暮らすことができる地域共生社会の実現に寄与することを目的として定められたのではないでしょうか。  認知症による損害賠償は、冒頭に触れた区長の御答弁の言葉をかりれば、認知症家族にとって、介護生活、介護しながらの生活の基盤を揺るがす問題なのです。もし仮に認知症による保険制度の保険料や損害賠償を御本人、御家族のみに負担させるということであれば、それは何かの利便性を得るための対価ではなく、この世田谷の町で、認知症の方とその御家族が安心して暮らすための対価であると言えます。保険料と損害賠償による支払いは、経済的に困窮している方々ほど相対的な負担が重くなります。保険料が払えない場合には、常に高額な損害賠償のリスクを負うことになるのです。これは認知症になっても、なお格差を拡大させるということにつながりかねません。  認知症による保険料や損害賠償のリスクを認知症の御本人、御家族にのみ背負わせることが、果たして認知症とともに生きる希望条例の理念に照らして適切であると言えるのでしょうか。認知症の方が、この世田谷の町で安心して暮らし続けるための対価を、認知症の方とその御家族にのみ負担させることが世田谷区が目指す将来の地域社会のあるべき姿なのでしょうか。  この問題は、認知症とともに生きるのは誰かという区の認知症に対する基本的姿勢を表す重要なものと考えます。このことについて担当部長の御見解をお聞かせください。 ◎長岡 高齢福祉部長 世田谷区認知症とともに生きる希望条例の基本理念につきましては、区民等が認知症を自らのことと捉え、参加と協働により地域との関わりを持つことで、認知症とともによりよく生きていくことができる地域共生社会の実現を図るとしております。認知症の御本人やその家族の支援につきましては、地域による見守りを強化し、事故を未然に防ぐ地域をつくるといった視点も重要であり、条例第十五条におきましては、地域づくりの推進の中で、区は、地域団体、関係機関及び事業者と連携し、見守り活動及び緊急時における支援を行うための体制の整備を推進するものと定めており、地域全体で連携し、認知症の本人、御家族を支援していくこととしております。  お話しの認知症賠償保険補償制度につきましては、認知症施策の重要な課題のうちの一つであると認識しております。この間、検討を進める中で、繰り返しになりますが、保険料の負担に関する課題だけではなく、どのような状態の方を対象とするのか、認知症の方だけを補償するのか、申込み制にするのかなどの課題もあり、今後、引き続き、先行自治体の実施状況を参考に、認知症の御本人、御家族、また、保険の専門家等にも御意見を伺いながら検討を続けてまいります。 ◆つるみけんご 委員 今の御答弁では、全くお答えいただけていないと思っております。本当に残念です。私は引き続き、認知症とともに生きるのは誰かということを真剣に考えていきたいと思います。  以上で私の質疑を終えて、小泉委員に代わります。 ◆小泉たま子 委員 引き続き、質問いたします。  文教決算委員会からの引き続きで、タッチ・ザ・ワールドについて伺います。  先日、活発な各会派からの質問がなされ、教育委員会から、計画の中で見直していくという答弁がありました。タッチ・ザ・ワールド立ち上げの時点では、区としての国際交流の新たな事業が明らかになっていなかったのですが、この四月に文化財団に国際交流事業部門が設置され、せたがや国際交流センターの開催という区全体の状況が変わったのです。私は、教育現場での活用を保証しながら、区長部局への事業移管を考えるべきではないかと質問したところ、教育委員会は検討すると答えられました。  そこで、区長部局側の生涯学習を担う部門として、貴重な財源、施設を使う以上、教育としての活用を保証した上での区全体、区民全体としてのタッチ・ザ・ワールドの活用、受入れが考えられますが、区側のお考えを伺います。 ◎松本 生活文化政策部長 タッチ・ザ・ワールドは、児童の英語体験や海外の生活などを学ぶ場としての役割などから教育委員会が運営を担っておりますけれども、生活文化政策部でも、姉妹都市の紹介、あるいは在住外国人を対象とする日本語教室の場として活用してきております。一方、区では、今年の四月に、お話がございました文化生活情報センター内に国際交流センターを開設しまして、多文化理解講座や国際交流ラウンジなどを行うことから、タッチ・ザ・ワールドの機能と共通する部分もございます。  タッチ・ザ・ワールドの運営につきましては、教育委員会では、先日の文教領域の質疑の中で、関係所管と連携して見直しに取り組んでいくとしておりますので、生活文化政策部も、国際交流センターとの連携の視点から積極的に検討に加わりまして、全体として国際政策が効果的に展開できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小泉たま子 委員 移行するのか、しないのかよく分からないのですけれども、ここは事務移管も含めて検討するというようなことであると解釈してよろしいんでしょうか。特に何もなければ、そのように考えることにいたします。よろしいですか、短く答えてください。 ◎松本 生活文化政策部長 今後、教育委員会が中心となって検討を進めるということに、私ども生活文化政策部も積極的に関わるということでございますので、その結論を得てからの取組になろうかと思います。 ◆小泉たま子 委員 次に移ります。  次に、区政としてコロナで何を学ぶかについて質問します。
     区長は、代表質問への答弁で、緊急事態宣言は、子どもたち、高齢者にとって計り知れない大きな影響をもたらしたものと受け止めていると言われました。まさにそのとおりですが、区長は評論家ではないのですから、計り知れない影響とだけ言って、大変だということでは困ります。対策を立てなければならないのです。  先日、緊急事態宣言下での時期に、三歳から五歳の幼児の一日当たりの歩数、歩く数ですが、それがコロナ禍前と比べ二割から六割減になっているという報道がありました。ある大学と企業の調査の結果ですが、幼稚園や保育園は再開したものの、日常生活の制限は続き、発育への影響も懸念されるとのこと。専門家からは、運動の量だけでなく、質も落とさないようにする工夫が必要であるとの指摘がありました。これは乳幼児に関する一つの例ですが、代表で私が、地域として初めて経験したコロナ禍において、総合的な見地から検討、観察、研究を行うべきではないかと質問したところ、このことに対して区長は、質問には直接答えず、区民生活や地域社会の実態の報告を求めながら、総合的な検討を進め、必要な施策を実施すると言われました。区は、何を総合的に検討しようとしているのか不明です。  先ほど申し上げました乳幼児の生活実態や高齢者の外出自粛の影響などこそを、現場を預かっている自治体として責任を持って調査し、検討し、的確な対応策を打ち出すべきです。財政問題が緊急のテーマだとして、区民の生活に目を向けない、言われたことだけをやる、決まったことだけをやるという今の区の姿勢では、今後の地域社会がどのようになっていくのか、その中で区役所はどのような役割を果たすのかという区役所の根本意義が改めて問われることとなります。  改めて伺いますが、コロナを経験していく自治体として、コロナ禍での区民生活を総合的な見地から、検討、観察、研究を行うべきと考えます。区のお考えを伺います。 ◎中村 政策経営部長 この間の新型コロナウイルス感染症の拡大は、区民生活や地域社会経済にこれまでにない多くの影響と変化をもたらしています。特に三密回避により、地域の集まりや対面での交流が制限される中で、高齢者や子育て家庭の孤立化が危惧されるなど、地域活動の重要性を改めて認識をしたところです。  一例ですが、高齢者安心コール事業の利用実績について、令和二年四月から六月分までの相談実績が、医療や介護に関する相談件数ですけれども、千七十二件と、昨年度の同時期に比べておよそ一・八倍に増加をしています。これらが新型コロナがどう影響しているのか、慎重に見極める必要があると考えています。  今後、こうした統計データに加えまして、引き続き、各総合支所において、区民、事業者の方々の声や地域の実態を把握し、新型コロナウイルス感染症対策本部会議において集約、分析し、報告書としてまとめてまいります。区民、議会にも御報告して、御意見をいただきながら、必要な対策につなげてまいります。 ◆小泉たま子 委員 今のコロナ禍での区民生活のありようを十分に観察すれば、様々な事柄が見えてきます。一つは、三密を回避するということから始まる社会の変化にどう対処するかです。世の中全体として、集中から分散へ流れが変わっています。これを踏まえ、区役所がどう変わっていくか、どう変えていくのか、真剣な論議が必要です。その前提として何が起きたのか、徹底的に調べるべき、それに基づくコロナに学ぶ世田谷としての報告をまとめるべきです。  これらの検討の下に、コロナ禍を踏まえた地域行政について検討し直さなければなりません。基本は、危機対応を前提とした区行政のつくり直しです。本庁がどのような形をしているか、問題ではないのです。危機管理時を念頭に、平常時においても、どれだけ区の窓口が区民に近づけるか、そのことを地域行政の検討の項目とすべきですが、区のお考えを伺います。 ◎清水 地域行政部長 今般のコロナの状況を踏まえ、窓口の繁忙期対策をさらに進める必要があると考えております。また、今後、行政のデジタル化の流れを受け、来庁せずに手続が完了する仕組みに移行して、区民の利便性を高めることが行政に求められることと認識しております。しかし、電子的な行政手続や情報収集が困難な方への対面による支援、相談の窓口や、今般の特別定額給付金の問合わせ対応など緊急時の窓口が不可欠であり、まちづくりセンターが区民に身近な窓口として役割を担う必要があるものと考えております。  まちづくりセンターの窓口の在り方については、コミュニティー、まちづくり機能の検討項目として掲げており、行政手続の電子化の流れを踏まえながら、地区に暮らす住民同士の関係づくりにおいてどのようにつながるかという観点を中心に、分散化による行政、区民双方の負担と併せて検討することとしております。 ◆小泉たま子 委員 政府の規制改革推進会議の議論で、行政のデジタル化について検討が進められ、このたび工程が示されました。第一段階として、押印廃止が取り上げられ、第二段階で、書面、対面の撤廃として転入届が挙げられています。これはコロナ禍の中で対面の受付をなくしていくという考えだと思います。コロナ禍で対面の作業をなくす、その基本的姿勢については異を唱えるものではありませんが、異動届処理については大いに問題があります。転入届を住民記録異動処理とだけ捉えることは大きな間違いです。地区で安心して暮らすためのルール問題、子育て問題、町会・自治会の活動、地域のお祭り、防災訓練の予定などを丁寧に情報提供する、また、御家族の状況なども把握できることは把握する、このような役割を区は転入届の取り扱いの際に持たせるべきなのです。このような現場のことは、国は分かるはずもありません。基礎的な自治体だからこそ、分かるものなのです。  この中で、虐待の転入問題にも取り組んでいく、これが世田谷の窓口のあるべき姿です。このあるべき姿をなるべく早く区民にお示しする、これが大切ですが、区のお考えを伺います。 ◎清水 地域行政部長 区に転入された方には、ごみ出しの生活ルールや防災、福祉など、地区・地域の活動の紹介、公共施設の御案内など、新しい生活の場になじんでいただけるよう情報をお伝えすることが大切と考えます。そのようなことから、地域に興味を抱いていただき、また、参加することで地域とのつながりが生まれ、支えあう地区力の向上にもつながっていくと考えます。  コロナ禍を踏まえた行政手続のデジタル化の進展に伴い、今後、書面や対面による方式からパソコンやモバイル機器からの手続に移行することが想定されますが、転入された方が地域を知ることや、同じ地域に暮らす人との交流の機会は大切であるという認識は変わりません。ここに住んでよかったと感じていただくことができる地域づくりに向け、様々な機会を通じて地域情報の提供や交流づくりに努めてまいります。 ◆小泉たま子 委員 ここで、コロナ禍での危機管理状況について伺います。代表質疑で、なぜある部署に負荷が集中し、ほかのところはそうではなかったのかと伺ったところ、区長が、これを教訓としてチーム世田谷として、区民のために、一つの部署の限られた職員が集中的な負荷を被ることがないように頑張っていくと言われましたが、では、何をするのか見えません。まず何が起こったのか、その原因は何かを確認するべきです。  なぜ全体的な応援体制を構築する前に、全庁の司令塔である政策経営部、総務部は、各課別の在宅勤務体制の指示を出したのか。区長が言われたように、定額給付金はにわか設計で問題があることが分かっていたのに、なぜ電子申請を中止できなかったのか。支所の窓口が三密状態を避けるために大混乱しているのに、なぜ応援体制が組めなかったのか。区は、延べ千七百人の応援職員体制を組んだと言われましたが、それが本当に忙しい部署へ本当に必要な時期に投入できたのか、私はできていないと思います。今の世田谷区には、本来の司令塔が存在していません。苦情を言っているのではありません。二度とこのような事態にならないようしっかりと検証し、本来どのような指示をいつ誰が出すべきであったか明らかにするべきです。さらには、何が起きたのか報告書を作るべきです。お考えを伺います。 ◎田中 総務部長 区は、緊急事態が宣言されたことをきっかけに勤務訓令を発し、通常の業務に優先してコロナ対策に特化した組織体制を組みました。さらに、職場の三密回避策として、在宅勤務体制をしいたところです。全庁への影響などにつきましては、今後検証し、本部においてまとめる報告の中に記載してまいります。 ◆小泉たま子 委員 それを報告書と見てよろしいんですか。 ◎田中 総務部長 先ほど政経部長からも御答弁いたしましたように、本部において報告をまとめますので、その中に記載してまいります。 ◆小泉たま子 委員 次に移ります。  区には、様々な相談窓口が現在あります。どこに行けばよいか迷うぐらいです。一方で、このコロナ禍で外出自粛を余儀なくされ、結果として閉じ籠もり強要になるなど、これまで安定して日常生活を送っていた人々が不安にさいなまれ、精神的に追い詰められていく状況にもあるのです。  この状況は、コロナウイルス感染拡大と同じように、あるいは感染拡大以上に大きな問題となりかねません。自ら命を絶たれる方もいるのです。このことについて、今の区の体制は弱いと感じます。今こそ、コロナについて総合的な御相談、どのようなことでもよいですから、不安に感じられたならばおいでくださいという臨時コロナ総合相談窓口を区として設置し、区民の不安を受け止める、このような姿勢が必要と思いますが、区長、いかがお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 今回、まださなかではございますけれども、いわゆるコロナ対応、コロナ危機、この中で改めて自治体の力量や仕事の質が問われたと思います。我々の現場は区民生活でなければならないと思いますし、その意味で、今いわゆる地行の改革を議論しております。とりわけまちづくりセンターで、十万円給付の件について、手続が難しければアドバイスしますという取組もしていただきましたけれども、こうやってなかなか外に出られない、そして今、小泉委員が言われたように、コロナウイルスの感染そのものの影響はありますけれども、それ以外の膨大な、例えばサロンで体操をしていたとか、お茶を飲んでいた、そういった活動が全部ぶつ切れになってしまった。それで身体が弱ったりして、認知症も進むと、こういうことについて、やはり一番区民の身近なまちづくりセンターをしっかり強化していきたいと思いますし、これからデジタルの手続で窓口の職員数が圧縮されるという流れになります。しかし、これは一年生の職員たちも自ら言っていたんですが、そうやって制限された、窓口の職員が縮んだ分、やはりソーシャルサービスというか、地域住民と顔を合わせてコミュニケーションを取っていくということが私たちの仕事だと言ってくれたので、これは頼もしいなと。そういったことを生かす地行改革をやっていきたいと思います。 ◆小泉たま子 委員 ぜひ区民のそういう不安を取り除けるように、それが身近なところでできたり、それから保健センターでもいいと思います。とにかく区全体でそういう方を受け止めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時二十四分休憩    ──────────────────     午後五時四十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  まず、コロナ禍から区民生活を守り、感染拡大抑止と経済活動両立を実現する自治体本来の役割の発揮を求め、順次伺ってまいります。  今議会を通し、我が党は、今般の世田谷区政策方針及びそれに基づく今後の財政運営、事務事業見直しにおける区長の基本的姿勢を確認してきました。区は、区民生活の安全及び区民の健康と生命を守り抜くことを基本とする。また、事務事業見直しにおいては、全事業について区民理解を得られるよう、区民、利用者の視点を中心に、多角的な見直しの軸を設け検討するなど御答弁をされました。第三次補正は、この基本的姿勢が反映されたものと評価をしております。特にPCR検査拡充に関しては、区長のいち早い決断が国の感染対策を大きく動かしました。感染拡大抑止と経済活動両立の最大の鍵は、検査・医療支援の抜本的拡充にあります。しかし、今年度、行政検査の自治体の二分の一負担に対する国の財政支援は、内閣府の臨時交付金で手当てをされています。恒久的な全額国庫負担実現に向けて国へ積極的働きかけを求めるものです。  現在、来年度予算編成策定作業中と認識をしています。引き続き、コロナ禍から区民の命と暮らしを最優先に守る政策方針の下、新年度予算編成及びそれを待たず、補正予算において、この方向での充実、発展を求め、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 令和三年度予算は極めて厳しい財政状況の下での編成となると思います。私は、政策方針で示したとおり、今般のコロナ禍の長引く影響を受けて、区政運営の中で最優先すべきは、区民生活の安全、そして、区民の健康と命を守り抜くことだと考えています。今年度の補正予算でも、コロナ診療に最前線で当たる医療機関支援やPCR検査の拡充、社会的検査の実施などの視点から施策を組み立て、必要な予算について時期を逸することなく措置をしてまいりました。来年度以降も、少なくとも、今後にわたり新型コロナウイルスの影響が続くものと予想しており、その影響は、直接的な感染の問題以上に、社会・経済活動の収縮に伴う事業環境の悪化、雇用の消失、生活の不安、生活に関わるところで大きく広がるおそれがあると予想しております。  今後、今年度の補正予算とも連動させつつ、政策方針の四つの柱に基づきながら、国や都の動向をしっかり踏まえ、また足らざるものは引き出して財源を確保しながら必要な施策を推し進めていきたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 その基本的姿勢で今後もしっかり進めていただきたいと思います。  また、来年度の事務事業見直し及び新実施計画(後期)においては、官民連携による取組が位置づけられています。しかし、さきの都市整備所管で質疑をしたように、現在の官民連携指針では、情報公開、モニタリング、区民意見反映、また、区の責務など不十分であって、早急な見直しを求め、伺います。 ◎中村 政策経営部長 官民連携を行う上では、世田谷区官民連携指針にも掲げていますとおり、民間企業の単なるビジネスチャンスではなく、区と民間企業が連携することによって公共サービスのさらなる充実を目指すことを大前提としています。また、民間企業と対等な立場として対話を行い、個別案件ごとに区民、区、民間企業のそれぞれのメリットやそのバランスを考慮しているところです。さらに、民間企業の内部情報にも配慮しつつ、区が関わる以上は可能な限り区民への公表に努めるとともに、区議会への報告、安全性の確保や実効性のある事業手法など、丁寧な事業の組み立てを行う必要があり、また、役割分担等も含め、個別案件ごとに協定等により定めることを求めています。  官民連携の事例を今後も積み上げる中で、他自治体の事例も参考にしつつ、必要に応じて指針の見直しも検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 次に、政策方針に基づいて、二点伺います。  一点目は、コロナ禍から区民生活を守る、区民に信頼される執行体制についてです。この間、コロナ禍での業務量増大に伴い、保健所に電話がつながらない事態、また、手続の遅滞やミスも相次いでいます。議会でも多くの会派が保健所体制強化を求めてきました。また、暮らしを守る支援を速やかに届けること、二重払い、データ流出など、本来あってはならないと考えます。背景には、この間の職員定数削減があります。この間、非常勤で人員は補充されてきましたが、非常時対応は、原則、正規職員が担います。日頃ぎりぎりの人員体制で、何かあると十分に対応できない状況では、危機から区民の暮らしを守る執行体制とはなり得ません。  そして、過度な公務員削減は、すなわち区民の命や暮らしを脅かすことにつながる、こういったことが明瞭になりました。いつ起こるかわからない災害や健康危機に機敏かつ着実に対応し、区民生活を守るには、適正な人員が必要です。当面は特に保健所の保健師増員が最重要課題です。今後、行政職含め、計画的増員が必要です。  区長はこの間、保健所に電話がつながらない、また、手続遅滞などありましたが、どのように受け止め、要因を何と考えているでしょうか。平時から余力を持った人員体制が危機から区民生活を守ることにつながると考えますが、今後の職員定数増に対しての認識を伺います。 ◎保坂 区長 区は、本年四月に世田谷区コンプライアンス基本方針を策定しました。この取組の一つとして、各課において事務ミスが発生した場合、発生状況等を報告させる仕組みとしておりますが、その多くが、前例に倣えば大丈夫だろうとするチェック体制の甘さなどが原因であるものと認識をしております。  今般のコロナ禍においても、緊急的に発生、また増加した業務について、組織の垣根を越えた全庁的な応援体制を講じるなど、チェック体制を含めた体制の確保に取り組んでまいりました。来年度の人員体制につきましても、事業手法の見直し等を含めた行政経営改革の取組を進めながら、強化が必要な部門には積極的に人員を投入するこれまでの考えを踏襲し、新型コロナウイルス感染症への対策などを中心に人員の強化に取り組んでまいります。  一方、新型コロナウイルス感染症拡大により、区財政は大幅な減収が必至の状況であり、複数年にわたりコロナ以前の水準への回復が見込めないなど厳しい状況にあることを覚悟の上、財政運営を行いながら区民生活を支えていく必要がございます。こうした状況の中で、職員定数管理につきましては、今般のコロナ対応を踏まえた今御指摘のありました保健所体制についてですが、計画的な保健師増員を図るなど、危機管理体制に即した人員の適正な規模を見据えながら、最小の経費で最大の効果を上げられるよう、考えております。  政令市で、北九州市の保健師さんの数と世田谷区を比べれば、世田谷区のほうが三分の二ぐらい、もちろん二十三区では一番多いんですけれども、そこの点は拡充をしっかり果たしていきたいというふうに考えております。 ◆江口じゅん子 委員 保健師の増員、拡充に踏み出すということで、しっかりお願いしたいと思います。  では次に、二点目に、経済的弱者支援強化です。コロナ禍で、低所得者、あるいはひとり親などの経済的弱者の暮らしはますます困窮しています。あるシングルマザーの方は、子どもは来春大学受験だが、親の収入が減り、奨学金を借りると子どもに多額の借金を背負わせることになる、進学の断念も考えている。また、ある工務店の方は、仕事が減って、年金だけでは生活が厳しく、七月から住宅確保支援金と小口資金を借りて倹約して生活しているが、年末までに生活費が底をつきそうで不安、こういったお話を伺っています。当区の緊急小口貸付の受付は約八千八百件、住宅確保給付金の支給は約五千五百件にもなりました。区として、深刻化、長期化するコロナ禍から、経済的弱者対策を一つの柱として取り組むことが必要です。  国へは、貸付金の返済免除制度の拡充、住宅確保給付金の支給期間延長などを求めていただきたい。また、区としては、困窮者をいち早くキャッチし、支援に結びつける重層的仕組みづくりと、最後のセーフティーネットとしての生活保護への広報や体制強化を求めます。私のこれまでの経験からも、生活が苦しい、もう貯金がないという方に生保を案内すると、子どもに迷惑はかけられない、持家があると受けられないなど、誤解や抵抗感が強いということを実感します。この背景に、一部政治家などのバッシングなどあり、また、制度の周知不足もあると考えます。困窮する区民が偏見や誤解などで申請をためらう、また行き着かない、こうした事態があってはなりません。  ここに、コロナ禍を受け、十月更新の厚労省の生活を支えるための支援のご案内というパンフレットの抜粋があります。様々案内とともに生保のページもあって、これはそのページの抜粋ですが、ここに何て書いてあるかというと、一番トップに、生活保護は、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う制度です。また、生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体まで御相談ください、このようにトップに呼びかけられています。そして、どのような方が受けられるか、また手続の流れなども書いてあります。ここの表には、年金やそういった手当てなどの収入が最低生活費に満たない場合、その分だけ保護費が支給されるんですよという、こういった分かりやすい表もついています。  これは七月の参議院での我が党の質疑に、当時の安倍首相が、文化的生活を送る権利はあるわけで、ぜひためらわずに申請していただきたい、様々な手段を活用して国民の皆様に働きかけを行っていく、こういった答弁を受け、追加されたと認識をしています。一方で、こちらが区のホームページの生保の案内です。制度の説明と、そして、生活にお困りの方は御相談くださいと、詳しくは各総合支所の生活支援課へ御相談くださいと大変簡素にまとめられている、こういった状況になっています。国も様々な手段を活用して国民の皆様に働きかけると御答弁をされています。当区としても、広報、そして周知の改善、工夫が必要と考えます。  同時に、今後の経済状況などで生保を必要とする方が増加したとき、その対応をする生活支援課の体制は十分でしょうか。先日、他会派からの質問に、区は生活支援課として、一人当たり約八十七世帯のケースを受け持っていると御答弁されました。しかし、それは窓口の面接担当者を加えての数字です。実際に受給者対応は、窓口の面接担当者とは異なるケースワーカーが行います。各支所の生活支援課の面接担当を除く、ケースワーカー一人当たりの担当数を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 総合支所生活支援課におけるケースワーカー一名が担当しているケース数でございますが、国からの調査の基準では面接担当も含めることになっておりまして、その場合は平均でおおむね八十七ケースとなっております。面接担当は、生活保護を受ける前の相談対応をしておりまして、各支所に二から三名配置され、区全体で月平均約五百二十件の相談を受けております。なお、面接担当を除いた場合のケース数でございますが、平均でおおむね九十八ケースとなっております。 ◆江口じゅん子 委員 面接担当を除いた場合のケース数は、五支所平均で九十八世帯ということが分かりました。各支所のケースワーカー一人当たりの担当数も伺っております。五支所のうち百世帯を超える支所は三つ、玉川支所は一人当たり百三世帯、砧、烏山は百四世帯になっています。厚労省はワーカー一人が担当する標準数を八十世帯と定めていますが、それを超える状況が常態化をしています。今後、各種貸付や給付金が年内に途切れれば生保申請者の増加が予測され、現在の体制で果たして十分に対応できるのでしょうか。さらに個別ケースは、専門的配慮を要する事案が増えて、数とともに支援内容の考慮も必要です。  区長に伺いますが、補正予算、また新年度予算編成でも、経済的弱者対策を一つの柱として取り組むことを求めます。また、区長の生活保護における認識と、広報、現場の体制強化について今後どうしていくのか伺います。 ◎保坂 区長 まず、御掲示をされている厚生労働省の出されている内容と我が世田谷区の内容、世田谷区のほうが非常に簡素になっていると。これはむしろ基礎自治体として逆でなければならないと思っています。早急に点検、見直しをして、厚労省の内容もしっかり反映できるようにしていきたいというふうに思います。  もう一つ、生活保護を巡る問題ですが、今般、社会福祉協議会、ぷらっとホーム世田谷がある意味セーフティーネットとして本当にフル回転をしていただいた。応援も入れましたけれども、十時、十一時まで職員が帰れないといういわば大変な相談集中ということで、小口貸付が八千八百、住宅確保給付金が五千五百という空前の数になっております。こういった状況が何を示しているのか、どういう方が申請をされてきているのか。また、経済産業部のほうで実施をした電話相談でどんな問題が出たのか、融資でどんな状況が分かったのか、あるいはおしごとカフェで雇用の状況はどうなのか、こういったものを集約して今後の対策に生かしていきたいと思っております。  生活保護は、憲法第二十五条の全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると、この理念に基づいた国の基礎的な社会保障制度であり、生活に困窮する全ての国民に必要な生活費を給付し、最低限度の生活保障と自立支援を行う重要な制度であると認識しております。  世田谷区の生活保護の状況は、九月現在、保護世帯数は八千八百三十六世帯、保護人員数は一万二百三十五人となっており、前年同月比で見ると若干減少しており、現時点では増えておりませんが、さきに挙げたぷらっとホームなどでのセーフティーネットが仮に打ち切られる、あるいは消滅をしてしまうということになると大変多くのニーズが出てくるだろうというふうに予想しています。そういう意味で、生活保護の広報について、生活に困窮されている方が確実に相談窓口につながるような体制、また、非常に後ろめたいとか、いろいろな意味で、それだけは利用できないというような壁があると思いますが、しかし、これは体制が必要なんだということで具体的な取組を検討していきたいと思います。  現在の体制強化については、生活保護が増えた場合の対応について、計画的な人員確保策を検討し、経験の浅いワーカーを先輩がフォローし、ベテランが支える体制についてもしっかり心を配っていきたいと思っております。 ◆江口じゅん子 委員 よろしくお願いします。  次に、少人数学級についてです。  さきの我が党の文教質疑、また、本日も他会派から質疑がありまして、教育長は分散登校時、少人数学級の有用性を強く感じたと御答弁もされました。また、先ほども早期実現に向けては特別区教育長会などを通じて国や都へ強く働きかけていくと前向きに御答弁されています。ぜひ教育長の積極的な働きかけを期待するものです。  そして、本年七月、全国知事会、全国市長会などは、新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言において、少人数編制を可能とする教員確保を要望しました。コロナ禍の地方からの要請及び学校現場、保護者の長年の要望が国を動かしています。  しかし、来年度、国によって義務教育標準法が改正されるか、予算がつくかは全く不透明な状況です。実現に向けての重要な局面であって、地方からのさらなる後押しが必要です。特別区長会としても、実現に向けての財政措置を国にしっかり求めていただきたい。区長の少人数学級に対する認識、区長会幹事としてのリーダーシップを期待し、伺います。 ◎保坂 区長 少人数学級につきましては、今回、分散登校の経験で、改めて少人数学級での指導というのが非常に効果的だという声が私のところにも届いております。これまでも特別区長会が全国市長会要望として、少人数学級の実現要望、具体的に、教職員の配置の充実や施設整備に係る財源などを要望しております。今後、区長会として要望を実現できるよう、まずは区長会としての見解、要望をしっかり練っていく役割をしたいというふうに思っております。 ◆江口じゅん子 委員 期待しておりますので、ぜひ区長会でも積極的な働きかけ、要望をお願いいたしたいと思います。  最後に、早急な水害対策を求め、伺います。  台風十九号の浸水被害最終報告を受け、この間、地域から、対策はこれで十分か、また、浸水被害に遭った保育園では、いつまた同様被害に遭うか分からず、移転も検討していると伺っています。先ほど他会派から、多摩川、世田谷区間の河道の掘削要望がありました。我が党からも、その実現に向けて、国への積極的働きかけを求めます。  同時に、それまでの当面対策として、樋門への排水ポンプ施設の設置を求めます。現在、区内全ての樋門には、多摩川への排水ポンプ施設の設置はありません。以前、我が党の質疑に、区は、国、都へ水門への大規模排水ポンプ設置を強く要望すると御答弁されました。しかし、この件で、我が党の都議が東京都に確認したところ、用地確保や区との役割分担などに課題があるとの見解が示されています。進捗状況と、都が表明する課題に区としてどうするか伺います。 ◎関根 土木部長 昨年の台風第十九号と同様の浸水被害を軽減するためには、国による多摩川における河道掘削などの対策の一方で、堤内地における対策も必要であると考えており、排水樋門に排水ポンプ施設を設置することは有効な手段の一つであると区も認識しております。  区では、これまでも東京都城南五区下水道・河川連絡協議会等を通じて、排水ポンプ施設の設置等を東京都に要望しており、今後も機会を捉えて積極的に働きかけてまいります。また、東京都により排水ポンプを設置していくためには、様々な困難な課題を調整する必要があるため、要望している内容について東京都と協議を進めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 早急に対策を進めてください。  以上で日本共産党の質疑を終わります。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 これで令和元年度決算五件に係る質疑は全て終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後六時四分休憩    ──────────────────     午後六時二十分開議 ○真鍋よしゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  認定第一号から認定第五号に至る五件に対する各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は自席よりお願いいたします。  最初に、自由民主党、どうぞ。 ◆河野俊弘 委員 自由民主党世田谷区議団は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、公明党、どうぞ。 ◆岡本のぶ子 委員 公明党世田谷区議団は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 世田谷立憲民主党社民党は、二〇一九年度世田谷区一般会計及び外四会計の歳入歳出決算認定全てに賛成をいたします。  なお、意見は本会議場で述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。
     なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 Setagayaあらたは、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見については議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党世田谷区議団は、令和元年度世田谷区一般会計、介護保険事業会計及び学校給食費会計の決算認定に賛成し、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の各決算認定に反対をいたします。  なお、意見については本会議場で述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 生活者ネットワークは、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 減税せたがやは、令和元年度決算認定全てに賛成をいたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 レインボー世田谷は、令和元年度世田谷区各会計決算認定五件全てに賛成いたします。  意見は本会議場で申し上げます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 世田谷無所属は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 都民ファーストの会は、二〇一九年度、世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成します。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 区守会は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てにつきまして賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○真鍋よしゆき 委員長 次に、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 無所属は、令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定外四件全てに賛成します。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で各会派の態度表明は終わりました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 引き続き採決に入ります。採決は二回に分けて行います。  まず、認定第一号「令和元年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定」、認定第四号「令和元年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定」及び認定第五号「令和元年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定」の三件についてお諮りいたします。  本三件を認定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○真鍋よしゆき 委員長 御異議なしと認めます。よって認定第一号、第四号及び第五号の三件は認定することに決定いたしました。  次に、認定第二号「令和元年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定」及び認定第三号「令和元年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定」の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を認定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○真鍋よしゆき 委員長 起立多数と認めます。よって認定第二号及び第三号の二件は認定することに決定いたしました。  以上で当委員会に付託されました決算審査は全て終了いたしました。     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 この際、区長より発言の申し出があります。 ◎保坂 区長 委員の皆様には、大変長時間にわたりまして、令和元年度世田谷区各会計歳入歳出決算の御審議をいただきまして誠にありがとうございました。  ただいま採決をいただいたところでございますが、この決算委員会の御審議の中で委員の皆様からいただいた御提案、御意見、御指摘については、今後の区政運営に生かしてまいりたいと考えています。  引き続き、九十二万区民のために全力で区政に取り組んでまいりますので、委員の皆様方には、今後とも御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。  最後に、委員長をはじめ、運営委員の皆様には、委員会の円滑な運営に特段の御配慮をいただきましたことに改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。  以上、簡単ではございますが、御礼の挨拶といたします。 ○真鍋よしゆき 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  ここで、正副委員長を代表いたしまして一言御挨拶申し上げます。  委員の皆様には、七日間にわたり熱心に御審査いただき、充実した委員会となりましたことを心より御礼申し上げます。  また、理事者の皆様におかれましては、この委員会を通じて出されました各委員からの意見や提言などを十分に御理解いただき、今後の区政に反映していただくとともに、世田谷区のさらなる発展に向け、一層の御尽力をお願い申し上げる次第でございます。  コロナ禍の中でその対策を迫られたこの委員会でありましたが、運営委員をはじめ、委員の皆様、そして理事者の皆様の御協力に心より感謝を申し上げます。甚だ簡単ではございますが、正副委員長を代表いたしましての挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)     ──────────────────── ○真鍋よしゆき 委員長 以上をもちまして決算特別委員会を散会いたします。     午後六時二十九分散会...