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令和 2年  9月 定例会-09月16日-02号

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  1. 世田谷区議会 2020-09-16
    令和 2年  9月 定例会-09月16日-02号


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    令和 2年  9月 定例会-09月16日-02号令和 2年  9月 定例会 令和2年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十三号  九月十六日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  加藤たいき
    十六番  阿久津 皇 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 石川ナオミ 三十八番 おぎのけんじ 三十九番 真鍋よしゆき 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 河野俊弘 五十番  上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        工藤 誠 砧総合支所保健福祉センター所長        若林一夫 烏山総合支所長        皆川健一 政策経営部長 中村哲也 財政担当部長 松永 仁 総務部長   田中文子 危機管理部長 菅井英樹 財務部長   小湊芳晴 生活文化政策部長        松本公平 環境政策部長 竹内明彦 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        加賀谷 実 保育部長   知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 防災街づくり担当部長        小柴直樹 みどり33推進担当部長        笠原 聡 土木部長   関根義和 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育総務部長 淺野 康 教育政策部長 池田 豊 選挙管理委員会事務局長        渡邉謙吉 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和二年九月十六日(水)午前十時開議)  第 一 代表質問  第 二 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 代表質問
     二、日程第二 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○和田ひでとし 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  世田谷立憲民主党社民党を代表して、四十四番風間ゆたか議員。    〔四十四番風間ゆたか議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に日夜奮闘されている医療、保健関係者及び区民サービスの現場で感染リスクを抱えながら最前線で業務に携わる皆様に敬意を表します。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、我々世田谷立憲民主党社民党は、七月中旬に保坂区長宛てに提言書を提出いたしました。そこでは、この国の経済や社会が以前から脆弱になっていたという認識に立つことが必要であること、また、新型コロナウイルス感染症は中長期的に区財政に多大な悪影響を及ぼす可能性があることから、区民目線による事業見直しが必要であることを指摘してあります。  そして、世田谷区はこのたび、今月から来年度に至る世田谷区政策方針及び中期財政見通しの修正を公表しました。我々の指摘どおり、アベノミスクの失政により昨年十月からマイナス成長が始まっていた認識を示したことは評価しますが、中期財政計画では令和五年度から税収増に転じる見通しとなっていることなど懸念もあります。いまだ収束のめどが立たない新型コロナウイルスの感染状況に加え、安倍政権時の官房長官が政権継承を公言して首相就任見込みという状況から、より一層の格差拡大による経済状況の悪化や低水準の長期化という可能性もあり、世田谷区はそのようなシナリオを想定していないのでしょうか伺います。  保坂区長は就任した平成二十三年、我々の質疑に対して、福祉文化都市の実現は予算の制約の中でも必ず実現したい大きな柱だと答弁しています。我々も区の役割は住民福祉と生活の向上にあると認識しており、財政悪化に備えた事業見直しに取り組むことを求めているものの、福祉、教育、災害対策については、このような状況下、むしろ強化すべきと考えています。このたびの世田谷区政策方針四つの柱には福祉の文字が見当たりませんが、区長就任当初の答弁を鑑みれば、福祉の拡充こそ柱立てするべきではないのでしょうか。  社会保障を含む福祉の拡充や教育については相応の予算も必要であるからこそ、我々は区長への提言書で事務経費や不急事業、委託や補助金などの見直しを求めました。特に大きな支出となっている外郭団体への補助金や委託については、これを機に団体の統廃合を含め根本から取り組むべきと考えます。特に世田谷サービス公社、世田谷トラストまちづくり、産業振興公社については類似する事業や赤字が続く収益事業を見直し、公益財団と一般財団の二つに整理統合することで管理コスト削減を図る、そうすれば区の支出も大幅に減額することができるはずです。区の見解を問います。  次に、新型コロナウイルス感染拡大防止策について伺います。  我々が七月中旬に提出した提言書では、PCR検査の拡充と保健所機能の強化による感染予防対策を徹底し、早期発見、隔離、治療、療養、完治という素早い対応が区民から求められていると指摘しています。  その後、七月末に保坂区長がPCR検査拡充についてマスコミ取材に応じる形で表明したことについては、既に多くの会派から厳しい指摘がありましたが、後追いで国が社会的検査を推進するようになり、東京都も予算化を進めたことを考えると、先進諸国と比較して検査数値が低い状況が続いたこの国の検査体制に風穴をあける役割を果たしたと我々は捉えています。四月に緊急事態宣言が発出されて以降、我々は区内でのクラスター発生抑止策を求めてきましたし、重症化リスクの高い区民の感染防止策に取り組むことも重要であると考えます。  よって、今回、高齢者施設や障害者施設での社会的検査を行っていくことは必要な取組と言えますが、陽性者が出た施設の休止に伴う休業補償や、訪問系のヘルパーへの補償なども必要です。区はどのように支援するのでしょうか伺います。  また、保育園、幼稚園スタッフも検査対象となっていますが、未就学児は小学生と異なり、社会的距離を取れない子が多く、スタッフは日々濃厚接触せざるを得ず、クラスター発生リスクは高いと考えます。  一方で、保育士を対象に社会的検査を行うことで、多数の保育園が急遽休業となった場合に、預け先がなくなることへの不安の声も区民利用者から寄せられています。区はこの課題についてはどのような対策を取っていくのでしょうか。  PCR、社会的検査については、いまだ国が予算負担することを認めていないプール方式や、いつでも、誰でも、何度でもというフレーズがメディアで強調されたことから、いまだに区の独自予算で取り組むと捉えている区民からの批判的な意見も寄せられています。  今回のPCR検査拡大について、財源は区の独自予算ではないことや、プール方式については国の予算で実施できることが確認されてから行うということを改めて区民に伝えていく必要があります。また、どこまでが対象者なのか、対象となる人はどのような手続で検査を受けることができるのかなどの区民周知も重要です。区は広報など、どのように取り組んでいくのか伺います。  さらに、我々は緊急事態宣言下でも業務継続してきた区役所職場の感染拡大防止についても対策を求めてきました。区は既に各種対策を取り、多くの職員は感染防止に努めていると認識していますが、窓の開け放しが難しくなる冬には、さらなる感染拡大の懸念がある状況下、区役所のさらなる防止策も必要と考えます。区の検討状況を伺います。  次に、福祉保健施策の拡充について伺います。  まずは、高齢福祉領域について、これまでも提言を行ってきた単身高齢者や高齢夫婦のみ世帯への支援について伺います。  新型コロナウイルスは、高齢者の重症化リスクが高いなどと報じられていることから、介護をいまだ必要としない高齢者は他者との接触を避け、外出を控える高齢者も多いと感じています。高齢者が参加していた各種イベントや認知症カフェなども中止となり、民生委員やあんしんすこやかセンターからの訪問も控えられるようになると、高齢者のみ世帯の方々の健康状況も心配です。インターネットやスマートフォンを使用しない高齢者は、オンラインコミュニケーションやネット通販なども行うことができないような状況で、区は新しい生活様式下での支援策を構築していく必要があると考えます。区はこのような状況をどのように捉え、どのように対策をしていくのでしょうか。  次に、障害福祉について伺います。  かつて障害福祉の先進自治体と評価されたという世田谷区は現状をどのように認識しているのでしょうか。区はこれまで障害者団体や障害者の御家族に寄り添い取組を進めてきましたが、コロナ禍にあってより困難な状況にある障害者が取り残されることがないように支援を行うべきと考えます。  このたび、区はノーマライゼーションプランの素案を策定しましたが、コロナ禍での新しい生活様式で障害者も暮らしていくことを想定する必要があります。また、障害当事者への支援を最優先としながらも、障害者の家族も支援している世田谷区の姿勢を示すべきではないでしょうか。  さて、世田谷の福祉の拠点として、昨年スタートしたうめとぴあですが、ノーマライゼーションプランには障害福祉の拠点と明記されていません。区はこの施設をどのように位置づけているのでしょうか。  また、この民間棟については、現場のスタッフは懸命に取り組んでいるものの、事業者による待遇面など課題があるようでして、スタッフが定着せず、サービスの質も安定しないなど、利用者から不満の声が多数届いています。総合福祉センター時代と比べるとサービスの質も量も後退していると聞きますが、区は現状をどのように捉え、改善に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか伺います。  また、障害福祉の先進自治体と自負してきたはずの世田谷区が既に後れを取っているのが手話言語に関する捉え方ではないでしょうか。全国的には既にかなりの地方自治体で手話言語に関する条例が制定されており、東京二十三区でも半数以上が制定または検討しているという状況です。世田谷区も手話を言語とする方たちへの支援に取り組んでいますが、福祉文化都市として多様性を認め、共生社会を目指す世田谷区としては、手話言語条例を柱とする障害者のコミュニケーション手段の利用を促進する条例制定に向けて取り組むべきだと考えますが、区の見解を伺います。  次に、子どもを育む環境の強化という視点から何点か質問をいたします。  四月に緊急事態宣言が発出され、我々は世田谷版ネウボラが機能せず、産前産後の母子から未就学児童への支援体制が瓦解してしまったことに危機感を抱いてきました。他者との接触が制限されたステイホーム期間にも、このような人たちの相談に電話やメールで応じてきたのが、委託事業で請け負ったNPOの地域子育て支援コーディネーターだということが分かりました。  この存在は大変に貴重であり、コロナ以前から、時には自らニーズのありそうな場に出向き、広報活動や支援を受ける呼びかけなどを行い、時には児童相談所や弁護士などにつなぎ、社協や児童館、役所や職員ではできないような出張や訪問、同行などといったアウトリーチの役割を担ってきたわけです。  区は今年度、どの程度の利用者数を想定して予算化し委託したのでしょうか。現場からは、コロナ禍で一層相談内容が多様化、複雑化し、各地域一・五人プラス中間支援二人分での予算では対応し切れない、受託団体はボランタリーに対応しているところもあると聞いています。他の自治体と比較しても類を見ないほどのきめ細やかな相談体制が整えられているのは、このコーディネーターのおかげと言っても過言ではありません。コロナ禍で支援ニーズもより一層高まっていることを考えれば、補正予算を組んででもコーディネーター増員に取り組むべきです。区の見解を求めます。  また、我々は家庭内に安心できる居場所がない子どもの支援の必要性も訴えてきました。児童相談所を独自に設置したことで、子ども家庭支援センターとの連携が取れるようになり、虐待などのリスクが高い子を支援する体制はより一層向上したものと捉えています。子どもの権利条約第十二条にある意見表明権を尊重し、子どものSOSを見逃さない子どもアドボカシー体制の強化をしていくことも重要です。  まずは社会的養護におけるアドボカシー体制強化に取り組む必要がありますが、家庭内に居場所のない子どものためのアドボカシー体制の構築も必要です。相談や通報による対応を基本とするせたホッとに加えて、地域子育て支援コーディネーターのような動きのできる子どもアドボケーターを地域に配置していくべきではないでしょうか。区の見解を問います。  さらに、世田谷区で子どもを育む一翼を担っているのが保育士の皆さんですが、コロナ禍で感染リスクを抱えながらも日々子どもたちと接しています。日々子どもたちと濃厚接触せざるを得ない状況に加え、仕事場外でも感染してはならないという緊張感があり、さらには来年度以降の住宅補助が継続されるのか未定という状況から、保育士として仕事を継続していけるか不安を抱いている人も多いようです。区はPCR社会的検査の対象とするだけではなく、住宅補助継続やコロナ禍保育士業務手当の国への働きかけや独自の支援策を検討すべきですが、見解を求めます。  次に、新たな経済産業政策について伺います。  新型コロナウイルス感染症は、区内の事業者にも大きな悪影響を及ぼしましたが、区が経済産業政策として行う支援は一部の人たちのみが利するようなものであってはなりません。このたび区が取り組む個店支援プロジェクトは、従来のプレミアム付商品券事業に比べれば、特に影響の大きかった飲食店を支援でき、より多くの区民に還元できるスキームとなる可能性を感じますが、プレミアム付商品券同様に、不正利用される懸念は残ります。大きなお金が動くわけですから、万全の不正防止策を講じる必要があり、従来のような世田谷区商店街振興組合連合会が発行する商品券補助事業ではなく、電子商品券のアプリ開発と運営管理を併せた公募事業とすべきです。また、事業が重複することから、従来のプレミアム付商品券については来年度以降、この個店支援プロジェクトに移行すべきと考えますが、区の見解を問います。  飲食店のみならずコロナ禍で仕事が激減した中小事業者や個人事業主を支援する取組も必要です。世田谷区がこのたび取り組むアーティスト支援についても、音楽や写真を含むアート、演劇などの仕事に携わる区民が多いことを考えれば、今後は文化・芸術産業と位置づけ、区の産業政策に組み入れていくべきだとも考えます。このような多岐にわたる区内事業者の意見を区も受け止めることができ、事業者同士のマッチング可能な仕組みづくりを産業政策として取り組んでいくべきと考えますが、併せて区の見解を問います。  次に、産業振興基本条例について伺います。  時代の変化に伴い、これからの世田谷区の産業振興を考え、条例見直しを行うのであれば、経済産業に関する様々な分野の専門家の知見を集約していくべきだと考えますが、十四人の検討メンバーの中で専門家は座長のみ、ほかは区内団体代表者と区内事業者、公務員という構成になってしまっています。既に検討会議は行われてしまっているので、メンバー変更するのは難しいかと思いますが、コロナ禍で新しい生活様式が求められ、社会全体が激しく変化している状況下、産業振興を見直していくのであれば、国内外の経済産業に関する幅広い知見を有する研究者やアナリスト、インキュベーターや事業家など専門家の意見を取り入れていく仕組みづくりが必要であると考えます。区の見解を問います。  世田谷区の産業政策について、我々は区内事業者を幅広く支援していくべきだと求めてきましたが、建設業については支援対象に加えられたものの、有効な支援がなされていないのではないでしょうか。従来のように公共事業を増やして建設業を活性化させる時代ではありませんから、個人事業主を含む建設小規模事業者への支援という新たな視点を持つべきです。リフォームなどの区民需要と区内事業者供給サイドのマッチングをできる仕組みをつくることや建設業従事者のキャリアアップ支援として国が進める建設キャリアアップシステムの普及推進に努めるべきだと考えます。区の見解を問います。  次に、教育施策について伺います。  まずは、このたび突如文教常任委員会で報告された不登校特例校の設置について伺います。  これまで世田谷区の不登校施策としては、教育ビジョンにも明示されているように、ほっとスクールが担ってきており、一昨年に開設された第三のほっとスクールは、ノウハウと実績がある民間事業者への公設民営委託とすべきだという我々の提言が実現し、今年度は急遽定員増としたほど利用希望者が増加している状況です。利用を希望する区民の中には、立地的に通えない児童生徒も多いことから、少なくとも区の各五地域に一か所は設置するべきだと我々は求めてきました。  新教育総合センターに移動するほっとスクール城山についても、我々は区民評価がより低い従来体制をやめて、希望丘のような民間委託に変更すべきと求めてきましたが、これまでの教育委員会の答弁は、現体制を継続するとのことでした。改めてこれは変更するべきと求めますが、できない理由はどこにあるのでしょうか。  このようにほっとスクール拡充策を提示もせず、唐突に、教育ビジョンに掲げられてもいない不登校特例校を一年半後に設置するという進め方は、行政の取組としては合理性に欠けていると指摘せざるを得ません。また、昨年、私がオルタナティブ教育に関する質問をした際には、区長が、教育課程特例校や不登校特例校、イエナプランスクールを並列に例示し、学校の教員や校長先生を含めた教育関係者と考えていきたいと答弁しています。果たしてこの間、公に議論されたことがあったのでしょうか。世田谷区の不登校対策はオルタナティブ教育の導入と併せて、教育総合会議など開かれた場で検討を進め、区民保護者のニーズも把握した上で体制や立地、スケジュールなど計画的に取り組むべきです。区教育委員会の見解を問います。  続いて、先日の文教常任委員会では、区立教育総合センター運営計画素案が報告されましたが、これまで報告されてきた内容から、センター内に区長部局の研修担当課と政策研究担当課を配置することが加えられていました。委員会でも指摘しましたが、これが世田谷区の子どもたちへの教育の充実に寄与するのであれば、教育委員会及び区はより説明が必要です。  これまで行政職員研修や教員研修に携わってきた私自身の経験から、垣根を越えて職場を同じくし情報共有を図ることは利点も多いと考えますが、さらには、子ども領域に関わる職員と教員による合同研修なども実施することで受講者の視野が広がり効果が高まるのではないでしょうか。政策研究担当課に関しては、これまでの説明では合理性があるとは思えませんが、子どもたちが自分たちの暮らす世田谷区政について関心を抱き、当事者として課題発見や解決策を考えられるようなシチズンシップ教育を共に研究していくというのであれば大いに期待できます。教育長と区長の見解を求めます。  緊急事態宣言で区立小中学校は休校となり、今年度は限られた時間で必要な授業を行わなければならない状況にあろうかと思います。そのような状況下、教科「日本語」は休校期間中の在宅学習として行った学校も多いと聞きますが、教育委員会としてはどのような位置づけにあるのでしょうか。  我々は、教科「日本語」に関する問題点をこれまでに多々指摘してきましたが、在宅でもできる内容なのであれば、国語の副教材などにして見直しをするべきです。教育総合センターが区の教育研究機関として開設することを考えれば、総合的な学習の時間をどのように使うのか、教科「日本語」の内容や位置づけを研究テーマに掲げ、いま一度国語の授業ではできず、これからの時代を生きていく子どもにとってまさに総合的に必要な内容とすべきです。区教育委員会の見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 風間議員にお答えします。  まず、世田谷区政策方針、この中に福祉の観点はいかに、こういう御質問でございます。私は区長就任以来、子どもから高齢者、障害のある方も安心して過ごすことができる福祉文化都市を実現するため、地域包括ケアの地区展開を進めるなど区民にとって身近な福祉ネットワークの構築に取り組んでまいりました。  今般の政策方針については、私のこれまでの区政運営の基本方針を踏まえ、四つの柱を掲げ、直面する感染防止対策、区民や事業者の社会経済活動の維持活性化をバランスよく構築していくための当面の方向性を示したものでございます。  福祉という言葉がないと御指摘をいただきました。おっしゃるとおり福祉の充実は自治体の最大の責務であります。四つの柱の土台であり、前提となる基本的な考え方は、区民生活の安全及び区民の健康と命を守り抜くことであり、ここにこれまでどおり力点を置いて基本的な姿勢としていきたいと考えております。  今後この政策方針に基づき、施策事業の本質的な見直しや事業手法の転換などにより、持続可能な行財政運営を確保するとともに、区民、事業者との参加と協働を進め、地域の福祉力の向上に努め、区議会の皆様としっかり議論を重ねながら住民福祉の増進を実現していくことが私の使命であると考えております。  次に、経済産業政策の検討の在り方について御指摘をいただきました。  世田谷区産業振興基本条例検討会議の委員につきましては、これまでの商業、工業、農業の分野にとらわれず、多様な産業の横断的な視点から議論を進めるため、民間団体やNPOを含めた幅広い分野から選出をいたしました。また、条例自体が中長期的な産業施策の指針となることから、若い世代の方にお願いをしたところであります。  なお、本条例の議論においては、シンポジウムなどを通した専門家の御意見や、実際に事業を営む方の声も踏まえることが必要であると考えており、異なる発想を持つ異業種の方々が交流を深めることで新たな発想が生まれ、コロナ禍を克服し、コロナ禍を越えていく未来志向の取組につなげることが大変重要であると考えております。  これらの議論や、現在、それぞれの立場の方が意見交換や連携する場としてのプラットフォームを設置しており、これを活用し、例えば文化・芸術産業においてもアーティストやエンターテインメントに携わる方々の間での交流にとどまらず、他の分野の皆さんとの連携により新たな取組が進むよう支援してまいります。  また、コロナ禍による在宅ワークの継続によって在勤区民の増加や、時代の変革をきっかけとして新たに創業する方も今後想定され、それらの方々もそれぞれの形で参加ができるプラットフォームを通して、業界の垣根を越えた交流を促進し、それぞれのアイデアや知識、経験を出し合い、地域の価値を高める新たな商品やサービス、産業の展開、開発に取り組む動きを期待をしております。新しい産業が活性化するための取組をつくっていきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  最初に、コロナ禍におけます区の財政見通し、区のシナリオについてでございます。  中期財政見通しでは、今後二か年にわたり、リーマンショック時を上回る大幅な減収を見込んでおり、令和五年度以降、緩やかな景気の回復を想定しつつも、当面はコロナ前の水準への回復は見込めない見通しとなっております。  一方、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、感染症の再流行や社会経済活動の停滞が続く場合、さらなる減収の可能性は否定できないと考えております。それに伴う区民生活への影響を勘案した上で区として対策を取らなければならない場合を考えておく必要がございます。  そのため、こうした状況変化にも対応できるよう、財政調整基金については、今年度の繰越金を活用することで令和三年度の繰入れを実質ゼロとし、予算規模の約一、三百億円を引き続き確保し、今後も財政調整基金の繰入れは行わない見通しとしております。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、まずは政策方針でもお示しした施策の優先順位の整理と本質的な見直しにより財源を確保するとともに、複数年を見据えた計画的な予算配分により、持続可能な財政運営に取り組んでまいります。  続きまして、歳出削減と事業の見直し、特に団体の補助、特に外郭団体の補助について御答弁申し上げます。  区では、外郭団体への委託事業や補助につきまして、各団体の求められる専門性や担うべき役割を再確認し、見直しに向けました指導、調整を進めているところです。  今般の新型コロナウイルスの影響は、事業休止や実施方法の変更、職員の一時的な休業など外郭団体の事業運営や経営に広く及んでおります。  さらに、今後複数年にわたりコロナ以前の経済状況への回復が見込めないことを想定いたしますと、外郭団体の在り方自体の見直しは待ったなしの状況でございます。  議員お話しの団体を含めまして、各団体の課題をしっかりと捉え、経営の自立と基盤安定化に向けました収益事業等による財源の確保、経営効率化や事業実施効果の向上といった観点を踏まえながら、団体の統合や再編につきまして、新実施計画後期の計画期間内に結論を出してまいります。  続きまして、保育士への支援につきまして、来年度以降の宿舎借り上げ事業の継続、危険手当的なものについても御指摘がございました。  保育士等の宿舎借り上げ支援事業につきましては、国や都からの補助を得て実施しておりますが、来年度以降の見通しが示されておらず、私立保育園の園長会からは、保育士の新規採用等に大きな影響が生じていることから、事業継続について強い要望をいただいているところでございます。  区では、保育定員の拡充や保育の質の維持向上等に加え、今般のコロナ禍への対応が求められる現状から、保育士等の確保と定着支援を喫緊の課題と捉え、一人当たり月一万円を助成する保育士等処遇改善助成金事業を令和三年度以降も継続することといたしております。  また、宿舎借り上げ支援事業につきましても、なくてはならない事業であることから、国や東京都に対しまして事業が継続されるよう、あらゆる機会を捉えまして働きかけてまいります。  また、コロナ禍におきまして不安を抱えながら使命感を持って保育に当たっている保育士等が安心して働き続けられるよう、現在、私立、区立の園長先生方の御協力をいただき、新しい日常における保育のガイドラインの策定を進めており、今後は同ガイドラインに基づきまして、さらなる予防策を講じてまいります。  御提案のコロナ禍におけます危険手当の支給に関しましては、他の社会福祉施設等の職員との整合性を図る必要があることなどから慎重な検討が必要であると考えております。  最後に、教育総合センターでの教育委員会と区長部局の連携についてでございます。  教育総合センターにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事務事業の緊急見直しにより、複数の大規模施設の改築、改修を先送りする中で、政策方針に掲げる子どもの学びと育ちを支援する拠点として計画どおり整備を進めることといたしました。  あわせまして、研修担当課と政策研究担当課を配置することで施設機能のさらなる有効活用を図るとともに、人材育成機能を集積することによる相乗効果を生み出すことについて教育委員会と協議を重ねてまいりました。  例えば子どもの教育・保育につきまして、区職員と教員の共同研修の場を設けることで、保育園や児童館、児童相談所や子ども家庭支援センター職員と教員が相互に交流し、人的ネットワークを広げるとともに、子どもたちを中心とした多様な視点を涵養することが必要だと思っております。  また、政策研究担当課におけます地域課題の研究、分析の実績やノウハウを共有し活用することで、区職員、教員が共にその研究活動を効果的に進めることができると期待しております。引き続き教育委員会との連携を密にし、区長部局の研修、研究機能と教育総合センターの機能の集積による効果を最大限に引き出すことができるよう取り組んでまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、個店支援プロジェクトについて御答弁申し上げます。  今回の個店支援プロジェクトは、区内の小売サービス業等の個店を支援する緊急経済対策として実施するものです。対象とした業種業態に対する経済効果を検証し、次の施策をどのように打ち出すのかを判断することが重要であると考えております。  従来の事業者、利用者への聞き取り調査に加え、電子商品券分の利用店舗や利用金額などのデータ分析、景気動向指数などの客観的指標を用いた経済分析を行い、本プロジェクト後における経済支援策の必要性、またその手法を検討してまいります。  また、商品券の不正防止の観点から発行主体を変更すべきではないかというお話もございましたが、商店街振興組合連合会がこれまで構築してきた加盟店や金融機関との関係を引き続き活用することで、迅速な政策実施が図れると考えております。  もとより正当に使われることが経済政策として重要であるため、悪用されることがないよう、連合会やシステム運営事業者とともに十分な対策を講じてまいります。
     以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、教育総合センターでの教育委員会と区長部局の連携について御答弁申し上げます。  教育総合センター内に研修担当課及び政策研究担当課を配置することについては、文教委員会においても御意見をいただきました。私は、この部署との連携は、教員の能力開発にプラスとなり、ひいては教育総合センターの機能の向上につながり、結果的に世田谷の子どもたちのためになると考えています。  教員は、学校や限られた教育の分野の中で経験を重ねていることが往々にしてあります。しかし、福祉部門や地域のまちづくりなど幅広い業務を担う区の職員とともに研修を行い、新しい考え方に触れることで視野が広がるとともに人的ネットワークができます。多様な専門性を持つ人たちとの交流は、教員の社会観や指導観を広げ、教員としての資質向上につながると考えます。  また、区長部局の政策研究のノウハウや情報収集スキルなどは、教育総合センターでの研究活動に有用であり、積極的な連携により教育総合センターの研究機能の向上につなげていきたいと考えています。  また、シチズンシップ教育や地域との連携、SDGsの推進など、区長部局と共同での研究も可能と考えています。  私は、子どもに接する教員こそがスキルアップを図り、学び続けるモチベーションを維持するために、様々な区長部局との連携を図り、工夫を重ね、教育総合センターの機能を高めていきたいと考えます。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  一点目は、社会的検査で陽性者が出た際の支援についてです。  高齢者施設や障害者施設における社会的検査の実施に伴い、陽性者が発生した際に休業した事業者等への支援は重要であると認識しております。施設等への支援策につきましては、都が介護サービス事業や障害福祉サービス事業所等に対しサービス継続支援事業として、サービス継続に必要となる費用に対し補助を行っております。  区におきましても、高齢者・障害者施設等支援金として、事業再開のための消毒の経費等の支援を行っておりますが、お話にありました陽性者が発生し、事業所が休業した際の職員の給与など、その対象、金額を拡充し、必要に応じて介護施設等の休業等に必要な支援を実施してまいります。  二点目の御質問としまして、高齢者のみ世帯への支援についてです。  区は、高齢者安心コール、民生委員ふれあい訪問、あんしん見守り事業など見守り事業を通じて高齢者のみ世帯を含む高齢者の生活状況を確認し、必要に応じて区の関係所管や専門機関につなぎ、支援に結びつけております。  今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、面談によらず書面や電話を用いるなど感染予防を優先した手法に変更するとともに、高齢者サービスに係る地域活動団体等には、感染予防策の周知や声かけなど見守りに御協力をいただいてまいりました。  今後、新しい生活様式を踏まえ、あんしん見守り事業等を実施するとともに、地域活動団体のほか区内事業者とも連携強化を図りながら、高齢者のみ世帯等の見守り、孤立や心身機能の低下防止に取り組んでまいります。  以上です。 ◎知久 保育部長 私からは、社会的検査の実施により保育園が休園となった場合の対応等についてお答えいたします。  この間、保育園関係者に新型コロナウイルスの感染者が確認され、休園を余儀なくされた園の保護者の皆様には大変な御負担をおかけする一方で御理解と御協力をいただいてきているところです。  今般お示しした保育士を対象とした社会的検査の実施に当たっても、目的や実施方法、休園時の対応など、丁寧に説明し、まずは各保育施設や保護者からの理解や協力を得ることが何より重要であると認識をしております。  やむを得ず一定期間休園する際にも、園児の家庭保育の状況や困り事など保護者からの聞き取りを園に要請するなど、休園中の子どもの育ちに十分な配慮を行ってまいります。  なお、休園中におきましても、濃厚接触者に該当せず、社会生活を維持する上で必要なサービスに従事している方々などへの応急保育は継続して実施をしてまいります。  私からは以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、社会的検査について区は広報など、どのように取り組んでいくのかとの御質問にお答えいたします。  社会的検査につきましては、多くのメディアに取り上げられたこともあり、区民の方々より対象範囲や財源など、たくさんの問合せ、御意見等を頂戴しておりますので、広報紙や区のホームページ等を通じて、検査の目的、対象範囲や財源、検査に向けた手続等について正確な情報を区民の皆様にお知らせしてまいります。  さらに、今回の社会的検査の対象となる施設につきましては、高齢、障害、保育等に説明し、現場の意見を聞きながら丁寧に周知を図る必要がございます。そこで、対象事業所及び対象者の範囲や受診の要件、実施時期や実施に当たっての注意事項等について、施設所管の協力を得ながら、対象事業所に漏れなく周知されるよう準備を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、庁内の感染拡大防止策について御答弁いたします。  区役所の庁舎をはじめ区の施設における新型コロナウイルス感染拡大防止策は、現在二つの視点をもって取り組んでいるところでございます。まず、感染予防の徹底のため、手洗いやマスクの着用、せきエチケット、人混みを避けるといった行動を職員に徹底しております。また、感染拡大の防止に向け、発熱等の症状がある場合は出勤しないこと、共用部分の消毒やアクリル板等の設置による飛沫防止、定期的な換気の徹底に加え、会議のオンライン開催などを推奨しております。  これらの取組は全庁へ周知し、必要に応じて職場巡視を行っているところです。引き続き庁内における感染予防、感染拡大防止の強化に努めてまいります。  以上でございます。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは三点お答えいたします。  初めに、ノーマライゼーションプランについてです。コロナ禍や災害時の社会状況下では、障害当事者とその家族が、生活環境の激変により精神面等で不安定になることが想定され、包括的な支援が不可欠と考えます。実際、コロナ感染症の第一波と言われた三月、四月の時期は、感染を避けるため施設通所を控えたことで、利用者の方が体調を崩され、御家族も御苦労された事例が多く区に寄せられたところです。  コロナ禍における新しい生活様式への対応を加味しながら、今月実施するプラン策定に向けたパブリックコメントや地域保健福祉審議会等での御意見も踏まえ、せたがやノーマライゼーションプラン策定に取り組んでまいります。  また、お話のうめとぴあについても、全区的な保健医療福祉の拠点としてプランに明記してまいります。  次に、梅ヶ丘民間棟の改善にどう取り組んでいくかについてです。  民間施設棟の運営に当たっては、昨年四月の開設当初、運営手法等について利用者から様々な御意見をいただいたところです。区としても重く受け止め、職員が各部門を訪問し、運営状況の確認、指導を行っているほか、運営事業者側と協議を重ね、昨年度、研修やマニュアル見直し等による支援力向上や短期入所の夜間の看護師の増員等につなげてまいりました。  さらに、施設入所者の地域移行に向けた個別支援計画の策定支援のほか、高次脳機能障害の自立訓練の充実に向け、民間棟と保健センターとの情報共有を進めるとともに、区を含めた定期的な連絡会を開催し、連携の促進に取り組んでおります。  区では、今後も課題の把握に努め、区民から評価される障害福祉の中核を担う拠点として機能するよう引き続き指導、助言や支援を行ってまいります。  次に、手話言語条例の制定についてです。  お話の手話言語条例につきましては、全国で三百五十以上の自治体で制定されており、東京都が制定した障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例では、言語としての手話の普及が明記されております。また、区部でも十四区で条例が制定され、現在複数の区でも検討中と伺っております。  昨年十月には、区が先導的共生社会ホストタウンとして国に認定されたことも受け、言語としての手話を普及する取組は大変重要と考えているところです。  共生社会の実現を目指す上では、手話の普及啓発にとどまらず、区民に心のバリアフリーを一層浸透させていくことが必要であり、そういった観点から条例の在り方について前向きに検討を進めてまいります。  以上です。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは三点御答弁いたします。  初めに、地域子育て支援コーディネーターの強化についてでございます。  おでかけひろばを拠点として各地域に一か所ずつ配置している地域子育て支援コーディネーターは、子ども家庭支援センターとも連携しながら出張や訪問など重要なアウトリーチの役割を担い、また、コロナ禍の現在ではオンライン活用での支援も取り入れ、子育て家庭のニーズに沿った必要な支援を行っており、地域におけるコーディネーターの重要性が増していると認識しております。  さらに、地区においても児童館や社会福祉協議会と連携協力関係を築き、地域資源づくりの取組も始めております。相談利用も増えていく中、多様な地域資源が連携協力しながら適切な相談支援ができる体制とネットワークによる重層的支援の強化は重要と考えており、コーディネーターの役割や人的体制強化について検討を進めてまいります。  次に、社会的養護におけるアドボカシーの体制強化についてでございます。  区は、児童相談所の設置運営に当たっては、子どもの最善の利益が守られることを最優先とし、一時保護所では弁護士などの第三者委員を設置し、子どもたちの遊びや食事の様子などから子どもの意見を聞き取り、施設とのヒアリングを行い、運営に反映するなど、意見表明支援を取り入れております。  現在策定を進めている世田谷区社会的養育推進計画(素案)において、国のガイドライン及び検討委員の議論を踏まえ、里親や児童養護施設に入所措置された児童についても、一時保護所と同様に意見表明支援のための第三者委員の設置の必要性が示され、設置の方針を明記してございます。  今後、パブリックコメントを行い、今年度中には計画を策定してまいりますが、計画の推進に当たっては、子どもが安心して育つことのできる環境整備を目指して関係機関との協議を重ね、早期の設置に向けて取り組んでまいります。  次に、アドボケーターを地域に配置していくことについてでございます。  子どもの身近な地域で子どもの声を受け止めていくことが重要と考えてございます。周囲の大人が気軽に声をかけ、気持ちを聞くということが今の社会では難しくなっており、子どもの気持ちに寄り添い、専門性を持ち合わせて対応していくことが求められます。  身近な地域の児童館では、地域の子どもが気軽に立ち寄り、遊びなどを通した関わりの中で気持ちを出せる場であり、その相談機能を充実させているところです。特に自分の言葉で悩みや苦しみを表現できない子どもに寄り添う聞き役となるのは大切な役割でございます。  また、子どもの人権擁護機関せたホッとは、電話等での相談対応のほか、児童館での事業参加を通して啓発を行ったり、相談のあった子どもが安心して話ができるよう、近くの児童館等の場所を活用してございます。せたホッとと児童館の連携をさらに深め、子どもの気持ちを早期に受け止め、必要な対応ができるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、建設業の支援について答弁いたします。  区では、建設業の支援として、これまでの若者とのマッチングを進める建設業人材確保支援事業に加え、昨年六月からの建設団体が実施する学習会や従業員が資格取得に要する経費を補助するなどの支援を開始し、さらなる建設業の人材確保と定着支援に取り組んでいるところです。  お話の建設業への支援の在り方について、省エネ対策として広く活用されている環境配慮型住宅リノベーション推進事業などを参考に、区民が地域の建設事業者を知り活用していただくための支援策を検討してまいります。  また、建設キャリアアップシステムについて、システム全体の取組状況を踏まえた普及の推進方法など、建設関係団体や関係所管と引き続き協議してまいります。  私からは以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは三点御答弁いたします。  まず、ほっとスクールの運営についてでございます。  不登校の子どもの置かれた状況や不登校となる要因は多様であり、ほっとスクールをはじめとする不登校の子どもへの支援については、さらに充実していく必要があると考えております。  ほっとスクール希望丘は、受託事業者がフリースクール運営で培ったノウハウを生かした活動を実践し、利用希望者が増加するなど一定の評価をいただいております。  また、ほっとスクール城山、尾山台では、教員OBや心理職などのスタッフを配置し、学校現場で不登校の子どもたちの姿を見てきた経験を生かしつつ、不登校の子どもたちが穏やかな時間の中で安心して生活できる環境を整えて支援してまいりました。  ほっとスクール城山については、令和三年十二月に教育総合センターへの移転を予定しておりますが、在籍する子どもたちへの影響を考え、移転の時点においては現在の運営を維持し、子どもたちへの支援を継続したいと考えております。  教育委員会では、ほっとスクールの運営の見直しに取り組んでまいりましたが、令和三年度中に三か所のほっとスクールを対象に利用者アンケートや外部の専門家による分析などの客観的な評価と検証を行い、不登校の子どもたちへの多様な支援の在り方について、運営主体や地域偏在など、多様な角度からさらに検討してまいります。  次に、不登校に限らない学びの機会や場の検討についてでございます。  学校には、知識量の豊富な子どもや、運動や芸術的な分野で力を発揮する子どもなど、様々な個性を持つ子どもたちがおり、不登校の子どもを対象とした教育だけではなく、通常とは異なる様々な教育課程など、学校の在り方を考える必要があると認識しております。  世田谷中学校「ひなぎく学級」の位置づけを令和三年度までに変更しなければならないという期限的制約の中、ひなぎく学級の利用生徒に現在と同様の学習環境を提供するため、様々な検討や議論に先立つ形で、不登校特例校(分教室型)の設置に向け、今後国や東京都との協議を行ってまいります。  教育委員会といたしましては、不登校に限らず、多様な子どもたちの学ぶ意欲に対応した学びの機会や場を提供していくためにも、保護者の方や学校現場などの様々な意見を聞きながら、今後の進め方、広げ方を計画的に検討していく必要があると考えております。  今後、区議会をはじめとする様々な方の御意見を頂戴しながら、不登校特例校と併せて、さらに大きな視点から多様な教育の在り方や、教育課程にとらわれない学校の姿を検討してまいりたいと考えております。  次に、教科「日本語」についてです。  教科「日本語」は、日本語の響きやリズムを楽しむことなどを学ぶ教科として、平成十九年度から区内の小中学校で取り組んでまいりました。その後、新たな学習指導要領において教科「日本語」で取り組んできた学習内容を他の教科の中で学ぶことになったことや、子どもたちに学んでほしいテーマや分野が増えてきたことなどを背景に、令和元年度より教科「日本語」の学習時間を各学校が柔軟に設定できるようにいたしました。  教育委員会といたしましては、子どもたちが日本語の美しさなどを学ぶことは有用であると考えておりますが、子どもたちが学ぶべきことは時代に応じて変わってくるものと考えております。子どもたちに学校教育の中で何を優先して学んでもらうのか、また、その中で日本語の学習をどう評価するのかということなどについて、新たに開設する教育総合センターにおける研究テーマの一つとして、専門家の意見も伺いながら引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 保育士の支援の答弁はありましたっけ。宮崎副区長から財調の繰入れはしないというようなお話もありましたし、ただ、メディアでは、これを使うかのような報道がされていたりとか、メディアの力は大きいです、誤解されている状況というのもまだあると思いますので、区長はしっかりと区のやり方、方針を、メディアを使ってでも、していくべきだと思います。  また、外郭団体の整理統合ですとか手話言語条例、また、ほっとスクールを見直していくということについても答弁をもらいましたので、これが議論のスタートだと思っています。引き続き決算特別委員会で行いたいと思いますが、保育は、したかどうか、ちょっと確認してください。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再質問に御答弁申し上げます。  先ほど、保育の関係につきまして触れさせていただきました。改めてちょっと申し上げます。保育の関係でございますけれども、一つは宿舎借り上げの関係につきましては、引き続きになりますけれども、東京都や国のほうには強く働きかけをしてまいりたいと考えております。また、区のほうで単独でやっております月一万円の助成につきましては、令和三年度以降につきましても継続をするという考え方です。また、危険手当につきましてお触れになりましたけれども、こちらにつきましては他の福祉施設の関係等がございますので、慎重に検討させていただきたいと、このように申し上げました。  以上でございます。 ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で風間ゆたか議員の質問は終わりました。  これで、各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 一般質問 ○和田ひでとし 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  三十六番ひえしま進議員。    〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(ひえしま進 議員) 以下、通告に基づき質問いたします。  初めに、世間の耳目を集めております、いわゆる世田谷モデルについて伺います。  保坂区長は、七月末から、いつでも、誰でも、何度でもをキャッチフレーズとする、保健所が担っていた従来型検査によらないPCR検査の拡大について、連日メディアに出演し発言をされました。
     私は区民の方から問合せで知ったのですが、最初の印象は、すごいことをやるなと期待半分、不安半分といったところでありました。区長もこれまで各所で発言されているとおり、四月のコロナ感染のピーク時に陽性が疑われる区民の方がなかなか検査を受けられないという深刻な状況があり、それを解消するために検査を拡大するという点については、私も心から賛同するものであります。  しかし、区長は、世田谷モデルについて、メディアでは発言されるものの、一向に議会に説明することなく、区側に問い合わせても詳細は検討中と回答するばかりで、区民の問合せに対して議員としては全く説明できないという状況が長く続きました。  今月十日、臨時に開かれた企画総務常任委員会で、他会派の議員からも指摘がありましたが、議会軽視と断じられてもおかしくない区長の姿勢について、この場でも苦言を申し述べておきます。  さて、区長のアピールのインパクトが強烈過ぎたのか、いつでも、誰でも、何度でもというキャッチフレーズが独り歩きし、九十二万区民全員がPCR検査を受けられるようになると受け止め、期待している方が大勢いらっしゃいます。この方々にはどう釈明するのでしょうか。  私は世田谷モデルなるものを一度きれいさっぱり撤回すべきだと思います。区長は、いつでも、誰でも、何度でもを掲げることでPCR検査のハードルを下げることを目指しているとおっしゃっていますが、期待している方々からすれば、今回の社会的検査なるものは、二万三千件のエッセンシャルワーカーのみを対象とするもので、そのほかの九十万人区民は対象とならず置き去りにされることになります。  その結果、検査のハードルを上げてしまったことになるのではないか、そうであれば、今後どのようにこのハードルを下げる努力をしていくのか、全区民に対してはっきりと説明する機会を設けるべきだと思いますが、そのお考えはあるか伺います。ここで説明責任を果たさなければ、区長は言うまでもなく世田谷区の信用が失墜すると心から危惧するものであります。  振り返れば、事の発端は、東大先端研の児玉龍彦名誉教授のプール方式という検査方法の提案を区長が受け入れたところから始まっております。そもそも世田谷区と児玉氏はどのような関係にあるのでしょうか。  児玉氏は肩書に世田谷区有識者会議議員、あるいは世田谷区コロナ対策有識者会議議員などの肩書を使ってプール方式の実証実験を行っており、そのことについて情報発信をしております。  また、区長自らも有識者会議という呼称を、委員会の答弁をはじめ新聞でも使用しております。このことは児玉氏の一連に実証実験に世田谷区がお墨つきを与えているという根拠となっており、事実、世田谷モデルに賛同するオピニオンリーダーたちが、ツイッターなどのSNS上でこの呼称を好んで使っております。  まず、有識者会議は存在するのか、お答えください。もし存在しないならば、区長がその呼称を使用してきたことは、多くの人々に誤解を与えてきたことになり、この場で訂正し謝罪すべきだと考えます。そして、区と児玉氏との関係はどのようなものなのか、区長の答弁を求めます。  今回提出された案にある、いわゆる社会的検査については各議員から様々な指摘がありましたが、専門家からも疑問の声が上がっております。  例えば九月三日の参議院予算委員会参考人質疑では、日本維新の会の浅田均議員の質問に対して、国立感染症研究所の脇田隆字所長が、無症状者で安心のために検査をしても、偽陰性の問題もあるし、検査後に感染する可能性もあるので、安心のための検査は非常によく考えて実施する必要があるという答弁をしております。  また、東京慈恵会医科大学の嘉糠洋隆教授は毎日新聞の取材に、無症状の人はウイルス量が少なく検査で拾えない可能性はどうしても残る。陰性の結果が正しかったとしても、検査日にウイルスが検出されなかったことを示すだけで、その後も感染リスクは残ると答えております。  このように、区が実施しようとしているような社会的検査に、専門家の間では疑義を呈する声が多くありますが、こうした見解について区長はどのように認識しているのかお聞きをします。  私は、これからインフルエンザの流行が予想されることからも、この社会的検査をやめ、保健所や区の医師会が実施している従来型検査の機能拡充、強化にこそ予算を使うべきだと考えます。財源の点からも、我が会派の代表質問でも厳しく指摘したように、いわゆる社会的検査が国からの支援対象となるはずだというような希望的観測で実施をもくろむのではなく、国や都の趣旨を正しく酌んでPCR検査拡大のための連携を図っていくほうが、よっぽど区民の利益に資すると思います。  区長はこれまで、御自身の動きが安倍総理の辞任会見でも触れられ、国や都の検査拡大へとつながったとおっしゃっていますが、具体的にどのようなアプローチをしてきたのか教えていただきたい。  そして、区長がよく議論していると話される二十三区特別区長会で、いわゆる世田谷モデルについて具体的な質問や問合せがあったのか、あるいは賛同する声があったのかお尋ねします。恐らくないと思いますので、重ねて、いわゆる世田谷モデルなるものの撤回を強く要望します。  次に、多頭飼育崩壊の防止についてお聞きします。  本年七月に区内で起こった多頭飼育崩壊は、秋田犬を主とする二十頭以上の犬を放置したまま、ブリーダーをなりわいとしていると目される飼い主が遁走するという実に驚くべきものでありました。  私も現場に参りましたが、残された犬たちは、悪臭が充満する中で、満足に餌や水が与えられず、おりに入れられたままの実に劣悪な環境に置かれていました。  私が調査したところでは、この男性は生活保護受給者にもかかわらず、多くの犬を飼育し、長年にわたる家賃滞納の果てに、大家さんから訴えられ、追い出されたというものでありました。また、かねてより大家さんは悪臭、ほえ声などに関する近隣住民からの苦情について役所に相談していたということで、一時は保健所の指導で頭数が減ったこともあったとのことですが、その後また増加をし、今回の事件に至ったというものであります。  犬たちは東京都の動物愛護相談センターに引き取られ、その後、幸いにして心ある方々に譲渡されたとのことですが、最も重要なことは、このような事態に陥る前にしっかりと手を打つことであります。  以下、質問します。  そもそも多頭飼育が可能となるためには、前提として犬が快適に暮らせる広いスペースが必要であり、今回の件はどう考えても物理的に無理だったと思いますが、保健所はこれまでどのような指導をしてきたのか、お尋ねします。  また、この男性は、ペットの飼育が禁止されている住宅で多頭飼育を行っていました。当然、家賃も含め、餌代などかなりの費用がかかっていたはずで、生活保護受給者としては疑問を持たざるを得ない生活をしていたことになります。こういった場合、生活支援課としてどのような指導が可能なのか、答弁を求めます。  今回、都のセンターが全頭を引き取るまでに約一週間かかりました。その間世話をしなければならなくなった大家さんは、飼育経験がなかったことや、大型犬ということもあって、その扱いに大変困惑されていましたが、保健所は都のセンターと具体的にどのように連携をし、対処をしたのでしょうか。  また、動物愛護のNPOの方にも御助力いただき、給餌についてなど何とか急場を乗り切ったわけですが、今後こうした民間団体とも情報提供をはじめ、連携を密にしていくべきだと考えます。  このケースでは、保健所だけでなく、生活支援課などほかの関係所管との連携も必要だったわけで、その重要性は今後ますます高まっていくはずです。日頃から関係各所が情報共有し、対象者に対して強く働きかけていくことが、多頭飼育崩壊を防止する上で肝要でありますが、今後の取組を伺います。  最後に、インクルーシブ教育の在り方についてお聞きする予定でしたが、時間の都合上、決算特別委員会で取り上げます。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ひえしま議員にお答えをいたします。  いわゆる世田谷区の掲げております社会的検査に、専門家の間からの声、これをどう受け止めているのかという御質問でございます。  社会的検査については、それぞれの立場から御意見があることは十分認識しています。また、PCR検査は検査時点で陽性ではないことを確認するものであり、その後も引き続いて陰性を証明するものではないと認識しております。これは抗原検査も同様であります。  また、抗体検査が陽性であっても、抗体はどこまで存続するのかという問題もあり、イコール免疫を獲得したと言えない状況でございます。  こういう意味で、一方、この新型コロナウイルス感染症への罹患をしたか否かの判定、このための検査、濃厚接触者の検査等々、世界中でPCR検査は、我が国も含めて採用しております。  なお、欧米で社会的検査、エッセンシャルワーカーに対する検査をしている国がございますが、これもPCR検査でやってございます。  日頃から施設において、職員や利用者の健康状況の確認など、感染防止の取組を強化し、定期的に社会的検査によるPCR検査を実施すること、これが感染に伴う重症化を避け、職員からのクラスターを抑止するものだと考えておりまして、昨日、厚生労働省から事務連絡という形で、感染が拡大している地域において、感染をしているかどうかにかかわらず、医療機関や高齢者施設、幅広く積極的に検査をしてほしいと、こういった通知が来ているところでございます。  次に、国や都の検査拡大に対しての働きかけ、また、区長会での議論についてお答えします。  七月下旬開催の世田谷区新型コロナウイルス感染症対策本部の有識者との意見交換会の会合におきまして、PCR検査数を格段に増やす方法あるいは社会的検査の定期的な実施などの御提案、御意見をいただいたところでございます。  区では、従来から継続してきたPCR検査を拡充するとともに、介護職などのエッセンシャルワーカーを対象としたPCR検査の検討を進めていく中で、私自ら国の関係幹部、そして東京都の方々に対してこの必要性を説いて、ぜひ支援をいただくようにとお願いもし、意見交換、趣旨としてはこういう趣旨なんだという説明もしてきました。私のみならず区を挙げて、東京都あるいは国、厚生労働省に対して情報提供、働きかけ、あるいは世田谷区の企画していることがどのように国として解釈できるのか、後押しできるのか、こういう問合せに答えていただいているところでございます。  一方、東京都では高齢者施設の職員、入所者を対象とした検査が検討されており、さらに昨日付で、今申し上げた通知も出され、定期的検査の実施等について、体制が整ってまいりました。  区長会においてのお尋ねですが、八月六日に、これは役員会が開催されておりまして、区長会の中で、それぞれの議案がありますから、このことだけをたくさん話したというわけではありませんが、区長会会長から、このコロナ対策について各区それぞれがいろいろやっている。そして、児玉名誉教授が提案した世田谷モデルの内容の中に、厚生労働省が開発した接触確認アプリCOCOAの紹介があった、これを使っていこうということですよねという確認があり、そうですよという話をしまして、それならこのCOCOAについて二十三区全体で区民、企業に幅広く利用してくださいという、いわば意思表示をしようではないかということで、この新型コロナウイルス接触アプリCOCOA普及への取組についてという文書を翌日八月七日に各区に発出しているところでございます。そういう議論がありました。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、三点についてお答えいたします。  まず一点目、社会的検査のハードルをどのように下げるのかという御質問に対してお答えいたします。  これまで、新型コロナウイルス感染防止対策として、従来型のPCR検査の拡充に取り組んでまいりましたが、症状のない方からの感染の広がりや、高齢者や基礎疾患のある方などが重症化する事例もございまして、まずは感染防止対策として、重症化の回避やクラスター化の抑止に取り組むこととし、また、現実的な取組として、対象者や優先順位を設定し、段階的に進める内容で検討を行っているところでございます。  今回の社会的検査は、まずは社会的インフラを継続的に維持するため、利用されている方への感染に伴う重症化を避けることを第一に、接触を避けられない職員からのクラスターを抑止すること、感染者や感染疑いの方に接触した可能性が高い職員を早期に発見することを目的に実施いたします。  今後の段階的な取組につきましては、丁寧な周知に努めていくとともに、国や東京都の動向を注視しながら、今回の社会的検査の活用策等について検討をしてまいります。  次に、有識者会議の存在と、区と児玉名誉教授の関係についてお答えいたします。  七月二十七日に新型コロナウイルス感染症対策本部会議におきまして、世田谷区医師会の会長及び玉川医師会の会長をはじめ、地域行政等の分野の有識者五人に御出席いただき、刻々と変化する感染状況に応じた、効率的かつ効果的な政策についての意見交換を行いました。  お話にありましたように、有識者会議はございませんが、新型コロナウイルス感染症対策本部会議における有識者との意見交換という形で開催をさせていただいたところです。  児玉氏は有識者の一人として御出席をいただき、海外の感染予防対策やプール方式などの最新のPCR検査体制の状況に関し知見と助言をいただいたところでございます。  三点目でございます。多頭飼育崩壊に係る生活保護受給者との関係についてお答えいたします。  生活保護の制度上、生活保護受給者のペットの飼育につきましては特段の制限はございませんが、ペットの飼育代が生活の負担にならないよう助言を行う場合もございます。  生活保護の担当ケースワーカーは、面談や自宅への訪問により、受給者の健康状態や生活状況を把握し、信頼関係の構築に努めております。受給者の様々な問題を発見した場合は、保健所等の関係所管と連携しまして、医療につないだりサービスを導入するなど、早めの対応を心がけてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、多頭飼育崩壊の防止に関して二点、まず、飼い主の指導についてお答えいたします。  多頭飼育崩壊の多くは、飼い主の無計画な購入等や、世話ができずペットが交配することで飼育頭数が増えてしまうことが要因と言われております。多頭飼育崩壊の防止には、飼い主の意識改革が必要です。そのため、保健所では飼い主の意向を尊重しつつ、多頭飼いにより家屋がごみ屋敷になった事例や飼育困難となったペットが殺処分される可能性があることなどを説明し、不妊・去勢手術の実施や譲渡先の確保を促すなど指導をしております。今後もこうした適正飼育に向けた取組を進めてまいります。  次に、関係組織や団体との連携です。  今回のケースでは、飼い主の自宅に事業所名が掲示されていたため、動物取扱業を管轄する東京都動物愛護相談センターと連携し、同行訪問を行うとともに、速やかに犬が引き取られるよう手続等を事前調整をしております。  これまでも、高齢の飼い主が認知症によりペットの世話ができなくなった場合等は、保健福祉課や健康づくり課、あんしんすこやかセンターに加え、動物愛護のボランティア団体やNPOと連携し、対応してまいりました。これら関係所管や団体との連携は重要と考えておりまして、今後も随時情報共有をしながら連携を深め、多頭飼育崩壊の防止に努めてまいります。  私からは以上です。 ◆三十六番(ひえしま進 議員) 有識者会議は存在していなかったわけなんですよね。意見交換会で児玉教授から有識者の一人として意見をお聞きしたということなので、しかし、区長は有識者会議とおっしゃっているわけですし、また、児玉さん御自身も、世田谷区の有識者会議議員だという肩書でいろいろ物をおっしゃっているので、この点も非常に正確さを欠いているわけですよね。  区長の情報発信の仕方というのは、この議会でもずっと問題になってきましたけれども、何も中身が変わったら変わったでいいわけでして、この点についても、先ほども質問がありましたけれども、しっかりと別途区民に説明する機会を設けられたほうがいいと思います。今、ユーチューブもありますし、世田谷モデルについてもう一度説明をしていただきたい、これが一点。  もう一点は、国のPCRの補助といいますか助成というのは、昨日の我が会派の代表質問でもありましたけれども、感染拡大地域でということなんですよね、それが前提とされていまして、定期的なその検査は感染拡大地域でということなので、その判断は区長御自身がおやりになるということなんですが、現在、世田谷区は感染拡大地域であるということでよろしいのか御答弁ください。定期的にやるというのは何回やるかということも併せて御答弁ください。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再質問にお答えします。  最初の感染症拡大のところと考えているのかということですが、昨日、数字を含めまして区長のほうからも御答弁申し上げましたけれども、現在、世田谷区においては感染は蔓延していると思っております。  ただ、拡大という言い方と、いわゆる蔓延の境目ですけれども、東京都のように、例えば指標をこういう段階で示しているわけではありませんので、我々は数値のほうから追い求めている限りでは、今感染は、やはり、またこれを緩めると第三波が来るのではないかと考えていますので、そういう意味で言うと、感染が今蔓延している状態で、数字的に言うと、ピークからは少し落ちていますけれども、蔓延は続いているというように考えていますので、この社会的検査の必要性はあると考えております。  それから、世田谷モデルも含めまして、区長のほうから発言をしてもらったほうがいいんじゃないか、区民の方に御説明する必要性があるんじゃないかということについては、先般、私のほうが福祉保健のほうの段階で区長のほうにお願いをしますということで申し上げました。  これにつきましては今般、九月十日の段階で改めて提出を、案を直していますので、その機会においては、もう既に質問通告を受けていますので、今般につきましては、この一連の部分の段階でいろいろ御答弁しまして、その結果で最終的な案を今回、議案でもう出しているわけですけれども、その部分で、その一連が議会のほうの動きを見て、区長のほうから改めてホームページ上でこの間の一連の部分については説明をしていただこうと、こういうふうに考えております。  以上です。 ◆三十六番(ひえしま進 議員) 先ほど、定期的な検査の見通しが立ったとおっしゃったんですけれども、定期的な検査の見通しが立ったということですけれども、具体的に答弁いただきたいと思います。そのどれぐらいの期間でやるのかということですね、あと回数、それを答弁していただきたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 再々質問にお答えします。  この定期的な段階ですけれども、昨日も申し上げましたように、感染状況によっては、最初に第一段階として、感染が出ているところについてやるわけですから、ここについては、そのサイクルについては、その広がっている状況の中では回数を考えていきたいと思っていますし、また今般、昨日ですか、九月十五日付で国のほうから出している、その定期的という部分についての回数についても国は触れておりません。言ってみれば定期的で、その段階の部分についてはそれぞれの判断があるだろうということで我々は受け止めていますので、それにつきましては、一回だけでは意味ないだろうということに対しては、議会のほうの御指摘もあって、定期的という言葉は使っておりますけれども、その回数そのものについては、その状況、状況の中でそのサイクルを考えていきたいと、こういうことで申し上げているつもりです。  以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上でひえしま進議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十九分休憩    ──────────────────     午前十一時三十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  二十八番菅沼つとむ議員。    〔二十八番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  最初に、世田谷区の私立幼稚園助成金についてお聞きします。  今、世田谷区の公教育においては、五以上が幼稚園から就学児童であり、その九が私立幼稚園からの就学です。世田谷区の公教育の一定の役割を果たしています。現行、就学生、私立幼稚園と施設給付型幼稚園、認定こども園は、良好な幼児教育が、安心して心から子育てできる幼稚園の助成を増やすべきです。  また、新型コロナウイルスによる保護者の休業や収入減、景気の悪化の原因により、幼稚園の支払う負担感が増しています。  そこで、第一にお聞きします。例えば世田谷の隣の目黒区と比べると、目黒区の独自加算金は一万円で、世田谷区の独自加算金は千円です。九千円の開きがあります。また、目黒区の合計給付金は三万七千五百円で、世田谷区の合計給付金は二万八千五百円で、二十三区で下から二番目です。世田谷区は目黒区並みに幼稚園の独自給付金を増やすべきと考えます。区の答弁を求めます。  第二に、保育園の保育士には一人八万三千円の家賃補助、そして一万円の補助金を出しています。幼稚園の先生には八万三千円の家賃補助、一万円の補助金はありません。幼稚園を取り巻く人材確保が困難になっています。世田谷区は、保育園の職員も幼稚園の職員も差別するべきではありません。区の考えをお聞きします。  次に、ふじみ荘廃止についてお聞きします。  ふじみ荘は昭和四十五年にできて、高齢者の方々が、いつでも元気で、地域で活動していただくための生きがいの施設です。世田谷区は、高齢者人口は、四月には十八万三千人で、令和十年には高齢者が二十万人に達する見込みです。その中でひとり暮らし高齢者が四万人を超えて、孤立化する高齢者が増えています。  第一に、高齢者が増えている時代に、ふじみ荘を廃止するのは、高齢者時代に合っていない政策だと思います。区の考えを聞きます。  第二に、ふじみ荘が廃止になっても、世田谷区は、ふじみ荘を利用する皆さんには千歳温水プール、大蔵第二運動場クラブハウス、また、民間大浴場、スポーツジムなど、ふじみ荘の代わりになる高齢者の居場所を考えるとなっています。ふじみ荘廃止まであと六か月です。具体的な対策をお聞きします。  次に、新型コロナ対策についてお聞きします。今まで福祉保健委員会で議論してきました。何点か気になる点をお聞きします。  第一に、世田谷区は社会的検査の充実に、場所の確保、人材の確保、財源の確保の三つの要素が非常に重要であると示しています。三つの要素はできているのか、お聞きします。  第二に、社会的検査の事業者の公募は何月になるのか聞きます。また、いつから始めるのか聞きます。  三点目、世田谷区の社会的検査で、プール方式は、厚生労働省は認めていません。国が認めるまでプール方式は世田谷では行わない。確認します。
     第四に、社会的検査のPCR検査で陽性者が判定した場合、民間事業者は濃厚接触者の特定、健康観察、追跡調査を行います。民間事業者は、これから研修して行います。九月中に間に合うのか、お聞きします。  第五に、今、世田谷区は感染症の疑いがある症状の方や濃厚接触者、PCR検査を三百から六百に増やしています。世田谷区の医師会、玉川医師会は、自分たちの病院がある中、土曜、日曜、祭日の休みを返上してPCR検査をやって、一人でもコロナで亡くなる人を減らす努力をしています。世田谷区の保健所は土曜、日曜、祭日のPCR検査は行っていません。保健所は土曜、日曜、祭日にPCR検査を行い、いつでも区民が世田谷区の医師、保健所に相談し、コロナの疑いがある区民にすぐにPCR検査を受けるようにするべきです。それと、保健所の体制の充実も一緒にするべきです。区の考え方をお聞きします。  第六に、世田谷区はPCR検査の一部として寄附金四千六百八十二万円を充てるとしています。前年度の寄附金より増えています。区長さんはテレビなどで何回も、PCR検査をいつでも、どこでも、何回でもしたいと言っています。多くの国民、区民は感激して寄附金が集まっていると思います。しかし、現実にはPCR検査は、いつでも、どこでも、何回でもできていません。保坂区長さん、反省しているのか、お聞きします。  次に、世田谷区の財政についてお聞きします。  世田谷区は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、感染症防止対策と経済活動のバランスを保ち進めることが求められます。一方、リーマンショックを上回る大幅な削減見込みが認められます。これまで経験したことがない財源不足が訪れます。  世田谷区の主な経費、本庁舎整備、四百八十六億円、保育園等にかかる経費、二百九十二億円、高齢者介護会計等、二百七十億円、ふるさと納税、六十億円、世田谷の区債、七百六十億円、減収補填債、九十億円、職員などの人件費、六百億円、東京都からの財調も減ります。  厳しい財政の中、令和三年度予算を六十二億円、事業見直しが行われます。具体的に事業の見直しをいつまでに議会に示せるのか、お聞きします。  壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 菅沼議員にお答えをいたします。  私のテレビ等での発言について御質問をいただきました。このPCRの拡充について、七月下旬開催の有識者との意見交換会の場で提言を受けまして、その後、各報道機関などの取材で、いつでも、誰でも、何度でもとハードルを低くPCR検査を行っているニューヨークを目指して、あるいは指標にということを言った上で、世田谷区としての検査体制を整えていくということで全部お話をしております。  ただ、一部番組によっては、その社会的検査の部分を全く報道しないで、九十二万人全員にやるんだという誤った前提で報道をしている番組もございました。そういう番組に対しては非常に不本意でございますけれども、ただ、大きな方向として検査のハードルを低くする。昨日、国が出してきた事務連絡にも、感染が広がっている地域においては、基礎疾患がある方、例えば人工透析などをされている方や肺に基礎疾患がある方は心配です。また、高齢者の方も心配というようなところでの、その自治体の検査も、もしやるのであれば国は応援しますよというようなこと、これは現在、区の計画にはございませんけれども、そういうものも出てきております。  この社会的検査について議会からたくさんの御意見をいただきました。我々が気づいていない、例えば障害者施設や児童養護施設、一時保護所などについての御指摘もいただきまして、改めて事業内容を組み直していくということで、この告示日に議案を出せなかったということで、これは誠に申し訳なく思っております。  九月十日の福祉保健常任委員会でこのことを報告するとともに、私自身も企画総務委員会において、区議会定例会の告示日に、この補正予算書をお配りできなかった、追加提出になったということをおわび申し上げたところでございます。ここでもおわび申し上げたいと思います。  そして、世田谷区民に、それでは世田谷区は一体何をしようとしているのかと他会派からも御指摘がございました。しっかり整理して、分かりやすく、どういう順番でどんな検査を拡充していくのかということについて、できるだけの効果を考えながら区民に明らかにする、説明をする、そのことについて取り組んでまいりたいと思います。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、高齢者施策について二点お答えをいたします。  まず、ふじみ荘の廃止に関する御質問でございます。  高齢者施策については、高齢者人口の約三を占めるひとり暮らし高齢者等の孤立や孤独の防止、健康寿命の延伸などの社会的な課題に対応する必要があることから、就労、就業ニーズへの対応、能力や経験を生かして活躍したい方の支援、団体活動の活性化などの施策の充実を図ることが必要と考えております。  片や、ふじみ荘でございますが、築五十年が経過し、老朽化も含め維持管理経費が大きな財政負担となっていることや、施設利用者が減少し続けている状況がございます。高齢者人口がこの十年間で約三万人増加した一方、ふじみ荘利用者は約二万六千人減少するなど、相反する状況となっております。  こうしたことから、ふじみ荘については本年二月に廃止の方針をお示ししつつ、健康増進に向けた民間スポーツクラブとの連携、仲間づくりや高齢者の能力、経験を生かすための人材マッチング機能の強化、就労、就業ニーズへの対応としてのAIの活用、高齢者クラブ等活動団体の活性化支援に取り組んでいるところでございます。  ふじみ荘の利用者の皆様には、七月に説明会を開催し、区の考えを御説明させていただきました。存続を求める御要望はございますが、高齢者の孤立や孤独の防止などに向けた新たな取組を行うことや、ふじみ荘の運営コストなどを総合的に判断し、今議会に廃止の御提案をさせていただいたものでございます。  続きまして、ふじみ荘利用者への対応とスポーツクラブとの連携についてでございます。  ふじみ荘を御利用の方への対応につきましては、千歳温水プールや大蔵第二運動場などの運動施設のほか、囲碁や将棋、憩いの場として利用できる公共施設につきまして施設の詳細を記載したリーフレットを作成し、ふじみ荘で配布するとともに相談にも丁寧に応じてまいります。また、既存の送迎バスの運用について関係所管と調整を進めているところでございます。  民間スポーツクラブとの連携でございますが、高齢者の地域参加促進施策の一つとして、高齢者の孤立防止と健康づくりの機会拡充に向けまして、高齢者が身近に出かけることができる場とメニューを創出することを申し上げております。この間、区内で総合的なスポーツクラブを運営する四事業者と高齢者利用に関する意見交換と事業の仕組みについて調整を進めてまいりました。  他自治体に目を向けてまいりますと、葛飾区や千葉市では、自治体が利用料を一部負担し、高齢者が比較的安価に施設を利用できる事業を、利用回数の制限を設けながら実施しておりまして、利用者には好評と聞いております。その後、スポーツクラブの会員になり継続的に施設を利用される方も増えてきているとのことでございます。  こうした先行事例も参考にしながら、後期高齢者医療制度の補助金の活用も含め、高齢者の健康増進と仲間づくりに向けた取組に道筋をつけてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは二点御答弁いたします。  初めに、私立幼稚園保育料に対します補助金の増額についてでございます。  区では、私立幼稚園等の園児の保護者を対象としまして、経済的負担軽減等を目的として、保育料等について一定額を補助してございます。昨年十月からの幼児教育・保育無償化の実施に伴い、補助制度を新たに見直し、国と都が示す基準額と区内の平均保育料とを比較した上で、月額二万八千五百円を上限とした区の補助基準額を設定いたしました。さらに年収等に応じた上限額を月額三万八千九百円としたところでございます。  議員御指摘の目黒区のお話にございました区の補助額は、一万円を含む月額三万七千五百円が補助基準額となっておりますが、一方、区内の平均保育料は月額約三万四千円とのことでございまして、区内の状況等に応じてそれぞれ区の補助基準額を設定しているものと把握してございます。  区の補助額の在り方につきましては、今後の国や都の動向を前提といたしまして基準額や見直しサイクル等について改めて考え方を整理する必要があると認識しており、園や関係機関との協議を行ってまいります。  次に、幼稚園教諭への処遇改善補助についてでございます。  御指摘のように、保育士をはじめとしました保育関係施設職員に関しましては、定員拡大に伴う施設増により人材確保が喫緊の課題となっており、国や都の制度を含め家賃助成制度などの支援が行われてございます。  区内の私立幼稚園におきましても年々人材確保が厳しい状況になっていると聞いておりますが、一方で新たな補助制度の創設に当たりましては、都の私学助成金を含めた幼稚園運営に係る経費内訳や幼稚園教諭の雇用求人状況、近隣自治体の支援の状況等を含め詳細な把握が必要と考えてございます。  あわせて、保育士等処遇改善と同様の国や都の制度がない中では、区独自の取組による財源負担も生じるため課題が大きいものと考えてございます。  区といたしましては人材の確保や定着、離職防止といった観点は重要であると認識しており、現行の幼児教育振興補助金の在り方等を含め、関係機関と丁寧に意見交換を重ねてまいります。  以上でございます。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、新型コロナ対策について四点お答えいたします。  まず、社会的検査の実施に向け、場所の確保、人材の確保、財源の確保について確保できるのかという御質問についてお答えいたします。  議員お話しのとおり、社会的検査の実施に向けましては、場所、人材、財源の三つの要素が非常に重要と考えております。中でも財源の確保につきましては、国や都の財源の活用や、区のふるさと納税による寄附を財源として充てることを想定しており、国や都に対しては、今後の感染症対策の拡充のため、機会を捉え必要性を説明し、財政支援の要請を行っております。  また、九月十一日付の国からの回答では、高齢者施設等に勤務する方や入所されている方等について幅広く行政検査として実施が可能という回答をいただいていたところであり、九月十五日の国通知を踏まえますと、国からの行政検査としての経費が見込める状況となりました。  今後でございますが、十月下旬からの本格実施に向け、場所の確保、人材の確保につきましても関係部署と連携し、社会的検査の実施に向けて最大限の努力を続けてまいります。  次に、社会的検査の公募はいつ行うのかについてお答えいたします。  第一段階の先行実施でございますが、八月十八日付厚生労働省通知に基づき、行政検査に位置づけられる可能性の高い事例である介護事業所及び特養等の施設入所予定者に対する先行実施については、区内医療機関との協議を進めており、今月中の開始を予定しております。  十月以降の第二段階における本格実施につきましては、プロポーザル方式による事業者の手続開始公告を九月の連休明けに行い、十月下旬には事業者を決定し開始できるよう、現在、事業内容の検討や提案に求める内容などの準備を進めているところでございます。  次に、プール方式についての御質問でございます。  区では、厚生労働省に対しプール方式を行政検査として認めるように要請したところですが、国から九月十一日付で、現時点では、いわゆるプール方式については科学的知見が確立されていないため行政検査の対象とはならないとの回答がございました。  社会的検査の実施に当たっては、当面従来型のPCR検査で実施しますが、費用の縮減などの効果が見込めることから、引き続き国と協議し、プール方式が行政検査として認められた場合には、実施途中においても検査方法を変更することができる前提で契約事業者を公募したいと考えております。  最後に、コンタクトトレーサーは九月からの実施に間に合うのかとの御質問でございます。  濃厚接触者の範囲の特定や健康観察を行うコンタクトトレーサーについては、その業務の範囲を確認し、専門職が指導助言できる体制を検討しているところでございます。実施に当たりましては、保健所から運用等に関するアドバイスを受けるなどのフォロー体制を構築するとともに、保健所のマニュアルやノウハウなどを基に、保健福祉政策部の専門職を活用しながら基準の作成や研修の実施など、保健所と情報共有しながら実現の方策を検討してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、保健所の土日祝日のPCR検査についてお答えいたします。  保健所では、四月にPCR検査センターを立ち上げた後、四月、五月の大型連休を含め、祝日も帰国者・接触者電話相談センターとPCR検査センターを開設しており、今後も祝日の運営を行う予定でございます。  また、土日につきましては、濃厚接触者を全て検査することになった五月以降、迅速に大量の濃厚接触者の検査が必要な場合等は、これまでも土曜日、日曜日に保健所のPCR検査センターを臨時で開設するなど、曜日にかかわらず必要な検査を実施する検査体制を整備しております。  現在、検査数は一定数に落ち着いている状況ではございますが、今後も検査が必要な区民を速やかに検査につなげられるよう、状況に応じて柔軟な対応ができる検査体制を整備してまいります。  私からは以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、施策事業の見直しの内容をいつ示すのかという御質問にお答えいたします。  今般の施策事業の本質的な見直しは、コロナ禍を経て地域社会の置かれた環境変化を踏まえ、当面の厳しい歳入見通しに対応する観点から、全ての施策事業について従来どおりの継続を前提とせず、必要性、有効性、公益性等あらゆる角度から徹底した検証、見直しを行うものです。  現在進めております令和三年度予算編成の過程において、区民、利用者の視点を中心に多角的な見直しの軸に沿い、現場の実態を把握している事業の所管部が主体となって取り組むこととしております。今年度実施しました緊急見直しに伴う公共施設の改築、改修の延期、イベントの一時休止などといった手法に加えまして、事業内容や手法の転換、事業そのものの縮小、廃止などを検討してまいります。  具体的な見直し対象事業と内容、効果額の概算などにつきましては、第四回定例会前に途中経過も含めて議会に御報告をさせていただきます。  以上です。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 私立幼稚園の助成なんですけれども、二十三区で一番とは言いませんけれども、下から二番目というのはいかがなものか、せめて真ん中ぐらいまで頑張っていただきたいということを要望しておきます。  それから、コロナのほうの対策なんですけれども、国のほうで助成が出ると言っているんで、十分の十出るのか、二分の一なのか、その辺を教えていただきたいと思います。  それから、ふじみ荘の廃止について、この質問を私は三回やっているんですよ。令和元年の十一月、令和二年の二月、それから今日で、答えが、関連所管と調整して進めます、スポーツクラブなどと意見交換をしていますと言っているんですけれども、一年前から全然進んでいない。あと六か月で廃止になって、高齢者がいるところがなくなっちゃうんですよ。それなのにどうしてこういう答えが出てくるのか、もう一度答弁をいただきます。  それから、大蔵第二運動場は、この間行ってきました。クラブハウスはあるのかと言ったら、ありますけれども、今は事務所になって使えませんと。それで高齢者が和む場所があるかと言ったら、スポーツジムやなんかはありますけれども、風呂場はありますけれども、休憩できるところはないですよという話でした。  それからもう一つは、事務所に行って、ふじみ荘が廃止になって、高齢者の居場所を世田谷区で今考えているんだ、どうなんだと言ったら、そんな話、聞いたことがありませんと。もう一度答弁をお願いします。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 再質問にお答えいたします。  社会的検査の検査費用でございますが、昨日の国の通知によりますと、感染症予防事業費等負担金、国が負担するということで、こちらが二分の一となっております。また、内閣府の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金において全額交付限度額ということで、検査の実施により各都道府県等が負担する費用については十分な財源を確保しているというような通知が出ております。詳細については改めて確認をしてまいりますが、この通知に基づいて財源の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◎松本 生活文化政策部長 再質問にお答えをいたします。  まず、スポーツクラブとの連携の点でございますが、今年の二月に常任委員会で御報告をさせていただいた後、関係の区内大手の事業者は四つございます。そこにアプローチをさせていただきました。その後、新型コロナウイルス感染症の関係もありまして交渉が中断をしておりまして、その後、この夏から、その活動について再開をさせていただきつつ、葛飾区などにも聞き取り調査をしまして、あるいは、今その四つのスポーツクラブとも具体的な協議をさせていただいているところでございます。  それぞれのスポーツクラブとも、他の葛飾区等でも実施をしていることから、区の考え方あるいはスキームについては理解をいただいているところでございます。今後、新しい事業になってまいりますので、区の政策方針も出ております。そういった点も考慮しながら特定財源の活用等、その点も踏み込みつつ、来年度からの実施に向け、さらに努力、調整を重ねてまいりたいと考えております。  それから、高齢者の居場所に関しては、大蔵第二運動場の例がございましたけれども、千歳温水プールにも、ふじみ荘に類似した機能などがございます。さらに、大蔵第二運動場はスポーツ施設ではございますけれども、入浴施設、それから健康づくりができる機能、そういったものがございます。また、宿泊機能がございます。それらを含めて、今後御利用いただきたいということで、この間申し上げているところでございまして、さらに高齢者の利用環境の利用できるようなことにつきまして、スポーツ推進部等とも今後さらに調整を深めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 松本さんには三回も答弁、ありがとうございます。本当は、今日聞きたかったのは、例えばスポーツクラブ、大浴場、カラオケだとか、どこでどのくらいの場所でできるのか、そして高齢者がどのくらいの負担でできるのか、その具体策を聞きたかったんです。あと六か月ですから、どう考えたって高齢者の皆さんにやるには時間がかかる。今言わないと、そのまま六か月で終わりになっちゃったら行く場所がない。世田谷区はずっとそういうことを言っていたんです。だから、場所と、やると幾ら払って、年間に何回使えるのか、その辺を考えていただきたいということで、もう一回答弁をお願いします。 ◎松本 生活文化政策部長 区内にはスポーツクラブ、先ほど四つの事業者と申し上げましたが、大きなところで申し上げますと、大体二十か所前後ございます。入浴施設があるところもございますし、そういったものがないようなところもございます。  どのくらいで活用できるのかということについては、まだ具体的なところは申し上げにくいですけれども、他の自治体、葛飾区などでは三か月で十二回の御利用ができるといったようなスキームであったり、千葉市では二か月間で八回利用できるといったスキームで事業を実施しております。  葛飾区あるいは千葉市でも、一回当たりの御利用の金額は、御本人負担が五百円と、こんなような例になってございます。そういったことを下敷きにさせていただいて、来年度の事業実施を目指して、所管部としては努力をしたいと考えております。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは、質問してまいります。あべ力也でございます。  まず、区行政について伺います。  さきの都知事選挙で選挙公報が届いていないとの苦情や御意見を今までになく多くの区民の皆様からいただきました。私の住んでいる集合住宅にも届いていないことから、選挙管理委員会に連絡し、配布していただいたほどであります。公職選挙法第百六十七条から第百七十二条の二に選挙公報についての規定がありますが、世田谷区の選挙管理委員会はこれらの規定に反していたということになります。  そこで、この間、選挙管理委員会渡邉事務局長と話をさせていただきましたが、委託事業者の契約不履行等に責任転嫁とも取れる説明ばかりで、選管の事務方トップとしての問題の重大さを認識されているようには感じられませんでした。  そこでまず、区民に届けられるべき選挙公報が届かなかったことと、そうしたことへの区民からの苦情等に対しどのような認識をお持ちなのかお答えください。  第二に、選管の事務として、なぜこのようなずさんな状況になったのか、その原因はどこにあったのか、第三に、今後的確に選挙人に公報が届くためにどのような改善に取り組んでいくのかお答えをいただきたいと思います。  次に、区民生活についてでありますが、コロムビアの専属作曲家として活躍された古関裕而氏をモデルとしたNHKのドラマが放送されていますが、生涯で五千に及ぶ曲を作曲されたとのことで、現在でも数多くの作品が愛されています。その中には早稲田大学や明治大学の応援歌や、誰もが一度は耳にした歌謡曲をはじめ、世田谷区の小学校はもちろん、全国の数知れない学校の校歌を作曲するなど、その庶民的な楽風は今でも多くの人の心に響いております。  同氏が福島県の出身であることは、ドラマをきっかけに浸透していますが、東京に出てきてからは世田谷区代田に居を構え、生涯世田谷区民であったことはあまり知られていません。現在、その住居跡にも何の表示もありません。  世田谷区は多くの文化人や歴史上の人物を多く輩出しており、その住居跡に表示やいわれがあるものもあります。区内で幾度も引っ越しをされた北原白秋さんの住居跡の表示は何か所かでお見かけをいたします。  こうした住居跡の表示は、世田谷区が掲げるまちなか観光の一助となると考えます。古関裕而さんをはじめ、住居跡などゆかりの場所の表示などを、一定のルールを検討し、地域や現在の所有者と一緒に世田谷にゆかりの方の足跡を伝えていければと考えますが、区の考えを伺います。  次に、福祉保健についてです。  認知症の方が鉄道事故を起こし、家族に賠償を求められることもあります。認知症高齢者賠償制度については、社会的にも要請があり、必要な制度と考えています。誰でも簡単にそのような保険に入れるように、例えば現在区で行っている区民交通傷害保険のように創設し、もしもの場合に備える必要性を啓発する事業ができないかと考えます。この点について御見解を伺いたいと思います。  次に、レセプト業務委託についてであります。  国保・年金課が事業委託をしているレセプト点検の問題です。東京都はレセプト業務の財政効果額に関し二十三区でランキングを公表し、効果額アップへの取組を各区に呼びかけております。  世田谷区においては直近で十七位と、よい成績とは言えない状況のようでありますが、委託は競争入札ということもあり、本年度は前年度の契約会社のおよそ五分の一を下回る金額での契約と聞きました。  また、金額を確認したところ、年間約百三十七万円と人件費相当にもならない金額で落札しており、その点検業務の精度は保たれているのか甚だ疑問です。安かろう悪かろうでは点検業務の目的を達成できないのではないでしょうか。現状と問題があれば問題点、今後の対策についてお答えをください。
     次に、都市整備についてであります。  平成二十九年第三回定例会一般質問で、増加しているスマートフォンを操作しながら前を見ずに歩く、いわゆる歩きスマホやながらスマホの危険行為によって、障害者や高齢者をはじめ多くの皆さんが危険な目に遭っている現状を改善し、迷惑歩きスマホをなくすため、世田谷区で全国初めての取組として世田谷ルールを策定できないかと区長に提案をいたしました。  区長からは、安全のためにも考えてみたいとの答弁がありましたので、区の取組に期待をしておりましたが、庁用車に、歩きスマホはやめましょうというマグネットボードを貼って啓発事業をしているというものの、どのような効果があったのか、その評価手法も結果も公表しておりません。  世田谷区がこのような曖昧な対応をしている間に、今年、神奈川県大和市で歩きスマホの防止に特化した全国初の条例が成立いたしました。続いて東京二十三区でも足立区が、自転車走行中を含めたながらスマホを禁止する、恐らく全国初の条例が成立をいたしました。  大和市は本年一月に通行人約六千人の歩行状況を調査したところ、全体の約一二%が歩きスマホをしていたということを根拠に条例制定までこぎ着けています。足立区は、スマホを操作したり画面を注視したりしながら歩いたり自転車に乗ったりする行為をながらスマホと定義、区内の道路や駅前広場、公園などでの同様の行為を禁じ、スマホの操作は他者の通行の妨げにならない場所や状態で行うよう定めています。  東京消防庁によると、管内の歩きスマホなどが原因の事故での緊急搬送の数は、二〇一四年から二〇一八年で計二百一人、直近でも増加傾向にあるとのことです。  そこでお伺いいたしますが、私が歩きスマホ禁止条例制定の提案以降、その取組とその成果、大和市が行ったような調査の実施状況や今後の予定についてお聞かせをください。  区長、人口もその密度も高く、歩きスマホによる事故やトラブルも当然多い世田谷区が、残念ながら他の自治体の後塵を拝する結果となってしまいましたが、町中では歩きながら、自転車に乗りながらスマホを操作する姿が残念ながらあちこちで見受けられます。区民の安心安全のため、世田谷区というコミュニティーでは危険な歩きスマホを認めないという姿勢をしっかり示すため、条例化の検討を進め実現していただきたいと思いますが、見解を求めます。  最後に、教育についてです。  福島市などの他の自治体では、新型コロナウイルスの影響で小中学校の修学旅行が中止となった場合、旅行代金のキャンセル料を全額肩代わりする方針を示しております。  そこで、世田谷区では、計画していた修学旅行のキャンセル料の取扱いはどうなっているのか、もしキャンセル料が発生した場合、福島市のように旅行代金のキャンセル料を全額肩代わりすべきではないかと考えますが、区の見解を伺いまして、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎渡邉 選挙管理委員会事務局長 私からは、選挙公報について三点にお答えいたします。  初めに、選挙公報が届かなかったことに対する認識でございます。  選挙公報は、候補者の政見や選挙公約などが掲載されており、有権者が投票する際に重要な判断材料になることから、各世帯に着実に届ける責務があると認識してございます。公職選挙法では第百七十条第一項において、選挙公報は、選挙人名簿に登録された者の属する各世帯に対して、選挙期日の二日前までに配布するものと規定されており、この方法が困難な場合は、第二項において新聞折り込みその他これに準ずる方法によって代えることができると規定されております。  区では、過去、新聞折り込みにより配布しておりましたが、新聞購読世帯が減少している中で、平成十七年の都議会議員選挙から業務委託により区内の全世帯、全事業所に対し配布しており、本年七月の都知事選挙では、六月二十一日から二十三日までに配布を行いました。あわせて、万一区民から届いていない旨の連絡等があった場合は、直ちに再配布することとしておりました。  しかしながら、今回の都知事選挙では、通常の二倍ないし三倍となる百十四件の再配布を行っており、同様の御指摘は複数の投票所、また議会からもあり、選挙公報が届かなかった方には大変申し訳なく、おわび申し上げます。  次に、その原因はどこにあるのかについてでございます。  今回の委託事業者は希望制指名競争入札により選定しており、落札者決定後は直ちに事業者に連絡し、打合せを行い、選挙公報の重要性を十分に説明し理解していただくとともに、その後は幾度も連絡を取り合い、配布計画書を提出させております。提出された配布計画書についても、配布員の人数や体制等が現実的かどうか過去の実績とも照らし合わせて確認を行っており、計画書においても無理な状況も見受けられず、配布初日には選管職員が配布現場三か所に出向いて配布状況を確認し、改善すべき点は代表者に連絡し、全ての配布員に改善するよう指示もしておりました。現在、事業者に対し当日の履行状況の確認を行っており、その結果も踏まえて原因を明らかにしてまいります。  最後に、今後の改善についてでございます。  選挙公報を確実に配布するために、契約書の仕様書において、配布した世帯については住宅地図等に世帯ごとに配布済みの印を入れること、また、印をつけた住宅地図も提出することを明記し、事業者には一軒一軒着実に配布するよう具体的に指示しておりました。あわせて、配布期間中は毎日午後九時までに進捗状況を含め、その日に配布した部数等を区に報告することとしており、配布漏れ等がなかったか確認しておりました。  しかしながら、結果的には再配布の件数や、議会を含め区民からの問合せが多い事態となっており、今後原因を明らかにした上で事業者の選定方法の見直しや監督の強化など、これらについて検討し、再発防止に努めてまいります。  以上でございます。 ◎髙木 北沢総合支所長 私からは、古関裕而氏の旧居跡に関連して御答弁させていただきます。  古関裕而氏は、お亡くなりになるまでの五十年以上を世田谷の代田にお住まいになられ、昭和の音楽史に残る様々な楽曲に関わった方でございます。この周辺には多くの作家や歌人などの文士が住んでいたことから、地元の北沢川文化遺産保存の会がこれらの文士の方々の旧居跡などを紹介する下北沢文士町文化地図を作成しております。この中で古関裕而氏についても、地域との関わりを写真とともに取り上げており、区でもこの地図の配布やホームページでの紹介を行っているところでございます。  現在、古関裕而氏旧居跡は持ち主も替わっており、また、周辺は静かな住宅地となっております。また、そのほかの文化人等の旧居跡も、現在の状況がそれぞれ異なります。区といたしましてはこうしたことも考慮しながら、地元の方の声も伺い、地域の歴史や文化を伝えていくことについて関連者間と連携して進めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症の方を対象とした賠償保険制度の創設についてお答えいたします。  御指摘のとおり、認知症の御本人が事故に遭われたり事故を発生させてしまい賠償を求められることは、認知症施策に関する重要な課題の一つであると考えております。  お話の区民交通傷害保険事業の仕組みのような認知症高齢者賠償保険を新規に実施する場合、保険会社では、加入される方の規模や保険料の設定を考慮し、保険として成り立つのか、また民間の保険には安価な個人賠償保険や認知症を対象とした商品が既にある中、保険会社が新たに区民交通傷害保険のような保険を用意できるか等の課題もあります。  認知症高齢者賠償保険の創設につきましては、このような課題もありますので、認知症の御本人や御家族の御意見を伺うとともに、保険会社へも相談を行いながら検討してまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、レセプト業務委託について御答弁いたします。  医療機関から請求されました国民健康保険の診療報酬明細書、いわゆるレセプトの点検につきましては、区職員のほか委託による業務を行っております。今年度、低価格で落札した、昨年度とは別の受託業者によるレセプト点検結果は、三か月連続で前年の実績を下回ったため、業務を改善するよう指導したところでございます。指導の結果、点検人員の増員と高額レセプトの点検を強化するなど点検方法の見直しを行っていく旨の改善報告を受けております。  今後につきましては、委託業務の質の向上に向けまして、委託仕様書に、他区の例も参考にしながら人員配置を充実させるなどの内容を盛り込みまして、医療費の適正化を進めてまいります。  以上でございます。 ◎関根 土木部長 私からは、歩きスマホについて二点お答えいたします。  まず、意識啓発についてです。  区が平成三十年五月に行った区民意識調査では、歩きスマホにより危ない思いをしたことがあると約六の人が回答しているなど、近年歩きスマホ等による交通事故が社会問題化しております。区といたしましては、歩行者一人一人の意識を高めることが最も重要であると考えており、全国交通安全運動のテントにおけるポスターの掲出、庁有車へのマグネットシートの表示による周知、また、区が実施している自転車安全講習等における啓発など様々な手法を用いて歩きスマホの防止を呼びかけてきたところです。  一方、これらの啓発は、目に見える成果としては確認することが難しい状況ではありますが、歩きスマホの防止について一定程度の周知効果はあるものと認識しております。  次に、歩きスマホ防止の条例制定についてです。  本年七月に神奈川県大和市や足立区で施行された歩きスマホを防止する条例では、公共の場所での歩きスマホを禁止するとともに、自治体の責務として歩きスマホの防止に関する意識啓発など条例の目的を達成するために必要な施策を推進することが定められております。  区といたしましても、歩きスマホの防止については意識啓発を継続し、区民の意識が浸透することにより初めて区内における歩きスマホが減少していくものと認識しており、引き続き区民や事業者の皆様に御協力いただき、様々な手法を活用しながら意識啓発を強化してまいります。  また、歩きスマホの禁止について、条例化は一定の心理的な防止効果になるものと期待される一方で、規制を行うことについては幅広い区民の合意形成も必要になるものと考えております。歩きスマホの危険性を多くの区民が感じている状況ではありますが、条例化につきましては改めて区民意識調査などにより社会的要請を確認するなど必要な調査を行ってまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、修学旅行のキャンセル料について御答弁いたします。  教育委員会では、修学旅行中の感染リスクや滞在先での発熱等の症状を生じた場合の安全確保などを考慮し、修学旅行を中止する方向で調整を進めてまいりましたが、最終的な判断は各学校が行うこととしております。現時点では修学旅行の中止を判断している学校がある一方、三学期に実施を計画している学校もある状況となっております。  中止を判断した学校については、旅行代金の一から二程度のキャンセル料が発生しており、旅行会社との契約上は、このキャンセル料は各御家庭の御負担とされております。教育委員会といたしましては、区立中学校全体の修学旅行の動向を注視しながら、他自治体の事例なども参考にしつつ、キャンセル料の公費による補填の可能性について検討してまいります。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) それでは、再質問いたしますが、区長に何点か伺います。  まず、選挙公報については、議会制民主主義の中で選挙というのは大変重要なものでありますけれども、その中でもこの選挙公報というのは、選挙人に、選挙する方に周知をする意味で大変重要なものであります。それが配られなかったということは、ちょっと世田谷区としては大変重大なことだと私は思うんですが、これについて区長の見解を伺っておきたいと思います。  それと歩きスマホでありますけれども、これは以前に提案をさせていただいて、区長からも、まあ、やってくれるのかなと思うような回答をいただいたのですが、いまだに実現をしておりません。  大和市は調査をして半年ぐらいでこの条例制定までこぎ着けていて、大変スピーディーに行っている。そういう行政もあれば、また、いろいろその調査をしてというようなお返事をいただきましたが、世田谷区でも実に六の方が歩きスマホで危ない思いをしているということであります。  大和市の場合は、調査をして、一二%の方が歩きスマホをしているという現状を捉えて条例化までこぎ着けているということですから、世田谷区も区民の皆さんが危ない思いをしている六の方のためにも、歩きスマホをぜひなくしていくような条例化に向けた取組をしていただきたいと思いますが、これも区長に見解を求めておきたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えをいたします。  まず、選挙公報ですが、新聞購読者が減ったということで全戸配布と。これが届かないという数がかなり多いことになったことは、私からもおわびをしたいと思います。  民主主義の根幹の、候補者の政策を吟味して投票すると。そこの部分が投票所にしかなかったりと。時間的な余裕もないわけですし、よく読み込めないということで、決してそれはフォローにはならないだろうと。  多分業者選定の中で、今所管から配布したところに印をつける等の善後策が示されましたけれども、我々は、やはり競争入札において業者を選定していく折に、過去にそうした、いわばクレームが発生するような事案を起こしているかどうかと、この視点も非常に重要だろうというふうに思います。  その意味で、世田谷区の民主主義を支える業者選定に当たっては、これまで価格あるいはその期間等の、そういう数値的な条件だけだったと思うんですが、ここをその質、漏れがないかどうか、それを業者自らがチェックできるような、そういう業者を選んでいきたいと思います。  次に、歩きスマホについて所管から答弁がありましたが、庁有車にいろいろ表示したり、そういった努力を始めているということでありますけれども、まず歩きスマホをされている方自身は、まあ、大丈夫だと思ってやっている方が多分多いと思うんですね。非常に危険だ、危険だと思いながら歩きスマホはしないわけですから、まあ、大丈夫だろうということでやっているけれども、それは客観的に見て非常に危険であると。自転車なんかは最たるものですよね。  ということについて、まず今日の再質問を受けて、四警察署、それから消防署などで区内の直近の交通事故における歩きスマホ、あるいは自転車も含めたながらスマホ起因のものはどれだけあるのかと。そして、区の広報などを通して、これはまず世田谷からなくしていきましょうという強い訴えをして、同時に区民の意見も伺いながら、条例化ということも含めて検討を進めてまいりたいと思います。 ◆十番(あべ力也 議員) ありがとうございました。  選挙公報に関しては、二日前までに選挙人のところに届くというのが、これはマストでありますから、ぜひ法令を遵守できるように改革をしていただきたいと思います。 ○和田ひでとし 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従い、質問を始めます。  区立小中学校の給食の改善についてお伺いします。  新型コロナ感染防止の休校により、日々メニューを工夫し、栄養バランスが考えられている給食の大切さが見直されています。区では小中学校の給食残量が問題とされており、昨年十一月にその詳細データが文教委員会で報告されました。  これが他自治体と比べて多いか少ないかは分かりませんが、そのデータを学校ごとに一人当たりの食べ残し量を算出してみましたところ、小学校の上位三校グループの平均と下位三校グループでは、残量比は二・八倍、中学校では上位と下位の差は二倍です。学校ごとの残量差が大きいことは各学校にも認識いただきたいですが、本データが出てから何らかの形で現場に問題提起はされていますでしょうか。  また、中学校の食べ残し量は、小学校の一人当たりの量の一・五倍です。最も成長する時期であり、活動量も多く、好き嫌いも減っているはずの中学期に食べ残し量が増大していることは、原因を究明すべきと感じます。  世田谷区では、小学校の昼休みは五十分、中学校は三十分、昼食時間が短いのも一因かと思い、他自治体の中学校を任意で調べてみたところ、名古屋市の市立中学が四十分、福井市の市立中学が四十分、仙台市の市立中学が四十五分から六十分、堺市の市立中、四十分で、大体四十分以上が多いです。  もし昼休みが短いことが給食食べ残しの要因となっているとしましたら、区ではこの四月から牛乳が瓶から紙パックに替わってパックを洗う時間が組み込まれて、ますます食事時間を圧迫すると懸念されます。今年も給食残量の変動を注視していただきたいと思います。  メニューにつきましては自校調理方式が主で、各校工夫がされていますが、他自治体では四品出しているところもあり、世田谷区はやや品数が少なく見えます。数ある都道府県の中から一例として、生徒の体格、運動能力が共に全国トップクラスである福井県のメニューと比べてみました。こんな感じです。  給食は各都道府県に学校給食会という団体があって、このサイトを見ると、東京、大阪はじめ都市部ほど食の安全に力を入れ、地方ほどレシピ開発や地場産物の活用に力を入れている印象を持ちます。当区ではメニュー開発にどのように取り組んでおられますでしょうか。  給食をおいしく、残さず食べて体をつくるには、バランスよいメニュー、おいしさ、食べる時間など様々な要因が関係します。保護者の食の安全の要望によく応えている当区であると思いますが、児童生徒にアンケートを取ったことがありますでしょうか。  今回、質問に際し、適切なデータがないので、私、区の小中学生、保護者に自前でアンケートを取りました。これによりますと、食事時間に関しては、小中学生とも「時間が少し短い」が最多回答です。品数に関しては、小中学生とも「ちょうどいい」が最多、おいしさは、小学生のほうが満足度が高いです。  牛乳は瓶か紙パックか、どちらがよいかという設問では、小学校は同数でしたが、中学生は瓶が優勢、その理由は、紙パックを畳む手間が多く挙げられています。飲み物に関しては、小中学生とも、たまには牛乳以外のものが飲みたいとの要望がありました。ぜひ区でもこのような調査をして、子どもたちや保護者の声を改善に生かすべきと考えますが、見解を伺います。  二つ目、PCRの社会的検査における共同研究の体制についてお尋ねいたします。  区の主導で、症状のない人でも介護事業所職員などに大規模な検査を行うPCR社会的検査についてお聞きします。  本件は、七月末の有識者との意見交換の折、東大先端研究所の児玉名誉教授の提言を受け、検討を重ねている段階と聞きます。同研究所のホームページにも、世田谷区と連携と協力に関する協定の締結、高齢者をサポートするウエブプラットフォームをはじめ、環境エネルギー、新型コロナウイルス対応などで世田谷区と先端研は協力しているとありますので、両者の共同研究の一つなのだと私は受け止めていました。今般採用する予定の検査手法、プール方式の治験や国の動向により、区の社会的検査のコストが左右されると、福祉保健委員会でも報告されていましたが、今現在、東大先端研とはどこまでの協力の予定で、プール検査の承認が下りたときには、どう区の現場に落とし込んでいくのか教えてください。  間もなく社会的検査に着手するということですが、一つ申し上げたいのは、本件は医学研究機関抜きで、世田谷独自でやるというのは、若干無理があると思われます。区の保健所が現場作業に忙殺されている中、社会的検査という新しい方式で、万単位の受診者の検査結果のデータを解析し、検証するには、研究者の関与も必要となってくると考えられます。  先端研に引き続き協力いただくかは別としても、専門機関にこの社会的検査を効果検証してもらい、公に残る報告書を作成する体制が必要と思われますが、どうお考えでしょうか。  ニューヨークはよく例えに使われますが、それより感染率の低い台湾が、新型コロナの抑え込みに成功しているのは、SARSのときの事例から学んでいること、医師はじめ専門家チームの登用だと言われます。  SARSから十七年を経て新型コロナ、次は同様の周期で違う感染症が発生するだろうと言われていますが、十年間が空くと庁内の文書やウエブサイトより、医学論文や専門誌に掲載されていたほうが、公的なデータベースに残っていて見つけやすいということもあります。今回の社会的検査に関しても、他の自治体や次の感染症発生時にも役立つ記録が残せるような体制整備を求めます。  最後です。PCR自費検査の実態把握についてお尋ねします。  症状がなくても安心のために、会社からの指示で、また、出張や帰省を控えて自発的にPCR検査を受けたいという人が増え、また、自費検査を請け負うクリニックも増えてきています。世田谷区医師会、東京都に照会しましたが、あいにく自費検査の総数は統計を取っていないという回答でした。  一例ですが、私の知人医師のクリニック、中央区のクリニックで実施したPCR自費検査は、六月で六件、七月、百三十件、八月、八百六十二件と飛躍的に伸びています。行政検査で確認している以上の検査能力が各地域にあるということです。区では区内の自費検査の実施状況は把握されているでしょうか。  自費検査は二万五千円から三万円と高額なので、自治体での費用助成も始まっています。NHK、日経新聞などの報道によれば、新潟県燕市では、市内事業者と燕三条域内で教育実習を行う学生に一件八千円から一万五千円の助成をしています。  熱海市では、飲食業、タクシー業者など不特定多数の接客を行う市内事業者の不安解消に、自己負担五千円を除いた二万円までの費用助成を行っているということです。  当区でも世田谷モデルの報道があってから、検査センターに行くタクシー事業者や塾講師が自費検査をしたら費用補助はないのかなどの問合せが私のところにも来ました。  社会的検査により介護職員は無料で検査を受けられて、同じく濃厚接触のリスクがあっても職業が違えば二万円以上の自費検査では、不公平感が生まれるでしょう。  例えば区のアーティスト支援の取組においても、クラスターの発生率の高い舞台関係者へのPCR検査助成が考えられます。  自費検査を受けた例として、週末介護で都外へ出かけている人、高齢者と同居している人など、聞いております。  区内で自費検査を実施している医療機関と実施件数、受診理由を調査し、必要性を鑑み、区内事業者や区民への支援を考えてはいかがでしょうか、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎淺野 教育総務部長 私からは、学校給食に関しまして御答弁申し上げます。  まず、小中学校の給食食べ残し量について現場に問題提起をしているのか、それから教育委員会での給食メニューの開発にどのように取り組んでいるかについて併せて御答弁申し上げます。  学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上でも生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。児童生徒に栄養のバランスが取れた多様な食事を経験させることを基本としておりますが、子どもの嗜好や家庭での食事状況により食べ残しの量も大きく変わります。
     食への関心を高めるために、児童生徒から希望を取るリクエスト給食などを実施し、食べ残しの多かった献立については、調理方法や味つけを工夫するとともに、家庭へも好き嫌いをなくすように働きかけることなども行っております。  なお、昨年十一月の文教常任委員会で報告させていただきました食べ残し量のデータにつきましては、各校にも情報提供しております。  メニューについてですが、各校では学校の喫食状況に合わせた献立や食育に関する授業や行事などを踏まえた献立などメニュー開発に取り組んでおります。また、各校での人気のメニューやせたがやそだちを活用したメニューなどを全校でも活用できるよう、学校の栄養士が協力してメニュー開発に取り組む機会も設けております。  今後とも学校における食育活動が食に関する興味を持つ機会となるよう様々な方策を検討し、児童生徒に残さず食べてもらえる給食を提供してまいりたいと考えております。  続きまして、児童生徒にアンケートを取ったことがあるかということと、調査して改善に生かすべきではないかということにつきまして御答弁申し上げます。  世田谷区の学校給食は、各校の栄養士による献立作成を基本とする自校調理を基本としております。学校によっては独自に児童生徒にアンケートを実施し、リクエスト給食に反映する等取り組んでおります。  また、保護者を対象とした試食会なども実施しており、試食会のアンケート結果や保護者からの意見については、献立の組合せや味つけなど献立作成に当たっての参考としております。  今後ともメニュー等だけではなく、お話しいただいた件を含めまして、おいしくかつ栄養バランスの取れた給食の提供に努めてまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、PCRの社会的検査に関する共同研究体制について二点を一括してお答えいたします。一点目が東大先端研の協力内容とプール方式の実施について、二点目が専門機関による効果検証と報告書の作成についてでございます。  このたび提案をさせていただきました社会的検査につきましては、重症化の回避やクラスター化の抑止を目的とした事業でございまして、また、行政検査として国の財政支援を受ける予定であることから、研究目的の取組とは一線を画したものとして考えております。  また、今回の社会的検査を持続可能な形で実施するため、東京大学先端科学技術研究センターの児玉名誉教授が大量検査とプール方式の実証実験を実施されておりまして、検証結果を取りまとめた後に検査実施に向けた体制について提案いただけるものと伺っております。  区におけるプール方式の導入に当たりましては、国の承認後、提言を踏まえながら実施してまいりたいと考えております。  現在、区のホームページにおきまして、区内の陽性者の状況や分析について公表をいたしておりますが、今回の検査結果に係る検証や報告書の作成につきましては、区だけではなく広域的な検証が必要であると考えております。今後は区の実施状況を国や都と共有いたしますとともに、社会的検査の効果についても協議しまして、今後の取組に生かしてまいります。  次に、PCR自費検査の実態把握についてお答えいたします。  現在、区内で実施しております行政検査につきましては、感染疑いの症状があり、医師が必要と判断したケースのほか、濃厚接触者と接触確認アプリCOCOAで接触の通知があった場合の三ケースを対象としておりますが、この対象範囲から外れるケースにつきましては、お話がありました理由で検査を希望する旨の問合せが増えてきているところでございます。  お尋ねのありました自費による検査の実態は現在把握しておりませんが、帰国者・接触者外来のある医療機関で実施している区民の件数については定期的に情報収集をしておりまして、毎日検査件数を公表しているところでございます。  次に、PCR自費検査の支援についてお答えいたします。  感染拡大に合わせて現行の行政検査の対象を広げ、検査体制を拡充し、検査が必要な方が迅速に受けることができる環境整備の取組は重要と考えております。国におきましては、九月四日付厚生労働省の通知によりまして、インフルエンザとの同時流行に備え、身近な医療機関等において必要に応じて検査を受けられる体制を整備するよう各都道府県に通知したところでございます。  今後、区内の医療機関がどこまで検査に対応できるかが重要になるものと考えておりまして、東京都や区内両医師会とも情報共有や連携を図りながら、実態把握の方策を検討してまいります。  まずは従来型検査の拡充と社会的インフラの職員を対象とした社会的検査の実施に取り組みまして、自費検査につきましては、国の動向を注視してまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 御答弁ありがとうございます。  PCR自費検査については、国の動向を注視してという御答弁だったのですが、国が動いていないから熱海市や燕市が独自に助成を始めたと思いますので、国より、そういった成功している自治体を参考にしてください。これは要望です。  また、一つ再質問させてください。御答弁にありました厚労省の通知により、社会的検査が行政検査に組み込まれて区別が曖昧になるようなことが言われておりますが、従来の疑い患者に対する行政検査と社会的検査の検査センターは別になっていますでしょうか。社会的検査で検査センターがフル回転になって、症状のある患者さんの検査やその結果が遅れる心配はないでしょうか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 再質問にお答えいたします。  九月十一日付の厚労省の回答及び昨日ありました九月十五日付の厚労省の通知におきまして、今回の社会的検査を行政検査に位置づけることが可能である旨が示されておりますが、今回の社会的検査につきましては、運営の面では従来の行政検査とは別の仕組みで実施してまいりたいと考えております。  また、本体制のスキームでございますが、感染がさらに拡大した場合やインフルエンザの流行により発熱者が増加した場合には、社会的検査を休止しました上で、さらに従来型のPCR検査の拡充策としての活用のほうを検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 質問を終わります。ありがとうございました。 ○和田ひでとし 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時四十四分休憩    ──────────────────     午後一時三十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  五番ひうち優子議員。    〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆五番(ひうち優子 議員) 本日は、まず、PCR検査について四点お伺いいたします。  今回の補正予算で提示されたPCR検査には、行政検査と社会的検査がありますが、行政検査については、通常どおり症状がある方、濃厚接触の方のPCR検査での規模の拡大が予定されており、一日当たりの最大想定件数を三百件程度から六百件程度に拡大するとのことであります。陽性者が増えた場合、症状に応じて入院などの措置が必要になりますが、病床の確保のために医療機関との連携ができているのか、まずお伺いいたします。  次に、社会的検査についてですが、利用者の方への感染に伴う重症化のリスクを抑止する目的として、介護事業者の職員、障害者施設の職員、保育園、幼稚園の職員の方へのPCR検査が予定されております。そこで懸念されるのは次の三点です。  ①陽性者が出た場合の病床の確保のための医療機関の連携、動線の確保はできているのか、②陽性者が出た場合、他の利用者への配慮が必要だが、施設運営の継続性について計画はあるのか、③予算について、今回四億一千四百万円が補正予算案として出されているが、国や東京都の補助金などを用いて世田谷区の単独持ち出しなしで可能なのか、この点について区の見解をお伺いいたします。  次に、コロナ禍での高齢者の方の健康維持についてお伺いいたします。  緊急事態宣言以来、高齢者の方の活動が軒並み休止になっており、高齢者施設でも家族の面会が制限をされたり、民生委員の見守り訪問も難しい状況にあります。高齢者の方は家に引きこもりがちになり、認知症が悪化するなどの懸念があります。  他自治体の高齢者施設では、家族の面会を制限する代わりに、人型ロボットを導入をして、家族と会えないことに一役買っております。また、福井県坂井市では、実証実験ではありますが、ひとり暮らし高齢者の自宅に見守りロボットを無償配布し、コロナ禍で訪問ができない民生委員の代役を務め、朝昼晩の安否確認と警備会社への通報サービスも備えております。  世田谷区でも、見守り機能だけではなく、認知症悪化防止の観点から、コロナ禍におけるロボットの導入が効果的と考えますが、可能性についてお伺いいたします。  また、コロナ禍における高齢者の健康維持について、オンラインの施策なども考えられますが、区として新たな施策について見解をお伺いいたします。  次に、保護者の方の御要望が多く、第二回定例会で取り上げた小中学校でのオンライン授業について、進捗状況を伺ってまいります。  六月三十日に情報公開・個人情報保護審議会で承認され、教育委員会から各学校に対してオンライン授業を推進できる状態になりました。今後は、コロナ陽性者が出たとき、また長期の休みの補習授業、保護者の方との連携、不登校対策など様々な場面でオンラインの活用が期待されるところであります。できるところから始める姿勢が大切であります。  一人一台のタブレット配布だけではなく、ズームの有償版の配布、Wi―Fiのアクセスポイントの整備、教員の方へのオンライン研修などが必要です。第二回定例会からの進捗状況についてお伺いいたします。  それに関連して、小中学校での業務効率化について、このコロナを契機に一気に加速していただきたいと考えます。  まず、教員の方の働き方改革のために、プリント類や出欠連絡、管理など教えること以外の業務については極力ICTを活用し、業務効率化を進めるべきです。まずは保護者の方から御意見が多かった次の二点、一点目、小学校から保護者へ配布される紙のプリントのオンライン化、二点目、小学校の欠席届のオンライン化について、先生方の業務効率化、保護者の方の労力、環境の観点から進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、巨大化台風や記録的高温といった近年の異常気象に伴う環境問題についてお伺いいたします。  世田谷区はRE一〇〇、水素エネルギーの活用など環境問題に積極的に取り組んでいると思いますが、他自治体の状況を見てみると既に後れを取っております。葛飾区では二十三区で初めて二酸化炭素排出実質ゼロを宣言し、環境に配慮した債券であるESG債を区が積極的に購入することを表明しました。また、豊島区は内閣府にSDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業に選定されました。  一方で世田谷区は、いまだに環境に関する宣言さえしていない状況ですが、ようやく十月に宣言をする予定であります。そこで、宣言に関して三点質問をいたします。  一点目、国連はSDGsの達成目標としている二〇三〇年までに温室効果ガス排出半減、二〇五〇年までに実質ゼロにする必要があるとしていますが、世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の目標では、二〇三〇年までに二〇一三年度比で温室効果ガス排出量を二六・三%削減、二〇五〇年までに八〇%削減としており、パリ協定で国連が求めている二〇五〇年実質ゼロより低い数値になっております。宣言をすると同時に、区の計画のCO2削減目標値を早急に改定すべきと考えます。見解をお伺いいたします。  二点目、目標値の設定についてです。  気候危機へ立ち向かうためには、世田谷区だけが実施をするのではなく、区民一人一人や事業者が目標値を設定して取り組むことが大切と考えます。例えば新電力の導入割合、省エネ住宅や省エネ自動車の普及率、ごみ減量の目標など、何をどれだけ達成すれば二酸化炭素排出実質ゼロが達成できるのかを区民の皆様に明示をするとともに、達成度合いを見える化して、年に一度共有し、協力を求めることが必要と考えます。見解をお伺いいたします。  三点目、自治体間連携の推進について伺います。  二〇五〇年までに温室効果ガス実質ゼロに向けて、太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギーの利用促進は欠かせません。諸外国の例を見ると、ドイツでは発電量の再生可能エネルギー比率が四六%になり、化石燃料を逆転しましたが、日本は僅か一六・九%となっております。  都市部である世田谷区は、自治体間連携により他県で発電した再生可能エネルギーを購入するしかなく、現在、弘前市の太陽光や長野の水力発電などと連携をしていますが、それだけでは限界があります。もっと自治体連携を広げるべきです。  例えば山梨県には国内最大級の県営太陽光発電や小水力発電が数多くあり、また、民営では大規模な木質バイオマス発電がありますが、まだ山梨県とは協力関係にありません。  ほかにも、今年、東京都羽村市に完成をした食品廃棄物を原料としたバイオガス発電所など、時代を反映して次々と再生可能エネルギーの発電所ができつつあります。  そこで、供給元の自治体と世田谷区のような再生可能エネルギー需要自治体とをマッチングさせるバイオマス産業都市推進協議会を利用するなど、より一層自治体間連携を進めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、巨大化台風への備えについて、昨年の第四回定例会において台風十九号の被害を受け、土のうステーションの増や下水道の整備、止水板設置助成制度、避難所の情報提供の在り方など様々な質問をいたしました。今年も台風の時期がやってきました。まず、備え全般について、特にハード面での区のこれまでの対策の実績についてお伺いいたします。  次に、二子玉川の無堤防地域への堤防整備について、先般、十一月をめどに整備着手するとの答弁をいただきましたが、進捗状況についてお伺いいたします。  また、多摩川流域への調整池などの調節施設の整備について、昨年の台風十九号では多摩川はあふれてしまいましたが、荒川はあと一メートルのところで難を逃れることができました。八ッ場ダムの貯水能力もさることながら、荒川流域の調整機能がフルに稼働し、東京のゼロメートル地帯を水害から守ることができました。昨年の第四回定例会で、多摩川流域にもこのような調整設備の整備をするべきであると質問しましたが、多摩川の洪水調整機能についてお伺いいたします。  最後に、台風十九号の際、避難所が開設されている場所についての情報が取れなかった、定員がいっぱいになり他の避難所を探す必要があったとの声が多くありました。そこで、多摩市や宮崎県日南市、桐生市などが導入をしている避難所空き情報サイトについて、世田谷区でも導入していただきたいと思います。特にこのコロナ禍において有効と考えます。見解をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは三点、従来型の行政検査について、まずはお答えいたします。  病床確保のため医療機関との連携についてお答えいたします。  区では今後さらなる感染の拡大に対応するため、保健所や区内両医師会及び医療機関で実施している従来型のPCR検査について、現在の一日最大検査件数三百件程度から六百件程度に拡充を図ってまいります。  一方で、検査の拡充に伴い陽性者が増加した際の病床の確保については、区では、国や都により新型コロナウイルス感染症の入院医療機関として位置づけられた病院や有床診療所等を対象に、感染症患者または疑いのある方の専用病床として、医療機関が病床を確保した場合に、医療機関に対し補助を行い、病床の確保に努めてまいります。  二点目に、社会的検査について、陽性者が出た場合の医療機関の連携についてお答えいたします。  従来型のPCR検査につきましては、今後、社会的検査の実施に伴い、陽性者が発生した際の療養施設の確保や拡大が重要になってまいります。区といたしましては、都と協議をしながら区独自の療養施設の確保に向けた検討を進めるとともに、従来型検査の逼迫状況を勘案の上、社会的検査を一旦休止することも想定しております。その場合、社会的検査の検査体制やコンタクトトレーサー等のスキームを活用した感染拡大防止策を検討してまいります。  三点目に、社会的検査について、介護施設等施設の継続性についてお答えいたします。  今回の社会的検査においては、介護事業所や障害者施設の職員を優先的に定期的な検査を実施することとしております。検査の結果、陽性者が出た場合、当該職員は入院や宿泊療養等により勤務することが難しくなるとともに、当該施設等においても施設の休業や消毒作業等の負担が生じることとなります。  そのため区では高齢者、障害者施設が事業を再開するために行う当該施設内の消毒、その他所要の対応等について事業者へ支援を行うとともに、利用者への対応について実施してまいります。  私からは以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、社会的検査の予算について御答弁申し上げます。  社会的検査につきましては、令和二年八月十八日付の厚生労働省の通知によりまして、高齢者施設等の職員や新規入所者等について、当該施設で感染者がいない場合も、感染していると疑う正当な理由がある場合、行政検査の対象となり得る旨が示されておりまして、九月十一日付の国からの回答では、高齢者施設等に勤務する方や入所されている方などについて幅広く行政検査として実施が可能という回答をいただいたところであり、国からの行政検査としての経費が見込める状況となりました。  区といたしましては、国や都の動きを引き続き注視するとともに、区におけるふるさと納税による寄附金の活用や、賛同を得た民間企業等からの支援に加え、国や都に対し必要性を説明し、財政的な支援を要請し、財源の確保にも努めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、高齢者の健康維持について二点御答弁いたします。  まず、人型ロボットの導入についてです。  区では、安心安全な高齢者の在宅生活を支えるため、緊急通報システム、火災安全システム、安心コール、電話訪問など、安全確保や見守りのための事業を実施しております。コロナウイルス感染症の影響で支援者の訪問が制限される中、見守りツールの重要性はますます高まると考えております。  御質問のロボットは、救急通報の機能に加え、コミュニケーション機能なども備えているとのことです。今後、他自治体で始まった実証実験の成果を注視するとともに、費用対効果等も踏まえ研究検討してまいります。  次に、高齢者の健康維持のためのオンラインの施策についてです。  現在、区では三密の解消、定員削減、消毒など感染予防策を徹底し、対面での介護予防事業を実施しております。また、世田谷いきいき体操の動画のホームページへの掲載、介護予防のアプリの紹介などにより、自宅での健康維持の取組の支援を実施しているところでございます。  今後、ICT機器の取扱いに慣れていない高齢者へ配慮をしながら、オンラインを利用した新たな手法による介護予防事業の実施について検討してまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、オンライン事業の進捗状況について御答弁いたします。  教育委員会では、一人一台のタブレット端末や校内通信ネットワークの整備の準備を進めるとともに、学習用ソフトウエアの追加導入や学校に対する人的支援に取り組んでおります。  各学校では、オンライン学習用のソフトウエアを活用した授業の実践を進めているほか、新型コロナウイルス感染症の陽性事例の発生した学校では、自宅待機となった子どもたちを対象に電子会議システムや学習支援ソフトを用いたオンラインでの学習支援を実施しております。引き続き教員の研修などGIGAスクール構想の導入に向けた準備を進めるとともに、感染症対策としてのオンラインでの学習支援の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、区立小中学校での業務効率化につきまして御答弁申し上げます。  まず、小学校から保護者へ配布される紙プリントのオンライン化についてです。  教育委員会では、ICTを活用した教員の働き方改革に向けて校務支援システム、文書管理システム、財務会計システムを導入し、教員の業務効率化を支援しています。  学校から保護者へ配布される紙でのお知らせやプリントなどを電子化することは、印刷や紙配布の手間を省ける利点がある一方で、インターネット接続環境のない家庭への配慮が必要であるといった課題があります。スマートフォン等で活用できるアプリケーションの導入を視野に入れ、データ管理の安全性その他のセキュリティーに十分に配慮をしながらオンライン化の検討を行ってまいります。
     続きまして、小学校の欠席届のオンライン化につきましてです。  保護者から学校への欠席連絡に関しましては、連絡帳、電話、メールといった手段により行っておりますが、新しい仕組みの導入に向けて準備を進めております。スマートフォン等で活用できるアプリケーションを導入し、インターネット接続で通信することにより、保護者から学校への欠席届をオンライン化してまいります。今後とも教職員の業務効率化及び保護者の利便性向上をICTの活用で、セキュリティーを維持しつつ実現できるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎竹内 環境政策部長 私からは、環境問題に関する三点の御質問に御答弁します。  温室効果ガスの削減目標を改定すべきとの御質問と、区民、事業者が取り組むべき目標の設定の見える化については一括してお答えします。  近年、国内外で記録的な高温や大規模森林火災、強力化した台風など、地球温暖化の影響と見られる異常気象が頻発しています。区内でも昨年、台風第十九号により大規模な浸水被害が生じました。区民、事業者と区が気候危機の問題を共有し、気象災害から区民の生命と財産を守る取組と、二酸化炭素の排出を削減し、気候変動を食い止める取組を進めるため、気候非常事態宣言を行うことを検討しています。  現在の地球温暖化対策地域推進計画では、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスを削減することを目標としておりますが、今般の宣言を機に、二〇五〇年までに二酸化炭素排出量実質ゼロに向けて取り組むことといたします。今後、環境審議会での議論等を踏まえ、計画の改定を行ってまいります。  また、これまで再生可能エネルギーの利用拡大と創出、建築物の省エネ化の促進など様々な施策を展開してまいりましたが、計画の見直しに当たっては、指標等を定めた定期的な進捗管理を行うとともに、結果を広く公表し、区民、事業者の皆さんとともに取組を進めてまいります。  続いて、自治体間連携についてです。  住宅都市である世田谷区では、区内での再生エネルギーの創出には限りがあるため、資源が豊富な自治体から電力供給による自治体間連携に取り組んでおります。先日、新たな自治体とのエネルギーの自治体間連携を進めるため、自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議をオンラインにて開催し、初参加となる府県や市、お話のありました羽村市も含め四十を超える自治体に参加いただきました。  会議では、十日町市と世田谷区との新たな連携について双方から方向性を示したことなど、様々な可能性が語られました。御指摘のとおり、自治体間の連携により再生可能エネルギーの活用を促進すれば、区民、事業者、区の三者が再生可能エネルギーの利用を拡大するせたがや版RE一〇〇の実現も可能であると考えています。今後もより一層自治体間の連携を進めてまいります。  以上です。 ◎関根 土木部長 私からは、巨大化台風への備えについて二点お答えいたします。  まず、浸水被害軽減に向けた対策の実績についてです。  昨年の台風第十九号による被害を踏まえた区の主な浸水被害軽減策でございますが、土のうステーションの五十四基から七十基への増強、多摩川の無堤防箇所専用土のうと可搬式止水板の配備、そして、これら専用の倉庫の設置などを行ってまいりました。近日中には排水ポンプ車二台を導入するとともに、年度内を目標にゴムボート二艇の配備や風向風速計二基を増設してまいります。このほか、国や東京都と連携し、等々力排水樋門操作盤の堤内地設置、無堤防箇所への仮設大型土のう設置など必要な対策を進めてまいりました。  次に、多摩川流域での洪水調整機能についてです。  河川では、水を流す河道に加え、状況により河道の負担を軽減するためのダムや調整池などの洪水調節施設の整備が必要になるものと認識しています。本年五月に、国は多摩川上流にある利水ダムの小河内ダムに洪水調整機能を導入し、水害対策に使える容量として約三千六百万立方メートル、ダム貯水量の約一九・二%を確保すると発表しました。  区といたしましては、この洪水調整機能を導入することで、世田谷区を含む多摩川の下流域において一定の水位低下が期待できるものと認識しております。運用開始時期は、現在までに公表されておりませんが、河道掘削と併せて、引き続き国や都の動向を注視してまいります。  以上です。 ◎工藤 玉川総合支所長 私からは、二子玉川無堤防地域の堤防整備の進捗について御答弁いたします。  二子玉川無堤防地域の堤防整備に当たりましては、国では今月の二十六日に治水対策を含めた水辺地域づくりを考える第六回二子玉川地区水辺地域づくりワーキングの開催を予定しており、これまでの課題の整理、今後のワーキングの進め方などについて説明や意見交換を行うこととなっております。  また、堤防工事につきましては、本年十一月頃の工事着手に向けまして現在、地元工事説明会開催の調整を行っていると伺っております。区といたしましては、引き続き堤防の早期完成に向けまして国と連携し取り組んでまいります。  以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、避難所情報の発信について御答弁申し上げます。  区では、風水害対策総点検の取組といたしまして、ラインワークスの活用により避難所と災対地域本部、災害対策本部との情報共有を強化し、区民の皆様に対しまして避難所の受入れ状況等を発信できる体制を構築いたしました。区といたしましては、まずは区ホームページ、災害防犯メール、ツイッター、さらに新たに連携を図りましたヤフー防災速報などを活用し、避難所の運用状況等を発信するとともに、今後も引き続き、議員のお話も踏まえまして、情報発信方法の不断の見直し、検討を行ってまいります。  以上でございます。 ◆五番(ひうち優子 議員) 御答弁いただきありがとうございました。今年も台風のシーズンがやってきました。また、しっかりと台風に対する対策をとっていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十二番金井えり子議員。    〔十二番金井えり子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(金井えり子 議員) では、質問をいたします。  最初に、子どもが安心して学べる区立小中学校の職員体制について質問します。  第二回定例会の一般質問でも伺いましたが、学校での消毒作業のサポート人材の現状を伺います。保護者や地域の方がボランティアで手伝ってくださっている学校もあると聞いています。保護者や地域の方の協力があるのはすばらしいことですが、今後の感染状況によっては、ボランティアではなく、きちんと人材を確保する必要があります。それは地域の雇用創出にもつながります。  前回は、新型コロナウイルス感染症の状況に注視し、現場である学校の声を十分に聞きながら、状況に応じた必要な対策を検討するとの回答でした。今回の補正予算では、小学校二十一校、中学校九校にスクールサポートスタッフの追加配置の提案がされていますが、教員の多忙化解消のため、消毒作業なども含めたサポート人材は全校配置が必要と考えます。先生には子どもと向き合う時間を確保してほしい、子どもたちが安心して学べる学校として不足はないのか伺います。  次に、区立小中学校における食農教育の推進と給食についてです。  いつの間にか私たちの食べる野菜の種子のほとんどは世界の巨大な多国籍企業などによって生産されるようになってしまいました。日本で種子法廃止、種苗法改正案などによって原種がなくなれば、多国籍企業に頼らざるを得なくなります。スーパーなどには食べ物があふれていますが、食料自給率三七%の日本は、輸入が止まれば食糧危機が危惧されます。  東京は大消費地でありながら、食の生産現場が身近になく、食べ物に対し感謝やもったいないといった意識、価値観がなかなか持てない現状にあります。生産地と食卓が離れてしまっている今、子どもたちが生産者とのつながりや自分の食べているものがどのようにつくられているかなど、農を学ぶことが必要です。  世田谷区は再生可能エネルギーや災害時協力協定など全国の自治体と連携強化が進んでいます。地産地消では賄い切れない世田谷区、給食食材にも自治体間連携を取り入れるのはいかがでしょうか。生産者と顔の見える関係をつくり、交流を広げることで子どもの学びと食材への信頼、安心も得られます。栄養面の食育だけにとどまらず、農とつながる食農教育の推進について区の見解を伺います。  毎日食べるこの給食、子どもの健康に大きな影響を与えます。世田谷区では平成十二年に給食に遺伝子組み換え食品を可能な限り使用しないことを決めました。遺伝子組み換え食品の表示義務対象品目は、DNAなどの検出方法の進歩により、毎年見直しが行われています。  ゲノム編集という新たな技術でつくられた食べ物も出てきています。これはアメリカではニューGMOと呼ばれているそうですが、日本では遺伝子組み換えではないとされ、表示義務もありません。残留農薬の基準も緩いと言われる日本、国内産だから安心とも言い切れません。給食食材について現状に合わせた対応の見直しが必要と考えます。一度決めたからそのままでいいではなく、子どもの育ちによりよいもの、より安心なものを予防原則に基づいて選んでいくべきと考えます。区の見解を伺います。  世田谷区の給食は委託業者が請け負っておりますが、子どもの口にする食器、スプーン、箸などは石けんで洗うということが自校式給食調理の場合は仕様書で確認されています。しかし、給食調理場では、配食数や食洗機の関係で石けんが使用できないと聞きました。まずその理由を伺います。  子どもの食に関する安全、環境への配慮のために石けん使用を続けることが必要です。世田谷区の給食調理現場では、石けんを使用することになってから長いという慣れがあります。この慣れがとても不安です。コロナウイルス感染症などの影響で、殺菌や消毒などの観点から、よかれと思って合成洗剤などを使ってしまう可能性も否定できません。委託契約は事業者と区が行っているのですから、履行確認をきちんとすべきです。慣れているからこそ定期的な確認は必要です。区の見解を伺います。  続いて、水害対策について伺います。  昨年十月の多摩川の台風被害、今年も九州などで大きな被害が出ています。年々地球温暖化に伴う気候変動を背景に、集中豪雨、土砂災害など被害の規模が想定できないほどとなっています。今、水害対策が重要なことは間違いありません。そこで、豪雨対策の行動計画四つの柱の一つ、下水道整備について伺います。  東京都の取組では、多摩川の谷川雨水幹線、弦巻の蛇崩川幹線の増強施設、深沢の呑川幹線の増強施設の三か所が進められています。さらにこれと並行して祖師谷地域では東京都が、成城地域では世田谷区が雨水管工事を進めていると聞いています。東京都と世田谷区の連携、役割分担について伺います。  都市の水問題の課題は、不可視、雨水管などが地下に潜るため住民の問題認識から遠ざけられていること、それから、行政や学術が縦割りで対応することであると九州大学大学院工学研究院の島谷幸宏教授はおっしゃっています。  祖師谷地域の工事の中では、祖師谷地域の浸水被害を軽減するための工事としてイラストを使った説明の看板をつけていました。このように住民にも分かりやすく、どのような工事なのか、何が変わるのか可視化することはとても大切です。情報をきちんと出して意識啓発を進める広報ツールとしても利用できます。区が東京都から受託する雨水管工事においても、イラストなどを使った分かりやすい看板をつけていただくよう要望いたします。  建物、道路などコンクリートやアスファルトで覆ってしまった都市では、雨水がしみ込んで循環していくことができず、ヒートアイランド現象を引き起こしています。ますます雨水浸透施設などが必要となっています。戸建て住宅や共同住宅など全体に広げるべきと考えますが、昨年度の助成制度の利用を見ると、雨水浸透施設設置は十件、雨水タンク設置も二十四件、とても多いとは思えません。助成制度があることや、この取組について区民への周知が足りないのではないかと感じます。  また、間に入る建築業者、不動産業者の方々にも普及を進める意味の理解と協力を伝えるべきと考えます。雨水浸透施設や雨水タンクを、多くの区民に助成制度を利用して設置してもらうための課題と取組を伺います。  下水道などのグレーインフラとともに、自然の循環により近く戻れるようにするためには、やはりグリーンインフラの促進、緑を増やすことが水害対策においても重要です。民有地の緑づくりとして、区民への緑化助成制度、生け垣、植栽帯造成、屋上緑化、壁面緑化、シンボルツリーの植栽など様々ありますが、これは活用されているのでしょうか。  世田谷ひとつぼみどりのススメという取組があります。家庭で一坪程度の小さな緑の空間をつくること、世田谷の全ての家でひとつぼみどりをつくったら、砧公園一個分になる、これならできると思われる方もいらっしゃるでしょう。多くの参加でそれぞれが意識を高めることは大切です。水害対策、ひいては気候変動についてまで考えるきっかけにもなり得る緑を増やすこと、その情報提供や取組を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎淺野 教育総務部長 私からは、五点につきまして御答弁申し上げます。  まず、小中学校の職員体制についてです。  学校では、新型コロナウイルスの感染予防の徹底から、換気や校内消毒をはじめ、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、教職員全体で様々な対応を行っております。教育委員会では、こうした教員の負担を少しでも軽減できるよう、学校への保健衛生用品の配布や、学校が柔軟に保健衛生用品を購入できるように、予算面での措置をはじめ、換気や消毒が効率的にかつ効果的に行えるよう、厚生労働省や経済産業省などから示される使用方法などを周知しております。  八月に改訂された文部科学省作成の学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルでは、従来まで行っていた机や椅子、トイレ、洗面所などの消毒は、通常の清掃活動の範囲で対応してよいことが示されました。  教育委員会では、二学期が再開される前に、教育委員会作成の学校・園における新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインを改訂し、清掃や消毒の範囲を具体的に示し、必要な消毒について指示しております。  また、感染者が発生した場合で、通常の消毒以上の対応が必要な場合は、消毒業者に消毒を依頼するなどの対応を行っております。  教育委員会では、今後とも引き続きまして新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、現場である学校の声を十分に聞き、状況に応じた必要な対策を実施してまいります。  続きまして、食農教育の推進についてです。  学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深め、適切な判断力を養う上で重要な役割を担っております。教育委員会では、生命をつなぐ上で最も基本的な要素である食とそれを支える農業について学び体験することは、人間の根源を考える上で極めて重要であると認識しております。  その上で、子どもたちが総合的な活動の時間等を通してサツマイモや大根などを収穫するなど、農業を体験し、ふだん食べている野菜が畑でどう育つのか、どのような人がつくっているのかを知ることにより、農業に対して理解を深め、食を支えている農家の方への感謝の気持ちを深めることができます。  また、食育や地産地消の観点から、世田谷ゆかりの大蔵大根を活用したせたがやそだち給食を学校全校で実施するなど、地域の協力を得ながら世田谷産農産物を利用した給食活動や給食提供なども行っております。さらに、世田谷の農業について学ぶとともに、郷土愛や食の大切さ、人々の食生活を支えていることへの感謝の心を育む機会として、学校に地元の農家の方を招いて、農業に関する講話や一緒に給食を食べながら交流を図ることなども行っております。  続きまして、給食食材についてです。  学校給食で使用する食品の選定においては、価格だけではなく、規格、品質なども考慮しております。国の学校給食衛生管理基準に基づきまして、鮮度のよい衛生的なものを選定し、なるべく加工されたものは避けるよう配慮しております。  世田谷区では遺伝子組み換え及び遺伝子組み換え不選別と表示された食品につきましては、従前より学校給食に使用しないこととしておりまして、世田谷区立小・中学校給食用物資納入事業者登録制度におきましても、登録条件の一つとしておりまして、食材納入事業者へも厳守するように周知しております。  世田谷区の学校給食においては、食材選定に留意し、加工品を極力使用しない手づくりの給食づくりに尽力しているところですけれども、引き続き安全安心でおいしい給食提供に努めてまいります。  続きまして、給食調理現場での石けん使用ということにつきまして、給食センターで石けんを使用できない理由を問うということと、委託契約における石けん使用の履行確認をすべきという二点につきまして併せて御答弁申し上げます。  世田谷区の学校給食におきまして、自校調理方式校では、現在、食器、食缶、器具類の洗浄につきまして純石けんを使用した手洗いで洗浄を行い、その後の最終すすぎを食器洗浄機で行っております。  一方、学校給食太子堂調理場では、自校調理方式と比べ食数が多いため、食器、食缶、器具類の洗浄には業務用自動食器洗浄機専用の洗浄剤を使用しておりまして、食器洗浄機で洗いからすすぎまでを行っております。洗剤メーカー等に確認したところ、現状では、業務用の食器洗浄機に石けんを使用すると、石けんかすが付着するなどし、食器洗浄機に不具合を起こすことから、食器洗浄機専用の石けんは開発されていないとのことです。  太子堂調理場における洗浄剤につきましては、引き続き成分等を確認し、環境や安全に配慮した製品を使用していくとともに、自動食器洗浄機メーカー、洗剤メーカーと相談の上、食器洗浄機専用の石けんが開発された場合は、その使用について検討してまいります。  また、全ての施設で使用する石けん等につきましては、区へ届け出るとともに、学校でも定期的に確認しております。また、調理業務委託事業者へも石けんを使用する意図を十分伝えた上で、安全性や環境へ配慮した取組を続けてまいります。  以上です。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、水害対策二点につきましてお答えいたします。  まずは、区内の下水道工事の当区の役割分担についてでございます。  公共下水道は、市町村で設置や維持管理を行うことが基本となっておりますが、二十三区内では二十三区一体で設置することが合理的であることなどから、東京都下水道局が汚水排水処理と雨水排水処理を一括して担っております。  一方、汚水と雨水を分けて下水を処理する区内南西部の分流地域における雨水下水道管の整備率は三程度と低く、豪雨対策として課題があることから、区では一部の雨水下水道整備工事を東京都下水道局から受託して整備のスピードアップを図っているところでございます。今後も東京都へ雨水下水道管の早期整備を働きかけるとともに、引き続き東京都から雨水下水道管の整備工事を積極的に受託することで、区内の治水安全度の向上に努めてまいります。  次に、雨水浸透施設や雨水タンクの設置助成制度の課題と取組についてお答えいたします。  雨水浸透施設や雨水タンクの助成制度につきましては、過去の区政モニターアンケートなどの結果から、助成制度を知らない方が多いことが判明しており、制度の周知が課題であると認識しているところでございます。また、雨水浸透施設につきましては、設置した人が直接のメリットを感じにくく、既存建物への助成実績が上がらないことも課題の一つと認識しているところでございます。  このため、制度の周知につきましては関係所管と連携して助成制度の内容を周知しているほか、豪雨対策としての意義の説明や、雨水浸透が植物の育成を促進すること、雨水タンクの水を庭木への散水に利用することができることなどのメリットにつきまして、区の広報、ホームページをはじめとしました各媒体や区役所などでの展示や掲示、また建築関連団体などに出向きまして協力要請を行うなど工夫を凝らしてPRに努めてまいります。  以上でございます。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、緑化助成制度を利用して民有地の緑を増やすことにつきまして御答弁申し上げます。  区内の緑を増やすには、区の面積の七を占める民有地の緑化を進めることが重要であり、緑が環境保全や災害対策に役立つことなどを区民に周知し、区民自らが緑を守り育てる取組が行われるよう働きかけることが大切であると考えております。  そのため、区では民有地に緑を増やす取組の一つとして、先ほどお話しいただきました生け垣やシンボルツリー、屋上緑化などを対象とした緑化助成制度を設け、民有地の緑の創出の支援を行っており、令和元年度には六十八件の助成を行ってきております。  これまで「区のおしらせ」やホームページ、公共施設の窓口やイベントでのパンフレット配布などにより助成制度の周知をしてきておりますが、さらに多くの区民に助成制度を周知、活用していただく必要があると考えております。  今後も引き続きパンフレットの配布箇所を、例えば公共施設以外にも増やしていくなどの取組を拡充するとともに、都市型水害の緩和や気温の上昇を抑制するなど、緑の効果を記載したひとつぼみどりのススメのパンフレットを併せて活用して、助成制度のより一層の制度周知を図ることで、区民の参加と協働による民有地緑の創出に取り組んでまいります。  以上です。 ◆十二番(金井えり子 議員) 今御答弁いただきました。食、農、自然、本当にこれ全部つながっていることです。子どもたちにはしっかり伝えていっていただきたいと思っております。  それから、今、ひとつぼみどりのお話がありましたけれども、こういう小さいことですけれども、やはりみんなでやっていかなければいけない。先ほどお話があった区民の参加と協働の力、これがとても大事だと思います。これ、区民という言葉の中に、やはり子どもの力が入っていると思います。子どもたち、本当にすばらしいアイデアをたくさん持っていますので、子どもを含めた区民の参加と協働の力を区が束ねて、ぜひ引き出していただけるように要望いたしまして、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で金井えり子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、一番つるみけんご議員。    〔一番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆一番(つるみけんご 議員) 通告に基づき質問いたします。  まず、PCR検査体制について伺います。  現在、区は新たなPCR検査体制として、介護事業所等を利用されている方への感染に伴う重症化を避けるため、人との密着度が高く感染が起こりやすいとされる社会的インフラを継続的に維持するための社会的検査を実施することを提案されています。この社会的検査の位置づけについては、昨日より様々な議論がなされていますが、今回は異なる観点から伺います。  区内では、感染により二十名の方がお亡くなりになられ、そのうち七が六十歳以上であることを踏まえると、介護事業所等の利用者の方の感染に伴う重症化を避けるということは非常に重要な視点であると考えます。区は今回の提案の中で、対象事業所で働く方のうち、感染者または感染疑いの方に接触した可能性が高く、かつ感染への不安がある職員を対象に社会的検査を最優先で随時実施することとしています。  まず、濃厚接触者に同居する御家族がいた場合、その御家族が介護施設職員であれば、今回の社会的検査の対象になります。一方で、その御家族が介護施設利用者御本人である場合には、検査対象にはなりません。つまり、区は制度上、介護施設の利用者よりも職員を優先するということになります。  所管にお聞きしましたところ、職員のほうが行動範囲が広く、複数の利用者と接する機会が多いことが考えられることから、今回の社会的検査では、財源的なこともあり、職員のみを対象としたと言われました。一つの考え方として一見合理性があるようにも思えますが、この合理性の判断そのものに大きな疑問があります。  限られた財源の中で、どこかで線を引かなければなりません。この場合、対象範囲の線引きというものは、優先する対象を決めることであり、逆に言えば、優先されない人を決めるということになります。施設職員の安全と介護施設等におけるクラスターの発生防止のためにも、施設職員の方を対象とするということを否定する意図はありませんが、結果として、最も重症化リスクの高い介護施設等の利用者を対象から外すということに疑問を持ちます。
     制度が複雑化、細分化することにより、本来の目的から離れていってしまっては本末転倒です。介護事業所等を利用されている方への感染に伴う重症化を避ける、この目的を忘れてはなりません。区民の命を守ることが区の最大の使命です。社会的検査の対象範囲の在り方は、このことを前提に構築されるべきと考えます。区の見解を伺います。  続いて、新型コロナウイルス感染症における差別、偏見、誤解等を防止するための取組について伺います。  全国的にも新型コロナウイルス感染症による差別や偏見が起きる中で、世田谷区は前述のとおり、さらなる検査の拡大を提案されています。詳細は控えますが、残念ながら世田谷区においても現在までに陽性となられた方が不当な扱いを受けたなどの事例を耳にしております。  今後、世田谷独自の検査拡大に伴い、さらなる差別、いじめや不当な扱いを受けるといった被害を生むことがあってはなりません。相談窓口等の対処療法ではなく、より積極的な不安、誤解、差別等を防止するための施策の展開が必要であると考えます。区の御見解を伺います。  次に、世田谷区の高齢者施策について伺います。  区ではこれまでも元気高齢者の地域参加や就労の促進、フレイル予防や介護予防、介護が必要な方々への支援など様々な高齢者施策を展開してこられました。こうした様々な施策は、介護が必要な方への支援を除くと、地域コミュニティーや会社、介護、フレイル予防のための体操等の教室など、いずれも団体や集団への参加という側面があります。  しかしながら、御高齢の方々が必ずしも団体や集団での活動を望まれているわけではありません。個人で活動をしたい、個人でゆっくり過ごしたいという方もおられます。これからの高齢者施策は、地域活動の参加促進や就労支援を行っていく一方で、個人個人を無理に団体活動や就労に結びつけず、お一人で活動したい、お一人で過ごしたいという方々の思いも尊重し、その方々の居場所や通いの場を創出していくという視点も必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。  また、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、地域活動やボランティア、お仕事などが長期にわたってできないという状況が続き、これにより、今後、活動の停止や団体の解散などが起きてしまうということも想定されます。今まで元気に活動してこられた高齢者の方でさえ、団体としての活動の場が失われ、居場所がなくなる、閉じ籠もる、孤立化してしまうということが起きかねません。こうした事態を防ぐためにも、高齢者の方の多様な居場所の確保の必要性は今後ますます高まるものと考えます。  今定例会に廃止が提案されているふじみ荘は、非常に元気で活動的な方から、ふだんはあまり外出されないけれども、週に一度ここに通うのが楽しみという方まで、様々な方の居場所として活用されている施設です。集まってお仲間の方とお話をする方もいれば、一人で静かに過ごしている方もいます。  老人休養施設としてスタートしたふじみ荘は、今では休養するという側面だけではなく、個人個人が利用する中で、新たなつながりや緩やかなコミュニティーの創出の場としての役割を果たしつつ、お一人で活動したいという方にとっても安心して過ごすことのできる居場所としての役割も担った重要な施設となっています。  区はこのたび、この施設について廃止ということを提案されていますが、改めてふじみ荘が果たしている役割をどのように認識され、また、その認識に基づいてどのような対応をしようとされているのか伺います。  次に、認知症とともに生きる希望条例(案)について伺います。  三月の予算委員会では、認知症の方が乗車されたバスの事例を用いて、そのバスに居合わせた全ての方々が認知症とともに生きる当事者ではないか、区が考える認知症とともに生きる人とは誰なのかということを質問いたしました。これに対し区は、本条例は全ての区民を対象としている、バスの中での出来事においても全ての方が対象であり、当事者であると答弁をされています。  この答弁と、第一条の認知症とともに生きる人(以下、「本人」という。)との文言については、明らかに矛盾しており、その点を指摘し、再検討すべきと申し上げましたが、残念ながらこの矛盾は解消されることなく、今回の条例案が提案されています。  この認知症とともに生きるという言葉は、現在多くの場面で使われていますが、そうした一般的な使われ方と、区が九十二万人の区民と共有すべき条例の中で認知症とともに生きる人を本人と位置づけることは全く意味が異なるはずです。  改めて申し上げますが、認知症とともに生きる人は私たち全ての区民であるはずです。区は全ての区民が認知症とともに生きる人の当事者であると認めながらも、今回の条例案では、その言葉の範囲を限定的に、認知症の方御本人と狭めているわけですが、これは区が目指す全ての区民が認知症とともに生きる意識を高めるという方向性とは合致していないように見てとれます。区の見解を伺います。  もう一点、認知症とともに生きる人を御本人、つまり認知症の症状のある方とすることは、認知症とともに生きるということが、その症状とともに生きるということになります。区はこれからの地域社会の在り方に関わるこの大切な認知症とともに生きるという言葉を、そのような狭義な意味合いで使用されているのでしょうか、区の見解を伺います。  現に昨日の区長の招集挨拶でも、広報紙「せたがや」九月十五日号においても、保坂区長は、認知症とともに生きることに希望を持つことができる地域社会という発言をされています。明らかに前述したような狭義な意味合いで使用をされています。  さらに、本日の新聞報道によれば、この条例について認知症の本人を認知症とともに生きる人と表記したと書かれています。このような理解が、当初考えていたことなのでしょうか。私は地域社会全体、全ての区民が認知症とともに生きることで、区民一人一人が希望を持って暮らしていける、こうした社会こそが区が目指すべき地域社会の在り方だと考えます。そのことを申し上げて、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、社会的検査の対象範囲についてお答えいたします。  社会的検査については、利用されている方への感染に伴う重症化を避ける、感染予防を徹底しても接触を避けられない職員からのクラスターの抑止、対象事業所で働く方のうち、感染者または感染疑いのある方に接触した可能性が高い職員に対する早期対応、これらの視点から対象施設や優先順位を検討してまいりました。  中でも、お話にもございましたが、介護事業所を利用される方への感染に伴う重症化を避けるため、九月中旬からの先行実施を予定する中で、まずは介護事業所で現に陽性者が発生したケースで、濃厚接触者以外の職員及び利用者と、介護事業所で働く方のうち感染者または感染疑いの方に接触した可能性が高く、かつ感染への不安がある職員を対象に実施してまいりたいと考えております。  議員御指摘の件につきましては、対象施設におきまして現に陽性者が発生したケースでは、利用者は検査の対象と考えております。  一方、感染への不安がある場合などは職員に限っておりますが、財源が限られる中、施設内での行動範囲も広く、より多くの利用者や職員との接触が考えられることから、クラスター化などの感染リスクを考慮し、今回の判断に至ったところでございます。  なお、利用者等に有症状が見られた場合には、一日三百件から六百件に拡充予定の従来型PCR検査での対応を想定しております。  今後、従来型及び社会的検査につきましては、感染状況の推移を考慮した上で、検査方法やコスト面等も含め、検証しながら、よりよい取組となるよう工夫に努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、保健所としての新型コロナウイルスの差別、偏見等の防止についてお答えいたします。  世田谷保健所では、感染症法が基本理念の一つとして掲げる患者等が置かれている状況を深く認識し、その人権を尊重することを遵守しつつ、日々感染症対策の推進に取り組んでおります。  新型コロナウイルス感染症が発生した事業所、施設等の管理者等が過度な不安を抱かぬよう、保健所では陽性者への対応、濃厚接触者の範囲と自宅待機の期間などをその都度丁寧に伝え、併せて施設に関連する所管においては、施設事業に関する相談対応をしております。  また、患者等への攻撃や風評被害を回避するため、区のホームページや報道発表でも、庁内の共通事項として、関係者や家族等の人権への配慮について必ず記載し、広く区民等へ理解を求めております。  保健所といたしましては、引き続き区の新型コロナウイルス対策本部を通じ、関係所管と連携し、新型コロナウイルス感染症の理解不足により、職場や地域で患者等が差別、偏見や不当な扱いを受けないよう、また患者等の周囲の方が過度な不安を抱かないように、医学的知見に基づく正しい情報をより広く提供いたします。  さらに、区にはコロナ禍における不安や生活の悩み等の相談窓口があることを、検査を受けた方はもとより、さらに広く区民に対しても周知するよう努めてまいります。  以上です。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、三点の御質問にお答えをいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症に伴います差別等の防止、啓発について、人権所管の取組を申し上げます。  新型コロナウイルス感染症に関連して、差別や偏見と思われるニュースが報道されておりますが、区内でも陽性者が利用した施設をSNSで流布するなどの差別や偏見が原因と考えられる事態があったと承知しております。  区では、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の下、差別や偏見のない社会の実現を目指しております。この間、区ホームページ等において感染された区民や関係者の個人情報と人権についての配慮のお願いを発信するとともに、感染者発生の際には、関係所管からも区民や事業者、施設関係者などに対し注意喚起をしております。  差別や偏見は誤った知識や情報から生じることも多いため、防止には関係所管が連携し、新型コロナウイルスや検査についての正しい情報の周知と啓発を行う必要があると考えております。  人権施策を担う生活文化政策部においては、早急に検査対象者への人権相談啓発リーフレットを配布するとともに、十一月に実施する男女共同参画事業所調査の際も同様のリーフレットを同封するなどの取組を行ってまいります。今後、世田谷保健所と連携し、医療機関など区民の立ち寄る場所も活用するなど、差別や偏見の発生予防につながる普及啓発に努めてまいります。  次に、高齢者の居場所、通いの場の創出についての御質問でございます。  区では、高齢者の憩いの場や日々の活動の場として、ふじみ荘や、ひだまり友遊会館、地区会館や敬老会館などを設置しまして、高齢者クラブをはじめ多様な高齢者団体に活用いただいているほか、健康体操や囲碁、将棋などの交流とお楽しみの場ともなっております。  また、生涯大学や陶芸教室などの学びの場を提供する一方、地区会館などを利用し、支え合いミニデイや、ふれあい・いきいきサロンなどの事業を実施し、高齢者の外出や交流機会を提供しております。  しかしながら、高齢者の年齢幅が広がり、ニーズや趣味、嗜好も多様化していること、また、団体活動や地域活動に参加することが難しい方もおられるなど、高齢者の多様性やひとり暮らし高齢者の増加を踏まえた孤立、孤独の防止などの観点を踏まえ、身近な地域での居場所や通いの場づくりが重要な視点と考えております。  他区におきましては、多世代型の居場所と通いの場や、交流プログラムを設けている例がございますので、そうした事例にも学びながら、高齢者が様々な場所や身近な地域で気軽に外出し立ち寄ることができる場づくりについて、福祉部門や地域施設の運営に当たる所管とともに具体的な検討を進めてまいります。  続きまして、ふじみ荘が果たしている役割についての認識と今後の対応についてという御質問でございます。  老人休養ホームふじみ荘は、高齢者の保健休養の場を提供し、心身の健康増進を図ることが設置目的となっておりますが、利用状況としましては、入浴、カラオケ、囲碁、将棋など高齢者のくつろぎと憩いの場、またコミュニティーの場として御利用いただいていると認識しております。  今般、廃止の提案を申し上げていることにより、現在御利用をいただいている皆様には、他の施設を御利用いただくことになりますので、類似機能を持つ千歳温水プールの健康運動室や他の高齢者施設等の見学会、地域地区の集会施設の案内を丁寧に行いながら、ふじみ荘利用者の移行を支援してまいりたいと考えております。  また、高齢者人口の増加に伴い、ひとり暮らし高齢者も増えることが見込まれますので、高齢者の地域参加促進施策として、仲間づくりの支援を行うとともに、地域地区の区民利用施設が交流や憩いの場、また、多様なコミュニティー活動の場としてさらに活用いただけるよう、関係所管とともに運営の工夫について検討してまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症とともに生きる希望条例案について二点御答弁いたします。  まず、区は全ての区民が認知症とともに生きる人の当事者であると認めながら、今回の条例案では、その言葉の範囲を認知症の御本人と狭めている、についてお答えいたします。  区では、議会から認知症とともに生きる対象者が分かりにくいとの御指摘を受け、骨子案から素案を検討するに当たり、本条例の認知症とともに生きる対象が全ての区民であることが分かりやすくなるよう、第一条、目的の二行目の表現を「本人を含む全ての区民が認知症とともに生きる希望を持って」と修正いたしました。  本条例案は、本人を含む全ての区民が認知症とともに生きる意識を高め、共によりよく暮らすことができる地域共生社会を目指しております。  次に、条例案の中で認知症とともに生きる人を御本人としているが、そのような狭義な意味合いで使用されているのか、についてお答えいたします。  この条例案では、第一条、目的の中で、先ほど申しましたように「全ての区民が認知症とともに生きる意識を高め、その備えをし、もって一人ひとりがともに安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現に寄与することを目的とする。」としております。  区といたしましては、区民の方々に認知症とともに生きる当事者になっていただけるよう、第三条において、区民等が「認知症に対し深い関心を持ち、自らのことと捉え、自主的かつ自発的な参加及び協働により地域との関わりを持つことで、認知症とともにより良く生きていくことができる地域共生社会の実現を図る。」ことを基本理念としております。  今後作成する解説書の中で、認知症とともに生きる対象が全ての区民であることを分かりやすく表現するとともに、条例を周知していく中で丁寧に説明してまいります。  以上です。 ◆一番(つるみけんご 議員) 二点再質問いたします。  PCR検査の対象範囲について、御答弁では、施設内において現に陽性者が出たケースを出されたので非常に分かりにくいのですが、今の制度設計では、同様の状況下にいる施設職員と利用者の中で、職員は検査対象になるが、重症化リスクの高い利用者が対象者にならないということが起きます。区はこれでよいと考えているのでしょうか。明確にお答えください。  もう一点、高齢者施策については、区はこれまでお一人で活動する、お一人で過ごすという高齢者の方々を様々な計画の中に位置づけていなかったのではないでしょうか。これからはこうした方々を団体活動に押し込むのではなく、その一人一人の思いを尊重し、計画の中に位置づけて施策を展開していくべきと考えます。区の見解を伺います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 高齢者の居場所に関する再質問にお答えいたします。  部長からも御答弁申し上げましたけれども、長寿社会を迎えまして高齢者の年齢幅が広がり、高齢者の暮らしも多様化しておりますことから、活発に活動される方だけでなく、一人で過ごす方や、緩やかなつながりで過ごしたい方などの居場所づくりなどに視点を置いた取組が今後重要になると考えております。  このテーマにつきましては、現在お元気高齢者施策を担当しております生活文化政策部、そして、現在第八期の高齢者保健福祉計画を策定しております高齢福祉部、そしてコミュニティーづくりを担当します各総合支所それぞれに関わる課題でございまして、それぞれが協力して具体的な検討に取り組んでまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 社会的検査の対象について、再質問いただきました点にお答えいたします。  限りある区の財源を活用し、感染予防対策といたしましてより高い効果を発揮するため、施設入所者と比較し、通勤や余暇活動等に不特定多数の方に接触する機会の多いと考えられます職員を対象にいたしました。さらに、同様の理由によりまして、施設のまだ入所されていない入所予定者も対象としております。  今後も社会的検査の実施状況を分析し、国や東京都の動向を注視しながら、さらに感染予防効果を高めるため、対象者の拡大等について検討をしてまいります。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時四十分休憩    ──────────────────     午後二時五十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い順次質問します。  初めに、社会活動を止めない新感染症対策について質問します。  新型コロナ感染症は、九月半ばの今もなお、東京都における市中蔓延期にあります。そういった中でも死者を最小限に抑え、区民が社会生活を続けられるために、世田谷区が積極的に対策を進める必要があります。国際的な相互依存、地球温暖化と環境破壊の進む中、今回のコロナウイルスは、今後も発生してくる新たな感染症の一つにすぎません。一過性でない対応体制を構築する必要があります。  保健所は、一月の新型コロナウイルス感染症が指定感染症に指定されて以来、感染症関連の諸法や制度に基づき対策の渦中に置かれてきました。区内で感染疑いの一報を受けると、患者の移動や検査、検体採取、検体運搬、検査の外部委託、結果の通知や入力、入院、入所、自宅療養の手配まで、この全てを保健所が中心となって担うことになりました。  特に医師、看護師、保健師など感染症対策に一定の見識のある人材への業務集中が起こり、四月には、検査の目詰まり状態により、患者が亡くなった後になって初めて陽性が判明するという事態まで発生してしまいました。全国のどの保健所でも、過労死ラインに達する残業が行われていたと調査結果が出ています。未知の感染症に対応する体制として、昨年度までの保健所の体制や人員配置では、新感染症に対応し切れなかったということは明らかです。  今、風邪やインフルエンザがはやる冬が近づいています。発熱時、風邪なのかコロナなのかインフルなのか、できるだけ、身近な場所で、早く正確な診断が受けられる必要があります。今後の新感染症に対応できるための保健所の果たすべき役割や、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を見越した対応について伺います。  社会活動を止めないために必要な社会的検査についても質問します。  第二回定例区議会において、重症化しやすい高齢利用者への感染拡大を防ぐために、介護従事者が優先的に検査を受けられる仕組みをつくるべきではないかと提案いたしました。今定例会に提案されている社会的検査は、この要請に応えるものと評価しています。介護現場以外でも、身体接触が頻繁でクラスター感染の震源地になると影響の多い、障害者の介助や保育などの現場にもこの検査が適用されるという提案にも必然性を感じます。  新型コロナウイルス感染症確定診断、この目詰まりやコスト高の要因として、医療スタッフの手技が必要な鼻咽頭拭い液による検体採取、PCR検査機器の処理能力などが指摘され、その弱点を乗り越える検査手法の開発を期待してきました。  九月十一日付で、国から一定の理解を示す回答が得られたとの報告も受けていますが、今後も、効果的で費用の安い手法の採用に向け、厚生労働省や医療機関、各種研究機関などと連携し、保健所に業務集中を起こさない形での社会的検査の仕組みづくりを進めることを求めます。  また、この検査で発見された陽性者やその周辺の濃厚接触者が現場から速やかに離れ、感染拡大を止めるために、安心して休業し、養生できるような個人と事業者双方に対する支援も必要です。世田谷区における今回の社会的検査実現に向けた方策について伺います。  次に、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる世田谷を目指して質問します。  介護保険制度が始まって二十年。世田谷区は、介護保険が始まる以前から高齢者福祉に力を入れ、地域の団体等とも協力し、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の基本理念である、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域福祉社会の実現を目指してきました。国の一律の制度だけでは行き届かない部分には、世田谷区独自の支援も行い、高齢者ニーズに応え、家族などのケア者を支えてきたと評価しています。  超高齢化社会を迎え、高齢の一人世帯や高齢者のみの世帯が増えるだけではなく、同居家族がいても日中は独居、一日誰も話す機会がない社会的孤立も深まっています。家族介護に寄りかからない介護の社会化がより必要とされているのです。  一方、高齢者に自助や健康をまず求めるような国の政策に沿った健康寿命の延伸という圧力には、自分らしく安心して暮らす基本理念から離れていってしまうのではないかと違和感があります。第八期計画の策定に当たり、区独自の支援に関しても議論が行われています。生活のニーズと制度の両方が変化する中、常に制度のはざまで不足する支援が発生します。世田谷区の実施してきたこういったはざまの部分を補う独自支援に今後も取り組んでいくべきだと考えます。区の見解を伺います。  高齢になっても住み慣れた地域で暮らし続けるために、世田谷区は在宅生活支援に力を入れてきました。生活環境を整え、買物や調理など暮らしを成り立たせる家事を支援する生活援助サービスは、自分らしく安心して暮らすために欠かせないものです。次期計画での生活援助の位置づけや、今後の在り方について伺います。  高齢になってからの心身の健康維持と社会参加や外出頻度には相関関係があるということが明らかになっています。今年に入り、新型コロナ感染症の影響で、高齢者の外出が急激に減っています。感染リスクを恐れ、定期的に利用していた通所介護を休止した。三月から五月にかけて、健康体操などの地域活動も中止になった。一度失われた外出する習慣を取り戻すには、今までにない工夫や働きかけが必要になります。  重度化防止という観点から、介護保険制度を用い、通院の付添いをケアプランに入れることは可能です。しかし、介護保険の範囲での外出支援には限りがあります。また、地域資源を使ったふれあいサービスでは、ニーズに対応した十分な支援者が確保できないという現状があります。介護保険と地域資源の両方を活用したコーディネートは十分にできているのでしょうか。新型コロナの影響からの回復のためにも、今後、外出支援のさらなる推進が必要と考えます。区の見解を伺います。  介護保険の導入当時、措置制度から利用者主体の契約制度への変換ということが、大きな希望として語られました。それは、高齢になった当事者の自己決定権を尊重することであって、契約による自己責任を負わせることではなかったはずです。今、財政問題と絡めて語られる自助優先の論議は、介護の社会化で、共助、公助によるセーフティーネットをつくるという理想とは離れていっているのではないでしょうか。  こういった風潮の中で、今定例会に世田谷区認知症とともに生きる希望条例が上程されました。認知症の当事者参加でつくられ、当事者自身が自分の希望を表明し、できる限り自己決定権を行使して生きる希望を、この条例は保障しようとしています。住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる世田谷を実現するために必要な条例です。
     一方、現状を見ますと、認知症ケアの困難にお散歩があります。本人の気の済むまで歩くことに付き添い、安全に帰宅できるよう支援するというのが理想ですが、実現するのは本当に難しいのです。これはほんの一例ですが、当事者の希望を尊重したケアに必要なマンパワーはどのように確保していくのか。この条例制定後の大きな課題でないかと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、新感染症に対応するための保健所の役割等をお答えいたします。  今般の新型コロナウイルスのような新感染症対策での保健所の役割は、感染症の発生予防及びその蔓延防止に向け、患者等の人権を尊重しつつ、適切な医療につなげ、感染症予防施策を総合的かつ迅速に実施するよう努めることでございます。  この役割を果たすに当たっては、公衆衛生の観点から、法に従い、感染症対応を遂行することが必要であり、保健師、看護師などの医療専門職等の人材確保が不可欠です。そのため、今般の組織改正により、保健所長の指揮命令系統を明確化し、五地域の保健相談課の医療専門職を機動的かつ柔軟な配置を可能にすることに加え、民間の看護師等の医療専門職を活用することにより、体制を強化いたしました。また、医療職のみならず、事務職の確保も必要であり、必要な人員につきましては、保健所内での応援体制に加え、関係所管と連携を図り、庁内からの応援職員を引き続き依頼してまいります。  なお、先般、国から都道府県に対し、新型コロナウイルス感染症が終息しない中で、インフルエンザが流行した場合に備えた体制整備を求める通知が発出されました。各保健所での対応につきましては、後日、東京都から具体的な通知があると考えられますので、区は、それを受け、引き続き必要な人材等の確保に努めつつ、持続可能な感染症対策に取り組んでまいります。  以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、今回の社会的検査実現に向けた方策についてお答えいたします。  今回、区がお示しした社会的検査は、介護事業所や障害者施設等を利用されている方の重症化を避けるため、また、現場におけるクラスター化を抑止するため、その職員や利用者、特に感染への不安がある職員を対象として実施するものでございます。  対象となる事業所は、介護事業所や障害者施設、一時保護所等、保育園、幼稚園の職員等を対象に、延べ二万三千件分の検査を想定しております。現に陽性者が発生した事業所における濃厚接触者以外の方や、感染への不安がある方を優先するとともに、施設によって定期的、複数回の実施も予定しております。  検査方法については、先行実施については従来の検査方法で実施してまいります。なお、前鼻腔方式による自己採取の検査を取り入れた場合、行政検査と認められるかを国に照会してきましたが、このほどその回答が得られたところであり、十月からの本格実施は前鼻腔自己採取を想定しております。  検査の結果、陽性者が発生した場合は、当該施設では職員の出勤制限や消毒等により休業を強いられる場合もございます。こうした状況におきましても、区の独自支援や都が行うサービス継続支援事業等を活用するなど、事業の再開に向けて適正な支援を行い、事業所が安心して検査を受けることができる体制を整備してまいります。  私からは以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる世田谷に向けて、四点御答弁申し上げます。  まずは、区独自の支援についてです。  区では、高齢者福祉の充実を目的に様々な独自サービスを実施し、これらは、制度開始以来、高齢者の生活を支えるサービスとして定着し、親しまれてまいりました。しかしながら、開始後相当の年数が経過し、高齢者を取り巻く社会状況は変化し、高齢者本人や家族のニーズも多様化しております。今後、さらなる高齢者人口及び社会保障関連経費が増加する中、高齢者の生活を支えるのに必要なサービスを維持するために現行事業を見直し、持続可能な高齢者福祉サービスの提供体制を整える必要がございます。  区では、見直し検討を進めるに当たりまして、基本的な考え方や分析、評価の視点につきまして、高齢者福祉・介護保険部会において御意見をいただき、それらを踏まえまして見直し検討に取り組んでいるところでございます。限られた財源をより有効に活用し、必要とされる高齢者福祉サービスを提供できるよう、引き続き見直し検討に取り組んでまいります。  次に、生活援助についてお答えいたします。  介護を必要としている方が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けられるためには、訪問介護における掃除、洗濯、調理などの日常生活を支援する生活援助は重要なサービスの一つであると認識しております。区では、同居家族がいる方に対する生活援助のサービスにつきましては、同居家族の有無で一律に判断するのではなく、同居家族の方に疾病等がある場合をはじめ、やむを得ない事情により家事が困難な場合には、ケアマネジャーの適切なアセスメントに基づき、必要なサービスを認めるなど、柔軟な運用を行っております。  また、平成三十年度の介護報酬改定において、ケアプランに一定回数以上の生活援助を位置づけた場合に区への届出が義務化されましたが、区では、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、よりよいサービスにつなげていくことを目的に、ケアプランの検証を行い、ケアマネジャーへの助言等を行っております。  現在、令和三年度からの介護報酬等の在り方について、国の社会保障審議会にて議論が行われておりますが、区では、その動向を注視するとともに、第八期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画におきましても、介護を必要としている方の様々な事情に配慮しながら、利用者によりよい介護サービスが提供できるよう取組を進めてまいります。  三点目は、外出支援についてです。  高齢者が住み慣れた地域で安心した生活を送るためには、外出支援は重要であり、こうした生活における希望に対して、介護保険サービスなどの公的なサービスだけではなく、地域資源等を活用したインフォーマルサービスを組み合わせて利用することも重要であると認識しております。介護が必要な方の生活全般のマネジメントを担うケアマネジャーに対しては、研修の実施やケアプラン点検等により、利用者の自立支援・重度化防止の観点を踏まえ、ケアプランの作成支援を行っておりますが、外出支援などの利用者のニーズに対しましては、インフォーマルサービスも含めたケアプランの作成について、区から助言をしているところでございます。  また、現在策定中の第八期の世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画においては、重点的取組に自立支援、介護予防、重度化防止の推進を掲げ、適切なケアマネジメントの推進をその具体的な施策の一つとしております。区といたしましては、介護保険制度の基本理念である高齢者が尊厳を保持し自立した生活の実現に向け、適切なケアマネジメントを推進し、利用者のニーズに沿ったケアプランの作成助言など、引き続きケアマネジャーへの支援に取り組んでまいります。  最後に、認知症とともに生きる希望条例に関しまして、ケアに必要なマンパワーの確保についてです。  本条例では、医療機関や介護事業所等の御本人へ直接関わる方の役割として、どこで暮らしていても、その希望及び権利が尊重され、適切なサービスが受けられるよう努めることを定めております。区では、医療及び介護職員を対象に、認知症の行動・心理症状に隠された御本人のニーズを分析して接することを学ぶ日本版BPSDケアプログラムの専門研修を開催し、専門的な認知症対応型の施設にとどまらず、高齢者に係る職員の認知症ケアの質の向上に努めております。  また、認知症サポーター養成講座の受講者を対象に、認知症サポーターステップアップ講座を開催し、地域での見守りや支えあい活動の担い手を育成しております。さらに、サポーターが継続的に活動し、個人だけでなくチームで活動できるよう、認知症サポーターフォローアップ講座にも取り組んでおり、地域で活躍できる仕組みづくりも進めております。  今後、条例の周知を図りながら、介護職員向けの専門研修や地域でのボランティア育成等の人材育成に取り組むとともに、御本人の意思と権利が尊重され、安心して暮らし続けることができる地域をつくってまいります。  以上です。 ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 御答弁ありがとうございました。  高齢になっても、認知症になっても、希望を持って生きられる世田谷をぜひつくっていただきたいと思います。  新型コロナ対策に関してですが、今後も国の状況はどんどん変わっていくと思います。指定感染症についての扱いについても検討がされていますので、それらの状況を適切に捉え、区の両医師会などとも協力して、安心して暮らせる、そうして今年の冬を乗り切りたいと思っています。  一点確認のために質問します。今回の社会的検査の仕組みというのは、やはり国の制度に合わせて死者を出すのを減らすため、クラスター発生予防ということだと思うので、世田谷区の身の丈に合った最低限のものなのではないかと認識しています。この検査をぜひ一日も早く実現していただきたいと思います。  それで、一つだけ聞きたいんですが。 ○和田ひでとし 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  今年で太平洋戦争終戦から七十五年が過ぎました。戦争を知る世田谷区議会議員として、平和資料館について質問してまいります。  先日、令和二年度の世田谷区区民意識調査結果が公表されました。その中で、平和資料館の認知度について調査したら、知らない人が約八五%でした。行ったことがある人は約三%です。戦後七十年の終戦記念日には、玉川小学校の平和資料室から世田谷公園に移り、平和資料館、愛称がせたがや未来の平和館として開館してから、繰り返し平和資料館のPRを求めてきた私は、この結果を大変悲しく思っていました。これまでの答弁が成果として出ていないのではないのでしょうかと思いました。  毎年、「区のおしらせ」八月十五日号は、平和への思いを伝えるとともに、この五年間は平和資料館についてもPRされてきました。今年は平和の尊さを考えてみませんかという見出しとともに、平和資料館での平和の花活動を紹介していました。平和の花活動は、近くの池尻小学校の子どもたちとフウセンカズラを栽培し、苗やハート形の種を区内の施設などに配って育てていただくこととして、平和の輪を広げる活動です。今年は商店街のクリーニング屋さんにも置かせてもらいました。このような子どもたちのすばらしい活動は、多くの方にもっと知っていただくべきだと私は思っています。  また、平和資料館では、世田谷区教育委員会から、夏休みの期間中、初任者教員の一日体験研修として、昨年度は二十八名、今年度は三十九名を受け入れ、平和資料館での平和事業を知っていただいて、児童生徒の平和教育について理解を求める内容で実施しているそうです。  教育委員会と連携した取組と言えると思いますが、今年は新型コロナウイルスの拡大防止のため、区の施設が休館や入館制限があって、イベントやお祭りや講演会が随分中止になりました。平和資料館も四月から六月の二か月間は余儀なく休館となって、終戦記念日に合わせて毎年開催しています平和映画祭も中止となってしまいました。本来なら開催されたはずのオリンピック・パラリンピックに合わせ、十一月十八日まで開催の企画展「オリンピックと平和」は、新聞でも紹介されていましたが、休館中は見ることができませんでした。  これまで平和資料館がいろいろ取り組んできたことをもっと多くの区民に知ってほしいと思います。今後、認知度の向上を含め、具体的にどのような取組をしていくのか、お伺いします。  今年は戦後から七十五年の節目の年でありますが、これまで区では、節目の年に平和都市宣言、平和の灯や平和の像の設置、大規模な平和映画祭の開催、平和資料館の開館など、平和に関する大きな取組を行ってきました。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、何もできませんでした。  そこで、本来なら、そうした場で区長が語られたであろう戦後七十五年の節目と、未来の世田谷への平和の思いをお聞かせください。  次に、認知症とともに生きる希望条例についてお伺いします。  世田谷区の高齢者人口は、現在約十八万五千人、認知症として要支援、要介護認定を受けている方だけでも約二万四千人となっています。認知症の方は増えていて、社会の中で、認知症は身近なことになっています。  我が家にも、もう亡くなってしまいましたが、認知症のおばあちゃんと十年間一緒に暮らして、長年介護をしてきました。認知症が身近なことでもありまして、その関係で、私は地域の認知症家族の会がある新代田あんしんすこやかセンターが開催する家族の会や、北沢総合支所で行っている家族会にも参加して、認知症の方を介護しているいろいろな方から話を聞いてきましたが、我が家のおばあちゃんが亡くなった今でも、引き続き家族会に参加し続けて、つい先日も家族会に参加してきました。  私にとって、認知症は今でも身近なものであり、今回、区から世田谷区認知症とともに生きる希望条例が提案され、私も内容を見せてもらいました。前文で、認知症になると何も分からなくなるという考えが一般的でしたが、認知症になってからも、暮らしていく上で全ての記憶を失うわけではなく、本人の意思や感情は豊かになっていることが明らかになっていて、尊厳と希望を持って自分らしく生きることが可能ですと書いてありますが、おばあちゃんの経験から、本当にそうだと感じています。  おばあちゃんは、物忘れも多くありましたが、私のことを社長と呼んでいて、昔のことなどをよく覚えていて、時々昔の話をしてくれました。また、我が家のお兄ちゃんが本当におばあちゃんの面倒をよく見てくれました。おばあちゃんが大好きだった美空ひばりさんの歌を流すと、とても喜んでいたことを思い出します。  この条例は、ワークショップや、検討委員会に認知症の御本人も参加して、いろいろな話を聞きながらつくってきたと聞いておりますが、そこでお伺いします。この条例は、認知症御本人の意見をどのように取り入れ、反映されたのかお伺いします。  この条例で定めている認知症の御本人を中心に、その権利が尊重され、全ての区民が認知症とともに生きる意識を持つことは大事なことだと感じています。本人を共に支えていくことも大切ですが、本人を介護している家族の支援を忘れてはいけません。家族は、本人が毎日安心して暮らしていけるよう、休みなく本人を介護し、精神的にも身体的にもストレスを抱えていらっしゃいます。  同じ悩みを抱えていらっしゃる家族の方々が集まって、それぞれの体験や悩み、そして話し合い、交流ができる場として家族会が開催されていて、来ている人は、みんなリラックスした雰囲気で、日頃介護している悩みや困り事を話したり、同じことで困っていること、ほかの介護者の気持ちに共感でき、また、ストレスの軽減にも役立っています。うちでは、このように介護したらうまくいったよという体験話を聞くことができ、とても参考になっています。毎月一回ですが、家族会は認知症を介護している家族にとって、悩みや不安を話せる、情報交換ができる、大事な場となっています。  そこでお伺いしますが、区ではこの条例ができて、家族の支援についてはどのように進めていくのでしょうか、お伺いします。  先ほども言いましたが、認知症の方は増えております。誰にとっても身近な存在となっています。この条例の目的にもあるように、認知症とともに生きる希望を持って暮らせる町となるように、様々な施策実施をしていただき、よりよい地域社会となることをお願いして、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 青空議員にお答えをいたします。  今年が戦後七十五年に当たり、本来であればこの節目の年に平和のつどい、また、平和資料館開館五周年ですので、本来なら新たな取組をすべきだったと思いますが、コロナ禍の中で見送らざるを得ませんでした。この点についてお尋ねをいただき、また、平和の花活動なども御紹介いただきました。ありがとうございました。今年は戦後七十五年であるとともに、一九八五年、昭和六十年八月十五日に世田谷区が平和都市宣言を行ってから三十五年という節目になる年であります。平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックも含め、様々な行事が縮小、中止となってしまいましたが、このことを大変残念に感じるとともに、戦争の記憶を、私も戦後生まれですが、次の世代、また、子や孫のさらに若い世代に伝えていくことの重要性を感じます。  この夏、私が感じましたのは、戦争体験を語る元兵士の方の証言。およそ皆さん九十代前半、大変超高齢になっておられる。毎年夏にあの戦争を振り返るドキュメンタリーなどを放送されますが、今も本当にぎりぎりの戦争体験が語られている。これは戦場での体験、あるいは原爆投下によるこの悲惨さの記憶、また、東京をはじめとして各地で起きた空襲によって逃げ惑った記憶、この体験をされた方が数少なくなっているということを実感いたします。  したがって、平和資料館も八五%が知らないという、区としても大変反省しなければならない数字でございますので、戦争のむごさと平和の尊さを伝えることが一層重要であるということを申し上げておきたいと思います。  この平和都市宣言では、世田谷区は、平和を愛する区民の願いに応え、核兵器の廃絶と世界に平和の輪を広げていくことを誓い、ここに平和都市であることを宣言するとうたっております。  しかし、なおこの地球上では武力による紛争が繰り返され、核兵器の廃絶にも至っていないのが現実です。戦後七十五年が経過し、戦争の記憶を継承していくことが難しくなっている状況でありますけれども、改めて世界の恒久平和を希求し、核兵器廃絶の国際条約を一日も早く批准、成立させ、平和資料館と世田谷公園を拠点としながら、平和の大切さを今後とも強く発信してまいりたいと思います。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、平和資料館の認知度向上についてお答えをいたします。  平成二十七年八月に開館いたしました平和資料館は、今年、開館から五年が経過いたしました。この間、常設展示室のリニューアルと展示品の充実、多目的室を活用した企画展の開催、中学校への巡回展などに取り組み、広く区民の皆様に戦争の悲惨さと平和の尊さを訴えるとともに、平和資料館の周知に努めてまいりました。  しかしながら、本年五月に実施いたしました区民意識調査における平和資料館の認知度では一三・九%にとどまっておりまして、年齢による多少の違いはあるものの、一層の周知が必要な結果となっております。  今年度予定しておりました平和と復興の願いを込めた世田谷の灯プロジェクトは残念ながら中止となりましたが、御紹介がございました企画展の「オリンピックと平和」を十一月十八日まで、期間を延長しながら、平和の尊さと平和資料館の活動に目を向けていただく取組を行っております。  平和資料館は、せたがや未来の平和館の愛称のとおり、児童生徒への平和学習や教員研修への協力、近隣の小学校との連携による平和の花運動なども行っておりますので、引き続き、子どもの学びの場としての活動と、来年に延期となりましたオリンピック・パラリンピックの機会なども捉えまして、平和資料館の周知と平和を希求する取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症とともに生きる希望条例につきまして、二点御答弁申し上げます。  まず、認知症御本人の意見をどのように取り入れたかについてお答えいたします。  条例の検討委員会で、この条例に認知症の御本人の思いを反映するためには、直接御本人の意見を聞いてつくっていく必要があるとの意見をいただきました。このため、認知症の本人交流会の参加者の中から条例検討委員会の委員として入っていただいたほか、条例検討のワークショップにも御参加いただき、御意見をいただいております。そのほかにも、職員が認知症対応型デイサービスなどへも訪問いたしまして、複数の方々から直接意見をお聞きしてまいりました。  主な御意見といたしまして、条例の名称には希望という言葉を入れたほうがいい、認知症のサポーターではなくパートナーという表現がよいなどといった御意見があり、条文の案に反映してまいりました。条例に関する御意見以外にも、御本人の思いや、生活する上での困り事などもお聞きすることができ、今後施策を推進していく上で貴重な意見と捉えております。  今後も、条例案で定めております認知症の計画について調査・審議する認知症施策評価委員会に御本人にも御参加いただきまして、御意見を伺いながら、認知症施策の推進に努めてまいります。  次に、御家族への支援についてです。  認知症の方を介護している御家族へ支援を行うことは、介護負担の軽減や認知症の御本人の生活の質の向上にもつながることから、大変重要と認識しております。本条例では、本人及び御家族等が住み慣れた地域で、いつでも適切な生活の支援を受けることができるよう、御家族等への支援の施策を定めております。  具体的な家族支援につきましては今後計画でお示ししてまいりますが、主なものといたしましては、御家族同士が懇談や情報交換を行ったり、勉強会を行う家族会の開催や、臨床心理士が個別に家族の相談をお受けする家族のための心理相談、御家族自身が介護ストレスへの対処方法を学ぶストレスケア講座などを実施してまいります。また、認知症サポーターの人材育成の充実に取り組み、地域の中で見守りや声かけができる地域づくりに取り組んでまいります。  今後も、引き続き希望を持って安心して暮らしていけるよう、在宅でも受講できるICTを活用した講座の開催を取り入れるなど、御家族が孤立せず、介護負担の軽減が図られるよう御家族の支援の充実に努めてまいります。  以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございました。  平和資料館で小中学校の先生方が研修をやっている。そして、学校に帰って子どもたちにそれをお話しする。そういう研修が昨年より十名ほど増えております。ぜひ、もっともっと先生方、平和資料館に来て、いい一日研修をしてください。これは要望です。ありがとうございました。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十四番藤井まな議員。    〔三十四番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(藤井まな 議員) まず初めに、先月、私自身が新型コロナウイルスに罹患いたしまして様々な皆様に御迷惑をおかけしたことを謝罪いたします。申し訳ございませんでした。  謝罪するな、しなくてもいいという方も様々いらっしゃいましたけれども、身近な方たち、濃厚接触された方たち、PCR検査を受けていただいたり時間を浪費させてしまったということもありまして、謝罪をさせていただきました。  PCR検査を受けるまで、本当に時間がかかりまして、様々な外来で、当時、八月の中旬というと、熱があるだけで外来を拒否されたりするということがたくさんありまして、PCR検査を受けるまで大変だったのでありますけれども。PCR検査を受けて、陽性になって、一番最初にまず公表しようと思いました。  本当に、区議会議員で名前は多分公表されないだろうなというのがその時点で分かっていましたから、誰がコロナウイルスにかかったのかということを、ああ、藤井まながかかったんだよと言える環境をつくりたいなということがまず一番最初に思ったんですけれども。途中で公表するべきじゃないという方たちの声もいただきまして、さんざん悩んだんですけれども、僕、常日頃からSNSで様々な情報を発信していまして、さんざん情報を発信しているのに、おまえ、そういうことは隠すのかって後で言われるんじゃないかなって思う恐怖が、最終的にはその恐怖に勝てなかったという思いがあって、公表はしたんですけれども、実は。  公表して、二、三の方が、何か非難というか、何か文句とかを言われるのかなと思っていたら、もう九以上の方たちが、頑張れと言って応援してくれたので、本当にそのことには救われました。本当にありがとうございました。  そういうふうな感じで、入院をするわけでありますけれども、四日目以降、全く私、症状がなくて、ほぼほぼ何の悪い状況もない中で、ずうっと病院の中にいると、自分の食べたいものが食べられないということがストレスにだんだんなってくるんですね。もう出たらすぐにラーメンを食ってやろうって思っていて、退院すると、退院したとき、最初、PCR検査を受けさせてくれないんですよね。  退院するときは退院して、あとはどこかでPCR検査を受けてくださいって言われるんで、民間のクリニックへ行ってPCR検査を受けて、陰性だって分かって、よし、じゃ、これでようやく自分の好きなラーメンを食いに行けるなと思って。知り合いの、知り合いじゃない、全然知らないところだったんですけれども、ラーメンを食いに行ったんですけれども、たまたまその行った先のラーメン屋さんに、たまたま知り合いが目の前にいらっしゃって、僕の顔を見た瞬間に鼻をつまみながら、あっ、やべえやつ来たというふうに言われたんです。  本当にやばいと思っているんだったら口も一緒にふさげよって思ったんですけれども。こういうことを言われるなって分かってはいたんですけれども、やっぱり心に来るものがあるなということを本当に感じました。もしかしたら、同じようなことを経験している方もいらっしゃるんじゃないのかなって、そのとき思いました。もちろん相手に悪気がないかもしれないけれども、僕、そのラーメン屋を出た後に、もしかしたらあの人が、もうこのラーメン屋はコロナのやつが来たからこの後大変だよとかって言っているんじゃないかということも想像しちゃったりして、いろんなことを想像して、もう心の中も、ちょっとメンタルが弱くなったりもするんですけれども。そういう方がいらっしゃることがあり得ると僕は思いますので。  世田谷区は今一生懸命やっていただいているのはよく分かっていますけれども、PCR検査で陽性になった方に対しての心のケアというものをしっかりと、より一層やっていただきたいというふうに思いますけれども、世田谷区の考え方をお伺いさせていただきます。  それと、PCR検査会場で、これは前から言われたことなんですけれども、僕も話を聞いていたんですけれども、公共機関は使わないでくださいというふうに行くときも言われるんです。帰るときもタクシーを使ってくださいと言われるんですけれども、タクシー会社が四社書いてあるんですけれども、そのタクシー会社に世田谷区は許可を取っていなかったんですよね。  タクシー会社の方からも話されたんですけれども、いや、もちろんこういう状況だから、我々、頼られるのは本当うれしい。けど、世田谷区にはこのことを教えてほしかった、伝えてから、そういうことを書いてほしかったということも言われたので、もしかしたらそのことをタクシー会社に言ったことによって、タクシー会社、拒否るかもしれないですけれども、やっぱり隠して何かやるんじゃなくて、事前にしっかりとお伝えをしてからやったほうがいいんじゃないかというふうに思いますので、ぜひとも、そのことについてどう思うか、世田谷区の御意見を伺います。  コロナ禍で進めるべき障害者政策についてお伺いをいたします。  コロナ禍において、障害を持っている人たちの課題はそれぞれです。外出しづらい状況下では、移動支援の売上げの減少など、大きな危機を迎えている事業所の話や、ヘルパーの方が来ることができない事例などのお話も聞きました。代表質問では、手話言語条例について前向きな答弁があり、評価いたしますけれども、聴覚障害者の方は、マスクで口元が見えなくて苦労しているという声、フェイスシールドの支援などが必要という声も伺いました。
     こういったニーズ以外にも、区は丁寧に詳細に状況の理解に努めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか、お伺いいたします。  うめとぴあの民間棟である東京リハビリテーションセンター世田谷は、区内福祉の基幹施設であり、代表質問でも改善を求めてまいりましたけれども、改めてこの施設の人材定着こそが、利用者から信頼される施設となるために重要であると主張しておきます。区は、南東北グループに対して、人材定着の支援をし、区としても努力すべきと考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  次に、医療的ケア児の政策について質問いたします。  まず、保護者の就労について質問いたします。  小学校に入学した子どもたちは、新BOP、学童、全ての子どもたちが受け入れられ、保護者が仕事を辞めることはありません。ではなぜ、医療的ケア児がいる家庭の保護者は仕事を諦めなければならないのでしょうか。私がこの問題を何度も取り上げているのは、ほかの家庭同様、普通に働きたいという声が切実なものだからです。新たな放課後デイサービスの設置や誘致を求めます。  また、放デイは、療育機関です。預かり時間も、働く保護者の時間に合わせた形の新しい世田谷版放課後デイサービスの設置を強く求めます。いかがでしょうか。  また、先ほども触れましたけれども、うめとぴあの受入れ施設でも需要に合った受入れ人数への変更が必要と考えます。百人の定員のうち、医療的ケアや重症心身障害児の定員は十名です。さらには、五十人定員の発達障害の定員増の意見も伺います。これらの枠を少しでも増やし、需要に応えていく必要があると考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  災害対策についてお伺いをいたします。  今年も台風が日本に影響を及ぼしています。先日の台風十号は、九州を縦断し、多くの被害を出しました。しかし、昨年の教訓もあって、例年になく避難を早めに行う人たちも多く、防災意識の高まりを報道から感じる台風でもありました。  そうした中、コロナの影響もあり、避難所では定員が制限され、早めに上限に達したという避難所もありました。その情報が報道され、混乱する姿も見られました。同じようなことが世田谷区でも起こる可能性を考え、避難所情報の見える化を進めることが重要です。避難所の定員はもちろんのこと、リアルタイムで避難所の人数状況をネットで配信することなど、いざというときには避難の方向性を決めることにつながります。リアルタイムが無理でも一時間ごとに情報の更新をしていくなど、情報発信などを行うべきだと考えますけれども、区の考え方はいかがでしょうか。  次に、防災倉庫についてお伺いをいたします。  コロナ禍の災害時を考えると、消毒液や食料など、今までよりもより多くの備蓄が必要になっていることが周知され始めました。そうした中、今まででも何件か相談を受けたことがあるのですが、町会や自治会の防災倉庫がいっぱいで、大きくしてほしい、増やしてほしいという声を聴きます。そういった声を聴くたびに総合支所に話をするのですが、防災倉庫の多くが緑道や公園に設置しており、ルールで増やすことができないという回答になります。  そのルールが必要ないとは言いませんが、区が共助の力を求めているにもかかわらず、備蓄したい気持ちをむげにするのは本末転倒ではないでしょうか。これらのルールの改善を求めます。区の考え方をお伺いいたします。  次に、新たな協定を提言いたします。  これまで、地域住民、マンション、行政の防災三者協定や、区内のホテルと災害協定を結ぶことを提言してまいりましたが、今回は、災害時における立体駐車場や巨大な駐車場を避難所にする協定を提言いたします。  区内に百台以上の駐車スペースがある民間施設は十か所近くあります。そうした施設と車で避難できるようにする協定を結ぶことを提言いたします。避難者同士のソーシャルディスタンスが確保できます。玉川周辺で一階部分に浸水被害が見込まれる立体駐車場では、車の垂直避難の協定を結ぶだけでも浸水被害地域の区民財産を守ることにもつながります。  この協定について、区の考え方はいかがでしょうか、お伺いをいたします。  次に、耐震化について質問いたします。  先日の都市整備委員会の報告で、区内の特定建築物の中で七十一棟の耐震性が不十分、もしくは不明な建築物があるという報告がありました。特定建築物ですから、私立学校もあれば病院もあり、福祉施設もあるわけです。そこで、予備避難所などの協定を締結している施設は幾つあるのかを質問させていただいたわけですが、把握しておりませんという答弁でした。こういった答弁では、災害対策が万全であるとは言えません。あの委員会から二週間近くが経過しました。状況は把握されたのかお伺いいたします。また、耐震性が不十分な施設と協定を結んでいるとしたら、今後どのような対応をするのか、お伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、PCR検査について陽性となった区民等の心のケア及び検査への交通手段についてお答えいたします。  PCR検査で陽性となり、今後の生活や疾患への不安等を抱く区民等に対し、区は、健康づくり課のこころの健康相談事業及び世田谷区保健センターの夜間・休日等こころの電話相談を、国の新型コロナウイルス感染症に対応した心のケア支援事業と位置づけ、積極的に相談支援を行っております。今般の組織改正で、保健所長の指揮命令系統に五地域の保健相談課が位置づけられ、所内で一丸となり、これら相談支援の一層の充実に努めてまいります。  また、PCR検査を受ける場合、感染予防の観点から、検査会場への移動は、公共交通機関の利用は避け、自家用車や自転車、また、窓を開けてのタクシーの御利用を御案内しております。そのため、区と世田谷区医師会で連携して運営するPCR検査センターでは、受診者が利用できるタクシー事業者を受付で掲示し、案内しており、今後も、事業者に丁寧に情報提供を図り、理解を求めるよう努めてまいります。  以上です。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは、四点お答えいたします。  初めに、コロナ禍での障害者のニーズ把握についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い新しい生活様式が取り入れられたことで、障害種別により日常生活において様々な困り事が生じていることについては、区としても認識しております。マスクの装着により、聴覚障害の方が口元を読みにくくなっていたり、障害者施設においては自主生産品の売上げが減少したりするなど、障害者や家族を取り巻く日常生活にも影響が及んでおります。  障害当事者や家族、支援者などで構成される障害者福祉団体連絡協議会では、今後に備え、困った点、不安な点などを共有するために、会員に対してアンケート調査を実施し、現在集約を行っているところです。また、障害者・児通所施設などの状況や困り事についても施設長会等を通じて把握してまいりましたが、今後も、障害当事者や家族の方々のニーズの把握に努め、コロナ禍においても地域で安心して暮らしていただけるよう、せたがやノーマライゼーションプランの策定をはじめ、取組に生かしてまいります。  次に、梅ヶ丘民間施設棟の人材定着支援についてです。  人材の確保、育成は、利用者によりよい支援を行うためには大変重要であると認識しております。梅ヶ丘拠点民間施設棟の障害者施設では、接遇や感染症対策などの専門研修のほか、採用時や所属長向けの職層研修、OJTなどにより人材育成に取り組むとともに、職員向け意見箱の設置や管理職による個別面談の実施など、人材定着の取組により、職員個々の意見や相談事にも応じやすく、仕事のやりがいを感じられる職場づくりを進めていることを区としても確認しております。  区といたしましては、引き続き、これらの人材確保、育成の取組の実施状況や人員の状況を適宜把握し、指導、助言を行うことで、梅ヶ丘拠点民間施設棟が利用者の方々からさらに信頼される施設となるよう取組を進めてまいります。  次に、医療的ケア児の保護者の就労についてです。  現在、区内に百七十名程度いる医療的ケア児が利用できる通所施設は区内に八施設ありますが、人員配置が難しいなどの理由で受入れ枠が非常に少ない現状にあります。区では、医療的ケア児を含め、障害児を育てる保護者の就労を支えるため、居宅訪問型保育と児童発達支援を併せて実施する施設を平成二十九年に宮坂に一か所整備しておりますが、令和四年には代田にももう一か所整備する予定です。  医療的ケア児の放課後の居場所の在り方については以前より課題と認識しており、施設が看護師等を配置する場合の補助や人材育成に取り組んでいるところです。お話しの働く保護者のための放課後等デイサービスの在り方につきましては、保護者からの声もお聞きしておりますので、国の制度動向にも留意しながら、区としても検討を進めてまいります。  次に、梅ヶ丘民間棟での医ケア児の受入れ充実についてです。  梅ヶ丘拠点の民間施設棟は旧総合福祉センターの機能を引き継ぎ、発達障害相談・療育センター「げんき」と役割分担して療育を実施しております。御指摘のように、重症心身障害児や医療的ケア児の受入れ施設が不足している中、梅ヶ丘民間施設等で重点的に受入れを増やすことの必要性は高いと考えております。  こうした状況を踏まえ、重症心身障害児や医療的ケア児の受入れ枠を拡大して充実を図るため、児童発達支援と放課後等デイサービスの定員配分の変更等について、現在、事業者と協議を行っているところです。今後とも、施設の運営状況を把握の上、医療的ケア児をはじめ、利用者のニーズに適切に応えられるよう取組を進めてまいります。  以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、避難所に関する情報の発信についてでございます。  区では、風水害対策総点検を実施し、水害時避難所の開設、運営体制を見直すとともに、避難所の状況などの情報収集と共有が速やかに行えるよう、管理職のスマートフォンにラインワークスを本年六月に導入いたしました。これにより各避難所の避難者数や受入れ状況などを定期的に災対地域本部や災害対策本部が把握し、その情報を速やかに区のホームページやツイッター等により情報発信できる体制を構築しております。  今後は、議員お話しのリアルタイムでの情報発信という視点も踏まえ、訓練などを通じまして、避難所や災対地域本部との連携をさらに強化し、区民の皆様が円滑に避難行動をとれるよう、避難所の受入れ状況などを速やかに、かつ分かりやすく情報発信できるよう取り組んでまいります。  続きまして、防災資機材の格納庫についてです。  区は、町会・自治会をはじめ防災区民組織、消防団や商店街が使用する防災資機材の格納庫の設置申請に関する要領を定め、その中で公園等の区有地に設置できる格納庫の数は一団体につき一つと規定しております。  お話しの公園への格納庫等の新設、増設に当たりましては、世田谷区立公園条例に基づく建築物の設置基準を満たすことや、現状の保管資機材や備品物品の確認と精査、今後必要となる資機材等の要望などをお伺いしながら、関係所管と連携して対応を検討していく必要がございます。  今後、共助の推進の観点から、公園敷地に限らず区または都などによる公共施設整備の機会などを捉えまして、総合支所と連携して施設整備所管に地域要望を伝達するなど、さらなる地域防災力の向上に取り組んでまいります。  最後に、区内事業者の駐車場を活用した避難先の確保についてです。  避難先の確保につきましては、現在、区内の宿泊施設に対しまして災害時の区民利用について働きかけを行っているところです。また、併せて先月都が締結したショッピングセンター協会等との避難対策の包括協定に基づきます区内事業者への働きかけにつきましても、現在、検討を進めております。さらに、議員お話しの区内事業者の駐車場の活用につきましては、現在、広い駐車場を保有している区内事業者に対しまして、その活用を具体的に相談させていただいているところでございます。今後も、区内において新たな避難先の確保について取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎小柴 防災街づくり担当部長 私からは、特定建築物における避難所協定の対応についてお答えいたします。  区の避難所は、世田谷区地域防災計画の中で、指定避難所、予備避難所及び福祉避難所に区分し、目的に応じて指定しております。特定建築物は、耐震改修促進計画において、多くの区民が利用する一定規模以上の建築として規定しており、令和元年度末時点で、特定建築物のうち、耐震性が不十分または不明の施設は、御指摘のとおり、合計七十一棟ございます。このうち二十棟が私立学校にあり、八棟が予備避難所に関する協力協定を締結している私立学校にあることを確認しております。耐震性が不十分、不明な施設には耐震化を進めるように指導してまいります。協定の内容については、それぞれ協定を締結している所管と情報共有した上で、協定内容の精査及び見直しに向けた協議をするように調整してまいります。  以上です。 ◆三十四番(藤井まな 議員) 今の答弁、大変重要ですので、予備避難所を結んでいるところの中で八棟が耐震化が不明か不十分だという問題で、これは本当に大きな問題だと思いますので、僕はこの問題、決特で続きをやります。  災害対策についても、ちょっと決特で続きをやるんですけれども、福祉は私、枠がないのでここでもう一回改めて言わせていただきますけれども、今日のそのうめとぴあに関しての枠を柔軟に今後していくという話は、僕が今まで聞いた答弁の中で一番よかった答弁だと思います。ぜひやっていただきたいというふうに思います。  あとは、障害者の方たちって、本当に我々が聞かないと、その人たちがどういったことに困っているか分からないですから、より丁寧に世田谷区のほうから聞いていただきたいということを要望させていただきまして、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十一分休憩    ──────────────────     午後四時五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  四十三番羽田圭二議員。    〔四十三番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初に、新型コロナの感染拡大と区の役割について質問いたします。  日本の経済社会、そして福祉社会保障は、新型コロナの感染拡大以前から脆弱だったことが明らかになっています。この点を踏まえた対応が問われております。雇用の面では、終身雇用、年功序列型賃金、福利厚生など日本的雇用が崩れ始め、非正規雇用労働の増加、実質賃金の低下が続いていました。企業は、収益の悪化が続く中で、最初に非正規雇用の雇い止めや休業を行いました。ところが、雇用保険に未加入で退職金や失業手当の対象にならない方が多く出ました。また、休業となっても休業手当が十分に支給されないなどの問題が生じました。  リーマンショック、東日本大震災、原発事故、昨年の台風十九号による水害被害、そして新型コロナ感染拡大も含め、区民の間に自分たちの生活や命を守るには自己責任や自助努力だけでは解決し切れないという問題が投げかけられました。  そもそも二〇一〇年六月に厚生労働省は、新型インフルエンザの経緯をまとめた報告書において、保健所や地方衛生研究所などの人員体制の大幅な強化をはじめ、PCR検査の拡充や発熱患者の受入れ体制の整備など、今回のコロナ禍の対応に生かされるべき内容を示していました。ところが、それが実現しないままに今日に至りました。  感染症対策、防疫を含めた公衆衛生については、各自治体の保健所を中心とした対応が求められてきました。今回のコロナ禍からも明らかなように、国がいち早く態勢を整えるべきものでした。防疫、感染症対策の最前線である保健所は、今年の春、急速なコロナ感染拡大を前にして、改めて機能の拡充が求められました。世田谷区は、既に各総合支所内の健康づくり課を保健所の組織に組み入れるなど対応していますが、地域保健福祉機能を維持するとともに、地域からの防疫、感染症対策を強めることが必要です。公衆衛生の推進に向けて、改めて公共の役割が問われていると考えます。  今後、秋から冬にかけてインフルエンザの流行と新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で、自治を確立するとともに、改めて国に対して様々な働きかけをしていき、国民に寄り添ったコロナへの対応を求めていく必要があります。自治推進の立場から、区の見解を伺います。  新型コロナは、感染力が強く、いつ誰が感染しても不思議ではなく、症状が出ず、誰が感染しているか分からないために不安が広がりました。介護や保育、学校などの人と接触が避けられない、そうした仕事に従事する方々からは、利用者や子どもたちへの感染を危惧し、PCR検査の拡充を求める声が相次いでいました。PCR検査の拡充、社会的検査の実施は、社会的な仕事に従事する労働者の安全を守るという側面があります。介護や保育従事者の検査を実施し、個々の労働者が安心して仕事に就くことを保障するという内容です。  介護、保育、学校などで働く労働者は、感染予防に向けて、日常的にも細心の注意をしており、勤務終了後の会食を避け、友人との交流もなるたけ少なくするなど、日常生活に長期にわたり自粛している方が多くいます。感染の不安から離職された方もおります。本来なら、労働者の安全配慮は使用者側の義務です。したがって、個々の事業者に要求することも考えられないわけではありません。新型コロナの感染が国全体に広がっており、個々の事業者や働いている個人が負担をすることではありません。そして、介護、保育、教育とともに、社会全体で支えていくことが前提にあることから、そこで働く労働者の安全、健康も、社会全体で支えていくことが必要と考えます。  使用者は、労働者を安全で健康に、安心して働くことができるように配慮しなくてはなりません。しかし、感染症の拡大、防疫を含む公衆衛生は、国が果たすべきものであり、企業の個別対応を求めていては感染拡大を防ぐことが困難です。  高齢者、障害者との接触が避けられない従事者にとっては、PCR検査の実施によって安心して仕事に就くことが期待されています。感染拡大を防止し、経済活動を止めないためには、社会的検査を含めたPCR検査体制の拡充が求められています。区の見解を伺います。  感染症以前に描かれた公立病院の見直し、東京都では、都立病院の独立行政法人化の提案をしています。今回の感染症拡大では、都立松沢病院をはじめ、感染症指定病床を確保している都立病院が、陽性者の受入れ医療機関としての役割を果たしています。区は、国、都に対して、各地域の実情を踏まえた都立病院の存続を含めた対応を求めるべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、自然災害の発生と区の対応について伺います。  地球温暖化による気候変動が原因と見られる異常気象が続く中で、国内各地で浸水被害が発生をしております。昨年の台風十九号による多摩川の水害発生において、区民は、自助、共助だけでは済まされない、そうした事態に直面をいたしました。多摩川の氾濫や内水氾濫による浸水被害を避けるための対応をあらかじめ準備するなど、各家庭が個別に行っても、それでは防ぎ切れないことは明らかになっています。台風十九号では、想定を超える都市型災害への備えが問われました。全国で百三十以上の自治体で内水氾濫による浸水被害が発生したという特徴を持っています。  区は、既に二回にわたる説明会を実施し、水害被害の検証から、国や都に対策を求めるとともに、その後の区における対策などについて報告をしております。多摩川の水位上昇に注目をした内水氾濫の防止対策を含め、今後の区の対応を伺います。  台風十九号では、住民の避難先の確保が問題となり、その後、改善が図られています。今般のような多摩川流域の水害対応の避難所は、国分寺崖線より上の小学校等が対象となっていますが、高齢者や障害者たちが遠くの避難所に行くのは困難になっています。多摩川流域での避難所の確保は重要な課題となっています。その一つに玉川野毛町公園の用地確保から、公園整備計画の在り方が注目されています。公園内に集会・一時避難所等施設を確保すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。  次に、子どもたちの生命と健康を守るための対応についてお聞きします。  小中学校の休校によって、学校の行事の中止や延期が余儀なくされました。児童生徒の健康管理に欠かせない定期健康診断もその一つに挙げられます。学校保健安全法は、児童生徒及び教職員の健康増進のための定期健康診断を義務づけています。教育委員会は、延期等となっている健康診断の実施状況を把握し、計画的な実施を確認すべきと考えます。教育委員会の対応を伺います。  区は、文科省のGIGAスクール構想のもとで、児童生徒用のタブレット型端末機を来年三月までに導入するという計画です。ICT活用による教育的効果が期待されている一方で視力低下などの健康被害が想定される中で、子どもたちの健康に留意した対応が求められています。文科省は、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックを発行しています。区は、ICTを活用するに当たり、子どもたちと教職員の健康に留意した対応をどのように行っていくのか、この点についてお聞きをし、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 羽田議員にお答えいたします。  現在の新型コロナウイルス感染症の拡大と区の役割について、この間の国の政策の推移などについて、自治体の立場からというお尋ねをいただきました。  厚生労働省は、二〇〇九年に新型インフルエンザが世界的に流行した際、様々な専門家からPCR検査体制の強化の必要性が指摘されてきたことが事実だとしております。しかしながら、御指摘にあるように、今般の事態に至るまで実現されてこなかったのは、大いに反省すべしと言わざるを得ないことであり、SARS、MERSの上陸がなかったということもあり、日本における検査数が世界的に見て、なお今日も極めて少ない背景になっていると認識をしております。  こうした中、区は、急速な感染拡大に直面した状況においてもさることながら、また、検査陽性者の方々が漸次減ってくる下降局面でありましても、いまだに予断を許さないというふうに考えております。区民の健康と命を守り抜くための対策に積極的、果敢に取り組まなければなりません。  今回の社会的検査は、介護事業所、訪問介護など、現場で働く皆さんから強い訴え、危機感をいわば要望という形で何度か受け取る中で、発案をしてまいりました。施設の中での重症化回避や、あるいは、人との密着度が仕事上高く、したがって感染が起こりやすいとされる社会的インフラを継続するためのPCR検査として、従来型検査に加えて実施を提案しているものでございます。  この間、国に対してこの社会的検査をいわば世田谷区のみならず普遍的な意義があるものとして、行政検査として位置づけ、国費としての対応を要請してきたところ、先週末、十一日付で回答を得、これは可ということで、可能であるという回答を得たところであります。  また昨日、新型コロナウイルス感染症対策本部、これは厚生労働省に置かれていますが、こちらが新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針を出しまして、感染が拡大している地域においては、感染者が発生をまだしていない医療機関や高齢者施設などをしっかりと積極的に検査をしてくださいと、日本全国の保健所設置自治体などに要請をしているところでございます。  今後とも、区は、地域のことは地域で決めるという住民自治を守り推進する立場から、区民生活や地域の社会経済の実態を踏まえた施策に主体的に取り組むとともに、国や都との連携、場合によっては必要な制度改正や財源の確保について、意見や要望を具体的に申し上げ、しっかりと働きかけを行い、実現を図ってまいります。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。  まず一点目、社会的検査を含めたPCR検査体制の拡充についてでございます。  区では、これまでの症状のある方や、濃厚接触者を対象とした従来型のPCR検査の実施に加え、新たな取組として、社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査に取り組むことを考えております。この新たなPCR検査では、介護事業所等を利用されている方への感染に伴う重症化を避けるとともに、保育等の現場においては、クラスター化を抑止することで、施設内感染の防止や事業所等のサービスを止めないことにつなげるため、介護、障害、保育等の現場で、対人接触を避けられない職員や施設入所予定者を対象に実施していくものでございます。また、事業所内で陽性者が発生した場合には、濃厚接触者とならなかった職員や利用者を対象とすることで、早期に感染への不安が払拭できるよう取り組んでまいります。  二点目でございます。区は、国、都に対して都立病院の存続を求めるべきという御質問にお答えいたします。  平成二十七年に国が策定いたしました新公立病院改革ガイドラインに沿いまして、東京都では、都立病院新改革実行プラン二〇一八の中で、公立病院の経営形態について検討を行い、令和二年三月にこれまでの検証、検討結果を取りまとめた新たな病院経営改革ビジョンを策定しております。その中で、都立病院としての役割を安定的かつ継続的に果たし、効率的・効果的な運営を実現するためには、地方独立行政法人化が今後の都立病院にふさわしい経営形態として公表されていることを承知しております。  区といたしましては、これまでどおり、災害時医療や二次、三次救急医療の役割をはじめ、地域の医療機関と連携し、増大する医療・介護ニーズへの対応のほか、地域医療が継続され、地域の受け皿としてもその役割を担っていただけるよう、都に要望してまいります。
     以上でございます。 ◎関根 土木部長 私からは、多摩川の水位上昇に伴う内水氾濫の防止対策についてお答えいたします。  区では、昨年の台風第十九号に伴う多摩川沿いの内水氾濫による被害を受け、国や東京都に必要な対策を求めるとともに、連携を図りながら、これまで様々な対策を推進してまいりました。広範囲に浸水が発生した上野毛・野毛地区や玉堤地区につきましては、学識経験者や関係機関の職員を交えた検証委員会を設置し、検証作業を進めており、今月下旬の開催で調整中の第四回目の委員会をもって検証作業を終了できるものと考えております。  多摩川からの溢水が発生した無堤防箇所につきましては、国において六月に仮設の大型土のうを設置するとともに、区におきましても専用の土のう倉庫を配備しました。今年の十一月以降には、国が五か年をかけて約五百四十メートルにわたり本堤防の整備に着手する予定と聞いております。また、国では、多摩川の水位上昇に対する対策として、利水ダムである小河内ダムに洪水調整機能を導入し、約三千六百万立方メートル、貯水量の約一九・二%を確保することや、台風第十九号による出水の際に、計画高水位を上回った区間を中心に、多摩川の河道を掘削することを公表しております。  区といたしましては、国が公表したこれらの対策を講じることで多摩川の水位が一定程度低下するものと考えており、国の対策に注視しながら、区におきましても、引き続き多摩川の水位上昇に伴う内水対策を推進してまいります。  以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、玉川野毛町公園における避難先の確保について御答弁申し上げます。  玉川野毛町公園拡張事業は、みどり33推進担当部を主管部といたしまして、平成二十八年には緑、歴史文化、防災の三点を軸に基本構想を取りまとめ、平成三十一年二月に基本計画骨子を策定し、現在、住民参加によるワークショップなどにより基本計画案の作成を進めているところです。基本計画骨子で示す防災機能といたしましては、既存開園区域が広域避難場所であることから、その拡張を行うこと。緊急輸送道路である環状八号線の活用の観点から、広域用防災倉庫の設置を検討中でございます。  議員お話しの一時的な避難施設の確保につきましては、公園内の便益施設や管理施設などの活用について、今後、関係所管と連携し、検討してまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず最初に、児童生徒及び教職員の健康診断についてです。  児童生徒等の定期の健康診断は、学校保健安全法施行規則第五条第一項に基づきまして、毎年六月三十日までに行うものとなっておりますけれども、令和二年三月十九日の文部科学省からの通知により、新型コロナウイルス感染症の影響により実施体制が整わない場合などは、当該年度の末日までの間に可能な限り速やかに実施することとなっております。定期の健康診断は、児童生徒等が自分の健康状態を認識するとともに、教職員がこれを把握して適切な学習指導等を行うことにより、児童生徒等の健康の保持増進を図るものとしまして、学校における保健管理の中核に位置しており、教育活動として実施されるものでございます。  教育委員会では、学校再開後に可能な限り速やかに実施するものとして、医師会や歯科医師会等とも調整し、結核に関する検査は七月から、心臓や腎臓等の疾患に関する検査は九月から実施しております。そのほか、学校医による内科、眼科、耳鼻科、歯科につきましても、内科を先行して実施するなど順次健診を進めております。なお、身体測定については既に実施済みです。また、教職員の定期健康診断は既に実施済みです。教育委員会では、こうした学校の定期の健康診断の状況は、学校医執務状況報告等で把握しておりますけれども、引き続き医師会や歯科医師会、学校などと十分に連携を図り、児童生徒等の健康の保持増進のため、速やかに対応してまいります。  続きまして、ICTを活用するに当たっての子どもたちと教職員の健康に留意した対応ということについてです。  文部科学省のGIGAスクール構想を踏まえまして、一人一台のタブレット型情報端末を配備してまいりますので、今後、学校及び家庭におけるICT機器の使用頻度が増加し、児童生徒や教員の健康に配慮した対応がより一層重要となります。  学校及び家庭でのICT活用に当たりましては、文部科学省が作成した児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック、これを踏まえまして、長時間連続して画面を注視しない、長時間同じ姿勢を続けない、タブレット型情報端末を各自で見やすい角度に調整して使用する等の留意事項につきまして、改めて周知徹底してまいります。また、ガイドブックでは、教室の明るさなどの教室内の環境についても記載されております。カーテンによる映り込みの防止や照明環境への配慮など、利用上の留意点も併せて周知してまいります。引き続き、ガイドブックの改訂の動き等も含め、国や都の動向を注視しつつ、健康被害の防止に十分配慮しながら、ICTの活用を進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) PCR検査の拡充については、確実に進めていただきたいと考えています。前半の我が会派の一般質問にありましたが、この自主検査についても、一般の方がやり始めている。そうした状況も踏まえて、しっかり社会的検査を進めていただきたいことを重ねて要望しておきます。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十二番桜井純子議員。    〔三十二番桜井純子議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(桜井純子 議員) 通告に従い、順次質問いたします。  初めに、コロナ禍における学校への影響についてです。  新型コロナウイルス感染防止として、政府の要請により三月から学校が一斉休校となりました。急なことだったため休校中の対応には課題も多く、学校再開後は学習の遅れへの対応など、これまでの学校運営とは全く違う環境での教育活動は、子どもだけではなく教職員にも大きな負担となりました。  あるNPOの調査によると、学校再開後、通常業務以外に感染予防の業務、例えば消毒作業が負担と感じている教員は六五%、校内の時間外勤務は月四十五時間以上と答えた教員は六二%、また、自宅への持ち帰り仕事が週二十時間以上になる教員は五六%でした。この勤務状況は、月にすると八十時間以上時間外で働いていることになり、過労死ラインを超えています。  昨年十月に世田谷区教育委員会は教員の働き方についてアンケートを実施し、今年度から多忙化解消に本格的に取り組むはずでした。ところが、コロナの影響で、感染防止のための除菌など、新たな多忙化の要因が生じています。大変負担となっている除菌作業などを教員以外が行うなど、すぐに教員の多忙化の解消に取り組むべきです。見解をお聞きします。  世田谷区で導入するPCR検査の社会的検査を評価し、期待をしています。  対象は、どうしても人との接触が避けられない職種、また、高齢者など、もしも感染した場合、症状が重篤化しやすくリスクが高い方への対応策として、対象が絞られました。教職員も社会的検査の対象となるべき職種であると考えます。不安を抱えながら長時間の勤務を続ける教職員の心と体の健康維持については、労働者に対する安全配慮義務として、世田谷区に責任があると考えます。見解をお聞きします。  学校休校、外出自粛、経済的な不安などから、子どもへの虐待の増加が懸念されました。実際、世田谷区でも、虐待の通告、相談などは増加しています。NPOの教員調査では、いじめが増加するのではないか八九%、不登校の増加の懸念七七%と、多くの教員が子どもの状況を心配していることが分かりました。成育医療センターの子ども調査では、いらいらする、集中できないと答えた子どもが、小学校、中学校それぞれ三〇%以上で、多くの子どもがストレスを抱えていることが明らかになっています。  学校現場では、行事の中止や縮小などから、喪失感、グリーフを抱える子どもも少なくないはずです。教育委員会は、子どもの心の状況をどのように把握しているのでしょうか。不登校の背景などを把握するなど、子どもの心の健康を保つために何が必要と考え、取り組むのか、お聞きします。  次に、インクルーシブ教育の実現に向けてお聞きします。  世田谷区は、真のインクルーシブ教育を目指すと区長も教育長も明言しています。インクルーシブ教育は、障害のある子どものための教育ではなく、障害のあるなしにかかわらず、全ての子どものための教育です。社会全体が目指す共生社会の実現は、共に学び、共に生きるところから始まります。  今年度から、就学時健診の案内には、世田谷区は地域とともに子どもを育てるという考え方に基づき、住所ごとに指定された通学区域の小学校、指定校が就学先だとはっきりと明記されました。これは前進であり、この改善を評価いたします。  一方で、特別支援学級などを望む保護者が増えているとも聞きます。なぜ増えているのかと聞きますと、障害がある子どもが増えているからという答えが返ってきます。しかし、仮に増えているとしても、なぜ普通学級を望まないのか。普通学級がインクルーシブな環境ではないからではないでしょうか。インクルーシブ教育を進めるためにできることはたくさんあります。今回はその中から三つ改善すべき点を挙げます。  一つは、就学相談の在り方です。就学時健診の案内を見ると、現在の就学相談は、特別支援教育を希望する方への相談のようになっています。インクルーシブ教育の実現を目指すならば、就学相談は、地域の学校に通うための相談であるべきです。指定校に通うためにはどのような合理的配慮が必要なのかを相談する場とすることが望まれます。しかし、現在の就学相談は、普通学級か特別支援学級かと分けるための相談になっているようです。実際、保護者からは、選別されているように感じるという声が上がっています。分離前提の相談から脱することが必要です。  もう一つが、就学支援委員会です。就学相談を受け、就学先を決めるときに大きな影響力を持っているのは就学支援委員会です。この委員会の姿勢が、インクルーシブ教育の実現にあるのか、それとも分離する特別支援教育にあるのかによって、出される意見が変わるのではないでしょうか。就学支援委員会では、お子さんに対して、特別支援学級適などの意見が出されますが、その際、例えば当事者にあるお子さんの様子を直接に見ることはない。あるいは、区の職員などが見ることがあっても十五分程度で、子どもの入学先について公的な意見が出されます。今後、世田谷区が真のインクルーシブ教育を目指すならば、就学支援委員会について見直すときが来ているのではないでしょうか。  三つ目は、就学通知についてです。一月中旬頃から発送される就学通知ですが、二月末になっても通知が届かず、不安を抱える保護者、お子さんがいらっしゃいます。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。就学通知の発送を引き延ばすことなく、速やかに送付することが必要です。  以上三点、教育委員会の見解をお聞きします。  地域の学校に通う障害のある子どもに対する支援として、支援員の配置があります。  ケースによっては保護者の付添いと支援員の二人の大人に囲まれる状況を生じさせます。このことが子ども同士のやり取りを阻害することもあり、支援員の配置や在り方には配慮が必要です。現場での対応についてお聞きします。  次に、公契約条例の推進と建設産業の活性化について質問いたします。  コロナの影響は地域の産業にも及んでいます。建設産業では、大手ゼネコンが現場を閉鎖する事態になり、住宅関連資材などの入荷のめどが立たずに工事が中止になるなど、深刻な影響を受けています。世田谷区は、建設業を産業として位置づけ、私ども会派の代表質問でも取り上げましたが、キャリアアップシステムの推進への支援など、取組は進みつつあります。さらに、公契約条例を制定する立役者であった建設業者が条例制定の恩恵を感じていないということを捉え、今後、公契約条例の実効性をどう高めるのかが課題となります。  公契約条例の肝の一つは、労働報酬下限額を定め、働いている人の賃金を上げることです。しかし、建設業は、設計労務単価の八五%に定められていますが、実際の賃金はそれ以下の場合もあると聞いています。例えば、昨年行った現場調査では、建設現場で働く警備員の日給は八千円と最低賃金以下で働いている実態も聞いています。新庁舎建設など、今後、公契約案件も増加します。公契約条例の実効性を高める取組をどのように行う考えか、区の見解をお聞きします。  建設業者には小規模な零細企業も多いのですが、そこへの支援は区内の経済循環を生み出すはずです。例えば目黒区では、競争入札参加資格を持たない小規模事業者の受注機会を拡大するための簡易登録制度を行っています。このような制度を活用した小規模な区内の建設業者への支援の拡充を求めます。見解をお聞きします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎池田 教育政策部長 私から、五点御答弁いたします。  まず、子どもの心のケアについてでございます。  楽しみにしていた学校行事が中止や延期になったことに落胆したり、新型コロナウイルスに起因するいじめを心配したりするなど、多くの子どもたちが不安や懸念を抱えているものと考えております。教育委員会では、全ての児童生徒に、どんな小さなことでも、身近にいる信頼できる大人や外部の相談機関などに相談してほしいことを伝えるとともに、相談窓口一覧を配布し、連絡先を周知しております。また、教員には、子どもから様々な相談が寄せられますが、一人の教員が抱えてしまわないように組織的に子どもの変化を見取るよう学校には指導しております。教育委員会では、引き続き、いじめや不登校の状況なども注視するとともに、児童生徒及び学校をサポートしてまいります。  次に、教員の多忙化の解消についてでございます。  コロナ禍においては、児童や生徒の健康面への配慮や教室の換気、オンラインでの学習など、教員への様々な負担が増加しているものと考えております。教育委員会では、昨年実施した教員へのアンケート調査において、多忙感の解消策として要望の多かったスクールサポートスタッフを増員したほか、留守番電話の早期導入に向け準備を進めているところです。また、コロナ禍での学校支援のため、スクールサポートスタッフや学習指導サポーターを追加配置することを計画しております。教員の実働時間の把握とその分析などを通じて、引き続き教員の働き方改革に取り組んでまいります。  次に、教員の健康への対応についてでございます。  日々多くの児童生徒と接する教職員は、新型コロナウイルス感染症に関し、検温等の健康管理や手洗い、せきエチケットの徹底を含め、特段の注意を払って教育活動に従事しております。教育委員会では、新型コロナウイルス感染症への備えの一環として、教職員への公費によるマスクの支給、基礎疾患のある教職員や妊娠中の教職員への配慮の指示、時差通勤、新型コロナウイルス感染症予防に関する情報提供などに取り組んでいるところです。また、産業医等によるこころの健康相談等、メンタル面への対応も引き続き行ってまいります。なお、区で実施が検討されている社会的検査につきましては、教育委員会として必要に応じて関係所管と協力、連携の体制を構築してまいります。  次に、就学支援委員会、就学相談についてです。  教育委員会では、インクルーシブ教育の考え方を踏まえ、障害のあるお子さんの就学方法について、医学、心理、教育の専門職で構成する世田谷区就学支援委員会を設置しており、保護者の方の承諾を得て、保育園や幼稚園、利用されていた支援機関などからも情報収集を行うなど、多様な視点から検討を行っております。就学相談において就学支援委員会の検討結果を保護者の方にお伝えしておりますが、保護者の方の中にはその結果に動揺される方もあり、就学支援委員会での意見が強制的なものや最終的なものではないことを丁寧にお伝えするよう努めております。  就学相談は、どのような条件や支援があればお子さんの成長や発達の可能性を高めることができるのかという視点から、お子さんの就学先について、保護者の方と教育委員会とで相談を重ねる場であると考えており、保護者の方の思いに傾聴し、保護者の方が御自身の思いを安心してお伝えいただけるよう、その充実に取り組んでまいります。  次に、学校の教室における支援員等の対応についてでございます。  子どもたちの個性や特性を尊重し、一人一人に寄り添い、個別最適化された多様な学びの場を提供することは重要なことと考えており、学校現場ではインクルーシブ教育の実施に取り組んでおります。その中で、医療的配慮を要する児童生徒の学校教育活動については、必要に応じて保護者の付添いや学校生活サポーターの配置などにより、個々の状況に応じた健康面、安全面、基礎的学習支援の対応を進めております。  一方、学校での子ども同士の交流や学び合いの場も必要であると考えますので、支援する場面を見極めながら、子ども同士の交流や共同学習が活発に行われるよう、一人一人の特性に応じたサポートを行ってまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、インクルーシブ教育の実現に向けてということで、就学通知につきましてお答えさせていただきます。  就学通知書につきまして、区では法令に基づき、入学する年の一月に対象の家庭へお送りさせていただいております。なお、特別支援学校に就学する予定の方につきましては、東京都教育委員会より就学通知書をお送りすることとなっております。  その中で、特別支援学校への就学か、区立学校への就学かが決定していない場合におきましては、通知がその他の方よりも遅くなるようなケースもあるものと思われます。就学先が決まらないことにより不安となることがないよう、地域の指定校をお知らせするなどの対応を検討してまいります。  なお、指定校の周知ですけれども、区では、地域で子どもを育てるという考え方に基づきまして通学区域制を採用しており、就学前に全ての方に指定校を分かりやすくお知らせすることは大切であると考えております。このことから、九月に発送する就学時健診の通知におきまして、就学先は原則として地域の指定校であることを明記し、周知に努めております。  以上でございます。 ◎小湊 財務部長 私からは、二点御答弁を申し上げます。  まず、公契約条例の実効性を高める取組についてでございます。  公契約における従事者の社会保険への加入や労働報酬下限額など、労働環境につきましては、契約時に事業者に労働条件確認帳票、いわゆるチェックシートを提出していただき、その内容を各事業所管課が確認することといたしまして、全庁で取り組んでおります。区では、このほか社会保険労務士が事業所を訪問して公契約に係る労働条件等の実態調査を行うことや、工事現場へポスターを掲示し従事者に労働報酬下限額を周知するなど、実効性の確保に向けた取組に努めてまいりました。  さらに、今年度は、労働報酬下限額対象の事業者に公契約条例に関するアンケート調査を実施し、工事請負契約の労働報酬下限額について、下請労働者への支払い状況の把握、賃金を引き上げた事業者の割合などの実態や影響を伺っております。調査結果は、公契約適正化委員会に報告をいたしまして、議論に御活用いただいており、新たな取組として、労働者向けに配布する労働報酬下限額の周知カードの作成などといった御意見が交わされているところでございます。御質問の公契約条例の実効性の確保という点ではまだ十分とは考えておりませんので、引き続き公契約適正化委員会の意見も尊重しながら、さらに取組を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、小規模事業者の登録制度を活用した建設事業者への支援についてでございます。  お話しの小規模事業者の登録制度は、入札参加資格のない中小事業者を登録し、自治体が発注する小規模な工事や修繕などに受注機会を拡大する制度で、二十三区の中で導入している区があると認識をいたしております。当区におきましては、公共工事は原則として競争入札により区の優先業種区分登録のある事業者に発注をしておりますが、各所管課で発注する小規模な工事や修繕は、区に相手方登録のある事業者から、地域要件などを考慮し、見積り合わせにて依頼をしております。  公共工事の発注は、地域経済を活性化させ、地域の事業者を下支えする側面も持ち合わせていることから、地域経済の現況を踏まえ、小規模工事発注に当たっても区内事業者に積極的に見積り依頼をするよう、改めて庁内に周知をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十二番(桜井純子 議員) インクルーシブ教育について、今回、就学相談と就学通知、就学支援委員会というところ、三点お聞きをいたしましたけれども、これはばらばらのものではなくて、こういったことがインクルーシブ教育を受けていく子どもたちの道筋になっていくということです。ということは、ここに世田谷区が目指している真のインクルーシブ教育を進めていくんだという共通した認識がなくては、進んでいかない。区長や教育長が幾ら真のインクルーシブ教育を目指すといっても、現場はそこについていかないという状況になっていきます。ですので、今回、細かいことでしたけれども、一つ一つ状況を聞きました。  そして、就学相談の中では、どのような条件や支援があれば、お子さんの成長や発達の可能性を高めることができるのかということをおっしゃいましたけれども、これはいろいろな解釈ができますね。そうすると特別支援教育というところに結びついてしまうのか。そうではなくて、インクルーシブ教育というところを基盤にして考えていこうと思っているのかということが大変重要です。この点についてだけ、ちょっともう一度お考えをお聞きします。 ◎池田 教育政策部長 就学相談に関する再質問にお答えいたします。  教育委員会は、地域の学校を指定校としております。就学相談において、保護者の方が地域の学校への就学を希望された場合においては、地域の学校でお子さんの成長や発達につながるどのような支援が可能かという視点で保護者の方との相談を重ねてまいります。引き続き、関係部署、連携いたしましてインクルーシブ教育の考え方を踏まえた丁寧な対応に努めてまいります。  以上でございます。 ◆三十二番(桜井純子 議員) これからももう少し掘り下げていきたいと思います。続きは決算特別委員会のほうでやらせていただきます。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で桜井純子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 質問通告に基づき、日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。  まず、国政についてです。  早期の解散総選挙も想定される新しい激動の情勢です。首相の辞任は、安倍政治の暴走と行き詰まりの結果です。七年八か月の間、安保法制強行や二度の消費税増税、コロナ対策の迷走、さらに、森友・加計問題などの国政私物化など、憲法と暮らしは壊され、政治不信が蔓延しました。安倍政権の継承を掲げた菅新総裁は、九条改憲にも憲法改正で自衛隊の位置づけを盛り込むべきと表明をしています。しかし、国民の願いは安倍政治の継続ではなく転換です。  我が党は、経済効率最優先の政治から、医療、介護、教育など、人間が生きる上で必要不可欠なものを最優先にする政治を進めます。市民と野党の共闘をさらに進め、総選挙では、古い自公政権に代わる新しい政治の転換実現のため、全力をつくします。  区長は、安倍政権をどう評価し、新しい政治をどう展望するのか、伺います。  次に、社会的検査についてです。  新型コロナウイルスの市中感染が広がっています。日本の人口当たりのPCR検査は世界で百五十位と圧倒的に不足をしています。戦略的検査による感染者の早期発見、入院などで経済活動と感染抑止両立の政策転換が必要です。区が先鞭をつけた社会的検査が、国、都も動かし、千代田区、松戸市、長崎市など他自治体に波及をしています。さらに、区独自の医療機関支援にも踏み切り、今後の国の感染対策を左右する区長の決断を評価します。  一方、提案された社会的検査は、介護・障害者施設の複数回実施が優先される中、対象施設の一斉検査は見送られました。今後、一斉かつ定期的検査を早急に実現していただきたい。そのためには、国の責任で、一地域、一過性の社会的検査にとどまらず、財政措置を行い、全国的に実施の必要があります。これを実現するべく国への区長の積極的働きかけを求めます。また、社会的検査に踏み切った意義を伺います。  なお、区長には、議会、庁内などの調整、合意形成について、さらに、実施方法、実施体制などについて、大きな課題があることをしっかり認識し、検討を進めることを強く要望します。  次に、保健所の体制強化です。  長期化するコロナ対応で保健所の疲弊は高まり、検査拡充に伴う保健所体制強化は急務であり、以下、三点伺います。  社会的検査などにおいて、保健所の軽減策を講じ、現場理解を得て進め、当面対策としては、年度途中での専門職確保育成を求めます。また、さきの議会でこの間の一保健所、五支所の保健福祉センター再編の検証を行い、抜本的体制強化につなげよと求めました。区は、体制上の課題をしっかり検証し、区民の命と健康を守る体制づくりを進めると答弁をしました。この立場で検証を行い、まずは保健師など専門職の計画的増員を求めます。  次に、今後の区政運営における区長の政治姿勢について三点伺います。  まず、政策方針です。今般、あらゆる施策について本質的な見直しを進めるための区政運営の指針として、世田谷区政策方針が示されました。区長は、さきの議会で区民の健康と生活を守り抜くこと、この姿勢は変わることはない、また、事務事業の緊急見直しに当たって、単なる事業の縮小廃止といった予算の圧縮ではなく、本質的見直し検討を指示したと答弁をされています。策定に当たり、これら区長の基本姿勢はどう反映され、今後どう実現していくのか伺います。
     二点目は、財政運営と事務事業見直しです。区は、今後の大幅な減収対応として、来年度六十二億円の事務事業見直しを行うとしています。従来型行革での区民サービスカット、負担増、また、公共の役割を放棄、縮小する民営化、民間活用、職員削減などは、区民生活をさらに逼迫させます。事務事業見直しの前提は、新実施計画の行政経営改革の十の視点を貫き、区民に信頼される行政経営改革の推進です。さらに、区民の実態把握、暮らし、営業を守り抜く視点を根幹に据え、区民生活の影響には慎重な検討と対応を求めます。また、参加と協働を貫いていただきたい。区長の今後の財政運営、事務事業見直しの基本的姿勢を伺います。  三点目は、コロナ禍による減収にさらに追い打ちをかけているふるさと納税です。今年度の流出額は約六十億円に達する見込みであり、これは今後の事務事業見直しとほぼ同額です。国への抜本的制度改善を今後の財政運営の柱に位置づけるべきです。かねてより、区長による政府や各政党への働きかけを求め、我が党としても、八月、区長と小池晃書記局長が面談、区長から、コロナ禍の今だからこその制度見直しが提起をされました。先般、特別区長会によるふるさと納税制度に対する特別区緊急共同声明も発表され、区長会での区長のリーダーシップ発揮と評価をします。こうした活動を加速化させていただきたく、区長の決意を伺います。  最後に、区政の重要課題について三点伺います。  まず、ふじみ荘です。区民理解が得られないまま、区長はなぜ今般廃止条例を提出するのでしょうか。ふじみ荘が果たしてきた役割をどう認識しているのか。ふじみ荘でコミュニティーがつくられ、孤立防止、介護予防などがなされてきました。こうした場を奪われる高齢者の、我々はどこへ行けばよいのか、この声をどう受け止めているのでしょうか。代替策は不十分であり、利用者の声をよく聞き、再検討を求めます。このままでは高齢者切り捨ての廃止であり、身近な地域での新しい高齢者施策の構築を参加と協働で早急に示していただきたい。区民からは、多世代が集う共生施設としての再利用提案もされています。区民へ区長自ら御説明いただきたく、伺います。  我が党として、廃止は、区長の考える区政運営の基本から外れていると考え、存続を求めるものです。  次に、国保です。コロナ禍により、国保加入者に多い自営業、フリーランスの方々の経済的打撃は深刻です。今年度に限り、国による減免が実施されました。ある区内の燃料卸販売の方からは、コロナで売上げが減り、保険料が払えるか不安だった、所得は約百六十万円、減免を申し込み、今年度の保険料約十八万円全額免除になった、来年度、事業がどうなるか分からず継続してもらいたいと伺いました。区として国に来年度の国保減免継続と多子世帯均等割減免実現を求め、全力を尽くしていただきたく、伺います。  最後に、不登校対策です。区内の不登校児は増加の一途です。そうした子どもたちの居場所であるほっとスクールを先般視察しました。公設公営の城山は、広い庭と常時活動できるホールも備え、大変恵まれた環境です。教職、心理職などのスタッフが一人一人に寄り添い、心理面、学習面と、きめ細やかな支援がされていました。東京シューレが運営をする公設民営の希望丘は、常勤職員が九名も配置され、自主性が尊重された多彩な活動が実施されていました。各ほっとスクールに特徴があることが、様々な特性、事情を持つ不登校児への選択肢となり、ここなら安心できるという受け皿となります。こうした運営を大切に、内容の充実とさらなる増設が必要です。  しかし、城山は、来年度、現在の場所での運営は終わり、新教育センターへ移転予定です。不登校児にとって、慣れ親しんだ場所からの移転の負担は大変大きいものです。区の都合ではなく、子どもたちの心身の状況や環境などを最優先に考慮すべきです。ほっとスクール城山の存続及び各スクールの充実、増設を求め、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えをいたします。  私は、四点お答えをいたします。  安倍政権の七年半についての見方というお尋ねをいただきました。  安倍政権の看板施策であったアベノミクスは、企業収益が拡大をし、雇用状況の改善が見られたものの、その効果が大企業や富裕層にとどまり、格差の拡大などの課題が生じていると認識をしています。とりわけ、非正規雇用の増大は、不安定で低収入の労働者を増やし、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、かつてない生活と雇用の危機が広がろうとしていると認識しています。  新たな政権に対しましては、コロナ禍で仕事や生活の見通しがつかない多くの人々に対し、生活基盤を保障するとともに、この危機的な事態を踏まえて、例えば消費税の税率を一時引き下げるなど、抜本的な生活再建を求めていきたいと思います。  安倍政権が強い意欲を示してきた憲法改正の方針は、これを引き継ぐ菅新政権にも継承されると聞いております。現在の憲法は、これまで先人が守り抜いてきた平和憲法であります。私たちは、恒久平和を念願し、全世界の国民が等しく平和のうちに生存する権利を有するという理念を次世代にぜひ引き継いでいきたいと考えています。新政権においても、憲法改正を決して拙速に進めるものではなく、国会内にとどまらず国民の間でもしっかりと議論を深めていただきたいと考えております。  次に、PCR検査、社会的検査に即しての御質問であります。  症状のある方や濃厚接触者に対する従来継続してきましたPCR検査は、最優先で拡大する必要があると考えていますが、ここに加えて感染症対策と経済活動の維持の両立が課題になる中で、社会的インフラを継続的に維持するための検査が必要であると判断し、このたび、社会的検査として事業内容を取りまとめました。  先ほども他会派に御説明いたしましたが、昨日付で厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が、この新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針を保健所設置市、都道府県に通知をしております。この中で、検査については必要な者が迅速スムーズに受けられるようにする、そして濃厚接触者に加え、感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査が受けられるようにするということが基本であるということが書かれ、また、とりわけこの社会的検査に即した部分においては、医療機関、高齢者施設の入所者は重症化リスクが高いことから、施設内感染対策の強化が重要である。こうした観点から、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉定期的な検査の実施を行うようお願いをしたい、こういった内容でございます。  今後、国や東京都とも実施状況や取組の手法、また、そのコスト、社会的効果など、様々検証し、情報共有しながら、世田谷区のみならず、この日本のコロナ禍が終息に向かうよう、経済が再稼働するよう、懸命の努力をしていきたいと思います。  次に、ふるさと納税についてお尋ねがございました。  このふるさと納税については、今回、新型コロナウイルス感染症の大きな、いわば、いまだ体験したことのない状況に我々は立たされているわけですが、以前から、二十三区財政を大変虧損し、住民サービスを危うくしている、こういうものであります。  先般、特別区長会で私から問題提起をし、また、複数の区長有志で国に対して強く言おうじゃないかと、こういったことで時間をかけた文案検討が全体で行われ、例えばこのふるさと納税の返礼品のいわば見返りが、実質的にはその返礼品の多く見返りを受ける方が富裕層であればあるほど大きい。そしてまた、このサービスを使わない人が、その減収分のサービス低下を受け入れざるを得ないといった不公平、また、一部の自治体に寄附が集中する一方で、多くの自治体で、これは地方都市ももちろん、市町村を含んでおりますが、返礼品の経費負担や減収に苦しんでいること。そして、地方交付税の交付団体におきましては、ふるさと納税により住民税が減収した場合には地方交付税により補填、例えば令和二年度は千七百八十八億円、されるために、結果的に地方交付税の財源を圧迫する要因になっているなどの点を挙げまして、ふるさと納税による減収は特別区の財政運営に深刻な影響を及ぼしている。今こそふるさと納税制度をめぐる様々な問題に対処するよう抜本的な見直しを求めるというふうにしております。  次に、ふじみ荘についてお答えします。  ふじみ荘については、高齢者の健康増進や憩いの場として、また、孤立防止等の役割を果たしながら、多くの方に利用されてまいりました。高齢者人口が増加する中、孤立防止や健康寿命の延伸などの重要課題に対しまして、就労や身近な地域での社会参加、孤立防止、健康増進への取組に力点を置いた施策を進めていきたいと考えています。  ふじみ荘については、老朽化や運営コストも含め、慎重に検討し、他の手法も検討した上で、来年の三月をもって廃止の方針としたものであります。この間、利用者説明会を開催し、廃止方針の考えを説明するとともに、多くの方々から、今後の高齢者施策の方向性について御意見を頂戴してまいりました。  利用者の皆さんや活動団体からは、廃止反対の声や御署名を頂戴しており、ふじみ荘が担ってきた役割や多くの方に親しまれてきたことを実感しておりますが、今後の高齢者施策をしっかり展開することと併せて厳しい財政状況を総合的に判断し、本定例会に廃止条例を提案させていただくものでございます。  高齢者の地域参加促進施策については、AIを利用した就労支援や能力活用施策をこの秋から試行いたしますが、引き続き、孤立防止や仲間づくり、高齢者の居場所づくりなどの点にも検討の幅を広げ、これからの時代にふさわしい高齢者の施策を構築し、ふじみ荘の果たしてきた役割にも十分目を配りながら、高齢者にとって安心ができる施策の全体像を示してまいりたいと思います。そういった検討に当たりましては、高齢者の皆様にも御意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、政策方針策定に当たりまして、区長の基本姿勢はどこに反映されているのか、また、今後どのように実現するのかでございます。  今般の政策方針は、区長の基本姿勢を踏まえ、当面の区政運営の指針として四つの柱を掲げております。第一に、区民の命と健康を守るため、感染症対策の体制強化を早期に図ること。第二は、新しい生活様式が定着する中で、誰もが孤立せず安心して暮らすことができる包摂的な地域社会をつくり、区内の事業活動の活性化を図ること。第三に、子どもたちがこれからの変化に対応できるよう、育ちと学びを支えること。第四として、持続可能な財政運営を確保するための施策事業の本質的な見直しでございます。  GDPの実質成長率が、消費税増税のあった昨年十月から十二月以降、三・四半期連続のマイナス成長となるなど、かつてない区民の生活危機が進行し、区財政はリーマンショックを超える大幅な減収が見込まれております。今後、この政策方針に沿い、単なる事業の縮小廃止といった予算の圧縮ではなく、施策事業の本質的な見直しを進めながら、かつてない厳しい財政状況を乗り越え、甚大な影響を受けた区民生活の安全と安心を守り抜くため、区民の生活と区内事業の活動をしっかり支えてまいります。  続きまして、今後の財政運営、事務事業見直しについての基本的姿勢でございます。  コロナ禍の影響による令和三年度の大幅な減収は、令和四年度以降も継続し、従来の税収規模への回復は困難と見ております。コロナ禍におけます新たな行政需要への対応を含め、持続可能な財政運営には継続的な財政効果を生む施策事業の本質的な見直しが必須であると考えております。  事業の見直しに当たりましては、コロナ禍で困窮する区民、事業者の状況に十分配慮し、区民生活の安全及び区民の健康と生命を守り抜くことを基本とする世田谷区政策方針に基づき、取り組んでまいります。全ての事業につきまして区民の御理解を得られるよう、区民、利用者の視点を中心に、必要の度合い、効果、代替手段の有無など、多角的な見直しの軸を設け、各事業の性質を点検、確認し、見直しの方向性を検討することとしております。その上で、全体の優先順位を見極め、議会、区民の御意見をいただきながら進めてまいります。  最後に、国保の減免等についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響によりまして収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料の減免制度は、国によります全額財政支援の下、今年度限りとして開始されました。区におけます申請件数は、九月八日現在、約七千世帯に達しており、一世帯当たり減免額は約十九万四千円となっております。  一方、多子世帯への保険料減免に係る国の動向といたしましては、本年五月に閣議決定いたしました少子化社会対策大綱に、子どもの数に応じた国民健康保険料の負担軽減について明記されました。これを踏まえまして、特別区長会として速やかに軽減等の制度見直しをするよう国に要望しております。また、区といたしましても、直接厚生労働省に検討状況を照会するなど、働きかけを強めております。区といたしましては、現下の経済状況等に鑑み、国保減免の継続と、従前からの課題であります多子世帯の負担軽減など、的確な保険料制度の実現を目指し、引き続き国に対し積極的に要望してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、保健所体制強化につき三点、まず、保健所業務の軽減等についてお答えいたします。  区は、社会的検査の意義を社会的インフラの維持継続には有用と判断し、その導入を進めるべきものと考えております。一方、新型コロナウイルス感染症は、法に基づく指定感染症として、国が認めた検査で陽性となった患者へは、保健所の責務として患者対応や疫学調査等を行っておりますが、社会的検査の陽性者へも同様の対応が必要となります。  しかしながら、業務に逼迫する世田谷保健所の現状に鑑み、社会的検査から発生した陽性者の疫学調査等を保健所職員以外で対応するため、そのノウハウ等を主管部の保健福祉政策部へ提供しつつ、準備を進めております。社会的検査の導入が保健所の負荷にならず、施設や患者等にとっても有効なものとなるよう、保健福祉政策部と連携し、現場の職員にも丁寧に説明を行いながら取り組んでまいります。  次に、保健所の専門職確保、育成についてです。  区では、保健所の業務を明確化し、九月にさらなる感染拡大も念頭に組織改正を行い、第二感染症対策課の役割を担う地域保健課を新設しました。また、有事の際は保健師等の専門人材を機動的に必要な業務に集中させ、迅速に対応できるよう、健康づくり課の一部を保健所長の指揮命令系統下に置き、民間人材も活用し、必要な人員を確保し、体制を強化いたしました。年度途中に新たに配置した保健師や民間人材等の専門職に対し、現在、保健所職員等の業務経験者が、日々の実務を通じ、育成を行っております。  今年度につきましては、感染状況の段階や社会的検査の影響等にも留意しながら、組織改正で配置した保健師や民間人材の計画的かつ柔軟な活用により、引き続き迅速かつ適切に感染症対策を行ってまいります。  最後に、保健所の抜本的体制強化についてです。  保健所では、四月、八月の新型コロナウイルス感染症流行拡大の状況を踏まえ、関係所管と連携し、必要な人員を配置しており、今後も、組織改正の成果を踏まえながら、新型コロナウイルス感染症の流行の中長期化も想定し、保健師等の専門人材を継続的に確保していく必要があると認識をしております。そのため、保健師等の医療専門人材につきましては、区の内部に加え、外部人材の活用も視野に、人事関係部門等、関係所管と連携協力し、長期的な視点で計画的な確保に努めてまいります。  また、組織改正で新設した保健相談課では、平常時から地域での防疫業務のスキルアップに努めるとともに、組織改正の成果、保健所体制の課題等についても検証しつつ、今後、必要な専門人材の継続的な育成、さらには、区民の命と健康を守る体制強化等についても引き続き検討を行ってまいります。  私からは以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、ほっとスクールについて御答弁いたします。  ほっとスクールは、不登校の子どもたちの心の居場所として、小集団活動を通じて自主性を養い、社会性を育みながら自分らしい進路の実現に向けて気持ちを整えていくための支援を行っております。現在、三つのほっとスクールによる合同会議や相互訪問を通じてお互いの学習環境やプログラムの情報交換を行い、それぞれの施設を利用する子どもたちにとって魅力的な事業運営につなげられるよう取り組んでおります。  教育委員会では、教育総合センターを今後の不登校対策の拠点と考えており、ほっとスクールや教育相談室とも連携して、よりきめ細やかな支援を行ってまいります。今後、ほっとスクール城山は教育総合センターに移転しますが、移転に際しては子どもたちの不安や環境への変化への配慮を十分に行ってまいります。また、不登校の子どもの数は増加傾向にあることから、既存のほっとスクールの利用状況なども考慮しながら、ほっとスクールの増設などについても検討してまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 二点伺います。  まず、ふじみ荘について。参加と協働は区政の根幹です。一転、廃止への政策転換、廃止ありきの進め方に、それは貫かれていたのでしょうか。事務方トップの副区長に、区としてどうだったか伺います。  また、教育長に再質問します。八百人以上の不登校児がいて、今後、ほっとスクール増設検討では遅過ぎませんか。希望丘では、見学をするのに五か月待ちです。今ある城山を使って、新教育センターには第四のほっとスクールを検討してもらいたい。誰一人置き去りにしない教育と言いますが、行き場のない子どもたちがいることへの教育長の認識、伺います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 ふじみ荘に関する再質問にお答えいたします。  ただいま区長から御答弁がありましたように、今回このふじみ荘の廃止に関する問題については、様々な声を利用者の方、また、様々な団体の方からもいただいてまいりました。こうした廃止を惜しむ声、これらについてはしっかりと受け止めさせていただいたと考えております。ただ、今、区長からも御答弁申し上げましたけれども、今後の高齢者施策をしっかりと展開することと併せて、厳しい財政状況を総合的に判断しまして、廃止条例を提案させていただいたということでございます。  今後、孤立防止、仲間づくり、こういった高齢者の居場所づくりについてしっかりと検討を進めまして、高齢者の方たちの意見も踏まえながら政策転換を進めていきたいと考えております。これはそういった方向でしっかりと進めさせていただきます。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  子どもたちの中には、簡易な問題に取り組むのは苦手ですが複雑な思考を伴う課題には一心に取り組む子ども、学校の中で学ぶことに合わなくてもとても学習意欲が高い子どもなど、様々な子どもたちがいます。他会派からも様々に御意見をいただいておりますが、私は、その子どもに合う環境はどのようなものがいいのか、どのような学びをその子どもに用意することができればその子どもを置き去りにしないことになるのかが最重要になると考えています。子どもの学ぶ場や教育課程の在り方、施設の増設等についても引き続き検討を続けてまいります。  以上でございます。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 子どもたち、また親御さん、不登校に本当に苦しんでいます。ぜひ寄り添った教育行政を実践していただきたいと要望し、終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時二十三分休憩    ──────────────────     午後五時三十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  三十三番中村公太朗議員。    〔三十三番中村公太朗議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(中村公太朗 議員) コロナという未体験の災害で、健康的にも経済的にも多大な被害が続いていますが、同時に社会の脆弱性とほころびも浮かび上がりました。国の持続化給付金の委託事業における丸投げと中抜きは、究極の非常時においても政治と距離が近い企業によって税金が食い物にされるという構造が白日のもとにさらけ出されましたが、再々々委託先までの一連の流れの中に、区との委託契約がある企業が名前を連ねており、対岸の火事ではありません。まずは当該事業者と区との現在の契約状況を明らかにしてください。  そして、区の委託においても、同様に丸投げや中抜きといった状況が発生していないかどうか、報道の直後にしっかりとチェックをしたのか、その対応を伺います。  区の直近で最大の委託事業といえば、定額給付金の給付事務です。係る予算については全額が国からの補助金となりますが、あくまで事業主体は自治体ということですから、委託事業者の決定、いかに迅速に給付するかのスキーム構築、その全ては区に責任があるということです。言うまでもなく、緊急事態宣言に伴う経済の停滞が生活を直撃する中で、給付の速度が生命に直結する世帯や人もいらっしゃったわけです。  しかしながら、昨日の公明党の代表質問にもあったように、全然振り込まれないという苦情が次々と起こる事態になりました。区は、申請から約二週間での給付をアナウンスしていましたが、結果として二か月以上待たされるケースも発生しており、初めての大規模な作業だから、では済まされない重大な瑕疵があったのではないでしょうか。  一点目は、委託契約の内容です。今回の給付事業における契約仕様書には、ゴールとなる最終納期、母数となる全体の処理件数、一日の目標となる想定処理件数については明文化をされていますが、実務上のスケジュール、つまり給付に係る具体的な日数については記載がありません。結果として、事業者側の考える給付速度と区役所が想定するスケジュールにずれがあり、二度の契約変更、追加で一億以上の経費が増額をされながらも、長期間待たされる区民が出てしまいました。ちゃんと契約仕様書に反映されていたら、ここまでの遅れにならなかった可能性もあるかと思いますが、なぜこのような事態になったのか、経緯及び当時の区の認識について説明を求めます。  二点目は、果たして今回の事業者選定が本当に正しかったのかという点です。いかに契約仕様書に落とし込まれていなかったとしても、どれだけ迅速に給付をするかが国家的なテーマとなっている中で、その認識がこれだけ発注者側とずれている事業者が、しかも特別な事情での随意契約で選定をされています。随契ですから、当然相みつもありませんし、事業者の言い値での委託契約です。選定の経緯、他自治体と比較して支給速度や単価が適正だったのか、区民が納得のいく説明を求めます。  次に、経費削減、契約見直しについて質問します。  コロナの影響による税収減は不可避で、これまでにない規模の経費削減が急務だということは行政と議会の共通認識です。この夏、世田谷立憲民主党社民党は独自に全事業点検を実施し、そのうち百十八事業の見直し、今年度内だけで七十五事業、約十五億円の削減プランを行政側に提案しました。しかしながら、区側の第二弾事業見直しに当たる今回の補正予算には計上されていないものも多く、改めて真摯に受け止め、前向きかつ迅速に検討するよう申し上げます。区の見解を問います。  その上で、この後に及んでも経費削減と契約見直しについて、到底真剣だと思えない事例が散見されます。例えば、ある事業について、現状の契約内容、契約金額が市場価格と大幅に乖離しており、契約の見直しで効果的な削減ができるのではないかと具体的な数字の根拠を提示しながら指摘をしても、持ち帰って調べます、課題があるかもしれませんなどとお決まりのセリフを並べ、数か月たっても、結論はおろか、検討の経過報告すらない所管があります。  費用面だけでなく、業務の中身自体の見直しにも日々追われる中で、様々なことに手が足らない状況は想像しますが、来年度予算編成に向けた依命通達を取り上げるまでもなく、絶対に止めてはならないサービスを維持するための財源確保に必要な契約見直し、経費見直しは最優先であり、現環境下での不作為は厳しく糾弾される怠慢です。こうした状況があるということについて責任者の見解を伺います。  また、契約の見直しで最大限の経費削減効果を上げるためには、市場動向、市場価格の把握が必要不可欠であり、これは緊急事態だからということではなく、平時から必要な視点、能力ですが、このピースが行政事務ではほぼ置き去りになっています。物品購入においては、最新のカタログチェックやネットを使った最安値の検索などが徹底されているのでしょうか。従来の業者へ毎年発注を繰り返しているだけだったりしていないでしょうか。委託契約においては、他自治体との契約単価の比較はもちろんのこと、同様の契約が民間同士の契約ではどのような価格で行われているのか、調査、把握はできているのでしょうか。短期的には、各所管の取組で結果を出していかざるを得ませんから、改めて全庁的に相当な意識改革の徹底を強く求めます。  一方で、長期的に見れば、やはり行政特有の構造に根本的な問題があると考えます。つまり、現状では経費削減に努めても、その成果が給与に反映されるわけでも、所管の新規予算が増額されるわけでもありません。もちろん財源が貴重な税金ですから、そのようなマインドでは困るわけですが、努力する意欲に火がつきづらい環境なのは確かだと思います。こうした背景を踏まえると、所管の知識や経験は尊重しながらも、契約やサービスの執行機能と見直しを調査検討する機能は分けるべきという結論以外にはないのではないでしょうか。  概算要求における財政課の査定時にそこまでできるのであれば理想ですが、時期が限定された作業の中で実現するのは無理があると感じますから、やはり市場価格や民間の新しい技術、サービスを調査し、削減プランの編成を遂行する所管横断の専門部署または機能が必要なのだと感じます。区として効果的な削減プラン編成のスキームをどのように考えているのか、見解を問います。  最後に、非常時の地域力について質問します。  緊急事態宣言が発令されて以来、区には、寄附金だけでなくマスクや防護服など、区民と事業者から多くの善意が寄せられています。いまだ爪痕の残る台風十九号の際には、各種団体との災害協定が機能しなかった一方で、自発的に救済に動かれた区民や事業者が多くいたにもかかわらず、その実態把握ができずに、区として感謝の意を表明することすら不可能だったという点を昨年の第四回定例会で指摘しました。  今回こそ世界に誇る世田谷区民の良識に対してきめ細やかな対応が必要です。もちろん善意から御協力、御助力いただいた方にしてみれば、表彰や感謝状といった形のために行動したわけではなく、遠慮されるケースも多いかと思いますが、区として当然の礼儀を尽くさなければいけません。前回の反省を踏まえ、現状の対応を伺います。  また、こうした取組が不可欠な理由の一つとして、何かしたいけれども何をしていいか分からなかったという多くの区民に、そういう協力の仕方があったと知っていただく貴重な機会となり、こうした行動がつながってさらに大きな輪となっていく可能性があるからです。こういう展開こそ、メリットを求めて構成された旧来のコミュニティーから新しいコミュニティーへの変革、理想の地域力に近づいていくのではないでしょうか。区の見解をお答えください。  そして、将来を見据えて重要なのは、こうした身近に起きているすばらしい事例を教育の現場で取り上げ、善意の芽を育てていくことだと思います。世界に誇れる世田谷の特性を備えた子どもたちが成長し、地域で、世界で活躍する未来を目指して、早急に取り組むべきと思いますが、区の見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小湊 財務部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  まず、国の持続化給付金事業に関係した事業者との契約状況などについてでございます。  国の持続化給付金事業の委託契約につきましては、経済産業省が一般社団法人サービスデザイン推進協議会に発注し、同事業者から株式会社電通に再委託され、さらに電通の子会社五社を通じて、株式会社パソナなどに業務が外注されたと報道をされております。この報道を受け、確認をいたしましたところ、区との間で電通との契約はございませんでしたが、この給付金事業に関連したと名前が挙がっている事業者の中で区が契約している事業者といたしまして、株式会社パソナがございました。委託契約二件でございます。  今回改めて当該委託事業の所管部に確認をいたしましたところ、いずれの案件も印刷物の作成などについて、区が承諾の上、一部再委託をしている業務がございますが、契約の内容につきまして順調に履行されており、特段問題は発生していないものと認識をいたしております。  今後は、状況に応じまして適時に事業所管部と連携し、契約の適切な履行の確認を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、区の特別定額給付金事業の作業委託も踏まえた委託契約についてでございます。
     今回の特別定額給付金作業委託は、事業の決定から実施までいとまがなく、国からも緊急の必要により競争入札に付することができないときに該当するとの通知もあり、平成二十六年から実施をいたしました臨時福祉給付金支給事業委託の受託者と随意契約を締結したものでございます。  今回は、準備期間が非常に短かったとはいえ、具体的な作業スケジュールの共有が区と事業者間で不足したことにより、当初、事業者側のシステム開発や人員確保等に時間を要し、また、一日の申請データ処理件数が少なく処理が遅れたものと認識しているところでございます。なお、担当所管部におきまして、今後改めて他区での処理方法等の情報も収集しながら検証を行うこととしております。  委託契約につきましては、様々な種類がございまして個々の案件によってそれぞれ業務も異なるため、発注する前から十分に仕様を理解、検討し、契約の相手方と後に疑義が生じないよう仕様の精度を高めることが大変重要であると考えております。また、履行の監督におきましても、どの時点までにどの程度達成させるのかを発注者、受注者間で事前に明確にし、これを確実に実行させるよう適切に指示を行う必要がございます。  区といたしましては、仕様の作成手順、それから参考資料の共有を図ることで、契約事務に関する職員の理解を徹底し、適切な契約事務執行に一層努めてまいりたいと考えております。  最後に、経費削減、契約の見直しに関連した区の契約単価と市場価格のチェック及びそうしたことを行う所管横断的な取組につきまして、まとめて御答弁を申し上げます。  区が行う物品、役務の発注に当たりましては、必要な仕様を検討した上で、当該物品や役務の実例価格、需給の状況、履行の難易度、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮いたしまして、予定価格を設定することといたしております。契約担当所管といたしましては、仕様内容とともに、この価格設定の重要性についても、年度当初契約の事務処理通知などの機会を捉えまして、重ねて庁内に周知徹底をしてまいりました。しかしながら、経費削減を図る観点から、設定の参考とすべき情報の収集等につきまして、各所管に対する支援やチェックの強化が必要となっているものと考えております。今後は、区における類似案件の契約価格や都内市区町村での入札結果のほか、民間サイトの活用方法なども含め、具体的な関連情報と発注に向け、価格検討の手順を整理するとともに、財政担当部とも連携し、各所管での取組の確認を行う仕組みについても早急に検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、施策事業の見直しに関連して御答弁いたします。  この間、新型コロナウイルス感染症拡大が区民生活や区内事業活動に大きな影響を及ぼす中で、区議会の複数の会派から様々な御意見、御提案をいただいております。いただいた御意見、御提案については、全庁で共有し、事務事業の執行や事業の見直しに取り組む中で参考にさせていただいているところです。  貴会派からいただきました御提案の中で、コロナ禍の影響により延期または中止せざるを得なかった区議会の行政視察や姉妹都市訪問、小中学校のプール事業、さらには区史編さん事業など計四件、三千万円を超える金額を、本定例会に御提案しています第三次補正予算案の減額補正に反映させているものと考えています。  今後も、これまでの各会派の御提案や第三回定例会を通じた御意見などを十分に検討させていただき、全庁を挙げて進めています施策事業の本質的な見直しに生かし、令和三年度当初予算に反映させてまいります。具体的な見直し、対象事業と内容、効果額の概算などにつきましては、第四回定例会前に途中経過も含めて議会に御報告させていただきます。  また、今回の必要な見直し額につきましては、お話しありましたとおり六十二億円と並大抵の規模ではございませんが、感染症対策や福祉など、真に必要な区民サービスを継続していくためには避けて通れないものと考えております。全庁でこの危機感を共有しまして、議会の御協力も得て、ぜひこれはクリアしていきたいと考えています。  以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、コロナ禍における地域の力を評価、把握する仕組みについて御答弁いたします。  コロナ禍において、区の新型コロナウイルス感染症対策に役立ててほしいとして、大変多くの区民や事業者の皆様から医療用マスクや消毒液、防護服などの物品の御寄附がありました。いずれも市中での入手が最も困難な時期での貴重な御寄附であり、配付先の医療機関や社会福祉施設から大変喜ばれました。まさにお話しの地域の力が発揮されたあかしであると認識しております。  区では、御寄附に対する心からの感謝を表すため、これまでの感謝状の贈呈に加えて、区のホームページにおいて、寄附者を御紹介するページを新たに設け、区民の皆様に広くお知らせしているところでございます。  今後も、区民や事業者の皆様がお持ちの地域の力を区にとって不可欠かつ貴重な財産と捉え、御寄附の情報は庁内で横断的に情報共有を図るとともに、区のホームページで御紹介することで感謝の気持ちをお伝えしてまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、非常時の地域力ということで、未来を担う子どもたちにも知ってもらうことが必要だということにつきまして御答弁申し上げます。  教育委員会にも、事業者様から直接子ども用マスクを三万枚御寄附いただく、こういったこともございました。御寄附をいただきました事業者様には教育委員会から感謝状をお送りさせていただきましたが、マスクをいただいた子どもたちや学校からお礼を伝えたい、こういった言葉を基に、子どもたちから感謝の言葉の寄せ書きであるとか、いただいたマスクを描いた手作りカードなどもお送りさせていただきました。  このような御厚志や地域の皆様からお心遣いをいただいた機会などを捉えまして、地域や社会全体から支えられて生活しているといったことを子どもたちが学ぶということは大変有意義なことでありまして、今回の御寄附は子どもたちにとっての生きた教材とも言えます。子どもたちが地域社会に愛着を持ち、そこから多くのことを学んでいくことができるように今後とも取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆三十三番(中村公太朗 議員) まず申し上げますけれども、最近とにかく、コロナあるなしにかかわらず、ちょっと随契が多いという印象を持ちます。様々な事情があるとは思いますし、それをひとつひとつ取ったら言い訳のような言い訳がつくのでしょうけれども、全体としてはやはり不透明で一社独占になりかねない随契というものについては、よく、もう一度意識をしたほうがいいと思います。  それから、この一般質問、代表質問、本会議場は、我々議員のPRの場ではなくて、それに対するアンサーで、皆さんがPRする場だと僕は実は思っていて、中身はいいですよ。だけど、今、皆さんの話を聞いていて、本気で削減をやろうと熱を、聞いている人は感じられたのかなと思うんですよね。やっぱり淡々と役所言葉を使っていく、検討します、研究します。これじゃ、多分意味がない。ただ時間が過ぎていくだけだと思うので、もっと熱が感じられるような回答を、これから決算をやってまいりますけれども、キャッチボールというか、本当、よりよいものを行政と議会、両方で出し合いながら、答えてもらうというような決算を強く望みます。  以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で中村公太朗議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四十六番桃野芳文議員。    〔四十六番桃野芳文議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(桃野芳文 議員) 質問通告に基づき質問します。  初めに、保坂区政の新型コロナ対策についてです。  これまで区長はテレビ、雑誌等で、誰でも、いつでも、何度でもPCR検査と喧伝してきました。例えば八月十八日発売のサンデー毎日では、Go Toトラベルを当てこすり、Go To PCRだとして、以下述べています。  PCR検査の検査能力を三千件まで増やし、社会的検査を充実させたい。介護、保育、教育など、人との接触回避が困難な職種、エッセンシャルワーカーに先回りして定期的検査を実施、施設が発火点になる感染爆発、拡大を防御する。検査のハードルをぐっと低くする、もしくはなくしていく。最終的には、ニューヨークのように、いつでも、誰でも、何度でも検査できるようにしたい。  一方、議会に示したのは、区内高齢者施設で働く方など約二万六千人を対象に、二万三千件、九月中旬から一月下旬の期間で検査するという羊頭狗肉の施策です。区は、これを定期的な検査としていますが、九月十日の臨時企画総務委員会で私がその意味を問うと、宮崎副区長は以下答弁しています。議会とも相談する中で、定期的にやらないと意味がないという声を受け止めた。PCR検査は、受けない施設、受けない従事者がいるかもしれない。まだ流動的。まず考え方として、定期的とさせてほしい。延べの回数は予算の問題になる。件数を言わないと数字の根拠にならないからこの表現としたが、回数は今答えられる状況にない。  考え方として、定期的とさせてほしいとお願いされても困ります。つまり、現時点ではとても定期的な検査と言えるものではないということですよね。お答えください。  そして、検査を受けない施設、受けない従事者がいるかもしれないとのことですが、これが区の言う社会的インフラを継続的に維持し、重症化を避けるための検査なら、対象者は漏れなく検査を受けなくてもよいのか。対象者数と検査数からすれば、一回切りとなる検査がなぜ社会的インフラを継続的に維持し、重症化を避けることにつながるのかお答えください。  区長、君子豹変でよいではないですか。目的と手段がつながっていない施策に四億円もの税金を投じてはいけません。保健所の機能強化や従来型のPCR検査の拡充、各施設での感染防止策の支援にこそ予算を割くべきです。見解を伺います。  次に、DV被害者への不適切対応についてです。  平成二十九年十月、十一月と、区は、DV被害者Aさんの住所が類推される書類を加害者に送付してしまいました。しかし、いまだAさんと区の間で示談は成立していません。Aさんによると、漏えい前からの区の対応や、漏えいの原因などについて十分な説明がないまま示談に応じることはできないとのことです。  Aさんは、平成二十三年から区にDV相談をし、平成二十八年には加害者から逃れるため家を出ています。Aさんは、その後も区への相談を続けていましたが、その間、区から支援措置、つまりDV被害者の住民票や戸籍の附票が加害者側に分からないようにする住民基本台帳事務における支援措置について、一度も説明されなかったそうです。  当時の相談記録を見ると、区は、AさんにDVで離婚調停中であるなら、住民票を動かすのは危険と説明しています。すなわち、正しい住所を区に届け出た上で支援措置をかけるのではなく、体だけを動かし、住民票は動かさないほうがよいと言っているのです。Aさんは区の助言に従いました。支援措置を知らないのですから、ほかに選択肢はなかったでしょう。区が支援措置を説明した上で、Aさんがそれを選ばなかったとしたら、その旨の記録が区に残っているはずですが、そのような記録はありません。  Aさんによると、区から住民票を移すべきでない理由として、DV加害者が子どもの父親であることを利用して、住民票など様々な書類を取りに来るケースがある。学校にも引っ越すとは言ってはいけない。DV加害者である父が子どもの転校先を学校に聞きに来るかもしれない。そうすると、学校は答えてしまうかもしれないと説明されたそうです。  しかし、支援措置をかける効果は、住民票や戸籍の附票をブロックするだけにとどまりません。庁内のあらゆるところで、対象者の情報の扱いに注意せよと注意喚起されるのです。実際の居住地と住民票の場所が異なれば、被害者であるにもかかわらず逃げ続けなければいけないことに加え、日常生活で様々な不都合が生じます。その理不尽を少しでも解消しながら被害者を守るのが支援措置です。なぜ区は支援措置を案内しなかったのか。なぜ案内せず、離婚調停中であるなら住民票を動かすのは危険と説明したのか。区の対応は不適切ではないか、質問します。  漏えいの経緯についても伺います。その後、Aさんは、住民票を移さないまま、さらに区外に転居していましたが、ある日、区は、転居時に遡ってAさんを世田谷国保から脱退させる手続をし、そこから情報が漏れました。脱退から漏えいに至る経緯、DV被害者にもかかわらず、わざわざ遡っての脱退手続が必要だったのか。支援措置がかかっていれば、漏えいは防げたのではないか。お答えください。  情報公開を看板に掲げている区長に伺います。Aさんの事案は、区長記者会見や区ホームページで公表されることなく今に至ります。支援措置対象者の情報漏えいがあれば、当然事案の公表は必要でしょう。さらに、本件は、支援措置がかかっていなかった経緯も含め、区の不適切対応です。区長はその旨を公表し、Aさんに謝罪すべきです。見解を伺います。  次に、虚偽答弁を行った職員への懲戒処分についてです。  本年四月二十二日の企画総務委員会にて、区の懲戒処分の指針の「事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。」は、事実を捏造し、虚偽の答弁を行った職員は、停職、減給、または戒告とすると読み替えてもよいかと問うた際、人事課長はそこまで想定していないと答弁しています。  本年三月十七日の予算特別委員会の私の質疑で、教育指導課長から事前の事実確認と異なる答弁がされ、三月二十三日には、教育長がこれを事実と異なる答弁と認め、謝罪、訂正しています。しかし、その後のことを人事課長に聞くと、教育指導課長は、上司である部長の聞き取りに対し、虚偽答弁ではなく質問を聞き違えただけと主張したことから、懲戒処分の検討対象にすらならなかったそうです。本人が質問を聞き違えただけと言えば簡単に免責されてしまってよいのでしょうか。  区長は、ウェブサイト「論座」、二〇一八年七月二十六日号で、いわゆる森友問題を引き合いに、虚偽答弁を禁止し、懲戒処分できる制度をつくろうと主張し、虚偽答弁にとがめはないという前例は、さらに虚偽や歪曲もやり放題の国会に転じていく危惧を感じると強く批判しています。  過去、虚偽答弁を行った区職員が、地方公務員法に定める信用失墜行為の禁止に当たるとして、懲戒処分を受けた例はあります。しかし、区長は、国家公務員法にも同様の定めがあることは承知の上で、さらに加えて虚偽答弁を禁止し、懲戒処分できる制度が必要だと言っているのでしょう。では、なぜ自分は区でそれをやらないのか。区長が言行一致、その制度をつくるつもりがあるのか伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桃野議員にお答えをいたします。  まず、DV被害者の対応についてのお尋ねであります。  本件につきましては、平成三十年二月六日の福祉保健常任委員会に事故発生報告をしており、その際の報告資料は、常任委員会資料として区のホームページで公開しております。DV被害者支援に当たりましては、当事者の意思や個別の状況を踏まえながら丁寧に対応していると報告を受けております。  本件事故後の示談交渉が大変長期化していることは心苦しく思います。本件について現在相手方と交渉中であり、解決に向け努力してまいります。事故に至る事実関係を慎重に見極め、DV被害者の立場に即した対応を指示してまいります。  次に、議会で虚偽答弁ということのペナルティーについてということでございます。  議員が例に挙げた記事は、いわゆる森友学園問題に関して、財務省近畿財務局の職員が自ら命を絶つという痛ましい結果を生んだ当時の理財局長の、政治の意を酌んで交渉記録など一切廃棄したと断言した結果、公文書改ざんなどに至った一連の事案の中で、この国会における虚偽答弁に対して、実はとがめがないという危機感から書かせていただいたものです。  国家公務員が国会で行う答弁と同様、私どもが本会議はじめ各委員会で行う答弁も、正確でなくてはならず、仮に虚偽の答弁が行われた場合には、厳正な対処が必要なものと考えております。区の職員に対する懲戒処分は、地方公務員法の規定に基づいて行うこととなりますが、調査の結果、その答弁が虚偽の目的を持って意図的、恣意的に行われたものであることが判明し、区の信用を著しく傷つけることになった場合においては、信用失墜行為の禁止に反する服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るものと考えております。  今後、私をはじめ区の理事者は、区を代表して区議会の皆様の質疑に誠実かつ真摯、正確に答弁をするよう努めていきます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、四点についてお答えさせていただきます。  まず、一点目でございます。新型コロナウイルス感染症対策で、検査件数や予算の面から社会的検査は定期的な検査とは言えないという御質問にお答えいたします。  今回提案させていただいております社会的検査につきましては、重症化の回避やクラスター化の抑止を目的としまして、感染者または感染疑いのある方に接触した可能性が高い職員に対する早期対応の視点も加え、介護事業所を皮切りとして段階的に実施する計画となっております。特に介護事業所や障害者施設につきましては、優先して実施するとともに、複数回実施することによりクラスターや重症化を未然に防いでまいりたいと考えております。  現在、国や東京都においては、高齢者施設等を対象とした定期的な検査を実施する方針が示されておりまして、また、行政検査として国からの経費が見込める状況となったことから、複数回の検査も可能になると考えております。さらに、国や東京都の施策の活用状況も確認しながら対応を図ってまいります。  二点目でございます。社会的検査がなぜ社会的インフラを継続的に維持し、重症化を避けることにつながるのかという御質問にお答えいたします。  今回の社会的検査の実施に当たっては、より必要な対象者に検査を受けていただくためにも、区として検査の意義や目的を各事業者に対し丁寧に説明していく必要があると考えております。また、御指摘のございました検査の回数や実施期間につきましては、介護事業所や障害者施設におきましては、現に陽性者が発生した施設について優先的に複数回実施するなど、各施設の状況に応じて優先順位を設けながら実施することにより、検査回数の確保や実施期間の短縮に努めてまいります。社会的検査が社会的インフラを継続的に維持するという事業目的を最大限に果たすことができるよう、国や東京都とも緊密に連携しながら事業を推進し、重症化の回避やクラスター化の抑止につなげてまいります。  三点目でございます。保健所機能の強化や従来型のPCR検査の拡充、各施設での感染防止策の支援に予算を使うべきという御質問にお答えいたします。  区では、有識者の御意見を踏まえ、今後の感染症予防対策の目指すべき方向性を検査体制の大幅拡充と捉え、検討を進めてきたところでございます。感染拡大やクラスター化の抑止、重症化の回避を図るためにも、従来のPCR検査体制の拡充に加えまして、社会的検査が担う役割は重要なものであると認識しております。国や東京都におきましても、この間、従来の検査の対象を拡大する方針や取組が示されてきており、今回の社会的検査と同様に、各自治体が感染状況を踏まえながら検査対象を広げる取組は、感染症対策の一環としてさらに広がりを見せていくものと考えております。  区といたしましては、今回の社会的検査を感染症予防対策の重要な取組として位置づけ、保健所機能の強化や従来型のPCR検査の拡充等と併せまして、総合的に施策を展開できるよう取り組んでまいります。  最後、四点目になります。DV被害者への区の不適切な対応についての御質問で、遡りで国保脱退から遺漏に至るまでの経緯と、遡っての脱退が必要だったのか、また、支援措置がかかっていれば遺漏が防げたのかという御質問にお答えいたします。  平成二十九年の七月、避難先自治体の国保担当課から区の国保年金課宛てに、被害者が実際に居住し始めた二十九年三月三十一日に遡って避難先自治体国保に加入させたいとの申出がございまして、区としても申出に合わせ、遡って国保を脱退させました。この遡り処理により、二十九年四月に区が発行いたしました世帯分離を経て、被害者自身が世帯主となった保険証が無効となり、その保険証を使っての医療機関受診も無資格受診扱いとなりました。これに伴い、区は二十九年十月及び十一月の二回、遡及しました二十九年三月三十一日の当時の世帯主宛てに、被害者の医療費返還請求通知を送付し、今回の事故となっております。  DV被害者の場合、世田谷区国保を遡りで脱退させる必要はございませんで、通常は避難先自治体から連絡のあった時点での脱退としております。また、本件について支援措置がかかっていれば、システムの画面上に注意喚起メッセージが表示されますので、事故が防げた可能性はあったと考えられます。しかしながら、支援措置がかかっていなくても、遡り期間中における世田谷区国保の使用状況確認や課内の情報連携が徹底されていれば事故を防ぐことができたのではないかと考えております。  これを教訓といたしまして、同様の案件が生じましても適正に処理ができるよう、再発防止策を講じておりまして、今後このような事故を二度と起こさないよう、高い意識と緊張感を持って職務に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎若林 砧総合支所保健福祉センター所長 私からは、DV被害者への区の不適切な対応について、三点御答弁をいたします。  まず、なぜ区は支援措置を案内しなかったのかについてでございます。  DV被害者支援では、被害者の安全を第一に考え、まず加害者から逃がすことを最優先いたします。住民票の異動やそれに伴う住民基本台帳事務における支援措置を行うかどうかにつきましては、当事者の意思や様々な状況により異なります。  DV被害者から相談があった場合には、基本的には住所を変更する場合などに支援措置制度についての説明をいたしておりますけれども、Aさんの相談記録を確認したところ、支援措置制度について説明したという記録はありませんでした。支援措置制度の説明をしたかどうかについて、当時は相談記録への記載は必須ではなかったため、説明したことの確認は取れていませんが、その後、支援措置制度などDV被害者にとって重要な支援の内容を漏れなく説明するために、相談記録の記載内容の見直しやチェック欄を設けるなど改善を図っております。  次に、なぜ案内せず、離婚調停中であるなら住民票を動かすのは危険と説明したのかについてでございます。  本件につきましては、支援措置の説明の有無については確認が取れていませんが、離婚調停中でいまだ解決に至らない状況であったため、当時まだ住民票を動かせる段階ではなかったことから、住民票を動かす通常の転校手続をすると危険である旨の説明をしております。その際、住民登録外で通学できるよう手続を行うことなども併せて説明したところでございます。  本件の相談過程では、住民票は動かさずに加害者の下から避難されることを御本人が判断され、住民票を動かさないままの支援となっております。そうした場合、子ども家庭支援センターでは、DV被害者が住民票を異動しなくても生活に支障が出ないよう、被害者の転居先自治体の関係部署と連絡調整を行いまして、国保加入や転校などの手続が円滑にできるよう様々な支援を行っております。  最後に、区の対応が不適切ではないかについてでございます。  支援措置につきましては、DV被害者支援のための重要な制度でございますが、ケースによって様々な対応がありますので、全てのDV被害者が支援措置制度を利用するわけではございません。DV被害者は、日常的に被害を受ける中で、身体的、精神的なダメージを受けており、行政の窓口などでの手続にも負担が大きい方も多くおいでになります。支援措置を利用するかどうかにつきましては、DV被害者への案内とともに、被害者からの聞き取りと丁寧な意思確認をしながら、被害者の状況を見ながら対応することとなります。  本件につきましては、相談が長期にわたるとともに、断続的に相談を行い、各時点において居所や家庭の状況などが変化しており、その都度適切な対応を行ってきたと考えておりますが、今後のDV被害者支援につきましては、支援措置制度の早期の利用を検討するなど、改めて支援方法について改善に向け取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 総務部長 私からは、事実と異なる答弁を行った職員への対応について御答弁いたします。  区職員が区議会で行う答弁は、区の意思をお示しする大変重要な機会であり、誤って伝わることがあってはならないものと認識しております。先ほど区長からも御答弁させていただいたとおり、区議会におきまして、事実と異なる答弁がなされた場合には、その内容をはじめ、そこに至る経緯や背景なども十分に調査し、虚偽の目的を持った意図的、恣意的な答弁であったことが認められれば、懲戒処分の対象となる場合もございます。お話にもございましたが、過去には、議員の調査活動に対する対応及び議会答弁において、事実と異なる虚偽の説明を行ったことにより、区議会の理事者全体に対する信頼を著しく損ねてしまったことが信用失墜行為の禁止に該当するとして、関係職員に対し懲戒処分を行った例もございます。  今後も、虚偽の目的でなされた答弁に対しては厳正に対処させていただくことはもとより、虚偽であることは認められなくても、認識不足や勘違い等により誤った答弁があった場合には、謝罪、訂正の上、その原因等を丁寧に御説明させていただきます。  以上でございます。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) まず、区長に二問聞きます。  私、区長はいつもそうだと、いつもこういうことだと思うんですけれども、メディアでわあわあ、わあわあ威勢のいいことを言うけれども、本気じゃないんですよ。だから、虚偽答弁の対象に懲戒処分をできる制度を区でつくるつもりがあるのか、ないのか、端的に答えてください。  あと、情報漏えいの件、情報が漏らされて、怖い思いをして、引っ越しを余儀なくされた人がいるわけですよ。そういう人に対して示談をしたいというのだったら、まず謝罪じゃないんですか。区長には、謝らないといけないと、申し訳なかったと、そういう気持ちがあるのか、ないのか、それを教えてください。  あと、支援措置のかかっていたか、かかっていないかという件ですけれども、そういう誠意のないことを言っていたら、それは被害者の方は示談に応じる気になんか、なれないですよ。だって、Aさん本人が、自分は案内された記憶がない、案内されていないと言っているんですよ。区にも案内した記録がないんでしょう。支援措置の重要性から考えて、案内した上でAさん本人が希望しなかったんだとしたら、当然記録は残っているわけじゃないですか。それがないんだから、普通は案内できていなかった、申し訳ありません、もしくは、少なくとも、案内できていなかった可能性が高いというふうに考えるのが普通じゃないですか。その可能性は高いというふうに思っていないのかどうか聞きます。  あと、国保の件ですけれども、これは澁田さん、国保の遡りの件ですけれども、答弁では、平成二十九年七月に避難先自治体から遡って国保に加入させたいという連絡があって、区が遡ったという答弁でした。しかし、私がAさんから聞いているのは、それ以前、同年の五月、六月頃に国保の異動について区と相談をして、その際に世田谷区からの提案として、引っ越し先の自治体の国保への加入日は、転入した日にしたほうが切りがよいという話があったというふうに聞いています。そうじゃないのかどうか。あくまで他自治体の求めに応じただけというのか、それについて事実確認をします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  まず、区議会において事実と異なる答弁があった場合について、先ほど総務部長が答弁したとおりでありまして、これは実際上、「事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。」、これは必ずしもこの答弁を限定してつくった規定ではありませんが、殊、事案の内容が、いわゆる事実と異なる答弁が故意であったのかどうか、そして、社会的な影響の大きさ、問題の悪質性などを総合的に勘案して、こういった懲戒処分の対象にもなると思います。また、過去、こういった規定もなかったときにも、必ずしも答弁ではありませんけれども、事実に反する説明についてのペナルティーということを発動したということがございます。  次に、DV被害者についての対応についてのお尋ねですけれども、支援措置については、DV被害者支援のために大変重要な制度であると考えています。区では、母子などがDV被害に遭った場合、区に相談することで、学校や医療機関を利用し、安心して日常生活が続けられるよう引き続き支援をしてまいります。また、このDV被害者に寄り添って支援ができているかどうかということは、度々御指摘も受け、また、区の内部でも点検をし、ガイドラインなども作成してきましたので、相談者の気持ちに寄り添った支援につなげるとともに、この支援措置制度の早期利用を促すなど、DV被害者の支援方法について、改善に向け取り組むように関係所管に指示してまいります。  現在協議中、この事故の示談交渉の最中ということですので、慎重に事実関係を見極めてDV被害者の立場に即した対応を行ってまいりたいと思います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 再質問にお答えいたします。
     国保の脱退の手続でございますが、先ほど答弁で申し上げましたとおり、平成二十九年の七月に転出避難先の自治体からの御相談によりまして異動したということで、国保・年金課では確認しております。事実関係の経過が残っているのがその内容だというふうに承知しております。  以上でございます。 ◎若林 砧総合支所保健福祉センター所長 再質問にお答えをいたします。  支援措置の御案内に関しましては、先ほど申し上げましたように、相談記録のほうには確かに残ってございませんので、残っていないということで案内をしていない可能性というのはあるというふうには考えておりますけれども、少なくとも、相手の方にしっかりと伝わるように御案内をしていなかったという点については、こちらとしては、今後、しっかりと相手の方が理解できるようにお伝えしていくように努力してまいります。 ◆四十六番(桃野芳文 議員) 被害者感情を考えれば、これはもう区長が謝るということに大事な意味があるということが何で分からないんですか。漏えいは事実なんだから、申し訳ないというふうに区長が思うのか、思わないのか、なぜ謝りたくないのか、答えてください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再々質問にお答えします。  ただいま関係の所管からいろいろ答弁をさせました。また、私も答弁をいたしました。現在協議中ということでありまして、ここは事実を慎重に見極めながら、しっかりとDV被害者の方に寄り添って支援するように指示してまいりますという姿勢を今日は申し上げておきます。 ○和田ひでとし 議長 以上で桃野芳文議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十五番たかじょう訓子議員。    〔二十五番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手) ◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 質問通告に従い、伺います。  初めに、子ども一人一人に寄り添った教育の実現を求め、伺います。  まず、少人数学級の推進についてです。  この間、現場の教員や校長からもお話を伺いました。分散登校時に二十人程度の授業を経験した教員から、子どもの理解度や様子がはっきり分かる、子どもが落ち着いているなど、少人数学級の効果が語られました。小学校と中学校を視察しましたが、四十人近いクラスでは、感染予防に必要とされている社会的距離は確保できません。  七月三日、全国知事会、全国市長会、全国町村会の三団体が少人数編成を可能とする教員の確保などを求める緊急提言書を連名で提出しました。少人数学級の実現は、自治体からの強い要望であり、我が党も賛同するものです。  国も、いわゆる骨太方針二〇二〇に少人数による指導体制の検討を盛り込み、導入に向けての検討が進んでいます。早期実現に向け、区として積極的な対応が必要と考えます。教育長は、さきの議会でも少人数学級の有用性について答弁されました。少人数学級の早期実現を国、都に求めていただきたい。見解を伺います。  次に、不登校対策、ひなぎく学級について伺います。  今般、令和四年を目途に不登校特例校分室型設置の方針が示されました。不登校特例校とは、学校教育法に基づく学校の一種であり、教員が配置され、不登校の児童生徒の状況に合わせた緩やかな教育課程、少人数や個別の対応によりきめ細やかな指導が行われます。  世田谷区における不登校児童生徒の数は、令和元年度で八百二十五名に上り、さらに増加することが見込まれます。多様な居場所が求められる中、在籍校には通えないが学びたい子どもたちの受け皿が必要であり、区が不登校特例校に取り組むことを評価します。  これまで世田谷中学に設置された情緒障害通級指導学級ひなぎく学級で不登校の中学生を受け入れてきました。ひなぎく学級は、教員による少人数や個別の手厚い指導が行われ、既に不登校特例校の役割を果たしてきました。卒業生はほぼ進学をしています。社会人となった卒業生からお話を伺いました。ひなぎく学級での授業はよく分かり、学ぶことの楽しさを知った。自分を取り戻すことができ、将来への希望も持てたと語ってくれました。  不登校生徒へのひなぎく学級が果たしてきた役割は大きく、子どもに寄り添い、学習を支援し、成長を支えてきた教育実践を評価します。不登校特例校設置の意義について、区の見解を伺います。  また、開設に当たり、ひなぎく学級で積み重ねてきた不登校生徒に対する教育実践の継続を求めます。見解を伺います。  次に、介護職確保について順次伺います。  まず、介護職確保ができずに満床にできない特養ホームの対応です。先般、厚労省所管の介護労働安定センターによる介護労働実態調査結果が示されました。事業所の約七が、介護職員が不足と回答、近年では最悪です。恒常的な介護職不足にコロナ禍が拍車をかけています。区内でも、開設後、三、四年たってもいまだに満床にできない特養ホームがあります。事業者任せでなく区の責務として、こうした実態を繰り返さない積極的な支援を求めます。見解を伺います。  次に、総合的対策です。第八期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案において重点取組に介護人材の確保・定着支援が明記されたことは重要です。我が党は、かねてより特養ホーム千人分計画に見合う介護人材確保策強化を求めてきました。全産業と比べて賃金が月十万円低い介護職の処遇改善や社会的評価の向上など、総合的対策が必要です。現場の声を聞き、家賃助成拡充など、対策強化を求めます。見解を伺います。  次に、多様な人材についてです。外国人受入れの問題では、国は二〇一八年、深刻な人材不足を理由に出入国管理法改定、在留資格特定技能を設け、介護業には六万人の外国人特定技能実習生を受け入れるとしています。区の介護現場で働く外国人労働者の人権、労働条件が守られるとともに、介護職としての育成、定着支援が必要です。既に、区内には社会福祉事業団等による外国人留学生育成のためのコンソーシアムもあります。連携も図り、日本語・日本文化取得支援や研修など、準備を進めることを求めます。見解を伺います。  次に、産業振興基本条例について、三点伺います。  区は、令和四年五月を目途に条例の見直しを行うとしています。八月三十一日に開催された産業振興基本条例の見直しのための検討会議では、消費税増税に加えコロナ禍が重なっており厳しい経営状況であることや、事業継承の課題、住職近接のニーズなどが挙げられました。条例見直しに当たり、コロナ禍により変化した区民生活、区内事業者の経営状況、業態など、現状把握が必要です。改めて実態調査を行うべきです。見解を伺います。  平成二十六年の小規模企業振興基本法制定により、小規模事業者への支援を行うことが自治体の責務として盛り込まれました。我が党は、団体支援にとどまることなく、個店など事業者への支援を位置づけることを求めてきました。今般、コロナ対応として個店への支援が盛り込まれたことを評価しています。条例見直しに当たり、区内事業者の九を占める中小企業、個店など事業者支援を条例に位置づけることを求めます。見解を伺います。  農業施策についてです。二〇二二年に期間終了を迎える生産緑地の問題への対応では、都市農地保全策の強化が求められています。農業施策について、産業発展の視点だけでなく、SDGs、持続可能な地域社会の構築、環境の視点を位置づけ、都市農地の保全に取り組むことを求めます。見解を伺います。  最後に、千歳烏山駅周辺地区のまちづくりについて伺います。  七月、千歳烏山駅周辺地区地区計画・街づくり計画の素案の説明会が開催されました。用途地域の変更と再開発の誘導などを可能とする条件整備が盛り込まれています。駅南側では、近隣商業から商業地域に、都市計画道路二一六号線沿道の区域も一部、第一種住居地域から近隣商業地域に変更としています。参加者からは、住環境が変わるのではないかなど、不安などが寄せられました。はがき、またネットなどから多数の意見が寄せられています。地区計画は、住民の声に応えながら策定する必要があります。具体的に区としてこうした声にどのように応えていくつもりなのか、見解を伺います。  また、駅前広場の南側は再開発の導入が想定されています。導入することになれば、町が大きく変化します。税金も投入されることになります。この機会に、広範な住民とともにまちづくりについて話し合うことが必要です。三軒茶屋地区のまちづくりでは、近隣大学に通う学生や職場を持つ方なども参加したワークショップを開催し、広範な方々がまちづくりに参加しています。千歳烏山駅周辺地区のまちづくりにおいて、広く地域の住民、職場を持つ方、近隣大学、高校などにも呼びかけ、ワークショップなどに取り組むことを求めます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 少人数学級の推進について御答弁申し上げます。  少人数学級につきましては、子どもの理解度や興味関心を踏まえたきめ細やかな学習指導や、一人一人の課題に即した個別指導の充実につながるものと捉えております。私は、これまで少人数学級の導入に向け、特別区教育長会などを通じて国や東京都に働きかけを行ってまいりました。現在、国においても少人数学級の導入に積極的な議論が行われておりますので、国の動向を注視しながら、引き続き早期実現に向けた働きかけを行ってまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは不登校対策について御答弁いたします。  世田谷中学校に設置しておりますひなぎく学級は、長年、不登校生徒のための通級指導学級として、保護者の皆様の御理解をいただきながら、生徒一人一人に寄り添い、在籍校復帰や社会適応を目指した取組を進めてまいりました。不登校児童生徒の置かれた状況や課題はそれぞれ異なっており、一人一人の課題に対応したきめ細やかな支援を提供していく必要があると認識しております。  教育委員会では、不登校の子どもたちには従来のほっとスクールに加えてより多様な選択肢が必要であると考えており、通常の授業への参加は難しいものの学習意欲の高い子どもたちに、それぞれに応じた学習や支援を提供する不登校特例校分教室型の設置に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。今まで培ってきたひなぎく学級での実績を生かし、不登校の子どもたちの視点に立った学級運営となるようしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、介護人材の確保につきまして、三点御答弁申し上げます。  まず、開設後数年経てもまだ満床にできていない特養ホームの対策についてです。  平成二十九年度に開設いたしました施設につきましては、介護人材の確保が進み、八月末現在で満床となっております。同様に、平成三十年度に開設した施設につきましては、現段階では入所率が八強となっておりますが、運営体制が整ったことから、近日中に全ユニットをオープンする見込みとのことです。  介護人材の確保につきましては、急速な高齢化による介護サービス需要の増大と、生産年齢人口の減少の影響、介護職の魅力などが正しく伝え切れていないこと、また、特に今般は新型コロナウイルスの影響もあり、多くの施設でマンパワーが不足ぎみになっておる状況でございます。  区といたしましては、整備した施設が有効に機能するよう、採用活動への支援等を行うとともに、早期にユニットオープンを求めてきたところでございます。特別養護老人ホームは、介護が必要になっても安心して生活できる場として今後とも重要な役割を担う施設であり、介護職員不足によりその機能が損なわれることがないよう、引き続き様々な観点から必要な支援を行ってまいります。  次に、人材確保のための生活支援についてです。  区では、今年度の新たな取組といたしまして、特別養護老人ホーム介護職員宿舎借上げ支援事業を開始いたしました。補助対象者や補助金額の設定に当たり、施設長会の御意見も伺い、都の事業の対象にならない職種にも拡充をしたところでございます。また、昨年十月に導入された介護職員等特定処遇改善加算をはじめとした処遇改善に関する加算につきましては、区としても、加算要件である職場環境等要件が取得できるよう支援をしておるところでございます。  現在、総合的な介護人材対策を推進するため、昨年度実施いたしました介護人材ワーキンググループの強化に向けた準備を進めておりますので、介護職の魅力向上や人材不足の時代に即した働きやすい職場環境等について御議論をいただきながら、さらなる支援策を検討してまいります。  最後に、外国人人材の活用についてお答えいたします。  区内で働く外国人の介護従事者の方々が誇りを持って働き、人権や労働条件が守られる、地域に定着していくことは、重要な課題であると認識しております。国は、介護現場で働く外国人の日本語能力向上を目的としたウェブコンテンツによる学習支援や必要な専門知識を学ぶ研修等を行っているほか、都では、介護事業者に対し、外国人受入れの環境整備支援を行っております。  区におきましても、在住外国人の生活支援の一つといたしまして、外国人日本語教室を実施しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響で休止しております集団指導における法令の周知等にも工夫をして取り組んでいるところでございます。今後も、外国人の方が、人権等が守られ、孤立せずに勉強し、働くことができるよう、相談の場や交流の場など、日常生活面における支援や研修等について、関係所管課や介護事業所と相談連携して取り組んでまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、産業振興基本条例関連、三点御答弁いたします。  産業振興基本条例の見直しについては、新型コロナウイルス感染症の地域経済への影響など、昨年とは劇的に変わってしまった世の中の実態を踏まえた検討が必要であることから、検討期間を八か月延長したところです。新型コロナウイルス感染症は、区内事業者の経営に大きな影響や多様な変化を及ぼしており、例えば、リーマンショック時には融資あっせんへの申込みが三年間で約六千件であったところ、今回の融資あっせんへの申込みは、四月からの五か月間で既に三千五百件を超えています。この内容につきまして、どのような業種でどの程度の影響が生じているかなどの分析を進めているところです。  また、国や都、民間企業などが行っている各種調査分析も活用するとともに、事業者に生じた多様な変化を把握することも重要と考えております。具体的には、コロナ禍において、早期に業態転換を図ったり、対策を講じたことで事業の拡大につなげていった前向きな事例の把握にも努めることで、多面的に状況の把握を図ってまいります。今後も、区内事業者の経営状況や消費動向等の実態把握に努め、必要な調査分析を行い、産業振興基本条例の見直しの検討に生かしていきたいと考えています。  次に、中小企業や個店の位置づけについてです。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、区民生活を支える区内産業への支援として、個人事業主や小規模企業など、区内事業者を対象に業態転換及び新ビジネス創出支援やクラウドファンディング支援、区内飲食店の情報発信支援として、「世田谷ライフ+」を発行するなどの取組を行ってきました。産業振興基本条例の見直しに当たり、これまで区が行ってきた取組や、中小企業基本法及び小規模企業振興基本法の趣旨を踏まえ、検討会議において各委員の意見をお聞きしながら、条例の内容、表現、文言について検討してまいります。  次に、農業やSDGsの視点についてです。新鮮で安心な農産物の供給に加え、都市部における緑地空間としての環境保全など、多面的な機能を有する都市農業・農地は、区において貴重な存在であり、これまで農業振興計画などにより支援をしてまいりました。SDGsの考え方を条例に位置づけるべきとの御提案につきましては、農業はもちろんのこと、他の全産業につきましてもそのような視点は必要なものと考えております。今後の条例検討会議の中で、御意見をいただきながら、条例への反映のさせ方などを検討してまいります。  私からは以上です。 ◎皆川 烏山総合支所長 私からは、千歳烏山駅周辺地区まちづくりについて、二点御答弁いたします。  まず初めに、説明会で出された意見への対応についてでございます。  千歳烏山駅周辺では京王線連続立体交差事業などを契機としたまちづくりを進めるため、地域住民の皆様や商店街の方々と意見交換を重ね、地区計画、地区街づくり計画の素案をまとめております。本年七月には説明会を開催し、参加者八十三名、ユーチューブ動画の閲覧回数は三百八十回を超え、多くの皆様に御覧いただき、様々な御意見をいただいたところでございます。  御意見の中には、安全な歩行者空間の確保やにぎわいの創出など、まちづくりへの期待の声をいただいております。一方で、事業などによって町のたたずまいが変化することについて、不安の声もございました。こうした声にお応えし、理解を得て着実にまちづくりを進めていくことが大変重要であると認識しております。引き続き分かりやすいニュースの発行や情報コーナー等を活用した情報発信、ホームページを活用した動画配信など、積極的に情報を発信するとともに、工夫を凝らしながら地域住民の皆様に丁寧に説明し、令和三年度早々の地区計画等の策定に向け取り組んでまいります。  続きまして、三軒茶屋のまちづくりのようにワークショップなどを取り入れたらどうかということについてお答えいたします。  三軒茶屋駅周辺では、区民、事業者などの様々な主体が連携したまちづくりを進めるため、まちづくり会議を設置し、ワークショップを行うなど、まちづくりへの関心を広げていく取組を進めております。一方、千歳烏山駅周辺地区では、街づくり協議会からの地区街づくり計画原案の提案を踏まえ、地域住民の皆様や商店街の方々と意見交換を重ね、地区計画等の策定に向けて現在取り組んできているところでございます。  本地区のまちづくりの目標である人々が集う魅力あふれる町、これを築いていくためには、地区計画等によるまちづくりに加え、地域住民、商店街、区が連携し、町に訪れる人を引きつけ、エリアの価値や魅力を高めていくさらなる取組が必要であると考えております。現在、千歳烏山商店街連合会と区の街づくり連絡会を立ち上げ、情報共有や町のルールなど、将来の町の在り方について意見交換を行っております。  区といたしましては、こうした取組をさらに発展させ、御指摘の三軒茶屋駅周辺や小田急線地下化に伴うまちづくりの事例も参考にしながら、千歳烏山駅周辺の住民参加のまちづくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 御答弁ありがとうございます。千歳烏山駅周辺のまちづくりについてですけれども、本当に多くの方が参加されて、あとユーチューブなども、説明会に来られなかった方も参加されたと。こうした区の工夫を大変すばらしいと、評価したいというふうに思います。  今後、いろいろな方々の声を聞いて主体的につくっていくまちづくり、住民と一緒につくっていくということをぜひ進めていただきたいと思っております。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十七日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時四十九分散会...