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  1. 世田谷区議会 2020-09-15
    令和 2年  9月 定例会−09月15日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年  9月 定例会−09月15日-01号令和 2年  9月 定例会 令和2年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十二号  九月十五日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  加藤たいき
    十六番  阿久津 皇 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 石川ナオミ 三十八番 おぎのけんじ 三十九番 真鍋よしゆき 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 河野俊弘 五十番  上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 政策経営部長 中村哲也 特別定額給付金担当部長交流推進担当部長兼務)        小澤弘美 総務部長   田中文子 庁舎整備担当部長        松村浩之 危機管理部長 菅井英樹 生活文化政策部長        松本公平 地域行政部長 清水昭夫 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        加賀谷 実 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        笠原 聡 道路・交通計画部長        田中太樹 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育総務部長 淺野 康 教育政策部長 池田 豊 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和二年九月十五日(火)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○和田ひでとし 議長 ただいまから令和二年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ────────────────────
    ○和田ひでとし 議長 議事に先立ちまして、一言申し上げます。  本会議の運営に当たりましては、さきの定例会に引き続き、新型コロナウイルス感染症への対策を十分講じた上、進めてまいりたいと思いますので、議員各位の御協力をお願いいたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 それではまず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   八  番 佐藤美樹議員   四十三番 羽田圭二議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十月十六日までの三十二日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕 ○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって会期は三十二日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、区長から招集の挨拶の申出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 令和二年第三回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆様に御挨拶を申し上げます。  新型コロナウイルス感染症は、三月から四月のピークを経て、五月から六月は鎮静化をしていましたが、七月に感染者数が急増し、感染者数は三月から四月のピーク時を超えました。四月から五月にかけての非常事態宣言で、経済は急速に悪化し、GDP成長率は、年率換算でマイナス二八・一%と戦後最大の下げ率となっています。こうした中、区は感染拡大防止社会経済活動の維持という大変難しい課題に直面をしております。  区内の新型コロナウイルス感染症は、予断を許さない状況が続いています。区内では、九月十四日までに千九百八十五人の方が罹患され、二十人の方が亡くなっていらっしゃいます。現在入院中七十二名、宿泊療養中五十六名、自宅療養中二十六名の方々がいらっしゃいます。亡くなられた方々に心からの哀悼の意をささげるとともに、闘病中の方々の一日も早い御快癒をお祈りいたします。  新型コロナウイルス感染症による感染拡大は、幾らかの時間差はあっても、世界同時に起きています。初期段階で感染防止対策を徹底し封じ込めに成功した国、感染拡大とともに対策を強めて鎮静化している国、またウイルスの脅威を軽視していまだに感染拡大に歯止めがかからない国や都市など様々であります。  私たちは、世界各国や都市の成功例から学び、失敗例を教訓にしなければなりません。そのためには、新型コロナウイルス感染症の治療を担ってきた医療機関支援とともに、PCR検査を拡充することが区民の生命と健康を守ることにつながる、このように考えております。  改めて、この間の感染症拡大防止の取組について申し上げます。  四月七日に緊急事態宣言とともに、区内のコロナ治療に取り組む病院長や世田谷区医師会、玉川医師会に緊急に集まっていただき、世田谷区医療関係者情報連絡会を開催をいたしました。コロナ治療によって大幅な赤字になっていて、病院経営にとって経済的な打撃が大きいなど医療現場の切実な現状が語られました。また、世田谷区医師会と玉川医師会からはPCR検査の実施に向けた提案が出されました。ここでの議論を通して、四月上旬にはPCR検査センターを医師会の協力の下で発足させることになりました。現在に至るまで情報連絡会を三回開催し、区内医療機関、医師会との連携を図っています。  また、医療現場において、医療用マスクやガウンなどの防護用品が不足して供給の見通しが立たないと伺いました。即座に医療用防具の供給支援の準備を始め、四月三十日から募集を始めた新型コロナウイルスをともに乗りこえる寄附金を活用しまして、六月下旬より、帰国者・接触者外来を設置している区内の病院等に、医療用のN95マスクや防護服を配付しています。  寄附金は九月十一日時点で総額四千八百四十五万五百八十六円の多大な御支援をいただいており、本定例会に提案する第三次補正予算案にPCR検査の拡充と医療的ケア児者への消毒液配布事業を計上しております。  さらに、PCR検査体制の拡充については、財源の確保に幅広い後押しをいただけるよう、第二弾としての寄附金募集を八月二十四日より開始しました。  さらに、情報連絡会での医療機関の声を踏まえ、感染拡大に対応する区内医療機関を支えるため、新型コロナウイルス感染症対応医療機関支援事業を開始しました。医療機関での感染症患者や疑いのある方の病床確保の際の空き病床助成や区民の入院時助成、PCR検査を実施する発熱外来の設置、運営の支援や助成、感染発生等による病院や診療所の休診時の使用停止病床などの支援を行います。  今回の第三次補正予算案で四億三千三百万円、第二次補正予算を合わせますと七億四千万円の予算を組んでおります。また、現場からの強い要請を受けまして、区内介護施設、障害者福祉事業所などへ感染防護のための支援金の交付を開始いたしました。既に申請受付を開始し、九月九日時点で百七十八件、マスクやアルコールなどの感染防護品の購入などに千七百十五万一千円の交付を決定をしております。この支援金では、感染防止対策のための物品の購入や体制整備、陽性者発生時の施設内の消毒経費等も支援をしております。  次に、PCR検査についてです。  この間、新型コロナウイルス感染症防止対策では、早期に感染者を発見し、治療と隔離に結びつけ、感染を拡大させないことが必要であることから、この間、PCR検査の拡充に努めてきました。一方で、無症状の方からの感染で、基礎疾患をお持ちの方や高齢者等へ感染が広がり、重症化する例も報告され、これを防ぐための方策について、検討を進めてまいりました。  七月下旬開催の世田谷区新型コロナウイルス感染症対策本部の学識経験者との意見交換会におきまして、ニューヨークで行われているきめ細かなPCR検査体制を指標として、PCR検査数を格段と増やす方法や社会的検査の定期的な実施などについて、御提言をいただきました。  感染者数が増加しており、介護事業所等の福祉施設において、連日感染者が出ていたことから、まず、感染の疑いがある方に対するPCR検査数については現在の倍の規模へと拡充すること、感染の拡大防止を目的として、そして、介護や保育等、人との接触を避けられないエッセンシャルワーカーを対象とし、社会的インフラをコロナ禍で継続的に維持するためのPCR検査について、検討を進めるように指示をいたしました。また、制度や財源も含め、私自身も先頭に立って、国や都に説明し、協力と支援を要請をしてまいりました。  同時期に私は、各報道機関などの取材のインタビューに対して、いつでも、誰でも、何度でもとハードルを低くPCR検査を行っているニューヨークを目指して、検査を拡充していく必要性を訴えました。具体的には、一、従来から検査の拡充、二、社会的検査の実施を課題として、オートメーションの検査機器の活用やプール方式の採用などを用いて検査件数を一桁増やすと当面の取組を述べました。また、国や都に制度的、財政的な支援を求めるということも付言をしております。  その中で、世田谷区は、まずは八月三日に一日当たり三百三十二件の最大検査件数を実施していることから、今後、感染のさらなる拡大にも対応できるように、感染の疑いのある方や濃厚接触者を対象に実施している保健所、医師会及び病院によるPCR検査可能数を増やします。世田谷区、玉川両医師会や医療機関の協力を得て、現在の三百件程度の検査可能件数を一日当たり最大六百件程度に拡充をしていきます。  同時に、運営中のPCR検査施設内に、全自動の検査機器の設置の検討も進めています。検査可能件数を増やすとともに、検体搬送を省き、検査に要する時間を短縮し、素早く患者への対応ができるようにしていくとともに、今後の流行を見据えた体制増強に努めてまいります。  次に、社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査を新たな取組として社会的検査を実施いたします。まずは、介護事業所や障害者施設等を利用されている方への感染に伴う重症化を避け、また、保育等の現場においてはクラスター化を抑止することで、施設内感染の防止や事業所等のサービスを止めないことにつなげるため、介護、障害、保育等の現場で、対人接触を避けられない職員等に対して実施してまいります。  この社会的検査は、当面、従来型のPCR検査での実施とし、前鼻腔方式、自己採取による医師や看護師立会いの下での検査や、プール方式は国における検査方式の検討も踏まえ、協議を経て実施する予定といたしております。  この間の区の働きかけに合わせて、国も感染拡大が認められる地域での高齢者施設で働く職員、入所者等への定期的な一斉検査(八月二十八日安倍首相)や、国の新型コロナウイルス感染症対策本部決定における今後の取組が示されたほか、東京都も高齢者施設の職員、入所者を対象とした検査を検討しています。国に対して、この社会的検査を行政検査として位置づけ、国費として対応することについて照会をしていましたが、九月十一日に、国費として対応する旨の回答をいただき、世田谷区が実施する社会的検査が行政検査として実施できるようになりました。  区内において、福祉施設等における陽性例は、七月二十日の二十一件から八月二十八日の四十九件へと激増をしております。この社会的検査を一刻も早く行い、感染を防止することは急務であり、第一段階として九月中旬を目途に実施の準備を進めさせていただき、まずは優先的に介護事業所で働く方々を対象にしてまいります。検査の範囲、そして今後の事業展開については、検査結果の検証や財源面の問題、今後の感染状況の推移も見極めながら、次の段階へ向けて検討を続けてまいります。なお、感染状況によっては、社会的検査を一旦休止いたしまして、感染の疑いのある方に対する従来のPCR検査を続けながら、感染症拡大防止への対応を図っていくことも考えております。  今後とも、区民の命と安全を守る効果的な新型コロナウイルス感染症防止対策に全力で取り組んでまいります。  次に、コロナ禍における区政運営です。  まず、世田谷区政策方針についてです。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、新実施計画(後期)に掲げる取組など、現行の計画を見直す必要が出てきました。  新型コロナウイルス感染症は、経済的にかつてない深刻な影響をもたらし、区民の生活危機を進行させ、区内産業の困難をもたらしています。こうした状況が長期にわたることも想定し、無利子融資の期間延長、三〇%プレミアムつき世田谷個店応援券と電子商品券、(仮称)せたがやペイの発行支援をはじめ、きめ細かく地域経済の状況を見極めながら、時期を逸することなく区民生活及び区内産業の支援策を迅速に講じてまいります。  一方、区財政は大幅な減収は必至であり、これまで経験したことのない財源不足も覚悟の上で、区民生活を支えていく必要がございます。これからの区政運営は、厳しい財政状況の中で、区民生活の安全及び区民の命と健康を守り抜くために、直面する感染症防止対策と、区民や事業者の社会経済活動の維持、活性化をバランスよく構築していきます。  こうした認識の下、切迫する区民の行政ニーズに応え、政策課題の優先順位を全庁横断的に整理し、あらゆる施策について本質的に見直しを進める区政運営の指針として、世田谷区政策方針を定め、庁内及び区議会にお示ししたところでございます。  この政策方針は、令和二年度後半から、新実施計画(後期)の期間である令和三年度における区政運営の方針として、一、新型コロナウイルス感染症防止対策、二、区民の生活と区内事業者等の活動を守る取組み、三、子どもの学びと育ちの支援、四、施策事業の本質的な見直し、事業手法の転換の四つの柱に基づきまして、令和三年度当初予算の編成、新実施計画(後期)の進捗管理に反映をさせてまいります。  次に、コロナ禍を踏まえた中期財政見通しについてです。  今般、本年二月に公表いたしました今後五年間の中期財政見通しを更新しまして、現時点における区財政への影響見込みについて反映をいたしました。  歳入面では、特別区税や特別区交付金について、リーマンショックを上回る大幅な減収を想定しつつ、歳出面では、本庁舎等整備経費の確保や扶助費の増などを見込んでいます。今後、新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大に備えて持続可能な財政運営を維持するため、今年度の繰越金を活用することで、令和三年度の財政調整基金の繰入れを実質ゼロとし、その後も財政調整基金の繰入れは行わない見通しとしております。  次に、本庁舎等整備について申し上げます。  新型コロナウイルス感染症拡大に伴う区の緊急対策を踏まえ、令和二年五月以降の施工者選定に関する手続を保留していたところですが、本庁舎等の災害対策機能の強化は喫緊の課題でもあります。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、歳入減も見込まれることから区民生活への影響について検証を行ってまいりました。  まず、事業全体で十五億円の経費縮減が図れ、建設費につきましては、この間積み立ててきた庁舎等建設等基金と特別区債で全額を賄うなど、財源確保を工夫し、各年度の税収で負担する額を最小限とすることができました。  また、これらを反映した中期財政見通しにおいて、財政調整基金残高を一般会計予算の一割に相当する三百億円以上を引き続き確保でき、今後の不透明な経済状況にも対応しながら、区政運営を行っていける見通しが立ったため、本庁舎等整備を進めることにいたしました。着工時期は、令和三年七月頃を予定しております。厳しい財政状況においても、区民の命を守る長年にわたる区政の拠点として、地域経済への波及効果の観点からも、政策方針における区が取り組むべき重要な課題として、本庁舎等整備を着実に進めてまいります。  地域行政の推進については、区議会はもとより、区民、学識経験者等との議論や職員による意見交換等の検討を進めてまいりました。  今般、感染拡大防止対策による影響を受けたことや、地域行政の意義を区民と共有し、区民参加の機会を十分に確保し議論を深めるため、検討スケジュールを見直しまして、令和三年第三回区議会定例会への条例提案を予定しています。  住民自治や身近な行政サービス、地域内分権の在り方を改めて議論し、今年度は、十月にシンポジウム、ワークショップの開催を、さらに、条例案策定過程においては、パブリックコメント地域住民説明会を実施し、区民参加と協働を深めてまいります。  次に、災害対策についてです。  今年も九月に入り、台風シーズンを迎えています。地球温暖化に伴い世界各地で豪雨や洪水が頻発しており、深刻な被害をもたらしています。国内でも、気候変動による被害は年々激甚化しており、区でも、昨年十月に台風第十九号による多摩川の増水と内水氾濫で大きな水害被害を受けました。  区は気候危機の問題に、区民、事業者の皆さんとともに立ち向かうため、区議会での御議論をいただきながら、気候非常事態宣言を発していく準備をしております。  また、九月四日には約四十自治体の参加を得て、自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議を初のオンラインにて開催をいたしまして、熱心な議論をいただきました。自治体の垣根を超えてつながり、都市と地方の自治体による情報交換を進めて、しなやかな連携を進めてまいります。  七月十九日、二十六日、令和元年台風第十九号に伴う浸水被害への区の取組みに関する住民説明会を開催し、四回で二百五十七人の区民の方に御出席いただきました。被災後に区で開始した風水害対策総点検の取組を紹介し、浸水被害検証委員会で作業を進めていた浸水被害発生メカニズムをシミュレーションで再現した動画を用いて、浸水発生原因について区民の皆さんに説明をいたしました。  いただいた御意見を世田谷区地域防災計画令和三年修正の風水害編に反映させるよう検討を進め、計画を改訂します。また、震災への備えも忘れてはなりません。水害、震災ともにコロナ禍の避難所運営についての配慮や課題について取り組んでいきます。  世田谷区認知症とともに生きる希望条例についてです。  認知症高齢者が増え続ける中、認知症になってからも、認知症の御本人の意思及び権利が尊重され、認知症の御本人が自らの力を発揮しながら、住み慣れた地域の中で安心して暮らし続けられることが求められています。条例制定に向けた議論には、認知症の当事者である御本人にも参画をしていただき、検討を進めてまいりました。  認知症は誰もがなる可能性があります。幅広い人々が認知症に対して深い関心を持ち、自らのこととして捉え、自主的かつ自発的な参加及び協働により、地域との関わりを持つことで、認知症とともに尊厳を保ちながら生きていくことができる社会の実現につながります。  区では、認知症と共に生きることに希望を持つことができる地域共生社会の実現に向け、基本となる理念を定め、認知症の御本人を含めた全ての区民、地域団体、関係機関及び事業者が一体となって世田谷らしい地域づくりを進め、「一人ひとりの希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせるまち、せたがや」を目指し、本定例会に条例案を提案をいたします。  老人休養ホームふじみ荘について申し上げます。  昭和四十五年四月に開設した老人休養ホームふじみ荘ですが、長い間、多くの高齢者に親しまれてまいりましたが、五十年にわたる経過の中で、老朽化と利用者の減少、高コストの運営状況などから、来年三月末をもって廃止する方針をお示ししてまいりましたが、利用者説明会などにおいて、大変惜しむ声がございましたが、本定例会に廃止条例を提案させていただくことにいたしました。  また、高齢者人口の増加を踏まえ、AIを活用した就労・就業支援や高齢者の経験や能力を生かした人材マッチング事業について、秋以降、試行してまいります。さらに高齢者クラブや活動団体の支援の充実にも取り組み、高齢者のさらなる活動支援に力を注いでまいります。  なお、ふじみ荘利用者の皆さんには、他の施設の利用案内や見学会を行い、移動手段の確保も行いながら丁寧な移行支援に努めてまいります。  続いて、地域共生社会の実現に向けた地域包括ケアシステムの取組についてです。  区では、平成二十六年三月に策定いたしました世田谷区地域保健医療福祉総合計画において、誰もが安心して住み慣れた地域で暮らし続けられる地域社会を築くという観点から、全国に先駆けて、高齢者だけでなく、障害者、子育て家庭、生きづらさを抱えた若者、生活困窮者など対象を広く捉え、地域包括ケアシステムを推進してきました。また、区の地域行政制度を基に地域包括ケアの地区展開を平成二十七年七月から五地区でのモデル事業、二十八年七月から全地区展開を開始し、各地区で様々な取組が行われております。  国も地域共生社会を目指して政策転換を進め、令和二年六月に地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律が成立し、社会福祉法に基づく新たな事業として重層的支援体制整備事業が創設されました。  この間、厚生労働省の幹部と区で意見交換を行い、国からは、先行して始まっている地域包括ケアの地区展開を土台として、国の新たな事業体系に先駆的に取り組むことへの期待も示されました。  区も重層的支援体制整備事業に積極的に取り組み、八〇五〇問題やひきこもりなど、これまでは制度のはざまで置き去りになりやすい方々への支援を強化するとともに、五年目に入った地域包括ケアの地区展開を地域行政制度改革と合わせて、地域福祉力をさらに高めるために、果敢に取り組んでまいります。  令和三年度から三年間を計画期間とする高齢者保健福祉計画介護保険事業計画の素案を取りまとめました。健康寿命の延伸、高齢者の参加と活動の促進、介護・福祉サービスの確保を計画目標として定めています。  来年、旧梅丘地区会館の建物を改修して、北沢地域では初めてとなる通いと訪問と宿泊を組み合わせて御利用いただける小規模多機能型居宅介護の事業所が開設される予定です。また、令和四年の開設に向け、旧若林小学校跡地への認知症高齢者グループホーム及び小規模多機能型居宅介護を併設する地域密着型特別養護老人ホームの整備も進めているところでございます。  一方、介護の現場では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり人材不足が続いています。区では、今年度より特別養護老人ホーム介護職員宿舎借り上げ支援事業などを新たに開始したほか、介護人材採用活動経費助成事業の支給対象を全法人に拡大をいたしました。今後、介護人材対策をさらに推進してまいります。  障害者施策の計画について令和三年度から令和五年度の三年間を計画期間とする「せたがやノーマライゼーションプラン―(仮称)世田谷区障害施策推進計画―」について、地域保健福祉審議会から中間報告をいただき、計画素案として策定しました。障害福祉分野の施設やサービスが不足していることを直視し、積極的に取り組んでまいります。  次に、保育待機児ゼロの継続についてです。  これまでの認可保育園等の保育施設整備による定員拡大などにより、令和二年四月一日時点の保育待機児童は解消されました。しかし、一歳児の入園申込みは前年度より増加し、育児休業からの復帰などの潜在的なニーズも高いことから、認証保育所の一歳児定員の拡充など、緊急的な取組も行ってまいりました。  この間、保育施設が充足する地域と新規施設が必要な地域がより鮮明になり、また短時間勤務の方々など、多様な保育ニーズへの対応、対策を加速させることが必要となっています。このため、認証保育所への経営支援や保護者の負担軽減補助の見直しなどによる多様な保育需要に対応した保育施設の拡充や、区立下北沢保育園跡地への私立認可保育園誘致など、公有地を活用した施設整備、保育ニーズが高く新規の保育施設が必要な地域での整備に特化した施設整備を進め、待機児童ゼロの継続に向けた取組を推進してまいります。  次に、世田谷区社会的養育推進計画についてです。  令和二年四月に、区は、子ども・子育てに係る施策を総合的に推進する世田谷区子ども計画(第二期)後期計画に基づく新たな取組をスタートするとともに、二十三区で初めてとなる区立の児童相談所を開設したことにより、家庭への養育支援から代替養育までを通した社会的養育の体制整備に一貫して取り組んでいるところであります。  今後、区が社会的養育を着実に推進していくためには、地域との顔の見える関係を最大限に活用し、家庭養育を優先した社会的養護の受皿の拡充を図るなど、区だからこそ見渡せる細かな社会的養育推進計画の策定を目指してまいります。区議会の御意見を伺うとともに、パブリックコメントなどにより区民意見を反映して、策定に取り組んでまいります。  都市整備についてです。  この間、区は首都直下地震などの被害を未然に防止し、区民の生命と財産を守るため、令和二年度までを計画期間とした世田谷区耐震改修促進計画により、建築物の耐震化に取り組んできました。しかし、いまだ四万棟を超える旧耐震基準の木造住宅が残っています。  現在、区では令和七年度までの耐震改修促進計画の改定作業に取り組んでいます。旧耐震基準の木造住宅の所有者に対して区の耐震化支援制度を直接案内することや、耐震改修につながらない分譲マンションの耐震化を促進するための助成制度見直しなど、耐震化率向上に向けた新たな支援策を検討し、災害に強いまちづくりを計画的に進めてまいります。  下北沢駅周辺では、平成十八年より都市計画道路補助第五四号線及び世田谷区画街路第一〇号線、下北沢駅駅前広場の道路事業を推進してまいりました。  下北沢駅駅前広場につきましては、区の用地取得も九割を超えてきており、順次、公共下水道や電線共同溝などインフラ整備を進めてまいります。補助第五四号線につきましても、用地取得に一層注力してまいります。  また、小田急線上部利用につきましては、世田谷代田〜下北沢〜東北沢駅間の線路跡地に駅前広場、東西をつなぐ通路、防災と緑の機軸になる緑地等の整備を進めています。  下北沢駅周辺では、小田急電鉄や京王電鉄による施設整備が始まり、区は駅南西口の小田急線上部に通路や緑地、広場の整備、京王井の頭線の高架に沿った茶沢通りと駅前をつなぐ通路の整備を進めてまいります。  次に、千歳烏山駅周辺のまちづくりについてです。  千歳烏山駅周辺では、京王線連続立体交差事業や補助第二一六号線の道路事業、駅前広場事業などの事業化に伴い、町が大きく変わろうとしています。  平成二十三年に地元の街づくり協議会から地区街づくり計画原案の提案をいただき、区では平成二十六年に街づくり構想を策定してまいりました。  本年七月には説明会を開催するとともに、説明会をユーチューブで動画配信するなど新たな取組も導入し、多くの皆さんに御参加、御意見をいただきました。今後も、住民参加の機会を確保するための工夫を凝らしながら、令和三年度中の地区計画等の策定に取り組んでまいります。  次に、特定生産緑地についてです。  区内農地の九割程度を占める生産緑地が大量に宅地化されるおそれのある、いわゆる二〇二二年問題に対処するため、国は平成二十九年に生産緑地法等を改正し、特定生産緑地制度を創設しました。本区では、区内生産緑地面積全体の約八割が平成四年の指定であり、指定から三十年を迎える令和四年までに、農業者の皆さんに特定生産緑地の指定申請をしていただけるよう、鋭意制度の周知に努めているところでございます。制度説明会や個別相談の機会を設けるなど、農業協同組合と連携しながら、農業振興、農地の保全に積極的に取り組んでまいります。  次に、教育についてです。  まず、世田谷区総合教育会議についてです。七月三十一日に世田谷区民会館ホールにおいて、世田谷区総合教育会議「新型コロナウイルス感染症に対応した新たな学び」をテーマに開催しました。感染防止の観点から無観客方式でインターネットによる録画配信を行いました。冒頭では、教育委員会事務局統括指導主事と学校教員から、この春からの区立小中学校休業期間中の教育現場での対応の振り返りがありました。ICTの活用、ユーチューブなどのオンライン学習の実施の報告があり、生徒や保護者の反応も語られました。
     報告後には、教育長、教育委員それぞれからの意見があり、ウイズコロナ、アフターコロナと言われる新たな社会環境に対応していくための意見が交わされました。また、GIGAスクール構想の実現やICT活用による学びの個別最適化、ICT相談員の増加、教員の技術向上など今後の方向性を見据えた議論がされました。私も教育の充実のために努力を続けてまいります。  文部科学省からGIGAスクール構想が示されています。感染症対策のために必要とされたインターネットを利用した学習環境整備という面でも重要性が高まっています。このことから、学校及び家庭双方での活用を視野に入れ、区立小中学校の児童生徒一人一台のタブレット型情報端末の配備を十一月以降順次進めていくとともに、全区立小中学校九十校の校内通信ネットワークの整備を年度内に行ってまいります。  また、教育委員会では、令和三年十二月に教育総合センター開設を予定しており、このたび、その運用計画の素案を取りまとめました。教育総合センターは、世田谷の新たな教育を推進する拠点であり、新学習指導要領による探究的な学びの実現、GIGAスクール構想により整備される一人一台の端末の活用、新たな世田谷の教育を担う教員の育成、支援などに取り組むほか、様々な悩みを抱える保護者の方やお子さんに寄り添った相談の提供や、乳幼児教育の研究推進、地域や社会との連携などに取り組んでまいります。単なる引っ越しに終わることなく、質の高い世田谷の教育に向けて、教育現場の支援と底上げに役立つ場としてつくり上げてまいります。  次に、不登校特例校についてです。  令和元年度の一年間で学校に三十日以上登校できていない、いわゆる不登校の児童生徒の数は八百二十五名に上り、五年前、平成二十六年度の約一・六倍となっています。  不登校の児童生徒の中には、心の休養や居場所を必要としている子どもがいる一方で、在籍校には通えないものの学習意欲は高く、専門的な学習支援を必要とする子どももいます。  教育委員会では、ほっとスクールに加え、本格的な学習支援を必要とする子どものための新たな施設として不登校特例校の設置に取り組むことにいたしました。  不登校特例校は、学校教育法における学校施設の一種であり、正規の教員が配置され、本格的な学習支援を行いますが、少人数での学習や一人一人の習熟度に応じた学習など、不登校の児童生徒の特性に合わせて柔軟なカリキュラムが組まれます。  まずは、令和四年度に中学生を対象とした不登校特例校を設置し、将来的には小学生をも対象とした本格的な不登校特例校へと移行することを目指し、設置に向けた準備に着手してまいります。  次に、決算及び補正予算についてです。  本定例会で御審議いただく令和元年度の歳入歳出決算の概要について申し上げます。  一般会計の決算ですが、歳入は、特別区税や国庫支出金、都支出金の増などにより歳入総額は三千二百九十五億円、前年度と比較して六・五%の増となりました。歳出は、梅ヶ丘拠点施設整備費や庁舎等建設等基金積立金の増などにより歳出総額は三千百六十六億円、前年度と比較して六・二%の増となりました。この結果、令和元年度決算の実質収支は九十八億円となりました。  なお、年度末における基金残高は一千六十億円となり、昨年度に引き続き、特別区債残高六百九十八億円を大幅に上回っております。また、健全化判断比率につきましては、令和元年度においても、引き続き健全な状況を維持いたしました。  次に、補正予算案について申し上げます。  このたびの補正は、新型コロナウイルス感染症に対する区独自の緊急対策や、国、東京都の財源を活用した取組等について速やかに対応するため、補正予算を計上するものであります。  あわせまして、国民健康保険事業会計など四つの特別会計につきましては、前年度繰越金の確定などに伴う補正を行っております。全ての会計を合わせますと、百三十九億三千二百万円の増額補正となっております。  本議会に提案申し上げます案件は、「令和二年度世田谷区一般会計補正予算(第三次)」など議案二十三件、認定五件、諮問一件、報告二十九件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。 ○和田ひでとし 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第三十四号 令和元年度世田谷区財政健全化判断比率の報告外二十八件 ○和田ひでとし 議長 以上で諸般の報告は終わります。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時四十六分休憩    ──────────────────     午後一時五十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、無所属・世田谷行革一一〇番・維新を代表して、三十五番大庭正明議員。    〔三十五番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆三十五番(大庭正明 議員) 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の代表質問を行います。  本日になって、招集挨拶が突如変えられましたが、もう何が何だか、質問を行う立場からすれば大迷惑です。  その変わった部分とは、世田谷区が実施する社会的検査が行政検査として実施できるようになりましたという部分であります。これはまた、後ほど述べる保坂区長特有の、ちょっとそれは誤解があるんですがで済まされることでしょうか。  保坂区長の数々の身勝手な発言により、この七月末から今日に至るまで、世田谷区の保健分野はどんどん泥沼にはまっているようにしか映りません。  これから述べるのは、新型コロナウイルス対策における世田谷区のPCR検査のことです。  そもそも国が行政検査と認めるのは、感染拡大が認められる地域でのという前提条件がついているのですから、区長が言っている社会的検査とは異なります。にもかかわらず、世田谷区が実施する社会的検査が行政検査として実施できるようになりましたと、国に認められ、国費でできるようになったかのような言い回しは言葉遊びの類いにすぎません。  今般、第三次補正予算――提出見込みですが――における社会的検査は、感染拡大が認められる地域の前提で提案、設計はされていません。  介護施設にしても手挙げ方式で、PCR検査をすると言っているのは、いわゆる平時のときであり、念のためという範疇を超えておりません。念のためと、感染拡大が認められる緊急事態でのPCR検査が同じ扱いを受けるなどということはあり得ません。  またいつものように保坂区長は、自身の政治目的のために罪な言葉で問題をすり替え、区民に誤解を与え、誤った判断で税金を浪費しようとしています。そのことは後半部分で詳しく述べますが、以下本題に入ります。  私たちは三月以降の教訓として、医師が必要と認めれば、いつでも誰でもPCR検査を受けられる、すなわち医療に直結するライフラインを確立することが最重要課題であることを考えてまいりました。  それは今回の補正予算でも、感染症疑いのある有症状の方や濃厚接触者のPCR検査、従来型の拡充ですか――として取組がなされています。いわゆる行政検査としてです。この部分に関しては、以前より感染拡大が認められる地域が発生した場合は即対応できるようにしなければならないと、我々の会派は主張してきたことと一致しておりまして、大賛成であります。  感染拡大が認められるというのは、さきにも述べたように、緊急事態です。その地域にある介護施設等では、全員のPCR検査はもちろん、濃厚接触者を拡大するとともに、無症状者でも宿泊施設等での隔離が即求められます。国が言っているのは、このことなのです。  世田谷区の社会的検査は、介護事業者等の手挙げ方式かつ個人レベルで希望者を募る中途半端なPCR検査であり、介護事業者全体の感染予防には程遠い穴だらけの事業であります。この事業に国が行政検査と認め、お金を出すと、今回出された厚労省の事務通知からは、これは後で述べますが、どうやって読み込めるのでしょうか。  無症状でも感染力を持った人、専門用語では無症状病原体保有者と言うそうですが、そういう人の感染期間を見つけることは困難と医学者全員が言っていると思います。ただし、無症状者全員に毎日PCR検査をすれば可能です。しかしそんなことをすれば、財政破綻を招きます。だから国は、感染拡大が認められる地域に限ってと制約条件をつけているのです。  話を戻すと、無症状者に関しては、発症の時期が分からない。分からないまま過ごしているから無症状者なのです。  そもそも新型コロナに感染すると、これは毎日新聞の八月二十六日の連載記事からの引用ですが、新型コロナに感染すると、約八割の人は無症状や、発熱や倦怠感など風邪のような軽い症状が一週間程度続き、そのまま改善に向かうとあります。つまり感染しても八割の人が一週間程度で改善に向かうし、感染させる期間は、発症後十日間で終わってしまうとのことです。新型コロナウイルスはその後、体の中で消滅に向かいます。  仮に無症状の方がPCR検査の結果、陽性と判断されても、そのときには感染させる可能性がある時期を過ぎている可能性が高いと言われております。  PCR検査は治療でも予防でもありません。そんなことをするお金や暇があるなら、休養を取り、三密を回避し、消毒を徹底することによって、見えざる感染拡大者から自身を守ると同時に、他者に感染させないよう努力することです。京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授もそう言っております。  仮に感染しても、その八割は軽症なのですから、現在の国の基準では、発症日から十日経過し、かつ症状が軽くなってから三日間経過して問題がなければ退院ということになります。  一方で、毎日新聞の記事には続きがありまして、だが残りの二割は肺炎を起こし、その一部は発症から十日前後で重症化して呼吸器不全により死亡する。また死亡する多くが高齢者であり、その理由は老化による免疫機能の低下で、ウイルスの侵入を防げなくなっているとのことです。  恐らく今回の社会検査の重点は、ここに注目したのでしょう。しかし、さきにも述べたように、保坂区長が考えている計画では効果が上がるとは思えません。  そもそも七月二十七日に行われた新型コロナ対策本部での児玉東大名誉教授の提案に対して、例のPCR検査のいつでも、誰でも、何度でものことですが、いち早く宮崎副区長が財源的に無理だとの趣旨を述べ、遠回しに、こんなことをやろうとしていることは心配だと発言しています。真っ当な指摘だと思います。  そして、九月十日の臨時福祉保健委員会で、社会的検査は、頻度や対象に問題があると私が指摘したわけです。一回だけでは意味がない。手挙げ方式で、一人でも受けない人がいたら意味がない。施設丸ごと、全員でPCR検査をやらなければならないと発言したことに対して、宮崎副区長も、極論すれば、無症状者の感染がいつなのかを突き止めるのは毎日PCR検査をしなければならないことは分かっている。ただし、そんなことをやれば世田谷区の予算がパンクする。たとえ二週間に一回でもパンクする旨の答弁をしているのです。  すると、今回の補正では、一回だけから定期的とか複数回というように、検査手法を変えてきました。しかし、本当に検査として意味のある回数を定期的にできるのでしょうか。否、できません。それは財政的に無理があるからです。つまり、これは議会の賛同を得たいがための言葉だけの修正です。保坂レトリックであります。  今回、突然、保坂区長は、世田谷区が実施する社会的検査が国費として対応する旨の回答をいただき、行政検査として実施できるようになりましたなどと述べましたが、厚労省の回答文を見ますと、検査前確率が高いと考えられる地域において、幅広く行政検査を実施していっていただくことは可能である。あとは世田谷区で適切に判断してくださいとなっております。  検査前確率が高い地域と誰が判断するかといえば、保健所長でしょう。となれば、当然、社会的検査ではなく行政検査となるのは当たり前です。  また、厚労省の事務連絡で、八月二十八日の政府の新型コロナ対策本部決定において、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域では、その時期に限って、高齢者施設等に従事している全員、入所者も全員、つまり丸ごと、一斉・定期的な検査の実施を国は世田谷区に要請するとあります。  さらに、世田谷区における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合には、現に感染が発生した介護施設に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能であると厚労省は述べています。そして、こうした趣旨を踏まえ、世田谷区で適切に判断してくださいねという回答になっております。  これらの判断も保健所長がすることになっているはずです。となれば、社会的検査ではなく行政検査に自動的になるということは、当たり前のことであります。  言葉が似ているのでごまかされやすいですが、世田谷区の社会的検査が国の言うところの行政検査として認められるということではありません。前提条件が違いますから。それをあたかも区の政策が国に認められたかのように言うのは、区民を惑わす言葉遊びのレベルです。  ここで一点伺いますが、区長の言う行政検査として認められる社会的検査というのは、誰が判断するのでしょうか。保健所長でも医師でもないということなのでしょうか。伺います。  これから出される補正予算は、財源は特定財源になっていて、新たな国の支出はないということで、社会的検査を行うことになっています。つまり保健所長の判断を必要とせずにやるから、社会的検査と称して区の経費を使うとの理解です。  それが今になって、国費を使っての行政検査として認められるというのであれば、もはや保坂区長の言う社会的検査ではなくなるということです。  保坂区長が何が何でも押し通そうとしている社会的検査ではなくということでよろしいのか、お伺いします。ここのところ、はっきりしてください。  さて、テレビの影響は大きいもので、いわゆる世田谷モデルの話は関西のほうでも論争を呼んでいます。九月六日に放送されたある討論番組で、世田谷モデルについて賛否が問われていました。パネラー七人のうち、賛成は竹中平蔵氏一人だけでした。反対者の多くが財政破綻で世田谷区レベルではできないというのと、無症状者にPCR検査をしても毎日しないと意味がないという、先ほど述べたとおり、宮崎副区長と同じ意見でした。  その中で、一つ秀逸な見方をされたのが、東京でもよく知られた丸田佳奈医師の発言です。繰り返しますが、この番組は九月六日の放送です。  では、丸田医師は何を言ったかといえば、こうです。そのまま書き起こしました。  世田谷区長に関しては、私はですね、あの九十二万人に対して、これしかできないってこと、最初から分かっていると思うんですよ。で、恐らく、このいつでも、どこでも、何度でも、いつでも、誰でも、何度でもっていう、政治的なパフォーマンスが強いのかなあと思いました。ていうのは、世の中には安心のためにPCRよって言っている人たちが一定層います。その人たちがテレビに出てしゃべることによって、安心のためにPCRを使ったほうがいいんじゃないか、不安定になっている人たちがたくさんいるわけですね。その人たちに応えようとして、政治的なパフォーマンスとして、こういうふうに言葉を発したけれども、実際無理なことは恐らく分かっているんじゃないかと私は思っています。これが丸田医師の発言です。  まさに見ている人は見ているなということです。保坂区長は最初から無理なことは分かっていたんでしょうか。最初のプランからどんどんグレードダウンしているようですが、このことに答えるべきです。伺います。  そういえば、九月八日、質問通告締切りの日にも、先週ですね、ラジオの文化放送で「大竹まことゴールデンラジオ!」に保坂区長は出演されていましたが、大竹まことさんが、いよいよ世田谷区でもニューヨークのように、いつでも、誰でも、何度でもPCR検査するんですねと意気込んで尋ねると、保坂区長は冒頭から困ったような口ぶりで、ちょっと誤解があるんですが、正確にはですね、いつでも、誰でも、何度でもやっているのはニューヨークのことでありまして、そのニューヨークでやっているぐらいの検査のハードルを低くしようということを目指して、まずステップアップして、PCR検査を、もうここから、おいおいという感じですね。ちょっと誤解があるんですがなんて、どの口が言えるのでしょうか。そして、いつの間にかニューヨークの話にすり替えられているのです。そして、世田谷区はニューヨークを目指しているにすぎないと。また本日のように国費が出るような発言。  もう七月の保坂展人、八月の保坂展人、そして九月の保坂展人は別人なのでしょうか。実は三つ子だったという説もあるような話も聞きました。  今さら保坂区長の言い訳など聞きたいとは思いません。むしろ、現在の世田谷区は一体どうなっているのか。七月末から、もしくはそれ以前から今日に至る社会的検査なるものの経緯を宮崎副区長は語るべきだと思います。むしろ語るべき義務があるのではないかと思います。語ってください。  なお、改めて申し上げておきますが、急激な感染拡大時、多くの検査が求められる場合に備えて、つまり拡大された行政検査ですが、今のうちにPCR検査体制を充実させておくことは喫緊の課題の一つであると認識しております。そこで、現状のPCR検査マックス六百で足りないのは明らかですから、最新の民間技術を備えるべきだということは外部の専門家の指摘のとおりだと思います。  次に、具体的なことも伺います。  プール方式については、今回の厚労省の事務連絡で否定されたので質問する必要がなくなりました。ただし、検体採取の方法、場所は決まっているのか伺います。  次に、議会への報告について伺います。  今回の第三次補正予算は、先週の臨時の企画総務委員会を経て、ようやく提案の見込みが立ったわけですが、その企画総務委員会で、他会派の委員から、区長がテレビに出た瞬間から問合せが来たが、議会への報告がなく、区民からの問合せにも答えられない状況が続いた。保坂区長には、これまでは議会軽視の指摘が繰り返されてきたが、今回はほぼ無視する形であり、それがここまでの異例の事態、ゆゆしき事態を招いてしまっている。その認識はあるのかとの質問がありました。  これに対して、保坂区長はこう答えています。その都度、議会の各会派あるいは無所属の方も含めて、この趣旨について伝えるようにと、そしてまた御意見を伺うようにということで、副区長はじめ、その都度聞いておりましたと。  これは明らかに事実と異なります。我々はその都度そんな報告は受けていないし、もちろん趣旨なんかも知らないんです。それどころか、内容は日ごとに変化し、議会直前になってまた変わってしまった。挙げ句の果てはラジオの誤解があったと言い出す始末です。いまだにプール方式で、いつでも、誰でも、何度でもと信じている区民も少なくないと思います。まさにそれです。可決されれば、マスコミでは保坂さんの思ったとおりに報道され、世田谷モデルが独り歩きすることは見え見えです。保坂区長が国や東京都を動かしたと。  しかし、あくまでも国や都は予算をつけて増やそうとしているのは、世田谷モデルでも世田谷区の社会的検査でもなく、以前より我々が主張してきた保健所や医師が必要と判断したところへのPCR検査の拡充であります。  るる述べてまいりましたように、私たちは、副区長自らが意味をなさないと認めてしまっているような中途半端な制度設計、区長が勝手に発表したことのつじつま合わせのための、あるいは保坂区長の政治的パフォーマンスと言われる政策のための補正予算を認めるわけにはいきません。委員会において修正動議を出さざるを得ないと考えております。どんな理屈を行政がこねても、実態はお話ししたとおりです。  ただし、修正動議を出すにしても、社会的検査四億円の部分にフォーカスしたものであり、その他の補正に言及するものではありません。このことは、ここで明言しておきます。  限りある医療資源と予算を浪費することは許さない。必要なPCR検査体制を充実させつつ、より戦略的に使う方法を見極めることが重要である。そのことを行政は肝に銘じていただきたいと申し添え、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 大庭議員にお答えをいたします。  まずは、その関西でテレビの放送があったと、当然、私には見られないわけですが、そういう議論があったことを御紹介をいただきました。  区では、この間、新型コロナウイルス感染症対策として、従来型のPCR検査の拡充に努めてきましたが、一方で、お話にもあったように、無症状の方から基礎疾患がある方や高齢者の方に感染し、重症化する事例も報告をされてきました。そして、有識者からの御意見も踏まえて、検査のハードルを低くするなど、当初、目指すべき姿について、いつでも、誰でも、どこでも、その検査がハードルが低くなっているニューヨークの例を挙げて、ここを指標に、検査のステップを一段一段、現実を踏まえて上げていこうというふうに考えてきました。  基礎的自治体として取り組むに当たっては、場所の確保、人材の確保、そして特に財源の確保が大きな課題となりました。また、そういった御意見、御指摘もいただいたところです。そのため、区として何ができるのかの検討を重ね、社会的インフラを維持するための仕事で高齢者や障害者、子どもと接する機会の多いエッセンシャルワーカーが働く施設や事業所を対象とした取組から始めよう。これが世田谷区の社会的検査にしていこうと考えたものでございます。  今後につきましては、感染症の発生状況や本事業の実施等状況を踏まえて、また、議会はじめ皆様の意見を伺いながら、次の展開については検討をしてまいりたいと思います。  もう一点、お答えをいたします。  政治的パフォーマンスというお話で御指摘をいただきました。  社会的検査については、対象施設や優先順位、複数回の実施について、改めて整理をいたしました。そして、九月十日の福祉保健常任委員会で報告するとともに、私自身、企画総務委員会に出席をさせていただき、私から第三回定例会の告示日に議案となります補正予算書をお配りすることができなかったということについて、おわびをさせていただいたところでございます。  今回の補正予算書の新型コロナウイルス感染症防止対策につきましては、区民の命と健康を全力で守るという観点から、一つ目は、地域医療の崩壊を防ぐための医療機関への支援、二つ目には、PCR検査体制の従来からの検査体制の拡充と新たな展開、この二つの柱を立てました。この二つ目のPCR検査体制の拡充について、従来の検査可能数を倍増させると同時に、重症化の心配やクラスターの危険のある介護施設、障害者施設、保育園等を対象とした社会的検査も加えたところであります。  今後、冬に向けてはインフルエンザの流行期に入ります。それまでに何としても感染拡大を防止し、とりわけ重症化を避けるための体制を整えていかなければならず、区として準備が整い次第、介護事業所から順次、社会的検査を実施してまいりたいと考えています。
     制度設計の詳細は検討中でございますが、この間の御意見を踏まえ、よりよい制度とするため、費用対効果をしっかり上げていくために最大限の努力を傾注してまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、社会的検査におけます経過について御答弁申し上げます。  まず最初に、第三次補正予算につきまして議案提出が遅れたことにつきましては、さきの企画総務委員会におきまして区長からおわび申し上げたところでございますが、私からも、事務方としておわび申し上げます。申し訳ございませんでした。  御質問の社会的検査の経過につきまして、御答弁申し上げます。七月末以前からの経過ということですので、少し長くなりますが、御容赦ください。  まず、新型コロナウイルス感染拡大に伴いまして、世田谷区におきまして感染症対策本部を立ち上げ、保健所の体制強化策や庁内応援体制、分担の特命、PCR検査の拡充策のほか、高齢者施設、保育施設、学校等、社会インフラの事業継続の是非等、また情報発信、提供の在り方など、かつてないほどの危機管理体制を敷いて対策に臨んでまいりました。  その過程におきまして、区において、四月以降、世田谷保健所のPCR検査センターのほか、世田谷区、玉川両医師会や区内医療機関の御尽力をいただくことにより、急激に増加したPCR検査需要に応えることができたと思っております。  七月末に企画総務、福祉保健両委員会に御提出、御説明申し上げました新型コロナウイルス感染症予防の取組と今後の対応につきましてで、一連の対策を区のホームページ上に公開して、区民自身にも留意してほしいことを含め、情報提供させていただいたところでございます。  当区の感染者数の発生状況は、国が発表する感染者数の発生とほぼ同じ傾向が現れており、緊急事態発令後に一度減少傾向になり、六月下旬から再び増加傾向となり、九月に入り、若干数字的に抑制ぎみになっているものと認識しております。  概略的な感染症の状況を申し上げましたのは、御質問いただきました社会的検査の議論として、七月三十一日の福祉保健委員会で、ただいま申し上げました経過と重ねて質疑をいただいたところでございます。そのときの大庭議員をはじめ各会派の出席議員からの質疑の受け止めとして要約すると、保健所体制の確立、既存PCR検査の拡充、宿泊療養施設の確保、財政運営の危惧、今後の検討経過の報告など、多岐にわたる御意見等を頂戴いたしました。また、当日の答弁におきまして、七月二十七日の専門家との意見交換で指摘を受けたことについて申し上げた内容の中に、このコロナ対策というのは長引く。感染症が拡大の一途をたどったときに社会インフラを閉じていいのか。こういう対象者のところをなるべく多くの方にPCR検査を受けていただくことの必要性、そして、それらを世田谷から実践したらどうだろうかという御提起と受け止めたことを私から申し上げたところでございます。  今般の厚生労働省からの回答による行政検査と認める内容をもって、私は財源的な裏打ちはできたものと理解しておりますが、そうは申しましても、今後の全国的な動きによりましては一定の制約が図られることも考えておかなければならないと思っております。  まずはこの間、臨時を含む企画総務委員会、福祉保健委員会での御意見や区長へのメールでの御意見、また今後予定している対象となっている施設の関係各位の御意見、御要望をお聞きしながら、事業実施は円滑に、かつ国や東京都との協議をきちんと進めながら、何とか社会的検査の目的にあります重症化を避ける、クラスターの抑止を念頭に置いた対策に御理解をいただきたいと存じます。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えさせていただきます。  まず一点目、行政検査として認められる社会的検査は誰が判断するのかという御質問についてお答えいたします。  日々新たな感染者が出ている中で、介護事業所や障害者施設等を利用されている高齢者等の感染に伴う重症化を避け、また保育等の現場におけるクラスターを抑止するため、対象施設や優先順位を明確にしながら社会的検査を実施する予定でございます。  この社会的検査につきましては、保健所や区内両医師会及び医療機関で実施している従来型のPCR検査とは別の制度設計としておりまして、その事業の対象などについては区として判断していくことになります。  お話にございました八月十八日付の厚労省通知におきましても、感染拡大防止のため、幅広く行政検査を実施することは可能と示されておりますほか、厚生労働省から九月十一日に、医療機関や高齢者施設等におきましては、クラスターが発生した場合の影響が極めて大きくなることが考えられることから、幅広く行政検査を実施することは可能であり、区において適切に判断いただきたいと回答がございますことから、本事業の実施につきましては、国や都の動向に注視しながら、区として適切に判断をしてまいります。  二点目でございます。行政検査として認められれば社会的検査は存在しなくなるのではないかという御質問にお答えいたします。  社会的検査が行政検査に位置づけられたとしましても、従来型の行政検査の体制だけでは検査件数のさらなる拡充が困難なことから社会的検査の目的である利用されている方への感染拡大に伴う重症化を避ける、感染予防を徹底しても接触を避けられない職員からのクラスターの抑止、対象事業所で働く方のうち、感染者または感染疑いのある方に接触をした可能性が高い職員に対する早期対応の実現が難しいというふうに考えております。  区といたしましては、飛躍的な検査件数の拡充を図るため、従来型の検査体制ではなく、本事業を別事業、別体制で実施していく必要があると判断し、社会的検査に取り組んでまいります。  なお、本体制のスキームは、感染がさらに拡大した場合や、インフルエンザの流行により発熱者が増加した場合は、社会的検査を休止した上で、さらに従来型のPCRの拡充策としての活用を検討してまいります。  以上でございます。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、社会的検査の検体採取の方法と場所は決まっているのかとの御質問にお答えいたします。  社会的検査の検体採取方法でございますが、九月中旬からの先行実施につきましては、従来型のPCR検査方法により、区内医療機関の協力を得て実施する予定でございます。  十月下旬からの本格実施につきましては、自己採取による前鼻腔方式での実施を予定しております。検体を採取する場所につきましては、専用の採取会場の確保に向け交渉を開始しており、また施設を訪問して採取する等の方法も予定しております。  社会的検査の手法につきましては、現在、国や業者、関係部署、機関との調整を行っているところであり、詳細が決まり次第、区議会や検査の対象となる事業所、区民の皆様に適切に周知広報を行ってまいります。 ◆三十五番(大庭正明 議員) まず、感染拡大が認められる地域であると誰が判断したんですか。または誰が判断するんですか。それが一点。  それから宮崎副区長は、要するに毎日やらないとPCR検査は感染者を発見することができないと、それは二週間に一回でもパンクすると、世田谷区の財政はパンクすると言ったことからすれば、二週間に一回でもできるんですか。定期的に二週間に一回、手挙げ方式じゃなくて全員がPCR検査できるんですか。そのことを言ってください。それができなければ意味がないということを我々は言っているわけですから、それができるんですか。それが効率的な財政の運営ということになるじゃないですか。  まず、その二点をお答えください。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 二点、再質問いただきました。  最初に、感染拡大の判断のケースでございますけれども、これにつきましては、区が判断するということになると思います。したがいまして、それはやはり区長の決定をいただくということになると思います。  それから、先ほど言った二週間の間隔の件ですが、先般の福祉保健委員会のほうでも、この御議論はございました。本来、感染者の無症状の方がどこにいるのか分からないという部分の中で、それをもし本当に見つけるということであるならば、それはやっぱり極論すると、毎日ということを申し上げた次第です。  ただ、先ほど言った二週間ずつやることによって、言ってみれば無症状の方ですから、その感染の部分についての抑止をしていく、それがもし見つかれば、そこが、いわゆる重症化を避けるということは、そもそも社会的検査のときに申し上げたとおりでございまして、その目的には沿うと思います。  感染がまだ広がっている状況ですので、その部分については、まず第一弾に、感染の拡大しているところから入ることですから、定期的と言っている部分がイコール二週間ということにはならないと思いますけれども、これが落ち着いた段階においては、二週間のサイクルを目指したいと思っていますし、また、それは間隔によっては、感染の抑止が響いていれば、一か月単位でもいいと思っています。そこについては、状況、状況の中で判断をさせてほしいと、こういう旨で申し上げております。  以上です。 ◆三十五番(大庭正明 議員) 今では感染拡大が認められる地域というのは区長が判断されるというふうに答弁なさったわけですけれども、今、感染拡大している時期ですか。人口が多いから、陽性者の数が多いのは当然ですけれども、人口割で見てみますと、世田谷区は二十三区の中でも中ぐらいの位置ですよ。十二、三番目ぐらいの位置ですよ。特に、感染が拡大しているという地域ではあり得ないと思うんですよ。なのに、感染拡大というふうに指定するんですか、区長が。またはしたんですか。これからするんですか。どういうことなんですか。言葉がよく分かりませんよ。もうしたんですよね。したんだから、国からの補助ができるということを述べているわけですよね。どこに感染拡大していると言えるんですか、二十三区の中で。新宿は断トツですよ、人口割からすれば。とんでもない数ですよ。でも、それに比べて世田谷区は人口で割ると、真ん中ぐらいですよ。答えてください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 四月に大きな第一波が来ました。我々としては、第二波、七月に来るとは多くの方が想定していませんでしたが、七月に大きな波がやってきました。それから八月の頭、この段階では一日に三百二十件以上の検査をすると、こういう事態だったわけです。  その後、漸減はしているんですが、残念なことに、なかなか世田谷区、あるいは東京都全体も、どんどん暫時減少するというふうにはなっていなくて、週末を挟んだ時期には百名以下になるけれども、また三桁になると、こういったことを繰り返し、世田谷区においても二桁です。相当数の陽性者が出ております。  私が重視しておりますのは、傾向分析、この新型コロナウイルス感染症に対して世田谷区はどう取り組んだのかという調査レポートを七月二十日に出し、八月二十八日までのデータを追加して、更新しております。御存じだと思います。  この中に、七月二十日の時点では、いわゆる社会福祉施設の発生例、これは二十一です。ところが、八月二十八日においては、これは四十九と。高齢者施設、保育園、障害者施設ともども相次ぐ感染例、高齢者施設の中ではクラスターも出ています。  私ども、厚生労働省に対して、こういう案を持っているんだがということでお話をして、そして、大庭議員がお触れになった八月十八日のこういった事務連絡、これは確かに感染前確率という言葉があります。感染拡大、こういった言葉があります。その地域というのは、どこまでの範囲を指すのかと、こういう問題もあります。  そこで改めて八月三十一日に、我々はこういう計画を持っているんだと。そして、厚労省のこれからやろうとしている、例えば高齢者施設に対して、事前に職員に対して一斉の検査をかけるなどの首相からの発表もありましたので、我々の場合はどうですかという照会をかけたときに、プール式については、まだ国のほうの実証実験が進行中で認められていないけれども、それ以外については、行政検査としていけるという返答を得ているわけです。  ですから、私自身は、これまでの世田谷区の感染状況、そして若い人が確かに多かった。しかし、高齢に広がっていくおそれは十分ある。感染者が下り坂になっていくとき、徹底的に社会的検査をして抑えていくということが必要だというふうに判断をいたしまして、こういった事業案を皆様にお諮りしているところでございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、Setagayaあらたを代表して、九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問をいたします。  まず、自粛と自立です。  今回のコロナ対応においては、国や都からの不要不急の外出自粛要請を国民みんなが受け止め、いわゆるコロナ第一波の拡大を防いだということだと感じます。しかし私は、この自粛要請とその受け止めについて疑問を持ちます。  私は、自らの行動の基本として、自立ということを常に考えます。その自立を支えるものとして、自ら判断し、責任を持って行動に移すことが大切です。  本来、自粛という言葉には、自己責任、自己犠牲のような自己決定の意味があったはずです。誰かから要請、解除される筋合いのものではありません。  ところが、今回は自粛要請という半ば強制措置の中で、市民に自己決定を強いている、これは大きな問題です。  この流れの中で、世田谷区はPCR検査を拡充されようとしています。私はこのことについて、基本的に賛成です。一人一人が自らの行動について自ら判断し、その行動に責任を持つきっかけとなり得るからです。  区は、果たしてこのようなお考えをお持ちなのか、様々な議論がある中で、本来の議論がなされていないのではないかということも含め、お考えを伺います。  今回、不要不急の外出はできないとして、高齢者が結果的に閉じこもりを強要されることとなり、学校閉鎖により子どもたちも家にいることになりました。  これら地域が初めて経験したことについて、地域社会の在り方に責任を持つ自治体、そしてその責任者として、どのように日々考えておられていたか、そのことも含め、総合的な見地から検討、観察、研究を行うべきです。お考えを伺います。  今の世田谷区の日々の行政は、あまりにも対症療法、その日暮らしの行政で終わってしまえば、なかったかのようなこととなる、何ら学習効果が感じられません。後世から見ても、世田谷で何が起きていたか、そのとき、区役所はどのような決断をし、それが区民生活にどのような影響を与えたかということを残すべきです。  総合的に地域社会を長期的に見る観点を持つべきであり、そのことを議会を含めて広く区民に明らかにするべきです。お考えを伺います。  コロナを経験した地域社会の今後の在り方と行政の役割について伺います。  区は、地域社会、地域生活がコロナで分断され、様々な格差が広がり、混乱が広がっていることの認識をお持ちでしょうか。  コロナに感染された方のみならず、様々な区民がその生活に影響を及ぼされ、困り切っています。個別対応だけでなく、区として、改めてコロナ弱者ということを想定し、総合的に対応していく、このような区民に寄り添った対応がぜひとも必要です。  以上の様々な点につき、自治体のトップとしての保坂区長のお考えを伺います。  特に高齢者の活動がこのコロナによって大きく変わったことを区は認識しておられるでしょうか。お元気高齢者ではなく、これまで、その陰に隠れていた団体活動ができない高齢者、ひとり暮らし高齢者などの問題点が明らかになってきています。  これまでグループで活動されていた方々も、これを機会に活動をやめざるを得ないというお話を伺うことが多いのです。高齢化の進展とともに、これまでとは異なる状況になってきています。  そのような中、区は、高齢者の方々の居場所である拠点施設を閉鎖しようとしています。代替施設は総合運動場のトレーニング施設であったり、千歳温水プールの健康運動室と言われます。全く区の勘違いです。不登校児童生徒に、クラブ活動やバスに乗ってトレーニングの施設に行きなさいと言っているのと同じことであるとなぜ感じられないのですか。  まず、区がやるべきことは、新たな状況に合った高齢者がゆったりできる居場所としての施設機能の整備計画を策定し、その後に、拠点たる施設の在り方の中で、ふじみ荘の見直しを考えていく、こうあるべきです。  区はなぜ青少年の居場所は順次専用施設を整備していくのに、高齢者施設については全くそのようなことを考えないのか、お考えを伺います。  引き続き、コロナと庁舎問題について伺います。  コロナを経験して、働き方、区民の行動が変化してきています。三密を避けるのは当たり前、リモート会議で済まされるものは積極的に活用、手続もオンラインでできるものはオンライン、学校の授業もオンライン授業、一方で、対面で行うことがよいものはどれか。実質的な選択の世の中となっています。  しかし区は、区民との接し方、その象徴である庁舎の在り方について、全く見直す気配も見せないのは一体どういうことですか。見直しをしたならば、これまでの努力が無駄になると言われる。これまでの努力を無駄にしないために、従来のやり方を貫こうとしているのですか。  区は、過去の経緯で行政運営をしているのではない、未来の区民に向けて仕事をしているのです。区民参加の在り方を見直し、くみん窓口も含めて、区の仕事の手法を集中から分散へ基本的考えを切り替えなければなりません。  この観点から、当然、本庁舎建設計画は見直さねばならない、その最後のチャンスが今であると考えます。区のお考えを伺います。  地域文化の在り方について伺います。  新しい生活様式、新たな日常という言葉が指し示す行動パターンが当たり前のようになりました。  では、その中で、世田谷の特色である文化というものはどのように再生されていくのか、その道筋が全く見えません。  特に区民の様々な活動が盛り上がっていたアマチュアの様々な音楽活動、日本有数のレベルを誇る各大学の音楽活動などが全くできないでいます。できないだけではなく、場合によっては活動が休止に追い込まれるかもしれません。このような事態に対して、区としてきちんとした対応を取るべきではないでしょうか。  コロナだからできないと言うのは簡単ですが、それでは何らの解決にはなりません。世田谷の文化水準を支え、将来に向けて発展していくためにも、区の努力が必要です。区のお考えを伺います。  コロナ後の地域行政の在り方について伺います。  これまで、くみん窓口は、区民の利便性も考え、交通便利なところに設置するとされてきました。しかし、コロナ後は在宅勤務も増え、またオンラインが生活の様々なところに機能していることから、交通機関を使っての外出が基本ではなくなります。  これまで様々な弱者への対応が問題とされてきました。情報弱者、交通機関弱者、また買物弱者などあります。  今、新たに問題とすべきなのが、行政弱者です。なぜ電車に乗って買物に行くつもりもないのに、交通拠点駅まで出向かなければならないのですか。これからは、窓口は交通機関に寄り添うのではなく、地区の区民生活に寄り添うべきです。窓口の今後の在り方について、区の考えを伺います。  窓口での転入者への的確な対応が課題です。今も課題となっている幼児虐待死亡事例については、その多くが転入家族です。他区で起こった悲惨な事例が世田谷区でも起きないとは限りません。  厚生労働省は、この転入者と虐待問題について、転入届の取扱いの際に、地域の情報をきちんと伝えることという通知を出しているのですが、区はそれをやらないのはなぜか。あの集中窓口の混雑の中で、とてもそのようなことは対応できないからです。  さらには、地域行政の検討会の中で、委員長があえて発言され、転入届を地区でやることについて前向きな発言をされたのに、報告ではそのことが全く記載されていないのです。区の対応に不信感を持ちます。  転入届の処理の在り方について区のお考えを伺います。  さらに、今回の区の報告では、地区レベルでのコミュニティーを考える際に、現実に地区での実質的なコミュニティーを支える児童館、子育て広場、図書館、区民センターなどについて何ら考えていません。  これら地区に存在し、区民が利用する様々な施設機能を総合的に捉え、それを取りまとめる新たな地区拠点を位置づけるべきですが、お考えを伺います。  トップのリーダーシップと組織運営について伺います。  私は区政の実際の組織運営については、原則として口は出さないという立場です。行政の方々はプロでありますし、そのプロ集団が区民のためを思い、全力で仕事に取り組んでいただけると判断しているからです。  しかし、今回のコロナ対応については、大いに疑問を持ち、問題提起をせざるを得ません。  この四月、例年、最も転入手続で窓口が混む時期ですが、コロナ騒動とはいえ、やはり支所のくみん窓口は混雑しており、職員が三密回避に努力はされているようでした。  そこで、他の部署からの応援体制はどうなっているのかと伺うと、特にその体制にはなっていないということ。そこで、他の部署の方に応援派遣しないのかと伺うと、在宅勤務を行っているために職員を応援に出せないとの答えでした。  疑問に思い、どうしてこのようなことになったかと調べてみますと、四月に政策経営・総務両部長名で各部宛てコロナ対策の文書が出ており、簡単に言いますと、各所属は、コロナ対策で職員の安全を守るためなどのことから、在宅勤務を実施していくこと、各課、各部で実施し、各部対応ができない場合は人事へ相談することという内容でした。各所属はこの通知に従ったものと思いますが、大いに問題があると考えます。  まず、考えるべきなのは、区全体として、窓口などをいかにして三密を避けるために人員を手当てして区民の安全を守るかという観点です。  さらには、コロナで大変な対応をされている、例えば世田谷保健所、支所のくみん窓口、定額給付金担当、緊急あっせん融資窓口など、区全体としてどのような応援体制を組むか、その体制を取った後に、区全体として在宅勤務を実施する、これが当たり前のことでしょう。  ところが実際は、その体制が取られなかった。在宅勤務をできる部署はきちんと在宅勤務を交代で行い、先ほど申し上げたコロナ対策部署は、在宅勤務はおろか、年休も取れない、それどころか休日出勤に大残業の連続、一体全体なぜこのような事態が起きたのですか。
     組織のトップであれば、全体を見渡して、自ら号令を出し、全庁的な応援体制を取り対応する、そうして区民と職員の安全をこのように守ると表明すべきでした。それができなかったため、一部の職員に負担をかけてしまった。これはトップのリーダーシップの失敗です。反省すべきです。どのように感じておられるのでしょうか。  それに、今回のコロナ対応で私が最も問題とするのは、保健所の組織改正問題です。  今回、コロナ感染対策として、区の保健師の本来業務を保健所とし、総合支所の勤務を兼務とされました。これは、世田谷区が地域行政の重要な柱として取り組んできた地域保健福祉の連携を根本から揺るがしかねない大きな問題です。  確かに、感染症対策は重要な課題です。区を挙げて取り組んでいかなければならない、あるときには総力を尽くして事に当たらなければなりません。しかし、同時に、地域社会では大切な日常生活が営まれている、このバランスをどのように取っていくかがトップの責務なのです。  全ての世田谷区職員の本務は、現場、地域であるべきです。しかし、今の世田谷は、そのトップがリーダーシップを取っていない。先ほどのコロナ関連で倒れるほど忙しい部署に対して、通常の組織を超えた応援体制が取れない。そして、最後には地域の保健師の本来業務を保健所業務とし、支所の仕事を兼務仕事と位置づけている。つまり、リーダーシップの欠如を組織改正で補おうとしているのです。この姿勢は疑問です。区のお考えを伺います。  世田谷の基礎体力を強化させるための産業の在り方について伺います。  これまで、区の産業部門は、主に区内の産業のうち、商業、工業、農業を中心とし、その振興を図られてきたわけです。一方で、今回のコロナ対応については、融資あっせんを中心として、部を挙げて取り組まれたことを評価します。  私も少なからぬ事業者の方々から困難な事業継続や当面の資金不足の相談をお受けし、区内の多くの事業者、事業所は、それぞれの活動をしながらも、従業員の生活を守り、地域でそれなりの立場を守ろうとされていることが痛いほど感じられました。  このことから、これまでの商工農の業種を超えて、全ての産業を振興させることが区民生活を豊かにしていくということの認識を区は持っているのか、その使命感を区は持っているのか、まず伺います。  さらに、このコロナ禍で、都は不要不急の外出は避け、買物は通販で行うという要請が出て、多くの区民、そして高齢者が従ったのですが、果たしてそれでよいのでしょうか。お年寄りも含めて、身近なところにお散歩、買物に行き、自由に物を選べる、その楽しさを身近で味わうことができるということがとても大切であると感じられます。  区として、お買物の楽しさを区内どこでも味わうことができるための方策を立てることが必要であると考えますが、お考えを伺います。  さらに、地域社会を支える重要な役割を果たすのが介護事業所です。この介護事業所については、既にPCR検査の取扱いについて優先的に位置づけられているように、区も重要性を認めています。しかし、PCR検査を行えばそれで済むのか、従業員の人々が安心して仕事に取り組んでいかれるのかというと問題があります。  多くの事業者が組織基盤も十分ではなく、職場の環境、さらには従業員の方々の福利厚生についてはほとんど配慮されていないことが多いかと思われます。これでは人材が流出し、運営が立ち行かなくなり、結果的に利用者の方々に被害が及ぶということが考えられます。  産業部門として、これらの福祉事業者等を区内の重要な産業と位置づけ、的確な支援を早急にしていくことが必要と考えますが、お考えを伺います。  子どもの育ちと地域の学校の在り方について伺います。  教育長は、一人も取り残さない教育を重視すると言われます。  不登校・落ちこぼれ児童生徒問題はもちろん解決すべき課題です。  一方で、私は落ちこぼれだけではなく、いわゆる吹きこぼれ、能力が高過ぎて周囲と協調できず、結果として学校から離れてしまうということについての問題も提起しました。  以前、他会派からのこの御質問の論議の中で、対象を明確にして特別な対応を行う施設、例えば不登校特例校などの仕組みのお話がありましたが、私は、教育課程を一つの枠と捉えて、その枠から落ちてしまった落ちこぼれ、あるいははじけてしまった吹きこぼれの子どもたちをどうするかという観点からだけの特別な対応には疑問を持ちます。  なぜならば、落ちこぼれでもなく、吹きこぼれでもない枠の中にいる子どもについては、同じ対応、型通りの指導となることが前提となるからです。これはやはり、教育課程をまず枠のようなものと考えたことからの必然の結果であると思います。  現在の検討過程を前提としては難しいことかもしれませんが、今後は子ども一人一人の個性をそれぞれどのように生かしていくかという基本的立場を取るべきと考えます。  このような考えが、教育長の言われる一人も取り残さない教育の内容となり得るものか、このことについてお伺いをいたします。  以上で、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  まずは、自立についてであります。  お話しのありました自立とは、一人一人の区民が自らの生き方や行動を自らの責任で選択し、決定することだと私も考えております。  区では、そうした区民の選択や決定を尊重し、区民同士が支えあう地域活動の支援、学校や道路などのインフラ整備、福祉の相談支援やセーフティーネット構築など、区民の共助と自立を支える環境整備のほか、区民の参加と協働により、よりよい地域づくりに取り組んでいく責務があると考えています。  お話しのように、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、いわゆる外出自粛は、罰則などによる強制力はございませんでしたが、多くの区民や人々が感染症拡大防止のために、自らの判断で主体的に行動を抑制し、社会全体の安全に配慮したことで第一波の感染抑制に一定の効果があったと認識をしております。  御指摘のPCR検査の社会的検査についても、介護事業所などの施設利用者の重症化回避と、人との密着度が高くて感染が起こりやすいとされる社会的なインフラを支える仕事を維持するために、対象事業所に従事される職員や御利用者の御理解、協力の下に協働して実施するものであります。  引き続き、区民の健康と命を守り抜くことを基本に、区民の主体的な行動を支え、誰もが安心して暮らしていける地域社会の実現に向けて取組を進めてまいります。  次に、この間の期間、子どもたちや高齢者の皆さんの置かれた状況に対してどう捉えているかというお尋ねをいただきました。  緊急事態宣言の下で、外出自粛や学校の休校、施設、店舗の休業が要請され、企業では在宅勤務を加速させるなど、かつて私たちが経験したことのない大きな日常生活と社会経済状況の変化が起こりました。子どもたちにとって、また高齢者の方々にとって、計り知れない大きな影響がもたらされたものと受け止めています。  対面によるコミュニケーションが制限される中、これまで以上に地域や社会とのつながりの必要性が再認識されているところだと考えています。  コロナ禍において、これまで以上に創意工夫を凝らし、地域社会に暮らす区民のために知恵を絞り、努力を重ねて、コミュニティーの再構築や孤立化防止のために、区の役割を自覚していく必要がございます。  感染予防の徹底と区民、事業者の活動の活性化を両立させ、誰もが安心して暮らせる地域社会を実現するため、各総合支所の地域振興課やまちづくりセンターには、重要な取組を促してまいります。  私を本部長とする新型コロナウイルス感染症対策本部において、各総合支所長やそれぞれの所管部長から、区民や事業者の方々の様々な声や、区民生活や地域の経済、社会の実態の報告を求めながら、総合的な検討を進め、これまで数次にわたる補正予算による緊急対策に引き続き、時期を逸することなく必要な施策を実施してまいります。  次に、現在の区政、もっと総合的な観点をという御指摘に対するお答えです。  区は、これまで新型コロナウイルス感染症に伴う緊急対応に全庁を挙げて取り組んでまいりましたが、区民生活や事業活動へここまで甚大な影響を及ぼしていくということが、当初十分に予想できていなかったものと振り返っております。  事業者支援や生活困窮者支援、そして特別定額給付金にも全庁的な応援体制を組んできましたが、区民の要望に十分お応えできなかった面があったことは、責任者として深く反省するとともに、今後の改善をお約束して、おわびするところでございます。  今後、厳しい財政状況が見込まれる中ではありますが、これからの地域社会や地域コミュニティーの在り方を見据え、対症療法ではなく、地域課題の本質を見極めて、中長期的に総合的な観点から施策の見直しに取り組んでいきます。  さらに、新たな地域行政制度の構築に向けた条例や計画、次期の実施計画や基本計画など今後の区政運営の基本的な考え方をつくり上げてまいります。  最後に、コロナ後の地域社会の在り方について、弱者への対応など御質問をいただきました。  新型コロナウイルス感染症拡大により、家計収入の減少や事業の停止、健康不安の増大や地域活動の停止、小中学校における授業の見合せなど、区民生活に与える影響は大変甚大でありました。七月からの感染が徐々に落ち着きを見せている中にあっても、本来の日常生活を取り戻すには、まだ長い時間を要するものと想定をしております。  地域社会においては、議員御指摘のように、格差の拡大や、人々の間で分断の兆候が出てきております。  これまで当たり前のように行われてきた人と人との交流、地域イベント、様々な企画や行事、地域コミュニティーの支えあい活動、これが減少したことで、必要とされている方に支援の手が届かないなど、孤立化が進展することは、本来あってはならず、物理的な距離だけではなく精神的な距離が広がってしまうことが大変危惧されるものだと考えております。  世田谷区では、PCR検査の拡充など感染症対策をはじめ、区内産業の支援策を迅速に講じていくとともに、地域行政制度の再構築に当たり、このコロナの影響、コロナ後の社会も視野に入れ、地区、地域を中心としたコミュニティー活性化に向けて、全庁挙げて取り組むよう指示してまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、トップのリーダーシップと組織運営について、本務、兼務、組織改正の関係について御答弁申し上げます。  今般のような新型コロナウイルス感染症拡大などの有事に際しましては、濃厚接触者の追跡や医療機関との調整業務などにおいて、保健師を中心とする医療専門職員が地域の単位を超えて対応することが不可欠となります。  今回の保健所体制の強化に係る組織改正は、保健福祉センター健康づくり課の課長及び保健師等の医療専門職員の本務を保健相談課とし、保健所長の指揮命令系統下に配置することで、有事の際に、課長や保健師等が状況の段階に応じまして、迅速に参集し、同一組織として、機動的かつ柔軟に業務を遂行できるようにすることなどを目的としたものです。  保健相談課の職員は、保健相談課が本務、健康づくり課が兼務となりますが、平時におきましては、これまでどおり地域におり、区民との関わりを大切にし、業務の進め方を見直すことにより、地域の健康づくりを推進してまいります。  今後も、区長の強いリーダーシップの下、未曽有の危機から区民の生命と健康を守るため、全庁で新型コロナウイルスの感染拡大への強い危機感を共有し、職員の意識醸成を一層図りながら、緊急課題の解決に全力で取り組んでまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  まず、コロナ後のくみん窓口に対する基本的考えについてでございます。  新型コロナウイルス感染防止対策として、窓口現場においては、三密を避けるための対策を様々講じてきたところですが、くみん窓口や出張所においては、特別定額給付金のマイナンバー関連のお問合せ等も重なり、各種申請届出の繁忙期に来庁される区民の皆様をお待たせするなど、御迷惑をおかけいたしました。  こうした繁忙期対策として、区では、この間、集中入力センターの設置やフロアマネジャーの配置、番号発券システムの導入などの対策を講じ、一定の効果を上げてきたところですが、今般の状況を踏まえますと、今後、区民のICT環境の進展に伴い、電子申請の拡大など、区役所に来なくても手続ができる行政手続の拡大など、行政窓口の在り方の改善が問われていると考えております。  一方、現在、地域行政制度の再構築に向けた検討を進めておりますが、新たな時代にふさわしい地域行政制度を構築していく上では、区民に最も身近な行政拠点であるまちづくりセンターの機能、在り方が最も重要なポイントになると考えております。  地区防災力の強化や地域福祉の推進、コミュニティーにおける人と人の顔の見える関係づくりをしっかりと進めることができるまちづくりセンターを目指すことを基本に、区議会の御議論もいただきながら、地区の方々が集まる仕組みや窓口機能の在り方についても検討してまいります。  次に、コロナを経験した後の本庁舎整備計画について御答弁申し上げます。  本庁舎につきましては、機能的・効率的で柔軟性の高い庁舎を基本的方針の一つに掲げ、社会情勢の変化、情報技術の高度化など、将来起こり得る様々な変化に対応できる庁舎として設計を進めてまいりました。  具体的には、部署間に間仕切りを設けないオープンな空間とすることで、組織、人員の変更等への柔軟な対応を可能とし、オンライン会議にも対応できる無線LANやモニター等の設備を配置いたします。  今後、庁舎竣工までの間、また竣工後も、新型コロナウイルス感染症をはじめ、将来、様々な社会的要因により、地域行政の推進や働き方改革、また自治権の拡充等が促進され、本庁の窓口や執務室等の在り方が変化していくことが予想されます。  将来の自治体のありようを完全に想定することは困難ではありますが、待ったなしの災害対策拠点機能の強化を図りながら、三十年後、五十年後先の様々な変化にも迅速かつ柔軟に適応できる可変性の高い本庁舎を整備してまいります。  次に、産業振興に対する基本認識について御答弁申し上げます。  産業は地域社会を構成する上で不可欠なものであり、まさにまちづくりの軸であると認識しております。  産業ビジョンでは、区民が住み慣れた町で充実した日々を送ることができ、安全安心、快適な環境を享受できるように産業が支えていくということや、にぎわい創出と環境に優しい潤いに満ちたまちづくりに区内産業が貢献していくと、このようにしており、そのような観点から、産業の振興を進めているところです。  世田谷区は、九十二万人という多くの人が住む住宅都市ではありますが、産業があることにより職住近接が可能になるとともに、個性的な商品やサービスの購入ができ、町のにぎわいが生まれ、生活に潤いを与えるなど、区民生活が豊かになるものと考えております。  コロナ禍の中で、改めて身近な地域が見直されております。地域にある人材、事業者、区民を生かして、持続可能な地域経済をつくり上げていく意味は大きいものと考えております。区、産業振興公社とともに全力で支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、一人も取り残さない教育から一人一人を伸ばす教育への転換について御答弁申し上げます。  私は、教育長として就任するに当たり、誰一人置き去りにしない教育を推進していくと申し上げました。これは、教育の現場での経験から間違いない課題であると考えたからです。今後とも、全力を挙げて取り組んでまいります。  新型コロナウイルス感染症の対応では、資源も条件整備も十分ではありませんでしたが、それぞれの学校で工夫してきたことが新たな教育を目指すこととなり、一人一人に応じた個別学習と協働的な学びの大切さが取り上げられるなど、学び方がクローズアップされ、これまでの教育の在り方を見直すことのきっかけとなり、教育の責任者として深く考えさせられました。  その一つが、私の申し上げてきた誰一人置き去りにしない教育が不登校の子どもや理解を要する子どもへの教育に重点があったのかということです。  御質問にありましたとおり、落ちこぼれ、不登校の子ども、学校で通常に学んでいる子ども、お話の吹きこぼれなど特異な能力を持つ子どもなど、それぞれに対して的確な教育を現在の枠組みの中で進めていくということには限界があろうかと思います。子ども自身の能力や今後の成長などから、分類することはできないからです。  今後は、それぞれの状況に応じて、特例校制度などで個別に対応していくことも必要になりますが、私の基本姿勢である誰一人置き去りにしない教育は、単に不登校や子どもの理解度に応じた指導を行うだけではなく、一人一人の子どもの個性を尊重し、より伸ばす教育を推進するということに主眼があるということを今後様々な課題を解決するに当たり、明確にしていきたいと思います。  もとより、学校教育は様々な決まりの上で動いていくのは当然のことでありますが、このような観点を常に考えながら進めてまいります。  以上でございます。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、二点の御質問にお答えをいたします。  まず、高齢者施策についてでございます。  区内の高齢者は約十八万五千人となっており、ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯がそれぞれ三割を超え、今後も増加が見込まれることから、孤立の防止や健康長寿を目指した高齢者のコミュニティー支援が課題と考えております。  区では、こうした課題に対応するため、高齢者の社会参加促進施策の充実に取り組んでおりますが、身体状況により、積極的な活動が難しい方や、身近な場所で憩いやくつろぎの場を求める方もおいでになると考えております。  ふじみ荘の廃止に伴い、現在御利用の皆様には、千歳温水プールの健康運動室や他の高齢者施設、高齢者の憩いの場である地区の集会施設などを利用していただきたいと考えておりますが、多様性や新しい生活様式を踏まえた高齢者のコミュニティー支援の観点から、各施設が地区の活動の場だけでなく、高齢者が安心して外出、利用できる居場所づくりについて、高齢所管、それから総合支所など、関係所管が連携をいたしまして、検討してまいりたいと考えております。  並行しまして、高齢者の孤独や孤立の防止に向け、他自治体の取組に加えまして、コミュニティー施設を活用したDIYや、世代を超えた朝食会などを行っている海外の事例などにも学びまして、世田谷区における高齢者施策の充実につなげてまいりたいと考えております。  続きまして、コロナ禍での区民の文化活動支援についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な文化事業や文化芸術活動が自粛、縮小を余儀なくされ、区民の文化芸術活動、あるいは文化芸術に触れる機会も制約をされております。  文化芸術は心の豊かさや生活の潤いにつながるものであり、コロナ禍の今こそ、文化芸術活動に携わる方への支援や、区民が文化芸術に親しむ機会の創出が求められていると認識しております。  この間、動画や音声配信などによる文化芸術活動が行われておりますが、区民の文化芸術活動の活性化に向けては、身近な地域で、新しい生活様式、新しい日常を踏まえた活動が展開できるよう支援する必要があると考えております。  今後、公共施設を活用した発表機会の提供や、区民の文化芸術活動を支援する世田谷芸術百華の活用など、音楽をはじめとする区民の活動が積極的に実施できるよう、総合支所とも連携しながら、具体的に支援に努めてまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 私からは、三点について御答弁いたします。  初めに、地域行政検討委員会委員長の発言を受けてについてです。  本年一月に開催した第二回地域行政検討委員会において、まちづくりセンターで転入手続を行うことができるのであれば、まちづくりセンターの認知度を高めるという点ではよいのではないかという委員長の発言がございました。  まちづくりセンターが地区の行政拠点として求められる役割は様々ございますが、地域コミュニティーが希薄化し、コロナによる人と人との距離が広がる危機の中において、身近なコミュニティーを大切にして、自立した住民活動による支えあいとまちづくりを進めるため、まちづくりセンターが地区により深く入り、粘り強く多様な活動をつないでいくことが最も重要な役割と考えております。  まちづくりセンターの認知度の向上はそのための第一歩であり、行政や地区が発信する様々な情報や、多くの区民や活動とつながるきっかけが得られる場として、地区の住民同士をつなげる機能が地区行政拠点の役割と考えております。  転入手続を行うことにより、確かにまちづくりセンターの認知度が向上しますが、その先にある地区のまちづくりの推進にどのようにつながるか、人員体制など様々な観点からも具体的に検討を進めてまいります。  次に、虐待対応と転入者対応についての国の基本的な考えを踏まえた転入者への対応について御答弁いたします。
     目黒区や野田市における幼児虐待の事件を受け、昨年八月の厚生労働省の専門委員会において、転居情報を把握できる仕組みづくりと地方公共団体での確実な継続支援の実施という地方公共団体への提言を含む報告書が出されております。  虐待に関連した要支援家庭の住所異動においては、転入前後の自治体の担当所管の間において、情報伝達を図ることがルール化されております。  虐待の防止に向けては、関係機関の適切な対応が求められるところですが、地域で支えあう関係が育まれることにより、地域の力で防ぐことができる可能性も考慮し、地域行政の検討においては、地区、地域におけるコミュニティーの促進という視点から、まちづくりセンターに求められる役割や機能について検討を進めてまいります。  次に、地区での行政拠点づくりについて、取りまとめる新たな地区の拠点を位置づけるべきについて御答弁いたします。  区民の自主的な活動の場として、区民センターや児童館、図書館、子育て広場などをコミュニティーとして捉え、それぞれの活動や事業が相互につながり、町会・自治会など住民自治組織とも連携し、参加者の拡大や人材交流を進めることが持続可能な地区まちづくりにおいて重要な視点と認識しております。  区民センター運営協議会による自主事業の拡充や、児童館の日常活動やイベントを通じた子育て拠点、活動団体との顔の見える関係づくりがそれぞれの自主的な活動を尊重しつつ、地区全体で活気に満ちた魅力ある地域活動が展開されるよう、情報を共有し、相談することができる交流の場が必要です。  まちづくりセンターが地区まちづくりの拠点として、地区の情報バンク、情報発信の役割を担い、多様なまちづくり活動をつなぐコーディネーターとして、その機能を十分に発揮することができる体制を構想し、その実現に向けて計画的に取り組んでまいります。  以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、コロナ禍における職員の在宅勤務と応援体制について御答弁いたします。  コロナ禍のような緊急事態において、必要なサービスを見極め、的確に区民に提供するためには、職員の感染予防、感染拡大防止は不可欠です。このため、通勤における接触機会の低減や職場の感染拡大防止に向け、各部で職務内容を精査し、区民サービスへの影響を最小限に抑えながら、在宅勤務や週休日の振り替え、時差出勤等に取り組むよう要請をいたしました。  また、こうした状況下では、日常と異なる業務の繁閑が生じることから、必要な職務に柔軟に人材を割り振るため、各部からの要請に応じ、全庁で延べ千七百名に及ぶ臨機応変な職員の応援体制を取ってまいりました。  今後も各部と十分に連携しながら、人材の有効活用を図り、優先すべき業務に必要な人材を配置することで、区民サービスの向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、買物についてです。  多種多様なお店が立ち並び、身近な場所で買物を楽しむことができるのが、商店街の魅力です。  多様な品ぞろえの中で、誰もが買物を楽しめる場を提供するためには、商店街を一体として捉え、均衡の取れた業種業態で構成することが望ましいと考えています。また、買物のときにお店の方と話すことが唯一の会話であり、楽しみになっているという高齢者の方もいらっしゃいます。こうした対面販売が難しくなってきていることに危機感を持っています。  コロナ禍において、各個店は経営の存続をかけて様々な創意工夫を凝らしており、例えば商店同士がインターネットで寄り合って商店街をつくるといった新たな技術を活用した取組も見られます。このような従来の発想にない取組に注目しながら、個店の取組を支援してまいります。  買物の場が近隣にないことが課題となっているエリアにおいては、総合支所と連携し、移動販売やキッチンカー事業者の誘導など、買物を楽しみたい方々に多様な選択肢を提供する施策を展開いたします。  次に、介護事業所についてです。  平成二十八年経済センサスによれば、区内の介護事業所数は約五百三十、従業員数は約一万千五百人であり、区内では近年伸び続けている産業です。  超高齢社会を迎える中で、介護事業は、介護を必要とする高齢者やその家族の生活を支える産業として、非常に重要な役割を担っていると認識しております。  一方、令和元年度世田谷区介護保険実態調査で、離職の理由を尋ねたところ、主な理由は、「健康上の問題」、「職場の人間関係」、「給与に不満」であり、労働環境改善のために重要だと思う取組みは、「労働条件の改善」、「柔軟な働き方の促進」、「福利厚生の充実」となっております。  経済産業部としては、介護事業所で働く方を支援するため、産業振興公社のセラ・サービスを活用し、健康診断などの福利厚生事業に加え、メンタルケアやハラスメントの相談などを積極的に行ってまいります。また、全ての介護事業所で働く方を支援する観点から、産業振興公社と協力し、未加入の事業所への加入促進も併せて行ってまいります。  私からは以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 御指摘のPCR検査の社会的検査についての御質問は、私は質問していませんので、どうして答えられたのかなと思います。  本当に答えてくださっているのと答えてくださっていないのがあって、トップのリーダーシップの在り方について質問したことに、区長ではなく副区長が答えられた、これが今の区政を象徴していると思います。まず、そのこと。  それから、コロナ対応では、区民第一ではなくて職員第一で、まず、それぞれの職場の在宅勤務から開始する。それならそれで、保健所、定額給付金、くみん窓口、融資斡旋の各職員はコロナを避けるために在宅勤務が実施できたのですかと、できていなかった。この状況を放置する区の姿勢が信じられない。  ある管理職に応援に行かないのかと聞いたら、あんな大変で危険なところに私の職員を出すことができないと言ったんですよ。私は怒りを感じました。  そういう中枢の皆さんの考え方が不思議でたまらない。トップとしての考えがあったらお答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えをいたします。  当然、この春に突如として始まった新型コロナの広がりについて、まず業務が集中したのは保健所であります。保健所で集中し、しかし、対応ができる保健師の方の応援をいただいたり、そういった体制を組んでまいります。  一方で、同時に、感染をする、例えば高齢者施設が舞台になった。あるいは保育園で感染が出たというと、それぞれの所管部が、代替の保育はどうするんだ、あるいは、どのようにその施設を支援するかということで、フル回転をしてくれたと思っております。  他方、これまでのリーマンショックで我々が体験した、例えば事業者緊急融資、あるいは社会福祉協議会における生活貸付け、住宅確保給付金、これについては、新聞によると六十倍の申込みがあったということで、現場からは大変大きな悲鳴と、あるいは危機感が伝わってまいりました。  それぞれ応援職員を派遣をいたしまして、そのシフトを組みながら、工夫をして緊急融資、また社会福祉協議会の現場でも対応していただいたと思いますが、大変その負荷は、それでも大変長時間に及んだり、大変精神的なストレスも多かったことと思います。  とりわけ特別定額給付金においては、様々な理由で、にわか設計だったということもあって、電子申請の問題で苦労し、その後、やはり当初組んだ体制が非常に不足をしていたということに、大変私も責任を感じます。危機感を持ちまして、相当数、庁内の、今、総務部長が答えましたけれども、延べ千七百人、多くは特別定額給付金のそれぞれのジャンルで、いわば基本業務が肥大化しているところを切り取って、助けていこうということであります。  同時に、区役所の職員の中で、密な環境の中からクラスター、あるいは集団感染、こういったことにならないように、腐心をしてまいりました。  今、小泉議員がおっしゃったように、ある部署に非常に負荷が集中し、それ以外のところはどうだったんだということについては、よりこれから第三波、こういったこともあると思いますので、教訓として、チーム世田谷として、お互いが区民のために、お互いが感染をしないように配慮しながら頑張っていける、一つの部署の限られた職員が集中的な負荷をかぶって、そして、健康を損ねていったりというようなことに絶対にならないように頑張っていきたいと思います。  ありがとうございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時二十九分休憩    ──────────────────     午後三時四十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、三十七番石川ナオミ議員。    〔三十七番石川ナオミ議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(石川ナオミ 議員) 通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  昨日、自由民主党菅義偉総裁が選出されました。これまで安倍総理が進めてこられた取組を継承し、新たな日本の船出を迎えます。新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機の中にあって、私たち自由民主党世田谷区議団としても、区民からの負託に責任感を持ち、安心安全を求める切なる声に全力でお応えしていくことを改めてここにお誓いをいたします。  この決意の中で一つの格言を御紹介いたしましょう。早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け、これは私たち人類の先祖であるホモサピエンスが誕生したと言われるアフリカに伝わる格言です。政治のかじ取りがますます重要な意味を持つこの不透明な時代において、私たちの目の前で展開される保坂区長のリーダーシップの欠如におきましては、冒頭、強く意見を申し上げなければなりません。  本年七月下旬、誰でもいつでも何度でもというフレーズが突如、保坂区長が得意とするメディア戦略によって、区内のみならず、国内を駆け巡りました。今回の件で私たちが特に遺憾だったのは、国や都による財源の裏づけや執行体制の確立、また陽性者が多く出た場合を想定した医療現場との調整などといった課題について、庁内の議論を経ることなく、さらには議会への報告を一切行わずに、特定の専門家の意見だけを尊重し、トップである区長が見切り発車で公表に至ったプロセスであります。まさに一人で方針を発表されたのです。区民や私たち区議会の理解を得ることなく、このような横暴を行うのであれば、区民とともに遠くへ行くことなど絶対にできません。不信と不安の中で、区民の安心安全は置き去りにされていないか、区長の説明責任は果たされているのか、私たちは、区長の政治姿勢について問うものであります。  そこでまず、新型コロナウイルス感染症への対応について順次質問をしてまいります。  私たちが未知のウイルスによる感染症に直面して半年以上が経過し、今後も情勢は予断を許さない状況ですが、こうした中、先ほど申し上げたとおり、誰でもいつでも何度でものこのフレーズを用いて、区長が民主的な政策形成の経過を踏まずに、独善的に施策を決定し、それを大々的に公表しました。このような行為は、地方自治制度の破滅行為と言っても過言ではなく、また民主主義のプロセスをないがしろにすることは、すなわち区民の冒涜にほかなりません。  これまで委員会等で後追いのように社会的検査の説明がなされてきましたが、土台がしっかりしていない建てつけの悪い家のように安定感がなく、また、朝令暮改のごとくころころと内容が変わり、肝心の社会的検査を実施する頻度といった科学的根拠も明確にできていません。こうしたお粗末な制度設計は、保坂区長が豪語していたフレーズには程遠いものにさま変わりをしています。  そして、区長は指示するだけではなく、現場のことをどれだけ認識しているでしょうか。特に昼夜を問わず対応し続けている保健所職員は疲弊をしており、現場からは悲痛な声が上がっています。私は、組織のリーダーとは現場を指図するだけではない、真のリーダーとは現場をサポートすることであると常に思っております。この保健所体制を充実させることも喫緊の課題です。  このように、区長が発表された社会的検査は、しっかりとした検証が全くなされておらず、かつ区民に十分な安心を与えることができない計画であると言えるのではないでしょうか。誰でもいつでも何度でもとキャッチーな言葉で区民の期待をあおり、誤解を与えたことに対し、壇上での弁明を求めます。  また、民主的な政策形成のプロセスを踏まずに強行に実施しようとする区長の政治的姿勢を私たちは問題視しております。改めて、本計画の目的、得られる効果、具体的な執行計画について明確な答弁を求めます。  また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、区立小中学校の休校や保育園等の休園、区民利用施設の使用中止、そして特別定額給付金の支給など、区としても過去に例のない対応や、膨大な事務を矢継ぎ早に執行してきましたが、一方で、さきの定例会では、区の判断基準のあり方や情報提供の手法について、議会から様々な意見が出されました。その後、区からは、新型コロナウイルス感染症予防の取組について、一時的な検証結果が報告されたものの、情報提供のあり方については、まだまだ改善の余地があると思います。  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法の第十六条には、感染症の発生の状況や動向など、当該感染症の予防及び治療に必要な情報を新聞、放送、インターネット、その他適切な方法により積極的に公表しなければならないと規定されています。実際に墨田区などでは、この条文に基づいて、感染者一人一人の年代や性別、職業、発病日などを公表していますが、特に目立ったトラブルはないと伺っております。世田谷区においても、個人情報の保護や関係者の人権尊重に配慮しつつ、感染症法に基づいた公表基準を作成し、積極的に情報を公開することで、区民の不安払拭に努めるべきと考えます。区の見解をお聞かせください。  続いて、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、通称ハーシスについて伺います。  このシステムは、全国の医療機関や保健所が直接感染者の年齢、住所、発症日などの情報を入力し、感染者に関する情報を一元化することで、保健所の日々の業務を軽減するとともに、国や都道府県による迅速な集計等を可能とすることを目的に開発されたものであります。その機能を最大限に発揮するには、国内における全ての保健所において、ハーシスへのデータ移行を早期に完了しなければなりません。  世田谷保健所では、八月中旬にハーシスを活用し始めたとのことですが、一方で、紙に手書きした感染者等の情報をファクスで東京都に報告する業務も引き続き残っていると聞いております。このような前時代的な作業の手間が現場の疲弊につながっているとも考えられます。ハーシスの活用が他の自治体と比べて遅れた理由やファクスでの情報のやり取りが残っている理由など、保健所業務の効率化に向けて何が課題となっているのでしょうか。また、その課題をどのように解決していくつもりなのか、併せてお伺いいたします。  次は、新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知で受け取ることができる新型コロナウイルス接触確認アプリ、通称COCOAについてお聞きいたします。  このアプリの利用者は、陽性者と接触した可能性が分かることで、PCR検査の受診など保健所のサポートを早く受けることができ、利用者が多ければ多いほど、感染拡大の防止につながることが期待されています。先月下旬におけるダウンロード数は一千五百万件を超えるなど徐々に増加傾向にあり、さらにはCOCOAを通じて感染が判明した事例も出ていると聞いております。  区においては、この新型コロナウイルス接触確認アプリの有効性をどのように認識しているのか、また、COCOAのダウンロードを区職員に推奨するなど、普及啓発を強化し、感染拡大防止につなげるべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。  次は、地域経済の活性化についてです。  報道資料によりますと、今年五月の日本の完全失業率は前月比〇・三ポイント増の二・九%と急激に悪化し、完全失業者数も二百万人に迫ったということです。また、有効求人倍率も前月から〇・一二ポイント減の一・二〇倍と、オイルショック時以来四十六年ぶりの下げ幅となり、労働市場の厳しさが顕著となっております。さらに、日銀が発表した六月の業況判断指数、いわゆるDI値はマイナス三四と、十一年ぶりの低水準となりました。世田谷区におきましても例外ではなく、区内中小企業における今年四月から六月期の見通しDIはマイナス五五・九と大変厳しい景況感を示しており、新型コロナウイルス感染症に伴う地域経済への影響は長期化が避けられない状況です。  今日、明日の経営や生活がままならない区民の方々がまだまだ大勢いらっしゃる状況下において、区に対しては総力を挙げて、区内の経済活動の早期正常化を図るよう強く求めるとともに、コロナ禍の今だからこそ、信頼性の高い区内事業者への発注機会を増やして事業活動を支え、区内経済の活性化につなげることが必要であると考えます。区の見解を伺います。  また、今般の補正予算案には、個店支援プロジェクトとして、世田谷個店応援券と電子商品券、仮称せたがやペイの発行支援が計画されています。特にQRコード方式の決済を活用するせたがやペイにつきましては、紙媒体からの脱却とともに、五百円未満のお釣りへの対応が可能になるなど利便性の向上が見込まれ、これまでプレミアム付商品券を利用したことのない区民にも幅広く行き渡ることが期待されています。一方で、電子決済に不慣れな方を念頭に、紙媒体の発行も一定程度の割合で残すなどの配慮がなされております。  今後、区内経済への効果を検証し、次年度以降の継続的な発行につなげてもらいたいと所望しますが、区の見解をお聞きいたします。  あわせて、電子決済に不安を抱える個店に対しての支援体制についても伺います。  次は、令和三年度の予算編成についてです。  リーマンショック後の平成二十二年度予算では、前年度比で特別区税が五十一億円、特別区交付金は八十億円の減収を見込みました。そして、このたび区から示された来年度の財政見通しによりますと、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会経済活動の停滞等により、歳入の根幹である特別区税が百六十億円、特別区交付金においても百二十六億円と、リーマンショック時を大幅に上回る減収を見込んでおり、区がこれまでに経験したことがない厳しい予算編成が予測されております。  また、先ほども述べましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、区民の生活や地域経済も大変厳しい状況にあります。来年度予算では、限りある財源を効果的かつ効率的に配分し、住民に最も身近な基礎自治体として、区民生活をしっかり支える施策を打ち出さなければなりません。  現在、国や東京都は、コロナ対策の各種補助事業を展開していますが、区の来年度予算編成においては積極的にそれらの補助金を獲得するなど、例年以上に特定財源の確保に努めるべきであります。見解をお聞かせください。  さて、この予算編成に関連し、続いては、世田谷区政策方針についてお聞きいたします。  区では、持続可能な行財政運営を確保するとともに、コロナ禍での政策課題の優先順位を全庁横断的に整理し、あらゆる施策について本質的な見直しを進めるための指針である世田谷区政策方針を定めました。中でも、かねてより私たち会派が提言してきました施策事業の本質的な見直しは、施策の優先順位を明確にし、身の丈に合った財政規模を堅持するためには非常に有効な方策であると考えます。  区は、令和三年度の予算編成に当たり、この見直しを徹底的に進めるべきであり、一時的な目玉政策などへの財政調整基金の安易な取崩しは絶対に避けなければなりません。  そこで伺いますが、区が今回着手する施策事業の本質的な見直しは、恒久的な歳出削減につながると考えているのか、また、見直しに当たっては、現場をよく知る各所管部が主体的に精査し、責任感を持って推し進めていただきたいと考えますが、併せて答弁を求めます。  次は、本庁舎等整備についてです。  本庁舎等整備につきましては、先日、施工者選定のための入札公告がなされました。区長招集挨拶でも触れていましたが、区は今後の厳しい財政状況を見据えて、事業費を十五億円縮減するとともに、財源を工夫しながら整備を進める決断をいたしました。区民の安全安心を支える災害対策拠点としての本庁舎整備は喫緊の課題であり、区としても先例のない大規模事業であります。区内経済発展の観点からも効果的な事業となるように努めること、また、今後も庁舎整備における財源確保と経費縮減にたゆまぬ努力と工夫を重ねていただきたいという私たちの思いに変わりはありません。  しかし、新型コロナウイルス感染症が区財政に与える影響は当面続くと言われている中で、他の公共施設更新の延期が余儀なくされていることからも、本庁舎等整備を進めることに区民理解が本当に得られているのかという疑問が残ります。工期の延長等による事業費の高騰や区財政の問題など、長期間の工事を要する本庁舎等整備事業において、区民サービスの低下を招かずに進めていける確かな根拠をしっかりと示し、区民の理解を得ながら進めるべきであります。区長の見解を伺います。  次は、災害対策について順次聞いてまいります。  本年七月、長期間にわたって降り続いた大雨により、九州を初め日本各地で大きな被害がもたらされました。改めて亡くなられた方々の御冥福をお祈りしますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  さて、五十年に一度、いや百年に一度と言われる豪雨災害が、ここ数年、毎年のように日本の各地で起きております。その主な要因は地球の温暖化だと言われておりますが、中でも東シナ海など日本近海の温暖化ペースは地球の全海洋の平均に比べて二倍速く進んでいると言われております。  気候力学を専門とする東京大学の中村尚教授は、今までの経験を基に避難訓練を繰り返していたら命を落としかねない状況になりつつある。雨の降り方が過去にないほど激しくなるおそれがあることを肝に銘じておくべきと指摘しています。実際に熊本県においては、今年夏の記録的豪雨で犠牲になられた方の多くが屋内で発見されており、河川の氾濫による急速な浸水のため、逃げ遅れた方が多かったことを物語っているとの報道もありました。  一方、我が世田谷区に思いをはせますと、今般のコロナ禍の折、避難所に行くのをちゅうちょするなど、自分がどのように避難すべきなのか判断に迷う区民も多くいらっしゃることが考えられます。事前の縁故避難や自宅に危険がない場合の在宅避難、さらにはマンション等におけるより高いフロアへの垂直避難の必要性や有用性を区は折に触れて積極的にアピールすべきです。万が一の際には、大事な生命を危険から守る行動を取ってもらえるよう、日頃から区民の皆様に意識を高めておいてもらう必要があると思います。見解を伺います。  続いて、国土強靭化地域計画についてお聞きいたします。  世田谷区においては、昨年の台風十九号による被害は大きく、また、日本各地での大規模な浸水被害等が頻発していることを鑑み、区では、国土強靭化地域計画を策定する予定です。地域防災計画を初めとする各種の計画により、既に区は防災や減災に関する取組を行っていますが、政府が提言する国土強靱化のより一層の推進に向け、強さとしなやかさを備えた町をつくり、大規模災害の発生後においても、地域内の社会経済が迅速に再建できるように準備を進めておくことは非常に有意義であると認識しております。  担当する全ての職員が当事者意識を持つとともに、最悪の事態が発生することをリアルに想像して策定作業を進めることが、大規模自然災害の到来に対する平時からの備え、さらには被害低減に向けた新たな施策の展開につながると考えます。区は国土強靭化地域計画を絵に描いた餅にしないためにどのようなスタンスで策定作業を進めるのかお聞きいたします。  次は、国土強靭化地域計画に関連し、区の都市整備政策について順次伺います。  国は、国土強靱化の基本目標の一つに迅速な復旧復興を掲げておりますが、その復旧復興に欠かせない基盤こそは町の骨格をなす道路であると言えます。特に地区幹線道路は、災害時における延焼遮断機能に加え、避難路、消防活動などの救援救護活動の空間、さらには緊急物資の輸送路として機能することが期待され、災害対策上も重要な都市施設であることは区も認識しているはずです。  一方、さきに述べたとおり、コロナショックに伴って、区の財政見通しは今後非常に厳しい状況に陥ることが予測されております。しかし、道路などのインフラ整備、また、迅速な災害復興の一助となる地籍調査の予算を安易に削減すべきではありません。共に一朝一夕では効果が可視化されない事業でありますが、地道な調整や丁寧な折衝など、先人たちからの連綿と受け継いできた施策を絶やすことなく推進する必要があります。  災害対応力の強化を図るためにも、道路整備及び地籍調査は区の未来に必要不可欠な投資であり、相応の予算を投入すべきであると考えます。区の見解を伺います。  次は、都市農地の保全についてお聞きいたします。
     災害時における延焼遮断機能は、道路だけではなく、農地においてもその機能が発揮されます。また、都市農地は、防災機能以外にも、ヒートアイランド現象の緩和や良好な景観の形成など様々な多面的な機能があり、住宅都市世田谷において、潤いと安らぎを与えてくれるアクセントとして、非常に重要な役割を果たしています。  しかし、今からおよそ四十五年前の昭和五十年には三百六十ヘクタールあった区内の農地は、今や九十ヘクタールを切っている状況です。私たち会派は、これ以上の農地の減少は何としても食い止めなければならないとの立場であります。  そこで、まずお伺いいたしますが、区は、世田谷の特徴の一つとも言える都市農地の重要性についてどのような認識を持ち、都市農地を都市政策上、どのように位置づけているのでしょうか。大局的な見解をお聞かせください。  続いて、特定生産緑地制度と都市農地の貸借制度についても伺います。  国は、平成二十八年に策定した都市農業振興基本計画において、都市農地を都市にあるべきものと位置づけました。これを受けて、翌年に生産緑地法が改正され、買取り申出までの期間を十年延長することが可能となる特定生産緑地制度の創設が定められました。また、一昨年には、都市農地の貸借の円滑化に関する法律も施行され、農地の保全対策として大きな期待が寄せられております。しかし、一方では、区内における多数の生産緑地が影響するいわゆる二〇二二年問題も間近に迫ってきており、生産緑地の宅地への転用による乱開発の抑制に向けて、手をこまねいている余裕は全くありません。  そのような中、区では、昨年の五月から特定生産緑地の指定に関する受付を開始したと聞いております。平成四年に指定された生産緑地がおよそ四百件あるうち、現時点での申請状況と今後の見込み、課題、また来年十二月の申請期限に向けて、区としてどのように取り組んでいるのかお聞かせください。  さらに、都市農地の貸借の円滑化に関する法律による制度を区は積極的に活用する旨の報告を受けておりますが、具体的な活用方法の検討は進んでいるのでしょうか、併せてお尋ねいたします。  次は、教育についてです。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校の臨時休業が長期化しました。この間、教育委員会においては、幅広い年齢層を対象に、インターネットを用いた学習支援を行い、小学一年生や二年生についても家庭での学習をサポートするための動画や教材のデータ配信を行うなど、ICTを活用した教育環境の整備に努めてきました。また、GIGAスクール構想に基づき、児童生徒一人一台のタブレット端末の配備や校内通信ネットワークの整備も進めているところであり、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大によって、区民から求められる教育環境は大きく変化したと言っても過言ではないと思います。  今後、本格的に事業化するに当たっては、学習環境の整備だけではなく、教員のスキルアップ等も含めて計画を立て、着実に推進していかなければなりません。来年十二月に予定している教育総合センターの開設を待たずとも、デジタル化社会に対応したオンライン学習の充実やSTEAM教育の実践に向けて、具体的かつ戦略的な対応を求めるものであります。教育長のお考えをお聞かせください。  続いて、夏季休業期間の短縮について伺います。  世田谷区では、新型コロナウイルス感染症の影響による休校が長期化したことに伴い、今年の区立学校の夏季休業については、期間を短縮し、三十一日間としました。他区を見てみますと、二十三日間という区が最も多くて九区、また期間が最も短い十六日間という区が四区あるなど、対応は千差万別です。  春の休校中は友人と会うことができず、その後、学校が再開しても、友人と一定の距離を保たなければならないなど、児童生徒たちはこれまで経験したことのない学校生活を送ったことで、夏休みが始まるまでは、相当ストレスがたまっていたと聞いております。今年は夏休みを有効に活用し、子どもたちの不安を受け止め、和らげる努力をされた御家庭も多かったのではないでしょうか。また一方で、他区と比べて夏休みが長期にわたることにより、学習の遅れを心配する保護者の声も届いております。  二学期が始まり半月ほどが経過をいたしますが、三十一日間の夏休みを終えた子どもたちの様子を見て、教育委員会では、今年の夏季休業期間の設定をどのように評価しているのか、また、二学期以降の学習の遅れをどのように取り戻す予定であるのか、併せてお聞きいたします。  続いて、教育機会の確保について伺います。  医療的ケアが必要な児童生徒は、人工呼吸器の使用や気管切開を行っているお子さんが多く、肺炎等の呼吸器感染症にかかりやすいというリスクがあり、校内での新型コロナウイルスの感染を避けるために、学校再開後も登校せずに自宅で過ごしている子どもたちがいらっしゃいます。私も区内の学校や御自宅に出向き、医療的ケアが必要な児童生徒たちに向けたオンラインでの授業風景を拝見させていただきました。保護者からは、黒板の字が見えづらい、先生の声が聞きづらいなどといった課題点をいただいており、引き続き、きめ細やかな対応をお願いしたいと思います。  また、教育機会確保法が施行されて三年が経過する中、令和元年度の本区における不登校児童生徒数は八百二十五名と、五年前と比べて一・六倍に増えている状況にあります。教育長が推進する一人の子どもも決して置き去りにしない教育の実現に向け、不登校のために、学校で勉強する機会を失ってしまった児童生徒たちへの支援は重要な課題です。  そこで提案をいたしますが、その課題を解決する一つの手法として、オンライン授業の活用により教育を受ける機会の選択肢を増やすことはできないでしょうか。実際に取り組むことができれば、不登校の児童生徒のみならず、病気やけがで入院中の子どもたちなど個別の状況に応じた支援にもつながると考えます。教育委員会の見解を伺います。  次は、家庭教育支援と子育て支援の一元化についてです。  我が国の将来を担う子どもたちの健全育成は、幼少期における家庭教育が原点であります。平成十八年に改正された教育基本法の第十条に、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。」とあり、国はもとより、各自治体にも家庭教育を支援する施策を講ずるよう努めなければならないことが義務づけられています。  こうした流れを受けて、熊本県を初め全国十四の自治体でも家庭教育支援条例を設けて、子どもだけではなく、親に焦点を当てた親育てプログラムを軸とした家庭教育の大切さを見直す取組が進められています。世田谷区でも子ども計画における四つの重点政策の下、様々な子育て支援施策を推進していることは高く評価するところであります。しかし、家庭教育支援条例が定められている自治体と比較をいたしますと、親育てという観点で、当区はまだまだ力を注いでいく必要があるのではないかと思います。  熊本県の事例で申し上げますと、この家庭教育支援条例にのっとって施策を進めていくことで、問題が起きる前に発見できる、いわゆる予防教育として、例えば基本的生活習慣の改善、孤立した子育てが減少したと聞きます。そして何よりもこれまで縦割りだった行政の支援に条例という新たな横串を通したことにより、部局が連携し合い、総合的な施策が実施できているということです。  今こそ、世田谷区でも教育委員会と区長部局というセクションの垣根を越えて、また、一過性のものとならないように、総合教育会議や子ども・子育て会議において議論していただいた上で、区の家庭教育支援事業及び子育て支援事業の軸となるような総合的かつ横断的な条例を制定するなどして、子育て世代の親を対象にした施策を一元的に推進すべきではないでしょうか。区長部局と教育委員会、それぞれの見解をお聞かせください。  次は、高齢者施策についてです。  現在、区では、令和三年度からの三年間を計画期間とする第八期高齢者保健福祉計画介護保険事業計画の検討が進められており、先日の委員会で素案が示されました。住み慣れた地域で支えあい、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現という基本理念の下、これからも全力で高齢者施策に取り組む必要があります。  さて、令和二年四月現在の区内における高齢者人口はおよそ十八万四千人、そのうち独り暮らしをされていらっしゃる方は三三%を占めます。また、平均余命が延びる一方で、健康寿命はさほど延びておらず、要介護認定者は四年間でおよそ二千二百人も増加している状況です。  そのような中、今般のコロナ禍で、在宅で自立生活をしている高齢者が外出を控え、体力が低下しているケースが多いという話をよく耳にします。社会では、急速にデジタル化やリモート化が進み、オンラインでの交流も行われていますが、高齢者の中には、ICT機器の操作に不慣れな方も多く、特に独り暮らしの高齢者の方は社会との接点が極端に少なくなり、認知機能の衰えにもつながりやすいと言われております。  感染予防対策として、他人との直接的な接触を避けることが求められている中、区は、介護予防などの施策を今後どのように展開するのでしょうか。特に孤立する高齢者に対してどのように働きかけ、積極的に支援をしていくのか見解を伺います。  続きまして、介護事業所への支援についてお聞きをいたします。  介護事業者の全国団体が五月上旬に行った調査によりますと、介護事業者全体のうち五五・七%が新型コロナウイルスによる影響を受けていると回答したほか、三七・七%が影響を受ける可能性があると回答しています。特にデイサービスやショートステイでは、感染症に対する不安や外出自粛の影響に伴い利用者が減少しており、経営状況が著しく悪化している介護事業所が多いと聞いております。  また、自身への感染への不安や同居する家族からの心配の声に配慮し、介護職員の退職や休職が増加傾向にあり、介護人材不足に拍車をかけている状態でもあります。  このような状況を踏まえ、区では特定財源を活用して、介護事業所への緊急支援の補助金を補正予算に計上するなどの対応を行っておりますが、地域における介護予防の重要な拠点である施設の運営継続の観点から、さらなる支援策も検討すべきではないでしょうか、見解をお聞かせください。  最後に、障害者の就労支援について伺います。  世田谷区では、しごとねっと、すきっぷ、ゆに(UNI)の三つの障害者就労支援センターがネットワークの核となり、就労相談から職場定着支援まで一貫した就労支援を行ってきました。さらに、今年度からはせたJOB応援プロジェクトを通じて、短時間就労やテレワーク等の雇用が可能な職場を掘り起こし、障害者の就労につなげる取組を進めており、私たち会派も、これは期待をするところでもあります。  一方で、報道資料によりますと、今年五月の障害者の新規求人数は、前年比で三六・一%も減少している状況にあり、感染症収束への道筋が見えない限り、雇用環境は一層厳しさが増すことが予想されます。また、私たち会派にも区内の障害者団体から雇用の維持、創出に関する切実な要望が届いております。区においては、障害者の社会参加の促進、また、孤立感の解消に向け、せたJOB応援プロジェクトをさらに発展させるなどして、障害者雇用の確保に全力で取り組んでいただきたいと思います。見解をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 石川議員にお答えをいたします。  まず、社会的インフラの維持に向けたPCR検査の目的、効果、計画についてということでございます。  社会的インフラを継続的に維持するため、PCR検査は、感染の再拡大となっている状況の中、介護事業所や障害者施設を利用されている高齢者等の感染に伴う重症化を防止し、また、保育等の現場における集団感染、クラスターを抑止するため、対象施設や優先順位を明確にし、実施するものでございます。この社会的検査を実施することで、施設内感染を防ぐための迅速な対応につなげていくとともに、社会を維持していく上で欠かすことができない福祉サービスを止めることなく、職員の方が安心して業務に従事できる環境を築くことができると考えております。  今般の検査は、財源、場所、人材の観点から対象を二万三千件に見込んだところであります。具体的には、感染者が発生した施設をまずは最優先に、加えて、同一事業所で複数回できるよう定期的な検査を実施するなど、段階的に取組を進めていくものでございます。そして、検査陽性者が発生した場合には、ホテル等の療養施設への隔離が必要となり、その確保については、東京都と協議、検討を続けているところでございます。  また、健康観察や接触履歴の追跡、コンタクトトレーサーの業務につきましては、保健所との連携は欠かせませんが、人材確保育成への準備を整え、極力、保健所の現行の負担を軽減することを前提に業務を進めさせていきます。  さらに、高齢・障害者施設において休業した場合など、区独自の支援のほか、東京都のサービス継続支援事業等を活用するなど、的確な支援を行い、区民や事業者の安全を守る効果的な対策に取り組んでまいります。  次に、施策事業の本質的な見直しについてでございます。  お話のありました施策事業の本質的な見直しは、今般策定した政策方針の四つの柱の一つとして、全庁挙げて取り組むテーマであります。この施策事業の本質的な見直しは、地域社会に置かれた環境変化を踏まえ、持続可能な行財政運営を確保する観点から、全ての施策事業について従来どおりの継続を必ずしも前提とせず、必要性、有効性、公益性、あらゆる角度から徹底した検証、見直しを行っていくものでございます。  区民生活や事業活動の維持活性化に必要不可欠な施策を最優先に区政運営を進めるとともに、今年度実施した緊急見直しに伴う公共施設の改築、改修の延期、イベントの一時休止などに加えて、内容が類似している事業との統合や、事業内容や手法の改善、転換、事業そのものの縮小、廃止など本質的な見直しによって恒久的な歳出削減も実現をしてまいります。  見直しに当たって現場の実態を把握している所管部が中心となり責任を持って取り組むように、改めて指示をしているところでございます。  最後に、本庁舎整備について御質問をいただきました。  この本庁舎整備については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う区の緊急対策を踏まえて、一旦保留した手続を再開いたしまして、施工者選定の入札公告を九月七日に行いました。感染症対策も含めた本庁舎の災害対策機能の強化は喫緊の課題である一方、議員御指摘のとおり、厳しい財政見通しの中でスタートすることが予想されます。そのため、整備事業全体で十五億円の経費縮減を図り、約四百二十二億円の本体工事費については、この間積み立ててきました庁舎等建設等基金と特別区債によって全額を賄うことにより、各年度の税収で負担する額、一般財源については、従前より減額し、最小限とすることができました。  また、これらを反映した中期財政見通しにおいては、財政調整基金の実質的な取崩しを行わずに、当面、基金残高を一般会計予算の一割に相当する三百億円以上を引き続き確保し、今後の不透明な経済状況にも対応しながら、庁舎建設が区民サービスに影響を与えることなく区政運営を行っていける見通しを立てることができます。その上で、区民の命を守る防災拠点となるとともに、地域経済への波及効果の観点からも、区が取り組む重要な課題として、本庁舎整備を推進していくことを判断させていただきました。引き続き、関連経費の縮減に努めるとともに、今回の判断を区民の皆様に御理解いただけるよう丁寧に説明してまいります。  本庁舎整備が全体で七十五カ月にわたる大工事となりますが、所管には、今後選定する施工者とともに、危機管理、安全管理を徹底させ、想定工期内に区民生活を支える行政拠点となる本庁舎の竣工を達成してまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、五点について御答弁申し上げます。  最初に、新型コロナウイルス感染症の対応の中で、区の情報提供のあり方についてでございます。  区は新型コロナウイルス感染症に関しまして、正確な情報を発信することにより、誤った情報による地域の混乱を避けるとともに、危機感を区民や事業者と共有し、感染症予防の取組をより強固なものとする必要があると考えております。  本年八月には、日々の感染者数やPCR検査数の公表に加えまして、区内の感染状況等の統計データとして、年齢別、地域別の感染者の累計数や感染源の状況などを公表することといたしました。また、区内事業者等におきまして、感染者が発生した際の区の公表基準を明確にし、例えば区内で集団感染、五人以上の罹患発生でございますけれども、こちらが発生し、誰が出入りしたか特定できず、当該事業所やイベントに参加した方々に、感染の可能性の注意喚起を行う必要がある場合は、迅速に事業所名やイベント名を公表することといたしております。  一方で、全国で感染者やその家族、職場、施設等について、SNS上での匿名の非難などで差別を助長する行動がニュースなどで取り上げられております。こうした行動は決して許されるものではありませんが、区の情報発信に当たりましては、個人のプライバシーの保護と人権に十分に配慮し、感染者個人の氏名、住居地、職業等のほか、感染者個人が特定される可能性がある情報は公表しないこととしております。  区といたしましては、感染症法に基づき、引き続き、個人のプライバシーの保護と人権に十分に配慮しながら、区民や事業者への注意喚起や、感染予防への取り組みへの協力をいただくために、必要な情報の発信、公表に努めてまいります。  続きまして、新型コロナウイルスの感染症の対応の二番目でございます。  新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理システム、ハーシスのことでございますが、こちらについてでございます。区は、厚生労働省の先行自治体の募集に応じまして、他の自治体に先行して、令和二年五月よりハーシスの本格稼働に向け、準備を進めてまいりました。しかし、本格運用の開始が八月中旬まで遅れた理由は、七月上旬に運用管理上の問題が発生したため、その改善を求めていた間、新規患者データの入力を見合わせたことによるものでございます。  ハーシスの活用につきましては、感染者等の情報が一元的に管理されることで、国、都をはじめ他自治体との広域的な情報連携が可能となる有用性がある一方、一部運用面の課題等もございます。また、東京都からは、今後も適正なデータ管理のために、引き続き一定期間、ファクスによる感染症発生届を送信するよう求められております。  このような状況を踏まえまして、所管へは、システム導入による職員の作業負荷を軽減し、感染予防、防疫業務により集中できるよう、国及び東京都と課題等を共有し、協力して改善等を進めるとともに、効果的なハーシスの活用に積極的に取り組むよう指示してまいります。  続きまして、令和三年度予算編成におきます例年以上に特定財源の確保に努めるべきという御指摘に対しましてでございます。  今後の極めて厳しい財政見通しの中、コロナ禍におきます区民ニーズに応え、持続可能な行財政運営を行っていくためにも、世田谷区政策方針でもお示ししました施策の優先順位の整理や本質的な見直しなどにより、財源確保に努めていくことが必要不可欠でございます。同時に、この間の感染防止対策や、区民生活や区内事業者の活動を守る取組などのコロナ対策におきましては、地方創生臨時交付金をはじめ、国や東京都の財源を最大限活用した施策を組み立ててまいりました。既に令和三年度予算編成に着手しておりますけれども、予算編成方針に加え、今後の厳しい財政見通しを踏まえまして、先般、財政担当部より財源確保のさらなる強化についてを全庁に向け発出し、国や都の動向を見逃さないこと、また国や東京都に対しまして、補助対象事業の拡充等を積極的に申し入れることなどについて周知徹底したところでございます。引き続き、あらゆる手段を尽くしまして財源の確保に努めてまいります。  続きまして、風水害時の避難に係る区民意識の向上についてでございます。  区民の皆様が平常時より、風水害に対する備えを心がけ、発災時には、自らの命は自ら守る自助意識を醸成していくことは大変重要であると認識しております。  区は、昨年十月の台風第十九号を教訓に風水害対策総点検を実施し、情報発信の強化に取り組んできたところでございます。特に区民の皆様が実際に避難する際に役立てられる情報につきましては、「区のおしらせ」六月四日特集号、九月一日号で、風水害への備えについて掲載するとともに、九月七日より、区内全戸に配付いたしました洪水・内水氾濫ハザードマップにおきまして、水害時に自主避難や縁故避難、在宅避難といった様々な避難方法を判定することができるフローや、台風接近時のタイムライン、風水害時の情報入手方法などを掲載し、周知を図ってまいりました。  今後、さらに区民の皆様が、風水害のリスクを十分に理解いただき、事前に迅速かつ円滑に命を守る行動が取れるよう、防災塾や地区での訓練、また避難行動要支援者や関係団体などへの周知を徹底してまいります。  最後になります。介護事業所への支援についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大による利用自粛等により、介護事業者の経営に影響を及ぼしていると認識しております。区では、今回御提案する補正予算案におきましても、影響が大きかった短期入所生活介護事業所、通所介護事業所、訪問介護事業所の中で、令和二年四月から五月分の給付費実績が一定以上減収になった事業所に対する緊急支援金を計上したところでございます。  緊急事態宣言解除後の六月から七月の給付費実績を見ますと、前年同月比は回復しつつありますが、依然マイナスとなっており、今後も予断を許さない状況は続くものと考えております。  今後、社会的検査による陽性者発生時の支援を実施してまいります。また、新型コロナウイルス感染症の事業所への影響や、国、東京都の動向を注視するとともに、介護事業者の御意見もお伺いしながら、利用者が安心して必要な介護サービスを受けることができるよう、さらなる支援策を検討してまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  まず、せたがやペイについてでございます。  区内共通商品券は、区民意識調査によれば、十代から三十代の若い世代の半数以上に知られておりません。今回の電子化により若い世代にも広くPRし、利用者の増加を図ることを一つの狙いとしてございます。導入に当たっては、御高齢の経営者など、電子決済に不慣れな方に対して説明会などの集団での周知にとどまらず、各店舗に赴き、使い方や電子決済の流れなどを個別に丁寧に説明してまいります。  このたびの個店支援プロジェクトは、コロナ禍により大幅に落ち込んだ区内経済復興策として実施する経済政策であり、その効果、実効性を検証することが重要です。事業者や利用者への従前のアンケート調査に加え、電子化することにより迅速かつ正確になる利用状況分析により、効果を検証し、さらに景気動向指数などの客観的指標を用いた景況分析により、各業種を取り巻く経済状況を見極め、今後の必要性を判断してまいります。  次に、道路整備と地積調査についてです。  道路は、都市の防災等災害対応、また都市機能の維持の観点から最も重要な都市基盤の一つであり、とりわけ、その骨格を形成する都市計画道路は、ネットワーク計画に基づき着実に整備を進めるべきものと認識しております。  道路整備事業は非常に多くの資金を要することから、区は中長期の財政状況を踏まえたせたがや道づくりプランの下、予算を確保し、地権者の御協力をいただきながら地道に整備実績を積み上げてまいりました。  一方、地籍調査事業は、土地の境界や面積を明確にすることにより、区民の土地資産の保全及び地域の安心を図るとともに、災害時の復旧復興の迅速化、まちづくり事業の円滑化等、様々な事業効果がある重要な事業でございます。  区では、平成十六年度より事業を開始し、計画的に事業を実施してきており、これまでに約二百九ヘクタールで事業に着手しております。次年度以降の極めて厳しい財政状況下における道路整備事業につきましては、事業中路線の地権者の皆様の生活再建スケジュールの維持を第一に、これまで以上に精緻な事業進捗管理と国庫補助等の特定財源の確保に努め、引き続き道路ネットワークの計画的な整備に取り組んでまいります。また、地籍調査事業につきましては、国及び都の特定財源を有効に活用し、効率的かつ着実な事業推進に努めてまいります。  次に、世田谷区における都市農地の都市政策上の位置づけについてでございます。  世田谷区のまちづくりの基本的な指針である世田谷区都市整備方針では、みどりとやすらぎがあり、住みたくなるまちをビジョンの一つに掲げ、国分寺崖線や屋敷林、農地など、緑と水を世田谷らしさを構成する重要な要素と捉えております。  さらに、世田谷区みどりの基本計画においては、農地について、食の供給をはじめ、環境保全、雨水浸透と水の循環、土との触れ合い、災害時の防災空間、世田谷らしい風景の継承など、多面的な機能を有する地域の財産として、区民と農がつながる取組を拡充しながら、農地の保全と活用を進めていくこととしております。  農業の振興と農地の保全は、世田谷区の都市政策において重要な柱の一つと認識しており、特定生産緑地の指定や、都市農地貸借円滑化法の活用などを通して、農業者の皆さんと連携しながら、経済産業部、都市整備政策部、みどり33推進担当部を中心に、全庁挙げて取り組み、貴重な農地を後世に引き継ぎ、世田谷らしいまちづくりを進めてまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、教育環境の変化への対応について御答弁申し上げます。  私は、国のGIGAスクール構想による一人一台のICT整備は、単に環境整備にとどまらず、オンライン学習と対面学習を融合させ、多様な子どもたちに応じた個別最適化された学びを実現するとともに、子ども同士がつながり、さらには社会ともつながる教育の質の転換となるものと位置づけています。  世界全体のICT化が進展し、AIやビッグデータ等の活用により、社会構造が加速度的に変化していく中で、社会の変化に積極的に関わり、自らの力で新たな変化を生み出すような人材を育成すること、これがこれからの学校の大切な役割と考えます。  これらを踏まえ、科学や技術、数学等の分野に福祉、経済、政治等の分野が複雑に関係する現代社会を生きるために必要となる資質や能力を養うために、ガリレオコンテストの開催などで、子どもたちの自然科学や科学技術に関する関心を高めてまいります。科学的なアプローチから身近な課題を解決しようとする思考を培う取組を進め、STEAM教育に取り組んでまいります。  お話にありましたように、子どもは一日一日成長していくことから、教育総合センターの開設に先駆けても、各学校と教育委員会内部で創意工夫を凝らす、子どもたちの意欲を引き出す、その期待に応えられるような取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、新型コロナウイルス感染症への対応について、COCOAについてお答えいたします。  八月下旬に国は接触確認アプリ、COCOAから発出される濃厚接触通知に基づき、PCR検査を受けられることを再度通知いたしました。その影響で、COCOAから濃厚接触通知を受けた方の帰国者・接触者相談センターへの相談数が増えております。  世田谷区におきまして、COCOAからの通知による直近の検査実績の推移ですが、八月十七日からの一週間で十八件実施したのに対し、翌二十四日からの一週間では百二十一件、三十一日の週は二百八十五件と急増しており、接触に気づかない方が検査につながる効果があるものと考えております。  一方で、通知された全ての方に症状があるわけではなく、濃厚接触に当たるような行動はないとの御相談も多く、当該アプリには課題もあると認識をしております。そのため、通知があっても検査を希望されない方には、御自身で健康観察することも御案内の場合もございます。  このような状況を踏まえまして、COCOAを通じた相談者に対しましては、帰国者・接触者相談センターで丁寧に内容を伺い、不安の払拭に努めるとともに、関係所管とも連携し、区民への適切な普及啓発等を慎重に議論してまいります。
     以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、COCOAの区職員への普及啓発について御答弁いたします。  コロナ禍のような緊急事態にあっても区民サービスを継続し、区民の安全安心を守っていくため、職員の健康管理は非常に重要であると考えております。区役所内の新型コロナウイルス感染症の対応といたしましては、職員一人一人の感染予防と、職場で感染者が出た場合の感染拡大防止という二つの視点により、庁内に周知徹底して取り組んでいるところです。  お話のCOCOAにつきましても、感染予防策等の全職場宛ての通知と併せて、厚生労働省が作成した通知を配布するなど周知しております。  以上でございます。 ◎小湊 財務部長 私からは、区内事業者への積極的な発注による区内経済の活性化につきまして御答弁申し上げます。  区では、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づく中小企業者に関する国等の契約の基本方針を踏まえまして、発注に当たりましては適切な地域要件を設定するなど、これまでも区内事業者の受注機会の確保に努めてまいりました。  今般の新型コロナウイルス感染症による影響の長期化に鑑み定めました世田谷区政策方針におきましても、当面取り組むべき重要課題に公共工事の効果的実施を掲げており、区内経済活性化への波及効果を想定しております。  このため、業務委託等も含めた区内事業者への発注機会を増やすことを念頭に、発注の平準化の観点からも、補正予算とも連動しながら、今年度後半の臨時日程での入札等による前倒しの発注を検討してまいります。また、所管課契約も含めまして、発注の際は区内事業者へ積極的に見積りを依頼するよう、庁内に改めまして通知するなど、区内経済の下支えに引き続き配慮をしてまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、国土強靭化地域計画について御答弁いたします。  全国各地で災害が頻発、激甚化する中、本区においても、昨年の台風第十九号により多くの被害が発生いたしました。改めて自然災害において、区の地形的な特性なども踏まえたリスクシナリオ、起きてはならない最悪の事態を想定し、対応方策をあらかじめ定めておくことが、安全で災害に強いまちづくりを進める上で必要と考え、国土強靭化地域計画を策定することといたしました。  計画素案では、感染症拡大と自然災害が同時に発生した場合の備えや、感染症の密を避けるために車中泊をする区民のエコノミークラス症候群による健康被害への対応など、計画を策定済みの自治体では想定できていなかった自然災害への新たな課題についても盛り込むようにしています。  今後、策定に向け、基本目標に掲げる人命の保護を第一に考え、平時からの地域づくりや区民、事業者等との連携の重要性を念頭に、昨今頻発、激甚化している自然災害に対する危機意識を庁内関係部署で共有し、より実効性のある対応策について検討を進めてまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、特定生産緑地の指定状況等に関しまして御答弁を申し上げます。  特定生産緑地指定制度は、生産緑地の指定告示後三十年を迎える前に所有者が申請することにより、買取り申出が可能な期限を十年延伸できる制度で、令和元年告示時点での区内生産緑地数は四百九十八地区、面積は約八十五ヘクタールでございます。このうち、平成四年の指定から三十年を迎える生産緑地は四百七地区、約六十八ヘクタールございまして、区では、昨年五月より三か年にわたって特定生産緑地の申請受付を開始しており、令和元年度の申請受付分は百三十二地区、約二十ヘクタール、令和二年度につきましては、現時点におきまして百一地区、約十六ヘクタールの申請で、合わせて約五三%の指定面積となる見込みでございます。  区ではこれまで、平成三十年度に制度の周知や説明会、令和元年度には手続説明会等を開催してきておりますが、昨年度に実施しました農業者意向調査では、約三割の方がまだ意向が定まっていない、または無回答という結果でございました。  区といたしましては、こうした状況を受け止め、申請期限となる令和三年十二月までに、漏れなく制度を理解いただき、申請へとつながるよう、さらなる制度の周知に努め、農業協同組合はもちろん、関係所管と連携協働し、この秋以降、説明会や戸別訪問の機会を設けるなど、丁寧に、そしてしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、都市農地貸借円滑化法の活用についてお答えします。  都市農地貸借円滑化法の施行により、生産緑地を借りることが可能となりました。現在、区では、生産緑地を借りて区民要望の高い新たな区民農園を整備するための候補地を検討しております。  一方、都内では、自治体などで借り受け、区民農園以外での利用が開始されています。区でも同様に、区民農園の拡張だけにとどまらず、農福連携での活用検討なども行いながら、都市農地の保全に努めてまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、短縮した夏休みの評価と二学期以降の対応についてでございます。  教育委員会といたしましては、長期の学校休業による学習の遅れについては、夏休みの短期集中型の授業で取り戻す形ではなく、二学期以降の期間も含めた形で着実に取り戻していきたいと考え、夏休み期間を三十一日間としつつ、二学期以降の土曜日授業を月一回から二回に増やすことで、授業時数を確保してまいります。  一方、長期の学校休業の間に子どもたちの学習の進み方に個人差が出ていることを考慮し、二学期からの授業に円滑に参加できるよう、十日程度の補習授業を実施し、小学生の約四〇%、中学生の約二五%が参加いたしました。  学校現場からは、子どもたちが夏休みならではの体験的な活動や探求的な研究などにじっくりと取り組むことができたと思う、補習に参加することで、苦手な学習を克服することにつながったようだとの報告も受けており、いつもの夏休みとは違いますが、子どもたちは有意義な時間を過ごし、二学期のスタートを切ってくれたのではないかと考えております。  二学期以降には月二回実施する土曜日授業の時間などを活用するとともに、学習計画の見直しやICT環境を活用した学習支援などにより、子どもたちが予定されていた学習内容をしっかり習得できるよう取り組んでまいります。  次に、オンラインによる教育機会の確保についてでございます。  様々な理由により学校に登校できない子どもたちに学習の機会を提供していくことは重要であり、ICT機器の活用はその幅を大きく広げるものと考えております。  教育委員会では、感染症の影響で学校に来ることができない状況にある医療的ケアを必要とする子どもたちへのオンラインでの授業の配信や、濃厚接触者として自宅待機となった子どもたちへのタブレット端末を活用した学習支援を行っております。  御提案の不登校の子どもたちへのオンラインでの学習支援につきましても、現在一部の学校で取組を開始しており、その成果を踏まえ、早急に全校に拡大してまいりたいと考えております。  不登校など困難さを抱える子どもたちに、それぞれの事情に応じたより広い学びの選択肢を提供していくことができるよう取り組んでまいります。  一方で、教師による直接的な支援や子どもたちが共に学び合うことも重要であり、児童生徒それぞれの事情に合わせて、対面学習とオンライン学習を組み合わせた教育の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、家庭教育支援と子育て支援の一元的推進について、区長部局の見解を御答弁いたします。  区では、子ども条例の下、世田谷区教育ビジョンとの整合を図りつつ、子ども計画を策定し、区民と力を合わせて子どもが健やかに成長、自立でき、安心して子どもを産み育てることができる地域社会の実現を目指しております。  妊娠期から乳幼児期を経て、学齢期まで子どもの成長とともに親も学び成長していく必要があるため、保健所や教育委員会と連携し、母子保健事業と子育て支援、学齢期における取組を重層的に切れ目なく展開していく多様な子育て政策に取り組んでおります。  また、子ども・子育て会議や子ども青少年協議会には、教育委員会の関係所管も出席し、情報共有を図っており、地域全体で子育てを支え、親の養育力を高める必要性の議論なども踏まえ、身近な場における相談体制の強化など、親の育児不安の解消や養育力の向上に努めているところです。  引き続き、子育てに必要となる親の学びの機会について、地域や関係機関と協働して確保するための取組を教育委員会とさらに連携し、地域の中で安心して子育てできる地域社会づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、家庭教育支援と子育て支援の一元化につきまして教育委員会として御答弁申し上げます。  教育委員会では、第二次世田谷区教育ビジョンの教育目標及び基本方針に、地域とともに子どもを育てる教育の推進を掲げ、学校、家庭、地域が連携協働し、子どもを育てる施策を推進しております。  家庭の教育力向上を目指し、区立幼稚園、こども園、小中学校のPTAと連携して、家庭教育学級を実施し、家庭教育に関する情報提供や各学校の取組事例などの意見交換を行っております。また、家庭教育支援に関わる子ども・若者部や保育部などを含めた庁内関係所管の横断的な連携による家庭教育支援推進関係課連絡会を開催し、情報意見交換を行いまして、家庭教育への支援強化を行っております。  子どもの成長とともに親も学び成長していくためには、区長部局と教育委員会がより一層連携を深め、家庭教育支援施策と子育て支援施策を総合的に展開していくことが重要です。総合教育会議等で議論を深め、他自治体の事例も参考にしながら、地域や関係機関等と協働して取り組んでまいります。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、二点お答えいたします。  まず、人との直接的な接触を避けることが求められている中での介護予防施策についてです。  区では、緊急事態宣言期間中に外出を控えている高齢者の安否確認とともに、体力低下が進まないよう、自宅で行える世田谷いきいき体操やフレイル予防のリーフレットをあんしんすこやかセンター職員が個別に訪問し、配布することで、介護予防に取り組むよう働きかけてまいりました。  人との交流が介護予防として重要であること、また、個人の取組にも限界があることから、緊急事態宣言解除後の介護予防事業につきましては、三密の解消を図り、感染予防対策を徹底して再開することといたしました。  はつらつ介護予防講座では、少人数を入れ替える分散型として実施方法を工夫しながら、六月下旬より順次再開しております。  今後も、感染予防対策を徹底し、介護予防事業を継続して実施していくとともに、スマホ等のICT機器を活用し、せたがや高齢・介護応援アプリや国立長寿医療研究センターから出していますオンライン通いの場アプリの活用、自宅でできる簡単な体操の動画をホームページで紹介するなど、高齢者が自宅でも介護予防ができるよう、取組を進めてまいります。  次に、孤立する高齢者に対する支援についてです。  区では、毎年、介護保険サービスを利用していない単身及び高齢者のみ世帯の高齢者に対し、訪問による状況把握を実施しております。民生委員によるふれあい訪問は七十五歳以上の約一万三千人、あんしんすこやかセンター職員による訪問は八十五歳以上の約一万人が対象となっており、今年度は訪問に対する不安を考慮し、チラシのポスティングや質問票の郵送による回答ができるよう手法を変更し実施いたしました。  質問票は、健康状態や生活の困り事や、日ごろ連絡を取り合っている親族等の有無など、孤立している可能性があるかどうかについても把握できる内容とし、必要な方にはあんしんすこやかセンターによる相談支援を実施しております。  その他、区民や地域の関係機関等から孤立等が心配される高齢者を把握した際、連絡をいただけるよう見守りのネットワークづくりを推進しているところでございます。  今後も新しい生活様式を踏まえ、孤立化している高齢者の把握支援とともに、孤立化防止に向けた取組を進めてまいります。  以上です。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは、障害者の就労支援についてお答えいたします。  今般の新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の悪化により、ハローワーク渋谷における令和二年四月から八月の障害者向け求人は、前年度比八割減から三割減の間を推移しております。また、就労されている方についても、業種によっては出勤日や勤務時間の減少、勤務先の異動などを余儀なくされ、精神的に不安定になっている方も増えていると聞いており、いまだ厳しい状況であると認識しております。  このような状況の中、障害者就労支援センターでは、障害就労者の安定した雇用継続に向けて企業との調整を行っているほか、新規登録者の就労支援にも取り組んでおります。さらに、区では障害者の状況に合った就労ができるよう、長時間働くことが難しい障害者の就労を支援するせたJOB応援プロジェクトの実施に向けて、超短時間雇用モデルを推進する東大の先端科学技術研究センターと共同研究契約を結び、就労支援センターと連携し、理念やイメージの共有を進めております。  新型コロナウイルスの影響から、広く企業への訪問ができない状況ではございますが、まずは本事業に協力していただける身近な企業の開拓を行うとともに、産業団体とも連携し、障害者の雇用促進を図ってまいります。  以上です。 ◆三十七番(石川ナオミ 議員) 保坂区長、一つ答弁をしていただいていないことがあろうかというふうに思います。今回の保坂区長が発した言葉というのは非常に影響があったと思います。誰でもいつでも何度でもという、本当にこの言葉を聞いて、私たちは区民の方からも、誰でもPCR検査を受けられるんですよね、いつでも受けられるんですよね、そういうお言葉をたくさんいただいて、いつだったら受けられるんですかというような本当に期待感が非常に大きかったんです。その期待感が大きかっただけに、でも、実際中身がそうではなかったということがあったということはあると思います。  保坂区長は、区長として非常に言葉を、本当に発信をする力があり、いろんな言葉をそのとき、そのときに使っていらっしゃると思うんです。影響力が非常に大きいと思います。そのとき、そのときにどういう言葉を使っていくかということは、リーダーとして非常に試されているというふうに私は思っているんです。  今回、こういうふうに誤解を与えてしまったということに関しましては、しっかりとこれは皆さんに説明をしていただきたい。この御答弁をまだいただいていないと思いますが、いかがでしょうか。お願いいたします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えいたします。  いつでも誰でも何度でもと、このキャッチフレーズは、ニューヨークで行われているきめ細かい検査を指して、ここを指標に、あるいはここを目指して、世田谷区において検査のハードルを下げていきたいと、このように申し上げました。  具体的に、一番最初にメディアの取材を受けたのは、BS、「一九三〇」という番組なんですが、この番組でもこの枕詞に触れましたが、具体的には、世田谷区においては、今お示ししている既存の検査の拡充をやります。そして、介護施設や保育や、その後、障害者施設を含めましたけれども、エッセンシャルワーカーへの検査を広げます。ここでは拡充の中で、二番目においては、大変大量に、対象者が多いものですから、これを研究していきたいというふうに申し上げました。  ただ、メディアによっては、世田谷区の保坂区長が九十二万人に検査をすると宣言したと、これはそういう宣言はしていませんけれども、そういうふうにまず前提を書いたところで、これはできないんじゃないかというような議論がされたことも事実です。  今後、ニューヨークの例を挙げましたけれども、基本的な方向として、その検査のハードルを下げていく。これから秋冬のインフルエンザの時期に対して、特に基礎疾患をお持ちの方であるとか、あるいは高齢者の方が、感染が拡大している地域においては不安だということがあります。実はこれは世田谷区で方針化しておりませんけれども、政府のほうで、このことについても何らかの検査を支援できないかということが検討されているようでございます。  なので、即いつでもどこでも何度でもということで、検査を開始するんじゃないかというふうに受け取られた方に対しては、引き続きそこを理念として掲げながら、まず世田谷区で一歩、二歩積み重ねていくのはこういったステップですよということを、例えば私自身も、また区の広報を通してもしっかりとお伝えをしていくことで、御理解を得たいというふうに考えております。 ◆三十七番(石川ナオミ 議員) 納得いったような、いかないようなところではありますが、会派の中からはいろんな声も聞こえてきておりますし、この区長の御答弁を聞いて、世田谷区の区民の方々がどれだけ御納得いただけたかというところもまた今後、聞いてみたいというふうに思っております。そのとき、そのときにやはり説明責任、そしてしっかり保坂区長が発する言葉がどれだけ重みがあるかということをいま一度しっかり考えていただけたらなということは要望いたします。  そして、情報公開について、これは要望なんですが、この世田谷区では、民営施設で感染者が出た場合、施設名の公表を促しているというふうに聞いております。一方、区立小中学校で感染者が出た際には、学校名を開示していませんで、人権尊重ですとか、個人情報保護を盾にして公表を避けているんじゃないかという、そういった区民の方からの声もあるんです。区が積極的な情報公開を行わないことによって、うわさがうわさを呼んでしまうと、誤った情報が独り歩きをしてしまうと、そういうような状況もあります。ですから、客観的で一貫性のある公表基準の下、正確な情報を迅速に提供していただくということが今後も必要ではないかというふうに思いますので、これは前向きに御検討いただきたいなというふうに思っております。  そして教育関係につきましては、今年の夏は本当に子どもたちにとっては例年にない夏を過ごしたということ、御家庭にとってもいろんな思いがあったかと思うんです。そしてこの夏を過ごして、新学期を迎えた子どもたちにとっては、これからいろんな不安を抱えて、そしてやはりその心のケアというところでは、より一層やっていかなければいけないというところだと思うんです。ぜひ教育委員会からも各小中学校に校長先生を通じて、ぜひ子どもたちの心のケア、寄り添った教育をしてほしいということを強くお伝えをいただきたいと思います。こちらは要望にとどめておきます。  以上で自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時五分休憩    ──────────────────     午後五時十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  公明党を代表して、四十一番佐藤弘人議員。    〔四十一番佐藤弘人議員登壇〕(拍手) ◆四十一番(佐藤弘人 議員) 今、世界は新型コロナウイルス禍で、各国の市民生活は様々な困難に直面しています。  さて、国連創設七十五周年でもある今年一月、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、我々一人一人の生活を脅かす四つの脅威への挑戦とそれに対する解決策を示しました。特に国連が進めるSDGsは、二〇三〇年に向けたロードマップを示した世界の羅針盤であり、国際の平和と安全など全ての分野をつなげて考え、解決へ取り組む必要がある背景を踏まえると、来年へ向けてもう一段も二段もギアを上げて、本格実施の段階に突入していかなければなりません。  その中で重要な課題は、グローバル(国際)、ローカル(各国や自治体、企業など)とインディビジュアル(個人)という三つのレベルからのアクションが重要です。その意味において、終戦から七十五年を迎えた日本では、いかに次世代へ戦争の悲惨さをどう語り継いでいくかが懸念されている一方、二〇二〇年度から小学校の学習指導要領にSDGsが盛り込まれています。  子どもの頃から世界の課題と自分の身の回りの課題をつなげて考える思考力を持ち、自分に何ができるのかと意見を出し合いながら、一人一人が思いを持ってできることを最大限に実践する、その行動の一歩を進めることが最も肝要です。  SDGsという共通言語に乗せると、地域の課題を取りまとめた施策は、同じような課題に取り組む世界の仲間と経験や教訓を共有できます。そういう意味でも、公明党は、地方と国、世界をつなぐ重要な柱として、最大限の力をこの世田谷区から発揮してまいる決意です。  それでは、公明党世田谷区議団を代表して質問並びに提案をいたします。  初めに、世田谷区政策方針について二つの観点からお聞きします。  第一に、行政手続のデジタル化に向けた取組についてお伺いします。  新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、今年度第一次補正予算による特別定額給付金が決定し、基準日において住民登録のある国内居住者全員に一人当たり十万円の支給となりました。当初の減収世帯に三十万円給付という政府案への国民の不安や疑問の声を山口那津男代表が安倍首相に直談判したことは、国民の声を酌み取る我が党の本領が発揮されたと考えています。  しかし、簡素かつ迅速を目指した給付であったにもかかわらず、多くの課題が浮き彫りになりました。感染症という初めての事象に対する対応であったとしても、給付のための手続の混乱や給付が行われるまでの期間が長いなど、多くの区民から声が上がりました。そもそも全区民対象を前提にした体制や対応が取れておらず、給付を行うこと自体が困難であったと言わざるを得ません。しかし、今後も大規模災害や深刻な経済・金融危機が発生した場合などに、区民への迅速な給付や申請などが求められることは容易に想像できます。  あわせて、行政側の事務手続においても早急なデジタル化への転換が求められています。仮にマイナンバーカードの普及が進んだとしても、オンラインでの社会保障や税の手続への活用が進まなければ、相変わらず手入力での項目が多く、手間がかかるし、行政側も確認すべき事項も比例して多くなります。よって、今後はマイナポータルの自己情報取得機能を拡充し、きめ細やかな制度設計に役立てるとともに、平時、非常時ともフェーズフリーでマイナンバーを活用できるよう、デジタル化への取組を加速すべきと考えます。  そこで二点質問いたします。
     一点目は、今般の特別定額給付金給付に係る課題についてです。都内最大の人口を抱える区としての業務量は大きな負担でもあり、その準備段階から多くの職員の方が奔走され、昼夜問わず業務に携われたことには感謝申し上げます。しかし、冒頭に述べたように、多くの区民よりなぜ当初の想定より給付に時間がかかったのか、委託業務や職員体制など、改めて課題を抽出した上で、今後を見据えた総括をすべきです。区の見解を伺います。  二点目は、行政事務の改善についてです。そもそも行政事務は、紙媒体、判こ社会、手書き入力が慣習となっているのが現状です。もちろん国や都との関連業務における旧態依然とした業務が存在している面はあるとはいえ、目指すべきはICTを活用した利用者目線のデジタル行政の構築です。  その特徴は、手続などの起点が行政側にあり、行政が個々のニーズに合わせたサービスを能動的に提供するプッシュ型の対応が可能になることや、個人と行政の双方向でコミュニケーションできることが注目すべき点です。例えば子育て支援などに関する給付や減税は、制度自体を知らなければ恩恵を受けられなかったのが、あらかじめ行政が個人の年収や家族構成、振込先の口座などを把握していれば、申請を待つことなく、行政側から対象者に通知することが可能になります。また、何よりもデジタル化での行政の業務がスリム化し、別の業務に人員を避けることから、行政の質の向上も期待できるでしょう。  今回の十万円一律給付に時間がかかったことで、区民は身近な課題として受け止められたこの機会を逸することなく、デジタル化による業務効率の改善とテレワークの拡充、さらに重層的に対面業務への職員配置や集中する業務への柔軟な支援体制など、基盤整備へ急ぎ取り組むべきと考えますが、区の方針を明確にお示しいただきたい。  第二に、コロナ禍における行財政改革について伺います。  先般、新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度最大六十億の減収が見込まれるとする中期財政見通しが発表されました。その内容では、リーマンショック級の厳しい財政運営が見込まれると指摘しながらも、昨年度の繰越金百億円に加え、基金を取り崩すことで、来年度までの予算編成には支障がないとの見通しを示しています。しかし、示された事務事業の緊急見直しとうたっても、イベントの中止や公共事業等の延期など感染症拡大に伴う影響による事由となっているのが実態です。そもそも右肩上がりで続く税収増を隠れみのとして、この十年間真剣に行財政改革に取り組んでこなかった体質が如実に現れている緊張感のない財政見通しではないでしょうか。  さらに、慣例化している両副区長名で発せられた依命通達では、来年度の予算編成に向けて、あらゆる施策について、従来どおりの継続を前提とせず、施策そのものの本質的な見直しを行い、真に必要な事業について、ゼロベースにより予算を積み上げることを求めていますが、このゼロベースとは一体何を意味しているのでしょうか。全く改革への道筋が見えてきません。  その中で唯一羅針盤となるのが、我が党の提案で実現した新公会計制度であります。民間企業と同様に、決算をベースとして、全事業のコスト分析、効果の検証、重複事業の見直しなどを行うことが客観的に予算を積み上げられる行財政改革の第一歩であると断言しておきます。  そこで二点伺います。  一点目は、コロナ禍の中で新たな区民サービスが求められる今こそ、その財源確保のために、新公会計制度をフル活用した聖域なき行財政改革を根幹に据えて、来年度予算に反映すべきであります。区長の認識と決意を求めます。  二点目は、行政改革の視点からいえば、経常的な経費の削減による安定した区政運営は欠かせません。経済再生なくして財政健全化なしの観点からも、公共サービスについても、経済の再生に資するよう、新たな取組への転換を急ぐべきです。例えば民間企業やNPO等が自治体と協力して、行政サービスの提供の一部を担うことで、より効率的で新しいサービスの提供を図ることが可能となり、公共サービスの民間連携を通じて、民間の経済活動の活性化を図る意義は大きいのではないでしょうか。改めて我が党が再三提案している図書館、児童館、保育園における民営化推進について、区の見解を伺います。  次に、感染症の第三波に備えた対策について三つの観点からお伺いします。  予断を許さない状況が続く新型コロナウイルス感染症ですが、改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、闘病中の方の一日も早い回復を願っております。また、この間従事してくださっている医療従事者や保健所の職員の皆さんなど、全ての関係者の方々へ心から感謝を申し上げます。  第一に、検査体制の拡充についてです。  今般、区におけるPCR検査体制の拡充については、保坂区長の報道における発言により、内外に大きな混乱と影響を及ぼしました。従来型の感染症の疑いのある有症状の方や濃厚接触者のPCR検査を一日約六百件程度検査できる体制を確保することについては、我が党も求めてきました。しかし、一方で、社会的インフラを継続するためには、社会的検査として位置づけた別枠体制、すなわちプール方式導入による検査については、結局議会との協議もなく、あげく迷走し、常任委員会での議論を重ね、最終的に現に陽性者が発生した施設で、濃厚接触者には該当しないが、仕事上不安のある方を優先して実施するとのことです。  言うまでもなく、感染症は予測がつかない要素が多いことを踏まえると、まず、継続した検査体制を構築するために、検査手法や人員体制、財政面や医療機関などの支援等、多岐にわたり詳細に詰めておくべきです。見切り発言による無用な混乱を招くのは厳に慎んでいただきたい。  そんな中、当初、区が位置づけていた社会的検査を行政検査として実施対応ができるとの回答が十一日付で国からあったとのことです。また、東京都も高齢者施設における感染症対策強化事業として、入所者や職員等に対して定期的にスクリーニング検査でのPCR検査を実施する補正予算を計上しています。  そこで二点質問いたします。  一点目に、区が提示している社会的検査という枠組み自体が混乱を招いており、従来型の検査の拡充に絞った体制強化にまとめるべきではないでしょうか。既に社会的検査という枠組みが、さきに述べた国の回答により、実質的に従来型検査での対応が可能となった今、何ら別枠にこだわる必要性は現段階では全くありません。今後、国や都と取組や対象が重複しないよう緊密に連携し、時々刻々と変化する状況に、最も効果的かつ有効策を打てるよう、適宜判断すべきと考えます。区長の見解を求めます。  二点目に、仮に対象施設で陽性者が発生した場合の受入れ体制、例えば病院、ホテルの確保や自宅からの移動手段などのサポート、さらに継続して事業を行うことができる運営体制などについてどう整っているのでしょうか、お答えをいただきたい。  第二に、感染予防対策についてです。  現在、感染症拡大の影響に伴い、社会的インフラを支えていただいている介護事業所を初め、障害者施設、教育施設や保育園、幼稚園などにおいては、施設の職員の方が日々懸命に予防対策を講じておられます。しかし、それぞれが専門家ではないため、いろんな情報から施設内の予防措置を取られている上で、有効な対策なのか不安を抱えている声が届いております。そうした施設へは医師や保健師の方などによる施設への感染防止アドバイザー派遣事業を進めていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。  第三に、経済対策についてです。  この間、保坂区長におかれては、PCR検査体制に特化した発信、発言が多く見受けられますが、感染症対策で落ち込んだ地域経済をどう底上げするのか、いわゆる経済対策や経営支援について、産業別ごとに具体的にはまだ示されておりません。帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で五百件に達し、都道府県別では東京都が百二十三件、業種別では、飲食店が六十九件で最多となっていると公表しました。また、介護事業所では、コロナの影響の利用自粛等で、通所デイサービスやショートステイでの収入減、さらにイベント等の中止により、福祉作業所における仕事量が激減しています。今般、給付費が一定以上減収になった介護事業所への緊急支援が補正予算に計上されていますが、こうした業種や業態に応じたサポートや経営支援など、総合的な枠組みをさらに示していく必要があります。区の見解を伺います。  次に、豪雨対策についてお伺いします。  昨年の台風十九号では、世田谷区内に大きな浸水被害をもたらした記憶が癒えないまま、既に本年も七月と九月に全国で風水害が発生し、避難所や復旧活動の過程においても、感染症への対策が避難行動、避難所運営に大きな影響を及ぼしております。  そうした中、我が会派が申し上げてきた在宅避難の重要性が今、大きくクローズアップされています。今般、区は新たに洪水・内水氾濫ハザードマップを作成し、台風接近時のタイムラインや水害時避難行動判定、情報入手方法なども掲載されるなど、事態に沿った大変評価ができる内容になっております。  国土交通省では、水害リスクに係る情報が、不動産取引時に契約締結の意思決定に重要な要素と判断し、宅地建物取引業法施行規則の一部を改正し、八月二十八日から施行、不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が義務化となりました。また、我が党から提案したことを受け、本年六月三十日より、世田谷区建築物浸水予防対策要綱が改正され、届出対象の建築物が拡充されました。  今後、できる限り自助力を高めるために、止水板設置や排水ポンプの配備などをメニューとした豪雨・水害対策配備型の助成制度の創設を求めます。区の見解をお聞かせください。  次に、個店支援プロジェクト、仮称せたがやペイについてお伺いします。  区は今般、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営状況にある小売・飲食業等の個店を応援する個店支援プロジェクトを発表しました。内容は、プレミアム分を三〇%に引き上げ、かつ紙媒体のほか、今回初めてQRコード方式決済を取り入れた電子商品券、仮称せたがやペイの発行も予定されており、これまでの硬直した制度の大きな変革に、世田谷区及び商店街連合会の努力に評価をいたします。  一方で、今回区が示した発行額は従来の紙媒体の共通商品券分七億八千万円に対し、電子商品券は二億六千万円、紙版の約三分の一となっています。しかし、コロナ禍で、感染拡大防止のため、非接触媒体へと移行するため、キャッシュレス化が普及する社会情勢を考えたとき、区の電子商品券の割合が妥当と言えるでしょうか。  三鷹市では、商品券の総額十五億円分を十月一日に発行予定ですが、電子版が十億五千万円、紙版が四億五千万円の割合となっています。電子版を増やすことで商品券の換金の手間が減るとのことで、参加店舗の拡大とともに、市民の利便性向上への期待が高まっているとのことです。  三〇%プレミアムを考えると、区民への消費効果も高まり、電子決済を導入するとなれば、利用者も汎用性も広がり、地域経済浮揚へ大きなチャンスとなるでしょう。区内個店への周知徹底とできるだけ多くの事業者の参加が見られるよう努力を期待しつつ、二点お聞きします。  一点目は、キャッシュレス化が進み、多くの電子マネーサービスが普及する現実社会を踏まえると、電子商品券の割合を再検討すべきと考えます。今後、事業の反響も踏まえた区の対応をお聞きします。  二点目は、電子商品券の導入に当たっては、電子マネーの利用者の特性を踏まえ、プレミアム分は期限があっても、チャージ元金分は期限を設けない元金保証にすべきです。区の見解を伺います。  次に、障害者施策についてお伺いします。  今定例会において策定予定の障害者施設整備等に係る基本方針案が示されました。近年の障害者数の増加や、特別支援学校卒業生の進路希望、東京リハビリテーションセンター世田谷からの地域移行、さらには親亡き後を支えるためのグループホーム等、施設需要に追いつかず、不足している障害者施設の整備は喫緊の課題となっています。  基本方針案では、対象期間である二〇三〇年度までの十年間における施設所要量の想定数が示されましたが、生活介護と就労継続支援B型の通所施設で五百六十人程度、グループホームについては、中度・重度障害者を合わせ、五百人程度と利用見込み数との乖離があり、非常に厳しい現状が浮き彫りになりました。  しかしながら、昨年の第三回定例会代表質問において、我が党は、着実な推進のために具体的な整備目標の設定を示すことや整備手法を求めてきましたが、今般示された基本方針には、具体的な数値や手法は示されていません。  そこで二点質問いたします。  一点目は、過去の実績からも施設整備には時間を要するのは必然であり、このまままでは在宅障害者を出しかねません。二〇三〇年までの整備目標を示し、都営住宅などの創出地を活用し、確実に施設整備を進めていくべきです。区の見解を伺います。  二点目は、就労機会や雇用の促進も併せて同時進行で取り組まなくてはなりません。  板橋区では、八月に農福連携による障害のある方が働く屋内農園を開設しました。都内では初めてとなる屋内型農園施設を通じて、障害がある方への職業訓練の機会や、安心安全な労働環境の提供、また企業における障害者雇用の推進へ大きく踏み出しました。  このように、自治体自らが雇用をつくり出す、つくり出した業態や業種を積極的に民間市場へ挑む、戦略的な就労モデルへ打って出るべきです。区の見解を求めます。  次に、区立教育総合センター構想についてお伺いします。  我が会派は、これまで何度も教育総合センターの設置に当たっては、公教育の復権を掲げ、教員研修の充実と、教育活動以外で忙殺される教員の負担軽減のための事務事業の改善、要配慮児童生徒を含め、学校の学習環境を整えるためのバックアップセンター機能や、不登校対策等の充実を求めてまいりました。  さらに、世田谷に住む全ての乳幼児期の育ちを支援するために、公私を問わず、幼稚園、保育園の教諭との交流を促進できる乳幼児教育センターを設置し、幼児教育の研究活用を訴えてまいりました。  しかし、今般示された令和三年十二月に開設予定の運営計画素案では、新たな機能として、大きく四つの取組が掲げられましたが、その中身は、おのおの取組を推進する組織を配置するということだけで、新たな教育研究機関の開設という機能が抜け落ちています。  区の教育現場が抱える課題を下支えするためのバックアップ、フォローアップ機能の充実はもとより、激動の社会の中で生き抜く力を養うためにも、区全体のたゆまぬ教育力の向上が求められます。そのために活用できる教育総合センターであるべきです。  ここで三点質問いたします。  一点目に、世田谷区の教育の底上げのために、教育総合センターはどう活用されるつもりですか、改めてセンター設置の意義について教育長に伺います。  二点目に、本区では、区立小中学校全校でスマイルルームが始まり、自分の学校内で学習ができる環境が整備されたことは評価できます。同時に、要配慮児童生徒への適切な個別指導ができているか疑問です。教育総合センターでは、各スマイルルームでの教育実践を積み上げ、通常の学級へその成果を反映できるような研究を進めるべきですが、区の見解を伺います。  三点目に、新たにできる乳幼児教育支援センター機能について、公立、私立の保育園・幼稚園教諭が、テーマ別の乳幼児教育の研究を行い、先進的な研究成果を各園に展開するなど、幼児教育の施策につなげるべきです。区の見解を伺います。  次に、不登校についてお伺いします。  世田谷区の不登校児童生徒数は、令和元年度で小学校、中学校合わせて八百二十五人、五年前の一・六倍と増加傾向が続いていると報告されています。一方で、昨年十月に文科省より、不登校児童生徒への支援のあり方についての通知では、基本的な考え方が示され、不登校児童生徒への支援は学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるとしています。  来年度までが取組期間となる世田谷区不登校対策アクションプランによると、課題は、的確な実態把握が必要としておりますが、その状況は、休養や居場所を求める一方で、学習意欲が高く、支援を必要としているなど、多岐にわたります。ゆえに、子どもたちに対する総合的、かつ多様な支援策が急務であることは明らかです。  そこで、世田谷区の不登校の現状を踏まえ、三点質問します。  一点目は、多様な教育機会の確保です。文科省の通知では、一人一人の状況に応じて教育支援センター、不登校特例校、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保する必要があると記されています。教育委員会として、不登校児童生徒への教育機会確保へのつなぎをどのような手順で行っているのでしょうか。また、民間のフリースクールへ通っている児童生徒の実態をどう的確に把握しているのか、御答弁ください。  二点目は、ICTを活用した学習支援です。感染症の影響で、緊急事態宣言のときは、自宅での学習支援で生徒たちへロイロノートを活用し、授業を行っていたと聞きます。ロイロノートは、アイパッドなどのタブレットを使うことで先生の負担を軽くし、子どもたちの主体性を伸ばす授業をつくるためのツールです。先生と生徒のやり取りを活発化させることで、思考力、判断力、表現力を育てることを目標としており、このICT活用が不登校児童生徒への学習にも有効と聞きますが、教育委員会としての今後の方向性をお聞きします。  三点目は、保護者や児童生徒へのアプローチです。不登校はどの子にも起こり得る事象であり、決して問題行動ではありません。不登校という現実の中から希望を見いだせるきっかけとなるよう、保護者や児童生徒へ向けた多様な支援メニューや、それぞれのケースに合った相談先などをまとめたパンフレットが必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。  最後に、GIGAスクール構想についてお伺いします。  GIGAスクール構想とは、児童生徒一人一台のコンピュータ配備を見据えた施策パッケージであり、ハード面でICT環境の整備、ソフト面でデジタルならではの学びの充実、そして指導体制で、日常的にICTを活用できる体制を二〇二二年度に向けて推進していました。しかし、感染症の影響により、学校と家庭をつないだオンライン授業などの検討も必要となり、今般示された第三次補正予算には、家庭学習支援の強化、教員支援、人材育成についての事業がさらに盛り込まれています。時間の制約がある中での体制整備であることは理解をしますが、あまりにも多岐にわたるスキームでは、児童生徒をはじめ教育現場における円滑な活用に不安を感じざるを得ません。  そこで二点質問いたします。  一点目に、区内九十校にタブレット端末、校内環境の整備、そしてアドバイザー派遣と順次行っていきますが、実際にはタイムラグが生じます。一斉には準備が整わない現状に、教育現場への支援へどう対応していくのか、区の見解をお聞かせください。  二点目に、GIGAスクール構想に向けたICTを活用した授業や教材の開発を行うとお聞きしましたが、不登校や障害や配慮を要する児童生徒への活用など、誰も取り残さない教育の実現に向けて、教育総合センターでの支援体制を構築すべきです。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員にお答えをいたします。  コロナ禍における行財政改革についてであります。  私は、これまでも学校改築など公共施設整備手法の改革や、ICT等を活用した事業手法の改善など前例にとらわれない多様な視点での行政経営改革を進め、経費の抑制、削減に努めるなど自治体運営の持続可能性の維持に取り組んできました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、GDP速報値が戦後最悪の数値となるなど、かつて経験したことがない大幅な減収に陥ることが必至であり、先般、世田谷区政策方針を定めて、あらゆる施策の本質的な見直しを全庁に指示したところであります。  今後、極めて厳しい財政状況の下での予算編成となりますが、九十二万区民を抱える自治体の長として、区民の安全で安心な暮らしを守り抜くための施策を最優先に、お話しの新公会計制度によるコスト分析や行政評価などを客観的に数値化された指標など、最大限に活用をしてまいります。  政策全体の力点、バランスに配慮いたしまして、一つ一つの施策について必要性や有効性、費用対効果、施策の統合や最適化など区民生活への影響を見定めながら、あらゆる角度から徹底した検証、見直しを進めて、必要な財源の確保に全力で取り組んでまいります。  次に、第三波に向けた対策、そしてPCR検査についてであります。  区で実施する社会的検査は、重症化やクラスター化を防止し、社会インフラを継続的に維持するためのPCR検査として実施するものでありまして、介護事業所、障害者施設、一時保護所や児童養護施設、保育園、幼稚園の施設を対象に優先順位を決め、要件に該当する施設の職員や利用者が随時、あるいは職員が定期的に検査を受けられるよう準備を進めているところでございます。  お話にありましたとおり、国も高齢者施設等の職員や利用者に対し、定期的な一斉検査を実施することを既に表明しており、この感染拡大地域において、区が現在計画をしている社会的検査の内容について、これは行政検査の対象としてやれると、この趣旨の回答をいただいたところであります。  また、東京都が九月補正予算案で示されております高齢者・障害者施設等を対象としたPCR検査の実施に向けた新型コロナウイルス対策強化事業は、まだ詳細が示されておりませんが、対象や手法が明らかになり次第、区で実施をしていく社会的検査との整合を図ってまいります。取組の実効性を図るため、重複することがなく、相互に支えあって効果を発揮するような体制で行いたいと考えております。  区といたしましては、従来の検査、PCR検査を拡充し、結果までの時間短縮、ここに努めていきますが、件数の飛躍的な拡充はなかなか困難でありまして、この社会的検査の取組により区全体としての検査可能数の拡充を図ってまいります。  また、特に社会的検査については、事業の対象を追加しておりますので、各事業所が適切に検査を受けられるように丁寧に周知を図ることとし、区を挙げてPCR検査を充実させてまいります。この社会的検査の実施も含むPCR検査の充実は、感染拡大抑止とともに安心して働ける施設利用をしていける社会を目指しているものでございます。  次に、経済対策についてお尋ねでございます。  新型コロナウイルス感染症拡大において大きな影響を受けております区内事業者を支援する観点から、区としては、社会保険労務士の電話相談や事業者に対する緊急融資、業態転換補助金、クラウドファンディング支援、総合経営相談など、取り急ぎ取組を重ねてきたところでございます。  緊急融資におきましては約三千五百件を超える申し込みがありました。新型コロナウイルス感染症の拡大により経営に大きな影響が発生している事業者の幅が大変広く、介護事業所も含む医療、福祉系からも多くの申請があったと聞いております。  今回、介護事業者への緊急支援として、影響の大きかった介護事業者の中で、一定以上の減収になった場合の補助を提案させていただいたところであります。また経済産業部が行う支援策についても広く周知をし、積極的な活用を促すことで、自主製品等の販路拡大推進や、収益事業の改善等の経営支援を実施するとともに、事業者の声を聞きながら、時期を逸することなく、必要に応じて、業種特有の支援策を講じるよう担当所管に指示をしているところです。  今後、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込みながら、地域産業の活性化を目指して総力を挙げてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  最初に、行政手続のデジタル化の関係で、特別定額給付金の総括でございます。  世田谷区は、都内最大の人口を有する自治体であり、特別定額給付金の迅速な給付に向け、閣議決定後、速やかに実施体制や事業内容の検討、委託先等の調整を開始し、準備を進めたところでございますが、結果、五月中にはオンライン申請や配慮を要する方への給付を開始いたしましたけれども、多くの世帯には六月下旬からの給付となりました。給付が遅れたその要因といたしましては、委託先のシステム開発の遅れや人員確保の面から、大量処理の開始が想定よりも遅れたこと、区の判断を要した申請が三万件を超えた大量処理に時間を要したということが挙げられます。  今回の経験を踏まえまして、やはり突発的に発生した業務を区が優先的に対応する上で、職員や場所の確保が難しい場合にありましても、迅速的確な処理が可能となるよう、処理工程や委託内容の精査、人員配置や分担、情報提供等の観点から検証を行いまして、今後の給付事業に生かしてまいりたいと考えております。  続きまして、やはり行政手続のデジタル化の中での行政事務の改善についてでございます。  世田谷区政策方針の柱の一つとして、事業手法の転換を掲げまして、ICTを活用した区民サービスの向上を優先課題に位置づけました。また、お話しのとおり、行政における事務と情報のデジタル化を進め、業務の効率化、共通化を図ることによりまして、区民本位の柔軟な運営体制の基盤整備につながるものと認識しております。  こうした区民目線のデジタル行政を構築していくためには、業務のオンライン化等の取組を進めながら、既存の枠組みに捉われず、デジタル変革を起こす、世田谷区役所版デジタルトランスフォーメーションのあり方を議論する必要があると考えております。そのためには、管理職を含めた職員一人一人の意識改革や、紙媒体、手書きといった慣習の残る区業務そのものの点検、見直しが不可欠でございます。  今後、外部の有識者を交えた全庁横断的なPTを立ち上げまして、国や都のデジタルトランスフォーメーションの動向も注視しながら、長年カスタマイズを重ねてきました基幹系システムの抜本的見直しを含めた具体的な計画策定に取り組んでまいります。  続きまして、保育園など公共事業の民営化を求めることについての御答弁でございます。  あらゆる施策事業につきまして、本質的な見直しを行いまして、内容や手法の転換、実施の是非の検討を行う中で、保育園や児童館、図書館など、公共施設の運営については、それぞれの機能を最大限発揮するための行政の役割を整理し、区が直接運営に携わることの必要性を確認することが重要と考えております。  区立保育園につきましては、地区ごとに公的なセーフティーネットとしての役割を担いつつ、移転、統合、閉園等による再整備を進めることとしております。また、図書館につきましては、コロナ禍を踏まえた運営のあり方、民間活用も含めた運営体制の検討に着手しております。さらに、児童館につきましては、区が運営を担うことを基本といたしまして、未整備地区への対応や民間等とのかかわりについて検討することにしております。  こうした役割の確認と併せまして、新公会計制度を活用したフルコスト評価分析を有効に活用して、持続可能性の検証を行い、民間活力活用の方向性について検討を重ねてまいります。  私から最後に、感染症の関係で宿泊療養施設についてお尋ねがございました。  現在、都として確保している都内の宿泊療養施設につきましては、九月九日現在の状況によりますと、八施設で三千四十四室、そのうち同時期に受け入れが可能なのは千八百六十室となり、これに対します在所者数は百八十九になることから、現状の受入れ体制には余裕があるとの情報をいただいております。一方、入院を必要とする区民への対応といたしましては、都が確保している医療機関への入院について、保健所より都へ調整を依頼している状況にございます。  なお、移動手段につきましては、宿泊療養施設への移動は都が、区医療機関への移動は区が、それぞれに手配する専用の搬送車によることを原則としております。
     宿泊療養施設の確保並びに拡充は、再び感染拡大した場合や社会的検査による無症状者が増加した場合に取り組むべき重要な施策であることから、区といたしましては都と協議の上、区独自に施設の確保に向けた検討を進めているところでございます。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、個店支援プロジェクトにおける電子商品券の割合について御答弁申し上げます。  このたびの電子商品券の発行につきましては、世田谷区商店街振興組合連合会が個店支援プロジェクトの中で初めて取り組むものです。今まで商品券を購入されている方の中には、電子決済に不慣れな方もいらっしゃること、また、個店の中には電子決済を取り入れていない店舗もあることから、このたびは紙の商品券の発行割合を高いものとしております。  しかしながら、御指摘のとおり、キャッシュレス化の進展が著しい今般の社会情勢を鑑み、紙から電子への流れは必然であると認識しております。引き続き利用客と店舗側の双方にとって利便性の高いものとすることで、電子商品券の浸透を世田谷区商店街振興組合連合会とともに図ってまいります。  また、個店支援プロジェクトの政策効果について、電子商品券の利用状況分析や、客観的な景気動向指数などにより見極め、今後の必要性を判断してまいります。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  一点目は、教育総合センターの設置の意義についてでございます。  教育総合センターにつきましては、議会の皆様からも様々な観点から御意見等をいただきながら進めてまいりましたが、取りまとめに当たり、従来の計画からの変更点について、重要な部分の御説明が十分ではなかったことについては申し訳なく思います。  私は、何よりも子どもたちが自分の可能性を信じ、必要な力を身につけて成長するためには、教員が自信を持って教育に当たることが大前提と考えます。教育全体の底上げにつきましても御指摘いただきましたが、私が教育の現場からこの教育委員会に来て一番に感じたことは、それぞれの教員が自分なりに工夫はしているものの、それが区全体で共有されることが少なく、一人一人の創意工夫が全体の底上げにつながっていないということです。  このようなことに対応するために、多世代にわたる教職員支援から始まり、不登校対策、保護者支援など、今まで取り組んできたことを見直し、ノウハウを伝えていく仕組みをつくり、そして、お話しいただきました公立、私立、幼稚園、保育園を問わず、乳幼児期の育ちを支援する乳幼児教育センターの取組などを教育総合センターの主要な課題としてまいります。  これらを含めて、御提案いただいた様々な課題に直面する現場の教職員を支えるバックアップ、フォローアップ機能についても、その効果的な展開を図ってまいります。  次に、乳幼児教育センターの研究成果の反映のさせ方について御答弁申し上げます。  お話しいただいたテーマ別の乳幼児教育の研究につきましては、新たな知識、手法の研究とともに、実際の現場で日々どのような問題が発生しているかを把握するということが大切な視点と考えます。  これらを踏まえて、私が一番重要と考えることは、現場の幼稚園、保育園で日々実践、経営、運営に携わる方々の理解と意識の共有化であると思います。  現場の理解、創意工夫の集積と新たな観点、社会状況の変化等をしっかりと読み解いていくことにより、非認知能力など、子どもたちが今後、社会で生きていく上で必要な力を伸ばすための教育、保育の内容を体系化し、世田谷版乳幼児教育・保育スタンダードカリキュラムを策定してまいります。  スタンダードカリキュラムにつきましては、今年度から検討を始め、教育総合センター開始時から施行を目指し、その成果を、公私を問わず、世田谷の幼稚園、保育園で共有してまいります。  最後に、GIGAスクール構想に向けた教育総合センターでの支援体制について御答弁申し上げます。  これまでGIGAスクール構想、不登校対応、配慮を要する児童生徒への支援等について、それぞれ取組、御答弁もさせていただいております。  これらの課題については、一朝一夕に解決するものではなく、議会の皆様の御支援、御理解をいただきながら進めていく決意でございます。  コロナ禍で万全ではない体制の中で、各学校、各教員が創意工夫を行ってまいりましたが、このような状況の中で新たな視点も見えてきました。それがお話にありましたICTを活用した不登校や配慮を要する児童生徒への学習支援の可能性でございます。御質問にありました国が進めるGIGAスクール構想と、不登校を含めた全ての子どもたちに向けた総合的な支援体制を教育総合センターで構築すべきという御提案につきましても、しっかりと受けとめ、教育総合センターの支援体制を構築してまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、専門職による感染防止アドバイザーについての御質問にお答えいたします。  社会福祉施設等の現場では、厚生労働省通知などに基づく新型コロナウイルス感染症予防や、拡大防止策を講じる際に様々な疑問や不安もあると伺っております。このため、区では、社会福祉施設等への新型コロナウイルス感染症対策アドバイザー事業といたしまして、区の施設所管課への助言のほか、社会福祉施設等にアドバイザーの医師を派遣する支援を行っております。これまでに希望がありました五施設を訪問し、間取りに合わせました動線やゾーニング、共用の更衣室や休憩室での予防策、感染疑いによる検査結果判明までのケアの方法など施設運営における様々な疑問にお答えし、新たな気づきや精神的な安心感につながるよう取り組んできております。  今後、感染の拡大や業務再開の準備等で生じる疑問などの解消を図るため、新たに感染症管理認定看護師をアドバイザーとして起用するなど、支援の拡充を図ってまいりますとともに、施設関係者の連絡会を活用するなどの周知を行ってまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、感染予防対策につきまして教育委員会としてお答えさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症予防対策のため、教育委員会では、学校、園における新型コロナウイルス感染症対応のガイドラインを作成し、感染症拡大防止を効率的かつ効果的に行えるよう周知しております。  また、学校保健安全法に基づき、学校には学校医、学校薬剤師等を配置しております。学校医の役割としましては、感染症の予防に関し必要な指導及び助言を行い、学校における感染症予防措置に従事すること、健康相談や保健指導に従事することがあります。  学校薬剤師につきましては、学校の環境衛生の維持及び改善に関し、必要な指導及び助言を行うことなどとなっておりまして、学校における保健指導等に従事いただいております。  専門医による予防アドバイザー機能についてですが、このように学校医や学校薬剤師の方にその役割を担っていただいているものと考えておりますけれども、様々な観点からの予防ということから、刻々と変化している状況を注視しつつ、関係所管部と協議しながら対応してまいります。  以上です。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、豪雨対策についてお答えいたします。  近年、昨年の台風第十九号に伴う浸水被害を初め、激しい集中豪雨による家屋の浸水被害が増えているところでございます。  区としましては、風水害対策総点検の取組のほか、国や都と連携した多摩川無堤防箇所への対応など、浸水被害軽減策に取り組んでまいりましたが、浸水被害に対応するためには、事前に土のうを用意しておくなど、自助の取組の重要性も一層高まっております。  そこで、区では、自助の取組の支援としまして、いつでも土のうを持ち出すことができる土のうステーションの整備に力を入れてまいりました。土のう以外の自助の対策としましては、水のうや止水板の設置、また排水ポンプを設置するなどの方法がございます。  区としましては、家屋の浸水被害を最小限にとどめるために、自助の取組として、各家庭でできる止水板の設置や下水の逆流防止策などにつきまして、今後も都と連携してPRに努めてまいりますが、自助の取組に対する新たな助成制度を考える際には、公的補助の是非などについて、例えば助成の対象者、助成条件や助成額、また費用対効果などにつきまして、昨年の台風第十九号が引き起こしました浸水被害の状況や教訓などを踏まえまして、検討してまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、電子商品券の元本の取扱いについて答弁いたします。  個店支援プロジェクトとして導入する電子商品券、仮称せたがやペイの有効期限ですが、できるだけ早く消費を喚起し、個店の売上げを支える政策目的に照らし、割り増し分、いわゆるプレミアム分は付与した日から六か月経過後に失効するような仕組みで検討を進めております。  電子商品券の元本の分は、区民に混乱が生じないよう、現在流通している様々な電子決済の使用期限を参考にし、適切な期限とする方向で発行元の世田谷区商店街振興組合連合会と調整をしてまいります。  私からは以上です。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは、二点お答えいたします。  初めに、障害者の施設整備についてです。  障害者施設整備については、中長期にわたる取組が必要となることから、今後の障害者の増加を踏まえ、施設の需要、施設整備の方策、障害者の高齢化、重度化などへの対応の考え方を整理し、施設整備の必要性や緊急性を示すとともに、施設需要への的確な対応を図ることができるよう、令和十二年度までの十年間の障害者施設整備等に係る基本方針案を策定いたしました。  施設整備の具体的な手法としては、既存施設の有効活用や、公共施設の見直しに合わせた転用、都営住宅の建て替えに伴う創出用地や公有地の活用などあらゆる方法を検討してまいりますが、特に大規模、多機能の施設を整備するためには、まとまった土地が必要になることから、都営住宅などの創出用地の活用は不可欠と考えております。  今後は、改修工事や各用地の活用検討の時期に合わせ、スケジュールや個別計画の検討を行うとともに、障害福祉計画や公共施設等総合管理計画などとの整合を図りながら、年次ごとの整備目標を明らかにし、確実な施設整備に取り組んでまいります。  次に、戦略的な障害者の就労モデルをとの質問についてです。  区では、障害者が安心して働き、自立した地域生活を送れるよう、障害者就労支援センターや障害者就労支援施設などが連携し、就職への訓練、就労後の職場定着、生活相談まで一体的な支援に取り組んでおります。  現在、障害者の就職先は、都心の企業を中心に店舗や病院、介護施設など、多岐にわたっておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による就労継続が困難な方が増えており、多様な働く場の創出が急務となっております。  こうした中、区内農家では高齢化による後継者不足や農地の保全が課題となっていることから、区内農地を活用した農福連携による障害者雇用の可能性について、今年八月より経済産業部との検討を開始しております。  現在は農業分野に進出している特例子会社や障害福祉サービスを行っている法人などとの意見交換を行いながら、事業化に向けた課題整理を行っているところです。  区といたしましては、障害者の多様な働く場の創出に向けて庁内連携を図るなど、障害者雇用の新たな事業展開について検討を進めてまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、五点御答弁いたします。  まず、配慮が必要な子どもへの対応ノウハウの蓄積と活用についてでございます。  教育委員会では、配慮を要する子どもたちが在籍する学校で、それぞれに必要な指導や支援を受けることができるよう、区立小中学校に特別支援教室を設置しております。  特別支援教室においては、子どもたちの発達の課題について、専門の研修を受けた教員が子どもたちの状況に応じた指導や支援に取り組み、指導手法や教材の効果的な活用などのノウハウを蓄積しております。  特別支援教室において蓄積されたノウハウは、通常教室の教員の指導力向上にも有効であると考えており、教育総合センターにおいてその集約を行うとともに、通常教室の教員の研修に活用することにより、区全体の配慮を要する子どもたちへの教育の質の向上につなげてまいります。  次に、不登校の子どもの学習機会の確保とフリースクールとの連携についてでございます。  不登校の子どもたちをどのように学習の機会へとつなげるかにつきましては、在籍する学校の教員やスクールカウンセラー、保護者の方からの御相談を受け、子どもたちの状況や要望を踏まえ、ほっとスクールや、世田谷中学校のひなぎく学級の利用、継続的な教育相談を御案内しているところです。  また、不登校のお子さんの保護者の方に御参加いただいている不登校保護者のつどいに、定期的に民間のフリースクールの方に来ていただき、その活動内容などについての情報提供の場も設けております。  民間フリースクールを利用している児童生徒の状況把握については、学校において直接フリースクールのスタッフと連絡を取り合っているケースや、保護者の方を通じて状況を把握しているケースがございます。  教育委員会といたしましては多様な学びの場の確保という観点から、民間のフリースクールとより密接な関係を築いていく必要があると考えており、まずは区のほっとスクールや、民間フリースクールの関係者が集まり、情報交換を行う場の設定などに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ICTを活用した不登校の子どもへの学習支援についてです。  教育委員会では、感染症による長期の学校休業時の対応として、学習支援ソフトを活用して、学校と各家庭をオンラインでつなぎ、教員と子どもたちのコミュニケーションの確保や学習支援に取り組んでまいりましたが、このオンラインの取組は、不登校の子どもたちへの学習支援においても有効であると考えております。  現在、一部の学校において、不登校の子どもたちへのオンラインでの学習支援を開始しており、この取組を早急に全校に展開してまいりたいと考えております。  子どもたちそれぞれの事情に合わせた支援には試行錯誤の部分もあるかと思いますが、実績を着実に積み重ね、不登校の子どもたちに、より広い学びの選択肢を提供できるよう取り組んでまいります。  次に、不登校施策の保護者周知についてでございます。  教育委員会では、第二次世田谷区教育ビジョンや世田谷区不登校対策アクションプランを策定し、スクールソーシャルワーカーの増員や区内三か所目のほっとスクールの開設などに取り組んでまいりました。  これらの区の不登校施策については、不登校保護者のつどいなどを通じて保護者の方々に御案内させていただいているところです。しかしながら、不登校の兆候のあるお子さんの保護者の方には十分な情報提供ができていない状況にございます。今年度中に世田谷区における不登校の支援メニューや相談先などの情報を掲載したパンフレットを作成し、全ての保護者の方や子どもたちに幅広く提供してまいります。  次に、GIGAスクール構想に向けた教員の研修等についてでございます。  御指摘のとおり学校への端末の配置や通信環境の整備は段階的に実施いたしますが、教員の研修などは着実に実施する必要があると考えております。  教員の研修はまず、学校のICT推進の中核となる教員を対象に実施し、その教員を中心に他の教員への研修を段階的に実施していくことを計画しております。  従前より学校に配置している端末を用い、ICT支援員によるオンラインでの研修支援なども行いながら、ソフトウエアの操作研修などを詰めてまいります。  また、授業での実践事例の蓄積も必要と考えており、先行して取り組んでいる学校の授業の動画や事業計画などをオンラインで全校に共有していくことを予定しております。  限られた日程や条件の中で、確実に教員のICTスキルを向上させることができるよう、各学校の協力を得ながら取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十一番(佐藤弘人 議員) 二点再質問いたします。  PCR検査については、いろいろと言い始めると時間がなくなっちゃうんですけれども、一点だけ確認したいんですが、もともと従来型の検査と別枠で社会的検査ということで、今回位置づけていた第一段階から第四段階までございますけれども、十一日に国から、それらについても、国費で認めるという回答が来たというお話ですが、第四段階まで全て認めるのか、第一段階までなのか、その対象範囲と条件についてはどういうふうに解釈をすればいいのか。国からの書面では、何となく分かるような分からないような、そんな内容になっていますので、その点は明らかにしていただきたいと思います。  二つ目は、教育長にお伺いしますけれども、行財政改革の中で、区立図書館の民営化については、こういった感染症のことを考えると、非接触媒体に移行するということも含めて、図書館の運営自体のあり方も、運営の方法も含めて、改めて考え直さなきゃいけない部分も多分多々あると思います。その辺も踏まえて、民間との連携も視野に入れたどういうふうなお考えをお持ちなのか、見解をお伺いします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 社会的検査についての再質問にお答えいたします。  国から八月十八日に来ております通知では、感染者が多発している地域では、感染者が当該施設にいなくても、行政検査の対象となることが国から示されておりますし、九月十一日付の国からの照会の回答によりましても、区が実施しようとしております社会的検査の手法で、医師等の立会いの下での鼻腔からの採取についても、行政検査としての対象となる旨の通知がございました。  これらによりまして、お尋ねになりました範囲の第一段階から第四段階につきましては、全て行政検査として認められる対象、手法の範囲となると考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  区立図書館の運営体制については、検討委員会を設置し、十月下旬から来年の三月にかけて、五回にわたって開催する予定でおります。  委員には、図書館の専門知識を有する学識経験者や公募による区民の方に御参画いただき、幅広い意見を取り入れながら、民間活力の活用を含めた区立図書館の運営体制や、コロナ禍を踏まえた新たなサービスなどについて議論を進めてまいります。  図書館ビジョンに掲げる基本理念である知と学びと文化の情報拠点の一層の充実に向け、世田谷区にふさわしい区立図書館の運営体制を検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十一番(佐藤弘人 議員) しっくりこない答弁ですけれども、一つだけお伺いします。先ほどの国が認めた検査については、第四段階まで対象になると。回数についてはいかがなんでしょうか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 再々質問にお答えいたします。  回数については、国のほうからまだ重複の要件等については、詳しい情報はお示しされておりません。専門的な医師会の先生ですとか、保健所の所長にお伺いしたところによりますと、やはり感染の状況ですとか、施設での発生状況によって、再検査の対象の期間ですとかは、短くなったり、長くなったりということもあり得るということもお伺いしておりますので、状況によっての判断になろうかと考えております。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で佐藤弘人議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。
        ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十六日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十二分散会...