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令和 2年  6月 定例会−06月11日-02号

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  1. 世田谷区議会 2020-06-11
    令和 2年  6月 定例会−06月11日-02号


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    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年  6月 定例会−06月11日-02号令和 2年  6月 定例会 令和2年第二回定例会 世田谷区議会会議録第九号 六月十一日(木曜日)  出席議員(四十九名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  加藤たいき
    十六番  阿久津 皇 十七番  宍戸三 郎 十八番  津上仁 志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま 進 三十七番 石川ナオミ 三十九番 真鍋よしゆき 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 河野俊弘 五十番  上島よしもり  欠席議員(一名) 三十八番 おぎのけんじ  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        志賀毅一 政策経営部長 中村哲也 財政制度担当参事        松永 仁 特別定額給付金担当部長交流推進担当部長兼務)        小澤弘美 総務部長   田中文子 庁舎整備担当部長        松村浩之 危機管理部長 菅井英樹 財務部長   小湊芳晴 生活文化政策部長        松本公平 地域行政部長 清水昭夫 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 竹内明彦 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        辻 正 保健福祉政策部長        澁田景子 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        加賀谷 実 児童相談所長 土橋俊彦 保育部長   知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 防災街づくり担当部長        小柴直樹 道路・交通計画部長        田中太樹 教育長    渡部理枝 教育総務部長 淺野 康 教育政策部長 池田 豊 生涯学習部長 林 勝久 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和二年六月十一日(木)午前十時開議)  第 一 代表質問  第 二 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 代表質問
     二、日程第二 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○和田ひでとし 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  自由民主党を代表して、四十九番河野俊弘議員。    〔四十九番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆四十九番(河野俊弘 議員) 皆様、おはようございます。  初めに、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表すとともに、御遺族、関係者の皆様に衷心よりお悔やみ申し上げます。また、現在も闘病生活を余儀なくされている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  世界中の人々が新型コロナウイルスの猛威に戦々恐々としています。世界的な感染拡大の早期収束と、その後の経済回復を真に願いつつ、質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  人類と感染症との闘い、その歴史は非常に古く、近年ではエボラ出血熱やSARSの出現など、これまで長きにわたって目に見えぬウイルスと格闘してきました。そして、昨年十二月には、中華人民共和国湖北省において新型コロナウイルス関連肺炎の発生が報告され、その後の日本国内では、中国に滞在歴がある肺炎患者から新型コロナウイルスの検出が確認されてから瞬く間に大勢の方が新型コロナウイルスに感染しました。四月七日には、安倍内閣総理大臣が東京都など七都府県を対象に、その後の十六日には全国に対象を広げて緊急事態宣言を発令しました。その後、当初の発令期間の五月六日を迎えても終息には至らず、東京都をはじめとする首都圏及び北海道は発令期間を二十日ほど延長せざるを得ませんでした。科学技術が飛躍的に進歩し、また、公衆衛生状況が格段に向上した現代において、ウイルスによる感染症がこれほど蔓延する厳しい現実を目の当たりにすると、油断があったのではないかとも思います。政府及び関係自治体は、今もなお、感染拡大の終息に向けて全力で取り組んでいます。  そして、この間、世田谷区においても、保健所をはじめとする多くの職員が休日を返上し、また、昼夜を問わず感染症の対応に奮闘されていることに私たちは最大の敬意を表すものであります。また、先日、来年、縁組協定四十周年を迎える川場村からは、区内の母子生活支援施設等へ川場産の飲むヨーグルトや名産品、雪ほたかのレンジアップ御飯などが届けられ、さらには、区内で募集している新型コロナウイルスをともに乗りこえる寄附金への寄附額は既に一千万円を超える勢いとも聞いています。世田谷区を応援してくれている全ての方々に厚く御礼を申し上げます。  さて、私たち一人一人の責任と自覚を持った行動が今後も引き続き求められています。そして、今もなお、疲弊している社会経済状況の中で不安を抱いている区民が大勢いらっしゃいます。また、区内事業者からは事業継続支援を求める声を多くいただいております。我々は下を向かず前に進まなければなりません。我が会派は、今定例会をはじめ、あらゆる機会を通じて感染拡大の防止に向け、また経済活動の正常化に向けて様々な提案、提言をしてまいる所存であります。  そこで、新型コロナウイルスの感染拡大による区民生活への影響に関し、順次質問をいたします。  まずは、区内事業者支援について伺います。  新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言の発出により、区内においても先月までは外出や行楽の自粛、外国人観光客の大幅減、また、業種によっては店舗等を休業せざるを得ない状態になり、区内事業者の経営状況は厳しさを増しています。  国では、感染症拡大により大きな影響を受けている事業者を対象に、事業継続を支え、再起の糧となる持続化給付金の支給や政府系金融機関以外でも実質無利子、無担保、保証料減免の融資を可能にした中小企業の資金繰り支援を強化するなど、あらゆる手だてを講じて経営、経済への影響の緩和を目指しているところであります。また、東京都においても、緊急事態措置期間を中心に、事業施設の使用停止や休業に協力した中小企業及び個人事業主に対する感染拡大防止協力金の支給や、一年間の都税徴収猶予など支援策を打ち出しています。これらの支援メニューを分かりやすく伝えることが基礎自治体の使命であると思いますので、世田谷区においてもきめ細かい周知に努めるよう求めるものであります。  また、一刻も早く支援金等の給付を受けるためには不備のない申請行為が不可欠でありますが、私どもの元には、申請手続が煩雑との声が多く寄せられております。東京都の感染拡大防止協力金の申請に関しては、税理士などの専門家への事前確認費用として八千円を東京都が負担する制度がある一方、国の持続化給付金に関しては、費用負担制度がないことがその一因であると認識しております。  事業継続にお困りの区民や地元事業者が滞りなく、かつ円滑に各助成金の申請手続が行えるよう、地元の税理士や公認会計士、中小企業診断士や青色申告会等の専門家の事前確認については、国ないし東京都が費用を負担し、各種助成制度の利用を促進すべきと考えます。区からも国、東京都に対してその趣旨を強く働きかけることを求めますが、見解をお聞きします。  また、独自の支援策に乗り出している自治体もあります。御存じの方も多いと思いますが、渋谷区では、外食宅配サービスを活用した外出抑制及び区内レストラン等への支援として、フードデリバリー利用促進キャンペーンを実施しました。千葉県柏市においても、「あすチケ柏!」と題して、感染症の収束後に市内飲食店で使用できる一〇%のプレミアムをつけた食事券の発行等を行っています。  区においても、区内事業者向けの独自支援策の早期実施に着手すべきであると我が会派は認識しておりますが、リーマンショック時よりも先行きの不透明感が強く、広範囲かつ長期にわたり影響が見込まれている以上、現時点での国や都の支援制度の対象ではないが、真に経営や生活に困窮している区内事業者やフリーランスの方々に対しての支援を行うなど、産業全体に行き渡る幅広い支援策を講じる必要があるのではないでしょうか。さらには、区内コミュニティーの中核をこれまで担ってこられるなど、長く地域に根差した店舗に対する支援なども必要と考えますが、現在、区ではどのような考えをお持ちであるか伺います。  次は、新型コロナウイルス感染症に関する特殊詐欺被害防止について伺います。  感染症の拡大防止対策として外出自粛が求められる中、ネット通販の利用者が増加したことに伴い、ネット通販会社を装う偽メールが急増していると聞いています。メール本文中のURLを開くと、実在の通販サイトによく似たページに移動し、クレジットカード番号や暗証番号の入力を要求する、いわゆるフィッシング詐欺の手口が多いようです。  また、四月三十日に国の補正予算が成立して以降、国民に一律十万円を配布する特別定額給付金に便乗した詐欺と見られる不審電話が全国的に広まっているとの報道がありました。中でも、市役所職員や実在しない給付センターの職員を名乗る人物からの電話が多いとのことです。特別定額給付金に関しては、世田谷区では五月二日にオンライン申請の受付を開始するとともに、五月二十八日には申請書類の郵送、そして今月初旬から給付を開始したところでありますが、区に対しては、特別定額給付金に関する特殊詐欺被害の防止に向け、引き続き区民への注意喚起の徹底や警察等、関連機関との連携強化を求めます。見解をお聞かせください。  また、今回の特別定額給付金の給付に当たっては、マイナンバーが銀行口座等とひもづいていれば、所得や雇用形態などに応じて必要な人に素早く支援することが可能であったとの声が上がるなど、マイナンバー制度の意義を改めて考える機会となりました。政府は、来年の通常国会で銀行口座とのひもづけを義務化する法整備を目指すとのことでありますが、一部にはいまだマイナンバー、イコール、プライバシーの侵害という偏見があるようです。我が会派としては、そのような短絡的かつ感情的な思考から一歩離れて、マイナンバー制度の本質を見詰め直し、合理的な活用方法についての積極的な議論を期待するところであります。それと同時に、区に対してはマイナンバーカードのさらなる普及促進に向けて取り組むよう、この場をかりて求めておきます。  続いて、感染症対策の体制強化について伺います。  去る四月十一日、世田谷区内の社員寮で亡くなられた男性が発見されました。死因は、新型コロナウイルス感染症による肺炎とのことであります。男性は御家族を九州に残し、単身で東京に赴任していらっしゃいました。報道によると、相談センターに何度も電話したものの、回線が混み合っており、つながらなかったとのこと。四月十日の夜には、せきがひどくて眠れない、胸が痛いと御家族に状況を伝えた後、応答がなくなったそうであります。さぞかし苦しく、また眠れぬ夜を幾晩も御独りで過ごし、不安であったことと思います。故人の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。  既に区は相談センターの電話回線数を増やすとともに、保健師等の担当職員を増員しました。また、地域外来・検査センターを稼働させ、区におけるPCR検査体制の拡充を図るなど、緊急事態の中、多くの区職員の尽力により感染症対策の強化が日々進められていることについては、まずは感謝を申し上げるものでありますが、しかし、今回のような痛ましい悲劇を二度と繰り返さないためには現状の体制で満足してはいけません。  今般のような非常事態の際に、九十二万超の区民の命を感染症から守り、さらには定額給付金、融資あっせん等事務量の増大による業務の遅延が発生することで区民サービスの低下につながることがないよう、様々な所管の垣根を超えた柔軟な職員体制をさらに推し進めるなど、より一層の体制強化が必要であると認識をしておりますが、区の見解を伺います。  次は、家庭内で新型コロナウイルスの感染者が発生した際の対応について伺います。  新型コロナウイルスの罹患に気づかないうちに家庭内で感染を広げてしまうケースが全国的に見受けられます。その際、保護者のみが感染して入院する場合に誰が子どもを預かるのか、また、介護が必要な高齢者や障害者の家族が入院する場合に誰が高齢者や障害者の身の回りの世話をするのかというような課題が生じます。まずは身内の親族等に依頼することを検討しますが、核家族化が進む中、頼れる親族が近隣にいないケースが多いのが現状だと思います。  報道によると、保護者が入院した場合に、その子どもをPCR検査で陰性を確認した上で、児童養護施設にて受け入れる自治体があるとのことです。また、杉並区では、身の回りの世話が必要な高齢者や障害者が滞在できる臨時宿泊施設を整備すると聞いております。世田谷区においてこのような事案が発生した際、どのような対応を取るのでしょうか。また、対応内容を区民に対して事前に周知すべきとも考えますが、見解を伺います。  次は、学習機会の確保についてです。  日本国憲法第二十六条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」、そして、同条第二項には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」とあります。教育を受ける権利と教育を受けさせる義務の両者が規定されています。新型コロナウイルスの感染症の拡大前までは当然のように思えたこの条文が、本年三月以降の小中学校における休校の長期化に伴い大きくクローズアップされるようになりました。世田谷区においても、今年度の授業時数の不足が見込まれるなど、学習課程や学校行事の運営に大きな影響が出ています。  新型コロナウイルスの感染状況の縮小傾向により、ようやく六月から段階的に授業が再開されましたが、今年度に不足する授業時数を教育委員会はどのように補うつもりであるのか、現時点での見解を改めて伺います。  また、教育委員会では、本年四月以降、ICT環境を活用した学習支援を進めており、家庭学習時に参考となる教材や学習のポイントを紹介するとともに、五月からはタブレット端末とモバイルWi―Fiルーターの無償貸出しなど、区立小中学生の学習機会の確保に取り組んでいます。そして、今定例会には、それらをさらに拡充する内容の補正予算が提案されており、我が会派としても期待するところであります。また、教育委員会では、小学校五、六年、中学生を対象に、既に民間事業者から無償提供を受ける学習ソフトの活用を進めていますが、さらなる学習機会の創出に向け、タブレット端末等の無償貸与期間に合わせて利用料金を補助するなど、民間オンラインの教育の促進を図るべきだと考えます。教育委員会の見解をお聞きします。  続いて、教員と子どもたちとのコミュニケーションについて伺います。  入学式や一学期の始業式の延期により、区立小中学校の児童生徒たちは、クラスメートや担任教諭とのコミュニケーションが不足している状態が続いています。子どもたちの健康状態の把握方法については教育委員会も課題として認識しているところでありますが、新入生、特に小学校一年生の子どもたちは非常に不安を感じているという声を耳にしています。精神面でのフォローが必要です。ぴかぴかの新しいランドセルを背負うことなく過ごした二か月間、担任の先生がどのような人物であるかなどの情報は、子どもだけでなく保護者も気にかけていたことだと思います。  保護者との情報伝達手段は各学校で異なるようでありますが、新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波の到来に備え、SNS等を利用した情報伝達手段を一刻も早く確立し、子どもや保護者の不安払拭に努めるべきであります。さらには、オンライン上での新たな手法の確立により、不登校の生徒児童に対する支援にもつながると考えます。これら新たな手法を踏まえた教育としての取組について、教育長として基本的な姿勢について見解を伺います。  次は、コロナショックからの早期脱却についてです。  議会ではこの間、新型コロナウイルスに関する情報提供の在り方などについて様々な議論がありました。区民が知りたい情報を適時的確に提供することは重要です。個人情報の取扱いなどセンシティブな課題はあると思いますが、可能な限り詳細な情報提供に努めていただくよう改めて申し上げます。  去る四月上旬、IMFのゲオルギエワ専務理事は、今年の世界経済が大きなマイナス成長に陥ることは明白であり、経済への影響は世界大恐慌以来、最悪になるとの予測を表明しました。また、アメリカの金融各社は、欧米の今年四月から六月期の経済成長率の見通しを年率でマイナス二〇%以上落ち込むと予想しており、戦後最悪と言われたリーマンショックを上回る世界的な経済危機が訪れ始めています。我が国においても、およそ一か月半にわたる緊急事態措置に伴い、国内の消費活動が急速に縮小するとともに、首都東京をはじめ国内の景気は冷え込みを増し、今後の社会経済情勢は非常に厳しい見通しであると言わざるを得ません。  世田谷区内の状況も同様であり、今日、明日の経営や生活がままならない方が大勢いらっしゃるのが現実です。このような状況の克服に向け、我々は新型コロナウイルス拡大の第二波、第三波を警戒しつつも、一刻も早い経済活動の正常化を目指すという二律背反の難題に臨む必要があり、そのためには区長の強いリーダーシップが不可欠であります。ところが、本日までの保坂区長の言動を見ていますと、国や都の新型コロナウイルスの対策に関してツイッターで批判を繰り返すなど、評論家のように第三者的な向き合い方をしているとしか思えません。  区政運営の先行きが不透明である今、区民が区長に望んでいる緊急経済支援を推し進める実行力であります。国や東京都と強力なタッグを組み、あらゆる経済政策を総動員して区内経済の循環を促すとともに、職員の英知を結集して、区政史上最大のピンチとも言える難局を乗り越えなければなりません。果たして区長自身にそのような強い意思があるのか伺います。  次は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う区財政への影響についてです。  先ほども述べましたが、新型コロナウイルスの感染拡大は、有史以来の危機となってグローバル経済を襲っています。報道資料によると、日本国内において売上高が半減する状況がさらに続き、政府の財政金融支援が見込めない場合、十一か月後にはおよそ六十万社が倒産の危機に陥り、完全失業率に至っては五・六%まで急上昇するとの試算があります。  我が世田谷区において、一般会計予算の根幹を成す財源である特別区税と特別区財政調整交付金の合計額は今年度約一千七百九十億円を占めますが、両歳入科目の基礎となる区民の収入や企業の収益が深刻な打撃を受けており、今後の区の歳入見通しも大きな減収が予測されます。さきの委員会報告の資料によると、その影響はリーマンショック時を大幅に上回る規模が想定され、さらには新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化すれば、かつて経験したことがない財源不足に陥る可能性があると区では分析しています。  それに伴い、既に区は、公共施設整備のスケジュールを見直し、弦巻中学校や梅丘図書館の改築の先送りを決定しました。また、本庁舎等整備やその他の大規模な改築・改修事業も多く控えており、公共施設整備計画の変更については、後年度の過度な財政負担を考慮しつつ、総合的な判断が求められます。  区からは、令和三年度予算編成に向けた財政フレームを策定する本年八月をめどに今後の財政見通しを示すと伺っておりますが、区民に自治体経営への協力を求めるためには、極めて厳しくなるであろう区の財政状況を区民と共有し、区が置かれている窮状を早く区民に提示すべきであると考えます。区は、現時点で今後、数年にわたってどの程度の歳入減を見込んでいるのでしょうか、お聞きします。  続いて、本庁舎等整備について伺います。  現在の本庁舎等整備計画は、これまで区が経験したことがない大規模な事業であります。また、同一敷地内で長期間にわたり庁舎機能を維持しながら解体、建設を繰り返すとともに、各工期で建設した免震建築物を最終的に一つの建物として完成させる難易度の高い工事となります。  区では、昨年末に総合評価等検討委員会を設置し、最善な施工者を選定するための入札参加資格や評価項目等の検討を重ね、その結果が年度当初の委員会で報告されました。しかし、その後は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、五月中旬に予定していた入札公告が見送られ、現在に至っています。  区によると、本庁舎整備については八月をめどに区全体の中期財政見通しを作成し、その上で判断するとのことでありますが、仮に進めるとしても、コロナショックによる厳しい経済打撃を受け、民間企業の様々なプロジェクトが規模の縮小、延期、中止を余儀なくされ、新たな日常が求められている中、区政全体をどのように変えていく可能性があるのか、新たな視点も必要ではないでしょうか。現在まで着々と進めてきた計画を基盤として、今回の事態を教訓とし、よりよい庁舎とする工夫を取り入れることが重要だと考えます。また、働き方改革や感染防止の観点から、工期などについても検討する余地があるのではないでしょうか。区民にとって、そして区内産業の発展の観点からも、最善の庁舎の改築になるのには相当の努力が必要です。  世田谷区の災害拠点としての重要性や今後の財政見通し、また、工事に係る資機材、人材等の確保の見込みのほか、新しい生活様式に合わせたスマート庁舎の視点、コロナ対応で見えてきた地域自治の様々な課題に対して、区は検討を加え、的確な判断をし、この時期に本庁舎整備を進める必要性を区民に理解していただくことを求めます。区の見解を伺います。  続いて、事務事業等の緊急見直しについて伺います。  区では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ、区民の生活と事業活動を支える、そして、子どもの育ちと学びを支えるという三つの対策を柱とした緊急対策に着手しました。我が会派は区に対して、国及び東京都の施策や財源を最大限に活用し、きめ細かい対応を求めるものであります。一方で、今後の行政運営に必要な財源を確保するためには、既存の事務事業の見直しを避けては通れません。  さきの委員会の報告によると、庁内各部において区民生活への影響や緊急性等の観点から検証を行い、必要不可欠な場合を除き、事業の拡充を行わないことに加え、事業の休止や先送り、規模の縮小等の見直しを図ったところ、今年度の見直し効果額は約二十三億円を捻出したとのことです。逆説的に考えると、約二十三億円も捻出できたということは、新型コロナウイルス感染拡大以前の予算編成時点から真剣に行財政改革に取り組んでこなかったということを表しているのではないでしょうか。  我が会派は、今年の第一回定例会における代表質問において、今年度の当初予算を、行政改革と言える取組はみじんもない、何とかなるという危機感なしのバブル予算と指摘いたしましたが、その指摘が的を射ていたということが明らかになったと認識しています。一方で、区では、今回の見直し効果額をどのように評価しているのかお聞かせください。  保坂区長就任以降の区財政は、堅調な景気動向を背景に、大胆な行財政改革を断行しなくても辛うじて良好と言える状態を維持してきました。しかし、今般のコロナ危機によって区財政の先行きに暗雲が立ち込めた状況に直面した今こそ、自治体のトップとしての手腕が問われています。今後の財政状況を勘案すると、さらなる事業見直しが必要なのは明らかです。  区では、本年五月からICT推進課に民間企業出身の課長が着任したとのことでもありますので、ICTの活用はもちろん、これまでとは異なる視点で業務の効率化を推進するとともに、発想の転換による効果的な事業見直しを強く求めるものであります。  次に、災害時における感染症対策について、避難所運営を中心に何点かお聞きします。  新型コロナウイルスの脅威が続く中、これから首都圏では梅雨や台風の季節を迎えます。また、このところ日本各地で小規模ながらも地震の発生頻度が増加していることも気がかりです。自然災害と言えば、我々世田谷区民にとっては、昨年の台風第十九号による大規模な浸水被害が記憶に新しいところですが、昨年と異なる懸念材料は、災害時の感染症対策であります。中でも我が会派は、密閉、密集、密接空間になりやすい避難所の運営方法が喫緊の課題であると認識しています。避難所がクラスターの発生源にならない対策が不可欠です。  避難所における三密を避けるためには、親戚や近所の知人宅等への縁故避難の促進や、感染拡大に伴い利用を休止している公共施設を臨時避難所に指定して避難者を分散させる取組も必要であると思いますが、区は現時点でどのような対策を考えているのかお聞きします。  また、自然災害発生直後の初動期には、自らの命は自らで守るという自助の取組が非常に重要であることは過去の災害を見ても明らかです。住宅の耐震化、家具の転倒防止、水や食料の備蓄などが自助の取組の代表例だと思いますが、今後は災害時における感染症対策も念頭に置いて衛生物資の備えを促進する必要があり、そのためには、区と区民それぞれが備蓄しておくべき品目を定めておかなければなりません。  区の避難所運営マニュアルによると、消毒用アルコールや殺菌消毒効果のある逆性石けんなどは避難所が設置することになっており、今定例会に提案された補正予算においても備蓄物品の経費が計上されています。しかし、全ての避難所において必要数を常に確保していくことは現実的に困難であるため、アルコール消毒液については一定量の備蓄を区民にも呼びかけておく必要があると思います。  そのほかにも、日々の検温に使用する体温計や感染予防に必要なマスクなどの消耗品については、区民の方々が避難時に一定数を持参することを基本にするなど、既存のマニュアルを見直すべきではないかと思います。区の見解を伺います。  また過去には、熊本地震や東日本大震災、阪神・淡路大震災の際に、避難所においてインフルエンザやノロウイルスの感染が広がった事例があります。避難所の設置が長期化した場合、十分な感染症対策を講じていても、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染者が発生するおそれは大いに考えられます。そのような場合に備え、区は、医療機関や医師会、さらには自衛隊等への協力を仰ぎ、隔離や検査、搬送等の手順をまとめたBCPをあらかじめ定めておく必要があると考えますが、区の見解を伺います。  次は、都市整備についてです。  緊急事態宣言、そして店舗の営業や外出の自粛が長く続き、地域社会は活力を失うとともに、経済状況は非常に厳しい現実にさらされています。これからのポストパンデミック社会を見据えた場合に、緑が多く、文化的な町の存在、そして安心して外出ができる町の存在は重要であり、我々住民に安らぎと元気を与えてくれます。具体的には、世田谷区の中心であり魅力的な町である三軒茶屋、下北沢、二子玉川という三つの広域生活・文化拠点などの役割は非常に大きいと認識しております。  三軒茶屋など駅周辺のまちづくりの検討が進んでいる地区においては、地元のまちづくりに対する機運の継続、醸成を図るために、地域住民のみならず、関係する様々な意見を集約していくことなどに、ICTの活用をし、協議の場を継続的に設けるなど、新型コロナウイルス感染拡大に配慮をしながら、着実に続ける努力が求められます。  区における今後の財政見通しが大変厳しいとはいえ、区民生活の利便性向上や安全安心に資する事業は推し進めなければなりません。区民活動の再活性化に向けて、交流し合える明るい地域拠点づくりは未来への投資であり、いつの時代も必要不可欠であります。  そこで伺いますが、区は厳しい財政状況を想定する中で、三軒茶屋の再開発や、あるいは京王線の連立事業など、今後の都市整備、拠点整備の重要性をどのように認識し、推進していくつもりであるのでしょうか、答弁を求めます。  次は、待機児童対策についてです。  本年四月一日現在、待機児童がゼロになったとの報告がありました。区の待機児童数は、私が議員一年目の二〇一五年は千百八十二名とピークであり、全国最多の待機児童数を解消すべく、これまで区は、認可保育園の新設を中心に保育定員の拡充を進めてきました。その結果、ここ五年で施設数は分園を含めると八十一施設増え、定員数も約六千名分増加し、併せて保育士確保に向けた様々な支援策を講じた上で、関係所管職員の懸命な努力により、昨年の待機児童数は四百七十名まで減少しておりましたが、まだ全国最多であります。  今回の待機児童ゼロの報告は、これまでの取組が功を奏したという一方で、その内訳を見ると、希望者が本来入りたい園に入園できているわけではなく、従来算定基準としていた四月入園申込者のうち、育休の延長をした世帯を新たに除外したことによりゼロになったとのことです。仮に前年同様の算定基準にした場合、変わらず数百名規模の待機児童数があることから、今回の待機児童ゼロ、イコール待機児童問題の解消というわけではなく、決して楽観視できるものではありません。また、新たな算定基準のほかに、自宅から半径二キロ以内に空きのある施設がありながらも入所できていない児童数が四百七十四名と、昨年より七十九名も増えていることも大きな要因になっています。保育ニーズが五年前とは大きく変わっている表れではないでしょうか。  地域差による問題、定員割れを起こしている認証保育園等、浮き彫りになった問題をどのように今後解消していくのか。真の待機児解消に向けて、区は、今回の待機児童ゼロをどのように評価し、今後の対策に生かしていくのか、区の見解をお聞きします。  次は、児童相談所についてです。  先日、厚生労働省より今年一月から三月までの児童虐待相談件数が前年同月比で一一%から二二%程度増加しているとの調査結果が公表されました。新型コロナウイルス感染症との因果関係は不明確としていますが、区においても、外出自粛によるストレスの増大のほか、産後ケアセンターの受入れ中止や子育てステーションの利用休止などに伴って、子育てに関する悩みを気軽に相談できる機会が減少しており、児童虐待のリスクは高まっていることが推察されます。  また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う区立小中学校の休校及び保育所等の休園が長期間にわたったことにより、教員や保育士をはじめとする保護者以外の第三者が子どもたちと接する機会も減少しており、体にあざがある、何日も同じ服を着ているなどといった平常時であれば早期に発見できる虐待の予兆が見逃されているケースがあるのではないでしょうか。  そこでお聞きしますが、本年四月以降の児童相談所への相談や通報件数は前年度と比較してどのように推移しているのか、現況を伺います。  また、区では、子ども家庭支援センターとの一元的な児童相談行政を展開できることをメリットに掲げ、児童相談所の移管を受け、既に二か月余りが経過しました。我が会派としては、庁内各部と広く柔軟に連携して、虐待に関するわずかな危険性でも見落とさないように、きめの細かい対応を児童相談所には強く求めるものでありますが、他の所管との具体的な連携は着実に進んでいるのかお聞きします。  次に、東京二〇二〇大会の延期に伴う影響についてです。  新型コロナウイルスの世界的感染拡大による東京二〇二〇大会の一年延期は、多くの地方自治体の国際交流計画に影響を与えており、また、延期によって国際交流に対する住民の関心低下を危惧する声も上がっています。  世田谷区においても例外ではなく、USOPCキャンプやホストタウン事業、その他区独自で実施予定であったおもてなし交流事業など、来年の実施に向けて改めて検討し直す必要が生じております。そのような中、区からの報告によると、USOPCからは既に来年のキャンプ実施の申し出があり、今年度予定していた実施期間をベースに協議を進めていくとのことでありますが、気にかかるのは、アメリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大です。五月下旬には感染者は百五十万人、死者数は九万人を超えるなど、アメリカ国内における社会的影響は非常に大きく、また新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、消毒の徹底や人との接触を可能な限り避けるなど、我々の生活様式は世界規模で一変しており、今後のUSOPCとの協議については難航することが予想されます。  しかし、このようなときだからこそ、我々日本人が得意とするおもてなしの精神を存分に発揮して、使用予定の施設等における新型コロナウイルス対策の徹底に努め、アメリカ選手団の皆さんが安心してキャンプを張れるよう万全な準備を求めるものでありますが、区の見解を伺います。  また、多くの子どもたちがオリンピアンやパラリンピアンとの交流を楽しみにしていると思います。感染症の状況にもよりますが、可能な限り交流の機会を設けていただくよう区に改めて要望いたします。  最後に、地域行政について伺います。  我が区における地域行政制度は、大場区政時代に地域住民に密着した総合的サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開するとともに、区政への住民参加の促進を図ることを目的として平成三年に導入され、その礎を築きました。その後、平成九年には保健所と福祉事務所を統合、再編した保健福祉センターの設置や、平成十七年に出張所改革、そして平成二十八年に地域包括ケアの地区展開の全地区実施など、区を取り巻く環境やニーズの変化に呼応し、その形を変えてきているものと認識しています。  現在、新型コロナウイルス感染症により、家計収入の減少や健康不安、外出自粛等に伴う孤立、孤独化など区民生活は非常に厳しい現状に直面しており、区民の生命や財産を脅かす危機的な事態と言っても過言ではありません。今後しばらくの間、我々は新型コロナウイルスと隣合わせの生活を送らなければならず、新しい生活様式を着実に実行するなど、我が国の社会構造の変化が求められている時期でもあります。  世田谷区政についても同様であり、地域行政制度をはじめ、組織の在り方について根本的に検討すべき時期かもしれません。例えば、今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、保健所機能の強化が叫ばれました。人口が七万人に満たない千代田区でも、九十二万人を擁する世田谷区でも保健所の数はそれぞれ一つずつであります。法令の規定等により致し方ない面があるとはいえ、判然としない区民の方は多いのではないでしょうか。また、区民の困り事や関心事など、区民生活の実態をよく把握しているのは、日頃から区民と深く関わっている総合支所やまちづくりセンターの職員であることから、総合支所への政策立案機能の強化を進めるべきであると考えます。  区民が困難に直面している今だからこそ、区民の生命と財産を守る観点から、地域行政はどうあるべきなのか、また、今般のような緊急事態を想定した地域行政の在り方について、地に足のついた検討を求めるものであります。区の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 河野議員にお答えをいたします。
     まず、御質問でお触れになりました四月十一日に区内で亡くなられた男性について申し上げます。  男性が健康に異変を覚えた当時、保健所の電話が大変混み合っていて、つながりにくい状況でありましたことをおわびするとともに、亡くなられた男性の方に心より御冥福をお祈りするものでございます。  さて、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見通せない中で、区民の皆さんの健康や生活に対する安全を確保し、感染拡大への不安を和らげ、平常の穏やかな社会生活を取り戻すため、業務体制の強化を図る必要がございます。  この間、区では、感染拡大防止とともに区民の生活や事業活動を支える緊急対策、具体的には緊急融資であるとか社会保険労務士による労働相談、また、ぷらっとホーム世田谷による緊急小口や住居確保給付金などの取組でありましたけれども、組織の垣根を越えて応援、サポートにいくと、こういった体制で取り組んでまいりました。また、今回の新型コロナ対策、中心の感染症対策における世田谷保健所の相談、検査、この防疫体制の強化のため、総合支所の保健師の方々、保育園の看護師の方々などによる応援体制を組むなど、段階的に体制の強化を図ってきたほか、また、四月末からの特別定額給付金の支払い、九十二万人の区民の方に十万円を確実に届けるという業務について確認、支給、また、こういったことについても全庁的な応援を講じております。  国による緊急事態宣言は解除されましたが、第一波の課題等を踏まえ、第二波を見据えた体制の検討、組織の在り方を含め早急に進めるよう指示したところでございます。  次に、国や東京都と強力なタッグを組んで、とりわけ経済政策について取り組むべきであるという御指摘についてでございます。  国による緊急事態宣言は解除されたものの、東京都内における新型コロナウイルスの感染者数は、いわば一進一退を繰り返し、今後起こり得る第二波、第三波に備え、まだ予断を許すことができない状況が続いていると考えております。  区では、この間、PCR検査体制の拡充など、感染拡大を早期にチェック、検査する対策を広げていく一方で、国や都のコロナ対策の在り方について意見交換を重ね、PCR検査センターの拡充や個々における保険診療の適用、また、今後課題となる院内感染、施設内感染の積極的な防止策、また、今日大変深刻な問題になっている医療・介護機関に対する財政支援など、常時連絡調整、意見交換をしているところでございます。  この先、我々は、新型コロナの感染拡大を警戒しながら、同時に社会活動を再開する新しいライフスタイルを実施し、感染防止と区民生活、事業活動のその両方を組み立てていく段階に入ります。この間のコロナ対策を教訓に、保健所の体制強化など、区の感染拡大防止対策を急ぐとともに、御指摘がありました大変傷んでいる区内経済をしっかり立て直せるように、業態転換や経営多角化のための支援、また、前例に捉われることのない創意工夫により、区内経済の循環と地域産業の活性化を一層推進してまいります。  今後は、区内事業者の経営支援のため、国や都とのパイプも積極的に活用をしてまいりたいというふうに考えます。今後とも、議会の力もいただきながら、国、都との連携を図り、区民の視点に立った効果的な区内産業施策をリーダーシップを持って推し進め、危機を乗り越えていく所存でございます。  次に、保育待機児対策についての評価でございます。  保育待機児解消は、私の区長就任当初からの最も重要な政策課題であり、この間、私立認可保育園等の施設整備に全力で取り組んできた結果、平成二十三年には認可保育園が百六か所、保育定員は九千二百九人から、令和二年度には二百二十六か所、一万七千八百九十九人まで拡大を図ってきており、今回の待機児ゼロの大きな要因になったものと考えております。  しかし、議員の御指摘にもありましたように、保育待機児童実態把握アンケートにおいても保育施設の新規開設を求める切実な意見は多く出され、いまだ希望する保育園に入園することができない世帯もいらっしゃること、また、一歳に入園希望者が集中をして、依然として施設定員が窮屈であることなどの課題を抱えております。一方、この四月一日時点の認可及び認可外保育施設のゼロ歳から二歳児クラスを見ていきますと、七百人という大変多い数の欠員が生じており、現行の保育施設と区民の希望する保育施設に残念ながらミスマッチが生じていて、既存の施設が有効に活用されていないという課題がございます。  そこで今年度は、特に一歳児について、一歳児の利用が非常に高くなっているということに着目をいたしまして、育児休業からの復帰など、潜在的なニーズも高いことから、とりわけ定員の空きが目立つ認証保育所の一歳児定員の拡充、これはゼロ歳から一歳へと誘導をしていくということですが、このことによって認証保育所の受入れがより促進されるよう、そして、待機児童ゼロ、国基準でゼロでございますが、本当に困っている人、入れない人がゼロに向けて一層の努力を講じてまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  最初に、特別定額給付金に関します特殊詐欺被害の防止についてでございます。  区は、本年四月二十八日に新型コロナウイルス感染拡大防止や増加する感染者の対応等に迅速かつ的確に対応するため、世田谷区新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、危機管理部を特殊詐欺対策班として、新型コロナウイルス感染症に関連した特殊詐欺対策に取り組むよう指示したところでございます。  区民への注意喚起につきましては、区広報をはじめとした区の様々な情報発信ツールの活用や、各世帯への郵送申請書類にチラシを封入して注意を呼びかけるほか、区の給付金案内窓口、区内診療所、薬局に注意を促す啓発ポスターを掲示するなど、特殊詐欺被害の防止に取り組んできているところでございます。さらに、警察との連携につきましては、警察署からの情報を受け、災害・防犯情報メール、ツイッターを活用してのアポ電情報の発信やアポ電集中地域に世田谷区二十四時間安全安心パトロールカーを急行させての注意喚起を行うなど、被害を未然防止する対策を行っております。  今後も区民の皆様が新型コロナウイルス感染症に関連した特殊詐欺被害に遭わないよう引き続き注意喚起を徹底していくとともに、関係所管や警察等との連携を強化して対策に取り組んでまいります。  続きまして、家庭内で新型コロナウイルスの感染者が発生した際の対応についてでございます。  子どもや高齢者、障害者の養育や介護を担っていた家族が感染した場合、これらの方々の養育や介護をどのように確保するかが課題となります。こうした場合、養育や介護を必要とする子どもや高齢者、障害者が濃厚接触者となり、経過観察を行うことを想定した対応が求められます。  区では、子どもには一時保護所での保護、高齢者におきましては在宅サービスの利用、障害者では緊急一時保護や在宅サービスの対応を準備してまいりました。今後の第二波を想定いたしまして、対応可能な人数を増やす必要があると認識しております。緊急対応可能な事業所を増やすなど体制強化を進めまして、高齢者等の生活環境の確保と保護者等が安心して療養に当たれる環境づくりを、都との連携や公共施設の臨時活用などを進めてまいります。  区民からの相談に対しまして、保健福祉課や子ども家庭支援課等でサービス利用を検討いたしますけれども、区民へのサービス内容や受入れ施設等のお知らせにつきましては、受入れに伴う風評被害等を配慮しながら、周知方法や内容につきまして検討し、早急に対応してまいります。  続きまして、区財政の窮状についてでございます。  平成二十年九月に発生いたしましたリーマンショックにおきましては、二十三年度までの四年間で特別区民税と特別区交付金を合わせまして約二百六十億円という大きな減収となりましたが、四年後には元の水準に戻りまして、その後、増加に転じてきております。  一方、今般の新型コロナウイルスの影響は、第二波、第三波など、強弱を繰り返しながら数年間続くとも言われており、今後、感染拡大防止に備えました新しい生活様式の下に経済活動もある意味縮小し、コロナ前の水準への回復は見込めないことを前提とした財政運営が必要になると考えております。具体的な財政見通しにつきましては、各種経済指標等の予測などを踏まえまして八月にはお示ししてまいりますが、GDPにつきましても、戦後最大の落ち込みとなったリーマンショック時を上回るとの予測もあり、短期的には大幅な歳入減となることも想定しております。  こうした状況下で真に必要な区民サービス等を維持するためには、複数年を見据えた計画的な予算編成が必要であり、第三回定例会に上程予定の補正予算案と来年度の当初予算とを連動させるなど、議会の御議論をいただきながら、アフターコロナを見据えた持続可能な財政運営に努めてまいります。  最後に、事務事業の緊急見直しについてでございます。  令和二年度予算は、事業手法の見直しによる効率化、ICTを活用した業務改善の推進等、行政経営改革の取組を進めつつ、災害に備え、地域の力を育む予算として、誰もが安心して暮らせる地域社会を目指して編成したところでございます。今回の事務事業等の緊急見直しは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う歳入の大幅な減収という危機感を全庁で共有し、区民生活への影響や安全性、緊急性等を踏まえて優先度を判断し、休止、先送り、事業縮小等の見直しを行ったものでございます。  今回の見直しによりまして、二〇二〇大会の延期による関連事業の中止や三密を伴うイベントなど感染防止の観点からの事業休止はもとより、老朽化した施設の改築、改修や道路、公園の整備など、全予算事業の二割に当たります二百二十四事業について見直しを積み上げ、歳出額で二十九億七千万円、一般財源で約二十三億四千万円の効果額を捻出するものでございます。  今回の緊急見直しの効果額のみでは、今後想定されます財源不足の一部を補填するにすぎず、引き続きさらなる複数年にわたる取組が不可欠であると考えております。今年度、事業の見直しを着実に進めるとともに、来年度の予算編成に向けまして施策事業の抜本的な在り方を求めてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、四点について御答弁申し上げます。  まず、区内事業者支援についてでございます。  区独自の支援策として、新しい生活様式に向け努力する事業者を応援するため、デリバリーや非接触型の業態への転換を図る事業者に対する補助制度の実現に向け準備を進めているところです。区内には、国や都の支援の対象から外れている事業者も存在しており、御指摘の区内事業者やフリーランスの方々などをはじめ、区民生活を支える産業の担い手への幅広い支援策の必要性があると認識しております。リーマンショック時にはプレミアム付区内共通商品券を年度内に複数回発行するなどの消費喚起策により区内事業者への支援を行ってきましたが、今回の経済危機はより多くの業種、業態に影響があると捉えております。  今回の感染症の影響は業種によって異なり、また、お話しの古くから営業している店舗にもそれぞれ経営課題があると見込まれることから、今後、事業者に対するヒアリングなどを行い、業種、業態に応じたニーズを把握した上で制度設計を急いでまいりたいと考えております。  次に、本庁舎等整備についてでございます。  本庁舎等整備につきましては、基本構想において、区民の安全安心を支える防災拠点となる庁舎、機能的、効率的で柔軟性の高い庁舎など、五つの基本的方針を掲げ、基本設計、実施設計と検討を重ねてまいりました。  このたびの新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、五月に予定していた施工者選定の公告を見送ることといたしましたが、この間の現庁舎における緊急対応の中で明らかになった課題を踏まえ、新たに感染症対策という観点から、現在の設計内容における本庁舎等の機能を検証しております。その中では、例えば感染拡大時の保健所機能の独立性の確保や、密集、密閉、密接の三つの密を回避する感染拡大防止対策はもとより、臨時的な区民窓口開設や職員再配置に対しても機能的、かつ柔軟な対応が可能であることを確認するとともに、さらに求められる対応についても検討しているところです。こうした内容につきましては議会に御報告するとともに広く公表し、今後も本庁舎等整備の必要性について、区民の皆さんに御理解いただけるよう努めてまいります。  いずれにいたしましても、本庁舎等整備につきましては、八月の中期財政見通しを作成した上で、御指摘いただいた区内産業発展などの観点も踏まえ、慎重に判断してまいります。  次に、今後の都市整備、拠点整備についてでございます。  世田谷区の基本計画及び都市整備方針において、広域生活・文化拠点として、にぎわいと活気にあふれた区を超えた交流の拠点に位置づける三軒茶屋、下北沢などの拠点整備、開かずの踏切解消を図る連続立体交差事業や道路等都市基盤整備事業、そして、これらに合わせた駅周辺街づくりは、都市としての骨格づくりを進める上で大変重要であります。  今般の新型コロナウイルスに関しましては、これまで区が進めてきた参加と協働のまちづくりとして、対面でのワークショップや意見交換、説明会等の開催にも影響を及ぼしており、今後、税収等の落ち込み、区民生活再建への新たな対策等により、一層厳しい財政状況になることは避けられません。  一方で、こうした状況下におきましても、リスクの高まる首都直下地震への対策、また、人々が生き生きと活動し、人と人とのつながりが生まれる場、区民生活の安全安心に直結する都市基盤整備や拠点整備の街づくりは引き続き強く求められるものと認識しております。  区といたしましては、着実に街づくりを進めていくためにも、ICTの活用やオープンハウスの設置等、より一層の情報発信の工夫を図りながら参加と協働に努めるとともに、いまだかつて経験のない厳しい財政状況において、今後避けられない事業の見直しに当たっても、区民の生命と財産を守る事業の緊急性、重要性を熟考し、都市整備方針に掲げる安全で快適な暮らしをともにつくる都市世田谷の実現に向け、鋭意取り組んでまいります。  次に、地域行政の在り方について御答弁申し上げます。  区は、地区、地域の実態に即しながら、効果的なまちづくりを推進するため、まちづくりセンター、総合支所、本庁の三層構造による地域行政制度のもとに行政運営を進めてまいりました。現在、地域社会が変貌を遂げつつある中でも持続的に地区、地域に密着したまちづくりを進めることを基本に地域行政の再構築に向けた検討を進めております。検討に当たっては、地域のコミュニティー、地域の力の活性化を軸に、まちづくりセンターの役割の充実、総合支所における地域経営機能の強化が重要な観点になると考えております。  今般の新型コロナウイルスへの対応においては、今後の第二波、第三波への備えとしても、感染症対策としての保健所機能の充実強化が急務になっております。一方、コロナ禍において、孤立しかねない高齢者や障害者の生活を考慮いたしますと、誰もが住み慣れた地域で健康で安心して暮らし続けられる地域保健福祉の充実、身近な地区における地域包括ケアの推進がこれまで以上に重要になると認識しています。  地震や水害などの自然災害だけでなく、今般のような新たなリスクから区民の生命や財産を守るためには、平時からの区民や様々な活動団体、事業者とのネットワーク強化や区民の不安に応える身近な相談窓口が重要です。そのために、地域の実態を把握するまちづくりセンター、総合支所が緊急時に柔軟に対応ができる体制をより充実させ、地域実態に即した地域経営を進める方向で、現場の声を十分に聞きながら、新たな地域行政の在り方について検討を進めてまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、新たな手法を踏まえた教育の基本姿勢について御答弁申し上げます。  区立小中学校を再開いたしましたが、学校休業中は、各学校の教職員がそれぞれ様々な工夫のもと取り組んでまいりました。しかしながら、学年末や新学期の始まりのときであり、多大な御心配をおかけし、決して十分な対応ではなかったと認識しております。教育委員会といたしましても、今後しっかりと検証したいと考えております。  さて、議員お話しのとおり、感染症第二波、第三波の到来への対応が必要となりますが、私としては、この機会に様々な情報伝達手段を取り入れることを単なる学校休業への対応ということから新しい教育の在り方への転換という観点で取り組んでまいります。ICTの活用が、学校と家庭との連絡手段の確立のみならず、学びそのものがオンラインでも対面でも可能となるよう、よりきめ細やかな対応をしていきたいと考えております。不登校の子どもが映像を伴わないコンテンツでの学習に参加した例があり、オンライン学習には対面の学習にはない学びの可能性もあると考えます。  情報セキュリティーの強化や学校、教員、家庭への技術的な支援など様々な課題があると認識していますが、世田谷の子どもたちのためにできる限り早い対応を教育委員会全体として取ってまいります。議会の皆様におかれましても、御支援と御協力をよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、手続の支援について答弁いたします。  現在、国の持続化給付金や東京都の感染拡大防止協力金をはじめとした新型コロナウイルス関連の事業者向け助成制度が多数実施されているところです。区としても、区内事業者が各種助成制度を遅滞なく利用できるよう、専門家の事前確認に係る費用について国や東京都に対し助成するよう働きかけてまいります。また、中小企業診断士等の専門家の方々が円滑にサポートできるよう、区で把握している情報を適宜提供するとともに、区独自の取組として、中小企業診断士を活用した総合的な相談窓口を開設する準備をしております。  私からは以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、不足する授業時数への対応でございます。  区内小中学校においては、四月からの臨時休業に伴い、不足する時数を確保するために、夏季休業日において九日間の授業を実施することや、九月から月一回の土曜授業を月二回に変更することなどを予定しております。また、長期間の休業により生活リズムや学習習慣が乱れ、子どもによっては学習に遅れが見られることも予想されることから、夏季休業中に補習の時間を設け、個に応じた学習をサポートしてまいります。  現在、各学校では今後の教育課程の再編成に取り組んでいるところですが、教育委員会といたしましては、各学校が子どもたち一人一人の学習状況に寄り添い、適切な学習機会が確保されるよう指導してまいります。  次に、インターネット環境を用いた学習の充実についてでございます。  教育委員会では、子どもの学習の機会を確保していくために授業動画を配信するとともに、小学校三年生以上にタブレット端末やWi―Fiルーターを無償貸出しするなど、ICT環境を活用した家庭での学習支援に取り組んでまいりました。また、文部科学省が進めるGIGAスクール構想を活用し、児童生徒に一人一台のタブレット端末の提供や学校におけるインターネット環境の整備に向けた取組を進めております。  教育委員会といたしましては、この端末を活用した効果的な授業が各学校で行われるよう、学校の意見も踏まえながら、学習用のソフトウェアやデジタルコンテンツの導入、授業手法などソフト面における研究、検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、災害時における感染症対策につきまして、三点御答弁申し上げます。  最初に、避難所における三密の防止策についてでございます。  区は、出水期を迎えるに当たり、風水害時の避難所における三密の状況を回避し、感染の防止を図るため、緊急対応方針を取りまとめました。まずは避難者同士の距離を確保するため、可能な限り多くの避難所を開設し、避難スペースを確保できるよう、これまでの避難所に加え、都立高校や区内大学に対して、避難所として活用できるよう協議を進め、避難所の拡充を行いました。加えて、これまでの避難所においても、体育館以外の教室やランチルーム等も活用するなど避難スペースの確保を図ってまいります。また、避難所に行くことだけが避難ではありませんなどの分かりやすい言葉を使用しながら、自宅に危険がない場合は在宅避難を、避難が必要な場合でも自主避難や縁故避難などの避難方法を例示し、区ホームページ、災害・防犯メール、ツイッター、区広報など様々な媒体を通じて積極的に周知を進め、自助、共助を促進し、三密防止に取り組んでまいります。  次に、感染症対策における自助の促進についてです。  新型コロナウイルス感染拡大に伴って、全国的にマスク、手指消毒液や体温計などの衛生用物品の不足が生じたことから、日頃から区民が衛生用物品を備蓄して避難の際に持ち出せるようにしておくことは大変重要であると考えております。  区では、避難所で使用する衛生用物品について最低限の備蓄をしておりますが、全ての避難者に配布できる備蓄量にはなっておりません。そのため、避難する際には、マスク、手指消毒液、石けん、体温計など必要な衛生用物品を事前に準備し持参するよう区民に協力を呼びかけ、自助を促すことは必要であり、現在、区のホームページやツイッターなどでも周知を図っているところです。一方、避難所内においても、身体的距離の確保、マスク着用や手洗いの徹底など、区が示す新しい生活様式の実践例にもある基本的な事項を遵守していく必要があります。今後、避難所ごとに作成されているマニュアルなどとともに、活用することができる新型コロナウイルス感染症対策の留意事項を早急に取りまとめ、各総合支所と連携して避難所運営組織の皆様と協議を進め、マニュアルの点検、拡充に取り組んでまいります。  最後に、避難所で感染者が発生した際の対応について御答弁申し上げます。  区では、避難所における感染症対策について、地域防災計画、業務継続計画や震災時職員行動マニュアルに取りまとめており、都や医療機関との連携など、災害時の医療・救護体制の確立に取り組んできたところです。  しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染防止対策については、これまで策定した計画やマニュアルだけでは十分ではないものと認識しております。具体的には、避難所内で感染者が発生した場合の対応については、平時の発生事例の対応と同様に保健所に報告し、その指示を受け、搬送、隔離、消毒を実施するとしておりますが、これらの業務を災害時にどのように進めていくかなど、早急に詳細について一つ一つ決めていく必要があると考えております。  今後は、避難所において感染者が発生した場合の具体的な対応について保健所と十分に連携しながら、医療機関や医師会、自衛隊等との連携方法を協議し、その検討結果を、区のBCPと密接に関係している震災時職員行動マニュアルや今年度修正予定の地域防災計画に反映してまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、児童相談所の運営につきまして二点御答弁いたします。  初めに、本年四月以降の相談・通報件数などの状況についてです。  区の児童相談所につきましては、本年四月一日の午前零時より、東京都からの相談ケース七百十二件を引き継ぎ、順次、業務を開始いたしました。この四月一日から五月十五日までの間の児童虐待相談受理件数についての集計状況を申し上げますと、区の児童虐待通告ダイヤルでは三十七件、国の児童相談所虐待対応ダイヤルでは二十九件、書類通告等で百二十三件、合計で百八十九件の相談がございました。  昨年度の都の世田谷児童相談所における同時期の相談受理件数は公表されていないため、これと比較はできませんが、この間の通報では、夫婦げんかや泣き声通告が多くなっている状況です。一方、学校等からの通告件数が休業等により少なくなっており、相談件数そのものが日々顕著には増えていないという状況でございます。  次に、きめ細かい児童相談所の対応及び他の所管との具体的な連携などについての状況でございます。既に支援対象となっている家庭につきましては、子ども家庭支援センターとの合同会議を開催し、ケース対応を進めていくなど、一元的な運営を柱に、庁内各部と関係機関がそれぞれの役割に応じた支援を行いながら、逐次、情報共有の上、適切に連携を進めております。一方、学校休業や保育園等の登園自粛など、新たな虐待の早期発見、早期対応のために重要となる見守りの目が届きにくい状況となっております。このような中、学校、保育園等に子どもの生活状況等の確認を依頼し、変化があった場合などは、区の児童虐待通告ダイヤルで集約の上、児童相談所と子ども家庭支援センターを中心に適切に連携しながら支援体制を取るなど、区ならではの工夫により早期発見、早期対応に努めております。  引き続き、外出自粛により家庭内に蓄積された仕事や子育てのストレスなどの影響や不安が懸念されますが、引き続き速やかに情報を集約し、支援に向けて関係所管と役割分担の確認や今後の方針を共有の上、的確な対応につなげてまいります。また、同様の事態が生じた場合に備え、今回の対応を基本としつつ、通告窓口のさらなる周知や相談ツールの工夫、また、支援を必要とする家庭へのサービスを継続するための環境整備などに関係所管とも連携し、早急に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、アメリカ選手団のキャンプにつきまして御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会の延期に伴い、本年七月から実施のアメリカ選手団キャンプは延期となりました。USOPCからは、今年度予定していた期間をベースに来年の夏に大蔵・大蔵第二運動場でキャンプを実施したいとの申し出があり、現在、新たな実施期間等について協議をしております。  御指摘の新型コロナウイルス感染症対策は、キャンプを実施する上で、アメリカ選手団、そして世田谷区にとって重要な課題だと認識をしております。区といたしましては、来年のキャンプの実施期間を早期に確定するとともに、施設の衛生管理など感染症防止対策につきまして、USOPCとの役割分担も含め協議をしてまいります。アメリカ選手団が安心して来日し、施設を利用してもらえるように、施設管理者であるスポーツ振興財団とも連携して万全な体制を整えてまいります。  あわせて、交流事業につきましては、新型コロナウイルスの影響で選手が来日できない状況にあっても、世田谷区の子どもたちとアメリカ選手が絆を深める機会を創出するため、動画配信など、オンラインを活用した事業展開をUSOPCに提案し、協議を進めております。こうした取組手法は、区民とアメリカ選手団との距離をより一層近づけるチャンスとなり、東京二〇二〇大会以降の新しい交流の進め方につながるものと考えております。  以上です。 ◆四十九番(河野俊弘 議員) 御答弁いただき、ありがとうございました。  初動体制というところで少し例を挙げさせていただきたいことがあるんですけれども、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父、滋さんが、めぐみさんとの再会を果たすことなく、先日お亡くなりになりました。まさに痛恨の極みでありました。北朝鮮の拉致問題にせよ、自然災害にせよ、そして今般の感染症対策にせよ、初動体制の構築が何よりも大切であるということをお伝えしたいと思います。以前、国会において保坂区長が所属していた政党は、拉致問題の存在を否定され、また、区長御自身、北朝鮮への経済制裁に反対していたそうですけれども、横田滋さんの無念をぜひとも肝に銘じていただきたいというふうに思います。  そのほか、私も今回の代表質問を様々聞いている中で、非常に予算のことに関しまして、八月にならないと見通しが立たないようなことが様々言われておりますが、八月までの期間、今はまだ六月でございますので、今月、来月と期間がまだございます。そして、世田谷区の想定は、九月にコロナウイルスの第二波を想定しているという話も聞いてますので、今できる準備を、どういう経過であるのか、事細かにやはり情報提供していただきたいというふうに思います。様々そういった準備の段階で、決まったことを出されてしまっても、やっぱり議会としての意見が出せませんので、そういった綿密な連携をこれからも両輪でやっていただきたいというふうに思います。  あと、教育に関しましても、今オンラインの授業とかが様々進んでいる中で新しく見えた発見というのがあると思うんですよね。そしてまた、私の地元でありますけれども、若林にできる教育総合センターの意義というのを改めて本当に考えていただきたいですし、新たな教育の推進というところも教育長はおっしゃっていましたので、そこの意義をしっかりと踏まえて、いいものに進めていただきたいというふうに思います。  あとは、私からの最後にまた意見になりますけれども、新しい生活様式というふうに世間も言われていますけれども、今言われているその新しい生活様式というのが新しい日常ではないというふうな認識を共通として持っていただきたいというふうに思っています。今、新しい生活様式と言われている中でやっていることは、全て通常の日常になったときの準備なんだというふうに言っていただいて、今後の通常の日常が戻ったときに、今ここでやっていたことが糧となって、プラスになるような取組、姿勢というのを世田谷区は出していただくよう要望させていただいて、自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。
        午前十一時十八分休憩    ──────────────────     午前十一時三十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 日程第二を上程いたします。    〔井上次長朗読〕 △日程第二 一般質問 ○和田ひでとし 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) コロナウイルス感染症で亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、療養中の方、御家族の方にお見舞いを申し上げます。  それでは、質問を始めます。今議会、我が党は、新型コロナウイルス感染症に対する区の当面の対応に対し区民目線でチェックを行い、コロナ後を見据えた区政運営について、住民の福祉の増進という自治体本来の役割を取り戻す転換を求め、議論します。  この間、区民の声を聞いて区に対策を求めてきました。五月にはアンケート調査を行い、新型コロナウイルス感染拡大の暮らしへの影響や困り事などをお聞きしました。二週間で九百通という大きな反響があり、感染への不安、自粛生活のつらさ、休業や収入減少、子どもの教育など様々な声が届いています。これらの声に基づき、私からは当面の対策を中心に質問いたします。  初めに、感染拡大を防ぐためのPCR検査体制の抜本的な強化と医療機関への支援についてです。  区がこの間、PCR検査体制を強化してきたことを評価します。現在は感染者数が減少し、検査はスムーズにできているとのことです。しかし、私たちが行ったアンケートには、誰がコロナに罹患しているのか不明なため疑心暗鬼に陥っている、いつ感染するか分からないことが不安、感染した場合に適正な医療が受けられるかなど、感染に対する不安の声があふれています。PCR検査数が少ないこと、情報不足で感染の実態が分からないことが不安な状況をつくっています。  広島、岩手などの十八道県の知事が積極的感染拡大防止戦略への転換を提言しています。全ての濃厚接触者は症状がなくても速やかに検査を受けられる体制をつくり、早期に無症状、軽症の感染者を発見し、療養させることが感染拡大の抑止につながり、結果として重症者の減少が期待される。また、医療、介護、福祉の従事者と、入院患者、入所者の検査を積極的に実施できる体制をつくり、先手を打って感染拡大を防止しようというもので、現在の五倍から十倍の検査能力を求めています。当区としても、この方向で進むべきです。PCR検査拡充の必要性について、区の認識を伺います。  世田谷区医師会もホームページで、感染症患者さんが迅速に医療に接続できない状況を再び起こしてはならないとして、発熱外来の増設、PCR検査センターの設備拡充、検査費用の自己負担完全無償化、衛生材料の安定供給、地域の医療体制などの課題を指摘しています。  第一波を検証し、第二波に備え、PCR検査体制を強化すべきです。どのように進めるのか、区の見解を伺います。  医療機関への支援の強化も待ったなしです。区内のあるコロナ患者を受入れている病院に話を聞くと、患者が半減し収入が落ち込んでいる、人件費など固定費で大変厳しい、キャッシュの支援が必要と、経営の窮状を訴えています。コロナ患者を必死に受入れてきた医療機関の破綻などあってはなりません。  区が第二次補正予算で医療機関への支援を計上したことを評価します。区として今後もさらなる支援を国に求めるとともに、医療機関の経営状態などの実態をつかみ、医療崩壊を防ぐこと、第二波に備え、医師、医療機関が求める物資や体制、財源などを整備、強化することが必要です。区の見解を伺います。  次に、本庁舎整備についてです。  本庁舎整備は、大震災に備えた災害対策の拠点機能の整備、老朽化、狭隘化の解決のために必要です。しかし、暮らしや福祉を削って庁舎整備を進めるようなことがあっては、区民の理解は得られません。緊急時だからこそ、暮らし、福祉優先の姿勢を貫き、さらに事業費圧縮への努力を強く求めます。  庁舎整備は区民生活優先で進めるという区の姿勢を示し、区民理解を進める努力をすべきです。見解を伺います。  その上で、財源確保に特段の努力が必要です。第一は、三百二十億円の財政調整基金の積極的活用です。第二は、国から必要な財源を獲得することです。ふるさと納税の影響額は約六十億円と見込まれています。区は、ふるセタなどの取組を進めています。しかし、不交付団体は地方交付税で減収を補填されないという制度上の不公平を是正する必要があります。区長もさきの議会で、国会審議や世論を喚起するインパクトのあるアクションを準備していきたいと答弁しています。党派を超えて協力して進めていきましょう。  地方創生臨時交付金は、国の第一次補正予算の一兆円のうち、世田谷区に交付されたのはわずか六億円です。人口も感染者数も多い世田谷区が必要な対策を打つためには、あまりに不当な配分です。世田谷区の実情に合った金額が給付されるよう、二十三区が一体となって国に働きかける必要があります。  国からこうした財源を獲得するために、区長は国や政党に積極的に働きかけるべきです。見解を伺います。  本庁舎整備は区内最大の公共事業です。公契約条例を持つ区として、この事業を地域の経済振興にしっかり役立てることが重要です。多くの区内事業者が工事に参加することで地域経済が活性化されます。経済の低迷が進むからこそ、本庁舎整備を経済対策として位置づけ、施工体制に区内事業者を組み込む仕組みづくりを進め、また、周辺業務、周辺工事での区内業者の活用を進めるべきです。区の見解を求めます。  次に、コロナの影響から下北沢の文化を守ることを求め、質問します。  下北沢は、音楽、演劇、古着、アートなど、サブカルチャーの町として世界から注目されています。一九七五年にライブハウスの下北沢ロフトがオープンして以来、独自の文化圏を形成してきました。多くのライブハウスやクラブが日本の音楽、世界的なムーブメントを押し上げる原動力となり、人的交流を生み、文化を育んできました。多くの才能がここから世に出ていきました。  今、イベントの中止、延期、営業の自粛要請で、ライブハウスなどは危機のさなかにあります。ドリンクチケット販売、クラウドファンディングなどで市民が支えていますが、ライブハウスは最後まで通常営業の対象から外れ、家賃などの固定費が大きな負担となっています。フリーランスであるミュージシャンや役者、スタッフの生活は困窮しています。こうした中、文化、芸術に関わる皆さんが国や自治体に文化芸術復興基金の創設を求めるなど、文化の灯を消すなの運動が広がっています。  国の第二次補正予算に家賃補助が入りました。最大限の活用と、区独自の上乗せ、横出しで、ライブハウスや小劇場への家賃補助などの支援を求めます。また、区の文化振興基金などを活用し、文化を守るための取組を求めます。区の見解を伺います。  次に、保育についてです。  自粛が解除され、保育園に通う子どもが日々増えています。現場の保育士からは、学校では分散登校をするのに保育園はこのまま通常保育に向かうのか、区は現場に丸投げで現場の声を聞いてくれないなどの声が上がっています。感染対策として、お昼寝や給食で間隔をあける工夫をしている、おもちゃは頻繁に消毒、布のおもちゃは洗濯している、そのための人を増やしてほしいとの声もあります。本来、おもちゃなどを買う予算が感染対策のために使われている実態もあります。  感染予防は、従来の体制では困難という声があります。現場の声を聞いて問題を改善し、現場を支援する努力と工夫を求めます。区の見解を伺います。  感染症予防のためにも、密にならない環境の改善が必要です。今後の保育の在り方について、区の見解を伺います。  今般、保育待機児がゼロになったとの報告がありました。保育の質を守りながら、八年間で百か所を超える認可保育園を整備してきたことが今回の結果に結びついたと評価します。しかし、自宅から二キロ以内に保育施設の空きがあるという理由で待機児としてカウントされない人が北沢地域では百人を超えています。希望する園に入れない人が残されています。また、リーマンショックのときには、雇用情勢の変化から待機児が急増しました。今後も待機児ゼロを持続する努力が必要です。さらに、定員弾力化は子どもを詰め込む不正常な状態です。一刻も早く解消すべきです。子どもの健やかな育ちを保障するために、今後も区が保育の質を守る姿勢を堅持することを求めます。  保育待機児を来年度以降もゼロを維持するためにどうするのか、保育の質についてどう考えるのか、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、医療機関に対する支援についてでございます。  区では現在、新型コロナウイルス感染者の治療に当たっている区内病院と、定期的に区と医療関係者との情報連絡会を行っており、感染者用の病床確保による病院経営の経営上の苦境や長期的な視点から防護服等の医療物品が不足する懸念があることなど、切実な声をいただいております。  各医療機関におきます経営上の危機と医療崩壊を防ぐためには、感染の第二波を見据え、感染者の受入れ体制の維持とさらなる拡充が必要であると認識しております。既に国に対して、区長会を通じまして財政面での支援要請を行ったところであり、区としても病院確保に向けて具体的な病院経営支援に着手してまいります。また、区といたしましては、新型コロナウイルスをともに乗りこえる寄附金の募集を開始し、財源の確保と物資支援に取り組むとともに、医療機関のニーズを的確に把握することができる情報連絡体制を構築し、N95マスクや防護服など物資面の具体的な支援を速やかに実施してまいります。  次に、積極的な基金の活用と財源の獲得についてでございます。  新型コロナウイルスが経済に与える影響は大変大きなものとなっており、区財政におきましても、リーマンショック時を超える大幅な財源不足が生じることは確実であり、短期的には一定の財政調整基金の取り崩しにより対応していく必要があると考えております。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の防止及び地域経済や住民生活の支援を目的とした国の地方創生臨時交付金は、財政力や人口規模等により大きく割り落としされ、感染者数が全国で最も多い東京都及び特別区の取組に対し、配分額は大きく不足している状況にあります。  人口、感染者数とも特別区で最大となる世田谷区としては到底容認できるものではなく、先般、特別区長会を通じまして国に対し追加の支援措置を要望したところですが、引き続き、区長、特別職を先頭に各部長におきましても積極的な財源確保に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。  一点目、PCR検査の抜本的拡充についての区の認識についてでございます。  区内におけるPCR検査につきましては、区内医療機関による帰国者・接触者外来や保健所のほか、四月以降は区内両医師会との連携によりPCR検査センターを開設するなど拡充を図ってきており、現在は感染の疑いがある方を速やかに検査につなげる体制が整ってきているものと認識しております。  区内におけるPCR検査につきましては、現在は医師が必要と認めた場合に、当日もしくは翌日に検査を案内することができておりますが、第二波を見据えた場合、陽性者を速やかに入院や宿泊療養につなげ感染拡大を最小限にとどめるためのさらなる検査体制の強化や拡充が必要であると考えております。  感染者の早期発見に向け、PCR検査の対象範囲を独自に拡大する自治体があるほか、国におきましては、五月二十九日付で濃厚接触者を検査対象とするなど感染防止策の取組については変化してきており、区といたしましても、新たな検査手法の導入や検査対象の考え方など、第二波に向けた検査体制の拡充について取組を進めてまいります。  二点目でございます。PCR検査体制の強化についての区の見解でございます。区内における感染拡大が顕著でありました本年三月下旬から四月中旬にかけては、PCR検査の必要性のある方が迅速に検査を受けることができない時期があり、区ではこの間、区内両医師会の協力をいただき検査センターを開設するなど、検査体制の拡充を図ってまいりました。第二波の到来に備え、感染拡大を最小限にとどめるためには、迅速に検査を受けることができるよう体制強化を図り、陽性者を速やかに入院、宿泊療養につなげていくことが重要となります。今後は、区内医療機関のさらなる協力が必要になってくるものと認識しております。  区といたしましては、区内医療機関におけるPCR検査が一層拡大するよう緊密な連携体制を構築するとともに、新たに唾液による検査の導入に着手するほか、国や東京都に対して様々な支援について要請を行っていくなど、医療機関のニーズを的確に捉えた効率的かつ効果的な支援策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備を経済対策として位置づけることにつきまして御答弁申し上げます。  昨年度末、学識経験者などから成る検討委員会によりまとめられた施工者選定方法の報告書の中で、区内経済振興の効果を十分に引き出すことができる選定とするという基本方針を踏まえ、総合評価の評価項目の一つに地域経済への貢献を位置づけ、区内事業者への発注金額について提案を求めることといたしております。発注金額につきましては、工事の下請だけではなく、資機材の購入、リース、あるいは日用品の購入も対象とし、幅広い経済効果が得られるものと考えております。さらに、区では、提案内容の実効性を高めるため、定期的に区内事業者への発注状況の報告を受け、これを公表していくことも検討しているところでございます。  本庁舎等整備につきましては、今後、八月を目途に作成をいたします中期財政見通しを見極めた上での判断となりますけれども、本体工事に先行する改修工事や関連業務なども含めまして、区内の経済の活性化に資するよう努めてまいります。  以上です。 ◎松永 財政制度担当参事 私からは、本庁舎等整備と財源の確保について御答弁いたします。  新型コロナウイルスの影響により、短期的には大幅な歳入減が見込まれ、当面はコロナ前の水準への回復は見込めないことを前提とした財政運営が必要になると考えております。こうした厳しい財政見通しの中でも、区民の安全安心に資する公共施設の更新需要や災害対策の強化、増加する社会保障費関連経費に加え、感染拡大防止に備えた新しい生活様式への対応など、引き続き多くの財政需要に対応する必要がございます。  具体的な財政見通しにつきましては八月にお示ししてまいりますが、真に必要な区民サービス等の維持を前提としつつ、財政の持続可能性の確保と両立できるよう、今後の影響を的確に捉えた事務事業の見直しと併せ、基金や起債の計画的な活用などの財政負担の平準化につきましても検討してまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、ライブハウスなどへの支援について答弁いたします。  新型コロナウイルス感染症により、特に対人サービス業は大きな経済的影響を受けており、東京都が定めるステップ二において、小劇場は運営の再開が始まっているものの、感染防止対策により観客数は以前の半数以下にならざるを得ないと聞いております。また、ライブハウスは依然として休業要請下にあります。そのため、特に物件を借りている事業者は家賃等が依然として大きな負担となっていると認識しております。  御指摘の国の家賃助成制度の活用を促すため、引き続き事業者への情報提供や申請のサポートなど、区としてでき得る限りの支援策を講じてまいります。また、区独自の対応としまして、文化芸術に係る事業者を支援するクラウドファンディングを生活文化政策部とともに民間事業者と連携して実施し、PRや手数料補助などにより、小劇場やライブハウスの支援、それを通じたアーティストの支援などを行うことを検討しております。  私からは以上です。 ◎知久 保育部長 私からは、三点お答えいたします。  まず、現場の声を反映した保育所への支援についてです。  区内の保育所等におきましては、五月末で休園措置を終了し、自宅での保育が可能な保護者の方へ登園自粛を要請し、規模を縮小した保育を実施しております。休園期間中の五月中旬に、区は保育所等に対し運営状況などの調査を行い、各園からいただいた保育再開に向けた課題や感染予防を取り入れた保育の工夫などを取りまとめ、今後の感染症対策の参考とさせていただくとともに、各保育所等へもフィードバックし、情報共有を図っております。  現在、新型コロナウイルス感染症の影響により定例の園長会などを中止しており、各園からの御意見などを聞く機会が限られている状況となっております。このような状況を踏まえ、まずは感染対策を徹底した上で、代表の園長の方々などとの意見交換会を早急に実施してまいります。引き続き現場の声に耳を傾け、安全安心な保育を行ってまいります。  二つ目でございます。感染症予防を踏まえた今後の保育の在り方についてです。現在、東京アラートが発出されており、縮小保育から通常保育への移行に当たっては、これまで以上に三密をつくらない感染予防対策の徹底が必要であると考えております。ある園では、手洗いの際に園児が間隔をあけて並べるように、床に印をつけ、様々な感染拡大防止対策を行っているところです。  感染予防対策として、このような各園で工夫して行っている保育の取組を区内保育施設で共有し、実践していくことが必要と考えております。六月中には、新型コロナウイルス感染症対策の徹底と新しい生活様式を踏まえた今後の保育の在り方について、現場の声も伺いながら区の方針をお示ししてまいります。  最後に、保育待機児ゼロの継続に向けた取組についてお答えいたします。  令和二年四月の保育待機児童はゼロとなりましたが、希望する保育園に入園できない世帯もいらっしゃる一方で、認可及び認可外保育施設におけるゼロから二歳児クラスの欠員は七百人を超えていることから、保護者ニーズとのミスマッチが生じている状況にあると認識しております。令和三年四月開園に向けた保育施設整備は、新型コロナウイルス感染症の影響等により約五百六十人にとどまる見通しで、このうち北沢地域は五施設、二百十六人分の定員拡大の予定となっております。さらに、既存施設の空きを有効利用して認証保育所の一歳児定員を拡充するなどの対策により、引き続き保育待機児童ゼロの継続に向けて取り組んでいくこととしております。  今後の保育定員の拡大につきましては、令和二年度からスタートした第二期子ども・子育て支援事業計画においてお示ししておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響等により見直しが必要となっていることから、感染症対策の見通しが立った段階で、引き続き保育待機児童を生じさせないよう、弾力化の解消と定員拡大量の改定に向けた検討に着手してまいります。あわせて、子どもの最善の利益を第一に考えまして、委員御指摘の保育の質の維持向上にも努めてまいります。  以上です。 ◆二十三番(中里光夫 議員) 感染の第二波、第三波に備えた準備を今進めなきゃいけないと思います。PCR検査体制などの拡充をしっかりと進めていただきたいと同時に、財源の確保を国に対して大きく働きかけて、しっかり財源も確保しながら進めていただきたいと要望して、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で中里光夫議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、六番上川あや議員。    〔六番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆六番(上川あや 議員) 初めに、新型コロナウイルス対策の特例として、本区の国保条例に導入された傷病手当金の支給に関して伺います。  同手当金は、従来、会社員等の加入する健康保険にはあっても国保にはなかった制度です。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止の見地から、国保加入の感染者にも休みやすい環境を整備するため、国が導入を促し、本区でも一月一日に遡り導入されました。その原資は、全額が国庫負担。同ウイルスに感染または感染したおそれのある方が三日連続休んだ後の休業日について、最長一年六か月、平均日給の三分の二を支払います。通常は世帯主の請求をもって支払われますが、世帯主である本人が死亡した場合の請求権者については法に規定がないままで、従来、会社員等の健康保険では民法の法定相続人の考えが準用されてきました。  しかし、本区は、性的指向による差別を禁じる条例を持つ区です。同条例に基づき、本区は今春、同性をパートナーとする区職員の休暇制度を異性の配偶者と平等としましたし、昨年、私が質疑をした災害弔慰金の支給、災害義援金の給付に対しても、区は遺された同性パートナーを配偶者に準じて扱う方針を示しています。ならば、今回の傷病手当金についても、同性パートナーを遺族として配偶者に準じ、平等に扱うべきであり、その請求権を認めることがフェアな対応だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を問います。  次に、新型コロナウイルスの感染症対策として、徐々にその掲載項目を増やしてきた感染者情報の公開に関して伺います。  新型コロナウイルスの感染者が確認されると、保健所は、感染経路や濃厚接触者の有無などを把握するため、発症前後の行動歴や接触した人の名前、関係性、接触した場所や当時の状況などの調査を行います。こうした情報は、感染症法の規定により、個人情報の保護に留意した上で、感染予防や治療に必要なものについては、新聞、放送、インターネットその他適切な方法で公表すると定められています。そして、この間、身近に感染者が迫ることへの不安から、より詳細な情報公開を求める声や、感染者の行動とその責任を問う声も高まっています。しかし、感染者情報の公開においては人権の擁護が大前提、慎重な対応が求められると考えています。  新型コロナウイルスをめぐっては、感染者やその家族、職場や感染経路となった場所を中傷する電話やSNSの投稿が、この間、相次いでいると報じられています。NHKによれば、国に寄せられた被害者からの相談は五月までに八百件、中には看護師の感染した病院に誹謗中傷の電話やメールが届いたり、感染者が経営に関わる店名の公表に伴い、ツイッター上で日本から消えてほしいなどと中傷される事態も起きており、自治体の公表情報に対しても、名前と住所を公表しろよ、くたばれ、自業自得などの投稿が相次いでいると報じられています。  こうした中、LGBT、性的マイノリティーの当事者の間でも、自身やパートナーの感染をきっかけに、これまで職場や周囲に伏せてきた日常生活とは異なる戸籍上の性別や個人の性的指向、同性パートナーの存在が調査の形で否応なく聞き出され、不注意に家族や職場に伝えられないか、個人の特定につながる属性とともに公表されないかへの懸念が高まっています。  こうした本人の意に沿わないセクシュアリティの暴露は、今月施行されたパワハラ防止法、また、この春、改定された区のハラスメント防止に関する基本方針も禁じている個の情報の暴露、アウティングにほかならないはずですが、極めて不用意に感染者ごとの性別、年代、職業、居住地域、さらには感染者相互の関係性まで明らかにしている自治体が少なくないことを懸念しています。自分がいつ誰と会ったのか、どこに行ったのか、共に暮らす人はいるか、その関係性は何か。人によっては家族や仕事すら失いかねない非常にセンシティブな情報が、コロナ禍の中、軽々に取り扱われることのないよう求めます。区の見解を問います。  最後に、住所を定めることが難しい方々への特別定額給付金の支給についてです。  国は、同給付金の支給対象を四月二十七日時点で住民基本台帳に記録のある者としています。路上生活者や、いわゆるネットカフェ難民等、安定した居住実態が持てず住民登録のない方も、現実、都内には少なくありませんが、国の給付スキームはあくまでも住民票ありきであり、区の関係所管に尋ねても何ら打開策を見出せていないことに私は懸念を深めています。  ここでは二つのグループ、A、Bとに分け、その状況と問題点を掘り下げます。まず一つ目のグループAに入るのは、定額給付金をめぐる本年四月二十八日付の国の事務連絡でホームレス等と表現された方々です。具体的にはいわゆる路上生活者、ホームレスとネットカフェ等で起居する方々が含まれます。  続いて、二つ目のグループBには、二十三区共通の事務として、特別区人事・厚生事務組合、いわゆる特人厚が所管をする四つの福祉施設、具体的には生活保護法に基づく更生施設と宿所提供施設、社会福祉法に基づく宿泊所、最後に、ホームレスの自立支援を目的とする自立支援センターに入所する方々です。  国が四月二十八日に発出した事務連絡は、グループAの方々について、自立支援センター等が生活の本拠たる住所として認定される場合があると希望を持たせる書き方をしています。続けて、事実上、ネットカフェに寝泊りしている方についても、長期契約が締結され、長期にわたって滞在する利用者の意思が確認されていること、かつ、店舗が利用者の住所として記録されることについて、店舗の管理者が同意しているようなケースにおいては住所として認定される場合もあるとしています。  さらに、同事務連絡は次のように続きます。住所の認定については、個別具体の事案に即し、生活の本拠であるかどうかを総合的に判断して決定されるものなので、各市区町村において判断いただく必要があります。つまり本区にも判断を迫っているのです。ところが、本区の担当者に伺うと、これらグループAについて、区として住民登録を認めることは難しいといいます。他方、二十三区の中には、今回の事務連絡をしんしゃくし、ネットカフェ等との間に長期契約があること、施設管理者が住民票を置くことに同意していることをもって住民登録を認める動きもあり、現に台東区、墨田区、北区では、これらAについて住民登録を認めた先例もあると確認をしております。  今回、区は、特別定額給付金の申込み期限を八月二十七日までと定めました。この間、都から国へは再三にわたり、住民記録によらず支給する方法を示してほしいと求めているそうですが、国はなお方針を変えず、返答もないままだと伺っています。区の申込み期限までに国がその姿勢を変えない場合、住民登録をあくまで拒む本区の姿勢では、最も支援を必要とする方々に給付金が届きません。  区は、国への是正の働きかけ、東京都任せで終わらせず、自らも是正を求め動くべきですし、国の是正を待つのみでなく、それが是正されなかった場合の次善の策も検討されてしかるべきと考えますが、いかがか、区の見解を伺います。
     続けて、グループBについても、四施設を持つ特人厚としては、自立支援、就労支援に必要な場合、施設に住民票を置くことも認め得るとしています。ところが、特人厚がそれを認めても、本区はその住民登録を認め難いとしています。しかし、今回、本区を除く二十二区を調べたところでは、新宿区、台東区、墨田区、江東区など十区が、特人厚が認めるのであれば、その住民登録を認め得るとしています。ここでも当区の冷淡さは際立っております。  そこで最後に伺います。A、Bそれぞれへの給付の実現に向けて、本区としても全体を調整し、最善の努力を傾けることをここにお約束いただきたいと思います。この点は所管がまたがりますので、ぜひ副区長より、どのように御指示なさるのか、また今後の展望も含めてお話をいただければと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、住所を定めることが難しい方への特別定額給付金の支給について御答弁申し上げます。  政府は、簡素な仕組みで、迅速かつ的確に家計への支援をすべく、全国民に対して一律に一人当たり十万円の特別定額給付金を給付するとし、本区におきましても、基準日時点で区に住民登録されている全ての区民に給付すべく、作業を進めているところでございます。  議員お話しのいわゆるホームレスなどの方については、多くが住民登録されていないため、そのままでは給付することが困難になります。給付要件である住民登録に向けましては、本人の意思や住民登録の要件等、個別具体の事案について総合的に判断する必要があります。総合支所を中心にホームレスの方の実態を把握するとともに、その給付金の支給につきましては、特別定額給付金担当部と住民記録を担当する地域行政部がしっかりと情報共有をし、適正に希望する方に給付できるよう指示してまいります。詳細については、部長から答弁させます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、傷病手当金の同性パートナーによる遺族請求についてお答えいたします。  先般、専決処分により条例改正し、運用を開始している傷病手当金は、世帯主以外の被保険者が新型コロナウイルスに感染するなどした場合であっても、世帯主が申請者となります。世帯主が死亡した場合、亡くなられた方の相続人が申請することができます。相続人が申請する際には、世田谷区国民健康保険傷病手当金実施要綱に定める代理人届を世帯主との関係性で証明できる戸籍謄本等を添付の上、提出していただきます。同性パートナーにつきましては、例えば同居しているが、お互い別世帯の場合でありましても、世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱に定めるパートナーシップ宣誓書受領証などを添付の上、代理人届を提出していただければ配偶者に準じて扱うこととし、申請を受理いたします。  今後も新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるとともに、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の趣旨を踏まえ、傷病手当金制度を適切に運用してまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、新型コロナウイルスの感染者情報の公開について御答弁いたします。  新型コロナウイルス感染症の検査陽性者の情報を公開することによって人権侵害がなされることはあってはならないことです。こうしたことから、区は、個人のプライバシーの保護と人権への配慮、また、医療機関や企業活動への配慮を前提とした上で、四月一日から新型コロナウイルス感染症の検査陽性者数の公表を始めました。五月十三日からは、東京都の公表方法に準じ、入院中、宿泊療養中、自宅療養中、療養期間経過を含む退院等、死亡と、それぞれの人数を公開することとともに、PCR検査数も公表することとしました。緊急事態宣言が解除された五月二十五日からは、男女別と年代別人数の公表を始めましたが、日ごとに公表することで個人が特定されやすいことから、これらは週ごとの公表としたところです。  今後も検査陽性者の状況の公表に当たっては、御指摘のように公表された数字による影響をよく理解した上で人権等への十分な配慮をしてまいります。  以上です。 ◎小澤 特別定額給付金担当部長 私からは、住民登録がないホームレス等への特別定額給付金の支給に向けて、国への働きかけについてお答えいたします。  総務省の実施要領では、特別定額給付金を迅速かつ的確に給付するため、給付対象者は原則として住民基本台帳に記録されている者としております。住民登録が必要な理由といたしましては、居住の確認が取れないことから、現に居住していない複数の自治体から給付金を受け取るおそれもあり、正確に給付されない事態も想定されます。  そのため、居住が安定していない、いわゆるホームレスの方や、事実上、ネットカフェに寝泊りしている方が特別定額給付金を受給するためには、現に居住している区市町村において住民登録の手続を行い、居住地を確定することが必要だとされています。まずは八月二十七日の申請期限があるため、ホームレスなどの方にも給付金を受け取られるように、関係所管部と情報共有、役割分担をするなど連携し、分かりやすい御案内に努めてまいります。また、給付に向けた次善の策の検討につきましても、まずは国が統一した対応を示すように、既に国と連絡を取り合っている他自治体との情報共有を深め、区としても働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 私からは、路上生活者、いわゆるホームレスやネットカフェ等で起居する方や特別区人事・厚生事務組合が所管している施設の入所者の住民登録について御答弁いたします。  国の通知によりますと、いわゆるホームレスの方やネットカフェに寝泊りしている方について、長期契約により長期滞在の意思が明確、かつネットカフェなどの施設管理者等からの利用者の住所として、住民基本台帳の登録の同意があるケースにおいては生活の本拠たる住所と認められる場合があるとされています。  区といたしましては、国の通知を参考にし、住民基本台帳法に基づき、住所の認定については個別具体の事案に即し、生活の本拠であるかどうかを総合的に判断いたします。特別区人事・厚生事務組合が所管する施設につきましても、施設の管理者から、生活の本拠であることを明らかにするための確認資料、例えば生活の本拠として住民登録を認める等の施設管理者の同意書などにより、個別具体の事案に即して、生活の本拠であるか総合的に判断し、住民登録を行ってまいります。  以上です。 ◆六番(上川あや 議員) ただいまいただきました御答弁で、定額給付金、給付の前提となる安定した住まいを定めることが難しい方々の住民登録について、世田谷区も、さきに挙げましたAとB、二つのグループについてその住民登録を認め得るというふうに見解が変わったことは評価いたします。区として、スキームの是正を国に求めていくということの主体性を求めましたけれども、こちらも御答弁いただきましたので、その変化に期待をしております。  これを機に、定額給付金に限らずに、福祉につなげることもしっかり取り組むことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○和田ひでとし 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十二分休憩    ──────────────────     午後一時開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  二十番河村みどり議員。    〔二十番河村みどり議員登壇〕(拍手) ◆二十番(河村みどり 議員) 初めに、このたびの新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、闘病中の皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。そして、日々最前線で闘っておられる医療従事者の皆様、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。  それでは、質問通告に基づき、順次質問いたします。  初めに、これまでも度々取り上げてまいりましたが、買い物弱者支援について質問します。  先日、東京二十三区で買い物弱者が増加しているとの報道がありました。農林水産省が公表した二〇一五年の国勢調査に基づき、六十五歳以上の買い物弱者が占める割合から算出したところ、世田谷区には約四万四千人の買い物弱者がおり、二十三区中最多であるというものでした。都営住宅では、六十五歳以上の世帯主が約七割、さらに七十五歳以上に至っては四割以上と、区内にある百十団地の都営住宅と区営住宅の深刻な高齢化とともに、半数が単身世帯であることも見逃すことはできません。また、築四十年から五十年の民間の団地においても同様の事態が生じています。そんな状況下において、今般のコロナ禍で、子育て世代からも、混雑するスーパーに買い物に行くのが不安で移動販売をもっと充実できないかとのお声をいただきました。  今後の新しい生活様式を考えるとき、買い物での三密を避ける観点からも、青空市場となる移動販売は大変有効だと考えます。あわせて、これまで自ら手を上げる事業者がいない課題についても、今般の社会情勢の変化で業態転換を考えている事業者や販路拡大を求めている事業者なども取り込めるチャンスと捉えるべきではないでしょうか。  これまで福祉の観点から、地域包括ケアシステムの地区アセスで行ってきた一部地域による一団地や一エリアごとの点の支援策ではなく、産業政策の観点から、全区の団地等を対象に買い物の困り事に関するニーズ調査をし、区内全域の面の情報を民間事業者に提供し、例えば、事業として成り立つ場所と成り立たない場所をミックスさせるなどの手法で買い物支援の可能性があると考えます。さらに、その手法による情報を提供する一つの場として、産業振興公社が行っているソーシャルビジネス支援において、新規事業者の参入を図っていくことを求めます。区の見解を伺います。  次に、SNSを活用した子どもの支援について質問します。  不登校やいじめ、児童虐待など、子どもを取り巻く社会問題は区においても大きな課題です。さらに、コロナ禍における学校等の休業など、これまで経験したことがない事態においてどう子どもたちを守り、寄り添っていけるのか、従来の考えに縛られることなく新たな発想の転換が求められています。  現在、子どもたちにとって身近なコミュニケーションツールとなっているSNSを活用した相談事業が全国の自治体に広がりを見せています。電話やメールの相談には二の足を踏んでいる場合でも、SNSの存在は相談へのハードルを下げ、悩みを抱えるより多くの子どもたちが相談へとつながれる裾野を広げる手段と考えられます。  本年四月、厚生労働省においても、都道府県や児童相談所設置市等へ児童虐待の観点からSNS等を活用した相談窓口設置の予算を計上し、推進を図っています。札幌市の子どもの権利救済機関、子どもアシストセンターでは、子どもたちがより相談しやすい体制を整えようと、二年にわたる試行実施を経て、電話、Eメール、面談に加え、今年度より子ども限定のLINE相談の本格実施をスタートさせています。多くは簡単な会話で終わるLINE相談の中から、数件は深刻な相談につながったものがあったと担当者からお聞きいたしました。  札幌市と同様の公的第三者機関である区の子どもの人権擁護機関、せたがやホッと子どもサポートにおいても、平成二十五年開設以来、電話やメール等において、いじめや虐待など、小学生から高校生までの様々な悩みに対し相談に応じてきた実績があります。これまでの経験を生かし、せたホッとにおいて、LINE等のSNSを活用した相談事業の導入で、悩みを抱えている子どもたちがより声を上げやすい環境を構築し、子どもの安全を確保すべきと考えます。区の見解を伺います。  また、本年四月、区の児童相談所開設は、このコロナ禍の厳しい社会情勢の中でスタートとなりました。開設からの一か月半で、区児童相談所で扱う児童虐待ケースは差引きで三十一件増加し、二百九十一件になったと伺っています。外出自粛に伴うストレスや経済的な不安から虐待の懸念が高まる中、報道によると、全国的に感染拡大を理由に虐待の疑いがある家庭への訪問や面会が拒否されるケースが相次いでいます。地域の関係機関との連携で予防型の児童相談事業を目指している区児童相談所においても、学校休業の長期化や地域による見守りの機会が減り、第三者による虐待等の察知が困難な事態となった今、子どもたちの命を守るため、よりきめ細やかな対策が必要です。  江戸川区児童相談所では、訪問や面会を拒否する家庭が増加する中、厳しい状況を打破するための一つの手段として、先月よりLINEビデオを通じて子どもの状況確認をスタートさせています。江戸川区に利用状況を伺うと、電話では一対一の通話に限られてしまうところ、LINEビデオでは、子どもと保護者だけでなく祖父母の参加もあり、同時に複数で対話ができるなど、改めて有効性が確認できたとお聞きしました。また、区の子ども家庭支援センターでは、平成三十年度に扱った被虐待相談件数は、新規の相談とさらに前年度から引き続き継続して支援に当たったケースを合わせ千六百件を超えており、既にコロナ禍以前より訪問や面会を拒否する家庭の課題もあると伺っています。型にはまった決まり事だけにこだわるのではなく、子どもの安全のためにどう家族を支援していくのか。そのために家族とつながり、関係性を築いていくことの視点が重要ではないでしょうか。  あくまでも訪問、面談を大前提とした上で、今後、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、会うことができずに家庭とのつながりが取れないままになるケースが起きないよう、補完的な役割として、区児童相談所及び家庭支援センターにおいてLINE面談を取り入れるべきと考えますが、区の見解をお聞きします。  最後に、口腔がん検診について伺います。  先日、烏山地域にお住まいの方から、区の口腔がん検診で松原にある世田谷区歯科医師会口腔衛生センターに予約しようとしましたが、既に空きがなく、検診できる他医療機関については土地勘のない地域に限られていたため、せっかくの検診の機会でしたが受診を諦めてしまったとの残念なお声をいただきました。  口腔がんは、国で定める対策型のがん検診の対象である胃がんや乳がん等とは異なり、認知度や認識が低いことから口内炎かと軽く見てしまいがちだといいます。初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で済む一方、発見が遅れ進行した場合には、舌や顎の骨を切除し、食事や会話が困難になるなど日常生活に支障が出る場合もあり、早期発見が重要です。  口腔がんの検診会場は、区内全域の医療機関で受診ができる成人歯科検診とは異なり、区の中心の位置に当たる世田谷通りを境にして南北で見ると、北側の地域では口腔衛生センターの一か所だけの実施であり、南側の地域では七十五か所のクリニックにおいて実施をしています。区民はこれらのどの医療機関においても受診可能ですが、南側の地域にお住まいの方に比べ北側の地域で実施しているクリニックがないため、受診の不便さが生じています。このように、北側の地域においては不便を感じている区民がいることが推測されますが、口腔がん検診を区の事業として行っている以上、区民の受診状況に影響が出ているかどうか、まずは検証をすべきではないでしょうか。  その上で、地域偏在の解消のために、北側の地域での受診会場を拡充し、区民の健康に寄与すべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 経済産業部長 私からは、買い物支援関連について答弁いたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、新しい生活様式への対応や事業者への支援は喫緊の課題となっており、特定の店舗への密集回避や事業者の販路拡大という観点からも、買い物の手法や場所の選択肢を広げることは必要であると認識しております。団地などの可能性については、区内でも移動販売などの取組が行われている事例がありますので、こうした情報を必要に応じて商店街や事業者に提供してまいります。  また、ニーズ調査として、日常の買い物に関する区民意識調査を行うとともに、総合支所等と連携し、地域の実情をより正確に把握するための詳細な調査を需要が顕在している地域から行ってまいります。さらに、事業者支援の一つとして、業態転換や新ビジネス創出への補助を予定しております。この補助により買い物支援を検討する事業者は、ビジネスとして成り立ち得るかの検証も必要になりますが、先ほど述べました調査結果の活用も踏まえて、そういった検討もできるのではと捉えております。  今後、この間行ってきた事業者へのヒアリングや事例の研究等により見えてきた課題を踏まえ、取組に向けた調整を進める中で、移動販売事業者やお話しのソーシャルビジネスでの活用の可能性についても検討してまいります。  私からは以上です。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、SNSを活用した子どもの支援について、二点御答弁いたします。  初めに、せたホッとにSNSの導入についてでございます。  せたホッとでは、子どもの権利侵害の救済目的に、電話はフリーダイヤルとし、メールや面接、手紙などで相談を受け、子どもに寄り添いながら丁寧な対応に努め、行っております。子どもからの初回の相談方法でございますが、電話が約八割、メールは約二割受けております。メール相談の状況では相談者の様子が分かりづらく、把握できる情報も限られるため、本人の気持ちを丁寧に酌み取り、慎重に言葉を選びながら対応してございます。  東京都をはじめ、SNSを活用した相談を導入している自治体の状況でございますが、子どもにとって利用しやすいという効果がある反面、メールでの相談同様の対応の難しさに加え、即時に対応ができず相談までつながらない、人材の確保やSNS特有のスキルの習得が必要といった新たな課題があると把握してございます。一方、小学生などは自分だけのパソコンや携帯電話の所有が少なく、SNSの利用も制限されていることも多いと思われるため、相談につながるさらなる工夫が必要と認識してございます。  こうした課題に対しまして、他の子どもに関わる相談機関とも共有し、研究をさらに進めるとともに、どのような状況に置かれた子どもであっても相談しやすい環境づくりを目指し、取り組んでまいります。  次に、児童相談所業務へのLINEビデオ通話の導入についてでございます。  家庭への訪問や面接に際し、今般の新型コロナ感染症の不安に限らず、拒否するケースは少なからず見られる中で、子ども家庭支援センターや児童相談所は粘り強く何度も訪問し、約束を取りつけるための様々な工夫を行うなど、現場の努力により、現下の状況においても必要な安全確認はできているところでございます。  このように、子どもの生命と安全を守るために職員が直接目視し、様々な状況や安全確認が必要と判断されるケースにつきましては、引き続き、対面での訪問や面接を行ってまいります。一方、寄り添い型の援助活動を展開する中で、気軽に家庭とのコミュニケーションを取り相談や助言を行う場面などでは、従来の手法のほか様々なアプローチがあるものと考えてございます。  議員御指摘のSNSなどの区民が日常的に使用するツールを活用することで、相談援助活動のさらなる展開の可能性や、滞りなくアセスメントが進められるなどの効率化が考えられるところであり、お話しの江戸川区の取組状況も参考に、LINEビデオ通話による状況確認をはじめ、多様な手法について検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、口腔がん検診について二点、まず受診状況の検証についてお答えいたします。  口腔がん検診につきましては、口腔がんの啓発等を目的に、区の任意検診として、世田谷区、玉川両歯科医師会へ委託して、平成二十一年度から実施をしております。対象年齢が区の成人歯科健診と重ならないよう配慮し、六十一歳、六十六歳、七十一歳の区民を対象に、毎年度約千人の方に受診いただき、受診者数は増加傾向にございます。  御指摘いただいた検診実施場所の地域偏在による受診率等への影響につきましては、今後、両歯科医師会に受診者の情報を確認し、区内地域別の実施状況等を検証してまいります。  次に、検診会場の地域偏在解消についてです。口腔がん検診につきましては、国の指針に基づく対策型がん検診とは異なり、口腔がんの啓発を目的とする区独自の取組として、それぞれの歯科医師会との協議により検診の手法等を定めてまいりました。  御指摘の世田谷区歯科医師会の検診会場が特定の地域に偏在していることにつきましては、同歯科医師会と区において共通の課題として認識をしております。一方、委託先の両歯科医師会では、検診に従事する歯科医師の確保、育成の方法に大きな違いがあり、地域偏在の解消に向け、これらを統一することは困難な状況がございます。  区といたしましては、それぞれの歯科医師会と協議し、地域偏在を解消する効果的な方法等について検討してまいります。  私からは以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で河村みどり議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十一番いそだ久美子議員。    〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従い、質問いたします。  新型コロナ感染者の見守りについてお尋ねします。  年初から日本全国で猛威を振るっている新型コロナ感染症ですが、感染を疑う症状があっても、専門医療機関で治療を受けるまでに時間を要することが今なお課題です。当区でもPCR検査待ちの患者が相談センターへの電話がつながらない状況下で社員寮で亡くなる深刻な事案が発生しました。発熱など自覚症状があってから電話相談し、指定の病院に行き、必要ならPCR検査を受け、結果を待ち、確定診断が出るまで、当初は約一週間、今でも数日かかると聞いております。陽性と判明した後は指定医療機関に入院するか、ホテル療養、自宅療養と分かれますが、この間の主治医はどこが担当し、経過観察や緊急時の対応はどのようになっていますでしょうか。  厚生労働省の四月十日事務連絡によれば、時限的な対応として、初診から電話や情報機器を用いた診療が認められました。コロナ感染以外の疾病の患者が通院することなく医療ケアが受けられ、院内感染リスクが減るというのが一つの使い方で、世田谷区でも百を超える医療機関が電話再診を実施しています。今回取り上げたいのは、単なる電話での診療ではなく、オンライン診療とバイタルデータ伝送ができる情報通信機器をコロナ感染が疑われる患者向けに活用することについてです。  質問するに当たり、遠隔診療システムを製造販売している三社の説明を受けました。もともと高齢者や糖尿病患者の在宅ケア、離島の遠隔診療に使われている機器で、体温計とパルスオキシメーター、血圧などのデータを患者が計測して医療機関に送り、異常値が出たらアラートが発信され、テレビ電話で医師の診察が受けられるなど、高齢者でも分かりやすく、持ち運びしやすい形態になっています。いずれも、同システムを新型コロナ感染患者に使いたいと、問合せや注文を受けているということでした。  特に症状が重い患者、一人暮らしの患者などに遠隔診療システムを貸出しておけば、最初に受診してから確定診断を受けるまでの期間の体調把握と容体急変への備えができます。感染病棟の患者に用いれば、医療側はデスクでデータを一元管理でき、患者に接する機会を減らすことで二次感染が防げます。第二波を見据え、今以上に罹患者が増えても、よりきめ細かな患者の容体管理と医療従事者の感染予防が期待される遠隔診療システムの世田谷区での導入実現性を伺います。  個人事業主への助成金給付を進めるための区のサポートについてお尋ねします。  新型コロナウイルス感染拡大による客足低迷、また休業要請により中小企業の経営が打撃を受けています。区内事業者約二万七千、一事業者当たりの従業員数が二十三区中十六位――二〇一八年のデータです――の世田谷区は中小企業が比較的多い地域であり、区内産業への影響は深刻です。世田谷区の無利子融資は申込み数二千二百を超え、活用されているということですが、融資ではなく、給付や助成を求める声が特に小規模事業者から多く聞かれます。  そこで、中小・個人事業主を対象とした東京都の感染拡大防止協力金についてお伺いします。東京都には十万件近い申請があるも、書類に不備が多く、受付業務が滞っているといいます。また、新型コロナウイルス関連の給付金の種類が多く、自分がどれに該当するか分からず申請に躊躇している事業者もまだおられます。高齢事業者はおおむねパソコン使用に慣れておらず、情報を得ることや申請作業が遅れがちですが、長く町に親しまれている熟練職人も多く、ここは頑張っていただきたいところです。  中小企業診断士、行政書士の協会に状況を伺ったところ、申請書のチェックなどの対応は順次行っているが、経営者を訪ね歩いて一から説明するには手が足りない、事業協同組合など団体の代表者が知識を得て、組合員に教え、申請が進んだ例もあるそうで、効率的な情報伝達と申請書類のミス、差戻しをどうなくしていくかが今後の課題と言えそうです。  区としても、助成金給付の潜在需要を掘り起こすとともに、一発で通る書類申請ができるようなサポート体制をつくり、チラシ配布などオンライン環境以外でも周知できる方策が必要と考えます。対応策をお伺いします。  同じくコロナ不況対策において、コロナの影響で離職したワーキングマザーへの支援についてお尋ねします。  企業側の雇用調整や子どもの学校休校の都合によりやむなく仕事を辞めた子育て女性が一定数いることがマスコミなどで報道されています。まだ正確な統計調査は出ていませんが、年度末を挟んだこともあり、もともと六割近くが非正規雇用である女性就労者にコロナ自粛が影響したとも推察されます。マザーズハローワークに聞いたところ、日に数件コロナ離職関連の相談があり、離職に至らずとも、勤務先の休業要請で収入が激減し、転職を考えざるを得ないケースもあるということです。世田谷区では、こういった相談は来ていますでしょうか。  今回の場合、まだ外出や面談に制限があること、子育て中の女性は学校再開が完全でない中で次の就職活動の計画は立たないことも災いします。このような状況下でも、離職した子育て女性が求職活動を開始し、柔軟に働けるような区の就労支援策も併せてお示しください。  最後に、小中学校の国際交流、オンラインでの実施可能性についてお伺いします。  既に周知のとおり、恒例の区立小中学校の海外派遣が新型コロナ感染症の影響で中止となりました。オーストラリア、カナダ、アメリカなどに七日間から十六日間滞在して学校訪問やホームステイを行う企画で、例年多くの申込みがあり、選考途中だった児童生徒は大変がっかりしていると思います。今回の派遣者の選考はどの段階まで進んでいたか、代替のプランは考えているのか、まずお聞きします。  そして、提案ですが、学校の授業も急速にオンライン化が進められている現在、訪問予定だった児童生徒と現地校をズームなどでつなぎコミュニケーションを取ったり、地元の映像を紹介し合うなど、オンライン国際交流ができないでしょうか。調べてみると、民間では既にこのような企画があり、現地校の生徒とディスカッションしたり、後日訪問し合ったりして交流を深めているということです。ズームを介すると会話力が必要となってきますが、そこは互いの地域や学校の紹介動画を作って補完する。  平成二十七年から東京都が歴史や文化を紹介する「Welcome to Tokyo」という教材を小学校五年生以上に配布していますが、これを活用し、せたがやスタディTVを制作した区の教員のスキルと指導力があれば実現可能と考えます。試みに、私の知人で、カンボジアの中学校設立に関わり現地に在住している人にオンライン国際交流について聞きましたら、校長先生より、二週間あれば希望者を選定します。紹介ビデオもありますので、ぜひ世田谷区の中学校とカンボジアでやりましょうと前向きなメッセージをいただきました。  オンラインは世界を身近にします。手法として成立すれば、肢体不自由の生徒も参加でき、また、距離やカントリーリスクの観点から渡航が難しいとされていた国との新しい交流の機会も開けます。実際の渡航体験にはかなわないかもしれませんが、ピンチをチャンスに変える機会として検討いただければと思います。
     以上で、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、コロナ患者の主治医等についてお答えいたします。  発熱や倦怠感などを認め、新型コロナウイルス感染症が疑われる方に対し、現在、かかりつけ医や帰国者・接触者電話相談センターでは、帰国者・接触者外来やPCR検査センター等での検査を相談同日か翌日に案内し、検査後の結果は検査の翌日に判明しております。検査実施後の相談対応は、かかりつけ医もしくは保健所の医師や保健師が行っております。また、検査の結果、陽性が判明した場合は、重症度に応じて、原則、感染症指定医療機関等での入院加療、もしくはホテルの療養に移行します。ホテルでの療養期間中は、東京都が医師や看護師により健康観察を実施します。  一方、症状が軽症で、かつお子さんの養育等でホテルの宿泊が難しい患者は御自宅で待機する場合もあり、原則一日二回、御自身で体温や呼吸器症状等を観察いただきます。保健所はオンラインで自宅療養者から健康観察の報告、もしくは自宅療養者への電話により一日一回必ず健康状態を確認いたします。自宅療養中の体調変化時の対応として、保健所の医師や保健師が連絡、相談を受ける体制を確保しつつ、受診を要するときは速やかに医療機関につなげ、自宅療養であっても、患者の適宜適切な医療体制が図れるように取り組んでおります。  私からは以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、遠隔診療システムの導入実現性についてお答えいたします。  遠隔診療、いわゆるオンライン診療とも言われるシステムにつきましては、院内感染を含む感染防止といった大きなメリットがある一方で、対面診療と比べて患者の心身の状態に関する情報が限定されること、情報漏えい等のセキュリティーリスクへの対応が必要なことなど、リスクやデメリットもあるものと認識しております。一方、本年四月十日付で厚生労働省から文書が発出され、新型コロナウイルス感染症の拡大を鑑み、電話や情報通信機器を用いた診療の時限的、特例的取扱いが示されており、この通知に基づく対応を行っている区内医療機関が厚生労働省のホームページで公表されており、現在、区内で百二十三施設となっております。また、東京都におきましては、オンライン医療相談・診療等環境整備補助事業を実施しており、情報通信機器等の初期経費の支援等を行っております。  区といたしましては、東京都の遠隔診療システム導入の補助事業の活用状況や区内医療機関、医師会の御意見等も伺いながら、その有効性や効果等の把握に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点答弁いたします。  まず、申請のサポートについてです。東京都の感染拡大防止協力金のうち支給できたのは一部にとどまるとの報道がされています。御指摘のとおり、東京都だけでなく国でも給付金、助成金等が多数あるため、自分がどの助成を受けられるのか分からないという声を耳にしているほか、個人事業主やオンライン環境がない事業者もいることなどから、区としても申請手続のサポートは必要であるとの認識をしております。  国の持続化給付金については、サポート会場が区内に設置されましたが、一か所、かつ持続化給付金のみのサポートであるため、区独自の取組として産業振興公社で実施している経営相談を拡充し、それぞれの事業者の状況に応じた適切な経営持続化の相談や申請に必要な書類を整えたり、オンラインでの申請のサポートを行う総合的な相談窓口の開設を現在準備しております。これらは、「区のおしらせ」やチラシ、広報掲示板などの手法で、オンラインに不慣れな方々にも幅広く周知を図ってまいります。  次に、就労支援についてです。  新型コロナウイルス感染症により経済活動や労働環境に影響が出始めた三月十一日より、区では、社会保険労務士が受け手となり社会保険労働相談を開始し、開始から三か月たち約八百件の相談を受けております。そのうち働く人からの相談は約半分で、お話しのように、子どもの学校の休校の影響により仕事を休業したり、育児のために離職した方がおり、フリーランスの方からは仕事がなくなったといった相談も受けておりますが、子育て中の女性という区分での把握はしておりません。  三茶おしごとカフェでは現在約二百四十件の求人があり、そのうち約百五十件の求人はフルタイム以外の求人で、働きたい人のニーズを聞きながら、きめ細かなマッチングを進めております。これまでは対面による職業紹介のみでしたが、今後の新しい生活様式に合わせ、ホームページ上に動画による情報を加えた求人情報の提供の仕組みを現在作成しており、外出が難しい状況でも仕事探しができる環境を整えているところです。  区では、新型コロナウイルス感染症の影響により仕事を辞めざるを得なかった方が就労につながるよう、国や東京都の支援策と併せて就労支援事業に全力で取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎池田 教育政策部長 子どもたちの海外交流について御答弁いたします。  子どもたちを海外に派遣する事業は第二次選考まで進めておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により全て中止としております。選考中であった子どもたちについては、来年度の派遣に一定の枠を設けることなど参加の機会を確保することを検討したいと考えております。また、今年度、テンプル大学が主催する日本でできる国内留学プログラムに小中学生約三十人の枠を確保し、参加費用の助成を行うことを予定しております。  御提案のインターネット環境を活用した交流につきましては、子どもたちが海外と交流する手法として効果的であると考えております。オーストラリアなど時差の少ない国とのリアルタイムの交流やカナダのように時差が大きい国についてはビデオレターを使った交流など、相手方とも調整の上、検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) おのおの御答弁ありがとうございます。  コロナ感染症に関する遠隔医療システムの導入について、まずこちらは、対面診療には遠隔診療はかなわないという答弁がありましたけれども、あくまで対面診療ができないときの補完措置として提案していますので、コメントいたします。  あと一点、再質問で、各方面とも協議の上、効果を検討するということでしたが、六月に入ってから陽性者の発生がゼロから六名で、また、余り待たずに病院に入れるので、在宅での見守りはほとんど必要ないというふうにも受け取りました。しかし、四月の一番最盛期の陽性者発生数を見ると、多い日は日に三十四名発生しています。仮に第二波で四月と同程度の陽性者が出た場合に、また待ち時間が延びるのか、それとも運用の改善により待たずに済むのか、その辺りを、この点をお聞かせください。 ◎辻 世田谷保健所長 再質問にお答えいたします。  PCR検査や病床の確保ですが、検査につきましては、四月に医師会の御協力を得て検査体制の整備を図り、現時点では、かかりつけ医や電話相談センターでの相談受付から検査の結果判明までの期間はおおむね二日程度に短縮されております。また、区内医療関係者と区による情報連絡会が定期的に開催されまして、検査体制や病床確保等に関する情報共有、並びにその確保に向けた医療機関への支援事業により運用の維持を図っております。  今後も第二波に向けまして、PCR検査の体制や病床確保に引き続き、関係機関と緊密に連携して取り組み、新型コロナウイルス感染の区民を適切に検査や医療につなげられるように努めてまいります。  以上です。 ◆二十一番(いそだ久美子 議員) ありがとうございます。第二波のときは、一回目とは違う症状や社会事情が出てくることもありますので、オンライン診療も今のうちに検討し、対策に役立てていただくことを要望します。  質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、一番つるみけんご議員。    〔一番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆一番(つるみけんご 議員) 通告に基づき、質問いたします。  初めに、世田谷区としての保健・福祉政策について伺います。  今般の新型コロナウイルス感染症における世田谷区内の状況は、昨日六月十日の時点で、検査陽性者数四百五十四名、死亡者数十六名です。お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、今なお、新型コロナウイルス感染症と闘っておられる皆様の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。  この感染症は、罹患された方のみならず、学校の休校や外出自粛など、子どもから大人まで私たち全ての区民の生活のあらゆる面において様々な影響を及ぼしています。緊急事態宣言による外出自粛要請が行われる中、五月十一日、区長は朝日新聞社の言論サイトである「論座」において対談を行っております。区長は対談で次のように発言をされています。無駄なものはどんどん統合して数を減らせばいい、それが世の中の流れであり、正しい改革なんだという言説が一時期、非常に力を持ちましたよね。それに対する反論をあざ笑うようにして保健所の統合や整理縮小を進めていった結果が、今の非常に弱体な保健所体制ということだと思います。今回の事態を乗り越えたら、保健所の強化は必ずやりたいと思っています。このほかにも区長は、他会派からのお話にもありましたが、御自身のツイッターで五月十日に、行政改革によって保健所が統合されたという旨のツイートをしています。これらの発言から区長は、現在の世田谷区の保健所体制が過去の行政改革による統合や整理縮小を進めていった結果、弱体な保健所体制になってしまったと捉えておられるのではないかと見受けられます。  ここで改めて、当時の区の様々な資料や議会での議事録等から、過去の世田谷区としての保健・福祉政策を振り返ってみますと、決してそうではないように私には思えてなりません。平成十年度策定の地域保健医療計画には、世田谷区では、平成九年四月、地域保健法に基づき、高度専門性に対応する世田谷保健所を開設するとともに、健康づくりや疾病予防から保健福祉サービスの提供まで、身近な地域で総合的、一体的に行えるように、福祉事務所と従来の保健所の健康づくりの部門を統合再編し、地域ごとに保健福祉センターを開設したと書かれております。また、平成八年十一月の定例会で、当時の区長は、保健福祉センターにつきましては、地域行政推進の一環として総合支所の管轄下に置き、総合支所が持つまちづくりの機能と併せて、保健福祉の分野から二十一世紀の世田谷のまちづくりを推進していきますと発言されています。世田谷区は、行政改革によって保健所の統合や整理縮小を進めていったのではなく、むしろ当時の保健所と福祉事務所の再編により、より身近な地域での保健と福祉の一体的なサービスを提供することで、地域の保健福祉の充実を目指すとともに、高度専門性の高い世田谷保健所を開設したのです。  区長の一連の発言は、区の足跡にそぐわない事実誤認ではないでしょうか。これらの発言は区長の個人的な見解なのか、それとも区としての認識なのか、改めてお答えください。  また、先述の区長の五月十日のツイッターで発信されている保健所の充実と再建は具体的な内容が示されておらず、何を意味するのか全く不明です。改めて、区としてのお考えをお聞かせください。  今後の世田谷区としての保健・福祉政策を考える上では、今回の緊急時対応と、平時における地域の保健福祉のさらなる充実という両方の側面から検討をする必要があります。世田谷区では感染が拡大する中で、相談センターの電話がつながりにくいという状況が続いていました。区長は、先述の対談の中で、今回の増強については相談センターへの電話相談が急増した四月の初めごろから準備を進めていました。民間病院の医師や看護師、保健師などに応援に入ってもらって、現在の回線六本体制を整えるまでに十日近くかかりましたと発言されておられます。ここから分かるとおり、今般の緊急時において、区としての危機的状況に対する対応力が不足していたことは明らかです。  一方で、平時に目を向けてみますと、世田谷区基本計画の重点政策として、高齢者や障害者、子育て家庭等の支援を必要とする区民が身近な地区で相談できるような相談支援体制を全地区で確立することや、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、保健・医療・福祉サービスの基盤の整備や生活支援サービスの充実等を掲げているわけです。  区民の命と健康を守るためには、緊急時の柔軟かつ適切な対応と平常時の地域の保健、福祉のさらなる充実は両立されなければならないものと考えます。区のお考えを伺います。  次に、世田谷区の財政と事業見直しについて伺います。  平成二十年九月、世界規模の金融危機であったリーマンショックは世田谷区の財政においても大きな減収を招きました。所管の資料によれば、平成二十年から平成二十三年の四年間でおよそ二百六十七億円の減収であったと記されております。今般の新型コロナウイルスの区財政への影響については、本年三月の予算委員会における答弁で、区長は、リーマンショック以上の税収減も想定しなければならないとの見解を示しておられます。両副区長による令和二年五月二十日付の依命通達においては、施策事業の在り方をどう見直していくべきか、本質的な見直しをする必要があると、財源不足への強い危機感を持っておられることを評価いたします。  同通達において、今年度の事業費として二十九億円を超える歳出削減が各部から提案されていることに加え、引き続き事業の緊縮を強化するとともに、令和三年度予算編成に向けた施策事業の見直しを進めることが示されております。限られた予算の中で区民生活を守るための業務を維持していくには、残念ながら、これまで行ってきた事業やこれから行う予定であった計画のものを含め、その全てを見直し、それぞれの事業と施策に優先順位をつけて判断していかざるを得ないと考えます。  今般の事業見直しや今後行われる見直しにおいては、例外なく全ての事業が対象となる理解でよろしいでしょうか、お考えを伺います。  さらに、併せて区にとって最大規模の事業である区役所新庁舎についても、当然この事業見直しの対象となり、施策の優先順位を判断していく上での俎上に上がるものと考えますが、この理解でよろしいでしょうか、お答えください。  次に、新型コロナウイルス感染症による区民生活への影響について伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響により社会は変容し、例えば感染拡大前に行われていた地域活動等は休止となり、今なお再開に踏み切ることができないという状況が続いております。とりわけ高齢者の方々による様々な活動の休止や感染への恐怖心による閉じこもりは、これまで元気であった高齢者の方々の体力の低下や社会的孤立化を招くことが懸念されます。  元気な高齢者の方々の社会参加や地域活動は、御自身の健康に寄与するだけでなく、私たち現役世代や子どもたちにかけがえのない知恵や経験、さらには活気をもたらす大変貴重なものであると考えます。個人の命と健康を守るという観点からも、地域社会を守るという観点からも、高齢者の方々の健康を維持しつつ、活動を継続していけるような仕組みを区としても考えていくべきではないでしょうか、区の今後の方針を伺います。  もう一方で、子どもの生活に目を向けたときに、子どもたちの心と体の健全な成長をどのように確保していくかということも考えていくべきです。新型コロナウイルス感染症により、既に医療従事者や物流を担う職業の子どもが差別的扱いを受けるなどの事例が発生しています。どのような状況においても、新型コロナウイルス感染症を理由にした差別やいじめはあってはなりません。世田谷区は子ども条例においても、区は、いじめを防止するため、全ての区民に必要な理解が広まるよう努めていくことを区の責務として位置づけております。  世田谷区としては、いじめや差別を起こさないためにどのように取り組むのか、区のお考えを伺います。  また、新型コロナウイルス感染拡大前と後では、子どもたちが見る地域の風景は異なるはずです。区の子ども政策として、新型コロナウイルス感染症拡大後の子どもの健全な成長を支えるために、区としてどのような方針で取り組むのかお考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、本庁舎整備を含めました事務事業の見直しについてでございます。  今後、大幅な歳入減少が見込まれる中、区民生活に必要なサービスを維持するためには、あらゆる事業についてさらなる見直しを進め、財源を確保していく必要がございます。一方、現状の認識を申し上げますと、これは基礎自治体の特色でございますが、生活保護や子育て関連などの扶助費、また、国民健康保険や介護保険など特別会計への繰出金、さらには、借入金の償還に充てる公債費、借金の返済でございますけれども、これらのものの中に、また組織、施設の運営に係る経費など、いわゆる義務的な経費が予算のかなりの割合を占める状況がございます。こういう中での来年度の予算編成ということになるわけでございますが、今般の感染症拡大を経験いたしまして、これから迎える厳しい社会経済環境の中で各業務を従来どおり継続することを前提とせず、施策事業全体の抜本的な在り方を追求する必要があると考えております。  本庁舎整備の関係でございますか、区長からは、大きく二つの観点について指示を受けております。その一つは、先日来、岡田副区長より答弁しておりますけれども、今般の新型コロナウイルス感染禍を経験したその後の整備でございますので、新たな観点で積み上げた計画を改めて検証してもらっております。一方、財政面におきましては、見通しを立てた上で、現実的に改築を進める上での財源は確保できるのか、その他の分野への影響は出ないのかという観点で今見直しをかけている状況でございます。  それらの意味では、今般の本庁舎整備などの大規模事業につきましても聖域を設けることなく検討いたしまして、今後、中期財政見通しなどの策定を図る中で総合的に判断したいと、このように考えております。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、保健・福祉政策について、三点御答弁いたします。  まず、平成九年度の保健所の統合、再編についてです。  議員御指摘の区長の保健所に関する発言は、区公式のSNSや広報紙で発信しているものではなく、個人として発信されているものであり、区が関与しているものではございません。区としては、平成九年度の組織改正は、保健所を地域保健の高度専門性に対応する機関に位置づけるとともに、それまでの保健所の健康づくりの機能と福祉事務所の機能を統合し、各地域において保健と福祉が一体となった総合的な相談支援を整備することを目的としたものであり、これまで地域保健福祉の推進に一定の役割を果たしてきたと認識しております。なお、新たな体制となった平成九年度において、地域保健を支える専門職である医師と保健師の数は、旧体制であった平成八年度と比較してほぼ同数となっております。  次に、保健所の充実についてです。今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえますと、急速に感染が拡大した場合には現状の保健所職員だけでは対応が難しく、この間も全庁的な応援体制を組みながら対応に当たってきている状況であり、感染症対策の抜本的な体制強化が急務だと考えております。今後、懸念されます感染第二波、第三波を見据え、まずはこの夏を目途に保健所が専念すべき業務を明確にした上で、有事の際に迅速かつ機動的に対応可能な組織体制の構築に早急に取り組んでまいります。また、今般の対応を教訓に、専門人材の確保、育成の取組とともに、地域の実情に即した感染症予防、関係機関との円滑な連携調整、疫学調査の迅速化などの視点から、今後の保健所組織の在り方について引き続き検討をしてまいります。  次に、平時と緊急時の地域の保健福祉を両立することについてです。  感染症対策の抜本的な体制強化とともに、日々の地域の保健福祉の取組は重要であると考えています。今後、コロナとともに生きる社会に対応するため、例えば感染症蔓延時には来庁しなくてもオンラインで区民の相談に応じられるようにするなど、業務の在り方の見直しや専門職のスキル向上に取り組むとともに、危機管理としての感染症対策への備えと地域の保健福祉サービスの両立を図り、区民の命と健康を守る体制づくりについて検討をしてまいります。  以上です。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、感染症予防下での高齢者の健康維持と活動継続についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染予防の観点から、外出を控えることによる高齢者の体力低下や社会的孤立は深刻な課題と捉えております。区では、緊急事態宣言の発出以前から、高齢福祉部や世田谷区保健センター等の関係各部、団体との連携によりまして、区ホームページに高齢者に向けたフレイル予防を呼びかけるページを作り、高齢者の方が自宅でできる体操の動画や散歩ルートの情報などを御案内してまいりました。  今後のフレイル予防や孤立防止に向けては、この間の取組を引き続き御案内するとともに、新たな取組としまして、高齢者クラブが公園等で行うラジオ体操や健康体操の場に地域の高齢者の方にも参加を呼びかけ、継続的な活動としてまいりたいと考えております。また利用者の御協力のもとで今月十五日から再開いたします敬老会館やふれあいの家なども御利用いただきつつ、引き続き、関係所管や団体が連携しまして、新しい生活様式の中での健康づくりや高齢者の交流機会を提供する取組についてもさらに工夫し、充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、子どもの権利が守られる地域社会づくりの取組についてでございます。  区ではこの間、ホームページや広報を通じまして、新型コロナウイルス感染症に罹患された方や、濃厚接触者、医療関係者などに対する差別や偏見などをしないよう区民向けにメッセージを発信してまいりました。区立小中学校の再開に当たりましても、学校から保護者宛てに新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見、悪口などで相手を傷つけることのないよう、家庭内での対話について協力をお願いするとともに、スクールカウンセラーなどの相談先について案内をしてございます。  子ども・若者施策の取組におきましては、平成十三年に子ども条例を制定し、子どもが育つことに喜びを感じることができる社会の実現に向けて区民とともに取り組んでまいりました。本年四月からの子ども計画(第二期)後期計画では、重点政策に子どもの権利擁護、意識の醸成を掲げ、区内小中学校を通じた小学校高学年、中学生、保護者のそれぞれにパンフレットを配布し、一人一人に生きる権利があり、差別やいじめをしてはいけないこと、子どもの権利を守るせたホッとなどの相談窓口についても周知に努めております。  現下の状況を鑑み、引き続き、子どもの権利が守られる地域社会づくりを進めるため、様々な機会を捉えながら、子ども、保護者、地域等に幅広く周知を図ってまいります。  次に、子どもの健全育成のための取組についてでございます。  子どもが健やかに育ち、人間性豊かに成長していくために、遊び、表現し、安らぐための場が身近にあり、保護者や地域に応援されながら様々な経験やチャレンジできる機会を確保することが大切です。その理念のもと、子ども計画(第二期)後期計画においても、子どもが地域において主体的に活動する場や機会を充実させ、地域で豊かな社会体験を重ねるための環境整備を進めることとしてございます。一方、現下の状況における新しい生活様式の中で、青少年交流センターや児童館などの子どもの遊びや体験、活動の場においては、段階的な再開と徹底した感染防止対策を講じながら、従来の方法ではない運営を行っているところです。  この間、子ども・子育て会議の委員や子ども関連の活動団体からも、新型コロナウイルス感染拡大により、地域における様々な遊びや体験、活動の機会や場が失われることで子どもの成長への影響が懸念されることなどについて様々な意見をいただきました。  引き続き様々な手法を取り入れた事業展開を進めながら、子ども・子育て会議におきまして、この間の子どもや子育て環境における課題について議論をし、子どもが健やかに育つ社会の実現に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆一番(つるみけんご 議員) 新型コロナウイルス感染症によるいじめを防ぐためにどのように取り組むのかということを伺ったのですが、今の御答弁から、特段の取り組みがないということが明確になりました。健全な育成の確保に関する御答弁も同様ですが、このような危機的状況に際し、従来の計画や枠組みの延長で対応しようとされている危機感の欠如に、子どもたちの健やかな育ちが確保できるのかということを強く危惧しております。  そのことを申し上げて、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時五十七分休憩    ──────────────────     午後二時十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。  昨日の区長の区議会招集挨拶をお聞きし、失礼ながらも大変失望いたしました。新型コロナウイルス感染で、区民、地域が大変な状況に陥っている中で、世田谷区の責任者としてどのような思いを持ち、地域を運営されていくのかをお聞きしたかったのですが、区長からは個別の事業の説明だけでした。区民がこの時期に個別の事業の内容をお聞きしたいと思っていると、区長はお考えなのでしょうか。  三百五十年前、十七世紀のペストの流行で、人口五十万のうちおよそ六分の一の八万人が亡くなったロンドンのまちを描いたドキュメンタリーを先日読みました。市内のあらゆる場所で次々に人が死亡し、裕福な人々は脱出し、おびただしい数の召使、職人など労働者の人々が仕事も家も失い、悲惨極まる境遇に陥ったのです。  パンデミックの恐ろしさは現代にもつながるものです。しかし、少し異なるのは、当時のロンドン市当局の姿勢でした。当局は、私たち一同は当市を離れず、市内のあらゆる場所で秩序を保ち、いかなるときにも正義が行われるよう常に全力を注ぐ構えです。生活に困っている方々の救援にも全力を尽くします。私たちは、職責を全うし、市民の皆さんから負託されている任務に精いっぱい励みますと宣言されました。そして、市長と州長官は、絶えず街頭に立って、最も危険な地域にも足を運び、市民に安心感を与え、商品の流通に全力を注いだのです。その結果、市民の六分の一が亡くなる惨禍にあっても、パンはいつでも豊富にあり、ふだんと変わらない安価で手に入ったし、市内の秩序は保たれたというのです。  ロンドン市民は、つまり、市当局を信頼できたということなのです。うらやましい、その一言です。片や、一国の総理大臣が記者会見で、みんなで前を向いて頑張ればきっと現在のこの困難も乗り越えることができると言い、みんなとは誰のことか、きっととはいつのことか、この責任者は誰かと聞かずにはいられないという状況にあり、社会の進歩とは何なのだろうかと思わずにはいられません。  区長は、九十万を超える大都市の責任者です。その責任者が何をされようとしているのか、全く見えません。区長として、今の世田谷に、事業者に、そして区民にお話ししたいということがあれば、ここでお伺いすることといたします。
     新しい生活様式、新しい日常について伺います。  私は、誤解を恐れずに申し上げるならば、国や自治体が住民の生活様式や日常生活の在り方に物申すのは、非常に問題だと考えます。本来自由であらねばならないことに、新しいという言葉をつけて、新しい風潮のごときものをはやらせていこうとは、とんでもないことです。新しい生活様式は、名前がおかしい。誰が考えても、当面守っていただく生活ルールと言うべきです。あくまでも当面です。  都は、広報紙において、新しい日常の定着を言われます。二メートルの距離を保つことが日常なのでしょうか。違います。まさに異常状態です。私たちは、自粛要請によって、知らず知らず行動と意識を変えてきているのです。人が近づけば距離を意識し、かつての写真や映像を見れば密だと感じてしまう。感染予防のために必要なその感覚は、いざ正常な状態に回復し、人との関係を結び直そうとするときには、阻害要因となります。新しい生活様式が、異常ではなく普通のことと思ってしまうことの恐ろしさを国は分かっているのでしょうか。  言葉は独り歩きします。それが社会の進歩につながることもあるし、逆になることもある。新しい生活様式の後、新しい日常の後に、巣籠もり生活から本来の本当の日常生活が取り戻せるかが問題なのです。  このコロナで貧富の格差が広がっていくとも言われます。さらに問題は、行動力の格差が広がってしまうこと。高齢者などは、このコロナを機会に活動を取りやめてしまう、このようなお話も多く、結局地域の共同体が壊れていくのです。自粛が萎縮につながっていく、このことを区が明確に意識し、総合的な解決への道筋、本来の自由で楽しい地域生活につながる道筋を明らかにすべきです。その希望があれば、今の条件にみんな耐えられるはずです。お考えを伺います。  三密対策について伺います。  今回の区の対応は非常に疑問です。職員は三密回避なのに、区民は三密の中に取り残されています。支所の窓口が大混雑しているから、ほかから応援すべきではないかと聞きますと、ほかの職場は在宅勤務なので人がいませんと言うのです。五月二十日付の区の各部長へ向けての依命通達で、職員の体調管理を最優先に業務態勢や執務環境を適切に整えることという指示が出されました。この通達の中には、区民に対する配慮の言葉は一切ありませんでした。その結果か、窓口での区民の三密状態の解消は全く不十分です。  これまでの区が、事務、窓口を集中させようとする根本的なところに問題があるのです。職員は三密を避けるための在宅勤務を行うとされながら、区民へは在宅窓口があるわけではない。窓口で二時間も待つということについて、何ら組織的な改善が図られない。一方で、この間、地区のまちづくりセンターは全く何の役割も果たしていない。区民に全く頼りにされていない。だから、在宅勤務ができるという現実を直視するべきです。地域行政の理念を本庁の机の上で考えているからです。区民不在です。地区の区民生活を中心とした地域行政の抜本的な見直しを求めます。お考えを伺います。  私たちは、二度と再びコロナ前の生活には戻れません。それは、地域のみならず行政にこそ言えることです。つまり、必要なことは、新しい生活様式ではなく、新しい行政様式なのです。本庁舎問題について、なぜあの規模が必要かと問うと、職員の働く面積が狭過ぎるということだけを言われます。担当として、地域行政の理念ということに全く理解を示さない。大きな問題です。区民は、地元の窓口へ行けば行政関係の用事は全部済ますことができる、これが望まれる姿です。コロナを経験した私たちが、次の時代に恥じることのないよう、本庁舎の在り方そのものを見直すべきです。お考えを伺います。  区長は、行革の流れで区内に三か所あった保健所が整理統合され一か所になったという発言をされました。区長が、個人的に自らの情報伝達手段を使って何を言われても、政治家としては自由であるかもしれませんが、行革の流れにのっとり三つの保健所を整理統合し、一つの保健所としたのか。あるいは、区の独自性を出して全国で初めてとも言える保健福祉センター構想を打ち出し、行革の流れに反してでも四か所の保健所と地域の福祉事務所を再編し、一か所の保健所と五か所の保健福祉センターをつくり変えたのかということは、地域行政の観点から全く相反する立場です。あの当時の職員の努力、議会の論議は何であったのでしょうか。このどちらかであるか、区として公式見解を求めます。  今の区は、あまりにも決断が遅いです。さらに、コロナ対策で新しい独自の取組が見られません。保健所の三台の電話問題では、回線を増やす、三台を六台にするだけのことで十日間もかかる。これは行革の影響でも何でもなく、組織運営の未熟さそのものです。会議に次ぐ会議で、全く管理職に連絡がつきません。この一か月間、管理職の職員は会議か在宅勤務かという状態で、非常時、緊急時とは思えませんでした。三百五十年前のロンドン市とは雲泥の差です。  危機管理の本質は予見です。地域、現場にいればこそ、予見できるのです。緊急時体制は、本来業務体制とは別のもので、緊急時対応ごとに組織体制を動かしていたら、本来の仕事ができなくなる。まさに対症療法行政です。全ての区職員は、原則として地域にいるべきです。なぜならば、区民は地域にいる。区民は本庁にはいないからです。  本庁舎建設担当は、職員一人当たりの事務スペースの拡大だけを考え、区としては、職員の三密体制解消のために在宅勤務を行う指示を出す一方で、区民三密現場の窓口職員は悲鳴を上げる。一体、組織とは何でしょうか。なぜ、今の区はこのように決断が遅く、さらに、対症療法で物事を乗り越えようとしているのか。その原因は何か伺います。  以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  九十二万自治体のリーダーとして、この間、新型コロナウイルスという正体不明のウイルスと闘う。大変困難を極めます。困難の中で、それぞれの機関はそれぞれ全力を挙げて一生懸命やっていることはもちろん事実なわけですが、例えば、国の方針にしても、今話題になっているPCR検査にしても、なるべく増やさないでいくのだというのが当初の方針でした。一方で、実際には早期検査、実態をつかむ、これなくしては実際の対策が取れないじゃないかということで、私どもとしては、国はそう言っていましたが、PCR検査を増やすという方向に歩んでまいりました。  本来、都道府県が医療を管轄しております。ところが、東京都も大変な状況で、世田谷区内のコロナ診療に当たる医療機関に具体的にイニシアチブを取って何らかのネットワークをするというようなことはできないという状態だったことから、私どもが、これは手探りでありましたが、一つずつ関係をつくりながらネットワークを築いてきたということでありまして、区民の皆さんには、こうして九十二万区民の健康と安全、命を守るために総力を挙げてきたし、これからそれが持続できる、そういう体制を持っていきたいということをまずはお伝えしたいと思います。  そして、今回、本部を設置しまして、討議し、全庁的な組織を再編しまして、取り組んできたこと自体を招集挨拶にいたしました。今回の新型コロナウイルスは、今、小泉議員が例示されたように、百年に一度と言われる、日本にとってみればスペイン風邪ですね。危機的な感染拡大に至りました。  そういう意味では、これまでSARS、MERS、あるいは新型インフルエンザでは、それほどの拡大は起きなかったので、週に何度か保健所が出動して検査をして、症状があれば病院にお連れしてフォローするということが、週に数人であればできたのだろう。それが週に何十人と実際なっていったということでありまして、その中で、病院に夜中にどこに入ればいいのかという入院調整機能もできなかったので、保健所の責任者が夜中に救急隊員からの携帯電話を受けて、入院先を探している、こういう事態に、明らかに保健所という組織に負荷がかかり過ぎていた。  これを、負荷を軽減するために何とか応援を入れようということでやってきましたけれども、やはり課題は、厚生労働省の方針――これは国の方針です――に従って、人事は東京都、そして組織的な責任は世田谷区という中で、公衆衛生の面で保健所のいわば健康を守る機能、そして権能、ここをどういうふうに置いて充実させていけばいいのか、これは大きな課題となります。  今後、第二波、第三波に備え、感染症対策の強化を図ってまいりますけれども、小泉議員おっしゃるように、この間のいわゆる自粛が萎縮になったり、あるいは人々との距離を置くということが精神的な距離を置くことにもつながっていったりしないように、地域における区民活動や経済活動の両立を図り、活性化に取り組んでまいりたいというふうに思います。  新しい生活様式に対する違和感も、おっしゃることはよく分かります。この世田谷区に特徴的な、地域に根差して、そして多くの方がその地域に根差したところの活動でお互いが支え合ってきた。こういう長所をこの間の新型コロナの状況はかなり棄損したと、ある種凍結させたと思います。これを、感染症の危険を防御しながら解かしていく、これがこれからの作業になっていくと思います。  また、区の決断についても質問いただきました。健康危機管理対策本部を立ち上げたのは一月二十七日で、全国的には着手は早い時期でございました。PCR検査を受けられない、この間問題になっている電話がつながらない、こういうような状況が確かにございました。ただし、四月八日にはPCR検査を常時できる検査センターを立ち上げまして、この間の検査総数も、検査センターで二千、その他医療機関等で三千七百という実績につなげてまいりました。  ただし、遅れていた点、足らなかった点というのはございます。まさに、目前の課題に取り組んでいる。そこに注力するあまり、私たちは何を、いつ、どこで取り組んだのかということを区民に向けてしっかり効果的に知らせるという広報だったり発表だったりそういうこと、あるいは議会への御報告も含めてかもしれないです。そういったところで、もっと丁寧に、もっとしっかりと各段階、段階に応じて出しておくべきだった。  このことについて、四月の下旬から、遅れを巻き戻そうと、動画を使って訴えたり、文書を書いて区民へのメッセージという形にしたり、あるいは区の広報紙を使ってお伝えをしてきたつもりですが、これは本来は、区の取組と同時にスピード感を持って区民へのお知らせというのをしっかりやっていく体制をつくりたいというふうに思います。  今後、第二波、第三波が想定される中で、地域コミュニティーが希薄化したり、区民の自発的な活動が途絶えたりすることがあってはなりません。感染症対策と地域における区民活動、経済活動をやはり両立させる、そういう意気込みで今後取り組んでまいりたいと思います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、新しい日常、新しい生活様式に関する認識について御答弁申し上げます。  新型コロナウイルス感染拡大は、いまだ予断を許さない状況にあることから、国では新しい生活様式の提案を、東京都では新しい日常が定着した社会の構築に向けてとして、共に感染症予防と経済社会活動の両立を呼びかけております。  議員お話しのとおり、区民の暮らしは個々の責任と自由な行動によって形づくられるもので、行政が決まった生活様式や行動を押しつけるものではないと考えております。一方、感染症予防の取組は、区民、事業者、行政、それぞれが同じ方向を向き、共に協力することが求められているものと考えております。新しい生活様式や新しい日常という言葉は、将来にわたって定着することを求めているものではないと考えます。  この難局を乗り越え、区民が長年にわたり積み上げてきた生活様式や地域コミュニティーを取り戻し、未来に向けた地域づくりを進めることこそが、本来の日常であると考えております。区といたしましては、多様なコミュニケーション手段を活用し、区民相互が顔の見える関係を強固なものとし、感染症予防に関する正しい理解と協力のもとでこの危機を乗り越え、本来の日常を一日も早く取り戻せるよう、区民の皆さんとともに努力を重ねてまいります。  以上です。 ◎清水 地域行政部長 私からは、二件について御答弁いたします。  初めに、窓口来庁者の三密解消対策の徹底と見直しについてです。  新型コロナウイルス感染拡大防止に関する窓口対応においては、手続をされる方々にホームページで郵送手続の御案内や、窓口の混雑状況について周知し、また、窓口現場では、待合スペースの拡張や待合席を離して設置すること、飛沫感染防止対策としてカウンターへのアクリル板設置やフロア案内者がフェースシールドを着用するなど、三密防止の対策等に努めてまいりました。しかし、転出入の届出のピークや特別定額給付金の申請に伴うマイナンバーカードの手続と重なったこともあり、くみん窓口等では長時間お待たせし、大変御迷惑をおかけしました。今後想定される第二波、第三波に対して、この間の対策を改めて点検し、窓口業務において三密状態を防止するとともに、行政手続や御相談を安心して行っていただけるよう対策に取り組んでまいります。  次に、窓口の集中化を改善し、まちづくりセンターの窓口対応を強化する地域行政の改革が必要ではないかについて御答弁をいたします。  地域社会が大きく変化する中でも、生活の場が豊かなコミュニティーに包まれ、住民主体の活発な地域活動や支援が必要な人を地域全体で支える取組が行われるよう、区民と行政が互いに協力して、地区、地域の力を高めていくことが重要です。そのためにも、地域行政の条例化のプロセスにおいては、地域コミュニティーの活性化を軸に、地区の実態を把握するまちづくりセンターが地区まちづくりの核として、これまで以上に地域活動の支援を図るため、その役割や機能について検討してまいります。また、今般の特別定額給付金の支給に当たり、申請書の御案内やお預かりをまちづくりセンターの窓口で行ったところですが、より多くの地区住民の方に身近な窓口として知っていただき、御利用いただけるよう、情報発信や窓口業務の在り方についても具体的に検討を進めてまいります。  以上です。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、地域行政の理念も踏まえた本庁舎の在り方についてお答えをいたします。  地域行政を推進するため、今後も、地区、地域の機能強化と、それを支える本所の役割を、社会状況の変化に対応しながら築いていくことが求められていると考えております。一方、現在の本庁舎には、早期に改善すべき様々な課題がございまして、特に喫緊の課題として、災害対策機能の強化はもとより、このたびの新型コロナウイルス感染症拡大時の臨時業務等にも、迅速かつ柔軟に対応可能な執務環境の整備も急務であると改めて認識したところでございます。  こうしたことから、現在の新庁舎の設計は、災害対策拠点となる庁舎を目指すとともに、できるだけコンパクトな計画の中に必要な機能を効率的に配置した上で、今後も変化が予想される地域と本庁のあり方にも柔軟に対応できるオープンフロア、ユニバーサルレイアウトとするなど、工夫をしてきているところでございます。本庁舎等整備につきましては、今後、八月をめどに作成いたします中期財政見通しを見極めた上で判断となりますけれども、引き続き地域行政の推進等、検討の進捗を見据えながら、必要な対応を準備してまいります。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、平成九年の保健所の組織改正について御答弁いたします。  平成九年度の組織改正について、区としては、コストや人員の削減を進めることを目的としたものではなく、保健所を地域保健の高度専門性に対応する機関に位置づけるとともに、それまでの保健所の健康づくりの機能と福祉事務所の機能を統合し、各地域において保健と福祉が一体となった総合的な相談支援を整備することを目的とした改革であり、これまで地域保健福祉の推進に一定の役割を果たしてきたものと認識をしております。  以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 区民は地域にいます。職員ももちろん地域にいます。危機の際は、その地域の職員の能力を区民のために区長の指示によって効果的に活用するのが区長のリーダーシップと思いますが、どうですか、お考え、手短にお願いします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員の再質問にお答えします。  都内最大の人口の世田谷区において、先人の努力によって築いた最大の特徴が地域行政制度だと思います。区民は地域にいる、まさにそのとおりでありまして、この二十九年間、世田谷区の行政運営の土台として進化をしてきたものと思っております。昨年の台風被害、そして今回の感染症拡大との闘い、常に区民生活を脅かしてくる危機に区は直面しています。この区民生活の状況をいち早く把握できるのは、区民の皆さんと一番近い地域にいる職員だと考えています。このようなときにこそ、コミュニティーの真価が問われているという認識に立ち、この土台が地域行政制度であり、そこの観点から、現在見直し、条例化の議論を進めてまいりたいと思います。 ◆九番(小泉たま子 議員) 終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十六番ひえしま進議員。    〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(ひえしま進 議員) 以下、通告に基づき質問いたします。  中国武漢を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大は、緊急事態宣言が発せられ、日本人の生活様式を一変させました。いまだ国民の安心と安全を奪っています。とりわけ、九十二万人を擁する世田谷区の感染者数は、二〇二〇年六月十日現在、四百五十四人を数え、亡くなられた方は十六人となりました。心からお悔やみ申し上げます。  中には、相談センターに何度も電話したがつながらず、そのためPCR検査を受けるのに時間がかかり、陽性であることが分かったのは命を落とした後だったという働き盛りの男性もいらっしゃいました。御本人の恐怖と御家族の深い悲しみを思うと、胸をえぐられると同時に、区の一連のコロナ対策の在り方について強い憤りを禁じ得ません。  私は、既に三月の予算特別委員会でPCR検査と保健所の在り方について質問し、感染拡大に備えるよう要望してまいりました。しかし、区の反応はすこぶる鈍く、区民の安心に寄与する適切な情報公開を行わず、危険にさらし続けました。その責任は、ひとえに保坂区長、あなたにあります。  区長は、PCR検査の拡充など一連のコロナ対策について、ツイッターをはじめテレビやラジオ等でも得意げに語っておられますが、御本人の認識とは異なり、多くの区民の怒りを買っていることは御存じでしょうか。例を挙げれば切りがないので、ここでは代表的なものを取り上げます。  世田谷区医師会のホームページを開きますと、医師会からのお知らせという欄があり、五月一日付で世田谷区医師会のPCR検査センターの運用についての文章が掲載されています。これを読みますと、医師会の方々の怒りがぶちまけられていることが分かります。詳細はホームページに譲りますが、医師会の思いを全く酌まない区の不誠実な姿勢があらわとなっております。医師会は、早い段階から、遅々として進まないPCR検査の拡充と、それに伴う保健所の過度な負担を深く憂慮され、保険診療によるPCR検査ができるよう四月初めに区側へその意思を伝えていたと書いてあります。以下、引用します。  「今回のコロナウイルス感染症については特例が認められており、自治体の認可が出れば、『保険診療による検査』が可能であるとのことでした。世田谷区が首を縦に振れば可能なのです。『保険診療によるPCR検査』をおこなわせてほしい!これができれば、保健所への電話が繋がるのを待つことなく、会員の先生方の依頼を直接すぐに受けられる。結果も早く出るので素早い対応ができる。入院できず自宅で苦しませて死なせてしまうようなことにはならない」と、ほとばしる思いがつづられております。続けて、「何が問題なのか私たちには全く理解不能でしたが、世田谷区は認可を渋り続け、世田谷区医師会の要請をのらりくらりかわし続けてきました。しかし、会長を始めとする医師会全員の思いが伝わったのか、四月三十日付でようやく認可の運びとなり、『世田谷区医師会PCR検査センター』を立ち上げました」とあります。  まず、区長にお聞きしますが、区長は六月一日付のツイッターで、同日十九時に、世田谷区と医療関係者の情報連絡会を開催したと報告し、そのまま引用しますと、「四月七日に開催して以来、電話での意見交換をしてきましたが、二回目となります。コロナ治療にあたる区内病院長や、世田谷区医師会、玉川医師会の両会長、そして、区の保健所等担当者が語り合いました。実情が見えてきました」とつぶやかれています。  また、このスレッドには、こうあります。「四月七日、前回『PCR検査センター』の必要性が語られ、翌日八日から稼働し出した。『お役所仕事』とよく言われるが、九年間の区長としての経験でも最速のスピードだった。それだけ、事態が切迫し緊急性を認識している時、多くの言葉はいらない。おかげで、相談当日か翌日には検査出来る体制が出来た」と、とてつもないリーダーシップを発揮したかのようにぶち上げています。このツイートに基づくと、四月七日には世田谷区医師会からの申出があったわけですが、その後、一体何をどう指示し、最速のスピードで検査できる体制になったというのでしょうか。  今紹介したように、医師会は、のらりくらりかわし続けたと区を糾弾しています。それに、区長は、翌八日から検査センターが稼働し出したと書いていますが、医師会の文章に照らせば、世田谷区医師会は、腰の重い世田谷区と交渉を重ね、半ば強引に行政検査の協力を四月十三日から行ってきましたとあり、稼働開始は四月十三日からで、区に確認すると十四日ということですが、いずれにせよ、翌八日ではありません。これはどういうことでしょうか。  それに、この行政検査と保険診療による検査が同時に実施されるようになったのは、実に五月一日からであります。その間、区は一体何をやっていたのか。どこが最速のスピードなのか。区長は、しっかりとした言葉でこれまでの経緯を説明してください。また、ツイッターの内容は、事実誤認でいたずらに区民を惑わすものだと思いますが、区長の答弁を求めます。  次に、非常事態における学校の役割についてお尋ねします。  これまでの長期にわたる学校休業は、子どもと保護者に大きな不安を抱かせるもので、区には教訓とすべき幾つもの課題が突きつけられました。子どもにとっては、月に数日しかない登校日で課題が渡されたものの、教えを乞うのは保護者しかなく、保護者自身もテレワークで忙しいため満足に見てやれなかったという家庭も少なくありません。小学校は、日常の様子や学習の進捗などを尋ねるため登校日には必ず子ども本人の出席を求めていましたが、中には機械的に課題を手渡しするだけで会話もないという教師がいたとのことです。教師本人の能力差はあるのですから、それを踏まえた教育委員会の指導があってしかるべきだったと指摘するものであります。  また、まなびチャンネルなど、ネットを使った授業の試みは、学校で配付される課題との結びつきが明確でなく、戸惑いの声が上がったとも聞いていますが、区の認識を問います。  さらに、子どもの居場所の確保についても相談がありました。新BOPや学童クラブなどが閉鎖され、自宅で過ごす子も親もストレスがたまりがちです。また、仕事に集中しなければならないとき、子どもを預ける場に困っているとの声でした。空き教室や図書館を利用するなど、もっと工夫できたのではないかと思います。また、休止前でも、区の案内では受入れ対象者は医療従事者であることが殊さら強調されていた嫌いがあり、該当しないことから、病気や介護などの緊急時でも預けられないと思い、断念された方もいらっしゃいました。そして、学童クラブについては、世田谷区とは違い、他自治体では、登録していない子どもも受け入れていた例もあったとのことで、今後、希望者には、よりきめ細やかな案内と対応を求めるものであります。  長期にわたる自粛生活で人間は孤立しがちです。そのような中で、教師と子、子ども同士のコミュニケーションの確保は大変重要であります。今後、二波、三波の襲来が予測される中、区はどのような取組をしていくつもりなのか、見解を伺います。  我が会派の代表質問でも指摘したとおり、区は、中学校の修学旅行一斉中止を打ち出しました。先日、日本維新の会の議員の国会質問に対して、文科大臣が明確に答弁したとおり、行事実施の判断は各学校に委ねられているものです。  同じく、区は水泳授業についても休止するよう通知していますが、文科省の事務連絡では、感染リスクへの対策を講じれば実施してよい旨記されています。もはや、あらゆる学校行事が中止に追い込まれている中で、できる限り実施を考える学校の裁量権まで奪うような区の姿勢には大きな疑問を感じざるを得ません。答弁を求めます。  最後に、先月末に可決、成立したスーパーシティ法案についてお聞きします。  同法案は、自動運転やキャッシュレス決済、遠隔医療、ドローン配送など、複数分野に関わる規制が緩和されるもので、大規模災害時の物流やエネルギー供給を確保できる防災拠点の整備にも活用できると期待されています。今回のコロナ禍においては、特別定額給付金支給でのマイナンバー活用も大きな課題となり、さらなる改善と促進が必要です。AIをはじめ先端技術、ICTを活用した都市機能強化について、スーパーシティ構想への立候補の有無を含め、今後の区の取組について見解を伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ひえしま議員にお答えをいたします。  PCR検査センターの体制についてでございます。  四月七日、ちょうど安倍首相が緊急事態宣言を発出した後の記者会見のひとときがございましたが、あらかじめ我々は区内のコロナ診療に当たる病院関係者、世田谷区、また玉川、両医師会の会長さん、そして我々世田谷区のこの問題の関係者で集まって、世田谷区と医療関係者の情報連絡会を初めて開催いたしました。  この場で、各病院、大変孤立しながら治療されていたわけで、本当に大変だということを、経営上の問題、あるいは院内感染をどうやって防ぐか、そういう難しいテーマ等々をお話しになりました。実は、帰国者・接触者外来、ここではPCR検査をやっておりまして、これは一定のその検査につながっていたわけですが、これもなかなか大変な――全体として量は増えていますから、大変だというようなお話が一通り医療関係者からあった後、世田谷区医師会のほうから、私たちとして二つ、電話相談に対するサポート、一緒に相談に乗るというようなことで何かできないかというお申出、と同時に、いわゆるPCR検査センターというものができないかというようなお話がございました。  ちょうどそのとき、その日か前の日、その近辺で、世田谷区の保健所のほうからPCR検査を頼んでいる病院が検査できなくなる、こういった事情がございましたので、これについてはぜひ進めましょうということで、終わってから、立ち話も含めて、なるべく早く進めていこうということになり、それが翌日のスタートということになったわけですが、翌日は、保健所が依頼したお医者さんが行政検体をやるということです。  ただ、世田谷区医師会のほうも早く合流したいということで、この世田谷区、保健所が頼んだ、お医者さんがやっていた、四月八日から、つまり医師会が始める十四日までの間ですね。約百件ぐらいやっているんです。その間にも、その場に来られて、いわゆるその動線を確認したり、どこを通るとか、そういったところへテープを張ったり、また、医師会から派遣する場合、この部屋でやろうというようなことを下見で決めていただいたということであります。  そうしまして、十四日からは、その世田谷区、保健所が頼んだ医師と、そして、世田谷区医師会の医師の方がダブルでですね、二つの部屋を使いながら、検体採取を続けるようになりました。  したがって、この四月八日、全般で百件、これは一人の医師の方が検体採取、それで、月末までに六百八十件、あわせて、四月は七百八十件とかなり大量の検査が一人一日二十五人ぐらいだったのが五十人以上できるようになってきたというのが事実でございます。  世田谷区医師会から、保険診療についてぜひ取り組んでもらえないかという御提案は受けていました。これは後ほど答弁すると思いますけれども、それについて、国の制度、マニュアル等々の整備が遅かったということがあって、それが出たのが四月の末。四月の末に急いで協定を結んで、五月一日からスタートをしたということでございまして、そういう意味では、四月八日にPCR検査センターをつくった。それが五月一日から、その名前が変わりました。地域外来・検査センターと変わりましたけれども、保険の適用、そして民間検査機関、これは四月から使っていましたけれども、大変スムーズに、世田谷区の、疑いのある方は、早い段階であれば、翌日あるいはその日のうちに検査ができる、そういうような体制にこぎ着けていただいています。  医師会の皆さんからは、大変献身的な御協力をいただいておりますし、同時に、その場でCTの検査も同時にやったほうがいい、こういう御提案もありまして、設置してあったCTを直して、CT検査もやることで、PCR検査の結果が出なくても、重篤の方はCT検査で影が分かりますので、早期の治療につながったということも聞いてございます。このような形で、また、玉川医師会の皆さんにはドライブスルーということで御協力をいただいています。また今後も、ドライブスルーが終わっても、病院と力を合わせる中での検査と。  したがって、現在の検査数を区で公表していますけれども、多いときは九十台、四十、五十、そのあたりの検査数になっております。今、感染がまだ数名出ている状況ですので、気は抜けない。この検査体制は当面維持をして、さらに強化をしていきたい、このように考えております。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点についてお答えいたします。  一点目でございます。世田谷区医師会のお申出から実施までに時間がかかったことについてでございます。  本年五月一日に保険適用を受けました検査センターとなるまでの経過につきましては、四月七日に世田谷区医師会よりPCR検査に関する協力の申出をいただき、それ以降、保険診療に関しまして、自己負担分に関する公費での負担について、東京都との協議や検査センターへの支援に係る国への確認などを行っておりましたが、詳細がなかなか明らかにならず、また、検査実施場所における警備等管理体制の調整や、設備の維持管理状況の確認なども並行して行ってきたところでございます。  この間、四月十四日からは、行政検体の採取におきまして世田谷区医師会の協力をいただきまして、保健所とともにPCR検査業務を行っていただいており、ようやく四月二十八日に国から保険診療による運営マニュアルが示されまして、四月三十日に医師会と検査実施に係る協定を締結し、五月一日に保険適用を受けた検査体制に移行したものでございます。  二点目の御質問でございます。PCR検査に関する区長と区の情報発信についてお答えいたします。  四月八日の保健所による検査拠点の開設に当たりましては、前日の七日に開催されました医療機関関係者との情報連絡会におきまして、PCR検査体制の拡充について要望等をいただいたほか、八日時点で、区内の医療機関の一機関がPCR検査の受入れ停止をしたこともございまして、検査を実施したものでございます。  区長御自身が区の取組をSNSで発信するということは、区の公的な発信と並行し、より多くの方に情報を発信するというツールにおきましては、効果的であるものと考えております。  新規コロナウイルス感染症拡大防止に関する区の取組につきましては、「区のおしらせ」やホームページを活用して発信をしておりまして、内容につきましては常に細心の注意を払い、正確で分かりやすい情報発信に努めております。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  まず、学校における双方向のコミュニケーションについてでございます。  教育委員会と各学校では、臨時休業中の学習支援を目的として、動画の配信などに取り組んでまいりました。また、各学校と家庭で課題をキャッチボールする形での学習支援に取り組みましたが、週一回のやり取りが中心であり、コミュニケーションの確保という点で課題がございました。その後、各家庭にある端末と学校の端末を用いて、教員と子どもたちが双方向のコミュニケーションを取ることができるソフトウエアを導入し、この六月から試験的に運用を開始したところです。
     今後の感染症の第二波、第三波による学校休業の可能性も想定し、教員が児童生徒とコミュニケーションを適切に取り、学習や生活の様子を適切に把握することができるよう取り組んでまいります。  続きまして、学校休業中の登校日についてでございます。  臨時休業中の登校日における対応ですが、教育委員会では、五月十一日より、各学校で資料配付回収日を設け、原則として児童生徒を登校させ、課題の回収や学校からの資料配付、児童生徒の学習の進み具合や家庭での生活の様子の確認を行うよう指示したところです。しかしながら、学校や学年により対応にばらつきがあるとの御指摘をいただいており、その都度個別に改善の指導を行ってきたところです。感染症第二波、第三波による学校休業の可能性も想定し、登校日における適切な対応が行われるよう、各学校を指導してまいります。  次に、水泳の授業についてでございます。  水泳の授業の実施につきましては、その前提として、定期健康診断を活用して水泳に適する健康状態であるかどうかを確認すべきことが文部科学省より通知されてございます。今年度については、感染症の影響により健康診断をいまだ実施することができていない状況にございます。水泳の授業については、このような状況から、校長会と相談の上、今年度の中止を判断したものであり、来年度の体育の授業において、水泳の時間を増やすことや指導の内容の工夫を行うことを検討してまいります。  以上でございます。 ◎林 生涯学習部長 私からは、児童生徒の居場所確保についてお答えいたします。  学校における児童の居場所としまして、新BOPは、新型コロナウイルス感染防止の観点から、国の緊急事態宣言及び東京都の緊急事態措置を踏まえまして、四月六日から五月三十一日までの期間、休止といたしました。なお、学童クラブにつきましては、社会生活を維持する上で必要なサービスに従事しており、仕事を休むことが困難な御家庭の児童は受入れを行いました。  運営に当たりましては、密を避けるため、ランチルームや会議室、学校図書館を利用しておりました。また、緊急事態宣言前の区立小中学校の休業期間中の子どもの居場所及び運動の機会を確保するため、三月二十四日から四月四日まで、区立中学校二十九校の校庭開放を行いました。  今後、感染症第二波、第三波が来ることを想定しつつ、今回の経験を生かしながら、子どもの居場所の確保と子どもたちの安全の確保の両立に向け、学校をはじめ関係所管と連携して対応してまいります。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、スーパーシティ構想に関連して二点お答えいたします。  まず、世田谷区として候補地域となるかという点です。  スーパーシティ構想は、本年五月に改正された国家戦略特別区域法により、一定の地域において、より迅速かつ柔軟に規制の特例を設定できるようにすることで、自動車の自動走行、自動配送、キャッシュレス決済のほか、健康、医療、介護の分野でICTデータを活用することによる健康寿命の延伸などの実現を目指す都市構想です。これに先立ち、例えば大阪府と大阪市では、有識者や企業などが出席する大阪スマートシティ戦略会議を開催し、その中でスーパーシティ導入に向けた検討が行われ、二〇二五年に開催される大阪・関西万博自体を実験場として設定するなど、一部の自治体で取組が進められているところです。  スーパーシティは、住民参加はもとより、区内企業や大学など、産学官民連携により基本構想を策定し、議会の承認、住民の合意を経て、内閣総理大臣の認定を受けることが必要です。また、民間や行政が保有する個人情報の収集管理など、詳細が公表されていない状況です。区としては、引き続き、国や他自治体の動向に注視するとともに、有識者等の意見を伺いながら、十分に制度の詳細を見極めて方針を決定していきたいと考えています。  次に、ICTを活用した今後の区の取組についてです。  これからの区のICT推進に当たっては、今般の新型コロナウイルス感染症拡大を教訓として、オンラインによる相談支援など、新しい生活様式を踏まえた区民サービスの利便性の向上や、区職員の在宅勤務、オンライン会議など、業務継続、働き方改革の推進といった新たな観点からの取組が必要となっています。さらに、ICTを活用した区民への情報発信や区政への参加機会の拡充について、デジタルネイティブ世代と言われる、子どもの頃からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代が地域社会の中核になる、次世代を見据えた検討が必要です。その際、個人情報保護はもとより、ICT化の推進によって、区民の中で必要な情報の格差が生じたり、そのために孤立することがないよう、十分な手だても併せて検討する必要があると考えています。  現在、情報化推進計画により、区の情報化の中長期的な方向性を示し、それに基づく事業計画において具体的な取組を進めているところですが、今後、新たな社会を見据え、都市機能の強化という観点も含め、ICTの利活用に関する区の将来ビジョンを事務事業の見直しとともに描いていきたいと考えています。  以上です。 ◎清水 地域行政部長 私からは、マイナンバーカードの促進について御答弁いたします。  マイナンバーカードは、カード表面は公的な顔写真つきの身分証明書として利用でき、カード裏面にはマイナンバーが記載されております。区では、マイナンバーカードにより、住民票の写しや戸籍、印鑑登録、税証明など、証明書コンビニ交付サービスの利用などにお使いいただけるほか、今後、児童手当の電子申請導入検討など、行政サービス拡充の取組を進めています。  一方、国においては、今年度、マイナポイント付与、マイナンバーカードの健康保険証利用が予定されています。こうした国の動きを注視し、区においてもマイナンバーカードの利便性活用について検討してまいります。今後も、引き続き、マイナンバーカードの利便性や申請方法のPRを進めるとともに、専用窓口、臨時窓口の活用により交付促進に努めてまいります。  以上です。 ◆三十六番(ひえしま進 議員) 区長は、私の質問に全く答えていないんですけれども、全ての問題は、六月一日の区長のツイッターなんです。まずは、今答弁にもありましたけれども、PCR検査の話って本当は二つあるんですよ。  一つは、区内の拠点、ここが閉鎖せざるを得なくなって、PCR検査を別途やらなきゃいけなくなったわけですね。この話が、区長がさっきから言っている八日からどうしたこうしたという話なんですよ。  それと、世田谷区医師会が言ってきたPCR検査の話とは別なんです。これは、十三日にようやくスタートしたんですよ。だけど、六月一日の区長のツイッターでは、これを一緒くたにして、私はもう、四月七日の会議の後の翌日の八日にはPCR検査センター、拡大していますと言っているんですよ。もうこれは区民に誤解を与えているんです。  こういう情報発信の仕方のどこが効果的なんですか。これは真面目に考えてもらわないと困りますよ。多くの区民は怒っていますから。この不明瞭な情報発信をしたことを、区民と関係者に対して反省の弁を述べるべきだと思いますよ。これは明確に答弁してください。区長に求めます。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ひえしま議員にお答えします。  六月一日、またツイッターが出てきましたけれども、言っていることは、何らおかしなことではございません。先ほど順を追って、よく聞いてくださいね。四月七日に医療の会議があった。四月八日に検査センターが動き出した。その検査センターに、世田谷区医師会の方々が見に来て、そこをお手伝いしたいと、こういう話なんです。ですから、連続線上で、同じ場所で、つながっているわけです。そこにCTの機械もあるわけです。  世田谷区医師会としては、早く保険診療に切り替えられないかということはおっしゃっていました。ただ、議員がおっしゃるように、電話をしてもつながらなかったり、検査が受けられないことが二度とあってはいけないということですから、八日から始めたPCR検査センターに、十四日、同じ場所に世田谷区のPCR検査センターのその検査と、もう一つの部屋で医師会の医師による、これはだから行政検体をお手伝いしていただいたわけです。  その検査が回り出して、数も増えたわけです。なので、検査を受けられるようになって、四月の下旬には、検査で滞る、大変希望者が多くて待ってくださいという状況はなくなったわけです。ですから、医師会に、私は、週二回から三回連絡をしてお話ししていますので、もう一度、誤解があるとすれば、あるいは区のほうで、医師会からすればここが何とかならなかったのかという点はあるのかもしれません。これはよく聞いておきます。  ただ、その同じ場所で、現在も、これは保険診療に切り替えて地域外来・検査センター、そして、かかりつけ医の方からも、今度は保健所を通さないで、どうぞ検査に行ったほうがいいですよというと、これを受けていますから、間口は広がったわけでございます。  ですから、六月一日のツイートは、ひえしま議員がちょっと誤解をされたのかなと思いますので、これは説明を所管から尽くしてもらいます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 再質問にお答えいたします。  ただいま区長から申し上げましたとおり、四月七日の連絡会で医師会からのお申出がありまして、八日から区のほうの行政検体(「区のほうでしょう」と呼ぶ者あり)はい。区のほうの行政検体を採るPCRの検査拠点を立ち上げまして、そこで検体を採り始めまして、その時点から、今までよりもたくさんPCR検査を実施することができるようになりました。  そこの拠点のところに、医師会から御協力をいただきまして、十三日の日に医師会の先生方が見学にいらっしゃいまして、どのようにして検体を採っているかですとか、あるいは動線を重ならないようにということで、確認にいらっしゃいまして、十四日から、実際に世田谷区医師会の先生方が複数人お見えになりまして、区の行政検体と並行して採っていただいておりますので、四月末までの検査が、先ほど区長も申し上げましたように七百八十件ということで、保健所だけが採っておりましたときの三倍の検査数が、保健所プラス世田谷区医師会の協力で採れるようになったということで、お待ちいただく日にちがなく、相談いただいたら当日または翌日に検査できる体制になったということでございます。  以上でございます。(「違うだろう」「誤解していたと」「誤解していたと言ったんだろう、誤解したと。区長は、議員を侮辱していることになるぞ。議員が誤解したと言ったんだぞ、公の席で」「議事進行」「議事進行」「そのことについて答えろよ。本当にこの議員が誤解しているのかというふうに答えろよ」「議事進行」「おかしいよ」「おかしいだろう」と呼ぶ者あり) ◆三十六番(ひえしま進 議員) もう、繰り返しなんですけれども、これは私の誤解ということなんですね、これ。区長、大問題にしますよ、これ。もう一回ちょっと言ってくださいよ。私の誤解なんですね。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 例えば、医療関係者の会議を開いていないのに開いた、検査をやっていないのに検査はやっている、検査の拠点が全然変わらないのに幾つもあったと。これは虚偽事実になってしまいますね。  私が今、ひえしま議員に当初述べたのは、全部事実ベースです。本当の話です。ですから、これを誤解を与えるというふうにおっしゃいましたので、それは、私の言っているのは事実なので、その理由をきちんと述べました。  いわば、その四月八日から始まった検査センター、それを見て、そこにジョインする、参加する形で世田谷区医師会の皆さんが、そこでPCR検査センターに加わった。ここまではいいですよね。ここまでは何の問題点もないと思います。  ただ、私、申し上げているのは、保険診療についての申出については、医師会の皆さんの言い分があって、そうブログ等に書かれているということで、それについては直接聞いて、確かめてみたいと申し上げました。  ただ、区民を、まさに誤解を与えて、治療や検査を欲している方を、虚偽のことを言うことによって惑わす、こういうことは一切ないということでございます。 ○和田ひでとし 議長 以上でひえしま進議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十四番藤井まな議員。    〔三十四番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(藤井まな 議員) 災害対策についてお伺いをいたします。  先日の災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会では、新たな風水害時の避難所について報告がありました。昨年の台風被害の教訓と新型コロナウイルス対応を踏まえた避難所計画には、一定の評価をいたします。今回の計画の中では、新たに都の駒沢公園や成城大学、日本大学など、民間の施設を避難所として活用するなど、新しい連携が求められています。新型コロナに関連して、集団で集まることができない状況が続いておりますが、検証し、問題点の洗い出しを行うことは重要です。区民への周知徹底はもちろんのこと、密にならない運営訓練や図上訓練など、できる限りの措置を行う必要があると考えますが、区の考え方をお伺いいたします。  先ほど新たな民間避難所に触れましたが、風水害と地震災害時の民間避難所への必要な物品の備蓄や、支援物資の配布などの計画が整っていません。区は、そういった必要性を感じないのか、お伺いをいたします。  また、新たな民間の避難所、さらには、震災時の帰宅困難者支援施設には、ポータブル蓄電池などの配備が必要と考えます。帰宅困難者支援施設の中で唯一の民間施設である世田谷郵便局に関しては、私が協定の有効期限が切れていることを指摘するまで、区は失効を放置し続けました。この問題については、早急に協定の再更新を行い、同じようなことが起きないようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。  災害対策の最後に、区内の宿泊施設との協定の必要性を感じ、提言をいたします。災害時の新型コロナ対策として、自宅療養者には、都が用意した宿泊施設に誘導することが決められています。しかし、世田谷区独自に区内の宿泊施設などとの意見交換などは行われていません。新型コロナ対策にかかわらず、水害や地震対策において、協力体制を構築していくことが必要ではないかと考えますが、区の考え方はいかがでしょうか。  次に、児童相談所に関して質問いたします。  世田谷区に児童相談所が移管されて二か月がたちました。先日の福祉保健常任委員会では、児童相談所の現状の報告がありました。都から引き継いだ案件七百十二件、うち二百六十件が虐待案件、新たな通告が百八十九件であり、既に児相の職員が各家庭の訪問を実行に移しているということは、実際に回ってきたという方からのお話で伺いました。コロナ騒動の影響など、今後の調査研究は大きな課題になると思います。  東京都時代の見回りは、虐待案件もそうでない案件も、強引で上から目線の見回りがあったとの声を何件か聞いたことがあります。もちろん都から学ぶことは重要で、継承せねばなりません。確かに、虐待案件ではない、例えば困窮家庭や独り親家庭なども虐待が起きてしまう可能性がありますから、厳しくすることは理解できないことではないです。しかし、虐待が起こる状況というのは、世間からの疎外感や抑圧的な状況ということが多く報告されています。都のやり方を全て受け継ぐのではなく、それぞれの案件にそれぞれの対応という難しいスキルを要求することになりますが、世田谷区独自の、状況に応じたきめ細やかな対応というものを追求し、信頼関係の構築を目指してほしいと思いますが、児童相談所の考え方をお伺いいたします。  さて、国内の児童相談所では、担当一人当たり百人抱えるところもあるという話は有名な話です。世田谷区ではまだそこまでの状況ではありませんが、専門性が求められる児相にとって、業務過多は大きな問題です。案件がより多くなり、比較的リスクが低いと判断され、見過ごされるという案件が起こることのないように、今のうちから業務効率を向上させる取組が必要ではないでしょうか。  東京都から受け継いだデータや、これから世田谷区が担う仕事でのデータを蓄積させ、データ分析に基づくリスク判定など、そういったことを担うAIの導入により、虐待を見過ごさない体制の構築を目指すべきと考えます。国内では三重県で実証実験が始まっており、虐待記録約六千件をデジタル化し、AIに学習させ、リスク判定をさせる内容で、ネグレクトを除く三つの虐待、すなわち、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待の三分類に対応できると公表されています。児相が始まったばかりの世田谷区だからこそ、システム構築などの取組が導入しやすいと考えます。最終判断はもちろん職員が行うことになりますが、力強くサポートする可能性を秘めています。AI導入を提言いたしますが、児童相談所の考え方をお伺いいたします。  駒沢大学駅周辺のまちづくりについて質問いたします。  法務局で確認すると、駒沢大学駅西口周辺の土地を東急電鉄が購入していることが分かります。近隣の状況を考えると、さらに土地の購入をすることも考えられます。駒沢大学駅は、西口が最も利用客が多い出口で、歩道が狭く、段差もあり、車椅子の方やつえを日常で使う方々にとっては利用しにくい出口であり、東口に回るにも、人と自転車の通行量が多い交差点などを通行せねばなりません。仮に西口に新しい構造物を造る際には、バリアフリーの観点を重視し、エレベーターの設置などを検討するように東急に促すべきではないかと考えますが、区はどのように考えるかお伺いいたします。  また、西口出口横の私道は通行量が多く、道路状態はとても悪く、改善してほしいという声を聞きます。西口周辺が開発を迎えることがあれば、そういった機会を逃すことなく私道の整備を促し、地域の利便性向上を図るべきと考えますが、区の考え方はいかがでしょうか。  新型コロナウイルスを教訓に進めていくべき政策についてお伺いをいたします。  まず初めに、持続化給付金関連で一つ質問をいたします。  私の感覚では、最も多い相談がこの持続化給付金です。持続化給付金の申請は、ネットのみ受付可能ということで、スマホやパソコンを持っていなく、ネット環境がない方には申請ができません。五月の上旬には相談の御連絡をいただき、伺ってみたところ、ネット環境がなく、泣く泣くしばらくお待ちくださいとお話しして文句を言われたり、中旬あたりからは、都内に幾つかの申請所が開所し、そちらのほうを御案内するも、遠いと苦情をいただくといった状況でした。  経済産業省は、全ての自治体に一か所ないし二か所の申請会場を設置すると約束していましたが、世田谷会場が設置されたのは、持続化給付金の申請が始まってから一か月以上たった六月四日です。今話題になっている委託事業者に取材をしたところ、世田谷会場は盛況で、予約で埋まっていますとの回答をもらいました。九十万区民を抱え、それだけの需要がありながら、なぜここまで申請会場の設置が遅れたのかを尋ねたところ、当初世田谷区と東京商工会議所に会場の打診を行ったが、色よい返事をもらうことができず、仕方なく民間の不動産会社をしらみ潰しに当たってみたところ、今回の会場に行き着いたとの回答でした。これらの話は事実なのか、お伺いをいたします。  さて、同じように多くの相談を受けたのは融資の話です。産業振興公社の窓口がパンクしてしまい、電話もつながらない状況が続いて、多くの方がすぐにでも融資が受けたい状況であったにもかかわらず、後手に回ってしまったことは残念であり、教訓としなければいけないことですが、区内の信用金庫などに協力を求め、徐々にその協力店が増えていったことは、初動に失敗しながらも挽回した点で大きく評価をいたします。ただ、これらの融資に関して網から漏れてしまった方々がおられ、そこは教訓として対策を講じていかなければなりません。  私は、これまで医療的ケア児の環境整備について繰り返し質問してまいりました。その中で、放課後デイサービスが大変重要だと発言をしてまいりました。そんな放課後デイサービスを一般社団法人で行っている方からの相談で伺ったのは、融資が受けられないというお話でした。利子が必要ない、信用保証料も必要ないせっかくの融資を一般社団法人は受けることができないのです。  二〇〇六年の法改正以降、国内には多くの一般社団法人が設立され、様々な分野でその団体にしかできない業務を担っています。非営利であり、税制の優遇も受けていますが、先ほど申したとおり、利用者がいなくなれば法人として危機を迎える団体も多くあります。そういった団体にこそ融資を行って助けなければならないはずですが、融資の枠の中には一般社団法人という文字は見えません。これらの現状を変えていく必要があるのではないでしょうか。区の考え方をお伺いいたします。  最後に、地方創生臨時交付金から思ったことを質問する予定でありましたが、本日の午前中、他会派から質問がございましたので、これらの質問は割愛をさせていただきます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎菅井 危機管理部長 私からは、災害対策について四点御答弁申し上げます。  最初に、新たな風水害の避難所の運用訓練等についてです。  区は、今般、風水害対策総点検を実施し、新たに風水害時の避難所の開設及び運営体制について取りまとめ、お示ししたところです。水害時避難所の開設、運営に当たりましては、区が責任を持ち、地域住民の皆様とともに運営を行うことなどとしており、まずは地元町会長の皆様へ新たな風水害時の避難所についてお知らせしたところです。今後、各総合支所と連携して、地域の風水害時の避難所ごとに運営マニュアルの整備を先に進めるとともに、風水害時における避難所の開設、運営が円滑、適切に行えるよう運営訓練の方策などについてもあわせて検討してまいります。  続きまして、民間施設の予備避難所への区備蓄物品の配備等につきまして御答弁申し上げます。  震災時に民間施設などの予備避難所へ配備、配布する区備蓄物品につきましては、広域用防災倉庫などで備蓄し、災害発生時には、地域防災計画に基づきまして、広域用防災倉庫などから搬送して配備等を行うこととなっております。一方、風水害時には、六つの予備避難所を水害時避難所として開設し、各総合支所が、避難所開設の際に広域用防災倉庫などから区備蓄物品を搬送して配備等を行うこととしております。また、議員お話しのポータブル蓄電池につきましては、指定避難所となる区立小中学校へ本年八月頃配備を予定しておりますが、予備避難所における活用につきましては、他自治体の事例なども参考に、各総合支所とも連携し、検討してまいります。  続きまして、民間施設の避難所としての活用についてです。  区では、災害時の避難所として、区立小中学校の指定避難所九十二か所、予備避難所四十二か所を指定しており、予備避難所のうち教育施設などが四十か所、民間施設はスポーツクラブの二か所がございます。現状では、避難所における新型コロナウイルス感染症対策として、御家族ごとに避難スペースを確保し、他の避難者と最低一メートルの間隔を空けた場合でも、指定避難所と予備避難所の全てを活用することで、災害時に想定している避難者数約十六万人を収容可能であると試算してございます。  しかしながら、災害発生時に安全上使用できない施設があることも想定できることから、お話の宿泊施設なども含めた民間事業者などと協定を締結し、予備避難所として活用することができるかなどについて検討してまいります。  最後に、郵便局との協定についてでございます。  区と世田谷郵便局は、平成二十九年四月二十一日付で災害発生時の区と区内郵便局の協力や帰宅困難者支援に関する協定を締結しております。議員のお話を受け、本年三月末に当該協定の有効期間について危機管理室と協定担当所管において確認したところ、有効期間の更新手続がなされていないことが判明いたしました。直ちに協定担当所管が世田谷郵便局と協議を行い、引き続き協力関係が継続していること、及び、協定の更新について合意した上で、現在、手続を早急に進めております。  区では、今回の事案を重く受け止めるとともに、再発防止に向け、本年四月八日付で各部に対しまして、毎年実施している協力協定団体の連絡先の確認に加え、協定の有効期間や協定に基づく団体からの報告等が実施されているかなど、併せて点検を行ったところでございます。今後も、災害時に協定に基づく協力が有効に実施されるよう、協定内容の点検、見直しを徹底してまいります。  以上でございます。 ◎土橋 児童相談所長 私からは、児童相談所について、相談種別に応じた適切な保護者対応について御答弁申し上げます。  区の児童相談所は、東京都の相談援助活動をそのまま踏襲するのではなく、子どもの最善の利益の実現の立場から、相談、助言、問題解決に当たっていくこととし、地域との顔の見える関係を最大限に活用し、区民に最も身近な基礎自治体ならではの児童相談行政を目指して、職員一丸となって業務に取り組んでおります。  児童相談所で受ける相談は様々であり、虐待相談など、子どもの権利を守るために、時に保護者に対して毅然と対応する必要があります。その一方、議員御指摘のとおり、相談の内容や、それまでの経過、種別等に応じた円滑な相談援助活動を展開するためには、保護者に対して、問題の指摘や非難をするのではなく、保護者との信頼関係を構築し、問題の解決や改善に向けて一緒に考える姿勢が重要です。こうしたことを踏まえて、まずは職員一人一人が傾聴と共感を持って対応するよう心がけることを基本とし、その徹底を図り、適切な対応ができるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、児童相談所業務におけますAI導入の検討について御答弁いたします。  医療分野では、過去のデータから導き出されるリスク予測をエビデンスとして、患者にとって最善の治療方針などを決定する手法が取り入れられてございます。児童虐待対応に当たりましても、データに基づくリスク予測の活用が期待されており、予測に用いるAIの開発研究が世界各国で行われてございます。  国内においてですが、本年四月から三重県でAI導入の実証実験が行われており、一時保護の必要性や虐待の再発可能性のリスク等を数値化し、保護の判断のサポートとするなど、迅速な意思決定や人材育成、知見の継承、業務効率化への効果が期待されてございます。現在、国においても、昨年度から三か年の計画でAIの活用に向けました研究が行われており、区といたしましても、児童相談行政の専門性の維持向上が継続的な課題であることを踏まえ、これらの動向を注視し、今後の導入の可能性を検討することも必要と考えてございます。  以上でございます。 ◎志賀 世田谷総合支所長 私からは、駒沢大学駅西口周辺のまちづくりについて御答弁申し上げます。  駒沢大学駅周辺につきましては、都市整備方針において、区民の日常生活に必要な商業業務機能が集積した地区の交流の場となる地区生活拠点として位置づけられており、国道二四六号沿道や駒沢大学駅周辺に商業業務機能が形成されております。また、駒沢大学駅は、一日の乗降人員が約八万人と多く、朝のピーク時には西口がある国道二四六号の歩道では、人と人とのすれ違いがしづらい場面も見受けられることや、周辺の道路が狭隘であるなど、議員御指摘の課題があることは認識しております。  このような課題を踏まえまして、道路などの都市基盤の改善、周辺建物や駅機能の更新などの機会を捉えまして、国や事業者などと意見交換を行うなど、連携を図りながら、周辺の住環境が向上するようまちづくりを誘導してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、駒沢大学駅のエレベーター設置について御答弁申し上げます。  東急電鉄は、これまで駅のバリアフリー化に努めており、世田谷区の補助制度の活用や、駅に隣接する民間建築物のエレベーターの活用などにより、現在、区内全ての駅においてバリアフリールートが確保されている状況です。駒沢大学駅におきましては、国道二四六号の南側となる駅東口にエレベーター一基が整備され、バリアフリールートは確保されております。一方で、国道二四六号を挟んだ西口側は、エレベーター等が設置されていないことから、バリアフリールートとして国道二四六号の横断歩道を渡り、東口のエレベーターを利用する必要がございます。  区といたしましても、誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保のため、今後、東急電鉄が駒沢大学駅の大規模な改修などを行う際には、改札階から直接駅西口へ通じるバリアフリールートの確保について要望してまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点答弁いたします。
     まず、制度融資についてです。一般社団法人は、中小企業信用保険法における信用保証対象外のため、これまで区の制度融資を適用できませんでした。他自治体では、国家戦略特区の活用により信用保証を可能としていますが、特区の申請、認定は時間を要します。早急に支援を充実させるために、関係機関への働きかけや他の手法での代替策が可能かどうか、様々な手法を模索し、急ぎ検討してまいります。  次に、サポート会場についてです。当初、中小企業庁より公表された申請サポート会場は、世田谷区内には一か所もなく、区では中小企業庁に対し公共施設を提供するので区内に会場を設置するよう文書により要請しました。なお、この間に中小企業庁から会場を確保してほしいという申入れは一切ありませんでした。  区内事業者の方々にとっては、より利便性の高い立地に申請サポート会場が設置されることが望ましく、改めて中小企業庁へ公共施設の提供と会場の増設の申入れを行います。また、区としても、独自に事業者の経営持続化の相談や各種助成制度の申請手続をサポートする総合的な相談窓口の開設の準備を進めております。  私からは以上です。 ◆三十四番(藤井まな 議員) 先ほど郵便局の協定が切れているお話をさせていただいて、それを全て確認するというお話をしていましたけれども、本当に今ここにいらっしゃる皆さん全てに申し上げたいんです。全ての分野で、いろんなところの協定をいろんな団体とつくっていると思うんです。それが、見直してみたら切れているということが、今回みたいな案件があるかもしれないですから、ぜひとも皆さんもう一度見直しをしていただきたいなということを要望しておきます。  今、田中部長がお話しされた話だと、持続化給付金のサポート会場を、この委託業者に私は取材したんですけれども、世田谷区や商工会議所にサポート会場をお願いしたという話ですが、そういう話が全くなかったというお話でよろしいんですか。確認します。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  先ほど御答弁したとおり、この間に中小企業庁から会場を確保してほしいという申入れは一切ありませんでした。  以上です。 ◆三十四番(藤井まな 議員) 仮に僕、でも、田中部長の話を信用しますね。仮にじゃなくて、もう信用します。信用するんですけど、ということは、その中小企業庁とか委託事業者は、サポート会場を設置したのは、世田谷区に言ったけど冷たい返事で全然できなかったという言い訳に使われているんですよ。これはしっかり中小企業庁とか、あと、今話題の委託事業者とかにそんな話はうそだと抗議したほうがいいですよ。そういうことをしっかりと世田谷区としては意見を言っていただきたいということを最後要望させていただきまして、私の質問を終了いたします。 ○和田ひでとし 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時三十三分休憩    ──────────────────     午後三時四十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは、質問をしてまいります。  ウィズコロナ、アフターコロナの世田谷区の再構築という観点から伺ってまいります。  まず、区財政についてですが、品川区は、新型コロナウイルス対策として総額約百三十五億円で、全ての区民を対象に一人三万円、中学生以下は一人五万円の区独自の給付金支給を行います。一方、世田谷区は、区長が、国の一律十万円給付金ですら、その遅れを政府に責任転嫁するばかりで、独自の対策を講じておりません。また、ふるさと納税による区税への影響は、平成二十一年から現在まで百五十億円超の赤字で、品川区の給付金総額をも超えています。世田谷区の財政調整基金残高は三百二十三億円で、品川区と同じ事業を展開するには足りませんが、区がもう少し実効性のある具体の対策を講じていれば、潤沢な基金の下、安定的な財政運営ができたものと残念に感じております。  各部に副区長名で依命通達が出され、事業の見直しが行われるわけですが、ふるさと納税を放置し、財政的に厳しい事態を招いた区長の責任に区民から厳しい御意見等が私の下にも届けられておりますが、こうした区民の声をどう受け止めるのか。また、財政健全化に向けた対策として、新庁舎計画や税収見込み、基金運用計画を含め、事務方トップである副区長にお聞きいたします。  人口が多く税収総額も多い割には、区民一人当たりの財政支出が少なく、区民満足度も低い世田谷区をどう改善していくのかも課題です。対策を伺います。  また、ふるさと納税で世田谷区の地場産品と総務省基準で認められるものは幾つあるのか、お答えをください。商工会議所と一緒に寄附者に選ばれる商品開発も必要であると考えますが、区の見解を伺います。  次に、行政サービスについてです。  国は、緊急事態宣言に当たり八割の接触削減を要請しておりましたが、世田谷区では、区民へのサービス面や職員の職場環境の面の双方で達成できたのでしょうか。達成の状況をお教えください。  現状の世田谷区の制度設計やシステムで勤務人員数への法的縛りがあるものを除き、テレワークが可能な職場や職種、人数はどれぐらいと算出しているのでしょうか、お答えをください。  正規職員約五千人、非正規職員約四千五百人に関し、感染症対策として機動的にシフトできるよう、あらかじめテレワークの可否を精査しておくことが必要と考えますが、今後の検討を伺います。また、イントラネットと現状のクラウド環境をセキュリティー重視のため、同じシステムで共有していることから、テレワークには適さない世田谷区の情報システムの限界と欠陥があるのではと推察いたします。今後、区民の個人情報を守るイントラネットや内部クラウド環境とは別に、機密情報や個人情報は持ち出せない外部クラウド利用による在宅勤務環境整備の推進が必要と考え、提案いたしますが、区の考えと今後の取組についてお聞かせください。  また、AIサーモグラフィーカメラで体温チェックによる感染予防とAI顔認証システムによる職員の出退勤管理の導入も検討すべきと考えますが、区の見解を求めます。  区の公共施設を利用する区民の接触削減とその対策も求められますが、非接触、非対面型オンライン行政窓口の創設と促進、各種電子申請の推進と電子認証制度の確立などの検討と併せて、全庁での窓口業務数に対するオンライン化の可否の検討も必要です。また、区の契約書を含む契約の仕組み全体のオンライン化と電子化は、多くのメリットが見込まれ、実施を求めるものですが、併せて見解を求めます。  次に、区民生活についてですが、特に保健所に関しては、検査体制、保健所の体制、地域医療体制について、保健所の相談窓口のオンライン化等も含め進めるべきですが、見解を求めます。  その他の各種相談窓口のオンライン化も課題です。この間、社会保険労務士の皆さんへの臨時労働相談窓口件数は五月二十日までで七百四十二件とのことで、オンラインによる相談窓口の創設など、相談業務の拡充を望むものですが、見解を求めます。  また、行政書士、弁護士、税理士など各士業の皆さんの区の相談事業においても、接触対面型からズームなどの活用をしたオンラインによる非接触、非対面による相談に変更すべきと考えますが、見解を求めます。  せたがやコールについては、AIチャット対応に加え、オンラインテレビ電話での対面サービスの検討など、先進事例を参考にした取組を求めるものですが、見解を求めます。  災害対策では、避難所の感染症対策として衛生物資確保の検討とともに、避難所運営組織に新型コロナウイルスや今後発生する新種のウイルスを含めた感染症の知識習得による適切な運営に取り組む準備をしてもらうため、エンパワーメントについての区の見解を求めます。  福祉分野では、待機児童の定義を国基準とし、カウントし直した結果、待機児童ゼロになったとのことですが、待機状態にある児童の保護者からの怒りの声が上がっております。保育園を希望していて実質待機になっている子どもの数と今後の対応についてお聞かせをください。  少子化社会対策大綱が五月二十九日に閣議決定されておりますが、この中で特に不妊治療に係る経済的な負担の軽減、児童手当の支給の在り方の検討、育児休業など男性の育児参画の促進など、これらの世田谷区でもなかなか進まなかった課題解決に向け、どのように取り組むのか、見解を伺います。  次に、教育関連でありますが、BOPや学童クラブの指導員の方から、社会全体が休業要請の中にあるにもかかわらず、感染危機に直面しながら勤務している現状や、そこに預かっている子どもたちに関して、同じ危険に直面している現状について様々な御相談がありました。世田谷区は、肝心の学校や教員が責任を持って医療現場や介護、物流といった職場で働くキーワーカーの子どもたちや、支援が必要な子どもを受け入れるべきではないかといった疑問や、休校になっても今般のように七日間だけ弁当を配食サービスで特殊な事情の子どもに限定して配送するだけでなく、希望する全ての児童生徒に全期間学校で配付することもできるのではないかというものです。こうした声に対する回答と、今後の検討を求めます。  また、図書館ですけれども、区立図書館や学校図書館での電子図書の貸し出しの検討も必要かと考えます。この点についても見解を求めます。  文科省が提唱する新型コロナ感染対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合パッケージでは、あらゆる手段で子どもたち誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障するとしていますが、世田谷区の学校では、児童が自主的に学ぶために学校の図書館や教室を自習で使いたいと言っても許可すらしておりません。国での政策が、言葉だけが踊って現場の自治体では子どもたちのやる気をそぐような現状をどう考えるのか、改善を求めますが、教育長の見解を求めます。  最後に、五月二十七日に国会で成立したスーパーシティ構想実現に向けた国家戦略特区法についてです。  スーパーシティ法は、自動運転やAIバス運行、ドローンを活用した物流の整備など、革新的技術を取り入れた都市基盤整備を実現しようと、全国五か所の都市を特区指定し、国が取り組む事業です。世田谷区もモデル実施指定都市としての指定獲得を目指して手を挙げるべきと考えますが、区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、ふるさと納税、新庁舎計画、税収見込み、基金運用計画について、順次お答えします。  まず、ふるさと納税の関係でございますけれども、累計で約百五十億円というこの間の世田谷区のふるさと納税による税源流出額については、大変深刻に受け止めております。区としましては、引き続き、あらゆる工夫をして流出抑制策を講じていくことが重要であると考えております。  次に、税収見込みの関係でございますけれども、今般の新型コロナウイルスの影響は数年続くとも言われており、コロナ前の水準への回復は見込めないことを前提として考えていこうと考えております。  次に、それに係ります基金運用計画でございますけれども、今後の基金の活用計画につきましては、八月に改めましてお示ししてまいりますけれども、真に必要なサービス等を維持するための基金活用は必要である一方で、アフターコロナを見据えた持続可能な財政運営にも留意して考えていきたいと思っております。  なお、新庁舎整備の関係でございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、今般の新型コロナの感染対策面と財政面の両面で検討し、改めてお示ししたいと、このように考えております。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、コロナ禍における学びの保障について御答弁いたします。  今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止のための学校休業については、教育委員会としても、これまでに経験のない事態への対応を行うこととなりました。長期にわたり学校を休業としましたが、子どもたちの安全を確保することを大前提とし、その中でも、児童生徒の学びへの意欲をしっかりと受け止めることが重要であると認識しております。学校が再度の休業となった場合は、今回の経験を踏まえ、児童生徒の意欲に応えられる仕組みづくりや、学校施設機能の活用の在り方など、庁内の関係部署とも連携して検討してまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、七点について順次お答えいたします。  まず、区民満足度も低い世田谷区をどう改善していくのかという点です。  区は、これまでも議会での御議論や区民意識調査、区民の声など、区民からいただいた御意見を基に区政の改善に努めてまいりました。ここ当面、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急対策として、区民の命と健康を守るため、感染拡大防止対策、区民の生活と事業活動を支える対策、子どもの育ちと学びを支える対策の三つを柱に、庁内一丸となって取り組んでまいります。これから迎える厳しい社会経済環境の中で、各事業を従来どおり継続することを前提とせず、施策、事業の在り方をどう変えていくべきか、本質的な見直しを検討し、多くの区民の方々に理解や御満足いただける施策の展開に努めてまいります。  次に、ふるさと納税の返礼品についてです。  お話しの返礼品について、総務省は、区域内において生産や主要な加工がされていることなどの地場産品基準を示しており、区ではこれを踏まえ、寄附へのお礼の気持ちを表す記念品として、障害者施設の自主生産品五種類や、世田谷みやげ三十八種類を扱っています。今後、返礼品競争とは一線を画する形で、区の魅力をPRし、かつ寄附に対する気持ちを表せるような記念品の工夫、開発についても、関連部署と連携して検討いたします。  次に、スーパーシティ法についてです。  スーパーシティ構想は、自動運転やキャッシュレス決済、医療データのICT活用による健康寿命の延伸など、生活全般にわたり、未来社会での生活を先行して実現する都市構想です。国は、秋までに自治体の募集を開始し、年内の決定を目指すと報道されています。一方で、本構想の実現に向けた行政や民間が保有する住民の様々な情報の収集管理について、詳細が示されていない状況です。スーパーシティ構想の目指す未来都市の姿は、区の将来像を考えていく上で参考となるものです。引き続き、国や他自治体の動向に注視するとともに、有識者等の意見を伺いながら、十分に制度の詳細を見極めて方針を決めていきたいと考えています。  次に、在宅勤務の環境整備についてです。  区の情報システムは、住民情報や機密情報を取り扱うシステムとインターネットとを完全分離した厳密な情報管理を実施してきました。そのため、民間企業のようなインターネットやクラウドサービスを活用したテレワークができない業務が多いのが現状です。  この間、区では、セキュアな閉域網を利用したモバイル端末を用いたモバイルワークの試行運用を行ってきました。今回のコロナ禍に対する在宅勤務における端末としても利用しておりますが、現時点においては、端末数及び回線数に限りがあるため、一部の限定的な利用にとどまっているという課題がございます。また、個人情報や機密情報を取り扱わずに作業が可能な業務においては、ワンドライブなどのストレージサービス活用や、ズームを用いた遠隔間でのウェブ会議など、在宅勤務に有用なクラウドサービスの段階的な導入を行っているところです。  今後、各所管で進められている在宅勤務可能な業務の洗い出しや運用面の整理と連携しながら、中長期的な観点で最新技術や他自治体の動向の情報収集を図り、在宅勤務に適切なICTの在り方を検討してまいります。  次に、窓口申請のインターネット化についてです。  現在、区では、都内の都区市町村の五十九団体と共同し、電子申請システムを運営しています。イベントの申込みや職員募集などの手続を行っております。また、施設予約でのけやきネットシステムや粗大ごみ受付システムによるオンライン受付、住民票等のコンビニ交付など、窓口への来庁を不要とする仕組みを整備してきました。今後とも、区民にとって分かりやすく利便性が高い申請手続を目指し、インターネットによる電子申請手続の拡充に加え、申請方法の統廃合を含めた非接触型の区民サービスについて、検討をしてまいります。  続きまして、せたがやコールについてです。  せたがやコールは、現在、電話、ファクス、メールでの対応をしております。御提案のオンラインテレビ電話対応やAIチャット対応につきまして、先進自治体の取組事例を参考に検討してまいりたいと考えております。  次に、各種相談窓口のインターネット化についてです。  区では、行政書士や弁護士、税理士などによる様々な相談窓口がございます。現在、感染症拡大防止のため、対面での相談を中止し、電話相談のみを行っております。相談を御利用になる方には、インターネット環境が整わない方も想定されることから、現在、リモート相談対応はしておりませんが、今後、感染症拡大防止対策を前提とした、区民の方が相談しやすい環境を検討してまいります。  以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、初めに、国の八割接触削減要請に対する区の状況について、三点に併せて御答弁いたします。  区では、国の緊急事態宣言発出後の四月九日に、職員の通勤時等における接触機会の低減や職場における感染拡大を防止するため、各部長に対し、職務の内容等を精査し、区民サービスに影響のない範囲で積極的に在宅勤務や週休日の振替、時差出勤などに取り組むよう要請いたしました。あわせて、緊急を要しない会議、出張の中止や延期のほか、電話、メール、オンライン会議など、開催方法を工夫することで接触削減に取り組んできたところでございます。  接触削減割合の算出は困難ですが、要請後の四月十日から三十日までの間、平日における職員の出勤は全体でおおむね二五%程度抑制されました。テレワークが可能な業務や人数、導入の可否などについては、今回実施した在宅勤務の取組の検証及びモバイル環境の整備状況などを勘案しながら、今後検討してまいります。  次に、サーモグラフィーカメラでの体温チェックや感染予防とAI顔認証システムによる職員の出退勤管理の導入について御答弁いたします。  新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、職員に対し、毎日の体温測定と体調が悪い場合の外出自粛の徹底について、繰り返し注意喚起を行ってまいりました。御提案の手法も有効な手段であり、今後の検討課題と考えますが、出勤に公共交通機関を使用する職員も多いことから、体調が悪い場合には外出そのものを自粛することが最優先であり、今後も、体温測定などの健康管理を呼びかけてまいります。  顔認証システムについては、経費や運用上の課題もございます。今後、新庁舎に向けた検討もございますので、その中で参考とさせていただきます。  以上でございます。 ◎小湊 財務部長 私からは、区の契約の仕組み全体のオンライン化、電子化についてお答えを申し上げます。  区の契約につきましては、現在、入札の手続が都内五十八市区町村の共同運営により電子化されておりますが、契約書の作成は、入札によらない契約も含め、紙による対応となっております。契約書を含む契約の仕組み全体の電子化につきましては、迅速化、省スペース化や契約相手方の印紙税の削減、来庁機会の削減などのメリットが想定されます。  一方、電子化に当たりましては、共同運営システムの機能拡大に向けた都内市区町村との協議などが必要となります。このため、本年度中に電子契約の本格導入を予定している国土交通省での運用状況などを参考に、研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、避難所運営組織への感染症対策の周知や知識の取得などについて御答弁申し上げます。  避難所における新型コロナウイルスなどの感染症対策について、町会・自治会をはじめとする避難所運営組織の皆様に十分に理解をしていただくことは大変重要であると認識しております。区は、今般取りまとめた風水害時の避難所における新型コロナウイルス感染症への緊急対応方針に基づき、現在、避難所ごとに作成している避難所運営マニュアルと併せて活用できるよう、感染防止対策等をまとめた留意事項を早急に作成する予定でございます。  今後、より円滑で適切な避難所運営を実践していくために、各総合支所を通じまして、各避難所運営委員会などで周知を行っていくとともに、留意事項を踏まえた各避難所における、より具体的な対策の点検と検討をしていただくことで、避難所運営の実効性の向上を目指してまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、社会保険労務士相談について答弁いたします。  三月から感染拡大防止のため、電話での社会保険労務士相談を開始いたしました。御提案のインターネットによる相談窓口については、産業振興公社社会保険労務士会と協議の上、検討を進めてまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  一点目、検査体制についてでございます。  区内におけるPCR検査につきましては、帰国者・接触者外来や保健所での検体採取のほか、世田谷区医師会が運営する地域外来・検査センターと玉川医師会が行うドライブスルー方式による検査センターがございます。区内医療機関、両医師会、世田谷保健所と、検査体制が整ってきている中で、医療関係者への人材確保やN95マスク、防護服等の医療消耗品の供給が課題であり、東京都への物品類の補充の要望や看護師、技師などの人材確保に向けた調整を引き続き実施しまして、オンラインでの速やかな情報収集についても検討してまいります。  二点目、地域医療体制についてお答えいたします。  区では、現在、新型コロナウイルス感染者の治療に当たっている区内病院との定期的な情報交換を行っており、感染者用の病床確保による病院経営上の苦境や、防護服等の医療物品の不足の懸念など、切実な声をいただいております。こちらの情報交換会につきましては、オンラインでの情報交換を検討してまいりましたが、セキュリティー面での課題があるということが判明してございます。区といたしましては、地域の医療体制を維持するため、感染の第二波を見据えた感染者の受入れ体制等の維持とさらなる拡充が重要と考えておりまして、区における支援策としまして、病床確保に向けた病院経営支援に着手してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは二点に、まず保健所体制についてお答えいたします。
     保健所では、現在、電話相談と法に基づく陽性患者、濃厚接触者の対応や、疫学調査等の防疫業務を実施しております。いずれの対応も、保健所職員に加え、電話相談は委託による人材派遣と総合支所等からの応援職員、防疫業務は総合支所からの応援職員により対応しており、第二波、第三波に向けて、民間活力も含め各方面からの適切な人員確保に努め、体制を整備した上で対応に当たってまいります。  次に、保健所相談窓口のオンライン化です。  保健所の帰国者・接触者相談は、保健師、看護師の専門職が区民の症状を丁寧に聞き取り、検査が必要となった場合、速やかに検査につなげることを目的として、開設当初より電話で受付を行っております。インターネット等、オンラインを活用した相談は、離れた場所で相談できる一方、自宅の様子が見えたり、健康に関する情報をインターネット上でやり取りするなど、個人情報保護上の課題がございます。保健所といたしましては、第一波の状況も踏まえ、区民が利用しやすい相談体制の構築に取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎知久 保育部長 私からは、保育待機児と今後の対応について答弁いたします。  区は、昨年度の約八百人の定員拡大や育児休業延長希望者への入園選考の見直し等により、令和二年四月一日の保育待機児童はゼロとなりました。一方、育児休業延長希望者の潜在ニーズや、半径二キロ圏内に保育施設の欠員があることで、保育待機児童数から除外した四百七十四人の方々への対応など、まだまだ多くの課題があるものと認識しております。  区では、今年度、約五百六十人分の施設整備を予定するとともに、入園申込者数が増えている一歳児定員の確保策として、認証保育所のゼロ歳児定員を一歳児へ振り替える取組などを通じ、待機児童ゼロの継続を目指してまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 学校休業時の子どもの受入れについて御答弁いたします。  今回の学校休業に際し、子どもの居場所提供の所管部署からの協力要請に応じる形で、学校の体育館や学校図書館の提供、教員、非常勤職員による応援を行ってまいりました。今後、感染症の第二波、第三波も想定しなければならない中、子どもの居場所や受入れの在り方については、オール世田谷区として早急に検討されるべき課題であると考えており、さらなる協力について積極的に協力してまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、臨時休業期間中の食の支援について御答弁申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の発生により、学校の臨時休業や緊急事態宣言に基づく様々な措置が各家庭に与えた影響は大変大きなものであると考えております。今後、感染症の第二波、第三波の発生により臨時休業が必要となった場合の子どもへの食の支援につきましては、学校の給食施設を活用した持ち帰り形式などによる希望者への食事の提供等も含め、関係所管と連携の上、どのような対応が望ましいのか、引き続き検討してまいります。  以上です。 ◎林 生涯学習部長 私からは、電子書籍の貸し出しについて御答弁申し上げます。  電子図書館につきましては、利用者の利便性も高く、図書館サービスの一つとして今後需要が高まる可能性があると認識しております。一方、現状では、著作権の関係で魅力あるコンテンツが少ないなど、様々な課題がございますか、今般の新型コロナウイルス対策のため、電子図書館サービスの在り方を検討する必要があると認識しております。  教育委員会といたしましては、他自治体の事例等も参考にしながら、電子図書館サービスの活用の可能性について、学校との連携を含め、検討してまいります。  以上です。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、国の少子化対策大綱を踏まえました区の取組について御答弁いたします。  区では、平成十五年の少子化社会対策基本法、平成十六年の少子化社会対策大綱などを踏まえ、様々な子ども・子育て施策を実施し、本年四月からの子ども計画第二期後期計画でも安心して子どもを産み育て、子育てに夢や喜びを感じることができる地域社会の実現を目指し、取り組んでいるところでございます。今後、国は、安定財源の確保を含め、幅広く検討を進めるとしており、動向を注視しつつ、区の政策につきましては、子ども・子育て会議などで議論をしてまいります。  以上です。 ◆十番(あべ力也 議員) 区長に二点お伺いいたしますけれども、まず、今日の産経新聞でも取り上げておりますけれども、過去六度にわたり待機児童数が全国最多だった世田谷区が一転してゼロ達成を発表したわけでありますけれども、国の定義に沿って集計方法を見直した結果であって、潜在的な待機児童は七十九人増の四百七十四人という現実は変えようがありません。待機児童を抱える保護者からは怒りの声が寄せられております。  原因の一つでもある保育園の偏在解消に向け、さらなる計画的な保育園の整備による実質的な待機児童ゼロを目指していただきたいと考えますが、空き定員が七百三十九人分あるということは、保育事業者の計画的な経営にもダメージを与えるものでありますので、多面的な対策を駆使して、利用者と事業者、双方の声をしっかりかなえていただきたいと思いますが、区長、どう考えるか、伺いたいと思います。  それとあわせて、財政調整基金は三百二十三億円あるわけですけれども、世田谷区としては、この基金の使い道について明確にされておらないんですけれども、この点についても区長の見解を伺っておきたいと思っています。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えをいたします。  国基準で待機児童ゼロということに到達をしたという発表をしたわけでございます。今おっしゃった七十九人増の四百七十四人ということについて、二キロ圏内に入れる保育園があるんだけれども行かれていない方と、これは従前からそのカウントについては採用してきているわけで、今回はいわゆる育児休業について、その入り口のところでお尋ねをして、その部分を待機児童数から引いたことがゼロということになったということだと思います。  そういう意味では、議員おっしゃったように、我々も待機児童ゼロで、もうこれで終わりますと言うつもりはさらさらありません。まさにミスマッチで、空きもかなりある。そして、意外なことにゼロ歳が空いてきている、一歳が立て込んでいるということですから、認証保育所などは非常に、そのゼロ歳のところが空いているというのは、経営にかなり影響があるんですね。なので、ゼロ歳を一歳に転換して、経営上もゼロ歳同様支援をするということで、このミスマッチを早期に是正して、本当に待機児童を、入りたいと思った保育園に入れない人がいなくなる世田谷区を目指して、努力を重ねたいと思います。  もう一つ、財政調整基金についてのお話でございますけれども、今日の状況が来月にどうなっているのか、我々は分からないわけです。一桁がゼロになり、しばらく北九州市もゼロが二十日ぐらいありましたけれども、また再燃をしてくる。また、季節的に秋冬ということは言われています。一方で、薬の効果的な活用とか、あるいは検査手法のさらなる拡大、PCR検査とか、あるいは抗体検査、抗原検査など、発達するかもしれないというところで、まだ八月というふうに、いろいろ財政の目安を申し上げておりますけれども、この基金の使い方、どのようにしていくのか、あるいは世田谷区はもちろん独自のサービスもしていかなければいけないと思っておりますけれども、そこは慎重に見極めて、遅れを取ることのないように判断していきたいと思います。 ◆十番(あべ力也 議員) お答えを区長からいただきましたけれども、保育はゼロを達成したといっても、実質は達成していないという状況がございますので、これからも取組を、手を緩めることなく、しっかり実質的なゼロに向けて取り組んでいただきたいと要望して、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 質問通告に基づき、日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。  まず、今般の非常事態における区長の区政運営の基本姿勢についてです。  感染拡大、それに伴う区民生活の疲弊から命と暮らしを守るのが政治の役割です。区長は、さきの議会で、区民生活を守ることは、基礎自治体の責務と答弁されました。区は、今後、感染拡大防止、区民生活と事業活動の維持、活性化、子どもの育ちと学びの保障の三つの柱を最優先で取り組んでいくとしています。我が党は、この方向性を支持し、感染拡大防止と経済活動を両立し、区民生活を守るため、区長とともに、また、超党派及び広く区民と力を合わせてまいります。今後、大きな税収減が予測される中、財政運営でも逼迫した区民生活を守り抜くことを根幹に据えていただきたい。財政運営は、国、都からの財源確保と約三百三十億円の財政調整基金や起債活用を基本とすることを求めます。区長の区政運営の基本姿勢について伺います。  次に、当面の対策として、子どもの学びと育ちの保障について二点伺います。  一点目は国民健康保険です。加入者に多い自営業、フリーランスの多くがコロナの影響で経済的被害を被る中、高過ぎる保険料は生活を圧迫します。家計悪化は子どもに影響をもたらし、加入者の負担軽減を図る早急な対応が必要です。区は、この間、自営業、フリーランスも対象の傷病手当を実施、さらに、先般保険料減免実施を示し、積極的対応を評価します。しかし、次年度以降の国の減免補助は未定であり、継続を国にしっかり求めていただきたい。区としては、家計急変から子どもを守るため、来年度の多子世帯の均等割減免実施を求め、伺います。  二点目は就学援助です。従来、その認定は前年度所得で判断しており、それではコロナによる家計急変の世帯は利用ができません。平成十九年、国は各自治体へ、年度途中でも災害などで家計急変の場合、直近の所得で審査するよう通知を発出、今般の事態でも四月に国は同様事務連絡を出しています。区は、この間、家計の経済的負担軽減のため、就学援助基準を独自に生保基準の一・四倍に引き上げるなどなど積極的対策を講じ、これを評価します。家計急変の世帯が就学援助を利用できるよう、早急な対応を求め、伺います  次に、今後の区政運営について二点伺います。  まず、区長の政治姿勢についてです。今般の事態では、区内でも保健所に電話がつながらず、社員寮で孤独死という痛ましい事態も起きました。この根本的要因は、新自由主義のもと、経済効率最優先で、保健所や公立病院など公共サービスの縮小、廃止が行われ、感染症に脆弱な社会、体制がつくられてきたことにあります。今、国政でも、都政でも、コロナ後の社会と政治の在り方が大きく問われています。コロナ禍により、市場原理主義、規制緩和万能、福祉切捨て、また、自己責任の横行では、住民の命と暮らしを守ることができない、その問題が明らかになりました。  区においては、ポストコロナの区政をどうつくっていくのか。今後、大きな歳入減少が見込まれる中、区民サービスカット、負担増、また、公共の役割を放棄、縮小する民営化、民間活用の推進、職員定数削減で減収分を補うのであれば、従来の新自由主義路線と変わりなく、結果として再び区民の命が失われる事態につながると考えます。住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮する区政への転換が求められます。区長の考える本質的見直し及びポストコロナの区政をどう展望するのか、伺います。  二点目は、今後の事務事業などの見直しと財政運営についてです。今後の区政の三つの柱を実現し、歳入減に対する見直しが、逼迫する区民生活に冷水を浴びせるものであってはなりません。新実施計画の行革の十の視点を貫き、区民に信頼される行革の推進は前提です。さらに、区として区民の実態を把握し、暮らし、営業を守り抜く視点を根幹に据えることが必要です。区民生活の影響については慎重な検討と対応を求めます。また、情報公開及び意見反映など、参加と協働を貫く対応を徹底してもらいたい。区民生活を支える財源として、財調基金活用を検討し、今後の財政見通しなどへの反映を求め、併せて見解を伺います。  次に、保健所について二点伺います。  まず、当面の対応です。パンデミックの進行の中、保健所に電話がかからないなどの事態となりました。保健所業務は急迫し、区民の命を守るため、真夜中まで健康観察、入院調整などなど職員の限界を超えた職務が続きました。今議会に保健所の平時からの健康危機管理体制の見直しが報告され、当然の方向です。第二波、第三波に備え、体制強化が必要であり、来年度予算を含め、計画的な人員、予算増を求め、伺います。  二点目は、体制の抜本的強化です。世界的な新興感染症が今後も予測される中、地域の疾病予防と健康保持増進を担う公衆衛生強化は、区の責務です。平成八年、それまでの四保健所と一保健相談所は、感染症対策や食品衛生など対物サービスは保健所へ集約、母子保健など対人サービスは五支所へ再編されました。この間の経過について、保健所関係者からは、五地域での感染症対策が一つに集約され、また、保健師業務も専門化、増大化し、地域感染症対策が弱くなった面もあるなど伺いました。  当区での再編の経過として、保健所法が地域保健法に改定されたことを受け、平成七年に当区では今後の地域保健の在り方を検討する地域保健サービスあり方検討委員会が設置。学識経験者、医師会など関係団体、区民代表などにより約九か月間議論をされました。当時、区は、二十三区で外部委員を交え検討したのは当区だけと答弁をしております。報告書では、急性伝染病発生時対策の強化、また、三層構造での保健福祉サービスの提供が提案されました。それはどこまで実現できているのでしょうか。  区として、この間の再編については、国の方針に加え、当区として検討、実行してきた経緯があり、検証を行い、今後の体制強化へ結びつける必要があります。見解を伺います。  次に、外環道についてです。  六月一日、事業者から、喜多見、大蔵などの東名ジャンクション地上部周辺地域に説明会なしで準備工事を着手する旨のビラが配布されました。それには、新型コロナウイルス感染症の影響により説明会の開催が困難、当面は準備工を実施、その他の工事については実施前に説明会を開催予定とあります。ビラには、工事開始予定日や期間、また、その他の工事とは何で、いつかなど記載はありません。地域からは、工事内容がよく分からない、最低限説明会はするべきなど、声が寄せられています。  今般の準備工事の一つは、換気塔の地下電源施設を造るもので、縦約二十六メートル、横約五十六メートルと大規模なものです。時間は午前六時から午後十時と長く、本設工事では、ランプ工事、野川に工事用の橋を架ける、区道の付け替えなど、地域へ大きな影響を与えます。区に問い合わせ、準備工事は三、四か月間など判明しましたが、いまだこういった詳細は地域に知らされていません。  住民への説明責任を果たさず、長期間大規模の準備工事に踏み切る事業者の対応に抗議をします。既に区議団は国道事務所に申入れを行っています。また、区には、議会への情報提供前に、コロナ禍の状況でも様々な工夫で住民説明を求める必要があったと指摘します。  区長は、平成二十三年、国へ七項目の要望事項を提出しました。これは事業者に対する区の基本的考えと認識していますが、改めて、内容を含め、その確認、事業者のこのような進め方への区の認識、早期の説明会実施を求め、伺います。  最後に、砧地域での公共交通不便地域対策についてです。  今後、需要予測アンケート調査は、運行ルート沿道二百メートルなどの住民が対象です。中には、地域と取り組んできた経過などを知らない方々もおり、これを機に、地域へ経過など広報、周知が必要と考え、見解を伺い、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えします。  私には二問いただきました。基本姿勢、また、今後の財政運営、ポストコロナの区政の展望でございます。  まず、基本姿勢ということでございますので、今回ポストコロナという言葉はまだ使う段階では全くないと考えておりますが、何冊か感染症の歴史に係る本をこの間振り返りながら読んでおりました。やはり、この間の気候異変、気候危機、これが象徴的なように、人間の活動領域が大変増大をしている。そして、自然界にいる野生動物と人間の境界線がどんどん接近をして交錯しているということで、この間、波状的に動物由来のウイルスが人間に入ってくる。逆のこともあるようですけれども。そういう意味で言うと、今回の新型コロナウイルス感染症は、この規模では百年前のスペイン風邪同様の事態になっていますけれども、今後も起きてくる可能性があるというふうに感じています。  そして、この新型コロナウイルス感染症の中で、世界が航空機の運行を止め、また、ロックダウンをしている国も、都市もあります。日本でも非常事態宣言。こういった中で、市場万能主義であるとか、いわゆるそのグローバリズム、あるいはお金がもうかれば何だってやれるんだ、こういう感覚、これはある意味で急速に過去のものになってきたんじゃないか。もう一度私たち人間の原点、共同性、コモン、まさにそこのところに立ち返って、相互扶助、お互いにお互いを助ける、そういう社会、本来の人間の歴史にあった社会に立ち返っていく。その中での社会制度の再構築ということを考えてまいりたいと思います。  この間、新型コロナの感染拡大の緊急対策として、具体的なことを申し上げます。PCR検査体制の拡充などの対策、そして事業継続困難な状況にある皆様への緊急融資、そして、区立小中学校の全ての児童生徒に、最終的には今回の補正予算で御提案申し上げている一人一台のパソコンを配置する御提案というところにつなげ、できることは直ちにやっていこうということで取り組んでまいりました。  ここに通底するのは、区民の健康と暮らしを守り抜くことであり、この姿勢を堅持してまいりたいと思います。今後、第二波、第三波が、大変、確率的には来るのではないかと言われている中で、家計収入の減少や健康不安の高まり、とりわけこういった健康面で不安を抱える高齢者や、あるいは妊娠中の方、子育て家庭をはじめとする区民の地域で孤立をしていく状況など、こういった大きな影響が、今日、世田谷区内に広がっていると懸念をしております。  加えて、この感染拡大防止に備えた注意対策により、経済活動がなかなかコロナウイルスの登場する前にさっと戻るということは難しいんだということが言われています。そういう意味では、かなり厳しい時期での財政運営を覚悟しなければならないと思っております。その上で、区内の事業活動や区民生活を守り抜く事務事業の見直しや、国や都の補助金も最大限活用するなど、財源をしっかり確保し、対策を講じてまいりたいと思います。  次に、事務事業の緊急見直しに対して、本質的な見直しとは何かということについてです。  今般の感染症の拡大は、外出自粛や休業要請を伴って、人々の健康面のみならず、経済的、社会的、心理的な面でも、地域社会に対して、人々に対して、大きな影響を及ぼしています。私は、これからコロナとしばらくは共存しながら行く時代を展望し、三つの観点から事業を再構築したいと思っております。  一番目は、区民の命と健康を守るため、第二波、第三波に備えた徹底した感染症対策の体制強化。第二は、コミュニケーションのオンライン化が進み、働く、暮らしなどの新しい様式が定着する中で、誰もが孤立せず安心して暮らすことのできるインクルーシブな、包括的な地域社会をつくり、区内の事業活動、市民活動の活性化を図ることであります。第三に、子どもたちが一日一日を大切にして、学習と、そして発達の支援を受け、これからの変化に対応することができるような学びと育ちをしっかり支える体制をつくることであります。  今後、コロナとの長い闘いを乗り越えた先には、多様なコミュニケーション手段も活用して、他世代の区民同士が、顔が見える関係を築いて、人々が支え合う参加と協働の地域社会がより成熟するよう、区議会の御意見を踏まえながら、九十二万区民を支える者として全力で取り組んでまいりたいと思います。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、まず、第二波、第三波に備えた保健所の負担軽減と体制強化についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けまして保健所の機能充実を図っていくためには、適切な人員や予算が必要となります。今般の対応を踏まえまして、新型コロナウイルス感染症蔓延防止に中長期的に的確に対応するには、組織間の応援を含めまして、必要な人員の規模を適正に見極め、体制強化に向けて庁内調整を行ってまいります。新型コロナ感染症の第二、三波に備えまして、業務継続も視野に、患者、濃厚接触者等の対応や疫学調査、電話相談等における大学など専門機関との連携や、看護師等の専門人材の確保の経費など、多角的な観点から検討しまして、区民の健康を守るために必要な体制と予算の確保に努めてまいります。  続きまして、健康危機管理体制の強化についてでございます。  区は、平成六年の地域保健法制定を踏まえまして、平成九年度に新たな地域保健福祉サービスの推進体制として、四つの保健所、一つの保健相談所と、五つの福祉事務所を統合再編し、一つの保健所と五つの保健福祉センターを設置しました。これによりまして保健所の高度専門性の確立を図るとともに、保健と福祉の一体的な体制を整備し、ライフステージを通じた保健福祉サービスを地域で総合的に提供してまいりました。  一方、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大する中で、感染の蔓延防止に取り組むには現在の保健所の体制では対応に限界があり、感染症対策体制の抜本的な強化が急務と考えます。感染第二波、第三波に備えまして、まずは保健所が専念する業務を明確にした上で、有事の際に迅速かつ機動的に対応可能な組織体制の構築に早急に取り組んでまいります。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大への対応から見えた課題をしっかりと検証し、庁内の役割分担への一層の明確化を図りながら、区民の命と健康守る体制づくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、来年度の多子世帯の均等割減免実施についてお答えいたします。  国民健康保険加入者にも、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、減収となられた方が多くおられます。当面の対策としまして、五月から実施の傷病手当金に加え、一定の要件を満たす被保険者等に対する保険料減免を七月十三日より開始いたします。減免する保険料総額は六十から七十億円と見込んでおります。  また、多子世帯の均等割保険料減免につきましては、五月二十九日に閣議決定した少子化社会対策大綱において、子どもの数に応じた国民健康保険料の負担軽減を行う地方公共団体への支援などを着実に実施すると明記され、国民健康保険制度の設計者である国が動き始めることになりました、区といたしましては、この制度改正の動きを注視しつつ、準備、対応してまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、就学援助に関しまして御答弁申し上げます。  就学援助につきましては、今年度から全区立小中学校の全家庭に対して、申請希望の有無について意思確認をすることとし、支援を必要としている家庭の把握を行っております。また、新型コロナウイルス感染拡大防止のための学校臨時休業等に伴う給食停止期間中の給食費相当額を支給することとし、家庭の経済的負担軽減にも努めているところです。  なお、就学援助は世帯の前年所得を基に行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響等による所得状況の急変に伴う対応についても、教育委員会といたしましては、検討すべき課題であると認識しております。実施に向けましては、現在の所得状況をどのように確認するかなどの課題もございますけれども、他自治体の例なども参考に検討を進めてまいります。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、今後の事務事業の見直しについて御答弁いたします。  今後、感染症の拡大という事態を経て、区民生活を取り巻く厳しい社会経済環境の中で、行政の役割として必要な区民サービスを実施していくため、各業務を従来どおりの内容や手法で継続することを前提とせず、様々な工夫で事業の在り方をどう変えていくべきか、本質的な見直しに取り組んでまいります。感染拡大防止、区民生活と事業活動の維持・活性化、子どもの育ちと学びの保障、これら三つを柱に、必要な対策を取るとともに、単なる削減ではなく、区民生活への影響や安全性、緊急性など区民の視点に立った行政経営改革の観点を大切に、優先度を判断し、縮小する財源を有効に活用する必要があると認識しています。  今後、最新の経済状況を踏まえた中期財政見通しや、令和三年度予算編成方針と併せ、八月を目途に見直しの具体的な取組方針をお示ししてまいります。  以上です。 ◎松永 財政制度担当参事 私からは、財政調整基金の中期財政見通しの反映について御答弁をいたします。  区では、この間、本庁舎整備や学校の耐震補強工事など当面の財政需要に備えるため、必要な基金への積立てを行い、同時に急激な景気変動リスクに備え、財政調整基金について予算規模の約一割を確保するなど、財政の持続性の確保に努めてまいりました。  しかしながら、今般の新型コロナウイルスの感染拡大の影響は予想を超える大幅な財源不足が見込まれ、短期的には財政調整基金の取崩しによる対応が必要になると考えております。厳しい経済状況が見込まれる中、区民サービス等への影響を十分に考慮した上で、事務事業の見直しを進めつつ、適切な範囲で基金や起債を活用していくことを基本として、八月に更新する中期財政見通しに反映してまいります。  以上でございます。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、四点お答えします。  まず、外環道に関して、七項目の要望と事業者の進め方に対する区の認識について、二点併せてお答えします。  議員お話しの七項目につきましては、外環道の工事等に際し、事業スケジュールの情報提供、地元要望への誠実な対応等、区長が区の基本的な考えを国に伝えるために要望したものであり、この考え方は今も変わるものではございません。このたびの工事につきましても、外環事業者は、地域の方々への情報提供として三月に説明会を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、説明会と工事の着手を先送りにした経緯がございます。しかしながら、コロナ禍が長引く中、全体の工程等の影響も踏まえ、本体工事に先立つ仮囲いや防音パネルの設置等の準備工については、地域の方々にお知らせを配布した上で着手すると事業者より情報提供がございました。  区といたしましても、準備工以降の工事については、説明会を開催し、地域の方々への丁寧な情報提供等を行うことを事業者に確認の上、感染拡大も考慮し、今回はお知らせ配布による準備工の着手を承知したものでございます。  次に、説明会の開催についてです。  このたび、事業者は、お知らせの配布により準備工に着手しましたが、配布したお知らせにも記載されているとおり、準備工以降の工事については、実施前に説明会を開催するとしております。お知らせの配布に伴い、区にも工事に御心配等をお持ちの方よりお問合せがございました。区といたしましては、地域の方々に詳細な工事内容を御理解いただくとともに、工事に関するお問合せ等に対応するため、説明の機会を設けるよう、既に事業者に申し伝えておりますが、感染拡大防止対策を講じた上で、できる限り速やかに実施するよう改めて働きかけてまいります。  最後に、砧地域での公共交通不便地域対策についてです。  砧モデル地区におけるアンケート調査は、運行ルート沿線に在住の方を対象に、コミュニティー交通の乗降需要等を把握し、実証運行実施について判断することを主な目的としております。周知方法につきましては、地元協議会及びこれまで勉強会に参加していただいた方に対して、実施概要をお知らせするほか、まちづくりセンターや沿道の広報板にアンケートの実施に関するお知らせを掲示する等、広く周知してまいります。また、内容につきましては、地域の方々の意見を反映した質問項目や、高齢者の方々にも読みやすい内容となるよう工夫するほか、砧モデル地区におけるコミュニティー交通の検討経緯や今後の取組を記載することで、アンケートを通じた機運醸成にも努めてまいります。  以上でございます。
    ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 外環道の説明会、まず地域に情報提供する最低限の要望だと思っています。既に事業者に働きかけてくださっているということで、早期の説明会、ぜひお願いいたしたいと思います。要望して、終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十六番阿久津皇議員。    〔十六番阿久津皇議員登壇〕(拍手) ◆十六番(阿久津皇 議員) 新型コロナウイルスによる経済活動の自粛の影響で、世界は戦後最悪、一九三〇年代の大恐慌以来という経済危機を迎えようとしています。内閣府が八日に発表した一―三月期のGDP改定値は前期比年率で二・二%の減となりました。これは新型コロナによる本格的な自粛が始まる前の数字であり、また、消費税増税の影響で年率マイナス七・一%と大きく落ち込んだ昨年十―十二月期からさらに減少していることを示しています。四―六月期の実質GDPはさらに落ち込むことが確実視され、マイナス幅は前期比年率で二〇%程度に達するとの見方もあります。また、総務省が五日に発表した四月の家計調査によると、消費支出は前年同月比でマイナス一一・一%と、統計が比較できる二〇〇一年以降で最も大きい記録的な落ち込みとなりました。  営業の自粛に加えて、個人消費が減少したことで、区内の事業所においては様々な業種で既に大きな影響を受けています。昨日の他会派の代表質問に対して、区長も、区の経済支援策に関しては不足の部分があると答弁されましたが、その事業や生活を支えるという観点から、区内事業者に特化した区独自の経済支援策が急務と考えます。来年度の大幅な税収の落ち込みが見込まれる中、三次補正、四次補正と矢継ぎ早に手を打つことで区内の消費を喚起し、早期の経済回復を図る必要があると考えます。  一方で、ウイルスの感染拡大に伴う外出の自粛など生活の変化は、消費行動にも大きな変化をもたらしています。在宅勤務で使うパソコンや周辺機器の販売、インターネット通信費、自炊用の食材などの消費は好調であることに加えて、自宅で使うフィットネス商品や入浴剤の売上げが伸びるなど、売手の想像しない需要の変化も見られており、しばらくは消費の構造変化が続く可能性が高いと分析されています。  行政には、給付金や助成金といった直接給付型の経済支援に加えて、いわゆる新しい生活様式に対応した事業者の自立支援に特化した政策が求められています。そこで、六月二十日に販売が予定されているプレミアム付き区内共通商品券について伺います。  お隣の川崎市では、定額給付金の給付に合わせて消費を喚起し早期の経済回復を目的としたプレミアム率三〇%の川崎じもと応援券を八十七万冊、総額百十三億円の受付を開始しました。世田谷区においても、できれば国や都との施策の連動をさせる形で、第二弾、第三弾のプレミアム付き商品券の販売による消費喚起策を要望すると同時に、区内共通商品券の電子マネー化を検討してはいかがでしょうか。  現金や紙媒体による商品券のやり取りに関しては感染経路の一つになり得ると指摘されており、四月に公表された国際決済銀行の報告書では、紙幣上に数時間から数日にわたり生存可能なインフルエンザウイルスがあることが指摘されています。区内共通商品券の電子マネー化は、区内の経済活性化だけではなく、区民の利便性の向上、さらには新しい生活様式の対応においても必須であると考えます。区の見解を伺います。  また、今般の二次補正において、コロナ時代に対応した事業継続、業態転換及び新ビジネス創出支援事業として、新しい生活様式に対応した事業の支援施策が盛り込まれました。事業者の自立支援施策として評価するものでありますが、上限十万円、対象が百事業者と、合計一千万円の心もとない予算であると言わざるを得ません。大規模な設備投資や創業支援にも活用できるよう、さらなる充実を求めます。見解を伺います。  また、今般のコロナ禍で、区内中小零細事業者においては、財務面だけでなく、組織や労務環境の脆弱さも表面化しました。新型コロナ後の新しい社会で事業を継続していく上では、労務環境を改善し、従業員が安心して働ける環境を構築する必要があります。この六月一日には、労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法が施行され、パワハラ防止のための従業員への相談体制の構築など、雇用管理上の措置が義務づけられました。  しかしながら、区内の多数を占める中小企業において独自での対応が難しい、こういったことが指摘されています。区内事業者におけるコンプライアンスの遵守、優秀な人材の確保、従業員の安心安全な労働環境の実現のためにも、セラ・サービスなどによる窓口の設置など、区によって代行する仕組みを構築する必要があると考えます。見解を伺います。  次に、集団回収事業の促進について伺います。  コロナウイルスによる経済活動の自粛で大幅な税収の落ち込みが見込まれる今こそ、行政サービスは可能な限り共助の力、民間の力で賄い、区の歳出を抑えていく必要があると考えます。特にごみの排出については、外出の自粛によって前年度より一五%以上増加しており、衣類や粗大ごみ等は当面排出を控えていただくよう要請する事態となっています。  家庭ごみが増大する一方で、経済活動の自粛によって飲食店や商業施設から出る事業ごみは激減しており、感染リスクを抱えながら、区民の生活環境と公衆衛生を守る企業の経営や雇用が危機に瀕しています。また、それらの回収業者が担っている集団回収事業がリサイクル資源の買取り価格の下落によって存続の危機を迎えています。集団回収事業は、区民のリサイクル意識の向上、地域の絆の創出、区の歳出削減にメリットがあり、新しい生活様式に対応する、あるいはSDGsに対応するといった観点からも、集団回収をビジネスとして成立する環境を構築することが急務です。  世田谷区は、他区と比べて集団回収が進んでいないと聞いていますが、まずはその現状について伺います。  また、古紙の主要な買取り国である中国が、環境改善等の政策によって輸入を制限しており、日本を含む古紙輸出国の紙リサイクルに大きな影響を与えています。そこで、区は、今年度より回収業者への支援を始めましたが、まだ行政回収よりコストの面からメリットが大きいことから、回収業者に対する補助のさらなる増額や対象品目の拡大の余地があると考えますが、見解を伺います。  次に、震災時の避難所における感染症対策について伺います。  ステイホーム週間となった今年のゴールデンウイーク期間中には、千葉県北部を震源とする最大震度四の地震が二回発生し、緊急地震速報が流れたことは記憶に新しいところです。避難所を運営する地域の方々の間では、新型コロナウイルスが流行する中で震災が発生したらと、心配する声も聞かれます。  また、本日、関東地方も梅雨入りとなりましたが、区では、風水害時における避難所での感染症対策について対応をまとめました。震災時における避難所においても、同様に感染症対策を詳細にまとめ、避難所運営マニュアルに反映させる必要があることは、さきの我が会派の代表質問で指摘させていただいたところです。  震災時の避難所は地域の方々で運営されており、発熱やせきなど感染の疑いのある方がいらした場合に、自身の安全を守りながら避難所内での感染リスクを最小限に抑えることが求められますが、その体制や装備が整っておらず、皆不安を感じています。そこで、震災時の避難所に発熱やせきなど感染の疑いのある方がいらしたときの対応について区ではどのように考えているのか、見解を伺います。  また、感染症の疑いのある方への対応時には、フェースガードや防護服など、地域の方々が安心して避難所運営に携われるよう、感染症対策の装備のさらなる充実が必要と考えます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 経済産業部長 私からは、三点答弁いたします。  まず、商品券の電子化についてです。  新しい生活様式の実践例においても電子決済の利用が推奨されており、区内共通商品券を電子マネー化することにより、印刷費をはじめとする事務経費の大幅な削減につながるとともに、利用者の支払い手続の簡素化、事業者の決済換金の事務負担の軽減などのメリットがあります。また、利用者の購買活動に関するデータを継続的に蓄積、分析することで、区内の消費動向を把握することができると考えられます。一方、利用者の中にはスマートフォンをお持ちでない方もいらっしゃいますので、一度に全てを電子マネー化することは困難であるとも考えております。今後、商店街振興組合連合会とともに、他自治体の事例も参考としながら、電子マネー化によるメリット、デメリットをさらに整理した上で、検討を進めてまいります。  次に、事業者支援についてです。  新型コロナウイルス感染症の流行に伴う区内経済への影響は長期化が予想され、区内中小事業者は、新しい生活様式の中で経済活動を維持していくことが求められています。そこで、例えば飲食店によるテイクアウト、デリバリーのみならず、対人サービス業のオンライン化、IT等を活用した非接触、遠隔の子育て支援サービスといった業態転換や経営の多角化に向けた新ビジネスへの補助の仕組みを実施に向けて検討しています。  さらに、飲食・小売業のみならず、介護事業や教育事業等も含む対人サービス業、製造業、建設業など多岐にわたる産業においても同様に、事業の持続策が模索されています。今後、事業者へのヒアリング等を通じ、苦境にある業種、業態に応じた様々な支援を検討してまいりたいと考えております。  次に、パワハラ防止についてです。  この六月一日から、大企業などでパワーハラスメントの防止措置が義務化され、中小企業では令和四年より義務化されます。区では、法制化を受けて、昨年度、産業情報誌などにおいて周知をいたしました。また、三茶おしごとカフェでは、社会保険労務士がパワーハラスメントをはじめとした労働相談に応じております。お話しのように、ハラスメントの防止については早期に環境整備をしなければなりませんが、規模の小さい中小企業にとって、相談窓口の設置など、新たな体制の整備には負担があることも考えられます。御提案の産業振興公社が行う福利厚生サービスの一環として、スケールメリットを生かした会員向けの総合窓口を設置することについては有用だと考えられ、産業振興公社と検討してまいります。  私からは以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、避難所における感染症対策につきまして二点御答弁申し上げます。  最初に、避難所に発熱やせき等の症状がある方がいらしたときの対応についてです。  区は、出水期を迎えるに当たり、風水害時の避難所における新型コロナウイルス感染症対策の緊急対応方針をまとめました。この方針では、PCR検査等で陽性となり自宅療養している方や、濃厚接触者などの健康観察者につきましては、水害時の避難所には避難せず、宿泊施設等や在宅避難を基本として、避難が必要な場合には、それぞれ区が指定する施設に事前に誘導することとしております。指定避難所や水害時の避難所の受付では、自己申告を促して、発熱やせきなどの症状がある避難者に対して、避難所内の他の避難者と動線を分けた別の避難スペースに誘導し、検温、だるさ、息苦しさなどを記録する健康管理チェックリストにて、御自身で管理していただくことを想定しております。  今後、各避難所においてこのような対応をより具体的に検討していく必要がございますので、保健所や各総合支所と連携して避難所の感染防止対策に取り組んでまいります。  次に、避難所運営に従事する方に対する感染症対策について御答弁申し上げます。  大規模震災時には、町会・自治会を中心とした避難所運営組織により避難所を運営していただくことになることから、避難所運営組織の皆様の安全を確保し、不安を解消できるよう、感染症対策を図っていくことは大変重要であると認識しております。議員お話しのフェースガードなどの装備につきましては、総合支所や保健所と連携いたしまして、避難所運営に携わる方々の御意見も伺いながら、感染防止に必要な装備などの備蓄について具体的に検討してまいります。  以上でございます。 ◎辻 清掃・リサイクル部長 私のほうから、集団回収事業につきまして二点御答弁いたします。  まず、世田谷区の集団回収の状況でございますが、資源の集団回収は町会・自治会などの住民団体が、回収事業者と直接契約して主体的に資源を回収する活動でございます。令和二年三月末現在で七百二団体あり、区内約四十九万世帯のうち、約八万世帯が参加しております。集団回収では、瓶、缶、古紙、ペットボトルのほか、布類なども回収しており、総回収量は、令和元年度実績で約七千七百トンでございます。各区の回収品目が異なりますので単純な比較はできませんが、本区全体の資源回収量に占める集団回収量の割合が約一七%に対し、二十三区平均では三〇%でございます。議員御指摘のとおり、他区に比べると重量ベースで低いと考えられますが、原因につきまして今後詳細に分析してまいります。  次に、回収事業者に対する支援について御答弁申し上げます。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対策等で各国が輸入をストップしている影響で、資源の買取り市況が大きく悪化し、回収事業者の収益を圧迫していることから、事業から撤退するケースが増えてまいりました。回収事業者の撤退の原因が買取り市況の悪化であることから、代わりに回収を引き受ける業者がなかなか見つかりません。  そこで、今年度より回収事業者に対して古紙の市況悪化分の支援を行う事業を開始いたしました。集団回収団体から回収事業者が回収した古紙について、平成二十九年度から平成三十年度の平均単価を半年ごとに算出する現年度の平均単価との差額を支援金とするものでございます。引き続き、資源の買取り市況を注視しながら、行政回収のコスト削減などのため、回収事業者への支援対象品目の追加を検討するなど、今後とも、集団回収事業を維持する取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◆十六番(阿久津皇 議員) まず、電子マネー化についてですけれども、今度、六月二十日、区内の全商店街で販売するかと思いますけれども、ここには商店街の役員の方とか、皆さんボランティアで受けていただいて、見えない人件費というか、コストが発生しているということ。また、コロナでの不安をなかなか皆さん抱えながら対応されるということで、この電子マネー化、ビッグデータの活用ということもありますし、ぜひ対応していただきたいなと思います。  それから、避難所での感染症対策ですけれども、先ほど検温してということもありましたが、じゃ、何をもって別のお部屋に移動していただくのかとか、そこまでの動線はどのように切っていったらいいのかとか、あるいは、それこそ、吐瀉物があったときにどのように処理したらいいのか。あるいは、避難所なので、差別が起きないようにするとか、いろんなことを対応しなきゃいけないので、しっかりとマニュアルに落とし込んで、皆さんが安心して運営できるようにしてください。  以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時六分休憩    ──────────────────     午後五時二十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  四十四番風間ゆたか議員。    〔四十四番風間ゆたか議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 新型コロナウイルスの影響で学校が三か月間休みになるという前代未聞のことが起こり、区内の小中学生には大変な期間が終わりまして、ようやく分散登校というような状況になってきています。文教常任委員会でも申し上げてきましたが、私たちの会派は、この三月、四月という期間に会派として緊急要望を区長、教育長に求めてまいりました。それは、それだけ多くの課題がこの期間にあったということであり、特に学校教育の領域に関して言えば、学校から子どもたちへの連絡がほとんどなかったことであるとか、その連絡の頻度に関しても学校ごとに、またはクラスごとにばらつきがあり過ぎることであるとか、本来であれば授業が再開している期間に学校から連絡された内容、自宅学習、指示される内容について余りにこれもばらつきがあったり、家庭任せという問題がある。こういったことに関しては早急に対応をするべきだということで会派として求めてきたわけであります。  これもかなりの予算をかけて、各家庭で在宅オンラインでの学習が実現すればその問題も解決されるのではないかということで求めてきたことであり、これがようやく、今回の定例会で補正予算が通れば、すぐさま教育委員会は手配に入るということでありますから、これは期待をしているところでもあります。  この先行事例については熊本市が注目を集めており、iPadを活用して子どもたちが休校期間中も授業を受けることができたということで注目をされておりました。世田谷区内でもかなり多くの保護者から、世田谷区もこうならないのかという御意見が寄せられたところでありますし、私たちもかなりの予算を使って、この一人一台のタブレット型PCを手配するということであれば、ただ単に物をそろえればいいということではないと考えております。これだけ多くの予算を投じてやる以上は、まず子どもたちが意欲的に学びたいと思えるものでなければなりませんし、クラスの中でその授業を行うということであれば、先生方がこれを使いこなせなければなりません。  これまでの各学校にPCを配置したということについては、私たちも視察をしてまいりましたけれども、単にデジタルカメラの機能を使っているだけの事例ですとか、先生が使いこなせていないクラス、こういった惨状も見てまいりましたから、簡単に使いこなせるものである、または在宅学習になったとしてもオンラインでつなぐことができる、もっと言うと、宿題もこれで楽しみに使えることができるというようなデバイスを選ぶということが重要なことだと考えております。今後、教育委員会は検討していくと思いますけれども、どういう基準でこれを選んでいくのかということをまずはお伺いしたいと思います。  新型コロナウイルスによる第二波、第三波ということも言われておりますから、今後また在宅で学習をしなければならない環境になるかもしれません。また、先日ありました世田谷区の小中学校への爆破予告の対応に関しても区民の皆さんから多くの心配の声が届きましたし、なぜそんな状況で登校させるのかという御批判もかなりいただきました。  これもこういうオンラインで授業ができるという体制が整っていれば、今後は登校せずに急遽在宅で学習ができるという環境が整うことと思いますので、そういったことも想定して設計するべきだと思いますし、また、この間かなり御批判があった教育委員会からの連絡に関して、緊急宣言があったとはいえ、あまりにも説明不足、なぜこんな対応にするのかということがよく分からないまま、不安と批判が各家庭にあったということも寄せられております。  この一人一台のタブレットPCを導入することによって、各家庭との連絡ということにも改善が期待できますので、そういった今後の活用をかなり様々な形で想定をして準備をしていく必要があると思います。区教委の見解を問います。  そして、休校明け、子どもたちの状況はどうでしょうか。まだ今週は週二登校、来週から毎日登校になる学校も多いかと思いますけれども、いきなり遅れを取り戻すための詰め込み型授業をやるというのは子どもたちにとって酷なことであります。また、各家庭の状況によって子どもたちの学習状況というのは様々でありますから、きちんと子どもたちの状況を把握して、そして授業を行っていくということが重要であり、さらに詰め込みばかりではなく行事等もちゃんと入れていく必要があると思います。この状況をきちんと把握するための調査、こういったことも含めて教育委員会は取り組むべきだと思いますが、区教委の見解を問います。  続いて、保育待機児童の問題について取り上げます。  私が議員になって十四年間、待機児童解消に向けてかなりの時間を費やして提言、また解消を求めてまいりました。この四月一日でゼロになったということはにわかに信じ難いことであり、要因として挙げられるのは、やはり三月の段階で子どもを預けるのを諦めた方が相当数いるだろうということであります。三・一一、東日本大震災のときにもその傾向がありまして、一旦下がったものの、その翌年からまた待機児童数は増えました。来年度以降、新型コロナウイルスの影響が落ち着いてきたときには、また保育需要は必ず上がると私は思いますし、そもそも半径二キロ圏内に空いている認証保育所情報が明らかになっているわけでもないのに、その人たちが勝手に待機児童から外されてしまっているということに対して、区民の皆さんから怒りの声が届いております。この半径二キロメートル範囲内に施設が空いている場合には待機児童とみなさないという基準自体はそもそも世田谷独自の基準で、外すべきだと思います。区の見解を問います。  そして、地域偏在によって認可保育園が空いていないところもありますし、区民の皆さんが求めているのが認可保育園なんだとすると、認可保育園をきちんと整備をしていくということはやめてはなりません。結局のところ、多くの方々が認可保育園を望んでいるのであれば、そういった区民ニーズに応じて保育施設を整備していくべきだと考えます。選考方法の見直しと併せて、区の見解を求めます。  最後に、市民活動とNPO、これの支援の在り方等について伺います。  これまで世田谷区、区民が参加して共に世田谷区政を運営していこうということを我々も求めてきましたし、これまでの町会・自治会だけではなく、NPOなどの活動支援ということにも注力するよう求めてきました。しかし、人が集まることがなかなか困難な状況ゆえ、イベントもすることができない、絆事業は申請がかなり減っている一方で、子ども基金への申請は、新しいオンラインを使った提案などが出ていると聞いています。まさに世代によっては、こういった状況に応じた提案がなされている。オンラインを使ったような区民参加ということに関しては、世田谷区内でもかなり検討が進んでいると聞いておりますけれども、あらゆる部署で新しい市民活動の支援の在り方ということを模索するべきだと思います。区の見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、感染症対策を含めた今後の学校教育について御答弁いたします。  議員お話しのとおり、子どもたちの確かな学力の育成や心身の成長のためには、授業時数の確保のために学校行事の中止や学習の進度を無理に早めるのではなく、学習や行事等をバランスよく進めていくことが重要であると認識しております。  学校行事については、他者と協働し、課題解決や合意形成を行いながら、人間関係づくりを学ぶ大切な学習であります。臨時休業中の家庭学習については、児童生徒それぞれの学習状況を丁寧に見取り、定着度の確認をした上で、必要な学習支援や授業を行い、その上で、適切な評価を行うよう指導しているところです。  現在は、このように今までにない対応を迫られていますが、各学校が質の高い教育を提供できるよう十分に検討を重ね、教育課程をバランスよく編成できるよう指導するとともに、一人一人が安心して学べる学校を目指して、子どもたちのための教育を推進してまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、学習支援についてでございます。  教育委員会といたしましては、感染症だけでなく、今後、自然災害など学校休業の可能性を想定した対策を講じなければならないものと考えております。再度の休業が必要となった場合には、教員による授業をオンラインで各家庭に中継することや、六月より試験的に導入している家庭と学校との双方向でのやり取りが可能な学習支援ソフトを活用した学習支援を行うことなどを検討しているところです。  また、授業を再開することができるようになった場合の夏季休業期間などにおける授業の追加実施や土曜休業の追加なども複合的に検討し、過度の学習日程とならないように配慮しつつ、その時点において最善の学習体制を講じることができるよう取り組んでまいります。  なお、今後のソフトウエア、コンテンツなどの選定でございますが、専門家や各学校の意見などを聞きながら、教員や子どもたちにとって使いやすく効果的な学びにつながるものを選んでまいりたいと考えております。  また、御指摘の保護者に対する御案内の分かりにくさにつきましては改善に努めてまいります。  次に、休校に伴う学習状況の把握についてでございます。  臨時休業中、各学校では子どもの学びを進めるために、発達段階に応じた学習計画を作成して家庭学習に取り組んでまいりましたが、必ずしも子どもたちの十分な学びにつながらなかった部分があるものと認識しております。現在、分散登校が開始され、各家庭での学習状況と定着度を丁寧に把握しつつ、授業を進めているところです。学習の遅れが見られる児童生徒には、補充のための授業や補習の実施など、学習の遅れを補うための可能な限りの支援をしていくことが必要であると考えております。  教育委員会といたしましては、各学校が八月の夏休み中に、それぞれの子どもの状況に応じて学習をフォローする補習期間を設定し、学習内容の定着を図った上で、二学期以降の授業を進めていくことができるよう、今後の教育課程の再編成において、指導助言をしてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育部長 私からは、保育待機児童ゼロを踏まえた今後の保育施策について順次御答弁させていただきます。  令和二年四月の保育待機児童数は、国の基準に基づき算定した結果ゼロになりましたが、いまだ希望する園に入園できていなかった方や、どの園にも入れなかった方が多数いることが改めて浮き彫りとなり、こうした保護者ニーズに対応していく必要があると認識しております。  入園できていない世帯のうち、自宅から半径二キロ圏内の保育施設に欠員があることで待機児童から除いた四百七十四人のこちらの状況を分析しますと、世田谷、北沢地域の順に多く、年齢は、一歳児クラスが五地域合計で二百四十五人と五割を超え、こういった傾向から、地域偏在と一歳児定員が逼迫している状況が確認できております。  一方、認可外保育施設では、ゼロから二歳児クラスで五百三十四人の欠員が生じており、その要因としては、認可保育園との保育料の差、園庭や三歳児クラス以降の接続園の有無などの事情が考えられます。区としましては、認証保育所を活用し、一歳児の定員枠を拡大するとともに、保護者の負担軽減補助制度の改善や、多様な保育ニーズへの対応等、具体的な方策を検討してまいります。  また、認可保育園を希望し入園できなかった方も多くいらっしゃることから、保育の質を改めて審査した上で、認証保育所の認可化移行を支援するとともに、新型コロナウイルス感染症の収束が見込まれた段階で、保育需給バランスを踏まえ、施設整備を含めた保育環境の整備に臨機応変に取り組んでまいります。  今回の待機児童ゼロの公表に当たりましては、待機児童ゼロの結果が独り歩きしないよう、現状の説明と今後の対策を併せてお示ししてまいりましたが、引き続き適切な情報発信と、今回浮き彫りとなった区民ニーズに応えていけるよう、全力で取り組んでまいります。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、地域活動団体の支援についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の予防を図りながら、地域の活動団体が活発に活動いただくには、電子媒体の活用は大変有効であると考えております。しかしながら、町会・自治会等、高齢の方の中には電子媒体の活用に抵抗のある方もおいでになり、また、活用の仕方が分からない方もいらっしゃると聞いております。電子媒体の活用を楽しんでいただくような支援が必要と考えております。  この間、町会・自治会やNPOなど五十六の団体で構成する生涯現役ネットワークでは、平成二十八年度より、会員のこれまでのキャリアを生かしていただき、ITリテラシー向上によるシニアライフ充実サポートなどの講座を実施してまいりました。今後、東京都による町会・自治会活動支援助成を活用した機器導入経費の補助を御案内するほか、生涯現役ネットワークの活動も生かしながら、ITスキル等を持った区民と支援を受けたい市民活動団体等をつなぎながら、新しい生活様式での市民活動の活性化支援に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、市民活動支援に関連して二点御答弁いたします。
     まず、コロナの影響で執行がない事業についての取扱いです。  新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、約二か月間、地域における様々な活動が自粛されてきたものと認識しています。現在、区では段階的に区民利用施設の再開を行っており、地域においても、コミュニティーに資する様々な活動が再開されてくると思いますが、三密を避け、感染を防止するためには、一度に集まる人数を抑制するなど、これまでと異なる行動が求められています。これにより地域活動に対する補助や各種イベントなど、従来どおりの経費の執行に至らない事業も生じてくることが想定されます。コロナの影響により一定の執行が見込めない事業につきましては、今後、減額補正も含め、必要な対策の財源に充ててまいります。  次に、オンライン活用についてです。  区民生活を支える区の事務事業につきましては、徹底した感染拡大防止策を講じるとともに、従来の事業手法を見直す必要があると考えております。三密を避けながら区民の相談支援に対応するために、オンラインは有効な手法であると考えております。例えば、子育て支援の分野においては、補助事業で実施している区内おでかけひろばの中に、オンラインにより子育て家庭の相談に対応している事例があると伺っております。また、区が委託により実施していますぷれパパママ講座についても、オンラインでの実施に向け準備をしています。  今後、こうした先行事例を庁内横断的に共有し、コロナとともに生きる社会に適合した様々な事業手法の検討を進めてまいります。  以上です。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、子育て支援団体の活動にオンラインを導入する際、子ども基金などを活用した支援について御答弁いたします。  新型コロナウイルス感染拡大防止に備えた新しい生活様式の下で進められる区民との協働、子育て活動支援におきましては、新たな事業展開においても有効性、必要性を判断の上、支援を行っていくこととなります。今年度の子ども基金第一回募集で二十二件の助成の申請をした中には、双方向のオンラインを活用した従来の活動を発展させた事業も含まれてございます。このような状況が続くことが見込まれる中、今後、オンライン活用の取組を子育て利用券の対象事業に加えることも、関係所管とも調整を進めてまいります。  子育て支援に係る民間活動には、従来の手法からオンラインを活用した活動が増えていることを踏まえ、これまでの連携プロジェクトである子育てメッセや、つなプロにつきましても、オンラインを取り入れた実施方法の見直しに向けて、関係団体との調整を進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 学校教育に関しては、世田谷区も在宅でできるような環境として、ネットを使った在宅学習システムを中学生には入れていたと思うんですけれども、この休校期間中、使われていない。私の周りでも使えない、やりたいと思えない、そういった中学生の声がすごく届いています。環境を整えたところで、やらなかったら意味がないわけです。  一方で、我が家では、今考えられるiPadですとかウィンドウズ系のもの、または、グーグル系のものと、全部持っておりますけれども、子どもたちが意欲的にできるものというのは何かといったら、やっぱりそういった観点で調べていく必要があると思うんです。いろいろなITリテラシーを持っている状況の子どもたちが、誰でもすっと入っていけるようなものをきちんと選定されることを期待しています。  もう一つ、市民活動の件に関しては、無理矢理やらないように、例えばPTA活動とか、予算、補助金をいっぱいつけられても、もうこの時期ではできなかったりしますから、今言ったように、この限られた期間でできるように支援をしていくように要望して、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で風間ゆたか議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 六月一日には、待ちに待った学校が再開され、寒さが緩み始めた三月二日から始まって、春休みを含めて長い三か月間続いた休校がやっと終わりました。この前の土曜日と日曜日には、小学校と中学校の入学式が無事に終わったと伺っております。少しずつですが日常が戻りつつあります。私も、毎朝の子どもたちの見守り活動を再開しました。早朝から子どもたちの笑顔を見ながら会話をすると、本当にうれしくなって、自分自身も元気になります。今日は、コロナに負けないように、子どもたちや子どもを持つ家庭の支援について質問してまいります。  全国の小学校、中学校、高等学校と特別支援学校が、三月から春休みまでの間、臨時休校となってしまいました。そのような中、卒業式だけは何が何でもやらねばというわけで、できる限り簡素化し、マスクを着用し、換気や消毒に十分配慮し、出席者を限定して行われたと伺っております。私も、地元の小学校と中学校の卒業式に出席させていただいておりますが、今年の春は卒業式を見ることができず、とても寂しい思いをしました。  今までのスタイルの卒業式とはかなり変わった卒業式になってしまい、卒業生や保護者、先生方も寂しい重苦しさを胸に感じながらの卒業式だったでしょう。しかし、私は、たとえ来賓の方や在校生がいなかったり、みんなが最後の校歌を合唱できなかったり、式典が短く参加者も限られたとしても、先生をはじめとする子どもたちに関わる全ての人たちが心尽くしの送り出しをするという思いが伝わった、すばらしい卒業式であったと思います。それは、いつの日か卒業式を思い出したときに、この経験がばねになって、成長の糧となったと思うような卒業式であってほしいと信じています。また、そう願っております。  そして、さらに、四月の七日には国から緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出の自粛や、三月上旬から始まった区立中学校の休業は、当初は五月六日のゴールデンウイークまでとなっていたものが、五月三十一日までとなりました。そのため、子どもたちは、長い休校期間の間、ずうっと家にいることになって、保護者の皆さんの負担も相当なものとなっています。中でも、学校がお休みの間は家庭で学習、教育が必要となってくることではないでしょうか。  NHKのテレビでは、休校中の子どもたちに、特に自習をするのが難しい小学生に向けて、金曜日の朝九時からフライデーモーニング・スクールを臨時開校しています。新学習指導要領の新しい学びを意識した特別授業の遠隔形式の演出で届けるものです。対象となる学年の目安はありますが、どの学年にも必要な力を育むヒントが詰まっているとのことです。授業の最後には、楽しく取り組める課題も用意されて、土曜、日曜の家庭で一緒に考え、翌週からの学習計画に役立てるような仕組みになっているようです。  ほかにも、NHKの総合テレビの夕方の時間帯に有名なレストランのシェフが、おいしい料理を味わってもらいたいと、秘伝のレシピを惜しげもなく紹介するコーナーがあって、私はそのコーナーをとても楽しみにしていました。こんなコロナの状況ですから、親子で一緒になって料理に取り組んで、家族そろって食事をするのがよいのではないでしょうか。世田谷区教育委員会がつくるせたがやまなびチャンネルでは、料理の作り方など、動画で分かりやすく公開していました。  そこで伺いますが、世田谷区における家庭学習の教育の支援はどのようになっているのでしょうか。こうした取組を今後どのようにしていこうと考えているのかお伺いします。  また一方で、教える側の先生たちも、この間、子どもたちの学びの機会をどう守るのか、安全安心な環境で授業を行うことが本当にできるのでしょうか。いろいろ悩まれていると思いますが、子どもたちが休校期間中に受けた不安やストレスと教師はどのように向き合い、対処していく必要があるのか。もちろんストレスがたまるのは子どもたちだけではありません。先生方もそうです。どうか、自分の心身を大切にしていただき、この大変な時期を乗り越えなければなりません。そのために、教育委員会が教育現場の状況を把握し、現場の先生のバックアップをぜひともしていただきたいと思います。  そこでお伺いしますが、教育委員会では、この間、教員に対してどのような支援をしてきたのか、どのように過ごしてきたのか、お伺いします。具体的な支援についてお答えください。  さて、学校の休校だけではなく、児童館の休館も子どもたちには寂しいことであったと思います。児童館に行けば、子どもたちは、創造性を膨らませて友達と元気に遊び、児童館の職員さんやリーダー格のお兄さんやお姉さんに遊びのヒントをもらったり、一緒に遊んでもらったりして、児童館はいつも子どもたちの大きな声があふれていました。子どもたちの声が聞けないのは残念ですが、今は、子どもたちの安全と健康が第一ですから、児童館に来ることができなくても、家庭で元気に過ごしてほしいものです。  そう思って、区のホームページを見ましたら、児童館の職員さんが、子どもたちが自宅でも楽しんでもらうことができるように子どもたちに向けたお手紙や、家でもできる遊びや工作、謎解きなどを紹介していました。児童館が休館でも、児童館の職員の皆さんがいつも子どもたちのことを考えてくださっていることが感じられて、大変うれしく思いました。子どもたちにとって、児童館の職員さんとは会えなくても、児童館とつながっているのを見ただけで、大変うれしく感じたのではないでしょうか。  また、こういった遊びや工作などを紹介するとき、動画で見られるようにすれば、いつも遊んでいる職員さんの元気な姿を見ることや、声を聞くことだけにしても、子どもたちはもっと喜ぶのではないでしょうか。子どもたちは遊びを通して様々なことを学んでいますが、児童館には、家庭での子どもたちの遊びの支援をもっと広げてほしいと思います。  そこでお伺いしますが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長引く中、子どもたちが家庭でも伸び伸びと創造性を育みながら遊び続けられることが大切だと考えております。今後、児童館では、どのような家庭での遊びの支援を考えているのか、お伺いします。  この新型コロナウイルスが一日でも早く終息することを心から願って、私の壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、学校での学習の支援についてでございます。  教育委員会や各学校では、臨時休業中における子どもたちへの学習を支援するために様々な取組を行ってまいりました。三月中は自宅で学習するためのプリントを各学校が配ることが中心でしたが、四月からは、教育委員会において、家庭で国語や理科、体育、音楽など学習するための動画を作成し、これまで約百五十本の動画を配信いたしました。加えて、各学校でも独自に動画を作成し、配信を行っているところでございます。  また、五月の連休明けからは、自宅にインターネット環境のない小学校五年生以上の子どもに対して、区で購入したタブレット端末などの貸出しを行うとともに、学習習慣をつけてもらうための一週間の学習計画表の配布や、新しい学年の教科書を使って学校の教員とキャッチボールする形で学習を進められるような取組も開始いたしました。  六月一日からは、分散登校という形で学校を再開いたしましたが、新型コロナウイルスの第二波、第三波による学級閉鎖や学校の休業などの事態も想定し、授業の様子をインターネットで中継し、自宅で授業を受けられるような仕組みの構築にも取り組んでまいりたいと考えております。  次に、教員への支援についてでございます。  教育委員会といたしましては、学校における感染リスクを減らすため、教員の在宅での勤務や時差通勤などに取り組んでまいりました。また、ICT機器利用のルールを改善し、オンライン会議システムを利用して、職員会議や研修に参加できるようにもしてまいりました。このような支援により、教員は在宅にて教材を作成したり事務処理を行ったりすることができるようになるとともに、オンラインで研修用の動画を視聴したり、資料を読むことが可能となりました。今後、今回の取組を教員の働き方改革にもつなげていけるよう検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 子ども・若者部長 私からは、児童館による家庭での遊びの支援について御答弁いたします。  児童館の運営におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不特定多数が利用し三つの密になりやすいことから、四月一日から休館し、職員は新BOP学童クラブの応援を行っているところです。このような中で、児童館職員のアイデアにより、区のホームページや、直接児童館に掲示をするなど、子どもたちが自宅でもできる工作や遊びができるよう発信をしたところ、子どもたちからは、ホームページを見たよ、家で作ってみたよという声をいただいております。また、児童館休館中でも、心配なこと、不安なことなどがあれば電話をしてねというメッセージも発信し、少しでも子どもたちが家庭で不安なく過ごせるよう取り組んでいます。この六月十日より、子育て支援館五館にて子育てひろばの利用を予約制で開始したところですが、今後も児童館運営の工夫が必要でございます。  御提案の動画の配信も、子どもたちの家庭での遊びの支援として有効な手法の一つとして、子どもたちとのつながりを保つものであり、今後、夏季休暇も控えていることから、様々工夫をし、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございました。  今日も朝五十分、立ち番をやってきたんですけれども、子どもたちは元気よく通っております。そして、子どもたちの親が、お父さんなりお母さんが半分ぐらい、ちゃんと自分たちが立っているところまで見送ってから、子どもを送り出しております。  早くこのコロナが立ち去ることを願って、私の質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十一番平塚敬二議員。    〔三十一番平塚敬二議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(平塚敬二 議員) 通告に基づき質問します。  初めに、在宅避難を進めるための住宅の耐震化促進について伺います。  二十五年前の阪神・淡路大震災は、六千人を超える犠牲者と、全壊、半壊した家屋が約二十五万棟など甚大な被害をもたらしました。あの被害を教訓として、世田谷区では、平成十九年七月に世田谷区耐震改修促進計画を策定して以来、建築物の耐震化に取り組んできました。  その後、平成二十五年十二月には、国の中央防災会議から、首都直下地震の被害想定と対策についての最終報告があり、首都直下地震の切迫性と建築物の倒壊を要因とする人命、財産の被害の大きさが改めて示されました。こうした被害想定を踏まえて、建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、平成二十六年四月に東京都耐震改修促進計画が変更、あわせて、世田谷区においても新たに目標耐震化率九五%と定めて耐震化を促進してきました。今年度がその計画の最終年度になります。  現在、区では、対象物件に対して無料の耐震診断を実施するとともに、耐震補強に対し、木造住宅では工事費用を一昨年より最大百三十万円まで助成し、今年度からは、建て替えのための除却費用を最大五十万円まで助成しています。さらに、この間、大きな被害を想定される木造住宅密集地域では、不燃化特区制度を活用して、耐震化、不燃化を促進したことにより少し改善が見られるものの、その他の地域においては、まだまだ旧耐震基準の木造住宅が多く点在しており、目標である耐震化率九五%の達成は難しい状況です。旧耐震基準の木造住宅は、その後の経年劣化を考えますと、首都直下地震が発生すれば、高い確率で倒壊する危険性が指摘されています。  私が危惧しているのは、今年に入ってから、東京近郊が震源地となる震度三以上の地震が既に二十四回発生していることです。さらに、今般のコロナ禍における避難所運営は、三密を避けるなどの感染症対策等で大きく見直さざるを得ない状況であり、受入れ人数も制限が予想されることです。防災・減災の観点に加え、感染症対策の観点からも、旧耐震基準の木造住宅は、耐震改修するか建て替えをして、安全な住宅にしていただくことで、いざというときには避難所ではなく在宅避難をしていただけるのではないでしょうか。  今まで耐震診断をしても改修に進めない方の理由で最も多いのが、費用の面での問題であると伺っております。そうであるならば、区民ニーズに合わせた耐震改修の様々なパターン、例えば完全な耐震改修ではなくても、部分改修や一部屋だけのシェルター改修などを紹介するとともに、資金面では、社会福祉協議会や金融機関が取り扱いをしているリバースモーゲージの御案内、さらには、今後、改修や建て替えのために融資を受けるのであれば、新たな取組として、区が融資に対して利子補給するなどの検討が必要ではないでしょうか。ここで二点質問をいたします。  一点目は、今後は安全な住宅にお住まいいただくために、新たな資金面の支援策を検討することや、様々な耐震改修の方法、資金面も含めた総合的な相談を受けることができる体制を整えるべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目は、不燃化特区以外で旧耐震基準の木造住宅を耐震化するためには、区が把握している対象物件にお住まいの方に対して区が行っているサービスを、新たなチラシ等を作成して、改めてピンポイントでお知らせすることが重要だと考えます。区の見解を伺います。  次に、新しい生活様式に合わせたスポーツ推進について伺います。  スポーツ庁は、五月十四日付で社会体育施設の再開に向けた感染拡大予防ガイドラインを公表しました。世田谷区においても、このガイドラインにのっとり、三密を徹底的に回避するための使用方法の見直しや、非接触型体温計を用意するとか、手の消毒やマスクの着用を義務づけるなど、感染症対策を整えて施設を再開されると考えます。また、一日でも早く施設の再開をするとともに、安全な運営に取り組むことは区の責務であると考えます。しかし、新しい生活様式の観点から、定員見直し等により今までのように運営ができない室内のスポーツ教室なども考えられます。  また、区では、二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会に向けて、パラリンピック競技をはじめとする障害者スポーツの体験会の実施回数や会場を増やすなど、内容を充実させるとともに、パラリンピアンとの交流やPRを通じて区民が障害者スポーツをより身近に感じることができるよう、取組を進めてきました。さらに、障害のある方にとって安全で使いやすい施設整備についての取組も進めていると考えます。  しかしながら、今般のコロナ禍により一堂に集うことが困難な状況が当面続くことを考えると、今後は競技の紹介や練習方法などをオンラインで配信することにより、障害があるがゆえに今まで施設や大会に参加することに困難を感じていた障害者の方々にも、通い慣れた施設や自宅で挑戦する機会を持っていただけるのではないでしょうか。ここで二点質問いたします。  一点目に、例えば区の施設を使用してオンラインでスポーツ教室の動画を配信して、今までの参加者が実際に施設に来なくても自宅で取り組むことができるようなことを支援することは考えられないでしょうか。スポーツ推進の観点から検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目に、障害者スポーツを推進する上で、例えば区で推進しているボッチャの競技やルールを紹介する動画を作成して配信し、この機会に取り組めるような工夫をすべきと考えます。また、障害者スポーツだからこそ、通い慣れた施設を会場として、オンラインで会場を結び大会を開催するなど、新しい生活様式に合わせた大会の在り方を検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、コロナ禍で孤立してしまう高齢者のフレイル予防について伺います。  フレイルとは、加齢に伴い体力や気力が低下し、食欲や活動量が低下して虚弱になっていく状態で、進行すると要介護になってしまいます。  国としてステイホームを全国民に呼びかけ、新型コロナウイルス感染症と闘う中では、感染リスクを恐れるあまり、高齢者の方々を中心に自宅で過ごす時間が多くなる人が増加しています。  特に、家に閉じ籠もり、動かない生活を過ごしていると心身機能が低下し、動けない身体になっていくことが心配であります。また、活動量が少ないと食欲が低下して、一日三食取らなくてもよくなってしまったりします。ほかにも、人との交流が減り、話さなくなる、生活のリズムが崩れて日付の感覚も曖昧になるなど、フレイルに近づいていく悪循環に陥りやすい状況になってしまいます。特に孤立してしまう高齢者に向けたフレイル予防の取組は待ったなしです。  区では、今までも身近な地域のまちづくりセンターの区民フロアなどを活用して、世田谷いきいき体操を推進し、体力測定なども同時に行って、フレイル予防に取り組んできました。フレイルの進行を予防する鍵を握るのは、運動、栄養、口腔ケア、社会参加の三つです。特にコロナ禍の今は、社会参加の場を早急に確保すべきです。  また、フレイル健診は、フレイルを早期に発見し、改善へ取り組む重要な健診です。現在はコロナウイルスの影響で中止されていますが、今後は、訪問支援だけではカバーし切れませんので、公共施設の再開に合わせて、特に新しい生活様式の観点から三密を回避しながら、手の消毒やマスクの着用などを義務づけるなど、感染症対策を整えた上で、安心して週に一度でも地域において集まることで、フレイル健診や世田谷いきいき体操をするなど、社会参加をすることが大切だと考えます。例えば少人数にグループ分けをして、分散型で短時間でも集えるような取組を早急に検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小柴 防災街づくり担当部長 私からは、住宅の耐震化促進について二点の御質問にお答えいたします。  まず初めに、総合的な相談制度の整備についてでございます。  木造住宅の耐震化支援制度は、昭和五十六年以前に建てられた旧耐震建築物を対象としており、無料耐震診断を受け、耐震改修が必要となった方に対して、簡易設計や概算見積もりを無料で行う木造住宅耐震改修訪問相談の制度を設け、建築士の派遣を行っており、昨年度は四十一回の実績があります。  しかし、木造住宅の無料相談を受けた後、耐震改修の助成を受けた件数は、昨年度九件、三年間でも二十五件にとどまっている状況にあり、耐震化率向上のために、今年度からは、木造住宅除却助成制度も設けたところです。一方で、区内の旧耐震建築物の耐震改修につきましては、平成三十年住宅土地統計調査の結果から、区の支援制度を活用せずに行われているケースも一定程度見受けられます。耐震改修が必要な旧耐震建築物は、それでも依然として数多く残っており、これらを解消するためには、耐震改修にかかる費用面の問題など、解決すべき課題があると認識しております。  区といたしましては、これらの課題を解決するために、現在行っている相談制度に加え、個人のライフスタイルに合わせた幅広い相談に応える総合的なサポート体制の構築を図るなど、安全な住宅にお住まいいただくための支援を進めてまいります。  次に、区が行っているサービスをお知らせする取組についてです。  区は、これまでに建築物の耐震診断や耐震改修などの耐震化支援制度について、「区のおしらせ」やホームページなど、様々な手法による周知に努めるとともに、昨年度は民間保険会社の幅広いネットワークを活用し、耐震化支援制度の案内を行うなど、民間事業者の協力も得ながら、広く区民に周知してまいりました。一方で、いわゆる不燃化特区制度が実施されている地区では、旧耐震建築物の木造住宅の所有者に絞り、訪問を行った結果、建築物の除却や建て替えにつながるなど、一定の効果もあったと認識しております。  区内には、旧耐震建築物がいまだ数多く点在しているため、今後は、より効率的に効果が上がるように、耐震改修の工事を含めた具体的な事例を示した資料を作成し、対象の住宅にお住まいの方に直接お知らせすることを考えております。様々な周知を行い、住宅の耐震性向上に向けた総合的な相談に応じることで、安全な住宅、安全なまちとなるよう努めてまいります。  以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  最初に、オンライン教室などのスポーツの推進でございます。  区は、これまでスポーツ教室などの実施に当たり、規模に応じた参加者を募集してまいりました。今般、新型コロナウイルスの感染拡大防止に当たり、施設の利用などにおいてソーシャルディスタンスが必要となることから参加できる人数が減少します。一方、お話にありましたオンラインを活用した教室などでは、参加する方々がオンラインの環境を確保する必要はありますが、人と人との接触を避けつつ、多くの方に御参加いただくことが可能であると考えております。現在、スポーツ振興財団におきまして、ユーチューブやツイッターなどを活用して、レッスン動画や講師からのメッセージ動画の配信を行っております。今後、新しい生活様式として、オンラインで気軽に教室に参加するといったニーズが増えるものと考えており、環境の整備などを含め、スポーツ振興財団と連携して検討を進めてまいります。  次に、障害者スポーツにおける動画配信などの取組についてです。  障害のある人の中には、これまで施設に行くことができないためスポーツを実施することが難しい方がいらしたと認識をしております。新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛の中で、スポーツの分野においても、オンラインを活用することにより双方向でコミュニケーションを取る方法が一般的に進んできたと考えております。こうした手法を活用すれば、これまで自らスポーツ施設に行くことが困難であった方につきましても、自宅や通い慣れた施設、場所でスポーツをしていただくことが可能になると考えております。今後、障害者スポーツの推進に当たっても、御指摘の競技のルール紹介、自宅での練習方法の動画配信、あるいはオンラインを活用した事業、大会の実施など、障害の種類や程度に留意しながら、新しい生活様式に合わせた方法につきまして鋭意検討を進めてまいります。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、高齢者のフレイル予防についてお答えいたします。  緊急事態宣言期間中は、外出を控えている高齢者の体力低下が進まないよう、世田谷いきいき体操やストレッチ、フレイル予防のリーフレットなどを届け、自宅で介護予防に取り組めるよう働きかけてまいりました。人との交流がフレイル予防として重要であることなどから、介護予防事業につきましては、緊急事態宣言解除後は早い再開に向け準備を進めているところでございます。  世田谷いきいき体操を実施する、はつらつ介護予防講座等につきましては、マスクの着用や手指消毒を行い、利用人数を絞るなど、三密の解消を図り、感染予防策を徹底して再開する予定でございます。また、できるだけ多くの方に利用していただけるよう、少人数を入れ替えるなど分散型を取り入れ、工夫してまいります。また、住民等が主体となって実施する地域デイサービスや、いきいき体操の自主グループにつきましても、マスク着用、消毒の徹底や三密の解消など、感染予防に留意しながら活動再開に向けた情報を提供し、高齢者の通いの場再開に向け、支援してまいります。  以上です。 ◆三十一番(平塚敬二 議員) 答弁ありがとうございました。  私、今回、在宅避難を進めるために耐震化を進めようということを言いました。言いましたけれども、本当に今回、コロナを体験して、今までの避難所に行かれる方というのは、当然自宅に――終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で平塚敬二議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十二日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時十四分散会...