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令和 2年  3月 予算特別委員会−03月17日-07号

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  1. 世田谷区議会 2020-03-17
    令和 2年  3月 予算特別委員会−03月17日-07号


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    令和 2年  3月 予算特別委員会−03月17日-07号令和 2年  3月 予算特別委員会 令和二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  令和二年三月十七日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  阿久津皇 副委員長 福田たえ美 副委員長 ひえしま進      石川ナオミ      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      河野俊弘      宍戸三郎      下山芳男      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ
         板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      津上仁志      平塚敬二      いそだ久美子      風間ゆたか      桜井純子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      藤井まな      大庭正明      田中優子      桃野芳文      神尾りさ      小泉たま子      佐藤美樹      つるみけんご      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      金井えり子      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      ひうち優子      そのべせいや      くりはら博之      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   政策経営部  財政制度担当参事                 松永仁   教育長           渡部理枝   教育委員会事務局          教育次長   淺野 康          教育総務課長 會田孝一          学務課長   田中勝将          幼児教育・保育推進担当課長                 須田健志          学校健康推進課長                 桐山徳幸          教育環境課長 青木 徹          副参事    秋元勝一   教育政策部  部長     池田 豊          学校職員課長 内田潤一          教育指導課長 青木雄二          教育相談・特別支援教育課長                 工藤木綿子          新教育センター整備担当課長                 北村正文          副参事    板澤健一          副参事    加藤敏久   生涯学習部  部長     皆川健一          生涯学習・地域学校連携課長                 田村朋章          中央図書館長 松田一清     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和二年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和二年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和二年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和二年度世田谷区学校給食費会計予算文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○阿久津皇 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 おはようございます。日本共産党の質疑を始めます。  まず、新型コロナウイルス感染症に対する区の対応について伺います。  一斉休校と再開の判断について伺います。  区は、世田谷区健康危機管理対策本部において新型コロナウイルス感染拡大防止策として、三月二日から十四日までの間、小学校、中学校を休業としました。さらに、十六日から二十五日までの期間についても継続休業といたしました。この間、保護者の方から子どもの様子、休校による影響などを伺ってきました。  休校そのものは支持するが、いつ再開するのか。この状態がいつまで続くのか。子どもは感染したときのリスクは少ないと聞いている、休校の効果のほどはどうなのか。子どもの学習がとまってしまった。学習できなかった部分への保障はどうするのか。子ども同士で出かけてしまっている。むしろ学校で手洗いの励行などを行い、過ごすほうが安全なのではないかなど、先が見えない不安や疑問などの声が寄せられました。  今回の一斉休校は、安倍首相が科学的に根拠もなく各自治体に要請したものです。それを受けて、世田谷区健康危機管理対策本部において、この決定が下されたということになっています。  今後、学校再開について、国の動向を見るだけではなくエビデンスに基づく区独自の判断が必要だと考えますが、いかがでしょう。 ◎池田 教育政策部長 学校の休業期間を延長させていただいたわけでございますが、学校を休業したことの感染症拡大防止への効果、学童クラブ、BOPなどの事業の子どもたちの受け皿としての評価、都内感染者数の推移などから、先ほどおっしゃっていただいたように、三月十一日の世田谷区健康危機管理対策本部において、総合的に判断したものでございます。  今後、学校を再開するための要件でございますが、この感染症が人類がこれまで経験したことのない未知の感染症であり、今後どのような展開となるか予測困難であることから、現時点で明確に申し上げることは困難であると考えております。  政府において、学校の再開に際しての一定の判断基準を示すとの報道もされておりますが、今後、日々明らかとなる最新の情報を収集しながら、感染症の拡大を防止するという視点からの必要性、子どもたちや区民の生活に与える影響などを総合的に勘案しながら、その時点において最善と思われる選択を行うよう努めてまいります。  いずれにいたしましても、子どもたちや区民生活に影響のある重要な事案となりますので、方針の決定に際しては丁寧な説明、情報提供を行ってまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 本当に区民の皆さんは不安を抱えておられるというふうに思います。子どもを公園に連れて行くと、そこでは多くの若者も含めて遊んでいるという状況の中で、本当にこれがいつなのかというのは、皆さんに早い、そして正確な周知をしていただくことを求めたいというふうに思っているんですが、今回、区の判断理由などを区議会には報告されております。これは、こういった保護者の不安などを考えると、しっかりと保護者の皆さんや区民の皆さんにも、これをお知らせしたほうがいいというふうに思っています。  例えばホームページの一番トップに、コロナウイルス対策のトピックがありますけれども、そこで見ることができるとか、あるいは学校のホームページなどでも御案内をすると、ちゃんとその理由などもしっかりとわかるようにするということなど、工夫が要るのではないかというふうに思っています。この辺、いかがでしょうか。 ◎池田 教育政策部長 今回の学校休業ですとか卒業式の取り扱いの情報提供につきましては、区のホームページのトップページの新型コロナウイルスに関する情報ですとか、あと同じくトップページに注目情報という欄がございます。そちらのいずれにも掲載いたしまして、区民の方にごらんいただくように手配させていただいているところです。  あと、一番知っていただきたい保護者の方については、学校のホームページに同じような情報を掲載させていただいて、学校のホームページに掲載しておりますという情報を保護者の方に緊急メールという形でお送りして、ごらんいただくよう努めているところでございます。 ◆たかじょう訓子 委員 いずれにしても、やっぱり情報提供は細かくやっていただきたいということを要望したいというふうに思います。  続きまして、児童生徒の成長、健康について伺います。  休校により給食が停止したため、昼食の機会が確保できないと、経済的や健康上の問題を抱えた家庭の子どもたちに向けて仕出し弁当を届ける事業が始まりました。これは昨年、一昨年やっておりました子どもの生活実態調査により、子どもの一割が貧困、生活困難層だということがわかりました。その中で、経済的な理由で食料を買えないことがあるといったように答えた方が一定おられた。そういった方々に向けて、昨年の七月から食の支援が始まったんですね。例えば仕出し弁当をそういった家庭に届ける。それから、料理をつくってくださるサポーターの方が、ボランティアの方が訪問して、そこで食事をつくってくださる、こういった事業が始まったわけですけれども、今回、そのスキームを活用して仕出し弁当を届けるといったことが始まりました。生活の困難な家庭にとって、健康と成長を保障するために給食というのは大変大きな役割を果たしてきたので、こういった対応は大変重要だというふうに思っております。  早速、二日間のお申し込みの期間に、なんと二百五十件も申し込みがあって、これを実施のために、大変、子ども家庭課が働いておられるんですけれども、本当に食の支援のニーズというのが、そういった背景があるんだなということをすごく感じました。  現在、学童に通う子どもたちは、学童では弁当を受け取ることができないんですね。今、学童は親が弁当をつくって、それで持たせているという状況です。家庭によっては、まだ十分な準備ができないというところもあるわけですね。  今、休校であっても学校に来る子どもに対して給食を提供している自治体があります。今後、状況によって、子どもの健康、成長の保障の面から、困難家庭のみならず、食の対応を検討することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
    ◎桐山 学校健康推進課長 区立小中学校につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、三月二日からの臨時休業の方針に基づき、給食の提供を中止いたしました。今後、学校給食の目的でもあります児童生徒の体力向上や健康の保持増進を図るという観点からも、今後、影響があるものと考えております。  児童生徒への食の対応につきましては、新型コロナウイルスの感染状況や国の動向を注視しながら、どのような対応が可能か、関係所管等と連携を図りながら検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 今後どうなるかわかりませんけれども、今のところは四月にかからない、今のところは春休みまでということになっておりますけれども、今後の動向を見て、ぜひ検討いただきたいというふうに思っています。  次に、子どもの学ぶ機会の保障について伺います。  休校中の子どもの過ごし方について、保護者からドリルや宿題、東京都のポータルサイトの案内があり、それなりにやっていますが、理解しているのかどうかというのはわからない。自主的な学びだけで大丈夫か。毎日ユーチューブ漬けになっているなど、不安を訴える保護者からの声が寄せられています。  塾の講師の方にも伺いましたけれども、この方は子ども食堂もやっていたり、それから、せたゼミという生活困難層の家庭の子どもの学習の場というのも運営しているような方なんですが、こちらの方にお話を伺いますと、保護者の方からの聞き取りだと、生活のリズムが夜型にずれてしまっているという方が多いようだというふうに伺いました。  子どもたちは、突然の休校により学ぶ機会、子どもの時代の貴重な体験の数々を失ったという状況だというふうに思います。子どもたちの人権、学習権をいかに保障するのかという観点から、今とられている対応を検討する必要があると思います。  子どもの学びの保障をどういうふうにしていくのか、これを伺いたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 今御指摘をいただきました学校の臨時休業中の学びについてですが、現在、学校ホームページ等で具体的に学習の範囲ですとか、興味の持てる課題などをお示しして、子どもたちの学びを支援しているところでございます。 ◆たかじょう訓子 委員 三月の授業に係るまた取り組み、いろんな行事がいろいろ予定されていたというふうに思うんですね。子どもたちも大変楽しみにしていた機会が失われましたけれども、今後、学びに関しては、これからも保障するために、何らかの手だてをぜひしていただきたいと思いますし、私立の学校では、夏休みに補習を行うということを決めているところもあります。ぜひさまざまな検討をしていただきたいというふうに思っています。  次に、学童との連携について伺います。  私はこの間、子どもたちの状況や子どもの居場所の実態を把握するために、登録者が二百人に達する超大規模な学童である芦花小学校であるとか塚戸小学校を視察してきました。職員の方々やアルバイトの方などにもお話を伺って、感染予防の観点で、密集を避けるためのスペースの確保や教室の提供、同時に教室の清掃、消毒、換気など、スペースがふえるごとにふえる、こういった仕事に対しても手が必要だということ、それから学校との連携がとりにくい状況があるんだということをこの間、聞き取って、それを教育委員会にお話しをさせていただき、対応もしていただきました。個別にも対応していただきました。  この後、この状況というのは改善されつつあるというふうに伺っていますけれども、学童の三分の二が九十五人を超える大規模学童となっている中で、二百人を超える学童が四カ所あります。現在は四〇%の利用率だということですけれども、少しずつふえているという話も、現場からも聞いています。  今後、現場の学童や学校、教育委員会も、今までも大変な努力をしていただいていたというふうに思いますけれども、今後の連携の仕方について、今、どういうふうになっているのか、今後どういうふうにしていくのか伺いたいと思います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 このたびの臨時休校中における新BOPの運営に当たりましては、感染リスクを低下させるために、手洗い、せきエチケット、部屋の小まめな換気などのほか、昼食や間食時においても、児童の接触の機会を極力減らす対応を行っております。そのため、学校とも連携を図り、可能な限り、密集度が高まらないように、体育館や教室、多目的室、学校図書館等を新BOP事業に活用し、より多くの活動場所の確保に努めております。  また、人的な協力につきましても、校庭遊びにおける教員の見守り、学校包括支援員等による配慮を要する児童への対応、図書室での活動に、司書のほかに特別学級支援員等によるサポート、主事による消毒対応などの活動場所の環境整備等、学校との連携をしているところでございます。  臨時休校期間中の新BOPの利用状況につきましては、各新BOPに調査をかけて、利用状況の把握をしております。学童クラブの登録者数の約四割、新BOPは徐々に参加者が増加してきておりますが、一日四百名弱と通常よりも少ない利用になっています。  今後も感染拡大や人員確保などの状況を見きわめながら、新BOPや学童については、子どもの健康管理や衛生管理を徹底し、学校を初め関係所管と連携を図り、子どもの安全安心な居場所としての確保に努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ありがとうございます。本当に子どもたちの家庭で過ごすとか公園で過ごすというのが大変ふえていますけれども、それでも学校に行きたいという思いというのが、最初のうちは大変喜んでいるという状況でしたけれども、本当にどこに行っても子どもでいっぱいという状況で、そこの遊びの保障ということは、ぜひ協力をしていただきたいなというふうに思っております。  続いて、教員の勤務状況に関する調査の結果(最終報告)について伺います。  昨年の十月、アンケート調査が行われて、二月二十五日の文教委員会で最終版の発表がされました。アンケートには二千三十四人が回答し、回答率は八〇%となっています。教員の改善してほしい、こういった思いがあらわれているというふうに感じます。中間報告にはなかった多忙感、負担感を解消するための提案の部分の集計も加わりました。より切実な状況が明らかになったというふうに思います。  調査結果を受け、今後、必要な対策を早急に進めるべきと考えますが、いかがでしょう。  それで、自由記述で教員不足、特に業務の多さなど大変深刻な状態が最も多かったというふうに思います。これについては、教員や講師の増員を求める意見、二百五十八件、これが一番多いと。次が教員以外の方の配置、二百十四件、そして学級定数、通常学級三十五人以下学級の実現、これが百二件となっています。この実態への受けとめ、どのように受けとめたか伺います。 ◎青木 教育指導課長 昨年十月に実施いたしました教員の勤務状況に関する調査では、教員の多忙感、負担感を解決するための提案を記述式で調査いたしました。全部で千六百三十件の回答を得ましたが、回答は、お話しがあったように、人員配置に関すること、従事業務等の縮減に関すること、業務環境の改善に関することとなっております。最も多かったものは、教員の増員を求めるもので、あるいは教員以外の人材の配置、行事の見直し、校務支援システムの改善等の要望も多くございました。  教育委員会といたしましては、教員の増員などについては、国や都に対して要望するとともに、校長会と連携して業務の削減や業務環境の改善など、区として取り組むことのできる課題の解決に努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 教員以外の配置が大変多かったということで、先日、委員会で報告されたのは、スクールサポートスタッフを三十名配置するというふうにしています。これは学校の数からしても不十分ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 本年度は、教員の事務的な業務削減に向けてスクールサポートスタッフを小中合わせまして十二校に配置し、各校からは授業準備や評価など学習指導にかかわる時間がふえたとの報告を受けております。  教育委員会といたしましては、来年度、各校に配置するスクールサポートスタッフの活用状況なども踏まえながら、さらなる拡大について検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 これは大変ニーズが高いというふうに思います。区ができることとして、ぜひこの拡充をお願いしたいというふうに思います。  また、業務の見直しについてですけれども、私どもは、この間、教科「日本語」の廃止であるとか、学力テストの廃止などを検討すべきというふうに言ってまいりました。今回、この調査で本当に大変だという状況の中、ぜひこのことも検討していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。 ◎青木 教育指導課長 教科「日本語」につきましては、新学習指導要領の改訂に伴いまして、必修十八時間と選択十七時間を各校が設定できるようにし、新しい教科書等において狙いなどをはっきりさせ、教員誰もが指導しやすい工夫を施しております。  区の学力調査につきましては、国や都の学力調査だけでは把握することのできない子どもたち一人一人の学習習得の状況と、それを活用した思考力、判断力、表現力などを把握して実施しているものであり、結果を学力向上に役立てるための研究、検討を教育総合センターの開設に先行して実施しております。 ◆たかじょう訓子 委員 この教科「日本語」や学力テストの問題については、この間、私ども、教員の皆さんなどにお話を伺ってきて、子どもたちの時間の確保、それから子どもたちと教員の皆さんの時間の確保というのも含めて、大変大きな負担があるというふうに伺っています。今、検討は進んでいないというふうな答えでしたけれども、今後ぜひ検討していただきたいと、これは引き続き求めていきたいというふうに思っています。  次に、こういった教員の健康にかかわるような働き方の問題、健康にかかわる問題なんですけれども、こういったことを話し合う会議体があるというふうに伺っています。学校衛生委員会というふうにお聞きしましたけれども、名前が変わるということですけれども、この会議体について、どんなことをやっているのか、ちょっと伺いたいんですが。 ◎内田 学校職員課長 学校衛生委員会は、来年度から学校等安全衛生協議会と名称を変え、引き続き教育委員会事務局職員や教職員、教職員団体等からの推薦者及び産業医を構成員とし、学校職員等の労働安全や衛生に関する基本方針の検討、学校等への労働安全に関する情報提供、支援の方策を協議していくことを考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 この会議体で教員の健康、衛生について話し合うということですけれども、ぜひここで対策を検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。 ◎内田 学校職員課長 調査結果を踏まえまして、引き続き、教職員の健康障害防止のための対策を検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 以上で終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの文教の質疑を始めます。  引き続き、新型コロナの感染を防ぐ問題について話をしていきたいと思います。  この瀬戸際対策と言われているものが長引いておりまして、引き続き休校、そして、もう春休みに突入しようとしております。  まず、給食のことについてちょっとお伺いするんですが、ちょっと角度を変えまして、急な給食の中止で大量のフードロスというのが給食現場で発生していないか、また給食納入業者の方に過大な損失が、中小の小さい事業者に出ていないかということについて、まず確認したいと思います。 ◎桐山 学校健康推進課長 二月末に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、区立小学校につきまして、三月二日から三月十四日までを臨時休業とした方針に基づき、給食の提供も中止いたしました。学校給食で使用する食材につきましては、自校調理を行っている各学校が事業者へ発注や発注の取り消しなどを行っております。三月二日から三月十四日までの臨時休業中の給食用食材の多くは、各学校への配送をとめることができたところでございます。一方で、発注の取り消しが間に合わなかった乾物や調味料など保存のきく食材につきましては、学校再開に向けて一時保管をしております。  なお、発注の取り消しが間に合わなかった食材につきましては、事業者からの請求に基づき、支払いを行う予定でございます。 ◆高岡じゅん子 委員 ぎりぎり中に土日があったということで、納品をとめて、必要な支払いは中小事業者の方にきちんとするということで少し安心いたしました。  今回の突然の休校は、やはり教育委員会の判断での休校ですので、給食費、初めは何日分かは保護者負担だったのを全額、やはり保護者負担なしにするということにした、そういう判断も妥当なものだったと考えています。  総括質疑で、給食が停止すると、やはり栄養バランスが保てないリスクのある子どもの問題を取り上げました。今回の給食休止に伴って、子どもに対する食の支援の充実に向けて、今、どのようなことをしてくださっているのかということを伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校の休業中、子どもたちの中には、生活面、健康面、学習面などで支援や配慮を必要とするケースが生じる可能性を常に考えていかなければならないと考えております。休業期間中、給食を提供しないことに伴い、食の提供が必要な児童生徒への支援につきましては、子ども・若者部の協力を得て、今年度より実施しております子ども配食事業を臨時的に拡大して対応することといたしました。  教育委員会といたしましては、当該事業を保護者の皆様方に緊急連絡メールやホームページ等でお伝えし、その中で、支援の必要性がある場合には、子ども家庭支援センターに連絡をし、子どもに関する情報を共有するなど、連携して対応してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 先ほどの別の会派の中で、既に二百件の申し込みが子ども家庭課のほうにあるということです。この事業について御存じなかった保護者の方に素早くお知らせいただけたということには評価をいたします。今後も、子ども家庭課と連携をとり、必要な支援が的確に必要な子どもに届くように配慮をお願いいたします。これは新学期に入ってからも継続していただきたいと思います。  残念ながら、この感染症対策が必要な状況というのは一過性のものではなく、今後も続くことが予想されています。今回の事態を乗り越えたとしても、毎年、学校はインフルエンザなど集団感染を防いでいかなければならないということには変わりがありません。  感染症拡大防止には、体調不良な場合には潔く休むということが大切だというのは皆さんわかっていらっしゃるわけですけれども、どの職場もぎりぎりの人数で回している中、休みをとりにくいということがあると思います。ですけれども、学校の先生というのは、多くの子どもたちを相手にする職場であり、教員自身が感染源にならないということは、とても大切です。体調が十分でない場合、安心して休めるという職場環境が必要だと考えています。  昨年も、この件についてちょっと質問に取り上げまして、特に補習要員の手配や実施に非常に忙しくなりがちな副校長先生に対する補助の充実ということを約束していただきました。体調が悪い教員が安心して休めるためのサポート体制の強化について、今の状況と来年度の見込みを伺いたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 体調が悪い教員につきましては、年次有給休暇を取得して休めるようにしております。その場合、ほかの教員がかわりにその授業に入るなどをして対応しております。教員が長期の病休に入り、非常勤講師の配置が間に合わない場合などには、小学校においては副校長が業務を代行する場合がございますが、その場合には、教育センターに配置しております副校長OBを派遣いたしまして、副校長をサポートする体制を講じているところでございます。  引き続き、スクールサポートスタッフの配置等を通しまして、教員の負担を軽減するとともに、教員の病気休職等に的確な支援を行っていけるよう取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 先日、新聞で、東京都の教育委員会が、特に副校長を支援する非常勤の職員の配置を増員するというようなことが載っておりました。ぜひそういった制度も使っていただいて、安心して休めるというような状況をつくっていただきたいと思います。  本当に安心して休養がとれるということは、人間としての権利だと思います。教員の職場というのは何かと特殊扱いされがちですけれども、例えば、最近新たにできた変形労働時間制というのも、先生方の疲弊感を改善する方向に役立つのかどうか、私は疑問だと思っています。まずは、余裕ある人員配置を今後も私どもも求め続けたいと思っています。  WHOがこのCOVID―19を正式にパンデミックというふうに認めました。危機感が高まりますと、排他主義や人種差別が噴出してくるということは悲しい事実です。欧州や米国の一部では、日本人や東洋人への露骨な差別が報道されています。皆様も、不快感や不安を感じられているのではないかと思っています。  日本国内でも、日本に暮らす朝鮮半島にルーツを持つ方や韓国の方、中華圏につながりのある方や中国の方に、ヘイトスピーチを初め、さまざまな差別的な行為がなされているという現実があります。世田谷区教育委員会では、人権尊重への理解を教育目標の冒頭に掲げ、差別や偏見をなくす人権教育の推進を目指しています。  子どもたちを取り巻く情報環境では、対面ではとても言えないようなことも、SNSやインターネット空間では無責任に拡散してしまう、フェイクニュースやインフォデミックというものが蔓延しています。  災害や感染症の流行など社会が不安に覆われているときには、差別や偏見に満ちた言葉や行為が出てきやすくなります。子どもたちは、このような言葉や行為の被害者にも、そして残念ながら加害者にもなり得ます。このような状況に対し、教育委員会はどのように対応しているんでしょうか。 ◎池田 教育政策部長 近年、急速な情報化が進む中、虚偽の情報ですとか偏見に満ちた情報が社会に広がり、多くの人を混乱させたり、傷つけるということが大きな社会問題となってございます。  教育委員会といたしましては、子どもたちが安易な形で加害者となってしまうことのないよう、しっかりとした人権意識を持たせるとともに、情報社会の中で正しい情報を見抜く力を培うことが重要であると考えております。  各学校では、人権尊重の理念に基づき、全ての子どもが互いを認め、心の通う望ましい人間関係を育むために、全ての教育活動を通じて計画的な人権教育に取り組むとともに、小学校六年生と中学校一年生においては、インターネット上での人権侵害や大量の情報の中から適切な情報を選択すること、責任を持った情報の発信など、ネットリテラシー教育にも取り組んでいるところでございます。引き続き、日々変化していく社会の中で、子どもたちが正しい行動を選択することができるよう取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 そういうふうに正しい行動を選択できるためにも、やはり自分たちが主体的に学ぶアクティブラーニング、そして体験的な学習をもっと強める必要があると私たちは考えています。  世田谷区が包括協定を結んでいる川崎市では、昨年の末、ヘイトスピーチに対する刑事罰規定が組み込まれた川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例が成立しました。川崎市には立派な平和館もあり、民族差別解消や国際理解など幅の広い平和の啓発、教育活動に取り組んできています。ことし一月には、へいわのための人権教育展というのが開催され、中学生から大学生が川崎市平和館の提供する共通ワークショップを通じてつくった人権教育プログラムが展示されていました。私も見に行ってまいりました。  特に十一日には、企画関連イベントとして、展示に参加した中学生や大学生が自分自身のつくった十分程度の参加型のプログラムを自分たちで披露する、ファシリテーションするデイ・オブ・ワーク・ショップ三昧というのが開催され、とてもすてきな体験でした。ゲームとか寸劇を通じて人権について考えるたくさんのプログラムが披露されています。  この中で、とても秀逸だったものをちょっと披露させていただきます。これは、誰もがフェイクニュースに振り回されてしまうという仕組みを体験するゲームでした。  最初に参加者を幾つかのグループに分けまして、こういうふうに言われます。ある病気に感染しているグループがこの中にあるといううわさがあります。そういうふうに言われた後、各グループに診断結果と言われた紙が配られます。そして、このグループの結果をみんな一緒に開いて見てください。みんなでのぞいてくださいというふうに言われます。  そういうふうに開いて見る中で、ある一つのグループが、ああっと声を出したグループが、一つのグループだけありました。その後、各グループの方にどのグループが感染していると皆さん思いますかというような問いかけがあったとき、私の参加したグループを含め、全てのグループがそのああっとちょっと違う反応をした人たち、あのグループがそうだというふうにみんなが言いました。実はそのグループの診断書には駄じゃれのようなことが書いてあっただけだったんです。実は誰一人感染していなかった、感染しているという診断書を受け取ったグループはなかったにもかかわらず、そこにいた、それも人権教育に興味があったはずの大人たちみんなも含め、本当に簡単にフェイクニュースというものができていくんだというのを、このほんの十分間ぐらいのワークショップで体験することができました。  このゲームは、中学生が川崎市平和館からの出前講座を受けて、ほんの二こまぐらいの体験的な授業でつくり出したというものだそうです。  私はこれを体験しまして、世田谷区の中学生にも、このような人権についての気づきを自分たちからつくり出す、大人たちに伝える、また、知らない子どもたちに伝える、そういう体験をしてもらいたいと強く感じました。川崎市とは包括協力協定も結んでいますし、平和館と世田谷区の平和資料館の協力関係もあります。ぜひこういった環境を生かして、希望する中学の総合学習の時間とか、また中学生向けの才能の芽を育てる体験学習でもいいんですが、世田谷区でこのプログラムを実現できないでしょうか。見解を伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 新・才能の芽を育てる体験学習では、各界の第一線で活躍する方々を講師にお迎えし、日常では体験できない貴重な内容を体験することで、子どもたちが自分でも気づかなかった才能に気づき、その才能を伸ばすきっかけになることを期待して講座を実施しております。  お話しのありました川崎市の人権に関する体験学習につきましては、川崎市平和館の職員みずからファシリテーターとして、人権や平和に関するワークショップを行い、中学生の人権や平和に関する知識を高めていく授業であると伺っております。  世田谷区でも、平和資料館において平和のとうとさを知っていただくための資料の展示等を行うとともに、学校への出前授業等も行っております。今後とも、子どもたちにさまざまな体験学習をするための工夫を他部署とも協力をしながら検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 本当に全国でも、国際的な偏見を乗り越えるということに関しては、川崎市が第一線を行っている自治体だと思っています。そこの知見をぜひ世田谷区でも生かしていただけるように、強く要望させていただきます。  話題を変えまして、不登校の子どもたちの学ぶ権利を守っていくため、世田谷区教育委員会が進める施策について伺ってまいります。  開校して一年になるほっとスクール希望丘は不登校の親子に非常に人気が高く、利用に向けた見学申し込みも多数あり、来年度は利用定員をふやし、対応するとのことです。この間、何人の見学などのお申し込みがあり、利用に至らなかった児童生徒のフォローなど、不登校状態であっても教育とつながっていたい親子のニーズにどのように応えているのかを伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 ほっとスクール希望丘の利用定員は三十五名程度としておりますが、今年度は、この二月までの間に二百十三件の利用に関する御相談がございました。十一月末現在の段階で、通室体験を含め登録者が百二十名を超え、毎日の通室人数が四十名弱で推移したことから、それ以降、新規の利用については対応できず、利用希望者全員の御要望に応え切れていない状況でございます。  当面、ほっとスクール希望丘の利用ができない御家庭については、ほっとスクール城山、尾山台の利用を御案内するとともに、スクールカウンセラーや教育相談室での継続相談へつなげるなど、支援が途切れることのないよう努めております。  令和二年四月以降、ほっとスクール希望丘の定員を三十五名程度から五十名程度とするとともに、子どもたちが通いたくなるほっとスクール事業となるよう、見直しにも取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 希望丘に申し込みが集中するのは、施設の充実もありますが、居場所だけではない自立への道を子どものペースに合わせて探す場が求められているからだと思います。学校生活には合わないけれども、学習自体は嫌いでないという子どももたくさんいます。来年度からeラーニングのためのタブレットが各ほっとスクールにも配置されるという方針です。自分なりの成長をして、社会に出る準備をしていきたいという子どもの思いに応えられるように、ほっとスクール自体が変わっていくということを要望いたします。  あと、不登校でも学びたいという思いの中、民間のさまざまなフリースクールなどを利用している子どももたくさんいます。こういった生徒や保護者への支援は、今どうなっておりますでしょうか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 学校に行きたくても行けなかったり、家にひきこもっていたりするなど、さまざまな状況にある児童生徒とその保護者、家族への支援も重要と認識しております。  不登校児童生徒の家庭においては、福祉的な課題への対応が必要なケースが多いことから、スクールソーシャルワーカーを配置し、家庭訪問などのアウトリーチ型の支援を行い、一人一人の状況に応じた必要な支援につなげてまいりました。また、不登校の児童生徒を持つ保護者を対象として、お互いの不安や悩みを話し合ったり、情報交換を行う不登校保護者の集いを開催し、保護者の不安感を軽減する取り組みなども行っております。  教育委員会としましては、不登校児童生徒が自己肯定感や社会的自立に向けた意識を育むことができるよう、今後とも、子育てや家庭への支援を担当する福祉保健領域やフリースクールなどの子どもの居場所事業を実施している民間施設、団体とも連携し、適切な支援を継続的に行ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 民間の施設や団体との連携も深めるとのことです。教育委員会のほうから主催で、フリースクール実施団体との意見交換会などを開くなどして、フリースクールで過ごす子どもの現状をしっかり受けとめ、必要な支援を検討していっていただきたいと思います。今は、一部の交通費が通学定期扱いになるなど以外の経済的な支援がありません。今後、経済的にも厳しい状況に対する支援についての検討も求めます。  不登校から学校に復帰したいと思ったとき、一番不安なのは、学習活動についていけるかではないかと思います。長期化し、例えば中学の一年間丸々休んでしまった場合、突然、中学二年生の英語や数学についていくのは本当に大変です。隣の学区に行き、中学一年からやり直すなど、標準の学齢から年齢が超過しても、自分の学力に合った学年をやり直すということはできるのでしょうか。 ◎田中 学務課長 不登校の児童生徒につきましても、次学年に進級することが多い状況でございますが、本人、家庭から次年度も現学年で学びたいとの希望があり、学校長が児童生徒の学習状況を踏まえた上で、現学年とすることも可能でございます。 ◆高岡じゅん子 委員 ギャップイヤーという考え方というのは、欧米ではすごく普通だというふうに聞いています。在籍し、年齢が上がっていきさえすれば、通学実態がなく、学習経験が得られなくても卒業させてしまうということが子ども自身のためになっているのか見直す必要があるのではないかと感じております。  幾つになっても学び直しのできる制度としては、今は夜間学級しかないというのが疑問です。高校などカリキュラムが多様化して、通信制だけではなく総合高校など柔軟なカリキュラムがふえ、むしろ高校に行きますと、科目不合格とか留年とかで学び直しは強制されるというようなことになっています。しかし、高校に行って初めてやり直しを経験するのではどうなんでしょうかと思います。もっと早い機会に、つまずいたところからやり直せる学び直しや補習の機会の充実が必要だと感じております。  不登校からの学力復帰支援というのを今後もぜひ工夫していっていただきたいと思いますし、これは放課後の補習などで済むようなものではない場合もありますので、それに対してどのような人員を充てていくのかということも取り組んでいただきたいと考えております。  不登校からの復帰後の補習支援について、見解をお願いいたします。 ◎板澤 副参事 学校におきましては、放課後や長期休業日等を活用した指導や家庭訪問等の機会を生かしまして、学習等の個別の支援を行っております。また、全区立中学校で実施しているeラーニング等につきましては、自分のペースで繰り返し学習しながら、学びの定着度や進捗を確かめることができまして、学び直し等の基本的事項の定着につながるという点から、不登校の子どもたちにとっても効果的な学習となっておりまして、活用を進めております。  教育委員会といたしましても、今後とも、こうした家庭での学習等、状況に応じた多様な場を提供するなどいたしまして、不登校の子どもの学習支援をしてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 学習の支援に関して、ぜひ力を入れていただきたいと考えております。  高校に行くのは、もう全入が当たり前となり、少子化の影響もあって、都立高校にも定員の空きがある学校も出てきています。うれしいことには、不登校でも中学卒業生の場合、多くの場合、何らかの高校進学が実現できています。また、新しい学習環境を求めて中学受験するというような子もいます。子どもの進路のためには、内申書と卒業資格が必要になります。
     本来は、学校で学んだこと、どのように学んできたかというのを進学先に伝えるのが内申書ですけれども、不登校の子どもたちのために、区立の小中学校はどのような進路の支援や学びの評価をし、進路に結びつけているんでしょうか。子どもたちの自分なりの学習活動などをどのように評価しているかについても伺います。 ◎板澤 副参事 不登校の子どもの支援を進める上では、学校と関係機関が連携いたしまして、支援に必要な情報を共有しながら、子どもの将来に生きる対応を行うことが重要であると考えております。特に自宅や学校以外の場所での学びや活動を受けとめ、出席日数として扱うことや、学習の評価の対象とすることは、将来の進路選択や社会的自立に具体的につながるものといたしまして、子どもだけではなく保護者の関心も高く、積極的に取り組むべきものと考えております。  教育委員会といたしましては、自宅におけるIT等を活用した学習活動や、ほっとスクール、フリースクール等での学習を子どもの成果や努力の姿として積極的に認めまして、学校の出席や評価になるように働きかけを強化してまいりたいと考えております。  今後とも、こうした取り組みや努力の評価を積極的に行って、その子の将来に生かすように取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 子ども自身の成長や学びを大切にできる仕組みを世田谷からつくり上げていってください。  以上で生活者ネットワークの質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいります。  まず、昨年の第四回定例会の一般質問で、日にちは十一月二十八日でありますけれども、姉妹都市交流事業や教育海外派遣事業で、世田谷区は四十八年間、ことしを入れると、もう四十九年になりますけれども、事業を大変長く継続してやってきているわけですが、その中で、その間、障害者に対する差別をなくしていく法律であったり、さまざま環境の変化がある中で、それでも、この派遣事業の中で障害者の児童生徒を派遣をしてこなかったという実態が明らかになって、教育委員会として、ぜひそういった差別的な取り扱いをなくして、障害者の児童生徒が派遣をされるような体制をつくっていただきたいと、これも要望をさせていただいたわけであります。  そこで、募集要項を拝見をさせていただいて、それで私が質問する前の募集要項とそれ以降の募集要項ということで拝見をいたしましたら、一点、気づいたのは、前は心身ともに健康で明朗かつ協調性に富んでいるということが参加の募集の条件になっているんですね。そうすると、心身ともに健康ということになると、障害者は参加しないでくれと言っているのかなというふうにとれるわけですね。  ところが、教育委員会の説明ですと、今までも障害者を別に排除したつもりはないというような御回答をいただいていたけれども、実際には、募集をする段階の募集要項の中に、心身ともに健康である生徒だということをしっかり明記をしているんですね。ですから、言っていることとちょっと違うんじゃないかなというふうに思いました。  それで、新たに募集要項をどうも改定をされたようでありますけれども、どういった視点で、どういうふうに改定をされたのか、お答えをいただきたいということが一点。  それと、どうも新しい募集要項の中でも、障害のある児童生徒は、募集に応募しても、参加をしてもいいですよというような記述がないんですね。ぜひ新しい募集要項の中には、そうした記述をしていただきたいと思うんですが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎板澤 副参事 委員おっしゃいますように、今年度、委員のお話を受けまして、募集要項等を改定させていただきました。  この海外派遣につきましては、障害のある児童生徒も、障害のない児童生徒も同じ選考過程を経ることといたしておりまして、まずはお申し込みの段階において、障害のある方に申し込みにくいと受けとめられる可能性のある表現を見直そうと考えたものでございます。また、必要に応じまして、面接の場所や方法、時間などにおきまして、合理的な配慮等を検討する必要があると考えまして、その情報を提供いただくような工夫をさせていただきました。  そういった点から、今年度の募集要項等につきましては、昨年度まで、心身ともに健康で、また体調等の自己管理ができという記載を、派遣期間中に健康に過ごすことができという記載に変更いたしました。加えまして、応募用紙に健康面などで配慮が必要なことがある場合には、その旨をお伝えいただく記入欄を設けたところでございます。  この募集要項等の改定につきましては、次年度の募集要項等の作成に向けまして、改めて障害の有無にかかわらず、より多くの方に応募いただけるように工夫をしてまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 募集要項の実際のはこれですけれども、ポートランドとか、新しく派遣をしたフィンランドなんかの募集をしたのは昨年ですから、これは全部、心身ともに健康なという条件がついていて、新しく今度つくられたというものには、期間中、健康に過ごせる児童生徒というような表現に変わっておりますけれども、いずれにしても、障害のある児童生徒が参加できる事業に早く衣がえをしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  次に、教育長に伺いたいんですけれども、教育長は就任の挨拶で、私は子どもには無限の可能性があると考えています。学校の中で、自分にはよいところがあると感じ、自信を持って学生生活を送る子どももいれば、秘めたる力を持ちながらも、なかなかその活躍の場に恵まれない子どももいます。さまざまな子どもがいる中で、私は微力でございますが、今まで校長としてやってきたことを世田谷区内に広げ、一人の子どもも決して置き去りにしない教育をこれから推進してまいりたいと考えておりますということでありますが、この障害者を今派遣をしていないという状況等に鑑みて、この就任時の挨拶は、まさに障害を持つ子どもも健常の子どももしっかり活躍できる、そういう学校生活を送れるような場を提供したいということなんじゃないかなと思うんですが、この点についてどのようにお考えですか。就任挨拶との整合性をお答えをいただきたい。 ◎渡部 教育長 私は、誰一人置き去りにしないということを信条にしてきました。このことを就任の御挨拶でも申し上げました。これは、学校現場にいたときの実感でもあります。一人一人の子どもの個性や資質に応じた教育を推進することこそが、その子どもを最大限に伸ばすことにつながります。それぞれの子どもたちが自分らしく学び、自分らしさを表現できる環境なくして教育、学校は成り立たないと考えております。  そのため、先ほど課長のほうから御答弁させていただきましたが、差別をしないということは、障害者の派遣についても、先ほど御答弁申し上げたとおり、文言等も変えておりますので、その子が出てきたときには最大限の配慮をさせていただくとともに、出てきやすい環境を、その子が手を挙げやすい環境を推進してまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 ちょっとお尋ねしますけれども、教育長は中央教育審議会の委員というのは経験がございますか。 ◎渡部 教育長 審議委員の経験はございません。 ◆あべ力也 委員 教育長が先ほどおっしゃった一人の子どもも決して置き去りにしないというようなことですけれども、これはどうも中央教育審議会の答申の文言ですよね。私は、教育長のみずからの言葉で、そういう教育の姿勢を聞きたいんですけれども、この中教審の答申の言葉ではなくて、みずからの言葉で簡潔にお答えをいただきたいと思います。 ◎渡部 教育長 誰一人置き去りにしない教育という言葉は、SDGsの目指す世界でもあり、一人一人に応じた教育の推進という……。 ○阿久津皇 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 私からは、貴重な文物を保管する区の施設の水害対策について伺いたいと思います。  まず、文化財を保管する区教委の施設についてです。  昨年十月の台風十九号の襲来では、各地の博物館、美術館も被害を受けました。中でもお隣、川崎市の市民ミュージアムの被害は甚大で、広く報道もされました。  同ミュージアムの収蔵品には、考古学や民族学の各資料、絵画や漫画、写真、映画など約二十六万点があり、このうち、館外貸し出し中、あるいは展示中だった三万一千点を除く収蔵庫内の全てが浸水し、ほかの美術館などから借り受け中だった百四点もまた浸水をしたと報じられております。  同ミュージアムは、そもそも浸水想定区域の中にあり、出水時は五メートルから十メートルもの浸水が想定されていましたが、その収蔵庫は地下室としてつくられ、止水板や防水シャッター、排水ポンプの備えもなかったことが批判もされました。  しかし、こうしたリスクは区立の郷土資料館にもあるのではないでしょうか。今回調べますと、予想外でしたが、区立の郷土資料館も内水氾濫の浸水想定区域の中にあり、貴重な文化財等をおさめる収蔵庫の階層も、本館の地下一階と新館の地下二階となっています。それでいて出水時の避難計画もなければ、止水板や防水シャッターの備えもないと確認をしております。平素より対策をとっていく必要があるのではないでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 委員御指摘のとおり、郷土資料館を初めとした社会教育施設に関しましては、浸水地域に含まれているものもございます。昨年の台風での川崎市市民ミュージアム等の被災を鑑みても、文化財資料保存に向けた備えについては、同じような立地に建つ全国の博物館、美術館等では共通の課題となっております。  とりわけ郷土資料館には、地下の収蔵庫に収蔵資料が約五万点以上あり、野毛大塚古墳の出土品や大場家由来の資料など大変貴重な収蔵品も約千二百点以上保存しております。  現状では、抜本的な浸水対策を講じることは困難なため、大場代官屋敷保存会の皆様と相談しながら、重要資料を優先して二階へ移動させるなどの方策を検討するとともに、令和四年度に予定している大規模改修の中で、止水板の設置などによる対策もあわせて検討してまいります。 ◆上川あや 委員 郷土資料館に関しては、特段雨が降らなくても、その収蔵庫が水没するリスクがあると承知をしています。  現在の郷土資料館の建つ場所には、それ以前、大場家の池の庭があり、同資料館はその池を潰す形で建てられたと伺っております。そのためか、現在でも郷土資料館の地下からは豊富な湧水が湧き、平素はそれをくみ上げて、代官屋敷を守る消火設備、ドレンチャーの水源とするとともに、今の大場家に残る池にもその水を注水し、それでもなお残る水は下水に流していると承知をしております。  つまり、常時、湧水をくみ上げることによって初めて郷土資料館の収蔵庫等、地下の施設は守られ、その機能を維持しているわけですが、震災等で電源がとまることを想定した非常用電源の備えはないままで、仮に停電が続きますと、ものの数時間で湧水を受けとめている水槽もあふれると承知をしております。現状の対応では、その災害対策に改善するべきすきがあるように思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 資料館がある代官屋敷敷地内は、かつて東京農大が湧水量の調査を継続して実施した時期があり、日量最少六十立方メートルから最大百六十立方メートルの湧水があるとのことでございます。  震災時に停電があれば湧水ポンプがとまり、ふだん湧水槽からポンプアップして下水道に流している湧水が数時間後には湧水槽からあふれる懸念があり、収蔵庫等が浸水するおそれがございます。このため、震災時に停電発生があっても、湧水ポンプを発動させる電源確保に向け、令和四年度に予定している大規模改修時に七十二時間稼働可能な災害時非常用発電設備の導入を設置する方向で検討を進めております。 ◆上川あや 委員 区内の浸水想定区域には、郷土資料館のほかにも貴重な考古資料を保管している宇奈根の考古資料室とその分室、また民具や文具を多数保管している岡本と次太夫堀の各民家園がありますが、こちらについても浸水対策は全くないままだと承知をしております。この点はいかがでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 次太夫堀公園民家園や岡本公園民家園、宇奈根考古資料室におきましても、いずれも浸水区域に含まれております。  次太夫堀公園民家園や岡本公園民家園では多数の民具や文書類を、宇奈根考古資料室では多数の出土品や資料などを保存しております。  現状では抜本的な浸水対策を講じることは困難なため、重要な文化財等の浸水区域外の借り上げ倉庫への移転や、高さのある場所へ移動させるなどの方策を検討するとともに、敷地にある建物を有効活用しながら、重要な資料等についての保管を図り、止水板の設置などによる対策もあわせて検討してまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、区立図書館についてです。  区立の図書館、図書室につきましても調べました。また、浸水想定区域にあるものが少なくないと感じました。調べますと、実に二十一の施設中十三の施設が浸水想定区域の中にあり、中でも、このうち八館は地下に収蔵施設があるとわかりました。  昨年秋の台風十九号の襲来では、毎日新聞が文部科学省に取材した結果として、少なくとも十三都県の八十六公共図書館と十四の大学図書館で被害が出たと報じられております。  この中でも、区内玉堤にある東京都市大学の図書館の被害は甚大で、地下収蔵庫が高さ五メートルの天井部分まで冠水し、およそ九万冊が被災したといいます。ところが、同じく浸水想定区域の中に立地をし、しかも地下に収蔵施設を持つ本区の図書館八館も水害への備えは一切ないと確認をいたしました。  止水板等の浸水を防ぐ設備導入もなければ、出水時、資料を避難する計画もないと確認をしております。このまま無策でよいとは思えないのですけれども、いかがでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 東京都の浸水予想区域図で確認いたしますと、浸水予想区域にかかっている区立図書館のうち、地階に資料を置いてある館が八館あります。この中には、資料の一部を地下倉庫に保管している館もありますが、図書館自体が地下に設置している施設もあり、貴重な資料を長く引き継いでいくためにも対応を考える必要があると認識しております。  来年度から改築工事を行う予定となっている梅丘図書館は、この浸水想定区域にかかっておりますが、改築の実施設計の中で、出入り口に取りつけができる防水板の設置などを予定しております。  建物の構造や貴重資料の数量など各館ごとの状況の違いなども考慮しながら、出水時の対策等について施設所管など関係部署と調整してまいります。 ◆上川あや 委員 平素より抜かりのないようにしっかり対策をとっていただくようにお願いいたしまして、私の質疑を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、福祉保健委員会に引き続き、医学知識検定の推進について伺います。  医療費の急増が大きな財政負担となっております。その要因の一つとして、過剰診療や患者側の科学的医学知識の不足があります。また、義務教育での保健体育の授業はあるものの、高校入試、大学入試と関係がないために医学知識がほとんどないのが現状です。そのようなためにできた検定として、医学知識検定があります。  この医学知識検定は、大学所属の専門医が関与しており、ある程度の判断ができる基本的な医学知識を習得できる環境の整備に寄与すると考えます。区として医学知識検定を進めていくことが国民の生命を守ること、また医療費の適正適用のために有効と考えます。特に世田谷区は、中学三年生まで医療費無料でありますから、正しい知識を身につけることが重要で、国全体の医療費削減にも寄与します。  この医学知識検定を子どもたち、そして親子で受けることも有効で、例えば、まず学校で広く広めていくこと、この周知が有効と考えます。見解をお伺いいたします。 ◎板澤 副参事 子どもたちがさまざまなことに興味を持ち、自発的に学び、探求していく姿勢を育むことは大変有用であると考えております。医学についても同様でございまして、御提案の医学知識検定は、医学への関心を深めるきっかけとなるものと考えております。  学校の教育課程の中で取り入れることは困難と考えておりますが、例えば夏休みの取り組みの例といたしまして、子どもたちに紹介することなどを今後検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う学校給食の食材についてお伺いいたします。  区立小中学校の休校が三月二日から三月十四日まで、そして引き続き三月十六日から三月二十五日までに延長されました。これにより、さまざまなところに影響が出ております。給食食材を納品している事業者の方から、学校給食に携わっているいろいろな方が大打撃を受けている。被害は直接納品している事業者だけではなく、仕入れ先にも広がっている。この認識がなされておらず、まず実態を知ってほしい。その上で支援策を講じてほしいというものです。  まず、今回の休校に伴う給食の廃止により、一、発注をキャンセルした食材、二、キャンセルが間に合わず、そのまま発注した食材の二つに分かれます。二月二十八日に休校が決定をして三月二日から休校ということで、突然のことで影響が大きいと考えます。全国では、小中学生は約九百三十万人、食材費三百九十億円のうち、半分は生鮮食品であり、約二百億円の影響が出るということです。  まず、世田谷区では今回の休校に伴う影響について、実態を把握していらっしゃいますでしょうか。 ◎桐山 学校健康推進課長 二月末に教育委員会から各学校に対し、発注の取り消しなどを指示したことから、三月二日から三月十四日までの臨時休業中の給食用食材につきましては、各学校への配送を多くはとめることができました。  発注の取り消しが間に合わなかった乾物や調味料など保存のきく食材につきましては、学校再開に向けて特例的に一時保管しております。なお、保管した食材につきましては、品質の確認を徹底し、安全に使用するようにいたします。  また、発注の取り消しが間に合い、学校へ納品されなかった給食用食材について、生鮮品など保存のきかない食材は事業者で廃棄したものもあると聞いておりますが、学校ごとの契約であることから、その影響額も含めて詳細を確認しているところでございます。 ◆ひうち優子 委員 次に、世田谷区は自校調理方式であることから、給食食材の契約は各学校ごとであり、ゆえに今回の休校に伴い、食材の発注、キャンセルについて、各学校ごとに対応がばらばらであり、かなり大変だったとのことです。世田谷区は給食を出している学校が八十三校ありますから、大変です。  まず、この現状を知り、今後、国からの通達などに関して教育委員会が指針を示して、一括して各学校に通達を出していただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎桐山 学校健康推進課長 二月末に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、区立小中学校について、三月二日から三月十四日までを臨時休業とした方針に基づき、給食の提供も中止いたしました。  学校給食で使用する食材につきましては、教育委員会で管理しているパン、麺、牛乳の指定物資と学校ごとに契約している一般物資がございます。今回、指定物資につきましては、発注取り消しなどの対応を教育委員会でまとめて行っております。一般物資につきましては、具体的な調整を行う必要があったため、各学校より事業者へ発注や発注の取り消しなどを行っております。  臨時休業の決定に合わせて、二月末に教育委員会より休業期間中の学校給食用の食材の取り扱いなどについて学校へ周知を行い、各学校から事業者へ連絡し、三月二日から三月十四日までの食材については、発注の取り消しなどを行うよう指示をいたしました。  今後とも、教育委員会から各学校へ国の通知等も含め適切にお伝えしてまいります。 ◆ひうち優子 委員 今回、各学校ごとに対応がばらばらで、かなり大変だったという声をいただいておりますので、ぜひ今後はこの一括した指示を出していただくよう要望いたします。  次に、今後の支援体制について、国では各学校臨時休業対策費として補助金が創出され、学校給食関係の事業者についても支援を行うとのことであります。今後の支援について、教育委員会としてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食用の食材を納品している事業者は、区内事業者、区外事業者とさまざまでございます。  学校給食関連の食材等を取り扱っている事業者への支援についてですが、現在、国における緊急対応策として、学校給食用に納入を予定していた食材の代替販路の確保に向けたマッチングや補助制度、資金繰り対策の強化などが講じられております。また、区では経済産業部で中小企業向けに国の緊急対応策等の内容を踏まえた対応を検討しているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後、事業者からの声も伺いながら、関係所管と連携を図り、必要な対応をしてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ今後の支援策についてもしっかりと対応していただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 この数百年間の通信手段の歴史を鑑みると、郵便、電気信号、電話、無線、ポケベル、ファクス、メール、テレビ電話、SNSとさまざまに発展をしてきたにもかかわらず、学校の欠席連絡はいまだに江戸時代の飛脚と同様、誰かを経由して連絡帳を手渡しすることを基本としており、ソサエティ五・〇と教育委員会はよく言いますが、二・〇時代からいまだに進歩していません。  先日は、学校、保護者間の連絡手段について電子化のメリット、デメリットのみについて答弁ありましたが、現在の体制のデメリットについて、教育委員会の見解を順次伺ってまいります。  まず、どうやら連絡帳を原則として強く案内をしている学校と、電話連絡も広く可能な学校があるようですが、区教委として現場に判断を任せているのか、共通の指針があるのか、まずは伺います。 ◎青木 教育指導課長 現在、欠席の連絡方法については、各学校が設定し、保護者の方の協力を得て行っているところです。小学校では、原則、連絡帳によるお願い、中学校においては電話連絡が多いと聞いています。 ◆そのべせいや 委員 各校学校長の裁量に任せるという範囲内があるということでよろしいでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 おっしゃるとおりです。 ◆そのべせいや 委員 各校に裁量が存在するということであれば、例えばメールであるとか、あるいは月額を払ってシステムを導入するということも裁量のうちとして、各学校の判断でやってもらえば構わないというような認識でよろしいでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 導入をされます方法が、どのような内容で、どのような機器等を、あるいはソフトウエアなどを活用するかということにもよりますが、個人情報の扱いですとかICT環境の違い等がございますので、それらを検討する必要があるかと思います。 ◆そのべせいや 委員 個人情報ということですけれども、学校では既に住所だけでなく電話番号を取得していて、個人情報の適切な運用というものが、さすがに行われているだろうということを想像しています。  今回、メールアドレスというものが登場する中で、初めて個人情報取得の問題が起きるというようなことではないと認識をしていますが、電話番号取得にちゅうちょせず、逆にメールアドレスについては個人情報という言葉が出てくるということだと認識をしていますが、これは電話とメールの差というのは、教育委員会として、どのようなものだと捉えられているのでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 保護者の方との連絡方法につきましては、電話番号、あるいはメールについても一定の個人情報としての扱いが必要であるというふうには考えております。連絡の仕方の中では、それぞれのメリット、デメリットもございますし、特に連絡の内容につきましては、そのお子さんにかかわることもございますので、個人情報にかかわる件と考えております。
    ◆そのべせいや 委員 メールアドレスが問題があって、電話については問題というか何もちゅうちょすることなく取得をしているということの差が何なのかということについて教えていただければと思います。 ◎青木 教育指導課長 現在、学校においては緊急連絡メールを活用しております。それにつきましては、案内をいたしまして、保護者の方みずから登録をしていただくというところで、どなたがどのアドレスでというところは、学校として、個人情報としては扱っていない状況でございます。 ◆そのべせいや 委員 電話番号は、もう既に個人情報として取得をしていると。メールアドレスについては個人情報という形ではなくて、一斉連絡メールというシステムの中に個人の名前とひもづけずに登録をされているということで、現在、学校が取得しているメールアドレスというのは個人情報とひもづいていないということは理解をしていますが、一方で、別に電話番号がちゅうちょなく提供していただけるのであれば、メールについても、ちゅうちょなく提供していただける方においては、そういう連絡の手段があるのではないかということを申しております。  とお伝えをして、ここで連絡帳についての問題点について挙げます。  そもそも連絡帳を届けているうちに、病気の子どもを家で一人にしなければならない。この間に何かあれば発見がおくれ、その後、回復、命にかかわる可能性がある。また、子どもを一人にするという日本国外、英米系の国であれば逮捕もあり得る行為を国際化、多様化と言いながら強制をすることの問題、乳児のいる家庭であれば、抱っこしたり、ベビーカーを引いて、わざわざ連絡帳を届けに行く必要がある。朝から病児保育を利用する場合、通学時間帯より早く受け渡しをすることが可能ではない。連絡帳を届ける際に感染症をうつすリスクがある。また、高度にセンシティブな個人情報も連絡帳を介してやりとりをされてきたことを鑑みると、個人情報の塊と言えるものを何の安全性もなく、近所だからという理由で未成年に手渡しで運ばせることは、連絡帳の中を無断で見られる可能性、そこからいじめにつながる可能性、連絡帳そのものを紛失する可能性、問題が起きた際に、学校ではなく預けた側、預けられた側の当事者間のトラブルになる可能性など、これまでもさまざまな不便を保護者は強いられながらも、ほかに方法がないと学校が言うので、不満に思いながら対応されてきたということを想像しています。  恐らく連絡帳手段が機能した時代には、専業主婦が子どもの近くにいたこと、また一義的には兄弟に頼めばよかったということでしょうが、全国の平均で何人兄弟かをあらわす完結出生児数は、二〇一〇年以降は二・〇人を切っています。以前は一〇%で推移していた一人っ子率も、二〇一五年の統計によると約二〇%、今の数字は東京ではなく日本全国です。晩産化、女性の高キャリア化が進み、また子育てにかかるコストが高い東京では、さらに一人っ子率も高いことが想像されると。容易に兄弟に頼めばいい、歴史的に戦後、昭和のみに広く存在をしていた専業主婦というインフラを利用すればいいという世界観ではないということは、現場で子どもと保護者と接する学校が本来であれば最も理解すべきことではないでしょうか。  先ほど申し上げた連絡帳が引き起こしている諸問題について、これはもはや連絡帳制度を続ける限りは、区として連絡帳を届けるためのインフラとしてバイク便を手配でもしなければ改善のしようがないと考えますが、今後も連絡帳制度を続けるのか、どうしても続けるのであれば、先ほど例示したような問題の解消のために区としてはどのように取り組んでいくのか伺います。 ◎青木 教育指導課長 連絡帳につきましては、届けていただくのが難しい場合、電話連絡も可能という形にしております。また、今御指摘がさまざまございました連絡帳の扱いについては工夫をしているところでございますが、今後、各御家庭あるいは学校などの意見を聴取しながら、適切に検討してまいりたいと考えております。 ◆そのべせいや 委員 電話を受ける際に、教員の方々がそもそも就業時間内になっているのかという問題についても指摘をしようと思いましたが、時間の関係で最後に一点、連絡帳の電子化について、システムを導入すると、どうやら月々五千円から始められるサービスもあると。二〇一九年五月時点の世田谷区の小学校の児童数は三万七千人です。毎年、連絡帳一人一冊百円だと換算をすると三百七十万円、御家庭から負担をいただいていると。六十一校で割ると六万七百円です。十二カ月で割ると、大体月額五千五十円は既に出せるのではないかと考えています。今まで学用品として負担させてきた額とほぼ同額で電子化は実現可能です。ぜひ進めてください。  以上、終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、総括質疑に続き、子どもの成長、健康に悪影響を与えるような行き過ぎた部活動から子どもを守るという視点から、学校部活動に関して質問いたします。  平成三十年三月にスポーツ庁が策定した運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインによると、三、適切な休養日等の設定、アにおいて「運動部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、運動、食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も踏まえ、以下を基準とする。」、「学期中は、週当たり二日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも一日、土曜日及び日曜日は少なくとも一日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)」、「長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、運動部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間を設ける。」、「一日の活動時間は、長くとも平日では二時間程度、学校の休業日は三時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。」とされておりますが、区の部活動ガイドラインでは、練習時間、休養日の設定等はどのように扱っているか、説明を求めます。 ◎加藤 副参事 教育委員会では、スポーツ庁や東京都教育委員会のガイドライン等を受け、平成三十年十二月に世田谷区立中学校における部活動の方針を策定いたしました。  区の部活動の方針でも、スポーツ医学・科学の見地から、生徒の健康や安全等を考慮し、一日の活動時間は、学期中の平日では二時間程度、祝日等を含む週休日及び長期休業日は三時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的、効果的な活動を行うこととしております。また、休養日につきましても、学期中の平日は少なくとも一日、土日も少なくとも一日設けるようにしております。また、長期休業日にはある程度長期の休養期間を設け、生徒が十分な休養をとるとともに、部活動以外にも多様な活動を行えることができるようにしております。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  しかしながら、ガイドラインがどこまで意識されているのかについては、疑問があります。また、練習時間を延長するために近隣校の部同士で小規模な大会を繰り返すであるとか、部員で構成されたスポーツクラブを設けて、ガイドラインに明記されている以上の練習を行う地域や学校も、全国的に存在している模様です。  こうした、いわゆるブラック部活動を根絶し、区立中学校全校におけるガイドラインに沿った部活の実施に向けた取り組みを伺います。 ◎加藤 副参事 区内それぞれの学校では、自校の部活動の方針を部活動保護者会等やホームページ等で周知した上で、校長が顧問の教員や部活動支援員に確認をしたり、生徒、保護者から意見を聞いたりしながら、その方針にのっとった部活動の運営に努めているところでございます。  本年度の部活動の様子について、校長等から聞き取ったところによりますと、活動時間や休養日については、おおむね方針に沿っているものの、大会期間中やコンクール直前などの活動が集中する場合がございますので、一定の期間内に休養日を調整するなどの工夫をして、その都度、対応をしているという報告を受けてございます。  教育委員会といたしましては、今後も機会を捉え、校長会や、それから生涯学習部が所管する部活動連絡会等で状況の把握に努めるとともに、年度末に課題を整理し、次年度の部活動運営に反映していくよう、各中学校へ指導、啓発しているところでございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  引き続きまして、部活動支援員による指導について伺います。  世田谷区独自の制度として、謝礼の支払われる部活動支援員が顧問教員にかわって技術指導を行っているということですが、教員の負担軽減の面からは非常に有意義であると思います。ただし、それぞれの競技に精通した支援員が指導するとなると、競技力向上ばかりに力点が置かれ、大会の勝利や好記録を出すためのガイドラインを無視した長時間の練習を課すであろうとか、精神論に偏った不適切な言動に及ぶことも考えられます。  部活動支援員の方に部活動の意義や目的を正しく理解してもらい、質の向上をするためにはどのような取り組みを行っているか、伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 部活動支援員制度は、顧問教員の身体的・精神的負担軽減や部活動の安定的な運営などを目的として、部活動支援員を担う地域の方々の理解や協力を得ながら、平成十六年度より実施しております。  今年度より部活動支援員の活動謝礼の単価を、監督は千円から千二百円に、部活動指導員は八百円から千円に上げ、さらに都内における他校との練習試合、区大会、合同練習等を監督が引率できるように制度の拡充を図っております。  御指摘のありました部活動支援員の質の確保につきましては、誓約書により教育活動の一環としての部活動にかかわる中で、顧問教員や生徒との関係における遵守事項を遵守していただくことや、部活動の意義、目的などを記載した部活動支援員向けの手引を配付するなど、研修等の実施を通じて取り組んでいるところでございます。  今後も引き続き、研修の実施などを通じ、部活動支援員の質の確保及び向上に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 以上で質問を終了いたします。 ○阿久津皇 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 現在、新型のコロナ感染症の影響で、区立の小中学校は臨時休業となっています。  私は、下北沢小学校の登校の見守りを毎日二年間、続けてきました。しかし、今度の臨時休業により、子どもたちの笑顔や元気な声を聞くことができない寂しさと、朝の私自身の生活リズムが変わったことに戸惑っています。今度の臨時休業により、子どもたちの笑顔を見ることは本当に楽しかったんですけれども。  自治体の中には学校を再開するところもあるようですが、今回、子どもたちの日常生活にさまざまな制限や影響があることから、何よりも安全安心な環境を取り戻すために、社会全体が協力して対応することが必要だと思っています。  これまで私は、子どもたちの見守りの中で、日々の成長に感動を覚えるとともに、将来、子どもたちが力強く生きて社会を支える人材となってほしいと常に願ってきました。  学校は休業中でありますが、今の時期は、六年生は受験の問題、進学の不安や達成感、そして一年生には二年に進級し、新しい一年生が入ってくることへの期待や希望など、さまざまな思いで過ごしていると思います。これらの成長への大きな一歩を踏み出す子どもたちに、心からエールを送りたいと思っています。  しかし、いまだに子どもたちの虐待、子どもの安全安心にかかわる多くの課題が聞かれます。子どもたち一人一人には、すばらしい可能性とよさがあります。生き生きと活動する姿を見ると、保護者がかけがえのない我が子の命を奪うような行為を行うことは、私は全く信じられません。地域や家庭、学校が常に子どもの成長を支えていくという意識を高く持っていくことが重要だと思っています。  さて、子どもの成長の基礎となるものは、健康や体力であると考えています。昨今、子どもたちの体力が低下しているという報道も聞きますが、下北沢小学校の見守りの中でも、眼鏡をかけている子どもたちがふえてきていると感じました。また、習い事にも通い、遊ぶ時間もほとんどない子どもたちもいるようです。さまざまな家庭の考え方もあると思いますが、何よりも、将来、社会を支える子どもたちの健康や体力を高める取り組みとしては、区としても大事にしていただきたいと思っております。  そこで、まず初めに伺いますが、世田谷区の子どもたちの健康や体力の現状について教育委員会の認識を伺います。 ◎板澤 副参事 世田谷区の子どもの健康の状況といたしましては、身長は都の平均と比べますと、ほとんどの学年で高い数値を示しておりますが、例えば視力につきましては全体的に低い傾向にございまして、特に高学年になるにつれて、眼鏡等を着用する率が高くなっております。また、アレルギー性の鼻炎等についても同様で、都に比べると高い傾向が見られます。体力につきましては、平成三十年度の体力テストの結果から、世田谷区の子どもたちは、学年によって全国平均を上回る種目はあるものの、特に投力や握力については全国と比べて低い傾向が顕著でございまして、体力全体の合計点においては全国平均を下回る結果となっております。  さらに、子どもたちの運動習慣の現状といたしまして、全国と同様に、本区におきましても、地域のスポーツクラブや運動部などの部活動に所属し、日常的に運動する子と、家庭等で体を動かす機会がほとんどない運動しない子とに分かれ、体力テストの結果の差も大きく、二極化の傾向が見られます。 ◆青空こうじ 委員 運動の習慣のある子どもと、なかなか機会のない子どもが分かれている状況があることがわかりました。  各家庭でも取り組むこともあると思いますが、学校での取り組みは多くの子どもたちにとって大切であり、よい影響を与えるものだと思っております。  それでは、こうした状況の中で、各学校ではどのような取り組みを行ってきたのか、そして、今後どのように取り組もうと考えているのか、教育委員会の見解をお伺いします。 ◎板澤 副参事 各幼稚園や学校では、体育や保健体育の授業の充実や休み時間等を活用した日常的に運動を促す取り組み、給食を生かした食育、生活リズムを振り返りながら休養、睡眠を考える取り組みなど、子どもや地域等の状況に応じまして工夫した取り組みを行ってまいりました。  教育委員会といたしましては、今後、体力の基礎であります走力を高めるための日常的に実践できる運動の導入を進めるとともに、大学と連携した教員研修や体力テストの科学的な分析等を通しまして教員の指導力の向上を図るなど、子どもたちの健康推進と体力向上に向けた取り組みの充実を図ってまいります。 ◆青空こうじ 委員 ぜひ子どもたちの運動習慣のきっかけづくりなどを学校が中心となって進めていただければと思います。  子どもの健康や体力については、食も大切です。学校では、学校給食が子どもたちの健やかな成長にとって大切な役割を担っていますが、食数の配膳の時間だけではなく、子どもたちの状況に合わせて、栄養面や調理方法などを適正に管理し、安全安心な給食を提供することが重要であると思います。  そこでまず、子どもたちの状況や各学校の特色などにおいてリクエスト給食の工夫を行っていると聞いておりますが、現在の給食の状況や工夫についてお伺いします。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食は、栄養バランスがとれた多様な食事を提供することにより、児童生徒の体力の向上や健康の保持増進を図る重要な役割を担っております。世田谷区では特色ある給食事業として、各校の栄養士による学校ごとの献立作成と自校による給食調理を基本としております。  給食実施に当たりましては、委員からお話しがありますとおり、子どもの嗜好を考慮し、児童生徒から希望をとるリクエスト給食を実施するほか、旬の食材を使用し、味覚や色彩、季節の行事などを考慮した給食など、国の学校給食摂取基準に基づき、多様な食を経験させるために、献立を工夫して給食を提供してまいります。 ◆青空こうじ 委員 子どもたちの健康や体力など状況に応じて工夫されていることはわかりましたが、では、子どもたちの成長を支える給食のあり方について、今後、教育委員会の考えをお伺いします。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食は、さまざまな観点から児童生徒が食について学び、心と身体を豊かにする時間として学校生活において重要な役割を担っていると捉えております。  教育委員会としましては、引き続き、安全でおいしい給食を提供し、学校給食が生きた食育の場として有意義な時間となるよう努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 おいしい給食をこれからもよろしくお願いします。  以上で無所属の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆加藤たいき 委員 それでは、自民党の文教質疑を始めさせていただきたいと思います。教育長、たくさん質問するつもりなので、よろしくお願いします。  まず初めに、卒業式の件、一点伺います。  三月十三日、先週の金曜日に卒業式の指針が出たわけですが、学校施設内に保護者一人としています。先週の金曜日に、学校施設内というのは校庭も入るのかというところを教育委員会、学校に確認したところ、そのとおりですとのことでした。あしたが幼稚園で、あさって中学校、来週、小学校と卒業式が続くわけですが、私のところに、校舎に入っていけないのは知っているけれども、最後なので夫婦で子どもを送り出したい、私は学校の外で待っています。そのような意見を多数いただきました。他区ですと、校庭だけは開放して、写真を撮る場所を提供していたりします。校庭にも入れないと、学校の門あたりに親御さん等が固まり、近隣住民の方々の迷惑にも、かつ新型コロナウイルス対策で保護者一人としているのに、狭い範囲で逆に大人がとどまってしまう可能性があるということです。  教育委員会に確認したいんですが、校庭に保護者も入れる考えがあるのかないのかを伺います。 ◎池田 教育政策部長 卒業式一名以内とさせていただいたのは、会場内、体育館の建物にお一人以内という趣旨でございまして、校庭に入っていただくことを御遠慮いただくという趣旨ではございません。改めて学校のほうにも、その旨、お伝えしたいと思っております。 ◆加藤たいき 委員 あした幼稚園、あさって中学と、至急連絡を入れるようにお願いします。  本題に入っていくわけですが、私からは牛乳パックの話に入りますが、まず初めに、リサイクルの件ですが、現場側で校長会からどんな意見が出てきたのか、まず状況整理で伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 現在、世田谷区立小中学校に給食用牛乳をガラス瓶で納品している大手事業者が本年度末をもって東京学乳協議会を撤退することが明らかになり、令和二年度以降は、東京二十三区全て紙パックでの供給となり、また、令和二年度から納入事業者による空き紙パックの回収処理は行わないとの通知が昨年九月に東京都よりございました。空き紙パックの処理につきましては、昨年十一月に東京都よりリサイクルを推進するよう通知があり、世田谷区におきましても、環境への配慮などから各学校でリサイクルに取り組むことを基本といたしました。  昨年の九月以降、ことしの三月に至るまで、小中学校のそれぞれの校長会で六回、小中合同の校長会では一回、学校給食用牛乳の取り扱いに関する説明を行ってまいりました。これまでの校長会においていただいた主な御意見といたしましては、空き紙パックを洗うための水洗い場が少ないことや、乾かす場所の問題、また乳アレルギーを有する児童生徒への対応についてや給食を食べる時間への影響についてがございました。 ◆加藤たいき 委員 東京都内で随意契約をしている納入会社が瓶タイプをやめてしまったために紙パックに移行したとのことで、世田谷区もそれに当てはめるとのことですが、そもそも牛乳以外の議論もあったのでしょうか。  全国自治体の幾つか調べてみたんですが、近年では、食の見直しの観点から、御飯中心の和食のメニューの際には牛乳のかわりにお茶を出す学校もあるそうで、愛媛県内の小学校では、学校給食ではミカンとかイヨカンのジュースを出されたりとか、あと大胆な方針転換をしたのが三条市で、二〇一五年に新潟の三条市では給食において牛乳を廃止しており、飲み残しがなくなったとのことで、ほかの自治体だと、例えばヨーグルトを提供したり、給食の中で牛乳に代替するカルシウムを補ったり等、地方自治体によって、おのおののスタンスで選択しているケースもあるようです。  世田谷区の学校の残乳率を所管でちょっと出してもらったんですが、学校名を出さないでランダムで六校三日、ばらばらで、多いところで一二・五%、少ないところで〇・九%と、平均五・七%と何とも言いにくい数字ではあるんですが、言えることがあるとすれば、給食の件もそうだったんですけれども、どれぐらい残っているかとか、牛乳の残乳率といったところもあって、ことしの議会でも、どれぐらい給食が、フードドライブの話とかもあって、もっとこういった情報をしっかり出さなきゃいけないなというふうには思っているんですが、牛乳以外の議論もあったのかとあわせて伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 牛乳につきましては、児童生徒の成長を助けるために必要なカルシウムやたんぱく質などの栄養素を豊富に含んでおります。国が定めた学校給食の摂取基準におきましても、カルシウム摂取に効果的な牛乳等について、使用に配慮することとされております。また、その牛乳に含まれている栄養価と同等の量を他の食品にかえて摂取するのは難しいため、牛乳にかわる食品がないのが現状でございます。  先ほど委員がお話しをされましたヨーグルトにつきましても、その栄養価の高い食品として我々も認識しておりますが、牛乳に比較して単価が高くて、予算的には厳しいところでございます。また、ヨーグルトには砂糖を加えたものが多く、毎日提供する食品としては適切でないため、現在におきましてはデザートとして他の料理と組み合わせるなどして提供しているところでございます。  学齢期は心身の発達が著しい時期であり、学校給食には成長の基盤となる食生活を担う重要な役割があると認識しております。今後とも、豊かで魅力のある学校給食の提供に努めてまいります。 ◆加藤たいき 委員 給食の残りとかも、ぜひ開示をしっかりとしてもらいたいんですが、ちょっと時間がないので、どんどん行きますが、大きな大きな課題だと思っているところに入っていくわけですが、先ほどの校長会の話では、空きパックを洗うための水洗い場が少ないこと、乾かす場所の問題、アレルギーを有する児童への配慮が出たとの答弁でした。  私のところにも、また私の会派の議員のところにも、ここにいる議員のところにも、多分、いろんな意見が来ていると思うんですけれども、私のところには、校長先生を初め現場で働く教員から、この件、多くの意見をいただきました。  意見を集約すると、おおむね同じ意見になり、課題はシンプルではありますが、非常に根深いということがわかり、初めに、二学期中ごろに校長会にて瓶からパックにしますとの報告が教育委員会からされたとのことで、先ほどの答弁どおりなんですが、次の洗い場の課題ですが、校舎が新しい学校においては教室内にて洗う場所がありますが、古い校舎においては数クラスが一緒に使用して洗うことになり、子どもたちが給食を食べる時間が限られている、低学年がただでさえ食べるのがゆっくりな子どもがいる中で、授業に差し支えが出てしまう可能性、子どもの休む時間を奪う可能性がある。また、教員が手伝わなくてはならなくなり、多忙化の解消の観点からも逆行しているとのことで、私は、この件でスクールサポーターが忙殺してしまうんではないかなと予見しております。これも先ほどの校長会の中では出てきたところの細かいところです。  次に、乾かす場所の件、アレルギーを有する子の配慮の件とあわせてですが、狭隘化が著しい学校が区には幾つもあることは教育委員会でも把握しているはずです。これが紙パックなんですが、五百人いる学校では、このパックが一日五百枚生まれるわけで、一週間に一回の業者引き取りだと、単純計算で二千五百枚乾かす場所が必要になります。これは二十三センチ掛ける十六センチだったんですが、単純計算で五百枚で掛けると百十五メートル、広げただけなんですが、千人規模の学校だと、なおさら場所がないとのことで、現場の教員は苦慮していて、廊下を使って乾かすことも考えているとのことです。  通路に毎日乾かすのはどう考えてもおかしいと思いますし、その上、アレルギーを有する子どもへの配慮がないというのは、物理的に乾かすことができない状況下において、廊下を使用した場合、アレルギーの子どもが通ったらどうなるか。私も親御さんから話を聞いたんですが、世田谷区に牛乳のアレルギーの子ども、牛乳が飛び散るだけで、飛散するだけで反応する子どもがいるということで、そんな悲痛な子どもがいるわけです。調布の学校では、アレルギーの件で痛ましい事件があったというのを多分教育委員会でも把握していると思うんですけれども、世田谷区でも同じようなことが起きては絶対ならないというふうに私は思っております。それを受けてかはわからないですが、調布では栄養士が全てごみとして、この件、こういったものを処分している状況らしいです。  事細かく校長会から出たかは私にはわかりませんが、要約すると、全ての校長会でも懸念の声が出ている案件です。つまりは校長会からの意見は聞かずに、教育委員会の意見を押し通したとしか、この件、私は思っていなくて、九月に東京都にてリサイクル推進の指針が出て、これになぞったようですが、校長にも物申せない教員もいる、反発したら飛ばされるのではと懸念している教員がいて、それが教育委員会としての姿として、私はこんな意見が出るというのは正直すごいがっかりしちゃったんですが、リサイクルという高尚な目標というか目的というのはあってもいいと思うんですけれども、そもそも子どもと教員たちを守って初めてこういったものをしていくということが教育委員会で示すべきだと思うんですが、再考すべきかと思いますが、見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 牛乳紙パックのリサイクルへの取り組みに当たりましては、教育委員会におきましてもガイドラインを作成しまして、各学校は、そのガイドラインを参考に進めていただく予定でございます。  委員もお話しをいただきました学校によって、規模や施設、設備の状況などが異なるということは認識しております。そのため、年度当初は調整期間と位置づけまして、各学校で牛乳が皮膚に接触することでアレルギー症状を発症する児童生徒の状況等の把握や、空き紙パックの具体的な処理方法の検討などを行った上で、教育委員会といたしましても、学校と十分連携を図りながら実施することを想定しております。加えまして、アレルギーを有する児童生徒の人権と安全を十分に優先しまして、十分に配慮しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 年度当初を調整期間とすると、基本的に今やるということで、校長先生出身の目線も持っている教育長は、先ほどもありましたが、誰も置き去りにしない教育というところを掲げているはずなんですけれども、この件とちょっと合致していないような気がするんですけれども、その辺、どうお考えでしょうか。 ◎渡部 教育長 牛乳瓶の供給を学校給食から撤退するという話をいただいてから、現在、取り扱いの団体以外からの納入方法、リサイクル業者による回収処理の方法、また子どもたちのアレルギー等の安全や人権等への配慮等、教育委員会内でもさまざまに議論を重ねてまいりました。  また、校長からも、先ほどお話しをいただいたように、洗い場が少ないとか、乾かす場がないとか、アレルギーのある子どもがいる場合はどうするのかとか、そういう話をたくさんいただきました。先ほど課長からもお話しをさせていただきましたが、そういうケースに関しては、具体的に一つ一つ対応していきたいというふうに考えております。ただし、現段階では全てを廃棄処分ということは、今は考えておりません。各学校において、牛乳パックの処理については、環境の配慮は環境教育などの観点からリサイクルに取り組むことを基本といたします。  限りある資源を今後有効に使うという区のリサイクル政策、環境保全の考えを基本に、教育の施策全体について検討を進めてまいります。 ◆加藤たいき 委員 全てを廃棄しろと言っているわけではなくて、中学校で校長に聞いたら、そういった問題は、正直、中学校ではこの問題は出てこないです。やっぱり低学年がいる小学校の話だったり、狭隘化で苦しんでいる学校だったりが苦しんでいる話で、全部を再考するという話ではなくて、学校、学校によって再考する余地があるのではないかというところを課題にしているわけなんですね。  教員の方々にも結構な負担がかかるということはわかっているので、ぜひ無記名で、教員からどんな意見があったのかというのはアンケートをとってもらいたいですし、これはちょっと別の話になるんですけれども、牛乳一本当たり五十五円で納入されるらしいんですが、給食は、三月になったりすると受験で来ない子どもたちもいるというところも、そういったところでも飲み残しとかは多くなるというところを現場から聞いているので、そういったところもちょっと考えてもらいたいなというふうに思っております。  次に行きます。次に、九年教育について聞いていきます。  先日の本会議で、我が会派の代表質問の答弁では、小中学校の情報連携等の推進の一定の評価があったとのことですが、正直、この答弁では何を指しているのかわかりませんし、九年教育が始まって十年でこの程度しか言えないのか、正直がっかりです。具体的に何の成果があったのか伺います。 ◎加藤 副参事 世田谷九年教育は、小中学校による学び舎を構成し、世田谷区独自のカリキュラムを活用した学力の向上や豊かな人間性の育成などを目指して取り組んでまいりました。現在では、小中の教員に同じ学び舎同士という所属意識が高まり、授業参観や合同授業、児童生徒の情報交換などが円滑にできるようになりました。特に学力調査の分析、考察などの合同の研修会を実施することで、小中一貫した授業改善が進みました。また、挨拶運動、小中学校教員による交換授業や出前授業、小学校児童による中学校体験、部活動体験などの取り組みが各学び舎ごとの特色として定着しております。  世田谷九年教育の取り組みを引き続きさらに成長させる形で、次年度より「せたがや11+」の充実を目指してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 ちょっと時間がないのではしょっていきますけれども、代表質問の答弁では、教員の人材育成が急務とのことで、秋田の先進的な自治体に教員を派遣し、積極的に取り入れるとのことでしたが、確かに、私も秋田の取り組みを本で読んだんですが、優秀な教員をたしかシェアしたりとかというところで、非常に興味深いものではありました。  ただ、話を聞いてみると、派遣するのがたかだか二泊三日程度で、それを派遣と呼んでいいのかと疑問しか生まれません。相互交流も含めて秋田との交流を深くするための施策、かつ何が世田谷区とシンクロし、活用できるのか伺います。 ◎加藤 副参事 委員お話しのように、秋田では、長年にわたり全国の学力調査において高い水準を維持しております。それは、全で主体的、対話的で深い学びの実現にいち早く取り組み、授業の改革や学びに向かう力の育成を進めてきた成果だと分析しております。  その中で、秋田大館市との連携につきましては、子ども同士の学び合いによる課題解決学習を授業に取り入れた大館型授業や、教育専門監という指導力の特にすぐれた教員が子どもたち同士の考えや意見をつなぐという役割をする子ども主体の探求的な授業などを吸収し、世田谷の教育の質の転換をその方向で生かすようなことを狙いとしています。
     本年度は、小学校の校長と教員五名を大館市に短期で派遣しまして、研修したことについて全ての学校の研究担当教員に紹介する機会を設けました。残念ながら、大館市の教育専門監を世田谷の小学校に招聘し、模範授業を公開する研修は、感染症予防、防止のために延期とさせていただきました。  今後につきましては、大館市教育委員会等と連携を図りながら、さらなる交流と研修を充実させ、世田谷区の教育の質の向上につなげてまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 言いたいことはあるんですけれども、どんどん行きます。  九年教育に戻りますが、九年教育が始まって十年間の中学校への進学率を調べてみたところ、大体横ばいなんですが、約五四%、直近の令和元年だと五二・四%と、何の効果があったのか全く見えません。  一方で、いろいろと有名な桜丘中学校の生徒数を見てみると、平成二十二年度から二十八年度までは横ばいで、四クラス弱の子どもが通っているのですが、平成二十九年度から上がり始めて、百六十九人、百五十二人として、今年度、五クラスぎりぎりの百九十七人で、私は驚いたのが、指定校変更で百九十七人中七十九人も指定校変更している状況で、三割以上の入学者が学区外からの入学、片や隣にある桜木中学校は、どの学年も今は二クラスと、幾ら何でもアンバランス過ぎると。進学率がぴくりとも動かすことができていないこの九年教育で、一方で、こんな数字は生まれてしまっているわけなんです。  現場サイドの問題なんですかというところを私は違うと思っておりますが、昨年まで尾山台小学校の校長先生だった教育長は、このアンバランスさをどうお考えでしょうか。 ◎渡部 教育長 ある学校へ進学率がふえるとか、あるいは生徒がふえるということは、その当該校の努力の成果であり、あるいは地域との連携の成果であり、そのことが結果として保護者の方に評価されたということは喜ばしいことだというふうに思います。  一方で、評価というのは、一般的には何らかの指標に基づいて図られるものでありますが、教育委員会といたしましては、地域に存在するそれぞれの学校については、地域の特性や区民の皆様との連携など、さまざまな要素をもって、それぞれの学校がその特性に応じて評価いただくというふうに考えているので、そのまま学校の評価というふうには私たちは考えておりません。  委員御指摘のとおり、ある学校が特色を出すということに努力をし、保護者から評価を受けているということは好ましいことだというふうには考えます。ただ、学級数や校舎の大きさからということは考えなければいけませんが、また、そのことをほかの学校との比較という観点から考えることは、今はいたしておりません。 ◆加藤たいき 委員 一点、もう一度確認しますけれども、教育長としては、中学校だったりというのは特色があっていいと思っているのか。過去に余りあってはいけないような発言をしていたと記憶しているんですけれども、そこはどうなんでしょうか。 ◎渡部 教育長 それぞれの学校は、それぞれの地域の中にある学校でございます。その地域に応じた特色というのは出すべきだと私は考えます。だから、全てが同じことをというふうには考えてはおりません。 ◆加藤たいき 委員 でも、今の世田谷区の学区編成だと、基本的には学区の中の学校に行くということになっていますよね。特色ある学校に行きたいといったら、学区自体のどこを選んでもいいと。そうしたら、九年教育のそれぞれの連携というのが崩壊するじゃないですか。  何のために九年教育をやっているのかということになってくるわけなんですけれども、この進学率の向上はよくも悪くも特色ある学校に偏ってしまっているというのも、これも曲がりなりにも避けられない現実で、それをどう解決していくかというところが、おのおの中学校に任せていいのかというのを考えていいのかというのは、九年教育のそもそもの原点からずれてきているような気がするんですけれども、それを教育長はどう考えているんでしょうか。 ◎渡部 教育長 指定校変更ということに関しては、ある一定の基準を設けております。その基準から外れていることに関しては、現在はお断りをしているような状況です。だから、全ての子どもたちが好きな学校に行けるという状況ではないです。だから、今の学び舎という考え方は崩れていないという考え方でございます。 ◆加藤たいき 委員 でも、現に学区編成の偏りが桜丘中学校には三分の一、学区外からの生徒を受け入れてしまっている状況ができちゃっているじゃないですか。本当に時間がなくなってきたので次に行きますけれども、これはまた後ほど、今後触れていきます。  「せたがや11+」の話をしたいんですが、もうちょっとこれは意見だけにさせてもらいますが、先ほど九年教育の総括ままならない中で「せたがや11+」を始めるということで、区立幼稚園に通うお子さんが一千八十八人、しかしながら、私立幼稚園や認定こども園で九千二百八十八人いて、区立保育園、認証、認可等々も二百園近く、多岐にわたり選択してお子さんが通っていますよね。「せたがや11+」を二年間、小学校への接続を考え、近隣の学校と九年教育のように連携するということですが、区立以外の子どもたちをどう囲い込んでいくのか、また、この私立幼稚園だったり保育園というのは学区がない状況の中でどうしていくのかというのは大きな大きな課題だと思いますので、今後始めるということで、また来年度、しっかりとこの件は意見を言わせていただき、午前中の自民党の文教領域の質疑を終わらせていただきます。 ○阿久津皇 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。    午後零時一分休憩    ──────────────────    午後零時五十分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆石川ナオミ 委員 午前に引き続きまして、自由民主党、文教所管の質疑を続けてまいります。  先日の三月十一日、三・一一は、東日本大震災の発生から九年という時がたっておりました。それぞれの皆さんが被災地に思いをはせて、黙祷をささげたのではないかと思います。その三・一一から九年とは言いましても、いまだ二千五百二十九名の行方不明の方がいらっしゃるということを私たちは忘れてはいけませんし、また御遺族の方々の悲しみが癒えていないといった方もいらっしゃいます。そうした思いを風化させてはいけない。やはり私たちは、こうしたことを語り継いでいかなければいけないということ、また子どもたちにおきましても、教育所管でも、こうしたことはしっかりと伝えていっていただきたいと思います。  さて、その先日、三月十一日にはプロ野球ロッテ、ドラフト一位の佐々木朗希投手がテレビ等でも取り上げられておりました。この佐々木選手は、震災発生当時は九歳だったということで、御本人も被災をされて、お父様、そして、おじいちゃん、おばあちゃんを亡くしていらっしゃいます。佐々木投手も、その当時、目の前で家が流されてしまった。そして余儀なく避難所生活を強いられてしまった。学校に行きたくても行けなかった。野球の練習をしたくてもできなかった。だからこそ、今があるのは当たり前ではなくて、今こうしている時間を大切にしなければならないといった、こうしたことをインタビューでも答えていらっしゃいましたが、非常にその言葉が胸に響きました。  そんな苦難を乗り越えてきたからこそでしょうけれども、佐々木選手が今回のコロナウイルスの感染拡大を防ぐために、全国の学校の臨時休校や部活動休止の中で、家の中で過ごす子どもたちがふえたということ、子どもたちにちょっとした運動で体幹や筋肉を鍛えてもらおうと、子ども向けのトレーニング動画を公開したというのが話題になりました。ごらんになった方もいらっしゃったんじゃないでしょうか。私も拝見をいたしましたが、非常に簡単にできる運動で、長く続けばいいんでしょうけれども、三日坊主で終わったというのがちょっと残念なところでもあります。  こうして学校が休業になったということで、子どもたちを支援しようというオンライン講座での自学自習でのサポートですとか、佐々木選手のような体を鍛えるといったようなもの、また無料の電子図書など、インターネットなどでさまざまなコンテンツが今公開をされております。  世田谷区の区立中学校でも、学びのサポートとしてeラーニングを導入しているわけなんですが、こういうときこそ実効性のあるものにつなげていただきたいと思います。  そこで伺いますが、今回のコロナウイルスの影響で中止となりました授業についての補填はどのようにお考えでしょうか。一部では夏休みに補習などができないかという声なども上がっておりますが、区の見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 現在、臨時休校に入っておりますが、通常、三月は一年間の学習内容の総復習を行い、理解の定着を図る授業を行う計画となっており、教科にもよりますが、教わっていない内容が多い状況ではないと考えております。  学校は臨時休業に入る際に、児童生徒に対して教科書やドリル等を使用した復習を中心とした家庭での学習を示し、その後、学校のホームページ等を活用しまして、適宜学習する範囲を具体的に伝えております。特に中学校では、eラーニングの活用も推奨しております。さらに文部科学省や東京都教育委員会が開設しております学習支援サイトにつきまして情報提供し、児童生徒の学びを支援しているところです。  新年度に家庭学習における児童生徒の理解の状況を確認の上、不足する部分を補充する授業を行った上で、新たな学年の学習内容を取り上げるようにし、確かな学力を育成してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 午前中の他会派からの質疑にもございましたけれども、やはりこの自学自習をしていくということの厳しさ、難しさということもあろうかと思います。私も地元の学校長に話をじかに伺いましたけれども、やはりeラーニングで家庭でやってくださいというふうに任せ切りでしてしまっても、なかなかこれが子どもたちの成果にはつながってこないのではないか、こういうときだからこそ、このeラーニングの実施を検証していくということもさらに必要ではないかという声も上がっておりましたので、お伝えをしたいと思います。  そしてまた、コロナウイルスの感染拡大の影響でスポーツ大会が中止になったり、また無観客試合になったりする中で、先日、高校球児にも影響がございました。史上初選抜高校野球の開催が中止となったというニュースもございました。出場が決まっていたある高校の監督の言葉でございますが、選手を前にして、長い人生こういうこともある。つらいけれども乗り越えていくしかないんだという言葉を聞いて、思わず涙を流す選手もいらっしゃいました。厳しい練習をしてきて、手がやっと届いた夢の甲子園、夏を目指していけるということがあっても、その悔しさというのは本当にいかばかりかという思いがいたしました。私も思わずもらい泣きをしてしまうぐらい、本当に選手たちの気持ちにすごく共感ができました。  東日本大震災以来、困難に負けない、乗り越える力という意味のレジリエンスという言葉が非常に多く使われるようになりました。そのレジリエンスが今こそ必要になってきたようにも思います。  私たちは国難と言われるコロナウイルス、見えない敵に対して、こうした苦難、困難を乗り越えていかなければいけません。また、他人への思いやりですとか、優しさということも必要になってまいりました。培っていかなければなりません。まずは大人が示していくということも大切ですが、教育現場でも、ぜひともこちらが指導していただきたいポイントでもございます。  さて教育長、教育長は今回のコロナウイルスの影響をどのように学びにつなげていくのか、教育長ならではのお言葉でお答えください。 ◎渡部 教育長 今回、新型コロナウイルスへの対応にかかわって、子どもたちはさまざまな体験をして、報道などを通して、社会情勢や国際情勢を知り、多くのことを考え、感じ取っていることと思います。  グローバル化により国際的な協力の必要性が高まっていること、差別や偏見にかかわる人権の問題、正しい情報の収集の判断など、今回の事例を子どもたちの生活に関連づける形で、より深い学びへとつなげる必要があると考えております。今後、今回の事態の収束等を追って出される分析や検証を注視し、子どもたちの経験とあわせて、どのような学びにつなげられるのか検討してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 コロナウイルスの影響がマイナス面だけではなくて、差別や偏見にもかかわる人権教育につながっていくんだというような、そんな御答弁でもございました。  その心の成長につながるといえば、学校教育では道徳ということがありますけれども、続いては、道徳教育について伺ってまいります。  区では、小学校においては昨年度から、中学校では今年度から、この道徳を教科として導入をされております。私の実際に公開授業なども見せていただいておりますけれども、改めてどのような点、重点を置いて指導しているか、お答えください。 ◎加藤 副参事 小中学校の特別の教科道徳の授業では、現在、いじめや偏見、差別などの現実の社会での矛盾や葛藤について考え、議論する問題解決的な学習が始まっております。特に多様性の尊重、共生社会の実現の観点から、差別や偏見を絶対に許さない判断力、心情、実践力と態度などの道徳性を育むことに重点を置いて指導しております。  今回の感染症につきましては、未知なるものへの心配や不安から差別や偏見、風評被害といった人権上の課題が生じることが懸念されております。教育委員会といたしましては、今回の感染症の事例を問題解決的に扱うことも含め、今後とも、誰に対しても分け隔てなく公平に接し続けようとすることや、多様な人々とともに生きていこうとする気持ちを大切にする道徳教育について、区内小中学校に指導、助言してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 この道徳教育は、道徳的な価値にかかわる知識を学ぶというだけではなくて、人格全体にかかわる力を育成していく双方の総合力が必要な教育といったところでもあろうかと思います。また、学校だけではなくて、この道徳教育を通じまして、家庭ですとか地域と連携をとりながら子どもの心を育んでいくということも必要になってくるのではないでしょうか。  御答弁をいただいています加藤副参事も、道徳教育に深くかかわっていらっしゃるというふうに伺っておりますが、この道徳教育の質の向上についてはどのようにお考えでしょうか。 ◎加藤 副参事 学校現場では、学級の状況に応じてどのように教科書を活用したらよいかや、子どもたちの多様な意見が広がるような発問の工夫などについての課題意識を持っており、その解決に向けた教材研究や校内での研修が実施されております。  教育委員会では、学校からの相談に対して個別に対応することはもちろん、小学校の教科書に合わせた効果的な指導例を区教育研究会道徳部と連携してまとめたり、各校の道徳教育推進リーダーを対象とした研修会を実施したりして、課題に対応してきてまいりました。  今後も、子どもたちにとって身近で関心のある社会の出来事の教材化や多様な意見を引き出し、議論することができる補助教材や発問の開発を学校と連携して進めながら、道徳授業地区公開講座などでの保護者や地域の意見も大いに参考にして、道徳の授業の質を一層高めるように努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。  そして、続いては、この道徳教育の今度は評価というところについて伺ってみたいと思います。  この評価は、数値ではなくて、五段階といった数字であらわせるものではなくて、記述式ということになっているんですね。児童生徒がいかに成長したかを積極的に先生が受けとめて、肯定的に評価をする個人内評価ということを伺っております。  記述式ということで、実際に評価に苦しんでいらっしゃるというか、大変だなと思っていらっしゃる先生ですとか、苦慮しているという先生方の声も一部では聞いております。そして、今、ちまたでは、通知表所見の文例集という本も出ているぐらいであります。この文例集の言葉をそのまま切り取って、これを成績表、通知表に記入してしまうというのでは、何のための評価なのか、道徳教育の真の意味というのがなくなってしまうような気がいたします。  あくまでも、こうした文例集は参考程度に使っていただくというものでして、児童生徒をしっかりと見て評価をしていただきたいというふうに思いますが、この評価における課題検証というものはありますでしょうか、御答弁をいただきます。 ◎加藤 副参事 特別の教科道徳の評価につきましては、個人の成長を見取り、記述により表現し、子どもたちを認め、励ますこととされております。教育委員会では、教員向けの研修会を継続したり、校長会や副校長会でよりよい評価とその点検方法について指導したりしてまいりました。  学校現場では、松丘小学校や弦巻中学校などの研究校が中心となり、評価の視点や世田谷ならではの記述の例をまとめ、区内小中学校で共有してきております。また、学び舎内の小中学校で評価についての意見交換をしたり、ブロックごとの研修会を実施したりして、評価の質を高めるように努めております。  教科化における道徳の評価を通知表に記述することは、小学校は昨年度、中学校は今年度からとなりますけれども、保護者会や道徳授業地区公開講座などでの意見交換などの機会を捉えた検証の方法などにつきまして、校長会と検討してまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 この道徳教育につきましては、教科になる前から、私もこの決算特別委員会等でも取り上げておりました。今回は予算委員会で取り上げておりますけれども、非常に注目をしておりました。また、自民党では、ほかの議員もこの教科に当たりましては、非常に問題意識を持って取り上げております。私たちは人間の根幹を育成していく大切な教科であるというふうに捉えておりますので、今後も会派として、しっかりと注目をしていきたいと思いますので、引き続き研さんをお願いしたいと思います。  続きましては、今、コロナウイルスの問題がある中で、感染という言葉を使うのはちょっと気が引けてしまいますけれども、続いては、オリンピック・パラリンピックの児童生徒の観戦について伺ってまいります。  スポーツを観戦するというところなんですが、このオリンピック・パラリンピックの聖火リレーが今月二十六日から福島を出発して、全国をめぐってまいります。聖火の光が人々の希望の道を照らしてくれるものであってほしいということを願っております。  開催につきましては、今後どのようになっていくのかというのは議論をされるところではございますが、区としても、粛々と準備を進めていかなければなりません。  今回のこのオリンピック・パラリンピックは、子どもたちにかけがえのない財産、レガシーとなるようにということで、区の五歳以上の園児、また小中学校の児童生徒におきましては、オリンピックは八競技、そしてパラリンピックは九つの競技が割り当てられているというふうに伺っております。そして、代々木競技場ですとか東京スタジアム、有明テニスの森といった十会場に行くという予定になっております。  そこで、三点伺ってまいります。  実際に夏場の暑い時期の開催ということで、児童生徒の健康面への配慮ですとか、公共交通で移動していくという難しさ、懸念もありますよね。また、会場のトイレの場所ですとか移動する際の動線をどういうふうに確保していくかといった、それを事前に確認しておく必要もあろうかというふうに思います。教員が引率をするに当たって、交通などの課題をどのように考えているでしょうか。  また、リスクヘッジといたしまして、事前の下見、いわゆる実地踏査が必要ではないかというふうに思われますが、区の見解を伺います。 ◎板澤 副参事 オリンピック・パラリンピックの観戦につきましては、会場への移動について特段の配慮が必要であると考えております。経路等につきまして、東京都教育委員会が安全な移動ができるよう、鉄道の乗車や会場の入場時刻等の調整を行う可能性があると聞いております。また、公共交通機関を利用するに当たりまして、当日の団体券の購入や改札前での集合等の負担を軽減し、スムーズな移動ができるよう、都に要求を行っております。  事前の実地踏査につきましては、子どもたちを引率するに当たりまして大変重要でございます。東京都教育委員会といたしましても、年度当初に会場ごとの下見や説明会を検討していると伺っております。  また、暑さ対策につきましては、現在、東京都教育委員会と競技会場への持ち込み品や配布グッズ等について確認、調整を進めておるところでございますが、観戦当日の服装や休憩場所等につきまして、万全な対応ができるよう準備を進めてまいります。  教育委員会といたしましては、引き続き、観戦におけるさまざまな不安が解消されますよう、情報の速やかな提供と調整に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そして、障害のあるお子さんですとか医療的ケアが必要なお子さんへの対応はどのように考えていらっしゃるでしょうか。 ◎板澤 副参事 障害のある子や医療的ケアを要する子も同様に観戦する予定で準備を進めております。その際、教育委員会といたしましては、支援要員の配置や看護師による人的支援を行いたいと考えております。また、保護者等による個別の対応が必要な場合も想定されますため、現在、東京都教育委員会に対しまして、個別の事情に応じて支援要員や看護師、保護者の方が会場に同行できるよう、チケットの加配要請を行っているところでございます。また、障害などにより日ごろから通学等でバスを利用している児童生徒につきましては、観戦当日も会場までバスで移動できるよう、区として対応する予定でございます。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を直接観戦できる貴重な機会と捉えておりまして、観戦する全ての子どもにとってかけがえのない経験となるよう、支援をしてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 全てのお子さんにということで、あと、ほっとスクールへ通っていらっしゃる児童生徒など不登校のお子さんも当然ながら楽しんでいただきたいと思いますが、そういった機会は担保されていますでしょうか、御答弁いただきます。 ◎板澤 副参事 チケットにつきましては、対象となる全ての子どもが観戦できるよう準備を進めているところでございます。不登校の児童生徒については、観戦会場での集合や観戦時間等の柔軟な設定など、個別の状況に応じた最大限の工夫ができるよう、東京都教育委員会との協議を進めているところでございます。  観戦などに対する子どもの不安な気持ちに寄り添いまして、保護者と確認をしながら、観戦の機会を確保できるように取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 配慮が必要なお子さんですとか、それぞれの子どもたちの状況、状態に合わせて個別に対応を検討してくださっているということを伺って、非常に安心をいたしました。ぜひあらゆることを想定いたしまして、安心安全に子どもたちが観戦できるような、そんなスキームをちゃんと考えていただきたいなというふうに思います。  続きまして、最後は教員の働き方改革について伺ってまいります。  区では既に区立小中学校の先生方に対してアンケートを実施しておりまして、負担感ですとか、その多忙感ということを調査をしているということは私も承知をしております。これは数字でも表現をされておりましたし、また先生方からの御要望なども上がっているということでございました。  平成二十八年度の文部科学省の教員勤務実態調査によりますと、時間外勤務、小学校の教師は年間八百時間、そして、中学校は一千百時間行っているというデータがございます。  我々自民党は、学校における働き方改革につきまして、国会においても、その議論をリードして進めてまいりました。令和元年九月の文部科学部会では、既に各自治体でも導入をされておりますが、教職員の定数拡充やスクールサポートスタッフの増員、部活動指導員の支援制度の創設ですとか、勤務時間の適正な把握の徹底など、改革の実現に向けて提言をしてきているところでもございます。  まだ少し時間がございますので、この働き方改革の推進といたしまして、勤務状況を可視化するという意味で、タイムカードなどの導入についてはどのように考えているか、どのように進めているのか伺います。まずは、こちらから伺ってまいります。 ◎青木 教育指導課長 教員の出勤簿や休暇等の申請決裁などの服務管理等を行う人事庶務システムは、平成二十九年一月より稼働し、ICカードによる出勤時の打刻を開始いたしました。  文部科学省の公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインでは、ICTの活用等で勤務時間の把握が求められており、令和元年九月の校長会におきまして、十月から退勤時刻の打刻を推奨してまいりましたが、区の方針の策定に合わせて、来年度四月からは出退勤の打刻を義務化する予定でございます。  教育委員会といたしましては、働き方改革の総合的な方策の一環として、勤務時間の把握や適切な管理を捉え、管理職や教員の意識改革に向けて取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そして、働き方改革のもう一つとしては、やはり中学校、高校におきましては部活動というところが挙げられると思います。長時間勤務の大きな要因になっているということで、これは実際に区でも部活動支援員制度を導入しているということで、実際に負担軽減策としては、区では九千万円を超える予算を組んでいるということも伺っております。  そこで、この負担軽減策や部活動そのもののあり方について、区としてはどのように考えているでしょうか、答弁をいただきます。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 教育委員会では、中学校長会と連携して部活動の休養日の設定や部活動支援員の配置など取り組んできているところですが、教員の長時間労働を解消し、子どもたちと向き合う時間を確保していくためには、今後も部活動のあり方のさらなる見直しが必要と考えております。  国や都の部活動のあり方に関する総合的なガイドラインにのっとり、平成三十年十二月に世田谷区立中学校における部活動の方針を策定しました。その方針の中で、部活動支援員制度の活用により、継続的、安定的な部活動を推進するとしています。  部活動支援員制度は、部活動の安定的、継続的な運営を確保するほか、教員の身体的、精神的な負担軽減などを目的とし、地域の方々の協力により、顧問教員にかわって主に技術指導を行う監督などを配置する制度でございます。区の部活動支援員の位置づけは、国が位置づけている非常勤職員とは異なりますが、学校と地域の実情に合わせてつくられた本制度は、平成十六年度より実施しており、この間の中学校における部活動の中で大きな役割を果たしてきました。平成三十年度の実績で、四百七名もの地域の方々の御協力をいただいております。  引き続き、部活動支援員の配置の拡充、例えば部活動支援員の人材確保が困難な学校には、民間事業者を活用したマッチングを試みるなど、そのようなことに取り組むとともに、中学校長会と連携し、各種大会への参加や活動時間、教員の部活動へのかかわりなど、部活動のあり方について改めて検討するとともに、保護者や生徒の理解を得るための取り組みを進めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 この学校における働き方改革というのは、行政、学校、そして保護者、地域が認識を共有しながら当たらなければならないという、総戦力と言っても過言ではないかと思います。教育委員会にも、ぜひ今後とも改善、検討していただくことを要望いたしまして、私からの質疑は終了といたします。  続いて、河野委員にかわります。 ◆河野俊弘 委員 質疑者かわりまして、引き続き文教委員会の質疑を始めます。  今、前の石川ナオミ委員からも新型コロナウイルスの関連で、自宅学習の補完というところでお話がありましたが、私からは自宅学習のまた別の観点で、運動系の活動というところで、私も、今、小学校一年生の息子と三歳と二歳の子どもがいるんですけれども、ちょっとこの休みに公園に出向くと、やっぱり非常に人が多い状況で、遊具の周りとかは非常に人が群がっていたりとか、どこの公園に行っても状況は変わらないなと。ほかの保護者の方にも聞いたりとか、あとは、今、臨時休校という措置になっていて、平日にも、ふだん行かない時間帯に公園に行ったりする親御さんたちも結構多くいるようで、その際には、やはり近隣の保育園とかのお子さんたちとの時間帯がかぶってしまったりとか、そういうのでちょっと気を使ったりとかという話も聞きました。  やはり場所ですよね。そういったところの活動もしっかりと考えなければいけないなというところで、一つ、これは先に伺っておきたいんですけれども、午前中の答弁の中で、卒業式、校庭を使ってもよいというようなお話もありましたけれども、校庭を開放するというか、休校期間中に使うことができないかというような話も保護者からちょっと伺って、実際に、例えば時間帯を区切ってとか、あるいは小学校に関しては、学童であったりとかBOPだったりとかというので使っている時間帯ももちろんありますので、例えば区立の中学校に関しては、学校活動であったりとか部活、一般利用というのを休止している時間帯、日もあるということなので、そのときに、例えば地元の小学校の子どもたち、児童生徒を対象に開放できないか。  子どもたちが、例えば、今、新一年生はまだ迎えていないんですけれども、一年生、二年生、あるいは、もしかしたら、このウイルスが入学式まで長引いたとか、そういったことをもし考えられた場合に、新しく入った一年生たちがお互いに顔を合わす時間というのは本当に大事だと僕は思うんですよね。学校で会うということも非常に大事だと思いますし、少ない時間でもそういった時間が設けられないかということで、自宅学習とはまた別の観点で、運動系の活動として校庭を使えないかということを先に聞きたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的といたしまして、区立小中学校を休業としておりますが、休業期間も長期化しており、子どもたちが体を動かす場を提供することが必要であると考えております。  区立小学校については、学童クラブやBOP事業の実施場所として校庭や体育館を既に活用しておりますが、区立中学校については、学校の活動や部活動、一般利用を休止していることから、その校庭や体育館の活用は有用であると考えております。感染症拡大予防という趣旨を踏まえながら、子どもたちに体を動かす場を提供する手法などについて早急に検討を進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも子どもたちの目線に立って考えていただきたいですし、保護者の方々も、公園に行くのが苦手な保護者もいます。そういったところもしっかり踏まえた上で、対応を急いでいただきたいというふうに思います。
     次に、私からは、以前も幼児教育の検証について伺ったんですが、そこの経過についてお聞きしていきたいと思います。  区では、これまでアプローチ・スタートカリキュラムであったりとか、あとは乳幼児教育アドバイザーというのを取り組んでおりますけれども、まず、これまでどのような効果があったのか、今までのことでちょっとお伺いしたいと思います。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 それでは、区では、乳幼児期の教育、保育と小学校教育との円滑な接続を目指し、世田谷版アプローチ・スタートカリキュラムを作成し、平成二十九年度から三十年度にかけて、公私立幼稚園、保育所等と区立小学校においてモデル的に取り組みました。その実践の検証を踏まえまして、カリキュラムを改訂し、参考事例等も盛り込んだ冊子と活用のポイントをまとめたリーフレットを作成し、令和元年に公私立幼稚園、保育所と区立小学校へ配布いたしました。このカリキュラムに取り組んだ小学校の教員からは、カリキュラムがあることで狙いを明確にして、学年共通で取り組むことができたというような声が聞かれました。  乳幼児教育アドバイザー制度は、平成二十九年度から開始し、幼稚園で実務経験のある学識経験者等が幼稚園、保育園に訪問して教育、保育の状況を実際に確認し、各園の保育者と振り返りを行い、アプローチ・スタートカリキュラムの効果的な実践や教育、保育の向上に向けて、さまざまな助言等を行っております。訪問した各園の教員からは、外部からの視点による助言や提案が刺激となり、みずからの保育を振り返る貴重な機会となったというような声も聞かれています。  区といたしましては、これらの取り組みがより有効に機能し、乳幼児期の教育、保育の質の向上につながるよう、改善を図りながら取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 幼児教育の検証というところで、私も以前、子どもたちの自我が芽生える段階での教育の必要な点というところで、やはり子どものときにしか経験ができない経験、すばらしい経験をして大人になっていくというところで、前に子ども食堂の話をしたんですけれども、そこに来られているお子さんの中で、やはり大人に対してのイメージというのがそれぞれ持っているというところなんですけれども、身近な方に憧れであったりとか、尊敬できる人がいるとかというお子さんはいいかもしれないんですが、やはりそういった方がなかなか出会えない、そういった時間というのは本当に大事ですし、人間誰でも大人になってから厳しい現実を知っていくというのがありますけれども、その中で生きていくのが、小学生のうちから気づいて大人になっていくというのは、伸び伸びとしたりとか、時には無邪気に遊んだりとか、子どもだからこそできることをしないまま大人になっているというのがある子どもがいるのかもしれないなというのは、私はそのときに非常に感じました。  現在、乳幼児教育アドバイザーというのは、まだ派遣人数は少ないと聞いているんですけれども、今後、区立幼稚園だったりとか区立保育園というのを対象としていますが、例えば、これを私立の幼稚園、保育園にも普及していくなど、こういった観点から、ぜひとも活用していただくことも必要なのではないかなと思うんですが、今後の展開をお伺いします。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 乳幼児教育アドバイザーにつきましては、当初二名からスタートいたしまして、現在は五名体制で実施し、区立幼稚園や保育園を中心にアドバイザーを派遣しながら、実施体制の整備に取り組んでおります。  来年度からは、公私立幼稚園、保育所等の乳幼児期の教育、保育から小中学校への教育へとつながる探究的な遊びと学びを推進することとしておりまして、私立幼稚園、保育所等とさらなる連携、協力が必要と考えております。  今後は、これまでの乳幼児教育アドバイザーの実践してきた取り組みの共有化を図るとともに、私立幼稚園、保育所等へのアドバイザーの派遣を予定しており、世田谷区の目指す幼児教育を一層推進してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 私は、この乳幼児教育アドバイザーというのを最初聞いて、勝手なイメージだったんですけれども、比較的年齢がちょっと若い方で、今、ICT教育も学校の現場の中で進んでいくことですから、そういった部分も取り入れていくような方が入るのかなと思っていたんですが、今までちょっと経験者というか、もともと園長をやってらっしゃっていた方だったりとか、年齢層が比較的高目のアドバイザーの方が多いという話だったんですけれども、今現状、今回の補正予算書の概要の中でも、教育の情報化推進というところの項目で、あらゆる教育のクラウド整備、eラーニング、ICT支援員、ICT環境整備などの予算をこれだけ立てている中で、今後、幼児教育の中にもそういったICT教育を落とし込んでいくんだろうなというように私は思っているんです。  これも以前、けさか、そのときにタブレットを使った幼児教育の自治体というのが実際に千葉のほうでも出ていたりとか、それは私立の幼稚園だったんですけれども、子どもたちにとって、小学校に入ってから、そういったものに新しくさわるというよりも、今の子どもたちは、いわゆるデジタルネーティブというような、ふだんからそういった機器に接している子どもたちが普通になっていますから、そういったところを例えば幼稚園の年中さん、年長さんくらいからでもいいかとは思うんですけれども、そういったところから、ぜひとも落とし込んでいって、年齢に合った形でのタブレットの活用というのを今後検討していくべきだと考えているんですが、この点も区の考えをお聞きします。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 区では、令和三年度に開設する教育総合センターの中に設置いたします乳幼児教育支援センターにおきまして、子どもたちの探究的な遊びと学びを推進し、創造性や感性、自己肯定感、粘り強くやり抜く力などの非認知的能力を育むため、さまざまな教材等の検討、研究を実施することを想定しております。  幼児教育におけるICT等を活用した教材導入等についても、有効な手法の一つとできる可能性がありまして、そのためには、幼稚園におきましてネットワークや情報端末などのICT環境を整備することが必要となります。  委員の御提案のタブレット型情報端末の活用につきましても、教育現場の意見や他自治体の先進事例を参考としながら、幼児教育における効果的な活用方法等について検討、研究し、その成果につきましては、公私立の枠を超え、幼稚園、保育所等で共有化してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも進めていただきたいというふうに思っています。  今回、ここの部分、質問というよりも、今後、検討すべきだと思っているところで、ちょっと発言をしておきたいんですけれども、やはり区立幼稚園のあり方というか、その部分は、今、認定こども園への移行だったりとか、近年、塚戸幼稚園は私立認定こども園への移行というのも行っていたりとか、区立幼稚園のあり方というのは、今後、非常に大事なのかなというふうに思います。  通常、区立幼稚園は四歳、五歳というような枠で、通常のほかの私立幼稚園と比べると受け入れる年代がかわってきているわけです。そういったところから、幼稚園の定員の募集もなかなか苦戦しているというような話も聞いておりますし、教育委員会が幼児教育に所管として入ってから、こういったところの変化といったところに対応していくというところが今後非常に大事になってくるんではないかなというふうに思います。  そういった中で、今言ったICTを活用した教育の推進とか、そういったところをほかの私立の幼稚園、保育園だったりとかというのも、先進的にやっている園はありますけれども、まだまだ少ないと思うんですよね。そういった中で、区立がそういったことを先進的にやっているんだというような形で、ぜひとも広めていって、今お話しにもありましたけれども、区立内での情報共有のみならず、公私立の枠を超えて、ぜひともそういった情報共有の一つのレファレンスとしてやっていただきたいというふうに思っています。  ICT教育の部分でちょっと関連して、これも午前中、他会派からありましたけれども、これは学校のほうの話になりますが、今、自分の息子も小学校に通っていて、欠席連絡は連絡帳であるというのは、現代の今の親御さんの年代とか、そういうのを考えていくと、非常に安易に取り入れられるものであるし、先ほど言った教育の現場に、BYODだったりとかICTの関連の支援員、環境整備等々も行っていく中で、当然、こういったことも取り組んでやっていかないといけないかなというふうに思います。  質問は先ほどして、答弁は全く同じですので、聞きませんけれども、ちょっと教育長に聞きたいんですが、教育者は現場出身ですし、校長先生だったときに、そういった声というのはなかったんですか。 ◎渡部 教育長 今お話しいただいたとおりに、やはりなかなか忙しいときに連絡帳をお渡しする時間がないとか、電話でいいかとか、またはメールでできないかというお声はいただいておりました。  その中で、まだ環境の整備が整っていないということとともに、それを受け取って、いつでも見られるという人を配置することができないという状況にありました。だから、それを発信したときに、それを誰が見るんだろうというところの整備も必要だというふうに考えております。  これから、やはり時代は流れていますし、先ほど委員がお話しになったとおり、なかなか連絡帳を頼みにくいという状況も鑑みて、今後は早急にその方法を整理していく必要があるというふうに考えております。 ◆河野俊弘 委員 現場というか保護者の方々が望んでいる声ですし、ぜひとも進めていただきたいなというふうに思います。  これはちょっと欠席連絡の観点とは違いますけれども、予算書の中には教育用のクラウド整備、基盤整備というかセキュリティーを確保しというふうに言っておりますし、セキュリティーの面というのは問題にならないと思うんですよね。幾らでも保護者間の部分での情報共有が先に進んでしまっているし、ぜひとも学校間でのやりとりというのも、今回、そのICTの支援員等々もございますし、手段をしっかりと研究というか、できるものをしっかりと整備していただいて、やっていただきたいというふうに思います。  これも、そこの欠席連絡というのにちょっと関連してですけれども、簡単に言うと、幼稚園でもできないかというような話です。保育園ではやっているところもあるんですけれども、区立の幼稚園の保護者の方からも、今、教育長もおっしゃいましたけれども、やっぱり電話もなかなかしづらいという気持ちもありますし、しても全然つながらないというようなことで、メール等のオンライン化の対応を求める声というのを小学校同様にいただいておりますが、幼稚園のほうでの検討というのはいかがでしょうか。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 お子さんの急な欠席等につきまして、幼稚園の保護者の方から電話がつながりにくく、メール等の活用による対応を求める声もいただいてございます。メール等の活用による連絡方法の実施に当たっては、新たなインターネット環境の整備等が必要となります。  現在、区では、幼稚園教員の事務負担軽減のためのICT活用の可能性について検討を始めておりますが、保護者と幼稚園の連絡方法についても、園の意見や庁内関係所管の事例などを踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも、そこもしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  私からの質問は、最後に、プログラミング教育について伺っていきたいと思います。  現状、今、世田谷区におけるプログラミング教育の教育推進校というのが二校ございます。東玉川小と松原小ですけれども、これは実際に企業のインテルさんが入ってやっているということの話を聞きましたけれども、他の自治体では、結構、複数の企業も入って、プログラミング教育のいわゆる現場のプロというか、そういった方がしっかりと支援に入ってやっているというところなんですけれども、これが世田谷区の場合は平成三十年度よりというところで、今、経過一年、二年ですか、たちましたけれども、現在の取り組み状況というのをまず伺います。 ◎板澤 副参事 今お話しをいただきましたプログラミング教育推進校といたしまして、本区では東玉川小学校と松原小学校の二校におきまして、平成三十年度より東京都教育委員会の指定を受けまして、企業と連携を行いながら、プログラミング教育の充実に向けた実践研究を進めております。  特に東玉川小学校におきましては、教員の中から選任された推進員を中心といたしまして、プログラミングを教える際の学習指導案や年間指導計画の検討を行うとともに、プログラミング教育教材を活用しながら、実際に子どもたちのプログラミング的思考を育む授業などを行っております。また、松原小学校におきましては、企業と連携して、プログラミングソフトを用いまして、音楽の授業の中でメロディーをつくる取り組みや、ロボットを操作するプログラムをつくる授業などが行われております。  いずれの推進校におきましても、子どもたちのプログラミングに対する意欲の高まりや教員の指導力の向上につながっております。 ◆河野俊弘 委員 プログラミングの教育に関しましては、やはり小学校でも、これだけ取り組み、まだまだこれからぜひ広げていっていただきたいなという思いでもありますけれども、毎年、新・才能の芽を育てる体験学習等でも非常に人気がある項目で、これは一昨年だったか、六十名の定員のところ、三千人を超える応募であったりとか、個人的に、いわゆるパソコン教室ではないですけれども、行っているお子さんもかなりふえているという感覚があります。ぜひとも学校での必修化等々も今後の計画の中でもありますから、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますし、今後、企業をこれ以上ふやしていくなどの展開をしっかりと持った上で進めていただきたいと思いますけれども、今回の二校の取り組みを生かした展開というのが具体的にあれば、お伺いします。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、プログラミング教育推進校で得られたさまざまな成果を他の学校に広げていくことで、世田谷区のプログラミング教育全体のレベルアップにつなげてまいりたいと考えております。既に、この二校の教員がその取り組みを発表する教員研修を実施しておるところではございますが、来年度に向けまして、二校の具体的な指導手法や年間の授業スケジュールなど、各校が参考とできるよう、情報の共有化を図ったところでもございます。  プログラミング教育は、子どもたちや保護者の期待や関心も高くございまして、企業と連携した最新の情報でありますとか、授業の実践例の提供を通じまして、世田谷区全ての学校で質の高いプログラミング教育が行われるように取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも先進自治体として、しっかりとした取り組みを進めていただきたいですし、お子様たち、そして保護者の方々も、そういったことを望んでいますし、そういった現状を踏まえた上で進めていっていただきたいということを要望し、菅沼委員に交代します。 ◆菅沼つとむ 委員 答弁は明快にお願いします。  一般質問で公共施設等総合管理計画の上位計画にある瀬田小学校の建てかえについてお聞きします。そこで、何点か気になったことをお聞きいたします。  第一に、瀬田小学校の四階建てと三階建てと同じボリュームでコストが変わらないという答弁がありました。間違いないか、確認します。 ◎青木 教育環境課長 四階建てと三階建てにつきましては、基本的には建物のボリューム、延べ床面積を踏まえて概算の金額を出させていただいているところでございます。  四階建てと三階建てにつきましては、さきの答弁にもありましたとおり、構造的な考え方等ありますので、一概に差が出るというところまでの判断をお示しするところまではできないところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 私は三階建てと四階建てでは、三階のほうが安くつくというふうに思っております。これはもうちょっと具体的に実施計画になったとき、また聞かせていただきます。  また、瀬田小学校の建蔽率は六十の百で、高さ十五メートルまでです。四階建て、屋上にプールをつくるという計画になっていますけれども、日よけができるのかお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 今、計画におきましては、屋上にプールを設置する計画でございますけれども、改築する建物は、一般的には屋上のプールサイドに日よけを設ける計画としてございますので、瀬田小学校の改築におきましても、同様に日よけを設けることとしております。 ◆菅沼つとむ 委員 熱中症対策で屋上に日よけをつくるということでよろしいですね。 ◎青木 教育環境課長 そのとおりでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 また、二子玉川小学校と京西小学校が教室が足らないという質問をさせていただきました。区の答弁では、指定校変更をかけている、普通教室への転用可能なスペースを複数確保しているとありますが、具体的にどこか、お聞きします。 ◎青木 教育環境課長 現在、例えば二子玉川小学校につきましては、令和元年五月現在で二十一クラスございますけれども、最大転用可能数の教室といたしましては二十五ということで、四教室程度は確保できるかなと考えてございます。また、京西小学校につきましては、令和元年五月現在で二十二クラスございますけれども、転用最大可能数といたしましては、二十七クラスを想定しておりますので、五クラス程度の確保は可能と考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 具体的にどこの教室を潰すの。 ◎青木 教育環境課長 本日は資料等は用意していないので、済みません。 ◆菅沼つとむ 委員 また、上用賀にある三ヘクタール、国の医薬品食品衛生研究所が、今、整備をして、売却をされる予定です。一番近い学校は京西小学校だというふうに思います。それができたときに、教室の確保は今のうちから考えるべきだというふうに思いますけれども、区の考えを聞きます。 ◎淺野 教育次長 御指摘の点も踏まえて考えるべきだと考えます。 ◆菅沼つとむ 委員 京西小学校も、できたときに、新しく全面改築したときに、教室を三つぐらい余裕にとっていたの。そのときに、今で言う環八にある家具屋さんの前に、あそこで東急建設がマンションをつくるということになったときに、一気に京西小学校の教室がパンクするんじゃないかというふうに、大分言ったんですけれども、足らなくなるまで手を打たなかったというのが実際の話だろうというふうに思います。  また、瀬田小学校の建てかえのときに、瀬田中学校を使えるとなっていますが、瀬田中学校のどこの教室を使うのか、お聞きします。 ◎青木 教育環境課長 整備方針におきましても、瀬田小学校の改築に伴って瀬田中学校を活用することを示させていただいてございますけれども、主には音楽室や家庭科室などの特別教室を共用させていただくことを中心に考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それから、瀬田中学校を使うということなると、瀬田小学校から中学校に行かなくちゃいけない。子どもの安全対策をお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 瀬田中学校と瀬田小学校につきましては、道路を挟んで行くことになりますので、移動につきましては、安全の確保が重要と考えてございますので、学校とも連携しながら対応していきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 道路を挟んで中学校はありません。多少なりとも小学校一年生から小学校六年生まで移動するんだから、やっぱりそれは区として対応しなくちゃしようがないじゃないですか。いつも子どもたちの安全安心と言っているのは、教育委員会じゃないの。  次に行きます。また、玉川小学校と玉川中学校のプールの共有利用というふうになっております。生徒の安全対策はできているのか、聞きます。 ◎青木 教育指導課長 これにつきましては、玉川小学校から玉川中学校に移動してプールを使用するということになっておりますので、移動の際の移動方法、所要時間なども確認する中で、必要な安全の対策を立てたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 玉川小学校から玉川中学校は、子ども、小学生だって結構歩きでありますよ。歩いてどのくらい時間がかかるのか、聞きます。 ◎青木 教育指導課長 小学校低学年を想定してゆっくり歩いた中で、十二分程度だったかと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 その十二分で低学年でやって、安全対策はクラスの先生だけに任すの。対策はどうなの。聞きます。 ◎青木 教育指導課長 移動にかかわっては、学年の教員、それから学校主事等で安全を確保しながら移動したいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、三人でやるということですか。 ◎青木 教育指導課長 プールの授業につきましては、学年四クラスで行っていくということでございますので、それに対してプラス一名、あるいは二名が引率でかかわって、安全を確保してまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、四クラスだと六人で行くということ。 ◎青木 教育指導課長 説明が悪くて申しわけありません。一学年一緒で行きますので、四クラス一緒に移動してということになりますので、引率する大人の数は、おっしゃるとおりかと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 それは、四クラスは結構な長さになりますよ。それで横断歩道もあるし、それで安全対策になるの。 ◎青木 教育指導課長 実際、四クラスで移動するということになりますが、今想定しております移動の経路につきましては、直線で見通しがよく、余り交通量も多くないというところですので、細心の注意を払いながら安全に気をつけて移動、そしてその引率を行いたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 私はちょっと安全対策が甘いというふうに思います。  次に行きます。瀬田小学校の地域の改築の中間報告の説明会で、質問が出ていました。校庭の芝生化は管理育成期間の課題があるため、やめてほしいという質問があったときに、回答では、基本的にはグリーンダストで整備するとありますが、間違いないか確認します。 ◎青木 教育環境課長 区の学校改築の標準設計方針におきまして、校庭の整備につきましては、グリーンダストを基本としてございますので、瀬田小学校の改築につきましても、校庭部分はグリーンダストを基本として考えております。ただ、緑化の基準等がございますので、学校運営上支障がないようなところにつきましては、天然の芝生化等もあわせて検討していきたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 言っている意味がよくわからない。ちゃんと説明会では、校庭を広くしてグリーンダストで説明するというのに、屋上緑化もやるのに、グリーンのやつをふやすというのはどういう意味か。 ◎青木 教育環境課長 グリーンダストと言われるものは、基本的には砂場となっています。それ以外に、やはり区の条例に基づく緑化基準というのが相当厳しくなってございます。委員お話しいただきましたとおり、屋上の緑化も当然整備するんですけれども、それ以外にも、やはり地上部分に緑化の確保が必要というふうに考えてございますので、トラックですとか、そういったところは天然芝ではなくグリーンダスト舗装を基本とさせていただいて、それ以外のところで可能な限りの緑化を確保していきたいという趣旨でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 次に行かせていただきます。瀬田小学校の地域の改築の説明会がありました。それで、父兄ですとか地域の方々から、平日二回やるんじゃなくて、平日と日曜日を分けてくれないかというような要望があるんですけれども、分けられるのか、聞きます。 ◎青木 教育環境課長 今、委員から御指摘いただきましたとおり、地区説明会は平日に二回、夕方と夜、開催させていただきましたけれども、いろいろな方に、多くの方に参加していただきたいというふうに考えてございますので、次回報告会、また開催する予定としていますけれども、そのときは、平日と休日に開催するように考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それと、瀬田小学校のときに、多聞小学校と深沢中学校に視察に行って、その中で深沢中学校に行ってみたら、リフォームして新しい学校で行ってみたら、これはひどい学校ですねと見学者から言われた。なぜかというと、深中が建てたときは四階建ての校舎を三階にして、教室が足らないで、体育館の脇に校舎をつくって、そのかわりに体育館は風通しが悪くなって、それから暗くなった。そういうことで、クーラーは両方つけますよという話だったんだけれども、これは両方ついているの。 ◎秋元 副参事 今、体育館についてはクーラーを設置しておりますけれども、隣というのは新しく新築したほうだと思いますけれども、こちらのほうは格技室もあるんですが、ここはまだ、今検討しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうじゃなくて、体育館は一階、二階の二層になっているわけ。だから二層がついているかといったら、ついていないわけでしょう。最初、風通しが悪くなって、暗くなったらつける。それから、隣の校舎もきちんとやると言っているんだけれども、説明会だとか、そういうことは言ったときは、はいはいと返事するんだけれども、いざとなったらやっていないという話です。  それから、もう一つ、今までクーラー、世田谷の小中学校全校につけると言って、ずっとやってきましたよね。もう三月、もうじき四月になりますよね。そうすると、六月の後半からもう暑いわけですよ。全校で、体育館はいつまでにつくの。いつになったらつくの。 ◎秋元 副参事 体育館のクーラーにつきましては、今、順次設置をしておりますが、一部、工事のぐあいでおくれが出ておりますが、ことしの夏までには全校に設置する予定でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 夏になったら、夏休みになっちゃう。だから、本当は七月までにつけると言っていただかないと、確かにクーラーのやつはおくれると聞いていますよ。おくれるけれども、おくれて七月、八月になったら、もう休みになっちゃうんだから、その前につけなかったら意味ないんだから、教育長、大丈夫か。 ◎秋元 副参事 今、工事業者にも、それからリースもやっておりますので、リース業者にも急がせまして、できるだけ七月中にということも言っております。ただし、機械の発注の状況ですとか、そういうこともありますので、今のところ、申しわけないですが、何校かは、数校だと思いますが、八月に入ってしまう予定でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 数校の学校は諦めろという話ですね。  次に行きます。この十年間で区立小中学校の建てかえが何校あったのか、お聞きします。 ◎青木 教育環境課長 平成二十一年度から今年度までの十年間におきましては、全面改築は小学校十二校、中学校三校の十五校でございます。また、一部改築につきましては、小学校六校、中学校四校の十校でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 区立小中学校の建てかえというのは、御存じのように災害拠点にもなっているわけですから、世田谷区として優先順位が高いはずなんです。だけれども、最近は建てかえのスピードが落ちていると思うんだけれども、何で落ちているの。 ◎青木 教育環境課長 厳しい財政状況の中で、以前は年に二校の改築を進めていくというようなところがございましたけれども、その考え方は改めまして、棟別改築にしていくというような方針が総合管理計画でも示されたところでございますけれども、今現在、改築の検討を進めている学校につきましては、今、五校、進めているところでございます。また増築等も、本年度から増築の工事も進めているところでございます。  ですので、厳しい財政状況の中で、今、委員からお話しがありましたとおり、避難所として位置づけもございますので、改築がなかなか難しいところはありますけれども、避難所機能というのは確保していきたいというふうに考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 財政が厳しいからと言ったけれども、この七年間ぐらいに右肩上がりで財政はいいんですよ。落っこちたり、下がったりしていないんですよ。たまたま教育委員会がちゃんと区長に言って、お金を持ってこないだけの話じゃないか。努力不足じゃないか。だから、全部建てかえるのに何年かかるの。六十年、百年か。 ◎青木 教育環境課長 棟別改築等も進めてございますので、全ての学校を建てかえるには、相当期間はかかるかというふうに考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 棟別改築と言うんだけれども、深中の場合、六棟になっているわけ。六棟のうち、二つだけきれいになった。あと四棟は、三十六年から四十年ぐらいたっているやつです。だから、三十年も四十年ももたないんですよ。だから、棟別改築しないできちんとやりなさいということをお願いしたいというふうに思いますし、なかなかできない。このままだと百年待たなくちゃいけないというふうに思います。  次に、世田谷区の小中学校についてお聞きします。  小中学校で、今、クラスの崩壊があると聞いていますけれども、今、何校ぐらい崩壊しているの。 ◎青木 教育指導課長 学級で落ちつかない状況があるというところについては、複数の学校で報告を聞いております。今、何校というところではお答えが難しいかと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、クラスの中で授業中も遊び回っている、学校から出て、たまにはどこかいなくなっちゃう。何でこんなことが出てくるの。この間まで余りなかったんだけれども、またここのところ、出始めてきたよね。だから、このクラス崩壊ができると、基本的には区立に行く人がやめたいというのが出てくるんじゃないの。基本的には、どういうふうにしたいの。やっぱり隠さなくて、うちは今このくらい出ていますと、このくらいの目標でやっていきますというぐらい言ってくれないと、複数出ていますぐらいじゃやっぱりだめだと思います。何校ぐらい出ているの。
    ◎青木 教育指導課長 委員御指摘のように、学校の状況につきましては御理解をいただいたり、御協力をいただくというところでお話しをしていくということが望ましいと考えております。ただ、現在として、区全体の中、何校が、あるいは何学級がというところでは数を持っておりません。申しわけございません。 ◆菅沼つとむ 委員 基本的には、前々からそうなんですけれども、教育は人なんですよね。やる気のある先生方をいかに集めるか、それからそれをいかに世田谷にやって、世田谷の環境に合わせるかというのが基本なの。それをやるのは教育長と指導主事だと思うんだけれども、どこでやっているの。 ◎青木 教育指導課長 各校におきます人事配置、人事の構想につきましては、校長が考えているところではございますが、こちらについて東京都の人事権を持ちます東京都教育委員会の異動のルールにのっとりまして、各教員の配置をしているところです。  その中で、区といたしますと、力量がある、あるいは地域に対して愛着を持つ、親愛の情を持ちながら子どもたちへの指導に力を持って、あるいは情熱を持って取り組むという者を集めたいと思っておりますし、研修の中で、そうした力を高める、地域の理解を深めるというところで進めているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、やっぱり希望のある先生方を前もって言って、世田谷に異動届けを出していただかなくちゃなかなか人材は集まらないんですよ。都の教育委員会の割り当てだけじゃ、いい先生は集まらない。そんなの百も承知なんだから、その辺をきちんとやっていただきたいというふうに思います。  次に行きます。職員の定年制についてお聞きします。  先生が六十歳になると、六十五歳で仕事の場を与えなくちゃいけません。先生の定年後の人事は東京都なのか、世田谷区なのか、お聞きします。 ◎青木 教育指導課長 教員の定年につきましては六十歳というところですが、その後、五年間、あるいは年金の支給までの中では、都の講師ですとか再任用ですとかというものがございます。それ以外に、区の職員、時間講師などを希望する場合もございます。 ◆菅沼つとむ 委員 質問と答弁が違う。定年後の人事は世田谷区が持っているのか、東京都が持っているのか。 ◎青木 教育指導課長 人事につきましては、今申し上げたように、都の職員として再任用あるいは非常勤教員を継続するという中では、東京都の所管となります。 ◆菅沼つとむ 委員 世田谷区の人事異動にかける先生がいますけれども、例えば世田谷の中でも指導力不足の先生が何人かいらっしゃるわけですよ。その指導力不足の先生を定年後も世田谷区として先生をやらせておくのか。この辺はいかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 職といたしますと、先ほど申し上げたように、都の異動あるいは採用のルールの中で、再任用あるいは非常勤教員として世田谷区に残るというケースはございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、東京都の人事だから、そういう人のときは異動願いをして、ほかの区に行くということも可能だっていうことですよね。 ◎青木 教育指導課長 状況の中では、そうした形は可能ではございますけれども、現在の原則ですとか、あと、今、教員の数などもございまして、それについては、別途東京都との協議を行うということはございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうじゃなくて、世田谷区で定年になった先生は、基本的には世田谷区で使うというのが基本じゃないの。それは教育委員会で決めているんじゃないの。  それで、例えばその先生が定年後、またやるときに、生徒もこの先生は指導力不足、保護者もわかっていて、じゃ、それから五年間、その先生の授業は授業になるの。 ◎青木 教育指導課長 教員の授業力を高める必要がある者、あるいは指導に課題があるという者は実際におります。そちらについては、学校の研修の中で、あるいは私ども教育指導課の中で授業観察をし、授業について指導、助言をして、力量を少しでも高め、授業の中で子どもたちが学習において力をつけられるようにと努めているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そんなのは今に始まったことじゃない。何十年か指導力不足というのはあるわけだから、それが研修で直っていたら、それが直っているはずなの。今もって定年まで直っていないということは、その人が能力ないということ。それをまた五年間続けさせるのかという話。それで世田谷区のほうは、基本的には職を与えなくちゃいけないというふうになっているけれども、先生にやれとはなっていないはずだ。その辺はいかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 定年後の職といたしますと、先ほど申し上げた再任用などで、教諭としてそのまま続けるという希望が出た場合には、その年限の中で採用していくということでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 お願いしますよ。定年になって、また五年間、子どもたちにそんな指導力不足の先生を当てないでください。  自民党の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で、自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、公明党、どうぞ。 ◆高久則男 委員 公明党から文教委員会所管の質問をさせていただきます。  初めに、教員の働き方改革について何点か伺いたいと思います。  教育は人なりと言われるように、我が国の将来を担う子どもたちの教育は教師にかかっております。その意味で、教師とは極めて崇高な使命を持った仕事であると思います。教員の働き方改革の目的は、教員の働き方を見直し、みずからの授業を磨くとともに、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、みずからの人間性や創造性を高め、子どもたちに対し効果的な教育活動を行うことができるようにすることであります。  しかし、社会の変化に伴い学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、教員の長時間勤務が看過できない実態も明らかになっております。私の家の近くの小中学校でも、夜遅くまで職員室の照明がこうこうとついているのが見受けられております。昨年、世田谷区で実施した勤務状況調査では、平日の小学校教員の平均退校時間は夜の七時四十五分から八時四十五分の間が全体の二三%、夜八時四十五分から九時四十五分の間が全体の一三%の報告も出ておりました。かなりの長時間勤務となっていると思います。  長時間勤務の要因としては、小学校では学級担任制であり、一人の先生が担当する授業が多い。保護者との連絡、通学路の安全確保など、さまざまな授業以外の事務も多い。心理や福祉など教育以外の高い専門性が求められる事案が増加。若手教員の増加、授業総数の増加、また、部活の指導時間の増加などなど挙げられております。  きょうは、働き方改革に向けて三点お伺いさせていただきたいと思います。  最初に、人材バンク設置に向けた検討について伺います。  区内の小中学校では、補助員や支援員等が学校に派遣されております。例えば、先ほどから上がっておりますスクールサポートスタッフなどでは、公募で教育委員会が直接募集するとのことで、校長、副校長が自分たちで探すという苦労は避けられておりますが、令和元年度では、補助員、支援員など四十五項目のうち十八項目が学校で直接手配しているのが実態です。  我が会派では以前から、学校独自で支援員などを探すのに見つからない、また、探し切れない大変さを回避するために、区で人材バンク制度を早急に構築することを求めてきました。それを受けて、区では、教育総合センターにその機能をつくって推進していくという答弁でしたが、人材バンク設置に向けた検討状況は今どうなっているか伺います。 ◎北村 新教育センター整備担当課長 検討状況でございます。教育総合センターは学校教育のバックアップセンターといたしまして、令和三年十二月の開設を目指し、現在、事業の詳細などの検討をしているところでございます。現在、学校ではさまざまな職種の専門スタッフなどが勤務しておりまして、その人材確保が学校にとっての負担となっているという状況があり、教育総合センターに学校が必要とする人材の確保を支援する機能を持たせていきたいというふうに考えてございます。  人材確保の方向といたしましては、人材情報を集約し、各学校にその情報を活用してもらう方法のほか、人材の募集を教育委員会や教育総合センターが担い、各学校に人材を紹介する方法があると考えております。学校のニーズや職種の種別などに応じて使い分けていく必要があると考えております。現在、教育総合センターに先行する形で、一部の人材の募集事務を教育委員会事務局において担う取り組みも進めております。また、教育総合センターが担う人材確保については、学校に有用な人材情報の集約、紹介の方法等について検討を進めているところでございます。  学校や教員のニーズに応じて適切な人材を学校に配置し、また紹介することができるよう、引き続き取り組みを進めてまいります。 ◆高久則男 委員 来年十二月に教育総合センターが開設するに当たって、教員の負担軽減につながるように人材バンク設置の準備をしっかりとお願いします。  次に、学校の夜間の留守電体制について伺います。  学校の先生からは、放課後の授業終了後の電話がかなり多くて仕事に専念できないとの切実な相談もいただいております。まず、学校で放課後以降、どのくらい電話があるのか、そういった調査をされていますでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 今お話のありました放課後等の電話の数については、区としての調査を行っておりませんが、試行的に十八時以降の電話対応を行ってきたある学校においては、かかってきた本数は把握していないものの、警備員による対応により大きく件数が減ったという実感があり、その時間を業務に回すことができたという声をもらっております。 ◆高久則男 委員 これは、中央教育審議会での学校における働き方改革に関する総合的な方策についての答申でも、業務改善の具体例として留守番電話の設置が提案されております。例えば武蔵野市では平成三十年度から留守番電話対応を開始して、小学校では夜の六時半から朝の七時半まで、中学校では夜七時から朝の七時半まで実施、緊急時は市役所教育委員会につながるようにとしているようです。本区でも他自治体で導入されているこういった夜間留守番電話体制を早期に導入すべきと考えておりますが、見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 昨年行いました教員の勤務状況に関する調査によりますと、教員が多忙感、負担感の解決に向けた取り組みとして留守番電話の導入を上位に挙げており、勤務時間を過ぎた後の電話対応へのニーズが高いことを把握しております。  現在、区内の一部の学校では、留守番電話ではありませんが、警備員による電話対応を先行して行っており、教員は退勤する時間までは教材研究などに集中できるとともに、保護者や地域からの連絡が火急の案件だった場合には迅速に管理職につなぐなどとしており、御家庭との連携において大きい支障はないと聞いております。  教育委員会といたしましては、新年度の早い時期に保護者や地域の方に御理解、御協力をいただきながら、区内の全小中学校において警備員による電話対応を行い、教員の働き方改革に向けた取り組みの一つとして進めてまいります。 ◆高久則男 委員 今、課長から警備員によるという話がありましたけれども、警備員による電話対応をしている学校にも行って伺ってきましたけれども、警備員も先生にどの電話を回していいのかなかなか判断がつかなくて、最終的には先生につなげてしまっている、そういったことも聞いております。現在こういった導入している他自治体での事例も参考にして、早期に夜間留守番体制を構築して教員の負担軽減を図っていただきたいということを申し述べます。  三点目に、ICT化について伺います。  現在、本区では校務支援システムを導入してICT化を進めているとのことですが、まだまだ現場では改善の要望が多数出ております。例えば保健室でのICT化の環境整備はできていないそうです。保健室の環境整備を進めてほしいとのお声もいただいております。セキュリティー保護をした上で早急に整備をすべきであると考えておりますが、見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 教員が成績処理等の校務に使用しております校務支援システムは、児童生徒に関する成績情報等のさまざまな機微情報を扱っております。そのため、教職員以外は操作できないような指紋認証のシステム、あるいはインターネットに接続できない等の技術的なセキュリティー対策を実施しています。また、職員室、校長室での利用ということで、それをまた物理的なセキュリティーとしています。  しかし、教員の働き方改革を進めていくに当たって、養護教諭の執務環境改善についても整備が必要と考えておりますので、保健室での利用に当たっては、職員室と同様に児童生徒がパソコンに触れないようにするなど、個人情報を保護するための対策とあわせて環境整備を行ってまいります。 ◆高久則男 委員 先ほどのアンケート調査でも校務システムの改善というのは非常に多くて、今回の保健室の改善も含めてぜひ前向きに進めていただきたいと思って、次に移ります。  次は、外国籍の子どもに対する支援について伺います。  世田谷区に居住する子どもは、国籍の有無にかかわらずしっかりと教育を受けさせる必要があると認識しております。外国人労働者の受け入れ拡大を目的とした法改正に伴って、外国人労働者の受け入れは、二〇一九年十月時点で前年同月比一三・六%増の百六十五万人と拡大しております。その中で、不就学児童の増加も懸念されており、就学支援や日本語教育の充実が求められております。  昨年秋に発表となった文科省の全国調査によりますと、国公私立学校や外国人学校等に在学していない可能性のある児童生徒は、全国で外国籍児童十二万四千四十九人のうち一万九千六百五十四人が不就学の可能性があるとの報告でした。それを世田谷区の昨年の調査時点で当てはめてみると、学齢期相当の外国籍の子どもは八百二十八名、そのうち区立学校には三百八十五名、就学状況を把握できていない子どもは四百四十三名とのことでした。  なぜ把握できていないのか。外国籍の子どもについては、法令上の就学義務が課されていないためであります。しかし、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、いわゆるA規約に基づいて区立小中学校に就学の申請があった方は受け入れをしているのが実情であります。本区でも就学申請があった方のみ区立小中学校の受け入れをしているのか、まずお聞きいたします。 ◎田中 学務課長 区内の外国籍のお子さんの新入学につきましては、翌年度に新小学一年生、新中学一年生の年齢を迎える外国籍のお子さんがいる全ての御家庭へ毎年十月に世田谷区立小中学校への入学案内の文書を郵送し、お知らせしております。この文書は、英語、中国語、ハングル、タガログ語の四カ国語に翻訳した文書を添付しております。その後、就学を希望され、教育委員会にて申請をいただいた方につきまして、一月中旬に就学通知を送付し、就学すべき学校を御案内しております。  また、区内に転入される外国籍のお子さんの就学は、転入時にくみん窓口・出張所において区立小中学校への就学の御希望があった場合、教育委員会での手続を御案内しております。 ◆高久則男 委員 今の説明であると、まず、区内に転入届を提出する際に、いかに就学に結びつけることができるかが大事になってくると思います。全ての子どもに就学手続を促し、教育機会の確保に努め、全ての子どもに就学案内をしっかりと行うことが必要と考えます。  令和元年度の国の就学状況調査でも、八三%の自治体が就学案内を実施、そのうち就学希望の有無にかかわらず全ての者に就学に関する説明を行っている自治体は五一%の結果でもありました。  くみん窓口や出張所等で住民登録手続の際に全ての対象者に就学説明をしているのか、また、就学ガイドブックや案内は配付しているのか、お聞きいたします。 ◎田中 学務課長 くみん窓口・出張所では、転入時に区立小中学校へ就学を希望される場合に教育委員会での手続を案内するとともに、就学手続に関する案内も記載している外国籍の方向けの冊子「Life in  Setagaya」を配付し、周知しております。今後は、外国籍のお子さんの就学の機会を確保する観点から、全ての外国籍の学齢期のお子さんを持つ御家庭に対して、転入時に希望される方はどなたでも区立小中学校へ就学できることを丁寧に御案内するとともに、日本語が十分に話すことができないお子さんのために行っている帰国外国人教育相談室の事業について、翻訳つきのパンフレットを作成し、くみん窓口等においても配付する方向で検討を進めてまいります。 ◆高久則男 委員 しっかりと案内、説明のほうをお願い申し上げます。  昨年三月十五日の文科省の通知では、外国人の子どもについて、就学の機会を確保する観点から、教育委員会においては、住民基本台帳に基づいて学齢簿に準ずるものを作成するなどして、就学に関する適切な情報の管理に努めること、また、その際、学校のみならず外国人学校等を含めた就学状況を把握したり、相談者からの相談に応じるなど、継続して就学の機会の確保に努めることとしております。  昨年の決算特別委員会で我が会派の岡本委員から、就学先が把握できていない方を早急に把握すべきとの質問に対し、今年度中にアンケート調査を行い、就学状況の把握に努めるとの返答でございました。その就学状況の把握ができなかった区内の外国籍の四百四十三名の就学状況は把握できたのかどうか、お聞きいたします。 ◎田中 学務課長 学齢期の外国籍のお子さんにつきましても、住民基本台帳に基づき、その後の事務手続が速やかにできるよう、学齢簿を作成し、就学状況の把握に努めています。一方で、区立小中学校への就学申請されない外国籍の方につきましては就学義務がないこともあり、これまで就学状況を把握しておりませんでしたが、先ほどお話がありました文部科学省の通知等を踏まえ、昨年末の時点で区立小中学校へ就学していない四百六十一人にアンケート調査を実施し、就学先の確認を行いました。なお、本調査につきましても四カ国語の翻訳を添付いたしました。  これまでのところ、約半数の御家庭より御回答いただき、大半の方が学校等に在籍していることが確認できました。就学先といたしましては、インターナショナルスクールに在籍されている方が約八割、国・都・私立学校に在籍されている方及び海外の学校に在籍している方がそれぞれ約一割といった状況になっております。 ◆高久則男 委員 今の答弁では大半はインターナショナルスクール等に通っているとのことですが、どこにも就学できていない不就学児がいるのかいないのか、本区から一人たりとも置き去りにされる子どもを出さないためにも、区は責任を持って残り半分の調査に当たっていただきたいと思います。区の見解を伺います。 ◎田中 学務課長 今後、アンケートに御回答いただけなかった御家庭へ改めて郵送により連絡を行うとともに、出国をされている御家庭もあろうかと思われますので、入国管理局へも確認を行ってまいります。あわせて、福祉所管とも連携し、支援が必要な外国籍の児童生徒がいらっしゃる御家庭への訪問の際などに区立小中学校への就学について周知するなど、就学につながるよう努めてまいります。 ◆高久則男 委員 昨年十一月に開催されました世田谷区子どもの虐待防止推進講演会で講演されていましたイラン出身のタレントさんは、イラン人とのことで日本の学校では大変にいじめに遭ったことを切々と語っておりました。また、先日見たNHKのニュースでは、親とともに来日された外国人のお子さんが日本語が全くわからず授業についていかれなくなり、そのうち学校でもいじめに遭って、そのまま不登校になってしまったというニュースも出ておりました。  本区において外国籍の児童生徒さんが不登校になった場合、どのように対応しているのか、お聞きいたします。 ◎板澤 副参事 不登校はどの子どもにも起こり得ることでございますが、外国籍の子どもたちにつきましては、言葉や習慣の違いなどから学校になじめないケースや授業内容を理解できないケースのほか、いじめの可能性なども考慮しなければならないと考えております。  学校におきましては、子どもに寄り添う形で不登校の原因を探り、その原因を取り除き、学校への登校などにつきまして、子どもや保護者の方とともに考えることになりますが、保護者の方も外国籍である場合は、より丁寧にコミュニケーションをとることに留意していかなければならないと考えております。  これまで、外国籍の子どもが不登校になった場合の対応といたしましては、まずは学校において対応いたしておりますが、学校だけでは対応が困難な場合には、母国語を話すことのできる人員の派遣でありますとか、外国籍の子どもに日本語教育を担う部門との連携など、教育委員会といたしまして個別のケースに応じた支援を行ってきたところでございます。  今後、外国籍の子どもの増加も予想されることから、個別ケースへの対応にとどまらず、組織的な支援を行うことができるよう、他自治体の取り組みなども参考にいたしまして、体制づくりを検討してまいります。 ◆高久則男 委員 誰ひとりとして置き去りにしないこのSDGsの観点から、また、国際法上の観点からも、国籍に関係なく全ての子どもに教育を受ける権利をしっかりと保障していくことは非常に重要と考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎渡部 教育長 子どもたちは、誰しもかけがえのない存在として、その個性に応じて伸び伸びと学ぶ機会を与えるべきであると考えます。委員お話しのとおり、SDGsの目標の四、全ての人々へ質の高い教育を提供するという観点からも、分け隔てなく、どの子どもも教育を受ける権利を保障すべきと考えます。外国人の子どもにとっても、人権への配慮など必要な支援を含め、全ての子どもが安心して学べる教育環境の整備をしてまいります。  お話しのように、現行の制度や仕組みでは制限があろうかと思いますが、どのような仕組みが必要であるのかをまとめ、既存の枠にとらわれることなく、子どもたちにとって多くの学ぶ機会が与えられるよう、私としてはできる限りの方策を講じる所存でございます。 ○福田たえ美 副委員長 しばらく委員長席を交代いたします。 ◆高久則男 委員 それでは最後に、中央図書館の機能拡充と「Touch the World」について若干触れたいと思います。  平成二十九年九月の定例会で我が会派では、中央図書館で唐突に多文化体験コーナーの整備計画が発表されたときに、中央図書館のあり方についてこのように申し述べました。中央図書館を含めた現教育センターのあり方を発想から民間の知恵とノウハウに委ねるべきだ、民間活力を導入した新たな中央図書館の抜本的な検討をすべきだと申し上げました。中央図書館全体の改革の中で魅力ある中央図書館をどう構築していけるのかを民間の新たな発想と知恵をいただきながら検討していれば、多文化体験コーナー「Touch the World」ももう少し魅力ある施設になっていたと思います。  本庁舎整備の中で中央図書館の機能拡充は当分延長されることになったわけですが、中央図書館に多くの人が来館してにぎわいを創出するためには、今までの区で考えたゾーニングイメージに縛られることなく、民間の知恵やノウハウをフルに導入して、中央図書館の機能拡充の方向性を抜本的にもう見直すべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎松田 中央図書館長 中央図書館の機能拡充につきましては、平成二十九年度にお示しした中央図書館機能拡充の方向性を踏まえまして、図書館運営実績のある事業者のアイデアなどを取り入れながら、基本計画や整備方針策定を進めていくことを予定しておりましたが、本庁舎整備等により延期となってございます。これまでの検討内容を踏まえ、整備方針策定等を進めていくことを想定しておりますが、必要な工事に着手できるのは最短でも令和九年度以降となり、具体的な進め方やスケジュールなどにつきましては、庁内で調整を図っていく必要もございます。今後、スケジュール変更による情勢の変化や「Touch the World」の運営状況などを踏まえまして、改めて課題等を整理し、検討してまいります。 ◆高久則男 委員 この「Touch the World」ですが、四年生は移動教室として年一回バスなどで「Touch the World」に来ていただき一時間程度活用しておりますが、それ以外では平日平均で二十九名、日曜日でも平均七十名の人しか利用されておりません。私が時々立ち寄ったときでも、ほぼ誰もいない状態でした。このような利用実績からして、子どもたちや区民が楽しみながら英語を学び、多様な文化に触れることができる多文化体験事業としての目的はどう見ても達成しているとは考えられません。また、「Touch the World」の令和二年度の予算は約二千九百万円、小学四年生のバス移動の予算は約一千万円、利用者数とコスト面からの行政評価も非常に疑問があります。  質問はしませんが、こういった観点から、「Touch the World」の機能を抜本的に見直していくことを要望して、私からの質問を終わります。 ◆佐藤弘人 委員 高久委員からバトンタッチを受けまして、私が引き継ぎをいたします。  初めに、先ほどの高久委員からの教職員の負担軽減に関連して質問させていただきたいと思います。  私も平成二十九年の第四回定例会で一般質問をさせていただきましたけれども、その際は教職員の負担軽減については、横浜市の先進事例を引用させていただいて、さらに取り組むべきということを述べさせていただきました。幸い、そこから少し流れが出てきまして、東京都では来年度予算の中で激務とされる副校長先生を支援する非常勤職員を置く学校マネジメント強化モデル事業の対象校、これが本年度は百二十校だったのが来年度は五百六十九校に拡充してサポートに徹すると。さらに、世田谷区においても、先ほどお話が出ましたけれども、スクールサポートスタッフの配置を十二校から三十校に拡充するということでございますけれども、ただ、大事なのは、さまざまな手だてを講じていくことと同時に、それが果たしてちゃんと教育負担の軽減につながっているのか否かということが重要でありまして、特に今回、このスクールサポートスタッフについても、例えば新実施計画とか行革、さらにはさきの継続本会議で報告があった教育委員会からの報告書の中にも、特にこれがどういう評価、また検証、さらには効果を生じているのかということに触れられていないんです。そのまま三十校に拡大するのはいいんですけれども、一体これはどういう評価のもと拡充に至ったのかということについて、まずお聞かせいただけますか。 ◎青木 教育指導課長 スクールサポートスタッフにつきましては、教員の負担軽減に向け、これまで教員が行ってきた事務的な作業をかわりに行う人員であり、本年度はお話しのとおり十二校に配置しております。実際に行っている業務につきましては、事務的な作業、あるいは授業準備の手伝いというところでことし配置しました十二校におきましては、その効果が、直接子どもに充てる時間がふえた、あるいは、授業の準備評価など学習準備にかかわる時間がふえたというような報告をもらっているところでございます。  今後、三十校に拡大してまいりますけれども、日々の業務における負担軽減にどれだけ近づいているのか、そちらについては検証しながら、教員が子どもたちとかかわる時間をより確保してまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 青木課長、だからその結果をしっかり報告してください。その上で、十二校から三十校に拡大するということを示していただきたいと思うんです。  あと、私が質問した際に提案させていただいたのが、専門スタッフなど人員配置の観点からお話しすると、要望があると思いますけれども、例えば理科支援員の配置とか、それから、日本語指導が必要な児童生徒への支援ということで補助的な配置だとか、そうした学級運営の支援について、これから必要性も含めてどのように方向として持っていかれるつもりか、この点も伺いたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 世田谷区では、理科授業の一層の充実を図るために理科支援員を配置し、外国人帰国児童生徒及び保護者に対する支援としまして、日本語指導等を補助する人員を配置しております。理科支援員は、理科教育に関心の高い外部人材を活用し、観察、実験等の準備、片づけや授業中の指導、補助などを行っており、小学校四年生、五年生、六年生の授業を対象に、本年度は小学校三十一校三十七名の支援員を配置いたしました。  日本語指導等の補助人員につきましては、主に外国人、帰国児童生徒に対して、英語や中国語などの母語による通訳を行いながら、日本語の初期指導を行っております。本年度は区内小中学校二十校二十四名の児童生徒へ派遣をいたしました。  教育委員会といたしましては、このような専門性の高い人材を教員の支援として起用いたしまして、教員の負担軽減も含め、児童生徒への指導や支援がさらに充実するような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 続いて、業務改善の観点からいくと、これもお話にも出ていましたけれども、さまざまな調査とか、依頼の件数を削減するとか、それから、学校に提出を求める文書を簡素化するとか、効率化を図るとか、また、もう少し突っ込むと、学校行事全体のさまざまな見直しというところで諸表簿の電子化など, いろいろとあると思うんですけれども、この点についてはどういうふうに今お考えなんですか。 ◎青木 教育指導課長 教員の負担軽減におきましては、昨年実施いたしました教員の勤務状況に関する調査の中で御指摘いただきましたことは、多忙感、負担感を改善、解消するための対策としていずれも上位に挙げられております。調査等につきましては、国や東京都からの調査については、可能な限り学校が対応する回答項目を絞り込むとともに、区が実施する調査につきましては、関係所管と連携し、調査内容の重複を避け、必要最低限のものに厳選するなど、回答方法の簡略化に向けて工夫するようにいたします。  学校行事の見直しにつきましては、各校の効率的な準備について工夫ある取り組みを、校長会を通じて情報共有を図るとともに、諸表簿の電子化にかかわります校務システムの改善に努めてまいります。また、この四月から放課後の警備員による電話対応も開始してまいります。  教育委員会といたしましては、さまざまな方策を通じて、少しでも教員の負担軽減となるよう努めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 あともう一点お伺いしておきたいのは、部活動支援員制度についてですけれども、これも基本的には学校で人材を探してください、費用は区のほうで持ちますという制度としては変わっていないわけですよね。いやいや、自分たちの学校の部活動の指導員については私たちで探すというところもあれば、そこに大きな負担を考えられているという学校もあると思いますけれども、これは改めて人材を探すというところについて区のほうで担っていくというお考えは今後あるのかどうか、この点もお聞かせいただきたいと思います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 部活動支援員制度は、部活動の安定的、継続的な運営を確保するほか、教員の身体的、精神的な負担軽減などを目的とし、地域の方々に協力してもらい、顧問教員にかわって主に技術指導を行う監督などを配置する制度でございます。今年度より部活動支援員の人材確保の環境を向上するために、活動の謝礼の単価を監督は千円から千二百円に、部活動指導員などは八百円から千円に上げ、さらに顧問教員の引率への負担軽減を図るために都内における地域との練習試合、区大会、合同練習会等を監督が顧問教員にかわって単独で引率できるように制度の拡充を行いました。
     部活動支援の人材確保については、人探しが困難であるという昨今の情勢も踏まえまして、一般財団法人東京学校支援機構による人材バンクの積極的な活用を促すなどの働きかけを行ってまいります。特に人材探しに苦慮している学校については、教育委員会が仲介を行う民間事業者を活用し、人材確保を支援してまいります。  今後も、部活動にかかる過度な教員の負担を軽減し、教員が子どもとかかわる時間が拡充できるよう部活動支援員制度の充実を図ってまいります。 ◆佐藤弘人 委員 それで、先ほど高久委員の学校の留守番電話の話でも、例えば午後六時以降に学校にかかってくる電話の本数を特に把握してないと。恐らくこれは私の個人的な考えですけれども、小中九十校ありますよね。大きな学校もあれば小規模な学校もあります。それぞれが抱えている教育負担という部分が恐らく違うんじゃないかなと。それはさまざまな学校を取り巻く環境も当然影響するでしょうし、いや、もしかしたら校長、副校長と現場の担当の職員の人の考えも違うのかもわからないですけれども、やはりしっかり実態を、この学校についてはどこに一番負担がかかっているのか。そこを解消するには、どういう制度とかどういう手だてをするのがいいのかという、世田谷区内全体でこういうのをやっていますのでこれが教育負担の軽減につながっていますということにはならないはずなので、その学校における一番負担がかかっているところをしっかり抽出して、その上でその制度を図っていきながら、途中で検証して効果を示していく、これが今は必要なんじゃないかなと思っているんです。  先ほど言いましたスクールサポートスタッフについても、特に十二校に配置されて、それがどれだけ負担軽減につながっているのかということが別にあらわれているわけでもなし、部活動支援員制度についても、その効果がどういうふうに考えられているのかという区教委のそうした事業成果が出ているわけでもないので、もう一回改めて、やるべきことはたくさんあると思うんですけれども、しっかり学校の教職員の負担軽減につながる、それぞれの実情に合わせた制度の充実を図るべきだと思います。そのために学校の実情をよく把握していくべきだと思っていますけれども、この点については、いきなりで申しわけありませんけれども、教育長、いかがですか。 ◎渡部 教育長 今、委員からお話しいただいたとおり、私どもの中では、スクールサポートスタッフについては十二校に聞き取りをして、それがどのような効果だったかというところは把握しておりました。その上で予算を鑑み三十校というふうにしたわけですが、そのことを検証してしっかりとした形でお出しするということには不十分だったかもしれません。  今後は、先ほどお話があったとおりに、それぞれの学校の実態に応じて、そして把握し、そしてお伝えをしてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 よろしくお願いします。  続いて、学校教育のICT化ということで、これも高久委員は教職員の観点で話をしてくれましたけれども、私のほうは児童生徒の観点でお話しいたします。  先ごろ、GIGAスクール構想ということで、文部科学省が施策のパッケージを公表しました。これは、例えば今、全国的に児童生徒五・四人に一台のPCもしくはモバイル端末を一人に一台にしていくと。あとは、学校内に高速の大容量の通信ネットワークを整備する、ここを予算化して推進していくということで、もちろん世田谷区においても、今回の予算説明書の別冊にしっかりと絵面が書かれていますね。大きくハードの観点、それからソフトの観点、あとはそれに対する指導体制、この三つの大きな柱が中心軸となっていくと思いますけれども、では、世田谷区としてこの三つの柱をどういうふうな構想でこれから進めていくつもりなのか、まずその基本概念をお聞きしたいと思います。 ◎會田 教育総務課長 委員お話しの文部科学省のGIGAスクール構想は、多様な子どもたちを誰ひとり取り残すことなく、個々に応じた学びを全国の学校現場で継続して行っていくなどを目的として、全国の小中学校における児童生徒に一人一台の端末配備及び校内ネットワーク高速化の実現について提唱したものです。  教育委員会では、これまで段階的にタブレット端末の整備、充実を図ってまいりましたが、今回示されたGIGAスクール構想を踏まえて、タブレット端末や校内通信ネットワークのさらなる整備を行ってまいります。  先ほどの別表、六三ページにありますとおり、ハード、ソフト、人というものは一体と思っております。学校教育のICT化につきましては、ハード面、ソフト面の整備、人的な整備の確保、セキュリティーの見直し等が連動して整えられることが必要だと考えております。タブレット端末、ネットワークといったハード面の整備のみならず、デジタル教材やデジタルコンテンツといったソフト面の整備、ICT支援員の導入、教員研修等の人的な体制の強化、セキュリティー基準の見直しとあわせて取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 では、具体的に聞きますけれども、まず、ハード的な整備、いわゆる校内通信ネットワークです。文部科学省の構想だと、小学校五年、六年、また中学一年を中心にということで、そこの導入をPCモバイル端末も含めて優先していきたいと考えているみたいですけれども、世田谷区においても、学校耐震再診断の影響によっての整備があって、なおかつ体育館のエアコン設置、さらにはさまざまな課題から起きています改築も控えているという中でこの校内LAN整備をしていくというのは、そこそこお金がかかる話でございます。この辺の予定というか進め方についてはいかがでしょうか。 ◎會田 教育総務課長 文部科学省のGIGAスクール構想の実現に向けて、一人一台端末の整備とあわせて校内ネットワークの整備が重要ということで掲げております。現在の区立小中学校内のネットワーク環境は、各教室で端末が利用できるようにLAN配線を行っており、持ち運びができるアクセスポイントを活用することで、どの教室でもネットワークを利用できる環境を整備しています。しかしながら、各学校の端末配備数が増加して、また、動画の視聴や大きなファイルのダウンロード、そういったこと行うことを考えますと、今後、やはりより性能が高い通信速度、高速なネットワーク環境を整備する必要がどうしてもあると思っています。  校内LANの整備につきましては、将来的な端末数の増加を見据えて、新しい無線通信システムである5Gであったり、次世代のWi―FiであるWi―Fi6等、新技術の動向にも注視し、将来を見据えた効率的な投資を進めてまいりたいと考えております。財政的なことでございますが、文科省の補助金を活用するなど、財政面の負荷も見据えながら、高速なネットワーク環境をなるべく速やかに実現できるように取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 それから、ソフト面の児童生徒一人に一台端末ということですけれども、これをそろえるのはなかなか費用もかかることを考えて、当面どうするかということと、将来的にはBYOD化ということで、いわゆる教科書的な扱いとして皆さんが必須にしていくという方向も当然見据えていると思いますけれども、その点についてはいかがですか。 ◎會田 教育総務課長 児童生徒一人一台のタブレット型情報端末の整備は、単に端末を整備して整備を完了というわけじゃなくて、これをいかに効果的に活用して児童生徒の学びを深めていけるかが重要だと考えています。  文科省から示されたGIGAスクール構想の事前の仕様書もあるんですが、これらについては、基本的なソフトに加えて、動画編集のソフトであったり、プログラミング教材、デジタル教科書、デジタル教材等の活用についても例示されているところです。  教育委員会といたしましても、児童生徒一人一台の端末の整備に当たっては、デジタル教科書等のさまざまな学習用コンテンツをクラウド環境で活用できるような環境、それがBYODにおけるセキュリティー環境にもなるんですが、個々に応じたより深い学びの実現につながるような整備を行ってまいりたいと考えております。  端末の整備に当たりましては、文部科学省に設けられた補助金の活用や、中学校で現在、そのBYODを検証してございますので、こちらを推進するというようなさまざまな手法を取り入れながら、できるだけ速やかに整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 それからあと、指導体制、ICT支援員の方は今、区内で三名ですか、巡回をしながらということで、このGIGAスクール構想というか学校のICT化が進めば、当然、支援員のその辺の体制についても厚目にしていかなきゃいけない。ただ、支援員の確保は区の単費ということもありますけれども、当面これはどうされるんですか。 ◎加藤 副参事 ICT支援員につきましては、授業準備の効率化や次年度から小学校全校で完全実施されるプログラミング教育の準備、充実等を目指して、本年度より世田谷区内に三名配置して活用しております。  本年度のICT支援員は、ICTの拠点校の松原小学校、烏山小学校、船橋希望中学校の三校に配置し、拠点校の業務支援のほか、支援員の派遣を希望する拠点校以外の小中学校へも訪問による支援を行っております。本年度は約二十校が派遣を希望し、授業準備の支援やプログラミングの事例の紹介、授業内容に対する相談、助言及び教材作成の支援などを行っております。支援を受けた学校からは、プログラミング教育に対しての専門的な助言により充実した授業を展開できたことや、授業準備の効率化と負担の軽減を図ることができたなどの報告を受けております。  教育委員会といたしましては、こうした成果を区内小中学校に周知するとともに、より多くの学校の希望に沿えるよう、三名のICT支援員の効率的な巡回についても検討するなどして、プログラミング教育のスムーズな導入と教員の業務負担軽減に向けて支援をしてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 では、よろしくお願いします。  最後に、学校施設における防災力の向上ということで、これもちょうど二年前の予算委員会でも質疑を私はさせていただきました。学校施設は、いわゆる災害時には避難所になります。そこの防災力を強化しなくてはいけないと文部科学省は当時、二〇一八年にプロジェクトを発表しております。  今回、公共施設に大容量の蓄電池が配備されるとも聞いておりますけれども、まだまだ防災機能としては足りない面があるのではないかというふうに考えています。特に生活用水については、学校施設の受水槽だけではなくて、私が以前取り上げた非常用貯水機能つき給水管の整備だとか、それから、高齢者の方が、また障害者の方がいらっしゃることを考えれば多目的トイレも当然配置をしていかなくてはいけない。それから、スロープの段差解消や体育館における非構造部材の落下防止は大丈夫なのか。また、学校教室のガラスの飛散防止については措置がどう施されているのか。また、水害が起きたときに、当然、浸水地域の学校は避難所にはならないにしても、なるべく被害を食いとめるために、学校の施設の被害を食いとめるためにも止水板というのも設置をしていかなくてはいけないというふうに考えていますけれども、この辺の強化は進んでいますか。どうですか。 ◎青木 教育環境課長 学校施設は教育の場であるとともに、災害時には避難所としての役割も果たす重要な施設であるため、平時、非常時を問わず全ての施設利用者の安全安心の確保はもとより、老朽化した施設、設備の機能向上が求められております。  教育委員会では、これまでに改築や大規模改修時にあわせて防災機能の強化を図るとともに、全ての小中学校に受水槽への非常用水洗の設置や多目的トイレの設置、また、天井材やガラスサッシなどの非構造部材の耐震化等を実施してまいりました。しかしながら、さきの台風十九号における避難所運営において、避難所となる体育館付近のトイレが和式であり、高齢者等に配慮されておらず、また、多目的トイレの設置場所までの段差解消がされていないなどの課題がある学校も見られたことから、さらなる防災機能の確保が必要であるものと認識しております。  こうしたことからも、引き続き、現在実施しております日常点検や防火設備などの定期点検の結果等により施設の状況把握を進めるとともに、委員御指摘の内容も含めまして、バリアフリー改修など学校施設の防災力向上について関係所管と連携して取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 最後に、教科「日本語」について一言。私は実は詩吟をかれこれ九年ぐらいやっていまして、詩吟に取り組んだきっかけは、教科「日本語」が導入されたときに教科書に漢詩が入っていたんです。そこが取り組んだきっかけになりました。最近その詩吟で言われるのが、日本語でイとかウがなくなってきていると。私は佐藤ですけれども、サトウじゃなくてサトー、携帯電話のケイタイがケータイ、これはなかなかゆゆしき問題だということを言われていますので、ぜひそうしたことを、やはり母国語として正しい日本語が使えるような教材としてさらに生かしていただきたいと要望して、公明党の文教所管質疑の前半を終わります。 ○阿久津皇 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、公明党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いします。  それでは、休憩いたします。     午後二時五十分休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党の文教所管質疑、二十四分なんですね。短いですけれども、よろしくお願いします。  コロナウイルス対策で学校の現場も大変ですけれども、教育委員会としてもこういう事態になって一番大変な状況だと思いますけれども、ここが踏ん張りどころ、しっかり学校を支えて、子どもたちをしっかりと支えてください。大変だけれども、ここは頑張って、よろしくお願いします。  総括で質問が途中で終わってしまった部分の図書館、その先をやりたいと思うんですけれども、あのときはこの事務事業の評価で、選書とレファレンスは区が担うべきものとなっているものがどうなんだというふうにお聞きしたら、選書やレファレンスも民間も活用してやっていくんだというようなニュアンスを出してくれたんだけれども、もう一回ここを聞いておきましょうか。 ◎松田 中央図書館長 今お話にありますように、先日の総括質疑におきまして、区民の知る権利や生涯学習の機会を確保し、学習意欲を持つ区民の要求に応えるために、図書館にとって選書とレファレンスが重要な役割であるとの答弁をさせていただきました。  現在、経堂・世田谷・梅丘図書館では、図書館運営を行っている民間事業者がレファレンスを含む窓口業務を行っております。実際の各館でのレファレンスの状況は、利用者が求める資料や情報の調査に比較的短い時間でお答えできるケースが多く、全体的には的確なサービスが提供されていると考えております。利用者の深い学びの欲求に的確に対応できるレファレンス力の向上にも力を入れる必要があり、民間活用の効果を生かしていくためにも、中央図書館の指導調整機能を強化し、館ごとの状況に応じた運営体制の検討を進め、もっと図書館を活用していただくための啓発などにも取り組んでまいります。 ◆高橋昭彦 委員 レファレンスを含む窓口業務を行っていると。だから、図書館の指導調整機能も強力に発揮していきたいと。ですから、図書館運営本部みたいな状況でしっかり区が全体を見ながら、でも、現場をしっかりと任せるべきものは任せて、にぎわいと魅力ある図書館、そして行革にも資する図書館、これをしっかりと進めていくという状況が必要なんだろうと思う。ここのところを教育長に聞こうかな。 ◎渡部 教育長 図書館の運営のあり方について、私の基本的な考えをお答えします。  図書館は、基本計画において、知と学びと文化の情報拠点としての位置づけを与えられ、生涯現役社会での重要な役割を今後ますます果たしていくものと考えます。この役割を的確に果たしていくためには、お話しいただいたように、時代の流れに合ったさまざまな創意工夫がなされなければならないと考えています。この創意工夫、仕組みづくりに当たっては、区民の方々の参加、参画とともに、民間事業者の知恵や手法を大胆に導入することも検討の視点に入れなければいけないと考えております。民間事業者の取り組み、また、ほかの先進事例など、これまでの垣根を越えた時代のニーズに合わせた検討をしていきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 大胆な手法をしっかりお願いします。七月にまとめるというふうに聞いていますから、そこは中途半端にならないように、自由度を高めてあげながら、やっぱり魅力的なものをつくっていくという前向きな状況をつくってください。よろしくお願いします。  二つ目に行きます。学校給食ですけれども、給食の中でも、今、給食が中止になっているという問題ではなくて、有機無農薬食材がどういうふうに今使われているのかというのを聞きたいと思うんですけれども、どうでしょうか。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上で生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。給食用食材を発注する際は、価格だけではなくて、献立に適した規格、品質などを考慮しております。学校給食における有機無農薬食材の使用につきましても、各学校が必要量や価格などを考慮して、可能であれば使用しているところでございます。 ◆高橋昭彦 委員 特に規定はないということだね。ただ使っていこうというふうな状況があると。SDGsの中にも含まれている部分でもあるので、これをよく検討してもらいたいなというふうに思うんだけれども、いろいろ調べてみたら、やっぱり有機無農薬を積極的に使うというふうに頑張っている市とかもあるんだよね。  また、いろいろ調べていくと、食材の調査をちゃんとしているところもあって、検査をしているところがあるんだよね。武蔵野市では、年度ごとに三、四検体で、給食に残留農薬があるかないかという、世田谷はまだやっていないんだけれども、放射能に関してはやっている。安心な食材というのはやっぱり提供していく側の責務でもあると思うんだけれども、こういった取り組みというのは検討すべきなんじゃないの。どうかな。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食の提供において最も留意しなければいけないことは、児童生徒に安全で衛生的な食事を提供することと捉えております。学校給食用食材につきましては、有害なものや不必要な食品添加物が添加された食品は使用しないことなどを学校給食衛生管理基準に定め、鮮度のよい衛生的なものを選定しております。より安全で衛生的な給食を提供するため、定期的に学校給食用食材などを対象とした細菌学検査など、現在さまざまな食品検査を実施しておりますが、今後、残留農薬検査についても必要に応じて実施することを検討してまいります。  教育委員会といたしましては、今後とも安全安心でおいしい給食の提供に努めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 必要に応じてと言わないで、やっぱりさまざまなことから子どもたちを守るという意味では、大丈夫なんだろうという感覚はあると思うんだけれども、やっぱり備えておくということが大事で、これをぜひ前向きにやってみようという状況にしてください。よろしくお願いします。  きょう私が一番やりたかったことを話したいと思いますが、思春期のコホート研究というのがある。僕はもう十何年前から思春期の子どもたちへの対応ということをずっとやってきているんだけれども、四日市とかにも行って、いろんな教育と保健所と医療がどう合体して子どもたちを守っていくのかというようなことまで一応見に行ったこともありました。諸星さんとも一緒になっていろいろ研究を進めてきたんだけれども、実は、東京ティーンコホートという調査がある。これも導入すべきなんだ、協力すべきなんだということを委員会でも言ったんだけれども、コホートって、要は一定期間の世代の集団というような意味があるんだけれども、ヨーロッパの中では、出生コホートといって、生まれた子の世代をずっと調査し続けて三十年間、四十年間とずっと調査し続けてどういう子どもたちの成長というのを見ていくかということ、これはもう当たり前のようなことになっているんです。こういうことをやっぱりしっかり調査しなきゃいけないということを委員会でも何回も言っていたんだけれども、いろいろこれが東京大学中心にやるようになりましたねという話を実は八年前にこの場で言ったんです。しっかり世田谷区も協力すべきだと。  この東京ティーンコホート研究というのは、世田谷区と調布市と三鷹市で、二〇〇二年九月一日から二〇〇四年八月三十一日までに生まれた子ども、子の集団が一万八千八百人いるんです。この子どもの中から抽出して、この子どもたちが十歳になったときに調査依頼をかけているんだよね。調査を了承しますと言った人が四千四百人ぐらいいたんだけれども、収入とかそういった調査の基準をつくって、三千百七十一名の方々にずっと調査を受けていただいているというのがある。  これは八年前、十歳になったときのこの三千名以上の方々が一度この調査に協力してくださった。二年後、十二歳でも同じ子どもたちに対して、この親子に対して調査した。また二年後、十四歳になったときもやった。今、その子たちは十六歳になるんです。小学校の五年生から今、いよいよ高校に入ってくる。小学校の五年生、四年生ぐらいのときの調査からその子たちがどういうふうに意識が変わってきているかなというのが、調査し始めていよいよ見えてきたんです。  その子たちは高校生になっているので、これがどうなってくるかというのはまたその後の結果になっていくんだろうと思うんだけれども、十歳から始めて十四歳になる。身長も二十センチから三十センチ伸びて、体重も二十キロぐらいふえているというこの四年間の子どもたちの気持ちや子どもたちの生活の変化が思春期のまさに入り口、そこに入るときの気持ちとかを見ている。  三千百七十一名のうち二千名が世田谷区の子どもたちです。こういう調査はなかなかない。単発的にどんとアンケートを世田谷区はやるけれども、こういうふうに持続してその子どもを追いかけていくという調査は非常に意義があるよねということで、七年前の議会でも諸星さんはこれを言ったんです。教育委員会としても、コホートとしっかり連携をとりなさいよという話をそのときしているのが残っているんです。  この東京ティーンコホート調査、思春期に差しかかる子どもたち、十歳から十四歳にかけて、例えばこういう状態になったらこのときはどうするかという質問をしているんです。この例えばの質問はこんなことがある。太朗君はこの数週間、いつもと違って何だか悲しくなったり、つらい気持ちになったりすることが多くなる。いつも体がだるく、体も痩せてきた。勉強も手につかず、成績も落ちてきた。決めなくてはいけないこともなかなか決められず、これまでできていた毎日の勉強や習い事などがとてもつらく感じるようになってきた。太朗くんの家族や友達は、太朗くんの最近の様子をとても心配しているという事例がある。  これを聞くんですけれども、この調査では、もしあなたが太朗君と同じ状態になったら誰かに相談しますかと尋ねているんです。十歳、十二歳、十四歳と順に思春期に入るにしたがって、だんだん年を追うごとに、精神的な不調状態になったときでも、まず誰かに相談するよりも自分で解決しようという傾向が強くなってきているというのがちゃんと見えてきた。自立していくんだから当たり前のことなのかもしれない。だけれども、非常に多くなってきている。  太朗君と同じような状態に誰かに相談するかと聞いているんだが、その相談先は家族がだんだん減ってきて友人が徐々にふえていくという傾向に十歳から十四歳になっている。十四歳の時点で家族と友人の比率が逆転して友人がトップになるという状況になるんです。一方、先生は、十歳のときには半分以上は先生に相談すると答えるんです。しかし、四年間で三五%まで減ってくるんです。スクールカウンセラーや医師も十四歳のときには子どもたちの相談先としてかなり減ってくる。また、ネットの掲示板などが成長にしたがって徐々にふえてくるというのが見えてきているんです。思春期には、自立を目指すゆえに、特に心の問題ついては大人に相談しなくなっていく時期に入ってくるんです。  子どもたちが心の不調を感じたときに助けを求められるようにするにはどうすればよいかというのが一番大事なことなんですけれども、そのための調査なんだけれども、十歳から十四歳の四年間で大きく変化する中で、助けを実際に求められるようにするためにはどうするのか。年代によって細かくアプローチを変えていくことが非常に必要なんだという結論を出しているんです。特に先生に相談している十歳のとき、半分以上が先生に相談しますと言っている十歳のときに、思春期に入る前の小学校三年生、四年生ぐらいの段階で心の健康については相談したほうがいいんだというメッセージを子どもたちにちゃんと伝えておく必要があるよというふうに、この調査ではまずこのことに関しては結論づけているんです。  思春期のコホート研究から見えてきたもの、心の不調を感じても専門家には助けを求めないという思春期が多くなる。そこで、こういう質問もした。現在ストレスや精神的な問題はあるが誰にも相談していないか、誰かに相談しているかという尋ねに、ストレスや精神的な問題はあるけれども、誰にも相談していませんという子どもは、十二歳のときは八・六%だったんだけれども、十四歳になると一二・九%にふえているんです。同じ対象者ですよ。これまでに生きていても仕方がないと考えたことがありますか、十二歳のときは八・六%いた。四年間たって見るとその子たちの中は九・六%いた。心の不調は体の痛みに出るというんです。頭痛が三カ月以上続いているとか、腹痛が三カ月以上続いている、頭痛、腹痛のいずれかが三カ月以上続いていますかという設問に、十二歳の子どもは二・一%だったんですけれども、十四歳になるとは三・二%になるんです。  実は、心の不調というのは体の痛みに出るという調査結果があって、本来は心の不調であるのに体の痛みとしてあらわれるわけですけれども、やはり心の不調を感じても体の専門家に相談しているという流れがある。そこで、学校では毎年健康診断を行っているわけだけれども、学校での体の専門家、保健室の養護教諭、心の専門家、スクールカウンセラー。この項目、頭痛や腹痛いずれかが三カ月以上続いていますかという問いを使いながら、体の痛みから心の痛みに寄り添うという仕組みを毎年の健診のときにやっていくべきなんだろうと僕は思うんだけれども、どうだろうか。 ◎桐山 学校健康推進課長 定期健康診断では、学校保健安全法等の法令に定める視力、聴力、歯及び口腔の疾病などを検査項目とし、これら検査項目を各学校に配置の学校医及び学校歯科医である内科医、眼科医、耳鼻咽喉科校医、歯科医で診断しております。定期健康診断は四月から六月の限られた期間の中で、全児童生徒等を対象に実施する集団健診となります。このため、定期健康診断で活用する保健調査票などを参考にするほか、日々の学校生活の中で、担任や養護教諭を初めとする多くの教員やスクールカウンセラー等がいち早く子どもの変化を捉えられるよう、学校全体で組織的に対応できるよう取り組んでおります。  例えば教職員は精神保健の理解を深め、実践力を備えるため、学校での精神保健に関するさまざまな問題を精神科医や総合教育相談室等の専門職アドバイザーとともに検討していく事例検討会を世田谷保健所と連携して取り組んでおります。また、子どもたちが匿名で予約がなくても相談ができる敷居の低い窓口、こころスペースの御案内や、世田谷保健所作成の「一人でなやんでいるあなたへ『SOSを出していいんだよ!』」の配付など、子どもたちが悩みを話せる環境づくりに努めております。  教育委員会といたしましては、引き続き思春期のメンタルヘルスについて学校の相談や要請に応えて助言していくなど、子どもたちの立場に立って、関係機関と連携を図りながら丁寧にこれに取り組んでまいります。 ◆高橋昭彦 委員 「一人でなやんでいるあなたへ『SOSを出していいんだよ!』」、子どもたちはSOSを出すのがなかなか苦手なんです。声に出せれば問題ない、助けてと言えれば問題ない、相談できれば問題ない。だけれども、それができないから心が不調になってもなかなか言えないけれども、そのあらわれが体の痛みに出ているんだよということがこの調査では出ている。だからこういう一年に一回の健康診断とかを使って、きちっと見抜いていきながらケアしていくんだということが大事なんだということを言っているんです。わかりますか。  余り時間がなくなってきちゃったんですけれども、いろんな項目が見えてきているんです。教育だけではなくて、いろんなところでこれからいろいろこれをやっていきたいと思うんですけれども、東京ティーンコホートでは、インターネットの使用頻度やSNSの利用を質問して、今より痩せたいと思うかどうかとか、こういうのを聞いたりしているんです。SNSの頻度が高い子ほど女子は痩せたいという願望が大きいですよとかが出てきたりするんです。  もう一つは、SNSも聞こうと思ったけれどももう時間がないのでやめますけれども、子どもたちを幸せするための手がかりがこの中には見えてきているんです。どんな要因が子どもの幸福度を高めるのかということを調査しているんです。この二週間を楽しく過ごせたか、ぐっすり寝て気持ちよく目覚められたかなどといった質問をしたところ、関係がはっきりしたのが三つありました。周囲に困っている人がいたら積極的に助けますという子、自分が困ったときに相談できる人がいる、人を助けたり、人から助けてもらったりできると信じられている子は幸せだと言えそうだという結果が出てきている。  三つ目の要因は、母親が困ったときに相談できる人がいるということ。何人いますかというようなことを母親に聞いているんです。調査では、子ども本人のほかに主要な養育者にも、あなたが困ったときに相談できる人はどのぐらいいますかと聞いているんです。養育者のほとんどは母親で、子どもは回答内容を知らないけれども、それでも困ったときに頼れる人の数が多い母親のもとにいる子ほど幸福度が高くなったという結果がこの中には出ていました。  この東京ティーンコホート研究、七年前に諸星さんがこれをについてここで質疑したときには、教育委員会は、こういった調査、こういった機関としっかり連携して、教育委員会としてもさまざまな子どもたちのために推進していきますと答えているんだけれども、教育長、どうだろうか。 ◎渡部 教育長 今お話しいただいたように、こういうさまざまな研究を生かしていくということはとても大事なことだと考えています。今お話しいただいたような研究成果を積極的に収集して、学校の現場に生かしていきたいというふうに考えております。 ◆高橋昭彦 委員 七年前もそう答えているんだよ。だからちゃんと本当に、いつそれをやりながら、新しくできる教育センターの中の教育研究にしっかりマッチングして使っていくという状況にしていくこと、世田谷の子どもたちは二千人ですよ。この結果ですよ。これはまだ続いていきますから、よくこれを見ながら世田谷の教育をつくり上げてみてください。教育長の仕事ですよ。よろしくお願いします。  では、公明党の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 世田谷立憲民主党社民党の文教所管の質問を始めます。  まず初めに、次年度の給食の放射性物質測定について伺います。  区では、区立小中学校、保育園で提供されている給食について、さらなる安心を提供するために、平成二十四年四月から区独自の検査を行っています。給食を丸ごとミキサーでまぜたものを測定する丸ごと検査をメーンとして、各園、各校ごとに順番に測定する方式をとられています。来年度もこの測定に関して二十三万円の予算をつけ、検査継続の意向をお示しいただいたことは評価いたします。この測定方法については、世田谷こども守る会との懇談会において前向きな話し合いがされてきたという経緯がありますが、丸ごと検査から食品の単品検査への移行を求める要望があると聞いています。  丸ごと検査を継続的に実施していただいたことによって、給食からの被曝が国の定める基準を下回ることを確認することができました。福島第一原発事故から十年目に入り、食品の安全性の評価は新たなフェーズに入ったと考えます。一様な汚染であった当時とは状況が異なることは、現在の国が定める出荷制限からも明らかです。原発事故から十年目を迎え、土壌から各食材への移行率がようやく見えつつある状況にあります。科学的知見がそろいつつある今こそ、測定方法を見直す絶好の契機と考えます。  なお、本件については、世田谷区教育委員会放射線アドバイザーである東京大学大学院の小豆川勝見先生も賛同していることから、区の放射線等対策本部を含めた専門家チームによる食材の個別測定への取り組みを区に強く要望いたします。見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食における放射性物質検査につきましては、平成二十四年四月より調理後の給食一食丸ごと検査及び牛乳の検査を開始し、平成二十六年十一月より給食で使用する食材ごとの単品検査をあわせて行っております。調理後の給食一食丸ごと検査は、自校調理方式校におきまして、各学期に一回程度実施、牛乳の検査は八月を除く毎月一回、代表一校で実施、食材ごとの単品検査につきましては、児童生徒の摂取量の多い米、野菜、肉類及び旬の食材を対象に、年間を通じて定期的に実施しております。  今後の丸ごと検査から単品検査への検査手法の変更につきましては、環境保全課が事務局を務めます放射線等対策本部や学校と協議しながら検討し、引き続き安全安心でおいしい給食の提供に努めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 引き続き区民も含めた対話のテーブルを設けていただけたらと思います。  次に、多様な家族、子どもへの学校対応について伺います。  世田谷区は来年度より児童相談所が東京都より移管され、それに伴い里親事業も始まります。区は、国が提示する里親等委託率の目標数値、就学前の子どもについては七五%以上、学童期以降は五〇%以上の達成に向け、里親の新規開拓や里親支援の充実を行うことになっています。そこで、教育機関における里親制度への対応について伺います。  先進事例として、我が会派でも視察をした福岡市では、教育機関との連携が大切であるということを伺いました。現在、第二次世田谷区教育ビジョンには里親制度のことをうたう施策はありませんが、学校生活において里親家庭へ配慮することはとても大切になってくると考えます。授業、学校行事、PTA運営など、全てに目を配る必要があります。  例えばPTAに委託している家庭教育学級というものがあります。平成二十九年度、三十年度の実施内容を確認したところ、三校ほどが生い立ちに関するものと思われる講演が行われていることがわかりました。PTAが内容については決めるものではありますが、委託事業である以上、区教委の責任も発生します。今後どうされますか。見解を伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 お話しの家庭教育学級は、子どもの幸せを願う保護者の思いを学習テーマに企画、運営していただくために区立幼稚園、小中学校のPTAに委託して、年間一から三回程度実施していただき、多くの保護者に学習の機会を提供してまいりました。一方、家庭を取り巻く環境が核家族化、少子化、就労女性の増加、地域における地縁的なつながりの希薄化、家庭生活やライフスタイルなどが大きく変化する中で、家庭教育学級を見直してまいりました。保護者の病気や虐待、経済的理由などさまざまな事情により親元で暮らすことができない社会的養護を必要とする子どもの数が年々ふえていることも認識しております。  今後、家庭教育学級におきましては、関係各所と連携しながら、多様な家庭へ配慮した学習テーマを企画していただきますよう、家庭教育学級の説明会及び情報交換会などを通して周知及び情報提供をしてまいります。 ◆中山みずほ 委員 PTAの中には、まだまだこういった里親制度のことがわからない方もいらっしゃると思いますので、ぜひ周知を徹底していただきたいと思います。  次に、小学校四年生では二分の一成人式が行われる学校が多数あります。学校や年度によってさまざまな行事が設定されていますが、やはり中には生い立ちに関することを調べたり、その内容をみんなの前で発表したりすることがあるのではないかと懸念していますし、実際あったことを目撃したこともあります。また、保護者への感謝を強要するなども一部あるように聞いています。このことは、里親家庭のみならずシングル家庭、複雑な御家庭もいろいろあります。また、ステップファミリーも最近ふえてきています。先ほどと同様で、虐待を受けている子どもであったり、また、養護施設から通う子どもなどにとっても心情面での厳しい影響があると思われます。今後、この件に関してどのような指導をされるでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 今お話のありました二分の一成人式など、教育活動にかかわって自分や家族について学習する際には、学校は里親のもとに暮らす子どもがいることを認識する必要があり、生い立ちを調べたり、家族への感謝を強要したりすることは不適切であると考えております。かつては、例えば学校への提出書類をいただく際に、保護者らについては、父または母のいずれかに丸をしていただく方法をとっておりましたが、現在は各御家庭にお任せして続柄を記述していただくようにするなど配慮しているところです。  教育委員会といたしましては、これからもさまざまな家庭環境の子どもたちがいること、多様な家族の形があることを十分に認識して指導に当たるよう、校長会等で周知の徹底を図ってまいります。 ◆中山みずほ 委員 既にのこの件に関しては多くの専門家からも指摘があります。たくさんの保護者たちが感動する内容、またはそれを支持される行事や講演だとしても、その言葉に追い詰められる人がいることを知ってほしいと思っています。傷つく少数者がいることへの想像力、そして教育上の配慮が必要だと思います。  今、御答弁にもありましたけれども、父母の欄をそれぞれつくらずに記述式にしていただいたという件も、少し前のニュースですが、三十代、四十代の男性カップルが養育里親として認定された、これはたしか大阪市だったと思うんですけれども、十代の子どもを預かっていることが報道されていました。やはり、こういう方々もこれからはいるんだという認識の中でぜひ配慮していただきたいと思います。  あと、他会派から連絡帳の話がすごくあったので便乗して聞くというか意見を言わせていただきたいんですが、確かに連絡帳は、うちも小学生の息子がいますので本当に面倒くさいです。そういう点も踏まえてなんですが、この里親家庭ということに関しても、二〇一八年十月なのでちょっと古い産経新聞の記事に、「里親家庭、子供たちが傷つかないために 学校での留意点は?」という中に明確に連絡帳が書かれています。やはり子どもが手から手へ渡していく中で、余りその守秘義務とかそういう細かいことは書かないとしても、やはり気になる親御さんがいるということが調査の中にも書かれていますので、ぜひ御検討いただけたらと思います。
     次に、インクルーシブな学校づくりについて伺います。  まずは、副籍制度というものを伺いたいと思うんですが、この副籍制度のことを実際の当事者の方々にお話を伺う中のタイミングでちょうど今回の学校休校ということがあって、特別支援学校に通われている保護者の方々はもう阿鼻叫喚のような、本当に大変な思いをされていまして、このことは福祉所管のほうにお伝えは常にしていました。いろいろな対策をしていただきましたが、ぜひこの文教所管、教育委員会の方々にも、都立の支援学校ではありますけれども、本当に親御さんは大変な思いをしているということをここで示させていただきたいと思います。  その副籍制度、今御質問しようと思っていることに関しては、御存じの方も多いと思いますが、都立の特別支援学校の小中学部に在籍する児童生徒が、居住する地域の小中学校にも籍を持ち、地域の学校にも行く直接交流と、あとお手紙とかお便りなんかをやりとりする間接交流というのを通じて、地域とのつながりの維持継続を図る制度のことです。区の計画には、副籍制度は、障害理解の推進と交流及び共同学習の推進の柱の一つとして位置づけられていると私は認識しております。  令和元年度、現在までの副籍制度では、特別支援学校に在籍している百三十三名の児童生徒が地域の区立小中学校の児童生徒と直接交流や間接交流を実施したと聞きました。しかし、当事者の方々からお話をお伺いすると、直接交流のほう、みずから地域の学校に行くというのはなかなか使いづらい、利用するハードルの高さを指摘されることがとても多かったです。この副籍制度をうまく利用していくということは、このインクルーシブ教育の推進にすごく寄与すると考えるんですが、区の見解を伺います。 ◎板澤 副参事 障害のある子どもが地域でともに学ぶということは、共生社会の形成に向け大変重要でございまして、副籍制度を生かした交流及び共同学習は意義ある取り組みであると考えております。例えば給食交流や運動会、クラブ活動、教科の学習など、日常における学校生活のさまざまな場面におきまして、障害のある子とない子がともに活動することを通しまして、相互理解を深め、経験の広がりや多様性を尊重する心を育むことにつながっております。  委員お話しのとおり、この交流及び共同学習につきましては、各学校現場で児童生徒や保護者の要望を丁寧に伺いまして、安全面なども考慮しながら、状況に応じてできるだけ希望に沿った対応ができるよう進めていくことが大切でございます。  今後ともさまざまな機会を捉えて、副籍制度の考え方や重要さなどを周知するとともに、効果的な取り組み事例を紹介するなどいたしまして、インクルーシブ教育システムを推進してまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。副籍制度の百三十三名が多いか少ないかというのは私の中では判断できないんですけれども、実際にそれを利用された親御さんの話を聞くと、すごく充実した時間であったということも聞いています。ただ、実績を見ると、小学校においては一・二・三年生に比べると、四・五・六年生の直接交流がちょっと少ないんです。これはどういうことなのか推測はできませんが、ただ、親御さんたちの話を伺うと、単純に教室がだんだん上に上がっていくと、バリアフリー化されていない学校の中では、例えば一番上の最上階、三階、四階まで大きなバギーで行くことというのが物すごく心理的にも物理的にもハードルになっていると。  私から見ると、もちろん先生方、教員の方々は助けてくれるんじゃないかと思うんですが、やっぱりそれを一つ一つ全部頼みながらやっていかなきゃいけないということに疲れてしまうという意見も伺っています。さらに、やっぱり訪問する側と受け入れる側双方にとってすごく教育的な意義があるものだと思うんですが、ぜひ教育長、この点、学校現場はよく御存じだと思いますので、この教育的意義があるものだということで、どうお考えでしょうか。 ◎渡部 教育長 私は現場で経験をいたしましたが、この副籍交流において、子どもたち同士の交流の様子に心が温かくなるという経験がございます。一方で、このことにはさまざまな配慮が必要でございます。安全面の配慮、この周知の方法などでございます。それからもう一点、先ほど委員からもお話がありましたが、バリアフリー化がまだされていないところで、それを申し込むことにちゅうちょする保護者がいるということもございます。  やはり私たちは、そういう整備をしていくという仕組みづくりもこれからさらに充実させられるようにしていくことが重要だというふうに考えます。 ◆中山みずほ 委員 多分、ハードの面、バリアフリー化は急にはできないと思うんですけれども、やっぱり心の壁もどこか双方にあるんじゃないかなと私は考えます。ぜひ、学校側からおいでというわけじゃないんですけれども、やっぱり来てほしいというメッセージを出していただくこともすごく重要じゃないかなと思っております。  次に行きます。次は、桜丘中で取り組むインクルーシブ教育の評価について伺いたいと思います。  先般の一般質問で、不登校対策に関する質問の中で、なぜ選ばれるのかと桜丘中のことについて教育委員会の見解を伺いました。改めて、注目されている桜丘中について伺いたいと思います。昨年十一月三十日に保護者が企画した「桜丘中学校ミライへのバトン〜選びたくなる、公立学校とは?」というイベントがあったことは御存じでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 委員お話しのイベントがあったことは知っております。 ◆中山みずほ 委員 これは、保護者が数人というか二人なんですけれども、企画をし、そんなに大きな周知はなかったものの、申込者が千名、キャンセル待ちが十五名で、実際当日は七百三名の参加があったという、保護者数名がやったものとしては大規模なもので、本当にこれは注目されているものだということを感じています。  桜丘中では、インクルーシブ教育をわかりやすい言葉で、全ての子どもたちが三年間を楽しく過ごすと再定義しています。とても平易な言葉ですが、これを繰り返し述べられています。また、インクルーシブ教育の基盤として、障害の有無にかかわらず、全ての子どもたちの個を重視し、さまざまに環境を整えていることは既に区教委も把握されていることと思います。実際、この環境整備や子ども一人一人の自主性を重んじるこの対応が、今年度入学者の指定校変更希望者が四割という結果にもつながっていると私は考えます。この桜丘中の個に応じた教育や子どもの自主性を重んじる方針は、区全体の不登校対策やインクルーシブ教育に寄与する要素があると考えますが、いかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 桜丘中学校では、不登校であった子どもや不登校傾向があった子どもたちが生き生きと学んでおり、また、さまざまな困難さのある子どもたちが困難さを個性として学校生活を楽しんでおります。  桜丘中学校の取り組みは他と異なる側面もございますが、根底に流れる一人一人の子どもの個性を尊重するという考えは、世田谷区が取り組もうとしている教育の質の転換ですとか、誰ひとり置き去りにしない教育に通ずるところがあるものと考えております。桜丘中学校のどのような取り組みが子どもたちを引きつけることにつながっているのかを分析し、その取り組みを世田谷区全体の不登校対策やインクルーシブ教育のレベルアップにつなげていくことができるよう研究を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。今御答弁いただきましたように、決して区の方針と変わっているところはないと。しかも、誰ひとり置き去りにしない教育に通ずるということを明確に今言っていただきました。実際、このイベントのとき、私もこのイベントに参加させていただいたんですけれども、七百四名の参加のうち五百九十名がアンケートを書いていると。イベントなんかをやられている方はすごいことだとすぐわかると思うんですが、回収率が八十三%、しかも、もちろんパーミッションを得ている範囲で私も拝見させていただいたんですが、本当に裏面まで手書きでびっしりと書かれているアンケートで、その思いを一つ一つ見ていると、これは桜丘中は変わっていた学校だよねと済ます話ではなく、この集会所に訪れた人たちの教育、特に公教育の真摯な思いというのが詰まっています。  その中の言葉をちょっと感想のところで引き出すと、今、御自身のお子さんが行っている学校だったりの中には、連帯責任であったり、中学においては内申書が気になる。あと、同調圧力というキーワードも出てきました。あと、子どもの自己決定権がないという言葉もありましたが、これは学校だけではなく家庭の中にもないかもという反省の言葉なんかもありました。あとは、よく話題になります校則。校則以外の明文化されないローカルルールが学校ごとにあると。この行き過ぎた生活指導によって傷つく子どもたちがいるということはたくさんの保護者が書いています。桜丘中のように校則をなくすことがいいと私は思いませんし、一人の校長をヒーローにするのもいいと思わないんですが、ぜひこの現象、今あった保護者たちの熱量を感じ取っていただきたいと思います。  最後に、ぜひ区内の今の保護者のこの熱い思い、またいろいろ不安も含めて受けとめていただき、教育委員会が示すビジョンを確実に現場に落としていただけるよう心から要望しまして、私の質問を終らせていただきたいと思います。 ◆中塚さちよ 委員 私からは、先日の都市整備に続きまして、都市整備のときは公共交通機関でのコロナ対策でしたけれども、本日は学校での新型コロナウイルス対策について質問させていただきます。  現状のところ、新型コロナウイルスの収束のめどが立っているとは言いがたい状況の中でございますが、四月には学校が再開されることかと思います。当初は、このウイルスは子どもは感染しないようなことが言われていましたけれども、今は子どもの感染例も報告されておりまして、子どもたち自身にも、みずからの身を守るということ、そしてほかの方への感染を広めてはいけないといった、こうした感染予防に関する意識とか知識とかこういったことが必要ではないかと考えます。  まずは御家庭で教えることかとは思うんですけれども、国の方針で休校になってから、区内でも中学生がカラオケボックスにたまってしまっているといったような声も聞かれているところを見ますと、やはり家庭だけでは十分フォローし切れない部分があるのかと思います。子どもも頭ではわかっていても、ほかに行くところがなかったり、友達に誘われると断りづらかったりというのもあるかと思います。また一方で、大人のほうも、大人自身もデマに流されていたり、また、正しい行動とかができていない、マナーが守れていないといった指摘もあります。  そうした中で、学校が始まった際には、ぜひ学校で子どもたちがどうして今休校になってしまったのか、また、このウイルスに関する注意喚起予防についての啓発などを行っていくべきと考えますが、教育委員会としては何か取り組む予定でございますでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 各校では、臨時休業に入る前の時点で、感染症予防策について手洗いやせきエチケットなどとともに、基本的に自宅で過ごし、人の集まる場所への外出は避けることなどを指導しているところです。また、学校休業中も保護者の方を通じて同様の指導を行うようお願いさせていただくとともに、子どもたちへの連絡、あるいはホームページなどでの連絡の中では、教員から生活上の注意点などを指導しております。今後予定しております学校への分散登校の際にも、改めて最新の正しい情報を伝えるなど、保護者の方の御協力もいただきながら、反復して感染症予防の周知に取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 私が思い出しましたのは、東日本大震災があったときに、三千人近い小中学生の子どもたちが津波に対して冷静に迅速に避難をして被害が少なかったというので釜石の奇跡と呼ばれたことがあったと皆さん覚えているかと思います。これは、防災の専門家の方が、子どもたちが自分の命を守れるようにということで行った防災教育プログラムの効果だったわけです。ぜひ、コロナウイルスに関しても、子どもたちが親がどうだからということではなくて、自分たち自身でも身を守れる、それを見て周りの子どもや大人も自分たちが本当に正しい行動がとれる、そういうようなことが行われていくようにぜひ教育委員会としても御尽力をいただけたらと思います。  また、最近、コロナウイルスの感染リスクが高いのはどういう状況というのが少しずつ報道の中からも明らかになってきています。例えば閉鎖された屋内の空間で大きな声を出したり、人が多数集まっていたり、あと、運動というのは肺活量が高くて、そこからウイルスがたまった呼気がたくさん出される、こうしたものがいわゆるエアロゾル感染とか大規模なクラスター感染を起こしやすいというようなことが言われてきています。それで、スポーツジムですとかライブハウスですとかデイサービスとかコールセンターとか、こうしたところで発生してきているわけですけれども、例えば器具を使うとそれについた汗などを介して体内に入ってしまったり、相手との距離が近く、いっぱい声を出すというような状況は学校の中でも避けていくべきではないかと思います。  そうしますと、学校再開後、この感染予防の観点から、授業の内容を少し精査する必要があるのではないかと考えます。特に室内での体育で柔道の授業だったり、球技とかでもやはり接触したり激しい汗ですとかが飛ぶ授業もあります。また、合唱とかも、狭い空間の中で合唱の練習を一生懸命やっているとこれも危険かもしれません。そういうような観点から、今後、学校の授業を見直していくところもあるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 委員お話しのとおり、学校再開時における感染リスクにつきましては、慎重に対応する必要があると認識しております。教育委員会といたしましては、今後の感染状況にもよりますが、最新の情報を収集し、柔道の授業に限らず、合唱や室内スポーツなど適切な教育活動が行われるよう、学校を指導してまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今後このウイルスが一日も早く収束することを私も願うばかりなんですけれども、予断を許さない状況かと思いますので、ぜひ教育現場のほうで感染予防に関する取り組みを進めていってください。  次に、SDGsに関連して、ジェンダー教育についての質問をさせていただきます。  我が会派でも、これまでよく中山委員なども取り上げていらっしゃいましたけれども、ジェンダーギャップ指数、特に我が国はOECDの中でも百五十三カ国中百二十一位というような現状にあったりするわけですけれども、先般、新教育センターで区の姉妹都市の国々やフィンランドとの教育交流で海外派遣をされた小学生の報告会がございました。それぞれの発表とか報告書を興味深く読ませていただきまして、その後、今回フィンランドは初めてということで、私どもは議会での議連をつくってフィンランドに訪ねていったメンバーを中心に、フィンランドに行かれた小学生と意見交換の機会をいただきました。  そのときに、本当に子どもたちの話は非常に関心が持たれるものが多かったんですけれども、中でもとても私がショックを受けたのは、フィンランドと日本との違いということについて尋ねたときに、ある女子児童がこんなことを言っていました。男子だから女子だからどうとか、そういったことはフィンランドではない、これは日本の中でも変えていかなくてはいけないと思った、そういうような趣旨の発言をしている女の児童がいまして、本当にショックを受けました。男子だからどう、女子だからどうということの中身がどういう中身かはそのときは深く聞けなかったんですけれども、少なくとも、その女子生徒にとってそれはいいことではなく、改めなきゃいけないというようなことだったんです。  今の女子児童というのは、十歳ぐらいと考えますと、男子だから女子だからというのをすり込まれてきた人たちが社会の第一線で活躍するというと十年後、また二十年後になってくわけですけれども、十年たって二十年たったときに、その第一線で働いている人たちがまだ意識の中で男子だから女子だからをすり込まれている。これは本当に日本の将来にとってはとても怖いことだな、こんなことじゃだめなんじゃないかと本当にショックを受けてしまいました。暗たんたる気持ちになります。  固定観念にとらわれて、個々人の能力とかその人その人の人権ですとか、そういったものが尊重されず発揮できない、そういったことは本当にあっていけないことですし、また、男子にも女子にもカテゴライズされない、今はそうした方々の存在も本当に大きくクローズアップされていますけれども、そうしたところでの差別や偏見にもつながりかねないのかなと思っております。  我が国は特にこのジェンダーの問題については、フィンランドと比べたらおくれていると思いますけれども、区立の小中学校におけるジェンダー教育、ジェンダー平等教育というのはどうなっているのでしょうか。 ◎加藤 副参事 学校教育においても、男女平等社会の実現に向けたさらなる推進の必要性を強く認識しているところでございます。区立小中学校においては、これまでの女性に対する考え方を見直す中で、家庭や職場、社会において個性が尊重され、互いに生かし合うことの重要性を考える人権教育、ジェンダー教育を社会科、家庭科、道徳科、総合的な学習の時間などでしっかりと進めるよう、環境整備とあわせて各学校に指導をしてまいりました。  また、人権尊重教育推進校においては、SDGsの視点を取り入れながら、男子だから女子だからという固定的な性別役割意識や職業観にとらわれることなく、個性や能力に応じて、自分らしい生き方とは何かを追求し、豊かな生活を築こうとする態度を身につける取り組みを進め、その成果につきまして、他の小中学校へ普及に努めているところでございます。 ◆中塚さちよ 委員 世田谷区の公立学校でもいろいろなことを行っていっていただくものかと思っておりますが、その中で一つぜひ参考にしていただきたいなと思っているのが、世田谷区内にあります昭和女子大附属高校でジェンダーに関する取り組みを行っていまして、やはりジェンダー平等教育の鍵というのは幼少時からの教育にあるというふうに考えて、高校生たちが実際に、フィンランドに彼女たちも行ったみたいなんです。フィンランドを訪れまして、ジェンダーかるたというのをつくり、本当に小学生とかでもこのかるたを通して、ジェンダーというのが社会的、文化的につくられたもの、そういう固定概念だということがわかる、そうした遊びを通して学べるグッズを、ツールをつくったわけです。例を挙げますと、かるたなんですけれども、「ら」、ランドセル僕が持つのは赤色さ。「つ」というのは、「強いね」は女の子でも褒め言葉とか、そうしたことがかるたに書かれています。私の夢は研究者にコックさんに消防士とか、いろいろ書かれています。  こうしたものがせっかくあるんですけれども、世田谷区は実はらぷらすで、これはNPO昭和に委託をして男女共同参画の拠点だということも言っているんですけれども、ここはせっかくあの場所で昭和というところが請け負っているのに、こういった取り組みも全然発信されたのもなくて全然知られていなかったわけなんですけれども、ぜひ、かるたというのは一例ですけれども、子どもでもわかるジェンダー教育についてのワークショップであったり、こうした取り組みというのを世田谷区も積極的に進めていっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 委員お話しの昭和女子大附属昭和高校が作成したジェンダーかるたにつきましては、早速取り寄せさせていただいたところでありますが、子どもたちが男らしさや女らしさなどについて正しく考えるきっかけになるなど、SDGsのゴールや女性の人権、性の多様性等を具体的に学ぶ上で大変効果的に活用できる教材であるというふうに考えております。  教育委員会といたしましては、まずは附属昭和高校からジェンダーかるたについての詳細な情報を今後とも収集し、有識者や園長、校長で構成する人権推進委員会や校長研修等で紹介するとともに、人権・男女共同参画担当課等の関係所管などとも連携して、小中学校への導入について検討してまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 前向きに御検討いただきましてありがとうございます。  次に、もう一つSDGsに関連して、またフィンランドに関連してなんですけれども、フィンランドに行かれた子どもたちとの意見交換の中でもう一つ、フィンランドというのが非常に自然豊かなところで、子どもたちの環境への意識がすごく高かった。自分たちも見習ってレジ袋を使わないといった実践をしたいといった御意見もございました。  私が、これはプライベートでたまたま訪れたんですけれども、長崎の離島の壱岐市というところがありまして、ここは二〇一八年に内閣府が選定するSDGs未来都市に選定をされています。それで、二〇一九年の九月に気候非常事態宣言を日本の自治体として初めて行った町なんです。壱岐の離島なんですけれども、この島に行くともう本当に大きな垂れ幕にSDGsというのが掲げられていて、市の広報でもSDGsの問題について多くの紙面が割かれていて、目に見える形でぱっと行った人も住んでいる人もSDGsということに町を挙げて取り組んでるというのが非常によくわかる状況でした。  特に、なぜここの島でこれだけSDGsが盛んなのかというと、温暖化とか気候変動の問題が島民の生活に直結しているんです。もともと漁業、特にイカ漁で栄えていたんですけれども、温暖化でイカが全然とれなくなってしまって、その町の港には使わなくなったさびたイカ漁船がもう本当にたくさん停留しているんです。もう親御さんは仕事がなくなって出稼ぎに行ってしまう。食卓に上る食べ物も魚も本当に変わって、島には大学がないから、多くの若者が高校を出た後は島の外に出て、もうそのまま戻らない、過疎になっている、本当にそういった島であります。  その島の中で、市が新たにSDGsのモデル事業の一環として、中学生に対して住み続けたいまちづくり運動というのを実施する。中学生の子たちが将来にわたって住み続けたい壱岐市を想像して、どういうことをしていったらいいかということを考えて、それを大人にも伝えて取り組んでもらう、行動を変えていく、そうした取り組みを行っています。また、農業にも力を入れて、六次産業化で新しい人を呼び込むといった取り組みも行われているということです。  本当にそういったのを目の当たりにしまして、世田谷のような都会の生活では、なかなか温暖化とか環境の変化が自分たちの生活に直結して何か訴えてくるという体験が少ないんじゃないかなということを感じました。世田谷区はそうした中でSDGs人材を育成していくためにバスで遠征したりとかしていますけれども、バスで遠征しなくとも、実は地域に身近な自然とかかわれる活動がたくさんあります。トラストまちづくりといった団体もあります。身近な環境保全にかかわる区民の活動がたくさんあります。成城三丁目の緑地とかみつ池では、緑地の保全とか生物多様性について学べる区民主体の活動がたくさんあって、ここは明正小学校の児童が参加して、とてもいい学びになっているということです。  ほかにも、落ち葉拾いリレーとかは区内の五地域で展開されているので、ここの砧エリアじゃない方でも、探せば地域でこうした環境について学べる活動はたくさんあるんです。その活動の側でも実は高齢化していてなかなか担い手が育っていかない。そこに子どもが来てくれて、子どもが学習をし、それを親に伝えていく、そうした形で世田谷区に住み続けて、自然環境についてはしっかり保全をしていく、そうした取り組みをぜひ世田谷区としても、学校と地域、また、こうした団体との連携で進めていくべきと考えますけれども、区の見解はいかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 身近な地域環境の中で自然に対する豊かな感受性を育むとともに、自然環境の保全について考えを深める体験活動は大変重要であるというふうに思っております。  区内の各小学校では、生活科の授業において、近隣公園等で自然と触れ合いながら学ぶ「季節を探そう」を初め、社会科の町探検、総合的な学習の時間での環境学習などに取り組み、保護者や地域の方々の協力も得ながら区内の自然について学んでおります。  委員お話しの明正小学校における自然体験学習では、自然の中からみずから課題に気づき、考え、協働して解決していくことで子どもの環境問題意識を高める学習であり、他校の手本となる大変よい取り組みであると捉えております。  教育委員会といたしましては、環境政策部や世田谷トラストまちづくりなどとの連携を検討しながら、環境学習とSDGsを結びつけた活動や、先ほどの各地区における落ち葉拾いリレーなど、地域の自然をフィールドとした講師等による体験学習の実施について、学校と地域が連携した自然体験学習のさらなる充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 特に今回、フィンランド派遣については、コロナの関係で中学生の報告を聞けなくてとても残念に思っています。SDGsという意味で言うと、ジェンダーですとか自然環境問題ですとか、本当に学ぶところが多いフィンランドなんですけれども、今後、教育委員会として、次は二回目になるわけですが、小中学生の派遣からどのような学びを得たいと考えているのでしょうか。我々議会のほうもことしまた行っていきたいと考えております。時間がないので簡潔に御答弁いただけたらと思います。 ◎板澤 副参事 今年度から開始しましたフィンランド派遣につきましては、子どもたちからは、言葉の壁を越えて心でつながる非常に有意義な体験だったという感想を伺っております。現地では、ホームステイや自然体験等を行いまして、フィンランドの文化や伝統に触れるとともに、自然とのかかわりを通しまして、豊かな生活や教育について体験的に学ぶなど、日本ではできない貴重な体験を行うことができました。  こうした学びは子どもたちの将来に生かされるものでもございますので、教育委員会といたしましても、SDGsの観点から、人権あるいは自然を生かした生活、あるいはそういったものをテーマとした体験を設定したり、事前に環境保護に対する日本とフィンランドの違いを学習したりするなどしまして、持続可能性を踏まえた学びの目的を明確にした行程、あるいは内容等につきまして、現地とも調整しながら検討していきたいと思っています。 ◆中塚さちよ 委員 ありがとうございます。  では、中村委員と交代します。 ◆中村公太朗 委員 「Touch the World」が開始一年半でこんなていたらくになって、大幅な見直しをするという報告がありましたけれども、迷走しているという状況です。会派としては、そもそもこの「Touch the World」がスタートする前から大阪のイングリッシュビレッジを見に行って、やるべきだと言ってオープンの前に東京都に先を越されて、TOKYO GLOBAL GATEWAYがスタートして、やっと世田谷区としてもこの「Touch the World」をスタートしたという状況ですけれども、いまだに大阪や東京都というのは、学校からの研修授業であったり、一般の方々もなかなか予約がとれない、企業のほうでもいろいろ見に来るという状況の中で、なぜ世田谷はこんな状況になってしまっているのか、何が違うのかという認識をまず伺いたいと思います。 ◎板澤 副参事 この「Touch the World」につきましては、子どもたちを中心とした英語学習の場といたしまして、英語を使いながら実践的に学び、英語コミュニケーション取りながら多文化を体験するということをコンセプトとしてつくってまいりました。これまで土曜日や日曜日、イベント等につきましては、一定の成果があるというふうに認識をしておりますが、しかしながら、平日の午後につきましては、ALT、いわゆる英語指導員が一人常駐というところの中で、一日平均二十九名程度の利用者というところから、非常に課題が大きいと今感じております。特に体験プログラムのみならず、施設の活用の仕方も含めた改善の検討が必要であると認識しております。 ◆中村公太朗 委員 当初から小学校四年生をターゲットに、まずメーンに拡大授業して機能をつくってそこから幅広くしていくというような話でしたけれども、年間六千五百人、移動教室で小学校四年生が来ていますけれども、その子たちが学校の授業で行った後にまた行きたいなと思ってリピートされた率とか人数とかというのは把握をされているんでしょうか。 ◎板澤 副参事 一定の人数につきましては把握しているところでございますが、リピーターの多くは、文教常任委員会でも報告させていただきましたが、七四%が未就学の子ども、そして一般、いわゆる未就学児の保護者であろうと思われる状況がございます。実際、リピーターにつきましては、近隣の小学校、中学校からの放課後の利用というところにとどまっている状況もございます。 ◆中村公太朗 委員 だから、その七十何%の未就学児、さらにその全体数も少ないと。授業で行った子どもたちはほぼリピートをしないとか、今のその機能自体が魅力的ではないんですよね。これまで我々、会派としてはもっともっとちゃんと考えなさいということを言い続けてまいりましたけれども、TGGであったり大阪のイングリッシュビレッジというのは、余り行ったことがない方に向けて簡単に言えば、キッザニアとかカンドゥーとかの英語版と言ったらいいんですか、やる側は違うんですよね。  あれは職業体験の部分がすごく大きいですが、むしろ、さまざまなシーンの利用者として、海外に行ったときに使える英語を段階的にさまざまなレベルに合わせて教えてもらえるということが魅力的なわけですけれども、かねてから言っていますように、やはり言葉を発するということを経験させる。海外派遣で僕は必ずホームステイをセットにしなさいと言っていますけれども、あれだって、しゃべらざるを得ない環境をつくることで初めて実になるわけですよ。学びになるわけです。  今回の当初からある「Touch the World」の機能を一つ一つを言い連ねていくともう時間がないんですけれども、まず入り口、各国の挨拶。日本語でおはようと言うとほかの国のおはようの言葉が出てくるんですよね。だけれども、グッドモーニングと言っても動かないわけですよ。日本語をしゃべらせてどうするんですか。英語になじもうとかほかの各国の言葉になじもうとする者が。ある者はビッグビジョンに向こうのDVDを流して見させるとか、すごく古い八十年代みたいなダンスの映像を流して踊らせるとか、やっぱり英語を言葉にするというカリキュラム、コンテンツがほぼない。あげくの果てには、奥ではこまを回すとか、つまり郷土資料館の名残で、日本の文化とうまくまぜたいのかまぜたくないのかよくわかりませんけれども、結果として英語を使っている人はほとんどいない。最たるものは、ずっと指摘してきましたけれども、ジオラマですよね。動かせなくて、何千万円もかけて映写をするということが残って、結局、本当に意味のない施設になってしまったというのが現状です。  要はこの間一年半、先ほど言ったようにリピーターもいない、人もいないという中で、どのような改善が行われてきたのか。また、運営会社からこういう状況なのでこうしたほうがいいですよという提案があったのかどうなのか、その辺を伺います。 ◎板澤 副参事 改善につきましては、委員からお話がありましたが、まず四年生の移動教室につきましては、やはり英語を言葉にするというところの重要性から、一グループの人数を少なくいたしまして、児童一人一人が話す場面をより多くする改善を行ってまいりました。また、一般利用につきましても、中学生を対象とした英語体験講座を八月に新たに開催いたしまして、約百八十名の参加を得たほか、八月には小学校五年生、中学校二年生を対象にしまして、海外体験ウイークといたしまして、飛行機の搭乗シーンや海外での買い物、ホームステイ先での会話を疑似体験する講座を開催しまして、できるだけ英語を言葉にするというところのプログラムの中で約六十名の参加を得ております。また、利用者アンケートに基づきまして、従前は別々の日に開催していた簡単な英会話を楽しむチャットタイムと、一つのテーマを議論するディスカッションタイムを一日の中で交互に実施し、両方を体験いただけるように改善したところです。  こうした改善につきましては、運営事業者ともお互いに議論しながら改善に結びついてきたところでございます。 ◆中村公太朗 委員 結局、今般出された見直しの方向性についても同じですよね。利用者数が少ないことから大幅に見直すということで何点か掲げられていますけれども、外国の絵本や図書とか、ゲーム要素のある外国教材を配置する。結局、またしゃべらず一人でやらせるようなものが書かれていたり、もう英語は諦めたんでしょうか、中高生の学習スペースとして利用するということになっていて、どこに行っちゃうんでしょうかという話だと思うんです。  本当にこれまでの経過と、こんな改善であれば、先ほど高久さんがおっしゃったように、抜本的な見直しをもうやめてもいいんじゃないかという声が上がるのは当然だと思います。私は、この機能は絶対残すべきだと思っていますから、もう一度改めて、今人気のある、しっかりと取り組まれている前例を見て、根本的に、いい意味でというか前向きに抜本的な見直しをすべきだと思いますが、見解をお願いします。 ◎板澤 副参事 今、委員のお話がありましたように、今後につきましては、「Touch the World」での移動教室を、今年度体験し、来年度、新五年生として英語の授業を受ける子どもたちのアンケート調査でありますとか、英語指導員の派遣を委託している事業者、また、英語での体験事業にノウハウのある、今お話をいただきましたが、TOKYO GLOBAL GATEWAYの運営事業者などとも意見交換の場を持ちながら考えていきたいと思っております。  その上で、この「Touch the World」がより多くの子どもたちに英語に通じた学びの体験を提供することのできる場所となるよう、議会の御意見も伺いながら、改善に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 本当にしっかりやっていただきたいと思います。本当に大事な機能で、これから先必要な機能だと思いますので、ちゃんと人が来るような、子どもたちが来るような、大人も来るような施設をちゃんと周辺環境も含めていま一度考えていただきたいと、根本的に変えていただきたいというふうに思います。  それから、学校給食の牛乳の問題を私も取り上げたいなというふうに思います。  一般質問で桃野さんからありました。きょう、加藤君からもありましたけれども、必要な栄養をとるのに牛乳である必要があるのかどうかという議論はもちろんあるかと思います。今回はその話はひとつおいておいたとして、まず、明確に紙パックよりは瓶であるべきだということを申し上げたいというふうに思います。  その上で、この間の流れということで一つ二つ問題提起を、問題提起というか私は違和感を感じるのは、まず一つは、結局、学乳協という団体との関係性というか、そこに頼らざるを得ないという仕組みの問題を一つ提起したいなというふうに思いますし、やはり、まだまだ本腰を入れて瓶でも何とかできる、何とかするんだという努力が足りなかったんだろうなというふうに思うわけです。  まず、これはこの間の議論でありましたけれども、この学乳協を使わなくてもいいんですよね。伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学乳協議会に加盟している牛乳供給事業者から牛乳供給を受けないといけないということはございまいせん。 ◆中村公太朗 委員 そもそもこれは、東京都がどの区にどの事業者を割り当てるかということを決められて、その上で随契をしていくというような、私はずっと契約の問題を企総分野でやっていますけれども、極めて不可思議な契約形態だなというふうに思いますし、今回、大手六社から一社が抜けたということで瓶の供給がなくなったということですけれども、東京都内でも学乳協に入らずに瓶で供給をされている市区町村はあるんですよね。伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 東京都内で東京学乳協議会に加盟していない事業者から供給を受けている市区町村はございます。その包装形態が瓶である市は事実ございます。 ◆中村公太朗 委員 まず伺いたいのは、瓶で供給をこれまで世田谷区にしてきた事業者さんが撤退をするというのはいつわかったんですか。 ◎桐山 学校健康推進課長 昨年の九月でございます。 ◆中村公太朗 委員 これまでの議論の中で、そこから調査をしたり検討したと言っていましたけれども、どれぐらいの期間をかけてどういった調査と検討をされたんですか。 ◎桐山 学校健康推進課長 世田谷区は現行の瓶牛乳の継続につきまして、先ほどお話しさせていただきました他自治体の状況の聞き取り調査を行いました。その結果、世田谷区の児童生徒数は多く、一日当たり約五万三千本の瓶牛乳を供給、配送することは困難であるというような回答をいただきました。 ◆中村公太朗 委員 それがその九月からこの間にやってきたことだけだとするのであればとんでもないことだと思いますし、一般の契約であれば、まずサウンディング調査をして、できるような事業者があるかどうかをシラミ潰しに声をかける。もしくは、もう入札をして、条件、仕様書の中に、瓶牛乳であることということで、もうこれが入札不調であれば、さっき言ったように学乳協に限らないと思いますけれども、紙パックでしようがないという状況にはなるかと思いますけれども、そういったことも含め、入札はしていないのはわかりますが、検討はされたんでしょうか。伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 先ほどお話しいたしました他自治体の状況の聞き取り調査を行いまして、やはり実際に瓶牛乳を供給、配送することは困難であるというようなお答えを幾つかの市からいただきました。また、あわせまして、世田谷区が東京学乳協議会からの牛乳供給を脱退した場合には、やはり安全管理体制や価格面での不安、また、牛乳生産量が不足した場合に安定した牛乳供給が受けられなくなる可能性が高くなることも配慮をしたということがございます。 ◆中村公太朗 委員 多分、皆さんは何で市区町村に聞くのかな、事業者じゃないのかなという疑問はあると思うんですけれども、安定した供給とか何ちゃらというのは、どの契約だって一緒なんですよ。工事契約だって物品が足りなくなることだって可能性としてはあるわけですよ。それも全て契約書で決めているわけですよ。その上でできるよという事業者と入札をして契約をしているのが一般契約なんです。それが随契で、しかも安定供給を理由に業界団体とやっていくということは、普通の契約のあり方としてはあり得ないと思うんです。その中でこれがなぜ続いているのかということに対しては、少し疑問を持たざるを得ないというふうに思うわけです。  その上で、今回新しく回収も含めて一千七百万円の追加予算が必要になるんだというようなことがこれまでの議論にありましたけれども、例えば、さっき言った市区町村に聞く、事業者に聞いているかどうかよくわからないんですが、仮に今の予算の中で聞いていたとしたら、瓶でこれまでやってきたものの金額でできないかということを聞いたときにできませんと言ったとしても、そこに一千七百万円を上乗せして、それで回収まで含めてできますかと言ったら、もしかしたらできるかもしれないじゃないですか。そうすれば、瓶は維持を、堅持をすることができるかもしれない、そういったことまで含めてリサーチをされているんでしょうか。伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 実際に事業者のほうに調査をかけました。市のほうに確認をいたしまして、瓶牛乳であるということを確認いたしまして、その事業者のほうに確認をいたしました。その中で、やはり実際の配送、生産するのは工場の規模が小さくてなかなか難しいというような御回答をいただきまして、ほかからも問い合わせがあったけれども、お断りをいたしましたというような回答がございました。 ◆中村公太朗 委員 であれば、分散したっていいと思いますし、それこそ桃野さんがおっしゃった現状市販されているものであれば供給量は十分クリアをされているはずだと思いますので、そこに落とすということで十分あり得ると思うんです。むしろ、一千七百万円追加して紙パックになってしまいましたというのであれば、一千七百万円追加して瓶を堅持できるほうがまだいいと僕は思うんです。  そういったことも含めて、やっぱり努力をしてきていない状況の中で、それ以外にもアレルギーの問題だ、紙にして潰してまいたらたくさん面積をとっちゃうとかと言っていましたけれども、そんなさまざまな問題が出てくるわけじゃないですか。本当にこの辺は、学校はちゃんとやったらいいですよね。やっぱりまだまだ安易に制度を変えること、そしてそれにおける影響というものを余り実感を伴わないまま決断をしてしまったんじゃないかという感覚がすごく強く残る今回のこの牛乳問題です。  今後、さまざまな意見が出てくると思いますけれども、これはきっと単年度契約ですよね。恐らく予算ですからもうそれは組まれているのだと思いますけれども、再来年度以降、瓶に何とか戻せる努力を含めて検討する余地があるかどうか伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 まずは一旦、世田谷区としまして、来年度につきましては紙パックのリサイクルを行っていくということでしっかり対応していきたいと思っています。その上で、瓶牛乳の継続につきまして、そういった部分も含めて調査検討は引き続き行いたいと思っております。 ◆中村公太朗 委員 よろしくお願いします。  もう一点、きょうも教員の働き方改革みたいな話が大分出てまいりましたけれども、少し勤怠管理の点について伺いたいというふうに思います。  私も勉強不足で知らなかったんですが、四年前までは世田谷区の教職員の出勤簿は全部判こで管理をされていたということで、四年前からタイムレコーダーが導入をされたけれども、出勤時のみで退勤時には計算をされないというか反応されないというようなことがあって、今度の四月からいよいよ退勤時もタイムレコーダーを使って時間が正式にわかるようになるというようなことを聞きましたけれども、なぜそんな変遷をたどったのか伺います。 ◎青木 教育指導課長 今、委員にお話をいただきましたとおり、ICカードを導入いたしました出勤の管理についてはお話のような状況でございます。これは、これまで出勤時に押印をいたしまして出勤の状況を確認していたというところを、ICカードを持って行うように変えたというところではございます。これに伴いまして、出勤の状況ですとか、あるいはほかの人事的な管理につきましても、このカード等を使うことによりまして、教員の作業として効率化を求め、子どもたちと過ごす時間を充実させるということで行ってまいりました。 ◆中村公太朗 委員 遅くないですかという話をしていて、これまで多忙化、多忙化と言われていたわけじゃないですか。ほかの形で、確かに残業代で云々という話とはまた別で、実態をビッグデータとして持っていったりとか改善していくと、やっぱりこういうICT化というんですか、電子化というのは必要だと思うんです。もう今さら言ってもしようがないので、これは徹底的に進めていただきたい。いろんな状況に対応するためにもそうしたバックアップデータというものは必要だと思っています。
     一つ見ると、これも、さっきの牛乳とは同じじゃないんですけれども、随契で全部行われているということと、どういった機能かは別として、見る限りそんな大した機能はついていないと思っているんですが、ICレコーダー以外の運用サポートとヘルプデスクの運営でほぼ八割、三千五百万円もかかっているんですよ。これは何をしてくれるんですか。 ◎青木 教育指導課長 運用システムについての支援でございますけれども、こちらについてはソフトウエアの製品の管理ですとか、あるいはできていますもの、今のヘルプデスクの対応等を行っていただいている状況でございます。 ◆中村公太朗 委員 四千五百万円全部でかかっているうちの三千五百万円が、結局仕組みを入れたけれどもそうじゃない、別のところに委託をされているということで、これは要はピッとやってまたピッとやるわけですよね。それがデータが蓄積をされていく。各学校で各教員の時間帯のものが集積されて、教育委員会が一括把握して、では今後どうしていこうかということになっていくためのものであって、本来この機能としては、言い方は悪いけれども、しょせんそれだけのものなんですよ。ほかの事業者に聞いても、これは異常に高過ぎると言われています。  これは現状、単年度契約の随契になっていますが、これは入札でしっかりとした――プロポでもいいですよ――ちゃんと中身のある、中身の透明性が確保できる契約として契約を行っていくかどうか、伺います。 ◎青木 教育指導課長 契約につきましては、この人事庶務システムにつきましては、区職員のシステムと合同で行っているというところから、先ほど御説明がありましたとおり、随契を行っているというところでございます。内容の確認などについては再度したいと思いますけれども、契約の状況については継続というところが基本になるかと思いますが、検討はしてまいりたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 継続が基本ということは、これは変な話、いろんな契約でもよくありますけれども、規格が入ってしまったから、あとの肉づけはもう変更が、ほかの事業者は入れないということで、未来永劫この事業者になり得るということもあり得るんですか。高づかみをずっと続けるということもあり得るんですか。 ◎青木 教育指導課長 こちらにつきましては、あわせて、この先の機能などについても確認をしていくというところでございますので、契約については再度確認をしてまいりたいと思っております。 ◆中村公太朗 委員 年に一回の図書館の購入の本を古本にしろということの言う時間がなくなりましたけれども、あれも含めてまだ数千万円の無駄があると思います。教育委員会はもっとカリキュラムに予算を使ってほしいし、教育費は僕はもっと上げろとずっと言っているんですよ。だけれども、こんなことが起きていると、もっと予算を割けと言いづらいんですよ。ちゃんと子どもたちのために、教育のためにお金を使えるようなシステムに変えていただきたいというふうに思います。  以上で終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 まず、私からは、ある区立中学校で校長が常習的に校内で喫煙をしていたという件について聞いてまいります。  質疑に先立って、ある程度の事実確認はしておりますけれども、改めて、この事実が発覚した経緯と校長への対応、あと、人事権がある東京都への報告はどうなっているのか教えてください。 ◎青木 教育指導課長 今お話がありました点については、学校関係者から教育委員会への報告があったということが経緯でございます。世田谷区では、学校敷地内を原則終日禁煙としておりまして、これに反する状況はあってはならないと考えており、本人に対して聞き取りを行い、厳しく指導をいたしました。また、東京都教育委員会へは報告をしております。 ◆桃野芳文 委員 今、学校関係者から報告があったということですけれども、まさかだとは思いますけれども、校長に対して、例えば誰からこういう情報が寄せられたということが伝わるようなことはなかったというふうに考えてよろしいんでしょうか。確認します。 ◎青木 教育指導課長 この点については、情報のもとがどこかというようなところの追及をせずということで、事実確認を校長にしておりますので、伝えておりません。 ◆桃野芳文 委員 この学校では、学校の警備員さんがたびたび校長の喫煙を目撃していて、校長にも複数回もうやめてくださいということを注意していたということがあったんですけれども、これについて事実を把握しているか教えてください。 ◎青木 教育指導課長 警備員の方から直接校長のほうに声をかけていたというところは把握しておりません。 ◆桃野芳文 委員 この警備員さんに今起きていることについて取り上げていきたいんですけれども、この方は非常勤職員で、これまで一年ごとに任用を更新して、これまで四年間この学校で働いてきたそうです。例年であれば、次年度の任用については十二月ごろまでに校長との面接があって、そこで任用の希望を含めて簡単なやりとりがあって、任用がこれまで続けられてきたということです。それが、令和二年度の任用については、校長との面接が行われずに、いきなり学校職員課から郵送で不採用通知が届いて、来年度はあなたはもう仕事はありませんよということが通知をされた、首にしたということなんでしょう。  なぜこの校長はこの警備員に面接をしなかったのか。この学校には三人警備員がいて、ほかの警備員には恐らく面接をしているんでしょう。この警備員だけ面接をしなかったということの事実確認、そういうことがあったんですよねということと、なぜ面接しなかったのか、理由を伺います。 ◎内田 学校職員課長 委員おっしゃるように、会計年度任用職員制度の導入に伴いまして、学校警備嘱託員の公募によらない採用選考というものが行われました。学校警備嘱託員の採用手続におきまして、学校長が手続書類を読み違え、面接が必要ないものと判断し、面接が行われなかったことを確認しております。 ◆桃野芳文 委員 だから、警備員はほかにいて、ほかの警備員には面接をしているんですよね。 ◎内田 学校職員課長 この学校長に確認しましたところ、面接が必要ないものと判断してしまったということですので、学校警備嘱託員におきましては面接をしていなかったということを確認しております。 ◆桃野芳文 委員 ほかの警備員にも面接はしていなかったということなんですか。 ◎内田 学校職員課長 そのとおりでございます。 ◆桃野芳文 委員 面接をしていなかったというのは大問題ですよね。私が聞いている範囲で言うと、該当の警備員以外の方は面接をしている、いや、俺は面接したよということで自分は言われていると言っていましたので、それについては改めて、しっかりと手続の問題があったのかなかったのかを含めて確認をいただきたいと思います。  それで、面接をしなかったということについてまず大問題。手続の問題に加えて、この方を不採用にした理由は何かということは非常に気になります。所属長である校長の評価が低かったということなんでしょう。警備という定型的な仕事の中で、一体どんな評価基準があるのかということが気になります。遅刻をするとか職務命令に違反するとか、そういうことがあれば話は別ですけれども、そういったこともなかったというふうに聞いておりますし、また、この警備員が区からの不採用通知を受け取ったときに、この方もびっくりして、学校職員課になぜ私は不採用なんですかということで問い合わせたそうです。そうしたら、その電話に出た職員が、これは私は名前も聞きましたけれども、口調が強いということで校長が評価しているというふうに説明があったそうです。  校内での喫煙を何度も注意していれば、それは時に口調も強くなるでしょう。そして、たばこの不始末、こういうことがあっては大変だという防災という意味でも、評価者である校長にもひるまず、やめてくださいということで注意していたわけですから、粘り強く時に口調を強く注意するというのは大変意欲的に仕事に取り組んでいたんじゃないかというふうに私は思いますけれども、こういう仕事についてどういう評価基準になっているのか、教えてください。 ◎内田 学校職員課長 学校警備嘱託員の職務内容は、児童生徒が安心して学校生活を送るための施設安全確保である保安警備のほか、来校者対応としての窓口受け付け、学校施設開放対応があります。これら職務の遂行能力について、勤務状況、勤務態度等により判断することとなります。 ◆桃野芳文 委員 それは、総合的に判断すると言ってしまえば何でも丸めた表現になってしまいますけれども、私はこういう経緯を見ると、やっぱり評価に対する公正性に疑問符がつくのではないかなというふうに思いますし、何より、面接をしなきゃいけなということは決められているわけですから、面接をせずにやっているということが、本当になぜこんなことが起こるんだという思いです。  先ほど警備員三人とも面接していないということでしたけれども、それについてはどういう対応されたんでしょうか。 ◎内田 学校職員課長 警備員三人というお話でしたが、学校警備嘱託員は二名おりますので、この二名について面接を実施していなかったということでございます。それにつきましては、再度面接をさせていただきました。 ◆桃野芳文 委員 それは二人とも、一人についてはわかりませんが、一人は不採用通知を送った後に面接をしたんですか。でも、そんなことをしたって何の意味もないんじゃないですか。 ◎内田 学校職員課長 再度、面接のほうをさせていただいたということでございます。 ◆桃野芳文 委員 再度じゃなくて、面接をせずに不採用通知が送られて、その後面接をしたということなんじゃないんですか。 ◎内田 学校職員課長 改めて面接をさせていただいたということでございます。 ◆桃野芳文 委員 面接は一回しかしていないんでしょう。改めてってどういうことなんですか。 ◎内田 学校職員課長 面接を実施していなかったという手続のことがありましたので、改めて面接をさせていただいたということでございます。 ◆桃野芳文 委員 これは手続にもやっぱり瑕疵がありますし、先ほど言いましたけれども、公正性にも私は疑いがあると思いますよ。やっぱり何より、決して若くない方がこういう形で職を追われるというんでしょうか、仕事を追われてしまうということについて、本当に校長を含めて、皆さんもそうですけれども、どれだけ真剣に考えているのかということですよ。この方は四月からどうやって収入を得ていくのかということについては、大変悩ましい状況に置かれていると思いますし、憤りも強いと思います。もう時間がありませんのでこれ以上ここではできませんけれども、御当人と向き合って、解決策をしっかり探っていただきたいと思います。  次の質問に参ります。  これは、昨年春に起きた区立中学校での体罰事件についてです。これもある程度、事実確認を事前にしておりますけれども、改めて伺います。  男性教師が授業中に男子生徒をちょっと前に来いと言って呼び出して、クラスメートの前で体罰を振るって、その生徒は眼鏡が壊れてレンズがもう二つとも外れてしまったそうです。あと、額に小さい傷がついたということを聞いておりますけれども、事実確認と、これも東京都への報告はどうなっているのかということを伺います。 ◎青木 教育指導課長 今お話がありました件については、体罰が起こってしまったのは大変遺憾ですけれども、事実でございます。こちらについては東京都のほうにも報告を済ませているところでございます。 ◆桃野芳文 委員 けがをした、額に小さい傷がついたということを聞いているんですけれども、これについては区は把握しているんでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 傷、けがというところでは、学校からの報告、確認の中ではそれはありませんでした。 ◆桃野芳文 委員 東京都の報告についても、けががあったかなかったかというのはやっぱり変わってくる話だと思うんですよ。保護者の方のお話では、当日、最初の学校との話の中では、けががありますということは言わなかったか言ったか、それは覚えていないけれども、区の教育相談室と相談した際には、明確に傷がついたんですという話はしたということをおっしゃっていますから、それはしっかりと皆さん関係所管を含めてやっぱりちゃんと話が通っていないとおかしな話だと思いますから、それを改めて確認していただきたいというふうに思います。  この生徒は、翌日から学校に行けなくなってしまいました。みんなの前で体罰を振るわれて学校に行けなくなってしまいました。恐らく精神的なショックも大きかったんでしょう。いろいろありまして、体罰を振るった教師が家庭訪問して謝罪をしたりと、いろんな経緯があって、徐々に登校し始めたんです。部分登校といって、数時間登校して帰ってしまうとか、午後から行って帰ってしまうとか、いろんなことがあって、少しずつ登校できるようになったんですけれども、そんな中で、二週間ほどそういう登校の形態があった中で、その体罰を振るった教師の授業にも出てみようということで、多少落ちついてきたんでしょう、授業に出たということがあったようです。  その中で、その体罰以降、初めてその教師の授業に出たわけですけれども、その授業中にその教師から、お前には辞書は使わさないとか、ほかの生徒に対してこいつと口をきくなとか、そんな発言をしたというようなことが寄せられているんですけれども、そういうことがあったのかなかったのかについて、事実確認です。 ◎青木 教育指導課長 今お話が出ていた内容について、教員のほうが話したという事実は確認しておりません。 ◆桃野芳文 委員 これはとんでもない話だと思いますよ。事前に事実確認したときは、これこれこうだからこういう発言したみたいなちょっと言いわけじみたことで事前説明がありましたけれども、やっぱりそれはほとんど言いわけになっていませんよ。時間がないからここでは繰り返しませんけれども、やっぱりそんなことを、体罰を受けて、その後ようやく教室に出てきた。その体罰を受けた該当の教師の授業に出てきた人間に対していきなりそういう発言をするというのは、これはもう傷口に塩を塗る以外の何物でもないし、これ自体は本当に言葉の暴力ですよ。これについてもしっかりと指導していただきたいということです。  親御さんと学校側との話し合いも続いていまして、保護者の親御さんが、子どもが不安定な状態だと突拍子もないことをするかもしれません、今は不安定な状態にありますと。だけれども、そのときに暴言を吐いたり体罰をしたり、そういうことはやめてくださいということで校長に話をしたら、それはできません、それは約束できませんみたいな話があって、時には体罰もありますよみたいな、この保護者の方はそうとったと。これについてはわかりません。別に現場に私はいませんから。保護者の方からの話としてそういう声が寄せられておりますけれども、これについて私は事実確認をお願いしておきましたけれども、これについてはどういう形になっていますでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 確認いたしましたところ、いわゆる体罰を認めるような、肯定するような発言はしていないというところで確認をしております。 ◆桃野芳文 委員 ここは食い違いがあるところですけれども、改めて、あらゆる生徒に対する暴言だとか体罰というのは世田谷区は許されないんだということについて改めて確認します。 ◎青木 教育指導課長 世田谷区に限らずですけれども、子どもたちの指導に当たる者が子どもの心、体を傷つけることは許されないと考えておりますので、体罰等については許されないものと、もう一度校長会等を通して確認をしたいと思っております。 ◆桃野芳文 委員 あと、この生徒は、先ほど申し上げましたけれども、一生懸命学校に行こうとしているんです。今、制服を着ていくのはしんどいけれども、私服だったら学校に行けそうな、教室に入れそうな気がするというような相談をしても、私服では教室に入れませんという指導を受けて、教室に入れないということを聞いています。  あと、学校公開のときに私服でちょっと教室をのぞいて様子を見て、それで入れそうだったら授業に入りたいとかいろいろ言っているようなんですけれども、これについて学校はだめだと。制服も着ていないし入っちゃだめだというようなことを言っているようなんですけれども、そういう姿勢はよくないし、世田谷区としては、登校していくプロセスの中で、私服で授業を受けられるんだったらどうぞ、そういう形、もしくは学校公開で見学だけできるんだったらどうぞという形を認められるんだということについても明言をいただきたいと思います。 ◎青木 教育指導課長 個別のケースですので、今、具体的には申せませんが、お話があったように、子どもたちはさまざまな状況がございますので、子どもたちに寄り添った丁寧な指導をしていくものと考えております。 ◆桃野芳文 委員 田中委員にかわります。 ◆田中優子 委員 私からまず、eラーニングの活用について伺います。  新型コロナウイルス対策で急遽、区立小中学校が休みとなり、多くの保護者の方々が学習の面を心配しています。家庭学習の充実が今こそ望まれますが、そこでeラーニングが期待されると思いますけれども、少し前に渋谷区の取り組みがテレビで紹介されたということです。残念ながら私はその番組を見ていないんですけれども、区民の方から、渋谷区はすごいですね、世田谷区はどうなっていますかと問い合わせがありました。渋谷区はタブレットで子どもたちの学習進捗をリモートしながら先生がチェックするということをやっていると。そこでまず、現在の世田谷区における取り組み状況について教えてください。 ◎板澤 副参事 今年度より区立中学校全二十九校の全生徒一万六百四十名が実施しておりまして、全生徒の約七割が利用している状況でございます。生徒は、インターネット環境を通しまして、国語、社会、数学、理科、英語の五教科について、自分の意欲やレベルに応じた問題に家庭で取り組むことができるようになっております。学校では、生徒の学習状況をパソコン等で確認しながら個別にアドバイスをしたり、定期考査の範囲を示したりするなどいたしまして、指導に生かしております。  効果といたしましては、毎日決まった時間帯にログインするなど、家庭学習の習慣化や間違えた問題の解き直しによる基礎学力の定着等につながっているものと考えております。また、不登校等の生徒につきましては、家庭などでの以前の学習内容に立ち戻って学習を行ったり、来校した際に支援員等と一緒に学習したり、状況等が確認できておりまして、今後さらに活動の充実を図ってまいりたいと思っております。 ◆田中優子 委員 他会派からもeラーニングの質問がありまして、きちんと臨時休業のときに使うようにと周知をしたということを伺っているんですけれども、渋谷区で導入しているeラーニングと世田谷区の違いというのは何でしょうか。 ◎板澤 副参事 渋谷区のシステムでは、保護者がメールアドレス等の登録をすることで子どもの学習状況を把握できるという点が、世田谷区が導入しているeラーニングとは異なるシステムとなっております。 ◆田中優子 委員 希望する保護者が子どもの学習状況を把握できるというのは、私は必要なことだと思うんです。世田谷区でもそのシステムを導入することはできないんでしょうか。予算などを把握していらっしゃるか伺います。 ◎板澤 副参事 現在のシステムに追加をする形にはなりますが、保護者が子どもの学習状況を把握できるシステムの導入につきましては、機能にもよりますが、おおむね五百万円以上必要であると確認しております。引き続きeラーニングの機能の拡充につきましては、他の自治体の状況を確認しながら研究してまいりたいと思っております。 ◆田中優子 委員 今後のeラーニングの活用が期待されるというところを考えたら、一万人以上の中学生が対象ですから、私がさんざん問題視してきたドリバン、わずか三十名ぐらいの生徒に一千万円をかけちゃう。それを考えたら、五百万円ぐらいの一回だけシステムを変えればいいという、あとはランニングコストがどうかという問題はありますけれども、使ったらいいんじゃないかと。やっぱりいい制度にしていったほうがいいと思いますので、研究じゃなくてぜひ検討していただきたいというふうに思います。これを要望しておきます。  次に、今お話ししましたドリバンも含む新・才能の芽を育てる体験学習について伺います。  ここ数年、日野皓正プレゼンツドリームジャズバンドワークショップの問題を指摘してまいりまして、ようやく教育委員会の事業からなくなり、外されました。ただ、区民生活領域のときに私は指摘しましたけれども、性懲りもなく、前教育長が副理事長と今なっていらっしゃる財団法人せたがや文化財団が相変わらず、しかもたった十八名ですよ。残っている生徒のために一千万円、区の税金を使ってまたやると。もう本当にあきれて、あいた口が塞がらないような状況ですけれども、でも、これまでずっと教育委員会は手放さない、新・才能の芽のほうでやるんだと言い放っていたので、これは渡部教育長の英断であるというふうに、私はそれは本当によかったと思っています。  それで、やっと新・才能の芽を育てる体験学習の予算がまともになったなと思っていますが、来年度は昨年のように何千人もの児童生徒が抽せんに外れて置き去りになるようなことはないのか、人気のイベントについてしっかり予算が配置されているかについて伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 令和二年度の新・才能の芽を育てる体験学習では、参加対象を拡大し、小学生についても、区立小学校に通う児童のみではなく、区内在住の児童については全て対象といたします。また、人気の高いプログラミング講座の実施回数をふやすとともに、区内大学やNPO法人等との連携において実施していく講座につきましても、内容をより充実させてふやしていく予定となっております。 ◆田中優子 委員 随分よくなったというふうに思いますので、しっかりやっていただきたいんですが、ヒアリングの中でわかってきたことは、内容がかなり固まってきているようです。でも、完全にコンクリートされているというわけではない伺っていますので、そこで、私からきょうは、世田谷区の子どもたちにとって魅力があって、実のある結果を導くことができるであろう提案をさせていただきたいと思います。  それは、二〇一八年の決算委員会でも紹介させていただいているんですが、そのときは福祉の領域で私は提案しました。楽器を使わないで、自分の喉、口を使ってまるで幾つもの楽器で演奏しているような音楽を演奏できるヒューマンビートボックスです。これは、障害があっても、のどさえ使えれば健常者と全く同じように演奏することができるというものです。そして、今回なぜ文教での提案かと申しますと、元々このヒューマンビートボックスというのはアクティブラーニングに適しているものだからであります。二〇一八年、ヒューマンビートボックス全国大会では、長らくひきこもりだったという若者が優勝しました。自己否定感に陥っていた子どもがヒューマンビートボックスに出会ったことで人生が変わり、夢をかなえたというエピソードです。  その全国大会を主催している一般社団法人日本ヒューマンビートボックス協会の代表理事であるTATSUYAさんという方がいます。和田辰也さん、この方は、史上初四連覇、全日本で優勝しており、国際大会でも日本人ではただ一人優勝している、世界チャンピオンとなっている大変著名な方であります。ヒューマンビートボックスを通して子どもたちへの教育や社会福祉活動を中心に本当に貢献的な活動をされているんですけれども、来年度は渋谷区から半年間継続したイベントを依頼されているとのことです。  TATSUYAさんのほかにも、世田谷区民である、世田谷区在住のヒューマンビートボクサーに、この方もアルファベットを使っていますが、AFRAさんという方がいらっしゃって、AFRAさんは、視覚障害と知的障害がある子どもたちが通う久我山青光学園からワークショップを何度も依頼されておりまして、TATSUYAさんも一緒に指導したりしているようなんですけれども、とにかく子どもたちが生き生きとして大喜びだそうです。AFRAさんも、ぜひ自分が住んでいるこの地元世田谷区の子どもたちのために何かできたらとおっしゃっています。お二人とも子どもたちへのアプローチにとても熱心で、前向きでいらっしゃいます。  このヒューマンビートボックスのよいところは、障害があってもできること、道具が要らない、お金がかからない、それほど広くない場所でできるということです。道具をそろえる必要がないので、家庭が裕福でなくてもできます。アクティブラーニング、そしてインクルーシブ教育という点からも非常に教育にマッチしているメニューだと思います。マイクとアンプさえあればできて、かかる費用は講師代程度。職員の手配が大変であるということはわかっておりますが、そこを何とかクリアしていただければ、来年度にも新・才能の芽を育てる体験学習にぴったりではないか、可能ではないかと思うんですけれども、お聞きいたします。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 お話がありましたヒューマンビートボックスにつきましては、楽器を一切使わずに人間の口だけで音楽を演奏する、いつでもどこでも誰でもできる最も手軽な音楽表現の一つであると伺っております。教育委員会といたしましても、子どもたちの体験、体感の機会を一層充実するため、既存のプログラムのほかにさまざまな分野に幅を広げながら、子どもたちにとって最もふさわしいものが何かを模索しながら事業実施を検討してまいります。 ◆田中優子 委員 ちょっと伺いたいんですけれども、教育長、このヒューマンビートボックスというのを生で聞いたことはありますでしょうか。 ◎渡部 教育長 今お話があったTATSUYAさん、AFRAさんという方は聞いたことはありませんが、ほかの方のは聞いたことがございます。 ◆田中優子 委員 ぜひ教育長も興味を持っていただけたらと思うんですけれども、本当に一人で何個もの楽器を演奏しているようなすばらしいものであります。今、課長のほうから御答弁ありました既存のプログラムのほかにさまざまな分野に幅を広げながらという枠が、そういう幅があるのであればぜひ検討していただきたいと思います。  それから最後に、来年度から「せたがや11+」という新しい新たな施策がスタートするようですが、これについて何点か質問いたします。  まず端的に伺いますが、「せたがや11+」とは一体何を目指しているんでしょうか。今のところ具体策が全く見えてきていません。お聞きします。 ◎加藤 副参事 「せたがや11+」は、これまで世田谷九年教育で取り組んできた成果をそのまま継承しながら、ますます重要性が高まっている幼児教育二年間を含めた十一年間を一体として捉えた教育の方向性を示したものでございます。新しい幼稚園教育要領や小中学校の学習指導要領の趣旨を実現するものでもございます。  「せたがや11+」では、区立幼稚園が学び舎に加わることで、幼児教育と義務教育をより密接なものとし、連続した学びを実現することになります。幼児と小学生はもちろん、幼児と中学生による保育やスポーツの体験、園の行事への協力などの協働的な活動が活発となり、異年齢での人間関係や円滑な教育活動の連携が進むと考えております。また、世田谷区独自の学習内容をまとめた新しい探究型カリキュラムにより、これまでの講義中心の授業から、創造力やコミュニケーション能力等を育成する子ども主体の教育に転換してまいります。 ◆田中優子 委員 世田谷区の場合、幼稚園のほとんどは私立ですよね。所管外の教育委員会が九年教育の延長に位置づけるということは、私立の幼稚園の独立性という点からして無理があるのではないかというふうに素朴な疑問を持っております。その点、教育委員会ではどのように考えているのか。本日も他会派の質疑で、区立幼稚園に通う子は千八十八人で、区立保育園、また私立幼稚園は九千二百八十八人いるというお話がありました。圧倒的に区立幼稚園の子どもが少ないんです。その点はどのようにお考えでしょうか。  それからもう一つ、具体的に、二十九学び舎があります。それぞれ地域的にもちょうどよい形で連携できるのか。区立幼稚園は子ども園を含めて八つしかないんです。その連携の形というのができているのか、配置はできるのかについても伺います。 ◎須田 幼児教育・保育推進担当課長 お話しの私立幼稚園の独立性につきましては、それぞれの園の教育方針や取り組みを尊重することはもちろんのことですが、その上で、小学校教育へのスムーズな移行のために、小学校教員との意見交換や合同の研修の機会などを設け、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の共有や小学校教育との円滑な接続などに取り組んでいきたいと考えております。  また、今回の「せたがや11+」では、学び舎の考え方を拡大し、まずは桜丘幼稚園がさくらの学び舎に、八幡山幼稚園がみどりの学び舎にといったように、区立幼稚園八園が学び舎に加わります。令和三年度から区立保育園との連携を進め、その後、可能な範囲で私立幼稚園、保育園にも連携・協力関係を広げていくことを想定しております。 ◆田中優子 委員 どこまで可能に広がっていくのか、私はまだ疑問を持っているんですけれども、これまでの世田谷九年教育ということで、それに幼稚園を二年加えてイレブンだということなんですが、そもそも九年教育とは何なのかということを探ってみたんです。そうしましたら、新たな学校種として義務教育が創設されることに伴い、九年間一貫した系統的な教育課程を編成、実施するというものに行き着きました。これは、平成二十七年に改正され、二十八年四月から施行されている学校教育法での位置づけの九年一貫教育なんです。一方、世田谷のほうの九年教育は、もっと前の平成二十年に始まっているということで、学校教育法が改正するよりも先駆けて取り組んでこられたものなんだなと認識を新たにいたしました。  来年度は新学習指導要領が小学校で始まり、現場ではそれだけでもかなり大変なのではないかと。そこに「せたがや11+」が加わるとなると、小学校の管理職の負担というものが相当ふえはしないでしょうか。そのことがとても懸念されます。また、聞くところによりますと、最近では、地域によっては学び舎に対する理解が浅くなっているところがあるという声も届いています。  今やるべきことは、まず、それぞれの学び舎をもう一度しっかりと、うまくいっているところはいいですけれども、大分浅くなっているとか偏りがあるとかいうところをしっかり立て直して、世田谷九年教育のより一層の充実を図ることなのではないでしょうか。また、ここ数年、多くの保護者の方々から学校でのいじめの問題等がありますので、そういう現場の教員たちの負担を減らして、少しでも子どもや保護者に向き合うような、そういう学校を支援していく形を教育委員会にぜひとっていただきたいというふうに思います。  時間がなくなりましたので、このことは質問にはしないで要望にしておきますけれども、ぜひとも学校現場に即して、地域との九年教育のさらなる一層の充実を考えて、念頭に置いていただいてほしいということを要望して、無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時二十一分休憩    ──────────────────     午後五時三十五分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  Setagayaあらた、どうぞ。
    ◆小泉たま子 委員 Setagayaあらたの文教所管の質疑を始めます。  セーフティーネットと教育ということについて伺います。  今、世田谷区の大きなテーマは、区長の意向もあり、弱者対策となっています。確かに、社会のあり方を考えるに当たり、弱者に対する対応は大きな課題です。特に超高齢化社会の到来、格差の進展、想像を超える情報化社会への突入などにより、さまざまな分野で新たな弱者が発生してきています。そのことから、地域の区民生活に責任を持つ自治体として、この弱者に対する対応としてセーフティーネットを重視することは、間違いではありません。  しかし、果たしてそれだけでよいのでしょうか。セーフティーネットを整備するだけでは、社会の健全な発展は望めないのです。健全な発展です。ですから、私は、児童虐待ゼロの町を目指すというテーマに対して、区がまず児童相談所を整備し、さらに児童虐待相談ゼロを目指すと言われることに疑問を持つのです。幾ら児童虐待窓口を充実しても、相談件数はふえるでしょうが、虐待がなくなることにはつながらない。つまり、区のやっていることは対症療法だと申し上げているのです。対症療法を施策の中心に据えることは間違いです。何らの社会の発展が見られないからです。  さて、このことを教育分野に当てはめてみると、大きな疑問を感じるのです。教育長は、一人も落ちこぼれ、置き去りをしないと言われます。大事なことです。しかし、これはやはりセーフティーネットのことを言っているのではないかと思います。教育現場では落ちこぼれ対策が問題とされ、今、世間では新型コロナ対策で何をしてはいけない、多くのイベントも自粛、楽しみにしていた春休みのディズニーランドも行けない、世の中全体に閉塞感が漂い、経済も心配ですが、子どもたちの成長にとっても非常に心配です。やはり、どの時点においても子どもにとって明るい未来が見えていなくてはならないし、それを指し示すのはやはり政治であり、地域社会であり、教育現場のはずです。  およそ一カ月ほど前、NHKテレビの朝のプレミアムトークという番組に、現在、広島の教育長をなさっている女性が出演されていました。教育の世界では有名な方ということで、教育長以下、ここにおられる管理職の方もこの方については御存じのことと思います。女性の民間人出身で初めて横浜市の中学校の校長となられ、校内にフリースクールを開設し、不登校の生徒の居場所を提供するというユニークな施策を進め、結果、三十人の不登校生徒が三十人からゼロ人になったということで有名です。  これはいわゆるセーフティーネット対策ですが、同時に、校長として学校図書室の改革に取り組まれました。魅力ある図書室をつくった結果、図書室は学校の中の人気スポットになり、大勢の生徒が詰めかけ、床に寝そべったり、思い思いにくつろぐ姿も見られたといいます。  この教育長は、今、日本の教育に足りない要素は生徒に考えさせる体験だと思います。詰め込みだけの授業では、自分で考える力は育ちません。二〇二〇年改訂予定の学習指導要領では、現在の小中学校の六五%は今存在していない仕事につくと予測しています。どんな世の中になっても対応できる力、楽しく生活していく力をつけさせたいのですと言われ、落ちこぼれ対策とともに、いわゆる吹きこぼれ対策が重要であると言われました。  学業不振の生徒を落ちこぼれと言いますが、吹きこぼれとは、生まれながらにして高い知能の有していたり、塾などに行って高い学力を身につけたり、もともと学習意欲が高かったりする極めて優秀な児童生徒が、通常の学校の授業内容に物足りなさや疎外感を持ったり、実際に他の生徒から疎外されたりするとのことです。  では、これからの世田谷の教育で一人も落ちこぼれをつくらない、置き去りにしないという基本姿勢と、この吹きこぼれ対応がどのようにかみ合うのか、この点が明らかになっていないように感じられます。全ての保護者が自分の子どもが落ちこぼれにならないように学校に通わせているのではなく、できれば我が子の才能、能力を信用して、より高い段階へ進んでほしい、そのための学校であってほしいと思うのも当然のことです。このような多様な保護者の願いにどのように世田谷の教育の現場が対応できるのか、答えられますか。  今、委員会でも、これまでの九年教育であったり、これからの「せたがや11+」という言葉も出てきました。これらは目的というよりも、その目的を達成するための手段と思われます。  広島の教育長は、女性で民間企業出身ですが、世田谷区の教育長も女性で、こちらは教育現場を存分に知っているわけですから、今の吹きこぼれ対策も含めた、未来に向けた魅力的な教育のあり方についてお考えを伺います。 ◎渡部 教育長 全ての子どもたちがその個性に応じた教育を受け、伸び伸びと自分の力を発揮できる環境を整えることは、学校や教員の責務です。しかし、現実には、授業の進度についていけない、コミュニケーションがとりにくいなど、子どもたちによっては学校が楽しい場となっていないことがございます。また、それがさまざまな要因と絡み合い、不登校などにつながっているという事例がございます。このようなことには徹底した対応をとらなければならないことは当然のことと考えております。  一方で、委員お話しの吹きこぼれですが、これは言葉としては少しびっくりしますが、学習能力が高く、あるいは学習進度がとても早い子どものことで、この中には、授業内容に物足りなさを感じたり、ほかの子どもとの話の内容が合わず関係が築きにくいなどのため疎外感を感じ、学習や学校生活の中での意欲を持てなくなることなども考えられます。  このような子どもたちを学校の中で生かすことは大きな課題であるとともに、大きな教育の転換期ともなり得るとも考えられます。なぜなら、このような子どもたちは記憶力がずば抜けて高い、年齢の割には語彙が多く、複雑な構造の話ができる、あるいは、並外れたユーモアのセンスがあるなどの持ち主もいるのです。この子どもたちの指導を的確に行い、その持てる力をクラスで発揮させる場面をつくり、クラスで共有し、学級を高い学びの場として活性化できる可能性も考えられます。このような子どもたちへの適切な対応が学級の子どもたちにとってもよい影響となることが十分に考えられます。  今までの一律の授業の中では発揮しにくい能力を持つ子どもの力を開花させるべく、授業のあり方や教員の意識改革等を含め、その仕組みや仕掛けづくりに取り組んでまいります。 ◆小泉たま子 委員 私は、教育長の責務として、教育委員会を統括し、円滑にその運営がなされるよう条件整備を整え、さらにリーダーシップをとることが必要であることはわかっています。しかし、それ以外に大事な役割があると感じています。  今回の新型コロナウイルスで大変な被害が発生しているイタリア・ミラノの高校の校長が生徒にウエブサイトで手紙を書いたということは皆さん御存じでしょう。感動的な手紙でしたが、その中でも特に、冷静になっていつもと同じ生活をしてください。マスクは病気の人のためのものです。急いで店に買いに行くのはやめましょう。社会と人間性という最も大切な財産を守るためにどうしたらいいか、正しく考えましょうと言われたのです。心にしみました。  教育というものはすばらしいものである。教育長は世田谷の教育のトップに立っています。その役目を十分に果たしていただきたいと考えます。  次の質問です。地域の中での中学校のあり方について伺います。  私は、地域の中で中学校という存在がいかに大きなものであるかということを日々感じています。日中、地域の中で最も多くの人々がいるのが区立中学校です。中学生が地域にいるだけで活性化が図られますし、いざ大震災が発生した場合に一番の力になる可能性もありますし、将来、地域社会を支えていく人材にもなり得るのです。言ってみれば、地元の中学生は地域の宝物です。その宝物がむざむざとその地域から離れて、他の地域の私立学校や中高一貫の公立校に行ってしまってもよいのでしょうか。  地元の区立中学に通うことのメリット、これは本人の人生と地域の両方にとってのメリットですが、このことをどのように地域の方々に伝えていくか、そして、どのようにして自信を持って区立中学に通っていただくか、これが結局は十一年教育のあり方そのものとも思うのですが、教育委員会のお考えを伺います。 ◎青木 教育指導課長 区立中学校では、地域の学び舎として、区立小学校との人的交流や情報の共有、連携した教育を進めており、新たに入学する子どもたちの情報を同じ学び舎の小学校から丁寧に引き継ぐことで、よりきめ細やかな教育や指導につなげていくことが可能となります。また、地域にとりましては、地域について子どもたちが学習したり、地域の方にゲストティーチャーとして学校に来ていただいたりすることで、子どもたちは地域社会の果たす役割や地域の中にあるさまざまな魅力をより深く学び、みずから参画意識を高めながら、地域社会の担い手として成長することが期待できます。  また、子どもたち自身にとっても、地域の中で長い年月をともに学び、さまざまな体験を共有した仲間との人間関係は、将来、近所で助け合い、休みの日にはスポーツや文化活動、地域のイベントなどをともに楽しむような、人生を通じたより深いきずなへとつながり、何物にもかえがたい財産になると考えております。  教育委員会といたしましては、地域の未来を担う子どもたちに自信を持って区立中学校を選んでもらえるよう、区立中学校あるいは小学校との連携において、魅力をさらに高めていくよう取り組んでまいります。 ◆小泉たま子 委員 今回、図らずも新型コロナ問題で地域の学校がいかに大切かということが再認識されました。学校が一部であれ、子どもたちの生活を支える場となったのです。教育長も以前の答弁で、子どもの生活を支える場としての学校機能というものを考えていきたいとも言われていたと思います。  現実に、現在の世田谷の学校は、義務教育の実践の場のみならず、新BOPや学童クラブ機能などにより、子どもの生活の場の機能も持ってきています。今回の長期休みの事実は、子どもと学校に対して決してよいことであったとは思いませんが、これを機会に、新BOP、学童機能も含めて、子どもの生活支援機能はどうあるべきか。さらには、そこで学ぶこと、食事をとることということについても、将来を見据えて検討していくべきと考えますが、御意見を伺います。 ◎青木 教育指導課長 委員お話しのように、今回の対応につきましては、まだ臨時休校の期間中ではありますが、学校が子どもたちにとって学びのみならず、友達など他の人との交流、運動や食などさまざまな生活の場として重要であることを再認識いたしました。  教育委員会といたしましては、今回の前例のない経験を糧といたしまして、学びの充実や社会性を育むなど、学校教育の機能をさらにもう一歩高める工夫や、家庭、地域と連携をより深めた生活全般を充実させる方策などを検討しまして、未来を担う子どもたちの豊かな人間性、豊かな知力、健やかな身体、たくましい心の育成に取り組んでまいります。 ◆小泉たま子 委員 これで私の質問を終わります。  神尾委員にかわります。 ◆神尾りさ 委員 先日の企画総務領域の他会派の質疑で、耐震再診断の結果を受けた希望丘小学校、そして特に池之上小学校に対する区の対応について質疑がありました。それを受けての区の答弁を本委員会所管部につなぐことにこそ意味があると考えます。なぜなら、保護者や児童にとっては教育委員会の対応こそが区の対応であるからです。  先日の質疑を受けての施設営繕所管、それに続く副区長の答弁は心に響くものがありました。昨年、池之上小学校の問題が発覚した当初に区を代表してあのようなお言葉があったら、これまでの十カ月間の道のりはもう少し平たんなものになったとのではないかと推測します。しかし、過去のことを言っても仕方がありません。教訓は今後に生かすしかありません。  一方で、ここ数カ月間の、特に指定校変更申請の前倒しや通学路の安全対策、四月から使用する校舎が和式トイレばかりであったことなど、大小含めた課題への真摯な御対応を評価いたします。  今月に入り、新型コロナウイルスの影響により、予定していた校庭でバルーンを飛ばす計画や、校舎に皆で夢を描くアートの企画などが延期、中止となり、児童が校舎にお別れをする機会が失われました。当初は、四月以降は校舎に入れないとされておりましたが、臨機応変に御対応いただくよう要望いたします。また、休校中の校庭の活用については、池之上小に限ったことではありませんが、地域の大人たちで実施してきた遊び場開放を土日は実施したいという声も区内にはあります。休校長期化の中、少しでも工夫ある対応をお願いいたします。  とある千人規模の区立小学校の校長先生がおっしゃっていました。大人数であることは通常はマイナス要素だが、本学校では大人数だからこそできる教育を考えて実施している。対照的に、四月から新スタートを切る池之上小は、少人数になるからこそできる教育を考え、実施していかなければなりません。そのための教育委員会の指導やサポートなどに期待します。これまでの対応への見解と新年度に向けた決意を伺います。 ◎淺野 教育次長 ただいま耐震再診断のお話をいただきました。耐震再診断を行いましたのは教育委員会の学校がほとんどでして、二十八の小中学校につきまして耐震再診断を行いまして、ほとんどにつきまして耐震補強工事を実施していくことですけれども、池之上小学校につきましては、残念ながら耐震補強ではなく、全面改築するとともに、仮校舎として旧北沢小学校を活用することになりました。  突然の方針であったことや、今後、改築の設計や工事期間中、四年にわたりますけれども、その間にわたって旧北沢小学校に通っていただくことから、児童や保護者の皆様には大変な御負担をおかけすることになりまして、まことに申しわけないと思っております。  池之上小の一時移転に伴う教育委員会の取り組みですけれども、まずは登下校の安全対策に全力を挙げまして、多くのPTAの皆様などに御協力をいただきながら、安全対策の徹底に努めております。また、学校の集団登校にも当面の間、教育委員会の各課の職員を派遣するなど、教育委員会を挙げて取り組んでまいります。さらに、今回、北沢警察署でも通学路の商店街に接している学校敷地に、警察官の立ち寄り場所としてそこに登下校時などに警察官の方を派遣していただくことを御協力いただけることになっております。そういった登下校の児童の見守りに全力を挙げてまいります。  また、旧北沢小学校での学校生活が良好な環境の中で送れるように、給食室やプールの復旧だけでなく、教室や図書室、トイレなども環境改善に取り組んでおります。今後も学校側と相談をいたしながら適宜必要な対応をとってまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 池之上小で仮校舎に通うことを決めた児童、やむなく指定校変更をした児童も含め、新しい学校で全員が安心して楽しく学校生活が送れるよう、環境面はもちろん、子どもの変化や精神状態を手厚く見守る体制をしっかり築いていただけるよう要望いたします。  次に、こどもをまもろう一一〇番について伺います。  池之上小学校の児童も含めまして、新年度を迎え、通学路で安全安心を意識して通学するための取り組みの強化が必要とされます。そのための取り組みの一つが、このこどもをまもろう一一〇番です。町を歩いていると、このステッカーが張ってある家を見かけますが、色あせているものも多々あります。理想は、このステッカーが町の至るところに張られ、地域で子どもを見守るという意識が共有できることだと思います。まずはこの取り組みの概要について伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 こどもをまもろう一一〇番は、子どもたちが安心して過ごすことができる地域社会を目指し、子どもたちの生命を守り、安全を確保することを目的に、世田谷区立小学校PTA連合協議会が主体となって推進している事業です。約八千の御家庭、事業所、商店などに御協力をいただいております。具体的な活動とその狙いとしましては、一つは、在宅不在にかかわらず、より多くの家などにこどもをまもろう一一〇番のステッカー、プレートを張っていただき、地域ぐるみで子どもを守っているという姿勢を見せ、犯罪を未然に防ぐ抑止効果を図ること。二つ目は、住居の門、玄関、店先等に張ってあるステッカー、プレートを目印にして、子どもたちが怖い、危ないと感じたとき駆け込める一時的な避難場所としての機能を果たすことです。 ◆神尾りさ 委員 犯罪を未然に防ぐとともに、子どもの一時的な避難場所ともなり、約八千件の参加があることからも、まさに地域ぐるみで子どもを守るための取り組みであるとわかりました。この取り組みが始まった経緯について伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 全国的に子どもが被害を受ける事件、事故が相次ぐ中、各地でPTA活動の一環として防犯パトロールが自主的に実施されました。区においても、各校のPTAの費用負担で、たすき、腕章、あるいは自転車のかごにつけるプレートなどを目印として使用し、パトロールが行われていました。各校のPTAから費用負担に対する行政の援助を求める声が上がり、平成九年には自転車用プレート及びパトロール時着用のたすき作成の要望があったため、翌平成十年に、自転車用プレート、PTA防犯パトロールのたすきの全校予算化をいたしました。  さらに、平成十一年には、各校のPTAの中でできることをやるという活動から、子どもがいるいないにかかわらず、地域全体で子どもを見守っていこうという活動へと変わり、学区域を超えた取り組みとその趣旨に賛同された多くの団体の御寄附によりこどもをまもろう一一〇番のステッカー及びプレートを作成し、配布推進運動となり、現在のこどもをまもろう一一〇番の取り組みが始まっています。 ◆神尾りさ 委員 PTAだけで実施していた活動から、家庭に子どもがいるいないにかかわらず、地域で子どもを見守るための活動へと機運が高まったことがきっかけであるとわかりました。PTAが主体の活動ではありますが、その中で区の役割と予算について伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 教育委員会といたしましては、多くの個人宅及び商店などに安心して御協力いただけますよう、また、万一の事故に備えまして、災害見舞金補償保険契約を損害保険会社と結び、見舞金等を支給する支援のほかに、こどもをまもろう一一〇番のステッカー及びプレートの作成をさせていただいております。  こどもをまもろう一一〇番に係る今年度の予算の内訳は、保険料が四十二万七千五百円、プレート四十二万二千四百円、ステッカー十四万三千円でございます。 ◆神尾りさ 委員 それほど多くの経費がかからないこと、地域ぐるみで子どもを守ることができる取り組みであることがわかりました。  他区の例を挙げさせていただきますが、十月のハロウィンのイベント時に、翌年四月から小学校に入学する未就学児を対象に、この地域の見守りステッカーが張ってある家を回ってもらい、お菓子を配りながら安全安心について啓発するという取り組みが住民主体で行われている例があると聞いております。  こどもをまもろう一一〇番は区が主導ではありませんが、今後、この取り組みのさらなる普及、強化に向けて、PTAと協力、連携していくための認識について伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 こどもをまもろう一一〇番は、区立小学校PTAの方々の思いが形となり、現在、世田谷区立小学校PTA連合協議会の活動の一つになっております。一方、各校のPTAの現状は、家族形態の変容や共働き世帯の増加、また価値観の多様化などに伴い、PTA活動の見直しが課題となっていることも認識しております。こどもをまもろう一一〇番の活動は、PTAのみならず、地域全体で子どもを守る取り組みとして、教育委員会といたしましてもとても重要なものであると認識しており、引き続き積極的に支援してまいりたいと考えております。  未来を担う子どもたちを守るために、今後も、学校から児童への周知徹底はもとより、みんなで学ぶPTAなど、連合協議会の研修会での活動の重要性の共有を図るとともに、区のホームページや「区のおしらせ」を通じて活動内容の周知を図るなど、より一層充実した活動に向け、連合協議会との対話を重ねながら、引き続き連携、協力に努めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 研修会や学校で周知をされる際、年に一回事務的にお願いをするのと、このステッカーが地域全体で子どもを見守る仕組みであることを熱意を持って訴えかけ、御協力を仰ぐのとでは、参加してくださる方の意欲も異なると思います。町に一枚また一枚とステッカーがふえていくことで、みんなで子どもを守る世田谷をつくっていくのだという意識を持って積極的に取り組んでいただくよう要望いたします。  最後に、「Touch the World」について伺います。  本日、他会派の質疑でも取り上げられましたが、まず、「Touch the World」の来年度の実施規模と予算について伺います。 ◎板澤 副参事 来年度につきましては、小学校四年生の移動教室や月一回程度のイベント、平日や土日祝日での一般利用の授業等につきまして、体験プログラム等の改善を加えながら、今年度の規模で継続することを想定いたしまして、約二千九百万円で予算を組んでおります。 ◆神尾りさ 委員 次に、現在の区での課題認識について伺います。 ◎板澤 副参事 「Touch the World」事業の全体といたしまして、小学校四年生を対象とした移動教室では、今年度、約六千五百人の児童を対象に英語体験を実施いたしまして、学校のアンケート結果では、英語を楽しく学べている、進んで英語を使って話そうとしているなどが挙げられまして、効果があったと考えております。また、月一回程度のイベントにつきましては、各回のイベントの参加者数が昨年度を上回る平均百三十八人となるなど、一定の成果があったと捉えております。  一方、平日の午後の一般利用につきましては、昨年度と比較して若干の利用の増加がございましたが、区民が気軽に訪れ、英語に親しむ場としてのリピーターの確保や、子どもたちの利用等に課題が大きいと認識しております。今後、楽しく英語や多文化に触れ、英語を通じた学びや体験を提供できるよう事業内容の改善に取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 平日午後の利用が少ないことが課題であるとわかりました。ちなみに、平日午前は年間どの程度利用されているのでしょうか。 ◎板澤 副参事 平日の午前につきましては、全区立小学校の四年生を対象とした英語体験移動教室として活用しておりますので、年間六十一回の利用となっております。 ◆神尾りさ 委員 年間六十一回ということは、まだまだ利用率を上げられるのではないかと考えます。  次に、利用対象者の年齢層についてどのように考えているか伺います。 ◎板澤 副参事 「Touch the World」は、区民が気軽に英語に触れ、実際に英語でやりとりを行う中で、英語でのコミュニケーションの楽しさや必要性を体験できるように運営をしてまいりました。利用者の内訳といたしましては、七四%が一般利用者及び未就学児であることから、利用者の多くは未就学児とその保護者であると考えております。  教育委員会といたしましては、平日の午後の利用につきまして、未就学児とその保護者のみならず、小学生や中学生、高校生を対象としながら、居場所や遊びの場、学びの場として活用することなどについても検討してまいります。 ◆神尾りさ 委員 計画とニーズに不一致があるのではないかと考えます。小中高校生の放課後は大変多忙です。一方で、現在、施設利用者の七四%が未就学児とその保護者です。教育委員会所管のため小中学生が対象となりがちですが、施設のつくりを見ると、広さやデザイン、設備など、どう考えても小学校低学年以下の子ども向けのように見受けられます。未就学児を対象とすれば、利用率も上がるのではないかと考えます。  また、民間活用の一例として、先ほどもありましたが、東京都の英語学習施設、TOKYO GLOBAL GATEWAYは、比較的不便な立地にもかかわらず、全国から利用があります。「Touch the World」も使い方によっては十分に活用できる施設であると考えます。平日の午後など、民間の知恵を取り入れた運営は可能なのかどうか伺います。 ◎板澤 副参事 委員おっしゃいますように、平日の午後の運営につきましては課題があり、さらなる改善が必要と考えております。そのため、英語指導員の派遣を委託しております事業者や英語での体験事業にノウハウのある、今お話がありましたTOKYO GLOBAL GATEWAYの運営事業者などとの意見交換の場を持ちながら、「Touch the World」がより多くの子どもたちに英語を通じた学びや体験を提供する場所となるよう、改善に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 今までの御答弁を踏まえ、来年度も今年度と同じ予算で実施を続けながら検討していくということですので、その検討の可能性の幅を広げていただきたい、そういう思いで最後に三点提案をまとめさせていただきます。  一点目、平日午前は、現在四年生の移動教室で年間六十一回しか利用されていません。移動教室の対象を小学校低学年、または幼稚園、保育園に拡大すべきと考えます。所管部が異なるなどの事情も打破していただき、対応していただきたいと思います。  二点目、平日午後を含む施設利用者の対象年齢についても、いま一度検討すべきと考えます。未就学児向けイベントはすぐに定員がいっぱいになっているという現状からも、未就学児にニーズがあることは明確ではないかと考えます。  三点目、民間の知恵をかり、有効な活用方法を見出すべきと考えます。移動教室で大型バス二台までとめるスペースがありますので、英語や多文化を楽しく学べる施設として、幼稚園、保育園の遠足などにも広く活用してもらえる可能性を十分に秘めていると考えます。本施設の民間委託は三年目に入り、新たな選定時期も視野に入っているはずです。これまでの背景を知っている、つまり固定観念がある内部の方のみならず、新たな視点で提案できる外部の意見も積極的に取り入れるよう要望いたします。  以上でSetagayaあらたの質疑を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時七分散会...