• LGBT(/)
ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2020-03-06
    令和 2年  3月 予算特別委員会-03月06日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年  3月 予算特別委員会-03月06日-03号令和 2年  3月 予算特別委員会 令和二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第三号 日 時  令和二年三月六日(金曜日) 場 所  大会議室 出席委員(四十九名) 委員長  阿久津皇 副委員長 福田たえ美 副委員長 ひえしま進      石川ナオミ      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      河野俊弘      宍戸三郎      下山芳男      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ
         板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      津上仁志      平塚敬二      いそだ久美子      風間ゆたか      桜井純子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      藤井まな      大庭正明      田中優子      桃野芳文      神尾りさ      小泉たま子      佐藤美樹      つるみけんご      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      金井えり子      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      ひうち優子      そのべせいや      くりはら博之      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   副区長           宮崎健二   政策経営部  部長     中村哲也          財政制度担当参事                 松永 仁          政策企画課長 松本幸夫          経営改革・官民連携担当課長                 中西成之          ふるさと納税対策担当課長(経営改革・官民連携担当課長兼務)                 中西成之          広報広聴課長 山戸茂子          情報政策課長 齋藤 稔          副参事    岡部尚徒   交流推進担当部          部長     小澤弘美          交流推進担当課長                 山田一哉   総務部    部長     田中文子          総務課長   菅井英樹          人事課長   大塚 勇          研修担当課長 住谷純子          職員厚生課長 馬場利至   庁舎整備担当部          部長     松村浩之          庁舎整備担当課長                 佐藤絵里   危機管理室  室長     工藤 誠          災害対策課長 前島正輝          地域生活安全課長                 吉田忠博          副参事    河野雄治   財務部    部長     進藤達夫          経理課長   渡邉謙吉          納税課長   平原将利   施設営繕担当部          部長     佐々木康史          施設営繕第一課長                 高橋一久          公共施設マネジメント推進課長                 髙野 明   会計室    会計管理者  工藤郁淳   選挙管理委員会事務局          局長     鈴木孝之   監査事務局  局長     伊藤美和子     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和二年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和二年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和二年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和二年度世田谷区学校給食費会計予算企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○阿久津皇 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆福田たえ美 委員 おはようございます。これより公明党の質問をさせていただきます。  このたびは、新型コロナウイルスの感染によりお亡くなりになられた方々、また御遺族の皆様には謹んで哀悼の意を表します。また、感染による肺炎に罹患されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い収束を願っております。  それでは、財政マネジメントについてから、まず、質問をしてまいります。  先日、若者の声を聞く機会がありました。将来の社会保障の不安や雇用の不安など、さまざまなお声が出ました。実は国民生活基礎調査では、二〇一八年の税引き後の手取り収入は一九九七年で頭打ちをして、四百万円未満が四七%を占めているという現状がありました。日本社会では多数派を占める中間層が、今は低所得化しているという実態が示されました。
     世田谷区の状況も確認してみました。課税課でデータをまとめていただきましたので、それを確認してみましたところ、平成二十一年度と平成三十年度の課税基準額の対象人数の割合を比較しますと、百万円以下は一・一%の増、一千万円超えが〇・三%の増となっておりまして、その間の二百万円から一千万円の構成比は減少をしていました。世田谷区でもこの二極化の傾向へとさらに進んでいることがわかりました。  令和二年度の予算案でも示されていますが、一般会計の歳出では、会計年度任用職員制度の導入など、人件費の増や行政運営費の増とともに、民生費、公共施設整備など必要な経費が増大していくことが明らかであります。  一般会計歳入の四割近い割合を占める特別区税は、納税者の増加により、ふるさと納税の影響が緩和されているとは言っておりますが、私も以前、議会で、ふるさと納税のワンストップの特例が導入される前の平成二十七年の議会で、このことを取り上げましたが、それから短期間で影響額が増大し、来年度は七十億円となっております。人口の減少と少子高齢化が進展している中で、この財政のマネジメントの強化のため、新公会計制度を積極的に活用して、区の限られた財源を賢く使う取り組みを行うことが極めて重要な時代へと突入しております。  我が会派でも、行政評価についても質問をしておりますが、事業の目標を、区民に効果があらわれる形に明確な数字であらわし、評価を行うことが重要です。この財政マネジメントについては、大きく二つ、行政評価のマネジメントと、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設のマネジメントの二つがポイントとなります。  ここで伺いますが、区は財政マネジメントをどのように考え、進めているのか、お聞かせください。 ◎松永 財政制度担当参事 財政運営という点で御答弁いたします。限られた財源の中で、安定的に区民サービスを提供していくためには、将来にわたって持続可能で強固な財政基盤を築いていくことが基本であると考えております。その中の一つとして、今後の財政需要や景気変動に耐え得るよう、財政調整基金のほか、庁舎等建設等基金や都市整備基金などの特定目的基金の残高を一定程度確保する必要があると考えております。  同時に、お話の行政評価も含めまして、行政経営改革の取り組みが重要となってまいります。新実施計画に掲げる十の視点に基づき、債権管理の徹底や税外収入の確保など、歳入増の取り組みとともに、新公会計制度を活用いたしました政策評価なども活用しながら、事業の見直しや効率化、コスト縮減などを進めていく必要があると考えております。  こうした観点も踏まえまして、今般、今後五年間の中期財政見通しでお示ししているところでございますが、この中期財政見通しにつきましては、毎年度、当初予算案を策定したタイミングと、翌年度の予算フレームを作成するタイミングで更新を行っております。更新に当たりましては、景気の動向に加えまして、新たな財政需要、また税制改正等による歳入の影響なども反映しております。また、今般の新型コロナウイルスに関連する経済への影響についても、今後の財政見通しの更新時に反映していくこととなると考えております。  この中期財政見通しの更新により、中期的な財政状況を把握していくことが、あらかじめ継続的な行政経営改革の取り組みや、基金、起債の計画的な活用につなげるなど、財政の健全性維持に向けた財政マネジメントを行っていくというものと考えております。 ◆福田たえ美 委員 昨日も各会派から、今後の世田谷区の財政についてという質問は、多くの会派がしておりましたけれども、私も同じように思うところは、先ほども申し上げましたけれども、今後の若い人たちの経済的な影響ですけれども、所得の低下など、そういう問題も含めて、また多様なニーズが、福祉サービスも含めて、ふえてくるかと思います。そうしますと、やはり支え手が弱くなるというような部分も、しっかりと考えていった上で、どう財政的なところをよりきめ細かにマネジメントしていくのかというところが問われると思いますので、しっかりと行っていただきたいと思います。  その中で、先ほど申し上げました公共施設マネジメントですけれども、こちらは長期的な展望で見ていかなくては、今後の若い人たちへの負担がかかると思っております。  平成二十四年に、私は、区の資産である公共施設の整備管理が将来の大きな負担になりかねないということから、公共施設のマネジメントに必要な公共施設の見える化になる、公共施設白書の作成を提案いたしました。区の職員の方のたゆまぬ努力で公共施設白書が作成され、現在この公共施設白書をもとに、公共施設の整備・管理計画などが作成されております。新公会計制度も導入されて、より一層の公共施設マネジメントが可能と考えられます。  まずは、財政面を確認していきますと、平成三十年度の有形固定資産及び無形固定資産の附属明細書によりますと、区が保有する全体の一兆六千十五億円の総資産のうち、金融資産は約七億円、残りが非金融資産であり、その内訳は、約九千八百億円がインフラ資産、約五千九百億円が有形固定資産、それは施設などが入ってきます。大量のこの固定資産をいかに適切に保有して活用していくかは、区政運営上重要な課題であります。財政負担を極力抑えつつ、公共施設や行政サービスの効果的かつ効率的な整備運営を行うために、建設、運営など、既存の手法を脱却して、公共施設の今後の整備に、より真摯に戦略的に取り組んでいくべきであります。  第一回定例会の代表質問では、この公共施設マネジメントを行う部門をつくることを求めてまいりました。区の今後の公共施設管理計画について、どのような考えで進めていくのか、区の見解をお聞かせください。 ◎岡部 副参事 効果的かつ効率的な公共施設の整備運営を進めていくためには、既存の公共施設と限りある財源を最大限に活用した総合的なマネジメントを行うことが重要でございます。区の公共施設の多くは、高度成長期を中心とした時期に整備しており、今後三十年の間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎える状況にある中、より一層の施設整備、維持管理費の抑制に努めながら、既存の施設を最大限に活用する必要がございます。  現在、公共施設等総合管理計画の一部改定を行い、素案の中では、現計画に掲げた取り組みをより一層推進するために、三つの重点方針を掲げ、将来にわたって持続可能な公共施設の維持管理を実現することとしております。区の財政状況は予断を許さない状況にある一方で、人口増加は今後も続くことが見込まれる中、多様化するニーズに応えながら安定した住民サービスを継続するためには、庁内各部門が知恵を出し合い、危機感を持って持続可能な公共施設運営に臨む必要がございます。  今後、営繕部門や都市整備部門、財産管理部門などと連携体制のもと、政策経営部を中心にし、それぞれの担当所管部が経営する視点に立って、総合的な公共施設マネジメントに取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 公共施設のマネジメントをより一層効果的に、また効率的に行うためには、連携はもちろんですけれども、判断する資料が必要だと考えております。  新公会計制度を早くから導入していました浜松市では、公共施設のマネジメントを効率的に行うために、各施設ごとの状況を把握する施設カルテというものを作成しております。施設で実施されている事業の行政評価、また、利用者一人当たりのコスト、また財源なども含めて、建物と事業を集約したマネジメントを効率的に行う資料を作成しております。また、他自治体では、施設の各部屋の貸し出し状況なども記載し、施設の課題をより詳細にあぶり出す工夫もされております。  そこで伺いますが、区の公共施設白書でスクリーニングを行って、課題となった施設をピックアップした後、必要な情報を取り込んだ施設カルテのようなものを作成し、マネジメントをより効率的に進める資料の作成が必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎髙野 公共施設マネジメント推進課長 区では、平成二十九年三月の公共施設等総合管理計画の策定と同時に、さまざまな観点から区が保有、管理する施設の現状を整理した公共施設白書を作成、公表し、公共施設整備運営の適正化を推進するに当たっての資料として活用しております。  公共施設等総合管理計画に示す取り組みを効率的に進めるためには、施設の概要やコストデータだけではなく、施設の設置目的や利用率などもあわせた総合的な分析と、区民にわかりやすい資料づくりが大変重要であると認識しております。本年度は、新公会計制度の導入に伴い、施設別に施設概要とコストデータをまとめ、公表するとともに、初年度である本年度は、区民利用施設をモデルに、施設運営コストの分析を試行するなど、具体的なデータの活用を進めております。  今回モデルとして区民利用施設の分析を進める中で、効果的で効率的な分析項目、分析方法を検証いたしまして、さらに詳細な検討が必要な施設につきましては個票をまとめるなど、お話の他自治体の事例も参考にしながら、必要な情報を取り込んだ資料作成に取り組むとともに、区民にとってもわかりやすい資料となるよう工夫をしてまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  では、次に、水害対策について伺ってまいります。  台風十九号では、災害、特に水害に対する課題が現実のものとして表面化をいたしました。これら課題については、区民の方から届いた声を、昨年の第四回定例会で代弁させていただきました。この声が区政に届いているのか、区民の方は、ことしも来るかもしれない台風、ゲリラ豪雨への不安を募らせています。対策を進めていくためには、都と国との連携が欠かせません。  先日、二月二十七日、世田谷区、大田区、川崎市の首長とともに、公明党世田谷区議団として、国土交通大臣に、多摩川における治水対策の推進について要望書をお届けに伺いました。堤防未整備区間における堤防の早期整備など、国に求めてまいりましたが、水害への備えには、ハード対策とあわせてソフト対策が重要になっております。  昨年の台風十九号の際には、多摩川浸水想定区域の方でも、避難行動につながらなかった区民の方がいらっしゃいます。お声を聞いて歩いてみました。気がついたら、水が住宅に浸水してきたが、足が悪く、垂直避難の二階に上がりたかったけれども、上がれなかった。また、車椅子の女性は、自宅が浸水する認識さえなかった、避難行動の必要性を感じていなかった。また、ほかは、ペットとの同行避難の難しさや、高齢の御夫妻は、やはり夜の避難が難しかったなど、さまざまな状況がわかりました。  実は、災害時には、スムーズな避難ができない要因も幾つかあると言われております。その一つに正常性バイアスと、もう一つが同調性バイアスといった心理的な要因もございます。  この正常性バイアスは、簡単に言えば、ある範囲までの異常は異常と認識せずに正常なものとして考えてしまう心理を指します。道路の冠水に遭遇していながらも、危ないという実感が持てず、危険地帯である自宅に戻ってしまうというのが正常性バイアスです。一方、同調性バイアスは、近所の人が誰も避難していないから避難しないといった、周りの人に合わせてしまう心理です。  この二つのバイアスを解除する方法が、事前に避難準備を計画することで、命を守る行動につながると言われております。何度か議会で取り上げさせていただきましたマイ・タイムラインの作成です。マイ・タイムラインは避難行動につながる重要なツールであります。  このマイ・タイムラインの作成には、まずは洪水ハザードマップが重要な資料となりますが、ところが、現在の世田谷区の洪水ハザードマップでは、自分の自宅の場所がどこなのか、また浸水レベルがわかりにくいなど、ハザードマップを見ても、いつ、どのルートを通り、どこに避難をするのかがわかりにくい、そんな洪水ハザードマップとなっております。これではマイ・タイムラインを自分で作成することは難しいと思われます。東京マイ・タイムラインは非常に有効と考えますが、講習会を受講しないと作成が困難な状態です。  そこで、洪水ハザードマップに、このマイ・タイムラインが作成しやすい情報の記載の工夫など、タイムラインの要素を入れることはできないでしょうか。区の見解を伺います。 ◎河野 副参事 東京都が作成いたしました東京マイ・タイムラインは、区民一人一人が水害からの避難に必要な知識を正しく理解し、みずからに合った避難行動をとれるよう、日ごろから風水害時の避難を考えるためのツールとして大変有効な手段と考えております。  東京マイ・タイムラインは、みずから作成する機会を通じて、危機感を持って風水害に備え、いざというときに慌てないで行動ができるように備えていただくことを期待しております。区では来年度に洪水ハザードマップを改定して全戸配布いたしますが、委員お話しのタイムラインの要素も含め、日ごろの備えとして、いざというときにしっかりと活用できるツールとなるよう検討してまいります。 ◆福田たえ美 委員 区民が水害から命を守る行動を起こすためには、この多摩川の洪水の浸水想定区域の地域ごとの情報提供が重要と考えます。実は、私も全国のハザードマップをいろいろ探しまして、これが大変有効だと思いまして、島根県美郷町というところから洪水ハザードマップを取り寄せまして、先ほど確認をとって、予算委員会で使ってもよろしいですよという確認はとりました。  これが美郷町の洪水ハザードマップです。冊子版にもなっておりまして、表面に写真が掲載されております。この写真は、この地域には、過去に浸水した形跡がございますということを、やはり、お伝えしなくては、避難をしようという行動につながらないという心理的なところも突いていると思います。  そして、中を開いてみますと、この中身が、自分の地域を、まず一つ一つ見られるようになっておりまして、この問いかけが、大変に心を動かすような言葉が書いてあります。例えば、港の地域の皆様ということで、この皆様へというような書き方をしておりまして、この地域は、土砂災害の危険区域も入っておりますよということで、通行のときには、この地域も注意して避難をしましょうというようなことで、要は自然とマイ・タイムラインがもう書かれているような形になっております。  ですので、多摩川の流域にお住まいの方々のそれぞれの町に、あなたたちはこういうふうな地域です、また、もう一つ橋がありますから、早目に避難しましょうというような問いかけがありまして、最後には、こちらもマイ・タイムラインが書けるような形になっております。  ですので、自分でこれを見ながら、避難行動を少しでも考えていこうと思われる方には有効な形になっております。町の人を守っていこうという気持ちが大変伝わってくるようなハザードマップでした。  このハザードマップが大変参考になりましたけれども、この水害の過去の歴史を忘れない、また、皆様に命を守ってほしいという、この思いをどう具体的にハザードマップに掲載していくのか、大変重要と思い、参考になりました。  このマイ・タイムラインを御自身でも作成ができるようなハザードマップ、これを世田谷区でも、この冊子タイプで、各町ごとの情報は掲載して、マイ・タイムラインの作成ページも設けた洪水ハザードマップの作成が大変有効かと思いますが、区の見解をお聞かせください。 ◎河野 副参事 委員お話しの冊子タイプのハザードマップは、多くの情報を掲載でき、また、地区ごとに分割したマップも掲載できるというメリットがございます。一方で、多摩川の洪水被害に関係する地区では、受け入れを行う避難所が広域に及ぶことから、避難所を記載するために一定程度の大きさを確保する必要があると考えております。  来年度、全戸配布いたします洪水ハザードマップは冊子タイプではなく、現在のタイプのように一枚のタイプで作成する予定です。しかし、掲載情報等がふえてきていることから、現在の洪水ハザードマップより掲載スペースをふやし、掲載内容を精査した上で、全体としてわかりやすく見やすいものになるよう検討をしております。  また、区の土砂災害ハザードマップについては冊子タイプで作成しております。冊子タイプの洪水ハザードマップについても、御紹介のありました他自治体の例も参考に、今後、検討してまいります。 ◆福田たえ美 委員 昨年、区内で開催された、東京都が主催のマイ・タイムラインの講習会は、玉川地域の一カ所にとどまりました。多摩川洪水浸水想定区域に住む方は約五万五千人です。この方々に、どうこのマイ・タイムラインのことをお伝えしていくのか、大変な課題が残っております。  昨年の議会で私から、区の職員が講習を受け、職員から地域住民の方々へお伝えするということを提案させていただきましたが、この東京マイ・タイムラインの周知をさらに図るべきですが、現在どのようになっているでしょうか。 ◎河野 副参事 都は、今年度作成いたしました東京マイ・タイムライン普及啓発の一環といたしまして、風水害に対する意識向上の取り組みをより地域に根差したものとするため、それぞれの地域の特性に合わせて東京マイ・タイムラインの作成方法などを地域住民に指導することができる中心的な人材を養成する講習会を開催しました。  当初、都は受講者を地域住民に限っておりましたが、委員からの議会での質疑を踏まえ、都のほうへ働きかけまして、都下の自治体職員でも受講できるようになったところでございます。都からは、来年度も東京マイ・タイムラインの講習会を開催する予定と聞いておりますので、区といたしましても、特に多摩川洪水浸水想定区域にかかる地域や、地区の防災を担う総合支所地域振興課の防災担当職員やまちづくりセンターの職員が継続して講習会を受講し、地域住民の東京マイ・タイムラインの作成を支援できるよう取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 最後に、昨年の第四回定例会で避難情報の収集の課題について、区の災害・防犯情報メールの配信サービスの登録者をふやす工夫を求めてまいりました。区立の小中学校を通じて、この災害・防犯情報メールの登録の御案内が行えないでしょうか。区の見解を伺います。 ◎河野 副参事 世田谷区の災害・防犯情報メール配信サービスは、ことし二月末現在で五万七百五十四名の方に登録いただいております。区では、さまざまな機会を捉えまして災害・防犯情報メールの登録を呼びかけておりますが、登録者数が伸びていないという状況がございます。  区立の幼稚園、小中学校では、あらかじめ登録された保護者の携帯電話等への緊急連絡メール配信を行っております。このメール登録の御案内を行う際に、あわせて災害・防犯情報メールの登録を御案内することは、防犯情報メールの存在を御存じなかった保護者の方へも周知を行える有効な方法と思われます。今後、教育委員会と連携いたしまして、保護者の方への災害・防犯情報メールの周知について取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 以上で終わります。  板井委員にかわります。 ◆板井斎 委員 私の持ち時間は、全て台風十九号関連の質疑をさせていただきます。  まず初めに、昨年十二月、台風十九号に関する住民説明会が開催され、そのとき、区側から支援制度等の案内が配布されました。これですけれども、議員の皆様にもポスティングされたものですけれども、この中の記述に、一定以上の浸水被害を受けた場合、住民税の減免や徴収猶予等がありますと記載されています。  にもかかわらず、ある被災者から、被災する前に一年分の税をまとめて納めた方、これは全期前納と書くのですが、その納めた方は減免の対象とならず、対象となるのは、発災以降に納期が来る第三、第四期の税を納めていない人だけだと納税課から言われたと相談がありました。税は四期に分けて払うので、発災があった段階で三期納めていなかった人、四期を納めていなかった人、四期は納める必要はありませんけれども、その方々だけが対象となるという説明です。  納税課長に確認し、改善を求めたところ、世田谷区では、納めた税金を返還したことが一度もないので、できないということでありました。これはどういうことかというと、要綱にしっかりと、私も見ましたけれども、書かれています。税の公平性に鑑み、全期前納者、一年分をまとめて支払った方ですけれども、その方は減免されず、期ごとに納めていた方、いわゆる普通徴収の方が減免される状況というのは、余りにもおかしいのではないかと私は思います。  そこで、総務省に確認すると、地方税法第三百二十三条に、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができるという規定があり、世田谷区の判断でできるという返事でした。これらを受けて減免を求めてきたところ、昨日ポスティングされましたけれども、全期前納者、一年分納めた方ですね、それと三期分を既に納めてしまった方に対しても減免に踏み切ると発表されましたが、改めて区の認識を聞きます。 ◎平原 納税課長 住民税の減免につきましては、所得額に応じた賦課徴収という税負担の原則に基づきまして、所得や損害の状況により、被災日以降の納期限に係る税額を対象に、税負担能力に応じた減免を行ってまいりました。そのため、今回の令和元年台風第十九号災害では、十月十二日以前に一括前納していた、あるいは九月末に第三期分の納付していたような場合には、減免処理要綱の、既に納付した税額は対象としないという規定に基づきまして減免の対象外としてまいりました。  しかし、今回の台風第十九号が激甚災害指定や災害救助法適用を受けた甚大な災害であり、区民や委員からの問い合わせ、他自治体の状況を踏まえ、被災前と被災後に納付する方との公平性を勘案しまして、被災前に納期限未到来分を前納した場合も減免対象とするよう、特例的に減免処理要綱を一部改正し、申請に基づき、さかのぼって減免することとしたものです。 ◆板井斎 委員 今の答弁だと、やはり見直しの経緯があったのですけれども、今答弁の中で、災害救助法適用というのは十月十九日で、激甚災害指定というのは十一月一日です。十一月一日の段階で床上、床下、一部損壊の戸数は約五百件近くにもなっています。加えて、十月二十一日には、総務省から地方税の減免措置に関する通達を世田谷区は受けていたはずです。生活再建で苦しんでいる多くの区民に寄り添った対応はなぜできなかったのか、私は、世田谷区は区民に余りにも寄り添っていない姿ではないかと思います。  ちなみに、今回対象としている人数というのはどのぐらい想定していらっしゃいますか。 ◎平原 納税課長 対象予定者数は、七十八人を予定してございます。 ◆板井斎 委員 七十八人は善良な区民ですよ。特に一年間分まとめて払ってくれるなどというのはね。そしてまた、災害があっても、その前に払ってくださったということは、そうすると、一年間まとめて払う人が損をして、期ごとに払う人のほうが得をするということになりかねないのですよ。  ですから、世田谷区は、この前納という制度がそもそもあること自体がおかしい、自己矛盾になると思いますよ。早く納めた人が損をするという、そういうことを行政みずからがつくり出しているということは、これは私は心外だと思いますけれども、この措置というものは今の答弁では特例というお話でした。今後、同程度の災害が発生しない限りは減免はしないのだと、そう受けとめられます。  これでは被災者間で全期前納者と、それから普通徴収者との不合理性は解消できませんし、今私が言ったように、だったらこの全期前納制度というものを、昔はなかったと聞いております。あったり、なかったり、これを繰り返しているようでありますけれども、一度なくしたけれども、また前納制を復活したという話も聞いておりますけれども、そうした税の公平性に鑑みれば、罹災証明書に定める一定の被害状況に応じて減免を適用するべきであり、それが被災者に寄り添った生活再建支援ではないかと思います。副区長に改めて見解を求めます。 ◎宮崎 副区長 今、委員から御紹介いただきましたように、今般の事例に即しますと、従前の要綱が、確かに還付しない向きの表現が入っていたと、これを適用したということでございますが、改めて委員、今御紹介いただきましたように、税の安定性という面はありますが、一方で、公平性という部分が、今の事例を御紹介していただきましたように、前納された方が、期を分けて払われている方と比較したときに、どのタイミングかでは、やはり公平性が失われているのではないかということを、やはり議論の中で出させていただきました。そういう意味では、結論から申し上げますと、そこに、公平性のほうを、やはり重視する意味でも、今般の部分については、この激甚指定を受けた、また、御紹介いただいたように災害救助法の適用を受けたという客観的な事例がございますので、その部分に即しまして、今般につきましては、今、納税課長のほうから御紹介申し上げましたように、今回の部分については還付対象とし、さらには減免対象という形で、それぞれの規定に則しまして対応していくと、このように考えたところでございます。 ◆板井斎 委員 そうではなくて、国が地方に宛てている通達とか、大阪府が国から受けた通達とか、それからQアンドAとかを見ると、既に一部または全部を納付している災害被害者に対しても税を減免し還付することは可能であると、また、担税力、税を担う力ですけれども、担税力がなくなったため減免する必要があると認めた者を対象とすべきという記載があります。  ということは、災害の大小とかではなくて、この災害は認める、この災害は認めないというのではなくて、全ての災害、また、罹災証明書を受けたその程度に応じて、その一定の被害を受けた方の担税力を判断して、そして、その減免あるいは猶予、延期というさまざまな措置ができるということが、総務省へ確認してきましたので、そういうことをしっかりと要綱に定めて運用するということが大事ではないですか。副区長、改めて見解を求めます。 ◎宮崎 副区長 今般の要綱につきましては、今回のこの対応につきまして、できるような形のもので一度改正をさせていただきたいと思っています。その災害と言われている部分についての範囲を含めては、なかなかこの通達を含めたところの実例に即したときに、判断が難しかったことも事実ございますが、やはり災害の状況とか範囲などを、今、委員からも御指摘いただきましたように、その都度判断をさせていただきまして、迅速に対応していきたい、このように考えております。 ◆板井斎 委員 その都度という言葉がありましたけれども、やはり区民に寄り添うという姿勢が本当に世田谷区にあるのかなということを、相談した方が、役所に相談したら、受け入れられないと言ったときの落ち込みようというのですか、それを考えたときに、私はもう少し早目に、さっき、激甚の指定を受けたのは十一月一日ですよ。そして、発表になったのはきのうですよ。そのときでも五百件以上浸水被害が出ているわけですから、もうちょっと早く行動をとっていただきたいと、きょうのところは要望にしておきます。  それから、先般示された風水害対策総点検をつぶさに見ると、数々の疑問が生じてきます。例えば、車両による避難者への対応においては、あらかじめ駐車可能な場所を確保するとの記述があります。今回、浸水被害があった地域住民からは、住宅浸水が防げないのなら、次回は車だけでも高台に移動させたいという話をたくさん聞きました。駐車可能な場所を確保するといっても、具体的な車両数を把握しているとはとても思えません。そもそも被災地域の住民が台風に対してどのような備えをしたのか、避難行動はどうだったのか、具体的な被災状況はどうだったのか、それらも全て総点検をした上で、実態調査をした上で、そして今回のように点検をし、対策を講じていくということが、まずは基本ではないかと思うのですが、なぜ実態調査をしなかったのか伺います。 ◎河野 副参事 区で把握しております浸水被害は、罹災証明発行等において住宅の浸水被害の件数として把握しておりますが、今、委員おっしゃったような車の被害状況、また、家財等の全般の被害や避難行動までは把握し切れておりません。被害の調査につきましては、被害全体の実態がわかるような調査方法、内容について検討してまいります。 ◆板井斎 委員 私から言えることは、今、東京都市大学は水害被害に遭ったのですけれども、今回、かなりの世帯にアンケート調査を実施しております。私のところへも届きましたので、書いて提出をしましたけれども、多摩堤通りと丸子川に囲まれた地域を対象に、台風十九号による避難・被災状況等に関するアンケート調査というものを実施しております。得られたデータは統計的に処理するとしています。  私も、その後で、どういう調査をどういうふうにするのかといろいろ調べたら、大学ですから、十項目にわたって数量的に、区の今後の対策にかなり役立つと思われるデータをしっかりと構築するということですので、世田谷区がやらなければ、大学と協力関係を結んで、それを次の機会に生かしてください。どうでしょうか。 ◎河野 副参事 委員お話しの東京都市大学のアンケート調査は、区も調査の準備段階から協力しており、分析結果の論文もいただいておるところでございます。さらなるアンケートの調査を準備中と伺っておりますので、大学のアンケート調査との連携も含め、今後も協議してまいります。 ◆板井斎 委員 よろしくお願いします。  また、住民説明会では、出水期前に具体策を明らかにしてほしいと。ここにお出での方も、直接声を聞いた方もいらっしゃるかと思いますけれども、私はその御意見をごもっともだと思うのです。ただ、この総点検を出すだけでは、やはり次に結びつかないと。住民がそれを受けて、どう行動するのかということにつながっていかなければ、全く点検する意味はないと思うのですけれども、そうした自助の力を引き出すような、また喚起するような、そういった総点検とし、そして、それを周知し、取り組む必要があると思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎河野 副参事 今回の風水害対策総点検を踏まえました避難所の指定などの新たな取り組みの区民への周知につきましては、まず、六月の出水期前までに「区のお知らせ」の特集やホームページ、ツイッター等、区の広報媒体による周知を図ってまいります。また、来年度は区全域を対象とした水防災に関する講演会の開催も予定しているほか、全戸配布を予定しております洪水ハザードマップにも今回の対応方針等の内容をしっかりと反映することで、いざというときに適時適切に避難行動をとり、身の安全を図っていただけるよう、自助意識の醸成に取り組んでまいります。  特に、今回被害のあった玉川、砧地域の多摩川洪水浸水想定区域にかかる地元町会・自治会に対しましては、総合支所と連携いたしまして、町会長会議等を通じて洪水ハザードマップの改定と今後の取り組みについて説明してまいります。 ◆板井斎 委員 対策をもうちょっと練ってやってほしいと思う答弁だと思うのですけれども、次に行きます。  タイムラインについて、先ほど福田委員がマイ・タイムラインという話でしたけれども、私はその前の防災行動計画について伺いますけれども、私は、このタイムラインのことを取り上げたのは、議会で一番最初に取り上げているわけですけれども、それは平成二十七年九月のここの決算委員会の場でした。そのときの答弁は、来年度、出水期の前を目途に作成してまいりますという答弁でした。四年間どうだったかと、全く取り組んでいなかったと。それが被害を招いたとは申し上げませんけれども、やはりつくると言って、つくっていないということは、大いに反省していただきたいと思います。  ですから、そういう風水害に備えた対策本部をつくっても、どういうような手順で、誰が何をどうするのかということが、全くの手探りの状況で、対策本部というのは開かれていったと私は思います。ですから、このタイムライン、もう一度、皆さんにとってはおさらいかもしれませんが、台風が発生してから上陸するまでの数日間を使って、事前に防災行動を行い、災害の防止や発災後の早期復旧を実現するもので、住民の命を守る、さらには経済被害を最小限にすることを目的に、いつ、何を、誰がの三つの要素を合い言葉にして、あらかじめ地域の防災機関が集まり、とるべき防災行動や行動時間、各機関の役割を細部にわたって規定したものですと。  世田谷区がつくると言っている防災計画というか、タイムラインを私も、見たというか、その資料はそんなにないのですけれども、想定するに、これはタイムラインではなくて、役所内のマニュアルにすぎないと私は心配するのですけれども、このタイムラインについての認識を伺います。 ◎河野 副参事 区は平成二十八年度に避難勧告等の発令基準を定めまして、伝達マニュアルを作成いたしました。そのマニュアルの作成にあわせまして、国土交通省京浜河川事務所と調整いたしまして、避難勧告に着目したタイムラインを策定し、伝達マニュアルとともに運用をしてきたところでございます。  また、国土交通省の京浜河川事務所は、昨年度に多摩川沿川の防災関係機関により構成される多摩川タイムライン高度運用検討会を設置いたしまして、防災関係機関の連携による洪水、氾濫からの被害軽減に資する多摩川タイムラインの策定に向けて検討会を重ね、令和二年度からの試験運用を行う予定となっております。  このたび区が作成いたしましたタイムラインは、昨年の台風第十九号の課題等を踏まえまして、特に一般的なタイムラインでは記載しない事後の対応や復旧・復興期までの対応を含め、区の風水害対応の全体を一連の対応として漏れのないように俯瞰してわかるように作成しております。  今後、京浜河川事務所のタイムラインとの整合を図り、警察、消防、鉄道事業者等とも検討を重ね、隣接区市ともしっかりとした連携をとり、ブラッシュアップしながら、実効性のある運用を目指してまいります。 ◆板井斎 委員 その関係機関とか、それから関係機関というのは自治体以外の関係機関、またそれから流域の自治体ともしっかりと連携をとってつくるものがタイムラインであって、これからつくるということは、やはりそれは庁内の行動のマニュアルにすぎないと私は思います。しっかりとブラッシュアップしていくということは大事でありますけれども、早急に関係機関との集まりを開いていただいて、日々更新するような内容にしていただきたいと。そうしないと、出水期はもう目の前に来ていますから、よろしくお願いいたします。  次に、エリア情報の発信について伺います。  今回の内水被害が発生した最大の要因というのは、皆さん御存じのとおり、水門の開閉です。十八時十分、区はツイッターで、下野毛排水樋門、これは世田谷記念病院のところにあるのですけれども、閉鎖することを示唆し、十九時六分に閉鎖しました。また、矢沢川の排水樋管は二十時に閉鎖していますが、その情報は全く発信されていません。もちろん等々力排水樋門が閉鎖できなかった情報にも触れておりません。  水門の閉鎖は命にかかわる情報でありながら、伝えられなかったことに、被災者から非難の声が上がっておりますし、私も数多く聞きました。さきの決算委員会で水門、樋門の開閉情報はもとより、水門の閉鎖に伴う危険性を周知しなかったことを区長に質問したところ、避難指示を出した後の出来事だったというかみ合わない答弁だったのですけれども、この水門、樋門の閉鎖などエリアで発生している危険性を早く適切に情報として発信する仕組み、そして、その情報に基づいてとるべき行動をしっかり伝えることが何より重要ですが、情報発信のあり方について見解を求めます。 ◎河野 副参事 委員お話しのとおり、今回の台風第十九号では、十月十二日十五時四十分に多摩川洪水浸水想定区域内の方を対象に、多摩川の洪水に関する避難勧告、警戒レベル四を発令し、避難を促しておりましたが、多摩川の水位上昇に伴い排水が困難となり、逆流の可能性も生じたため、十七時十七分と十八時十分に野毛二丁目三十番先にある下野毛排水樋門と野毛一丁目一番先にある玉川排水樋門の閉鎖をすることと、あわせまして浸水のおそれがあるために、改めて避難行動をとるよう、ツイッターにより情報発信をしたところです。しかし、水門を閉鎖したことについては情報を発信しておらず、丁寧な発信が必要であったと認識しております。  今後、台風第十九号に伴う浸水被害検証委員会による浸水発生メカニズム等の検証結果、最終報告を踏まえまして、水門に近い低地で、浸水が早く発生するエリアに対して、きめ細かく情報発信ができるよう、現場の水門操作による影響を速やかに本部に報告する職員間の情報共有の方法、ホームページやツイッター等の区の情報発信手段による地域住民への情報発信の仕方、また、地域を限定した防災無線の情報発信等、地域の避難行動に結びつく取り組みについて土木部、総合支所と連携して検討してまいります。 ◆板井斎 委員 水門、樋門については、またの機会に掘り下げて質問したいと思いますけれども、私の持ち時間の関係で、ちょっと飛ばして質問します。  野毛町公園のことについて質問しますけれども、台風十九号の被災状況を考えると、多摩川洪水浸水想定区域に近く、浸水被害がないと言われている、この野毛町公園です。今、拡幅の事業を行っていますけれども、ここに防災ステーションとしての活用機能を入れることを求めます。具体的には障害者や高齢者の避難所機能、今後新たに購入する排水ポンプ車やボートなどの保管機能、職員が作業する拠点機能、災害に必要な備蓄品を納める備蓄機能などが考えられます。公園についてはワークショップも行われておりますし、また、いろいろな、この公園に求める声を私も数多く聞いてきております。やはり公園というものは憩いの場と同時に、災害時にとっては拠点となる施設ということもしっかりとかみ合わせると、そうした機能を持たせるということを最優先にすべきと思うのですけれども、現状の認識を伺います。 ◎宮崎 副区長 今、玉川野毛町公園の状況につきましては委員から御紹介いただいたとおりですが、この基本計画骨子で示す防災機能の中で、既存開園区域は広域避難場所であることから、その拡張を行うこと、それから緊急輸送道路である環状八号線の活用の観点から、新たな広域用の防災倉庫の設置を今現在検討しているところでございますが、ただいま委員から御紹介いただきましたように、その機能の高め方につきましても当然検討すべきだと思いますので、至急それについて指示していきたいと考えております。 ◆板井斎 委員 機動性を持って災害に対処できる基地となると思いますので、御検討をお願いして私の質問を終わり、平塚委員にかわります。 ◆平塚敬二 委員 私のほうからは、本年度が二〇一五年に国連で採択されました、二〇三〇年までに達成する目標であります持続可能な開発目標、SDGsを初め、地球温暖化対策の新たな国際的な枠組みでありますパリ協定の発効など国際社会の動きや、国や東京都とも連携して、世田谷区としても環境施策に全力で取り組まなくてはならない年でありますとともに、公共施設の管理においても、限られた財源で効果的で効率的な管理が求められています。
     そこで、一月に発表されました世田谷区公共施設等総合管理計画一部改訂を見ますと、昨年八月時点で、公共施設に係る経費が年平均で約六百三億円となって、重点方針に基づく経費の抑制に取り組むことによって年二十三億円の削減を図って、十二月の再シミュレーションでは年平均経費を約五百八十億円としております。  また、その重点方針2の効果的・効率的な公共施設整備の徹底においては、官民連携手法の導入と、維持管理経費の抑制が掲げられています。そこで、区役所全体のエネルギー使用量の削減について考えてみたいと思います。  一つには、公共施設の高効率照明の改修です。つまり、照明のLED化について伺ってまいりたいと思います。二月三日に示されました新実施計画の進捗状況によりますと、公共施設高効率照明改修実施は令和元年度の当初計画では、九施設のところ、実績は十一施設となっています。では、トータルで世田谷区内の施設はどこまで完了しているのか、まずお聞きします。 ◎髙野 公共施設マネジメント推進課長 区の公共施設につきましては、老朽化に伴う照明器具の安全や省エネルギーの観点から、平成二十五年度から平成二十七年度にかけまして、光熱水費削減効果の高い低圧受電の施設について、順次LED照明器具への交換など高効率設備に更新をしてまいりました。さらに、改築や大規模な改修工事に合わせまして高効率設備への更新を進め、借り上げ施設や事業委託施設など除きまして四百一施設ございますが、そのうち百六十六施設にLED照明、四十九施設に高効率蛍光灯を導入しております。これらのLED化などを進めることで、従来の蛍光灯を使用している施設は現在百八十六施設となっております。 ◆平塚敬二 委員 今、百八十六施設まだ残っているということですので、何年かけてその百八十六施設を改修する計画なのか、施設の建てかえだけではなかなか進まないと思いますので、区の見解をお聞きします。 ◎髙野 公共施設マネジメント推進課長 従来の蛍光灯を使用している施設については、工事の効率性や費用対効果の視点も踏まえ、空調、内装などの改修工事や改築の際に高効率設備へ更新を行っております。今年度は新実施計画の進捗状況の実績でお示ししている総合福祉センターなど十一施設について、改修工事と一体でLED照明器具への更新を実施し、改築の五施設と合わせまして十六施設で更新をしております。LED照明器具を早期に整備することは、エネルギーの使用量やCO2排出量の削減、経費抑制につながる有効な取り組みであると認識しております。引き続き予算などの状況を見据えながら、なるべく早い時期のLED照明器具への更新に取り組んでまいります。 ◆平塚敬二 委員 今のお答えですと、なるべく早い時期でのと、長期の計画がないということなのですよね。私は今回ここで甲州市の例を紹介したいと思うのですけれども、甲州市では平成三十年度に甲州市地球温暖化対策実行計画に合わせてLED照明の導入を進めています。同計画では、CO2排出量を令和四年度までに平成二十八年度比で一〇%削減を目標として立てました。またそこで、本庁舎にある約千八百灯の照明を一度にLED化するため、初期費用を複数年度で平準化できる賃貸借方式を活用して、五年間の賃貸借契約を結んで一度にLED化を実施しました。その結果、杉の木で換算すれば七万本分の樹木に相当するCO2削減を達成と。今後は本庁舎以外でも賃貸借契約方式でLED化を進めてCO2削減を目指すそうです。  この賃貸借方式によるメリットは五つあります。一つには、高額な初期費用を抑制して事業を一度に進めることができること。二つ目には、電気料金の削減分をその賃借料に充てることができること。三つ目には、契約期間中のメンテナンス費用は一切かからないということです。四つ目には、契約終了後は賃借料がかからなくなりますので、丸々削減できるということです。五つ目には、省エネ効果の高い最新式のLEDをその時点で導入できること。ただし、ある程度のスケールメリットがないと、民間は契約されないと思いますので、世田谷区で今残っている施設が小規模施設だということでありますので、そうであるならば、幾つかの施設をまとめて契約するような取り組みも必要かと考えますが、今後の公共施設のLED化において、賃貸借方式で一括で交換することを求めますが、区の見解を伺います。 ◎髙野 公共施設マネジメント推進課長 公共施設等総合管理計画では、民間の資本やノウハウ等を積極的に取り入れる官民連携型整備や高効率設備の導入を推進することとしております。経費の平準化も意識しながら、エネルギー消費量の削減と整備費及び維持管理経費の抑制を図ることが大変重要と認識しております。委員御指摘の賃貸借方式によるLED照明器具の導入についても、他の自治体の事例を参考に、事業者へのヒアリングを行うなど、調査を進め、より効果的で効率的な整備手法を検討してまいります。 ◆平塚敬二 委員 これはぜひとも進めていただきたいと思います。甲州市の例で紹介しましたけれども、世田谷区の蛍光灯は、このままですと百八十六施設残っています。何灯あるか実は確認したのですけれども、数はわからないということなのですね。この百八十六施設であれば、甲州市は千八百本ですよ。これはかなり多くの本数が残っていると私は思いますので、それであるならば、官民連携と言うのであれば、民間の提案を、プロポーザル方式でもいいですので、効果的、効率的に、本当に募集していただいて、ぜひとも早急にLED化を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、次に、区全体の資産管理においてファシリティーマネジメントについてお伺いします。ファシリティーマネジメントとは、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会のホームページを見ますと、企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動のことです。  つまり、ファシリティーである土地や建物、構築物や設備等を全て経営にとって最適な状態、コストを最小に、効果を最大に保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営活動です。  また、この経営組織の中で事業を支える四つの機能分野、人事、ICT、財務、ファシリティーマネジメントは、経営を支える基盤として位置づけられています。機能戦略にのっとった方針と施策により、事業を底支えする四つの経営基盤のうちの一つとされていますが、まずはこのファシリティーマネジメントについて、区の認識をお伺いします。 ◎岡部 副参事 区は土地、建物、設備など多くの資産を保有してございますが、区の公共施設の多くは、高度成長期を中心とした時期に整備しており、今後三十年の間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎えます。さらに、この間、施設の整備、維持管理費は上昇しており、区民の活動の場を確保し、新たな施設需要に対応していくためには、経営的な視点に立った総合的なマネジメントが不可欠であると考えております。ファシリティーマネジメントは、こうした厳しい財政状況下で、自治体経営に欠かせない考え方であると認識しておりまして、公共施設等総合管理計画にその要素も取り入れてございます。 ◆平塚敬二 委員 この管理計画に要素を取り入れているということですけれども、このファシリティーマネジメントと、伝統的な施設管理である管財や営繕との違いは、維持、保全だけではなくて、よりよいあり方を追求するところにあります。また、よりよいあり方には、既存のものだけではなくて、新しく利用し活用するもの、そういう資産も全部対象となりますので、先ほど例に挙げましたLED化もそうだと思うのですね。  この活動の方法としては、ICTを初め固有技術・手法を活用して、さらに三つのレベルで現実的な対応ができる総合的な経営活動です。  一つには、経営にとって全ファシリティーの統括的で最適なあり方を求める戦略・計画のレベル、二つ目には、ファシリティーの最適な状態への改善を図る業務管理レベル、三つ目には、日常の運営維持への合理化、計画化、定量化を目指す実務レベルです。これらの三つの活動は、事業体の置かれた状況に対応して、実務に身近なところから取りかかることができる活動です。区の現状の取り組みをお伺いします。 ◎岡部 副参事 区ではこれまで、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の長寿命化や複合化、多機能化、売却、貸し付けなどの取り組みを進めてまいりました。具体的には、建物整備を行う場合の事前協議など、計画推進の実効性を担保する仕組みを構築し、施設総量や経費の抑制を図るとともに、複合化など施設マネジメントの徹底により余剰地を生み出し、代沢まちづくりセンター跡地は保育施設整備の条件を付した売却、上馬まちづくりセンター跡地は小規模保育事業及びおでかけひろばの条件を付した貸し付けなどに取り組んでまいっております。  また、施設資産を最大限に有効活用するために、区が保有、管理する施設の概要やコストを施設別行政コスト計算書としてまとめ、ホームページ等で公表しております。データを一元的に管理していく見える化をしたことで、公共施設の運営改善や整備手法選択などの際の判断材料とするとともに、職員や区民の施設コストに対する理解促進を図ってございます。 ◆平塚敬二 委員 また、さらにファシリティーマネジメントの活用によって期待される効果は六つあるのですけれども、一つには不要な施設、不足な施設、不適当な施設の使われ方が明らかになって、経営にとって最適なファシリティーのあり方が示されること。二つ目には、ファシリティーの改革、有効活用によって経営の効率が最高度に向上すること。同時に、施設関係費用を最小に抑えることができます。四つ目には、区民の方や職員の方のファシリティー利用者にとっての快適、魅力的な施設を実現するとともに、組織、社会へ貢献すること。五つ目には、安全安心で省エネルギーを実現し、コスト低減とともに環境問題、事業継続性にとって効果的な解決手段となります。六つ目には、このファシリティーを通じてモチベーションの向上、イノベーションや働き方改革へ貢献することができるということですけれども、世田谷区においても従前の管理方法にとらわれないで、もっとこのファシリティーマネジメントを取り入れて、より効果的な施設管理をすることを求めますが、区の見解を伺います。 ◎岡部 副参事 区の施設の多くが老朽化し、改築や大規模改修を必要とする時期を迎える中で、区民の活動の場を確保し、新たな設備需要に対応していくためには、ファシリティーマネジメントを取り入れた公共施設の効果的、効率的な管理が必要でございます。そのために、今回お示しした公共施設等総合管理計画の一部改定素案に掲げる三つの重点方針について着実に進めてまいります。持続可能な公共施設の維持管理に向けまして、今後も営繕、都市整備部門、財産管理部門など、連携体制のもと、総合的な公共施設マネジメントに取り組んでまいります。 ◆平塚敬二 委員 企業では既にこのファシリティーマネジメントを取り入れて、先ほど私が例を挙げましたけれども、蛍光灯の一本一本までしっかり管理しているのですよね。今回聞いて、私はびっくりしたのですが、まだ管理できていないですよ。しっかりとそういうものも管理して、区の資産は区民の資産ですので、しっかりと効率的な管理をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、防災協定の総点検について伺います。  昨年の七月三十一日現在の防災協定を見ますと、他自治体や町会・自治会、各種団体や企業など、さまざまな防災協定が結ばれていて、その数は三百三十四番までありました。そこで、この協定内容はどのように確認されているのか、確認している頻度とその担当をまずお尋ねします。 ◎前島 災害対策課長 災害時協力協定は、庁内の災対各部におきまして所掌する協定の連絡担当者の相互確認を毎年度当初に行うとともに、協定内容の検証及び見直しに取り組んでおります。必要に応じまして内容の修正や実施細目の制定、協定の再締結などの作業を進めております。 ◆平塚敬二 委員 また、次に、いつ起きてもおかしくない災害に備えて、実効性のある協定にしていただきたいと思うのですけれども、そのときのための通信手段の確認をさせていただきます。先日、協定を結んでいる団体の方から御不安があるとのお話をいただきました。その団体の中では、いざというときのためにPHSを確保して、団体内の連絡は確保していると。しかし、この携帯電話やメールが不通になった場合の区との通信手段が決まっていないということだったのですね。私は、この担当している各部署との対応策として、事前にそういうことをしっかりと確認する必要があると考えますが、区としての見解をお伺いします。 ◎前島 災害対策課長 委員御指摘の点も踏まえまして、庁内で災対各部が協定団体の連絡先の確認を行う際に、連絡担当者や電話、メールなどの連絡ツール等を明確にして動くことや、加えまして、その連絡ツールが使用できない場合の対応なども具体に確認するよう呼びかけまして、今後も協定が社会状況の変化に対応するものであるか、不断に見直しながら、近年多発します実災害に即した実効性のあるものにするよう、災対各部とともに取り組んでまいります。 ◆平塚敬二 委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思うのですね。私、聞いた時点で、本当に連絡がとれるのか、とれないのかと不安だと、そういうお話をいただいていますので、しっかりと進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後に、官民連携について伺っていきたいと思うのですけれども、令和元年度の官民連携による取り組みの実績とその検討状況については、民間提案型による取り組みは、相談件数百四十四件、実績件数が五十九件、検討継続件数が六十八件とかなり具体化されていることはわかります。また、区から行政課題を提示した取り組みでは、テーマ設定型では、実績案件が三十六件、サウンディング調査の提案者数も十九事業者と、かなり民間の協力がいただけていると考えるのですけれども、区ではこの現状をどのように分析されているのか、まずそこをお聞きします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今御紹介いただきましたように、民間との連携なのですけれども、徐々にふえてございます。この実施計画の四年間は、まず数をふやしていくと、その上で浸透を図るということを狙いにしておりまして、そこに沿って取り組みを進められていると感じております。行政課題を解決する手段として、庁内職員のほうも民間の知見を活用するという選択肢はだんだんと定着しつつあると分析してございます。今後は、件数だけではなくて、連携が区政の問題解決にどう生きるのか、区民のためにどう役に立つのかと、質と効果を高めることが重要であると考えておりまして、さらなる内容の充実に努めたいと考えてございます。さまざまな形の連携事例を蓄積して、全庁のノウハウとして共有しながら、連携の横展開で、今やっていない部署にも展開を図っていくということに取り組みたいと思ってございます。 ◆平塚敬二 委員 そうですね、この官民連携で私がすごく疑問に思っているのは、実は今一番の話題になっていますふるさと納税なのですね。なぜ民間のノウハウを、もっと知恵を活用しようとしないのか、本当に不思議に思えてなりません。また、品物で対抗するのはもうやめということであれば、体験型の企画など、民間のアイデアをしっかりと活用するべきではないかと考えています。  ここで私はいろいろ調べてみました。他のサイトを見ますと、例えば君津市では寄附金を十四万円していただくと、会員制の貸し農園半期会員になれますと。都心から一時間、豊かな自然の中で体験型リゾートの農園、フルサポートつきなので安心だそうです。世田谷区にも農業体験農園は六カ所あります。区画数では全部で百三十五区画あります。三月から翌年の一月まで四万五千円から八万円と利用料は違いますけれども、都内から君津まで通うことを考えれば、世田谷区に借りても、私は全然いいと思うのですね。君津は半年で十四万円ですよ。そう考えますと、世田谷へ納税していただければ優先的に貸しますよぐらいな、こういう企画はあってもよいと思うのですね。また、ファミリー農園というのも世田谷にはあります。もっと安価で借りられるようになります。この納税に対する優先権を考えれば、もっともっといろいろなことが考えられるのではないかと。  もう一つ例を挙げますと、茨城県の境町では、平日限定で水素自動車体験があります。三万円以上の寄附で実施しますと。特典つきでペアのお食事券やお土産、また博物館の入場券などがセットになっていて、約三時間程度、近隣の名所を水素自動車で回る試乗体験ツアーです。世田谷区にも水素自動車は一台ありますよね。この水素エネルギーの利活用を体験していただく機会の提供などを考えれば可能だと思うのですよね。  こういった、ほかのサイトを見ると、ただただ品物で勝負しているだけではないのですね。知恵を使って、こんなことを体験できますよ、ぜひ納税してくださいということをやっているのですけれども、もっとものではなくて、体験型の企画を、区民にでも広くお願いをして、民間の知恵をかりるということを考えたらよいと思うのですけれども、見解をお伺いします。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 体験型記念品について今御紹介いただきましたけれども、区の魅力の再発見ですとか、区政への理解と参加、そういったことにつながっていくものだと理解してございます。ただ、昨年六月の法改正に伴いまして、いわゆる対価を受けて提供する体験については、例えば有料のイベントの無料招待みたいなことをやってしまいますと、それは区民に提供できなくなりますので、お話にあったような優先権のようなものとか、そういった工夫をしていく必要がございます。そのような工夫をするに当たってですけれども、民間企業の方の提案をいただけば、いろいろなアイデアは出てくるかと思いますので、今後そういった募集をしていきたいと考えてございます。 ◆平塚敬二 委員 ハーフマラソンみたいに優先権を与えますよというのもありますから、ぜひとも進めていただきたいと思います。どんどん出ていく、出ていくだけではなくて、しっかりと世田谷区にもこんないいものがあるのだよというものを紹介していただいて、ふるさと納税していただけるような取り組みをお願いして、公明党の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 世田谷立憲民主党社民党、企画総務所管の質問を始めさせていただきます。  私からは、世田谷区におけるSDGsに特化して質問させていただきます。これまでも多くの会派がSDGsを推進するよう議会で取り上げてきました。  まず、区のSDGs観点における女性の管理監督者のあり方について伺います。  SDGsにおける女性管理監督者比率の意味合いは、ゴール5、ジェンダー平等、8、働きがいのある仕事と経済に関係いたします。公務労働における女性のあり方、そして区政の意思決定に関連する多様な担い手の育成という意味で重要であると考えられます。そこで、各種行政計画を確認してみました。  行政経営改革十の視点について伺います。庁内における女性の管理監督者のあり方については、行政経営改革十の視点、二〇七ページにありますが、ここに基づく取り組みの中の執行体制の整備における人材育成施策の推進に関連すると思われます。しかし、これを見る限り、現状では全く女性職員関係、特に管理監督者の人材育成に関する事業については、具体的に記述がありません。今後の人材育成施策の推進の中に、女性職員、特に管理監督者の人材育成を位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 女性職員の人材育成についてでございますが、一人一人の女性が個性と能力を十分発揮いたしまして、意欲を持って働くことができる環境づくりは大変重要でございます。特に区における女性職員の活躍は、区の意思決定過程への女性の参画を拡大するといった多様性を尊重する区にとって欠かすことができない重要な意義があるものと認識しております。  お話の新実施計画後期におきましては、行政経営改革十の視点に基づく取り組みの一つとして、執行体制の整備を掲げ、人材育成施策の推進を取り組み項目としておりますが、人材育成の取り組みは、女性職員に関するものも含めましてさまざまございまして、人材育成施策の推進は、それらをまとめて包括的に示したものでございます。  女性職員の人材育成につきましては、現在、女性職員の活躍推進などを目的といたしまして、令和二年度を初年度とする特定事業主行動計画を策定しているところでございまして、この中で、女性職員のキャリア形成や働きやすい職場づくりなど、具体的な取り組みを計画しているところでございます。区といたしましては、これらの今後の取り組み状況を十分踏まえた上で、次期実施計画の策定などの機会などを捉えまして、女性活躍の視点から御指摘の趣旨について検討してまいります。 ◆中山みずほ 委員 今出ました特定事業主行動計画についても確認させていただきました。女性管理監督者比率は、具体的な指標として、この特定事業主行動計画に今示されて書かれております。ここには目標が、五つ計画目標がある中の五番目に、管理監督的立場における女性職員の割合は三七%以上という目標が掲げられています。また、先般報告がありました新実施計画後期の進捗状況では、事業番号三〇五、男女共同参画の推進の中に、令和三年度末までに三七%を目指すと、そして、今、平成三十年度現在で三五・七%まで達成していると。この数値を見る上では、順調に達成していると私は思います。  しかし、世田谷区の指標設定の仕方は、管理者と監督者を合算した比率になっています。つまり、部長、課長、係長級、これを合算したものを指標とされて、目標ともされています。ところが、一方で、国の指標を確認しました。内閣府のほうでは、各自治体のそういった女性管理職の分布をマップ化したり、一覧にしているものがあるのですが、その中は部長、課長級、いわゆる管理職の合算を指標としています。  国と、この世田谷区の指標に差異があるということに気づきました。国が当初掲げた二〇二〇三〇、もう忘れられている感もあるのですが、二〇二〇年までに女性管理職を三〇%にするという目標もありましたが、ここで示しているのは、政策立案へのプロセスや意思決定の場で女性比率を上げるという意味でありまして、国がとっている指標のほうが実態を捉えていると考えます。  そこでお伺いします。なぜ計画目標に、監督者も指数に入れたのでしょうか。監督を入れることで何を把握しようとしたのか。また今後、部長・課長比率の目標も示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 お話の特定事業主行動計画では、計画目標といたしまして、管理監督的立場における女性職員の割合を定めております。この目標は、当初の男女共同参画プランの政策・方針決定過程への女性の参画を推進する数値目標の指標に合わせて設定いたしまして、整合をとったものでございます。  また、区におきましては、現在、管理監督者層の職責の高まりなどから、昇任意欲の醸成が課題となっておりまして、管理監督者層の女性職員の割合を目標とすることは、こういった側面から経年変化を捉える利点もあると考えております。こうしたことから、策定中の次期行動計画につきましても、管理監督的立場における女性職員の割合を目標として設定することを予定しておりまして、目標値は区の現状を評価分析した上で、現在の三七%以上から四〇%以上として、三%引き上げることを検討しているところでございます。  区といたしましては、管理監督的立場における女性職員の割合を計画目標としておりますが、今後も部長級、課長級、係長級、また、管理職、管理監督者といった各役職段階の女性職員の割合を公表いたしまして評価分析するとともに、国が掲げる女性管理職三〇%を念頭に、区としての目標値のあり方についても検討してまいります。 ◆中山みずほ 委員 今、御答弁いただきまして、今の管理監督的立場における女性の目標を上方修正されると、三七%から四〇%にするということは大変すばらしいことだと思います。  一方で、地方公務員における女性活躍・働き方改革推進のためのガイドブックというものが総務省から出ております。これは、一番最初にまず「はじめに」というところに書かれているのが、女性活躍・働き方改革を進める際には、職員の福利厚生のためだけではなく、地方公共団体の経営戦略として、危機感を持って取り組んでいただきたい、危機感を持ってと、まずここが冒頭にあります。  さらに、女性活躍推進法のことが書かれているところですが、女性が就業継続を図るだけでなく、時間制約のある時期も能力発揮が可能となり、その後のキャリア形成についても前向きな選択ができるようにするという取り組みについての一つの成果指標が、女性管理職比率と明確にうたわれております。ここには「監督」は入っておりません。  さらに、今の公務員における女性活躍の状況なども書かれておりまして、子育て中の女性職員の役割・仕事が限定され、キャリアの道筋が見えにくくなっている状況は民間企業に共通しています。団体によっては、女性職員の就労継続のあり方として、いわゆるマミートラックが定着し、そのことに疑問を抱かない向きも出てきているということが書かれております。  世田谷区において、この疑問を抱かない状況になっているのかどうかは、私は定かではありませんが、まず、今ここに示されているように、成果指標、女性管理職比率で、ちょうどたまたま今度の特定事業主行動計画、来年改定ですよね。ここにこの指標も一つ入れることは検討できないでしょうか。 ◎大塚 人事課長 今御指摘いただきましたけれども、先ほど御答弁させていただいたとおり、この成果指標については、管理監督的立場における女性職員の割合ということで、男女共同参画プランに整合をとっているというような状況でございます。  女性管理職については、この間、昇任意欲の醸成について、ますます高めていくというようなことについて課題であると考えておりますので、まずはそこの昇任意欲を高めた上で、女性管理職をふやしていくということで、数値目標については、国の三〇%ということがありますので、そちらをまず意識しながら、数値目標についてのあり方について考えていきたいと考えております。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ国の指標、これも目標に入れていただいきたいと要望します。  次に、世田谷区政におけるSDGsの推進について伺います。  まず、人材育成についてです。昨年六月の第二回定例会で私がSDGs推進について質問させていただいた際、政策経営部より、庁内の教育研修から始めるという御答弁をいただきました。この件を引き続き伺います。今後、SDGsの観点からの施策形成においては人材育成が必須となります。今後の研修計画において、階層別にどのようなカリキュラムを組んでいくのか、包括性、アウトカムとしての持続可能性、地域内での協働など、SDGsを目指すべきものを含んだ研修及び研修体系の設定が必要になると考えます。この点についてどのように考えますでしょうか。 ◎松本 政策企画課長 SDGsの十七の目標達成に向けましては、行政だけでなく、区民、事業者と目標を共有し、参加と協働による取り組みを進めることが重要です。そのためにも、職員一人一人がSDGsの視点を持って各施策を捉えることができるよう、研修などによって庁内の理解促進を図ることが必要であると考えています。  まずは施策の意思決定にかかわる管理職員を対象に、SDGsに関する基礎的な知識の獲得のほか、先進自治体の取り組みや、SDGsの視点に立った地域内での協働など、区政運営を考える機会を設けてまいります。管理監督的立場にある管理職がSDGsの視点を持つことにより、区の施策形成や組織運営に影響を及ぼし、職員一人一人の意識啓発にもつなげられると考えております。さらには、各施策の実施や計画策定など、実務に携わる職員も含めた研修についても検討し、庁内全体の意識を高めてまいります。SDGsの目標達成の年であります二〇三〇年を見据え、職員がさまざまな場面で十七のゴールを意識し、区民、事業者とも目標を共有して、持続可能な区政運営に取り組んでまいります。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ研修を進めていただきたいと思います。  次に、今御答弁にありましたように、行政だけでなく、区民、事業者とも目標を共有し、事業者ともというところが二回ありました。  そこで、もう一点伺います。SDGsを区内経済に浸透させる手法について確認します。事業や各施策にSDGs視点を持つことも大変重要ですが、もう一点、公共調達におけるSDGs視点もとても大事ではないかと私は考えます。  例えば、入札手法の一つに総合評価方式があります。総合評価方式は、価格のみで事業者を決定するのではなく、価格以外の要素を含めたもので、導入メリットなどが世田谷区でも、このようにまとめられています。ここを確認いたしますと、五番、世田谷が実施する総合評価方式の落札者決定基準概要の中の項目に、地域貢献評価点の評価項目、配点というのが書かれております。  ここには三つ示されていまして、一つが、災害時協力協定の締結、これだと二点、二つ目、災害時協力協定に準ずる協定の締結、これで二点、最後に、本店所在地、世田谷区に本店があるということで二点、このような項目が示されているわけですけれども、ここにも、今回は、私のほうからは、そこに環境への配慮、多文化共生への配慮、ジェンダー平等などの項目も検討し、SDGs的視点を追加することも重要なのではないかという御提案をさせていただきたいと思います。  ここに追加することで、SDGs的観点を持った事業者に経済的なプライオリティーを与えることができると考えますが、いかがでしょうか。 ◎渡邉 経理課長 総合評価方式ですけれども、委員御紹介ありましたように、入札価格のみで落札者を決定するのではなく、価格以外の要素も含めて総合的に評価し、最も高い評価の者を落札者とする入札方式でございます。区においては、入札価格のほか、過去の工事実績、配置予定技術者の資格と実績、今、委員御紹介ありましたように、災害時協力協定などの地域貢献を点数化しまして、その合計点により落札者を決定しており、原則としましては、予定価格が二千五百万円以上の工事の案件の中から難易度の高いものなどを抽出して実施している現状でございます。  総合評価方式は入札手法の一つでありますので、その評価項目は、客観性があり、裏づけが得られるもの、また、具体的に点数化できて、価格以外の要素として評価できるものでなければならない、このように考えてございます。こうした観点では、御質問のSDGsの項目を総合評価方式の評価項目とするには、統一的で普遍的な評価方法がまだ確立されているとは言いがたいと考えてございまして、入札としての競争性、公平性、公正性の観点も含め、また、先進的な事例などを参考に、今後検討すべき課題と考えてございます。 ◆中山みずほ 委員 今の御答弁を伺う限りでは、まだ入札という段階においては、評価を確立するまで時間を要すると受けとめました。ただ、とても大事な視点だと思うことだけはお伝えしたいと思います。SDGsは環境問題だけではないということを示したいという事例でございます。  では、ちょっと角度を変えて、事業者決定後、このような取り組みの中で、何か導入できることはないでしょうか。 ◎渡邉 経理課長 現在、区では、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の遵守や区の環境方針等への協力など、各所管課で取り組んでいる政策などについて契約書の特記事項として、相手方の履行を求めてございます。また、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例においては、事業者の責務等について留意するよう、依頼文とともにリーフレットを契約書に添付し、それぞれ各所管課の要請に応じまして、契約の相手方に対して行っているところでございます。こうした担当所管においてしっかり事業者に求めていこうという取り組みにつきましては、契約所管である経理課としても、やはりしっかりと連携しながら、引き続き実施してまいります。 ◆中山みずほ 委員 今既にもうSDGs云々ではなく、とり行われていることもあるということの確認もできました。ただ、やはりこれをSDGsと一回意識しながらやっていただくことで、今既に行われていることも改めて整理して、より実効性のあるもの、例えばリーフレットをつけるだけで、果たしてそれが、実効性があるかということは、ちょっと疑問もあります。なので、ぜひここはもう少し、一歩進んだものをしていただきたいと思います。  例えば東京二〇二〇、あの調達コードというのが示されておりますが、これは持続可能性を事業者にも求める、かなり強いものが明文化されています。ことしオリパラ、オリンピック・パラリンピックもあるこのタイミングですので、一度見直していただけたらとお願いしたいと思います。  今、各課からの御答弁、それぞれのセクションごとに考えていらっしゃるSDGs視点を伺ってまいったのですけれども、やはりこのセクションごとでいくと、なかなか日常の業務の中では限界もあるなと。浸透はしても、実効性というところでは、二〇三〇年、あと十年ですので、ちょっとスピード感がもう少し求められるかなと思っております。  その上で、もっと高い視点も必要かなと思いまして、最後に中村部長に伺いたいと思います。政策管理部としては、新実施計画においても、SDGs視点を持つことが大切と考えております。きょうは、かなり力を入れていきたいと私が考えております、この女性職員のあり方、ここについて一つ質問をしたいと思います。  この女性職員のあり方、意思決定の場に女性をふやすこと、ここを区の経営戦略と位置づける必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎中村 政策経営部長 冒頭、委員からお話ありましたとおり、ジェンダー平等の実現というのがSDGsの十七の目標の一つですけれども、各国のSDGs達成状況をレポートするSDGsインデックス&ダッシュボードによりますと、日本が一番低いレッドの評価を受けているという状況です。また、昨年十二月に発表されました世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数、報道でも広くされましたが、日本は百五十三カ国中百二十一位と不名誉な結果となっていると考えています。  性別を問わず、能力実証による採用を前提とした公務職場、特に世田谷区役所では、優秀な女性職員がたくさん活躍しているのではないかという実感を持っていますけれども、区民の男女比率がおおむね半々であるように、区の政策形成過程でも、今まで以上に男女がともに参画する状況がもっと拡大することが求められていると思います。  今後、育児や介護などさまざまなライフステージにあっても、性別を問わず、その職員がその能力を存分に発揮できるような働く環境を整えて、多くの女性職員がより責任ある職を選択してチャレンジできるような組織づくり、職場風土づくりについて、全庁で取り組んでいきたい、このように考えます。 ◆中山みずほ 委員 大変ありがたいコメントをいただいたと思っております。くしくもあさって三月八日は国際女性デーという日であります。一九〇四年に女性参政権を求めてニューヨークでデモが起きた。そのときは女性参政権、今は当たり前ですけれども、当たり前の景色ではなかったと。私が初めて本会議場に入ったときに、理事者がもう男性ばかりで、やはりびっくりしたのですね。ただ、今はもう結構当たり前になってきてしまっているのですが、やはりこの当たり前の景色を世田谷区から変えていく、これをぜひ実行していきたい。多様化する区政課題には、多様な意思決定者が必要であるということ、これをぜひ、今、御答弁がありましたように、実行に移していただきたいと思います。  最後に一つ要望なのですけれども、これは要望です。今、非常勤職員、臨時職員の割合が六千二百九十人いまして、そのうちの女性が五千二十人、これは平成三十年度の実績ですが、八割が女性であります。これは、部課長に男性が多くて、非正規、いわゆるいろいろ指示を受けて動く人たちに女性が圧倒的に多い。この構図そのものが、世田谷区だけではないとは思うのですが、大変私は残念だと考えています。  これは公務労働における性別役割分業の固定化にもつながると懸念します。まず第一歩としては、女性職員の育成、管理者育成についても、各種行政計画に明確に示していただきたい。これをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆いそだ久美子 委員 では、質問者をかわります。  私からは、世田谷区が現在持っている商標、技術など知的財産と、その管理体制について、まず質問いたします。  昨年末の第四回定例会の一般質問において、私は、池尻のものづくり学校が多くマスコミに取り上げられ、知名度が高まっているので、本名称について世田谷区で商標登録をしてはどうかと提案したところ、運営委託をしている民間会社に先に登録されていたということが判明いたしました。商標権を得ると、他者が同一または類似の名称などを取得した商標権の商品などを類似範囲で使用することを禁止することができます。世田谷区が名称使用禁止にならないことを祈るばかりですが、逆に商標登録しておけば、自身の権利を守ることができます。  最近では、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが、自身の名を商標登録出願したことがちょっと話題になりました。彼女の名を使って勝手な募金や商業活動が行われないようにするのが、その理由です。地方自治体は営利企業でないので、商標や特許取得に積極的になる必要はないという考え方もありますが、東京都の中で、差別化できる世田谷区のブランドイメージを創出したり、模倣によるトラブルを回避するためには、商標登録が有効です。また、工事などの技術的な特許取得は、自治体の場合は公益に寄与し、技術系職員のモチベーションを上げ、特許取得と活用のノウハウを蓄積できます。  世田谷区で現在取得している商標及び特許の例と総数を教えてください。 ◎渡邉 経理課長 特許権、著作権、商標権、実用新案権、その他これらに準ずる権利は、地方自治法第二百三十八条において公有財産として規定されてございます。区はこうした権利について、世田谷区公有財産管理規則第十七条の規定に基づきまして、特許権等として公有財産台帳に登録してございます。区の公有財産の登録に当たっては、特許法あるいは実用新案法など、それぞれの法律に基づき特許庁に登録したものを対象としてございますけれども、著作権につきましては、著作物が創作された時点で自動的に付与されることや、冊子やチラシなど無数にございますので、登録の対象としてはございません。  御質問ありました、現在区で登録している特許権等ですけれども、まず特許権が、車輪受部を備えた安全通行用道路境界ブロックの一件、それから商標権では、これは文字または図形、その他組み合わせるものもありますけれども、「せたがやそだち」で一件、世田谷みどり33で二件、スカイキャロットで三件、からぴょんで三件の合計九件と、このような状況でございます。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。それらの商標について、どの部門がどのような基準で出願を決めるのか、また、技術的な特許を含め、知的財産全体を管理する体制があるか、教えてください。 ◎渡邉 経理課長 特許権や商標権などの知的財産権は、各事業所管が事務事業を通じて、結果的に作成等に至るものと認識してございます。その後、各所管においてそれら知的財産等を独占的かつ排他的に安定して利用していくべきと判断したものについては、その権利として当該法律に基づき申請登録し、あわせて区の公有財産として台帳に登録しているのが現状でございます。  こうした知的財産権の管理体制についてでございますけれども、これまで登録の判断及び手続等は公有財産管理規則に基づいて、各所管において行ってきてございまして、要綱あるいはマニュアル等を整備してはございませんでした。今後、改めて区の公有財産として、また、新公会計制度上においても管理するよう、来年度には具体的な対象や手続などを示した要綱等を策定し、適切に管理してまいります。 ◆いそだ久美子 委員 これから適切な対応を考えていただけるということで、しっかりお願いいたしたいと思います。  特許庁の資料によれば、政府は平成二十七年から知的財産推進計画二〇一五として、中小企業知財支援施策に取り組んでおり、地域における知財活動の底上げ、推進のために、地方自治体を中心とする地域の関係機関との連携が必要だとされています。世田谷区も独自のプランで知的財産権取得支援補助金を出しており、平成三十一年度で既定の八件を上回る申し込みがあったと聞いております。
     地元産業の知財戦略を活性化するためにも、まず世田谷区がみずからの知的財産を管理し、世田谷ブランド力を強化していくことを要望といたしまして、次の質問に移ります。  二つ目は、ふるさと納税について質問いたします。  世田谷のブランド力の話が出たところで、既に多くの会派から取り上げてございますが、現在、世田谷区ではふるさと納税見込み、総額七十億円にも上る流出が深刻な課題となっています。昨年からふるセタ、すなわち返礼品を目的とするより、寄附による税額控除をメリットとする、区民による、ふるさと納税を促すキャンペーンを開始していますが、本キャンペーンの予算と成果、また区民からいただいた御意見などをお聞かせください。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 ふるセタのキャンペーンにかけました予算は約千二百六十万円ほどでして、経費のうちの六割を広報物の制作に充ててございます。キャンペーンでは、目的二つ、区への寄附の促進と、税源流出の抑制を狙いにしておりますけれども、まず入りのほうですけれども、寄附額は二月十五日時点で約九千二百万円ほど、昨年度とほぼ同じ程度の結果となってございます。  去年の法改正で、区民の方には記念品を提供できなくなりましたので、落ち込む可能性もあると見ておりましたが、区外の方、区民の方と分けた集計でも、ほぼ昨年並みという結果になりました。税源流出の抑制の効果についてですけれども、こちらは速報が出る五月までは、はっきりしたことはわかりませんけれども、現在集計中の区政モニターアンケートでは、ふるセタの認知度は約三〇%、またそのアンケートや当課への電話等で寄せられている声では、よい取り組みで、寄附をしたいと思ったということですとか、正しいふるさと納税のあり方を主張しているというようなプラスの声も寄せられておりまして、一定の手応えを感じているところですが、一方で、税源流出の現状を全然知らなかったと、PRが足りないという御意見も多数いただいておりまして、より一層広報に力を入れなければならないと感じているところでございます。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。私のほうでも、ふるセタの資料をいただいて、区民の勉強会などで説明、意見を聴取してきました。対象が違うと、また集まる意見も違ったりするのですが、五十代から、上は八十代ぐらいまでの男女合計二十人ほどです。ふるさと納税の仕組みをよく知らなかったとか、やってみたい記念品、寄附メニューあると、新しい発見にもつながったようですが、税源流出の話はマスコミで取り上げられ、割と認知度は高かったです。  そして、特に働く世代の方からの御意見で多かったのは、世田谷区にもよい物産はたくさんあるので、もっと返礼品を工夫すべきだというものでした。幸か不幸か、区民の皆さんは地方のふるさと納税をいろいろお試しになっているので、知識が豊富です。例えば世田谷区には有名な料亭やおしゃれなレストランがあるのだから、そういう店のオリジナルのお総菜や、おせち料理セットの返礼品があれば、仕事と家事に忙しい女性は欲しがるのではないかとか、そんなアイデアもいただいております。世田谷区は農畜産物がないから、返礼品では勝負できないというふうな決めつけはなくて、柔軟な発想をいろいろ聞かせていただきました。  ふるセタキャンペーンでは、ふるさと納税に対する認知と関心は高まっていると思います。実際、区外にふるさと納税している世代は、減収のこともよく御存じです。  ここで提案ですが、その第二弾として、区民や地元の大学生など、四、五十人ほど募ってアイデアを出し合って、返礼品や寄附メニューの商品企画を区民参加で行うような、そしてその過程も情報発信するという試みはいかがでしょうか。区民が参加して企画することで、地元への愛着、ふるさと納税への理解も深まると考えます。そこで現在の世田谷区のふるさと納税で人気の返礼品や寄附はどんなものか、他の自治体で住民参加で返礼品の企画をした例があるか、あればその概要や、また、やるならできるだけ早いほうがよいと思いますが、今年度の予算内でこんなことが進められそうか、可能性をお聞かせください。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 まず人気のメニューということでしたが、現在、区民の方にも提供できる体験型の記念品を三種類ほど御用意してございますが、特にたまがわ花火大会の招待席が人気でございます。また、寄附メニューとしては「医療的ケア児ときょうだいにキャンプを贈ろう!」プロジェクトを今年度から始めましたけれども、こちらは目標額を超える寄附を集めたというものでございます。児童養護施設退所者等奨学基金とともに、寄附により区民を支えていくという取り組みが人々の共感を呼んだものと考えてございます。  区民参加で企画をやった例ということでございますけれども、文京区のこども宅食事業ですけれども、市民活動団体や地元企業の提案と連携により、取り組みが実現したと聞いてございます。また、すみだ北斎美術館プロジェクトですけれども、そちらは地元のキーマンの方が企画して、多くの協力者を巻き込んで実施したと伺っておりまして、このように区民、住民の力によって取り組みが加速することは期待できるものと考えます。  今年度のふるセタのキャンペーンでは、区民の方も参加していただいたチームふるセタというのを結成しまして、いかにPRしていくか、意見交換を行ってきました。来年度もこれをさらに大きくすることを視野に入れまして、PR手法に限らず、寄附メニューや体験型記念品の開発も区民参加によって進めていきたいと考えてございます。 ◆いそだ久美子 委員 今のお話で気づいた点は、医療的ケア児のプロジェクトは、多くの寄附を集めたということですが、やはりポスターによる露出効果が大きいと思われます。私も寄附プロジェクトというと、あのポスターばかり目につきます。今後、他のプロジェクトもポスターに打ち出していくのかどうか、御予定はどうなっていますか。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 ふるさと納税対策担当課では、広報物を作成しておりますが、それは個別のものを一個ずつつくるということではなくて、現在実施中のプロジェクトとか寄附の取り組みを総合的に載せていると、そういうものを作成してございます。今お話にありましたポスター、単独のものですけれども、それは担当所管ごとにつくっているというのが現状でございます。 ◆いそだ久美子 委員 また、体験型記念品に力を入れていくということで、その方針でやっているとは承知していますが、今やふるさと納税している層の大半は、仕事に忙しい世代であって、体験型をどんどんふやしても、参加できる時間の余裕があるか、仮に世田谷区出身で、東北や関西に転勤している人はいっぱいいらっしゃいます、世田谷区はもともと人口は多いですから。こういう人が今の世田谷区へのふるさと納税を考えても、体験型に足を運べるかという地域性の問題が出てきます。  物による返礼品、世田谷区では記念品と呼んでいますが、こちらへの要望は依然として高いです。グーグルの検索ワードで世田谷区、ふるさと納税まで入れると、連なって世田谷区、ふるさと納税、減収と、世田谷区、ふるさと納税、返礼品が出てきます。ちなみにヤフーの検索では、返礼品のほうが先に出てきます。皆さん減収の報道に驚いて、世田谷区にふるさと納税しようかなと、返礼品は何があるかと探しに来るわけです。それで検索すると、今、寄附メニューしか出てきません。すぐそこまで来ている市場ニーズを、何か逃しているような気がしてなりません。  返礼品競争と言うと、いかにもイメージは悪いですが、返礼品を工夫し、創出すれば、区内産業育成にもなります。まずは区民に集まっていただき、広く御意見を聞いてはいかがでしょうか。重ねてお聞きしますが、今年度そのような試みはできそうでしょうか。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 お話にもございましたが、区の今の立場としては、返礼品競争にはくみしないという立場をとってございますので、区外の方からの寄附に対して、これを御縁として世田谷区をより知っていただく、あるいは世田谷区に来ていただくというようなゆかりの品を記念品として差し上げるということはやってございます。いわゆる返礼品とは一線を画しておりまして、寄附額の多寡によらず、五千円程度という基準を決めておりまして、お送りしていると。内容としましては、障害者施設でつくったクッキーですとか、そういった産品ですとか、それから世田谷みやげから選んだものをお送りしております。  こういった趣旨から、世田谷区を知っていただく、好きになっていただくのに、より効果的なものは、体験型ではなかろうかということで、今まで体験型を重視してきたところでございます。ただ、先ほど御紹介した記念品のみでいくというふうに限らなければならないという理由もございませんので、記念品としてふさわしいもの、世田谷区を好きになっていただくものというものがあれば、ブランドの向上にもつながりますので、先ほど申し上げた区民参加の取り組みの中で、あわせて議論をしていくと、また、実現可能性や費用対効果も考えながら検討していくということを行いたいと思います。 ◆いそだ久美子 委員 現時点では精いっぱいのお返事をいただけたかと思います。世田谷区は農畜産物の生産の観点からは少資源ですが、都心に近く、サラリーマン層を中心とした豊富な人材資源があります。中には商品企画やマーケティングに精通した区民もいるでしょうし、地元の名産や世田谷のブランド力を区民の頭脳によってつくっていくのが世田谷らしい試みと言えるのではないでしょうか。ふるさと納税は、制度そのものに問題があるのも事実で、区は御苦労されていると思いますが、もっと区民の声に耳を傾けていただいて、本年の試みとして、区民参加のふるさと納税企画会議、御検討をお願いいたしまして、質問者を中村委員にかわらせていただきます。 ◆中村公太朗 委員 まず冒頭、一応確認だけしておきたいのですけれども、やはり今回のこのコロナの影響で、理事者側のネームプレートがひっくり返っていますが、答弁予定がない課長ということで、きょうはいないということで、まさか発熱をしたりしているわけではないですよね。一応確認します。 ◎田中 総務部長 おっしゃるとおりでございます。 ◆中村公太朗 委員 コロナがこれだけの影響になるとは、正直僕も想像していませんでした。ことし卒業を迎える保護者の一人としても、卒業式に行けなくなりまして、さみしい思いと。でも、しようがないのかなという思いを、一人なので駄目なのです、自動的になりますので、うちの家庭では、なりますので行けないわけですけれども、きのう下山委員から話がありましたけれども、マスクの配給というか配布、やはり日ごろから区民の生命を守っていくというのが区政の最大のテーマということで、平時にいろいろなことをされているわけですけれども、やはりこういう緊急時にこそ、その本当の力というか、準備状況が試されるわけです。国の対応がああだこうだ言われていますし、世田谷区としてもそれに倣ってという部分もあるのだと思いますけれども、今回、未曽有の状況が起きて、いろいろありますが、それはもう終わった後の精査として、総括に任せることで、とにかく今は、今できることを最大限考えてやっていくということだと思いますし、そういう意味で言えば、やはりマスクを適切なところに、これまで備蓄されていたものを、ためたままでは意味がないわけですから、まさにこういう状況の中で、効果的に利用していくということは非常に重要なことだと思っています。特に、学校は一斉休校になりましたけれども、現状、区としてオープンしている施設、サービス、そういうところにまつわる方々、従事せざるを得ない方々に対しては、やはりしっかりと区として責任を持って対応していくべきだと思っております。  まず伺いたいのですが、今現状、区ではマスクをどれぐらい持っている、備蓄をしているかということをお聞きします。 ◎菅井 総務課長 感染症対策用のマスクの備蓄といたしましては、平成二十一年度に新型インフルエンザ対策用として購入したものも含めまして、全体で現在七十五万枚ございます。 ◆中村公太朗 委員 現状、七十五万枚のうちどれぐらいを配布にされている状況でしょうか。 ◎菅井 総務課長 今回、三月二日より、保育園を初め新BOP、くみん窓口、出張所などに対しまして、およそ当面分ということで二週間相当分を配布しております。今回配布したもので約十四万三千枚でございます。区の在庫分から順次発送している状況でございます。 ◆中村公太朗 委員 でも、もう二週間分で十四万枚ということで、七十五万枚と言えば、もうそんなに長い期間は配布できるわけではないし、その可能期間で収束するかどうかというのは、まさにわからない状況なわけですよね。ちなみに、その新規にマスクを確保していくみたいな取り組みというのは何か考えていらっしゃるのですか。 ◎菅井 総務課長 現在、御案内のとおり、マスクにつきましては非常に調達が困難でございまして、マスクの確保に向けても、事業者にも確認しているわけですけれども、なかなかしづらいということで、現在のところ確保していこうという予定はございません。 ◆中村公太朗 委員 確かに、区民が購入したいというところのを制限してしまうかもしれないという部分もあるでしょうし、一方で、とはいっても、さっき言ったように、どうしても使っていかなければいけない、区の責任として、ちゃんと守っていかなければいけない部分というものもあって、そのバランスで、非常に難しいところはあるのだと思うのですけれども、やはりこの七十五万枚、十四万枚だから、残る六十万枚になっているのですかね。この六十万枚を効果的に、新規確保の予定がないということでしたから、なおさら、それは慎重に、とはいえ、しっかりと責任を持って配布をしていかなければいけないと思うので、改めて決意をお願いします。 ◎菅井 総務課長 現在、職員から区民の皆様への飛沫感染のリスク軽減だとか、区民の健康の保持、また、区民が安心して窓口を訪れていただけるような環境整備、こちらにつきましては早急に整備していく必要があると思っております。今お話がありました、第一段階で配布した職場がございますが、飛沫感染、接触による感染リスクが高いと思われるような職場につきましても、今調査をしております。そちらがまとまり次第、先ほど委員のからもお話がありました感染状況だとか、備蓄の量だとか、また国等の対策などを総合的に考慮いたしまして、配布数などについては検討していきたいと考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 こういう状況で、全国でも、事件なども起きていますので、まさかないと思いますが、区の職員の管理、そこにアクセスできる方がプライベートで持って帰るとか、もしくは、それこそ盗難に遭うとかいうことがないように、その辺の管理もぜひしっかりしていただきたいと思います。  次に、災対の、あわせて備蓄品関係で質問をしていきたいのですけれども、このコロナの前に台風があって、いろいろ災害続きな状況ではあるのですけれども、この備蓄品は、改めて精査をすると、やはり結構購入されて、避難所に用意をしておかなければいけないものであったりとか、結構な金額をかけて、毎年購入しているのですけれども、いろいろと事業者だったりとか、話を聞きますと、なかなか購入するに当たっての仕様書の規格が、もちろん特定のもののみということではないにしても、非常に狭められることによって、なかなか自由度が低く、むしろ新規に新しくできたものを納入しようという提案があったとしても、なかなかその仕様書に合わなくて、結果としては入札もうまくいかず、結果として区としてもすごく、使い勝手が悪いというわけではないのですが、備蓄品は非常に偏っているというような指摘を受けて、この間やりとりをさせていただきましたけれども、時代に合ったさまざまな製品が出てきて、さまざまな効果のものも出てくる中で、仕様書の改定というのはどの程度の期間で行われているのかということをまず伺います。 ◎前島 災害対策課長 災害に備えた備蓄品につきましては、昭和四十年代に備蓄を開始いたしまして、それ以来、その品目や数量を適宜変更、拡充を図ってまいりました。食料などの品目につきましては、時代とともに変遷し、現在はビスケット、アルファ米、おかゆ、粉ミルクなどを備蓄してございます。これまで品目の変更や数量の拡充を図ってきた過程で、調達しやすいもの、安価なもの、多くの人が食べやすいもの、カロリーなどを勘案しまして選択してまいりました。加えまして、防災備蓄倉庫のスペースや棚のサイズに制約があることから、製品の生産単位なども考慮しまして仕様を決定してきた経緯がございます。備蓄品の中でも、例えばビスケットなどにつきましては物量が大きいことから、年度を分けて、複数年で入れかえをしておりまして、備蓄品の均一化などの観点から、仕様の変更がしづらいということがございましたので、これまで大幅な見直しはしてきておりません。 ◆中村公太朗 委員 これまで大幅な見直しをされていないということで、そもそもこの問題意識は、落札事業者の一覧をいただいたときに、極めて一社が、落札金額というか、契約金額が圧倒的に抜けているということで、やはり違和感を持ったのがスタートですと。ただ、どうやらそこはグレーなというか、ブラックみたいな話があるわけではなくて、むしろ区側のその仕様書のつくり方が、新しい時代にそぐっていないことによる、既得権益的に、その一つのものに強い事業者が、ラッキーなことに、ずっと落としているというような仕組みのようでございますので、やはり区としては、本当にこれから先、カロリーが、今、一食分四百カロリーだったですかね、それで足りるのか、そこまで必要なのか。本当に非常時に食べるものが、おかゆでいいのか、どうなのか。それにかわる、おかゆでなくても同じようなカロリーをとれて、こういう新しい製品が出て、しかもそれが安価なのだとしたら、そこも含めた仕様書を、そこも対応がきくような仕様書に変えていくとかしていかないと、いつまでたっても偏った契約の形というか、実績も変わっていかないし、別にそこが本当に強くて、対応していくならよいと思うのですけれども、とにかく更新をされないまま、同じところに契約が落ち続けるというのは、少しいびつな構造だと思いますし、やはり必ず毎年毎年見直して、特にこれは仕様書を組む所管がちゃんとアンテナを張って、新製品、まあ、新しくなくてもいいと思うのですけれども、では、どういう形であれば競争性が生まれて、搬入されるもの自体が、いざというときにちゃんと効果的に活用できるかということをちゃんと考えないと、毎年毎年同じ仕様書で発注するばかりでは、全く意味がないと思いますので、まさに財源確保も含めて、しっかりとチェックをしていただきたいと思います。改めて、やるかどうか伺います。 ◎前島 災害対策課長 御指摘の仕様の見直しに関しましては、例えば私のほうで先月、横浜で行われました震災対策技術展に行ってまいりまして、そのブースなどを見ておりますと、災害用備蓄品の充実や多様化が見受けられることもありましたので、今後さらに現在のトレンドを踏まえた研究改善を重ねまして、費用面を考慮した幅広い調達ができるよう、仕様の工夫をしてまいります。 ◆中村公太朗 委員 次に、本庁舎に行きます。まず、今回のコロナの影響で、スケジュールは現状、影響はありますか、想定スケジュールとしては。 ◎松村 庁舎整備担当部長 今のところは、御案内をしているスケジュールで進めていくことを想定してございます。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、従来どおりであれば、ことしの七月ぐらいに入札が行われるということでよかったですか。 ◎渡邉 経理課長 事業者の選定までのスケジュールですけれども、現在は本庁舎の整備事業に係る総合評価方式の検討委員会で議論しておりますけれども、来週十二日に第三回目の委員会が開催されまして、その中で具体に決まってきますけれども、現在は、五月中旬ごろに総合評価方式による入札公告を行いまして、十月に開札、十二月に契約締結し、着工については来年二月ということで予定してございます。 ◆中村公太朗 委員 今、方法を決める委員会が検討中ということで、本来は、区はそこに任せっ放しで、前も言いましたけれども、結局出てきたものを丸のみして、横並びしているだけというのはいけないと思いますので、改めてそこで出てきたもののよしあしというものは、議会も含めて精査をした上で、最終的に区が入札方法というのですか、実施方法を決定していくということにしなければいけないと思いますけれども、一点、今回は一社でもJVでもオーケーという形になりそうだと聞いていますけれども、それはまず合っていますか。 ◎渡邉 経理課長 参加できる事業者につきましては、先般、特別委員会にも御報告をさせていただきましたけれども、単体または三者以内の共同企業体を対象としまして、共同企業体の場合は、第一順位は建築工事の事業者を、第二、第三順位については、建築工事のほか、電気工事、空調工事、給排水衛生工事事業者の参加も可とする方向で、現在は議論されているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 確認しておきたいのは、総合評価の加点、いろいろ先ほども、SDGsの観点も出ましたし、地域貢献云々という、私がずっと主張してきたのは、そこは曖昧だという話はしてきましたけれども、いずれにしても、それは入札における総合評価としてで、よいのでしょうねということで、要は一者、今回のこれだけの巨大な工事になりますので、恐らく区内事業者が頭をとることはないと思うのですよね、となったときに、単体であれば、そうなりますし、JVになったときに、昔ながら、よく言われているのは、二番手、三番手に区内をつけることによって何かしらの加点があるというようなことは入札の札入れ自体の結果に対する総合評価には影響を与えないということでいいですか、確認します。 ◎渡邉 経理課長 今現在、区内事業者、いわゆる地元事業者に関する部分につきましては、主に地域経済への貢献の観点で議論されているものと理解してございまして、その内容については今現在検討中ということでございます。 ◆中村公太朗 委員 いや、そうではなくて、入札参加資格というか、そもそも参加をする事業者の構成において、何かしらの総合評価に影響を与える加点というのはあり得るのですかということを聞いています。 ◎渡邉 経理課長 今、御答弁申し上げたように、区内事業者がJVを組む場合に、評価が上がるのかという御質問かなと思いますけれども、その部分につきましては、その区内事業者の活用の部分については、広い意味で地域経済への貢献の観点という中で議論されておりまして、まだそういう結論にまで至ってございません、現在検討中でございます。 ◆中村公太朗 委員 なるほど、では、そこも可能性が出てくるということですね、わかりました。では、厳しく今後も見ていきたいと思います。  それから、代表質問でさまざま、今回のこの予算委員会でも大分指摘がありました、ふるさと納税、ふるさと納税、足りない、足りないと言ってもしようがないよね、まずは区が努力をすべきだと、まさにそのとおりだと思っていますし、やはり代表でも言いましたけれども、保坂区政、もう少し聖域なくメスを入れていいのだろうということを指摘させていただきました。歳出削減と歳入増という形で提案もさせていただきまして、これまでにない答弁を幾つかいただきましたので、改めてそこの確認と、そのやり方というのですかね、今後の見通しというものを伺っていきたいなと思います。  まず、税外収入の確保から行こうかな。前回、代表質問の答弁では、庁舎の敷地を活用したキッチンカーの導入を検討していきたいという答弁がありましたけれども、これは実行されるということでよろしいですか。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 キッチンカーの活用についてですけれども、税外収入を確保する観点から実施したいということで、現在、総務部と本庁舎についての実施に向けた条件整備をしているところでございます。実際キッチンカーの事業者のほうに確認をしたところですけれども、約三千人の職員規模を考えると、売り上げは一定程度見込めるだろうと、採算もとれるだろうということで、区に使用料等を払った上でも出店したいという意向があるということは確認できましたので、本庁舎の整備は令和三年二月から始まりますが、まずは手前のところでキッチンカーを有効に活用していきたいと思っておりまして、噴水横などの敷地を使って二台程度を実証実験的にやれないかと考えてございます。  また、事業者の選定の仕方としては、ごみの持ち帰りですとか、キッチンカー周辺の区民の方の動線の確保ですとか、その辺の徹底をきちんとやってもらいたいと考えておりますので、プロポーザル方式で選定しようと検討しているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 総務もよろしいですか。 ◎菅井 総務課長 車両をとめるスペースについては一応確認しております。ただ、検診車等で通行に支障が生じないように、安全確保のほうはしっかりやっていきたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 これまでのやり方として指摘しておきますけれども、今公園でいろいろとやっていますよね。試行錯誤ですよ。二子玉ではある程度成功というか、めどが立っていますけれども、ほかの公園まで含めたときには、なかなかうまくいかなかったりとかいうことをやっていますけれども、やはりあくまで場所に幾らみたいな形で現状やっていますけれども、毎回言っているように売り上げベースをしっかりと、歩合と言うのですか、その収入のあり方、予算の組み方とか決算の組み方はちょっとわからないですけれども、可能だと思うので、ぜひそこは効果的に、民間の形に合った手法を使っていただいて、最大限の税外収入を確保していただきたいと思いますが、いかがですか。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今、事業者にヒアリングをしているところでは、一般的に、委員もおっしゃるように、都心部などでは売り上げの一〇%から一五%を払うというような契約形態をとっていると。この世田谷区においても同様の契約の仕方もできるというようなお話を伺っております。その方式を今、経理課のほうとも詰めさせていただいているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 時間がなくなったので、最後は全事業点検ですかね。これも代表質問で話しましたけれども、やはりまだまだ無駄が、全庁的な事業、二千何百あるのですかね、多いと思うのですよね。これまでも議会から、数値目標が足らないだとか、達成率がどうこうと言われていますけれども、やはりしっかりと目標を立てて、効果的なもの、効果的ではないもの、補助金も含めて、何となく続いているという文化を断ち切っていくこと、それは決して歳入を生み出す、歳出削減をするということだけでなくても、やっていくべきだと思うし、やはりその過程において、おかしいなと思っているのは、多分現場でやっている人たちが一番わかっていると思うので、その声をちゃんと吸い上げていくという仕組みをつくっていくべきだと思います。令和三年度に向けて実施をしていくというような話にも触れていただきましたけれども、改めてそこをスケジュールも含めて説明いただけますか。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 事業一斉点検を行う前提としてですが、評価する物差しが必要なのですが、現在あるほとんどの事業に、その成果をはかる指標がないです。民間企業であれば、売り上げとか利益で成績がわかるわけですけれども、それがございませんので、まずは令和二年度いっぱいかけて、外部の専門家も活用しながら、施策全体に客観的に成果をはかる指標を設定したいと、まず、これがスケジュールの第一弾です。  令和三年度からは、企業の事業報告と同様に、各部の年次目標が達成できたのかどうか、数値目標でクリアできたのかどうかをはっきり見ていくということをやっていくと。流山市や調布市等で先行事例がございますが、それを公表していきながら、できていないのであれば、結果責任的に事業分析に基づいて改善を自律的に行っていくという仕組みをつくりたいと考えてございますが、これを実現するためには、評価と改善の手法を各部が身につけていく必要がございますので、そこで令和三年度から二カ年に一斉点検をやっていくと。その一斉点検を通して、具体的には成果を達成していない事業や、そもそも成果目標を定めようとしたけれども、政策の目的と事業手法がずれている、論理的におかしいというような事業を中心に一斉の点検をかけて、課題を掘り下げて、行政経営改革につなげていくと、こういうスケジュールを通して、二カ年の一斉点検の後には、自律的に改善ができる組織に変えていきたいというスケジュールを考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 本当は論理的におかしい事業があってはいけないのですけれどもね、出てきてもいけないのですけれども、それは、本来は毎年毎年というか、常にチェックができている状況であれば、一番効率的な行政が回るということですけれども、やはりこういうタイミングをしっかりつくって、一斉に点検をすることで、これまで何となく見逃されていたものも見詰め直して、大幅にこれからの持続可能な世田谷区政の実現に向けて、一点にしていただきたいと思いますので、しっかりと取り組んでいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十六分休憩    ──────────────────     午後一時十分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。  本日は、昨年の決算委員会で取り上げました区史編さんとデジタルミュージアムのお話をまず聞いてまいりますけれども、デジタルミュージアム自体の所管はこちらではございませんので、こちらで聞ける範囲で、デジタルミュージアムについては聞いてまいります。  このデジタルミュージアムについては、著作権の侵害があるのではないかということで取り上げまして、これは区のほうでも、そういうことがあるから、これはちょっと調整するまで、一旦このデジタルミュージアムを閉鎖するということがありまして、現在は、再開はしているのですけれども、全てもとどおりという形にはならずに、著作権の調整がとれていない部分については、いまだ公開をしていないという状況です。  私が聞き及んでいる範囲で言うと、資料のデジタルミュージアムに掲載するプロセスの中で、やはり情報を文教所管のほうにそもそも提供したのは政経部だろうということで、この政経部のほうでしっかりと、この著作権を侵害されたという方に向き合って、しっかりと対処していかないと、こういう問題は前に進まない、なかなか正常化に向かって進んでいかないのではないかなという感じを持っているのですけれども、政経部としてこのデジタルミュージアムの問題に今後どのように取り組んでいくのか、教えてください。 ◎中村 政策経営部長 昨年の決算特別委員会で御指摘いただきました著作権の取り扱いの、まず、検討状況ですけれども、これは各委員に執筆していただいたものは、著作権の譲渡とか、または利用許諾を得て、教育委員会を含めた庁内の各部が活用したり、区民に公表できるという方向で整理したいと考えています。年度内にまとめまして、各委員の了承を得ていきたいと考えています。  委員の了承を得られた段階で、また必要なものについては、どの部分を教育の判断でデジタルミュージアムのほうにアップさせていただくかどうか、教育のほうが判断をしてもらうことになると思う。 ◆桃野芳文 委員 私が関係者から聞いている話では、政経部のほうがなかなか話し合いのほうに出てこないと。文教の所管のほうは、謝罪も含めて、しっかり対応してくれているのだけれども、政経部、区史編さんのほうですね、区史編さんのほうが、誠意ある対応がなかなかしてもらえないので承服しかねている部分があるというような声も届いているのですけれども、そこはしっかりと改善していただけるということでよろしいのか、お答えください。 ◎中村 政策経営部長 今般、中世を研究する専門部会の件だと承知していますけれども、実は来週の三月十日にその部会を開催して、その御本人も出席のもとに、執筆分担などの協議を行う予定でしたが、この間の新型コロナウイルスの感染拡大の動向を踏まえて延期となってしまったという経緯があります。  次回の専門部会の開催の際などに、私が本人と直接お話しする時間をいただきまして、御意見、御意向を伺った上で、引き続きお力になっていただけるか、お願いをしたいと考えています。  今回の新たな区史編さんは、令和七年度までに中世、近代、現代という分冊を六分冊発行する大事業です。新たな区史編さんの実務の責任者として、しっかり進行管理を担っていきたいと考えます。 ◆桃野芳文 委員 今おっしゃったように、区史編さんのほうに影響が出ると、またこれは、今、部長がおっしゃったように大きな事業ですから、影響が出ると、世田谷区としてもやはり大変大きな問題になっていくと思いますから、区史編さんのスケジュールもしっかりと予定どおりに進めるということも含めて取り組んでいただきたいと思います。  では、その区史編さんの事業は果たして大丈夫なのかというようなことなのですけれども、具体的な事例も含めて聞いてまいりたいと思います。  今この区史編さんについては、せたがや動画、「魅せます!せたがや」という動画が、世田谷のユーチューブチャンネルと言ってよいのでしょうかね、世田谷区のチャンネルでこの動画が公開されています。ここで「新たな『区史』編さん中!!」ということで、その作業の様子が動画で公開されているのです。  実はこれを見たという方からも御意見をいただきましたし、また、この区史編さんに御協力いただいている一般の方、中世後半から近世、江戸時代前半ぐらいにかけての御先祖様の資料を提供したという方から御意見をいただきました。  それは、この資料の取り扱い方が、これが本当にそのプロの取り扱い方なのか、こんなことをやっていて大丈夫ですかと、実際にその貴重な資料を提供してくださった方も含めて、こういう意見が届いています。  こちらは、その「魅せます!せたがや」に公開されている動画なのですが、区の職員が二人いて、この資料を提供してくださっている方のところに行って、がさがさとやっているわけですけれども、私は動画を見ましたけれども、子どもが何かお気に入りのおもちゃを見つけたみたいに、わあっと行って、うれしそうにわあっとさわっているわけですよ。私もそれを見たときに違和感を覚えたのですが、やはりプロの方を含めて、さまざまな方がこの動画を見て、これで世田谷区の区史編さんは本当に大丈夫なのかという意見をお持ちのようです。  具体的には、私に寄せられた意見は、首からこういう、皆さんも今ぶら下げていらっしゃいますが、IDカードというのでしょうか、身分証明書というのでしょうか、そのカードをぶら下げて、なおかつポケットにもものが入っていると。普通、貴重な資料を扱うときには、やはり資料を傷つけないようにしなければいけない。特にこういう紙の資料、それも古い資料ですから、非常にデリケートに扱わなければいけないものに対して、こういうずさんな扱いをしていると。  私はそれ以上のことは、何が適切なのかとかいうことはよくわかりませんけれども、例えばこのせたがや動画のほかの動画を見ていくと、職員がマスクをして資料を扱っている場面も出てきました。マスクをしたり、手袋をして扱うというのも、またこれは必要なことなのかもしれません。  しかし、この世田谷区の職員は、もう素手ですし、マスクもしていませんし、首からものをぶら下げて、ポケットにものを入れて、この貴重な古い紙資料をがさがさがさがさとやっているということなのですね。  こういうことについて、こうやって進めていくことが本当に適切なやり方なのかということを、まず聞かせてください。 ◎中村 政策経営部長 今、御紹介がありましたインターネットチャンネルを活用した「魅せます!せたがや」ですけれども、昨年この動画を見た区民の方から、区長へのメールを通じて、区の職員の歴史資料の取り扱いが丁寧さに欠けて、問題があるのではないかという御意見もいただいています。  職員には、こうした貴重な歴史資料を傷つけることがないよう、例えば今お話にありました、資料を扱う際にはネームプレートを取り外すとか、ポケットから落下して資料を傷つけそうなものは着用しないなど、注意を十分払って丁寧に扱うように周知をしたところです。区民の方々に不信感を持たれることがないよう徹底してまいります。 ◆桃野芳文 委員 この質問をするに当たって、さまざまその事実確認もさせていただいたのですけれども、その中でわかってきたことは、その区長へのメールでさまざま御意見をいただいた中に、返信した内容というのが、問題はありません、これで十分だと、特にぶら下げていることをやめるとか、ポケットにものを入れないようにしますとか、そういうことなく、要は問題はありませんというような趣旨で返信をしていると聞いているのですけれども、それについての確認と、そういった今の部長の答弁であれば、そうやって区長へのメールですか、それに対して返信をしてしまうということが、これもまたよろしくないと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎中村 政策経営部長 区長へのメールに対しまして返信した内容としては、ちょっと今、正確な返信のものは持ち合わせていませんけれども、ネームプレートをしていたことについて、資料を提供していただいたお宅にお伺いするときには、ネームプレートを着用しているのですというようなことが書いてあって、それと、資料を取り扱うときに、ネームプレートをしてよいかどうかということは別の話なので、そこの返信の内容は、ちょっと適切ではなかった、きちんと改めますというところが、そこでは、その部分では伝わらなかったというような反省はあります。 ◆桃野芳文 委員 やはりそうした区長へのメールも、せっかくそういう声を集めるツールとして開設しているのであれば、しっかりとそういうところに入った意見にも向き合って、正しい返信をしていただきたいと思います。  加えて、では、この動画はこれからどうするのかと。不適切な扱いをしている動画をそのまま載せておくことについても、やはりこれは改善しなければいけないのではないかと思いますけれども、その取り組みについて教えてください。 ◎中村 政策経営部長 この新たな区史編さんのためには、各種調査はもちろんですけれども、多くの区民の方から、お宅にある歴史資料の提供をいただくことが必要だと考えています。こうしたことから、特にこの区の取り組みに不信感が持たれるようなことがないよう、区民から御指摘を受けたその動画の扱いについては、編さん委員会の委員長とか部会長の御意見もいただいた上で、休止を含めて判断をさせていただきたいと思います。 ◆桃野芳文 委員 しっかりやっていただきたいと思います。  続きまして、分限懲戒審査委員会について聞いてまいります。  これは、私、平成二十四年二月の一般質問で取り上げたのが一番最初に取り上げたときで、その当時の総務部長の千葉さんから本会議場で答弁をいただいています。そのときに、答弁は、私はこの分限懲戒審査委員会というのが、やはり公平公正な判断を示すための仕組みにはなっていないのではないかということで取り上げたのですけれども、そのときの答弁は、組織内部の規律と秩序を維持することを目的としていることから、そのメンバーは特別職や人事関係の責任者に限って構成されているものと認識をいたしておりますという答弁でした。  私も、これは当選してまだ一年もたたないころでしたので、ちょっと質問の仕方が未熟で、これはちょっと、いなされた答弁で終わってしまったのかなと我が身を振り返る思いなのですけれども、その後何回か、複数回、議会で取り上げてまいりました。  令和元年の十一月二十七日に、これは田中総務部長ですけれども、答弁がありまして、委員構成の見直しに当たっては、御提案の趣旨を踏まえ、より公正性、客観性が確保できるよう検討してまいりますということで、進むのかなというような形で答弁が出てまいりました。  ここで少しおさらいをしておきますと、職員が何か不祥事をやったときに、区長が懲戒処分の案をつくる、それを保坂展人委員長に諮問して、保坂展人委員長が保坂展人区長に答申すると、こういうことをずうっとやっていると、こんな仕事に何の意味があるのだということで取り上げてまいりました。  昨年十二月の懲戒処分、これは副参事が不適切な勤怠管理とセクハラの繰り返しということで懲戒処分を受けておりますけれども、この懲戒処分に当たっては、この私が提案してきた内容も踏まえて、新たな仕組みに変わったと聞いておるのですけれども、ただ、これについては企画総務委員会等でも特に報告があったわけではございませんので、どういう仕組みに変わったのかということを改めて教えていただきたいと思います。
    ◎大塚 人事課長 今、委員からお話しありましたとおり、区長の諮問に応じまして、職員の処分について審査答申いたします職員分限懲戒審査委員会は、これまで区長を委員長としまして、委員は、副区長と総務、人事部門の責任者で構成しておりましたが、この間の区議会からの御指摘ですとか、また他自治体の状況等を踏まえまして、昨年十二月に委員構成等の見直しを図ったところでございます。  新たな委員会は、これまで以上に公正、適正かつ客観性が確保できるように、副区長、教育長、総務部長に加えまして、学識経験者として、外部の弁護士資格を有する者で構成いたしまして、委員長は総務部を担任する副区長といたしました。  また、これまでは処分案まで示して、区長から委員会へ諮問しておりましたが、新たな仕組みでは、区長は事故概要と服務監察結果をもって委員会に諮問し、諮問を受けた委員会が処分の案を作成して答申することといたしました。  今後も、職員の処分を決定する区長の判断が恣意的にならないよう、新たな職員分限懲戒審査委員会によりまして、さまざまな視点から厳正に審査し、区長に対して適切に答申してまいります。 ◆桃野芳文 委員 今の説明は、要は保坂展人区長から保坂展人委員長に諮問をし、保坂展人委員長から保坂展人区長に答申をするという仕組みは改めて、これは分限懲戒審査委員会のほうのトップは副区長が務めると。なおかつ、この委員会の中には弁護士資格を有する外部の委員を入れるということで、客観性を高めていく、公平性を高めていくということでした。  組織の規律を維持するということについては、これまで私もさまざまな角度で質問をしてまいりましたけれども、これは真面目に働く、しっかりとした職員のモラルを維持する意味でも、やはり懲戒処分というのは適切に行っていかなければいけないわけですから、ぜひこうした新たな仕組みをしっかり維持しながら、公平公正な懲戒処分が下されるように取り組んでいただきたいと思います。  さきの本会議で可決された条例で、公文書管理条例がございました。この公文書管理条例については、やはりこれまでも、我々の会派も、情報公開であったり、公文書の適切な扱いということについては何度も質問をしてまいりましたけれども、新たな条例ができることについては、これは本当によかったなと思っております。もちろん議案にも賛成してまいりました。  まず、これはどれくらいの文書を、どれくらいの期間保存していくのかということについては、さまざまな点を考慮して検討すべきだと思います。一つは物理的な問題、例えば保管場所がないとか、そういったこともあろうかと思いますけれども、今はやはりデジタル技術も日進月歩ですから、どれぐらいの資料をどれぐらいの期間保存していくということについては、より積極的に、データ化して、場所をとらずに長期間保存できるということがありますから、これまでの皆さんの経験だとか感覚みたいなものを一回リセットしていただいて、より幅広い文書をより長く、ものによっては、これはもう永久に保存していくということも可能でしょうから、そういったことも踏まえて今後検討を進めていただきたいと思っているのですけれども、その辺についての考え方を教えてください。 ◎田中 総務部長 文書の保管方法についてはデジタル化が可能になったということもございまして、保存期間等についても再検討すべきでないかというような御意見は、検討の過程でも寄せていただいたところでございます。今、本庁舎の整備に向けて、どのような文書をどのように保管するかというようなことについても検討を進めてございますし、どのような資料をどのような期間、また、どのような手法で保管するかというようなことについては、今後、背景について第三者の意見を伺うということで、公文書管理委員会の設置なども予定しておりますので、そういうようなところの御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。 ◆桃野芳文 委員 やはり捨てる必要のないものは極力捨てないという考えに基づいて、さまざまな技術を駆使してやっていくのだという観点で、この公文書管理については取り組んでいただきたいと思います。  あと、実効性についてなのですけれども、では、公文書の管理に対して不適切な行いがあった場合、この区役所の職員が不適切に扱っていた場合はどうするのかということですけれども、これについては常任委員会の中では、懲戒処分の指針を見直して、改定して、その中に織り込んでいくというような答弁もありましたけれども、これについてもどのような懲戒処分を検討しているのかということも含めてお答えください。 ◎大塚 人事課長 懲戒処分の指針でございますが、平成十五年に作成して以降、懲戒処分の対象となる標準的な事例の追加とか公表基準の改定など、必要に応じて見直しを図ってまいりました。  今回、公文書管理条例の制定に伴いまして、公文書の不適正な取り扱いを懲戒処分の標準的な事例として追加することを、現在、検討しております。国の指針におきましては、公文書の不適正な取り扱いといたしまして、公文書の偽造や変造、決裁文書の改ざん、公文書の紛失、誤廃棄などについて、免職から戒告までの量定を定めておりまして、区ではこうした国や他自治体の事例等を参考にしながら、現在、具体的な内容の整理を進めているところでございます。  また、策定中の職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針を踏まえまして、ハラスメントに関する事例の見直しとか、他の事例についても点検を行った上で、今年度中に指針を改定してまいります。 ◆桃野芳文 委員 懲戒処分の指針の見直しについてもしっかりやっていただきたいです。今、公文書管理というのは、森友問題しかり、桜を見る会の問題しかりということで、非常に国民の関心も高まっている問題です。当然世田谷区民の関心も高いでしょう。世田谷区の姿勢をしっかり見せる、世田谷区長、情報公開ということをもう何度も何度も言っていますから、その基本となるものですから、しっかりと実効性のある仕組みにしていただきたいと思います。  この懲戒処分の指針の見直しについては、私のほうからもう一つ、意見といいますか、取り上げてきたことがございまして、それは加重の要件なのですね。平成二十八年三月に、ある職員が懲戒免職処分になりました。それは人事庶務システムを勝手に改ざんして、警察にも逮捕されたと、そして罰金刑となったということがありまして、この職員は、世田谷区は懲戒免職処分だということで懲戒免職処分にしたのですけれども、これが二十三区の人事委員会で、ひっくり返されまして、懲戒処分にすることは適当ではないということで、一旦懲戒免職処分になっていますから、もう世田谷区役所には出勤していないわけですけれども、一年七カ月後だったかな、処分が覆りまして、その間のお給料だとか退職金だとかをさかのぼって払わなければいけないようなことになったということがありました。  世田谷区の判断というのは、この職員は過去にも警察に逮捕されていて、その際も懲戒処分を受けている。これは非違行為の繰り返しになるから、これは加重で、より重い処分を下すということで懲戒免職処分にしたのですね。  そして繰り返しになりますが、二十三区の人事委員会は、これは懲戒免職はまかりならぬという判断を下したわけですけれども、そのときに特別区の、二十三区の人事委員会が指摘したのは、世田谷区の懲戒処分の指針からすれば、これは懲戒免職処分にできないのだという判断だったのですね。  それは何が書いてあるかというと、この世田谷区の懲戒処分の指針には、過去に非違行為を行い、懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び同様の非違行為を行った場合は量定を加重すると書いてあるのです。だから、例えば何か悪いことをやって警察に捕まった、過去に捕まっている、そしてまた新たに捕まった、だけれども、それぞれの非違行為が別の非違行為であった場合は加重できないということになっているのですよ、世田谷区の懲戒処分の指針は。  これは一般の区民から見たら、やはり二回も警察に逮捕されるような職員を首にできない、もちろん、いろいろな情状酌量とかなんとか、いろいろな条件はあると思いますよ。ただし、その一点をもって過重できないということにしてしまうルールについては、私はこれは区民の理解を得られないのではないかと思っていましたし、そのように皆さんのほうにも問いかけてまいりました。  この懲戒処分の指針を改定するタイミングが近々あるのであれば、この「再び同様の非違行為を行った場合は、量定を加重する」、この文言も見直すべきではないかなと思うのですが、考えを聞かせてください。 ◎大塚 人事課長 今、委員からお話がありましたとおり、懲戒処分の量定の加重につきましては、指針の基本事項として、今お話しいただいたような内容が規定されております。この間、専門家にも意見を聞きながら、御指摘の趣旨を踏まえて、量定の加重のあり方について検討してきたところでございますが、今回の標準事例の追加や見直しとあわせまして、同様の非違行為を行った場合に限らず、過去の非違行為の状況を量定の判断要素とすることについても検討を進めているところでございます。今後も非違行為を行った職員に対して、組織の規律と秩序を維持し、区民の信頼に応える厳正な処分を行う観点から、懲戒処分の指針については適宜適切に見直してまいります。 ◆桃野芳文 委員 非違行為を繰り返したから、必ずしも過重せよと私も言っているわけではなくて、これはそれぞれの悪質性だとか、その繰り返した要因だとか、さまざまなことが考慮になってきて、最終的には処分が決まるのだとは思います。ただし、ここに「同様の」という縛りを加えることについては、私は適当ではないと思いますし、先ほど説明があったように、分限懲戒審査委員会の仕組みも、これは外部の弁護士も入れて、より公正性、客観性のある仕組みにチャレンジしていくということですから、これはここに「同様の」という言葉を抜いたからといって、公正な処分を妨げるものではないと思いますから、ぜひその見直しもしっかりと進めていただきたいと思います。  災害対策についても聞いてまいります。これからお話しすることは、LPガス、これは他会派からもこれまで質問が、過去、ありましたけれども、このLPガスを災害対策として生かしていけないかということなのですね。  東日本大震災の際は、都市ガスに比べてLPガス、電力に比べてもLPガス、大幅にその復旧が早かったということもありますし、また直近では、北海道の胆振東部地震でも、LPガスの供給途絶や二次災害は起きていないということで、今、非常に注目をされています。  このガスとして使うだけではなくて、LPガス発電機というものを備えつけて、このLPガスを使った電力ということも十分に供給できるということです。  これはしっかりと取り入れて災害対策を進めていただきたいと思うのですけれども、その前に、きょう午前中の他会派の質疑の中であった防災協定についても、先ほど質疑があって、ちょっと気になったのですね。世田谷区では、災害時におけるプロパンガスの供給に関する協力協定というのを結んでいます。東京都LPガス協会山ノ手支部と世田谷区長ということで持っている協力協定があるようなのですけれども、これは今でもしっかりと更新されているのかということをまずお伺いします。 ◎前島 災害対策課長 今、御指摘いただきました災害時におけるプロパンガスの供給に関する協力協定でございますが、平成二十二年四月八日に改定しまして、それ以前は平成八年に締結したものを焼き直しをして、平成二十二年四月八日に再締結しているものでございまして、現在も協力協定としては生きているものと認識しております。 ◆桃野芳文 委員 今、生きているということですけれども、この協定の中の第六条に、この相手方法人に対して、これは世田谷区の要請により、災害時に供給することができるプロパンガスの数量その他必要な事項を毎年世田谷区に報告するものとすると書いているのですけれども、これは世田谷区から毎年しっかりと要請をして、供給できるプロパンガスの数量その他は確認はしていますか。 ◎前島 災害対策課長 このプロパンガスに関する協定につきましては、御指摘のとおり第六条のところで報告するものとするとなってございますが、現在この報告の内容について、今、手元に資料がございませんので、確認は明言できませんが、これらについては毎年、先ほども御質問ありましたけれども、協力協定の相手先の確認とか、そういったこともやってございますので、その中での報告がされているものと認識しておりますが、具体のここの協定について資料を確認しておりませんで、該当所管のほうで確認しているものと認識しておりますが、改めて確認してまいりたいと思います。 ◆桃野芳文 委員 これは所管が違いますが、例えばまちづくりセンターなどは、新しいところは、このLPガスを使ったエネルギー供給は始まっているのです。船橋まちづくりセンターだとか梅丘、こういったところはこの仕組みが入っているのですね。なので、これは協定自体は平成二十二年四月八日に結んだものですけれども、こういうものがしっかりと本当にできているのかということについては、すごく気になります。  今の課長の答弁でも、私はもしかしたら自信がないのかなという印象を受けましたよ、本当にやっているのかどうか。こういうことをしっかりやっていただかないと、やはりせっかくよい仕組みを入れても、実際に災害時に役に立たないということもあり得ますから、こういうところも、先ほど防災協定、全て一年間でみんな見ているというようなことがありましたけれども、こういうことについても本当にしっかりできているのかどうか確認をしていただきたいし、こういう要請も一年に一回ぐらいはしっかりやっていただきたいと思います。  ちょっと時間がなくなってしまいましたので、このLPガスを使った災害対策、電源供給、ガス供給については、また別の機会にやらせていただきます。 ○阿久津皇 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 Setagayaあらたの質疑を始めます。  区の災害対策について伺います。  昨年の十月十二日の台風十九号は、世田谷区において全壊一件、半壊三百二十五件、一部損壊二百七十九件、床下浸水二件、床上浸水十四件と、甚大な被害をもたらしました。区では今後、出水期までに検証作業を進め、ハザードマップを見直し、新しいハザードマップの公表を行う予定とのことですが、スケジュールの後ろ倒しや、出水期に間に合わないということがないように、確実に進めていかねばならないことを改めて申し上げておきます。  区はこれまで水害に対する事前の備えとして、洪水が発生した際の浸水想定区域や浸水の程度、避難所の位置などを示した世田谷区洪水ハザードマップの配布を行い、また、これを区のホームページでも公表してこられました。しかし、台風十九号の際には、世田谷区洪水ハザードマップで避難所として周知してきた明正小学校、砧小学校、砧中学校、聖ドミニコ学園を避難所として開設しませんでした。これらの避難所を開設しなかった理由をお答えください。 ◎河野 副参事 台風第十九号が接近した当日ですが、早朝四時十四分には大雨警報が発表されまして、朝からの長雨により、午後には東京都より土砂災害警戒情報が示唆されたことから、区では十六時十五分に土砂災害に関する避難勧告、警戒レベル四を発令しております。土砂災害に関する避難勧告発令の前には、多摩川の洪水に関する避難勧告、こちらも警戒レベル四を発令いたしまして、その後、避難所を順次開設してまいりました。  避難所として洪水ハザードマップに指定している小中学校等の中で、今、委員御案内の小中学校等は、敷地が土砂災害警戒区域にかかっており、土砂災害のおそれがある箇所のため、避難所として開設しておりません。 ◆つるみけんご 委員 敷地が土砂災害警戒区域にかかっているということであれば、なぜこれまで避難所として周知してこられたのでしょうか。お答えください。 ◎河野 副参事 平成十七年度に世田谷区洪水ハザードマップを作成した際に、水害時の避難所として、浸水想定区域を除いた世田谷区の小中学校等を避難場所として指定しております。さらにその後、土砂災害防止法に基づき、世田谷区では平成二十八年三月及び平成三十年一月に土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域が指定されております。区で作成しております土砂災害ハザードマップでは、土砂災害警戒区域にかかる小中学校は避難所として指定しておりませんが、今回の台風第十九号の際に、多摩川の洪水に関する避難勧告、警戒レベル四と土砂災害に関する避難勧告、警戒レベル四を同時に発令する事態となったことから、風水害対策総点検における対応方針の中で、今後、土砂災害警戒区域内には避難所を設置しないことといたしました。 ◆つるみけんご 委員 最新の洪水ハザードマップを拝見しましたが、そのハザードマップの説明文の部分に令和元年九月と書かれています。この時期に作成、発行されたのであれば、当然、修正しておくべきです。また、こちらの洪水ハザードマップには、土砂災害警戒区域も明確に記載されておりまして、先ほど挙げた四カ所は避難所として記載されております。区民の混乱を招きかねない危険な表記であり、ぜひとも改善すべきです。洪水ハザードマップにおいて、避難所として事前に周知していたものの、開設されなかった場所がある一方で、洪水ハザードマップ上、避難所として記載されていない場所が避難所となったケースが多々ありました。必要に応じて対応を変えようという姿勢は評価できます。しかしながら、今回、突如新たに開設された避難所の喜多見東地区会館、砧南中学校、駒澤大学玉川キャンパスについては、ハザードマップで浸水想定区域とされている区域に位置しています。浸水想定区域に避難所を開設するに当たっては、当然、災害対策本部において議論があったものと推察いたしますが、どのような議論がなされたのでしょうか、お答えください。 ◎河野 副参事 喜多見東地区会館につきましては、当初、自主避難所として開設いたしました。この自主避難所は、多摩川の増水に対する想定よりも、その前の台風十五号の被害を踏まえまして、強風の影響で自宅にて過ごすのが不安な方や、自宅が被害を受けた方に滞在していただくことを想定して開設したものであります。また、当日は多摩川の増水のスピードが速く、浸水想定区域外への避難が難しい状況が想定されるため、垂直避難が可能な砧南中学校、駒澤大学玉川キャンパスを開設したものでございます。 ◆つるみけんご 委員 世田谷区地域防災計画の七三一ページには、多摩川の堤防に決壊のおそれがある場合には、世田谷区洪水ハザードマップ多摩川版に示す浸水想定区域内の施設は避難所として使用しないと書いてあります。にもかかわらず、浸水想定区域内に避難所を開設するということは、恐らく堤防決壊や洪水までは起こらないだろうという、甘いとも思われる予測が災害対策本部内にあったのではないかという疑念を持たざるを得ません。甘い予測は予測ではなく、希望でしかありません。これは危機管理上、最もやってはいけないことです。  気象庁は、通常であれば台風上陸の前日に行うはずの記者会見を前倒しして、台風上陸三日前に異例の記者会見を行い、大雨、高潮に警戒が必要、十二日から十三日にかけて警報級の大雨になる可能性があると対応を呼びかけていました。前日の十月十一日十一時の会見でも、河川の氾濫が相次いだ昭和三十三年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨になるおそれがあると警告をしていました。想定以上の大雨でしたという言いわけは成り立ちません。  現に台風十九号における多摩川の檜原観測所の降雨量は六百五十四ミリで、ハザードマップの想定最大規模である、多摩川流域の二日間総雨量五百八十八ミリを超えています。一歩間違えば多摩川の堤防が決壊し、避難所に避難されてきた方が洪水の被害に遭うという最悪の事態もあり得ました。  以前、第四回定例会においても、避難所に避難してきた方々が津波にのまれてしまった釜石の悲劇の話をしましたが、我々は過去に学び、世田谷区において、このような事態が引き起こされることがないように、備え、取り組み、実践していかなければなりません。大雨による被害想定を小さく見積もってしまった区の危機意識の低さに、強い危機感を持っております。今回の区の判断は、結果として区民の命を危険にさらしてしまったわけですが、区の見解をお聞かせください。 ◎河野 副参事 台風第十九号は、島嶼部における風速で六十メートルを記録したこともありまして、区としては風への警戒を意識してしまったこと、また、当日の区内の雨量は四十ミリに届いておりませんが、先ほど御案内の多摩川上流における雨量が下流域の増水をもたらしたことなどにより対応が後手に回ったところがございました。これらの反省を踏まえまして、風水害対策総点検における対応方針の中で、先ほどの土砂災害警戒区域と同様、改めまして浸水想定区域内には避難所を設置しないことといたしております。 ◆つるみけんご 委員 以前、区長が本会議で他会派からの質問に、台風通過後の体制に人員を置き過ぎたと答弁されていました。台風通過後の人員を多目に配置していたことで、災害時、ましてや緊急時の避難所の対応ができないというのは本末転倒です。本来ハザードマップを考える時点で、それを支える人員、つまりこれらの避難所の開設に当たって、どれだけの人員が必要で、どのような事前の準備が必要かというソフト面についても、当然一体で考えておく必要があると考えます。区にそうした意識がなかったのではないでしょうか。ハード整備とソフト整備は一体のものです。区の見解を求めます。 ◎前島 災害対策課長 今御指摘いただきました部分につきましては、風水害対策総点検でもお示しさせていただき、その中の検証の中で、今後は災対地域本部となる総合支所と連携しまして、水害時の避難所の選定を進めるとともに、その避難所に必要な人員を増員することや、世田谷、北沢、烏山地域から玉川、砧地域に応援職員を派遣するなど、ハードとソフトをセットで、出水期までに決定して対応してまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 今後はと言われましたが、本来、計画やハザードマップをつくった時点で当然考えておかなければならないことであるはずです。ここではっきり申し上げておきますが、洪水被害を避けるための一時的な緊急避難場所と、直下型地震など大規模災害と火災等による避難者の生活の場を中心とする避難所は、役割が異なるため、区別して考えるべきです。しかしながら、世田谷区地域防災計画の風水害編には、避難所は原則として震災編に定める区立小中学校とすると書かれており、区はこれまで、震災と水害における避難所を区別せずに施策を考えてきたように見てとれます。今回の計画の見直しで、震災における避難所と水害における緊急避難場所の定義とその役割を明確にした上で、今後、区民に対してわかりやすく周知していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎前島 災害対策課長 御指摘の点につきましては、先ほども答弁させていただきましたが、出水期までに水害時の避難所の選定を行う予定でございますが、来年度に地域防災計画の修正を予定していることから、避難所の定義につきましても計画に反映するなど、明確にしまして、区民への周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 地域が混乱しないように、徹底して改善をしてください。  次に、災害対策に関連して、避難行動要支援者の方への区の対応について伺います。  台風十九号の際には、避難行動要支援者の方に対して電話で安否確認を行い、電話のつながらない方に対しては、消防署と連携をとり、訪問による確認を行ったと所管から伺いました。今回の区の電話での安否確認において救助を要請された方はいらしたのでしょうか、お答えください。 ◎前島 災害対策課長 台風第十九号における対応としまして、多摩川の堤外地にお住まいの避難行動要支援者を、名簿によりまして安否確認を行ったところですが、数名が電話等で確認できなかったため、災害対策本部のリエゾン、連絡員を通して、消防署に現地での確認を要請いたしまして、それらの確認の中では救助の要請はございませんでした。 ◆つるみけんご 委員 電話で安否確認をした際に、もし救助を要請される方がいた場合には、区としてはどのような対応をとられる予定だったのでしょうか、お答えください。 ◎前島 災害対策課長 地域防災計画におきましては、警察は被災の規模や要救助者の数など緊急に救出活動を要する被災現場を優先的に、救出活動に当たることとしております。また、消防につきましては、警察、自衛隊、東京DMAT、消防団、防災区民組織等と連携協力して救助救急の万全を期することとしておりまして、こうした防災関係機関が中心となって対応する計画となってございます。 ◆つるみけんご 委員 今のお話は、現実的には機能しないと思います。世田谷区地域防災計画によると、首都直下型地震の被害想定として、地震火災による焼失棟数は二万一千七百二十七件と極めて大規模な火災が起きることが予想されています。警察や消防が駆けつけるのは現実的ではないのではないでしょうか。避難行動要支援者の支援の協定先である町会・自治会についても、協定を結んでいる地域は百九十五町会中百二町会であり、約半分と、まだまだ協定を結べていない地域もあります。町会・自治会と協定を結べていない地域についてはどのように対応されるのでしょうか、お答えください。 ◎前島 災害対策課長 協定締結をしていない地区にお住まいの避難行動要支援者の安否確認につきましては、避難行動要支援者支援プランというのを策定しておりまして、その中で町会・自治会、民生児童委員、社会福祉協議会、保健福祉サービス事業所、消防団などに対しまして安否確認への協力を要請することとなっております。あわせまして、世田谷区介護事業者ネットワークとの協定による、そのサービス利用者の安否確認や、保健福祉サービスや福祉施設等を利用されている方につきましては、そうした事業者とも連携協力して情報収集するものとしております。 ◆つるみけんご 委員 町会・自治会以外にも、民生児童委員、社会福祉協議会、世田谷区介護事業者ネットワーク等多くの方々に連携協力していただけることは本当にありがたいことです。一方、これだけの方々に対して区が緊急時にどのように迅速に連絡をとり、どのような役割分担をして御協力いただくのか、そうしたネットワークを含めた管理はできているのでしょうか。区は仕組みづくりを充実するばかりで、検討すればするほど複雑になるばかりです。いま一度確認を行い、簡素な仕組みを目標に点検をするべきことを指摘しておきます。  次に、子どもの安全について、危機管理の観点から伺います。  令和元年警察白書によると、十三歳以下の子どもが被害者となった刑法犯の認知件数は減少傾向にあるものの、平成三十年度で一万二千九百四十七件です。悲しいことに、子どもたちが殺人、強盗、性犯罪、誘拐など、さまざまな犯罪の被害者となっている現実があります。特に認知件数全体に占める子どもの被害件数の割合が最も高い犯罪は略取・誘拐であり、その割合は平成三十年度で三六・二%を占めています。略取とは、暴行や脅迫によって連れ去ること、誘拐は、だましたり、誘惑したりして連れ出すことを言います。  先月二月十七日に、小学生のお子さんがいる区民の方から、目黒区東が丘で男子児童連れ去り未遂があったらしいと連絡を受けました。世田谷区の防犯情報メールでは、その連絡が回っていなかったことから、すぐに危機管理室地域生活安全課に問い合わせをして、その事実確認を行っていただきましたところ、目黒区の警察の情報では、目黒区東が丘一丁目において、二月十三日午後二時四十分ごろに連れ去り未遂が発生していたことが判明しました。事案発生から既に四日たっていたこともあり、地域生活安全課に、できるだけ早く、世田谷区の防犯情報メールでも情報を流していただくようお願いしたところ、目黒区役所の対応等も確認の上、約二時間後に世田谷区の防犯情報メールで注意喚起のメールを流していただきました。地域生活安全課の方には迅速に御対応いただいたものと思っております。  ただ、今回事案が発生した場所が世田谷区内でなかったことから、情報の入手ができていなかったことも事実です。連れ去り未遂が起きた現場の目黒区東が丘一丁目というのは、東京医療センターの裏側に当たる場所で、世田谷区と隣接しています。また、東根公園という子どもの遊び場もあり、駒沢オリンピック公園もすぐそばであることから、世田谷区の子どもたちにとっても生活圏内の場所です。子どもたちの安全を確保するために、隣接区で起きた犯罪等について、特に区境等の近隣地区の事件については、情報の収集に努めるとともに、区民への迅速な情報提供を行うべきではないかと考えます。区の御見解をお聞かせください。 ◎吉田 地域生活安全課長 委員御指摘のとおり、目黒で発生した事案につきましては、後日でありますが、認識したところであります。区と隣接する自治体とは、各区市民の生活に係る重大な事件が発生した場合、各種犯罪被害防止のために相互の情報を提供して共有することとなっております。今後は区民の安全と安心を守るため、区境で発生した事案につきましても情報の共有が図れるよう隣接自治体との連携強化に努めまして、防犯情報の発信に努めていきたいと思っております。 ◆つるみけんご 委員 前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひとも前に進めてください。  以上で私の質疑を終え、佐藤委員にかわります。 ◆佐藤美樹 委員 続いて質問してまいります。  まず、きのうの会派の総括質疑で取り上げました、ふるさと納税と中長期財政見通しへの影響について伺ってまいりたいと思います。  ふるさと納税による中長期財政の見通しというところの論点で、来年度のふるさと納税による区民税の減額に当たる七十億円という数字を、来年度以降も同額で中長期財政見通しに用いていることについて取り上げさせていただきました。御答弁で、ふるさと納税がこのまま七十億円のままであるということを堅持したいということで、その数字を用いていると、抑制させたいという区の意向も理解しますけれども、一方で、財政計画においては、そのような希望的予測をもとに数値を用いるべきではないと考えております。  会計には保守主義の原則というものがあります。御存じかと思いますけれども、予測される数値に対して、プラスの要因であれば、より少ない数字を、マイナスの要因であれば、より大きい数字を用いるという保守的な見積もりというのは、企業会計であれば基本のキになります。  そこで、七十億円のまま推移していくというのではなくて、よくおっしゃっているような、今のペース、一・三倍でふるさと納税がふえていった場合に、中長期財政見通しというのがどういうふうに見えるかというのをちょっと見てみたいと思います。  この黒い字のところが中長期財政見通しで今、区が用いている数字で、来年度は千二百五十五億円の特別区民税の税収を見込んでいると。それ以降、再来年度、令和三年度、令和四年度も七十億円のふるさと納税による区民税へのインパクトというので、再来年度が千二百六十八億円、令和四年度が千二百七十六億円という中長期財政見通しになっているのですけれども、これが仮にこの赤字のほう、ふるさと納税が今のペースでふえていったとした場合の再来年度、九十一億円、百十八億円というのを反映させると、ほかの要素は変わらなかったという仮定でですけれども、そうすると、当然ですけれども、再来年度、令和三年度は区民税が減収に転じてまいります。  別の見方をすると、今の七十億円のまま推移した場合の区民税の増収分が、ここの令和二年と令和三年の幅が十三億円しかありませんので、このプラス十三億円分ふるさと納税がふえたら、つまり計算すると、七十足す十三の八十三億円に、もしふるさと納税がなった場合には、もう八十三億円以上で区民税が減収ということが見えてきます。  こういう八十三億円のところで減に転じるというような、そのシナリオをまず持った上で、その上でその七十億円というので抑制していきたいという、そういった堅持したいという数字を見るというような、そういったシナリオでいなければならないと思いますけれども、これについての見解を伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 ふるさと納税の区財政への影響でございますが、お話にもあります平成二十九年度が三十一億円、平成三十年度が四十一億円、平成三十一年度、令和元年度が五十二億円と、お話のとおり一・三倍ずつふえているという、そのトレンドを見まして、令和二年度についても、現時点では七十億円まで拡大するものと見込んだところでございます。  お話のとおり、令和三年度以降も同様の伸びを見込むと、九十一億円という減収となるというシミュレーションも考えられますが、一方で、区としても、きのうも御答弁させていただきましたが、税源流出の抑制に向けた取り組みを強化しておりますし、これ以上の流出額をふやさない、あるいは抑制するということを前提として、中期財政見通しでは、令和三年度以降も七十億円のままとしておりますが、決して楽観的な財政見通しであるとは考えていないところでございます。  また、区民税につきましても、納税者数の増は見込んでいて、その分をプラスなのですが、一方で、現時点ではオリンピック以降の中期財政見通しを想定した段階では、オリンピック以降は景気を一%程度減収するという見込みで見込んでおりますので、その十三億円の増というのも、それを見込んだ上での区民税の見込みという形となっております。 ◆佐藤美樹 委員 楽観的に見ているわけではないということですけれども、繰り返し申し上げますが、保守的に数字を見ていくというのが基本でありますので、区の中でも、ふるさと納税が七十億円のまま、これ以上ふえないでほしいというのがありつつも、七十億円のままではないだろうというのも感覚的には持っていらっしゃると思いますので、そのときにその損益分岐点ではないですけれども、マイナスに転じるこの八十三という数字も一つの目安として持っていていただきたいと思います。  中長期財政見通しにおいては、今回の新型コロナウイルスによる財政へのインパクトというのも当然見ていかなければいけない要素になると思いますけれども、その際も、今申し上げたような保守的原則というので、一番最悪のシナリオで見た場合に、どれだけの歳入減で、歳出については歳出増となるかというところを反映させていっていただきたいと思いますが、まず、今現時点で、歳入減のほう、減収の部分についてどのような見立てでいらっしゃるか伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 現時点では、先ほど申しました二〇二〇大会以降の景気の後退というのを見込んでいることに加えまして、今般の新型コロナウイルスの影響、これは本日もそうですが、株価の急激な変動など、既に経済ヘの影響が出始めていると、この影響が長期化すれば、区財政に直接的な影響も懸念されるというところでございます。  具体的には、企業収益の落ち込みが、市町村民税法人分を財源とする特別区交付金にあらわれてくるということが考えられますし、さらに、景気の低迷により個人の所得に影響が及んでくれば、特別区民税が減収になるということが想定されています。  今般お示ししている中期財政見通しにつきましては、夏に行います令和三年度の予算フレームの作成に合わせて、更新の際に、今回の新型コロナウイルスの影響の状況を踏まえた予算フレーム、また中期財政見通しに反映していくという形で考えております。 ◆佐藤美樹 委員 今後、その厳しい税収、財政状況になってきたときに、やはりその見直しとか廃止ということを考えなければいけない事業も出てくると思いますので、その辺について次は伺っていきたいのですけれども、事業の見直し、廃止というところについては、判断の要素の一つでありますけれども、成果指標、今、新実施計画の推進状況というところでも、いろいろさまざま、ほかの会派からも出ていますが、こういったところで見えてくるその進捗状況であったり、あるいは成果指標といったものが、この事業の見直し、廃止の判断要素の一つになります。  これも以前から指摘をしている点なのですけれども、やはり今回の新実施計画の推進状況を見ても、これまでも感じてきたその客観性という部分と、成果指標と各事業の関連性という、この二つが、やはりまだぴたっとできていないというところがあるように思います。  例えば、以前も言ってきたことなのですが、重点政策一の成果指標が、子育てしやすいと感じる保護者の割合という、これは区民意識調査から持ってくるパーセンテージなのですけれども、それですと、この意識調査をもとに成果指標とすると、その下にあります例えば待機児の解消だったり、子育て利用券の利用率というものが限りなく一〇〇%になっていても、それに必ずしも連動して、この意識調査のパーセンテージが伸びるというものではありませんので、この辺の成果指標の改善をしておかないと、区としてもやはり厳しくなってくる、説明がきつくなってくるところがあると思いますが、今後の見解を問います。 ◎松本 政策企画課長 新実施計画後期の重点政策における成果指標は、構成する事業の成果を積み上げることにより、大きな政策効果を生むことを目指していることから、構成する事業を代表する成果指標のほか、政策全体の区民への影響をはかることが適当なものは、区民意識調査の結果を成果指標とすることで目標の定量化を図っております。委員お話しの子育てしやすい環境だと感じる保護者の割合という成果指標は、重点政策一を推進するに当たり、それを高めていくことが、区が目指すべき姿であると考え、設定をしております。  区民意識調査は、適正なサンプル数や年齢構成など、統計手法に基づく設計により実施しておりますが、御指摘のとおり、主観に基づく成果指標であるため、区の施策とは別の要因の影響を受けて大きく変動する可能性もあることから、課題もあると考えております。今後、より区民にわかりやすくするため、目指す姿を明示しながらも、各事業との関連性や客観性の高い別の指標を併記するなど、所管部とともに検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。  次に、今回の新型コロナウイルスの感染者のことについて、危機管理の広報、クライシスコミュニケーションと言われる機能について伺ってまいります。  先週の福祉保健常任委員会では、やりとりの中で区の保健所のほうでは、感染者についての情報は都が公表するので、区としては公表しない、できないというような御答弁がありましたけれども、一昨日、区内の感染者については、世田谷区としてプレスリリースをされています。ただ、どこの保育所なのかというところまでは伏せた状態での公表でした。  企業において、不祥事とか災害とか、そういったクライシス、危機と呼ばれるものほど、そのマイナスが大きければ大きいほど、いかに速く正確に公表するかというのが、さらにその次に来る風評被害であったりデマといったものを低減、防いでいくということにつながる重要な戦略であって、そういった広報の方針というのは危機管理の一環として持っていると思います。  今回、実際にきのうの時点でも、区のほうでは園の名前は出さないという方針を貫いていらっしゃいましたけれども、この事業者側のほうがホームページで公開するというふうに至っています。今回このような、民間のほうがやはり敏感にこういった公表ということに踏み切っているわけですけれども、これを教訓にして、今後の危機管理広報というところについての方針に生かしていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎山戸 広報広聴課長 危機管理広報の御質問でございますが、世田谷区危機管理基本マニュアルでは、緊急時の広報は、危機が発生した場合に、発生事象の事実関係、区の緊急対応内容・方針、今後の見通しなどについて、いち早く区民に広報し、区民自身が行う応急対応に資するとともに、拡大被害・二次被害などへの区民の不安感を解消することを目的として行うとしてございます。  新型コロナウイルスの罹患者の公表は、東京都が行うことを原則としてございますが、今回は、世田谷区内の保育施設に勤務する方の陽性が明確になったため、罹患者の人権に配慮しながらも、不確定な情報が拡散することによる区民の不安を払拭するため、世田谷区では適切な対処をしたことを含め、公表することを決めました。  一方で、保育施設名の特定については、区での公表を行わないといたしましたが、昨夕、事業所において公表する旨の連絡があったことから、区のホームページからリンクを行ったところでございます。
    ◆佐藤美樹 委員 済みません、それは方針ではないので、ちょっと方針のほうを答えていただきたかったのですけれども、ちょっと時間がないので、これで質疑を終わりたいと思います。 ○阿久津皇 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 それでは、私からは、まず最初に、本庁舎整備と公契約条例について質問をしたいと思います。  公契約条例は、適正な入札、適正な労働条件の確保、経営環境の改善で、公共工事やサービスの質の確保、区内産業の振興、また地域経済の活性化などを図るということを目的としています。本庁舎整備が施工者選定の段階になってきました。地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会には、施工者選定における評価項目などを検討する総合評価等検討委員会の開催が報告されました。しかし、そこで示された基本方針の中では、特に公契約条例には触れられていませんでした。  条例の目的にもある区内産業の振興、地域経済の活性化を図るためにも、区内事業者が施工体制に組み込まれることが重要だと思います。こうしたことが事業者選定で考慮されるべきだと思います。また、本庁舎整備の本体の事業にかかわって、引っ越しなど付随するさまざまな仕事も出てくると思いますが、ほかにどのような仕事があるでしょうか。 ◎佐藤 庁舎整備担当課長 現在、施工者選定に係る検討を行っております本庁舎等整備事業に付随する工事につきましては、例えば旧玉川高校を仮庁舎として活用するための改修工事や、また、本敷地内の工事といたしましても区民会館の東側の噴水解体工事、また、第二庁舎の地下に印刷室などを移転するための改修工事、また周辺道路整備などがございます。その他、工事以外にも、本庁舎等整備事業に関連して、机やキャビネットなどの什器や備品などの購入、また、ICT関連のネットワーク工事、防災システムの機器の設置、移設などの業務を本体工事の進捗などに合わせまして別途発注していく予定としております。 ◆中里光夫 委員 そうした工事であるとか、物品購入であるとか、これは本体の一括で発注するものとは別に起こる契約だということだと思いますけれども、それらについては、やはり地元業者に積極的に発注していくべきだと思いますが、どのような仕組みになっていますか。 ◎渡邉 経理課長 ただいま庁舎整備担当課長が御答弁した内容につきましては、概略かなと思います。実際はもっと細かくいろいろと案件として出てくるものかと思ってございます。具体的には、それぞれの契約案件を経理課として判断してまいりますけれども、これまでも基本的には区内事業者を優先的に発注してきておりますので、これまでの例に倣って発注していくものというふうに考えてございます。 ◆中里光夫 委員 そうした付随するものも地元業者優先でしっかりと進めていただきたいと思いますが、何より区が発注する公共工事としては最大規模になるのが本庁舎整備です。この本庁舎整備にあっては、その施工者選定においても当然公契約条例を踏まえるべきだというふうに考えますが、区の見解を伺います。 ◎渡邉 経理課長 先ほど委員のほうからも御紹介がありましたけれども、公契約につきましては、公契約において適正な入札を実施し、従事する労働者の適正な労働条件を確保、また事業者の経営環境の改善を図ることを目的としてございます。具体的には、労働報酬下限額の適用による労働者への適正な賃金の確保、あるいは事業者の適正な労働時間管理を初めとする環境の改善、また、入札制度の改革による経営環境の改善等に取り組むことが求められてございます。これらの取り組みに向けましては、工事、委託業務にかかわらず、また元請けだけでなく、下請け事業者、そこで働く方々への公契約条例制度の周知と労働報酬下限額の適用など、実効性の担保が重要と考えてございます。  本庁舎等整備事業も公契約条例の対象であることは言うまでもなく、現在進められております施工者選定に係る検討委員会においても、委員の皆様が区に公契約条例が制定されることを既に十分御承知の上で検討、議論をいただいてございます。 ◆中里光夫 委員 公契約条例をしっかりと意識して選定の項目づくりも進めていただきたいというふうに思います。  公契約条例を推進してきた区民が毎年シンポジウムも開いていますが、その中でも、公共工事の現場では実際には賃金水準がまだまだ低い、下請や孫請にチェックが及ばないなど、条例の実効性の上での課題が指摘もされています。社労士による現場の実態調査、指導なども幾つか行われましたけれども、この区役所の現場でもこうしたことに取り組んでいくべきだというふうに考えます。  本庁舎整備の施工者については、この十月にも決まり、工事も始まっていきます。特に区の本庁舎整備の現場で公契約条例を遵守させ、そして区内公共工事のまさにモデルとなるような、そういう現場にしていくことが大事だというふうに思います。現時点での区の意気込み、どのように取り組んでいくか伺います。 ◎進藤 財務部長 公契約条例の基本方針には、工事請負等の質及び適正な価格が確保されるために、正確な積算等着実な事業計画に基づき公契約が締結されること、また、公契約の履行過程において法令が遵守され、並びに公正な労働基準が確保され、及び向上されることにより、適正な労働条件が確保されるべきことがうたわれております。  本庁舎整備事業はかつてない大規模な工事として注目もされており、当然、公契約条例に基づき確実に遂行されなければならないというふうに考えてございます。区としましては、この基本方針にのっとり、事業者選定に当たっては、区の公契約条例について正しく御理解いただいた上で入札に御参加いただき、いずれの事業者が落札いたしましても公契約条例の確実な遵守を求めてまいります。 ◆中里光夫 委員 ぜひしっかり取り組んでいただいて、現実に現場の労働者の賃金が上がっていくとか、しっかりとした質の高い工事が行われる、そういうことが大事だというふうに思います。  では、次に上用賀公園整備におけるPFIなどの手法検討の問題について質問していきたいと思います。  上用賀公園整備について、PFIなどの民間活用の手法が検討もされています。我が党は、この民間活用については、行政の責任を投げ出してしまうような、そういう民間活用、民営化というものではなくて、区民サービスの向上、質の確保、経費の縮減となるよう行政が公的責任を果たしていくことが大変重要だと考えています。公園におけるサービスの向上、質の確保ということで言えば、区民のスポーツの振興、スポーツの場となる、また憩いの場になる、防災などの見地、こうした行政目的をしっかり果たすものとなる、また、安定した運営、そして区民に情報を公開し、区民の意見を反映させたものにする、そういうことが大事だというふうに考えています。  新実施計画の行政経営改革の十の視点、その視点六では、民間活用や官民連携によるサービスの向上とコスト縮減という項目があります。サービスの向上やコストの縮減が図られる場合には、行政の責任を明確にして質の確保に十分留意しながら進めていくということが書かれています。  例えばこの民間活用、保育の分野では、今は私立認可保育園が中心となっていますけれども、保育の質を守るということを中心に、例えば慎重な事業者選定であるとか、人件費率や財務状況をチェックする仕組みであるとか、保育内容を巡回してチェックする、あるいは保育士確保の支援を行うなど、さまざまな仕組みがつくられてきました。行政の責任、質の確保などの視点で、上用賀公園整備についてもしっかり検討していくことが必要だというふうに思います。  まずはパークPFIについてです。PFI等手法導入の検討(仮称)上用賀公園施設整備事業についてという文書によりますと、パークPFI制度を活用して、特定公園施設の効率的、効果的な整備を行うことを前提とし、民間収益施設として、カフェ、駐車場、多目的広場(フットサルコート)を想定するというふうに書かれています。パークPFIは、規制を緩和し、収益事業を行えるようにして、そして、その収益によって区の財政負担を軽くしていこうという仕組みであります。パークPFIにあっては、収益事業を優先して区民サービスが低下するようなことがあってはならないというふうに思います。また、収益事業が破綻する、こういうリスクもあります。先ほど保育の例を出しましたが、保育では企業主導型保育園が破綻して問題となったというのも記憶に新しいところです。区民にとってのメリット、デメリットを含めた慎重な検討が必要だと思います。  新たなパークPFIの制度を使って、例えばカフェの規模が大きくなる、それがいいのか、あるいは収益施設としてのフットサルコート、これはどういうものか。今民間では、区内では一時間五千五百円から一万四千円という価格でフットサルコートは貸し出されています。そういうことにしてしまうのか。あるいは、公共のスポーツ施設として利用料が安くて質の高い安全なスポーツ施設となっていくのか。こういったことが、それぞれ区民サービスの点、そして事業の安定性、区の責任として検討していくことが必要だというふうに思います。  こうした区の責任として検討していくことが必要だと思いますけれども、区の見解はいかがでしょうか。 ◎岡部 副参事 上用賀公園施設整備事業におきましては、現在、基本構想案を取りまとめたところでございまして、事業手法や施設の運営方法などにつきまして、PFI手法であったり、パークPFI制度などの官民連携手法の導入可能性を含め、今後具体的に検討を進めてまいります。  例えば体育館に関しましては、指定管理者制度による運営を想定しておりまして、区が区民の利用料の上限を定めたり、公平な料金設定を行う予定でもございます。御指摘のカフェの規模であったりフットサルコート、そういった運営方法等につきましては今後の検討課題でございまして、例えばカフェの規模をどの程度にすればよいのか、また、設置許可により民間の採算事業としてフットサルコートを整備、運営して、区は使用料収入を得るなど、事業スキームが成立するかなど検討を進めてまいります。  今後の事業の実施に当たりましては、事業採算性ばかりを重視するのではなく、事業の内容が区民にとってよりよいものなのかどうかという視点も含め総合的に検討を進めてまいります。公共施設という前提に立った上で、区民サービスの向上と質の確保、コスト削減の視点というものを基本に、安全で区民のスポーツ需要に応えるスポーツ施設の施設機能、災害時の広域避難場所や災害応急活動に資する役割を含めた機能、緑をつなぎ広げる空間の確保というところで進めてまいります。 ◆中里光夫 委員 質であるとか区民サービスの向上、そして行政の責任、そういった視点が大変重要だと思います。そうした点でしっかりと検討していく必要があると思います。  パークPFIを導入しなければどうなるのか、区民が利用するスポーツ施設などをより大きく確保できるんじゃないだろうかと、さまざまな条件を区民にわかりやすく示して、区民の声を聞きながら検討することこそ必要だというふうに思います。事業採算性など、さまざまなお話もありましたが、そうした情報を区民にしっかり示し、区民が判断する、そうしたことが必要ではないでしょうか。区民サービスの向上や区の責任を明確にする、その仕組みが必要です。  その一つが情報公開だというふうに思います。この事業者選定にかかわってなんですが、来年度、事業の検討を協働で行う事業協力者を選定するというふうに区はしています。その企業がこの後の事業本体を受注する可能性も大きいんじゃないでしょうか。現在行われている通常のプロポーザルは、提案の内容や評価内容も情報公開の対象ではありません。選定過程が区民や議会からも見えません。また、サウンディング調査もやられたという話ですが、このサウンディング調査も情報が非開示だというのは、これまで私たちが指摘してきたところでございます。  一方、ことし一月に策定された指定管理者制度運用に係るガイドラインでは、事業者選定がどのような過程を経て選定されたか、積極的な情報の公表が求められているとして、選定方法や選定結果の詳細を公表することが規定されています。サウンディング調査であるとか、今回の協力会社の選定は、事業本体の業者選定に匹敵する透明性や公正性の担保が必要ではないでしょうか。指定管理者ガイドラインの水準の情報公開、その仕組みをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎岡部 副参事 事業者選定の際の透明性や公平性を確保することは重要な課題であるというふうに認識しております。そのため、事業協力者は原則公募により選定いたします。事業者選定の透明性を高めていくことは重要であると考えておりますが、一方で、参加事業者のノウハウなどにかかわる情報の公開は、事業者の権利、利益にかかわるものであるため慎重に検討を進める必要があると考えております。区民と事業者の双方の視点に立ち、どのような情報を公開すべきかということを見きわめ、事業者選定の透明性を確保いたします。  今後、委員からお話しのありました指定管理者ガイドラインというものを参考に、どのような情報公開ができるかというところを見きわめ、情報公開の方法というものも検討してまいります。 ◆中里光夫 委員 情報公開は非常に重要ですので、しっかりと進めていただきたいと思います。  次に、全体の事業手法について質問したいと思います。公園全体の事業手法として、従来方式、DBO方式、PFI方式(BTO)と三つの手法が検討対象として挙げられています。この三方式は、大きく二つの要件によって分類されています。一つは発注方式ですね。これです。従来方式は分離発注。そして、この分離発注というのは、設計、建設を個別に発注する、維持管理や運営は直営か民間委託かなどを判断する。そして一方、DBO、PFIは一括発注、一体運営です。設計、建設、維持管理、運営まで全てを一つの会社に一括して発注するという方法。そしてもう一つの分類の仕方が、資金の調達の仕方です。従来方式とDBO方式は区が資金を調達する、そしてPFIは民間資金の調達ということになります。こういう二つの要件で三つの方法が出ている、こういうふうに示されています。  まず資金調達の方法に関して質問をしたいと思います。時間がなくなってきました。区が資金を調達する場合、区債を起債することになります。区債を発行することになります。これは後から少しずつ返済していくということになります。一方、この場合ですね、民間事業者が資金を調達する場合は、民間事業者は銀行や出資者から資金を調達する、あとは区が後から分割で事業者にその資金負担について支払っていくという仕組みです。こうして見ますと、どちらの方式も借金して施設などを整備して後から返済していくということで、基本的な形は同じようなものになります。起債した場合と、民間資金を利用した場合の金利はどうなっているでしょうか。 ◎岡部 副参事 区が民間の金融機関から資金調達を行い、起債する場合の金利は現時点で〇・一%程度でございます。また、PFI手法導入の場合の民間事業者の調達金利におきましては、国の手引きを参考に一・八%というふうに設定しております。 ◆中里光夫 委員 区債の場合は〇・一%、民間は一・八%と大変大きな開きがあるということです。民間資金ははるかに高い金利だと。  それから、区が区債を起債した場合、その残高は、区債残高として財政の資料でいつも私たちは目にするわけですが、民間調達の場合の残金はどのように見てくるんでしょうか。 ◎岡部 副参事 PFI手法を導入する場合に際しましては、対象による事業を選定した後に複数年にわたる契約を結ぶ必要がございます。債務負担行為による議会の議決を得る必要がございます。また、翌年度以降につきましては、予算説明書において、当該年度の予算計上額と後年度の債務負担額の総額を明記し、お示しすることができます。 ◆中里光夫 委員 起債した場合は、区債残高として毎回私たちは資料を見せられるわけですが、民間調達の場合は債務負担行為の残高と、これは予算書を見れば出てきますけれども、我々はなかなか目にすることはありません。目に見えない借金というふうになっていく危険があります。  また、先日の一般質問で破綻した例なども私たちは紹介してきましたけれども、民間企業の場合は事業から撤退したり倒産したりするリスクがあります。事業が破綻した場合の資金調達の面からはどのようなことが想定されるんでしょうか。 ◎岡部 副参事 PFI事業では、施設の設計、建設、維持管理、運営を一括して発注するため、事業に参加する事業者は複数で共同事業体を組むケースが多く、個々の事業者の経営状態がPFI事業に悪影響を与えないよう、それぞれの事業者が出資をして独立した特定目的会社というものを設立し、事業を実施することが想定されております。この仕組みによりまして、事業の安定性と継続性は一定程度確保できるというふうに考えております。  仮に事業者が破綻した場合、契約を解除した上で、施設を区が買い取り、事業の継続に向けて新たな事業者を選定するか、区が直営で事業を実施するかを判断することになると考えられます。また、施設の買い取り価格や違約金、損害賠償等について、契約規定にあらかじめ規定しておく必要があるというふうに考えております。  事業者の破綻リスクというものを想定し、可能な限り施設利用者や区にリスクや影響が生じることがないよう、他自治体の取り組み事例といったものを検証した上で、区と事業者のリスク分担を明確にしてまいります。 ◆中里光夫 委員 リスク分担をしていかなきゃいけないということですが、これはリスクがあるということで、そこをいかにきちんと見ていくことができるのかというのが大変重要になってくるんだと思います。  金利を見ると、民間資金は調達コストが非常に大きい、負債の見え方も民間調達は見えづらい、隠れ借金のようなものになりやすい、そして事業撤退や破綻のリスクもある、こうしたことを考えれば民間資金調達は問題が非常に多いと思います。こうしたことをしっかりと検討していく必要があると思います。検討の過程でこうしたことをしっかり検討する必要があると思いますが、いかがですか。 ◎岡部 副参事 委員御指摘のとおり、来年度、具体的な検討に入っていきますので、そこは詳細に、委員がおっしゃったところのリスクを検討しながら進めてまいります。 ◆中里光夫 委員 発注方法のほうもやろうと思っていたんですが、時間ですので、以上で終わりにします。 ○阿久津皇 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆金井えり子 委員 それでは、企画総務委員会所管の質問を始めさせていただきます。  働き方改革に向けた取り組みについて伺います。  世田谷区新実施計画(後期)の中で、世田谷区役所、職員の率先行動、職場改革の推進として、働き方改革に向けた取り組みがあります。職員一人ひとりが、持てる能力や個性を発揮し活躍できる、働きやすい職場環境の整備や組織風土づくりを進め、組織の活性化、組織としての効率性や創造性の向上を図りますとありますが、働きやすい職場環境の整備や組織風土づくりとはどのような視点からどのように進めているのか、区の見解を伺います。 ◎馬場 職員厚生課長 区では、世田谷区役所版働き方改革を進めていくために、区長、特別職、部長級職員により構成される働き方改革推進会議を平成二十九年度に設置いたしまして、全管理職によるイクボス宣言を皮切りに、基本的な取り組みの三つの柱、ワークライフバランスの推進、勤務時間の適正管理、ワークスタイル改革を掲げまして、順次着手しているところでございます。具体的には、超過勤務の上限時間を定めた新たな超過勤務ルールの本実施でございますとか、業務理由による時差勤務制度の導入などに取り組んでまいりました。また、子育てをする職員を中心とした誰もが働きやすい職場風土の醸成の視点から、今年度は働き方ハンドブック子育てと仕事の両立編を作成中でございまして、今年度末に完成させる予定でございます。 ◆金井えり子 委員 具体的な手法として、勤務時間の適正管理、ワークライフバランス、ワークスタイル改革の三本柱についてお答えいただきました。ということは、その裏側に課題があるということでしょうか。  職員一人一人の働き方と生活に対する意識を変えていくことで働きやすい組織風土がつくられていくと考えます。そのためには研修が必要ですよね。具体的な取り組みについて伺います。 ◎住谷 研修担当課長 職員一人一人の働きやすい職場風土づくりに向けて、区の職員研修としましては、男女共同参画推進の所管課である人権・男女共同参画担当課と共催で、働き方改革の柱であるワークライフバランスの推進や固定的な性別役割分担意識の解消など、働きやすさについて、職員が自身のこととして考え、さらに職務に生かしていけるよう理解を深める研修を実施しております。  また、研修担当課としましては、互いに理解し合い、ともに支えあう風通しのよい職場づくりを進め、組織の活性化につながるコミュニケーション研修を実施しております。今後も、誰もが働きやすい快適な職場づくりに向けて、職員の理解促進や意識啓発に取り組んでまいります。 ◆金井えり子 委員 固定的な性別役割分担意識の解消は本当に大事なものだと思います。これは社会一般でも本当に根強いものがあります。ワークライフバランスの推進には欠かせないポイントだと思っています。  平成三十年四月に改定された世田谷区特定事業主行動計画にも職員の仕事と生活の調和の推進がうたわれておりまして、さまざまな目標値も掲げられています。育児休業、それから超過勤務、キャリア形成についてなど、これが実践されていれば本当に働き方のお手本かなというふうに感じますけれども、実際のところを伺います。女性の育児休業取得、男性の育児休業取得について実績を伺います。 ◎大塚 人事課長 育児休業でございますが、三歳未満の子を育てる職員の継続的な勤務ですとか、仕事と子育ての両立を支援するための休暇制度でございまして、男女を問わず取得することができるものでございます。  ここ数年の区職員の育児休業の取得実績でございますが、平成二十六年度、新たに育児休業を取得した者は八十九人で、これ以降年々増加しておりまして、平成三十年度は百二十九人の職員が新たに育児休業を取得しております。また、このうち男性職員で育児休業を取得した者は、平成二十六年度は一人でしたが、平成三十年度は十三人となっておりまして、育児休業の取得率についても、平成二十六年度は一・六%だったものが平成三十年度は一七・三%と大幅にふえているような状況でございます。 ◆金井えり子 委員 男性の育児休業取得については、平成二十六年度は一人、それから今現在では十三人までふえているということで、これはかなりの進歩かと思います。  厚生労働省の平成三十年度雇用均等基本調査では、女性の育児休業取得率が八二・二%、男性は六・一六%ですから、世田谷区はかなりよいほうに入るのでしょう。ただ、まだまだ女性の取得とかなりの開きがあることが問題だと思います。意識改革が必要で、研修もしているということですが、さらにこの取得率を上げるための対策、また、育休をとるに当たっての不安に対してのフォロー体制について伺います。 ◎大塚 人事課長 育児休業の取得の促進についてでございますが、子育てをする職員が子育てに伴う喜びを実感しながら仕事と子育ての両立を図ることができるよう、職員の働きやすい環境を整備することは重要であると認識しております。特に子育ては男女が協力して行うべきとの視点に立って、固定的な性別役割分担意識の是正や職場におけるマタニティーハラスメントの防止の理解促進に努めまして、育児休業等を取得しやすい職場風土を築いていくことが欠かせないと考えております。  このため、現在、職員の子育ての支援や女性の活躍に向けました今後五年間の行動計画として、特定事業主行動計画を策定しているところでございまして、職員の意識改革や庁内への育児休業制度の周知徹底はもとより、管理職による育児休業の取得勧奨、超過勤務の縮減、また、育児休業中の職員との定期的な情報交換による孤立感や不安感を低減するための取り組みなどを検討しております。  区といたしましては、育児休業等の取得促進を初めとした行動計画を着実に進めていくことによりまして男性の育児参加や女性の活躍を一層推進し、職員の仕事と生活が調和し、子育てとの両立ができる快適な職場環境づくりに取り組んでまいります。 ◆金井えり子 委員 ここでやっぱり研修での成果、コミュニケーションでの成果というのを出していただいて、フォローしていっていただきたいと思います。  先ほど最初の御答弁の中にもありました働き方ハンドブック子育てと仕事の両立編、この内容について伺います。 ◎馬場 職員厚生課長 先ほど御答弁申し上げました働き方ハンドブック子育てと仕事の両立編でございます。内容といたしましては、妊娠から出産までと、出産後、職場復帰、この三つのステージに沿いまして、それぞれの休暇制度や給付制度、あるいは勤務時間の短縮制度などを紹介しております。また、実際に制度を利用した経験のある職員と、休暇制度等を承認した経験のある上司からのメッセージをそれぞれコラムとして掲載しておりまして、これから育児に関する休暇等を利用する職員がイメージを描けるような工夫をしてございます。さらに職員がどんなスケジュールで子育てと仕事を両立させるか、こういったことを上司と相談しながら計画を立てられるフォーマットも用意してございまして、実践的な内容となる予定でございます。  区といたしましては、国の育休取得促進の動向も踏まえながら、職員が安心して子育てしながら仕事に励む環境の整備に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆金井えり子 委員 ぜひ育休がとりやすくなるためにも、有効なものとなるよう進めてください。  育児休業取得はとても大切なことだと思いますが、今、その質も問われています。三月三日の朝日新聞に「『取るだけ育休』になってない?夫の家事育児、妻の五分の一」という記事がありました。育休中、家事、育児の時間が二時間以下というとるだけ育休、子どもがもう一人ふえたかのようになるケースもあるといいます。男性の育休取得を進めるだけでは、女性に負担が偏る家事・育児問題は解決しません。育休は、男性が家事、育児に本格的に取り組む第一歩です。今後、このような視点も世田谷区の働き方改革に取り入れていただくよう要望いたします。  では、次の質問に入ります。災害対策について伺います。  一般質問でも取り上げた洪水ハザードマップの見直しについて伺います。水害などの自然災害に対しては日ごろからの備えがとても大切だということがわかりました。ハザードマップは全戸配布をしていましたが、昨年の台風十九号のときなど十分に活用がなされていなかったように感じます。いざというときに使えるように、区民に直接ハザードマップの重要性、多くの情報が載っていることなどを伝えていく工夫が必要と考えますが、改めて区の見解を伺います。 ◎河野 副参事 区は、来年度、洪水ハザードマップを改定しまして全戸配布を予定しておりますが、区民の方が各世帯でお手元に保管し、日ごろからの備えとして水害リスクや避難情報の収集方法等を学んでいただき、いざというときには自身に合った避難行動をとっていただける内容を記載しております。  全戸配布に当たっては、区の広報媒体を駆使し、幅広く周知徹底に努めることはもちろんのことですが、地元町会・自治会など、地域の防災活動に取り組んでいる方に対して、総合支所とも連携して周知を図り、地域の防災活動に御活用いただけるよう働きかけるとともに、各種団体などへの周知も関係所管と連携して取り組んでまいりたいと考えています。また、出水期前に講演会も予定しておりますので、こうした機会等も捉え、洪水ハザードマップの活用も含めた周知に努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 すぐれたハザードマップでも使われなければ意味をなさない、本当にもったいないと思います。全戸配布されても、広げてみて、自分に必要な情報がどこに載っているか、読み解きが必要ではないでしょうか。  愛知県の建設部河川課でも、やはり行政から住民への情報提供が一方通行となっているという課題がありました。そこで、真に正しい行動につながるように、その意図と意味を共有したコミュニケーション型の情報周知に転換しました。二〇〇九年から水害に対するソフト対策、みずから守るプログラムを展開しています。このみずから守るプログラムの中に手づくりハザードマップ作成支援事業があります。勉強会、町歩き、マップ作成というプログラムで、行政からのきちんとした情報と、その地域住民が必要とする情報が盛り込まれたハザードマップをつくり上げます。これにはハザードマップの印刷費など作成費用やファシリテーターとなる防災NPOへの委託費用などの補助もつけています。  世田谷区では地域ごとの防災塾があり、今さまざまな視点で活動されています。少しマンネリ化かなというお話もありますが、この防災塾を中心に輪を広げて、見直しをした新しいハザードマップに地域ごとの課題や情報をプラスして地域独自のハザードマップの作成をするなど、コミュニケーション型の情報周知を提案します。見解を伺います。 ◎河野 副参事 委員お話しの地域独自のハザードマップの作成等を通じまして、地域住民の方が勉強会や町歩きにより地域の水害リスクを把握し、地域の特性に応じた情報を確認し、地域の水害に関する課題や対応策を住民の皆さんで話し合っていただくことは、行動することを通じてより地域への理解が進み、危機意識が高まる手法として有効だと考えております。  区といたしましては、こうした地域の実情に応じた取り組みにつきまして、防災塾や防災講話、ワークショップ等の手法により、特に玉川地域、砧地域の多摩川洪水浸水想定区域に係る地区に対して、総合支所や関係機関、あるいは東京都とも連携して働きかけてまいります。 ◆金井えり子 委員 ぜひ住民の声を入れた、そういった本当に使えるハザードマップをつくっていっていただきたいと思います。  災害が起こったときに、とにかく不安な気持ちから、まず避難所へと思ってしまいがちです。垂直避難、在宅避難、縁故避難など、状況によって行動するということも、文字で書いてあるだけではなかなか伝わりにくいと考えます。  説明会の開催では、参加者が限られ興味のある人だけへの周知となってしまうといった懸念の声もありますが、では、区民にどうやって理解していただくんでしょうか、見解を伺います。 ◎河野 副参事 避難所における滞在は決して生活環境として十分ではないというふうに認識しておりまして、自身の身の安全を守る避難行動として、親戚の方や知人宅への縁故避難、また御自分で安全な滞在場所を確保していただく自主避難を促し、自宅に浸水のおそれがない方は在宅避難を行っていただくなど、区民の方が自分自身に合った避難行動についてしっかりと理解できるよう周知していくことが大切だと考えております。  区といたしましては、出水期前に、「区のおしらせ」の特集記事において、先ほど申し上げた各種避難方法の周知を図るほか、全戸配布いたします洪水ハザードマップにもわかりやすく記載し、自身の水害リスクや状況に応じた避難行動をとることができるように促してまいります。あわせて、また総合支所とも連携しまして、地域や地区でのさまざまな防災活動の機会を通じて周知を図るとともに、地域の防災リーダーとなる方の理解も促し、地域の中からも発信していただけるように働きかけてまいります。 ◆金井えり子 委員 わかりやすく洪水ハザードマップに記してくださるということなので、ぜひそれの周知もお願いしたいと思います。  今、台風のハザードマップのことを伺いましたけれども、台風などのように予測した人員配置ができないこともあると思います。急な災害、例えば地震などが起きたときの区職員の対応について伺います。  災害時には、平時に災害や防災を業務としない職員や、地区の状況も余り把握していない職員が多いのではないかと危惧します。区民との顔がつながる人や防災訓練などを一緒に進めた担当者が災害時にも身近に来てくれるのでしょうか。世田谷区在住の区職員は四割と聞きましたが、災害発生時の配置、区職員の行動はどのようになるのか伺います。 ◎前島 災害対策課長 区では、区内で最大震度五弱以上の地震が発生した場合には、事前に決めております参集場所に職員が参集する非常配備態勢をとっております。例えば、非常配備態勢で拠点隊に配置される職員は、区民が主体的に行うまちづくり活動を支援します地区まちづくり職員制度と拠点隊への配備との整合を図るなど、平時にもなじみのある地区で災害時にも活動することを基本に配置しております。  拠点隊に配置されました職員は、拠点隊長であるまちづくりセンター所長の指揮下で災害状況の調査や情報収集に関する業務、避難所の支援に関する業務などを担うことになり、まちづくりセンター管内のパトロールや避難所などを巡回することとなっております。 ◆金井えり子 委員 避難所は、町会・自治会など、地元住民が中心になって避難所運営委員会を立ち上げて区と連携して運営することとなっていますよね。このような避難所運営組織との災害時の連携について教えてください。 ◎前島 災害対策課長 区では、大規模地震発生時における指定避難所の開設に当たりましては、区と地域住民が協働して行うこととなっております。しかしながら、大規模地震は休日、夜間に発生することも考えられますので、職員の参集には一定の時間を要するということが考えられます。そのため、避難所運営組織が避難所の開設をすることができるようにしております。  そのため、町会・自治会を初めとした避難所運営組織が開設、運営できるよう、避難所運営マニュアル標準版を踏まえまして、指定避難所ごとに総合支所やまちづくりセンターと連携して平時から避難所運営訓練を実施してまいりました。 ◆金井えり子 委員 避難所開設の際なんですが、イタリアでは、すぐにトイレ、食料、ベッド、テントのセットが届くそうです。トイレは広くて、車椅子対応のものもあります。食料もキッチンカーなどが入っていて、お弁当などではなくて温かい食べ物が届きます。ベッドも最初はキャンプ用のような簡易なものですが、一週間もするとマットレスのあるベッドが届きます。
     このように避難所が充実しているイタリアでは、災害関連死は心配がないと言われています。広さや環境は本当に違うとは思いますが、日本でもまず必要なのがトイレと言われます。体育館など避難所にあるトイレやマンホールトイレなどの使用についてと仮設トイレなどの手配はどのようになるのか伺います。 ◎前島 災害対策課長 避難所におきますトイレの使用につきましては、まず、居住エリアのトイレの使用が可能かどうか、天井の剥落や壁の状態など安全確認を行います。続きまして、上下水道の状態を確認しまして、使用可能であれば居住エリアのトイレを使用します。しかしながら、下水道管の損傷により流すことができない場合は排便収納袋を用いることになります。マンホールトイレにつきましては、貯留型であることから一定程度ためることはできますが、においの面とか、衛生面から下水道管が復旧後の使用が望ましいと考えております。また、御指摘の仮設トイレにつきましては、東京都や区で締結しております災害時協力協定に基づく要請により供給することとなっております。 ◆金井えり子 委員 過去の災害では、避難所で床に直接寝るということがあったと思います。ほこりなどを吸い込むといった、衛生的にも、また御高齢の方には体への負担という意味でもよくないといいます。区の避難所におけるベッド、テントについての対策について伺います。 ◎前島 災害対策課長 避難所は主に体育館などが指定されていることから、着がえなどの際にはプライバシー、床に直接座ったり寝たりすることへの抵抗や身体への影響などが課題となっておりまして、間仕切りや簡易ベッドなどが工夫され、被災地で支援物資として供給されるようになっております。  区では、平成二十八年に簡易間仕切りシステムや段ボールベッドの供給に関する協定を締結しております。災害時には、協力要請に基づきまして、協定先の団体の協力工場で製作し、避難所に供給する仕組みでございまして、避難生活におけるプライバシーを確保するとともに、身体への影響の低減等に寄与するものと考えております。 ◆金井えり子 委員 トイレ、ベッド、テントなど、協力体制があるということですけれども、届いたものがその避難所のニーズに合うのか、それを使いこなせるのかなどまだまだ課題も多いと感じています。何が起こるかわからない昨今、危機管理意識を持ってしっかりとした体制を整えていただくよう要望いたします。  そしてもう一問、職員の異動について伺いたいと思います。  定期的な職員の異動があると聞いていますけれども、専門性が問われる部署には、スペシャリストとして長く同じ部署にかかわる職員も必要だと思います。四月から児童相談所、一時保護所などが開設されますが、子どもにかかわる職員は、専門性や子どもとの信頼関係という観点からも、異動の時期について十分な配慮が必要です。区の見解を伺います。 ◎大塚 人事課長 職員配置につきましては、異なる職場を経験させることによりまして、職員の視野を広めることや職務への適性を生み出すといった観点、また職場の活性化の観点から、原則として長期にわたって特定の職場に在籍することのないよう定期的な人事異動を行っております。一方で、例えば福祉の相談業務に携わる職員については、異動までの在籍年数が長くなる場合もございます。本年四月に開設する児童相談所につきましては、庁内を横断した配置、研修等を視野に入れました人材育成に取り組んでいく予定でございまして、より専門性の高い児童相談行政を展開できるよう職員配置にも留意していく必要があると考えております。  今後も、区政の第一線を担う職員が多様な区民ニーズに的確に応えられるよう、一律の定期人事異動ではなく、適材適所による職員配置に努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 ぜひその御配慮をお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいります。  きょうは世田谷区の情報の伝達の問題について質問いたしますけれども、災害時はもちろん、平時も区民に必要な情報を届けることは行政活動の責任の一つであります。世田谷区の現状は、災害時に大変苦情が多かった防災無線、ホームページ、区の広報、エフエム世田谷、ツイッター、あと動画チャンネルなどさまざまな手段で情報を伝えているわけですけれども、今のところ決め手となる完全無欠な伝達方法がないということでありますから、情報伝達の手段、ツールなどはベストミックスでやっていくということになるんでしょうけれども、その上で、今回取り上げたいのはエフエム世田谷です。  まず、エフエム世田谷の経営状況ですが、赤字続きだと聞いております。エフエム世田谷は災害時の情報提供や区のさまざまな情報を提供する媒体の一つとして設立、運営されてきておりますが、その必要性とは裏腹に、今後その役割を継続していくには、区からの補助金に依存した経営体質から収益性を向上させ、経営状況の改善が必要との課題もあります。現在の経営状況と区以外のスポンサー数、収入額は幾らかまず伺いたいと思います。 ◎山戸 広報広聴課長 エフエム世田谷の経営状況でございますが、平成二十四年度から営業利益がマイナスの状況であり、昨年度の決算では千七百万円ほどのマイナスであると報告を受けております。昨年度の売上高一億五百万円のうち、区以外のスポンサー収入は五千二百万円、スポンサーの数は五十三社と聞いております。 ◆あべ力也 委員 現在の番組のプログラムとか内容とか閉鎖的な部分があってスポンサーがつかないのではないかというふうに考えるわけですが、一方、NHKや民放各局もインターネットでの番組の配信により地上波離れを食いとめ、新たな市場の開拓と視聴者獲得に臨んでいるということで、またインターネットの環境が、通信速度が飛躍的に伸びる5Gも開始をされることから、ストレスのない動画配信が可能となるということでありますし、自治体ごとのローカル5Gの活用も検討が必要だというふうに思います。その上で、エフエム世田谷もインターネットチャンネルのライブ配信と連動した番組づくりで視聴者が増加すれば(発言する者あり)済みません、私語をやめてもらえますか。中村委員。  視聴者が増加すれば、区内企業や商店などがスポンサーになるメリットも高まると考えます。インターネットチャンネル運用を拡大すべきと考えますが、見解を求めたいと思います。  委員長、私語がうるさくて回答も聞こえないぐらいなんですよね。 ○阿久津皇 委員長 質疑中です。 ◎山戸 広報広聴課長 エフエム世田谷ではインターネットチャンネルを開設し、毎週金曜日午後一時から四時までキャロットタワー二十六階のスタジオキャロットでの生放送の収録状況をインターネットチャンネルでライブ中継しており、再生回数は毎回平均二百回程度でございます。区の提供番組の中でも、新春対談などは、区のインターネットチャンネル、せたがや動画において三万を超える再生回数のものもあることから、インターネットチャンネルとの連動は一定の効果があると認識してございます。  今後、御提案のライブ配信やインターネットチャンネルと相性がいいのはどのような番組か、区内企業や商店にどのようなニーズがあるのか検証を進めるよう指導、調整して進めてまいります。 ◆あべ力也 委員 また、ユーチューブでエフエム世田谷チャンネルを立ち上げるなどして、動画アーカイブの配信をすることにより番組記録ができるということとともに、視聴者には見逃したとか聞き逃したということがなくなり、広い視聴が可能となると考えます。加えて、そこで広告を挟めば広告収入も見込めるということで、一石二鳥どころか、三鳥、四鳥が期待できるということですが、この点についてはどうでしょうか。 ◎山戸 広報広聴課長 るる御提案ありがとうございます。そういったインターネットを活用したエフエム放送の進め方というのは検討課題だと認識してございますので、検証を進めてまいりたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 ぜひしっかり検討していただきたいと思います。  それに今、5Gの話をしましたが、5Gによって世田谷区の窓口業務も大きく変わるきっかけになるのではないかと思います。それに加えてテレワークも可能になってくるということで、現在、世田谷区は、区民へのいろいろな情報を発信する手段として、問い合わせもしたりなんかするのにせたがやコールがありますけれども、こうしたせたがやコールを5Gの技術を利用して対面方式にするということも私は可能だと思いますけれども、全ての世田谷区のこうした行政サービスを見直していく上でも、5G技術を利用して点検をしていくということが必要だと考えています。  それで、提案でありますけれども、スカイプなんかを利用して、「せたがやコール」を、答える方、あと質問する方が対面で会話ができるような方式に変更していくことがこれからの時代は必要なのかなと思うんですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎齋藤 情報政策課長 区では、平成二十六年度から出張所・まちづくりセンターなどの窓口にタブレットを配置して、映像通信による手話通訳や区民の案内に活用しているほか、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンターの間でも区民からの相談引き継ぎなどにも活用しております。また、庁内でも事務用パソコンでスカイプなどを利用したテレビ会議の試行も一部実施しております。  委員の御指摘のとおり、今月から携帯電話の5Gが各種通信事業者によって開始されて、あわせて通信事業者さんの設備を使わない、ユーザーみずからが使える、5Gを活用できるローカル5Gの利用も始まると聞いております。しかしながら、5G、ローカル5Gとも新しい通信技術、出始めたばかりであって、これらに対応するためのハードやソフトの整備についてまだ高額なものしかなく、しばらく様子を見る必要があると考えております。  つきましては、現在取り組んでいる施策の拡充を進めるとともに、5G、ローカル5Gの動向に注目していきながら情報化の施策の検討を進めてまいりたいと思います。 ◆あべ力也 委員 しっかり検討していただいて、実現をしていただきたいと要望しておきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十一分休憩    ──────────────────     午後三時四十分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 区が今月策定を予定しているハラスメント防止の基本方針について伺います。  今月三日の企画総務常任委員会に同方針の案が示されました。私も委員外議員としてその内容を拝見しましたが、重要な部分が抜け落ちていると感じました。  私からは、一昨年九月の決算質疑で区のハラスメント対策の強化を求めています。当時、区のハラスメント防止の基本方針の対象はセクハラとパワハラの二つだけ、区の懲戒処分の指針でも明記をされていたのはその二つだけでした。当時既に育児・介護休業法等の改正で、妊娠、出産、育児休暇等への嫌がらせ、いわゆるマタハラ防止に必要な措置を講じることは事業者としての責務でしたので、私からはまずその改善を求めると、区はこれに応じるとしました。  しかし、同日、あわせて私から防止措置を求めた残る三つのハラスメントの類型、一つ目にモラルハラスメント、二つ目に、LGBTへのハラスメントであるソジハラスメント、三つ目に、民族、国籍、人種へのハラスメントであるレイシャルハラスメントのうち、今回きちんと明記をされたのはモラルハラスメントの一つだけ。残る二つについては内容が貧弱、もしくは全くの不記載で、改定を求めたいと思っています。  まず、LGBTへのハラスメントについては、別表の具体例が貧弱です。区は、本人の承諾を得ない性的指向や性自認の暴露、いわゆるアウティングとカミングアウトの強要だけを例示しましたが、この二つは昨年成立したパワハラ防止法の指針にも明記をされているもので、いわばデフォルト、最低限の記述でしかないと考えております。  国家公務員のハラスメント防止規定、人事院規則十の十では、ハラスメントになり得る言動に、性自認や性的指向をからかいやいじめの対象とすること等と記述がありますし、前回の質疑で御紹介をした東大和市の指針でも、あいつホモだろうなどとうわさをしたり、異性愛を前提に何で結婚しないのなどと問うこと等もソジハラスメントになると詳述をされております。本区でも別表記載の充実を求めますけれども、いかがでしょうか。 ◎馬場 職員厚生課長 ただいま委員より御紹介いただきました職場におけるハラスメント防止に関する基本方針案でございますが、昨年五月、職場でのパワハラ防止策を事業主に義務づける改正労働施策総合推進法を含みます改正女性活躍推進法等が成立しまして、令和二年度より施行されることに伴い、これまでのセクハラとパワハラの区の二つの基本方針を見直しまして、その他のハラスメント防止も含めた基本方針としてまとめているものでございます。このうち、ソジハラスメントでございますが、性的指向や性自認に関連して、差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などの精神的、肉体的な嫌がらせをする行為として定義しております。  基本方針案に記載しました具体的な例といたしましては、今御紹介のあった二点でございます。委員の御指摘を踏まえまして、他の自治体の例を参考にしながら、職員のソジハラスメントに対する理解を深めるよう具体例を充実させてまいります。 ◆上川あや 委員 二つ目に、これも重要な視点なんですが、本区の男女共同参画と多文化共生の条例では禁止をされた民族、国籍差別への対応です。区は、区民、事業者に対しても、民族、国籍を理由とした差別を禁じているのですから、庁内でも民族、国籍を理由とした差別的な言動をハラスメントとして明示をし、律しなければ話が通りません。これらは一般にレイシャルハラスメントとも呼ばれますが、その対処も同方針に明記をするべきではないでしょうか、いかがでしょうか。 ◎馬場 職員厚生課長 職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針案では、ハラスメントの定義といたしまして、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントのほか、モラルハラスメントや、ただいま御答弁申し上げましたソジハラスメントなどについて記載しております。職場におけるさまざまなハラスメントの防止に向けて内容を充実させてきたと認識してございます。  御指摘のレイシャルハラスメント、国籍等を理由にした嫌がらせにつきましても、他のハラスメントと同様に許されない問題であり、その防止に努めていく責務があると考えております。  多文化共生社会を目指す世田谷区にとって、あるいは区内最大規模の事業者といたしましても、レイシャルハラスメントの防止に向けて基本方針の中に明示してまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  最後に、同性をパートナーとする区の職員の処遇の平等についてです。  昨年九月の決特で、区長、副区長、所管部長のそれぞれに、本件について早期の全面的な解決を求めました。区長からはトータルに見直していきたいとの御答弁を、宮崎副区長からも、私が特に指摘をした配偶者同行休業も含め、広くその可能性を検討するよう指示しているとの御答弁を、所管の田中総務部長からも、処遇の平等に向けて取りこぼしのないよう全体のチェックをし、見直してまいりたいとの御答弁をいただいたのですが、その後の検討状況を伺う中では、家族に関する手当の給付が抜け落ちているようです。従業員の同性パートナーに対する手当の平等は、例えば東京弁護士会やNTTほか、民間の多くの企業でも実現、達成されているものであり、これを取りこぼすのでは答弁の履行にはならないと考えております。あわせて是正をするよう重ねて求めますけれども、いかがでしょうか。 ◎馬場 職員厚生課長 同性をパートナーとする職員の休暇の拡大につきましては、現在、慶弔休暇や介護休暇等につきまして、人事委員会の承認を得た上で来年度からの運用開始に向けて大詰めの作業を行っているところでございます。また、家族向けの職員住宅につきましても、職員の収入により同性のパートナーの生計が維持されている場合につきまして、来年度より家族向け住宅を利用できるよう規定の改正を行う予定でございます。  これらの制度につきましては、区が独自に創設できる制度ではございますが、御指摘の同性をパートナーとする職員の家族に関する手当、扶養手当につきましては、特別区の共通事項でございまして、二十三区全体での検討が必要となる事項となってございます。  同性をパートナーとする職員への扶養手当の支給につきましても改善を目指していくべきものと考えてございますので、今後、二十三区全体で検討するよう働きかけてまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 世田谷区に続けて、豊島区と文京区も同性をパートナーとする職員の処遇の平等に動いているというふうに伺っています。また、渋谷区でも一部の休暇制度について同性カップルの平等を確保したと報道もされております。当区だけでの取り組みではございませんので、ぜひ連携して取り組んでいただくように最後に改めて求めまして、私の質疑を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、ユニケージ手法の活用について伺います。  ユニケージとは、情報システムを安く、早く、やわらかく、長続きするシステムとして構築する開発手法であります。データベースが不要であり、テキストデータだけで処理されるため、データベース、ミドルウェアなどのバージョンアップコストも不要になり、特別なハードウェアを必要とせず、長く使い続けることができます。また、処理自体も高速で、技術者の拘束期間も短いため、コスト削減が可能。加えて、データもプログラムも全て可視化されるためにシステム変更が容易で、永続的な利用が見込めるといった特徴があります。こうしたICTの技術を導入、活用することで行財政改革に寄与できると考えます。例えば区の情報化推進計画などにおける行政経営を支援する情報化関係、特に庁内の内部業務関係での行政情報データの蓄積のみならず、関係する部との共有や新たな施策への対応のためには、データ処理の可視化、システム開発の迅速化が重要であり、活用の余地があると考えます。しいては区民サービスの向上につながります。  区のシステムは、現在、パッケージを購入をしてカスタマイズして使っておりますが、同じカスタマイズをするならば、生産性の高い開発手法を選んだほうがよいと考えます。ユニケージという開発手法の活用について見解をお伺いいたします。 ◎齋藤 情報政策課長 ユニケージ開発手法は、ユニックス系のOSとその基本機能であるシェルスクリプト、テキストデータ、数十のコマンドを使ってアプリケーションを開発するものであると認識しております。オラクルなどの高性能、高機能ではあるが、高価格であるデータベースソフトやプログラムを制御するミドルウェアなどを必要としないシンプルな仕組みで、メンテナンスや移植性が容易と伺っております。民間の事例では、東急ハンズ、無印良品、成城石井などがシステムを自社開発した際に有効に効果が出たというふうに伺っております。  一方で、ユニゲージ開発手法を経験したシステム開発業者がまだ少なく、自治体向けのパッケージシステムも販売されておりません。区では、新たなシステムを導入する際は、職員による開発を行わずに外部にアウトソースしており、職員は業務プロセスを分析して業務に応じたシステム要件を定め、その要件を満たしたパッケージシステムの中からプロポーザル方式にて選定することを基本としております。  区では、このシステム要件において開発の手法は指定しておりません。プロポーザル選定において、システム導入から運用、更新、廃止に至るまでのシステムライフサイクルを、期間を通じて最も費用対効果にすぐれたものを調達しております。ですが、よりよい開発手法の検討も効率的な開発に必要なため、今後も検討、研究をしてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ありがとうございます。次に、新公会計制度に基づく決算書について伺います。  昨年十月十八日に新公会計制度に基づく平成三十年度の財務諸表及び連結財務諸表が公開をされました。新公会計制度は非常にすぐれた制度であり、一部事務組合については、企業会計の持分法ではなく比例連結を用いるなど、企業会計よりも厳格な面も有しております。これにより財政状況が透明になり、行政の見える化が可能となりました。全般的に非常によいできばえだったと思います。本日は、この財務諸表をさらによくする観点から質問してまいります。  各会計合算連結精算表についてですが、これを参考資料として掲載をされたことは画期的であり、すばらしいことだと思います。さらなる透明性を高めるために、連結精算表をつくることにより見通しがよくなります。しかし、外郭団体や一部事務組合を含んだ連結財務諸表には連結精算表がありません。次年度からはぜひとも連結精査表も作成、開示するべきだと考えます。これにより区の財政状況の透明性が一層高まります。見解をお伺いいたします。 ◎工藤 会計管理者 連結精算表は、連結財務諸表を作成するために、連結対象の会計や団体ごとの個別の財務諸表の金額に内部取引の金額を相殺するなどの連結修正仕訳を反映させるために作成する表になります。  今年度の連結財務諸表を作成するに当たり連結精算表を作成しておりますが、その対象団体も多いため、一表としてわかりやすく開示するためには、何らかの説明や工夫が必要と考えております。次年度においては、この連結精算表をわかりやすく開示する方法を検討しまして、連結財務諸表とあわせて公表してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、各会計合算連結精査表には、内部取引の相殺についての記載欄があります。金額では二百四十一億円と二十億円が記載されていますが、現状では合計額しかわかりません。次年度からは、どの会計とどの会計の相殺で幾ら相殺されたのかの内訳をマトリックスで注記することにより一層透明性が高まると考えます。また、外郭団体や一部事務組合を含んだ連結財務諸表の連結精算表においても、世田谷区と十二外郭団体と五つの一部事務組合のどの団体とどの団体の相殺で幾ら相殺されたのかの内訳をマトリックス注記することにより一層透明性が高まると考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎工藤 会計管理者 一般会計と各特別会計との繰出金や繰入金は内部取引とみなして、各会計合算の財務諸表の作成においては、その全額を相殺消去しております。この繰出金、繰入金については、各会計合算財務諸表の注記において、会計間の繰り入れ、繰り出しとして、各会計別の金額を記載しております。また、連結財務諸表の作成においては、区と連結対象団体間との取引などについても同様に相殺消去しております。  次年度においては、各会計合算の財務諸表及び連結財務諸表の連結精算表の公表に当たり、相殺消去の金額の内訳については、御指摘の点も踏まえまして、よりわかりやすくなるよう、作表方法、説明の仕方を検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、一部事務組合については比例連結が用いられていますが、次年度からは、各一部事務組合別について連結比率が何%なのかを明示することで透明性が高まると考えます。区の見解をお伺いいたします。 ◎工藤 会計管理者 一部事務組合や広域連合は、各団体の個別の財務諸表に区の経費負担割合などを乗じて算出した額を連結させる比例連結の対象としています。各団体の比例連結割合は、東京二十三区清掃一部事務組合が九・四一%、特別区人事・厚生事務組合が四・三九%、東京都後期高齢者医療広域連合が七・〇三%、臨海部広域斎場組合が一〇・二七%、特別区競馬組合が四・三五%となっております。  この比例連結割合については、財務諸表の内容をより理解していただくためにも、今年度中にホームページに公表する予定としております。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。新公会計制度導入による活用については、補充で質問してまいります。  以上で質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 本来であれば、七月のオリンピックを控え、公共交通機関の混雑を回避すべく、時差通勤あるいはリモートワークを導入しましょうと東京都が旗を振りながら大企業を中心にその方向に傾いていたところでしたが、新型コロナウイルスの影響が拡大するにつれて、これまでフレックスタイム制の進まなかった世田谷区でさえ時差勤務制度を導入して、感染の発覚した企業や子どもを預けられない人を筆頭にリモートワークをせざるを得ない状況となり、多くの企業で、あるいは被雇用者側も含めて従来とは異次元の働き方の見直しが迫られています。この経験を緊急時対応、特別なものとせずに、いかに今後につなげていくのかということも含めて、本日は、区役所の日常の業務ツールにチャットを導入できないかという視点で質問します。  先日の予算説明の際に、二〇二〇年度より災害時のコミュニケーションツールとして、ビジネスチャットであるラインワークスを導入するという説明がありました。区役所業務においてもようやくコミュニケーションツールとしてチャットアプリを利用する機が熟していると判断し、一方で、冒頭申し上げたリモートワークの際のチーム内のコミュニケーションを支えているのがチャットによるコミュニケーションです。  ビジネスチャットについて、代表的には、スラック、チャットワーク、マイクロソフトチームズ、あとは区が緊急時に導入を決めたラインワークスが挙げられます。メールの代替としては、定型文が必要ないこと、お互いテンポよく手短な返信が容易となりコミュニケーションスピードの向上、活性化が進みます。メールとは異なり、即時に複数方向のやりとりが可能なことから、会議の代替としての利用も可能です。通常オフィスで行われているような雑談についてもチャットで展開されていたりもします。また近年では、緊急時以外の電話連絡は相手の業務時間を奪う、内線の取り次ぎほど無駄な業務はないという議論も起こり、チャットの導入により、ちょっとした電話連絡に現在かかっているコストの削減も可能です。  そもそも企業活動だけではなく、ここにいらっしゃる方も含めて、多くの方の日常生活のコミュニケーションが電話、メールからメッセージアプリによるチャットでのやりとりに変貌している今、区役所においてもチャットの展開に踏み込むべきではないでしょうか。現在の区役所内でのコミュニケーションツールの現状、ビジネスチャットの展開、普及について見解を伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 現在、区では、インターネットとして分離されている庁内のネットワーク環境でも利用できるように、庁内にサーバーを構築しており、マイクロソフトのアプリケーションであるものを使って、具体的にはメールの送受信及び予定管理が可能なアウトルックとエクスチェンジ、情報共有が可能なシェアポイント、在席、ビデオ会議、チャットツールとしてリンク、現在では商品名が変わってスカイプフォービジネスとなっておりますが、利用しております。現行ツールでは、職員間のメールによる連絡や調整、会議の打ち合わせのスケジュールの管理、手引きやマニュアルなどの情報共有に活用されております。  チャットツールについては庁内でも可能ですが、庁内ではメールが一般的な情報交換ツールとなっておって、チャットでの会話は一部のユーザーのみで利用されております。一方、インターネットでは、ラインワークスなど、チャットツールは利便性、即時性が高く、迅速な情報交換が可能であるため、区では、災害時などの職員間の情報共有ツールとして利用を検討しております。現在、検討中のラインワークスにおいては、まずは管理職の携帯等に導入し、ふだんから使いなれた端末を利用することによって生産性の向上、迅速な対応が可能になるなど、業務の効率化が期待できると思っております。 ◆そのべせいや 委員 区が現在利用しているスカイプフォービジネスというのは、メッセージアプリ、あるいは動画通信、テレビ電話のアプリですけれども、間もなく現行バージョンでサービスが終了し、来年の夏には、先ほど例示をしたツールの一つ、マイクロソフトチームズに移行をしていくという時期ですので、これを機に、業務プロセスの見直しとあわせて、チャット利用の教育、展開というものを進めて、業務効率化をしていただければと要望しておきます。  また、BYOD、現時点では管理職に関して適用、実施をされるということですが、現時点でスマートフォン、タブレットなど機器を全職員に配備するということは難しいことでしたり、これまでも緊急時に私用の携帯電話で連絡を取り合うことが現実的には起きているということ、あるいは特に若い世代などの間では、企業が用意をしているシステム上ではなく、私用デバイス間での仕事に関するやりとりもラインやフェイスブックメッセンジャーなどで一般的に発生をしている、いわゆるシャドーITといった問題のことまで考えていくと、BYODを否定することよりも、それを前提にしてセキュリティー対策に臨むほうが実態に即した対応になると考えます。  BYOD実施に際して、私用デバイスについてのセキュリティーの強化、あるいはウイルス対策ソフトの導入、適時のアップデート、端末ロックのあり方、紛失した際の設定などのMDM、モバイルデバイス管理のあり方、個人情報の取り扱いなど、あらかじめガイドラインを設けて、運用が必要であると考えます。見解を伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 BYODとは、職員が個人で所有するスマートフォンなどの端末を業務に利用することをいいます。委員のおっしゃるとおり、BYODについてはインターネット環境での利用になるために、取り扱う情報など、情報漏えいリスクへの対応など、セキュリティーの面で課題がございます。  詳細な対策は今後の検討課題になりますが、ウイルス対策ソフトの導入や個人情報を送信しないなど、運用ルールなどを検討する必要があると認識しております。また、ラインワークスについては、普通の使うラインと違って、さまざまな点で記録が残るなどのセキュリティーが高まっておりますので、そういったものの利用の検討もいたします。  こうした課題も踏まえて、多様な場面に応じた職員間の情報共有を効率に行えるように、引き続き効果的なコミュニケーションツールの検討をしていきます。
    ◆そのべせいや 委員 最後になりますけれども、フランスやイタリアなどでリモートワークの拡大、働き方の多様化ということが進むにつれて、インターネットにつながらない権利、ライト・トゥー・ディスコネクトということが法制化をされています。BYOD実施に際しては、こうした点も留意をしながら、時代の変化、技術の変化に合わせた行政の実現、業務プロセスの改善を進めていただければと思います。  先ほども働きやすさの改善などの話が、この議会の中でも、予算委員会の中で出たと思いますけれども、意識の改革ということは、やった感だけ出て、結局のところ効果が出なかったということはよくあることですので、ぜひ何か具体的な改善というものを目指していただければと要望して、質問を終えます。 ○阿久津皇 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 区民を守る会、くりはら博之です。  現在、国を挙げて、また世田谷区内においても新型コロナウイルス対策が進められておりますが、私からは、区職員への対応について質問をさせていただきます。  区には、正規職員のほかに非常勤職員、アルバイトなど、多くの立場の方が働いていらっしゃると思います。新型コロナウイルスに罹患した職員が業務をされた場合、職員だけでなく区民の方に蔓延することが懸念されますが、そもそも区にはどれくらいの数の正規職員、非常勤職員、アルバイトの方が働いているのかをまずお聞きいたします。 ◎大塚 人事課長 職員数でございますけれども、常勤職員の職員数は、平成三十一年四月一日現在で五千三百四十六人、短時間の再任用職員は三百十三人となっております。また、非常勤職員は、学校医や学校の非常勤講師などを含めますと、同年四月現在で約三千九百二十人、臨時職員は約二千三百七十人となっております。常勤職員、短時間の再任用職員、非常勤職員、臨時職員を合計しますと、平成三十一年四月現在で約一万一千九百五十人の職員が勤務をしております。 ◆くりはら博之 委員 答弁ありがとうございます。区には、一万人を超える大変多くの職員の方が働いていることがわかりました。  それでは、ここで二点お伺いいたしますが、職員に対する今回の新型コロナウイルス対策として、区が決定した体調の悪い職員の出勤の判断基準及びその基準の根拠について教えてください。  また、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザに罹患した場合や、例えばがんなどの病気に罹患した場合、加療に当たるため、長期間休まざるを得ないと思います。どのような休暇制度になっているのか、正規職員と非常勤職員、アルバイトなど別の基準があるのであれば、それぞれ教えてください。 ◎馬場 職員厚生課長 まず、体調の悪い職員の出勤判断の御質問でございます。新型コロナウイルス感染症の発生を受けまして、区は、職員が新型コロナウイルス関連肺炎に感染した場合の服務につきまして、二月十八日付で庁内周知してございます。  内容といたしましては、まず三十七度五分以上の熱が四日以上続く場合や、発熱がなくても強いだるさ、倦怠感や息苦しさ、呼吸困難の症状がある場合は、所属長の判断で職員に対し出勤の自粛を求めて有給による事故欠勤とし、直ちに職員の住所地の帰国者・接触者相談センターに相談させるとしております。また、相談センターから勧められた医療機関を受診し、職員が新型コロナウイルス関連肺炎の患者となった場合、加療期間中は病気休暇を取ることになります。これらの基準につきましては、厚生労働省が二月十七日に公表いたしました新型コロナウイルス感染症についての相談受診の目安を参考に区が定めた服務上の取り扱いとなっており、今後、国が改定した場合には必要に応じて見直しを図ってまいります。  引き続きまして、職員が加療のため長期に休まざるを得ない場合の休暇制度でございます。職員が病気にかかり長期にわたって加療が必要となった場合、九十日までであれば病気休暇を取得することになります。九十日を超えて休まざるを得ない場合は、休暇ではなく最長で三年間の病気休職を命ずることになり、一年目は給与の一部が支給されますが、その後の二年間は無給の病気休職となります。  また、現在の非常勤職員は任用期間が当該年度末までと最長で一年間となっており、報酬の支払いはございませんが、病気休暇の取得は可能となっております。  臨時職員につきましては、短期間の任用を原則としているため病気休暇の制度はございません。なお、令和二年度から始まる会計年度任用職員の制度では、病気休暇の取得が可能となる予定でございます。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  正規職員と非正規職員では休暇制度が異なるということですが、どちらも区民のために一生懸命仕事をされております。地方自治法の改正により、非常勤職員にも期末手当の支給が可能になるなど、その勤務条件の改善が求められていることは明らかであります。この格差について区はどのようにお考えかをお伺いいたします。 ◎馬場 職員厚生課長 非常勤職員に対する期末手当の支給につきましては、今、地方公務員法及び地方自治法の改正によりまして、令和二年度から導入される会計年度任用職員制度におきまして期末手当の支給が可能となっております。  特別区におきましては、任用期間が六カ月以上で勤務時間が週十五時間三十分以上、または勤務日数が週二日を超えるなどの要件を満たした場合、期末手当を支給することとしております。休暇でございますが、休暇につきましては、この間、育児休業でございますとか介護休暇などの制度の拡充に努めてまいりましたが、常勤職員と異なり、無給の休暇もございます。これらにつきましては、国や他団体との均衡を踏まえて制度設計しているものでございます。  区といたしましては、今後とも国や他団体の動向を踏まえながら、会計年度任用職員が安心して働くことができるよう勤務条件の整備に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 答弁ありがとうございます。しっかりと取り組みを進めていただきたく要望いたしまして、質問を終わりにします。 ○阿久津皇 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 新型コロナウイルスの関係で、世田谷区内のイベントとかもみんな中止なもので、本当につまらないですね。今回いろんなイベント、コンサートもあるんですが、武道館とか、東京ドームとか、東京国際フォーラム、あそこなんかもみんなコンサートが中心になって、これは中止になると出演者じゃなくて、その業者に全部負担がかかるわけですよね。これはこんなことでいいのかどうかとつくづく思いますね。ましてや今、うちに帰ってテレビで野球を見てもつまらないし、プロ野球でお客さんがいなくてホームランを打っても誰もとりに行かない、あれもおかしいし、ましてや今、春の甲子園でブラスバンドとか応援団が応援しているわけでしょう。今度はあれもなしというわけでしょう。なおかつ、今度は大相撲が始まるわけですね。大相撲のときだって、今回はお客さんがいないで、懸賞金がつくあれだってやっても意味がないものね。では、あの懸賞金は誰がもらうんだろうね。本当に世知辛い世の中になって、今コロナの関係で世の中は本当に不景気になっています。夜の飲食店なんかも今はお客さんが少ないと言っています。高いお魚とか高いお肉は売れないと言っています。なおかつ、朝八時半ごろから薬局でみんな並んでいますからね。みんなティッシュとマスクですよ。本当に寂しい世の中になってきました。  そう言っている前におさまってくれれば、オリンピックもできれば本当にいいと思うんですが、これが中止になったら大変なことになりますね。今回、中国の要人も来ないということになったし、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックがいよいよ近づいてきました。質問に行きたいと思います。  私の世代では、東京でオリンピックが開催されるのを見るのは、今回見れば、私は二回目です。戦後の復興期、高度成長期の勢いのある、日本中で応援していたあの興奮を思い出すと大変楽しみでしたけれども、あのころよりも東京一極集中ですから、東京でたくさんの人が働いています。オリンピック開催期間中には、いつものように会社に出勤されて、JRで行く方、私鉄で行く方、高速道路で運転する方、一般道の方、混んでしまうと思うんですが、期間中の出勤を控える取り組みがよくテレビで放送されて、大手企業は時差通勤ということも言っておりますが、先ほど質問をやっていましたが、全部合わせると、世田谷区の中にも職員が一万一千何百人という人数がいるんですが、こういう働き方の中で世田谷独自の考えがあったらお伺いします。 ◎馬場 職員厚生課長 東京二〇二〇大会の期間中は、国内外から多くの人たちが競技会場を訪れることによりまして、道路や交通機関が大変混雑することが予想されております。この混雑緩和などを目的として、民間企業や行政機関も含めて働き方の工夫が求められているところでございます。  区内では、馬事公苑で開催される馬術競技の開始時刻が夕方のため、職員の通勤が馬術観客の移動に与える影響は未知数ではございますが、それ以外の会場への観客の移動を勘案し、大会期間中の区の働き方につきましても創意工夫を凝らしていく必要があると考えております。具体的には、今年度から開始しております業務理由による時差出勤、この制度を応用しまして、ラッシュアワーに公共交通機関の利用を避ける取り組みでございますとか、例年七月から九月の三カ月間に認められている夏季休暇の取得期間の延長などを想定してございます。  東京二〇二〇大会は、アメリカ選手団のキャンプ運営でございますとかボランティア支援の業務など大会に直接かかわる職員がいる一方で、大会によっていつもの業務に間接的な影響を受ける職員もございます。関係所管と緊密に連携して、職員の働き方改革という側面からも円滑な大会の開催となるよう努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 世田谷区の交流自治体の群馬県川場村を初めとして、各国のホストタウンになっています自治体でもあると思いますが、こうした機会を今後、自治体連携にどのように生かしていくのか、これもお伺いします。 ◎山田 交流推進担当課長 これまで区民まつりなどの参加や災害時協力協定、自然エネルギー活用などによりつながりを持つ四十六の交流自治体のうち、ホストタウンに登録している自治体は、二月二十八日現在で二十一ございます。また、アメリカ合衆国のホストタウンは全国で十八自治体ございまして、そのうち関東近郊におきます自治体は川場村や八王子市、千葉県船橋市がございます。自治体連携の目的は、区単独では解決が難しい課題を他自治体が持つ資源や特徴を生かし、連携、協力して対処するために関係性を強化することでございます。  東京二〇二〇大会のレガシーといたしまして、区は共生のまち世田谷を掲げてございます。具体的には、国際理解や障害理解を進めていくことでレガシーにつながると考えております。そうしたことから、まずはホストタウンという枠組みでどういったことができるのか、例えば自治体間連携フォーラムの参加を呼びかけて、新たな連携の枠組みの創出の検討や、外国関係者の来日をきっかけとしたイベント情報を交換するなどし、お互いの住民の参加の機会の創出も考えられることから、新たな連携の可能性をホストタウン自治体に声をかけて検討してまいりたいと思います。 ◆青空こうじ 委員 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会のレガシーとして、多くの国や地域の人と交流する記憶を国内の自治体との連携にも生かしてほしいと思いますが、さて、その連携する力を国内でも生かしてもらいたいのですが、世田谷区内の大学とはどのように進めていくのか、これもお願いします。 ◎山田 交流推進担当課長 区は、大学の持つ専門性や資源を生かしながら、課題解決に向けまして相互に連携、協力することを目的に大学との連携を進めております。一方、大学は、地域貢献や学生の活動の場、また学術研究におきます効果を目的に行政との連携を進めているところでございます。  区は、東京二〇二〇大会を契機とした大学との連携、協力といたしまして、大会に関係するボランティアへの協力や、大学施設の使用等の協力を大学に求めてまいりました。その中で、特にボランティアは、大会終了後もレガシーといたしまして、区内でボランティアとして活躍いただけるよう、ボランティアマッチングサイト、おたがいさまbankへの登録の御案内や、せたがや学生ボランティアフォーラムへの参加による地域人材の発掘を行ってございます。また、昨年度以降、自治体間連携フォーラムにも大学も参加いたしまして、行政課題の解決に向けて学術的見地からのアドバイスをいただいてございます。  今年度の自治体間連携フォーラムでは大学との連携をテーマに取り上げ、大学における産学官連携の事例やゼミや課外活動サークルなどの事例から、自治体との連携の具体的手法について意見交換を行いました。こうした大学と連携をしたいという思いをしっかり受けとめ、今後、区内大学との連携を……。 ○阿久津皇 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十一分休憩    ──────────────────     午後四時三十五分開議 ○阿久津皇 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆宍戸三郎 委員 自由民主党の企画総務委員会の所轄分の質疑を始めさせていただきます。  私にとって初めての予算特別委員会なので、まず、世田谷区の財政の基礎的、基本的なことを確認していきたいと思います。  私は、区民の安全安心のための施策の重要性を一貫して主張させていただいておりますが、予算の審査に当たって、安全安心のための予算は優先計上されているのか、あるいは区民目線で見て本当に必要とする予算が計上されているのかという観点から見てみたいと考えています。  世田谷区の一般的な評価は、高所得の方が多く住んでいる緑豊かな住宅地で、区の財政もさぞかし豊かなのだろうと大方の人が思っているのではと思っています。しかし、今まで予算の会派説明を受けたり、資料をいただいているうちに、私が生まれ育った世田谷区は本当に裕福な区になっているのかという疑問が生まれてきました。世田谷区は財政的に全国の自治体のどのくらいの位置にいるのか、そして、その財政状況に応じた施策を展開しているのかを考えてみたいと思います。  まず知りたいのは財政規模です。都道府県事務と特別区、市町村、政令都市の事務の内容はそれぞれ違うと思いますが、単純に財政規模を一般会計だけで比べると世田谷区はどのくらいの位置にいるのか。都道府県レベル、政令都市レベル、市町村レベルの各レベルで比較した場合どれぐらいの規模なのか、わかる範囲で教えてもらえますか。 ◎松永 財政制度担当参事 昨日から御審議いただいている来年度当初予算の財政規模は三千二百七十七億円になってございますが、比較ということなので、今年度、平成三十一年度の一般会計の当初予算で比較をさせていただきたいんですが、世田谷区が三千百九十三億円と、同規模の自治体につきましては、都道府県では、人口五十五万人の鳥取県が三千百八十三億円、政令指定都市では神奈川県相模原市、人口七十二万人になりますが、三千二十四億円、このあたりが財政規模では同規模でございます。また、特別区を除く中核市、一般市の中では、調べた範囲では、二千億円を超える市が最大で、世田谷区と同規模の予算の自治体というのはございません。  そうした点では、世田谷区の予算規模から言えば、県や政令指定都市並みとは言えますが、税収などの歳入構造や、また、取り扱う事務、権限など事務事業の内容がそれぞれ異なるため、一概に財政規模をもって都道府県、政令指定都市などと比較するというのは難しいかなというふうに考えております。 ◆宍戸三郎 委員 単純に財政規模だけで比べるというのはすごく難しいということですね。よくわかりました。  私も、インターネットでさまざまな自治体のランキングなどが載っていますので、少し調べてみました。総務省のホームページには自治体の財政を分析するためのいろいろな指標があり、その説明が載っていました。そして、その中に財政の弾力性の指標となる経常収支比率というのがあり、世田谷区の場合は、平成三十年度は七九・三%と載っていました。  そこで伺いますが、経常収支比率七九・三%は二十三区中どのぐらいの位置にあるんでしょうか。 ◎松永 財政制度担当参事 経常収支比率につきましては、特別区税や特別区交付金などの経常的に歳入が見込める一般財源の総額に対しまして、義務的経費など経常的に必要となる経費に充当された一般財源の割合となります。財政構造の弾力性を示す一つの指標ですが、この割合が高いと新たな住民ニーズや投資的事業などに対応できる余地が少なくなるということで、財政が硬直化していくことになります。  世田谷区の経常収支比率につきましては、平成二十八年度以降、おおむね八二から三%前後で推移しておりましたが、平成三十年度決算におきましては、好調な企業収益による法人住民税の増や固定資産税の増を背景といたしまして財調交付金が大幅に増となったことにより、特別区全体も上がったんですが、特別区平均の七九・一%を上回っているものの七九・三%となっております。現時点では健全な数値に見えますが、今般のコロナウイルスの景気への影響も鑑みますと、こうした客観的指標も意識をした財政運営に努める必要があるというふうに考えております。 ◆宍戸三郎 委員 世田谷区は、私の調べたところで言うと、二十三区の中で十一番目だと認識しております。最初に申し上げた一般的な方からの評価からすると意外と裕福ではないなというのが実感です。  ほかにも財政状況を示す指標がいろいろあります。都のホームページには、平成二十六年度から三十年度までの五年間の特別区の決算状況が平均値として載っています。世田谷区と比べてみますと、実質収支比率は平成二十六年度を除いて平均以下、実質公債費比率は平成二十八年度を除いて平均以上となっています。積立金現在高は、このところ積み増ししてきたとはいえ少ないのではと思いますが、これらについて、最近の平成三十年度での世田谷区の位置を推移を含めて教えていただけますか。 ◎松永 財政制度担当参事 標準財政規模に対する実質収支の割合である実質収支比率につきましては、一般的にはおおむね三から五%が適正と言われております。平成三十年度決算における世田谷区の実質収支比率につきましては三・九%、前年度から比べると〇・六ポイントの増で、特別区平均の五・二%を一・三ポイントほど下回っておりますが、適正な範囲にあると考えております。  また、公債費及び公債費に準じた経費が標準財政規模に対してどの程度の割合になっているかというのを示す実質公債費比率でございますが、こちらは一八%を超えると起債に条件がつき、二五%を超えると早期健全化団体となります。平成三十年度の決算では、世田谷区の実質収支比率はマイナスの三・八%となっておりまして、いずれも適正な範囲を維持しているところでございます。  次に、財政調整基金、減債基金、また、その他の特定目的基金の合計でございます積立金の現在高につきましては、平成三十年度末において世田谷区は九百八十三億七千五百万円となっておりまして、特別区平均の八百六十七億九千六百万円よりは上回っておりますが、財政規模に対する比率といたしましては、二十三区中二十一番目、下から数えたほうが早いという状況でもございます。ですので、今後の財政需要や景気の動向などを踏まえますと、引き続き計画的な基金残高の確保に努めていく必要があるというふうに考えているところでございます。 ◆宍戸三郎 委員 やはりこれにおいても余裕があるとは言えないということですね。  次に、それでは将来にわたる財政負担について伺います。ホームページを見ていて私が一番驚いたのは、参考として載っている将来にわたる財政負担の二十三区の一覧表でした。世田谷区は、墨田、杉並、荒川区と並んで四区だけが赤字になっていました。世田谷区は百十一億円以上の将来にわたる実質的な財政負担があるということですが、このような状況を考えると決して余裕のある財政だとは言えないと思いますが、どのように捉えているのかお伺いします。 ◎松永 財政制度担当参事 将来にわたる財政負担につきましては、地方債の現在高と債務負担行為の翌年度以降の支出負担額の合計、それと、先ほども御答弁いたしました基金積立金の現在高を差し引いたもので、世田谷区につきましては、基金積立金のほうが百十一億円ほど少ない状況となってございますが、これをもちまして直ちに財政が立ち行かなくなるというものではございませんが、保育待機児対策を初めとした子育て支援、また高齢者人口の増加などの社会保障費の増、また、来年度から始まります本庁舎整備など、老朽化した公共施設の更新需要など、今後も多くの財政負担を伴う行政課題が控えている中で、今後、ふるさと納税による減収の拡大に加えまして、今般の新型コロナウイルスによる影響が長期化すれば特別区交付金や特別区税の大幅な減収も現実的となり、区の財政は、今お話しのとおり決して余裕があるものではないという認識でございます。  この間、財政調整基金を予算規模の一割とするなど、財政の健全性維持に努めているところでございますが、今後も中長期を見据えまして基金残高の確保に努めるとともに、不断の行政経営改革の取り組みを一層進めまして、持続可能で強固な財政基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。 ◆宍戸三郎 委員 課題は多いと思いますが、より一層の努力をお願いします。  我が会派の下山幹事長が代表質問でも指摘させていただきましたが、財政的な余裕がない中で新しい施設を建設すれば財政の硬直化につながるのではないでしょうか。また、このような状況のもとで児童相談所を都から移管を受けたり、区の一般事務なのかどうか疑問のある事業を始めたりすれば、財政は悪くなるばかりだと感じます。しかし、それでもなおかつ、児童相談所を開設すると都からの移管に踏み切ったというのは、子どもの安全を考えれば逆に評価するものでありますが、それならば、児童相談所に対してのこれからの覚悟をより一層求めます。  厳しい財政状況のときは行政改革に取り組み、借金を減らし、貯金をふやして、区民の安全安心のための予算を確保することが最優先だと思いますが、ここで、長年財政に携わってきた宮崎副区長に、今までの財政運営の総括と、今後の財政運営へのお考えを伺いたいと思います。 ◎宮崎 副区長 今般、今議会でもいろいろ御指摘いただいていますように、新型コロナウイルスの対策というのは、この後早々に取り組まなきゃならないと思っております。そういう中で、過去、バブルの崩壊ですとかリーマンショックなど、さまざまな形で急激に景気が落ちて財政規模を圧縮せざるを得ないという状況を経験してまいりました。これは今、出席している部長たちもそれぞれ、例えば事業所管部において、区民の方ともいろいろ御相談しながら何とか対策をとってきたという経験を持っていると思います。  こういう中で、今般の新型コロナ対策の部分においての景気がもし変動し、また、その話がない前に、オリパラのリバウンドがどう出てくるかということも実はよくわからないと。  こういう経験の中では、実は景気の対策というのは二種類ございまして、バブル崩壊のように数年にわたってじわじわと来るというようなケースと、一気に一年で来る場合とでは、世田谷区の財政基盤と言われますが、そういうところの体質が実はもろい部分がございまして、財政規模で申し上げて、今の規模はかなり膨らんでいる状況ですので、例えば標準的に、十年前に二千五百ぐらいの規模で動いていたときがございます。こういう段階で百億の規模の影響が出てきたときがございまして、そういうときの部分でもやはりかなり厳しい対応をせざるを得なかったと。  ただ、先般の本会議を含めまして御説明していますように、区民サービスのほうへいかに影響を極力とどめるかということをまず前提に考えますので、どうしてもハード系の部分とかを含めてとめられるかどうかということになるんですが、今般の部分につきましては、ハードの部分を、例えば本庁舎を含めてかなりまとまった形で動いている数字が大きいものですから、今御紹介いただいた児童相談所につきましても、ここをとめるわけにはいかないということで、かなり裁量の幅が減ってきましたので、そういう意味で言うと、見直し事業や手法の問題についても、この予特でもいろいろ言われています行政経営改革の部分においては、年数をかなりかけて見直していかなきゃいけないものが多々ございますし、一方で、こういう緊急対策のときは、少なくとも赤字というわけにはいきませんので、言ってみれば、そこを何とか年度内の中で対応していくと、こういう二本立ての部分を考えながら今後の財政運営をやっていかなきゃならないと思っています。  今るる申し上げましたけれども、そういう意味では、こういう一気に来る景気後退のようなケースというのをやっぱりかなり想定の中に入れて今後とも財政運営をしていかなきゃなりませんし、今、財政参事から申し上げた数字も、決して財政参事のほうも、そこの基金の額を含めてというのはかなり危機感を持っています。ですので、そこの部分については、改めて区民の方にも御理解いただきながら、区の今の財政状況というのはかなり豊かなように見えますけれども実は内情はかなり厳しいということをきちっとお伝えして、区民の方にも御協力いただきながら何とか財政運営を乗り切っていかなきゃいけないというふうに考えているところです。 ◆宍戸三郎 委員 区民の安全安心のために、今後も宮崎副区長の手腕に大いに期待しております。  最後に、令和元年度の主要事務事業の中に、縦割り行政の弊害をなくすために、マッチングによる政策の推進とありますが、マッチング推進会議でどのような議論がされ、どのような成果があったのか教えていただけますか。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 ただいまマッチング推進会議について御紹介いただきましたけれども、私を初め、庁内にマッチングを担当する副参事が八人おりまして、マッチングを推進してございます。  令和元年度の取り組みとしましては、新実施計画の初年度、三十年度の事業の評価をするということで、新実施計画事業の中の横断的な連携の取り組み、庁内連携の取り組みですけれども、それとあと区民、事業者との協働の取り組みを評価いたしました。  分析の対象とした平成三十年度の横断的連携の取り組みは三十件ございまして、例えば子ども・若者部と教育委員会、総合支所等が連携した子どもの貧困対策など、また、参加と協働の取り組みは三十二件で、例えば認知症カフェの整備及び運営ですとか、スポーツ事業における区内大学との連携などでございました。これらを分析いたしますと、確かに連携はできているんですが、一部の責任感の強い職員が牽引しているという事例が多くて、全員がチームになれたという事例も、やはり一人の中心人物がメンバーの意識を変えていくというプロセスを必要としていたというような事実もございました。  そのような中で、例えばですが、まちづくりセンター、地区社会福祉協議会、あんしんすこやかセンターの三者連携は、同じ場所にいて日常的な情報、知識の共有と地域ケア会議を通じた実践の積み重ねをすることで連携がかなり強固になっているというようなことも報告されています。  こういった事例を分析していく中で、連携の取り組みにおいては、結局、その連携の取り組みの中での各自の役割と責任を明確にすることで、かえってそれぞれ主体的に動いていくということも明らかになってきております。主体的にマッチングに取り組むには、一歩を踏み出し、手をつないでいくということの難しさもまだありまして、それを克服する工夫というのがまだまだ必要だということがわかっておりますので、今後も事例を引き続き蓄積し、庁内にこういう工夫をすればマッチングが進むよということを、マッチングレポートですとか主要施策の成果の中での報告ですとか、そういったところで共有していきながら進めていきたいと考えてございます。 ◆宍戸三郎 委員 マッチングという言葉だけがひとり歩きしているような感じがして、マッチングと言うとうまく事が運ぶような感じになっているように私は受け取っているので、行政としてもう少し具体的、横断的な成果が上がるようなことをこれから期待して、河野議員と質問をかわります。ありがとうございました。 ◆河野俊弘 委員 引き続き、自由民主党の質疑を続けます。私の持ち時間は、今回、昨年十二月の企画総務常任委員会の中で事業者選定の公表をされ、ことし一月に区と同意をされた地域BWAの区における活用について、いろいろな観点から伺っていきたいと思っています。  まず、地域BWAというのは、平成二十年から市区町村において、デジタルディバイドと言われる通信がなかなかしにくいようなエリアの解消だったり、地域の公共の福祉の増進に寄与することを目的として導入された二・五ギガヘルツ帯と言われる限られた周波数の電波を使って、セキュリティーも担保されているんですけれども、電気通信業務の無線システムです。そういったものを平成二十六年十月からは、電波法令の改正によって地域BWAの無線方式が高度化されて、いわゆる高速で高品質なものに変わっていって、このことで、現在、新規参入の事業者が全国各地で増加しているというような状況です。  自治体ごとに事業主体が総務省から免許を取得することで利用可能になるもので、平成三十一年四月現在、全国で一二%の普及率になっています。また、地元自治体や公共機関との連携へ向けて準備中の地域事業者もあり、今後も事業着手が確実に進んでいくものと期待しています。  現在、近隣、他区、他市での導入状況ですけれども、二〇一六年には渋谷区、大田区、川崎市、あとは少し遠いですが横浜市、二〇一七年には品川区が導入するなど、近隣では世田谷区よりもいち早く導入をしています。世田谷区は、先ほど言ったようにことしの一月にイッツ・コミュニケーションズ株式会社との同意を果たして、今導入の整備、サービスの提供について進めているということです。  まず、この電波の特徴ですけれども、電波を発信する基地局からの電波が非常に広範囲に届く無線となっていて、有線でインターネット環境が整備をしにくい場所においても回線利用が可能なこと、また、通信が集中することによって起きる、いわゆる混線するような状態になりにくいというのが特徴です。  地域BWAを導入することによって、区民にとっての利点は、民間の事業者が区民に対して地域BWAを活用したインターネットをつなぐことはもちろんですが、児童生徒の見守りサービスだったり、さまざまなサービスを提供することで、区民一人一人が自分に合ったサービスを選択して利用することができるということ、区民にとってサービスの選択肢がふえ、また、その基盤を民間事業者が整備することで、今後、行政サービスの基盤にも活用することができるということで、低コストというところも非常に魅力な部分だと思います。  区民サービスの維持向上や避難所における通信網の整備、あとは世田谷だとエフエム世田谷というコミュニティーエフエム等の非常用回線としての活用など、区民の防災や減災の一翼を担う情報発信として期待をされています。  ここで少し伺いたいんですけれども、今後、地域BWAの活用を区としてどのように図ろうとしているのか、具体的なものがあればお聞かせください。 ◎松本 政策企画課長 区が行政サービスとしまして地域BWAの活用を検討しているものは、具体的には現時点ではないんですけれども、地域BWAの特徴や、今回、事業者を募集しまして御提案いただきました内容を踏まえますと、地域の公共の福祉の増進に寄与するサービスとしましては、例えばフリーWi―Fiの整備ですとか、災害時の情報収集、伝達手段としての活用、また、多言語に対応したサイネージでの活用など、行政サービスを提供していくための基盤としては有効な選択肢となるというふうに考えております。 ◆河野俊弘 委員 今、無線サービスというと世田谷にはSETAGAYA Free Wi―Fiというのがもちろんあると思います。今回、地域BWAが導入されることによって、現状のSETAGAYA Free Wi―Fiとの整合性というか、そういったところも必要かなと思うんですが、まず確認で、SETAGAYA Free Wi―Fiの今の整備状況や利用状況等の現状をお聞かせください。 ◎松本 政策企画課長 SETAGAYA Free Wi―Fiにつきましては、防災や観光、東京二〇二〇大会を目的に、各総合支所、まちづくりセンター、小中学校など、三月現在、百四十二施設へ整備しているところでございます。今後、改築に合わせて設置する施設を含めますと、最終的には百四十七施設に整備することになります。  今年度一月までの実績ですけれども、一日当たりおおむね五千人を超える方に御利用いただいております。利用者からは、SETAGAYA Free Wi―Fiへつながりにくいという声を時折いただいておりますが、原因としましては、アクセスポイントを設置している施設の点検などで一時的に電源が切れてしまっているケースが多く、アクセスの集中による支障等は今のところ出ていないような状況になります。 ◆河野俊弘 委員 今回、先ほど言った地域BWAとの整合性というところで、実際に区民がSETAGAYA Free Wi―Fiを利用しようとしたときに、アクセスポイント、スマートフォンを持っていらっしゃる方ならおわかりになると思うんですけれども、例えば回線を選ぶときにSETAGAYA Free Wi―Fiと、今まで出てきていたものと違う地域BWAというものが出てきてしまったりというと利用されにくいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今後、BWAの基地局が整備された際の接続方法は実際どうなるのか確認します。 ◎松本 政策企画課長 例えば同時にアクセスできる数をふやすために、こういった地域BWAを利用しましたフリーWi―Fiを増設する場合などでも、SETAGAYA Free Wi―Fiと、アクセスポイントの識別名でありますSSIDについて共通のものを設定することで連携は可能です。  地域BWA事業者、また、現在整備しておりますSETAGAYA Free Wi―Fiの整備事業者、両者にも確認しておりますが、利用者が一度でもSETAGAYA Free Wi―Fiへの利用登録を行っていれば、地域BWAを活用したWi―Fiを使ったとしても、画面を切りかえることなく利用が可能であるという状況でございます。 ◆河野俊弘 委員 利用者からしてみれば、SETAGAYA Free Wi―Fiを選べば、今後、画面を切りかえることなく地域BWAの電波も実際に使えるということで非常に有効なのかなというふうに思います。実際に事業者のほうにも、内容ですね、一つの基地局当たり何台くらいつなげられるんですかというような問い合わせをしたときに、一つの基地局で大体四百台は接続ができるという話を聞きました。一つ特徴としては、そのうちの十分の一、四十台は優先接続ができるということで、例えばそこにいらっしゃる区の管理者だったりとかそういった方は事前に登録をしておけば、その電波は優先的に使えるということで、必ず使える電波というところでも非常に有効なのかなと思っています。  そういった面からも、例えば今、SETAGAYA Free Wi―Fiで一日五千人以上の方が使われているというところで、ログというか、その利用実績というのは実際たまっているはずだと思います。今後、そういったところから実績を考慮して、今よく使われている場所であったり、例えば有事の際に避難される避難所とかに地域BWAを優先的に整備することによって、SETAGAYA Free Wi―Fiのいわゆる増強というところにつながると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
    ◎松本 政策企画課長 現在、本庁舎ですとか駅などに設置しておりますフリーWi―Fiは一度に百件の同時アクセスが可能なものとなっております。避難所へ設置しているものは五十件となっております。例えば、震災時の避難所の想定避難人数は一カ所当たり大体千人から多いところで三千人程度の規模を想定している状況です。  委員の御提案にありますように、地域BWAを活用しました避難所へのフリーWi―Fiの増強などは、技術的には可能となります。災害時におきます避難者の連絡手段を確保する観点から、避難所におけるフリーWi―Fiの増強の必要性について、その後のランニングコスト等も含めまして考慮の上、災害対策課とも検証してまいりたいと思います。  また、そのほかの設置している場所につきましても、今後、利用状況などの検証も行ってまいりたいと考えておりますので、あわせて検討してまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 検討していただくというところですけれども、今回の電波の利用に関しては事業者が主体でというところもありますので、実際に区の負担というのは少ないもので、予算もさほどかからないというような話ですので、実際に有用性とか必要性についてぜひしっかりと検証していただきたいというふうに思います。  今、避難所の話をさせていただきましたけれども、やはり地域BWAの電波というのは、さまざまな災害対策、防災、減災といった面でも有効だというふうに考えています。我が会派でも、以前、例えば防災無線が聞こえづらいとかという話をさせていただきました。実際に今回、昨年の台風十九号の際にも、やっぱり豪雨の際にはなかなか聞こえない。雨が降ったり、壁、建物によって遮られてしまったり、あとはしゃべっているスピードが遅いのか早いのかわからないんですが、非常に聞き取りづらいというふうな話がありました。  今回、地域BWAの電波を使って、いわゆる情報弱者と言われるような情報がとりづらい方、例えば御自宅にいらっしゃっても、スマートフォンだったりインターネット環境が整っていない、あるいは耳の聞こえない方だったり、そういった方がどういったところで情報を得るかといったら、一番身近なものはテレビだと思います。  御自宅にテレビの環境があれば、そこから情報を得るということは一番できるのかなというふうに思っていて、今回、地域BWAの電波を活用した一例として、実際にほかの自治体によって導入が進んでいるプッシュ型のサービスというのを普及しているところがあります。これはテレビの脇にセットトップボックスといった小さい箱を接続しておくと、そこにはインターネット環境が必要なんですけれども、電源が切れているテレビに対しても、万が一、有事のときに、近くの河川が氾濫の傾向にある、例えば地震、強風だったり、近隣で危険な情報があるといったときに、すぐさまテレビが立ち上がってテレビに情報が流れると。視覚的にもすぐにわかりやすいですし、備えつけのリモコンでその情報を操作して自分で見ることができるといった利点で、高齢者の方にも非常に使いやすいというようなことが言われています。  今回、インターネット環境がない方に関しては、地域BWAの電波をプッシュ型のセットトップボックスだけの専用の契約にも乗せて、非常に安価で乗せることができると、そういったところも区で補助すべきじゃないかなというふうに私も考えているんですが、今回、プッシュ型の通知について区の現在の見解を聞きたいです。 ◎前島 災害対策課長 委員御指摘の地域BWAを活用しましたテレビのプッシュ型通知につきましては、イッツ・コミュニケーションズの現行サービスでもございますが、緊急地震速報や気象災害情報などのうち、緊急度の高い情報はテレビの電源が自動的にオンになりまして音声と画面でお知らせするなど、防災行政無線が聞こえない場合や携帯電話をお持ちでない方等におきましては、災害時の情報収集の手段として有効なものと考えております。  区といたしましては、災害対策、防災の観点から、地域BWAを活用した連携方法につきましても、現在、活用する情報ツールとの比較、有益性、費用対効果、活用方法等につきまして関係所管と連携し、検討し、それらを踏まえて地域BWAの事業者と協議をしてまいります。 ◆河野俊弘 委員 やっぱり視覚的に、一番すぐに伝わるというか、防災ラジオ等の話も以前ありましたけれども、こういった方法も手法の一つとしてぜひ検討していただきたいというふうに思います。  今回、台風十九号の際には、多摩川の溢水の報告で、私もほかの委員会の中でも、今後コンピューターシミュレーションで今までの河川の状況というのを検証してやっていくというような話もありましたけれども、河川のライブカメラも、実際に台風十九号のときには、今、御自宅のテレビによっては河川のライブカメラの映像が常に見られるチャンネルがあるんですけれども、それもイッツ・コミュニケーションズさんのチャンネルとしてあるんですが、今回、ライブカメラ自体に地域BWAの無線システムを導入することによって、区の管理者であったり、近くの総合支所、もしくは区の部長以上の職員の方とかも優先的に見ることができるというのは、先ほどのBWAの電波の非常に有効な部分だというふうに思っているんです。その活用した河川のライブカメラというのは実際に有効だというふうに考えているんですけれども、この点もいかがででしょうか。 ◎前島 災害対策課長 御案内の河川のライブカメラにつきましては、国土交通省の京浜河川事務所や東京都、世田谷区のホームページにおきましても、水位、雨量の情報に加えまして、水位観測所などの地点でライブカメラの映像を閲覧することもできます。  御指摘の河川のライブカメラにつきましても、御案内のとおり、イッツコムのサービスを利用している場合には閲覧できるチャンネルがございますが、地域BWAの活用で、区民にとって情報収集の選択肢が広がることや、地域BWAは従来と異なる周波数帯の電波を用いることから、緊急時にふくそうが発生しづらいという利点がある点などにおいて有益と考えております。  区といたしましては、先ほどのテレビのプッシュ型の通知の件も含めまして、関係所管と連携して検討して、それらを踏まえて協議をしてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 今回、河川の状況というのが、学識の方だったりを入れて、今検証に本当に時間がかかっているんですけれども、もしもこういったものがあれば映像として残りますから、今後これはぜひともやっていただきたいというふうに思っています。  あともう一つ、何点もあるんですけれども、地域BWAの電波を使った、これは実際に先ほどの導入が先行している大田区のほうではやっているということで、災害医療拠点にもなる病院にも回線として優先的に地域BWAを整備して、情報伝達が可能になるようにそこにも優先的に整備をしているというふうなことなんですが、例えば、今回、大田区での取り組みについてもぜひとも検討の一つに入れていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎前島 災害対策課長 御案内いただきました大田区におきましては、イッツ・コミュニケーションズ株式会社が地域BWAの免許の取得をし、既に運用を開始しております。今年度、地域BWA専用のWi―Fiを配備して、緊急医療救護所の病院と大田区の地域庁舎との間で災害時の情報連絡手段を構築し、平時のネットワーク回線の複線化や一般ユーザーとは異なる優先接続可能な通信手段の確保を図っていると聞いてございます。  なお、構築に当たりましては、情報連絡手段としてのパソコンや地域BWA専用のルーター購入に係る初期費用や回線使用に係るランニング費用などがその設置する台数に応じてかかるということでございます。  一方、世田谷区におきましては、災害時における緊急医療救護所等との情報通信手段については、デジタルMCA無線を運用しておりまして、日ごろから定期的に通信訓練を行うなど、災害時における機関相互の情報交換などに備えているところでございます。  今後も、現在活用しています情報通信手段と地域BWAを活用した情報通信手段の活用のあり方につきましても、関係所管と連携して、有益性、費用対効果などを踏まえまして事業者と協議をしてまいります。 ◆河野俊弘 委員 災害時の連絡手段というのは、恐らく多重構造でつくっていると思います。例えば各総合支所には衛星携帯電話があったり、あと一般の利用の個人のスマートフォンでも、先ほど別の委員の方が、ラインワークスを使った連絡手段というのも今後取り入れていくというような話もありましたけれども、今回、いろんな連絡手段の中で、一つ、今言った衛星携帯電話というのは、これは契約として結構長いと思うんですけれども、実際に費用というのはどのぐらいかかっているんですか。 ◎前島 災害対策課長 現在、災害対策課及び総合支所等に配備しております衛星携帯電話でございますが、そちらの導入コストにつきましてはおおむね三十万円程度、月々かかるランニングコストについては年間で六万円、合計で約三十六万円の経費がかかるということになってございます。 ◆河野俊弘 委員 結構コストがかかっていると思うんですね。今回、BWAの導入に関して、これも一つ提案ベースになるんですけれども、今回、BWAに関してのスマートフォンというのが新しく出ていまして、BWAの電波を使うことができるスマートフォンに二枚SIMカードというのが入りまして、通常の電話番号のSIMカードと地域BWAの電波を使えるSIMカードが入る、デュアルSIMのスマートフォンというのが出ています。これも災害時において非常に有益ですし、先ほど言ったラインワークスを導入する際にも、こういった点を一つ専用として、各管理職以上、あるいは総合支所単位で配備するということも有効だと思いますが、見解はいかがでしょうか。 ◎前島 災害対策課長 御案内のデュアルSIMでございますが、二つの携帯電話回線を一つのスマートフォンで同時に扱う機能のことでございまして、二つの携帯電話回線を一つのスマートフォンに登録して、二つの電話番号を使い分けたり、データプランを選んで使ったりすることができるものでございます。  活用例を挙げますと、新しく容量の大きいデータ通信プランの低価格のSIMを追加し、今まで使っていた携帯電話事業者の契約内容を残して、料金が安く容量が少ないデータ通信プランに変更することによって、通信速度が遅くなってしまう時間帯に一時的にSIMを切りかえるということをして利用料金が安く抑えられるというメリットがあるというふうに聞いてございます。  委員御案内の地域BWAを活用したデュアルSIMについてでございますが、区内にいるときは、その地域のBWAのSIMを使用して、区外にいるときには既存の携帯事業者のSIMを使用することで、災害時における職員間の情報連絡手段としては有効に活用し得るものというふうに考えてございます。  区では、お話しの携帯電話を配備しておりますが、他の情報通信ツール、これを含めまして多重化を図っておりますので、今後、地域BWAを活用した情報通信ツールの観点におきましても、関係所管と連携して検討し、事業者と協議をしてまいりたいと考えております。 ◆河野俊弘 委員 具体的な案というのはこれからということなので、全て協議という感じなんですけれども、ぜひとも実用化に向けて動いていただきたいですし、事業者側にもそういった意欲が必ずあるというふうに思っておりますので、ぜひとも地域BWAの有効性というのを区でもしっかりと研究していただいて、導入に向けて動いていただきますよう要望させていただいて、石川委員と交代します。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、質疑を続けてまいります。まずは、新型コロナウイルス関係について伺ってまいります。  午前中、他会派の質疑、そして区の答弁でも、マスクの備蓄が区には七十五万枚ありまして、そして、現在も十七万枚が配布されているという御答弁がございました。それにしましても、店頭からもマスクが消えてしまっているという現状がありまして、これから区としても、この備蓄が皆さんにしっかりと行き届けられるということが望ましいのですけれども、マスクだけではなくて、やはり今はトイレットペーパーですとかティッシュペーパーも店頭から消えているという現状があります。私も店頭に行きまして、何もないという状態のときにあぜんとしてしまったということがございました。一体これはいつまで続くんだろうか、そうした不安もございます。メディア、テレビなどのマスコミ等では、これはデマですから、皆さんの大切な供給できる在庫分はありますよと、そうした放送などがされておりますが、改めまして、インフォデミックという根拠のない誤った情報が拡散されていくということの怖さを身をもって感じております。  また、私の地元の商店街の理事長などでも、みずからそれぞれの個店に足を運んで、実際にトイレットペーパーなどがないという現状を見て、これは世田谷区からも、何とか皆さんに安心してほしい、冷静に対応してほしいということを伝えてくれというようなお声、切なる要望などもいただいておりました。私たちは、コロナウイルスに関しましてはさまざまな面で対応していかなければいけない、闘っていかなければいけないというふうに思います。  片や、正確な情報も必要でございますけれども、区内の小中学校の休校情報ですとか、区が関連する地域の行事、イベントも中止または延期ということがされておりまして、これも随時、区のホームページなどでも情報が発信をされております。  そこで、ここではエフエム世田谷の情報発信について伺ってまいります。  エフエム世田谷の情報発信につきましては、昨年の台風十九号の際にはさまざまな課題があるということが指摘をされました。避難所の情報が欲しいのに音楽しか流れていないというのは一体どういうことなんだ、そういった厳しいお言葉もございました。  そこで、来年度の予算書には、エフエム世田谷の活用の強化ということで項目が挙げられ、予算がつけられておりますけれども、これは本腰を入れてエフエム世田谷の改革をしていこうという意気込みがあるんじゃないかと、そうした期待をしているわけでございます。  そこで伺いますが、災害級と言われています今回のコロナウイルスの情報に関しまして、現在どういった情報を発信しているでしょうか。 ◎山戸 広報広聴課長 エフエム世田谷における新型コロナウイルス感染症に関する情報発信は、一月三十日以降、区提供番組でございます「世田谷通信 世田谷情報セレクト」の生放送において、平日は二回、土曜日は一回最新情報を放送してございます。内容といたしましては、区のホームページにより発信している相談窓口の御案内や区主催イベントの中止や延期、高齢者施設の休止など、ホームページからは情報を得にくい対象者に関する情報を放送しているところでございます。 ◆石川ナオミ 委員 リアルタイムな情報が常に発信をされているということですね。そして、私たち自民党は、特にこういった災害級のことがあると、区だけではなくて、都議会、そして国会議員と連携をとりながら情報共有をしているということがございます。今般のこういったことでも、私たちは今世田谷の地域がこういう状況にあるので、国としても何とか対策をとってほしいと国会議員などにも訴えをさせていただいております。  こうした情報発信をする際は連携をとっていくということ、そして、裏をしっかりとってから情報発信をしていかなければいけないということは鉄則だというふうに思います。  そこで、世田谷区と都、そして国という情報連携はできていますでしょうか、また、それは放送にも反映されていますでしょうか。 ◎山戸 広報広聴課長 新たな国の動き、もしくは都の動きなどは世田谷区に通知をされてございます。区に通知されたものは、区民に周知する必要がある場合は、新型コロナウイルス感染症に関する情報として区のホームページで公表してございます。エフエム世田谷での区の提供番組内での放送に当たりましては、この区のホームページで公表している内容を基本としており、放送内容を事前に区と調整し確認を行い、連携を図りながら行っていることから反映はできていると考えているところでございます。 ◆石川ナオミ 委員 これから本当にいろんな放送の中でも情報を流していただかなければなりませんが、リスナーの方が万が一聞けなかったという場合には、今は聞き逃しサービスがあったり、またSNSとの連動をさせていくというような、放送スタイルも変わってきているということが現状にあろうかと思います。  私もアナウンサー時代にラジオの番組などたくさん持っておりまして、そういったときにやっぱりリスナーの方がちゃんと聞いてくださっているかということで、ラジオを放送していくということにおいては、リスナー層の獲得というところは厳しい現実があったり難しいところがあろうかというふうに思うんですけれども、やっぱりエフエム世田谷は、リスナー層の獲得ということではなくて、地域に密着した、そしてコミュニティーエフエムならではの放送番組、もしくは情報発信をしていただくということが大事なんじゃないかなというふうに思います。  そこで地域情報をしっかりとキャッチアップをして、今後も放送していただきたいと思いますが、取り組みについて伺います。 ◎山戸 広報広聴課長 おっしゃるように、コミュニティーエフエムは、例えば区民センターや児童館でのイベントを一つ一つ取材して、その町の特色を紹介するなど、地域に密着し、暮らしに役立つ情報を提供するためにあると認識してございます。コミュニティー放送局ならではの小回りのきいた取材を生かしながら、また、情報ソースが明らかで正確な情報を発信するよう取り組めるよう調整してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。現場に足を運んでいただいて、そこから情報をいただくというような、やっぱりマンパワーも必要かと思いますけれども、ぜひそうしたひと手間をかけて放送していただきたいというふうに思います。  エフエム世田谷は八十三・四メガヘルツで、やさしいエフエム世田谷というキャッチコピーがありますけれども、優しさだけではなくて、ぜひ区民の命を守るエフエム世田谷、そういう気概を持って、地域の方が本当に必要とする情報がちゃんと届けられているか、質の高い番組づくり、情報発信をこれからもしていただきたいというふうに思います。  さて、先ほどコロナウイルスの影響で地域のイベントや行事が中止や延期になったというお話に触れましたけれども、実は私も、今月三月は地域の防災訓練が幾つかありまして、消防団員としても活動するという予定でございましたが、それが全て中止となっております。これは本当にいたし方ないという現状でございますが、続いては、防災訓練におきます防災士の方々の活用について伺ってまいります。  現在、防災士の登録者数は全国で十九万四百五十七名ということで、この数は年々ふえてきているということです。災害が多い日本だからこそ、防災士という資格への関心の高まりも数字でもあらわれてきていると言えるんじゃないでしょうか。  世田谷区でも、平成二十四年度から避難所運営を担う町会・自治会が推薦する方などを対象といたしまして、NPO日本防災士育成機構が実施をします防災士の認証登録に必要な費用を負担しまして防災士の育成に力を入れてきたということもございます。そして、女性の防災士を誕生させようということで、女性の方の防災士育成にも力を入れているということを伺っております。  さて、現在区内には何名の防災士がいらっしゃるんでしょうか、最新の情報を教えてください。 ◎前島 災害対策課長 区では、平成十七年度から十九年度にかけまして、区独自の制度としまして、地域の防災力を高めることを目的としまして、世田谷区地域防災リーダーを養成しまして、現在、二百四十一名が各地域、地区において活動してございます。また、平成二十四年度から、御案内のとおり、主に避難所運営に携わる町会・自治会の方を中心に防災士の資格取得支援をしてございまして、現在までに九十八名が防災士を取得してございます。  したがいまして、地域防災リーダーの二百四十一名と、先ほど御案内しました九十八名、合計いたしまして三百三十九名が現在区で把握している防災士の人数となります。 ◆石川ナオミ 委員 世田谷区からそうした防災士の方がたくさん誕生しているという現状がございますけれども、実際のところ防災士の方々の活躍する場がないというお声もいただいているんです。これについてはどのようにお考えでしょうか。防災士の活用について見解を伺います。 ◎前島 災害対策課長 現在、みずからの町はみずから守るを基本理念といたしまして、防災区民組織を中心としました世田谷区区民防災会議の中におきまして、地域防災リーダーの活動支援を事業目標の一つとして掲げまして、それを踏まえて、各総合支所におきまして、地域防災リーダーに対して研修会、また、他自治体で行われる防災施設見学会などの実施におきまして活動支援をしてございます。あわせて、救命救急講習会、避難所運営などにも参画いただいております。  今後とも総合支所と連携しまして、訓練や研修会などのさまざまな機会を通しまして、、地域の防災に係る実践的なリーダーとして中心的な役割を担っていただけるよう働きかけるなど、その活用に努めまして、地域防災力の向上を推進してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。地域防災力の向上ということは本当に力を入れていただきたいというふうに思います。地域の防災訓練でも、最近ではやっぱりマンネリ化ですとか高齢化、また、メンバーがいつも同じ顔触れというようないろんな課題があるんですね。そうした中で、実際に防災士の資格を持っていらっしゃる地域の方が、防災訓練のコーディネートもできるのでぜひ私を活用してほしいという積極的なお話をいただくことなどもございました。ですから、そういった知識、ノウハウを持った意欲のある防災士の方を地域の防災力を高めていくということにも含めて、ぜひとも活用を御検討いただけたらというふうに思います。  続きまして、債権管理の適正化と収納率の向上について伺ってまいります。  世田谷区の人口が十年内には百万人に達する見込みということで、今後、納税者がふえていくことが見込まれておりますが、これまでも再三にわたって、この予算委員会でもふるさと納税による減収ということが心配されております。七十億円で推移をしていけばいいけれども、もしかすると数年内には百億ということなども懸念をされているということで、これは看過できない本当に喫緊の課題で、何とかしなければならないところでもございます。  また、これまでもお話にもございましたが、ことしは児童相談所の開設ですとか、オリンピック・パラリンピックへの対応、そして社会保障関連経費、そして何よりも、今のコロナウイルスに対する区としての各方面への支援がどれだけかかるかという、財政需要の増加は避けて通れないというところでもございます。先ほど宮崎副区長の御答弁の中にも、やっぱりこれは危機感を持っていかなければいけないというようなこともございましたように、やはり区の財政というところに関しましてはしっかりと見ていかなければならないと思います。  そうした中で、行政経営改革の一つにも取り上げられております債権管理の適正化と収納率の向上を進めていくというところ、ここも必要になってくるかと思います。わかりづらいので、これを平たく申し上げますと、区民の皆様が納める国民健康保険料や特別区民税で未納になっている方に対しまして速やかにお支払いをいただくように働きかけるということ、また、滞納の未然防止などを図って収納率を上げていこうというものなんですね。区では、この対応としまして、既に債権管理重点プランを策定しまして、収納率の向上と未済額の縮減に取り組んできているところでございます。  四年前の予算委員会のときに、私は国民健康保険料の収納率の向上について取り上げまして質疑をいたしましたが、今回はまず、区の保有する九つの全ての債権について伺ってまいります。  平成三十年度決算における収入未済額はどのようになっておりますでしょうか。また、その未済額を減らすようにどのような数値目標を掲げているでしょうか、御答弁をいただきます。 ◎平原 納税課長 区の債権の状況につきましては、区全体では、平成三十年度決算で収入未済額は約百十九億円となっており、その前年度決算と比べ約十五億円の減少となっております。  債権管理重点プランでは、区が保有する債権四十五項目に分類しているもののうち、収入未済額がおおむね一億円以上の債権及び一億円未満であっても引き続き重点的に取り組むべきとした特別区民税や国民健康保険料、生活保護費などの九つの債権について、それぞれ担当所管課が収納率や収納額等について目標を立てて実績を管理し、徴収強化に取り組んでおります。  具体的には、安定した納付を実現していくために、モバイルレジやキャッシュカードを活用した口座振替受付サービス、クレジット納付などの納付機会の拡大を促進するほか、電話催告センターの活用や職員の専門性の向上等により債権の縮減に努めております。 ◆石川ナオミ 委員 確実に縮減はできているという御答弁でございました。恐らくそれぞれの所管での取り組み、また御努力もあろうかと思います。  先ほど御答弁の中で、実績の一つといたしまして、納付機会の拡大ということがございましたが、私が議員になってから最初の質問の際などでも、納付機会の拡大ということに着目をいたしまして、インターネット上でクレジットカードを利用して納付ができるスキームを構築してはどうかということも御提案を申し上げました。また、我が会派としても推進をしまして、そして、二年後にはこのスキームが構築されまして、実際にクレジットカードでも納入できるということになりました。区民の皆さんからも、便利になった、納付がしやすくなったというお声はいただいておりますが、実際にその効果額はいかがでしょうか、御答弁をいただきます。 ◎平原 納税課長 インターネット上のクレジット納付につきましては、債権管理重点プランにおける納付機会の拡大を目的として平成二十九年度より導入いたしまして、その利用は年々増加しており、本年は一月末現在で、利用件数が約二万七千件、納付額では約二十億七千万円となっております。三十年度末からの比較では、利用件数で約四千八百件、納付額で約三億六千万円の増となっております。また、利用者の内訳につきましては、特別区民税、都民税が約一万五千件、約十六億円。軽自動車税が約一千八百件、約八百七十万円。国民健康保険料が約一万件、約四億六千万円となっており、いずれの債権も導入当初より大幅にふえております。  増加した理由といたしましては、インターネット納付が二十四時間可能であることなど、利用者のライフスタイルに合わせられることですとか、キャッシュレスによる手軽さ、ポイント付与などのメリットもあり、納付方法の一手段として区民の皆様のニーズに寄与できているものと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 確実に納付しやすくなったということは非常によかったなというふうに思います。  また、今後、適正な債権管理を推進していくにはどのように取り組んでいくのでしょうか、御答弁ください。 ◎平原 納税課長 収入未済額を減らすためには、何より現年分の徴収強化を図ることが重要であり、口座振替の利用促進やモバイル決済、インターネット決済など、納付機会の拡大、電話催告センターのさらなる活用を図ってまいります。また、現在は導入に至っていないスマホ決済やマルチペイメントなどによる収納方法の検討や滞納案件につきましては、司法上の債権の納付交渉を弁護士に委託して強化を図るなど、効果的な徴収も行い、引き続き滞納の圧縮に努めてまいります。  また、生活が困窮するなど、さまざまな事情により納付したくても納付できない方には、納付相談に応じるとともに、必要に応じて福祉サービスなどの窓口につなげるなど生活再建に向けた支援も行っております。生活再建への支援は、区民生活の安定を図ることや、就職などに結びつくことなど、改めて納付できる環境をつくる上で重要と考えておりますので、継続して行ってまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。滞納ということは生活状況のシグナルという方もいらっしゃるかもしれません。生活再建、そこを支援することで生活が改善されて納付につながった、そういった実際の事例もあるということを伺っております。そうした方への生活再建も考慮しながらこれからも進めていただきたいと思います。  最後は、官民連携について伺ってまいります。  昨年の十月に食品ロス削減推進法が施行をされました。私たちも日常生活におきましては、なるべく食品ロスをしないようにしていかなければいけない、推進していかなければいけない、そんな心構えでもございます。例えば三〇一〇運動、宴会などでも、初めの三十分と終わりの十分は自分の席でゆっくりお食事をいただくということ、食品を残さないようにしていくというようなことなどもしていかなければいけませんし、日常生活の中でもさまざまな取り組みができるかと思います。  日本国内での食品ロスは年間六百四十三万トン、国民一人当たりに換算しますと百三十九グラム、これはお茶碗一杯分の食品が毎日捨てられているという計算になるんだそうです。この食品ロスを続けていけば環境への負荷がふえますし、資源の枯渇を起こす可能性があるというところです。  世田谷区でも既にフードドライブの常設窓口を設置するなど、食品ロスに対して取り組みをしております。一方、横浜市なんですが、国内最大の社会貢献型フードシェアリングプラットフォームを運営している事業者、株式会社クラダシというんですが、このクラダシさんと締結を結びまして、食品ロス削減とフードバンクの支援に取り組むという事業を始めたということが先日発表されました。  こういった官民連携のフードロスの削減ということ、実際にこれは世田谷区でも取り組むことができるでしょうか、スキーム構築はできるでしょうか、御答弁をお願いいたします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今御紹介いただいた事例ですけれども、横浜市で、クラダシという会社がやっている民間企業のビジネスそのものが、まず余剰となった食品を安く販売するというビジネスをやっていて、これがフードロス解消に一役買っていると。その上で、その収益の一部を横浜市が市内でフードバンクをやっているNPO等に寄附をするという形をとって、それでさらにフードロス解消を加速するという仕組みになっているという非常にうまい仕組みになっております。ビジネスが社会貢献活動の資金的な基盤を強化して、共通の課題解決に向かうところに特徴がありまして、官民連携の一つのモデルになるかと考えてございます。  区では、官民連携の事例に全く同じものは恐らくまだないんですけれども、民間企業が顧客に提供しているノベルティー、今まで大手の会社から買っていたものを障害者施設の自主生産品、はっぴぃハンドメイドに切りかえるということで、ビジネスによって地域の福祉を支援する、そういう取り組みは世田谷区でも事例がございます。  横浜市のような先進事例を参考に、官民連携によって地域課題の解決を図りながら、同時に民間企業の資金を地域に呼び込んで地域活動を加速するということで区民に還元していくという仕組みを今後もぜひふやしていきたいと考えております。前向きに取り組んでいきたいと思ってございます。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。官民連携をすることによって、フードロス削減がますますスピードアップしていくというところは実際に横浜市の事例でもありますので、前向きにということでもございましたので、今後、世田谷区でもその可能性をぜひ御検討いただけたらと思います。また、このフードロスは別の機会にしっかりと質疑をしていきたいと思っております。  以上で私の質疑を終了といたします。  続いて、真鍋委員にかわります。 ◆真鍋よしゆき 委員 企画総務部の領域で時間をいただきましたので、これまで各所管の委員会であるとか本会議でもいろいろ質問がありました施設営繕が担当している耐震診断のこれまでの経過と、その結果責任について、私なりに一度整理をしたかったものですから、きょうは改めて質問させてもらいたいと思います。  このことにつきましては、企画総務の委員会、また福祉保健の委員会、文教委員会、それぞれ多くの議員の皆様方が活発な議論をされて、いろいろな御答弁をいただいている中で、また、一般質問等でも多くの議員の方々が触れておられました。  私もその話を聞いていて最初に思ったのは、平成七年に阪神・淡路大震災が起きて、耐震診断を早急にやらなきゃならないと。耐震診断の手法は、第一次診断、二次診断、三次診断と三つあると。その中で、数字が大きくなればなるほど精緻なものが得られるだろうということで第三次の診断を選ばれて、その調査を平成七年、八年とやっておられたと。  ところが、平成二十九年に希望丘小の改築に伴って第二次診断をやってみたところ思わぬ数字が出てきたと。第三次診断をやった三十一カ所をもう一度改めて調べ直したら大変な数字がいろんなところで出てきたと。あげくの果てに、池之上小学校が建てかえをしなければならなくなって、ことしの四月からは旧北沢小学校に移らなければならないと。ここのところで、平成二十九年の調査から、三十年、三十一年にかけて本当に大変なことが世田谷区で起きたと思うんです。その中で、子どもたちの安全を守るためにやむを得ないんだ、これはわかるんですけれども、私は、なぜこんなことになったのかというのをやっぱりもう一度しっかり知りたいんです。  この間、それぞれ皆さんがいろいろ質問されたことをもう一度読み返してみました。この中に何点か大きなポイントがあったような気がするんですね。一番最初は、平成七年、八年の耐震診断をなぜ第三次でやったかということです。区の御答弁では、それが一番精緻、数字が大きくなるほどよりいいものだと思ったと、どの委員会でもそういう説明をされているわけです。その後、阪神・淡路大震災の検証をしてみたら、ちょっと待てよと、この三次だとちょっと違うのではないかということで、平成十三年ですか、改定をされてというようなことがあったと。その十三年の改定、また十四年の文部科学省からの通達みたいなものもあったと、これは後ほどお話ししますけれども、世田谷区は第三次診断をしたままずっときて、先ほど申し上げたような平成二十九年に、希望丘小の調査によってこれが発覚したと。この間二十年以上たっているわけであります。  やっぱりここのところがどうしても、大変日にちもたっておりますので、その当時の方もいらっしゃらないとか何とか、いろんな話がこのやりとりの中であるんですけれども、やっぱりもう一回原点に戻って、平成七年、八年に一体何があったんだろうか。各委員の質問の中に、区のほうの答弁で聞き取り調査等を行ってとかいろいろあるんですよ。区長の招集挨拶の中でも、その辺をきっちり究明してとか、そういう言葉も入っているんですね。  そこで、きょうこの場でもう一度確認したいんですけれども、耐震診断のことについて当時の――当時というのは平成七、八年ですけれども、当時の関係者等に聞き取り調査をしているという答弁もありましたけれども、どのような調査をされたのか、まずお尋ねします。 ◎高橋 施設営繕第一課長 平成二十九年度に希望丘小学校の既存校舎の改修に当たって耐震診断を実施したところ、構造耐震指標、Is値が平成七年の実施結果と相違する値となりました。希望丘小学校と同様の考え方に基づき耐震診断を行った三十一施設について耐震性能の再確認を行いました。  調査につきましては、当時の状況を直接確認することは無理でしたが、耐震改修計画の評定を行う機関であるとして東京都が指定する建築研究振興協会と日本建築防災協会にヒアリングを行いました。また、国交省や、平成十三年の耐震診断基準改訂時の委員など学識経験者等からも助言をいただき原因究明に努めてまいりました。  この中で、平成七年に区が三次診断を適用した当時の認識について、阪神・淡路大震災直後でもあり、各診断法の特徴に合った建物に適用するという認識もまだ一般的にはなかったということ、また、阪神・淡路大震災以前は耐震診断基準の適用事例も少なく、震災後の平成七年十二月の建築物の耐震改修の促進に関する法律の施行により全国的な対策が進められるようになったことがわかっております。 ◆真鍋よしゆき 委員 今の答弁で、東京都が指定する耐震改修計画の評定を行う機関である建築研究振興協会とありましたけれども、この建築研究振興協会とは、平成七年に第三次診断を区から依頼を受けて診断した社団法人建築研究振興協会のことですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 御指摘のとおり、建築研究振興協会は、平成七年当時、区が耐震診断を委託した受託者でございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 この後もまた続けてまいりますけれども、要は聞き取り調査をする中で、また、東京都が指定している耐震改修計画の評定を行う機関というれっきとした機関に、実は平成七年、八年の時に世田谷区は依頼をしていたわけですよ。後になりますが、その数字が今度違っちゃったのでというような流れになっているんですね。
     このときに、この当時、依頼を受けた建築研究振興協会は、お話を聞いたら、実際の診断をある設計事務所に下請に出してやってもらったというふうに聞いているんですが、事実ですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 実際の作業は、建築研究振興協会のもとで区内の設計事務所が行いました。先ほどのヒアリング調査を試みたんですが、現在は業務を行っておりませんでしたので、ヒアリングはできなかったということがございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 結局、建築研究振興協会に依頼をして、そこが今もう既に閉じられているある設計事務所に委託をしてこの調査がなされたというわけなんですね。ですから、どうもここの部分の最初のところが、区が信頼をして任せて、しかも、一番性能がいいと言われた第三次でやってもらって、だから、区も安心をして、その後、過ごしていたような気がするんですよ。  ところが、阪神・淡路大震災の後の検証をしてみたら、ちょっと待てよということになったと。平成十三年に改訂されているんですね。それが十三年に基準改訂版刊行に際して、今次の改訂には、従来の基準よりも、要は第三次診断ではなくて第二次診断をやったほうがいいんじゃないかとか、結構いろいろな要素が出てきたよとかというので改訂されているわけですよ。  また、先ほども言いましたけれども、その翌年の平成十四年には、文部科学省の通達においても、コンクリート建築物の耐震診断基準に定める第二次診断によることとされる、これからは第二次診断のほうをお勧めするみたいな書かれ方にしているんですね。検証してみたらそうだったというので、十三年、十四年、相次いでこうやって改訂をされて話があったんです。だから、第三次でこれだけやったところがあるわけですから、なぜこのときに、ではそうやって改訂されたんだったらもう一回調査してみようということにならなかったのかというのはやりとりもあったんですか、もう一度改めてお尋ねします。 ◎高橋 施設営繕第一課長 区は、既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準に基づいて耐震診断を実施しました。平成十三年の基準改訂版刊行に際しまして、今次の改訂により、従来の基準、指針によって診断、改修を行った場合と極端に異なった結果を生じることにはならないと考えられるので、当分の間は今次改訂版と旧版を併置し、どちらを用いて耐震診断、耐震改修を行ってもよいこととしたいと記述がありまして、当時、区としてもこの認識でいたと考えております。  また、この基準改訂を受けた平成十四年の文部科学省の通達におきましても、平成十三年改訂版既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準に定める二次診断によることとされる一方で、平成十四年度に実施する耐震診断につきましては、平成二年版に定める二次診断または三次診断によってよいとされていたことから、改めて三次診断による診断結果の再検証は行わなかったものと考えております。  なお、国からは、耐震診断基準にはまだよくわかっていない部分も多く残されており、余り明確でない部分は安全側の内容とし、被災建物の検証や実験データの蓄積が進み、適用できる条件や建物が明確になった部分は改訂するという基本的な考え方を聞いております。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、私は平成十三年に改訂をされたけれどもなぜそのときにやらなかったのかということで、これの大きな論拠になっているのが、二〇〇一年度改訂版刊行に際してという部分のこの最初のくだりの中に、これを発行した財団法人日本建築防災協会理事長さんのお名前で、「従って、今次の改訂により、基準、指針によって診断、改修を行った場合と極端に異なった結果を生じることにはならないと考えられるので、当分の間は、今次改訂版と旧版を併置しどちらを用いて耐震診断・耐震改修を行ってもよいこととしたいと考えている」と。要はこの財団法人の理事長さんが考えているという前書きなんですよ。  これを見て、世田谷区は、この理事長さんが考えているから、では、我々はいいんだろうと判断したわけです。この理事長さんが言われている、従来のでやってきても、そういう極端に異なった数値の結果にならないと考えられるのでとこの方は言っているわけです。  では、今回、二十九年に調べたら、平成七年に調べたものと二十九年に調べたもので極端な数値の差はあったんですか、お答え願います。 ◎高橋 施設営繕第一課長 適用した診断法の違いによって、数字の違いというものは極端というか、そういうものはありました。同様の診断法を用いておれば、基準による影響というものは、書かれているとおりそう極端に違いはないということだというふうに理解しています。 ◆真鍋よしゆき 委員 後段の書かれているとおりにやったらというのはよくわからないんだけれども、だから、最初から第二次診断をやれば――それはなかったかもしれないけれども、第三次診断で、要素が違ったとかいろいろ、もちろん委員会のやりとりも私は見ましたし、そういう発言も聞きましたけれども、やっぱり返す返す残念なのは、最初によかれと思って第三次、阪神・淡路の検証をして十三年に指摘があり、十四年にも指摘があった。だけれども、そういう立場の方が、しかも、監修が国土交通省住宅局建築指導課なんてなっていますから、では、これでこう書いていて、極端な数字があらわれることはないから当分の間はこれでいいんだろうとそのときの担当の方は思われたかもしれないですね。  知りたいんですけれども、当分の間というのはどれぐらいだと思いますか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 この間、改訂についてのヒアリングの中で、国のほうにヒアリングをやったんですけれども、その中で、基本的には緩和の方向で改訂は行われていくだろうと。理由としましては、当分の間というその意味は、診断者が使いなれた旧基準のほうがいいだろうという選択もあろうかということなので、緩和した規定を使わなくても、厳しい、使いなれたほうの基準を使ってもいいですよという意味なんだということは聞いております。 ◆真鍋よしゆき 委員 結局、監修した国土交通省にも問題があると私は思いますし、ここまで書いた専門家の方の意見も、結果として今大変なことが世田谷区が起きているわけですよ。ですから、例えばこのことを突然、これから入学しようとしていた、今池之上小学校に通っている、さあ、これから四月からは旧北沢小学校に行ってくれと言われた本人、親御さんにしてみればどうですか。委員会の中のやりとりでも、何となくクールな説明ですねとか、淡々としていますねなんて、それはそうなんですよね。だって、七年のときというのは皆さん担当していないし、十三年、十四年だって多分違うんでしょう。大体二、三年でかわったりしますからね。  だけれども、役所はそうやってきたかもしれないけれども、その職種はあって、ずっと世田谷区というところがこれを調べ、皆さんに大丈夫ですよ、どうぞ使ってくださいとやってきた流れがあるわけですよ。だから、皆さんにとっては、今この任についておられるというのは本当にアンラッキーかもしれないけれども、やっぱり今のお立場として、今までの歴史もしっかり受けとめないといけないと思うんです。そのことを素直に、やはりこのことによって希望丘小の方も、特に池之上小の方も、いろんな形で物すごい影響を受けているわけですよ。  それに対して、まずこの経過と、もっとこうすればどうすればという思いがあって、しかし、子どもたちの大切な命を守るために、安全を守るために皆さんどうか御理解くださいというのが普通冒頭にある説明だと私は思うんです。それがどうもしらっとして、よかれと思って第三次、これは当分の間やっていいと言われたのでそのままでした、二十九年に調べてみたら出ました、もう一回やってみたらこんな数字でしたと。こんな機械的に説明をされて、あとは四月から行ってくださいよと、今これなんですよ。私はここのところを非常に感じるわけですよ。  だから、皆さんが直接何をしてどうこうじゃないけれども、受け継いできた職種にいる者として、この一連の流れのことについて原因究明をし、総括するというふうに言っているんだから、どういうふうに思っておられるのか改めてお尋ねします。 ◎佐々木 施設営繕担当部長 今回、再確認を行いました三十一施設については、今年度、緊急工事を実施し、来年度からの改修工事の予定につきましては議会のほうにも御報告を差し上げているところでございます。  この間の緊急対応に当たっては、生徒児童や保護者の皆様に御負担と御心配をおかけしていることについては大変申しわけなく思っております。引き続き、関係所管課とともに丁寧な情報提供を行い、耐震改修工事を着実に進めるとともに、公共施設の耐震性能の確保は区の重要な責務であるという認識のもと、今後も最新の知見の把握に努めて施設の安全性の確保に努めてまいります。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、部長から御答弁をいただいた中に、生徒児童や保護者の皆様に多大な御負担と御心配をおかけしたことについては申しわけなく思っておりますと言われましたよ。やっぱり今その職につく方は、今これがために大変な目に遭っている方には、冒頭このくだりからぜひとも入ってもらいたい。二度とこのようなことがないようにこれを教訓にしてもらいたい。そんなことでこれからも進めてもらいたいと思います。宮崎さん、何かありますか。 ◎宮崎 副区長 今般、改めて整理していただきまして、私も過去の部分についてほとんどの部分でかかわってきました。最初にこの判断が出たときに、やっぱり同じような感想を持ちました。そんなことはないだろうと。ただ、よくよく聞きますと、その判断の部分につきましては、それぞれの観点の部分の中で、どれが一番選択肢としていいんだろうかということを考えまして、さっき委員からもおっしゃっていただいたように、子どもに万が一があってはいけないという思いから、それは大変なことになるけれども、やっぱりそこは区として抱えようという判断をしたところです。  確かにこの間の部分につきまして、教育が主導で説明に入っていますけれども、私たち区といたしましても、やはり大変申しわけなく思っております。これは今おっしゃるように、やっぱり区民の方に御説明のときはおわびをきちっとやっていかなきゃいけないというふうに思っております。 ◆真鍋よしゆき 委員 それでは、残りの時間をまちづくりの基金といいますか、前に一般質問で申し上げましたとおり、平成十四年、十五年、十六年の当時、小泉内閣の地方でできることは地方にお任せするというくだりがあって、昔の大蔵省、財務省が召し上げていた地租免除の部分であるあぜ道であるとか水路について、地租をとらないかわりに自分のものにするといって、畦畔や赤道や青道を国が大変持っていて、世田谷区のまちづくりに大変不便を生じていて、この十四年、十五年、十六年に世田谷区が国からもらうまでは、その部分を国から払い下げをしてもらってまちづくりに活用したということがありました。それが国有財産移管担当課をつくって、世田谷区は国から大変な量の土地をいただいているわけです。これをそれ以降どうしたかということでお尋ねをしたところ、約一・三ヘクタールを売り払っていて、それが十一億円を超えるお金になっていると。そのお金をどうしたかと聞きますと、一般財源に入れて使っていますということなんですね。  私が申し上げたのは、これはまちづくりに資するために国が無償で区に移管されたものであるし、世田谷区の道路率は二十三区中下から三番目だし、いろんなところで着工して五十何年もかかっている主要生活道路もありますし、いろんなことでまちづくりがおくれている。一番感じることは、即効性がない。今度、祖師谷団地を建てかえたいと東京都が言っていますが、では、あの団地を建てかえるのにどうやって工事車両を持ってくるのかと東京都に聞いたら、わかりませんというか、ありませんみたいな話なんです。これではしようがないですよ。ということは、あそこにいろいろな形で大規模な土地所有者がいて、それぞれが世田谷区の指導のもと開発行為を行っていて、位置指定道路をつくって、三十五メートルで、車返しみたいな行きどまり道路をたくさんつくっていますよ。それを一括して一本つくれば環八までつながったと今でも私は思っています。  というふうに、それは応用力のきくまちづくりの基金、財源がないと思っています。やはり国から無償でもらったならば、まちづくりのために資する特定目的の財源にしてもいいんじゃないかと思うんですが、財政当局を所管するこの委員会としてはどう考えられていますか。 ◎松永 財政制度担当参事 まちづくりに資する機会を逃すことがないように、柔軟に対応できる基金の創設という御提案でございますが、年度当初予算化されていない案件等につきましては、基本的には基金の活用も含めまして、歳入歳出両面においてあらかじめ補正予算として編成し、議決などの手続を経る必要がありまして、執行までには一定の期間を要することとなります。  一方で、お話しのとおり、相手方の都合に合わせて時期を逸することなく対応することが必要な場合があることも承知してございます。こうした点につきましては、例えば土地開発公社の活用も含め、可能な範囲で関係所管と協議してまいりたいと考えております。  同時に、まちづくりに資する財源の確保という点では、こちらも可能な限りですが、国や都の財源を活用するということが基本になりますが、お話しの国から移管された財源、こちらは基本的には一般財源としての歳入になりますが、その売り払い相当分については、例えば都市整備基金に積み立て活用するといった点につきましては、今後、関係所管と協議をしてまいりたいと考えております。 ◆真鍋よしゆき 委員 何か可能性が見えてきたような気がします。まだ残り二十四ヘクタールあるということですので、まちづくりに大いに役立たせるべく、財政当局としてもバックアップしてもらいたいと思います。  以上で自由民主党の質問を終わります。 ○阿久津皇 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○阿久津皇 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  なお、三月十日の次回委員会において、開議後、冒頭、平和の日の黙祷を行いますので、御承知おきください。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十分散会...