今の
選考方法では、
子どもたちの意欲や思いということを
参加者の
選考要素としておりますが、今後は分け隔てなく、今後はというか分け隔てなく参加するということは前提となっておりますから、今、委員がおっしゃったことは課題として受けとめていきたいというふうに考えております。
◆あべ力也 委員
合理的配慮の面で、例えば
障害者の方が参加するということになれば、介助が必要な方とか、そういう方ももしかしたら選ばれる可能性はあるわけですから、今、令和二年度の
予算編成に向けて、まさに予算の
要望等を
教育委員会でもしている時期だと思うんですけれども、そもそも
予算措置に関しても、
障害者に対応した予算をというようなことで、予算の
要望等をされているんでしょうか。
◎板澤 副参事 まだ
予算要望中ですので、確かなことはお伝えできる部分はありませんが、今、委員おっしゃられましたとおり、やはり
介助等も必要な
ケースが出てくるというところは課題として認識していかなければいけないなと思っておりますが、現在、予算の中に、その部分を含めて全て盛り込んでいるかというと、ちょっと課題はございますが、そういった
子どもたちが派遣の対象になった場合には、できる限りの支援をしていくような形で考えていきたいと思います。課題として受けとめていきたいと思います。
◆あべ力也 委員 その点は、予算的な措置がなければ、お金がないから連れていけないというのではちょっと困っちゃうので、その辺は
教育委員会としても、しっかり予算の配分に関して主張していただきたいと思います。
それと、この
交流事業は
相手方がある話ですから、
世田谷区で
障害者を連れていきたいということだけではなくて、
相手方の
自治体にも、もちろん
障害者交流も含めて、先方の
自治体から
世田谷区に
児童生徒を派遣していただく場合にも、そういうことも今後は考えていく必要もあると思います。いずれにしても、そういう
相手方といろいろ協議をしていく必要もあると思いますので、その点については、なるべく早く協議をしていただきたいと思うんですが、そういう日程的なことはお考えなんですか。
◎板澤 副参事 今、委員おっしゃいますように、
相手方の調整もかなり早目の打ち合わせが必要になりますし、予算的な面もありますので、委員おっしゃったことをやはり
課題意識としてしっかり受けとめながら、できるだけ早目な形での
情報提供、また御相談をさせていただくように進めていきたいと思います。
◆あべ力也 委員
教育委員会として、どういう措置をされていくのか、しっかり見守ってまいりたいと思いますので、
障害者派遣についても、
障害者の皆さんが参加できるような制度にしっかりしていただきたいと要望しておきます。
◆
田中優子 委員 二ページ目の2の(3)なんですけれども、海外から
世田谷を訪れる
児童生徒との交流で、
ホームステイの
受け入れというのがありますよね。以前は
ホームステイ、自分が
受け入れられるということが条件で向こうにも申し込むというようなことがあったように思うんですけれども、今は、これはどうなっているんですか。
◎板澤 副参事 委員おっしゃいますように、これまで
中学生の派遣につきましては、先方との調整の中で、
一対一対応をぜひやりたいという御要望もございましたので、いわゆる
受け入れられることを前提として派遣するというような応募の仕方をしておりましたが、昨今、多くの
子どもたちにさまざまな交流の機会をという観点から、行きたいという子は基本的に
受け入れをマストにしないで募集をかけております。そういった形になりますので、
受け入れにつきましては、改めて別に募集をかけるような形で、現段階で行っておりまして、
受け入れのみの交流という形も広げていくという考え方で進めております。
◆
田中優子 委員 もうそれはやられているわけですよね。
受け入れのみの募集というのは、もう何年かたっているわけですか。
◎板澤 副参事 ここ二、三年、そういう傾向で進めさせていただいておりますので、まだ二年ぐらいですけれども、そういった改善を進めております。
◆
田中優子 委員 そのときの募集というのは、結構たくさん手を挙げていただけているのか、なかなかいなくて探さなきゃいけないような状況なのか、それはどうなんでしょうか。
◎板澤 副参事
小中学生で随分違ってきますが、例えば小学生の例で挙げますと、おおむね十名ぐらいの
訪問団があって、大体二人で
受け入れますので、五家庭ぐらいの募集をかけた場合に、大体、八十家庭ぐらいの募集はありまして、かなり選考で、逆に慎重にやっている
ケースがございます。
また、
中学生の
受け入れにつきましても、今回、五家庭の
受け入れを応募しましたが、やはり二十家庭弱の応募がございまして、小中いずれにしましても、かなりの倍率で、こちらでちょっと選ばせていただいた形もございます。
◆
田中優子 委員 それは、ありがたいことですね。
その募集は、
世田谷区内の私立とか国公立とか、そちらにも声をかけているんですか。
◎板澤 副参事
教育委員会の担当の中で行っておりますので、
区立小中学校を対象に行ってございます。
◆
下山芳男 委員 参加できる
子どもの数をふやすということはいいことだと思いますし、今後も進めていくべきだと思うんですけれども、やはり絶対数からすれば、本当に少数の
子どもたちが実際に参加し、また、いろいろな経験をしてくるわけですけれども、やはりこういった経験をほかの行けなかった
子どもたちにどうやって伝えていくかということがすごく大切だと思うんですけれども、今、そういったことを具体的に、例えばこの間のドゥブリングに参加された
子どもたちとか、どういうふうにほかの
児童生徒に伝えていくのか、その辺の取り組みについて、今の状況を教えてもらいたいんですけれども。
◎板澤 副参事 委員おっしゃいましたように、行った子だけでなく、やはり行けない子のほうが非常に多い状況もありますので、行った経験をどう還元するかということは大事だと思っております。現在やっておりますのが、まず派遣した子につきましては、戻りましてから、各所属の学校で
子どもたちに報告するような会を必ず設けております。また、あわせまして、区といたしましても、派遣した子の報告会というものを実施しておりまして、小学生は一月、
中学生は三月という形で行っておりますが、広く公開する形で報告をさせていただいているところでございます。
また、報告書につきましても、全区立小・中学校、また図書館等にも配架をさせていただいて、参考に見ていただけるような形はとっております。
◆
下山芳男 委員 やはりこの成果というのを全体に広げるということがとても大切だと思いますので、ぜひしっかりやってもらいたいと思います。
◆あべ力也 委員 今、報告ということで、令和二年度の派遣時期予定等の説明を受けたわけですけれども、障害の
児童生徒に関しては、令和二年度の派遣の中で実施をしようということで、
教育委員会は考えているというふうに捉えてよろしいんでしょうか。
◎板澤 副参事 委員からいただいたことは、ちょっと重く課題として受けとめておりまして、まず、この募集の段階で、さまざま応募しにくいという状況がないかを確認しながら、その中で配慮が必要なことがあればお申し出いただくような形ですとか、また、選考等につきましても、それに対応できるような形で進めていきたいというふうに考えております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
平塚敬二 委員長 (4)平成三十一(
令和元)年度
全国学力・
学習状況調査の結果について、
理事者の説明をお願いします。
◎加藤 副参事 それでは、平成三十一(
令和元)年度
全国学力・
学習状況調査結果について御報告いたします。
かがみ文の1主旨につきましては、記載のとおりでございます。
ここからは別冊で説明をさせていただきますので、最初に別冊の二ページをお開きください。
調査目的、対象、調査内容、調査実施日、参加
児童生徒数等は記載のとおりでございます。
次に、調査結果につきまして、三ページをごらんいただくと、速報値でもお話しいたしましたが、小中学校国語、算数、数学、中学校英語の全てで全国や都の正当率を上回っております。
四ページから九ページまでは、小学校、中学校の教科ごとに分布グラフ、正答率の高い設問と低い設問、今後の指導を分析した詳細を記載いたしました。学力下位層の割合が国や都よりも少ないことがわかりますが、この数値をさらに減らしていく手だてを今後も工夫してまいりたいと考えております。
また、一〇ページをごらんください。今年度は、文章や表、グラフなどを読み解く力に当たる問題を区独自に抽出し、分析してみました。読み解く力についても、国や都よりも高い数値であることがわかりました。今後、読み解く力と平均正答率との相関や他の学力調査との照合など、研究をより深めていきたいと考えております。
抽出した問題は、一一ページ以降に掲載しましたので、後ほどごらんいただきたいと思います。
そして、一六ページの表をごらんください。無回答率が一〇%を超えた問題を抽出してございます。白抜き数字は全国より無回答率が高かったもので、今年度は小学校の三問のみとなりました。昨年度に比べて減少しております。全体的に、やはり記述式の問題に無回答率が高いことが伺えます。この結果から、自分の考えをまとめて書くことなどにより積極的に取り組むよう、各学校へ指導助言しているところでございます。
次に、一八ページから、主な質問紙調査の結果と考察について報告いたします。
一番上のグラフは、国、都との比較、中段は年度ごとの区の結果の推移、一番下は、質問の回答と正答率とのクロス集計のグラフになっています。
まず、(1)挑戦心、達成感、規範意識、自己有用感等についてでございます。一九ページ、そして、裏の二〇ページもごらんください。
自分にはよいところがある、先生はよいところを認めてくれているについて、当てはまる、どちらかといえば当てはまると肯定的に答えている
児童生徒が全国や都より多く、正答率との相関があることがわかります。
次に、二一ページをごらんください。将来の夢や目標を持っているかについて肯定的に答えている
児童生徒は、都よりは高いものの、全国より数ポイント低い数値になっております。中段のグラフでは、前回の調査よりも数値が下がっております。これを受けまして、
児童生徒の成長に応じて、
子どものキャリア形成に結びつけた学びへの転換について、しっかりと取り組む必要性があると捉えております。
次に、二五ページをごらんいただくと、協力してやり遂げてうれしかったことがあるかについて、中段のグラフを見ていただくと、一昨年度より本年度の数値が下がっております。このことについての分析と改善について、今後、学校とともに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次に、二六ページ、二七ページをごらんください。国語、算数の問題で、回答を書くことについて、選択肢の三、書く問題は全く回答しなかったと答えた
児童生徒が全体の二から四%程度おります。先ほどの無回答率の高い問題もあわせて、各学校で
児童生徒の様子を踏まえて具体的な分析を進め、この数値を減らしていく手当てをするように、校長会、教員研修会、学校訪問等を通じて各学校へ指導しているところでございます。
二八ページからは、学習に対する興味や関心、授業の理解度等についてでございます。
二八ページには、「国語の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに、役立つと思いますか。」と尋ねる質問に対して、肯定的に回答した
児童生徒の数値が国や都よりも低く、三〇ページの算数、数学でも同じ結果になっておりまして、原因の分析を進めながら、ここでも
子どものキャリア形成と結びつけた学びへの転換について研究してまいりたいというふうに考えております。
三一ページでは、英語が将来役に立つと肯定的に答えた生徒、続いて三二ページを見ていただくと、将来、英語にかかわる生活や仕事をしたいや、スピーチやプレゼンテーションを英語で行う活動について肯定的に答えた生徒は、国や都よりも高い数値になっております。
次に、三四ページから学習習慣と学力の関係について報告いたします。
三四ページでは、学校の授業以外でどのくらい学習しているかなど学習習慣が確立している
児童生徒は全国や都の数値を上回っており、各教科の平均正答率との相関がございます。
冊子、三七ページには、新聞を毎日読んでいる、週に一から三回程度読んでいると回答している
児童生徒は、今年度も国や都よりも多く、かつ各教科の平均正答率は高いというデータが出ております。
次に、三九、四〇ページでは、地域や社会にかかわる活動の状況について掲載しており、どちらも国や都よりも高い数値になっております。
特に四〇ページ、外国や外国の人についての関心、意欲が高いことは、先ほどの英語にかかわる生活や仕事への希望との関連があると考えておりますが、前回の調査と比較すると、若干数値が下がっていることは課題だというふうに考えております。
次に、主体的・対話的で深い学びについては、四一ページから四四ページまでの質問になります。
四一ページの話し合い活動を通じて、考えを深めたり広げたりできているかを初め、どの質問に対しても肯定的に答えている
児童生徒が多いことから、新しい学習指導要領への移行が進んでいる傾向が確認できるものと分析しております。
最後に、これまでお話しした結果や課題を四五ページにまとめました。これらをもとに授業改善の視点を四点、四六ページに記載しましたので、ごらんください。
今年度の結果から、基礎・基本の定着と課題の解決を図る学習をより充実すること、読み解く力を高めるための授業を意図的・計画的に行うこと、むずかしい記述式の問題に挑戦する意欲を高める指導を行うこと、キャリア形成と結び付けた学習の充実を図ることの四点につきまして、記載の具体策の例をもとに、学校と
教育委員会が連携して研究、研修を進めてまいります。
長くなって申しわけありません。報告は以上でございます。
○
平塚敬二 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆
田中優子 委員 全体の平均の結果が全国あるいは東京都よりも上だということはいいことだと思うんですけれども、でも、その中でも、どうしても取り残されている
子どもというのがいるわけですよね。その子たちのことは、先ほどの説明の中でも十分認識されていて、どうやって押し上げていくかということが課題だということが説明されていましたけれども、具体的にどのように学校では指導することにしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎加藤 副参事 学校は、この結果を受けまして、先ほどの最後の四点について、教育指導課のほうから事あるごとに指導してまいるんですけれども、学校ごとのデータが学校に行っておりますので、そのデータを各学校で分析する、その中で、個人分析を重視して、学力下位層の
子どもたちを、例えば小学校であれば、意図的に放課後学習に誘ってみるとか、または中学校であれば、eラーニングの課題を出すとかということを具体的に進めるよう指導しているところであります。
◆
田中優子 委員 私の
子どもも
区立小中学校を出ているんですけれども、今は状況が変わっているのか、わかりませんが、当時も学校のほうで補習授業とかやってくれていたんですね。でも、それは参加が任意ですので、学習力がなくても、本当はこの子にこそ受けてもらわなきゃいけないというような子たちが実際出ていないんですよ。結構、学習意欲のある
子どもが手を挙げて出ていたりして、余り学力下位層の子たちを拾い上げる成果につながっていないような気がしたわけです。
それで、なかなか強制的には残したりできないというようなことも、学校の中では実際あるようなんですけれども、それじゃだめだと思うんです。やっぱりこの子には学力つけなきゃいけないよ、最低の学力がまだ身についていないという子たちを押し上げていくのは、ある程度の強制力が必要じゃないかというふうに思うんですけれども、今の説明だと、ちょっと誘ったりみたいなことで、あと、eラーニングは課題を出すというようなことで、こちらはちゃんと課題を出してやってきなさいよまで見るのかどうか、やったらどうなのぐらいで、やってこなくても、全然、それ以上の指導が入らないのか、そこはどうなんですか。
◎加藤 副参事 委員お話しのとおり、
子どもへの個別最適化ということが求められる時代になってまいりますので、十分に人権に配慮した上で、その
子どもに応じた学習について、人的、あるいはICT等を活用したことで、必ず結果まできちんと指導するように各学校に投げかけてまいりたいというふうに考えております。
◆
田中優子 委員 ここでは、そういう
教育委員会の意欲なのかもしれないんですけれども、本当に学校現場だと難しいと思うんです。そこまできちんと強くというか、
教育委員会は学校に言えるんですか。やれそうですか。
私は本当にそこは懐疑的で、やっぱり拾い上げなきゃいけない子たちは取り残されていっちゃって、かなりしつこくというか、先生のほうも学校のほうも執念深く
子どもに寄り添うというか、人権に配慮して、上からの強制ということじゃないような形に配慮は必要だけれども、きちんと義務教育の課程を身につけないで卒業させるというのは、ある意味、区
教育委員会の責任放棄だと思うわけですよ。だから、そこを本当にできるのかどうか、
教育長、いかがですか。
◎渡部
教育長 私は、今までずっと学校の現場におりましたので、そういう
子どもたちを引き上げることこそが一番の課題だというふうに考えておりました。
そういう
子どもたちは自己肯定感がとても低くなっているので、残されたとか、そうやって呼ばれたとかということを極度に嫌ったりするところがあります。だから、学校では、そういう一人一人の
子どもに寄り添って、その子の興味のある部分から、できそうなところから少しずつモチベーションを上げていくという方法を取り入れています。パソコンはとても苦手だけれども、パソコンには興味を持つとか、算数は苦手だけれども本を読むのは好きだとか、漫画は大好きだとか、いろいろとその子の特性に応じた学習の方法を、その子に応じたものを与えていくべきだというふうに考えております。
次年度から、またイレブンプラスという考え方が始まりまして、一つ一つの学校で、多くの人たちを巻き込んだ学習、社会に開かれた教育課程というところでやっていこうというふうに少し広げた教育を行う予定でおります。そういうところからも、
子どもが興味を持つ部分からキャリア形成を考えた上で取り組んでいくように、今、計画をしているところでございます。
◆
田中優子 委員 今、
教育長が説明されたことは、すごくよくわかるんですよね。残されたとか、自分だけ指名されたというのは極端に嫌いで、余計反発とか、あるいは呼ばれても来ないとかいう
子どももいるかもしれないんですけれども、どこかで、何か義務教育なんだから、これぐらいの学力が必要なんだよということを
子どもたちも認識すれば、自分はそこに足りていないんだからしようがないやという、全体がそういう認識を持つという価値観を変換することが必要だと思うんですよ。
できていない子を何となくオブラートに包んで、はれ物にさわるように、何とか違う形でいらっしゃいよとやってばっかりでは本当に学力はつかないと思うので、その価値観の転換みたいな、
子どもたちに対する価値観を変えていこうというようなことも、ある意味必要だと思っているので、その点もちょっと考えていっていただきたいと要望します。
◆
風間ゆたか 委員 今、田中委員が言った問題は、
教育委員会でも、これまで報告がありましたけれども、田中委員のお子さんの時代とは随分変わって、現場の小学校ではやっていますよね。学力がなかなか追いついていかない
子どもたちが参加したくなるような声かけを現場でもしていると認識していますし、また、そういった
子どもたちが強制的ではなく主体的に残って勉強している姿なんかは、各小学校で行われているということを認識しています。
その上で、
教育長が今お話ししたように、いろいろ工夫して、でも、その人数はそんなに少ないわけじゃないですから、やっぱり個別にやっていくことというのは非常に難しい問題だと思うんですね。一方で、それをマンツーマンでできないから、じゃ、先生たちが全員、放課後、そういった子たちにつきっきりでやるのかというと、これまた働き方改革の問題とかになってきますから、区の
教育委員会としても、退職された先生方にお声がけしたりするなどして、いろいろ今やっていると思うんですけれども、今、
教育長が言ったようなやり方を各小学校で、まず小学校からだと思うんですけれども、小学校でちゃんとできているのかということと、中学校に関しては、eラーニングはあるかもしれないけれども、実際、eラーニングを家でやっているかということに関しては、ことしのデータで上がってきていないですけれども、まだまだ懐疑的な部分があって、そのあたりは、一つは、だから小学校で、そういったことが各教員に徹底されているのかということはどうなのかということを、教育指導課でいいので聞きたいなというところと、中学校に関しては、そこまでできていないんじゃないかなという感覚があるんですけれども、いかがですか。
◎青木
教育指導課長 今、お話しをいただいた点は大変重要なポイントだと思います。これまでも全体として、あるいは平均点として高い成果が上がっているという中で、やはり下位層の
子どもたちは実際いますし、その対応はというところで
課題意識を持って取り組んでいたところです。先ほど
教育長が申したとおり、学校での教員の指導の仕方、教科の中身に入る前のモチベーションを高めるとか、関心を高めるというところについては大変重要なところで、各学校に対しても
課題意識として持たせているところです。
あと、重要なことは、やはり放課後での個別の対応ももちろん重要ですし、効果が上がることで、そういうお話も学校からいただいていますが、日常的なところで、例えば算数、数学などについては、習熟度に合わせた指導も各校で行う中で、やはりその習熟がまだ十分でないお子さんには、その単元での復習から入るとか、状況を確かめるなどの中で、教材の工夫、あるいは指導法の工夫ということで、研修等でも学校のほうに伝えているところでございます。
さらには、やはり、今、教育指導課訪問などでも、各校の正答率の分布などからしても、
子どもたちの状況が見えるところもあるので、そうした分析、そして対応をするようにというようなことは学校と協働して進めてまいりたいと思いますし、常にその意識が高められるように働きかけてまいりたいと考えております。
◆
風間ゆたか 委員 学校がどこまで責任を持つのか、さっき義務教育というお話がありましたけれども、義務教育のそもそもの意味は、
子どもが行かなければならないというよりは、
保護者が行かさなきゃならないということの義務だったり、国が教育を提供しなきゃいけないという義務だったりするわけなので、そのあたりは難しいと思うんですけれども、宿題不要論なんかが出てくる中で、宿題があるからこそ、
子どもが家で頑張って宿題やってくるみたいなところも実際もあるわけじゃないですか。だから、そういうところも、きちんと
保護者会等を通じて理解してもらうというようなこともやっていかなきゃだと思いますし、それは、でも、現場の先生によって、やっぱり押しつけ的に、まだまだ強制感がある教員がいっぱいいるわけですよ。そのところをさっきの
教育長が言っているような感覚でできるように進めてもらいたいなというのが要望です。
こっちの話に戻りますけれども、先ほどの報告の中で、読み解きに関して、特に区独自で分析をしてやっているということに関しては、ことしの初めの第一回
定例会のところで、その前の文教
委員会でも、私は取り上げました。こうやって問題意識を持っているということは非常にいいなと思うんですけれども、東京都とか全国とかに比較して
世田谷区は高いんだということをおっしゃっているけれども、世界的に見れば、PISAで読み解きのランキングはまた下がったわけであって、日本全体がね。ということは、日本全体が下がっているところで、
世田谷区は、もしかしたら、世界的に見れば辛うじてキープしているぐらいの話なのかもしれないと思うと、やっぱり、ここもさっきの報告を聞いていても、具体的に読み解く力を上げていくためにどんな工夫をしていくのかというのは、第一回の
定例会でも聞いたけれども、まだまだ見えてこないわけですよね。
そもそも読み解く力をつけさせられるような指導方法を今の教員たちがちゃんと持ち合わせているのかというところに、私が事例として出した新井先生なんかは、
課題意識があるわけであるから、やっぱり先生たちが読み解く力をつけさせるような教育体制をつくるのが
教育委員会の役割だろうなと思うわけですけれども、そこについては、ことし、どれぐらい取り組んだんですか。これからどう取り組んでいく予定なんですか。
◎加藤 副参事 今年度、読み解く力を
子どもたちにつけさせるということを学校にどのように指導したのかですが、読み解く力は、PISAの定義でいいますと、まず、情報を探し出す力、それから理解する力、評価し実行する力ということで、このことが読解力の定義というふうになっておりまして、特に情報を探し出すということが今回とても大事ということを学校に指導してまいりました。さらに、今回のPISA二〇一八の結果からも、この情報を探し出す中で力が全国的に弱かったということが明らかになっていますので、次年度についても、情報といいますか、一つの文章やグラフを見たときに、そこから課題をどう導き出すのか、情報をどう分析するのかということについて、一時間ではなく、一つの単元の中で各教科、そういう学習の取り組みを入れるようにというような指導をしてまいりたいと考えております。
◆
風間ゆたか 委員 全体的に研究発表なんかは、この読み解く力の指導力を上げるみたいなことは、教員間では結構なされてはいるんですか。
◎加藤 副参事 研究校等は、次年度以降の検討になると思うんですけれども、今年度につきましては、例えば秋田県大館市に教員を派遣した際、フィンランドの学校に派遣した際に、読み解く力のことについて、そういう視点で研修を、学校を見てくるようにというような話はしてございます。二月に報告会を教員対象で行ったり、または秋田の授業力の高い先生に
世田谷にお越しいただいて、授業を公開していただいたりというような企画をして、高めていきたいと考えております。
◆
風間ゆたか 委員 一定のときにも言いましたけれども、新井先生の授業の様子を私も見ていて思ったのは、教員が気づいていない点を、きちんとデータをもって、こういう課題があるんだということをなさっているところに、教員会とは違う視点が入っていると思うわけです。先生方の今までの研究発表というのは、個人の能力のある先生の指導方法をお互い学び合うというような仕組みだったと思うんですけれども、新井先生は
世田谷区の
教育委員会ともともとつながりもあるわけですから、そういった専門家にちゃんと力をかりて、教員の指導力を上げるように、引き続き要望をしていきます。
◆
中山みずほ 委員 三四ページの学習習慣というところが、圧倒的に
世田谷区が全国、東京と比べてもすごく多い割には、三〇ページの算数もそうですけれども、ほかも含めて、将来役に立つかというのが低いということに関して、どのように分析されているかということと、あともう一点、私は決算特別
委員会で学習支援のことについて伺ったと思うんですが、田中委員と同じように、やっぱり底上げするというところがすごく大事だと私は思っていて、例えばなんですが、今回、福祉部門のほうだったかな、生活実態調査とかをやられたときに、如実に格差というか経済格差みたいなものも出ていたと思うんですが、そういったところのクロス集計というか、今出ている数値のクロス集計、例えば他
自治体、ちょっと
自治体名が思い出せないんですが、いわゆる踏み込んで、この学習の結果と御家庭の所得というところと思い切ってクロス集計した結果、如実に出ていたというのを見たことがあるんですね。そういったことをもう一歩、集計をしていくということをお考えかどうか、その二点を伺いたいんですが。
◎加藤 副参事 最初の御質問で、将来につながっていないのではないかということですけれども、ごらんになっていただくと、小学校のほうが数値が高く、中学校になると低くなるという現実がありまして、やはり将来も考えてはいないわけではないと思いますが、どうしても得点をとりたいという意識が高い傾向があるのではないかというふうに憶測しているところであります。
それから、さまざまな質問と学力の相関を見たいというような、私どももそうなんですけれども、このことについて、これから教育総合
センター等も開設していく中で、実現していきたいなということを思っているところでありますが、できるだけ多くの質問と相関がとれるような仕事ができる、教育指導課の体制を整えていければなというふうに思っております。
◆
中山みずほ 委員 先ほども、将来、役に立つと思っていない子が家で三時間も勉強する、かなり多くの時間、三時間以上勉強しているというデータは高いというのは、簡単に言えば、受験のための勉強を
世田谷区はしている率が高い。だから、中学の受験、私立受験ですとか、そういったことも、やっぱり相関関係を見ていって、それがいい、悪いというよりは、現状分析というのが必要かなと思います。
私が二つ目の質問した、いわゆる生活実態調査だとか、ほかのものとクロス集計していくことは、これに関してはしないということでいいんですか。
◎加藤 副参事 このクロス集計については、個人の学力と個人の回答をクロスする形でとっていますので、個人が回答しないものについては、物理的になかなか厳しい現状があります。ですから、するとすれば、こういった学力調査に合わせて、そのお子さんがこう答えたという設問を新たに設けるというようなことになるわけですが、そういうことについて、
センターの開設に向けて、やっていかなければならないなという必要感は感じているところであります。
◆
中山みずほ 委員 あと、不登校の方に関しては、今回、恐らく余り受けていない率が高いのかもしれないんですけれども、そことの関係というか、ほかの質問でもあったように、不登校の方の成績評価はどうするかというもかかわると思うんですが、この調査に関しては、不登校の方は実際はどうされているんですか。
◎加藤 副参事 これもはっきり全てのデータを持っているわけではないんですけれども、不登校のお子さんは、恐らく参加はしていないということになります。
◆
中山みずほ 委員 わかりました。今後、調査に関して、今、お答えいただいたように、やっぱりそういう対策、学習支援とか対策、授業としてやる、やらないも含めて見ていくためのデータというのはとっていただきたいなということを要望します。
◆板井斎 委員 この間、ドゥブリングに行かせていただいたんですけれども、ドゥブリングの
子どもたちは、本当に早い段階から自分の将来を決めなきゃいけない。十歳で決めなきゃいけないという中で、いわゆる普通科、日本でいうと普通高校、普通大学に行くのが三五%ぐらい。残りの六十何%は職業科に進む。その中で、また普通科というかに戻れる。要するに、どこへ行っても最終的には大学に行けるというシステムをとっているんです。
だから、その
子どもたちにとって、勉強で頑張れる子もいれば、そうでなく自分の強みを発揮できる
子どももいて、きょうのは学習面だけですけれども、
子どもたちにとって、当然、基礎学力を高めるということは否定するわけじゃないんだけれども、全員が全員、同じような画一的なところにする必要も当然ないし、今、そうなってもいないし、また今後、そういう多面的な方面に進路を探していくということにおいては、学習面と実際それがどうつながっていくのか。一番最後にキャリア教育と書いてあるけれども、日本だと都立高校で一部、それに近いことやっているぐらいで、ほとんどキャリア教育と言われるものを見たことがないんですけれども、
世田谷で進めようとしているこのキャリア教育というのはどんなイメージなのか、最後、確認させてもらいたいんです。
この一番最後に書いてある、例えばこんなことが
世田谷区のキャリア教育のデータというふうに思うのか、そういうイメージがなかなかつきにくいんですけれども、教えてください。
◎加藤 副参事
世田谷区のキャリア教育について、三十年度からスタートするに当たって、今、構築しているところですが、基本的な考えとしては、自分のよさを生活や自分の将来にどう生かすのか、自己肯定感に支えられた自分の将来をどう描くのかということを小学校一年生から中学校三年生まで系統的にやっていきたいというふうに思っています。やはり自分のよさを感じる場面というのは学校にとどまらない、地域の中でさまざまな人とかかわりながら、その中で、職業観が高まったり、働くことの意義を感じたりすることはあると思いますので、そういったグランドデザインを今つくっているところであります。
◆
下山芳男 委員 今、小学生とかの学力は、本当に入学したときにはいろいろばらつきあると思うんですよね。それで、各小学校でいろいろな対応をしていると思うんですけれども、私の近くの小学校なんかは、副校長先生とか、また、それぞれ一年生、二年生の先生方の指導をいただいて、地域の人が中に入って、給食の指導とかから始まって、いわゆる小テストの丸つけとか、いろいろなことを一緒に参加しているんですよね。
それで、ちょっと学力的に難しいなというか、ちょっと苦しんでいるなというような
子どもたちは、先生の指導をいただきながら、そういった地元の人が本当に優しく丁寧に教えているような場面があって、私の孫も実は一年生で、そういう取り組みをしているというので、すごく心強いなというふうに思うんですけれども、そういった各校の取り組みというのを、やはり
教育委員会のほうではちゃんと把握はされているんですか。
◎青木
教育指導課長 今、お話しをいただきました地域の方との連携の中で、
子どもたちの学習面の支えであるですとか、個別に丁寧に寄り添っていただいているという状況があることは承知をしております。校長会、あるいはブロック校長会、もう少し小さなブロックの中で、そういった有効な取り組みについて共有をしていくというところは進めているところでございますが、より確実に、こちらのほうでも実態を把握しながら、
情報提供、あるいは共有をして進めてまいりたいと考えております。
◆
下山芳男 委員 私は、今、小学校のスタートのことと、それから、もう一つ、すごく気になるのは、区立の中学校は、非常にいろいろな対応をする必要があると思うんですよね。それで、やはり勉強する子は受験の勉強というようなことがあって、また、それぞれ自分の将来に向けて、そういった考えていることもいっぱいあると思うんですけれども、その一方で、いわゆるこの時期とか
夏休みの前になると、大量の塾のチラシとかが新聞に折り込みがあって、恐らく
世田谷の小学生、
中学生というのは、そういったものにお母さん、お父さん含めて、非常に将来の受験とかを念頭に置いて、それぞれいろいろ考えていると思うんですけれども、
教育委員会としては、いわゆる受験というものに対しては、どのような基本的な考え方をしているのかなというのをちょっと伺いたい。この学力も含めてね。
◎加藤 副参事 受験は、
子どもがそれまでの知識や技能、思考力、判断力、表現力を身につけたものをある一定の尺度ではかりながら挑戦し、
教育委員会としても、第一希望に全員受かっていただきたいという気持ちはありますが、義務教育ですので、先ほどからお話しにあるように、確実に基礎、基本の力を身につけてほしい。受験ということを大きく捉えるよりも、義務教育でしっかりと力をつけるということを第一義に考えるとふうに捉えているところであります。
○
平塚敬二 委員長 この学力調査の報告書についての質問でお願いします。
◆あべ力也 委員 この前、マスコミの報道を見ていて、こういうあれがあったんですけれども、受験のときとか学力
試験のときに、今、スマホを持ち込み可能と。結局、どんなに詰め込んで、頭で知識を持っていても、スマートフォンを一つ持っていれば、いろいろ検索したりなんだりで、そのほうが詰め込んでいる知識を持っているよりは、全然、いろんなことを検索ができるということで、受験のときにスマートフォンを持ち込み可ですよという学校があるんですという報道を見て、世の中変わっているんだなと。
私なんかは受験戦争と言われた時代に受験をしたりとかして、一生懸命、詰め込み教育の中で勉強してきたほうなので、大変変わっているんだなというふうに思ったんですが、その上で、
世田谷の
教育委員会や学校が
子どもたちを評価をするという評価手法そのものが、これから
子どもたちに求められるものというのが変わってきている中で、
全国学力・
学習状況調査等というようなことでの評価や、今までと同じように、
子どもの評価をする手法として、学力の評価の仕方が、どれだけ覚えていたかとか、そういうことが余り変わらない評価手法なんだと思うんですよ。