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令和 元年  9月 決算特別委員会−10月10日-07号

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  1. 世田谷区議会 2019-10-10
    令和 元年  9月 決算特別委員会−10月10日-07号


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    令和 元年  9月 決算特別委員会−10月10日-07号令和 元年  9月 決算特別委員会 令和元年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第七号 日 時  令和元年十月十日(木曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十六名)    委員長       石川ナオミ    副委員長      河村みどり    副委員長      中塚さちよ              阿久津 皇              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              河野俊弘              宍戸三郎              下山芳男              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              板井 斎
                 岡本のぶ子              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              平塚敬二              いそだ久美子              風間ゆたか              桜井純子              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              神尾りさ              小泉たま子              佐藤美樹              つるみけんご              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              ひうち優子              そのべせいや              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 末吉謙介  出席説明員   教育長            渡部理枝   教育委員会事務局           教育次長   淺野 康           教育総務課長 會田孝一           学務課長   田中勝将           幼児教育・保育推進担当課長                  須田健志           学校健康推進課長                  桐山徳幸           教育環境課長 青木 徹           副参事    秋元勝一   教育政策部   部長     池田 豊           学校職員課長 内田潤一           教育指導課長 青木雄二           教育相談・特別支援教育課長                  工藤木綿子           新教育センター整備担当課長                  北村正文           副参事    板澤健一           副参事    加藤敏久   生涯学習部   部長     皆川健一           生涯学習・地域学校連携課長                  田村朋章           中央図書館長 松田一清     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成三十年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成三十年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成三十年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成三十年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成三十年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○石川ナオミ 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 本日は、文教委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 おはようございます。日本共産党の質疑を始めさせていただきます。  就学援助についてお話しします。  この十月から就学援助の支給範囲が生活保護基準の一・四倍に、給食費は東京都の高校授業料無償化ラインまで支給されることになりました。昨年、就学援助の申請率が五〇%であることが明らかになり、必要な方に支援が届くよう就学援助の充実とともに、申請率を高めるため、周知強化を求めてきました。  今回、十月一日現在で一万千四百三十七世帯から申請があり、一万七十八世帯が認定されたと伺いました。今回の対象者は一万五千九百五十二と見込んでいる中で、申請率は約七二%、認定率は約六三%という状況です。前年度同様、支給所得ラインの生活保護基準の一・二四倍の認定者の数を比較しますと、昨年が四千九百六人、今回は六千七百十二人ですから、上回っているという状況だというふうに思います。  我が党は、区が就学援助支給範囲を拡充し、区立小中学生を持つ世帯の半分の世帯まで、その支給範囲を広げたこと評価しております。この就学援助充実の周知にさらに取り組んでいただきたいというふうに思っております。  この間、我が党は、就学援助の入学準備金を入学前にと求め、その時期についても、制服や体操着など支払いが生じる月にと求めてきました。区は、入学準備金の支給時期について、平成二十七年に中学生分、令和二年度の小学生入学分から入学前支給が実現をします。また、区は来年度の入学生から三月に支給をしていたのを二月にさらに前倒しをする、つまり、制服や体操着などの支払いが生じる月に、さらに前倒し支給を決めました。就学援助受給者の中には、入学準備が七万円から十万円と高額なため、一時的な負担が困難だと借金をした方が少なからずおられました。二月に支給されれば借金しなくても制服などを購入することができると喜ばれています。  就学援助を受給しているシングルマザーから、毎月の給料は家賃、食費、通信費、光熱費などの支払いでほとんど手元には残らない、緊急に支払いに対応しかねるときもあると述べていました。手元に現金は残らない生活のため貯金もなく、学校で必要なものを買えず、忘れたふりをしてずっと過ごしていた息子さんの話を伺いました。四カ月に一回ではちょっときつい、こういった声をいただきました。  現在、当区では就学援助の支給回数は基本、年三回、七月、十一月、三月に支給されています。この回数をふやすことが必要だと考えます。見解を伺います。 ◎田中 学務課長 就学援助制度は、子どもの就学の機会の確保、経済的支援を必要とする保護者への負担軽減策として、学用品費や給食費などを支給しており、例年、年度当初の四月から五月に多くの申請を受けた後、六月末に認定結果の通知をいたしております。  先ほど委員からも御紹介いただきましたが、今年度につきましては、小学校の新入学用品費を二月より支給、あわせて中学校の新入学用品費の支給も二月ということで、この関係では支給回数はふえることになります。  なお、委員の御指摘のとおり、現在は年三回支給のほうをしておりますが、必要な支援を必要な時期に行うことが望ましいと考えており、支給時期、回数につきましては、引き続き課題等を整理しながら、より適切な時期と回数について検討し、早期の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、図書館について伺います。  砧図書館の運営についてです。この間、区は、砧図書館で地域の活動団体の方々と利用者懇談会を開催して、住民参加による運営体制について検討していると伺っています。砧図書館ではおはなし会など、世田谷の図書館を考える会、子どもの本を読む会、世田谷親子読書会祖師谷親子読書会、山の木文庫さんが長年活動を続けられています。砧地域と地域の子どもたちにとって欠かすことのできない存在だというふうに思っています。  今回、砧図書館の区民参加の運営について検討したいとして、区との間で話し合いを五回続けてきたが、現在膠着状態になっていると伺っています。これまでの検討状況について伺います。 ◎松田 中央図書館長 まず、住民参加による運営体制の検討につきましては、多様な運営体制を考える中での取り組みの一つとして、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に掲げております。区立図書館が地域の中の学びや交流、活動の空間として地域の方々の協働によって、その地域に見合った特色ある図書館の姿を形づくれないかとの考えがございます。これに向けた検討のプロセスといたしまして、ワークショップなどを通じて、広く地域の方々に図書館へ望むことなどを考えていただきながら、検討を積み上げていくことを想定しております。  砧図書館では、読み聞かせや読書会などの活動をされている団体による懇談会がございます。まずは、この懇談会の方々との間で地域の住民や団体によってどのようなことができるのか、昨年十月以降、これまで五回の意見交換を重ねております。 ◆たかじょう訓子 委員 これだけ検討を行っているということですけれども、出席者からの意見はどのようなものだったか伺います。 ◎松田 中央図書館長 これまでたくさんのお時間をいただきまして、さまざまなお話もさせていただきました。主な意見といたしましては、図書館運営に住民がどのように参画できるのかイメージがつかない、これまでのように読み聞かせなどの事業には協力できるが、図書館業務は区が担うべきであるといった御意見などがございました。  また、図書館運営での業務委託や指定管理など、民間事業者が運営にかかわることについても意見がございました。従事者が入れかわることや事業者自体が変わってしまうことで、図書館運営の知識などを引き継いでいくことが難しくなるのではないか、ほかの公共施設と異なり、区職員の直営で運営していくべきであるといったような御意見がございました。 ◆たかじょう訓子 委員 ここで述べられている住民の方々からの意見というのは、私たちも繰り返し述べてきたことです。さらに、これまで検討が膠着状態にある、進んでいないという理由について、どのように認識しておられるのか伺います。 ◎松田 中央図書館長 意見交換をさせていただいております懇談会の方々は、本の楽しさ、すばらしさを子どもたちに伝えようという強い意志を持って読書にかかわる活動を長く続けておられます。そういった活動をしておられる方々の中には、図書館運営を民間事業者が担うことに慎重な考えを持っておられる方が多く、そのことが砧図書館の運営体制の検討でも強い関心事になっております。この検討の結果、どのような運営体制になるのか懸念があり、皆様が慎重になっていることが大きな要因と受けとめております。 ◆たかじょう訓子 委員 続けて聞いてしまいます。そうしたら、出席者からの意見などについての受けとめ、これを伺います。 ◎松田 中央図書館長 先ほど御紹介させていただいた主な意見などを踏まえまして、まず、区立図書館の運営を考える上で、区職員が知識や能力を高め継承していく体制は重要です。一方で、知識やノウハウを継承していくためにも、効率的な運営体制を考え、確立することが必要です。また、施設の効果的な活用を図る方法として、民間事業者の活用が有効な場合もあり、館の状況に応じて考える必要もございます。砧図書館での住民参加による運営体制の検討につきましては、引き続き懇談会の皆様との意見交換を重ねたいと考えております。  現在、区立図書館全体の運営体制の考え方などを検討しております。これと並行いたしまして、区立図書館での住民参画についても、区として考え方を整理し、検討した上で、今後の方向性などをお示ししていきたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 私も、参加者の中の世田谷の図書館を考える会の活動をされている方とお話をさせていただきました。この中で、こういった検討会の中で、こういった図書館利用者懇談会として、主要質問として二つ、そして個別質問として十三問、図書館関連の質問が文書で届けられたというふうに聞いています。これの回答がないということに、最も不満を覚えておられるというのが実態でした。正直、利用者懇談会の検討会を通しての区の対応が真摯な対応とは言えないのではないか、質問に対してお答えがないというのは大変問題だというふうに思います。
     ここに書いてある何問かをちょっと御紹介します。これはお答えいただいたものだと伺っていますけれども、区が描いている理想的な公共図書館像の実現について伺います。世田谷区立図書館ビジョンでは、知と学びと文化の情報拠点という基本理念を掲げ、これを踏まえて事業方針四点と運営方針二点を挙げています。このような理想的な図書館を実現するためには、指定管理者制度や業務委託は適さないと私たちは考えます。世田谷区ではどのようにお考えでしょうか。  もう一問は、砧図書館における住民参加型図書館について伺います。砧図書館を住民参加型図書館にすると議会でも答弁されていますが、そのビジョンが見えません。世田谷区はどのような問題意識を持って、どのような住民参加型図書館を考えているのでしょうか、具体的に示してください。  こういったことを質問されています。これに対してなかなかはっきりとしたお答えがないということで、それについては大変怒りを覚えるというような状況が今あるというふうに思います。やはり、この住民との関係です。このままでは来年度からの――住民合意もないので、来年からのスタートというのは反対だというふうに私たちは考えておりますけれども、それについての見解も示していただけますでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 住民の合意に関してですけれども、まず住民参加による運営体制の検討につきましては、区ともう一方の主体である地域住民の方々との話し合いによって形づくり、コンセンサスを図っていくプロセスが必要と考えております。運営体制を決めていくには、まだ懇談会の方々との話し合いを積み重ねていく必要があり、時間も必要と考えております。砧図書館につきましては、これからの意見交換の内容などとあわせて、進め方についても今後検討してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 今後、地域の方との話し合いが必要だというふうに思いますけれども、それにはやっぱり条件があって、お応えしていかなければならないというふうに思うんですね。それについてはどうでしょうか。 ◎松田 中央図書館長 先ほど申し上げたとおり、こういったコンセンサスを図るプロセスが必要と考えておりまして、今後も話し合いを引き続き、続けさせていただきたいというふうに考えております。区立図書館の運営は図書館の従事者だけではなくて、さまざまな方々の力によって支えられております。中でも、おはなし会や読み聞かせなど、読書にかかわる活動をされている方々は、図書館や図書館の本、それから、子どもたちとを結びつけ、子どもが本に親しみ、本によって成長を育む機会を与える大事な役割を担っていただいております。  今後も、さまざまな団体に図書館に御協力をいただき、学びの場としての図書館をこれからも支えていただきたいと、このように考えております。砧図書館での検討につきましては、まずは懇談会の方々との意見交換を丁寧に進めてまいりまして、一つ一つ共通認識を深めていただけるよう進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ことしの予特で経堂図書館の問題で質問させていただきました。経堂図書館発足以来、子どもへの読み聞かせ、手遊びなどの活動をしてきた山の木文庫さんが、区の図書館の政策に対し失望し、経堂図書館から撤退したことを取り上げました。今回また、砧図書館の運営をめぐって信頼関係が崩れようとしていると、こういった結果になっています。図書館運営において、地域の活動団体との関係悪化というのは、これは大きな後退であると考えます。  図書館は、区の職員と地域の活動団体の皆さんとともに、学び合い協力して、さまざまな取り組みを行っている施設です。子ども連れでおはなし会に参加していた子どもや親が、こうした活動の担い手となって引き継いで地域のコミュニティーをつくってきた。そのかなめになってきたのが地域の図書館であり、館長を初め職員の皆さん、そして地域の皆さんです。  区が行おうとしている住民参加の運営、これを進めるのならば時間をかけて、合意のもとで進めていただきたいというふうに希望します。見解を求めます。 ◎松田 中央図書館長 ちょっと繰り返しになりますけれども、図書館の従事者だけではなく、さまざまな方々の支えによって成り立っている図書館につきまして、こういった利用者懇談会の方々との話し合いをこれからさらに進めていただきまして、区といたしましても考え方を整理し、丁寧にお話し合いを進めさせていただきまして、共通認識を持てるように進めてまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 よろしくお願いいたします。  それでは次に、性教育について伺います。  昨年、足立区立中学校の総合学習授業について、自民党都議からの質問に対し都教育委員会から、性交、避妊など、指導要領を超えた内容に課題があり指導するとの答弁があったことを発端に、性教育への不当な介入だ、性についての正しい知識は子どもに必要だとの世論が広がり、議論もされてきました。  日本共産党は、子どもたちに科学と人権をベースに、体や心の仕組みや発達、性の違いや多様性などを伝え、自己肯定感を育む現場の工夫など、自主的な性教育を進めるべきだと考えています。現在の区の性教育の現状と課題について伺います。 ◎板澤 副参事 区立小中学校における性教育につきましては、学習指導要領に基づきまして、体育や保健体育科の授業を中心に、特別の教科道徳、特別活動等におきまして、性にかかわる内容として実施をしております。  中学校におきましては、これまで世田谷保健所と連携をいたしまして、助産師等をゲストティーチャーとした、いのちと性の健康教育を実施しておりまして、昨年度は五校が取り組んでおります。また、これ以外に学校独自に外部講師を依頼して実施している学校もございまして、命の大切さや思春期の性に関する心と体について、生徒が深く学習するための機会を設けてございます。一方、学校長からは、学習指導要領に示されていない内容を含む指導が必要との意見も出ているところでございます。  教育委員会といたしましては、昨年度、東京都教育委員会が性教育の手引を改訂したことを踏まえまして、産婦人科医を外部講師として招き、学習指導要領に示されていない内容を含む授業や保護者の理解を得る方法等を検証する性教育のモデル授業の実施を予定しております。 ◆たかじょう訓子 委員 今答弁していただいたとおり、学校長からも学習指導要領に示されていない内容を含む指導が必要との意見も出ているということが課題だということでした。これはやはり、答弁で述べていただいた性教育の手引、これが三月に東京都が発表したものですけれども、学習指導要領に示されていない内容を含む性教育を実践する場合、事前に学習指導案を保護者全員に説明し、保護者の理解、了解を得た児童生徒を対象にする、こうした手順を踏まねばならず、これにより学校での積極的な性教育実施が行われにくい状況があります。また、性教育は目の前の子どもたちのニーズや悩みを把握し、子どもの成長や実態に合わせた性教育を行うことが必要だと考えます。  実際に性に対する子どもの実態把握、そして実態に見合った性教育を進めるべきです。あわせて、教員自身が子どもの性に関する悩みに寄り添い対応ができるよう、区独自の研究を進めるべきです。見解を伺います。 ◎板澤 副参事 性教育につきましては、子どもたちが置かれている性をめぐる現代的な環境や課題を踏まえて行う必要があると考えております。国や東京都、警察などによる調査報告でありますとか、校長会や教育研修等における現場の声を生かして、性教育の内容が最新の状況を踏まえたものになるように取り組んでまいりたいと考えております。  また、教育委員会といたしましても、外部の専門家による性教育を展開することとともに、悩みや不安を抱えた子どもたち一人一人に、教員やスクールカウンセラーなどが心に寄り添った指導や助言を行う体制を構築することも極めて重要だというふうに捉えております。今後とも、校長会や世田谷区中学校教育研究会とも連携をしながら研究を進めまして、教員の指導力向上等にも努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 外部講師のお話ですけれども、本当でしたら、教員自身も子どもたちに寄り添える、そういった知識やスキルを高めていただくようなことを、ぜひやっていただきたいというふうにも思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、教員の多忙化について伺います。  この間、我が党は、教員の多忙化解消のための実態調査を実施すること、タイムカードの打刻を行うこと、教員の業務削減を訴え、教科「日本語」の廃止、区独自の学力テストの廃止などを求めてきました。また、抜本対策としては、教員の増員が不可欠です。教員増と少人数学級の実現で、子どもと向き合う時間や授業、教材研究に費やす時間もつくることができると提案してきました。第二回定例会で他会派からの質問に対し教育長は、教員の多忙化解消のための実態調査を行うと答弁されています。その後、実態調査を行っていると伺いましたが、その調査はどのように行ったのでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 教員の勤務状況に関する調査では、職層や教員経験年数などの属性と平均的な退勤時間及び多忙感、負担感の解消のための対策を質問しております。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ調査結果を生かしていただき、ぜひ多忙化解消に進めていただきたいというふうに思います。  以上で日本共産党からの質疑を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆金井えり子 委員 おはようございます。先ほど、この第二庁舎の一階ロビーの第三十七回世田谷区手をつなぐ親の会子どもたちの作品展を見てきました。おいしそうなオムライスとか、本当に細かい刺しゅうなんかがありまして、本当にいい作品展だなと思って、朝からほっとしました。そこで活力を得ましたので、生活者ネットワークの質問をいたします。  まず、一般質問でも伺いました特別支援教育の推進についてです。  今年度から中学校二十八校にも特別支援教室としてすまいるルームが設置されました。配慮を要する子どもに関する支援の連続性が途切れないよう、学び舎の会議や学校生活支援シートなどで、小学校からスムーズな引き継ぎが行われているようです。また、中学二、三年生については、拠点校がこれまで通級で通っていた学校と違う子どももいますが、本人の希望で、これまでどおりの学校に通級するか、現在の学校のすまいるルームを利用するかを選べて、無理のない移行をしていると聞いて本当に安心しました。  先日、生活者ネットワークで希望丘の複合施設を視察しました。希望丘保育園では、医療的ケアが必要な子どもの受け入れをしており、正規の看護師がつき、保護者なしでの保育が行われていました。保育園では、区内五地域で順次、医療的ケア児の受け入れを実施していくと聞いていますが、小学校、中学校の特別支援の対応はどうなっているのでしょうか。医療的ケア児の支援について現状を伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 教育委員会では、医療的ケア児の増加や児童福祉法の改正など、医療的ケア児を取り巻く環境の変化を踏まえ、平成三十年度から区立学校に在籍している医療的ケア児を対象に、看護師を週三日程度試行的に配置、運用しながら、本格運用に向けた具体的な検討を進めています。現時点で医療的ケアの実施に至っている児童が三名おり、喀たん吸引と経管栄養を実施しています。一方、医療的ケアの試行的運用に至っていない児童も四名おり、導尿や酸素ボンベといった課題について検討を進めているところです。 ◆金井えり子 委員 ありがとうございます。試行的に配置、運用しているということですけれども、この医療的ケアを実施すること、これは医療的ケア児の自立に向けた大きな一歩につながると思います。また、医療ケア児の家族への支援にもつながっていると評価します。  一方で、医療的ケアを実施するためには、看護師や学校での支援体制など、安全に安心して取り組める環境が必要と考えますが、現在、試行で取り組んだ結果、どのような成果があり、今後の課題は何かを伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 試行的に取り組んだ結果、学校における実施体制、医師や関係機関との連携、看護師の勤務条件、緊急時対応マニュアルの整備など、学校で医療的ケアを安全に行うことができ、保護者も安心して過ごせるよう、必要な内容について整理することができました。また、看護師配置により、児童と保護者の分離が進み、子どもには自立に向けた意欲が見られるなどの教育的な効果、保護者の負担軽減についても確認することができました。  一方、看護師の配置日数の増加や校外学習における医療的ケアの実施、通学や校外学習に参加するための移動手段の確保など新たな課題も確認いたしましたので、これらの課題について、引き続き丁寧に検討してまいります。 ◆金井えり子 委員 試行取り組みによって、教育的な効果や保護者の負担軽減につながっているということですので、今後の課題についても、ぜひ前向きに取り組んでいっていただきたいと思います。区立小学校や保育園では環境、これはもう今後さらに充実していくと思われますけれども、保育園などから今度小学校に入学するとき、通常学級、それから特別支援学級、特別支援学校といった、本当に複数の学びの場があるかと思います。それぞれ教育内容や支援体制も異なっていて、保護者はとても悩まれると思います。そういった就学先に悩んだとき、相談に乗ってもらえるのでしょうか、伺います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 教育委員会では、医療的ケアも含め、配慮を要する子どもの適切な教育を保障するため、就学相談を実施しております。小学校入学の場合は、およそ一年前から相談を受け付け、本人、保護者の意向、教育学、医学、心理学等の専門的見地を踏まえ、望ましい就学先について保護者とともに考えてまいりたいと思います。 ◆金井えり子 委員 適切なアドバイスを専門家にいただけて、本人や保護者の意向で適切な教育を選んでいけるということ、とても大切だと思います。  東京都の教育委員会では、二〇二〇年度都立の特別支援学校で人工呼吸器をつける重い医療的ケア児も保護者の付き添いなしで通えるようになると発表しました。多様性を認め合い、全ての子どもが教育を受ける権利が守られるよう、そして、全ての子どもの個性を尊重して伸びていける、そういった特別支援教育を、ぜひ世田谷区でも進めていってください。  では、次の質問に入ります。池之上小学校の建てかえに関する通学の安全対策について伺います。  昨年度、池之上小学校は突然の耐震再診断が行われ、突然建てかえが決まり、突然仮校舎として旧北沢小学校を使用するということになりました。この三つの突然がなぜ起こったのか、改めて御説明いただきたいと思います。 ◎秋元 副参事 まず、耐震再診断がなぜ必要になって改築になったかということでございますが、区では、平成七年の阪神・淡路大震災の発生を受けまして、旧耐震基準でつくられた小中学校を含む公共施設につきまして、これにつきましては既に耐震診断を実施し、必要な施設につきましては耐震補強工事を行って、その結果を公表しておりました。  しかしながら、平成二十九年に希望丘小学校において急激な児童増に対応するため、既存校舎の壁を抜くなどの対応が必要になったことから、安全確保の観点から耐震診断をした結果、当校が平成七年に実施した診断結果と大きく異なる結果が出てまいりました。この結果につきまして、学識経験者等の意見も伺いながら、庁内の営繕部門において検証を行いまして、耐震結果の違いは耐震診断手法が異なっていたこと、また、現在学校等の建築物に推奨されている耐震方法と異なる手法により診断が行われていた公共施設が、小中学校二十八校を含めまして、三十一施設あることが判明をいたしております。このことから、安全性の確認のため、これら全ての公共施設につきまして耐震診断を再度実施したところです。  池之上小学校につきましても対象施設となっておりまして、再診断を実施いたしましたが、耐震性能が校舎全体にわたり低く、また、築五十年を超えるという施設でもあることから、改築の方針となったものです。  次に、旧北沢小学校を仮設として活用する理由ということでございますが、池之上小学校につきましては、耐震性能を上げるための応急工事を本年三月から春休みにかけ行っておりますけれども、安全性を十分に確保するにはできるだけ早く仮校舎を用意する必要がございます。このため教育委員会としましては、旧北沢小学校を令和二年四月より仮校舎として活用し、池之上小学校を移転させる判断をいたしております。通常、学校を改築する際は、校庭等に仮設校舎を建設する手法により改築を行っております。  しかしながら、池之上小学校は耐震性能の問題とともに、敷地が狭いことなどから、この手法によりますと、四年から五年の長期にわたりまして、校庭やプールを確保できないというような教育環境への影響が大きいと考えております。  一方、旧北沢小学校を活用することにより、教育環境はもとより、改築工事期間も短縮することができます。通学距離が長くなる児童が多くなりますが、登下校の安全確保を徹底することなどとあわせ、児童への影響を第一に考え、教育委員会として総合的に判断をさせていただいたものです。 ◆金井えり子 委員 改めて、順を追って説明していただきました。ありがとうございます。この間、何度も説明会も開かれておりまして、また区議会でも伺ってきました。本当に希望丘小学校にしても、池之上小学校にしても、この再診断までに何か起こっていたらと思うとぞっとします。どうして最初の診断のときにわからなかったのかなと疑問も残ります。  地域の小学校に通うメリット、これは家から近い、地域の人の見守りがある、地域コミュニティーの中で育つということではないかと思います。仮校舎は、たまたま北沢小学校があいていたからという理由だけでは、保護者も子どももなかなか納得がいかないものと思います。以前死亡事故のあった池ノ上の商店街や車の多い茶沢通りなどを、家から遠い子どもでは徒歩四十分ほどを通うということになり本当に心配です。通学の安全のための対策、万全なのかをお聞かせください。 ◎秋元 副参事 池之上小学校の耐震再診断の結果は、本年五月に確定値が明らかになっております。その後、委員お話しのように、短い期間の中で改築の方針と旧北沢小への移転を保護者や地域の皆様に説明させていただきました。耐震診断の結果から児童の安全を最優先した結果とはいえ、保護者の皆様には大変御心配をかけておりますことは十分に認識をしております。  このため、教育委員会としましても、通学路の安全の徹底はもとより、児童の立ち寄り場所の確保や指定校変更手続などの対応、学校の協力によります集団登校等の実施、これまでの学校改築では行っていなかった対応にも取り組んでいくことにしております。多くの御意見をいただいております通学路の安全対策には今後も力を入れてまいりますが、教育委員会や学校でできる工夫だけではなく、関係所管等へも協力を求めまして、保護者や地域の皆様の理解が得られるよう努力してまいります。 ◆金井えり子 委員 今回の池之上小学校のような事例、もう二度と起こしてはならない事例だと思います。今年度に入って移転を知った低学年、特に一年生については特段の配慮が必要と感じます。入学して、やっと学校にもなれ、お友達もできたところです。通学が不安ということで転校を考えざるを得ないかもしれません。また、仲よしになったお友達が転校してしまうかもしれません。この指定校変更についても、先日の説明会で出席した保護者は、必ずしも指定校変更ができるとは限らないと言われたことで、より不安が募ったと言います。  特に近隣の小学校は、代沢小学校、多聞小学校など建てかえが終わったばかりで人気も高い小学校です。もし希望の学校に行けなかったら、私立の準備も間に合わない、保護者は本当に心配されています。子どもたちの心のケアの問題など、区の見解をいま一度伺います。 ◎青木 教育指導課長 校舎の移転に伴います環境や友人関係の変化により、児童が悩みや不安な気持ちを持つ可能性を十分に考慮しなければならないと考えております。学校は、注意深く児童の様子を見守るとともに、担任やスクールカウンセラーなどによる面談の機会を設け、悩みを抱えた児童の思いを丁寧に聞き取り、対応してまいります。また、こうした相談体制について、保護者に向け周知し、児童本人や保護者の方から必要に応じて、すぐに面談を申し出ていただくなど、池之上小学校児童の心のケアが十分できるよう努めてまいります。 ◆金井えり子 委員 そういったカウンセラーの手をかりてというお話もありましたけれども、今回、本当にこのケース、特例のケースだと思います。いま一度申しますが、子どもたちに特段の配慮が必要と考えます。池之上小学校がばらばらにならないように、区の責任で子どもたちの安心安全を考えなければなりません。保護者の有志が行ったアンケートでは、スクールバスが運行されなければ越境を考えていると回答した方は七一%、陳情も出ています。署名は、この短期間に千四百七十筆も集めています。まだまだ集まっていると聞いています。生活者ネットワークは、今回を特例のケースとして、登下校時のスクールバスの運行を要望いたします。  次に、香害の質問に入ります。  私たちの生活は、多くの化学物質に取り囲まれており、化学物質過敏症を発症する人がふえ続けています。二〇〇九年には、厚生労働省がカルテや診療報酬明細書に記載する病名リストに化学物質過敏症を登録しました。最近では、柔軟仕上げ剤や消臭除菌剤の香料による健康被害の訴えが相次ぎ、新たな化学物質過敏症として問題になっています。香料による目まい、吐き気、頭痛、脱力、喉の腫れ、また、せきやぜんそくなどの症状に悩まされる事例が数多く寄せられています。今、生活者ネットワークでは、東京の小中学校にアンケート調査を依頼しています。それに先駆けての質問となります。  香りの害である香害でよく話題に上るのが、給食のときに着る給食着です。十月四日の東京新聞に、「いいにおいが『香害』に」というタイトルで給食エプロンについて岡崎勝さんが書いています。自分のいいにおいは万人共通ではありません。世田谷区の小中学校では、給食当番の際に一週間着た給食着を各自家庭に持ち帰り、洗濯をして、次の週の当番に渡しています。洗濯の際、各家庭で違う洗剤や柔軟剤が使用され、かなりの香りがつきます。柔軟剤などに含まれる香料に反応し、ぐあいが悪くなる子どもも出ています。  化学物質過敏症の子どもはもちろん、化学物質過敏症でなくても香りが強過ぎると感じている子どもや先生は多いようです。こういった声は、教育委員会に届いているでしょうか。子どもや保護者から香料による健康被害の相談や使用自粛の要望などがあるか、現状を教えてください。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、これまで校長会等を通して、日用品に含まれる化学物質によりまして、子どもによっては、健康に影響する場合があることを周知し、各学校で適切な対応ができるように取り組んできたところでございます。給食着に関します香料による健康被害の御相談や使用自粛の要望等については、これまで教育委員会としては確認できておりません。 ◆金井えり子 委員 教育委員会には、まだ声が届いていないというお話でしたけれども、保護者の間で、それから地域の人ともちょっとお話ししたところ、給食着の話というのをすると、大抵においが気になるよねとか、うちのにおいと違うのよねという話になります。そして、先生方からも、実は給食のときに本当ににおいがすごいんですよねというお話を聞いたこともあります。でも、よそのおうちの洗剤や柔軟剤のにおい、これについて何か言うことはできませんよね。今もざわざわしておりましたけれども、そういうことを言うことはできないと思います。  まして、子どもが○○ちゃんのおうちで洗ってきたのはくさい、こんなことを言ってしまえば、そんなことを言っちゃいけませんよと叱られてしまいます。なかなか声を上げにくいのかもしれません。また、化学物質過敏症の人は、症状が出ても原因が柔軟剤などに含まれる化学物質だとわからないこともあります。食べ物を扱うときに着用する給食着、ほかの自治体では給食着は個人持ちになっている例もあると聞いています。この給食着を洗い回していくというやり方、変えることはできないのでしょうか。区のお考えを聞かせてください。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校の給食着につきましては、クラスで給食を配膳するときに児童生徒が着用しております。各クラスの給食配膳作業につきましては、固定制ではなく当番制となっており、当番に当たった児童生徒が着用し、当番が終わりましたら、次の当番の人のために給食着を家庭に持ち帰って洗濯をお願いしております。給食着につきましては、各個人の使用頻度と購入等による保護者の負担とならないよう考慮しているため、各個人で用意するのでなく、洗い回しが望ましいと考えております。 ◆金井えり子 委員 確かに家庭の負担というのがふえる、これは困ったことだと思いますけれども、実際には、ほかの自治体ではそれを行っているということであります。ふだん、自分の家庭で使っているものであれば、そういった化学物質に反応しない、そういったお子さんもいらっしゃるので、このような提案をしました。  では、家庭科の調理実習などでは、皆さんそれぞれ三角巾とエプロンを個人で持っていくというふうに聞いていますけれども、そういった形で給食着を用意するということではだめなのでしょうか、伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食の安全衛生管理につきましては、食中毒予防等のため、給食の調理作業に細心の注意を払うことはもちろんのことですが、教室での給食指導におきましても、学校が管理すべきであると考えております。教育委員会では、給食指導の時間は手洗いや身支度等をきちんと行うことを身につけさせるよい機会と捉えております。そのようなことから、給食着については、配膳前の身支度の仕方や配膳時の異物混入を防ぐことなど、各クラスでの給食指導や衛生管理を考えて、原則として給食専用のものを着用することが望ましいと考えております。 ◆金井えり子 委員 わかりました。では、化学物質に反応して重篤な状態になってしまう子どもについて、保護者からもし相談があったときには、世田谷区としてはどのような対応になるのでしょうか。 ◎板澤 副参事 給食着等の着用におきまして、子どもの健康に影響があるという場合には、学校に御相談をいただきまして、エプロン等を持参してもらうなど、その子の状況等について保護者と確認をさせていただきながら、個別に対応していただくことになります。 ◆金井えり子 委員 個別の対応ももちろんですけれども、例えば香りの害でつらい思いをする人がいるということで、強い香りの自粛を呼びかけるようなお手紙を学校、もしくは教育委員会から出すなど、そういった周知や啓発をお願いしたいと思います。ほかの自治体では、そのような例が今出ていると聞いています。この香りが入っているマイクロカプセルというもの、本当に小さいもので、花粉症用のマスクでは防げないほど花粉よりも小さい、本当に小さいものだそうです。こういった目に見えないものの影響は大きくならないと気づけません。でも、気づいてからでは遅いのかもしれません。  まだまだ知らない方が多いこの香りの害について、私、先日の一般質問でも質問しましたけれども、そのときには世田谷区ではチラシをつくっていますと、昨年度もそのチラシを活用して周知に努めていますというふうにお答えいただきましたけれども、そして、これから子ども向けチラシをつくっていかれるというお話もいただいていますけれども、そのチラシを学校に張っただけでは、なかなか保護者の方もわかりませんし、A4判の小さなチラシでしたので、子どもたちもそこまで見ているとは思えません。まだまだ知らない方が多いという香害について、今後どのように広めていっていただけるのか、区の見解をいま一度伺います。 ◎板澤 副参事 今、委員がおっしゃいましたように、現在世田谷保健所におきまして作成をしております子ども用のリーフレット、これにつきましては全区立幼稚園、小中学校に配布いたしまして、授業等で活用するように進めていくことを考えております。また、引き続き校長会等を通しまして、子どもの健康や安全に関する情報提供を行いまして、子どもの安全安心を守る取り組みを引き続き進めてまいります。 ◆金井えり子 委員 ありがとうございます。本当にこの香害の問題はまだ知られていないということで、マイクロカプセルの恐ろしさ、それから、あれがプラスチックであることもあわせて皆様にお伝えしたく、この場でこうやって質問をさせていただいています。今年度もチラシの活用を進めるということ、また、子ども向けチラシができてくる、そちらのほうとても期待しています。子どもたちがそのチラシを持ち帰って、おうちの方にも広めてもらえるように期待しながら、この質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○石川ナオミ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問をしてまいります。  一般質問で校則を廃止をして社会で通用するリーガル教育をとの提案をいたしましたが、関連して質問いたします。  千代田区立の麹町中学校の工藤勇一校長の公立学校の当たり前をやめた革命的学校の教育改革が、今までよりも学力の向上も達成するなど、確かな実績も残していることから、学校説明会や視察に多くの人を集め、入学希望者が殺到していると聞きます。世田谷区立中も含めた他の普通の公立中学校と何が違うのかというと、一番目には、中間、期末の定期テストを廃止をし、教科の節目ごとに範囲が狭く、生徒の負担も少ない単元テストを実施し、その結果、理解度も増したということ、二番目は、この単元テストは点数が悪ければ同じ内容の再テストを受けること、そしてリベンジすることが可能だということ、三番目には、再テストの点数が成績に反映される仕組みで、わからなかったところを勉強し、わかるようになることを目指しているとのことです。  四番目は、何の役にも立たない宿題は一切なしで、生徒はそれであいた時間を自分のために使えるようになった。麹町中独自のスケジュール帳で時間を自主的に管理をし、宿題のかわりに自習する生徒を後押しする制度も確立をしています。  五番目には、クラス担任制を廃止をし、学年を担当する全ての教員がチームで担当する仕組みを取り入れております。生徒は苦手な先生から解放され、それぞれの課題ごとに自分に合った先生を相談相手として選択することが可能となり、生徒と教員の距離を縮め、信頼関係の構築に成功しています。  六番目には、教育目標として掲げる自立に必要のない校則は全て廃止ということです。  七番目に、授業は教材を問わない。つまり、教科書で学ぶ生徒もいれば、タブレットを使って学ぶ生徒、さらには学習塾の教材を使って学ぶ生徒まで全てオーケー、授業時間で一つでも成長できる時間にと取り組んでいます。  工藤校長いわく、これらは生徒が何でも自由ですよということではなく、学びの手段やその中身も自分で決める自立のための訓練をしているにほかならない。学校でどうでもいいことにこだわるのは人生の無駄、学校は世の中のルールと同じでいい、余計なルールは要らない。そして、生徒に決定する権限を譲渡し、そのかわりに目標を示すことが学校や教師の役割だとしています。  普通の公立校がだめな理由は、目的のないことをやっている。目的のない行事や教育を積み重ねるのは子どもに対して罪深いことだ。また、日本の受験制度は記憶力がよくて多くの情報をインプットして、解答用紙にアウトプットする力をはかるものだが、この学力はそんなに重要ではない。学力を上げることは、わかるものとわからないものを明確にし、わからないものをわかるようにすること、子どもに必要なのはテストの点数を上げることではなく、学力を上げるための能力を身につけることだとしています。  私は、この工藤校長の改革を高く評価をいたします。教育の目的や成果指標が大きく変わろうとする今、子どもたちが変化を続ける社会で生き抜く力を育てるため、目的と手段を取り違えないこと、子どもの自立に向け、自主性を育て、任せることが必要で、世田谷の区立学校でも実践すべきと考えます。  そこで、教育長に伺いたいのですが、世田谷区立の学校でも、校長の考えにより、各学校ごとに特色のある教育を実施しておりますけれども、千代田区の教育委員会が認めている麹町中学校の工藤校長が実施した全ての改革は、世田谷区の教育委員会では許容できると考えていいということですよね。そのことにお答えをいただきたいということと、ここで挙げさせていただいた七つの改革を紹介をいたしましたけれども、それぞれについて世田谷区としてどう考え、可能なのかどうかお答えをいただきたいと思います。 ◎渡部 教育長 世田谷区においても、学校の特色を生かした取り組みを推進しています。世田谷区としての特色を生かした世田谷マネジメントスタンダードを作成し、校長が地域、家庭の理解や信頼を得ながら、それぞれの学校の特色を生かした学校運営ができるようにしてございます。  委員よりお話をいただいた点についてでございます。学習においては、指導と評価は一体であり、指導を行った後、または指導の途中でも教員は子どもの学習状況を把握し、個としての学び、全体の学びを把握しながら進めています。そのため、単元ごとのミニテスト、ノートの点検、指導、子どもの目標に応じて自己評価ができるようにしております。もちろん、ミニテストなどを行って教員に質問してリベンジをするという子どもたちもおります。区切りごとに今のテストを目標に、ミニテストの結果をもとに繰り返すという事例もございます。  また、宿題についてでございますが、一律の宿題ではなくて、少しずつ自分の学びに必要な学習を進めることを奨励する学校も出てきてございます。また、クラス担任制についてでございますが、子どもを複数の目で多面に見ることは必要なことであるというふうに考えています。小学校では、学年の担任や養護教諭等、誰にでも相談できる仕組み、学年の誰の先生のところにも行っていいよという話をしています。中学校では学年団で見るようにしています。  校則については、現在見直しをしているところでございます。中には、スローガン的なものがあったり、学びのスタンダード的なものもあります。例えば、みんなで助け合おうとか挨拶をしようというのもございます。それぞれに合ったものに転換させていきたいと思います。麹町中のよい点については、十分に参考にさせていただきたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 今の御回答だと、参考にしてやっていきたいということですけれども、現状では全て取り入れているわけではありませんよね。ですから、この麹町中学でやった改革はさまざまなメディアが取り上げておりまして、情報に敏感な世田谷の保護者の皆さんから、麹町中学のやったような改革を取り入れる要望が出るのは必至だと思います。ですから、可能なものから世田谷区の学校でも実施することを求めてまいりたいと思いますので、しっかり親御さんの要望、子どもさんの要望を取り入れて、改革が目的ではありませんので、子どもたちの学びや学力の向上に向けた改革を、世田谷の公立校でも麹町中学の例を参考にしっかり取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。  新しく文科大臣になった萩生田さんも、子どもは実験台ではないので、しっかり子どものためになる教育をしていくというようなことを言っております。ICT教育とか、いろいろ教育産業の流れもあると思いますけれども、子どもの学力を向上させるということが目標でありますから、それと自立を育むということですね。そういう目的がずれないように、目的と手段を履き違えないようにしていただきたいと……。 ○石川ナオミ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
    ◆上川あや 委員 昨日の質疑でも取り上げました。全く指定の実績のない区の天然記念物について伺います。  昨日の都市整備領域の質疑では、新たに選定をし直す世田谷名木百選の取り組みが、失われた名木を単に補充するというだけで、町の財産として守り伝えていく姿勢が余りにも乏しいということを問題にいたしました。その改善策として、私からは、都市整備所管の別の制度、保存樹木の支援策の適用範囲の拡大と教育委員会所管の文化財保護制度、天然記念物指定との連携を強めるように求めて前向きな答弁を得たところです。  ところが、当の教育委員会で天然記念物の指定実績はいまだ一件もありません。私から議会で繰り返し、この分野での無策を返上するように求められまして、その都度、検討だけはお約束なさるんですが、一向に十年間実績はありません。ちょうど十年前のこの決特の席で、初めてこの取り組みを求めた際の御答弁は、天然記念物につきましては、有形、無形の文化財や史跡と同様に、文化財行政においても重要な位置づけにあるものと評価をした上で、真摯に取り組みを進めてまいりたいとおっしゃっておりました。しかし、その後も検討の状況の結果はなく、平成二十五年の予特、二十七年の決特でも重ねて進捗の状況を伺いましたが、その都度、改めて検討を約束するだけで、何ら実績はいまだありません。  前回の質疑でも指摘をしたことですが、区教委は私から本件での真摯な取り組みを求められるたび、文化財保護審議会にきっかり三回だけ議題に上げています。二十五年の質疑後も、二十七年の質疑後も、会議録をチェックすると、そういう結果です。しかし、決まって議論は三回でフェードアウトです。何ら結論を出さずに振り出しに戻ります。  ちなみに、前回二十七年の区教委の答弁は次のようなものです。委員御指摘のとおり、天然記念物の指定につきましては、この間、さまざまな視点から検討してまいりました。また、文化財保護審議会においても天然記念物の指定について具体的な御意見を伺っておりますが、区の天然記念物としてどのようなものを指定するべきかということについて、十分に議論が深まっているとは言えない状況がございました。教育委員会では今年度から――今年度からです――文化財の保存と活用について基本的な考えを検討してまいります。最初の質疑から六年を経て、まだ議論は深まっておらず、基本的な考え方からこれから検討するというのですから、あきれるほかないものでした。そして、さらに四年が経過して、きょうの質疑となりました。  区教委での議論は、その後、どこまで深まったのですか。また、検討を進めていただいているというのであれば、もういい加減、指定の第一号のめどを示していただきたく思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 平成二十一年九月以降、委員より御指摘いただいている天然記念物について、平成二十二年度以降には、文化財保護審議会で造園の専門家にも加わっていただき、御議論をいただいております。また、平成二十七年度以降も都市整備領域など関係所管とも連携し、取り組みを進めております。  現在、天然記念物の登録、指定に向け、平成三十年十月から都市整備政策部、みどり33推進担当部と連携して、天然記念物等検討プロジェクトチームを立ち上げております。このプロジェクトチームでの検討を行った内容を文化財保護審議会委員に相談し、登録、指定に向け、どのようなものが登録、指定にふさわしいか、また、みどり33推進担当部や、その他の所管による保全のための制限との調整等を行い、基本的な考え方を今年度中に整理していく予定です。指定に関しましては、今年度中に予定されております新たな名木百選の選定後に、前向きに検討してまいります。 ◆上川あや 委員 前向きな検討だけじゃ困るんですね。しっかり結論は出してください。お願いいたします。  続けて、話は変わりまして、豪徳寺に至る案内看板のお願いです。  現在、閲覧数世界最大と言われている多言語の旅行情報サイト、トリップアドバイザーが二〇一七年の夏、最も写真つきの投稿が多かった日本の観光スポット十選を公表しているんですが、大変驚いたんですが、この第八位に私の地元のお寺、豪徳寺が入っておりました。確かに地元に住んでおりますと、外国人観光客の急増を感じます。  ただ、その実感の仕方には少々困ったものだなと思うところが含まれています。豪徳寺の周辺では、スマホを片手に道に迷っている外国人の方を見ることが多いんですね。特に困ったことに、豪徳寺の入り口など存在をしていない豪徳寺の駅に近い豪徳寺の北側、区立の厚生会館あたりの何の変哲もない裏道を外国籍の方々だと思う方がさまよい歩いています。豪徳寺の入り口は広大な境内を回り込んだ南側の参道側にしかありませんから、スマホのマップで最短のコースをたどったところで、入り口なんかないところを歩いているということなんですね。  大変な大回りを強いられて観光に行くという状況だと思うんですけれども、豪徳寺駅も外国人観光客の増加に道を尋ねられるケースがふえていると見えまして、小田急のほうでも、数年前から改札の正面に大きくアルファベットでGOUTOKUJIと左側に出るように案内はしております。ただ、駅から出てしばらく歩かないと着きませんので、駅の出口で左側に出ればいいよというだけでは全く足りないんですが、外国語表示はこれしかないんですね。  そこで提案です。駅から豪徳寺に向かう最適のコースは恐らく、江戸三大相撲の土俵の残る世田谷八幡の脇の坂、宮の坂をおりていって、城山通りに出るということだと思うんですね。豪徳寺に隣接をするこの通りには世田谷城址公園、そして、少し足を延ばしただけで代官屋敷もございます。こうした豪徳寺の周辺を多言語の地図にして、オリンピック前までに看板等を設置することはできないでしょうか、お伺いいたします。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 区では、現在約百二十件の文化財に関する解説、案内の標識を管理しております。お話の豪徳寺の観光客も非常に多くの方々に訪れていただいております。観光客の方々に世田谷の歴史や文化を知っていただくために、現在、豪徳寺境内におきましても、五基の文化財の解説標識の設置に御協力いただいております。また、区では、世田谷区を訪れる観光客などをターゲットにせたがや文化マップなどを発行しており、昨年度から外国語版、英語、中国語、韓国語の三言語も発行しており、区を訪れる観光客に対してアプローチしています。  豪徳寺周辺の案内板についてですが、都市整備政策部や経済産業部など関係所管と連携し、観光や外国人対応等、内容を精査の上、適切な御案内を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、本年六月区議会で問いまして、メディアでも報じられました学校の校則の全校公開、秋ごろまでにというめどがあったんですけれども、まだ結果が見えません。このめどについてお示しいただければ、簡単に一言お願いします。 ◎青木 教育指導課長 校則の公開につきましては、新入学対象の保護者会の開催時期をめどにホームページで公開の予定でございます。 ◆上川あや 委員 今月、来月ということですか。 ◎青木 教育指導課長 その予定でございます。 ◆上川あや 委員 速やかにお願いいたします。  終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、図書館カウンター下北沢について伺ってまいります。  図書館カウンターの整備については、図書館ターミナルという名称であった平成二十一年から幾度となく取り上げてまいりました。図書館カウンターとは、本のない予約のみの図書館で、駅のちょっとしたスペースを活用し、夜遅くまで開館をしている貸し出し、返却、取り寄せ機能に特化した図書館です。  図書館にはエアポケットという考え方があり、その狭間に当たる地域は図書館不便地域でありまして、二子玉川、三軒茶屋、下北沢などは、この図書館不便地域に当たっておりました。その後、二子玉川、三軒茶屋は図書館カウンターが整備をされ、本がないにもかかわらずインターネット上の予約数がまちかど図書室を合わせて二十三ある図書館の中で、それぞれ五位、六位と大変好評で、また、図書館の新規利用者もふえており、本来の図書館カウンターの目的に合致しております。  今回、ようやく下北沢への図書館カウンターの具体的な案が示されました。図書館カウンター下北沢も同じ方向を目指していただきたいと考えます。検討状況についてお伺いいたします。 ◎松田 中央図書館長 図書館カウンターは、図書館サービスの補完的な役割として、資料の予約や貸し出し、返却などを主な機能に特化し、平成二十七年度に二子玉川と三軒茶屋の二カ所に開設いたしました。二カ所でのこれまでの利用状況は、委員のお話にありましたように、年々増加もしており、新たな図書館利用者の拡大にもつながっていると考えております。  下北沢周辺への図書館カウンター設置に向けての検討状況ですが、現在、京王電鉄が井の頭線下北沢駅東側に建設を計画している商業施設への開設に向けて協議を行っているところです。下北沢は、二子玉川、三軒茶屋とともに、区の広域生活・文化拠点に位置づけています。図書館カウンターの設置は、京王井の頭線、小田急線の乗降客や周辺の地域にお住まいの方々などを中心に、利便性の向上が図れると考えております。日ごろ、図書館に足を運びづらい方でも、通勤や通学時などにも利用できる環境を提供し、たくさんの方に図書館の本を手にとっていただけるよう、引き続き京王電鉄の計画の進捗に合わせて協議を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 以前から下北沢駅周辺の方々に図書館がないという御意見をいただいておりましたので、ぜひ多くの方に利用いただけるようによろしくお願いいたします。  次に、企画総務、また福祉保健所管に引き続いて、公的書類の電子申請について伺います。  企画総務所管の質疑では、税の確定申告、また、会社設立の定款認証、公共事業の入札など、特に許認可関係については、行政庁に提出をする書類について電子申請が可能となる手続がふえてきたが、一方で、世田谷区における行政手続の面では、まだまだ電子申請の導入が進んでいないことなどを指摘をいたしました。  行政に提出する書類について、電子申請が可能になることで時間、場所を気にせずに提出でき、利便性の観点から、特に働く世代の方々にとっては必須であります。子育て世代の方々には、妊娠、出産、育児などにかかわる負担軽減の観点からも、より一層の電子化を進めていくべきと考えます。福祉保健所管では、児童手当の手続や保育園の入園関係の手続などを電子申請にするべきと質問し、前向きな答弁をいただきました。  そこでまず、教育部門における電子申請の現状についてお伺いいたします。 ◎會田 教育総務課長 区では、平成十六年度よりインターネットを経由して各種講座等の申し込みや、職員採用への応募等が可能となる電子申請サービスを実施しており、教育委員会においても積極的に活用しているところです。平成三十年度の教育委員会の実績といたしましては、教育センターや郷土資料館等におけるイベントや歴史講座の申し込みや、区立小中学校事務補助嘱託員、区立幼稚園・認定こども園介助員、図書館嘱託員等の募集、また、そういったもののイベントによる参加申し込みや職員募集による申請を中心に、幅広く電子申請を活用しているところです。 ◆ひうち優子 委員 イベントや、また、職員募集の際には電子申請を活用しているとのことでしたが、保護者の方の負担軽減のために、例えば幼稚園の入園申し込み、また、指定校変更、児童手当といった直接保護者の方に影響がある手続について、電子申請化をすべきと考えます。見解をお伺いいたします。 ◎會田 教育総務課長 区では、世田谷区情報化事業計画に基づき、行政サービス等の利便性向上に向けた電子申請の対象範囲の拡大を全庁的に進めております。今後とも、区民の方々等の利便性向上のために、御指摘の保護者関連の手続など、教育委員会事務局内のどのような手続の電子申請が可能であるか、情報政策課等の関連所管と連携しながら、電子申請のさらなる活用を検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ、これからさまざまな手続で電子申請化を進めていただくことを要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 本日も、文教所管の質疑ではありますが、二〇二〇年四月の待機児童ゼロ、また、保育について、学校の活用について伺います。  今回、新たに待機児童解消へ向けた特別推進策と銘打って、北沢・世田谷エリアの特に保育園整備が必要な場所については、新たな賃借料補助制度の創設、屋外遊戯スペース設置条件についての変更が実施をされます。前者はハード整備に向けて新たに特別に予算を投じていく、後者は園内で保育を完結する制度としつつ、実態的には園外保育が必要な施設を今後新たに開設を進めていくという方針です。  既に世田谷区も認可保育園について、公園に隣接をしていれば園庭は必要ないこととしており、また、認可の地域型保育、認証保育所、認可外保育園は既に多数存在をしていることから、午前中、公園の前を通ると、多くの別々の色の帽子をかぶる保育園児たち、時には同じ色の帽子の別の園の園児がまざり、どこの園児か一目でわからないような機会もあります。密集度合いの高さ、あるいはトラブル回避というものを考えると、子どもたちは好きなように遊べない、保育士目線では園外保育の予定が立たず、月案、週案と指導案を作成をして、実施をすることが難しいだろうと察しているところです。  エリアによって保育施設の整備状況には差があり、待機児童が偏在をしていることを考えると、特に状況が改善をしない北沢・世田谷エリアについて、こうした特別措置を講じる必要はあると考える一方で、既に区が有している土地をさまざまに活用することこそが、安全性、教育内容の向上、予算、どれをとっても最初に実行すべき方策であると考えます。  以前より、世田谷区では学校内へ保育施設を整備をしていますが、教育委員会としては、推進することについて、特にメリット、ベネフィットということがないことから、これまで二〇一〇年前後に約三百三十名分の整備を進めた後には、昨年、太子堂中学校敷地へ整備をされるまで、十年ほど特に進めることがなかったものであると推察をしています。教育委員会として、学校内で保育施設を整備することについて、課題、懸念についての認識をまず伺います。 ◎青木 教育環境課長 学校施設は質の高い教育を推進するため、多様な学習内容や形態に対応する教育環境の確保とともに、避難所機能や地域活動、地域コミュニティー機能などが求められております。学校内での保育施設整備につきましては、学校の児童生徒と保育園の園児との交流が育まれるメリットがございます。  一方、学校施設としての必要な機能の確保はもとより、園舎、園庭の配置や園児の動線を踏まえた安全への配慮や教室等の配置を見直し、また、施設用途の変更や敷地分割に伴う建築法令等の対応など、限られた施設規模、敷地条件において課題を整理する必要があるものと認識しております。 ◆そのべせいや 委員 特に今回、特別推進策というものの対象となっている北沢・世田谷エリアでは、かつてよりは年少人口が減少して、一方で、また学校の統廃合というのも進んでおりますので、区が活用できる資産である空き教室、余裕教室と呼ばれる余剰スペースがどのように推移をしているのかということについて、この北沢・世田谷エリアについて伺いたいと思います。  また、小学校は既に統廃合が進んでいるということで、将来を見据えた活用に困難があるかもしれません。また、小学生についてはどんどんと、このエリア、直近よりは微増しているということもございますが、中学校で見てみると、人口増に対して、私立、国立、都立中学校への進学がふえていることから、大体横ばいで生徒数が推移をしているという状況ですので、特に中学校の空き教室、敷地というものを保育施設へ転用できないか見解と懸念があればあわせて伺います。 ◎青木 教育環境課長 中学校につきましては、生徒数に対する教室数は学校によって状況が異なりますが、現在は普通教室として使われていない教室を英語や数学の少人数指導を行う多様な教育活動の場などに活用されております。そのため、中学校の教室の敷地の活用等に当たりましては、学校との協議を行いながら、多目的に活用している教室の共有化に伴う授業カリキュラムへの影響や部活動などの校庭利用等、学校運営に配慮する必要がございます。  また、北沢・世田谷地域の中学校は、昭和三十年代から四十年代にかけて竣工した学校が多く、施設の老朽化が進んでいることから、今後の改築や改修時期も踏まえた上で、活用につきまして、保育担当所管課と情報共有を図りながら検討してまいります。 ◆そのべせいや 委員 空き教室と余裕教室ということについて、恐らく学校の許可も得ずに、こんな場であなたの学校はこれぐらいあいていますねということを発言ができないということで、今のような答弁だったと認識をしていますが、学校敷地内の保育園整備というものについて一覧で見てみると、特に世田谷地域では進んでいるようですが、一方で、今回の特別推進策の対象となっている北沢地域を見てみると、一カ所、松沢小学校しか活用がされていません。そして、今回、耐震の問題で先ほども話がありましたが、池之上小学校の改修、改築というものが出てきて、それにあわせて、この北沢エリアで二カ所目の整備となります。  各学校の竣工年、あるいは改修の予定というのを見てみると、現実的には、恐らく北沢中、富士中程度に限られるかもしれませんが、保育所管が具体的にターゲットを決めた際には、教育委員会として学校との間に入って御協力をいただきたいと、これは要望しておきます。  また今後、園外保育が必要な保育園整備を進めることになりますので、並行して校庭敷地を園外保育に活用することはできないでしょうかという提案をします。既に民間企業、これは第一生命ですが、管理しているグラウンドについて、保育園向けに遊戯用グラウンドとして開放いただいておりますが、区立学校が同様に開放できないでしょうか。近隣の保育施設に時間割ですとか、体育祭、運動会などの準備の特段の事情が共有できさえすれば、公園が混雑して行動が制限される園外保育の改善も可能となります。  特に小規模校では、常に校庭が体育などの授業で稼働してはおらず、今年度、既にあいている特定の曜日、特定の時間からでも構いませんので、園外保育向けに校庭を開放してください。見解を伺います。 ◎會田 教育総務課長 学校施設の利用につきましては、例えば学校施設の一部を活用して整備された保育園では、運動会その他で校庭や体育館等を利用いただく例がございます。また、その他の保育園、保育所等でも運動会等の園行事について、一定の手続を行って学校施設を使用する例がございます。  園外保育での校庭の利用につきましても、保育担当部門と連携し、校長会等と相談しながら、学校の教育活動に支障がない範囲で具体に実施できるか検討してまいります。 ◆そのべせいや 委員 希望的観測ではありますけれども、世田谷の中学生が小さな子どもと日常的に触れ合うことで、五年後、十年後、世田谷の保育園を仕事先と選んでくれるかもしれませんし、子どもたちの教育効果もあると思いますので、ぜひ進めてください。 ○石川ナオミ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 区民を守る会のくりはら博之です。  私からは、まず最初に、区立中学校の部活指導と教員の時間外勤務に関して質問をいたします。  生徒の部活動への参加につきましては、学習指導要領において、生徒の自主的、自発的な参加により行われるものと原則が述べられているとおり、生徒の自発的意思によって参加することが当然と思いますが、教員は担当する部活動への知識や技能もなく顧問となっている場合が多いようです。  まず伺いますが、区立中学校の中で生徒に対する部活動への参加を義務づけている学校はあるのでしょうか。また、区立中学校の全教員数及び部活動の顧問を務めている教員数を教えてください。 ◎加藤 副参事 区立中学校の中で、生徒全員に部活動への参加を義務づけている学校はございません。また、本年度十月の調査では、区立中学校の教員の人数は六百二十四名であり、そのうち部活動の顧問を務めている教員数は六百五名となっております。 ◆くりはら博之 委員 日ごろの部活指導と練習試合や大会への引率に伴う時間外勤務で休息時間も削り、授業の準備に十分な時間がとれない教員がふえており、その負担感は深刻なものと考えております。ほかにも要因はあると思いますが、教員の多忙化が教員のなり手不足の一因と考えられ、部活指導の負担についても見過ごすことはできません。  これらの課題を解消するため、部活動の指導に外部人材を積極的に活用することが効果的と考えますが、区の認識と取り組みを伺います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 区では、平成十八年度より、部活動の顧問教員の身体的、精神的な負担軽減や部活動の安定的、継続的な運営のため、部活動支援員が顧問教員にかわり技術的な指導を行う部活動支援員制度を実施しております。国の非常勤職員である部活動指導員による制度とは違った世田谷区独自の制度になります。  部活動支援員は、各中学校の校長が保護者や地域の方々を選任し、委嘱し、活動実績に応じて謝礼を支払う形で進めております。顧問教員にかわって技術的な指導を行う監督、顧問教員の指導補助を行う部活動指導員など、多くの部活動支援員の方々に御協力をいただいております。今年度からは、さらにより多くの方々に協力していただくための部活動支援員の謝礼の単価アップや、監督については練習試合等への単独引率を可能にする制度改正を図ったところでございます。  また、昨年十二月には、国の部活動におけるガイドラインにのっとり、部活動の運営に関して、部活動の意義や目的のほか、教員の負担軽減や生徒の健康面への配慮から、適切な休養日や活動時間などを定めた区独自の部活動のガイドラインを策定しております。  今後も教員が授業の準備などに集中し、生徒に向き合う時間をふやしていくとともに、部活動の継続、安定を図るため、部活動支援員制度の充実に取り組んでまいります。 ◆くりはら博之 委員 次に、主権者教育について質問をします。  総務省によると、さきの参議院議員通常選挙における十八歳、十九歳の投票率は三一・三三%でした。平成二十九年の衆議院議員総選挙では四〇・四九%です。このところの国政選挙では投票率が下がり続け、五〇%に達しないことが多いのですが、とりわけ、十代、二十代の投票率が低い状態です。若者の政治参加を促進するためには、早いうちからの主権者教育が肝要かと思います。例えば、区立中学生や区内に住む高校生の区議会や都議会への傍聴の推進も有効な手段と考えます。こちらは前向きな検討を要望しておきます。  また、選挙権を得れば、裁判員制度の裁判員候補になる可能性も出てきます。現在は満二十歳以上の人とされていますが、将来的には十八歳以上になる可能性もあります。刑事裁判の公判傍聴には年齢制限はなく、我が国が法治国家であるという認識を植えつける意味からも、中学生が本人の意思によって傍聴する社会教育の推進は肝要と考えますが、区の認識を伺います。 ◎加藤 副参事 世田谷区では、児童生徒が社会の一員として、社会に積極的にかかわろうとする態度を身につけるため、社会の形成、社会参画に本当に主体的にかかわろうとする、携わろうとする意欲と態度を育む、いわゆるシチズンシップ教育の一環としての主権者教育というものに取り組んでまいったところであります。  委員お話しの裁判の学習につきましては、小学校では裁判所の役割について学び、また、校外学習などで東京高等裁判所や東京地方裁判所の法廷を実際に使用させていただいて、刑事事件の模擬裁判の体験学習を実施している小学校も実際にございます。中学校では、裁判の種類や裁判員制度などについて学び、将来、本当に裁判員になったことを仮定した模擬裁判での話し合いを行う学校も実際にございます。  裁判の学習にあわせまして、傍聴の手続の情報提供などを行ったり、関係機関と連携するなどして、子どもたちが裁判制度を初めとする社会の仕組みに関心を持ち、地域社会の形成に参画し、その発展に努力しようとする態度を育みまして、実社会における主権者としての行動につながる基盤を構築できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆くりはら博之 委員 以上で終わりにします。 ○石川ナオミ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は、下北沢小学校の子どもたちの登校の見守りを現在も続けております。毎日、子どもたちの様子を見ていると、心や体の成長に驚くことがたくさんあります。特に夏休み明けはその成長を一層強く感じました。約一カ月半の休みの間に、子どもたちはさまざまな経験をしてきたのだと思います。  夏休み中に子どもたちが経験できるものといいますと、アドベンチャーin多摩川があります。毎年、多くの学校や地域の団体が工夫したいかだを持ち寄って川を下ります。子どもたちや保護者、地域の方々が熱い声援を送り、盛り上がっている姿があり、子どもたちの貴重な体験になったと思います。そのほかには、ドリームジャズバンドも開催されています。子どもたちが練習の成果を十分に発揮して、今回、私が見に行ったときも最高の演奏となりました。大きな達成感を味わったんだと思います。  こうした取り組みは、子どもたちの成長にかかわる方々にとっても感慨深いものであると思います。子どもたち自身にとっても自分たちの成長を実感するとともに、周囲の方々への感謝の思いがあふれる活動であると思います。  夏休みには、それ以外にも、子どもたちや保護者が将来の進路を考えるきっかけとなる取り組みとして、八月三十一日に小学生のための都立高校フォーラムが行われました。小学校三年生以上の児童の保護者を対象にして、都立高校の関係者がそれぞれの特色のある取り組みなどについて、映像などを加えながら説明するものです。毎年、さまざまな都立高校の特色ある取り組みを伺うことができ、私は楽しみにしております。ことしも多くの保護者や子どもたちが集まり、熱心に説明を聞いている姿が印象的でした。  そこでまず、ことしの都立高校フォーラムに応募された方々はどれぐらいいたのか、お伺いします。 ◎板澤 副参事 今年度の都立高校フォーラムの応募につきましては、三百九十一組、七百十七名の応募がございまして、当日は二百七十九組、四百五十二名の方に御参加をいただいております。昨年度と比べますと減ってはおりますが、例年、五百名前後の方の御参加をいただいており、多くの方に関心を持っていただいていると捉えております。 ◆青空こうじ 委員 都立高校フォーラムの関心度の高さがよくわかりました。お父さんも、お母さんも、そして兄弟も連れてきて、区民会館の中だから、ちょっと駆けたりしているのもいましたが、このような意義ある都立高校フォーラムを今後も継続してほしいと考えるのですが、見解を伺います。 ◎板澤 副参事 都立高校フォーラムにつきましては、多くの都立高校の様子を知りたいという保護者の声を踏まえまして、さまざまな都立高校の概要や特色ある教育などを紹介させていただくとともに、小学校卒業後の進路としての区立中学校の特色ある取り組みについても説明を行っております。今年度参加した保護者からは、都立高校のそれぞれの特色を聞くことができ、子どもにとっても親にとっても参考になった、また、小学生の時期に高校の話を聞くことで、本人が将来を考える動機づけになるなど、さまざまな御意見をいただきました。一方で、参加していない高校のパンフレットもあるとよかったや、都立高校全体の種類と内容についても知りたい、日数をふやして多くの都立高校を紹介してほしいという御意見も伺ってございます。  今後につきましては、参加された方の御意見も踏まえまして、内容や方法等の工夫、改善を図り、区立中学校の魅力発信や都立高校の特色ある取り組みの紹介等、多くの方に伝えられるよう検討してまいります。 ◆青空こうじ 委員 今回初めて参加だったんですが、一番ちょっと目立ったのは、都立狛江高校が頑張っておりました。本当にいい教育をしているなと思っていました。  続きまして、学校給食の対応についてお伺いします。  子どもたちの健やかな成長にとって大切な役割を担う給食ですが、現在、区の学校給食調理については、一部の学校を除き自校調理方式にて給食を提供しております。教育委員会では、調理施設の設備の維持管理や安全衛生管理などに努めていただいておりますが、児童生徒数に合わせて必要な食数を決められた時間どおりに給食が提供できるよう、各学校の調理施設の設備の維持管理を適切に行うことは、安全安心な給食の提供のためには不可欠なことだと思います。  さて、区内の芦花小中学校では、児童生徒の数の増加が今後見込まれることから、教室確保のため、ことし十一月から校舎の増築工事を行う予定ですが、給食室についても作業スペースの拡張などが必要になるため、ことしの夏休みから改修工事を行っています。  そこでまず、給食室の改修工事による施設設備の改善の工事は、夏休みだけでなく、十月までかかるということで、二カ月間家庭からのお弁当持参ということを聞いていますが、その弁当持参ということの理由をお聞かせください。
    ◎桐山 学校健康推進課長 教育委員会におきましては、毎年度、児童生徒数の推移の状況を見きわめながら、増加が見込まれる場合には、計画的に普通教室の必要数確保などとあわせまして、給食提供を継続するための検討について、関係所管等と連携を図り、実施しているところでございます。児童生徒数の増加に伴う学級数の増加が見込まれる場合につきましては、その予測数にもよりますが、学校運営や給食提供に支障が出ないように、まずは現状の限られた給食室内のスペースの中で、安全面や衛生面を適正に保つことができることを考えながら、厨房機器類のサイズを大きくするなどして、一度に調理できる給食の量をふやすなどの対応を行っております。  しかしながら、芦花小中学校に関しましては、厨房機器類の増設が必要となり、給食室の改修が必要となります。そのため、九月から十月にかけてはやむを得ず給食を停止せざるを得ませんので、その期間中については、御家庭からのお弁当を持参していただくようお願いしているところでございます。 ◆青空こうじ 委員 給食室の改修工事は、もっと工期を短くするなど工夫して保護者の負担を減らすべきだと考えます。教育委員会の見解をお伺いします。 ◎桐山 学校健康推進課長 教育委員会といたしましても、今後とも、個々の学校の給食施設や児童生徒数の状況を的確に把握しまして、各学校の学校運営や保護者にできる限り負担が生じないよう努めてまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 今共稼ぎなもので、子どもが二人いると、奥さんが二人の子どもの給食のかわりにお弁当を持っておくわけです。そのほかにお父さんのお弁当、そして、お兄ちゃんのほうは塾があるから、塾のやつもつくるから、結局大変な負担になるわけです。ぜひ、もうちょっと配慮をお願い……。 ○石川ナオミ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆菅沼つとむ 委員 自民党の質問を始めさせていただきます。  最初に、区立小中学校の給食についてお聞きします。  世田谷区では、学校給食の食べ残しが平成三十年五百二十六トン出ています。それと食べ残しに入っていないものというのは、牛乳だとか、スープだとか、それはこの量に入っていません。はかると随分量がふえるというふうに思います。  同じ二十三区でも、足立区は日本一おいしい給食を目指して頑張っています。足立区は小中学校の給食のレシピコンテストを行い、栄養価、栄養のバランスをとり、メニューを考え、給食の食べる重要性を考えています。世田谷区でもこのままではいけないというふうに思っています。  前回も御質問したんですけれども、第一に給食の食べ残しを各学校別に常任委員会に報告したらどうかというふうに提案しましたけれども、そのお答えをお聞きします。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食における各学校別の生ごみ回収量につきましては、学校間で食べ残しの量を競わせることにつながるおそれもあることから、慎重に検討してまいりましたけれども、今後とも、情報提供のあり方につきましては、しっかり検討してまいりたいと思っております。議会への適時適切かつ積極的な情報提供に、今後とも努めてまいりたいと思っておりますので、御理解のほうよろしくお願いいたしたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 検討と言うけれども、いつまで検討するの。例えばこのところ、実際には各学校の校長先生あたりにどうなのと聞いたら、いやうちは給食の栄養士が頑張っていますから、いつでもいいですよという話なんだけれども、出していけない理由は何なの。 ◎桐山 学校健康推進課長 実際に学校給食の中で、各学校別の生ごみの回収量につきまして、余り競わせるという趣旨でないというふうには思っております。ただ、客観的に行政が知り得まして、その問題を議論するのに議会にとって必要な情報につきましては、しっかり御提示していきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 検討するのに何年かかっているの。それで実際には検討、要するにオープンにしちゃいけない。自分たちのおいしい給食をつくって、なおかつ頑張ってつくれば食べ残しは少なくなるんだから、それを出しちゃいけない理由は何なの。  それから、実際には食べ残しが五百二十六トンあります。それと、ごみのくずや何かを合わせると約八百トン、それから汁物や何かとそれだけを出しているわけです。例えば片方で、世田谷区はフードドライブというのをやっていますけれども、フードドライブは三十年間でどのくらい集めてくれたのか、わかれば聞きます。 ◎桐山 学校健康推進課長 委員、先ほどおっしゃられました行政への情報の提示につきましては、客観的に行政が知り得まして、その問題を議論するのに議会にとって必要な情報につきましては、しっかりと提示をさせていただきたいと思っております。  あと、先ほどのフードドライブの質問につきましては、済みません。私のほうで把握をしておりません。申しわけございません。 ◆菅沼つとむ 委員 約八百トンのごみを出しといて、フードドライブとこれだけ宣伝しても、入っているのは一・一五トンです。だから、要するに、いかに食べ残しを少なくするか。今の質問にあったけれども、検討する、検討すると言っても、出しちゃいけない理由は何なの。何が区で問題になるの。教育委員会で問題になるの。問題の理由を言ってくださいよ。 ◎淺野 教育次長 今、委員からもお話がありましたので、私どもがどういった情報をどういうふうに出すかということにつきまして、情報を提供する方向で考えさせていただきたいと思います。  なお、学校の食べ残しにつきましては、太子堂調理場とかの配食校とかもございますので、学校ごとに出ていない部分もございますけれども、そこら辺を整理しまして、広く情報提供させていただく方向で、どういうふうな形で示し方を含めて考えさせていただきたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 なるべく早く出していただきたいというふうに思います。この間、ポスティングがあったんですけれども、これは皆さんのところにも入っていたんですけれども、学校給食費無料、一定の条件があります、年間最大三万円が免除、これは免除になるのはいいんだけれども、ごみを、食べ残しを出したら何の意味もないから、その辺はきちんとやっていただきたいというふうに思っています。  それから、例えば好き嫌いがあるというふうに思いますけれども、うちの近所の産後ケアセンターの隣に保育園があって、その保育園は入ったときは子どもたちに好き嫌いがあったけれども、出るときには好き嫌いがないように努力して、栄養士だとか保育園が頑張ってやっているわけですよ。ただ漠然とやっていたんじゃなくて、やっぱり努力しなくちゃいけないということだろうというふうに思います。  それと、食べ残しの原因というのは、要するに食べ物の残りを減らすというのは、原因をやっぱりきちんとしないと減らないわけですよ。原因は調べているのかお聞きします。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校給食では多様な食を経験させることを基本としておりますが、子どもの嗜好や家庭での食事状況により、食べ残しの量も大きく変わっております。食への関心を高めるために、児童生徒から希望をとるリクエスト給食などを実施したりとか、あと食べ残しの多かった献立につきましては、調理方法や味つけを変えるなど、家庭への働きかけも行いながら、さまざまな工夫を講じております。  また、先ほど委員お話をいただきました学校給食での食べ残しの原因なんですけれども、こちらは一概には言えませんけれども、日本スポーツ振興センターが調査しました平成二十二年度の児童生徒の食事状況等調査によりますと、やはり一番の理由には好き嫌い、当たり前のことなんですけれども、好き嫌いが挙げられております。  繰り返しになりますけれども、小中学校で食への関心を高めるために、児童生徒からリクエスト給食などを実施したりとか、さまざま工夫をするなどして、また、家庭への働きかけも行いながら、工夫を講じていきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には足立区のように努力して、やっぱり給食をおいしくして、やっぱり子どもたちにきちんと食の楽しさだとか、そういうものを教えているところが二十三区でもあるんですよ。だから、何でそのときに世田谷ができないんだ。今言ったように、それはいろんな嫌いなものは確かにありますよ。だけれども、それをきちんと栄養士が考えて、目先を変えて、材料を変えて、栄養をきちんとやればいいわけですから、足立区のように。基本的に多いということは、つくり方が悪いか、それかレシピが悪いか、栄養士が努力していないか、そういう話でしょう。だけれども、足立区はきちんとやっているわけだから、その努力が足らないというふうに思います。だから、それをきちんと、ただほかでは好き嫌いが多いからと、そういう話じゃない。  実際には、じゃ、普通の民間でやったらどうなるの。自分たちで借金してレストランを開いて、ごみばかり出るような、食べ残しばかり出るようなところは潰れますよ。借金だけ残って、その借金を返すようになる。役所の場合は幾ら食べ残しが出ようと給料が減るわけじゃない。ただつくればいいという話じゃない。プロだったら、その努力をするのが栄養士だとかは当たり前じゃないですか。その努力を全然していない。  それからその次に、給食の支払いというのがありますよね。支払いは会社ごとに、これはどこの会社にどういうふうに払ったかというのは全部学校別、オープンにこれはなっているんですか。 ◎桐山 学校健康推進課長 学校ごとの食材等の支出につきましては、こちらのほうの情報につきましては、オープンになっている情報でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 聞けば学校別の金額、どこにやったか全部教えていただけるということですね。 ◎桐山 学校健康推進課長 そうでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 では、聞きに行きますのでよろしくお願いいたします。  それから、納入業者の支払い、この間も答弁がありましたけれども、これは振り込みになったの。 ◎桐山 学校健康推進課長 支払いについては、納入しております。口座のほうでお支払いをさせていただいております。 ◆菅沼つとむ 委員 ちょっともう一回、済みません。給食のほかの質問でもあったように、今までは各学校に三十分以内に来いと。それで小切手を切るからとりに来いと言って、業者が違法駐車したり、渋滞したりして大変だったけれども、今度は学校からじゃなくて、区から振り込みになったということだよね。 ◎桐山 学校健康推進課長 給食の食材等の支出につきましては、各学校のほうで支出をしております。 ◆菅沼つとむ 委員 基本的には、今までどおり業者にとりに来いと言って、その場で小切手を切っていると、そういう話。 ◎桐山 学校健康推進課長 申しわけございません。実際には、そこで小切手等を、現金をお支払いするわけではなくて、実際の支出というんですか、財務上の支出命令を切りまして支出をしているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今までと変わらないということですよ。 ◎淺野 教育次長 今までといいますか、御案内のとおり、学校給食につきましては公会計化になってございます。これまでにつきましては私費会計ということで、学校で集めたお金を事業者様のほうにお支払いしておったところです。その場合におきましても、私費会計のときにも預金等をしている部分もございますので、そちらから事業者様のほうに口座振り込みをしていた例があるかとは思います。  現在ですけれども、基本的に役所の支出命令で切るということですので、原則としましてといいますか、事業者への振り込みという形が普通となっているというふうに私は認識してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、単年度、学校で口座があるから、そこから各業者に振り込んでいるということですか。 ◎淺野 教育次長 公金の口座から事業者様のほうに振り込んでいくというふうに認識してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、改善して、小切手で切るようなことがなくなったということですね。 ◎淺野 教育次長 小切手で取るという形ですと、公金でわざわざ手間がかかる話ですので、今お話しのとおり――小切手を切るということは、わざわざ小切手化するということでわざわざ手間がかかる話ですので、そういったことはないというふうに認識してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ちょっと申しわけないんですけれども、今までは単年度で各学校に会計があるから、そこから小切手を切っていたけれども、そうじゃなくて、その口座から各業者に振り込むということになりましたよという話ですよね。違うの。 ◎淺野 教育次長 おっしゃるとおりでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それから、給食の各責任者というのは栄養士と校長先生なんです。基本的には、校長先生は子どもたちのことはプロ中のプロですけれども、給食に関しては、輸入物の野菜だとか、輸入物の牛肉だとか、ほかのものというのは素人なんです。食べてうまいか、まずいかはわかりますよ。そうすると、結局栄養士が全部の権限を持っているということになるんです。そのときに、当然民間委託だとか、そういう業者も入ってきます。それは栄養士の言うとおり働きますので、栄養士ににらまれたら、その民間業者はやっていけない。なぜかというと、ちょっとしたことでもこの業者は言うこと聞かないとか言われたら、次の契約時にはかわらなくちゃいけない。  それで、栄養士や何かの支出だとか内容だとか、それは誰がチェックしているの。チェックする人がいないと思うんだけれども。 ◎桐山 学校健康推進課長 栄養士の支出としましては、当然学校長の配下の中でしっかり対応をさせていただいております。食等の知識等につきましても、しっかりした知識のもとに対応しているというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 給食の部屋というのは、一般の人は入れないんですよね。きちんとした資格を持っていないと。それと、栄養士は何年に一度学校をかわる。それで厳しいことを言うと、栄養士は一月から十二月まで一年分のレシピを持っているわけですよ。それをほかに行って、多少手直しするぐらいでオーケーなんですよ。そうじゃなくて、そういうことじゃなくて、もっと自分たちの現状が、ごみを出しているんだから、そういう努力をしない。その栄養士のほうの努力が、やっぱりきちんと世田谷区はチェックしなくちゃいけないんですよ。それは実際には、学校の職員の中に栄養士が二人行って、年に何回か回っているだけの話だから、その中身までチェックするようにお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。区立幼稚園の五歳以上、小中学校のオリンピック観戦についてお聞きします。  子どもたちが一生の思い出になるというふうに思っています。東京都から学校連携チケットを無料でいただけます。子どもたちの付き添いの交通費は区の教育委員会で持ちます。幾らぐらいかかるのか聞きます。 ◎板澤 副参事 まず、今、委員がおっしゃいましたように、子どもたちが観戦に行く部分につきましては、区で補助していきたいというふうに考えております。ただし、現在暫定的な会場の確認を学校で行いまして、それを今、都が集約をしておりまして、確定版が今後届いてまいります。そういったものも踏まえながら、鉄道で行くのか、徒歩で行くのかというところを確定しますので、まだ確定はできておりませんが、おおむね二千万円から三千万円程度は確保する必要があるのではないかというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には十月か十一月ぐらいには国立の代々木に決まっていますけれども、あとは時間ですとか、そういう問題が出てくると思います。そうしたら、そのあれをきちんと学校にお知らせをお願いしたいというふうに思います。  今お話があったように、公共交通で行くことになります。バスのチャーターは使えないというふうに思っています。そのとき心配なのは、幼稚園の五歳以上と小学校の低学年の移動と暑さ対策だというふうに思っています。今どのような対策を考えているのかお聞きします。 ◎板澤 副参事 今、委員がおっしゃいますように、この東京二〇二〇大会が開催されます七月二十四日から九月六日の時期は、気温の上昇等の熱中症も懸念をされております。まず、何よりも子どもたちの安全を第一に考えていかなければいけないと考えております。  まず、幼稚園の五歳児、そして小学校の低学年につきましては、都から基本的な配慮といたしまして、屋根のついている会場、また、比較的近い場所での会場というところで割り当てをされております。また今後、都とも情報を交換しながら、休憩場所、また、避難できる場所、こういった部分を含めて、一緒に連携しながら安全対策を取り組んでいきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 しっかりとした安全対策が必要だと思いますけれども、大概あれは夏休み中だというふうに思っています。その中で、実際には付き添いということで先生方をメーンにやるんですけれども、父兄だとか、PTAだとか、おやじの会だとか、町会だとか、いろんな人に頼みながら、時間が決まっているわけですから、日にちも決まっているわけですから、しっかりとした対応をお願いしたいというふうに思います。五十年から六十年に一回の話ですから、その辺はしっかりとお願いしておきます。  それから、これは所管外になりますけれども、保育園の五歳児もパラリンピックの観戦のアンケートをとっています。その中で今心配されることは、幼稚園と小中学校が面倒くさいから行けないだとか、それから、さまざまもっともらしい理由をつけて行かないようなことはないでしょうね。教育長に聞きます。 ◎渡部 教育長 そのようなことがないように指導をしっかりとしてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 午前中の質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆河野俊弘 委員 午前中に引き続き文教領域の質疑を続けます。  私からは、まず、不登校の対策についてということで伺います。  不登校の小中学生が急増しているということが、文科省の調査では、平成二十九年度の不登校児童が小中合わせて十四万四千三十一人と過去最多を更新をしています。今回、そのことを受けて、フリースクールなどの学校以外の場の重要性を認める制度などもできたことから、無理に学校へ行かなくてもいいという考え方が浸透したというような背景もあることから、この数字も出ているのかなということが言われております。  今回、小学校においては、前年比から一五・一%増の三万五千三十二人、中学校に関しては五・六%増の十万八千九百九十九人と、合計数で約十四万を超えているということです。不登校の要因は、学校における人間関係だったり、家庭の状況など複合的だということですけれども、近年の数字からかけてかなりふえているというところで、平成二十八年の十二月に議員立法で成立した教育機会確保法というのが、二十九年二月に施行されておりますが、そういったことも前提に、今までの世田谷区における不登校の対応について、まずお伺いしたいと思います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 教育委員会では、第二次世田谷区教育ビジョンの行動計画に不登校への取り組みの充実を掲げ、学校と連携し、不登校の児童生徒の定期的な状況把握、学校における組織的かつ継続的な指導、支援を行う体制整備、不登校専門の相談窓口の設置、スクールカウンセラーの配置、ほっとスクールの整備運営などに取り組んでまいりました。  教育機会確保法の成立、施行を受け、不登校対策の基本的考え方として、不登校児童・生徒の社会的な自立につながる支援を掲げ、今後の対策を計画的に進めるため、二〇一八年から四年間の行動計画であるアクションプランを策定し、スクールソーシャルワーカーの配置の充実やほっとスクール事業の拡充などに引き続き取り組んでいるところです。  教育委員会といたしましては、今後とも児童生徒一人一人に寄り添い、多様で適切な教育機会を確保することを念頭に、引き続き取り組みを進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今御説明ありましたけれども、まず、そういった現行の部分と、細かな部分で不登校になった理由というのは、区でどの程度把握していらっしゃいますか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 区では、国の調査の一環で毎年不登校の主な要因について学校を対象に調査を行っており、いじめを除く友人関係をめぐる問題、家族にかかわる状況、学業の不振の順に多い結果となっております。  一方、民間で中学生から二十二歳の子どもたち本人を対象に実施した調査では、中学校に行きたくない理由について、疲れる、朝起きられないなどの身体的症状以外の要因については、テストを受けたくない、授業がよくわからないなどが挙げられております。  委員おっしゃるとおり、不登校の要因は多様で複合的でありますので、このことを前提に、学校現場ではスクールカウンセラーの見立てや友人関係、家庭環境などの情報収集を行い、可能な限り要因を分析し、的確な支援を行うよう努めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今、工藤課長のほうから民間での調査というところの御説明がありましたけれども、これは日本財団の統計調査でして、今回この調査に関しては、中学生に対して約六千五百名の回答と、卒業した十五歳から二十二歳にかけて一万三千五百人の有効回答、これはほぼ一〇〇%回答しているんですけれども、私、この中で重要だなと思ったのが、その後の追跡調査というのがあるんですね。それは卒業した十五歳から二十二歳の方に、どうして行きたくなくなってしまったのかという理由に対して、身体的な症状以外の要因では、やっぱり授業がよくわからない、いい成績がとれない、テストを受けたくないなど学習の面の理由がよく見られているということ、あと、もしそのときにあれば学びたいと思うような環境はどういった環境だったんですかという問いに対して、自分の好きなことを突き詰めることができるということ、自分の学習のペースに合った手助けがある、あとは常に新しいことが学べるといった回答があるんですね。  けさもずっとニュースをやっていますけれども、ノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんも日ごろの勉強の中で、子どもたちに対してのメッセージというのも送っていて、たくさんありますけれども、その一部でも、無駄なことをいっぱいしないと新しいことは生まれてこないよと。自分の好奇心に基づいて、新しい現象を見つけるということを一生懸命やることが必要であるということもおっしゃっていました。  吉野氏のまず最初の目覚めというのは、何でこれがそうなっているんだろうというところから始まっている。これもおっしゃっていましたけれども、ろうそくの火は何で燃えるんだろう、何でこの火の色は黄色いんだろうか、芯は何のためにあるのかというのが、子ども心にやっぱりおもしろそうだなと思ったことが、吉野彰さんの科学への目覚めだったということを話していました。  今回、最初に申し上げたフリースクールの話、次にちょっと質問したいと思うんですけれども、世田谷区においても、民間で運営しているフリースクール等がたくさんあると思います。そういった環境の部分をしっかりと生かして、世田谷区としても連携してやっていく。これは希望丘の青少年センターの中に初めて、今回、公設民営でやっている希望丘のほっとスクールがありますけれども、そういったところのノウハウですね。  まだこれは開設したばかりですけれども、しっかりと研究をして、今後そういった事業の拡大というのが、真にそういった不登校の子どもたちにとって、新たな経験をさせていくというところの、今までの既存のほっとスクールの現状から言うと、やはり、人との交流であったりとか学習面を補う部分というところを注力していて、余りその子に対して新しいことをやらせるという、その子主体のものというのがなかなか少なかったんじゃないかなというところも感じているんですけれども、今後のフリースクールとの連携についてお伺いします。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 フリースクール等、民間の施設や団体は、不登校の児童生徒に対する居場所の提供や、学習や体験活動などの機会の提供が行われているものと認識しております。  区内で継続して活動されているフリースクールなど、民間施設、団体は複数ございます。こうした団体との連携としましては、団体が主催する不登校児童生徒、保護者を支援する事業への後援を行うとともに、区が実施する保護者支援の場である不登校保護者のつどいの運営支援やフリースクールの情報提供に継続して協力いただいております。  教育機会確保法及び基本指針において、民間の団体との連携による支援の促進が掲げられていることを踏まえまして、来年度以降、フリースクールなどとの連絡、意見交換のための場を改めて設けることを検討しております。現在、国や都においても行政と民間との連携に関する検討が行われていると聞いておりますので、その動向、成果も注視しながら、フリースクールとの連携の手法などを整理してまいりたいと思います。 ◆河野俊弘 委員 ぜひ、民間のフリースクールは世田谷区内では何軒か私も見ているところですけれども、ちょっとそういった関連で、不登校の話とは少しそれるかもしれないですが、私、世田谷区教育委員会が発行しているアプローチ・スタートカリキュラムというものを、先日投函されて、ちょっと細かくこれを見て、その中で非常にヒントになるかなと思ったところがあって、幼稚園の取り組みの中で、一人の園児がカマキリを見つけて、その園児の周りにいた二人の――三人のグループだったそうなんですけれども、虫を見たり、さわったりとかして、日ごろ園児同士では別の子に頼りがちだった子どもが得意げに、そのカマキリの形を見て、このカマキリはお腹の形が細いから、これは雄だよとか、ぱっと的確に、昆虫博士じゃないけれども、そういう知識があることを、自然に出てくる。そういう場面は子どもにとって非常に大事なんじゃないかなというふうに思ったんです。  そこは、やっぱり自分自身の自信につながるし、周りからもすごいねというふうに思われることで、自己肯定感ではないですけれども、そういったところの醸成というのは小さいころから養わなければいけないし、そういったところの発見を、今後そういうほっとスクール中心でもいいですけれども、そこを補完する民間のフリースクールとの連携というか、知識の共有というか、その子主体のためになるような教育方針というのをしっかり掲げて、進めていただきたいということを要望しておきます。  次に、いじめの対策についてということで伺ってまいります。  いじめ対策のことについて、まず、認知件数について直近の数字があればお伺いします。 ◎板澤 副参事 世田谷区におきます平成三十年度のいじめの認知件数につきましては、全体で三百四十一件となってございまして、小学校では百七十六件、中学校では百六十五件でございます。 ◆河野俊弘 委員 この数字ですけれども、約三百以上というところで、これはやっぱり年々上がっているということで、多少横ばいの年もありましたけれども、去年と比べれば、平成三十年度に関しては約百件くらいふえていくということで、やはり、その後の学校の対応というのも非常に問われてくると思うんですけれども、今、各学校におきましての対応について、まず伺います。 ◎板澤 副参事 各学校におきましては、毎年、いじめ防止基本方針を策定するとともに、校長や養護教諭、スクールカウンセラー等をメンバーといたしますいじめ対策委員会を組織いたしまして、いじめが発生した際の対応を初めといたしまして、解消等の状況を確認するなど、いじめの早期発見、早期対応が図られるよう組織的に対応してございます。  いじめ問題につきましては、子どもの学校生活での悩みや不安等の声を把握することも大切であるということから、学校生活に関するアンケートを年三回実施するとともに、小学校五年生と中学校二年生を対象といたしまして、スクールカウンセラーによる全員面接も実施しております。こうした取り組みを通して把握した子どもの状況等につきましては、校内で共有いたしまして、さまざまな視点から支援の方向性を検討し、迅速な対応につなげております。
     また、いじめ問題の解決に向けて、傍観者の存在が重要である点を注目いたしまして、子どもたちが自主的に行動できるよう、いじめ防止プログラム等を授業に取り入れて実施をしております。  教育委員会といたしましても、学校がいじめ防止に向けて組織的な早期発見、早期対応ができるよう総合的に取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 今の対応について、解決に向けて傍観者の存在が重要であるという発言がありましたけれども、やはり傍観する子がいて、あとはいじめをしている加害者という言い方があれかもしれないですが、加害者、被害者がいて、その被害者に対する対応、傍観者に対する対応、プラス、やはり加害者に対する対応というのも、今後非常に大事かなというふうに思っています。そういった部分の観点を、先日、フィンランドの研修の中でも、そういった要素を取り入れてという話がありましたけれども、そういったことをしっかりと事例検討の中でやっていくというよりも、やはり現場の声をしっかり聞いていただいてやっていただくようにしていただきたいというふうに思います。  今回、いじめの対策というところで、私、前期、一年目のときに、前職が携帯業界ということもあって、LINEを使った相談窓口というのはどうですかというような提案をしたところ、そのときも世田谷区はかなり消極的な、なかなか人員が割けないよと、簡単に言うとそんな回答だったんですけれども、先立って東京都がLINEの窓口を始めました。そういったところが既に動いている以上、世田谷区にとっても看過できないですし、あるいは世田谷区がLINE等の相談窓口を開設することについても、もちろん今の対応をお聞きしたいんですが、あとは、東京都におけるそういったソーシャルネットワークを使った窓口に対してのフィードバックというか、連携というのももしあればお伺いします。 ◎板澤 副参事 今、委員のお話にありましたLINE等を活用した相談につきましては、おっしゃいますように、東京都教育委員会が相談ほっとLINE@東京としまして、いじめを含め、さまざまな悩みを抱える子どもたちからの相談に応じるSNS教育相談を今年度から実施をしております。また、他の自治体においても、SNS等による相談を実施していることについては把握をしてございます。  教育委員会といたしましては、各学校におけるいじめの相談、早期発見の体制の充実、相談機関である総合教育相談室やせたホッととの連携を進めるとともに、この東京都のSNS教育相談についても、学校を通して子どもたちや保護者へ周知するなどいたしまして、全ての子どもたちにとって相談しやすい環境づくりに努めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひ、LINEを使った窓口の活用というところは、しっかりと環境づくりというところに尽力していただきたいということを要望しておきます。  次に、今、不登校といじめの対策というところで聞かせていただきましたけれども、やっぱりそういう経験をした、これは成長した後、あるいはそのときでも――やはり日本における全体の問題ですけれども、自殺者というのもふえているというか、なかなか変わっていない。日本は世界的に見ても、若年層であったりとかという世代の死因で一番多いというのは顕著に出ている数字です。  今、日本国内で見ると、若者だけではなくて中高年の方も、そういった自殺による死因というのが今ふえているというような報告も聞いていますし、やはり、子どものころの経験というのが、そういったところに非常に起因しているという話を聞いています。今言ったいじめであったりとか、不登校であったりとかという経験をしている、していないというところで、やっぱり、その後のその子の心に残るものというのは、絶対的にあるんじゃないかなというような数字も出ております。  今回、いじめだったりとか不登校等について、子ども、その当事者本人であったりとか、あるいは保護者が相談する、現状世田谷区が用意している場所、あとは体制等について伺います。 ◎板澤 副参事 まず、学校におきましては、子どもや保護者の相談につきましては、担任を初めといたしまして、スクールカウンセラーや養護教諭等、さまざまな職員が受けておりまして、相談を受けた際には、いじめ対策委員会や特別支援委員会等で情報を共有して、組織的な対応ができるような体制を整えております。それ以外にも、世田谷区教育相談室や子どもの人権を守るせたホッと等がございまして、相談があった場合には、ケースに応じて学校と連携した対応を進めております。  教育委員会といたしましては、不安や悩みを抱えた子どもや保護者の声を受けとめ、寄り添いながら、迅速な対応ができるよう、家庭と学校、外部機関等と連携した取り組みを進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 今、相談する体制というところを聞きましたけれども、世田谷区において、これは教育長しかり、区長しかりなんですけれども、特に区長ですが、若者支援に力を注力し過ぎるが余り、これは僕個人の感想を述べますが、支援の窓口が非常に多過ぎると思います。所管のほうから、これは教育委員会事務局と世田谷保健所のほうで共同で発行しているもので、こういう支援ガイドというものがあります。裏に支援のリストというのが書いてあって、ちょっと細かくいっぱい書いているのがわかると思うんですが、合計で三十六個もの窓口があります。その一つの窓口に関しては、世田谷五支所で番号が分かれていたりとか、非常に煩雑というか、どこに問い合わせたらいいのというのが非常に、本人の気持ちになってみたら、まずここにかけてよというようなものがないといけないんじゃないかなというふうに私は思っています。  この相談機能というのを、どこに対してかければいいんだというところを、まず総合窓口じゃないですけれども、一本化をすることというのも一つ考えていくべきではないかと思うんですがいかがでしょうか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 学校外の相談体制においては、どなたでも利用できる電話相談ダイヤルや区内に四カ所設置している教育相談室で面談による相談を御利用いただくことができます。あわせて、不登校に関する相談については、専門の相談窓口を別に用意し、対応しているところです。  教育委員会では、教育総合センターの整備にあわせ、こうした学校外における相談窓口について整理、一元化した教育に関する総合相談窓口を設置し、保護者や子どもたちにとって、よりわかりやすく、利用しやすい窓口運営を行ってまいりたいと考えております。  教育総合センターでは、教育や心理、福祉の専門職が集約され、さまざまな教育的課題にチームとして対応していくこととしております。保護者や子どもたちからの声がセンターにダイレクトに届くことで、より迅速かつ適切な対応を行えるものと考えております。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも、本人に寄り添った体制というのを構築していただいて、その相談窓口というのも非常にもっとわかりやすくやっていただくことを要望し、上島委員に交代します。 ◆上島よしもり 委員 それではまず私からは、今、BOPが非常に子どもたちがあふれているというお話を伺ったんですが、現状、ちょっと何度か議論されていることですけれども、改めてどんな状況か、また見通し等についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 新BOP学童クラブは、近年、児童数の増加によりまして、大規模化による利用スペースの狭隘化が問題となっていると認識しております。お話しの新BOPにおける状況でございますけれども、今現在、学校との連携協力により、ミーティングルームや特別教室、ランチルーム等、主要施設を有効に活用しながら、狭隘化等に対応しているところでございます。 ◆上島よしもり 委員 見通しについてはなかったんですけれども、多分これからも、今の保育園とか子どもたちの数を考えますと、また、親御さんたちの働き方を考えますと、やはり、BOPというのはまだまだ必要になってくるというふうに思われるわけですが、やはり、実際今ある施設を広げていくというのはなかなか難しいわけですし、今お話しにあったような時間的にどこか教室を活用して、ランチルームとかを使うと。やはり、これも限りがある話でありまして、いわゆる普通教室の活用というのを考えなきゃいけないんじゃないかと、以前から自民党としてはお願いをさせてもらっています。  実際に行うに当たってはしつらえというんですか、教室のあり方そのものも変えていかないと、やはり実施は難しいのかなというふうに思われるんですが、その点についてはいかにお考えでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 普通教室のBOP等の多目的な活用に当たりましては、普通教室には、児童生徒用の机、椅子、ロッカー等が設置されており、また、児童生徒の作品等が展示されているなど、個人所有物や個人情報等の管理に留意する必要があるものと考えてございます。そのため、設計等におきまして、学校の意見、要望もお聞きしながら、他自治体の事例なども参考に、どのようなしつらえによる工夫が可能か、管理運営面における課題とともに検討してまいりたいと考えてございます。 ◆上島よしもり 委員 今、他自治体の事例等というお話がありましたが、実際目的が違ったとしても普通教室を地域であるとか、いろいろ他の目的に使うような事例というのはあるんでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 中学校におきまして、教室内にあるロッカーを別のロッカールームのような形にして、教室等の多目的な活用にしている事例というのは聞いたことがございます。 ◆上島よしもり 委員 実際そういうのがあるということでございます。ただ、今のお話は中学校ということでございますけれども、小学校でも、低学年ですとなかなか難しいのかわかりませんが、学年によっては私物をしっかり管理するといった教育を含めて、そういうしつらえをやっていくというのは、私は可能だと思います。ただ、実際そういうことをやっていく上では、学校改築とか機を捉えてやっていかなくてはいけないと思うんですけれども、やはり、学校というのは地域のコミュニティーの核であるというお話がありましたけれども、地域の方々が学校というものを本当に大事にして、また愛して使っていくというような、そういう学校を中心とした地域というのをつくっていくことは、私はこの世田谷区にとって非常に重要だと思っております。  先ほど午前中ですけれども、そのべ委員のほうから保育園の外遊びの活用というお話がありまして、検討していただくみたいな御答弁だったと思いますけれども、私、こういうことはすごく大事だと思っていまして、やはり、学校というものはあくまで何か聖域みたいな捉え方ではなくて、みんなで大事に使っていくという場にしてもらいたいと思います。当面は、BOPがどうしても必要だということになります。ただ、将来的にはだんだん児童数も減ってきてということを考えたときには、しつらえをしっかりしておけば、またそれは地域に開放するような場にもなるわけでありまして、その辺、進めてもらいたいと思います。  実際やるに当たっては、問題の整理とか、いろいろ課題とか整理しながら検討を重ねて、こういう形だったらできるというところで、まず教育委員会での検討、その上で、多分校長会とか、あと現場の調整というのも必要になってくるのかなと。その後、方針ができて実際の計画に移すとなると、非常に時間がかかるわけですが、早速そういう検討に入っていただけませんでしょうか、どうでしょうか。 ◎淺野 教育次長 今、委員おっしゃられたことは大変大事なことだと思っておりますので、検討させていただきたいと考えています。 ◆上島よしもり 委員 それでは引き続き、どのように進んでいるかというのを伺ってまいりたいと思いますので、ぜひ、検討はすぐに始めていただきたいと思います。  次の質問に入ります。一応、考え方としては、教員の働き方改革というんですか、そういう観点から質問をしたいと思います。  今、担任が不在のクラスがあるというのがいろんなところで聞いておるんですけれども、実際に学校の教員の休職や退職の状況というのはどんな状況か、また、これは国全体から見ると多いのか少ないのか、その辺、世田谷区の状況というのはどう捉えているか教えてください。 ◎青木 教育指導課長 委員おっしゃいましたように、本区におきましても、休職者、あるいは退職者はいる状況でございます。毎年複数、あるいは十数名、二十数名というようなところでございます。これについては、教員数における割合というようなところもございますので、これが国、都などと比較して極端に多い少ないという状況ではございません。 ◆上島よしもり 委員 ちょっと私がいただいた資料を見ますと、教員数に対する休職者数の割合が一・三六となっていまして、そのうち――いろいろ国の場合だと、平成二十九年度で〇・五五%となっているんですね。ここを見ると、一・〇七とか一・一五とか、これは中学校、小学校別々になっているのかな、そういうような数字は若干高いのかなと見られるんですが、これは見方が間違っているんでしょうか、どうなんでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 今御指摘いただいた何年かの経緯の中では、そういう形で差異があるというところはあるかと考えております。 ◆上島よしもり 委員 ちょっとこれは、国全体から見たときにというのは、少し分析したほうがいいかなと思っています。加えて、一番重要なことは、休職されている、また退職されたその原因というものがどこにあるのかなということは、どのように捉えているかということだと思うんですが、その辺はどういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 委員おっしゃるように、残念ながら、途中で教職を離れるという教員がいます。理由としてはさまざまあるかと思いますが、教師としての自信を失ったり、あるいは行き詰まりというものを感じているというところはございます。そうした気持ちの部分から体調を崩すというようなところもございます。 ◆上島よしもり 委員 そういうような現状というか、捉え方をされている中で、区としては、どのような対策を練っていらっしゃるんでしょうか。実際やっていること、また、本当だったらどこまでやりたいかという何かお考えがあればお聞かせください。 ◎青木 教育指導課長 先ほど申し上げましたように、教員の自信をなくしたりということは、やはり指導力にかかわってというところでございますので、現在学校としても教科指導、あるいは生活指導、保護者対応なども含めまして、教員としての力量を高めるように日常的な対応の中で、同学年の教師集団により相互に助言をし合ったり、あるいは学校内での研修において、管理職が効果的な指導を行ったりしております。  また、今後につきましては、教育総合センターなどの中でも研修機能、研究機能を充実させるということもございますので、校長経験者による若手教員等に対しての授業のサポートですとか、悩みに対応した相談をするですとか、そうした困難に直面した教員についての支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 国のほうで、ことしの一月、中央教育審議会の分科会のほうで、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策についてということで答申が出されております。中身をざっと読ませてもらったんですが、世田谷区でもやっている部分が結構あるのかなというふうにも思っておるんですが、つまり、行き詰まりとかを感じておやめになられる先生方というのは、やはり余裕がない。時間的な余裕がまずなくてとかというのもあるのかなと思って、やはり、この働き方改革をしっかりと取り組むことというのが、まずもって重要かなと思ったんですが、実際に目を通されているのではないかなと思われるんですが、この辺についての取り組み、また、感想というのをお聞かせください。 ◎青木 教育指導課長 委員お話しの答申でございますけれども、内容として働き方改革の目的を、教員が疲弊しているということは子どもの指導のためにならない、授業の質を向上させるとともに、教員自身の生活の質、教員としての人生を豊かにしていくことが、教員みずから人間性や創造性を高めて、指導が効果的になってくる、指導力が高まるというような押さえをしてありまして、まことにそのとおりだと考えております。  幾つか出されている中での指針については、具体的に検討しながら、本区においても進んでいるところもございますので、そうしたことをあわせて進めていければというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 私の子どもも、今ちょうど小学校五年生で区立小学校に通わせていただいているんですけれども、やっぱり先生はすごく大事なんですね。いい悪いじゃなくて、合う合わないとかというのは、先生と生徒の間であると思います。ただ、先生がはつらつとというんですか、情熱を持って、また意欲を持って、そして、学校の先生であるけれども、まだまだ夢を持っている、そういうのを感じさせる先生というのは非常に重要だと思うんですね。そういう意味では、まず働き方改革について、こういう答申が出ていますから、少し漏れているところ、また強化できるところはしっかりと取り組んでいただきたいと思うんです。  加えて、次に教育総合センターのほうに移りたいんですが、やはり、そういう意味でも教育総合センターはこれからでき上がっていくというか、つくり上げていくものでしょうけれども、そのあり方というのは、こういう意味では非常に重要になってくると思うんですが、そこでの取り組み等についての工夫ですね。  教員の資質向上、また指導力向上、もしくはそれぞれの教員が子どもたちから輝いて見えるような先生であるための教育総合センターについて、どのような工夫をされようとしているのかお聞かせいただきたいと思います。 ◎加藤 副参事 委員お話しのありました教員の資質の問題でございますけれども、AIの進化とか高度情報化がもたらす新しい時代の教員ということを考えますと、これからは指導の専門性だけでなく、教育に向かう意欲とか情熱とか、委員お話しの夢や希望、子どもたちへの愛情など、人間的な魅力がますます大切になってくるというふうに考えております。教育総合センターでは、教員の人間的な魅力を高めるための研修、自己啓発を進めやすい環境づくりなどにも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 もう少し具体的に伺いたかったんですが、ちょっとここのさきの働き方改革に関する答申に書いてあることなんですけれども、例えば総授業時数が増加しているという問題とか、あと、ここですね。若手の教師が増加して、そもそも自分で教材をつくったり、自分で指導案をつくったりするというのが、ある意味教員の世界ではそれが大事なんだよというふうなことが、今までの学校教育だったけれども、これからはそういう情報を共有化して、使えるところは使っていくと、そういうことで時間を減らすとか、例えばそういうことをこの教育総合センターでやっていくのかなと、そういう一つ一つ、ちょっと何かあれば伺いたかったんですが、いかがですか。 ◎北村 新教育センター整備担当課長 現在、弦巻にある教育センターは、教育総合センターとして若林小学校の跡地に令和三年度中に整備する準備を進めております。現在、運営計画をまとめているところでございます。  新たな教育総合センターは、学校や教員に対する総合的な支援機能を担うものと位置づけており、現在の教育センターでの研修・研究機能をより充実させる取り組みを展開してまいりたいと考えております。例えば、教育研究分野では、ICT環境を整備することにより、さまざまな研究データを一元的に管理し、各学校への情報提供機能を高めてまいります。研修の分野では、小学校、中学校と幼稚園、保育所等とが連携した非認知的能力を高める教育などの研修プログラムを提供してまいりたいと考えております。  また、現在の教育政策部の本庁組織の一部を教育総合センターに配置することも想定しており、これまで教育センターと本庁組織とで離れてしまっていた研究部門、研修部門、教育相談部門などが一体となって、スピード感を持って新たな教育課題などに対応するとともに、学校や教員への支援力を高める体制づくりに努めてまいります。 ◆上島よしもり 委員 平成二十九年六月に、教育委員会事務局のほうから構想を出されて、それをちょっと改めて拝見したんですけれども、やはりなかなか盛りだくさんというか、きちっとやったらこれはすごいことだなと、本当にできるのかなという思いも含めて、私は感想を持ったんですが、これを実際やるとなったら、今のお話も含めてですけれども、今現在ある教育センターから、さらに人材を強化しないとなかなかうまくいかないと思うんですが、この辺はどういうふうに運営していこうとされているか、その辺をお知らせください。 ◎北村 新教育センター整備担当課長 専門分野では新たな人材を投入するといったこともございますけれども、大学との連携や民間活用、それから、他自治体も参考にして内容を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 今、他機関ですね。大学とか民間企業とかというお話が出ましたけれども、やはりそういったところとしっかりと連携していくには、物すごくマネジメントが重要になってくると思うんです。そういう意味では、全体を運営していく責任者としてセンター長と言うんですか、その存在というのは非常に大きくなってくると思うんですが、これは例えば教育長がそのままなされるのか、もしくはセンター長そのものを外部から呼んでやっていくのか、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。 ◎北村 新教育センター整備担当課長 今お話しのございましたセンター長でございますけれども、現在その人選につきましては検討中でございます。また、よりよいセンターの維持、発展につながるように人選をしてまいりたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 教育長は、よくキャリア教育の重要性というのを言われています。私もキャリア教育とは何かなと、改めてちょっと勉強させてもらったら、非常に知識不足だったんですけれども、職場体験とか、そういうのは一つのメニューとしてはあっても、そういうレベルのものじゃなくて、いわば全く切り口の違う総合教育だということを理解いたしました。  そう考えますと、まさに社会とのかかわり方がどうあるべきかということを子どものころから考えさせて、自分で自分の未来を練り上げていくというんですか、そういうものがキャリア教育だと。その中に職業もあったり、あと地域とのかかわり、家族とのかかわりがあったりとか、そういうものであるとするならば、教育総合センターをそういう観点で動かしていくならばなんですけれども、僕はやはり民間の方からちょっと新しい空気というんですか、風を入れていくという観点で、また、もっと社会全体を見渡しているような人材というんでしょうか、教育の世界だけという方よりも、そういう方のほうがいいのかなと正直思ったりしますが、教育長にキャリア教育と今度の新しい教育総合センター、その関係も含めてお考えをお聞かせいただければと思います。 ◎渡部 教育長 今、委員にお話ししたとおり、キャリア教育は職業教育だけではなくて、自分の人生を将来を見渡して、人とのかかわりの中で、自分の人生を豊かに考えていく教育だというふうに考えています。  今度、教育総合センターを整備するに当たり、キャリア教育はその下敷きになるものというふうに考えております。そこの人選については、まだこれから考えていくのですが、そこで子どもたちが豊かに考えられるように、いつも同じ教員とかかわっているというだけではなく、外部の人たちとかかわり合いながら、これからキャリア教育は縦のつながりと横のつながりと考えておりますので、地域の方とのかかわりも含め、それから企業や大学、そういう方たちとのかかわりもしながら、大きな広がりの中で、そういうふうに考えられるような教育総合センターができたらいいなというふうに、今検討中でございます。 ◆上島よしもり 委員 畠山委員にかわります。 ◆畠山晋一 委員 私のほうからは、池之上小学校の全面改築に伴う安全確保のことについて質問をさせていただきます。  ことしの四月に入って突然、突如として池之上小学校の耐震診断調査の結果を経て、全面改築が発表されたわけですが、まさに青天の霹靂とはこのことかなと。これは通常の改築、改修と違って、事実として突然発表されたわけですけれども、実際、地元、保護者や関係者、さまざまな反響が出てきております。ただ、統一して同じことは、児童の命を守る、これを第一優先に全面改築を行うということについての御理解はいただいているものと感じております。  しかし、それに際して、まだ課題や問題がありますので、初めに通学路の安全の確保ですが、ちなみに今回のように突然、全面改築が突如として行われるというような事案というのは、今まで世田谷区の小中学校ではありましたでしょうか。 ◎秋元 副参事 区では、平成七年の阪神・淡路大震災後、直ちに耐震診断に取り組んでおりますので、その時期に、今回の池之上小学校と同様に耐震性能が低いということで、早急に改築に取り組んだ例などはございます。ただし、そのときに改築にあわせて区域外、今回の池之上小学校と同様に区域外に仮校舎を設定して、そこに移ったというような例はございません。 ◆畠山晋一 委員 そうなんです。だから、学区域が変わるということの実態は、これは世田谷区史上、初めての対応策になっているということで、そこで思い起こされるのが、私自身は、三校の小学校の統合を果たした下北沢小学校の統合のことを思い起こされます。当時、自分はぶれることなく、最初から統合に対応して丁寧にやっていかなきゃいけないねということを地元で進めているさなかに、突如、現在の区長さんが下北沢小学校の統合をする、ついては北沢小学校からスクールバスの運行の発表が突然地元と議会側にされた。これは統合の希少で緊急な事態のためにスクールバスを出すということを発表されたことは、同じブロックに池之上小学校がありますので、池之上小学校の関係者の皆さんも強く記憶に残っているところです。  そこで、まさに統合の話ではありませんが、北沢小学校の児童が学区域が変わって、東大原小学校、守山小学校が統合して下北沢小学校になった。突然、緊急で発表されたわけですけれども、このようにして実際、北沢小学校の学区域から下北沢小学校に通うということになって、距離にして、多分北沢小学校に通う児童から最も遠いところの方がこことしたときに、下北沢小学校の距離がこの距離。これは単純に直線距離だけです。今回の池之上小学校に際して、学区域が変わるということで、単純に一番遠いところから、今の北沢中学校第二校舎に通うようになる児童の距離が、単純にこの距離です。この距離の問題が明らかになっております。単純にこの距離という違いが出てきているという実態があります。  この距離に対して、さまざまな説明会などにおいて、教育委員会側からは、例えば明正小学校の例えが出されている。その明正小学校では同じ距離を通っている児童もいますよというような話があります。ただし、私はこれは違うと考えております。なぜならば、それはその児童は初めから明正小学校に通うということをわかった上で、その距離を歩くということを周知した、承知した上で、その学区域に通っている児童だからです。今回は突如として、今答弁にあったように、今までになかった学区域の変更を発したということでは、非常に緊急性があるという部分では、下北沢小学校のときと、私はその緊急性に関しては変わりはないなというふうに感じております。  ところが、今回は下北沢小学校のときよりも緊急性があって、このようにより距離が長い状況になっているにもかかわらず、行政側からスクールバスを出しますといったような提案が今回はなぜ起きないんでしょうか。 ◎淺野 教育次長 池之上小学校の改築と旧北沢小学校への仮校舎としての移転に関しましては、今お話しいただきましたが、耐震性の不足が判明してから短期間に改築や移転の方針が決まったことがございます。また、通学距離が長くなるという児童が多いことから、その解決策の手法として、スクールバスの運行ということに関しまして要望をいただいてございます。  教育委員会では、昨年の四月から九月にかけまして、下北沢小学校と旧北沢小学校の統合において、スクールバスを運行しております。区議会におきましても、昨年の予算委員会で御議論をいただき半年の運行となりましたが、運行の実績もあることから、今回の要望につながったものと思っております。  昨年のスクールバスの運行ですけれども、学校統合時に都のスクールバスに関する補助制度があることを踏まえ、統合に当たって子どもたちの教育環境を第一に考えなければならないこと、また、統合に賛成、反対の意見が対立し、地域が分断することは避けるべきであること、また、子どもたちにその影響が及んではならないことなどを総合的に勘案して、教育委員会として判断させていただいたものでございます。  今回、池ノ上小学校でいただいている御要望に関してですけれども、登下校の安全対策の徹底等で解決していくべきものと考えておりますので、御理解いただければと思います。 ◆畠山晋一 委員 御理解いただきたいということの教育委員会の要請ですが、この判断ということに関しては、現区長の判断と決断でもあるということと考えてもよろしいですか。 ◎淺野 教育次長 池之上小学校の改築と、それに伴う旧北沢小の仮校舎としての活用の対応方針につきましては、文教常任委員会にも御報告させていただいております。それに先立ちまして、区長にも報告しておりまして、安全対策は引き続き検討を重ね、確認を重ね、きちんと取り組むようにと言われております。 ◆畠山晋一 委員 今回は、行政側、教育委員会側、まして、今話があったように区長側から、下北沢小学校のときのように緊急性のあってまれな事態で、スクールバスの運行の提案がないということでしたら、今回、私の質問の中で、通学路の安全確保を鑑みて、スクールバス運行の提起、提案をさせていただきたいと。今回は、この質問に対しまして、池之上小学校にスクールバスを走らせる場合、人、物、予算、どの程度かかってくるのかを実際に各バス会社に見積もり調査をさせていただきました。見積もり調査の結果、実際に二社から見積もりをいただくことができました。  見積もりの条件ですが、まずはバスの大きさです。バスの大きさに関しましては、従来から警察側から、こちらの一番遠いと言われているところの淡島通りのところの通りの狭さ等も鑑みて、大型のバスは無理ですよということで警察のほうからの指示があったということなので、ここは中型のバスということで、中型のバスですと大体四十人乗り、幼稚園の送り迎えのバスより少し大きくて、レッスン等で使われているようなバスより少し大きなバスで、次の条件がバスの大きさにも関連してくるんですけれども、中型ということは、大体三十から四十人。  ちなみに、ここの一番遠いと言われている代沢の一丁目の淡島通り沿いの地域の一帯の池之上小学校に通う児童数を調査してみますと、約八十人ぐらいです。その八十人のうち、半分を高学年の児童と考えたとき、低学年は半分ですから大体四十人。高学年の児童に関しましては、既に教育委員会側から池之上小学校に一回集まって集団登校しましょうという話が出ていますので、そっちに対応していただいて、低学年の子に対してできることなら、こういった事態が発生するということで、スクールバスを考えたらどうだろうかなということで、三十人から四十人が乗車人数。  次の条件が発着所、つまりバスがとめられる場所がなければ始まらないわけですけれども、ちょうど代沢の富士中の脇のところのこちらに、代沢一の二十三の九に淡島通りからすぐ入ったところに乗車空間があります。ここが今回、通学路から最も学校に遠いところの入り口部分にもなっておりまして、終点は池之上小学校、仮の校舎のところになります。  次の条件が運行期間です。運行期間が決定的に違うのが――大体、小学校の授業数が、高学年の方も含めて平均で一年間で二百日と想定されますので、今回、下北沢小と決定的に違うのは、あくまでも令和六年の四月の全面改築が終わったところまでの四年間という日数で、二百日掛ける約四年で八百日で計算していただきました。  続いて時間ですけれども、時間に関しては、池之上小学校の朝の通学が午前八時登校となっておりますので、この辺を七時四十五分ぐらいに出発をして、帰りは学童クラブの終了時間に合わせて六時十五分ぐらいということで、その五つの条件でバス会社に見積もりを出させていただきました。  そこで、実際に見積もりをいただいたバス会社が二社で、A社、B社とさせていただきましたけれども、一番リーズナブルな金額を提示されてきたのが、トータル金額が四年間で五千百二十万円。これは大体、四年間ですから一年に換算すると、一年間一千二百八十万円、これを単純に二百日と計算したときに、一日当たりが六万四千円。高いなと感じる部分はあるかもしれませんが、実は前回の下北沢小学校のスクールバス、このときには三年間で一億八百万円、一年間で約三千六百万円で、一日当たりが十五万円。大型のバスと中型のバスの違いはあるかもしれませんが、これだけの金額の提示を実際にバス会社からも見積もっていただきました。  同時に、補助金の話も出ると思ったので、文科省にも調査をはかって対応してみましたけれども、実際に文科省でスクールバスの補助金を確認しましたがありませんでした。残念ながら、補助金はないわけですけれども、今回、下北沢小学校のときと決定的に違うのが、永遠にバスを走らせるということではなくて、当時の始まりときに、ずっとバスを走らせるんじゃなくて、あくまでも全面改築ができるまで、完成するまでの四年間だけ、このスクールバスを走らせてみるということを考えたらどうだろうかなということで、この見積もりもとらせていただきましたけれども、教育委員会として、実際にこのバスを走らせるといったことに対して、いかがお考えでしょうか。 ◎秋元 副参事 ただいま委員のほうからスクールバスの具体的な手法と経費につきましてお話をいただきました。教育委員会としましては、現在新たな通学道路の指定を含めまして、警察、道路管理者やPTAなどと安全点検を進めておりまして、見守り誘導員の複数配置ですとか、道路上における注意喚起のための標示などの対応で、登下校の安全確保を徹底しているというところでございます。  また、学校の協力により、来年度の当初は教員引率による集団登校を実施いたしまして児童を見守るとともに、児童の安全意識を高める指導も行っていくということにしており、全ての児童が安全で安心して登校できるような環境を確保してまいります。  またさらに、城山小学校の改築の際には、児童が今回と同程度の通学距離を歩いておりましたが、関係機関の御協力もいただきながら、二年間、安全に登下校することができております。今回の池之上小学校の改築に関しましては、現在のところスクールバスの運行は考えておりませんが、今の委員の御提案は登下校の安全策の一つの手法であるということで受けとめさせていただきたいというふうに思っております。 ◆畠山晋一 委員 安全対策の一つの手法として考えていただけるということですが、今のこととすると、実際に運行するとなると、まだまだハードルはあるなというところではありますけれども、でも実際のところは、前回の下北沢小学校のときと同じように考えて、最終的には決めるのは区長さんですから、また、きょうはここに区長自身が、副区長も含めていらっしゃらないわけですから、その辺の判断につきましては、補充質疑の領域で聞いてみたいと考えております。  続いて、安全確保の対策ということはバスの運行だけではないわけですし、教育委員会からもさまざまな御提案をいただいております。実際にこの児童たちが通う淡島通りから旧北沢小学校まで南北に延びている道路が、池ノ上の駅前から直線にして北に上っていく道路が、これが実は東京都の都道でございまして、都道四二〇号線、別名鮫洲大山線とも言われている通りでありまして、淡島通りの南北道路の交通の便益の高い、車も自転車もさまざまな方が利用されている便利な道路となっております。  途中、池ノ上商店街ですとか池ノ上の北口の商店街もあって、お買い物ですとか、これはお祭りなどの祭礼やイベントなどの重要な道路ともなっておりますので、実際に交通量が多いということになっております。歩行者にとっても大事な道路なわけですから、ここに実際に安全策として、教育委員会としては防犯カメラですとか、見守り誘導員の設置などを考慮していただいておりますが、今回改めてお聞きしたいのが、昨今の猛暑に事を鑑みたときに、こちらの猛暑を児童が歩いて通うといったとき、ここにぜひとも既に各商店街等でも行われている遮熱性舗装することによって、コンクリートの暑さが五度から六度も低減できる、防ぐことができるといった、もう既に遮熱舗装としての道路舗装の成功事例が実際に世田谷区内にもあるわけですから、こういった遮熱舗装なども行うといったような形で、通学路の安全面の確保策をより充実させていただきたいというふうに考えておりますが、世田谷区としてはどのような対応をされる予定でしょうか。 ◎桐山 学校健康推進課長 現在、池之上小学校の保護者の方からは、学校までの距離が遠くなることから、交通安全や真夏の炎天下での登下校について心配であるなどの声をいただいております。教育委員会では、こうした保護者の方々からの不安の声に対しまして、学校やPTA、警察、道路管理者などと連携を図りながら、仮校舎での学校生活が始まるまでに必要な安全対策をしっかり行い、その結果を保護者等に丁寧に報告することが必要であると認識しております。  通学路の安全対策につきましては、通学路合同点検を実施し、対策の検討を進めておりますが、対策の一例といたしましては、自動車等のスピードを抑制するための注意喚起表示幕の設置、外側線の設置、ポストコーンの設置、また、新しく通学路として指定する道路には通学路を示す文マークの標示などとなります。さらに、防犯カメラの設置のほか、通学路見守り誘導員を複数箇所に配置し、児童の学校までの誘導や見守り活動を行っていく予定でございます。  また、登下校時の熱中症対策としましては、池之上小学校の解体工事が始まるまでの間、池之上小学校登下校時の一時立ち寄り場として活用するほか、水筒の持参なども含め検討しておりますが、委員お話しの点も含めまして、道路管理者とも協議してまいりたいと考えております。  教育委員会では、令和二年四月からの仮校舎での学校生活の開始に向け、関係機関と綿密に連携を図りながら、安全対策に全力で取り組んでいるところでございます。こうした安全対策の取り組み状況などは、引き続き丁寧に学校や保護者、地域に周知し、不安の解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 まだまだ安全確保のためには改善策がこのようにして多くございますので、しっかりと努めていただきたいです。  不安の解消ということでは、BOPの時間の延長の課題もさまざまな場面で出ております。BOPの預かり時間も、これだけ距離が変わってくるわけですから、この四年間だけでも少し時間を延長するなどの緊急事態の対応策を考えるべきという意見もございますが、教育委員会としてはいかがお考えでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 新BOP学童クラブの実施時間の延長につきましては、保護者の利用ニーズや延長利用の有効性、子どもの過ごし方や自立への影響等の検証を検討するため、平成三十一年四月から区内五校でモデル事業を開始しているところでございます。検証、検討を行うに当たっては、アンケート調査が重要であることを考えており、児童や保護者、従事者を対象に本年六月と九月に実施し、本年度末の三月にも実施する予定でございます。また、九月には、モデル事業を利用していない保護者と民間学童クラブにアンケート調査を実施しており、これらアンケート結果をもとに、詳細な利用ニーズや実態、課題の把握を行うように進めているところでございます。  池之上小学校での説明会におきまして、新BOP学童クラブの実施時間の延長について御要望があったことにつきましては、真摯に受けとめております。モデル事業の対象校として実施延長をしている学校の実態把握や詳細分析をした上で、共同所管である児童課と連携を図りながら、課題を整理してまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 柔軟にしっかり対応してください。  最後に、教育委員会に直接尋ねたこともあるんですけれども、下北沢小学校の三つの小学校を統合することを実現したこの地域なわけですが、もしかして、この緊急事態の全面改築を成功させることによって、池之上小学校の児童数の推移なども想定すると、まさか新たな統合への布石ではないですよねという心配もあるわけですが、そんな心配は一切ないということでよろしいですか。 ◎秋元 副参事 保護者会におきましても、指定校変更についての質問等が多いものですから、地域や保護者から池之上小学校の児童の減少を懸念される声も大きいというのは承知しております。しかしながら、今後も通学路の安全対策を進めながら、地域や保護者の皆様の御理解がいただけるよう努力を続けてまいりますが、池之上小学校の学区域では、今現在、未就学児の幼児人口もふえております。今後も多くの児童が通って発展していけるように、教育委員会として全力を挙げてまいります。 ◆畠山晋一 委員 課題はここで言い尽くせませんでしたが、指定校変更に対して、親御さんにしっかりと丁寧に対応して、迅速に対応していただくことを要望して、池之上小学校が自分たちの母校であるということを安心して、自信を持てるような対応をお願いをいたしまして、自由民主党の文教領域の質疑を終了させていただきます。
    ○石川ナオミ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆高久則男 委員 公明党から前半の質問をさせていただきます。  他会派からも出ておりましたが、私のほうからも池之上小学校改築に伴う旧北沢小学校への移転に係る諸課題について、まず質問をさせていただきます。  一点目、通学路の安全対策ということについてですが、来年四月から池之上小学校の児童は、旧北沢小学校を仮校舎として通学することになりますが、父兄の方々からは、とにかく通学路の安全の確保をしっかりしてほしいという要望をいただいております。旧守山小、旧北沢小の下北沢小学校への統合のときや、また、花見堂小と代沢小の統合のときには、多くの通学路の見守り誘導員の方が要所、要所に立っていただいたわけですが、今回の移転の際にも、児童の通学時の不安を払拭すべく、学校主事や見守り誘導員の配置を今まで以上に充実させてほしいということ、また、防犯上の危険な箇所においては、防犯カメラを新規に設置するなど十分な対策を進めることを求められておりますが、誘導員の配置、また防犯カメラ等の設置について、区の見解を伺います。 ◎桐山 学校健康推進課長 令和二年四月から旧北沢小学校を池之上小学校の仮校舎として活用するに当たり、保護者の方からは、自宅から仮校舎までの距離が遠く、熱中症も含めて通学路の安全対策について不安があるとの声をいただいております。  教育委員会では、学校やPTA、警察署、道路管理者などと通学路合同点検を実施し、通学路の安全対策の検討を進めているところでございます。本年七月十八日には、池之上小学校から旧北沢小学校の仮校舎までを中心に実施し、九月二十五日には、池之上小学校の一番南側の学区域である代沢一丁目から仮校舎までの点検を実施いたしました。  通学路合同点検の結果、外側線の設置、注意喚起表示幕の設置、ポストコーンの設置や、今お話しいただきました通学路見守り誘導員の配置、防犯カメラの設置などの対策を実施していく予定でございます。また、熱中症対策としましては、池之上小学校の解体工事が始まるまでの間、池之上小学校を登下校時の一時立ち寄り場として活用するほか、水筒の持参なども含め検討を進めているところでございます。さらに、令和二年度当初は、池之上小学校から仮校舎まで、教職員引率による集団登校を実施していく予定でございます。  教育委員会では、今後とも引き続き、通学路合同点検等を実施し、通学路の安全対策の向上に努めていくとともに、点検した結果などを学校や保護者、地域も含めまして丁寧に周知していくことで、不安の解消に努めてまいりたいと思っております。 ◆高久則男 委員 全ての児童が安全で安心して登下校できるように、通学路の安全確保を徹底的にお願いしたいということです。  次に、指定校変更ということについて伺いたいと思いますが、父兄の方から旧北沢小学校に通うのには、小学生低学年で余りにも遠過ぎるため、指定校を変更して多聞小学校や代沢小学校に通せたいと。しかし、多くの児童が一斉に多聞小、代沢小に指定校変更申請をした場合には、入学できない可能性もあるんではないかと御不安の声もいただいております。  多聞小では、現在、児童数もふえており、五月一日現在で六百十八名の在籍児童数です。また、代沢小学校は四百六十一名、池之上小学校が三百六十六名に比べてもかなり多い児童数です。  先月の九月二十七日、二十八日の池之上小での学校説明会では、指定校変更については、近隣校の受け入れに支障のない範囲で、児童や御家庭の状況、地域を考慮して指定校変更申請に対応し、受け付け時期も十一月から十二月ごろまでに早めるとのことですが、多聞小、代沢小への指定校変更できる人数にも限りがあります。池之上小から指定校変更を希望する児童で希望校がいっぱいになってしまった場合の対応はどのように考えているのか。例えば具体策として、旧北沢小への通学に遠い場所、例えば一番遠いと言われている代沢一丁目からは、多聞小への指定校変更を優先的に対応していくとか、また、早い時期で内定通知を出すことなども必要ではないかと考えますが、区の見解を伺います。 ◎田中 学務課長 池之上小学校の改築に伴う指定校変更につきましては、池之上小学校の通学区域内の今後の就学予定のお子さんの人口や近隣校における今後の児童数、教室数等を踏まえ、受け入れに支障がない範囲で対応させていただくこととなります。  今回の移転に係る指定校変更の基本的な考え方といたしましては、仮校舎までの通学距離が大きな要素となるものと考えております。審査に当たりましては、距離のほか、そのお子さんや御家庭における御事情も考慮し、総合的に判断させていただくことになります。また、申請の結果通知につきましては、できるだけ早い段階で通知できないか検討してまいります。  指定校変更の御希望に添えなかった方につきましては、仮校舎への移転後も通学に不安を感じることのないよう、引き続き、教育委員会と学校が連携して、通学路の安全対策等に取り組み、丁寧に対応してまいりたいと考えております。 ◆高久則男 委員 それから、代沢地域はすぐ隣が目黒区で、目黒区との区境の方も多くいらっしゃいます。目黒区の駒場小学校へ通いたいという問い合わせも私のほうには複数来ております。目黒区への越境通学について、区の見解をお聞きしたいと思います。 ◎田中 学務課長 目黒区立小学校への通学を御希望の場合は、保護者が目黒区教育委員会へ区域外就学の申請を行っていただき、目黒区教育委員会に判断していただくことになります。  委員のお話しのとおり、目黒区立駒場小学校は、池之上小学校の通学区域の一部の地域から近い位置にございますが、目黒区教育委員会に問い合わせを行いましたところ、目黒区においても児童数の増加等により、教室数が不足する見込みがあること等から、受け入れが難しいと聞いております。  世田谷区教育委員会といたしましては、目黒区教育委員会とも情報共有しながら、池之上小学校の通学区域にお住まいの皆様が安心して地域の学校へ通学できるよう努めてまいります。 ◆高久則男 委員 それから三点目に、工期短縮ということについて一点お聞きしたいんですが、今回の改築スケジュールでは、完成が四年半後の令和五年度末で、令和六年度四月から新校舎での授業開始の予定です。池之上小の児童が四年間にわたって旧北沢小学校の仮校舎として通学することを考えれば、もっともっと工期を短くすることはできないかとのお声もいただいております。  その工期を短縮できる手法に設計施工一括発注方式と言われるものがあります。いわゆるデザインビルド方式とも言われ、設計者と施工者の選定が同時に一度で済み、設計から施工への移行がスムーズにできるという大きなメリットがあります。この手法は、世田谷区でも実際に砧小学校での改築工事にも今使われている手法でございます。  こういった工期短縮の観点から、設計施工一括発注方式の採用、また基本設計、実施設計の時間の短縮することも含めて、総合的に工期短縮の手法を検討すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎秋元 副参事 ただいま委員のほうから設計と工事の工期短縮ということで具体的に提案いただきました。池之上小学校の改築に関しましては、現在、既に設計事業者のプロポーザルを開始しておりまして、今後、事業者が決まり次第、設計に着手しながら、改築の工期を明らかにしてまいりたいというふうに思っております。  一般的に学校施設を改築する際は、基本構想、基本設計、実施設計及び校舎の建築工事から校庭整備を行いまして、委員お話しのように五年程度、五年から六年の期間が必要になってまいります。今回の改築では、池之上小学校の校庭にプレハブなどの仮設校舎を整備する手法でなく、旧北沢小学校を仮校舎として活用することから、一定の工期短縮は図れると思っております。  一方で、学校施設は地域のシンボルとして、卒業生や地域の皆様の愛着や思いが深く、また新たな校舎への期待も大きいものがございます。さらに、災害時の避難所等として活用されることにもなりますので、学校関係者だけではなく、地域の皆様などの御意見も十分に反映した学校施設とすることが必要となってまいります。  委員御指摘のとおり、工期を短縮することは可能かどうかにつきましては、コスト面も考慮に入れて検討するとともに、同時に地域が誇れるような学校となるように取り組んでまいりたいと思っております。 ◆高久則男 委員 よろしくお願いします。  それから、置き勉ということについて一点質問したいんですが、私もこの夏に、代沢一丁目の旧北沢小学校から一番遠いと思われる場所から歩いてみました。自分の足で約二十五分かかりました。大人で二十五分程度、子どもの足では四十分ぐらいかかると思われます。その上、毎日重いランドセルや教材を持って学校に通うのは、低学年生にはかなり負担が重いと思います。  我が会派では、ランドセル問題は子どもの健康を守るために重要な課題であると以前から指摘させていただいておりました。昨年九月の文科省からの通知文にも、教科書やその他の学用品の重さや量についての配慮が必要であるということも示されておりました。  教育委員会では、今回、旧北沢小学校への通学に際しては、学習に支障のない範囲での教材の学校保管、いわゆる置き勉や水筒の持参など、学校運営上の工夫を学校と協議しながら推進をするとのことでありますが、この置き勉の課題をクリアする上でも、教科書等をおさめるロッカーの確保であるとか、紛失、盗難を防ぐための取り組みも必要ではないかと思います。  旧北沢小学校での置き勉を進める上で、今後どのような工夫を考えていくのか見解を伺います。 ◎青木 教育指導課長 文部科学省は、家庭学習で使用する予定のない教材等を学校に置いて帰ることを認めている学校の実例などを紹介し、児童生徒の携行品について必要に応じて適切な配慮を行うよう求めており、教育委員会においても、校長会などを通じて、適宜、児童生徒の携行品への配慮を各学校に促しております。  池之上小学校の校舎移転に伴い通学距離が増加する児童については、発達段階や体力、個別の状況等に応じた対応をすることは、保護者の方々への方向性としてお伝えしているところでございますけれども、今後、学校に置いておく教材等の範囲を丁寧に説明すること、保管場所を工夫することなどについて、学校と連携して検討を進めてまいります。 ◆高久則男 委員 子ども第一ですので、しっかりと安全確保、また子どもの本当にためになる施策というのをしながら、この新校舎が完成するまでしっかり責任を持って取り組んでいっていただければということを要望して、次の質問に移ります。  次は、特別支援教育の推進について何点か伺いたいと思います。  ノーマライゼーションという考え方は、バンク・ミケルセンがデンマークで一九五九年法という法律をつくり、入所施設で暮らす知的障害者の地域での生活をつくろうとしたことから始まります。  ノーマライゼーションは、ハンディキャップを持つ人をノーマルな人にすることではなく、その人たちを丸ごと受け入れ、ノーマルな生活条件を提供すること、すなわち社会のあり方を改めることが必要であると強調しておりました。  最初に、インクルーシブ教育について伺いたいんですが、以前、視察に伺った大阪市では、インクルーシブ教育の考えのもとに、小学校に入学してくる児童の障害の状況に合わせてそれぞれの学校で障害のある児童を受け入れておりました。  障害があるからどこどこの特別支援学校とか、どこの特別支援学級に通うというのではなく、本人が希望すれば地元の学校で地域、家庭が一緒になって協力しながら、インクルーシブ教育を実現しておりました。  障害の有無にかかわらず、誰もが住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続できる社会の実現を、ノーマライゼーションプランでの基本理念に掲げている当区においては、歴史的背景や制度の違いなどもあり、すぐに大阪のようにはいかないかもしれませんが、当区においても、障害のあるなしにかかわらず、多様な学びの場や人的支援体制の充実、また教材確保など、合理的配慮の基礎となる環境整備に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。  最初に、世田谷区でのインクルーシブ教育の認識についてまずお聞きいたします。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 教育委員会では、第二次教育ビジョンの重点事業に特別支援教育を位置づけ、人的支援の大幅な拡充や小中学校への特別支援教室の導入、教職員の専門性の向上などに取り組んでまいりました。  委員のお話しのとおり、インクルーシブ教育の目標は、住みなれた地域の学校で、個に応じた教育を受けることができるとともに、地域の人々に温かく支えられながら、安心して学校生活を送れることだと考えております。しかし、現状においては、より専門的な教育を受けるために地元を離れ、特別支援学校や特別支援学級が設置されている学校に在籍することを選択される方も多数いらっしゃいます。  教育委員会といたしましては、支援が必要な子どもたちが地域の学校で安心して学校生活を送ることができるよう、教育環境の向上に引き続き、一歩一歩着実に取り組んでまいります。 ◆高久則男 委員 それでは、二番目ですか、特別支援学級の地域偏在、地域に偏在していることについて伺いたいんですが、以前、下北沢小学校の知的障害の固定学級に通っていた児童の父兄から、中学生になると、松沢中や世田谷中の知的障害の学級に通学するしかなく、かなりの距離もあり、地元小学校の近くの中学校に知的障害の特別支援学級をつくってほしいという要望をいただいておりました。このような地域偏在は、実は北沢地域ばかりではなく、玉川地域や世田谷地域でも偏在が見られております。例えばこの地図を見ていただきたいんですが、赤い丸は中学校の知的障害の固定学級です。これを見ても、北沢地域、また玉川地域、それから下馬等の世田谷地域には全くないというのがわかるかと思います。  このように、地域偏在があって、この長距離通学は最近子どもたちを狙った犯罪も多発していることを考えれば、最優先に解決する課題であると思っております。特別支援学級に在籍する児童生徒数は年々増加傾向にあります。肢体不自由学級、弱視学級の児童生徒数はほぼ横ばい状態でありますが、知的障害、言語障害、情緒障害の学級の児童生徒数は増加しております。  平成十九年で特別支援学級の在籍者数は約七百名であったものの、小中学校への特別支援教室の導入もあり、令和元年度では二千名を超える児童生徒が今学んでおります。  私も平成十九年度の定例会で特別支援学級の地域偏在を指摘させていただき、整備促進を要請しました。そのときの区の答弁では、障害の種別や通学負担の軽減等のための地域のバランスなども勘案しながら、計画的な学級整備に努めてまいりたいと考えておりますとのことでした。  それでお聞きしたいんですが、平成十九年以降、今まで特別支援学級はどれだけ整備されて、地域偏在が解消されてきたのかお聞きいたします。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 平成十九年度以降の特別支援学級の整備状況ですが、まず固定学級では、知的障害学級を小学校と中学校にそれぞれ一校ずつ整備し、現在は小学校十五校、中学校七校、肢体不自由学級も小中学校それぞれ一校ずつ整備し、現在は小学校二校、中学校一校で運営しております。  続いて、通級指導学級では、言語障害学級を小学校一校に整備し、現在は小学校四校、情緒障害等学級は、小学校十校と中学校五校に整備した後、特別支援教室に移行しましたが、特別支援教室は現在、小学校六十一校、中学校二十八校に導入しております。  特別支援学級の地域偏在でございますが、特別支援教室を導入したことにより、情緒障害等の通級指導学級に関しましては解消したと考えておりますが、その他の障害種別の学級につきましては、依然、地域偏在の課題があると認識しております。 ◆高久則男 委員 情緒障害等の特別支援教室の整備は大きく進んできたことは評価させていただきますが、知的障害等の固定学級はまだまだ解消されていないのが現実だと思います。  最近でも、他会派からの同様の質問があって、そのとき、区の答弁では、今後も御要望や各障害種別の児童生徒の増加傾向を踏まえ、必要となる教室を見きわめ、地域偏在の課題も視野に入れながら、学校の理解と協力のもと整備を進める必要があると認識していると。現在の第二期計画を策定しておりますが、その中で計画的な整備を進めてまいりたいとの答弁でありました。  きょうのやりとりの中では、当区では、地域の学校で安心して学校生活を送ることができるよう、インクルーシブ教育を進めていく。また、特別支援学級に地域偏在の課題があることも認識しているとのことです。しかし、平成三十年度からの特別支援教育推進計画第二期計画の中では、特別支援学級の地域偏在の課題について具体的な年次計画は示されておりませんでした。いつ具体的に示すのか。  例えば環状七号線の内側の小中学校では、児童生徒数も比較的少なく、特別支援学級の教室の確保も可能なところもあると思います。地域偏在を解消すべく、特別支援学級の目標数を定めて、整備にしっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、教育長、いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 地域の学校で支援を必要とする子どもたちの能力や可能性を最大限伸長する教育を受けることができ、障害のある子どもたちと障害のない子どもたちがともに学び合うことができる教育環境の整備は、インクルーシブ教育の実現への第一歩であると考えております。  今後の施設整備計画につきましては、全区的な地域バランスに配慮しつつ、障害種別ごとの児童生徒数の学校規模なども考慮しながら検討を進めてまいります。  委員御指摘のとおり、中学校の知的障害特別支援学級につきましては、玉川地域や北沢地域など、配置状況の偏りや地形的に通学の負担があることも認識しておりますので、特別支援学級の地域偏在の解消に向けて既存の学校施設の活用などについても、引き続き検討を進めてまいります。 ◆高久則男 委員 インクルーシブ教育の実現を目指す上でも、この地域偏在というのは大きな課題であると思いますので、しっかり解消に向けて計画的に、特にこの三地域、進めていただきたいということを要望させていただきます。  それから三点目に、特別支援学級等でのタブレット端末の整備について一点だけ質問させていただきたいんですが、現在、世田谷区では、平成二十年三月策定の教育情報化推進計画により、特別支援学級の全学級へのパソコン及び周辺機器、大型提示装置の整備に取り組むとともに、タブレット型情報端末モデル事業の実施等に取り組んでおります。  ICTを活用した授業は、視覚的な支援を行いやすいなど、障害のある児童生徒の理解促進に大きな効果があると考えられております。また、タブレット型端末には、拡大、縮小する機能や、文字の音読機能など、さまざまな便利な機能があり、障害のある児童生徒は、これらの機能をそれぞれの障害の状況に応じて活用できるようになることは、学力向上のみならず、生活上の困難の克服にもつながっていくものと期待しております。  現在、世田谷区でもモデル事業の実施状況に踏まえ、ICTの活用に関する教員の知識、技能のさらなる向上に努めるとともに、タブレット端末の整備を進めるとしていますが、現在のタブレット端末のモデル実施の検証における課題について伺いたいと思います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 タブレット情報端末には、見ることの困難さをサポートする拡大機能や、読むことの困難さをサポートする音声読み上げ機能など、障害のある子どもたちにとって有用な機能が数多く備えられていることから、現在、区立小中学校七校の特別支援学級においてタブレット情報端末モデル事業を実施し、知的障害、肢体不自由、弱視、難聴、発達障害といった障害種別を対象に、障害特性や発達段階に応じた指導方法について研究をしております。  モデル事業を通じて、教員のICT活用に関する知識や意識の違いにより、タブレット情報端末の活用頻度に差があることや、子どもたちの障害種別や特性により操作方法の習得に時間がかかる場合があることなどの課題も明らかになっております。教員の研修や障害特性などに応じたタブレット情報端末の効果的な活用方法などについて、さらに研究を重ねてまいります。  また、今後のタブレット情報端末の活用に向けては、ハード面や通信上の課題などもあり、関係所管と連携して導入に向けて取り組んでおります。 ◆高久則男 委員 世田谷区の特別支援教育推進計画では、二〇二一年においても、タブレット端末を活用した指導の充実の計画という段階です。できるところからしっかりとタブレット端末の導入を進めることをお願い申し上げて、最後の質問に移ります。  最後、平和教育ということについて何点か触れたいと思います。  戦争のない平和な社会は人類共通の願いであり、戦争の悲惨さ、戦争の歴史を未来の子どもたちに伝えていくことは、不戦の世紀を構築していく上で極めて重要なことと考えます。その意味から、子どもたちが平和教育を学ぶことは極めて重要と考えております。  一点、それではお聞きしたいんですが、現在、世田谷区内の中学校では、修学旅行で広島の平和記念資料館を見学している中学校が三校あると聞いております。私はこの修学旅行を通して広島の平和記念資料館を訪問するのは、平和教育の上でも極めて有効であると思っておりますが、区の見解を伺います。 ◎板澤 副参事 修学旅行につきましては、日常の各教科等の指導に関連をさせながら生徒が見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活のあり方や公衆道徳などについての体験を積むことを目的として、各学校が教育課程に位置づけて実施しているものでございます。こういった目的も踏まえまして、平和教育の一環として、広島を訪問地として選び、原爆資料館を訪れる学校もございます。  教育委員会といたしましては、修学旅行等の訪問先などにつきまして、一覧にまとめながら、校長会等を通して情報提供するなどいたしまして、各学校の訪問先の検討や内容の充実等の参考となるよう支援してまいります。 ◆高久則男 委員 ちょっと時間がなくなりましたので、最後に、平和教育の必要性について、教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎渡部 教育長 今、委員お話しのとおり、区の平和資料館の活用を初め、国際理解教育や持続可能な社会を目指す取り組みであるSDGsの取り組みは重要なことであると考えております。  教育委員会といたしましても、今後ともこうした取り組みを大切にし、積極的に進めてまいります。 ◆高久則男 委員 時間となりましたので、公明党から前半の質問を終わりとさせていただきます。  ありがとうございました。 ○石川ナオミ 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、公明党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午後二時二十四分休憩    ──────────────────     午後二時五十五分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党の後半の質問を続けたいと思います。  先ほどうちの高久委員からタブレット端末のことを質疑させてもらいましたけれども、僕はずっと取り上げていたのはマルチメディアデイジー教科書なんですが、これは前期も何回か質問しましたけれども、読むことに困難のある児童生徒に必要な教科書になるということなわけです。ことし、先月の九月二十日にマルチメディアデイジー教科書の体験と紹介という会を開いたと。参加者の意見と感想がこのようにありましたよということをお聞きしたんですけれども、軽度から重度までのさまざまな学習障害の子どもに対応できるツールであると感じましたと。読みが苦手な息子なので、授業に入る前にあらかじめ聞いておけるのがよいと思いましたとか、小学校のPTAの会議とか、そういった集まる場で説明会を開いて、より多くの人に知ってもらって認知されてほしいというような声がありましたよというような話をしていました。  三月のときのこの文教委員会の質疑で、青木さんから答弁いただいたときは、活用については有効であるとの方向性は見出していますので、来年度使用ということも見据えて行ってまいりたいという力強い答弁をいただいたんですけれども、聞くところによると、まだ導入ができていないというお話を聞いたんですけれども、まずこれをどうなっているのかということを一点お聞きしたい。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 教科書の記載内容をデジタル化したマルチメディアデイジー教科書は、文字や図を大きく提示したり、文章を読み上げたりする機能があることから、読み書きに困難がある子どもなどへの支援に有効であると認識しております。  教育委員会では、デイジー教科書の導入に向けて、セキュリティーの確保などのハード面とデイジー教科書を使用した指導方法やクラスメートなどへの説明方法などのソフト面と、それぞれについて検証を進めております。引き続き、デイジー教科書を供給しております日本障害者リハビリテーション協会や関係団体と協力し、検討を進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 検討を進めてまいりますというか、しっかり早期の導入をお願いしたいと思います。  次に、先ほど自民党の河野委員も言っていましたけれども、不登校について、特にほっとスクールについて質問したいと思うんですけれども、先日、ほっとスクール希望丘に会派で行ってまいりました。我が党は、長年この第三のほっとスクールということをずっと求めてきていましたけれども、今回は、先ほどもお話がありましたけれども、三十年以上にわたってフリースクールを運営してきた東京シューレというところに運営を委託する、区内では初めての公設民営型だと。学校復帰にこだわらないんだということを言われていますけれども、世田谷区の教育支援センターとして第三番目のほっとスクールが開設をした。  お話を聞いてきたんですけれども、子どもは安心して過ごせる環境にいると、次第にやりたいことが言葉や行動に出てきますと。スタッフはそれがどうしたら実現できるかを子どもと一緒に考えていますというふうに、その施設長は話をされていました。そこに来られる子は、親も子どもも、もう終わってしまったな、今までの人生がもう終わってしまったという思いで来られる。そこに、親が非常に不安になっている。親の不安がそのまま子どもの心を苦しめているという状況はそこには生まれていますというような話をしていました。  そこでどのようなことを展開されているか。毎日のカリキュラムとかも教えてもらいましたけれども、非常に明るくなってきている、元気になってきている、希望を持つようになってきている、やっぱりこのほっとスクールというのは非常に重要なんだなということを改めて実感してきましたけれども、今まで城山とか、尾山台でやってきましたよね。また違った第三のほっとスクールとしてスタートしたわけですけれども、この希望丘は登録者数も伸びていて、親からの相談も非常に多いというふうに聞くんですよ。  教育委員会は、公設民営のこのほっとスクールをどのように評価しているのか、まずお聞きしたいと思います。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 ほっとスクール希望丘は、本年二月の開設以降、予想を上回る見学、利用相談の申し込みをいただいております。九月末現在で、相談や施設見学に百五十三組が訪れ、通室生は二十四名で、体験での通室を含めますと百一名となっております。ほっとスクールの増設という面では、主に砧、烏山地域の多くのニーズに応えることができたと考えております。  受託事業者に対する評価としましては、安心して過ごすことができる居場所づくりや参加型体験活動の実施など、受託事業者がフリースクール運営で培ったノウハウを生かし、おおむね安定した運営が行われていると認識しております。  一方、委託開始から一年も経過していないため、今後は、退室後の進路など、子ども一人一人の社会的自立に向けた支援などについても検証してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 今のこの三つのほっとスクールの状況を教えてもらったんですけれども、この希望丘は今百一名でしたっけ、今月であと二名ふえているから約三名だと言っていましたけれども、城山は三十三名で、尾山台は今十三名ですか。極端に差が開いているんだけれども、毎日正式に通っている子どもと体験的に通っている子と、大体四十名ぐらいが毎日通ってこられているというふうにお聞きしたんです。
     不登校という問題が、これもお聞きしてびっくりしたんですけれども、平成二十八年度では五百五十八名だったのが、平成二十九年で六百四十六名で、平成三十年度になると八百二十五名の調査というのが出ていると。先ほど河野委員も言っていたように急増しているという状況はそのとおりなんだろうと思う。  やっぱり八百人以上の不登校の家庭がある、八百とおりの苦しみがそこにはあるわけですよ。何とか希望を求めてという思いで来られる。相談に来られる方が非常に多いという状況になってきているわけですけれども、利用人数がふえて、やっぱりキャパの問題もあるわけだし、これだけ百何名も一遍に来るわけには行かないわけだよ。あふれてしまうということが非常に危惧されているわけですけれども、今後の対応を教育委員会はどう考えていますか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 ほっとスクール希望丘の一日の通室生、つまり実際に施設を利用している児童生徒の数ですが、この間おおむね三十五名から四十五名の間で推移しております。希望丘は、三十五名程度としている定員で常に上回っておる状態で、九月末現在で新規利用申し込みへの対応が既に難しい状況となっているところです。  希望丘の新規利用申し込みへの当面の対応としましては、既存の城山、尾山台を紹介し、利用の検討を保護者にお願いすることとしております。あわせて、不登校児童生徒とその家庭が一人で悩むことがないよう、不登校保護者のつどいなどを御案内してまいります。  この数年、不登校児童生徒は増加傾向にあります。教育委員会としては、当面は運営の工夫による受け入れ人数の見直しなどの検討を進めつつ、中長期的にはほっとスクールの増設など、不登校児童生徒の多様な居場所や学び場の確保について検討してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 今言われるように、少し増設などを検討するしかないんだろうと思う。若林に今度移転をするわけだから、その機を逃さず、きちっと増設できるような状況をつくるしかないと思うし、民営化したというか、民間にお願いしているこの手法も、やはり非常に意味があったんだろうと思うのね。だから、そういったところも含めてよく、今の不登校児、また生徒たちが何とか立ち上がれるような状況はいろんなメニューをつくっていく以外ないと思うんですよ。もう次は第四のほっとスクールになってくるのかもしれないけれども、つくればいいということではないかもしれないけれども、その運営の方法とか、やり方とか、そういったこともよく研究してもらって、それだけのニーズがあったということなんだって僕は思いますよ。今までとは違ったというのが、ここには非常に大きな意味合いがあったんだろうと思いますよ。だから、よく研究してもらいたいし、よく進めてもらいたい。  この三カ所のほっとスクール、さっきお話ししましたけれども、大体ほっとスクールに登録しているのは百五十人、だけど、八百人を超えている不登校の調査というのがある。ということは、大体七百人以上の方々がそこにも通えていないという状況があるわけですよ。そこにはどういう手だてをしていくのかというあらゆるメニューが必要になってくると思うんだけれども、通えていない不登校の児童生徒への対応、これをどういうふうに考えているのか、答弁願えますか。 ◎工藤 教育相談・特別支援教育課長 不登校の児童生徒の状況はさまざまで、子どもによっては一定期間の休養が必要となる時期もあります。ほっとスクールの利用が必ずしも必要な支援とならない場合もあります。このような児童生徒への対応については、在籍する学校が中心となって、スクールカウンセラーや教育相談室、福祉領域も含めた学校内外の資源と連携し、組織的かつ継続的に寄り添い、指導や支援を行っていくことを基本としております。  また、不登校保護者のつどいは、ほっとスクールを利用していない子どもの保護者の方にも参加していただいており、悩みを共有したり、情報交換を行う場として活用していただいております。  児童生徒にとって適切な選択を保護者や本人と考え、その時々の子どもの状況に合った適切なアセスメントを行い、ほっとスクールの利用などの選択肢を提示しながら、必要な支援へとつなげる必要があると考えております。  不登校の児童生徒とその家庭が、学校を初めとして、ほっとスクールや教育相談などの相談支援事業につながり、適時適切な指導、支援を受けることができるよう、引き続き学校内外の教育相談体制の充実に努めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 今お話ししたとおり、非常に増加しているという状況は、緊急対策だというような思いで対応してもらわないといけないと思います。しっかり取り組みをお願いしたいと思います。  次に、小中学生の海外への派遣についてお聞きしたいと思います。  ことしの八月二十二日から二十九日まで、フィンランドへ小中学生十二名が海外の教育交流ということで行ってこられたとお聞きしました。我々も議連で前期、多くの議員と一緒にフィンランドへ行ってきました。教育現場ってびっくりするぐらい非常にいい教育でした。学校も非常に明るくて、非常にいい教育をやっているなという、ここまで日本とフィンランドって、こんなに離れると、やっぱりこんなに違うのかなという状況も感じましたけれども、フィンランドとの交流が第一回目として始まったわけですけれども、まず、今回フィンランドへ児童生徒を派遣したその状況を教えてもらえますか。 ◎板澤 副参事 今年度新たに実施をいたしました児童生徒のフィンランド派遣につきましては、委員がお話しになりましたように、八月二十二日から二十九日までの日程で、小学五年生を六名、中学二年生の六名の計十二名を派遣したところでございます。  現地では、ホームステイや自然体験等を行いまして、フィンランドの文化や伝統、豊かな自然に直接触れる機会を得るとともに、現地の小中学生との交流や授業体験を通しまして、日本ではできない貴重な体験をすることができたと考えております。  今後、派遣事業報告会等におきましても、成果発表を行うとともに、派遣報告書をまとめまして、各学校等に配付し、成果を共有する予定でございます。 ◆高橋昭彦 委員 今回は十二名だったんですけれども、聞くところによると、申し込みは八百名だったと。これはすごい倍率ですね。大変な狭き門であったという状況だったわけですね。十二名は非常にいい体験をしたけれども、残りの七百九十名は非常に悲しんでいるわけですね。行きたくても行けなかった子どもたちのフォローというのはやっぱりどう考えていくのかって、これは次の課題なんじゃないですかね。これもよく考えてもらいたいんですけれども、現在、姉妹都市交流として三都市に子どもたちが行っていますね。これに加えて、今回四都市目のフィンランドの子どもたちの派遣が始まったということになったわけです。  私たち議連としては、これは非常にありがたい。ようやくできたなという思いでいっぱいですよ。今後も交流先としてのフィンランドを大事にしていくということが必要なんだけれども、来年度以降のフィンランド派遣はどのように考えているのかお聞きしたいと思います。 ◎板澤 副参事 今後の教育交流のあり方につきましては、生活文化部とも連携しながら、改めて整理していくことと予定しておりますが、今回のフィンランド派遣につきましては、子どもたちにとって大変有意義な経験だったと考えております。こういったことを踏まえまして、継続に向けて先方とも調整をしながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 まだ決まっていないということですかね。これは続けていくんでしょう。 ◎板澤 副参事 ぜひ継続をしていくというところで考えておりますが、先方の予定もございますので、日程、時期、人数等も調整しながら検討していきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 いい交流になるようにお願いしたいと思うんです。  フィンランドへ行ったところ、私たちも行ったところは、クオッパヌンミ小中一貫校だったんですね。これは教育長も、海外教育視察フィンランド報告書というのをいただいたわけですけれども、ここにも報告の中にも載っていらっしゃる。だから、僕らも行ったところに教育長も行かれているんですけれども、この学校との交流が世田谷とできたということは、非常に僕は意義があるなと思っているんですけれども、教育長は、行かれて、この学校を見られて、フィンランドという国を見られて、世田谷と交流をするようになったという意義と、これからの子どもたちがここへ何人も行くようになっていくということへの期待、どんなふうに思われているのか、語ってもらえますか。 ◎渡部 教育長 私は、平成二十七年度に尾山台小学校の校長だったときにフィンランドを訪問いたしました。広い国土の中で人口が少ないという日本とは違う環境ではございますが、児童生徒一人一人に応じた教育が徹底されておりました。また、すぐそばにある森の中で、その自然の中で遊んだり学んだりというのが、遊びと学びが一体化されておりました。また、アートを一%建物の中には入れるというふうに決まっておりますので、学校の中がとても明るい雰囲気でございました。こういう子どもたちの様子を見て、ぜひ世田谷の子どもたちの教育にも取り入れてまいりたいというふうに考えました。  今年度、フィンランドへ派遣した子どもたちの感想を聞きますと、もう言葉の壁を超えて心でつながるとてもいい経験をすることができた、ぜひこのことをいろんな人たちに伝えたいといった感想が聞かれておりました。子どもたちが海外の文化や伝統に直接触れ、現地の方と交流することは、国際理解を深め、多様性を尊重する態度を補うという点で大きな意義を持つと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 そうなんだ。アートを建物の中に必ず入れなきゃいけないという、そこが明るさみたいなものが生まれてくる。国としての方針なんですかね。非常に文化にもすぐれ、そしてまた教育の非常に高度な状況があって、僕はほっとスクール希望丘へ行って、部屋とかを見たら、フィンランドの教室とよく似ているなという感じがしたんですよ。やっぱり子どもの興味を引き出す。子どもたちのやる気を引き出すという部分のやっぱり同じようなことをやられているなということを実感したんです。  世田谷の教育にも大きく生かしていけるだろうと思うし、一緒に行く教員なんかも非常に勉強になるんじゃないかなというふうに思います。しっかり充実させていただきたいと思うんです。  フィンランド、それから、次はポートランドですけれども、この間お聞きしたら、来年の九月に中学二年生をアメリカ合衆国ポートランド市に派遣をするということが決まり、そして今、派遣生徒の募集を始めましたというふうに教えてもらいましたけれども、申し込みの期限が十一月一日までなんですか。また多くの子どもたちが手を挙げて、行ける人は何人なんですか。二十名ですか。どういうふうに決めていくのかというのは非常に難しい状況になってくるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、ポートランド市へ今回初めて来年、行くわけですけれども、この中学生の派遣に向けての準備状況を教えてもらえますか。 ◎板澤 副参事 委員がおっしゃいますように、来年度の中学生の派遣に向けまして、今年度、九月七日から九月十三日の日程で校長等によるポートランド市への実地調査を行いまして、訪問予定施設や現地の安全性を直接確認するとともに、関係者と交流内容、あるいは訪問時の説明事項などについて打ち合わせを行ってまいりました。  現地では、ホームステイの受け入れなど、世田谷区の中学生の訪問に対しまして十分な体制を準備いただけることでありますとか、現地の生徒と意見交流や施設の訪問等を通じまして、さまざまな学びにつなげることができるということを確認してまいりました。  現在、これも委員おっしゃいましたが、ポートランド市への派遣に向けまして、参加者の募集を進めておりまして、引き続き現地との具体的な調整を進め、中学生の派遣が充実したものとなるよう準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 先ほど言ったフィンランドは、相互交流というのがまだ完成されていないわけですね。向こうから来るということがない。だけれども、ポートランドは向こうからも世田谷へという状況ができそうだという話をちょっとお聞きしたんですが、どうなんですか。 ◎板澤 副参事 今回の実地調査を通しまして、ポートランド市の学校の関係者からは、日本語を学ぶ生徒を世田谷区へ派遣することを前向きに検討していると聞いております。そんな中で、令和三年度にポートランド市の中学生が世田谷区を訪問する想定で現在準備を進めておりまして、今後、連絡調整を密にしながら、双方向の交流として充実するように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 そうなると、相互交流が生まれてくる。そうすると、いよいよ姉妹都市の提携に持っていけるんじゃないかなという気がするんですけれども、そこら辺はどう考えていますか。 ◎板澤 副参事 今回のこのポートランド市との教育交流につきましては、現時点では姉妹都市としての交流を前提としたものではございませんが、教育委員会といたしまして、まずは子どもたちの国際交流を目的に実施した単独の交流事業と考えております。なお、今後のポートランド市との交流の広がりの可能性につきましては、生活文化部を中心に庁内で検討されるものと認識しております。 ◆高橋昭彦 委員 海外との子どもたちの交流から始まって、世田谷区と姉妹都市が始まるという状況がずっと生まれているわけです。三都市に加えて、フィンランド、ポートランドと、こういう実績を積まれてきた。残るは台湾ですかね。今はいなくなってしまった諸星さんがずっとこだわっていたんですね。中村公太朗もずっと思っているけれどもね。(「まだいますよ」と呼ぶ者あり)いたね。こだわっているわけですよ。この間、教育長さんが言っていましたね。計画をしますというふうに言っていたけれども、やっぱり三都市だったものを六都市に広げるということは大いに意義あると思いますよ。やっぱり世田谷の公立は、世田谷の小中学校はこうやって六都市ときちっとやれているんですよというのは、もう世田谷の公教育のやっぱりシンボルにもなっていくんだろうと思う。そういう意味で、これはもうしっかり結実してもらいたいと思うんですけれども、もう一回決意を聞きますかね。台湾・高雄市、教育長、どうですか。 ◎池田 教育政策部長 きょう出番が少ないので。台湾との交流に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 手を挙げた割には短いですね。  教育長、しっかりやりましょうよ。教育長時代に三都市ふやそう、六都市にしよう。しっかり進めてもらいたいと思います。いい教育を、そしていい経験を子どもたちに提供できる世田谷区の教育として進めてもらいたいと思います。  以上で公明党は終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆いそだ久美子 委員 世田谷立憲民主党社民党会派の質問を始めます。  続きますが、私からも国際化教育の現状とアジア地域などへの展開についてお聞きします。  中高六年間みっちり英語を学んで、受験用英語はできてもなかなか会話力はつかなかった。多民族国家でもないので、外国人に対して壁をつくってしまうのが日本人の特徴とも言われます。そのために、早くから英語を学ばせて、海外体験をさせたいという保護者もふえてきました。  四半世紀前になりますが、私たちの時代は、大学生になって初めて夏休みに海外の語学学校やホームステイを体験して、それもちょっとぜいたくという感覚でしたが、世田谷区のプログラムでは、小中学生を海外派遣していると知って、大変驚きました。我が子も区立小に通っていましたが、周囲で世田谷区のプランでの海外派遣に行った子はいなかったからです。  現在、世田谷区には、区立のみで小学生は三万七千人、中学生は約一万人いるということですが、これらの小中学生の派遣人数、派遣先、日数と現地で行っているプログラムを教えてください。 ◎板澤 副参事 現在、海外派遣事業では、カナダ、フィンランド、オーストリア、オーストラリアの四カ国に派遣を行っております。派遣人数は、カナダが隔年で中学生二十名、フィンランドが小中学生十二名、オーストリアが小学生十六名、オーストラリアが小学生十六名と隔年で中学生二十名となっております。  派遣日数は、カナダが十六日間、フィンランドとオーストリアが八日間、オーストラリアが九日間でございます。  プログラムにつきましては、現地の文化や伝統、自然に直接触れるとともに、現地の小中学生との交流や授業体験、ホームステイなどを行っております。 ◆いそだ久美子 委員 行き先は多岐にわたり、また遠方ということもあって、日数も八から十六日としっかりとっていらっしゃると思いますが、ちなみにこれは夏休み期間内の実施でしょうか。同行者は学校の先生のみでしょうか、またはコーディネーターとして専門に人を雇うのでしょうか。児童生徒の個人負担はどれぐらいでしょうか。お伺いします。 ◎板澤 副参事 派遣時期につきましては、年度によって若干変更はございますが、おおむねフィンランドにつきましては八月の夏休み中、カナダが九月、オーストリア、オーストラリアが十月となっております。  引率者は、いずれの派遣におきましても、管理職一名と教員二名、区職員一名の四名でございます。  利用者の負担につきましては、現地の動物園での写真撮影代や水の代金など、本人負担としていただくべき経費で一人当たり五、六千円程度となっております。 ◆いそだ久美子 委員 充実したプログラムとお見受けします。ただ、やはり他会派からも御指摘がありましたとおり、全体の人数に比べてほんの一握りの子しかチャンスがない。抽せんに当たったら行ける海外旅行のようだなとも感じます。  そして今、世田谷区の姉妹都市は全て欧米だということが気になりました。世田谷区に在住している外国人は、中国籍の方二七%、韓国は二〇%、米国八%、台湾五%で、アジア系が多いことや、産業の拠点や労働力として将来頼る先もアジア圏との交流が重要であることを考えても、欧米とアジアと両面に触れる教育こそが、バランスのとれた国際化教育ではないかと思います。  参考に、東京都で取りまとめました平成三十年度東京都区市町村の国際政策の状況を見てみました。他の特別区の友好都市、姉妹都市を見ますと、欧米のみというところが世田谷ほか、文京、中央、品川、江戸川など九区、欧米、アジア両方あるというところが杉並、大田、葛飾、練馬など七区、アジアだけというところが目黒、中野、荒川、墨田の六区、千代田区は回答がないので、全部足すと二十二しかならないんですが、十三区がアジア諸国との友好都市、姉妹都市を結んでいます。  大きな要因の一つとして、東京都は北京市と友好都市なので、区が北京市の区とそれぞれ友好都市を結んでいることが挙げられますが、この状況を見ていかがでしょうか。世田谷区は今後、アジア地域との連携を深め、児童生徒たちもそのような教育をすべきではないでしょうか。 ◎板澤 副参事 現在、東京二〇二〇大会に向けまして、各学校では、オリンピック・パラリンピックへの参加予定国の中からそれぞれ九カ国について学習する取り組みを進めております。その中には、当然アジア地域の国々も含まれてございます。  また、社会がグローバル化する中、子どもたちが外国への理解を深め、国際社会の一員として持続可能な社会のあり方など、さまざまな問題に関心を持つことは重要であると考えております。  今後の海外との教育交流のあり方につきましては、生活文化部とも連携して、年度内を目途に検討を進めていくことを予定しておりまして、子どもたちにとってより充実した国際交流事業となるよう取り組んでまいります。 ◆いそだ久美子 委員 御答弁ありがとうございます。その意味では、東京二〇二〇を単にスポーツの祭典というだけではなくて、国際化教育のよい機会となるということで、アジア地域についても学習の機会がふえる、そういう意味では安心いたしました。ぜひよろしくお願いいたします。  別の角度から質問します。他の区市の報告を見ますと、ほかが海外派遣するのはほとんど中学生以上です。小学生が出てくるのは、渋谷区が小中学生をフィンランドに派遣したのと、杉並区が小中学生をラグビー交流としてオーストラリアに派遣した例、世田谷区は小学生、中学生、両方実施していますが、小学生の海外派遣の効果はどうでしょうか、お聞きいたします。 ◎板澤 副参事 小学生、中学生ともに、日本とは全く異なる環境の中で、現地でのホームステイや学校訪問等を通じまして、言語や生活、歴史、文化の違いを直接実感し、多様な価値観を学ぶ貴重な機会となっていると考えております。参加した小学生からは、どんなことにもチャレンジすることの大切さ、お互いの思いを伝え合うことのできるうれしさを学びましたや、言葉や文化を超えたすばらしいおもてなしを受けたので、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのときには、世界中から来る方をおもてなししたいなどとの感想が聞かれています。  教育委員会といたしましても、この小学生の派遣、中学生の派遣はそれぞれ有意義なものと捉えており、今後とも充実した派遣となるよう取り組んでまいります。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。小学生の素直な感想を聞きますと、ある程度大人になると海外体験の目的は、まず、いかに自分の英語が通じるかになってしまって、本来、心の触れ合いとか、そういうものを大切にしなくなってしまうのかなとちょっと反省いたします。  世田谷区の小学生派遣の話で思い出したのが、いきなりここで歴史の話になりますが、明治四年、岩倉使節団として米国に派遣された日本初の女子留学生五人、このうち最年少六歳で渡米した津田梅子さんのことです。六歳の女の子を留学させるとは当時の政府は何を考えていたのかと、今だったらとても無理だろうなと現代の私は感じますが、結果的には、同時に派遣された年上の女の子たちと比べても抜きん出た成果を出して、女子教育の先駆者となったことは周知のとおりです。  小中学生のうち、海外体験が後の人生にどう影響するのか、これは御提案ですが、プログラムに参加した元小中学生たちに聞き取り調査をしたり、同窓会などを企画して意見交換をするのもおもしろいですし、区にとっても今後の参考になるのではないかと思います。  繰り返しになりますが、区が行う事業であれば、より多くの児童生徒にチャンスがあるプログラムが望ましい。また、アジア諸国との交流は、欧米と同等に、いや、区内に在住者が多いということを考えれば、それ以上に重要です。区内の小中学生の国際交流がより充実したものになりますように、工夫を重ねていっていただきたいと思います。この項の質問を終わります。  次に、区立小中学校の教員に係る事務の負担と軽減策についてお伺いします。  本件総括でも我が会派から質問をさせていただきましたし、他会派からも多く取り上げております。それだけ重要な論点と受けとめております。  二〇一七年まで私も保護者として地元小学校にかかわっておりました。私たちの小学校時代と比べると、学校の配付資料がふえています。遠足や校外学習をすればその様子が逐次学校のホームページにアップされ、IT化で便利になった反面、教員の方々の事務負担もふえているんだろうということが推察されます。  二〇一四年、OECDが三十四カ国の中学校教員に行った調査では、中学校の先生の労働時間は日本がトップで週五十三・九時間、しかし、授業に使った時間は各国の平均を下回っていたということで、恐らく部活指導や事務作業に使う時間が多いのだろうと想像できます。  ほかの人ができる事務作業はほかに任せて、教員は本務である生徒に向き合うことに時間を使えないかと思いますが、今区では教員の業務内容、教職以外の負担となる業務内容について把握されていますでしょうか。具体例を含め教えてください。 ◎青木 教育指導課長 昨年度、文部科学省から学校における働き方改革について、勤務時間の管理や学校や教員が担う業務の明確化、適正化などが示され、教育委員会といたしましても、教員が児童生徒へ直接指導にかかわる時間の確保に取り組むことが重要であると認識しております。  これまで教員の働き方の調査や、校長会との連携により、教員の事務的な業務とは授業で使用するプリント等の印刷や教材となる物品の準備、各種名簿の作成、家庭への通知や会議資料等の印刷、仕訳、教材費等の徴収、管理などにあると把握しております。  また、委員おっしゃるとおり、最近では、学校のホームページの充実も求められ、内容を頻繁に更新するなどの作業も新たに加わるなど、教員にかかる負担が大きくなっている現状がございます。 ◆いそだ久美子 委員 御説明ありがとうございます。また、その負担軽減策については現在何か対策を立てておられますでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 これまで世田谷区第二次教育ビジョン第二期行動計画で、教員が子どもとかかわる時間の拡充を掲げ、教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、指導力向上に取り組んでまいりました。  これまで教員一人一人にパソコンを配置し、校務支援ソフトを導入して、成績処理や諸帳簿等の作成などを効率的に行えるようにするとともに、決裁文書の電子化を進めてまいりました。  また、教育費の公会計化を図るなど、教員の事務的な業務の負担軽減に向けた取り組みを実施しております。 ◆いそだ久美子 委員 例えば民間、一般企業の場合は、営業部門でも、開発部門でも、グループに一人は事務を専門に行うスタッフが配置されています。民間企業出身の方も多いので、想像できると思いますが、グループセクレタリーやオフィスクラーク、アシスタントなどと言われますが、そのような専門スタッフを学校内にも導入すれば、教員が本務である授業や生徒に接する業務により集中できると考えます。  区立小中学校にそのような人員配置をする予定はございますか、質問いたします。 ◎青木 教育指導課長 委員お話しのとおり、教員の事務的な業務が軽減されてくれば、本来の業務であり、大切な授業を充実させる教材研究や、児童生徒に接して指導をする時間の確保につながってくると考えております。  現在、東京都のスクール・サポート・スタッフ配置支援事業を活用して、教員の事務的な業務を代行するスタッフを区内小学校、中学校十二校に配置しております。 ◆いそだ久美子 委員 そのような取り組みがあることに安心し、期待も持てますが、十二校に一人ずつではとても足りないと思います。また、スタッフの採用は各校で行うということですが、採用状況及び活用状況はいかがでしょうか。また、人員拡充の予定はありますでしょうか。質問いたします。 ◎青木 教育指導課長 区内小中学校におけるスクール・サポート・スタッフの採用については、各校が地域の方などから人材を探し、業務遂行に適した方を採用しておりますが、なかなか確保が難しいという状況もございます。  現在、スクール・サポート・スタッフを配置している学校からは、資料の印刷、仕分けを任せ、教員が放課後に生徒の相談に対応する時間がふえた、また、行事への招待状の発送や、出欠返信の集計等を任せ、教材研究の時間に回せるようになったなどの活用の効果が報告されております。  こうした現状を踏まえまして、教育委員会といたしましては、スクール・サポート・スタッフの人材確保や任用の支援、業務内容と効果的な活用方法についての情報共有を行い、配置校における支援が充実するよう取り組んでまいります。  また、来年度に向けて、東京都に対して増員を要請するとともに、東京都と協議しながら、人員拡充に向けた検討を行ってまいります。 ◆いそだ久美子 委員 御説明ありがとうございます。人選についてですが、学校に出入りする人ですから、ぜひ重要ですので、各校の目で選んでいただくこと、派遣会社に任せることなく、学校に合った人を選んでいただきたいと思います。  そこで御提案ですが、ちょっと分野をまたがるお話ですが、この採用について、小学校の保護者のOB、OGの方にもお声をかけてはいかがでしょうか。例えばですが、定年後の男性で、都心の会社にもう第二就職するつもりはないと、都心に通うのも、バスも混んでいるし、大変だということで、地元で地域に役立つ仕事をしたいという方もおられますし、女性で子育てのために一度仕事をやめても、子どもが手を離れたら、再び働きたいというニーズが意識調査からも読み取れ、私はこのことを一般質問の中でも指摘しております。  地元の学校で働けるならプライベートや家庭との両立もでき、御自身のスキルも生かせると興味を持つ区民の方も多いと思います。区内の人材活用という意味でも、今回の東京のスクール・サポート・スタッフをよく研究して、世田谷区版のスクールサポート体制を確立し、教員の方々が教職に集中できる環境をつくっていただけますよう要望いたしまして、私の質問を終わり、次の質問者にかわります。  ありがとうございました。 ◆中山みずほ 委員 質問を始めます。  私からも、池之上小学校の通学路の変更について伺いたいと思います。  九月九日、台風が過ぎ去ったあの暑い日に、現在の通学路と新規でできた通学路、実際に私も歩いてみました。高久委員と同様、一番遠い代沢一丁目から、小学校一年生の女の子と一緒に歩いてみました。余りの暑さに途中で、コンビニに駆け込むような状態でした。暑さ対策については、池之上小を休憩場所にすると御答弁ありましたけれども、開放する。  また、商店街などにも協力を求めるということを伺っておりますが、本当にこれは、大切なことだと実感しております。途中で涼がとれる場所、これは本当に大事だと思いました。
     また、九月二十八日に行われた説明会にも参加させていただきましたが、保護者の方々の質問が本当にたくさんあって、予定時間を大幅に超えるような状況でした。私は全てメモをとりました。全部で七十問近い質問があったかと思いますが、その場ですぐに回答できるものもあったと思いますが、検討するとか、調整すると回答したものは、いつどこで回答がなされるのでしょうか。 ◎秋元 副参事 池之上小学校の保護者への情報提供につきましては、各御家庭でいろいろな準備をされる上で大切な課題であろうというふうに思っております。このため、今後必要な情報につきましては、適宜学校などを通じて提供してまいりますが、現在、教育委員会と池之上小学校のホームページから、今回のさまざまな情報をごらんいただけるような仕組みを準備しております。今月中には立ち上げまして、順次情報提供してまいります。 ◆中山みずほ 委員 また、未就学児の保護者も参加されていたかと思うんですけれども、この説明会で初めて情報を得て、これまでの経過についてキャッチアップしていくための資料が欲しいという御要望がありましたが、その対応はどうされましたでしょうか。 ◎秋元 副参事 今回の説明会では、未就学児の保護者の皆様にも情報を提供する必要があるということから、就学時の健康診断の御案内に合わせて説明会の御案内もさせていただきました。また、近隣の公立、私立の幼稚園や保育園においても保護者の皆様に御案内を配付させていただきました。  未就学児の保護者の皆様からも適切な情報の提供をということを御要望いただいておりますので、先ほど御答弁したホームページの開設などの情報をさまざまな機会にお知らせしてまいります。 ◆中山みずほ 委員 ホームページ、教育委員会のほうで開設されるということで、これがスタンドアローン状態、要するに、立ち上げたけれども、誰も見ないという状態にならないようにしていただけたらと思います。周知をしっかりとしてください。  次、説明会で配付された通学路の地図にはこどもをまもろう一一〇番の配置が記載されていました。黄色いプレートです。これはPTAの校外委員の方などが御協力のもと、何かあったときに子どもが駆け込める目印となるあのプレートなんかが家の前に張ってあるものだと思うんですが、しかし、これは現状で私が見る限り、結構惰性のまま張ってあったり、また留守がちな家でも張ってあったりということで、あくまでも抑止力という意味で張られていることが多々見受けられます。  今回の池之上小の通学路に関しては、提示してくださっている皆様、この掲示したおうちとか、商店の方々に現状をお伝えして、安全な通学路のために具体的に御協力を呼びかける必要性を感じました。PTAの方々、お忙しいと思いますので、ぜひ教育委員会のほうも協力いただいて、この方々のお声がけをお願いしたいと、これは要望したいと思います。  また、学童の子どもたちの帰宅時間はおおよそ十六時から十八時十五分で、十五分ごとに大体下校していく感じなんですけれども、その対策として、見守り誘導員の人数、配置場所、時間が大変重要だと感じました。実際、全てを歩いてみたときに、夜、やっぱり暗くなってきたときのことはとても不安に感じました。現状、どのような対応をお考えかお聞かせください。 ◎桐山 学校健康推進課長 通学路見守り誘導員の配置につきましては、なれない通学路を通うことになる児童のため、学校やPTAなどと配置箇所の検討を進めており、配置時間につきましても、学童クラブの帰宅時間も含め、現在調整しているところでございます。  通学路見守り誘導員の役割は、児童の学校までの誘導や見守り活動となります。そのため、通学路見守り誘導員には、仮校舎までの通学路を含め、子どもたちの登下校の流れなどを配置前に十分説明していく予定でございます。  今後とも、通学路の安全対策の状況を含め、こうした通学路見守り誘導員の配置箇所や時間等が決まりましたら、学校や保護者、地域に丁寧に周知してまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 多くの保護者の方々の話を実際に聞いてみて、私が思ったさまざまな不安の中には、今の情報だけでは意思決定ができないということ、これが不安に含まれていると感じました。  教育委員会の方々、一生懸命頑張っていらっしゃると思うんですけれども、どうしても調整しております、検討しておりますという言葉が多くて、これがやっぱり保護者から見ると実質ゼロ回答なんですよね。できれば、ホームページも立ち上げるということですので、各論、決まったことをどんどん情報を周知していっていただきたいと思います。  次に行きます。次はSDGs自然体験事業学習について伺います。  五月二十八日の文教委員会でこの学習について報告書をいただきました。目的には、SDGsの理念を含め、森林を生かした自然環境教育及び学校エコライフ活動の一環として、自然の中でひらめきや創造を大切にした体験、体感を伴う活動を行うSDGsの自然体験学習推進校を指定し、社会が抱える課題に気づき、探求し、協働し、次世代を生きる力の基盤を育成すると書かれています。内容としては、小学校五校、中学校一校、合計六校を推進校として、埼玉県の秩父市に日帰りで行くという自然体験をするものとあります。  既に実施した小学校の保護者からいただいた声をそのまま紹介いたします。帰りのバスで嘔吐が続出したらしい。うちの子はふだん乗り物酔いをしないけれども、今回はアウトだった。既に往路で吐いている子もいた。次、バスでの往復の時間がかかり、現地では押せ押せだった。実際、現地は三時間ぐらいの滞在で、先生方も焦っていたと子どもは言っている。保護者会で担任の先生から説明を受けたが、先生御自身も余り理解されていなかった。取り組もうとしていることはおもしろいなと思ったけれども、日帰り学習はもったいないと感じた。移動に六時間はどうなのか。先生方も大変そう。専門的な知識のある方に事前事後学習をしてもらえたら有効だと思う。到着地近くの道がでこぼこで、かなりカーブが続く酔いやすいコースだった。吐いた子がたくさんいたおかげで自分が目立たなかった、こんな会話もあったそうです。バスの中でドラえもんの映画を三本も見て、それが酔った原因かもしれない。そんなことを子どもたちから保護者が聞いているんです。  早々に実施した最初の学校だったということもあるんですけれども、保護者の方々から私に十四件届きました。もちろん、いい情報も一部あるんです。気持ちよかったとか、いい自然体験ができたもありますけれども、大方が嘔吐した話ばっかりなんですよ、本当に。これは余りにも事業目的からかけ離れた印象を持ちます。  また、保護者の中には、SDGsの意義を教えてもらえることを期待した方もいました、プリントを最初にもらってきますので。その方は勤務先でSDGsのやっぱり取り組みをされていたり、新聞社にお勤めの方などは、世田谷区の学校はすごいと思ったそうです。しかし、今回子どもたちからはそういった報告、いわゆる事前学習、事後学習があったとは聞いていないということです。  このような状況の中で、この事業の成果と課題、どう把握し、今後どう生かすのかお考えを伺います。 ◎加藤 副参事 SDGs、持続可能な開発目標に関する教育につきましては、国連で定められた十七のゴールと百六十九のターゲットの理解を基盤とし、従来のユネスコスクールの取り組みとあわせて、全ての小中学校で人権教育、キャリア教育、環境・エネルギー教育、国際理解教育などの中での実施を始めたところでございます。  その一環として、今年度から開始したSDGs自然体験学習推進校につきましては、森の専門家によるプログラムによって、自然の大切さや生活とのつながりについて考える体験学習を六校のうち既に三校が実施しております。特に最初に実施した小学校につきましては、指導主事が同行し、学習の様子を視察してまいりました。  委員お話しのバスの移動時間等の課題も含めまして、成果と課題につきましては、実践校の校長との連絡会で協議したり、児童生徒と教員に共通のアンケートを実施して、意見を集約することによって改善を進めてまいりたいと考えております。  また、SDGsの趣旨にかなう学習とするためには、事前事後の学習が大変重要であると認識しております。既に実施している学校の取り組みを参考とし、今後実施する学校での学習がより充実したものとなるように取り組んでまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。私もこの五月のときの報告があったときは、真っ先に質問したと思います。事前事後の学習がなければ意味がないんじゃないかという質問をしたと思います。あと、今回のこの件で私、三点の点で問題があると思っています。  まず一つは、安全確認という点です。それだけ往復六時間かかること、これに関しては対策が結構明確だと思います。本当にバス移動がいいのか、いろんな方法を含めて対策ができると思います。  二つ目、私が問題だと思うのは、これは本当にSDGsなのかということです。環境教育はもちろんSDGsの中の一つですけれども、これをもって世田谷区のSDGs教育ということは、ちょっと正直言って恥ずかしいぐらいのものだと思っています。また、秩父が本当にいいのかどうかもちょっと私はまだ、プログラムを聞いていますけれども、納得はしていません。そのときも言ったかもしれないんですが、委員会でも言ったので、平成三十年十月二十七日に世田谷総合会議が開かれたと思います。そのときSDGsがテーマでした。私は当時、一区民として、一保護者として参加しまして、きのうも総合会議の議事録を改めて見たんですけれども、たった三十分の教育委員の方々と区長と当時の堀教育長が話された中が、本当に三十分の議事録、たった一〇ページなんでぜひもう一度読み返していただきたいんですけれども、ここが原点ですよ。この原点に立ち返って施策をしてくれなければ予算がもったいないと本当に思います。  社会に開かれた教育課程というのが今度の新学習指導要領にあると思うんですけれども、これは本当にSDGsってそれを使うツールだと思うんです。タイトルで入れるものではない。これを強くお伝えしたいと思います。  もう一度SDGsの前文、本当に音読していただきたいと思います。そのぐらい、子どもの宿題みたいですけれども、でも、やっぱりここが原点だということを踏まえての施策にしないと、予算が無駄です。本当に無駄だと思います。これは四百三十四万円、この六校が一学年バスで一日、自然体験で四百三十四万円かかる。これが高いか安いかという判断、ほかのものと比べたいと思います。  三つ目です。これがまさに予算と効果検証、先ほど答弁の中で、今後、アンケートを実施するということでしたので、このアンケート結果とフィードバックです。これは必ず文教委員会でしていただきたいと思います。  次に行きます。次は、学習支援についてです。  一昔前に比べて、今は学校の勉強ができれば将来を約束されるなどと考える保護者は少なくなりました。AI時代を生き抜く力は、偏差値やテストの点だけでははかれない、非認知能力なども大切だなと頭で理解しつつも、やはり子どもの学習習得状況によって親としては心配になるものだと思います。また、わからないことをそのままにすることで、毎日の授業を意味のないものにしてしまい、ただ椅子に座っているだけの子ども、自信を失っていく子ども、勉強はつまらないものと思い込んでしまう子どもを生み出してしまうことになります。  そういった子どもをなくす意味で、授業以外での学習支援は大変重要だと感じています。世田谷区は、比較的通塾率、高い傾向にあるかと思いますが、私立中学、私立高校の受験などを目的にする以外、本来であれば塾に通わず、学校での勉強をきちんと行うことで、十分な学力がつくことが理想だと私は思います。また、塾に通える子どもと通えない子ども、ここで差が生まれてしまうことは公教育の役割が機能していないと言っても過言ではありません。  現在、学習におくれが見られる子どもへのフォローとなる学習支援について、具体的にどのような取り組みを行っているか、またその予算はどのくらいか伺います。 ◎青木 教育指導課長 日常的な学習への取り組みや学力調査などから、児童生徒の学力を的確に把握し、理解の状況に合わせた指導を行うことは、それぞれの子どもたちの学力向上に向け重要であると考えております。  現在、通常の授業において、小学校では算数、中学校では英語、数学の教科において、児童生徒の理解の習熟度に応じて授業の進め方や教材を工夫する少人数指導を行っております。また、小学校においては、放課後に希望する児童を対象として、国語や算数の基礎的、基本的な内容について、年間を通じて定期的に指導する学習支援を実施し、中学校においては、生徒一人一人が自分のペースで繰り返し学習するeラーニングを導入し、確かな学力の定着を図っております。  各予算につきましては、小学校の放課後学習支援は、一校当たり三十回の講師の報償費等で約六百六十万円であり、中学校のeラーニングは、業務委託料と各マニュアル印刷等で約一千六百八十万円でございます。  教育委員会といたしましては、これらの取り組みを継続、充実いたしまして、基礎的、基本的となる知識、あるいは思考力、判断力、表現力など、子どもたちの豊かな知力の育成につながるよう、学校を支援してまいります。 ◆中山みずほ 委員 今、少人数指導の話、これは本当にいいと思います。実際、小学校を見学させていただいたときも算数で、自分でクラスも選べたりして、自分の学力に応じて、またじっくり学ぶ、要するにちょっとゆっくり学んでいる下のクラスの子たちも決して卑下していくのではなく、本当にこの部分を勉強したいんだといって選んで、分野ごとに行っているのを見ると、本当にこれはまさしくすばらしい事業だと思っています。  放課後の学習指導、支援についても、一応やっていらっしゃることがわかりました。三十回ということが多いか少ないか、これも検証したいと思うんですけれども、他会派からも質疑でありましたけれども、やっぱり学習のおくれって不登校にすごく結びつきやすいというところもあります。  子ども計画第二期後期、今回の、今素案が出ていたと思うんですけれども、このトピックにも子どもの貧困対策というのが今回入っていました。貧困と学力というところでは相関関係が結構実証されていますし、本当にこれから重要な施策になると思います。できれば、その学習のおくれ、学校の中でボトムアップしていけるようなことをしていただきたいと、とても有効な施策だと思います。  また、ジニ係数というのがあります。これは格差を見る尺度で、ゼロから一あって、一に近づくほど格差が大きいというもので、世田谷区は、ちょっと古いデータで二〇一五年なんですが、〇・四一、これは全国的に見ても高いんですよ。やっぱり格差、裕福な家もあるけれども、ちょっと格差も大きいということが数値化されています。やはりこういう格差が教育格差にならないように、学習支援、本当に力を入れていただきたいと思っています。  私は、このたびの決算特別委員会の福祉保健所管でひとり親家庭の子どもの学習支援について伺ってきました。実際に八月三日に、担当の課長と一緒に現場も見学しまして、ボランティアの方が子ども一人一人に寄り添って、小学校一年生から中学三年まで、その子の習熟度に応じて教えていく姿、これは全部ボランティアなんです。それに本当に感銘を受けました。  こういう長机で、一人ずつ並んで、各地域で、ただ、五地域でやるので、すごく遠くから通っている子もいます。希望としては、学校でこういうことが随時行っていけるようになったらいいなと思っております。  誰一人置き去りにしないという教育長のスローガン、これは本当にまさにSDGsの体現だと思うんですけれども、私も心から共鳴しております。ぜひ一度、所管を超えてその様子を見に来ていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎池田 教育政策部長 教育委員会といたしまして、さまざまな子どもの学びの場を見学させていただくことは大変有用であると考えております。かるがもスタディルームの見学につきましては、教育委員会として調整し、対応させていただきたいと思います。 ◆中山みずほ 委員 まだ来られたことはないということですよね。ぜひ見ていただきたいと思います。それ以外にも生活困窮の学習支援というのもあります。ここはどちらかというと、居場所的なもの、なかなか学校に行けない子もいれば、ちょっと家庭的にいろいろ困難を抱えている子なんかも、学習支援という位置ではありますけれども、それぞれにケースがありますので、ぜひ所管を超えて知っていただけたらと思っております。  最後に、予算のことですけれども、さっき青木課長のほうから学習支援六百六十万円、ですよね。小学校での六百六十万円、これは内訳を見ると、講師費としては本来五百十二万円、あとは交通費だと思うんですけれども、それに対してSDGsは四百三十四万円、この数字、目的は全然違うものですけれども、やっぱり私はこういうことを一つ一つ今後見ていきたいと思っておりますので、今後また予算については質問していきたいと思います。  次の質問者にかわります。 ◆風間ゆたか 委員 きのうのニュースをにぎわした一つが、吉野さんのノーベル化学賞、コメントによると、小学校時代の専門性ある恩師の影響で興味を持ったのがきっかけということでしたね。小学校の先生の影響力ってすごいなと思うんですけれども、小学校での取り組み、SDGsでの経験が吐いたばかりの経験ではなく、本当にSDGs、真剣に考えようって子どもたちが思うような取り組みをぜひしてもらいたいと思います。四百六十万円あったら、全部の小中学校に専門家の講師を呼べますよ。そうやって子どもたちのことを優先にぜひ考えてもらいたいなと思います。  二つ目のニュースが台風十九号ということで、空も大分黒くなってきましたけれども、十五号がちょうど一カ月前に大分大きな被害を千葉県でもたらしましたけれども、あの日、翌日、世田谷区の小学校は大変な状況になっていたかと思います。緊急連絡がなかなか来ないというお話もありましたし、来たと思ったら、三限目からだというような学校も多かった。一方で、その連絡が来ないで、一限目からやったという学校もあったんでしょうかね。世田谷区内の学校においてもスタート時間がばらばらになったということで、保護者の横でつながっている、学校を超えてつながっていて、スタートが違うってあるのかなみたいな混乱があったというところで、私のところにも相談があったりしました。  もう一つはやっぱり、あれだけ計画運休の発表があったわけですから、先生方は来られないんじゃないかなと。実際に朝一で来られなかった先生も相当多かったというふうに聞いていますけれども、直前になって、やっぱり警報が解けているからあるんだろうと思いながらも、先生は来ていないよなというような状況で、保護者も混乱するという状況ですし、先生方も何とかして頑張っていこうと思っても、もう一時間、二時間電車に乗るのに待っているという状況だと、もうどうにもならなかったということなんだと思うんです。  JRも、今回、計画運休を考えているというような発表がありましたけれども、今週末来たとしても、来週は大幅な停電などがない限りは、火曜日は無事に学校が朝から開かれるんだろうなと思いますけれども、これは、今回の十五号のときの経験を生かした場合に、例えば計画運休が発表されている場合に先生は来られないかもしれないというところから、ある程度はもう教育委員会で判断をして、子どもの安全と先生方の安全ということを考えたら、教育委員会で判断して一律に早目に発表していくということも、もう必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎池田 教育政策部長 前回、台風十五号の際は、朝七時の時点での状況ということで判断させていただいて、個別の学校で異なる判断もあったところでございますが、今回については、台風の来る時期ですとか、規模等を勘案しまして、早目に対応させていただきたいということで、本日、土曜日の授業については中止にしたいということで判断いたしまして、保護者の方にも周知、議会の皆様には後ほど、区全体の対応ということで御報告させていただければと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 今ので十分報告になったと思いますけれども、やはりJRも早目、早目に発表するようになったということで、行政もそういった対応が必要だと思うんです。子どもの安全第一に、その次にはやっぱり先生方の安全も重視して対応してもらうようにお願いをしまして、かわります。 ◆桜井純子 委員 では、質問者かわりまして、質問を続けたいと思います。  まず初めに、人権教育、中でも今回はデートDVの防止についてどんなふうに取り組んでいくのかということをまずお聞きしたいと思います。  こういう言葉がありますよね。虐待は連鎖をするという言葉があります。虐待の事件などなどが起きたときに、その事件を起こした人、加害者が虐待を受けて育ってきたんだということが原因のように言われていたりとかするんですが、私はこういうふうに思っています。虐待は連鎖をしない。なぜなら、虐待を受けて育った人が一〇〇%虐待者になっているわけではありません。なぜ虐待をしない人に育ったのか、なったのか、ここのところに実は目を向けていかなくてはならないと思っているんです。  なぜ虐待を受けながらも虐待をしない、つまり暴力によって人間関係をつくるような、そういう大人になっていかなかったのかというところを考えると、さまざまな出会いの中で暴力を手放していける、暴力を使わなくても人間関係がつくれるんだという経験をしてきたということ、つまりは、虐待が連鎖をするとすれば、連鎖をさせているのは社会ではないかと私は思っています。  そこで、これは教育のすごく責任が出てくるというか、役割が大きくなるんです。子どものころから、例えばデートDVというプログラムを使って暴力について学んでいくこと、暴力がない人間関係をつくるということを学んでいくこと、これはすごく重要だと思っています。人権・男女共同参画担当課でもらぷらすの事業として、デートDV防止の出前講座、これをやっています。この出前講座で、区内の中学校ですけれども、世田谷区、去年は四校が出前、デートDVのプログラムを選択して、そしてその授業を受けています。  今申し上げましたように、虐待のある生活をしていたとしても、さまざまな出会い、そのチャンスによって暴力のない生活を送っていけるように、このデートDV防止のプログラムをぜひ使ってもらいたいなと思います。全校での実施を求めますが、いかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 デートDVについて学ぶことは、義務教育でも本当に考えさせたい大切な人権上の課題だと捉えております。これまで校長会や教員研修におきまして、デートDVへの理解を深めるとともに、デートDV出前講座につきましては、男女共同参画センターらぷらすの協力を得まして、毎年、区立中学校で実施してまいりました。  出前講座の中では、生徒がデートDVとは何かを理解した上で、暴力に支配されてはいけないことやお互いを大切にすることで信頼関係が高まるということなどを学んできております。  教育委員会といたしましては、今後も各関係所管と連携を図りながら、暴力に支配されない、暴力にストップをかけられる人間関係づくりについて、発達段階に応じて学べるよう、デートDVも含めた人権教育の指導計画の作成、さらには実践を各学校に指導してまいります。 ◆桜井純子 委員 ちょっと一言だけ。暴力に支配されてはいけないというところ、ちょっと危ういので、暴力に支配されてはいけないと言われても、その中にいるときには、どうしてもそこに取り込まれてしまうということも含めて勉強していかなくてはならない、学ばなくてはいけないところだと思いますので、ぜひそこら辺のことを課長も知っていただければなと思います。  今の答弁ですけれども、デートDVを含めた人権教育の指導計画を作成して、各校に指導していきますというふうに言っていらっしゃいますけれども、これは全校がデートDVのプログラムに取り組むことができる、するということ、そういった意味だというふうに捉えてもよろしいでしょうか。 ◎加藤 副参事 らぷらすが作成しておりますデートDVのリーフレットの活用も含めまして、デートDVについての周知、理解のために、全校が計画的に指導するよう、また相談体制を整えるように進めてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 ぜひ来年のこの時期にどれぐらいの実施がある、これからの予定があるということを具体的に聞かせていただけるように、ぜひ教育委員会として責任を持ってこのデートDV防止のプログラムに取り組んでいただきたいと思います。  こういうことになっていくと、こういったケースが考えられるんです。家の中でDVがある。お父さん、お母さん、保護者の間で暴力の関係があるということに思い至ったり、そして、もしかしたら、自分が過去に何か暴力を受けた、例えば性暴力も含めて暴力を受けた、そのフラッシュバックがある、そういったことも起きかねないということを考えると、このデートDVのプログラムをやりますという教育委員会のその決意とともに、もしも、そういうフラッシュバックではありませんが、ちょっときつい気持ちになった子どもたちに対するフォロー体制、これが本当に必要になってきます。  教育委員会として子どもたちに対するフォロー体制というものもしっかりとつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 実際のケアが必要なケースが仮にあった場合には、養護教諭やスクールカウンセラーから安心できる大人がいるということを伝え、子どもが一人で悩まない相談体制をつくるよう、学校へは指導助言してまいります。  また、子どもの人権を守るという意味からせたホッとなどとの連携も進めてまいりまして、対応してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 今の答弁の中の安心できる大人がいるというその言葉ですけれども、本当にそれがとても大切だと思っています。安心できる大人がいることによって、先ほど申し上げましたけれども、暴力の連鎖が起きない、これも社会の実は人的資源と言ったらあれですけれども、出会いの一つでありますし、学びを届けられる一つだと思っています。  ここでちょっと一つ事件の話をさせていただきます。ことしの一月に発覚をした野田市の虐待を受けて亡くなった小学校四年生の心愛さんの事件です。あの事件では、実は学校でいじめのアンケートに答えて、お父さんにいじめられている、何とかなりませんかと、先生に本当にはっきりとSOSを出していました。でも、このSOS、出したけれども、子どもの命、心愛さんの命を救うために実は使われず、心愛さんが学校との、本当に細い社会とのつながりだったと思いますけれども、それを途絶えさせるために使われてしまいました。  お父さんが恫喝をした。それを逃れるために、教育委員会の人がそのアンケートを渡してしまった。これが本当に大きなきっかけになって、外に一歩も出してもらえないような状況に陥っていって、そして本当に自分の言葉でSOSを発信ができるような力を持った子どもも救うことができなかったということです。  教育委員会として、これからデートDVなど、プログラムをすると、もしかしたら、子どものほうから自分の家でこういうことがある、虐待を受けている、そういったことが今まで以上に見えてくることがあるかもしれません。  この野田市の事件というのは本当に大きな例となりますけれども、この事件について教育委員会の中ではどんなふうに捉えて、もしも、何かお話をしたことがある、研修というのはあれですけれども、何かアクションを起こしたことがあるということがあれば、教えていただければと思います。 ◎加藤 副参事 野田市の件につきましては、極めて強いプレッシャーを受けた結果、支配する側と支配される側という構造に陥ってしまったのではないかと想像しておりますが、あってはならない事件だと強く認識しております。  当時、教育委員会としましては、子どもを第一に考えること、対応を一人でしないことや、必ず上司、関係機関に相談することなどの組織的な対応について確認をいたしました。  暴力や圧力によって子どもが犠牲になるということは絶対に起こしてはならない。教育委員会だけでなく、学校への指導も、校長会や生活指導主任会を通じて行ってきたところでございます。 ◆桜井純子 委員 組織的な対応をするということは本当に大事です。この事件を風化させないということをお願いしたいと思います。教育委員会の中で話したことを毎年、毎年ちゃんと伝えながら子どもを守っていくんだということ、そして、安心できる大人、安心じゃない大人ではなくて、安心できる大人として、教育委員会、そして教員の方々、子どもと接する方、全ての人が存在するようにしていっていただければと思います。ぜひ、地域で保護者の方々にも、こういった話を伝えていけるような、そういったことも考えていただければなと思っています。  そして、先ほどデートDVのことは、らぷらすのリーフレットなどを使ってということをおっしゃっていましたけれども、そのリーフレットを使いながら、教員が話をしていくとすれば、暴力に対するその構造なども含めて深い理解というものが必要だと思いますけれども、この点に関してはいかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 暴力の構造に対する教員の理解につきましては、暴力の根絶のための研修、例えば人権擁護委員や法規に関する方々、民間やNPOも含めた多様な方々による研修の中で進めてまいりたいと考えております。  そういうことも踏まえまして、人権教育、道徳教育などを中心に、全ての教育活動で子どもの人権条約なども引用しながら、暴力の根絶に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 この暴力の構造というのは、例えばきょうはDV、子どもの虐待ということを主なテーマとして質問の中で話をさせていただいておりますけれども、実はいじめ、ハラスメント、全てに通じるところがあります。  ここ数日なんですか、私はきのうからですけれども、教員同士のいじめの報道がありました。本当にひどい、子どものいじめと同じようなのかなと想像しながら、そのいじめをなくす立場の先生だったということもあって、あれもやっぱりこういう暴力の構造の中で、自分たちのいいようにするという、そのターゲットを決めて支配をしていくという、そういった構造をつくり出しているということなんです。  そういったことを考えると、この世田谷区、ありますよということではなくて、いつそういう構造に陥るようなことが起きるかもしれない、そんなこともしっかりと考えて、子どもたちに対する暴力をなくす人権教育に取り組んでいただきたいと思います。教育長、何か一言お願いします。 ◎渡部 教育長 今、委員からお話をいただきましたが、とても大事なことを教えて、言っていただいています。やっぱり子どもたちが温かい人間関係の中で学べる環境をつくること、それから安心できる大人がそばにいること、それから父親やいろんなところの恫喝に恐れないように、教員同士が組織で取り組むこと、そういうことにも取り組んでいきたいというふうに思い、研修とかの中に入れていきたいというふうに考えています。  それから、先ほどから考えていることは、やはり保護者、PTAとのこと、つながりの中でも考えていく必要があると考え、PTAの研修の中にも入れていこうというふうに考えています。 ◆桜井純子 委員 ぜひこの世田谷区で育った子どもたちが暴力の中に今いるとしても、暴力を手放す、暴力のない人間関係をつくりながら育っていけるように、教育委員会、しっかりと取り組んでいただければと思います。  そして次に、インクルーシブ教育について一つお聞きをしたいと思います。  インクルーシブ教育について、先ほど来、特別支援教育という言葉でも質問もありましたけれども、私、六月の一般質問で就学通知のあり方について、インクルーシブ教育を進める立場から、そのあり方を変えたほうがいいという質問をさせていただきました。  インクルーシブ教育って何なのかということを考えたときに、障害者権利条約というところがすごく重要なポジションを占めています。この障害者権利条約の一般的意見というところに書かれているのは、排除というのは、直接的または間接的に教育を享受する機会を妨げられたり、否定されること、分離は、ある特定の障害に対応するために設計されたり、使用されたり、別の環境において、障害のない生徒から切り離されて教育されること、統合は、障害のない人のために標準化されてつくられた通常学校や通常学級に適応させるように配置されることというふうに書かれています。その意見として出されています。  例えば特別支援教育というのは分離教育に当たります。障害のある子をある一定の場所に、隔離じゃないですけれども、違うところに置いて教育を受けさせる。今やっている、例えば障害のある子も教室にいますよという世田谷の状況は、それは統合教育です。インクルーシブ教育というのはどういう状況かというと、通常学校の文化、方針及び実践を変革することを伴う、障害のある子どもたちがそこで勉強できる環境をつくるということなんです。そしてともにいるということがインクルーシブ教育であって、特別支援学校、支援学級というものを進めていくことがインクルーシブ教育には、実は残念ながらつながっていかないということをしっかりと認識をした上で、このインクルーシブ教育の推進というもの、真のインクルーシブ教育を進めていただきたいと思っています。  そこで、就学通知のあり方が問題になるわけです。この入り口のところで、子どもたちがどこの学校に、どの学校に入学するのかということを通知する。その通知をするときに、もうあらかじめ特別支援学校や支援学級に行くことが記されているような内容であっては、結果的には、分離教育を世田谷区はやっているということになります。ぜひこれを改善していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎田中 学務課長 就学先の学校をわかりやすくする、お知らせをすることは大変大事なことですので、本年九月中旬に発送いたしました就学時健康診断の通知においては、就学先は原則として地域の指定校であることをよりわかりやすく記載させていただきました。また、早期に就学通知書をお送りし、各御家庭に指定校をお知らせすることにより、地域とともに子どもを育てる区の教育の推進の観点からも、どのお子さんも安心して地域の学校に通っていただくというインクルーシブ教育の理念に近づくきっかけと考えております。  こうしたことから、就学通知書の通知のあり方について、他自治体の事例研究等も進めておりますが、就学時健康診断の通知書と就学通知書をあわせて発送する事例も見られる一方で、学区外、区域外へ区内転居した場合は、指定校変更に関して再申請が必要になってしまう等、保護者に負担がかかるケースもあり、今後、整理すべき一定の課題もあると認識しております。  あわせて、通知時期の変更によるシステム改修や検証に一定の準備期間が必要になることに加え、くみん窓口等での通知事務や学級編制に関する事務等を一部変更する必要があること、その他就学時健康診断、就学相談や学童クラブ等の関連する業務との連携調整も必要がございます。  こうしたことから、通知のあり方について庁内で協議し、検討してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 インクルーシブ教育の理念に近づいていく、そのためにも、就学通知のあり方を変えていきたいということは伝わりました。ただ、その後に、やれない理由みたいなのがばばばばばばっと並びましたので、それはインクルーシブ教育を実現するためにそれをどうにかするんだということ、そしてぜひ子どもたちの一年、一年は本当にとうとい時間ですので、なるべく早く、だから、来年のこの時期には、就学通知が子どもたちに対して、就学時健診の診断書と一緒に、同時に渡せられるような、そんなことを考えていただければと思います。
     他自治体の研究をしているということでしたけれども、石川県の金沢市はもう九月末には発送すると。兵庫県の芦屋市というのは、就学通知と健康診断のその通知を同じ紙に一緒に書いてあるんです。この両方に対して一緒に返事ができるような書き方の工夫というものもしてありますので、ぜひやるんだという、そういった気持ちで、他自治体の研究というか、検討して、また来年、今ごろに報告をいただければと思います。よろしくお願いします。  それでは、もう一つ、先生の働き方の実態調査についてお聞きをいたします。  これも六月で質問しました。私から自席からの質問でしたけれども、とにかく実態調査をしてほしいと、そしてそれを一部かいつまんだ調査にするのではなくて、全体の調査にすること、そして教員の方が安心して回答ができるような、そんな調査にしていただきたいということを言いました。  実は今現在、他会派からもありましたけれども、調査が行われていまして、その題名が区立小学校における教員の勤務状況に関する調査というふうになっています。質問は四問です。一問目が、所属のことについて聞いている、二問目は、平日平均すると何時ぐらいまで学校で仕事をしているかを聞いている、三問目が、学校における多忙感、負担感を解消するためにどうしたらいいかと本人に聞いている。そして四問目は、上に書いてある以外で何かあったら教えてねという質問です。  私が求めたのはもっと詳細な実態調査です。そして、私が求めたその質問に対して、教育長は教員がどのように働いているのか、また時間の使い方がどのようになっているのか、また子どもと向き合う時間がどうなっているかなど、そういうことも実態調査に入れて調査を進めていきたいと考えておりますと書いてありますが、現在行っている調査というのは、これは下調べであって、これから詳細な調査を行うというふうに考えてよろしいでしょうか。 ◎青木 教育指導課長 今、御指摘いただきましたさらなる詳細な調査の実施につきましては、過去に国が実施いたしました調査の結果などを踏まえ、さらに調査を行う必要がある項目等を把握いたしまして、その上で、効果的な調査手法などについてもあわせて検討し、実施を進めているところでございます。 ◆桜井純子 委員 今行っている調査では、先生たちがどういうふうに働いているのか、どんなふうに子どもたちと向き合う時間が少なくなっていっているのか全くわかりませんので、当事者の声も入れながら実態調査をしっかりと行うことを強く求めます。  最後に、時間が終わるまでヤングケアラーについて質問をしたいと思います。  福祉の所管でも聞きました。介護をしている子どもたち、この子どもたちについて実態調査を求めましたけれども、この実態調査をする一番の主体が教育委員会だと私は考えています。ぜひ世田谷区では、介護している子どもたちが自分の時間を持って生活ができるようにと私は願っています。  八月一日ですけれども、世田谷区でシンポジウムが行われましたが、そのシンポジウムにも教育分野の方も多く参加をしていたということです。そこで語られたのが、ヤングケアラーのSOSを訴えているその状況というのが、例えば遅刻、居眠り、忘れ物が多い。 これは学校で起こることですよね。こういったことが、子どもたちが家族ケアをしていて、介護していて、実はすごくつらい毎日を送っているというSOSにつながっていくんだということ。それに対してどうしたらいいのかということは、粘り強く気にかけていくことが大事ですよということが書かれています。  この実態調査ですけれども、教育委員会だけに求めるものではなくて、福祉の所管、そしてまた高齢福祉の所管や障害者の分野、子ども・若者部が世田谷区はありますので、全分野にわたってこの実態調査を行う必要があると思います。教育委員会として、ケアをする子どもたち、おじいちゃん、おばあちゃんのケアをしている、介護している子ども、お父さん、お母さんの介護をしている子ども、兄弟の面倒を見ている子どもたち、この子どもたちが学校で安心して勉強して、そしてぜひ子どもたちが子どもらしい時間、子ども同士で遊ぶ時間も確保できるような、そういった環境をつくっていくために、教育委員会として実態調査を行っていただきたいと思いますけれども、この件に関していかがでしょうか。 ◎加藤 副参事 家族のために介護などを行う子ども、ヤングケアラーの存在につきましては、教員の認識を高めていくということが大変重要だというふうに思っております。  教育委員会としましては、今後、関係機関と連携し、区立小中学校でヤングケアラーについて広く認識されるように取り組むとともに、ヤングケアラーを取り上げた管理職やスクールカウンセラーの研修等の実施、さらにはヤングケアラーの置かれている状況の把握に向けた検討も進めてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 加藤課長と立ち話をしたときに心当たりがありますという話もありました。ぜひ前向きに実態調査にも取り組んでいただきたいと思います。  これで質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十七分休憩    ──────────────────     午後四時四十五分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆桃野芳文 委員 先日、NHKのEテレ、九月二十八日土曜日九時半から九時五十五分までで、「ウワサの保護者会『校長先生 中学校を変える!』」という番組が放送されていまして、世田谷区立桜丘中学校が取り上げられていました。  公立中学校だけれども、個性的で、生徒の自主性を重んじる型破りな教育で全国から注目されているというような番組でした。教育指導課長に事前に確認しましたら、あの番組を見ましたということでした。  ところで、教育長はこの番組をごらんになったかどうか教えてください。 ◎渡部 教育長 後でDVDでですが、見せていただきました。 ◆桃野芳文 委員 ごらんになられて、他の世田谷区立の中学校と比べて、例えばこれはほかの学校でも取り入れるべきだろうとか、これはちょっと改善する点があるねとか、要は高く評価する点、評価できない点、そういった感想がありましたら、教えてください。 ◎渡部 教育長 まだ全てを総合的に判断するところまでは行っていないところではございます。桜丘中学校では、子どもたちの個性を生かす教育というところで、子どもたちが学びたい勉強、そして学びたい場所等について許容をしているところがございます。それについて、全てを同じ形の教育ではなく、その子が望むところで、なかなか教室にいるのが難しいという子どもたちについては、図書室とか、廊下とか、いろんなところを、そこで勉強することを認めております。各学校においても、そういう部分について、ずっと教室にいるのが苦手な子どもについては、図書室とか、子どもが安全に過ごせる場所を子どもに与えていくという点では、よい例ではないかなというふうに考えております。 ◆桃野芳文 委員 桜丘中学といえば、校則がないということで、私もかつて一般質問で、全区立中学校の校則を全部調べて、こんなおかしな校則があるじゃないかということで取り上げた経緯がありました。そのときも申し上げましたけれども、下着の色は白だとか、髪どめの色は黒か茶色じゃなきゃだめだとか、セーターは着用はいいけれども、カーディガンは着用しちゃいけないんだとか、そういう本当に瑣末なことを校則で定めて子どもたちを縛っていくことについては、非常に疑問を感じますし、そういった校則がないという点では、私も桜丘中学校でやっていることというのは非常によいことだなというふうに思っております。  その一方で、番組を見て気になる点も私は幾つかあったんです。その一つがスマートフォン、番組を見ていると、スマートフォンは自由に学校に持ってきていいよということになっているということなんです。さきの一般質問で、世田谷区の区立中学校でスマートフォンはどういう扱いになっているんですかというふうに聞いたときに、私が問うた内容は、文部科学省が平成二十一年一月三十日の通知、学校における携帯電話の取り扱い等についてで、小中学校においては、学校への児童生徒の携帯電話の持ち込みは原則禁止、やむを得ない事情がある場合は、保護者から学校長に持ち込み許可を申請させるなど、例外的に持ち込みを認めることも考えられると。この場合には、校内での使用を禁止したり、登校後に学校で一時的に預かり、下校時に返却したりするなど、学校での教育活動に支障がないよう配慮することというふうにしているんです。  都の教育委員会は、ことしの六月に通知を出していまして、この文科省の通知はおいておいて、これはあるけれども、区立学校における携帯電話等の持ち込みについては、各区の教育委員会の判断に委ねるというふうにしたんです。世田谷区はどうするんですかというふうに聞いたときに、答弁は、持ち込みは原則禁止だと。保護者の方から、災害時の連絡や登下校中の安否確認に活用したい等の要望がふえていると。だけれども、当面は現在の運用を継続すると。継続しながら、BYODの取り組みにより、BYODが始まっていくから、その準備の段階としてルールは定めていくと。それは何かというと、授業時間外は、各生徒が持参する個人端末を鍵のかかる保管庫に保管するなどの対策をとるなど、慎重に検証を進めてまいりますという答弁だったんです。  桜丘中学校の実態を見ていると、これは世田谷区が私に答弁した内容と全然違うんですけれども、これは事実と全然違うことを答弁されたんじゃないですか。 ◎青木 教育指導課長 今、お話がありましたように、桜丘中学校においてのスマートフォン等の持ち込みについては許容しているというところでございます。ただ、これについては、一定程度の指導の中で多くの生徒が必要なときに持参をしたり、あるいは授業中の使用についても、学習にかかわって使用しているというところでございます。  これについては、これまでも各学校は個別の相談の中で対応しており、持ち込みについて許容してきたということです。桜丘中学校においても、そのような保護者の申請等をもとに判断してきたというところもございます。これについては、大きく区として、ルール化に向けた検討の中では、当面の対応を継続していくということには変わらず、同じでございます。 ◆桃野芳文 委員 それは何を言っているかわからないですよ。番組を見ていたら、課長、見たんでしょう。休み時間にゲームをやっていても構いませんと、授業中もゲームをやっていていいんですと。校長先生は言っていたじゃないですか。見たでしょう。授業中にゲームをやっていても構いませんと。それはやがてゲームをやっていちゃいけないって子どもが気づくまで、それは子どもたちは気づくんだから、別にやっていてもいいんですと言って、実際にそれは認めていると。休み時間も生徒がゲームをやっているシーンだって映っていたじゃないですか。だから、それは世田谷区が私に答弁した内容と違うでしょうと言っているんですよ。 ◎青木 教育指導課長 原則としてスマートフォン、携帯電話等の持ち込みについては禁止をしているというところと、あと保護者の申告等に伴って、相談に乗りながら個別に対応しているというところでは同じでございますが、実際の学校での使用の中で、桜丘中学校の子どもたちの使用の仕方については、委員がおっしゃっているとおり、私も番組を見ましたので、そのような実態であったというところは認識をしております。  これについては、先ほどお話をいただいたように、子どもたちの気づき、あるいは適正に指導するというところについても指導しながら、そちらをできるようにとしているところでございますので、こちらについての状況もまた確認をしながら、考えていきたいというふうに思っております。 ◆桃野芳文 委員 今さら確認しながらというのはおかしくて、教育指導課長も桜丘中学校でそういうふうにスマートフォンは原則オーケーになっているということは、これまでも御存じだったわけでしょう。それは保護者が求めてきたから云々とおっしゃいますけれども、実態は違うでしょう。別に自由に持ってきていいということになっているんでしょう。桜丘中学校は原則持ってきていいということになっているわけでしょうということが一つ。  その確認と、それは、私が言いたいのは、皆さんちゃんと仕事をしてくださいということですよ。世田谷区は、教育委員会は、教育長も含めて皆さんは、これまでの文科省の通知に沿った対応を当面継続していくと言っているわけですよ。これから準備を整えていくと、どうやっていくか慎重に判断していくと言っているわけですよ。昼間は鍵のかかるボックスに入れるとか、そういう対応を慎重に考えていくと言っているわけですよ。一方で、そうやっていない学校がある。この学校に対して、皆さんはちゃんと議論して、どの方法がいいのかと、桜丘中学校のやり方がいいのか、世田谷区が言っている方法がいいのか、どっちが世田谷区の区立中学校にとっていい方法なのか、ちゃんと議論して決めていかなきゃいけないじゃないですか。腫れ物にさわるように、あれはあれでもう自由にやらせておけというのは違うんじゃないですか。 ◎青木 教育指導課長 まず、自由に持ち込みをしているかという点についてですけれども、学校に確認をした中では、昨年度まで、子どもの保護者の申告ですとか、あるいはSNS等についての適切な使用について理解している者について許容していたというところでございますが、昨年度の利用の状況の中で、本年度についてはそういう生徒、保護者の申告等を持たずに持ち込みをしているというところは確認をしてございます。  それから、今の桜丘中学校の扱いの仕方とこれまでの原則についての扱いの仕方については、今申し上げたように、やはりどういう形が望ましいものなのかというところについては検討してまいります。それには、校則のこともそうですけれども、各学校の実態というところもございますので、ただこれを見過ごしているとか、見ないようにしているというところではなく、そちらについてはきちんと確認をしながらやっていきたいというふうに思っております。 ◆桃野芳文 委員 やっぱり皆さんが、スマートフォンや携帯電話の持ち込みについては、世田谷区の方針というのはこういうふうにやっていくんだということについて、それと違うことをやっている学校があるんであれば、それは別に全く議論もせずに、区の方針に従えというのも違うと思いますけれども、ただ、皆さんがしっかりそれを考えて示した方針に対して、違うことをやっているわけだから、それはしっかりどっちの方法がいいのか、学校に改めてもらうのか、皆さんが考え方を変えていくのか、それはしっかりやったほうがいいと思いますよ。もうこれだけ報道されているわけですから、ほかの学校の保護者もみんな見ていますよ。生徒も見ていますよ。やっぱりそれはあそこだけ特別というわけには私はいかないと思いますよ。しっかり考えをまとめていただきたい。しっかり行動していただきたいというふうに思います。  基本的には、これは私も聞いていますけれども、保護者の中でも、授業中にスマートフォンのゲームをやってもオーケーというような学校の方針というのはちょっといかがなものかと、これはやっぱりやめさせてほしいという声も届いていて、やっぱりこれを全て肯定的に捉えている親ばかりではない、保護者ばかりではないということもしっかり皆さん頭に入れておいていただきたいというふうに思います。  次の質問に参ります。  先日質問した「往古来今」です。「往古来今」の中で執筆した執筆者の方の執筆した内容、これを世田谷区がデジタルミュージアムのほうに掲載をしているということがあった。それについて質問したら、私はこれは不適切じゃないかということで質問したんですけれども、そのときの説明は、まず出典を明記せずに掲載してしまったと、これについては不適切だったというふうに認めるけれども、そこに出典を明記して、これは引用だから、出典を明記すれば引用だから、そこに出典を明記して載せるのは構わないと。だから、まずはそのように対応した。しかし、その次に、ここに載っている、「往古来今」の中に載っている、つまりそこに区が引用したと言っている内容と別の資料を検討した結果、別の資料のほうが学術的に妥当だと判断したから差しかえたという答弁だったんです。であれば、この「往古来今」の中身が間違っているということになってしまうじゃないかということで質問したんです。  私は、最後、何回か質問している間に、もうちょっと質疑が行き詰まってしまったんで、もう一回しっかり検討してくださいということで終わりにしたわけですけれども、出典、引用、その辺の関係、その考え方と差しかえの経緯について、前回の答弁のままでよろしいのか、もう一度確認します。 ◎皆川 生涯学習部長 先日、総括質疑の際ですけれども、私、デジタルミュージアムに「世田谷 往古来今」に掲載されている系図を転載することについて、これは引用したもので、出典元を明記すればそれで大丈夫だと考えているという御答弁をいたしました。その後、改めて確認をしたところ、本件の場合は、引用には当たらず、執筆者の承諾が必要であるということがわかりました。これは私の判断が誤っておりました。大変申しわけございませんでした。  執筆者の方には、丁寧におわびをするとともに、今後につきましては、著作権を初めとした法的関係をしっかりと確認した上で対応してまいります。  それから、系図を取りかえた、差しかえた件につきましてですけれども、これは学術的に正しいという判断をしたわけではなくて、差しかえた系図は、権利関係がはっきり世田谷区に帰属しているということが明らかであったと考えたからでございます。  このたびは御指摘をいただきましてありがとうございました。大変いい勉強になりました。 ◆桃野芳文 委員 企画総務領域のときにも申し上げましたけれども、結果的にその差しかえた内容と「往古来今」に掲載されている内容というのは、人名の漢字が異なったり、人間関係が異なったりしているんで、権利関係がはっきりしているから差しかえたというんであれば、「往古来今」に載っている内容と、デジタルミュージアムに出ている内容で違うものが二つ生きているということになりますから、これは何らかの方法で統一しなきゃいけないわけですよ。「往古来今」を訂正するか、もしくは「往古来今」のそこの執筆者、その部分の執筆者にお話をして、それをこちらに載せてもいいですかという話をして統一するかということになると思いますから、それは区民の皆さんも両方見た人が混乱しないように、また学術的資料の価値がしっかりと見た人に伝わるように対応していただきたいと思います。  田中優子委員にかわります。 ◆田中優子 委員 私からは、ドリームジャズバンドワークショップについて、ほとんどニーズがないのになぜ特別扱いをして税金の無駄遣いを野放しにしているのかという観点から質問いたします。  新・才能の芽を育てる体験学習の事業の一つであるドリームジャズバンドワークショップ、これはかの有名な日野皓正氏が校長で、区長が学園長ということで十五年前に始まったイベントです。  日野皓正さんといえば、世界的なトランペッターであり、子どもたちに音楽だけでなく、礼儀まで教えたり、ボランティアで自治体のイベントを引き受けたりととてもよい方だと聞いていますし、私もそうなのだろうと思います。私たち世代のジャズ好きの人にとってはまさにヒーロー的存在であります。  しかし、昨年のドリームジャズバンドコンサートで、日野さんはその前の年に、御自身が出演中の中学生に対して行ったびんた暴力事件を茶化したように、舞台の上でエアびんたやエアキックをやっていらっしゃいました。全く去年はつまんないことで騒がれちゃったよなとでも言いたげな様子に私には見えました。一昨年、ドリームジャズバンドコンサートで御自身がやってしまったことについて、真摯に反省をなさっていないのだということがわかる一幕でした。会場内は、ドリバン関係者が多いせいか、日野さんを笑ってやり過ごそうという雰囲気でしたが、私は本当に気分が悪くなりました。  それもこれも、日野さんというよりは、教育委員会と区長が、あのとき日野さんに対し、すぐに適切な対処をしなかったからで、本当に私は、責任は日野さんというより、区長と教育委員会にあると今でも思っております。  まず伺いますが、ことし開催されたドリームジャズバンドコンサート――以下ドリバンといたします――では、エアキック、エアびんたはなかったでしょうか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 そのようなことはございませんでした。 ◆田中優子 委員 昨年、私がこの決算委員会の場で、エアびんたの問題を指摘しましたので、さすがにもう二度と同じことはなさらないだろうとは思っていました。とはいえ、この事業自体に問題がないといえば、そうではありません。本日は決算委員会ですから、ドリバンについて、応募状況と使われている税金の面から検証していきたいと思います。  こちら、パネルをつくりました。新・才能の芽を育てる体験学習令和元年度としてあります。ただいま行われているのは、平成三十年度決算ではありますが、ドリバンに関しては今年度既に終わっていますので、最新の状況から判断するため、令和元年度の新・才能の芽を育てる体験学習というものをつくりました。なので、この中には、既に終わっているもの、それから継続中のもの、これからのものが混在しています。そのため、ドリバン以外のものにつきましては、おおよその金額ということで質問させていただきますことを御了承いただきたいと思います。それでも十分にドリバンの異常性というものがわかると思います。  まず、この新・才能の芽を育てる体験学習令和元年度ですが、総予算は約一千六百五十五万円です。それで、この丸いグラフを見ていただくとわかると思いますが、全部で十八事業を教育委員会ではやっています。その中でドリームジャズバンド一つがここ、六五・三%、一千七十八万円を占めています。対象者は、今回、コンサートに出ていた生徒たち三十三人です。これは単純ですけれども、割ると一人約三十三万円の経費がかかっているわけです。  では、ほかの事業はどうかと申しますと、この細いピンクの部分はちょっと書いていないのは、お菓子教室で四十五万円の予算をとっているんですけれども、まだ対象人数と回数が決まっていないそうです。未定の部分がこのピンクの細い部分、それなので、残りの十六事業で比べようと思います。  十六事業は五百三十二万円の予算が残っていまして、三二%です。今の段階ですと対象は一千百七十九人、単純な計算ですけれども、一人約四千五百円ぐらいの事業になっています。中にはどんなものがあるかといいますと、デザイン講座とか、国際理解、それから将棋、運動教室とか、科学、最近、ドローンがはやっていますね、ドローン、それからプログラミングなども大変人気があるようです。そのような十六事業がたったの三二%で行われているわけです。対象者も千二百人近いわけです。これが今のドリームジャズバンドを含む新・才能の芽を育てる体験学習の実態であります。  それでは次に、このドリバンを取り上げます。どれだけの応募状況があるかということを調べました。これはDJB、ドリームジャズバンドの申し込み状況です。三年間をとりあえず比較してみます。まず、平成二十九年度、これは例の事件があった年です。そのときは、新規の申込者は三十二名いて、その中から継続が二十五名いたわけで、定数は四十五名なので、二十名が選ばれたわけです。三十二名から二十名が選ばれました。そしてここで事件が起こった。翌年、昨年は、平成三十年度は申し込みが二十名、申し込んだものの、よくよく聞いてみたら、ちょっと練習に出られないなとかいろんなことがあって、新規メンバーは十五名だったわけです。継続者も減っていて、十八名が継続、実はこの十五名の中には四名再募集、追加募集してやっと集めたんです。それで十五名です。合計三十三名。そしてことしです。申込者数十九名、また減りました。新規メンバーは十九名ですが、何とやっぱり再募集、やっとの思いでかけて六名を何とかゲットしました。継続メンバーも減っています。前は二十五名いました。次の年、十八名になりました。ことしは十四名です。このように、ドリームジャズバンドに申し込む人、大変少なくなっています。  つまり、あの事件が起こった平成二十五年度までは四十四名とか、四十五名で定数を大体満たしていたわけですけれども、昨年、今回、ことしと、このように減っていて、再募集までかけてやっとの思いで、だけれども、三十三名しか集まっていないんですよ。定数に全然満たない。最初の申し込みは六割ちょっとしかなくて、もう一回チラシをまいたりしてやっと七割ぐらいというような状況で何とかやっているという感じなんです。  ここで伺いますが、そもそもこのドリバンの募集というのはどのようにやっているんでしょうか、お答えください。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 募集のチラシにつきましては、年度末の三月に区立小学校の六年生に七千四百部、中学校一、二年生に七千二百部、年度初めの四月に区立中学校全生徒宛て一万一千七百三十部、私立中学校宛てに百九十部配布しております。追加募集のチラシにつきましては、区立中学校全生徒宛て一万一千七百三十部配布をしております。 ◆田中優子 委員 本当に驚きですよね。募集のためのパンフレットを三月に、対象となる小学校、もう卒業したら中学生になるので、区立小六、それから区立中の一年、二年全員に配っている。また四月になってもう一回配る。私立の学校にも二十校と聞きましたが、百九十枚配る。配っていても集まらなかった。ここ十一名ということですよね。ことし令和で、ことしでいきますと、ここ六名で追加募集だから、本当は二十七名しかいなかったわけですよ。そこまでやって、皆さん聞きましたよね、配った数、何万枚ですか。全部でいえば三万何千枚ということですね。それでようやく六名集めて、しかもその集まった中は、そもそも定数に足りないんですけれども、楽器が、私は本当はこれをやりたいという楽器をやれていないわけです、そろっていないから。だから、希望しない、していない楽器に回ったと、そうまでしてやっているというわけです。ここまでして何ですかと、本当に私は疑問に思います。しかもこんなにお金をかけて。  ドリバンのほかのイベント、こちらにたくさん書いてありますよね。そんな二回も三回もチラシを配ってやっと集めているなんていう事業はもちろんのことないそうです。  ちなみに伺いますけれども、競争率の高いイベントというのはどういうものがありますか。 ◎田村 生涯学習・地域学校連携課長 平成三十年度実施の競争率の高い講座といたしましては、運動教室かけっこ講座の十三・四倍、プログラミング体験講座の十三・二倍、国際理解講座の十・三倍、おおむねそのような状況になってございます。 ◆田中優子 委員 今答弁にありました競争率ナンバーワン、倍率の高い運動教室かけっこ講座は四百三名申し込んだそうです。それで三十名だけ参加できた。十三・四倍、経費は全体で三万円です。一人につき千円です。二番目に倍率の高いプログラミング体験講座は二千七百八十名が申し込んでいます。その中で二百十名だけが出られた。十三・二倍です。約五十万円の予算だったので、一人二千四百円かかっていないぐらいなんです。三番目の国際理解講座は四百六十二名が申し込んでいたそうです。そこで四十五名、十・三倍、約四十三万円なので、こちらは少し高いですが、それでも一万円かかっていません。ドリバンは一人三十三万円も使っているんですよ。まずこの偏りの異常性について指摘しておきます。区民が知ったらどう思うでしょうか。本当に驚きです。  もう一つの驚きは、競争率の高い多くの幼児、児童生徒が希望していたのに参加できなかった子どもがたくさん出ている事業、これに対し、先ほどもうこの委員会室からも、そんなのもっと受けさせてあげればいいのにという声が今、私のところに聞こえてきましたけれども、全く私も同じように思いますよ。そういう競争率の高い事業が全く予算がふやされていないんです、昨年の決算を受けていながら。一番目も、二番目も同額でした。そして、一番目は三万円ですよ。それから二番目、四十九万六千八百円、全くそれをふやしていない、こんなに競争率が高いのに。三番目に至っては減額されているんです。十・三倍の競争率のイベントが四十三万二千円から四十万四千八百円に減額されているんですよ。それなのに、希望者が六割しかいなくて、必死に集めても、再募集しても定数に満たないドリバンは同額の、しかも一千七十八万円というもう桁違いの予算がつけられ、これ一つで全事業の六五%以上を占めているなんておかしくないですか。  無理して集めた三十三名のために一千七百七十八万円が使われて、二千七百八十名が希望して、二千五百七十名もの児童が参加できなかったプログラミング講座の予算はふやさない、それがここ数年続いている新・才能の芽を育てる体験学習の実態なのであります。子どもたちに、大人気のプログラミング講座は一人二千四百円もかかっていないんですよ。ドリバンの予算を減額し、こういう事業に回せば、圧倒的に多くの子どもたちが希望する体験ができます。  ドリバンコンサート、確かにすごい盛り上がりでした。でも、三万八千二百五十枚チラシをまいて、希望者十九名ですよ。大勢の生徒たちに不人気、ニーズがない、魅力がない。一部の生徒たちはいいかもしれません。集まった三十三名、でも、そんな事業を教育委員会の目玉の事業として特別扱いしていることは、税金の無駄遣いだし、政策的に間違っているのではないでしょうか。  渡部教育長は、このドリバン事業について、改めて実態を知った上でどう評価されますでしょうか。このような実態を把握しても、なお、ドリバンは来年度も一千七十八万円をかけるのが正しいと思われますか。それとも、ドリバンは特別扱いの聖域とはせず、何らかの見直しや改善が必要であると認識されたでしょうか、お答えください。 ◎渡部 教育長 新・才能の芽を育てる体験学習は、各界の第一線で活躍されている方々を講師としてお招きし、通常の授業にはない体験、体感ができる活動を通して、子どもの興味関心を広げ、将来の夢や希望を持ち、たくましく生き抜く力を育てることを目的としております。  ドリームジャズバンドワークショップを含めて新・才能の芽を育てる体験学習一つ一つについて、参加者からの講座についての御意見なども踏まえ、費用の面も勘案しながら、子どもたちの将来の夢や希望につながるような事業になるように総合的な判断をしてまいります。 ◆田中優子 委員 ちょっと確認したいんですけれども、私、さんざん質問してきても、ドリームジャズバンドだけは一千七十八万円を使いますと、来年度もそうですというふうにこれまで聞いてきたわけなんです。教育長は、今の答弁の中では、ドリームジャズバンドも含め全体を見直すという御答弁でよろしいですか。ドリバンだけはやっぱり一千七十八万円なんですけれどもねということですか、ちょっと確認させてください。 ◎渡部 教育長 事業の実施については、事業が必要とされる社会環境や事業の実施により得られる効果、事業に要する費用などから総合的に判断をしてまいりたいと考えております。 ◆田中優子 委員 一千七十八万円、来年も同じだけ用意しますとはおっしゃらなかったことは大きな、私は教育長がかわられて本当によかったなと今思いますけれども、その点、その判断、英断だと思います。ただ、来年どういうふうになるかですよね。こんな状況を見て、区民のほとんどが納得できない、おかしいよと怒っている人たちばっかりですよ、これを知ったら。それなのに、来年どうされるか。今の御答弁を私は本当に真摯に答弁してくださったと思いますから、そこで正しい判断をしていきたいです。  それから、税金ですから、普通の区民感覚を持ってきちんと使っていただきたいというふうに強く要望いたしまして、質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 早速、質疑を始めます。よろしくお願いいたします。  第二回定例会の一般質問で取り上げました子どもの体力について改めて伺います。  決算特別委員会の初日、総括の質疑で、教育長は御答弁の中で、体力向上のための教育の充実を図るとおっしゃっておられました。教育委員会のトップである教育長の前向きな姿勢に大変頼もしく感じております。これからまさに教育長のリーダーシップのもと、世田谷区の子どもたちが、ますます明るく元気に活力を持って成長していくことを心から期待しております。  平成三十年度世田谷区会計主要施策の成果によると、世田谷区が推進している世田谷九年教育の中で、四年間の取り組み方針として大きく三つの取り組みを掲げており、そのうちの一つとして、区立小中学校、幼稚園全校において、体力向上、健康増進の取り組みを実施される方針が示されております。  文部科学省が、体力の低下は子どもが豊かな人間性や、みずから学び、みずから考えるといった生きる力を身につける上で悪影響を及ぼし、創造性、人間性豊かな人材の育成を妨げるなど社会全体にとっても無視できない問題であると警鐘を鳴らす中で、区として、子どもの体力低下を重要な課題として捉え、その向上を大きな取り組みの一つに位置づけている点は評価しております。  しかしながら、主要施策の成果を見ましても、体力向上、健康増進については目標について明確にされておらず、目標をどこに置いているのかが全く不透明です。区としては、具体的にどのような目標を掲げ、どのような姿を目指しているのか、お考えをお聞かせください。 ◎板澤 副参事 教育委員会では、体力や運動能力の向上に数値目標を掲げ、その達成を目指すという形ではなく、子どもたちが日常的に運動する習慣づくり、十分に睡眠や休養をとる習慣づくり、そして適切に食事をとる習慣づくりを行うことが、世田谷の子どもたちの体力向上と心身のたくましさの育成につながるものと考えまして、快眠、快食、快運動をスローガンといたしました世田谷三快プログラムという取り組みを進めております。 ◆つるみけんご 委員 今御答弁にありました世田谷三快プログラムについては、主要施策の成果に、平成三十年度から令和三年度までの取り組みの実績と計画が記されておりますが、平成三十年度の実績は実施、検証、令和元年度の計画はまとめ、令和二年度は第二期開始、令和三年度は第二期実施となっております。これでは何にどのように取り組むのか、具体的な内容は残念ながら全く見えてきません。どのようなアプローチで体力向上、健康増進を図るのかお聞かせください。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、世田谷三快プログラムを進める上で、体力の向上、そして健康教育の推進、幼児の運動遊びの推進、地域との連携、この四つの柱を取り組みの方向性として位置づけてございます。  まず、体力向上につきましては、各学校の体育や保健体育の授業の充実や休み時間等を活用した日常的に運動を促す取り組みを、そして健康教育の推進につきましては、給食を生かした食育や生活リズムを振り返りながら休養、睡眠を考える取り組み等を行っております。また、幼児の運動遊びの推進につきましては、保護者と協力した親子触れ合い遊びなど、遊びを通じて体を動かす取り組みを進めております。さらに、地域との連携では、生涯スポーツへつなげるために、誰もが運動に親しめる部活動の推進や地域や町会の方が主催するスポーツ体験等の実施等を行ってまいりました。  この四つの柱につきまして、各幼稚園や学校では、重点的な取り組みを定めまして、子どもたちの体力向上、健康増進に取り組んでいるところでございます。 ◆つるみけんご 委員 同じく主要施策の成果では、平成三十年度の実績として、世田谷三快プログラムの実践モデル校の取り組みの成果を検証するとともに、区立小中学校及び幼稚園への普及を図ったとの記載がありますが、まずその成果とは何なのか、体力向上、健康増進にどのようにつながったのかお聞かせください。 ◎板澤 副参事 平成二十八年度に実施をいたしました子どもの健康に関する調査によりますと、子どもたちの睡眠時間に改善が見られておりますが、体力テストにおける世田谷区の子どもたちの体力につきましては、学年によっては全国平均を上回る種目はあるものの、体力合計点におきましては、全国平均を下回る結果となっております。
     教育委員会といたしましては、子どもたちの体力向上に向けた改善が必要であると考えておりまして、体力テストの結果の科学的な分析等を生かした指導方法の改善や各学校の取り組みの充実を図っていきたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 区立小中学校及び幼稚園への普及を図ったということに関しましては、所管の方からモデル校による報告会が行われたと伺っております。普及の方法は報告会のみということなのでしょうか。また、報告会を行うことでどの程度区立小中学校、幼稚園全校への普及につながったと考えていらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。 ◎板澤 副参事 この世田谷三快プログラムの取り組みにつきましては、これまで委員がおっしゃいますように、モデル校における事業効果を中心とした研究発表会や特色ある活動例などを紹介する実践報告会とともに、年間を通して実施している教員研修会等で成果等について周知し、普及を図ってまいりました。  また、子どもの体力向上や基本的な生活習慣づくりにつきましては、家庭との連携が欠かせないことから、平成三十年度には子どもたちの体力健康の状況を紹介する家庭向けのリーフレットを作成、配布いたしまして、健康や体力について考えるきっかけとなるよう努めてまいりました。  この普及の状況につきましては、今後、改めて体力テストや子どもの健康に関する調査等を通しまして、検証してまいりたいと思っております。 ◆つるみけんご 委員 現場の先生方も本当にお忙しい中で日々の業務に追われながら子どもたちと向き合う時間を確保しつつ、授業の準備をしているというような中で、全校で取り組むべきすばらしい事例があったとしても、現状ではできる学校とできない学校があると考えられます。その部分に対し、教育委員会として支援をしていくことが必要と考えますが、この点についてはどのように考えておられるのかお聞かせください。 ◎板澤 副参事 各幼稚園や学校におきましては、幼児、児童生徒の実態や地域の状況等を考慮しながら、体力向上や健康推進の取り組みを教育課程の一環として進めております。モデル校等の効果的な取り組みにつきましては、研修会等で紹介し、実践する上で参考となる資料等を提供しながら、各幼稚園や学校での工夫を支援するとともに、各幼稚園や学校から提出された指導計画等に改善点や、取り入れるべき取り組みなどが確認された場合には、必要な助言などの支援に取り組んでまいります。 ◆つるみけんご 委員 先日の総括質疑の際に、他会派からも学校による差異については御指摘があったと記憶しております。学校を選べない状況の中で、通う学校によって受けられる教育が大きく異なることについてはどのように考えているのかお聞かせください。 ◎板澤 副参事 この世田谷三快プログラムの取り組みにつきましては、教育課程の一環といたしまして、各幼稚園や学校がそれぞれの幼児、児童生徒や地域の実態等に応じまして計画を立てて実践しているものでございますが、区全体の方向性や狙いを踏まえた上で、一定の水準を確保しながら取り組むことが大切であると考えております。  各幼稚園や学校の取り組みに課題が見られるという場合には、必要に応じて学校を訪問し、状況を把握するなどしまして、適切に指導する必要があると考えております。 ◆つるみけんご 委員 体力向上につきましては、世田谷区内でもモデル校としてよい取り組みをされている学校があることは認識しております。  先日、世田谷区立船橋小学校の朝ランニングを見学してきました。八時五分ごろから子どもたちが校庭に出始めて、走り回る子もいれば、友達と追い駆けっこをしている子もいます。また、校庭の雲梯などで遊んだり、木に登ったりしている子もいました。取り組みが始まった五年前は、今よりも走るということを重要視されていたようですが、今は必ずしも走っていなくても、子どもたちが思い思いに少しでも体を動かすことに重きを置いているようで、よい意味で緩く継続的に取り組んでおられるようです。  全国の体力テストにおいて、その学校がどの程度の水準があるかを示すTスコアという指標がありますが、お話を伺いますと、船橋小学校では、一年生のときのTスコアは平均三十点くらいですが、三から四年生に上がるときには平均五十点くらいまで伸びていると伺っております。このことより、特に体力がある子がもともと多いというわけではなく、朝ランニングを初め、さまざまな取り組みの結果、こうした成果が出ていると考えられます。  見学に伺った際に、この朝ランニングで子どもたちの声が、明るく元気な声が校庭中に響き渡っていた様子が非常に印象的でよい取り組みだと感じました。  また、東深沢中学校で取り組まれている体力向上部についても先生とお話をさせていただきました。この体力向上部は、運動する子としない子の二極化が進む中で、運動がそこまで得意ではないけれども、体を動かしたいというニーズに応え、競技としてやるのではなく、体を動かすことを目的に、スポーツになれ親しむための部活であり、その取り組みは、平成二十三年から始まって、今では五十三名もの部員がいると伺っております。運動が苦手な子に対し、生涯スポーツの推進と運動習慣の定着を目指し、少しでも運動になれ親しんでもらおうという先生の問題意識の高さと取り組みへの熱意を感じました。  この二校のような先行的なモデル校の取り組みについては、通常他校にも広がるよう横展開していくべきものと考えますが、区の御見解をお聞かせください。 ◎板澤 副参事 船橋小学校の朝ランニングや東深沢中学校の体力向上部などの取り組みは、委員おっしゃいますように、子どもたちの健康や体力を保持増進していく上で大変効果的な取り組みだと考えております。  こうした船橋小学校や東深沢中学校を初めとするモデル校の取り組みにつきましては、体育主任や保健主任、養護教諭等を対象とした研修会等で内容や配慮事項、効果等を周知してまいりました。  教育委員会といたしましては、引き続き、さまざまな機会を通しまして、効果的な取り組みの普及啓発を進めるとともに、今後、両校の取り組みを参考にしながら、子どもたちの体力向上と健康推進に関する新たな取り組みについて検討してまいります。 ◆つるみけんご 委員 体力と健康についてはさまざまな要因での変動が考えられるため、数値で単純に比較することは困難でありますが、昭和六十一年と平成三十年の子どもを比較すると、例えば小学三年生の肥満健康児の割合は四・七%から七・八%に、およそ一・六六倍に増加しております。中学一年生でも七・三%から一〇・六%と、およそ一・四五倍となっております。また、ぜんそくを持つ子どもについても、昭和六十一年のときの小学生のぜんそくの子の割合は〇・九%だったのに対し、平成三十年度では三・五一%とおよそ三・九倍に増加しております。中学生でも同じように〇・七%から二・七一%と三・九倍となっております。こうしたことは、少なからず体力の低下が関係しているのではないかと考えられております。  最初の御答弁で教育委員会では、体力や運動能力の向上に数値目標を掲げ、その達成を目指すという形はとらないとのことでしたが、その一方で、世間一般的には、体力といえば運動能力も大切な指標の一つであると同時に、健康面にも大きく寄与していると考えられているわけです。これは文部科学省が体力向上を掲げ、毎年体力テストを実施していることからも明らかです。  確かに教育という点において数値目標を立てる、あるいは成果を数値で見るということについては、ある種の危険性をはらんでいることは認識しております。成長していくにつれて、競争することの大切さに気づいたり、努力することで成長できるという貴重な経験を積むために、一定程度数値というものは必要なものと思いますが、中には平均を大きく下回ってしまった場合、劣等感を持つ子もいますし、我が子の成長を不安に思う保護者の方もおられると思います。そうした子どもたちに手を差し伸べることは非常に重要なことであると考えております。  しかし、一方で、行政施策というのは、通常、数値等の目標があって、その達成に向けて手法を検討し、成果を上げていくわけですので、教育施策についても、よりよい学校教育を目指す上で、当然何かしらの具体的な目標は持たなければならないものと考えております。また、目標を立てればその達成に向けて必死に取り組んでいかなければならないはずです。  教育委員会としては、数値の目標は立てないということは、教育施策として数値というものが有効な手段ではないと考えておられるものと推察しますが、そうであれば、何を具体的な目標として区が考える体力向上、健康増進を推し進めていくのか、この点を明らかにしていただきたいと考えます。区の御見解をお聞かせください。 ◎板澤 副参事 子どもたちが学習をする上では、委員がおっしゃいますように、数値目標は大変重要でございます。各学校では、さまざまな教科等の学習におきまして、子ども一人一人が数値目標を持って取り組み、その結果を振り返りながら、成長を実感したり、達成感を味わったりしながら次の学習への意欲を高める活動を行っております。特に体力向上におきましては、五十メートル走のタイムでありますとか、ソフトボール投げの距離など、体力テスト等の数値をもとにしながら、子どもたちが学校での体育や家庭での生活等の目標や計画を立てて取り組んでおります。  教育委員会といたしましても、こうした取り組みも重視いたしまして、体力テストの結果や子どもたちが計画を立てる上で参考となる資料等を配付するなどいたしまして、各学校の取り組みを支援してまいりました。  今後、御指摘いただきましたように、これまでの取り組みを区全体として捉えながら、数値目標を掲げた施策等につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 私は、教育というのは、子どもたちの未来のために私たち大人が社会の一員として子どもたちにしてあげられる最大の贈り物だと思っております。教育委員会として、しっかりとした目的と目標を持って子どもたちのことを最優先に考え、子どもたちの将来のためになる教育を実践していただきますようお願いいたします。  以上で私の質疑を終わり、神尾委員にかわります。ありがとうございました。 ◆神尾りさ 委員 まず冒頭に、本日、私は、池之上小学校改築の件については取り上げませんが、先ほど複数会派より安全対策などについて質疑がありました。本会議で申し上げましたように、過去に死亡事故があった場所であること、再び事故が起こらないとは誰にも言えないことを踏まえ、再度、教育長を初め皆さんでしっかり考えていただきたいと要望し、質問を始めます。  まず、重点施策について伺います。  先般、教育長による他会派への答弁の中で、重点施策として次の三点を挙げられました。一、教育の質の転換、二、誰一人置き去りにしない教育、三、子どもたちの学びを支える環境整備とのことでしたが、その中で具体策として触れられたICT環境、国際社会への理解、地球レベルでの共生を目指したプログラムについてどのような取り組みをされるのかお示しください。 ◎加藤 副参事 委員お話しのICT環境の構築につきましては、家庭の個人所有の端末を学校の授業において活用するBYODを踏まえたクラウド環境の整備を行い、授業において、子どもたちが一人一台の端末を活用できる環境づくりに中学校のモデル校で取りかかり始めたところでございます。さらに、eラーニングの取り組みでは、今年度より、全区立中学校に拡大しており、一人一人に合った問題や学習プログラムが自動的に作成されるなど、個別に最適化された学習の整備も進めてきております。ほかにICT支援員の導入なども進めてきております。  また、国際理解や地球レベルでの共生を目指したプログラムの取り組みでは、世界の国々の実情や抱えている問題、実践している取り組みなどを理解することや、国際社会に生きる自分たちにできることは何かを考える授業を展開するためのプログラム研究や教員研修を進めております。  教育委員会といたしましては、今後とも、これからの時代を生きる子どもたちのために、教育環境の整備や教員の資質向上に係る研究、研修の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 次に、当区では、教育ビジョンの具現化のため、ステムスクール、グローバルスクール、カリキュラム・マネジメントスクール、アーツスクール、プレイング・アンド・ラーニンググループなどの研究開発校と、キャリア教育、シチズンシップ教育などの研究指定校が設置されています。それぞれの取り組みについて具体的に教えてください。 ◎加藤 副参事 教育委員会では、最新の教育課題につきまして、二年間にわたって研究に取り組む研究開発校と一年間で取り組む研究指定校を毎年四から五校ずつ指定しております。現在、研究開発校は五つあり、ステムスクールでは、理数教育とものづくり、プログラミング教育等を通して論理的な思考力を育む研究を進めております。グローバルスクールでは、国際社会への理解を深め、英語によるコミュニケーション能力等を育むための研究を進めております。カリキュラム・マネジメントスクールでは、教科横断的な視点から、学校の特色を生かしたカリキュラム開発について研究しております。アーツスクールでは、人間本来の豊かな創造性、芸術性、表現力を伸長する活動について研究をしております。そして、プレイング・アンド・ラーニンググループでは、幼児教育と小学校を一体として捉え、遊びと学びによる体験型の教育、保育のあり方について研究しております。  次に、研究指定校四校では、自分のよさや将来の生き方、働き方について考えを深めるキャリア教育、社会形成、社会参加に主体的にかかわる態度を育むシチズンシップ教育、子どもの自己肯定感を高め、いじめ防止について取り組む学校が楽しいと感じる子どもの育成に取り組んでいる学校、そして一人一人の子どもに応じた支援について研究していく子どもの発達の支援を進めている学校、これらの各テーマで研究を進めております。 ◆神尾りさ 委員 次に、各プログラムの諸経費を教えてください。 ◎加藤 副参事 二年間にわたって研究をする研究開発校につきましては、今年度委嘱した六校一園には各五十万円、一年間の研究指定校につきましては四校に各十三万円の予算で計画を進めております。  昨年度からの引き続きの研究開発校七校を含めますと、合計で七百二十万円の予算を配当しております。諸経費の具体的な内容につきましては、講師への謝礼や専門書や教材の購入、研究冊子の作成などに支出しております。 ◆神尾りさ 委員 指定校は一年または二年間のプログラムの実施後、どのように研究成果を通常の教育に生かすのでしょうか。また、他校への取り組みの拡大なども考えられているのでしょうか。この二点についてお聞かせください。 ◎加藤 副参事 研究校の成果といたしましては、例えばキャリア教育では、なりたい自分を思い描き、そのために頑張ることを記述するノートをつくり、六年間の学びをつなぐことで自己肯定感を高める小学校の実践を取り入れようと努めている学校が多くございます。  このような研究成果につきまして、研究校はプログラムの実施後も取り組みの成果を日々の授業に生かすとともに、課題については改善を進めていくなど、さらに研究を深めていきます。  また、研究校の成果等につきまして、合同の研究報告会や研究発表会、学校ホームページ等で広く普及させるようにいたしまして、世田谷区全体の教育の質を高められるようにも工夫しております。  教育委員会といたしましては、研究校による専門的な研究は、区の教育研究の柱の一つとして考えており、次年度以降も継続して実施してまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 時代の流れに沿って必要とされる教育は常に変化しています。その変化を的確に捉え、方向性を示していくために、御提示になったプログラムを例とする研究と実践の必要性を感じますが、プログラム拡大に関する考え方をお示しください。 ◎加藤 副参事 新しい学習指導要領では、子どもたちがさまざまな社会的変化を乗り越え、持続可能な社会のつくり手となるための資質、能力を身につけられるための教育の重要性が明記されております。その変化に的確に対応した研究と実践につながることができますよう、必要に応じて研究テーマや研究校を拡大するなど、世田谷区全体の教育の質の向上に向けて柔軟かつスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 プログラム拡大のためには予算の確保も重要だと思いますので、引き続き取り組みに注目してまいります。  次に、オリンピック・パラリンピック及びホストタウンに関する学校での取り組みについて伺います。  今回の東京二〇二〇大会を児童にとって生涯の記憶に残るような体験学習に結びつけるために、区で実施または予定している取り組みについて教えてください。 ◎板澤 副参事 教育委員会といたしましては、平成二十八年度からオリンピック・パラリンピック教育を教育課程に位置づけるとともに、オリンピアン、パラリンピアンとの交流やパラスポーツの体験など、各学校や幼稚園の特色を生かして子どもたちが直接学ぶ機会の充実を図ってまいりました。  また、世界ともだちプロジェクトといたしまして、東京都が各学校、園に割り振っている五カ国に加え、世田谷区独自にホストタウン及び姉妹都市提携を結んでいる国の四カ国を割り振りまして、合計九カ国について、対象国の文化や歴史を調べたり、食文化理解の一環として、オリパラ給食を実施したりするなど、子どもたちが関心を持って学習ができるよう、東京都と連携した取り組みなども進めてまいりました。  さらに、ホストタウンといたしまして、担当所管課と連携しながら、USOPCやアメリカ大使館との交流事業等も進めてまいりました。  来年度、本番を迎えることから、子どもたちにとって大きなレガシーとなるよう、さまざまな取り組みを計画的に進めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 いよいよ大会が来年に控えておりますので、ますます力を入れて取り組んでいただくよう要望いたします。  最後に、区内で実施されている交流事業についてお伺いします。  現在、区内の三校では、山村と都会の生活との交流体験並びに意見交流学習を通じて、豊かな人間性や社会性を育むことを目的として、群馬県川場村との川場交流、山形県舟形町との舟形交流を行っています。前者は昭和五十七年、後者は昭和六十二年ごろから開始された歴史あるプログラムのようですが、内容について簡単に教えてください。 ◎田中 学務課長 お話がございました二つの学校間交流ですが、川場交流につきましては、川場小学校と千歳台小学校の交流となります。五年生の冬季に千歳台小の児童が川場小を訪問し、スキー等の交流を行っております。また、翌年の六年生の夏季に川場小学校の児童が千歳台小学校に来訪し、学校でのプール等の交流を行っております。  次に、舟形交流ですが、舟形小学校と代沢小学校、山崎小学校の三校交流となります。五年生の夏季に代沢小、山崎小の児童が舟形小を訪問し、川遊び等の交流を行っております。また、同年の秋季には、舟形小の児童が、代沢小、山崎小に来訪し、東京めぐり等の交流を行っております。  各交流事業の宿泊につきましては、川場交流の冬季は世田谷区民健康村での宿泊ですが、それ以外はそれぞれの自宅等でのホームステイとなります。  なお、次年度から舟形交流の夏季につきましては、児童の人数比等の関係で、ホームステイから教育宿泊施設への変更となる予定です。  交流事業実施には、学校、保護者が主体となっており、事業への理解、協力が不可欠であると考えております。  なお、教育委員会は、相手方の教育委員会との調整等の支援を行っております。 ◆神尾りさ 委員 交流事業の実施は、教師や保護者の協力ありきであることがよくわかりました。  一方で、子どもたちの豊かな心と知力の育成にはこのような特別な体験が影響することも認識されています。交流事業の最後には、児童が別れを惜しんで大泣きすることもあると伺いました。少し解像度が悪いですが、そのときの写真をお借りしてきました。  ここで保護者の感想を少し抜粋させていただきます。毎年いろいろな姿を見せてくれるこの交流に、ことしも人と人とのつながり、きずなを実感しました。二人目、机上の勉強では得られない友情、感謝、自然、この夏季舟形交流は、多くの保護者、先生、関係者の協力で実現できました。三人目、たった三日間という期間ですが、そこで子どもたちが得られる経験は、ほかにはかえがたいものであると再認識できました。以上が参加した保護者の声の一部です。  たった三日間の交流で、児童も保護者も心を動かし、涙を流して別れを惜しむプログラムが存在します。一方で、区では、本プログラムの開始時期が遠い昔のことで、現在の保護者はこのようなかかわりを負担に思うのではないかという認識から、本プログラムについて特に周知しておりません。しかし、子どもにとって価値がある機会や経験のためには努力を惜しまない保護者もいることを理解すべきです。  金太郎あめのように、どの学校も画一的に同じ取り組みをするのではなく、児童も教師も保護者も、そして地域も一緒になって、児童の育成のために協力できる機会の創出を区は前向きに支援する体制であってほしいです。  三校における取り組みについて、学校関係者や保護者に広く知ってもらい、希望がある学校には事業の開始に向けて区が支援する取り組みがあってもよいのではないかと考えます。見解をお聞かせください。 ◎田中 学務課長 学校間交流は、自然や環境等が異なる地域にある学校が相互に交流し、お互いにすぐれた部分、分野や伝統に触れ、相互理解と友情、広い視野を育成する事業であると教育委員会としても認識しております。  事業の周知につきましては、各学校主体での独自の取り組みであるため、現在は学校ホームページ等での周知が中心となっておりますが、学校と連携し、周知に努めてまいります。  また、事業の実施に当たりましては、学校の理解もさることながら、学校のある地域の方々にも理解を得ながら進める必要があると考えます。また、相手方の学校、自治体の理解も得る必要があります。  教育委員会いたしましては、こうした課題も踏まえた上で実施を希望する学校がある場合は、しっかりと相談に対応し、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆神尾りさ 委員 ありがとうございました。これが本文教委員会における最後の質疑になりますので、教育長に子どもの豊かな心と知力を育成する教育に向けたお考えをお伺いしたいと思います。 ◎渡部 教育長 変化の激しい時代を生き抜く子どもたちがさまざまな課題へ主体的に取り組む力を育むためには、教育の質的な変換を図ることが重要だと考えております。  オリンピック・パラリンピック教育における体験活動や通常では得がたい他地域との交流の中で、子どもたちが自然の大切さや豊かな感性を育むこと、さらに自分の価値を認識しつつ、他者と共同する力等の社会性を育むことが大切だと考えます。  子どもたちが多様な人々とつながりを持ち、未来に向けて主体的に学ぶために、保護者、地域と一体となった教育活動が展開できるよう、学校を支援して、子どもの豊かな人間性と豊かな知力を育成してまいります。 ◆神尾りさ 委員 現代社会を生きる子どもたちは、家庭と学校と、そして塾と、毎日本当に忙しい日々を送っています。そんな中で、子どもたちの心が動く教育を教育委員会が一丸となって提供できるように頑張っていただきたいと考えます。  今後も児童を主役にしたさまざまな取り組みを応援してまいります。  これで質疑を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時四十九分散会...