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令和 元年  9月 決算特別委員会-10月07日-05号

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  1. 世田谷区議会 2019-10-07
    令和 元年  9月 決算特別委員会-10月07日-05号


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    令和 元年  9月 決算特別委員会-10月07日-05号令和 元年  9月 決算特別委員会 令和元年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第五号 日 時  令和元年十月七日(月曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十六名)    委員長       石川ナオミ    副委員長      河村みどり    副委員長      中塚さちよ              阿久津 皇              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              河野俊弘              宍戸三郎              下山芳男              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              板井 斎
                 岡本のぶ子              佐藤弘人              高久則男              高橋昭彦              平塚敬二              いそだ久美子              風間ゆたか              桜井純子              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              神尾りさ              小泉たま子              佐藤美樹              つるみけんご              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              ひうち優子              そのべせいや              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 下村義和  出席説明員   副区長            宮崎健二   世田谷総合支所保健福祉センター           所長     竹内明彦           生活支援課長 木田良徳           保健福祉課長 白木裕二           健康づくり課長                  河島貴子           子ども家庭支援課長                  藤原彰子           副参事    石山俊裕   北沢総合支所保健福祉センター           所長     木本義彦           生活支援課長 加藤康広           保健福祉課長 柏原耕治朗           健康づくり課長                  淺見一雄           子ども家庭支援課長                  小林清美   玉川総合支所保健福祉センター           所長     山田 実           生活支援課長 須田将司           保健福祉課長 亀谷智惠子           健康づくり課長                  石崎泰江           子ども家庭支援課長                  瀬川卓良   砧総合支所保健福祉センター           所長     若林一夫           生活支援課長 箕田裕子           保健福祉課長 安間信雄           健康づくり課長                  小松大泰           子ども家庭支援課長                  髙橋裕子   烏山総合支所保健福祉センター           所長     柳澤 純           保健福祉課長 和田康子           健康づくり課長                  奈良部晴美           子ども家庭支援課長                  大里貴代美   保健福祉部   部長     板谷雅光           地域包括ケア担当参事保健福祉部長兼務)                  板谷雅光           調整・指導課長                  加賀谷 実           生活福祉担当課長                  山本久美子           国保・年金課長                  五十嵐哲男           保険料収納課長                  志賀孝子   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                  板谷雅光           梅ヶ丘拠点整備担当課長                  三浦与英   高齢福祉部   部長     長岡光春           高齢福祉課長 三羽忠嗣           介護保険課長 杉中寛之           介護予防・地域支援課長                  佐久間 聡   障害福祉部   部長     片桐 誠           障害施策推進課長                  太田一郎
              障害者地域生活課長                  阿部辰男           障害保健福祉課長                  宮川善章   子ども・若者部 部長     澁田景子           子ども育成推進課長                  堀込章仁           児童課長   相蘇康隆           子ども家庭課長                  増井賢一           若者支援担当課長                  望月美貴   児童相談所開設準備担当部           部長(子ども・若者部長兼務)                  澁田景子           児童相談所開設準備担当課長                  長谷川哲夫           児童相談所運営計画担当課長                  土橋俊彦           一時保護所開設準備担当課長                  髙添純二   保育担当部   部長     知久孝之           保育課長   後藤英一           保育認定・調整課長                  有馬秀人           保育計画・整備支援担当課長                  中西明子   世田谷保健所  所長     辻 佳織           副所長    鵜飼健行           健康企画課長 大谷周平           健康推進課長 相馬正信           感染症対策課長                  安岡圭子           生活保健課長 加藤政信     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成三十年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成三十年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成三十年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成三十年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成三十年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○石川ナオミ 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆ひえしま進 委員 おはようございます。無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。  まず、八〇五〇問題について質問します。  皆さん、まだ記憶に新しいと思いますが、川崎の無差別児童殺傷事件、練馬の元農水次官による長男殺害事件が起き、改めてひきこもりの問題がクローズアップされました。ひきこもりイコール犯罪というわけではありませんが、こうした事件との関連で、ひきこもり、八〇五〇問題といったワードが耳目を集めたことは事実であります。  先日、区内の本屋さんに入りましたら、愛知教育大准教授の川北稔さんという社会学者の「8050問題の深層『限界家族』をどう救うか」、この本でありますけれども、この本が平積みになっておりまして、話題の本として並んでおりました。この本は、ひきこもりと一口に言っても、ひきこもりに至る理由もそうですが、現状いろいろなケースがあり、実に多岐にわたっております。多くの事例が挙げられておりまして、大変参考になりますので、皆さんに御一読をお勧めします。  ことし三月の内閣府の調査によりますと、四十から六十四歳のひきこもり状態にある人は推計六十一万人、若年層を含めると百十五万人、都内でも約十一万人に上るということであります。これまでひきこもりは若者の問題と思われておりましたが、中高年の対策が急務であります。  これまでの区の答弁によれば、中高年のひきこもりは世田谷区内で約四千八百人に上ると推定されており、かなりの数に上ります。早急に八〇五〇問題に本腰を入れて取り組まなければならないと考えます。  これまで我が会派の田中優子委員が取り上げておりますが、まず正確な実態調査が必要だと思います。九月に生活福祉担当課から報告がありましたひきこもり実態調査、アンケートの集計結果を見ましたが、これは全民生委員、児童委員に対して行ったもので、サンプル数が五百四十五、回答者は百六十、回答率は約二九・四%ということもありまして、正直申し上げてこれでは実態はよくわからないと思います。  六月の福祉保健常任委員会山本生活福祉担当課長が、あんしんすこやかセンターぷらっとホーム世田谷など支援機関で、あるいはケアマネジャーや家族会といった方々に対してアンケート調査を行う予定だと答弁されていますが、この進捗はどうなっていますか。 ◎山本 生活福祉担当課長 現在、さらなる実態把握の一つとして、区職員によるひきこもり当事者、経験者及び区内支援機関へのヒアリングやひきこもり家族会へ出席して御意見を伺うなどの取り組みを既に始めており、今後も継続して実施してまいります。  これと並行して、区の生活困窮者自立相談支援機関であるぷらっとホーム世田谷が中心となり、ひきこもり当事者及び家族への支援をテーマとして、地域の就労や社会参加を支援している機関、団体等による会議を開催し、今回の民生・児童委員へのアンケート調査結果の共有や今後の進め方についての検討を行ったところでございます。  この結果、各支援機関の間での情報共有、連携のより一層の強化を目的に、ぷらっとホーム世田谷あんしんすこやかセンター、メルクマールせたがや、ゆに(UNI)などの支援機関の相談員による事例検討会を年度内に複数回実施することになっております。  こうした事例検討会の場も活用するなど、ひきこもり当事者や家族の支援ニーズと支援を行う上での課題等を把握してまいります。 ◆ひえしま進 委員 まず区では、三十九歳以下のひきこもりについては、メルクマールせたがやで対応していると聞いております。四十歳以上の方に対して問い合わせなどがあった場合、どのような現状認識で対応を行っているか教えてください。 ◎望月 若者支援担当課長 メルクマールせたがやは、区内の中高生世代から三十九歳までの生きづらさを抱えた若者については、ワンストップでの伴走型支援を行っており、具体には、来所や訪問による相談支援、居場所支援を行っております。そして御家族に対しては、当事者の方の年齢を問わず、セミナーや家族会などの家族支援を、臨床心理士や精神保健福祉士などの有資格者が他機関と連携しながら実施しております。  これまで五年間の相談支援の実績より、相談者の半数以上が精神疾患またはその疑いがあること、また、三分の一以上が発達障害またはその疑いがあることが明らかになったことから、臨床心理士等の専門性を持ったスタッフが支援に当たる必要性を認識しております。  さらに、早期に支援につながった方ほど、自立に向けた動き出しがスムーズであることが裏づけられたことから、十代の若者への支援事業、ティーンズサポート事業を初めとする早期支援を強化し、課題の長期化、複雑化の予防に取り組んでいるところです。  現時点では、四十歳以上の方からの御相談はほとんどございませんが、御本人やその御家族からお問い合わせを受けた場合は、その方の状況を伺い、ぷらっとホーム世田谷や区の保健福祉センター、医療機関など適切な支援先におつなぎしております。ひきこもりが長期化する前に、当事者や家族の孤立状態を解消する取り組みに、引き続き注力してまいります。 ◆ひえしま進 委員 この本でも、中高年のひきこもりは親の介護を通じて明らかになるケースが多いと指摘されておりますが、世田谷区だと地域包括支援センターであるあんしんすこやかセンターの接点が多いと思います。これも現状の認識と対応をお聞かせください。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 八〇五〇問題につきましては、ひきこもりの本人も家族も、周囲や区に対し相談したり、助けを求めたりできず、孤立しているケースが多いため、区の相談窓口では長期間にわたり状況を把握できないことが課題であると認識しております。あんしんすこやかセンターは、介護保険法に基づく地域包括支援センターとして高齢者の相談に対応するほか、障害者や子育て家庭等の困り事を抱える区民の相談にも応じ、必要に応じ、専門機関の紹介等を行っております。  ひきこもりの方につきましては、高齢で介護が必要となった親の相談を通じて把握することが多く、また、近所の方や民生委員からの情報が寄せられて把握する場合もあります。あんしんすこやかセンターの対応といたしましては、当該世帯への訪問等を行い、高齢者の親の状況に加え、状況によってはひきこもりの方の状況の把握にも努めております。  そうした情報も参考に、関係者による地域ケア会議を開催し、対応策を検討し、専門の支援機関等と連携しながら、高齢の親の支援及び当該世帯への支援に取り組んでおります。今後も情報収集に努めるとともに、関係機関と連携しながら対応してまいります。 ◆ひえしま進 委員 ひきこもりで多くの場合で課題となっているのが就労です。これについては生活困窮者自立相談支援センターであるぷらっとホーム世田谷がありますが、同じく現状の認識と対応を教えてください。現在の世田谷区でひきこもりについて一番接点を持つのはぷらっとホーム世田谷を含むこれら三つの機関だと思いますが、何らかの情報共有はされていますか、教えてください。 ◎山本 生活福祉担当課長 ぷらっとホーム世田谷では、平成三十年四月から令和元年七月末までに生活困窮、またはそのおそれのある方、三百四十一名について支援を行っており、このうち、ひきこもりまたはこれに準ずる方は四十二名でございます。ケースとしましては、親の介護や本人の障害など、世帯内でさまざまな課題が複合的に組み合わされて深刻化している事例が多く、それぞれの状況に応じて関係する機関が柔軟に連携し、適切に支援を行う必要があると認識しております。  現在、介護の問題が関係する事例では、必要に応じてあんしんすこやかセンターなどひきこもり当事者と同居している親世代の支援機関と情報を共有し、連携して取り組んでいるところです。また、ぷらっとホーム世田谷が定期的に開催している地域関係機関調整会議や子ども・若者育成推進法に基づき、若者支援担当課が開催している子ども・若者支援協議会ひきこもり・就労支援部会において、メルクマールせたがやを初めとする関係機関と情報交換の機会を持ち、情報共有に取り組んでいるところです。 ◆ひえしま進 委員 ひきこもり家庭にとって一番困っているのは、どこに相談してよいかわからないということだと思います。今、答弁では関係機関で連携しているとのことでしたが、とはいうものの、あんすこやぷらっとホーム世田谷に相談しても、あんすこならば主に高齢者の介護、ぷらっとホームであれば就労というようにそれぞれの担当領域というものがありますから、それ以外のことにはなかなか十分に対応できないのが現状だと思います。  先ほども申し上げましたが、ひきこもりの理由は、あるいはまた状態というのは多種多様であります。家庭内で複数の問題を抱えているケースが多いわけでありまして、しかし、他自治体でも窓口は介護、障害、生活困窮など課題ごとに分かれていることが多く、この縦割りのせいでたらい回しにされて孤立する事例があるわけであります。まずは、庁内に中高年のひきこもりに特化したDV相談窓口のような八〇五〇問題専門の相談窓口を設け、そこから関係機関が連携して解決を図るように制度設計するべきだと思いますが、見解を伺います。 ◎山本 生活福祉担当課長 委員お話しのとおり、ひきこもりの状態に至る原因については、障害や親世代の介護等さまざまなものがあり、このため、関係する機関も多岐にわたっている現状があります。  国では、都道府県や政令指定都市に、ひきこもり地域支援センターの段階的な設置を進めており、東京都はひきこもりサポートネットを開設、ひきこもりの本人やその家族の方からの電話、メール等による総合的な相談に対応しておりますが、具体的な相談支援について、区のメルクマールせたがやにつなぐ仕組みとなっております。  現在、区では、メルクマールせたがやを初め、福祉の相談窓口等、区のさまざまな機関に寄せられた相談ケースは、必要に応じてぷらっとホーム世田谷、ゆに(UNI)などの支援機関が連携して対応しております。令和二年度に向け、国でもひきこもり地域支援センター生活困窮者自立支援機関との連携強化や、アウトリーチ機能の強化等の方針を打ち出していることから、区でも既存の仕組みの見直しや支援機関相互の連携の強化、一体的な相談対応の仕組みづくりも視野に入れて取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 今、前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ専門窓口、専門部署を立ち上げていただいて、この問題は長期スパンでかかわらないといけないものだということは、山本課長はよく御存じのことですから、専従職員を設置するなど、腰を据えて取り組んでいただきますよう強く要望いたします。  東京都は、ひきこもりの支援協議会を立ち上げ、九月に初会合を開きました。実態把握に向けた調査を行うとともに、来年秋に提言をまとめるとのことです。協議会は保健医療の関係機関、学識経験者、当事者家族会など約二十人で構成されているとのことですが、世田谷区でもNPOの方々も交えてこのような協議会なり連絡会なりを立ち上げる予定はありますか。また、都と連携していくことについてはどのように考えていますか。答弁をお願いします。 ◎山本 生活福祉担当課長 区では、今後、中高年を含めたひきこもり当事者やその家族への具体的な支援をどのように行っていくかについて、まずは当事者やひきこもりの家族の方の意見を聞きながら、庁内横断的な検討を行う必要があると考えております。都との連携につきましては、東京都ひきこもりに係る支援協議会の担当所管ともぷらっとホーム世田谷、メルクマールせたがやの担当者を交え、既に意見交換会を行っており、今後も連携して取り組む予定でおります。  ひきこもりの方は、人によってひきこもりになる原因も異なり、それぞれに複雑な課題を抱えておられる方が多い現状にあります。区でも、まずは当事者の声を丁寧に伺いつつ、庁内のさまざまな所管が連携し、都の支援協議会で得られた知見についても共有しながら、ひきこもり当事者の方や御家族の方に寄り添った支援を目指して取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 初めにアンケート調査に触れましたが、やはり広く実態を把握するためには相当のサンプル数が必要だと思います。  そこで、区は毎年、世田谷区民意識調査を発行していまして、四千人を対象としております。これにひきこもりに関する項目を設け、実態把握をしたらどうかと提案いたしますが、見解を求めます。 ◎山本 生活福祉担当課長 今回のアンケート調査で把握できたひきこもりの方の数は七十二名にとどまっており、さらなる実態把握の一つとして、現在さまざまな支援機関へのヒアリング調査の実施等、検討を進めているところでございます。  一方、今回のアンケート調査でも、民生・児童委員の方から実際にその方がひきこもりかどうか、御本人や御家族の方から相談がないと判断が難しい、一見ひきこもりのように見えても違うかもしれず、確かめるのも難しいといった御意見も寄せられております。こうしたことから、適切に実態把握を行うためには、まずひきこもりの方がどのような状態に置かれていて、どのような課題を抱えているかなどについて、ひきこもり当事者の方や支援機関の相談員の声を伺うことが大切と考えております。  先般、アンケート調査に御協力いただいた民生・児童委員の方からは、個人的な問題でもあり、なかなか打ち明けてもらいにくい、マンションが多く居住者の変動も多い、家族からのSOSが出されないと発見しづらいなどの意見が寄せられていることから、まずは、当事者や学識経験者等の御意見を聞きながら、有効な調査方法等について検討を重ねてまいります。 ◆ひえしま進 委員 江戸川区では、今月からひきこもり当事者や家族らを対象にしたインターネットによる実態調査を始めるとのことですので、他自治体の取り組みも参考にしていただいて、実態把握に向けて工夫していただきますよう要望し、八〇五〇問題については終わりにします。  次に、世田谷区の子宮頸がんのHPVワクチンについてお聞きします。  現在、世田谷区のホームページには以下のような文言が掲載されております。「平成二十五年六月十四日に厚生労働省より、HPVワクチンを接種した後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が特異的に見られたことから、積極的な接種の勧奨を控えるよう勧告があり、対象の方へ個別通知を送付しておりません」とあるわけです。実際のところ、ワクチンと副反応についての因果関係はいまだに証明されていないわけですが、かつてメディアでは、ワクチンの副反応ではないかと言われて、アナフィラキシー様症状にある少女がセンセーショナルに放映されるなど、記憶にある方も多くいらっしゃると思います。  子宮頸がんワクチンの接種対象者は、小学六年生相当年齢から高校一年生相当年齢の女子となっておりますが、世田谷区内の平成二十五年から現在に至るまでの子宮頸がんワクチンの接種者数、接種率の推移を教えてください。 ◎安岡 感染症対策課長 子宮頸がんワクチンにつきましては、平成二十五年四月から法に基づき、区市町村が公費で実施する定期予防接種となりました。そのため、区は対象者全員に個別の接種勧奨を行い、同年度末までのワクチン接種者数は五百八十人を数え、接種率は三・二%でした。  一方、お話にありましたとおり、区は同ワクチンとその接種に伴う副反応との因果関係が否定できないことに鑑み、接種対象者の安全と安心を最優先と判断し、平成二十五年六月の厚生労働省の勧告を遵守し、それ以降、同ワクチンの積極的な接種勧奨を見合わせているところでございます。その影響を受け、平成二十六年度から二十九年度の各年の接種者数は五十人以下に減少し、接種率も〇・三%を下回りましたが、昨年度は百四十九人、対象者の〇・九%が接種をしています。 ◆ひえしま進 委員 当然、接種勧奨を見合わせていますから、定期予防接種時よりもかなり少なくなっております。しかし、平成三十年度は増加に転じているわけです。接種される方はいらっしゃるということなんです。  現在、ワクチン接種は本人、あるいは保護者の判断に委ねられているわけで、そこで区のホームページを見ますと、厚労省の勧告が出されているので、接種について消極的な印象を受けるのは仕方ありません。しかし、接種を希望する方向けにはとても不親切に感じるところがあります。  今までこれを見て、接種希望者はどうすればいいかとってもわかりづらかったと思いますけれども、私の要望を聞いていただきまして、「接種を希望される方には予診票を送付します。感染症対策課までお問い合わせ下さい」という文言はホームページの見やすいところに入れてもらいました。しかし、対象者が接種する場合は、本来無料なんですけれども、このことがどこにも明記されていません。助成されることを知らないまま医療機関を訪れると、半年以内の全三回接種で五から六万円支払うことになります。実際に私の周りでは自費で接種した方がいらっしゃいましたけれども、これはかなり問題だと思います。無料であることは書いてありませんので、無料であることをしっかりと明記するよう求めます。  もっと言えば、やはり幾ら厚労省が消極的でも、対象年齢になった子どもがいる家庭には、リーフレットなりなんなり、個別に案内を出したほうがいいと思います。厚労省の勧告は勧告で載っければいいわけです。希望者は、予診票をもらって指定医療機関に行けば無料ですよと明記した案内を出したらいかがですか。ヘルスリテラシーの観点からも、本人や保護者が判断するための情報は、行政として中立で正しく提供すべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎安岡 感染症対策課長 委員御指摘のように、接種対象者本人やその保護者が子宮頸がんワクチンの接種を判断するために、区として適正な情報をお伝えすることは重要であるものと認識しております。そのため、区はホームページを活用し、子宮頸がんワクチンの接種対象者等の基本情報、ワクチンの有用性などに加え、接種対象者の安全と安心の観点から、接種による副反応、接種上や接種後の注意点など、より幅広い内容を掲載し、広く区民に御提供するよう努めております。  一方国は、昨年秋に実施した調査では、全国で九十七の自治体が、対象者にリーフレット等の個別送付によるワクチンに関する情報提供を行っているとのことでした。区といたしましては、今後も区民に適正な情報を提供するために、予防接種に係る費用を含め、区のホームページの掲載内容等を適宜見直してまいります。  また、今回御提案の個別通知につきましては、特別区間で定期予防接種の実施に関し相互に乗り入れしていることなども踏まえ、特別区保健予防課長会等へ課題を提起してまいります。
    ◆ひえしま進 委員 よろしくお願いします。  WHOが発表した二〇一九年版の世界の健康に対する十の脅威というものがあります。中身を見てみますと、その十の脅威は、大気汚染と気候変動、非伝染性疾患、世界的インフルエンザの流行、貧困・飢餓、AMR、これは薬剤耐性菌のことですけれども、あとエボラと高脅威病原体、一次医療の未整備、ワクチン忌避、デング熱、エイズと、こうあるわけであります。これにもワクチン接種の忌避が挙げられておりますように、根拠なき恐怖心からワクチン接種を忌避することほど愚かなことはありません。子宮頸がんは明らかに予防できるがんでありまして、私自身はHPVワクチン接種を速やかに再開すべきだと思っております。  そこで、この十の脅威の中で、世田谷区でも特に対処しなければならないと思われる項目について、時間の許す限り順次質問いたします。  最も重要と思われるこのワクチン接種について引き続きお聞きいたします。  先日、激しい下痢や嘔吐を引き起こすロタウイルスの乳児向けワクチンについて、厚労省は原則無料で受けられる定期接種に加える方針を決定しました。これまで個人で接種すると三万円ほど費用がかかっておりましたが、保護者の方たちにとっては大変な朗報だと思います。  そこでお聞きしますが、区としては、ロタウイルス定期接種化についてどのように準備し、周知して取り組んでいくつもりなのかお聞きします。 ◎安岡 感染症対策課長 国は、今までの予防接種基本方針部会の審議を踏まえ、ロタウイルスワクチンの定期接種化を妥当と判断し、本年十月二日の同部会で、ワクチン接種の対象者等の具体的事項について諮ったことを明らかにしています。  区は、予防接種法に基づく定期予防接種の実施者として、法改正後には速やかに当該予防接種を実施する必要がございます。御指摘のロタウイルスワクチン定期接種化の備えといたしましては、庁内関係所管とともに予算確保の調整を図ります。また、個別勧奨や区報等を活用した区民周知などの準備に取り組みます。さらに、予防接種の実施体制の確保に向けて、地区医師会へ情報を提供し、協力を求めてまいります。 ◆ひえしま進 委員 これも十の脅威に挙げられておりますインフルエンザでありますけれども、東京都保健局が都内のインフルエンザ定点医療機関、四百十九カ所ありますけれども、ここからの患者報告数が流行開始の目安となる定点当たり一・〇人を超えたと発表しました。  都内では、小学校で二十八校、中学校で四校、幼稚園で二園が既に学級閉鎖、臨時休業しているとのことですが、世田谷区の現状を教えてください。インフルエンザワクチンの接種状況、ワクチンの在庫が足りているのか、今後の備えは万全なのか伺います。 ◎安岡 感染症対策課長 本年九月末現在、区においても東京都と同様に流行開始の基準を超えた患者数が発生しております。例年、学校や施設での集団発生の報告はおおむね十一月ごろからふえ始めますが、ことしは既に九月以降、週一件から三件程度の集団発生の報告を受けております。  インフルエンザワクチンの接種状況ですが、定期接種の高齢者インフルエンザ並びに区独自の子どもインフルエンザの各予防接種助成につきましては、例年約四四から四七%の接種率を推移しております。また、国は、今年度のインフルエンザワクチンの製造予定量として、本年七月末時点で約二千九百五十一万本を見込んでおり、近年の使用量等からワクチンを適切に使用すれば不足は生じないと公表しております。その状況を踏まえ、区としても今年度、区内のワクチンに不足は生じないものと判断しております。  なお、ことしはインフルエンザの流行開始が例年より早く、今後、本格的な流行を迎えることも勘案し、流行状況やワクチンの供給に係る情報の速やかな収集に努めるなど、インフルエンザ対策を確実に行ってまいります。 ◆ひえしま進 委員 次に、AMR、薬剤耐性について区の取り組みをお聞きします。  平成二十八年に政府が取りまとめた薬剤耐性対策アクションプランを受けて、保健所がこれまで結核対策における薬剤感受性の把握や服薬支援など、さまざまな取り組みをされてきたことは承知しております。医師、薬剤師など医療関係者とも意見交換されてきたようですが、ここ一年での具体的な動き、成果、また区民への啓発活動があれば報告してください。 ◎安岡 感染症対策課長 薬剤耐性とは、細菌が抗菌薬、いわゆる抗生物質の不適切な使用により抵抗性を持ち、効きにくくなることを意味します。区におきましても、新型インフルエンザ等対策地域医療体制検討部会を通じ、国の薬剤耐性対策アクションプランに基づき、区の感染症対策ネットワークの形成等に対する意見をいただいております。  また、今月、高齢者・障害者施設職員等を対象に開催する感染症対策セミナーにおいて、薬剤耐性対策の内容を加えた講義を予定してございます。  今後も、関係機関と連携を図り、区民などより多くの方にわかりやすい啓発方法を検討するなど、薬剤耐性対策に取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 特定健診についてお尋ねします。  十の脅威にあります非伝染性疾患、具体的には糖尿病、がん、心臓病などが思いつくわけでありますが、国民健康保険の特定健診の実施は、これらを未然に防ぐ、あるいは早期発見に結びつける有効な取り組みだと思います。受診率は過去五年間でどのようになっていますか、お答えください。 ◎五十嵐 国保・年金課長 特定健診は、生活習慣病の予防及び病気の早期発見を目的としまして、四十歳から七十四歳までの国民健康保険被保険者に実施しております。現在実績が出ている平成二十九年度までの過去五年間の受診率は三七%台を推移しておりまして、横ばいの状態が続いており、より一層の工夫を凝らした勧奨が必要であると認識しております。  区は、国民健康保険の保険者として被保険者の健康状態を把握し、健康の保持増進に向けた保健事業等の提供が求められていること、また被保険者の生活習慣病等の病気の予防、早期発見の観点からも、さらなる受診率の向上を図ってまいります。 ◆ひえしま進 委員 この答弁のように、受診率はかなり低いわけですけれども、今後の達成目標などはありますか、それに向けてどのように取り組んでいくのか答弁をお願いします。 ◎五十嵐 国保・年金課長 世田谷区国民健康保険特定健診等実施計画において、特定健診の目標受診率を定めておりまして、直近ですと平成三十年度が三九・〇%、令和元年度は四〇%に設定しております。特定健診受診率の目標を達成するための勧奨の取り組みとしまして、対象者全員に健診案内の送付、「区のおしらせ」やホームページ等への記事掲載、町会・自治会へのチラシ回覧、医療機関へのポスター掲示などを実施しております。また、全員に対する統一的な勧奨とは別に、受診履歴等から対象者をタイプ別に分類し、その特性に応じた受診勧奨通知を送付しております。  昨年度からの新たな取り組みとしましては、過去の健診結果から健康状態を年齢で表現した健康年齢を受診勧奨通知に記載しており、対象者に健康状態を直感的にわかりやすく伝えて、健康に関する関心を高める取り組みを実施しております。  特定健診は、国民健康保険の被保険者に対する保健事業の中核をなす重要な取り組みとなりますので、引き続き、勧奨の取り組みを積極的に進め、受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆ひえしま進 委員 最後に、エイズについてお聞きします。  エイズを初めとする性感染症の健診、あるいは教育現場などでの啓発活動について、区が懸命に取り組んでいることは評価したいと思います。  ここでお聞きしたいのは、エイズ予防薬の対応についてであります。PrEPというエイズ予防薬がありますが、このPrEPというのは暴露前予防投薬という意味で、欧米の男性同性愛者間に使用が広がっていると、米国では十万人が使用されていると、オーストラリアでも一万二千人に及ぶと推計されています。アジアでも台湾とかタイは予防薬としてもう既に承認されていると、ベトナム、フィリピンでも導入が検討されております。  あと、このPrEPともう一つ、PEPという暴露後予防投薬というのもありまして、こうした予防薬の使用が広がっていると、日本も時間の問題じゃないかと言われておりまして、これは正規品は保険適用外ですから、十万円から二十万円台とかなり高価ですけれども、ジェネリックは一カ月分で一万円前後、これはネットで購入できるということであります。  こうした予防薬についてどのような認識かお聞かせください。 ◎安岡 感染症対策課長 HIV、エイズを取り巻く環境の変化に対応するため、国は平成三十年に指針を改正し、抗HIV薬に係る研究を進める必要があることを指摘しています。区は、国の動向を注視しつつ、安全な性行動の啓発とあわせて区民への正しい情報提供を行ってまいります。 ◆ひえしま進 委員 以上、WHOの世界の健康に対する十の脅威に即して幾つか取り上げてまいりましたけれども、いずれの脅威に対しても重要なのは、ヘルスリテラシーの涵養であります。このヘルスリテラシーというのは、簡単に言えば健康や医療に関する情報にアクセスして、それを理解し、適切に事態を判断し、対処する能力ということになると思います。  このヘルスリテラシーの向上こそ区民の幸福につながると思いますが、見解を伺います。 ◎大谷 健康企画課長 健康情報を入手、理解し、評価しながら活用するための知識、意欲、能力とも言われるヘルスリテラシーを区民一人一人が高めることは、生涯を通じて生活の質を維持向上することにもつながり、ひいては健康な地域社会を創造し、区民の幸福につながるものとも言えます。  区民一人一人のヘルスリテラシーの向上のために、区は、区民が自分の健康状態を自覚しつつ、生活の質の向上を目指すことを目標に掲げる区の健康せたがやプラン、これに基づき、若い世代を初め、ライフステージに応じた区民の健康保持、増進を目指してまいります。 ◆ひえしま進 委員 ぜひともこのヘルスリテラシーという新しい概念かもしれませんけれども、この涵養にも保健所は積極的に啓発活動をしていくと、また教育現場でもそのようなことを教えていくということをお願いして、私の質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 それでは、質疑を始めます。よろしくお願いいたします。  一般質問でも取り上げてまいりました認知症対策について伺います。  まず、世田谷区が(仮称)認知症施策推進条例の制定に向けて御努力されていることは評価しておりますが、条例の制定は、目的ではなく、認知症になっても安心して暮らせる町を実現することこそが本来の目的であります。そのことを念頭に、本日は、認知症の方が万が一徘回により行方不明になった場合、早期に保護するための命を守るSOSネットワークの構築に向けて質問をさせていただきます。  数年前から認知症による徘回が原因で行方不明者となる方が年々増加していることが大きな社会問題となっております。平成三十年度の認知症行方不明者数は全国で一万六千九百二十七名です。昨年度中に所在が確認された方は、それ以前に捜索願いが出された方も含め一万六千二百二十七名でした。一方、そのほかに、本当に悲しいことでございますが、路上等で倒れている状態などで見つかるなどして五百八名もの方が全国でお亡くなりになられております。  認知症の方がますますふえる見込みにある今、認知症になっても安心して暮らせる町を実現するためには、通常時の見守りのネットワークだけでなく、万が一徘回により行方不明になってしまっても、事故に遭う前に認知症の方を発見するための命を守るSOSネットワークを区として構築し、機能させていく必要があると考えております。  そこでまず、世田谷区内の行方不明者の状況について伺います。昨年度、世田谷区内において、認知症による徘回が原因で行方不明となられた方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症に限らず、区民が行方不明になられた場合、御家族等から警察へ捜索願いが出されますが、警察では個人情報、捜査情報の観点により、それらの情報を外部へ提出することはしておりません。このため、区は認知症による徘回で行方不明になられた方の詳細の数は把握しておりません。  御家族から認知症で行方不明になり、広域的に情報を流してほしいと区に相談があった場合、東京都の行方不明認知症高齢者等情報提供システムを活用し、都内全域の市区町村等へ行方不明の情報を提供し、共有しております。昨年度、区民から六件の情報提供の依頼がございました。 ◆つるみけんご 委員 現状としては、区民から直接区に情報提供の依頼があった六名の方についてのみ情報を把握しており、区内の行方不明者の詳細な状況については把握していないということだと理解いたしました。  では、行方不明に限らず、昨年認知症の方が世田谷区内で事故や事件に巻き込まれたりしていないかということについては把握されていらっしゃいますでしょうか。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症の方に限らず、事故や事件に巻き込まれたという場合、それらの情報は警察が把握しておりますが、警察では個人情報、捜査情報の観点により、それらの情報を外部へ提供することはしておりません。このため、区では詳細の数は把握しておりません。  先ほどお話ししました東京都の行方不明認知症高齢者等情報提供システムを活用した件数は、昨年度六件の情報提供の依頼があり、四件は無事発見されましたが、一件は死亡、もう一件は発見されたが、残念な結果という連絡がございました。 ◆つるみけんご 委員 昨年、認知症の方が世田谷区内でも一名お亡くなりになられていて、さらにもう一名は、発見されたが残念な結果ということで、昨年度だけでもお二人もの方が、認知症による徘回が原因で悲惨な事故に巻き込まれているということが本当に残念でなりません。このことを区はもっと重く受けとめるべきだと考えます。  先ほどの御答弁と若干重なる部分がございますが、一点改めて確認させていただきます。認知症の方が行方不明となり、その御家族の方が警察に捜索願いを出された場合、現状としてその情報が区に共有される仕組みはできておらず、また世田谷区としては、そうした情報を一切得られないという理解でよろしいでしょうか。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 現在は警察に出された捜索願いの情報につきましては、区と警察が情報を共有できる仕組みはございません。区では、御家族があんしんすこやかセンターや支所の保健福祉センターへ御相談していただいたものしか情報を得ることができません。 ◆つるみけんご 委員 非常に受け身な姿勢だと感じました。仮に私が認知症の家族がいる方の立場に立って考えた場合、御家族が、どこか行ってしまって、何とか見つけ出したい、一刻も早く見つけなければと焦っているときに、警察に捜索願いを出した後に、あんしんすこやかセンターに電話しなければというような冷静な判断ができるとは思えません。警察に相談した後、自分自身も心当たりがあるところを必死に探し回るものと思います。当事者意識を持って施策を考えるということは、そういう想像力を働かせることではないでしょうか。もし仮に世田谷区が警察と情報共有ができていれば、捜索願いを出した時点で区も別のネットワークを使って捜索に協力することができるものと考えます。  最初の二つの御答弁では、警察では個人情報、捜査情報の観点により、その情報を外部へ提供していないため、区では把握しておりませんという主張でありましたが、区はこのままの状況でよいと思っておられるのでしょうか。  先日、徘回SOSネットワークに熱心に取り組んでおられる釧路市役所に事前に問い合わせをして、御担当者の方に警察との連携について伺いました。釧路市では、警察に捜索願いを出された際に、警察から御家族の方にSOSネットワークによる捜索を希望しますかということを確認します。御家族の了承が得られれば、警察から釧路地域の役場に連絡をして、すぐにSOSネットワークの活用による捜索に取りかかるそうです。このように、実際に警察と密に連携をとり、情報を共有して捜索を行っている自治体はあるわけです。  また、懸念される個人情報保護法との関係性についてもお調べしましたが、国の個人情報の保護に関する法律では、第二十三条第二項にこれに関する規定があります。第二十三条、「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」ということで、個人情報の第三者への提供を原則禁止しているわけではありますが、その例外を示す第二項で次のように定めております。「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。」、つまり人の命、身体または財産を守るために必要な場合は、本人の同意を得ることが困難であっても例外的に個人情報を提供して、その個人の命、身体または財産を守ることを優先できると解釈できるわけです。  さらに言えば、平成二十六年九月十九日に厚生労働省老健局から各都道府県知事宛てに出された文書である「今後の認知症高齢者等の行方不明・身元不明に対する自治体の取組の在り方について」という文書の中の個人情報の取り扱いに関することという箇所でもこの条文に触れており、これに類する条例規定の解釈で情報の共有化を行っているところもあるので参考にしてくださいという指針が示されております。つまり、警察が外部へ情報を提供していないから、区は行方不明者の情報を把握できませんという先ほどの御答弁における理論は成り立たないものと考えます。区の御見解をお聞かせください。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 釧路警察署などが参加する釧路地域SOSネットワークでは、警察から市町村へ行方不明の情報の提供がなされていることは認識しております。他自治体の取り組みを参考にするなど、どのような仕組みで警察との情報の共有ができるか検討してまいります。 ◆つるみけんご 委員 先ほど御紹介した厚生労働省の文書は平成二十六年度のものです。今からほかの自治体を参考にして研究するというのは対応が遅過ぎると思います。区民の命を守ることを本当に真剣に考えておられるのか疑問でなりません。  さきの文書は、厚生労働省が認知症による行方不明者の全国調査結果をもとに、各自治体が把握している情報を取りまとめて、地域の認知症政策を推進するために通知したものです。こうした通知を受けて、その当時、区はどのような対策をとられたのでしょうか、お聞かせください。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区では、厚生労働省の行方不明のあり方を受け、平成二十七年度に行方不明になる方が早期に安全に御自宅へ帰れるよう、認知症当事者の方を介護されている家族会の参加を対象に、捜索サービスに関する取り組みについてアンケート調査を実施いたしました。  この結果を参考に検討を重ね、平成二十九年度より二十四時間三百六十五日つながる高齢者安心コールを活用して、御家族などに速やかに身元確認ができる高齢者見守りステッカー事業を創設し、普及に取り組んでおります。  また、二十七年度には身近な福祉の相談窓口の地区展開に合わせ、二十七地区において地区で高齢者見守りネットワークを展開しております。 ◆つるみけんご 委員 先ほど少し触れさせていただきました釧路の徘回SOSネットワークは、非常にすばらしい取り組みですので、もう少し詳しく実際の流れについて御紹介させていただきます。  SOSネットワークというと、今や全国で各自治体によってさまざまな形で取り組みが行われておりますが、その発祥の地は北海道の釧路地域と言われており、その取り組みは今から二十五年前から始まっております。  釧路地域は八つの市町村から成り、面積はおよそ六千平方キロメートル、世田谷区の百倍以上の広さであり、過去に認知症による行方不明者の死亡事故という悲惨な事故が起きてしまったことから、家族会関係者や保健所職員の方々が、認知症による徘回について共通の問題意識を持ち、その取り組みが始まりました。  具体的には、認知症の方が行方不明になり、その御家族から警察署に行方不明の届け出が出されると、警察では家族に、徘回SOSネットワークによる捜索を希望しますかということを確認します。その同意が得られると、氏名、生年月日、身長、体重等の個人情報に加え、眼鏡の有無、服装、所持金、行方不明になった日時と場所、そのときの状況等をまとめた手配書を作成し、地元のタクシー協会やトラック協会、地元のFM局であるFMくしろにFAXで流します。そして、FAXを受けたタクシー会社では、無線でドライバーに手配書の情報を流して捜索の協力を要請し、さらにFMくしろでは番組を中断して行方不明者の情報を流します。  また、FMくしろでは、行方不明者が見つかり、ネットワークが解除されるまで、およそ三十分ごとに手配書の情報を繰り返し放送します。  さらに、釧路地域内の役場にも警察から手配書の情報が共有される仕組みになっており、連絡を受けた役場では職員で捜索隊を組み、地域内を探し始めます。これと同時に、郵便局や出前を行うお店、ガソリンスタンドなどにも情報を共有し、家族や関係者だけでなく、多くの人の目で捜索を行います。  釧路地域では、この取り組みが成果を上げておりまして、年間およそ七十名前後の方がこのSOSネットワークにより保護されております。その中には、タクシー運転手の方や通行人の方に発見されたケースも多数あると伺っております。  このように釧路地域では、町を挙げて行方不明者を一刻も早く見つけるための取り組みを実践しておられます。一方、世田谷区においては、この徘回SOSネットワークの役割を世田谷区社会福祉協議会の世田谷徘回SOSネットワークが担っていると認識しております。  そこで、事前にこの取り組み実績について所管にお調べいただきましたところ、三十年度は三件の協力依頼があり、そのうち二件はメール配信前に発見され、一件は配信後、無事保護されたとのことでした。依頼のあった三名とも無事に保護され、本当によかったと思います。  ただ、この方々とは別に、昨年だけで二名の方は重大な事故に巻き込まれてしまっています。また、認知症による世田谷区内の行方不明者数については、はっきりした人数はわからないものの、東京都内の行方不明者のうち、三三・五%が認知症による徘回が原因であることから、試算しますと、世田谷区内の行方不明者は二百六十五名ですので、およそ九十名ほどの方が区内で認知症により行方不明になっているのではないかと推測できます。あくまで試算であり、実数ではありませんが、こうした現状を考えると、区が把握していないところで多くの方が認知症により行方不明になり、当事者も御家族も耐えがたい不安を抱えている可能性が考えられます。  前述のとおり、釧路では、過去の死亡事故をきっかけに同じような悲惨な事故を起こしてはいけないという強い決意を持って今の取り組みを展開しておられます。  世田谷区もこうした悲しい事故が現実に既に起きてしまっています。一刻も早く警察との情報共有を図り、命を守るためのSOSネットワークを構築していくべきと考えます。区の御見解をお聞かせください。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症になられても住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、認知症を正しく理解していただき、地域全体で支えていくまちづくり、地域のネットワークが大変重要であると認識しております。  認知症サポーター養成講座では、道に迷っている当事者への声かけを行うロールプレー等を実施するほか、あんしんすこやかセンターなどが三者連携の中で始めている行方不明高齢者の捜索模擬訓練などを連携しながら、早期に安全に御自宅へ帰れるよう努めております。  区では、二十四時間三百六十五日つながる高齢者安心コールを活用し、御家族等に速やかに身元確認ができる高齢者見守りステッカー事業の普及に取り組んでおります。ほかにも民生委員ふれあい訪問、あんしんすこやかセンターの見守りボランティアによるあんしん見守り事業、事業所とは、高齢者見守り協定の締結、また高齢者を地域全体で見守る高齢者見守りネットワークを地域の方々の協力のもと展開しております。  今後も、現在取り組んでいる多様な見守り事業を一体的に推進し、充実に努めるとともに、委員お話しの見守りネットワークについても警察と連携協力しながら検討してまいります。 ◆つるみけんご 委員 時間になりましたので、佐藤美樹委員にかわります。  ありがとうございました。 ◆佐藤美樹 委員 私からはまず、保育施策関連で三点お伺いしたいと思います。  まず、第一回定例会でも取り上げましたけれども、保育園の園外保育、お散歩の際のお散歩ルートの安全対策というところで聞いていきたいと思います。  大津市のお散歩中の自動車の死亡事故を受けまして、区内でも各園から危険箇所をヒアリングというか、各園からそういった箇所、心配な箇所はないかというのを情報収集して、集約をして、また警察とも協議をしてというような、そういったステップが踏まれているというふうに聞いています。その後の検証状況など進捗をお伺いしたいと思います。 ◎後藤 保育課長 大津市の事故後におきましては、直後に各園へ保育所等によるお散歩マップの自主点検の実施を依頼しましたほか、警視庁から依頼のあった散歩経路及び危険箇所の調査に伴いまして、各園へお散歩ルートの見直しを促すなど点検に取り組んでまいりました。その後、さらに東京都より七月下旬に通知が発出されまして、散歩経路の緊急安全点検について、各園と所轄の警察署及び各道路管理者の三者で合同点検を実施するよう要請があり、九月末時点で区内保育施設及び幼稚園等の約三百五十の施設におきまして、散歩経路における危険箇所の調査が完了いたしまして、三者により現場の確認が必要な危険箇所を抽出いたしましたところです。現在、区内四警察署の管轄ごとに施設の職員、警察署、各道路管理者、これに保育担当部の職員も同行いたしまして、順次子どもの安全をどのように確保するか対策を協議しながら、危険箇所の点検を行っているところです。引き続き、関係所管と協力しながら取り組んでまいります。 ◆佐藤美樹 委員 この夏に、私も知り合いの保育園にスタッフで入らせていただいて、お散歩、実際に歩いてみて、危険と言っている箇所などを一緒に見てみたりしたんですけれども、一緒に散歩をしていると、実際、大津市の事件もあってからなのか、車は結構とまってくれる車も多いなという印象も受けました。ただ、実際全部が全部そうとは限らないですし、やはり安全対策、ハード面でしっかりと手を打てるところは引き続き手を打っていただきたいと思います。  次に、これも以前も取り上げた論点なんですけれども、昨年の予算委員会で取り上げました保育園の入園選考の事務についての電子申請であったり、AIの活用というところを取り上げたいと思います。  入園選考のこれまでの事務については、申込書を申し込みをする保護者側が手書きで全て記入をして、例えば希望園であれば、十園だったり、二十園だったり、たくさん書けばどれか入れるというようなので、たくさん本当に手で書かれて、それを保育入園担当のほうが面接をした後、入力をしていくという事務で、非常に量も膨大なので、こういったところをもう少しシステム導入、RPAであったり、AIであったりというものを導入して効率化をしてはというのを一年半前の予算委員会で取り上げました。  その後、ことしから提出する際の申込書については、エクセルで御自身の情報であったり、先ほど申し上げたたくさん書かなきゃいけない希望園を入力してというような、エクセルも用いられているようなんですけれども、一旦紙で出力をして、やはり紙で提出をして区のほうで受け取るという、なので、区は紙ベースで仕事というふうにはなっているそうなので、もう一声ここも、そのまま電子申請というようなことに、どうせ入力してもらっているわけですので、つなげていってもいいのではないかなと思いますが、見解をお伺いします。 ◎有馬 保育認定・調整課長 まず、委員御指摘のとおり、保護者からの申し込みなんですが、これまでは手書きでお願いしていましたが、今はエクセルで入力し、申込書を提出していただいているところでございます。  また、区側の事務の改善点でございますが、申込書の提出後、これまでは担当がデータを全て入力しておりましたが、来月からは申込書の内容をOCRで読み取り、読み取ったデータは、RPAを使ってシステムにデータを移行する予定となっており、入力事務の軽減、事務の効率化にはつなげております。  また、電子申請でございますが、保護者からは入園申し込みのほか、在園児の保護者の現況の申請や今月から始まった幼児教育の無償化に伴う保育の必要性の認定及び現況の申請など、さまざまな書類を提出していただいておりますので、まずは簡素な申請手続から導入の可能性を検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 申し込みをする側が入力したものをOCRで読み取ってもう一度そのデータにするということですけれども、やはりもう一声、一気通貫でそのままデータに、さっきも申し上げましたけれども、申し込みする側も一回入力をしているので、そういう事務フローに変えていっていただきたいなと思います。  今回この質疑をするのに、ほかの自治体はどうなのかなというところも調べてみたら、入力の電子申請であったり、マッチングのところについては、既に今やっているところと、この四月の入園選考のところでやるところを含めると、十三から十四の自治体で既に導入済み、あるいは導入したものをこれから入園選考にするということで、かなり広がっているなという印象を受けています。  また、総務省のほうから、先日、保育課長にも渡したんですけれども、この保育所利用調整はこうして効率化ということで、総務省のほうでも、入力のところ、申込者の入力情報については、RPAを使っていたり、マッチングのところはAIを使っていたりということを既にこういうやり方があるということを示しているので、そういうものも受けて、これからほかの自治体では、急速的に広がっていくのかなと思いますので、世田谷区は量が膨大なだけに、この事務においては、効率化ということをより一層進めていっていただきたいなというふうに思います。  それから、保育園の保育政策関連で最後一点、保育士の待遇ということについてもお伺いします。  待遇改善、保育士さんの待遇改善もこれまでも何度か質疑をしているところですけれども、先日、台風一五号があった際に、学校や、あるいは幼稚園というところは割と早目に、あらかじめ休校、休園ということを決められますけれども、保育園というのはやはり福祉施設という性質もあって、休まないのが前提というか、保育園というのをあけているということが前提となっているというところがあると思うんですが、こういうところも保育士さんにおいても、やはり家庭を持っていたり、保育士さんが子どもを抱えていたりもしますので、そういうところも本当は守っていくような何か仕組みがあるといいのかなとも思っています。
     まず、その目に見える待遇改善というところで、これまでの本会議等で複数会派で質疑していますけれども、保育士等宿舎の借上げ支援事業について、やはり区として、世田谷区がこれはもう絶対続けるというところで臨んでいっていただきたいと思いますが、その後の展開があればお伺いしたいと思います。 ◎知久 保育担当部長 御指摘の保育士等宿舎借上げ支援事業でございますが、人材の確保はもとより、今御指摘のございました待遇改善という面で、区としてもなくてはならない事業であるというふうに考えております。  本事業の継続につきましては、七月二十六日に厚生労働省子ども家庭・少子化対策担当の審議官を初め、本省の職員の方々が区内保育施設の視察ということで見えられまして、その際にも、区長、宮崎副区長が面会をしまして、直接要望を行っておるところでございます。また、明日でございますが、小池都知事と区長の意見交換の場がセットされておりまして、そこにおきましても、本事業の継続を区長から強く要請するという予定でございます。  引き続き、あらゆる機会を通じまして、国や都へ宿舎借上げ支援事業の維持につきまして働きかけてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 本当にさまざまな機会を捉えてというところと、冒頭申し上げましたけれども、目に見える待遇というのがこういった家賃助成だったりすると思いますし、目に見えないところでまだまだ保育士さんの待遇改善というのがされていないというのも現状だと思いますので、できるところからしっかり取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、新BOP関連の質疑に移りたいと思います。  先日の福祉常任委員会で、この四月から開始している新BOPの時間延長のことについて、四月、五月、経過して、六月にアンケートをとられたということで、そのアンケート結果の報告が常任委員会で示されました。その際に、そのアンケート結果の内容を見た限り、新一年生もアンケート回答をしていますので、選択式で、その選択肢から楽しいとか、寂しいとか、そういうのを選ぶというような選択式になっていたということで、そうではなくて、その選択肢以外の感想を持っていたり、子どもたちの声というのを拾うべく、自由記載欄はあるのかということを委員会の際に聞いたら、そういうところは記載欄はないというお答えだったんですけれども、その後、課長より、自由記載欄はあって、そこに書かれたものもあったけれども、今回の結果まとめでは集約していないということでした。  また、九月に今回アンケートをとっていると思うんですけれども、やはりその自由記載欄に書かれてくるような子どもの声というのが本当に生の声だと思うので、きちんとこういうところこそ拾っていただきたいですし、拾ったものをそのまま我々議会のほうにも、福祉常任委員会というところで報告をしていただきたいと思いますが、その点について見解を問います。 ◎相蘇 児童課長 新BOP学童クラブ実施時間延長モデル事業については、保護者のニーズや延長利用の有効性、子どもの過ごし方、自立への影響等を検証、検討するために、アンケート調査等を実施しているところでございます。こちらのアンケート調査は、モデル事業を利用している児童や保護者、従事者を対象に、本年六月、九月に実施をいたしまして、年度末の三月にも実施する予定でございます。  現在、六月と九月に実施したアンケートをもとに中間まとめを行っているところでございますが、この児童のアンケートの中にある自由に記載された情報につきましても、子どもたちの生の声として受けとめ、できる限り中間まとめ等に取り入れ、詳細な利用者ニーズや実態、課題の把握を行ってまいりたいと存じます。 ◆佐藤美樹 委員 何でこういうことを聞くのかといいますと、福祉常任委員会でアンケート結果の報告を聞いた際に、私の娘を含め、私が子どもたちからよく学童について聞く言葉で、本当にちょっと申しわけないんですけれども、やっぱりつまらないとか、学童はどうというと、楽しくないという声をやっぱり聞いているんですよね。そういったことが選択肢には現在入っていなくて、友達と過ごせて楽しい、先生と過ごせて楽しいとか、ある意味単一的なアンケートになっていたので、やっぱりこれで本当に子どもの声って拾えているのかなというところを疑問に思った次第です。  どうして子どもたちにとって楽しくないかというその制度設計のところでいうと、やはりどうしても学校の中にあって、学校の中だけれども、これは学校組織とは別だという大人の都合というものは、子どもにとっては全く関係のないことで、どうしても学校の延長で放課後を過ごしているというところに、一番、ちょっと窮屈に感じたりとか、伸び伸び過ごせないという要素があるんだと思います。かねてより申し上げてきていますけれども、今の現行のまま、時間だけただ延長するのではなくて、きちんとその内容面で子どもたちが伸び伸び過ごせるような、そういった内容になっているかというところもきちんと変更した上で、その上で時間延長というふうにやっていっていただきたい。そのためにはやはり民間活用というところも、子どもにとって、学校の中だけれども、違う雰囲気の場所があるというふうに持っていくためには、民間活用ということも一つの手だと思いますので、そこも含め、制度設計を今後考えていただきたいと思います。見解を問います。 ◎相蘇 児童課長 新BOPでは、昔遊びの体験や民間スポーツクラブによる活動研修など、児童が活動しやすく過ごしやすい場所となるよう工夫をしながら運営を行っております。  延長モデル事業については、先ほど御答弁したように現在中間まとめを行っているところですので、この中で新BOPの運営方法や課題解決に向けた検討、民間活力の導入も含めて行っていく予定としておりますので、子どもたちが安心して楽しく過ごすことができる居場所になるように検討を進めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 私からも引き続き、この質疑は続けていきたいと思います。  最後に、地域とのつながりがない、つながりが薄い子育て家庭というのをどうやって区としてそこにつながっていくかというところの論点について、一つの事例から考えていきたいと思います。  私のおばから聞いた話なんですけれども、おばが松本市で保育園の園長の後、こどもプラザって、当区でいう子育てステーションに、休日保育だったり、病児保育がくっついたような、統括的な子どもの支援事業というところがあるんですが、そこの館長をしていたときに、月曜日から土曜日、認可保育所に預けて、休日はその子どもプラザの保育を利用する、要は月曜日から日曜日まで何かしら保育を利用する家庭というのがあって、おばとしても非常に心配で、いろいろなやりとりを通じてかかわりを続けたそうなんです。その休日保育のところで、おばがかかわっている間だけでも本当にいろんな問題が見えてきて、家庭に踏み込む難しさを感じながらかかわってきたという話があって、結局その家庭は、その子が小学校に上がってほどなくして、一時保護所に保護されたというような話が回ってきて、やはりおばとしても、保育園生活の間に、何かもう少し小学校へ上がる前のつながりが持てなかったなということをすごく考えたということを聞きました。  こういう子育て世代の、特に地域のつながりの薄い家庭について、今後、区として、児童館というところもありますが、その辺のつながりについてどういうふうにつなげていくか、お考えを聞きます。 ◎相蘇 児童課長 児童館は乳幼児からの早期発見、早期対応が可能になる施設と考えておりますので、現在策定中の子ども計画の中でも相談支援、見守りネットワークの強化をポイントとしております。児童館が切れ目のない支援や見守りを強化することができるよう、仕組みづくりを進めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 地域とのつながりといった点については、また引き続き質疑をしたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党の質疑を始めます。  まず、一般質問に続けて国民健康保険料の多子世帯、つまり子どもが多い世帯の均等割減免について伺います。  高過ぎる国保料は、区民の暮らしを圧迫するだけではありません。全国知事会などは、加入者の所得が低い国保がほかの医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを国保の構造問題と指摘、国保を持続可能とするため、一兆円の国費投入を求めています。我が党もこの実現を求めるものです。  国保料がほかの医療保険より著しく高くなる要因の一つに、国保にしかない均等割という保険料算定があります。均等割は、古代の人頭税と同じ仕組みで、収入のない赤ちゃんであっても加入者一人当たりにかかる負担です。  今年度は、年間五万二千二百円、子ども二人では年間十万四千四百円、三人では年間十五万六千六百円と子どもがふえるほど保険料が上がります。均等割もこの間、毎年値上がり、この五年間では七千五百円も上がりました。子育て支援に逆行する多子世帯の均等割減免は喫緊の課題と考えます。  この間、区長がリーダーシップを発揮される中、区長会でも二十三区足並みそろえての多子世帯の減免が協議をされていますが、この間も保険料は毎年上昇し、子育て世帯の生活を圧迫しています。  我が党は、さきの一般質問で、二十三区統一での多子世帯減免策実現まで、子育て支援としての区独自の時限的対応が必要であり、新年度予算での対応を求めました。  区長は、当区としても座視しているわけにはいかず、何か身近な自治体としてできることはないのか、子育て支援の観点から具体的な検討を行うように所管に指示をしてまいりました。多子世帯軽減につきまして、引き続き解決のための課題整理に当たらせていきたいと答弁をされています。  区としてこの間、どのように具体的な検討をしているのでしょうか、伺います。 ◎五十嵐 国保・年金課長 子育て世帯に係る国民健康保険料均等割の減免策の具体的な検討につきましては、国保世帯数のうち、十八歳以下の子どものいる世帯数はどのくらいか、また世帯内の子どもの何人目から減免したら影響額はどのくらいになるのかなど、さまざまなパターンのシミュレーションを重ねているところです。 ◆江口じゅん子 委員 さまざまなシミュレーションを重ねているとのことで、では、具体的にその内容について伺ってまいります。  まず、当区の国保加入世帯のうち、十八歳以下の三人目以上の子どもがいる世帯は何世帯でしょうか。仮に三人目以上の子どもの均等割を減免した場合、その負担額は幾らになるか伺います。 ◎五十嵐 国保・年金課長 ことし七月の当初賦課時点での国保の加入世帯数は約十三万七千世帯となっておりまして、このうち十八歳以下の子どもが三人以上いる世帯は七百六十六世帯となっております。この七百六十六世帯の三人目以降の子どもの均等割を全額減免した場合の影響額は約三千六百万円と見込んでおります。 ◆江口じゅん子 委員 対象世帯は七百六十六世帯ということでした。この世帯の中には、国保の法定減免を受けている世帯が既にあります。この制度は、低所得者世帯を対象に、年間五万二千二百円の均等割を減免するというものです。  均等割の法定減免制度を受けている世帯で、三人目以上の子どもがいる世帯は何世帯か、そして、該当世帯の三人目以上の子どもの均等割を減免した場合の区の負担額について伺います。 ◎五十嵐 国保・年金課長 国民健康保険料の均等割につきましては、法令上所得に応じてその額の七割、五割、二割を軽減するという制度がございます。この軽減制度を受けている世帯で三人以上の子どものいる世帯は三百五十世帯となっております。この三百五十世帯の三人目以降の子どもの均等割を全額減免した場合の影響額は約一千百万円と見込んでおります。 ◆江口じゅん子 委員 今、御答弁にあったように、法定減免世帯は所得に応じ、その額の七・五・二割減免が行われています。つまり、五万二千二百円の均等割は既に約三万六千円から約一万六千円に減免をされているということです。これら世帯の三人目以降の均等割減免は、確かに子どもの多い低所得者対策として重要です。一方、これでは均等割五万二千二百円の世帯は誰も対象にはならないという問題意識を持っております。  幾つかのシミュレーションについて伺ってきましたが、区独自で三人目以降の均等割減免をした場合、まずその対象は七百六十六世帯です。私はこの数字は率直に多くないと思っています。  次に、七百六十六世帯の三人目以降の子どもの均等割を免除した場合、その負担額は約三千六百万円でした。この区の負担額をどう見るかと考えると、例えば子どもの医療費助成は年間約四十四億円、給食費の無償化は年間約一億一千万円、これらと比べると小さい数字ではあります。  一方、これまで区の子育て支援策では、所得基準の考え方として二つ示されてきました。一つ目は、就学援助基準です。そして二つ目は、学校給食費無償化の基準である七百六十万円です。子育て世代への支援を考えたとき、これらとの整合も必要と考えます。所得制限について区の見解を伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 国民健康保険料の多子世帯に係る均等割の減免につきましては、子育て支援の観点から、法制面や財政面などの課題を含め、さまざまな角度から検討を進めているところです。  御指摘の給食費無償化基準相当、あるいは就学援助基準相当の所得制限を設けることにつきましても、子育て支援施策としての観点の一つであり、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 この間、区長は均等割が多子世帯ほど保険料が上がることから、少子化対策や子育て支援の考えた方とは真逆の制度という認識を繰り返し示されてきました。さらに、この問題に総合的な子育て支援策の観点から取り組むと答弁をしています。この観点で、引き続きシミュレーションを進めていただきたいと要望し、次に移ります。  次に、介護保険料について伺います。  来月から令和三年度を始期とする世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について審議する世田谷区地域保健福祉審議会が始まる予定です。現在七期の介護保険料の基準額は年額七万七千四百円です。区は団塊世代が七十五歳を迎える二〇二五年、つまり第九期の介護保険料基準額は年額十万五千二百四十円と推計をしています。年間保険料がとうとう十万円を突破し、第一期の保険料の三倍にもなります。  この推計から、八期の介護保険料基準額は年九万円前後に上がると推察をしております。当区では、介護保険の被保険者の約半数が加入者本人の住民税非課税世帯、つまり低所得者世帯となっています。消費税増税、そして年金は減っている中、所得の格差は広がり、高齢者の貧困化は深刻です。区として八期の保険料抑制のための対応を求め、見解を伺います。 ◎杉中 介護保険課長 世田谷区の平成三十年度から令和二年度の第七期の介護保険料の基準額は月額六千四百五十円、先ほど委員がおっしゃった年額でいいますと七万七千四百円になりますけれども、第六期の介護保険料月額五千八百五十円からの上げ幅は六百円で、基準額、上げ幅ともに二十三区中、上から四番目の高さとなっております。  区における第七期の介護保険料を設定するに当たりましては、被保険者の負担能力に応じた保険料段階の多段階化や介護給付費準備基金の活用等に努めるとともに、低所得者の料率を国の料率より引き下げるなどの工夫をしてまいりました。  しかしながら、七十五歳以上の後期高齢者の増加に伴い、要介護・要支援認定者数がさらに増加することが想定されることを受けて、介護給付費等の見込みの伸びを推計した結果、月額六千四百五十円となっております。  区としては、第八期の保険料の設定に当たりまして、引き続き介護予防の取り組みや、介護給付のさらなる適正化を推進するとともに、地域保健福祉審議会での議論も踏まえながら、介護給付費等の見込みの精査や介護給付費準備基金の活用等による上昇幅の抑制に向けた検討を進めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 介護保険料はその制度から、区として介護施設の基盤整備や介護人材確保策などを進めれば保険料が上がる仕組みです。保険料抑制に対し、区独自の努力を求めつつ、喫緊の課題である介護人材確保に関しては、新年度予算でぜひ具体的対策を進めていただきたい。  質と量の確保及び区民負担への努力と確かに大変な課題ではありますが、特に介護人材確保策に対し、区を挙げての特別な努力を求め、私の質問を終わり、たかじょう委員にかわります。 ◆たかじょう訓子 委員 私からは、新BOP学童クラブについて伺ってまいります。  区議会では、この間、我が党を含め、多くの会派が新BOP学童クラブの大規模化と過密化の解消を求めてきました。現状、この両方ともさらに深刻な状況となっており、本日もその対策を求めて伺います。  まず、大規模化の問題についてです。  今年度の新BOP学童クラブの登録状況について伺います。 ◎相蘇 児童課長 新BOP学童クラブの登録児童数は、令和元年九月一日現在六千四百五人で、前年度の同月から三百七人の増となっております。また、登録児童数が九十五人を超える大規模校は六十一校中三十四校となっております。 ◆たかじょう訓子 委員 国の放課後児童クラブ運営指針では、一クラブの人数は四十人が適正規模であり、最大でも七十名とし、超えた場合は分割することとしています。しかし、現状、九月一日現在で六十一のクラブ中、四十人以下のクラブは三宿だけ、七十人以下のクラブは十校、最大規模は芦花小学校の学童クラブで百八十三人となっています。  学童クラブの半数が大規模学童クラブであることは問題であり、大規模化の解消には、これに対する対策は喫緊の課題だというふうに思っております。  芦花小学校の状況を伺ってまいりました。教室二つ分ほどの広さの教室に、一度に百五十人が集まる状況があると。読書室は芋洗い状態。視覚障害者のお子さんや肢体不自由のお子さんも同じスペースで過ごします。現場局長を初め、職員の皆さんの努力によって無事故で運営されていますけれども、いつ事故が起こっても不思議ではありません。子どもたちの生活環境悪化は深刻です。  この間、保育園入所者はふえ続けております。今後ますます新BOP学童クラブへの登録者が増加することはもう必至です。大規模化の解消、これは抜本的な対策が必要な喫緊の課題だというふうに認識しています。  大規模化解消のため、学童クラブの分割運営を私たちは求めてきましたけれども、これについて、そのスペース確保のためには、教室の活用を教育所管に求めていくと、協議が必要だと考えております。  また、子ども同士のトラブルなど、子どもが興奮状態になった場合のクールダウンのためのお部屋の確保が必要だということを、この間、その現場に伺いますと何度も伺ってまいりました。これをあわせて、この確保が必要だというふうに思っております。この見解をあわせて伺います。 ◎相蘇 児童課長 新BOP学童の活動スペースの不足、大規模化による安全、多様な活動の確保は大きな課題となっていると認識をしております。お話のありました芦花小学校も増築をいたしまして活動場所の確保を進めておりますが、二つの活動スペース、学童クラブを第二学童クラブをつくるとした場合には、さらに手洗い場、事務所等の活動スペースが必要になることや、児童の状況を把握するためには、一体での運営が望ましいという職場の意見もありまして、一体での運営をする予定にしております。  また、今後もスペースの確保につきましては、クールダウンをする場所を含め、必要なスペースの確保を進めていきたいと考えておりまして、学校所管、関係所管と連携を進めながら、学校のほうに働きかけをして、環境整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 次に、新BOPの指導員不足の解消について伺います。  この間、新BOP指導員の欠員が問題となっております。子どもの放課後の生活の安全のため、保育の質の確保のため、必要な職員の配置、こういったことが喫緊の課題となっています。今年度の状況を伺います。 ◎相蘇 児童課長 現在の新BOP、児童数の急増に伴い、対応する職員の確保は大きな課題となっておりまして、新BOPにおいて、主に児童等の対応に当たる非常勤職員である指導員については、国の基準を上回る区独自の配置基準に基づき採用しておりますが、今年度は配慮を必要とする児童への対応の加配を含め四百六十六名を配置する必要がありますが、年度当初から必要な人員への確保が難しく、毎月採用を行い、現在は三百九十二名の指導員を配置しております。  これ以外に定数に含まれない短時間の指導員を十七名配置しておりますが、これらを合わせても区の基準を満たすことは難しい状況であると認識をしております。 ◆たかじょう訓子 委員 非常勤の指導員の方々に私、お話を伺ってきました。指導員の方は、大変過酷な状況で働いているというふうに思います。例えば今人数が少ないために、一人一人への負担が重くなっていること、校庭で遊ぶ百人の子どもを一人で見なければならない状況が今あるということ、これは異常な状態であり、これが常態化しているというのは大変問題だと思います。  また、勤務についている間は、子どもの安全を見守ること、そして子どもの帰宅時間や注意事項などを周知することなど、緊張を緩めるという時間がないということでした。また、職員数が少ないために休みをとりたくてもとりにくい。また、こうした厳しい勤務であるにもかかわらず、非常勤の方々の賃金の伸びはどんなに長く勤めても頭打ちであり、モチベーションにつながらないとのことでした。  子どもの放課後の安全安心、この居場所の確保のためにもぜひ早急な改善が必要です。職員の確保に向けて、この間どのような取り組みを行ってきたのか伺います。 ◎相蘇 児童課長 人材確保の取り組みにつきましては、今年度、指導員の報酬額の引き上げを行い、処遇改善を図ったところでございます。採用の取り組みについては、常時募集と毎月の採用作業を行っております。募集の周知については、区内大学、専門学校への周知やインターネット、求人誌及び新聞折り込み広告などの媒体を使用するなどの取り組みを行ってきております。  今年度、未周知の大学訪問による依頼や区内大学の大学連携に関する調整連絡会等での周知を行うなど、学校に対する取り組みを広げているところでございます。また、事務局長の人脈等も生かした紹介もふえている状況でございます。  子どもたちの安全の確保、健全育成のために、人員体制の整備は必要不可欠ですので、今後もあらゆる手段を講じて人員の確保を図ってまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 この間、報酬の引き上げなど取り組みを行っていただいていますけれども、残念なことに、指導員不足の現状改善には至っていません。十月一日現在で、全区で定数四百六十六人に対して実際の指導員は三百九十二人、定数からマイナス七十四人です。学童クラブは六十一カ所ありますから、平均でいいますと、一クラブ当たり一人から二人欠員があるということになります。  学童クラブで子どもたちが安心安全に暮らせるよう、過ごせるよう、我が党は学童保育の配置基準を見直し、常勤職員をふやし、対応することを提案してきました。この間、職員の方にもお話を伺ってきたとおり、今の勤務というのは大変厳しいと。そして、そういった厳しい勤務であるのにもかかわらず、非常に賃金が十分ではなく、ダブルワークをせざるを得ないという話も伺ってきました。とても意義のあるお仕事だということを認識しておられて、この仕事を続けたいというお考えをお持ちでしたけれども、もしこれが常勤であったら、もっと集まるのではないか、こういった感想も寄せられました。  前回もこういったことを求めてきましたけれども、指導員の不足、欠員の解消のため、これをどのようにしていくかというのは大変問題だと思います。常勤職員をふやして対応することを求めます。見解を伺います。 ◎相蘇 児童課長 新BOPの常勤職員は主に学童クラブの運営指導を担当し、事務局長と共同して新BOP全体の運営を担っております。各新BOPに一名の配置を基本としまして、大規模な学校などについては加配をしております。  新BOPについては、放課後から児童が帰宅するまでを実施時間としており、人手が多く必要な時間はおおむね四時間程度、この時間帯に職員が必要となるため、非常勤である指導員を配置しております。  今後も指導員の人員のさらなる確保に努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 この大規模化の問題にしても、職員不足の問題にしても、これは子どもの安全確保、そして子どもたちの成長をきちっと保障していくためにも、これは喫緊の課題だというふうに思っています。  この間、皆さんからも、各会派からもこういった御意見が出ていると思いますけれども、副区長に改めて、こういった状況をどのように打開していくのか伺います。 ◎宮崎 副区長 ただいま現状の部分については担当課長のほうから御説明しましたけれども、先ほど来申し上げていますように、構造上の問題として、その常勤職員のでき得る範囲というところも、なかなか今の仕組み上の中では厳しいものがございます。  そういう中では、今回報酬の引き上げを一点やりましたけれども、引き続き、皆さん方の働いている声のほうを生かしながら、また会計年度任用職員の部分の仕組み上の部分の中でも、やはりここについては取り組みをやっていかなきゃいけないと思っていますので、そういう観点からも検討を重ねていきまして、人材確保のほうについて引き続き取り組んでいきたいと、このように考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 これは本当に喫緊の課題だというふうに思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っています。  あわせて、今私も聞き取りをしてきましたけれども、現場の声というのはなかなかつかめないところではないかなというふうに思いますけれども、これについてはどういうふうになっていますか。 ◎相蘇 児童課長 子どもの安全安心の対応をしている現場の職員の対応、最も大事なことだと考えております。私ども、現場を回りまして、できるだけ現場職員の声を聞いていきたいというふうに考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひそういった取り組みを広げていただきたいというふうに思います。  最後に、国が放課後指導員制度の配置基準を改善、改めるという形で、従うべき基準から参酌するべき基準と変わりました。これについても、前回答弁いただいていますけれども、引き続き、皆さん、一緒に学童の保育の質を守っていただきたいというふうに思っております。見解を伺います。 ◎相蘇 児童課長 現行の基準は引き続き必要だというふうに考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 以上で日本共産党からの質疑を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの質問を始めます。
     初めに、福祉の人材確保について質問します。  まずは保育士です。  先ほども他会派の方も触れていましたが、待機児童解消に向け、世田谷区は保育園の増設、また保育人材の確保が必要とされています。国や都の補助を受けて実施してきた家賃の助成制度は、住宅費の高い世田谷に人材を呼び込むために欠かせない制度となっており、もちろん継続が必要だと私どもの会派も考えています。  今回質問に取り上げるのは、保育士自身の給与に直接つながる加算についてです。国の処遇改善加算Ⅰ、Ⅱ、東京都のキャリアアップ加算、世田谷区独自の一万円助成と、制度は複雑で、さらに公的資金が事業者に助成金などとしておろされて、それから現場の保育士に届くということで、自分たちの手取りに本当に反映されているのかという実感がないという声を聞きます。  「東洋経済」という雑誌に、先日、保育士低賃金のからくりという表題の記事が載りました。特に国の補助金に関し、運用の弾力化により、保育士に届くべきお金が事業者の設備投資などに備えた内部留保に回ってしまっているのではないかという指摘です。  区はこれらの待遇改善のための補助金の使われ方について、現状をどのように認識しているのでしょうか。特に世田谷区が独自で出している保育士の給与アップのための一万円補助などについて正しく使われるように対策はとっているのか伺います。 ◎後藤 保育課長 区では、保育士等の処遇改善と人材確保を進めるため、区独自の月一万円助成を初め、国や都の補助金等を財源といたしましたキャリアアップ補助金、園の運営費の一部として処遇改善加算などを交付してございます。このうち、区独自の一万円助成やキャリアアップ補助金につきましては、対象職員の給与明細や賃金改善実績報告書の提出を受けまして、職員の給与に直接反映されていることを確認しております。  また、給与、処遇とは異なりますが、区独自の運営費補助の一部には、前年度の収入に対する人件費比率が五〇%以上であることを交付要件としているものがある等、あらゆる角度から保育士等の処遇改善に向けて努めているところでございます。  一方、国制度である運営費の処遇改善加算につきましては、一定の要件のもと、同一事業者が運営する施設間であれば、自治体の圏域を超えて配分が国による統一的な運用として可能とされているところでございます。  世田谷区内では、おおむね区内の保育園を中心に配分をされているところですが、区といたしましては、区に配分された補助金は区内で働く保育士等の処遇改善に充てるべきと考えることから、補助金が適正に配分されていることの調査、確認を今後も継続して行うとともに、引き続き制度の見直しについて国へ働きかけをしてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 人件費比率に関して五〇%というのは、もう最低基準だと思います。人材の質というのが保育の質です。今後も国や都に対しても、保育士の給与確保のため実効性のある補助制度を求めていってください。  保育士給与の公私格差について伺います。 新設園はほぼ全て私立です。人材の争奪戦が激しい中、初任給に関しては、公私の遜色はなくなっていると感じています。しかし、二、三年たつと微妙に私立園のほうが見劣りしてくるというような現場の声を聞いています。  先ほど挙げた「東洋経済」の記事によると、国の想定年俸に対して実態は七十万円の差があると報じられています。東京都のキャリアアップ助成など、ベテラン優遇の補助制度と若手が働きがいを実感できず、将来に向けた希望が持ちにくいというような現場とのミスマッチも感じています。若い保育士を育て、評価し、正当に処遇を上げていく制度が不十分なのではないでしょうか。  私立保育園において安定したステップアップの制度の醸成を図っていくため区が取り組んでいることや、今後どうしていくべきかについて伺います。 ◎後藤 保育課長 民間の保育施設が保育人材を確保するためには、給与水準の改善とともに、その施設で働く保育士一人一人が仕事に誇りと愛着を持って安心して働き続けることができるよう、能力、経験、職責等が体系的に給与に反映されるキャリアパスの仕組みが重要と認識しております。区では、保育士等キャリアアップ補助金の交付に当たり、保育士等についてその職位、職責、職務内容等に応じた賃金の体系を定めることを要件としており、保育事業者によるキャリアパスの構築を促す仕組みとしてございます。  区といたしましては、保育士等の職員給与の改善に資する補助金等とあわせまして、このように事業者による保育士等のキャリアパスの仕組みづくりの充実につながる補助制度も活用しながら、引き続き保育士等の処遇改善に向けた取り組みを着実に進めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 経験が確実に昇給や処遇改善につながっていくキャリアパスの仕組みづくりは、人材の確保にも、定着にも有効だと思います。また、保育園には第三者評価の仕組みなども入っています。各園の第三者評価の結果なども区の指導に生かし、今後も保育現場の改善を図ることを求めます。  続いて、高齢者介護の人材確保、処遇改善の現状についてです。  この分野でも、十月から新たな特定処遇加算というのが導入されています。介護保険の加算制度は、保育以上に複雑で利用しにくいという声が聞かれています。この加算は、介護現場の給与の改善に反映されているのでしょうか。区はどのように現状を把握しているか伺います。 ◎杉中 介護保険課長 介護職員等特定処遇改善加算は、介護職員の確保、定着につなげるため、経験、技能のある介護職員の重点化を図りながら、介護職員等のさらなる処遇改善を進める取り組みとして創設され、本年十月より適用されております。  本加算を取得する場合、事業者は賃金改善計画書を作成し、都や区など指定権者へ提出する必要があり、介護職員も賃金改善計画書の内容を知ることができるよう、周知方法についてもあわせて届け出ることになっております。  さらに、本加算については毎年度、加算の総額、職員に支給した賃金の総額等の実績報告書を指定権者に提出することになっております。  実績報告に当たりましては、加算総額を上回る賃金改善が行われていること、さらに実施した賃金改善について基本給、賞与などの給与項目や実施時期、対象職員一人当たりの平均賃金改善額など詳細な項目の報告を求めており、区としても内容を審査いたします。  このように、各種手続を踏むことにより、介護職員の給与に加算分が反映される仕組みとなっております。 ◆高岡じゅん子 委員 介護保険制度ができて二十年になります。さまざまな加算が加わって、制度は複雑化する一方です。支え手の現場の疲弊を抑えるためには、加算ではなくて、基本報酬を現場の実態に合ったものにすることが必要だと考えています。  現場が限界に来ているのではないかという一例として、今回の加算の要件の一つになっていた育児休業制度の事業所内での整備を例にとります。これは、若い世代も介護の現場に参入してもらいたいという意図で加算の要件とされたのかもしれませんが、現場の実態とはかけ離れていると感じます。区内の訪問介護の事業所などを見ますと、まずヘルパー自身の高齢化というのがあり、自分の親の介護のための休みがとれるかというのがまず問題です。そもそも休んだときのサービスの代替要員の確保ができないような状況で、普通の有給を使い切ることなども、今、絵に描いた餅にすぎなくなっています。  区はこのような現状をどのように考えているか伺います。 ◎杉中 介護保険課長 特定処遇改善加算の取得要件として、現行の処遇改善加算を取得していることに加えて職場環境等要件に関して複数の取り組みを行っていること等が求められております。この職場環境等要件の中には、育児休業制度等の充実が取り組みの一つに位置づけられております。一方、事業者からは、人材不足により、職員が育児休業等を取得する場合の対応の課題等についてお声をいただいているところです。  区としては、福祉人材育成・研修センターにおける介護人材確保、定着に向けた総合的な取り組みなどのほか、今年度から実施しています介護職員の採用活動経費助成等の介護人材の確保・定着支援策を引き続き推進し、介護職員が育児休業等を取得しやすい職場環境の改善に努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 確保・定着支援を引き続き推進ということで、なかなか人材確保には新たな施策というのは出てきません。だからこそ、介護保険制度の本来の目的、介護の社会化に立った見直しと基本報酬のアップが必要だと指摘したいと思います。  介護保険制度の改変に伴い、新設されて三年たった介護予防・日常生活支援総合事業について、これから順次質問してまいります。  まずは、移行に当たって暫定的に残った従前相当サービスの現状についてです。  総合事業では、介護保険料の一定割合がこの事業に割り当てられ、決まったパイの中で、各保険者が現場に即した使い方をするというふうに理解しています。昨年度の総合事業の支出額、対象の人数、そのうち従前相当サービスを利用している方の数と、従前相当サービスに関しての支出額について伺います。 ◎杉中 介護保険課長 世田谷区では、平成二十八年四月から要支援一、二の方及び基本チェックリストで一定の基準に該当した方を対象に介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業の訪問型サービス、通所型サービスの提供を開始いたしました。  総合事業では、介護予防や生活支援のニーズに応える多様なサービスを提供するため、区の指定を受けた介護事業者によるサービスとして、従前相当サービスと、区独自基準であるサービスAを提供するとともに、住民同士の支えあいの考え方を取り入れたサービス等も実施しております。  総合事業全体の平成三十年度の実績は、訪問型サービスでは延べ利用者数が約三万二千人、事業費が五億二千百万円、通所型サービスでは、延べ利用者が約三万八千人、事業費が七億九千八百万円となっております。そのうち、従前相当サービスでは、訪問型サービスが延べ利用者数が約二万九千人、事業費が四億九千七百万円、通所型サービスでは延べ利用者数が約三万二千人、事業費が七億四千三百万円となっております。  総合事業全体のうち、従前相当サービスの事業費の占める割合は、訪問型サービスでは九五・四%、通所型サービスでは九三・一%であり、多い状況となっております。 ◆高岡じゅん子 委員 このサービス、今紹介していただいたほかのサービスについて質問していきますが、従前相当サービスのニーズと利用が総額に対して九〇%以上として今も高いことが先ほどの数字からも確認できました。  区としてこの従前相当サービスの仕組みも、今後も維持し続ける方向性かということを確認します。 ◎杉中 介護保険課長 委員御指摘のとおり、総合事業では、国の定める上限額の範囲内で各自治体が創意工夫して事業を実施することが求められております。世田谷区では、制度開始時より、住民参加型、住民主体型の多様なサービスの充実を図ってまいりましたが、現状では、介護事業者の提供するサービスの必要性は高いと考えております。  国が従前相当サービスの制度を継続すること、総合事業の上限の範囲内での事業実施が可能なことが前提とはなりますが、現状を考慮いたしますと、従前相当サービスを継続していくことが適切であるというふうに認識しております。 ◆高岡じゅん子 委員 区民のニーズに合わせた制度であることが必要です。サービスA、こちらについて、この新たな仕組みの中での訪問や通所サービスが現状どうなっているかを伺います。 ◎杉中 介護保険課長 区独自基準で実施しておりますサービスAの平成三十年度の実績は、訪問型の生活援助サービスでは延べ利用者数が千八百十一人、事業費が千五百九十五万円となっており、通所型の運動器機能向上サービスでは、延べ利用者数が七百三人、事業費が九百九十八万円となっております。 ◆高岡じゅん子 委員 先ほどの従前相当サービスの単位が万だったのに対して、非常に利用されていないというふうに感じます。  また、このサービスの担い手として、総合事業生活援助者養成講座というものを修了した方がこのサービスを担うという仕組みになっているというふうに国は提案しておりますが、この世田谷区では、この仕組みはちょっとうまく機能しなかったように認識しています。この講座の実施状況について伺います。 ◎杉中 介護保険課長 区では、平成二十八年度と二十九年度に総合事業における区独自基準であるサービスAの訪問型の総合事業生活援助サービスの担い手を養成する目的で従業者養成研修を実施いたしました。平成二十八年度と二十九年度に各二回、計四回研修を実施し、研修修了者は合計で三十四名となっております。  研修の参加者が少ない要因としては、研修時間が四日間二十三時間と長いこと等が考えられます。一方で、この研修修了者を受け入れる総合事業の指定事業者からは、質を確保するためには、一定の研修時間は必要との意見もあるところです。  区としては、今後、第八期介護保険事業計画の策定に向けた検討を進める中で、総合事業のサービスAのサービスの提供方法や担い手の確保に向けた研修のあり方等について改めて検討してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 平成二十八年度、二十九年度は、講座を実施したものの、参加者が非常に少なく、また、参加された方の事業者による活用というのも余り進まなかったというふうに認識いたします。昨年度はこの講座自体が実施されなかったというふうに理解しています。  これを見ますと、やはり世田谷区において従前相当サービスからサービスAの移行というのは、国の計画のようには進んでいないということが明らかだと確認させていただきました。  続いて、サービスB、住民参加型サービスについてです。  先日、企画総務所管での私の質問で、主要施策の成果の分析でも触れましたが、住民参加型サービスの仕組みが介護を地域で持続可能な形で支えるための十分なインセンティブになっているかということは疑問だということをここで指摘させていただきました。世田谷区は区民との参加と協働の区政を掲げ、住民自治や支えあいの活動の醸成にかなり力を入れてきているとは考えています。しかし、それが右肩上がりの高齢化率、そして地域活動を支える人材自体の高齢化などに追いついていません。  私たち会派は、サービスBのうちの地域デイを地区当たりに一つは開設、質問したときは地区は二十七だったんですが、ことしから二子玉川がふえ、二十八に目標も積み増ししなければならないと思いますが、するように、目標を意識して、区として支援や働きかけを進めていくようにというふうに要望してきました。  昨年度の地域デイの開設状況、そして現在の区内の実施状況を伺います。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 世田谷区の介護予防・日常生活総合事業のうち、通所型の住民主体型サービスである地域デイサービスにつきましては、平成二十八年度の事業開始から運営団体数が全体としては緩やかに増加をしております。  平成三十年度末現在で、登録団体数は十五団体です。今年度に入りまして、一団体が登録抹消、三団体が新たに団体登録し、十月七日現在の登録団体数は十七団体となっております。  区では、要支援一、二の方などが徒歩で参加できる通いの場づくりを目指しております。現在の地域偏在等を踏まえ、さらなる地域デイサービスの担い手の発掘のため、活動団体の少ない地域を中心に、今月二十三日から三地域で区民参加型ワークショップを開催いたします。  今後もさまざまな機会を捉えてサービスの担い手として、区民の主体的参画を広く呼びかけ、事業の周知や支えあい意識の醸成を進めるとともに、社会福祉協議会等の関係機関と連携し、担い手の確保や地域の活動の支援を行い、区民を初めとする多様な主体が参加、協働する支えあいの地域づくりを推進してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 この地域デイは一例ですが、地域で高齢者を支えるという理想に対して、実際はお金も場所も不十分な中で、比較的元気な高齢者が少し不安な高齢者をやっと支えているというのが実情ではないでしょうか。  世田谷区は、住民やNPOなどの活動の下地があり、サービスBについて、都市部では例外的に充実しているとも言われます。近くの区のほかの団体の方から世田谷区はいいわね、そんなふうに言われるわけです。でも、この世田谷でも地域デイ一つとっても空白地域が残っています。介護予防・日常生活支援総合事業の検証が国の介護保険制度全体の見直しの中できちんと行われていないと感じています。  現在の総合事業の検証が不十分なまま、財務省を中心とする国や内閣府は、この総合事業の枠の中で、要介護一、二のサービスも実施するように、介護保険制度を改変しようとしているという情報があります。もしそのような状況になった場合、この三年間の世田谷における総合事業の現状を踏まえ、介護保険事業者である区は対応できるんでしょうか、見解を伺います。 ◎杉中 介護保険課長 国は平成三十年六月に閣議決定いたしました経済財政運営と改革の基本方針二〇一八において、介護の軽度者への生活援助サービスについて給付のあり方を検討するとし、介護の軽度者として要介護一、二の生活援助サービスの総合事業への移行も含めた検討が今年度よりされております。  軽度者の訪問介護における生活援助等の総合事業への移行に関しては、第七期の介護保険制度の見直しの際に、国の社会保障審議会において議論がされましたが、要支援者のサービスの移行や多様な主体による多様なサービスの展開等の把握、検証を行った上で、その状況を踏まえて検討を行うことが適当とされました。  平成三十一年三月時点の区における要介護一、二の人数は約一万五千人となっており、見直しの内容によっては、利用者や介護事業者を含め、保険者である私ども区への影響も大きいというふうに考えておりますので、引き続き、社会保障審議会での議論など、国の動向に注視してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 さらに、国の方針として、ケアプランの作成料に利用者負担を課すというものが前回の総合事業導入の際にも提案され、厚生労働省や介護保険審議会の反対から見送られたという経緯があったというふうに記憶しています。今回も、ケアプランの利用への利用者負担の導入というのが俎上に上がっています。ケアプランというものは、適正な介護保険制度の運用や介護の質の担保のために根幹となる仕組みです。  このような改変は、幾つになっても住みなれた町で、自分らしく暮らせるということを目指す世田谷区の方針に反し、介護保険制度の意義を損なうものではないかと考えています。区の見解を伺います。 ◎杉中 介護保険課長 要介護・要支援者は、ケアプランに基づき介護保険サービスを利用いたします。ケアプランは、通常、在宅の場合であれば、要介護の方は居宅介護支援事業所、要支援の方はあんしんすこやかセンターに作成を依頼します。介護保険サービスを利用した場合には、所得に応じて一割から三割の利用者負担がありますが、ケアプラン作成に関しては、利用者負担はありません。  これは、介護保険制度創設時に、国から要介護者等の相談により、その心身の状態等に応じた適切でかつ積極的にサービスを利用できるよう、特に十割給付のサービスとして位置づけたというふうな説明がされております。ケアプラン作成の有償化につきましては、第七期の制度見直しにおいて、国の社会保障審議会で議論されており、また、次期第八期の制度見直しにおける検討事項にケアマネジメントに関する給付のあり方が挙げられており、再び検討が行われているところです。  平成三十一年三月時点の区におけるケアプラン作成の利用者数は約一万九千人となっており、制度の見直しがあった場合の影響は特に大きいと考えておりますので、区としては、引き続き国の動向に注視してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 国の動向に注視しているとのことですが、昨今の国の福祉政策は、現場を置き去りにしたちぐはぐなものが目立つように感じます。世田谷区が区民の介護サービスの質の向上を目標に、介護予防・日常生活支援総合事業へ取り組んできたこの結果とか、実情の矛盾というのを国に本当にありていに伝えて、これ以上現場を置き去りに介護保険制度の改変を強引に進めることがないように、現場からの声として国に訴えていく必要があります。  このまま国の審議会の現状を座視して、新たな財源についての保障というのもないまま、地域総合事業という形で地域への介護に丸投げが拡大されていくことに関して、保険者としてもっと危機感を持っていただきたいと考えます。部長、何かコメントがありましたら、お願いします。 ◎長岡 高齢福祉部長 委員おっしゃるとおりで、厳しい状況にあると思っております。課長が答弁したように、国の状況を注視しながら、国に対しては訴えていくことを検討していきたいと思います。 ◆高岡じゅん子 委員 今現在進めている介護保険事業計画八期の策定に向けて調査活動をしていますが、現場の実情に合った計画とするためにさらに努力していただくことを求めて、生活者ネットワークの質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず初めに、障害者のグループホームに関して伺ってまいります。  障害者団体の皆さんとお話しする機会がございまして、それぞれ身体、知的、精神とさまざまな団体がある中で、それぞれ親亡き後の対策としてのグループホームを要望されているということが大変多く感じました。  その上で、グループホームの整備をしていくということに関しては、世田谷区もノーマライゼーションプランとか、第五期の世田谷区障害者福祉計画の中でしっかりその位置づけをしているところでありますけれども、どうも各団体さんが要望するような数にはまだまだ届いていないというのが実情かなと思います。  その上で、区もいろんな取り組みをしていて、例えば不動産の事業者さんに障害者グループホームの整備に適した物件があればお知らせをしていただきたいというような、これもこういうパンフレットを出されているというのも存じ上げているんですけれども、例えばこういう不動産業者さんにお声がけをして、グループホームに適した物件とかというものの御紹介というのはどれぐらい実績があるんでしょうか。まずそれを伺いたいと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 今、委員御指摘の不動産事業者団体のほうにお願いをして、土地、建物のオーナーさんと運営をしようとする事業者のマッチングを図るということでやっていますが、今のところ、私、区のほうに事業者のほうから情報提供をお願いされている件数は二件でございます。 ◆あべ力也 委員 こうしたグループホームに適した物件がいろいろ情報を寄せられるのが一番いいと思うんですけれども、二件ということで大変少ない数でございまして、障害者の団体さんの中には、例えば世田谷区が所有している遊休地等を活用して、そういう土地をグループホーム等に区から貸していただけないかというようなお話も伺っております。  それで、区のほうから遊休地はどれぐらいあるのかという話をお伺いしたら、結構あるんですよね。ただ、世田谷区の本庁舎の建てかえ等を見込んで、仮庁舎であったり、駐車場であったりとかということに利用するというようなケースもあって、向こう数年間にわたっては活用する方針が決まっているというような土地もあったり、決まっていない土地もあったりということなんですけれども、将来的にそういう土地を検討して、こうしたグループホーム等に活用するために、各種団体さんにお貸しをするというようなことも考えられると思うんです。皆さんは、どちらかというと、団体さんのお話だと、建物はある程度手当てをして建てたりということはできるんだけれども、土地は世田谷の場合には単価が高いので、なかなか土地の手当てというのができないということで、その点は区のほうにもしっかり検討していただいて、手当てをしていただければ助かるんだけれどもなというようなお話を伺っているんですけれども、この点については担当部局としてはどういうふうにお考えでしょうか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 梅ヶ丘拠点からの地域移行にも対応した重度の方向けのグループホームの整備というところが、特に現在は余り進んでいない状況がございますので、こうした状況に鑑みまして、区では、昨年度に障害者施設整備等に係る基本方針検討委員会を設け、通所施設とグループホーム、こちらの整備促進策の検討を進めていまして、今般、世田谷区地域保健福祉審議会の諮問に向けた検討素材を取りまとめたところです。  この検討素材では、重度障害者向けのグループホームについては、令和十二年度までの整備目標を設定した上で公有地活用による障害者施設整備、誘導に際し、事業者に併設を求めていく方向を打ち出しておりますので、今後、御指摘の庁舎整備のための活動予定のものも含めまして、区有地の洗い出しを行いまして、関係所管とも連携して、グループホームや通所施設の活用を積極的に検討してまいりたいと思います。 ◆あべ力也 委員 ぜひ積極的に施設整備していただきたいと思う。  ちょっと話は戻るんですけれども、現在、グループホームの数というのはどれぐらいあって、今目標の話をされましたけれども、目標値としてどれぐらいを検討していくのかということもちょっと伺っておきたいと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 現在策定しております障害福祉計画の中では、令和二年度までに三百七十人分を確保するという目標を掲げておりまして、現在の時点で三百四十七人分が開設をしております。  今後の計画でございますが、これからグループホームの利用に関して、施設利用者等の御意向なども参考にして、何とか将来の必要数を把握しまして、それに基づいて各地域ごとの整備目標ということで設けて実施していきたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 わかりました。いずれにしても、団体さんからは足りない、足りないというお話を伺うので、目標値に随分近づいているようでありますけれども、目標値の修正等も必要な部分もあると思いますので、しっかり検討していただきたいと要望しておきたいと思います。  それとあともう一つぐらいしか聞けないんですけれども、東京リハビリテーションセンター世田谷に関しては、障害者団体さんからさまざま、評判としては余りよくない評判を伺っておりまして、その中でも、例えばショートステイとか、そういう申し込みをした場合に、特に重度の障害をお持ちの方には大変厳しい回答が返ってきて、受け入れ体制がしっかり整っているのかどうかということに関しても、さまざま厳しい意見をお伺いいたしました。  その上で、これは確かなのかどうかちょっとわかりませんけれども、対応する職員がワンオペというようなことではないのかというようなお話もございましたけれども、今の現状の把握と今後の改善の方策について簡単にお答えをいただければと思います。ちょっと時間がございませんので。 ◎阿部 障害者地域生活課長 御指摘のとおりで、夜間の特に看護師が足りていないのではないかという御指摘をいただいていますが、基準としては満たしておりまして、夜間は他の支援員も夜勤で勤めているところです。ただ、御意見もありますので、この九月から運営事業者と協議を行いまして、看護師の増員を図って医療的ケアのある方などの受け入れをふやしているところです。  今後も引き続き、事業者に働きかけてまいります。 ◆あべ力也 委員 そういう利用者の区民の意見にしっかり寄り添って、改善をしていくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時休憩    ──────────────────
        午後零時五十分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 生死にかかわる医療の現場で、同性パートナーが家族として扱われない課題を取り上げます。  先月四日の毎日新聞にあるショッキングなデータが紹介されました。記事のタイトルは、性的少数者医療対応進まずというもので、石川県立看護大学の三部倫子講師が、東京、石川、静岡、一都二県の病院の看護部長にアンケートを送付し、二百五十二人から回答を得た結果として、同性パートナーの病院内での取り扱いについて次のように書いています。成人の患者が病気や事故で意思表示ができなくなった場合、手術の同意を得る対象を誰にするかは、親族のみが四五%、親族に加えて内縁の異性パートナーまでが一〇%で、内縁の同性パートナーも含めるとの回答は三一%にとどまった。終末期の患者のみとりの際に病床にいられる人についても、内縁の異性パートナーを認めていない割合は二二%だが、同性パートナーになると三一%にふえる。つまり、手術の同意に関し、内縁の異性までを含める回答が四一%あったのに対し、同性パートナーまで認める回答は三一%にとどまりました。また、同性パートナーがみとりの場に立ち会うことさえ認めない病院も三割以上に上るなど、大変深刻な数字です。  ところが、この記事は次のように続いています。厚労省は二〇〇七年に策定した終末期医療に関するガイドラインで、ケアの方針を伝えるべき家族について、解説の中で、法的な親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人を含むとしている。昨年三月の改定版では、記述が家族等と変わり、親しい友人等も対象になると明示された。しかし、アンケートでは一九%がこのガイドライン自体を知らなかった。つまり、手術の同意にも、患者をみとる家族にも、同性パートナーは含まれ得る見解が既に国から示されているのに、当の病院に理解と受け入れは浸透していない。この現実を変える御努力を今回区にはお願いしたいと思っています。  区の男女共同参画と多文化共生を推進する条例第五条の区の責務で区は、区民及び事業者の協力を得るとされています。また、第六条の事業者の責務で、医療機関を含む事業者は、条例の理念を踏まえ、その事業活動において必要な措置を講じるとともに、区の施策に協力するよう努めなければならないとされています。さらに、第七条の規定により、同性カップルへの差別は禁止です。  こうした事業者の責務と区の施策であるパートナーシップ制度、さきの記事でも触れられた厚労省のガイドライン、それぞれをしっかり区内の医療機関にも御理解をいただき、家族として受け入れるよう求めていただきたいと考えております。区のお考えを伺います。 ◎加賀谷 調整・指導課長 お話がありました国のガイドラインでございますが、人生の最終段階で本人の意思が確認できない場合において、本人の意向を推測し、最も望むであろう意思決定を行うものを家族等として、法的な親族関係だけでなく、親しい友人等も含め、広い範囲の人と説明してございます。  この間、区では、平成二十七年度のパートナーシップ宣誓制度開始に伴いまして、差別や偏見の解消のための確かな一歩となるよう、性的マイノリティーの方々の直面する生活上の課題、制度の趣旨を両医師会に説明をし、配慮を依頼したところでございます。区条例に基づき、ガイドラインの趣旨とあわせて、同性パートナーに家族と同様の対応をすることなど、関係者へ再度協力を働きかけてまいりたいと考えております。  また、来年度ですが、ガイドラインに沿って区民、関係者に同性パートナーを含む家族等とどのような治療を受けたいかなどをあらかじめ話し合っておくことの大切さを伝えるための在宅療養ガイドブックを作成しまして、医師会会員、非会員にかかわらず、在宅療養資源マップの更新に協力いただいた医療機関へ配付をする予定でございます。  こうした取り組みを通じまして、ガイドラインや区条例、パートナーシップ宣誓制度の普及を図ってまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 前向きな御答弁に感謝いたします。  一方で、区が男女共同参画の条例規定に基づき、区内の医療機関に理解と協力を認めていただいたとしても、実のところ一方的にお願いをしたというだけでは、相手方の反応がわからず、区民にとっては安心できる医療機関は地域にないままです。同性パートナーも家族として等しく扱われる地域の病院、家族としての説明の場に同席、また、手術にも同意でき、みとりにまで参加できるような医療機関の見える化を希望いたします。  さきの本会議では、障害者、高齢者、LGBT等に理解のある協力不動産店のリスト化、見える化の御努力をお願いし、基本、了承をいただいたところですが、同様の工夫をこの分野でも手がけていただきたいと考えます。区の御見解を伺います。 ◎加賀谷 調整・指導課長 例えば横須賀市などでは、市立病院における取り扱いとしまして、同性パートナーなど、患者自身が事前に決めた者が手術に同意できることなどをホームページに掲載している例などがございます。  先ほどの国のガイドライン改定の趣旨を踏まえれば、患者が成人の場合、同性パートナーも家族等として手術に同意できるものであり、医療現場において、区が発行するパートナーシップ宣誓書の受領証、こちらを御活用いただけると考えてございます。このことを医療機関への周知のほかに、特に世田谷区病院長会に向けて協力依頼を行ってまいりたいと考えております。  この推進条例に基づき、パートナーシップ宣誓制度が医療現場も含め、さまざまな場面で有効に活用されるよう、委員の御提案も参考に、効果的な取り組みについて条例担当所管と連携して、アプローチの方法を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、来年度からスタートします区立の児童相談所について、他の全国の児童相談所がそうなんですが、養育里親の認定対象に同性カップルを含めていただけるのかどうかの確認をいたします。いかがでしょうか。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 特別区は、児童相談所の移管に向けた共通の課題といたしまして、里親の認定基準の検討を進めました結果、里親が都区間の転居を行った場合も登録が続けられるよう、都の認定基準を引き継ぐこととしてございます。区におきましても、都の基準を引き継ぐこととし、設置運営計画案においてこのことを示してございます。  こうした中、昨年十月、都は事実上、同性カップルの御家庭も里親登録できるよう、里親の認定基準を変更したところでございます。  区は、検討の経過や子どもの最善の利益の観点から、家庭の形を画一的なものと捉えるのではなく、愛情深く家庭的に養育される環境であることが認定の基準であるべきと考えます。同性カップルの御家庭も里親登録を可能とした改正後の都と同一の認定基準としてまいります。 ◆上川あや 委員 同性カップルの子育ても、異性のカップルと比べて遜色のないことは、欧米の先行研究で何度も確認されていることですので、ぜひ差別のない対応を重ねてお願い申し上げまして、私の質疑を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、企画総務所管に引き続いて、公的書類の電子申請について伺います。  企画総務所管の質疑では、最近、税の確定申告や会社の定款認証など、特に許認可関係に関しては行政庁に提出する書類について電子申請が可能となるものがふえてきた一方で、世田谷区における行政手続の面においては、まだまだ電子申請の導入が進んでいないことなどを指摘いたしました。  区民の方々が世田谷区に提出する書類は数多くあり、その手続を簡素化、効率化することは、働く世代の方々にとっては特に重要なことです。子育て世代の方々には、妊娠、出産、育児などにかかわる負担軽減の観点からも、より一層の電子化を進めていくべきと考えます。  こうしたことから、国においても、マイナンバー制度におけるマイナポータルを活用したさまざまな子ども・子育て関連サービスの電子申請化を推奨しています。  マイナポータルとは、国、地方公共団体などでの自身の情報の利用状況や記録を確認できるほか、行政機関から個人に合ったきめ細やかなサービス情報の提供を受けることができるインターネット上のウエブサービスのことですが、国はこの中で子育てワンストップサービスというコンセプトのもとで、子ども・子育て関連の手続の電子化を推奨しています。  そこでお伺いいたします。例えば児童手当の手続や保育園の入園関係の手続などを電子申請にするべきと考えますが、区の子ども・子育て部門における電子申請の検討状況についてお伺いいたします。 ◎堀込 子ども育成推進課長 まず、児童手当に関する部分につきまして御答弁をいたします。  ただいま委員のお話にございましたように、国では、マイナンバーを活用したマイナポータルの仕組みの中で、子育てワンストップサービスといたしまして、地方自治体におきます子育て関連サービスの電子申請の普及を推進しております。この中で、児童手当に関しましては、申請のオンライン化を進めていくものの一つといたしまして掲げられてございます。特に児童手当の現況届の提出につきましては、毎年必要なものとして、特に件数も多いことから、いち早く取り組んでいくべきものとして掲載をされてございます。  こうした背景から、この間、担当所管といたしましても検討を進めてまいりましたが、児童手当の現況届の提出に関しましては、来年度よりオンライン化を導入する方向で現在準備を進めているところでございます。手当の支給等に関します電子申請の導入に当たりましては、新たなシステム開発が必要となるなどの課題もございますが、子育て世代の負担軽減の観点からも、引き続き検討を進めてまいります。 ◎有馬 保育認定・調整課長 引き続きまして、保育園の入園手続でございます。国は、マイナポータルの活用策として、認可保育園の申し込みや保育園入園後の保育の必要性の確認を行う現況届の申請を事例として掲げております。担当所管としましては、他自治体の動向や、来年度に向けて検討しております児童手当の支給等に関する電子申請の導入実績等を参考に、現在、保護者から提出していただいている入園、在園手続等に必要な申請書の中から、まずは簡素な申請手続について電子申請導入の可能性を検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 できるところから電子申請導入をしていただきたいと要望いたします。  次に、昨年の九月の定例会に引き続き、精神障害者施策の充実について進捗状況を伺ってまいります。  以前に自宅で長年引きこもっているお子様をお持ちの親御さんから、うちの子は高校卒業後から自宅に引きこもるようになり、一回は仕事を見つけたものの、また引きこもってしまった。どうにかして自立してほしいのだが、手だてが見つからない、困っているとの御相談をいただきました。地域では、精神疾患などにより、自宅で長年引きこもっていたり、本人に病状の自覚がなく、家族が困っている場合も多い状況です。  現在、世田谷区内で精神障害者、精神疾患の方は、平成三十一年四月現在、精神障害者保健福祉手帳を持っている方は六千百八十七人、自立支援医療費認定件数は一万二千三百三十八人と年々ふえております。国は、地域の保健・医療・福祉関係者が柔軟に連携をし、精神障害者などへ迅速かつ包括的に支援ができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業の実施主体を平成三十年度より特別区にも拡大いたしました。  昨年の質問では、十事業のうち、どの事業を優先的に取り組むのか、保健師、精神保健福祉士、専門医師などで構成する多職種チームの設置、地域の中で埋もれている未治療の精神障害者の方の支援として、土日、平日、夜間の相談体制の拡充、居場所づくり、そしてユニバーサル就労といった質問をいたしました。そのときの答弁では、必須事業である保健・医療・福祉関係者による協議の場を平成三十年度中に設置するとのことでした。まず、進捗状況についてお伺いいたします。 ◎宮川 障害保健福祉課長 精神障害者施策の充実については、昨年度、区のこころの相談機能等の強化検討専門部会報告書に四つの重点項目が位置づけられ、国の補助事業である精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業を活用して、保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置、多職種チームによる訪問支援事業に順次取り組んでおります。  保健・医療・福祉関係者による協議の場は、医師会、歯科医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション、世田谷区立保健センターなどを構成メンバーとし、名称を世田谷区精神障害者等支援連絡協議会として、平成三十一年三月に第一回、今年度七月に第二回を開催いたしました。  この連絡協議会では、心の相談機能の整備など、区が予定している精神障害者施策についての留意点や、精神科病院に長期入院している方の地域移行を進める際の課題、ピアサポーターの活躍の場などについて御意見をいただいたところです。  区では、連絡協議会や関係機関、家族会等からの御意見も伺いながら、今後も国の精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築推進事業に位置づけられた各事業の実施などにより、精神障害者施策の充実に取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 次に、多職種チームによるアウトリーチ事業は、平成三十一年度に体制づくりに取り組むとのことでした。この進捗についてもお伺いいたします。 ◎相馬 健康推進課長 六月より、世田谷、玉川、砧で訪問支援事業を試行しております。現在十二件のケースに対して、保健福祉センターの地区担当と連携しまして、定期的な支援を行っております。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 二〇二〇年四月の待機児童ゼロに向けて、今回特に特別推進策が実施される北沢・世田谷エリアについて、ほかにできることがないかという点で、以下提案してまいります。  まずは、区外に区民が利用するための保育園が整備できないかという提案です。  特に現在、待機児童が深刻な北沢・世田谷エリアと隣接している目黒区の北部、中央、西部は、それぞれ目黒区内でも待機児童の少ないエリアであり、また、同じく隣接している杉並区は、既に二年連続で待機児童ゼロを達成しています。これまで当然のように区内へ保育園整備を進めてきたと考えますが、現在優先度が高いエリアの中には、桜上水駅、代田橋駅、笹塚駅、駒場東大前駅、池尻大橋駅、祐天寺駅、学芸大学駅と生活圏内が行政区域を超えているエリアもあり、これらの駅周辺に行政区域を超えて保育園整備が可能となれば、土地が限られつつある区内を超えた新たな選択肢となり得る、また生活圏が変わらず、通勤、日常生活への利便性も高いと考えますが、実現可能性を伺います。 ◎中西 保育計画・整備支援担当課長 隣接する自治体への保育施設整備につきましては、区外の最寄り駅を利用する区境周辺の保護者等にとって利便性が高いものと認識しております。  一方で、他自治体での保育施設整備に当たりましては、メリットの少ない地域住民の理解が得られにくいこと、また世田谷区で実施している条例に基づく大規模集合住宅への保育所設置協議や保育施設整備のための老朽空き家除却補助の活用など、整備の推進に向けた建築関係所管等との連携も図ることができないことなどから、隣接する自治体での整備は難しい面があるものと考えております。 ◆そのべせいや 委員 続いて、北沢・世田谷エリアについて、学校の敷地内、空き教室、余裕教室を改めて保育施設に転用できないかという提案ですが、詳細は文教所管で述べますが、保育担当として、改めて学校の保育施設転用を進めることについての見解、交渉への姿勢はこの場で簡単にお聞かせください。 ◎中西 保育計画・整備支援担当課長 令和二年四月の待機児童解消とその後の継続に向けて、特に待機児童の多い北沢地域においては、現在、教育委員会事務局と連携して、池之上小学校の改築に合わせ、保育園との複合化を検討しているところです。  委員お尋ねの区立小学校の空き教室等を活用した保育施設整備につきましては、駒留中学校や用賀中学校、砧南中学校において整備事例があり、また学校の敷地内においても、これまでに整備した十カ所に加えて、現在、山野小学校において、令和二年四月開設に向けた整備を進めております。  御指摘の学校の敷地内、空き教室におきます保育施設整備については、教育委員会事務局と協議してまいります。 ◆そのべせいや 委員 今回の最後に、本来使われるはずだった予算を利用する提案です。  世田谷区は、待機児童解消に向けて私立認可保育園の整備を基本としていますが、施設整備にはタイムラグがあり、同じ区でも住む場所や生まれた時期が少し異なるだけで待機児童となり、本来受け取ることができた給付が得られません。  一方、区側から考えると、待機児童となったことで、彼らの分の保育にかかるはずであったランニングコストが抑えられることとなりますが、そもそも保育施設が開設、待機児童が解消されていれば、区が負担するはずだったランニングコストならば、待機児童家庭の救済に向けて投じていくべきです。  ベビーシッター制度の活用については以前も取り上げているため、ここでは質問として割愛し、ここでは今回、認証保育所、認可外保育施設への利用料補助の拡充について提案します。  認証保育所、認可外保育施設の利用者への補助は、現在所得水準に応じて最大四万円までとなっていますが、原則認可保育施設の利用料との差額を区が負担する方式とすべきです。これまでは利用料補助等で積極的に認可外保育施設へ誘導すると、区が保育内容について責任を果たせない面が懸念となっていたと考えますが、いよいよ児童相談所設置の政令指定も受け、来年四月は区が指導権限を得るタイミングでもありますので、従来、東京都が審査をしていた指導監督基準に関して、基準を満たす認可外保育施設については、今後、世田谷区として責任を持って指導監督体制を整え、養護、教育内容について底上げを行い、利用料補助を認可保育園水準へ拡大することを、二〇二〇年四月に向けた待機児童解消のメニューとし、待機児童ゼロを実現すべきではないでしょうか。  今月より開始となった三から五歳の幼児教育・保育無償化においては、区は指導監督基準について一年半の猶予を設けることとしましたが、安全性を担保するためには、指導監督基準を満たす認可外保育施設を対象として、区のウエブサイトや世田谷の保育施設の冊子への掲載、また利用料補助拡大をインセンティブに区の指導に協力してもらうことで、区内の認可外保育施設の質の向上にもつなげるべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 まず、認証保育所と指導監督基準を満たす認可外保育施設における保護者の負担額でございますが、最も多い階層である世帯収入七百万円で試算しますと、認可の保育料は月額三万五千七百円となりますが、認証保育所につきましては、認可と比べ約一万六千円高く、また、基準を満たす認可外保育施設では約六万五千円高い状況でございます。  区では、令和三年四月に向け、幼児教育の無償化の対象を基準を満たす認可外保育施設に限定する条例の施行を目指しており、また、ゼロから二歳児の認証保育所についても、保育の必要性を加味しながら補助制度を見直す予定となっております。  区としましては、認可外保育施設に対する指導支援体制を強化し、保育の質の確保を図るとともに、御指摘も踏まえまして、基準を満たす認可外保育施設を利用する保護者に対する補助制度の見直しについても検討してまいります。  また、今御提案のありました認可外保育施設のウエブサイトへの掲載でございますが、この御提案の認可外保育施設の質の向上に向けたインセンティブとして、また、保護者が認可外保育施設を選択する際の参考ともなりますので、指導監督を実施した全ての施設について、指導結果等の公表のほか、区ホームページ等での認可外保育施設情報を公表しまして、区内全ての保育施設において、子どもを中心とした保育が実践されるよう、質の確保に取り組んでまいります。 ◆そのべせいや 委員 二〇二〇年四月の待機児童解消という目標に対して大丈夫、達成できるということを残り半年にして公言をされるのであれば、何としてもあらゆる手段で達成することを求めて、今後も提案を続けてまいります。  最後に一言、この夏、子どもたちの間で感染症が流行しておりましたけれども、子育て支援施設において、保育園などと感染症の対応についてどう違ったのか、どのように定められているのか、感染症の疑いのある子どもたちに対して、そういった場に、公衆衛生の観点から来ないようにということを求めることはできるのかということについて、一言伺います。 ◎増井 子ども家庭課長 おでかけひろばですとか、預かり事業、ほっとステイといったところでお子さんを預かる中で感染症の心配がございます。それぞれ保育園に準じた形での周知ですとか、受け入れの基準といったものをつくったりして対応しております。 ○石川ナオミ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 区民を守る会、くりはら博之でございます。私からは、まず、虐待から子どもを守る取り組みについて伺います。  相次ぐ痛ましい児童虐待死事件の防止や、被虐待児がこうむる影響を鑑みても、虐待を受けた子どもの適切な保護が大切であると考えます。しかし、我が国の児童相談所による一時保護は、国連子どもの権利委員会から、多くの子どもたちが司法の命令なしに家族から分離され、児童相談所のもとに二カ月の間置かれ得ることや、より多くの児童を入所させようとする強い財政的インセンティブへの懸念から、廃止するように勧告を受けました。  国際人権規約では、社会的養護下にある子どもを施設に収容するのは最終手段と定めており、里親養育などがその子どもの最善の利益にならないと判断される場合に初めて用いるとされています。  そこで、区における昨年度、一時保護所での児童の一時保護件数を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 世田谷児童相談所が一時保護所において一時保護をした人数は、世田谷区、狛江市合わせまして平成二十九年度は百三十二人となっております。来年度、世田谷区の児童相談所の開設と同時に、区の一時保護所も開設を予定してございます。他区や東京都と連携しながら、万全の体制で適切な児童の保護に努めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 次に、ショートステイ里親制度についてお聞きいたします。  今申しましたように、児童虐待防止のためには、虐待を受けた子どもの適切な保護が大切ですが、保護には至らない場合でも、一時的に親と子が離れて過ごす場所が必要な場面もあり得ると考えております。その手段の一つがショートステイ里親制度です。  里親による保護は、一般的に虐待やそのほかの事情により家庭で養育できない子どもを児童相談所の判断のもとに保護するものですが、ショートステイ里親では、保護者が利用申請すれば誰でも原則七日間の上限で利用可能というものです。病気や育児疲れという理由でも利用ができるハードルが低い制度です。  保護には至らないけれども、何らかの事情で子どもを宿泊できる場所に預けたい場合に、ハードルの低い預かり先があることが虐待の未然防止につながると考えますが、区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 現在、区では、理由を問わない一時預かり、ほっとステイ事業のほか、福音寮及び日本赤十字社医療センター乳児院の二カ所において、病気や事故、出産、介護・育児疲れなどで一時的に子どもの養育ができなくなったときに子どもを預かるショートステイ事業を実施しております。  ショートステイ事業は、施設や乳児院以外の一般家庭においても実施することは可能とされており、特別区の一部の区では既に一般家庭でも実施されております。ショートステイ事業の利用希望者は年々増加しており、当区におきましても、委員御指摘のとおり、児童虐待予防の観点から、需要を満たし、かつ利用しやすくする必要があると考えており、区内全域での受け皿の確保に向けまして、一般の家庭におけるショートステイ制度の構築を検討しているところでございます。  先行事例といたしましては、委員御紹介にございましたとおり、児童相談所設置市である福岡市や明石市では、ショートステイを行う家庭を里親家庭として登録しており、このように一般家庭におけるショートステイ事業を里親制度の一つとして位置づけることも考えられるところでございます。里親家庭の普及促進や、里親の育成の取り組みを進める上での効果なども勘案しながら、制度検討を進めてまいります。 ◆くりはら博之 委員 最後に、介護人材の確保について伺います。  二〇二五年には団塊世代の方々が七十五歳以上になり、超高齢社会の新たな展開を迎えますが、約二百四十五万人の介護人材が必要と言われております。しかし、介護現場では、低賃金で非正規雇用が多いなど、不安定であるゆえに離職率が高い。その結果、年中人手不足という状態が続いています。  このような状況を見て、国も介護職員の処遇改善のために公的資金を投入しましたが、現場の介護職員の賃金アップにはなかなかつながっておりません。このままでは、さらに介護職員が減少していくのではないかということが言われております。  介護職員の現状に対する区の認識と人材確保に向けた区の取り組みについて伺います。 ◎三羽 高齢福祉課長 高齢者人口の増加に伴い、介護需要が高まる中、介護の現場を担う人材の確保は厳しさを増しており、喫緊に取り組むべき課題であると認識しております。  区は、これまで介護職員のキャリアアップに関する研修費助成や、ハローワークとの共催による就職相談会、面接会、介護施設バス見学会など、介護人材対策に取り組んでまいりました。今年度は新たな取り組みとして、介護職員の採用活動経費助成や、介護職員の負担軽減につながる物品購入費助成、介護の未経験者が受講しやすい入門的研修、小学校とその保護者を対象とした夏休み親子介護施設体験を実施しております。  現在、区内の介護サービス事業者やハローワーク等を構成員とする検討会を立ち上げ、介護人材の確保や定着に関する意見交換や検討を行ってまいりますので、その意見も踏まえながら、介護人材対策を一層推進してまいります。 ◆くりはら博之 委員 以上で終わりにします。 ○石川ナオミ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
    ◆青空こうじ 委員 私からは、認知症の方を介護する家族の支援について伺います。  まず初めに、認知症相談の体制についてです。  現在、世田谷区で認知症と要支援・要介護認定を受けている人だけでも既に二万三千人を超えて、今後もふえてまいります。認知症は誰もがなり得るものであって、家族や身近な人が認知症になることを含め、多くの人にとって身近なものになっております。  ある日突然、認知症になるわけではありません。例えば最近同じことを何度も聞く、そして物忘れがひどくなった。以前は自分自身でできたことができなくなったなど、少しずつちょっとおかしいなと思うようになっています。  このような家族に心配なことがあったとき、どこに相談すればよいのか悩んでいる方もいっぱいいると思います。区では、身近な福祉の相談窓口を区内二十八カ所に設置していますが、その相談窓口であるあんしんすこやかセンターは、認知症についてどのような相談ができるのかお伺いします。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 高齢化の進展に伴う認知症高齢者の増加を受け、認知症当事者への支援に加え、介護する御家族への支援は大変重要と認識しております。  区では、平成二十一年度からあんしんすこやかセンターへもの忘れ相談窓口を設置し、御家族はもちろんのこと、認知症当事者、近隣の住民、民生委員、商店街、医療機関や介護事業所など地域のさまざまな方から御相談をお受けしております。あわせまして、相談内容が複雑な場合には、区内五地域の総合支所保健福祉センター保健福祉課があんしんすこやかセンターと連携して必要な支援を行っております。  平成三十年度にあんしんすこやかセンターでお受けした物忘れ相談九千四百二十九件のうち、御家族からの相談が最も多く、三千二百三十三件、次いで認知症当事者二千九百九十三件、ほかあんしんすこやかセンター間での連絡や医療機関などからの相談の順となっております。  御家族からの相談内容で最も多いのが、介護保険の申請やサービスに関すること、次いで認知症症状に伴う介護方法や生活全般に関する相談、医療に関することとなっております。そのほか施設に関することや成年後見制度、住宅改修、経済的な相談など多岐にわたっております。  また、御家族からの相談として、身体的、精神的な介護負担に関する相談や家族会などの介護保険以外の地域の情報に関する相談もお受けしております。 ◆青空こうじ 委員 次に、認知症家族会についてもお伺いします。  認知症の家族の方は、毎日毎日の休みがなく、御本人を介護し、精神的にも身体的にもストレスを抱えています。同じ悩みを抱える家族の方が集まって、それぞれの体験や悩みを話して交流できる場として、家族会が開催されています。  私も区が開催しています北沢保健福祉センター、そして新代田のまちづくりセンターの家族会に参加しています。会場はリラックスした雰囲気で、日ごろの介護の悩みや困り事を話されたり、同じことで困っているなど、ほかの介護者の気持ちに共感でき、ストレスを軽減できることにも役立っています。また、うちではこのように介護したらうまくいったとか体験談を聞くことができ、とても参考になっています。時には、認知症の方を介護する専門家が講師として参加して、介護者の気持ちの持ち方や介護に大切なポイントなどのアドバイスを受けていることもございます。  このような家族会は、認知症の方を介護する家族にとって、悩みや不安を話せ、情報交換できる大事な場となっています。家族会は区の総合支所だけではなく、各あんしんすこやかセンターや区民の方の主催している身近なところでも開催しています。  世田谷区には、このような認知症家族の会がどれぐらいあって、その活動をどのように区は支援しているのか、区の取り組みについてお伺いします。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区では、認知症の方を初めとして、介護している御家族同士の情報交換や懇談ができる家族会が各総合支所を会場とした区の家族会が五カ所、区民が主体的に運営する家族会が十二カ所、あんしんすこやかセンターや医療機関が運営する家族会が二十カ所、計三十七カ所ございます。  家族会の活動支援としまして、まず広報に関する支援を行っております。それぞれの家族会は、会場や開催日時だけでなく、家族会の規模や運営の雰囲気なども異なるため、御希望に合った家族会を選択して御参加いただけるよう、平成二十三年度より世田谷区介護者の会・家族会というパンフレットを作成し、わかりやすい周知に努めております。  次に、運営者が一堂に集まって情報交換や運営に関する工夫や困り事などが意見交換できるよう、家族会を開催し、支援しております。交流会を通じてほかの家族会の様子が聞け、参考になった、継続運営することが勇気づけられたなどの声が聞かれております。加えまして、各家族会が開催する勉強会での講師を受託するほか、巡回を行い、相談を受け、適宜助言等を行うなどの支援を行っております。 ◆青空こうじ 委員 最後に、認知症家族の心理的なケアの支援についてお伺いします。  認知症の家族は、さまざまな介護ストレスを抱えています。先ほどの家族会の中でも、介護をしていてやりきれない気持ちや報われない気持ち、今後、この先どうなっていくのだろうといった不安感など、率直な気持ちを聞いています。また、認知症に対するよい接し方はわかってはいるのに、どうしてもいらいらしてしまい、態度に出てしまい、後で後悔してしまうという家族の方が共通する悩みも伺っております。  このように、認知症の方を介護する家族の心理的な負担はとても重く、日々悩んでおられる方も多いと感じております。家族の心理的なストレス軽減は、家族支援の視点として欠かすことができません。区では、介護家族の心理的なケアにどのように取り組まれているのか、これもお伺いします。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 認知症の方を自宅で介護している方は、介護鬱になりやすいとの調査結果もあることなどから、家族への支援を行うことは大変重要と認識しております。このため、区では、臨床心理士が個別に相談をお受けする家族のための心理相談や、御家族自身が介護ストレスの対処方法を学ぶストレスケア講座などを実施しております。  今後も引き続き、家族介護者の孤立感や心理的負担の軽減を図り、家族介護者への支援の充実に努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 うちのおばあちゃんもそうだったんですが、認知症の方は本当に多いです。ぜひ家族会、各地域でやっております。ぜひ家族会のことも目を向けてください。これからも認知症の方の御支援をお願いしたいと思って、質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆河野俊弘 委員 それでは、自由民主党の福祉所管における質疑を始めさせていただきます。  初めに、私からは、本定例会の一般質問にも上げさせていただきましたが、介護人材の確保という観点から何点か伺います。  現在、介護に対する有効求人倍率というのは、渋谷管内、世田谷、渋谷、目黒では十二・九六倍ということで、都内の全産業が一・七二倍ということに対して非常にやはり高い状況は変わっていません。また、国が公表した介護人材に係る需給推計によると、二〇二五年の本区においては、世田谷区において約二千四百人の介護人材が不足されるというふうな推計が出ています。介護人材の不足の状況が変わらない限り、区の貴重な活用地を見出して施設を増設したとしても、やはり効果が実際には出てこないんじゃないかということは、再三申し述べてまいりました。  一般質問の中では、特にソフト面における強化、人材獲得のための一つの方策として、イメージアップの戦略等々を訴えてまいりましたけれども、今回のこの決算委員会の中で、関連してその人材一人一人の負担軽減の一端をなすであろう、これも何度か上げていますけれども、介護ロボットの活用というところに観点を置いて、現状をお伺いしたいと思います。  介護サービスの事業所へのロボット導入補助支援の開始が経過して約三年近くたっているかと思います。導入後の検証も毎年されているかと思いますけれども、現場の技術は、進歩とともにやはり変わってきていますけれども、人材の不足が進んで現場が回らない状況が生じているのも現状であると。介護ロボットの活用は現場の革新を果たす大きな役割を担うと考えますが、まず本区における介護ロボットの利用実績についてお伺いします。 ◎三羽 高齢福祉課長 高齢者人口の増加に伴い、ますます介護需要が高まる中、介護人材の確保、定着は喫緊の課題です。介護ロボットの導入は、介護現場の業務負担を軽減し、介護環境を改善するため、また介護事故の件数の減少などの効果があると認識しております。  平成二十八年度から三年間で実施した国の介護ロボット導入支援事業では、区内の二十三事業所が見守り支援機器や移乗支援機器などを導入しました。区では、介護ロボット及びICTの導入を促進するため、認知症介護サポート事業を実施しております。昨年度は特別養護老人ホームを対象に申請を受け付け、現在導入希望のあった十九事業所に導入を進めているところです。  また、今年度は、認知症グループホーム、小規模多機能居宅介護等を対象として助成申請を受け付けている状況です。また、区内の介護サービス事業所全体の導入状況を把握するため、ことし十二月に実施する介護保険実態調査においても、介護ロボット、ICT機器の導入に関する設問を設ける予定です。 ◆河野俊弘 委員 今、導入要望があって十九事業所に導入を進めているというところで、あとはことしの十二月に実態調査においても、そのロボット、ICT機器の導入に関する設問を設けて調査をするということですけれども、やはりもう少し早目にこれをやっていただきたかったなという思いでもあります。  今後は、ロボットと一口に言っても、これもいろんな場面で言ってきていますけれども、単に異常をサポートするような介護の機器だけではなくて、その人の生活リズムに合わせた形での進歩というんですか、IoTというんですか、物のICT化と言っていいのか、そのベッドに関しては、この方は何時ごろに排せつの時間があるとか、そのリズムですよね。それぞれをデータ化していって、その人に合った形での介護のタイミングというのは、今までは人で都度、都度見ていたものも、その一つのデータがたまっていって、これは必ず進歩していくところだと思っています。  あとは介護報酬を得るために指定されたフォーマットへ、煩雑な書類とかに関しても、これも再三、我が会派の畠山委員からもペーパーレスの話は出ていますけれども、こういった現場にも必ず落とし込んでくる内容だというふうに思っています。  こういった場面、場面の導入実績というのは、現場の声というのは非常に大事だなというふうに思っておりますので、その活用方法についても、情報共有を区としてさまざまな事業者に促し、さらには介護の日などの世田谷区においてのイベントだったりとか、あとはさまざまな場面での情報発信というのを区がある程度担っていくことが重要だというふうに思っておりますが、区の見解をお聞かせください。 ◎三羽 高齢福祉課長 平成二十八年度から三年間で実施した国の介護ロボット導入支援事業では、見守り支援機器により睡眠状態が把握でき、睡眠を阻害せず適した見守りができる、異常支援機器により、二人介助のところが一人でできるようになったなど、おおむね高評価も得られていますが、機種によっては反応にばらつきがある、動きづらいなどの課題も明らかになり、各メーカーが改善に取り組んでいるところです。  区が実施しております介護ロボット、ICT機器の導入助成につきましても、機器導入から半年を目途に事業者から導入効果や課題の報告を求めています。事業者から報告がそろった段階で検証を行い、メリットや課題について事業者と共有し、改善につなげていきたいと考えております。  介護ロボットやICT機器の導入により、介護環境の向上から働きやすい職場であることなどを含め、これからもさまざまな機会を通じて介護の仕事の魅力発信に取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひとも活用していただきたい。こういった技術の進歩というのは日進月歩で、これは先日の区民生活の所管でも言いましたけれども、来年の四月から5Gの技術が導入されていって、こういったICTの技術は本当に進歩が早いと思っています。  5Gというのは実際何なのと結構聞かれることがあるんですけれども、私はもとの職業柄から簡単に申し上げると、十秒読み込みにかかる動画が〇・一秒で済む、百倍速度が上がりますので、そういった部分、通信の速度を活用して、いろんなサービスが出てくると思いますので、ぜひとも進めてください。  次に参ります。関連してですけれども、今、高齢者の施設と保育関連の施設というのが一体となった、以前は宅幼老所、今、また幼老複合施設というものが近年いろいろと話題になっているということです。先ほどは人材のということで話をしましたけれども、こういった施設での世代間交流の取り組みというのは、介護の現場の理解というのをさらに広げて、将来の介護人材の確保にも資するのではないかという観点から、ちょっと説明をさせていただきたいと思います。  幼老の複合施設というのは、高齢者の生きがいづくりであったりとか、子どもの教育的な効果が期待できることから、その数は徐々にふえていて、富山県の富山型のデイサービスだったりとかというのもありますが、今は核家族化というのは都心においてはかなり進んでいる、現在、子どもと高齢者が同じ建物、ないしは近接して建てることによって交流ができるという意義は非常に深くて、子どもにとって、お年寄りをいたわる気持ちが育まれたり、また思いやりや自然とマナーが身につくなど、挨拶ですね。そういったところも報告をされ、高齢者にとっても、子どもたちにとっても、それぞれ自分の役割を見つけて活力が生まれるなど、双方ともにいい効果があるということです。  土地、建物の有効活用というものも見込まれます。同じ建物の中に一つで複合してできればいいですけれども、近接してできるということが重要なのかなというふうに思っています。  先ほどもありましたけれども、世田谷であったり、北沢の地域であったりとかも、まだ待機児童の解消というのがなかなか難しいということもありましたが、高齢の特別養護老人ホームだったりとか、高齢者の待機者、待っている方というのもほぼ同じエリアで、やはり地域として建物がなかなか建てづらい場所というのが共通しているのかなというふうに思っています。  こういった土地活用の観点からも非常に有効かなというふうに私は思っておりますし、あとは乳幼児期から小学生までを対象とした子どもの施設と、あとはデイサービスだったりとか、特別養護老人ホーム、小規模多機能施設、認知症グループホームなど高齢者の施設と合体した形でそのような組み合わせはさまざまあるということ、中にはこれは他自治体ですけれども、障害者の施設と一緒になっているといったことも聞いています。  新規開設のほか、既存の施設と同じ建物内に増設したり、建物を改装するなどのケースもあるようです。実際に高齢者にとっていい点としては、やはり先ほども言ったように、子どもたちと触れ合うことで自然と笑顔がふえたり、同じ時間を過ごすことで子どもたちを守ろうというふうな役割意識が生まれたり、あとは生きがい、子どもの世話をしたり、一緒に遊んだりすることから、体自体の活動量もふえるということも聞いています。あとは、動き回る子どもたちを視覚的に見て、気配りであったりとか、目配りする機会がふえて、脳の活性化も期待ができるということも言われています。  もう一方で、子どもたちにとって、お年寄りをいたわる気持ちというのがやはり芽生えて、小さなころからお年寄りの体の状況であったりとか、あるいは今ふえている認知症などについての理解というのも深まっていくということ、優しくいたわる気持ちというのが自然と生まれてくるということもいい点。高齢者と一緒に過ごす中で、家庭内に、先ほど言った希薄になりつつある挨拶であったりとか、マナーというのも自然に学ぶこともできたり、あと学校ではふだん習うことがないお年寄りの持つ智恵、知識というのも学ぶことができる。あとは、家庭内で早くしなさいなどせかされることもなくて、お年寄りから褒められることも多いということから、子どもたちの気持ちの安定にもつながるということが言われています。  私、これは幼児と高齢者の二世代の話を言っていますけれども、世代というのは僕は大きく四つあると思うんですよね。幼児の世代と、あとは青年と言われている二十代前後の世代と、あとその親御さん、さらに高齢者と、この四世代が今後世田谷区にとっても、交流の観点として実際に大事になってくるだろうと。その施設単位の交流に、子を持つ親にとっても、やっぱりいい面があるんだよということで、父親、母親の言うことを聞かないけれども、お年寄りの言うことは聞くことがあって、親の力が及ばない部分も、こういった施設内で手助けしてもらえるとか、そういった声もあるようです。  若い世代の親だけではできない子育て、昔のそういった知恵ですよね。そういった部分も、世代間の大人がかかわることで、内容がより豊かになってくるということも言われています。  今、いい面だけ言いましたけれども、なかなかこの施設が広がらない、デメリットというか、課題というのも数多く言われておりまして、やはりスタッフの面、介護と保育、ともの採用というのが困難であるということであったりとか、そういった部分で専門分野以外の勉強というのもより必要になってくるということがまず一番大きいのではないかなというふうに思っています。  実際にこういった施設、世田谷区の中でもどの程度あるんですかということを三羽課長にも、今回の質疑の中でいろいろと聞かせていただきましたが、実際に区においても、旧希望丘中学校の跡地における高齢者の設備、施設整備においては、世田谷区における地域包括ケアシステムを支える拠点として重要な役割を担うとともに、どうこの施設内に区が整備する青少年交流センターの利用者と保育園児との世代間交流や、あとはここに整備された特別養護老人ホームは、そういった隣接した保育園、あるいは高校生のボランティアの受け入れだったりとか、世代間交流の取り組みというのを実際に進めているというふうに聞いています。  施設でのやはりこういった、最初の話に戻りますが、介護現場の理解を深めるということは、将来の介護人材につながるというふうなことを申し述べていきたいというふうに思っています。  こういった将来の介護人材の確保につながるような施設内の取り組み、世代間交流というのを活性化させる取り組みを進めていったらいいというふうに思っておりますが、区の見解をお聞かせください。 ◎三羽 高齢福祉課長 区では、介護人材対策として、その育成・定着支援に取り組んでおりますが、中長期的な視点から、次世代を担う小中高校生の福祉職場への興味関心を高める取り組みも進めています。  これまで福祉の入門講座の出前授業に加え、今年度は区内二十カ所の特養ホームと協力し、夏休み親子介護施設体験を新たに実施したところです。  参加した児童からは、お年寄りとの交流が楽しかったという声も聞かれており、今後は多世代交流事業としての広がりも期待しております。  区としましても、高齢者施設での多世代交流は介護の仕事に対する理解を広げ、介護人材の確保にも資すると考えております。お話のありました特養ホーム、世田谷希望丘ホームは、ことし二月に開設した希望丘青少年交流センターと隣接しておりますので、両者の特徴を生かした多世代交流イベントの実施を検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 よく地域共生社会というふうに言われておりますけれども、そういった思いやりの気持ちを表現できる子どもたち、あるいはその子どもの親たちも支えてもらえる、まさに今そういった地域共生の中核を担うものだというふうに私は思っています。  それが機能するために、人材の育成であったり、人材不足の解消など、さまざまな課題がありますけれども、ぜひとも積極的に進めていただくよう要望したいと思います。  次に、先日の区民生活から引き続き、世田谷区におけるたばこについて伺ってまいります。  このたびは福祉保健の所管でございますので、受動喫煙という観点からということになりますけれども、健康増進法が九月一日から一部施行、そして来年の四月には全面実施ということで、今までは屋内の喫煙に関しては、施設の管理者であったりとか、一人一人のマナーによって、やはり地域の中で黙認していくというのは、難しいですけれども、一人一人のマナーによるというのが大きかったのかなというふうに思っています。ただ、今回法と条例で規定されることによって、影響がやはり大きく出てくると思います。  今回、世田谷区においても、制度改正に伴って専用のコールセンターというのを設けたと聞いておりますが、これまでのまず実績について教えてください。 ◎大谷 健康企画課長 区は本年七月一日に区民や飲食店、事務所を管理する事業者の方に、今回の改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の制度の趣旨、その施設で求められる対応をお答えすることを目的に、受動喫煙相談コールセンターを開設いたしました。  先週十月四日金曜日までで延べ六十件のお問い合わせをいただいております。主に飲食店からの御相談が多く、法、条例の概要であったり、店舗の入り口、店内に張り出す禁煙、喫煙可のあらわす標識の入手方法、また店舗内での喫煙専用室の設置に関する要件の確認などについてお問い合わせをいただいております。  今後の取り組みですけれども、区民、事業者の方に、喫煙に関する相談窓口をわかりやすく御案内できるよう、保健所と環境政策部が連携して、総合的に取り組みを進めてまいります。 ◆河野俊弘 委員 保健所と環境政策部が連携してという、ここは非常にやっぱり大事だと思うんですよね。一般区民の方からしてみると、屋外でもちろん吸っていたりとか、屋内で吸っているという、そこで問い合わせ先が違うというのは、まずわからないと思うんです。今回、東京都の条例が出てきて、東京都のほうでも条例施行されましたということで、専用のダイヤルが出てきますので、どこに問い合わせたらいいのということで、保健所のほうに御連絡先、専用のコールセンターへ電話して、屋外のことであれば環境のほうにつなげてということで連携しているということは、先ほど聞きましたけれども、東京都のほうに問い合わせをした方にとっても、またわからなくなってしまうということもありますから、そういった部分、丁寧に対応していただくようにしてください。  あとは、実際にその事業者、飲食店等への周知啓発の現状、あとは今後の展望について、区の見解を伺います。 ◎大谷 健康企画課長 区は、本年七月に法、条例に伴う影響が大きい区内の全飲食店等九千五百件を対象に東京都が策定したパンフレットを郵送するなど、周知啓発を進めております。  また、世田谷区食品衛生協会様が主催される講演会にもお伺いし、保健所職員が直接御相談に応じるなど、きめ細かな情報提供を行っているところです。さらに、十月からですけれども、区が現在周知啓発等を委託している事業者、この事業者が順次、区内飲食店をお伺いし、店内、店頭の禁煙、喫煙表示について、法や都条例の説明の趣旨、それを御説明する取り組みを行っているところです。  今後、令和二年四月の法や条例の全面施行に当たりまして、引き続きさまざまな機会を活用し、飲食店を含む多くの事業者の方が受動喫煙防止対策への理解を深められるよう、周知啓発に取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひともお願いします。今回、そのたばこの販売事業者との連携というのも必要でございますので、そういったところをしっかりと進めていただきたいと思っています。今回、その受動喫煙防止対策というのと、あとは屋外におけるたばこルールというのを同時に紹介してもらえるようなツールというのも検討していただきたいということで要望しますが、いかがでしょうか。 ◎大谷 健康企画課長 お話しのたばこ販売事業者の方というのは、喫煙者の方に対してさまざま御案内いただける役割があるというふうに認識しております。現在、たばこのルールの所管をしておられます環境政策部とも連携し、受動喫煙防止対策、また、たばこルールを同時に御紹介できる啓発物品の配布などで御協力をいただけるか相談をしているところです。  いずれにいたしましても、令和二年四月の法や都条例の全面施行に向けて、飲食店、またたばこ販売事業者の方とも連携を図り、さまざまな機会を通じて受動喫煙防止対策に理解を深められるよう、周知啓発をより推進してまいります。 ◆河野俊弘 委員 やはり吸う人、吸わない人、あと販売者、たばこに関してだったら、生産者もいますから、全ての観点からしっかりと皆様の声を聞いていただいて進めてください。  以上でかわります。 ◆畠山晋一 委員 初めに、梅ヶ丘拠点整備事業に関連して質問させていただきます。  ここに梅ヶ丘拠点整備事業の基本協定書なるものを持っておりますが、まず、梅ヶ丘拠点整備にかかわる基本的な考え方に記されているのが、(1)全区的な保健医療福祉の拠点づくりとなる身近な地域のサービスをバックアップ、補完する機能や今後の取り組みをリードしていく先駆的な機能が求められる、これが梅ヶ丘の新たな四月から開設をされている民間部分の二つの大きな役割のもと、拠点では次の四つの機能を整備するということで基本協定書に記されているんですが、まずは初めに、安心して在宅医療、地域生活を送るための相談支援及び情報提供を行うとともに、保健・医療・福祉を支える人材を確保する相談支援・人材育成機能、二番目が健康づくりの観点から健康を守って創造する機能、四番目に、介護や医療を含め支援が必要な障害者が病院などから地域移行する際に、また、地域での生活を継続する場合に安心して暮らし続けられる障害者の地域生活への移行、継続支援の機能。  今回お伺いしたいのがこの最後の四番目で、介護や医療が必要な高齢者が病院等から在宅復帰する際、また、在宅で療養生活を送る場合に、地域で安心して暮らし続けられるよう支援する高齢者等の在宅復帰・在宅療養支援機能の高齢者施設部分ですね。高齢者支援施設の中で現在、四月から開設をされてから行われているさまざまな施設の機能。こちらの基本協定書に基づくと、ア、介護老人保健施設、これは短期入所の療養介護も含む。イ、地域交流スペース、ウ、通所リハビリテーション、エ、訪問看護、オ、療養通所介護、カが提案施設で、認知症対応型の通所介護、訪問介護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、在宅看護支援事業、病院(回復期のリハビリテーション)の病床といった、もう世田谷区にとって我々北沢地域にまさに光が差してきたような高齢者施設が四月からできているなという観点から見てまいりましたし、事前に視察もさせていただいて、拝見もさせていただきました。  しかし、十月になって聞こえてくる声というのは、現実と少し違うかなという部分の声も聞いております。いろいろ賛否両論ありますが、現実の問題もいろいろあると思う。でも、実際にこれからの高齢者にとってこの施設をどう生かしていくかという観点から考えますと、現在の梅ヶ丘拠点施設における高齢者関係施設。今、御披瀝申し上げましたけれども、運営状況は現在はどのようになっておりますでしょうか。 ◎三羽 高齢福祉課長 民間施設棟の高齢者関係施設は、医療機関からの在宅復帰支援と在宅生活の継続を支援する機能を充実させ、ターミナルケアにも対応する在宅強化型の介護老人保健施設を中心に運営がされているところでございます。  お尋ねの運営状況についてですが、主たる事業の介護老人保健施設は、定員百名のところ、九月三十日現在、長期利用者が五十名、短期利用者が八名で、合計五十八名、稼働率六〇%という状況です。また、通所リハビリテーション稼働率については、長時間利用の定員二十名のところ、十四名で七〇%、午前、午後の利用、どちらかの短時間利用については、定員六十名のところ、二十人で三三%となっております。他事業も当初想定した定員での運営は十分にできていない状況です。 ◆畠山晋一 委員 今の課長の答弁にあったように運営は十分にできていない。長期のところが七〇%で、利用率が高い数字は出ていますけれども、いずれにしましても一〇〇%満たされているどころではない。高齢者とするとさまざまな今の施設機能に対して、こういった部分を求められているさなかにオープンされた施設であっても、四月から開設されて、今もう九月三十日現在で五カ月以上経過しておりますが、この状況の中にある。  ちなみに、この高齢者支援施設にかかわる補助金については、世田谷区としてはどの程度補助金を出しているんでしょうか。 ◎三羽 高齢福祉課長 介護老人保健施設の整備費補助については、東京都より九億五百万円出ております。一方、区からは整備費の補助ではなく、事業者が独立行政法人福祉医療機構からの借入金に係る償還金の補助として、定員一人当たり百万円の補助がございます。ショートステイを含め、定員百名の施設ですので、区からは合計一億円の補助となります。  その他高齢者関係施設の整備費補助としましては、認知症対応型通所介護が千百三十万円、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が五百六十七万円となっております。また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護については、整備費補助のほか、千三百三十万円の開設準備経費の補助もございます。これらの補助金は区から支出しておりますが、特定財源として区の持ち出しのない十分の十の東京都からの間接補助となっております。  区の補助額合計は一億三千二十七万円、都の補助額合計は訪問看護ステーションの三百十五万八千円を含め九億八百十五万八千円となります。 ◆畠山晋一 委員 御答弁にあったように定員一人当たり百万円で、償還金の補助が約一億円。今、答弁あったように東京都の九億八百十五万八千円、世田谷区が一億三千二十七万円という貴重な我々の税財源がこれだけ活用されていて、十分な準備等もされてきた中で、それでも、これだけの補助金をかけてでも、本来入所するべき人数、定員に満たない、十分な定員数が入っていない。この定員の充足にやはり課題があるのか。決算領域の中でもそういった部分を顧みるような、課題となるような質疑もさまざま出ておりますけれども、実際に梅ヶ丘拠点施設に関して定員が充足されないような状況の中、特段に梅ヶ丘だから入らないんですといったような要因か何かがあるんでしょうか、お伺いします。 ◎三羽 高齢福祉課長 介護老人保健施設が六〇%程度の稼働率にとどまっている状況は、開設前の申込受け付け件数が少なかったことも要因の一つとしてありますが、介護人材の確保が十分に進んでいないことが大きな原因になっていると考えております。  この点について、事業者より聞き取りも行っておりますが、開設後に徐々に職員をふやしていく予定であったところが、逆に退職者が出て職員数が減少している状況です。現在の職員数で定員数のケアを行うには、転倒事故の未然防止などサービスの質の確保の観点から厳しい状況にあるため、今後、定員数どおりの稼働が行えるよう職員をふやしていきたいとの報告を受けております。  職員の採用に向けては、引き続き求人活動を行っていくとともに、一方で職員の質を確保するため、グループ内での経験者の異動で、今月四名はふえる見込みが立っているとのことです。また、職員の定着支援を図っていくため、事業者において職員一人一人とヒアリングを行っており、今後その結果を踏まえ、体制づくりにも生かしていきたいと報告を受けております。 ◆畠山晋一 委員 介護人材の確保がやはり十分に進んでいない、逆に始まったと同時に退職者が出てしまう。本来ならば、定着して、しっかりと仕事をしていただく。それだけの補助金が出て、入念な準備がされ、開設されてきたにもかかわらず、やめる方が出てきてしまう。これはおやめになる方それぞれの諸事情がありますから、そこを問うところではございませんけれども、そういったものも想定して準備が果たしてできなかったのだろうか。  また、選定された事業者は都内の事業者ではなく、地方からこちらの梅ヶ丘に参入、進出されてきた事業者であって、地の利があるのか、ないのか、そういったところも要因になっているのか、いないのか、さまざま考えられるわけですけれども、人材をいかにして確保するかというところでは、地方から出てきたとしてもそれだけ大きな財力を持って来たはずでしょうし、地方でも大きな人手を持ってやってこられたわけですから、それが東京、世田谷、梅ヶ丘に来て発揮できないということ。その辺で、世田谷区、行政側だからこそつかんでいる何か特殊なといいますか、世田谷区独特の事情をもう少し事業者とやりとりする必要性があるのかな。  または、まだ五カ月と言うかもしれませんけれども、もう五カ月と捉えるのか、もう少しその辺を細かく、世田谷区としてこれだけの補助金が出ているわけですから、取り組みに対してサポートする必要性があるという部分を今回の決算の質問の中で数字として私自身は考えるわけですけれども、このことに対して、今後、区として独特の何か取り組みをされる予定はありますでしょうか。 ◎三羽 高齢福祉課長 民間施設棟については、拠点施設に求められる機能の実現のため、区と事業者の間で基本協定を締結し、要求水準書に基づき、事業者には運営業務報告書の提出を年二回求めております。今月中には上半期分の報告がある予定です。その結果を踏まえ、改めて介護人材不足等の課題を事業者と共有するとともに、その解決、改善に向け支援を行ってまいります。また、年度終了後には、事業者が自己点検した上で、区が事業の実施状況についてモニタリングを実施し、定められた業務を事業者が確実に行い、要求水準書の内容全てを満たしているかを確認することになっております。  梅ヶ丘拠点はサービスが多岐にわたり、専門性が高いことから、区と事業者との連携協力により、今後もサービス水準の維持向上のための取り組みに向け、サービスの利用状況を確認していくとともに、人材確保等に向けた支援を行ってまいります。 ◆畠山晋一 委員 結局キーワードとなってくるのが人材確保というところですが、私も実際に施設を拝見させていただいて、各サービスの適用される範囲ですとか、さまざまな人材が足りないから、遠くまで送迎の車を出して対応することができないといった実態があるのか、果たして地の利がないからその辺の対応がまだできないのか。こういった部分で、梅ヶ丘はちょうど環七から西側にあるわけですけれども、実は環七から東側のところに高齢者率が世田谷区内でも高いと言われている地域がある中で、そこに至るまでの送迎機能がないから、そこまで高齢者に対応する機能ができていないというところも一つ課題なのかなと。私自身、環状七号線の東側に住む者として、そういった声を実際に高齢者の方からも伺っております。それにしても、人材が確保できていないから、その送迎も送り込めないというジレンマといいますか、流れができてしまってきているので、やはり人材確保をするという課題になってきてしまうわけですね。
     この間、各会派からも質疑があり、我が党もさきの代表質問で加藤議員から福祉の人材。世田谷区内全体の人材確保というところでの産業に対しての質問もさせていただいた中で、特に福祉の人材の確保のための提案として、福祉人材バンクを創設して、より一層深め対応していくべきであろうという考えでの提案、提起をさせていただいたわけですけれども、世田谷区とすると、きょうは専門、担当の課長さんたちがいますので、福祉人材バンクの創設に対してはどういった対応、そしてお考えをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。 ◎加賀谷 調整・指導課長 区では現在、成城になりますが、福祉人材育成・研修センターがございまして、こちらで区内福祉事業者支援として、新規の資格取得者の確保、有資格者の再就労の支援、求職者と事業者のマッチングなどを実施しているところでございますが、依然として区内事業所の厳しい雇用状況が続いており、人材確保策は喫緊の課題と認識をしてございます。  来年度、お話しの梅ヶ丘のほうで新たな福祉人材育成・研修センターとしてスタートするわけですが、こちらにおいても引き続き、介護職、看護職、ケアマネジャーなどの職種を対象とした就職相談、面接会をハローワークなどと連携して行うなど、採用支援事業も、一部ですが、充実して行っていくこととしております。  今後、関係所管とともに、区内事業者からの意見も伺いながら、またあわせて、学識経験者も含めた福祉人材育成・研修センター運営委員会を設置しております。こちらの議論も踏まえまして、御提案の福祉人材バンクの創設も視野に入れ、福祉人材の確保策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 今、課長からあったようにハローワークですよね。二十三区全部にあるわけではなくて、世田谷区に特段に国がてこ入れしてハローワークを設置しているわけですし、建設業に関連してさまざまなマッチングを試みて成功している部分も聞いてきておりますが、やはり福祉の人材確保が早急に必要とされているということが明らかなわけですし、現在も世田谷区内に、本当はやりたいけれども、どのように対応していいのかというところで、じくじたる思いをしている人たちが潜在的にもいらっしゃるという話も聞いておりますので、できたらそういった人材バンクでしっかり掘り起こしをしていただけるような取り組みを具体に、例えば世田谷区の区報に載せて、世田谷区はこういった人を求めていますというような、もう少し広い意味でのツイッターでもいいですし、こういった告知をすること、マッチングをしていきますよ、皆様の思いに応えていきますよ。それがひいては、実際に今施設を運営、経営されている側とすると、人材派遣の会社に非常に多大なお金を払って、申しわけないけれども、実際には働き切れなかったような人材が入ってきて、お金だけ出して、結局人は雇えなかったというような実態が既に発生しているわけですから、早急にこういったものに対して、人材バンクを生かした形での人材確保の具体の取り組みについて進めていただくことを要望して、次の質問に入ります。  続きまして、ペーパーレスです。  ペーパーレスといっても、私は別にノンペーパーと言っているわけではなくて、紙資料の生かし方もそれぞれ考えていかなければいけないということで、今回は福祉保健領域になるわけですけれども、例えば我が自民党ではワーキンググループなどを構成して、実は介護事業者が自治体に提出する指定申請、報酬請求、指導監査の文書の書類形式が自治体によって異なっているから、作成業務が煩雑となっているという実態を国としてもう既に捉えていて、これを自民党のワーキンググループとして、国とか地方自治体、介護事業者らで構成して、自治体に提出する書類形式の統一化も実際にペーパーレスの一環から進めているという話もありますし、現実にもう既に民間会社、SOMPOケア株式会社の有料老人ホームが台東区にございまして、こちらではもう具体的に事務作業のペーパーレス化が進んでいるんですね。なぜかといえば、ここでは、今まで職員の皆さんが文書をファイルにとじる作業に時間がどんどんとられてしまうということで、実はこの施設には百二十六人の方が入所しているんですけれども、利用者のケアプランは従来からパソコン入力で作成していたのが、ケアの記録ですとか日誌は手書きで作成していて、それも五年間保存して、それをまた、段ダンボール箱に詰めると約二百六十箱にもなるような膨大な量で、外部委託して、倉庫に置いてもらうという現状があったんですが、この四月から、日誌とか、ケア記録とかはペーパーレス化に移行して、職員らのスマホ、タブレットから作成できるようになって、情報共有がスムーズになって、若い世代のみならず、全職員がスマホの操作になれていって、作業がしやすくなった。ついては、効果として、入所されている人たちに対するケアをより手厚くできるようになってきた、ペーパーレスが実現できていますというような実態が既に現場では起きております。  そうすると、世田谷区の保健福祉領域の中でのペーパーレス化の取り組みとして、このような成功例と課題等がありましたら御答弁をお願いします。 ◎加賀谷 調整・指導課長 保健福祉領域全体ということですので、私からお答えさせていただきますが、これまでの取り組みで一番大きいと捉えておりますのは、平成二十八年度からのあんしんすこやかセンターで台帳を紙から電子システムへ変更したことにより、大幅な紙と保管スペースの削減が実現できたということでございます。こちらは地域包括ケアの地区展開に合わせた取り組みの一環でして、関係所管での情報共有もあわせて図られて、緊急対応などではその有効性を実感しているということです。ペーパーレス化は、環境面だけでなくて、事務効率化、円滑な情報共有などのメリットが大きかったと認識してございます。  そのほかの取り組みですけれども、各総合支所保健福祉センターにおいて、今年度はDV等相談記録管理システム、母子保健システムの運用を開始したこと、また、高齢者、障害者の相談記録・世帯台帳についても電子化の準備を進めているところでございます。また、区立保育園においては、段階的になりますが、順次ICTを導入した事務負担の軽減、迅速な情報共有により、保育の質の向上にもつながっていくと認識しております。  またあわせまして、電子申請につきましても、各種検診や一部の予防接種に加えて、風疹抗体検査等の申請を開始して、区民サービスの向上も図られているという実績がございます。  今後の課題になりますが、特に申請種類が多いものですから、電子化に伴うシステム開発のコストですとか容量の問題、全庁的な部分もございますが、個人情報を扱うルールですとかマニュアル化なども含め、関係所管と順次相談しながらこちらについては進めていく必要があると認識をしております。 ◆畠山晋一 委員 このペーパーレス化の取り組みを福祉の領域でもしっかり進めていただくことを要望して、菅沼委員にかわります。 ◆菅沼つとむ 委員 最初に、小学校内の新BOP学童クラブについてお聞きします。  学童クラブが小学校六十一校などで行われていますが、常勤、非常勤、臨時職員など何人ぐらいでやっているのか、お聞きします。 ◎相蘇 児童課長 それぞれ学校の規模によって体制は異なりますけれども、基本的には、事務局長一名と常勤の児童指導が各新BOP一人から二人、規模によっては三、四名のところもございます。そのほか非常勤職員の指導員がおおむね四人から十人程度、このほか四時間の指導員が十七名、そのほかは臨時職員としてのPPが基本の体制として従事をしております。 ◆菅沼つとむ 委員 例えば大きさによって、五十人未満だとか、百人以上だとか、そういう基準があるんですか。 ◎相蘇 児童課長 区のほうでそれぞれ何人から何人までが何人ということで基準を定めて配置しております。 ◆菅沼つとむ 委員 全体で職員として何人ぐらいいらっしゃるのか。非常勤も入れて全体で、大ざっぱで結構です。 ◎相蘇 児童課長 児童支援の常勤はおおむね百十人程度、指導員のほうですと、六時間の非常勤が三百九十三人、四時間の非常勤が十七人ということになります。 ◆菅沼つとむ 委員 学童クラブの人件費を全部入れて、どのくらいの予算でやられているのか、お聞きします。 ◎相蘇 児童課長 新BOPの事業につきましては教育委員会との共同所管になりますので、教育委員会の予算と福祉保健領域の予算と両方になりますけれども、教育委員会関係の予算が今年度予算で約十九億八千万円、児童課の予算が一億四千七百万円でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には学童クラブBOP、学校の中にあるんですけれども、その中で同じようなものかなという感じはするんですけれども、例えば各小学校や何かでお父さん方、先生方が、バスケットだとか、卓球だとか、サッカーを平日でも結構教えているんですよね。それで、BOPの子どもたちは行けて、学童クラブの子どもたちは行けない。行けない理由は何なのでしょうか、お聞きいたします。 ◎相蘇 児童課長 学校内で行われているスポーツ関係のクラブがあるのは承知しておりまして、学童クラブのお子様は行けないということではなくて、学童クラブからそちらのクラブに参加をした場合に、クラブが終わった後に再参加をするということは、原則として現在認めていないということでございます。理由としては、それぞれ下校時から保護者の指定した時間まで継続して児童の保護育成をするというところでございます。そのほか例外として、学校行事であるプールであるとか算数教室の参加は認めておりますけれども、今お話がありましたスポーツ関係のクラブについては学校行事に該当しない、塾に通う児童と同様であると判断をしているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 一回学校を出て塾に通うのはいかがなものかと思いますけれども、学校の敷地内で、片方はBOPをやって、新BOPのほうは行けない。やっぱり子どもたちから見ると、スポーツをやって体力をつくり、さまざまなことをやらせるということは大事なことだろうと思います。もちろん敷地外に出たらいけないですけれども、一回学童から出たら戻ってこられないと言うんですけれども、戻ってきても別にどうということはないのではないですか。いかがでしょうか。 ◎相蘇 児童課長 一旦新BOP、学童クラブから送り出しをしまして、また戻ってくる、再度受け入れるということになりますと、再参加をする時間に合わせて職員を配置したり、子どもたちが再参加したこと、体調、持ち物等の状況をまた改めて確認しまして、現在動いている学童クラブの活動に円滑に合流させるという必要がございます。新BOPの事務作業の中で再参加をした際、児童が学童クラブに参加するといったところの確認が安全、健康管理の面から非常に重要な業務であります。この再参加の時間はその他の児童については帰宅が始まっている時間と重なっている場合があったり、多くの人数が戻ってきた場合には、その状況確認に時間を要したりすることを想定してございます。先ほどお話ししたように職員が十分に充足しているという状況ではございませんので、現在再参加の児童を確認するという作業が運営上非常に難しい状況にあるということがございます。実際、再参加可能ということになれば、校外からの再参加については、今ほどあったように別というお話がございましたが、そちらのほうについても対応が必要となる可能性もございます。そうなりますと、限られた職員の中でスケジュールを把握し、運営していくということがますます困難になってくると考えております。  区としては、一人一人の子どもの状況を把握して対応することが重要であると考えておりますので、子どもたちと職員が向き合える時間をとにかく大事にするということを第一に、現状のルールに基づいて運営に取り組んでいきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 学校もそうですけれども、BOPもそうです。新BOPも子どもたちのことを第一に考えて、大事にすること自体はみんな同じではないですか。私から言うと考え過ぎというか、外から塾まで行って、また入ってくるまでオーケーだとは言っていない。子どもたちの安全第一で、同じ学校の敷地内でそういうことをやらせたらどうですかという話なんですけれども、実際に人数を聞きますと、小さい学校でも五人ぐらいから十人ぐらいBOPの職員がいらっしゃるということなんですけれども、その職員がなったときに、じゃ、まちづくりセンターなんて六人ぐらいしかいないですよね。保育園の場合はゼロ歳児で、たしか職員が一人、四歳児になると四十人に一人ですよね。そんなに難しくないのではないですか。健康診断をするわけではない、チェックをして入るだけですから、そんなに手間がかかりますか。 ◎相蘇 児童課長 今現在、新BOPも人数がふえてきて、大規模化をしております。実際には二教室分でやっておりますので、遊んでいる子ども、途中で帰る子ども、たくさんの子どもが交錯しているという状況になって、大変混雑をしている状況でございます。なので、やはりその中での安全の確認、保育園児に比べますと子どもたちは非常に自由な動きもするということもございますので、私たちとしては、今の基準、運用ルールのところで安全の管理、確保をしてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 先ほど職員が不足しているという話もあったんですけれども、保育園の話と比べると大変失礼な話ですけれども、保育園の場合には床面積、ゼロ歳児になったら三人に一人の職員とちゃんと基準があるんですね。新BOPの場合は校舎が狭かったり大規模だというものがあろうかと思いますけれども、基準的には、職員の配置は何人に対して何人ぐらいが理想的なんですか。 ◎相蘇 児童課長 国の基準では、四十人を単位に二人というのが設置の基準になっております。今ほどお話をしています区の基準は、それよりも多い人数を充てていることになりますので、実際今、区で決めている配置基準で運営するというのは最低必要なものだろうと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 そうすると、保育園の四歳児よりは新BOPのほうが充実しているということだよね。最低でも二人以上だから。そんなに人数が要るんですか。 ◎相蘇 児童課長 国の基準もございますし、実際現場を見て、さまざまなお子さんたちもいますし、多様な遊びとかに対応する必要があることから、現状本当に必要な人数だと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 学童も昔は手づくりでクッキーをつくったり、白玉をつくったり、いろんなことを手づくりでやるのが大事だという話をずっと聞いていたんですよ。それが今では、みんな業者が配達して持ってくる。また、簡単ですとお菓子か何かを一週間分、ぼんと置いて、そのままそのお菓子を配ったりして、昔より人数が多くなっているということもありますけれども、四十人で二人以上というのはできる人数だと思いますよ。だから、子どもたちのことを考えて、もっとそういうことを前向きにやっていただきたいと思います。  例えば学童というのは、もともと児童館の職員ですよ。ここに回覧板で町会から回ってきたものがあるんですけれども、大変ですよ。赤ちゃんひろばが週四回、げんきっこが月三回、のびのびひろば、中学生と高校生のまちかどカフェで皆さん来てくださいよ、ドッジボール大会もやる、逆に児童館まつりには四年生以上の協力者をお願いする、商店街、町会の人たちみんなにお願いして、地域に根づいていて、毎月このチラシが来ると、児童館というのは本当に一生懸命やっているなという感じがあるんだけれども、同じ職員が新BOPに行くと全然やる気が外に見えてこないんだ。もっとやる気を出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎相蘇 児童課長 児童館のほうは団体の活動について御評価いただいたんですが、新BOPも日々やはり子どもたちが学校の中から流れて来ていますので、毎日状況が違う中、保護者の方が見られないかわりの生活の場ということで、きちんと安全に、しかも、健全に子どもたちをお返しすることが必要になります。今の新BOPの職員、私としては、非常に人数が少ない中で仕事をしているというところでは、すごく頑張っていると考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 なかなか話がかみ合わないので、この辺でやめますけれども、実際に児童館なんていったら、朝はもう学校に行く前の人から、夜は中学生だか高校生がバンドをやって、もう休みなしですね。学校の場合は、結局学校がやっている間にもう準備できる人数がいるんです。一年生、二年生、三年生の子どもたちが来て初めて動き出すわけですから、ほかの職場から見ると恵まれていると思いますし、もっと子どもたちのためにスポーツも考えていただきたいと思います。  次に行きます。産後ケアセンターの事業の充実について聞きます。  産後ケアセンターについては現在、利用者は百二十日まで、約四カ月と決められています。早産ですとか、未熟児ですとか、母親の出産日前から数えなくてはいけない。例えばNICUに何カ月も入っていて退院すると、百二十日がもう目の前に来ている。だから、ほとんど使えない。ほとんど使えない人ほど使っていただきたいというのが本来の姿だろうと思います。  例えば百二十日以降、こういう状況で、例えば双子ですとか、さまざまな状況で四カ月以上も見なくてはいけないトラブルというのにはどんなトラブルが考えられますか、お聞きします。 ◎増井 子ども家庭課長 産後ケアセンターは現在四カ月までのお子さんを対象にしておりまして、育児の不安ですとか体調の不良といったものがあったときに、また、御家族からの援助が受けられない母子が利用できる施設としております。  そういった中で、まず四カ月というところが一つ御心配なところかと思います。四カ月という規定は、一応四カ月までのお子様はまだ寝返りなどができない状態ということで、施設の中でお子さんをお預かりしているとき、赤ちゃんと一緒の添い寝は危険だということで、赤ちゃんにつきましてはそれぞれのお部屋なり、保育のできる場所では、小さな保育用のベッドに寝かせております。こちらは寝返りを打つなどの場合、非常に危険ということで、四カ月までのお子さんを対象にしてきております。  また、四カ月までの親御さんにとってもリスクの高いというところもありまして、四カ月前と考えているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 四カ月以内にできればいいんですけれども、以降ではどんな問題が考えられますか。わかればお聞きします。 ◎増井 子ども家庭課長 今申し上げました点になりますけれども、寝返りといいますか、四カ月を過ぎてくるとお子さんが動き回れてしまう。そこで危険が伴うということで、お預かりは難しいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 母親に対してはいかがでしょうか。 ◎増井 子ども家庭課長 今御指摘のありました未熟児や多胎児がふえている中で、高齢出産のお母様も多い中で、御指摘のとおり四カ月を超えてもお母さんにとっては必要性が高いというところは課題として受けとめております。 ◆菅沼つとむ 委員 二十九年度の産後の自殺は二十三区で九十三件出ているんですよ。その中では、育児を理由に自殺した例もあります。育児不安で虐待へ移行するケースも少なくないと聞いています。出産して、四カ月以降の産後ケアセンターでの対策というのは何か世田谷区でおとりになっているのか、お聞きします。 ◎増井 子ども家庭課長 今御指摘のとおりでございまして、例えば未熟児ですとか多胎児といった場合、四カ月を超えても不安定な状況が起きるということで、NICUを利用した未熟児、多胎児の受け入れにつきまして、繰り返しですが、課題として受けとめてございます。  そこで、今年度なんですが、三十七週未満で早期産の場合につきまして、本来の出産の予定日から数えて四カ月未満でも利用できる修正月齢という形での受け入れを試行的に今年度から実施することとさせていただきました。 ◆菅沼つとむ 委員 実施しましたと言うけれども、どのくらいの割合でやっているのか。 ◎増井 子ども家庭課長 この四月からの試行ということになっているんですけれども、今回はまだ試行ということがございまして、具体的な周知はしておりませんで、御相談があった段階で御案内をしていくという形をとっております。現時点ではまだ希望者が上がっていない状況になっています。 ◆菅沼つとむ 委員 産後ケアセンターの実績では、月に一回やっているんですよね。しかし、実際には、きちんとやるというと週二回ぐらいを定期的に、産後ケアセンターの多目的ホールもありますし、そういうところと話をしながらやっていけば、多くの母親だとか、要するに産後四カ月を過ぎたお母さん方、子どもの問題、高齢出産ですとか、保健所長にその中身を聞こうと思ったんですけれども、私の持ち時間がないので今は聞きませんけれども、女性の乳房の問題だとか、さまざまな問題が四カ月過ぎても出てくる。そういう問題が本当に四カ月、百二十日でいいのか。それで済む人もいらっしゃいますけれども、済まない人もいる。そういうところを世田谷区では産後ケアセンターに委託しているし、多目的ホールもあるし、場所も使えるし、そういうことで週二回ぐらい、しっかりとやっていただきたいということを要望しておきます。  私の持ち時間がほとんどなくなりました。青空委員が、この間、お風呂屋さんの問題を言いました。銭湯というのは、昔、仕事を終わってから、足が伸ばせるし、いいなと思って、私も行きました。私の小さいころは町でも三つぐらいありましたけれども、今世田谷区であるお風呂屋さんと十年前のお風呂屋さんの数を聞きます。 ◎加藤 生活保健課長 区内の公衆浴場は減少傾向にございまして、平成二十一年には四十三施設ございましたが、現在は二十五施設となってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 私の質問を終わらせていただきます。 ○石川ナオミ 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午後二時三十七分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 午後も引き続き、自民党の質問を続けます。  私からは八〇五〇問題、午前中もありましたけれども、いわゆるひきこもりの長期化、高年齢化といった問題について伺ってまいります。  午前中もあった話なんですが、改めて説明申し上げますと、若者の不登校等によるひきこもりが長期化して、親子の高齢化とともに収入や介護の問題を抱える。また、その問題として挙げられているのが、さまざまな理由があって、なかなか外部に相談しづらい、外部の支援の手が届きづらいところですとか、その結果として親子が社会から孤立するといった状況が見られるというところです。  有名な事例として、札幌市中央区のアパートで八十二歳と五十二歳の娘さんが遺体で見つかったということが昨年の一月にございました。その娘さんは十年以上引きこもっていて、近所づき合いはほとんどない。発覚する直前に近所の方が声がけしたところ、その娘さんも大丈夫だとお答えをされていたということで、なかなか周りの目だったりとか支援の手が届きづらい、そういった周りの支援を拒否してしまう状況にあることがうかがわれます。  これまでひきこもりというのは若年層の問題と捉えられていたものが、ここ数年で中高年層にあるということがクローズアップされ、その実態が明らかになってきたところでありますけれども、先ほどもありましたが、全国でことしの三月時点で中高年層、四十歳以上のひきこもりが六十一万三千人いる。これを世田谷に引き直すと四千八百人ほどいるであろうということが推測されるわけです。  また、全国ではひきこもりが百万人を超えておりまして、現状を放置すると、二〇二〇年度以降、今度は九〇六〇問題として事態がさらに深刻化する。また、このひきこもりの数も、現在百万人であるものが、筑波大学の斎藤教授によりますと、行く行くは一千万人を超えてくるだろうといった分析もあるところです。  また、こういった問題を放置しておきますと、世田谷区でも五千人弱の方が想定されるということで、この問題が悪化してくると、全国的に孤独死、無理心中、親の死体を遺棄する、あるいは年金の不正受給、生活保護の受給といったものが増加することが想定されまして、迅速な対応が必要とされております。区の現状と取り組みについて教えてください。 ◎山本 生活福祉担当課長 八〇五〇問題については、各地域の地域ケア会議においても共通の課題として挙げられております。昨年度は、世田谷及び玉川、烏山総合支所が八〇五〇問題をテーマに地域版地域ケア会議を開催し、高齢や障害分野等の支援関係者による事例研究やグループワークを通じて、多職種の連携による支援の必要性を共有しております。  今後は、地域レベルでの取り組みを進めるとともに、全区版の地域ケア会議でも議論を深め、解決に向けた対応を図ってまいります。  また、中高年のひきこもりの方に対する具体的な支援のあり方についての検討を進める一環として、令和元年七月に、民生・児童委員の方に御協力いただき、ひきこもりに関するアンケート形式での調査を行いました。この問題につきましては、国においても支援機関の連携強化やアウトリーチによる支援の強化等の方針を打ち出しており、都も学識経験者や当事者家族等による支援協議会を開催しております。区が先般行ったアンケート調査の結果や国や都の動向も注視しながら、既存の仕組みのあり方や支援機関相互の連携の強化、一体的な相談対応の仕組みも視野に入れ、検討を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 長期のひきこもりというところに関して、今アウトリーチ型のサポートを国において検討されているということなんですけれども、当事者家族というのは、親亡き後、共倒れになることを一様に心配されていまして、全国の自治体でも相談窓口というものを設置しているところもあるんですけれども、先ほど申し上げたような理由で、長期にわたるひきこもりに対する親の引け目であったりとか、教育の仕方が悪かったのではないかという自責の念ですとか、あるいは働いていないことに対する引け目ですね。そういったことで、なかなか相談に行けない、人を頼れないような現状があると伺っています。  ひきこもりの御本人、みずからもなかなか窓口に行けないというところで、アウトリーチ型のサポートをする必要があるのだろうというところですので、しっかりとさまざまなネットワークを活用して取り組んでいただきたいと要望いたします。  また、午前中の若者支援担当課長の御答弁にもありましたけれども、ひきこもりの相談の半数が精神障害を抱えていたりとか、三分の一が発達障害であるというような御答弁もありました。また、先般行われた区の調査でも、四十歳以上のひきこもり当事者七十二名の状態として、メンタル面の問題があるとされたのが三十五名とおよそ半数で、コミュニケーションが苦手とした人も十二名、一六%おりましたということで、ひきこもりが長期化する要因の一つとして、本人にはどうしようもないいわゆる障害、内面的な問題を抱えていることがわかっています。  また、徳島大学の調査になるんですけれども、長期間、ひきこもり状態にある方の就労経験というものを調べたところ、五四%の方が、アルバイトも含みますけれども、何らかの就労経験があるということなんです。不登校からそのまま高齢化して、長期化するひきこもりになる段階で、中学が高校になり、高校が大学になり、あるいは社会に出る段階で、御本人も、あるいは親御さんも何とか社会復帰しよう、一度は何とか社会に出ようとして努力されるんだけれども、その場面場面でなかなか適応できずに、やっぱりひきこもりに戻ってしまうという状況があることが問題にあるのかなと考えています。  また、精神障害あるいは発達障害というものをお抱えの方が多いという中で、精神障害に関しては、障害者ということで、少なからず施策として対応しているところもあるんですけれども、いわゆる発達障害の部分に関しては対応がおくれているのかなと考えるところで、発達障害の方が抱える人づき合いがうまくできない。こういったことの結果としてひきこもりになるということで、発達障害に対する対応が肝要になってくるんだろうと考えます。  また、この発達障害ですけれども、説明するまでもないですが、自閉症ですとかアスペルガー症候群、あるいは学習障害などなどさまざまな症状があって、その支援をしていくには、一人一人の特性を見きわめた上での対応が必要になると考えていますけれども、区ではどのように御対応されるのか、お伺いいたします。 ◎宮川 障害保健福祉課長 発達障害の特性のある方は、人づき合いが苦手、何をやってもうまくいかないなど漠然とした悩みを抱えながらも、生活が苦しい、就職ができないといった相談から、生活困窮や就労支援等の支援機関に訪れる方が少なくありません。  発達障害は個別性が高いため、一人一人の特性把握や特性に応じた具体的な支援方法の検討に当たっては高い専門性が求められます。しかし、生活困窮等の支援機関では、発達障害の特性に関する知識や支援のノウハウは余りなく、適切な支援につながらないケースがあります。区ではこれまで、発達障害相談・療育センターげんきが、保育園や幼稚園など子どもにかかわる機関に対して、対象人の特性の見きわめや支援方法に関する助言を行う技術支援や職員向け研修の実施などにより支援機関をバックアップする取り組みを進めてまいりました。  発達障害のある方の支援に当たっては、本人の特性の見きわめが必要であると認識しておりますので、今後、区では、成人のひきこもりや生活困窮等の支援に取り組む機関に対して、発達障害支援の専門機関からの専門職を派遣するなど、バックアップ体制や連携の仕組みづくりについて検討を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 発達障害の方々ですけれども、学習障害の方も含めて、なかなか周囲の理解が得られづらいところがあって、また、学校や職場などでも本人の努力不足であるとか、親の育て方がというようなことを指摘されてしまって、なかなか厳しい。また、本人や御家族も発達障害であることに気づかない、社会適応ができないことの理由もわからず、苦しんでいる方も多いということで、発達障害を認めたくないという部分もあるのかなと考えますけれども、発達障害に関する理解をしっかりと進めていく必要がまず一つあるんだろうと思っています。  そういった発達障害への無理解がひきこもりであることを隠したりすることにつながって、その支援から遠ざける一因と指摘されている中で、特に長期にわたるひきこもり状態にあって、なおかつ発達障害であるという方は、社会参画あるいは就労というところまで考えたとき、もう既に社会参画のハードルがすごく高い状況にあると言えると思います。今申し上げた発達障害の方々への理解を深めることも含めて、まずはおうちから出てきてもらうこと、社会参加を促す場の提供が必要だと思います。区ではどのようにお考えか、教えてください。 ◎宮川 障害保健福祉課長 発達障害のある方は、障害特性により、物事の捉え方や表現の仕方が発達障害のない方とは異なります。そのため、本人は頑張っていても周囲からは理解されず、からかいやいじめの対象となり、社会から孤立してしまうことも少なくありません。区では、こうした発達障害特性のある高校・大学世代の若者のひきこもりを予防するため、当事者団体との協働により、ぴあサポートによる支援事業みつけばルームを実施しております。当事者同士が交流することによる生きづらさの共感や、みずからの考えが理解される経験が本人のエンパワーメントにつながり、社会参加の重要な一歩となっています。  八〇五〇世帯への支援、ひきこもりや生活困窮者への支援などから把握された中高年の発達障害者は、もともとの障害特性や長い年数にわたって社会とのかかわりが薄い状態にあったことから、短期間で就労につながることが難しい方が多い一方で、すぐれた特技や才能を有する方もいらっしゃいます。  区では今後、発達障害の方の強みを生かし、その方の特性や状態に応じた多様な社会参加が図れるよう、中高年の発達障害者も利用可能な社会参加のきっかけとなるような敷居の低い居場所の設置について、関係所管とも連携しながら検討を進めたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 中高年の発達障害者も利用可能な社会参加のきっかけとなる敷居の低い居場所をぜひ進めてほしいのと一緒に、今の御答弁の中にも強みを生かすといった答弁がありました。発達障害の方々はコミュニケーションが苦手だったりとか、あるいは物が片づけられないとか、そういった社会性という部分で苦手なことがある反面、いわゆるルーチンワークあるいはデータ収集みたいな根気の必要な、集中力の必要な作業に関しては大変強みがあったりとか、あるいは既存の発想にとらわれない、非常にクリエーティブ能力に強いといった強みを持った方も多いということですので、例えば役所での雇用、データ入力みたいな作業もあるのかもわからないですし、世田谷でものづくりを進めるのであれば、そういったクリエーティブ能力を発揮していただくような場を創出することも可能かもわかりませんし、そういったさまざまな強みを生かす場をつくっていってあげてほしいなと思います。  また、昭和大学の烏山病院では、発達障害外来、あるいはひきこもり外来もあると伺っていますので、産官学が一体となって、長期間のひきこもりの方々が、あるいは発達障害の方々が強みを発揮できて、最終的には就労支援までつながるといった取り組みができることを期待いたします。  次に、総括でやり切れなかった児童相談所の開設について伺ってまいります。  総括質疑においては、児童相談所の人材の確保と教育あるいは警察との情報共有、あるいは介入の強化について伺ってまいったんですけれども、その警察との情報共有に関して、重篤な案件に関しては全件共有するよということだったんですけれども、そうでない部分に関してはあくまで情報共有はせずに、子ども家庭支援センターで対応していく、家庭の支援をやっていくということだったんですけれども、我々が懸念しているのは、どの案件が重篤で、どれが重篤でないかというアセスメントというか、トリアージの部分なんですね。札幌の事例を見ても、鹿児島でも、目黒でも、トリアージの部分で重篤な案件を見破れなかったことが致命的なミスにつながったというところで、我々としては全件共有をあくまで求め続けていくわけですけれども、そのトリアージの部分もしっかりと世田谷児相の中で進めていっていただきたいという観点から幾つか伺ってまいります。  世田谷区が緊急度が低いとした泣き声通報や面前DVといった情報の中に大きなリスクが眠っているだろうというところで、そのトリアージについて伺うんですけれども、世田谷区が虐待案件を管理していく情報管理システムの中ではさまざまなリスク要因ですね。家庭環境だったり、経済状況だったり、あるいは親御さんの精神疾患の有無といった家庭環境におけるさまざまなリスク要因について、情報管理システムの中でしっかりと入力管理されていくのか、そこについて教えてください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所の運用に当たりましては、効率的、安定的な運用や個人情報の保護等のため、児童相談所システムを構築することといたしまして、現在は設計を行うとともに、東京都からケースの引き継ぎに係るデータ移行の準備を進めております。またあわせて、児童相談に係る区の関連システムとの連携について、閲覧できる情報やアクセス権に関するルール等の検討を進めているところです。  児童相談所システムは、家族関係や経済状況、疾病の有無など、虐待についてのアセスメントや今後の対応に必要な情報についても記録できるように設計をしてございます。この児童相談所のシステムにとどまらず、関連するシステムと連携し、庁内の関係部署と相互に情報共有することとしてございます。個人情報の保護に十分留意しつつ、子どもの命を最優先にした運用を図ってまいります。 ◆阿久津皇 委員 庁内での情報共有ということも大事なんですけれども、何度も申し上げますが、警察では家庭内DVの案件だったりとか、あるいは虞犯少年というんですか。犯罪に手を染めそうな子どもたちの家庭環境も情報として持っているというところで、犯罪を犯す家庭と虐待につながる家庭、あるいはDVもそうですけれども、そういったところで家庭環境に共通性があるということはよく知られたことですので、庁内だけではなくて、警察や医療機関といったところとも情報共有の必要があるのかなということは指摘させていただきます。  またさらには、区内の虐待情報だけではなくて、その中では全国の虐待情報というものもデータベースとして蓄積し、さまざまなケースと照らし合わせながら、区内で発生した事案がどの事例と似通っているのか、どのようなリスクが考えられるのかといった全国共通の虐待情報のデータベースから情報を照合して、さらにはAIなんかも活用しながら、多角的にリスク管理、トリアージをしていく必要があるのかなと考えますけれども、そういったものに関する検討状況について教えてください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 三重県では令和元年七月より、人工知能、AIを活用した児童虐待対応支援システムの実証実験が開始されております。国におきましても、集約した情報から事案の緊急性をAIの活用により判断する仕組みなどについて研究が進められているところでございます。虐待相談対応においてAIの活用が実用化された場合でございますが、過去の事例分析から虐待の重篤度や再発率などを予想し、迅速な意思決定の支援、また、業務の効率化などが期待されますが、過去に一度も発生していない事案、また、発生頻度が極端に低い事案への対応が課題となってございます。  一方、区の児童相談所においては、児童虐待通告を適切に聞き取り、迅速な判断につなげるために統一の虐待通告専用窓口を設置し、安全確認までの流れを効率化して、リスクからいち早く子どもを守る体制を築くこととしてございます。  現在、区といたしましては、ケースの重篤度の見立てや対応、支援の最終判断はあくまで児童相談所長初め多職種によるさまざまな視点から行う考えでございます。AI導入により過去の事例から未来への示唆を得ることが可能になり、意思決定の際の補助ツールとなり得ますが、的確なアセスメントや対応が可能となる活用方法など、今後の調査研究の動向を注視してまいります。 ◆阿久津皇 委員 年間十五万件、虐待の相談が寄せられていて、それを過去にさかのぼれば膨大な数のデータが蓄積されているはずなので、その中からリスク度合いを判定することで、人間では見落としがちな案件の抽出も可能になると思いますし、それ以外のものに関しては児相の職員の経験や直感みたいなものも活用しながら、最善の方法をとっていただきたいと要望します。
     そして最後に、養護施設の退所者に対する支援、特に住宅支援のところで一つお伺いします。  今、区営住宅を活用して子どもたちに住宅支援を提供していますけれども、使いづらいといった指摘もあって、なかなか活用し切れていないということがありますが、時間がないので要望にします。  板橋区においても住宅支援を始めた、その住宅支援に関しては、いわゆる民間のアパートや何かも活用できる住宅支援になっていますので、世田谷区でもより柔軟な住宅支援をしていただきたいなということと、もう一つ、給付型奨学金についても、皆様からいただいた浄財に比べて、子どもたちへの支援の部分がまだまだ足りないと思いますので、さまざま条例の変更も含めて、より幅広い活用を要望いたしまして、自民党の福祉所管の質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の福祉保健所管の質疑を始めさせていただきます。  まず初めに、認知症在宅生活のサポートについて質問をしてまいります。  本年六月、厚労省は、団塊の世代が七十五歳を超え、認知症者が最大七百三十万人に達すると見込まれる二〇二五年までの指針となる認知症施策推進大綱を発表しました。まず初めに、この大綱に位置づけられている認知症サポーター活動促進事業、チームオレンジについて質問いたします。  厚労省は、地域において、認知症の人や家族の困り事の支援ニーズと認知症サポーターをつなげる仕組み、チームオレンジの構築のため、認知症サポーターのさらなる活躍の場を整備するとし、市町村にその立ち上げ等に要する費用を認知症総合支援事業により助成するとしています。  まず、このたびの国が示している、このチームオレンジの構築について、区の認識、お考えをお伺いいたします。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 今後も認知症高齢者の増加が予想される中、認知症サポーターの活躍の場を拡充し、ともに支えあい、暮らし続けるための地域づくりは大変重要であると認識しております。区では平成十八年度から認知症の正しい知識の理解を深め、できる範囲で支えあい活動を行えるよう認知症サポーター養成講座を実施し、平成三十年度末のサポーター数は延べ三万一千六百五十八名となっております。また、平成二十三年度より認知症サポーターを対象に、支えあい活動の実践者育成を目的とした認知症サポーターステップアップ講座を実施し、実際の活動につながるよう支援してまいりました。  国が認知症施策推進大綱で示しているチームオレンジは、認知症の診断後の早期の空白期間等における心理面、生活面の早期からの支援として、市区町村がコーディネーターを配置し、地域において把握した認知症当事者の悩みや家族の身近な生活支援ニーズなど、認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ仕組みでございます。  区といたしましても、ともに支えあい、暮らし続けるための地域づくりを推進する上で、チームオレンジは大変重要であると認識しております。 ◆河村みどり 委員 このチームオレンジ、例えばチームオレンジ烏山といった地域の支えあいの枠組みをつくって、認知症の方が必要としていることを身近な地域でサポーターが支援していきましょう、そのマッチングやさまざまな地域人材など、チームを組んでやっていきましょうといったものだと思うのですが、地域とは二十八地区に展開していくということでよろしいのか、その点、確認させてください。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 先ほども申しましたとおり、ともに支えあい、暮らし続けるための地域づくりを推進する上でチームオレンジは大変重要であると認識しております。将来的には二十八地区の展開を視野に入れ検討してまいりますが、まずはできることから進めてまいります。 ◆河村みどり 委員 これまでは、認知症とは一体どういうものなのか、認知症の方にどのように接すればいいのか、まず正しい理解を深めるために認知症サポーターを推進して、現在三万一千六百五十八名まで養成できました。今度は地域ごとにチームをつくって、サポーターにレベルアップしていただいて、ボランティアとして、また、さまざまな人材もかかわっていただいて、具体的に認知症の方々を支えていこうというものだと思います。  私は、昨年の第三回定例会で厚労省が示した本事業を見据えまして、認知症の人の在宅生活を可能とするサポーターによる活躍の場を求めさせていただきました。これに対してアンケート調査を行い、サポーターの活動の場について検討を進めるという御答弁をいただきましたけれども、その調査結果、そして認知症サポーターの活躍の場の確保とその拡充についての検討状況を伺います。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 平成三十年度ステップアップ講座受講者への活動についてのアンケート調査を行ったところ、認知症カフェでの活動を希望する方が十名ございました。サポーターの活躍の場の検討の中で、運営団体からは、会場の設営や片づけなどの設営補助、認知症当事者や家族との談話の要望が聞かれました。この結果、講座受講者と認知症カフェ等の団体とのマッチングを行い、受講者十二名のうち既に活動されている四名を除いた六名がボランティア活動につながりました。  今後も引き続き、認知症サポーターの養成に加え、サポーターの活躍の場の拡充に努めてまいります。 ◆河村みどり 委員 昨年のステップアップ講座の受講者が十二名、うち実際にボランティア活動につながった方が十名だったと。そして、その活躍の場としては、まず認知症カフェからマッチングを開始しましたよということですが、昨年も議会で求めましたけれども、地域の方々からの困り事として、働き盛りの息子さんだったり、娘さんから、自分一人で認知症の親を支える困難さの御相談をたびたびいただいてまいりました。例えば認知症の親が日中はデイサービスに行っていても、家族が仕事から帰宅するまでの一人になってしまう短時間の見守りだったり、初期段階の親の外出支援など一人でも安心して在宅生活が送れるために、介護保険のはざまを埋める見守りや声かけ、傾聴などの手助けを行う認知症サポーターの活躍の場を広げていくことがますます必要だと思います。その上で、厚労省が示している事業スキームによると、ボランティア活動に参加していただくために、サポーターの方にステップアップ講座の受講で育成するようになっております。これまでのステップアップ講座を受講された方がいかにボランティア活動に参画していただけるのか、また、受講者数をいかにふやしていけるのか、その取り組みが必要となってくるわけです。  現在ステップアップ講座の受講の計画は、毎年たった一回だけです。そしてさらに、参加者の定数四十名に対して、平成二十九年、三十年はたった十数名の参加。こんな調子で二〇二五年までの地域展開に間に合うのでしょうか、その点お伺いします。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区では平成二十三年度からサポーターの支えあい活動の実践者育成を目的とした認知症サポーターステップアップ講座を二日制で年一回開催しており、累計で二百三十二名の方に受講していただいております。講座の内容は、座学だけでなく、傾聴のロールプレーや地域での活動について、認知症サポーター同士が意見交換を行うグループワークも取り入れており、さらに、平成三十年度からは認知症サポーターの活躍の場を掘り起こし、活動へのつなぎに取り組んでおり、実際の活動へとつながっております。  認知症サポーターステップアップ講座は二日制の講座ということもあり、実施回数をふやすことは難しい面もございますが、まずは講座を周知し、認知症サポーターへ丁寧に参加を呼びかけるなど、より多くの方に受講していただけるよう取り組んでまいります。区で把握しておりますステップアップ講座受講者以外の既に認知症カフェ等でボランティア活動をされている方々にもお声をかけさせていただき、具体的な支援につなげるよう取り組んでまいります。 ◆河村みどり 委員 昨年よりこのモデル事業を行っている大阪市では、市内で、北区、福島区、住吉区の三区になりますけれども、サポーターの活動登録者を年間目標三百人と掲げて取り組んでいます。このぐらいの勢いを持って進めないと、チームオレンジの地域展開はできないと思います。二〇二五年には認知症になられる区民の方が三万人になると想定されているわけです。答弁を聞いていても、また、ここ数年の現状を見ても、本当にあと五年で地域展開できるのかなと不安になります。世田谷区は認知症の人を支えるまちをつくっていくんだと、真剣にチームオレンジを地域に展開していくと腹を決めないと本当に進まないと思います。どのように推進していくのか、部長の答弁をお伺いします。 ◎長岡 高齢福祉部長 今後も認知症高齢者の増加が予測される中、公的な介護保険サービスだけでなく、地域の中で認知症当事者や家族が望む支援が認知症サポーター等から受けられるチームオレンジは大変重要と認識しております。認知症サポーターの活躍の場を広げるため、今後も認知症当事者同士が集う本人交流会や家族会において、認知症当事者や御家族の生活上の困り事や意見を伺い、ニーズを把握してまいります。  また、認知症サポーターにはステップアップ講座への参加を働きかけるとともに、既に認知症カフェ等でボランティア活動されている方を把握し、活動のできるボランティアの人材確保に努め、身近な地域でチームを組んで活動できるよう取り組んでまいります。  あんしんすこやかセンターとの連携を強化し、地域の中で認知症当事者や御家族からの声を継続的にお聞きするとともに、チームオレンジの仕組みづくりに向けて、できるところからまずは取り組んでまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 ぜひ人材育成などの具体的な目標設定を定めていただいて、チームオレンジ構築に向けて、速やかな認知症サポーター活動促進事業の実施に向けて踏み出すことを求めさせていただきます。  認知症になったら何もできなくなる、もう何もわからなくなる、そういった社会の認知症に対する偏見はまだまだあります。そして、当事者本人にとっても、希望を失って外出を避け、ひきこもりになってしまうこともまだまだあります。  昨年十一月一日に、認知症当事者の団体である一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループが厚労省内で記者会見を行い、一足先に認知症になった当事者本人から全ての人たちへ向けたメッセージ、認知症とともに生きる希望宣言を表明いたしました。そして、この当事者発信の希望宣言をスタートに、自分も希望を持って暮らしていこう、一緒によりよい社会をつくっていこうという人の輪を広げようと、この希望宣言を全国の認知症の本人や行政や医療、福祉関係、自治会・町会、さまざまな領域にさまざまな形で伝えていく希望のリレープロジェクトの展開が始まっています。このような認知症本人の声を届けていくプロジェクトの取り組みは、さらに認知症の理解を深め、大いに社会を変えていくきっかけになるのではないかと思います。  提案なのですが、例えばこのチームオレンジの構築に向けて、明年は認知症在宅生活サポートセンターの開設があります。また、認知症施策推進条例制定に向けて今進んでおります。そういったさまざまな機会にこの希望のリレープロジェクトを展開し、世田谷区は認知症の人を支えていく町をつくりますよ、一緒に参加しませんかと宣言の場にしていただきたいと思います。認知症サポーター活動促進の普及啓発の位置づけとしての取り組みを求めますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。 ◎佐久間 介護予防・地域支援課長 区民の方々や事業者などの関係者に認知症当事者がみずからの言葉で語られたことを聞いていただくことは、認知症を正しく理解する上で大変重要なことと認識しております。日本認知症ワーキンググループが出されました認知症とともに生きる希望宣言をもとに、全国へ認知症になっても自分らしく、よりよく生きていけるというメッセージを伝えていく希望のリレープロジェクトが展開されております。  区では現在、認知症講演会や認知症サポーター養成講座、中央図書館でのテーマ本コーナーの展示を利用した認知症の普及啓発に取り組んでおります。本人のメッセージの発信につきましては、本年より認知症当事者の交流会を立ち上げておりますので、認知症当事者の方々から御意見をいただきながら進めてまいります。  委員御提案の希望のリレープロジェクトにつきましては、認知症在宅生活サポートセンターの開設時や世界アルツハイマーデー、九月二十一日などさまざまな機会を捉え、実施に向けて検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひ構築に向けて進めていただきたいと思います。期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、産後ケアセンターについて質問をさせていただきます。  先ほども菅沼委員からお話、質問をしていただきましたけれども、近年の核家族化に伴って、育児環境の孤立化だったり、また、晩婚晩産化に伴っての産後に対しての心身の疲労、また、ハイリスクになりやすいといった現状があるわけです。高齢出産によって、先ほども菅沼委員から質問があり、ちょっと用意していた質問が重なってしまいますので省略をさせていただく部分もありますけれども、今回、高齢出産によって未熟児だとか多胎児がふえている傾向がありますよということで、平成三十年度、世田谷区におきましても双子のお子さんは百七十六名誕生して、三つ子のお子さんは六名誕生していらっしゃいます。そういったお子さん方が新生児の集中治療室、NICUを利用することがふえているわけですけれども、事前に増井課長とやりとりさせていただいて、今年度から修正月齢を用いた試行事業を実は開始していますよと伺ったのですが、えっ、そうだったのですかという感じで、これはオープンだったんでしょうか。試行事業と言うのであれば、必要としている人に届くように広く周知すべきだったのではないのかなと思うのですが、その点、御答弁いただけますでしょうか。 ◎増井 子ども家庭課長 先ほども同じような御質問がありまして、四カ月を超えた家庭であっても受け入れをというふうなお話でございました。今年度から試行的に実施するということになっておりましたが、その試行に当たっての周知につきましてですが、そもそも四カ月を超えるお子さんの受け入れに当たりましては、赤ちゃんが寝返りを頻繁に打つようになると、施設の設備や体制の面で安全が確保できるかどうか、難しい点があるのではないかという課題がありました。そういったことも含めまして、十分周知をしないままではございましたが、その都度、子どもの発達状況を確認した上で利用が可能かどうかを含め、事業者と協議しながら進めていくということで、この四月から試行という形をとっておりました。  ただ、試行を始めて半年になりますが、積極的な周知がなかったこともあったかもしれませんが、利用実績がないままで、今日に至っております。現在、利用相談が入っておりまして、その事例を踏まえまして、早い段階で本格実施に移行し、その際は子ども家庭支援センターや健康づくり課を通しまして、しっかりと周知してまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 ぜひ本格実施に向けて、またさらに前に進めていただければと思いますが、先日、昨年度から区立施設になりました産後ケアセンターに、改めて区議団として視察をさせていただきました。産後ケアセンターを利用した母子の中には、専門家から見て、先ほども菅沼委員から質問ありましたけれども、家庭に戻ってからも引き続き支援が必要ではないかと思われるケースが実際ありますよという課題認識を伺ってまいりました。  昨年の九月に発表された国立成育医療センターの調査によりますと、妊娠中から産後一年未満の女性の死亡原因で最も多い死因が自殺である。二〇一五年、二〇一六年の二年間で、自殺で亡くなった妊婦の九割が産後一年以内だったということがわかったわけですけれども、産後一年を産後と捉えて、専門家による支援は大変重要だ、そういった裏づけだと思います。  品川区では、訪問型、日帰り型の産後ケア事業に加え、昨年四月から助産師による電話相談をスタートさせています。主に母乳とか授乳などに関するものにはなりますけれども、ケアの対象が産後一年までの支援となったスタートで、大変画期的なものなんですね。区の産後ケアにおいても、電話での相談で産後一年までの母がいつでも専門家につながっていけるといった事業展開ができないでしょうか。区の見解を求めます。 ◎増井 子ども家庭課長 産前から産後一年ぐらいの間がとても大事な時期というところは区でも十分認識しておりまして、そういう中で区では、世田谷版ネウボラとしまして、健康づくり課に助産師や看護師など専門職で構成する母子保健コーディネーターを置き、ネウボラチームを設置しています。妊娠期から切れ目ない支援に取り組んでいるところですが、出産、育児などに不安や悩みを抱えている皆さん、妊娠期面接や乳児期家庭訪問などさまざまな機会を捉えて支援が必要な方の利用につなげているところでございます。  産後ケア事業の関連でございますが、利用前から在宅子育てでリスクが高い状況がある場合につきましては、利用段階から地区の保健師が産後ケアセンターと連携して、また、利用後も支援が必要な方は保健師が継続的にフォローしています。さらに、産後ケアセンターを利用する中で、産後鬱や育児疲れ、育児不安など、在宅での子育てが心配な状況が把握できた場合につきましては、産後ケアセンターから新たに保健師につないでおります。  産後ケアセンターは四カ月目も対象としていることから、フォローが必要な家庭につきましては、保健師が子ども家庭支援課と連携して必要性を判断し、育児支援、虐待の未然防止などの視点から、さまざまなサービスを活用し、四カ月を超えても必要な方に適切な支援が届くようにしております。  産後ケアセンターにおいて、利用後、利用した母親からの相談などが電話で入ったりということがあり、産後ケアセンターでもフォローしている対応はございますが、母乳や授乳などを含めまして、産後ケアセンターと連携しまして、相談については健康づくり課ネウボラチームで対応していきたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 烏山地域の子育て中のお母様から、産後ケアセンターを利用したい気持ちはありますけれども、新生児を抱えて桜新町まで行くことにちょっとちゅうちょしてしまうんですと。しかし、専門家のアドバイスを受けられる機会は欲しいといったお声をいただいています。地域の利用実績を見ると、世田谷・玉川地域が約七割を占めておりまして、北沢・砧・烏山地域では三割、出生数の影響というのがあるとは思うのですが、施設から離れていることも多く影響していると考えられます。  区の産後ケア事業は、区立産後ケアセンターのほかに下馬でママズルームの母子デイケアが展開されております。より多くの母子が産後ケア事業の支援を受けられるように、この地域に下馬と同じママズルームのような医療機関に委託するなど、産後ケア事業の充実を図っていくことできないでしょうか、お伺いいたします。 ◎増井 子ども家庭課長 産後ケア事業につきましては、平成二十年三月から産後ケアセンター一カ所で実施してまいりました。その後、平成二十七年度に、妊娠期から子育て家庭を支える切れ目のない支援検討委員会の専門部会で産後ケア事業の展開の考え方など検討を行いました。専門部会では出産直後は十分な休養のため、ショートステイ利用、産後一カ月以降にはショートステイによる育児指導、ショートステイ利用後はデイケアでの育児相談など母親の状況に合わせて効果的な支援が必要との御意見をいただきました。それを受けまして、委員のお話しにもありました、新たに平成二十八年度から下馬にデイケアのママズルームを医療機関に委託しまして実施しております。  ママズルームは建物内におでかけひろばを併設していますので、助産師や医師による育児相談のほか、親同士の交流や子育ての地域支援を知っていただくきっかけになっております。昨年度から産後ケアセンターは十五室にふやしたことで、利用の延べ日数につきましては前年度を上回っております。一方、地域によって遠くて利用しにくいという課題があるということも認識しております。産後ケア事業の充実につきましては、子育て家庭のさまざまなニーズを把握し、赤ちゃんショートステイやほっとステイなどの預かりサービス、また、さんさんサポートや育児支援ホームヘルパー派遣などアウトリーチの支援も含めて、トータルな視点から現在策定を進めている子ども計画後期計画の中で産後ケア事業の展開についても検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 それでは次に、保健医療福祉総合プラザへ移設後のがん相談窓口の開設について伺ってまいります。  今やがんは国民の二人に一人が罹患する国民病となっており、区においてもがんは死因の第一位で、毎年約二千人の方が亡くなっていらっしゃる。今後、高齢化の進展でさらにがん患者の増加が見込まれる現状がありますけれども、その一方で、不治の病とされていたがんの医療は日進月歩の勢いで、五年相対生存率は上昇し、さらに、がんに罹患した三割の方が六十五歳以下の働く世代との統計もある中で、治療と仕事の両立を支援していく環境をしっかりと整えていく必要があります。  その支援の一つに、がん患者の多様な悩みを受ける重要な相談体制の構築があります。我が党はこれまで、区においてがん診療連携拠点病院がないことから、その治療内容だったり、医療費、また、保険、副作用のケア、子育てや介護など治療に伴う生活全般における相談や就労支援、また、情報提供などの相談窓口機能の役割を保健センターが担うべきだとその必要性を訴えてまいりました。いよいよ来年四月に開設する総合プラザのオープンまで半年となりましたけれども、保健センター移管後のがん相談窓口体制についての現在の進捗状況を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 保健医療福祉総合プラザの開設に合わせて移転する世田谷区立保健センターにつきましては、これまで区のがん対策の一翼を担い、培った専門性、ノウハウを生かしつつ、がん患者や家族を支える中核的機能の確立を目指し、がんに関する総合的な情報発信の仕組みづくりや医療機関や支援者との連携の強化など、順次、がん患者及び家族を支援する体制を整備してまいります。お話にありましたがん相談窓口につきましては、午前中に病院を受診した区民でも相談しやすくするために、現在、月に四回、木曜日の午前中に行っている電話相談を各回一時間延長し、九時から十三時までとするほか、対面相談は、土曜日に加え、平日のいずれかの曜日に開催することについても検討を進めております。 ◆河村みどり 委員 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、次に質問したいことがあったのですけれども、今の課長の答弁によりますと、一時間……。(「体制を整えてほしいということだよ」と呼ぶ者あり)そうですね、体制……。一時間延長しますよとおっしゃっておりましたけれども、もういよいよ来年、総合プラザがオープンするわけです。今まで私どもも京都府がん総合相談支援センターの取り組みを含めて参考にさせていただき、がん診療連携拠点病院があったとしても、もうともかく病院に相談しにくい。そういったさまざまな困り事、問題点をしっかりと受けていく窓口が必要なんだということで、京都府におきましては、拠点病院とは別に総合相談窓口を開設してきたわけですね。今の課長の答弁を聞かせていただきますと、本当にどういう方向で体制を整えていくのかなということがまだまだ見えない。そういった思いで私どもはおります。保健センターが担っていくことができないのであれば、またしっかりと担っていける事業所に委託することもぜひ視野に入れていただきまして、早急に体制を整えて、四月のオープンにしっかりと間に合うように進めていただきたいことを改めて要望させていただき、私からの質問を終えて、岡本委員と交代させていただきます。 ◆岡本のぶ子 委員 初めに、世田谷版ネウボラを支える母子保健システムの構築について伺ってまいります。  私は、平成二十九年第一回定例会の一般質問において、母子健康情報の提供サービスの導入を求めた際、区の妊娠期面接を初めとする乳幼児健康情報などの母子保健事業が全て紙媒体で管理されていることを知り、まずは、データ管理の精度向上、業務改善の必要性の観点から電子化への改善を求めました。区が平成三十年度の予算に約七千万円の予算計上し、母子保健システムの構築を開始し、本年七月に本格稼働を果たされた迅速な対応を評価いたします。  まず、この母子保健システムの稼働により期待される効果を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 母子保健事業では、妊娠、出産から子どもの成長に応じた体系的な支援と個別支援とを重層的に展開する必要がありますが、従来は妊婦や子育て家庭の情報を紙媒体の母子保健カードで管理し、対応しておりました。このため、担当職員は、適正に情報管理するために、修正作業や点検、決裁までの管理を常に手作業で行うため、さまざまな負担が生じていたとともに、年度末の国や都への報告の集計などのために相当量の手間と労力がかかっておりました。さらに、国とのデータ連携を初め、関係所管からの情報照会や特定の対象の抽出など、システムであれば迅速に対応できる情報共有や分析が困難となっておりました。  今後は、母子保健システムを効果的に活用し、これらの事務の負担を軽減するとともに、蓄積したデータを抽出、分析することにより、今まで以上に効果的な母子保健施策の実現を目指してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 大きく改善が図られて、これからの効果が期待されるという答弁をいただきました。国は現在、母子保健分野におけるデータヘルスの推進に取り組み、マイナポータルを活用した子ども時代に受ける健診、妊婦健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みの運用をいよいよ明年六月より開始するとしています。自治体での活用は母子保健情報の電子化が前提であり、本区でもマイナポータルの活用が今回の改善により可能となりました。区としてこの機を逸することなく、希望する全ての家庭に母子健康情報の提供ができるよう、国のマイナポータルの仕組みに対応する環境整備に着手すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 区では、本年七月より母子保健情報システムを稼働し、今後、母子保健に関するさまざまな情報を順次電子化してまいります。まずは委員に御紹介いただいたマイナポータルによる母子健康情報の提供につきまして、国の仕組みに対応できるようシステム等の環境整備を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、虐待予防・防止の観点から、母子保健システムを活用したネウボラ面接の全数実施への取り組みについて二点伺います。  平成二十八年七月、妊娠期を対象としたネウボラ面接の開始より、会派として全数面接は欠かせないとし、妊娠届時のファーストタッチが重要であることを訴えてまいりました。平成三十年度の妊娠届け出者のネウボラ面接の実績は約八九・一%の七千六十二名であり、ネウボラにつながらなかった妊婦が全体の一〇・九%、約八百五十二名存在しております。また、面接実施者七千六十二名のうち、ネウボラ面接が同時にできる健康づくり課以外の窓口へ届け出をされた四千四百五十三名の多くの方がネウボラにつながるまでに数カ月、長くて半年以上経過しているという課題があります。  そこで伺いますが、一点目に、妊娠届との同時面接ができない妊婦の方々がネウボラ面接に至るまでの間、不安を抱えることがないよう、妊娠届の受付窓口で母子手帳を手渡す際、さらなる丁寧な説明の対応を求めます。また、ネウボラ面接を受けずに出産された妊婦の方々を早期に把握し、生後四カ月までの全数訪問実施と本区の子育て支援につながる対応が求められます。区の見解を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 これまで何らかの理由で妊娠期に面接ができなかった場合には、出産後、乳児期家庭訪問や三・四カ月健診を通じ、それらの母親に必ずアプローチしております。今後、妊娠届と同時に面接を受けられなかった方ができるだけ早く面接につながるよう、丁寧な案内とともに、今後は母子保健システムなどを活用し、妊娠期面接や乳児期家庭訪問などを受けていない妊娠・子育て家庭を早期に把握し、個別に連絡するなど工夫してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 二点目に、昨今、乳幼児の虐待死が報じられるたびに心を痛め、何とか虐待から子どもを救う手だてはなかったのかと無念な思いに駆られております。特にその多くが他の自治体から転入されて間もない家庭で起きていることから、本区に新たに転入された乳幼児がいる御家庭や、妊娠期を経ないで乳幼児を養育する御家庭を早期に把握し、ネウボラ面接を通じて子育て利用券等を活用した地域の子育て支援のネットワークにつなげる新たなアプローチが求められます。区の見解を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 委員御指摘のとおり、できるだけ早い段階で妊婦や子育て中の転入などを把握し、切れ目なく、さまざまな支援を提供することは重要な課題だと認識しております。今後、関係所管と一層の連携を図りつつ、転入してくる妊婦や子育て家庭などの早期の把握のよりよい方法について働きかけてまいります。また、母子保健システムなどの活用による効果的な把握方法や区や地域の子育て支援とつなぐ方法等についても検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひこの母子保健システムが電子化されたことにより、さまざまな把握がスピーディーにできるという改善につながっておりますので、ここでしっかりと世田谷区が手を緩めずに全ての子育て家庭のサポートに力を入れていただきたいと思います。  次に、予期せぬ妊娠をした女性の支援体制について伺います。  予期せぬ妊娠をして、誰にも相談できずに一人で抱え込むことは、当人にとって、その後の生き方にも影響を及ぼすこともある大きな負担であると同時に、出生した子どもの生後ゼロ日の虐待死にもつながる可能性もあります。厚生労働省の子ども虐待による死亡事例等の検証結果報告では、第一次から第十四次報告までの心中以外の虐待死七百二十七人のうち、ゼロ歳児は三百四十五人、四七・五%と多く、そのうちゼロ日の死亡は百三十五人、三九・一%と多くを占めております。特にゼロ日死亡の実母の妊娠期の問題は、第十四次報告では「予期しない/計画していない妊娠」が八一・八%と非常に高いと報告しております。予期せぬ妊娠はそもそも妊娠したことを知られたくない女性からの相談であり、住所、氏名を名乗りたくない場合が多く、医療系ではない知識と、どのような相談者も受けとめ、そこから支援につなぐ技術が必要であり、スーパーバイザーを確保することが望ましいと考えられております。  国は今年度の予算に児童相談所設置市を含む実施主体に、産前・産後母子支援事業のモデル事業として、予期せぬ妊娠など妊娠、出産に悩む妊婦のための相談窓口の開設を含む支援体制の整備費用を計上しております。区の児童相談所の開設準備状況の報告書には、残念ながら予期せぬ妊娠に悩む女性への相談窓口等が明確になっておりませんでした。今後、区として支援体制の整備が必要と考えます。区の見解を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 予期せぬ妊娠や出産で悩む区民が、相談を望めば、総合支所のネウボラチームの保健師等が妊婦の気持ちに寄り添いながら傾聴しつつ、それぞれの妊娠、子育てにとって必要な支援の提供や、よりよい家庭環境を整えられるよう助言、指導などを行っております。また、東京都では妊娠相談ほっとラインを開設し、メール、電話相談を匿名で受け付けております。そのほっとラインから区に情報提供があった場合には、必要に応じて総合支所の地区担当保健師が連携を図りつつ、支援に当たっております。  一方、このような相談支援につきましては、本人や御家族が相談を希望し、区などへコンタクトして実現するものであり、予期せぬ妊娠や出産の相談窓口として対応できることの周知としては十分ではないと認識しております。  今後、関係所管とともに相談にちゅうちょする妊婦への効果的なアプローチの手法について協議してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今ネウボラで、予期せぬ妊娠をされた妊婦の方々により添う支援をしています、また、今後もしていきますよという御答弁だったんですけれども、どうしてもネウボラ面接というと、妊娠届を出して、そしてネウボラの面談に――ある意味、幸せな妊娠という思いで来られる方がほとんどだと思います。そこに、御自分のことを匿名で相談したいという方が果たしてネウボラ面談に来られるのかなということは非常に私は懸念がありますので、ネウボラできちんと対応できるのであれば、ぜひその周知方法を今後進めていただきたいと思います。  特に必要とする方々は、今スマートフォンなどの普及によって、困った事柄を入力して検索することが多くなっておりますので、積極的にホームページ等を活用して周知を図るなど、そういう取り組みが必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎相馬 健康推進課長 予期せぬ妊娠や出産で悩む区民や家族などが安心して相談できる窓口など、知りたい情報を広く区民に提供することが必要です。特に委員御指摘のとおり、若い世代に対してはインターネットでこれらの情報を提供することは有効であると考えております。そのため、区のホームページを活用し、予期せぬ妊娠や出産の相談などにも応じる区の窓口を改めて紹介するために、わかりやすいページとなるよう内容や表現を見直してまいります。また、いち早く情報が照会できるよう、検索されやすい言葉を使用するなど工夫してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、児童相談所の対応について伺ってまいります。  予期せぬ妊娠に悩んだ末に出産された場合や、さまざまな理由で実親が新生児の養育が困難となった場合、どのような選択肢があるのか、また、児童相談所として今後どのようにサポートするのか、伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 妊娠期面接等を受けず、区や医療機関にもつながらず、出産を迎えるケースにつきましては出産の間際や出産後になってから初めて児童相談所につながることになるため、十分な相談や意思確認の時間がとれず、早期の養子縁組が難しいという現状がございます。こうしたケースで、なおかつ実親、実際の親御さんのもとに子どもを置くことが適当でないと児童相談所が判断する場合、子どもは乳児院や里親に措置することになり、その後については児童相談所と実際の親御さんとの間で養育の意思の有無や生活の見通しなどを相談していくこととなります。  引き続き実親のもとで養育できない場合は、乳児院から児童養護施設、里親への養育委託、特別養子縁組などの選択肢が考えられますが、家庭養育優先の考えのもとで、子どもの最善の利益にかなうよう対応していくことになります。 ◆岡本のぶ子 委員 本区では、家庭養育優先原則を踏まえて、今後、就学前の子どもの里親委託率の目標を令和六年度末までに七五%と掲げておられます。特に乳幼児期の養育が愛着形成上大切なことから、まずは新生児、乳幼児の里親募集・育成を集中的に行うことが必要と考えます。区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 乳幼児の養育は養育後の生活がイメージしやすく、また、里親となることの意義について共感を得やすいといった傾向がございます。こうした傾向を利用いたしまして、乳幼児の養育から里親を始めるよう集中的にPRを行うことで成功しているという事例もございます。こうした事例を参考に、里親家庭の普及促進に向けた戦略的な広報活動を考えているところでございます。  いずれにいたしましても、乳幼児期は愛着に基づいた基本的な信頼感を育み、子どもの社会性の発達を促すことが重要でございます。さまざまな手法を駆使しながら、家庭的な養育ができる里親を優先的にふやす工夫に取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 これまでも区内の里親さんと意見交換をさせていただいてまいりました。そのときにすごく感じてきたのは、これまでの東京都の児童相談所の対応は非常にある意味機械的なもので、とても里親さんと信頼関係が醸成されていたとは言いがたい状況を私は感じ取ってきました。何よりも児童相談所と里親さんの良好な意思疎通、信頼関係が子どもたちの健やかな養育につながるものと実感しております。その点をぜひ御留意いただきたいと思いますとともに、以前、町田にある乳児院を訪問した際、施設長より、虐待等の事案で緊急に親子を分離した場合など、医療的な知識が必要なことが考えられるので、一足飛びに里親家庭へ新生児の委託は難しい場合があるとのことでした。今後、新生児、乳幼児の里親の募集を集中的に推進する本区として、里親への新生児養育委託に向けてどのように取り組むのか、伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 いわゆる生後四週間までの新生児は、乳幼児の養育とは異なる注意とサポートが必要でございます。特に新生児の段階では先天的な疾患を抱えているか、判断が難しく、状況に応じて専門的な支援が必要な場合もございます。こうしたことから、医療面のサポートが非常に重要になると考えており、このサポート体制が整うまでは医療機関附属の乳児院の活用が中心になるものと考えております。児童相談所と医療機関の連携の一つとして里親への医療相談支援を充実させる予定であり、この連携にいずれ新生児の養育支援も加えるなど、サポート体制の構築と新生児の養育が可能な里親の育成を進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 これから里親さんのリクルートを初め、また、研修等区としても今後外部委託をされると思いますけれども、ぜひこの視点を留意して取り組んでいただきたいと思います。  その上で、この八月に会派で愛知県の児童相談所の特別養子縁組を前提とした新生児里親の取り組みを視察させていただきました。出生前から児童相談所が養育困難を把握し、実母に寄り添い、パーマネンシー保障の観点から、出生後、直ちに特別養子縁組を希望される御家族に新生児の養育を引き継ぐ取り組みを約三十年間にわたって実施してきた様子を伺い、乳幼児期の愛着形成に欠かせない家庭養育の重要性を深く捉えた施策に感銘を受けて帰ってまいりました。今後、里親への委託率向上とともに、特別養子縁組への取り組みも大変重要と考えます。区は、児童相談所開設当初は、早期の特別養子縁組に向けた都の新生児委託推進事業の枠組みを活用するとのことですが、その後の区の取り組みの方向性を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 区は独自の取り組みといたしまして、縁組を必要とする事例の把握から養子縁組までの速やかな連携を目指し、実親のアセスメントや縁組家庭とのマッチング等の業務への民間あっせん機関の活用を視野に検討を進めてまいります。  なお、平成三十年の民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律の施行に伴い、現状では都道府県による民間あっせん機関の許可、監督、検査、指導等が行われており、児童相談所は必要に応じて民間のあっせん機関と相互連携や協力が求められております。また、国が示す社会的養育推進計画策定要領におきましても、地域の実情に応じ民間あっせん機関に対する支援や連携方策を検討することとされております。区はこうした方向に沿いながら、子どもにとって最善の選択肢を提供できる体制づくりを進めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今の御答弁で、今後、民間あっせん機関の活用を視野に方向性を考えるとの答弁でございましたけれども、今回の区の報告書を拝見しても、気になるのが特別養子縁組成立後の養親へのサポートを誰が行うのかが判然としていなかったことです。実親でないことから生じるさまざまな悩みを相談できる体制をきちんと整備すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 平成二十八年の児童福祉法改正により、養子縁組後の支援も含めた養子縁組に関する相談支援が都道府県児童相談所としての業務に位置づけられました。しかし、養子縁組成立後、いつまでを支援対象とするのかについては明確な記載はなく、また、養子縁組成立後は、通常の家庭と同様に地域の子育て支援サービスの対象でもあること、また、子どもの出自の秘匿、また、周囲との関係から、児童相談所とのかかわりを望まない家庭もあるということもございます。どのような支援体制をとることがふさわしいのかについて整理が必要であると考えております。  委員御指摘のとおり、身近に同様の養子縁組をした家庭がいないなど、養親特有の悩みを抱えた御家庭もあるのは事実でございます。そのニーズに応えていくことは、子どもの最善の利益の保障の観点からも重要課題であると認識してございます。その解決に向けまして、相談体制づくりに今後取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 児童相談所の開設に向けて、関係される全ての職員の方が本当にこれまでさまざまな難題を乗り越えながらここまで取り組んでこられたことに対しては敬意を表します。その上で、とにかく今おっしゃられたように、養育家庭の中でも、また、実母の家庭の中でも、子どもの最善の利益が保たれる、保障される世田谷区であるということをまず全面的に推進していただくことを要望してまいりたいと思います。  次に、災害時における避難行動要支援者への見守りについて質問をさせていただきます。  以前、二〇一一年に東日本大震災が発災した直後に、区内に住む御婦人より伺ったことですが、その方の知的障害のある息子さんが当日、作業所を出た帰り道に発災に遭い、数時間たっても帰宅せず、作業所に連絡をとっても、もう息子さんは送り出しましたと。そして、おうちでお母さんが待っていらしてもなかなか帰ってこない、そういう不安に駆られたときに安否確認をする対応がなかなかできなくて、最終的には作業所の方がその息子さんの帰り道になる世田谷線。ちょうど当日世田谷線が不通になってしまっていたので、その世田谷線でぽつりとそのお子さんが立ったまま待っていた姿を発見し、身柄を確保したということを伺いました。
     このように、本区にはいざという大規模災害が起こった場合に、周囲へ意思表示がうまく伝わらず、災害時に孤立しがちな障害者がいらっしゃるのではないかと思いますが、その障害のある方々に対する見守り、また、その人数がどの程度存在するのか、教えてください。 ◎太田 障害施策推進課長 災害時に備え、自力で避難することが困難な障害者への支援とともに、自分から意思表示や家族等との連絡をとることが難しい障害者について、支えあいの仕組みを整備していくことは共生社会の実現に向けて重要であると認識してございます。区では災害時や災害が発生するおそれがある場合に備え、避難行動要支援者避難支援プランを定めております。その中で、避難行動要支援者について、身体障害者手帳一級で、肢体や視覚、聴覚等の障害がある方や愛の手帳一・二度の方等としており、令和元年八月時点では身体障害と知的障害の方の合計で三千三百八名となっております。  こうした方々への支援策として、町会・自治会等と連携し、災害時の自力避難が困難な重度の障害者を対象に、安否確認や避難等を支援する体制整備を進めるとともに、家族と連絡をとるためのツールとして、携帯電話事業者による災害用伝言ダイヤルや、警視庁の一一〇番サイト、東京消防庁のNet119緊急通報システム等の利用案内をしておりますが、意思表示が難しい障害者等の孤立を防いでいくためには、地域における支えあいの充実が必要であると考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今は一般的な災害用伝言ダイヤルだとか、そういうものの御提示だけだったんですけれども、全国では、午前中、他会派からも認知症高齢者の方々の見守りということもお話が出てきましたけれども、災害時に御自身で判断ができない方たちをどう見守るのかということは全国自治体の大きな課題にもなっております。  つい最近なんですけれども、その課題を解決するためにQRコードを用いた見守りの仕組みをつくったということを伺いました。このQRコードは、洋服や何かにそのQRコードをつけたシールを張っておくことで、例えばヘルプマークの横にQRコードをつけておけば、迷っているのかなと思ったときに、今はキャッシュレスの時代なので、すぐスマートフォンでQRコードを読み取ることで周囲の方たちに確認していただきやすいというもので、それをかざしたときにすぐに保護者の方に通報が行くという仕組みができております。このようなツールを全国の自治体の七十一自治体で既に導入しておりますけれども、世田谷区でも導入を求めますが、いかがでしょうか。 ◎太田 障害施策推進課長 区といたしましては、御提案のQRコード等もございます。ICTの進展により、災害時の対応も視野に入れた民間事業者のさまざまな見守りのサービスができてきておりますので、課題を整理する中で、御提案を含めて検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 高齢者の方々にも使えるものだと思いますので、補完する仕組みとして、ぜひ導入を求めて、公明党の質問を終わります。 ○石川ナオミ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十八分休憩    ──────────────────     午後四時四十五分開議 ○石川ナオミ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党社民党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 福祉保健所管での立憲民主党社民党の質問を始めます。  まず、多様な保育について伺います。  保護者の多様な働き方に応じた多様な保育のあり方、具体的には保育園での一時保育、また、ほっとステイなどの預かり保育について質問いたします。  私が子育て支援コーディネーターとして三年間勤務していた際、区民の方から最も多くいただいたのは、一時保育、一時預かりの当てがなくて困っているという御相談でした。先日、最近の状況を事業者に確認してみましたところ、この相談は季節問わず常にあり、私がいたころと変わっていないということでした。私がいたのは二〇一五、二〇一六、二〇一七年の三年間でした。例えば週三日だけ働きたいなど、ゼロか、一〇〇かではない働き方を求める声は確実にあるにもかかわらず、認可保育園入園のためにフルタイムを選択せざるを得ない方もいれば、また、逆に働くことを諦めてしまった人、つまりゼロを選んだ方もいることは明確には数値化されていません。  現在、保育の必要性の認定に当たっては、月四十八時間以上の就労が要件とされていますが、実際そういう方は入園できていないのではないでしょうか。そもそも申し込みすら諦めているかもしれません。しかし、現在、地域によって指数が以前ほど高くなくても入園できるケースもありますし、また、もしあきがあった場合は、そういった短時間希望の方に枠を使うことはできないかとも思います。入園選考の仕組み上、就労時間が長く、指数が高い状態が保育の必要性が高いということになってしまうのですが、フルタイムでも、週三日でも、働いているときの保育の必要性ということには変わりがありません。  また、就労要件には当たりませんが、緊急的に保育が必要な方々のニーズにも応えていく必要があると考えます。つまり多様な保育ニーズに沿った一時保育の取り組みをより強化していくべきと思うのですが、区の一時保育の今の利用状況とあわせ、今後の展望について伺います。 ◎後藤 保育課長 保護者の就労や通院などで家庭における保育が一時的に困難な場合の一時保育につきましては、多様な保育ニーズへの対応から私立認可保育園の新規施設整備時に専用スペースの確保を義務づけており、事業開始の平成九年の一園から、年々増加しまして、現在は私立保育園等四十一園で実施をしている状況でございます。状況といたしましては、園の立地等が要因と思われるばらつきがありますが、平均すると一施設当たり年間で延べ約千人の子どもが利用している状況です。  また、区立保育園では、保護者の疾病や出産等により緊急で保育が必要となった家庭に対し、各園定員一名の緊急保育を実施しておりますが、昨年度定めた区立保育園の今後のあり方を踏まえまして、本年十月からは区立保育園六園において定員二名への拡充を行いました。さらに、令和二年四月からは延長保育を実施している区立保育園において緊急保育の際の延長保育に新たに取り組みまして、令和二年度以降、順次定員の拡充を行っていく予定でございます。引き続き、多様な保育ニーズに対応した取り組みを拡充してまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。緊急保育の御相談も実はたくさんあって、なかなか資源に結びつけられないという経験もあります。今、定員二名になった園が六園あるということですが、今後も進めていただきたいと思います。  また次に、一時保育を利用するに当たって、手続が結構大変だという声もよく聞きます。これに対して、今何か進めていらっしゃることはありますでしょうか。 ◎後藤 保育課長 一時保育は一施設当たり五名から十名程度の定員で申し込みを受け付けてございますが、通常保育と比べると限られた職員配置で保育を行っており、安全に保育を行うため、利用する子どもの年齢やアレルギー対応等の配慮の有無などをしっかり確認しながら予約を受け付ける必要がございます。そのため、受け付け時など手続が煩雑であるという声も聞いておりますが、昨今、園におけるICT化も進展してきてございますので、保育業務の軽減や利用者の利便性の向上に向けた取り組みを行う中で、御指摘の点についても受け付けの簡略化など研究してまいりたいと考えております。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。こここそ、まさにICT化を進めるべきだと私は思います。実際、民間ですけれども、尾山台のほうにある一時預かりを見てきて、スマホで予約ができたりするのを見ますと、本当に利便性が高いと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思っております。  次に、保育園での一時保育に加えて、理由を問わない一時預かりについても御相談がとても多くありました。レスパイト等の子育て支援、また、虐待予防の緊急的な側面としてもとても重要な施策であると考えます。子育てステーション、おでかけひろばなどで実施されている一時預かりの現状と今後の展望について伺います。 ◎増井 子ども家庭課長 区では、子どもを一時的に預けることで、保護者が自分のために使うことのできる時間を持つ場や機会の充実を図り、リフレッシュしながら子どもと向き合う時間を楽しむことができる環境を整えるため、理由を問わない一時預かり事業であるほっとステイ事業を子育てステーション、おでかけひろばで実施しています。今年度は二カ所新設し、区内二十カ所での実施予定です。また、保育施設に子どもを預けて、フルタイムで働くか、働かずに在宅で子育てをするかのゼロか、一〇〇かではなく、子どもとの時間を大切にしながらも緩やかな働き方を支援する受け皿として、一時預かりの機能を持つワークスペースひろば型事業を昨年度から取り組みました。今年度三カ所新設し、区内の全区地域に一カ所ずつの計五カ所で実施する予定です。利用されている方は、自営業やフリーランスがおおむね七割、テレワークがおおむね一割を占めています。  今後の一時預かり事業については、世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の素案で、子ども・子育て支援事業の需要量見込みと確保の内容をお示ししているところですが、ほっとステイのほか、保育所等の一時預かり、ファミリー・サポート・センター事業とあわせ充実してまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。平成三十年度の会計主要施策の成果も拝見しました。今お話しありましたファミリー・サポート・センターに関しても、援助会員が目標値よりは達成していたというところ、とても取り組みが成果を出していると感じました。ただ、ファミサポはまだまだ足りないという声もありますので、ぜひこれも含めて進めていただけたらと思います。  ことし三月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが一時預かり事業の運営状況等に関する調査報告を出されました。そこから見えてきたのは一時預かりの運営的な課題です。多くは定期利用が三割に満たないため、不定期に利用する方々の需要が読みづらいこと、また、病児保育同様、定員以上の申し込みがある日もあれば、保育士を確保しても当日キャンセルもあるなど、なかなか単体での収支バランスを保つのは厳しい印象を持ちました。  また、その報告を行うフォーラムが七月にありまして、私も参加してきました。そこには厚労省の子ども家庭局保育課長もいらしていまして、このようにおっしゃっていました。子ども・子育て支援新制度の地域の子育て支援事業十三事業の中に一時預かり事業があるにもかかわらず、目標に対して全く実績が追いついていないと。ちょっと反省している感もあるような言い方をされていたんですけれども、具体的にどのぐらい追いついていないのか、数字を見てみました。  平成二十七年三月に閣議決定された少子化社会対策大綱で令和元年度まで――本年度ですね――に延べ利用児童数の目標値、一千百三十四万人という目標値を立てているんですが、二〇一七年度末の数字では四百九十五万人ということで、達成率が四三%。恐らく今年度でも五〇%いかないのではないかなというような低い推移でした。国の状況を見ても、一時預かり事業は、待機児童対策に比べると本当にプライオリティーが低い印象が否めません。  さらに、先ほど述べさせていただきました事業の採算性とかを鑑みても、単体で採算をとるのは本当に厳しいのではないかと思います。よって、できれば、例えば区立保育園で理由を問わない一時預かりの枠の創設など、これまで想定してこなかった側面からも検討を進めていただけないかと考えます。実はこれらの施策を進めると、もしかすると待機児童の解消にも寄与するのではないかという試算もあります。あわせて、待機児童対策がちょっと目につくんですけれども、できれば一時保育、一時預かりのほうにも光を当てていただけたらと思います。  次に、子どもの学習支援について伺います。  福祉保健所管での学習支援には、ひとり親家庭の学習支援事業と生活困窮家庭を対象にする学習支援事業がありますが、きょうはひとり親家庭対象のかるがもスタディルームについて伺いたいと思います。  ことしの八月三日に増井課長にも御同行いただいて、ひとり親家庭の学習支援、かるがもスタディルームを見学させていただきました。小学生、中学生一人一人にボランティアが寄り添い、子どもの学習をサポートする取り組みは本当に意義深いと思いました。一対一での机を並べてのやりとりは、学校の一斉授業にはない個人の習熟度に合わせたものであって、月に二回二時間ごと、合計四時間という限られた時間ではありますけれども、保護者以外の大人とのかかわりを持つという視点においても、本当に有意義な時間だと感じました。  一方、この限られた時間の中で、より子どもたちの学びが充実していくためには、学ぶ環境を一層整えていくことが必要ではないかと感じました。例えば今、世田谷区の教育委員会ではICTを活用した取り組みであるeラーニングを進めています。このかるがもスタディルームではまだそこは導入されていませんでしたけれども、今後導入していくことを検討するとした場合、もう少し学習環境を整えることが必要かなと考えます。区の見解を伺いたいと思います。 ◎増井 子ども家庭課長 かるがもスタディルームは、学習習慣の定着と苦手科目の克服、学力の向上を目的に、ひとり親家庭などの小学生、中学生を対象にした無料の学習会として、地域ごとに区民施設を活用して実施しております。学習会では、本人が学習したい学習教材を持参し、一人一人の進度に合わせて、社会人や大学生ボランティアがマンツーマンで学習を支援しています。  区立中学校では、eラーニングの取り組みなどICTが活用されています。かるがもスタディルームでもタブレットなどを活用することで、子どもたちは学習の理解度に応じた勉強ができ、また、ボランティアも子どもたちの興味や関心を引き出すことができるなど、学びの効果が学習意欲につながっていくことも期待できると考えられます。導入にはWi―Fi機器などの整備や通信料の経費負担などの課題がございます。今後ICT活用について、子どもたちの学習状況を見ながら導入方法などを検討してまいります。また、ICT以外についても、子どもたちやボランティアの声を聞きながら、引き続き、よりよい教室環境づくりに努めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。このICT環境を整えることが全てのソリューションになり得るとは思っていませんが、まず、今の環境では、集中しているときにWi―Fiが切断されるという懸念があります。増井課長も一緒にごらんになったと思うのですけれども、実際に子どもたちを見ていると、集中するまでに結構時間のかかるお子さんがいたり、突然集中が切れてしまう子もいる中、できればこういった物理的要件は、懸念されることがあれば整えてあげたいという思いがありますので、ぜひこちらも予算どりをお願いしたいと思います。  次に、中学三年生は受験があります。希望する高校に行けるかどうか、人生の選択肢を大きく変えるタイミングでもあります。中学三年生に関しては、希望によってもう少し時間の延長などはできないかなと個人的には思いました。小学校一年生も四時間、中三も四時間。もちろんそれぞれ課題はありますけれども、個人的な思いです。また、中学生のクラスも小学生同様、土曜日の午後二時から四時ですね。ちょうど部活動などの関係で、通いたくても通えないという子の声も少し聞きました。より通いやすい日程などにはできないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。 ◎増井 子ども家庭課長 かるがもスタディルームは、原則第一、第三土曜日の午後二時から四時までで実施しています。三十年度までは最長二年間の登録としていましたが、三十一年度より、中学生については進学を目的とした学習の定着のため、二年間の期間満了後においても、希望する場合は一回に限り再登録ができるものとしています。また、中学三年生に対しては面接対策や自己PR文なども含め、志望校に合わせた指導を行い、三十一年度は参加した十二名全員が高校に進学しており、前向きな学習意欲につながっています。  児童生徒全員に対する終了時のアンケートでは、二時間の勉強時間については約八〇%が、また、開催頻度についても六七%がちょうどよいと回答しています。この学習会は学生やボランティアによって成り立っている事業であり、時間の延長や開催頻度、日時の変更につきましては運営を難しくする可能性が高く、中学三年生という時期に限った場合でもボランティアの負担を増すことになります。御指摘いただきました点については今後の課題と捉え、子どもたちやボランティアの意見も伺いながら検討してまいります。 ◆中山みずほ 委員 ありがとうございます。二年縛りがなくなったことは大変評価したいと思います。中学一年、二年で勉強したのに、今までのルールだと三年生で勉強できないということもありましたので、この辺は本当にありがたいと思います。今、子どものアンケートがありましたけれども、各五地域で開催されていますが、そこのボランティアさんの声、フロントに立っている方々の声も聞いていただける機会があるとありがたいと思います。ボランティアさんの個人的な思い、また、事業のガバナンスというのは別問題と考える必要があると思いますけれども、このような個人の思いに支えられている事業であると私は思っています。ぜひ子どもと接点を持つ現場の声を丁寧に聞いていただきたいと思っています。  かるがもスタディルームは現在、親の収入格差が子どもの教育格差であってはならないという強い理念をお持ちのNPOに委託し、実施されております。ひとり親家庭、特にシングルマザーは経済的困難を抱えることが多いと言われています。ことし四月に公表された区の平成三十年度子どもの生活実態調査においても、子どもの勉強を見るとか、そういった項目を含めて、ひとり親家庭のほうが子どもとのかかわりが低くなる傾向が数値であらわれていました。  その実態調査の第九章保護者の状況のまとめのところにこうありました。「『貧困状態で生活する保護者は放任主義であり、子どもについて関心がない』といったステレオタイプには当てはまらない。生活上の困難を抱える母親も、子育てや子どもの教育に関する適切な支援が提供されれば、それを活用し、子どもの最善の利益になるように活用していくと考えられ、積極的な支援策を提供するべきであろう。例えば、無料学習支援事業についても、学習習慣をつけるための学習支援のみならず、進学などの明確な目的に向けた無料学習支援事業なども検討することが求められる」とまとめにありました。このまとめを見ても、かるがもスタディルームの重要性がより問われることになると思います。今、子ども計画(第二期)後期計画を策定されているかと思うんですけれども、その素案の中にもこの対策がトピックとして挙がっていました。  また、どのような事業所がこの事業を担うか、それも大変重要だと思っています。来年度、事業者の選定を改めて行うタイミングだと伺っていますけれども、どのような選定方法、また、どのような視点で行うのか、伺いたいと思います。 ◎増井 子ども家庭課長 かるがもスタディルームの事業者選定に当たっては、ひとり親家庭及び生活困窮世帯などの現状や今の子どもが抱える課題に対する理解のほか、小学一年生から中学三年生までの子どもたちの学習の理解度や個々の特性に応じた学習支援の実践力、教室環境づくりなど事業の実施能力、遂行能力を見きわめる必要があります。そのため、入札によらず、プロポーザル方式による事業者選定を実施することが望ましいと考えております。前回実施した平成二十七年度の選定においては、学習支援の効果が高まるような実施方法の具体的な提案や記録の作成指導が適切に実行され、子どもの学習状況や到達度の確認を明確に行えるものとなっているか、ボランティアが適切な支援を行えるような研修やフォロー体制が整っているかなどを重視しました。  昨年度実施したひとり親のアンケートや子どもの生活実態調査では、ひとり親や生活困窮世帯の親は子どもに大学以上の進学を期待し、子どものことを不安で心配している姿が見えてきました。学習支援を通じて子どもたちに寄り添い、親の学習面での不安にも対応できるような支援が必要です。前回の選定基準に加え、親や教師ではない社会人、学生との交流の機会や子どもの自立への支援のつなぎなど、選定に当たっての評価の視点を今後さらに検討し、子どもたちが安心して学べる場づくりを充実してまいります。 ◆中山みずほ 委員 私は、事業者選定においては、必ずしもNPOでなければならないとは思っていませんが、ことしの四月、さいたま市の学習支援において、委託事業者をNPOから大手学習塾へ変更したことにより、授業の実施が大幅におくれた上に、質の低下があったという報道がありました。ここはプロポーザルではなく、入札だったという点もありますけれども、大手塾産業というのは行政との学習連携事業を社会貢献活動の一環として強化しているところが見受けられます。そして、そういった会社の中には、行政向けのプレゼンテーションだけを行う事業部もあると聞きました。  また、ほかに地域の学習支援をされている方々にも取材をしました。長いこと学習支援にかかわる中で大切にされていることをお聞きすると、皆さん共通していたのは、子どもとの関係性ということをおっしゃっていました。この関係性によって支えられていることが多いというのが現場の声です。つまり事業者が仮にかわった場合、そうすると、ボランティアさんもかわるわけです。丁寧な引き継ぎ、これが本当に大切だと感じましたので、ここでお伝えしたいと思います。  世田谷区においては本当に杞憂かとは思うんですけれども、ぜひ慎重な事業者選定をお願いしたいと思います。  これで私の質問を終わります。 ◆藤井まな 委員 他会派からもいろいろと出ていますけれども、また、一般質問で行った梅ヶ丘の東京リハビリテーションセンターについてもう一回続きをしたいんです。  私の一般質問の最後に片桐部長がお答えをした答弁が、看護師の人員体制なんですが、人員につきましては現行の段階では足りている、補充はしております。ただ、時間のとり方、夜間の部分の切れ目のないような形というのがうまくいっていないという答弁をされています。きょうの他会派の答弁でも同じような質問をしているんですけれども、ただ、本来、ショートステイですから、人員が足りているか、足りていないかを問題にしているのではなくて、受け入れてこそ初めて人員が足りていると言い切れるんだと思うんです。デイサービスならまだしも、ショートステイで夜間の部分の切れ目のないような形というのがうまくいっていない。これはもう人員が足りていないと言っているようなことと私は一緒だと思うんですけれども、それでもまだ人員は足りていると部長はおっしゃるのか。  部長の答弁をずっと聞いていると、もう組織を守るための仕事しかしていなくて、区民のために仕事をしているようには見えない答弁になってしまっていると僕は思うんですけれども、それでもやっぱり人員が足りているからというふうに部長は答弁し続けるんですか。 ◎片桐 障害福祉部長 人員につきましては、現行、先ほど午前の答弁でも出たんですけれども、人員そのものは夜間体制を担える体制をとってはいるんですけれども、この間の答弁の中で私が言った部分につきましては、看護師が二名いれば過分というか、できるとは思うんですけれども、一名でも、少なくともショートステイを担っている部分というのは看護師だけが担っているわけではございませんので、医療行為そのものは看護師が担うにしましても、夜間ついている部分で若干休憩とかで席を外す部分があったりはしますけれども、その間は介護職員がそこについているわけですから、そういった意味での人員体制は足りてはいる。ただし、実際、過分に二名体制であればもっと円滑に回るのは間違いないところですので、そこを確保できるような人員の確保については、募集についてはこれからも法人のほうで対応を図っていくということでございます。 ◆藤井まな 委員 そもそも四月の段階からスタートしていなければ、夜間も受け入れていかなければいけなかった問題を、一応利用者には九月になれば二人体制になりますよと言っていたにもかかわらず、九月になっても、じゃ、毎日毎日二人体制になっているのかといったらなっていなくて、発作がある人とか、経管注入している人とかを受け入れていないというのは、もう本当に区民を裏切っているとしか私には思えないし、ここはもう早急に改善をしていただかないと、この状況を四月から放置していたというのは、やっぱり許されるべきことではないなということを改めてお伝えしておきます。  梅ヶ丘拠点施設において、この施設は福祉避難所にもなっていかなければいけないんですけれども、ここは四月の段階から福祉避難所としては、もう協定とかは全部済んで、スタートしているんでしたっけ。 ◎阿部 障害者地域生活課長 委員御指摘の福祉避難所としての指定なんですけれども、事業者と協定を結ぶこととなっておりまして、申しわけございませんが、現段階で準備はまだ整っておらず、十一月一日締結予定で動いております。 ◆藤井まな 委員 まだ十一月一日締結予定でよかったですけれども、これも本来四月にスタートしていなければおかしい話で、何というんですか、いろいろ突っ込みどころ満載な施設だからこそ、いろいろな会派の人たちがこの話をしていると思うんですね。もう言い出したら切りがないという話で、すごいたくさんあるんですけれども、とにかくもっと区民の方に情報を提供してあげてほしいということをお伝えしていただきたいと思っています。  今どういう状況になっているのかというのもわかりづらい。例えばさっきのショートステイの話ですけれども、区民の人たちは九月から受け入れが可能になると多くの人たちが聞いていたにもかかわらず、九月になっても、確かに夜間二名体制になった日もあるけれども、毎日毎日そういう体制ではなかったから、毎日受け入れる体制は整っていないということも九月になってからわかったわけですし、できていないことを隠すのではなくて、やっぱり区民に理解を求めていくためにはもっと情報をしっかりと出していくということを区と担い手のグループがしっかりと連携して行っていただきたい。別にそれは、区のホームページでも、リハビリテーションセンター世田谷のホームページでも、どちらでもいいですから、しっかりと情報を提供していただきたいということを要望させていただきたいと思います。  もう一つ、一般質問でしたのが送迎の問題です。北沢地域と世田谷地域しか送迎ができないということで、烏山地域にはバスポイントができたけれども、そのバスポイントまで行くのがすごい大変で、結局利用することができていなくて、定員が埋まっていない状況なんです。これも実は一般質問で質問をしているんですけれども、これに対しての具体的な回答はなかったんですが、もうちょっと送迎の問題でリハビリテーションセンター世田谷の放課後等デイサービスとかに関して、送迎とか、もうちょっと工夫するつもりがあるのか、そういう指導をするつもりがあるのかということを改めてお伺いをさせていただきたいんですけれども。 ◎宮川 障害保健福祉課長 放課後等デイサービスの送迎は、サービス報酬の送迎加算に基づいて施設が行っております。送迎の範囲は、通常、施設運営面から施設が可能な範囲を設定していますが、長距離になる場合には、長時間乗車による子どもの生活面、健康面についても配慮が必要です。この施設での放課後等デイサービスでは、通常送迎の範囲を世田谷区の世田谷地域と北沢地域にしております。ほかの地域においてはパスポイントを定めておりまして、私どもが施設から聞き取っているところでは、桜新町駅付近のバスポイント、千歳清掃工場付近のバスポイントの二点を確認しております。烏山方面のバスポイントについてはまだ拡充されておりませんので、この後も引き続き施設と協議をしてまいります。  なお、通常送迎の範囲外でありましても、重症心身障害児ですとか医療的ケア児については、個別に自宅までの送迎を行っているとの報告は受けております。  今後とも、こうした重症心身障害など移動の困難なお子さんの送迎については個別に配慮ができるよう、施設とも協議、依頼をしてまいりたいと思っております。 ◆藤井まな 委員 バスポイントの説明でも桜新町と千歳清掃工場というごみの工場の近くだと思うんですけれども、じゃ、例えば世田谷区の喜多見に住んでいる人とか、世田谷区の給田に住んでいる人からしたら、まあ遠いですよね。そこまで行くのがすごい大変であって、これで送迎ができているかと言われたら、できていない状況だ、もっとこれを進めていただきたいということをこれはもう要望するしかないんですけれども、今までずっと東京リハビリテーションセンターの質問をしてきたんですけれども、何で送迎の問題を最後に持ってきたかというと、前回の一般質問の中で送迎自体の質問を私はしているわけです。リハビリテーションセンター以外の送迎の質問をしているんですけれども、まさにこういう東京リハビリテーションセンターが区内全域を送迎の対象にしていないということは、民間というか、ほかの放課後等デイサービスの送迎の問題もあるわけです。利用したいと思っていても、送迎の問題で利用できないという方がすごいたくさんいらっしゃるという問題が放課後等デイサービスの大きな問題になっていて、例えばタクシー券とかももちろんそういう障害を持った子たちが使えるようにはなってはいるけれども、金額が大変に低い状況、少ない状況となっているので、これを改善してくれと。  例えば港区だったら、もう単費でバスを出しているけれども、港区は皆さん御存じのとおりお金持ちだから、そういうことができてしまうんですけれども、そういうお金を使ったことはなかなかできないけれども、せめてお隣の杉並区並みに障害を持った子どものタクシー券というものを出してほしいという要望をさせていただいたんですけれども、これについても明確な回答というか、前向きな回答というものが得られていないんです。放課後等デイの移動支援、通学支援券と私は一般質問のときに言いましたけれども、放デイの移動支援とかで、もうちょっと移動のタクシー券というものを出してあげることはできないのか、お伺いをさせていただきたいんです。 ◎阿部 障害者地域生活課長 委員お尋ねのタクシー券でございますけれども、そもそもタクシー券は、電車、バスなどの利用が難しい歩行困難な障害者の生活の利便と社会参加の促進を図るということで、一カ月当たり三千四百円分を交付しているものです。この利用用途につきましては特定をしておりませんで、広く御利用いただいているということで、現在特定用途での上乗せ等は考えてございません。事業費も昨年度は二億六千万円を超えておりまして、この交付金額の拡大は財政上の影響も大きく、他区の状況もほぼほぼ三千円から四千円となっておりますので、拡大は現時点では難しいものと考えております。 ◆藤井まな 委員 もちろん用途を示していないということで、病院に使う方とかもいらっしゃって、中にはもうその支給が半年で全部なくなってしまう方とかも場合によってはいらっしゃるわけで、広げるつもりはないという話ですけれども、もう一度区民の声に耳を傾けていただきたいということだけ要望させていただきたいと思います。  次に、幼児教育・保育の無償化のお話をさせていただきたいと思うんですけれども、一般質問でも他会派から質問が出ました幼児教育・保育の無償化の問題。立憲民主党の国会議員が何か言ったというニュースを、僕、きのう初めて見て、国会議員もこの問題に取り組んでいるんだなと、私が所属している政党のことを全然知らなくて、初めて知ったんですけれども、この問題は前から大きな問題だなと思って、国の対応をずっと調べているんですけれども、五月の段階で無償化の対象にならない子たち、いわゆる幼稚園類似施設の子どもたちが無償化の対象外になってしまうという問題で、文部科学大臣がそういったところの調整をするというコメントも五月の段階であったんですけれども、じゃ、実際にどういうサポートをしてくれるのかという細かい具体的な話は今のところまだないわけです。この問題、区としても、しっかり国に申し入れていく必要があるのではないかと私は思っています。地方自治体が責任を持って申し入れていく必要があるのではないかと思っています。  そもそも何でこの問題が出てきたか、僕なりにちょっと調べて研究してみたんですけれども、保育園は、保育園があって、認証保育所があって、認可外保育施設があって、世間で言うところの認証保育所も認可外保育施設です。認可保育園と認可外保育施設があるんですけれども、幼稚園のほうは認可幼稚園と認可外幼稚園は存在しないですよね、当たり前の話です。そういうところの設定で、幼稚園類似施設というものがルールとして明確に形あるものになっていないところが、僕は今回、無償化の対象から抜け落ちてしまった理由の一つではないかと思っているんですけれども、こういったことを含めて、私は国に制度をしっかりとつくるようにと言う必要があると思っているんです。要は、保育園は認可外保育施設というのもきちんと制度として存在している、子どもたちに使われている。でも、幼稚園は認可外幼稚園というものを言葉としては使っていなくて、いわゆる幼稚園類似施設として曖昧な形でしか使っていない。ここをはっきりとさせていく必要があると思うんですけれども、こういった制度の問題を世田谷区はどう捉えていらっしゃるか、お伺いします。 ◎堀込 子ども育成推進課長 ただいま無償化の中で特に幼稚園の御指摘をいただきました。私、私立幼稚園の所管をしておる立場で少し御答弁させていただきますけれども、もともと今回の国の制度、幼児教育・保育無償化ということ。幼児教育の無償化については国の制度設計上は、保育もそうですけれども、施設の類型から制度が構築されていることになります。幼稚園の場合は幼児教育を行う施設ということですので、当然のことながら、学校教育法に基づく幼稚園というのが大原則になる。当然幼稚園は学校教育法に基づく学校としまして、それにつながる法の施行令ですとか、幼稚園の設置基準、あるいは教育内容についても、教育課程のさまざまな基準がございまして、通常東京都及び区としましては、幼稚園は――ちまたではそこが認可と言われておりますけれども、基準の中で適正に幼児教育を行えるようにということで、日ごろから指導的な業務をさせていただいているところでございます。  今回の無償化そのものがその幼稚園を対象にしているということで、それ以外は結果として対象になっていないという制度になります。この間、委員のお話の中で類似の幼児施設というお話が出ておりますけれども、東京都には実は本来の法に基づく認可の幼稚園に準ずるといいますか、扱いの類似幼稚園という制度が実際にございます。少しその経緯を、済みません、長くなりますけれども……。(「いや、短くでいいです)と呼ぶ者あり)世田谷区については三園ございまして……。(「知っているから短くでいいです」と呼ぶ者あり)はい。  これは国の制度に加えまして、東京都が実際に無償化と同じ状態にしております。現状からしますと、国の制度設計が施設類型から入っているということでは、こういう形になっているのかなと思っております。 ◆藤井まな 委員 その幼稚園類似施設が三園あるというのは僕も知っているんですけれども、それは新しくはつくらないですよね。それはもう本当に昔々の時代にたまたま設定されたものであって、それを新しく、じゃ、幼稚園類似施設が世田谷区には三つありますけれども、じゃ、これをどんどんふやしていこうという体制にはなっていないわけです。そうだからこそ、新しく設定する必要があるのではないですかという話を僕はさせていただいていて、別にそれを世田谷区にやれと言っているのではなくて、世田谷区が東京都なり国にもっと自治体としてわかりやすいように制度を設計し直してくれ、ぽっかりあいてしまった穴をしっかり埋めてくれということを言っていくべきだと私は思っています。  なので、世田谷区からも国に言ってほしいし、区長もそういったものに対しては関心を持っている方ですから、区長に対して担当の皆さんから、もう区長、一緒に国に言いましょうよというぐらいのことを言っていただいて、国に申し入れていただきたいんですけれども、部長、お願いします。言ってください。 ◎知久 保育担当部長 先ほど委員からも五月の報道の件があったんですが、今月一日に行われた文部科学大臣の記者会見で、幼児教育の無償化でこうした制度の対象外にある幼稚園類似施設について支援策を検討する考えを示しまして、新年度までに新しい方針を示せるよう努力したいと述べたという報道がまたございました。こういった背景もございますことから、幼稚園と類似の機能を有する施設等について、これは国の責任において、委員の御指摘ありましたとおり、早急に支援策を取りまとめるべきと考えておりますので、引き続き区としても国に働きかけていきたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 努力しますではだめです。もう努力ではなくて、本当に、確実にそういう制度をつくってくれるようにぜひ訴えていただきたいし、区長と一緒に国にしっかり意見を言っていただきたいと思いますので、それは要望しておきます。  最後に、災害時の保育園について質問したかったんですけれども、残り時間が少ないので要望にしておきます。  千葉のお話が今回の質問をするきっかけになっているんですけれども、認可の私立幼稚園において、災害時、世田谷区としては、要望があれば開くようにというふうに指示を出すという話を私は聞いているんですけれども、災害時に泊まらせて、朝、開かなければいけないとか、そういったところが現場判断になったりとか、区が強制的に言っても難しい場合は絶対あり得ますよね。それはもう最初から事前にルール化しておいたほうが私はいいと思うので、もう質問する時間がないので、そういったことをしっかり制度化、わかりやすいような形でシステム化することを要望させていただいて、質問者を交代させていただきたいと思います。 ◆桜井純子 委員 では、私からは、介助者不足について、緊急介護人派遣制度も含めて質問させていただきたいと思います。  介護人を募る方法として、これまでの当事者の方々がやってきた方法、それは、大学の構内でチラシをまいて、人と人とのつながりをつくりながら介護人を得ていくといったやり方がありました。実は、現在では、六月の一般質問でも少し触れたんですけれども、大学の門の前でチラシをまいていくこと自体、とても難しい状態になっています。障害者の方々の介護ということを考えると、やはり人とのつながりが本当に大事だったりしますし、介護者不足、そして世田谷区が公的な責任を一〇〇%果たしていられないという今の状況を考えると、この介護人を当事者の方が募っていくというところをバックアップしていかなくてはならないのではないかと思いますけれども、大学に対するアプローチをどのようにお考えなのか、まずお聞きしたいと思います。 ◎太田 障害施策推進課長 障害者緊急介護人派遣事業につきましては、障害者の介助者が病気、通院等で介助ができなくなったとき、また、ひとり暮らしの障害者が特に日常生活で支障を来したときに、あらかじめ推薦していた介護人または区の登録介護人を派遣するものでございます。区では介護人を確保するため「区のおしらせ」を年一回、毎年八月でございますが、事業概要を掲載しており、それにあわせて介護人の募集記事を掲載しております。  お話にございます区内大学への募集依頼につきましては、障害者団体の御要望を受け、個別に大学に御相談する中で、福祉関係学科の掲示板にチラシを掲示していただいたところもございますし、また、大学の御事情により難しいところもございます。  今後につきましては、大学に御理解、御協力をいただき、一人でも多くの介護人の登録につながりますよう引き続き大学に対して丁寧に、粘り強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 この件に関してまだまだ課題があるなと感じます。区は支給決定をした時間については、二十四時間でも、十七時間でも、それがたとえ五時間であっても、とにかくきちんと支給時間、障害者の方々が介護を受けられるような体制をつくっていく必要があると思っています。ぜひ引き続き区内の大学、また、専門学校もあると思いますので、そういったところにアプローチをしていただきたいと思います。  介助者の方とちょっとお話をしましたら、大学生の方、結構いらっしゃるんですね。その方にどうしてその介助に入ったかということをお聞きしますと、障害者の方と知り合ったというのが、本当にまず第一に介助者になっていく入り口だったと聞いています。ぜひ若い人たちが福祉の問題に関心を持っていけるように、そして、このつながりをつくっていく中で、障害に対する偏見、差別がまだたくさんありますので、そういったことも解消していく一つの道筋にもなると思いますので、ぜひアプローチを続けていただいて、新たな介護者の募集というところをまたもう一歩進めていただければと思います。  そして、緊急介護人派遣制度の問題ですけれども、利用時間というのがもう一つネックであります。当事者の方々、御利用の方々に時間数が足りないということを言われました。何時間なのかなというふうに見ますと月二十時間です。私たちにとっては、その二十時間、どんな時間か、想像しがたいところはあると思いますけれども、例えば二十四時間の支給決定を受けている方がこの介護制度全てを使って介助の人を得られているという状況ではありません。そういったところで、緊急介護人派遣制度を使ったり、そしてまた、緊急介護人派遣制度が二十時間で終わってしまったら、知り合いの人にボランティアに入ってもらう。本当だったら、区が二十四時間、きっちりと公的責任で支給しなくてはならないにもかかわらず、自助努力でやっているという状況があります。  こういった状況の中、自分で推薦をして、介助人をつくっていくことができるこの制度。例えば国立市でもいろいろと工夫をしているということをお聞きしていますけれども、世田谷区もこのまま二十時間で固執していくのではなく、もっと自由に使えるように利用時間の拡大を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎太田 障害施策推進課長 本事業につきましては、午前七時から午後十時までの一日十五時間の範囲で、食事の世話や買い物、洗濯や掃除などさまざまな介護に対応し、一時間を単位として月二十時間まで派遣することができるものでございます。  お話の国立市が実施している事業についてですが、障害者手帳の所持を問わず、在宅生活において適切な介護を受けることができない方に対し、月四十時間を上限として介護を行うものとなっております。本事業につきましては、利用時間を増枠することによる財政面への影響や事業の利用状況などを踏まえ、実態の把握に努めた上で検討してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 今、実態の把握とおっしゃっていただきました。先ほど伝えましたように、二十四時間の支給決定をしている方が、介護者が募れない中、実はどのように自分自身でしのいでいるのか、また、本当は二十四時間の支給決定が欲しいと思っている人、二十四時間でない人、いらっしゃいますよね。この方が日常生活でどうしているのか、一時間でも介助の人がいない、介護してくれる人がいない、その不安というものがあると思うんです。そういった実態についてもしっかりと把握をして、この緊急介護人派遣制度が使いやすいように、そして当事者本位の制度になるようにしていただければと思います。  そして、もう一つ確認をしておきたいところがあります。この介護人制度ですけれども、報酬についてです。  現在、最低賃金が千円を上回りました。そんな中、これについては時給千円という状況です。最低賃金が上がった状況を踏まえて、この金額を見直す気はありませんか。 ◎太田 障害施策推進課長 本事業につきましては、雇用契約に基づく労働報酬ではなく、地域の互助、共助の位置づけで実施しているものであり、予算科目も報償費としており、最低賃金に連動するものとはなってございません。現在区の手当の額は一時間千円ですが、近隣で同様の事業を行っている幾つかの区に確認したところ、ほぼ同額の千円から千五十円となっております。介護人の確保は重要であると考えておりますが、手当の増額につきましては、近隣区と意見交換を行うとともに、賃金の動向も注視しながら、慎重に検討してまいります。 ◆桜井純子 委員 世田谷区は、これは公契約に入れませんけれども、公契約条例では千七十円が最低の賃金というか、労働報酬下限額という状況です。ワーキングプアをつくらないということもありますし、その人その人の労働に対してのリスペクトという意味もあると思います。ぜひほかの自治体、近隣区との意見交換と言っていますが、その意見交換を世田谷区が牽引する気持ちでこの報酬の問題についても考えていただきたいと思います。  そしてもう一つ、緊急介護人派遣制度の中で改善をしていただきたい点があります。介護人派遣制度の要綱を見ますと、利用できる人の範囲の中に実は精神障害者が入っていません。精神障害者の方を排除している制度になっているんですね。精神障害者の方の介護ということを考えると、いろいろな障害特性の中でも、やはりなれ親しんだ人、安心できる人を指名できる、これが一番合っている制度になるのではないかということを事業者の方にも言われました。ぜひ精神障害者の方を対象から外しているという、この差別的な制度を改めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎太田 障害施策推進課長 本事業につきましては、身体障害者一・二級、愛の手帳一から三度、脳性麻痺、進行性筋萎縮症の方を対象としております。一方で、精神障害者の社会参加を促進するため、区の心身障害者福祉手当につきましては、平成二十九年四月から対象として精神障害者手帳一級の方を追加し、精神障害者を支える環境づくりに努めてきております。本事業を活用し、精神障害者がみずから推薦した介護人が当事者の生活をサポートすることで、精神障害者の地域での安心した生活につながることが期待されます。このことからも、同様の事業を実施している他区の状況も参考に、財源確保など課題を整理した上で検討してまいりたいと考えております。
    ◆桜井純子 委員 ぜひ障害者の間で差別がないように、排除がないように、そして区民というところで言えば、誰でも安心して暮らせるような制度、そして障害者当事者の気持ちに沿った障害者当事者本位の制度にしていっていただきたいと思います。介護者の不足というのは介護している、仕事をしている人にも本当に大きな影響を与えている状況です。障害者の方の生活を守り、そして、そこで働いている人を守って、いい制度を一緒につくっていければと思いますので、ぜひ前向きに、そして早急に検討をお願いしたいと思います。  それでは次に、子ども虐待、DV対策ということで、本日は児童相談所のことを中心に質問していきたいと思います。  いよいよ来年四月に児童相談所が開設になります。世田谷区の責任は本当にぐっと上がってくる、子どもの命を本当に守っていくという重大な位置に行くということです。これまで子どもの虐待、とりわけ児童相談所の万全な体制というのが今まであったのかどうか、こんなことを思うような事件が続いているという状況です。その中でも、世田谷区が考える万全な体制、そして区議会からもいろいろと意見がありました、提案がありました。それを入れながら、本当に世田谷区が日本全体に万全な体制を示していかなくてはならないと私は思っています。  そして、昨年なんですけれども、私、東京都児童相談センターというところに視察に行きまして、お話をお聞きしましたところ、驚いたんですけれども、東京都から聞きますと、今、一人が百ケースを持っているというような状況の中で子どもの虐待に対応されている、そして、非行という状況をあらわしながら、社会に対してSOSを出している子どもに当たっているということです。世田谷区は児童相談所を開設します。それに当たって、私は、職員が担当するケースの上限をしっかりと決めて、これ以上は持たせない、もしもそうなるならば職員の人数をふやすんだ。それぐらいの決意で当たっていただきたいと思いますけれども、例えば上限に関する答え、考えというのはどのようにお持ちなのか、お聞きします。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 現時点での見込みでございますが、世田谷区の児童相談所におきましては、児童福祉司一人当たりの担当ケースはおよそ三十五件から四十件程度と見込んでございます。厚生省令で定められております児童福祉司の配置基準、人口三万人に対して一人を上回る人員を配置するとともに、特定の職員に負担がかかることがないよう役割分担を定めるなど、組織として適切なマネジメントに取り組んでまいります。児童相談所開設後も人材の計画的な採用、育成に努めまして、子どもの生命と安全を守るという重大な責任を強く認識し、職員一人一人が丁寧なケースワークを行うことができる組織体制を実施してまいります。 ◆桜井純子 委員 人材の計画的な採用と育成に努めるとおっしゃっていただきましたけれども、児童相談所が開設をすれば、さまざまな相談やいろんなケース出てくると思うんです。今、子どもに対する虐待に向けては認識が高まってきているということもありますので、そういった意味では、上限の数をはっきりとはおっしゃいませんでしたけれども、スタート時の三十五から四十が上限だとすれば、三十五、四十を目いっぱい持つのではなくて、三十件以下というところを守れるように計画的な人員の補充というものを求めていきたいと思います。ぜひそれは計画的にやっていただきたいと思います。  もう一つ、子どもの虐待を考えるときに、DVとの関係というものが欠かせないということです。十月四日に各紙いろいろと報道されたんですけれども、その中の一部をちょっと読ませていただきたいと思います。十月四日の新聞です。  目黒区の虐待死の裁判の内容です。この日はお父さんのほうの裁判でした。そこにお母さんが証人として来るということで出廷しました。中に書いてあることです。この日の法廷では両被告の間をつい立てで遮り、お互いに顔を合わせるのを避ける措置がとられた。それでも優里被告は両手で顔を覆って号泣しながら入廷、怖い怖いと漏らし、刑務官に支えられて着席をした。こういった状況の中で裁判は進んでいくんですけれども、検察官から、なぜ雄大被告の言いなりになったのかと問われると、優里被告は私がばかだからですと答えています。  この「ばかだからです」というのは、DVの関係の中で出てくる言葉です。私がばかだったからこういうことになったということではありません。私が子育てができない、ばかだ、ばかだと言われ続けてきた、私がばかだからこういうことになったんだという言葉です。ここのところは本当に大きく違います。  そして、裁判の中で、チョコレートやチーズを上げたというくだりがあります。そこで何をしたかというと、優里被告は雄大被告に対してつい立てを隔てたそこで、チョコレート、チーズを上げてしまった、ごめんなさいと謝ったんです。今二人は婚姻関係を解消しています。そして裁判の中で、一緒に暮らす時間はありません。でも、まだDVの関係の中での支配とコントロールというのは続いている。こういった状況がある中、私たちは子どもの虐待に向かっていかなくてはならないということです。  DVと子どもの虐待との関連性、どうやっていくんだということがいろいろと言われました。この関係性がある中、どのようにして地域でDV、子どもの虐待を考えていくのかということです。この場合はお母さんですけれども、お母さんはDVの被害者。そして、もう一面は、子どもの虐待でいえば加害をしてしまった人です。被害者、加害者両面を持った人を支援していかなくてはならない、そういった状況の中にある子どもを救っていかなくてはならない。本当にこれから児童相談所との連携、地域の今までやってきたさまざまなスキルも含めて、連携を強めていかなくてはならないと思います。この点に関して地域での取り組み、どのように行っていくのか、お聞かせいただければと思います。 ◎大里 烏山総合支所子ども家庭支援課長 DVや児童虐待は、委員のおっしゃるとおり、非常に複雑な絡みがあり、子どもとDV被害者の生命に影響する可能性もあるなど、DV相談と児童虐待対応の連携強化は非常に重要な課題であると認識しております。子どもがいる世帯のDVは、事案によりDV被害者が子どもへの虐待の当事者になることや、DV被害のダメージにより子どもを守ることができないおそれもあります。DV対応では、相談員がDV被害者である母親等に寄り添い、児童虐待ではケースワーカーが子どもの安全を守るという双方の役割に基づき、暴力、虐待の背景や影響範囲などを把握し、協議しながら対応しております。  また、学校等の関係機関から児童虐待の相談を受け、子どもや保護者との面談の中でDV被害が疑われる場合、DVを担当する相談員が面接に同席するなど早期の支援に努めております。  今後、区が児童相談所を開設することから、児童相談所及び関係機関とより緊密に連携をしながら、DV、児童虐待への対応を図ってまいります。 ◆桜井純子 委員 DVと子どもの虐待というところで言うと、本当に加害者と被害者が、長い間、一緒に暮らしていかなくてはならない。そういった状況があっても、家庭でまた再構築をしていかなくてはならないということもあります。ただ単に引き離せばいいというものでもなく、本当に複雑な問題があります。こういった複雑な問題があるんだということを把握しながら、例えば警察との連携、どのようにつくっていくのか。そして、地域でのさまざまな方々にも支援をしてもらわなくてはならなくなると思います。こういった方々を育てていくという言い方はちょっと違うかもしれませんけれども、地域の力をつけていくようなことも考えていかなくてはなりません。  本当に大きな大きな事業に踏み出したなということを感じるわけですけれども、ぜひ世田谷区の児童相談所から、そして、DV、子どもの虐待、この事業が日本全体を引っ張っていけるようにやっていただければと思います。  それと、この件に関して、先ほど職員の方の補充という話もさせていただきましたけれども、今話したように、いろいろとつらい場面も起こってくると思います。現場で働いていただく職員の方々のケアというのも、本当に重要な課題だと私は思っています。職員の方々、心身ともに健康で、子どもとちゃんと向き合う、お父さん、お母さん、保護者の方と向き合って仕事ができるように、健康の維持、ケアということを考えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 区の児童相談所におきましては、児童の担当者である児童福祉司が一人で対応するのではなく、スーパーバイザーを含め、複数の職員で案件に対応することを基本といたしまして、組織としての判断により対応してまいります。そのため、組織として的確かつ迅速な判断の対応が行えるよう、常にスキルを高めていく必要がございます。また、職員のメンタル面の維持、心身の健康が前提となりますことから、職員の自己管理意識に加えまして、職員の健康状態の把握、ワーク・ライフ・バランスの確保、上司や周囲に相談できる関係の確保、そのための組織としての一体感の醸成が不可欠であると考えております。  さらに、児童相談所職員特有の心身への負担の対策といたしまして、最新の知見に基づくメンタルケアの調査研究を参考としながら、必要に応じまして、児童相談所職員の健康管理に実際に取り入れていくことも必要であろうと考えております。  さまざまな角度から職員の心身の健康維持に留意いたしまして、職員がバーンアウト、いわゆる燃え尽き症候群とならないような体制づくりに取り組んでまいります。 ◆桜井純子 委員 ぜひ子どもの命を守るという視点に立って、職員の方々のケアというのも本当に重要ですので、バーンアウトにならないように、最初から体制づくりを行っていただければと思います。  では最後に、介護者支援の中でヤングケアラーについてお聞きをいたします。  ふるさと納税を使って医療的ケアの子どもたちと育っている兄弟への支援を行うということが言われました。これについては本当に大事な取り組みですので、区の予算をしっかりと使ったほうがいいのではないかとは思いますが、兄弟と聞いたときに、じゃ、ヤングケアラーと考えたら、もっとやらなくてはいけないことがあるのではないかと思いました。  区は二〇一四年に実態調査を行っています。その実態調査からわかったのは、ケアマネジャーがかかわっている家庭でも子どもの介護が必要になっている、ヤングケアラーがいるという実態です。私はこの本当に狭い、小さな実態調査からもこういった状況が見えてきました。ぜひ世田谷区には実態調査を改めて大規模にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎三羽 高齢福祉課長 今後の支援策を検討するに当たり、実態の把握は非常に重要だと考えておりますので、庁内体制を強化する中で実態把握の方法を検討してまいります。 ◆桜井純子 委員 子ども部やさまざまな所管がかかわってくるところではないかと思っています。一つは、今、子ども計画をつくっていますけれども、ヤングケアラーのケアの体制づくりを子ども計画に位置づけてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎望月 若者支援担当課長 区では子ども主体を基本コンセプトとする子ども計画(第二期)後期計画を策定しているところですが、ヤングケアラーは多くの子ども・若者が享受することができる学習や遊び、就労やさまざまな体験の機会を十分に享受できない状況があり、子どもの権利保障の面からも課題があると認識しております。まずは関係所管と連携し、実態を把握し、課題を共有するとともに、全ての子ども・若者がみずからの人生を主体的に切り開いていくことを目指して、ヤングケアラー、若者ケアラーに身近な大人が気づけるよう意識啓発に取り組むとともに、子ども計画においてもその支援について検討を進めてまいります。 ◆桜井純子 委員 この件に関しては、今、子ども部にお答えをいただきましたけれども、今は高齢福祉課がイニシアチブをとっている状況です。ただ、先ほど言いました医療的ケアの子どもと一緒に育っている兄弟となると、障害福祉部も関係してきます。子ども部も関係します。そして、子どもが育っている教育委員会も関係してきますが、高齢福祉課だけでは果たせないというこの大きな問題について、所管をもっと広げて考えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎三羽 高齢福祉課長 ヤングケアラーの支援につきましては、介護者支援の視点から主に高齢部門が担い、取り組んでまいりました。これまでの検討経過において、ヤングケアラーのケアの対象は祖父母等の高齢者だけでなく、多岐にわたることが明らかになっております。このことを受け、今年度より、高齢や障害、子ども・若者、教育など庁内関係所管による勉強会を開催しており、ヤングケアラーが抱える課題の共有や意見交換を行っています。  今後も、関係所管との連携を一層強め、検討してまいります。 ◆桜井純子 委員 実態調査を求めまして、私たち立憲民主党社民党の質問を終わりたいと思います。 ○石川ナオミ 委員長 以上で世田谷立憲民主党社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○石川ナオミ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時五十分散会...