世田谷区議会 2019-06-14
令和 元年 6月 定例会-06月14日-03号
令和 元年 6月 定例会-06月14日-03号令和 元年 6月 定例会
令和元年第二回定例会
世田谷区議会会議録第十号
六月十四日(金曜日)
出席議員(五十名)
一番 つるみけんご
二番 神尾りさ
三番 そのべせいや
四番 青空こうじ
五番 ひうち優子
六番 上川あや
七番 くりはら博之
八番 佐藤美樹
九番 小泉たま子
十番 あべ力也
十一番 高岡じゅん子
十二番 金井えり子
十三番 田中みち子
十四番 和田ひでとし
十五番 石川ナオミ
第 一 一般質問
第 二 議案第五十七号 令和元年度世田谷区
一般会計補正予算(第一次)
第 三 議案第四十六号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第 四 議案第四十七号
幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第 五 議案第四十八号 世田谷区特別区税条例等の一部を改正する条例
第 六 議案第四十九号
世田谷区立若林小学校解体工事請負契約
第 七 議案第 五十 号 旧
世田谷区立花見堂小学校解体工事請負契約
第 八 議案第五十一号 防災行政無線(固定系)
デジタル化工事(令和元年度)請負契約
第 九 諮問第 一 号
人権擁護委員候補者推薦の諮問
第 十 議案第五十二号 世田谷区
放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第十一 議案第五十三号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例
第十二 議案第五十四号 財産(
世田谷区立玉川野毛町公園拡張用地)の取得
第十三 議案第五十五号 特別区道路線の認定
第十四 議案第五十六号 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
第十五 請願の付託
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本日の会議に付した事件
一、日程第一 一般質問
二、日程第二から第八
企画総務委員会付託
三、日程第九
委員会付託省略、表決
四、日程第十
福祉保健委員会付託
五、日程第十一から第十三
都市整備委員会付託
六、日程第十四 災害・防犯・
オウム問題対策等特別委員会付託、表決
七、日程第十五 請願の委員会付託
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午前十時開議
○和田ひでとし 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
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○和田ひでとし 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第一 一般質問
○和田ひでとし 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。
一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。
質問通告に基づき、順次発言を許します。
三十六番ひえしま進議員。
〔三十六番ひえしま進議員登壇〕(拍手)
◆三十六番(ひえしま進 議員) おはようございます。
初めに、一言申し上げさせていただきます。
世間を騒がせております丸山、長谷川両氏の言動につきましては、私自身、強い憤りを感じており、決して許されるものではないと考えております。日本維新の会としての理念、価値観からも相入れないものであり、既に党として処分が行われておりますが、御迷惑、御心配をおかけした方々に心からおわびを申し上げます。
以下、通告に基づき、質問をさせていただきます。
近年、動物愛護の精神は多くの方々の長年の努力により広められ、その一つの成果として、一昨日、国会で
改正動物愛護法が成立しました。同法は犬、猫への
マイクロチップ装着の義務化や販売できる時期を生後八週超とする五十六日規制、動物虐待罪の厳罰化が盛り込まれるなど、これまでよりもさらに動物愛護の姿勢が強く打ち出され、一定の評価ができます。動物愛護法が目指してきた大きな目標として犬猫殺処分ゼロがあり、東京都も二〇一八年度に達成したと発表しました。この部分だけを取り上げれば前進しているようにも思えます。
しかし、環境省は今年度から攻撃性ありなどと判断した犬猫を譲渡不適切と分類し、殺処分しても従来の殺処分数から除く数え方に変更すると聞いております。そして、行政が把握していない
ペットショップなどの流通過程で死亡または処分された動物たちもいることを指摘しておきたいと思います。この問題の根本解決としては、保護犬、保護猫を出さない入り口の段階での努力が必要であり、特に飼い主の飼い方、また、
ペットショップの売り方を厳しく問い続けなければならないと思います。
まず、飼い方の問題でありますが、各地で起こっている例として、単身の高齢者がペットを購入したものの、間もなく病死し、ペットだけが取り残されるといったケース、あるいはペットを多数飼っていることから動物の繁殖がコントロールできなくなり、飼育そのものが立ち行かなくなるアニマルホーディング、つまり多頭飼育崩壊の問題などを聞き及んでおります。世田谷区でもこのような事例があるかと思われますが、ペットの引き取り手がない場合の区の対応を伺います。
次に、
ペットショップの販売は、我が国の場合、ほとんどが
生体展示販売であり、誰でも容易に購入できるという現状があります。これに対して、
動物愛護先進国と言われるヨーロッパ、特にイギリスでは、ペットの購入はブリーダーからや、あるいはシェルターと呼ばれる
動物保護施設や団体が主催する譲渡会で直接購入することが一般的であります。私は、狭いケージに押し込め、動物たちに過度のストレスを強いる
生体展示販売は動物愛護の観点から極めて不適切であると思っておりますが、残念ながら国が規制をかけるまでには至っておりません。
その要因として、誰もが買い手になり得る我々の側に、その販売方法に疑問を抱く人間が極めて少ないという現実があることは否定できないと考えます。やはり動物の命の尊重やそれへの慈しみ、人間と動物の共生の意義をより深く顧みる必要があると思います。本当の意味での動物愛護が広く行き渡れば、将来的に
ペットショップの販売方法にも変化が生じ得ると期待するものであります。世田谷区は人と動物との調和をとれた共生に関する条例を制定しておりますので、啓発活動など、これまでの区の具体的な取り組みと成果をお聞きいたします。
動物愛護の精神の涵養は、幼少期の動物との触れ合い、あるいは飼育の体験が大きな影響を及ぼすとの専門家の指摘がありますが、近年、子どもたちのアレルギーの問題などもあり、生き物を飼う飼育小屋などが小学校でも減少し、動物と触れ合う機会が少なくなっていると認識しております。私が把握しているデータでは、例えばウサギを飼っている小学校は、平成二十六年度は四十一校だったのが、平成三十年度には三十五校に、亀の場合ですと、同じく五年間で四十六校から四十校へ減少しております。安易に飼育小屋を復活せよとは申しませんが、動物たちとの貴重な体験、思い出づくりにかわるような教育現場での工夫を強く促したいと思いますが、見解を伺います。
教育といえば、学習指導要領の見直しに伴い、二〇二〇年から小学校の英語教育が強化されます。世田谷区では小学四年生対象の移動教室で「Touch the World」を利用しておりますので、子を持つ親として、また、英語教育の重要性を痛感している者として、私も興味を持って視察してまいりました。その感想といたしまして、移動教室は平日午前中に実施しているのでよいとしても、一般開放している平日午後は閑散としており、利用者数は少ないとの印象を受けました。また、この施設は、目玉となっているジオラマの
プロジェクションマッピングを初め、九つのゾーンに分かれて利用者にコンテンツを提供しておりますが、果たしてこれは有効利用されているのか、疑問を持ったところであります。
そこでまず、移動教室の実施実績と平日午後、そして土日祝日の
一般利用者数をお聞きします。また、施設運営は民間委託と聞いておりますが、その費用は幾らで、何年契約であるか、お尋ねします。既に初期投資として四千五百万円が投じられており、貴重な区民の税金が使われていることは言うまでもなく、常に費用対効果を念頭に運営を考えていく必要があります。同施設は一般向けに
英語体験プログラムや月ごとのイベントなども開催しているとのことですが、それはどのような内容で、どう利用者の英語学習に資しているとお考なのか、伺います。
パンフレットにうたっているような「
バーチャル体験で異文化にチャレンジ!」「英語をレッツ・エンジョイ!」とするには、来訪者の人数のみにとらわれず、何をもって有効利用されていると判断するのか、目的意識を持ち、教材や
運営スケジュールなど活用法を常に見直し、不断に利用者のニーズを探る努力が必要不可欠であると思います。また同時に、SNSを利用した情報発信など、利用者への積極的なアプローチを試みていくことも必要だと考えますが、答弁をお願いいたします。
最後に「Touch the World」と同じ建物内にある中央図書館の機能拡充についてお尋ねします。
現在、種々検討が行われているとのことですが、既に平成二十九年三月に取りまとめられた
機能拡充基本構想報告書の中で、ゾーニング案は二案示されていると承知しております。この二案の大きな違いは、
子どもエリアを一階に設置するか、二階に設置するかということであると理解しておりますが、このような認識で間違いないか、いま一度確認したいと思いますので、答弁をお願いいたします。
これを踏まえますと、幼い子どもと同伴者、特に
バギー利用者や身障者といった利用者の立場に立てば、ぜひともこの
子どもエリアは一階に設置すべきであると考えます。もし二階の設置となれば、まずエレベーターは一台しかなく、
バギー利用者や車椅子の方は言うまでもなく、お孫さんを連れたおじいちゃん、おばあちゃんといった高齢者など、一般利用者にとっても狭いし、使用しづらいわけです。また、混雑時は階段移動を強いられるケースが生じることも考えられ、何らかのヘルプが必要になることが想定されます。さらに、雨天時は滑りやすく、特に低年齢の子どもたちを初めとする利用者への安全上の呼びかけ、確保が求められますので、遺漏のない対応が必要だと考えます。二階には既に「Touch the World」があるという理由で
子どもエリアを二階に設置すべきと安易に発想するのではなく、まずは、利用者の安全、利便性を最優先し、判断するよう強く求めます。実際に子ども向けのイベントに参加された方々から、
子どもエリアは一階にしてほしいという声があります。こうした現場の声にしっかり耳を傾けていただきたいと思いますが、見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎辻
世田谷保健所長 私からは、ペットに関して二点。
まず、飼い主の死亡等により、引き取り手がないペットの相談に対する区の対応をお答えします。
動物愛護管理法では、飼い主にはペットがその命を終えるまで適切に飼育する終生飼養の責任があり、飼い主が亡くなった場合であっても、御遺族などがペットに安全安心に暮らせる環境を用意する必要がございます。また、飼い主が亡くなったことによる御遺族などからの保健所への相談は年に数件寄せられております。こうした場合、飼い主のいない動物を保護したり、新たな飼い主を見つけるなどの事業を実施している東京都
動物愛護相談センターに御相談いただくよう御案内をしております。
次に、人と動物の共生について、啓発活動とその成果についてお答えいたします。
動物愛護管理法では、人と動物の共生の観点から、ペットが人への危害や迷惑を及ばさないよう飼養しなければならないなど、飼い主の責務が定められております。一方、区には、犬の鳴き声や散歩時にふんを片づけないなど、一部の不適切な飼い主の対応等に対する苦情相談が寄せられております。区では区民対象の犬のしつけ方教室を年三回開催し、参加者の方からは、参加してよかった、疑問が解決したなどのお声をいただいております。
区といたしましては、引き続き飼い主が責任を持ち、愛情を注ぎ、ペットを終生飼養するよう普及啓発を図り、人と動物との共生社会の実現を目指してまいります。
以上です。
◎池田
教育政策部長 私からは、動物を大切にする教育と「Touch the World」について御答弁させていただきます。
まず、動物を大切にする教育についてですが、
小学校学習指導要領では、動植物に親しみを持って接することや自然とのかかわりに関心を持つことの大切さが示されており、小学校では全ての教育活動を通じて、発達や年齢に合わせて、動植物に優しい心で接することを通じて自他の生命を尊重する態度を育成しております。具体的には、小学校一、二年生の生活科では、子どもたちが身近な動物と触れ合う中で、成長の様子に関心を持ち、生命としての存在に気づきながら大切にすることができるような活動を行っております。また、理科では、身近な動物などを観察したり調べたりして、生物を愛護し、生物と環境を考える学習を行っております。また、学級においては、メダカや昆虫などの生き物を飼い、係や当番の児童が餌やりや水槽等の清掃を行って、実感を伴って動物の命の大切さを学んでおります。
動物アレルギーのある子どもの増加などにより、以前と比べて動物を飼育するのが難しくなっているという現状がございますが、教育委員会といたしましては、動物を飼育する場合の安全性や衛生面などに十分に留意しながら、動物と触れ合う機会を大切にし、動物を愛護する心情や態度を育成するよう取り組んでまいります。
続けて「Touch the World」についてでございます。
「Touch the World」は、グローバル化や小学校での英語の教科化などの流れを踏まえ、子どもたちが英語の楽しさを実感し、言語や文化の多様性を学べる場として昨年九月に開設したものであり、民間事業者に三年契約で運営を委託しております。一年間の委託経費は約二千二百万円でございます。
小学校四年生が移動教室として利用するほか、子どもたちを中心とした一般利用として、
外国人スタッフとの英会話や
グループディスカッション、世田谷区のジオラマを利用した
プロジェクションマッピング等を楽しむ
英語体験プログラムなどを開催しており、英語でのコミュニケーションを楽しみながら学び、英語への関心を高める場として活用していただいております。移動教室には、昨年度後半に小学校六十一校、延べ約六千二百人の児童が訪れ、一般利用には、昨年度後半の平日で延べ約千八百人、週末と祝日で延べ約三千人、合計約一万一千人に御利用いただき、利用人数は増加傾向にあるものと認識しております。
今後は、未就学児と保護者や中学生を対象とした新たなプログラムの導入や、ポスター等による周知、アンケートによる利用者の声の把握など継続的な工夫を行い、より魅力的な施設となるよう努めてまいります。
以上でございます。
◎皆川 生涯学習部長 私からは、中央図書館の機能拡充について御答弁いたします。
中央図書館の機能拡充につきましては、平成二十九年三月に取りまとめた
機能拡充基本構想報告書の中で二つのゾーニングイメージをお示ししておりまして、議員のお話にありましたように、二階全体を絵本や児童書などを中心とした子ども専用のフロアとする案とそれを一階に設置する案がございます。全体のゾーニングはそれぞれの機能が効果的にすみ分けられるよう検討してまいりますが、広く施設を活用していこうとする中で、各エリアはさまざまな方が御利用されることを念頭に置きながら、フロア移動への配慮も必要と考えております。
現在の中央図書館において、ベビーカーで小さいお子様を連れて来館される方の状況といたしましては、土日祝日の来館者数が多いときでもおおむね一、二台が館内に置かれている程度でございますが、乳幼児を対象とした読み聞かせを実施する際には十台程度になる場合もございます。
子どもエリアを二階とする案の検討に当たりましては、御高齢の方や障害のある方、子ども連れの方など、実際の利用状況などを考慮しながら、
ベビーカー置き場の工夫やエレベーター内ではベビーカーを折り畳んでいただくなどの運用での対応に加え、ハード面での対策も検討してまいります。
いずれにいたしましても、お示しした二つのイメージを踏まえ、利用者の安全や利便性にも配慮した効果的なゾーニングを検討してまいります。
以上でございます。
◆三十六番(ひえしま進 議員) 再質問いたします。
生体展示販売は、既に指摘しましたように、動物にとってはかなりのストレスであることは言うまでもありません。これは感染症の原因になるとも言われております。私個人としては、この販売方法が速やかに減少し、絶無となることを望んでおりますが、区としてはどのように認識しているでしょうか。答弁をお願いします。
◎辻
世田谷保健所長 再質問にお答えいたします。
国は、動物のストレスを軽減するため、
ペットショップでの
生体展示販売時間の制限や展示動物への配慮等を規定しており、これに反する
生体展示販売は改善されなければならないものと認識をしております。今後、保健所に
ペットショップ等動物取扱業に関する通報がありました場合には、東京都と連携して取り組んでまいります。
以上です。
◆三十六番(ひえしま進 議員) ぜひともこの
生体展示販売、本当に禁止の方向で区としてもこの機運を盛り上げていっていただきたいと思います。動物愛護につきましては、引き続き議会でも取り上げさせていただきたいと思っております。
以上で終わります。
○和田ひでとし 議長 以上でひえしま進議員の質問は終わりました。
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○和田ひでとし 議長 次に、二十八番
真鍋よしゆき議員。
〔二十八番
真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手)
◆二十八番(
真鍋よしゆき 議員) 私からも、特別区制度改革と
地域行政制度についてお尋ねしていきたいと思います。
世田谷区の人口は九十一万人を超えまして、行く行くは百万人になると言われておりますけれども、本来市町村税であります固定資産税、
市町村民税法人分、これを徴収することができずに、東京都が集め、四五%を東京都が使い、五五%を二十三区に
都区財政調整交付金として配っております。これからさまざまな住民ニーズがふえる中で百万人の人口となっていく世田谷区が今の体制のままでいいとは私は思いません。
一生懸命産業振興をやれば、
市町村民税法人分がふえていく、まちづくりを行っていけば固定資産税が上がっていく。さまざまな先進的な自治体がいろいろな取り組みを行って成果を上げている中で、やはりそれが直接的に反映されない。これは行政の意欲を大変そぐものだと思っています。また、権限についても、都市計画の用途地域の話もよく出ますけれども、本当のまちづくりができないと思います。
私は平成十一年から六年間、都議会に議席をいただいたことがありますけれども、その当時、この特別区制度改革のお話をしますと、もう東京都の職員の方々は、人の懐に手を突っ込むな、余計な話をするな、こんな雰囲気がありました。平成十二年、清掃事業がいよいよ移管をされる時期になりましても、それぞれの区に清掃事業を渡すならば、清掃工場をそれぞれの区につくりなさい、こんな無理難題もありました。その中で、二十三区の区長会、また、議長会や各区議会の皆さんが本当に英知を絞ってそれぞれの区が、清掃工場のあるところがないところをカバーする今の清掃一部事務組合につながっております。
また、火葬場がない、これも自立した自治体ではないということで、いろいろとこの議会でも議論がありまして、例えば砧公園の地下にできないかなんていう発言をした我が会派の議員もいまして、用賀、上用賀から大変な反対運動が起きたというのを覚えております。その中で、それならば広域連合として、大田区に今あります臨海斎場を大田区や世田谷区でつくろうじゃないかということでやってまいりました。こうやって、それぞれの区でできないことをお互いに協力し合う。一昨日の答弁でも一部事務組合や広域連合の話がありましたけれども、いろんな手法を組み合わせて、一つ一つ布石を打ってきたのがこの都区政度改革だと思っております。
また、このことを進めるに当たって、やはり民間出身の
石原東京都知事が当時知事をやっていたということも大きいことだったと思います。また、国で、地方にできることは地方にお任せし、民間でできることは民間にお任せする、小泉内閣の成立も大きかったと思います。今は残念ながら都区制度改革についての協議はとどまっておりますけれども、私がここで申し上げたいことは、これまでやはり議論を積み重ねてきて、いろんな意味で布石を打っております。
特に二十三区の区長会。例えば公営住宅をたくさん引き受けている区、その区にそのままで自分でやりなさいというのは酷であります。今までは東京都が垂直調整。東京都から二十三区に交付金を渡す、こういう垂直調整でありましたけれども、区間でやりとりをする水平調整、これも随分研究をされてきました。このことをもっともっとまず二十三区の区長会で議論をして、区長の合意を取りつける、大事なことだと思います。
そして、東京都知事の理解、これも大事であります。今、幸いにして民間出身の都知事でありますので、必ずや理解を得られるものだと思います。それから、時の政権の支持、これが大事であります。このようなことを組み合わせていきながら、都区制度改革を推し進め、そして市になり、今の世田谷の人口規模ならば政令指定都市に行き着くと私は考えておりますけれども、改めて区長の見解を求めます。
次に、この世田谷区内の地域行政制度についてであります。
地域行政制度についての条例化という話があります。かつての大場区政のときには、この本庁舎を総合調整に特化したシンプルな機構にする、そして五つの総合支所でほとんどのことを賄っていく、二十七の出張所をより充実する、こういう明確な草稿がありました。その後、熊本区政になりまして、平成十七年ですが、窓口業務を七つの出張所に絞り込んだ。その後、ほかの出張所はまちづくり出張所という名前になりましたけれども、いろいろな窓口のサービスを受けるために来られた区民の方々が、ここでは受けられませんよということでまたほかに行かされたりという、いろんな困難があったことを私は今でも覚えています。行政改革ということでやっていった施策だと思いますけれども、このことも十分に検証しなければならないと思います。
そこで、先般のいろんな答弁で、今行われている地域行政の制度をまずは検証する、それから改革に向かっていくと言われておりましたけれども、聖域やタブーを一切はじいて、除いて、これらの検証をしてもらいたいと思いますが、区長の見解を求めます。
次に、都市計画の課題についてお尋ねします。
京王線の連続立体交差事業につきましては昭和四十年代に都市計画決定をされ、高架複々線でありましたけれども、今、高架二線、地下二線になりました。そして、四十数年たって、今いよいよ事業が始まっておりますけれども、この連続事業に伴いまして駅周辺まちづくり、これも行われようとしております。
昭和四十年代に都市計画決定をされた地域でありますと、地下はつくっちゃだめですよ、原則二階までですよ、堅牢な建物はだめですよという規制を受けてきましたので、これがいよいよ事業認可されたら、心の準備といいますか、ある意味覚悟がありましたけれども、例えば千歳烏山駅前の交通広場になりますと新たに都市計画の網がかけられたわけでありますので、都市計画が決定したので立ち退いてくださいと言われても、代替地が決まらなければ、はい、そうですかとは言えない、こういう現状があります。ましてや、今、都市計画の網がかかっていない地域も巻き込んでの地区計画や、また、再整備等を図っていくに際しては、それぞれの覚悟、また、対応が違うわけであります。この千歳烏山駅前の広場につきましては私はかねてから大変心配をしておりますけれども、区当局としてはどのような覚悟を持って臨むのか、改めてお尋ねしたいと思います。
続きまして、都立祖師谷公園のことについてお尋ねします。
この公園は昭和十八年、防空緑地に指定され、昭和三十二年に都市計画決定され、事業認可を受けておりますけれども、六十年以上たっても、まだ二割も開設整備されていません。ですから、この地域に住む方々は、公園はあっても、どうやってそこに逃げるのかというまちづくりがされておりませんので、大変心配をしております。
先般、保坂区長には、小池東京都知事の前でこの都立祖師谷公園の計画地図を示して、そして問題点を指摘していただきました。そのことにつきましては地元の方々は大変喜んでおります。これ以上この公園の計画、進んでいない状況でありますけれども、今のペースでいきますと三百年以上かかると言われております。東京都とぜひとも協議をしていただいて、実現可能な計画にしてもらい、一部見直しも検討してもらいたいと思います。区の見解を求めます。
最後に、介護人材の確保についてお尋ねをいたします。
介護福祉士の資格をお持ちの方々で、今、介護の仕事についていない方が四割を超えているというデータをいただきました。私もこの間、これまで介護の仕事についていた方で、今は現役を離れているという方のお話を聞いてまいりました。あのときの厳しい状況を考えると、もう一度戻ることは到底考えられない。しかしながら、短時間であったり、もう少し工夫をしてもらえれば現場復帰もあり得るという話もいただきました。このことについては全力で臨むべきだと思います。働き方改革が今テーマになっていますが、この短時間勤務で資格を持った方々に現場に復帰してもらう。このことを世田谷区から発信し、人材の確保につなげてもらいたいと思います。世田谷区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 真鍋議員にお答えをいたします。
特別区制度改革と地域行政制度改革についてでございます。
まず、政令指定都市を目指すということは、かつて大場区長が世田谷独立といったポスターまでつくって掲げた旗であり、私もその問題意識を重ねて持つ者であり、これまで議場でも政令指定都市を念頭に何度か申し上げてきたところでございます。世田谷区は人口九十一万人を超え、やがては百万都市となることも見据えた大規模都市でありながら、いわば例外的な特別区であることで、固定資産税や法人住民税等の課税自主権や、議員もお話しになりました用途地域さえ決めることができない、都市計画決定権限も例外的に剥奪されているなど、この規模の都市運営を必要以上に制約している状態に置かれております。
基礎自治体としての区が区民生活をしっかり捉えて、多様化する行政需要にきめ細かく応えていくためには、権限の拡充や自主財源の確保、そして、自治体としての自立性、独立性を高めていく必要がございます。区民を主体とした参加と協働の地域社会をより強固なものにしていくためにも、まずは権限が剥奪されている現状や課題を目に見えるものとし、区民の方々も必ずしも御存じじゃない方も多いわけでございますので、そして、目指すべき自治体の形を検討し、提示していきたいと思います。これはより議会の皆さんともしっかり議論を重ねて組み合わせていくということで、世田谷区の総意というところまで持っていき、実現を図る非常に大きな課題であると思いますし、全力を上げたいというふうに考えています。
同時に、地域内分権の課題意識を持って、かつてつくられた地域行政制度、政令市をイメージしながら、政令市の行政区を超えていくんだ、こういった問題意識のもとに制度設計したと文書にはございます。平成三年に五つの総合支所でスタートした現在の
地域行政制度は、総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりをやるんだということでスタートしました。その後、今、議員お話しになったような出張所から出張所・まちづくりセンター、あるいはまた、まちづくりセンターへの転換、そして、私の代になってから地域防災力の強化や福祉の相談窓口の開設など、さまざま役割を変えながら地域・まちづくりに取り組んできたものと思います。
そのような意味では、
地域行政制度は、時代の荒波にさらされながらも区民に定着してきたと思いますし、先ほど触れた防災塾や福祉の相談窓口などについては、地区で生活する住民の皆さんから非常に身近な評価を高くいただいているものと思います。
ただ、一方、その発案から既に四十年。検討期間が十二年で、実施期間が二十八年ですから、この時代、四十年前、二十八年前とも大分大きく変わってきているわけです。そういう意味では、平成から令和にかわったこの時代における住民自治や地域内分権のあり方について区民と議論する機会を設け、区議会でもしっかり議論いただきながら、まずはどんな歴史があったのか、どのような組み立てで現在に至っているのか。それをわかりやすく、客観的なファクトとして提出できるものをなるべく早い時期につくり、そこから議論を始めていきたいと思います。その上で、この百万都市を経営していく上での新しい世田谷区の内部の形ですね。このビジョンをしっかり磨き、このビジョンを打ち込んだ条例化ということを皆様と議論しながらつくってまいりたいと思います。
◎西澤
烏山総合支所長 私からは、都市計画の課題について、千歳烏山駅の駅前交通広場を初めとした駅周辺まちづくりについて御答弁させていただきます。
主要な地域生活拠点であります千歳烏山駅周辺地区におきましては、連続立体交差事業を契機としまして駅前交通広場などの都市計画事業を進めるとともに、駅周辺地区の特性を踏まえ、さらなる魅力ある、にぎわいの拠点形成を図るため、平成三十年二月に地区計画たたき台の意見交換会等を行う等、駅周辺まちづくりに取り組んでおります。
連続立体交差事業につきましては、昨年十月に鉄道工事が着工されておりまして、開かずの踏切の早期解消が期待されるところです。また、駅周辺まちづくりにつきましては、このまちづくりを一層推進させるために、この間の取り組みを踏まえまして、本年度より烏山総合支所におきまして、道路・交通政策部、都市整備政策部、土木部も含めました関係各課によるプロジェクトチームを新たに設置し、まちづくりの執行体制を強化したところでございます。現在、横断的な連携による取り組み体制のもと、駅前交通広場整備事業にかかわる商業地の生活再建など、ふくそうするさまざまな課題を改めて整理し、代替地の確保とあわせまして、重層的な観点から具体的な解決策の検討を進めているところでございます。
区としましては、まちづくりの契機をしっかり捉えまして、まちづくり情報や町の将来像を積極的に地域へ発信するとともに、地域の皆様との意見交換等によりまして御理解をいただきながら、早期の地区計画策定を目指すとともに、駅前交通広場などの整備促進に努め、主要な地域生活拠点としての駅周辺まちづくりの実現に全力で取り組んでまいります。
以上です。
◎笠原 みどり33
推進担当部長 私からは、祖師谷公園の早期整備につきまして御答弁申し上げます。
祖師谷公園は区の北西部に位置する約五十三ヘクタールの都市計画公園で、平成三十一年四月現在の開園面積が約十ヘクタールと、議員お話しのとおり、昭和十八年の当初都市計画決定から長期にわたり整備が進まないことが課題となっております。区域内にお住まいの皆様には、長い年月、制約がかかり、見通しも明らかになっていない現状であることから、この一月に開催されました都知事と特別区長との意見交換の場において、区長から祖師谷公園の早期実現について都知事に直接要望を伝えたところでございます。都知事からは、都市計画公園・緑地の整備方針の改定に着手しており、今後も事業促進に向けて検討を進めていくとの回答をいただきました。都市計画公園・緑地の整備方針は平成二十三年十二月に改定したものでございますが、公園・緑地の計画的、効率的な整備推進に向けて、事業化計画の更新等整備方針の改定を行うために、都と区市町合同の検討組織を設置し、今年度末に改定する予定で作業を進めているところでございます。
区といたしましては、区域内の区民の不安を少しでも解消するよう、東京都に対し現実的なスケジュールや進め方、整備の考え方を示しながら早期に整備促進を図るよう、区もともに行うこの改定作業の中で改めて強く要望してまいります。
以上です。
◎長岡
高齢福祉部長 私からは、介護人材の確保について、介護福祉士の資格を持つ人の現場復帰について御答弁いたします。
介護福祉士の登録者のうち介護の仕事についていない方は、御指摘のとおり約四割と言われており、そうした方々は介護職としての知識と経験を有する即戦力として貴重な存在であると認識しております。国は、離職した介護人材の呼び戻し対策として、介護福祉士の資格保有者が離職した際の届け出制度を開始し、介護の仕事に関する情報提供や研修案内、職業紹介などを行っております。また、都では、離職した介護職員に対する再就職準備金の貸し付けや就職支援セミナーを開催しております。区におきましても介護の知識や技術の再確認を目的とした研修を行っているほか、福祉の仕事の就職相談・面接会では、例えば一日二時間程度の勤務など多様な働き方が可能な求人もございます。また、区内介護施設のバス見学会におきましては、施設内の職員や入所者の様子のほか、介護職員の負担を軽減する介護ロボット等の活用状況をごらんいただくなど、働きやすい職場環境への取り組みをPRする目的もございます。
介護事業所では、処遇改善も含め、介護職員が長く働くことのできる職場づくりが進んでいますので、区といたしましても、介護の仕事に対するネガティブなイメージを払拭し、一人でも多くの方に現場復帰していただきますよう、事業者とも連携してPRの方法などを研究してまいります。
以上です。
◆二十八番(
真鍋よしゆき 議員) 特別区制度改革につきまして、内なる理論武装も大事だと思いますけれども、何よりも二十三区の区長会で胸襟を開いて議論することが重要だと思います。それぞれにいろんな課題を背負っていますけれども、自立した自治体を目指すというような方向性は私はとれると思いますので、区長に再度奮起してもらうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で
真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。
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○和田ひでとし 議長 次に、十六番河野俊弘議員。
〔十六番河野俊弘議員登壇〕(拍手)
◆十六番(河野俊弘 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
初めに、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて伺います。
前期から引き続き訴えている三軒茶屋駅周辺のまちづくりは、世田谷東の玄関口として将来の世田谷をさらに発展させていく大きなチャンスであり、近接の渋谷再開発の機運なども考えれば、百万人都市を見据えた世田谷において、区民一人一人にとって住みよいまちづくり、大都市として本来あるべき機能、大型集会施設機能などを補完し進めることができる最後のチャンスであると強く思っています。このチャンスを生かせずして、都市間競争を勝ち残っていくことはできません。
しかしながら、キャロットタワーが建って以降、町の機能はほとんど更新されておらず、次世代に引き継ぐ町としてまだまだ多くの課題が残されています。課題を克服するために三軒茶屋の広域生活・文化拠点としてのあり方を都市経営の視点を踏まえて検討し、それを実現する。そのためには、第一に、日本の高度成長を支える大動脈の整備により、分断された町の再生としての南北のかけ橋、第二に、三軒茶屋を支える区民の世代間交流を支えるかけ橋、そして第三に、古きよき世田谷と未来の世田谷をつなぐかけ橋です。この三軒茶屋の三つのかけ橋づくりこそが必要であります。
この三つのかけ橋をどのようにして築き上げていくのか。区長は我が会派の代表質問の冒頭で伺った、十年、二十年先の世田谷のあるべき姿についてこのように述べられていました。地域行政、児童相談所、東京二〇二〇大会を契機とした共生社会、これらの三つの改革に加えて、魅力ある世田谷を維持するためには、町の魅力を総合的に高めることが欠かせない。三軒茶屋初めとした広域生活・文化拠点がポジティブな情報発信の核として文化、情報、ビジネス、商業、多様な価値を発信し、世界に開かれたまちづくりを進め、強いリーダーシップを持って改革を進めていくと言われておりました。百万人都市を見据えた大都市世田谷において今回の再開発を逃すことのできない最後のチャンスと捉え、区長からも積極的な姿勢を示していただき、進めるべきと考えます。区民がなれ親しみ、ずっと身近な町を未来に向けて世界に誇れる町にすべく、この再開発をとめることなく、早急に進めるべきであると改めて申し上げておきます
そこで、二点伺います。三軒茶屋二丁目地区再開発に向けての合意率は、土地所有者が約四〇%、権利者全体では七〇%強とまだまだ合意形成が進んでいません。合意率を上げていくために区の積極的な支援が必要と考えますが、区の見解を伺います。
二点目として、三軒茶屋駅周辺のまちづくりは再開発を検討している二丁目地区だけでなく、三軒茶屋の町全体での取り組みを進めていくことが欠かせないことだと言えます。町全体の取り組みを示していくことが合意形成の発展にも寄与し、二丁目地区のまちづくりの機運を高めることができると考えます。三月には三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を策定したところですが、今後の具体のまちづくりについての取り組みを伺います。
次に、SDGs教育の推進について伺います。
昨年十月に実施されました平成三十年度世田谷教育推進会議及び第二回世田谷区総合教育会議のテーマはSDGs、持続可能な開発目標であります。SDGsとは、二〇一五年に百九十三の国連加盟国により採択された国際目標であります。持続可能な世界を実現するための十七のゴール、百六十九のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓うものであり、現在各国の政府や企業、団体がそれぞれの分野で積極的に取り組みを進めています。東京都においても、日本経済新聞社産業地域研究所が全国八百十五市区を対象にしたSDGs先進度調査において板橋区が全国総合八位にランクインし、また、二〇一七年十二月に開催された第一回ジャパンSDGsアワード表彰式では、江東区の公立小学校が地元自治体や大学、大手企業、ボランティアの団体などとともにSDGsパートナーシップ賞を受賞しています。
世田谷区におきましても、さきの総合教育会議において、来年度、学校の中でSDGsをどう生かしていくのか、現場の先生方と一緒に考えていきたい。きょうの取り組みをきょうで終わらせることないようにしたいと前堀教育長が御発言されています。学校現場において具体的な取り組みが始まることで、区内のSDGsへの取り組みがボトムアップされることを期待しますし、そのためにもまず、児童生徒のSDGsに関する理解浸透を図ることが必要と考えます。
そこで、今後の学校現場におけるSDGs教育のビジョンと具体的な取り組みについて教育長の見解をお聞かせください。
次に、教育のデジタル化への対応について伺います。
学校教育法の一部改正により、紙の教科書に加えて、児童生徒用のデジタル教科書を本年度から使用できるようになりました。また、来年度用の小学校教科書にはQRコード等が多数掲載され、動画やシミュレーションなどのデジタルコンテンツを児童が利用できるとの各種報道もありました。区内では既に児童生徒用のタブレットPCが一定数配備されておりますので、今後、英語の音声データや理科の動画データ、算数のシミュレーション等を授業で活用することができれば、児童生徒の興味関心を広げ、理解を一層深めることができるものと期待します。
そこで、今後の教科書採択に当たって、教科書本体の内容と教科書上のQRコード等にひもづくデジタルコンテンツをあわせて検討することが望ましいと考えますが、見解をお聞かせください。
最後に、テクノロジーを活用したスポーツの魅力向上について伺います。
ことしの第一回定例会における予算特別委員会で、若者の区政参加、参画の観点からeスポーツの提案をいたしました。eスポーツとはエレクトロニックスポーツの略で、PCやスマートフォンなど電子機器を使って行うゲーム全般、競技的な対戦型のゲームを指します。海外では既に規模の大きな大会が数多く開催され、競技として定着しています。国内においても行政主催のスポーツ大会として最大のものであります国体こと国民体育大会。二〇一七年の愛媛国体以降、文化プログラム競技としてeスポーツの大会が開催されています。愛媛国体では愛媛県内の十六チームが参加、翌二〇一八年の福井国体でも福井県内の十四チームが参加しました。
そこで、予算特別委員会でも御紹介した本年九月第七十四回茨城国体で行われるeスポーツ大会は、茨城県内にとどまらず、都道府県対抗戦として、ことしの四月から八月にかけて都道府県の代表決定戦が行われ、本戦に進み、九月の国体開会期間中に決勝戦が行われます。種目は、サッカー、レース、パズルと三種目用意され、ゲームタイトルの販売元の協力のほか、日本eスポーツ連合――JeSU――、日本サッカー協会なども主催者として名を連ねており、自治体、ゲーム・eスポーツ業界と既存のスポーツ業界がそろって取り組む大会となり、今現在大きな盛り上がりを見せています。
さらに、eスポーツは、バーチャルの世界だけではなく、実際のスポーツを可視化し、今まで肉眼で見るだけでは感じることができなかった競技の魅力を引き出すこともeスポーツの新しい形として大きな話題となっています。フェンシングのメダリストで、日本フェンシング協会会長の太田雄貴さんが全日本選手権を、ふだんは演劇などが行われる東京グローブ座で開催し、選手の心拍数を示す観客用モニターを設置、緊張のぐあいなどをデータでイメージしやすい仕組みをつくり、カラフルなLEDを用いて会場全体を照らしたり、どちらにポイントが入ったかをわかりやすく表示、さらには、試合前のエキストラによるフェンシングのショーを行うなど、スポーツの枠を超えたエンターテインメント性に富んだ大会としています。
フェンシングのみならず、こうしたテクノロジーを駆使した競技の新たな魅力の発信について、今はボッチャを可視化したサイバーボッチャと言われるものやVR技術を使った二年前イベントで行いました馬術の体験など、さまざまなものが既に開発され、好評となっています。やり方はさまざまありますが、既存の競技にテクノロジーを加えることで、今までにない魅力とともに、観客を呼ぶことや実際にスポーツをやってみようという区民に対して非常に効果的な魅力の伝え方になるのではないかと考えます。
ここで、二点伺います。eスポーツなどのデジタルテクノロジーをさまざまな区のスポーツイベント等で活用、融合することで、全世代、障害の有無を問わず、全ての方に対して魅力を伝えることができます。新たなスポーツの魅力を伝えるべく、eスポーツの推進を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。
二点目は、区がeスポーツを推進することによって、子ども・若者世代が特に興味を持ち、ひいては地域社会への参加、参画の意識を醸成することにつなげることができると考えます。区の見解を伺いまして、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 私からは、SDGsの教育の推進について御答弁申し上げます。
環境や貧困、人権、平和等のさまざまな地球規模の課題に対する行動指針であるSDGsの全ての目標は教育に期待しているとも言われていることから、子どもたちがSDGsについて学び、考え、行動する意欲や能力を身につけることの重要性を強く認識しております。
教育委員会といたしましては、本年度より全ての区立小中学校で教育課程に位置づけて、SDGsの学習を進めるよう指導するとともに、学習、啓発のための資料を各校に配付したところでございます。また、本年度、子どもたちが取り組みやすい環境教育に焦点を当てたSDGs自然体験学習推進校を六校指定し、SDGs全体及び自然環境の課題について事前学習をした上で、植林や間伐、貯水ダム等の体験学習を秩父市で実施するとともに、既存の移動教室等での学習内容と関連づけながら取り組んでまいります。
今後、生徒会サミットでSDGsをテーマとするなどSDGsの理解と啓発を進めるとともに、地域での活動や社会体験学習にも範囲を広げながら、人権教育や国際理解教育、キャリア教育、防災教育といったさまざまな教育活動をSDGsの視点で整理し、体系化し、研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎畝目
都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくりについて、二点御答弁申し上げます。
初めに、二丁目地区の再開発に向けた区の支援についてです。
三軒茶屋二丁目地区は、地元地権者等で構成する市街地再開発準備組合が広域生活・文化拠点にふさわしい町の将来の発展を目指し、建物用途や広場の配置など再開発計画案の検討や地権者等の合意形成に取り組んでいるところでございますが、さらなる合意の形成に努める必要がある状況でございます。こうした状況を踏まえまして、区では準備組合に対して、組合に参加していない方へのきめ細かい情報提供や面談の実施、さらに、地権者等が自由に参加し、意見交換し合える勉強会の開催など丁寧な対応、取り組みが大切であると考えており、こうした場の設置を準備組合事務局に助言し開催を促すなど、引き続き、合意形成に向けた取り組みを支援してまいります。また、本年三月に策定した三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針をもとに地権者の方々とも意見交換を行ってございまして、今後も継続して対話を重ねてまいりたいと考えてございます。
区といたしましては、引き続き、準備組合が進める合意形成の状況を見守りながら取り組みを支援するとともに、状況に応じて東京都など関係機関との調整に努めてまいります。
次に、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を実効性のあるまちづくりにつなげることについてです。
区は、三軒茶屋駅周辺においてこれまで培ってきた魅力を継承しながら、交通の利便性を生かし、拠点にふさわしい新たな魅力を高め、持続可能なまちづくりを進めていくために三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針を策定いたしました。今後は、この方針で示した将来像の実現に向け、区民や学識経験者、鉄道事業者などを初めとした民間事業者、さらに、三軒茶屋にかかわる幅広い方々と議論を重ねながら、まちづくりの具体化を図っていかなければならないと考えてございます。また、こうした三軒茶屋駅周辺全体のまちづくりの取り組みは、議員お話しにありましたように三軒茶屋二丁目地区のまちづくりの機運を高めることにもつながっていくものと考えます。
区といたしましては、こうした幅広い議論やさまざまな主体が参加するための方策、体制を整備し、世田谷をリードする広域生活・文化拠点の実現に向けた積極的な取り組みに取り組んでまいります。
以上でございます。
◎池田
教育政策部長 私からは、教科書におけるデジタルコンテンツへの対応について御答弁させていただきます。
教科書採択は、四年に一度、各自治体が設置する小中学校において使用する教科書を選ぶものであり、本年度は来年度から使用する小学校の教科書の採択を予定しております。各教科の目標や内容に照らして、世田谷の教育にふさわしい教科書を採択するために、各教科書の内容を調査研究してまいりますが、その際には、デジタル教材やQRコードの取り扱いについても各教科書の内容を精査することとしております。デジタルコンテンツの中には、例えば子どもがタブレット型パソコンを操作しながら作図をするページや筆の使い方を例示する実技の動画、統計資料の追加データ等があり、教科書ごとの工夫や特徴が見られます。
教育委員会といたしましては、世田谷区の子どもたちにふさわしい教科書を採択するとともに、デジタルコンテンツを十分に活用できるよう、特別教室を含め学校のICT環境整備についても進めてまいります。
以上でございます。
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、eスポーツなどデジタルテクノロジーを区のスポーツイベントで活用、融合し、スポーツの推進を図るべきとの質問に御答弁いたします。
区はこれまで、区民が身近な地域で気軽にスポーツ・レクリエーションに親しみ、楽しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指し、さまざまなスポーツ振興策を実施してまいりました。昨年度、新たな取り組みとして東京二〇二〇大会六百日前イベントでは、競技体験が難しい馬術をデジタルテクノロジーを使って仮想体験できるコーナーを設けたところ、好評でありまして、ことし七月開催の一年前イベントでも実施を予定しております。また、事業者よりデジタルテクノロジーを活用した車椅子ロードレースのスピード体験ができる機器の提案を受けました。スポーツに最新の技術を活用、融合することにより、スポーツの楽しさ、魅力、わかりやすさ、エンターテインメント性などを多くの方に伝えることができると考えております。
区といたしましては、機器の規模や設備、コスト面に課題がありますが、区民がスポーツ・レクリエーションを始めるきっかけづくりとしても、デジタルテクノロジーの効果や視覚的に競技を見やすくする等の魅力向上につきまして検討してまいります。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、eスポーツの推進による子ども・若者世代の参加、参画の意識醸成についてお答えいたします。
子ども・若者世代が地域活動を通して夢や目標を持ち、主体性を育むことは大変重要であると認識しております。また、お話にございました子ども・若者世代を中心として話題となっておりますeスポーツは、参加、参画のツールの一つになると考えられます。区では平成三十一年二月二日に希望丘複合施設のオープニングイベントとして、希望丘青少年交流センターアップスの多目的ホールの巨大スクリーン等を使用しましてeスポーツ交流大会を実施し、五十三名の若者が参加して、中高生たちが小学生に教えるなど若者同士の交流を図りました。今回のアップスにおける若者の参加実績を踏まえ、ひきこもりや不登校の若者の外出機会の可能性としても検討をしてまいります。
今後もeスポーツを一つのきっかけに交流を図り、多くの子ども・若者たちが地域社会に参加、参画できるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◆十六番(河野俊弘 議員) 御答弁ありがとうございました。
今回eスポーツのことを提案させていただきましたが、若者支援という視点で考えると、今、世田谷区、区長が進めている若者支援は、代表質問の際にも訴えましたけれども、やはりセーフティーネットに力を置き過ぎている。ひきこもりだったりとか、ニートだったりとか、そういった方々が発生する前に、そういう方々になってしまう前に予防という形でこういった魅力ある区の施策を若者たちにもぜひ発信していただきたいということをお伝えし、質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。
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○和田ひでとし 議長 次に、三十五番桃野芳文議員。
〔三十五番桃野芳文議員登壇〕(拍手)
◆三十五番(桃野芳文 議員) 通告に従い質問します。
初めに、平成二十八年三月二十三日付、砧清掃事務所主事職員への懲戒免職処分についてです。
この職員をA職員とします。A職員は平成二十七年九月、人事庶務システムを操作して、清掃事務所職員三十一名分の休日給や超過勤務手当に係るデータの改ざん、消去を行い、平成二十八年二月、世田谷警察署に逮捕されました。平成二十八年三月十六日、A職員は電子計算機損壊等業務妨害罪で罰金三十万円の略式命令を受け、同二十三日、区長はA職員を懲戒免職とし、実名で処分を公表しています。
ところが、A職員は実は懲戒免職になっていませんでした。A職員は特別区人事委員会に審査請求をし、結果、処分は停職六カ月に修正されていたのです。そして区長は、一旦免職処分としてから人事委員会の裁決が出るまでの二年七カ月間のうち、停職期間六カ月を除く二年一カ月分の給与をA職員に支払っています。もちろんA職員は、この間、勤務をしていませんが、幾ら給与を支払ったのでしょうか。一般事務職五十代係長級を除く主事の平均年収で例示すると幾らになるのか、お答えください。
区長は、なぜ処分の修正を公表しないのでしょう。議会への報告もありません。区民もA職員は懲戒免職だと認識したままです。A職員にとっても、みずからの主張が認められ、処分が修正されたのですから、これを区が公表しないのは心外ではないでしょうか。事前に人事課長に尋ねたところ、昭和五十三年に特別区人事委員会が発足して以降、各区が行った処分が修正もしくは取り消された事例は、本件を含めてたった三件だそうです。区長は判断を誤り、裁量権を超えた処分を行ったことで、A職員の二年以上にわたる働いていない期間の給与支払いという結果も招きました。区長は反省し、処分の修正を公表すべきです。見解を伺います。
人事委員会の裁決書によると、A職員は、さかのぼること平成十七年、インターネット上の掲示板に知人女性を中傷する書き込みをして、この女性の名誉を毀損し逮捕され、停職二カ月の懲戒処分を受けています。区長はこの過去の懲戒処分を加重要素として、本件非違行為に対し免職という重い処分を科しました。区の懲戒処分の指針に「過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び同様の非違行為を行った場合は、量定を加重する」とあることからです。ところが、人事委員会は、A職員による平成十七年の非違行為と本件非違行為を同様の非違行為とするには無理があると判断しました。人事委員会は、本件非違行為は社会的に極めて重大であり、区の行政及び職員に対する信用失墜の度合いは大きい。また、A職員の動機や非違行為後の対応に酌量すべき事情は存在しないとする一方で、区長の行った処分は懲戒処分の指針には沿っていないとしたのです。指針を定めたのは世田谷区で、それに基づき処分を行ったのは世田谷区長であるにもかかわらずです。懲戒処分の指針は加重要素を含め、区民感情などとのバランスもとりながら、極力曖昧に解釈できる余地を排したものに改めるべきだと考えます。見解を伺います。
区は人事委員会に対し、A職員がデータの改ざん等を行った動機を以下のように説明しています。事務担当の女性職員からA職員の無断遅参を裏づける話があったので、女性職員の話を告げた上でA職員から聞き取り調査をした。データ改ざん等はこの女性職員への報復目的であった。つまりA職員に対して、誰が情報源なのかを明らかにしながら無断遅参をとがめたということなのでしょう。しかし、果たして情報源を明かす必要などあったのでしょうか。そうせずとも無断遅参をとがめることはできたはずです。A職員の上司は、A職員が過去起こした事件も考慮し、女性職員への逆恨みの可能性も考えて慎重に対応すべきだったのではないでしょうか。結果、報復目的による事件が起き、事務の停滞による大きな損害や区民の信頼失墜という重大な結果を招いてしまいました。区はこの点を反省し、今後の教訓とすべきだと考えます。見解を伺います。
次に、DVと児童虐待について質問します。
来年四月の世田谷区児童相談所開設に向け準備が進められています。ことし三月の児童相談所開設に向けた計画書案には、来年度以降、児童相談所が虐待対応等、児童相談行政の中核を担いつつ、子ども家庭支援センター、学校、児童館、保健所など他の所管とも連携を進めていく旨の記載があります。一方で、人権・男女共同参画課や昨年度機能整備された配偶者暴力相談支援センター、DV等支援措置の実務の窓口になる出張所などとの連携については一切記載がありません。
DVと児童虐待は一体で取り組まれるべき問題です。ことし一月に野田市で起きた小学四年生女児の虐待死事件では、女児の母親も夫から暴力的に支配された状況下で虐待に加わっていたと報道されています。一方で、DV被害者が自身で児童虐待の相談窓口を探し、相談するとは限りません。一人で逃げ出すことが精いっぱいだったり、自身も虐待の加害者とされることを恐れたりという例もあるでしょう。DVにかかわるあらゆる相談窓口では、児童虐待を予見し、適切に子ども家庭支援センターや児童相談所による相談支援につなげていかなければなりません。その機会を逃すことは、子どもを生命の危機から救うチャンスを逃すことです。最初に相談の糸口をつかんだ窓口がワンストップで適切な相談支援につなげていくことができる体制の整備、そして、そこにかかわる職員が必要なスキルを身につけられる仕組みが必要だと考えます。見解を伺います。
現在会期中の国会で成立見込みの児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案においても、地方公共団体は、児童相談所と配偶者暴力相談支援センター間の「連携強化のための体制の整備に努めなければならない」「配偶者暴力相談支援センターの職員については、児童虐待の早期発見に努めることとし、児童相談所はDV被害者の保護のために、配偶者暴力相談支援センターと連携協力するよう努めるものとする」と示されていることも申し述べておきます。
来年度以降は、児童相談所の専門性を生かし、児童虐待の加害者側へ心理治療指導などを行っていくことは可能と考えます。加害者への働きかけによって被害者の安全性の確保、問題を解決した上での家族再統合といった事例をつくることができれば、それはDV問題への活用も含め、意義は大きいと考えます。見解を伺います。
次に、区民農園についてです。
都市農地貸借法が制定され、昨年九月より、生産緑地の貸借を促進する新たな仕組みがスタートしました。区はこうした仕組みも活用し、区民農園をふやすよう取り組むべきだと考えます。見解を伺います。
あわせて、農園の質についてです。せっかく抽せんで選ばれ、野菜づくりを始めたが、土からコンクリート片や大きな石などが次々と出てきて、うまく作物を育てることができないという声を聞きます。私が見て回ったところ、ある農園では地表面に大きな石が目立ち、利用者が農作業中に除去したものであろうコンクリートガラ等が敷地内にまとめて置いてありました。区はこうした農園に改善の手を打つべきだと考えます。見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、区職員の懲戒免職処分について、四点御答弁申し上げます。
まず最初に、給与の関係でございます。
区では、職員の超過勤務等の電子データを改ざん、消去し、電子計算機損壊等業務妨害の罪により罰金三十万円の命令を受けた職員に対しまして、平成二十八年三月二十三日付で懲戒免職処分を行いました。その後、懲戒免職処分を不服とした職員から、特別区人事委員会に対しまして審査請求が提起され、区といたしましては処分に至る経緯や処分の妥当性について主張してまいりましたが、平成三十年十月二十三日、人事委員会において、懲戒免職処分を停職六月の処分に修正する裁決がございました。この採決によりまして、区が行った懲戒免職処分は処分日にさかのぼって停職六月の処分とされ、免職処分を受けた職員は身分が回復するとともに、処分日から六月経過後は出勤があったものとして給与をさかのぼって支給したところでございます。御質問の五十代の職員の平均年収で換算した場合でございますが、社会保険料や所得税等を含めまして二年一月分で約千六百万円となります。
続きまして、処分の修正は公にすべきではないかということでございます。
区では、懲戒処分の公表について基準を定めておりまして、一定の範囲の懲戒処分につきましては、事故概要や職員の所属、年齢、性別等を公表することとしております。懲戒処分の公表は公務に対する信頼回復や事故の再発防止につながることなどを目的としており、本件の懲戒免職処分につきましても基準に基づき、職員の氏名を含めて公表したところでございます。
一方、このたびの処分の修正につきましては、公表基準は処分内容に修正があった場合まで想定していなかったことや再び公表することによる本人への影響等を考慮いたしまして、公表は差し控えたところでございます。今後、同様の事例が生じた場合は、処分の公表の趣旨を踏まえつつ、個々の状況も考慮しながら公表について検討してまいります。
三点目でございます。懲戒処分の指針は曖昧に解釈できる余地を排したものに改めるべきではないかとの御提案です。
御指摘のとおり、懲戒処分の指針では、その第一に基本事項を定めており、その中で「過去に懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び同様の非違行為を行った場合は、量定を加重する」こととしております。このため、本件の懲戒処分につきましては非違行為による被害の大きさや信用失墜の大きさなどに加え、過去の処分歴を考慮し、総合的に判断した結果、免職としたものでございます。
しかしながら、審査請求の裁決理由では、この処分量定の加重要素として唯一過去の処分歴を考慮したことが認められず、免職の次に重い停職六月の懲戒処分が相当と判断されたものでございます。区の主張が認められず、大変遺憾ではございますが、今後、処分量定を加重する場合は今回の採決を十分踏まえて判断するとともに、懲戒処分の指針につきましては、非違行為を行った職員に対し、区民の信頼に応える厳正な処分を行う観点から、必要に応じて見直してまいります。
四点目でございます。今回のこの上司に報告した別の職員への報復目的で起きたということから、区が非違行為の情報源が誰であるかをこの職員に漏らしたことが重大な結果を招いたものであり、この点を反省し、今後の教訓とすべきについてお答え申し上げます。
懲戒処分を受けた職員の出勤状況につきましては、他の職員の報告をもとに上司が事実確認を行い、指導した経緯があると聞いております。事実確認におきまして、職員には他の職員から報告を受けていることを伝えておりますが、報告者本人の了承を得た上で行ったものであり、また、当日は係の出勤者が当該職員と他の職員の二人だけであったことから、その職員からの報告であることは容易に想定できる状況であったと把握しております。
こうした経緯から、職場における職員指導に当たりましては不適切とは言えないと思っておりますけれども、今後、職場を運営していく上での通報者を守る義務、組織上もこれは必要なことですので、守る義務があるということは当然のことでございますので、通報者保護の観点に基づきまして徹底してまいります。
以上でございます。
◎澁田
児童相談所開設準備担当部長 私からは、二点についてお答えいたします。
まず、一点目でございます。DVに係る相談窓口がワンストップで適切な相談支援につなげることについてでございます。
子どものいる家庭における夫婦間DV問題は、暴力の直接の被害者のみならず、子どもや周囲への心理的な虐待であり、児童相談所や子ども家庭支援センターは、児童虐待事案として、子どもを守るための援助等にかかわることとなります。しかしながら、相談者が子ども家庭支援センターや児童相談所に直接相談に来るとは限らないことから、お話にありましたとおり、DV問題をキャッチした窓口が適切に相談支援につなげられるよう、その役割は非常に重要でございます。
相談者本人に対し、児童虐待相談として児童相談所への相談を勧めるほか、庁内の関係所管と状況に応じた情報の共有を図るとともに、児童相談所への児童虐待通告を行うなどの対応の徹底が必要であると考えております。児童虐待事案の早期発見、早期対応のための重要な取り組みといたしまして、職員の理解と適切な対応の徹底に向け、人権・男女共同参画課などの関係所管と協力しながら、区の窓口を担う職員研修などに取り組んでまいります。
二点目でございます。DV加害者側への心理治療指導などの実施についてお答えいたします。
児童相談所は、子どもの生命と安全を最優先といたしまして、子どもの一時保護や里親、施設への入所措置などの、いわゆる親子分離の措置を適切に行う必要がございます。しかし、その一方では、子どもの権利条約や平成二十八年の改正児童福祉法の理念にうたわれているとおり、子どもは家庭の中で愛されて健やかに成長する権利を持っており、親子分離にとどまらず、子どもの意見を尊重し、家庭復帰を希望する場合は、その方策を追求することが子どもの最善の利益にかなうものであると考えております。
こうした視点に立ち、児童虐待問題の根本の解決のためには、加害者側の抱える問題にもアプローチする必要がございますが、DV加害者への支援は医療等の専門的アプローチが中心になると考えられ、加害者自身の強い動機づけが必要となるほか、司法や医療分野との連携による対応が不可欠となるなどの課題がありまして、その手法は全国でもまだ確立されていない状況にあると認識しております。
しかしながら、このように多くの課題はあるものの、その必要性は、お話がありましたとおり、御指摘を初め多くの専門家からも指摘されているところでございますので、その取り組みの意義は大きく、また、DV問題の活用なども考えられることから、今後、関係所管とも連携してその可能性を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎田中 経済産業部長 私からは、区民農園について、二点御答弁いたします。
まず、生産緑地の新たな貸借の仕組みについてです。
区民農園は、区民に野菜づくりなどを通して土に親しむ機会を提供し、都市農業への関心と理解を深めることを目的としています。現行の区民農園は、生産緑地地区の指定のない宅地化農地を区が土地所有者から無償でお借りし開設しています。開設している区民農園は二十一カ所あり、過去三年間に三から五倍ぐらいの応募の倍率があり、区民ニーズは高いと認識しています。
都市農地の貸借の円滑化に関する法律が成立したことにより、区が生産緑地を借りて区民農園として運営することができるようになりました。また、民間事業者が生産緑地を借りて、土地を区割りして、区民農園のように貸し出す民間型の区民農園を開設できるようにもなりました。区内でも、土地所有者が民間事業者に土地を貸して、民間型の区民農園を開設するケースも出てきています。
区といたしましては、今までの区民農園の仕組みと新しい制度に基づき民間事業者が開設する民間型の区民農園、同様に新しい制度を活用して区が開設する区民農園について、区の農業政策における位置づけなどを整理しながら、農園などの農のある暮らしの充実に向けて取り組んでまいります。
続けて、農園のガラなどの改善についてです。
区民農園の開設に当たっては、事前に区で区画割りや表層にある土をならすなどの整備を行い、耕作に支障となるガラなどが出てきた場合は極力取り除いています。土地の整備段階で取り切れなかったガラなどについては、区民農園利用者が発見した場合は取り除いていただき、区が委託する区民農園の管理運営事業者が除却しています。区民農園の地中から出土したガラや区画外に放置された農作物などに関して利用者から御意見をいただくこともあります。そのような場合は、現場を確認し、管理運営事業者と調整しながら、放置されたガラなどの撤去を行っています。
御指摘のあった農園については、地中から出たガラの状況は確認しており、耕作に支障となる地中のガラなどについては二年に一度の利用者入れかえの時期となる来年の二月に、土地の状況を再点検した上で撤去を行い、利用者に気持ちよく御利用いただけるよう努めてまいります。
以上です。
◆三十五番(桃野芳文 議員) DV対応と児童虐待対応における連携ですけれども、この三月の児童相談所開設に向けた計画書案、これに一切書いていないんですね。この計画書案を策定したメンバーの中に人権・男女共同参画課や配暴センターを所管する生活文化部の部長も入っていて、これが出てきているというのは非常に心配です。
そこで、一問聞きますけれども、区としてDV問題においては、すなわち同時に児童虐待問題が起きているということを疑うという態度でこれから臨んでくれるということでいいのかということを聞きます。
あと、処分の修正の公表ですけれども、先ほど本人への影響等を考慮して公表は差し控えたという答弁でした。本人への影響というのは具体的にどういうことを指すのか。その本人への影響というのが、区民の知る権利だとか、区長がいつも言っている情報公開、これよりも優先だとする理由は何なのか、教えてください。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私から、再質問の懲戒免職処分の関係の二点について御答弁申し上げます。
最初に、本人との関係のことでございますけれども、処分を修正する裁決があった後に、職員本人とは復職手続などについて面談等を行っております。この中で、本人や御家族の状況、生活の状況等についてのお話もございまして、これらを踏まえまして、再度公表することは本人に影響を及ぼすおそれもあると判断いたしまして、公表を差し控えたものでございます。
なお、面談の段階では、本人から公表についてのお話が特に出たわけではございません。
さらに、この公表と、本来区長が申し上げております情報公開との関係でございます。
この情報公開の関係につきましては、基本計画におきましても参加型区政の実現に向けて情報公開による区民参加を進めることにしており、この考え方が決して変わることはないです。一方で、このたびの処分の修正の公表につきましては、御答弁申し上げましたとおり、職員本人との面談結果等を踏まえまして、再度公表することによる影響等を勘案して公表を差し控えたものであり、個別の事案の対応として判断したものでございます。
以上でございます。
◎松本 生活文化部長 DVの問題と児童虐待に関連いたしました再質問を頂戴いたしましたので、私のほうからお答えをさせていただきます。
区では昨年十二月から、各総合支所の子ども家庭支援センターに配偶者暴力相談支援センターの機能を整備しておりまして、相談対応を行っております。その中で、子どもにかかわるケースのDV相談があれば、DV担当と児童虐待担当が連携をしまして相談開始の段階から対応しております。児童虐待対応の中でDVの事実が把握できた場合も、同様の対応を図っているという状況でございます。
相談者をワンストップで適切な支援につなげるという観点では、昨年度、配偶者暴力被害者支援のための庁内連携会議、こういったものも設置をさせていただいておりまして、庁内の情報の共有あるいは連携の対応ということも取り組んでおりますので、さらに庁内での連携強化を行いまして、相談支援の強化と適切な対応に当たってまいりたい、このように考えております。
以上でございます。
◆三十五番(桃野芳文 議員) 懲戒処分の公表ですけれども、本人が差し控えてくれと言ったわけではないけれども、区が差し控えるという判断をしたということでした。懲戒処分を公表するか否かというのは懲罰の程度、例えば重さですよね。それとか、非違行為が社会に及ぼした影響とか、あとは、それが公務に関することなのか、公務外なのか、こういったことを基準に判断されるべきなんじゃないですか。本人への影響なんていうのはそんな基準になるんですか、教えてください。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 公表の関係につきましての再々質問について御答弁申し上げます。
確かに御本人との関係上の部分については、懲戒処分の公表基準の中では触れておりません。ただ、現実には、御本人とお相手をしたときに、この状況の中での公表というのは差し控えたほうがいいということを総合的に判断して、今回の公表しなかったという結論に至ったという状況でございます。
以上でございます。
○和田ひでとし 議長 以上で桃野芳文議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、二十二番中山みずほ議員。
〔二十二番中山みずほ議員登壇〕(拍手)
◆二十二番(中山みずほ 議員) 質問を始めます。
初めに、世田谷の子育て支援について伺います。
昨今の報道にあるような複雑な家庭環境における虐待もしくは死に至るような虐待だけではなく、むしろ身近にありがちな一般的な家庭の中にも起き得る虐待にも目を向ける必要があります。ハイリスク、要支援家庭に至る前の地域におけるセーフティーネットの拡充が求められています。
子育ての第一義的責任は保護者にあると教育基本法には書かれています。この法文を知らない保護者でも、このことは、社会通念上、必要以上に感じています。子育てのプレッシャー、ワンオペ育児など積み重なるストレスにより、虐待は人ごとではないと感じる保護者は少なからずいます。この方々にこそ、生活の動線上にある身近な相談窓口が必要です。地域の資源につなげ、不安要因を解消し、子育ての楽しさを実感できるように促す相談場所は、地域や地区に張りめぐらされてこそ機能します。そして、虐待予防策としても必要なものです。
まず、その役割を担っている地域包括ケアにおける福祉の相談窓口について伺います。
子育て相談などを含む対象者を拡充した相談の件数を確認いたしました。平成二十九年度、七千三百件あった目標が平成三十年度は千五百件と大幅減となっております。これは、相談窓口の機能が縮小されたということでしょうか。さらに、その相談件数の内訳を見ますと、子ども・子育てに関する相談の比率は大変低い状態です。今後もこのままの推移でよいとお考えでしょうか。区の見解を伺います。
また、子ども・子育て支援新制度の利用者支援事業においては、基本型、特定型、母子保健型ともに五地域での整備が達成されました。特に基本型は、区内のNPO法人に委託したことで、子育て世代が集う場などに出向くアウトリーチも可能にし、民間資源にもつなげられるという行政窓口には見られない特徴もあります。さらには、専門家ではない当事者性を持った地域の相談員、地域子育て支援コーディネーターだからこそ、気軽に悩みを話せるなどのメリットも多く見受けられます。人員配置も含め、基本型における今後の展開をお聞かせてください。
次に、世田谷の保育について伺います。
まず、企業主導型保育について、二〇一九年三月の内閣府の企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会報告において、事業の継続性、安定性、自治体との連携への言及がされたということで、世田谷区の申し入れによる一定の成果が出たものと理解しております。しかし、昨年十月末の世田谷区で起きた保育士の一斉退職による突然の休園、これは運営側に逮捕者まで出ました。私は二〇一六年にこの制度ができたときから危機感を持ち、保育担当部に区の監視機能を働かせることはできないか依頼をしたり、また、保育に関心の高い国会議員に訴えるなどしてまいりました。保育の質に大きな懸念があり、当時私はこの制度に反対の立場でした。しかし、利用されている保護者の方々のお話を伺い、今は反対の立場というよりも、多様な保育ニーズの実現に寄与できるのではないかと期待を持ち始めています。
また、区の待機児童数を鑑みても、これからも世田谷区に進出することを考える事業者はふえると予想します。今後、幼児教育・保育無償化や児童相談所開設により、認可外保育においても世田谷区の指導監督権限が付加されることになり、一つの安心材料となりました。しかし、保育園が開設される前、ここが肝ではないでしょうか。多様な保育ニーズや待機児童解消に寄与する可能性を持つのであれば、進出のタイミングで世田谷区の基準を遵守してもらうべきです。犠牲になるのは子どもたちです。企業主導型保育事業者が区内への進出を決定する前にアセスメントできる仕組みを構築すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。
保育園に関してもう一点、認可保育園入園における適切な利用調整基準のあり方について伺います。
認可保育園に入園させた子どもを一定の条件のもとで退園させることにより、時短勤務や育休のない自営業の方との平等性の担保をかなえるとされる退園ルールが存在しています。私は二〇一三年より、認可保育園保護者でつくる世田谷保育親の会を通じて、この退園ルールを撤廃するよう継続してお願いしてまいりました。苦肉の策であることは、これまでの担当所管とのやりとりの中で確認できておりますが、子どもの育ちを考える中で、果たして子どもを大切にする世田谷区にふさわしい策なのか、今でも疑問です。退園というのは子どもにとって残酷な面もあります。苦悩する保護者たちの話を聞く中で、そのような思いを強めてまいりました。
代表質問にありました五歳児退園ルールも、ほかの議員からの質問にもありました下の子の育休時の退園ルールも、いずれのルールも保護者がみずから選択する子育て、働き方を阻害するものであります。これらの退園ルールを撤廃する見通しはないのか、お聞かせください。
最後に、世田谷区におけるSDGsの取り組みについて伺います。
SDGsは十七のゴールにそれぞれターゲットと指標が設定されていますが、あくまで国家、それも発展途上国などを想定しているものも多くあります。また、SDGsが求めているのは、端的に言えば社会経済面での根本的変換です。ここを踏まえ、地方自治体レベルでSDGsを展開するには、公契約、調達、委託事業者の選定などにおいても、この指標を盛り込むことが本来的な意義を発揮するものと考えます。本日は、まず、二〇三〇年までを見通した入り口に立った現段階での取り組みについて伺いたいと思います。
自治体レベルでのSDGsの取り組みでありがちなのは、今、既に存在する事業がどのゴールに当てはまるのか、仕分けをしていく作業です。この作業をすることを取り組むと表現するのであれば、私はSDGsの導入の必要性を感じません。
私が御提案したいのは、まず、世田谷区民や区内事業者に示すためのターゲットと指標を設定するべきではないかということです。現在、環境においては、エネルギー消費量、温室効果ガス排出量などの指標が設定されており、また、子どもの教育においては既に教育委員会が始めようとしております。同様に、区内に住む全ての人たち、事業者に向けて、環境や教育はもちろん、それ以外の分野においても指標を設定し、生活の中から、持続可能な社会に向けてできることを考え、具体的に行動の指標を示すのも大切ではないでしょうか。これにより、既に区が取り組んでいる事業の理解にもつながるはずです。
また、その指標の策定過程においても、区民の方々や区内事業者にも御参画いただき、SDGsを通して参加と協働を体現していくのはいかがでしょうか。このような取り組みから始めていくことも、二〇三〇年のゴールに向けての着実な一歩になるかと思います。現状の区の見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎板谷
保健福祉部長 私からは、福祉の相談窓口における子育て関連の相談についてお答えをいたします。
区では、地域包括ケアの地区展開の取り組みとして、身近な地区でさまざまな福祉に関する相談を受けられるよう、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者が連携して対応する福祉の相談窓口を平成二十八年七月から区内全二十七地区で実施しております。この間、障害者や子育て家庭などさまざまな相談に適切に対応できるよう、相談マニュアルの整備や職員研修、事例共有などを通じ、相談窓口としての機能の強化を図ってきたところです。
一方、これまでの相談実績を見ますと、高齢者以外の相談のうち、母子、子育てに関するものはまだ少ないため、より広く周知していかなければならないと認識をしてございます。今後、福祉の相談窓口を子育て世代にも気軽に御利用していただけるよう、子ども関連のイベントを初め、さまざまな行事等でチラシや啓発物品の配布を行うなど、引き続き周知に努め、福祉の相談窓口が身近なセーフティーネットとなる相談窓口として、区民により一層利用されるよう取り組んでまいります。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、利用者支援事業基本型の今後の展開についてお答えいたします。
区では、子どもとその保護者、妊娠している方やそのパートナーが主体的に地域の子育てサービスなどを利用できるように、子ども・子育て支援新制度に基づく利用者支援事業を平成二十七年四月から実施しております。利用者支援事業の基本型におきましては、当初、全区的に相談事業を担う中間支援センターの整備を民間に委託して行い、昨年度、区内五地域の整備が完了いたしました。この基本型では地域子育てコーディネーターがおでかけひろばの事業者への支援や子育て家庭が参加する各地域の講座、イベントなどへのアウトリーチ型支援を担い、また、育児不安を抱える家庭を保健師や子ども家庭支援課のケースワーカーにつなぐため、行政機関への同行支援など個別のニーズに柔軟に対応する支援を行っています。
さらに、今年度からは、各地域のコーディネーターが集まり、専門職のスーパーバイザーによる事例検討を支援の質の向上に向けて実施しております。子育てに関する相談は身近に相談できる場の充実が必要であり、子ども家庭支援センターを初め専門の相談機関へ必要に応じ切れ目なくつなげていくことが重要と考えております。利用者支援事業の拡充に当たりましては、地域での顔の見えるネットワークづくりを進めるとともに、従事する職員の相談の質の向上を図りながら、子ども計画第二期後期計画を見据えまして、充実に向け検証や検討を進めてまいります。
以上でございます。
◎知久
保育担当部長 私からは、保育関連三問の御質問にお答えいたします。
まず、企業主導型保育施設の進出に際し、区はアセスメントができる仕組みを構築すべきではないかについてです。
企業主導型保育事業におきましては、昨年十一月に区内二カ所の保育施設において、保育士の大量退職に伴い休園や経営が困難となる事態が生じ、区民生活に多大な影響が発生いたしました。また、昨年度より企業主導型保育事業の整備に当たっては、自治体に対し保育需要の有無などを確認するよう改められたところですが、国の事業決定において区の整備計画との整合が必ずしも図られず、事業者と区による事前の調整が生かされないといった課題も生じておりました。
このため区は、国に対して企業主導型保育事業の整備の審査における保育の質等の重視、自治体の関与の強化などについて要望書を提出し、その後、まとめられた国の検討会報告書の中では、保育の質の確保、向上の重視、自治体との適切な連携など、区からの要望内容がおおむね反映された内容になったものと認識してございます。
区といたしましては、今後の国による制度の見直しの行方を注視しつつ、保育の必要性がある地域かどうかの判断に加え、区が事業者へ助言した内容等が今後確実に整備計画に反映されるよう、その仕組みについて検討し、国等に対して要望してまいります。
続きまして、五歳児の退園ルールの取り扱いについて御答弁いたします。
入園選考は実際の勤務時間に基づいて保育の必要な状況を指数化しておりますが、育児短時間勤務制度を利用する保護者には五歳児クラス進級までの間に正規の勤務時間に戻すことを条件に、特例として短縮後の勤務時間ではなく、正規の勤務時間を適用し、選考を実施しておりました。制度を利用する保護者を中心に、在園中に正規の勤務時間に戻すことに対する疑問の声が多数上がっている一方で、自営業など制度の適用を受けられない保護者からは短縮後の勤務時間ではなく、正規の勤務時間により指数化される制度自体に疑問の声も上がっておりました。
区としましては、五歳児の在園の状況や育児短時間勤務の趣旨等に鑑み、五歳児クラス進級までの間に正規の勤務時間に戻さなければならない現行の仕組みは今年度中に見直しをする方向で検討を進めてまいります。
最後に、育児休業を取得される方の上のお子さんが保育園に通園される場合の退園ルールについてお答えいたします。
育児休業制度が拡充し、制度を利用される方がふえるなど子育てを取り巻く環境が変化する中、先ほど答弁しました育児短時間勤務制度を利用する際の条件を初め、現在の運用上のルールが実態とそぐわないケースが生じております。
御指摘の保護者が下の子の育児休業を取得し、上の子が保育園に在籍している場合の在園期間の取り扱いなども同様です。育児休業制度の趣旨に配慮しながら、育児休業中は自宅で子育てができる状況にあるとの考え方に沿い、条件によっては退園を促すことで、より保育の必要な方が入園できるよう、御指摘の運用ルールをこれまで区は適用してまいりました。一方、平成二十九年度に育児休業が条件つきで二歳まで延長できることとなったことから、現行の取り扱いでは対応が不十分な点が生じておりますので、子どもの育ちの継続性等も踏まえ、見直しをする方向で検討してまいります。
なお、育児休業の適用を受けられない自営業などの保護者に対する取り扱いにつきましても、あわせて検討してまいります。
以上です。
◎中村
政策経営部長 私からは、SDGsについて御答弁いたします。
SDGsが目指す持続可能な開発目標は、現在の社会に存在するあらゆる課題を包括的に扱うものであり、区の基本構想に掲げる理念にも通底するものです。SDGsの目標達成に向けては、区が果たすべき役割は非常に大きいと認識しております。SDGsの目標を達成するためには、行政だけでなく、区民、事業者とその目標や理念を共有し、参加と協働、マッチングによる取り組みを進めることが必要不可欠です。そのため、例えば区の計画、方針等を策定する際のシンポジウムなどにおいて、SDGsの十七の目標を周知するとともに、当該計画に関連するSDGsの目標やその達成に向けた取り組みについて、区民とともに考える機会を設けることなどを検討してまいりたいと考えております。そのことが区の基本計画、新実施計画にも掲げる参加と協働の推進につながると考えております。
SDGsの掲げる持続可能な開発目標は広範な課題に及ぶことから、まずは他自治体の取り組み事例の周知を含め、庁内の意識啓発を進めるとともに、さまざまな機会を捉え、区民への周知、理解促進を図り、参加と協働の機会としてまいります。
以上です。
◆二十二番(中山みずほ 議員) 再質問です。二点あります。
企業主導型保育については、世田谷で起きた補助金詐欺事件と言ってもいいようなことが繰り返されないように、建てる前にしっかりとした世田谷基準を守ってもらうことを強く要望します。すぐに内閣府に対して動かれた保坂区長の現状の見解を伺いたいと思います。
二点目です。SDGsに関して、今、庁内の意識啓発を進めるとの御答弁をいただきました。具体的には、いつ、どのようなことから始めるか、教えていただけるとありがたいです。現段階でお考えを伺います。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 中山議員の再質問にお答えをいたします。
企業主導型保育について、昨年の十一月に保育士の大量退職という問題が起きたわけですけれども、この財源自体は今話題の年金財源でありまして、企業が拠出する子ども・子育て拠出金と大変多額の拠出金で賄われている。これに対して過大請求、水増し請求といったことに対するチェックがまるでできない状況だということが改めてわかって、捜査当局によって現在事件化をされています。
そこで、区としましては、保育士の大量退職ということは、もうあしたから保育園が動かない、来週から閉鎖だということですから、やはり事業者から、そして保護者から、どうしたらいいんだという情報が殺到したわけであります。しかしながら、この企業主導型保育という制度自体が自治体を一つ一つ関与させないで、スピーディーに早くどんどんつくれ、こういったある種の規制緩和方針の中で生まれてきた制度だったわけで、その意味で、このまま大変な勢いで企業主導型保育がどんどん膨張するということはブレーキをかけてほしいということで内閣府に申し入れをいたしました。
また、その後、この内閣府に対する申し入れの中でしっかりと自治体の関与。実はコンサルタントの方々が企業主導型保育を希望する事業者の委託を受けて、そのままインターネットでウエブ申請をすれば、これは認められるというような制度だったわけで、実際に事業者と面談も場所確認も全くしていないというのが現状だったわけですが、やはり地域の保育の質に責任を持つ自治体として、しっかり事業者と会って、不適格な事業者であれば、これに対して認めないという判断が総合的にできるような制度設計を求めたわけでございます。そのことによって、内閣府のほうに有識者会議が設定されまして、宮腰内閣府特命担当大臣から世田谷区の意見を述べてくれということで、今のような意見を述べさせていただきました。この働きかけが一定の効果をもたらしまして、保育の質の確保、向上の重視、事業の継続性、安定性等について国の検証委員会の報告に盛り込まれたところであります。
今後、児童相談所が区に移管をされます。そして、待機児の問題もいまだ解決していない中で、質をしっかり担保して、この企業主導型保育の中で始まってきている保育所、これから申請がある保育所もしっかりその質を担保した、いい保育がされるように、世田谷の保育の質の確保を担保していきたいと思っています。
◎中村
政策経営部長 SDGsについて再質問にお答えいたします。
SDGsの庁内の意識啓発に当たりましては、今年度、管理職等を対象とした学習の機会を設けたいと考えております。国においてもSDGs未来都市ですとか、モデル事業の選定などございますので、これらの自治体の先進事例に学び、私たちの部課の組織目標とSDGsの目標との関係など理解を深める機会としていきたいと思います。
あわせて、事業やイベント等でのSDGsに関する情報発信、検討の場など、区民や事業者等への理解促進、参加と協働の機会等についても庁内で議論をしてまいります。
以上です。
◆二十二番(中山みずほ 議員) 子どものために尽くしていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で中山みずほ議員の質問は終わりました。
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○和田ひでとし 議長 次に、三十二番桜井純子議員。
〔三十二番桜井純子議員登壇〕(拍手)
◆三十二番(桜井純子 議員) 質問通告に従い、順次質問いたします。
初めに、インクルーシブ教育の実現に向けてお聞きします。
三年前の七月二十六日、十九人もの障害者の命が奪われた相模原市津久井やまゆり園事件が起きました。障害者は社会の役に立たないという犯人の言葉も衝撃でしたが、この事件を優生思想の偏った人間が起こした特殊な事件と片づけるべきではありません。なぜ優生思想が生まれたのか、なぜ被害に遭った障害者は施設で生活をしていたのか、そこで暮らしていた人々や犯人の人生で教育はどのようにかかわってきたのかが重要です。社会にある障害者差別を含めたあらゆる差別をなくすためにはどうしたらいいのか。この問いの答えは、子どものころからの、障害があってもなくても一緒に学び育つインクルーシブ教育にあると考えます。
オリンピック・パラリンピックまであと一年となり、共生社会という言葉もよく聞くようになりました。誰もが分けられることなく、ともに生きる共生社会を否定する人はいません。ところが、教育となると分けたほうがいいという考えに立つのはなぜでしょうか。誰もが分け隔てなく、ともに生きる共生社会は、ともに学ぶ教室から生まれます。今の教育は障害が人を分ける理由になると子どもに教えることになってしまっています。
世田谷区は世田谷版インクルーシブ教育システムに取り組んでいますが、これはインクルーシブ教育そのものではありません。就学前の健診で判定され、障害があるかないかを理由に、通う学校、通うクラスを分ける分離教育、特別支援教育が基本にあるからです。インクルーシブ教育とは、子どもを分けることなく、同じ場所で一緒に学ぶ教育をいいます。インクルーシブ教育は、障害のある子どもだけの権利ではありません。障害のあるなしにかかわらず、差別、排除、分離から逃れ、自由でいるために、全ての子どもが持っている権利です。
区長は招集挨拶で、真のインクルーシブ教育を実現すると明言しました。真のインクルーシブ教育こそが世田谷の教育が向かうべき将来像です。真のインクルーシブ教育について区長の考えをお聞きします。
また、インクルーシブ教育を実現するためには、教員が働きやすい環境であることも大変重要です。昨年末、教員の長時間労働が問題になりました。世田谷区でも教員の多忙化への対応が求められますが、一方で、子どもたちと向き合う時間がもっと欲しいという切実な声も聞きます。長時間働いていながらも、なぜ子どもと向き合う時間が足りないのか、世田谷区の教員の働き方はどうなっているのか、原因を明らかにし、改善が必要です。区内にはここ数年間で、パワハラのために十人前後もの教員が休職に追い込まれている学校もあると聞いています。世田谷区の教員の働き方の実態調査を求めます。見解をお聞きします。
川崎市では、就学先決定に本人、保護者の意向が尊重されずに、訴訟が起きました。世田谷区は最終的に本人、保護者の意向が尊重されるので、その点については評価をいたします。しかし、まだまだ例外的な扱いで、実際は子どもを地域の学校にという意向を貫くことは難しい状況です。まず、地域の学校で学ぶことが当たり前という共通認識が必要です。
世田谷区は就学通知を一月中旬に出しますが、この通知内容は子ども全員が地域の学校に入学できるというものではなく、既に就学時健診から判定を経て、障害があるかないかによって就学先を分けたものが届くのです。ここが改善のポイントです。まず、就学する子ども全員に地域の学校の就学通知を出し、その上で、希望に応じ就学相談を行う仕組みとすることで、原則地域の学校で学ぶことが保障されます。就学通知は学校にも届くので、学校現場の意識も変わります。練馬区や東大阪市など他自治体では、就学通知と就学時健診のお知らせを十月に同時に出しているところもあります。就学通知の改善について区の見解をお聞きします。
次に、介助・福祉行政の公的責任についてお聞きします。
世田谷区では、障害福祉サービスの一日二十四時間の支給決定を受ける方がふえ、約十人ほどと聞いています。この点については評価をいたしますが、まだまだ一日二十四時間の介助が必要な全ての方に二十四時間の支給決定がされていません。重度障害者の地域自立生活を支えるために、さらなる拡充を求めます。また、世田谷区の障害福祉サービスの課題として、介助者不足の問題は避けて通れません。介助が必要な方にとって一時間でも介助者が途切れることは、命にかかわる緊急事態です。
以前は、介護者をふやすために、本人が大学構内でチラシを配布し、介助者を募集することもありました。しかし、最近は大学の協力を得られず、構内でのチラシまきができなくなっているそうです。また、保育士確保策として取り組まれている住宅補助等も介護者支援としてはありません。区は深刻な介助者不足について現状をどのように理解し、そして解決するのか、見解をお聞きします。
世田谷区は、二〇〇〇年代に入り、公務員ヘルパー制度を廃止しました。その際、緊急の場合にはケースワーカーが駆けつけるなど、介助保障の公的責任を果たすと約束しました。しかし、現在、本当に区が公的責任を果たしているのか、疑問です。例えばケースワーカーがセルフプランの情報提供をしてくれなかった、セルフプランでやっているのに、事業者プランにしたほうがいいとケースワーカーに言われた、事業者探しは相談支援専門員がやるもので、ケースワーカーの仕事ではない、セルフプランはよくないと言われたなど、ケースワーカーの役割を放棄するような事例があります。民間事業者に現場を明け渡してしまったことで、利用者のリアルな生活から乖離をしていることが原因でしょうか。公務員ヘルパーを廃止する際に指摘された公的責任が後退するではないかという、その懸念がそのまま的中している状況です。区は後退が指摘される介助・福祉行政における公的責任をどのように果たす考えか、見解をお聞きします。
二〇一九年度主要事務事業に、高齢障害者に対する介護保険利用の促進が明記されました。六十五歳以上の高齢障害者に対し介護保険優先を勧奨するものですが、介護福祉サービスと障害福祉サービスの違いを正しく把握していれば、このような方針を立てることはできないはずです。介護保険の申請を行わなかった六十五歳の障害者の障害福祉サービスを介護保険優先原則に立って打ち切った岡山市に対し、違法判決が昨年出ています。安易な移行促進を行うべきではありません。区の見解をお聞きします。
次に、都市計画道路補助第二一九号線についてお聞きします。
六月五日、給田小学校で都市計画道路補助第二一九号線の説明会が行われました。主催は東京都です。この説明会のお知らせは、チラシは道路計画の二十五メートル範囲の配布、区報は四日前の六月一日号の掲載で、そのときは既に保育サービスは締め切りをした後でした。参加者から、情報が届いていなかったために、説明を聞きたくても来られなかった人が大勢いる、もう一度説明会を開いてほしい、そういう要望が繰り返し言われました。都は質問は個別対応すると繰り返すだけで、既成事実づくりのような説明会では区民は納得しません。
地域では、烏山プレーパークや保育園が計画線にかかっていることも不安材料です。世田谷区の政策にも関連するこの道路計画について、区民に誠実に対応し、再度説明会を開催するように東京都に働きかけをするべきです。見解をお聞きします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 桜井議員にお答えをいたします。
招集挨拶の中で真のインクルーシブ教育を実現すると述べていることに対しての御質問をいただきました。
インクルーシブという言葉は、差別や排除、分断ではなく、社会的な包摂ということを基本に、多様性を尊重しながら、ともに生きるという内容を含んでいる言葉であります。個人が尊重され、年齢や性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる社会を区としては現在目指しているところであります。このような多様性が認められ、一人一人が自分らしく暮らせる社会を目指す、この子どもたちを育んでいく教育、これが真のインクルーシブ教育だと考えています。
また、渡部教育長の言葉をかりれば、一人の子どもも置き去りにしない教育、どの子どもも一人の人間としてひとしく認められ、尊重される教育が真のインクルーシブ教育だろうと思います。
教育委員会では、中学校への特別支援教室の導入や医療的ケア児の受け入れ校に看護師を配置していくなど、一歩ずつですが、着実にこの真のインクルーシブ教育の実現に向けて取り組んでいます。個別個別の支援も丁寧に行いながら、教室で子どもたちと仲間としてともにあるということが真のインクルーシブ教育であるというふうに思っています。
ただ、現状はまだまだ課題があるという認識を持っておりまして、その現状の課題を一つ一つ解決していこうという思いを込めて、真のインクルーシブ教育とあえて述べたという意味もございます。真のインクルーシブ教育がこの世田谷で実現できるよう、必ずそれが成就されるよう、教育委員会とともに取り組んでまいりたいと思います。
◎池田
教育政策部長 私からは、教員の働き方の実態調査について御答弁させていただきます。
長時間労働の是正を初めとする働き方の見直しは社会全体で取り組むべき課題であり、世田谷区においても副区長を長とする働き方改革推進会議を設置し、職員の働き方改革に関する検討が進められております。教員については特に長時間労働が課題となっており、教育委員会としても、給食費の公会計化など教員の負担の軽減に向けた取り組みを進めているところです。教員の働き方改革を進めていく中でも、勤務の状況や時間等について把握していくことは重要であると認識しております。国や東京都が実施した調査の結果などを活用するとともに、より詳細な教員の勤務実態の把握のための調査方法について検討してまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、就学通知につきまして御答弁させていただきます。
世田谷区教育委員会では、地域とともに子どもを育てるという世田谷九年教育の考え方に基づき通学区域制を採用しており、就学先は原則として地域の指定校としております。一方、学校教育法によりまして、区教育委員会は入学する前年の十月一日現在の住民基本台帳をもとに学齢簿を作成し、入学する年の一月末までに入学期日及び就学すべき学校を保護者に指定しなければならないとされております。世田谷区におきましては、例年一月中旬ごろに就学通知書を送付しまして、就学先の学校、保護者宛てに通知しております。
教育委員会といたしましては、インクルーシブ教育の推進と地域とともに子どもを育てる観点から、就学通知のあり方につきまして、他自治体の事例などを参考に研究してまいります。
あわせまして、九月中旬を予定しております就学時健診の通知の際に、就学先は地域の指定校であることをわかりやすく記載するとともに、区への相談があった際などに就学先である地域の指定校をあらかじめお伝えした上で、保護者が安心して相談を進め、お子様が進学する学校を考えられるよう努めてまいります。
以上です。
◎片桐
障害福祉部長 私からは、三点お答えいたします。
初めに、介助者の不足を区はどう受けとめているかについてでございます。
平成二十九年に実施した世田谷区障害者(児)実態調査において、居宅介護利用者の三五%余りの方から、サービス提供事業者数が少ないとの回答が寄せられたほか、サービス提供事業者調査でも約四〇%の事業者から介護職員が不足しているとの回答がありました。厳しい労働環境などを背景に、サービスの担い手である介護人材の不足は深刻となっており、国では本年十月から介護報酬の引き上げを予定しております。
一方、区でも福祉人材育成・研修センターでの介護職員初任者研修受講料の助成事業を初め、重度訪問介護従事者養成研修など障害に係る専門研修を実施し、人材の育成や定着のための取り組みを進めているところです。また、高次脳機能障害や発達障害、医療的ケアなど専門性の高い障害への対応も求められていることから、テーマ別の研修の充実を図り、幅広く人材が育成できるよう努めております。
今後は、さらに若手の人材を発掘するため、区内大学に働きかけをするなど、事業者、関係機関とも連携しながら人材の確保育成に努めてまいります。
なお、介護人材の確保に向けては、職員の処遇や労働環境の改善などが必要と考えており、今後、国や都の動向を注視するとともに、他自治体の取り組みなども参考に研究を重ねてまいります。
次に、公務員ヘルパー廃止後の区の公的責任についてです。
民間事業者と区との役割を明確にするため、区直営の居宅内事業所は平成二十一年九月をもって廃止し、それ以降、区では、民間事業者が担う障害サービスの質の確保、向上を図るとともに、障害者の地域生活に必要なサービスの基盤を整備、誘導していくことが責務と考え、これまでさまざまな施策を進めてまいりました。お話にあった職員のケースワークに対する障害当事者からの不満や苦情などがあるとするなら、区として改善を図っていく必要があると考えます。
区職員の人材育成については、保健福祉施策に関する基本的な研修のほか、スーパーバイザーとしての研修に力を入れるとともに、今年度、自立支援協議会等において現場で起きているさまざまな事例の検討やケースの共有を民間事業者と連携して取り組んでまいります。
今後、改めて区の果たすべき役割について認識した上で、障害の有無にかかわらず、住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続していけるよう、区としての責任を果たしてまいります。
最後に、高齢障害者の介護保険への移行についてでございます。
障害福祉サービスを利用してきた障害者の方が、六十五歳になり、介護保険サービスに移行すると利用者負担額がふえてしまう、従来と同等のサービスが受けられないのではないかといった不安を持たれる方もいらっしゃること、また、介護保険サービスと障害福祉サービスでは制度の趣旨や仕組みなどが異なっている部分もあることについては区としても認識しているところです。障害者総合支援法第七条では、障害福祉サービスと同等の給付事業が介護保険サービスに位置づけられている場合、介護保険法により給付が優先されることとなっておりますが、国の通知により障害者御本人の心身の状況等を勘案し、一律に介護保険サービスへの移行を優先しないよう配慮することを求められております。区では従来より、個々に障害者御本人のサービスの利用に関する意向を把握した上で、必要とされる支援内容を介護保険サービスで受けられるかどうかについて慎重に判断しており、区が適当と認める支援が介護保険サービスのみでは確保できないと認められる場合、障害福祉サービスの支給を行っております。
岡山市の話もございましたが、区としましては、障害者の方に不安な思いをさせることのないよう、一人一人に寄り添い、生活の実態を踏まえて丁寧に対応しながら日常生活の支援に努めてまいります。
以上でございます。
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 私からは、補助第二一九号線の説明会についてお答えいたします。
補助第二一九号線の当該区間は、東京における都市計画道路整備方針第四次事業化計画における優先整備路線です。先日、事業者である東京都が事業概要及び測量調査などに関する説明会を開催し、道路ネットワークの形成や周辺道路交通環境の改善など事業の整備効果、また、現地における測量作業の内容について説明がなされたところです。区では、道路整備には関係権利者及び周辺地域の皆様の御理解と御協力が重要であり、そのためには丁寧な説明と情報提供が何より大切であると認識しております。
このたびの説明会開催に当たりましては、東京都は五月二十日に測量作業の影響範囲にお知らせを配布し、あわせて「区のおしらせ せたがや」六月一日号に開催案内を掲載し、当日は多くの御参加をいただきました。参加者の多くの方々から、広場や保育園の施設の一部がなくなることへの疑問や不安など、区民生活への影響に対する認識不足を問う御意見が数多く寄せられたことも踏まえ、東京都は当日参加できなかった方など、今後いただく御意見、御質問に対して個別対応すると聞いております。
区といたしましても、道路整備の区民生活への影響に対応する役割を担う地元区として、関係所管と連携しつつ、区民から寄せられるさまざまな声を丁寧に受けとめ、事業者である東京都へ伝えるとともに、区民意見の趣旨と背景も都と共有し、今後の地域への説明、情報提供に生かされるよう取り組んでまいります。
以上です。
◆三十二番(桜井純子 議員) 一つ質問したいと思います。
教育長です。私たち会派の質問に答えて、学校現場で子どもたちの人権を傷つけるようなことが確かにあるということをお答えになりました。それはすごく勇気のあるお答えだなと思いましたけれども、じゃ、なぜこういったことが起きるのか。先生の、教員の人権意識そのものに大きな問題があるのか。そうではなくて、その先生たちも環境自体で、先生自体の人権も傷つけられているところがあるのか、こんなところにもしっかりと目を向けていかなくてはならないと思っています。
本日質問させていただきました実態調査からいろいろなことがわかってくると思いますけれども、この調査が一部かいつまんでやるような調査ではなく、全体的な調査であること、そして、教員の方々が安心して回答ができるような調査にしていただきたいと思いますけれども、この点についてお答えを下さい。
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 再質問に御答弁申し上げます。
教員の人権意識のことについて御質問をいただきました。また、それが教員の多忙化などにもつながっているのではないかというふうに御質問いただきました。
確かに教員の中でさまざまな問題が起こっており、教員の意識改革についてはこれから取り組むべき課題だと感じております。
もう一点は、教員の多忙化、子どもと向き合う時間がとれないことに課題を感じております。学校で起こるさまざまな課題に担任が一人で取り組んでいたりすることがないように、これからは組織的に学校内で対応して進めていくということを基本にしていきたいと思っています。また、学校が担ってきたこれからの業務のあり方についても見直すなど、さまざまなことが考えられます。
今後、実態調査を視野に入れ、検討を進めてまいります。教員がどのように働いているのか、また、時間の使い方がどのようになっているのか、また、子どもと向き合う時間がどうなっているかなど、そういうことも実態調査に入れて調査を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
◆三十二番(桜井純子 議員) 教育長、ありがとうございました。学校現場が変わるということは、世田谷全体の人権の問題というのもどんどん変わっていくことになっていくと思います。インクルーシブ教育についても、区長とも、教育長とも、そして全体、地域の中で議論しながら進めていきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で桜井純子議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時十五分休憩
──────────────────
午後一時五分開議
○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
二十六番畠山晋一議員。
〔二十六番畠山晋一議員登壇〕(拍手)
◆二十六番(畠山晋一 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。
まず、世田谷区のペーパーレス化に向けた取り組みについて聞いてまいります。
これは、ペーパーレス化の先進事例として、中央省庁では行政管理局――総務省――の取り組みが代表的な事例とされておりますが、オフィスの什器、レイアウト等を含め一体的に改革し、紙削減に効果が出ている。例えば紙資料の印刷量は約五三%削減、四分の一の職員が業務でほとんど紙を使わなくなったと認識されている。この成功の鍵は、トップのリードと初めの一部の部門からのスモールスタートをしたところにあると聞いております。松本文明政務官――当時――がカナダの企業視察を機に改革を指示し、初めに情報システム部門が先行して改革をし、実験、改善の後、隣接部門への横展開を行い、足元では政府全体で取り組みが進んでいますが、省庁により多少温度差があるそうです。
世界最先端デジタル国家創造宣言なるものを平成三十年の閣議決定で原則を規定いたしました。平成三十年度を目途に、審議会や幹部会議等における資料の原則ペーパーレス化を進める予定です。上記閣議決定を受けて、各省庁でペーパーレス化が徐々に進行するも、進行には差が出ております。直近では一〇〇%ペーパーレス化を達成していたのは復興庁と財務省、農林水産省と原子力規制委員会。経済産業省や環境省の二省はペーパーレス化が九割を超えている。一方、金融庁ではゼロ%、法務省は六・七%と低く、防衛省、文科省、総務省も、二〇%、二七・九%、三四・九%といずれも五割を下回っている状況にあります。
一方、国会で、衆議院議員では、次期国会からの一部ペーパーレス化に与野党が合意をし、衆院規則を改正し、質問主意書、答弁書について全議員への紙配付を完全撤廃することとなり、自民党の政治制度改革実行本部が議論を主導しております。議院規則で配付が定められている点を改正し、サイトでの閲覧を認めるようになり、現在衆議院の印刷関連費用を、総額六億五千七百万円のうち四千六百万円の削減の見込みが出ているそうです。
国会の議場では、質疑へのタブレット端末持ち込みを試験実施し、ことしの四月より平井IT担当大臣が衆院内閣委員会で政府側として、これは答弁者として初めて実施をされております。外部からの質疑指示が出ないように、通信を完全に遮断して導入を始めております。
一方、地方自治体を顧みますと、直近では茨城県庁の決裁電子化が注目されております。わずか四カ月で電子決裁率は一三%から九九%に一気に改善をし、推進要因は、これもトップの知事のリードであり、大井川知事自身が経産省、マイクロソフト、ドワンゴの出身であり、導入済みシステムの利用が進まなかった部分を改善したために、追加の財政支援も必要なしに改善ができているそうです。
地方議会のほうを見てみますと、各地でペーパーレス化が進んでいますが、最も有名なのが大津市議会です。平成二十六年から議場にタブレットを導入し、議場スクリーンへも投影可能なシステムを導入しております。
片やこのペーパーレス化の失敗事例は基本的にはなかなか公表されないのですが、システムの導入コストが高くて採算がとれない、幹部のITへの理解が足りず導入が認められない、セキュリティーへの懸念などもある。
ペーパーレス化が自己目的化し業務効率化につながっていない、推進部門が現場の業務を理解しておらず、システムがなかなかフィットしてこない、ペーパーレス化のデメリットが嫌がられて現場でなかなか普及が進まない。見づらい、例えばモニターやタブレットが小さく、文字の視認性が低い。一覧しづらい、画面が一人一つで、複数の資料を同時に見ることができない。書き込むことができない、また、停電、バッテリー切れ、通信ネットワーク切れなど大きなデメリットがある。
また、何よりも、現場のITへの理解が足りず、なれが出ておらず、普及が進まない状況だそうです。デバイスの使い方がわからない、しまいには紙でないと読んだ気がしない、そんな状況がいまだにある。
このような状況下で、行財政改革の一環として世田谷区としてペーパーレス化はどのように取り組み、進んでいるのでしょうか、伺います。
続いて、小田急線の上部利用のまちづくりについて伺います。
三月十五日に予算特別委員会の都市整備常任委員会において質疑を行わせていただきましたが、その後から現在まで三カ月という短い間にも、世田谷区が目指すべき将来の姿に近づくための動きが五件以上発生しております。
ことしの三月三十一日には小田急線連続立体交差事業が完了し、四月十三日には世田谷代田~梅ヶ丘間に東京農業大学の世田谷代田キャンパスがオープンをし、町の新たな起点となっております。また、四月の月末には(仮称)代田二丁目保育施設の新築工事の着工のお知らせがあり、予定工期がことしの四月二十二日から来年、令和二年一月三十一日の予定となっており、令和元年の五月十日金曜日には東北沢駅から茶沢通り間の商業施設の説明会がとり行われ、先週の六月七日の金曜日には下北沢駅舎の中身、また、下北沢駅南西口の商業施設の説明会などがとり行われております。このように着々と小田急電鉄の上部利用が進められております。
一方で、世田谷区も小田急電鉄におくれることなく、通路や公園の整備を初め、世区街路第一〇号線についても用地取得の進捗を図り、上部利用のまちづくりを着実に進めていると伺っております。そこで、さきの予算特別委員会などで質問させていただいているように、補助第五四号線の第Ⅰ期工事部分の進捗がまちづくりの生命線となってきます。
そこで伺います。世区街路第一〇号線が整備に向けて動き出している中、沿線全体の上部利用と補助第五四号線の動きに対して、世田谷区民の後ろ盾となる世田谷区の姿勢を示してください。
続いて、通学路について伺います。
平成二十四年の全国的な動きに始まり、平成二十六年の九月に私の地元の池之上小学校の通学路において、心に深く残る痛ましい交通事故が発生をし、通学路の整備に対して世田谷区の教育委員会が積極的に世田谷区通学路交通安全プログラムを平成二十九年二月に策定し、区内小学校を四つのグループに分けて、それぞれ四年に一回は通学路の合同点検などを行っております。しかし、それでも世田谷区は、通学路についてこのように取り組んでいるのですが、残念ながら事故や危険な思いをする事案が絶えることはございません。
自分自身のもとにも通学路のカラー舗装をより整備してほしい、新潟市では減速効果の高いハンプを既に設置している、渋谷区、伊丹市などにおいては自販機に受信機を設置し、子どもが発信機を内蔵したキーホルダーを持ち歩き、自販機の近くを通ると、保護者がメールやアプリで位置を確認できるシステム、ネットワークが構築できているといった先進的な事例が既に隣の区でもとり行われております。
そこで伺います。命を守る通学路において、カラー舗装などの道路の補修に対し迅速な取り組みをするためには、より一層の予算の充実を図り、計画的で恒常的な取り組みを行ってもらいたい。土木部も、教育委員会も、より一層に力強い連携をして対応する必要性があると考えますが、世田谷区としてはどのように考えているのでしょうか。
最後に、自民党の人生百年時代戦略本部部門では、長寿社会を迎える中、年齢によって区切るこれまでの社会保障のあり方を見直す政府への提言をまとめました。その提言では、二〇二四年には五十歳以上の人口が五割を超えることを想定し、年齢に関係なく活躍できる定年のないエイジフリー社会の構築や年齢を前提とした高齢者の定義、名称のあり方を見直すことを訴えております。同時に、人生百年時代を見据えて、高齢者の雇用機会や活躍の場をつくり、生涯現役社会実現を目指しております。
では現在、世田谷区内の元気な高齢者が世田谷区内ではどこで活躍をしているのか。町会、商店街、教育の現場、神社仏閣の総代や地元の高齢者クラブなどで地域での活躍をされております。そして、その中でも高齢者が御自身の趣味や向学心を磨きながら、地域で連携する大切な場となっているのが高齢者クラブです。世田谷区内には地域を支える二十七のまちづくりセンター・出張所がありますが、それに対して三倍の九十三個の高齢者クラブが世田谷区内各地域で健康長寿社会の担い手として活躍をされております。
自分自身で実際に七つのクラブの活動を現場で拝見させていただきました。日本舞踊、カラオケ、フラダンス、社交ダンス、また、囲碁、将棋、マージャン、体を動かす部分では、輪投げ、ヨガ、グラウンドゴルフなど体を動かして健康維持を図る方々など、どの活動も医療費削減に結びつき、我が国の健康長寿社会を支える活動をされております。
しかし、課題もございますが、年を重ねることはみんなが経る道です。この道に対して、安心して好きなことを続けて健康維持できる受け皿があることが区民にとっての最良の安心感になります。高齢者クラブの活性化について今後どのように取り組んでいくのか、世田谷区の考えを伺います。(拍手)
◎中村
政策経営部長 私からは、ペーパーレス化について御答弁いたします。
区では、世田谷区役所版働き方改革の一環であるICTを活用した業務の効率化として、平成三十年度から無線LAN環境を整備し、Wi―Fi端末を使用したペーパーレス会議の試行に取り組んでおります。試行については、まず、各部の庶務担当課長約四十人が集まる庶務担当課長会からスタートをしています。実績として、直接的には約三万七千枚の紙資料が削減されたとともに、各課長が紙資料を持ち帰って部内にコピーを配付しなくなったことで相当数の削減につながっているものと考えられます。また、当該会議について資料をオンライン配付にしたことにより、年二十四回開催していたものを年数回に効率化しました。
一方、起案文書の作成から決裁、保存、廃棄までの一連の文書事務の処理を行う総合文書管理システムにおいては、電子決裁によるペーパーレスを進めており、昨年度の電子決裁率は前年度三・八ポイント増の五〇・四%となっています。電子決裁により、ペーパーレスのみならず、決裁時間の短縮や紙保管スペースの削減につながることから、これをさらに進めていくことが課題であると受けとめております。
今後、御紹介ありました政府、国会、自治体の先進事例、失敗例も含め参考にしながら、本庁舎等整備とも連動し、さらなるペーパーレス化の取り組みを進めてまいります。また、省力化や、効率化のほか、働き方改革も含め、業務改善の取り組みを進め、柔軟な働き方とより効率的な行財政運営ができるよう取り組んでまいります。
以上です。
◎関根 土木部長 私からは、通学路のくすんできたカラー舗装などへの対応についてお答えいたします。
区道におけるカラー舗装などの交通安全施設の劣化や破損、また、道路の舗装や側溝の破損などにつきましては、道路巡回パトロールでの発見や区民からの通報により、事故防止の観点からも速やかに補修しております。その中でも通学路においては、警察、学校、PTAとの連携による通学路合同点検の結果を踏まえ、ふぐあい箇所を補修し、また、必要な施設を新設するなど登下校時の安全確保に努めております。区ではこれら道路施設の補修に係る取り組みについて、年間実績から算出した経費を年度計画とし、これに必要な予算を毎年計上しております。
今後につきましても、これまでの取り組みを継続し、また、パトロールの強化などにより、早期ふぐあいの発見に努め、また、教育所管や交通管理者と密に連携することにより、通学路の安全確保に取り組んでまいります。
以上です。
◎淺野 教育次長 私からも引き続き、通学路の交通安全につきまして御答弁申し上げます。
教育委員会といたしましても、さらなる通学路の安全対策を推進するには、道路管理者である土木部と一層の連携を図り、対応していく必要があると考えております。お話しのとおり教育委員会では、警察、道路管理者、小学校代表、PTA代表等が緊密な連携を図ることを目的として通学路安全対策連絡会を設置し、通学路のより一層の安全対策の強化を図っております。また、本連絡会で検討し策定した通学路交通安全プログラムに基づきまして、平成二十九年度より、関係機関と連携を図り、通学路合同点検を実施しております。
こうした定期的な合同点検や臨時の通学路合同点検を実施する際には、教育委員会より関係機関へ事前に点検箇所等をお伝えしておりますが、土木部では点検の前に必要に応じて点検箇所を下見していただくなど、点検が効果的に行えるよう協力をしていただいております。また、点検の際には、学校やPTAから通学路のカラー舗装の新設や塗り直しなどの要望をいただきますが、それぞれ学校からの優先順位等をもとに必要な箇所に適切な対策を行っていただいております。
教育委員会では引き続き、通学路の合同点検や通学路安全対策連絡会等を通じて学校からの要望などを土木部を初めとした関係機関と共有し、安全対策が必要な箇所に対し重点的に対策が行えるよう、一層の連携を図ってまいります。
以上です。
◎髙木
北沢総合支所長 私からは、小田急線上部利用全体のまちづくりについて御答弁申し上げます。
ことしの三月をもちまして小田急線連続立体交差事業が完了し、今後、区と小田急電鉄それぞれの上部利用施設の整備が加速してまいります。区では今年度、世田谷代田駅から鎌倉通りまでの区間について駅間通路や緑地の整備を行うとともに、東北沢駅、世田谷代田駅の駅前広場につきましても来年度の完成に向けて整備を進めております。また、下北沢駅駅前広場につきましても、駅周辺のまちづくりの状況に合わせて仮通路整備や公共下水道工事などに着手することとしており、その後の電線類地中化工事に遅滞なく入れるよう、企業者との調整や基本設計などを進めてまいります。
一方、小田急電鉄による施設整備につきましても、今年度は世田谷代田駅から鎌倉通りの区間において保育園などの建設が始まるなど、順次計画が進められてきております。
今後は、これまで以上に小田急電鉄と情報交換を密に図り、町会、商店街などの地域からの声も共有し、小田急線上部が防災と緑の基軸となり、区民などの憩いの空間、さらには、地域活性や交流の場となるよう庁内連携を図りながら、地域の魅力を高める施設整備、まちづくりにスピード感を持って取り組んでまいります。
以上でございます。
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 私からは、補助第五四号線の取り組みについてお答えいたします。
下北沢駅周辺の都市計画道路事業につきましては、平成二十八年度の組織改正により執行体制を強化し、駅前交通広場である区画街路第一〇号線と補助第五四号線Ⅰ期区間の用地取得に注力しております。その結果、駅前交通広場部分においては、鉄道用地を含めて一定の用地取得ができ、更地化されたことから、仮整備工事に着手し、新たな通路や階段、スロープなどを整備いたしました。
今後はこれまでの人員投入を補助第五四号線の用地取得に力点を置くとともに、補償説明業務などの外部委託も積極的に活用しながら、さらなる用地取得のスピードアップにつながるよう、より一層取り組んでまいります。
以上です。
◎松本 生活文化部長 私からは、高齢者クラブの活性化支援についてお答えをいたします。
区内には九十三の高齢者クラブがございまして、約九千二百名の皆さんが区民利用施設などに活動拠点を設けながら、御自身の趣味や知識、経験などを生かしつつ、多様な活動を行っておられます。活動の中にはカラオケや社交ダンス、語学学習など講師を招いて技術や知識を高めるものもあり、向上心を持つ姿勢やその意欲はもとより、社会参加の機会としても健康長寿に欠かせないものと考えております。
区では、高齢者クラブの活動に対し、東京都の助成事業を活用しながら助成金の交付を行っております。また、区民会館でのいきいきせたがや文化祭や各地域でのミニ文化祭に対する場の提供、会員拡大に向けたポスター、チラシの作成などの支援を行っております。高齢者クラブにつきましては、会員やクラブ数の減少、活動内容の固定化、場の確保などの課題がございますが、クラブの活動が高齢者の生きがいと健康づくりに重要な役割を果たしているものと考えており、高齢者クラブ連合会の皆さんとも意見交換を行いながら、新たな活動メニューの提案など、一層の活性化に向け支援の充実に努めてまいります。
以上でございます。
◆二十六番(畠山晋一 議員) それぞれの答弁に基づいて、しっかりと進めてください。
以上です。
○和田ひでとし 議長 以上で畠山晋一議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、十二番金井えり子議員。
〔十二番金井えり子議員登壇〕(拍手)
◆十二番(金井えり子 議員) 初めて質問に立ちます。生活者ネットワークの金井えり子です。どうぞよろしくお願いいたします。
私はこれまで人形劇団などに携わり、地域でも読み聞かせなどの活動を続けてきました。子どもたちの笑顔にはいつも励まされています。一九八九年、国連で採択され、日本は一九九四年に批准した子どもの権利条約は、生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利の四つが柱になっています。この子どもの権利を守ることは大人の責任です。しかし、今、子どもたちは、いじめ、不登校、虐待、貧困、事件に巻き込まれるなど困難な時代を生きています。このような情勢の中、新しく教育長になられ、どのように取り組んでいかれるのか、教育長に伺います。
五月二十八日朝、登戸駅周辺で起きた殺傷事件は、スクールバスを待つ子どもたちなど二十人に負傷を負わせ、二人が亡くなるという痛ましい事件でした。亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々が一日も早く回復されるようお見舞い申し上げます。
子どもが犠牲になる事件が起こるたび、これまでも地域での見守りや集団登校などさまざまな対策が講じられてきましたが、今回の事件は子どもを守る対策がいかに難しいかを突きつけていると思います。昨年の新潟市の小学校二年生が下校中に連れ去られ殺害された事件の後、国の指導により、通学路の安全点検を強化する動きが広がりました。殺傷事件のあった川崎市では警察のOBをスクールガードリーダーとして採用し、通学時の子どもを見守っていましたが、人材不足により、七校を一人のスクールガードリーダーが巡回しており、なかなか目が行き届かない状況のようです。
世田谷区でも二十四時間安全安心パトロールの車が巡回していますが、子どもの通学時はどのように対応しているのか、伺います。また、地域、警察、区が連携していくことが重要かと思いますが、どのような連携を進めているのかを伺います。
突然襲われるような事件ではすぐに逃げることが大切ですが、子ども自身がふだんから自分の身をどのように守るのか、意識していなくてはいけません。危険を感じたら、大人の指示がなくても自分の判断で逃げる、不審者を見かけたら、見えなくなっても助けてもらえる大人がいるところまで逃げる、すぐに行動がとれるようにいつも使う通学路を親子で一緒に歩いて、危険な場所や逃げ込める場所、身を守るものがどこにあるのかを知っておく必要があります。
さらに、大人が地域を見守っていくことが重要です。事件や事故が起こった全国の地域では、住民やボランティアによる見守りが広がっていると聞いています。世田谷区では幸いにも子どもが巻き込まれるような大きな事件は起きていませんが、昨年も学校下校時の子どもが交通事故で亡くなるという痛ましい事故がありました。その後、各学校通学時での子どもの安全対策はどのように進められているのか、伺います。
先日、下馬周辺の学校で不審者情報があり、保護者間の携帯メールでそのことが流れました。学校に保護者や子どもへの情報提供の連絡を求めましたが、学校側の対応はされなかったと聞いています。緊急な通報があった場合は、学校はどのような連絡方法をとるのか。事実関係を確認できたら、緊急メールを回すか否かの判断はどこでされるのか。学校の危機管理と緊急メールの運用状況について伺います。
今回の殺傷事件を起こした男性は、長い間、ひきこもりで、家族関係もうまくいっていませんでした。このことが報道された直後、長い間、息子から暴力を受けていた元農林水産省事務次官が、精神的に追い詰められ、息子を殺害するという事件が起こり、大きな衝撃を受けました。六十代から七十代の親からの相談がひきこもりの当事者と家族を支援するNPOなどに多く寄せられています。このような事件を二度と起こさないためにも、家庭内の問題にとどめず、当事者や家族のSOSの受け皿を広げていくことが大切です。
生きづらさを抱えた人への支援は、若いうちから必要です。世田谷区にはメルクマール、若者サポートステーションなどもありますが、なかなか当事者から声を出していくのは難しいのではないかと考えます。東京都のひきこもりサポートネット事業は、NPOに委託し、アウトリーチで若者や家族への支援を進めていますが、世田谷区ではどのように進めているのかを伺います。また、東京都のひきこもりサポートネット事業は対象とする年齢制限の上限を撤廃していくことになりましたが、若者総合支援センター事業は今後どのように対応していくのか、区の見解を伺います。
次に、太子堂のまちづくりについて伺います。
私は太子堂周辺に住んで三十年になりますが、町の姿もさまざまに変わってきました。太子堂二、三丁目は昭和の終わりからまちづくり計画がつくられ、地区計画は平成二年に策定され、住民参加で長い間進められてきています。公園のないこの地域にポケットパークができ、地域のコミュニティーづくりにもつながったといいます。
昨年四月、地域の人たちと一緒に三軒茶屋駅から太子堂周辺防災まち歩きを行いました。以前に比べ道が広くなったり、通り抜けができるようになったり、整備が進んだところもありますが、空き家が数軒あり、道幅が狭く、火災時に消防自動車が入れないところも残っています。修復型のまちづくりということで時間はかかるとは思いますが、まだまだ課題は残っていると感じました。特に三太通りは、三宿一丁目まちづくり協議会、太子堂二・三丁目まちづくり協議会、世田谷区、沿道会議でさまざまな意見が交わされ、防災性能の向上と安全確保のため、整備にかかわる共同宣言が出されている道です。ここはまだ高低差やカーブが大きく、見通しが悪い部分も残っています。今後どのように解消していくのか、区の取り組みについて伺います。
太子堂地域は木造住宅が密集しており、大地震が発生した場合、大規模な火災が起こるのではないかと心配されます。特に太子堂五丁目は東京消防庁の地震に対する地域危険度測定調査で、火災の危険度や災害時活動困難度がかなり高いことがわかっています。延焼による大火を防ぐために、燃えないまちとして東京都の木密地域不燃化十年プロジェクトが進められていますが、この取り組みは令和二年度までと期限も迫ってきています。目標の不燃領域率七〇%を超えているのは、住民参加で地区計画が行われている太子堂二、三丁目、三宿一、二丁目の太子堂・三宿地区のみです。
一方、お隣の太子堂・若林地区は不燃領域率が目標に達していません。太子堂・若林地区の太子堂四丁目、若林一丁目には地区まちづくり計画がありますが、太子堂五丁目、若林二丁目にはまだありません。防災対策を進めるためには、福祉、医療、教育、交通安全、防犯など暮らし全般を考えていかなければなりません。防災まちづくりには、住民の積極的なまちづくり活動への参加が必要と感じます。今後、住民参加の防災まちづくりを進めるためにはどのような取り組みをしていくのかを伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 私からは、子どもを守る対策について御答弁申し上げます。
子どもたちの人権、生命、健康は、私たち教育に携わる者を含め、社会全体で守るべきものと考えております。近ごろは子どもが犠牲となる本当に痛ましい事件が発生し、胸を痛めております。いじめ、不登校、虐待などはどの学校でも起こり得る問題であり、全教職員が子どもたちの様子を注意深く見守り、家庭、地域の状況等の把握に努め、未然防止、早期発見、早期対応に努めることが重要であります。それには、スクールカウンセラーなど専門性の高い職員の活用や、保護者、地域の協力、警察、子ども家庭支援センターや児童相談所などの諸機関との連携強化など、学校の組織的、総合的な対応力を高めることが必要だと考えております。
私は、困難な時代だからこそ、学校、教育委員会が一丸となって、子どもの安全安心を守っていかなければならないことを校長会を通じて校長、園長に、生活指導主任や教育相談主任を対象とした研修会などを通じて現場の教員たちに直接伝え、課題意識を共有するとともに、さまざまな手段を講じて安全確保を最優先に、子どもたちの人権、生命、健康を守ってまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、学校の通学路の交通安全対策につきまして御答弁申し上げます。
教育委員会では、平成二十六年九月に区立小学校の通学路において下校中の児童が交通事故によりお亡くなりになるという痛ましい事故を受けまして、区立の全小学校の通学路について、関係機関と連携のもと、緊急の合同点検を実施いたしました。また、警察、道路管理者、学校、PTA等が緊密な連携を図ることを目的とした通学路安全対策連絡会を設置し、通学路の安全対策の強化を図ってまいりました。教育委員会では、こうした通学路の合同点検を継続的に行うことが一層の安全確保につながるとして、通学路安全対策連絡会で検討の上、平成二十九年二月に通学路交通安全プログラムを策定し、区立小学校を四つのグループに分け、それぞれ四年に一回は、学校、PTA、道路管理者、警察、区教育委員会等の参加のもと、通学路合同点検を実施しております。
しかしながら、昨年十二月十七日に区立小学校一年生の児童が路線バスと接触し、お亡くなりになるという大変痛ましい交通事故がございました。教育委員会では、改めて交通安全、交通事故防止を徹底するため、各学校や幼稚園を通じて児童生徒等に対し、道路に広がらずに白線の内側を歩くことや、通学路や通学経路の確認と経路を守って登下校することなどの指導の徹底をしております。
教育委員会では、引き続き、通学路交通安全プログラムに基づき、関係機関と連携を図りながら通学路合同点検を実施し、通学路の安全対策の向上に努めていくとともに、児童生徒がみずから危険を予測し、回避する能力と他者や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するための安全教育を推進してまいります。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、学校周辺のパトロールの状況と地域との連携について御答弁いたします。
世田谷区二十四時間安全安心パトロールにつきましては、犯罪を予防することを目的とし、公園や緑地、公衆トイレなどの巡回にあわせ、先日発生しました川崎の事件以降、登下校時の通学路周辺への巡回対応を実施しているところでございます。また、子どもに対する声かけ事案等が発生した場合には、その都度警察署と連携し、事案発生場所周辺の巡回活動を適宜対応しているところでございます。
地域と連携した取り組みにつきましては、子どもの安全安心を見守るため、子ども等に係る異常を察知した場合の一一〇番通報など一時的な対応につきまして、郵便局、運送会社等の八団体と協定を締結し、御協力をいただいているところでございます。また、区民の防犯意識の向上を目的とし、町会の代表者などを対象に地域防犯リーダーの育成のための地域の危険箇所改善指導者講習会を実施するなど、地域との連携を図っているところでございます。
以上です。
◎池田
教育政策部長 私からは、学校が不審者情報を得た場合の緊急連絡メールについて御答弁申し上げます。
不審者等の子どもの安全安心に関する情報については、事実関係を精査し、必要な情報を適切かつ速やかに保護者などに提供する必要があると認識しており、その方法の一つとして緊急連絡メールを活用しております。各学校が保護者、地域から不審者情報を得た場合には、発生した事案の事実関係の確認や教育委員会や警察との連携を図った上で、事案の緊急性などを勘案し、メールの配信の判断をしております。その際、事案の状況や学校の対応について、学び舎や近隣校と情報を共有し、同様のメールを発信するなど連携を図っております。また、区として子どもの安全安心に関する情報を得た場合には、教育委員会から学校に情報発信を指示しております。
なお、年度初めには、保護者に対して区立学校の緊急連絡メールだけでなく、世田谷区の災害・防犯情報メール配信サービス及び警視庁のメールけいしちょうなどの情報提供システムへの登録についても周知し、さまざまな機関からの情報収集を推奨しております。
教育委員会といたしましては、今後とも学校とともに、子ども・若者部や危機管理担当課、警察等の関係機関と連携し、PTAや地域の方々との協力を一層深めながら、子どもたちの安全確保に努めてまいります。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、二点についてお答えいたします。
まず、一点目でございます。世田谷区の若者のひきこもり支援についてお答えいたします。
区では、子ども・若者育成支援推進法に基づく相談支援機関としてメルクマールせたがやを平成二十六年九月に開設し、同時に子ども・若者支援協議会を立ち上げ、関係機関と定期的に情報共有、意見交換の機会を設けながら、生きづらさを抱えた若者の支援を行っております。この協議会は代表者による会議のほか、不登校・ひきこもり、ひきこもり・就労、思春期青年期精神保健の三つの部会から成る実務担当者会議を年九回実施し、事例検討等を通し、各機関の特徴や支援情報の共有を行いながら、顔の見える支援者ネットワークを築いております。
また、昨年度は若者にかかわる公的ネットワークと民間の団体や活動者がつながる機会として、広く参加者を募り、若者支援シンポジウムを開催いたしました。二十四団体、二百名が参加し、困難を抱えた当事者が支援につながるためには、親でも先生でもない、第三の大人のネットワークが重要であることを共有したところです。
今後も、公的機関や専門機関との連携にとどまらず、NPOなど民間の活動団体とも積極的につながる機会を設け、さまざまな困難を抱えた当事者が身近な日常の場から切れ目なく適切な支援につながることができるよう取り組んでまいります。
二点目でございます。東京都のひきこもりサポートネット事業は年齢制限の上限を撤廃したが、区の若者総合支援センター事業はどのように対応していくのかという点にお答えいたします。
東京都のひきこもりサポートネット事業は、ひきこもり状態の長期化、高年齢化の課題に対応するため、これまで十五歳からおおむね三十四歳までを対象として実施していた訪問相談事業について、今月より年齢制限の上限が撤廃されました。また、事業の担当所管も青少年・治安対策本部より福祉保健局に変更をされております。区の若者総合支援センターでは、子ども・若者育成支援推進法に基づく事業のため、中高生世代から三十九歳までの若者と家族の相談支援を担っております。現時点では四十歳以上の方からの御相談はほとんどございませんが、御本人やその御家族からお問い合わせを受けた場合は、その方の状況を伺い、適切な支援先を御案内いたします。
また、教育委員会や学校と連携した早期の取り組みや若者の居場所事業と連携した支援、区民や関係機関への若者総合支援センターのPRなどひきこもりが長期化する前に、当事者や家族の孤立状態を解消する取り組みに引き続き注力してまいります。
一方、四十歳以上の方の支援につきましては、都や国、他自治体の動向を注視するとともに、メルクマールせたがやで培いましたノウハウを生かしまして、早急に関係所管で検討を進めてまいります。
以上でございます。
◎志賀
世田谷総合支所長 私からは、太子堂周辺のまちづくりについて二点お答えいたします。
まず一点目、太子堂二・三丁目地区の防災まちづくりの状況についてです。
太子堂二・三丁目地区のまちづくりにつきましては、昭和五十五年から地域住民の皆様と話し合いをしながら、地区街づくり計画などのまちづくりのルールを定め、修復型のまちづくりを進めてきたところでございます。この間、避難活動の円滑化のための道路や通り抜け路の整備、密集地域の防災機能の向上のための公園の整備等を進めてまいりました。また、不燃化特区制度の導入の効果もあり、この地区を含め、太子堂・三宿地区では、延焼による市街地の焼失がほぼゼロになると言われる不燃領域率七〇%の目標値を平成三十年度当初で達成しております。
お話にありました太子堂と三宿の間を南北に通る三太通りにつきましては、見通しの悪いカーブなどもあり、順次改良工事を進めております。今年度においても太子堂三丁目三十番から一番先の高低差のある見通しの悪いカーブの改良工事を行っているところでございます。
今後とも引き続き、防災まちづくりの推進のため、三太通りの整備も含めて、太子堂二・三丁目地区周辺のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。
次に、太子堂・若林地区の防災まちづくりについてお答えいたします。
太子堂・若林地区につきましては、既に東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制の指定や東京都の不燃化特区制度の指定を受けたことで、建築の際に防火性の高い建築物に誘導することにより、地区内の建築物の不燃化を促進してきたところでございます。この太子堂・若林地区のうち、烏山川緑道の南側にある若林一丁目や太子堂四丁目につきましては、防災性の向上や住環境の保全などを図るため、世田谷区街づくり条例に基づく地区街づくり計画が既に策定されており、防災まちづくりを進めているところです。
また、緑道北側の太子堂五丁目、若林二丁目につきましても、地区街づくり計画などの策定に向け、昨年度、地区の現状を把握するための基礎調査を行い、今年度以降も引き続きまちづくりの検討を進めてまいります。
防災まちづくりの推進において、地域住民の皆様の御理解と御協力は欠かせません。今後とも意見交換会などを行い、地域住民の皆様の御意見を伺いながら、いつまでも住み続けられる災害に強い市街地の形成に向けて、防災まちづくりの推進に積極的に取り組んでまいります。
以上です。
◆十二番(金井えり子 議員) いろいろ答弁いただきましたが、太子堂の防災まちづくり、よろしくお願いいたします。
そして、世田谷区は二〇一五年に子ども・子育て応援都市宣言をしています。その中で、子どもには、自分らしく、尊重されて育つ権利があること、大人は、子どもをしっかり見守り、励まし、支えること、地域は、子育て家庭が楽しく子育てできるよう応援していくこと、そして世田谷区は、区民と力をあわせて、子どもと子育てにあたたかい地域社会を築きますとあります。ぜひ子どもが萎縮せず、伸び伸びと育っていけるように、そんな安全対策を進めていただけるよう要望しまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○和田ひでとし 議長 以上で金井えり子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、五番ひうち優子議員。
〔五番ひうち優子議員登壇〕(拍手)
◆五番(ひうち優子 議員) 本日は、新しい期になりまして、改めて自転車の安全対策についてまず伺ってまいります。
交通事故全体の約四割が自転車が絡む事故、そのパーセンテージを減らすためには、ソフト、ハード両面からの施策のアプローチが必要であることは以前から幾度となく申し上げてまいりました。
本日はまず自転車の安全教育というソフト面から伺ってまいります。自転車の安全教育には世代別に分けた施策が必要でありまして、小中学生にはスタントマンを使った事故再現型の安全教室、保育園、幼稚園に送り迎えする保護者の方向けには専用のパンフレット、「『子育て自転車』の選び方&乗り方」の配布のほか、出前講座が有効であります。
ここでまず、学校教育、保育園、幼稚園の保護者の方向けの安全教育について、区の取り組みの現状と今後についてお伺いいたします。
また、時間がとれず行政とのかかわりが少ない働く世代の方々に対する自転車の安全教育こそ大切であり、SNSを利用したスタントマンの動画配信が有効であると考えます。その他、観光マップの中に自転車五則を盛り込むことも有効です。スマホ世代には、紙媒体ではなくQRコードを紙媒体に明記し、データでの提供が有効と考えます。外国人への自転車ルール、マナーの周知とQRコードの活用について見解をお伺いいたします。
次に、ハード面の対策であります。ハード面では、自転車道と車道、歩道の住み分けが大切で、分離型の自転車専用レーンは特に有効と考えます。二〇一五年に世田谷区では自転車ネットワーク計画を策定いたしまして、その中で整備すべき優先路線約七十二キロを定めました。この計画に基づき着実に進めるべきと考えます。進捗状況と今後についてお伺いいたします。
また、世田谷区内の道路は道路管理者が分かれており、国、東京都、警視庁、世田谷区それぞれが自転車専用レーンを整備をしています。国、東京都、警視庁、世田谷区それぞれの進捗状況についてお伺いいたします。
次に、新たなシェアサイクル、短距離利用のフランスヴェリブ型のシェアサイクルについて伺います。現在、千代田区、中央区、港区、江東区、渋谷区といった臨海地区で自転車シェアリングが整備をされており、どのサイクルポートでも自転車の貸し出し、返却ができ、ビジネス、観光などさまざまな用途で使えます。現在、世田谷区では通勤通学で使えるコミュニティーサイクルを実施しておりますが、観光用の短距離のシェアサイクルは未整備です。
短距離のシェアサイクルは、幾つかの民間事業者が店舗やコンビニエンスストアなど独自でステーションを用意しております。事業者の中には、行政はサイクルポートの場所のみを提供し、コストはかからないといったものもあります。これらのシェアサイクルの特徴は、民間用地と公共用地の連携を図り、ICカードやスマホで借りることができ、無人かつ予約もでき、借りた自転車をどこのサイクルポートでも返却できるといったことです。既存のコミュニティーサイクルはもちろんそのまま通勤通学用に運営し、新たに観光用のシェアサイクルを整備すべきです。
今後、オリンピック・パラリンピックに向け、民間事業者と連携をして、自転車のポートとして公共用地を提供し、観光用ヴェリブ型の短距離シェアサイクルを提供すべきと考えます。見解を伺います。
次に、三つの図書館構想について伺います。
私は、図書館に対するニーズは、社会情勢、時代変化の中で多様化してきており、今後の図書館のあり方として、機能別に分けた図書館整備が必要と考えます。具体的には、図書館カウンターのようなフロー型図書館、そして拠点図書館、また、図書館に行かずともネット上で本の貸し出し、返却ができ、本を読むことができる電子図書館です。
順次伺ってまいります。滞在型図書館は梅丘図書館が改築工事の後、令和四年度に開設予定ですが、以前から本の貸し出し、返却機能は自動にして、そのかわりWi―Fiと電源を整備し、パソコンを持ち込めるようなビジネスコーナーの設置、閲覧席に関しては大幅にふやし、時間制、ネット予約可、有料自習室、中高生の学習室、個室、グループ使用といったさまざまな用途で使えるようなメニューを用意する。集会室、会議室も整備、また、カフェやレストランを誘致するといったように、文化施設としての機能を持ち合わせる図書館にすべきと申してきました。以前から質問している梅丘図書館について、進捗状況をお伺いいたします。
また、自動貸し出しにするにはICタグが必須です。世田谷図書館、経堂図書館で導入をしておりますが、現状と今後についてお伺いいたします。
次に、本のない図書館カウンターについて、二子玉川、三軒茶屋に整備をされましたが、駅近のちょっとしたスペースでありながら夜遅くまで開館をしており、貸し出し、返却、取り寄せ機能に特化をし、大変好評であります。下北沢への可能性と今後についてお伺いいたします。
次に、電子図書館について伺います。このテーマも以前から質問をしております。電子図書館とは、電子書籍をインターネット上で貸し出す図書館で、図書館に行かずとも本を借り、ⅰPadなどで読むことが可能です。また、たくさんの書籍を保管できる、劣化せず貴重な歴史資料などの保存、維持もできる、紛失や延滞防止にもつながる、障害者の方への配慮もできるなどのメリットがございます。また、二〇一六年四月の障害者差別解消法成立により、障害者の方の施策としても電子図書館は必要であります。
今後、紙媒体との役割分担をしながら電子図書館を整備をしていただきたいと考えます。改めて答弁を求めます。
次に、公園の有効活用について、本日は期が新しくなりまして、改めて伺ってまいります。
二〇一八年六月、都市公園法が一部改正をされ、公園の自由度が広がりました。今後は官民連携で公園の有効活用を図るべきであるとこれまで申してまいりました。具体的には、公園へのカフェ、レストランの誘致、また、現在不足している保育園やスポーツ施設、特別養護老人ホームなどの公共施設を公園内に整備をすることで本来の公園をより高める、そして魅力的な公園になると考えられます。
そこでまず、区立公園での官民連携について、現状と進め方なども含め、区の見解をお伺いいたします。
次に、現実的に公園の有効活用ができる場所として、今後整備予定の上用賀公園と玉川野毛町公園があります。前回までの質問では、二つの公園では官民連携事業の検討が進んでおり、サウンディング調査を実施しているとのことでした。今回は玉川野毛町公園について伺います。
玉川野毛町公園では、ことし二月からキッチンカー誘致の社会実験を行っておりますが、余り出店状況はよくないように思います。今後、民間企業誘致をしていく上では、公園の魅力を高め、集客力を高めなければ成功は望めないかと考えます。
まずはカフェなどの民間施設の整備も視野に、キッチンカーの出店状況なども踏まえ、魅力ある公園の整備に努めるとともに、官民連携を進めるべきと思いますが、今後の方向性についてお伺いいたします。
次に、無電柱化について、このテーマも何度か取り上げていますが、進捗状況についてお伺いいたします。
無電柱化は、災害時の感電や電柱の倒壊の危険性、それにより緊急車両が入れず物資輸送が困難になる危険性を回避できる、また、災害時だけではなく、安全な歩行空間を確保できる、景観がよくなるなどのメリットがございます。各先進国の状況ですが、ロンドン、パリ、ボンでは一〇〇%、ベルリンは九九%、またシンガポールは九三%などに対し、東京都では、平成二十六年のデータですが、約二%と大変おくれており、計画的な整備が必要です。また、世田谷区内は狭隘道路が多く、特に幅四メートル程度の道路への無電柱化も必要と考えます。
前回の答弁では、平成二十九年度末現在の区道における無電柱化の整備実績は道路延長で約十一・七キロメートルでした。区道における無電柱化整備のこれまでの実績と狭い道路の無電柱化に対する区の見解についてお伺いをいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎関根 土木部長 私からは、自転車の安全教育など六点についてお答えいたします。
まずは学校教育、保育園、幼稚園の安全教育についてです。まず、小学校におきましては、PTAへの委託により区立全校で交通安全教室を実施しており、一年生で道路の歩き方教室、三年生で自転車教室を基本としています。中学校につきましては、スタントマンが目の前で交通事故の様子を再現する事故再現型交通安全教室を区立全校で三年に一度実施しております。また、幼稚園につきましては、私立を含め園からの要望に応じ、幼児に対応できるスキルを持つNPOに委託し、交通安全教室を実施しております。なお、児童や保育園児などの乳幼児向けの交通安全教育は家庭教育が何よりも重要であることから、今後とも保護者への交通安全啓発を進めてまいります。
次に、外国人への自転車ルール、マナーの周知とQRコードの活用についてです。
外国人観光客等による自転車利用の増加により、区として外国人に自転車ルールなどをわかりやすく伝える必要がより一層高まっていると認識しております。既に区のホームページには、世田谷区民自転車利用憲章、自転車安全利用五則等を英語、中国語、ハングルでも掲載し、また、東京都作成の英語による交通ルール解説を区役所の外国人相談等の窓口に設置しております。
今後でございますが、さらなる情報提供として、レンタサイクルポートや三軒茶屋観光案内所においても外国人向け資料を配付してまいります。また、御提案のQRコードにより、区ホームページにアクセスできる仕組みの整備についても進めてまいります。
次に、自転車ネットワーク計画に基づいた整備の進捗状況と今後についてです。
自転車通行空間の整備については、平成二十七年三月に策定した世田谷区自転車ネットワーク計画に基づいて進めております。駅周辺の路線などの優先整備路線に重点を置き、効果的かつ効率的に整備を進めております。平成三十年度は烏山通り、用賀中町通り、寺町通りなどに自転車ナビマークの整備延長を約五・七キロメートル行いました。過年度分と合わせますと整備延長は約二十キロメートルとなります。また、今年度は約七キロメートルの整備を予定しており、今後は整備のスピードを加速して早期の優先整備路線の完成を目指してまいります。
次に、自転車専用レーン整備の国、東京都、警視庁の進捗状況についてです。国、東京都、また警視庁における整備実績でございますが、自転車通行空間整備の標準的な考え方等を示した安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインに基づき、国土交通省では、国道二四六号の三軒茶屋から駒沢交差点までの約一・八キロメートルに自転車走行位置表示を、東京都では都道淡島通り若林陸橋から目黒区境間の約二・一キロメートルに自転車専用通行帯を整備しております。また、警視庁においては、自転車の交通事故防止等のため、早期に整備できる簡易な表示の自転車ナビマークを、環状七号線、環状八号線、世田谷通り、国道二〇号や区内の主要な幹線道路など約六十五キロメートル整備しております。
区といたしましては、今後も、区道では優先整備路線のほか、道路新設の機会などを捉え、また、国、東京都、警視庁などとも連携しながら、安全な自転車通行空間の整備に取り組んでまいります。
次に、観光用ヴェリブ型の短距離シェアサイクルについてです。
御質問のヴェリブとは、パリ市が二〇〇七年から運営を始めたレンタサイクルで、市内に約千八百カ所のサイクルポートを設置し、多言語対応の無人登録機を使って利用できる観光客に利便性の高いシステムのことです。一方、都内では、民間事業者による幾つかのシェアサイクル事業が飛躍的に拡大しており、区内にもサイクルポートが設置され始めています。
このような民間事業者によるシェアサイクルは、当区内ではまちなか観光として有用であるとともに、区民のサービスの向上にも寄与するものでございますが、ヴェリブほど多数のサイクルポートを設置することは困難であると考えております。
区といたしましては、公共用地の活用も含め、官民連携により、事業者によるシェアサイクル事業の展開が加速するよう庁内において検討を進めているところです。
最後に、区の無電柱化についてです。
平成三十年度末現在、区道における無電柱化の整備実績は道路延長で約十二・四キロメートルとなり、前年度比プラス約〇・七キロメートルでございます。幅員四メートル程度の道路の無電柱化は、地上機器の設置場所の確保や新たに電線類を地中に埋設する空間の確保ができる場合を除き、その多くが物理的に困難な状況です。
区といたしましては、今月末の策定を目指している無電柱化の基本的な計画として新たに策定する世田谷区無電柱化推進計画及び今後五年間の無電柱化整備の計画である世田谷区無電柱化整備五カ年計画に基づき、国や東京都の動向、新技術の進展などを注視しながら、区道の無電柱化をより一層推進してまいります。
以上です。
◎皆川 生涯学習部長 私からは、図書館に関連する三点の御質問についてお答えいたします。
まず最初は、梅丘図書館改築の進捗状況とICタグ導入の進捗状況についてでございます。
区立図書館では、充実した資料の収集、提供を中心に、区民の知的欲求や学習意欲に応えていく役割を果たしながら、地域の社会資源として、くつろいだり、交流できる場の快適な場の提供についても、施設整備などの機会を捉え、取り組んでまいります。
今年度、改築の実施設計を進める梅丘図書館では、羽根木公園の中という立地を生かし、来館される方々がくつろぎを感じながら本に親しむ時間が過ごせるよう、公園と一体となった空間の創出に取り組んでおります。二階にはたくさんの本を置き、閲覧席をふやし、大人の学びの時間を提供いたします。三階は絵本などを中心とした子どもフロアとし、テラスから望む公園との一体となった空間を感じられるように、そして一階には新聞や雑誌などを置きカフェやギャラリースペースを設けるなど、各フロアごとの利用に合った雰囲気が醸成できるよう快適な空間づくりを目指してまいります。
また、ICタグにつきましては、令和三年度をめどに全館への導入を進めております。自動貸し出し機の設置などによって利用者サービスの向上と効率的な運用を図るよう取り組んでまいります。
次は、図書館カウンターについてでございます。図書館カウンターは、交通結節点である駅周辺など多くの利用が見込まれる地域において、資料の貸し出しと返却などに特化した図書館サービスの補完的な機能として、平成二十七年に二子玉川と三軒茶屋に開設しております。これまでの利用状況は、貸し出し数が二カ所合計で、平成二十八年度三十万七千件から平成三十年度には三十九万五千件と年々増加しております。また、この二カ所で新たに利用者登録された方も多く、図書館カウンターの設置によって図書館サービス全体として利用の拡大につながっているものと考えております。
新たな図書館カウンターの設置につきましては、第二次世田谷区立図書館ビジョン・第二期行動計画でお示ししているとおり、二子玉川と三軒茶屋の利用状況等を踏まえながら、広域生活文化拠点である下北沢など多くの利用が見込まれる場所での設置検討を進めてまいります。
続いて、電子図書館についてです。
パソコンやタブレット端末などで読書を楽しむことができる電子書籍は年々利用する人がふえており、図書館サービスの一つとして、今後必要性が高まる可能性があるものと認識しております。電子図書館の技術的な基盤はサービスやコンテンツを提供する事業者から調達して行うものが多く、現在、全国の図書館を設置している千三百八十自治体のうち八十以上の自治体がこういったサービスを活用しております。このサービスで利用できる電子書籍もふえてきておりますが、たくさんの魅力ある書籍を提供するには、その内容に応じて経費が増加するなど課題もございます。一方で、来館が困難な方や視覚障害者等へのサービス拡充につながるものとも考えております。
第二次世田谷区立図書館ビジョン・第二期行動計画では、運用面や技術面の課題検証を行うなど調査研究を行いながら、多様な資料提供のあり方を検討することとしております。今後さらに廉価で利用できるようなサービスに見合った調達環境となっていくかなどの動向を注視しながら検討してまいります。
以上でございます。
◎笠原 みどり33
推進担当部長 私からは、公園の有効活用について、二点御答弁いたします。
まず、民間企業誘致についてです。区では、二子玉川公園での民設民営のカフェの誘致以降、立地やアクセスがよく集客の見込みのある大規模な公園においては、パークPFIや設置管理許可制度など、その公園に合った最も効果的な民間活力導入の手法を検討し、事業を進めていくものとしております。また、世田谷公園では平成二十八年度から移動販売車誘致に取り組んでおり、本格実施二年目の現在まで好評を維持していると捉えており、今後、事業を拡大していく考えでございます。
続いて、玉川野毛町公園への民間活力の導入についてです。お話しのとおり、移動販売車の社会実験を行いましたが、応募者数、また出店日数ともに少なく、現状での同手法による民間活力の導入には課題が多いものと認識しております。
今後は、この移動販売車誘致の社会実験や、昨年度実施いたしました民間事業者の参画意向などをお聞きするサウンディング調査の結果を踏まえるとともに、地域住民や民間事業者と対話を重ねていくことで、等々力渓谷や野毛大塚古墳などの貴重な資源をより一層生かし、多くの人が訪れ楽しむことができる官民連携による公園づくりを推進してまいります。
以上です。
◆五番(ひうち優子 議員) 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
自転車の安全対策について、着実に進んでいるとお見受けしまして、また引き続きよろしくお願いします。
ヴェリブ型の短距離シェアサイクルなんですが、ポートがヴェリブはすごく多い、私も乗ったことがあるんですけれども、多いということで、今、庁内においてシェアサイクル事業を官民連携で進めていくということでしたので、どうぞよろしくお願いします。
電子図書館については、以前より一歩答弁が前進したかなと思っておりまして、今後、検討を進めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、十三番田中みち子議員。
〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手)
◆十三番(田中みち子 議員) まず初めに、性暴力の根絶に向けて質問いたします。
平成最後の三月から四月にかけての約一カ月の間に、性暴力を受けた事件の裁判で無罪判決が相次ぎました。中でも、静岡地裁での実の娘を十二歳から二年間性的暴行をした罪に問われていた父親の無罪判決に続き、名古屋地裁でも中学二年生のときから実の娘に性的虐待をしていた父親が無罪判決となっています。共通する判決の多くは、本人の意思に反する性交であると認めるものの、抵抗が著しく困難だとは言えないという驚くべきものでした。娘を性的虐待した父親はなぜ無罪なのか、多くの人たちから怒りの声が上がっています。
子どもたちは、知らない大人にはついていってはいけませんよと学習をします。しかし、性暴力の多くは親しい関係の大人が加害者であることが大きな問題です。子どもたちは、身近な大人の性暴力からどう身を守り、被害に遭ってしまった際にどう助けを求めればよいのでしょうか。ましてや実の父親が加害者となる性暴力を幼い子どもが暴力と認識するまでには長い時間がかかったり、助けを求めることで家族がばらばらになってしまうと我慢し続けたり、また、声を上げても今回の裁判のように無罪判決となればますます声を上げることなどできません。
性暴力を根絶するために、性暴力から子どもたちを守るために、教育長は何が必要だとお考えでしょうか。
今般、性教育の手引が十四年ぶりの改正となりました。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツとともに、性被害の現状や課題解決などにも踏み込んだ性教育の実施を求めます。見解を伺います。
また、義務教育後の高校生や若者に対する支援体制も重要です。レイプドラッグなどの被害件数もふえる中で、合意のない性行為は暴力であることを伝える予防教育や、困ったときに相談支援につながるようにふだんから顔の見える関係性をつくることが必要です。
希望丘青少年交流センターアップスは、子ども、若者の第三の居場所としてこうした機能を持たせ、性の知識に関する啓発などを行う最適な場所であると考えます。既に野毛青少年センターでは、定期的にエイズの知識を学ぶ機会があるなど、正しく性感染症を理解し、相談しやすい環境があります。新たな居場所アップスも性についてオープンに話すことができる機会をつくり、相談支援できる環境を整えることが必要です。見解を伺います。
さらに、児童養護施設退所者については、自立が困難な場合や愛着形成に問題がある場合も多く、危険な目に遭いかねない道に進んでしまうことがないよう継続した支援を行う必要があります。十八歳で社会に出された後、何らかの理由で施設との関係性が切れてしまい、相談する相手も見つからず、性産業に行き着いてしまうこともあるという現状を施設関係者から伺っています。
世田谷区が開設する児童相談所は、弁護士などの専門家によりアドボカシーの保障に取り組むとのことですが、児童養護施設や里親から旅立つ若者への就労支援とともに、弁護士などの専門家による相談体制を設け、退所後も相談できるようにする必要があります。見解を伺います。
最後に、性暴力を根絶するためには、性は人権であり、性暴力は魂の殺人であることを周知し、性暴力を個人の問題とせず、社会全体の問題として広く啓発し、加害者をつくらず、これ以上犠牲者を出さない土壌をつくる必要があると考えます。昨年のノーベル平和賞は性暴力の根絶に尽力する二人の人権活動家が受賞していますが、特にコンゴ民主共和国で起こる紛争は、携帯電話などに使われるレアメタル、鉱物資源の奪い合いによって長期化し、三人に二人の女性が性的テロである性暴力の犠牲となる惨状を私は訴え、私たち一人一人が傍観者であってはいけないはずだとこの議場で申し上げました。
性暴力被害者の治療に尽力するデニ・ムクウェゲ医師のドキュメンタリーの映画の上映、平和の象徴である平和資料館と、人権、ジェンダー平等に取り組むらぷらすを連動させた啓発事業などの取り組みを行うことを求めましたが、その後の取り組み状況を伺います。
次に、東京二〇二〇大会を契機にした持続可能な社会の実現について質問します。
コンゴ民主共和国の紛争の原因でもあるレアメタルが眠る都市鉱山についてはこれまでも議会で取り上げ、鉱物についても国内で自給自足できる一歩となり、持続可能な環境をつくる機運を醸成する意味で、東京二〇二〇大会のメダルを都市鉱山でつくるプロジェクトに積極的に参加することなどを求めました。このプロジェクトも三月で終了し、家庭内に眠る鉱物資源がいよいよオリパラのメダルとして生まれ変わりますが、東京二〇二〇大会のメダルと紛争鉱物のつながりを理解できる学習の場が必要と考えます。
携帯電話に使われるレアメタルが引き金となって起こる問題の存在を知らしめ、グローバル経済の仕組みと社会問題、自分とのつながりを理解し、そして、消費者としてこうした問題を解決するために、一人一人何ができるのかを生涯学習として啓発を行うことで、東京二〇二〇大会のレガシーとして継承することを求めたいと思います。そして、こちらに開発教育協会、教育NGOがつくった勉強の資料があるんですけれども、これはちょうど「スマホから考える世界・わたし・SDGs」と、まさにタイトルのものなんです。こういったものをぜひ活用していただいて、教育学習をお願いしたいと思います。
また、海の生態系に深刻な影響を及ぼすマイクロプラスチックは世界中でも大きな問題となる中、東京二〇二〇大会を契機に脱プラスチックへの取り組みを加速することも求めてきましたが、令和元年五月十日、スイス・ジュネーブで開かれた有害な廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約で、汚れたプラスチックごみを輸出入の規制対象に加える条約改正案が採択されました。
国内では処理できない産業廃棄物としての廃プラスチックが他国に輸出できなくなったことで、国から自治体に対して焼却の要請がありました。また、時を同じくして、先日の区民生活常任委員会でも、最終処分場延命化のための清掃一組不燃ごみ処理センター可燃性残渣の焼却についての報告もあり、プラスチック焼却への機運が高まることを危惧しています。国の要請については、このままなし崩しに受け入れることはせず、国に対して受け入れることはできないことを明確に意思表示する必要があるのではないでしょうか。区長に問います。
リサイクルはもう限界に来ています。企業へのプラスチックごみの発生抑制を求めることはもちろんですが、私たちもエコバッグやドギーバッグを利用したり、使い捨てプラスチック容器やペットボトルなどの汚れをきちんと落とし、分別、廃棄を徹底することなど、発生と消費に対する取り組みを進める必要があります。そのためには、環境政策部、経済産業部、清掃リサイクル部などの関係所管が連携して一体的に取り組む必要があります。京都府亀岡市では、市民、消費生活、環境、清掃などを一つの部に統合し、レジ袋を有料化するなど効果を上げています。亀岡市のように、組織編成を視野に一体的に取り組むことを求めます。また、亀岡市に続いて、神奈川県や鎌倉市などの自治体でもプラスチックごみゼロ宣言を行い、持続可能な社会を目指すまさにSDGsに即した具体的な取り組みを進めています。
世田谷区でもこうした自治体の事例を参考にし、二〇三〇年までのできるだけ早期に使い捨てられるプラごみゼロを目指し、実効性のある取り組みを行うべきと考えます。見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 田中議員にお答えをいたします。
国からの廃プラの清掃工場での焼却の要請についての対応についての御質問でございました。
議員御指摘のバーゼル条約改正に伴って、行き場を失った産業廃棄物のプラごみを自治体で焼却処理してほしいという国からの要請、六月十日現在ではまだ清掃一組には届いていないということなんですが、来た場合には、特別区長会及び一組の運営をしております清掃一組評議会、いずれも私もメンバーになって議論することになると思います。
清掃一組から聞くところによると、現在、二十三区清掃工場は一般廃棄物の処理だけで相当余力がないというふうに聞いておりまして、国の要請を受け入れることはかなり困難かと思います。一方で、バーゼル条約の改正を機に、廃プラ処理問題について、おっしゃった海洋汚染の問題も含めて区民の関心が高まってくることを踏まえて、この問題に対処していきたいと考えています。
今回の要請は、これまで廃プラスチック、これを当たり前のように海外へ輸出するんだということで、これを前提としてきた経済、生活サイクル、そのこと、そのものに大変大きな変化が生じたということだと思いますし、緊急避難的なもので焼却という要請が来ているものと思いますが、長期的にプラスチック代替品の開発や、レジ袋や身近なプラスチック製品の使用抑制について、国や社会、私たち自治体も含めて協力して取り組まなければいけない問題だと認識しています。
区としましても、海洋流出の原因の一つとされています町なか、あるいは河川敷などの清掃活動や、プラスチックの使用抑制に向けた普及啓発など、できることから取り組みをさらに強化するとともに、区として可能な抜本的な対策、これを区民の皆様の知恵や意見も伺いながらできるだけ迅速に指示をしていきたいと思います。
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 私からは、性暴力の根絶に向けて御答弁申し上げます。
性暴力等の報道は、私たち教育に携わる者として大変心が痛む深刻な問題でございます。子どもたちを取り巻く環境が変化する中で、子どもたちが被害を受けることがないよう、正しい知識を身につけ、みずからの身をみずから守るという観点からも性教育の重要性が高まっていると認識しております。
学校における性教育につきましては、発達段階に応じた体の変化の理解、心身の保持に関する知識を身につけるだけではなく、性に対する情報が氾濫し、さまざまな情報が入手できる環境にあることを踏まえ、SNS等を介したり、さまざまな場面において性的被害に遭う可能性があることを教えたりするなど、性に関する諸課題に適切な自己選択ができるよう、よりよく生きる態度の育成を図っております。
教育委員会といたしましては、東京都教育委員会が平成三十一年三月に改訂した性教育の手引を踏まえ、各学校が子ども一人一人の状況や地域の実態に応じた性教育を進めていくことができるよう、性被害の現状や課題など学習指導要領に示されていない内容も含めた形で教員研修の改善に取り組むとともに、各家庭や保健所、外部の関係機関等とも連携し、性教育の充実に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
◎松本 生活文化部長 私からは、人権活動家のノーベル賞受賞に伴う区の取り組みについてお答えをいたします。
区では、第二次男女共同参画プランの基本目標の一つに女性に対する暴力の根絶を掲げ、DVの防止や被害者支援の充実、暴力を容認しない意識づくりに取り組むとともに、昨年十二月からは配偶者暴力相談支援センターの機能を整備し、DV相談専用のダイヤルを開始しております。
性暴力の根絶に向けては、広く現状を知っていただくことや、性暴力によって生まれる二次被害についても理解していただくことが大切であると考えております。また、性暴力に限らず、女性に対するあらゆる暴力の根絶についても同時に啓発していく必要があると考えております。
お話にございました人権活動家のデニ・ムクウェゲ氏が昨年ノーベル平和賞を受賞しておりますが、男女共同参画センターらぷらすでは、受賞にあわせまして、昨年十二月から本年五月までの間、ムクウェゲ氏の業績や受賞理由の紹介、著書や性暴力関連書籍の展示を実施いたしました。また、本年十一月になりますが、国による女性に対する暴力をなくす運動にあわせまして、世田谷平和資料館とらぷらすが連携し、ムクウェゲ氏の活動を紹介するドキュメンタリー映画の上映等を予定しております。引き続き、こうした活動を通じまして、性暴力を含めた女性への暴力根絶に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、希望丘青少年交流センターアップスにおける若者の相談支援についてお答えいたします。
性暴力の根絶のためには、まずは性に対する理解をすること、不安を感じたときに一時でも安心して過ごせる居場所があり、そこで相談したいときに相談ができる人がいることが重要であると認識しております。
希望丘青少年交流センターアップスは、誰でも自由に過ごすことができる子ども、若者のための居場所であり、小学生は午後六時まで、中学生は午後八時まで、高校生以上は午後十時まで利用ができ、悩みがある若者から相談を受けた場合はスタッフ等がまずは受けとめ、内容により必要な支援先等につなぐ体制を整えております。また、野毛青少年交流センターでは、性の知識を学ぶ機会として、エイズ啓発を平成二十八年度より二カ月に一度程度、東京都エイズ啓発拠点ふぉー・てぃーが、その場に集う若者たちにカードゲームを使用するなどして、遊びの中から正しく性感染症を理解してもらい、困ったことがあったら相談できる場所があると伝える取り組みを行っております。今後はこの取り組みについて、希望丘青少年交流センターアップスにも拡充し、相談につながる支援に努めてまいります。
以上でございます。
◎澁田
児童相談所開設準備担当部長 私からは、児童養護施設退所者等への相談支援についてお答えいたします。
自立に困難を抱えた若者、その中でも児童養護施設の退所者については、厳しい環境の中で生活をしなければならず孤立しやすいことから、退所後についても寄り添った支援が必要であると認識しております。特に重要なこととして、児童養護施設や里親のもとで暮らしている間の早い時期から将来の可能性を考え、自立し、自分が希望する道に進むための十分な準備を行う必要があると考えており、施設や里親と協力、連携し、進路指導や就業支援、経済的なことも含めました生活設計など、困ったときに相談できる支援体制の強化なども考えてまいりたいと思います。また、法律相談などの専門分野におけるサポートについても、区の各種相談事業や関係機関との連携も含めまして、切れ目のない相談支援の体制が構築できるよう検討してまいります。
以上でございます。
◎本橋
環境政策部長 私からは、二点御答弁いたします。プラスチック問題はさまざまな部署が一体的に取り組む必要があるとの御質問でございます。
国では、プラスチック資源循環戦略を定め、レジ袋有料義務化等によるワンウェイプラスチックの使用削減や、プラスチック資源の分別回収、リサイクル、ポイ捨て防止や散乱ごみの回収などの海洋流出対策などに取り組むとしております。
区におきましても、海洋プラスチックごみ問題のシンポジウム開催や町会・自治会などと連携したポイ捨て防止キャンペーンやごみ拾い活動、区主催イベントや会議等で使い捨てプラスチックを極力使用しないといった率先行動などにさまざまな部署と連携、協力しながら取り組みを進めております。とりわけ環境、清掃、市民、消費生活に関連する部署が連携を密にとのお話をいただきましたが、今後、計画をしております子ども向け海洋プラスチック問題に関する環境学習機会の提供や清掃活動やポイ捨て防止キャンペーンの実施、マイバッグ持参などの啓発活動など、さまざまな関係団体との協働とともに、庁内関係所管の組織横断的な取り組みによりまして、区を挙げてプラスチックの排出抑制に取り組んでまいりたいと存じます。
二点目でございます。プラごみゼロを目指して実効性のある取り組みを行うべきとの御質問でございます。
お話にありましたとおり、他自治体ではプラごみゼロ宣言を掲げ、マイバッグ、マイボトル等の使用による使い捨てプラスチックの使用を控えることなどを、市民への呼びかけやプラごみゼロ宣言に賛同するスーパーマーケット等の事業者を募り、賛同する事業者にロゴマークや登録証を発行するなど、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな取り組みを進めていると承知しております。
世田谷区におきましても、本年二月にプラスチックごみ問題に関するシンポジウムを開催し、その結果を掲載したプラスチック・スマート通信を発行するとともに、区としての当面の取り組み方針を定め、この問題に取り組んでいるところでございます。
今後、プラごみゼロを目指し、ごみの減量、資源化に御協力いただいている小売店との連携強化など抜本的な対策の検討を進めるとともに、直ちに取り組めることとして、海洋プラスチックごみ問題に関するリーフレットによる情報発信やマイバッグ持参の推奨、町なかや河川敷の清掃活動などを進めてまいります。
以上でございます。
◎皆川 生涯学習部長 私からは、携帯電話をめぐる問題を改善するために何ができるのか、生涯学習として啓発をという御質問にお答えいたします。
お話しの都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクトは、東京二〇二〇大会の入賞メダルを使用済み小型家電に含まれる有用金属を用いてつくる組織委員会主催のプロジェクトで、平成三十一年三月三十一日で受付を終了いたしました。世田谷区はこのプロジェクトに賛同し、スマートフォンを含む携帯電話を九千百八十六台回収し、メダルプロジェクト終了後も引き続き使用済み小型家電を回収し、有用金属の循環利用の促進に取り組んでいます。
議員御提案の生涯学習等での啓発とのことでございますが、生涯学習は、いつでも、どこでも、誰もが家庭、学校、地域、職場等あらゆる場において自由に生涯を通じて学ぶことで、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることを理念としております。
生涯学習の推進に当たり、お話しのレアメタルの問題のみならず、現代社会の持つあらゆる課題について、区民の学習活動、社会教育活動を、教育行政だけではなく、さまざまな立場から総合的に支援を行い、生涯学習社会の実現、ひいては東京二〇二〇大会のレガシーとなるように努めてまいります。
以上でございます。
◆十三番(田中みち子 議員) 今回、性暴力の根絶と脱プラスチックの取り組みを質問しましたけれども、どちらもこのままではいけないんだという人を一人でも多くつくることだと思っています。そのためには効果的な啓発というのが何より重要だと思っていますので、しっかり全庁を挙げて取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、三十四番藤井まな議員。
〔三十四番藤井まな議員登壇〕(拍手)
◆三十四番(藤井まな 議員) SDGsの実践と題して、質問をいたします。
区長の招集挨拶や複数の議員からも取り上げたSDGsですが、今回の質問では、SDGsの担当係を政経部内に設置し、担当係長を任命することを求めます。
三月の予算委員会では、日経グローカルの地方自治体SDGsランキングにおいて、担当部署を設置している自治体としていない自治体の比較に言及しました。区内外に世田谷区がSDGsに取り組んでいくことを示すためにも担当係の設置が重要だと考えます。
言うまでもなく、SDGsはグローバルスケールの目標を並べたものであり、そこに自治体の成長を促すシナリオがあるわけではありません。重要性を理解できても、その導入の具体的手法がわからないという方もおられると思いますが、SDGsの理念を自治体活性化のエンジンとした自治体は大きなムーブメントを起こしています。SDGsを取り入れた自治体運営では北九州市や京都市などが有名ですが、ことしは静岡市が東京ガールズコレクションをSDGsをテーマに誘致し、若い世代に地方創生をアピールしたことが大きな話題となりました。
世田谷区でも部署を超越した横断的な理解を進めることが必要であり、今後は段階を踏んだSDGsの導入が必要だと考えます。SDGsを理解する、SDGsに対する行政の役割を理解する、関係するステークホルダーの明確化と民間を含めた連携の強化、政策目標と達成目標の設定、進捗状況を計測する指標の設定をまとめる、そして、世田谷版SDGsのアクションプランの策定と実施、これらのプロセスこそ今後の世田谷区に必要であり、そのためにも司令塔となる担当者が必要であると考えます。区の考え方をお伺いをいたします。
さらに今回は、目標事例の一つを提言いたします。きのうの質疑や本日の質疑でもプラスチック廃止について質疑が行われましたけれども、プラスチック廃止は世界的流れであります。できることから条例化などの目標設定を行い、実行していくことが、SDGsの十二番であるつくる責任つかう責任、十三番の気候変動対策、十四番の海の豊かさを守ろうなどの目標達成をしていくことにつながってまいります。
アメリカのシアトル市は有名ですが、昨年、カリフォルニア州でもプラスチックストローの廃止が州議会で決議をされました。海外だけではありません。世田谷区内に本社機能を置く大手ファミリーレストランのロイヤルホストは、店舗内でのプラスチックストローの廃止を実行しています。仮に世田谷区がカリフォルニア州のような決議を行えば日本初の事例となり、SDGs後進自治体が集中する東京から日本を引っ張っていくフロントランナーになっていくことも可能であります。十七の目標を垂直的に実行していくのではなく、自治体に落とし込んだ世田谷版SDGsを策定し、実行していくことが持続可能な自治体運営につながっていくと考えますが、区の考え方をお伺いをいたします。
次に、雇用労働政策についてお伺いをいたします。
今月、国では、障害者雇用促進法の一部改正案が可決をされ、その過程において、昨年発覚した省庁での障害者雇用の水増し問題について、厚生労働委員会の審議では激しいやりとりが繰り広げられました。本日の新聞報道でも、七月に公表される厚生労働白書に、水増し問題について深く反省し、障害者の雇用を推進する立場であることを自覚した上で再発防止に取り組んでいくと記されることになったということが報道をされていました。
世田谷区でも同様に障害者法定雇用率誤算定問題が発覚し、先ほども述べましたけれども、SDGsの自治体ランキングでは大きなマイナス要因となったことは三月の予算委員会でも取り上げさせていただきました。その三月の予算委員会では、四年間で法定雇用率を達成する計画を立てたにもかかわらず、平成三十年度の目標が未達成だったことを厳しく追及をさせていただきました。それらを踏まえて、今回は区が四年間で計画を達成できるとは到底思えないことから、より高い目標を設定すべきと提言します。障害者雇用はただ達成すればいいというものではないということは理解をしています。しかし、今まで区民の目を欺いてきたことを考えれば、今はそのことを盾にすることは通用しません。来年度明け、令和三年四月一日での目標達成を計画するくらいで初めて四年間での目標達成が見込めると考えます。区には、計画の前倒しをする気概があるのかお伺いをいたします。
次に、正規社員をふやす取り組みについて質問いたします。
世田谷区は、正規社員での就労を希望している人たちがどれほどいるのか把握をしていません。どれだけの正規社員が就労できたかという数字も独自では持っておりません。三軒茶屋の就労支援拠点ではPという会社にマッチングやセミナーを任せておりますけれども、結果につながっていないという声が聞こえてきます。区は、これらの取り組みが十分だと感じているのでしょうか。今後は正規就労希望者の把握に努め、区として正規社員就労数の実績を数値化し、目標を設定して取り組む必要があると考えますが、区の考え方をお伺いいたします。
雇用労働政策の最後に、ハローワークについて質問を行います。
三軒茶屋の就労拠点の機能は本物のハローワークと比べると貧弱と言わざるを得ません。九十一万人の人口を抱えながら雇用保険の手続も行うことができず、職業訓練に関して相談すらできない状況であります。これらの機能がないことが世田谷区が雇用労働政策を前に進めることができない大きな要因となっています。国に働きかけ、世田谷区に本物のハローワーク機能の設置を目指して交渉を行うべきと考えますが、区はどのように考えているかお伺いをいたします。
次に、オリンピック・パラリンピックの交通政策についてお伺いをいたします。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まってから、大会期間中の交通に対して区民の方や区内事業者の方からさまざまな御意見をいただいてまいりました。そんな中、昨年、東京都は期間中の道路渋滞のシミュレーション等を発表しました。ことしに入ってから東京都から都内の事業者などに説明会も始まっています。世田谷区は、東京都の発表を把握してからしばらく時間がたっているにもかかわらず、何の発表も行動もしていないように見えます。特に世田谷区は大会期間中に渋滞可能性が高いとされており、複数の日付で二十二時以降の渋滞発生が予想されるなど、通常時とは違った渋滞のデータが公開をされています。また、東京都は、用賀駅から馬事公苑までのシャトルバスの運行なども検討しており、区も無関係ではいられません。区も独自の調査などを行い、対策などを考える必要があるのではないでしょうか。私からは、大会期間中の自家用車の使用を抑制するなどの対策を今のうちから提唱する、そういった政策を提言をさせていただきます。これらの問題について区の考え方をお伺いをいたします。
最後に、区立小中学校の物品購入についてお伺いをいたします。
世田谷区立の小学校に補助教材を納める業者の方から御意見をいただきました。区では、いまだに多くの学校が校内において教員と業者が直接現金のやりとりを行っている、そういった事例があるそうです。振り込みが当たり前になった現在、このようなやり方は時代に合っているのでしょうか。どれほどの学校がこうしたやりとりを行っているのか、まずお伺いをいたします。
我が会派は、教員の負担軽減を主張してきました。その観点からも、これらのやりとりを教員にやらせることを改善する必要があると考えます。また、学校の中に現金を置いておくこともリスクだと考えます。今後は、担当を学校内の教員以外の職員が担うことを提言いたします。教育委員会の考えをお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、区の障害者の雇用率の関係について、前倒しを含めて目標達成についてのことでございます。
区は、共生社会の実現に向け、率先して障害者雇用を進める立場にありまして、早期に法定雇用率を充足することは喫緊の課題であると認識しております。
障害のある職員の採用計画につきましては、五月二十八日の企画総務常任委員会で御報告しましたとおり、雇用率の算定方法につきまして国の指示に誤りがございまして、雇用率に修正が生じたことから採用数を追加し、令和四年、二〇二二年四月までに常勤職員、非常勤職員を合わせて八十人程度とする計画に修正して、法定雇用率の充足を図ることといたしております。
本年四月は十七人の職員を採用いたしましたけれども、障害者の雇用につきましては、雇用率の充足のみならず、個々の障害特性等に配慮したサポート体制を構築することが重要であり、現在、人事部門に設けた担当チームによりまして、障害のある職員との定期的な面談や職場訪問、就労支援機関との連携など、具体的な支援に取り組んでいるところでございます。
区といたしましては、今後、さらに、障害のある職員が適性を生かすことができる職務や職域の拡大を急ぐとともに、障害のある職員が安心して安定的に働き続けられ、障害の有無にかかわらず、ともに支えあえる職場環境づくりを進めることによりまして、採用計画では四年間としておりますが、でき得る限り早期の法定雇用率の充足に全庁を挙げて取り組んでまいります。
以上でございます。
◎中村
政策経営部長 私からは、SDGsの実践について御答弁いたします。
SDGsの掲げる十七の開発目標は、区の基本構想や基本計画に掲げる理念や政策とも方向性は一致するものであり、区の計画を推進することはSDGsの開発目標を実現することにつながっていくものと考えています。例えば、SDGsが一番目に掲げる貧困をなくそうという目標に関して言えば、SDGsは世界のさまざまな国の状況を踏まえた地球規模、国家規模の視点に立っているのに対し、区の貧困対策は法で定める社会保障制度に加え、見えづらい貧困を地域で気づき、支え、必要に応じて公助につなげていく基礎的自治体ならではの視点でも捉えております。
SDGsの推進に当たっては、現行の区の計画の各政策がSDGsの開発目標にどう関連しているのか明らかにしていくことが有効であると考えています。区の計画の各政策の目的や方針と世界共通の目的であるSDGsとの関係を明らかにすることで区民にわかりやすく周知ができることはもとより、職員一人一人が政策の本質をより理解し、職務に対するモチベーションを高めることで、区の政策とSDGsともにより一層推進でき、お話しのありましたムーブメントにまで高めることができるのではないかと考えております。
SDGsの担当所管をという御提案をいただきました。現在、計画担当という点では政策企画課、区民・事業者と参加、協働のもとに連携して幅広く進めるという点では官民連携担当課、いずれも政策経営部内の各課各担当が中心を担い、進めてまいりたいと考えております。
今後、次期実施計画策定に向けて領域横断的な推進体制についても検討し、SDGsの目標との連動について調整してまいりたいと考えております。SDGsのバッジが十七の目標をあらわす色で丸く構成しているように、区としても一体の相互にかかわる課題として取り組んでまいります。
以上です。
◎本橋
環境政策部長 私からは、SDGsの実践について、カリフォルニア州の事例を踏まえたプラスチックストローなどの取り扱いについて御答弁いたします。
使い捨てプラスチックを削減してプラスチックごみの海洋流出を防ぐことは、SDGsの十七のゴールの一つである海の豊かさを守ろうという観点からも大変重要な取り組みであると認識しております。
区では、本年三月に海洋プラスチックごみ問題への区の当面の取り組み方針を取りまとめ、区としての率先行動を進めております。具体的には、ふるさと区民まつりなどイベント時に脱プラスチックや紙製品等への転換を促しており、紙ストローなどへの切りかえも始まりつつあります。
お話しのプラスチックストローの原則禁止ですが、利便性が高く、日常生活に多岐に浸透、流通しているプラスチック製品の特性や、区民、事業者の社会経済活動への影響も考慮しなければならないため、さまざまな機会を通した議論を重ねて共通認識を深め、実効性のある対策を検討してまいります。
以上でございます。
◎田中 経済産業部長 私からは、雇用労働政策について二点御答弁いたします。
まず、正規社員をふやす取り組みについてです。
平成二十七年の国勢調査での区民の雇用形態については、働いている人が約三十五万人おり、そのうち雇用されている人が約二十四万一千七百人、内訳としては、正規が約十六万四千人、それ以外が約七万七千七百人となっております。平成二十九年に区で行った働き方改革の推進と子育て・介護と仕事の両立に向けた多様な働き方に関する調査では、自分のライフスタイルに合った働き方を望む方がいる一方で、非正社員から正社員に転換する制度を望む方が一定程度いるなど、正社員就労を望む方も多いと考えております。
ハローワーク渋谷におけることし四月の正社員等の就業形態の有効求人倍率は二・四六倍と高く、人手不足の状況にあります。しかしながら、正社員での就労を希望する人とうまく結びつかないため、正社員での就労に向けた丁寧なマッチングが必要であると考えております。そのため、区で実施する区内中小企業マッチング事業や三茶お仕事カフェでの職業紹介など、若者から高齢者までさまざまな世代に寄り添った支援を行い、希望する区民の方が正社員での就労ができるよう支援してまいります。
次に、世田谷区にハローワークを誘致できないかについてです。
東京都内にハローワークは十七カ所あり、国が職業安定法施行規則第六条により、位置、管轄区域及び施設の規模を定めています。三茶お仕事カフェに併設するワークサポートせたがやは、国のふるさとハローワークという制度を活用して設置しており、区民の方が世田谷区を管轄しているハローワーク渋谷に行かずに、三軒茶屋で職業紹介を受けることができるよう利便性を図っております。しかしながら、お話しのように、職業紹介以外の雇用保険や職業訓練といった手続は行うことができず、サービスは限定的です。ハローワーク渋谷を利用する区民の人数を見ますと、雇用保険の手続で約八千人、公的職業訓練申込者数で約八百七十人となっており、ハローワーク渋谷の利用者の約六割を占めております。
このような状況を踏まえ、今後、世田谷にハローワークを誘致することについて、区民の利便性を考慮しながら区の雇用労働政策全体の中で検討してまいります。
以上です。
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 私からは、東京二〇二〇大会における交通政策についてお答えいたします。
東京都は、昨年十月に大会期間中の高速道路及び一般道並びに鉄道への影響を示した大会輸送影響度マップを公表しております。これは通常時の道路や鉄道の需要に大会期間中の大会関係者の車両などを付加した中で、新たな交通対策を何も行わなかった場合の影響度を分析したものでございます。
区内においては、首都高三号線の大橋ジャンクションや池尻付近などで通過に通常の所要時間の三倍近くかかるほか、一般道においても馬術競技会場周辺となる用賀インターチェンジ付近で所要時間が通常の二割程度多くかかることが示されております。大会期間中の円滑な輸送の実現と日常の都市活動の安定の両立を図ることが大きな課題となっております。
そのため、広域かつ総合的な交通対策が必要となることから、現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と東京都が事務局となる輸送連絡調整会議が設置され、関係省庁や輸送機関とともに世田谷区も委員として輸送方針の策定などに向けた検討を進めております。本会議においては、交通需要の抑制や分散、交通容量の抑制、輸送力確保などの検討も進めております。馬術競技が馬事公苑で開催されることから、区といたしましても、大会期間中の円滑な輸送と日常の都市活動の安定の両立を実現するため、引き続き東京都を初め関係機関と連携し、取り組んでまいります。
以上です。
◎淺野 教育次長 私からは、区立小中学校における物品の購入について御答弁させていただきます。
学校の子どもたちの保護者の皆様にお支払いいただくお金として、各種ドリルやテストなどの教材や、校外学習の交通費や参加費等があります。購入する物品につきましては、各学校、各学年によりさまざまです。そういった保護者の皆様から徴収させていただくお金のほとんどは保護者口座からの引き落としになっておりますが、写真の購入等一部について、保護者から業者への申込金として教員が現金の支払い事務を行っている学校が、今年度は小学校で四十六校、中学校で十九校ございます。
教育委員会といたしましては、事故防止の観点からも、極力現金での取り扱いを少なくすることは大事なことであると考えております。今後とも、議員御指摘のとおり、教員の負担軽減の観点からも、現金取引の縮減に向けて学校と調整させていただき、このことにより、教員が児童生徒と向き合う時間をふやせるよう、事務職員を含めた校内での適切な事務分担についてもあわせて他自治体の取り組み事例等も参考に検討していきたいと考えております。
以上です。
◆三十四番(藤井まな 議員) もろもろ答弁いただきました。
先ほど政経部長からの答弁だと二つの課の名前が出ていましたけれども、その中に担当係を置いていただけるのかという答弁なのかどうかというのがはっきりしないなというのが、ちょっと聞きたいことがまず一つあります。別にオリジナルで最初に置けと言っているわけではなくて、例えばどこかほかの係との兼任でもいいですし、とにかくやっぱり内外に示していくという意味では、やっぱりSDGsという名前をしっかりと冠した係なり、また課長でもいいですよ。課長が兼任していただく事例でもいいんですけれども、そういったことをぜひとも御検討いただきたいという私の質問なので、そこら辺をもうちょっと明確にしていただければ助かります。
あと、障害者の法定雇用率のお話をさせていただきましたけれども、あと八十人必要で、今年度四月一日に入ったのが十七人ということは、あと残り六十三人というわけですね。もちろん、ただ単に就労数をふやせばいいという問題じゃないことは十分理解をしておりますけれども、今年度三十二人やったり、来年度三十一人やったりぐらいの計画目標を設定して、それで達成できなかった場合に初めて四年目があるという考え方で私は進めていただきたいというふうに思います。
最後に、区長にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、SDGsの段階を踏んで実行するべきだというふうに私は提言をさせていただきました。まさに区長が一番得意とする分野のお話だと思いますから、担当部署設置をまずは指示していただいて、段階的に取り組んでいくということに対して区長はどのように考えているかお伺いをさせていただきます。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 藤井議員の再質問にお答えをします。
先ほどから他会派への答弁でもお話ししているように、大変大きな緊急を要する問題で、しかも長期にわたって直面する問題だと思います。
例えば石綿、アスベストですね。私が小学生のころはふうと吹きながら理科の実験をやるというのは当たり前にやっていたんですね。大変便利だと、万能だというふうに言われていましたが、御存じのように、今、建物の解体に非常に苦労しているという状況があります。
これだけ多く普及したプラスチック製品が、例えばコンタクトレンズもそうですし、あらゆるところに、着ている物も、家具も全てにわたって存在しているわけですが、これは本当に人類と共存可能なのかということを突きつけられていると思います。
RE一〇〇と、自然エネルギー一〇〇%で本庁舎をやろうということを初めましたけれども、このプラスチック依存、あるいはプラスチックとともに、そこに無限に排出していくというサイクルを立ち切るために、これは今、議員がおっしゃるところの世田谷区として明確な旗印、ここで担当するよと、あるいはここから発信するよということについては積極的に考えてみたいというふうに思います。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 障害者の雇用率の関係で、再質問に御答弁申し上げます。
ただいま申し上げました、今、議員のほうからも御紹介いただきましたように、八十引く十七ですから残り六十三ということで、当初二十、二十、二十という数字から始めようと思いましたが、なるべく早く早期に法定雇用率を達成したいという気持ちは同じでして、現在、他団体のほうにその職域を拡大している事例もあるということがわかっていますし、また、民間の方々は、障害者の雇用に関しましていわゆるいろんな工夫をされているということも、世田谷区の障害者の部門のほうでは実際そういうかかわりを持っております。
ですので、そういうところに区の職員のほうも出向かせていただいて、具体的にそのやり方についてお教えいただくと、こういうことも取り組みたいと思っています。そういう中で、先ほど四年間と申し上げましたけれども、なるべく三十台に近づけていって、その計画については前倒しを何とかしていきたい、このように思っております。
以上です。
◎中村
政策経営部長 再質問にお答えいたします。
SDGsの組織について、より明確にという御質問です。
当面、政策経営部内を中心に進めさせていただきますが、今後のあり方については区長と相談させていただいて具体的にお示しさせていただきます。よろしくお願いします。
以上です。
◆三十四番(藤井まな 議員) ぜひとも名前を冠した部署なりなんなりしっかりとつくってアピールをしていただきたいと思います。
終わります。
○和田ひでとし 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、六番上川あや議員。
〔六番上川あや議員登壇〕(拍手)
◆六番(上川あや 議員) 初めに、同性をパートナーとする区職員、教職員の休暇制度の平等を求めて伺います。
区は、平成二十五年九月に条例化した基本構想で、性的マイノリティーであることで差別されないことを明文化しています。昨年成立した世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例でも明確に性的指向と性自認を理由とした差別を何人たりともしてはならないと禁止をしています。ところが、区と区教委の職員間において、いまだに明確な制度上の差別が残されています。それは今回取り上げる課題、職員の休暇制度からの同性カップルの排除です。
区は、同性をパートナーとする職員等の休暇制度を異性のパートナーと同等にするよう求めた私の平成二十八年第四回定例会の一般質問に対し、職員の福利厚生面における同性愛者等、性的マイノリティーの皆さんに対して差別等があってはならないとの基本認識を示し、職員の休暇制度についても、なるべく速やかにそういう権利保障の実現という視点でバランスよく実現を図ってまいりたいと答弁しましたが、以来、二年半たつ今も何ら改善はないままです。
区は、平成二十九年九月、前出の条例第七条の差別禁止の規定案につきまして、私が同性カップルに対する差別も認めないとわかる規定とするべきと求めたのに対しても、差別の解消等の条項における性別等という用語については、定義において性的指向を含むと規定していることから、同性カップルに対しても差別をしてはならないことを規定していると明確に答弁しています。つまり本区の条例上も同性カップルに対する差別は禁止です。ところが、法的婚姻をしていない職員のカップルであっても、相手が異性であれば婚姻に等しい休暇制度、介護休暇、慶弔休暇が認められるのに対し、相手が同性となると家族に関する休暇制度は一切適用されず、パートナーを亡くした翌日から出勤を強いられるのが現状です。
当区が何ら手を打たずにきたこの間、千葉、大阪、堺、福岡、横須賀、熊本、枚方市の七市で職員の同性カップルに対する休暇制度の平等は達成されました。さらに区の外郭団体の中にも、世田谷区社会福祉協議会、多摩川緑地広場管理公社と相次ぎ休暇制度の平等を確保する団体が出てまいりました。区は、国内で最も初めに議会で休暇制度の平等を求められながら、あと何回、あと何年、他の自治会の後塵を拝すれば、区は改善ができるのでしょうか。
こうした状況に業を煮やし、私は四月四日、男女共同参画と多文化共生の推進に関する条例第十一条第一項の規定に基づく本件の是正を求める苦情申し立てを行いました。区と区教委はどう対処するおつもりなのでしょうか。苦情処理委員会にかけるおつもりがあるか、調整を要する特別区人事委員会に働きかけているのか、取り組みの現状と今後のステップ、見通しについて、区と区教委それぞれの説明を求めます。
あわせて、区の行政手続条例第六条は、行政庁に標準的な処理期間の設定を求め、これを定めたときは公にしなければならないと定めております。しかし、前出の苦情処理制度にその設定はありません。
私の苦情申し立てからはや二カ月、全く放置されているようにしか見えませんが、区に不都合な苦情を際限なく放置のできる現行制度の欠陥はすぐにでも改められるべきです。区の見解を問います。
続けて、区の外郭団体、職員の処分についても改善を求めます。さきに説明したとおり、区の外郭団体の中にも、休暇制度の同性カップルへの適用を初め、処遇の平等を確保する事例が出てまいりましたが、依然一部の取り組みにとどまっております。現在、十一ある区の外郭団体で休暇制度を一部でも認めたのは二団体にすぎず、事業者のハラスメント禁止規定に至っては、区が条例で差別を禁止する性的指向、性自認を明記したところは、世田谷区社会福祉協議会のみです。
一昨年二月の人事院規則の改正では、性的指向や性自認に関する偏見に基づく差別もセクハラに当たると明示をされ、禁止をされました。同じく昨年改定された厚労省のモデル就業規則でも、性的指向、性自認に関する不愉快な言動等がセクハラに当たることが明文化をされました。区の対応はこの点でも全くの不徹底。外郭団体で差別的な状況を放置しながら、どうして区民、事業者に差別の禁止を求められるのでしょうか。区の外郭団体のハラスメント禁止規定についての改善と処遇の平等確保を改めて求めます。区として指導を徹底するお考えがあるのかどうか、見解を問います。
続けて、環境負荷に配慮した製品、サービスの調達、グリーン購入のレベルアップを求めます。
全国の企業や自治体など約千四百団体でつくるグリーン購入ネットワークが毎年、製品、サービスの調達で環境負荷への配慮が高かった自治体のランキングを公表しております。最新の二〇一九年度の当区のスコアは四十五点満点中たったの七点です。全国千七百八十八自治体の平均値九・四を下回り、都内自治体平均の十六に比べてもその半分以下という惨状です。保坂区政のもと、世田谷区の環境対策は大きく前進したとの感を持つ方は多いと思いますが、その実態はエネルギーと緑に偏ってしまっています。
当区のスコアと順位を近隣区市のそれと比較してみましょう。横浜市は四十五点満点を獲得し、全国九団体とともに第一位。当区の北の隣、杉並区、西隣の三鷹市も四十三点で同二十六位、南側の川崎市も四十点で六十三位を獲得する中、当区はたったの六点、六百四十九位となっています。横浜市では、国の定める特定調達品目の二十一分野、二百七十六品目を上回る二十三分野、二百七十八品目を調達対象とし、毎年その達成状況を公表。最新の平成三十年度上半期の達成状況は、公共工事で一〇〇%、その他の購入でも九九・八六%となっています。お隣、杉並区も国の調達品目二十三分野、二百七十六品目をみずからの調達基準として取り入れ、毎年、全領域で八割以上の達成度です。
これに対して世田谷区が定める特定調達品目は、紙類と文具類のたった二分野、三十品目にとどまります。調達達成状況もこの三十品目以外把握されず、その他の到達の領域、例えば照明、自動車、設備、公共工事、役務等については、調達品目の設定も状況の調査の把握もないままです。それでいて当区はみずから環境先進都市だと標榜しております。当区のグリーン購入も近隣に引けをとらない水準に引き上げられるべきです。できない理由があるならその明示を、できると考えるのなら改善に向けたビジョンを明確に示すよう求めます。
最後に、区立学校の校則を原則公開するよう求めます。
生まれつき茶色い頭髪を学校から黒く染めるよう強要されたとして、大阪府立高校の生徒が府に損害賠償を求める訴訟を提起したのを機に、いわゆるブラック校則が全国で注目を集め、昨年来、各地の教育委員会で校則の見直し作業が進められております。大阪府教育委員会では、全校で校則を見直し、昨年七月末までに府立の全高校百五十四校について、その校則を公開いたしました。
この間、本区でも行き過ぎた校則が区議会で議論をされ、区教委では中学校校長会において対応を呼びかけ、社会通念に照らした合理性や、地域、生徒の実態、保護者の考え方などを踏まえ、記載されている項目の必要性や表現の適切さなどについて今年度の見直しを周知してきたとしています。
地域に開かれた学校運営をうたう当区であるならば、見直された子どもへのルール、校則も、生徒と保護者のみが知るものにとどめるべきではなく、地域に広く開かれてしかるべきと考えます。各学校のホームページなどを活用し、公表することを求めますが、いかがであるか、区教委の考えを伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、職員の休暇制度の関係について、同性パートナーの職員の関係でございます。
区では、これまで同性パートナーの職員に対する結婚祝い金及び弔慰金を支給する事業を区職員の互助会の給付として行っているところです。区職員の任用や給与等の主な項目につきましては、特別区人事行政運営要綱に基づきまして、二十三区の共通基準として定められておりますが、この休暇制度につきましては、特別区人事委員会と協議した上で各区で定めることとなります。既に人事委員会とは事実上の協議を始めております。
同性パートナーシップ宣誓制度を初め、多様な性を含めた全ての人が尊重され、参画できる社会を目指す第二次男女共同参画プランを推進している当区といたしましては、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例に定める事業者の責務といたしまして、差別や格差のない庁内体制の整備に取り組むことは大切であると認識しております。職員の休暇制度につきましても、苦情処理委員会の御意見等を踏まえまして、その改善について検討してまいります。
以上でございます。
◎池田
教育政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。
まず、同性をパートナーとする教員の休暇制度についてでございます。
区立小中学校で働く教員につきましては、東京都教育委員会が任命権を持っており、教員の勤務時間、休日、休暇などについては東京都の条例等により定められております。現在、東京都の条例等には同性パートナーの関連規定はないことから、世田谷区の取り組み状況などについて東京都教育委員会に伝え、問題提起をさせていただきたいと考えております。
次に、学校の校則の公開についてでございます。
世田谷区では、第二次世田谷区教育ビジョンの基本方針に地域とともに子どもを育てる教育の推進を掲げており、新学習指導要領では地域に開かれた教育課程がキーワードとして掲げられております。学校と地域が教育目標等を共有して協働する重要性が明示されております。
校則は学校や地域の実態に応じて適切に定めるとともに、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化、保護者の考え方、地域の状況等を踏まえ修正する必要があると考えております。昨年度、議会からの御意見もいただき、校則の記載の必要性や表現の適切さなどについて、各校では、生徒会やPTA、学校運営委員会等で協議等を行ってまいりました。こうした取り組みによって生徒の自律性や自治への意識を高めるとともに、広く保護者、地域の方と校則のあり方について共通理解を図りながら、ともに生徒を見守ることは重要であると考えております。
既に多くの学校で新入学説明会の資料として保護者の方に校則を資料として配布しておりますが、各学校のホームページでの公開につきましても校長会と連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
◎松本 生活文化部長 私からは、男女共同参画と多文化共生推進条例に基づく苦情処理の期間設定についてお答えをいたします。
世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例では、男女共同参画及び多文化共生施策に関する苦情、相談への対応として、区長は、申し立てまたは相談を受けたときは速やかに調査等を行い、必要に応じて適切な措置を講ずる必要があると認めるときは世田谷区男女共同参画・多文化共生苦情処理委員会に諮問し、その意見を聞くと規定しております。また、施行規則では、苦情または意見の申し立てに係る処理を終了したときは、処理結果通知書により申立者に対し通知すると規定しておりますが、お話しのように具体的な標準処理期間は定めておりません。
今回の申し立ては、その内容から苦情処理委員会で意見をいただく必要があると考えておりますが、職員の人事制度にかかわる内容のため、特別区人事委員会との協議などが必要なことから時間を要している状況にございます。申し立ての内容により回答までの時間が異なってまいりますが、標準的な対応期間などにつきましては、他自治体の例や区の保健福祉サービス苦情審査会なども参考にしながら、男女共同参画・多文化共生推進審議会の意見を伺い、利用者目線に立った改善に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◎中村
政策経営部長 私からは、区の外郭団体職員の処遇について御答弁いたします。
昨年の世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の施行に伴い、区の外郭団体は、条例の定める事業者の責務について率先垂範して取り組みを進めることが重要です。この間、所管部を通じて条例の趣旨について各外郭団体へ通知し、団体の指導、調整に際して、条例の趣旨に沿った団体運営を進めるよう働きかけをしてきたところです。
現在、区の外郭団体十一団体において、同性パートナーを有する職員にも該当するよう休暇制度を規定している団体は二団体ございます。また、禁止されるハラスメント行為として、性的指向や性自認に関する偏見に基づく言動を含むものと解釈、運用している団体は七団体ございますが、明文化しているのは一団体にとどまっております。
今後、外郭団体の事務局長などがメンバーとなっている外郭団体連絡協議会などにおきまして、厚生労働省のモデル就業規則なども示しながら、ハラスメント禁止規定の明文化を含め、条例の趣旨に沿った処遇改善の検討を進めるよう求めてまいります。
以上です。
◎本橋
環境政策部長 私からは、グリーン購入のレベルアップについて御答弁をいたします。
区におけるグリーン購入につきましては、平成二十五年度に構築した環境マネジメントシステム、ECOステップせたがやにおいて世田谷区グリーン購入方針を定め、これに基づき全庁を挙げて取り組んでおります。グリーン購入方針では、二分野、三十品目を重点品目として掲げ、その調達に当たりましては原則として国の判断基準を満たす製品を購入することを定めるとともに、実績についても調査し、その結果を区ホームページ上で公開しております。
グリーン購入に高いレベルで取り組んでいる自治体では、国の定める二十一分野、二百七十六品目のうち全てもしくは相当数をグリーン購入の対象としております。今後は、全分野、全品目を基本に対象分野や品目を改めて精査するなど、取り組みのレベルアップを図り、環境負荷ができるだけ小さく、かつ循環型社会に配慮した製品やサービスの購入について検討し、取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◆六番(上川あや 議員) 区長に再質問させていただきます。
休暇制度の平等についてです。
私が性的マイノリティーの差別のない庁内体制の整備を求めてからもう四年が経過しました。一向に改めない休暇制度を取り出して、改めて聞いてからまた二年半が経過をいたしました。そして、今回の御答弁は検討、四年前と同じです。時間をかけ過ぎではないでしょうか。
みずからの事務を改めることなく、なぜ区民、事業者に差別は禁止ですよと言えるんですか。現状の区の職員間の処遇の平等がないというのは差別だと考えています。これに対して、行政の長としての指導力を私は疑います。どう対応するんでしょう、お答えください。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 上川議員の再質問にお答えします。
リーダーシップ、指導力ということに疑念があると、この件について御指摘をいただきました。
確かにこの休暇の制度について進んでいないというのは事実で、その点においては、私のそこのところの集積が不足をしていたと感じます。同時に、同性パートナーシップの宣誓書受領証の仕組みについては、その後、他自治体がたくさんいわば制度を構築したことから、区としてもいわゆるバージョンアップをしていこうということについて取り組みを進めてきました。
これは先般、発表したところでありますけれども、今回、課題になっている休暇制度については、手当等人事制度の根幹にかかわる問題がゆえに、特別区人事委員会との協議を本格化させるということで指示をしていきたいと思います。この間、そういった御議論を始めてきているということなので、加速するようにしたいと思います。
◆六番(上川あや 議員) ただいまの答弁なんですけれども、加速は当初から行うべきだったと思います。
校則の公開についても再質問させていただきます。
各学校のホームページで公開をしていただけるということで、前向きな答弁はうれしく思うんですが、公開のスケジュールはどのようなものでしょうか。進路の選択にも参考になる情報ですので、なるべく早くと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎池田
教育政策部長 なるべく急ぎまして、秋ごろを目途に公開させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○和田ひでとし 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時二十四分休憩
──────────────────
午後三時四十五分開議
○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。
二十五番たかじょう訓子議員。
〔二十五番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手)
◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 質問通告に基づき、質問いたします。
まず、産業振興基本条例について伺います。
区は、二十年ぶりに産業振興基本条例の見直しを行うとしています。三月に発表された世田谷区経済産業の動向によると、区内の事業所数は二万七千三十四事業所、従業者数は二十六万二千六百八十九人、中小企業は区内の全企業の九割以上を占めています。中小企業は地域経済の根幹であり、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献する存在です。地域に根をおろし、ものづくりやサービスでの需要に応え、雇用を生み出している中小企業の役割はますます大きくなっています。
烏山地域の高齢者の多い団地近くで商売をされているパン屋さんからお話を伺いました。こちらは駅から離れ、住宅街にあるので、日用品も扱っています。お客さんの多くは高齢者で、お得意様の要望で品ぞろえをしています。地域の暮らしを支えていることを自覚し、頑張っていますが、経営は難しいと伺いました。地域に密着した小規模事業者が地域住民の暮らしを支えています。
国会では、二〇一〇年に中小企業憲章、二〇一四年に小規模企業振興基本法が全会一致で可決、成立いたしました。成長発展だけでなく、事業の持続的な発展の重要性を明確にし、国、地方自治体に施策の策定と関係団体との連携を責務とし、個人事業主や従業員数五人以下の小規模事業者などを地域経済の主役として位置づけています。
今回、条例の見直しに当たって、改めて個人事業主、小規模事業者は地域の中で必要とされる重要な存在であるとの立場で取り組んでいただきたいと思っております。区の見解を伺います。
条例の見直しに当たって、二点提案いたします。一つは、条例の基本方針には、今、商・工・農の振興が位置づけられています。この位置づけが施策に反映し、三産業中心の取り組みとなってきました。世田谷区経済産業の動向によると、世田谷区は、生活関連サービス・娯楽、教育・学習支援、医療・福祉の事業所数が都内で一位となっています。区内の多様な事業所を対象とする条例にするべきです。
二つ目は、区の責務として、個人事業主や小規模事業者への支援を条例に位置づけることを求めます。区の見解を伺います。
次に、少人数学級の推進と教員の多忙化解消について伺います。
日本の教育予算はOECD三十四カ国中ワーストワンです。一学級の人数は、欧米では二十名から三十名が当たり前であるのに、日本では小学校三年生以上は四十人学級のままです。教員の多忙化は社会問題となっており、多忙化解消は喫緊の課題です。教員の方々からは、新たな事業が次から次へとふえて対応に追われている、子どもに接する時間、授業の準備を行う時間が重要であるが、十分に行うために長時間労働にならざるを得ないと伺っています。
私たちは、少人数学級を実施し、教員が子ども一人一人と向き合い、授業研究も十分に行えるようにすることこそが教育の充実に直結し、ひいては不登校やいじめの問題などを打開する鍵となると考えます。
教育長は、先ほど教員の多忙化解消のために実態調査の実施について積極的な答弁をされました。我が会派としても繰り返し求めてきたことです。ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。少人数学級、教員の多忙化解消について、教育長の見解を伺います。
また、教員の多忙化解消のために世田谷独自の教科「日本語」、学力テストなどを見直すよう求めてきました。今後、多忙化解消をどのように進めていくのか見解を伺います。
次に、都市計画道路補助二一九号線について伺います。
六月五日、給田小学校において東京都建設局による都市計画道路補助二一九号線の事業概要及び測量説明会が行われました。都市計画道路補助二一九号線は五十二年前に計画され、三年前に都市計画道路第四次事業化計画で優先整備路線に指定されました。北烏山八丁目、烏山通りと中央高速道路側道との交差点から北西に向けて伸びる幅員十六メートルの全長五百六十メートルの道路整備計画です。補助二一九号線によって、認可園である小鳥の森保育園の園庭の全てが道路に、烏山地域の貴重な広い公園であるもぐら公園の四〇%ほどが道路になってしまう計画です。
第四次事業化計画が示されたときに行われたパブリックコメントは、全都で二千八百六十二通寄せられました。多くの路線では、コメント数は一桁台であったのに対し、補助二一九号線については反対、見直しを求めるコメントが二百二十三件も寄せられました。全コメント数の一割に迫る数でした。我が党としても計画の見直しを求めるものです。
今回の説明会でも地域住民の方から百六十人が参加しました。パブリックコメントの内容についても少し御紹介します。もぐら公園や保育園、静寂な環境を壊してまで道路整備を行う必要性を感じない。もぐら公園の烏山プレーパークは本来の子どもの遊びを思い切りできる場所として地域の住民が話し合い心血注いできた大切な場所である、一時的な便宜のために、これらの未来を担う子どもたちの遊び場を減らしてまで道路をつくる必要はない、このような声が寄せられました。
今回の説明会でも、子どもたちから広い公園を奪わないでほしい、こういった声が大変多く上がりました。また、給田小学校の通学路を横切る計画であるが保護者には知らされていない、知らない保護者がまだ大勢いる、いろんな事情で参加できなかった方も含め、広い住民を対象に説明会を行ってほしいなどの意見、要望が出ました。東京都の周知の仕方、説明会のあり方には問題があったと認識しています。
多くの住民の皆さんの不安や不満は当然であり、東京都に対し、給田小学校の保護者、そして周辺の地域の住民に対し周知と説明会を行うことを区として求めていただくだけでなく、今後、区として区民の皆さんの不安や要望などの声にどう対応していくのか伺います。
次に、子どもの貧困対策について伺います。
区は、子どもの貧困対策を進めてきました。昨年度は子どもの生活実態調査を行い、今後、調査結果を受け詳細な分析を行うとしています。子どもの生活実態調査からは、世田谷区の子どもの一割、一万二千人の子どもが生活困難層に暮らしていることがわかりました。今後の子どもの貧困対策推進について区長の見解を伺います。
また、区の子どもの生活実態調査で、生活困難層が賃貸住宅に暮らす割合が東京都の調査の結果と比べても高いことがわかりました。住宅問題を貧困対策の柱に位置づけると区長の招集挨拶にありましたけれども、今後どのように進めていくのか見解を伺います。
新しい住宅セーフティネット制度を活用したひとり親への家賃低廉化補助制度、これが十月から始まりました。ことし第一回定例会でも質問させていただきましたが、残念なことに実績は一件です。全国でも四十三件、こういった実績にとどまっています。
私たちは国土交通省に対し制度の変更も求めてきました。そして、世田谷区も国土交通省に対し制度の変更を求めてきました。この進捗状況と今後の取り組みを伺います。
また、この間、二組のひとり親世帯が世田谷区の家賃低廉化助成の制度のチラシを持って不動産屋を訪ね、この制度の活用をさせてほしいと依頼がありました。利用要件に値しましたが、この登録、成約にはつながりませんでした。実際に要件が合う方が制度の活用を求めています。墨田区で行われているように、成約金として五万円が支払われる制度があります。ぜひ区としてもこの工夫などを求めます。
以上で壇上での質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 たかじょう議員の御質問に答えます。
子どもの貧困対策についての認識についてであります。
子どもは地域の宝であり、これからの社会を築いていく大切な一員であります。同時に一人の人間として現在かけがえのない存在であり、分け隔てなく、子どもたちが未来に希望を持って自分らしく育っていくことを願って、子ども・子育て応援都市を四年前に宣言し、子ども・子育て施策に取り組んでまいりました。
区では、平成二十七年十一月に、貧困の未然防止、貧困の連鎖の防止の観点から、子どもの貧困対策の展開を図るための方向を定め、学習支援の充実やひとり親世帯の住宅支援など庁内横断的に取り組んできました。子どもの貧困対策に取り組んでいくことは、まさに貧困の世代間連鎖を断ち切って暮らしを底上げする大変重要な政策だと考えております。
昨年度実施いたしました子どもの生活実態調査におきましては、生活困難を抱える小中学生が一割を超えて存在していて、家庭環境や経済状況等は、子どもの食や体験など少なからず影響を及ぼしていることがわかってまいりました。この結果を受けとめ、今年度は詳細分析を実施して実態を把握し、国や都の動向も踏まえながら、子どもの学びや居場所、生活、住まいの支援など、子どもの貧困にかかわる関係部署が連携をいたしまして総合的に取り組むように指示をしたところであります。わけても住宅支援は子どもの居住環境に直接改善をもたらす効果があるものとして重要視し、今後、取り組んでまいります。
〔渡部教育長登壇〕
◎渡部 教育長 私からは、少人数学級の推進と教員の多忙化解消について御答弁申し上げます。
急激な社会情勢の変化や予測困難なこれからの社会を生きる子どもたちに必要な資質、能力を身につけさせるようにすることは学校教育の使命であり、その役割を直接担う教員が子どもたち一人一人とより多くの時間を過ごすことができる環境を整えることは大変重要であると考えております。
少人数学級につきましては、子どもたちをより深く理解したり、きめ細やかな個別対応を行ったりする点で指導効果が高まる要素の一つであると捉えております。国の定める教職員の定数にかかわる法や制度において実現はなお難しい状況にありますが、引き続き教育長会等を通じて要望をしてまいります。
また、いじめや不登校などの困難な事案に校内で複数の教員でサポートし合い、チームとして取り組む組織的対応を行うことや、学校行事や授業に地域のマンパワーを活用することなどさらなる働き方改革の検討、給食費の公会計化などに続く学校の業務負担の軽減策の検討を通じて、教員の多忙化解消に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
◎田中 経済産業部長 私からは、産業振興基本条例など二本について御答弁いたします。
まず、個人事業主、小規模事業者などについてです。
区においては、事業所の約九割以上が個人事業主、小規模事業者や中小企業で占めており、中でも小売業、卸売業の割合が多くなっています。区では、本年三月に経済産業白書を作成し、区内産業の状況把握や分析を行いましたが、区内事業者の景況感には回復の兆しが見られるものの、お話しのあった小売業などはまだまだ厳しい状況もうかがえるなど、世田谷区内の事業所を取り巻く社会経済環境については課題があるものと捉えております。
区を取り巻く状況は変化し続けており、区内には、個人事業主、小規模事業者、中小企業を含め、多種多様な産業分野が存在し、業種ごとにさまざまな経営上の課題や悩みなどを抱えている状況にあると考えております。区としては、引き続き経済動向を注視しながら、区内産業の育成支援を行ってまいります。
次に、多様な産業や個人事業主、小規模事業者への支援を条例に位置づけることについて答弁いたします。
産業振興基本条例については、商業、工業、農業といった産業分野ごとの役割のほか、区と事業者の責務などについて区の産業政策の基本的事項を定めたものです。平成十一年の条例制定から既に二十年が経過しており、区内産業を取り巻く環境は大きく変化しているものと捉えており、新たな産業分野、例えば医療福祉、教育など多様な産業分野の育成や支援を横断的に取り組んでいく必要があるものと考えております。
また、新たな産業ビジョンでは、区内の全ての産業が時代の変化に合わせた新たな視点から活性化を図ることが必要不可欠であるとの認識を示したところです。これらの視点を踏まえまして、条例の見直しに当たりましては、議員お話しの視点も含めまして、多様化する区民ニーズや新たな産業技術の発展による社会環境の変化などに適切に対応するとともに、議会での御議論もいただきながら、区内の産業の活性化につなげられる条例となるよう必要な検討をしてまいります。
以上です。
◎池田
教育政策部長 私からは、教員の多忙化解消の取り組みについて御答弁申し上げます。
教育委員会では、教員が子どもとかかわる時間の拡充を掲げ、これまで校務支援システムの導入、給食費の公会計化や夏休みの学校休業日の設定に取り組んでまいりました。教科「日本語」につきましては、新学習指導要領の改訂に伴い、必修十八時間と選択十七時間を各学校が設定できるようにするとともに、新しい中学校一年生の教科書において授業の狙いや発問を掲載するなど、教員の誰もが指導しやすい工夫を行っております。また、学識経験者や校長代表から成る検討委員会を立ち上げ、指導資料等により負担軽減が図れるよう検討を進めてまいります。
区の学力調査につきましては、国や東京都の学力テストだけでは把握することのできない児童生徒一人一人の基礎的な学習内容の
習得状況とそれを活用した思考力、判断力、表現力等を把握するために実施しているものであり、結果を学力向上に役立てるための研究、検討を教育総合センターの開設に先行して実施してまいります。
教育委員会といたしましては、現在の教育施策を適切に検証、検討するとともに、教員の多忙化解消に向けて、校長会と連携しながら、各校が実践している工夫ある取り組みを共有しながら世田谷区の教育の充実に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 私からは、都市計画道路補助二一九号線についてお答えいたします。
先日、事業者の東京都により、事業概要及び測量調査などに関する説明会が開催されました。説明会においては、当該道路整備により広場や保育園の園庭が削られるなど、区民生活への影響について不安の声もあり、都は当日参加できなかった方々に対し個別に対応することと回答しております。広場と保育園の施設について、施設開設時からの前提であったとはいえ、一部が都市計画道路になるなど、区民生活に根差した大切な施設に影響が及ぶことが不安の声にもつながっているものと考えております。
区には、道路ができ上がった後も道路以外の部分で存続する施設について、今後、区としてどのように対応していくのか、また、交通安全をどうするのか、沿道のまちづくりなど区として取り組む役割がございます。その役割を果たすためには、まず地域の声を傾聴し、丁寧に説明、情報提供することが大切であると認識しております。
区では、今後とも関係所管と連携しつつ、区に寄せられる区民の声を丁寧に受けとめ、道路整備に対する地域の理解と住民合意を大切にしながら、東京都との連携のもと取り組んでまいります。
以上です。
◎畝目
都市整備政策部長 私からは、三点御答弁を申し上げます。
初めに、貧困対策において、住宅問題に関する今後の住宅政策についてです。
子育て世代などの住宅の確保に配慮が必要な方への入居支援の取り組みといたしましては、平成十九年度より民間住宅の空室情報を提供するお部屋探しサポートを、高齢者、障害者、ひとり親世帯を対象に実施し、昨年度よりひとり親世帯への家賃低廉化補助制度を実施してまいりました。また、住宅確保要配慮者として、高齢者の入居につきましても、貸し主への不安解消策といたしまして、安否確認の見守りや原状回復、事故対応費用などの補償がセットとなった見守りサービスを開始したところでございます。区といたしましては、今後とも、高齢者、障害者、ひとり親世帯等住宅確保要配慮者への対策につきましては早急に取り組む必要があると課題を認識してございます。
いつまでも住みなれた地域で暮らし続けられるよう、居住支援協議会におきまして協議、検討を進めていくとともに、第四次住宅整備方針改定において、住宅委員会の有識者や関係者等と議論してまいります。
次に、住宅セーフティーネットを活用したひとり親世帯への助成制度における国への要望についてです。
ひとり親世帯を対象とした家賃低廉化補助制度につきましては、昨年より国の新たな住宅セーフティネット制度を活用して実施してございます。この間、制度利用希望者みずからが不動産店に問い合わせるケースが数件あり、区より不動産店に直接お伺いして制度の説明を行ったところです。
こうしたことから、区は広く制度を認知していただくことが重要であると認識してございまして、現在、協力店や事業対象の住宅をふやすため、制度の周知や取扱店への協力依頼などに取り組んでいるところでございます。しかしながら、当制度は、オーナーが入居者から謝礼金等を受領することができず、入居の収入要件も家賃相場や地域事情にかかわらず全国一律であるなど制度上の課題があり、対象物件や制度利用者がふえていない状況にございます。制度面での課題事項につきましては、これまでも東京都や国に対して改善の要望を伝えておりまして、昨日も国の居住支援協議会のヒアリングに合わせ、この制度面に関してお話をさせていただいてございます。今後も引き続き、さまざまな場面を捉え、改善に向けた要望を行ってまいります。
最後に、墨田区の事例など工夫を求めるについてです。
お話にございました墨田区では、国の新たな住宅セーフティネット制度が実施される以前より、住宅あっせん制度として、高齢者、障害者、ひとり親世帯を対象に、不動産団体への物件情報を依頼して賃貸借契約が締結された場合に家主に緊急時協力金として支払う制度を実施してございます。また、本年度からは、住宅セーフティネット制度を活用した家賃低廉化制度に対しても同様に緊急時協力金を支払う制度が開始されたとのことでございます。
区といたしましては、ひとり親世帯への住宅確保に関する支援対策につきまして、今後も引き続き居住支援協議会におきまして多面的に検討してまいります。
以上でございます。
◆二十五番(たかじょう訓子 議員) 補助二一九号線について質問します。
住民の要望は、個別対応ではなく説明会の開催です。この実現のために区としてどのようなことを行うか伺います。
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 二一九号線の再質問にお答えいたします。
個別対応においては、皆さんの個々の抱えている背景や事業に対する疑問点などさまざまな声をきっかけに行政側が受けとめ、わかりやすくお答えするということであると考えております。東京都にも改めて丁寧な対応をするよう求めてまいります。
以上でございます。
○和田ひでとし 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、二十一番いそだ久美子議員。
〔二十一番いそだ久美子議員登壇〕(拍手)
◆二十一番(いそだ久美子 議員) 通告に従い、質問をいたします。
一、路線バスの円滑交通につきまして。
通勤通学人口推定四十万人を擁する世田谷区において、鉄道は東西方向に走っており、南北方向はバス交通で補完しているのが現状です。世田谷区交通まちづくり基本計画によれば、路線バス年間輸送人員は昭和五十四年には一億人強ありましたが、それ以降は減少、平成二十年からは六千七百万人前後を維持しています。私の最寄り駅であります小田急線成城学園前駅も小田急、東急合わせて平日七時から九時の間には二百二十本余りの発着があり、区民の足として欠かせない交通手段です。バス利用者は雨の日などは遅延やバスが満員になり乗れなくなる事態に困っているとの声も寄せられています。実際に千歳烏山など北側から成城学園前駅にバスで通勤される方に、ゴールデンウイーク明けから五月末まで最寄りバス停で満員で乗れなかった乗客数をカウントしていただきました。
五月十四日火曜日、天候雨、八時九分ごろ、都立総合工科高校前八人。五月二十一日火曜日、天候雨・風、八時三十三分ごろ、都立総合工科高校前八人。五月三十一日金曜日、天候曇り、七時五十四分ごろ、都立総合工科高校前で四人、その次のゴルフ練習場前で二人、計六人。こういった事態が日常化しているのであればやはり何らかの解決策が必要でしょう。
雨の日のバスの遅れやバス停で乗客が乗り切れていないという現状について区は把握しているか、また、区民からの訴えはあるか教えてください。
このような円滑なバス交通を阻む要因は何が考えられるか、私は小田急バス運輸計画部を訪問して聴取してきました。一つには慢性的な運転手不足、これは就労問題とも関係するので別の機会に論じたいと思います。次に、安全な道路空間の確保。運転士が足りず運行本数が限られるとなれば、一回の運行に大型バスを使い輸送人員をふやす手段が考えられます。一例として、中型バスを大型バスに変えると約二十名多く乗せられるそうですが、世田谷区は狭隘道路のため、大型バスの運行ができない地域があったり、バスの停車そのものが渋滞の要因となることもあると聞いております。
インフラ整備によってこれらの交通困難を解決し、輸送効率を高める計画がありましたら御説明ください。
ここまでは、通勤通学の足としてのバス交通について述べてきましたが、近年の高齢化、自動車運転免許返納とも相まって、高齢者を初め、日中の移動手段としてバス交通の需要は高まると考えられます。事実、さきのデータによれば、輸送人員はここ五年漸増しています。今後、区が主体となってできるバス路線の充実、バス停など周辺環境整備の支援をお示しください。
その際、資金調達はもちろん、区民にバス交通に関心を持っていただく意味でも、ガバメントクラウドファンディング、すなわちふるさと納税の対象となる自治体が行うファンド、これを利用して何かできないか。例えばバス停のベンチや屋根をふやせば待っている間の負担軽減になります。また、バスロケーションシステム、つまりバスの位置がわかる電光掲示板、こういったものがあれば、バスがなかなか来なかったら諦めて歩いたり、タクシーを使うか、そういった判断材料にもなります。直接の混雑緩和にはならなくとも、サービス向上につながる設備を増設してはどうかと考えますが、区の見解をお聞かせください。
二つ目、女性の再就職支援につきまして。
保育施設などに子ども預け、仕事と子育てを両立させる女性がふえている一方で、出産を契機として仕事をやめる女性はなお過半数であり、また、子育てを終えた後に仕事を再開したい女性もふえています。世田谷区の平成二十六年度男女共同参画に関する区民意識・実態調査によると、世田谷区女性全体のうち、仕事の優先順位を高く考えている人、これは家庭やプライベートの両立も含みます。こういった人が約五七%です。また、総務省の平成二十七年度国勢調査によると、区内の二十歳から四十九歳の既婚女性の実際の就業率は約四六%です。二十三区内で比較すると、世田谷区の既婚女性の就業率は下から三番目と低くなっています。労働力不足と言われる現在において、独身時代は男性と同様に働き、子育て後も仕事への意欲を持っている女性たちが子育てや夫の転勤など家庭のやむない事情によって仕事をやめ、その後、就業できていないというのは大きな社会的損失です。
ここでお尋ねしますが、女性の仕事に関連する相談について世田谷区ではどのようなサポートを行っているでしょうか。また、相談件数はどれぐらいありますでしょうか。また、実際に仕事を探すときにどのようなサポート機能があるか御説明ください。
求人に際しては、男女、年齢差別なくという建前ではありますが、実態は違います。女性は一度最初の仕事をやめてブランクがあると、また子どもがいると再就職は難しいというのが暗黙の了解となっており、何度も応募して断られてもう諦めているという声や、派遣やパートから始めていずれ正社員になりたいと意思表示しても会社都合で契約終了となり、次の仕事探しは年齢が上がった分ますます難しくなる、そういった声も周囲から聞かれます。
区として、採用企業側の意識改革、これに関しては何らかの働きかけをしているかどうかお聞かせください。
男女共同参画センターらぷらすや三軒茶屋就労支援センターお仕事カフェ双方ともパンフレットは区内各所の公共施設で目にしますし、充実した機能があることは認識しています。しかし、それぞれ三軒茶屋周辺に一カ所のみであり、世田谷区全域から見ればまだ利用しづらい面があります。各支所で出張相談会を行ったり、インターネットを活用するなど、解決策がありましたらお聞かせください。
三つ目、外環道トンネル工事の現状につきまして。
東京外環道、東名~関越間の工事につきましては、私も地権者の一人として平成二十年の地域課題検討会から参加し、関心を持っております。世田谷のような住宅密集地の直下に世界有数の大型トンネルが通るこの事業、最新の技術で設計、工事すると説明があってもなお、生活環境への影響が懸念されるところです。ここ十年の間にも該当地域には新しい住宅ができ、転居により住人が入れかわっているところもあり、新しい住人にも確実に情報が行き渡っているとは言い切れません。工事が原因ではないかと思われる騒音や振動が起こった場合、どこに相談したらよいのか不安を感じている住民もおられます。
今回お尋ねしたいのは、情報の周知方法です。本線のトンネル工事については、ことしの一月に南行きのシールドマシンが、二月には北行きのシールドマシンが多摩堤通りを越え、民有地直下での掘進が始まったと聞いています。地域にはお知らせ通知がポスティングされ、東京外環プロジェクトのホームページで日々の掘進位置が確認できることは、私自身は承知していますが、御存じない方もまだ多いです。そもそもパソコンを使わない高齢者も少なくありません。情報提供の方法にはまだ改善の余地があると思いますが、区としてどのように考えているか、事業者との連携はどうなっているか、御説明をお願いいたします。
また、騒音、振動、家屋への影響など、地域住民の生活に支障があったときの対応窓口は用意されていますでしょうか。
あわせて伺いまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)
◎五十嵐 道路・
交通政策部長 私からは、五点の質問に順次お答えいたします。
初めに、バス路線の円滑な運行について、三点の質問にお答えいたします。
まず、雨の日の遅延などの現状認識についてです。雨天時のバスの遅延や乗り残しの発生に関しましては、区民からのお声もあり、区としても認識しているところでございます。バス事業者におきましては、こうした雨天時の対策として、現在バスの台数をふやして運行するなどの対策をとっております。しかし、バス事業者からは、予備車の確保などが困難なことに加え、昨今の運転士不足により十分な対応をとることが難しくなってきているとのお話を聞いております。
区といたしましては、交通にかかわる課題をバス事業者と共有するための会議体であります円卓会議の場などを捉え、事業者と情報を共有し、雨天時の遅延や乗り残しへの対応を引き続き働きかけてまいります。
次に、円滑な交通網のための道路整備計画についてです。
バス路線の運行に当たりましては、安全性はもちろんのこと、定時性、速達性の確保も重要であり、歩車道が分離された安全な道路の整備や交通渋滞の解消が課題でございます。また、昨今の運転士不足の状況下においては、バスの大型化も対策の一つとなりますが、そのためにも安全な道路空間の確保が必要となります。これらの課題解決に向けて、区では、道路整備の方針でありますせたがや道づくりプランに基づき道路整備を進めるほか、歩道に切り込みを入れたバス専用の停車スペースとなりますバスベイの設置や、バスが交差点部をスムーズに曲がれる隅切りの設置などにも取り組んでおります。また、連続立体交差事業による開かずの踏切解消や関連する駅前広場整備などにも取り組んでおり、いずれもバスネットワークの充実には必要不可欠なものと考えております。区といたしましては、引き続きこれらの施策に全力で取り組んでまいります。
次に、ガバメントクラウドファンディングを活用したバス利用環境の充実についてです。
高齢社会において、バス交通は地域交通の柱であり、今後も多くの高齢者の方にバスを利用していただくためにもバス利用環境の充実は大きな課題であると認識しております。これまで区では、バス事業者がバス停上屋を設置するに当たっての設置費用の一部を助成するほか、バス停ベンチにつきましても、区道だけではなく、国道や都道のほか民有地にも設置するなど推進してまいりました。今後、バス停ベンチの設置に当たり、設置や維持管理費用の確保のためのガバメントクラウドファンディングの活用は、バス停ベンチに対する寄附事業の見きわめなどの課題整理が必要ではありますが、大蔵運動場陸上競技場の座席設置での活用実績もあることから可能性はあるものと考えております。
区といたしましては、議員御提案のバスロケーションシステムなどのバス利用環境の充実に資するさまざまなメニューにつきましても事例などを調査し、導入の可能性につきまして研究してまいります。
次に、外環道トンネル工事について、二点の質問にお答えいたします。
まず、外環事業者による情報提供についてです。外環事業者による情報提供は、シールドマシンの掘進にあわせ、おおむね一カ月程度の掘進予定のお知らせを掘進予定箇所周辺の各戸にお配りするとともに、議員お話しのとおり、ホームページにおいて日々の掘進位置を掲載しております。しかしながら、日々の掘進位置の確認はパソコンなどにより事業者のホームページを見る必要があることから、情報提供の方法につきましては検討の余地があるものと認識しております。例えば、掘進箇所周辺にシールドマシンの位置情報を掲出する案内板などの設置も手法の一つと考えられます。
区といたしましては、引き続き事業者に情報提供のあり方を検討するよう申し伝えるとともに、でき得る限りの協力をしてまいります。
最後に、工事の振動などがあった場合の対応窓口についてです。外環道の本線トンネル工事につきましては、民有地直下で行われることから、工事に不安などをお持ちの方々がいらっしゃることは区も把握しているところです。外環事業者が配布している掘進予定のお知らせには、騒音や振動など住民の方が異常に気づいた際の連絡先として、二十四時間工事情報受付ダイヤルや、家屋への影響や工事の一般的な問い合わせについても対応する窓口が案内されております。
区といたしましては、引き続き区民の方々の御不安、御心配が少しでも払拭されるよう、さまざまな問い合わせに対し丁寧な説明と対応を行うよう事業者に申し伝えます。
以上です。
◎松本 生活文化部長 私からは、女性の仕事にかかわります相談についてお答えをいたします。
区では、男女共同参画推進の活動拠点として、世田谷区男女共同参画センターらぷらすを設置し、女性の就業支援、子育て支援、こころとからだ、DV防止・人権尊重、区民との協働の五つのテーマを柱に、講座、研修、情報提供、相談の三つの機能により事業展開を図っております。
らぷらすでは、女性の仕事に関する相談として、女性のための働き方サポート相談、女性のための起業・経営相談を実施しており、これから働きたい、あるいは転職したい、働き方を変えたい、起業したいなど、仕事に関するさまざまな相談の窓口として、産業カウンセラーや創業支援の専門家が対応しております。女性のための働き方サポート相談では、昨年度七十五件の相談がございましたが、職場環境の相談や、介護、子育てと仕事の両立についての相談が約半数ございました。また、相談の中で就職活動や技術習得等のニーズがある場合は、世田谷区産業振興公社が実施しております三茶お仕事カフェや就労支援機関を御案内しているところでございます。
今後も、就労や転職、起業など、女性が自分らしい働き方や生き方ができるよう、らぷらすを拠点として、相談対応や就労支援のための各種講座等を実施しながら女性の就労支援に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎田中 経済産業部長 私からは、女性の再就職支援について、二点御答弁いたします。
まず、どのような求職活動のサポートがあるかについてです。
三茶お仕事カフェでは、年間三十回以上の女性向けセミナーを初め、キャリアカウンセリングと併設するハローワークの職業相談と連携しながら、きめ細かく求職活動のサポートを行っております。しかしながら、子育てを終えた後に女性が再就職を希望する際、区内中小企業ではこれまでのキャリアを生かせる仕事とのマッチングがうまく進まない実態があります。そのため、女性の再就職のためのキャリアの棚卸しをするセミナーなどを行っています。一方、区内中小企業では人材確保が厳しくなっており、各事業者はさまざまな人材の活用の方策や、子育てや介護などのライフスタイルに合った多様な働き方のニーズを的確につかむなど、多様な働き方の導入や環境整備の必要が迫られています。
区では、こうした状況から、家庭と仕事の両立支援をテーマとした合同企業説明会で参加企業に働きかけ、子育て中は短時間で、子育て期間を終えた後にはフルタイムに転換する制度がある求人など柔軟な働き方ができる求人を提出いただきました。今後も、求職者の就労支援とともに企業への働きかけを行い、区内雇用の促進を図ってまいります。
続けて、三茶お仕事カフェなど、三軒茶屋一カ所のみだが区内全域で活用しやすくなるための方策についてです。らぷらすや三茶お仕事カフェは区内各所からアクセスしやすい三軒茶屋にありますが、お話しのように三軒茶屋に行くには時間がかかり、利用しづらい方もいることは認識しております。そのため、三茶お仕事カフェでは、成城や下北沢を中心に年間五回開催している福祉の就職面接会において福祉の仕事以外も相談できるお仕事相談窓口を出展しているほか、経堂図書館でも相談窓口を年数回臨時で設けるなど、三軒茶屋以外でも相談を実施しております。また、初回登録が済んだ求職者の方には希望に応じて随時求人紹介を電話やメールを使って御案内し、より効果的なマッチングを進めています。
今後、就労相談を区民の方に広く知っていただき御利用していただけるようさらなるPRに努めるとともに、利用促進を図ってまいります。
以上です。
◆二十一番(いそだ久美子 議員) おのおの御答弁ありがとうございます。
女性の働き方支援につきましては、民間の仕事紹介もたくさんあるんですけれども、求人案件、登録者ともそれぞれ万単位の案件です。年々コンピューター処理が進んで、無機的なマッチング作業に終始している部分があり、こういうときに、区だからこそできる個々人の、また企業の特性に応じた丁寧なコンサルティングと就労支援を御進行いただきますよう、私からもよろしくお願いいたします。
また、外環事業につきましては、これまでも他の質問でも取り上げられており、東名以南の南進の計画なども立ち上がってきますと、さらに多くの区民が巻き込まれることになります。地域住民の方への早期の説明、異常があった場合の対処や安心安全に工事を進めるような工夫、これを区と事業者と連携して取り組んでいただきたいと重ねて要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○和田ひでとし 議長 以上でいそだ久美子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○和田ひでとし 議長 次に、四十五番中塚さちよ議員。
〔四十五番中塚さちよ議員登壇〕(拍手)
◆四十五番(中塚さちよ 議員) 通告に従い、順次質問してまいります。
一番目に、期日前投票の時間延長と投票管理者の負担軽減についてお尋ねします。
四月に行われた統一地方選挙は、報道によると多くの市区町村で投票率の下落が相次いだとのことでした。我が区では、区長選、区議選ともに四三・〇二%で、平成二十七年の投票率四二・八四%より〇・一八ポイントわずかに高いですが、依然として有権者の半分以上は選挙に行っていません。
一方でふえているのが期日前投票です。今回の世田谷区議選では、投票者全体のうち二四・二〇%が期日前投票でした。四年前の平成二十七年世田谷区議選では二二・二二%、その四年前の平成二十三年区議選では一五・九九%、特に平成二十三年から二十七年では期日前投票が六ポイント以上伸び、全体の投票率も四一・七八%から四二・八四%と一ポイント余り伸びています。
また、二年前、平成二十九年には衆院選がありましたが、投票日当日に台風直撃が予想されたことから、期日前投票をするよう大々的に報道されていたことはまだ記憶にあるかと思います。このときは全国で期日前投票が二〇・一〇%と過去最多でした。全体の投票率は五三・六八%で、戦後最低だったその前の衆院選の投票率より一ポイント上回りました。平成二十九年は、十八歳、十九歳が初めて衆院選の投票に行ったので単純に投票率の比較はできないと思い、調べてみましたが、十八歳、十九歳の投票率は全体より低いものの、その他の世代はその前の衆院選より一から三ポイント以上投票率が上がっていました。つまり期日前投票の伸びは投票率全体を押し上げる効果があると考えられるのではないでしょうか。
平成二十八年、選挙権年齢が十八歳に引き下げられた際、主権者教育に関する取り組みとあわせて、投票環境の向上を図るための制度改正が行われました。それにあわせて、幾つかの自治体で共通投票所の設置や期日前投票の投票時間の延長などの試みが行われています。
総務省の報告によると、期日前投票の時間延長を行ったところでは、特に夜の二十時以降の延長時間帯での投票者が多く、効果があったとされており、有権者の利便性向上につながったものと思われます。
働き方改革が叫ばれている昨今ではありますが、いまだ多くの区民が長時間労働にいそしんでいるのが現状です。平成二十九年東京都の労働時間管理に関する実態調査によると、所定労働時間は週四十時間未満との事業所の回答が約八割を占めるものの、一方で働く側は八割弱が残業ありと回答しています。また、平成二十八年の総務省社会生活基本調査では、都道府県別の有職者の平均帰宅時間は東京都で十九時四十三分となっています。二十時に投票所に間に合うかどうかぎりぎりのところですので、夜間の投票時間の延長についてぜひ前向きに検討していただきたいですが、区の見解を伺います。
投票制度の改善に関し、もう一点お尋ねします。投票所には、選挙が公正に行われるよう管理、監視するため、投票管理者と投票立会人の配置が公職選挙法により義務づけられています。担い手のほとんどは地縁団体から推薦された方のため御高齢の方が多いのが現状です。朝の六時半から投票所を閉め切って投票箱を総合運動場の開票所に届けるまでが仕事なので、夜の九時ごろまでかかるとのことです。約十五時間と長時間拘束され、若い人に交代してもらいたいと思ってもなかなかやり手が見つからず、結局毎年同じ方が引き受けられ、年々年はとるし、つらいというお話も伺っています。
国は、こうした声を受けて、負担の大きい投票日の投票管理者について、法改正により選任要件を緩和し、あわせて交代制の導入も可能としたとのことです。区でもこれを踏まえて早急に交代制を導入すべきと考えます。また、交代制が実現するまでの暫定措置として、少し仮眠などの休憩がとれるぐらいに休憩時間を延長できないでしょうか、見解を問います。
次に、がんや病気の啓発と患者支援について伺います。
四月に区議会改選を迎えるに当たり、私は選挙公報やレポート等にがん治療の経験について書いたところ、自分もがん闘病中といった多くの区民の方から反響をいただきました。二人に一人ががんになる時代というのを実感しています。議会でも党派を越えて多くの皆様から御理解いただきましたことに感謝申し上げます。
がんは身近な病気である一方で、がんについての正しい知識を持ち合わせていなかったり、いざがんになっても病院の短い診察時間だけでは十分理解できないこともよくあります。そのため、皆インターネットなどでつぶさに調べるわけですが、ネット上の情報には信頼できないものも多く含まれています。わかりやすいがん情報を患者や家族などに届けるため、がんセンター病院や医療関連の団体などが寄附を募り、冊子をつくって図書館や病院に配布し、誰もが無料で入手できる取り組みを行っているとがん闘病中の方からお聞きしました。とてもよい取り組みですが、多忙で健康がおろそかになりがちな働く世代にとっては、図書館や病院だけではなく、駅やコンビニ、カフェやファストフード店などでも読めればより啓発の効果が上がるのではないかと考えます。区でも、ふるさと納税制度などを活用し、こうしたがんの啓発や患者支援の情報提供に生かせないでしょうか。
また、がん患者支援で近年重視されているのがアピアランスケアです。アピアランスケアとは、抗がん剤を初めとする薬物療法の副作用や外科治療による脱毛、皮膚の黒ずみ、傷などの外見の変化がもたらす患者のストレスを軽減するためのケアのことで、具体的にはウィッグや胸の補整具、カバーメイクなどが挙げられます。
がんにかかる人の約三人に一人が二十歳から六十四歳の働く世代です。がん治療が入院ではなく通院でも可能になってきて、治療をしながら仕事をする患者もふえていることから、アピアランスケアのニーズはより高まっています。なお、がんだけではなく、さまざまな病気や後遺障害で外見の損傷に悩み、仕事や社会生活に支障を来している方は少なくありません。しかし、ウィッグなどは保険適用にならないため、費用面での負担が小さくないのが現状です。
二十三区では、これまで港区のみがウィッグ等の助成を行っていましたが、今年度からは豊島区も実施、千代田区も十月から実施予定とのことです。世田谷区でも早急に実施していただきたいと思います。見解を伺います。
次に、本庁舎等整備について質問します。
建てかえ予定の本庁舎は、三月末に基本設計が策定されたところで、今年度からは実施設計に着手されます。実施設計では基本設計をもとに施工のためのより詳細な設計を進めていくとともに、概算事業費及び関連事業概算経費等も含む検討を行う予定となっています。基本設計案については区民からも意見を伺い、一部反映してきたところではありますが、まとめられた基本設計に対しさまざまな課題がまだ指摘されております。特に御指摘の中で気になっているのがエレベーターの台数です。現庁舎では、第一庁舎に二台、第二庁舎に二台、第三庁舎に一台と計五台のエレベーターが稼働していますが、新庁舎はエレベーターが十二台に増設、エスカレーターも二台新設される設計となっています。現状でもエレベーターがそれほど混雑したり、乗り切れないといったことは少ないように思いますが、こんなに必要なのでしょうか。
エレベーターやエスカレーターの増設は、将来にわたって電気代なども含めた維持管理費の負担が懸念されますが、維持管理費の増を区はどう見込んでいるのでしょうか。エネルギー消費量の削減、省エネ対策が重要になりますが、事業者の示した基本設計の環境計画のページを見る限り、消費電力量や空調エネルギーの低減を図りますという表現は多く見られますが、具体的には見えてこないのですが、区としてはどう考えでしょうか。
消費電力を抑え、コスト減や環境に配慮をしていくには、ソフト面での取り組み、残業時間を減らすなどの職員の働き方改革やペーパーレスなどもあわせて推進する必要があると考えます。区がどのように取り組む予定か伺います。
最後に、区民参加のあり方について、基本設計の期間における課題を区はどう考えているのでしょうか。難しい内容に対し十分な機会を確保できていないと感じている区民の声もあります。リング会議の中でも、区民意見からの要望や提案に対し、その場では実現が難しいこともあったとは思いますが、日を改めてでもそういった区民の声に真摯に向き合う姿勢や対応があったのでしょうか。そもそも区民参加ということで期待する水準が、区と区民の方、また人それぞれで皆違っていて、意識統一が図れていなかったのではないかと考えます。今後、リング会議は、七月、十二月の二回だけですので、限られた期間で、参加者はもとより、これから庁舎を使うことになる全ての人にとって有益なものとなるよう、区民参加についての改善、拡充を求めます。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎鈴木
選挙管理委員会事務局長 私からは、期日前投票の時間延長と投票管理者の負担軽減について、二点御答弁いたします。
まずは期日前投票の時間延長です。期日前投票におきましては、投票時間の弾力的な設定を可能とする法改正があり、平成二十八年に施行されたところです。改正内容の一つとして、これまで認められていなかった開始時刻の繰り上げ及び閉鎖時間の繰り下げが認められることになり、例えば期日前投票所の閉鎖時間は午後八時ですが、これを午後十時まで繰り下げることが可能となりました。このことを踏まえ、都内の選挙管理委員会で構成する選挙事務運営協議会において、投票時間の弾力化について、昨年、実施状況を調査したところ、閉鎖時刻の延長を実施したのは都内六十二自治体中、一自治体となっております。その要因としては、都内は地方に比べ期日前投票所が利用しやすい場所に数多く設置されていることや経費が増大することなどが考えられます。また、選挙人名簿に登録されている自治体から投票用紙を取り寄せ、勤務地、滞在地などの期日前投票所で投票する不在者投票制度を利用することもできます。
こうした状況を踏まえますと、現時点ではその必要性は高くないものと考えておりますが、引き続き他の自治体の動向を注視し、研究してまいります。
次に、投票管理者の負担軽減と休息時間を長くとることについてでございます。
投票日の投票管理者は、人員確保が全国的な課題となっている現状を踏まえ、今般の法改正により、選任要件が当該選挙の選挙権を有する者から選挙権を有する者に緩和されました。さらに投票管理者の選任が困難である要因として、委員のお話にもございましたが、負担が大きく職務に終日従事する方の確保が難しいことが一因であり、投票管理者の交代制を可能とする規定の整備があわせて示されました。
一方で、投票管理者は投票所の最終責任者であり、その職務の重要性に鑑み、各投票所において一人の投票管理者での対応が原則であることは変わりません。また、交代制を採用した際には責任の所在を明確にするための対応が求められます。投票管理者の交替制の採用は、今後、他自治体の状況など情報収集に努めながら、投票所の効率的な運営などとあわせて総合的に判断してまいります。
また、休憩時間ですが、従事者の休憩は、当日の天候や気候、投票所の混雑状況などを踏まえ、投票管理者とそれを補佐する主任とで臨機応援に設定をしています。従事者が可能な範囲で十分な休憩時間をとることができるよう、今後も指示、伝達してまいります。
以上でございます。
◎辻
世田谷保健所長 私からは、がんや病気の啓発と患者支援について、二点にお答えいたします。
まず、ふるさと納税制度などの活用です。
区は、世田谷区がん対策推進計画に基づき、がんに関する教育啓発を推進するために、毎年がんに関する講演会や区立小中学校の児童生徒を対象とした講話等を実施しております。また、がん患者や御家族への支援の充実を目指し、区立保健センターにおいて、がん相談の窓口を開設しております。
お話にありましたとおり、病院や支援団体におきましては、がんの予防啓発や患者支援のさまざまな取り組みが寄附やクラウドファンディングの手法を活用して行われると承知をしております。一方、区におきましては、ふるさと納税を含め、善意で寄せられた寄附を区政のさまざまな分野に活用しておりますが、区のがんの予防啓発や患者支援等は年次計画等に基づき持続的に実施する必要がございますため、不特定多数の人の資金提供を原資とする当該手法の活用につきましては、現段階では課題があると考えております。
御指摘のありましたがん予防啓発や患者支援のふるさと納税などの活用につきましては、より多くの区民の方への啓発手法も含めまして、今後、ほかの自治体の先駆的な取り組みなども参考に、その効果等について研究してまいります。
続きまして、がん対策の二点目、アピアランスケアへの助成につきましてです。医療の進歩等により、がんに罹患しつつも、社会で活躍する区民はふえており、区では、がんになっても自分らしく暮らせる地域社会の実現を目指しております。区のがん対策を計画的、総合的に推進することを目的に策定いたしました世田谷区がん対策推進計画の中では、がん患者等の不安を和らげ、地域で自分らしい暮らしを続けることができる取り組みを拡充することを課題と捉え、がん相談コーナーの開設やがん先進医療利子補給制度の導入など、がん患者や御家族等への支援の充実に努めております。
議員お話しのように、ウィッグや胸部補整具など、アピアランスケアへの助成制度につきましては、都内では港区に続き今年度豊島区でも開始され、千代田区でも導入を予定しているということでございます。がんの治療等に伴う外見の変化が治療や就労への意欲を低下させることもあることから、区でもその支援の重要性を認識しております。アピアランスケアの今後の制度導入につきましては、国や近隣自治体等の動向等を注視し、がん対策推進委員会の意見もお聞きしつつ検討をしてまいります。
以上です。
◎佐々木
施設営繕担当部長 私からは、新庁舎エレベーターの必要台数、維持管理費と、本庁舎整備等における省エネ対策についてお答えいたします。
本庁舎整備については、業務効率性が高く、部署間連携や将来の変化にも対応しやすい横移動を主とした間仕切りのない大空間として計画しております。エレベーターの台数は、こうしたフロア構成での移動効率等を考慮の上、基本設計では庁舎部分で十二台、区民会館で三台を配置いたしました。また、利便性向上のため、多くの区民窓口を配置する東西棟には一カ所ずつエスカレーターの設置を計画しております。これらの維持管理費のうち、保守点検費につきましては、エレベーターが五台である現庁舎と比較しておよそ年間で一千四百万円程度の増加が見込まれております。
本庁舎等整備の全体での省エネ対策につきましては、自然通風、太陽光発電や地中熱利用等の自然エネルギーを積極的に活用するほか、エネルギー効率の高い設備機器の採用などにより消費電力の低減を図ってまいります。具体的な効果につきましては、環境負荷について総合的に評価、格付する手法でありますCASBEEのSランク取得を目指す中でお示ししてまいります。
なお、今後、実施設計におきましては、基本設計の意図は維持しつつ、将来的な維持管理費や建設費の縮減の検討を行うVE、バリューエンジニアリングを実施するとともに、エレベーターの必要台数についても改めて精査し、省エネの取り組みとあわせてコスト縮減の検討を進めてまいります。
以上です。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備について、二点お答えをいたします。
まず働き方改革やペーパーレスの推進についてでございます。
区では、本庁舎等整備にあわせまして、ICT機器の活用をした働き方改革に取り組み、執務室内の文書量五〇%削減を目標に庁内で検討を進めているところでございます。具体的には、不要文書や重複文書の廃棄や電子化などによる紙文書の削減に向け、今年度、二十課程度の職場で具体的な取り組みを試行いたします。また、庁内に設置しております働き方改革推進会議におきまして、AIやRPA、モバイル端末を利用することによる業務効率の向上や職員の負担軽減などを目指した検討を進め、平成二十九年度末からモバイルワークの試行、平成三十年度からはRPAの試行を実施しているところです。
実施設計におきましては、今後の働き方改革も見据えまして、全ての会議室にモニターやプロジェクター、スクリーンなどの設置を検討しており、ペーパーレスで執務ができるWi―Fi環境を整備し、新たな紙文書発生を抑制する仕組みを庁内のフロア構成・管理分科会及びICT・システム分科会で検討を進めているところでございます。
今後もモバイルワークの試行の展開など、働き方改革推進会議での検討状況も踏まえ、具体的な削減手法や実施時期につきまして、各分科会での詳細な検討を進め、働き方改革やペーパーレスに積極的に取り組んでまいります。
次に、区民参加の改善、拡充についてでございます。
区では、本庁舎等整備に係る基本設計の策定に当たりまして、特集号、「区のおしらせ」やホームページなどによる広報のほか、基本設計案の中間報告や基本設計案の説明会を開催し、延べ百八十九名の御参加をいただきました。また、設計の各段階を広く公開し、共有しながら意見交換を行う趣旨で設置をしました世田谷リング会議を昨年五月以降四回開催をし、意見交換を重ねてまいりました。リング会議の趣旨を事前にお示しをし、公募をした区民や周辺地域団体代表、学識経験者など二十名の委員に加え、延べ約百名の傍聴者に御参加いただきまして、計四百件以上の御意見や御提案などをいただきました。
区は、このいただいた御意見や御提案を踏まえまして、ケヤキ並木などの緑の空間の再生、発展や、区民会館の既存バルコニーを活用したリングテラスのしつらえ、また、リングテラスの大きさの修正、災害時の安全性の向上などにつきまして基本設計につなげてまいりました。今年度は、実施設計中の七月と十二月に世田谷リング会議を開催する予定でございまして、七月のリング会議では、昨年度継続課題とされた内容を中心に意見交換をいただく予定でございます。これに加えまして、区民利用にかかわる部分などにテーマを絞ったワークショップなどの開催など、さまざまな立場の区民の方々に御参加をいただきながら、引き続き丁寧な説明や広報に努め、本庁舎等整備を着実に進めてまいります。
以上でございます。
◆四十五番(中塚さちよ 議員) 御答弁ありがとうございました。
庁舎に関してなんですけれども、区民参加のところで、これまでいただいた意見を一定程度反映してきたということで、やってきた意味はあったのかなと思っています。
先ほど答弁いただいた中では、環境負荷についてなんですけれどもも、エレベーターとかがふえることで一千四百万円というのは保守点検費だけなので、電気代とかはまた別途かかるのかなと思いますが、CASBEEの評価とかというのも非常に専門的な内容にこの実施設計で入ってくるかと思います。これまでの区民参加の手法をこれまでどおり同じようにやるだけでは難しいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎松村
庁舎整備担当部長 区民参加、説明の件での再質問にお答えをいたします。
まず、省エネ対策等専門的な部分については、できるだけ区民の方にわかりやすいような、資料提供の仕方に工夫しながら区民の方に御提示し、御意見をいただくような工夫をしていきたいと思います。
それから、今回、庁舎につきましては、基本的方針の一番上に、区民の自治と協働の交流の拠点にしていくという方針を挙げていまして、今後、庁舎としての機能のみならず、こういった視点での機能充実に向けては、実際に利用いただく区民の方々に多く意見をいただいて御参加いただくというのは非常に重要だと思っていますので、こういった部分でのテーマを掲げまして、ワークショップやシンポジウムなど区民の意見を聞く場をまた設けていきたいというふうに考えております。
以上です。
○和田ひでとし 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。
これで一般質問は終了いたしました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時五十四分休憩
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午後五時五分開議
○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○和田ひでとし 議長
△日程第二から
△第八に至る七件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二 議案第五十七号 令和元年度世田谷区
一般会計補正予算(第一次)外議案六件
○和田ひでとし 議長 本七件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第五十七号及び議案第四十六号より議案第五十一号に至る七件につきまして、御説明申し上げます。
まず、議案第五十七号「令和元年度世田谷区
一般会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。
補正予算書三ページをお開きください。
本件は、本年十月より実施が予定されている幼児教育無償化及び国によるプレミアム付商品券の発行事業等への対応や、耐震再診断結果を踏まえた一部の小中学校の改築、学校体育館への空調設備設置へ速やかに対応するため、補正計上するものであります。
この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に六十四億九千五百五十八万七千円を追加し、三千二百五十八億三百八十一万三千円とするものであります。
次に、議案第四十六号「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第四十七号「
幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」の二件につきまして御説明いたします。
本二件は、いずれも超過勤務の上限時間等に係る規定を追加するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第四十八号「世田谷区特別区税条例等の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、地方税法等の改正に伴い、軽自動車税に係る環境性能割の税率の軽減措置を講じ、及び種別割に係る特例措置を変更し、並びに単身児童扶養者に係る個人の特別区民税の非課税措置を講じるとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第四十九号「
世田谷区立若林小学校解体工事請負契約」につきまして御説明いたします。
本件は、若林小学校跡地活用方針に基づき、若林小学校の跡地に世田谷区教育総合センターを新築するに当たり、先行して既存施設の解体工事を行うものであります。
本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施いたしました。
その結果、株式会社未来世田谷支店が落札し、同社と二億八千五百五十九万五千二百円で契約しようとするものであります。
次に、議案第五十号「旧
世田谷区立花見堂小学校解体工事請負契約」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する具体的な方策(第二ステップ)に基づき、花見堂小学校の跡地に花見堂複合施設を新築するに当たり、先行して既存施設の解体工事を行うものであります。
本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施いたしました。
その結果、株式会社滝口興業東京支店が落札し、同社と一億八千四百八万五千円で契約しようとするものであります。
次に、議案第五十一号「防災行政無線(固定系)
デジタル化工事(令和元年度)請負契約」につきまして御説明いたします。
本件は、災害時に区民及び庁内にいち早く災害関連情報を伝達するための固定系防災行政無線をデジタル方式へ設備更新するものであります。
本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第二号の規定に基づく随意契約によることとし、沖電気工業株式会社首都圏支社と一億八千八百四十一万二千九百五十円で契約しようとするものであります。
本三件の契約の締結につきましては、地方自治法第九十六条第一項第五号及び世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第二条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第五十七号及び議案第四十六号より議案第五十一号に至る七件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
なお、本七件中、議案第四十六号及び第四十七号の二件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見をあらかじめ聴取しております。お手元に配付の資料のとおりであります。
本七件を企画総務委員会に付託いたします。
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○和田ひでとし 議長 次に、
△日程第九を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第九 諮問第一号
人権擁護委員候補者推薦の諮問
○和田ひでとし 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 諮問第一号「
人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明をいたします。
本件は、令和元年五月三十一日をもって辞任となります委員の後任候補者を法務大臣に対し推薦する必要があるので、御提案申し上げた次第であります。
候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区法曹会から御推薦いただいたものであります。
慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。
よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。
本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。
これより採決に入ります。
お諮りいたします。
本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第一号は諮問どおり答申することに決定いたしました。
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○和田ひでとし 議長 次に、
△日程第十を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十 議案第五十二号 世田谷区
放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
○和田ひでとし 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第五十二号「世田谷区
放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、放課後児童支援員の要件を変更するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件を福祉保健委員会に付託いたします。
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○和田ひでとし 議長 次に、
△日程第十一から
△第十三に至る三件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十一 議案第五十三号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例外議案二件
○和田ひでとし 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第五十三号より議案第五十五号に至る三件につきまして、御説明申し上げます。
まず、議案第五十三号「世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明申し上げます。
本件は、東京都市計画都営下馬アパート周辺地区地区整備計画区域における建築物の制限内容を変更するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第五十四号「財産(
世田谷区立玉川野毛町公園拡張用地)の取得」につきまして御説明いたします。
本件は、
世田谷区立玉川野毛町公園拡張用地を取得する必要が生じましたので、世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第三条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第五十五号「特別区道路線の認定」について御説明申し上げます。
本件は、新たな特別区道の路線の認定に関するものでありまして、道路法第八条第二項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第五十三号より議案第五十五号に至る三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本三件を都市整備委員会に付託いたします。
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○和田ひでとし 議長 次に、
△日程第十四を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十四 議案第五十六号 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
○和田ひでとし 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第五十六号「災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして、御説明いたします。
本件は、災害弔慰金の支給等に関する法律等の改正に伴い、災害援護資金に係る貸付利率等を改定し、保証人を立てる義務を任意化し、及び償還方法を変更するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件を災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって本件は災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会に付託することに決定いたしました。
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○和田ひでとし 議長 次に、
△日程第十五を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十五 請願の付託
○和田ひでとし 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、企画総務委員会に付託いたします。
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○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時十九分散会...