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令和 元年  6月 定例会-06月13日-02号

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  1. 世田谷区議会 2019-06-13
    令和 元年  6月 定例会-06月13日-02号


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    令和 元年  6月 定例会-06月13日-02号令和元年 6月 定例会 令和元年第二回定例会 世田谷区議会会議録第九号  六月十三日(木曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  石川ナオミ
    十六番  河野俊弘 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 真鍋よしゆき 二十九番 高橋昭彦 三 十 番 高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 桃野芳文 三十六番 ひえしま 進 三十七番 阿久津 皇 三十八番 加藤たいき 三十九番 菅沼つとむ 四 十 番 板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 大庭正明 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 おぎのけんじ 五 十 番 上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木 崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        志賀毅一 北沢総合支所長        髙木加津子 玉川総合支所長        岩元浩一 砧総合支所長 澤谷 昇 烏山総合支所長        西澤 滋 政策経営部長 中村哲也 財政制度担当参事        松永 仁 交流推進担当部長        小澤弘美 危機管理室長 工藤 誠 財務部長   進藤達夫 施設営繕担当部長        佐々木康史 生活文化部長 松本公平 地域行政部長 清水昭夫 スポーツ推進部長        内田政夫 環境政策部長 本橋安行 経済産業部長 田中耕太 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長        澁田景子 児童相談所開設準備担当部長(子ども・若者部長兼務)        澁田景子 保育担当部長 知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        笠原 聡 道路・交通政策部長        五十嵐慎一 土木部長   関根義和 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育次長   淺野 康 教育政策部長 池田 豊 生涯学習部長 皆川健一 選挙管理委員会事務局長
           鈴木孝之 総務課長   菅井英樹     ──────────────────── 議事日程(令和元年六月十三日(木)午前十時開議)  第 一 代表質問  第 二 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 代表質問  二、日程第二 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○和田ひでとし 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  Setagayaあらたを代表して、八番佐藤美樹議員。    〔八番佐藤美樹議員登壇〕(拍手) ◆八番(佐藤美樹 議員) 代表質問の前に、このたび新たに発足した私どもSetagayaあらたについて述べさせていただきます。  Setagayaあらたは、会派の構成が若者、子育て世代、そして高齢者であることから、多世代にわたる多様な区民のニーズを吸い上げ、区政に取り組んでまいります。変化の非常に早い現代において、前例やこれまでの慣習に必ずしも捉われず、新しい世田谷、新しい区議会を目指します。  その基本的スタンスとしては、持続可能な行政運営のために、自立や、民間ができることは民間にをキーとして、さまざまな課題解決に取り組んでまいります。  質問に入ります。  まず、今回の招集挨拶にある区長の四年間の区政方針についてお伺いします。  招集挨拶で区長は、世田谷改革のバージョンアップと公約から引用されています。招集挨拶は、九十一万人都市世田谷を代表する区長としての発言であり、そこに選挙において一部の区民に支持された公約が引用されていることに違和感があります。  そして、その世田谷改革を牽引するとして、三つの取り組み、地域行政の改革、児相開設、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを挙げていらっしゃいますが、区長の掲げられる八つの改革のうち、これら三つの取り組みがその他の改革をどう牽引していくとお考えなのか伺います。  地域行政制度の検証については、自治権拡充という関連テーマに広げることによって、結果肝心なことは何も進まないことはないようにしていただきたいと申し添えておきます。  次に、子どもが元気に育つ町世田谷について、大きく五点伺います。  まずは、各論点に共通する子どもを守るということについてです。  昨今の登下校中の事件、事故を受けて、先月末、総理官邸にて登下校中の子どもの安全確保に関する閣僚会議が開催されました。地方自治体による子どもの安全確保への対策強化が求められています。先日の川崎市で起きた事件においては、当該学校は小田急沿線であることもあり、世田谷区内から通っている児童も多くいます。隣の市の出来事ではなく、いつ本区で起こっても不思議ではない事件であり、大津市のお散歩中の事故を含め、子を持つ親にとっては日々不安な思いを募らせる状況です。  我が会派としても、区長に子どもを守るということについて、いま一度危機感を持って適時適切に対策をとっていただきたいと考えますが、見解を問います。  次に、子どもを守ることに関連し、学校耐震問題の事例として、池之上小学校と希望丘小学校について伺います。  まず、池之上小についてです。池之上小の校舎棟のIs値、耐震強度をあらわす数値ですが、これが〇・二二であったことを受け、区は改築の前倒しを意思決定しました。改築に当たり、区は来年四月より北沢小学校への移転を保護者や区議会に提示しています。しかし、所管課長に、北沢小に通う場合、最も遠い児童はどのぐらいの距離なのかと聞いたところ、通学路が決まっていないのでわかりませんと答えられました。どのぐらいの距離、時間なのかの検証がないのに、十分な安全対策があるかの前提に立って、北沢小への移転ありきで進めるのは順番が逆ではないでしょうか。  今回、通学路として最有力候補の道路は、二〇一四年に当時池之上小三年生だった児童が衝突事故で亡くなったのと同じ通りです。事故後の検証でも、ガードレールの設置が難しく安全確保がされていない道を通学路とすることに保護者は不安を感じています。  また、区は北沢小へ通う際、遠くて通えない児童については、多聞小、代沢小への越境をしやすくするとのことですが、地域に根差した学校運営が理想であるのに対し、地域でのコミュニティー形成を無視するような御都合主義の発想と言わざるを得ません。  子どもの安全対策、小学校を核としたコミュニティー形成について区はどう考えているのか、見解を問います。  学校耐震問題の事例の二つ目、希望丘小学校のことです。希望丘小については、耐震補強工事に際し、先月、ゴールデンウイーク明けに校舎棟南側にあるイチョウの高木が五本、学校やPTA側に何ら通知のないまま伐採されるという事態が起こりました。伐採した理由は、耐震補強工事を行うに当たり、建物付近の樹木が工作物に影響があるからとのことですが、この意思決定において、学校側には何ら事前の説明や協議もなく、樹木が実際に切られるのを見て、学校やPTAが知る事態となりました。工事により樹木に影響が及ぶ事態に際し、特に樹齢五十年超の高木については、まずは保存ができないのか、その検討を区はしないのでしょうか。何より子どもたちに命の大切さを教える学校現場で、一方で、同じ世田谷区の所管が、通知もなく樹木など生き物に配慮しない工事をしようとしたことについては猛省をしていただきたいと思います。  世田谷みどり33を掲げるわけですから、今後の学校耐震工事において、どこかの時点で樹木の伐採についてチェックが入るようなプロセスがあってほしいとも考えます。区の見解を問います。  次に、子どもを守る関連で、保育園のお散歩対策について問います。  小学校の通学路と異なり、区立認可保育園以外の保育園においては、お散歩ルートの選定や安全対策は基本的に各園の対応となっています。区として、今回の大津市の事件を契機に、各園でどのような散歩対策がとられているか。また、どのような懸念、リスクがあるか等の情報を集約し、区がとれる対策があれば手を打っていただきたいと考えますが、見解を問います。  次に、保育待機児対策について伺います。  四月時点の待機児数は四百七十名となりました。一方で、四月時点の認可保育所の空き数は八百七十一名です。相変わらず足りてないところがある一方で、あきも多くあり、特に駅から遠い認可保育園ではあきが多く見受けられます。こうした駅から遠い園の空き数に対し、送迎保育を設けることによりあきを解消していくことは、待機児対策としても重要であると考えます。  来年四月より岡本、駒沢の二園で送迎保育を開始すると伺っていますが、さらなる拡充を求めます。見解を問います。  子どもが元気に育つ町世田谷の質問の最後に、教育関連で三点伺います。  まず、教育長に伺います。  教育長は、就任挨拶において、一人の子どもも置き去りにしないという言葉を述べられました。具体的にはどのような政策を展開されようとしているのでしょうか、伺います。  また、世田谷区の教育費について伺います。  今年度の教育費は、一般会計予算の八・七%である約二百七十九億円となっており、子ども一人当たりに換算すると二十五・七万円で、これは二十三区最下位の数字です。子どもの数が比較的多い練馬でも、一般会計に占める割合が一二%、一人当たり三十七・六万円と世田谷より一人当たりの教育費は十万円ほど差がある現況です。  教育は、世田谷の未来を築く上のかなめであり、さまざまな環境下の子どもたちに豊かな教育を実現するために、教育費の割合を再検討する必要性があると私たちは考えますが、区の見解を問います。  新BOPの時間延長について触れておきます。  四月よりモデル校五校にて、一時間延長の七時十五分までの学童保育を始めていますが、登録者数は千歳台小の四名を初め、学童保育全体の利用登録者数に比べごく一部となっております。この登録者数の少ないことの背景には、時間を延長することだけでは必ずしも保護者のニーズに合っていないことをあらわしていると、我々会派としては捉えています。  認可保育所の終了時間にそろえたとのことですが、内容面についてはどうなのか。何よりも、かねてより申し上げておりますが、子どもの視点に立った制度設計をしていただきたいと重ねて申し上げます。見解を問います。  次に、持続可能な財政運営関連で二点問います。  まず、中長期財政見通しについてです。  来年二〇二〇年には、基金残高に対し区債残高が上回り、その後、その差は大きく開いていって、二〇二三年には区債残高が基金の倍ほどになる見込みです。ふるさと納税の推移や生産年齢人口の減少がいつからか見込めない中、中長期にわたっての着実な歳入は見込めているのでしょうか。  区長は、招集挨拶においてさまざまな改革を述べられていますが、それらを実現するためには、まずは財源の確保が必要であり、その見通しや基金と区債残高のバランスに全く言及されていないことに疑問を持ちます。この点についての区長の見解を問います。  次に、新公会計制度を活用した行政評価について問います。  今年度より新公会計制度を生かした決算審査が可能となります。事業に係るフルコストなど財務データを施策の評価に加えることにより、これまでの行政評価よりも費用対効果や政策、施策の有効性、効率性などがあぶり出されてくることを期待します。  二月に示された行政評価の再構築は、事務事業とその上の施策、そしてその上の重点政策の三つの層でそれぞれ扱っている評価項目がばらばらでつながりが見えにくく、わかりづらいです。こうした評価は、政策の是非や事務事業の廃止、見直しといった判断について、区民にも見えるようにする意味でも、端的でわかりやすいものにしていただきたいと考えます。  健全な財政運営のためにも、実効性ある行政評価は重要です。今後の取り組みについて伺います。  次に、最期まで住み続けられる町世田谷として、認知症対策関連で二点伺います。  さきの福祉保健常任委員会において、(仮称)世田谷区認知症施策推進条例の制定に向けた検討という報告がありましたが、条例制定に向けて、区の方向性や、またスケジュールが定まっておらず、足踏み状態であるように見受けられます。  認知症になっても安心して地域で住み続けられるような世田谷にしていくために、会派としては条例が必要と考えていますが、区の見解を問います。  次に、認知症の中でも元気なうちにいかに対策していくかという観点で伺います。  認知症になった場合に備えて、元気なうちから身の回りの準備をしたという九十歳の男性について、そのお孫さんがSNSに投稿した内容を少し紹介したいと思います。七十歳、仕事引退時。正常な判断ができるうちにと免許を返納。当時、月一回私と映画を見に行くのを楽しみにしていた祖父だったが、返納後の移動方法はタクシーに。七十五歳、みずからGPSつきのシニアやキッズ向け携帯を契約してくる。ぼける前から首にぶら下げる習慣をつけておかなければ、いざぼけたときに家族からつけられても多分捨てると祖父は語っていた。家族が祖父の位置情報を把握できるようになる。八十歳、持ち物や衣類全てに名前を書き始める。ふだん身につけるものはもちろん、シャツの内側にまで緊急連絡先を記載した布を縫いつける徹底ぶり。八十二歳、満を持してぼける。認知症を発症。  投稿したお孫さんによると、祖父が前もって準備していたおかげで、家族は心の余裕を持って認知症の祖父に対応できたとのことです。  二〇二五年には六十五歳以上の五人に一人が認知症になるとも言われる中、認知症になることについての備えというのも重要と考えます。介護予防や終活といったことの一環で周知していただきたいと考えますが、見解を問います。  次に、世田谷を担う人材育成テーマで二点伺います。  組織において、言うまでもなく人材はかなめです。この四月の人事異動において、前部署から一年で異動となった幹部職員、課長、部長の数を調査したところ、ポストの廃止等によるものを除き、異動した幹部職は異動者九十三人中二十二人いました。課長や部長が一年で交代する背景には、やむを得ない事情もあるかと推測しますが、一方で、引き継ぎに三カ月ほどを要すことや、新たな部署で実力を発揮できるようになるまでの時間を考えると、一年交代の人事が約二三%を占める現状について疑問を感じます。  区長が今期掲げる世田谷改革のバージョンアップにも人材は欠かせない要素であるはずですが、こうした人事についての区長の見解を問います。  また、世田谷を担う人材という意味で、若者支援についても問います。  これまで若者支援は保坂区長の掲げる重要政策の一つであったと認識していますが、今回の招集挨拶では触れられていません。三カ所目の青少年交流センターである希望丘青少年交流センターアップスが二月に誕生し、ハード面ではある程度充足してきたと考えますが、運営内容などソフト面においてまだまだ課題は多くあります。区長の見解を問います。  最後に、東京二〇二〇大会とホストタウン事業に関する世田谷の取り組みについて伺います。  二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピックまで残り一年ほどになりました。区内各地でプレイベントも含めさまざまな取り組みが行われているものの、それぞれが別々に動いており、縦割り行政の弊害が見受けられます。各所管部で行う事業に、商店街など地域も連携して実施する取り組みを、庁内の取りまとめ役である交流推進担当部がしっかり把握された上で、オール世田谷でさらなる機運醸成を目指す必要があります。  各所管で当事者意識を持って機運醸成に取り組み、ほかの部署とも連携していくために、交流推進担当部ではどう取り組まれるのでしょうか。  また、今年度実施予定の各種イベントや取り組みについて、区民などにわかりやすく周知するために、広報広聴課と連携し、スマートフォンを含むSNSでの情報発信については改善すべき点が多くあります。見解を問います。  また、今回の東京二〇二〇大会は、商店街活性化や観光推進につながる絶好の機会でもあります。経済産業部として、町のリソースを生かし、ほかの取り組みとつなげるべく、どのような連携をとられるのでしょうか、伺います。  東京二〇二〇大会は、子どもたちにとっても夢の祭典であり、各校での取り組みがその後の子どもたちの人生を大きく変えるかもしれないという意識で各プログラムに取り組むべきです。特にグローバル教育においては、日本が他国を意識し、世界の国々について学ぶための絶好の機会です。我が会派としては、単なる行事や一方的な指導に終わらず、児童がみずから考え、行動し、さまざまな交流を通して学びを深めていくようなグローバルな教育につなげていただきたいと考えますが、見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。  まず、世田谷改革のバージョンアップの、その三つの取り組みと、他の改革との関連性についてお尋ねがございました。  私は、さきの選挙におきまして、世田谷改革バージョンアップを掲げて、これに基づいて本定例会の招集挨拶においてもこの三つの取り組みを、改革を牽引していくと、こういう位置づけでお示しをいたしました。いずれも現状の改善にとどまらず、世田谷区のあるべき未来について、議会や区民とともに描いていく取り組みであると考えているからであります。  一つ目は、これまでの地域行政を土台として、特別区という枠にとどまらない自治権拡充の道を開き、自立した自治体の形を提示をしていくこと。二つ目は、区立児童相談所の開設をシンボリックな転換点として、未来の希望である子どもたちが、子ども最善の利益を実現する地域社会をどのように構築していくかという問題。三つ目は、東京二〇二〇大会のレガシーとして、誰もが自分らしく暮らすことができるような、多様性を相互に認め合い人権を尊重する多文化共生の町をどのようにつくっていくのか。私たちが住む地域社会の未来にかかわる問題です。  総じて自治権拡充の道を開いて自治の力を強めていくことは、当然行政組織の刷新を伴います。また、これら三つの改革によって、ダイバーシティーを貫く多様性と社会的包摂を進める組織の展開は、全ての政策を横串につないで貫く効果があると考えております。  次に、子どもの命を守るということについて見解をということでございます。  子どもの発達を支えるためには、保育所や幼稚園、家庭、地域などにおける生活体験が子どもの中で密接に結びつき、それらの体験が生かされていくことが人格形成上大変重要であると考えています。保育中の安全管理のみならず、保育園の送迎、これを含めた子どもの移動経路について、徹底した安全管理、改めて見直していくことが必要だと考えています。  このたびの大津の痛ましい事故や、川崎で起きた大変あってはならない襲撃事件を踏まえて、こうした悲劇が二度と起きないように、地域の子どもたちを地域で守るコミュニティーの力を高めていくと同時に、犯罪や事故の兆候を関係機関と連携して見逃さない、あるいはその犯罪の当初のところでしっかり取り押さえていく体制が必要だと考えています。また、学校においても、健やかな成長と学習活動を行う基盤として、通学路を含めた学校における児童生徒の安全確保について、徹底した取り組みを指示しているところでございます。  次に、持続可能な財政運営について、ふるさと納税の影響などについてのお尋ねです。  区の将来人口推計では、生産年齢人口は二〇三二年をピークに減少に転じる見込みであり、一方で高齢者人口、二〇三〇年には総人口に占める割合が二一%、これは超高齢社会と言われる線を突破し、その後も上昇が続く見込みであります。  生産年齢人口の減少は、区の歳入の根幹を成す住民税の減収につながり、社会保障関連経費など歳出の伸びに歳入が追いついてこない状況になるおそれがある、大変大きな影響があると認識をしています。私は、区政運営において財政の健全性を維持することが基本であると考え、歳出構造にメスを入れる行政手法改革に取り組み、細心の注意を払って財政構造の健全性維持に努めてまいりました。  今後の本庁舎整備や学校の耐震補強など、当面の財政需要に備えていくために、必要な基金への積み立てを堅実に行ってきました。また、急激な景気変動リスクに備え、財政調整基金の残高を過去最高の三百十一億円、予算規模の一割とするとともに、積立金総額を九百億円台に近づけ、財政の持続可能性の確保に努めているところであります。  引き続き、基金残高の確保に努めることはもとより、人口構造の変化や景気動向などを踏まえた適切な歳入見通しのもと、公共施設整備計画の整備手法の改革や、ICT等を活用した大胆な事業の改善、官民連携や地域連携による事業の運営など、多様な視点で行政経営改革の取り組みを進めながら、持続可能な自治体運営に努めてまいりたいと思います。  次に、若者支援について、招集挨拶で触れていないという点についてお尋ねがございました。  招集挨拶は時間数も限られておりまして、全分野、全政策満遍なくというわけになかなかいきません。若者を重点的に語る場面もあれば、また別の機会には高齢福祉、障害福祉等を語ることもあります。これまでも招集挨拶の中で、その都度若者支援の取り組みを述べるなど、力を入れてきているところであります。  超高齢社会を迎えている現在、これまでなかった若者の支援を、地域と若い世代をつなぐ重要な輪として捉え、力を入れて取り組んでまいりました。具体的には、池之上、野毛に続いて、誰もが自分らしく過ごせる場所として、希望丘青少年交流センターアップスの整備や、生きづらさを抱えた若者などを支援するためのメルクマールせたがやの設置運営、さらには児童養護施設等の退所者を対象とした給付型奨学基金の創設などを実現してまいりました。  これからは、地域のネットワークの中核である児童館、そして新たに三つ配置された青少年交流センター三館が連携し、多世代交流の地域コミュニティーの活性化を進めてまいります。さらに、ひきこもりや不登校など、生きづらさを抱えている中高生や若者の支援の重要性はますます高まっておりますので、より一層の取り組みを強めてまいりたいと思います。
     また、青少年とともに語り、悩んでいる青少年にアドバイスし、伴走するユースワーカー的な役割をする人材育成も大事だというふうに考えております。世田谷区子ども・青少年協議会からの提言を踏まえ、若者の意見表明や区政のさまざまな取り組みに若者自身が参加、参画できる仕組みを充実するなど、引き続き世田谷の次世代を担う若者支援の取り組み、これが区を活性化させるものと考えております。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、幹部職員の人事異動について御答弁申し上げます。  幹部職員の人事につきましては、複雑多様化する区政課題の解決に向けまして、中長期的な視点を持ちながら、培った知識や経験を生かすことができる適材適所を基本に配置を行っております。また、事業執行や組織運営の面から、その能力を十分発揮できるよう、在職年数も考慮して判断しております。  一方で、定年退職、特にここ数年の幹部職員の多数が退職の時期を迎えまして、その中で全庁的な組織体制の維持、さらには課題解決のスピードを上げる観点から、在職年数が一年で異動となるケースもございます。また、昨今では、任期付採用を駆使しているところでもございます。  少子・高齢化の進展や人口の増加など、区政を取り巻く環境が大きく変化する中、基本計画に掲げる重点政策を着実に進めるためには、区政を担うリーダーとして幹部職員を育成し、組織力、マネジメント力を強化していくことが重要であると認識しております。幹部職員がさまざまなポストで課題解決に取り組むことを通じまして、視野を広げて知識や経験をさらに積み重ね、その力量を高めていけるよう、今後とも幹部職員の人材育成に努めるとともに、特に、部長級におきましては即戦力の点も含めまして、適切な人事配置を行ってまいります。  以上でございます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 二点について御答弁申し上げます。  一点目は、就任挨拶の具体的な政策についてでございます。  私は、四十年以上にわたり学校現場で学校教育に携わっていく中で、一人一人の子どもに合った教育を推進する大切さに気づき、一人の子どもも置き去りにしない教育が極めて重要であると就任挨拶で申し上げました。私が申し上げたことは、子どもとかかわる者の姿勢として、子どもを集団の中の一人としてだけでなく、子ども一人一人に真摯に向かい合うことの大切さを自分に言い聞かせたものであります。一人の子どもも置き去りにしない教育を実現するため、一人一人の個性を伸ばす教育の推進、特別支援教育の推進、いじめ防止対策及び不登校対策等の総合的な推進等の施策を着実に推進してまいります。  これからの社会がどのように変わろうと、みずから考え、学び、行動していくたくましい力を子どもたちが身につけられるよう、全力で教育行政に取り組んでまいります。  二点目の世田谷区の子ども一人当たりの教育費について御答弁申し上げます。  令和元年度教育費の一般会計予算における構成比は八・七%となっております。教育費は、しばしば未来への投資と言われており、一概にその額が適正であるかの判断は難しいところでございますが、教育の充実は大事であると考えております。教育予算の編成に当たりましては、事業手法の改善等に取り組みながら、より効果的な施策の実現に努めることを基本としながらも、現在と未来に向けて、どういったものが子どもたちや地域の方々に必要か見きわめた上で、予算要求に反映してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎佐々木 施設営繕担当部長 私からは、希望丘小学校の耐震補強工事に伴う樹木の伐採についてお答えいたします。  希望丘小学校につきましては、当初増築の計画を進めておりましたが、設計を進める中で既存校舎の耐震診断を実施したところ、耐震補強が必要となり、増築工事に先立ち、まずは既存校舎棟の耐震改修工事を実施することとなりました。今回の耐震改修工事では、学校運営への影響を最小限とするため、外壁の外側に耐震フレームを増設する工法を採用しております。このため、耐震フレーム設置に伴い必要となった校舎南側の外構の再整備の中で、既存樹木の伐採が必要となり実施したものです。  この樹木の伐採を含む工事の進め方について、地域や学校関係者の皆様への御説明が十分至らなかったことについては申しわけなく思っております。このたびの耐震再診断の結果を受け、今後実施されます耐震補強工事におきましては、工事と干渉する既存樹木については可能な限り移植保存を検討し、やむを得ず伐採する場合には、敷地内に新規植栽を行い、敷地全体で緑の保全、創出に努めてまいります。なお、伐採予定の樹木については、その旨を記載した札を取りつけるなどの周知方法について、教育所管課とも調整し、実施してまいります。  以上です。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、学校などの工事の際の樹木伐採等へのチェック体制について御答弁させていただきます。  区が管理する学校などの公共施設は、世田谷みどり33の実現を牽引していく重要な役割を持つと認識しております。  建築行為等にかかわる緑の創出や保全につきましては、面積等の要件により、みどりの基本条例や都市緑地法に基づく届け出等が必要になっており、内容に樹木の伐採があった際は、建築主に対しできる限り現状で保全をし、それが無理な場合は移植することをお願いしております。この緑にかかわる制度の運用につきましては、みどり33推進担当部が所管となりまして、窓口となる総合支所街づくり課と情報共有を行い、連携をとりながら、公共、民間を問わず地域の緑を守り育てていけるよう進めているところです。  今後とも、区内各施設の建設等に当たっては、樹木保全等に関する技術的支援や助言などを担当所管に適宜行っていくことで、世田谷みどり33の達成に向けて民間のモデルとなるような豊かな公共の緑をともにつくり上げてまいります。  以上です。 ◎淺野 教育次長 私からは、池之上小学校の耐震関係につきまして御答弁申し上げます。  御質問の池之上小学校につきましては、耐震診断結果や児童生徒の安全性と教育環境の確保などを勘案しまして、改築を行っていくことにしました。また、池之上小学校の改築につきましては、現在の敷地面積が狭いことや、周辺道路状況も含め、仮設の校舎による対応が困難であると判断しており、旧北沢小学校を活用することにより工期の短縮も図れることから、仮校舎として活用する準備を進めております。  教育委員会といたしましては、改築などにおいて近隣の仮校舎を活用した例を参考に、新たな通学路の整備や見守り員の配置などの対応をとってまいります。池之上小学校では、児童によっては二キロ前後の通学距離となることから、遠いとの声などもいただいており、特に安全面での工夫が必要であろうと認識しております。これらを踏まえまして、児童の安全を第一に考え、保護者や地域の方にも御理解、御協力をいただきながら、さまざまな対応策をとってまいりたいと考えております。  また、お話しのとおり、教育委員会では地域とともに子どもを育てる教育の推進を第二次世田谷区教育ビジョンの基本方針として、地域とのコミュニティー形成を推進しております。今回の仮校舎の活用や指定校変更はあくまで臨時的な対応ですが、地域の全ての児童が安全に地域の核である学校に通学できるよう、これからも努めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、保育関連の御質問二点についてお答えします。  まず、保育園散歩ルートの選定と安全対策についてお答えします。  大津市での事故後、都道府県等に対し、保育所外での活動の際の移動経路の安全性や、職員の体制などの再確認を求める通知が厚生労働省より発出されておりますが、区におきましても、通知に先んじて巡回訪問時に園外活動に職員も随行し、ともに危険箇所等を確認するなどの対応をしてきております。  園外活動の実施に当たっては、保育所におきまして、交通量や歩道の有無といった道路の状況や、地域の方々の情報などを集約した上で、最も安全性の高いルートを移動経路に決定し、保育所の中にはお散歩マップを作成するなど、保護者の方へもお知らせしております。また、警視庁からも、保育所等において子どもの登園経路などに交通安全上の危険がある場所を把握した場合は管轄の警察署に連絡するよう要請があるなど、子どもを事故から守るために、関係所管と連携を図っているところです。  今後につきましても、保育所等で作成したお散歩マップ等を区や近隣の保育所間で共有するなど、引き続き保育所等の安全対策の強化に取り組んでまいります。  続きまして、待機児解消と送迎保育の拡充についてお答えいたします。  ことし四月一日時点の保育待機児童数は四百七十人と、前年度から微減にとどまり、待機児童が多く、保育施設整備の進んでいない世田谷・北沢地域を中心に、整備に向けた重点的な取り組みが必要であると認識しております。  送迎保育事業については、特に保育施設用地の確保が困難な地域において、保育待機児童を解消する手段として有効であることから、現在、砧地域で運営中の一園に加えて、お話のございました新たな二園で事業開始を予定しております。世田谷区の送迎保育事業では、一つの事業者が一体的に運営することを基本としており、今後の拡充については、開設した送迎保育ステーションの運営状況やその効果を検証した上で、区内事業者へ情報提供してまいりたいと考えております。  いずれにしましても、来年度の待機児童解消を確実なものにしていくため、今後、送迎保育を含め、即効性のある緊急的な対策を検討し、打ち出していくとともに、引き続き全力で保育所の整備に取り組んでまいります。  以上です。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、新BOPの時間延長モデル事業の子どもの視点に立った制度設計にすべきという御質問にお答えいたします。  本年四月から開始いたしました新BOP学童クラブ実施時間延長モデル事業につきましては、登録児童数が五月一日現在、モデル校全校合計で五十三人であり、最も多い学校で十五人、最も少ない学校で四人となっております。現在はモデル事業を開始したところですので、今後アンケート調査を行うとともに、民間事業者に対して、事業内容や影響等の調査も行いまして、状況やニーズ等を把握し、検証を行ってまいります。  このうちアンケートにつきましては、モデル事業を利用している児童や保護者と従事者には、本年六月と九月、来年三月にアンケートを実施し、仕事や生活等の状況の変化、子どもの状況、課題等について把握してまいります。また、モデル事業を利用していない保護者につきましても、本年九月と来年三月に利用しない理由やニーズ等についてアンケート調査を実施する予定でございます。  今後は、二年間のモデル事業の中で中間まとめ等を行いながら、子どもへの影響や効果、お話にもございました運営面や適切な手法、子どもの自立に向けました支援等について検証、検討してまいります。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、新たな行政評価について御答弁いたします。  新たな行政評価では、新公会計制度を活用して、職員人件費や減価償却費などを含めたフルコストを把握し、事業の実施回数やサービス提供人数などの取り組みの行動量を踏まえたコスト分析ができるようになりました。個々の事業の評価に当たっては、その事業固有の分析評価の視点を明らかにし、例えば、区民生活を守るために、量より質の確保から評価すべきか、今後の需要増に対応できる持続可能性があるかという視点で評価すべきかなど、定量的なコスト面だけでなく定性的な評価を含め、複眼的、総合的な評価としてより見える化し、最適な事業改善につなげてまいります。現在、庁内各部において事業の評価を実施しており、決算附属資料である主要施策の成果としてまとめ、議会に御報告いたします。  今般の新たな行政評価を通じ、全庁を挙げて行政経営改革を推進し、複数年を要する課題を含めて改善に向けたスケジュールを明確にするとともに、可能なものから令和二年度予算に反映するよう取り組み、具体的な成果を確保したいと考えております。  また、御指摘のありました政策、施策、事務事業の関係性を含め、端的でわかりやすい評価結果となるよう引き続き工夫をしてまいります。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、最期まで住み続けられる町世田谷について、二点御答弁いたします。  まず一点目は、(仮称)世田谷区認知症施策推進条例について御答弁いたします。  区では、これまで認知症初期集中支援チーム事業や物忘れチェック相談会など、先駆的な認知症施策の取り組みを進めてまいりました。令和二年四月には、認知症施策を一層推進するため、区における認知症在宅支援施策の専門的かつ中核的な役割を果たす拠点として、世田谷区立保健医療福祉総合プラザ内に世田谷区認知症在宅生活サポートセンターを開設する予定で準備を進めておるところでございます。これらの施策のさらなる推進を図るため、そのよりどころとなる(仮称)世田谷区認知症施策推進条例の制定に向けた検討を行っております。  今後、認知症の御本人や御家族を含む区民の方や事業者等に御参加いただくワークショップやパブリックコメント等で広く意見をお伺いし、学識経験者や家族、事業者等で構成する条例検討委員会で検討するとともに、議会において議論を重ねてまいります。  区民、事業者、行政のそれぞれの役割を明確にし、認知症の方の意思が尊重され、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、世田谷らしい条例の制定に向け、引き続き取り組んでまいります。  二点目としまして、認知症になる前の啓発活動について御答弁いたします。  人生百年時代を迎えて、認知症は誰もがなる可能性があり、自分事として予防を含めた認知症の普及啓発は大変重要と認識しております。区では、認知症の正しい知識の普及を目的に、医師による認知症講演会や認知症サポーター養成講座等に取り組んでおります。平成二十六年度からは、運動、栄養、口腔、認知症予防を組み合わせたまるごと介護予防講座を実施し、認知症に加え、心身機能の低下予防も含めた介護予防の普及啓発に取り組んでおります。  これらの講座やあんしんすこやかセンターの相談窓口等では、認知症の気づきを促す気づきチェックリスト、認知症の程度と日常生活に合わせてどのようなサービスが受けられるのかを記した早見表、また人生の終末期に備え本人の希望を書き記す私の覚え書きなどを一冊のパンフレットにした認知症あんしんガイドブックを配布し、普及啓発を進めております。  今後は、介護予防事業や認知症事業、あんしんすこやかセンター相談窓口等でこの認知症あんしんガイドブックを配布するときの説明とあわせて、お話しのありましたエピソードを御紹介するなど、介護予防事業を含め、認知症になる前の普及啓発を一層進めてまいります。  以上です。 ◎小澤 交流推進担当部長 私からは、東京二〇二〇大会機運醸成に向けた交流推進担当部の取り組みと、SNSなどの情報発信についてお答えします。  東京二〇二〇大会をオール世田谷で盛り上げるためにも、また、区がアメリカ合衆国のホストタウン、共生社会ホストタウンとして、区民がおもてなしの心や国際理解、障害理解を深めるためにも、区が目的意識を持ち、庁内はもとより、商店街など地域と連携し取り組むことが重要であると認識しております。大会開催まで限られた時間の中で、本年四月より政策経営部内に交流推進担当部が新設されました。  当部の使命は、縦割りから横連携に向けて、各部が主体的に機運醸成に取り組みながら、庁内や他機関との連携を深め、全庁が一体となった事業の実施を実現することであると考えております。当部は大学連携の役割も担っており、学生のボランティアや事業への参加を初め、区民や団体が提案する事業を着実に進めるためにも、文化、スポーツなどを所管する部署や外部団体と調整する仕組みを強化してまいります。  情報発信につきましては、広報広聴課と連携し取り組んでいるところですが、SNSなどの電子媒体の持つ即時に広範囲に発信できるメリットを生かしながら、多様な広報媒体を活用したわかりやすい情報提供に努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二〇二〇大会などでの経済産業部の連携について御答弁いたします。  区では、この間国内外からの観光客と区民との交流やにぎわいの創出を図るまちなか観光の一環として、観光ボランティアガイドの養成や観光案内所の開設に加え、馬事公苑やその周辺五駅などへのWi―Fi環境の整備など、東京二〇二〇大会に向けた各種の取り組みを着実に進めてきました。こうした取り組みとともに、庁内関係所管が横断的に連携しつつ、区内商店街や民間事業者など、地域を巻き込み機運醸成に向けて取り組むことは重要であると認識しております。  このことを踏まえ、具体的な取り組みの一環として、馬事公苑に近い商店街などを中心に、地域のお祭りで地元区立学校の子どもたちによるダンス披露などを行うオリパラ記念イベント事業の実施や、馬事公苑周辺五駅の商店街イベントと連携を図り、まちなか観光馬車の運行を予定しております。  区としましては、商店街や地域とともににぎわいを創出し、東京二〇二〇大会のPR強化や機運醸成につなげる各種事業を実施するとともに、大会後もレガシーとしてまちなか観光の推進に寄与するよう、庁内関係所管はもとより、関係団体や各種事業者などと緊密に連携を図り、さまざまな事業展開をしてまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、グローバル教育について御答弁させていただきます。  東京二〇二〇大会は、子どもたちの国際理解を深め、これからの社会を生き抜くグローバルな人材を育成していく上で大変重要な機会であると認識しております。現在、各学校や幼稚園で実施している世界ともだちプロジェクトでは、それぞれの学校や園ごとに九つの国を対象国として設定し、その国の文化や歴史を調べたり、その国の方を学校にお呼びしてお話を聞いたりするなど、より深い国際理解につながるよう取り組みを進めているところでございます。  こうした取り組みを家庭や地域の方にも共有していただけるよう周知に取り組むとともに、学校での関連情報の掲示を充実させることなどを通じて、子どもたちの対象国への関心がさらに高まるよう工夫してまいります。  教育委員会といたしましては、東京二〇二〇大会以降も、国際理解を深めるための教育が継続的に展開されるよう、校長会とも連携しながら取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◆八番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。二点要望と、一点再質問させていただきます。  人、物、金、情報とよく言われると思いますけれども、今回の質問を通じて区長には、人材、人の部分であったり、あるいは財源という金という部分、こうしたことはやはり組織運営、経営の基本的なことですので、改革を進める以前にこういった基本的なことをしっかり押さえていっていただきたい、質問を通じてそういったことを申し上げた次第です。  また、行政評価についてですけれども、昨今世田谷区でもPDCAサイクルとよく使われるようになりましたが、行政評価はまさにCのチェックの部分で、我々議会も、そして区民にとってもチェックがしやすくなるというのは行政評価の一番の意義の部分であると思いますので、質問で申し上げましたけれども、今みたいに事務事業とその上の施策と、それぞれが、例えばこっちには総合評価という言葉があってこっちにはないというようなのだと、やはりわかりにくいですので、しっかりと改善と改良を重ねていっていただきたいと思います。  一点再質問いたします。学校耐震問題について伺います。  今回二つの事例、池之上小と希望小を取り上げました。この池之上小の学校耐震問題に端を発する今の区の進め方ですと、本当に子どもの命や子どもを守るということを区は最優先で考えているのかということが、やはり疑問に感じてしまいます。御答弁の中で、過去にほかの小学校でできたので、そういったことを参考にしながらということも言われていらっしゃいましたけれども、池之上には池之上固有のリスクが、質問で申し上げたように過去に死亡事故があったという、そういう固有のリスクを抱えているわけですし、やはりこういった順番が逆というような進め方というのは、地域や保護者の不安や不信につながっていくと思います。  希望小においても、今回増築棟と耐震と二つが重なったことで後手になっている部分もあるのかもしれないですけれども、同じ世田谷なのにやっていることがばらばらということでは、またその説明がきちんと、十分に至らなかったという御答弁でしたけれども、十分に至らなかったではなくて、なかったのが事実ですので、これは本当に真摯に受けとめて、地域の不信感の払拭に今後努めていただきたいと思います。  教育長に伺いますが、今回のその耐震問題に端を発しているいろいろな諸問題に対して、常に本質的なところを捉えて、最優先すべきところをしっかり押さえて一つ一つ対応していっていただきたいと考えますが、教育長の見解を問います。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 学校耐震問題等に対する対応について御答弁申し上げます。  希望丘小学校の樹木の伐採につきましては、事前に学校や地域への丁寧な説明が必要であったものと認識しております。  また、今回の耐震再診断の結果を踏まえたさまざまな取り組みにつきましては、児童生徒のみならず、保護者や地域の方々に御不便をおかけすることになることからも、御理解と御協力が不可欠でございます。そのため、池之上小学校の改築につきましては、児童の安全を第一に考え、万全を尽くして丁寧に計画を進めてまいります。  今後は、少しでも御不安な点や御心配な点を解消していただけるように、時期を逸することなく、保護者や地域の方々へさまざまな課題について丁寧な説明を行い、教育委員会事務局が一丸となって取り組んでまいります。 ◆八番(佐藤美樹 議員) 以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 一般質問 ○和田ひでとし 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  二十四番江口じゅん子議員。    〔二十四番江口じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 質問通告に従い質問します。  まず、区長の今期の政治姿勢について伺います。
     さきの区長選挙で問われたのは、保坂区政の二期八年間であり、結果、区民は自民党区政への後戻りではなく、保坂区政の継続を選択しました。区民はなぜこの選択をしたのか。  まず、区政が区民の切実な要求にしっかりと応えてきたことです。保育では、国の規制緩和の圧力に対峙し、質を守る立場を鮮明にした待機児解消に向けた努力が、子育て世代の大きな支持を得ました。さらに、多様性の尊重や社会的包摂の立場で、同性パートナーシップ宣誓や条例制定、また若者のひきこもり支援などに踏み出しました。当事者、家族の力となるだけでなく、社会的影響ももたらしました。  二点目は、安倍自公政権の社会保障の後退から区民生活を守る取り組みを進めてきたことです。相次ぐ国の生活保護基準引き下げに対し、就学援助など低所得者支援に影響が出ないよう率先して対応、これが全国の自治体に波及しました。さらに、区は今年度から学校給食の一部無償化を含む就学援助の拡大に踏み出します。  三点目は、行政経営改革の手法を転換し、財源は安易な区民負担増ではなく、事業の効率化や、保育関連経費のように国から財源を引き出し確保してきました。これに対し自民党は、就学援助の、学校給食費に関する費目の基準引き上げを強行実施などを理由に本年度予算に反対し、道路整備を抜本的に加速、現区政ではできない行政改革を断行を掲げ、区長選で対立候補を擁立しました。しかし、区民は保坂区政の継続を選択しました。区長として、今期、区民の信託にしっかり応え、区政のさらなる発展を期待します。  我が党としては、区長とともに、この区政前進のため議論、提案も重ね、力を尽くしてまいります。  区政には課題が山積しています。区長は選挙政策集で、国の社会保障政策が後退するとき、区民生活を支えるのも自治体の役割と述べられました。その立場で、国保や介護保険など、さらなる積極的対応を期待します。国が推進する民営化、民間活用に関しては、自治体の公的役割を曖昧にし、住民サービス後退をもたらすものであり、区の毅然とした対応を求めます。図書館、児童館の民営化は進めるべきではありません。  財政運営に関しては、新実施計画(後期)で示した行革計画での独自努力と、国に対してはふるさと納税など税源収奪への改善と、財源確保の一層の取り組みが必要です。今年度の依命通達にも、この方向性の反映を求めます。  区長の今期の区政における基本的姿勢を伺います。  次に、今期の区政運営について、大きく三点伺います。  一点目は、行政経営改革です。  新実施計画(後期)の行政経営改革では、従来の考えが転換され、重要な目的、視点が明記されました。行革の目的を自治の推進と独自性のある自治体経営の確立に向けと明記した意図を伺います。  また、民営化、民間活力については、行政の責任を明確にし、質の確保に十分留意しながら積極的に進めるとありますが、行政の責任と役割及び基本的姿勢について伺います。  次に、指定管理者制度運用のガイドライン制定です。  指定管理者制度は、区民の共有財産である公共施設の管理運営を民間に委ねるものです。我が党は、区民サービス向上、コスト縮減、質の確保を、行政の責任を明確にしながら進めるルールと具体化を求めてきました。ガイドライン策定における基本的姿勢と進捗状況、また質の確保、行政の責任の明確化、公平性、透明性確保について見解を伺います。  行革の最後に、適正な利用者負担の導入指針の見直しです。  新実施計画(後期)では、区民負担に関しては施策事業の継続性と政策目的を踏まえ、経費抑制策や業務改善などに取り組むと明記をしました。この視点に立った指針の見直しを求め、区の基本的姿勢及び進捗状況、今後のスケジュールを伺います。  また、施設に係る経費には、管理運営経費と減価償却費を含む建設・賃借料があります。現在は施設の管理運営経費を利用者負担として、使用料と税金で賄っています。しかし、この間、区は使用料算定の対象経費に減価償却費を含むフルコストを含め試算することが望ましいとしています。施設運営コストの総体把握に反対はしません。しかし、公共施設はそもそも区民の税負担でつくられています。施設の利用者に再度減価償却費、つまり施設建設費を求めることは二重負担となり、区民理解は得られません。  新たな指針でも、区民負担の考え方は、現行の管理運営経費を利用者負担の対象とすることを求め、見解を伺います。  課題の二点目は、国民健康保険の多子世帯、つまり子どもの多い世帯の減免についてです。  この間、全国知事会などは、国の責任において国保の構造的な問題を抜本的に解決し、将来にわたり持続可能な制度を構築することを決議し、高過ぎる国保料を協会けんぽ並みに引き下げるため、一兆円の公費投入を求めています。我が党も、この全面的実現を求めるものです。  しかし、国は構造的問題はそのままに、高過ぎる保険料を抑えるため多くの自治体が行っている一般会計からの補填解消を目的に広域化を実施。さらに、さきの国の経済財政諮問会議では、この方針を国政選挙後の骨太の方針に盛り込むと報道されています。  これは、自治体独自繰り入れの早期解消を促進し、国保料の大幅値上げにつながる動きです。区長は、この後退から区民生活をどう守るのか、認識を伺います。  特に、子育て支援に逆行する多子世帯の均等割減免は喫緊の課題です。均等割は、収入のない赤ちゃんであっても加入者一人当たりにかかる負担であり、今年度は年間五万二千二百円です。子ども二人で年間十万四千四百円、三人では年間十五万六千六百円と、子どもがふえるほど保険料が上がります。均等割もこの間毎年値上がり、この五年間で七千五百円も上がりました。さらに、広域化に伴う今後の五年間で保険料を抑えるための法定外繰入金がなくなれば、区の直近の試算では、一人当たり年間保険料は八千四百六十九円上がります。  区内で食品製造業を営む、三人のお子さんを持つ方からお話を伺いました。売り上げは減る一方で、国保料の均等割は低所得者対策として二割減免されている。子どもは私立大学生、高三、中三。大学生の学費捻出のため、貯金を取り崩した。受験が重なるので、志望校は絞って受験をするよう言っている。減免があっても五人家族の国保料は重く、何とかならないかとの切実な声でした。  区長会では、二十三区統一での多子世帯減免の協議が行われていますが、その間も保険料は毎年上昇し、子育て世帯の生活を圧迫します。区長は、均等割が少子化対策や子育て支援の考え方と真逆であると繰り返し発言をしています。保坂区政での積極的対応を区民は大いに期待をしております。  国保の多子世帯の均等割減免についても、子育て支援対策の一つと捉え、その負担軽減に踏み出すときです。二十三区統一での多子世帯減免策の実施まで、国保会計を超えた子育て支援としての区独自の時限的対応を求め、区長の決断を求めるものです。  最後に、都市計画道路についてです。  都道五二号線に対し、この間区が事業中区間、優先整備路線区間に加え、環状八号線以西につきましても、事業反対の声が区にも要望書として寄せられていると答弁をされたとおり、沿線の反対世論は広がっています。さらに区は、反対の声が生まれる背景として、地域に根差した生活やコミュニティー、地域の歴史などが失われたり、町の環境が悪化するなどの不安があり、事業の必要性に対する疑問にもつながっていると区の認識を示しています。そのとおり、この計画に住民合意と理解は得られていません。  この地元区としての課題認識に区としてどのように対応していくのか。区長の標榜する参加と協働を都市計画道路においても貫いていただきたい。区長の今期の都市計画道路への対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 江口議員にお答えをいたします。  まずは、区政運営の基本姿勢ということでございます。  私は、この四年間の区政運営方針として、世田谷改革バージョンアップの実現に向け、改革を牽引する三つの取り組みとして、地域行政の検証と改革、区立児童相談所の開設に向けた改革、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした共生社会のための改革について述べさせていただいたところであります。とりわけ、地域行政制度の検証につきましては、行政組織のあり方への再検証のみならず、百万都市にやがてなろうとしている世田谷区が、特別区の枠にとどまらない自治権拡充の道を開き、議会や区民の幅広い御意見をいただきながら、自立した自治体の形を提示をしていきたいと考えています。また、ダイバーシティーを貫く多様性と社会的包摂を進め、東京二〇二〇大会のレガシーである共生のまち世田谷の実現を目指していきます。  これからの四年間は、世田谷区基本計画の仕上げに向けた極めて重要な期間であります。計画に掲げる重点政策や分野別政策を確実に実現するとともに、例えば、多額の経費を必要といたします学校改築に当たり、棟別の改築を丁寧に組み込んだり、仮設校舎を極力抑制するなどの工夫により、財源創出と同様の効果を生み出すなど、一層の行政手法の改革を進め、財政の健全性も維持してまいります。  憲法で保障されております基本的人権と平和を守る役割は、区民の生活に責任を持つ自治体の責務と考えています。今後も、区民や区議会の皆様の意見を伺いながら、百万都市のかじ取りを信託された区長として、重責を果たしてまいります。  次に、国民健康保険、多子世帯問題についてであります。  報道によると、政府は国民健康保険料の都道府県内統一に向け検討を本格化すると伝えられています。これが東京の区部の保険料へのさらなる上昇圧力となり、区民の暮らしに直接かかわってくるものであれば、影響をしっかり見定めていかなければならないと考えています。この間、私は国民健康保険の均等割が多子世帯ほど保険料が上がることから、国の少子化対策や子育て支援の考え方とは真逆の制度であり、特別区長会で直ちに制度改善すべきと問題提起し、区長会として国や都に既に要望を上げるなど積極的に取り組んでまいりました。  現在の制度が、人口減の原因となっている少子化対策と正反対で矛盾していることは明白であり、国に対する特別区長会あるいは全国市長会としての要望をさらに強く働きかけ、早期の改善、改革につなげていきたいと考えています。  御指摘の国保における多子世帯軽減に関しましては、課題として強く認識しているところですが、総合的な子育て支援策の観点から取り組んでまいります。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、都市計画道路について御答弁申し上げます。  道路は、安全で災害に強い町を実現するために大切な都市基盤の一つであります。しかしながら、道路整備には賛否両論の意見が存在し、反対の声が生まれる背景には、地域環境、区民生活への影響、それらに対する不安等があると認識しております。区では、これまでも区に寄せられる地域の皆様のさまざまな声を受けとめ、施行者として、また都が施行者であるときは都に伝え、共有し、道路整備に地域の皆様の理解を得られるよう、丁寧な説明と必要な対応をしてまいりました。  道路整備に限らず、公共施設整備には地域の皆様の理解が必要不可欠であり、例えば、小田急線上部利用計画においては、北沢PR戦略会議、北沢デザイン会議などの取り組みから、住民、行政、企業の協働による成果も目に見えてきております。  都市計画道路につきましても、住民合意、理解、協働を軸に、まちづくりなど区の役割を果たす中で、区としてさらに何ができるのか、住民の方々の声を伺う機会を大切にし、区民と議会への丁寧な説明に努め、対応してまいります。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、行政経営改革について六点、順次お答えいたします。  まず、新実施計画(後期)の行政経営改革の目的に、自治の推進と独自性のある自治体経営の確立に向けと明記した意図についてです。  新実施計画(後期)の行政経営改革では、三つの方針を掲げております。方針の一つとして、区民に信頼される行政経営改革の推進を掲げ、都区制度改革や地域行政の推進、また参加と協働を基軸にした区民参加の推進など、新たな行政のあり方を目指す取り組みを位置づけております。また、安定した財政運営を可能にするために、方針の二として持続可能で強固な財政基盤の確立を、方針の三として資産などの有効活用による経営改善の取り組みを掲げています。これらをともに進めることにより、自治の推進と独自性のある自治体経営の確立を実現することができると考えていることから、行政経営改革の取り組みの冒頭に、目指すべき目的として明記したものでございます。  次に、民間活用を考える際の基本的姿勢についてです。  民間活用に当たっては、区が直接行うべき役割はしっかりと担いながら、民間事業者の専門性や資源の活用により、サービスの向上と創意工夫によるコスト縮減を目指すとともに、導入に当たっては、サービス基準の提示や運営状況の検査、監督等により、事業者によるサービスの質を確保することが重要だと考えております。  これまでも、例えば保育事業における民間企業参入に際して、保育の質のガイドラインを作成し、行政や事業者の果たすべき役割と責任を定めるとともに、保育所への定期的な巡回指導を行うなど、事業の質を確保する取り組みを進めてまいりました。新実施計画(後期)の行政経営改革の取り組みでは、民間活用に当たっては、行政の責任を明確にし、その責任のもと、事業の質の確保を図ることが重要であると認識し、考え方を明記しております。  指定管理者制度の導入など民間事業者に委託する場合における事業の質の確保について、適切な指針等を定め、また適正な指導、調整を行うことで責任を果たしてまいります。  次に、指定管理者制度運用のガイドライン制定について、基本的姿勢と進捗状況、それと質の確保、行政の責任の明確化、公平性、透明性、これら二点にお答えをいたします。  区は、これまで指定管理者制度運用指針を策定し、随時改善を図りながら指定管理者制度の運営を行ってまいりました。この間、区議会の御意見も踏まえ、指定管理者制度の運用の考え方を、庁内のみならず民間事業者や区民にわかりやすく発信し共有することを目的に、指針等を再編したガイドラインの策定作業を進めております。基本的な考え方としては、制度導入に当たっては、区民の平等で公平な施設利用の確保のもと、行政が直営で提供する以上のサービスの充実を図ることを基本として、総合的に検討、判断すること、制度導入後においても、行政の責任として日常のモニタリングを通じた指定管理者との対話や年度評価を行うとともに、外部委員を含めた選定委員会による評価を行うことで、施設運営の質を確保することを明文化してまいります。さらに、選定委員会の議事要旨や指定管理者候補者の提案書の公表など、情報の公開に関する考え方を整理し、区民への透明性を充実させることをガイドラインに明記いたします。  今後、庁内での議論を深め、区議会の御意見を踏まえながら、今年度中にガイドラインを策定し、区ホームページを初め、広く区民に公表、共有をいたします。その後も引き続き施設利用者である区民、指定管理者、区議会等の御意見を伺い、ガイドラインを随時更新し、改善をしてまいります。  次に、適正な利用者負担の導入指針の見直しに当たって、基本的姿勢、進捗状況、今後のスケジュールについてお答えいたします。  区民利用施設の使用料、利用料の見直しにつきましては、新実施計画(後期)において、施設の管理運営費の把握や利用状況分析に加え、区民生活を取り巻く社会状況の変化も幅広く捉えた検証を行い、見直しの要否を総合的に判断するとしております。現在、施設使用料見直しに関する指針の策定に向け、利用者の負担割合だけでなく、社会状況の変化に対応した検証、施設に関する全てのコストの見える化と算定方法の明確化などを基本的な考え方として検討を行っております。  今後、平成三十年十月から見直しした使用料の影響を踏まえ、令和元年度の新公会計制度に基づく施設別行政コスト計算を活用した検証を行い、令和二年度中にまとめてまいります。本指針策定に当たりましては、他自治体の状況も十分調査し、議会での御議論をいただきながらしっかりと検証し、区民の理解が得られる指針となるよう努めてまいります。  最後に、適正な利用者負担の導入指針の見直しに当たって、使用料を算定する際の対象経費の考え方についてです。  現在検討を進めています施設使用料見直しに関する指針につきましては、減価償却費について、使用料算定の対象経費として取り扱うことを検討項目の一つとして取り入れさせていただいているところです。この点につきましては、計画的な財政運営を図る必要があること、また、新公会計制度の導入により、区民の皆様に減価償却を含め、かかる経費の全体像をお示しすることが先決だろうと考えております。しかし、減価償却費の取り扱いにつきましては、これまでの建物などの初期投資を対象としない扱いを変更することになり、その考え方や利用者負担割合等への影響につきましては、区民への過度な負担とならないようにしっかりと検証する必要があると認識しております。  利用者に負担いただく使用料の算定に当たりましては、施設の設置目的や区政課題に対応した政策的な調整などを考慮し、数値的な検証もしっかり行った上で、区民から理解を得られ、透明性のある使用料算定を目指し努力してまいります。  以上です。 ◆二十四番(江口じゅん子 議員) 都市計画道路について、今期の区政の方向性を確認させていただきました。住民合意、理解、協力を軸に対応していくと、大切な方向性と思っております。  一点、区長に要望します。区長みずから住民の声に耳を傾ける機会、大変住民の方は期待をされています。ぜひ具現化を要望し、終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で江口じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、一番つるみけんご議員。    〔一番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆一番(つるみけんご 議員) Setagayaあらたのつるみけんごです。このたび、区民の皆様の信託により、区議会議員として初めてこの場に立たせていただきます。九十一万人を超える区民の皆様の生活の安全を守り、子どもたちの未来と、全ての人に生きがいのある世田谷をつくるために邁進してまいります。よろしくお願いいたします。  それでは、早速通告のとおり質問いたします。  最初に、子ども・子育て支援について二点伺います。  一点目は、貧困格差対策です。  その国の貧困格差を表す指標である相対的貧困率や子どもの貧困率は、昭和から平成の時代を経て、残念ながらいずれも上昇しております。かつて一億総中流と言われた我が国において、徐々に、そして確実に格差が拡大していることに大きな懸念と不安を抱いております。私は、貧困・格差対策における行政の重要な役割は、貧困の連鎖を断ち切ることであると考えております。そのためには、子どもたちに教育の場を通じて学ぶということの重要性に気づいてもらうこと、そして、その上で将来的な自立を促すことが重要であると考えます。  私は、中学生の時に父親を病気で亡くしました。しかし、すばらしい先生方や周囲の方々に恵まれ、励まされ、学ぶということに対する考え方の変化のきっかけを与えていただきました。子どもというのは、本当にわずかなきっかけで前向きになれたり、人生を新しい方向に切り開いていけたりするものです。区としても、こうした認識を持って施策を前に進めていくべきと考えます。  さて、現在、世田谷区が取り組んでいるひとり親家庭、生活困窮世帯の小中学生を対象にした学習支援事業のかるがもスタディルームについて伺います。  この事業では、勉強を教えるというだけでなく、子どもの居場所づくりという側面も有し、学習習慣の定着と勉強への苦手意識の克服を目指しているということですが、その中に、先ほど申し上げたような学ぶということへの意識の変化や、物事に前向きに取り組むきっかけづくりをするというような意図も含まれているものと考えますが、この認識でよろしいでしょうか。  また、現状、そのような事業になっているのか、区としてはどのように評価されているのか、お考えを伺います。  また、この事業の利用登録者数は、平成二十八年度九十四名、二十九年度九十名、平成三十年度は七十七名と、ここ三年間で徐々に減少しております。施策の目的はすばらしいものでありますが、なぜ減少しているのでしょうか。手法と利用者の要望に乖離が生まれつつあるのか、御見解をお聞かせください。  平成三十年度に区が実施した子どもの生活実態調査報告書によると、こうした無料学習支援があることを知らないと答えた子どもが、実に八割を超えています。その一方で、こうした制度を使ってみたいという子どもはおよそ三割に上っています。この結果より、支援を受けたい意向はあるにもかかわらず、支援制度そのものが認知されていないことが見てとれます。区としては、より一層の周知が必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。事業の積極的な見直しも含め、区の御見解と今後の対策をお聞かせください。  二点目に、保育園の待機児童について伺います。  今年度四月時点での待機児童数は四百七十人で、前年度の四百八十六人から十六人の減となりました。区長はこれに対し、招集挨拶の中で、待機児童数は微減という表現を使っておられましたが、私はこの言葉に違和感を感じております。ほぼ横ばいと言うべきではないでしょうか。今年度は、平成二十七から三十一年度の五カ年計画である子ども・子育て支援事業計画の最終年度でありますが、当初、今年度末までに見込んでいた定員数二万一千五百八十四人の定員は、既に達成困難として計画を下方修正した経緯があります。  こうした中、区長の招集挨拶で、あらゆる手法を通じて待機児童解消を確実に実現できるよう担当所管に指示をしたとおっしゃっておられましたが、具体的にはどのような手法で待機児童の解消を実現するのか、現時点での待機児童数や需要量の増加見込みを勘案して、待機児童数ゼロの達成の見込みが立っているのか、御見解をお聞かせください。  では、次に、認知症対策について伺います。  認知症対策は、言うまでもなく今後ますますの高齢化が見込まれる日本にとって、社会全体で取り組むべき重要な課題です。現在、世田谷区では、介護保険を利用されている方で認知症の症状がある方がおよそ二万三千人いらっしゃいます。今後、さらなる高齢化で認知症の方がふえる見通しであり、区が制定を検討している(仮称)世田谷区認知症施策推進条例につきましては、早い段階での制定を目指すべきと考えます。  一方で、今の世田谷区の認知症対策については、さまざまな施策がありますが、いまひとつ認知症を予防するという観点が十分ではないように感じております。  一部、介護予防の一環で認知症予防を行っていると所管の方から御説明をいただきましたが、本当にこれで認知症予防として十分だと言えるのでしょうか。予防の重要性について、区としてのお考えをお示しください。  また、予防の一つの例ではありますが、国立長寿医療研究センターでは、認知症の予備軍と言われるMCIの段階で、計算や尻とりをしながら体を動かすコグニサイズという運動を行うことで認知機能の低下を抑制することが明らかになったと発表しており、その運動の普及に努めておられます。区としても、こうした認知症予防の強化が今後より一層重要になってくるという認識をしっかりと持っていただき、新しく制定する(仮称)世田谷区認知症施策推進条例には、認知症予防の強化を盛り込んでいくべきと考えます。区の御見解をお聞かせください。  また、認知症対策についてもう一点伺います。私もつい先日、すぐ近所で、認知症で道がわからなくなり家に帰れないという女性に遭遇しました。結果として、近所の方々と連携し無事お宅にお帰りいただくことができたのですが、改めて認知症対策では、地域で見守るということの大切さを実感いたしました。  全国的に各自治体で実施されている認知症サポーター養成講座は、認知症になっても住みなれた地域で安心して生活できるまちづくりのために、認知症サポーターという認知症の方の見守り役をふやすことを目的とした重要な講座だと考えております。  そこで、全国キャラバンメイト連絡協議会が発表している講座の実施状況から、人口当たりの認知症サポーター数について、私が自治体別に計算をしてみましたところ、その結果に非常に驚きました。世田谷区は、人口当たりの認知症サポーター数が二十三区の中で下から三番目という結果であり、ほかの区に比べて人口当たりのサポーター数が少ないことがわかりました。  そこで伺います。区としては、なぜ世田谷区の認知症サポーター数がほかの区と比較して少ないとお考えでしょうか。  日ごろ地域での活動を通じて町の方の声を聞いていても、世田谷区の方がほかの区の方に比べて認知症に対する危機感が薄いとはとても思えませんが、区としてこの現状をどのように捉えていらっしゃるのか。また、今後より多くの方にこの講座を受講していただくためにどのような工夫をしていくのか、具体的な方策をお示しください。  次に、災害対策について質問をいたします。  東日本大震災から八年が経ちましたが、その間も熊本県、北海道で震度七の大地震が起こっております。さらに、東京都を巻き込むような首都直下型の大地震が三十年以内に七〇%の確率で起こるとも言われております。世田谷区においては、災害対策としてさまざまな防災訓練を行っており、その中でも、近年は自助、共助の強化に軸足を置いた避難所運営訓練の実施に力を入れていると所管から御説明をいただきました。  しかしながら、その一方で、地域の単位で行う地区防災訓練については、本来防災計画において実施することとなっているにもかかわらず、実際には地域によって実施できている地域とできていない地域とがあります。地区防災訓練は、避難所運営訓練とは目的が異なるはずです。実際に震災が起き、自宅等が危険になったら、まずは一時避難所に避難し、さらに必要に応じて広域避難場所に避難します。そこで火災などが落ちついたとしても、自宅で生活することが困難、あるいは危険である場合には、一時的に避難所で生活をするという流れになります。これらの一連の流れや避難する過程で何を注意すべきか、どう地域の人たちと連携していくのか、一人でも多くの方に御参加いただくことで、地域全体でその理解を深めていくことが地区防災訓練の大きな役割だと考えます。  地域によっては、防災の担い手不足や高齢化など、さまざまな事情で実施できていない地域があると伺っておりますが、そうした地域の実情を踏まえながらも、多くの方に御参加いただける地区防災訓練を各地域で実施できるように工夫していくべきです。  区として防災訓練の現状をどのように認識しておられるのか、また、今後の対策と取り組みについて御見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終えます。(拍手) ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、ひとり親家庭等への学習支援事業の評価と利用者の減少の理由、また事業の積極的な見直しを含め、今後の対策についてお答えいたします。
     区では、ひとり親家庭の子どもの進学率が全国に比べ低いことがわかったことを機に、ひとり親家庭の学習支援事業を始め、現在は生活保護、生活困窮世帯の子どもも加えまして、区内五地域で展開しております。全体の定員百名のところ、昨年度は七十七名が参加し、中学三年生は十二名全員が高校に進学しており、前向きな学習意欲につながっております。また、終了時のアンケートや面談では、ほとんどの子どもが楽しかったと回答し、保護者からも安心できる場所がふえたとの声も多く、学びへの意欲だけでなく、子どもの自己肯定感を高めるなど、意義のある取り組みとなっております。  昨年度実施いたしましたひとり親家庭実態調査では、子どもの学習面に心配や悩みがある世帯が多いこと、子どもの生活実態調査からも、学力の自己評価が低い子どもたちほど学習支援のニーズが高いことが伺え、引き続き学習の場を充実させていくことが重要と考えております。  一方で、参加者が減少している理由の一つとしましては、必要な家庭に十分な情報が届いていないという課題があると認識をしております。学習支援が必要な子どもに情報が届くよう、今までの周知方法のほか、ひとり親手当の窓口でのPRの充実や、教育委員会とも連携をいたしましてPRに取り組むなど、工夫を行ってまいります。また、参加者減少に対する他の要因の分析も進めまして、子ども計画第二期後期計画の策定を見据え、子どもたちの多様な学習支援のニーズに対応できるよう、検証や検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、現時点での待機児童数や需要数を見込み、どのように待機児解消を進めるかについて御答弁いたします。  子ども・子育て支援事業計画の最終年度である今年度におきましては、保育需給バランスのきめ細やかな分析を行った上で、必要な場所に必要な量の施設整備を行うこととし、保育定員の拡大に取り組んでいるところでございます。  一方、ことし四月一日時点の保育待機児童数は、お話にもございましたが四百七十人と前年度から十六名の減にとどまり、特に保育施設整備の進んでいない世田谷・北沢地域において待機児童が多い状況となっております。  これらの地域においては重点的な取り組みが必要であると認識しておりますが、保育施設整備に適する大規模な土地が少ないことや、商業施設の集積により不動産の賃貸価格の水準が高いことなど課題もございます。  今後につきましては、来年度の待機児童解消を確実なものとするため、こうした地域の整備を加速させるための対策を早急に検討してまいります。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症対応策について御答弁いたします。  まず、認知症の予防の重要性についてと、(仮称)世田谷区認知症施策推進条例に認知症予防の強化を盛り込むべきとの二点について、あわせて御答弁いたします。  認知症は、年齢を重ねることで有病率が高くなることがわかっており、早目に予防に取り組むことが重要と認識しております。区では、発症の遅延のため、介護予防事業や認知症講演会等の中で、予防のための生活ポイントを伝え、また認知症に早く気がつき、必要な治療やサービスを受けることで進行の抑制ができるよう、認知症の気づきを促す気づきチェックリストを活用し、認知症予防に取り組んでおります。また、初期集中支援チーム事業等の訪問支援では、認知症の方への正しい接し方等を御家族へ伝えることで、妄想などの症状の予防につなげる取り組みも行っております。  国が本年五月に公表いたしました認知症対策の大綱の素案においては、予防と共生が柱とされておりますが、予防を強調することへの懸念の声が寄せられておるところでございます。  今後、区におきまして条例制定に向けた検討では、国の動向を勘案し、予防についても御本人や御家族の御意見をいただきながら、条例検討委員会の中で検討するとともに、議会において議論を重ねてまいります。  認知症の人の意思が尊重され、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、世田谷らしい条例の制定に向け、引き続き取り組んでまいります。  次に、認知症サポーター養成講座について、他区と比較して人口割合の受講率が少ない理由、また受講生をふやしていくための具体的な方策について、あわせて御答弁申し上げます。  区では、平成十八年度より認知症に関する正しい知識の普及と、認知症の人への接し方、認知症に関する見守りや支えあいの実践者の育成を目指して、御案内の認知症サポーター養成講座を実施しております。平成三十年度は百十五回講座を開催し、民生委員の方や町会・自治会の方々、商店街や大学生の方など延べ三千五百三十九人の方が受講されており、平成十八年度からの累計は延べで三万一千六百五十八人となっております。  御指摘のとおり、認知症サポーターとキャラバンメイトの総人口に占める割合は、二十三区中二十一番目となっております。これは、これまでのサポーター養成講座の開催については、二十三区中最も多く開催はしてきていますが、その反面、一回当たりの受講者数が約三十人程度と少なかったというのが原因のうちの一つであると考えられます。  区としましては、今後、受講生をふやす必要があると考えており、今年度につきましては、講座の依頼を受けて講座を開催するだけでなく、事前に開催日を設定した上で区民へ参加を呼びかけ、さらに一回の受講者の定員を百名程度に増員した認知症サポーター養成講座を新たに年間五回開催していく予定でございます。  今後も、認知症サポーターの養成とサポーターの活躍の場を拡充しながら、認知症に関する正しい普及啓発を図り、認知症の人の意思が尊重され、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、地区防災訓練の実施に向けた取り組みについて御答弁いたします。  大災害発生時において被害を最小限に食いとめるためには、防災訓練等を通じて日ごろから家庭や地域での災害への備えをし、災害発生時には適切な対応をする必要があります。一方で、避難所運営訓練などには参加者が固定しているケースが多いため、ふだん防災に関心を持っていない方々へのアプローチは大変重要なことと感じております。  御指摘の地区防災訓練を実施していない地区があることは認識しておりますが、首都直下地震の発生確率を考慮しましても、自助、共助を促す上での公助の役割として防災訓練の充実が求められておりますので、多くの方々が関心を持ち参加できる訓練を行う必要があります。そのため、今後は地域、地区の状況に応じた地区防災訓練を初めとした地域防災力の向上に資する取り組みを、総合支所まちづくりセンターや、消防署等関係機関と連携し、さらに促進してまいります。  以上です。 ◆一番(つるみけんご 議員) いずれの対策も本当に急務でございますので、より一層のスピード感を持って取り組んでいただきますようお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十七番宍戸三郎議員。    〔十七番宍戸三郎議員登壇〕(拍手) ◆十七番(宍戸三郎 議員) 初めての一般質問をさせていただきます。自由民主党世田谷区議団の宍戸三郎でございます。  質問に入る前に、この場をおかりして、今回の選挙で御信託をいただいた多くの区民の方々に心より感謝申し上げますとともに、改めて初心を忘れず、世田谷区民のために一生懸命力を尽くして働いてまいりますことをお誓い申し上げます。  質問に入ります。  初めに、超高齢社会に向けての対応策についてお伺いします。  内閣府の平成三十年度高齢社会白書によりますと、団塊の世代が全員後期高齢者になる二〇二五年には、後期高齢者の数は二千百八十万人、高齢者の総数は三千六百七十七万人になると推計されています。高齢者がふえると、それに伴って要介護や、そこまで至っていなくても日常生活支援の必要な高齢者は確実にふえてきます。専門的な医療や介護の制度は国の対策に任せるしかありませんが、区民にとって最も身近な基礎的自治体としてこれにどう対処していくのか、まさに待ったなしの大きな課題です。  もう一つの高齢社会の大きな問題として、認知症患者の増加があります。二〇一二年の高齢者の認知症患者は四百六十二万人です。これが二〇二五年には約七百万人になると推計されています。これは、六十五歳以上の高齢者の五人に一人が認知症だということになります。認知症の前段階である軽度認知障害と推計される四百万人を合わせると、高齢者の三・五人に一人が認知症あるいはその予備軍ということになります。  そこで、二点のことをお伺いします。  一つ目は、認知症患者を初めとする高齢者の見守りについて、区としてどのような施策を展開しようとしているのか、どのような仕組みで見守るのか、現在の取り組み方法と今後の展開を含め、区の考えをお聞かせください。  二つ目は、限られた財源の中、行政が直接高齢者の日常生活支援や認知症の見守りを行うことは非常に困難だと考えます。どうしても地域の方々の力が必要となってきます。私は、区議会議員に立候補するに当たり、地元住民の方々に、地域に共助社会をつくりたい、地域のことは地域で見守る必要があると訴えてまいりました。地域の中に共助社会をつくるとは、日ごろから地域の中にコミュニティーをつくり上げ、ともに支えあう地域社会をつくることにほかなりません。地域において、地域のきずなを強めていく。特に、現在では少し不足している小さなお子様からお年寄りまで、ともに助け合うという世代間のきずなをつくり上げ、地域の方々が地域ボランティアとしてやりがいや連帯感を感じ、ともに助け合うことの意義を持ち続けられる社会を構築していかなければならないと考えております。  このようなともに支えあう地域社会づくりについて、そして地域に眠っている人材の掘り起こしについてどのように取り組んでいくのか、区の考えをお聞かせください。  次に、京王線連続立体交差事業と、それに伴う駅周辺まちづくりに関してお伺いします。  安全で安心な暮らしやすい町の実現に向けて、活気あふれる商店街を中心として、人と人、そして人と地域がつながり、笑顔と挨拶のあふれるまちづくりが基本であると信じております。このことは、父鉄男、兄教男が一貫して取り組んできたことで、私もその遺志をしっかりと受け継ぎ、引き続き地域や沿線住民の方々、また関係者の方々の御意見、御要望を十分に伺いながら、連続立体交差事業を機に、もっともっと安全安心のまちづくり、そしてにぎわいのある、活気あふれるまちづくりに取り組んでまいります。  さて、京王線の連続立体交差事業においては、各駅ごとに駅周辺街づくり協議会が組織されて、それぞれの駅ごとにまちづくり計画が策定され、計画の実現に向けてさまざまな取り組みが進められています。私も、下高井戸駅については、街づくり協議会設立当初からのメンバーとして、平成二十六年一月に決定したまちづくり計画の策定にも関与しております。  こうした多くの地域の方々による努力もあり、悲願であった開かずの踏切については連続立体交差事業において解消されるものの、甲州街道から駅までの道が狭いままでは、タクシー、バスは駅前まで入ってくることができません。にぎわいのある活気あふれるまちづくりという点で、甲州街道から駅へのアクセス道路と広場は、ぜひ確保したい施設です。  そこで三点についてお伺いします。  一つ目は、まちづくりの検討を進めていくには、高架下利用や改札口、出口等に関する情報が必要だと考えます。現時点での情報や区の考えをお聞かせください。  二つ目は、京王線沿線のまちづくりにおいては、連続立体交差事業にあわせた南北交通の強化が必要と考えます。区の考えをお聞かせください。  三つ目は、下高井戸駅周辺については、駅へのアクセス道路の整備や駅前広場の確保が必要と考えます。また、駅周辺のまちづくりにおいては、地権者などの協力を得た上での再開発事業の導入も視野に入れた検討が必要と考えます。これらのまちづくりの検討を進めていくには、隣接区である杉並区との連携が重要となりますが、杉並区との連携をどのように進めていくのか、区の考えをお聞きかせください。  最後に、放射二三号線の整備について伺います。  放射二三号線は、代田橋駅と明大前駅の駅周辺地区街づくり計画の両方にまたがっている路線です。地域の方々は、この都市計画道路によって地域が南北に分断されるという心配をされています。さらに、松原小学校の通学路の一部が分断されることも周知の事実ですが、児童を含む歩行者の安全確保策に対する区の考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、超高齢社会に向けた対応策について、高齢者の見守りの現状と今後の取り組みについて御答弁いたします。  二〇二五年に向け、高齢化がさらに進み、認知症の方もふえていく中、住みなれた地域で安心して暮らし続けていただくためには、これまで以上に高齢者の見守りが重要になってくると認識しております。現在、区では二十四時間、三百六十五日、電話相談や定期的な電話訪問を行う高齢者安心コールや民生委員ふれあい訪問、またあんしんすこやかセンターのあんしん見守り事業、住民同士の見守りを推進する地区高齢者見守りネットワークといった見守りの施策を実施しております。また、新聞販売店や金融機関など事業者との高齢者の見守り協定により、例えばポストに新聞や郵便物がたまっているなど、気づいたことがあったときにあんしんすこやかセンターにお知らせいただき、早期に必要な対応がとれるような見守りの取り組みを進めております。  さらに、認知症の方に対する見守りといたしましては、認知症の正しい知識の普及と、地域で認知症の方を支援する認知症サポーター養成講座を実施するほか、高齢者見守りステッカーの普及啓発により、外出先から帰れないなどの不安のある方への支援に取り組んでおります。  今後、高齢者の見守り協定の締結事業者の増や、認知症サポーター養成講座の受講生をふやすことにより、地域住民や事業者、関係機関等の連携協力をいただきながら、重層的な高齢者見守り施策を展開してまいります。  以上です。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、ともに支えあう地域社会づくりと、地域人材の掘り起こしについてお答えをいたします。  団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向け、保健福祉ニーズの増大や多様化が見込まれる中、ニーズにきめ細かく対応するためには、公的サービスだけでなく、区民や事業者が主体の多様なサービスを拡充するとともに、住民がともに助け合い、支えあう地域づくりが必要であると認識をしてございます。  平成二十八年七月から区内全地区で実施している地域包括ケアの地区展開では、身近な地区での福祉の相談窓口の充実とともに、地区の課題を地区で解決する参加と協働による地域づくりを推進しており、まちづくりセンターとあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者と、区民、事業者等が連携し、課題解決に向けた具体的な取り組みが進められております。  今後、共助の新たな担い手をふやし、ともに支えあう地域社会づくりを進めていくには、地域のための活動が求められていること、地域のために活動しているたくさんの区民がいることをより一層広く知ってもらい、地域参加の機運を高めていくことが重要です。このため、「区のおしらせ」等を通じた全区的な周知はもとより、各地区においても参加と協働による地域づくりの積極的な周知を行うとともに、意欲のある区民の方が地域に参加しやすい仕組みづくりに努めてまいります。  以上です。 ◎五十嵐 道路・交通政策部長 私からは、京王線連続立体交差事業に伴う駅周辺まちづくりについて、二点の質問にお答えいたします。  まず、高架下利用や改札口などの情報提供についてです。  京王線連続立体交差事業では、七駅が高架化されることになり、先般、七駅の駅舎デザインも決定いたしました。高架下利用や改札口などの情報は、地元の方々の関心も高く、今後のまちづくりを進める上でも非常に重要なものであると認識しております。まず、改札口の位置でございますが、駅施設などの詳細は未定と聞いておりますが、現在ある位置を基本として検討しているとのことでございます。また、高架下利用につきましては、高架化される時期を見据え、東京都、鉄道事業者及び沿線自治体で検討会を設置し、調整を進めていくこととなります。  現在、高架下利用に関する他の自治体の事例調査や需要などの庁内検討に着手しているところでございますが、今後、詳細な検討を進める際には、区の公共施設整備方針を基本としつつ、地元のニーズを踏まえた区の高架下利用に関する考え方を取りまとめていく必要がございます。そのためには、地元商店街や町会・自治会、街づくり協議会など、沿線の地域の方々の御意見をお聞きすることが重要となります。  区といたしましては、東京都などと情報共有しながら、事業の進捗を踏まえつつ、時期を逸することなく積極的な情報提供に努め、これらの取り組みをしっかりと進めてまいります。  次に、連立事業に合わせた南北交通の強化についてです。  京王線は東西に走っていることから、南北交通の移動手段の強化は重要な視点であり、本事業を契機として、駅を拠点とする交通結節機能の向上が町の活性化にもつながるものと考えております。そのため、北沢及び烏山総合支所とも連携を強化し、明大前駅や千歳烏山駅の交通広場整備に加え、他の駅周辺街づくり計画などにより位置づけられました駅前広場などに関して、これらの視点も含め検討しております。  あわせて、例えば下高井戸駅入り口を通るすぎ丸など、既存バス事業者や他自治体とも意見交換などをすることにより、さらなる南北公共交通の強化、利便性向上につながる検討も進めてまいります。  以上です。 ◎髙木 北沢総合支所長 私からは、二点に御答弁させていただきます。  まず、京王線連続立体交差事業に伴う杉並区との連携についてでございます。  京王線各駅周辺では、連続立体交差事業を契機として、地元主体のまちづくり協議会が発足するなど積極的なまちづくり活動が進んできております。京王線は、杉並区と世田谷区の区境を東西に通っており、これまで区では杉並区と一体となり、まちづくり協議会の活動支援やまちづくり検討などを行ってまいりました。  例えば、下高井戸駅周辺では、街づくり協議会からの提案を踏まえまして、平成二十五年度に世田谷区では下高井戸駅周辺地区街づくり計画を、杉並区では下高井戸駅周辺地区まちづくり方針を策定し、にぎわいの創出や駅の南北を一体的に捉えたまちづくりなどの共通の目標を掲げました。また、平成二十六年度からは、下高井戸駅周辺の地権者を対象とした下高井戸駅周辺街づくり懇談会を両区共同で開催し、駅へのアクセス道路やさまざまな手法を用いたまちづくりに関する意見交換、検討を行っています。  今後も、連続立体交差事業の動向を注視するとともに、杉並区との情報共有及び連携強化を図りながら、各駅周辺の特性を生かしたまちづくりにしっかり取り組んでまいります。  次に、放射二三号線整備に関連しまして、歩行者の安全確保についてでございます。  都市計画道路放射第二三号線につきましては、環状七号線との交差部である世田谷区大原二丁目から杉並区和泉二丁目の約一キロメートルの区間において、東京都が平成二十七年度に国土交通省から事業認可を得て事業を進めております。  この道路事業を契機に、区では地域の皆様と具体的に町の将来像を考え、その実現のため、平成二十七年度から放射二三号線沿道地区街づくり懇談会を九回開催し、沿道のまちづくりに関する御意見に加えまして、放射二三号線の整備に伴う歩行者の安全確保に関する御意見もいただいております。区も、歩行者の安全確保は地域の課題の一つと認識しており、今後も地域の皆様と意見交換を重ねてまいります。  引き続き、地区の課題解決を図るため、沿道地区のまちづくりとして、地区計画の策定に向けた取り組みを進めるとともに、放射二三号線の整備事業者である東京都と地域の歩行者の安全確保策を検討してまいります。  以上でございます。 ◆十七番(宍戸三郎 議員) 私は、下高井戸商店街の中で育ってまいりました。下高井戸商店街は、杉並区と世田谷区と隣接している商店街です。一商人でも地域のお役に立てるという信念が、私の父からのモットーでございます。  これからも地域の方々とよりよいまちづくり、よりよい地域づくりを目指して、自由民主党世田谷区議団の一員として頑張ってまいります。職員の皆様には、今後ともよろしくお願い申し上げます。  これで初めての質問を終わらせていただきます。(拍手) ○和田ひでとし 議長 以上で宍戸三郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四十二番岡本のぶ子議員。    〔四十二番岡本のぶ子議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。  初めに、障害児者施設の環境整備について三点伺います。  一点目に、昨年九月に医療的ケア児の通所施設が、開設からわずか二年二カ月で休止に至ったことについて、保護者から御相談を受け調査をした結果、当該施設に対し、区が指導検査や巡回支援等を全く実施してこなかった事実が判明。私は、十月の決算特別委員会において区の姿勢をただすとともに、今後全ての障害児の施設を対象に巡回支援等の実施を求めました。この質疑から約八カ月が経過しましたが、現在までの区の改善の取り組みを伺います。  二点目に、区が本年二月に発表した障害者施設整備等に係る基本方針の検討状況についての報告書の中で、障害者数は年々増加する傾向にあり、三年後の二〇二二年には生活介護施設で百三名、就労継続支援B型では五十一名分の受け入れ枠が不足する見込みが報告されております。区は、当面待機者を出さないために、定員数を上回る利用者の受け入れについて、区施設を中心に、必要な職員配置を行いながら、現在の施設での対応継続はやむを得ないとしております。  先日、区立の就労継続B型施設に通所されている三十代の方から、親元を離れ自立した生活を始めた、通所している福祉作業所でもっと工賃を得たいが、作業所が狭いので仕事がはかどらず、なかなか工賃が上がらない、もっと作業所の環境を改善できないかという御相談でございました。この方は、強迫性障害という精神疾患をお持ちで、少しの物音に対しても敏感に反応されていることから、狭い環境で仕事をするのはなかなか困難な状況であることが容易にわかりました。障害者の施設整備が一足飛びに進まないことは理解しておりますが、障害者の高齢化、重度化は待ったなしの状況です。実効性のある施設整備基本方針と計画の策定を求めるとともに、対応が可能な施設については順次環境の改善等に取り組むことを求めます。区の見解を伺います。  三点目に、区立の作業所に勤務されていた看護師の方から、障害者の方が日々通所される施設であるにもかかわらず、救急救命用のAEDが設置されていないので不安ですとの御相談をいただき、早速区に調査を依頼したところ、何と、区立の障害者施設二十四カ所中二十カ所でAEDが未設置であることが判明いたしました。重度障害の方や高齢の障害者の方など、体調管理が必要な方が多く通われている障害者の通所施設だからこそ看護師が配置されているにもかかわらず、なぜ救急救命用のAEDがこれまで設置されてこなかったのか、甚だ疑問です。今後、障害者の方が安心して施設内で日中活動ができるよう、AEDの設置を進めるべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、聴覚障害者への災害情報提供の充実について伺います。  国は、昨今の自然災害による甚大な被害の増加を踏まえ、一般に災害弱者とされる外国人や高齢者、視覚障害者、聴覚障害者、言語障害者の皆様に、災害時に必要な情報が確実に届けられるようにすることを目指し、二〇一六年に情報難民ゼロプロジェクトを設置、二〇二〇年を目指して半年ごとに進捗状況を公表し、その実行を進めており、区としても二〇二〇年を目指し、情報難民ゼロに向けた着実な取り組みの可視化が必要と考えます。  例えば、この取り組み事例にコミュニティー放送を活用した自動起動ラジオの周知、展開があり、調べてみますと、この自動起動ラジオは、防災行政無線やコミュニティー放送が地域の災害情報などを発信すると自動で起動し、室内での防災無線等の災害情報の聞き取りづらさを補完するツールとして、その活用が期待されております。さらに、この自動起動ラジオは、音声だけでなく文字表示機能つきも開発されており、既に昨年、埼玉の戸田市や港区では聴覚障害者の方を対象に導入を始めていることがわかりました。  ここで伺います。本区の聴覚障害者の方が防災行政無線等の情報を受け取ることができるよう、文字表示機能つきの自動起動ラジオを早急に障害者の日常生活用具に採用し、活用できるようにすべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、災害時のペットの同行避難訓練の推進について伺います。
     これまでも多くの犬や猫の飼い主さんの方々から御要望を受け、ペットの同行避難体制の整備を区に求めてきましたが、区内指定避難所九十カ所中、災害時のペットの同行避難訓練が実施されているのは、まだ数カ所にとどまっている状況です。区が昨年四月に避難所運営マニュアルを更新し、ペットの同行避難について明記、配布されたことは評価いたします。また、これまでも獣医師会の先生方が保健所と連携して、ペットの同行避難についての御助言等の御協力をくださっており、今後、区が災害時に備えて各避難所運営においてペットの同行避難者の受け入れをイメージできる意識啓発の場づくりと、具体的な訓練を進めるための仕組みをつくり、その仕組みを活用して、一カ所でも多くの避難所でペットの同行避難に取り組むことができるよう推進すべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、里親養育の支援について伺います。  平成二十八年に改正された児童福祉法においては、子どもが権利の主体であることを位置づけるという大きな視点の転換がされるとともに、子どもの家庭養育優先原則が明記されました。昨年の決算特別委員会において、私は質の高い里親養育を実現するために、今後、区として里親支援業務、いわゆるフォスタリング業務をどのように考え、遅滞なく準備するのかを質問いたしました。  この間、区の報告書では、フォスタリング業務の一部を切り出して外部委託する可能性を示唆しております。例えば、子どもと里親家庭のマッチング、里親開拓のためのリクルートと認定前の研修、里親養育家庭への支援といった役割が分割した場合、継続的な支援が適切に提供されるのか疑問です。特に、子どもの委託をまだ受けていない未委託の里親への支援は、委託率向上に向けて重要な取り組みと考えます。  ここで三点質問いたします。  一点目に、今後フォスタリング業務を区として本格的に取り組むに当たって、これまで子どもと里親家庭のマッチングが進まなかった要因を把握し、里親への適切な支援のあり方を検証するためにも、登録里親四十名中半数に当たる未委託里親二十名の方々に対する適切なアプローチが必要と考えます。今後、未委託里親への支援をどこが担い、どのように取り組むのか、区の見解を伺います。  二点目に、子どもの最善の養育を提供するために適切な支援を受けられるようにすべく、社会の理解の一層促進が求められております。今後、里親養育への区民の理解促進をどのように図っていくおつもりか、区の見解を伺います。  三点目に、例えば、里親のリクルート及び認定前の研修を民間機関に委託した場合、これらの取り組みが委託率向上に寄与しているかなど、各フォスタリング業務の検証ができるよう、成果指標を明確にしておく必要があると考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎片桐 障害福祉部長 私からは、障害児施設の環境整備と、聴覚障害者への災害情報提供の充実に対する四点についてお答えいたします。  初めに、障害者施設の巡回指導の実施状況についてです。  障害のある児童のための通所施設は、児童福祉法に規定されており、就学前児童のための児童発達支援事業や児童発達支援センター、就学している児童のための放課後等デイサービスがあります。昨年度、医療的ケアの必要な児童を受け入れる障害児通所施設の事業廃止などがあり、区内事業所数は平成三十一年四月一日現在、児童発達支援事業が三十一カ所、児童発達支援センターが二カ所、放課後等デイサービスが三十六カ所となっております。  区では、障害児通所施設が障害のある児童と保護者にとって大切な療育の機会であると考えており、昨年の区議会での御指摘も受け、今年度より施設の支援などについて取り組み体制を強化した上で、施設巡回を開始し、五月末時点で区内施設八カ所を訪問いたしました。今後も計画的に年一回以上施設を訪問し、サービス提供の状況や安全面、運営面での状況等について聞き取り、必要な助言等を行ってまいります。  区では、こうした施設巡回だけでなく、事業者連絡会、研修の実施などにより、障害児通所施設におけるサービスの質の向上に取り組んでまいります。  次に、区立障害者施設へのAED設置についてです。  区施設へのAEDの設置については、平成二十五年九月に厚生労働省が公表したAEDの適正配置に関するガイドラインに基づき、各施設所管が対応することとなっております。ガイドラインでは、心停止のリスクが高い施設を念頭に、市役所、公民館など規模の大きな公共施設や高齢者施設などがAEDの設置が推奨させる施設として例示されております。  しかしながら、ガイドラインの趣旨を踏まえ、区立障害者施設の中でも、集会施設との複合施設や、施設利用者に心疾患がある方がおり、医師からのAED設置の助言があった施設などには設置することとし、現在二十四施設中四施設にAEDを設置しております。  お話にございました区立障害施設への設置拡大については、現在進めている障害者施設整備の基本方針の策定に向けた検討の中でも、利用者の高齢化や重度化への対応が喫緊の課題と整理されておりますので、こうしたリスクに備えるためにも、現在未設置の区立施設については設置する方向で検討してまいります。  次に、計画的な施設整備と良好な環境創出に向けた対策についてです。  障害者施設については、特別支援学校卒業生などの通所ニーズを背景に、主として公有地の活用により整備を進めてまいりました。しかしながら、増加を続ける施設需要に的確に対応するためには、中長期にわたる計画的な取り組みが必要となることから、今後十年間の障害者施設整備等に係る基本方針を検討しているところです。これまでの課題検討における施設整備の基本的な方向性として、公有地を活用した新規施設整備のほか、既存施設のさらなる有効活用を図るなど、実効性のある具体的な方策が必要と整理されております。来年夏ごろを予定している基本方針の策定に向けましては、区立施設を中心に、既存施設の規模、設備環境や利用状況などを検証し、地域の施設需要に対応するため、機能転換を含めた有効活用を検討してまいります。また、今後は施設保全改修に当たっても、積極的な有効活用に必要な改修との整合を図りながら、より効果的、効率的に実施することなども基本方針に盛り込み、引き続き施設利用待機者を出すことなく需要に対応していくとともに、定員を上回る受け入れの緩和も含めた施設環境の維持向上にも取り組んでまいります。  最後に、聴覚障害者の災害情報提供の充実に向けまして、文字表示つき防災ラジオの日常生活用具について適用すべきとの質問についてです。  国によるコミュニティー放送を活用した自動起動ラジオの周知展開では、高齢者や外国人などに対する取り組みが示されておりますが、障害のある方、特に聴覚障害のある方については、災害時や緊急時に防災無線から警報や緊急放送が聞こえないため、状況を把握することが困難であり、不安な状況に置かれてしまうことが懸念されます。そのため、情報コミュニケーション支援を行うことは大変重要であると考えております。  聴覚障害のある方への災害時の情報を提供する手段として、災害・防犯情報メール配信サービスのほか、テレビによる文字情報発信がありますが、障害当事者には十分周知されているとは言えない状況のため、今後、関係所管とも協力しながら、メールの登録方法やテレビの操作方法など、さらに普及啓発に努めてまいります。  また、区では、重度障害者児の日常生活を支援するため、日常生活用具給付事業を実施しております。お話しの文字表示機能が装備された防災ラジオは、災害時に自動的に電源が入り災害情報が流れるなど、情報取得が難しい聴覚障害のある方にとりましては、重要な情報源の一つとなると考えられることから、ラジオの性能や利便性、操作性等を勘案しつつ、財源などの課題を整理した上で、導入に向けて検討してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、災害時のペットの同行避難訓練の推進についてお答えいたします。  過去の大規模な自然災害を教訓として、環境省は公衆衛生上の環境悪化の防止をする観点から、飼い主とペットが同行避難することを合理的なものと位置づけております。区におきましても、地域防災計画の中でペットの同行避難を原則としており、避難所での受け入れ等につきましては、地域及び関係団体等の連携強化を図り対応すると定めております。そのため保健所では、ペットの同行避難への理解を促すため、避難所を運営する方々や、犬のしつけ方教室の参加者等に啓発用パンフレットを配布しております。また、総合支所におきましては、世田谷区獣医師会の御協力によるペットの同行避難をテーマとした勉強会を地区の防災塾や区民向け研修会を通じて開催をしております。  一方で、区内全域で毎年避難所運営訓練は開催されておりますが、これまでペットの同行避難訓練を実施した避難所は、御指摘のとおり数カ所にとどまっております。今後は、総合支所等関係所管と連携し、世田谷区獣医師会の御協力をいただきながら、ペットの同行避難訓練の拡充に向け、効果的な仕組みを検討してまいります。  以上です。 ◎澁田 児童相談所開設準備担当部長 私からは、児童相談所の里親養育支援について三点お答えいたします。  まず一点目でございます。未委託里親への支援についてでございます。  里親家庭と子どものマッチングが成立せず、長期にわたり未委託となる原因といたしまして、里親の受託できる子どもの年齢、性別等が限定されている場合や、里親としての経験が浅く、配慮を要する子どもの養育委託が困難である場合などが挙げられます。東京都でも、より広くマッチングができるよう里親のトレーニング研修などを行っておりましたが、さらにマッチングを促進し、里親委託率の向上を図る上では、お話にありましたとおり、より丁寧な支援が必要であり、これを担う役割についても明確にする必要があると考えております。未委託里親へのフォローアップの大きな柱である研修につきましては、民間の研修機関の活用を検討しておりまして、その活用に当たりましては、里親の認定前研修からフォローアップ研修までを同一の研修機関が担い、一貫した方針に基づいてプログラムされた内容とするとともに、きめ細やかに里親のスキルアップを支援するなどの工夫を取り入れていきたいと考えております。  また、民間の研修機関による支援にとどまらず、実際に子どもとかかわる経験を多く提供することが里親のモチベーションを保つ上で重要であることから、児童館や保育園などの区の資源を活用した子どもとのかかわりを学ぶ研修の実施や、一時保護所における職員研修を準用した研修の実施、また積極的な一時保護委託の実施などを考えているところでございます。  二点目でございます。里親養育への区民の理解促進についてでございます。区は、子どもの最善の利益の実現のため、子どもが家庭で健やかに養育される予防型の児童相談行政の実現を目指すとともに、家庭養育を優先した社会的養護の充実に向け、里親制度の普及促進を進めていくこととしております。この間、里親会や地域で活動されている民生児童委員、子育て支援団体の方々との意見交換などを実施してまいりました。その中で、地域の子育て支援を担う方々を中心に、実際に里親家庭と触れ合い、知っていただくことが重要であるとの御提案をいただいております。  こうした御提案を踏まえまして、児童相談所の開設に先立ち、東京都と協力のもと、里親養育経験者や元里子の方に経験談をお話しいただく養育家庭体験発表会を初め、普及啓発イベントの内容の充実などに取り組んでおり、昨年度実施しました子どもの虐待防止推進講演会との合同イベントでは約二百名の区民に御参加いただくなど、手応えを感じております。  今後も、基礎的自治体である区ならではの地域の力の活用という視点を生かし、地域全体に里親家庭への理解が広がるよう取り組みを進めまして、周囲の温かい理解のもと、里親家庭の子どもが伸び伸びと自分らしく尊重されて育つ環境づくりを進めてまいります。  最後でございます。三点目でございますが、里親養育支援の取り組みで検証ができるよう成果指標を明らかにすべきという点にお答えいたします。  区は、新しい社会的養育ビジョンで示す里親委託率の数値目標、就学前の子どもについては七五%以上、学童期以降は五〇%以上の達成を目指すこととしており、これらにつきましては、里親と子どものマッチングの成立の件数をもとに、児童養護施設の入所者数との比率から成果を図ることとなります。こうした成果指標がございます一方、お話しにございましたとおり、事業のより効率的、効果的な運営手法を考えていくためには、募集や研修、マッチング、養育委託後の支援などの取り組みが、それぞれ里親委託率の向上に寄与しているかを把握する必要があるものと認識しております。例えば、里親の認定登録件数の増加数から、希望者の募集から認定、研修までの業務の効果をはかり、当該業務の運営手法の見直しにフィードバックするほか、これらの指標を総合的に勘案し、包括的な外部委託の検討に活用することなどが考えられ、こうした見直しを図りながら着実な目標達成を目指してまいります。  以上でございます。 ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 答弁ありがとうございます。  再質問はありませんけれども、当初質問させていただいた障害者施設への巡回支援、ここが今年度から強化をして取り組んでくださったことは評価いたします。その上で、あくまでも巡回支援はチェックをしに行くわけではなくて、寄り添うというその姿勢が重要かと思いますので、今後とも、新たに障害福祉部が誕生したということもありますので、障害者支援をしっかりとやっていただきたいことを要望して終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で岡本のぶ子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時二十一分休憩    ──────────────────     午後一時十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  三十一番平塚敬二議員。    〔三十一番平塚敬二議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(平塚敬二 議員) 通告に基づき質問します。  初めに、住宅用太陽光発電の推進について伺います。  平成二十七年の国勢調査によりますと、世田谷区の戸建て住宅は約十四万三千戸、そのうちFIT、固定買い取り価格制度を利用して住宅用太陽光発電を導入している家庭は約七千戸、その割合は五%です。世田谷区の環境基本計画では、自然の恵みを生かしたエネルギーの利用拡大と創出を目指すとして、再生可能エネルギー機器の導入拡大に向け、設置に対する相談や融資等による支援の充実を図り、自然エネルギーの地産地消を一層推進するとしていますが、まだまだ普及していないと思います。  さらに、災害対策の面で考えますと、太陽光発電協会は、昨年九月六日に発生した北海道胆振東部地震に伴う大規模停電時における住宅用太陽光発電システムの自立運転に関する調査結果を発表しました。それによりますと、蓄電機能を併設したユーザーからは、約二日間問題なく生活ができた、近所が真っ暗な中、自宅のみが電気がついていたなど、ふだんと同じ生活ができたとの声が寄せられ、災害時に太陽光発電と蓄電池の併設は特に有効であることが証明されています。  世田谷区においても、いつ起きてもおかしくない首都直下型地震が発生すれば、間違いなく電気はとまります。さらに、通電火災などを考えますと、一定期間電気は使えないことが明らかです。また、避難所となる小中学校の体育館も、限られた方のみの利用となり、多くの方が在宅避難となるため、その対策として住宅用太陽光発電は有効であり、今後さらに推進すべきです。  東京都では、今年度の予算で住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進事業をスタートしました。内容としては、機器のリース、電力販売等による初期費用ゼロでの太陽光発電導入を補助する事業です。ふだんの電気代と変わらない金額で約十年間リースすることで、十年後には太陽光発電機器が自身の所有になるお得感を高めるとともに、非常用電源の確保にも寄与するものです。一キロワットごとに十万円の補助をします。さらに、蓄電池についても機器の費用二分の一、最高六十万円まで補助します。また、二十三区内で何らかの助成を行っている区は十八区あります。世田谷区を含め、何もない区は五区しかありません。今後は新たな助成制度を検討して設置を進めるべきと考えます。  例えば、東京都のようなリース方式に対して、初期費用に助成することにより、より区民が取り組みやすい方式、お得感を感じられる助成制度を検討すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。  次に、大規模災害時の在宅避難支援について伺います。特に今回は、避難行動要支援者の在宅避難支援について伺います。  それは、要支援者の方たちが大規模災害時、避難所で生活することを考えますと、健常者でも相当なストレスを感じるのに、避難所生活ではリスクが多過ぎると考えるからです。事前の準備により、住みなれた自宅での在宅避難支援を進めるべきではないでしょうか。  国の平成二十五年八月に策定された避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針を見ますと、災害対策基本法の一部改正により、新たに避難行動要支援者名簿の作成、名簿情報の避難支援関係者への提供などの規定が設けられたことを受けて、市区町村を対象に、その事務に係る取り組み方法など指針として示されております。特に、第Ⅱ部のさらなる避難行動支援のために取り組むべき事項では、地域の特性や実情を踏まえつつ、名簿情報に基づき、市区町村またはコーディネーターが中心となって、避難行動要支援者と打ち合わせ、具体的な避難方法等についての個別計画を策定することとあります。さらに、要支援者が災害時に主体的に行動できるようにするための研修や、防災関係者に対する地域の防災力を高めるための研修を行うこと、民間団体などとの連携を図るとともに、防災訓練により情報伝達や避難支援が実際に機能するか点検することなどを適切に取り組むこととあります。  これは、要支援者については個別計画の作成を支援して、みずからの命はみずから守る自助をふだんから意識していただく取り組みが重要であり、そのためには、ふだん通いなれている作業所や介護事業者のスタッフとともに連携して、防災訓練により実際に機能するか点検することが必要とのことです。  先日、民間の団体の方で、地域で暮らす障害者及びその家族の災害時個別支援計画づくりを進めている方にお話を伺いました。国立障害者リハビリテーションセンター研究所が開発した災害対策チェックキットを活用して、それぞれの障害に適応した災害時の備えリストを作成して、リストに基づき備蓄品を備えるとともに、家族や支援者と協力して、安否確認や介助体制の確保、避難に関する個別支援計画を作成するお手伝いをするものです。目的は、大規模災害への備えを自助、共助の面から点検して、当事者周辺の支援ネットワークを再構築する活動を通じて、行政の公助に頼ろうとして対策がおくれてきた障害者の災害時の備えを進めることで、家族とともに少しでも安心して地域で生活できる環境をつくることとしています。  そこでお聞きします。避難行動要支援者に対して個別支援計画作成や防災訓練などを進めることが、住みなれた自宅での在宅避難支援を進めることになると考えます。世田谷区として、例えば民間のノウハウを参考にモデル地域で進めるなど、早期の対応を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、高齢者の住宅確保について伺います。  先日、区内に住む八十三歳の高齢者の方から御相談をいただきました。現在お住まいのアパートが老朽化しているため立ち退きを迫られているとのことで、書類を見せていただくと、既に期限が切れており、お話を伺うと、一年以上前から話があり転居先を探してきたが、全く見つからないとのことでした。すぐに住宅サポートセンターの予約をとり、御案内いたしました。しかし、結果は同じで見つかりませんでした。現在は、区営のシルバーピアに申し込んでおりますが、今回の募集は二十六件と大変厳しい状況です。区では、居住支援協議会を設立して、住宅確保要配慮者の住まいの確保を支援するとしていますが、現実はどうでしょうか。  不動産事業者の方にお聞きしても、安否確認や原状回復の面など、オーナー様の不安解消には至っていないと伺いました。高齢者の入居について安心していただけるさらなる取り組み、特に福祉部門との連携が必要です。電話の見守りだけではなく、訪問の見守りなど検討が必要と考えます。区の見解を伺います。  さらに、新たなストックの確保をどう進めるのか。先日、民間企業で空き家を活用した支援つきアパートを経営している方にお話を伺いました。もともとは空き家だった住宅において、耐震化を含めてアパートに改修し、居住支援を含めて管理することでオーナー様に安心していただき、連帯保証人がいなくても高齢者にお貸しする取り組みをされておりました。国が平成二十九年度より始めている空き家対策及び住宅セーフティーネット制度では、住宅確保要配慮者専用の住宅に係る改修費用に対しての補助として、空き家を共同住宅に改修する工事などを行う場合は、工事費用の三分の二、限度額は一戸当たり百万円まで補助されます。  世田谷区の耐震改修助成もありますので、空き家のオーナー様に納得していただければ、民間企業に協力していただき、改修後の居住支援をセットしてお勧めできるのではないでしょうか。  そこでお聞きします。区内の空き家の所有者に対して、国の空き家対策及び住宅セーフティーネット制度を紹介する新たな取り組みを進めて高齢者の住宅確保を進めるべきと考えますが、区の見解をお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎本橋 環境政策部長 私からは、住宅用太陽光発電の推進について御答弁をいたします。  区では、環境基本計画で目指す自然の力と人の暮らしが豊かな未来をつくる環境共生都市せたがやの実現に向け、区民の再生可能エネルギー利用率二五%を目標の一つに掲げ、エネルギーの地産地消と自治体間連携の観点から、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでおります。区民が利用する再生可能エネルギーにつきましては、住宅用太陽光発電設備などであり、国が公表している固定価格買い取り制度における区内の太陽光発電設備の導入数は七千件を超えており、二十三区内では最も導入件数が多くなっております。  しかしながら、昨年八月に実施いたしました環境に関する区民意識・実態調査では、再生可能エネルギーを利用していると回答した方が六・五%と低いことや、お話にありましたように、太陽光発電設備が災害時の設備としても有効であるとのことから、さらなる普及が必要であると認識しております。  区といたしましては、他自治体の取り組み状況や設備機器等の情報収集に努め、区民の住宅用太陽光発電設備等の導入促進に向けた支援策を来年度に向けて検討してまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、避難行動要支援者への在宅避難啓発について御答弁いたします。  区では、地震や風水害等の大規模災害が発生した場合の避難所として、区立の小中学校等を指定しております。しかしながら、避難所はスペースや備蓄が限られており、周辺の住民全員を受け入れることは困難であり、また、高齢者や障害者が生活を送る上では十分な環境が整っているとは言えません。そのため、近年は避難所生活ではなく、自宅での生活を続ける在宅避難を推奨しており、そのための備えについて、災害時区民行動マニュアルを作成し、区民全般への啓発を図っております。さらに、避難行動要支援者に対しましても、地震災害から守るための冊子「いざという時のために」を作成配布し、自助の意識醸成を進めているところでございます。  今後につきましては、関係所管と連携し、避難行動要支援者とその御家族を日ごろより支援している介護保険のケアマネジャーや障害者相談支援専門員などからも在宅避難への取り組みを啓発していただけるよう、民間のモデルケースなども参考に、連絡会等のさまざまな機会を通じ協力依頼をしてまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、高齢者の住宅確保について二点、順次御答弁申し上げます。  初めに、高齢者の入居に際しオーナーが安心できる訪問見守りについてです。  区では、高齢者、障害者、ひとり親世帯を対象として、民間賃貸住宅の空室情報を提供するお部屋探しサポート事業を平成十九年度より住まいサポートセンターで実施してございます。成約に至った高齢者の方には、NPO団体が定期的にお住まいを訪問する住まいあんしん訪問サービスを実施しているところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、住宅確保要配慮者の中で、特に高齢者におかれましては入居を拒まれるケースが多いことから、世田谷区居住支援協議会では、先行して単身高齢者世帯の民間賃貸住宅への入居支援策の検討を進めているところでございます。  こうした検討の中、貸し主の不安解消策といたしまして、安否確認の見守りや原状回復、事故対応費用などの補償がセットになった見守りサービスが構築され、居住者支援セミナーなどを通じて不動産事業者等へ御案内を行っているところであり、これを利用した入居者もふえていると伺ってございます。  区といたしましては、今後とも貸し主の不安解消のための方策を広く知っていただくことが重要と考えてございまして、居住支援協議会を中心に、補償とセットになった見守りサービスのさらなる周知を図り、利用促進に努めるとともに、さらに福祉部門と連携した訪問による見守りサービスなどについても、先進的な事例や取り組み事例の情報収集を図るなど、研究検討を行ってまいります。  次に、住宅セーフティーネット制度を活用した空き家改修補助の居住支援についてです。  国の新たな住宅セーフティーネット制度では、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の供給策といたしまして、空き家や空き室を含む登録住宅の改修や入居者への経済的な支援などを行ってございます。登録住宅の改修につきましては、議員お話しのとおり、対象項目、工事費に対して一戸当たり最高で百万円が補助される制度でございますが、敷地条件や関係法令に適合した物件であることを前提に、住宅確保要配慮者専用住宅として十年以上登録すること、また家賃が近傍同種の住宅家賃と均衡を失しない額であること、入居者の月収が基準以下などの条件のもと、工事費の三分の一をオーナー自身が負担することなどについて御理解いただく必要がございます。  区といたしましては、お話にございました民間企業等を活用した見守りつき住宅事業を初め、他自治体の取り組み事例など、住宅確保要配慮者の支援について調査研究に努めてまいります。  以上でございます。 ◆三十一番(平塚敬二 議員) 答弁ありがとうございました。  まず、住宅用の太陽光発電はしっかりと来年に向けて進めていただきたいと思います。  そして、高齢者の住宅確保なんですけれども、実際に困っていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。そしてまた、いろいろなハードルはあると思います。しかし、調査研究を続けてもなかなか進みませんので、ぜひともこういう情報提供をオーナーの方にしていただいて、一件でも二件でも救っていただければいいと思いますので、ぜひとも進めていただきたいことを要望して質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で平塚敬二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、九番小泉たま子議員。    〔九番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆九番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。  昨日の議会定例会開催での区長の招集挨拶に失望いたしました。この第二回定例会は、選挙後初めての定例会であり、新たに四年間の議会に向けての区長の決意表明がなされるものと期待していました。ところが区長は、最初に八年間で合計千八百名を超える新入職員、全職員の三五%を超える職員と握手ができたと言われたのです。これが大切な招集挨拶の冒頭で高らかに言われるべきことでしょうか。区政にとって何が重要か、区長がどう考えているのか不明です。  昨年の決算特別委員会において、担当副区長が児童虐待ゼロの地域社会を目指すと表明されました。心強いことでした。しかし、今回の招集挨拶では、この児童虐待ゼロはおろか、児童虐待という言葉が一切ありません。これだけ悲惨な事件が多数発生しているのに、区長は四年の始まりの挨拶で、児童虐待について一切触れない。私はこの姿勢が信じられません。  さらに区長は招集挨拶で、みずからの選挙公約の解説をされました。区長の選挙公約を見ますと、確かに児童虐待の文字はありませんでした。公約にないから招集挨拶で話さないという姿勢はどういうことでしょう。私は、候補者としての選挙公約と、首長としての責任を持つ発言とは異なるものと考えます。自分に都合のよい話だけでなく、児童虐待への取り組みを初めとする喫緊の課題を明らかにすることが首長の責務だと思いますが、お考えを伺います。  区長は、去年の決算特別委員会において、まちづくりセンターは住民にとって最も身近な区の行政拠点であり、フロントと言ってもいい場所と言われ、新しい時代にふさわしい地域行政制度を構築するとされ、地域行政制度改革を行うと表明されました。改革とは、従来の制度を改め、変えることです。ところが、招集挨拶によれば、これまでの地域行政の取り組み手法を引き続き行っていくとされ、全く改革の要素が見られません。
     区がこれまで行政改革の名のもとにさまざまな変更を行い、結果として地区の拠点を失い、地区力を低下させてきたことをどのように考えられているのか、お答えください。  今、地区のまちづくりセンターは、全く区民から見放されています。当時の担当部長は、地区のまちづくりセンターでワンストップサービスを展開させたいとされましたが、実現されていません。なぜ実現されないか伺います。  区長は、打てば響くまちづくりを実現すると言われます。本来、地域行政制度は、大都市でありながら地域内分権を実現し、区民参加を制度的に保障する仕組みのはずです。この制度でありながら、区長があえて時間をとって区民の声を聞かねばならないのはなぜか。区民がなぜわざわざ車座集会に出かけて話さねばならないのですか。区民が窓口に来て何気なく話すことが区長にも自然に伝わる、このような仕組みのはずです。この仕組みがなぜ機能していないのか伺います。  コミュニティーについて質問いたします。  西の神戸、東の世田谷と言われていたまちづくりの先進都市の神戸が、一九九五年の阪神・淡路大震災で被災されたことを目の当たりにして、災害で死なないためのコミュニティーの重要性を再認識し、区はさまざまなコミュニティー支援を強化してきました。  そして今回、川崎通り魔殺傷、練馬長男殺害事件が世田谷の隣で起きました。川崎の事件では、大切な児童の命とともに、世田谷区民の命も失われ、また練馬では、報道によれば、川崎の殺傷事件のようになってはならないとして、父親が長男をあやめるという悲惨な事件でした。この二つに共通するものとしてひきこもりが取り上げられ、あたかもひきこもりが犯罪者予備軍のような扱いになり、国もひきこもり地域支援センターを当面充実させるとされます。  スクールバスの強化や通学路の安全点検の徹底なども課題です。しかし、これら全ては対症療法にしかすぎません。対症療法の徹底では、地域が見張り合う社会になるばかりです。地域が住民同士の見張り合いではなく見守り合いに包まれていること、柔らかなおせっかいで包まれていることが必要なのです。殺されない、そして殺さないために、地域のコミュニティーが機能していること、それが地域社会のあるべき姿です。  これらのことについて、今回の招集挨拶で触れられていないのはなぜでしょう。私は、このコミュニティーのあり方が地域行政の本質と考えます。見守り合い社会の実現に向けた区のお考えを伺います。  区が目指すべき自治体の形について伺います。  目黒の悲惨な虐待事件の原因の一つは、転入情報が共有されなかったことです。その共有も、児童相談所同士の情報伝達、共有の不完全さが強調されていますが、これは本質とは思いません。地域でどのように転入者情報が共有されるかが重要です。さらに、川崎、練馬事件においては、孤立者、ひきこもりをどうするかが問題です。これらのことから、転入者、孤立者を地区でしっかりと受けとめることも含めた総合窓口が必要です。  昨年九月の決算特別委員会で、転入事務も含めた総合的な対応を地区の行政拠点で行うべきと質問し、担当副区長が地区の窓口がどうあるべきか、地区の強化に向けて地域行政制度全体の中で検討すると答弁されました。区長は、公約で地域行政制度の条例化を約束され選挙に臨まれたわけですが、では実際にどのように地区の将来像を形づくり、その強化を進めていくのか。さらに、他会派からも指摘されました地区の責任者を置き、そのもとで地区全ての行政機関が連携する仕組みをどのようにつくり上げようとしているのか、お考えを伺います。  区長のリーダーシップについて伺います。  政治家としての区長の立場は尊重いたします。しかし、機関としての世田谷区長は、区長の公約実現のみを達成する役割ではないはずです。四年間の初めての招集挨拶に、児童虐待がない、庁舎問題などの重要案件が取り上げられていない、一体区長のリーダーシップとは何か。自分の関心事だけをやることが区長の役割なのかという疑問が出ます。私は、現在の区政運営に疑問を持ちます。地区重視と言っていながら、総合支所に総合窓口をつくろうとする。民間の土地を借りて支所を建てようとする。姉妹都市交流の必要性はありながらも、突然新たな児童生徒の交流事業の実施が明らかになる。何か議会が関与しないところでさまざまなことが決められているのではないかという疑問を持ちますし、職員に聞いても、どのように決まったかわかりませんという答えも多いのです。区長と職員の間に信頼関係が構築されているのか疑問です。  このような中で、地域行政についてはせたがや自治政策研究所に任せる、条例については参加と協働による区民主体の条例案をつくっていくと言われますが、疑問です。区民の代表である議会は、区民主体の条例案づくりにどのような役割を担うのか。また、議会よりも車座集会を重要視するなどのことはあり得ないことです。私は、これらの疑問を解決するためにも、人事を含めて改革を成し遂げるための新たな抜本的な体制整備を望んでいましたが、その姿が見えません。区長のお考えを伺います。  教育長に伺います。  教育長は、学校教育の専門家であると伺っています。今後の取り組みに期待いたしますが、昨日の区長の招集挨拶では、学校教育以外の生涯学習、社会教育などについて一切触れられていません。いじめやひきこもりなどの解消には、地域の力が必要であり、社会教育や生涯学習がますます重要となってくるはずですが、その姿が見えません。どのようにお考えか伺います。  さらに、区長は招集挨拶で、教員の多忙化を緩和するために過度の学校依存からバランスのよい地域と学校の関係を進めると言われました。そのとおりです。校長の地域の会議への出席が多過ぎることを見直すべきと提言してきましたが、このことについて教育長のお考えを伺います。  以上で檀上よりの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  多々御意見をいただきました。ただ、私は今回の招集挨拶におきまして大きな力点を置いたのは、児童相談所の設置でございます。一ページ半にわたってこのことは克明に記したつもりでございます。  なぜ児童相談所を区が設立するのか、理由についても述べております。今、目黒の事件もおっしゃいました。いわゆる児童相談所、都が運営している、目黒区のいわば子ども家庭支援センターと断層がございましたよね。ということで、区が子ども家庭支援センターを通して、顔と顔が見える地域での関係、これをつくってきたと。なので、児童虐待の予防から気軽な相談、早期発見、早期対応、その後の見守りなどに取り組んできたので、区が児童相談所を取り組む判断をした、そういう政策を推進していくんだということを述べさせていただいていますので、あらかじめその点は御理解いただきたいと思います。  また、この招集挨拶のありようについて幾つか御意見をいただきました。政策として選挙の際提示をするということと、区長としての政策執行が、それは違うのではないかという御指摘をいただきましたが、実は二期目もそうだったんですが、今回三期目に当たっても、いわば継続して区政を担当するという立場であることから、基本計画、実施計画等々で既に行っている事業を振り返り、抽出し、点検し、そしてその後の道はどこにあるのかということを実現可能な形で整理したものでございます。したがって、何かそこで政治家として思いついた公約を並べたというたぐいのものではありませんので、これまで八年間の区政を積み上げて、さらに未来へということで記しているということも御理解をいただきたいと思います。  そしてもう一つ、地域行政制度、一番小泉議員もずっと力を入れて、地区の重視ということでおっしゃってきていることについて、今回条例化ということを公約にもうたいましたし、現に、現在取り組もうとしております。この点について申し述べたいと思いますが、この区長公選制が復活した昭和五十年、一九七五年から長い年月をかけて、区民とともに自治体の形を構想し、当時の大場区長が先頭になって世田谷自治権拡充運動というのを展開されたというふうに聞いていましたし、また、今記録でさかのぼることもできるわけです。一方で、それから相当時間がたちました。今総合支所がなぜあるのかとか、まちづくりセンターはなぜ置かれているのか、こういったこともまだしっかりと歴史を踏んで理解していない若い職員も、あるいは十年、二十年たった職員でも、十分にその経過を理解していないという場合もございます。時間がそれだけたっておりますので、四十年前から議論を始めています。  なので、せたがや自治政策研究所については、任せるのではなくて、まさにシンクタンクなんですから、四十年間ずっと何を世田谷区で熱く議論してきたのか、この議論はどんな論点があったのか、そして試行錯誤があった、その試行錯誤の後に、なぜこの総合支所の制度、あるいは当時の出張所の配置をしたのかという歴史について、あるいはその見直しについて共通言語、共通理解をするためのいわばデータ、しっかりとした事実、ファクトをまずは抽出していただきたいということをお願いしているわけです。  その土台がそろったところで、私自身の改革の方向は、地域行政制度をさらに身近な地区で、住民自治が実現する場にしていきたい、こういうことです。また、五つの総合支所についても、福祉や子育て支援、まちづくり等の役割も強化をしていきたい。三層構造の現在を、より現場を尊重する方向で組みかえていきたい、これは大きな方向観ではあります。しかし、それをどういうふうに組みかえるのか、何を中心にするのか、それは住民の皆さん、区の職員、議会での議員の皆さん、しっかり議論して構築しようじゃないかと。以後、三十年、四十年と、これから世田谷区の歴史は続くわけですから、そこはしっかりやりたいということでございます。  次に、車座集会について、私は議会より車座集会を重視するなどと、こんなことを考えたことはございません。また、対立するものでもないと思います。ただし、一期目に車座集会ということで二十七カ所の出張所・まちづくりセンターを巡回して二時間ずつ意見を聞いたことで、区の縦割りの中での弊害、あるいは区民活動の場所がなかなかないという問題、それぞれの地域の中での課題が相当違うという問題等々を直接理解するわけでございます。  こういった中で、例えば地区ごとの防災塾だとか、あるいは地域の一つ一つの福祉の相談窓口だとか、いわばあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の一体化だとか、こういったヒントをいただいたということでございまして、そのヒントは当然議会の皆さんの議論等の中で練り上げられ、政策化され、定義し、ご議論いただきながら進んできたものと考えております。  さらに、この地域行政制度をしっかり世田谷区の特性として進化させ、その地域の中の人々の声を重視するということは、大きな視野で見れば世田谷区が自治権をさらに確かなものにしていく、拡充していくということにつながりますので、不離一体のものとして取り組んでまいりたいと思います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、コミュニティーづくりに向けた基本的な姿勢について御答弁申し上げます。  世田谷区は、九十万を超える人口を抱える一方、毎年の転出入者が多く、町会・自治会の加入率の低下など、地域社会とのつながりが希薄となり、これまで近所づき合いの中で解決できたことが難しくなってきていると感じております。お話にございましたように、阪神・淡路大震災や子どもの命にかかわる痛ましい事件、こういったことを目の当たりにしたときに、行政だけではなく、地域の住民同士が助け合い、見守り合って、区民の命をどのように守っていくのか、そのことが行政にとって大変大きな課題であると考えさせられております。  地域の住民の力を生かすためには、まちづくりセンターを中心として、町会・自治会にとどまらず、各所の地域活動団体が区民センター、児童館や学校など、地域資源を活用して連携した地域活動の促進を図り、日ごろからお互いに顔の見える関係づくりを進めることが重要であると考えております。地区の多様な人材や機関、活動団体が連携を密にして、地域が見守り支えあう体制をつくり、さまざまな分野で相互扶助が活発となる地域社会の実現に向け、地域力の強化を進めてまいりたいと考えております。  以上です。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、二点につきまして御答弁申し上げます。  一点目は、学校教育の現場にいた者として、社会教育や生涯学習をどう考えるかという御質問への御答弁でございます。  私は、これまで学校現場において学校教育に携わり、世田谷区の児童生徒に適した質の高い義務教育を実現するために、世田谷九年教育等の推進に取り組んでまいりました。その経験上から申し上げますと、子どもたちは、発達段階に応じて家庭、学校、地域の中で育っていきます。学校生活だけでは触れることのできない地域での経験や体験などを通じて、子どもたちみずからの興味関心を広げ、深め、自分自身の特性や才能を伸ばす機会をつくること。また、子どもたちが将来への夢や希望を持ち、たくましく生き抜く力を育てていくことが重要であると考えています。  教育委員会では、誰もがみずからの生き方に適した生涯学習を進めるために、社会の一員としての参加意識を育み、地域社会の担い手として学び合い、育ち合う社会教育を推進しているところでございます。  私は教育長として、区民の貴重な人材を生かす取り組みである社会教育をより一層推進するために、特に人生百年時代において、豊富な知識と経験をお持ちになっている高齢者の方々にも、みずからの力を生かす機会を提供してまいりたいと考えております。また、今後は社会教育行政の枠を超えて、区長部局とも連携しながら、誰もが生き生きと活動できる機会や場づくりを通じた地域コミュニティーの活性化の促進に努め、生涯学習社会の実現を目指してまいります。  二点目は、学校長の負担を下げることについて御答弁申し上げます。  第二次世田谷区教育ビジョンには、地域とともに子どもを育てる教育の推進を挙げ、地域との連携は学校運営の基盤となるところでございます。校長は、学校経営のトップとして、教育活動のほかに保護者の期待や要望に応え、学校の地域の核としての役割を果たすなど、学校マネジメント能力が求められています。一方で、学校長の多忙化や長時間勤務などが問題とされていることも認識しております。  平成三十一年一月に中央教育審議会より出された学校における働き方改革に関する総合的な方策についてにおいて、学校が担ってきた業務のあり方に関する考え方が取りまとめられ、学校と学校以外が担う業務について見直しなどが示され、学校長の職務の負担軽減にも関連した答申となっております。  教育委員会といたしましては、中教審から出された学校長の負担軽減策の具体化の検討を進めてまいります。学校運営委員会や学校支援地域本部等の学校を地域で支える仕組みにおいて、これまで以上に地域人材を積極的に有効活用するなど、学校及び教員が担う業務の明確化、適正化を図り、学校長を初め教員の負担軽減に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 私からは、三点について御答弁いたします。  初めに、地区力を低下させてきたのではないかということについて御答弁をいたします。  平成十七年度に実施した、いわゆる出張所改革は、地区まちづくりを支える区民の高齢化や地域コミュニティーの希薄化などが進む中、区民主体のまちづくり活動を促進するための支援強化と窓口業務の両立を図るため、転入転出などの手続を七つの出張所など十カ所の窓口に集約し、二十カ所の出張所は地区まちづくりの支援業務を行うまちづくり出張所として再出発しました。  まちづくり出張所は、その後まちづくりセンターと名称を変更し、現在二十七の全地区に設置し、地区、地域の行事、イベントの支援や地域活動の場の提供のほか、特に東日本大震災以降は地区防災に関する事業を推進し、さまざまなネットワークを活用した見守り事業や福祉の相談窓口の開設、地区アセスメントの実施など、地域コミュニティーの促進や課題解決に向けた取り組みを行っております。  人口の増加や少子・高齢化の進展が地域に大きな変化をもたらす中、さまざまなニーズに幅広く対応していく必要があり、限られた予算や人員の中でまちづくりセンターが地区コーディネーターとして地区づくりを担っていく必要があると考えております。  次に、地区で転入者や孤立者を受けとめ、責任者を置いて連携する仕組みを組み立てるべきについて御答弁いたします。  まちづくりセンターは、地域住民との日常的なつながりからコミュニティーの促進を図りつつ、町会・自治会や各種地域活動団体とのネットワークを生かした地域課題の解決に向けた取り組みを行っております。地域住民のつながりが希薄になる中で、地域のさまざまな行事や、気軽に住民同士が触れ合う場づくりなどを進め、新たに転入した方を初め、誰もが孤立することなく地区全体で受けとめ、安心して暮らしていける地域づくりが重要であると考えております。  日常生活における課題も多様化、複雑化しており、地域活動の連携促進や地域人材の活用など、課題を地域で解決するための取り組みや、まちづくりセンターと総合支所、本庁が一体となった広域的、多面的な連携がますます必要となってまいります。  市並みの人口を抱える地区の拠点であるまちづくりセンターが、地区経営の視点に立ち、地区まちづくりのリーダーシップを発揮することができるよう、地域行政の条例化の検討において、まちづくりセンターの権限や職員の体制、総合支所や本庁との関係などを幅広く議論してまいります。  最後に、参加と協働による区民主体の条例案について御答弁いたします。  地域行政制度は、地域住民に密着した総合的な行政サービスと、地域の実態に即したまちづくりを展開するとともに、区政への住民参加を促進することを目的にこれまで運営してまいりました。少子・高齢化の進展や人口の増加など、地域社会が大きく変化する中、地域課題の解決に当たっては、さまざまな場面において参加と協働を促進し、区と区民等がしっかりと連携して取り組んでいくことが不可欠であると認識しております。  このため、世田谷区独自の地域行政制度を条例で位置づけるに当たり、行政組織のあり方を再検証するにとどまらず、住民自治の視点で区民、事業者、区の参加と協働の稼働する仕組みを構築したいと考えております。  私からは以上です。 ◆九番(小泉たま子 議員) 再質問いたします。  本会議において、自治権拡充と地域行政制度があわせて議論されることは前進ですが、自治権拡充は手段であって目的ではありません。そして、地域行政制度の本質は、あくまでも区民生活主体であること、地区の力を高め、災害、転入者、ひきこもり、孤立も解決していくということが課題であるはずですが、このことについて区の考えを再確認したいと思います。お答えください。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 再質問にお答えいたします。  地域行政制度の趣旨でございますけれども、議員からもお話しありましたように、区民参加を制度的に保障する仕組み、地域のことは地域で解決する、それを行政制度はどのように支えるのか。それを支える仕組みというふうに理解しております。今ここで改めて再構築をしようということで区長からもお話があったわけですけれども、やはり問題意識としては、自助、共助、公助という言葉がありますけれども、先ほどコミュニティーの御答弁を申し上げましたが、やはり自助、共助の力が地域の中で弱まっている。一方で、高齢化など地域課題は広まり、深まっている。こういう中で、地域のことを地域で解決する。さまざまな課題でお困りになっている区民の方、あるいはこういうことをやりたいと思っていらっしゃる区民の方、それを支える地区があって、それを支える地域があって、区がある、こういったことをどのような仕組みで構築していくのかということを、これからしっかりと議論していきたいというふうに考えているところでございます。  そういう中で、例えば都市計画の権限であるとかが一つの例ですけれども、自治権が今、二十三区が制限されているということが、この地域の問題を解決するに当たって、自治権拡充というのが一つの大きなテーマになってくる、このようにも思っております。それぞれ地域行政制度の再構築、それと自治権拡充、それぞれはその実現のための時間軸は違うかもしれませんけれども不可分のもの、このように理解しているところでございます。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四十三番羽田圭二議員。    〔四十三番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(羽田圭二 議員) 最初に、これからの世田谷の教育について伺います。  選挙権年齢が満十八歳となり、二〇二二年度から成年年齢が十八歳へと引き下げられます。今回の区議・区長選では投票率がやや伸びた、そして満十八歳の方も大変高い投票率であったということはわかっております。しかし、二十代の投票率は依然低い状況が続いていることも、一方でわかっているわけであります。  北欧、スウェーデンの投票率の高さはよく知られておりますが、その背景の一つに主権者教育が挙げられています。区民参加によって、区民の区政や政治への関心が高まってくるように、子どもたちの参加、参画を保障することは、一人一人が考える力を持っていくことにつながります。子どもたちが単に学校行事に参加することにとどまらず、内容や運営に対して発言権や決定権を保障するなど、学校からの取り組みが必要です。  新学習指導要領においても、主権者教育の必要性が言われております。その一つに、地域と学校運営がありますが、子どもを主体に考えた方策はまだまだ不十分ではないかと思います。  子どもたちが主権者として物事を多面的に捉え、さまざまな意見に耳を傾けながら判断をしていく力を持っていくためには、学校運営を含めて民主的な方法がとられる必要があります。区教委の主権者教育推進に向けた基本的な考えと、その方策を伺います。  さて、区は小中学校全てにおける特別支援学級の設置、医療的ケア児の受け入れの拡充など、障害があってもなくても一つの学校で同等の教育を受ける権利を保障することを目指しています。さらに、障害のあるなしにかかわらず、子どもの社会・経済的な事情、性別や人種、言語や文化の違いを超え、地域の学校で同じ価値のある教育を受けることを保障することではないでしょうか。同じ学校の中で、同じ教室の中で、それぞれ異なる個人として尊重され、個々の子どもたちに合った教育環境と支援を整えていくことを目指していくことが重要であります。  区教委のインクルーシブ教育の基本的考えと今後の展開を伺います。  次に、これからの世田谷の住宅政策について伺います。  憲法第二十二条第一項は、居住、移転及び職業選択の自由を規定しております。この規定には、経済的自由、精神、心の自由を保障する内容が含まれておりますが、現実には、仕事にしても住居にしてもみずからが探さなければならず、住居については多くの人が持ち家か賃貸かの判断を迫られることになります。しかも、その選択が各家庭の経済状況によって大きく左右します。所得格差が広がる中で、人間生活にとって欠かせない居住支援の課題は重要な政策課題です。  ところが、日本の住宅政策の特徴は持ち家制度にあり、公共住宅の提供は後退してきたのが特徴です。さらに、分譲、賃貸にかかわらず、民間住宅の供給過剰、空き家の増加が続いているにもかかわらず、持ち家政策に変更が加えられないまま民間住宅の供給が続けられてきました。  こうした状況を踏まえ、第四次住宅整備方針の策定に向けて、今後世田谷区の住宅政策においてどう改善をしていくのかが問われていないでしょうか。区の見解を伺います。  民間供給住宅の課題では、老朽化した集合住宅の建てかえや、賃貸住宅の保証人問題、あわせて供給過剰による民間賃貸住宅の空き家の増加があります。さらに、高齢者、障害者の住まい探しの過程では依然困難さを抱えている場合が数多くあります。現在の国の居住支援制度では、必ずしも支援が必要な方に行き届かないという欠陥も指摘せざるを得ません。  住宅確保要配慮者への対応が、住宅セーフティーネット法によってひとり親世帯への支援が開始をされておりますが、今後支援の拡充が求められております。区の見解と対応を伺います。  次に、これからの世田谷の生活支援について伺います。  内閣府の調査では、自宅に半年以上閉じこもっているひきこもりの四十歳から六十四歳が全国で推計六十一万三千人になるという結果報告があります。これを世田谷区の人口に換算すると、四千八百人になると言われています。今般、川崎市で起きた殺傷事件は、何のかかわりもない子どもや保護者の命を無差別に奪うという決して許すことのできない犯行です。これまでにも同様の事件が発生した後に、再発防止に向けたさまざまな対応や方策がとられてきました。  その一つに、法務省法務研究報告があります。二〇一三年三月、法務省法務研究所は、無差別殺傷事犯に関する研究という報告をまとめています。無差別殺傷事件を起こし有罪判決が確定した元被告ら五十二人のうち、約六割が社会的に孤立し、四割以上が自殺未遂を経験していたことを明らかにし、社会的孤立を防ぐための居場所づくり、そして自殺防止対策が事件の防止につながると指摘しておりました。  元被告ら、そのほとんどが就労経験はあったものの、非正規雇用等の不安定雇用のもとで働いていたことや、経済的にも不安定な上に、安定した住居が得られていなかったことなどが指摘されております。こうした生活の中で、自己肯定感を持てないまま、生きる喜びを感じられずに、社会から切り離されて自暴自棄になるケースを問題にし、再犯防止に向けて全ての国民の出番と居場所をつくるための各種施策の推進を求めていました。  この間の議会での議論にもありますように、ひきこもりがちな中高年を抱えた高齢になった家族や当事者への対応、とりわけ家族の社会的孤立、その支援のあり方という課題が問われてきました。区の相談体制は、十五歳から三十九歳までメルクマール世田谷を中心に行い、三十九歳以上であっても相談があった場合には対応していますが、現状では訪問相談などは行われておりません。  東京都は、ひきこもり等の相談の間口を広げるとして、これまでの十五歳からおおむね三十四歳までの年齢制限を撤廃して、三十五歳以上の本人とその家族を対象に相談体制を築くこととするとしております。  今後、生きづらさを感じている若者や、社会から断絶された若者への支援の必要性が増しております。実態を把握するとともに、当事者や家族を社会から孤立させることなく、この間の区の取り組みを教訓にしながら、訪問相談、アウトリーチやプラットフォームなど個別の支援を広げることが必要だと思います。区の見解を伺います。  厚生労働省は、ことし五月に少子・高齢化がピークとなる二〇四〇年を見据えた社会保障や働き方の改革案をまとめました。ここでは、とりわけ就職氷河期世代への集中支援が特徴的です。就職氷河期世代とは、就職する時期がバブル崩壊後の厳しい経済状況にあったことから、個々の意思とは別に、未就職、不安定就労を余儀なくされ、現在においても生活上においてさまざまな影響を受けている世代です。  生活困窮者自立支援制度において、訪問支援等の取り組みを含めた支援の充実とともに、ひきこもり地域支援センターのバックアップ機能等の強化を図り、相互の連携を強化していくということが問われてまいりました。この間の区の取り組みからも明らかなように、就労自立、自助自立一辺倒でない、個々の状況に応じたきめ細やかな支援の必要性がより問われていると考えます。区の見解と対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 羽田議員にお答えをいたします。  全世代を包摂する支援についてということでございます。  ひきこもり等のさまざまな事情で社会的孤立の状態にある方、その御家族からの相談がとりわけこの間ふえているということで、それぞれの事情に応じたより細やかな支援が必要だと認識をしています。ただし、短い尺度で社会的な貢献や参加を求めて就労という結果を急ぐことは、当事者やその家族を逆に追い詰めるリスクがあるということに留意をしていきたいと思います。  区では、その方の年齢や、障害の有無や、あるいは抱えている環境等を理解しながら、それぞれの皆様がみずからの意思で生き方、またとりあえずつながれることができる居場所、そしてさらには進路を選択しながら地域社会に参加することができる社会的包摂の仕組みづくりに取り組んでいるところであります。  こうしたことから、相談者の就労、自立のみを目指していくのではなくて、区の若者支援や障害者支援などの施策と横断的に連携をしまして、社会福祉法人、NPO法人など世田谷区のさまざまな支援ネットワークを生かしながら、包括的な支援を進めていくところであります。  有効な支援といたしましては、議員お話しにあったような、例えば中学校、あるいは高校卒業あるいは中退、あるいはそれ以上の大学や企業でもそうなんですが、社会とのつながりを失った段階、それも余り日が長くならない段階で訪問する、アウトリーチをかけるということは大変有効だと言われています。メルクマール等でも少しこういった取り組みを始めているようではありますけれども、今後、社会的孤立の状態にある方、社会的な参加のいわば伴走者として、ともに話し合いながら関係をつくり直してリスタートを期していけるような、そういったユースワーカー、あるいはアドバイザー、そういった人材をこれからしっかりと育成をしていくことが大事だと思いますし、そのことと就職氷河期世代が遭遇をしている困難な状況と、この解決についてもつながってくる問題だと考えております。  いずれにしても、取り組みを強めていかなければいけない課題をいただいたと受けとめております。
       〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、これからの世田谷の住宅政策について御答弁申し上げます。  日本の住宅政策は、持ち家制度を基本として展開されてきましたが、少子・高齢化の進展、住宅ストック量の充足など、社会経済情勢の著しい変化から住宅ストック活用型市場への転換を柱とした法制度の整備が進められてきております。  区は、かねてから既存の住宅ストックを有効活用、良質な住宅ストックの適切な維持管理と円滑な流通促進に向けた取り組みを進めてまいりました。さらに、空き家等の地域貢献活用相談事業による有効活用、住宅の耐震化や環境配慮型住宅リノベーション助成などにより、既存住宅の質の向上も進めてきております。  今後の区の住宅政策は、いつまでも住みなれた地域で暮らし続けていけるよう、住宅確保に配慮を要する方への入居支援を初めとした福祉政策との連携、多様な住まい方の普及促進などが重要なテーマになってくると考えております。  国の住宅セーフティーネット制度も活用しながらこのようなテーマに対応していきたいと考えておりますが、制度面で課題と考えられる事項もございます。今後、居住支援協議会における協議や、現在着手している世田谷区第四次住宅整備方針の改定の中で、有識者、専門家の御議論を踏まえながら、世田谷らしい住宅政策を構築してまいります。  以上です。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁させていただきます。  まず、主権者教育についてでございます。  主権者教育につきましては、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の一員として主体的かつ民主的に担うことができる力を養うだけでなく、地域への愛着や誇りを持ち、ふるさとに根づく子どもたちを育てるという観点からも大変重要であると認識しております。  区立小中学校では、政治や選挙の仕組み、民主主義の基本的な事項などについて社会科を中心に学びながら、特別の教科道徳、総合的な学習の時間等で、新聞や資料を活用して地域や社会の課題について話し合い、社会参画への意欲を高める学習を発達段階に合わせて進めております。また、学級活動や児童会、生徒会における自主的な活動や、模擬選挙における投票等を通して間接民主主義を体験的に学ぶとともに、子どもたちが運動会や学芸会等の企画や運営にかかわりながら、自分たちの声を届け、判断し、決定、実行する機会を設けるなど、各校の実態に応じて教育課程を民主的に運営する工夫もしております。  今後も、子どもたちが主権者として社会や政治に関心を持ち、みずから民主的に判断し行動する力や、社会参画する態度を養うとともに、高等学校や実社会における主権者教育につながる基盤を構築することができるよう、関係部署や関係機関、地域社会とも連携しながら取り組んでまいります。  続きまして、インクルーシブ教育などの取り組みについてでございます。  現在、区立小中学校には、障害のある子どもだけでなく、外国籍の子どもや、経済的、社会的な困難などさまざまな事情を抱えた子どもたちが学んでおります。  インクルーシブ教育は、障害のある子どもと障害のない子どもとが同じ環境で学ぶことを目指すものですが、この理念は、障害にとどまらず、さまざまな困難さを抱える子どもたちにも当てはまるものであると考えております。また、国においても、誰もが相互に人格と個性を尊重し、人々の多様なあり方を相互に認め合える共生社会の実現を目指すことは、最も積極的に取り組むべき事項、重要な課題と位置づけられております。  教育委員会といたしましても、未来の希望である子どもたち一人一人が個人として尊重され、健やかに成長できるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、住宅確保要配慮者における今後の支援拡充等に関して御答弁申し上げます。  区では、住宅確保要配慮者への住宅の確保対策といたしまして、平成十九年度より民間住宅の空室情報を提供するお部屋探しサポートを高齢者、障害者、ひとり親世帯を対象に実施してきてございます。また、議員お話しのとおり、昨年度よりひとり親世帯への家賃低廉化補助制度を実施してございます。  しかしながら、当制度につきましては、オーナーが入居者から謝礼金等が受領できなく、また入居の収入要件が家賃相場や地域事情にかかわらず全国一律であるなど制度上の課題もあり、物件を提供し、入居の相談、申し込み受け付けを行っていただく不動産店や事業対象物件がふえていない状況にございます。  こうしたことからも、区といたしましては、居住支援協議会におきまして、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進や支援について協議検討を進めるとともに、現在着手してございます住宅整備方針改定において、住宅委員会の有識者や関係者等の御議論を踏まえ、検討してまいります。  さらに、国の制度面において解決すべき事項につきましては、引き続き東京都や国に対して改善要望を行ってまいります。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、中高年のひきこもりに対する支援についてお答えをいたします。  ひきこもりの当事者や家族は、地域社会からの孤立につながりやすく、経済的困窮や介護負担、健康問題など、さまざまな課題を抱えてしまうリスクが高い状態にあります。  区では、まずは民生児童委員に御協力いただき、四十歳以上の方も含めて、ひきこもりに関するアンケートを実施するとともに、メルクマールせたがややぷらっとホーム世田谷などの支援機関、民間のひきこもり支援団体等と協力して、当事者や家族の方が抱えておられる課題や、区行政に期待することなどの聞き取りを進めるなど、実態把握のための調査実施を含め検討をする予定です。  一方、現在メルクマールせたがやでは、当事者や家族の孤立状態を解消し、社会参加の機会を設けることで自己肯定感を高め、ひきこもり状態からの脱却につなげる居場所提供や、アウトリーチ等の支援を行っております。  現在、若者向けに実施をしているこうした取り組みや、他自治体の先進事例を参考とし、中高年のひきこもりの方に対し、世田谷区の地域の実情に合った支援ができるよう、都や国の取り組みを注視しながら検討を進めてまいります。  以上です。 ◆四十三番(羽田圭二 議員) 一つ、主権者教育についてですが、子どもの意見表明権、それから意思決定権、これについてしっかり保障していくということを求めていきたいと思います。  もう一つは、今最後にひきこもり支援の課題で実態調査を行うというお話がありました。これから実態調査をやるということなんですが、確実な支援につなげていけるよう対応をとっていただきたい、このことも要望とさせていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、七番くりはら博之議員。    〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手) ◆七番(くりはら博之 議員) 七番くりはら博之でございます。通告に従いまして、二点質問を行います。  まず、先般の世田谷区議会議員選挙におきまして、私、くりはら博之は、NHKの訪問員による強引な受信料集金活動や、受信契約強要行為を初めとするNHKのもたらす被害から守ること等を公約に、世田谷区民三千七百八十人の信託を賜り、世田谷区議会に立たせていただいております。この場をおかりいたしまして、改めて感謝申し上げますとともに、何とぞよろしくお願い申し上げます。  では、質問に入らせていただきます。  NHKの平成三十年度収支予算、事業計画及び資金計画によると、受信料集金収入が六千九百九十五億九千七百五十六万二千円、税金からの交付金収入が三十五億六千五百六十六万二千円となっています。また、平成三十年度から三十二年度までの経営計画では、平成三十年度末までの利益余剰金、つまり、内部留保が七百六十七億円に及ぶ見込みであることが公にされております。  そこで質問です。世田谷区のNHKの受信契約状況についてお尋ねいたします。地上契約数、衛星契約数、受信機台数、設置場所、視聴部局をお答えください。また、今年度と前年度ごとの契約金額をお聞きいたします。  次に、強引な集金人からの被害防止の質問をいたします。  近年、インターネットの普及でNHKを見ていない、テレビを持っていない家庭がふえております。私のところの問い合わせや各地の消費生活センターに寄せられる相談には、NHKの訪問員による強引かつ非常識な集金活動に対する不安や不満の声が多く寄せられております。  一例を挙げますと、アポイントもなく、二十一時、二十二時といった時間帯に訪れ、インターホンを押しても反応がなければ繰り返し押し続け、ドアをたたき、御近所に聞こえるような大きな声で受信料を払ってください、契約をしてくださいと言う。また、宅急便ですなどうそを言ってドアをあけさせ、住人がおかしいと思いドアを閉めようとすると、足やバインダーを挟んで閉めさせず、帰ってくださいと言っても帰らずに居座るといった内容です。  特にお帰りくださいと言っても帰らずに居座り、契約をしないと大変なことになるぞのような内容を言い不安を持たせ、NHKを見ていない方やテレビを持っていない人からも契約をさせる、こういった行為は、もはや迷惑行為を通り越して違法行為であります。このような反社会的な取り立てまがいの徴収が全国各地で行われているのが実態であります。  そもそもNHKとの関係は、サービスの提供者と顧客という関係になります。NHKの訪問員には、訪問の正当性を証明し、謙虚かつ十分な説明により契約義務を理解してもらい、契約を納得させる義務があるのです。こうした商取引の原則を知らない非常識な受信料徴収と契約強要等が、私たちの世田谷でも多く見受けられ、生活を脅かされております。とりわけ女性の方や高齢者、障害のある方といった社会的弱者を、NHKの訪問員による被害から守っていくことも大切です。  そこでお尋ねします。区としては、区民からのNHKの訪問員による勧誘や受信料集金等の実態把握をされておられるのでしょうか。把握されていないのであれば、今後、被害の実態把握にどう努められていかれるのでしょうか。また、被害防止に向け、どのように取り組まれていくのかお聞きいたします。  以上の御答弁を求めまして、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、区のNHKとの受信契約状況について御答弁申し上げます。  世田谷区のNHKとの受信契約状況についてですが、本年四月一日時点の区が管理する施設等の受信機を対象としたNHKとの受信契約件数は、地上契約が三千二百九十九件、衛星契約が四十件であり、設置台数、受信機台数ですが、これと同数となっております。  なお、地上契約件数三千二百九十九件のうち二千六百七十三件は、小学校及び中学校の教室等に設置されているもので、児童生徒が視聴する目的のため、受信料が免除となっております。  受信機の設置場所につきましては、本庁舎を初め各総合支所、出張所、まちづくりセンターなどの各事業所、地区会館などの区民施設、児童館、保育園などの子ども関連施設や、幼稚園、小学校、中学校といった教育施設、さらにはテレビチューナーを搭載している公用車などがあり、これら設置している部署につきましては、区長部局や教育委員会等の各行政委員会などとなっております。  また、今年度及び前年度のNHKとの受信契約金額につきましては、今年度、前年度ともにおよそ七百二十万円程度となっております。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、NHKにおける勧誘、受信料金等の実態把握と被害防止について、二点御答弁申し上げます。  世田谷区の消費生活相談では、三十年度で年間約七千百件の相談を受けており、NHKに関する御相談は約四十件でございます。訪問員の対応のトラブルにつきましては、区民が不安を覚えるような案件が少なからずあることは認識しております。区民の方が不安を感じたときには迷わず消費生活センターに御相談いただくことができるよう、ホームページの事例集に、訪問員に関するトラブル事例を追加していく予定です。  また、高齢者の消費者トラブルを地域で見守る消費者安全確保地域協議会においても、協議会を構成する区の所属や民間事業者等の中で具体的な事例の共有を行うなど、引き続き消費生活相談の周知とトラブルの把握、対応に力を入れてまいります。  今後も区民の方の不安を解消する手助けとなるよう、相談者のお話をしっかりと伺い、丁寧に対応してまいります。  以上です。 ◆七番(くりはら博之 議員) 御答弁ありがとうございます。区のNHKの受信契約等につきましては、都内でも最も多い契約であることがわかりました。次回の一般質問で使用させていただきます。  では、訪問員の強引な勧誘等の実態についてですが、もう一つお尋ねいたします。  訪問員は委託等を受けた外部の職員であることが多いようですが、こうした勧誘の実態について、NHK本局への報告等の必要があると思います。区としては、そうした対応はしないのでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  訪問員に係るトラブルの相談を受けた際には、相談者の状況に応じ、消費生活相談員がNHKの営業センターへ連絡し、問い合わせや状況の伝達等を行っております。  今後も区民の方の不安を解消する手助けとなるよう細やかに対応してまいります。  以上です。 ◆七番(くりはら博之 議員) 御答弁ありがとうございます。一定の対応をしていただいていることはわかりました。今後とも、さらに安心安全のまちづくりの視点から、しっかりと対応していただきたいと思います。  現在、東京都内では、地上放送だけでも民放大手五社の放送のほか、TOKYOMXテレビの放送が視聴可能です。NHKの放送を見ないことが、直ちに区民の知る権利や生存権を脅かすとは考えられません。NHKの放送サービスを必要としない人がその商品たる番組や契約について、訪問員から納得できる説明を得られないで契約をしないということは、消費者として極めて真っ当な行動であります。  したがって、契約をして受信料を支払わないことが国民の義務であるように認識した訪問員が横柄な態度をとるということはあってはならないことをつけ加えて、私、くりはら博之からの一般質問を終わりにします。 ○和田ひでとし 議長 以上でくりはら博之議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十三番中里光夫議員。    〔二十三番中里光夫議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(中里光夫 議員) 通告に従い質問します。  初めに、北沢地域に保育園や地域密着型高齢者施設の整備を求め質問します。  保育待機児は地域偏在があり、北沢地域は大変深刻な状態です。北沢一丁目にある、ある認可園から、兄弟加算ポイントがありながら、兄弟が入園できない事態が多数あると伺いました。  待機児童数が発表されましたが、北沢地域は百五十四人、二番目の世田谷地域が百三十七人、砧地域七十七人、玉川七十六人、烏山二十六人と、北沢地域の厳しさがわかります。  保育課が発表している地域別保育施設整備優先度の地図、ここにお持ちしました。これは地域ごとに保育園の必要度が書いてありますが、この北沢の地域はもう真っ赤になっています。この地域の整備のおくれ、これは一目瞭然です。  高齢者施設についても、第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で、在宅生活を支えるための地域密着型サービスの基盤整備の目標が掲げられており、地区を生活圏域として、二〇二五年を見据え、全ての地区に地域密着型特養ホームかグループホーム、また、介護・看護、小規模多機能居宅介護などを整備する方針です。しかし、これも地域偏在があり、北沢地域の整備がおくれています。  地区ごとの整備状態、区では地図にしていないので、自分で地図に落としてみました。これは地区ごとに小規模特養とグループホームが整備された地区には斜線を入れてつくりました。ちょうどこの北沢の地域が空白になっているのがわかります。高齢者の施設でもここが白くなっています。高齢者の施設でも北沢の地域のおくれは一目瞭然です。  共通しているのは土地の確保が困難だということです。しかし、地域には使われていない公有地があり、その活用を進めることを求めます。  代沢三丁目の代沢せせらぎ公園の隣の郵政宿舎は、ここ数年、空き家の状態が続いてきました。約二千三百五十平米、都市計画公園に指定されている場所です。四月に解体工事が始まり、売却の予定だと聞いています。  区がこの土地を確保して、保育園を整備することを求めます。都市計画公園である蘆花恒春園や祖師谷公園で保育園を整備しています。区の見解を伺います。  代沢一丁目の会計検査院の公務員住宅跡地も今後の用途は決まっていません。約六千二百平米の広大な土地です。高齢者施設や保育園を整備するために活用できないでしょうか。全体を取得することが困難ならば、分割して一部を取得することはできないか、国と交渉するなど土地確保の努力をするべきです。  北沢地域での保育園や高齢者施設整備のために、まず公有地の確保に最大限努力すべきです。見解を伺います。  次に、高齢者や障害者に配慮した信号機の整備について質問します。  世田谷線若林駅近くの環七と世田谷線が交差するところの横断歩道は、高齢者が青信号の時間が短過ぎて渡り切れず、環七の中央分離帯で立ち往生してしまうことがあると問題になっています。私もその場所に立ってみましたが、狭い中央分離帯で大型車もたくさん目の前を通り抜けていき、大変恐怖を感じました。  この間、地域の方が警察に信号時間の延長を要請したところ、試験的に二秒、青信号を延ばすという回答がありました。しかし、交通に影響が出れば、直ちにやめるとも言っています。一時的な試験で終わることなく、恒久的な対策がとられることを求めます。青信号の時間延長の措置を恒久的に継続するよう、区からも交通管理者に要請することを求めます。  昨年十二月、JR駒込駅そばの交差点で、視覚障害者がワゴン車にはねられて死亡する事故がありました。この交差点には音響式信号機が設置されていましたが、事故のあった早朝は音が鳴りませんでした。多くの音響式信号機が、夜間や早朝、音が鳴らない設定となっており、全国の障害者団体が二十四時間対応などを求めています。  視覚障害者はラッシュを避けるために早朝や夜間に通勤している人も多くいると聞いています。誘導の音がなければ、周りの人の足音や車の音を頼りに判断するしかなく、夜間は歩く人や車の数も減り、一か八かの思いで信号を渡っているといいます。  区内の音響信号機の設置状況は七十三カ所、音の設定は、梅ヶ丘駅前など、障害者の要請で二十四時間対応になった場所もありますが、そのほとんどが朝七時から夜八時まで、中には午後五時以降、音が鳴らないものもあります。  ユニバーサルデザインのまちづくりの観点から、区として高齢者や障害者に配慮した信号機の設置や音の出る時間の延長などを警察に要請し、進めることを求めます。音響信号などの設置状況や時間設定の現状と今後の取り組みを伺います。  次に、保育園などの園外活動での安全確保について質問します。  大津市でのお散歩で信号待ちをしていた保育園児に自動車が突っ込み、十六人が死傷するという痛ましい事故に対し、保護者や園職員からは人ごとではないとの声が寄せられています。保育士さんの話では、道が狭く、ガードレールや路側帯もないところが多い、保育士一人で四人の子と手をつなぎ引率するが、幼児はみずから危険を避ける行動をとることができないので、常に緊張している、こういうお話を伺いました。  区は待機児対策として、低年齢児の園庭のない施設整備を進めてきました。区内の公園は、このため二、三カ所の園が集まり入り切れず、別の場所を求めて移動する、公園難民と呼ばれる状態となっています。安全確保のためのハード面の整備が必要です。ガードレールなどの設置や信号機等の新設、歩車分離、歩道の確保など有効な対策を推進するべきです。しかし、区は具体的な要望があれば検討するというだけで、計画的な整備方針などは聞こえてきません。  地域や保育現場から具体的な声は上がっています。例えば等々力八丁目公園そばの交差点へのガードレール設置、区立大蔵保育園前の水道道路を横断する横断歩道への信号設置などです。土木所管の対応を求めます。  大津市の事故を受け、警視庁から保育所等に危険箇所の通知や合同点検への参加を求める通知が出されました。しかし、対応は園任せになっており、合同点検も呼びかけられていません。  ある地域園長会では、警察への要望をまとめようと自主的な取り組みが始まっていると聞いています。子どもの安全を守ることは保育の質の基本であり、区として小学校の通学路のように責任を持って取り組む必要があります。保育所管が窓口となり、合同点検の実施や、各園からの情報を集めること、まちづくりや土木所管、警察などとの連携を図って安全確保の取り組みを進めることを求めます。  そして、それを行うための体制を構築することが求められます。危機を感じている現場の保育士さんたちの声に耳を傾け、区が一歩踏み込んで横断的な体制をつくり、関係機関との情報共有や連携に力を注ぐべきと考えますが、区の見解を伺います。
     次に、公文書管理条例について質問します。  公文書管理条例骨子案が示されました。条例の目的として、公文書を区民の共有財産、そして民主主義の根幹を支えるものと位置づけ、知る権利の保障、区民への説明責任を果たし、区政運営の透明性を確保するとしたことは重要です。自治の推進と独自性のある自治体経営の確立をうたった行政経営改革の視点に、自治の推進と情報公開、区民参加の促進の具体化としての公文書管理条例に期待します。  条例の目的を達成するために、条例の対象とする公文書の範囲が重要です。私的に作成されたメモや電子メールの扱いをめぐっても、行政の意思形成過程を示す重要な文書が公文書や公開の対象ではないなどといって隠されたり廃棄されたりということが問題となっています。恣意的な運用を避けるためのガイドラインをつくることはよいと思いますが、公文書の範囲について組織的な運用に該当するものは、実質的に組織が共有した情報を記録したものをより広く捉えるべきです。見解を伺います。  意思形成過程が適正に記録され、区民に共有されることが、区政運営の透明性を確保し、区民の知る権利を保障し、住民参加を進める上でも重要です。会議が自由な発言のためなどの理由で非公開になると、そこでの記録も非公開となり、意思形成過程を区民が共有できないことになります。重要な意思形成にかかわる会議は原則公開とすべきです。見解を伺います。  国の公文書管理では、保存期間一年未満の文書はファイルの登録なども行われず、文書が存在したかどうかの記録も残されません。一年未満の保存期間を原則つくるべきではありません。例外的なものを認めるガイドラインも、公文書の作成、廃棄について恣意的な運用を避けるためのルールとすることが必要です。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、公文書管理条例につきまして、三点御答弁申し上げます。  最初に、公文書の範囲についてでございます。仮称世田谷区公文書管理条例を制定いたしまして、公文書を区民共有の知的資源として適切に管理していくに当たり、公文書の範囲を恣意的な判断により狭く解釈することがあってはならないと認識しております。  国を初めといたしまして行政機関におきまして、公文書の定義の一つである組織的な運用を狭く解釈し、本来公文書として開示請求の対象としなければならない文書を存在しないと判断した例や、一定期間保存することが望ましいと考えられる文書を保存せず廃棄した例に疑義が生じることなどが報道されております。  不適切な取り扱いを防ぎまして、職員の恣意的な判断や職員間の判断に差異を生じさせないよう、公文書として位置づける文書の具体的な例示をガイドラインで定めてまいります。  続きまして、意思形成過程の公開の関係でございます。  区では、情報公表、提供の充実を図る一環といたしまして、情報公開条例施行規則を改正いたしまして、平成二十六年度から区の重要な施策に関する庁内会議の会議録を原則公開としております。  お尋ねの重要な意思形成にかかわる会議を原則公開すべきとの御質問でございますけれども、会議録の中には、会議の性質上、傍聴を認めず非公開としているため、会議の詳細な発言内容は公開せず、会議出席者や議事概要等を公開しているものや、委員の自由闊達な意見交換を阻害されるおそれがあることから、発言者名を記載していないものなど、さまざまなものがございます。  会議自体の公開や会議録の内容の充実につきましては、区政の透明性や説明責任を果たし、参加と協働の区政を実現するという公文書管理条例の趣旨や目的を損なうことがないよう、説明会や研修などを通じ周知し、区民共有の知的資源となるよう努めてまいります。  三点目でございます。恣意的な運用を避けるためのルールづくりについてでございます。  公文書管理条例の骨子案では、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、職員に文書の作成義務を定めることとしております。また、経緯を含めました意思決定に至る過程並びに事務及び事業の実績を合理的に後づけ、または検証することができる文書に関しましては、必要な期間保管、保存してまいります。  その中で、本来保存すべき文書が短期間で廃棄されることがないよう、保存期間が一年未満の文書につきましては、ガイドラインで具体例を示し、より限定的に運用してまいります。  さらに公文書の廃棄につきましては、第三者機関であります仮称公文書管理委員会を設置いたしまして、保存期間が一年未満の文書からを対象に、保存期間の見直しを含め、廃棄判断の適否に対しまして、廃棄の前に意見を聞くこととしております。  以上でございます。 ◎中村 政策経営部長 私からは、北沢地域の保育園、高齢者施設の整備に関連して、二点御答弁いたします。  まず、代沢せせらぎ公園に隣接する郵政宿舎についてです。この土地は、国家公務員共済組合連合会が所有し、郵政省に貸与している約二千三百五十平米の土地であり、現在は解体工事が進められております。  区は、共済組合連合会からの売却に関する情報提供を受け、当該地が都市計画公園の未開設区域に位置づけられていることから、代沢せせらぎ公園の拡張用地として取得の要望を提出したところです。今後、当該地の取得に向けて具体の調整を進めてまいります。  この件について、保育所の設置の御提案をいただきましたが、北沢地域の保育需要は承知をしておりますので、現段階では連合会との調整を進める段階ではございますが、保育所設置の可能性については追求をしてまいります。  次に、代沢一丁目の会計検査院池ノ上宿舎についてです。  こちらにつきましては、敷地の一部が都市計画道路の計画線上にあること、また、敷地内の高低差が大きいことなど、敷地活用についての課題が多く、一部活用も含め要望を行っておりません。当該地について、国は個別に活用方針を定めることとして、現在も処分が保留されており、区といたしましては、当該地を通る都市計画道路の整備の進捗や周辺道路との接道状況等を見定めてまいります。  北沢地域は、保育園や高齢者施設の整備を計画的に進めてまいりましたが、宅地化が進んでいること、また、商業施設が集積している地域も多いことから、用地の確保に苦慮している状況にあります。  今後も引き続き当該地域における不動産の情報を積極的に把握し、施設整備の促進に向けて、関係各部とともに全力を挙げてまいります。  以上です。 ◎関根 土木部長 私からは、二問についてお答えいたします。  まずは環七にある横断歩道の青信号時間の恒久的延長についてです。  御質問の都道環状七号線の横断歩道は、東急世田谷線の踏切の両側にあり、日ごろから歩行者など多くの方に利用されています。  環状七号線など幅員の広い車道を渡る横断歩道では、高齢者や障害のある方などから途中で信号が赤に変わってしまうとの相談が区に寄せられることもございます。  横断歩道の青信号時間は、横断歩道の延長一メートルにつき一秒で計算したものに利用状況などを考慮した猶予時間を加算するなど、横断歩道ごとに設定すると、交通管理者である警察より聞いております。  区といたしましては、警察などへ今回の要望を申し伝え、関係機関による検討が進むよう働きかけてまいります。  次に、等々力八丁目公園そばの交差点へのガードレール設置などについてです。  御質問の等々力八丁目公園近傍など、区道へのガードレール設置につきましては、設置の条件と必要性を確認し、また、地元の方々の御意見を確認した上で対応してまいります。  また、区立大蔵保育園前の横断歩道への信号機の設置につきましては、所管である交通管理者の成城警察署に申し伝えます。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、音響信号の設置状況等について御答弁申し上げます。  音響式信号機は、歩行者用信号機が赤から青に変わり道路が横断できることを、視覚障害者にお知らせするため誘導音を出す装置がついている信号機で、区といたしましても、安全安心のまちづくり、ユニバーサルデザインの観点から、音響式信号機の普及は必要であると考えてございます。  警視庁によりますと、平成三十一年三月時点で、区内における音響式信号機の設置状況や時間設定は、議員のお話にございましたとおりでございまして、区内七十三基、作動時間は主に七時から八時となってございまして、深夜の時間帯を含め二十四時間誘導音の作動は、近隣住民の御理解も必要になると考えられます。  こうした中、今年度、世田谷区視力障害者福祉協会の要望等を踏まえ、「うめとぴあ」周辺の信号機を実験的に新たに四カ所を二十四時間対応とし、今後も継続していく予定であると聞いてございます。  区といたしましては、引き続き世田谷区視力障害者福祉協会などとも連携しながら、交通管理者に誘導音の作動時間延長について働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、保育園のお散歩等に対する安全確保に向けて、関係機関等と横断的な協力体制を築くべきについて御答弁させていただきます。  子どもたちの健やかな育ちを支援する上で安全安心な地域づくりは大変重要であり、行政、施設、家庭、地域が安全安心に関する情報を共有し、しっかりと連携することが不可欠であると認識しております。  保育所等におけるお散歩時等の移動経路は、危険箇所や交通量、道路の状況等を検証した上でルートを決定するとともに、各施設が把握した危険箇所等の情報は、近隣の保育所間で共有を図ることとしています。また、保育所から区へこうした情報が寄せられた際には、できるだけ速やかに危険個所を改善していけるよう、警察や関係所管等と連携し取り組んでまいります。  また、区は認可保育園を対象にリスクマネジメント研修を平成二十三年度より実施しており、保育士の危機管理能力の向上に取り組んでおります。  引き続き子どもの安全確保に向け、関係所管との連携のもと、お散歩時や登園時のさらなる安全確保に努め、保育の質を守るための公的責任を区がしっかりと果たす取り組みやその体制、仕組みの構築に向けて検討をしてまいります。  以上です。 ◆二十三番(中里光夫 議員) 保育の安全の確保の問題ですけれども、警察からそれぞれに情報を寄せてほしいとか、合同訓練があったら参加してほしいって、各園に通知も行っているわけで、急いで情報も集め対策をとってほしいということと、それから、やはり区として責任を持って保育の質を守っていくということですから、そのための体制をしっかりと構築していただきたいということを要望して、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で中里光夫議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十九番福田たえ美議員。    〔十九番福田たえ美議員登壇〕(拍手) ◆十九番(福田たえ美 議員) 質問通告に基づき、順次質問をしてまいります。  まず初めに、不登校への初期対応について伺ってまいります。  子どもの不登校は、今、日本が抱える社会問題の一つとなっています。平成二十八年十二月、教育機会確保法が成立をしました。この法律には、不登校の児童生徒たちが教育を受ける機会を確保するための施策を、国や自治体の責務として必要な財政上の措置をすることを求めています。  法が成立する以前より、我が会派は第三のほっとスクールの開設を求め続けてまいりました。本年二月にほっとスクール希望丘が開設しました。区が子どもたちに多様な教育機会の環境整備を行ってきたことは高く評価をいたします。しかし、我が区の不登校児童生徒の数は平成二十四年度から毎年ふえ続けています。平成二十九年度には、小学生二百六人、中学生四百四十人、合計六百四十六人。出現率は、小学生が〇・五八%、中学生が四・一四%、このパーセントは全国、東京都の平均を上回っています。  私も複数の区民の方から不登校の御相談を受けてまいりました。不登校は誰にでも起こり得ることと感じました。  世田谷区の学校では、欠席が始まった児童生徒への対応を担任一人で背負うのではなく、校長を初めとする学校組織で解決することになっていますが、担任の経験の違いから、学校長に伝えるタイミングや対応の仕方のばらつきで相談機関の支援につながるタイミングを失いかねません。学校に行けない期間が長くなると、学力の停滞、自己肯定感の低下や健康状態の悪化などで新たな支援につながる意欲さえも低下し、悪循環が続いていきます。教師の経験の違いによる対応のばらつきをなくし、早期対応の重要性を実感いたしました。  明石市では十年前から「ストップ不登校あかし」のシステムを構築し、不登校への早期対応に重点を置いて、再登校を目指す取り組みを行っています。  市の教育委員会が作成した早期対応システムには、児童生徒の欠席一日目からの対応が示され、連続欠席三日目には三日目シートを記入し、学校内、教育委員会と情報を共有することで、組織的に解決を図っています。  明石市では早期対応をシステム化することによって、教師の経験年数などの指導の違いや、担任が一人で抱え込むことがなくなり、組織的に解決を図れる仕組みが構築されています。  今年度、区は不登校対策のためのガイドラインを作成することになっています。教師の経験差による対応のばらつきをなくすため、欠席初めの早期対応の時期、方法などを明確にガイドラインで示し、早期の段階から学校内で組織的に解決を図るための情報共有シートの活用を進めていくべきと考えます。  ここで三点質問をいたします。  一点目に、区の不登校児童生徒の数が年々増加をしています。出現率が全国、東京都の平均を上回っている状況を踏まえ、不登校への初期対応について、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  二点目に、不登校児童生徒への学校での対応の流れの手順についてお聞かせください。  三点目に、不登校の児童生徒がふえ続ける世田谷区において、今後、不登校児童生徒を出さないとの強い決意で、一層の取り組みをすべきであります。教師の経験の違いをなくし、休み始めの初期対応を明確にしたガイドラインの策定と、休み始めから活用できる支援シートの作成が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、中小企業の経営相談支援について伺います。  産業振興公社の専門相談窓口に足を運んだ、区内の中小企業の経営者の方から次のようなお声が届きました。各専門的な指摘も大切だが、課題を一緒に整理しながら、適切な専門相談につないでもらいたかったとのお声です。  社会状況の急速な変化が、販路開拓、従業員の確保、事業承継など、経営課題が複雑化、多様化をしています。課題を整理し、適切な専門支援機関につなぐという支援体制が求められてきています。  世田谷区では、産業振興公社によりまして中小企業をサポートするため、融資制度の御案内を中心に、中小企業診断士、商工会議所等の支援、補助金等の支援施策などの専門相談窓口で対応を行っていますが、現代の複雑化、多様化した経営者の相談に、総合的に課題を整理し、適切な専門窓口につなげる機能がありませんでした。  練馬区では練馬ビジネスサポートセンターで、経営者の視点で経営の課題を解決するため、中小企業診断士等の専門相談窓口のみならず、総合相談を設置しています。総合相談では、実務経験豊かな相談担当者が経営全般について相談に応じていきます。中小企業の多様な経営課題への解決や成長可能性を高めるサポートのために課題を整理し、専門分野の支援者へのつなぎ、複数の専門分野支援者との連携体制も構築し、効果的、効率的に中小企業支援施策を講じていました。  さらに、練馬区のホームページや案内のリーフレットを拝見しますと、相談者の視点に立ったわかりやすい案内となっています。課題解決のために相談をしてくださいとの意思が伝わる表記、案内で、適切な相談窓口につながりやすくなると感じました。  ここで三点質問をいたします。  一点目に、世田谷区の中小企業の倒産状況についてお聞かせください。  二点目に、中小企業者の相談内容状況をお聞かせください。  三点目に、複雑化、多様化した経営課題に、練馬区のように相談者の視点に立った相談の案内の改善を含め、総合相談の機能が必要と考えます。区の見解をお聞かせください。  最後に、保育園の園外活動における防犯対策について伺ってまいります。  大津市で散歩中の保育園児と保育士の列に車が突っ込み、園児二人が死亡した事故を受け、保育園の園外活動の安全確保に再点検と対策が必要であることを代表質問で求めてまいりました。  さらに、川崎市登戸での殺傷事件では、子どもたちが集まる場所を狙っての犯行が社会全体に大きな衝撃を与えました。社会的立場の弱い子どもを狙う卑劣な犯罪から子どもたちを守るための対策が急務であります。  現在、区内保育園の保育施設数は約三百、保育園の定員数は約二万人となっています。園庭の有無にかかわらず、保育園では園外活動は、子どもたちの重要な経験の場として位置づけられています。園庭のない保育園は約二割あり、毎日、近隣の公園を園庭がわりに園外活動を行っています。園庭のある保育園でも園外活動を週に数回は実施しています。園内の活動であれば、施錠、防犯カメラの設置などで重ね重ねの安全対策が行われていますが、園外活動となると安全対策はどうでしょうか。公共施設である公園が園児の園外活動の重要な場となっています。園庭の有無にかかわらず、公園が保育の重要な場であるならば、区は園児の目線でより一層安全対策を進めていくべきです。  ここで三点質問をいたします。  一点目に、園外活動の実施状況についてお聞かせください。  二点目に、園外活動の防犯対策を行うためにも、まずは利用している公園状況の調査が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  三点目に、保育課と公園緑地課との連携により、園外活動で使用する公園を調査並びに公園への防犯カメラの設置等で効率的な公園への安全対策を講じるべきです。区の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終了いたします。(拍手)    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、不登校の初期対応について御答弁申し上げます。  不登校の児童生徒は増加傾向にあり、世田谷区においても御指摘のような状況があることは認識しております。教育長として取り組むべき重要な課題の一つであると考えております。  私は、不登校の問題を考えるときには、子ども一人一人が自分らしく意義ある時間を過ごすためにはどうしたらよいかを第一に、子どもに寄り添い、保護者の方とも話し合いを行い、子どもの気持ちに沿った支援をすることが重要だと考えております。  御指摘のとおり、不登校は初期の適切な対応が極めて重要であり、そのためにも、担任を初めとする教職員が日ごろから子どものわずかな変化や子どもからのサインに気づくことができるようにすることが重要だと考えます。また、経験の有無にかかわらず、担任一人に抱え込ませないよう、早期に情報を共有し、学校組織として対応することも必要だと考えます。  さらに、子どもたちにとって居場所のある学級づくり、学ぶ意欲を育む指導の充実、これも大切なことと捉え、教育委員会として学校と連携し、きめ細かく柔軟な対応で、不登校への早期対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁させていただきます。  まず、不登校の対応の現状についてでございます。  学校における不登校への対応でございますが、早期に的確な対応を行うことが重要であると考えております。児童生徒が登校を渋るようになるなど気になる様子が見られた際には、担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどが情報を共有し、保護者との連絡や面談などを行ってまいります。  また、子どもの個々の状況に応じまして、スクールカウンセラーや総合教育相談室の校外アドバイザーなど専門職が子どものアセスメントを的確に行い、自己肯定感を高める指導や肯定的な声かけ、放課後の学習支援など適切な対応を組織的に進めております。
     欠席が一カ月で五日以上あった児童生徒については、家庭との連絡や関係機関との連絡の状況などについて、学校が調査を行い、その状況を教育委員会と共有し、学校から要請があった場合は、心理、社会福祉、医療、法律など各分野の専門家で構成した教育支援チームを派遣するなど、早期対応に向けて、学校と教育委員会とが連携して取り組んでおります。  続きまして、ガイドラインの作成等についてでございます。  現在、学校では不登校への組織的な対応の開始時期などにばらつきがあることは課題として認識しております。  教育委員会では、教員の力量や経験にかかわらず、不登校への初期対応などがひとしく適切に行われるようにしていくため、学校、教育委員会で共有するガイドラインの作成に取り組んでおり、令和二年度以降、小中学校で本格運用することを予定しております。  ガイドラインでは、不登校は初期の対応が重要であることや、学級担任が一人で問題を抱え込むことのないよう、チームで対応すべきことやそのタイミングなどを記載していくことを予定しております。また、御提案いただいた、必要な情報を収集し、適切な支援につなげるための支援シートにつきましても、ガイドラインの中に導入することを予定しております。  不登校児童生徒がふえる中、学校と教育委員会とが連携し、どの学校でもひとしく初期の段階から不登校対応が適切に行われるよう取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、中小企業の経営相談等について三点お答えします。  中小企業の倒産件数についてです。中小企業の倒産件数につきましては、景気をはかる統計指標の一つとして有効なものと認識しております。東京都内における負債額一千万円以上の中小企業の倒産件数といたしまして、平成三十年一月から十二月までの一年間で千五百三十一件となっており、倒産件数といたしましては、二年ぶりに前年を下回ったとのことです。  また、世田谷区内の倒産件数につきまして、平成三十年一月から十二月までの一年間で六十件となっております。過去五年ほどの傾向としましては、毎年六十件ほどで推移しているとのことです。  区内の倒産件数を産業別の業種で見ますと、卸売業、小売業の倒産件数が最も多くなっており、倒産全体の約三〇%を占めており、続いて建設業の倒産が約一五%となっています。  区といたしましては、区内中小企業の動向の把握に努めるとともに、引き続き区内中小企業の支援や活性化に資するよう、鋭意取り組んでまいります。  続いて、中小企業の相談状況についてです。  区内中小企業の事業者からの相談につきましては、業種ごとの景気の動向や事業の形態などによりさまざまであり、個別具体の事案の相談に適切に対応していくことが重要であると認識しております。  こうしたことを踏まえ、産業振興公社において無料相談のメニューとして融資あっせん相談や経営改善計画などの経営相談、これに加えまして総合的な経営支援として、例えば販路拡大やIoTの活用、事業承継などの課題に対し、大手企業などで習得した技術やノウハウなど専門的知識や技能を有する、経営支援コーディネーターを配置しているところです。  具体的な相談内容としては、新規取引先の開拓、販売促進の支援、業績不振を解消するための経営改善や赤字状況のある事業の見直し、経営の安定化を図る事業再生、将来を見据えた計画的な事業承継などが挙げられます。そのような中で最も多いのは販路拡大で、続いて経営の安定化などとなっております。  区といたしましては、どのような相談内容につきましても、事業者の御意向を的確に捉え、相談者に寄り添った支援につながるよう、関係機関と連携し、丁寧な対応に努め取り組んでいるところです。  最後に、練馬区のように総合相談の機能が必要だとの件についてです。  先ほど御答弁申し上げましたように、区では多種多様な相談支援メニューを取りそろえているところです。お話しのあった練馬区の取り組みとしては、経営相談支援のポータルページなどを作成し、総合相談窓口を設け、わかりやすく伝える工夫が見られ、中小企業向けに積極的な周知の取り組みをしていることを確認しております。  区といたしましては、相談者の視点に立ち、中小企業の相談者の抱える課題や悩みなどに寄り添い、今後ともきめ細やかに対応できるよう、産業振興公社や地元金融機関などとも密接に連携し、区内中小企業の持続的な成長とさらなる発展に向け、御提案の総合相談の機能を有する支援につきまして必要な検討をしてまいります。  以上です。 ◎知久 保育担当部長 私からは、二点お答えいたします。  まず、園外活動の実施状況についてでございます。保育所等における園外活動につきましては、園庭のある区立保育園においては、低年齢児は週三回程度、幼児は週一回から二回程度、近隣の公園へのお散歩を実施しております。また、私立の認可保育園におきましても、園庭の有無に関係なく、週三回から五回程度のお散歩を実施してございます。  お散歩などの園外保育を実施する際には、事前に交通量や歩道の有無、道路の状況などの情報を集約し、移動経路を決定しております。  保育所等では、引率時の体制や事故時の緊急連絡体制などをまとめた園外保育のマニュアルを作成するなど、子どもの安全を守るため、徹底した安全管理に取り組んでおります。  次に、園外活動で利用する公園の把握について御答弁させていただきます。  保育所等における園外活動は、子どもの育ちにとって欠かせないものであるとともに、重大事故の発生や犯罪を防ぐため、園外保育中の子どもの観察や安全な環境の維持も重要であると認識しております。  区内保育所等の多くは、園庭が併設されていても、近隣の公園へ週三回程度お散歩を実施しており、地域によっては一つの公園を複数の保育園が利用している場合もございます。  御指摘のとおり、子どもの多く集まる公園においては、さらなる安全対策が必要であると考えられることから、保育所等による公園の利用状況を調査しまして、関係所管と連携し、防犯対策について検討を進めてまいります。  以上です。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、園外活動に使用される公園への防犯カメラの設置等による安全対策について御答弁申し上げます。  区立公園等における防犯カメラ設置の考え方につきましては、ほかに犯罪を抑止する合理的な方法がなく、警察などから設置要請がある場合に検討するものとしており、これまで九カ所の公園に計二十一基を設置してきております。  また、警察庁が定める安全・安心まちづくり推進要綱などを参考に、公園外部からの見通し確保のほか、二十四時間パトロールによる安全確認などを推進してまいりました。しかしながら、子どもが巻き込まれる事件や事故が各地で起きている中、保育園の園外活動など、子どもの利用が多い公園につきましては、特に利用実態を踏まえた効果的な防犯対策が必要だと考えております。  今後、警察や危機管理所管とも連携した防犯対策を引き続き講じるとともに、保育所管からの利用情報をもとに、利用の多い公園を中心に、現地の再点検や園児を見守る保育士へのヒアリングなどを行い、園児の背丈に配慮した低木の刈り込みや、防犯カメラが必要とされる箇所への適切な設置などの防犯対策を講じることで、安全で安心な公園の実現に取り組んでまいります。  以上です。 ◆十九番(福田たえ美 議員) 御答弁ありがとうございました。不登校への初期対応については、教育長も重要だということをおっしゃっておりましたので、これは確実に進めていただきたいことと、あと、保育園の園外活動の防犯対策もしっかりと行っていただきたいと思います。  そして、中小企業向けについてのことで再質問なんですが、区の産業振興公社の中小企業向けの案内パンフレットは、タイトルが「中小企業融資あっせん制度ご案内」となっています。一方で、先ほど紹介をした練馬区では、中小企業に対して総合的に対応するサポートガイドのパンフレットのほか、経営の悩みを一緒に解決していきますというような視点で行っています。このようにパンフレットの改善なども含めて、区の見解をお聞かせください。 ◎田中 経済産業部長 再質問にお答えします。  御提案の練馬区が発行しているリーフレットなどを参考にしながら、まずは御相談くださいといった、相談者の視点に立った御案内もあわせて検討してまいります。  以上です。 ◆十九番(福田たえ美 議員) 以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で福田たえ美議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十六分休憩    ──────────────────     午後三時三十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  三番そのべせいや議員。    〔三番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆三番(そのべせいや 議員) 冒頭、一言申し上げます。  四年前、平成生まれ、世田谷出身のIT企業の元社員として当選をいただき、税金の使途が将来に向けた投資となるように、また、非効率な行政事務については、次の時代に向けアップデートするようにと政策提言に取り組んでまいりました。そして、私たちの時代だった平成は終わり、令和の時代を迎え、私自身も二十九歳となりましたが、今期も最年少、若い世代の代弁者として発言をしてまいります。  また、四年の間に保育士となり、何とか親戚中で時間を融通したり、さまざまな公的制度、民間サービスを活用しながら、子どもと暮らす家庭を微力ながら支えてきた一方、みずからも父となり、子育ての当事者として、区議会での議論が私たちの生活を直撃することを身をもって体感しています。  例えば町なかの段差一つとっても、ベビーカーの妨げになる、歩き始めの子どもには大きなバリアになる、駅にエレベーターが設置されていなければ、右往左往したあげく、子どもを抱き上げたまま片手でベビーカーを運ぶ必要がある。こんな状態で電車に乗っても、優先席を譲られるどころか、どうしても混雑時を避けられなければ白い目で見られ、時には舌打ちされることも多々あります。  当事者だからこそ、区には何となくイメージのよい宣言をしたり、ステッカーを配布するよりも、実態的な環境整備、制度の改善を求め、今季も質問、提案をしてまいります。  それでは、通告に基づき質問に入ります。  まず、先んじて子どもの安全について伺います。  昨年は、区内外で通学路にまつわる事件、事故が発生し、児童が犠牲になったことで、改めて通学路の安全性について見直されることとなりました。  一方で、この数カ月のニュースを振り返るだけでも、子どもが犠牲になる痛ましい事件、事故が各地で発生をしています。子どもの外出時の安全を考えると、区立小学校においては、通学域の児童が子どもだけでも安全に通えるよう、安全な経路の確保について、通学路を設定して合同点検等が実施され、その結果、表示物や柵の設置、交換、横断歩道や信号の設置が行われていますが、一方で、小学生よりも小さな就学前の乳幼児は、保護者とともに通園するものの、安全点検も制度化がなければ、スクールゾーンの設定もできず、通園時の安全確保については、これまで余り議論の対象にはなりませんでした。  そもそも幼稚園、保育園は通園域がなく、通園ルートについても、保護者の選択となるものの、保護者の自己責任に帰すと、結果的に子どもを危険にさらすこととなり、幼稚園児、保育園児等についても、区立小学校の通学路の安全点検の例に倣い、保護者や子どもからの声を吸い上げ、また、区が把握している情報を提供したり、情報を集約、提供する仕組みを構築することで、通園の安全性を高めるべきです。区の対応を求めます。  また、成長や安全性の観点から、園庭があることにこしたことがない一方で、園庭を必要条件にすることで保育の供給が制限されてしまうことから、必ずしも園庭を要件とさせることができない地域事情を鑑みても、園外保育を実施する機会の多い園庭のない各種保育について、散歩ルートの安全確保、園外保育の目的地となる公園や広場等の安全確保については、区の責任において実施をすべきです。見解を求めます。  続いて、ICT政策におけるモバイルファーストについて伺います。  言うまでもなく技術革新は常に進んでおり、総務省の平成三十年版情報通信白書を見ると、二〇一七年にはスマートフォンがパソコンの世帯保有率を上回り、また、インターネット利用端末としてもスマートフォンがパソコンを抜き、今や最も一般的な電子端末となっています。  また、利用シーンについて、総務省情報通信政策研究所、情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査の二〇一七年の最新データを見ると、パソコンでのインターネット利用は平日の仕事中もしくは休日の自宅となっており、一方でスマートフォンは、平日、休日問わず、自宅、移動中に利用されていることが統計としても示されています。  先日の企画総務委員会において世田谷区のウエブサイトのリニューアルが発表され、近日中に公開される新ページは、区民が扱いやすく、時代に沿った操作性になることについては期待しますが、区民ファーストで考えれば、従来のパソコンを前提としたインターフェースではなく、むしろスマートフォンを前提とする必要があります。  レイアウトをモバイルに最適化するだけではなく、情報量やデータ量についても最適化が必要です。情報公開やイベント情報等についても、例えば紙に印刷することを前提とした資料をPDF、ワード、エクセルといったファイル形式で公開されていても、一目で情報を得ることはできず、逐一ファイルのダウンロードが必要となります。  パソコンであれば、ダウンロードした資料形式のファイルを手軽に閲覧することもできますが、一方、スマートフォンではA4用紙形式の資料閲覧は難しく、また、ストレージの保存容量も狭いことから、そもそもファイルを端末にダウンロードすること自体が忌諱されます。  スマートフォンで完結をさせる場合には、これまでのパソコンを前提としたインターネットと異なる観点が必要です。また、区のウエブサイトから必要な情報を得る際には、トップページから階層をたどるよりも、検索エンジンによって直接そのページへアクセスすることが一般的となってきて久しいですが、検索エンジン最大手のグーグル検索では、昨年より本格的にモバイルサイトへの対応いかんで検索順位が変わるよう仕様を変更しています。要は、モバイル対応している情報こそがユーザーにとって有益な情報であると定義づけされており、ワールド・ワイド・ウエブを用いて区民へ適切に情報を届けるには、プラットフォーム対応から考えてもモバイルファーストの観点が不可欠です。まずは前提を確認するべく、改めて区の公式ウエブサイトへのデバイス別のアクセス数、割合について伺います。  そして、区の公式ウエブサイトのリニューアルを機に、インターネットによる情報提供について、公式サイト以外も含め、全庁的にモバイルファーストへ踏み出すべきであると考えますが、回答を求めます。  また、先月、国会では、いわゆるデジタルファースト法が与野党を超え賛成多数で可決成立し、先月末より施行され、行政分野においても本格的にICT化が期待をされています。技術的には民間企業では銀行口座開設等が遜色なく行われており、既に行政手続をオンライン化することへのハードルがないことは証明されていると、前定例会でも述べましたが、加えて書面を正式な様式フォーマットとする、これまでの前例踏襲をとめるということが、今回の法制度化で改めて確認をされたところであり、一方でデジタル化を阻む大きな要因として、高度な、そしてセンシティブな個人情報を扱える強固なセキュリティー、遠隔での本人確認の確立が主な論点になると考えています。  本人認証については、各府省情報化統括責任者連絡会議より、ことし二月に行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドラインが示され、身元確認の必要性に応じて三段階の認証についてガイドラインが示されており、これらに準拠した対応さえ用意できれば、行政手続のデジタル化は、本人認証という点については進められるはずです。  一方で、世田谷区が現在利用している電子申請のシステムには大きな危険性があります。東京共同電子申請・届出サービスでは、電子署名が必要な場合には、特定のOS、マイクロソフト社製のウインドウズ7、8、10しか利用ができませんし、それ以上に、東京電子自治体共同運営電子調達サービスでは、前述のOS問題に加え、既に開発が実質的に終了しているウエブブラウザであるインターネットエクスプローラ11のみを必要な動作環境と設定しています。  ことし二月には提供元であるマイクロソフト本社のセキュリティー担当者がインターネットエクスプローラを利用することの危険性を指摘しており、それ以前より、同社は公式に後継ブラウザであるマイクロソフトエッジの利用を呼びかけており、一般的にはセキュリティーに問題があるとされるソフトウエアの利用を、区として強制しているのが電子申請の現状です。  もっとも東京全体、そして日本全体が世田谷も利用しているほぼ統一のシステムであり、国土交通省が開発した電子入札システムをベースにした電子入札コアシステム開発コンソーシアムによるものですので、世田谷区としては、都や二十三区と共同で、電子入札だけでなく、個人による申請に対応した新たなシステムへの移行を目指すべきと考えます。有人窓口にコンスタントにかけてきたコストを本人認証やセキュリティーへの対応を含めたオンライン申請の普及に回し、将来的には手続そのものにかけるコストの縮減ができれば元を取ることもできるはずです。そしてその際には、区民目線で冒頭示した生活の変化を前提とし、モバイルファーストの観点が必要となります。  また、現在の電子申請の対象となる手続を確認しても、例えば乳児期家庭訪問相談申請の入力項目は、明らかにパソコンでないと申請が困難な内容でないにもかかわらず、パソコンからの申請を強要していたり、パソコン向けサイトではスマートフォン申請に対応していると記載がある手続の一部が、そもそもスマートフォン向けサイトには掲載されていなかったりと、情報に格差があるのが現状です。  モバイルファーストの観点で、できるところから、また、今後は抜本的に行政窓口をデジタル化、オンライン化していくことについて、改めて回答を求めます。  以上で壇上から質問を終えます。(拍手) ◎中村 政策経営部長 私からは、ICT政策におけるモバイルファーストについて、二点御答弁いたします。  初めに、区ホームページについて御答弁をいたします。  世田谷区公式ホームページは、平成二十四年に現在の形に全面リニューアルしてから七年が経過し、その間、スマートフォンの世帯保有率がパソコンの保有率を上回る状況に至り、スマートフォンが情報通信の主力になりつつあることは認識をしております。  今般、ホームページをリニューアルするに当たり、ホームページ閲覧機器を分析したところ、平成二十八年にはスマートフォン及びタブレットによる閲覧は五〇%を超えていました。また、ことし四月から六月上旬までの分析では、総アクセス数七百三十二万のうち約三〇%がパソコンから、約七〇%がスマートフォン及びタブレットによる閲覧であり、今後もこの傾向が続くと見込んでおります。  こうした現状を鑑み、本年七月に予定しておりますホームページのリニューアルでは、トップページの配置構成をパソコンでもスマートフォンでも同様にしたほか、閲覧端末の画面幅により最適なデザインとなるレスポンシブWebデザインを採用するなど、スマートフォンでも閲覧しやすい工夫をしました。  御指摘の添付ファイルを開くことなく情報を閲覧しやすい工夫については、記事本文に必要な情報を掲載するよう、庁内に周知していくとともに、障害者配慮の観点も踏まえ、例えば表なども読み上げ機能に対応できるよう配慮しながら、スマートフォンによる利便性向上について、リニューアル後も工夫を進めてまいります。  次に、モバイルファーストの視点を持って電子申請を拡充せよとの御質問です。  区の電子申請による申請受け付け件数は、平成二十九年度では全体で九千二百件、平成三十年では一万五千件と増加の傾向にあります。この電子申請受け付けでは、パソコンに加え、スマートフォンからの申し込みも可能であり、昨年度は全体の約半数以上の八千二百件のスマートフォンからの申請受け付けがありました。  一方で、現行システムの技術的な制約等もあり、例えば職員募集等では履歴書に顔写真を添付することがスマートフォンではできないなど、全ての電子申請がスマートフォンでできるようには至っておりません。  今後、御提案のありましたモバイルファーストの視点を持って、行政窓口のデジタル化、オンライン化を展望しながら、利用者の方々からの御意見、個人情報の保護や本人確認のあり方、システムコストなどさまざまな課題を分析し、パソコンだけでなく、スマートフォンの利用も可能な電子申請手続の拡充に向けて検討を行ってまいります。  以上です。 ◎知久 保育担当部長 私からは、子どもの安全確保について、二点お答えいたします。  まず、就学前の幼稚園児、保育園児の通園の安全確保について御答弁させていただきます。  子どもたちの健やかな育ちを支援する上で、通学路を含む安全安心な地域づくりは大変重要であり、行政、施設、家庭、地域が安全安心に関する情報を共有し、しっかりと連携することが不可欠であると認識しております。  お話しのとおり、区立小学校では、学校、PTA、道路管理者、警察、教育委員会と連携の上、通学路の合同点検を実施し、対策が必要と判断された箇所について、順次対策を取り組んでおりますが、今後、この点検結果については、周辺の保育園や幼稚園等においても確実に共有することが必要と考えており、各施設が既に把握している危険箇所や交通量等の情報、また、ふだん通園している保護者からの御意見等とあわせて、通園等における安全確保の取り組みをさらに進めてまいります。  また、現在、区では、保育園や幼稚園等に通う五歳児とその保護者を対象に、地域で子どもを見守ることの重要性や、子ども自身が自分で自分の身を守る方法などをわかりやすくまとめた冊子「子どもの危険回避プログラム」を配布しておりますが、各施設や地域でのさらなる活用を含め、今回の事故を契機に、一層の啓発を進めてまいりたいと考えております。  引き続き区といたしましても、子どもの安全確保に向け、関係所管との連携のもと、通園・通学時のさらなる安全確保に取り組んでまいります。  次に、園庭のない各種保育所における園外保育の安全確保についてお答えいたします。  園庭のない保育園の園外保育では、最低でも週二回以上、近隣の公園や遊び場などへお散歩に出かけている状況がございます。お話しの経路の安全確保につきまして、各園では、出かける前に必ず移動経路を地図に落とした散歩マップや園外保育時のマニュアル等を活用して、移動経路の安全性や引率職員の体制などの再確認を行っております。  今後も引き続き日常的に利用する散歩の経路や公園等における異常や危険性の有無、工事箇所や交通量等も含めて点検し記録をつけ、その情報を全職員で共有するよう改めて周知を行うとともに、区としても、それぞれの園の持つ情報を保育ネットを通じて近隣の保育施設間と共有できるよう働きかけるなど、園外保育における経路の安全確保の徹底に取り組んでまいります。
     以上です。 ◆三番(そのべせいや 議員) モバイルファーストという視点についても、何でもかんでもスマートフォンにしろという話ではなく、その時代に合わせた対応をぜひしていただきたいという視点で、今回質問をした次第です。  また、デジタルファースト法について条文を確認すると、国についてはオンライン化が原則となる一方で、六条六項、七条五項、十条一項について適用除外もありますし、十三条によると、地方自治体に課されているのはあくまで努力義務となっておりますので、世田谷区におきましては、あくまで一〇〇%に向けた対応を要望します。  その他の個別のシステムのデジタル化、オンライン化ということについては、別の機会で質問させていただきます。  終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) それでは、質問通告に従い、順次質問してまいります。  まず初めに、保育について伺います。  子育て中の区民の方から指摘のあった、区の保育園入園要綱規定の問題点は、兄弟姉妹などお子さんが複数いる場合、下の子が一歳を迎えた後の年度末に復職しなければ、上の子は保育園を退園となってしまい、国が定めた二年間の育児休業を一部しかとれない。また、たとえ規定が削除されたとしても、育児休業を二年間とった後で保育園に入ることは、入園枠が少な過ぎ、入園が難しいので、二歳児以上の保育定数もふやしてほしい。また、五歳児クラス以降も時短で働き続けることができず、この項目を設ける目的が理解できない。時短を含めた多様な働き方を認め、この項目を削除してほしいとのことです。見直すべきと考えますが、区の見解を伺います。  五月に成立した幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法をめぐっては、準備が間に合わず、混乱する可能性も指摘されており、この間、職員不足による保育所の閉園が世田谷区で起きるなど、保育士数は需要に追いついていません。無償化で子どもを預ける人がふえれば必要な職員もふえ、人材が確保できない施設がふえると予想されます。  また、認可外保育施設やベビーシッターは、これまで区の管轄外でしたが、補助金の対象に含まれ、十月までに支給する世帯を認定し、給付に関する作業を終える必要があります。周知期間が短い中、制度の周知徹底とともに、無償化で補助する以上、施設の質をチェックすることも必要です。その仕組みづくりを求めるものですが、区の見解と今後のスケジュールをお教えください。  次に、学校の非常勤嘱託栄養士について伺います。  世田谷区の学校栄養職員は、小学校には全校、中学校は給食室のある学校十五校に配置されています。そのうち半数が東京都の正規職員です。東京都の職員と世田谷区の嘱託栄養士はほぼ同じ仕事をしておりますが、その処遇にはかなりの格差があります。嘱託栄養士は勤務時間が四十五分短く、勤務日数に縛りがあるパートタイム勤務にもかかわらず、定時退勤はできない状況で、予定勤務日数以上になるとサービス残業で、ただ働きを余儀なくされています。  また、月の手取りは十五万円と所得が低いにもかかわらず、フルタイム勤務ではないため、保育認定のためのポイントが低く、産後、子どもが認可保育園に入れず、退職せざるを得ない方もいると聞きます。また、報酬は物件費扱いで、何年働いても昇給や賞与はありません。格差是正を求めるものですが、区の見解を求めます。  嘱託職員には労働基準法が適用されますが、契約期間の終了で雇用関係も消滅します。更新も可能ですが、更新しない場合は解雇には当たらず、一カ月前の予告開示なども必要のない、極めて不安定な雇用関係に置かれています。  しかし、児童生徒数が増加し続ける世田谷区では毎年更新をし、十数年勤務している方もおり、補助的な人員というよりは、常態的に必要とされる人材であることから、区の嘱託栄養士を正規の常勤職員へと移行すべきと考え、検討を求めますが、区の見解をお答えください。  次に、ゲリラ豪雨による浸水対策についてです。  昨年八月のゲリラ豪雨で床下浸水した尾山台地区の住民の方から、ことしも大雨により再度浸水被害に遭う可能性が高く、落ちついて生活できない。世田谷区として区民の生命と財産を守る対策を早急に実施してほしいとの切実な要望を伺いました。  この地域は、昨年ばかりではなく、十五年前と五年前にも浸水があった浸水頻発区域であるにもかかわらず、抜本的な対策が進んでいません。世田谷区から住民の方へは、今年度調査予定で、その結果で雨水貯留施設と透水性舗装を来年度実施するとの回答があったとのことですが、現在の区の計画の進捗状況並びにその計画で住民の不安を抜本的に払拭できるのか。また、ことしのこれからの降水量の増加や、ゲリラ豪雨の多発するシーズンに向けた対策をどうするのか。いずれも早急な対応を求め、見解を問います。  また、区が提供する紙ベースのハザードマップ改訂前に発生したゲリラ豪雨による浸水水位実績の最新情報を、区ホームページを通じて区民に提供するなど、被害に遭わない備えに向けた取り組みを求めるものですが、区の見解をお答えください。  昨年度の区内の浸水実績は三百八十四カ所で、この尾山台地区に限ったことではありません。世田谷区全体の浸水被害への抜本的な対策には、区から東京都下水道局に、新たな都市型豪雨災害に備え水道管の口径を大きくするなど、下水整備を早期に実施するよう求めるべきと考えますが、区の東京都への働きかけの状況について伺います。  次に、脱プラスチックについてです。  原田環境大臣はレジ袋有料化を表明いたしました。説明の中で、レジ袋有料化の取り組み実施地域については、市町村、特別区単独で実施が六割、都道府県全域での実施の一環が三割強というのが自治体でのトレンドということですが、残念なことに、世田谷区はこの中に含まれておりません。  この間、世田谷区の環境計画課は啓発事業に年間予算を費やしてきていますが、区のレジ袋やプラスチック全体の排出抑制に向けた取り組みの内容と、環境課単独の予算として費やしてきた積算金額、削減できた数値をまず伺います。  もはや啓発は区がやらなくても、プラスチックごみによる海洋汚染が生物へ及ぼす影響を伝えるテレビやインターネットの動画に、全世界の人たちが心を動かされています。だから、おくればせながら、国も規制に動いたのではないでしょうか。  区も、脱プラスチックに向け実効性のある対策として、特定品目を決めて利用制限や代替素材への変換を促す条例等を検討すべきと考えますが、区長の見解を伺います。  また、事業者の協力も不可欠です。区は、卵パックなどの回収を、わざわざ有償ボランティアなどに委託しておりますが、その費用と効果をお答えいただきたいと思います。  残念なことに、現在、区が協力をいただいている事業者はわずか二社だけです。プラスチック製の容器包装を利用する全ての事業者に、条例などを駆使して回収等の協力や努力義務を課すことも検討すべき時期に来ているのではないかと考えますが、区長の見解を求めます。  ペーパーレス化についても、区議になった当初から約二十年取り組みをお願いしておりますが、遅々として進んでおりません。紙の排出と利用抑制も古くて新しい課題です。東京都と都議会がタブレット利用によるペーパーレス化の取り組みをようやく始めました。世田谷区も新庁舎ができたらなどと言いわけを言っていたら、あっという間に七、八年がたってしまいます。タブレット利用の早期実施を求めますが、見解を求めます。  最後に、学校や通学路の安全についてです。  区は現在、民間警備会社に委託し、学校の安全警備を実施しておりますが、先日、登戸で起きた、子どもを標的にした凶行などに直面した場合、どのような仕様書になっているのか、まず伺います。  私はかねてより、名古屋市のスクールポリスの取り組みを紹介し、警察OBの協力による、子どもたちや通学路の安全確保について提案をしてまいりました。再度要望いたしますが、教育長の見解を求めます。  また、先日の運動会では、暑さ対策に一時間ごとに教室に戻って涼をとる苦肉の策をとった学校もあったと聞きます。学校の都合よりも、児童の健康と安全を第一に考え、運動会を涼しい時期に変更できないかと、保護者の方から要望をいただきました。区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えをいたします。  プラスチックごみにつきましては、海に漂っているプラごみや細かく砕けて非常に小さくなったマイクロプラスチックなど、海洋汚染の問題がクローズアップされてまいりました。また、いわゆるプラごみ流出を規制するバーゼル条約が先般、国際会議で決まったことによって、これまで日本の社会が前提としてきた、いわば輸出というサイクルがとまるということで、現在、地方自治体にとっても大変大きな喫緊の課題であると認識をしております。  区といたしましても、ことし三月に庁内における海洋プラスチックごみ問題への区の当面の取り組み方針をまとめ、区民、事業者への普及啓発や、町の清掃活動のほか、区として率先垂範して行動を示していきたいと考えています。具体的には、ふるさと区民まつりなどイベント時の脱プラスチックや紙製品等への転換を促しており、紙ストローなどへの切りかえも始めつつあります。  議員お話しのプラスチック代替素材への転換促進や、事業者回収の努力義務化の条例制定でございますが、区民生活と大変かかわりが深く、区民、事業者の理解が不可欠だと思います。  プラごみやマイクロプラスチックの問題は、私たちが避けようもなく、今後、十年、二十年と直面し解決していかなければならない問題だと考えております。  また、日本のみならず、世界同時、途上国も含めて、この排出をどう世界中でとめていくのか、あるいは既につくられたプラごみをどのように回収、分解していくのか。そして、おっしゃるような代替素材の開発等々、大変大きな問題だと思います。排出抑制が一番肝だと思いますが、区独自の対策について、これだけ大きな問題だけに、長期的に継続し効果を上げていくために、まずは生活環境への影響実態調査などを通して有効な対策を練り上げていきたいと考えています。いずれにしても大変急を要する問題だと考えております。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、学校警備の緊急時対応と、学校や通学路の安全について御答弁申し上げます。  学校における子どもの安全確保といたしましては、小学校、幼稚園においては不審者の侵入や事故を防止する警備業務、中学校においては通学経路における警備業務を委託しております。警備に当たり、受託者が事件に遭遇した場合など緊急時には、警察への通報や子どもたちの避難誘導の初期対応と適切な処置をとることとしております。  また、小中学校、幼稚園に防犯カメラを設置し、校門等をモニターしているほか、小学校の通学路沿いには合計三百十台の防犯カメラの設置を行っております。さらに防犯ブザーの貸与や警察署や地域と連携した「こどもをまもろう一一〇番」の推進、子ども安全ボランティア活動など地域ぐるみの協力を含め、学校や通学路の安全対策に取り組んでいるところでございます。  教育委員会といたしましては、児童生徒のために安全安心の学校づくりは大変に重要なことと認識しております。スクールポリスの制度など、他自治体の取り組みなども参考に、さらなる子どもの安全確保に向けた検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎知久 保育担当部長 私からは、保育関連二点お答えいたします。  まず、保育の利用調整基準の見直しに関して御答弁いたします。  保育の利用調整基準を検討する際は、待機児童対策としての側面と在園児の保育をどのように継続するかといった在園保障の側面と両面から検証する必要がございます。  育児休業制度の趣旨に配慮しながら、育児休業中は自宅で子育てができる状況にあるとの考え方に沿いまして、条件によっては退園を促すことで、より保育の必要な方が入園できるよう、御指摘の運用ルールを、これまで区は運用してまいりました。  一方で、多様な子育てへの支援や、保育・幼児教育の重要性が高まり、子どもの在園を保障する必要性は、これまで以上に求められてきております。  区といたしましては、区議会を初め区民から寄せられるさまざまな意見や育児を取り巻く環境の変化等を踏まえ、御指摘の取り扱いについては見直しする方向で検討してまいります。  次に、無償化に伴う認可外保育施設の保育の質のチェックについてお答えいたします。  国は、幼児教育の無償化の対象を国が定める認可外保育施設指導監督基準を満たすことを要件としておりますが、自治体の判断により、基準を満たす施設に無償化の対象を限定することができることとしております。  本年十月からは基準を満たしていない施設も無償化の対象となりますが、区が目指す保育の質を確保するため、無償化の対象を限定するための条例を、令和三年四月に制定する方向で検討してまいります。  条例制定までの間は、東京都と連携し、基準を満たしていない施設を含む認可外保育施設については、届け出内容と実際の保育との整合性を確認するとともに、満たすべき教育・保育等の質や運営体制等の確保状況などの把握に努めてまいります。  また、令和二年四月からは、児童相談所設置に伴い、認可外保育施設の指導権限が東京都から移管されます。区の体制を整えた上で、適切に支援、指導を行ってまいります。  さらに指導効果を高める手法として、また、保護者が施設を選択する際の参考ともなるよう、ホームページでの指導結果の公表を検討してまいります。  区としましては、より多くの施設が基準を満たし、また、子どもを中心とした保育が区内の保育施設で実践されるよう、質の確保に取り組んでまいります。  以上です。 ◎淺野 教育次長 私からは、学校の非常勤の嘱託栄養士につきまして、非常勤職員との格差是正ということと、あと、常勤職員に移行すべきではないかということで御質問いただきましたので、あわせて御答弁申し上げます。  世田谷区立の小中学校で勤務する学校栄養職員は、児童生徒の健康の保持増進を図るために、栄養バランスを考えた給食の提供や、児童生徒が食に関する正しい理解を深めるために給食指導を行うとともに、給食施設、設備の適切な衛生管理や安全管理に努めるなど、学校給食の円滑な運営において重要な役割を担っていると認識しております。  現在、学校栄養職員は、東京都の公立小中学校教職員の定数配当方針に基づきまして、東京都採用の常勤職員が給食単独実施校の二校に一人の割合で配置となっているため、給食単独実施校の約半数の学校は、世田谷区の非常勤職員として採用した学校給食栄養管理嘱託員となっております。  この非常勤職員である学校給食栄養管理嘱託員の報酬につきましては、この間改定等を行っておりますが、今後とも学校栄養職員の職務の専門性などを踏まえた処遇及び勤務条件につきまして、他職種も含めた均衡を考慮して検討することが必要であると考えてございます。  なお、給食単独実施校に配置している学校栄養職員について、職務内容や勤務日数、勤務時間、報酬額など、勤務条件が異なる東京都の常勤職員と世田谷区の非常勤職員を配置している中で、日常の学校給食運営のほか、学校給食を通した食育の重要性が高まっているなど、職務内容の範囲が広がっていることから、東京都の常勤職員の配置校数をふやすことは必要であると考えております。  また、特別区教育長会では東京都教育委員会へ、常勤職員の定数、また財源も含めた人事権の移譲などにつきまして、東京都教育委員会に要望してございます。世田谷区としましても、引き続き機会を捉えて東京都教育委員会へ要望してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、ゲリラ豪雨による浸水対策二問について御答弁申し上げます。  まず、尾山台地区における浸水対策についてでございます。  尾山台地区の一部では、平成三十年八月二十七日の夜に発生しました時間百十一ミリのゲリラ豪雨などにおいて浸水被害が発生しているところでございます。そのため、区では浸水対策の一つとして雨水貯留浸透施設の設置を計画しておりまして、来年度の早い時期に整備する予定でございます。  また、今月から尾山台地区会館に土のうステーションを新たに新設しておりまして、さらに、すぐできる対策として道路の雨水枡のふたを雨水が排水しやすいグレーチングぶたへ交換するなど、少しでも浸水被害の軽減に努めてまいります。  次に、東京都への働きかけ状況についてお答えします。  東京都では、平成二十六年改定の東京都豪雨対策基本方針などに基づき、時間当たり五十ミリの降雨に対応できる河川や下水道の整備を計画しており、そのうち甚大な浸水被害が発生している地域については対策強化流域や対策強化地区に選定して、時間七十五ミリの降雨に対応できる整備を計画しております。そして、区内における時間七十五ミリの降雨対応の整備としましては、蛇崩川増強幹線整備工事ほか二件の工事が着手されているところでございます。また、河川や下水道の整備の優先度として、五十ミリ降雨に対応する整備が未完了の地区のほか、対策強化流域や対策強化地区を優先しているとのことでございます。しかしながら、区内において五十ミリ降雨対応の下水道整備が完了している尾山台地区などで浸水被害が多発していることから、区では、それら地区の浸水対策の早期実現を東京都に要望しているところでございます。  今後も河川や下水道の整備について、あらゆる機会を捉えて、東京都のほうに区民の声を伝えるとともに、区でも雨水貯留浸透施設を設置するなど、浸水被害の軽減を推進してまいります。  以上でございます。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、浸水履歴の情報提供について御答弁いたします。  現在の洪水ハザードマップは、水害に関する情報を提供し、事前の備えに役立てていただくなどを目的に、時間想定最大雨量百十四ミリの豪雨を想定し、浸水の予想される区域や浸水の程度、避難所等の情報を記載したものとし、区民の皆様への周知を図ってきております。  この洪水ハザードマップに浸水の履歴を表示しますと、浸水想定区域と履歴の色が重なりわかりづらくなるなど、表示内容やマップの目的が混乱してしまいます。豪雨等による浸水の履歴を周知する手段としましては、同じ地域であっても、年度ごとに被害の程度に違いが出ることも想定されることから、現在公表している浸水概況図に加え、浸水被害等の蓄積データ、掲載内容等の作成について、他自治体の事例も参考にし、関係所管と協議しながら、ホームページなどによる公表を検討してまいります。  以上です。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 私からは、脱プラスチックについて二点お答えいたします。  まず、プラスチックの排出抑制に向けた取り組み内容についてでございます。  区では、世田谷区一般廃棄物処理基本計画において不要なものを発生させない2Rに重点を置き、プラスチックなども含めたごみ全体の発生・排出抑制行動を促進しております。  具体的な取り組みとしては、町会・自治会等による集団回収や、まちづくりセンターの地区ごとに設置されたごみ減量・リサイクル推進委員会の活動など、区民主体の取り組みを支援しております。  また、毎年十一月に全戸配布している資源・ごみの収集カレンダーや、区ホームページ上に店舗での資源の自主回収やレジ袋の不使用などの事業者独自の取り組みに関する情報を掲載しております。  さらに、子どもたちがごみの減量等につながる買い物の仕方を学ぶワークショップ「エコなお買い物」体験や、2R啓発イベント「子どもエコ・マーケット」など、参加型の環境学習事業を実施するとともに、地域のイベントでエコバッグを配布するなど、レジ袋削減につながるような事業を実施しております。これらの取り組みにより、人口増にもかかわらず、プラスチック類を含むごみの排出量は目標以上に着実に減少しております。  次に、卵パック回収事業の費用と効果についてでございます。  公共施設を拠点として、卵パックを含む食品用透明プラスチック容器のほか、色柄つき発泡トレイ、新聞、廃食用油を回収員への手渡しで回収しておりまして、委託料は約千二百三十四万円でございます。回収員手渡し方式は、回収時にプラスチック素材を的確に判別し分類することができるため、良質なプラスチックの再生に効果がございます。  以上でございます。 ◎本橋 環境政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、脱プラスチックについて、プラスチック排出抑制に係る啓発の支出額と削減数値についてでございます。  プラスチックの排出抑制等に関して、これまでの取り組み費用といたしましては、本年二月に開催いたしました環境シンポジウム「プラスチックごみ問題から持続可能な社会を考える」の開催経費及びシンポジウムの概要をまとめたプラスチック・スマート通信の印刷費として、環境計画課単独の予算といたしましては合計約十六万円となっております。  また、プラスチックの削減量につきましては、清掃・リサイクル部において毎年、時期と調査地区を固定して、家庭から排出される可燃ごみの組成に関するサンプリング調査を継続的に行っております。  現計画を策定しました平成二十七年度からの推移では、調査地区の可燃ごみの量は毎年減少し、そこに含まれるプラスチック類も毎年減少してきており、平成三十年度は平成二十七年度に比べ約一四・六%の減となっております。  次に、ペーパーレスについて御答弁いたします。  区では、庁内における環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」における方針の一つとして、平成二十六年度から事務用コピー用紙の削減を掲げ、各職場におけるコピー用紙削減行動計画とあわせて、ペーパーレス化の推進などを主な取り組みとして進めております。  その結果、コピー用紙の削減につきましては、平成二十五年度比で五%以上の削減の目標に対して微増となっているものの、平成二十八年度からは減少傾向に転じており、徐々に取り組みの成果を上げてきております。  また、ペーパーレス化につきましては、環境政策部の貸出用タブレットパソコンの活用により、毎年度延べ使用台数は千台を超え、コピー用紙の推定削減枚数は六万枚を超えております。
     さらに平成三十年度からはペーパーレス会議やモバイルワークの試行導入など、働き方改革の観点からペーパーレス化を推進し、全庁挙げて取り組んでおります。  今後も会議資料の電子化による削減や、各職場の行動計画に基づく裏紙使用、両面コピーなどの職員行動の徹底を図るとともに、複合機からの認証印刷、タブレット端末の活用などを通して、コピー用紙の削減及びペーパーレス化のさらなる推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、運動会の開催時期について御答弁申し上げます。  熱中症などの暑さ対策につきましては、子どもたちの健康や安全を確保した教育活動を進める上で大変大きな課題であると認識しております。  学校行事の一つである運動会の開催時期につきましては、気候や子どもの状況、地域の状況等を踏まえ、また、他の行事やさまざまな教育活動等も含めた年間のバランスを考えながら、各学校で計画を立てて決めているところです。  今年度の運動会では、熱中症の防止のため、地域や近隣の学校と連携してテントを確保し、子どもの座席に設置したり、ミストやスプリンクラー等で散水を行ったりするなど、各学校で子どもの健康と安全を考えた対応が行われております。  教育委員会といたしましては、今後とも熱中症の危険性や対応等について、校長会と情報を共有しながら、運動会を初めとする校外での活動の安全な進め方や時期の選択等について、各学校が適切に判断できるよう支援してまいります。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) それでは、再質問いたしますけれども、世田谷区のプラスチックに関する政策決定に、環境審議会がどういう役割をまず果たしているのか、これを伺います。  それと、もし環境審議会の委員がプラスチック利用の推進派の方ばかりであったらば、利用や排出抑制はなかなか進まないと思うんですね。だから、少なくともメンバーの方はバランスのとれた選任をすべきだというふうに必要性を感じるんですが、これに関しては、選任権者である区長の見解を伺いたいと思います。  最後にもう一つは、前任の教育長にも伺いましたけれども、学校の非正規職員はスクールカウンセラーなんかも含まれますよね。教員とスクールカウンセラーが対等な関係を構築する、それに向けて正規職員化すべきというようなことも前に提言をしておりますけれども、新教育長のお考えをお伺いしておきたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の再質問にお答えします。  区の環境政策の決定については、環境審議会のメンバーの方に専門的な知見を大いに発揮していただいて議論していただいているわけですが、私も先般、元環境事務次官だった小林会長と一時間議論しました。やはりこのプラスチックという素材と、発見から百年余りですか、もう生活の隅々まで行き渡っている。しかし、これが共存可能なのかどうか、文明史的な転換点を今迎えているという認識は当然ずっと深くおありで、これ、はっきりと一つの条例とか幾つかのポイントで大きく切りかえたいと思います。ただ、実際それをやるには、余りにも深く広く浸透しているプラごみ、あるいはプラスチックという素材に依存する経済の体質、ここをライフスタイルの転換をしっかりしながら、では、世田谷区らしい、ちゃんと効果のある政策を一緒に考えていただけるものと思っております。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、スクールカウンセラーについても正規職員として雇用できないかという御質問に御答弁申し上げます。  現在、スクールカウンセラーの配置状況といたしましては、平成九年四月に区がカウンセラーを配置して以来、都や国の制度を活用して拡充を進めておりますが、現在は、小学校は月に十日間、中学校は月八日間となっております。  スクールカウンセラーは、心理教育等の観点に基づいた学校生活全般に関する援助や、子ども、保護者、教職員への相談対応を行う重要な役割を担っております。これから人的体制について引き続き検討し、子どもの安心安全を確保してまいります。  以上でございます。 ◎本橋 環境政策部長 私からは、プラスチックに関する政策決定への環境審議会の役割についての再質問について御答弁いたします。  現在、環境基本計画の中間見直しについて、環境審議会に諮問し御議論をいただいているところでございます。この御議論の中では海洋プラスチックごみ問題への対応につきましても、計画改定に当たっての重視すべき視点の一つとして熱心に御議論をいただいているところでございます。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) プラスチックの問題は大きな問題ですので、しっかり検討していただくことを要望して、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、三十九番菅沼つとむ議員。    〔三十九番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(菅沼つとむ 議員) 最初に、児童相談所の開設に向けた準備状況についてお聞きします。  本定例会でも児童相談所の質問が出ていますが、気になった点をお聞きします。  第一に、世田谷区の児童相談所開設の人員体制についてお聞きします。児童相談所、一時保護所に常駐する警察OB一名、医師二名、弁護士一名は確保できているのかお聞きします。  第二に、里親についてお聞きします。世田谷区が目指している里親委託率は、区内で就学前の子どもは七五%以上、学童期以降は五〇%以上となっています。区は達成できているのかお聞きします。  第三に、児童相談所の財源についてお聞きします。区長会の代表と小池都知事との話し合いで特別交付金から普通交付金になったのかお聞きします。  第四に、児童相談所の設置に伴い、第三回定例会に条例六件が出されます。児童相談所にかかわる条例は約百とも言われています。区の条例改正六件で足りるのか、あとは規則、要綱でやるのか、具体的に議会に示してください。  第五に、学校との連携についてお聞きします。区内の児童の約四割が国立、都立、私立に通学しています。世田谷区と私立学校のネットワークはまだできていません。来年の四月までに間に合うのかお聞きします。  第六に、世田谷区、江戸川区、荒川区は予定どおり児童相談所を四月に開設できるのか確認します。  第七に、児童相談所を始めたらやめることはできません。子どもたちの命がかかっています。一年延ばして慎重にするべきと思います。区のお考えをお聞きします。  次に、学校等の耐震再診断を踏まえた対応についてお聞きします。  区は、学校等の施設の安全性を確保するための耐震性能の再診断を実施しています。この再診断の結果では、体育館、校舎を含めて二十八校もあります。その中にはIs値〇・六以下もあり、地震で倒壊、または崩壊する危険性が高い学校もあります。また、一方では約六十年前に建てられた古い学校もあり、体育館は狭いし、学校は迷路になっているし、トイレは古いし汚いし、バリアフリーにはなっていません。古い学校より新しい学校が先に全面建てかえになっています。教育委員会は、最近建てられたことになっている学校例を挙げて具体的に説明してください。教育委員会に聞きます。  また、耐震再診断の中に、ものづくり学校の診断がIs値〇・六以下になっています。ものづくり学校は、世田谷区から世界に羽ばたく起業家を育てる目的でつくられ、区内で創業することが条件になっています。創業者は十五年間で二十六名です。一年間で一・八名です。民間の家賃と比べると約十五分の一の安さです。ものづくり学校をつくるときには校舎に予算をかけない説明がありました。ものづくり学校と区の契約が切れるのは来年の七月です。無駄な税金を使うべきではないと考えます。ものづくり学校をやめて、学校診断や新築の予算に使うべきと考えます。政策経営部にお聞きします。  次に、食品廃棄物等の削減についてお聞きします。  世田谷区は食品ロスの削減に向けた取り組みでフードドライブをやっております。家庭で余っている食品を持ち寄り、広く地域で福祉団体や子ども食堂など、ボランティア団体に提供しています。三十年度、フードドライブで集まった量は一・一五トンです。世田谷区の事業で一番多く食品ロスを出しているのは区立小中学校の給食の食べ残しです。給食の食べ残しは年間で五百二十六トンが食品ロスになっています。  また、同じ二十三区の足立区は日本一おいしい給食を目指しています。足立区は小中学校の給食レシピコンテストを行い、栄養価、栄養バランスをとり、メニューを考えて、給食の食べる重要性を考えています。二〇一八年度給食レシピ応募数は小中学校を合わせて七千七十二点です。  世田谷区でもできることがあります。区は毎月、学校別給食食べ残しを調べています。公表はしていません。  第一に、給食の食べ残しを各学校別に常任委員会で報告することを求めます。  第二に、給食の食べ残しの原因を調べることです。例えば給食が子どもたちの口に味が合わないとか、またはつくり方が悪いだとか、給食のレシピが悪いだとか、原因を調べておいしい給食をつくれば給食ロスも減ります。教育委員会に聞きます。  次に、ふじみ荘の新設についてお聞きします。  高齢者の方々がいつまでも元気で地域で活動していただくためにリフレッシュできるのがふじみ荘です。ふじみ荘は昭和四十五年にできて、近くには障害者施設、ひまわり荘も昭和四十五年の同じ時期にできています。ひまわり荘は平成二十六年に大規模改修が済んでいます。  生活文化部の常任委員会での報告では、ふじみ荘は官民連携の手法を導入して、民間事業者が特養ふじみ荘を建てて、世田谷区は建物を保有せず、建物の維持保全に係る経費は民間が負担する。区はふじみ荘の家賃を払いますが、ふじみ荘の土地の地代収入で家賃を相殺します。ふじみ荘の今後のスケジュールでは、九月には民間事業者の公募をホームページで行い、十二月には事業者選定を行い、二〇二三年にはふじみ荘の開設になっています。  ふじみ荘の建てかえ、大規模改修を行うと言いながら、四代目の部長になりました。間違いなくふじみ荘は建てかえになるのか、松本部長、答弁をお願いします。  壇上からの質問をお願いします。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、児童相談所開設に当たりまして、期限を延ばすべきだということについて御答弁申し上げます。  この間におきまして、児童相談所の開設時期を定めるに当たりまして、児童相談所の設置市として政令指定を受けるための要件を満たすことができるかなどを開設可否の判断項目とするなどしながら、その時期の見きわめを行ってまいりました。  児童相談所の責任は大変重く、相当の覚悟を持って、これまでの準備を進めてきており、その上で、区として開設時期を判断したものでございます。  開設までの残された期間は一年を切り、児相開設準備も最終段階を迎えようとしております。議員の御指摘は重く受けとめておりますけれども、お話にございました子どもの命の重みというものを十分に踏まえながら、引き続き全庁挙げて全力で令和二年四月の開設に向けて取り組んでまいります。  なお、開設に向けました進捗状況につきまして幾つかお尋ねをいただきましたが、所管部長より、それらの状況について御答弁申し上げます。  以上でございます。 ◎澁田 児童相談所開設準備担当部長 私からは、児童相談所開設について、順次お答えをいたします。  まず一点目でございます。警察OB、弁護士、医師の確保についてでございます。  お話にございました警察OB、弁護士、医師の配置に向け、現在は準備段階でございまして、採用はこれから行うものでございます。  現在、国会におきまして児童相談所の体制強化に向けた法案審議が行われており、弁護士と医師について配置基準が見直される方向であることから、これにあわせまして、雇用形態や勤務日数、配置人数を設定する必要がございます。  このように法改正の動きに合わせた見直しのほか、虐待通告における万全な初動対応を行うための警察OBの配置などにつきまして、準備の進捗に伴う所要の見直し等を加えまして、改めて区議会にも御報告の上、年内を目途に採用手続に入りたいと考えているところでございます。  次に、里親委託率の達成についてでございます。  現在の都内の里親委託率は約一三%程度であり、目標達成にはかなりの工夫が求められるところでございます。こうした中、各都道府県は新しい社会的養育ビジョンにおいて示されました里親委託率の達成を目指すものとされ、令和二年度を計画の初年度とする都道府県社会的養育推進計画においてその取り組み示すこととされております。  当区におきましても、児童相談所の設置主体として、この里親委託率の目標達成を目指し、令和二年度を初年度として取り組みを進めることとしております。現在、区は里親支援業務における民間のノウハウの活用の検討などを進めており、本年の七月に取りまとめを行い、福祉保健常任委員会において御報告することを予定してございます。  次に、児童相談所の関連経費は普通交付金として算定されるのかという御質問にお答えいたします。  平成三十一年度都区財政調整に係る協議におきましては、児童相談所関連経費に関しては都区財調の普通交付金として算定されるべきであることなどの提案について、都区の見解の一致に至ってはおりません。しかしながら、当該協議におきましては、特別区が政令の指定を受け、児童相談所を設置した場合、当該区の区域において都区の役割分担の変更が生じることにつきましては、都区双方の認識を一致させることができたところでございます。  今年度の協議に向けましては、区が児童相談所設置市としての政令指定を受けている見込みであることを踏まえまして、関連経費に係る基準財政需要額の算定など具体的な提案を示し、協議に当たってまいります。  次に、児童相談所関連の条例六本のほか、規則、要綱で制定するなら、議会にも示すべきという点にお答えいたします。  第三回区議会定例会におきまして児童相談所関連の条例六件を議案として提出する予定でございますが、これらは、東京都や他自治体の事例等を確認するなどした上で、児童相談所開設に当たり制定が必要となる条例として整備するものでございます。そのほか、児童相談所の運営に係る規則といたしまして一件、要綱百件程度の制定を見込んでおります。  いずれにいたしましても、要綱等の整備は事務的な準備作業の一環として開設に向けて整備を進めるものでございますので、議員御指摘の点を踏まえまして細心の注意と確認の上、開設に向けて遺漏なきよう準備を進めてまいります。  次に、国立、私立の学校とのネットワークの構築についてでございます。  区は、国の指針にのっとり、区の内外や国立、私立を問わず、要保護児童支援地域協議会で要保護児童として登録されている児童等が在籍する学校等と協定を結びまして、出欠の状況などを定期的に情報提供いただくなどの連携を図っております。  この要保護児童支援協議会のネットワークには、現在の都の児童相談所も加わっておりますが、区の児童相談所開設に伴い、この役割は区立の児童相談所へ引き継いでまいります。  また、不自然な外傷がある場合など、学校は速やかに児童相談所や子ども家庭支援センターに情報提供するなどの連携を図っており、私立、国立の学校等を交えた合同会議などの場におきまして、本年五月に国が示しました学校、教育委員会等向け虐待対応の手引きを活用しながら連携の再確認を行うなど、さらなる連携強化に努めてまいります。  次に、荒川区、江戸川区、世田谷区の児童相談所開設の時期についてでございます。  特別区が児童相談所を設置するに当たりましては、児童福祉法に規定する児童相談所設置市といたしまして政令による指定を受ける必要があることから、当区と同時に、荒川区、江戸川区は、平成三十一年四月二十四日に、厚生労働省に対し政令指定に向けた要請を行ったところでございます。  江戸川区は当区と同様に、令和二年四月からの児童相談所設置市への移行という内容で要請を行っております。荒川区につきましては、まず、子ども家庭支援センター機能と児童相談所機能をあわせ持ちます子ども家庭総合センターという施設を令和二年四月に開設し、児童相談所設置市への移行は令和二年七月からという内容で要請を行っておりますが、当区の開設に影響はございません。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、二点につきまして御答弁申し上げます。  まず最初に、学校の改築についてです。  今回の耐震再診断の確定値を踏まえまして対象となりました学校につきましては、早期の安全確保に向け、避難訓練の徹底を行うとともに、学校運営に支障を来さないよう、順次補強工事を実施する計画としております。  また、教育委員会では、将来にわたって子どもの良好な教育環境を確保するため、人口推計等を踏まえ、将来的な財政見通しに基づき、計画的に改築や改修などを実施しております。  お話しいただきました改築ということでございますが、整備に当たっては、世田谷区公共施設等総合管理計画を踏まえて、建物の耐用年数である築六十五年を目安に、順次改築する棟別改築を基本として改築等を行うこととしております。  耐用年数だけではなく、児童数の増加に伴う対応、例えばですが、最近、今計画段階ですが、瀬田小学校であるとか複合化、こちらにつきましては最新のものとしましては、計画段階ですが、松原小学校など、松原小学校はまちづくりセンターとの複合化でございます。そういった個々の状況を考慮しまして、次期改築校等の選定を行っております。  引き続き児童生徒のよりよい教育環境の実現を目指し、老齢化が進んでいる学校に対して適切に修繕工事を実施するなど、施設の維持保全、整備に取り組んでまいります。  もう一点ですが、学校給食の食べ残しについてでございます。  平成三十年度に学校給食で発生した生ごみの量につきましては、野菜くずや調理くずが二百七十三トン、食べ残しが五百二十六トン、合計で七百九十九トンに上っております。学校給食から排出される生ごみのうち食べ残しによるものがかなりの量になっており、この食べ残しをいかに減らすかが排出量の低減につながるものと考えております。  学校給食における各学校別の生ごみ回収量の常任委員会での報告につきましてですけれども、学校ごとに食べ残しの量を競わせるというような性質のものではなく、慎重に検討する必要もあると考えてございます。  なお、学校給食での食べ残しの原因ですけれども、これは一概には言えませんが、日本スポーツ振興センターが調査しました平成二十二年度、ちょっと前になりますけれども、こちらの児童生徒の食事状況等調査によりますと、一番の理由に好き嫌いが挙げられております。  区内各小中学校では食への関心を高めるために、児童生徒から希望をとるリクエスト給食などを実施したり、食べ残しの多かった献立につきましては調理方法や味つけを変えるなど、家庭への働きかけも行いながら、さまざまな工夫を講じております。  また、学校における食育活動により、食に関する興味を持ってもらうことなど、さまざまな方策を検討しまして、食育の観点という大事な観点からも、児童生徒に残さず食べてもらえる給食を提供してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 私からは、ものづくり学校の耐震補強工事と事業の継続についてお答えいたします。  世田谷ものづくり学校につきましても耐震再診断を実施し、Is値が〇・六を下回る結果となったことについて、先般、議会へ御報告をさせていただいたところです。  世田谷ものづくり学校の建物は、現在築四十四年です。公共施設等総合管理計画では建物の改築時期を築六十五年としており、耐震補強を行うことで、今後も有効に活用できるものと考えております。  現在、耐震補強設計に向けた調整を進めており、世田谷ものづくり学校事業の第三期の契約が終了する令和二年七月以降、速やかに耐震補強工事を実施する予定です。  世田谷ものづくり学校の事業の今後のあり方につきましては、現在、所管部において、外部委員を含めた世田谷ものづくり学校の運営等に関するあり方検討会を立ち上げ、今後の方向性をまとめており、改めて議会での御議論もいただきながら検討を進めていく予定です。  以上でございます。
    ◎松本 生活文化部長 私からは、老人休養ホームふじみ荘に関する御質問にお答えいたします。  老人休養ホームふじみ荘は築四十九年が経過し老朽化が進んでいることから、昨年度、民間事業者を対象に市場調査の一つでございますサウンディング調査を実施し、今後の整備手法等を検討してまいりました。  検討の結果、現在の建物の改修には高額の費用がかかること、改修にかかる経費を解体費や新築に充てるほうが合理的であることなどの結果を踏まえ、官民連携手法を導入し、民間事業者による改築により再整備する旨の御報告を、本年二月の区民生活常任委員会で行ったところでございます。  また、当該用地が第一種低層住居地域であることや、区民利用の状況を踏まえ、再整備後のふじみ荘は、浴室、大広間、食堂等を備えた老人福祉センターとし、余剰容積を民間事業者が活用し、併設施設を整備する御提案を公募することとしております。  現在、御紹介がございました、本年九月の事業者募集に向けまして、土地の貸し付け条件や期間など、公募に向けた条件を整理しているところでございますので、内容が固まり次第、改めて議会へ御報告させていただきます。  老朽化した施設を民間のノウハウを活用し、いかに効率的に整備できるかが事業の鍵となりますので、関係部署の協力を得ながら丁寧な検討を行い、着実に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十九番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  保坂区長は区民に対して区の情報を公開しています。個人情報ではないのに給食の食べ残し情報を何で出せないのか、具体的に示してください。  それから、ものづくり学校の耐震工事をするよりも、防災拠点の学校のほうが私は先だと思うんですよね。それなのにやるという理由がよくわからない。もう一度答弁願います。  それから、政経部に、ものづくり学校をつくってもう十五年たっているんですよ。私はもう、ものづくり学校のやっぱり事業は終わったと思っているんですよ。政経部として、今でも効果があると思っているのか、それをお聞きします。三点。 ◎淺野 教育次長 再質問に御答弁申し上げます。  学校給食の食べ残しの量ですけれども、お話しのように個人情報ということではございませんけれども、発表することの効果等を含めまして、そういったもの、全体の量で示すのがいいのか、各学校ごとに示すのがいいのか、そちらにつきまして考える必要があるということで申し上げた次第です。  以上です。 ◎中村 政策経営部長 ものづくり学校について再質問いただきました。  子どもの学校よりも優先するのかという御質問につきましては、ものづくり学校の耐震工事の時期ですけれども、ものづくり学校は定期賃貸借契約をこの間行っていまして、その三期の期限が来年七月までになっていることから、そこの節目に合わせて七月以降の耐震工事を実施するという判断をしたものです。子どもの学校に優先して工事を行うということではなく、子どもの学校の改築については別途、計画的に進めてまいりたいと考えております。  また、事業の効果についてですけれども、これにつきましても、この建物の定期賃貸借期間が切れますことを節目に、所管部のほうで外部委員を含めた検討委員会を立ち上げておりますので、そのあり方の検討を踏まえて、その事業の効果ですとか評価をもとにあり方を検討するということになると認識しております。  以上です。 ◆三十九番(菅沼つとむ 議員) 学校建てかえのほうも、御存知のようにいろんな問題がありますよ、確かに急に人口がふえただとか。だけれども、世田谷区、そんな学校はたくさんあるじゃないですか。それなのに古いほうから新しいほうから、どこが違うのか、その辺をやっぱりきちんとしてほしいということ。各学校もそうだし、それから耐震もそうだし、その辺のやつがよくわからない。もう一度答弁願います。  それから、学校給食の話は何で出しちゃいけないの。今調べているやつを出す。今教育委員会がいろんなこと、さまざまなことを給食で言いましたよ。だけれども、量が減っているか減っていないか、議員はわからないんだから、出されて悪いことがあるのか、もう一回答弁願います。 ◎淺野 教育次長 再質問二点につきまして御答弁申し上げます。  まず、校舎の建てかえということなんですけれども、建てかえなり改修ということですけれども、こちらにつきまして、まず人口増等で予測ができない変化が生じている場合もあります。そういったことによりまして、やむを得ず増築等をしている場合があります。  それからもう一つ、学校給食のことなんですけれども、全体的に出せるかどうかということ。個人情報ではありませんので、ですけれども、そういったことで、例えば食べ残しの量、一人当たりの食べ残しの量とか具体的に出ていくわけですので、そういったことで競わせることが適切かどうかにつきまして、引き続き検討させていただきたいと思います。 ○和田ひでとし 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十一番高岡じゅん子議員。    〔十一番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十一番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い質問します。  初めに、若者の政治参加と投票率の向上について質問します。  生活者ネットワークは、政治を生活の道具にする、毎日の暮らしに密接につながる社会の仕組みを大勢の仲間の声を活かして変えていくことを目指す、地方政治に活動を特化したローカルパーティーです。そういった視点からいえば、国政選挙よりも身近な地域の政治を区民自身の声で変えていけるはずの区議会や区長の選挙に、もっと多くの区民が関心を寄せ、参加してもらいたいと願うわけですが、実は今回の選挙、投票率も、直近の国政選挙である二十九年の衆議院選挙に比べて一二%ほど低い投票率にとどまってしまいました。  区政に関心を持ち、投票しようと思っているのに、さまざまな理由で投票しにくいという区民に対しては、投票所に足を運びやすくする工夫として、車椅子動線の確保や、期日前投票により棄権を減らすための周知など、随分充実してきたとは感じています。それでも四月の区議・区長選挙では、有権者の半数以下しか投票していません。地方政治に関心の薄い層に対し投票を呼びかけ、投票率を向上させる、さらなる工夫と努力が必要ではないかと考えます。選挙管理委員会の見解を伺います。  さらに若い世代について見ると、今回も投票率の低迷は顕著になります。年齢別の投票率で、二十代の投票率は約二二%と、全年代の平均のさらに半分ほどの低さです。それに対し、初めて投票したであろう十八歳の若者の投票率は約四七%で、全年代の平均も上回っています。  十八歳までの選挙権拡大が初めて実施された平成二十八年の参議院選挙では、世田谷区の十八歳有権者の何と六八%が投票していました。このとき高まった若者の選挙に対する関心や参加意識を一過性のものにすることなく、継続的に参加する区民を育てていくことが必要です。  生活者ネットワークは、若者の投票率向上に向け、十八歳の選挙権年齢引き下げ以前から、選挙管理委員会と教育委員会が連携し、選挙に参加する意義を理解するための教育に取り組むことを求めてきました。この取り組みの成果と今後について、選挙管理委員会、教育委員会、それぞれの見解を伺います。  十八歳になって初めて政治に向き合うのではなく、政治を自分たちの生活に引きつけて意見表明や自己決定、ルールづくりなど、政治の機能と意義を学んでいくことが、参加する市民を育てるために必要です。子どもの権利の視点からも、意見表明権を正しく使っていく、人権教育としてのシチズンシップ教育が重要と考えます。  先日、道徳の公開授業を見せていただく機会がありました。「わがままな王子」という教材の授業で、わがままな王子がルールを無視したあげく、落ちぶれてしまうというストーリーから、ルールについて学ぶ授業だったのですが、四十五分という限られた時間の中で、ただわがままはいけないという表面的な学びに終わってしまったということを見て残念に感じました。そのルールをつくったのは誰なのか。ルールをつくる側の持つルールを守る責任や、新たなルールをつくっていける市民の力など、この教材の先にあることに、子ども自身が気づいていけるような対話的で本当に深い学びが、例えばこういった道徳の時間なども活用してシチズンシップ教育として必要だと考えます。  教育現場において対話的で深い学びを生かし、体験を伴ったシチズンシップ教育により、主体性のある市民を育てることが必要だと考えます。教育委員会の見解を伺います。  次に、在宅介護現場でのヘルパーに対するハラスメント防止と定着支援の強化について質問します。  介護保険制度も第七期となりましたが、介護人材の不足は深刻となり、サービスの維持にもかかわる事態になっています。  先日、世田谷区の家族介護慰労金支給制度が国の通知に従って改定され、住民税非課税世帯で介護保険の認定を受けたが、サービスを利用していない世帯への慰労金の支給範囲が拡大されたということを知りました。  国からこの制度を実施する自治体に対し、要介護四、五の重度者だけではなく、介護サービスを利用せず、要介護三や二で認知症状のある高齢者を在宅介護している家族も支給対象にするよう、全国で統一するという通知だと聞きました。介護の社会化、家族だけに担わせない介護を目指してきた生活者ネットワークとしては、このような国の施策が、介護サービスをより使いやすいものにしていく努力を放棄し、家族介護への回帰につながるのではないかと危惧するものです。  将来的に制度あってサービスなしという事態に至らないよう、今回は特に深刻な訪問系の在宅介護人材の確保に焦点を当てて質問します。  介護労働安定センターによる平成二十九年の全国の介護労働実態調査によれば、六六%の介護事業所が介護人材の不足感を感じており、特に訪問介護員の不足に関しては八割以上の事業所が不足と答えています。世田谷区内の事業所でも、特に訪問系の人材確保は難しくなってきていると聞いています。その要因も、訪問介護には現場に出る前に資格要件があるため、新規就労のハードルが高い。訪問介護員、ホームヘルパーの平均月収が、他の介護職員二十一万円台、これでも低いのですが、さらに低い十九万円台にとどまっている。少しでもよい待遇の職場を求めて、同業間での人材の取り合いが激しい。ベテランヘルパーの高齢化などさまざまで、人材確保、定着の決め手が見えないのが実情ではないでしょうか。  次期計画策定に向け、在宅介護、訪問介護の人材確保に焦点を当てた、より綿密な調査を行い、身近な地域で安心して老後が送れるための介護事業計画に反映していくべきです。区の見解を伺います。  昨年度、区が実施した介護現場のハラスメント調査は大変有用なものです。訪問介護事業所のその中では三五%がヘルパーに対する利用者や利用家族からのハラスメントについての相談を受けており、そのうち十三件はサービスの提供が困難になるほどの深刻なものだったというふうに調査結果が出ています。  入浴介助のとき、ヘルパーにも裸になってと求めたという事例など、このような事態を聞くにつれ、若いヘルパーが介護を続けていくということ、定着できるとは考えられません。多くの事業所ではさまざまな工夫をしていますが、より効果的なハラスメント防止策がとれるよう、区としても事業者に対し支援を進める必要があると考えます。区の見解を伺います。  日本は現在行われているILO総会でハラスメント禁止条約の批准も難しいというふうに報道されているなど、世界の基準から見て、働く場のハラスメントに対する社会の理解や法制度が進んでいません。まして介護の現場は、特に訪問介護の現場は家庭の中であり、利用者、その家族の背景により、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントへの理解には大変差があります。共通の理解のないところに、それがサービス停止の理由になるというふうに説明しても納得が得られず、利用者、事業者、ヘルパーの間でトラブルとなってしまうことも考えられます。  区が現場で説明に使いやすい具体例を示したリーフレットなどをつくり、利用者啓発を進め、介護現場のハラスメントを減らし、介護人材の定着支援の強化を図る必要があると考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎鈴木 選挙管理委員会事務局長 私からは、若者の政治参加と投票率の向上につきまして、二点御答弁申し上げます。  最初に、投票率の向上に向けて、さらなる工夫と努力が必要ではないかについてでございます。  選挙は、民主政治の根幹をなすものであり、区民が政治に参加できる最大の機会です。とりわけ区議・区長選挙は、区民生活に密着した、最も身近な選挙であります。  選管では、これまでも投票率向上に向け、有権者の声に耳を傾けながら、誰もが投票しやすい環境整備に努めてまいりました。また、投票率の低い若者へは、大学の学生食堂での選挙啓発の文言を印刷したペーパーナプキンの備え置き、ファミリーレストランでのテーブルステッカーの掲出、居酒屋チェーン店へ投票日等を印刷したコースターの配布なども行っております。  加えまして、今回の区議・区長選挙では、スマートフォンやインターネットで検索した際に、その検索キーワードから世田谷区にゆかりがあると判断された方の画面に、選挙期日等を表示するバナー広告を行いました。この広告は延べ三百九十五万回表示され、そのうち約六千人の方が広告を通して区のホームページを閲覧されました。  また、ポスターのイメージキャラクターには、区になじみの深いウルトラマンを起用し、区内の私鉄全駅に掲出するなどしたところ、SNSでの反響もあり、一定の効果があったものと考えております。  選挙の投票率は、政治の状況、争点の有無、マスコミの報道等さまざまな要因にも左右され、このような啓発活動が直ちに投票率向上に大きく寄与するとは限りませんが、選管といたしましては、若手職員の英知を結集しまして、より効果的な啓発手法について、引き続き検討を重ねてまいります。  次に、教育委員会と連携した取り組みの成果と今後についてでございます。  選管では、有権者となる前から政治に関心を持ち、選挙を通して政治に参加することの大切さを理解してもらうことが何より重要であると考え、これまで、区教育委員会などと連携しながら、区立中学校を中心に出前授業などを行ってまいりました。出前授業では、社会科で学ぶ選挙制度や地方自治の授業の一環として、選管職員三名が区長候補者に扮し、空き地の活用方法を争点とした模擬区長選挙を実施するなど、あらかじめ社会科の先生と十分に協議した上、実施をしております。  模擬選挙では、単に投票の体験をするだけでなく、グループ討議や候補者への質疑などを通して、みずから考え判断し投票するプロセスを重視しており、先生からは、生徒が積極的に質問ができていた、よい雰囲気の中で授業に取り組んでおり、非常によかったと高い評価をいただいております。  このほか、生徒会選挙への協力として、投票所物品の貸し出しやミニ講座などを行っており、昨年度は中学校、高校、特別支援学校を合わせ、出前授業が四件、生徒会選挙への協力が十八件、合計で二十二件の実績がございました。  急な選挙がありますと、学校の要望にお応えできないのが課題でございますが、一校でも多くの学校で実施できるよう、引き続き教育委員会と連携して、各校に働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、二点御答弁させていただきます。  まず、投票率の向上に向けた取り組みでございます。  教育委員会における投票率向上などに向けた取り組みですが、引き続き選挙管理委員会と連携して模擬選挙などに取り組むほか、小中学校の社会科読本の改善などにも取り組んでまいります。  また、模擬選挙が実施されない学校においても類似の体験をしてもらうことができるよう、現在、職員が赴いて実施していただいている政見放送に相当する分を動画で提供する工夫などもしてまいりたいと考えております。  続いてシチズンシップ教育についてでございます。  次年度から小学校で本格実施となる学習指導要領でも、主体的、対話的で深い学びの実現が求められておりますが、社会のさまざまな課題を解決するために、さまざまな人たちと話し合い、自分で判断し決定していく体験を重視したシチズンシップ教育、主権者教育の実践は大変重要であると考えております。  現在、区立小学校では、学級活動や児童会活動等で自分たちのルールを決めたり、役割について考えたりすることを通して、自己決定することの大切さを学んでおります。  また、区立中学校では、模擬選挙の体験授業のほか、社会科での社会生活における物事の決定の仕方や、選挙で投票する意味、決まりの意義、権利と義務等についての学習や、特別の教科道徳や、学級活動、生徒会活動での考え議論し、合意形成を図る学習を通して、生徒の自立性と社会への参画意識を向上させるように取り組んでおります。  今後、シチズンシップ教育、主権者教育を進めるに当たり、区や都の作成した資料を有効に活用しながら、各教科等における学習を横断的に進め、主体性ある市民を育てるよう、さらに努めてまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、在宅介護現場でのヘルパーに対するハラスメント防止と定着支援の強化について、三点御答弁いたします。  まず一点目は、人材の確保、定着に関する調査についてです。  世田谷区としては、訪問介護員を初めとした介護ヘルパーの担い手である介護人材の確保・育成・定着支援は喫緊の課題であり、介護職員が安心して働くことができる職場環境を整える必要があると認識しております。  今年度、次期第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に向けた検討の基礎資料とするため、区民及び区内介護事業所を対象に、高齢者ニーズ調査、介護保険実態調査を予定しております。前回、平成二十八年度に実施いたしました事業所を対象とした調査におきましては、離職した従業員の状況、労働環境の改善の取り組みとともに、人材確保や人材育成の状況についての質問も行っております。  今年度実施する調査の項目につきましては、現在検討しているところですが、介護分野の人材不足がますます深刻化している現状を考慮いたしまして、地域保健福祉審議会の意見等も踏まえながら、訪問介護員の不足状況等の問題点を把握し、今後の施策につながるような調査内容を検討してまいります。  次に、二点目といたしまして、ヘルパーに対するハラスメント防止のための事業所に対する支援についてです。  御紹介のとおり、区では昨年度、介護事業所におけるハラスメントに関する実態調査を、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所等七百六十二事業所を対象に実施いたしました。回答いただいた三百二十一事業所のうち、従業者が利用者家族からハラスメント行為を受けたと回答した事業所は全体の約二六%の八十三事業所でした。この事業所の管理者は、従業者へのハラスメント行為に関して、利用者、家族に対しサービス提供上の注意点などとあわせて丁寧に説明する必要があると考えております。  国においても、介護現場における利用者や家族等によるハラスメントの実態を踏まえ、平成三十一年三月に介護現場におけるハラスメント対策マニュアルを作成いたしました。その中で、介護現場におけるハラスメント対策の必要性や、事業者が具体的に取り組むべきこと等が盛り込まれております。  区では、ことしの四月に、国の対策マニュアルにつきまして、介護保険関係の情報を事業者等にお知らせするFAX情報便にて周知を図っております。  今後も引き続き集団指導や事業者向けの研修などの機会を捉えて、ハラスメント対策に関する周知を図り、働きやすい職場環境に向けた事業者への支援に取り組んでまいります。  最後に、三点目といたしまして、具体例を示したリーフレットなどをつくり、活用してはとの御質問についてです。  介護現場でのハラスメントは、介護職員への影響だけではなく、利用者自身の継続的で円滑な介護サービス利用の支障になることから、ハラスメントをなくすための取り組みは重要であると考えております。  働きやすい職場環境を整えるため、利用者、家族に対して介護サービスを適切に利用していただくための普及啓発用のリーフレットの作成については、区が実施するハラスメント対策として効果があると認識しております。  一方、国が作成した対策マニュアルにおいては、ハラスメントを行っている利用者の中には、疾患や生活困難などを抱えていて、心身の状態がさまざまな方がいることへの留意や、ハラスメントの具体例を挙げることにより、利用者に不快感や不信感を生じさせる可能性についても指摘されており、具体例をどこまで表現するかについては慎重に検討する必要があると考えております。  リーフレット作成に当たりましては、以上の点にも配慮した上で、事業者団体等の意見も踏まえながら進めてまいります。  以上です。 ◆十一番(高岡じゅん子 議員) まず、シチズンシップ教育に関してですが、大変いい出前授業があるようですので、一校でも多くのところで実施できるように、ビデオにするなど工夫していただきたいと要望いたします。  そして、人権教育としてのシチズンシップ教育を形だけのものにせず、子ども一人一人が自己肯定感を高めて、互いに認め合って意見を表明して、自分たちの学校生活を自分たちのものとして充実させていく、そういったことを通じてのシチズンシップ教育ということを、ぜひ実現していただきたいと願っています。教育委員会と、そして現場の皆さんのさらなる努力と工夫を望みます。  あと、介護のほうのハラスメントなんですが、やはりハラスメントをしていらっしゃる方自身は、それがハラスメントだとか、それほど深刻なことだと思っていらっしゃらない、ハラスメントに対する国民全体の理解のレベルが低いということもちょっと指摘させていただきましたが、やはり現場で持っていって本当に役に立つリーフレットの作成を急いでいただくようにお願い申し上げます。  以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十五番石川ナオミ議員。    〔十五番石川ナオミ議員登壇〕(拍手) ◆十五番(石川ナオミ 議員) 通告に基づいて質問をしてまいります。  まず、子どもたちを守る地域の安全対策について伺います。  先月二十八日に川崎市で発生をいたしました殺傷事件、未来ある子どもたちが大変痛ましい事件に巻き込まれたこと、本当に強い憤りを覚えます。改めて、被害に遭われた方、また、御家族の方々に哀悼の意を表したいと思います。  川崎市と世田谷区は、これまでもさまざまな課題への取り組みについて連携協力関係を構築しております。今回もこの川崎市の事件を受けて、区としては何を学んで、そして何を教訓としたのか。また、この経験から、世田谷区としてはどういった安全対策をとっていかなければならないか、川崎市と情報共有しながら、二度と同じ犯罪を起こさない、犯罪を未然に防ぐという強い意志のもと取り組んでいかなければならないと思います。
     そこで、教育委員会に伺います。犯罪による通学路の安全をどのように担保していくのか、子どもたちの命をどのように守っていくのか、まずは答弁を願います。  そして、子どもたちの安全を守るのは通学路だけではなく、地域全般に見守っていかなければなりません。この子どもたちの見守り活動ということでは、区内の八つの事業所に既に協力をいただいて見守り事業を展開しております。  そして、この見守りということでは、高齢者の方々の見守り事業ということで、世田谷区では力を入れて取り組んでおります。例えば保険会社や金融機関、また、土地家屋調査士といった団体、二十一の団体と現在協定を結んで、現在、高齢者の方々の見守り事業に力を入れて取り組んでおります。  そこで、二点伺います。  この高齢者の見守り事業のスキームを活用いたしまして、子どもたちをも見守ってもらえるように幅広く見守ってもらえることができないか、そうした仕組みが構築できないか、伺います。  そして、この地域での見守りということでは、既に町会・自治会、PTAの方々にも御協力をいただいておりますが、今後も地域の方々と連携をし、防犯対策をさらに進めていかなければなりません。これはどのように進めていくのか御答弁を願います。  続きまして、区立学校におけるキャリア教育、また、心を育む教育について伺います。  私たちの人間の三大欲求というのは、食欲、睡眠欲、そして性欲ということが言われておりますが、恐らくこの議場では今、睡眠欲と闘っていらっしゃる方が多いのではないかと思います。もしくは睡眠欲に負けてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。  そして、もう一つの三大欲求というのは、皆さん御存知でしょうか。これは心の三つの欲求ということが言われておりまして、三つの「たい」ということも言われております。褒められたい、認められたい、そして人の役に立ちたいというこの三大欲求です。今の子どもたちは、まさにこの三つの欲求を持ってもらいたい。もしくはこの三つの欲求を育てていってこそ、初めてキャリア教育の根幹が育っていくというふうに思っております。  今の子どもたちを取り巻く環境はどうでしょうか。人間関係がうまく構築できない、自己肯定感を持つことができない、将来に夢を持つことができない、こうした子どもたちがふえているということが指摘をされております。  私もこの議員になる前は、大学などでキャリアということで指導させていただいておりましたので、非常にこの若者にキャリアをデザインしていくということには関心を持っております。  ところで、一九九九年に中央教育審議会が提唱したキャリア教育ということがスタートいたしまして、ちょうどことしで二十年になります。この二十年を振り返りまして、今のキャリア教育は、果たして適切に行われているでしょうか。先ほど申し上げましたように、子どもたちが将来に夢を持つことができない。そして、子どもたちよりも若者が、あえてニートや、そしてフリーターという道を選んでしまう、目的もなしに選んでしまうということが現状にあります。このキャリア教育が職業観、勤労観を育てていると言えるでしょうか。今こそ、コンテンツや、そしてキャリア指導ということを見直ししていかなければいけない時期に来ているのではないでしょうか。  そこで、このほど新任された渡部教育長に二点伺います。  渡部教育長はキャリア教育に非常に力を入れていらっしゃったと伺っております。これからのキャリア教育というのはどういったことが大切なのかということを、まずは伺いたいと思います。  そしてもう一つ、さきの臨時議会で、渡部教育長は、一人の子どもも取り残さない、置き去りにしない、そして自己肯定感を子どもたちは高めていかなければならないんだということをおっしゃっておりました。これはまさに私も共感するところでもございます。  それでは、今の世田谷区の子どもたちにこの自己肯定感を持たせるような教育というのはどういったことができるのでしょうか、御答弁を願います。  続いて、世田谷区のインバウンド対策について伺います。  皆さんが海外に旅行された際には、免税店でお買い物をするという方が多いのではないでしょうか。逆に外国から日本に来られた方も免税店でお買い物したいという方もいらっしゃるかと思います。  現在、都内には一万三千百三十一店舗の免税店がございます。世田谷区は三年前に下北沢に免税店がスタートしましたけれども、なかなかその数がふえていないというのが現状にあるようです。  平成二十九年の訪日観光客なんですが、消費額が四兆四千百六十二億円で、これは前年よりも四・一倍拡大をしているということ、そういったデータがございます。これからオリンピック・パラリンピックに向けてもインバウンドの需要が大いに期待されるところでもございます。  このインバウンド対策といたしましては、キャッシュレスのインフラ整備というところが今課題となっておりますが、あわせて免税店をふやすということも、これからは必要ではないでしょうか。  と申しますのは、皆さん御存じのように、ことしの十月から消費税が増税されるということも予定されております。外国の観光客の方が買い物先を選ぶ際には消費税の免税店でということで、消費の動向が大きく変わるという可能性もございます。  また、来年の四月、免税店におきましては手続を全て電子化に義務づけるという法の改正もございます。これによりまして、オペレーションの煩雑化、煩わしさから解消されまして、個店の負担も軽減されるというメリットもございます。  これを機に、区内の商店街に免税店をふやしまして、商店街振興につなげるということはできないでしょうか。例えば商店街の免税店のマップを作成いたしまして、外国の観光客の方がそのマップを見ながら商店街の個店をそれぞれお買い物して回っていく、まさにインバウンドのまちなか観光というところで、商店街の活性化につなげるということはできないでしょうか。  そこで、区として免税店の普及に向けてどのような支援ができるのか、改めて伺います。  最後は、三月の予算特別委員会でも取り上げました。ことしの二月にオープンいたしました希望丘地域体育館における、障害者の利用枠の拡充について伺います。  この希望丘地域体育館は、障害者の方が利用しやすいように施設整備がなされておりまして、パラリンピックの正式種目でありますボッチャのコートラインも引かれているなど、障害者の方が練習がしやすいという体育館でもございます。  しかし、現段階では障害者の方の優先利用枠が少ないということで、実際に障害者の方や障害者の団体の方からも、もう少し広げていただくことはできないかという御要望をいただいておりました。  予算特別委員会では、その際には前向きに検討していきますという御答弁をいただいておりました。現在の進捗状況はいかがでしょうか。改めて障害者の方の利用枠拡充に向けてどのような動きがあるのか御答弁をいただきます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 私からは、二点について御答弁申し上げます。キャリア教育及び心を育む教育についてでございます。  予測困難な時代を生きる子どもたちに、時代に適応した生きる力と確かな職業観や勤労観を育成することは大変重要であると考えております。キャリア教育では、子どもに身につけさせたい資質、能力を明らかにし、教科横断的、学年横断的な学習を推進し、過去の学びが今に生き、今の学びが将来に役立つ学びの連続性を、子どもたちに実感させ、学習意欲を向上させることが大きな狙いでございます。また、地域や社会への関心を高め、職業を通しての生き方を見つめる、これも大きな目標であり、将来の社会人としての基盤づくりになると考えます。  これから世田谷区の子どもたちが社会的・職業的自立に向けて必要とする基本となる資質、能力を身につけ、学ぶ意義を理解し将来へつなぐ、次世代を見据えたキャリア教育を展開してまいります。  その際、私の経験からも、地域社会や地域の大学、企業と連携協力して行う学びの効果は大変高いと考えます。全ての子どもたちが地域の中で多くの方々とつながり、かかわりを積み重ねることで、将来への夢や希望を育み、一人一人に応じた職業観や勤労観を大切に育てる教育を推進してまいります。  二点目の自己肯定感を高めるための教育について御答弁申し上げます。  自分のよさに気づき、自信を持ち、多様な他者と積極的にかかわって豊かな人間関係を築いていく力は、幼児期の生活や学校生活、将来の生活の根幹になるものであると考えます。さまざまな調査からも、自己肯定感が高い子どもは学習意欲が高いなど、学力や規範意識とも高い相関関係にあることが報告されています。  今後、幼児期から青年期にかけて意図的、計画的に教育を進める必要があると認識しております。現在、幼児教育と世田谷九年教育を一体として捉えた枠組みについて、遊びと学びをキーワードに検討しているところでございます。  幼児教育においては、遊びの中の学びによって自信を持って挑戦したり、粘り強く目標に取り組む、達成した喜びを感じる活動等を取り入れるなど、環境を重視してまいりたいと考えております。  学校教育では、異学年交流や行事、授業等を通して、全ての子どもたちが認められる学校環境を基盤とし、それぞれの個性や適性や可能性について理解し合えるよう育ててまいります。多様性の尊重や認め合うことの大切さについて考える体験的で探究的な教育を取り入れ、保護者や地域の方々の御協力を得て、一人一人の自己肯定感の涵養に努めてまいります。  以上でございます。 ◎淺野 教育次長 私からは、子どもたちの安全につきまして御答弁申し上げます。  教育委員会では、登下校時の安全対策として、学校安全対策マニュアルに基づきまして、事件、事故の事前予防対策や緊急事態発生時の対策を行っております。  具体的な対策としましては、各学校でセーフティ教室等を開催し、事件や事故等の非常時から身を守ることや、安全指導等で大声を出したり逃げたりするなどの危険回避の仕方など、みずからの身をみずから守る、そういったような力を身につけられるよう、児童生徒へ指導しております。  また、防犯ブザーの貸与やそれを携帯していることを示し、ランドセルに張りつけるためのシールの配付を行っております。さらに警察署や地域と連携した「こどもをまもろう一一〇番」の推進、子ども安全ボランティア活動など、学校と地域が一体となった児童の見守り活動を行っております。  また、区立小学校の通学路沿いに合計三百十台の通学路防犯カメラを設置しているとともに、区立小中学校、幼稚園に防犯カメラを設置し、校門等をモニターするなど、学校や園の安全確保を図っております。子どもの安全安心の環境づくりには、こうした対策を継続して適切に取り組んでいくことが必要であると考えております。  教育委員会では、引き続き警察署などの関係機関と緊密に連携を図り、国や都の動きなども踏まえまして、安全安心の学校づくりの推進に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎工藤 危機管理室長 私からは、子どもの見守り対策としての高齢者見守り団体との連携、また、地域と連携した防犯対策について御答弁いたします。  現在、区では、子どもの安全安心を見守るため、郵便局、輸送会社等八団体と協定を締結し、子どもなどにかかわる異常を察知した場合、一一〇番通報やその者への声かけなど、一時的な対応として御協力いただいております。  今後につきましては、他の自治体の事例も参考にしながら、御提案いただきました高齢者の見守り協定を締結している団体、事業者との連携を具体的に進めてまいります。  また、区民の防災意識の向上を目的として、町会の代表者などを対象に、地域防犯リーダーの育成のための地域の危険箇所改善指導者講習会を実施するなど、防犯対策を講じております。  今後も引き続き地域と連携した防犯対策に取り組んでまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、インバウンド対策として、免税店普及に向けて、区としてどんな支援ができるかについて御答弁申し上げます。  外国人観光客に区内商店街で買い物をしていただくことは、商店街振興にとっても意義があり、観光客の買い物先の選択には、消費税の免税店かどうかは大きな影響を与えるものと考えております。  本年十月に実施される予定の消費税率の引き上げに伴い、販売価格への影響が大きくなることから、免税店の需要は大きくなることが予想されます。  お話しのとおり、都内の免税店の数は大きく増加しておりますが、区内では大型ショッピングセンターや量販店、下北沢にある商店街振興組合などで免税店登録をしている例があるものの、その数は多くないものと認識しております。  免税店登録や販売時の手続については、平成三十年の税制改正による外国人旅行客向けの免税制度の拡充や、民間事業者による新たな窓口対応機器の開発などにより敷居が低くなっており、個人商店などでも対応可能な状況になってきたと考えております。  現在、区内商店街においては、キャッシュレスへの関心に比べ、免税についての関心が高いとは言えない現状と認識しております。  今後、産業振興公社や商店街連合会などとともに、免税制度のPRやセミナーの開催など、商店街におけるインバウンド受け入れの環境整備に向け検討してまいります。  以上です。 ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、希望丘地域体育館におけます、障害者の優先利用枠の拡大につきまして御答弁申し上げます。  本年二月にオープンしました希望丘地域体育館は、だれでもトイレやだれでも更衣室などの機能を備えるほか、一階にはパラリンピックの種目でありますボッチャのコートラインを引くなど、障害のある方にも気軽にスポーツに親しんでいただける施設となっております。  障害者団体の優先利用につきましては、関係部署と連携し、この四月から総合福祉センター等で活動していた団体を中心に、月四枠の障害者団体優先利用枠を設け、ボッチャや卓球、ダンスなど、二カ月間で六十七名の方に御利用いただいております。  一方、オープンからこの間の利用状況につきましては、土曜日、日曜日、祝日に比べ平日が少ないため、障害のある方がよりスポーツをする機会をふやせるよう、一般団体利用とのバランスを考慮しつつ、ことし九月より優先枠の月四枠から六枠への拡大に向け、現在、関係所管部と調整を進めているところでございます。  区といたしましては、今後とも障害者スポーツの推進に向け、施設の機能面の改善だけでなく、障害のある方がスポーツができる機会づくり、障害者スポーツの普及啓発に積極的に取り組んでまいります。  以上です。 ◆十五番(石川ナオミ 議員) 希望丘地域体育館は、早速、障害者の方々の優先枠を広げていただけるということで、これはぜひとも進めていただきたいと思います。  そして、キャリア教育についてなんですが、他の自治体の例ということで、近隣では杉並区の小学校の例なんですが、児童が模擬会社を設立いたしまして、手拭いの商品開発、企画から販売活動までを体験するというユニークな、そうした取り組みなども行われているんですね。ですから、今後、世田谷区でもこうした杉並の事例などを参考にしながら、キャリア教育を新たな視点で取り入れることはできないでしょうか、御答弁をいただきます。 ◎池田 教育政策部長 お話にございましたように、杉並区ではキャリア教育コーディネーターの有資格者が、各種経済団体や企業、商店街、大学等と学校を結びつける取り組みを行っていると聞いております。  世田谷区においても、学校、家庭、地域が一体となって学校運営を進める学校支援地域本部という取り組みを行っており、学校支援地域本部の学校支援コーディネーターに地域と学校等をつなぐ役割を担っていただいているところです。  キャリア教育に関する取り組みといたしましては、地域のさまざまな職業の方に仕事の内容や生き方を話していただく、尾山台小学校のリアル職業調べや、子どもたちが地域のお店や施設を訪問して話を聞く、給田小学校の給田ウォーカーなどの取り組みがございます。  教育委員会といたしましては、学校と地域との連携を深め、地域のさまざまな人材に学ぶ取り組みを引き続き推進するとともに、他自治体の先進的な事例に学び、より充実したキャリア教育の展開に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十五番(石川ナオミ 議員) ぜひとも、今後も子どもたちに合ったキャリア教育ということをぜひ推進していただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  世田谷公園内にある平和資料館は、もともとは平和資料室として玉川小学校の校内にありましたが、平成二十七年に、現在の世田谷公園内に新しく平和資料館を建設しました。展示ケースや展示パネルは、玉川小学校にあったものをそのまま移設して活用していましたが、老朽化してきたために、見学者のために安全面と、もっと観覧しやすくなるように常設展示室内など全体を改修して、以前よりも展示室内が明るくなって通路の幅も広くなったので、お子さん連れの方や、そして車椅子の方も安心して見ることができるようになりました。確かに、以前より展示物の高さも低くしたり、パネルの説明文もわかりやすくしました。リニューアルから二カ月間、来客された方がどのような感想、そして意見があったのでしょうか。  平和資料室にはせたがや未来の平和館という愛称があって、子どもたちの未来のために、子どもたちが今よりもっと来場してくれて、子どもたちが平和を考える機会になる、そういう施設になることを私は期待しているのですが、そのためには、今後、教育委員会との連携をどのように進めていくのかお伺いします。  次に、マイナンバーカードの交付状況についても伺いますが、ことしの十二月に証明書の自動交付機が終わってしまい、その後は近所のコンビニエンスストアでマイナンバーカードを利用すれば、全国のコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書、納課税の証明書の交付が受けられることになります。証明書のコンビニ交付は毎朝、朝の六時三十分から夜の十一時まで利用できて、役所の窓口よりも料金が安いこと、また、申請書の記入が要らないことから、利用する人には大変便利なものになります。  そこで、私も早目にマイナンバーカードを準備しようと、先日、マイナンバーカードの臨時窓口でマイナンバーカードの交付申請手続を行ってきました。事前にコールセンターに予約の電話をすると、四月ということもあってか、週末の予約については、世田谷地域と北沢地域と言ったら、混んでいてだめですと言われ、あいている場所は、烏山地域なら予約が可能ですよというコールセンターの担当者から親切に案内され、休日の烏山地域の予約をとりました。  手続は、当日、会場の誘導から申請手続まで、担当の方の対応が丁寧で、カード用の顔写真も無料で撮ってもらいました。手続の終了に当たって、現在、マイナンバーカードの申し込みが大変混み合っていて、カードの交付までに一カ月から約二カ月近くかかりますとの説明がありました。私自身、申請手続自体は二十分程度で終えることができましたので、区民の方も早目の手続をされたほうがよいと感じました。  そこでお尋ねしますが、現在、世田谷区におけるマイナンバーカードの専用の窓口はどのようになっているのでしょうか。また、マイナンバーカードの現在の区内の交付状況もあわせてお伺いします。  先日、この三月にオープンしたばかりの希望丘複合施設に伺いました。どの施設も、職員の方々に本当に丁寧に説明していただき、とてもありがたく思いました。あっという間の三時間でした。  その際、不登校児童や生徒を支援するほっとスクール希望丘と若者の活動拠点、希望丘青少年交流センター、そして地域体育館、区立希望丘保育園を見学させていただきました。ゼロ歳から御年配の方まで利用できる複合施設となっていて、この施設に伺うには、決して便がよいとは言えないところですが、予想以上のにぎわいで驚きました。  この複合施設は、区立希望丘中学校が二〇一二年三月末に統廃合で閉校したことから、およそ六千三百平方メートルの跡地を利用して三階建ての体育館を改修したもので、隣の四階建ての新築の複合施設に青少年交流センターなどが入っています。  希望丘青少年交流センターの愛称はアップスといって、主に中高生から三十九歳までが対象で、「家にも学校にもないものを。」をキャッチコピーに、地域の若者が集える交流スペースやホール、本格的な音楽のスタジオや、広くてとっても使いやすい調理室もありました。また、自動販売機コーナーは、飲料水だけではなく、パンやおにぎり、カップ麺と充実して、子どもから大人まで大人気でした。  学習室では、子どもたちが静かに勉強、学びと遊びがすみ分けられていました。そして、多世代が利用できる場所として、地域の方々も自由に入れるカフェスペースもあり、区内の農家さんが育てたおいしい野菜が購入できます。料理にも添えられていましたが、カフェの一番人気はフライドポテト、売り切れることもあるそうです。  さらに毎週水曜日と金曜日十六時から二十一時まではアップスの利用者に地域体育館が開放されていて、アップスから直接行くことができて、子どもたちは伸び伸びと運動していました。このような施設は、今後、ぜひふえていってほしいと思います。  区内在住の小中学生を対象とした不登校の児童生徒の心の居場所であるほっとスクール希望丘は、定員は三十五名ですが、体験生は五十名近くと需要が高く、まさに必要とされている施設であると認識しました。  それから、ゼロ歳児から五歳児、就学前までの子が通う区立希望丘保育園も訪問しましたが、医療的ケアが必要なお子さんも含めて百七十八名のお子さんが通っていて、保育園はどの部屋も明るく、現場の園長さんに聞いたのですが、園庭は職員の方がアイデアをふんだんに盛り込んでつくったものだそうです。子どもたちが本当に伸び伸びと遊んでいる姿が印象に残っています。  また、見学した日はちょうど保護者会があったので、若いお父さんやお母さんもこの保育園に預けて安心して働いているように見受けられます。  そこでお伺いしますが、希望丘青少年交流センターは、ことしオープンしたばかりですが、現在、利用状況と、今後どのように運営していくのかお伺いします。  また、メルクマールせたがやの出張相談を実施していると、職員の方から伺いましたが、利用状況はどうなっているのでしょうか。また、区内には希望丘のほかに池之上と野毛に青少年センターがありますが、この三カ所の施設はどのように連携していくのかお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。
    ◎松本 生活文化部長 私からは、平和資料館について、二点の御質問にお答えいたします。  まず、リニューアル後の来館者からの感想でございます。世田谷区立平和資料館は、玉川小学校内にございました平和資料室から展示資料を引き継ぎながら、戦後七十年の節目に当たる平成二十七年に世田谷公園内に開設したものでございます。  しかしながら、展示パネルの劣化や見学者の利便性の向上を図るため、展示室通路の拡充、照明の改善など、常設展示室を改装したほか、展示品の増設、説明文の見直し、展示パネルの補修なども行いまして、本年三月十五日にリニューアルオープンしたものでございます。  リニューアル後の来館者は、四月が五百三十人、五月が六百二十人という状況でございまして、従前より大幅にふえたという状況ではございませんが、来館者からは、ベビーカーや車椅子でもスムーズに移動ができるようになった、展示物が多くなり、明るく見やすくなった、さらには貴重な物品、資料を多くの次世代の方に伝えてほしい、こういった感想、御意見をいただいているところでございます。より多くの方に来館いただけるよう、企画展の実施や、同じく世田谷公園内にあります「平和の祈り」像、平和の灯、被爆二世の木とあわせまして、一層のPRに努めてまいりたいと考えております。  続きまして、教育委員会との連携についてでございます。  平和資料館では、夏休みの自由研究等を目的に来館する中高生に向けまして、戦争記録等の配付資料を用意しております。昨年の夏休みには、中高生に加えまして小学生の来館もふえたことから、今年度は学年に合わせた学習資料を新たに作成しまして、子どもたちの学習にきめ細かく対応する予定でございます。  また、太平洋戦争時の様子を平和資料館収蔵品と解説パネルで紹介する中学校巡回展は、教育委員会と連携しまして、毎年、九校から十校で実施をしておりまして、三年間で全区立中学校を巡回する予定で取り組んでおります。巡回展に合わせ、平和資料館職員が学校に出向きまして、戦争と平和理解について解説する機会を設けることについても検討しているところでございます。  さらに、平和の花運動としまして、近隣の池尻小学校の子どもたちとフウセンカズラを栽培しまして、苗やハート型の種を区内の小学校や図書館などに配付し、さらに育ててもらうことを通じまして、平和の輪を広げる活動も始めております。  平和資料館がその愛称であるせたがや未来の資料館にふさわしいものとなるよう、さらに教育委員会と連携しまして、子どもの平和を愛する心の育成に向け積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 私からは、マイナンバーカードについて、二点御答弁いたします。  初めに、マイナンバーカード専用窓口について御答弁いたします。  マイナンバーカードは、公的な身分証明になるほか、証明書コンビニ交付サービスの利用などにお使いいただける顔写真つきのICカードでございます。本年四月より三軒茶屋のキャロットタワー二階に専用窓口を改めて開設しております。平日は十一時より十九時まで、土曜日は九時より十七時まで開設しております。また、議員にも御利用いただきました臨時窓口を、昨年度に引き続き各地域で月一回、土曜日または日曜日に実施しております。  続きまして、区内における交付状況について御答弁いたします。  世田谷区における交付枚数は、ことし五月末現在で十六万二千百二十八枚、人口に対する交付率は一八・〇%でございます。  一方、全国における五月末現在のマイナンバーカードの交付枚数は約一千七百二万枚、人口に対する交付率は一三・三%であり、区は全国平均を上回る交付率となっております。  区ではこれまでも、ことし十二月での証明書自動交付機の終了や、マイナンバーカードを利用することによりコンビニ交付が御利用いただけることを御案内していることから、多くの区民に関心を持っていただいているものと考えております。  引き続き区民の皆様へのマイナンバーカードの利便性や申請方法のPRに努めるとともに、専用窓口、臨時窓口等の活用により、マイナンバーカードの交付促進に努めてまいります。  私からは以上です。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、希望丘青少年交流センターについて三点お答えいたします。  まず一点目でございます。現在の利用状況と今後の運営についてでございます。  希望丘青少年交流センターは、若者の交流と活動を推進する全区的な拠点として、ことし二月に開設し、五月三十一日までの利用者数は延べ二万三千四十名、利用登録者数は三千百七十一名となっております。  利用登録者の内訳でございますが、小学生が千四百三十名で全体の四五・一%、中学生が九百七十名で三〇・六%、高校生世代が五百三十四名で一六・八%、大学生世代以上が二百三十七名で七・五%でございまして、利用登録の四分の三以上が小中学生となっておりますが、四月の下旬あたりから高校生の登録利用も増加傾向にございます。  このアップスでは、学識経験者や利用する地域の方などで構成いたします運営委員会や利用する若者たちで構成する若者運営委員会を開催し、利用者の意見や要望を取り入れながら、誰もが自分らしく過ごすことができる居場所づくりに努めております。  今後、多世代、多分野が共生する地域コミュニティーの基幹としまして、施設間で連携協力を行うとともに、若者が地域の中で生き生きと活動、交流ができ、若者が力を発揮する地域づくりを担う中核的な拠点となるよう運営してまいります。  二点目でございます。メルクマールせたがやの出張相談の利用状況についてでございます。  生きづらさを抱えた若者やその家族を支えるメルクマールせたがやは、平成二十六年九月に池尻に開設してから昨年度までに約四百七十名の方を支援してまいりましたが、区内に四千四百人いると想定されております十五歳から三十九歳のひきこもりの約一割にとどまっております。  昨年度、区が実施いたしました若者施策に関する調査では、メルクマールせたがやを知らなかったが九三・四%と多く、施設を利用したことがあると答えた方の中では、専門機関が近くになかったという回答も五%近くございました。  この結果を踏まえまして、より身近な場所で相談が受けられるよう、御自宅等への訪問相談に加えまして、本年二月よりアップスで公認心理師と専門職員による月一回の出張相談を予約制で開始いたしました。しかしながら、五月までの御利用は一件となっておりまして、メルクマールせたがやでのこの新たな取り組みを広く知っていただくため、区報やSNSでの発信のほか、民生児童委員などの地域の支援者の方や関係機関の周知に努めているところでございます。  今後もより一層の周知に励みまして、利用者の声を伺い検証しながら、生きづらさを抱えた若者や家族が相談しやすい体制を整えてまいります。  三点目でございます。今後の三つの青少年交流センターの連携についてでございます。  区内にはこのアップスのほかに、池之上青少年会館と野毛青少年交流センターの三つの青少年交流センターについて、若者が主体的に活動できる場所や気軽に立ち寄れる居場所、そして若者が地域とつながり、世代を超えた交流を推進する拠点という位置づけのもと、おのおのの特色を生かした運営を行っております。  三センターの連携の第一歩といたしまして、今年度から三センター長会を実施しまして、各青少年交流センターの運営状況の報告、課題認識や情報共有を行っております。また、今後は各青少年交流センター間の見学などを通しまして職員の交流を行い、共通課題についての合同研修やイベントの合同実施等も検討することとしております。  今後は、三つの青少年交流センターそれぞれが切磋琢磨して質の向上を図るとともに、地域のネットワークの中核である児童館との連携も強化しまして、若者の交流の活動をより推進できるよう運営してまいります。  以上でございます。 ◆四番(青空こうじ 議員) 平和資料館のNHKのビデオがあるんです。大体一巻が四十三分になるんですけれども、すごく迫力があっていい映像です。これも大体来る方は皆評判がいいそうです。  それとマイナンバーカード、僕自身もまだ家に来ていないんですが、あれは本当に行くときには必ず保険証か運転免許証を持っていってください。よろしくお願いします。  そして青少年交流センター、本当にあんなにすばらしいとは思わなかったです。あんなにあっという間に、本当三時間かかりましたけれども、あそこはぜひ議員の方も見に行ってください。よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十四日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十七分散会...