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平成31年  3月 予算特別委員会-03月12日-05号

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  1. 世田谷区議会 2019-03-12
    平成31年  3月 予算特別委員会-03月12日-05号


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    平成31年  3月 予算特別委員会-03月12日-05号平成31年 3月 予算特別委員会 平成三十一年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第五号 日 時  平成三十一年三月十二日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  安部ひろゆき 副委員長 津上仁志 副委員長 そのべせいや      阿久津 皇      石川ナオミ      石川征男      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      上山なおのり      河野俊弘      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき
         山口ひろひさ      山内 彰      ゆさ吉宏      和田ひでとし      板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      平塚敬二      福田妙美      諸星養一      風間ゆたか      中塚さちよ      中村公太朗      羽田圭二      藤井まな      江口じゅん子      桜井 稔      たかじょう訓子      中里光夫      村田義則      大庭正明      田中優子      桃野よしふみ      小泉たま子      佐藤美樹      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      すがややすこ      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 菊島 進  出席説明員   副区長           宮崎健二   世田谷総合支所保健福祉センター           所長    皆川健一           生活支援課長                 岩渕博英           保健福祉課長                 柳澤 純           健康づくり課長                 河島貴子           副参事   木田良徳   北沢総合支所保健福祉センター           所長    木本義彦           生活支援課長                 小林清美           保健福祉課長                 佐久間 聡           健康づくり課長                 淺見一雄           副参事   相馬正信   玉川総合支所保健福祉センター           所長    山田 実           生活支援課長                 藤原彰子           保健福祉課長                 亀谷智惠子           健康づくり課長                 石崎泰江           副参事   瀬川卓良   砧総合支所保健福祉センター           所長    若林一夫           生活支援課長                 箕田裕子           保健福祉課長                 安間信雄           健康づくり課長                 小松大泰           副参事   加藤康広   烏山総合支所保健福祉センター           所長    清水昭夫           生活支援課長                 三羽忠嗣           保健福祉課長                 和田康子           健康づくり課長                 奈良部晴美           副参事   大里貴代美   政策経営部   財政制度担当参事                 松永 仁   保健福祉部   部長    板谷雅光           調整・指導課長                 加賀谷 実           生活福祉担当課長                 山本久美子           国保・年金課長                 太田一郎           保険料収納課長                 尾野聰始           副参事   五十嵐哲男   障害福祉担当部 部長    松本公平           障害施策推進課長                 竹花 潔           障害者地域生活課長
                    阿部辰男   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                 板谷雅光           梅ヶ丘拠点整備担当課長                 三浦与英   高齢福祉部   部長    瓜生律子           高齢福祉課長                 尾方啓美           介護保険課長                 杉中寛之           介護予防・地域支援課長                 髙橋裕子   子ども・若者部 部長    澁田景子           子ども育成推進課長                 堀込章仁           児童課長  相蘇康隆           子ども家庭課長                 松本幸夫           児童相談所開設準備担当課長                 長谷川哲夫           若者支援担当課長                 小野恭子           副参事   土橋俊彦   保育担当部   部長    知久孝之           保育課長  後藤英一           保育認定・調整課長                 有馬秀人           保育計画・整備支援担当課長                 荒井久則   世田谷保健所  所長    辻 佳織           副所長   伊藤美和子           健康推進課長                 鵜飼健行           感染症対策課長                 安岡圭子           生活保健課長                 山本恵造     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成三十一年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成三十一年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成三十一年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成三十一年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成三十一年度世田谷区学校給食費会計予算福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆たかじょう訓子 委員 おはようございます。日本共産党の福祉保健所管の質疑を始めます。  私からは、子どもの貧困対策についてと、障害がある方への自立支援について伺ってまいります。  まず、子どもの貧困対策について伺います。  今年度、区は子どもの貧困の実態を把握するため、子どもの生活実態調査を実施しました。二月、福祉保健常任委員会で速報が報告され、正式な調査報告は年度明けに発表されるということです。この四年間、私は毎議会、子どもの貧困対策の必要性を訴え、提案もしてまいりました。世田谷区の実態がわからなければ実効ある対策を講じることはできません。子どもの貧困の実態把握は不可欠と訴えてまいりました。区が子どもの生活実態調査を実施したことは重要であり、今後の子どもの貧困対策のさらなる充実につながるものと評価します。  調査結果速報では、生活困難層の子どもが全体の一割、一万二千人であること、一般質問では必要な支援を必要な方に届けるための努力を求め質問をいたしました。今後、実態調査報告をもとに、さらに総合的に子どもの貧困対策を進めることを求め、伺います。  この間、子どもの貧困対策としてさまざまな提案を行ってきました。シングルマザーや就学援助の受給者などからの聞き取りからは、親が収入が少なく、貯金もなく、中学入学前に制服購入の費用を賄うことができなかったため借金をした、住宅費が家計に大きな負担となっていること、親は非正規雇用のダブルワークをしている、親が多忙のため宿題を見ることができない、学習におくれがある、塾に通うこともできない、不登校になりがち、親が疲弊して子どもと向き合うことができない、国保を含む多重債務があるなど、さまざまな背景と問題が複合的にかかわってあらわれているということを感じてきました。こうした問題に対応するためには、全庁的に問題を共有し、総合的な対応が必要だと考えます。  区は、子どもの貧困対策を横断的に検討する会議体、子どもの貧困対策推進連絡会を平成二十八年五月に開始しました。部局を超えて横断的な会議を行ってきた、その必要性についてどのように考えているのか、認識を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 子どもの貧困対策は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることなく、地域の中で孤立することを防ぎ、子どもがみずからの力を発揮して夢を実現できるよう後押しするために、必要な環境整備と教育の機会均等を図り、国の施策と連動しながら総合的に取り組んでいく必要があります。  そのためには、子どもへの支援だけでなく、就労や住宅、健康など親への支援も視野に入れた横断的な議論が必要なことから、子ども・若者部を初め、各総合支所保健福祉センター、保健福祉部、保育担当部、世田谷保健所など、保健福祉領域の各部のほか、政策経営部、教育委員会事務局、都市整備政策部など、領域横断的に構成した、子どもの貧困対策推進連絡会を平成二十八年度より立ち上げました。子どもの貧困対策の推進に当たりましては、この連絡会において、さまざまな視点から幅広い議論を重ねつつ、内容等に関し検討を進めることが重要であると認識しております。 ◆たかじょう訓子 委員 子どもの貧困対策を進めるために大変重要な役割を果たしていると思います。  また、子どもの生活実態調査を受け、今後どのように子どもの貧困対策を進めていくのか伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 区が今年度実施しました子どもの生活実態調査のアンケート調査からは、生活困難を抱える小中学生が一割を超え存在していることや、家庭環境や経済状況などが子どもへの食や体験、学び、自己肯定感、健康に少なからず影響を及ぼしていることなど、子どもを取り巻く環境にさまざまな課題があることが見えてまいりました。  現在、支援者に対するヒアリング調査も含めた結果報告書を取りまとめているところですが、本調査結果に加え、来年度には、さらなる分析を行い、より詳細に子どもの生活実態を把握してまいります。  これら調査の結果などをもとに、子どもの貧困対策推進連絡会を通じて各分野の課題を共有し、議論を深めながら、支援につながりにくい状況にある家庭や、その子どもを必要な支援につなぐ仕組みを含め、子どもの貧困対策の検討を進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ進めていくために力を尽くしていただきたいと思っております。  また、区は、支援が必要な方に支援をつなげるために、気づきのシートに取り組んでいます。この間、子ども食堂の現場からの声でも、支援が必要な方に届かないとの声を伺ってきました。現場の実感が子どもの生活実態調査でも明らかになりました。生活困難層ほど支援につながりにくいというものです。子どもにかかわる現場、学校、児童館、保育園などで積極的に支援につなげる取り組みだと評価しています。支援につなげるために気づきのポイントをまとめたものをつくって、それを各部の方が、それぞれの現場で活用しているということです。  気づきのシートの活用の状況、それから今後の展開について伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 ただいま御紹介いただきました気づきのシートにつきましては、平成二十九年十月より、まずは区立保育園、児童館、青少年交流センターにて活用を開始しましたが、現在は区立幼稚園、小学校、中学校、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育相談室、新BOPなどにも配布し、活用する機関の範囲を拡充しております。  このシートを活用し、各機関において見守りや、子ども家庭支援センターにつないだ案件が複数件あるとの報告を受けております。  今後の展開としては、気づきのシートにまとめている子どもの貧困の主な傾向について、今年度、区が実施しております子どもの生活実態調査の結果を反映させ、より区の実態に合わせた形に改定することで、さらなる気づきを促してまいります。また、シートの活用状況を踏まえ、他の機関への配布の拡大を検討し、支援につなぐ仕組みの充実を図ってまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。子どもの生活実態調査を行っていますが、本当に現場の声などもヒアリングしていると聞いています。さらに積極的に進めていくことを求めていきたいと思っております。子ども計画策定において、子どもの貧困対策推進計画などの策定、いつまでに何を達成するなど、目標を決めていくことが必要でないかと考えています。具体化することを求めておきます。  次に、障害のある方への自立支援について伺います。  医療的ケアを要する重度障害があり、寝たきりの生活を送っている方を介護している御家族からの御相談を受けています。医療機関に入院をしていましたが、本人の意向で自宅に戻り、ヘルパー派遣を利用しながら生活しています。たんの吸引は親御さんが行っているので、夜間は寝ることができず、ヘルパーを利用している昼間の時間、二時間から三時間睡眠をとる毎日です。娘さんは、制限がある中でも、好きな音楽を聞き、人生を楽しんでおられます。親御さんは娘さんの意思を尊重し、精いっぱい支えているという状況です。  親御さんの望みは、やはり親亡き後、娘さんが尊厳を守って生きることができるよう、そういったことが望みです。医療的ケアを要する重度障害の方が親亡き後、尊厳を守って生きることができるよう生活が保障されるべきです。施設やグループホームの整備が求められていると思います。  医療的ケアが必要な重度の障害のある方でも、一人一人の尊厳が守られ、本人の希望に沿った住まいや活動の場の確保をどのように進めるのか、区の見解を伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 医療的ケアが必要な重度障害者を含めまして、障害がある方が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるようにするためには、日中活動の場としての通所施設と、住まいとしてのグループホームの確保が欠かせないと認識しております。  区では、これまでも通所施設並びにグループホームの整備に取り組んでまいりましたが、医療的ケアが必要な方を含めた特別支援学校からの卒業生等による施設需要の増加に伴い、生活介護等の通所施設が不足しているとともに、重度障害者向けのグループホームの整備も十分でない状況にございます。  そのため、昨年八月に障害者施設整備等に係る基本方針検討委員会を設置しまして、二〇三〇年度までの施設所要量を整理した上で、現在、生活介護等の通所施設の整備、重度障害者や高齢化への対応の点も含めたグループホームの整備、また、質の確保等についても検討課題として議論を重ねているところでございます。  重度障害者への対応について、検討委員会では、通所施設では当面、ノウハウの蓄積を図るため、現在の受け入れ施設や梅ヶ丘拠点での受け入れを行う必要があり、また、グループホームでは、日中サービス支援型グループホームを含めた整備促進策の検討が必要と、この方向性が示されております。  今後さらに議論を深め、本年六月ごろまでに検討の取りまとめを行い、十月からの次期ノーマライゼーションプラン及び第六期障害福祉計画の策定検討に反映させながら、この施設整備基本方針を策定し、整備促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 現在行われている障害者施設整備等に係る基本方針の検討会を経て、次期ノーマライゼーションプラン及び第六期障害福祉計画が策定されます。障害がある方が一生を通して尊厳が守られるよう、切れ目ない支援を進めるためしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わり、江口委員に交代いたします。 ◆江口じゅん子 委員 私からは、まず、介護について二点伺います。  一点目は、介護保険についてです。  さきの総括で我が党は、次期区政で重点的に取り組む課題の一つとして、国の社会保障制度の後退から区民の暮らし、福祉を守ることを求めました。本日はこの立場で、介護保険について伺っていきます。  区の推計によると、団塊世代が七十五歳を迎える二〇二五年、第九期の介護保険料は、基準額で十万五千二百四十円となり、年間保険料がとうとう十万円を突破します。これは、制度ができた平成十二年、第一期の保険料の三倍にもなります。介護保険料の高騰は、国保の保険料値上げとあわせ、年金暮らしの高齢者の生活をますます厳しいものにします。そこで、二〇二一年度からの次期、つまり第八期計画策定に向けて、まず、区独自の低所得者対策の拡充が必要と考え、順次伺ってまいります。  まず、八期計画の具体的検討はいつからか、伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 高齢者保健福祉計画介護保険事業計画は、国の介護保険制度改正に合わせて三年を一期として策定し、現在の第七期計画は、平成三十年度、二〇一八年度から平成三十二年度、二〇二〇年度の計画となっております。第八期計画策定のスケジュールは、従前どおり二〇一九年度の秋に地域保健福祉審議会に計画策定に当たっての考え方についてを諮問いたします。審議会では、高齢者福祉・介護保険部会を設置し、高齢者施策について専門的に審議し、二〇二〇年七月ごろ中間まとめ案を作成します。これに基づき、区で計画素案を策定し、議会へ御報告するとともに、シンポジウムやパブリックコメントを実施いたします。いただいた御意見及び二〇二〇年秋に出される審議会の答申に基づき、区で計画案を策定し、二〇二〇年度末に計画を策定する予定です。また、計画策定の基礎資料となる高齢者ニーズ調査介護保険実態調査は、二〇一九年の秋に実施いたします。 ◆江口じゅん子 委員 御答弁にあったように、二〇一九年度の秋から第八期計画の策定に当たるということでした。目前に控えておりまして、策定に当たっては、区に重点的に検討していただきたい課題として、我が党は三つ提案をします。  一つ目は、介護基盤の整備です。特養ホーム一千人分計画の上方修正、前倒しの検討を求めます。  二つ目は、介護・看護職の確保・処遇改善策です。区が新年度予算案で介護職確保のための補助を計上したことは前進です。しかし、一千人分計画達成と、介護の質の確保のため、さらなる対策が必要です。  三つ目は、介護保険料とサービス利用料等負担の軽減です。介護保険料が高い、本当に多くの区民から寄せられる声です。施設利用料に加え、小規模多機能型居宅介護の宿泊費軽減を求めます。区として、これら課題を念頭に策定を進めることを求めます。  区は、八期計画策定に当たっての課題は何と考えるか、見解を伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 第七期高齢者保健福祉計画介護保険事業計画は、住みなれた地域で支え合い、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指し、七つの計画目標及び介護施設等整備計画に基づき施策を推進しており、一年目の平成三十年度は、おおむね計画どおり進んでおります。  直近の国勢調査での世田谷区民の平均寿命は、男性が全国三位、女性が全国八位と、五年前に比べて大きく伸びておりますが、健康寿命は横ばいで、障害期間が長くなっております。高齢化が進展する中、元気で暮らし続けるためには、健康寿命の延伸が重要課題となっております。  高齢者が社会とのつながりを持ち、生きがいや役割を持って暮らすことが介護予防につながることがわかってきております。高齢者がサービスの受け手になるだけでなく、誰もが役割を持って社会参加し、健康寿命の延伸をかなえようとする意識の醸成と地域づくりが不可欠です。  また、支援を必要とする後期高齢者人口の増加に加えて、労働力人口の減少による介護人材不足、認知症高齢者の増加、病院からの早期退院への対応など、高齢者を取り巻く環境は厳しい状況となっているため、解決するべき課題は山積していると認識しております。
    ◆江口じゅん子 委員 高齢者を取り巻く環境は厳しい、解決すべき課題は山積との御認識でしたが、山積する課題の一つである介護保険料について、次期、どうしていくのか伺ってまいります。  ここに現在の第七期の介護保険料の一覧の抜粋があります。これは第一段階から始まっていまして、第十七段階まであるのですが、ちょっとそれは一部カットして抜粋をしております。  第六段階が基準額になっております。加入者本人の住民税が非課税で、合計所得金額と課税対象年金収入額の合計が八十万円を超える方ですが、年間の保険料は、基準額七万七千四百円となっております。区は応能負担の考え方で、先ほど申し上げましたとおり、保険料段階の多段階化を進め、この後、第十七段階まで設定をしております。  さらに、区独自の低所得者対策として、ここの第三段階と第四段階の方の保険料率を――ちょっとわかりにくいかと思うのですが、国の基準額の〇・七五から〇・五に軽減をしております。これによって、第四段階では、国基準だと五万八千五十円の保険料が、区独自の軽減で三万八千七百円と軽減をされているのですね。実に年間一万九千三百五十円、その区独自軽減で保険料が安くなっています。  次期の、八期の介護保険料は、区の推計から、この基準額が、今七万七千四百円が、年九万円前後に上がると推察をしております。介護保険料は、第六段階の基準額から、この第一段階までが住民税非課税世帯となっております。加入者本人の住民税が非課税です。実に被保険者の約五割が第六段階以下となっていまして、低所得者世帯が半分を占めている、そういった現状があります。高齢者の貧困化が進行する中、低所得者対策の継続、拡充が必要です。  ここで伺いますが、国は、ことし十月予定の消費税増税に伴って、低所得者の保険料軽減に取り組むとしていますが、どのような内容でしょうか。 ◎杉中 介護保険課長 介護保険料については、来年度、国は十月の消費税増税に合わせた低所得者対策として、給付費の五〇%の公費負担とは別枠で公費を投入し、保険料の軽減強化を行うこととしております。世田谷区の場合、本人及び世帯全員が非課税である、保険料段階が第一段階から第四段階の方がその対象となり、国の示している内容としては、二〇二〇年度に区第一段階と第二段階においては基準額の〇・三へ、区第三段階が〇・五へ、区第四段階が〇・七へ軽減されることとなっております。  なお、平成三十一年度の保険料軽減については、消費税増税が十月から実施されるため、六カ月分の軽減分を十二カ月分の保険料にならして設定し軽減するよう、国の政令が発布後、条例改正を行う予定となっております。 ◆江口じゅん子 委員 るる御説明があったように、つまり、国も保険料高騰に伴う低所得者に対する軽減措置の拡充は必要と判断しているということです。先ほど示したように、第八期で基準額が約九万円になる、そして第九期では十万円を超えるといった厳しい状況のもと、国の軽減対策に加え、区独自軽減の拡充が必要と考えます。区の認識を伺います。 ◎杉中 介護保険課長 世田谷区の保険料の独自減免については、平成十三年度から継続して実施しておりまして、現在、第三段階と第四段階の方の保険料率を、国が基準額の〇・七五としているところ、〇・五に軽減しております。第八期介護保険事業計画策定に向けた検討は、地域保健福祉審議会において来年度から始まりますが、保険料の区独自減免の継続及び拡充につきましては、審議会等での議論も踏まえまして検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 審議会は、ことしの秋から始まるということです。それに向けて、区の基本的立場を明確にして対応することを要望しておきます。  また、介護保険料の抑制には、区独自努力のみならず、国保と同じように、国の制度改革を求める必要があります。介護保険料の財源構成は、公費五〇%、うち国は二五%となっています。  しかし、二五%の中には、各自治体の高齢者数や所得水準に応じて交付される調整交付金が含まれています。この調整交付金は、国は五%としていますが、実際当区では三・四二%しか来ていません。金額にすると九億一千万円が六十五歳以上の第一号被保険者の負担に上乗せされ、保険料引き上げの一つの要因となっております。  詳しくは補充で続けたいと思いますが、サービス量などがふえれば介護報酬が増大し、介護保険料にはね返る制度設計の改善を、区としても積極的に求めていただきたいと強く要望し、次に移ります。  介護の二点目は、特別養護老人ホームにおける、医療的ケアが必要な入所者への対応についてです。  私は、昨年の予算特別委員会で、要介護五の御主人を老老介護し、もう何年も特養ホーム入居を待っている、こうした奥様からの御相談を紹介しました。ようやくある施設から、順番が来ましたと連絡があり、お試し入居をしたところ、手がかかって、介護職確保もできないのでと入居を断られたという内容です。  その後、御主人は、ある特養ホームに入居が決まりました。ようやく落ちつけたと思ったら、誤嚥性肺炎を繰り返して入院、常時吸引が必要になって、施設から、看護師が二十四時間常駐できないので、退所を求められた、どうしたらよいのでしょうかと、先ごろ御相談を受けました。入居中の退所は、御家族、御本人にとって本当に大きな負担です。他会派からも一般質問で、医療的対応が必要な高齢者は、そもそも特養に入所できないと、このように質問がありました。  深刻な介護職不足の中、まず、必要な人数確保が当面の最大課題ではあります。しかし、今後も入居者の重度化と、医療的対応を必要とする方はますます増加と考えられ、最後まで必要な援助を受け、生活できる質の向上についても、ぜひ検討していただきたい。そして、それに関する区の認識と、介護職、看護職確保の一層の対策を求め、伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 特別養護老人ホームは、日常生活上の世話や介護、機能訓練や健康管理、療養上の世話などを行う施設ですが、中重度の方を支える施設として、医療的ケアを必要とする方の利用希望がふえてきております。  区内の特養ホームでも、看護師などの医療スタッフにより、多くの施設で、経管栄養、尿管カテーテル、人工肛門、たん吸引などの医療的ケアを行っております。医療制度改革により入院期間が短縮し、医療的ケアの必要な方の早期の退院がふえていることから、特養ホームでの医療的ケアの対応の必要性も増してきております。  医療的ケアが必要な方の入所に際しては、安全にケアを行うため、医療スタッフや入居者の状況等により、受け入れの可否の判断が必要となりますので、特養ホームの入所申し込みの御相談の際には、丁寧に対応しております。  特養ホームでの医療的ケアには、介護・看護職員の手厚い配置が必要となり、職員の精神的な負担感も大きいため、医療的ケアの研修の充実とともに、心拍数や脈拍、呼吸などにより高齢者を見守り、様態の急変を速やかに感知できる介護ロボットの導入などが必要と認識しております。  さらに、介護福祉士の資格取得を一層促進するとともに、加算などの介護報酬の評価も国に求める必要があると考えております。  介護人材の確保、育成、定着支援は、高齢・介護施策の最重要課題の一つです。来年度は新たに採用活動経費助成やサポートウエアなどの物品購入費助成などの新規事業を実施するとともに、介護事業者の参加による検討会を立ち上げ、介護人材対策にしっかりと取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 介護人材の確保、育成、定着支援は最重要課題の一つということで、しっかりと取り組んでいきますと決意を述べられていましたが、ぜひしっかりとお願いいたします。  それでは次に、質を大事にしながらの待機児解消について、順次伺ってまいります。  まず、待機児の見通しについて伺います。  ことし四月入園の申込者数は、過去二番目に多い六千四百四十七人、一次選考では、約三分の一が非内定となりました。特にこれまで認証、保育室、無認可にお子さんを預けてきた家庭での三歳児待機児増加が懸念をされます。そろそろ二次選考の結果が判明する時期と思いますが、現状と見通しについて伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 平成三十一年四月の入園に向けた現在の選考状況でございますが、入園申込者が前年度より約二百名増加したこと等も影響し、二月下旬の二次選考が終了した時点で、内定に至らなかった方が約二千二百名おり、前年度の同時期と比べまして約二百四十名増加しております。増加した二百四十名の内訳でございますが、ゼロ歳児、二歳児、四歳児が十名前後、一歳児が約三十名ほどふえておりますが、三歳児につきましては、およそ百七十名ふえているなど、三歳児の内定が厳しい状況となっております。 ◆江口じゅん子 委員 厳しい状況ということですが、親にとって、子どもが待機児になるということは、最悪、仕事をやめなくてはならず、人生やキャリア設計に直結する本当に深刻な問題です。一人でも多くのお子様が四月に入園できるよう、区としての緊急対策を伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 今年度の三歳児の申込者がふえたことを踏まえ、特に三歳児に対する緊急対策を始めております。具体的には、区立保育園の三歳児クラスの弾力化による定員拡充、区立及び私立保育園の定期利用保育の拡充、認証保育所及び保育室における進級先が確保できていない場合の新三歳児の受け入れの継続、企業主導型保育事業の空き情報の掲載、認証保育所への募集枠の追加要請等、三歳児については百名分以上の緊急的な対策を実施しております。  さらに追加の対策としまして、内定していない一歳児から三歳児の保護者に対し、私立保育園の定期利用の募集及び認可外保育施設の空き情報の周知など、今週末には通知する予定でございます。区としましては、一人でも多くの方が四月から預け先を確保できるよう、でき得る緊急対策を引き続き実施してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、今後の整備計画について伺います。区はこの間、質を大切にしながら、認可を中心とした整備を続けてきました。地域の御協力も得ながら、この四年間で七十六カ所、五千二十二人分の整備を行って、待機児を減らしてきました。  私はこの間、一次選考で非内定となったお母様方から御相談を受けました。二十年間正社員で働き続けた会社をやめなくてはならないのか、という方、中には三歳とゼロ歳の兄弟が同じ認可園に入園できるよう、認可園申し込み締め切り日の十一月三十日に第二子を帝王切開で産んだ。しかし、結果は兄弟ばらばらな園だったという方もいらっしゃって、ことしは本当に深刻な状況と思っておりました。  しかし、二次選考で、こうした方皆さん内定が出まして、帝王切開の方の兄弟も同じ園に決まりました。  保育室からも聞き取りを行いました。毎年この時期、保育室には非内定となった方の応募が殺到するのですが、地域によっては、一歳児で、あきが出ているといった状況も伺っております。この間の区の精力的な保育所整備は、確かに結果を出していると実感しております。所管の御努力を評価するものです。  一方で、幼児教育無償化が予定され、今後も保育需要はますます高まるばかりです。区は来年四月に待機児解消を目指すとして、新年度、一千二百八十五人分の整備予算案を計上しましたが、これで実現できるか、不安を持っております。  引き続き質を大切にしながらの待機児解消を目指して努力を続けていただき、今後の整備計画については柔軟な対応を求めますが、区の見解を伺います。 ◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 子ども・子育て支援事業計画の最終年次である二〇一九年度におきましては、千二百八十五名分の定員拡大を行うこととし、低年齢児保育施設に重点を置いた整備を行うとともに、今回入園申し込みが増加した三歳児も含む全体的な対策として、既存保育施設内の未利用スペースの活用や、入園申込者の状況の正確な捕捉、丁寧な利用案内などを進め、二〇二〇年四月の待機児童解消の達成を目指してまいります。  また、二〇二〇年度以降の保育施設整備につきましては、暫定的に二カ年で八百名程度の保育定員枠を拡大する見通しを立て、取り組んでいるところですが、来年度策定する次期子ども・子育て支援事業計画におきまして、ニーズ調査の結果に加え、今回の入園状況等も踏まえて分析を行い、改めて検討を行うこととしております。  一方で、今年度の二次選考内定に至らなかった方が昨年度に比べ約二百四十人増加しているという状況もございますことから、今後五月に明らかになる待機児童の推移等を踏まえまして、御指摘の整備量の見直しも含め、適宜適切に必要な対策を検討、実施してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 整備量見直しを含め検討ということですが、待機児解消、ぜひ目指して引き続き努力をお願いいたします。  また、整備に関連し、病児保育所が足りないという声も大変多く届いております。この整備もさらに進めていただきたいと要望します。  次に、三歳児の申し込み増加に関連し、選考における調整基準の指数について伺ってまいります。  区内の低年齢児の施設には、認可の小規模保育所などと、認可外の保育室、保育ママ、認証、無認可の保育所があります。二歳児までのこれら施設を卒園し、三歳児からの認可園に申し込む際、認可の小規模保育所などには、調整基準として二十点の加算がつきますが、保育室など認可外は六点加算になっております。  認可外の親御さんからは、この間、そもそも認可に入れなかったから、やむなく認可外に入った。この上さらに三歳児クラスの選考で認可と差があるのは納得ができないと、是正を求める声を伺っております。施設による加算の違いはなぜあるのでしょうか。また、見直しについて見解を伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 区では、小規模保育施設等を卒園し、三歳児以上の保育を利用する場合には、再度入園選考をお申し込みいただくことになりますが、選考に当たっては、調整基準指数を二十点加算するなど、認可保育園の三歳児クラスへの入園に配慮しているところでございます。  加点している理由としまして、小規模保育施設等を認可する要件として、法令等により、三歳児以降の連携施設を設定することが求められておりますが、区では、全ての施設で連携施設を設定できていないことから、代替策として、指数による加点を行っております。  また、厚生労働省からの通知においても、連携施設を設定できていない小規模保育等の地域型保育事業の卒園児童については、利用調整に係る優先的な取り扱いについての配慮が求められており、低年齢児の認可外保育施設が六点の加点のところ、小規模保育施設は、さらに指数を加えております。  指数につきましては、保護者間の立場の違いから、さまざまな御意見をいただいておりますが、区議会での御意見や区民の声、社会情勢の変化等を踏まえながら、今後も引き続き、時代に即した選考方法を検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 保育の質問の最後に、質の確保についても伺います。  増加し続ける保育所に対し、質を確保するための区としての支援指導体制の充実は必要です。この間、ある認可保育所からお話を伺いました。こちらは大きな社会福祉法人で、園長先生は、保育士資格はありますが、実質その経験は乏しいということ、地方からの参入で、人材仲介派遣会社に多額の支払いを行い、何とか保育士を確保したが、なかなか定着しなかった。区から巡回指導員の元園長先生を派遣してもらって、的確な指導で、保育内容が安定し、保育士も定着をしてきた。しかし、間もなく指導期間の三カ月が終わる。何とか延長できないでしょうか、こういったお話を伺いました。  全国から多様な保育事業者が参入する中、保育課による巡回指導や保育ネットは、区の保育の質を支えています。  また、十月からの幼児教育無償化では、国は認可外保育所をどこまで対象とするかは、これは自治体判断を容認の方向とも聞いております。区が無償化対象とする認可外保育所については、保育内容の指導監査が必要になります。  来年四月からの児童相談所移管も見据え、保育の質を守るための体制強化、これはぜひ必要であって、区の見解を伺います。 ◎知久 保育担当部長 児童相談所の移管により、今後、区が認可外保育施設の指導権限を持つことから、区が指導する保育施設数は倍増することとなります。このため、各保育施設への支援及び指導の体制強化に向けまして、来年度、保育担当部の職員を増員するとともに、施設に寄り添う巡回支援相談と、指導検査を担当する職員間の連携強化、また、職員のソーシャルワークスキルをより高めるための研修の見直しなど、保育の質の向上を支える仕組みの再構築を進めてまいります。  引き続き巡回支援相談、指導を中心として、保育内容の充実、保育士等の専門性の向上を図り、区内全ての保育施設で世田谷区が目指す質の高い、子どもを中心とした保育が実現できるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 私も保育園などの視察を行って、巡回指導が保育の質を支えているといったことを実感しております。所管に聞いたところ、この巡回指導員の増員は、この四年間で三名だったと認識しております。先ほど申し述べたとおり、四年間で七十六カ所、五千二十二人分の保育所整備を行う中で、巡回指導員のさらなる増員は本当に必要だと思います。ぜひここを強化することを重ねて要望したいと思います。  そして、もう一点伺います。保育の質は、保育士さん初め保育関係者の大きな努力で支えられています。区がこの間、保育士確保・処遇改善策として、家賃助成や、区独自の月一万円処遇改善加算を実施してきたことを評価しております。  先日、二十代の男性保育士さんからお話を伺いました。家賃助成と一万円の給料アップのおかげで貯金ができるようになって、初めて将来設計ができるようになったと聞いております。また、多くの保育関係者から、これがなくなれば、もう人は集まらないのではないかと、存続の強い御要望をいただいております。  一万円の処遇改善加算及び家賃助成、どちらも時限的な措置と認識はしておりますが、継続を要望し、区の見解を伺います。 ◎知久 保育担当部長 区独自の一万円の処遇改善助成は、予算措置が前提とはなりますが、平成三十二年度までの継続を予定しており、他の多くの自治体では実施されていないことから、この助成制度が世田谷区を就職先として選んでいただける動機づけや、また、保育士定着率の向上にも寄与しているものと考えてございます。  当該助成制度の継続に関しましては、国の処遇改善加算や、先ほども出ましたが、家賃助成制度の動向、また、区内保育士の定着状況や今後の保育ニーズなど、今後、総合的な保育士確保対策を検討する中で、その取り扱いについて検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 大変大きな効果を得ていると思います。区民は保育の質を大切にしながらの待機児解消、区の取り組み、本当に大きく評価していると思います。大変ですが、ぜひ目指していただきたいと重ねて要望し、以上で日本共産党からの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 初めに、ちょっと前列の理事者の方に御協力いただきたいのですが、今、スマートフォンのケースを掲げているのですが、これは何が張ってあるかわかりますか、文字が読めますか。(「見えないです」「微妙な感じだよ」と呼ぶ者あり)  今、非常に見にくいというお声が聞こえてきたところではあるのですが、WEラブ赤ちゃんプロジェクトというプロジェクトのロゴステッカーを今掲げている状態なのですが、この距離でも非常に見にくいということだけ、まず御理解をいただければと思います。  これはエキサイト株式会社によるウーマンエキサイトという情報サイトから始まったプロジェクトであり、一人では何もできない一歳前後の小さな赤ちゃん、電車やバス、飲食店の中でぎゃあぎゃあ泣きやまない状態に慌てるママ――中略をしますが、ママの気持ちが少しでも楽になりますようにと、資料にも記載されているようなプロジェクトです。  ウーマンエキサイトというのは「愛あるセレクトをしたいママのみかた」がコンセプトだそうですので、電車やバスで、ゼロ歳の子どもが大声で喃語で話したり、ぐずったりする状態に慌てている、私はパパなので、対象ではないということは理解しながら、ウーマンエキサイトが単体でやる分には、ブランド戦略、マーケティングの範囲ですので、構いませんが、区が税金を利用して、これを事業実施するのであれば、ママという表現に限ることは、固定的性別役割分業の助長や、父親やほかの家族の参入を阻害する問題もあるということは一言つけ加えておきます。  先ほどお見せしたように、パソコンやスマートフォンに張ってエールを送るということがプロジェクトの趣旨だそうですが、一個人やウエブサイトができることは、一人一人のベビーフレンドリーな気持ちを持つ、表示をするということ、また、機運を醸成していくことかもしれませんが、一方で、さまざまな権限を持っている世田谷区がステッカー、缶バッジ、キーホルダーを配布していくということについては、余りにも実効性を伴わないキャンペーンであるとしか考えられません。  ベビーフレンドリーな雰囲気を醸成していくということであれば、ステッカー類に税金を使うよりも、これは今回、子ども基金から繰り入れというところでもありますが、区報や区のウエブサイト、SNS、またポスター掲示等の既存の媒体で、特に乳幼児から遠い方向けに広報するだけで構わないのではないでしょうか。  本来、世田谷区がやるべきことは、区内を走る鉄道事業者、バス事業者、また、区内の飲食店などに対して、乳幼児が泣くことに寛容になる環境を実態的に整備をしていくことではないでしょうか。例えば電車、バスの優先席付近に、最近はマタニティマークやヘルプマークのシールも張ってありますが、同じように、赤ちゃんが泣くことがあるという旨の表示をしたり、飲食店においては、飲食情報サイトやクレジットカードのように店頭へシールが張ってあるような状態にしていただいたり、飲食店に限らず、区内の民間施設へ、区役所内に掲示を予定しているポスターを張っていただいたりと、意思表示がしやすい体制づくり、機運の醸成ということよりも、区がやるべきことは、乳幼児とその家族が過ごしやすくなる環境を整備することではないでしょうか。改めて区の見解を伺いたいと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクトは、電車内や飲食店で赤ちゃんが泣いているときなどに、赤ちゃんの泣き声を許容し、子育てを応援しているというメッセージを意思表示できるようにすることで、地域における子育てを応援する機運醸成を図る取り組みです。  既に民間の取り組みとして多数の企業や自治体から賛同を得ており、メディアからも注目されているWEラブ赤ちゃんプロジェクトと連携して、本年六月より実施いたします。まずは、赤ちゃんのイラストの横に、泣いてもいいよと声かけをする吹き出しが描かれたステッカーやバッジ等を配布し、区民の方に、スマートフォン等の日常的に身につけるものにつけていただいて、保護者に子育てを応援しているというメッセージを伝えてまいります。  また、委員の御指摘のように、公共交通機関や飲食店など、さまざまな事業者とも連携した、子育てしやすい環境づくりも重要と考えており、本取り組みの趣旨に賛同いただける企業や団体を広く募集し、ポスターの掲示やステッカーの配布のほか、各企業や団体の特色を生かした、さまざまな協力を求めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 そもそも泣くこと自体、コミュニケーションを図るものですから、泣いてもいいよというメッセージ自体が、個人的には、なぜ泣いてもいいと許容されなければならないのかということ。上から目線にも、ちょっと感じてしまうところもありますが、ぜひ、まず環境の整備ということをゴールとして実施をしていただければと、これは要望しておきます。  続きまして、先日の一般質問にて、待機児童対策に向けて、ベビーシッター事業について安全性を確保し、保育内容を向上した上で、世田谷区でも取り入れるべきであるという発言をしましたが、一方で、区が既に子育て利用券で公費を投入しているベビーシッター事業者、またファミリー・サポート・センター事業についての安全性は、これまで議論の対象にはほぼなっていませんでした。  また、大人の目がある集団保育、有資格者の中に無資格者を入れるということを極度に拒否する世田谷区にあって、密室で、無資格者に、最低賃金以下で、乳幼児も預けられるファミリー・サポート・センター事業については、安全性についての議論はほぼされず、ニーズがあるからと、援助会員の拡大の議論だけされてきた歴史を見ると、まさに、いわゆる保育の質を守れという議論と、ダブルスタンダードと言わざるを得ません。  本気でベビーシッター事業を検討し、安全性や保育内容の向上を目指すのであれば、今後、導入が検討される待機児童対策のベビーシッターと、やること自体は大きく変わらないはずである、既存の乳幼児の個別預かり事業にも手を入れなければならないという観点で、本日、質問してまいります。  まず、子育て利用券の登録事業者のベビーシッターについては、審査をした登録事業者からの派遣という点に一定の安全性を判断したものと考えられます。この子育て利用券登録事業者は、そもそも誰が審査をして、どう登録の可否を決定しているのかという点について、まずは伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 妊娠期面接の際にお渡ししている子育て利用券のサービス事業者の登録に当たりましては、庁内の関係所管の管理職により構成する審査会を設け、妊産婦や子どもの安全安心に配慮し、また、従業者の資格要件、事業運営に必要な法令の遵守や認可等の審査基準の審査に加え、事故に備えた損害保険の加入の状況等も踏まえ、登録の可否を決定しております。 ◆そのべせいや 委員 また、ファミリー・サポート・センター事業については、社会福祉協議会による登録時の養成研修とか利用者との事前打ち合わせをもって安全性を担保していると考えられますが、本当にこれだけで安全と言えるのか、区に見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 ファミリー・サポート・センター事業は、子育ての手助けをしてほしい利用会員と、手助けができる援助会員による、地域の支え合い事業として実施しておりますが、援助会員の養成に当たりましては、合計二十四時間のカリキュラムとなる子育て支援者養成研修を受講していただくとともに、援助会員と利用会員のマッチングに当たりまして、援助会員の保有されている資格や子育て経験等を加味し、適性を見きわめつつ、丁寧な調整を行っております。  また、活動の実践を支えるために、巡回指導、巡回支援を行い、活動状況の確認や、活動中の援助会員の困り事を解消するなど、安全な活動と質の担保に努めております。 ◆そのべせいや 委員 また、追加で確認しますが、ファミリー・サポート・センター事業は、保育の必要性の認定がある場合には、幼児教育無償化の範囲内であるかどうか、改めて確認をさせてください。 ◎松本 子ども家庭課長 幼児教育無償化の対象としましては、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する子どもたちのほか、認可外保育施設等を利用する子どもたちについても、保育の必要性があると認定された三歳から五歳の子どもたち、ゼロ歳から二歳の子どもたちは、住民税非課税世帯も対象としております。この認可外保育施設等の中には、ファミリー・サポート・センター事業なども含まれております。 ◆そのべせいや 委員 二〇一五年、二〇一六年の児童福祉法改正により、既に現在ではベビーシッター全般も、認可外保育施設における居宅訪問型保育事業として位置づけられていますが、先週五日付の読売新聞の報道によると、厚生労働省は、未就学児のベビーシッターへの指導監督基準を厳格化する方針を打ち出したとのことです。  今後の議論の後に、改めて必要な資格要件、監査の方法、内容等についても示されるようになるようですが、これまで監査対象外であったファミリー・サポート・センター事業も無償化の対象になるということは、これまで以上に安全性と中身の部分について、最低賃金以下のボランティア、あるいは善意だから大目に見ていこうということではなく、厳しく水準を底上げする必要があると考えます。  ファミリー・サポート・センター事業については、二〇一〇年の十一月、大阪府八尾市で死亡事故が発生しており、事故の概要を見てみると、生後五カ月の乳児を、午前中一時間、援助会員宅へ、病院へ通院するために預けたところ、うつ伏せ寝による低酸素状態が原因で、三年間脳死状態を経て亡くなったとのことです。  この事件を報道しているニュースサイト、バズフィードの二〇一七年三月十四日付の記事によると、乳児が泣いたので、寝かせようと思って、うつ伏せに置いた。うつ伏せにしたのは、そのほうがよく寝ると考えたからとの説明も、加害者からはあったようです。  世田谷区では、二〇一五年に、ふれあい子育て支援事業からファミリー・サポート・センター事業へと名称、事業内容を変更する際に、研修時間を三時間から二十四時間へふやしたことについては評価をしますが、特に援助会員の年齢が、全国的に中高年が多いと言われる中、子育ての常識もだんだんと科学的に検証されてきた現代の常識や体系的な知識について、研修を一度受講して終わりではなく、その後のフォローが必要であると考えますが、フォロー体制について伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 援助会員として活動するためには、国の定める二十四時間の研修を受講していただいております。その内容としては、世田谷区の子育て事情、子どもの食事とおやつ、障害のある子への援助、子どもの安全・応急対応、児童虐待についてなど、子育てに関する総合的な内容となっております。今年度は二百名の方に受講いただき、一月末現在になりますが、百六十名の方が新たに援助会員に御登録いただいております。  また、援助会員の方が安心して活動できるように、フォローアップ研修を年五回実施しております。今年度は、危険を回避するためのポイントをテーマに、屋内に潜む危険や、うつ伏せ寝の禁止、送迎時の危険予測など、実践に役立つ内容を取り上げました。今後とも、子育て家庭を取り巻く環境を踏まえた、活動の質の向上に必要な内容を取り上げてまいりたいと考えております。  なお、定員に余裕があれば、既に受講済みの二十四時間研修についても、再度、必要な科目のみ受講できるようにしてまいります。引き続き、援助会員が安心して活動できるようなテーマを取り上げた研修を行い、活動の質の向上と担保に努めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 世田谷区のファミリー・サポート・センター事業会員のしおりという冊子を見ると、最低限の改善をお願いしたい部分があります。  指導計画までは必要なくとも、連絡帳や保育日誌の導入、預かり場所での避難経路の確認、睡眠チェック表の導入、援助会員の衛生チェック等は、区や社会福祉協議会で各種フォーマットを用意する必要があると考えます。現在の援助活動報告書が、ほぼ勤怠管理にしか利用できていないフォーマットですが、乳幼児向け、あるいは自分のことを自分でできる年齢までは、最低限、保育園の一時預かりと同じく、きょうしたこと、長時間の場合は体調、体温は問題ないか、食事の量、場合によっては排せつの状況等をテンプレート化すべきであると考えます。  睡眠チェック表については、東京都福祉保健局が二〇一八年十月十二日に出した通知によれば、ゼロ歳児は五分に一回、一、二歳児は十分に一回が望ましい間隔ですとチェックを推奨されていますが、こうした保育園であれば当然であるはずのフォーマットを行政側で用意していくだけで、先ほど取り上げた例のような、とうとい命が失われることは防げたはずです。
     また、調理、調乳が生じる際の検便など、保育では指導監査の対象項目も、安全を担保するのであれば必要ですし、加えてコストはかかりますが、本来であれば預かり環境の安全や防災や、そもそもの事前打ち合わせについては、コーディネーターや巡回指導員を配置して、安全の担保や不安の解消に努めるべきであると考えます。  ここまでファミリー・サポート・センター事業について、改善点、危険性を数多く指摘してまいりましたが、それでも緊急時を初め、どうしても預ける必要がある保護者はおり、こうした制度がなければ、二〇一四年には、インターネット上で経歴詐称をしている自称保育事業者が偽名で預かりを行い、預けていた子どもが殺害される事件もありましたので、行政側でセーフティーネットを用意するほうが、子どもたちの生命安全は守られると考えます。  企業主導型保育の件にも通ずる部分がありますが、危険性を指摘して全ての業者を排除するのであれば、困るのは、受け皿がなくなる利用者であり、その結果、アンダーグラウンドへ潜る危険性もあります。悪質な事業者や従事者は、もちろん退場させる、そもそも入場させない仕組みが必要ですが、頑張っていただいている事業者、従事者はもちろん、やる気があっても現実的に能力が追いついていない事業者へは、区として待機児童対策や子育て環境の向上に向けたパートナーとして、能力向上について支援を行い、力を生かしていくべきであると考えますが、区の今後の方針について、最後、一言いただければと思います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 ベビーシッターについては、現在、国は指導監督基準の創設に向け検討に入っておりまして、区もその検討メンバーに入っておりますので、区の状況をお伝えしながら指導基準の創設に進めてまいりたいと思います。また、児童相談所の移管に伴いまして、ベビーシッターについても区が指導を行うことになります。区としましては、国の動向を踏まえながら、世田谷区保育の質ガイドラインが掲げる、子どもを中心とした保育の実践に向け、ベビーシッターにおける質の確保を図ってまいります。 ◆そのべせいや 委員 最後に一言、ぜひ、いろいろな事業者と協働してやっていくよということを、視点を持ち合わせていただければと思います。  以上で、田中委員にかわります。 ◆田中優子 委員 私からは、まず、ひきこもり八〇五〇問題と、その対策について質問いたします。  一九八〇年代は、ひきこもりといえば若者の問題でした。しかし、あれから約三十年たち、現在は、若者だったひきこもりの子どもは四十代、五十代となり、親は七十代から八十代、それがいわゆる八〇五〇問題です。それだけひきこもりが長期化し、親子ともども高齢化しているというのが今の日本の社会問題の一つです。  そして、ここに来て顕著な問題としてあらわれているのが、親が亡くなった後、親の遺体をそのまま放置して、残された子どもが死体遺棄の容疑で逮捕されるという事件が相次いでいることです。報道されている範囲でざっと調べただけでも、以下のような悲惨な事件が起きています。  二〇一八年一月、札幌市のアパートで、八十代の母と五十代の娘の遺体が見つかった。母親が先に亡くなり、娘も衰弱死したと見られる。これは遺棄の問題ではないですが、両方とも亡くなってしまったという事件です。  四月には、福岡県福津市の住宅で、八十代の母親の遺体が発見され、六十代の息子が福岡県警に死体遺棄容疑で逮捕された。いずれも子どもはひきこもりで、母親の年金だけが命綱だった。  二〇一八年五月、神戸市で、当時九十三歳の母親の遺体を放置したとして、長女、六十三歳が逮捕された。  十一月には、同じく神戸市で、母親、当時七十七歳の遺体を放置した息子、五十一歳に神戸地裁が執行猶予つきの有罪判決を言い渡した。  長崎市では、八月、母子二人暮らしのアパートで、当時七十六歳の母親の遺体が見つかり、息子、四十八歳が死体遺棄容疑で長崎署に逮捕された。息子は無職で、長年ひきこもり状態だった、というわけで、今や、ひきこもり八〇五〇問題は、刑事事件にまで発展してしまっている深刻な問題であります。  NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会(東京)によると、福岡や札幌の事例は氷山の一角にすぎないということです。  内閣府は、二〇一〇年と二〇一五年の過去二回、十五歳から三十九歳を対象に、ひきこもりの全国調査を実施しています。それによると、ひきこもりの推計人数は、二〇一〇年に六十九万六千人、二〇一五年には五十四万一千人です。この全体の数だけ見ると、人数は減少していますが、同連合会本部事務局によりますと、ひきこもりが減ったわけではなく、一回目の調査のとき三十代後半だったひきこもりの人たちが引きこもっているまま四十代になって、調査対象から外れた。だから人数が減少しているだけで、ひきこもり自体は長期化して、より深刻になっており、減ってはいないということです。  実際、内閣府の二〇一五年調査では、ひきこもり期間七年以上は三四・七%にも上っています。その前の二〇一〇年の調査では一六・九%ですから、倍増しているわけです。  このような状況は放置できないと思い、私は、昨年十月の決算特別委員会でこの問題を取り上げました。なぜなら、区の支援対象は三十九歳までにとどまっているからであります。四十歳以上の長期ひきこもりの対策を考える必要がある。そのためには、区独自で実態調査をするべきであると訴えました。  区の答弁は、国が今年度中にひきこもり全国調査をする予定で、支援メニューも検討するとしているため、国の動向を注視するというものにとどまり、積極的に取り組むという感じではありませんでした。  国が調査をするなら、それはそれとして、先ほど述べたような死体遺棄事件が、ここ世田谷区でも発生しかねない、その可能性がないとは誰も言えない状況であると思いますから、少しでも早く区としても何らかの手だてを打ち出さなければならないと考えます。  そこで、調べてみたところ、独自に実態調査を行っている自治体が幾つかあるようです。どのような調査だったのか教えていただきたいと思います。 ◎山本 生活福祉担当課長 ひきこもりに関する調査は全国的に実施されていますが、四十歳以上のひきこもりの方を含む調査は、茨城県、島根県、兵庫県などの都道府県において実施されております。  茨城県、島根県では、民生委員児童委員を対象としたアンケート調査を実施し、兵庫県ではNPO法人に調査を委託し、アンケート調査とヒアリング調査を組み合わせた形で実施しております。  調査内容ですが、茨城県と島根県の調査は、県内の民生委員に対し、ひきこもりに該当する方が世帯にいるかどうか、その性別、年齢、期間、外出の有無等を尋ねた比較的簡易なものでした。調査結果のうち、四十歳以上のひきこもりの方の割合を見ますと、茨城県では五六・六%、島根県では約五〇%だったのに対し、保健所や、ひきこもり支援機関での聞き取り調査を行った兵庫県では一八%にとどまっておりました。 ◆田中優子 委員 やはり調査をすると実態が把握できるのではないかと。四十代はすごく多いですよね。調査の方法によって差が出ているようですが、今の答弁だと、茨城、島根のほうが民生委員さんがかかわってやっていて、実態に即しているのかなと感じました。  世田谷区は、保坂区長がよくおっしゃっていますが、七つの県よりも人口が多い自治体なのですから、それだけの人口を擁しているということは、問題の数も多いであろうということが推定できるわけです。ただ国の結果を待つだけではなく、独自の実態調査をすべきだと思います。それがわからなければ、対策も考えられませんから、まずは実態把握が必要です。  そこで伺いますが、世田谷区として調査をするとしたら、その費用は幾らぐらいかかると考えていらっしゃいますか。 ◎山本 生活福祉担当課長 四十歳以上のひきこもり調査に当たっては、状況を把握するための、民生委員児童委員など関係する方々へのアンケート調査と、個々の事例について聞き取りを行うヒアリング調査が考えられます。  最近、区で実施している同様の調査としては、子どもの生活実態調査、若者施策に関する調査などがあります。子どもの生活実態調査では、約二万七千人を対象に調査、分析を行い、約一千三百万円ほどかかっております。また、若者施策に関する調査では、六千人を対象に調査、分析を行い、約五百六十万円ほどかかっております。  四十歳以上のひきこもりの方への調査は、調査対象者をどのように捉えるのか、また、調査書を郵送にするか、訪問による聞き取りや回収とするかなど、手法によって実態把握の結果に影響いたします。  まずは、民生委員児童委員へのアンケート調査の実施や、当事者の声を直接聞いた上で、引き続き効果的な調査手法を含め、実態調査の実施について検討してまいります。 ◆田中優子 委員 とにかく早く実施できるように、検討も早くしていただきたいと思います。  それから、これも前回の決算委員会の際に提案したのですが、ひきこもりの自助グループを活用したピアカウンセリング、そういうものが必要だと思います。当事者が、ひきこもりを考える会in世田谷を立ち上げたこともありますが、これは前回お伝えしておりますが、彼ら当事者の声を聞くなどの取り組みについて、区はどのように考えていますでしょうか。 ◎山本 生活福祉担当課長 ひきこもり状態にある方は、さまざまな課題を抱えており、経験者でないと理解し得ない面があると考えております。現在、メルクマールせたがやでは、ひきこもりなどの生きづらさを抱えた若者の居場所事業や、若者サポートステーションと共同で実施している、誰でも利用できる、敷居の低い居場所事業、メルサポが、こうした当事者同士の語り合いの場となっております。  四十歳以上のひきこもりの方も含め、区の生活困窮者自立相談支援センターぷらっとホーム世田谷においては、福祉喫茶を活用して、同じような悩みを抱えた方同士が集まって、生き方や社会のことについて話し合う茶話会を行っております。平成二十九年度から毎月二回開催し、平成三十年度は十四名の方が利用登録をされ、人間関係を再構築することで社会参加への意欲が高まるなどの効果を上げているところでございます。  中高年齢の方のひきこもりの課題解決に向けては、自分自身が抱える問題のほかに、同居する家族との関係に課題を抱えるなど、複雑かつ多様なケースがあり、現在行っている取り組みを継続しつつ、委員お話しの、対象者の声を聞く機会を持つことや、実態把握のための調査実施も含め、ニーズに合わせて進めていくよう検討してまいります。 ◆田中優子 委員 それから、もう一つ伺いますが、ひきこもりが長期化すると、本人よりも親御さんや御家族が相談に行くことが多いと聞いています。世田谷区には四十歳以上のひきこもりの方について、家族からの相談を受ける窓口というものはあるでしょうか。 ◎山本 生活福祉担当課長 現在、世田谷区では、メルクマールせたがやにおいて、三十九歳以下のひきこもりの方と、同居する家族の方からの相談に対応しております。しかしながら、現在のところ、四十歳以上のひきこもりの方と、同居する家族の方からの相談について、総合的に対応する窓口はございません。  東京都においては、三十九歳以下のひきこもりの方を対象に、東京都ひきこもりサポートネットを開設しており、電話やメールの相談、訪問相談などを行っておりますが、平成三十一年度から年齢要件を撤廃するとともに、セミナー、相談会などの家族向け支援を充実させる予定とのことです。  区としましても、四十歳以上のひきこもりの方への支援が必要と考えておりますが、都の動向や、今後、区で行う民生児童委員へのアンケート調査結果、また、国においてまとめている、四十歳以上も対象とした、ひきこもりに関する調査結果と、これを受けての国の支援メニュー等を踏まえ、区の取り組みを整理してまいります。 ◆田中優子 委員 区には、やはり四十歳以上を対象とした、家族の相談窓口も何もないということなのですね。それはもう本当に早急に対策を考えていただきたいと思います。  では、もう時間がなくなってきましたので、次に行きますが、次に伺いたいことは、ある区民の方からの訴えです。その方は、障害者として相談支援を受けていらっしゃるということですが、その相談支援事業所の相談員と事業所の対応がよくなかったことから、最近、保坂展人世田谷区長への告発状を出したと、ちょっとどうしたのかなというような問題が起こっているわけです。  その内容を見ましたが、大変な精神的、肉体的ダメージを受けた、これは契約違反に伴う人権侵害、障害者差別解消法に抵触する可能性、パワーハラスメント、ネグレクトである云々という、そういう言葉が告発状に並んでいました。  私は、実際その場にいたわけではないので、具体的にどういうことが起こったのかはわかりません。ただ、区民の方がここまで言うということは、不適切な対応があったのだろうということは想像にかたくないです。とても気の毒だと思いました。  まず伺いますが、区としてはどのような対応をしてきたのか、経緯を簡単に述べていただきたいと思います。 ◎竹花 障害施策推進課長 このたびの件は、昨年三月に御本人と相談支援事業者、サービス提供事業所、総合支所保健福祉課などの個別支援会議の席上、相談支援事業所の職員から配慮を欠いた言動がございました。この会議には保健福祉課も同席しておりましたので、配慮を欠いた言動につきましては事業者に指導を行い、四月に事業者から御本人への謝罪が行われました。  しかしながら、御本人からは、相談支援専門員の資格に関することや、サービス等利用計画策定に関する給付費などについて、照会と御意見がございましたので、総合支所とも連携し、障害施策推進課からも事業者に対して指導を行ってきた経過がございます。  相談支援の業務においては、利用者の意思及び人格を尊重し、利用者等の立場に立って行われるものでございます。区としては相談支援が適切に行われるよう事業者の指導に取り組んでまいります。 ◆田中優子 委員 私は、個別のことというよりも、今後にこういうことがあってはいけないという思いから質問しているわけですが、いろいろ言いたいことはあるのですが、最後、もう時間がないので、あえてこの問題を取り上げたのは、公の場で今回の事件について、障害福祉サービスの責任者として部長はどのように思っておられるのか、そして、今後どのように再発防止に取り組むつもりなのかを全体のためにきちんと聞いておきたいと思ったからです。答弁を求めます。 ◎松本 障害福祉担当部長 障害福祉サービスに従事する相談支援専門員などは、当事者の立場になりまして、より丁寧な対応が求められると考えております。その点から、今回、配慮に欠ける発言があったことは、あってはならないことと受けとめております。  この間、障害福祉サービスに従事する者として、高い職務意識を持って障害当事者に接することや、福祉サービスの提供に当たるよう、事業者には指導を行ってまいりました。ただ、こうした事案を個別のケースとすることなく、障害者に寄り添う意識で障害福祉サービスに従事いただくように、相談支援事業所の連絡会などといった機会がございますので、事業者あるいは従事者に徹底するなど、再発防止と質の向上の両面から取り組んでまいりたいと考えております。 ◆田中優子 委員 私も、その相談を受けた、その御本人がおっしゃっているお気持ちはすごく、本当によくわかったのです。ただ、例えば相談支援員の資格を剥奪しろとか、それは資格という制度ではないから、剥奪するものがないというところで、ちょっと無理があるのかなということや、あるいは利用計画を立てたけれども、それはおかしいものだったのだから、計画のために払った区の費用を返還させろという要求もおありだったのですが、それも、もう計画を立てたということに対する費用ですから、それを言うのもなかなか難しいのかな、いたし方ないのかなという部分も、私自身も思っておりますが、それにしても、やはりこういう区民が大変傷つくようなことがあってはならないと思いますので、今後しっかりと気をつけていただきたいと思います。  以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 最初に、世田谷版ネウボラの妊娠期からの切れ目のない支援について伺ってまいります。  今回の定例会では、世田谷区が持つ一つの特徴である転入超過ということについて、本会議では、その転入超過の論点と児相の関係を取り上げ、また、今回の企画総務でも、転入超過、人口増加の一つの側面と財政の関係を伺おうと思って、この点はちょっと時間切れだったのですが、その際に用意していたパネルを、今回は、またもう一回出すのですが、これは二〇一八年度のものになります。  この山になっているところ、比較的若い世代、二十代から三十代ぐらいの人たちが、やはりすごく出入りをしているというところと、この転入と転出の差し引きの転入超過については、二十代から三十代前半までが転入超過の傾向で、三十代後半になると、今度は逆に転出超過というところが出てきているということが一つ、この人口の動態として見えてきています。  それで、このことと、この妊娠期からの切れ目のない支援の抱える課題というところで伺いたいのですが、先日、おでかけひろばを運営している事業者の方と話をしていて、やはり、どうしても転入してくるときに、妊娠している状態で転入してきて、妊娠期面接とか子育て利用券というものを知らなくて、出産後、おでかけひろばで集っていて、産後ケアセンターだとか、ほかの人たちがこういう子育て利用券の話をしていて、あっ、そういうものがあったのだという人が、やはりある程度の数出てきているということで、この辺を何とかできないのかなという話をされていました。  私も、結局どのぐらいの人が、転入してくるときに妊娠しているのかどうかという、そのある一定数、この人口動態を見ても、若い人たちが出たり入ったりしているということであれば、ある一定数いるのだろうという推測は立ちますが、果たしてそれがどのぐらいの数なのかがそもそもわからないというところが課題だと思っていますが、この現状について、区の認識を問います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区外から転入された方につきましては、その転入届は御家族等が手続する場合もあり、また、転入された妊婦の方からのお申し出が必ずしもあるとは限りません。しかし、区外から転入されてきた方が妊娠している場合、妊娠期面接などの支援の機会を通じ、切れ目のない支援につなぐことが重要と考えております。  そのため、区外からの転入手続の際に、転入者の中に妊娠中の方がいらっしゃる場合は申し出ていただくよう、受付窓口の出張所等では、区政の情報発信ツールのデジタルサイネージ――静止動画のスライド――による周知に加えまして、妊娠期面接のPRポスターの掲示、また、記載台での御案内の表示など、総合支所ごとに創意工夫による周知に努めております。  妊娠期面接を実施する区内医療機関においても、区内転入者への周知として、妊娠期面接のポスター掲示に御協力もいただいております。  出張所の窓口で、この妊娠届の申し出を受け付けた場合には、区の子育て情報を掲載した冊子や各種御案内等をまとめた母と子の保健バッグをお渡しするとともに、妊娠期面接を受けるよう予約の御案内もしております。  さらに、妊娠期にお会いすることが仮にできなかった場合においても、産後の全家庭を対象として実施します乳児期家庭訪問事業等で、できるだけ早くお会いする機会を持ち、地域の子育て支援につなげるよう努めております。 ◆佐藤美樹 委員 保健所はこのネウボラの所管としても、結局その窓口は、また別の所管になるので、いわゆる出張所の窓口等で転入届が出たときに、それに気づいてもらえるように、妊娠期面接の告知は、デジタルサイネージやチラシを使ってやっていらっしゃると、あるいは出張所で、転入届と同時に妊娠届も出ればつながるといったお話ですが、やはりそれは、かなりうまくいったケースというか、こちらから転入してきた人を全てキャッチするということにはつながっていないと思いますし、現にそういう人たちが、おでかけひろば等で、ほかの人たちが子育て利用券で使っているということで気づくというところに、今、なっているので、やはり転入してきたときに、その窓口のところで、一人も漏らさずに、もし必要な人、支援が必要な情報はキャッチするのだという、その姿勢が大事なのではないかなと考えます。  私は、ちょっとこの世田谷区の転入の住民異動届というものを知らなかったので、先日、持ってきてもらったのですが、結構いろいろな項目、欄がありますが、ここに例えば妊娠をしているということをチェックしてもらうような欄を設けて、もちろん任意でありますので、必ずしも全員がチェックしてくれないかもしれないけれども、そこにチェックがあれば、では、妊娠期面接であったり、世田谷区ではこの妊娠期から切れ目のない支援というものをやっているのですよという、そこの支援のアナウンスにつなげられると思うのですが、この辺の工夫について区はどう考えているか、お伺いします。 ◎鵜飼 健康推進課長 御指摘の区外から転入する妊婦の方を漏れなく妊娠期面接へつなぐためには、転入手続の窓口に携わる職員の協力のもとに、転入者の中に妊娠中の方がいらっしゃることを確認し、ネウボラチームに情報を提供する仕組みを組み立てることが望ましいものとは考えております。つきましては、区民の転出入の手続に携わる庁内の関係所管とも連携を図り、転入時に妊娠中の方がいらっしゃるかどうか、今、委員からの御提案も含め、確認するよりよい方法等について協議するとともに、母子保健や子育て支援施策へのより一層の理解を求めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 先日、日曜日に千歳船橋で三・一一を忘れないというイベントがあって、そこに、たまたまというか、今回は岩手県の助産師の方で、震災時に妊産婦の方たちの産後ケアを行って今に至っているという方と話をする機会があったのですが、やはり災害時も妊婦さん、妊娠している方を探すということは、まずできないということを言っていました。明らかに見た目でわかる場合は別ですが、やはり自分から言い出してくれない限り、妊娠しているかどうかもわからないし、行政もその情報は持っていないのですね。  だから、やはりこの辺は、区はこれから児童相談所の開設を予定していることもありますし、もう一歩踏み込んで、こういった情報を転入時にキャッチするというところもやっていくべきだと私は考えます。  ちょっと鵜飼課長とお話ししている際に、どうしても、転入時にどうやって網にひっかけるかというところは所管外になってしまうから、先ほど御答弁でも、協力を求めていきますというようなお話でしたが、違う所管になってしまうので、なかなか絶対にやるべきというようなことも言いにくいというところもあるのかもしれませんが、ただ一方で、本当に妊娠期からの切れ目のない支援につなげていくのだということや、あるいはその児童相談所の子どもを守るということを本気でやるのだったら、これだけ転入の方たちがいるという現実に対して、やはり手を打たなければいけないと考えますが、ここは副区長の見解をお伺いします。 ◎宮崎 副区長 今お話がございましたように、世田谷区の特色として、従前よりこの流動人口と言われているものが非常に多いと、特に顕著になってきたものが、転入転出の部分の年齢層についてが二十代から三十代の前半で、三十代の後半から、今度は転出に動いているということが、特にこの数年の中で、動きが顕著に出てきているということで、このような部分の中で、今御指摘がありましたように、転入の段階で、いかにその情報をつかめるかということがサービスにつながると思っていますし、逆に言いますと、個々人の御判断でその辺の申告をしてくるかどうかも、当然行政のサービスの内容がわからないと、そこまでの動機づけにならないということからしますと、私たちのほうがまず努力すべきことは、以前より、ワンストップサービスという言葉を使っていましたが、どこにどうやってつないでいけばよいのだということが、なるべくそのサービスをお尋ねになられる方々にわかりやすくするために、なるべく一カ所で受けとめて、そこをつないでいくということを考えたわけですから、今御指摘がありましたように、ネウボラの部分についても、どの区も、どの自治体でもやっているわけでもございませんので、世田谷区の特色としてのことをきちっとお伝えする中で、極力その辺の御申告をしていただくというようなことで頑張っていきたいと思っております。 ◆佐藤美樹 委員 その申告をしていただく形でとおっしゃいますが、それで全てが網羅できるかどうかということが私の今回取り上げている課題点でありますので、もしその窓口のやっている、出張所窓口の協力というところが本当にうまくいくならよいですが、今回、質疑の内容ではいろいろやりとりをしているときに、繁忙期だと、どうしてもその手続でいっぱいで、妊娠している方には、では、ネウボラの御案内というようなところまで手が回らないというような、そんなお話もちょっと伺いましたが、そうであるならば、まちづくりセンターでその出張所のそういった内容をやっていってもよいのだと思いますし、所管外なので意見にとどめますが、本当に本気で一人も漏れなくやるのだということを実践していくべきだし、実践していっていただきたい、そのために手を打っていただきたいということを重ねて申し上げます。  今回その子育て利用券の関係でもう一つ、産後ケアセンターのことも伺いたいのですが、先日の本会議でも、この子育て利用券のうち、一万円という利用券の枠の中で、産後ケアセンターの利用がある程度の割合で、利用者の数、パーセンテージで言うと三割ほどの方がこの利用券を産後ケアセンターで消費するというような使い方ということを取り上げました。  本来この子育て利用券は、早い段階から地域とのつながりを持ってもらうという目的で始めた事業でもあると思うので、そうすると、その産後ケアセンターで使って終わってしまうと、その地域の子育てサービスとつながっていくというところには、目的が果たせていないことになると思うのですが、この辺について、この課題をやはり解決していっていただきたいということで質問をしますが、先日この地域子育て支援コーディネーターをしている方といろいろ意見を交わしていたときに、やはりその産後ケアセンターにどうしてもみんなが利用券を使って行くということは、それだけニーズがあるということなので、この流れは、それがよくないということももちろんないわけですが、だったら、その産後ケアセンターにいるときに、地域子育て支援コーディネーターの人が、例えばそこに出向いていって、お昼とかに、皆さん食堂で食事をとられるので、そういうときにいろいろな話をして、例えば「どこに住んでいるの、どの地域だったら、どういうおでかけひろばがあって、あそこだと、こういう子育て支援のサービスをしている人がいるわよ」とか、そういう話をすることで、産後ケアセンターにいるときに、地域につながるきっかけにもなると思うのですが、この辺の工夫について区の見解を問います。 ◎松本 子ども家庭課長 産後ケアセンターは、産後四カ月までの母子で、親族等から十分なケアを受けられず、育児不安や体調不良等がある方を対象としておりますので、利用者がこの機会に地域の子育て支援につながっていくことは、家庭に戻った後の育児不安や負担の軽減に大変有意義であると認識しております。  産後ケアセンターでは、これまでも子育て応援ブックや、おでかけひろばなどのパンフレット等を通じて、地域の子育て支援の情報を案内しておりますが、委員御提案のように、利用者支援事業を担う地域子育て支援コーディネーターが産後ケアセンターを訪問して直接御案内することは有効な方法だと考えております。今後どのように産後ケアセンターと地域子育て支援コーディネーターが連携して、地域の子育て支援につなげていくか、具体的な方法を検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 地域子育て支援コーディネーターの人たちのほうから、自分たちが出向いて、産後ケアセンターにいるときに地域につながるようなきっかけをつくりたいというようなお言葉をいただいていますので、ぜひ工夫をしていっていただきたいと思います。  次の質問に移ります。次に、保育園整備に反対している地域のことでお伺いしたいと思います。  済みません、ちょっとこれは一応またパネルにしたのですが、ここにすごく大きな壁があるのですが、この巨大な壁は保育園の隣につくられているわけですが、この壁をつくった人は、やはり、うるさいとか、そういう理由もあってなのだとは思うのですが、災害対策上、あるいは建築基準法上、こういうものをやめるような、外してもらえないですかということを区のほうから言っていただくということは無理なのでしょうか。 ◎有馬 保育認定・調整課長 園から依頼を受けて調べましたが、構造的には建築物等でないため、法的な指導は困難との判断に至っております。 ◆佐藤美樹 委員 時間がなくなってしまったのですが、(「補充で」と呼ぶ者あり)補充で……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 それでは、生活者ネットワークの福祉保健の所管の質疑を始めます。一般質問に引き続き、障害者グループホームの課題について質問します。  平成三十年度は、障害者グループホームの整備に関し区の助成金を活用した事例がなかったことは残念でしたが、むしろ民設民営、補助金を使わない形での開設があり、運営費補助が当初予算よりふえたということで、補正予算を組むという想定外の事態になっています。障害者グループホーム整備の計画の進捗状況や、利用者数の現状、また、ことしのように民間資金での新たなグループホーム開設が来年度も見込めるのか、その場合の運営費補助の予算確保の状況について、あわせてお答えください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 地域における障害者の住まいとなるグループホームにつきましては、二〇二〇年度までに三百七十人分を確保する目標を掲げ、整備促進に取り組んでおります。平成三十年度は整備費補助を活用した整備がございませんでしたが、この補助を活用しない、民間事業者による自主整備が進み、現在、三百八人分を確保しております。  グループホームの運営助成でございますが、平成三十年度当初予算には、既存施設に加え新規開設見込みの三カ所、二十三人分を含めた四十カ所、二百八十二人分の運営助成費を計上しておりました。しかしながら、整備補助を活用しない整備については年間を通じて開設の動きがあることから、平成三十年度当初予算編成に間に合わなかった四カ所、二十六人分の運営助成費について、先般の第四次補正予算に計上させていただいております。  平成三十一年度の当初予算案におきましては、既存施設の運営助成費に加え、この間の相談状況等から、平成三十一年度中に新たに開設が見込まれる三カ所、二十四人分の運営助成費を計上しております。 ◆高岡じゅん子 委員 そうしますと、今の数字を足し合わせていきますと、平成三十一年度の末で三百三十七人ということで、目標の三百七十人に対しては、かなり達していないという中で、民間でグループホームがつくられ、地域の中で自分らしい自立生活をできる障害者が一人でも多くなるということは、世田谷区にとってもありがたいことです。  一方、民間施設においては、経営を続けるためには収支バランスが不可欠で、必要な経費の運営費補助を確保できるということが経営継続に不可欠となっています。ことしの例ですが、障害児を受け入れる放課後の居場所、放課後デイに関しては、三年ほど前に民間の設置のブームが起こり、次々と事業者の参入がありました。  しかし、重症児の受け入れのための看護師の配置、また、人材確保の困難などが最終的な直接原因となり、昨年、一カ所が休止するというような事態にもなってしまいました。来年度、医療的ケア児の受け入れを行う放課後デイ施設に対して、区独自の補助金を新設することは、利用する子どもの安定した居場所確保のため必要な施策として評価します。  しかし、同じように民間主導で、障害者の住まいであるグループホームでも、何年かたつうちに、利用者の状況が重度化し、悪化するなどということが想定できます。実際の高齢福祉の分野のサービスつき高齢者住宅では、重度化することによって、住み続けることが難しくなるという事態が実際に起こっています。  このような重度化に伴い、住まいを失うという事態が障害者グループホームで起こらないために、来年度、放課後デイで始めるような区独自の上乗せも視野に入れ、民間施設グループホームでも重度化に対応できる、運営を支える仕組みをつくっていく必要があると考えます。区の見解を伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 重度障害者や高齢化にも対応しながらのグループホームの安定的な運営に向けましては、平成三十年度の報酬改定により、重度者の受け入れ状況に応じて報酬が高くなることになったほか、看護師配置加算等も設けられております。また、昨年四月から新たに重度化、高齢化に対応することを目的にした日中サービス支援型グループホームも創設をされております。  さらに、東京都では、平成三十一年度からグループホームの体制強化を支援する事業を新たに実施すると伺っております。  区としては、こうした新たな制度や支援策等について事業者へ丁寧に情報提供するとともに、制度活用に向けた手続等の支援などを通じ、既存事業者の運営支援に当たってまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 国や都も新たな支援の仕組みをつくるようですが、必ずしも使いやすいものになっていないことがあります。ぜひ区の独自の支援に関しても検討を続けていただきたいと要望いたします。
     来年度検討を進める障害者施設整備等に係る基本方針において、障害者の高齢化、重度化への対応についても検討されていくと承知しています。特に、障害者の住まいの確保や、年をとっても、障害が重度化しても、住みなれた地域で住み続けられるための総合的な支援のあり方について、さらに掘り下げていく必要があると考えますが、区の見解を求めます。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区といたしましても、障害のある方が地域の一員として、住みなれた地域で安心して生活を継続できるよう支援することは大変重要であると考えております。お話しありました、現在議論を進めている障害者施設整備等に係る基本方針検討委員会におきましても、生活介護等の通所施設の整備とともに、グループホームの整備や重度化等への対応についても検討課題としておりまして、国や都の制度、支援策の活用状況なども把握しながら、今後の支援のあり方を整理してまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 住まいを中心とした支援が大変重要な課題です。高齢者福祉から始まった地域包括支援の考え方ですが、国の方針も、我がこと丸ごとという言い方で、障害者も、子どもも、高齢者も、安心して住み続けるための相談支援体制の充実を求めています。  世田谷区は、この政策を先取りし、福祉の縦割りを超えた世田谷型地域包括ケアシステムの構築を目指しているところですが、区民にとって本当に使いやすいものにするには、まだまだ課題があります。今、福祉の総合相談窓口の業務を担っているあんしんすこやかセンター自体が専門性を発揮でき、直接支援につなげられる、高齢者以外の、障害者や子育て世代の親子が適切な支援につながるためには、総合支所の福祉三課の、つなぐ力の強化が必要です。  新たな課題として、児童虐待防止における地域包括ケアシステムの力が求められています。目黒区、野田市などの例を見るまでもなく、児童虐待の死亡事例を聞くと、どうして周囲の人は気づけなかったのか、支援はなぜ届かなかったのかという疑問が湧いてきます。二〇二〇年四月の世田谷区児童相談所の開設に向けては、さらに総合支所の児童虐待を防ぐための、つなぐ力の強化が望まれます。来年度の取り組みについて伺います。 ◎相馬 北沢総合支所保健福祉センター副参事 子ども家庭支援センターは、これまでも地域の身近な相談窓口として、また、要保護児童支援地域協議会の調整機関として児童虐待に対応してまいりました。さらに専門性を高めるため、平成三十一年度より、子ども家庭支援センターを課として設置いたします。  また、この機能を担うために担当係長、ケースワーカー、心理士等の増員を行い、人員体制についても強化してまいります。専門性を生かして、地域のネットワーク資源と連携した子育て支援を行い、その上で、さらなる支援や指導が必要となった場合には、児童相談所など、より高度な専門性を持つ機関と協働して問題の解決を目指します。 ◆高岡じゅん子 委員 総合支所のほうがこれまで培ってきた顔の見える関係をもとに、地域の関係機関と連携をより強化して、この子どもへの見守り力、地域の見守り力の強化ということがとても大事だと思います。あと、専門性のあるバックアップ機関としての支所の力も大変重要になってきますので、人員の増強を図り、体制を強化し、やはり二〇二〇年の児童相談所開設時には機動的に動ける体制をつくっていただきたいと要望いたします。  今出ましたように、少し気にかかる親子を地域として受け入れて、緩やかに見守る、地域の誰でもできる活動が一次予防だとすれば、プロの支援者のほうから手を差し出し、今の子どもがいる、その地域の中で暮らしている親子の暮らしを尊重しながら、困り事の解決の糸口を見つける支援をするということが二次予防ではないかと考えます。  支所のつなぐ役割として、必要な場合には断固として児童相談所に通報し、虐待をとめるということも大切ですが、虐待に至る前の、二次予防の必要な親子を見落とさずに、適切な支援につなげることがさらに重要だと考えています。  一次予防として長年実施してきた、さんさんサポートを、来年度は、狙いを明確にした二次予防事業として実施するとのことですが、取りこぼしのない支援となるため、どのような工夫をしていくのかを伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 さんさんサポートについては、この間の一次予防事業を充実してきたことを踏まえ、二次予防をより強化する観点から、より支援が必要な家庭を対象に、産前産後の体調不良や育児能力の低下等により、一時的に生活支援を必要とする家庭がその時期を乗り切り、養育困難家庭に陥らないようにするための支援として再構築いたします。  今後、妊娠期面接や乳児期家庭訪問、乳幼児健診等の母子保健事業や、地域のおでかけひろばや利用者支援事業、医療機関からの情報等をもとに把握した、一時的に生活支援が必要なケースについては、支援に拒否的な家庭も含め、利用の働きかけを行い、専門職による支援と、さんさんプラスサポートを有効に組み合わせ、養育困難に陥らないようにするための支援を届けてまいります。  なお、世田谷版ネウボラの一環として実施しております子育て利用券は、育児不安や育児負担の軽減を図る支援として、産前産後の訪問支援サービスを含め、さまざまな子育て支援サービスに利用できることから、さんさんサポートの無料券配布終了の通知とあわせ、子育て利用券の利用を積極的に案内してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 一次予防、二次予防の連携がきちんととれ、本当に必要な支援が届くことを本当に求めていきます。  二年前に起こった烏山地域での乳児の死亡事例で、自分から支援を求めに出ていくことのできない赤ちゃんの育て方や、赤ちゃんとの暮らしに悩む家族があるということが浮き彫りになりました。こういった虐待の未然防止に、家庭に入って支援する、このさんさんプラスサポートを活用していくことを求めています。  この事業は、乳児を持つ家庭に特化した事業ですが、幼児期や学齢期の子どもの家庭に対しては、子どもの食の支援事業も始まります。こちらも二次予防の観点から、家庭に対し有効な寄り添い型の支援となるように要望いたします。  さらに、もっと声の上げにくい子どもの支援に関して、続いて質問します。  生活者ネットワークでは、学齢期や青年期に家族のケアを担い、子どもらしい生活を奪われてしまうヤングケアラーの問題を指摘し、研究してきました。成蹊大学の澁谷智子准教授の著書に挙げられていた特に印象的な事例が、メンタルの問題を抱える家族の問題に子どもが巻き込まれ、子どもらしい時間を奪われてしまうという事例です。  現在、世田谷区では、先ほど別の会派からもありましたが、八〇五〇問題で、本来だったら働き盛りの方のメンタルのトラブルと、その上の高齢者の介護という問題が注目されています。逆に働き盛りのはずの方のお子さん世代への波及というのか、そういったメンタルのトラブルと、下の世代への問題、しわ寄せも、今後、児童虐待や子ども支援に向けた施策づくりの中の視野に入れていく必要があるのではないかと考えます。  今年度、子どもの生活実態調査を行い、支援が必要と思われる家庭の支援利用率が逆に低くなっているという傾向も見られたということです。この傾向の裏に、家庭内に潜むメンタルの問題もあるのではないかと懸念します。来年度、さらに深く分析し、子ども計画後期に生かしていくということですが、区の見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 区が今年度実施しました子どもの生活実態調査のアンケート調査は、小学校五年生と中学校二年生の全ての子どもとその保護者を対象に行いました。このアンケート調査結果からは、生活困難を抱える小中学生が一割を超えて存在しており、子どもの食や体験、学び、自己肯定感、健康に少なからず影響を及ぼすなど、世田谷区においても貧困によって基礎的な生活が十分に保障されていない子どもが確実にいるということや、生活が困窮するほど、支援サービスの利用意向はあっても利用しない傾向が強くなるなどのさまざまな課題が見えてまいりました。  委員御指摘のとおり、来年度は保護者の抑鬱傾向の子どもへの影響を初め、貧困や暴力の連鎖の実態等、さまざまな子どもを取り巻く課題について、より詳細に分析し、実態を把握してまいります。それらの結果を踏まえ、子どもの貧困対策を総合的に検討し、子ども計画第二期後期計画に反映してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 来年度は、児童相談所移管に向け、地域の下地をつくる大切なチャンスの年となります。今回の子どもの生活実態調査のデータなどを活用し、本当に子ども計画後期に生かして、どの子も自分らしく、愛されて育つことのできるような世田谷を実現するように要望いたします。  今、暴力ということがありましたが、やはりそれはDVの問題とも深く絡んでおります。ぜひ子どもたちの虐待の防止に関して全庁を挙げて取り組んでいただくことを重ねて要望し、生活者ネットワークからの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、福祉保健の領域は大変広くて、四年間最後のこの予算委員会ですから、いろいろなことを聞きたいわけですが、個人的にそのプライオリティーを考えて質問しようと思うと、高齢者の問題と障害者の問題と、今、大変問題になっている児童虐待の問題と、この三点に絞って伺ってまいりたいと思います。  まず、高齢者の問題ですが、特養ホームの待機者をなくすなどで高齢者施策を推進して、区内高齢者の老後の不安をなくす取り組みをぜひしていっていただきたいと思うのですが、その上で、現状と課題、今後の世田谷区としての考え方を伺っておきたいと。  次に、障害者の問題ですが、障害者の問題も、一般質問でもいろいろ質問させていただいていますが、特に雇用の問題とか、いろいろな支援をすることによって、障害者の親亡き後の不安をどのように解消していくのかということが課題だと思いますので、この点についても、区の考え方、課題、今後の施策のありようについてお答えをいただきたいと思います。  それと、児童虐待の問題ですが、一般質問でも児童虐待に関しては、現場である児相が世田谷区に移管されてくるということですが、児相が移管されたから全てが解決するというわけではなくて、児相があるということで、いろいろなソフトの面で考えていかなければならないものがあって、それも子ども条例だけではなかなか補完できない実質的な課題を解決していくために、やはり虐待の防止条例というものを検討すべきではないかという御提案をしておりますが、それに向けてさまざまな課題があると思いますが、実現に向けて、区としての考え方も含めてお答えをいただければと、この以上三点を、時間がありませんので、それぞれお答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ◎尾方 高齢福祉課長 世田谷区の高齢者人口は十八万三千人を超え、そのうち半数以上は七十五歳以上となっており、介護を必要とする方や認知症の方が増加する中、区では高齢者保健福祉計画介護保険事業計画に基づき、計画的に高齢者施策を推進しております。  区では、介護が必要になっても世田谷で住み続けたいという区民のニーズに応えるため、平成二十七年度から十年間で千人分の特養ホームの整備計画を進めており、国有地などを活用し、整備地のめどは立っておりますが、労働力人口の不足により、介護人材確保は厳しい状況にあるため、人材の確保、育成、定着支援等を大きな課題として捉えており、これを介護人材対策もあわせて進めております。  また、利用者、家族が希望する生活が選択できるよう、認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスの計画的な整備も進めております。未整備地区の解消が課題でございますので、これに向け、土地所有者への働きかけや公有地活用、整備費補助の上乗せなどにより取り組んでおります。  一方、さきの国勢調査での世田谷区民の平均寿命は、男性が全国三位、女性が全国八位と躍進している中、高齢者が心身ともに健康でいられるよう、健康づくりや介護予防の取り組みを推進し、健康寿命を延伸することも重要な課題であり、運動や食事のほかに、社会参加の促進、地域社会とのつながりを持ち、健康長寿、生涯現役社会を推進してまいります。  今後とも住まい、医療、介護予防、介護、生活支援サービスが身近な地区で利用できる地域包括ケアシステムの深化・推進に取り組むとともに、認知症の方の意思が尊重され、誰もが住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、区民、事業者、行政が力を合わせて取り組んでまいります。 ◎阿部 障害者地域生活課長 次に、障害者の親亡き後の不安解消につきまして、区の考え方でございます。介助されてきた親御さんが亡くなられた後も、住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続していくためには、雇用においては、テレワークや短時間勤務などの多様な就労機会を創出し、障害程度や特性等に合わせた働き方ができるようにすること、住まいについては、ひとり暮らしが困難な方へのグループホームの提供、また各種の障害福祉サービスが生活に密着して提供されるなど、障害者御自身の意思で生き方を選択、決定できるよう包括的、継続的な支援が必要となってまいります。  区では、障害者も含めた地域包括ケアシステム構築を目指し、相談支援の充実やユニバーサル就労の検討、グループホームや通所施設など、施設整備に係る基本方針の検討などに順次取り組んでおり、さらに、次期ノーマライゼーションプラン及び第六期障害福祉計画の策定の中で、議会での御議論や関係団体、支援機関等多方面の御意見も伺いながら、親亡き後も障害者が安心して生活できる環境整備を一歩ずつ着実に進めてまいります。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童虐待防止条例を制定する場合の課題でございます。区は世田谷区子ども条例を制定しておりまして、この条例において虐待の禁止が規定されております。これに加え、新たに児童虐待防止に関する条例を制定する場合、こうした規定との整理が必要となること、また、この新たな条例にどのような効力を持たせるかによりまして、条例に対する区民理解を深めるための十分な議論が必要であるほか、法で定められた以上の義務を課すべきかなど、そういった慎重な議論が必要であると考えております。 ◆あべ力也 委員 それぞれお答えをいただきましたが、なかなか目に見えていろいろな課題が解決するということは、えいやっというわけにはいかなくて、一つ一つ積み上げていかなければならないと思うのですが、高齢者の方、障害者の方、子どもを持つ親の方、さまざまな方から御意見をいただく中で、特に高齢者がふえているという中での政策を今後もしっかり展開をしてほしいというような話であったり、障害者をお持ちの方は、やはり変わらず、自分の子どもが、自分がいなくなった後に、しっかり生活がしていけるのかというような不安であったり、さまざま区民が抱える福祉的な不安の課題というものは今後ますます多くなってくると思っておりますので、その解決に向けて、しっかり一つ一つ取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。時間もありませんので、要望して終わりにしますので、よろしくお願いします。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 本区の障害者差別解消法の施行に合わせた紛争処理の取り組みについて伺います。  まず、障害者差別解消法の関連規定から読み上げます。第十四条です。国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止または解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図るものとする。  本日テーマとするのは、この後段に出てきました差別の紛争処理、紛争解決の取り組みについてです。その支援体制が本区にあることを私自身は存じております。しかし問題は、区がその支援体制を整えながら、被害者救済の可能性を、差別に苦しむかもしれない区民当事者にほとんど広報しようとしていないということです。私は、これを区の根本姿勢から疑うべき大問題だと考えています。  まず、当区が整備した差別の御相談から紛争解決に至る支援体制、紛争処理の流れの御説明を求めます。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、平成二十八年四月の障害者差別解消法施行時に、障害を理由とする差別に関する相談などの窓口を、障害施策推進課計画担当に開設いたしましたが、区の事業については各担当部署が相談を受け、合理的配慮の提供などへの対応を行っております。  また、区の事業以外の国や都、民間事業所についての相談は、障害施策推進課が相談を受け、解決に向けた対応もいたします。障害施策推進課では、障害者差別解消法の施行にあわせまして、区独自に採用し、配置いたしました専門調査員二名が相談内容を丁寧に伺うとともに、必要に応じて現地を訪問し、不当な差別的取り扱いの調査や合理的配慮の提供について、ときには厳しいやりとりもしながら、事業者等への改善の働きかけを行っております。 ◆上川あや 委員 専門調査員の配置は、ほかの近隣の区市にもないそうで、なりだけは大変立派です。しかし、差別に苦しむ区民に向けた、わかりやすい広報の努力など、一体どこにあるのでしょうか。  例えば区の障害者施策の代表的な広報素材に、障害者のしおりがございます。区が障害者のいる全世帯に毎年、制度は更新されますから、お送りしているものです。この障害者差別解消法に基づく民間の紛争処理の解決に向けた区の支援部分、関連記載があるのであれば、その部分を全文読み上げてください。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害者のしおりでは、区の事業における不当な差別的取り扱いや合理的な配慮の提供については、事業を担当する各課にお問い合わせください。国や都、民間の事業について、また、障害者差別解消法に関する全般的な事項については、障害施策推進課計画担当にお問い合わせください、と記載をしております。 ◆上川あや 委員 今回テーマにしている民対民の差別について関連するのは、民間の事業について、また、障害者差別解消法に関する全般的な事項については、お問い合わせくださいの部分ですよね。結局、お問い合わせくださいと相手任せにして、肝心な部分は一切広報しない。これで何がわかるのでしょうか。区が相手側に調査に入ること、差別の紛争解決に当たることなど、何一つ書いておりませんということですよね。お答えください。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害者のしおりでは、そのとおりでございます。 ◆上川あや 委員 ホームページのほうは、どうなのですか。 ◎竹花 障害施策推進課長 ホームページにおいては、専門調査員の設置や、解決に向けた働きかけも御案内しております。 ◆上川あや 委員 ホームページの記載も、課長から私にペーパーをいただきましたが、私、検索をかけても全くひっかかりませんでした。ホームページの案内は、全ての文字が平仮名で、障害を理由に差別されたり困ったりしたら相談してくださいとタイトルをつけたページだと思うのですが、これは広報広聴課に確認いたしました。ページをつくった二〇一六年十月六日から昨日まで八百八十六日間ございます。この間、アクセス数は七百十二件、一日平均〇・八回、今年度に限って言えば〇・四回、これが伝わる広報なのでしょうか、お答えください。 ◎竹花 障害施策推進課長 ホームページへのアクセス数が多いか少ないかは判断できませんが、区では平成二十八年度以降、ホームページ以外にも、障害者団体への説明、あるいは区内全小中学校への児童生徒へのリーフレット配布、各種イベントなどでのPR等、障害者差別解消法の周知に取り組んでおります。 ◆上川あや 委員 今、課長が言ったリーフレットはこれです。課の窓口に行っても配架すらされておりませんでした。きょういただきました。このリーフレットも問題です。ここでも紛争処理制度の記載は皆無です。全体で八ページ、十分なボリュームがあります。その中で関連する記述はたった二行ですね。読み上げていただけますか。 ◎竹花 障害施策推進課長 「障害者差別解消法を知ろう」というリーフレットでは、「お店や会社で、障害を理由に差別されて、つらい、悲しい思いをしたことはありませんか? お話を伺い、解決に向けて一緒に考えます。家族や支援をする人が、相談することもできます。」と記載しております。 ◆上川あや 委員 相談を受けることそのものは、法律の成立以前からやっていることなのですね。紛争処理制度の、これで、何がわかるのでしょうか。調査の専門スタッフがいることも伝えない。相手方に調査に入ることも伝えない。実際に不当な差別が確認されれば、専門員が法の趣旨を粘り強く相手方に説いて解決に当たることも一切伝えない。ひど過ぎますよ。副区長に伺いたいと思います。これを、御自身が当事者の立場だと考えて、これで紛争処理の仕組みがわかりますか。 ◎宮崎 副区長 障害者差別解消法施行時に当たりましては、今、担当のほうから申し上げましたように、さまざまな取り組みを独自にも含めてやったつもりでございました。ただ、今御指摘いただきましたように、この広報関係の部分については、ややもすると、行政サイドからのアプローチとなってしまい、障害者を含めまして、これに、言ってみれば、合理的配慮のところで申し上げましたように、全ての方がこれをわかっていただかなければいけない、そういう目線では、なかなかアプローチをしてこなかったということは反省すべき点だと思います。体系的に、今後、示していけるような形でお示ししたいと思っております。 ◆上川あや 委員 例えば名古屋市や出雲市では、窓口を障害者差別相談センターと銘打ってわかりやすくしています。岡山県や三重県では、障害者差別解消支援センターとして相談の窓口を明示しています。お金をかけなくてもできることはあるのですね。このプロセスも、しっかりわかるようなリーフレットをつくっております。こうした努力を求めますが、一言いただけないでしょうか、副区長。 ◎宮崎 副区長 今般御指摘いただきまして、なるべくこういう名称を含めてを、わかりやすくして、このお問い合わせを含め、解決策も含めて、体系的な示し方、こういうことをやっていきたいと思います。 ◆上川あや 委員 終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時一分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 私からは、本日、保育待機児の課題について、事業者の立場というか、事業者側の視点に立って質疑をしていきたいと思います。  現在、保育待機児ですが、ゼロ歳児、一歳児はもう本当に入れない状況が世田谷では続いていて、待機児となっている御家庭は御苦労されているということは、もう本当に世田谷では大変な状況であるということは皆様御承知のとおりであると思います。  一方で四歳児、五歳児を見てみますと、定員枠にあきがあるということも現状なのですね。ですので、今四歳児、五歳児にあきがあって、そこをもうちょっと活用してはどうかというような御意見もありました。そういった点について、事業者としての立場で、その四歳児、五歳児の定員枠のあきをもうちょっと活用できないかという御意見があったのですが、それについての見解をお聞かせください。 ◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 私立認可園、認定こども園の空き状況につきましては、現在、区ホームページで公開しているところですが、四歳児で三百九名、五歳児に五百六十二名のあきがあり、四、五歳児の総定員四千三百四名に対し約二〇%の定員のあきがございます。四歳児及び五歳児双方のクラスで定員の半数以上のあきがある園は十七園ございますが、その内訳は、開園後一年目の園が十三園、二年目の園が四園と、全て開園後間もない園となってございます。こうした状況は、開園時点で四、五歳児の入園が定員まで達しなかったことによるものですが、認可保育園における進級率は九割を超えているため、開園三年目以降は、ゼロから三歳児の進級に伴って定員が充足していく実態がございます。 ◆すがややすこ 委員 世田谷では、要はその入園されている方々に対しての補助金なのですが、他区では、その定員枠に対して補助金を出しているというところもあるのですが、そういったシステムに対する見解はいかがでしょうか。 ◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 区では、保育施設の定員の空き状況について定期的に把握するとともに、特にあきの多い新規開設園を中心に、未利用スペースを活用した定期利用保育の実施などを促し、効率的な運営となるよう支援しているところです。また、私立園長会などの機会を捉えまして、今後の保育施設の整備計画について説明するとともに、各地域の保育需要の見通しや進級率の推移などについて丁寧に説明し、開園後しばらくは四歳児、五歳児の定員にあきが発生する可能性があるということについて御理解をいただいているものと認識しております。  区といたしましては、引き続き待機児童の地域偏在を踏まえ、地域ごとの保育需要をきめ細かく分析した効果的な施設整備を進めることにより、保育施設の定員割れが常態化することのないよう取り組んでまいります。 ◆すがややすこ 委員 最初に御答弁いただいたとおり、四歳児で三百九名で、五歳児で現在五百六十二名の定員のあきがあるというのが現在の現状でありまして、そういった枠をもうちょっと有効活用できないのかなと私は思っているのですね。  今御答弁いただきましたが、その他区で行っている定員に対する、要は補助金の保障というのですか、そういった点に関しては、結論的に見ると、もちろん事業者の経営という点ではよいのかもしれないですが、待機児の解消という意味では、やはりそこは意味をなさないわけで、その四歳児、五歳児の定員枠をもっと有効活用していただきたいと私は思っているのですね。  例えば四歳児、五歳児の定員を減らして、低年齢児ですね、さっきもちょっと出ていましたが、三歳児以下が今、待機児童が大変多いということで、その低年齢児の定員を拡大したいみたいな相談が事業者からあった場合、世田谷区としてはどのように対応しているのでしょうか。 ◎後藤 保育課長 区では毎年九月ごろに各認可園等に対しまして、翌年度の定員変更調査を実施してございます。定員変更等の希望があった場合ですが、在園児保障の観点や、施設周辺の保育需要を鑑みまして、運営法人の意向を丁寧に伺いながら対応を行っております。 ◆すがややすこ 委員 毎年九月に定員変更調査を実施されているということですので、それぞれ保育園の事情があるかと思います。四歳児、五歳児の枠が埋まらないというか、あきが出るような状態が続いているのだとしたら、世田谷区のほうから働きかけてもよいかもしれませんし、あと、やはりその法人のほうとしても、経営という視点でお考えになることはあると思うのですね。だから、そういった相談に対して世田谷区として丁寧に対応していただきたいと私は思っています。今御答弁でも、運営法人の意向を丁寧に伺いながら対応を行うという御答弁でしたので、ぜひそのように行っていただきたいと思います。  それから、先ほどもちょっと出ましたが、保育士の確保という視点ですが、やはり既存保育園でも、保育士の確保は大変ですと。それで、要はどんどん他区に引っ張られてしまうというようなこともありまして、例えば目黒区とか千代田区とかでは、今国で行っている住宅補助ですが、他区ではその賃料を上乗せして住宅補助を行っているということなのですね。ですので、そうすると、やはり保育士さんがその高いほうに行ってしまうということも、それは現実としてあると思うのです。  ですので、世田谷区として、日本全体のことを考えたら同じことですが、世田谷区としても、やはり保育士さんの確保をしていかなければいけないという立場で、世田谷区としてもこの対策を考えていかなければいけないと思うのですが、区の見解をお聞かせください。 ◎後藤 保育課長 お話とは別ですが、区としても、この事業については有効性を認識しておりまして、認証保育所、保育室等へ対象を拡大してこちらを実施してございます。現在、認可園等におきましては保育士不足により、入園の内定した児童の受け入れをお断りしている施設はございませんが、引き続き現行事業の効果を検証して、対策が後手に回らないよう、事業の改善に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆すがややすこ 委員 今御答弁ありましたので、しっかりその保育士の確保という視点でも、これからどんどん施設をふやしていくわけですから、保育園を運営される事業者さんの立場に立っても、ぜひ保育事業を行っていただきたいということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、平成二十六年の決算委員会で質問した認知症探索サービスについて伺ってまいります。  高齢化が進み、認知症と診断されている方は、二〇一五年のデータですが、全国で約四百六十二万人、二〇二五年には約七百万人に増加すると言われております。認知症の症状の一つとして徘回行動があり、認知症で徘回をし、行方がわからなくなってしまった方は全国で約一万人と言われております。ちょっと目を離したすきにいなくなってしまったというケースはよくあると思います。御家族も、警察に届けて近隣を探すのですが、なかなか見つからない現状があります。  以前に質問した際には、他区の事例を取り上げ、世田谷区でも実施をすべきとの質問をいたしました。他区では、高齢者が徘回で行方不明となった場合、二十四時間パソコンで検索をしたり、電話で問い合わせることで、その居場所を家族が把握することができる認知症探索サービスに補助金を出し、GPSの機能を認知症の家族にも貸し出しており、二十三区中、多くの区が導入をしております。以後、世田谷区ではどのように取り組んでいるのか、進捗状況についてお伺いをいたします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症があり、行方不明になる高齢者が、見守りや声かけによって、できるだけ早く安全に御自宅に戻れるようにすることは、御家族の介護負担軽減、在宅生活継続のためにも重要なことと考えております。  区では、平成二十七年に認知症の方のGPSの利用等について、認知症の家族会を対象としたアンケートを実施いたしました。その結果、GPSの利用については、本人が持って行ってくれない、途中で捨ててしまった、電池が切れて使えなくなったなど、継続的な利用には困難を伴うことがわかりました。このため、目立たずに御本人が身につけることができ、外出先で保護された場合に、二十四時間三百六十五日対応している高齢者安心コールを通して御家族等に連絡し、身元が確認できる方法として、平成二十九年度から高齢者見守りステッカー事業を開始し、警察にも御協力いただいております。  また、認知症があり、外出先から戻れなくなるなどの症状は、介護保険の認定調査訪問の際に把握することが可能なことから、ケアプラン作成の際に、デイサービスや定期巡回・随時対応型訪問介護看護など、認知症の方に適したサービスの利用につなげるよう、ケアマネジャーの研修等を通して指導しております。今後は、地域の方々にも高齢者見守りステッカー事業の周知に努めるとともに、認知症サポーター養成講座で、道に迷っている高齢者等に声かけを行うロールプレーなどを実施するなど、認知症の御本人や御家族の安心安全の確保に一層努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 認知症の方は、やはり二〇二五年にはかなり、七百万人を突破すると言われておりますので、今後ともよろしくお願いします。  次に、動物殺処分ゼロに向けた取り組みについてお伺いいたします。
     このテーマも以前の決算委員会で取り上げました。区民の方から、以前から動物の殺処分ゼロに向けた取り組みをみずから行っている、行政としてももっと積極的に取り組みをしてほしいという御意見です。  世田谷区の取り組みは、地域猫が減っていくこと、また、妊娠してふえないようにコントロールするとのことですが、不用意な妊娠をしないよう、避妊制度の周知、また、助成制度の継続をしていただきたいと考えます。見解をお伺いいたします。 ◎山本 生活保健課長 動物の保護、収容施設である東京都動物愛護相談センターに収容された動物のうち、収容中に死亡した動物等を除いた平成二十九年度の殺処分数は、各自治体の内訳数では公表されておりませんが、都内全体で、犬ゼロ頭、猫十六頭となっており、区においても減少傾向にあると考えられます。  動物愛護相談センターに持ち込まれる猫の多くは、拾得者からの子猫です。区としては、このような子猫を減らすことにつながる取り組みとして、地域猫活動を推進しております。地域猫活動とは、行政、ボランティア、地域住民の三者が協働し、飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施し、餌の管理や猫用トイレの管理等を行っていく活動です。  平成二十九年度の実績として、十五の町会・自治会で地域猫活動を行い、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術助成は百四十一件となっております。引き続き地域猫活動の促進や啓発の充実を図るなど、殺処分ゼロにつながる取り組みを進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、総括質疑で質問をした、保育園の改修工事の際の安全対策について、福祉保健委員会所管でも続けて質問をいたします。  西弦巻保育園の保護者の方から、改修工事の際、子どものお迎えに行ったときに、つーんという刺激臭がかなりした。また、子どもの着ている洋服にまで化学物質の強いにおいが付着している、といった声をいただきました。  昨年十一月二十六日付の施工済み保育室における化学物質の濃度測定の結果、危険性の高いトルエンが指針値を二倍以上も上回り、また工事施工前の室内濃度の二十九倍以上もの高濃度の値で検出されたというものです。  今回の西弦巻保育園の改修工事は完了したとのことですが、今後の保育園の改修工事の際には、十分な対策が必要です。まずは検査の徹底、そして、もし基準値を超える化学物質が出た際には、早急に原因を追究すること、そして換気などの対策をとること、また、工事日程の配慮も必要と考えます。見解をお伺いいたします。 ◎相蘇 児童課長 保育園を初めとして、子どもが利用する施設の改修工事は、安全確保について一層の配慮、対策が必要であると考えており、工事の作業内容等について施設、本庁の事業所管課、施設営繕部門などが緊密に調整し、工事を行っております。  お話しの化学物質につきましては、区のガイドラインや対策要領に基づいて、居室の空気環境測定を実施し、測定結果が指針値以下であることを確認して使用を開始するとともに、改修後の翌年の夏にも測定を実施しております。万一測定結果が指針値を超えた場合は、原因調査と換気等による原因物質の低減化、再測定を行い、結果が指針値以下であることを確認して使用することとしております。さらに、施設の職員に対しても、ガイドラインによる化学物質に関する理解を深めるよう努めております。  また、日程等への配慮については、施設の行事との調整、送迎時間帯の作業、午睡時間は音の出る作業を避けるなどの状況や課題を確認した上で、細かい調整を行い、事前に保護者へ周知し、安全な工事になるよう対応を図っております。今後もガイドライン等に定めた対策を徹底し、利用者の安全に十分配慮した工事を行い、子どもたちが安心して過ごせる環境の整備に向け取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 安全対策についてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 我が家のおばあちゃんは、昨年までは要介護四だったのですが、ことしの一月の認定で四から五に上がりました。今回は認知症家族の支援について伺いたいと思います。  区の総合支所の保健センターでは、定期的に認知症高齢者の家族会が開催され、昨年までは、うちのほうでは梅ヶ丘の保健福祉センターだったのですが、ことしから北沢保健福祉センターのほうの家族になってきました。私はできる限り参加しています。  家族の方たちは大体よそ行きは着ないで、ふだん着で参加され、認知症本人がデイサービスに行っている今ならば参加できるのだなどと言いながら、二月二十五日一時から北沢のほうでやりました。  北沢地域の介護施設から認知症の介護の専門家を招いて勉強会が開催され、認知症の方を介護している家族は、突然始まる介護に戸惑うとともに、介護の大変さを周りの人たちに理解してもらえないと感じ、孤立したりする方が多いです。ですから、同じような介護の経験や苦労を共感し、分かち合い、仲間と話ができる認知症の家族に、多くの方が参加しています。プライバシーを気にして、自宅近くの会には参加したくないという方もいまして、結構こういう方も多いです。  聞くところによりますと、世田谷区には、区が運営する家族会以外にも、介護の会や家族会が三十カ所以上もあり、区ではパンフレットをつくって周知しているそうですが、区の認知症家族や地域の方々が運営されている家族会の運営状況について、まずこれからお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症の方を介護する御家族からは、先の見通しが立たない介護による心理的な負担や将来への不安がある、あるいは周りの人には理解してもらえない孤立感があるとの声が聞かれており、在宅生活を継続するためには、御本人の支援に加え、御家族の支援は大変重要であると認識しております。  区では、総合支所を会場として、おのおの年六回、御家族同士が情報交換や懇談を行う家族会を実施するほか、あんしんすこやかセンターや区民の方が自主的に主催する家族会が区内三十二カ所で、おおむね月一回程度実施されており、家族介護者の孤立感を和らげるとともに、心理的負担感の軽減が図られております。  区民が主催する家族会では、介護者や介護を終えた方が運営されており、医療・介護の専門職を呼んで、勉強会や情報交換に加え、体験談や悩みを語り合うピアグループとしての役割も担っております。 ◆青空こうじ 委員 認知症の家族は、毎日休みがなく御本人を介護しています。デイサービスに通っている本人がいらっしゃいますが、自宅で過ごされている間は、家族は毎日気が抜けません。最近では、高齢の家族が高齢の認知症の方を見る老老介護や認認介護もふえています。介護保険制度により介護者の負担は軽減されていますが、介護者の本人の健康状態や、管理や、生活の質を上げるまでには十分とは言えないと思います。  ことしのようにインフルエンザが大流行したときには、御家族もインフルエンザにかかることがあります。そこで伺いたいのですが、認知症に限らず、介護する家族の休養のための休息について、区の考えをお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 区が平成二十八年度に実施した介護保険実態調査によりますと、六十五歳以上の方を主に介護している方の五一・五%は六十五歳以上の方で、そのうちの半分は七十五歳以上の介護者となっており、いわゆる老老介護の方が多くなっております。  また、何らかの認知症があり支援を必要としている方約二万二千人のうち、一万三千人の方は在宅で生活されているため、介護家族の休息やリフレッシュを図るレスパイトケアが大変重要であると認識しております。  介護家族の休息やリフレッシュのため、介護から離れて介護者の自由時間を確保する必要があることから、区のケアマネジャー研修では、レスパイトケアなど、家族支援の視点をケアプランに位置づけるよう指導しています。  また、区ではレスパイトケアや、介護負担が軽減できるよう、ショートステイやデイサービス、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等のサービスの充実に努めております。  今後も住みなれた地域で安心して暮らし続けていただけるよう、認知症の方やその介護家族へのケアが適切で安定的に提供されるよう支援し、御本人や御家族が住みやすい地域づくりに取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 うちも、おばあちゃんが長野から来て十年たちますが、認知症の家族はさまざまな介護ストレスを抱えています。中には認知症本人に対する怒りや否定的な気持ちを抱いたり、兄弟や親族から介護に対する理解が得られないため、やりきれない気持ちを抱え、介護自体がつらくなってしまう方もたくさんいます。  放っておくと、介護により、この間も家族会の中では、女の方が二十人いたのですが、中の三人の方は、いっそ絞め殺して私も自殺しようという方も三人いました。家族の心理的なストレスの軽減は家族支援の視点として欠かすことはできません。  そこでお伺いしたいことは、介護家族の心理的なケアにどのように取り組まれているのか、また、今後、家族支援にどのように取り組んでいくのか、これをお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 区では、各あんしんすこやかセンターに、もの忘れ相談窓口を設置しており、平成二十九年度のもの忘れ相談延べ約九千件のうち、四割近くが認知症の方を介護する御家族からの相談であり、介護家族の支援や心理的ケアは大変重要であると認識しております。  区では、心理的ケアの取り組みとして、各総合支所を会場として行う家族会や、臨床心理士が個別に相談をお受けする家族のための心理相談を実施し、家族介護者の孤立感を和らげるとともに、介護ストレスへの対処方法などを学ぶストレスケア講座を実施し、心理的負担感の軽減を図っております。また、御本人、御家族が一緒に気軽に出かけ、参加交流できる場として、現在区内に四十カ所の認知症カフェが運営されています。今後は、さらに早目の相談や早期診断、早期対応の取り組みを進め、認知症の進行遅延や重度化防止に努めてまいります。また、御家族に家族会等の情報がしっかり届くよう、家族会のパンフレットや窓口、区ホームページ、高齢・介護応援アプリなどで広く周知に努め、御本人、御家族、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりを推進してまいります。 ◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、自由民主党の福祉保健所管の質疑をしてまいります。  先日の私の一般質問で、日本の少子・高齢化が進んだ要因の一つは、団塊ジュニアである我々第二次ベビーブーム世代が、経済環境の悪化を理由に、子どもを産まなかった、というより産めなかったということが原因にあるのではないかというお話をしました。それを受けて、先日の企画総務委員会所管分の私の質疑で、先日亡くなられた堺屋太一さんが、今から五年前、日経新聞に執筆された、少子化に関する非常に興味深い分析を取り上げました。  その分析によりますと、現在、少子化の著しい国と地域の中で、東アジアの工業化した国では、二十四歳以下の若年出産が著しく少ない。例えば日本は、女性千人当たりの出産数は、十九歳以下で四人、二十歳から二十四歳で三十二人にすぎない。もし日本の若い女性が欧米並みに出産をされたとしたならば、日本の長期人口問題は大幅に緩和されるかもしれないと。  では、その日本を初め、東アジアの工業化した国・地域で、なぜ若年出産が少ないのか。それは各国が工業化をしていった過程で人生の規格化、この規格というのはレギュレーションの規格ですが、これを進めていったためではないかと。  例えば日本では、人生は、まず教育を受けることから始まります。教育を終えれば、就業して、仕事について蓄財に励み、一定の蓄えができてから結婚、そして、その後で出産をすると。ここでいわゆるその規格化された、レギュレーション化された人生に従えば、経済が豊かになればなるほど、教育年限というものが伸びて、結婚年齢も上昇していく、そして、当然、出産も高齢化していくということになります。  かつて、日本でもそうなのでしょうか、二十歳のころから、二十代で出産をしていた時代というのは、子どもが四人、五人いるのが当たり前の時代でしたが、今は、例えば三十五歳から出産をされたとしたならば、大体子どもは一人か二人しかできないだろうと。  そういったことから、今こそ、人生までを規格化してしまった戦後体制からの脱却を図らなければならない。具体的な政策としては、まず安心して子どもを産める社会というものを実現することだと。そして、まず考えるべきは、これも考えものですが、教育期間中の結婚とか、あるいは出産を社会が許容する、そういう制度をつくるべきだと。  出産の若年化は、例えば個人の人生の問題をも解決します。例えば四十歳で子どもを産むと、八十歳の親の介護とゼロ歳の育児を同時にしなければなりません。それでいて、職場では中堅どころになって、その重責もありますし、それを夫婦で分担するということも大変厳しいだろうということだと思います。  これが、仮にですが、二十歳で出産をしたならば、八十歳の親の介護は、六十歳の子どもと四十歳の孫が面倒を見る。そして、二十歳のひ孫はゼロ歳児の育児に専念できるということなのですね。  そういったことから、少子・高齢化の長期抜本的な解決には、若い男女が安心して子どもを産み育てる倫理と制度の普及こそが大切だと、こういうことが堺屋さんの本に書かれています。  この提案をこのまま具体化する、採用するということはなかなか難しいかもしれませんが、出産や子育てに対する世の中のハードルを下げて、希望すれば早くからそれがかなえられるような社会、また、介護する人を一人にさせないような社会をつくっていくということが大切なのではないかと私は思います。  そういった観点から、きょうの福祉保健委員会所管の質疑を進めてまいりたいと思います。  事ほどさように、子どもを産み育てやすい地域社会をつくっていくということが大変重要だということであります。地域の全ての人が子育てを温かく見守り、支え合っていくことで、子育てに夢や喜びを感じることができる地域社会が実現するのだと私は思います。  先般の福祉保健常任委員会の中で、地域で子育てを応援する機運醸成を目的とした、世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクト事業についての報告がありました。この取り組みは既に多くのメディアでも取り上げられておりますし、多くの企業や自治体とも連携が始まっているということを聞いております。  趣旨としては本当にすばらしいことだなと思うのですが、我が世田谷区において、地域で子育てを応援するという機運をしっかりと醸成していくためには、例えば啓発物品などをただ単に配るというだけでは、その実現は難しかろうと思いますね。もっと効果的な、広がりのある取り組みが必要なのではないかと。  そこで、このWEラブ赤ちゃんプロジェクトを含め、区として今後の機運醸成の取り組みをどう進めていくのか、伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 赤ちゃんの泣き声については、どの保護者でも対応に悩むことがあり、泣きへの対応に関する相談も多くなっております。また、平成二十九年に発生しました乳児死亡事例の検証会議では、泣き声が周囲に迷惑をかけているのではないかと悩んでいたことが指摘されており、地域において子育てを応援する機運醸成を図っていく必要があります。  世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクトは、保護者が赤ちゃんの泣き声で周囲に気を使う場面を少しでも減らして、区民一人一人が赤ちゃんの泣き声を許容し、子育てを応援する機運醸成を図るため、民間の取り組みと連携して本年六月より実施します。ステッカー等の啓発物品を配布し、保護者に子育てを応援しているというメッセージを伝えていくとともに、本取り組みの趣旨に賛同していただける企業や団体を広く募集し、ポスターの掲示やステッカー配布等の協力依頼もあわせて実施してまいります。  また、機運醸成を図るため、広く寄附を呼びかけるとともに、区民の方々から効果的なPRの方法のアイデアを募ってまいります。集まったアイデアや寄附金を活用しながら、機運醸成の取り組みを充実させ、子どもを産み育てやすいまちの実現につなげてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 また、子どもを産み育てやすい地域社会の実現のためには、子育てを支援していく地域の担い手も必要になります。子育てをした親が、みずからの子育てが落ちついた後に、次に続く子育て世代の支え手に回るというよい循環が生まれることがとても大事だと思います。  区にはこうした地域の子育て支援の活動に対して資金面で支援をしていく事業として子ども基金助成事業があります。地域の担い手を育成し、その活動の基盤を支える大変重要な事業だと思っています。  そこでまず伺いますが、この子ども基金助成事業の実績等の現状はどうなっているのか、また、事業の課題についてはどのように認識をしているのか、伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 子ども基金は、子ども及び子育てに関する支援事業を推進し、区民や地域コミュニティーが相互に助け合う共助による子ども・子育ての支援活動を対象に助成を行っております。開始から十三年がたち、この間、合計で三百七十七件、約七千八百万円の助成を行っております。平成三十年度におきましては募集を二回実施し、難病の子どもたちの交流支援や、多言語絵本の読み聞かせ会を初めとして二十五件、約四百十万円の助成に結びつきました。  核家族化や地域とのつながりの希薄化が進む中、広く社会に呼びかけながら、世代を超えた地域の支え合い子育てなど、共助の仕組みを強化していく必要があると考えておりますが、近年は助成件数や助成額は減少傾向にあります。区内には、地域で子ども・子育て支援活動の実施者や取り組み希望者も多く、そうした方々がさらなる一歩を踏み出せるよう、基金の周知の強化や対象事業の見直し等が必要と考えています。 ◆ゆさ吉宏 委員 いろいろと課題もあるということだと思うのですが、子ども基金助成事業については今後さらなる地域活動の発展、充実に向けて、どのような展開を考えているのか、最後に伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 子ども基金助成事業について、より多くの活動の助成ができるよう、審査会の委員の意見を聞きながら、平成三十一年度の助成からテーマ設定や対象事業の見直しを行いました。具体的には、子ども基金の助成対象について、多世代交流や貧困、虐待等支援を必要とする子育て家庭への支援などの地域課題に対応し、また、妊娠期から中高生世代までのライフステージに応じたテーマ設定に見直し、チラシやパンフレットを通じてわかりやすく周知をしております。  また、現在五段階ある助成金額のうち、百万円の上限枠については、これまで困難を抱えた子どもや家庭を支援する取り組みや、若者のための地域の身近な居場所づくりなど、区があらかじめ定めた重点テーマ事業に限っており、助成に結びつく事業が少なかったことから、他の活動団体のモデルとなり、地域に貢献、還元が高く見込まれ、事業のさらなる発展が期待できる、計画性がある事業を広く審査会で決定できるように見直しました。こうした見直しにより、より多くの子ども・子育て活動を支援し、さらなる地域活動の発展、充実が進むよう取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 変わりまして、次は認知症についてのお話です。  私の母がレビー小体型認知症になったのは今から十二、三年前だったと思います。亡くなる六年前まで徐々に徐々に進行していきました。今まで十分でできたことが、二十分、三十分、そして一時間かかるようになって、そのうちできなくなってしまうと。息子である私から見て、こう言ってはなんですが、きれいで、料理が上手だった母がだんだん壊れていくというのを見るのは本当につらいことだなあと思いました。けれども、最後まで自宅で母の面倒を見てくれた父は本当に偉かったなと思います。  そんなわけで、認知症というのは早期発見と早期治療が大変重要です。残念ながら今の医療技術では、認知症をもとどおりに治すということはできませんが、できるだけ進行をおくらせて、自分らしく安心して暮らし続けることは可能になってきていると思います。  しかし、認知症の予防方法や、診断を受けた後、どのように生活をすればよいかは、高齢者やその家族に十分には知らされていません。認知症施策に力を入れてきた世田谷区として、介護予防の推進や介護者の負担軽減の観点からも、認知症予防や重度化防止の取り組みは欠かせません。  最近は認知症の御本人が実名や経歴などを公表し、認知症の方に対する正しい理解を促すとともに、自分たちを抜きにして当事者のことを決めないでほしいといったメッセージさえも発するようになってきています。認知症の御本人の思いや希望を理解して、必要な社会参加の機会を確保するということは、地域ぐるみで重度化を防止することにもつながります。認知症の発症予防や啓発について、区ではどのように取り組んでいるのか伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 人生百年時代を迎えて、認知症は誰でもなる可能性があり、区の推計でも、二〇二五年の認知症高齢者数は約二万八千人で、六十五歳以上の方の約七人に一人になると予測しており、認知症の正しい理解や発症の予防などの普及啓発は大変重要であると考えております。  区では、認知症の発症をできるだけおくらせるため、ウオーキングなどの有酸素運動と、パソコンなどの知的な活動を日常生活に習慣づける認知症予防プログラム事業を実施し、事業終了後は自主活動が継続できるよう支援しております。また、平成二十六年度からは運動、栄養、口腔、認知症予防を組み合わせた、まるごと介護予防講座を実施し、認知症に加え、心身機能の低下予防も含めた介護予防の普及啓発に取り組んでおります。  予防を含めて認知症の正しい知識の普及を行う認知症サポーター養成講座は、平成十八年度からの延べ受講者数は、区内事業者、商店街、町会・自治会、小中学生、PTAなど三万人を超えております。今後も引き続き介護予防事業や認知症サポーター養成講座等を通し、認知症予防の普及啓発及び発症予防や症状の悪化防止など遅延化の取り組みを一層進めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 認知症の重度化の防止は、介護負担の軽減の観点からも非常に重要でありまして、介護の質の向上のためにも積極的に取り組むべきだと思いますが、これも区の見解を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症は、徐々に認知機能が低下するとともに、生活機能も低下し、日常生活の支援や介護が必要となることから、認知症の方を支援し、介護者の負担を軽減するためにも、重度化予防が大変重要であると認識しております。中でも、介護者や周囲の人を悩ませる強い興奮や妄想、幻覚などの行動・心理症状の発生や悪化は、適切なケアを行うことで緩和され、重度化を予防できることも近年わかってまいりました。  このため区では、平成二十八年度、平成二十九年度、東京都の認知症の人の地域生活を支援するケアプログラム推進事業に参加し、新たな認知症ケアの手法の開発にかかわってまいりました。この事業は、行動・心理症状を御本人の意味ある行動と捉え、その背景にあるニーズを分析し、適切なケア計画を立て、チームで一貫したケアを実践することで行動・心理症状を緩和させるものです。  区では平成三十年九月より、認知症の方のケアに携わる介護職員が適切なケアを提供できるよう、このプログラムを活用した人材育成の研修を福祉人材育成・研修センターで実施しております。今後は本プログラムの内容や成功事例など、認知症の重度化予防に関する普及啓発用のパンフレットを作成し、広く周知に努め、二〇二〇年度に梅ヶ丘拠点に開設する認知症在宅生活サポートセンターに本事業の普及啓発を引き継ぎ、重度化予防の取り組みを充実してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 私の母はレビー小体型認知症というやつで、いわゆるアルツハイマー型認知症とは違って、ちょっと難しい認知症だったのですね。私もいろいろ勉強しましたが、なかなか理解しにくい症状だったと思います。まだらぼけでずっと進んでいきましたが、最後のほうは、もしかしたら私のことがわかっているのか、わかっていないのか、というような感じでしたね。サラリーマン時代でしたから、月に一回ぐらい帰っていましたが、それでも、最後のほうでも、息子だとわからなくても、一番優しい人が来てくれたという感覚で思っていたみたいですが、そんなことから、認知症の御本人の思いや希望を理解して、本人の望む社会参加の機会をふやすために、区では今後どのように取り組むか、伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 平成三十年の十月に、認知症当事者の方々で構成される日本認知症本人ワーキンググループから、認知症とともに生きる希望宣言が公表されました。この宣言では、当事者の思いや希望を周囲の人に伝えることや、自分の認知症の経験や工夫を生かし、暮らしやすい我がまちを一緒につくることなどが述べられています。  区でも平成二十八年度から実施している、認知症の人がみずから意欲的に参加できる軽作業やボランティア活動を行う認知症当事者のための社会参加型プログラム開発事業においても、認知症の御本人から、本人同士で集まって話がしたいとの声が出されております。  このため、区では平成三十一年度、認知症の御本人が集う認知症本人交流会を実施し、御本人の思いや希望などの声をしっかりとお聞きする予定です。学識経験者や認知症専門医、家族会、事業者などが参加する認知症施策評価委員会の中で、御本人や御家族の声を共有するとともに、御本人が認知症施策に参画できる仕組みづくりを進めてまいります。  それらの取り組みを踏まえ、仮称認知症の人にやさしいまちづくり条例制定の検討の中でも御本人の声をしっかり受けとめ、本人の意思が尊重され、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりに向けて取り組んでまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 最後に、障害のある方と、その御家族についてというテーマで伺っていきたいと思います。  そういった御本人あるいは御家族の支援に向けては、梅ヶ丘拠点の役割と実効性が問われることになります。梅ヶ丘拠点の民間施設棟は、建物が完成しまして、区民が長らく待ち望んでいた入所機能を含む障害者支援施設がいよいよ来月、開設を迎えます。これまでも障害者の地域生活への移行、継続支援機能を担う拠点施設としての位置づけと効果をただしてまいりましたが、開設に当たって具体的に何点か確認させていただきたいと思います。  まず、拠点の中心となる入所支援機能について、三年間の期限がある通過型でありながら、重度障害のある方も含めて受け入れると聞いております。重度障害者にとっての地域移行というものは、現実的には何を目指して、そのためのプログラムはどのようなものを用意しているのか、具体的な取り組み内容を伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 この四月に開設いたします梅ヶ丘拠点障害者支援施設の地域生活支援型施設入所支援で、日中活動は生活介護を利用いただく入所者五十名の内訳は、日常生活全てにおいて介助が必要な最も重い支援区分六の方が二十名と、最も多くございまして、区分五の方が十五名、区分四の方が十一名、その他の方は四名となっております。  重度障害者の地域移行に向けた支援内容ですが、例を申し上げれば、強い自閉傾向のため、入所前はほとんど御家庭で過ごされていた方の場合、まず、起床時から就寝まで一貫した生活支援を行いながら、作業や外出等を組み合わせた日中プログラムを御用意し、日常生活において御自身で活動を選択する機会を提供することや、社会経験を積むことにより、移行後のグループホームでの生活の可能性を広げていくための支援を行います。  また、脳性麻痺により日中活動が少なかった身体障害の方には、身体機能維持のためのリハビリ計画に基づいた専門職による支援や、余暇や地域交流の機会の提供を行い、御家族と一緒に必要な福祉サービスを見きわめながら、移行後の単身生活やグループホームでの生活に向けた訓練等を提供してまいります。  このように、運営事業者は、重度障害者も含め、御自身が望む形の自立生活に向け、原則三年間、延長は二年間ございますが、この入所期間内で、お一人お一人の特性に応じた支援計画のもと、定期的なモニタリング等を行いながら地域移行に努めていくこととなります。 ◆ゆさ吉宏 委員 次に、今回入所される方には医療的ケアを必要とされる方はいらっしゃらなかったようですが、ケアの内容がよくわからないことへの不安から申し込みを控えたという声も聞いております。医療的ケアや重度の方を受け入れることは、この拠点としての基本的な役割のはずです。  そこで、今後の入所での受け入れに向け、まずは短期入所において、積極的に医療的ケアや重度の方の受け入れを進めるべきです。現時点の利用見通しや受け入れ体制の構築状況を伺います。また、以前より申し上げております、要望が高いミドルステイへの対応も、あわせて伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 梅ヶ丘拠点障害者支援施設の短期入所につきましては、障害者が二十床、障害児が八床提供をされますが、運営事業者では、本年一月より四月分の申し込み受け付けを開始しておりまして、二月中旬からは五月分の受け付けも開始をしております。三月七日現在の応募状況ですが、それぞれ障害児を含めまして、四月分は百二件、五月分は五十五件となっております。そのうち、人工呼吸器装着や、たん吸引などの医療的ケアの必要な方も、四月分は二十二件、五月分は十八件の申し込みがあったとの報告を受けております。  四月の開設に当たりましては、段階的に受け入れを行いまして、原則として六泊七日までの利用に対応してまいりますが、初めて御利用の方には、まず、一泊二日の利用をしていただくこととなっております。医療的ケアが必要な方の受け入れに当たっては、看護師が二十四時間常駐して対応することとしており、緊急時には近隣の医療機関と連携を図る体制がとられております。  また、いわゆるミドルステイの御利用につきましても、運営が安定するまでの間は、一週間以上の利用希望に対応することはなかなか難しいと報告を受けておりますが、区としても、適宜運営状況や利用状況を確認しながら、なるべく早く二週間あるいは一カ月の利用にも対応していけるよう運用事業者と協議をしてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 一方、現在並行して検討が進められております今後の障害者施設整備等に係る基本方針検討委員会の議論では、整備の方向性として、地域での通所を意識した小規模・分散化の視点が必要とされています。今後ふえることになる地域の施設のバックアップも梅ヶ丘拠点の大きな役割になろうかと思います。拠点としてどのように医療的ケアのノウハウを蓄積して、地域の施設やサービスを牽引して支えていくのか、区の考えを伺います。
    ◎阿部 障害者地域生活課長 現在進めております障害者施設整備等に係る基本方針の検討におきましては、検討委員会から今後の地域ごとの障害者数や施設数を勘案しながら、利用者が住みなれた地域で通所できるように、小規模分散化の視点で整備を図る必要があるという考え方が示されております。梅ヶ丘拠点の障害者支援施設は、医療的ケアの必要な方や重度障害者が地域で暮らし続けていくことができるよう、運営事業者が医療的ケアなど専門性や個別性の高い支援について、区内の事業者や施設に対して情報提供や技術支援を行う拠点として、地域の障害福祉サービスの向上、充実を図る役割を担ってまいります。  具体的には、今後、運営実績を積み上げつつ、医療的ケアの必要な方等への支援について、多くの支援事例を反映したマニュアル等を作成し、区内の施設や医療機関等、拠点内外における研修の実施、積極的な他事業所との交流によるネットワークの構築と相互のサービスの質の向上等に取り組んでいくことを予定しております。  区といたしましても、運営事業者が職員の経験やスキルの向上など、研さんを積み重ねていくことができるよう、専門医療機関等に御参加いただいております医療的ケア連絡協議会などでの御意見もいただきながら、事業者に対する指導、支援を継続して行ってまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 御答弁いただきありがとうございました。以上で私からの質疑を終わります。  ここで石川委員にかわります。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、自由民主党の質疑を続けてまいります。  昨日、私は、区民生活の領域で、DVの電話相談のダイヤルについて取り上げました。この電話相談の中には、児童虐待、幼児虐待の可能性が潜んでいるケースもありまして、そうしたケースには、子ども家庭支援センターにつなげて、そこで対応していくということ、また、この子ども家庭支援センターでの相談員の対応力の強化ということもしっかりとしていかなければならないということを御答弁いただきました。来年度の予算にもそういったところの強化には予算が計上されておりますので、しっかりと対応をしていただきたいと思います。  また、行政特有の縦割りではなくて、しっかりと横の連携をとっていくということを再認識していただきたいと思っております。  さて、本日は福祉保健領域でもございますので、この子ども家庭支援センターでの対応ということについて伺っていきたいと思います。  その前に、まずは昨年の三月に目黒区で起きました、当時五歳の船戸結愛ちゃんが父親の虐待によって亡くなったという事件、その後、結愛ちゃんが記したメモが公表されました。その内容をごらんになった方、お聞きになった方もいらっしゃると思いますが、もう余りにも悲痛な心の叫びがつづられていた、子どもらしい文章ではなく、あれは書かされていたといった、そうした文章に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。  私も、本当にもう胸が締めつけられるような思いでございました。前職、私は放送局で言葉を伝えるという仕事をしておりました。この結愛ちゃんのメッセージ一文字一文字の言葉の重み、命の言葉だなと思っております。このメッセージを私たちはどのように捉えていくか、風化させてはいけない、しっかりとこの結愛ちゃんの思いを二度と忘れてはいけない事件だということ、目を背けてはいけないと思っております。本日はあえてその結愛ちゃんが大学ノートに書いてメモに残した、その全文を読み上げます。  パパとママに言われなくても、しっかりと自分から、もっともっと、きょうよりか、あしたはできるようにするから、もうお願い、許してください、お願いします。本当に同じことはしません。許して。きのう全然できなかったこと、これまで毎日やっていたことを直す。これまでどんだけあほみたいに遊んだか。遊ぶってあほみたいだから、もう絶対やらないからね。絶対約束します。もう、あしたは絶対やるんだと思って、一生懸命やる、やるぞ。  五歳の女の子に、このような、いわゆる反省文を書かせていたということ、これは、しつけというより、もうせっかんです。本当に憤りを感じます。結愛ちゃんは毎朝四時ごろに起床して、父親から平仮名を書く練習をさせられていたということで、このメモも、覚えたばかりの平仮名で一生懸命書かされていたということ、本当に切なく思います。  この目黒区の虐待事件の後、この一年を振り返りましても、本当に次から次へと悲し過ぎるぐらいの虐待のニュースが、次から次へと入ってきております。野田市の小学四年生の女の子が父親に虐待をされてという悲しいニュースもありました。その後も虐待のニュースが続いているということ、何としても子どもたちの命を守っていかなければならないということを私は強く思います。  救えたはずの命を救えなかった児童相談所の対応ということも課題になっております。子どもたちを救うべき社会は機能しているのかどうか、そうしたことを重く受けとめていかなければなりません。  児童相談所につきましては、この後、我が会派の委員からも質問がございますので、私は、先ほども申し上げたように、子ども家庭支援センターの取り組みについて伺っていきたいと思います。  このDVの相談というところの、まずは電話でというところで、きのう御紹介いたしましたが、この相談ダイヤルとか窓口での相談の中には、児童虐待の危険性も潜んでいるということが多いと伺っております。そうした場合はどのように対応をしているのでしょうか。まず御答弁ください。 ◎大里 烏山総合支所保健福祉センター副参事 DV相談及び児童虐待事案の対応については、いずれも子ども家庭支援センターで担っております。平成二十九年度の烏山子ども家庭支援センターにおけるDV相談の延べ件数は二百九十三件に上ります。そのうち新規相談の家庭数四十三件のうち、十八歳以下の子どもがいる世帯は三十件あり、児童虐待チームと連携したケースは二十一件であることから、重複しているケースは多いものと存じます。  DV相談では、家庭に子どもがいるケースにおいて、児童虐待を念頭に置いた対応が重要になってくることから、相談員だけでなく、子ども担当ケースワーカーも相談記録を確認し、情報共有を図り、連携し、対応しております。  児童虐待ケースにおいても、DVが疑われる場合、相談員と早急に情報共有を図り、緊急支援会議を開催し、情報共有及び支援方針の決定を行い対応しております。 ◆石川ナオミ 委員 しっかり対応してくださっているということですが、とにかく、未然に防いでいくということにもしっかりと力を入れていただきたいと思います。子ども家庭支援センターでは、どのように具体的に対応しているのでしょうか。 ◎大里 烏山総合支所保健福祉センター副参事 子どもの虐待対応は、早期発見・早期対応、進行防止、再発防止に至る一次予防から三次予防までの体系的な取り組みを効果的に進めていくことが必要であると考えております。  子ども虐待は、複数のリスク要因が複雑に絡み合って起こることから、早期にリスク要因を把握し、適切な支援に結びつけることが虐待の防止につながります。望まない妊娠など、妊娠、出産を通したリスク、保護者が虐待を受けて育つなど、親からの愛情を受けていない自身に抱えるリスク、保護者にとって何らかの育てにくさを持っているリスク、経済的な困窮など養育環境が不安定であることなどのリスク要因に対し、子ども家庭支援センターでは、要支援ショートステイやショートステイ、養育困難ヘルパーなど、ケースに応じた各家庭への適切な支援の導入を実施し、定期的に見直しを行っております。  妊産婦や乳幼児、保護者の精神疾患を伴うケースは、健康づくり課の保健師と連携を図り、家庭の生活支援が必要と判断される場合は生活支援課へ、障害児支援が必要な場合には保健福祉課と連携するなどの対応を図っております。また、要保護児童支援地域協議会では、学校、民生児童委員、保育施設など、さまざまな子どもにかかわる関係機関と連携し、情報共有を図り、支援、対応を進めています。  今後も、子どもの権利が保護され、最善の利益が優先される「みんなで子どもを守るまち・せたがや」のための取り組みを進めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうした相談の中には、身の危険、命の危険を感じるといったケースもあろうかと思います。そうした方の中で、シェルターに入りたいと言う方もいらっしゃると伺っております。安心して暮らせる、その後の、相談後のフォローといったことも必要になってくるのではないでしょうか。また、相談員の方の対応力ということも今後ますます課題になってくるのではないでしょうか。真に寄り添った、心に寄り添った対応がしっかりできているのか、見解を伺います。 ◎大里 烏山総合支所保健福祉センター副参事 相談においては、安全確保、相談者の自己決定の尊重、プライバシーの保護を基本に対応しています。特に避難が必要なケースでは、単身や子ども連れにかかわらず、シェルター等において一時保護を行います。入所の際は、相談者の安全確保のため、相談員が必ず同行します。シェルターは二週間を期限としており、その後の相談者の自立支援のための住宅確保、就業促進等の情報提供、助言、連絡調整などの援助については、御本人の意思を尊重しながら、ともに考え、支援を行っています。また、DV相談に訪れる相談者に対する対応について、夫やパートナーからの暴力や暴言により心身ともに傷ついていることから、相談者の置かれた立場を十分理解し、適切な対応をとることが求められます。相談するということは、被害を受けた状況を再現することにもなることから、細心の注意と配慮が必要であり、知識と技術を要し、相談者の心情等に十分配慮した姿勢で対応することが最も重要であると認識しております。  今後も、人権・男女共同参画担当課のスーパーバイザーへの相談やアドバイス、研修などを通じた職員の技術と意識向上を図り、相談者の気持ちに寄り添った相談体制を確保してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 御答弁の中にも、相談者の心情に寄り添ったという言葉がございましたが、本当にその相手の方の気持ちになった言葉かけ、また、そうしたフォローなどもしていただきたいと思います。  政府は、二〇二二年度までに児童福祉司をおよそ二千人ふやすといった緊急対策もとっています。こうした専門家の人材不足ということもこれから課題になってくるかと思いますので、そうしたところの対応も必要になってくるでしょう。  また、来年四月に開設されます世田谷独自の児童相談所、警察ですとか医療機関とも連携をとりまして、子どもたちの命を何が何でも守るのだという強い意志、意識でぜひ取り組んでいただきたいということを要望いたします。  続きまして、同行援護支援について伺います。  世田谷区では、視覚に障害がある方が外出する際に利用できる同行援護という支援を行っております。この同行援護の支援は、視覚に障害がある方の社会参加の実現には欠かせない支援です。  例えば外出のときの支援はもちろんですが、代筆や代読、また食事の介助などのサポートも行われるということで、こうした支援によって、視覚に障害がある方の日常生活の幅がぐうんと広がって、行動範囲も広がってくるということ、もっともっと豊かな人生を送っていくということができます。  しかし、実際には、この同行援護を利用したくても、スピーディーに対応してもらえない、もう少しヘルパーをふやしてもらえないかといった御要望が上がっておりました。  ちょうど一年前の第一回定例会で、この同行援護の支援の課題について取り上げました。その際の御答弁では、同行援護従事者の人材確保をするということ、また、視覚に障害がある方が利用しやすいように環境整備に急いで取り組むということを御答弁としていただいておりました。  さて、まず一年たちましたが、どのように進めているでしょうか、取り組みについて伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 同行援護の従事者につきましては、平成二十九年度までは、介護福祉士等の資格を有していれば同行援護に従事できたことから、養成研修に当たりましては、介護福祉士等の資格がない方を優先的に受講者として決定し、従事者の拡大に向け取り組んでおりました。  しかしながら、同行援護の資格のみでは、なかなか就労に結びつかないという状況に加え、平成三十年度からは、国は、介護福祉士等の有資格者でも、同行援護等の従事経験のない場合には、同行援護従事者養成研修の受講を義務づけました。そのために、平成三十年度の研修受講生については、研修終了後、直ちに同行援護に従事できるよう、介護福祉士等として事業所に所属している方を優先して受講いただくようにいたしました。  その結果、平成二十九年度には、研修修了者二十名のうち、同行援護に従事あるいは事業所に登録した方は三名だったのに対し、平成三十年度の修了者では、十三名の方が即戦力として同行援護に従事できることとなり、同行援護従事者の拡大につながっております。  同行援護サービスは、視覚障害者にとって不可欠なサービスでございますので、二〇二〇年四月に梅ヶ丘拠点に整備される福祉人材育成・研修センターにおきましては、さらに受講人数の拡大なども検討しながら人材確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 ぜひ進めていただきたいと思います。  続いて、この利用者が同行援護を受けられる時間について伺ってまいります。視覚に障害がある方が同行援護を利用できる時間が、月にして上限が五十時間と決められております。しかし、年間を通して考えていきますと、月によっては利用者が外出する日が多くなったり、また、病院に多く行かなければいけないという日がほかの月よりも多いというようなことも出てきまして、必ずしも五十時間以内にその活動時間がおさまらないという月もあるはずなのですね。  今の時期でしたら、花粉症だからということで、耳鼻科に多く通わなければいけない、ほかの月よりも多く外出するということも出てくるかもしれません。そういったときに、やはりその五十時間を超えてしまうということもあるのではないでしょうか。  また、季節によっては、季節がよいときはバス旅行を予定されていらっしゃることもあるでしょう。そうした社会参加のときにも、どうしても五十時間を超えてしまうケースも出てくるかもしれません。  そこで、この月の支給時間を月単位で考えるのではなくて、年間十二カ月として、つまり今五十時間掛ける十二で六百時間という、この六百時間の範囲の中で考えていただく。そうしますと、視覚に障害がある方が計画的に、御自分のペースで、生活のペースに合わせて活動できて、より効果的に使えるのではないかと思います。  そこで、月に五十時間を超える利用を認めて、年間六百時間を上限として支給できないでしょうか。見解を伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害福祉サービスの一つである同行援護については、障害者総合支援法第二十二条で、支給決定を行う場合には、障害福祉サービスの種類ごとに月単位として支給量を定めなければならないとされており、一年を単位とした支給量決定は制度化されておりません。また、障害福祉サービスは、同行援護を初め十五種類のサービスがございますが、いずれのサービスについても月を単位として支給量を決定することとされております。  区といたしましては、区で定めております支給量決定の基準に加え、緊急性が認められる場合等には、その必要な限度において支給量を上乗せすることができるとしており、この規定も活用しながら適正な支給決定に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 他の自治体では、この月単位というところを非常に柔軟に対応されていらっしゃるところもあります。ですので、そこは、やはり世田谷区も、一人一人の障害に合わせた対応をしていくということを掲げているということ、また、社会参加の促進をということもうたっているわけですので、やはり障害のある方お一人お一人に合わせて対応していただきたい、この同行援護の支援についても、ぜひ見直しを検討していただきたいということを要望いたします。  最後は、医療的ケアが必要なお子さんについての支援について伺ってまいります。  議員になりましてからすぐに、私はこの医療的ケアが必要なお子さんをお持ちのお母様から、日常の生活の大変なお話なども伺って、これは何としてもこの支援を進めていかなければならないと思っておりました。この四年間、一貫して議会などでも、この医療的ケアが必要なお子さんに対する支援をどうぞ進めてほしいということをお願いしてまいりました。  この医療的ケア児への支援につきましては、二〇一六年に改正障害者総合支援法の中に医療的ケア児の支援体制の整備が盛り込まれました。これまで法律の中に医療的ケア児という言葉が存在しなかったということで、支援の手がなかなか届かなかったわけですが、ようやく法的にも認められて、自治体単位でも医療的ケア児の支援を進めていくということになりました。この世田谷区でも本腰を入れて取り組んでくださっているということは評価をいたします。  これまでもさまざまな角度から、この医療的ケア児への支援ということについては拡充を求めて訴えてまいりました。第四回定例会では、医療的ケアが必要なお子さんで、就学後の医療的ケアが必要な児童の放課後の受け入れ先、いわゆる放課後等デイサービスの支援の必要性、拡充について質問をいたしました。  来年度の予算には、新たな事業として医療的ケア児を受け入れる施設の助成ということで、これは計上されておりますが、さて、これは具体的に、この計上額の内訳や支援はどのようになっていますでしょうか、御答弁ください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 世田谷区における医療的ケアが必要なお子さんは百六十人から百八十人程度と見込まれておりまして、このお子さんたちを受け入れる障害児通所施設について、特に就学後の児童を対象とする放課後等デイサービス施設が不足しておりまして、施設の確保が喫緊の課題となっております。  平成三十年度の国の報酬改定により、医療的ケア児を受け入れる重症心身障害児通所施設に対する看護職員加配加算が制度化されましたが、安定的な運営や新規参入にはつながっていないと認識をしております。また、東京都においても、この重症心身障害児通所施設の運営支援を行っておりますが、未就学児のみを対象とする施設に限られております。  こうした背景から、区は社会保障制度の充実を国や都に働きかける一方で、医療的ケアが必要なお子さんが利用する障害児通所施設の運営安定化と受け入れ施設の拡大を図るため、新たな補助事業を独自に実施することといたしております。本補助事業ですが、重度のお子さんの受け入れに対し手厚い補助となりますように、医療的ケアの内容に応じまして二種類の単価を設定し、受け入れ人数を乗じて補助額を算定いたします。  平成三十一年度、二〇二〇年度予算案としては、重症心身障害児通所施設二施設分として九百八十万円余、それ以外の通所施設四施設分として五百三十万円余、計六施設を助成予定として、計千五百十二万円を計上させていただいております。 ◆石川ナオミ 委員 昨年の十二月には、医療的ケアが必要なお子さんを持つお母様たちが、もう独自でつくったデイケアという施設もできました。本当にこうした施設をどんどんつくっていくことも必要ですし、また、そのフォローとしてしっかりと助成もしていただきたいとも思います。  まず、この事業所への支援がこれから進められていくということですが、実効性のあるものにしていただくためにも、今後周知や手続などをどのように進めていくのでしょうか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 この新しい補助事業の実施につきましては、本年二月五日開催の福祉保健常任委員会にて御報告させていただいた後に、同月末には障害児通所支援事業所連絡会を開催いたしまして、施設の皆様に制度の概要を御説明いたしました。さらに、放課後等デイサービス事業において、医療的ケアを必要とするお子さんの受け入れを行っている既存施設五施設に対しまして、個別の御説明と事前協議を順次実施しておりまして、本事業への御理解をいただいているところです。  今後の手続としては、予算案の御承認をいただけましたら、四月に各事業者より補助協議書を提出していただき、五月には補助金交付申請をいただいて、四半期ごとに実績に基づき補助金を交付する予定となっております。あわせて、既存の受け入れ施設以外の施設に対しても、急ぎ再周知と説明を重ねまして、平成三十一年度に補助予定としております六施設を確保してまいりたいと考えております。  その受け入れ状況ですとか、四月に開設する梅ヶ丘拠点での放課後等デイサービスの利用状況も勘案しまして、平成三十三年度、二〇二一年度までに補助施設をあと一から二施設をふやしまして、区内の医療的ケアを必要とするお子さんの通所ニーズに応えられるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 また、来年度は新たに医療的ケアに携わる人材育成の研修を行うということが、これは予算にも計上されておりますが、どのような内容で実施していくのでしょうか、御答弁ください。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、医療的ケア児者と、家族支援の充実や各機関の取り組みの共有などを目的に、これまでも関係機関による連携会議を開催してまいりましたが、さらに当事者家族や学識経験者、特別支援学校学校長なども加えた医療的ケア連絡協議会を昨年八月に設置し、支援に係る対応策の協議、連携強化を図ることといたしました。  これまでの意見交換や協議の中で、在宅生活を支える訪問看護ステーションにおける医療的ケア児へ対応できる看護師が少ないという御意見があり、平成三十年度は、訪問看護ステーションの看護師を対象に、医療的ケアをテーマとする人材育成研修を本年一月に、二日間にわたって、定員四十名で実施いたしました。  来年度新たに予定しております医療的ケアに携わる人材育成研修は、看護師だけではなく、医療関係者や施設職員、教育関係者などさまざまな分野の方々を対象に、国立成育医療研究センター等の御協力もいただきながら、医療的ケアに係る知識を習得する基礎研修と、医療的ケアの実習を行うようなテーマ別の専門研修も実施することとしております。  区といたしましては、医療的ケア児者と家族への支援は、医療と福祉の連携が不可欠と考えておりますので、関係する人材の育成に引き続き取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 本当に一つ一つですが、先ほど御答弁の中にもありましたように、医療と福祉の連携が必要なのだというところ、そうしたところもしっかりとタッグを組んで取り組んでいただきたいと思います。  以上で私からの質疑は終了いたします。続いて、河野委員にかわります。 ◆河野俊弘 委員 引き続き、自民党の質疑を続けます。  私はちょっと時間が非常に短い時間になりますけれども、一問、提案並びに質疑をさせていただきたいと思います。  現状、ことしの世田谷区の待機児童数なんですけれども、改めてちょっと確認をしたいんですが、三歳児も今回は待機者が出てしまったということで、今出ている数で構いませんので、大体の数字を教えていただきたいんですが、よろしいでしょうか。 ◎有馬 保育認定・調整課長 先ほど三歳児の二次選考の状況はお伝えいたしましたが、待機児童数としては五月に確定しますので、現時点で三歳児の待機児童数というのは出ていない状況でございます。 ◆河野俊弘 委員 まだ数がということなんですけれども、今回、その保育のことですが、やっぱり認可、認証以外のあらゆる手段を総動員して、ゼロ歳から二歳にはまだ集中している待機児童対策というのを集中して進めてきた結果、今度は三歳児も待機児童が出てしまったということで、やっぱり保育施設の質というところもあるんですけれども、そこにこだわる余り区民に負担を強いてはいけないということで、今回、今、認可外である保育施設から認証への移行を希望しているという施設も聞いております。この部分に関しまして、私からは一問聞きたいんですが、認可外施設からの移行支援ということで、区は保育ニーズの低い地域についての認証移行というのは認めていませんが、そこでまず、これまでの移行支援の考え方について、いま一度確認させてください。 ◎有馬 保育認定・調整課長 子ども・子育て支援新制度の実施にあわせ、区では、平成二十六年度から平成三十一年度までを新制度移行の支援期間として認可外保育施設から認可保育園等への移行を支援しております。具体的には、認証保育所、保育室、保育ママ等を対象に、これまで二十以上の施設が認可保育園等に移行しております。  区は、新制度の対象となる認可保育園等への移行を進めてまいりましたが、お話しの認証保育所への移行は支援の対象とはしておらず、仮に御要望があった場合には、保育ニーズが高い地域に限り、認証保育所の新規整備として提案を受け、審査をすることとしております。 ◆河野俊弘 委員 やはり保育ニーズの分布マップみたいなものを、ほかの委員の方も見たことはあると思うんですが、やはりニーズが少ない地域、高い地域と分かれているというところで、新しく新規園を申し込むといったときに地域ニーズがないということになると、やはりその新設についてはまだ断っているということです。  今回、この移行支援について私が伺っているのは、その保育ニーズがない地域であっても、今、現園でその保育、認可であったり認証の基準というのはございますけれども、そういったところを満たすのであれば、今抱えていらっしゃるお子さんたちがたくさんいる、いわゆる認可外でやっていた施設に対して、認証、認可への移行支援というのはきちんと進めていくべきじゃないかというところで、今回、ここの提案をしたわけであります。  区の移行支援の期間が平成三十一年までとなっておりますけれども、今後は、待機児童対策の観点に加えて、保育の質の観点からも、例えばその認可外施設から認可に移行するだけにとどまらず、認証保育への移行ができる仕組みを再構築というところでも考える必要があると思います。現園の先ほどの移行支援というところも踏まえて見解を伺います。 ◎有馬 保育認定・調整課長 区の移行支援の期間が来年度までとなっていることから、今後の移行支援に関する考え方を改めて整理する必要がございます。整理に当たり、待機児童の解消状況や保育ニーズの変化等に加え、二〇一九年十月から開始予定の幼児教育の無償化の視点も加味することが重要です。  昨年十二月に国が示した幼児教育の無償化の方針では、無償化の実施に当たり、認可外保育施設等における質の確保向上に向けた取り組みとして、認可外保育施設に対する指導監督の充実とあわせ、認可施設への移行支援も検討されることとなっております。  区としましては、認可外保育施設を取り巻く状況の変化等を踏まえ、待機児対策に加え、保育の質を確保する観点から、認可保育園への移行を原則としながら、御提案の現在の施設を活用した認証保育所への移行も含め、移行支援のあり方について検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 ことしの十月に幼児教育の無償化というのが始まりますけれども、まだここの部分も具体的な内容は決まっておりません。なので、現時点で考えられる内容というのをきちんと精査していただいて進めていただくことを要望し、おぎの委員に交代いたします。 ◆おぎのけんじ 委員 ちょっと時間がありますので、一般質問で伺ったんですけれども、行政経営改革で、あのときは行政経営改革の効果額の絶対値も少ないし、あと中身も乏しいですねということで指摘をさせていただきました。経営改革という名前をつけた部署を新設した割に、何で効果額が減っているんだということは今でも思いますし、あと、改革と名づけるのであれば、その根幹をなすのは、やはり事業の見直しだとか縮小、廃止が中核に据えられるべきであろうと思いますけれども、それが一千百万円程度しかないということで非常にがっかりしたわけであります。  それとともに、この予算書の別冊の一六ページの中ほどに、時代にあった業務改善の取組み(RPAの導入)ということで書いてありますけれども、RPAも、私、以前質問させていただいたことがありますが、これはもう民間企業は言うに及ばず、自治体でもどんどん導入が進んでいて、いろんなところで効果が上がっているという話は皆さんもお聞き及びかと思います。  でありますから、私はこの世田谷区のでっかい組織の中で、このRPA導入の余地というのは存分にあるだろうというふうに思っていたわけなんですけれども、このRPAの導入の行政経営改革の効果額というのが、内訳を見ますと一千万円ということなんです。これ自体も大変つましい、寂しい数字だなというふうに思って見ていたわけなんですが、これを今きょうここで議論してもしようがありませんので、今回、私は福祉保健所管で質問するに当たりまして、このRPAで効果を上げられるとされている一千万円の内訳を知りたいと思ったわけです。  今、世田谷区の予算の半分ぐらいはこの福祉保健分野の予算になりますし、理事者の方も、ごらんのように、ぎっしりといらっしゃるわけですし、私は幸か不幸か所属したことはありませんが、常任委員会は長時間化の一途をたどっているという現状がある中で、恐らくこのRPA導入というのは、この福祉保健分野が大半なのかなというふうな仮説を持っていたわけです。要するにその仮説を確かめたくて質問しようかなと思っていたんですけれども、課長さんが、誰とは言いませんが、入れかわり立ちかわりいらっしゃって、これはどういうことなんでしょうかと、ちょっと御質問の趣旨がみたいな感じになっちゃいまして、結局、キャッチボールがなかなかできなかったと。いろいろほじくっていきましたら、この一千万円というのは、庁内全体で四千四百時間の削減を目標とすると、それに時間給の単価を掛け合わせて一千万ちょっとということではじき出しているらしいんですけれども、その具体的な中身は決まっていないと、それは決算でお示ししますということらしいんですよ。  それを聞きまして、そんなばかな話あるかなと正直思いまして、例えば車の販売で一万台販売するという目標があって、どこの販売店が何台売るかというのを決めずにやって、決算のときに何台あったか数えますというのは、普通、あり得ないと思うんですよね。それと同じことが今こうして行われているわけでして、もしくはトップダウンでいくのであれば、一千万円なら一千万円で額を決めたとしても、どこどこの所管にこれぐらいやってほしいというのがおりてしかるべきだと思うんですけれども、そういう状態になっていないということがよくわかったわけです。  これは皆さんに言ってもしようがないのですけれども、政策経営部ですか、そこの旗振りに問題があるのかもわかりませんが、にしても、この福祉保健分野というのは、さっき言ったように予算が一番多い部門でもありますし、今後、世田谷で人口がふえていくとなると、間違いなくここの所管の予算も組織も膨張していくわけだと思いますので、そこの事業改善の余地だとか、あるいは事業の縮小、廃止の余地というのは当然目を凝らしてやっていかなければならないと思いますので、ぜひとも皆さんもそうした意識を強く持っていただくことを意見として述べさせていただきます。  では、質問に移らせていただきます。  まず、幼児教育無償化に伴います保育需要の見立てと対策ということでお聞きしていきたいと思いますけれども、まず、今年度、待機児童が一位になってしまった明石市ですけれども、こういう記事がありました。  兵庫県明石市、無償化先行したら待機児童最多と。これは去年の記事なんですけれども、ちょっと御紹介させていただくと、明石市は十六年度から所得制限は設けず、第二子以降の保育料無償化を独自に開始をしたと。入所希望者がそこを大きく上回ってしまったと。おととしの四月、八百人分定員をふやしました。去年の四月、九百人分ふやしました。ただ、それを上回る希望者が出てきてしまって、結局、待機児童は今年度、五百八十六人で全国最多になってしまいましたと。  その明石市の担当者の方は、国の無償化と対象年齢が異なるので単純比較できませんけれども、明石市が直面していることが全国に広がる可能性は否めないとおっしゃっているそうであります。  この記事に二十政令指定都市と二十三区に加えて、待機児童が百人以上いる自治体の八十七市区町村に対象にアンケートをしたそうなんですけれども、幼児教育無償化によって保育ニーズがふえると予想しているのが八割以上ということらしいんです。多分、この中にも世田谷区は入っているかなと思うんですが、ちょっと改めて伺いますけれども、私自身も、三歳以上だけではなくて、その先も見据えたゼロ歳から二歳の需要というものも間違いなくふえていくだろうと思っているんですが、世田谷区はここの見立てをどうしているのか教えてください。 ◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 幼児教育無償化の実施に当たりましては、全国市長会からも国へ無償化による保育需要の拡大に対応するため、必要な措置を講じるよう要望を行っているところですが、その影響を鑑みまして、今後の保育ニーズの動向についてまずはしっかりと把握する必要があるものと認識しております。また、世田谷区においては幼稚園に入園される方も四割程度いらっしゃることから、同じく無償化の対象となる幼稚園を選ばれる方の割合についても見きわめていく必要がございます。  現在、次期子ども・子育て支援事業計画策定に向けてアンケート調査を実施したところですが、今後は、その結果をもとに幼児教育無償化を見据えた保育ニーズについて分析し、対策の取りまとめを進めてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 余りのんびりしている場合じゃなくて、これは喫緊の課題だと思いますので、ぜひしっかりやっていただきたいと思いますけれども、先ほど他会派からもありましたが、三歳児、小規模保育含む低年齢児専用の保育施設、世田谷区内にも結構ありますけれども、そこの連携園の確保状況と、そこに登園していた二歳児の子たちというのがちゃんと進級できているのかどうかといった現状をちょっと教えていただけますでしょうか。 ◎有馬 保育認定・調整課長 御指摘の小規模保育事業を含む地域型保育事業につきましては、全部で二十二施設ございますが、このうち、三歳児以降の進級先として連携施設があるのは三施設となっており、残りの十九施設については連携施設が設定されておりません。このため、連携施設のない園の場合、三歳児以降の保育の利用に当たっては、再度入園選考をお申し込みいただく必要がございますが、選考に当たり、調整基準指数として最も高い二十点の加点を行いまして、入園選考において配慮しているところでございます。
     地域型保育事業の卒園児は、こうした調整基準指数の加算によりまして、これまでは仮に一次選考で内定できない場合でも、希望園を複数記入するなどの園からのアドバイスにより、二次選考ではほとんどの方が内定してきております。  一方、平成三十一年四月の選考では、結果として全ての三歳児の行き先が決まる見込みではございますが、二十点を加算しても指数が低いなど、一次選考で内定が決まらない方がこれまでよりも多く見受けられました。  今後、小規模保育事業の連携施設の確保に関し、二〇二〇年度からの五カ年の国の方針が示される予定となっておりますので、他の自治体の動向にも注視しながら小規模保育事業の卒園児に対する選考方法のあり方を検討してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 その小規模保育以後の三歳児の対応というところで他の自治体も苦慮しているという事例がありますけれども、ちょっと御紹介させていただきますが、練馬区は小規模保育施設が五十三カ所あるそうなんですけれども、連携施設を確保しているところはほぼないということで、区のほうで区立幼稚園の三カ所の空き教室を活用して、三歳児限定の区の独自の施設を開設をしたということであります。あと大阪の吹田市なんかですと、市立小学校の敷地内に小規模保育を卒園した三歳児以降の子どもら向けの保育所を整備をしたと。今、ここに三歳から五歳の子たちが四、五十人通っているそうでありますけれども、こういったようなことは対策として捉えているそうなんですね。  私も小規模に通う既存の二歳の子たち、あるいは無償化をにらんで新規で申し込んでくる三歳児の方々、ほかの自治体のように三歳限定なのか、あるいは三歳以上にフォーカスした施策というのが今後世田谷でも必要になってくるんじゃなかろうかと思っているんですけれども、この点はいかがですか。 ◎荒井 保育計画・整備支援担当課長 これまでも区では、小規模保育事業を含む地域型保育事業所からの卒園児の進級先の確保策としまして、新規に整備する認可保育園に対し、二歳と三歳の間の定員の差を設定するように促し、地域型保育事業者と認可保育園運営事業者とのマッチングを行うなどの取り組みを行ってまいりました。しかしながら、小規模保育事業の増加に伴い、連携施設の確保が難しくなってきており、幼児教育無償化による影響等も踏まえますと、御指摘の三歳児以降の幼児への対策は今後より必要になってまいります。今後の待機児童解消後を見据えますと、保育施設の適切な施設規模や年齢別の定員のありよう、特に低年齢児施設の新設につきましては、改めて検討が必要となると認識しております。  幼児教育無償化の影響の顕在化も想定される二〇二〇年度以降の保育施設整備につきましては、暫定的に二カ年で八百名程度の保育定員枠を拡大する見通しを立てて取り組んでいるところでございますが、来年度策定する次期子ども・子育て支援事業計画におきまして、ニーズ調査の結果に加え、今回のこの入園状況等も踏まえた分析を行いまして、幼児への対策も含め方針をお示ししてまいりたいと存じております。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、児童相談所について幾つか伺っていきたいと思います。  まず、人員確保の点から幾つか伺っていきたいと思いますが、区のほうで今つくられております児童相談所設置・運営計画というものの中に、職員の確保、育成というところで計画が載っておりますけれども、例えば今年度ですと、児童福祉司で十六人、児童心理司で七名ということで、この計画は順調に確保できているというふうに聞いておりますが、これはどこから、どういうふうに調達をされているのか教えてください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所の職員につきましては、庁内からの横転者に加えまして、新規採用職員により確保してございます。新規採用職員につきましては公募により募集をいたしまして、採用試験、採用選考を行っております。児童福祉司や一時保護所に勤務する児童指導、保育士につきましては、子ども家庭支援センター、保育園、児童館などの勤務経験者の横転が中心となっております。また、任期付職員採用制度を活用いたしまして、他自治体で児童相談所長を経験した管理職を一名、また人材育成の専門指導員、非常勤職員でございますが、こういった児童相談所長の経験者など三名を平成三十年度から確保してございます。  二〇二〇年度に向けましては、特別区統一で実施しております福祉職員の採用についても、経験者採用の上限年齢が拡大されてまいりますし、また区への東京都職員の派遣等についても調整を行っているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 先ほど石川ナオミ委員からも紹介がありましたけれども、昨今いろんな事件がメディアをにぎわしておりますけれども、組織間の連携の問題というのも大きいんだと思いますが、明らかにヒューマンエラーだと思われるような事象も見受けられると思います。今、課長から職員確保できていますというお話がありましたけれども、そういった方々の経験値というか、能力的な与信管理みたいのはどういうふうに行われているのか教えてください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所の業務は、児童福祉に関する相談業務に携わる職員、こちらは児童やその保護者などの援助に必要な専門的アセスメント、知識や技術を持って対応いたしまして、一定の効果を上げることが期待されてございます。職員はみずからの職責の重大性を常に意識するとともに、専門性の獲得に努めていかなければならないというものがございます。  児童相談所開設以降を見据えまして、長期的な視点に立った上で求められる能力、資質を持った人材を確保すること、こちらは方針としてございます。その上で、庁内の横転の職員であれば、日常の業務の評価や意向調査による本人の意欲などを勘案して決定しております。また職員採用に当たりましては、採用試験、採用選考による筆記や面接による人物評価の上、採用及び配属先の決定を行っているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 我々区議団もそうですし、私も個人的に幾つか児相を視察させていただいたことがありますけれども、そのときに必ず出てくるのが、職員の方々がメンタルでちょっとやられてしまって、休職ないしはやめてしまうといったケース、どこでも必ず出てくるんですよね。確かに過酷な職場でありましょうし、幾ら経験があろうとも、なかなかそこまで難しいというケースもあるのかなと思いますが、世田谷区では、運用開始後、そうした職員の方々のメンタルを含めた心身のケアというのはどういうふうにやろう、やっていこう、そういうイメージはありますか。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 まず職員の配置でございますが、国の職員配置基準を遵守した人員配置というのがまず基本にございまして、その上で適切な職務の役割分担に努めますとともに、長年にわたり児童相談所職員の育成を行ってきた経験者による専門的な助言や相談支援を行うこととしてございます。  また、現在も取り組んでおります産業医、カウンセラーによる健康相談や、各種の研修を引き続き活用いたしまして、これらを職員が利用しやすい職場環境の整備を行うとともに、さらには年齢や職責に応じましたきめ細やかな支援プラン、こういったものが必要であると考えておりまして、二〇一九年度にその具体的な計画の策定を目指しているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 ぜひそこをしっかりやっていただいて、定着してもらえるよう、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、開設後に関しては、そういった職員の方々がやむを得ない理由で離脱をされてしまうということも想定しつつ、採用戦略を立てていく必要があろうかと思いますけれども、ちょっと気が早いかもしれませんが、児童相談所にかかわる職員の方々への待遇面での独自加算みたいな可能性というのは今検討されているのかどうかお聞きします。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 職員の待遇面におきます独自加算につきましては、特別区間の給与制度の問題等がございまして、こちらは慎重に検討する必要があるというふうに考えてございます。  一方、区には保育園や児童館での相談、見守り、児童虐待の早期発見などに携わる人材が多く存在してございますので、こちらの基礎的自治体ならではのメリット、これらのメリットを最大限活用しての職員確保というのは一つ方法かと考えているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 来年度が児童福祉司が三十名、児童心理司が十五名と、約倍増するような計画になっていますけれども、かなり大変かと思いますけれども、ぜひしっかりと頑張ってやってください。  続いて、先日、福祉保健の委員会で報告があったと聞いていますが、児童虐待を疑われる事案に係る緊急点検についてという報告がありましたけれども、現在、厚労省から要請があった調査でありまして、二月一日以降、一度も登校していない児童生徒を対象に緊急点検をし、今月の十四日までに国に報告する義務があるというふうに聞いておりますが、現在調査を集計中とのことで、その報告を待ちたいと思いますけれども、その報告の中に、その登校していない児童生徒と面会できたかどうか。面会できた場合、虐待のおそれがあるとして警察に情報共有したかどうか。面会できなかった場合、結果を警察に情報共有したかどうかという点が報告に求められているんですけれども、この点に関する区のスタンスについて、もし決まっているようであれば教えてください。 ◎松本 子ども家庭課長 学校や保育所等に在籍しており、二月一日以降一度も登校、登園していない児童や生徒で、三月八日までに学校や保育所等の職員が本人に面会できなかったケースについて、子ども家庭支援センターに随時連絡が入っております。子ども家庭支援センターでは、必要に応じ緊急支援会議を開き、対応や方針を検討し、子ども家庭支援センターと学校等とが連携して面会に行くなど対応してまいります。今後、再度面会を試みてもなお会えない場合や、児童虐待等により緊急的に子どもの安全確保が必要であると判断した場合は、随時児童相談所や警察と情報共有して児童との面会、安全確保を行ってまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 今の件とも絡むんですけれども、警察との情報共有ということで、名古屋市が政令市で初めて全件共有というのを行うといった発表がありました。これは毎月一回、虐待を受けた疑いのある児童の氏名、生年月日、住所、被害状況などを報告しますと。既に愛知県は、愛知県警とそういう全件共用の連携を行っていたと。市にも情報提供を打診していたんだが、市は警察と全件共有を行うと相談をためらう人が出てくる可能性があるということで、県の状況を見守っていたところ、県のほうで相談件数の落ち込みは見られなかったということで、実施に踏み切ったというふうになっているんですけれども、私も情報共有に関してはいろいろとあると思うんですが、ただ、子どもの命がかかっているわけでありますので、この全件共有という取り組みに踏み込んでいくことも検討に値はするのかなと思っているんですが、この点に関してお考えをお聞かせください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 この間の事件を受けまして、国が取りまとめました緊急総合対策におきまして、児童相談所と警察の連携強化を掲げまして、必ず共有すべき情報の範囲、虐待による外傷がある場合など、こうしたことを全国ルールとして定めたところでございますが、全件共有までは義務づけられなかったという経過がございます。こちらの全件共有につきましては、これまでも議論が行われてきたところでございますが、児童相談所と連携がないままに警察が動いて、子どもが家庭に帰るための支援プログラムを困難にするケース等があったとして、これは慎重な意見というのが根強くあるところでございます。  区といたしましては、まず重要なルールを担保できるような充実した職員体制を整備いたしまして、まずは国の定める全国ルールに沿いながら、連携体制の構築を進めてまいります。警察のさらなる緊密な意思疎通と福祉的な支援について理解を深める取り組みを進めまして、情報共有の仕方についてもより具体化を図っていきたいと考えているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 慎重を期すべきという点は理解できるんですけれども、情報を共有することによるメリットというのもはかり知れないほど大きいものがあるんじゃないかなと私は思っておりまして、長谷川課長は、もうこの世田谷では児相のエキスパートだと思いますけれども、課長の見解として、この全件共有に関してはどういうお考えをお持ちなのか、もう一度お聞きします。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 警察との全件共有につきましては、早期に危険を察知いたしまして素早い対応ができること、こういったことなどが期待されるところでございますが、東京都におきましても、これまでも議論はされてきたものの、国の判断と同様に全件共有を行うには至っておりません。全件共有によります委員御紹介の好事例もございますけれども、これは警察との緊密な意思疎通と福祉的な支援の共通理解という下地があった上でのことと考えております。まずは全件共有の議論に先立ちまして、警察との緊密な連携の下地づくり、これに最優先に取り組んでいきたいと考えているところでございます。  国が昨年七月に示しました緊急総合対策では、警察において、児童虐待への対処を適切に行うための研修等を通じて、警察としての対応力の向上に取り組む、また児童相談所と警察がケース検討や訓練などの合同研修等を実施いたしまして、連携強化を図るとされております。国でもこうした取り組みをされているところでもございますので、そういった動向も注視しながら、丁寧な意思疎通を初め、適切な連携に努めていきたいと、そのように考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 お立場があるので、はっきりとは難しいのかわかりませんけれども、世田谷区は子ども・子育て応援都市宣言というものを出しているわけで、そこからしても、子どもの命を救うということに、ためらいやちゅうちょがあってはならないと思いますし、変な建前はなしにして、警察との緊密な連携の下地づくりというところも大変重要だと思いますけれども、それと並行して、ぜひそういった実質的な取り組みもスピーディーにできるようにしていっていただきたいなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  今の警察との連携も含めまして、この児相案件に関しては連携が一つのキーワードかなと思っておりますけれども、自治体間連携、地域間連携はもちろんですが、学校との連携だとか、地域包括との連携だとか、あるいは児童館との連携みたいなところで、いろんな形で表現されますけれども、児相のネットワークの強化というのは大変結構なことだと私も思っておりますけれども、その早期発見、見守りに注力するが余り、例えば学校現場で先生なんかは教員の多忙化というものを一つ問題視されている中で、教員の負荷が過度にまた上昇したりするようなおそれがあったりとか、あるいは児童館に専門家が張りついて目を凝らしていて、なかなか子どもが行きづらい環境になってしまうだとか、いわゆる地域一帯が児相疲れみたいな感じにならないように、それはそれできちんとほどよく地域社会の中に溶け込ませていくような手綱さばきが必要になってくるんだろうと思いますけれども、そのあたり、お考えがあればお聞かせください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 区におきましては、国の緊急総合対策等を踏まえまして、この児童虐待の早期発見、見守り体制の強化を進めてまいりますが、教員や保育士などが、こちらは本来、子どもの育ちを支援する立場のこういった教員、保育士などが虐待の兆候をキャッチするために過度に業務の負担が増加すること、また監視的な視点がふえることによるお子様や御家族への負担、こういったことは懸念されるところでございます。区が目指す予防型の児童相談行政としましては、見張るためのネットワークではなく、温かなまなざしでの見守りを通しまして、子どもの様子の変化を受けとめ、早期の発見や支援につながるような、こうした連携体制づくりを進めていきたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 もろもろお聞きしましたけれども、ぜひ成功するように私も願っておりますので、長谷川課長、頑張ってください。よろしくお願いします。  続きまして、子どもへの食の支援事業の実施についてという件についてお聞きしていきたいと思います。  いろいろと聞きたいことはあるんですが、まず、この事業、これは子どもの食に課題があるんだけれども必要な支援につながっていない家庭に対して、訪問して、調理をして、食事を提供したり、あるいは弁当を宅配して、その支援のネットワークに取り込んでいくという新規事業でして、年間千六百万円が計上されているという事業ですけれども、ここで資料にいろいろ書いてあるんですが、私は食に課題があるということと支援につながっていないということは切り分けて考えるべきじゃないかなと思っておりまして、そもそもそうした家庭を区の支援のネットワークに取り込めていないことのほうが問題であって、それは教育の就学援助が五〇%にしかいっていないという話と同じかなと思うんですけれども、そこの課題をちゃんと突き詰めて対策をとっていくのが先決じゃないかなと思うわけです。  今回、一つ、子ども、食というところで包括して取り組まれていくということですけれども、そもそも、何ゆえに食の支援を行うことで、支援に拒否的な家庭に入り込んでいけるという算段になったのか、その点をお聞かせください。 ◎松本 子ども家庭課長 今年度実施しました子どもの生活実態調査の中で、ひとり親であることや保護者の疾患など、さまざまな事情により孤食や栄養の偏りなど子どもの食に課題があり、必要な支援にもつながっておらず、地域から孤立しやすい状況にある家庭があることがわかりました。こうした実態を踏まえ、孤立しやすい状況にある子どもとその家庭を必要な支援につなぐためのサービスとして、子どもへの食の支援事業を本年七月より実施してまいります。  支援に拒否的な家庭に対しましては、生きる基本でもある食の提供を行うことで介入がしやすくなり、サポーター派遣については無料、配食については一食百円と低価格とすることで、利用に当たっての敷居がより低くなるものと考えています。また、拒否がある対象者には粘り強く対応することで支援につなげてまいります。既に同様の事業に取り組んでいる他の自治体の状況からも、これまで支援に拒否的だった家庭が食の支援によりつながることができている状況を伺っており、食の支援は有効な手段であると考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 ちょっと聞き方を変えますけれども、ここの資料の中にも子ども食堂につながっていないというような表現がありますが、私の知り合いの方でも、一生懸命工夫して子ども食堂を経営していらっしゃる方がいるんですけれども、そもそも、これはそういった方々の民業圧迫にならないのかというふうに思いまして、むしろ子ども食堂のほうに区が支援をして、そこにつなげていくというような発想はなぜ出なかったのかなと思うんですが、この点はいかがですか。 ◎松本 子ども家庭課長 子ども食堂につきましては、地域の中で共助により取り組んでいる事業でございます。今回、やはりこういった子ども食堂などにも出てこられない、地域の中になかなか出てこられない方、そういった地域から孤立しやすい家庭を支援の対象として考えておりますので、また別であり、またこういった食の支援事業から子ども食堂などにつなげていきたい、そのように考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 あとちょっと細かいんですけれども、さっき言った訪問して、調理をする形のものが二十五世帯対象、お弁当、宅配が三十世帯ということになっていますけれども、これは訪問調理と弁当の宅配は対象はどう違うんですか。 ◎松本 子ども家庭課長 今回、二つの事業がございますけれども、地域住民によるサポーターの派遣により家庭内で調理を行う食の支援サポーター派遣事業につきましては、やはり家庭に入っていくということで、より関係性が築きやすくなる事業であると考えております。また、さらに支援に拒否的な家庭につきましては、そもそも自宅に入ることもなかなか拒否的であったり、そうした家庭につきましては、自宅への仕出し弁当の配達を通じた見守りを行う中で関係性を構築していき、食の支援サポーター派遣事業につなげていきたいというふうに考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 なかなかチャレンジングな事業だなというふうに思いますけれども、その支援に至るまでのハードルが高いがゆえに、この制度が使われなかったと、あるいは支援の度合いがそんなに高くない人に申請件数を稼ぐために許可しちゃったみたいなことにならないようにしていただきたいなと思いますけれども、やっぱり御飯をつくって、あるいは弁当を配達して、一年間かけて、そういった家庭との関係性を構築していって支援につなげるといったことなんでしょうけれども、実に回りくどいなという気がしていまして、支援が必要だと認めるならば、御飯をつくる前に、さっさとちゃんとした支援メニューに載せる努力をするべきなんじゃないかなと思うわけです。  子家センは、今後、児相もありますし、もっと忙しくなってくるわけですし、職員一人一人の方のスキルも高めていかなきゃいけないということで、虐待に対する危機察知能力を上げるだとか、あるいは危険な現場に飛び込む勇気と技術を高めていく、そういったことをやっていくのが先決だと私は思いますので、これは意見として述べさせていただいて、質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午後二時五十分休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 それでは、自由民主党の後半の質疑に入ります。  私からも引き続いて児童相談所の移管について少し伺ってまいります。  先般、区内の児童養護施設において、入所している少女に対して職員から心理的虐待があったということで都から指導があったということが明らかになりました。現在もその該当の児童相談所によって調査中な上、第三者委員会による検証と再発防止策が検討されているということですが、報道によりますと、昨年の五月、世田谷の児童相談所に少女に対する暴言や暴力の通告があり、それを調査したところ、少女への暴言が認められ、心理的虐待に当たると認定されました。  なお、その暴力については認められなかったということなんですけれども、先日、該当の児童養護施設において開催された今回の一件に対する説明会というものに参加してまいりましたけれども、その通告を受けた職員への聞き取りの調査においては、少女に対して大きな声を出したりとか、机をたたいて指導するというか、言うことを聞かせようと、そういうことをしたといったことは、その職員本人も認めているということです。現在は、その職員は退職され、少女は別の施設で安全に保護されているということでした。  子どもを守るはずの児童養護施設において虐待があったということは断じて許すことができないと指摘させていただいた上で、加えて、今、七割近い子どもたちが虐待によって施設で養護されるという状況の中で、保護された養護施設においてさらに虐待事例があったということは、まさにあってはならないということは指摘した上で、これに対して、今後、児童相談所を区に移管した後、そういったことにも対応していかなきゃいけないんじゃないかという視点から少し伺ってまいります。  この告発された職員は、先ほど言ったように大きな声を出したりということがあったんですけれども、それが心理的虐待と判断されたということで、私も小さな子どもを育てているんですけれども、子どもに対して、そのしつけの中で、もちろん手を上げるとか、そういうことはないにしても、ある程度のしつけ行為であったりとか、あるいは叱るというような行為は避けられないのかなという中で、これから児相移管に当たって、世田谷区あるいは児相を所管する課として、心理的虐待としつけというところに対してどのように境界線を引いていくのか、見解をお聞かせください。 ◎澁田 子ども・若者部長 しつけと心理的虐待の区別についてでございますが、心理的な虐待の定義としましては、児童虐待の防止等に関する法律におきまして、児童に対する著しい暴言を初め、その他子どもに著しい心理的外傷を与える言動を行うこととされております。  昨今の重大な児童虐待事案を受けまして、国において、しつけに際しての体罰の禁止が議論されておりますが、心理的な虐待としつけの違いの明確化につきましては、国の議論でも踏み込んでおらず、その判断基準を示すに当たりましては、慎重な議論を重ねる必要があるとされております。また一方、しつけにつきましては、子どもの成長に合わせて社会のルールやマナーを教えていくことであり、保護者等の大人の都合や目的、感情や気分等によって無理に教え込むのではなく、子どもの側に立って考える必要があるというふうに認識しているところでございます。  児童福祉法では、全ての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり適切に養育されることが明記されておりまして、子どもが権利の主体であること、意見を尊重されること、最善の利益が保障されることが重要であり、この共通理解のもとで関係機関一丸となり、法の理念の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 今、大人の都合、感情、気分でというお話がありましたけれども、そうなってくると、主観的な判断、客観的な数値化、もちろん体に触れる、触れないみたいな、なかなかその線引きが難しくなってくるのかなというところで、児童養護施設、あるいは里親だけでなくて、今、ファミリーホームですとかフレンドホームといった社会的養護の受け皿がふえていく中で、もっと言ったら家庭の中でも同様の事例が発生するおそれはありまして、そういった通報を受けた場合には、当然、児童相談所は、そういった判断も求められることになってくるんだろうと思います。今般、政府与党のほうから国会で提出される児童虐待防止法及び児童福祉法の改正案においても、体罰を加えてはならないということは規定されるようですけれども、心的虐待というところについてはなかなか踏み込まれていないということで、そういった大変難しい判断を求められることになるなというふうに考えています。  また、今回の一件で、その説明会では、里親さんですとかフレンドホームといった受け入れをされている方々も参加されていたんですけれども、その受け皿、受け入れ先になる方々からも、何が心理的虐待で、何がしつけなのかという質問が繰り返し出ていて、さらには、その具体的な事例を挙げながら、これは虐待に当たるんだろうかとか、これはしつけと考えますかといった質問が、今度は逆に施設長に飛ぶような形で、施設長のほうでも、やっぱり同じように、とにかく感情的になってはいけないというような回答をされていましたけれども、これから社会的養護の受け入れ先については、より家庭的な環境ということで小規模化したりしている中で、結果として養育者に対するスーパーバイザーというか、監視、管理する目が届きにくいブラックボックスがふえていくというところもありますので、そういったところへの対応もしっかりしていかなきゃいけないというふうに考えています。加えて、里親さんとかフレンドホームさんとかの受け入れ先の方々がそういったことで萎縮しないように、児童相談所とその受け皿となる方々との信頼性の構築、そういったものも必要になってくるんだろうというふうに思っています。  もう一つ、あとは渋谷区でまた発生しました二月二十五日にあった事件なんですけれども、渋谷区の児童養護施設において施設長が刺殺されるといった事件がありました。この逮捕された容疑者というのは同養護施設の退所者でありまして、退所後の生活が安定せず、施設に恨みを持っての犯行だったということなんですけれども、ここにも児童相談行政のまたもう一つ難しさというのがあって、退所後の自立支援、あるいは特に相談支援というんですか、世田谷では居場所支援ということで対応されていますけれども、相談支援、そういったところの不足、アフターケアの不足によって発生した事例なのかなというふうに考えています。  いろんなアンケートでも明らかになっていますけれども、その退所した子どもたちがまず直面するのは孤独感であって、あとは自己肯定感、私はそもそも生まれてきてよかったんだろうかと、そういったことに必ず直面するんだと皆さんおっしゃっていまして、その退所した子どもたちに対するケア、これをまた世田谷でもしっかりと行っていかないと、同様の事例も起こり得るのかなというふうになっています。  東京都が行った平成二十七年度の調査では、養護施設等退所者へのアンケートにおいて、退所後に困ったこととして、孤独感、孤立感とおっしゃっているのが三四・六%で一番多くて、これは前回、平成二十二年度の調査の二九・六%よりも増加をしているということなんですね。あるいは退所後にお困りになったこととして、生活費と言った方が二五・一%から三一%に、また金銭管理が難しいというのが二五・四%から三二%へふえているということで、やはり退所後、子どもたちに対するアフターケアが十分に機能していないというような実態かなと思います。  加えて、同じアンケートの中で、退所後に相談相手となったのはどなたですかという問いに対して、親あるいは親族というふうに答えた方が二九・八%から二二%、また施設職員というふうに答えた方も五一・七%から四三%ということで、やっぱり相談相手が不足しているという実態も明らかになっているということです。  その児童相談行政の区移管にあわせて、アフターケアというところでより積極的な取り組みが必要になると考えますけれども、世田谷区ではどのように考えていらっしゃいますか。 ◎小野 若者支援担当課長 区は、平成二十八年度より児童養護施設退所者等支援事業として、大学等進学資金の一部を給付する給付型奨学金、区立住宅を活用し、同じく退所した仲間と共同生活する住宅支援、退所後の地域での交流の場としての居場所支援事業を実施してまいりました。特に居場所支援では、区内二カ所でそれぞれ月一回ずつ、気軽に参加できる食事会として地域活動団体が開催しながら、退所者が孤立感、孤独感に陥らないよう、地域の大人や大学生ボランティアの方々と交流を深め、信頼関係がつくれるよう取り組んでおります。  事業開始から三年が経過し、退所者の継続的な居場所の利用で支援者に悩みを打ち明けるなど、居場所が心のよりどころとして少しずつ定着してまいりましたが、事業を通し、保護者に頼らず自力で生活をしていくことの困難さ、日常生活での孤立感、孤独感といった心理的な不安の大きさを改めて認識し、対応の必要性を実感しております。  今後も児童養護施設などを巣立つ若者が不安を抱えることなく、地域で安心して自立した生活を送れるよう、子どもの意見を尊重しながら、入所中から退所後を見据えた早期の支援や、日常生活を支える地域のネットワークへつなぐ仕組みづくりなどの検討を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 今、地域のネットワークというふうにおっしゃいました。また先ほどのアンケートなんですけれども、退所後、その施設等とかかわりを持てなくなる子どもが多い中で、その理由の一つが、施設に入所していたときの親がわりとなっていた職員さんたちがいなくなってしまうと。当然、仕事なので、ずっといるというわけではなくて、そういった形で関係性が途切れてしまうと、退所者のアフターフォローというものもなかなかできなくなってくるというところで、その地域へとつなぐ仕組みが必要なのかなというふうに考えています。  その中で、施設あるいは児童相談所の判断の中で、退所する子どもたちの中で、特に必要と認められる子どもたちに対して、地域の民生委員やあるいはその保護司といった方々の協力を得ながら、自立が確立するまでの一定の期間、定期的に対人関係の悩みですとか日常生活の困り事、そういったことの相談に乗って、アドバイス等を行って、自立が本当に確立するまで孤立を防ぐ取り組みが必要かなというふうに考えておりますので、検討することを要望しておきます。  続いて、東京都のたばこ条例について伺ってまいります。  東京都では、国の健康増進法の改正にさらに上乗せする形で受動喫煙防止条例を制定し、来年の四月から飲食店内での全面禁煙というものが予定されています。  区内の飲食店では、原則禁煙なのか、喫煙室を設けるということを求められていて、その法律の上に条例がさらに上乗せで乗ってきたということで、自分の店が禁煙の対象になるのかどうかということがなかなかわからないというところも多くて、大変大きな不安を抱えているということがあります。区内でそういった対象となる飲食店の店舗数はどのぐらいあるのか教えてください。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 昨年九月に東京都福祉保健局から示された資料、区市町村別施設数一覧によると、世田谷区内の事業所等施設数は約四万一千件で、そのうち飲食店の数は、平成二十九年三月末現在で六千八百七十件でございます。  改正健康増進法では、客席面積百平米以下の既存飲食店のうち、経営規模が小さい事業者が運営するものについて、直ちに喫煙専用室などを設けることは事業継続に影響を与えることなどが考えられるため、標識の掲示により禁煙、喫煙を選択できる一定の猶予措置を講じています。さらに都条例では、この改正法の猶予措置の要件に対し、従業員がいないこととする要件を上乗せして設けております。  厚生労働省の改正法概要資料及び東京都福祉保健局による平成二十九年度飲食店における受動喫煙防止対策実態調査報告書などから試算をすると、世田谷区内においては全飲食店の約六割に当たる四千三百件余が、施行日である二〇二〇年四月一日までに全面禁煙とするか、喫煙専用室等を設けるなどの対策が必要になるものと想定しております。 ◆阿久津皇 委員 四千三百件を保健所の若干名の職員で対応しなくてはいけなくて、相当大変なのかなと思うんですけれども、東京都の予算でコールセンター等も利用するということですが、区の負担というのは決して小さくないなというふうに考えています。  加えて、飲食店は業態もさまざまであったりとか、営業も夜の時間に限られているお店も多かったりして、従業員の有無でまたその対応が違うといった状況が複雑になっていることもあって、飲食店さんは不安に思っているところなんですけれども、各飲食業というのは、各地域ごと、かつての保健所単位で飲食業の組合なんかもございますので、そういった組合はふだんから保健所だけじゃなくて警察とか消防の行政にも協力しながら、安心安全のまちづくりということにも寄与していますけれども、そういった組合の協力なんかも得ながら、法や条例の内容について周知していただきたいということと同時に、喫煙所設置の助成なんかもあると思うんです。そういったことに対してもしっかり周知をしていただきたいなということを要望しまして、私の質問を終わり、菅沼委員にかわります。 ◆菅沼つとむ 委員 私の持ち時間は十六分なので、簡潔な答弁をよろしくお願いいたします。  最初に、世田谷区の障害者(児)福祉団体助成補助金についてお聞きします。  二十九年度補助金事業は、特定団体の固定化になっており、柔軟性がなく、変えていくと区は言っていましたが、変わったのかお聞きします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では、平成二十九年度に障害者(児)福祉団体助成補助金を見直し、従来の特定団体の運営支援を主とした補助から、障害者の自立生活支援や社会参加の促進などに取り組んでいる活動を行っている障害者団体に補助することとし、対象の拡大をいたしました。  団体の要件といたしましては、障害者や難病の方とその家族、あるいは障害者等と支援者により構成された団体で、構成員が三十名以上で、かつ過半数が区民であること、二年以上の活動実績があることなどとしており、障害当事者を中心とする団体を助成対象としております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、障害者家族だとか、そういう団体以外は補助金をもらえないんですよね。だけれども、実際に今、障害者自立支援法だとかさまざま障害者を支えるものができてきて、それで各地域でも、家族が障害者じゃなくても地域でボランティアをやっている団体がたくさんあるわけ。それなのに障害者のほうが、私の枠だけやっていたんじゃ本当に世田谷全体としていけるのかな。やっぱりその辺を考え直した方がいいと思いますけれども、区のお考えをお聞きします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区といたしましては、障害者等を支援する自主活動は多岐にわたっており、また、その活動は障害者等の日常生活において大変重要なものだと認識しております。そうした活動が引き続き活発に行われるよう、障害者団体の助成とならないような相談につきましては、地域調整課等とも連携し、他の助成制度の情報提供にも努めてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 よろしくお願いいたします。  それから次に、児童相談所についてお聞きします。  児童相談所の電子システムのシステム構築、保守作業委託経費は幾らかかっているのかお聞きします。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 現在、開発の作業をしているところでございまして、開発経費の合計といたしましては九千二百万円、これは三十年度、三十一年度の経費でございまして、平成三十一年度の当初予算におきましては三千七百万円を計上しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 九千二百万円、当然、児相にかかわる費用ですから、東京都の財調の特別会計から幾らいただいているのかお聞きします。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童相談所開設の準備経費につきましては、特別交付金として扱うということになってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 最後のほう、もうちょっとはっきりお願いします。聞こえませんでした。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 現在算定をされているものとしましては、児童相談所の開設に当たっての検討委員会等の経費等、そういったものは計上されているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 簡単な話で九千二百万円、世田谷区が児相でかかわっていて、幾ら世田谷区に入ってきているんですか。おおよそでいいですからお願いします。 ◎松永 財政制度担当参事 三十年度の特別交付金につきましては、現在算定中ですので、今後、東京都のほうから計算結果が示されることとなっております。 ◆菅沼つとむ 委員 いつごろわかりますか。
    ◎松永 財政制度担当参事 最終的には三月中にわかるんですが、四月中に確定するということになります。 ◆菅沼つとむ 委員 区が言っているように、財調にかかわるやつは、東京都の財調できちんと見るべきだという話がありますので、決まりましたらお知らせをお願いしたいと思います。  次に、世田谷区の児相の共通システムの子ども家庭支援センター、住民基本台帳システム、児童相談所などの情報を提供して、児童の虐待を防ぐというふうにありました。個人情報はどこまで担当が使えるのか、例えば児相は使える、子ども家庭支援センターは使える、具体的にどことどことどこが情報を区の中で使えるのかお示しください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 今、こういったシステムにつきましては連携をとるほか、それぞれの所管が業務に必要な部分として、権限の中でどういった部分を共有するか、情報を見られるか、そういったことについては現在整理中でございます。そういったことがまとまり次第、また御報告はさせていただきたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 実際にわからないという話。来年の四月から児相が始まるのよ。それじゃ遅いと思いますよ。具体的に知らせてください。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 スケジュールに沿いまして、電算システムの構築作業を進めてございまして、その中でスケジュールどおり進んでございまして、現在、その検討中という状況でございます。したがいまして、こちら間に合わないというスケジュールの中でやっているものではございません。 ◆菅沼つとむ 委員 そうしたら、この間、区長が言ったじゃないですか。児相の中で虐待のあるところは個人情報を警察に出しますよと、それ以外は出しませんと言っている。それで、区の中に、きのうもそうだけれども、男女共同参画が共通システムの中でやりますよと言っているんだけれども、具体的に今、どことどことどこが扱えるようなっているんですかというお話です。答弁を求めます。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 そういった計画につきましては、世田谷区児童相談所設置・運営計画の第三次更新計画の中でもお示しをさせていただいております。現在想定している関連システムを申し上げます。子ども家庭相談支援システム、子どもの人権相談システム、保健福祉総合情報システム、この中の児童・医療系、また保健福祉総合情報システムの障害系、同じく保健福祉総合情報システムの総合相談系、母子保健システム、子ども医療給付管理システム、こういったものに加えまして、先ほどのDV関係の連携等、そういったものを現在計画をしているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それは所管が今言ったような子どもたちの家族ですとか、そういう虐待ですとか、それから虐待のおそれのあるとか、住民台帳だとか、そういうものがどこでも見られるということですね。確認です。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 こちら業務の中で個人情報の問題がございますので、どこまで共有するか、また、どの情報を確実につなげば児童虐待の予防、またその後の業務に適切につなげていけるか、そういったことについての詳細は現在検討しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ちょっと答弁がわからない。実際に、個人情報というのは警察に出そうと、世田谷区の中で出そうと、やっぱりきちんと守れなくちゃいけないことなんですよね。それがきちんとどこの部署で、どこの課で、どこで個人情報が見られるのか、それともなかったら役所だったらどこでも見られるのかということだと、個人情報保護にならないわけですよ。それをきちんと示してくださいよということを言っているわけですよ。 ◎宮崎 副区長 今のお話の個人情報ですけれども、この後、当然、所管課のほうがどこが有用だということと、これは外部も含めてになりますけれども、先般、御答弁したのは、国や東京都のほうでも検討する、特に東京都においては検討会の中でもその類いについて検討を進めるということですので、そちらの情報を持って、さらに区の中においては個人情報保護審議会もありますので、そちらのほうでの意見も聞いていきたい、こういう中で整理をしていきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 次に行きます。子どもたちの虐待で一番気がつきやすいのは、やっぱり一番長くいる学校なんですよ。それで、世田谷区、都の児童の中で、やっぱり都立、国立、私立やなんか四割以上の子どもたちが行っている。それで東京都も含め神奈川県も行っているし、さまざまのところに行っているんですよ。それで児相の中は、逆に言うと福祉系なんですよ。学校は当たり前の話ですが教育系で、ふだんのかかわりがない。そこからどういうふうな情報を得て、どういうふうに子どもたちの虐待を未然に防ぐのか、その辺を教えていただければというふうに思います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 区は、児童福祉法に基づきまして要保護児童支援協議会を設置しておりまして、子ども家庭支援センター、都の児童相談所、警察、学校等が集まりまして情報を共有し、協力して解決に取り組んでございます。こちらのほう、三十一年二月現在では、国立・私立学校、協議会のほうにも参加していただいておりまして、区内外の小学校、国立、私立は九校、中学校は十五校、高校は十四校参加していただいてございます。こういった国立、私立との連携につきましては、この参加を表明している小中学校の対象児童が通学している場合、学校へ出欠情報や欠席理由等の児童に関する情報を定期的に提供していただくよう直接依頼をしているという状況でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今、各学校の数があったけれども、実際に世田谷の子どもたちが四割が何校ぐらいに行っているというのは結局つかめていないわけでしょう。たまたまそういう話し合いがあったときに、その学校が来ているということですよね。  次に行きます。それで、なぜこんなことを言うかというと、学校が一番長くいる時間だし、学校というのは、なかなか警察だとかそういうのが嫌がるところ、世田谷区も含めて学校が入るというと、私立も含めて嫌がります。それから、もう一つは学校、世田谷区内でもそうですけれども、小中学校でも、各学校によって伝統があり、その考え方が違うんですよ。児相としては一番やりづらいところ。それで代表者というのは基本的に校長なんですよ。校長が出すか出さないかをはっきり決めるわけですよ。そこのコミュニケーションがとれなくて、区のほうに情報が来るんですかという話なんです。御意見がなかったら、次に行きます。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 今、お話にございました校長とのコミュニケーションを初め、実際には子どもとかかわる教員も初め、児童虐待に対する理解というものを十分に周知をいたしまして、かつ、こういった虐待を察知した場合は通告義務等ございますので、そういった理解というのを十分に現場にも浸透させていく、現在、東京都がこういった管轄をしているということでございますので、協力をしながら、そういった取り組みを深めていく、これは世田谷区だけではなく、どこも今後必要になってくるかと思いますので、そういったことは努めていきたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 確かに、東京都が私立学校のものですよ。だけれども、世田谷区は来年の四月から政令指定都市になるんですよ。政令指定都市ですよ。それで児相がやるときには……。(「政令指定都市になるわけじゃない。政令指定を受ける」「政令指定だけです」と呼ぶ者あり)失礼。政令指定になるわけです。そうすると、政令指定というのは、基本的には自分たちが責任を持つということ。東京都だとか、そういうんじゃなくて、世田谷の児相が責任持ってやりますよということなんですよ。  それで、先ほど区長やなんかがやったときにお話が出たように、一般質問に出たように、個人情報は出さない。だけれども、おぎの委員も言ったように、質問したけれども、出さない。じゃあ、おそれがあるものはどうするんですかといったときに、手おくれになるんじゃないですかということを心配しているんです。だから、未然に学校だとかコミュニケーションをとって、それで直接世田谷のほうに情報をもらえるようなことを考えておかないと、後でやればよかった、それじゃ遅いんですよ。だから、警察だとか連携不足でもう子どもたちが死んでいるじゃないですか。その辺のことを認識を持っていただきたい。  それから、もう一つは、あと一年、児相をやるまであるけれども、やっぱり子どもたちの命を考えるなら、一年間、慎重にやって延ばすべきだというふうに思います。答えが多分ないと思いますので、これで自民党の質疑を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で、自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆岡本のぶ子 委員 では、これから公明党の福祉所管の質疑に入らせていただきます。  まず私からは、今回の予算説明書の別冊の中でも、働き方改革について、業務改善チームの設置という項目がございましたので、まず、この区の業務改善の取り組みによる効果が区民に与える利便性や、また福祉施策の向上に及ぼす影響という観点から質問をさせていただきます。  まず、平成二十九年三月の第一回定例会で、私はマイナンバーカードを活用した母子健康情報の提供サービスに向けて、区の母子健康情報の管理が紙媒体で行われていたことから、ここをしっかりと業務改善をして、母子健康情報の電子化へ取り組むべきであることを訴えさせていただきました。  区がこの私の質問を受け、平成三十年七月より世田谷版ネウボラを支える母子保健システム構築を始められたことをまず評価いたします。いよいよ本年七月に本格稼働ということですが、まず、このシステムが取り扱う対象年齢、想定される人数、データの保管期間と本格稼働により期待される効果を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 母子保健システムにつきましては、今、委員のおっしゃったとおり、世田谷版ネウボラを支える情報システムと位置づけ、対象の範囲も妊娠期から就学前までの妊婦及び子育て家庭等としております。そのため、まず年間の妊娠届け出数を約九千件、また、出生数を八千件と想定し、妊娠期から就学前までの年間の対象件数につきましては、おおむね五万七千件と見込んでおります。また、本システムの導入による情報の一元化により、要支援世帯の早期把握やきめ細かなフォロー等による乳幼児等の虐待の未然防止のほか、統計情報の自動計算機能など職員の作業負荷の軽減効果などを見込んでおります。  なお、データの保存年限につきましては、現行の母子保健カードと同様に、最終履歴から五年間程度を想定しておりますが、その点につきましては今後も精査する予定で準備を進めております。 ◆岡本のぶ子 委員 ちょうど二年前、このネウボラ面談と同時に、世田谷区は区内全てのまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社協の中で福祉の相談窓口を開設をして、高齢者、子育て、障害者の身近な相談窓口としてスタートしておりますけれども、今の答弁の中で、本システムの導入による情報の一元化により、きめ細かなフォローができますという答弁もございました。  私は、この福祉の相談窓口で子どもの相談をしっかりと受けつけると銘打った以上、まずこの二年間でどの程度、この相談窓口に子育ての相談が来ているのかどうか、それと比較して高齢者の相談との比較もまず教えていただければと思います。 ◎五十嵐 保健福祉部副参事 全二十七地区で実施しております福祉の相談窓口における相談件数についてですが、平成二十九年度実績で高齢者に関する相談は十五万件を超えているのに対し、子ども関連の相談につきましては、まちづくりセンターで二百四十七件、あんしんすこやかセンターで九十七件、社会福祉協議会で四百二十件、合計で七百六十四件となっております。  子ども関連の相談につきましては、その内容に応じまして、社会福祉協議会のファミリー・サポート・センター事業など福祉の相談窓口の中で対応するほか、福祉の相談窓口から総合支所の健康づくり課や子ども家庭支援センター等に引き継ぎ、必要なサービスや支援につなげております。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、やはりそうかと思ったんですけれども、福祉の相談窓口と言いながら、ただいまの答弁による平成二十九年度の実績では高齢者が十五万件ということですから、一カ月に計算しますと四百二十三件、子育ては年間で六百四十五件ですから、一カ月で言うと五件という状況ですから、まだまだ子育て世代にこの福祉の相談窓口が周知されていないということがここにあらわれていると思います。  子育て世代は、妊娠期の母親だけにとどまりません。就学後のお子さんを持つ保護者に対して、身近に福祉の相談窓口があることをまず周知することも必要だと思います。そのためにも、介護、高齢者のデータと同様に、ネウボラを支える母子保健システムの情報を全ての福祉の相談窓口で共有できるようにすることが、子育て家庭を全区で支える体制の整備に不可欠と私は考えます。  先ほど保管年限が五年間を想定しているとのことでもありましたが、以前の質問でも取り上げましたけれども、フィンランドのネウボラさんは何と五十年間データを保管して、そして子どもの成長から成人期までの見守りをしているという、そういうことがございます。世田谷はフィンランドのネウボラさんを倣って世田谷版ネウボラとしたにもかかわらず、五年というのはお粗末ではないかなと思います。今後、就学前から就学後を視野に入れた保管期間の拡充が求められます。区の見解を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区民に身近な福祉の相談窓口に母子保健システムを整備し、情報を共有すべきとの御提案ですが、子育て家庭を支えるためには、システム環境の整備に加え、母子保健や子育て支援のスキルを備えた人材を配置するためのマンパワーの確保や、また、その後の人材の育成などの課題がございます。  一方、世田谷版ネウボラを支える情報システムとして、保健師等の専門職からなるネウボラチームを配置する総合支所にこの母子保健システムを整備いたします。さらに、子ども家庭支援システムや今後稼働が予定されている児童相談所システムと密接な連携が必要な場合もございますので、一部の情報を共有できる機能を配し、妊娠期から就学前までの切れ目のない支援のより一層の充実を目指してまいります。  なお、福祉の相談窓口への母子保健システムの整備につきましては、子育てに関する相談等へのバックアップの機能も踏まえ、関係所管とそのあり方等を検討してまいります。  また、区民の生涯にわたる一貫した健康管理は重要なことから、まずは今回は、この世田谷版ネウボラの対象年齢までのこのシステムの整備を手がけ、その後、それに続く区民の健康情報の一元管理のあり方等について考えてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 これから本格稼働ということもありますので、一足飛びにできるとは思っておりませんけれども、ぜひそういうトータルに区民の健康をしっかり下支えするということが大事なことですので、そこを視野に入れながら、今後進んでいただきたいと思います。  次に、業務改善という点で、世田谷区が業務改善をすることによって、区民の生活に対する影響というか効果という点でもまた次に質問させていただきますけれども、実はある商店街の中で、お豆腐屋さんとたまたまお話をする機会がありました。そのときに、そのお豆腐屋さんがちょっと相談してもいいと言われたのでお話を伺ったときに、実はそのお豆腐屋さんは、世田谷区の区立保育園、また私立保育園、認可保育園に食材を納入していると。だけれども、私立保育園のほうでは、全てその月末に納品したものの振り込みをしてくれるんだけれども、世田谷区の区立保育園は全部小切手になっていると。その小切手を切ってもらうのには時間指定があって、何時から何時までに行かないと判こをもらえないそうなんですね。ということがありまして、私はちょっと調べました。  その上で、今度、違う商店街のお魚屋さんに行って、区立保育園と私立保育園のそういう納品のことについて、ちょっと聞いてみました。そうしましたら、そのお魚屋さんも、いや大変なんだよという話が出ました。それは自分のお店のように小さなお魚屋さんは夫婦でやっているから、どちらかが指定の時間に行けないということが、例えば別の用事があって行けないときは、お店を閉めて行かなきゃいけないと。閉めて行って、受領書を例えば書いたときにも、ちょっと住所を間違えると、普通だったら訂正印を押せば済むところをもう一度書き直してくださいというふうに言われちゃうそうなんですね。大体それで二時間ぐらい時間を使っているので、いや岡本さん、それはちょっと実は本当に困っているんですよと。だけれども、皆さん、いい人柄なので、もしかしたら世田谷区のほうで月に一回は面談しましょうという思いで呼んでいるのかもしれない、それぐらいの気持ちで、ここ四十年以上、納品を続けているというお話がありました。  この件について、今どき、キャッシュレスの時代というふうに言われているのに、この小切手を切っているということなんですけれども、まずこういう納品業者さんが何社ぐらいあるのか教えてください。 ◎後藤 保育課長 お問い合わせの事業者の数ですけれども、大体一園当たり十事業者程度ということで、実事業者としては、区内全体で百九十事業者ということで確認をしております。 ◆岡本のぶ子 委員 先ほど自民党のおぎの委員からの業務改善の一千万円と見込んでいるという話もありましたけれども、四百四十時間を、時間数を人件費で掛けて、そして計算を出しているんですと言われたときに、この区民の、区内事業者さんの非常に無駄というか、費用として計算したら、かなり相当な金額になると思いますよ。百九十事業者がガソリンを使って園まで行って、そして冷や冷やしながら、路駐しながら、受領書発行を待っているということだそうでございますので、そういった意味では、区内事業者さんは、路駐していることもまずいし、あと環境問題にもなりませんかと逆に心配しているわけですよ。ずっと駐停車しているから。そういった心配もあるんですが、今後、この業務改善というのであれば、こここそ、まずすぐにやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎後藤 保育課長 お話しのとおり、今どき小切手かというようなお話があろうかと思います。小切手導入の当初、かなり前ですけれども、職員に確認しましたら昭和五十年ぐらいから小切手を導入しているということでございます。導入当時については、金融機関に持ち込むことで当時は素早く現金化できるメリットということがありました。また、各園での支払いが手続的に楽になるといったようなメリットも当時はございましたけれども、現行のところ、インターネットバンキングの普及だとか口座のほうを御自宅でもいつでも確認できるというような状況がございますので、また安全対策の面からも、時代にそぐわなくなってきているものというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 この表を今さら見せる必要もなかったんですけれども、区立保育園だけ五十園小切手で、あとは私立認可保育園百四十九園、区立小中学校全て振り込みになっていたという意味では、何か見落とされた化石のような取り組みだったという状況でございますので、業務改善を本当に真剣に考えるのであれば、業務改善チームを設置するまでもなく、まず自分自身の業務を見直すというところを早急に各所管やっていただくことが重要ではないかなと思います。  では、この質問を終わりまして、次の質問に移ります。(「答弁もらわないでいいんだ」「もらってよ」と呼ぶ者あり)  私の中では答弁いただいたつもりなんですが、このシステムを振り込みに変えるのは、いつごろになりますか。 ◎後藤 保育課長 現在、区立保育園では、効率化に向けまして、実はさまざまな業務のICT化に向けた準備を進めているところでございます。小切手から振り込みによる支払い方法の変更についても検討を今行っているところでございます。種々のいろいろと課題等を勘案して、解決の方向に向けて現在やっているところですので、来年度、早急に改善を図ってまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 早速、皆さんにお伝えしたいと思います。  では、次の質問に移ります。  先日、後期高齢者医療保険制度の中で、体の不自由な高齢者、特に七十五歳以上を超えた御主人を介護されている御婦人からの御連絡がありました。その内容は、御主人は要介護五で、そして身体障害一級であると。今回、十数年ぶりに補装具の装着を取りかえることになって、お医者さんに診ていただいた上で、この費用のやりとりになったということなんですけれども、この御家庭の場合は、介護保険であると、さくら証というものを受給している方なんですね。さくら証というのは、住民税非課税世帯の方に法定外のサービスを軽減できる、そういう認定証ということでございますが、今回、介護保険ではないので、この方は後期高齢者医療保険制度の中でも一割負担で、住民税非課税世帯ということで、こちらになりますけれども、区分一と区分二が住民税非課税世帯にはありますが、外来一カ月の上限額が八千円まで、例えば入院したとしても一万五千円から二万四千六百円までということが一割負担の場合の住民税非課税世帯の方は軽減措置がとられているんですけれども、このたびの課題というのが、私は相談を伺って感じたのが、この補装具の購入の負担額についてなんですけれども、これも一割負担なので、最終的にはこの方は一万四千二百円の負担でいいんですが、この舗装具をまず一旦全額立てかえ払いをしなくてはいけないという状況になっております。これは本来、減額認定証というのを示せば窓口負担の額で済むところを、この方、補装具の場合はそれが使えないそうで、一旦、十四万円を工面しなきゃいけない低所得者の方がいらっしゃるということなんですけれども、このことについての改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎太田 国保・年金課長 補装具の作成に係る療養費ということになるんですけれども、これは国の通知に基づきまして、全国一律に行われているものでございます。保険者としましては、東京都の広域連合でございますので、支給の手続が行われているものでございます。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で終わっちゃうと困っちゃうんです。改善を求めたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎太田 国保・年金課長 自己負担額を超える額が返還されるという仕組みになってございまして、これは柔道整復のように、例えば自己負担分のみの支払いで済むような仕組みとして受領委任制度というのがあるんですけれども、その制度につきましては、業者が本人にかわって療養費の申請を保険者に行うものでございまして、保険者が医療機関と協定を結ぶということになってございます。御指摘のようなケースもございますので、その制度を導入するということにつきましては、負担軽減にもつながるというふうに考えておりますので、まずは保険者である東京都の広域連合に対しまして協議をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いします。  あともう一点なんですけれども、この補装具ですね。最終的に一万四千二百円にはなるんですけれども、この補装具を採寸してもらう業者さんがまず家に来て、その後、でき上がって試着をしてみて、いろいろすれたりして、そこの補修をしてもらって、最終的に納品をしてもらうと、最低三回は来られるんですけれども、この一回につき三千円ずつ実費がかかっていると。そういう出張旅費は法定外ということで全額負担というふうになっているんですけれども、調べてみると、法定内でやる業者もあったり、法定外の業者もあったりで、何か後期高齢者医療保険制度がどうなっているのかなと気になるところなんですけれども、この不備について、区として今後の改善案をお願いします。 ◎太田 国保・年金課長 後期高齢者医療制度では、補装具の作成に伴いまして、国の基準によりまして健康保険の適用の有無というのが定められてございます。おっしゃるとおり、業者の出張費の請求というものは、補装具の作成代に含まれている場合もございますし、別途請求される場合もございまして、それぞれ業者の考え方によって異なっているという状況でございます。保険者である東京都の広域連合ですとか他区とも情報共有しながら、保険者の広域連合に対しまして問題提起し、まずは考え方の整理をさせていただければというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 実はこの方の場合、後期高齢者医療保険制度で補装具をつくると一割負担、でも実は障害者手帳を持っているんですよね。障害者手帳のほうでもし補装具をつくると、ゼロ円なんです。なので、本当に制度と制度の縦割りの中で、こういう見落とされてしまっている方々がいらっしゃるということを私は今回知りました。区としても、このようなことが事例としてあるということをぜひ広域連合のほうに持ち上げていただいて、早急なる改善を求めて、福田委員にかわります。 ◆福田妙美 委員 引き続き、公明党の質問をさせていただきます。  私からは、まず暮らしの保健室について伺ってまいります。  これは津上副委員長も先日質問されておりましたけれども、私も平成二十七年の第二回定例会でこの質問をさせていただきました。  会派で新宿区の暮らしの保健室を視察に伺いまして、そこで大変感動いたしました。というのが、病院から逆に紹介をされて、こちらの暮らしの保健室のほうに来られた高齢者の方と偶然出会いました。もうきょうは病院じゃなくていいんだよということで、暮らしの保健室、そちらを勧められたということでした。  このように、病気ともなかなか言えなかったり、また未病の状態ではあるかもしれないけれども不安を抱いている方、また、医療について詳しくわからないがために、病院には行ったけれども、その後の不安が拭えない、そういった人たちをどうサポートしていくのかという医療とまた健康についての相談ができる場所として大変に重要な機関だというふうに思いました。  平成二十七年のときの質問の後、部長がお答えになられましたのが、このあんしんすこやかセンターで医療に関するものも含め区民の皆様に気楽にお立ち寄りをいただける身近な相談機関として役割を果たしていきますというような決意を述べられておりました。  そこで、お伺いいたしますが、現在、区のあんしんすこやかセンターでの在宅療養相談窓口の状況をお伺いいたします。 ◎加賀谷 調整・指導課長 お話しの在宅療養相談の実施状況でございますが、昨年四月から今年度、ことし一月まで十カ月間でございますが、相談者数で申しますと四千八百八十六人、件数で申しますと九千三百十六件でございます。二十七地区ございますが、一地区当たりの平均は相談者数が百八十人で、件数が三百五十件という状況でございます。  主な内容としますと、自宅で療養するための訪問診療、介護サービス等の調整についてが約六割、入院、入所、転院等の相談が約二割となっており、相談者の内訳として最も多いのが御家族、親族からが四割、続いて、患者の退院調整を行うための病院の連携室等医療機関が約三割、御本人からが約二割、それからケアマネジャー等の介護事業所が一割といった状況でございます。  この窓口が相談者に御案内した情報でございますが、在宅生活を支えるための各種介護サービスのほかに、医療職、介護職、チームで患者を支える在宅医療の仕組みそのものに関する御説明ですとか、病院、介護保険施設、自宅を訪問する診療所、訪問看護ステーション等の情報がございます。  この相談を行うに当たりましては、あんしんすこやかセンターを中心に、多職種のネットワークづくりを進めて行うことが重要と認識しておりますので、今現在、各地区に医師会の御協力をいただいた医師、地区連携医を配置しまして、医療職、介護関係者を対象とした相談支援のスキルアップ研修の実施、それから地域での交流を深めることを進めております。  今後とも、切れ目のない医療と介護の提供体制の整備に取り組んでいきたいと考えてございます。 ◆福田妙美 委員 今御答弁いただきましたが、やはり在宅療養相談窓口というタイトルのとおり、御相談には在宅医療というところで、病院から在宅に行かれる場合の不安、ここら辺の相談にも丁寧に乗っていることがわかりましたが、平成二十七年のときに私が質問したのは、この医療と介護の連携も含めてではあったんですが、医療の部分を重視した健康相談がどこまでできるのかというところを求めました。  今回もう一回求めたのは、津上副委員長も再三おっしゃっておりましたけれども、地域の中で、同じ場所で、常に相談ができる場所、健康のこと、また医療のこと、この部分をしっかりと相談できるというところに非常に重点を置いております。定時で、同じ場所で、また同じ時間にこの健康相談ができるということ、この環境の整備と、また先ほど岡本委員もおっしゃっておりましたが、福祉の相談といっても、どうしても高齢者の相談が多く、子どもたちの相談が少ないということで、周知にもなかなか至っていない、これも一つだと思いますが、この環境整備と広報というところで、健康、また医療についてつながるべき区民がしっかりとつながれる、こういう環境の体制整備を強く求めます。  あんしんすこやかセンターでこの定時、定設で対面式での健康相談環境の整備をすべきと思いますが、区の見解をお聞かせください。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー等の専門職員を配置してケアマネジメント支援や地域づくりに取り組むとともに、日常的に健康や予防に関する相談に応じ、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるよう支援しております。  このたび国の地域包括支援センターに関する運営指針の改正により、平成三十一年度から保健師に準ずる者として配置する看護師の要件として、高齢者に関する公衆衛生業務経験を一年以上有するということが加わり、健康や予防的な視点がさらに強化されます。従来から従事している看護師を初め、新たに採用される看護師は、今後さらに健康相談、公衆衛生業務にしっかりと対応していくことが求められます。  区といたしましては、あんしんすこやかセンターが日ごろから予防や健康相談を受けていることの周知にさらに努めるとともに、スキルアップ会議での知識や情報の共有などにより職員の健康や予防に関する相談技術のレベルアップを図ってまいります。また、区民の御相談に限られた人員で適切に対応するために、区民の御都合に合わせ、事前予約により訪問、面談を効率的に実施するほか、介護予防の講座やまちづくりセンターとの共催イベント等の機会を捉え、健康相談を行っていることをわかりやすく掲示するなどの工夫をし、しっかりと健康相談に取り組んでまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  続きまして、高齢者見守りステッカーについて伺ってまいります。  警察庁が公表いたしました二〇一七年度の認知症による行方不明者は一万五千八百六十三人、二〇一二年の九千六百七人から五年間で一・六五倍に増加をしております。  世田谷区におきましては、要介護認定者の約六割が認知症の方々ということで、私たちの会派でも推進してきました認知症在宅生活サポートセンターの開設に向けた在宅支援事業の先行実施や、また、認知症施策推進条例制定に向けて検討のための三十一年度の予算が計上されました。  平成二十七年ですけれども、この決算特別委員会におきまして私が提案をさせていただきましたこの高齢者見守りステッカーは、路上に倒れていた身元不明の高齢者に対応した区民の方からの御相談がきっかけでした。認知症の方が外出先から戻れなくなったときに、親族に連絡をし、迅速かつ安全に自宅に戻っていただくための見守りステッカーが、いまだ登録件数が二百三十八と伺っております。必要性があると区が想定された方は約五百人ということであれば、まだその五百に達していないということです。これからさらに高齢社会が進み、認知症の方もふえていくことを考えますと、この数字では登録が十分とは言えません。これまでどのようにPR、アプローチをしてきたのでしょうか、お聞かせください。 ◎尾方 高齢福祉課長 区では、認知症により何らかの支援が必要な高齢者が増加する中、外出先から戻れないなどの不安がある方が外出先で保護された場合に、二十四時間三百六十五日対応している高齢者安心コールを活用し、速やかに御家族などに連絡ができ、安全に自宅に戻れるよう、高齢者見守りステッカー事業を平成二十九年度から実施しております。  事業の対象者は、在宅で生活し、要介護認定を受け、外出すると戻れないことや、徘回について、ある、または時々ある方で、移動の介助が必要のない方を想定して、要介護認定情報から約五百人と見込んでおります。主治医から御紹介いただけるよう、医療機関にチラシを配布するとともに、介護者の会などへもお送りするほか、要介護認定決定通知書にも同封しております。また、あんしんすこやかセンターや区の窓口での周知、「区のおしらせ」やシルバー情報への掲載、高齢・介護応援アプリなどのツールを使って、これまでPRを行っております。 ◆福田妙美 委員 さまざま工夫をして、PRはしていただいていたみたいですが、この二百三十八名の方々の中で、二十九年度から約二年間取り組んでこられていますが、実際にこのステッカーを持っていたことで無事に自宅に戻れたという事例があれば教えてください。 ◎尾方 高齢福祉課長 外出先から戻れずに保護され、高齢者安心コールにお問い合わせがあった件数は、平成三十一年二月末現在で六人、十件でございます。お問い合わせいただいた事例は、外出した際に道に迷って警察署や交番で保護され、高齢者安心コールに御連絡いただき、御家族などへつなぐことができ、無事御自宅へ戻られております。また、お店の方がお買い物に来る高齢者の様子がおかしいということに気づき、高齢者見守りステッカーを見て安心コールに連絡をし、安心コールから管轄の保健福祉課へつなぎ、必要な支援を行った事例もございます。 ◆福田妙美 委員 御答弁ありましたけれども、多分、御家族の方は本当に御心配されたと思います。無事に戻ってこられたということが大変皆様の安心につながったのではないかと思いますと、このような有効な仕組みであるということも考えられますので、この申し込みをさらに必要とされている方に届けていただきたいことと、申し込みをされる方は御家族が多いということでしたが、そうしますと、ひとり暮らしの人などがここにつながりにくいのではないかということを心配しております。このようなサービスが必要な人にしっかりと届くように、認知症カフェや本人交流会、また認知症の介護施設など支援を必要とする人にサービスが行き届くPRを強化すべきですが、区の見解をお聞かせください。 ◎尾方 高齢福祉課長 現在の登録者約二百四十人のうち、ひとり暮らし、または高齢者のみの世帯の方は約九十人いらっしゃいます。御家族と同居していない高齢者が見守りステッカーを利用できるように、支援者や地域の方々に高齢者見守りステッカーなどの情報を周知する必要があると認識しております。  高齢者の見守り協定を締結している事業者との連絡会や地区高齢者見守りネットワークの会議などにおいて、見守りステッカーの事業の周知に努めるとともに、民生委員ふれあい訪問でひとり暮らしの方へ高齢者見守りステッカーのチラシを直接お渡しするなど周知を行っております。  今後は従来のPRに加え、お話しのように、認知症カフェや介護者の会・家族会、また来年度より実施する認知症本人交流会などで直接事業のPRをしてまいりたいと考えております。あわせて認知症サポーター養成講座や福祉の相談窓口の三者による連携なども活用しながら、地域の方々にも見守りステッカーを知っていただき、御自宅に戻れずにいる高齢者を発見した場合などに高齢者安心コールへ通報いただくなど、有効に機能するよう周知の強化に努めてまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  続きまして、障害認定審査会について伺ってまいります。  重症心身障害者が地域で生活を続けていくためには、レスパイトなどの家族支援や医療的ケアも可能な重症心身障害者のグループホームの整備が求められています。しかし、本人中心の支援を考えた場合は、単なる集団支援を前提としたり、家族支援を前提とした重症心身障害者の地域自立生活支援を考えていく必要があります。親の高齢化などから自立を迫られる人もいます。また、体の変化が起きやすい重症心身者へのサービス提供の変更の柔軟な対応が求められます。  重度訪問介護など区が定める支給量を超えて決定する場合、障害認定審査会の意見を聞くことになっていますが、年二回の開催とのことです。迅速に検討する必要性が高い場合には、この開催回数では柔軟な対応に欠けると考えます。柔軟な対応ができないか、区の見解をお聞かせください。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害者総合支援法に基づく障害者サービスの介護給付費の支給については、御本人の障害の程度や介護者の状況等を勘案し、御本人からのサービス利用の意向も伺い、重度訪問介護につきましては、区が定めております月五百二十七時間、一日当たり十七時間の範囲内で区が支給量を決定しております。しかしながら、難病等による障害の進行や御家族の介護力の低下などにより、生活状況が変わった場合など区が定めた支給量を超えて決定する場合には、医療や福祉等の専門家で構成する障害認定審査会の御意見を聞いた上で決定をしております。  御指摘のとおり、この審査会は例年九月と二月の年二回ということで開催をしておりますが、重度の障害のある方が転入した際など早急に対応すべき場合には臨時で行う場合もございます。今後も、障害者の自立生活支援の観点から、必要に応じ柔軟に対応してまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひとも柔軟で迅速な対応をよろしくお願いいたします。  そして、最後の質問になります。医療的ケアが必要な重症心身障害児が安心して暮らせる環境の整備についてということでお伺いします。
     医療的ケアが必要な重症心身障害者児の多くは寝たままで、自力では座ったり食べたりすることができない状態でいます。体が拘縮したり、変形、側弯があるため手足も思うように動かせない児童が多くいます。自分で呼吸ができない児童もいます。彼ら、彼女らは言語によるコミュニケーションも難しく、声や身振りで感情を表現します。  そんな子どもたちの日常を支えるのは、母親たちを初めとする御家族です。ここ数年は、医療機関の退院支援及び地域移行政策が進み、重度な障害を抱えたまま自宅で家族と暮らす児童がふえてきました。しかし、児童は毎日二十四時間にわたる介助が必要なことが多く、家族にかかる負担は大変大きいものです。そこで、母親、本人を含めた家族を支える福祉サービスの充実が地域に求められています。  重症心身障害児と家族を支援するための制度が平成二十四年に児童福祉法のもとに改正されました。児童発達支援、放課後等デイサービスの制度に重症心身障害児を主たる対象としたという区分が設けられています。この法をもとに、未就学児は児童発達支援、就学児は放課後等デイサービスを利用することができます。  しかし、医療的ケアが必要な重症心身障害児が利用できる施設数はまだまだ十分とは言えません。重症児は外部の環境になれることに時間がかかります。また、体調の変化も著しいため、欠席率が非常に高くなりがちです。かつ、より多くの人員配置が求められます。そのようなリスクに対して、欠席時対応加算が重症心身障害児を除く放課後デイサービスと同額であったり、多機能型施設になると、さらに都の上乗せがなく、欠席加算は約十四分の一となります。安定した施設運営に影響が出てしまいます。施設を安定した運営ができる環境が求められています。  区内には、重症心身障害児を含め、医療的ケアが必要なお子さんの見込み数は百六十から百八十人、重症心身障害児が利用可能な施設は二月時点で六施設、そのうち就学後も利用できる施設は実質二施設となります。区は、平成三十三年度までに区内の医ケア児を百八十人程度、通所枠をふやす計画でいます。区民のニーズに応えるためにも、施設の増設並びに開設した施設が安定して運営できる支援が必要です。  ここでお伺いいたしますが、区は来年度から医療的ケアが必要なお子さんを預かる放課後等デイサービス施設に対する補助を開始するとのことですが、施設の運営の安定化に向けて、欠席時対応加算等に相当する支援となっているのか、区の見解をお聞かせください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 医療的ケアを必要とするお子さんや重症心身障害児の療育を行う放課後等デイサービス施設では、御指摘のように、お子さんの体調により利用が不安定となることなど経営上の課題があるものと認識をしております。  国が定める報酬には欠席時対応加算も設けられておりますけれども、金額が低く、実態に即したものとなっておらず、また東京都の重症心身障害児の運営費補助も対象が未就学児に限られるなど、いずれも施設の安定的な運営にはつながっていないと捉えております。そのため、昨年十月には区長みずから欠席時加算の充実などを厚生労働省へ申し入れをしておりますけれども、区におきましても、施設からの経営状況の聞き取りなどから、来年度より医療的ケアが必要なお子さんを受け入れる障害児通所施設に対する補助事業を独自に実施することとしております。  本事業は、医療的ケアの必要なお子さんの受け入れ施設の拡大と運営の安定化を目的としておりますので、より重度のお子さんを受け入れた場合に手厚い補助となるよう設計しておりまして、施設の収支安定にも寄与するものと考えております。 ◆福田妙美 委員 新年度までには一カ月もありませんが、新制度を施設や事業者への周知と活用の見込みについて現在の状況をお聞かせください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 この新しい事業の実施につきましては、先月末に事業所の連絡会を開催しまして、制度の概要を御説明いたしました。この制度は、医療的ケアが必要なお子さんの受け入れ枠の拡大と施設運営の安定化を目的としていますので、既に医療的ケアが必要なお子さんや重症心身障害児を受け入れていただいている施設の御理解と御協力がなければ十分な成果は得られないと考えております。したがいまして、放課後等デイサービス事業において医療的ケアを必要とするお子さんの受け入れを現に行っている既存施設五施設に対し、個別の御説明と事前協議を始めておりまして、おおむね本補助事業を活用したいという感触をいただいておりますので、引き続き事業実施の準備を急いでまいります。  また、来年度からは放課後等デイサービス等の障害児通所施設への巡回訪問支援を計画的に実施をしてまいりますので、各施設や事業者のお話を丁寧に伺いまして、相談支援事業所など関係機関とも連携しながら、本制度が有効に機能し、医療的ケアを必要とするお子さんの通所ニーズに応えられるよう取り組んでまいります。 ◆福田妙美 委員 以上で質問を終わり、高久委員にかわります。 ◆高久則男 委員 私のほうから最初に、介護従事者の離職者防止・定着支援について伺いたいと思います。  介護保険制度が施行された二〇〇〇年以降、介護従事者の数は年々増加しております。当時五十五万人だった介護従事者は、二〇一六年には約百八十九万人にまでふえました。しかし、高齢化、介護サービス利用者増加で人手不足は解消されておりません。団塊の世代が七十五歳を超える二〇二五年には二百四十五万人に介護人材が必要と言われ、約三十四万人の介護職員が不足するとも言われております。  介護職の離職率は平成二十九年度介護労働安定センターの介護労働実態調査によりますと、現在約一八%台で推移しております。近年は一部の事業者の努力もあって、離職率は少しずつ全産業の平均値に近づいておりますが、労働に合わない賃金であるとか、また人間関係でももめる職場環境などを理由に介護職をやめてしまう人はいまだに後を絶ちません。特に離職者の七割弱が勤続三年未満という調査もあり、これらの離職防止の取り組みが急がれているところです。  現在、世田谷区では、特養や老健など施設整備を推進していることは評価しますが、職員の配置が追いついていないのが現状でございます。  最初に、区内の現在の人員確保の状況について伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 区では二〇二五年に向け、高齢者やその家族が安心して生活を続けていくために、特養ホームや認知症グループホームなど介護基盤の整備を計画的に進めておりますが、昨年十二月のハローワーク渋谷の管内の介護サービスの職業に対する有効求人倍率は約十四・五倍となっており、介護人材の確保は大変厳しい状況にあります。  区内で昨年と一昨年に開設した二カ所の特養ホームでは、施設長の交代やユニットケアがふなれな職員の退職が相次ぐなどの理由から、二月末の入所率は七割程度となっており、現在、再度体制を整え、人材確保に努めております。また、ほかの施設からも、人員基準は満たしているものの、研修参加や休暇取得のためには、さらに人材確保が必要と伺っております。  来年度は四カ所の特養ホームのほか、四月には梅ヶ丘拠点うめとぴあに介護老人保健施設や療養通所介護などが開設いたします。五月に開設予定の特養ホームとうめとぴあ内の老健では職員の確保はできており、順次、入所者の受け入れ手続を進めております。九月以降に開設する三特養ホームも既に職員募集を開始したと伺っておりますので、区としても、必要に応じ指導や助言を行ってまいります。 ◆高久則男 委員 私の友人にも特養に勤務している人はいますが、やはり慢性的な人材不足ということで、就労環境は非常に厳しいということで相談もいただいております。  なぜ介護従事者が離職するのか。平成二十九年度介護労働実態調査によりますと、一つに、職場の人間関係や事業所への不満、また、結婚、出産、育児のため、そして将来性が感じられない、また収入面の課題がある等々多岐にわたっております。  昨年夏に、公明党世田谷総支部で開催しました高齢者の地域生活支援懇話会では、出席された事業者の方々から多くの意見をいただきました。人材不足が常態化していること、地域特性に合わせた人材支援の仕組みの検討が必要、また、義務教育期間において介護職が三Kというイメージが先行しており、払拭すべき等の意見、また介護従事者のキャリアアップについては、介護職が専門性の高いプロフェッショナルの仕事として社会的評価を受けられる環境をつくること、介護の職場において着実にキャリアアップできるようにしていくことが重要である等の意見をいただきました。  私は、介護事業者が研修を受けながらスキルを磨き、しっかりとキャリアアップしていけることは介護従事者の意識向上につながり、仕事に対する誇りややりがいを持って働き続けることができるようになるものと思います。そして、そこから職場環境の改善につながり、最終的に離職防止につながるものと認識しております。  他自治体での取り組みですが、例えば群馬県では、ぐんま認定介護福祉士という全国初の独自認定制度をつくっております。介護福祉士五年以上で、所属する事業者三年以上、所属する事業者から推薦を受けてぐんま認定介護福祉士という認定を与えるということです。平成二十一年創設から平成二十八年まで六百三十四名が認定されており、認定者の離職者は極めて少ないとのことです。  群馬県にヒアリングしたところでは、介護福祉士は資格取得後、次に目指す上級の国家資格がないことから、評価、処遇に当たっての指標となる認定制度を構築していくためにこの制度をつくったとのことであり、また、介護従事者の意欲向上と職場定着を図るとともに、職場環境の改善と群馬県全体の介護の質の向上を目的としているとのことでありました。  このように、世田谷区においても世田谷版キャリアアップ制度を構築し、介護従事者が着実にキャリアアップできるような体制をしっかり構築していくことを早期に検討すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 介護人材対策として就職した職員の離職を防止する定着支援は、職員確保と同様に大変重要でございます。職責に応じて処遇がなされるキャリアパスの仕組みをつくり、介護事業者の導入を促すことは人材定着に有効な方法であると認識しております。  委員のお話しのとおり、介護の国家資格は介護福祉士のみであり、介護福祉士の上位資格としては民間資格である認定介護福祉士の取り組みなどが始まっています。東京都では、介護プロフェッショナルキャリア段位制度により、介護職員のキャリアパスの導入に取り組む介護事業者に対する補助事業を実施しており、キャリアパスの構築に向けた体制づくりを推進し、処遇改善加算の取得や職員のモチベーションアップに寄与しております。  区では、介護職員初任者研修や実務者研修の受講料助成、介護福祉士の資格取得費用助成、また事業所に対する研修費助成、区独自研修の実施などを通し、介護職員のキャリアアップと処遇改善加算のキャリアパス要件取得により、職員の処遇改善も支援してまいります。 ◆高久則男 委員 今のお話では、東京都や、また区でもいろんなキャリアアップの取り組みがされているということですが、まだまだ介護人材定着にはつながっていないと思いますので、さらなる取り組みをお願いしたいと思っております。  それで、国では、ことしから通所介護事業所において自立支援、重度化防止の観点から要介護度を改善した区市町村に対しインセンティブ、いわゆる財政支援を行うことになりました。また、神奈川県では、独自に要介護度の改善など介護サービスの質向上や人材育成、待遇改善に取り組んだ介護事業所を表彰し、一事業者に百万円の報奨金を交付する、いわゆるかながわベスト介護セレクト20を実施しております。このような取り組みは品川区や江戸川区などでも先駆的に行われております。  このような介護度が改善した場合、事業所にインセンティブを付与していくことは、介護従事者に対して、やりがいにもつながり、定着支援にもつながるものと考えます。世田谷区でもこのような取り組みを積極的に検討すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎杉中 介護保険課長 介護保険制度の仕組みの中で介護事業者の果たす役割は大きいと認識しております。  神奈川県では、事業者のサービスの質の向上や職員の資質向上、意欲向上を目的として、利用者の状態改善など特に顕著な成果を上げた事業者を表彰し、奨励金を交付する制度を実施しており、幾つかの自治体でも同じような取り組みを実施しております。  神奈川県の奨励金の評価項目は、要介護度の維持改善を初め、リハビリテーションの充実、在宅復帰の取り組み、認知症と高齢者の対応などが挙げられておりますが、自治体によって評価手法はさまざまです。  奨励金制度は、自立支援に向けた質の高い介護につながる半面、改善要因が明確でないことや改善が難しい利用者が敬遠されるおそれがあること、また財源等の課題もあるため、他自治体の例を参考に研究が必要と考えております。  区としましては、研修費助成等を行い、介護職員の知識、技術向上を図り、やりがいや意欲向上につなげるとともに、研修体制の構築や介護ロボット、ICTの導入費助成、新たにサポートウエア購入費助成など職場環境の改善に取り組み、今後とも職員の定着支援に努めてまいります。 ◆高久則男 委員 なかなかちょっと厳しい返答でしたけれども、介護度が改善した事業者にインセンティブを与えていくということは、定着支援ばかりではなくて、最終的には医療費や介護保険料の軽減にもつながっていくことにもなります。国でも今回スタートしたわけですので、今後鋭意取り組んでいただきたいことをお願いして、次の質問に移ります。  次は、特定健診の他自治体との相互乗り入れについて伺いたいと思います。  北沢五丁目の方から、日常生活圏がほとんど笹塚駅が中心で、医療関係はほとんど渋谷区内の病院を利用と、渋谷区でも健診を受けることのできるような体制をつくってほしいとの要望を以前からいただいており、平成二十六年の決算特別委員会で、この件は取り上げました。そのときは、健診項目に差があることや受診の期間が異なること、また区によって事務処理方法が違いがあるということでなかなか難しいが検討したいという返事でありました。  現在、杉並区と世田谷区では、以前より協定を結んで相互に健診ができるようになっております。平成十五年より世田谷区と杉並区医師会、そして杉並区と世田谷区医師会が基本健康診査業務委託契約を結び、世田谷区民が杉並区医師会所属の医療機関でそれぞれ健診を受診できる相互乗り入れ方式を開始しております。  そこでお聞きしたいんですが、この杉並区との相互乗り入れができた背景、またどのような協定になっているのか。世田谷区との健診項目との違いなど諸課題は整理されているのかお聞きいたします。 ◎太田 国保・年金課長 杉並区とは、基本健康診査を実施しておりました平成十五年度から契約を締結してございます。その後、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、平成二十年度から特定健診を開始しておりますが、杉並区との相互健診は継続して実施してございます。  世田谷区と杉並区が契約に至った背景、経過、経緯でございますけれども、区境が広範囲にわたるため、両区民が利用する医療機関が比較的多く存在し、これらの区民の御要望に応える形で、両区が世田谷区医師会と杉並区医師会との協力も得て、話し合いを重ねまして諸課題の解決に努め、相互受診の実現に至ったものでございます。  世田谷区と杉並区医師会の特定健診の契約内容につきましては、世田谷区医師会、玉川医師会と同様な内容としてございまして、現在、百九カ所の杉並区の医療機関で世田谷区の特定健診を受診していただける体制となってございます。 ◆高久則男 委員 ちなみにですけれども、今、世田谷区民が杉並区の医療機関で特定健診を受けている人は何名ぐらいいますか。 ◎太田 国保・年金課長 平成二十九年度でございますけれども、全受診者数四万九千百人のうち、杉並区の医療機関で受診された世田谷区民は約三百五十人となってございます。 ◆高久則男 委員 区境に住む特定健診者の受診率向上には、今の例でも杉並区で受けている人も三百五十名ということで聞きました。そういった意味から、相互乗り入れはかなり受診率向上には効果があるというふうに思っておりますし、渋谷区ばかりではなく、私も目黒区の近くに住んでおりますが、うちのほうからは目黒区の医療機関でも健診を受けられるようにしてほしいという要望もいただいております。渋谷区、目黒区、そして世田谷区と相互に乗り入れできるよう早急に検討に着手することを求めますが、見解を伺います。 ◎太田 国保・年金課長 世田谷区民が渋谷区の医療機関で受診できるようにするためには、渋谷区の医療機関で世田谷区の検査内容、実施基準、自己負担金徴収方法などを御理解いただき、健診を実施する必要がございます。また、相互受診の考え方から、当区の医療機関におきましても、渋谷区民を受け入れ、渋谷区の定める健診ルールに従い、健診を実施することとなります。  このように、特定健診の相互受診を可能とするためには、区民を受け入れる医療機関に相応の負担等が生じるため、隣接区同士の自治体、医師会、医療機関の相互の理解と協力が不可欠となります。当区といたしましては、相互受診の実現に向けて、隣接している各区と相互受診の利点を共有し、改めて各医師会の考え方を把握した上で早期に関係者が話し合える機会を設けてまいりたいと考えております。  世田谷区は、杉並区を初め目黒区、渋谷区など多くの自治体と隣接している関係から、他区の医療機関で受診を希望される方も多くいらっしゃいます。今後も隣接区と協働して相互受診の取り組み等に努め、特定健診の受診しやすい環境を整備して、受診率の向上を目指してまいります。 ◆高久則男 委員 私も、先ほど言われましたように、北沢五丁目の方から長年に要望をいただいております。早急に関係機関との調整をお願いして、次の質問に移ります。  最後に、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種について伺いたいと思います。  日本人の死因の五位が肺炎です。また、死亡者の九八%が六十五歳以上の高齢者でもあります。私ごとで恐縮ですが、四年前に亡くなった私の父親も肺炎が原因でした。そういった思いで、区内で肺炎で亡くなる人をなくしたいという思いで質問をさせていただきたいと思っております。  平成二十六年から平成三十年度までの五年間、六十五歳、七十歳、七十五歳、八十歳の五年刻みでの定期接種として行われていて、この肺炎球菌ワクチンは今月終了することになりますが、接種率が余りにも低く、国は今回、定期接種を五年間延長することになりました。現在、日本での六十五歳相当の接種率は三八%から約四二%程度とのことでございます。  お聞きしますが、世田谷区の平成二十六年度から平成二十九年度の高齢者定期接種対象者の接種率はどの程度か。また、接種率が低い理由は何か教えてください。 ◎安岡 感染症対策課長 区における六十五歳相当の高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率は、平成二十六年度から二十九年度の間、三六%から四三%で推移し、国における六十五歳相当の接種率とおおむね同様です。  接種率の低い理由でございますが、国におきましては、接種対象者が公費でワクチンを受けることのできる期間は一年間のみであることや、助成の機会が五年ごとではなく生涯一回のみであることなど、他の予防接種と制度が異なることから、周知に関する課題が指摘されました。区におきましても国と同様の接種率を示すことから、接種対象者への制度の周知が十分でないことが接種率に影響を及ぼしていると認識しております。 ◆高久則男 委員 今お話しありましたように、まずは周知に関する課題が指摘されているということですが、この高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種制度は、高齢者の肺炎予防と医療費削減効果のために国が導入したものであります。高齢者肺炎球菌ワクチンの医療費削減効果は、厚生労働省によりますと、五千百十五億円と発表しております。国でのこの五千百十五億円という試算を、人口比をもとに世田谷区に当てはめた場合は、世田谷区の医療費削減効果は約二十七億円になります。高齢者肺炎球菌ワクチンの接種が区民の健康や医療費削減にもたらす効果は非常に大きいものと思います。  それで最後の質問になりますが、ワクチン接種の周知についてでありますが、例えば川越市では肺炎球菌ワクチン接種率が伸び悩んでいることを受けて、再通知はがきを送ったそうであります。再通知はがきには、希望者は三月三十一日までに受けてください。あなたが定期接種の対象となって助成を受けることができるのは今年度一回のみですとの再通知を出したところ、初回通知後の五月、六月に比べ、翌年の二月、三月の接種率は大幅に増加し、結果的には、二十六年度の三六・七%から二十七年度で四五・三%と大幅に上昇したそうであります。国でも、ことし一月の事務連絡で定期接種の継続に当たり、接種率向上のために周知啓発に取り組む必要があると明確に述べられております。  世田谷区でも対象者には通知を出すなどしているとのことですが、川越市のように接種率向上に向けて再通知を出すなどして、接種率向上のために改めて周知徹底を図ることを求めますが、見解を伺います。 ◎安岡 感染症対策課長 区では、対象者への個別勧奨に加え、「区のおしらせ」やホームページ等で周知を行っております。また、医療機関やあんしんすこやかセンターでのポスターの掲示やチラシの配布をお願いしてございます。  一方、国におきましては、予防接種基本方針部会におきまして、個別勧奨のみならず関係機関との連携を含めしっかりと周知啓発に取り組む必要があるとされました。このことを踏まえ、今後は保健所並びに高齢福祉部の事業での周知、啓発を行ってまいります。また、かかりつけ医による診療やあんしんすこやかセンターでの個別訪問時に対象者に直接接種を働きかけていただくよう、関係機関と連携を図ってまいります。  また、委員御提案のわかりやすい周知に関しましても、区の周知内容をいま一度見直してまいりますとともに、個別再勧奨につきましては、他自治体の取り組みを調査研究してまいります。 ◆高久則男 委員 高齢者の命を守る上からも、ワクチン接種に向けた周知の取り組みをお願いして、板井委員にかわります。 ◆板井斎 委員 私からは、児童虐待に関連した質問をさせていただきます。  我が党は、千葉県野田市で起きた小学四年女児の虐待死事件を受け、虐待防止法改正に向け、政府にさまざま提言したところです。体罰禁止規定の明記、民法の懲戒権のあり方についての検討、DV対策を伴う機関と児童相談所の連携強化などであります。また、野田の事件では、父親が市教育委員会に威圧的な態度をとったことなどを踏まえ、警察職員、警察OBが関与してしっかりと対応がとれる体制をつくること、また、弁護士の採用なども求めています。  東京都においても、子どもへの虐待の防止等に関する条例の策定を進め、保護者による体罰禁止などを盛り込んだ案が審議されています。虐待防止関連の条例は、千葉、埼玉などで施行されていますが、都条例が成立すれば、体罰禁止規定は都道府県で初めてとなります。  世田谷区においては、この児童虐待に対しては子ども条例があります。その三項に、区は、虐待を早期に発見し、子どもを保護するため、全ての区民に必要な理解が広まるよう努めていくとともに、児童相談所や自主活動をしている団体と連絡をとり、協力しながら、虐待の防止のための仕組みをつくるよう努めると書いてあります。児童相談所と連携してという表現が、今後、児童相談所の移管により、区が主体的になって、虐待ゼロに向けて責任を持って取り組むことになりますので、今後、この条例に区の姿勢を示すべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎堀込 子ども育成推進課長 区の子ども条例は、国の子どもの権利条約の批准等を背景といたしまして、区において、区民と力を合わせて子どもが健やかに育つことのできるまち、子どもが育つことに喜びを感じることができる社会の実現を目指しまして、平成十三年十二月に策定をいたしました。  本条例では、ただいま御紹介いただきましたが、第十二条におきまして、虐待の禁止を規定しております。さらに、その第三項では、区が児童相談所等と連絡をとり、協力をしながら虐待の防止に努めていくことを定めておりますが、今御指摘いただきましたように、現状の規定では、児童相談所が外部の機関であることを前提とした表現となってございます。こうしたことから、今後、区が児童相談所を開設することにあわせまして、子ども条例につきましても、ただいまの関連する条文につきましては、主体的なふさわしい表現に改めていく必要があるものと考えております。  引き続き、児童相談所の設置条例等とあわせまして具体的な検討を進め、議会にお諮りするとともに、児童相談所に対するさらなる理解促進に向けて区民等への周知にも努めてまいります。 ◆板井斎 委員 よろしくお願いします。  また、各都道府県や政令市などの児童相談所で虐待対応に関する検証事例等が今出ているわけですけれども、世田谷区としても、そうしたことを参考にしながら、区独自の児童相談所のシステムに応用できないか。例えば措置と引き渡しの担当を別々のセクションにすることなども考えられると思いますが、区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 これまでも児童相談所はいわゆる家庭への介入を行いまして、子ども家庭支援センターは家庭への支援の役割を担ってまいりましたが、この児童相談所の役割である介入の機能をいかに適切に確実に行使できるかについては、国において議論されております。  国では、平成二十八年三月の専門委員会報告(提言)におきまして、保護者との関係を考慮する余り、子どもの保護などがちゅうちょされることがないよう、一時保護などの親子分離を行う担当者と子どもの家庭復帰などを担う担当者を明確に分離する必要があるというようなことは示されてございます。  区では、こうした国の検討の方向を踏まえまして、一時保護が必要なケース、また性的虐待、重篤化したケース等深刻度の高いケースについて緊急対応を行う職員と、親子関係の改善などの支援を担当する職員、これは別の担当として設けまして、これまで以上にきめ細やかな支援や迅速かつ適切な判断を可能にいたしまして、児童の安全を最優先に確保できる体制を構築してまいります。 ◆板井斎 委員 次に、里親に関するフォスタリング機関について伺いますけれども、その業務に関するガイドラインというのは既に国に示されておりますけれども、当区においても里親に関する取り組みを進めていかなければなりませんが、行政だけでは決してできるものではありません。ですので、やはりそういったフォスタリングができる機関、企画提案方式によって委託候補者を公募するなど、実績と経験を持った事業者と一緒になって進めていく必要があると思うんですけれども、今後の進め方について確認します。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 里親の拡充に向けましては、新たな里親希望者の掘り起こしや、専門里親へのステップアップの促進が大きな課題でございます。こうした希望者の募集や研修等の業務に精通した民間のノウハウの活用なども考えられることから、十分に議論を重ねながら、その可能性について検討する必要があると考えてございます。また、本年の七月を目途に制度設計を進めてまいりますが、平成三十年一月より東京都が開始いたしました関係機関によるチームとしての里親家庭、チーム養育の効果を見きわめる必要があると考えてございます。  委員の御指摘にもございましたとおり、現に里親として活動されている方々の御意見を踏まえながら、里親や児童養護施設ならではの視点を生かした当事者による助け合いの強化等についても検討してまいります。 ◆板井斎 委員 次に、精神障害者へのアウトリーチについてお伺いします。  来年度、多職種チームによる訪問支援事業に約千六百万円計上されたことについては、関係者から歓迎の声が上がっています。そこで、この事業の目的について伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 地域で生活している精神障害者や精神疾患者の中には、家族問題や多種多様な問題を抱えている方もおり、特に治療中断や未治療の場合は地域で対応することが難しい場合もございます。このような場合、保健師に加え、専門医師や精神保健福祉士等で構成する多職種チームが直接訪問し、本人や家族に寄り添いながら専門的な視点での見立てに基づき医療へつないだり、また福祉サービス導入等を通して精神障害者やその家族が安定した地域生活を送れるよう環境を整え、支援していくことを目的としております。 ◆板井斎 委員 保健師が常勤と再任用が三名と精神保健福祉士が非常勤で三名、それから専門医師、臨時職員が一名、こういう体制で臨むということですけれども、早期に支援につなげる、入院を防止する、家庭内、地域内のトラブルなども解消につなげるなど、非常に大きな事業の目的があると思うんですけれども、多職種チームによる訪問支援事業の対象者について改めて確認します。 ◎鵜飼 健康推進課長 多職種チームによる訪問支援事業の対象者は、地域で対応が困難な精神障害者等としており、治療中断や未治療の方はもとより、疑いのある方も含め対応いたします。本人やその家族、あるいは地域の方からの相談を総合支所の地区担当保健師がお受けいたします。その後、相談のあったケースが多職種チームによる訪問診療の対象に該当するか、支所内でアセスメントし、適宜、必要に応じ多職種チームによる訪問支援事業を実施いたします。 ◆板井斎 委員 精神障害が疑われる未受診者、病識を欠いた人、ひきこもりの人、近隣苦情など日常生活に支障が生じている人、受診中断、服薬中断等で日常生活に支障が生じている人、また病状悪化による再入院の可能性のある人、こういった人たちが対象ではないかと思うんですけれども、こういった人たちというのは、なかなか表面に出にくいというか、八〇五〇と言われているように、その対象者へアクセスするということも大変難しい事業だと思うんですけれども、この制度というか支援事業を利用する場合の仕組みとか、事業の概要をもう一度確認したいんですが。 ◎鵜飼 健康推進課長 事業の概要ですが、まず精神障害者等の本人とその家族、または近隣住民、関係機関等から相談を受けた総合支所の地区担当保健師が中心となり、そのケースが多職種チームによる訪問支援事業の対象に該当するかアセスメントをいたします。その後、対象に該当すると判断された場合には、地区担当保健師と多職種チームのスタッフが該当者のお住まい等に直接訪問し、状況等を確認、把握いたします。さらに、その結果を踏まえたカンファレンスを通じ、医療へのつなぎや社会資源の活用、見守りの継続などの支援内容に加え、スタッフの役割分担等を決定し、個別の状況に合わせた支援を行います。  支援期間は、初回訪問から原則六カ月間としておりますが、支援の継続や見守りへの移行など、その後の対応に関するモニタリングも実施いたします。 ◆板井斎 委員 この対象者、もう一度、ちょっと確認なんですけれども、現状、健康づくり課とか、そうしたところに、実際にもうその相談がある、そういったケースとかも含めて対象としていくんでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 先ほど申し上げたように、未治療、治療中断だけではなく、もちろん現在も精神障害者の方として、相談やフォローをしている方も対象にしています。なぜかといいますと、精神障害者の方は、やはり時によって状況が変化するということも十分考えられますので、そういった形で柔軟に対応していきたいと考えております。 ◆板井斎 委員 先行してやっているのが練馬区だと思うんですけれども、初年度は、アウトリーチ事業で訪問した件数が十一件、翌年は十二件ということで、その後、制度の中身の変更もしているようですけれども、世田谷区は、今後やってみないとわからないと思うんですけれども、どのぐらいの件数を訪問できるような体制があるんでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 委員のおっしゃるように、まだ事業を始めていませんが、ただ、今まで直接訪問したこともございますので、その辺を見越して、現在の段階では、来年度は年度途中から行うので、まず五、六十件から八十件ぐらいを対象にして、事業を全区的に途中から拡充して、次年度以降には、その件数がふえるものと見込んでいます。 ◆板井斎 委員 今回、多職種チームの訪問支援事業において精神保健福祉士を配置すると伺っていますが、先ほど練馬区の例を挙げましたけれども、採用している事例も含めて、その効果というか役割についてお伺いします。 ◎鵜飼 健康推進課長 精神保健福祉士とは、精神障害の保健福祉に関する専門的スキルと技術を持ち合わせ、社会復帰に向け生活問題、社会問題を解決するための相談援助を行う者と位置づけた国家資格でございます。いわば精神保健の専門のソーシャルワーカーとして位置づけられてございます。  先駆的に行っていた練馬区に我々も視察に行きましたが、その中では、やはり従前、保健師の支援は医療につなぐことが多かったんですが、精神保健福祉士を配置したことで、保健、医療、福祉のより包括的な支援ができるということを聞いております。  区におきましても、今後とも、この地区担当保健師と精神保健福祉士等が密に連携を図れる体制を築き、本事業を効果的に展開できるよう努めてまいりたいと思います。 ◆板井斎 委員 時間がなくなってきたので、公衆浴場についてお伺いしますけれども、公衆浴場の数は二十五年度で三十四軒、三十一年二月現在では二十七軒、しかし、うち三軒は休業状態なので実質二十四軒、玉川地域は、公衆浴場が三軒、うち一カ所が休業状態になったことが昨年ありまして、そのときの状態では、玉川地域は玉川通り、二四六以南に銭湯がないという状況になりました。自宅にお風呂のない方にとっては、遠方までバスや電車を乗り継いで行かなければならない深刻な問題です。  世田谷区には、六十五歳以上に支給される高齢者入浴券支給事業があります。区外の銭湯の利用が認められているのは、介護認定を受けている方や障害者手帳を持っている方に限られています。他区の状況を見ると、杉並区、目黒区、渋谷区の隣接する銭湯では、区の高齢者の利用券を使うことができます。しかし、大田区では一切使えません。そこで、大田区の区境に住んでいる方は、遠い区内の浴場で入浴券を使うか、あるいは使わないで近隣の大田区の浴場に行くかを選ばなければなりません。住んでいるところによって受けられるサービスに差が出るということは大きな問題だと思います。銭湯が減少することを考える中で、入浴券をどこでも利用できるように働きかけるべきだと思いますが、見解を伺います。
    ◎尾方 高齢福祉課長 区では、六十五歳以上の方を対象に健康保持や孤独感の解消を目的に、区内の公衆浴場で利用できる入浴券を、原則年間十二枚お配りしております。平成三十一年一月現在、区内の公衆浴場は二十四店で、平成二十一年一月には四十二店だったのが、この十年で半減しまして、入浴券の利用枚数も、平成二十一年度は約三十九万四千枚でしたが、平成二十九年度は二割減の約三十一万六千枚となっております。  入浴券は、区内の公衆浴場での御利用をお願いしておりますが、要介護認定を受けている方、身体障害者手帳、または愛の手帳をお持ちの方などで近くに公衆浴場がなく、御希望を出される方には、杉並区、目黒区、渋谷区の公衆浴場の御了解をいただきまして、それらの区でも利用できるようにしております。  隣接区での利用の拡大につきましては、隣接区の公衆浴場の御了解をいただく必要があるなど課題がございますので、区内の公衆浴場の現状を踏まえて、引き続き公衆浴場の団体と御相談をしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 早急に使えるように努力してください。  それから、公衆浴場を利用する母子家庭から、やはりバスに乗って公衆浴場に行くということで、他区では乳幼児から高校生までの入浴料の無料化、あるいは割引制度があるんですけれども、調べてみると、二十三区中九区以上がそうした対策をとっております。子ども・子育て応援宣言をしている世田谷区においても、この非課税世帯や多子家庭など、こうした割引や無料の制度を導入すべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 今年度実施しました子どもの生活実態調査のヒアリング調査では、経済的状況により、一定期間、入浴ができない子どもの存在や、保護者が仕事に追われ、子どもの養育に十分な時間がとれず、定期的な入浴習慣が身についていない子どもも存在するといった声が支援者より上がっております。  入浴習慣という基礎的な生活にかかわることが十分に保障されていないという状況は、子どもの健全育成の観点から望ましくないことと認識しており、こうした課題に対し、どういった手法が効果的なのか、他自治体の状況も参考にしながら研究してまいります。 ◆板井斎 委員 よろしくお願いします。  最後、一点要望ですけれども、高齢者の熱中症予防については、社協によるエアコンをつけられる制度があるんですけれども、この夏に向けて、民生委員や行政とも連携しながら、そういう制度を周知して、少し……。  以上です。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で、公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時十二分休憩    ──────────────────     午後五時三十分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 私からは最初に、障害者の就労支援に関する質問をさせていただきます。  去年は障害者雇用の水増し問題というのがあったわけですけれども、政府のほうでは二〇一九年末までに約四千人の障害者を採用すると、そういう計画をしましたが、これは早速、その達成期限の延長を検討しているということです。急に数合わせをしようとしても、やはり現実的には無理でしたということだと思うんですが、世田谷区もこの水増しというんですか、誤算定があったということなので、雇用のほうももちろん促進していかれるところと思いますが、そこだけではなく、さまざまな形で障害者の方の就労支援というのを行っていっていただきたいと思います。  こういった観点からの質問をずっとさせていただいていたわけなんですけれども、以前に、障害者の事業所、いわゆる昔の福祉作業所と言いましたけれども、なかなかそこが工賃が安いということがありまして、一カ月行っても一万円、二万円とか、非常に工賃が安いということが現状としてあります。一方で、世田谷区内の障害者作業所の事業所は、今、本当に製品の開発がすばらしくて、おいしいお菓子をたくさんつくっています。そのお菓子の試食会などもやって、私自身ももちろん買い物したり、一生懸命やっているわけなんですけれども、それについて世田谷区でも、もっとお菓子の販促を行って、たくさん売れれば、その分、工賃が上がっていくんじゃないかということで質問をさせていただきましたところ、庁舎内にも今お菓子が売っておりますし、また、喜多見には常設のフェリーチェというアンテナショップもできました。「世田谷みやげ」に選定されたものもございますし、最近目立ったところとしては、ふるさと納税の記念品に、この障害者事業所の製品というのが選ばれています。活用の場が広がっているところですので、ぜひこの売り上げですとか工賃というのも上がったのではないかと期待されますが、近年、どうでしょうか、推移をお聞かせください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区では、施設で働く障害者施設製品の販売を促進するため、お話しにありました福祉ショップ、フェリーチェをオープンいたしまして、売り上げは、平成二十八年度で八百四十二万円、二十九年度には九百四十六万円に上りまして、今年度も前年度売り上げを上回る見込みでございます。また、これもお話しありましたふるさと納税の記念品の発送でございますけれども、今年度は、二月末時点で百十六件ありまして、平成二十九年度の百十八件を超える見通しとなっているほか、また、区内大学のイベントの記念品として大量発注いただくなど、徐々に障害者施設製品の認知度が上がってきていると実感しておるところです。  一方、就労継続支援B型事業所ですと、心身の状態や高齢化などありまして、毎日通所できない方、あるいは通所してもなかなか作業に入れない方がふえております。こういったこともありまして、また、設備のほうが必ずしも整っていないということもありまして、受注量がふやせないということがありまして、平均工賃月額は伸び悩んでいる状況がございます。  区といたしましては、今後も福祉ショップのフェリーチェに限らず、図書館等の常設販売コーナーや民間店舗での障害者施設製品の販売促進を図るとともに、区内施設の経営ネットワークによる共同受注の仕組みや作業設備整備等の補助などを活用しながら、施設製品の周知拡大及び工賃向上に一層取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 今、御答弁ありましたけれども、売り上げのほうはやはり伸びている、売れているということですが、工賃は伸び悩んでいるということなんですね。もちろん無理をして、ぐあい悪くなって仕事をしてくださいということではなくて、ただ設備がよくないから生産が追いつかない、せっかく注文が入っているのに、そのチャンスを逃しているというのは本当にもったいない話ですので、ぜひその設備の支援などをして、この売り上げに、せっかくなので工賃の伸びにつながるように進めていっていただきたいと思います。  さらに、先日、たまたま企画総務領域の質問で、他会派の方ですけれども、働き方改革の一環で、区のいろんな事務作業をシステム化していく、自動化していくというような取り組みをやってはどうかというのがありましたが、その中で、区のいろいろな事務作業を分析している中で、データ入力とかのお仕事もあるということでした。  私も、区内の障害者のいろんな就労移行とかA型とか事業所の方々にお話を伺っていますと、データ入力とかパソコン関連の仕事を受託しているところは幾つかありまして、これは障害者の方々もスキルアップのためにパソコンのお仕事をしたいという方がたくさんいらっしゃって、私にも仕事ありませんかというふうに言われたりしています。ですので、こうしたRPAとかで自動化するまでもないかなといったようなすき間的なお仕事、細かいデータ入力とか、こういうのをぜひそうした障害者の事業所に発注してはどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区では、障害者優先調達推進法に基づきまして、平成二十五年度から世田谷区障害者優先調達推進方針を定め、予算の適正な利用に留意しつつ、優先的に障害者就労支援施設等から物品等の調達に努めておりまして、封筒の印刷ですとか通知書の封入、封緘、公園清掃などがその実績として挙げられます。  一方、職員の働き方改革に向けた取り組みとして、区でもAIやRPA等を活用した業務改善の検討を積極的に進めるということにしておりますけれども、検討対象となるような業務の中には、委員おっしゃるとおり、障害者施設でICTを活用して請け負える業務の可能性も考えられるところです。  例えば、区内の就労継続支援A型事業所では、アンケート結果の入力集計ですとか議事録作成、描画ソフトを活用したチラシ、ポスター制作ですとか、CAD等の作図ソフトを使った設計図の作成、ウエブページの管理など、こういった業務を民間企業から請け負っております。今後は、障害者優先調達推進方針の周知に当たりまして、区内障害者施設で請け負える業務を整理した上で、具体的に庁内各課に示してまいります。また、政策経営部や総務部とも連携しまして、区の働き方改革の取り組みの中で、障害者が担える業務について意見具申を行いながら、各施設の業務拡大も支援するなど積極的にマッチングを図りまして、障害者施設への発注促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 今御答弁にありましたとおり、結構、障害のある方々もスキルを持っている方はたくさんいらっしゃいますし、実際、お仕事があればもうちょっと働きたいんだけれども、仕事がないから、みんなでシェアして雇用調整というんですか、そういうような現場もあるというふうに伺っています。A型だと二カ所しかないですけれども、就労移行とかでもパソコンのお仕事をやっていますから、ぜひ福祉事業所の現況をヒアリングしていただいて、お仕事、また障害者の方々の工賃とかにつなげていっていただけたらというふうに要望いたします。  次に、本日、青空委員からも質問がありましたけれども、認知症の方の介護、本当に深刻、いっそ締め殺してしまって自殺したいと、そうしたつらいお声というのをお聞きしたということがありました。その中で家族に対する支援はないのかと切実な声がありましたけれども、私、これはもう本当に、平成十九年、十年以上前に取り上げております家族介護支援事業というのが世田谷区の介護保険のメニューの中であるんですけれども、そこで家族介護慰労金といいまして、介護保険の財源の一部とまた区のお金を使いまして、年間十万円、家族介護している方に支給をするというものがあるんですね。  当時の私の議事録でも取り上げて書いてあるんですけれども、こうした事業がありますが、約二六%の執行率だったと決算で聞いたんですけれども、年間数人しか利用している人がいないと。本当に困っている方にとって、この年間十万円というのはスズメの涙かとは思うんですけれども、どういうあれかといいますと、この家族介護慰労金というのを受給するには、要介護四か五で、一年間、介護保険サービスを全く利用していない、あと入院もしていない、住民税非課税、そもそも対象となる人がほとんどいない。そういうことなので、要件を緩和して家族介護、認知症の介護で困っている方がもう少し幅広く活用できるようにしたらいいんじゃないかという質問をさせていただいていたんですけれども、そのときは、にべもなく、そういうことは介護保険サービスを利用していただくのが望ましいといったお返事でした。それからもう十数年たっていますけれども、その利用に関しては、今どのような状況でしょうか。 ◎杉中 介護保険課長 家族介護慰労金は、介護保険の要介護認定で要介護四または五の認定を受け、一年間、介護保険サービスを利用せず、かつ、通算九十日間以上の入院をしていない方を介護している御家族等に、介護の慰労と居宅生活継続をお手伝いするため、年十万円を支給しているものです。過去三年間の支給実績は、平成二十九年度が八件、二十八年度が九件、二十七年度は二件と少ない状況ですが、申請をいただいた方については、その御自宅に区職員が訪問し、生活上の困り事がないか等、実態の把握に努めております。  実をいいますと、この家族介護慰労金につきましては、国の実施要綱が改正されることに伴い、平成三十一年度から要件が緩和され、サービスの利用要件については、住宅改修や福祉用具は可とし、要介護度については、要介護三以上、もしくは要介護二で、かつ認知症高齢者の日常生活自立支援度がⅡ以上の方が対象となります。対象要件の変更もございますので、改めて家族介護慰労金につきまして、「区のおしらせ」やホームページ、高齢・介護応援アプリ等での周知に努め、安心して在宅生活が継続できるよう取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 これまで年数件の方がこの事業を利用する際には、訪問をして状況を聞いていたと、それはそうすべきだと思います。要介護四、五で全然サービスも利用していなくて、家族で本当に抱え込んで困っていると思いますので、それはぜひそうすべきなんですけれども、今回、国の実施要綱で、平成三十一年度から急に要介護三以上で認知症のある方というふうに広がったんですが、実施要綱でというのは具体的にはどういうことだったんですか。 ◎杉中 介護保険課長 この家族介護慰労金は、先ほど委員もおっしゃったとおり、介護保険制度の地域支援事業に位置づけられております。国の地域支援事業実施要綱では、本事業の対象要件を、介護サービスを受けていない中重度の要介護者としており、表現が明確になっていないため、会計検査院が全国の自治体に対して検査を行った際、自治体間により解釈の差がありまして、対象にしてはいけない人を対象にしていたという事例があったということでございます。これを踏まえまして、会計検査院が厚生労働省に対して、対象要件について実施要綱上で明確化し、市町村に周知するよう改善要求がありました。それに基づきまして、平成三十年十一月に厚生労働省より実施要綱に記載してある介護サービスを受けていないこと、中重度の要介護者の具体的な取り扱いについて改めて考え方を整理した上で明確に示されたことを受けて、区においても平成三十一年度から取り扱いを適用することとなりました。 ◆中塚さちよ 委員 実のところ、これまで私は議会で本当に困っている高齢者の方や家族の声を受けて、家族介護の支援をしてほしいということを言ってきたし、他会派からも、そういう要望はたくさん出ていたんですけれども、区としては、国の会計検査院に言われたからやると、区民の声でやるというわけではないと、本当に残念な話だと思っております。それ以外にも、介護人材の待遇改善に関しても、必ず私は現場の人たちが励みになるように、区も自分の身銭を切って報酬を上げるような、何かそこにつながるようなことをやってはどうかと言っても、介護報酬を上げるのは国の仕事とか、いつもそういう形で、なかなか声が届かないというのか、区が独自に本当に積極的にやっていこうという姿勢が薄いのではないかというふうに感じております。今回、会計検査院の指導があって少し要件が広がるということですけれども、区としても、こういった問題に尽力していただきますよう、要望いたします。  最後に、もう一点だけ質問させていただきます。  これは、私が前回、昨年の議会で取り上げました介護の従事者のハラスメントの問題があったわけですけれども、区のほうでこれは調査を行っていただきまして、介護事業所におけるハラスメント調査の結果というのが出てまいりました。実際、働いている人が利用者さんや家族からのパワハラやセクハラに遭ったという事業所に相談があったのが二五・九%ということで、これは職場に相談があったのが二五・九%ですから、まだまだ埋もれている声がたくさんあるんじゃないかというふうに思います。また、その中ですごくパワハラ、セクハラが深刻で、サービスを続けること自体が困難になると言われているケースも一割あったということです。  そうした中で、いろんな対策をぜひこの調査をもとに検討していっていただきたいんですけれども、そうした中で、現場の声として、利用者さんや家族への啓発のためにパンフレットを作成してほしいといったのが上がっておりました。確かにヘルパーの仲間なんかに聞きますと、いまだに介護保険制度の理解が薄くて、お手伝いさん同様の扱いを受けているといった声もよく聞きます。ぜひ役所のほうから、こういった事例は、利用者や家族のハラスメント、パワハラとかセクハラに該当しますよといったようなわかりやすいパンフレットをつくっていただければ、必ずサービスの契約、ケアマネジャーとかが契約に行くときに、利用者さんにそれを説明して、こういうのはハラスメントに該当しますので、お気をつけくださいという説明もできますし、ケアプラン更新の際とか、担当者会議の際とか、折を見て、そういうのが起こってくると、そういうのをどんどん説明していくことができますので、ぜひパンフレットを作成して、事業者に配布していただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎杉中 介護保険課長 区では、介護事業所におけるハラスメントに関する実態調査を平成三十年九月末から十月中旬にかけて、ケアマネ事業所等七百六十二事業所を対象に実施いたしました。実際に回答していただいた三百の事業所のうち、ハラスメント行為を受けたと回答した事業者は全体の二五・九%、約四分一ございました。  雇用主である事業所管理者は、従事者の生命、身体等の安全に配慮する義務を負っており、また、事業者は利用者との契約に基づいてサービスを提供していることから、従事者へのハラスメント行為に対して、管理者は利用者、家族に対し、サービス提供上の注意点などを丁寧に説明する必要があります。  一方、利用者、家族にサービス利用上の注意点を周知することは、区の役割の一つでもあります。働きやすい職場環境を整えるため、介護保険の利用者、家族に対して介護保険を適切に利用していただくためのパンフレット作成については、ハラスメントへの対応策として検討してまいりたいというふうに考えています。 ◆中塚さちよ 委員 本当にこの問題は結構根深くて、私も現場の方々との勉強会に行きますと、働いている人はパワハラ、セクハラで困っているのに、上のほうの人に相談しても、いや、会社の経営のためで、お客さん減ると困りますから我慢して行ってくださいなんて言われるというケースも時々聞いています。なので、そういったことが起こらないように、そうしたパンフレットがあれば、少しは未然に防止につながるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。  風間委員と交代いたします。 ◆風間ゆたか 委員 まず、保育園の問題から伺います。  この時期に寄せられる相談というのは、まだ決まっていないんですという相談ももちろんありますけれども、一方で、もう認可外に行こうと思っていたんですけれども、二次が終わった後に認可の案内が来ましたという相談ですとか、一方で、まだ認可外と迷っていてということで、どっちか辞退しないとなんですという、どっちがいいですかねという相談があったりとかということで、三月に入っても、例年、認可保育園の選考に関しては動きがあるという状況かと思います。  一方で、先ほどの答弁の内容からすると、昨年よりもかなり多くの待機者がまだいるということですから、やはり待機児童数はふえてしまうのかなという懸念はあるわけですけれども、まだ辞退されてもいない人たちがいるということなどの話を聞いていると、実際問題として、まだまだ決まっていない、今、確定していない認可の枠というのが多少あるのかなと感じたんですけれども、そのあたり、どうなんでしょう。 ◎有馬 保育認定・調整課長 平成三十一年四月の入園選考ですが、二次選考の結果、内定に至らなかった方も前年度に比べて約二百四十名ふえているというのは、先ほどから答弁しているとおりです。  一方、内定後に辞退される方が、昨年度と同様、一次選考、二次選考合わせて延べ五百名を超えていることから、内定を得られなかった方々への影響も見過ごせない状況となっております。現在の認可保育園の空き状況ですが、三歳児については、先ほど来申し上げている前年度よりも約百名少ない三十名程度と、空き数は少ないんですが、一方で、ゼロ歳児は六十一名分、一歳児は二十四名分、二歳児は四十六名分と前年度よりも若干空き数がふえている状況でございます。預け先が決まっていない保護者も多くいらっしゃいますので、引き続き御案内を継続してまいりたいと思います。  なお、待機児童数は最終的に五月に確定するんですが、内定後の辞退数が多いということが保育ニーズの把握をより難しくしている要因の一つとなっております。 ◆風間ゆたか 委員 まだ認可に入れる可能性がそれだけあるということは、決まっていない方たちにとっては少しは望みになるのかなというふうに感じますので、やはりまだ迷われている方には早目に決断をしていただくというようなアプローチも必要なのかもしれませんね。実際に、一次で六千五百人ぐらいですか、二次でまたさらに何人かふえてというところでの五百人辞退があったというのは、やはりかなり大きな割合だと思うんですね。  一方で、育休延長をしたいがために、世田谷区の場合は、特段、育休延長を希望している方がチェックを入れる項目もないということから普通に選考されてしまって内定を出してしまうという状況かと思います。これに対して、やっぱり辞退も目的としているのであれば、最初から一次で内定が出るような仕組みはどうなんだという声は私もたくさんいただくわけですね。本会議の中ではちょっと難しいような答弁がありましたけれども、引き続き国の動向を探っていくというお話でしたから、このあたりは進展ないんでしょうか。 ◎有馬 保育認定・調整課長 これまでも御質問いただいておりますが、育児休業の延長の手続に必要な待機通知の取得が目的と思われる方が平成二十九年度は年間百九十名程度、二十九年度に育児休業法を改正されていますので、もしかしたら今ではもっとふえているかもしれません。今般、厚生労働省から通知が出されまして、希望する保育園に入園できない場合には、育児休業を延長できることを申し込み時に確認できた場合には、入園選考の指数を減点し、入園選考の順位を下げることが各自治体の選択により実施することになりました。  区としましては、先ほど申し上げたとおり、辞退者が多いこともありますので、入園内定後の辞退者を少しでも減らし、真に保育を必要とする方が入園できるよう、二〇二〇年四月の入園選考に向けて制度の見直しを進めてまいります。 ◆風間ゆたか 委員 進みましたね。これで本当に必要としている人たちに一次で内定が出る数がふえることになると思いますので、ぜひ取り組んでください。  同時に、このタイミングでまだ迷われている方がいて、三月の末のほうになって認可の連絡をもらっても、もうお金を認証等に払い込んじゃっているから認可は決断できないというような話もありますので、あわせて、来年に向けては、もう少し早く辞退を促すような取り組みも検討してもらえればと思います。  もう一つ、私が質問をしますのは、ほかの会派からもかなり意見がありましたけれども、国の動きもあって、しつけと称する体罰が法制化される見込みだということになってきましたね。保護者による虐待事案というのは、一つは、しつけと称して虐待をしている、体罰をしているというケースがかなりあったかと思います。これはしつけを推進してきた政党もあるとは思いますので、そのしつけの捉え方に関しては、しつけという言葉の定義に関しては、世田谷区も子どもの権利条約に書いてあることを私はもっと広報していくべきだという話をしましたけれども、そのところは、今後、法制化に伴って、きちんと世田谷区は広報をしていく必要があると思います。  もう一つ、子どもの虐待事案というところで気になっているのが、やはり乳児期の子ども、赤ちゃんに対する体罰なのかと思います。これは母子保健の領域になるとは思いますけれども、なかなか産後の精神的な状態で、お母さんが不安定になってしまうというところでの悲しい事件というのもありました。  これに対して、さんさんサポートというのは非常に有効だと私は思っていましたけれども、これが特化されていってしまうことに一つ懸念があったわけですね。ただ、乳児期訪問もあるということでしたから、まさに母子保健の領域において、子どもの権利条約を保護者に事前からかなり知ってもらうような取り組みが必要であろうということから、代表質問でも少し触れましたけれども、もう少し具体的に求めていきたいと思いますが、まず、一番最初はネウボラ面談のときがチャンスだと思います。ネウボラ面談のときに、きちんと子どもの権利条約のことを保護者に知ってもらうという取り組みが必要である。その次は、お父さんになる人も参加している両親学級、ここできちんと知ってもらって、両親学級に来る人たちに対して、両親にその子どもは守られている状態ですから、守られるべき存在ですから、もしうっかり手を上げるようなことがあってしまった場合には、いつでも世田谷区に相談してくださいというような寄り添った姿勢、こういうものもきちんと伝えていく必要があると思います。  もう一つは、乳児期の訪問ですか、このタイミングで、実際にもう子どもを産んだ後ですから、このときに、いつでも世田谷区は寄り添っているのでということで、子どもを第一に考えてあげてくださいというようなことをきちんと伝えていく必要があると思いますけれども、このあたりに関して世田谷区はどのように取り組んでいくか教えてください。 ◎鵜飼 健康推進課長 子どもの基本的な人権を守ることへの理解を深めるため、まず、来年度の母子健康手帳から、児童の権利に関する条約の考え方等を改めて掲載するほか、子どもの十八歳までの成長、健康の記録ができる子ども手帳の様式を導入いたします。  妊娠期面接では、専門職が妊婦に寄り添い、さまざまな不安や疑問に答えつつ、出産、育児、孤立感の抑制や安心感の醸成に努めております。その際には、必ず母子健康手帳についても丁寧に説明しておりますが、来年度以降は、新たに掲載いたします児童の権利に関する条約についてもあわせて御説明いたします。  また、研修の機会などで母子保健に携わる職員の理解を深めるとともに、両親学級や出産直後の家庭を訪問指導員が訪ねる乳児家庭訪問の機会を通じ、周知を行うため、この児童の権利に関する条約に関するPRのチラシの配布、またポスターの掲示など、関係所管と協議してまいります。  今後もこれら世田谷版ネウボラの取り組みを通じ、区は妊婦や子育ての家庭と信頼関係を築き、寄り添いながら、この権利条約の周知にも取り組み、妊娠期からの切れ目ない支援のより一層の充実に努めてまいります。 ◆風間ゆたか 委員 しっかりと取り組んでください。  羽田委員にかわります。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは、生活困窮者支援の現状と課題について、まず最初にお聞きしたいと思います。  子どもの生活実態調査速報版ですね。これはこの間、引き合いにされていますが、支援を必要とする家庭ほど必要な支援につながっていないという、そういう現状が伝えられているかと思います。  支援が必要な方に必ずしも支援が行き届かないという状況が指摘される中で、改めて個々人の状況に見合った支援を行っていく必要がある。そこで、生活保護の支援の関係なんですが、その支援が必要な方が必要な支援にたどり着くような対応をこの間、区はどのように取り組んできたのかをまずお聞きしておきたいと思います。 ◎山本 生活福祉担当課長 生活保護の申請は各総合支所生活支援課で受けており、支援を必要とする区民の方々をいかに区の福祉の相談につなげ、必要なサービスを提供していくかが重要と考えております。  区では、身近な福祉の相談窓口において、日常生活に困窮する方のお話についても丁寧に伺っており、実際には、こうした相談窓口や生活困窮者自立相談支援センターぷらっとホーム世田谷、医療機関、福祉施設からの相談、民生児童委員からの相談により生活保護受給につながる例が多くございます。  今後とも、関係する方々への研修実施や、お配りしているリーフレットを区民の目線に立ってわかりやすく工夫するなど、民生児童委員や関係機関とも連携しつつ、生活保護がより身近な制度となるよう努めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 制度にたどり着くように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  先ほど自民の阿久津委員からも指摘がありました。質問もされておりましたけれども、最近発生した事件の一つに、児童養護施設の施設長がその施設を退所した若者から刺殺されるという事件がありました。加害者は退所後、仕事がなかなかうまくいかない、生活に困窮をしていたということが報告をされていたわけですが、生活困窮者の中には、社会から孤立をし、仕事になかなかなじめないなどの課題を抱えている方も多いかと思います。こうした方々への支援はある意味では就労一辺倒、これではなかなか支援が行き届かないと私は思っています。その点について、区の対応を伺っておきます。 ◎山本 生活福祉担当課長 ぷらっとホーム世田谷で支援をしている方々は社会的に孤立していることが多く、社会とのつながりを取り戻すような支援を必要としております。このため、商店街等での催し物でのボランティア体験や、区内の農家の方に御協力いただいた農作業体験などの共同作業を通じて、人とのかかわりを結び直していただくところから支援を始めております。  今年度は、布草履づくりの体験教室を開催し、延べ二十五名の方が参加いたしました。その中で関心を持った十一名の参加者の方には、引き続きサークル活動で技術を磨いていただき、最終的には布草履の販売によって現金収入を得られるところまで継続してステップアップできるような取り組みを始めました。  こうした取り組みを通じて、ゆっくりとではありますが、社会参加、就労につながっている方も出てきております。今後とも、こうした取り組みを通じて、一人でも多くの方が社会的な孤立から抜け出すことができるよう支援を続けてまいります。 ◆羽田圭二 委員 区は国の法改正のもとで生活保護世帯の自立を支援するという制度を活用した対応をしてきたかと思いますが、被保護者就労支援事業によって就労に向けた取り組みを強めてきたと言えるかと思います。ところが、ことし二月に報告がありました就労支援実績の平成二十九年度分を見ますと、支援件数五百八十六件に対して、実際の就労件数は約半数の三百三十件、さらに、その後、生活保護から脱却した数は二十五件という状況になっているわけですね。この点はどのように分析をしているのかをお聞きしておきたいと思います。 ◎山本 生活福祉担当課長 区では、生活保護受給者のうち、就労できない理由がない方については、生活支援課の就労支援専門員や自立相談支援機関のぷらっとホーム世田谷において就労に向けた支援を行っております。  平成二十九年度に支援を受けて就労された方のうち、先ほどお話もありましたが、パート、アルバイト就労の方が二百十五人であるのに比べ、正社員就労の方が四十一人、契約派遣社員就労等の方が二十三人にとどまっております。  生活保護からの脱却が見込める正社員就労の方が少ない理由としましては、生活保護受給者の方には離職後のブランクの長い方や就労経験の少ない方が多く、最初から長期、フルタイムの就労をすることが難しいためと考えております。こうしたことから、就労後も安定して仕事を継続することを目標に、平成三十年度は一月末時点で百三十四人を対象に職場定着の支援を行い、七三・三%の方が三カ月後も就労定着をしております。また、途中で離職してしまった方に対しても、個々の状況に応じまして、継続して就労支援を行っております。 ◆羽田圭二 委員 今、お話もありましたけれども、就職してもパートやアルバイト、それから派遣とか契約社員などの非正規雇用労働が非常に多いということで、十分な所得が得られないまま生活保護から脱却できないという、そういう側面も十分認識した今後の対応が必要だと思っています。  生活困窮者支援では、生活保護を受けるか、受けないかの二者択一ではなくて、生活保護に入る手前の支援、この必要性が問われてきたかと思います。生活保護という最後のセーフティーネットからその手前の支援の拡充、よく言われましたように、雇用の場に戻れる社会復帰ができるみたいな、そういうことでトランポリンということが言われていましたが、そういうような支援の必要性を改めて指摘しておきたいと思います。  次に、これもきょうは随分出されましたけれども、介護者支援についてお聞きをしていきたいと思います。  在宅で家族介護をしている人たちへの支援は、切実な課題となっているということが言われたかと思います。高齢者のみ世帯の増加の中で、一つは老老介護の実態にあるかと思います。  最近伺った話ですが、在宅で妻の介護をしているという方からは、ショートステイなどの対応もできるだろうけれども、なかなか旅行に行くとか、そういうことについてはちゅうちょしてしまうというお話がありました。また、夫の介護については、十年以上介護を行っているという方ですが、デイホームを活用しながら、できるだけ自分が自由に使える時間をつくって交流の場に出かけている、そういうお話もありました。  そうした中で、自宅で高齢者を介護している家族を的確なサービスにつなげていく、このことが必要だということなんですが、家族介護者の孤立を防ぐために、支援策の情報を伝えていくことなども含めて、この間の区の対応について伺っておきたいと思います。 ◎尾方 高齢福祉課長 区では、介護が必要な方が在宅生活を継続できるように、あんしんすこやかセンターや保健福祉課で介護に関する困り事の御相談に応じており、介護保険の利用案内を行い、ケアマネジャーにより自立支援に向け適切なサービス利用につないでおります。  また、介護負担の軽減や介護者の自由時間の確保のため、ショートステイやデイサービスなどをケアプランに位置づけることが有効です。区のケアマネジャー向け研修で、本人の自立支援に加え、介護者支援の視点も重視し、必要なサービスをしっかり導入できるよう支援すること、また、サービスが計画どおりに実行できているか、本人、家族が満足しているか、生活状況は改善しているかなどをモニタリングし、ケアプランを見直すことも指導しております。  また、介護者のレスパイトケアにしっかり取り組めるよう、区ではショートステイや地域密着型サービスなど在宅生活を支える基盤整備も進めております。また、在宅生活に生かせるよう、介護技術や知識を学べる家族介護教室を特養ホームで行うほか、介護家族が交流し、情報交換する場として、介護者の会、家族会の紹介なども行っております。  必要な情報が必要な方に届くよう、ケアマネジャーなどを通した情報提供に加え、シルバー情報を全戸配布するとともに、ホームページや「区のおしらせ」、高齢・介護応援アプリ、事業案内のチラシなどにより丁寧な情報提供を行い、必要なサービスを利用することにより、家族介護者が孤立することなく、自分らしい生活を送れるよう、今後とも取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 先ほど青空委員からもお話がありましたけれども、家族介護者の孤立を防ぐ、日ごろの介護の苦労、そういう負担などの解消に向けて介護者同士の交流が非常に大事だというふうに言われていたかと思いますけれども、特に認知症高齢者の在宅支援の課題ですが、家族にとっては、認知症への理解だとか対応だとか、そして日ごろの介護のあり方、この点が非常に大変なところだと思います。よりきめ細やかな家族への支援が必要になっていると考えますが、改めてこの点について、区の対応を伺っておきます。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症の症状は、原因となる疾患や御本人の状況によって症状の出方が異なるため、御家族の介護負担や心理的負担感が大きく、在宅生活継続のためにも御家族の支援は大変重要であると認識しております。  区では、介護家族の負担軽減につながるよう、認知症の正しい知識や基本的な対応、在宅介護のコツなどを学ぶ認知症サポーター養成講座を実施するほか、早目の相談により適切なサービスにつなげられるよう、二十七カ所のあんしんすこやかセンターにもの忘れ相談窓口を設置しております。  また、御本人の早期支援や重度化防止、御家族の介護負担軽減を目的として、看護師や医師等の専門職が六カ月間集中的に訪問し、適切な医療や介護サービス等の導入、御家族への助言等を行う認知症初期集中支援チーム事業も実施しております。  さらに、適切な介護サービスの利用とあわせ、介護者の自由時間を確保するレスパイトケアなど家族支援の視点をケアプランに位置づけるよう、ケアマネジャーに指導するとともに、介護家族の心理的負担感を軽減する家族のためのストレスケア講座や、ピアグループとしての家族会、認知症カフェへの参加などをお勧めしております。  今後も認知症の御本人と御家族のケアが適切で安定的に提供されるよう支援し、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ◆羽田圭二 委員 今回、総括質疑では、全世代型社会保障について伺ったわけですが、この点では、子育てから介護まで全世代にわたって支援が必要な方への支援をしっかりつなげていくという、そういう役割が区にあると思います。引き続き、あらゆる分野で、その点を強めていただくことをお願いをいたしまして、世田谷立憲民主党・社民党区議団の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で、世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。
        ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十分散会...