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  1. 世田谷区議会 2019-03-06
    平成31年  3月 予算特別委員会-03月06日-02号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成31年  3月 予算特別委員会-03月06日-02号平成31年 3月 予算特別委員会 平成三十一年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第二号 日 時  平成三十一年三月六日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  安部ひろゆき 副委員長 津上仁志 副委員長 そのべせいや      阿久津 皇      石川ナオミ      石川征男      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      上山なおのり      河野俊弘      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき
         山口ひろひさ      山内 彰      ゆさ吉宏      和田ひでとし      板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      平塚敬二      福田妙美      諸星養一      風間ゆたか      中塚さちよ      中村公太朗      羽田圭二      藤井まな      江口じゅん子      桜井 稔      たかじょう訓子      中里光夫      村田義則      大庭正明      田中優子      桃野よしふみ      小泉たま子      佐藤美樹      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      すがややすこ      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 菊島 進  出席説明員   区長            保坂展人   副区長           宮崎健二   副区長           岡田 篤   世田谷総合支所 総合支所長 平澤道男           保健福祉センター所長                 皆川健一   北沢総合支所  総合支所長 髙木加津子           保健福祉センター所長                 木本義彦   玉川総合支所  総合支所長 岩元浩一           保健福祉センター所長                 山田 実   砧総合支所   総合支所長 澤谷 昇           保健福祉センター所長                 若林一夫   烏山総合支所  総合支所長 西澤 滋           保健福祉センター所長                 清水昭夫   政策経営部   部長    岩本 康           財政制度担当参事                 松永 仁   総務部     部長    中村哲也           総務課長  菅井英樹   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                 松村浩之   危機管理室   室長    工藤 誠   財務部     部長    進藤達夫   施設営繕担当部 部長    松村浩之   生活文化部   部長    田中文子   地域行政部   部長    志賀毅一   スポーツ推進部 部長    内田政夫   環境政策部   部長    畝目晴彦   経済産業部   部長    久末佳枝   清掃・リサイクル部           部長    原田茂実   保健福祉部   部長    板谷雅光   障害福祉担当部 部長    松本公平   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                 板谷雅光   高齢福祉部   部長    瓜生律子   子ども・若者部 部長    澁田景子   保育担当部   部長    知久孝之   世田谷保健所  所長    辻 佳織   都市整備政策部 部長    渡辺正男   防災街づくり担当部           部長    関根義和   みどり33推進担当部           部長    笠原 聡   道路・交通政策部           部長    小山英俊   土木部     部長    五十嵐慎一           豪雨対策推進担当参事                 桐山孝義   会計室     会計管理者 菊池弘明   教育長           堀 恵子   教育委員会事務局           教育次長  淺野 康   教育政策部   部長    工藤郁淳   生涯学習部   部長    花房千里   選挙管理委員会事務局           局長    鈴木孝之
      監査事務局   局長    山本茂孝     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成三十一年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成三十一年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成三十一年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成三十一年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成三十一年度世田谷区学校給食費会計予算 (総括説明、総括質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 本日から、当委員会に付託されております平成三十一年度予算五件の審査を行うわけでありますが、さきに決定しております運営方針に基づき委員会を運営してまいりますので、委員並びに理事者の皆様の御協力のほどよろしくお願いいたします。  さて、本日は、まず区長より挨拶をしていただき、引き続き政策経営部長より総括的な説明を受けた後、各会派の質疑に入ります。  それでは、区長の挨拶をお願いいたします。 ◎保坂 区長 おはようございます。予算特別委員会の開会に当たり御挨拶を申し上げます。  平成三十一年度予算は、区民生活に寄り添い、暮らしの基盤を築く取り組みを区民の参加と協働でより一層進める子どもが輝く参加と協働の予算として編成を進めました。  具体的には、保育待機児対策を初めとして子育て支援の充実、地域包括ケアシステムの推進、区立児童相談所の開設準備、東京二〇二〇大会に向けての機運醸成など、新たな課題への対応を最優先に取り組みながら、事業手法の改善など、行政経営改革の取り組みも進めています。  また、参加と協働を区民とともに進めるためには、九十万区民の日々の暮らしの足元の身近な地域コミュニティーの取り組みを大切にしています。  詳細については、この後、政策経営部長より説明させていただきますが、委員会審議の中で委員の皆様からいただく御意見、御指摘、御提案につきましては、今後の区政運営に生かしてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  本日より長期間にわたる委員会になりますが、委員の皆様におかれましては、体調に御留意いただきながら御審議いただくようお願い申し上げ、区長からの挨拶といたします。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  次に、政策経営部長より説明をお願いいたします。 ◎岩本 政策経営部長 それでは、平成三十一年度世田谷区各会計予算案五件につきまして御説明申し上げます。なお、予算書及び説明書につきましては、平成三十一年度世田谷区予算・同説明書と平成三十一年度世田谷区予算説明書(別冊)の二分冊となっておりますので、御確認ください。  まず、厚いほうの冊子、平成三十一年度世田谷区予算・同説明書に基づき御説明をさせていただきます。  初めに、予算編成の概要について御説明をいたします。五一ページの予算編成の基本的考え方をお開きください。  平成三十一年度の我が国の経済見通しと経済財政運営については、本年十月に消費税率の引き上げが予定されている中、臨時・特別の措置を講ずるなど、各種政策により、内需を中心とした景気回復が見込まれます。一方で、実質賃金や個人消費は伸び悩んでおり、通商問題も含む海外経済の流動性、不確実性や金融資本市場の変動の影響等、今後の経済動向を引き続き注視していく必要があります。  平成三十一年度における世田谷区の財政見通しといたしましては、特別区税はふるさと納税の影響による著しい減収が見込まれつつも、納税者数の増加等を踏まえまして、一定の増収を見込んでおります。  また、特別区交付金は、財源である固定資産税・市町村民税法人分の増などを見込み、前年度比で増額と見込んでおります。  このような状況において、区は基本構想に掲げる九つのビジョンの実現に向け、施策を推進するとともに、私立保育園運営費社会保障関連経費の増加、本庁舎や梅ヶ丘拠点施設の整備、学校など老朽化した公共施設の改築・改修経費などの財政需要に的確に対応する必要があります。  一方で、財政見通しとしては、特別区税は一定の増収が期待できる一方、ふるさと納税による減収拡大や平成三十年度からの地方消費税の算出方法の見直し、消費税率一〇%引き上げにあわせた地方法人税の国税化の拡大による減収に加え、幼児教育無償化に伴う財政負担の増加など、今後の行政サービスへの影響が危惧され、区財政は予断を許さない状況にあります。  これらを踏まえまして、平成三十一年度当初予算編成に当たりましては、より効果的な施策の実現に努めることを基本とし、施策の優先順位を見きわめながら、事業の改善に取り組みました。  その上で、平成三十一年度当初予算につきましては、新たにスタートした新実施計画(後期)を確実に展開し、基本計画に掲げる重点政策を一層加速させることを目指しました。そのため、区民生活に寄り添い、暮らしの基盤を築く取り組みを区民の参加と協働でより一層進める子どもが輝く参加と協働の予算として編成をいたしました。  次に、五二ページをお開きください。当初予算の概要について御説明いたします。  歳入予算につきましては、特別区税は、納税者数の増加等により増収としていますが、ふるさと納税の影響による減収は約五十三億円に拡大する見込みであり、区財政に大きな影響を与えております。こうした中、特定目的基金や特別区債の計画的な活用を図りながら、重点課題に確実に対応してまいります。  歳出予算につきましては、事業手法の改善など不断の行政経営改革に取り組み、より効果的な施策の実現に努めることを基本といたしました。その上で、基本計画に掲げる重点政策を一層加速させることを目指し、六つの分野に重点的に予算を配分いたしました。  また、本年十月から実施が予定されている幼児教育無償化への対応や国によるプレミアム付商品券の発行については、制度の詳細が未定であることなどから、当初予算において必要経費を計上せず、平成三十一年度中の補正予算により対応してまいります。  五三ページをごらんください。今後の課題(目標)でございます。  国の経済見通しや地方法人課税のさらなる偏在是正措置による特別区交付金への影響など、さらには区の財政需要は今後も大きく増加することが見込まれることなどを踏まえ、今後の財政需要や景気変動に耐え得るように行政経営改革を進め、持続可能で強固な財政基盤を確立するため、以下の十一項目の課題と目標を立てております。  続いて、五四ページをお開きください。各会計当初予算規模でございます。  一般会計でございますが、梅ヶ丘拠点整備費や道路用地取得費の増などにより、三千百九十三億八百万円、前年度比で五・八%、百七十四億二千八百万円の増となっております。  特別会計でございますが、国民健康保険事業会計は、被保険者数の減少による保険給付費などの減により、八百二十三億三千万円、前年度比でマイナス二・五%、二十一億六百万円の減となっております。  後期高齢者医療会計は、被保険者数の増加による保険料等負担金などの増により、二百十三億二千六百万円、前年度比で三%、六億一千五百万円の増となっております。  介護保険事業会計は、サービス受給者数の増加等による居宅介護サービス給付費などの増により、七百二十四億二千五百万円、前年度比で五・二%、三十五億五千七百万円の増となっております。  学校給食費会計は、配食人数の増により、二十九億八千万円、前年度比で四・一%、一億一千六百万円の増となっております。  これら一般会計、特別会計を合計いたしますと、四千九百八十三億七千万円、前年度比較で四・一%、百九十六億九百万円の増となっております。  続きまして、各会計の概要について御説明をいたします。  初めに、一般会計について御説明をいたします。  五八ページをお開きください。平成三十一年度当初予算総括といたしまして、三十一年度の財政計画をお示ししております。  右側、五九ページの第一表、平成三十一年度当初財政計画(一般会計)に基づき御説明をいたします。年間収入見込額欄をごらんください。  一般財源のうち特別区民税は、ふるさと納税の拡大による減収を見込みつつも、納税者数の増加等を踏まえ、千百九十七億三千三百万円、前年度比較で二・九%の増となっております。  特別区交付金は、財源である固定資産税・市町村民税法人分の増や基準財政需要額の増加等を踏まえ、五百三十八億三千八百万円、前年度比較で一二・一%の増となっております。  配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金等は、東京都の予算状況からそれぞれ増額を見込んでおります。  また、自動車取得税交付金は消費税率一〇%段階において廃止となることから減額としております。  なお、新たに環境性能割交付金が創設されることとなったため、一億二千百万円の歳入を見込んでおります。  繰越金は、二十九年度における決算実績等を踏まえ、三十億円を見込んでおります。  その他につきましては、財政調整基金からの繰り入れを行わないことなどから、四十億一千四百万円、前年度比較でマイナス一五・四%の減となっております。これらにより、一般財源の年間収入見込額は二千五十三億五百万円、前年度比較で四・三%の増となっております。  特定財源につきましては、まず国庫支出金が保育施設の運営に係る補助金などの増額を見込んでおります。なお、幼児教育無償化や国によるプレミアム付商品券の発行に係る国庫負担分について補正予算での対応を行うことから、今後計上予定額に見込額を計上しております。その結果、年間収入見込額は、五百四十七億七千三百万円、前年度比較で一六・六%の増となっております。  都支出金は、保育施設の整備や運営に係る補助金などの増額を見込んでおります。なお、国庫支出金と同様、幼児教育無償化に係る都負担分について補正予算での対応を行うことから、今後計上予定額に見込額を計上しております。その結果、年間収入見込額は、二百七十一億一千八百万円、前年度比較で一二・八%の増となっております。  特別区債は、小学校の改築や梅ヶ丘拠点整備、玉川総合支所・区民会館の改築などの公共施設整備について、百八億円、前年度比較でマイナス一・八%の減となっております。  その他につきましては、世田谷区土地開発公社貸付金返還金の増額等を見込んでおります。また、幼児教育無償化による保育料の減について、補正予算での対応を行うことから、今後計上予定額に減額分を計上しております。その結果、年間収入見込額は、二百七十二億八千万円、前年度比較で五・一%の増となっております。  これらにより、特定財源の年間収入見込額は千百九十九億七千百万円、前年度比較で一一・一%の増となっております。  以上、一般財源と特定財源を合わせた当初財政計画は、三千二百五十二億七千六百万円、前年度比較で六・七%の増となっております。  なお、当初予算が確定した後に生じる緊急の需要等に備えた前年度繰越金三十億円と、幼児教育無償化及び国によるプレミアム付商品券の発行に係る国庫負担分等の計上を留保したため、当初の予算計上額は、三千百九十三億八百万円となっております。  次に、六四、六五ページをお開きください。歳入予算を款別にお示ししたものでございます。  続いて、六六、六七ページをお開きください。歳出の款別予算額でございます。  なお、予算額などにつきましては、百万円未満を四捨五入した概数で御説明をさせていただきます。  六六ページ、中ほどの性質別内訳でございますが、下から三段目の合計欄、太字の部分をごらんください。  まず、人件費でございますが、退職手当の増などにより、四百七十二億四千四百万円、前年度比較で七億五千百万円の増となっております。  行政運営費につきましては、私立保育園運営費障害者自立支援給付費介護保険事業会計への繰出金の増などにより、二千二百二十三億六千六百万円、前年度比較で百四十七億八千七百万円の増となっております。  投資的経費は、梅ヶ丘拠点整備や玉川総合支所・区民会館の改築に係る経費などの増により、四百九十六億九千九百万円、前年度比較で十八億九千万円の増となっております。  六九ページ以降には、歳入歳出それぞれを款・項・目別にお示ししておりますので、後ほど御確認をお願いいたします。  次に、薄いほうの冊子、平成三十一年度世田谷区予算説明書(別冊)により、重点項目事業等について御説明申し上げます。  まず、別冊の一六ページをお開きください。こちらに行政経営改革の取り組みについてお示しをしております。  これらの取り組みによる見直し効果額は合計で十六億六千七百万円となっております。詳細につきましては四八、四九ページにお示ししておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。  続きまして一八ページをお開きください。重点項目について新規・拡充項目を中心に御説明申し上げます。  なお、項目欄に、重点項目説明資料の資料ナンバー及び該当のページ番号を記載しておりますので、後ほど御参照いただければと存じます。  それでは、(1)健康・福祉から順次御説明申し上げます。  一八ページの1地域包括ケアの地区展開でございます。  本年七月に新たに二子玉川地区の開設にあわせて福祉の相談窓口を開設するほか、地域資源の開発や担い手の確保、育成にも引き続き取り組んでまいります。  次に、右側の一九ページ、3介護人材確保・育成・定着支援の総合的推進でございます。  介護人材の確保、定着に向け、採用活動にかかわる経費の助成や介護ロボットなどの導入に係る経費の助成、本年十月からの介護報酬の改定など、介護職員の処遇改善にも取り組んでまいります。  次に、4認知症在宅支援でございます。  認知症初期集中支援チーム事業認知症本人交流会の実施など、認知症在宅生活サポートセンターの二〇二〇年四月の開設に向けた在宅支援事業の先行実施に取り組んでまいります。  次に、二〇ページ、7精神障害者施策の充実でございます。  保健所に保健師や精神保健福祉士などによる多職種チームを設置し、精神障害者等に対する訪問支援を開始するとともに、地域障害者支援センターの機能強化を図るなど、精神障害者施策の充実に取り組んでまいります。  次に、二一ページ、8医療的ケアを必要とする障害児(者)への支援でございます。  医療的ケア児を受け入れる通所施設への助成や相談支援従事者の育成支援に新たに取り組むなど、医療的ケア児とその家族の地域生活支援の向上を図ってまいります。  二三ページをお開きください。(2)子ども若者でございます。  1保育待機児対策でございます。  二〇二〇年四月の保育待機児の解消に向けて、子ども・子育て支援事業計画の最終年度である平成三十一年度は千二百八十五人の定員拡大に向けた施設整備等を進めてまいります。  次に、二四ページ、7新BOP学童クラブの運営時間延長モデル事業の実施でございます。  モデル校五校において、平日の運営時間をこれまでの十八時十五分から十九時十五分まで一時間延長し、効果や適切な手法等の検証を行ってまいります。  次に、二六ページをお開きください。10児童相談所開設に向けた取り組みでございます。  二〇二〇年四月の開設に向けて、児童相談所等の施設整備を進めるとともに、支援専門員の増員や人材育成に向けた研修の強化など、実施体制を整備してまいります。  その下、11子どもへの食の支援事業でございます。  孤立しやすい家庭等に対する養育環境の悪化防止や必要な支援につなぐための取り組みといたしまして、食の支援サポーターの派遣による食事支援や、弁当の配達を通じて見守りを行う子ども配食事業を実施してまいります。  次に、二七ページ、(3)教育でございます。  2世田谷九年教育の定着と質の向上でございます。
     ICTを活用した学習支援として、中学生対象のeラーニングでの家庭学習支援について、平成三十一年度より全校で実施してまいります。  その三つ下、5教育相談・特別支援教育の充実でございます。  平成二十八年の小学校への設置に続き、平成三十一年四月より中学校についても新たに特別支援教室を設置してまいります。  次に、二八ページ、6就学援助の充実でございます。  新入学用品費の支給額引き上げとともに、小学校入学用品費の前倒しによる支給を実施いたします。  その下、7教育における保護者の負担軽減施策でございます。  就学援助基準について、現行の所得基準を国の高校授業料無償化モデル相当の生活保護基準の一・四倍に引き上げを行い、給食費の費目については、東京都の高校授業料無償化モデル相当の生活保護基準の二・〇六倍に引き上げを行うもので、消費税率引き上げ予定の本年十月から実施をしてまいります。  右側の二九ページ、14学校の暑熱対策でございます。  小中学校体育館への空調設備設置に係る経費を補正対応としておりますが、屋外における暑熱対策として、ミスト発生機や日除け用テントなどの備品を整備してまいります。  次に、三一ページ、(4)暮らし・コミュニティでございます。  1東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みでございます。  大会開催一年前となる節目のイベント等の実施により開催に向けた気運醸成を図るとともに、ホストタウン交流イベント等を通じ、ホストタウン・共生社会ホストタウンの認知度を上げる取り組みを充実してまいります。また、ボッチャ世田谷カップの開催や障害者スポーツを支えるスタッフの育成、普及啓発のための用具貸し付けなど、障害者スポーツの推進に取り組んでまいります。  次に、三二ページ、3観光事業の推進でございます。  東京二〇二〇大会に向けた世田谷区ボランティアや観光ボランティアガイドの育成及び実施などに取り組んでまいります。  その下、4エネルギーをたくみに使うまち世田谷推進プロジェクト二〇一九でございます。  区役所本庁舎への再生可能エネルギー一〇〇%電力の導入やESCO事業の整備など、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みを一層進めてまいります。  次に、三四ページ、7商業振興でございます。  東京二〇二〇大会に向けた国内・国外からの来訪者に対するおもてなしの気運醸成として、商店街LED街路灯リニューアル支援デジタルサイネージ設置支援を実施してまいります。  次に、三五ページ、(5)安全・安心でございます。  1地域防災力の向上でございます。  災害時に避難所での生活が困難な妊産婦や乳幼児等を受け入れる福祉避難所について、協定団体と連携した訓練の実施等により、運営マニュアルの検証など実効性のある仕組みづくりに取り組んでまいります。  その二つ下、3特殊詐欺被害防止に向けた取組みでございます。  高齢者を狙った特殊詐欺被害の増加を踏まえ、被害防止に大きな効果を発揮している自動通話録音機について、平成三十一年度は六千三百七十台の貸し付けを行うなど、被害防止に向け取り組みを強化してまいります。  次に、三六ページ、4がけ・擁壁等防災対策でございます。  通学路沿いに設置されている安全上問題のある擁壁の改修等に対し助成を行ってまいります。  右側、三七ページ、(6)都市づくりでございます。  1みどりのまちづくりでございます。  玉川野毛町公園を初め、公園整備のための用地取得を進めるとともに、上用賀公園及び玉川野毛町公園の拡張に向けた基本計画の策定などに取り組んでまいります。  その下、2災害に強い都市基盤の整備でございます。  補助第四九号線などの都市計画道路や区画街路第一〇号線、主要生活道路一二二号線などの主要生活道路並びに東北沢駅前広場など地先道路につきましては、土地開発公社での先行取得も含めた用地取得と築造を進めてまいります。  三八ページ、4小田急線鉄道跡地利用(上部利用)の促進でございます。  安全性の向上や住民参加による新たな町の魅力の創出を目指し、駅間通路や緑地・小広場等の公共利用施設の設計、整備工事を順次進めてまいります。  右側、三九ページ、(7)その他に参りまして、1本庁舎整備でございます。  先般お示しした基本設計案に基づきまして実施設計を進めるとともに、オフィスレイアウトにおいても実施設計に着手してまいります。また、説明会及び区民とのワークショップもあわせて開催をしてまいります。  その下、2ふるさと納税対策でございます。  世田谷公園展示SL機関車塗装事業など、引き続きクラウドファンディングを活用した寄附の募集を行うなど、ふるさと納税対策を進めてまいります。  その下、3働き方改革の取組みでございます。  庁内に業務改善チームを設置し、業務の一部委託化やRPAを活用した業務改善など職員の働き方改革に努めてまいります。  これらを合わせまして、一般会計の重点項目といたしましては、欄外にお示ししておりますとおり、総額一千三十六億九千百万円となっております。  次の四〇ページ以降には、四つの特別会計における主な項目を掲載しております。各会計の予算額等につきましては、冒頭申し上げたとおりでございます。  なお、厚いほうの冊子、平成三十一年度世田谷区予算・同説明書の五〇一ページ以降に、特別会計における歳入歳出の事項別明細や款・項・目別の内訳を掲載しておりますので、別冊とあわせ、後ほどごらんいただければと存じます。  以上をもちまして、平成三十一年度世田谷区各会計予算案五件に関する説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で政策経営部長の説明は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 ただいまから総括質疑に入ります。  質疑者はネームプレートを質疑者席にお持ちいただくようお願いいたします。なお、持ち時間の終了五分前には予鈴と質疑者席の緑ランプの点灯でお知らせいたします。さらに一分前には赤ランプの点滅でお知らせいたします。  また、質疑される委員の方はマイクから離れ過ぎないようお願いいたします。  続いて、理事者の皆様に申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお答えいただきますようお願いいたします。  また、予算運営委員会において、やむを得ない場合は、理事者が席を離れることを認めると確認されておりますので、御無理をなさらないでください。  それでは、総括質疑を始めます。  自由民主党、どうぞ。 ◆和田ひでとし 委員 それでは、自由民主党の総括質疑を始めさせていただきます。  我々自由民主党は、さきの代表質問でも申し上げました。二〇二五年に向けての危機感を問うということをメーンといたしまして質問いたしましたが、我が会派がターゲットイヤーとする二〇二五年、いわゆる団塊の世代と呼ばれている方々が後期高齢者となる時期であるとともに、区の人口が百万人に達する時期とも言われておりまして、社会保障関連初め、公共施設の更新など、あらゆる行政需要の増大が予想されますというふうに申し上げておきました。  そのために、今後五年間の区政運営が非常に重要な、また慎重なかじ取りが求められるのであるということ、そしてさらには、その後に訪れる区内人口の減少局面にどのように対応していくのかということ、こういった面で具体的な戦略を練っておく必要があるということを申し上げたつもりでございます。しかしながら、いただいた答弁、もう少しちょっと踏み込んでほしいなという部分もありましたので、きょうは代表質問に続いたところもありますけれども、何点か伺っていきたいと思います。  まず、高齢者対策についてでございます。  我々自民党は区議団といたしまして、先月の二十五日、区内の特養の施設長さんたちとの勉強会、先方から八名見えまして、我々区議団で勉強会を開かせていただきました。現場の声を現実に伺ったわけですけれども、やはり一番の課題としては介護人材の確保、ここが非常に大変大きな課題であるということを改めて実感することができました。  なお、今定例会の区長招集挨拶におきましては、区長は、もちろんこの点を大事であるということを取り上げているんですが、まず、高齢者福祉についてですと触れまして、介護サービスの担い手の確保は深刻化し、喫緊の課題となっているというふうに述べられております。しかし、このような表明はありましたけれども、本当にこの危機感を感じているのかなというところ、私には感じ取れなかったんです。やはり、今後五年間の区政運営は非常に重要であるというふうに述べましたけれども、本当にこの危機感を感じているんだろうかというところ、改めて区長に認識を伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 危機感を強く感じております。施設長会さんのお話を私も直接伺いました。大変な人手不足であると。募集をかけても埋まらない状況、また、待遇ももちろん十分ではないというような課題があるということでございます。この間、介護職員の皆さんからのお話もお聞きをしまして、人材を確保する点では、介護のスキルを身につけていこうという学校でございますが、その学校に入学される方自体が激減をしていると。また、少ない中で外国人の方の比率も非常に上がっていると、そういう状況を見てまいりました。おっしゃるところの二〇二五年対策は、本当に喫緊の課題だというふうに考えております。  来年度も介護現場での職員の採用を後押しする経費や介護の現場での負担軽減に資する費用助成、また、これまで続けてきた資格取得に対する後押しなどを続けていきますが、現状、介護される側の人口がふえてきているわけで、それに対して、本来なら体制が拡充されなければいけないけれども、人材が極めて枯渇をしているという問題は、総力を挙げて人材確保に向けた区としての取り組みを強めないといけないというふうに考えております。 ◆和田ひでとし 委員 いま一つ、まだまだ伝わってこないかなという印象なんですけれども、我々と施設長さんたちとの勉強会におきましては、やはり人材確保策と、それから施設整備というところ、この両方をしっかりとリンクさせて進めてほしいという御指摘をいただいております。  それでは、これをどうやって両立させていくのか、やはりここも大変重要な課題であるかと思います。区としては、施設をもっともっと充実させなきゃいけない、ふやさなければいけないという課題もありますし、片や人材はなかなか確保が難しくなってきている。しかし、ここの両方をリンクさせて、しっかりと両立させるためには、一体どういったことをこれからやっていってくれるのか、この辺を現実的な答弁をしっかりと求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎瓜生 高齢福祉部長 施設整備を進めるためには、建設用地とサービスを担う人材の確保が不可欠です。現在二〇二五年を見据えた特養ホームの用地確保のめどはたっておりますが、労働力人口が減少する中、人材確保は喫緊の課題となっております。区では、特養ホームなどの整備費補助事業者の選定に当たり、法人の理念や財務状況、運営実績を初め、事業計画などの提出を求めており、その中で職員の確保、育成、定着に関する考え方や取り組みについて書類、現地調査、ヒアリングを通して審査し、東京都が補助決定、事業者指定を行います。  開設に当たって、区では準備段階から施設や運営法人に人材確保の進捗状況などを確認し、必要に応じた支援や助言を行うとともに、福祉のしごと相談・面接会の利用なども進めております。来年度四カ所の特養ホームが開設いたしますが、五月開設予定の施設は職員確保のめどが既に立っており、九月以降開設予定の三施設も既に職員募集を開始していることを確認しております。人材確保が厳しい中、都の施設開設準備経費など支援事業や介護職員宿舎借り上げ支援事業の活用のほか、世田谷区では知識、技術の向上を目的とした独自の研修や資格取得費用助成など、キャリアアップが可能な支援体制構築に積極的に取り組んでいることなど、区内事業所への就職につながるようPRを強化してまいります。  今後新たに設置する介護事業者等との検討会におきまして、若い世代への魅力発信や多様な人材が活躍できる仕組みづくりなども含め、介護人材対策に英知を結集し取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 新たに開設する、特に五月開設予定ではめどが立っていると。また、九月以降の開設予定の三施設については、職員募集を開始しているという段階ですから、まだまだこれについては相当厳しく考えなきゃいけないのかなとは思うんですけれども、この辺をしっかりと区としても取り組んでいっていただきたいなと思います。  この間の勉強会で伺ったお話ですけれども、新しい施設が開設することによって、今までのあった施設で働いていた方々が新しいほうにも流れていってしまうような、いわゆる人材のとり合いというんでしょうか、そういったことも現実に起きているんだという現状を伺って、やはりこの辺は堂々めぐりにならないようなしっかりとした策を、区としても今後考えていってほしいかなと思っております。  次に、地域包括ケア制度について伺ってまいります。  全二十七地区で福祉の相談窓口として、この地域包括ケア制度はスタートしているわけですけれども、区長はいろいろな場面で地域包括ケア制度が全二十七地区でスタートいたしましたというふうにおっしゃっておられます。特に今回の招集挨拶につきましても、冒頭でこれを触れていらっしゃいますが、区では、区民にとって身近な行政単位である地区で福祉の相談窓口を設け、区民の相談を丸ごと受けとめ、的確な情報提供を行い、支援につなげていく地域包括ケアの地区展開を進めてきましたと、まさに冒頭で述べられるぐらいですから、よほど自信を持っておっしゃっているんだろうと思うんですけれども、実はやっぱり現場では結構厳しい声が上がっているんだなというところ、私もあちらこちらからちょっと伺っております。  こういったそれぞれ、世田谷区内は広いですから全部とは言いませんけれども、いろんな現場でのそういった声をちゃんと聞いているのかと、こういったところをちょっときょうは伺ってほしいんですが、現実の厳しい声を本当に受けとめているのかどうか、この辺を伺いたいと思います。 ◎板谷 保健福祉部長 福祉の相談窓口では、区民から寄せられた相談内容を受けとめ、解決すべき課題を明らかにした上で、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者が連携して対応するほか、相談内容に応じて保健福祉センターや地域障害者相談支援センター等につなぎ、関係機関と連携した対応を行っております。  この間の取り組みを見ますと、精神に問題を抱えた方への対応や、いわゆる八〇五〇問題やひきこもりなど、制度のはざまや複合的な問題に関する相談も寄せられており、福祉の相談窓口からの先のつなぎや対応が難しく、苦慮している事例もあると聞いております。こうした困難な事例を解決する方策の一つとして、区では地域ケア会議を開催し、多職種や関係機関、地域住民等が連携協働して、公的サービスとインフォーマルサービスを組み合わせて提供する等の対応に取り組んでおります。  今後も地区、地域の課題をしっかりと受けとめ、解決に向け関係機関等の連携をより一層強化するとともに、状況に応じて新たな施策の検討も進めてまいります。 ◆和田ひでとし 委員 おっしゃっていただいたとおり、福祉の相談窓口からその先のつなぎでありますとか、そういった対応が大変難しいんだということが、現場ではそういった声が起きているということ、大変苦慮しているという事例があるということをおっしゃっていましたので、やはり現場では、スタートしたはいいが、いろんな面での相談があるということがわかると思うんですが、大変この辺が今後の大きなまた課題ではないかなと思っています。  この辺をしっかり考えていった上で、地域包括ケアを進めていくべきだと思うんですが、単に全地区に福祉の相談窓口を設置することが目的ではないと思います。問題はその中身であって、相談支援のさらなる充実が求められると思いますが、この辺は区の見解としてはいかがでしょうか。 ◎板谷 保健福祉部長 福祉の相談窓口は、地域包括ケアシステムの一環として、高齢者や障害者、子育て家庭、生活困窮者などからの御相談を一義的に身近な地区でお受けし、支援が必要な方を早期に発見して支援につなげていく取り組みです。  委員御指摘のとおり、地区相の相談支援のさらなる充実は課題として認識をしており、各地区に在宅医療相談窓口を設けたほか、精神福祉分野では、福祉の相談窓口のバックアップ機能も担う地域障害者相談支援センターの体制の強化をいたします。また、児童福祉分野につきましても、次期子ども計画後期計画で地区の子どもに係る相談や見守り拠点を明らかにしてまいります。  福祉の相談窓口が身近な地区の相談窓口として、区民の皆様の利用と信頼を得るべく、研修等を通じて職員対応力の向上を図るほか、地区を支える総合支所、保健福祉センターの体制を強化し、さまざまな相談を適切な支援につなげるよう取り組んでまいります。 ◆和田ひでとし 委員 私は以前、この地域包括ケア相談窓口についてということで、それぞれの地区のさまざまな特徴があるんだということを申し上げました。やはり二十七地区あれば、地区によってはかなり状況が違うということも、その辺もしっかり考えなきゃいけないんじゃないかということを申し上げましたけれども、やはりその辺もしっかりと捉えた上で、口で言うのは簡単ではありますけれども、このそれぞれの特徴をしっかりつかんだ上で、それぞれの地域、地区での地域包括ケアを充実していくことも、これから先のこの五年、これからのターゲットイヤーとなる二〇二五年に向けて大変重要な課題であると我々は捉えておりますので、しっかりとした中身の充実した地域包括ケアになっていくような取り組みを、ぜひお願いしておきたいと思います。  次に、地域行政制度の条例制定に向けてということをちょっと伺いたいんですが、先日の二月二十七日の特別委員会において、条例制定に向けてという報告がございましたが、これは我々にしてみれば、えっというふうな突然出てきたなという思いなんですけれども、まさに寝耳に水だなという思いがいたしました。  一体、なぜ今のこのタイミングなのか、まずはそこをちょっと伺いたいと思います。 ◎志賀 地域行政部長 地域行政制度につきましては、地域に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開するとともに、区政への区民参加を図ることを目的として、昭和五十四年から検討を始め、平成三年に導入いたしました。制度導入から二十七年がたち、この間、総合支所の体制の見直しや出張所改革など、その時々の情勢に応じた見直しを行ってまいりましたが、人口の増加や急速な高齢化などで社会のありようが大きく変化している中で、住民自治や三層構造による行政運営の方法について区民とともに改めて整理し、理念を共有すべく広く議論をしていく時期に来ているものと認識しております。  地域行政の推進に関する条例制定に関しましては、これまで本会議等でも御議論いただきましたが、先日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会に、現段階で想定していることを検討に入る第一歩として御報告したものでございます。百万都市世田谷を見据え、これまでの地域行政制度の歩みをしっかりと振り返り、将来を見据えた制度構築に向け、区民とともに広く議論しながら検討してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 私たちとしてみれば、やっぱり何かいきなり報告が来たのかなという思いがどうしても拭い切れないんですけれども、多分これは今後何年かをかけてという話かとは思うんですけれども、もう少し丁寧に議会と向き合ってほしいのかなと、そういった思いがどうしてもあります。  まずは、なぜこのタイミングなのかということで、この第一歩として報告したというふうにございましたけれども、そのタイミングが今なのかということは、いまいちちょっと理解はできないんですけれども、それでは、この条例制定に向けて動いたということは、一体これはどういうふうにしたいのか、何がやりたいのか、何がどう変わっていくのかというところを伺っておきたいと思います。 ◎志賀 地域行政部長 条例制定に向けた検討に当たりましては、これまで住民自治や区民本位のまちづくりがどのように進んできたか改めて整理するとともに、今後の地域、地区における参加と協働や地域内分権のあり方、活動団体の活動促進など、区民とともに幅広く議論し、今後の地域、地区のあり方などをともに考えていくことが重要と考えてございます。そのためにも、条例化というプロセスにおいて、区民とともに地域行政の理念を共有し、まちづくりを推進していくことが、住民自治の実を上げていくことにつながっていくものと認識しております。  条例とは、住民の代表である議会の議決を得て制定される自治体が定めることができる最高の規範です。自治体の運営や施策の基本事項を定めることにより、区と区民がそれぞれの責務や役割を広く共有し、安心して住み続けられる地域社会の実現に資するものと考えてございます。  地域行政制度は区政運営の核をなすものであり、地域行政制度を条例で規定することを契機といたしまして、これからの地域社会に対応した総合的な行政サービスを提供するとともに、区民の参加と協働のもと、地域の実態に即したまちづくりを一層促進させていく所存でございます。 ◆和田ひでとし 委員 今答弁の中にありました、これを契機としてとありますので、これも決して条例制定が目的ではなく、やっぱりその先が契機として、地域社会に対応した総合的な行政サービスを提供するとともに、地域の実態に即したまちづくりを一層促進させていくとおっしゃっていただいていますので、やはりここはしっかりと、多少時間はかかるかもしれませんけれども、世田谷らしいそういった地域行政制度を、さらにしっかりと議論を深めていかなければならないかと思っております。  次に、道路行政についても我々区議団としてはいろいろと、やはり区に対してどうなのかなというところ、たくさんの課題を持っておりますので、ここからは道路行政について伺っていきたいと思っております。  世田谷の道路行政、新設をしたり、あるいは拡張整備なども含めまして大丈夫なのかというところ、ここも今回、区長の招集挨拶にも都市基盤整備ということで少し触れられておりますけれども、特に道路ネットワークの早期形成を目指して取り組んでまいりましたと、今後さらに効率的で機動性のある組織体制のもと、区民の安全安心で快適な生活を支える道路を初め、災害に強い都市基盤の整備を推進していきますというふうに述べられております。  今回、三十一年度予算の中に道路予算がふえたというふうにありますけれども、しかし、中身については、下北沢の鉄道上部の用地買収が本格化したものとして、今回三十億円が上積みされたのではないかなと。地権者の鉄道会社との関係、駅前交通広場の早期完成のために当たり前の予算措置をしたにすぎないのではないのかなというふうに改めて感じております。肝心なのは、その予算措置のために他で事業中の路線等の予算が削られたり、また道路整備のスピードが落ちてしまったり、早期に着手すべき路線の事業着手がおくれたりしてはならないということではないかと思います。三十一年度予算だけでこれまでの区長の道路整備に対する消極姿勢が変わったものとは、我々としては到底評価できません。  同様に、今回組織体制も強化したということ、北沢総合支所拠点整備課という新たな組織をつくり、これも実は下北沢の駅前広場整備が、いわゆる整備工事のステージに進むことになったということであって、これは考えてみたら当然のことではないかなと。やはり、道路整備を進める体制が強化されたとは、ここも言えないのではないかと。こういった点からも、区長の消極姿勢が改められたというふうに評価することは、我々としては到底できないと思っております。  つまり、当面の対応をしているだけで、根本的な区の道路ネットワークの整備のおくれを取り戻すことなどはできないのではないのかなと。本当にやる気があるのかというところが、やはり我々には見えてこない。本当に大事なのは、道路整備を積極的に進めるというリーダーとしての姿勢をみずからの言葉で示し、その言葉のとおり、予算編成にも組織整備にも取り組むということではないでしょうか。保坂区長は、道路整備は大丈夫だ、しっかりやっているとみずから堂々と言えるのかどうか、区長の見解を改めて伺いたいと思います。 ◎保坂 区長 招集挨拶でも述べたところでありますが、区長就任以来、防災・減災を基軸として、安全で災害に強いまちづくりを目指して、これを推進してきたところであります。災害に強い町を実現するための取り組みの一つとして、道路整備に関し、防災・減災の考え方を強く意識したせたがや道づくりプランなどを策定いたしまして、延焼遮断帯など、防災性向上に寄与する都市計画道路だけではなくて、区民生活の基本となる地先道路がバランスよく機能していく道路ネットワークの早期形成を目指して取り組んできたところでございます。  この三十一年度予算の編成におきましては、道路整備事業全体の進捗を確保した上で、おっしゃるように下北沢の駅前交通広場はかなり広い土地でございますので、これを取得するということで予算措置をしたわけでございます。  今後も引き続き、道路整備事業の進捗状況を見据えて、効率的で機動性のある組織体制をさらに整えながら、道路を初め、災害に強い都市基盤整備をしっかり推進してまいります。 ◆和田ひでとし 委員 我々、自由民主党世田谷区議団は以前から、盛んにこの道路整備については、ともかくしっかりと進めなければいけないということを申し上げてまいりましたが、やはり、この下北沢周辺の道路整備についても、これは一つの一例だと思います。  区内全体を見渡した中で、毎回のように区の困り事の一番は、道路についてということを区民の方々は訴えていらっしゃる。そういった中で、今までも道路予算、それから組織体制、人員のことについても、しっかりと道路について向き合ってほしいということを常々申し上げてまいりましたが、今回はこういった理由で予算措置をされ、また組織体制も見直されたということ、これは決して否定するわけではありませんけれども、その上、道路行政に対して、さらに区全体をしっかりと見渡していってほしいということを、我々としては、まだ訴え続けていかなければならないと思っております。  また、もう一つの道路についての質問といたしまして、私は代表質問でも伺いました。外環道整備についてでありますが、現在、事業が行われている外環道、実はオリンピックには間に合わないということで、完成時期がまだ見えていないわけでありますけれども、世田谷区にとりまして、もう一つ大きな課題といたしまして、東名以南の早期整備という、我々としては、世田谷区としては今までも要望し続けているわけですけれども、特に積極的に外環道の整備促進に努めていくべきだと思います。こういった東名以南も含めて、世田谷区としては、さらに積極的に進めていくべきではないかなと思っております。  特に私が非常に残念だったなというのは、さきの一月の二十六日でしたか、大泉ジャンクションで行われましたシールドマシンの発進式、私も出席させていただきましたけれども、やはりあの壇上に保坂区長がいなかった、世田谷区長がいなかったというのは、目の前で見ておりまして非常に残念でありました。他の関連自治体の首長は皆さんおりましたし、もちろん国の国交大臣、あるいは東京都知事、皆さんいらっしゃる中で、本当に重要な発進式だったのだなと思うんですけれども、その中に地元の世田谷区長がいなかったということを私は目の当たりにいたしまして、本当に区長の姿勢がこの外環道整備にしっかりと向いているのかなというところをちょっと疑問に感じております。
     私はあの日、電車で行って、バスを乗り継いで会場まで行ったんですけれども、バスをおりて会場まで歩いていく間に、会場入り口の前のところでのぼりを立てて、マイクを使って反対派の方々が気勢をあげていらっしゃいました。確かにそういう方々も多くいるということは、もちろん私も承知しておりますし、国を挙げての事業でありながら、やはり周辺の住民の方々にとっては大変大きな問題だということを実感しておりましたけれども、世田谷区にとってみれば、今後これを東名でとどめるのではなく、ここから先、湾岸道路に向けて東名以南をしっかり整備してほしいということは常々申し上げてきているわけです。  ちょうど一年前ではありますが、この周辺自治体の意見交換会の世田谷区の意見として出されておりますけれども、東京外かく環状道路については、東名高速~湾岸道路間の延伸が実現されない場合、環状道路としての機能が十分に発揮されないばかりか、東名東京インターチェンジ周辺の環状八号線、国道二四六号線等の幹線道路の交通渋滞や周辺生活道路への通過交通の流入など、区内の交通環境の悪化が強く懸念される。このため、関越道~東名高速間の整備に続き、東名高速でとどまることなく、東名高速~湾岸道路間の整備を速やかに進める必要があると考える。これは恐らく区民も、また世田谷区としても共通の認識だと思っております。  特に、その他として書かれております東名高速から第三京浜までの早期整備も選択肢の一つであると。いわゆる湾岸まではなかなか難しいということであれば、第三京浜までの早期整備も選択肢であるというふうに意見を述べているわけです。東名高速~湾岸道路間の整備による影響を受ける地元自治体として、引き続き周辺自治体意見交換会等に参加し、意見をしていくと。こういう意見を出していただくことはごもっともだと思いますし、我々としても、しっかりとこういう意見を述べながら、湾岸道までの東名以南の整備を早期に進めていってほしいなということは、これまでも申し上げてまいりました。  そういった中で、前回の東名ジャンクションでの発進式に続いて、今回、大泉ジャンクションでの発進式にも欠席をされた世田谷区長、果たして、これが本当に我々の九十万自治体の首長としてのあるべき姿なのかなと思うと、やっぱり非常にこれは残念でならないんです。そういったところも含めて、改めて東名以南も含めた外環道の整備について、区長の考えを伺っておきたいと思います。 ◎保坂 区長 外環道におきましては、首都圏の交通ネットワークの強化及び交通の円滑化などの効果を図られるものと考えています。現在事業中である外環道の整備におきましては、区として工事に当たって大気質や地下水など、地域環境への影響について、最新の知見や技術を適用して必要な対策を講じるべしと。そしてまた、地域への迅速な情報提供、配慮を行うよう国等に要望するとともに、今、委員御指摘の東名以南の問題です。交通集中などによる周辺環境の悪化についても、最小限にするように求めてきたところであります。  東名以南の整備の進捗ですけれども、今御紹介いただいた文書のとおりでございますけれども、環八周辺の渋滞など大変影響が大きいということで、国や東京都にこの計画の早期具体化、対応の方針という文書がありますが、そこで関係自治体の協議という文言があるということをもって、その協議の主体として東名以南について意見を言わせてほしいと、また、これは単発でヒアリングするというんじゃなくて、協議なんだから、その協議のメンバーに正式に入りたいということを外環所長、その他の関係者に対して、また埼玉にある国土交通省関東地方整備局にまで出向いて、再三にわたってこの要請をしてきたところであります。世田谷区、大田区が参加した会議体が、今年度よりようやく設置をされることになり、今、ルート、構造などについて、区としての意見を述べているところであります。  今後とも、外環道が速やかに、この東名以南に向けて確実に整備をされる見通しを持つこと、外環周辺の環境保全や区内の交通環境の向上など、地域のまちづくりが進むように、私からもさらに機会を捉えて、この会議体はようやく始まったわけですから、ここの中でしっかり意見を申し述べていきたいと考えております。 ◆和田ひでとし 委員 であるからこそ、やはりこの世田谷区の首長であるからこそ、ああいった発進式などには何とか出席をしてほしかった。いろんな都合はあったかと思いますけれども、そこはこちらを優先に考えていただきたかったなというふうに申し添えておきます。  もう一点、本庁舎整備について、あえて触れておきたいと思います。  区は先月二十七日に本庁舎整備基本設計案に関する「区のおしらせ」特集号を発行し、基本設計案の概要を区民に広く周知しております。  改めて申し上げますが、我が会派の指摘により、区民会館ホール部分を構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する方針に切りかえたことは、成果として捉えております。しかし、その一方で、五十年後、百年後を見据えた場合、改築のほうがトータルコスト的に有利なのではないかとの意見も会派内にはあります。  今期四年間の本庁舎整備に関する議論を振り返りますと、保坂区長は全部改築を求める声が多い議会との合意形成に努めることなく、また全部改築か一部改築かの整備手法すらみずから決断せずに、第三者機関に委ねて結論を先延ばしにしたことが思い起こされます。  さらに、保坂区長はそれだけにとどまらず、整備手法が確定していないにもかかわらず、当初予算案に庁舎の一部保存を前提とした調査費用を計上するなど、議会軽視も甚だしい行動を繰り返し、本庁舎整備と言えば迷走する保坂区政の代名詞になったと言っても過言ではないと思います。  我々がターゲットイヤーとして位置づける二〇二五年に向けて、世田谷区政の質をさらに高めていくためには、これまでのような区長にとって都合が悪い課題については判断を後回しにする一方、区長自身が興味のある施策は周囲の意見を聞かずに拙速に事業化するような、その場しのぎの区政運営には、もう終止符を打つべきではないかということをここではっきりと申し添えまして、私からの質問を終わり、上島委員に交代をいたします。 ◆上島よしもり 委員 それでは、自民党の質疑を続けます。  私からはまず初めに、保護者の負担軽減策について伺いたいと思っています。  これについては、うちの自民党の会派全員が本当にまだ腑に落ちないといった状況であります。現行の就学援助の御家庭でも半分しか申請されていない現状のもと、なぜさらに中間所得層まで広げなければいけないのか。幼児教育無償化の区への影響がどれぐらいになるのかもわからない、また保育施設や幼稚園などの特定教育施設における食材費の負担のあり方も見通せていないと。そんな中、なぜもっと議論をきちっとした上で決定しないのか、なぜそんなに急ぐのか。憲法や教育基本法の普遍的な理念と言いながら、私立学校については考慮されていないなど、そのほかにも本当にたくさんの疑問が浮かび上がってきています。  区の施策として公平性、整合性、持続可能な財政バランス、これは非常に重要でありまして、そうでなければ区民にやはり説明ができないと思います。区民に説明がしっかりなされないのは当然だと思いますけれども、今回の施策における区長の考え方を改めてお聞きしたいと思います。 ◎保坂 区長 まず、おっしゃった財政上の持続可能かどうか、これは大きなポイントでありまして、今後の財政負担も考慮しまして、このたび教育における保護者の負担の軽減策を行うことにいたしました。国においては幼児教育・保育の無償化、高等教育の一部無償化を行っていくとしています。その動きに合わせて、国や東京都とも、この教育費の負担軽減について機会を捉えて議論をしようと考えています。  少子化の傾向に拍車がかかっております。教育費負担が非常に重いということが筆頭の理由に上がってくるということから、今後とも次代を担う子どもたちのためにという観点から、さらなる教育における負担軽減に取り組んでまいりたい。現状では、今示しているところからスタートしたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 正直、全く届かないというんですか、それで説明がつくと私は思いません。  具体的にちょっと伺ってまいりますけれども、給食費を支払うというのが実際に厳しいという御家庭の声が、どれぐらい区に届いているのかということについて、これはちょっとやりとりするのは時間がもったいないので事前に聞いたことを申し上げますけれども、そういった声は一切届いていないと。また、前提の調査として、保護者の負担、ないしは負担感に関する調査などは行われていたのか、もしくは区の言うように、義務教育の普遍的なものとするならば、今回の対象になる給与所得七百六十万円未満で私立学校に通っている世帯の調査はなされているのかというふうなことを伺いましたところ、そういう調査もされていないと。  これは全国レベルですけれども、大体小学校、中学校で私立学校に通っている生徒の割合というのが意外に多かったんですけれども、全国で二〇%ぐらいあると。世田谷区でどれだけあるかわかりませんが。三分の一というのは、あくまで公立学校での対象者が三分の一と、三分の二は対象外ということですが、それよりさらに外側には私立学校に通う子どもたちがいらっしゃる、そういう保護者もいらっしゃるということであります。  加えて、保護者の負担軽減につながるさまざまな施策がほかにも考えられると思うけれども、そういった方策について考えなかったのかということについても、比較検討もしていないし、検討されなかったと私は理解しておりますけれども、まずその点、今三つ申し上げましたけれども、よろしいですね。簡単に答えてください。 ◎淺野 教育次長 私ども、今回の施策の対象としましては、就学援助の活用ということで公立校の児童を対象にしております。まず、これまでなんですけれども、教育費を含め、教育における保護者の負担軽減につきましては、議会等の御意見をいただきながらさまざま検討を行ってまいりました。国においては、幼児教育・保育の無償化、高等教育の一部無償化などを行っていくとしております。こうした動きも踏まえまして、子育ての世田谷として、子育て支援の施策に取り組んできた区としましては、区立小・中学校における保護者の負担軽減の政策は重要であると認識しております。自治体によっては、子どもの貧困対策や少子化対策などの観点から、教育における保護者の負担軽減を図る事例もありまして、さまざまな目的で行われているものと認識してございます。  このたびの施策ですけれども、区といたしまして、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策の一環として、就学援助制度の枠組みを見直し、全体の所得基準を引き上げるとともに、特に就学援助の支出の約半分を占めている給食費の費目については、中間所得層まで対象として教育における保護者の負担軽減の充実を図るものでございます。  それから、冒頭に委員からお話がありました部分ですが、所得に応じて私立学校に通っている御家庭の数というのは、具体的には把握してございません。 ◆上島よしもり 委員 検討をさまざま行ってきたけれども、今私が申し上げたような調査については、正直ちゃんと行っていなかったということだと思います。  それで本会議場の答弁の中で、財源との兼ね合いがあり、段階的な第一歩として実施すると、今回のこれについては答弁があったわけです。これは非常に重要な答弁だと私は思うんですね。というのは、まず第一歩ということは、これからさらに広げていって、どこまで広げるかとか、またどういう状況に応じたら、それをどう広げていくかということを、答弁でおっしゃられる以上もちろんそこまで考えていなければ、これは区政としておかしいと私は思いますけれども、その点は、これは多分、区長じゃないと答えられないと思います。 ◎保坂 区長 そちらのほうを先ほど、先に申し上げてしまったようなんですが、この財政負担の問題については、まず区で判断してスタートするわけですから、区として持続可能かどうかの状況を見てきてスタートを判断しました。ただ、国や都のこれに対する取り組みは当然必要ですし、さっき少子化と申し上げましたけれども、全体を底上げしていくということに対して、区だけの負担ではなくて、国や都に対して、しっかりこれは話し合いを要望していくということも当然出てくると思います。消費税の値上げの関係、また就学援助率を引き上げた、さまざまな施策を打っていますけれども、子育て負担感というものを少しでも軽減させていきたいという思いでございます。 ◆上島よしもり 委員 ちょっとおかしいんですけれども、話を区長の今の答弁に沿ってもう一度質問しますけれども、わかりやすいように答弁に合わせます。  他区への影響、これは実際、国や東京都に言っていくというお話をされましたけれども、これについてはどうやら世田谷区が単独で、ほかの区にはもちろんお話もないまま進めているように聞こえますが、多分そうだと思うんですけれども、本会議場で我が会派の質疑に対して、例えば法人住民税の一部国税化とか、もしくは地方消費税の財政配分の見直し等々、国に対して、要するに区長会で一丸となって物を言っていくとか、そういったこともしっかりやっていくというような強く表現をされていたわけです。緊急共同声明ですか、そういったものを発表しながらやっていくと答弁されましたけれども、やはりこの件を実際に国や東京都でしっかりと制度化していくには、やり方が全くおかしくないですかね。  世田谷区が単独でこういうことをやり始めて、実はほかの二十二区では給食費の無償化、形はいろいろあるんですけれども、それについていろいろな陳情がこの間出てきて、各自治体でその対応が非常に大変だったというふうにも聞いております。そういう中で世田谷区がこういうようなものを出してくるというのは、私は、二十三区でこれからまさに東京都の富裕論、そういったものに対抗していく上でも非常にまずい選択をしているんじゃないかなと思うんですけれども、区長はその辺どういうふうにお考えですか。 ◎保坂 区長 二十三区はそれぞれの政策を持っている自治体であって、区長会というのは二十三区特別区という、まさに特別な立場をつないで共通要望事項などを、例えば今おっしゃったふるさと納税もそうです。法人税関係も。そして、これから話し合うべきは、やっぱり保育園の給食費等の無償化における扱いなどについては当然話していきます。  ただ一方で、それぞれの区でいわば判断をして、相互に影響を与えていくということは、かつても子ども医療費などをめぐってもあったと思います。ですから、大きな少子化対策、また子育て負担軽減というところで、世田谷区がこういった判断をしたということを各区が受けとめて、それぞれの議論をこれからされるんだろうと思います。 ◆上島よしもり 委員 正直、全く御都合主義甚だしいなと僕は思います。二十三区で社会的な課題というのは、みんな共通しているわけですよ。特に二十三区は似た形でいろんな課題を抱えている中で、いや、ここは各区が考えていくべきことだと、その辺の区分けも含めて、区長は自分のやりたいことはそういうふうにおっしゃられるけれども、全体をいい方向に、やはり国に対して制度改正を望むんであれば、ここは丁寧に物事を進めていかないと、これは僕は全くまずいやり方だと思いますし、そんな世田谷区のやり方は二十三区で認められるとは私は思えません。  ちょっと最初の問題というか、質問に戻しますけれども、そもそも私が区長に一番きょう申し上げたいのは、議会軽視じゃないかと思うんです。つまり、議員のほうから議会のほうから、給食費の無償化について確かにいろんな意見が出ました。ただ、説明責任があるのは、当然予算案を提出されている区側にあるわけですよ。ただ残念ながら、この間いろんな御答弁を聞いていても、その整合性というのは全く私には受け取れませんし、また将来どうなっていくのかというものに対するしっかりとした見通しを間違いなく持っていないじゃないですか。そういう中で、だって最終的には国にお願いしていく方向だということであれば、結局は我が世田谷区でしっかりやっていけるんだという形ではないはずなんですよ。そういうことであれば、やはり財政的な見通しも含めてしっかりと示していくべきだと思います。  今回も八千万円ですけれども、半年分、かつ、五〇%ということですから、それが仮に満額にならなくてもさらにふえていく金額ですし、加えて先ほど申し上げましたとおり、幼児教育の無償化の影響がどれだけあるのか、そういったものも全く見えない段階で、なぜ今出さなきゃいけないのかということについて全く答えになっていないというのは、議会軽視だと私は思います。だって、こういう質疑は想定されていると思いますし、もしくはその説明は本来ここでできなきゃいけないはずなんですよ。できていないと思いますよ。どうですか。 ◎保坂 区長 この問題については、給食費の保護者負担のあり方をめぐって、その考え方、その実施の仕方についてさまざま議会からも御意見をいただいたものと思っております。いろいろ御意見をいただいて、その御意見を踏まえて、どのように我々は判断をしていくのか。今回はこの給食費について、都立高校の無償化レベルのところで、いわゆる無償化の枠を上げようと。そのことによって、現在五〇%の申請率だというようなことで、なかなか申請しにくい方もいらっしゃるかもしれない。そこの部分は引き上げる効果というのが期待できるだろう。それから、もちろん財政上、これが持続できないと困りますから、財政上持続できるかどうかということについて最後まで慎重に検討を続け、できると判断をしたので、今回の予算に計上しているということになります。 ◆上島よしもり 委員 そうしますと、これから段階的に広げていくという趣旨のことを今回の予算審議の前におっしゃられたわけですよ。そこはどう考えているのかということを、ちょっともう一度ちゃんと教えてください。 ◎保坂 区長 御議論の中で、当然この無償化については所得にかかわりなく、全体に普遍的に広げるべきではないかという御意見もかなり強くあったと認識しています。したがって、この給食費の無償化が未来永劫ここで終わるんだということではなくて、しかし、区の負担で全部を乗り越える、これはなかなか財政の持続可能性が見通せませんから、ここまでは区でしっかりやると。ただ上位というか、全てオールに持っていくためには、これは当然国の制度や東京都とのやりとりも発生してくるだろうと。それについて努力をしていきますよということです。 ◆上島よしもり 委員 いやいや、そういうことを僕は今初めて聞きましたよ。これまではそんなことまで言っていません。そういうこともきちっと言っていかなきゃいけませんし、であるならば先ほど申し上げたとおり、世田谷区が今単独でこんなことをやっているというやり方というのは、私はおかしいと思います。私はね。私はおかしいと思います。  それでもう一つ、就学援助の対象世帯において、申請率が五〇%という中ですよ。それはそうですよね。その中で、この方々が、私は大事なことだと思うのは、そういった将来像も正直言ってちゃんと示せない、もしくはなぜ申請されないのか。五〇%の人は申請されないわけですから。負担感はあるが、食材費ぐらいは出したいという思いから出す人もいれば、もしくは制度そのものを知らないで出せていないという方もいらっしゃるかもわからない。そこで、まず把握すべきところがそういうところであって、仮にそういうことをちゃんと調査して、手続をする余裕すらない御家庭もあるかもしれないと。だったら、それに対して救済をするとか、そういったところから始めていくのが筋道じゃないんでしょうか。私はそう思います。  そして、今予算で拡大した中間所得層であっても、保護者が負担感を抱いている御家庭は確かに少なくないと思います。今現代社会の中でいろんな支出がありましょうから、その負担感は実際どのようなものなのか。お金だけの話なのか、もしくはお金ということではなくて、ほかに子どもたちを持つ保護者の人たちが共通する負担感は何なのかというのをしっかり捉えるべきだと私は思うんですよ。  憲法と教育基本法の教育の理念に基づいて今回やるということですけれども、本当に保護者の負担感をなくそうという気持ちがあるならば、世田谷区にはこういうところから僕は始めてもらいたいんですよ。世田谷区はそういうことがちゃんとやれる、本当にそう思うならやれる区だと私は思うんですけれども、区長はその辺どう思いますか。 ◎保坂 区長 財政の持続的な可能性をどういうふうに判断したのか、もしよろしければ副区長から少し説明をさせたいと思いますが、世田谷区が今回アンケート調査や区民の子育て世帯に聞く、そういうことが不十分じゃなかったのかという御指摘ですが、子どもの生活実態の調査で、子どもの貧困ということも、この世田谷区においてもかなり深刻だということも出てきました。  また、少子化をめぐる各種調査がありますので、なぜお子さんをもうけない、もうけることに踏み切れないのか、あるいは第二子をどうして諦めているのか。やっぱり教育費負担について、まさに自信がない。それだけの所得が考えられないということが、やっぱり多いんですよ。これまで各種調査はありますよ。どうしてお子さんを、第二子、第三子と――本来は望みたいお子さんの数と、現につくられているお子さんの数はやっぱり少ないわけです。そこは、教育費負担軽減というのは、一つの少子化を反転させていく世田谷区なりのいいアプローチだというふうに私は考えています。 ◆上島よしもり 委員 ですから、そういうことをおっしゃるんであれば、そういうものをしっかりと説明してくださいよ。今のお話だって、僕が聞いて出てくるわけじゃないですか。それでも僕は納得いかないですけれども、そういう区がなぜこれを決めたかというプロセスをもっとちゃんと出してくださいと言っているわけですよ。でなければ、議会軽視なんじゃないですかということです。  議会というのは、我々が質問します。我々は区民の代表として、区民に説明をこれからしなきゃいけないんですけれども、そんなよくわからないことで提案されたんであれば、我々はやはり、これは議会じゃないと僕は思っちゃいますよ。だって、見解の違いですねという話ではないじゃないですか。もうちょっとどうやって決めたのか教えてくれと言っているけれども、その理念とかそんな話ばかりで、もしくは財政どうのこうのとか、それも国に最終的にはお願いするんだということであれば、私は説明にもなってないし、やはりこの予算というのは、ちょっと今までの世田谷区としてはあり得ない予算だというふうに思いますし、正直これ以上は時間がもったいないので、これでやめますけれども、全く納得いきません。理解できない予算だというふうに言わざるを得ません。ということで、済みません、次に移らせていただきます。  次に、これは私は今期入ってこの問題が一番大事だなと思ったぐらいのことをやらせてもらいます。時間が余りありませんが、地震に関する地域危険度測定調査結果というのが昨年二月に、これは第八回となりますけれども、これが発行されています。その中で、これはおおむね五年ごとに発行されるものなんですけれども、安全なところの一から危険な五というところまで、相対評価の五段階で総合危険度というものが示されております。  世田谷区の評価を見ますと、この総合危険度でランク五の町丁目はありませんけれども、ランク四の町丁目が十六町丁目存在するということであります。問題は、このランク四の十六町丁目の中で、現在具体的なまちづくり事業や導入検討のない、いわゆる東京都の重点整備地域として事業の対象とされていないところが、上祖師谷三丁目、経堂二丁目、北沢一丁目の三町丁目あるわけです。  そこで、不燃化特区制度等をやっているところもありますけれども、この不燃化特区制度が終わるのが今やっているところですね。平成三十二年度以降になっていくわけですが、東京都が総合危険度が高いと判断した地域について、次に東京都が整備地域の見直しを行う際、東京都の防災都市づくり推進計画の整備地域への位置づけをしっかりと求めていくべき、この三地域について、こういった地域について求めていくべきだと考えますけれども、この点についていかがお考えでしょうか。 ◎関根 防災街づくり担当部長 東京都防災都市づくり推進計画では、木造住宅密集地域のうち、震災時に特に甚大な被害が想定される地域を整備地域として指定し、地区内の地先道路等の整備や建築物の不燃化、耐震化などを進め、燃えない、倒れない安全な市街地形成を目標としています。これまで整備地域は建物倒壊危険度や火災危険度、また老朽木造建築物棟数率などを総合的に勘案し、平均不燃領域率が六〇%未満である区域及び連担する区域などが選定されてきました。整備地域に指定されますと、東京都の補助金による財政支援が受けられることから、国の補助金とあわせて、事業効果を高めるための複合的な事業実施も可能となります。  現在のところ、東京都から整備地域の見直しについての情報はありませんが、現在の整備プログラムの計画期間が二〇二〇年度までであることから、地域危険度や他の指標を踏まえた各地区の防災まちづくりの検討状況に合わせ、整備地域の見直しについて東京都へ要望してまいります。 ◆上島よしもり 委員 それでちょっと時間がありませんので、少しはしょって質問させてもらいますけれども、北沢一丁目地域の危険度解消については、補助五四号線の下北沢Ⅱ期・Ⅲ期が非常に重要になってくると、誰が見てもそう思われるところです。平成二十八年三月の予算特別委員会において、我が会派の真鍋委員の質問に対しまして、区は優先整備路線には選定しておりませんが、Ⅰ期事業の進捗状況を踏まえ、来年度事業化の検討に必要な調査を実施していくということと、東京都からはⅡ期及びⅢ期の事業化については、優先整備路線の位置づけにならなくてもⅠ期区間の事業の進捗状況により事業化する必要性が生じた場合には、事業認可の取得が可能になる旨のお話をいただいていると、そういった答弁がありました。  この答弁から既に三年たっておりますけれども、この四次化計画に関係なく、Ⅱ期ないしⅢ期事業をやるべきと考えますけれども、区長はどうお考えですか。 ◎保坂 区長 今お尋ねのあった下北沢周辺の補助五四号線、この都市計画道路については、防災、延焼遮断帯など、大変必要性のある道路という認識でございます。この五四号線については、ただⅠ期区間自体は町の中心部を区域としているわけで、大変複雑な権利関係、ようやく駅前マーケット自体は撤去が終わりましたけれども、それも大変な時間と努力が必要でした。まずは、Ⅰ期区間の整備に集中して、早期完成を目指してまちづくりに集中していくというふうに判断して取り組みを進めてきました。  この間、その時間をかけてというところで、小田急線の上部利用の検討、北沢デザイン会議、PR戦略会議などで、相当大勢の住民の皆さんが参加するプランが提案を、鉄道会社からも具体的なプランが出てきて、まちづくりについて相当程度進んだと考えております。五四号線の事業については、現在進捗中のⅠ期事業をこれまでどおり全力で進めて、下北沢駅の駅前交通広場、交通文化拠点の中心的な施設の整備を急いで、さらなる区間の事業は、その後適宜判断してまいりたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 その後適宜ということですけれども、つまり、先ほど和田委員の質問に対して、災害に強い都市基盤を進めていくというふうにはっきりおっしゃっていたわけですよね。私が申し上げたような北沢一丁目については、まさに五四号線の事業が進みながら、それでようやく防災に強いまちづくりというのが進められるんです。誰が見てもそういうところなんです。なぜ、それをあえて今時点でちゅうちょされているのか。  実際、今いろいろ、るるお話がありましたので、Ⅰ期工事については、この後、畠山委員のほうから、その内容についてはいろいろ質疑があると思いますけれども、今のⅠ期工事がどうであれ、やらなきゃいけないところはどんどん進めていって、先ほど区長がおっしゃられたとおり、区民と話し合ったり、そういうことが大事であるならば早くスタートさせて、本当にいいまちづくりをみんなでやっていこうという、安全安心なまちづくりを進めていこうという、それが本来の姿じゃないですか。  区長は先ほどの答弁でおっしゃられていましたけれども、まさに区長はそうやって誕生したわけですよ。災害に強いまちづくりを進めていくんだと、総点検するんだと言いながら、言っていることとやっていることが違うじゃないですか。それがだめなんですよ。だめというか、我々にはわからないし、我々はそこはどうも理解できない。もう一度答弁をお願いします。 ◎保坂 区長 これは優先整備路線から、あえてそれを登録するのを見送るという段階で、さんざん御議論を交わしたテーマだったと思います。繰り返しは避けますので、Ⅰ期工事を丁寧に進めていくということを、今少しこれが進んできた。しかし、まだ見えていないじゃないかという部分も御指摘があるそうですので、そこをしっかりやって、それから私は判断をしていきたいというふうに考えております。 ◆上島よしもり 委員 やっぱり、区長の姿勢として、本当に世田谷区民の生命と財産を守ろうという気概が私は感じられません。きょう、本当は質疑したかったんですけれども、危機管理監も自分は自信があると思うんですけれども、だから危機管理監は非常勤でもいいというふうな話なのかわかりませんが、とにかく我が町を守るために、最大限やっていくのが区長の務めだと思いますし、私の地域というか、地元で言えば、経堂二丁目だけじゃなくて三丁目、宮坂三丁目も含めてですけれども、この危険区域、危険地域に指定されていなくても、やっぱり丁目ごとに限らない部分がある中で、今度は補助五二号線と一三三号線も優先整備路線に入っていますので、そこをもとにしてどうやって安全な町をつくっていくかと、やっぱりそういう話を区がどんどん誘導していかなきゃ、私は世田谷区が安全安心な町になるには本当に時間がかかってどうしようもないと思います。すぐ始めていただくことをお願い申し上げまして、質問者をかわります。 ◆畠山晋一 委員 さきの和田委員、また上島委員に続いての報告がありましたが、鉄道上部についての駅前交通に三十億円を道路事業を費やし――今回のテーマは、区長どうしてあなたはというところがテーマなんです。総括領域ですから、それを今、和田委員と上島委員、そして僕とつないだわけですけれども、その点についてちょっと聞いていきたい。僕の時間が十六分ですので伺ってまいります。鉄道上部について今度三十億円を費やし、予算化してきた。拠点整備担当課を組織化した。これに対して当面の対応しかしていないし、消極性のまさに象徴じゃないか。  先ほど、道路事業が進んでいないという一つの例として、その一つの例がまさにこの補助五四号線というところでの質問になってまいります。実は前回、予算のときに私も質問させていただきましたが、区長になられてから大場区長、熊本区長と比較をいたしまして、道路整備路線について都市計画道路に関しては、区長、あなたは三路線しか進めていない。それに対して大場区長は十五、熊本区長は十とやってきた。これは世田谷区の主要生活道路に際して見てみると、大場区長が十六、熊本区長が四で、保坂区長が一と、完成度に関しては全くゼロであると。そうした中で、各所で道路行政が進んでいない、それがまさに区民の困り事の一番であるということを我々も常々申し上げてきているところの話であります。この道路行政が進まないことが経済的にも、区民の精神的にも大きな痛みやさまざまな迷惑、よくない影響が、最たる路線が今度の補助五四号線と。  今答弁も聞いておりますといつもの答弁です。いつもの答弁でいつもの質問だからと違いますよ。状況は変わっているんですから、町の中の状況が変わっているんですから、町の状況が変わっているということを理解しているんであるならば、同じ答弁が僕は出てくるとは感じられません。同じ努力をしてきているという中で、世田谷区の補助五四号線に関しては、いつもの答弁が遮断帯であって、安全安心のまちづくりをさらに強化を推進するために、区の権限強化、財源拡充に向けた国、都に対する働きかけを積極的に取り組んでくると。今もずっとその答弁が続いている状況であると。  では、町の中はどういう状況になってきているのか。これは補助五四号線、ここのちょうどタウンホールがありまして、タウンホールから茶沢通りから、こちらの補助五四号線の一期区間、こちらが二期区間で、こちらが三期区間という状況になっているわけですが、この区間、実際に土地所有者の地権者などは大体六十一物件で約三百近くの契約対象者がいるわけですけれども、今のところ、それに対して用地の買収が完了しているのが十五件です。たったの十五件です。今まで平成をさかのぼること、十八年から事業は始まって、予算づけされてきたものを全て計算をしますと、約十八億円の用地費、また補償費、測量費がかかって進められてきている。でも、その中でも、いまだにこの補助五四号線が進んでいない。  その中で、今回ここの駅前のまちづくりのところにいよいよ世区街一〇号線といいますが、ここに三十億円の予算をつけてきた。それはわかりますよ。なぜならば、いよいよ今度の三月の十六日には下北沢駅が完成するわけです。小田急線と京王線の改札口ができます。何と今度この下北沢の駅の京王線の改札口には、AIのロボットまでができる。いよいよ改札口がはっきりして、世田谷区民にとって、また駅を利用する方にとっては、完成の日の目を見てくるという状況になってきている。  おかげさまで事業者、また区と地元の皆様が連携をして、この一帯の開発に対しましてもさまざまな意見を打って、日々着実に進んできている状況がある。用地買収に応じてきている人もいるが、その状況が進んでいる。同時に小田急線ですね。この上部利用といって、東北沢から世田谷代田の上の上部利用も商業施設をつくったりですとか、こちらにも商業施設ができたり、また小田急さんがさまざまな新たな提案をして、上部利用の計画を進めている状況にある。  ところが、ここの黄色く示したところ、小田急のちょうど北沢の交番があるところです。交番があって、昔は踏切があったところです。ここのところが全く計画が何も進められていない状況にあるという実態があります。何でここが全くいまだに空白空間になっているのか。それは、区長、あなたがこの補助五四号線の一期のこの部分を積極的に進めようとしないからです。何でなんだろう。ここに世区街一〇号線の工事車両を進めるために、工事車両の進入路が必要なわけです。進入路というのが、この補助五四号線の一期部分を利用してやる予定だった。ところが、ここの用地買収が積極的に取り組む、積極的にやると言って進んでいないから、結局この小田急の部分を利用して、工事車両の進入や工事車両の搬入をして工事を進めざるを得ないような状況に今なっているというのが実態。  これがあなたが積極的に進める、積極的に取り組むと言った補助五四号線の用地買収を進めてきた今の現況です。それでも、あなたはこれを積極的に進めていると言えるんですか、どうでしょう。 ◎保坂 区長 お話しになった下北沢駅周辺の都市計画道路事業については、執行体制を強化して駅前交通広場である区画街路一〇号線と補助五四号線一期区間の用地取得に注力をしております。委員、赤く塗られた部分が進捗率が悪いという御指摘でございます。  一方で、改札ができる駅前広場、駅前のマーケットがあった部分というのについては、これは物すごく時間がかかりましたけれども、成果が見えてきたと、進捗が図られていると。当然その予算も人員もかけて、そこに注力していたわけですが、この次のいわば目標は、この赤い部分、要はこれはバスターミナル、交通アクセスの潤滑な実施を目的にしていますから、ここに入ってこられないんじゃ意味がない。それからまた、この黄色いところには小田急の商業施設等がこれから建ってきますから、そこのところはしっかり取り組んでいきたいと思っております。  用地取得に必要な対象物件が二十件のうち、既に区が取得した箇所は、土地開発公社含めると九件ということで、そのうちタウンホールに面する用地では、現在は来庁者用の駐車場として一時利用している状況がございます。また、三月には茶沢通りに面した物件で建物の解体作業に着手する箇所もございます。長い年月、区の職員も努力して、事業者、地権者の御協力も得て、こうした努力を進めてきております。  委員御指摘のこの区間の整備を含めて、新しい顔の下北沢の魅力を創出していくために、私自身責任を持って取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 積極的に責任を持って進めてきた結果がこうですよと。三月十六日に、ここにいよいよ駅ができるよという話の中で、ここも残りわずかとなっていて、区長、あなたはここの実態がどういう状況であるのか、いろんな人の思いがありますよ。道路事業に対しては、いろんな思いがあるのは理解できます。いろんなものを進めるのに、いろんな考え方があるのも理解できます。  でも、理解できた中で、区長、あなたもこの地域の人たちの理解を得て、とりあえずあなたが言う、その二期、三期をとめてまでも、ここの一期を進める。一期を進めなきゃ、特にここもまた先に進めなきゃいけないという状況が、今の答弁でもし本気で理解したというのであるならば、区の職員も用地買収や道路事業の協力に対する推進に対しても一生懸命働いているのも、これもよく承知しております。  であるのならば、もうここに駅ができてしまうわけですから、ここに対する用地買収の力を、人をふやしたというのであるならば、それで今の現況もこういう状況であるというならば、区長、あなたみずから行って、もうこういう状況ですと。いろんな思いはあるかもしれないけれども、理解してください。この道路を進めるため、下北沢のため、世田谷のため、ひいてはこれから来るオリンピックのためにも、非常に大事な、この小さいところかもしれないけれども、ここに対していまだ進んでいない状況のところに対して、あなたがしっかりとした熱意と決意と覚悟をこの人たちに示すことによって、この道路が進むんですよ。この進むというところをあなたがしっかりと、区の職員はやっていますから、区の職員と一緒になってやるというところの姿勢、行動をいま一度きちっと見せていただきたい。それについてはどう思いますか。 ◎保坂 区長 過去、例えば駅前マーケットもなかなか権利がふくそうしていて、逆収用等いろいろな方策を考え、その中で、個々の地権者の方、権利を持っておられる方とお話をしてお願いしたこともございます。ですから、委員おっしゃるように、この赤い部分について、早期整備が必要だという立場ですから、これは担当所管が一生懸命やっていますから、その意見をよく聞いて、私が出て行くべきときと判断した場合は、これはいといません。しっかり対応します。 ◆畠山晋一 委員 しっかり対応するという状況が将来の駅の――駅も実際利用者が今まで十三万人だった方が、今減少して十一万人といったような実態も出てきています。駅自体が地下に潜る。井の頭線はそのままですよ。大丈夫ですよ。でも、そういった駅の形が変わってきて、人の流れが変わってきているという実態に対して、人の流れをいま一度引き戻すための大事な要点となってくる、この地域でございます。まさにこの道路でございますので、その点をしっかり進めていただきたい。  次に聞きたいのが、区長、今度はこちらなんです。今、あなたが在任されてから新設された条例は幾つあるか御存じですか。 ◎保坂 区長 ちょっと今、突然聞かれてもすぐには即答できません。 ◆畠山晋一 委員 区長が就任されてから議決された新設の条例が、一期目が三十六件、二期目が今のところ十六件、合計五十二件です。この間、条例改正を我が自民党が求めてきたのが、この商店街の加入促進についてでございます。商店街の加入促進、区長自身も今商業の関係の方といろいろな勉強会もやっていらっしゃるでしょうし、現場に出られていろいろな状況を理解、またはその状況を見てきているはずです。見てきている中で、いち早く世田谷区が取り組んできたのが、この商店街の加入促進条例です。  でも、この加入促進条例に対して、実はポイントとなっているのが、第四条の第二項の商店街において小売店等を営む者、また、第三項のところの商店街において小売店等をという、この小売店等をという文言であるがために、例えばコンビニエンスストアさんとか、ドラッグストアさんとか、大規模店舗さんとか、いろいろなそこは全部等に入っていますから、商店街さん、あなたが加入促進に行くときには、その等の中に入っていると言えばいいんですよと。それでは説得力に欠けると。  私ども世田谷区が先にやったわけですけれども、その後に続いた渋谷区などは、具体的にどういったお店に入らなければいけないかということの条例をつくっている。というところで、ここも、あなたが五十二件ですよ。新しい新設条例をつくっている間に、たったの四文字を変えられない、条例改正ができない、何でですか。 ◎保坂 区長 商店街はコミュニティーの大変大事な場であるとともに、地域のにぎわい、また交流の場をつくっていく資源として、世田谷区の大切なネットワークだと思っております。ということから、産業ビジョン、新しいものにおいても、個々の商店街の魅力向上、地域産業の活性化、商店街の公共的役割のさらなる強化を取り組むとしたところであります。  御指摘の条例は、区の産業振興の基本的事項を定めておりまして、おっしゃるように平成十五年の改正で商店街加入促進を規定してきたところで、加入促進については今おっしゃったところの指摘です。いわゆる具体的に列挙されていないじゃないかというところについては、議会から御指摘をいただいてきたところです。商店街のイベント等に参加する機会は多く、さまざまな要望等を伺っています。条例改正についても、商店街の抱えている課題をよく話し合った上で、取り組みを検討しているところでございます。 ◆畠山晋一 委員 商店街自体が区民の安全と安心を守る地元のプラットホームである、生活のプラットホームであるということを理解しているのであるならば、即刻にこの条例改正を進めることを要望して、次の質問者にかわります。 ◆菅沼つとむ 委員 私も十六分なんで明快な答弁をよろしくお願いいたします。  最初に、児童相談所の開設に向けてお聞きします。  児童の虐待で目黒区の五歳の女子が死亡なさいました。また、千葉の野田市の十歳の女子が親のしつけということで、虐待で死亡事件がありました。また、きょうも横浜市で虐待で重体になったというお話もあります。その中で、亡くなった原因は、一番には、児童相談所と家庭支援センターの連携不足、それから二番には、異なる自治体間の不十分な情報伝達、それから三番目には、各自治体間の引き継ぎ時の認識不足、これが虐待で救えなかった原因であります。  東京都と世田谷区が共通システムをつくり、情報共有をするべきと前回御質問しましたけれども、区は行わないというふうに答弁がありました。各自治体間で情報の共有をしなくて、虐待が本当に防げるのかお聞きします。 ◎澁田 子ども・若者部長 区では、前回御答弁もさせていただいておりますけれども、当面は区において、独自の児童相談所システムを構築することということで、特別区の中では課題をそういうふうにまとめております。区として、この児童相談所システムについては独自で構築し、運用していくというふうに取り組もうと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 今御答弁があった児童相談所のパッケージソフトウエア、これは幾らぐらいかかっているの。多分、福祉保健委員会では説明がなかったと思うんですけれども、お幾らぐらい。 ◎澁田 子ども・若者部長 開発の経費の合計でございますが、約九千二百二十六万八千円となっております。 ◆菅沼つとむ 委員 できましたら、児相の担当は福祉なんですから、やっぱりこれだけの金額というのは、説明していただかないとわからないというふうに思います。  それから、二十三区の中で児童相談所を始める世田谷区、荒川区、江戸川区の児相の共通システムと情報をどういうふうにつくっていくのか、その辺をお聞きします。 ◎澁田 子ども・若者部長 システムの構築でございますが、法定化されております児童相談所業務全般の運用が盛り込まれましたパッケージソフトウエアがございまして、このパッケージを基本に職員の意見等を反映させるなど、より使いやすいシステムの構築に取り組んでおります。システム構築の保守作業委託に係る事業者でございますが、平成三十年三月にプロポーザルにより選定しておりまして、既に具体の構築作業を進めております。  二〇一九年度には、都からのデータを移行いたしましてテストを重ねるとともに、現行の住民基本台帳のシステムや子ども家庭相談支援システムとの連携を図るように調整を行う計画でおります。児童の安全と福祉を第一に考え、東京都からのデータを迅速に正確に引き継ぎを行うためにも安定したシステムを構築しまして、確実に着実に準備を進めてまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 ただいまの答弁だと、東京都と世田谷区、荒川区、江戸川区のシステムがきちんとできて、お互いに情報が共有できているということですよね。確認します。
    ◎澁田 子ども・若者部長 東京都からの子どもの情報の移管につきましては、それぞれの自治体が整備いたします児童相談システムのほうで引き継ぎを行うというふうにしております。また、異動がありますケースにつきましては、従来どおり、文書やファクス等のやりとりで引き継ぎ等を行いまして、今般死亡事例等もございましたので、確実な引き継ぎのためには出先に出向きまして、顔の見える関係で引き継ぎを行うなどの方法で引き継ぎを行ってまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 今言ったことは、今までも同じように虐待が例えば世田谷区であったと。神奈川県に引っ越しちゃって、児童相談所の中で確認する。これは虐待がある人は確認するということの義務がある。それからまた、情報共有ということがありますけれども、児相の場合、情報共有というのは、こちらからこういう話がありますよ、虐待が危ないですよと言ったときに、それは受けたほうの各自治体の児相でやるかやらないかは関係ないんです。今でもそれはやっているわけ。やっているのになお、要するに虐待があるということで、お互いに情報を共有しなくちゃいけないんじゃないですか。  今言ったのは、東京都とも情報共有ができていない。二十三区の始めで三区ともできていない。それが、今、虐待で死亡事故が起きている原因なんじゃないですか。それは、世田谷区は今度やりますけれども、今までどこでもそれはやってきたことなんです。だけれども、それだと死亡事故があるから、新しく考えなくちゃ、きちんとしなくちゃいけないんじゃないですかということを聞いているわけ。その辺いかがでしょうか。 ◎澁田 子ども・若者部長 現在システムの構築の中で、派遣先で実際にシステムの操作を行っている職員などから、今現在東京都が使っているシステムの操作性ですとか、画面の展開などの御意見を伺って、区が実施いたしますシステムのパッケージの中に反映させていこうというふうに考えております。  今まで東京都が使っておりましたシステムといいますのは、住民基本台帳と連携することはできませんので、区が今回独自の運用といたしまして設定いたします児童相談所システムにつきましては、子ども家庭相談システム、また母子保健システムといいました児童関連システム等の閲覧のアクセス権のルールを定めた上で、必要に応じて児童相談所を初めとする関係所管の職員が、それぞれのシステムを閲覧できる機能とする方向で考えております。  また、この本システムにつきましては、児童相談所開設後も必要に応じて、修正、変更ができるということで、実用面からの視点を持って効率的に使いやすいシステムの構築に取り組んでまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 済みません、質問と答弁が違うし、明快で簡潔にお願いしたいというふうに思います。私の持ち時間が少ないものでよろしくお願いします。  実際に、きのうも国会のほうで児童相談所、虐待の話が出ていた。その中で一番問題になっているのは、この間お子さんが亡くなったのもそうだけれども、世田谷区の中ではいい、だけれども、区をまたいで、東京都だとか、二十三区だとか、それから神奈川県だとか、それから三多摩だとか、そうなったときの連携が全然とれていないから死んだんでしょう。だから、国のほうでは連携をとりなさいと、きのうも言っていたじゃないですか。何でとっていないの。聞きます。 ◎宮崎 副区長 今回御指摘いただいている情報の共有の関係につきましては、委員からも御指摘ありましたように、国が今まず検討に入っていることと、加えまして東京都のほうと特別区の間でも、この児相問題を含めまして検討を始めるということにしております。  今、観点としては、区内の中での部分についてのものは、システムという単独のものでいけるだろうけれども、自治体間をまたいだとき、こういうときこそ本当に気をつけなきゃいけない事態を、このシステムと言われている部分の中でも、いわゆる機器類の関係のことを言っているのか、全体のシステムと言われる大きな意味でのシステムという部分のところをやっているのかというのが、まだ明確に示されていないことも事実ございます。  ただ、スタートを切るに当たりましては、今のような観点につきましては、鋭意、その辺のところのやりとりを含めて精緻にやらないと、やはり起こしてはいけない事件が起きているわけですから、その辺を十分留意して対応していきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、今起きていることというのは、システムはできているんですよ。だけれども、そのシステムが本当に、警察だとか、子ども家庭支援センターだとか、学校だとか、システムはあるんだけれども、それぞれで機能してないわけですよ。だからこういうことが起きるわけ。実際にそれを防ぐにはどうすればいいかというと、今言った住民基本台帳だとか、そういうのをやっぱり子ども家庭支援センター、それから東京都、ほかの区、それから最寄りの生活安全課みたいに、いつも情報を出してなくちゃいけない。それが虐待がある人だけじゃなくて、おそれのある人も出さなくちゃいけない。その辺はちゃんと共有できているの。 ◎宮崎 副区長 これは今、部長のほうからもお答えしましたが、法律のそれぞれの縦割りと言われればそうですけれども、やっぱりアクセス権の問題というのは、やっぱりそこはそこで個人情報として慎重に扱わなきゃいけないという問題もございます。ですから、今般の手前側で防げるだろうという部分のところが、なぜ防げなかったかということが今検証されておりますので、その辺も十分留意した中で、今回先行します三区も含めまして、東京都とその辺については十分協議していきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 もう時間がそろそろなくなりましたんで、せっかく区長がいますからお聞きしたいんですけれども、世田谷区は一月に高齢者の名簿を個人情報ということで、警察に提供をやめたんですよね。その結果、世田谷区は高齢者のオレオレ詐欺で七億一千七百万円と日本一の被害を受けている。要するに、東京で一番ということは被害額で日本一なんです。世田谷区の区長も言っているように、区民の財産と生命を守ると言っている。ところが、それで逆にオレオレ詐欺で金額が多くて財産が守れない。  今、副区長が言ったように、児童相談所の個人情報になるわけですよ。虐待している人はいいですよ。なりそうな人も子どもの情報を出して、住民票を出したり、そういうことは実際にはやっぱりできないんですよ。この辺は本当に虐待というものは、ただ文書だけじゃなくて、それをいかにやる、警察といかに手をつないでやる、これが一番なんです。区長、この辺はできるんですか、お聞きします。 ◎保坂 区長 現在の児童虐待防止法でも、例えば面会のときに、児相職員に対して乱暴するようなことが想定される場合は、警察官同行ということを法律上もできるようになっているんですが、残念ながら余りそれが使われてこなかったんですね。警察なり捜査機関との情報共有、これは児童相談所において大変重要だと思っています。おっしゃる個人情報の問題です。どういうふうに、どこまでシェアするのか。あるいはおそれというと、かなり広い概念です。非常に蓋然性が高いのか、あるいはというところで広くなります。  そこは現在、まずは東京都との間で保健福祉局と、虐待については都も区もなく、やっぱり子どもの命最優先ということでシステムをつくろうということでやっていますので、その扱いについては区としてできること、子どもために最大限やっていくとともに、その個人情報保護の点では、一定の枠はかけざるを得ないだろうと思っています。 ◆菅沼つとむ 委員 もう時間がなくなりましたけれども、やっぱり今、区長が言ったように子どもの命が一番です。個人情報だとか、ああいうのが難しいのはわかる。だけれども、このままだと、そのためにお子さんが亡くなるかもしれません。午前中の自民党の質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは休憩いたします。     午後零時四分休憩    ──────────────────     午後一時開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆上山なおのり 委員 では、午前中に引き続きまして、自由民主党世田谷区議団の総括質疑を続けさせていただきます。  今定例会における我が会派の和田幹事長の代表質問で、区民、区内事業者、そして区の三者がそれぞれに依存し過ぎることなく、個々に課せられた責務を十分に果たすことのできる自主性、自立性をさらに高めるべきと主張してまいりました。我が会派は、限りある財源及び人材を行政が直接担わなければならない分野に効果的かつ効率的に配分する必要があるとの考えから、小さな政府の実現と民間活用の推進に全力で取り組んでまいりました。  しかし、保坂区政の誕生以来、小さな政府という概念からは、かけ離れた区政運営が行われていると言わざるを得ず、それが昨今の放漫財政に帰結しているのではないかと、我々はこの間、絶えず指摘してまいりました。  また、保坂区長は何ともラッキーな人物と思わせるのは、区長就任以来、軒並み特別区税の増収が続いたため、行政の本質からかけ離れたとも言える保坂区長ならではの施策に対して、財源を湯水のごとく投入できている点です。しかし、このような財政状況は永続しないことは確実であり、区が急激な歳入減に見舞われた際には、保坂区長が広げに広げた大風呂敷、すなわち過剰な行政サービスを縮小せざるを得なくなります。その際、最も迷惑をこうむるのは区民であり、余計かつ相当な負担感を与えるであろうことは容易に想像できます。  持続可能な自治体運営の実現を保坂区長が本気で目指しているのであれば、我々の主張を聞き入れ、将来の区民に重いツケを残さない区政運営にかじを切るタイミングは、この間にも幾度とあったと思いますが、なぜそうしなかったのか。小さな政府を目指さなかった理由をまずは問います。 ◎保坂 区長 二〇一九年度、来年度予算案は三千百九十三億円と、前年比でも百七十四億円増という内容になっています。しかし、その内容を見ると、玉川総合支所に二十億円、梅ヶ丘拠点整備に三十億円、私立保育園運営に十七億円、障害者自立支援に十億円、保育施設整備に十億円、介護施設保険事業会計繰り出しに九億円、都市計画道路用地取得に二十六億円、小学校改築十六億円など、主なものを拾いますと総計百五十八億円、余り私が特色的に打ち出したというもので何か広がっているというよりは、当然人口増、あるいは子ども支援、あるいは高齢化の波、これに基づく行政需要に応えてきたものと思います。  放漫財政というお話もいただいたんですが、確かに区の予算規模は二十三区最大規模でございます。ただ、区民一人当たりの歳出はどうかといいますと、二十三区中二十二位ということになってございます。過剰との指摘は、その点から言うと、区民一人当たりの支出は、全体の人口が大きいのでそのように見えてしまうかもしれないんですが、一人当たりの歳出という点では限られている。財政の持続的な可能性は、当然、委員おっしゃるように、常に念頭に置いて運営していかなければいけないというふうに思います。そのため、景気変動などにも耐えられるように、今般の補正予算及び当初予算案で、基金への積み立てのほうをさらに遂行しまして、現在基金自体は九百億円近くになっており、財政調整基金の残高を予算規模の一割とするなど、いわゆるリスクに対する備えもしているところでございます。  財政状況を踏まえて施策の優先順位を判断し、学校改築、あるいは公共施設整備手法の改革や、ICTを活用した、いわゆる仕事の仕方の改善など、経費の抑制、効率化に取り組むとともに、官民連携や地域の区民事業者との連携による行政経営改革の取り組みをさらに進めて、健全性の維持に努めたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 今答弁の中で、区民一人当たりの歳出は二十三区中二十二位との答弁がありました。それこそ、保坂区長が得意としているまやかしではないでしょうか。世田谷区には、先ほど人口も多いということを言われましたが、九十万人もおります。例えば区長の歳費を九十万人で割るのか、千代田区のような六万人から七万人で割るのか、一人当たりの額は桁外れに異なるなど、人口が多ければスケールメリットが働くケースも多々あります。単純比較するのであれば、経常的経費に占める補助費や物件費の比率のほうが妥当であると思いますが、世田谷区は二十三区中、どの程度の順位であるのか、すぐ答えられる方はいらっしゃいますか。 ◎岩本 政策経営部長 申しわけございません。すぐにはちょっとお答えができません。 ◆上山なおのり 委員 区のホームページで掲載しております平成二十八年度の決算の経常収支比率の分析によりますと、物件費が二十三区中十五位、補助費に至っては十九位と特別区の平均を大きく上回っているのが現状です。保坂区長のもとで繰り広げられている放漫財政により、二十九年度、三十年度決算ではさらに悪化するかもしれません。区長自身にとって都合のよい部分だけを切り取って言及するなど、区民をミスリードする手法は区民を欺くことになりかねず、使うべきではないです。今後はこのような言動を厳に慎むよう、この場をかりて強く求めます。  次に、予算編成の部分について伺ってまいります。  来年、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。今言われておりますのが、そのオリンピック開催後、日本は不況になると言われております。オリンピックの開催が決まると、多くの開催国では国が主体となってインフラや競技場の建設が前倒しで投資され、個人の消費も進みます。新興国では特にその傾向が顕著です。しかし、その反動で開催後に、民間投資の鈍化や個人消費の低迷などによって景気が低迷する傾向にあります。  日本も高度経済成長期に開催された一九六四年の東京オリンピックでは、東海道新幹線や首都高速などのインフラ、国立競技場などの大規模な投資が行われてオリンピック景気が起こりました。しかし、その後は昭和四十年不況が到来し、戦後初となる赤字国債を発行しております。  しかしながら、近年で見ますと、ロンドン大会は既存の施設を活用し、大規模な建設や投資を必要としないコンパクトな五輪であったことが成功の要因とされております。これは、二〇二〇年東京オリンピックのコンセプトと同じであります。現在の日本から考えると、経済を牽引するほどの新市場は起こりそうにはありません。しかしながら、オリンピック後は先行した投資や消費の反動によって、景気の低迷が訪れる可能性は高いと言えます。  そこで、東京二〇二〇大会後の景気減速に対する備え、また、その後を見据えた予算編成についてお伺いいたします。 ◎岩本 政策経営部長 区では、今後の社会保障費の増のほか、幼児教育・保育の無償化、また本庁舎整備や小中学校の耐震補強工事、また体育館の空調設置など、財政負担を伴う行政課題が控えてございます。現時点での歳入見通しでは、納税者数の増などにより特別区税一定の増収を見込んでいますけれども、海外経済の動向、十月に予定の消費税の増税の影響、また今お話のありました二〇二〇大会以降の国内景気など、今後の景気変動リスクと今後の行政需要の拡大、この両方を前提とした財政運営を行う必要があると認識しております。  このため、今般の補正予算及び当初予算案では、財調基金へ積み立てを行いまして、二〇一九年度末で三百十一億円という残高を確保する見込みとなりました。また、耐震補強等に備えて義務教育施設整備基金、また庁舎等建設等基金にも積み立てを行ったところでございます。  今後とも中長期を見据えまして、歳入の状況に応じて基金残高の確保に努めるとともに、議会の御議論も踏まえまして、施策の優先順位を見きわめて、事業の改革も着実に進めながら予算編成に取り組む必要があると考えてございます。 ◆上山なおのり 委員 備えをして、ぜひ進めていただきたいと思います。  その中で、予算を決めていく中で行政評価を行っておりますが、地方自治法第二条に地方公共団体の法人格とその事務という規定があります。その第十四項には、地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないと、行政の基本とも言える事項が定められております。果たして、今の区政は最小の経費で最大の効果を上げるという観点から運営されているのかという観点からお伺いします。  先ほどの地方自治法の規定にあるとおり、行政は事務事業が効果的に効率的に執行されているか常に顧みる必要があり、どの自治体においても次年度の事業執行の改善につなげるべく、行政評価に工夫を凝らし取り組んでおります。行政評価については、我が会派のおぎの委員が昨年の予算委員会でも取り上げましたが、改めて伺います。  まずは、そもそも現在の区の行政評価は効果的に、次年度事業の改善や行政経営改革に役立っていると、区として評価しているのでしょうか。また、役立っていると評価しているのであれば、その具体例をお示しいただきたいと思います。 ◎岩本 政策経営部長 これまでの行政評価は、行政の説明責任の徹底や事業のいわゆるPDCAサイクルの強化を目的に、内部評価を実施しまして、その結果を決算附属資料、主要施策の成果にまとめて区議会に御報告するとともに、ホームページにも公表してまいりました。  この間、行政評価の実施により、例えば実績が計画目標に達していない事業について、廃止、縮小などの見直しを行ってまいりました。例といたしましては、リカレント教育への補助など、大学、民間サービスの充実により申請が減少している補助事業の廃止や利用者が減少している委託事業の縮小を行うなど行っております。  一方で、現在の行政評価の仕組みでは、間接コストを含めたフルコストを把握しておりませんで、また実績中心の評価では、事業の成果を正しく捉えられないという課題がございまして、また必要性や効率性といった画一的な視点から事業を評価することにも限界があることから、評価手法の見直しを行い、二〇一九年度から新たな仕組みで評価を行えるよう、準備を進めているところでございます。 ◆上山なおのり 委員 御答弁いただきましたが、その事業の改善や行革が不十分であり、行政評価本来の役目を果たせていないと感じたのは私だけでないと思います。また、区は新たな評価軸に基づく行政評価というものを平成二十九年に新たに打ち出しましたが、どのようなものであるか、改めて伺います。 ◎岩本 政策経営部長 今お話しいただきました平成二十九年に外部評価委員会から御提言いただきました。その中では、実績を管理するだけの行政評価から、取り組みと成果の関係を論理で評価する行政評価へと改めるべきだという提言をいただいております。また、参加と協働、横断的連携、施策の機動的な修正拡充、三つの評価軸を用いて、事業のプロセスを分析することで施策の効果を高める成功要因を明らかにする手法を取り入れるべきだという提言もいただいてございます。  この提言を踏まえまして、二〇一九年度からの新たな行政評価では、各事業の目的と取り組み、事業の成果を明確にし、検証する仕組みといたしました。さらに、費用対効果といった視点にとどまらず、区民生活の実態に照らし、事業固有の評価の視点を定めまして、課題分析や改善策を明確にできる評価を実施していきたいと考えてございます。  また、新実施計画(後期)の重点政策では、区民、事業者との参加と協働により進める取り組み、横断的連携により進める取り組みというものを定めてございまして、この取り組みについても成功要因を明らかにするプロセス評価を行うこととしてございます。こうした新たな行政評価によりまして、効率的かつ政策効果の最大化が図れるように努めてまいりたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 今答弁にもありましたが、参加と協働という効果的、効率的とはある意味対極にある視点をあえて入れ、強調することで、行政の基本である、効果的、効率的の観点を薄めているのではないでしょうか。もしくは、意図的に落としているのではないかと邪推したくもなります。さらに言えば、事業の必要性の検証が不十分のまま、庁内での議論も不十分なまま始めた区長の肝いりの事業をいかに必要である、良好に達成できていると評価するために、行政評価というものがゆがめられているのではないでしょうか。  区は、ふるさと納税による減収の影響や公共施設の更新経費増などから、財政の見通しは今後より一層厳しくなると再三説明しておりますが、事業の見直しといった痛みを伴う改革は全く実行されておりません。区が胸を張って示す行政経営改革の効果は、どれも行革とは言えない小手先のものばかりであるのは、これまでも指摘してきたところであります。  区財政の健全性を保っていくためには、もう一刻の猶予もないと、我々自由民主党世田谷区議団は大変危惧しております。行政評価がこのようなものであり続けるのであれば、区自身による行政経営改革の断行は全く期待できません。このままでは本当に世田谷区はどうなってしまうのか、大変心配しております。大きく区政を見直す必要があると、ここで改めて申し上げておきます。  その持続可能な社会を目指す上で、予算と並んで大切な人材について、次は伺ってまいります。  団塊世代、バブル世代、ゆとり世代など、いろいろな世代がありますが、今回はロスジェネ世代についてお伺いいたします。  ロスジェネとは、ロストジェネレーションの略で、直訳すれば失われた世代です。ロスジェネ世代は、バブル崩壊後のおよそ十年間に社会人になった世代を指します。一九七〇年ごろから一九八〇年ごろに生まれた人が当てはまります。超就職氷河期に就職活動を行っており、正社員雇用ではなく非正規雇用として働くことを余儀なくされた人が多い世代とも言えるでしょう。  この時代、世田谷区においても新規採用数を減らしており、平成十七年度は一般事務の採用はゼロ人でした。行政は継続していくことが多々あり、若手、中堅、ベテランの年齢構成のバランスがとれたものが必要と考えております。区職員の年齢構成では、いわゆるロスジェネ世代後が少ないと思われますが、今後の区の人材育成や人員確保の計画についてお伺いいたします。 ◎中村 総務部長 区では、平成九年度からの定員適正化の取り組みの中で、現業系職種の退職不補充に加えて、さまざまな職種について採用抑制を行ってまいりました。そうした背景もあって、現在、保育園や児童館を除く行政系職員について、おおむね三十代半ばから四十代前半までの、いわゆる中堅職員が他の年齢層に比べて少ない状況にあります。このことは若手職員の指導育成や係長職などの確保という点で課題があると認識をしております。  このため、この間、民間企業等で有用な職務経験を有する二十八歳から四十五歳までの幅広い年齢層を対象とした経験者採用制度を活用しまして、年齢構成の適正化に向けた積極的な採用を進めています。今年度は行政系の採用者数の一割を超える職員を、この経験者採用制度によって採用したところです。  今後も経験者採用を拡充することで、企業などの経験を有する職員による組織の活性化を図るとともに、職員の年齢構成や職種などを考慮した中長期的な視点による計画的な採用を進めまして、ベテランから中堅、若手へ知識や経験を着実に継承しながら、次世代を担う人材を育成してまいります。 ◆上山なおのり 委員 今ありましたが、経験者採用制度ということで、経験者を登用されていくということですが、今ちょうど人手不足ということがうたわれておりますので、やはり民間企業でも、言ってはあれですけれども、とり合いではないんですが、どんどんとロスジェネ世代の中で転職が多く盛んに行われているということも聞きますので、そういったところも鑑みながら、計画的にそういった人材の確保、そしてまた、入っていただいた方には育成、そういったところまでしっかりと進めていただきたいと思います。  次に、ICT活用について伺ってまいります。  具体例として、ほっとステイについて取り上げさせていただきます。  子どもの一時預かりでどうしてもというときに、私も月に一、二度利用しております。しかしながら、予約方法が電話だけのところもあり、とても不便なところを感じます。そのほっとステイでは受け付け開始が毎月十五日、十五日が土日祭日の場合は週明けの平日、または翌日の平日ということで、朝の九時から始まり、翌月分の先着順の仮予約がスタートします。どうしても預けられない日が二月にありましたので、一月の申し込みに参加しました。九時から家内と手分けをして電話をしましたが、朝から電話をかけても全くつながりませんでした。やっとの思いで通じたのが午前十時三十分、一時間三十分も電話をかけました。二人でコールしたのは携帯でしたから数がわかったんですが、約二百回してようやくつながったという現状です。  こういうのを見ますと、時間ももちろんそうですし、負担ということで、やはり利用者が申し込むときの負担ももちろんそうですが、逆を言いますと、ほっとステイの場所では電話がずっと鳴っているわけです。ということは、保育者の電話対応の負担というものも相当大きいものがあるのではないかと感じました。  区の施設はけやきネットで集中してネット抽選できる仕組みですが、ほっとステイもICTを活用して、もっと簡単に公平にできないかお伺いいたします。 ◎澁田 子ども・若者部長 保護者の預かりの理由を問わず利用できるほっとステイは、区が委託により五地域で実施しております子育てステーションを初め、おでかけひろばに併設した一時預かりなど、区内二十カ所で実施をしております。特にニーズの高い子育てステーションでは、現在、主に電話で予約を受け付けておりますが、電話がつながりにくいなどの利用者からの声が多く寄せられておりまして、インターネットを使った共通の予約システムが導入できないか検討してまいりました。  しかしながら、各施設の既存の業務管理システムとの接続に課題があるために、受託事業者とも調整しました結果、まずは現場の状況を踏まえまして、施設ごとに電話のほか、予約システムも導入できるよう、来年度中の実施に向けまして準備を進めているところでございます。既に予約システムを導入した民間の実施施設からは、予約をとるのにかかる時間が短くなった、また保育者が保育に集中できるようになったなど、利用者、スタッフ双方からの評価の声が上がっておりまして、区といたしましても、システム導入に一定の効果があると認識しております。 ◆上山なおのり 委員 答弁にもありますが、やはり利用者、そして保育者双方がよくなるよう、そしてまた、強いて言えば子どものことに一番直結するわけでありますので、ぜひとも進めて、全体まとめてというのがなかなか共通のは難しいようですので、個々で対応できるよう、そういったものもしていただきたいと思います。  その中で、区が今行っているICTの情報のほうなのですが、先ほども申し上げましたが、区の施設はけやきネットで集中してネット抽選できる仕組みになっていたり、また粗大ごみは収集の申し込みなど、そういったところでICTは利用されております。その一方で、証明書であったり、手続、各種異動の申請とか、届け出の利用率というのがなかなか低いということがあります。日常的に必要とされる行政サービスはオンラインで使用されておりますが、本来自治体行政が期待している電子申請はまだまだいっていないのではないか、そういうところでギャップが生じているのではないかと感じております。  庁内だけのICT推進ではなく、区民向けのICT化がおくれていると思いますが、区としてはどのように考えられているのかお伺いいたします。 ◎岩本 政策経営部長 区はこれまでICTの高度化、多様化に対しまして、各種申請などをオンラインで受け付ける電子申請システムの整備やICTを活用した広報の拡充、また、くみん窓口での効率化を図る窓口支援システムの整備などを進めてきました。今年度策定した情報化事業計画においては、ICタグの導入による図書館サービスの向上、世田谷デジタルミュージアムの公開、観光目的や避難所へのフリーWi―Fiの整備運用、マイナンバー制度を活用した区民サービスの利便性の向上の検討、促進など区民に向けたICT活用を進めていくこととしております。  ただ、ICT技術の飛躍的な進歩に対しまして、区民に行政サービスの利便性の向上を十分に実感していただける状況にはいまだなっていないものと考えてございまして、今後、専門家のアドバイスや先進事例も参考に取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆上山なおのり 委員 いろいろと質問させていただきましたが、この区民向けのICTというのは所管ごとで対応されているようなので、何か横のつながりといいますか、こういったことには何か別の事業で使えるよと、そういった横断的な考え方というのも必要だと思いますので、庁内のICT化はもちろん必要ですし、やはり区民向けのICT化というのも行政のサービス向上、また職員の負担軽減、いろんなところでメリットがあると思いますので、そういったことは法的にしっかりと進めていただきたいと思います。  次は、障害者雇用についてお伺いさせていただきます。  先日、川崎市の障害者就労継続支援A型・B型事業所ハーモニーを訪問させていただき、お話をお伺いしてまいりました。この事業所は、業務用のクリーニングを営んでおり、病院のユニホームなどの仕分け、洗濯、乾燥、畳んで袋詰めなどの各工程でお一人お一人の特性に合わせ能力を引き出す工夫がされ、障害者の皆さんが生き生きと楽しそうに働き、賃金を得ておりました。A型、B型ともに定員が二十名でほぼ埋まっております。障害者雇用は働き手不足が懸念される今後の日本にとって極めて重要な政策ですが、そのためには障害者一人一人の特性とニーズに合わせた多様な働き方が必要となることを改めて感じたところです。  その率先となるべき国や自治体において、昨年明るみとなったのが、障害者雇用率の水増し問題です。大変残念なことに、世田谷区もその例外ではなく、誤算定があり、区には改めて猛省を求めるところですが、国はこの問題を受け、障害者雇用促進法の改正案について、先月の労働政策審議会の答申を踏まえ、今国会への提出を予定しているとのことです。改正案では、国や地方自治体に対する制度運用の厳格化を図ろうとしておりますが、この動きを踏まえ、今後、区は職員の障害者雇用にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 ◎中村 総務部長 区は今後、常勤職員、非常勤職員を合わせて七十人程度の障害のある職員を計画的に採用し、二〇二二年四月までに法定雇用率の充足を図ることとして、来年度は十七人を採用する予定です。また、障害のある職員が安定的に働き続けられることができるサポート体制を構築するため、現在新たに障害のある職員を配属する職場に対して、当該職員の障害特性や職務適性の理解を促進するための研修の準備を進めています。来年度は新たに人事部門に担当チームを配置しまして、障害のある職員や所属長との定期的な面談や職場訪問、就労支援機関との連携など、具体的な支援を行ってまいります。  お話しのありました障害者雇用促進法につきましては、現在開催されている通常国会へ改正法案が提出される予定と報道がされているところです。改正法案は、国や自治体に対して障害のある職員の職業生活における活躍を推進する計画を作成することのほかに、障害者雇用の推進者や職業生活の相談員を選任することなどを義務づける内容となっております。今後、改正法案の動向を注視するとともに、法案の趣旨を十分踏まえ、障害のある職員が安心して安定的に働き続けられ、障害の有無にかかわらず、ともに支え合い、活躍できる職場環境づくりを進めてまいります。 ◆上山なおのり 委員 ぜひ、他自治体や民間の模範となるよう、しっかりと取り組んでいただくよう要望いたしておきます。  また法案では、給付金制度を設け、短時間で働く障害者の雇用を促進するとしております。区も障害者のこうしたいろいろな就労ニーズに合わせ、多様な就労形態を創出する取り組みを進めるべきではないでしょうか。区の見解をお伺いいたします。 ◎松本 障害福祉担当部長 就労を希望する障害者の中には、法定雇用率に算入される週二十時間以上の勤務が難しい方もいらっしゃいます。こうした方の雇用を促進するため、今回の障害者雇用促進法改正案では、総務部長から御説明した内容に加えまして、委員から御紹介がありました週二十時間未満で働く障害者を積極的に雇用する企業に対しまして、給付金を支給する制度の創設が盛り込まれております。  区におきましても、心身の障害などによりまして、週五日や一日六時間勤務などが困難な方の就労に向けまして、ユニバーサル就労の構築を新実施計画後期にも盛り込み、検討を進めております。こうした取り組みは、今回の法改正の趣旨とも合致するものと考えております。既に障害のある方の勤務を週一日から四日にしたり、あるいは一日四時間程度の短時間にするなど、障害特性に合わせて働いていただく取り組みを始めた企業もあるほか、テレワークによる重度障害者の就労支援などの取り組みも出ておりまして、区民の就労にもつながっております。  区といたしましては、法改正の動向を注視しながら、障害者就労支援センターや就労支援事業所、産業団体とも連携しまして、障害者個々の状況に応じた働き方ができる就労環境の充実に努めてまいりたいと、このように考えております。 ◆上山なおのり 委員 障害者はお一人お一人、皆さん違うわけですから、それぞれのニーズを丁寧に酌み取りながら取り組んでいってもらいたいと思います。  最後に、三軒茶屋についてお伺いいたします。  太子堂出張所の狭隘化対策について質問いたします。  太子堂出張所は、平成二十五年五月に現在の事務所を開設しております。わずか五年で二千七百万円もの予算をかけて改修せざるを得ないということについては、区の見通しの甘さを指摘せざるを得ません。太子堂の窓口は、もとはといえば区内二十七カ所の出張所の一つであり、管内人口は二万四千人ほどで、全体の二・六%を占めるにすぎません。ところが転入を中心に、届け出や証明書の発行件数は平成二十九年度、一年間で十七万八千件で一四・五%を占めており、全窓口で最大です。  さきの地方分権特別委員会では、地域行政制度を振り返る作業を始めるとの報告がありましたが、平成十七年より七つの出張所と二十のまちづくり出張所をスタートし、さらに七つの出張所からまちづくり機能を分離するといった施策を進めてきています。ここにあるのは二十七カ所の窓口を均等にということではなく、窓口の行政事務は効率化を進めると同時に、拠点となる地区で集中的に受けとめる。一方、身近なまちづくり機能は維持していくということであったと思います。  ところが、さきに示された自動交付機の廃止対応では、まちづくりセンターでの取り次ぎを行う等、まちづくりセンターでの行政事務対応を拡充するそうです。他方、太子堂を初め、世田谷地域の出張所、くみん窓口はどこも手狭で、来庁者に大きな負担をかけている状況です。今回の太子堂の改修では、多少は混雑緩和の効果は見込まれるとのことですが、抜本的な解決には至っていないと思います。  そこで伺います。区は異動届け出等の行政事務の窓口をどのように展開していく予定なのか、区民が利便性を優先して窓口を選んでいる状況の中で、地方行政制度とは別のベクトルに動いている現状をリアルに受けとめ、昨今のICT技術の進展を見据え、今から対策をとるべきと考えますが、区の考えをお示しください。 ◎平澤 世田谷総合支所長 太子堂の今回の対応につきましては、待合が混雑する、待ち時間が長い等のお声をいただきまして、それを受けとめまして、スペースの拡張等によりまして、待ち時間短縮を図って、さらに安心して快適に手続をしていただくことを目的として行っているものでございます。  区の窓口サービスのあり方につきましては、バランスのよい窓口配置、ICT技術の活用など、全窓口業務を俯瞰して対応すべき課題もございますが、一方で既に申請が集中しています三軒茶屋での環境、体制の充実は重要な課題であると認識しており、関係所管と連携して検討を行ってまいります。 ◆上山なおのり 委員 途中になってしまいましたので、続きは補充で行います。  以上で自由民主党の質問を終わります。
    ○安部ひろゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党の総括質疑を始めたいと思います。  この間、ずっとさまざまなことを議論してきましたが、諸星議員が今回代表質問をやって、そこでも言いましたけれども、世田谷区は一つ一つの決断が遅い。いろいろ議論していても、やるのかやらないのかはっきりしないような状況がずうっと続きながら、結局、この間の代表質問でも諸星議員が言っていたとおり、認知症の賠償金のやつなんか、ほかに先に取られちゃったじゃないですか。どれだけ言っていたか、本当に検討してきたのかなと。必要だと思いますよという答弁はずっとするんだけれども、なかなかそこからが進まない。毎回毎回質問をしていると、重要だと思いますよと言うんだけれども、なかなか進まない。ずうっと進まないで、ようやく決断したなと思うと、時期が悪くて何なんだみたいな話が出てきちゃったりする。もうちょっとスピード感を持って決断していくということが、これから大事だと思うんですよ。  そんなことから、また一つ一つ質問してまいりますけれども、まず、未来への投資、教育の負担軽減、私たちは五つの課題といって、これをずうっとやってきました。唐突にやっているわけではなくて、これもずうっと議論して、必要だと思いますよというそれぞれの答弁がありながら、まだ山積しているものを、きょうは取り上げたいと思うんです。  まず、幼児教育無償化について、これも代表質問でも聞きましたけれども、幼児教育、代表質問では幼児教育無償化での給食の食材費ついて言及をしました。世田谷区として、ひとしく教育を受ける権利の象徴として負担軽減を進め、食材料費の全面無償化に踏み切るべきだというふうに代表質問では訴えたんですね。それに対して答弁は、食材料費について、国が明確に保護者負担とした。区が負担することも、これから検討を開始する必要があるものと認識しているという答えだったんですね。  この問題、財政的な負担も非常に大きくなってくることは確かなので、しっかり練っていかなきゃいけないんだけれども、ただ、私どもが考えるのは、認可保育園では給食は保育料に含まれている、これは別に取っているとは誰も感じていない。そういう現状を考えた場合は、食材料費だけを引き出して負担をお願いしますねというわけにはいかないんじゃないかなと僕らは思います。  その意味合いから、現状、保育料に含まれている場合は、保護者負担にならないような制度をやはり確立すべきなんだろうというのが私たちの考えです。どう決断に持っていこうとされているのかお聞かせ願えますか。 ◎保坂 区長 今お話しの国の幼児教育無償化にかかわる負担軽減策において食材料費の扱いと。これは本来は国が負担すべきものという考えは変わりません。他会派への答弁でも触れたとおり、これは二十三区ひとしく消費税が予定どおり十月にアップされたとしても、入ってくる財源を上回ってしまうわけです。いわば財源がふえるんじゃなくて減じてしまうというところを、区長会レベルで国への要望ということで提起してまいりたいと思います。  先日、二十一日に、参議院内閣委員会の国会議員の皆さん十名が世田谷区役所にお越しになりました。これは主にいわゆる企業主導型保育、これは杉並の現場を見て、世田谷区で発生した状況を聞いて、また、世田谷区の意見も聞いて、その後、児童育成協会に出向かれたと聞いておりますが、その場でも、この幼児教育無償化に伴って消費税の増収分も上回って支出が求められている。無償化をさらにしっかりやっていこうとすれば、地方交付税不交付団体という自治体の特性で大変厳しいんだという議論もしていただきたいと要望いたしました。  この間、食材料費の問題につきましては、これは十月ということですから、早急な検討が必要です。区が負担してきた認可保育園の主食費については、ここをまた抜き出してお願いするという理解は得られないだろうということで、区が負担する方向で検討するようにと、所管に指示をしております。  それで一方、保育料として保護者が負担してきた副食費のほうも大変大きな金額になるんですが、これは持続可能な財政運営ということも一方、非常に大事な問題でございまして、そこをずうっと慎重に、給食費の件でも最後に判断するまで、これは時間がかかったわけですが、そこはしっかり検証した上で、区議会の皆さんの意見、関係者の皆さんの意見を伺いながら決してまいりたいというふうに思います。 ◆高橋昭彦 委員 どちらにしてもスタートの時期はもう決まっているわけです。だから、決断しなきゃいけない時期はもう迫ってくるので、議会の中でも議論ができるような状況をしっかりつくっていかなきゃいけないと思うし、その上でしっかり決断をしてください。  教育費負担軽減ですよ。やっぱり今の少子化を変えるためにも、教育費の保護者負担が余りにも大きい日本になっているという現状からスタートしているんです。そこで教育費の負担軽減を、国としてもしっかりやろうということが始まったわけだけれども、制度設計がいま一つという状況はありますが、世田谷区の子育て世帯に対しての教育費負担軽減はきちっとやっていくという姿勢はしっかり持ってやっていただきたいと思います。  次に、休日・夜間保育についてもいま一つ結論が出ていないところがありますので、お聞きしたいと思うんです。  休日保育については、先日の答弁で、田園都市線沿線に一園実施が見えてきたと。今まで五園だったのが六園になるというのも前進だなと思いますが、この一園ができたからといって、これで達成したという状況ではないと思うので、一園でとどまらず、拡大してもらいたいんだけれども、働き方の多様性がさらに加速しているということも皆さん御承知のとおりであって、月曜から金曜、朝九時から夕方五時までという勤務形態ではないという勤務がふえてきていることは確かですよね。今、五園で実施している休日保育のニーズが高くて、拡充は喫緊の課題でもあるけれども、それと同時に進めていくべきは、この夜間保育の実施であると僕は思います。  代表質問の答弁では、実態調査をして、二〇一九年度に方向性を示すと。二〇一九年度、要は次の年度で方向性を示すというんですね。どうもこれも本当に時間がかかっているんだけれども、早急に実施の制度構築を示してもらいたいと思うんです。  例えば夜間保育の実施に当たっては、実施するのに、今、保育士不足となっているわけだから、保育士の確保は非常に課題であるというふうに聞いていますよ。  そこで、例えば夜間保育を実施する保育園の保育士の子どもを優先的にその園で受け入れる工夫をすることも必要なんだろうと思います。夜、自分の子どもは違うところに預けなきゃいけないとかいうことになってしまったら、やっぱりその保育士は不安でしようがないという状況もある。だから、そういう意味では負担軽減からも受け入れ可能にできれば、保育士の確保のメリットがあるんじゃないかなと思います。  こういうことも踏まえて、何とかこれを実施へどう取り組んでいくのか、しっかり結論を出しましょう。 ◎知久 保育担当部長 保育施設の急増に伴い、保育士の人手不足が深刻になってきたことから、区では昨年度から、区内の保育施設で働く保育士の入園選考に際し、一定の条件のもと、選考に有利となるよう、保育の調整基準指数二点を付与できる制度改正を行ってきております。  御指摘の夜間帯に勤務する保育士が勤務する園に本人の子どもを預かることは、自分の子どもが気になり保育に集中できない、また、保護者の受けとめなど課題が多いと考えますが、保育士自身の子どもの受け皿に関しては考慮していく必要があるものと認識してございます。  夜間対応の保育につきましては、先般実施した四月の入園選考に申し込みをされた方の勤務時間等の実態調査、また、次期子ども計画策定のためのニーズ調査結果を踏まえ、その方向性をお示ししてまいりますが、検討に当たり、御指摘のございました保育の利用者としての保育士の視点も踏まえ、夜間保育に関する方向性をしっかりと整理した上で、事業実施に向けて努めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 事業実施に向けて努めてまいります。事業実施しますということですね。これはどういうスケジュール感でやるのか、もう少しきちっと整理してください。明確にしてくださいね。  次、明確な答えが出ていないのがもう一つは児童館の整備です。  児童館は、地区の子ども・子育ての核であると私は申し上げました。地区の中の子ども・子育ての中核施設が児童館になっていくはずなんだと。地域包括に合わせて、地域包括の子どもの分野の拠点と位置づけて、各地区に児童館を整備すべきだというふうに訴えてきました。これも大分たっていますけれども。  総合支所には子ども家庭支援センターがある、地区には児童館がある、そして本庁には児童相談所がある、そういうふうに子どもの包括支援の完成に向けて、早急に整備スキームを示さなければいけないのではないかと僕は思いますよ。代表質問での答弁では、児童館のあり方検討委員会の報告でも、地区における相談支援やネットワークの強化を図るため、地域偏在の是正に向けて検討する必要があるという意見が出ましたという報告だったんですね。  でも、しかし、結論として、さらに継続して検討を進めるとし、四月からまた委員構成を見直して、新たにあり方検討委員会を編成して検討に努めますというんですね。必要なんだと言いながら、また検討しますというふうに言っているんですよ。未整備地区への整備の明確な道筋はもう示さなきゃいけないんじゃないのかな、答弁を求めます。 ◎澁田 子ども・若者部長 児童館の機能につきましては、昨年の世田谷区立児童館のあり方検討委員会での議論などから、その専門性を生かし、身近な地区における相談や気づき、見守りや支援の拠点となるとともに、地区の三者との連携をより強めながら、地域の方や団体などと連携した、より身近にある地区の子どものネットワークの中心として機能することが重要であるというふうに考えております。  現在、児童館の配置につきましては、七つの地区が未整備でございまして、一方、重複地区が五つある状況でございますが、このあり方検討を踏まえまして、児童館機能を日常生活圏域である各まちづくりセンター管轄の二十七地区、七月からは二十八地区となりますが、この各地区に再整備をする必要があるというふうに考えております。  具体的には、委員構成を見直しましたあり方検討委員会を開催するとともに、子どもたちの声、また現場の職員の意見を聞きながら、民間の力の導入による手法の内容や効果の明確化、これまで培ってまいりました児童健全育成事業のさらなる充実、見守り拠点としての役割の見直し、児童館ネットワークの強化などを含めた検討を行ってまいります。  さらに区議会や、子ども・子育て会議等での御議論も踏まえまして、二〇二〇年度からの子ども計画第二期後期計画に反映するとともに、ハード整備には公共施設の整備全体の取り組みと調整が必要であることから、公共施設等総合管理計画とも整合を図りまして再整備を推進してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 再整備を推進していくんだが、公共施設等総合管理計画とも整合を図らなきゃいけないんだと。公共施設等総合管理計画との整合、この計画の中に整備の計画を盛り込む予定になるのか。 ◎岩本 政策経営部長 公共施設等総合管理計画は、将来的な財政見通しに基づいて、公共施設の管理、保全、更新、また長寿命化や集約化、統廃合を推進することを目的に作成したもので、全体方針、また財政目標、施設総量目標などを掲げてございます。  平成二十九年三月の計画策定以降、区の公共施設整備に関しましては、このほか、学校の耐震診断の対応等さまざま課題が発生しておりまして、またこの間、工事単価も上昇していることなどから、公共施設の整備費及び維持管理経費について、計画策定時の経費推計から大きく乖離が生じている状況にあります。  こうした状況を踏まえまして、工事単価の反映であるとか、施設類型ごとの整備の考え方の更新、また、国の指針の改定との整合などの視点から計画の見直しを行う予定としております。  御指摘の児童館の整備の方向性の考え方につきましても、この計画の見直しの中で、中長期財政計画を踏まえて具体的な取り組みについて検討させていただければと思っております。 ◆高橋昭彦 委員 検討させていただきたいと思っておりますと。今澁田さんが言ったのは、七月から二十八地区となりますが、各地区に再整備する必要があると考えています。必要があると考えています。再整備しますとは言いませんか。 ◎澁田 子ども・若者部長 先ほど、政経部長からも御答弁申し上げましたけれども、ハード面につきましてはかなり調整が必要というふうに思っております。児童館は今二十五館ございますが、二十七地区、今度は二十八地区になりますけれども、機能についてはそちらの方で充実させていく必要があるということで、整備する方向を考えております。 ◆高橋昭彦 委員 しっかり取り組んでください。  次、住宅セーフティネット制度についてお聞きしようと思ったんですよ。国交省と厚生労働省でつくり上げたこの制度で、福祉的な意味合いが強いこの新たな住宅セーフティネット、これは公営住宅に頼らずに、民間の空き家、空き室を使って低廉な家賃で、高齢者、障害者、ひとり親家庭を公営住宅並みの家賃でしっかり住宅として守っていこう、そのために専用住宅としてオーナーに登録してもらおうというような制度なんだけれども、これが世田谷区はひとり親家庭だけやり始めた。ようやく一つは決まったんですね。  よくよく聞いてみると、この制度というのが画期的な制度なわけですが、これで住宅政策は、区営住宅、都営住宅はふえないけれども、そういった住宅弱者というか困窮者に対しては、これで道が開けるものなんだろうかというふうに区長も思ったんじゃないのかなと思うんだけれども、ところがところがという状況だったと。  その意味はよくわかりましたよ。だから、質問するのをやめようかと思ったんだけれども、では、高齢者の本当の住宅のセーフティーネットはどうしていくのか。今度、豪徳寺にシルバーピアが区営ででき上がるわけですね。こうやって都営から区営に移管されるところではふやすことが可能になっているということが見えてきたんですね。今、この住宅セーフティネットの国の仕組みがだめならば、区でもつくるべきなんじゃないかなとは思うんだけれども、もっと一工夫して、区が先頭を切って住宅政策をやるという状況も持ってほしい。  ともかく都営住宅はまだまだいっぱいあるわけで、それをこの豪徳寺の方式を使いながら整備して、高齢者の住宅、シルバーピアをふやしていくという状況は可能なんだということが今回展開されているわけだから、これはやっぱり都営住宅の移管をしっかり進めていくことが必要なんだろうと思うんですね。東京都が手放さないというより、区が受け入れていないという状況があると思うんです。ここの視点はどうするつもりか、ちょっとお答え願えますか。 ◎渡辺 都市整備政策部長 今お話しがありましたように、セーフティーネットのお話がございましたけれども、単身高齢者や障害者、ひとり親世帯など、いわゆる住宅確保要配慮者の方々への居住支援につきましては、委員からもお話しありましたように大変重要な課題であるという認識を持ってございます。  区では、これまでも民間賃貸住宅の空き室情報を提供するお部屋探しサポートや、民間賃貸住宅の入居時に保証会社を紹介する制度などを設けて取り組んできてございます。また、住宅セーフティネットの中核となります、お話にありました区営住宅につきましては、世田谷区の住宅整備方針に位置づけながら、平成二年度より東京都から移管住宅の受け入れを行いまして戸数の拡充を図ってきております。この三月に運営を開始しました区営豪徳寺アパート二号棟を含めまして、現在、五十団地、千四百七十戸を供給してございます。  都営住宅の移管につきましては、今後とも区営住宅等の全体ストックの更新時期や長寿命化等の計画を考慮した上で、都営住宅移管対象団地受入れ基準に基づき、関係部署とも協議の上受け入れを進め、住宅セーフティネット機能の強化を図ってまいります。 ◆高橋昭彦 委員 しっかり進めてください。そして、良好な住宅地世田谷なわけですから、住宅政策に強いという世田谷区になっていかなきゃだめなので、部長、お願いしますよ、もっと馬力を入れてやってください。  次、高齢者の多い住宅、都営住宅での多くの生活の課題が今発生していますね。大規模団地の悩みは買い物弱者ですよ。  買い物弱者については、うちの河村委員が何回も何回もずっと四年間やり続けてきた。全く結論が出ない。これはどうなっているんですか。産業振興部にしても、今は経済産業部か、交通不便地域にしても全く進まないじゃないですか。買い物弱者という視点でなぜ取り組めないのか、世田谷区は全く遅いですよ。  先月、東京都で都の住宅政策審議会で中間まとめの案を提示されました。御承知だと思いますが、その中で、高齢化する都営住宅での高齢者支援について、巡回管理人を通じた地域の支援団体とのネットワークを構築していきます。要は高齢化しているから、その生活をしっかりサポートしていけるように地域と連携しますよということですね。  もう一つは、民間事業者による移動販売の推進が必要だというふうに、この審議会でも明確に言っているわけですよ。これをしっかり答申に盛り込む予定だというふうになっているわけですね。この話はもうずうっと河村委員がしているんだよ。だけれども、なかなか進まない。これは大介護時代、二〇二五年、我々はこのテーマとしてはもうずうっとやっているけれども、高齢化を見据えてしっかり政策を打ち上げろというふうに僕らはずっと言ってきた。その都営団地での高齢化の生活支援は喫緊の課題の状況なんだ、これはしっかりと進めてもらいたい。  それとともに、先日、八幡山都営団地ってありますね。これは第一期工事がようやく完了したんです。これもなかなか進まなかった。住んでいる人がどんどんどんどん高齢化していってしまう。どんどんどんどん次の入居者を入れないものだから、本当に高齢化住宅になってしまったんだけれども、この工事がようやく完了して、二月から三百二十世帯の大移動が始まった。ここはみんな高齢者ですよ。  一期工事の四棟への引っ越しも、これは二月から始めて、約一カ月以上かけてようやく完了になります。ようやく引っ越しできたときには、もう今のこの三百二十世帯は完全な高齢化ですよ。ここは引っ越してみてから困り事が次々と発生しているんです。  一つは、今言った買い物ですよ。環八をまたいでしまったので、高齢者がいつも買い物に行くところが遠くなってしまって、環八をまたぐのが大変で、そっちのほうにはなかなか店舗がないというような状況です。  ある人は、引っ越したのはいいんだけれども、余りにも新しい団地なものだから、自分の部屋がわからなくて、結局、昔の部屋の前でずっと突っ立っていたというおばあちゃんもいる。あるおばあちゃんは腰が曲がって、もうずうっと上が見えないんだ。そうしたら鍵の位置が高くて鍵が入らない。今度、鍵も薄っぺらい鍵じゃなくて、電子ロックで非常に重いんだ。どうやったら鍵を入れられるのかというのがなかなかわからなくなってきた。中に入ったのはいいんだけれども、ドアをあけるのに、今度は回すものが違ってあけられなくて閉じこもってしまうとか、高齢者っていろんなことがあるんです。少し認知がかかっていたり、また、本当に腰が曲がっていたり、視野が狭くなってきたり、いろんなことが起こっている。  ひとり暮らしの高齢者、また高齢者世帯の手助けというのが、ここへ引っ越してからが必要なんだよ。こういった生活になれるためのフォローが絶対必要。今こそ地区の三者連携が力を発揮するべきときなんだよ。何のために地域包括をやってきたのか、こういうときこそ力を発揮すべきなんだよ。そのために、これはどうしていくのか。  特に買い物ね、高齢者を支援するということも含めて、買い物支援をどのように取り組むのか、そろそろ決断しましょう。 ◎西澤 烏山総合支所長 都営住宅を初めとしまして大規模団地などでの高齢化の状況の把握、また、生活支援等につきましては、地域におきましても最重要な課題であると認識しております。また、委員御指摘の買い物弱者対策に関しましても、区の地域包括ケアシステムの取り組みの中でも大きな課題と捉えておりまして、今年度は九地区で買い物支援に取り組んでいる状況でございます。  また、お話しの都営八幡山団地の建てかえに当たりましては、高齢者世帯を中心に約三百二十世帯という大規模な移転となるために、それに伴います適切な生活支援ということに関しましては、烏山総合支所としても大きな課題という認識のもと、支所内各課によります地域包括ケア推進会議で情報共有を図っております。  また、現場におきましては、上北沢及び上祖師谷各地区、二つの地区のまちセン、社会福祉協議会、あんしんすこやかセンターの三者が同席の上、昨年六月から計二十六回ほど団地におきまして出張相談を実施し、悩み事、また困り事についての聞き取りや個別相談を行ってまいりました。  聞き取りの中で、引っ越しに際する手続、費用の相談など、また、移転による日常の買い物の不便など、そういう声も多くお聞きしましたため、現在、移転先となる上祖師谷地区まちセンにおきまして、配達も可能なスーパーまた商店街の情報を初め、緊急時の行政の連絡先などを盛り込みましたウエルカムマップ等を三月中に配付できるよう準備を進めております。  総合支所としましては、今後も身近な地区、地域での住民の声を真摯に受けとめまして、買い物支援を初め、地域の実情を踏まえました地域包括ケアシステムの取り組みを着実に進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 重要なことと捉えておりと、九地区で課題解決の取り組みとして買い物支援に取り組んでおりますと明確に言うんだけれども、九地区の状況を聞きましたよ。一年に一回ちょこっとやったとか、しっかり生活を支えるという取り組みになっていないじゃないですか。やりましたとは言えないわけですよ。  また、八幡山団地についても、これまで二十六回も聞き取り調査をしてきましたと。聞き取り調査をして、では、住んでからがどうなったのかということまでいっていないでしょう。そういうところが弱いんですよ。やりましたと言うけれども、申しわけないけれども、西澤さんにこういうことを文句を言うのもかわいそうなんだけれども、そういう声がわっと出てきたから、三月中にウエルカムマップをつくりますよって、もう住んでいるんだよ、これは遅いんだよ、こういうのはもうちょっと一カ月早くつくらなきゃだめなんじゃないの。文句を言う場じゃないけれども、これは文句を言いたくなるよ。  ともかく買い物支援に戻すけれども、買い物支援というのは、世田谷区としてしっかりプロジェクトを組んで、もう各所管がしっかりと連携をとる。それをしっかりまとめて、ここはこうするというような明確な横断的なものをしっかりつくってもらわないと、買い物支援部なんてつくらなくてもいいけれども、プロジェクトを立ち上げるぐらいにやってもらわないと、本当にこの大介護時代をどうするのかということになってきますよ。副区長、どうですか。 ◎岡田 副区長 地域包括ケアシステムの中で地区、地域のニーズを丁寧に酌み取って課題解決につなげていく、こういった取り組みは非常に重要で、その中でも買い物弱者対策というのが非常に典型になろうかと思います。  これは問題解決を本当にしていくためには、委員おっしゃるとおり、総合支所まちづくりセンターが中心になっていくんですけれども、それに加えまして、商店街等の関係から経済産業部門、あるいは高齢福祉部門を初めとした関連部署との連携、全区的な調整が必要になる、そういう事例が出てきていると非常に感じているところです。  こうした意味で、地区、地域で区民の問題に向き合う総合支所と本庁関連部門とのプロジェクトなど、隙間をつくらず、課題に的確かつ迅速に対応できる体制づくりを進めてまいります。  また、先ほどお触れになりましたけれども、公共交通不便地域対策、これも非常に領域をまたがる課題がありまして、現在、道路・交通政策部、総合支所、経済産業部、高齢福祉部、障害福祉担当部、都市整備政策部、土木部などによる公共交通不便地域対策調査・検討委員会というのを設置しておりますけれども、このテーマにつきましても、公共交通の問題に限らず、お話しのありました買い物弱者あるいは移動困難者対策、こういったことを視野に入れて、庁内連携の仕組みを具体的に検討を実施してまいります。 ◆高橋昭彦 委員 やっとやる気になってきてくれましたかね。しっかりプロジェクトを立ち上げてやってください。連携だけじゃだめですよ。皆さん、連携をとりますとよく言うんですけれども、連携がとれていないからこういうことになるわけだから。  もう一つだけ聞きますけれども、さっき、引っ越しに伴う問題を挙げましたが、引っ越してみてからの困り事が多く発生しているんですよと言いました。日常生活のバックアップにどういうふうに取り組んでいくんですか。 ◎清水 烏山総合支所保健福祉センター所長 区では日ごろから、御本人や御家族、民生児童委員、近隣の方などから高齢者の御相談を受け、あんしんすこやかセンターや関係機関と連携しながら、御本人に寄り添った支援を行っております。  今回、都営八幡山団地の建てかえに伴う引っ越しをきっかけとして、急に体調を崩された方など、新たな御相談も生じております。  区では、あんしんすこやかセンター等と連携をいたしまして、御家族との面談を行うなど、個々の相談に丁寧に対応しております。  地域では、三者連携の仕組みの中で転居前の対応として、出張相談、訪問アンケート調査や支援者向け情報交換会等を実施いたしました。転居後においても、転居うつ・閉じこもり予防講座や、新しい住民を迎える交流会などを開始しております。  今後も引き続き高齢者御本人の状況に応じたきめ細やかな支援を行いながら、地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケアシステムの取り組みを進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 しっかり進めてください。  余り時間がなくなってきましたけれども、最後、地域行政について質問します。  地域行政の推進に関する条例制定に向けた検討というふうに報告がありましたね。前回の第三回定例会のときにこの地域行政というのは取り上げさせてもらって、二十七年たったこの地域行政制度、非常に形だけが残って、中身が充実していないんじゃないかという危機感も持ちながら、我々は定例会のたびとは言いませんが、この地域行政制度、三層構造については何回も何回も議論してきたつもりですよ。  この地域行政制度、世田谷区は全国に先駆けてこれをやったんだよね。昭和五十四年から検討を始めて、平成三年に開始されたわけで、地方分権の先駆けとなる独自の地域行政制度としてスタートしましたと華々しく言っていたわけだよ。このときのスローガンは、もっと身近に、もっと便利に、打てば響くまちづくりだね。地区の中心地としての出張所は、区役所が身近にありますよと、これが区民に聞こえるわけだ。そうか、世田谷区の区役所がうちの近くにあるんだって感じるわけだよね。非常に画期的なものになってきたという状況があった。  だけれども、二十七年間経過する中で、まちづくりセンターのできること、まちづくりセンターの役割も大きく変化してきた。もともと出張所だったけれども、同様に支所の担う内容も変わってきた。平成三年スタート時とはもうさま変わりしていることは確かなはずですよ。  第三回定例会で僕は、共通番号制度や地域包括ケアなど新たな対応する仕組みが進んだので、三層構造の役割と地区の概念、二十七年目の過渡期にあるんじゃないかというふうに言いながら、地域行政制度推進に向けた条例を検討すべきだと申し上げたんだけれども、このたびの区の報告の地域行政制度の条例を制定する意味、これが狙いですというのを、まず明確に答弁してください。 ◎志賀 地域行政部長 今お話にありましたとおり、地域行政制度は、地域住民に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開するとともに、区政の区民参加の促進を図ることを目的として、昭和五十四年から検討を進めまして、平成三年に制度を導入したものでございます。  この間、地区、地域、本庁の三層構造による機能を生かしまして、特に東日本大震災以降は地区まちづくりに重点的に取り組んできた経緯がございます。  一方、制度開始から二十七年がたち、少子・高齢化の進展、あるいは人口の増加などによる地域の姿や社会のありようが大きく変化する時代にあって、住民自治や身近な行政サービスのあり方及び三層構造による行政運営の方法について、区民とともに改めて整理し、将来に向け持続可能なものにしていく時期に来ているものと認識してございます。  そのため、地域行政における参加と協働を一層促進させ、区、区民がその基本理念やそれぞれの責務を広く共有し、住みなれた地域で安心して住み続けられる地域社会の実現に向けて一体となってまちづくりに取り組むことを明らかにするため、条例制定に向けた検討を進めてまいる所存でございます。 ◆高橋昭彦 委員 地域行政制度、世田谷があるんだからつくるんだということではなかなか物事は進まないですよ、意味がないですね。  では、何が必要なのか。僕は二年前のここで申し上げました。区長にも申し上げました。当時、平成元年、世田谷独立宣言と言ったんです。そして、区の自治権確立に向けてキャンペーンを開始した。そして、平成四年には、その当時、世田谷区はこう宣言した。今、区の独立に向けて具体的な詰めを区と都で協議中です、こんなことをやっていた。ここで二年前に申し上げましたよね。自治権拡充と銘打ってスタートした世田谷区ですよ。世田谷区は変わるんだという感覚をみんな持った。職員もそう思ったと思う。いよいよ世田谷区は変わるぞ。三層構造というこの総合支所を五つつくった。もうこれは政令指定都市へ踏み出すんじゃないのかなと誰でもが思うよ。区長は本気なんだなという感じをそのときはみんな受けた。よし頑張ろうって、役所が一丸となっていたような気がする。雰囲気がよく感じ取れるような、そういうそのころの記録ですよ。世田谷区民もそうかと思ったと思うよ。  いよいよ百万なんでしょう。いよいよ百万都市なんだよ。百万都市世田谷に向けて、この地域行政制度はこうあるべきだと。だから、三層構造はこういうふうにしていくんだと。今までやっているから条例なんだではないんだと僕は思うよ。いよいよ百万だというときに、百万都市世田谷、世田谷は変わるんだと。百万になってしまうんじゃなくて、百万を目指して攻めの心意気でこうやりますよということが大事なんだと僕は思う。そういう自治権拡充、百万都市世田谷へというような地域行政制度の条例をすべきなんだろうと僕は思うんだけれども、区長、どうだろうか。 ◎保坂 区長 おっしゃるように、現在の地域行政制度、十二年もかけて準備をされて、またその振り返るパンフレットもすばらしいですね。また、当初発案からもう四十年以上たっているわけで、実際に運営をしてきた。  おっしゃるようにこの地域内分権と自治権拡充と裏表というかセットの関係ですね。したがって、この条例は、区の形、自治の形、あるいは行政の形をやっぱり大きくバージョンアップするというぐらいのものでなければならないと思っていますし、まず、区民がそのことに非常に敏感に、また、これは非常に大事なテーマなんだということをわかっていただいて、もう一度地域行政制度を再定義しながら、自治権拡充に向かうぞという機運をぜひつくってまいりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 いろんな困難な制度があるけれども、乗り越えるかもしれないなという雰囲気をしっかり出さないと、また、乗り越えるぞというような意思をしっかり明確に持つことも大事だと思いますよ。もう一回、世田谷区、がっちり変わっていきましょう。  では、佐藤政調会長にかわります。 ◆佐藤弘人 委員 では、公明党の質疑を続けます。  私からは、初めに国際交流について、先般の本会議においても、今期で勇退する我が党の諸星議員から代表質問において、せたがや文化財団の一部の事業部として来年度準備をして、二〇二〇年度から本格始動をやっていくということについて、心から振り絞る訴えをして、苦言を呈させていただきました。  そのときの区の答弁の中で、最後のところになりますけれども、今後は、国内外のさまざまな人や地域との交流に向けたイベント等の共同実施とか、多言語による外国人の受け入れ環境整備や、国内外への世田谷の魅力発信、観光や語学に係るボランティアの活用など具体的な連携を行いながら、積極的に事業展開を進めてまいりますみたいな話になっているんです。  最初の確認ですけれども、今、世田谷区がこれから国際交流を文化財団にお願いするというこの時期において、世田谷区が考えている全てがこの答弁の中に集約されているんですか。 ◎田中 生活文化部長 文化財団内に事業部を新設する予定にしておりますが、全てをそこで行うということではなくて、区は区の役割、文化財団は文化財団の役割として行うという前提ではございますけれども、二月の常任委員会で御報告させていただきましたとおり、世田谷区の今後の国際政策の推進において求められる取り組みというのは、在住外国人などの生活基盤の充実などの多文化共生施策の着実な推進、地域における多様な国際交流の推進、交流のネットワーク化による地域の活性化、国内外に向けた交流、貢献、協力の拡大であると考えております。
     特に喫緊の課題として、入管法の改正等を踏まえ、在住外国人の生活基盤の充実、特に平成二十九年の法務省によるアンケートでも課題とされた住宅、就労や、医療、災害に関する情報の多言語による提供などは優先して取り組むべき課題であると考えております。  また、国際交流については、これまでの海外都市との交流事業の拡大を目指すとともに、東京二〇二〇大会を一年後に控え、まずは地域の国際化に力を入れてまいりたいと考えております。区民の国際交流への期待は語学の習熟度や海外経験などによりさまざまであり、できるだけ多くの方が参加できる選択肢をふやしていくことが必要でございます。  こうしたことから、具体的な取り組みの柱としては、情報発信、場の提供、ネットワーク構築を行うとしたものでありまして、この具体的な戦略について、有識者や区民、団体の意見を聞くことを想定しておりますが、その上で、区が責任を持って九月には方針案をお示しできるよう取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 今、田中部長から九月にお示しするというお話がありましたけれども、大事なのは、情報発信とか場の提供、私は別にいいんですけれども、ネットワークの構築とか、この時期においてまだ具体的な方針が定まっていないとしか、私は解釈ができないんですね。なぜかというのは、では、具体的にどこに向けてどの分野で情報発信をしようとしているのか。その目的のために、こういう機関とかこういう団体とネットワークを結んでいきたいと考えているのか。まず、世田谷区は国際交流を来年度準備、再来年度本格実施に向けて、第一弾としてどの分野で世田谷区の特性を生かして外へ向けて攻め込もうとしているのかということが全く見えてこないんです。このままだと、このまま文化財団に丸投げして、あとはお願いしますよというふうになってしまうんじゃないかなと、私は懸念というか危惧しているんです。  だから、まだ今具体的に決まっていないということでよくて、それで何とか頑張って九月までにその方針を示すんですか、示さないんですか、もう一度そこだけ答弁していただけますか。 ◎田中 生活文化部長 九月には戦略についてお示しいたします。ただ、特定のテーマ、この分野でどうこうという、この分野に絞った国際交流を展開するというふうなことは現在想定しておりませんで、もちろん特定の分野について、担当所管と連携しながら国際交流を進めていくということはあるとは思いますけれども、区民の国際交流、国際協力への期待は多岐にわたっておりますので、できるだけ多くの方の期待に応えられるような幅広い分野で考えていきたいというふうに考えております。 ◆佐藤弘人 委員 申しわけないですけれども、それはみんな期待しているのはわかりますが、国際交流といっても、今部長が答弁されたように多岐にわたるわけですよ。それを幅広く意見の集約といったって、集約できるわけがないんです。だから、例えば何段階にも分けてこういうふうな戦略を組み立てて、まず第一弾はここからやりますと。例えば海外のどこどこの都市で世田谷見本市を開催したいと思います。そこに対して、皆さんから幅広い御意見をいただきたいし、それが実現するために、こういう機関とかこういう団体の皆さんから意見を聞きたい。そこに「世田谷みやげ」だとか「せたがやそだち」もみたいな話だったらわかりませんか。そういうことをベースにして意見を集約して意見交換をしていく中で、実現に向けて到達していくんじゃないかなと私は思うんですね。  まず言いますけれども、丸投げというか、文化財団にお願いするばかりじゃないとおっしゃるのであれば、では、その下地づくりは、これから世田谷区でつくるということを考えれば、まずネットワークの構築についてはどこと構築しようとしているんですか。  今いっぱいありますよね。前、私も自治体国際化協会だとか、JICAだとか、例えば在外の日本大使館だとか、国際協力銀行だとか、さまざまな国際的な海外との交流を結ばれている機関がありますよね。そこの連携は、世田谷区はもうスタートされているんですか。 ◎田中 生活文化部長 これまでも区は自治体国際化協会――これはCLAIRですが――から多文化共生に関する職員研修の講師を招いたり、海外都市交流に向けて助言をいただくなど連携してまいりました。また、区として国際協力機構、JICAの主催する地域開発向上研修等で訪日する海外の政府・自治体関係者の視察の受け入れの際は、実際に地域のまちづくりセンターで、町会・自治会や区民の方々との意見交換を行っていただくなど積極的に取り組んできたところでございます。  区及び新たな国際化推進組織であるせたがや文化財団が、それぞれの役割の中で各国際協力機関との連携を図るとともに、例えば海外協力隊による派遣国の写真紹介や講演会を、せたがや文化財団の生活工房が毎年実施しているDAYSJAPAN写真展などの事業と連携しながら実施するなど、区民に向けて広く国際貢献、協力に関する意識啓発などを行うということも、こうした協力の一つであろうと思います。 ◆佐藤弘人 委員 どうしてもこの国際交流の話をすると、最後は内向きでおさまるんですよね、この世田谷区の中でとか、世田谷区に来てもらったときにはみたいな。だから、そこをどうやって攻めていけるかというところに一つ活路を見出すべきじゃないかなと思うんです。  時間があれなので、では、改めて少し具体的な分野を挙げますけれども、まず、都市間交流についてお伺いすると、例えば京都市なんかは友好交流都市みたいなことでパートナーシティということをベースにして、区民レベルで交流を促進させているんですね。ボストン市に行って、日米青少年の野球交流プログラムをつくったりとか、それから歴史を含めて、他の海外の都市と京都の歴史の情報交換ということで、向こうと行ったり来たりをしながら、さまざま目的を明確にして交流を深めていると。  横浜市では、例えば姉妹都市も含めて友好都市とかパートナー都市、それから共同声明を宣言した都市とか、技術協力に関する覚書を交わした都市、そういうのを含めると、もう二十八の都市と今交流を結んでいるんです。  世田谷区においては、これまでの姉妹都市が三つ、これからフィンランド、台湾、ポートランドと、それでも六都市ですよね。  そういったことでいくと、やっぱりそこだけでも基盤がまだまだ弱いなという印象を私は持つんですが、では、その都市間交流についての考えについてはいかがですか。 ◎田中 生活文化部長 言語や国籍、民族等による文化的違いを超えた心と心の通い合う国際交流や国際貢献活動は、友好親善と相互理解を促進し、国際社会を生きる人材の育成につながるとともに、多様性を認め合う地域社会の形成につながります。姉妹都市交流や教育交流など、行政レベルでの国際交流事業は、引き続き区が担ってまいりますが、都市間交流を進めるためには、まず区民、市民レベルでのさまざまな交流を進め、信頼関係を築くことが大切になってまいります。  このため、新たな推進体制では、区及びせたがや文化財団で役割分担、連携しながら、文化や芸術、スポーツ、さらに環境やまちづくりなどのさまざまな分野における区民、団体、事業者等による交流を進めるとともに、両都市の共通の課題解決に向けた具体的テーマの交流を、関係機関と連携し実施してまいります。  このような取り組みを通して、さまざまな分野での区民、市民同士の交流を継続発展させ、交流から生まれる成果を、区民の皆様と共有しながら、自治体と自治体の結びつきのあり方についても検討してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 では、続いて国際協力という観点でいくと、例えばまちづくりとか、環境とか、文化とか芸術、もしくはまた技術的なものも考えられますけれども、これについてはどうですか。 ◎田中 生活文化部長 区は、福祉施策やまちづくり、清掃・リサイクルなどの各分野における取り組みにおいて、海外自治体から視察を積極的に受け入れており、今年度も中国や韓国、シンガポールなど、近隣のアジア諸国を中心に約十カ国が区を訪問されております。  一方、区民レベルでも、区内の国際活動団体が環境問題や貧困問題など幅広い分野で国際貢献・協力活動を展開されています。  今後は、まず世田谷の持つ多様な国際交流、協力、貢献の資源やノウハウ等について、有識者を初め、区民、団体、事業者等と意見交換を行い共有するとともに、JICAなどの国際協力団体とも連携しながら、行政レベル、民間レベル、双方での国際協力活動での拡大に向けて取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 続いて青少年交流の促進等も聞きますけれども、これは教育ともかかわったりしますが、いずれにしても、区内の青少年がさまざまな国に行って異文化に触れたりとか、国際感覚を養ったり、そういった意味では人格形成にとって非常に大きな機会になると思います。  これから学術的な交流とか、それから海外へ留学する人は今でも多いでしょうけれども、そうした機会を広くこれから得られるようにどうやって取り組みを進めていくつもりなのか、それについてもお伺いします。 ◎田中 生活文化部長 次代を担う、まさに成長過程にある青少年が、国際交流体験を通し異文化への理解を深め、国際感覚を養うことは、将来の地域社会を担う人材の育成に向けて非常に意義のあることと考えます。  高校生、大学生の交流や留学機会の拡大に向けては、新たな国際化推進体制の中で、JICAやCLAIRを初め、大使館や国際交流基金等のネットワークからの情報収集と提供など、教育委員会や区内の高校、大学等の教育関係機関と連携しながら取り組んでまいります。さらに民間事業者等の交流・留学支援の独自の取り組みの研究も行うなど、企業との連携の手法についても研究し、機会の拡充に努めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 その研究している時間は多分ないと思いますよ。  では、留学生の支援についてはいかがですか。それぞれ世田谷区についても在住の外国人の方がふえているということも含めて、区内の大学もこれから、そういった意味では、三軒茶屋にテンプル大が来るんでしたっけ。そういったことも含めて、これから留学生の支援をしていく中で、そこから外に向けた発信をしていけるということも当然視野に入れなくてはいけないと思いますけれども、それについてはいかがですか。 ◎田中 生活文化部長 日本に関心を持ち、意欲を持って学びに来日する留学生と地域での交流を進め、世田谷に定着してもらうことは、地域の国際交流にもつながり、また、区が目指す多文化共生社会の実現につながってまいります。  本年三月に策定予定の(仮称)世田谷区多文化共生プランでは、基本方針の一つとして誰もが安心して暮らせるまちの実現を掲げ、そのうち、留学生の支援も含めた生活基盤の充実を重点施策として位置づけております。  留学生の支援の充実や活躍の促進に向けたニーズ把握のため、二〇一九年度には、大学とも連携しながら、区内大学に通う留学生へのアンケート調査の実施を予定しております。調査結果を分析し、留学生にとっての効果的な支援や、防災に関するボランティアなどの活躍の場づくりの検討に生かしながら、関係機関とともに、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、もう少し具体的な戦略を描いていただかないと、このままの状態で文化財団の一事業部にというふうになってしまうと、受けるほうは大変なことになってしまいますよ。  それで、いつも言いますけれども、私たちは、これまで国際交流観光協会というのを別な組織として新しく、庁内ではなくて外に出してつくるべきだという話をしました。今の答弁の中でも、関係機関と連携をしながらとか、そういったところが発生すると、とても時間がかかるわけですね。二〇二〇年という機会を逸するわけにもいきませんし、二〇二〇年が過ぎたら、そのまま国際交流という機運はしぼんでしまうんじゃ全く意味がないわけです。  ですから、世田谷区としてこの国際交流という視点でこれから取り組もうというふうに指導するのであれば、そこのまず第一弾として、どういったところを、またどの分野で何を目的に、どういうところとネットワークを組んでいくのかというところをしっかり明確にしていただいた上で事業団にということで、できるかどうか、もう一度御答弁いただけますか。岡田副区長がいいですね。 ◎岡田 副区長 今、世田谷区内に在留外国人の方が二万人、二十三区の中では比率としては非常に低いんですけれども、非常に多くの方がもう住んでいらっしゃる。国際メッセみたいなことをやれば、いろんな団体の方たちも参加される、こういう状況にあります。  こういう中で、私ども世田谷区として国際交流施策を、多文化共生あるいは国際貢献というものも目指して、そういったウイングを広げて進めていこうというようなことで今取り組みを進めようとしているわけですが、今お話しの目標設定ということで言いますと、やはり来年のオリンピック・パラリンピック、これは非常に大きな契機になると思います。ことしから、来年度からもうプレの事業もいろいろ考えておりますので、特にさまざまな団体がありますので、そういう中でぜひネットワークをつくって具体的な動きをつくっていきたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次にいきます。認知症条例の制定について、これについても、今期で勇退する我が党の諸星議員が生涯最後の代表質問で、保坂区長に対して、条例制定に向けての意欲は買うけれども、中野区、葛飾区に先を越された、とにかくスピード感がないというお話をさせていただきました。  改めて熟議をすべきであるというところと、いやいや、タイムリーに打ち出すべきではないかという意見がございますが、我々はしっかりとタイムリーにこれは打ち出すべきだと思っておりますけれども、その選択の基準について、区長はどういうふうに今考えられているのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◎保坂 区長 区内で介護認定で二万二千人という大変な数の方が認知症だったり疑いがある、こうなっている。認知症は、区内最大の当事者がいる、悩み事なり困難を抱えている状況だというふうに考えております。  スピード感をということで、早くやりなさいということでございますけれども、世田谷区で、これまで社会参加型プログラム開発とか、幾多の先駆的な取り組みも進めてきました。せっかく認知症条例ということで踏み出すのならば、これまでの集積も生かして、また、認知症在宅生活サポートセンターも来年春に本格的にスタートしていくわけですね。そういったことと全部しっかりかみ合う形でやっていきたい。  とりわけここ近年は、認知症イコール人間としての可能性が相当程度奪われたというような一般的な概念は違うんだと。やはり認知症の自分たちの声や、あるいは意見をちゃんと聞いてほしいという認知症当事者の訴え、私たちのことを私たち抜きに決めないで、これは国連障害者権利条約も同じですが、この声が出てきたということが非常に大事だろうと。その声を十分に聞いて、そして、他の先行自治体がありますけれども、例えば鉄道事故などに対する求償の問題など本当に深刻で、早晩取り組んでいかなければいけないことなので、急いで認知症条例の策定に向けて動いていきながら、このプロセスはちゃんと踏んでいくということで、世田谷らしい条例の制定に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思います。しっかりとやるということは、必ず実現するということでございます。 ◆佐藤弘人 委員 そのお話はよくわかります。ただ、現実的に中野区、葛飾区がスピード感を持ってやったというその背景は、葛飾区は今、高齢化率二四・五%、都内第三位、中野区は認知症の症状を患っている方が昨年十二月現在で約一万二千人と推計されて、そういった意味では、かなりせっぱ詰まった状態でもあるということです。  この条例については、我が党もこれまで賠償責任制度の創設も含めて、これから予防については後でまた質問しますが、フレイルチェックをどうやって区内全域に推進していくのかということとともに、先ほど、高橋幹事長から住宅セーフティネットの話をさせていただきましたけれども、この住まいの問題というのは非常に大きくなっているわけですね。特に高齢者だけの世帯、もちろんおひとり暮らしの世帯、お元気だったとしても、当然一人で自立生活ができなくなる。そのときに、いずれ有料老人ホームだとかサービスつき高齢者住宅に入る形になる。特別養護老人ホームは要介護三以上からのエントリーになりますけれども、お元気な方であったとしても、要介護度が低くても認知症の症状を発症してしまう人がいる。  私の母親も昨年から認知症の症状を患っていろいろ苦労したんですけれども、例えば区内で、二十四時間目が離せなくて、家族でなかなか面倒をもう見ることができないと。両方とも共倒れをしてしまうということから、やむなくサービスつき高齢者住宅を区内で探そうと思って探しても、月額二十五万円とか三十万円とかかかるわけですよ。そんなところに入れる方というのはもうごくごくわずか。そうなると、結局、区外で、区域外で探さなきゃいけない。例えばこういう前例なんかもやはりしっかりと打ち破っていかないと、これからは介護については非常に困難な状況に向かっていくんじゃないかなと思っています。  私も質問に取り上げましたけれども、杉並区は自身の保有地の場所を活用して、昨年三月に南伊豆町に特別養護老人ホームを開設しました。それから、豊島区は今度秩父市と連携をして、サービスつき高齢者住宅の研究プロジェクトも発足しました。こういったことも踏まえると、熟議は必要ですけれども、やっぱり急がなくてはいけない。  そういう面もあるということを考えて、改めて世田谷区の高齢者を取り巻く最新の状況をお聞かせいただけますか。 ◎瓜生 高齢福祉部長 世田谷区の三十一年一月の区の総人口は約九十万八千九百人、六十五歳以上の人口が十八万三千二百人、高齢化率は二〇・一六%となっております。総人口が増加しているため、高齢者人口はふえておりますけれども、高齢化率は横ばいとなっております。  また、平成三十年四月の介護保険要介護・要支援認定者数は約三万九千人で、このうち認知症の症状があり、何らかの支援が必要な方は約二万二千人となっております。二〇二五年時点の推計では約二万八千人というふうに見込んでおります。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、区域外で入られている方も多いという状況なので、これから二〇二五年の大介護時代に向けて、介護予防についてもさらに強めていかなくてはいけないと思いますが、その条例制定の中に予防の観点から非常に重要なのが、我が党が申し上げているフレイルチェックです。これも豊島区が実は先を越しまして、ことし五月からこのフレイルチェックの活動拠点を、JR大塚駅のすぐ近くに東池袋フレイル対策センターというのを開設する予定でございます。常時ここでフレイルチェックを定時開催するとともに、さまざまな介護予防の柱として条例に据えながら、相談事業にも取り組んでいくということを打ち出しました。  結局、今、私たちの国には世界でも例を見ないぐらいの少子・高齢化が目の前に来ていますので、これをどうやって乗り越えていくのか。また、そういう中でどういう社会を目指せばいいのか。その方向性をいかに指し示すことができるかという分岐点に来ていると言っても過言ではないと思います。  だから、目標としては、私の個人的な意見ですけれども、上手に老いるということで、さきに述べた介護予防も含めて、ここを乗り越えていく過程の中で、もしかしたら同じように苦しんでいるほかの海外の都市なんかでも、国際交流は貢献の一助となるのではないかなと思いますけれども、まず、このフレイルチェックについて、この仕組みづくりをどう考えているかということを伺いたいと思います。拠点とか、サポーターの養成も含めてお願いしたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 現在、平均寿命は、世田谷は男性が全国三位、女性が全国八位という状況ですが、健康寿命は横ばいという状況でございます。今、世田谷の高齢者の課題の一つとしては、この健康寿命を延ばす、それが大変重要な課題だというふうに認識しております。  御指摘のように地域での交流や社会とのつながりを失うことが心身の機能低下の入り口であるというフレイルドミノ防止の考え方に基づきまして、区では、各地区で実施しております介護予防講座などを通しまして、社会参加の重要性や介護予防の普及啓発に取り組んでおります。  活動の一つとして、保健センターが、フレイル予防を含めて健康増進から介護予防まで、地域の高齢者の自主活動の支援等に取り組んでおります、おもりを使った世田谷いきいき体操というのがございますが、活動開始当初と六カ月後に体力測定を実施しまして効果の見える化を図りまして、高齢者の主体的な介護予防の取り組みの推進に役立っているというふうに認識しております。  二〇二〇年に保健センターは梅ヶ丘拠点「うめとぴあ」へ移転し、同じく「うめとぴあ」内に開設します認知症在宅生活サポートセンターとの連携強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひ条例の一つの大きな介護予防の柱としてこれを据え置いていただきたいということを要望して、次の質問に行きますね。  図書館改革について、これもずっと我が党がさせていただいていますけれども、この間、経堂図書館における指定管理者の第三者評価が公表されたんですよね。これは指定管理期間中に二回程度実施するという、そもそもの契約内容であったと聞いていまして、もちろんこの取り組みについては評価できるんですけれども、これは一方で、何で区立図書館は第三者評価を実施しないんですか、その理由を教えていただきたいと思います。 ◎花房 生涯学習部長 経堂図書館は、区立図書館では初めての指定管理であることから、二年目である今年度に、安定した管理運営の確保と一層のサービス向上を図ることと、あわせまして今後の運営体制の検討に生かすための客観的評価の手法として、民間の評価機関による評価を実施いたしました。  委員から今、区立図書館でも実施できないのかという御質問をいただきましたが、今回は評価機関が行った評価手法として、指定管理者の管理運営を把握するための評価でございます。  区では現在、行政評価を実施しておりますが、事業所管の主体的な業務改善や行政経営改革の推進などに向けまして、平成三十一年度より新公会計制度を活用した新たな手法で行うこととしております。この行政評価の中で、事業成果の達成状況や投入したコスト分析などを取り入れた客観的な指標によりまして、事業改善や見直しなど、図書館の効率的な管理運営に取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 今の花房さんの答弁だと、平成三十一年から新公会計制度を活用するので、平成三十年度決算の段階で、そこに区立の図書館も評価の対象としてさらされて、コスト分析するとか、来館者数に対する本の貸し出しの対比だとか、そういったところをここで検証できるという解釈でいいんですか。 ◎花房 生涯学習部長 この新たな行政評価でございますが、これは区全体として実施するものでございます。コストの分析はございますけれども、その図書館の細かい、今委員がおっしゃったようなところまでの評価になるかどうかはこれからになると思います。 ◆佐藤弘人 委員 ごめんなさい、まだどこで検証するか決まっていなくて、これから考えるということですか。 ◎花房 生涯学習部長 成果の達成度や協働の取り組みなどについても、今度の新たな行政評価はするんですけれども、成果指標をそれぞれ考えていくというのがございます。そこに図書館の運営の一番大事な肝の部分を入れていきたいなというふうに今は考えております。 ◆佐藤弘人 委員 ごめんなさい、ちょっと答弁が理解不能でございます。  いずれにしても、我々は図書館は民間に委ねるべきだという主張をさせてもらっています。一方で公立は公立図書館として、ちゃんと一九五〇年に図書館法が制定されて、一般の利用者が無償で図書や資料の貸し出しを受けることができるみたいな定めになって行われていますけれども、ただ、指定管理者という制度が、私が調べたところでいくと、今は全国の図書館の約一割ぐらいが指定管理者の中に民間事業者が入って運営をしているということです。  指定管理者は、御存知のように民営化とは違って、たまたま管理を民間企業に代行してもらうと。だから、区立図書館であれば区立図書館のままで変わらないんだけれども、その業務として代行してもらうということの制度なんですが、ただ、民間にやってもらうからといって、全てうまくいくかというと、やっぱり柔軟な運用基準だとか、そういったところがなかなか展開できていない。手かせ足かせで縛られてしまって、そもそも民間が持っているノウハウだとか実績というのを大きく展開することができない。さらに、独自の新たなチャレンジによって収益の事業を認められないケースもあったりして、この指定管理者制度というそもそもの問題も、これはやっぱり考えていかなくてはいけないと思うんです。  その意味で、これから梅丘図書館、それから砧図書館が指定管理者制度にという方向で今検討されている状況でございますけれども、この梅丘、それから砧については、改めて指定管理者制度についてはいたし方ないにしても、一部業務委託なのか、全部業務委託なのか、指定管理者制度なのか、どの手法でお願いする予定なのか、今明確に決まっていますか。 ◎花房 生涯学習部長 梅丘図書館は、現在、整備後の施設活用や効率的な運営を見据えまして、図書館運営実績がある民間事業者の経験に基づく活用方法や、施設内の配置などの考え方を取り入れながら、地域の活動、交流の拠点となる居場所としての機能充実や、カフェの併設、ICタグの導入による効果的な運営など検討を進めているところでございます。  改築後の運営につきましては、本年四月から実施する一部業務委託や経堂図書館の指定管理での運営状況なども踏まえまして、二〇二〇年度、来年になりますが、それをめどに、梅丘図書館に最も適した民間活用による運営体制を検討してまいります。  また、砧図書館につきましては、第二次世田谷区立図書館ビジョン・第二期行動計画に掲げております住民参加による運営体制の検討といたしまして、今年度は利用者懇談会の方々と話をさせていただく場を何度か設けさせていただいております。引き続き利用者懇談会の方々や地域住民の方々などとの話し合いを続けまして、住民と区が協働していく図書館運営がどのような形でどのようなことができるのかなど検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 いずれにしても、指定管理者制度の中で第三者評価として民間事業者を当然評価していくのはいいんですけれども、区立図書館についても一定の評価基準や手法をちゃんと定めていただいて、公立で担うべきなのか、それとも民間にお願いするべきなのかというところを対比させていかないと、いきなり住民参加型とか言われても全くイメージが湧かないんですね。  それで、梅丘図書館については設計段階から民間の力をということは明言されていますけれども、ただ、さっき私が言ったように、決められた範囲の中で決められたことをやってくださいと言われても、それは民間事業者にとっても最大限の力を発揮することはできません。そこも含めてどうやってこれから、指定管理者については評価があるのであれば、区立図書館についてピックアップしてもいいですから、ちゃんと評価をして、ちゃんと市場にさらしていただいて、その上でどういう運営方法がいいのか、形態がいいのか、そういった議論を重ねていくべきじゃないかなと思っていますけれども、もう一度答弁をお願いします。 ◎花房 生涯学習部長 図書館は、本当にまちづくりにもつながることだと思っております。民間の力を活用して、住民の方のサービスが向上するような形でしっかりと、区立図書館、それから指定管理者をあわせて考えて検討してまいりたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 最後になりますけれども、私も調べてみたら、実は日本は江戸時代から図書館は民間がやっていたんですね。大阪と東京で千軒近くの民間の図書館がもともとの発祥だったそうです。ですから、協働すべきなのか、公立でやるのか、民間でやるのか、しっかり検証していただきたいということを申し述べさせていただいて、公明党の総括質疑を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十二分休憩    ──────────────────     午後三時二十五分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 それでは、質問を始めます。  まず午後一で、ほかの会派から、保坂区長になってお金の使い方に問題があるというようなお話がありました。私も代表質問で中期財政見通しのことは質問をしまして、大丈夫なのかということを問うたわけですけれども、きょうの答弁を聞いていても、しっかりと準備をして進めていっているということでありましたので、今後も注視していかなければなと思っているところです。  その話でも出てきましたけれども、ほかの区と比べてという話がありましたが、ほかの二十三区の首長さんの経歴等を見ていれば、当然保坂区長が最初は九五%踏襲と言っていたものから、二期目になって少しずつ独自性を出してきたというところから考えると、とてもほかの区ではまねできないような取り組みをしてきたと私たちは評価していますね。それは私たちが目指している方向性と一致するものでもありますから、そこについては、むしろ誇らしいことだなと思うわけです。そこが納得いかないということで、ほかの区長候補を立てるということなのであれば、正々堂々と勝負をしたらいいなと思うわけですけれども(「さぞやすばらしい区政になるのかな」と呼ぶ者あり)そうですね。  その意味で一つ特徴的な、私自身も視察を経て、世田谷区に必要だなと思って提案したのが公設民営の不登校対策施設ということで、二月一日のオープンを迎えたということでほっとスクールを見てきました。いや、本当にすばらしいですね。子どもたちが伸び伸びと、ほっとスクールもすばらしいんですが、その上にある青少年センター施設も、多くの人たちが伸び伸びと勉強していたりとか交流をしていたり、そのノウハウのある事業者がうまくコーディネートしているというところ、まさにこの時代の先をゆく青少年スペースができた、また、学びの場ができたというふうに感じました。  ほっとスクールを請け負っている東京シューレさんからもお話を聞きましたけれども、やっぱりこれまで実績がありますし、東京シューレさんの中でも最も環境の整った場所だと、こんなに子どもたちにいい環境を提供できる世田谷区はすばらしいということでした。  残念なのは、いろいろ相談を受ける中で、場所がちょっとへんぴなところにあり過ぎると。私はそのへんぴなところにあるというお話を聞いたので、そのまま言いましたけれども、私の地元の下馬あたりからは到底毎日通えるような場所ではないというところから、こういったところが次々とふえてくればいいなと思うところでもあります。  代表質問でも触れましたけれども、これからの時代、まさに学びの個別化が進んでいくであろうと。それぞれの学びの進捗に合わせた教育、子どもの学ぶ権利というものを保障していく取り組みが必要なんだろうなと思いますし、世界的にはそれが時代の流れとしてもやってきているという状況下、BYODに取り組むというのも、これはもう日本中で先駆けとなる新たな取り組みとして期待しているところでありますけれども、こういった取り組みを少し進めていけるのも、やっぱり子どもの学びだとか権利だとかということに関心を持って取り組んできた保坂区長だからなのだろうというふうに評価もしていますし、これからも期待をしているところです。  その学びのあり方という意味で言うと、学校そのものはどうかということについて、これまでもさまざま問題点を指摘してきたわけですが、学校自身も、例えば名古屋市が教育委員会でイエナプランを取り入れられないか、研究が始まっただとか、広島県の福山市ではイエナプランの公立校をつくる動きが始まっているというようなことで、どちらもイエナプランですけれども、私立で言えば、今度の四月からイエナプランの私立小学校がオープンする。これを仕掛けたのが、やっぱり世田谷に住んでいる教育関係者だということでもありますし、同じようにオルタナティブスクールを立ち上げるという意味では、もともと世田谷で住んでいて活動していた方が軽井沢でオルタナティブスクールを今度の四月にオープンする。世田谷にいた方がこういう動きをやっぱりしているわけですね。  そうなってくると、不登校の子どもたちだけではなく、公立校でも研究し始めた自治体があるということなのであれば、やはりそういったオルタナティブスクールを世田谷区も検討していくステージに来ているのではないかと思いますけれども、そのあたりについては、かなりハードルもいろいろあると思います。そのことについて、区長がどんなことを考えているのかということをちょっと聞かせてください。 ◎保坂 区長 お話しになりました希望丘の青少年交流センターは、二月で約五千人ですか、日曜日とかだと二百五十人というふうな相当大勢の人たちが、もちろん中高生中心ですが、高齢者の方も含めて全世代型になっているということで、やっぱりニーズが深くあったんだなと考えております。  また、ほっとスクールについても問い合わせ等がかなりあると聞いていまして、私のところにも、もう通っているんだけれどもというようなお話が何人かの方からいただきました。  それでは、学校そのものがもっと変わるべきではないのかということで、総合教育会議で学びの質の会議で議論してきましたけれども、学校教育全体の中で、一つは公立学校全体が一斉に少しずつ変わっていくということも当然目指さなければいけない。でも、余りにも少しだと時代の変化のほうが早いですから、これもしっかり進めていきたいと思います。  もう一つ、例えば同じ不登校でも不登校特例校という制度がございます。また、教育課程特例校というような制度も既にあります。既にある制度を使いながら特色ある教育、あるいはそのイエナプラン教育に福山市が取り組むとNHKのニュースで取り上げられていました。三学年、学年の違う子どもたちがチームを組んで学ぶということは、今の日本の教育制度でも十分できるわけです。そのあたりの、公立学校の中で時代の要請に応えた学びをさらにステップアップするようなオルタナティブスクールの構想、これはもう取り組んで議論し、どのように実現するか狙いを定めて、もちろん保護者や区民の関心と参加が必要ですけれども、そして学校の教員、校長先生も含めた教育関係者、教育委員会とともに、そこは考えていきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 私も議員になってからすぐにフィンランドの教育を参考にするべきだということを提言してきましたけれども、フィンランドでも、実際に議員視察団で現場を見てきたときにも、非常に伸び伸びとして授業を受けている様子なんかも見てきましたが、北欧を中心にそういったオルタナティブ教育が進んでいる中で、必ずしもイエナプランがいいということを私は言うつもりもありませんし、賛否両論ありますから、そういった研究を進めていくことが重要だろうと。ただ、世田谷区にはもう教員がフィンランドに派遣されている、教員の交流なども始まっていることから、環境が整いつつあるのかなという意味では非常に期待をしたいと思っています。  最近注目されている世田谷区の桜丘中学校は割とそういった雰囲気に近いんじゃないかということで、最近報じられたことを機に、区民の関心も結構高まってきたようで、あんな学校に行かせたいというような相談が私のところにもかなり来たわけですね。週末には保坂区長が対談されたようですけれども、一瞬で申し込みが埋まってしまったんだという話も聞いております。  ただ、そこで問題になってくるのは、世田谷区は学校選択制じゃないわけですから、越境している子どもが何人かいるという話が報じられていました。でも、遠過ぎて行けないという話もありますし、そうであってはやっぱり駄目だと思うんですね。世田谷区の区立中学校の魅力づくりに関しては、これまで教育委員会も取り組んできたと思いますが、やはりどの中学校も魅力的である、同じように子どもたちの学ぶ場が整っていることが必要だということで、私は均質化という言葉をずっと使って求めてきました。
     一方で、代表質問でも取り上げたように、多くの中学校で、いまだに高圧的な指導が行われている。暴言、机を蹴っ飛ばす、子どもたちの前でさらしものにする、そんなことがいまだに行われているということを、子どもから直接、私はヒアリングをしたわけですね。  こんなことはあってはならないと思いますけれども、このいい取り組みを全部の中学校に広げていくということ。またはそういった旧来型の間違った教育、指導方法をもうやめさせていくということについて、教育委員会はどのような問題意識を持ってどう取り組んでいくのか、いま一度聞かせてください。 ◎工藤 教育政策部長 二点いただきました。  まず一点目ですけれども、今注目を浴びているその学校の取り組みを全校に広げていけないのかという御質問ですが、第二次教育ビジョンでは地域とともに子どもを育てる教育を掲げまして、各学校が児童生徒、地域の実態に即した、特色ある教育活動を実施することが大切であるというふうに考えています。  そして、学習指導要領では、地域に開かれた教育課程が示されまして、地域との教育目標や子どもたちの育成方策などの共有、協働が求められていると考えております。  また、区内の管理職に向けました学校運営の要点をまとめました世田谷マネジメントスタンダード、こういったものを示しているんですけれども、来年度の改定に向けて検討を始めているところでございます。  お話しいただきました区立中学校の取り組みを広げていくには、今言いましたように、保護者あるいは地域の御理解、御協力、こういったものが必要です。また、長期的な視点に立った抜本的な学校運営の見直しといった要素を含んでおりますので、組織的かつ継続的な運営が求められていると認識しております。  また、区内の各学校の教育活動につきましては、教育委員会として区の方向性などを示して一定の教育の質の担保を図った上で、各校長が自身の裁量と責任において教育課程の編成、管理を行っております。  教育委員会としましては、引き続き子どもの人権への配慮、あるいは社会情勢の変化への対応について、より適切な学校経営ができるよう、校長会と連携して努めてまいりたいというふうに考えています。  もう一点、二点目ですね、高圧的な口調で一方的な押しつけの授業といったような御指摘でございます。  子どもたちが伸び伸びと授業を受ける、そこに参加し、安心して自分の考え方を述べて、相互に意見交流するといったような活動は、単に子どもの人権を守るというだけではなくて、学習効果という意味においても大変重要であると考えています。  ただ、御指摘のように、ごく一部の教員ではありましょうけれども、御指摘のような課題があるということは大変残念だと思っております。  教員の指導力を高めることがまずもって重要であり、質の高い教育、授業をするための各教科の専門的な知識はもとより、それだけではなくて、児童生徒の意欲や主体性を引き出す授業構成力、あるいは表現力が必要であるということを学ぶこと。さらには、児童生徒の人権を尊重し、指導にかかわる配慮した態度、言葉がけなどの人権感覚も含めたさまざまなことを身につけること、多岐にわたる資質能力を求めていく必要があると思っています。  各学校においては、管理職が定期的に各教員の授業観察を行いまして指導助言を行うとともに、体罰防止月間などの機会において、実際の具体的な指導や児童生徒への接し方を振り返る校内研修を行っております。  教育委員会としましては、教育指導課全体、あるいは担当指導主事などが学校を訪問する際に、多くの授業を参観して実態把握と指導改善の助言に努めるとともに、夏季教科等研修などにおいて、人権意識の高揚、主体的、対話的で深い学びを図る授業づくりを進めます。さらには、教育総合センター開設を控えております。ここを念頭に置きまして、教員の人材育成にも努めてまいりたい、そのように考えております。 ◆風間ゆたか 委員 よい取り組みを広げていくという意味では、校長次第というのが問題なんですね。校長がやる気がなければ変わらないわけですよ。今のままのやり方をそのまま続けていくということで、自分の任期が終わるまで何とか持ちこたえるみたいな雰囲気の校長がやっぱりいますから、それを変えていかなければならない。  そもそも世田谷区は全部地域運営学校なんですから、それを変えていけるのは、本来は地域運営委員がそれを動かすということができるはずですけれども、そのことすら、ほとんどの区民が知らない。ですから、やはりそういったムーブメントをつくっていけるんだということをもう少し広報していくことを、今後は求めていきたいと思います。  その高圧的指導というのは、もはや子どもの人権侵害とおぼしきものがかなりあるわけでして、代表質問でも求めましたけれども、やっぱり子どもは守られる権利があるんだということですね。また、そういった子どもの権利条約について学ぶ権利があるんだということを、子どもの権利条約を日本に導入した人物の一人である保坂さんが区長だということでしたら、世田谷区の全学校で子どもの権利条約については、広報だけでなくて、ちゃんと授業をやっていくということで伝えていく必要があるんじゃないかということで、代表質問から一歩踏み込んで提案したいと思っているんですね。  世田谷区内には、子どもの権利について、子ども自身が活動して普及しているという団体があり、子どもがつくった子どもの権利条約冊子というものがあるということを教えてもらいました。こういう感じですね。この絵を描いているのも世田谷の区立中学出身の、今、現役高校生らしいんですけれども、非常にジェンダーバランスを考えて、子どもにわかりやすいように全部ルビが振られてつくっているものがあって、これをやっぱり小学生に知ってもらいたいということを私も直接言われまして、こういういいものがあるのであれば、やはりこういうものを使って授業で触れていってもらう、子ども自身は自分が守られる存在なんだということを知っていく、そんな活動をしていく必要があるんじゃないかと思いますけれども、どう思いますか。 ◎工藤 教育政策部長 全ての子どもが守られる権利、御案内いただきましたような権利、四つの権利があると言われているわけですけれども、それぞれの発達段階に応じて理解し、自分の大切さを自覚し、ほかの人の大切さを認めることができるようになることは、人権教育の基本的な考え方であり、とても大切なことであるというふうに認識しております。  現在、小学校では、特別活動の学級会の話し合いですとか、特別の教科、道徳などの学習、具体的、体験的な活動として考える機会を持ち、自他の尊重について学んでおります。  小中学校ではいじめ防止月間や体罰等防止月間の取り組みにおいて、児童生徒への実態調査をして、いじめ解決への対応や指導改善に活用しています。  今後、これらのアンケート実施の際に、例えば子どもの権利条約を記載したポスターを活用する、あるいは御案内いただいたようなリーフレットを活用していくといったようなことは、教員が守られるべき権利に一言触れて学校生活などを振り返るといったようなことも含めまして、方法の工夫がいろいろと可能であるというふうに考えております。  教育委員会としましては、フィンランドのKiVaプログラムを参考とした、いじめの傍観者とならないという内容の小学校用のいじめ防止プログラムを来年度実施する予定でもございますので、このプログラムにおきましても、一人一人の存在の大切さが根本にあり、十分に押さえて指導を行いたいと考えております。  また、関係機関などの情報もいろいろといただきながら、人権尊重の精神を基調とした、全教育活動を通じて人権教育が推進できるよう学校を支援してまいりたい、そのように考えております。 ◆風間ゆたか 委員 ことしは子どもの権利条約ができて三十周年ということで、非常に盛り上がりをつくっていかなければならないと考えておりますから、保坂区長も教育現場になかなか細かいことを言えないと思いますけれども、区全体としてこの認知が普及していくように、区全体として取り組んでいくことを求めます。  また、学校の中では学習する学校ということを以前提案しましたけれども、教員自体が学習者であるということに立ち戻らないと、やっぱり上から下へという指導方法が変わらないと思うんですね。こういった子どもの人権教育も、教員の中できちんとやっていくことも含めて取り組んでいくことを求めます。  もう一つ、代表質問のときに取り上げましたのはRE一〇〇についてですね。二〇五〇年までに事業者が使うエネルギーを一〇〇%再生可能エネルギーにするんだということで、自治体版は定義がないというような話のやりとりをしていましたけれども、私が求めているのは、脱原発を掲げて当選した区長がさまざまなエネルギー政策に取り組んできた。でも、個々にやっていて、何のためなのかということが見えづらくなっているからこそ、これはもうきちんと目標設定、目標を掲げるべきだと。  かつてみどり33、いまだに達成されていませんけれども、みどり33というものを掲げて、何となく、何だそれというところから、区民が関心を持ち始めた。そうやって機運ができてきたということを考えると、二〇五〇年になったときに、保坂さんが区長をやっているとは思えませんが、その目指すところは続いていく必要があるんじゃないかと私は考えるわけですね。ですから、そこは明確に目標を掲げるということを言うべきじゃないかなと思いますけれども、区長、いかがですか。 ◎保坂 区長 おっしゃるところのRE一〇〇は、加盟した企業が、二〇五〇年までに再生可能エネルギーで電源を賄っていくという長期的な目標のイニシアチブでありまして、世田谷区も本庁舎からその一歩を踏み出したわけでございます。  二〇五〇年、もちろん私は区長をやっておりません。寿命を考えてもそれは明らかだと思いますけれども、二〇五〇年という目標は共有したいと思います。ただ、二〇五〇年というよりは、もっと早く実現すべきじゃないか、この異常気象や地球の状況を見ても、化石燃料に頼らない、また、原子力発電の技術は最終的に処理していくことに全力を挙げる、つまり廃炉ですね、新設や再稼働も含めて早く区切りをつけていくという意味でRE一〇〇というものをぜひ導入して、先陣を切っていきたいと思います。 ◆風間ゆたか 委員 羽田委員にかわります。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは、全世代型社会保障、この点について、ここから質疑に入りながら、後半少し教育の負担軽減の課題について質問をしたいと思います。  全世代型社会保障という文言ですけれども、この間、安倍首相が数回にわたってこの文言を引用しております。もちろんその中身も言っているんですが、ことしは施政方針演説の中で全世代型社会保障ということに触れていました。  ただ、この全世代型社会保障というのは、もともと民主党政権が打ち出した内容で、その内容と比較をいたしますと、安倍首相の言っている中身は自助自立とか、あるいは自己責任論、ここが非常に強調されているという点と、この間議論になっております普遍主義、必ずしもその普遍主義の立場に立った社会保障ということについて貫いていないのではないかと私は思っています。  全世代型、この言葉で言えば、やっぱり生まれたときから亡くなるまで、世代を超えて社会保障を拡充させていくという考え方が貫かれているかと思います。その点では、子ども、若者、高齢者、障害者の支援を世代を超えて行っていくという、世田谷区が進めてきた内容とも似ているかと思います。  現役世代、子育て世代の支援を強める場合に、生活困窮世帯だけではなくて、中間所得層を含めた支援のあり方、ここも実は問われてきたんですね。ですから、そういう意味でも、安倍首相が言ったから全部間違いだと私は思いませんので、この全世代型社会保障という考え方そのものについては非常に重要なテーマとして、我々も考える必要があるのではないかと思っています。  生活困窮者への支援のみを重視してきたその傾向が、結局不公平感ということにつながりまして、生活保護世帯のバッシングといいますか、そういうことにつながってきた。しかし、一方で普遍主義の立場による、誰もが公平に支援が受けられれば不公平感そのものが払拭されていくという傾向を、我々は見ておく必要があると思います。支援が必要にもかかわらず、さまざまな支援につながっていない方々を含めて支援につなげることが可能になっていく、このことも普遍主義の大きな意味だと私は思います。  そうしたところで、区としてこの全世代型社会保障についてどういうふうに考え、そして対応してきたのか、区が目指してきた全世代型社会保障とは何か、その点について、最初にお聞きしておきたいと思います。 ◎保坂 区長 全世代型社会保障といいますと、全世代というのは赤ちゃんから高齢期まで全ての人間という意味でもありますよね。そういう意味では、社会的包摂という概念ともクロスするところだろうと思います。  安倍首相のおっしゃっていることと、これはもちろんイコールではないんですけれども、区では国に先駆けて生活圏になるべく身近なところで福祉の窓口をつくっていこうということで、地域包括ケアの世田谷型の地区展開ということを取り組んできたわけです。そこの時点で、乳幼児から高齢者、障害者、生活困窮者、全ての皆さんの福祉的な相談に乗り、支援につなげるということ、これを福祉の相談窓口を中心に、実はその相談を受けているだけではなくて、区民活動団体ですね。その地域で、地区で熱心にボランティア活動、あるいは健康づくり活動、さまざまな活動をしている方々が知り合い、また、地区の資源を活用しながら生き生きとした地域をつくっていく、そういったことを目指してきたつもりです。  全区的には「うめとぴあ」という愛称になりましたが、ここでは認知症在宅生活サポートセンターなど、全区的に目配りをするような施設も、現在、来年四月に向けてオープンしようとしていますし、ここまでかなり多くの努力を払って進めてきた児童相談所も、また、全区的な子どもに関するさまざまな世代の目、子どもがいらっしゃらない方も含めてやっていかなければいけない。  ただ、現実に今振り返りますと、他会派の御質問にもありましたけれども、では、ロスジェネ世代についてはどうなのかというと、これは若者という枠からも外れますし、もちろん高齢者ではありませんし、そういう意味では非正規労働が多くて、困窮している方、あるいは孤立している方も存外多いというふうに認識しています。  そういった部分も含めて、地域が生まれ変わる、孤立していた人がつながりを回復できる、そういう意味で参加と協働を推進力として地区コミュニティーのつくり直しを経ながら、この全世代型の社会保障、地域づくりを進めてまいりたいと思います。 ◆羽田圭二 委員 その点では、生まれる前から亡くなるまで、そうした福祉社会の実現ということが理想なんですが、現状の制度において支援が必要な方に支援が行き届かない、こういう現状がまだまだ数多く見受けられる、そういう指摘は、今回の議会でも数多くされているかと思います。結果、支援が受けられないために社会から排除されてしまう、そういう傾向もしっかり我々は見ておかなくてはならないと思っています。  例えば疾病や親の介護によって一度仕事から離れてしまうと、再び仕事につくことができるように包括的な支援が必要だという考え方が、この間もさまざまな形で出され、その対応もされてきたかと思います。実際に雇用の場につなげていくという、そういう必要性に迫られてきたんですが、しかし、現実には元気な人でも数カ月しかもたない職場環境、そういう環境が多い中で、そこで再び仕事から離れてしまう場合への支援は、必ずしも充実していないのではないかということは私自身感じているところです。  その意味では、人々を雇用につなげるために、就労一辺倒ではない支援の必要性は、この間も少し前進はしてきたかと思いますが、そういう取り組み、そして介護や子育てから孤立しない支援、そういう支援の必要な方に必要な支援を届ける仕組みが、さらに必要になっていると思うわけです。  そこで、こうした現状を認識した上で、区は支援が行き届かない方々へどのようなアプローチをしていくのかという点についてお聞きしておきたいと思います。 ◎宮崎 副区長 今いろいろ御指摘いただきましたけれども、現状、これは日本全体といってもいいと思いますが、核家族化、さらには単身高齢者の増加、こういうことの中で、今の孤立を生んだり、また、支援がなかなか行き届かない、こういう方々がふえてきているという中で、今後とも暮らしに密着した地域で支えることがまず必要。その中で必要な支援というのはどういうものなんだろうかということで構築を鋭意取り組んできたつもりでございます。  今の支援の仕方として、世田谷区で取り組んでいる部分には、まず、この間、地域行政を支えとして、さらには地区展開という形のもので、例えば福祉の相談窓口を例に挙げますと、地域包括ケアシステムを二十七地区全部に広げる中で、やはり区民に身近な地区でやるからこそ掘り起こしまでつなげていけるということがあろうかと思いますし、その中には、区民の方を初めとして関係機関や事業者、こういう方々とも顔の見える関係で支援につなげていけるのではないか、そういう取り組みを強化してきたところでございます。  また、個別の課題のような話で、例えば世田谷版ネウボラというのは、これはお一人お一人に寄り添うという形のものでの支援のあり方だと思っていますし、そこから、例えば区の機関としてつくってきたメルクマールせたがややぷらっとホーム世田谷、こういう個々の方々の状況に合わせた形での支援にも取り組んできたものでございます。  さらに来年度から子どもへの食の支援、精神障害者に対する多職種チームによる訪問支援、医療的ケアを必要とする障害児者、こういう方々の支援についても取り組んでいきたいと考えています。そういう面で捉える部分と個々の方々に向き合った形で取り組んでいく、こういうところが相乗効果を生んだ形で、かつ福祉サービスの基盤も充実することが、将来のそういう支援の行き届かない方々をつくらない、このような形でアプローチしていきたい、こういうふうに考えております。 ◆羽田圭二 委員 その点では、より理想に近づいていく、そのことをぜひ目指していただきたいかと思います。  次に、教育費の負担軽減についてお聞きします。  憲法第二十六条の二項で義務教育は無償とするという規定と、教育基本法の第五条、国または地方公共団体の設置する学校における義務教育については授業料を徴収しないという定めがあるかと思うんですが、午前中の質疑で少し気になったことが一つあります。  もともと私立小学校と中学校の授業料は無償ではないのではないかという点ですが、その点について確認をしたいと思いますが、いかがですか。 ◎淺野 教育次長 委員御指摘のように、公立の小中学校は授業料無償ということになっています。私立についてはそういった規定がないので、授業料を徴収しておるところですけれども、ただ、教科書につきましては、公立、私立かかわらず無償となっております。 ◆羽田圭二 委員 憲法と教育基本法が規定している無償とする範囲は、実は私立小中学校には授業料はその範囲とされていないというその現状について認識しておかなくてはならないと思っています。  専ら我々がこの間ずっと言っているのは、公立学校における、つまり、世田谷区でいえば区立小学校、中学校における無償化問題でありまして、私学を含めたという議論ではないはずなんですね。この点は誤解のないようにしていただきたいかと思います。  その上で、教育費の負担を軽減するためにどこから始めるべきか。今回の提案が出された経過というのは、我々といいますか、私たちの会派も含めて給食費の無償化に向けてどのような方法が一番いいのかということで、段階的な手法も含めて幾つか提案をいたしました。最終的に教育委員会なり、あるいは区が今回提案した中身にほぼ落ちついてきたということも言えるのではないかと私は思っていますが、この間のその辺の経過を含めてお聞きしておきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 教育における保護者の負担軽減施策につきましては、この間、議会からもさまざまな御意見をいただきました。誰もが、いつでも、どこでも、ひとしく教育を受けられるよう環境を充実させることはあるべき姿であると考えまして、他自治体の例を直接伺うことなども行うとともに、財政負担の面も含めて慎重に検討を重ねてきました。  既に国におきましては、幼児教育や高等学校、大学の教育の無償化の議論も始まっておりましたので、国の動きやさまざまな社会動向にも留意しまして、財源の課題もございましたが、次世代を担う子どもたちのためにという総合的な視点を持って、必要な研究、検討を行ってまいりました。  こうしたことを踏まえまして、限られた財源の中で保護者の負担軽減を図っていく方策として、給食費は就学援助の対象費目でもあるため、その制度を活用しつつ、中間所得層まで対象を広げることといたしました。このような考え方のもと、シミュレーションの結果を、昨年十一月の文教常任委員会にてお示しさせていただいたところです。  また、さきの本会議で、宮崎副区長からも御答弁申し上げましたように、今回御提案している負担水準につきましては、今後の社会保障関連経費の増なども含め収支についての見通しが立ったことから、当初予算案に計上するとともに、二月の文教委員会におきまして御報告させていただいたところです。 ◆羽田圭二 委員 今回の提案が、例えば就学援助を受けている方が五〇%、本来受けるべき方が五〇%程度でしかないということで、全体をくくることができないのではないかという御意見もあるかと思います。  ただ、この改善の方向を含めて、この間言われていることと究極といいますか、最終的にはもちろん全体をくくることができる普遍的なサービスに置きかえていくことが望ましいわけですが、先ほどの私が申し上げた段階的に進めるということについては、この間、議会の議論の中でも、我が会派だけではなく、他会派からもそういう意見はたびたび出されていたわけであって、その点を踏まえた対応が今後求められていると私は思っております。  その意味で、今回いろいろ御意見はあるかとは思うんですが、この施策をしっかり今後行っていくという前提ですが、これも何度か確認しておりますが、普遍主義の考え方ですね。普遍主義の視点に立った今後の教育費の負担軽減については、その考え方を堅持していくと。しかし、その財源などの現状から、段階的に進めていくという当初の考え方から逸脱しないということが言えるのではないかと思います。  そこで、今回の提案の制度改善によって、家庭の教育費負担軽減施策の意味について、改めてお聞きしておきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 今回の政策の意味ということですが、子ども応援都市にふさわしい子育て支援の政策の一環として、就学援助の枠組みを見直して、教育費における保護者の負担軽減の充実を図ることとしました。制度実施は消費税の引き上げが予定されている本年十月より実施いたします。  お話しのように、憲法や教育基本法に定める義務教育の無償や教育の機会均等といった理念は、教育の基本理念でございまして、普遍的なものとして尊重されるべきものであると考えております。  一方、財源との兼ね合いもありますので、今回は段階的な第一歩として、特に給食費の費目につきましては、いわゆる中間所得層までが対象世帯となっている就学援助制度の拡充を行い、子育て現役世代の支援につながるものと考えております。  今後とも、次代を担う子どもたちのためにという観点から、教育における保護者の負担軽減に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 前半の議論ともあわせてなんですけれども、その中間所得層をいかに拡充していくか、そこの観点は、私も非常に重要だと思っています。  これは、先ほども申し上げましたように、この間のいろいろな福祉といいますか社会保障そのものが、どうしてもその負担のあり方だとか、あるいは実際にサービスを提供するあり方とか、その点については大きな議論もあったかと思います。それは結局はサービスを受けられる人と受けられない人が分けられるという状況の中で、一方で、自分たちはお金をたくさん払っているにもかかわらず、それが受けられないという考え方も出て、それに対する対応は必ずしも十分ではなかったと。  こうしたことから考えれば、当然のことですけれども、より広く公平にサービスが受けられていくような体制をいかにつくっていくか。前半の全世代型社会保障という観点からも、今回の給食費問題については一定の方向性を確認していくべきだと私は思っております。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党の総括質疑を始めます。  さきの代表質問で我が党は、区政の次期四年間を展望し、区民の福祉、暮らしを守る区政の実現のため、今後の区政が重点的に取り組む課題を示しました。  それは次の三つです。一つ目は、国の社会保障改悪から区民の命と暮らしを守る、二つ目は、子どもの命と健やかな成長を守る、三つ目は、災害から区民の命と財産を守るです。  本日の総括では、まず私から社会保障と子どもの問題について伺います。  まず、国の社会保障改悪から区民の命と暮らしを守ることについてです。  区長は、さきの我が党の代表質問の答弁において、社会保障制度の見直しに伴う区民生活の影響を踏まえ、今後も必要な対応を行うとともに、国に対する申し入れや、特別区長会、全国市長会として要望を上げるなど改善につなげていきたい。さらに区民生活を支えることが基礎自治体の責務、首長としてセーフティーネットとなる社会保障制度を守り、区民の暮らし、福祉を前進させるため、リーダーシップを持って先頭で取り組んでまいりますと決意を述べられています。大変重要な姿勢と評価をしております。  こうした区長の姿勢、行動が、現に国の制度改善に結びついています。二月二十五日の産経新聞の記事を抜粋して読み上げます。見出しは、企業主導型保育所質確保へ骨子案、政府、実施要綱に反映へ。記事では、企業主導型保育所の運用改善に向けた検討委員会は、制度見直しの骨子案をまとめた。新設の条件として保育事業者への五年以上の実績を義務化。保育の質の担保に向け、保育士割合を現行の五〇%以上から七五%以上へ引き上げることも掲げた。施設側から自治体への運営状況の定期報告なども求めたとありまして、政府は新年度から制度改善を行うとしております。  昨年末、区内での企業主導型保育所での保育士一斉退職による休園などの事態に対し、区長みずからが内閣府に赴き、制度改善を求めた要望書を提出しています。こうした区長の働きかけが、今回の制度改善に至ったものと認識をしております。  区長がこの問題でリーダーシップを発揮されたことは、区内全ての保育施設の子どもたちの命と成長が守られることにつながると思います。こうした立場で、引き続き広く国の社会保障の制度改変から区民の命と暮らしを守る対応を期待し、本日は具体的には国民健康保険について伺ってまいります。  これまで区議団は、高過ぎる国保料で払いたくても払えない切実な現状があり、区民負担は限界、その軽減を求めてまいりました。  最近もある方から相談を受けました。夫婦ともに五十歳代、御主人は非正規雇用の社員、奥様は非常勤の訪問介護ヘルパーです。御主人がある日突然脳出血で倒れ入院、奥様から、夫の収入がなくなって、自分も夫の付き添いのため働きに出られない。少ない貯金が底をついたら、夫の入院費も家賃も払えない、毎月の国民健康保険料と介護保険料が生活を圧迫している、どうしたらよいかという切迫した御相談でした。こうした世帯の増加が保険料滞納の背景となっております。  国民健康保険は、ほかの健康保険と比べ、加入者の負担が重い現状があります。このパネルをごらんください。大きいんですが、これは今国会で我が党の笠井亮衆議院議員が、市町村国保と中小企業の労働者が加入する協会けんぽでは負担額がどのくらい違うか、グラフにしたものです。年収四百万円、四人家族のモデル世帯で試算をしております。  東京特別区では、ここにあるように、国保の年間の保険料は四十二万六千二百円。そしてほかの政令市が三つ並んでいますが、いずれも約四十万円になっております。この青い棒グラフですね。一方、協会けんぽ、赤い棒グラフですと、保険料はどこでも二十万円前後になっています。家族構成によっては保険料負担が協会けんぽの二倍になることがわかります。  国保料が高い背景には、加入世帯の高齢化などの構造的問題があり、根本的な解決としては、国としての一層の財政支援が必要です。  平成二十六年、全国知事会は国に、協会けんぽ並みに引き下げるため、一兆円の国費投入を求める要請をしております。都道府県化に当たり、国と地方の協議の結果、国による三千四百億円の財政支援が決まりました。しかし、その後も、全国知事会、全国市長会はさらなる財政支援を求め、国へ要望しています。  それらを抜粋してパネルにまとめてあります。これも大きいんですが、昨年の二〇一八年、平成三十年の七月に、全国知事会は国定率負担の引き上げなどさまざまな財政支援の方策を講じること。そして、同じく昨年の十一月に全国市長会は国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤の拡充強化を図り、国の責任と負担において実効ある措置を講じることを国に求めています。  また、東京では私が調べた範囲でも、港区、北区、東村山市、東大和市、日野市が同様趣旨で国の公費負担増額を求める議会意見書を提出しています。全国ではこうした意見書は大変な数がありました。  ここで伺いますが、国保料が高いという現状について、区としてはどのように認識をしているのか、また、国の財政拡充について見解を伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 国民健康保険は、各種の公的医療保険制度の柱として、我が国が誇る国民皆保険制度を支えるセーフティーネットの役割を担っています。  一方で、会社等の健康保険とは異なり、世帯の構成人数に応じて保険料が加算される均等割分があることに加え、社会保険の適用拡大等による国保の被保険者数の減少とともに、職域保険の対象外の方を被保険者としているため、高齢化や保険給付費の増加等により保険料の増額につながっております。  いろいろ全国知事会や市長会の要望の話もありましたけれども、国に対し、さらなる公費の投入ということで、協会けんぽ並みの負担率を目安として要望していることは承知しております。
     本来、国民健康保険は国民皆保険の根幹をなす重要な医療保険制度ですので、国が責任を持って運営すべきものであり、個々の区市町村の繰入金等によらずとも運営できる制度設計と財政負担を行うべきと考えております。  さらに東京都におきましても、今般の制度改革により、区市町村とともに新たな保険者となり、国保の財政運営の責任主体となりましたので、財政面でのより一層の支援を求めてまいりたいと考えます。 ◆江口じゅん子 委員 今御答弁されたように、国や都の財政支援拡充、本当にそれは不可欠で、国保制度の抜本的改善が必要です。この実現のために具体的な提案をしたいのですが、その前に、当区において、今後国保料はどうなっていくのか、少しやりとりをしたいと思います。  さきの福祉保健常任委員会で来年度の保険料が示されました。来年度の保険料は幾ら上がるのか、また、一人当たりでは幾らになるのか、そして値上げの要因について伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 加入者全員に賦課される基礎分と後期高齢者支援金分を合わせた一人当たりの平均の保険料は年額十二万五千百七十四円となり、前年比三千百八十六円の増加となります。四十歳から六十四歳までの被保険者のみ賦課となる介護納付金分保険料は一人当たり平均で年額三万三千五百五十円となり、前年比六百六十五円の増加になります。  例えば年金受給者の世帯主と収入がない配偶者の世帯で年収二百万の保険料は、三十年度では九万五千八百三十八円ですが、三十一年度は九万六千八百三円となり、九百六十五円の増額となります。  稼働層の社会保険への加入等による被保険者の大幅な減少は引き続き継続しております。一方で、高齢化や医療の高度化により、一人当たりの医療費は増大をしております。このため、保険料は上げざるを得ない状況となっております。 ◆江口じゅん子 委員 数字を聞いているだけだと区民の負担の重さというのはなかなかよくわからないので、このパネル、モデルケースによる試算というのをつくってみました。これは委員会で配付された資料の抜粋です。  今、部長が御説明をされた年金生活で二人世帯、そして年収二百万円のこの世帯は、今後、保険料がこのようになりますよという御説明がありました。  この年金生活二人世帯の収入二百万円ってどういう家庭かなというのをまず考えてみたいと思うんですが、二百万円を十二カ月で割ると、一カ月の収入は約十六万円となります。年金だけでは生活できないので、御主人が働いて生活を支えている状況と想定をします。持ち家だったらまだいいのですが、例えば賃貸でしたら、家賃、食費、水光熱費、医療費など、日々の生活はぎりぎりで、全く無駄遣いはできない状況と思います。実際、私もこうした年金生活の方々から、国保料が高い、何とかならないかと、本当に相談をよく伺います。  低所得者対策としてこの二百万円世帯は既に均等割の軽減がされているんですね。そうしたことで年間の保険料は九万六千八百三円になります。実際はこの九万六千八百三円に介護納付金分保険料がまた加わるので、手書きで申しわけないんですが、この世帯の年間の保険料は十一万二千八百七十五円になります。実際にはこの十一万二千八百七十五円の年間保険料を九カ月で割って徴収されますので、このおたくにはことしの七月に、七月から三月まで、一カ月一万二千五百四十一円を徴収します、そういう通知が届くわけです。ただでさえ余裕のない年金生活の中、今後、消費税一〇%増税も予定されています。国保料の軽減、本当に区民の切実な願いです。  今年度から始まった国保の制度改変、つまり都道府県化の目的に、各自治体で行っていた保険料を抑えるための繰入金をなくすことがあります。当区の平成二十九年度決算の繰入金は幾らで、これがなくなれば一人当たり幾らの値上がりになるのか伺います。 ◎板谷 保健福祉部長 当区における解消すべきとされる決算補填等を目的とする一般会計からの法定外繰入金の額は、平成二十九年度では約十七億六百六十四万円でした。この金額を保険料で賄う場合には、平成二十九年度の国保の被保険者数の平均が二十万一千五百二十五人でしたので、単純に一人当たりで割り返しますと、おおむね一年間で八千四百六十九円の増、そういうことになります。 ◆江口じゅん子 委員 いろいろ数字が出てきておりましたけれども、つまり、保険料を抑えるための繰入金がなくなれば八千四百六十九円以上の値上げになるということです。統一保険料方式では急激な保険料高騰を抑えるため、今年度からの六年間の激変緩和を設定し、徐々に繰入金を減らし、少しずつ値上げをしますが、それがなくなれば、結局大幅な値上げとなります。現状の制度では高過ぎる国保料は区民の暮らしを圧迫するだけでなく、国保制度の構造的な危機となって、医療保険制度としての持続性を揺るがしています。だからこそ、全国知事会など地方団体が国の負担の増額を求めています。  そして、各自治体での努力も必要です。まず当面の課題としては、区長がリーダーシップを発揮され、区長会で提案されている二十三区足並みそろえての子どもが多い世帯の軽減実現が必要です。国保には均等割という、赤ちゃんなど収入がない加入者でも一人当たりにかかる人頭税のようなものがあります。来年度、この均等割は一人五万二千二百円となっていて、子どもが二人になれば十万四千四百円にもなります。本当に大きな負担です。子どもの均等割軽減の実現の見通しについて、事務方のトップである、宮崎副区長に伺います。 ◎宮崎 副区長 国民健康保険制度のいろんな課題については、東京都のほうが保険者になる際にいろいろ議論がありました。その中でも、この多子世帯の問題については、双方それぞれ課題として捉えてきたところでございます。  やはり持続可能な国民健康保険制度を目指して始められたこの国保制度の改革でございますので、そうはいっても、一自治体の中で解決困難な制度的課題も多くございます。  今、多子世帯の話でございますけれども、この少子化対策や子育て支援という社会全体の取り組みに反しているのではないかという問題意識から、区長のほうからも特別区長会の場などで発言、発信を続けてきたところでございます。  今後もこの根本的な制度改革を国に求めていく必要があると考えておりまして、引き続き二十三区が一体となって、さらには保険者となった東京都とも協議をして、その上で、ともに力を合わせて、国に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆江口じゅん子 委員 実現を期待しております。  こうした独自努力と相まって、国保料を引き下げ、区民の暮らしと医療保険制度を守るため、区議団は独自の保険料設定が可能となる統一保険料方式からの離脱を提案します。  先ほど来述べています六年間の激変緩和は、国保の都道府県化に伴い、二十三区で決定したものです。次期区政の最終年度は激変緩和がなくなる前年の年です。ぜひ今後四年間で統一保険料方式からの離脱、実現をしていただきたい。九十万都市である当区が率先して行動をとれば、国や都、他区へも大きな影響を及ぼし、冒頭述べた企業主導型保育所の制度改善のように、国保の制度改革につながるものと考えます。二十三区では既に千代田区、江戸川区、中野区が今年度から統一保険料方式から離脱し、独自の国保行政に踏み出しています。  ここで伺いますが、統一保険料方式から離脱することで、例えば財源などで区への影響はあるのか伺います。 ◎宮崎 副区長 特別区が今とっています統一保険料方式でございますが、これは財源とも当然大きく関係しておりまして、平成十二年の都区制度改革時に大都市としての一体性に鑑みまして、区長会として統一基準、統一保険料方式を毎年度設定いたしまして確認し、各区の条例により決定するとしたもので、今般、国保の広域化の考え方を先取りした保険料の決定方式でございます。  現在、三区、御紹介ありましたけれども、独自で保険料率を設定しておりますが、都内の保険料水準の統一、それから法定外繰入の解消、または縮減という、将来的な方向性に沿って段階的に移行すべく、二十三区統一で対応する。ただし、この水準を参考に、各区独自で対応することも可とした決めがありまして、この特別区の対応方針の範囲内でのことと考えております。  統一保険料方式を離脱した場合には、決算補填目的の一般会計からの繰入金を統一保険料方式よりも短い年数で解消するために、急激に減少させるのであれば、保険料の上昇率もその分高くなります。また逆に、繰入金の維持や増加をすることになりますと、国保以外の区民、納税者からの理解が求められることになります。そういう意味で、この保険料率を抑えようとするためには新たな財源が必要となり、今でも一般会計からの繰り入れを行っている、こういう現状でございます。 ◆江口じゅん子 委員 るる御説明いただきましたが、つまり、離脱をするだけでしたら直接区に大きな影響はないと認識をしました。  中野区の担当者から離脱の理由など聞き取りを行いました。前区長が職員向けメッセージでそれを語っているということで、以下、それを読み上げたいと思います。  今回の都道府県化の制度改革の目的の一つは、基本的に保険料を補填するための一般財源の投入を削減していくということ。しかし、急に一般財源の投入をやめると保険料が大きく増加するおそれがあり、一定期間は一般財源を投入して急激な保険料の増加を抑えていく必要がある。赤字解消、削減の取り組みは、各区がそれぞれ被保険者への影響を考慮して行う必要があり、一般財源をどれだけ投入するのか、そのことを区民に説明、納得してもらうかは、各自治体の判断であると、前区長が離脱を決定したわけですけれども、理由については今のように語られております。  実際、中野区では所得の少ない方に配慮した独自の保険料率の設定を行い、激変緩和は九年に設定をしています。来年度の保険料はどうなるか、我が区も含め、統一保険料方式と中野区独自方式ではどうなるかの比較をパネルをつくって説明したいと思います。  先ほど申し上げた一人当たりにかかるこの均等割は、特別区統一保険料方式では五万二千二百円、そして中野区では四万九千五百円と、中野区のほうが二千七百円低くなっています。一人当たりの保険料額ではどうかというと、特別区統一保険料方式では十二万五千百七十四円。中野区では十二万三千五百二十四円と、中野区のほうが千六百五十円低くなっています。担当者からも聞きましたが、中野区では、統一保険料方式より均等割額を抑え、そしてここにある所得割率を高く設定することで、所得の低い方に配慮した保険料率を設定し、応能負担に近づける努力をしています。区独自でこうした工夫ができるわけです。  世田谷区でも介護保険料算定に当たり、応能負担の考え方で独自に多段階化を進めています。国保料についても応能負担に重点を置くことが、区民負担を抑えるために必要と考えます。  以上、高過ぎる国保料を引き下げ、区民の暮らしと医療保険制度を守るため提案をしました。もちろん離脱が簡単でないのは承知です。しかし、国保の制度改革は待ったなしです。区長としてそれにつながる決断を求め、見解を伺います。 ◎保坂 区長 実は昨年、特別区長会は任意団体でありながら、やっぱりこの統一保険料方式というのをとって運営してきたわけです。国民健康保険の広域、いわゆる東京都のほうに移管するに当たって激論がございました。もう各区全部ばらばらでいいんじゃないかという意見と、いやいや、やっぱり統一保険料方式を守りながら一般財源の投入を次第に少なくしていこう、この二つの意見だったわけです。  実は中野区がそうやられたというので、非常に驚いているところですが、私の記憶の限りでは、言われていた理由はそういう理由ではなくて、もうこれは各区それぞれの判断でということを強調されていましたので、特別区長会自体が存在をしている存在理由、レゾンデートルといいますか、そういうところで統一保険料方式ということを辛くも守りながらやっているということは、それだけ重要だということで、私はどちらかというと中野区長さんの提案に対して、統一保険料方式を守りつつ、そして言われているように高過ぎるという問題があります。  それから、人頭税と言われましたけれども、子どもが仮に五人いれば掛ける五になってしまうので、これは少子化対策に全く逆行するでしょうと。これについては区長会としてまとまって、国にも要望を出していますので、統一保険料方式をきちんとやっていこうよということを主張している、また主張してきた世田谷区の立場からは、ここで離脱ということはちょっと選択し得ない。むしろ、この高過ぎるというのは事実ですから、それに対して、例えば激変緩和措置の期間を決めているけれども、それは見直しが必要なんじゃないかというような議論、これはしていかなければならないと思っています。 ◆江口じゅん子 委員 経緯もあり、簡単ではないということをるる語られましたけれども、しかし、認識、国保は高いと。そして国保の根本的制度改革というのは、これは本当に必要なことです。一義的には国が中心となって取り組むことですが、やはりそれを促す当区での決断、ぜひ次期四年間で期待しておりますので、よろしくお願いします。  それでは次に、次期区政において、区政が重点的に取り組む課題の二つ目である、子どもの命と健やかな成長を守るための行政力強化について伺います。  目黒区、野田市と相次ぐ児童虐待死は大きな衝撃で、その抜本的対策は急務です。これまで区議団は、来年四月の児相移管を目前に控えた当区として、悲劇を繰り返さず、幼い命を虐待から守るため、予防から措置、保護に至る各段階での体制強化、そして関係機関とのネットワーク強化を求めてきました。中でも行政力強化は、子どもの命を守るための最重要政策です。  目黒区の事件では、広域にわたる児相間の連携、また、地元区での子ども家庭支援センターのかかわりが問題視されました。そして野田市の事件でも、糸満市からの引き継ぎ、情報共有の不備、何より野田市の学校、教育委員会、児童相談所が威圧的な父親の態度によってアンケートのコピーを渡すなど、行政機関の対応、本当に大きな問題になっています。  区はこの間、予防型児童相談行政の転換、保護者支援に重点を置いた施策展開、このことを表明しており、重要な方向性です。この実現の核となるのは、児相、子ども家庭支援センター、学校、教育委員会、区立保育園、児童館、「せたホッと」など、区の各機関の対応と連携の強化です。それがあってこそ、地域関係機関と連携し、身近な地区での見守りネットワークが構築されるものと考えます。  区は、虐待を未然に防止する予防型児童相談行政の実現に当たって、行政力強化についてどのような認識を持ち、また、どう実現しようとしているのか伺います。 ◎澁田 子ども・若者部長 児童虐待による子どもの生命を守るためには、子ども家庭支援センターと児童相談所の一元的な運用を大きな柱といたしました、虐待を未然に防止する予防型の児童相談行政への転換が何よりも重要であると考えております。  児童相談所が高度な専門性を発揮し、強力な法的権限を的確かつ迅速に行使できる体制を整備するとともに、地域や関係機関が連携し、今まで築いてまいりました要保護児童支援協議会を初めとする、区の持つさまざまなネットワークをさらに強化することにより、身近な地区で子どもと家族を支え見守ることができるネットワークづくりを進めてまいります。  また、児童相談所開設を契機に、区立児童館や区立保育園のあり方を検討するなど、児童相談行政の再構築に向けた具体的な取り組みや、教育委員会所管のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育支援チームなどと連携するなど、学校との連携強化に向けた取り組みをさらに加速させまして、子どもの生命を守っていく環境の整備を進めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 子どもと日々向き合う学校や区立保育園、児童館などの現場が疲弊し弱体化をしては、早期発見や適切な対応は現実のものにはなりません。学校現場では教師の多忙化の解消が必要です。今後、ソーシャルワーク機能強化が必要とされ、各地区展開が展望される児童館は、公的責任の後退があってはなりません。  区立保育園は、今議会に今後のあり方が示され、新たに子どもの育ちのセーフティーネットの役割が規定されました。その役割は重要であり、区としての引き続きの努力を求め、副区長の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 先般お示ししました区立保育園の今後のあり方でございますけれども、これは児童相談所の移管も見据えまして、今後の区立保育園は地域におけます身近な公設の児童福祉施設として、民間保育施設の相談支援、各地域で取り組んでおります保育ネットの活動強化等を通じまして、全ての保育施設と連携協力しながら地域全体の保育の質の維持向上に努めるとともに、支援が必要な家庭に対しましては、その早期発見と適切な対応を行えるよう、ソーシャルワーク機能の充実に取り組んでまいります。  今後とも区立保育園がさまざまな保育施設や関係機関と連携協力しながら、全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障いたしまして、子どもの命を守るため、職員一人一人がその存在意義を認識いたしまして、必要な人員体制や財源を確保し、子どもの育ちのセーフティーネットの役割をしっかりと担ってまいります。 ◆江口じゅん子 委員 各機関で公的なセーフティーネットの役割を身近な地区できちんと果たせるよう、区の役割を果たすことを重ねて要望します。  それでは次に、公共交通不便地域について伺います。  当区にとって南北交通の強化、それを補完するバス路線の充実、そして不便地域解消は長年の全区的課題です。不便地域は区内の一九・七%を占め、単純に割合で計算しますと約十七万人以上の方が暮らしており、この解決が急がれています。  議会ではさまざまな提案が、まさに全区的にされておりまして、そして、区民からもここを通してほしいと何本も請願が提出されています。区もこれに応え、タマリバーバスを初め路線バスの運行を実現しております。しかし、従来の取り組みで不便地域解消が進まなかったことも事実です。この問題の解決に向けて、平成二十九年度から不便地域での新たな移動手段検討に踏み出したことは大きな一歩と認識しています。  砧でのモデル地区での取り組みは二年目を迎え、勉強会、また運行主体である協議会の設立、昨年度は警察立ち会いのもと、運行ルート案に実際にワゴン車を走らせる実査も実施しました。この間の所管の御努力、本当に評価するものです。  先日、山野小での新校舎落成祝賀会に参加しました。地域の方から、運行ルートをもっと工夫してほしい、早く通してくれないと、年寄りだから待てないなどさまざま伺い、早急なモデル運行、本格運行への期待を感じました。  そして、砧での成功は全区に波及します。全区的課題である不便地域解消に向けて、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 砧地域をモデルに、地域の町会・自治会、商店街にも御協力をいただきまして、新たな公共交通の不便地域対策の調査検討を続けております。事業収支計画に加え、安全対策、いまだ解決すべき、解決していない課題があり、来年度は着実に次につながっていくよう検討を指示したところであります。  世田谷区において高齢化の進展が顕著で、買い物難民、あるいは病院への通院、日常生活における移動手段の確保、ますます区民にとって重要な課題という認識はございます。高齢者など移動が困難な方への支援、地域包括ケアの地区展開の中でもテーマとして必ず上がってきます。  モデル地域での取り組みは、こうした課題にどのようなスタイルで応えていくかという、公共交通、これまでのバス路線という形では実現し得ない、地域においてもその移動需要が当然あるわけですから、モデル地域を早く打ち立てて、他の地域にも広げていく仕組みとしてスタートさせていく必要があると思います。  民間活用など、他の自治体の事例や、東京都の補助制度の活用も視野に入れて、この公共交通不便地域の解消の具体策、これを福祉政策、交通政策のみならず、福祉やコミュニティー政策、産業政策とマッチングしながら進めてまいりたいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 期待しております。よろしくお願いします。  私の質問の最後として、これも地元の超党派が求めております、環八千歳台交差点のバリアフリーについて伺います。  私はこの間、事故を起こさないため、横断歩道と歩道橋の併存が最低限必要、抜本的対策としては、当初から提案している歩道橋のエレベーター設置が望ましいと求めてきました。最近、警視庁から都へその検討結果が示されたと聞いていますが、区として把握しているか、伺います。 ◎五十嵐 土木部長 環八通りを横断する横断歩道の新設につきましては、この間、区は地元の意見を酌み、東京都へ何度も足を運び、要望を伝えてきております。それを受け、東京都第二建設事務所では横断歩道橋の移動円滑化の基本設計委託の実施や、警視庁も立ち会った現地調査により検討を進めていただいたところでございます。  その結果、環八通りを横断する横断歩道を新設した場合、歩行者の横断に必要な時間によって、環八通りの車両の青の時間が大幅に減少することとなり、環八通りの交通量に鑑みると交通影響が多大であることから、横断歩道の新設は見送ると伺っております。  一方、当交差点の西側に位置する補助五四号線を横断する横断歩道の新設につきましては、歩行者の滞留空間やドライバーの視認性を確保するために横断歩道橋の撤去が必要であること。また、周辺の学校関係者等から横断歩道橋の存続要望もあるため、検討が必要な状況であると捉えており、現段階では横断歩道の設置は見送り、引き続き調整を行うと伺っております。 ◆江口じゅん子 委員 歩道橋のエレベーターの設置を進めることは必要ですが、いかがですか。 ◎五十嵐 土木部長 横断歩道以外のバリアフリーの方策といたしましては、横断歩道橋にエレベーター等を設置することが考えられますが、これまでの都との打ち合わせでは、エレベーターを設置するためには用地の確保が課題であると伺っております。  区といたしましては、引き続き課題解決に向け積極的にかかわってまいります。 ◆江口じゅん子 委員 区の積極的役割を期待しております。  以上で私からは終り、中里委員に交代します。 ◆中里光夫 委員 時間がなくなりましたので、一問だけにしたいと思います。  私からは、審議会などの附属機関の問題について質問します。  委員の皆さんの席上と、あと理事者の皆さんの席上に資料を配らせていただきました。これはタイトルが議会推薦による附属機関委員に関する経緯についてということで、下のほうに説明書きもありますけれども、附属機関に議員が参加しているかどうかと、平成十五年に見直しが行われまして、この間の経過がこれに示されているものでございます。  ここにも書かれていますように、基本的に法で定められているものなど以外は、委員会構成から議員を除外する方向で整理したというふうに書かれてありますけれども、そうした経過が進みました。  我が党はこの間、議会の論戦、議論の活発化などのためにも、審議会などの委員の参加を復活させるべきだという提起をしてきました。もちろん全ての委員会をもとに戻せというような話ではなくて、議員が参加することが適切かどうかについては一つ一つ検討する必要があると考えております。  この資料に書かれていますのは、この間、議員がかかわってきた附属機関だけで、実はこの後にも男女共同参画などのように新しくできた審議会もありますし、ここに記載されていないたくさんの審議会、評議員会もございます。それらについて議論をしていく必要があるというふうに考えております。  ここで質問ですけれども、議員を審議会の構成員に含めないとしたことについて、この見直しから十六年経過していますが、この間の状況も踏まえ、区の執行機関としてはどのような見解を持っているのか。また、外郭団体の評議員に議員を含めないということについても、あわせて見解を伺いたいと思います。 ◎中村 総務部長 まず、区長の附属機関であります、いわゆる審議会の構成員のほうでございますけれども、平成十四年当時に、区議会でも区議会議員が構成員として参加することの是非が議論されていたこと、また、行政実例で執行機関と議決機関との関係から、附属機関の構成員に議員が加わることについては違法ではないが適当ではないとする考えが示されたことなどを踏まえまして、平成十五年の改選を機に、基本的には法律や都条例等で規定されている場合を除き、審議会等の構成員に区議会議員を含めないものとする見直しを図ってきた経緯がございます。  区といたしましては、これらの経緯を踏まえまして、議会の場で御意見をいただくことを基本と考えておりますが、この間、基本構想の策定ですとか、名誉区民の選定など、案件によっては審議会等への参画をお願いしている事例もございます。  また、中里委員から配付いただきました資料については、審議会と外郭の評議員会もあわせて記載されていますけれども、現在の審議会の設置数は四十八ありまして、その中で区議会議員の皆様が構成員として参画していただいているものは法定も含めて九つございます。  審議会等の構成員に議員を含めないものとした見直し以降、お話しありましたとおり十六年経過しております。今後、審議会等の議論を深め、透明性を高めるため、区議会での御議論を踏まえて検討はしてまいります。 ◎岩本 政策経営部長 私は、外郭団体における評議員会についてお答えします。  評議員会につきましては、平成二十年からの国の公益法人改革によりまして、評議員会の位置づけが、従来の諮問機関としての役割から、理事の選任、解任等重要事項の最高議決機関へと変更となりました。このことを受けまして、区議会議員が議員としての議決権と評議員として法人運営に係る議決権、この二つの二重の権限を有することになることから、区議会議員を評議員の対象から外したものでございます。  一方、外郭団体に対する議会のチェックについては、例年四月と九月の常任委員会の開催の際、各委員会で参考人招致の御判断をいただいて、外郭団体職員出席のもと、経営状況について御報告しているところです。  区議会の関与につきましては、議会での議論が必要と考えますが、区では今後とも外郭団体の透明性向上を図るよう指導調整を行ってまいります。 ◆中里光夫 委員 執行機関、役所の立場というものは、今のお話で大体わかりましたけれども、議会としての議論が今後必要だということで、私どももこの問題を引き続き提起していきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆桃野よしふみ 委員 私からは、まず制服とか校則とか、そういったことについて質問をしていきたいんですけれども、先日、一般質問で取り上げた際にも申し上げましたが、世田谷区と中野区がことしの春から自由選択、全区的にこの四月から自由選択で、同じような形でスタートするんだというような記事が多くの新聞に載って、文教委員会でもそんな報告はなかったし、どういうことなのかというふうに質問したら、その記事のニュアンスはちょっと違うというような答弁があって、そんなに多くの新聞が片っ端から間違うというのは、これは取材対応のほうにやっぱり問題があるんじゃないですか。これは丁寧に対応しないと、新聞を読んだ人は間違っちゃうんじゃないですかという趣旨で取り上げたんです。  そんなこともあって、ちょっとまた新聞記事について聞きたいんですけれども、二月二十二日の毎日新聞で、またこの制服の記事が出ていまして、区長がこう答えているんですね。学校にとって制服の意義は、起立、礼、着席と同じで、一斉に一糸乱れずという発想だと。もともと学生服は軍隊から来ているんだということで答えているんですけれども、これは世田谷区の教育所管としても、学校にとって制服の意義というのは一斉に一糸乱れずだと、そういうことだということで捉えていらっしゃるんですか。 ◎工藤 教育政策部長 制服というものの発足のといいましょうか、最初の意味合いといったところを明確にお伝えすることはできませんが、学校という組織に入ったときに、一定の規律、統一的規律の中で生活を行うという考え方が根底にはあり、その際に、要するに身だしなみを含めた制服といったものを導入したものだと理解しております。 ◆桃野よしふみ 委員 今の部長の答弁というのも、何かわかったんだか、わかっていないんだか、私もはっきりと答えていただいているふうにはとらないんだけれども、世田谷区の教育行政の中で、制服というのは軍服から来ていて、一糸乱れずというところが下敷きになっているんだというのは、私は余り一般的な考え方ではないというふうに思うんですよ。  こういう新聞の記事というのは、世田谷区長だからインタビューされているわけであって、別に教育ジャーナリストとしてインタビューされているわけでもないわけだから、ちょっと慎重にね。このインタビュー自体もはっきり物を申されている感じじゃないんだけれども、制服というのは軍隊だとか一糸乱れずというところと何かリンクして、制服とはそういうものなんだというふうに説明するのはちょっと慎重さを欠いているのではないかなと思いますというのを、まず冒頭に指摘させていただきます。  その制服なんですけれども、これまでの答弁を聞いていると、完全にフリーで、例えば新学期から、新学年からどの制服を着てもいいですよということではなくて、個別の申し出があって、個別の対応をして判断していくんだというようなことになっています。その一方で、基本的にはその思いは尊重していくんだということもおっしゃってきましたけれども、逆に言うと認められない例があるのかということも気になるんです。  例えば寒いからスラックスをはきたいとか、動きやすいからとか、単純に好きだからとか、いろんな理由があると思うんですけれども、申し出があっても、これはだめだという理由、例というのもあるんですか。 ◎工藤 教育政策部長 御質問いただきまして、その部分は誤解のないようにしておかなければいけない部分なんですが、世田谷区においてはこの制服の選択は基本的に自由選択という考え方なんです。ただし、当然その選択した先に、もし何らかの事情を抱えている子がいれば、それはやはりしっかりと相談に乗っていくことは必要だねということであり、選択した後の相談で構わない、そういう考え方なんです。 ◆桃野よしふみ 委員 ということは、別に申し出をしなくてもいいし、本人が相談せずに、そのままスラックスで通学し続けても、それは構わないということですか。
    ◎工藤 教育政策部長 逆に相談に応じないことを理由に制服の選択を否定することはないというふうな考え方になります。 ◆桃野よしふみ 委員 そうじゃなくて、だから、申し出なくていいのかどうかと聞いているんです。 ◎工藤 教育政策部長 あくまでも自由選択という形で考え方を示しておりますので、まずパンフレットには男女の別を書かず、そのパンフレットに基づいて、保護者と子どもが制服の業者のほうに直接発注するというのが基本的な流れになりますので、その意味において、学校側に申し出を前提としません。 ◆桃野よしふみ 委員 ということは、別に特に申し出も相談も許可も何も要らなくて、自分がスラックスをはきたいと思ったら、自分で自由に選択して、それはこの四月から全校で自由に申し出なしではけるということでいいんですか。そうだとすれば、別にこれは新聞記事どおりだから、それでいいんじゃないですか。 ◎工藤 教育政策部長 申し出という言葉、あるいは相談という言葉についての意味合いは、今御質問いただいたとおりです。新聞の内容に関しましては、従前よりそういった配慮を一切してこなかった、ことしの四月からこの考え方をスタートさせたといったような形での報道内容、それは少し違って、これまでも、この間のいろんな議論をいただきながら、我々としてはその子に寄り添ったさまざまな配慮をしてきたという、そういう趣旨でございます。 ◆桃野よしふみ 委員 ほかの委員もざわついていますけれども、それだったら、私はそれはいいことだと思いますよ。それはそうするべきだと言ってきたんだから、それはいいことだけれども、この間、議場で一般質問で取り上げたときは、そうすべきでしょうと言っても、申し出があって、それは性的少数者というのは自由に任せるだけじゃなくて、(「言っていることが違うよ」と呼ぶ者あり)その後の制服だけの問題じゃないから、それは申し出てほしいんだというような答弁だったと私は理解しているし、今声が上がっていますけれども、それは今まで言っていたことと違うんだから、文教委員会でそれは報告して、そういうふうに主張していた委員もたくさんいる。たくさんかどうかわからないけれども、そういうふうにするべきだろうという考えの委員はこれまでもいたわけだから、それは報告しないで新聞にどんと出て、その新聞の記事について問うたら、何が変わったのかよくわからないなんていうのはちょっと不誠実なんじゃないですか。 ◎工藤 教育政策部長 なかなかうまく伝わらない部分があったとすれば、それは申しわけないんですが、基本的に今回変えましたのはパンフレットの部分の取り扱い、これは明らかに今まで男女別に表記をしていたところでございます。それ以外の申し出というのは、事前の申し出を求めるものではないということは変わらず、相談には乗っていく必要がある。それは議場でも御答弁申し上げましたように、制服を選ぶということだけではなく、生活全般に対してさまざまな配慮が必要なこともあろうということで、その際にはいろんな相談をさせていただく必要がある場合は当然あるだろう、そういう趣旨での説明をさせていただいたところです。 ◆桃野よしふみ 委員 これまでと同じで、これまでもその申し出は不要だったし、相談をしなくても構わないということだったと私は理解したんだけれども、この間、相談するといっても、そういう当事者からすれば、自分が奇異な目で見られるということについては、これは怖いというのかな、嫌というのかな、そういう気持ちはやっぱり持つわけですよね。当然自分の性自認を秘匿したいという人たちだってたくさんいらっしゃって、それはそれで尊重されるべきだと思いますよ。  そんな中で相談してくれ、相談してくれというのは、それはちょっと無理があって、新学期とか新学年でそんなのは相談しづらいんじゃないのという話も申し上げてきて、先ほど、風間委員の質問の中で机を蹴っ飛ばすような先生もいる、高圧的な指導をするような先生もいると。私は幸いにそういう声を聞いたことはないんですけれども、風間委員はそういう声を聞いているんでしょう。やっぱりそういう先生もいる中で、相談しづらいでしょうということは当然のことなわけですよ。  だから、いま一度確認ね、ほかのことも聞きたいので、これは最後に確認しますけれども、別に申し出も相談も何も要らないと。寒いからとか、動きやすいからとか、そんなことも全て含めて、女性がスラックスをはいて通学したいと言えば、それは自由だと。別に学校はそれについて相談を求めないし、つべこべ言わないということで、それは全学校でそれでよろしいんですよね、それだけちょっと確認させてください。 ◎工藤 教育政策部長 制服の選択は自由選択ということで考えておりますので、申し出がなければ選択させない、あるいは理由によっては選択させないといったようなことではないということで御理解いただければと思います。 ◆桃野よしふみ 委員 わかりました。それはいいことだなと思います。ただ、文教委員に属している委員の皆さんは何だそれという感想もお持ちのような感じですけれども、またそれはほかの方が御質問されるんだったら、それも私はまた答弁を聞いていきたいと思います。  それで、自由に女子生徒がスラックスを選べるというのは、それはいいことなんだけれども、そういうふうに状況を整えたから、それでもうあとは自由にやってくださいということになると、私、それもまた違うと思うんです。  というのは、男性が、戸籍上男性で、心の性が女性だったりする場合に、自分の装いに違和感を持つ方もいらっしゃるわけですよ。そういう方はどうするのかというふうになったときに、スカートをはきたかったらスカートをはいてくださいというのは、それはちょっと乱暴で、やっぱり自分の性に対する違和感というのは、その強弱というのはさまざまじゃないですか。どうしてもスカートをはきたいという人もいれば、そうじゃないけれども、もう少し女性を感じるような服装をしたい、それはさまざまだと思うんです。  そういった中で、詰め襟というのは一つのハードルになってしまうんじゃないかなと思うんです。調べてみると、世田谷区の中学校で現在詰め襟の制服というものは五校あるんですね。その他の学校、つまり大部分の学校はブレザーのような制服を着ているということなんだけれども、この詰め襟の制服というのは、男性、女性と見たときに、ちょっとユニバーサルではないというのかな、やっぱり男性性を強く感じさせる制服だと思うんです。  たまたまその五校の通学圏内に住んでいる子どもたちは、例えば自分の性に違和感を持っていても、やっぱり詰め襟を着ていかなければいけなくなる。そうでなければスカートという、ちょっと極端なというか、もう一方のほうまでどんといかなければいけないことになってしまうということがあると思うんです。なので、この詰め襟ということについても、これは時代の変化ということもあるし、もう少し男女を問わずユニバーサルな装いということに振っていくべきではないかなと思うんですが、見解を教えてください。 ◎工藤 教育政策部長 まさにいろいろな議論がある部分かなというふうに感じております。我々は標準服と呼んでいるわけですが、標準服はその学校のアイデンティティーの一つであるというふうに受けとめておりまして、これまでの先輩方のつくり上げてきた伝統ですとか校風、こういったものも受け継いでいるその形の一つで、そこには自負と誇りがあると。そういう中で、生徒の心に形成されている形の一つかなというふうに考えています。  こうして地元に愛着を持って、よりよい地域社会を築いていこうという態度や心情、こういったものを醸成するといったこと自体は、教育委員会が掲げる地域とともに子どもを育てるという観点では一致していると思っています。  一方、標準服の制定は各学校の裁量に委ねられているところがあるわけですが、詰め襟を標準服として指定している学校においてもさまざまな思いの生徒がいると。特に御指摘の趣旨を受けとめますと、申し出ができる子どもたちだけではないということがあるんですね。その子たちも含めてどういう形がいいのかというのは、今後いろんな形で検討していく上で、詰め襟の件も含めて一つ重要な視点かなというふうには感じております。  教育委員会としましては、各学校において一人一人の生徒や保護者の思いをしっかり受けとめることとともに、今後も今日的な人権教育の観点も提供しながら、継続してさまざまな思いに寄り添いながら、校長会と連携してまいりたいと思います。 ◆桃野よしふみ 委員 伝統というふうにおっしゃったけれども、実際に多くの学校は変わってきているわけじゃないですか。そもそも、多分学校も詰め襟のところが多かったと思うんですけれども、それがブレザーに変わってきて、ただ、そこで伝統がこれでないがしろにされたというふうに考える人はほとんどいないと私は思うんですよ。  例えば、区長は嫌いだと思うけれども、丸刈り、あれだって伝統だとか日本の文化だみたいなことを言う人もいるけれども、それは違うと。強制的に丸刈りをルールとしてするのはやっぱり人権侵害だという世の中に変わってきたわけじゃないですか。  そういった中で詰め襟というものが、即人権侵害とは言わないけれども、心の中で性の違和感を感じている人がそれを着て登校して、自分が自分じゃないような気持ちで過ごさなきゃいけないということが、私はそういう該当の人がいるかどうかというのは正確にはわかりませんよ。だけれども、その可能性を生むわけじゃないですか。だったら、それはやっぱり大部分の中学校はもうブレザーに変わっていっているわけだから、これは伝統だから詰め襟だ、伝統だから詰め襟だというのは余り優先的な理由にはならないと私は思いますよ。もう一度答えてください。 ◎工藤 教育政策部長 標準服につきましてはさまざまな御議論があるところだと思っています。いただいた御意見なども、校長会のほうを通じて学校側には提供していきたい、そのように考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 これ以上この制服の話をしても多分余り答弁が変わらないと思いますから、今申し上げたことを申し上げて、次は校則の件も伺いたいんですけれども、これも一定のルールは、人に迷惑をかけないとか、安全上必要だとか、そういうルールが最低限必要だというのは私はわかるんです。だけれども、やっぱり校則というのは今過剰じゃないか、過剰に縛っているんじゃないかというテーマで取り上げてきました。  例えば下着の色は白だと、そんなことが実際に中学校の生徒手帳に書いてあるわけですよ。そんなことはおかしいでしょうということを言ってきて、それはもう世田谷区全区で、皆さんがちゃんと基準を示して、それはやめましょうということを明確に示して、人権侵害につながりそうなことはやめましょうということを明確に示して、リーダーシップを発揮して、さっきの男女の制服だって、皆さんがリーダーシップを発揮してやられたわけでしょう。それは個別の学校の判断だなんて言わずにやったわけでしょう。  だから、この校則についても、皆さんがリーダーシップを発揮して、そういう人権侵害になりそうな校則というのはなくしていきましょうということで、この間言ったんだけれども、今言ってきたんだけれども、結局、この四月から、工藤部長からは割と前向きに検討していただけるような答弁があったと私は思っていた。前回の一般質問で出てきた答弁というのは、別にこの四月から大きく変わるわけではない。校長には伝えてあるし、これからどうなるかというのは見守っていきたいみたいな答弁だったわけだけれども、先ほど話したように、やっぱり人権侵害につながっていることというのは、皆さん、リーダーシップをとって、すぐこれをやるべきだと私は思うんですよ。  だから、各校の校長に任せる、何回も名前を出して悪いけれども、風間委員も学校ごとだなんていうのはおかしいだろうということをおっしゃっていたけれども、まさに人権侵害に触れるようなことは学校ごとというのはおかしいんじゃないですか。 ◎工藤 教育政策部長 そうですね、校則につきましては、まず基本的には、各学校において教育目標を達成するために必要かつ合理的な範囲で校長の権限において定めなさい、これは国の文科省の通知でも発出されているところでございます。  議会からの御意見もいただきましたので、そういったところも踏まえまして、校長会と連携して人権的な配慮や性別による規定、あるいは極端な身だしなみの制限などの観点について、時代の変化に伴う社会通念に照らした合理性、生徒や地域の実態、保護者の考えなどを踏まえながら見直すよう、学校に周知してまいりました。  髪の毛などにつきましてもいろいろ御指摘をいただいたところですけれども、それぞれの観点に、なぜそれを規定しているのかという観点に立ち返りまして、これまで検討し、必要な見直し等は現在も進んできているというふうに認識しております。 ◆桃野よしふみ 委員 皆さんのほうで、例えば下着の色は白だとかそういうことは人権侵害だということで、すぐちゃんとやめさせて、人権侵害はやっぱりやめさせないと。それはいいですよ、いろんな個別の選択で許される範疇というのはありますよ。だけれども、それは皆さんが各学校の校長に強く働きかけて、これは今の時代に合わないだろうということは、やっぱりちゃんと示さないとだめですよ。  それをちゃんと四月からやれるのか、もしくは半年おくれるのか、よくわかりませんけれども、それをやるのかということを教えてください。それを強く働きかけるのかどうかというのを教えてください。 ◎工藤 教育政策部長 報道等ではブラック校則といったような名称で報道されていましたけれども、例えば地毛の色を強制的に黒髪に染めろとか、例えば証明書を出せといったようなこと、これも明らかに人権侵害だろうと非常に強く思います。ただ、さすがにそういったことはなく、御指摘の下着の件についても具体的に校長会に投げまして、必要な検討を今進めてきているところだと思っています。  ただ、校則につきましては、それなりに時間をかけながら検討していく要素もあるというふうに受けとめていますので、今後とも引き続き校長会と連携して必要な修正を加えていきたいというふうに考えております。 ◆桃野よしふみ 委員 先ほど、髪型というのもおっしゃったけれども、制服、女子もスラックスは自由でいいよということは、私はそんなに大げさに考えることじゃなくて、動きやすいからとか寒いからでもいいじゃないかというふうに普通に思うし、性的少数者、性自認が戸籍の性と違う方についての配慮としても一方であるし、それはいいことだと思う。  そういうことから考えれば、例えば髪の毛だって、男性は耳や襟にかからない、女性は長く伸ばしてもいいけれども、長く伸ばしている場合は、授業の邪魔にならないようにとか清潔感とかということだと思いますが、くくりましょうぐらいのルールでやっている学校があるわけですよ。全く自由という学校もあるかもしれないけれども、そういう制服に限らず、まだまだ校則の中で、男性はこう、女性はこうという決めつけというのかな、そういうさまざまな事情に配慮しないままに校則が定められている例があるんですよ。だから、例えば髪型の件についても、皆さんがちゃんとそういうことに配慮した校則にしなさいということで強く働きかけるべきだと思う。  見逃されがちなんだけれども、例えば水泳の授業なんかも、戸籍上は男性でも心が女性の方からすれば、やっぱり水着も違和感があるわけですよ。では、女性用の水着を着ろと言ったら、それはやっぱり周りから奇異な目で見られて、それはやっぱり嫌だということで、どうしていいかわからないというか、非常につらい思いで水泳の授業を受ける方もいるわけですよ。  そういった中で、例えば今一般的になっているラッシュガードみたいなもの、上半身を覆うものがあって、実際に学校以外のプールだとか海では、別に単純に日焼けしたくないからとか、すり傷がつきにくいからとか、さまざまな理由で、別に理由を問わず、格好いいからでもいいし、別にラッシュガードを着て海に入ったりプールに入ったりしているわけですよ。だけれども、区立小学校はわからないけれども、区立中学校においては、例えばラッシュガードはだめだというような学校だってあるわけですよ。  だから、制服が今話題にのって、こうやって世田谷区で華々しくやりましたよと言うのはいいけれども、本当にそういうことが大事だと思っているんだったら、制服以外のところも、皆さんが制服と同じようにリーダーシップをとってやってくださいと言っているんですよ。だから、人権の問題だからやってくださいと言っているんですよ。それも答えてください。 ◎工藤 教育政策部長 社会情勢の急激な変化や価値観の多様化などから、学校を取り巻く環境も大きく変化して、取り組むべき御指摘のようなことも含めた教育課題、こういったものが顕在化してきているという認識をしております。子どもたちの学校や家庭での生活自体も、従前のものとは異なる点が多くなってきていると考えております。  御案内いただきましたラッシュガードの着用への対応など、さまざまな商品も含めた変化、そういった課題、あとは特に子どもの人権や健康において配慮が必要であることに対しては迅速な措置が必要だと考えております。また、個別の状況においても、保護者の方などともコミュニケーションをとりながら調整、判断し、できるだけ対応すべきというふうに考えておりますので、教育委員会としては、今後ともこうした状況に柔軟に対応していけるよう、校長会とも連携協働に努めてまいります。 ◆桃野よしふみ 委員 次の質問に行こうと思ったんだけれども、ちょっと思い直して、教育長と区長が何か知らぬ顔をしているから、別に答弁はいいけれども、一言申し上げたいのは、平成二十七年から教育委員会制度は変わっているわけですよ。区長も教育長も重々御承知だと思いますけれども、それは教育長が教育委員長を兼ねて、教育委員会を代表する存在になっている。区長は区長で教育委員会と総合教育会議、そこでしっかり協議調整をして大綱を定める、世田谷区の教育の方向性を定める、個別の施策については方針を示すというふうになっているわけだから、答弁は時間がないからいいんですけれども、教育長と区長が知らぬ顔で、ずっと工藤さんが答えているというのも、今ふと思って、それはちょっとどうなのかな、それも余り熱意がない話なのかなと思いましたということを申し上げておきます。  それで、時間が余りないですけれども、地域包括ケアについてもちょっと聞きたいんです。  先ほど、地域包括ケアは、他会派からも質問が出ていました。まちセン、あんすこ、社協の三者連携でやっていくということですけれども、今、こういう現場で一生懸命お仕事をされているいろんな方に伺うと、切実な課題はやっぱり担い手不足だということを、皆さん異口同音におっしゃいます。町会だとか自治会の役員をやられている方だとか、民生児童委員をやられている方だとか、あとは社協の推進員とか役員をやられている方、こういった方というのは、大体一人の方が何役もやられているという例が非常に多いんですね。なおかつ、そういった方が高齢化しているという問題もあるわけです。  この担い手をどうやってふやしていくか。もしくは、それぞれ一人の方がいろんなことを兼ねているんじゃなくて、本来の優先する仕事に注力していただくということが大事だなと思うんですけれども、この社協の推進員とか役員で、民生児童委員と兼ねている方がどれぐらいいらっしゃるのかということを教えてください。 ◎板谷 保健福祉部長 民生児童委員の多くは、町会・自治会、PTA、社会福祉協議会などさまざまな団体で活動されている方々の中から推薦されています。二月末現在の委員数は五百九十四名、充足率九三・四%、担い手の確保が課題となっています。  お話しの地域福祉推進員、今千七百名程度おられますけれども、手元に民生委員との兼務はどのぐらいの人数がいるのかはつかんでおりません。申しわけないです。 ◆桃野よしふみ 委員 具体的な数字じゃないけれども、多分現場の感覚としては兼ねている方は結構いらっしゃるなと、ちょっと曖昧な言い方ですけれども、いらっしゃるなという感覚はあるんですよねということだけちょっと確認します。 ◎板谷 保健福祉部長 兼ねている方が多いというふうには聞いております。 ◆桃野よしふみ 委員 そういうことは課題だと思うんです。社協の推進員とか役員の方というのは、みずからも会費を払って会員になって、なおかつ、その地域活動をやられているということだから、本当に頭が下がるというか、大変なことをされているというふうに思う。その民生委員の方、私も何名かの方に聞いたんだけれども、大きな負担になっているのが社協の会費集めだとか会員集め、これはもう大変だと。本来、それは我々が本当にやることなんでしょうかというような声も私のところには寄せられました。  それで、その会費については、そういうさまざまな事情があって、会費集めは大変だからということがある。苦肉の策だということもあるかもしれないんだけれども、町会が集めちゃうとか、町会費から出しちゃうとか、仕方なくだと思いますが、そういうこともあるというふうに聞いているんですけれども、そういった実態を把握されているかどうかということと、もしそういうことがあると把握されているのであれば、それはどういう対策を持って臨んでいらっしゃるのかというのを教えてください。 ◎板谷 保健福祉部長 今、社会福祉協議会の会員の問題ですけれども、社会福祉協議会に確認したところ、ほとんどの地区では、地域福祉推進員が訪問するなどして社協会費を集金していると伺っています。また、一部の地区では、訪問の負担が大きいことなどから、町会費で対応している現状があるのではないかというふうなところを聞いております。  そもそも社会福祉協議会の会費につきましては、地域福祉の向上という趣旨に納得をいただいた上で会員になっていただくということです。そうしたところで担い手不足、あるいは地域福祉の向上という関係団体の関係から、町会ごとに加入していたり、町会ごとで会費を払っているというような実情があると承知しています。 ◆桃野よしふみ 委員 今の話でも、やっぱり担い手を育てていくということが大きな、大事なポイントになってくると思うんです。それで、今、大体この地域の中で、やっぱり口コミとか、それぞれ民生委員の方がお声がけして、では、次はあなた、お願いできないなんて言ってやっているような感じで、割と地域の方の口コミみたいなものに頼っているところがあるんだけれども、社協の自前でそういう担い手をつくる取り組みが必要だと思うんですが、どういった取り組みをやられているのか、五十秒ぐらいで説明いただけますか。 ◎板谷 保健福祉部長 今、社会福祉協議会では新たな担い手の確保ということで、地区サポーターとして地域活動につなげていくということで、ハードルの低いところから加入をしていただくと。その後、また地区活動入門講座等も開催をして、団塊の世代の方の地域デビューということも図っているところです。 ◆桃野よしふみ 委員 ただ、実際に民生委員だとか推進員というところは、やっぱりそこまでの活動というのは苦労されていますから、もう一段そこまで、まずは入り口を広げるということも大事だと思うんですけれども、せっかくやっているんですから、その後、しっかりもう一段、もちろん自律的にやるような仕組みをつくっていただきたいと思います。  以上で終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時十八分休憩    ──────────────────     午後五時三十五分開議 ○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 希望の会の質問を始めます。  区と議会の関係、区の仕事の取り組み方に対する疑問についてお話しします。  二月二十七日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会において、他会派の委員から質問が出されました。委員会には、区から地域行政の推進に関する条例制定に向けた検討についてという報告がなされました。それに対して、なぜ今の時期に出すのか、唐突ではないかと。さらには、その委員の方が所属する会派においては全くこの話は論議されていない、どうして出してきたのかという質問でした。さらに本日午前、他会派から、このいきなりの報告は寝耳に水である、なぜこの時期に出すのかと質問がありました。  私は、区民の代表としての区議会議員の発言は保障され、それぞれ傾聴に値するものとして尊重されるべきであると考えます。当然です。  さらに午前中、丁寧に議会と向き合うべきという指摘がありました。私も本当にそう思います。区は丁寧に議会と向き合うべきです。区の対応はきちんとしたものでなければなりません。  この特別委員会のときの区の答弁に驚きました。本会議での議論が先行してきてしまったと言われたのです。さらに区は、区長の答弁では地域行政の条例化に向けて検討を進めると申し上げたが、本会議での議論が先行していると言われたのです。区長の本会議での答弁は一体何なのでしょうか。本会議での論議が先行した、先走ってしまったということは、先走っていない本来の姿が、本会議ではないほかのところにあるということを区が言われているわけです。全く理解できません。  私は、区議会議員の一員として、世田谷区を支える区と区議会という車の両輪の一部であると考えており、その両輪の接するところが、まさに議会本会議の場であると考えます。それが区は、本会議での論議が先走ったというのはいかなる考えによることなのでしょうか。私はこれが行政の区議会に対する軽視のあらわれではないかと危惧いたします。まさに丁寧に議会と向き合っていません。  この地域行政制度の条例化につきましては、昨年の第三回定例会において、公明党より問題提起され、さらに決算特別委員会において論議され、区長は、地域行政制度について条例化に力を入れ、加速化したいと答弁されました。  第四回定例会の招集挨拶において、区長は平成二十六年三月の世田谷区基本計画の基本方針において、区民が主体的に地域を運営する住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実するとともに、地域行政を進め、区民の意思を尊重した区政運営を行いますと掲げたと言われました。  これを受けて、私は一般質問において、地域行政の基本条例をつくるに当たっての区の考えを伺い、区長は、地域行政制度改革、地域行政制度のさらなる充実発展に向け、条例化の検討を行うと答弁され、また、担当副区長は条例化に向けた検討を進めていくと答弁されたわけです。  さらには本年第一回定例会において、公明党の代表質問において、地域行政制度の根幹を規定する条例を制定すべきという御質問があり、区長は、基本構想と同等か、それに準じる大変大きな課題と認識している。スピーディーに着手し、しっかりとした総括と全区的な議論と参加で、地域行政制度のバージョンアップを目指していくと答弁されたわけです。  これらの議会での論議を、なぜ区は論議が先行した、いわば先走ってしまったと言われるのですか、まさに議会軽視です。  区長は答弁でスピーディーに行うと言われたのです。しかし、特別委員会での報告では、検討の進め方として複数年かけて検討を進めるとされています。これが仕事と言えるでしょうか。仕事には全て締め切りがあるはずです。締め切りがない仕事は何もしないことと同じです。  先日の企画総務委員会の報告の中で、行政評価のあり方の報告がなされ、さまざまな論議がなされたのですが、行政評価の観点からも、このような目標年次のない仕事の進め方はあり得ないと思います。  もともとこの問題については、区長の招集挨拶においても触れられていたように、平成二十六年の基本計画の基本方針で、区民が主体的に地域を運営する住民自治の確立に向けて、区の計画や条例の策定などへの区民参加の機会を充実するとともに、地域行政を進めるとされているのです。  しかし、新実施計画においては、項目として地域行政制度のあり方が挙げられているにもかかわらず、年次別計画については、制度のあり方検討見直しの実施については、二十六年度から二十九年度に至るまで全く同じ文章が並んでいるだけなのです。  つまり、区は基本計画でテーマとして挙げられていることを全くやってこなかったとも言えるわけです。それがやっと動き出したということです。これが唐突だということでしょうか。  突然出てきたということではありません。区がみずから取りかかろうとしていないから、議会がみずから提案の形で論議を起こす。やっと本来の動きがおくればせながら動こうとしている。それを区みずからが本会議での議論がちょっと先行したということは全く疑問です。どのようなお考えか、区の見解を伺います。 ◎志賀 地域行政部長 お話しがありましたとおり、昨年の第三回区議会定例会で、地域行政制度の転換期に来ている、制度の見直しを図る中で条例化についても検討するという趣旨の御答弁をさせていただきました。また、第四回定例会でも同様の御議論をいただいたところです。  そこで、二月二十七日開催の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会において、地域行政に関する条例の制定に関しては、現段階で想定していることを検討に入る第一歩として御報告させていただいたところです。このように特別委員会での御報告の前に、本会議で活発な御議論をいただいたという意味でお答えしたものでございます。 ◎岩本 政策経営部長 私は、行政評価の観点からということで御答弁申し上げます。  行政評価における事業の評価検証、改善策の具体化など、いわゆるPDCAサイクルは可能な限り早く回すことで、区民ニーズなどの変化に機動的に対応することができるものと考えております。  一方、地域行政につきましては、検討を開始した当時から四十年近く、制度発足から二十七年がたって、高齢化の進展や単身世帯の増加等があり、社会の多様化も大きく進んだと認識しております。  条例化というプロセスにおいても課題の迅速な改善という姿勢は不可欠ですが、一方で社会状況の変化を踏まえて、地域、地区における参加と協働や、区の体制はどうあるべきかについて幅広い議論が必要です。行政制度のあり方の議論にとどまらず、区民と地域行政の理念を共有し、区民参加と住民自治の実を上げる取り組みを丁寧に進めることが重要であると考えてございます。 ◆小泉たま子 委員 次に、本庁舎整備について伺います。  本庁舎整備については、この間の担当部門の仕事の取り組み方について疑問を持っています。議会においても設計者に直接説明を伺うべきではないかというお話もありましたが、私は反対しました。責任者は区であるからです。  しかし、その担当部門が責任者たる役割を果たしているのか疑問に思います。仕事に対しての真摯な姿勢が感じられないのです。担当は努力されているのでしょうが、それが伝わってきません。  区民会館整備については、既存の施設を活用するところから、多くの問題が発生しています。例えば舞台が狭い、区民の団体がベートーベンの第九を演奏しようとしても舞台に乗り切らない、こんなことがあるでしょうか。  さらには、その狭い舞台でリハーサルを行う。そのリハーサル室が舞台よりも狭い。これでリハーサルができると思っているのでしょうか。  さらには、ホール客席に入る扉が二重扉ではない、こんなことはあり得ません。多大な費用をかけてこのようなレベルでは、真にお粗末な、全くお粗末な貧弱なものしかできないということは一体どういうことでしょうか。  これらについては特別委員会でも申し上げ、所管は検討しますと言われたのです。ところが、二月二十七日の「区のおしらせ」世田谷区本庁舎等整備基本設計(案)特集号が発行され、新聞折り込みで全戸配布をされました。前の案のとおりで全く改善されていません。一体全体、特別委員会でのやりとりはどのように考えているのでしょうか。  このようなことは、今の区に非常に多いのです。いろいろ意見は聞くとは言っていながら、実際には動いていない。「区のおしらせ」で広く一般にお知らせしましたから、これでいきますというお役所では本当によいものはできないと思います。  本庁舎整備については何回もこれまで申し上げてきましたが、仕事の進め方を見直すべきです。区のお考えを伺います。 ◎松村 庁舎整備担当部長 本庁舎等につきましては、区民共有の財産であり、これまで検討の各段階におきまして、特集号や「区のおしらせ」、ホームページなどを通じまして、区民に広く周知し御意見をいただいてまいりました。  このたび、これまでの区議会や区民説明会等の意見を踏まえましてまとめました本庁舎等整備基本設計案を、二月六日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会に報告をさせていただきました。
     今回お話しにありました特集号につきましては、この内容を広く区民の皆様に知っていただくため、基本設計案の概要をイメージパースや平面図などを活用しながら、できるだけわかりやすく周知する目的で発行したものでございます。また、三月九日に開催する区民説明会につきましてもあわせてお知らせをし、広く参加を呼びかけております。  これまで議会でいただいた意見につきましては、基本設計案の図書や方針などに反映させていただいた項目や、実施設計で引き続き検討していかなければならない項目などを検討、整理してまいりました。  来年度予定しております実施設計におきましても、より詳細な検討をし、検討の節目節目で、区民、議会からの御意見とそれに対する区の考え方をなるべく早く集約しまして、議会に御報告するとともに、区民の皆様にも広く周知をしてまいります。 ◆小泉たま子 委員 児童虐待防止については、今の区の対応は対症療法でしかありません、目的と手段を混同しています、こう今まで申し上げてまいりました。地区レベルでの日々の取り組みが最も大切であり、そのためには、児童館を整備充実させ、未整備地区を解消し、さらには児童館の位置づけにミニ児相の役割を持たせ、総合支所の子ども家庭支援センターの下に置く。つまりは児童館を総合支所に移管すべきと考えます。ここで明確な答弁を求めます。 ◎澁田 子ども・若者部長 今後の児童館のあり方につきましては、昨年開催いたしました児童館のあり方検討委員会の内容等を踏まえまして、身近な地区にある児童館として、これまでの児童健全育成事業を継続しながら、子どもからの気兼ねない相談対応や気づき、見守り等の支援機能をさらに高める必要があると考えております。  また、二〇二〇年の児童相談所の開設に向けまして、児童館が持つ児童健全育成機能を生かし、個別のマネジメントや介入を担う子ども家庭支援センターなどと役割分担をして連携し、身近な地区における虐待の早期発見、早期対応や見守り等の役割を担うことが児童館に求められております。  これらの支援機能をさらに高めるためには、地区の児童館が、地域の関係団体やまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会等とも連携し、子どもを軸といたしました地区のネットワークの中心として運営することが重要であると考えております。まずは人材の育成やソーシャルワーク機能の充実を図りまして、子どもや子育て家庭を総合的に支援する体制を検討し、子ども計画(第二期)後期計画に反映させてまいります。 ◆小泉たま子 委員 以上で質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワーク世田谷区議団の総括質疑を始めます。  初めに、行政改革の推進に関して質問します。  区長は、区民サービスの質の低下や受益者負担の増加を抑制しつつ、行政経費の膨張を防ぐ手法として、行政手法改革を進めてきたと言われます。先日の一般質問では、電力調達改革により八年間で十二億円の経費削減効果があったとの御答弁もいただきました。ちなみに、昨年は競争入札や長野県からの自然エネルギーの選択的な購入などで三億円ほどの経費節約になったと聞いています。この事例というのは、行政手法改革による支出の削減と脱原発、そしてCO2の排出削減という環境的な政策目標が両立されているということが数字にきちんとあらわれ、区民の理解や共感も得やすいと考えます。  しかし、区長の行政手法改革の考え方というのは、エネルギー調達、この事例だけではなくて、多岐にわたってさまざまな政策分野に適用されていると聞いています。しかし、痛みを伴わない改革ということで実感が薄く、また効果に関しても目に見えにくい、そういう面もあったかと感じています。改めて、区長の言われる行政手法改革というものの考え方について伺います。 ◎保坂 区長 まず触れていただいたのは、電力調達についての改革ですが、三月十一日の東日本大震災、そして福島第一原発事故に至るまで、既に大口電力が自由化されていて、競争入札などはどの自治体でもやろうと思えばやれたわけですが、実際やっているところは本当に数が少なくて、東京都内で世田谷区でこれをやると言ったところ、御存じのように、あっという間に他の自治体にも広がったということでございます。  この随意契約を漫然と続けていた場合との差額、この累積差額が十二億円ということですけれども、財政を立て直していくときに、やはり支出の多い項目にメスを入れるのが、これは家計を見ても、企業を見てもそうだと思うんですが、区の中で例えば学校の新設と改築というときに、これは五十年で必ず建てかえなければいけないのかどうかということを議論しました。コンクリートの劣化はどの程度あるのかということで専門家も招きました。こういう議論をしているうちに、文部科学省で学校長寿命化ということが打ち出されてきたんですね。五十年をさらに延ばしました。  そして、それでは構造物を残して、躯体を残してリノベーションするという手法も深沢中学などで導入しました。今後もこういった導入もしていきます。また、小学生が中学校に一時お世話になることによって、改築――これは壊して建てかえるものですが、仮設の建設を抑制すると。これはいろいろ組み合わせながら、現在も努力しているところですが、効果を上げてきたものと思います。  区が全て一から百まで一〇〇%、予算、人員を投入してサービスを提供するというのではなくて、区民や事業者が既に持っている資源やノウハウを生かして、連携して事業を進めることで、限られた予算で大きな効果を生み出していく、マッチングを行政手法改革の一つに挙げています。基本計画の一番冒頭にマッチングを掲げ、庁内でもマッチング研究会をつくってもらいながら、どのようなマッチングの各所管横断連携、あるいは民間事業者、区民との連携があるのかを共有しているところでございます。  今後も、こういった手法をさらに活用していくとともに、最新のICT技術や社会インフラ、現在生まれようとしている新たな仕組みも意欲的に取り入れて、新たな発想による行政経営改革、区民の視点に立って税財源を無駄なく効果的に使う、ここをしっかりやっていきたいと思います。 ◆高岡じゅん子 委員 本当に校舎や庁舎を全て壊して新築するというのではなくて、改築、改良して使い続けるリノベーションという考え方は、私たち、生活者ネットワークは省資源や建築廃棄物の削減という意味からも意義があると考えています。本当に耐震診断を徹底して、そして安全性を担保しながら、本当に必要なものを建てかえ、可能なものはリノベーションしていくということを、ぜひ続けていただきたいと思っています。  また、行政の内部だけの改革にととまらず、民間のノウハウも生かした行政手法改革を今後も進めていくということですが、来年度の予算に関して、具体的な取り組みがありましたら伺いたいと思います。 ◎岩本 政策経営部長 今後の行政手法改革の取り組みとしましては、公共施設の整備運営につきまして、PPP、PFI等、民間の活用を掲げております。ふじみ荘の整備については、区有地を貸し出し、民間資金で再整備を行い、区の初期投資を大幅に減らす方向で検討を進めております。また、玉川野毛町公園や上用賀公園の拡張ではサウンディング調査を行い、民間事業者と連携して便益施設を設けるなど、特色ある公園づくりを進め、官民連携による公共サービスの提供を目指しております。  業務改善の取り組みでは、来年度は十事業程度の業務改善に取り組む計画としておりまして、民間コンサルタントを活用して業務プロセス分析を行い、業務手順の合理化や外部委託、RPAの活用を進めるなど、ICT技術等を活用した改革にも取り組みます。  従来手法にとらわれない柔軟な発想で行政手法を見直し、経費の削減はもとより、区民の満足度を高める質の面でも行政効果が上がるよう取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 ふじみ荘の事例ですが、初期投資だけではなく、ランニングコストの削減も図れるということで、ぜひうまくいくことを願っています。  また、業務改革の中で、やはりRPAを使った定型作業の自動化という中で、やはり区民サービスの質を上げ行政支出を抑え、さらに行政自体の現場の方のワーク・ライフ・バランスも保てるというのが三方よしで最良の行政手法改革ではないかと思います。なかなか難しいことではありますが、実現に向けて、庁内を挙げて知恵を出し合い、努力を続けていただきたいと思っています。  先ほど、マッチングという言葉が区長からも出ましたが、やはり庁内を挙げて知恵を出し合うということが本当に重要だと思います。例えば、今年度始まったシングルマザーを対象にした住宅のセーフティーネット事業ですけれども、やはり担当所管は都市整備の住宅課ということになりますが、そこに住む家族を支え切るということを考えますと、生活保護制度、就学援助、場合によってはDV被害者支援など、本当に福祉、教育、区民生活など本当に多くの所管の関与が必要となってきます。区民目線での行政サービスの実現のために発想を新たにし、区の持つさまざまな機能を横つなぎするマッチングの視点がより重要になっていると思います。このマッチングというキーワードは、平成二十六年度の新実施計画の中に具体的に書き入れられ、取り組まれてきました。  区長は、これまで庁内連携の取り組みをどのように振り返り、今後どのような展望を持って庁内連携を初めとしたさらなるマッチングの推進を考えていらっしゃるんでしょうか、見解を伺います。 ◎保坂 区長 このマッチング、これは今までの時代で、それぞれの所管が事業目的と守備範囲を決めて、縦割りでやってくることで運営できた時代もあったんです。今児童虐待の問題を一つとっても、そこの横つなぎがどうしてできなかったんだということが問われています。  例えば、学校の子どもさんが少なくなっている地域で幾つか統合の問題がありました。学校の校舎の跡をどういうふうに活用するかというところで、例えば保育園のニーズがあります。高齢者施設のニーズがあります。あるいはコミュニティー機能も必要ですというときに、それぞれの所管の問題をしっかり捉えることができる職員が、初期からのワークショップや話し合いに参加していたんですね。そのことによって、これまでだと教育委員会がずっと説明し、あるところで変わると、今度は政策経営部が出てくるとかそういうことではなくて、いわば住民の話し合い、参加と協働のプロセスを区の関連する部局全体で共有するということは、実はこれは効率もいい話だと思います。また、信頼関係をつくるのもいいやり方だと思います。そういうことを全てのところで工夫しながら、適宜、臨時編成のチームを組んで取り組み、そして成果を残していくということをさらに積み上げていきたいと思っております。 ◆高岡じゅん子 委員 本当にいろいろな形でマッチングというのが進んでいるのかなと思っておりますが、私自身としては、最近参加と協働が進んでいるなと感じるものとしては、たまたまマッチングという言葉が入っていたんですが、災害ボランティアマッチングコーディネーター養成というのに注目しております。世田谷区のボランティア協会が区の委託を受けて実施している事業なんですけれども、講習会場の提供を大学がしているだけではなくて、その学生さんが参加して講習を受け、そして連携が深まっている。さらに、避難所運営を担う地域の方の参加というのもふえているみたいです。さらに実践的な講習が行われて、こういった中で、やはり地域と、そして区と民間のそういったノウハウというのが連携して、実際の災害のときの避難所運営などがスムーズにいくことを大変期待しています。  本当にマッチングはいろいろな事例で必要なんですけれども、例えばごみ屋敷の発生防止などに関しても、やっぱりごみ出しの困難を抱える区民に現場で気づく清掃の方と、そして高齢者などのニーズを支援につなげる福祉の方の職員とかの緊密な連携が本当に欠かせないと思います。さまざまな所管と日常生活に困難を抱える区民を支える福祉所管の連携は、さらに重要になっています。  特に児童虐待の防止に関しては、区長も触れられましたが、関係所管の緊密な連携が不可欠です。連携を密にして、さらに進めていただきたいと思いますし、また福祉以外の分野でも具体的な取り組みが今後ありますでしょうか。区の見解を伺います。 ◎岩本 政策経営部長 今お話しいただきました児童虐待の防止を初め、区民の生命財産に関する領域については、庁内関係所管が緊密に連携することが不可欠であると認識してございます。また、区民ニーズが多様化する中で、行政サービス全般において、庁内が横断的に連携する必要性はより高まっていると認識してございます。  具体的な取り組みとしまして、本日も御指摘ありましたけれども、公共交通不便地域の解消は区の大きな課題となっております。バス路線網の充実にとどまらず、買い物や通院等の困り事を捉え、総合支所、経済産業部、商店街、民間事業者等の連携により、移動販売車の活用や移送サービスの展開など、より幅広い検討を模索しているところでございます。また、先ほど申し上げた玉川野毛町公園や上用賀公園の拡張整備におきましても、スポーツ推進部やみどり33推進担当部、また民間事業者、区民等の参加参画により、魅力的で特色ある公園づくりに向けた検討を進めているところでございます。  引き続き、領域を横断する施策等について、柔軟な執行体制により庁内各部が連携、協力して取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。 ◆高岡じゅん子 委員 区民の暮らしを支える、やはり区民目線でのさまざまな部署の横つなぎということが本当に大切になっていると思います。特に、私自身は地域包括ケアシステムの充実のことをずっと質問し続けてまいりましたが、総合支所の地域包括の視点からのつなぎの力というのは本当に重要だと考えています。今後、それぞれの所管での質問でも取り上げていきたいと思いますが、住民とともに、やはり生活の視点で地域の課題に正面からマッチングの考えを全ての部署の方が生かして、取り組み続けることを要望いたします。  児童虐待の予防に関しては、来年の児童相談所開設に向けての最後の準備の年ということになりますので、さらに引き続き質問していきたいと思っています。  これで生活者ネットワークからの総括質疑を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいりますが、きょうの読売新聞で火災危険密集地が、世田谷区では百四ヘクタールあったものがゼロになったということで紙面に出ておりますけれども、三年間でこれをやったということですから、大場区政でも熊本区政でもなかなかできなかった密集地の解消を三年でやり遂げたというのは、大変評価に値することだなと思っております。たまには褒めておかないとと思いますので。  それと、きょうもさまざま会派から質問がありました。地域行政の推進に関する条例制定でありますけれども、これについては保坂区長が区長に就任以来、私は情報公開と区民参加というのが保坂区政における肝になるんじゃないかということで、さまざま質問をさせていただいたということです。  特に二十七年の十二月の一般質問におきましても、地域住民協議会というような先進的な取り組み、名古屋でもやっておりますが、こういうことを取り入れて、今まで地縁団体とかに入っていなければ排除されてきた地域住民の会であったり、さまざまな集まりの方が地域の活動に参加をしたり、地域の意思決定に参加をするというようなコミュニティーを新たにつくっていくことというのが、これからの地域社会の中で大事なんじゃないかということで、区長にもさまざま要望してきたところであります。  きょうの委員会の中では、どうも唐突だという話がございましたが、私にしてみれば、質問を重ねている中でようやく重い腰を上げて、地域のそうしたさまざまな要望、それと今まで遅々として進まなかった地域の活性化に向けて、ようやく動き出すんだなというふうに思っているところであります。  特に地域の活性化に向けて必要な五つの要素というのは、国も定めておりますけれども、生活拠点施設整備においては、市街地の整備、これは道路とか歩道なんかを整備するということと、商店街を整備する。もしくは交通アクセス、鉄道とか、バスとか、そういうものの整備をする。あとは公益施設、役所や病院なんかにアクセスができるようにするということと、居住の本拠地になる住居の問題、この五つが地域活性化まちづくりの要素だということなんです。  私は地域行政制度を進めていく上で、もちろんこれから条例という検討もするということですから、その上で、しっかり条例化に向けて検討していただきたいと思うんですが、ソフトだけじゃなくてハードの上で大事なことは、きょうはほかの方も交通不便地域についての質問が大分出ましたけれども、私は地域行政でそれぞれの五つの支所があって、三層構造を堅持していくんだということを区が言うんであれば、やはり総合支所を核とした地域の循環型のコミュニティバスということの考え方というのは、私は必要なことなんじゃないかなと思うんです。  今世田谷では、地域の議員さんの要望なんかは先進的で受け入れられて成功している例としては、タマリバーバス、それと祖師谷の世田谷(「くるりんバス」と呼ぶ者あり)くるりんバスですね。これは地元の各議員さんが一生懸命やった成果だと思っているんですけれども、ただ五支所ありますから、まだほかの地域で足りない部分がある。  それと、今現状あるそれぞれの循環バスで足りないなと思うところは商店街とか、そういうところとつないで、総合支所も経路に入っているんですけれども、特にバスはお年寄りの利用が多いんですね。ところが、例えば総合病院とのアクセスができていないというようなところがあって、今後コミュニティーを考えていく上で、商店街であったり、役所であったり、もしくは病院であったりということを結ぶ循環型のコミュニティバスのお考え方というのを、各総合支所単位で検討していく必要があると思うんですが、この点について、区長の考えをお聞きしておきたいと思います。 ◎保坂 区長 地域行政制度の条例化に当たりましては、今おっしゃったところの総合支所、そして、地区まちづくりセンター、とりわけ総合支所の部分での自治ということは大きな課題になり、また、この議論は本当に多くの区民が参加するということは必要だろうと思います。今おっしゃった交通循環のハードの面でもというところで、人口がふえる中で高齢化率も上がって、非常に不便を感じていらっしゃる方が、他会派からも御指摘ございました。  そういったことも含めて、限りある区の予算を何から優先配分して使っていくのかというところで、住民自治なり地域の視点から、しっかりそういう議論もできるような、それをどういうふうに設計するのかと、今はまだできていません。だけれども、これからの地域行政の議論の中では、その視点は必須だと思います。ぜひ、多くの区民がそこに参加できるような仕組みをつくってまいりたいと思います。 ◆あべ力也 委員 区長がアメリカに行かれて見てきているところもコンパクトシティーで、循環型のバスのシステムと、あと無料の鉄道みたいなものが走っているのがあって、そういうところと相まって、住民の皆さんが大変住みやすいと感じる町を形成しているということですから、世田谷区でも、そういう地域の中でシステムそのものを変えていく考え方をしっかり提示をしていただいて、そういうことであれば私は大いに賛成をしていきたいと思いますので、ぜひわかりやすい提示をしていただきたいと思って、私の質問は終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 家族の多様性に区の書類が追いついていないという課題を取り上げます。  先日、区のパートナーシップ宣誓制度も利用したあるレズビアンのお母さんの方から御指摘を受けました。区の保育担当部に出す書類には、母欄、父欄があらかじめ印刷されており、単に保護者欄ではないために、この方はいつも父欄のこの二文字を二重線で消して、父親の不存在に丸をつけて対応しているということでした。世田谷には子ども条例もあり、子どもの人権にはすごく配慮しているのに、その御家族の多様性となると全く配慮がないことが不思議だというお話でした。  今回この御指摘を受け、私も保育課から書類を取り寄せ調べてみました。例えば、お子さんを保育所に預ける際の入り口となる入園申込書には、御家庭の状況の記入欄が丸々一ページありますが、その書面は左右に分かれて、左側が印刷文字で母の状況、右側が印刷文字で父の状況となっています。つまり、あくまで男女で御両親がそろっている御家庭が前提なんですね。しかも、母欄を左側に優先して書かせるところに、区が条例で解消を目指しているはずの性別役割分担意識が丸々あらわれています。  世の中には、祖父母に育てられるお子さんも、おじ、おばに育てられる子どもも、親権を持たない養育世帯で育てられている子も、児童養護施設の子どももいるわけですけれども、区の書類には母欄、父欄しか印刷されていない。それ以外の方は書きようがない。こういった書類なんですね。これら保護者には、左右の両欄とも二重線で消して余白に書いていただくつもりなんでしょうか、お答えください。 ◎知久 保育担当部長 入園申込書の家族状況欄などへの記載につきましては、保育の必要性を判断する指数に直接影響しますので、各御家庭の状況等を伺いながら個別に対応させていただいておりますが、家族の多様性を認め合うといった点から、父、母のみを想定した様式は課題があるものと考えます。 ◆上川あや 委員 職員が個別に聞き取ればいいという問題じゃないと思うんですね。御家族の多様性にも、受け手側の心情にも全く配慮がないと感じます。  本来、単に保護者とだけ書けばよい欄に、父親、母親とあらかじめ印刷してしまう無配慮こそ問題だと思います。同様の無配慮は、入園後に書いていただく連絡カードにも、児童票にも見られました。今挙げた書面に限らず、保育の書類を全面的に点検し、見直していただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎知久 保育担当部長 保育園に関して、保護者の方に提出いただく書類としては、保育所等入園申込書を初め、区立保育園ですと、入園後に御提出いただく連絡カード、お子さんや家族の状況を把握するための児童票、また延長保育を申し込まれる際の申込書などさまざまなものがございますが、御指摘のとおり、父、母以外の選択肢がない書類がございます。全ての書類について、いま一度再確認しまして、保護者の実態に応じ、お書きいただける様式に改めてまいります。 ◆上川あや 委員 今回、私は、保育園の書類のみならず、区教委の書類についても取り寄せ調べてみました。幼稚園関係の書類にも、小中学校の書類にも、さすがに父母欄だけをあらかじめ印刷したものはなく、保護者の呼称で統一をされていたのは救いなんですが、続き柄欄を自由記載とし、保護者の多様性にニュートラルな様式と、父、母、その他などとあらかじめ印刷してしまい、その他の場合のみ括弧内に書いていただく様式の二種類がありました。  父と母だけを典型例として前に出し、残る人たちをその他とする必要もないのではないかと感じます。自由記述欄一つで書面が十分機能することは、ほかの書面で既に明らかなのですから、父、母以外はその他だと、あなた方御家族はその他だと、一々感じさせる必要などないと思います。区教委の書面も点検し、誰もが気持ちよく書けるニュートラルな書面にしていただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。 ◎工藤 教育政策部長 区立幼稚園、区立小中学校におきましては、保護者にさまざまな書類の作成をお願いし、御提出いただいております。これらの書類では、委員お話がございましたように、母欄と父欄に分かれていることはございませんでしたが、子どもとの関係性を記載する欄には、父、母、その他、性別欄には男女の記載があり、選択する形式となっているものがございました。  教育委員会といたしましては、保護者から提出いただく書類を改めて確認し、子育てをしている方の多様性に配慮し、可能な限り自由な記載ができるよう見直していきたいと考えております。また、各幼稚園や小中学校では、行事の参加や災害時の引き取り、転出入などにかかわり、保護者に提出を求めるさまざまな書類もございます。各幼稚園や小中学校においては、日ごろから多様な家庭環境などの子どもたちがいることに配慮した教育活動を進めているところでございますけれども、引き続き一人一人の人権を尊重した取り組みを推進していく必要があると認識しております。  今後とも、各幼稚園や小中学校における多様性を尊重した取り組みの重要性や書類の記載欄への具体的な配慮などについて、校長会などにおいて周知徹底を図るとともに、人権に関する研修の充実を図るなどして、教職員の人権意識の向上にも努めてまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、区政全般にかかわることとして、副区長に伺いたいと思います。  今回は、保育と区教委のそれぞれに点検と見直しを求めたんですが、学童クラブや児童館など、ほかにも御家族にかかわる書面は多いだろうと感じます。この際、御家族の多様性の尊重という観点から全庁的に書面を点検して、意識改革とあわせて見直しをしていただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。 ◎岡田 副区長 昨年四月に施行しました世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例は、全ての人が多様性を認め合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることのできる社会の実現を目指しております。御指摘の固定的な性別役割分担意識の解消、こういったことも条例の基本的施策に掲げておりまして、また、子育てをしている同性カップルを初めとする多様な家族の形態があることも念頭に置いて人権を尊重することは、行政として大切なことであると認識しております。  改めまして、条例の基本理念を全庁に周知することとあわせまして、各種の書面等につきましても必要な見直しを行い、各部署における意識改革を促し、改善につなげてまいります。 ◆上川あや 委員 今回私が求めたのは、父や母という呼称をやめましょうという言葉狩りじゃないんですね。お父さん、お母さんと呼ぶので、もちろんお父さんならお父さん、お母さんならお母さんで構わないんです。問題は、保護者で言えば父母だろうという、この決めつけ。決めつけで書面をつくるようなことはやめてもらいたいと。多様な御家族の実態にそぐわない上に、無用な疎外感を生むことになりかねないということです。この意識の徹底を改めて求めまして、私の質疑を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 本日、私からは、世田谷区のもったいない政策について二点質問したいと思います。  一点目は、先日の本会議場でも取り上げた就学援助の受給率の件です。  この間御答弁いただいたんですけれども、やっぱり私はどうしても、五〇%しか受給率がないというのが納得できないんですよね。実数ではかっているわけじゃなくて、要は全体の所得から割り返している数字なので、本当に五〇%かどうかもわからない。一人一人の御家庭を調べることも個人情報とかの関係で難しい点もあると思うので、そこもやはり難しいからデータ調査とかということもできないわけですよね。  だから、こうであろうという推測で政策を打っていくしかないと思うんです。という点で、今の就学援助を受けている方の数とか、その受給率がこれだけ低いということについて、まず初めに御答弁いただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 就学援助制度は、子どもの就学の機会の確保、経済的支援を必要とする保護者への負担軽減施策として、学用品費や給食費などを支給しております。現在、昨年度の実績としまして約五千百人の小中学生が認定されている状況です。  就学援助の周知は、「区のおしらせ」やホームページに掲載するほか、四月と九月の年に二回、学校を通じて全児童生徒の保護者へ御案内のチラシを配布させていただいております。申請を希望される方は、申請書をお受け取りいただき、各学校や学務課の窓口に御持参いただくか、郵送でも受け付けをしております。また、前年度の認定者に対しましては、申請者名等を印字した申請書を直接御自宅に郵送しております。  なお、このたび子ども・子育て応援都市にふさわしい子育て支援の施策の一環として、就学援助制度の枠組みを見直し、教育における保護者の負担軽減の充実を図ることとしました。制度拡充は、消費税率の引き上げが予定されております本年十月より実施をいたします。 ◆すがややすこ 委員 今の御答弁でも、ちょっと私は気になるところがあって、まず学校を通じて就学援助の制度を御家庭に配布しているということなんですよね。それは、学校から子どもに配布物としてプリントとして渡して、それをお母さん、お父さん、御家庭の方に渡してくださいという話ですよね。だけれども、本当にそれが御家庭に届いているかというところは確認できませんよね。  実際、私は子どもが中学生ぐらいからプリントを受け取ったことがないんです。かばんの中をあさって、ぐちゃぐちゃになったのが出てくるとか、そういうケースはあるんですけれども、やっぱりそういう家庭とかもあると思うんです。ですので、この間も議場で申し上げたんですけれども、例えば保護者会で配るとか、保護者会に来られない方には郵送で配布するとか、とにかく直接御家庭に届くような仕組みが必要なんじゃないかなということを改めて感じました。  あと、御答弁の最後のところでも、今回の予算で拡充策というふうになっている就学援助基準を生活保護の一・四倍に引き上げるとか、あと給食費は二・〇六倍に引き上げるというような拡充策があるんですけれども、今の現時点で五〇%しかない受給率で、また新たな拡充策をやると、私はちょっとそれは違うんじゃないのと思うんです。  さっきの子どもの話に戻れば、子どもと外食に行きました。ハンバーグを食べていました。ハンバーグをまだ半分しか食べていないのに、ステーキをもう一個頼みたいとかと言われたら、皆さんどう答えますか。私だったら、そのハンバーグをまず食べてからでしょうと言うと思うんですよね。本当に例ですけれども、どうしてもその五〇%のところに、さらに拡充するというのは、私はちょっと違うんじゃないかなと思っています。  まずは、就学援助が必要な方、御家庭があるわけですよね。もともと、今は生活保護世帯の一・三幾つなんですかね。お子さんの数とかによっても年収が変わってくると思うから何とも言えないと思うんですけれども、さっき国民保険のケースで出ていた年収二百万円世帯とかの方々は、就学援助でどれだけ助かるかということとかもありますよね。その方たちが本当にしっかり受け取れるようにしていただきたいというふうに思っているんです。ということで、本当にしっかりとした取り組みを求めたいと思うんです。  就学援助の周知ですとか、あと、これも議場で申し上げましたけれども、その申請方法が保護者の負担にならないかというところも、やっぱり気を使っていただきたいなと思っているんです。というところで、その点について、世田谷区の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎淺野 教育次長 就学援助制度の周知はこれまでも、「区のおしらせ」やホームページに掲載するほか、年に二回学校を通じて全保護者へ御案内のチラシを配布しているところです。このたびの制度拡充も踏まえまして、よりわかりやすい内容に工夫した御案内のチラシを作成し、周知に努めてまいります。また、日本語を母国語としない保護者の方に対しては、英語、中国語、ハングルで表記した案内を適宜配布するなど周知してまいります。  また、申請に当たりましては、まず申請書用紙を御請求いただく必要がこれまでございましたが、今回から御案内のチラシに申請書も添付します。このことで、申請をされる方の申請書を請求するという手間と心理的な負担が少しでも軽減できるのではないかと考えております。  さらに援助を必要とされている、または対象となると思われる方に、より丁寧な御案内ができるよう、他部署や、また小中学校等との一層の連携も視野に入れながら、周知方法につきまして検討したいと考えております。今後とも、次代を担う子どもたちのためにも、保護者の教育における負担の軽減として、より制度を利用していただけるように取り組んでまいります。 ◆すがややすこ 委員 ちょっと今の御答弁でも、本当にできるのかなと、わからないですけれども、引き続きこの点は受給率というか、必要な方々に必要な支援が届くように、世田谷区としてもしっかりと見ていっていただきたいと思います。  それで、時間がなくなってしまったんですけれども、もったいない政策のもう一個は、SETAGAYA Free Wi―Fiなんです。  SETAGAYA Free Wi―Fiは全然つながらないんじゃないかという話をよく聞きませんか。私も余り使わないというか、もうつながらないもんだと思っているから余り使わないんですけれども、ちょっとその点について、今事業者とどういう話をしているのかというところをお聞かせください。 ◎岩本 政策経営部長 事業者と必要な箇所については、原因究明した上で対処していきたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 ぜひ、その事業者さんと、もうちょっときちんとつながるような仕組みにしていただかないと意味がないじゃないですか。なので、そういうこともお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。
        ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、自転車活用推進計画の策定について、この対応についてお尋ねいたします。  平成二十九年五月に自転車活用推進法が施行され、これを受けて、国は二〇二〇年度までを計画期間とする自転車活用推進計画を策定し、平成三十年六月に閣議決定いたしました。その中には、今後の自転車活用推進に向けて取り組むべき課題や施策内容が挙げられています。二〇二〇年度は言うまでもなく、東京でオリンピック・パラリンピックが開催される年であり、外国人観光客もますます増加することが予想されております。自転車活用推進計画はこれに合わせ、国内の自転車利用環境を整備しようとする計画です。自転車活用推進法では、都道府県、また特別区を含む市町村に対し、地方版自転車活用推進計画の策定を努力義務として定めており、自転車活用推進計画でもこの策定を促すとしております。  自転車を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、私たちの日常生活を身近で支える自転車を誰もが安全に安心に利用できる環境を整備していくためには、しっかりと足元を見つめ、また将来を見据えて計画的に取り組む必要があると考えております。つまり、国の自転車活用推進計画で挙げられている施策内容は、あくまで全国版であり、あえて言うならば、自動車中心の生活の中でどのように自転車の利用を促進していくかに力点が置かれております。  一方で、世田谷区では既に自転車の利用は普及しており、目指すべきは自転車利用の拡大というより、その質の向上ではないかと考える次第であります。区の自転車活用推進計画の策定に関する考えをお尋ねいたします。 ◎五十嵐 土木部長 区の自転車施策につきましては、現在自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律に基づき、自転車等の利用に関する総合計画を策定し、推し進めております。現計画は平成二十三年四月に策定し、二十八年四月に中間見直しを実施しており、二〇二〇年度までの計画となっております。  区では、来年度より二カ年をかけて同計画を改定することとしており、その中には、委員お話しの自転車活用推進法で定めております地方版自転車活用推進計画の視点や考えを盛り込んでまいりたいと考えております。改定に当たりましては、放置自転車や自転車の危険な利用への対応など、従来からの課題に加え、シェアサイクルの普及促進など、自転車活用推進計画の提起しております新たな課題につきましても、区の地域特性を踏まえつつ検討を進め、区民の自転車利用の質の向上に取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ、今後もよろしくお願いします。  次に、平成三十年八月ごろから平成三十一年二月半ばまでの間に行われた西弦巻保育園における建物の改修工事について伺います。  以前、保育園の保護者の方から、改修工事の際、子どものお迎えに行ったときにツーンという刺激臭がかなりした。また、子どもの着ている衣服にまで化学物質の強いにおいが付着している。工事が始まる当初から、世田谷区営繕課に対し、化学物質が揮発しない安全な材料を使用して工事を行っていただくよう継続的に要望し、また保育室に隣接するトイレの工事の際、相当に強い化学物質のにおいが出ていたことから、保育室の検査と同時にトイレの単独検査も強く要望してきた。前例踏襲で最初全く取り合ってもらえなかったが、ようやくトイレの単独検査を行うことになったとの声をいただいています。  昨年十一月二十六日付の施工済み保育室における化学物質の濃度測定――以下、VOC検査と言います――の結果、危険性の高いトルエンが指針値を二倍以上も上回り、また工事施工前の室内濃度の二十九倍以上もの高濃度の値が検出されました。特にトイレでのにおいがひどく、子どもたちの健康が害されていることが本当に心配でならないという声が私のところにありました。  子どもは大人以上に、より少ない量の化学物質によってその影響を大きく受けます。小さな子どもは体内の器官が成長過程にあり、その未熟さにより化学物質の解毒機能などが十分ではないことから、大人と比べても大量に体に吸収してしまい、脳にまでも影響を与えてしまうことがわかっています。子どもは大人の小さい版ではないことを重く受けとめる必要があります。今回、保護者の方が何度も世田谷区に原因の究明を求めたが、調査中の一点張りとのことでした。  そこでまず、危険性の高い化学物質トルエンが施工前の測定値を大幅に超えた原因の追求と特定を速やかに行うことが必要と考えます。再検査で指針値以内におさまればよいのではなく、原因を突きとめることが必要です。見解をお伺いいたします。 ◎松村 施設営繕担当部長 内装改修工事の施工後に実施をします室内空気環境測定におきまして、測定結果が指針値を超えた場合は、原因の調査、施設の状況に応じた原因物質などの低減対策、再測定を行いまして、指針値を超えないなどの安全確認、また低減化対策を講じても指針値以下にならない場合は、安全が確認できるまで使用中止の措置などを手引、あるいはマニュアルに定めております。これらの対策を状況に応じて複合的に行うことで、安全に配慮した工事を進めているところです。  お話の本件につきましては、最初の測定におきまして指針値を超えたトルエンにつきまして、本工事の全ての材料に含まれていないことを確認し、その後も同じ材料で改修した保育室でも指針値以下となっていることから、使用材料に原因があることは認められませんでした。そのため、十分な換気対策を行うことで対処したものです。  なお、工事については完了しておりますけれども、換気について施設の運営を考慮しながら、二時間ごとに十分程度窓を開放することなどを施設管理者にお願いをし、対応していただいているところでございます。 ◆ひうち優子 委員 トルエンが二十九倍も検出されたのに、材料でトルエンを使っていないということについてはちょっとおかしいなと思っていまして、(「相当おかしい」と呼ぶ者あり)はい。相当おかしいですけれども、まずは区として原因を突きとめ、その上で今後につなげるために、それに対して対応をきちんととっていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◎松村 施設営繕担当部長 先ほど答弁しましたとおり、施設材料に含まれていないということから、今の段階で原因の特定をするということは非常に難しい状況になっております。竣工後、最初の夏期、つまり夏を迎える施設について、施設所管によって調査を行うということでございますので、私ども工事所管としても、その結果についても留意していきたいというふうに思っております。 ◆ひうち優子 委員 続きはほかの委員会でやります。以上で終わります。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 最後になりました。平成三十一年三月、ことしは戦後七十四年目に当たります。いよいよ平成という時代が終わるまで、あとわずかになりました。明治、大正、昭和、そして平成。平成の間は日本は戦争をしていません。このことは、日本にとって本当にすばらしいことです。世田谷区議会の議員の中でただ一人、戦中、戦後の体験がある私としては感慨深いものがあります。たま子さんもそうですけれどもね。よろしくお願いします。たま子さんのほうが二カ月先輩です。  さきの決算委員会でも話しましたが、私の父親は南方で戦死しています。そのため、国から出る戦没者遺族に対する弔慰金や給付金の対象になるんですが、ずっと手続をしていなかったものですから、改めて世田谷区役所の第二庁舎の一階にあります五番窓口で手続をしました。今回、初めて国のほうからお金をいただきました。これは現金ではありません。国債なんです。私も初めて見ました。  おふくろが亡くなってから十六年間、この手続をしていなかった私なんですが、きっと世田谷区内にも私と同じように、全く手続をしていない方がいると思います。私が十六年間でどのぐらい出たんですかと聞いたら、十六年間で約百万円ちょっとのお金が出ていたんですよね。それは手続をしていなかったから、後で言ってももらえないんです。そういう方が区内には、私と同じような感じの方がまだまだいると思います。  弔慰金をもらっている方は世田谷区は何人いるんですかと聞いたら二千人いるそうです。その中でも、まだほかにももらっていない方はいると思うんですよね。だから、よく区の広報紙でいつも載せていますと言っても、新聞をとっていない方もいるし、新聞、広報紙を見ない方が結構いるもので、そういうふうな方が、本当に自分みたいな方がいると思うんです。でもちょっと面倒くさいんです。兄弟が生きている場合には、兄弟の判こを全部もらわなきゃいけないんです。だから、私は四人兄弟で、三人の兄とか姉さんの場合は東京の端だったけれども、たまたまいたから簡単に行けたけれども、これが北海道とか、九州とか、沖縄だったら、これは面倒なんですよね。  だから、世田谷区の中にも本当にもらっていない方がいると思います。私がそうでしたから。ぜひ、そういう点は広報紙で載せていますじゃなくて、もうちょっと違う形はとれないのかどうか、これをお伺いします。 ◎板谷 保健福祉部長 お話がありました戦没者等の遺族に対する特別弔慰金は、戦後二十年、三十年といった節目の年に、さきの大戦で公務等のために国に殉じたもとの軍人、軍属及び準軍属の方々に思いをいたし、その遺族の方々に対し、国として改めて弔慰の意を表すため、記名国債をもって支給しているものです。直近では、平成二十七年に第十回特別弔慰金が支給され、次回は平成三十二年四月一日から申請受け付けを開始する予定となっております。  特別弔慰金は、恩給法による公務扶助料、特例扶助料、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金、遺族給与金等の受給権を有する遺族がいない場合に、優先順位が先の順位の遺族の方のうち、一名の方が代表して受け取ることになります。  区では、特別弔慰金の申請受け付け、国債交付などの事務を行っておりますが、前回受給権をお持ちだった遺族の方全員に周知文書をお送りしております。また、東京都では、今まで遺族年金などを受け取っていた方が亡くなられた場合に、その御遺族に対して特別弔慰金の御案内をお送りし、周知が行き渡るよう努めているところです。さらに、対象者が御高齢であることから、区では、お問い合わせや申請受け付け手続等に際し、御希望がある場合には御自宅にお伺いして御説明する等、丁寧な対応を心がけております。 ◆青空こうじ 委員 いや本当に、僕は初めてこの一階の五番で手続をやったんだけれども、窓口の業務の人は本当に親切です。よくやってくれました。まさか、うちのおふくろとおやじがちゃんと籍が入っていなかったみたいなころがあったんですよね。これは戸籍とか、ああいうのを見てわかったんだけれども、うちは子どもが四人いたんだけれども、僕からちゃんと籍が入っていたと、そういう変なものもわかっちゃうもので、見ていておもしろいなと自分自身思ったんだけれども、でも本当に、僕が一番末っ子で今僕がもらっているんだけれども、ぜひそういう国からのお金がちゃんと出ているんだし、まして僕はテレビで、武道館で毎年戦没者慰霊祭をやるわけですよね。あのときに僕より若い子がいっぱいいるんですよね。おかしいなと。ああいうのがいるわけないと思って、何でいるのかなと思って、あの当時自民党の橋本総理がずっと委員長をやっていたんだけれども、ましてや国の政策を見ると、遺族年金のお金をずっとそのままの状態で、もう亡くなっている方がいるのに減っていないんだよね。あれもちょっとおかしいなと思っています。そういう遺族年金のお金はそれとして、弔慰金はわかりました。  戦中、戦後を体験した私ですが、たびたび私は訪れている世田谷公園にある平和資料館ですが、開館から三年たち、現在は常設展示室が改修中です。でも三月の十五日に展示を再開します。展示室を改修するに当たり、どのような考えで行われているのか、これをお伺いします。 ◎田中 生活文化部長 戦後七十年の節目の年である平成二十七年に、平和資料館は現在の世田谷公園内に開館をいたしました。その際、区立玉川小学校の平和資料室より展示ケースやフレームなど、展示に関する機材を当時のまま移設し、使用してまいりましたが、老朽化が進んだため、展示室を改修することといたしました。改修に当たり、改めて観覧順路をつくり、学童疎開、子どもの教育、広島・長崎原爆など、テーマを設けた展示にすることで理解や学習しやすい工夫をいたします。これにより観覧順路にゆとりができ、車椅子でも観覧できるスペースを確保し、障害のある方やお子さん連れの方も安全に観覧できるようになります。  また、これまではパネル展主体でしたが、たくさん寄贈していただいております戦前、戦中、戦後の印刷物や寄せ書き等を間近に見ることができる工夫もいたします。さらに、被爆ワンピースも三百六十度の角度から見ていただけるようにいたします。三月十五日に展示を再開いたします。今後も定期的に展示がえを行い、貴重な資料等を多くの方に見ていただけるよう工夫してまいります。 ◆青空こうじ 委員 三月十五日にリニューアルしてオープンします。また、五月の連休も……。 ○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時四十七分散会...