世田谷区議会 > 2018-10-09 >
平成30年 10月 文教常任委員会−10月09日-01号
平成30年  9月 決算特別委員会-10月09日-05号

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  1. 世田谷区議会 2018-10-09
    平成30年  9月 決算特別委員会-10月09日-05号


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    平成30年  9月 決算特別委員会-10月09日-05号平成30年 9月 決算特別委員会 平成三十年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第五号 日 時  平成三十年十月九日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       河野俊弘    副委員長      高久則男    副委員長      桜井 稔              安部ひろゆき              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              上山なおのり              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰
                 ゆさ吉宏              和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高橋昭彦              津上仁志              平塚敬二              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 下村義和  出席説明員   副区長            宮崎健二   世田谷総合支所保健福祉センター           所長     皆川健一           生活支援課長 岩渕博英           保健福祉課長 柳澤 純           健康づくり課長                  河島貴子           副参事    木田良徳   北沢総合支所保健福祉センター           所長     木本義彦           生活支援課長 小林清美           保健福祉課長 佐久間 聡           健康づくり課長                  淺見一雄           副参事    相馬正信   玉川総合支所保健福祉センター           所長     山田 実           生活支援課長 藤原彰子           保健福祉課長 亀谷智惠子           健康づくり課長                  石崎泰江           副参事    瀬川卓良   砧総合支所保健福祉センター           所長     若林一夫           生活支援課長 箕田裕子           保健福祉課長 安間信雄           健康づくり課長                  小松大泰           副参事    加藤康広   烏山総合支所保健福祉センター           所長     清水昭夫           生活支援課長 三羽忠嗣           保健福祉課長 和田康子           健康づくり課長                  奈良部晴美           副参事    大里貴代美   保健福祉部   部長     板谷雅光           調整・指導課長                  加賀谷 実           生活福祉担当課長                  山本久美子           国保・年金課長                  太田一郎           保険料収納課長                  尾野聰始           副参事    五十嵐哲男   障害福祉担当部 部長     松本公平           障害施策推進課長                  竹花 潔           障害者地域生活課長                  阿部辰男   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                  板谷雅光           梅ヶ丘拠点整備担当課長                  三浦与英   高齢福祉部   部長     瓜生律子           高齢福祉課長 尾方啓美           介護保険課長 杉中寛之           介護予防・地域支援課長                  髙橋裕子   子ども・若者部 部長     澁田景子           子ども育成推進課長                  堀込章仁
              児童課長   相蘇康隆           子ども家庭課長                  松本幸夫           児童相談所開設準備担当課長                  長谷川哲夫           若者支援担当課長                  小野恭子           副参事    土橋俊彦   保育担当部   部長     知久孝之           保育課長   後藤英一           保育認定・調整課長                  有馬秀人           保育計画・整備支援担当課長                  荒井久則   世田谷保健所  所長     辻 佳織           副所長    伊藤美和子           健康推進課長 鵜飼健行           感染症対策課長                  安岡圭子           生活保健課長 山本恵造     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○河野俊弘 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の決算審査を行います。  なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者は加藤委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 おはようございます。日本共産党の福祉保健領域の質問を始めます。  まず、子ども施策について、大きく二点伺います。  一点目は、夜間保育についてです。  議会ではこの間、夜間・休日保育のさらなる拡充を求める声があり、区も積極的な対応を検討しています。多様化する親の働き方、子育てニーズに対して、区として保育施策の基本に何を据えるのか、その上で、これまでの検証、実績、経費、効果などを踏まえての対応が必要と考えます。  区の保育施策の基本の一つは、平成二十七年策定の区の保育の質ガイドラインです。ガイドラインでは、保育事業や実施主体が多様化する中、子どもを中心とした保育の実践、さらに世田谷区では保育の質の向上に取り組む上で、子どもの権利を守ることを一番大切にし、保育内容全てに関連することと考えていますと、ガイドラインではこのように明記をされています。  親にとっては、多様な働き方に即した保育ニーズがあり、子どもはそれに合わさざるを得ません。子どもの命と権利が十分に保障されている保育であっても、子どもが長時間、中には朝まで保育園で生活をすることは大きな負担です。子どもの育ちと権利の保障の視点に立った検討は不可欠です。  これまで区は、区立園民営化において、民営化を受託した五つの施設で二十二時十五分までの四時間延長保育と日、祝日の休日保育、さらに一施設で二十四時間対応型延長保育と、いち早く多様な保育ニーズに積極的に応えてきました。  私はこの間、四時間延長保育をしている複数の園と二十四時間対応型延長保育を行っている成育しせい保育園を視察しました。四時間延長をしているある園長先生は、保育園の後、ベビーシッターに預けるなど二重保育の実態もあり、四時間延長保育の必要性はあると思った。しかし、実践し、ゼロ、一歳の子どもも含め二十二時まで保育園にいるのは、子どもの育ちからどうなんだろうと思った。うちの園では、保護者の勤務先に子どものために長時間残業について考慮をしてほしい、早く帰してほしいなどの内容で手紙を出しているとのことでした。また、視察したどの園も、この間の国の働き方改革などの影響もあり、三時間を超える延長保育の実績はほとんどないとのことでした。  成育しせい保育園では、四時間延長保育と二十四時間対応型延長保育を行っています。二十四時間の対象は区内認可園に通っている一歳以上の全ての子どもが使えます。園長先生は、子どもは日中の保育園とは違うところで夕食、入浴、お泊りをする。畳の部屋がある二LDKの家庭的環境で専任の夜間保育士を置くなど十分配慮している。親にはさまざまな事情があるが、しかし、子どもの育ちを考えると、安易にお泊りを行うのはどうか。利用している親は時差のある国際関係の仕事をしていたり、ひとり親の医療職の方などが多い。新宿などとは違い、夜間対応のサービス業種の方はいない。実績もほとんどなく、これ以上区内に二十四時間対応型保育をふやす必要があるのかとのことでした。  ここで、各園の延長保育の実績について伺います。 ◎後藤 保育課長 保護者の夜間勤務により、従前の日中の預かりでは対応できない子どものための夜間の保育について、区内には夜間保育所と定義される午前十一時ごろから午後十時ごろまでのおおむね十一時間開所をしている認可の保育所はございませんけれども、成育しせい保育園におきまして、十三時間の延長保育を実施しており、二十四時間保育に対応しております。  また、区内五カ所の私立認可保育園におきまして四時間の延長保育を実施しており、二十二時十五分までの預かりを行っておりますが、利用対象は在園児のみとなってございます。  成育しせい保育園での延長保育の利用実績につきましては、月に一人が一回程度の利用となってございます。保育園へのお問い合わせはございますが、保護者の方も家族に頼むなど、なるべく預けない方法を模索してございまして、結果的に利用に至らないことが多いとのことです。  また、私立認可保育園五園で実施してございます四時間延長保育のうち、午後九時十五分から十時十五分までの利用時間帯につきましては、利用のない園がある。また、あったとしても一名程度の利用にとどまってございます。  その他、区内には病院が独自に設置している院内保育所など二十四時間、あるいは夜間の保育に対応している認可外の保育施設が複数ございます。 ◆江口じゅん子 委員 利用実績がほとんどないということで、今現在四時間保育を行っている六園のうち、五園と成育しせい保育園の実績をこのように表にまとめました。二十九年度の実績ですが、三時間以上の利用者は、ゼロ、経堂保育園ゼロ、松原が〇・三、等々力が一・七、砧が〇・一、烏山が〇・九となっています。そして成育しせいの十三時間、朝までの延長保育は、二十九年度実績では一人と、本当に実績が少ない、乏しいということがわかります。  四時間延長保育、十三時間延長保育、二十四時間についての実績を伺いました。私は、視察の際、各園のここ数年の実績も聞きましたが、ほぼ同様で、ほとんどないという状況でした。  区は、平成二十三年二月に区立保育園民営化検証結果報告書を報告しています。長時間延長保育について、三時間以上の利用は多くないが、しばらく実施状況を見守る必要がある。区が民営化園に午後十時までの保育の実施を義務づけた背景には、交代勤務や夜間勤務につく保護者への支援があったと考えられるが、通常勤務者が残業のために利用するケースが大部分を占めている。子どもの視点から見た場合、長時間の利用者がふえることを単純に評価してよいとは思えない。制度があることが保護者の就労時間を長くする側面もあり、今後の展開は利用状況を見た上で判断すべきであると、平成二十三年二月の時点で、区立保育園民営化検証結果報告書でこのように検証結果が述べられています。区としては、この検証結果を踏まえた検討が必要です。  既に区内六カ所に四時間の延長保育と区内の認可園に通う子どもを受け入れる二十四時間対応型延長保育が整備をされ、実績は乏しく、これ以上の拡充の必要があるのか疑問を感じます。実績はなくても、事業者はいつ来るかわからない利用のため、貴重な保育人材を確保しています。また、そのために区から補助金も出されています。なぜ夜間保育の拡充に踏み出すのでしょうか。二十三年の検証結果報告書を区としてはどう踏まえたのでしょうか。実績が乏しい事業に区民理解が得られるのか疑問を持ちますが、区の見解を伺います。 ◎後藤 保育課長 夜間の保育の拡充に当たっては、子どもの育ち、それから保育の質、保護者の求める保育の提供等、これらを全て満たす必要とされる効果的な保育施策として展開することが大前提であると考えております。このため、まずは利用が見込まれる方の就業状況、園の立地、時間帯など、世田谷区に適した夜間の保育がどのようなものかを把握するために、年末に集約する次期子ども計画策定での無作為抽出によるニーズ調査結果に加えまして、夜間の保育が必要と思われる方々を対象とした独自の実態調査を行いまして、お話しの民営化の検証結果ですとか、実績等も踏まえた上で、三十一年度に方向性をお示ししてまいります。  また、十月一日以降の保育所の整備運営事業者の募集に際しまして、休日、夜間の延長保育の実施に向けた積極的な提案を事業者より受けることとしましたが、事業者の審査に当たりましてもこの点に着目いたしまして、安心して事業展開できる事業者選定、こちらを行いまして、次年度以降の実施園の拡大を図ってまいります。  事業の拡充に当たりましては、いまだ保育士不足の状況下にあることから、保育士の業務軽減にも目を向けた必要な支援策も含め、検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 実態調査を行うということで必要な段階だと思います。  私も夜勤のある病院で看護師を十二年間務めてきましたけれども、看護師と看護師同士の夫婦ですとか、看護師とタクシー運転手、それから看護師と塾講師など、交代制勤務の夫婦が大変多く就労していました。子どもを育てながら夜間勤務を、独身や子どもがいない人と同様に勤務をしていましたけれども、やはり子どもを夜間保育に預けているという話や実態は聞いたことがなくて、先ほどの課長もおっしゃっていたとおり、やはり子どもの育ちに大きな影響があるということで、それぞれの親側の努力、工夫をしていると思います。ぜひ実態を踏まえてしっかり検討していただきたいと要望します。  それでは次に、二点目は、今後の児童館のあり方について伺います。  区では、世田谷区立児童館あり方検討委員会において今後の児童館についての検討を行っています。区は、児相移管や地域包括ケアシステムの構築などに当たり、相談支援など児童館機能の拡充、また再整備の必要があり、民間の力の導入などを含め検討していると認識をしております。  福祉保健常任委員会では、今後のスケジュールがこのように示されました。大変大きくしましたけれども、七月から十一月までの四回でこの検討委員会が行われるということです。内容も、例えば第三回では児童館における子ども・子育て家庭への支援、ソーシャルワーク機能、民間の力の導入について検討予定など、児童館の今後のあり方が大きく変容するだろう重要な議題の検討が行われます。それがこの七月から十一月までの四回で終えられ、十二月の第四回定例会後に区としての方向性や方針を示すと伺っていますが、大変拙速な議論だと思います。常任委員会でも同様の意見が示されました。そういった拙速な議論に対して、非常に疑問を持っております。  児童館は、乳幼児から中高生までの子どもの健全育成の場所です。その変容の影響は何より子どもたちが受けます。子どもたちや保護者、地域、そして議会への十分な議論の保障と意見の反映は不可欠です。また、再整備においては多額の経費が伴います。場所の確保も必要です。これまでの質は担保されるのか、職員確保はできるかなど不安を持っております。  これらの観点に立ち、今後、児童館のあり方について疑問点などを伺ってまいります。  まず、再整備についてです。  現在の児童館の整備状況と未整備地区は幾つで、どこになるのか伺います。 ◎相蘇 児童課長 児童館については、区内に現在二十五館ございます。まちづくりセンターの管轄地区別の配置状況を見ますと、未整備の地区が、今度新しくできます二子玉川地区を含め八地区あります。具体的には、太子堂、上馬、代沢、北沢、松原、奥沢、九品仏、二子玉川でございます。  また、一つの地区の中に二カ所あって、重複しているという地区が五地区あります。こちらについては、上町、用賀、深沢、喜多見、上祖師谷でございます。 ◆江口じゅん子 委員 改めて具体的な場所を聞きました。未整備地区は八地区あるということで、再整備の課題の大きさを感じています。  さきの総括で他会派の方から奥沢には児童館がない、目黒区に行っていたというお話もありました。二子玉川も再開発による子育て世代の大きな増加があるにもかかわらず、図書館カウンターはあるが、図書館はない、また児童館はない、集会所は不足と子どもたちを安心して遊ばせる公共スペースが不足をしています。  一方、例えば未整備の地区で今名前が挙がった松原地区は、隣の下高井戸の駅近くに松沢児童館があり、自転車などで十分利用可能です。さらに、世田谷・北沢地域に未整備地区が多く出ましたけれども、土地、場所の確保が困難な地域であり、例えば保育所もこの地域の整備は十分ではありません。二十七のまちづくりセンターの各地区に子どもや子育ての身近な拠点があることは重要です。整備が求められる地区もあります。しかし、地区によっては移動可能な場所に既設の児童館があり、さらに場所確保、経費などの大きな課題があります。  ここで、各地区整備の必要性と未整備地区では、現状どのような対応をしているか伺います。 ◎相蘇 児童課長 現在、区における子育ての支援や相談については、子ども家庭支援センターを初め、地域子育て支援コーディネーターなどさまざまな機関が連携することによって対応するとともに、妊産婦や乳幼児親子から小学生、中高生世代まで幅広い年齢層を対象とした児童の健全育成を児童館、子育てひろば、新BOPなどにより行っておりますが、児童館のない地区では、児童館になじみがなく、利用されていないというお子さんもいる状況であると認識をしております。  今後は身近な児童館の特性を生かした相談や気づき、見守りや支援の拠点となっていくとともに、地域の方や団体などと連携した場をつくっていくなど、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の地区の三者とも連携していくことが重要になると考えております。  このようなことから、児童館がより身近にある子どもを軸とした地区のネットワークの中心として機能するために、地区ごとに児童館の機能が必要であると考え、現在検討を進めているところでございます。 ◆江口じゅん子 委員 次に、民間の力の導入について伺います。  検討委員会で――先ほどパネルを示しました――民間活用についてもさまざまな議論が行われていると聞いております。委員からは、地域偏在解消となると、公設公営で幾つも建てるのは難しい、数をふやすなら民営もあり得る、また、ソーシャルワーク機能強化となると区の職員への信頼感は大きい、遊びは民間、相談は区と業務を切り分けてはどうかなどなど、議事録の要旨なども確認しましたけれども、そういった意見があったということを確認しております。  相談機能拡充が必要、また全地区に児童館整備という前提に立てば、実現のための方策として、民間活用、そのための業務の切り出し、また個人情報保護などの懸念の議論は当然出てくるものと考えます。  我が党は、この間、民間活用導入については、新実施計画後期の行政経営改革の視点に立った取り組みが必要と求めてきました。ここにありますけれども、ここの一三ページです。持続可能で強固な財政基盤の確立の視点六、民間活用や官民連携によるサービスの向上とコスト縮減のところでは、サービスの向上やコスト縮減が図れる場合には、行政の責任を明確にし、質の確保に十分留意をしながら、民間活用を積極的に進めますと、このように書いてあります。  仮に児童館を民営化した際、サービスの向上とコスト縮減が図れるか疑問を持っております。また、民間の力の導入を考える際にも、区として児童館行政の公的責任について、これまでの児童館の役割や実績を踏まえた質をどう確保していくのか明確にする必要があります。  ここで伺いますが、児童館における区の責任と質の確保について見解を伺います。 ◎相蘇 児童課長 児童館は十八歳未満の全ての子どもを対象とし、地域における遊び及び生活の援助、子育て支援を行い、子どもの心身を育成し、情操を豊かにすることを目的とした施設でございます。現在、児童館では、子ども一人一人の権利や人格を尊重するとともに、地域社会の中で子どもたちが健やかに成長し、発達及び自立が図られるよう努めることが行政の責任であると考えております。  これまで児童館は、地域の方々や活動団体の方などと子どもや地域の状況を共有し、信頼関係を築きながら、地域の子どもたちを乳幼児期から中高生まで継続して見守り、育成に取り組んできていただいております。  今後は、子どもの声をより反映させ、地域の方々と協働した取り組みを充実、継続的な支援や見守り、信頼関係に基づく敷居の低い子どもや地域の方からの相談の拠点となるよう進めるとともに、子ども家庭支援センターとの連携を強化し、研修等により職員のソーシャルワーク機能の向上を図り、その質の確保にも取り組んでまいります。 ◆江口じゅん子 委員 今、児童館がこれまで地域の子どもたちを継続して見守って育成に取り組んできたと、地域の方々と関係をつくってきたと、そういった御答弁がありました。これは世田谷区の児童館ならではの本当にすばらしいところだと思います。こうした世田谷区の児童館のよいところが、再整備、機能拡充、民間の力の導入によって弱体化するのではないか、そういった不安を持っております。  これまで児童館は地域に根差した二十五の区立の小型館として運営をしてきました。地域の児童館でお話を伺いました。児童館は、職員が地域に根を張ってさまざまな行事、事業を通じて子ども、地域との信頼関係やネットワークを築いてきた。例えばある児童館の子ども食堂は、地域の方の心配な子がいるよねのつぶやきから始まった。地域の大人やJAの協力で地場野菜の提供、御飯づくりを担ってもらい、そして御飯ができるまで子どもと大人が遊び、みんなで食べてみんなで片づける。遊びや行事を通して地域コミュニティーをつくってきた。さらに、職員の子どもとのかかわりも受付で一人一人の子どもたちへ声をかけることから始まる。子どもや保護者と関係をつくって子どもとの変化をキャッチし、継続した見守りや必要な機関につないできた。こうして一連のかかわりを切り出せないし、切り離せばこれまでの児童館のよさが失われてしまう。公務員である職員が長年地域とともに培ってきた実績、経験の蓄積と質の高いかかわりがある。こういったお話を伺いました。こうした児童館の役割が空白地区の新設児童館においても保障されなければならないし、またそのことによって既設児童館の弱体化となってはいけません。  さきの一般質問でも、他会派から遊びと相談機能を分化できるのかなど指摘がありました。これに賛同するものです。仮に児童館の遊びは民間、相談機能は公が担うとなったとき、果たして子どもは家庭や学校の悩みをあえてそういったところに相談に行くのでしょうか。職員はこれまでのように異変に気づけるのでしょうか。  区は、その際の他会派の答弁で、児童健全育成と相談見守りなど、機能を両輪としてともに充実させるのが重要と考えを示しておりますけれども、具体的にどう実現をしていくのでしょうか。区の見解を伺います。 ◎相蘇 児童課長 児童館は、児童に健全な遊びを通してその健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設であり、遊び自体が重要な要素であると考えております。  世田谷区立児童館あり方検討委員会においても、身近な地区にある児童館の特性を生かした相談や気づき、見守りや支援、地域の方や団体等と連携した場づくりなどの役割が今まで以上に求められますが、それは児童健全育成事業を基盤としているからこそ意味がある。また、個人情報を扱う相談を行えるのは区の職員に対する信頼感や安心感が基礎にあるからというふうな御意見をいただいております。  区といたしましても、子どもたちが主体的に取り組む児童健全育成と相談や見守りなどのソーシャルワーク機能を両輪として、ともに充実させていくことが重要であると考えており、御指摘の趣旨も踏まえ、児童館の機能を高めるための効果的な運営手法について検討してまいります。  具体的には、十一月に予定しておりますあり方検討委員会のまとめなどを受け、十二月を目途に児童館の今後の方向性、方針等をお示しし、人材育成、各機関の連携ルールづくりなど、運営事業の見直しなどを行ってまいりますが、その後も可能な限り情報提供を行い、区民や議会などの御意見を伺うとともに、次期子ども計画の検討の中でもさらに議論を深めて進めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 ぜひ丁寧に進めていただきたいと思います。  この検討委員会に当たっては、現職の児童館の職員ですとか、それから、使う子どものニーズとか意向の調査、親の調査、こういったことはない段階で、今七月から十一月まで検討委員会を四回やるというふうに認識をしています。区民や議会などの御意見を伺うとありましたけれども、ぜひ肝心の子どもたちの意見もきちんと聞いていただいて、丁寧に進めていただきたい、拙速に進めることに対しては十分気をつけていただきたいと重ねて要望いたします。  次に、今般区より示された精神障害者施策の充実について伺います。  国では、精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい生活ができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業を進めています。地域包括ケアシステムでは、自己による管理、予防、つまり自助と制度によらないボランティアやピアサポートなどの互助が重視をされています。  その考えを全面的に否定はしません。しかし、歴史的に精神患者や障害者の処遇は国による明治時代の自宅での座敷牢での監置、病院などではなくて、家族の監護から始まって、戦後は長期入院隔離政策が行われてきました。  先日、家族会主催で、松沢病院の初代院長の呉秀三を取り上げた映画が上映をされました。区長を初め、松本障害福祉担当部長も出席をされたと聞いております。その中で、呉秀三が、自宅監置の座敷牢での監置の実態をつぶさに調査をして、きちんと病院での治療もされていない、そして人権が奪われている、こういった状況でいいのかと国に訴えたと、そういった内容です。こういった意見の表明ですとか、それから人権が尊重されない、こういった歴史が精神患者、障害者の処遇についてはあったと思います。
     私も松沢病院の看護師時代、そうした患者さんを多く見てきました。二十代、三十代の若いころ入院し、そのまま病院で二十年、三十年、四十年の長期入院、家族交渉は全くなく、病院で一生を終えたり、近年の入院日数削減、社会復帰の高まりから、七十代、八十代になり、長期療養が可能な別の病院に転院していく方たちもいました。  どうしても精神疾患があると、特養ホームなど、そういった施設ではなかなか受け入れてもらえない。やむなく、もう一つの違う病院に入院をするということで、そこで一生を終えられるということです。根深く残る偏見や受け皿不足なども実感してきました。  精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい生活ができるよう、国、自治体による予防啓発、また制度や差別の解消、さらに地域の基盤整備など、地域生活を支えるさらなる取り組みが不可欠です。  私はこの観点から、今般、区から示された国の精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業に対する区の対応について二点伺います。  一点目は、施策に当事者と家族の参画を進めることについてです。  この事業は、保健、医療、福祉の協議の場の設置やアウトリーチ事業、また住まいの支援など十事業で構成をされています。中でも医療者が家庭を訪問し、支援を行うアウトリーチ事業については、当事者、家族からも地域生活を支える有効な施策として実現が強く望まれ、議会でも多くの会派が求めてきました。  今般、区より来年度から世田谷保健所に多職種チームによる訪問支援事業の実施、さらに心の相談機能整備として、平成三十二年度から梅ヶ丘の区立保健センターで、平日夜間、休日の電話相談窓口整備の方向性の案が示されました。家族会の方からも早速喜びの声が届いています。一歩踏み込んだ内容で、いい意味で驚いている。区が相談支援をすることに大きな信頼感がある。では、電話をしてみようかと思う。平成三十二年から電話相談窓口整備の方向性とはっきり書かれ、とてもうれしかったなど、こういった声を伺っています。今般の区の施策案を評価するものです。  同時に、家族、当事者からは、訪問支援の二十四時間三百六十五日対応の必要性が求められてきました。私も先駆的にその実践を行っている区内芦花特養ホーム内の訪問看護ステーションや所沢市保健所が委託実施しているアウトリーチ事業などの視察を行い、その必要性を訴えてきました。  区はこの間、医療・福祉関係者などから成るこころの相談機能等の強化検討専門部会による検討を行い、その見解として、二十四時間対応では相談者の生活リズムの乱れや依存性が高まることなどの指摘があるとしました。こうした専門部会の検討は尊重されるものであると考えます。  しかし、当事者や家族が受ける施策、サービスにおいて、その参画と意見反映を今後どのように実現、保障していくかが重要です。具体的には、来年度から訪問支援などがより多くの障害者、御家族に役立てられ、地域生活の支援、定着、社会復帰の大きな力となることが期待をされています。区としての努力と工夫を大きく期待するものです。  ここで伺いますが、今後、訪問支援を初め精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業に当事者、家族の参画をどう進めていくのか区の見解を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区は、精神障害者等の家族の皆様と意見を交換する機会として、毎年懇談会を開催しております。今年度開催した懇談会では、区が準備を進める精神障害者を対象とした多職種チームによる訪問支援事業に対し、委員のお話にありましたとおり、精神障害者等は、夜間、休日に精神状態が不安定となることも多く、いつでも相談や支援を受けられる体制整備を望むとの御要望を伺いました。早速、先ほどお話にありましたこころの相談機能等の強化検討専門部会に家族会から伺った御要望もお伝えし、議論いただいたところでございます。  現在、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業への対応といたしまして、地域の医療や相談支援団体等の関係者で構成する保健、医療、福祉の協議の場の設置に向け準備を進めております。こうした場にも、家族会等の御意見をお伝えすることは重要なことでございますので、引き続き家族会の御意見等を適宜伺うことに加え、協議の場への傍聴や意見を伺う機会を設けることなどにつきましても検討してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 これまでも家族会などから意見聴取をして反映してきたということです。ぜひ当事者、家族のこうした意見表明、それから参画、そのことについて一歩進めて、工夫もしていただき、ぜひこれを実現していただきたいと要望します。  そして二点目は、訪問支援事業についてです。  ある御家族からお話を伺いました。精神疾患を持つ弟を二十四時間介護をしているが、入院中の隔離、拘束が医療への大きな恐怖となっていて、弟のほうが医療機関の受診を強く拒否していると、こういうことでした。そして家族としても、入院中の拘束など、こういったことへの疑念があって、今は訪問診療を使いながら何とか在宅生活を続けている。しかし、弟の介護で自分の自由時間は数時間、睡眠も満足にとれない、こういった家族がまだまだ多いのが現状、区の訪問支援を待っている家族はたくさんいる、多くの方に使われるよいものにしてほしい、こういった御意見をいただきました。  訪問支援がより多くの障害者、御家族に役立てられるためには、訪問チームの体制の充実と、それを担う専門職の質の確保が必要です。  今でも多くの役割を担っているチームの核となる保健所の保健師、そして現場で連携をとる支所の地区担当保健師の充実が必要です。さらに、チーム構成員としては、実際に家庭訪問をし、直接の相談支援を行うのは、精神保健福祉士などを想定していると聞いております。しかし、御家族からは、精神保健福祉士のなじみが余りなく、どんな仕事をしているのかわからない、看護師のほうがなじみやすい、こういった声も聞かれています。  多職種チームの構成においては、区内に大きな精神科病院や精神の地域資源が豊富なこの世田谷区の利点を生かして、区としての情報や人脈も活用し、長く精神医療、看護に携わってきた看護師、精神保健福祉士などの確保を求めます。  訪問支援の体制充実と専門職の質の確保が必要です。区の見解を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区は、精神障害者施策の拡充を目的に、精神障害者とその家族が地域の一員として安心して暮らしていけることを目指し、平成三十一年度より多職種チームによる訪問支援事業、いわゆるアウトリーチ事業の実施を予定しております。  体制等につきましては、世田谷保健所に、保健師及び精神保健福祉士や専門医師等で構成する多職種チームを設置いたします。また、チームの構成員を総合支所、保健福祉センターへ定期的に派遣し、地区担当保健師等と連携を図り、アウトリーチ事業に取り組む予定でおります。そのため、詳細運用等については関係所管と調整を進めているところでございます。  なお、精神保健福祉士以外の職種の登用につきましても現在検討を続け、人材の確保等に努めてまいります。 ◆江口じゅん子 委員 アウトリーチを行う専門職の方、やはり経験がきちんと求められると思います。ぜひそういったところを勘案して、質のよいサービスの提供を要望したいと思います。  そして、この質問の最後ですが、家族からはアウトリーチとはどういう意味ですかと聞いております。先ほどの家族の例のように、本当に支援を必要とする当事者家族は、病状からまた当事者への対応に追われ、情報を得ることができない状況にあることを区も理解されていると思います。  この区の取り組みを広く知ってもらうためには、ネーミングを含め、この事業を必要とする家族当事者に広報、啓発の工夫、これが求められます。区の見解を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 現在、区が想定しているアウトリーチ事業につきましては、当事者、また対象者も十分にわかっていただけるよう、周知や事業にふさわしい名称につきまして、関係所管とも検討してまいります。  また、その結果等につきましても、家族会等を含め、関係機関等へ周知してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 アウトリーチというふうに私たちは使っていますけれども、やはり一般の方にはなかなかなじみがないというのが実態だと思います。訪問支援隊とか、やはり日本語のわかりやすい表記、そういったネーミングも含め、ぜひ広報、啓発、工夫を重ねて求めます。  それでは、最後に、児童虐待予防における一歳児ショートステイについて伺います。  さきの我が会派の代表質問において、平成三十二年度早期の区立児相設置を目指す当区として、予防から措置、保護に至る各段階での体制や施策の充実を求めました。特に東京都における人的、財政的の支援は不可欠と考えます。  我が党は、開設時期を定め、準備は行うが、子どもの命と権利の保護が何より重要であり、それにふさわしい体制、施策が担保できないのであれば、開設時期の柔軟な対応も必要と考えております。  以上の立場から、早期の予防支援としての赤ちゃんショートステイの充実を求め、伺います。  赤ちゃんショートステイは、ゼロ歳の乳児を対象に、親の疾病、出産などでの入院や育児疲れ、体調不良などで育児困難などを理由に、広尾の日赤医療センター附属乳児院で短期間の預かりを実施する事業です。  ここで伺いますが、児童虐待予防の観点でのこの事業の必要性と、そして現状について伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 現在、一歳から十二歳までの子どものショートステイを福音寮に、ゼロ歳児の赤ちゃんショートステイを日本赤十字社医療センター附属乳児院に委託して実施しております。  赤ちゃんショートステイにつきましては、一歳未満のサービスが少なかったことから、平成二十三年度の要保護児童支援協議会の周産期部会で、ゼロ歳児の養育支援が必要な家庭への支援をテーマに検討を行いました。そこで、子どもと離れられる場を提供することが必要との御意見をいただき、平成二十四年度から赤ちゃんショートステイの事業を開始いたしました。  赤ちゃんショートステイの昨年度の実績を見ますと、保護者の出産、入院によるものが二五・六%、母親の育児疲れ、不安の解消が六四・六%となっており、毎年ほぼこの二つの要件により御利用されております。  今までは出産、入院で子どもを預ける必要が生じた場合、児童相談所に相談する必要がありましたが、赤ちゃんショートステイを実施したことで、身近な地域の子ども家庭支援センターに相談し、一時的に子どもと離れ、育児不安や負担の疲れが軽減され、児童虐待の未然防止となっていると考えています。 ◆江口じゅん子 委員 母親の育児疲れ、不安の解消が約六五%と本当に利用者にとっては児童虐待予防、未然に防ぐ休息、そういった大きな効果があるというふうに認識をしております。  一歳児以降の子どものショートステイ事業については、今御答弁にあったとおり、十二歳までは区内の児童養護施設福音寮にて行われています。この間、会派で福音寮の視察や他自治体の児童養護施設の方からお話を伺ってきました。児童養護施設は、幼児から青年期までの各世代の子どもたちが二十四時間生活し、定員はほぼいっぱい、複雑困難化する対応が求められるケースも多い中、一歳児の入所があるとそこに人員を割かねばならず、衛生面、安全面においても課題があると伺っています。  より安全安心で年齢に応じたふさわしい環境で生活ができるよう、この改善を求めます。区の見解を求めます。 ◎松本 子ども家庭課長 もともと児童養護施設は、おおむね二歳からの児童を対象とした施設であるため、ショートステイで一歳児をお預かりする場合、委員指摘のとおり、環境面や安全面等、学齢期も含めた複数の子どもとの共同生活において特段の配慮が必要となっておりました。そのため、三十一年度から乳児院での赤ちゃんショートステイの対象年齢を一歳児まで拡大することを検討しております。 ◆江口じゅん子 委員 ぜひ最適な環境整備を図っていただきたいと要望し、日本共産党の質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 まず、本日、ひととき保育について伺います。  先日、教育委員会主催の教育推進会議の傍聴へ伺いました。その際のテーマは、乳幼児教育であり、レッジョ・エミリア市の視察報告やプロジェクト・アプローチ、遊びの中から学びを進める方法についての紹介を中心に行われていました。特に子育て世代向け、そもそも乳幼児について区として議論が交わされる場であり、この際、一時預かり、ひととき保育が用意をされていたことで、子育て当事者についても参加がしやすいイベントになっていたことに関しては評価されることと考えています。  小さな子どもがいる家庭へ区政への近づきやすさ、アクセシビリティーを保障するために、ひととき保育は価値のある施策であると考えておりますが、まずどのような場合に実施がされるのか、また利用の状況について伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 ひととき保育は、子育て中の方が区や区民団体等主催の学習会や地域活動等へ参加しやすいように、その学習や活動の時間中、主催者が保育者及び保育場所を確保して一時的に保護者の近くで預かる事業です。この事業の周知につきましては、庁内に対しては次年度の予算編成前に全庁に事業の周知をしています。また、区民団体等に対しては、区のホームページのほか、例えば家庭教育学級説明会等の場を通じて、ひととき保育について説明し、利用を周知しているところです。  ひととき保育は、生後五カ月以上で首が据わっている子どもから小学校就学前までの子どもを対象とし、活動の会場と同じ区立施設内に保育用に別の会場を確保することとしております。また、現在七十七人の保育者を登録したひととき保育者バンクを活用し、実施しております。  平成二十九年度の実績としましては、実施回数は四百九十六回、うち区民団体等主催が百回、お子様をお預かりした延べ人数が千七百七十五人、保育者は延べ千五百四人が従事しました。 ◆そのべせいや 委員 区主催のイベントだけでなく、区民団体ですとか、民間のイベントに関しても利用ができるということですので、ぜひこれを区内でもさらに進めていただければと思います。  一方で、冒頭述べた教育推進会議の際、私自身は首の据わらない乳児を連れていたため、ひととき保育の利用の対象外ではあったものの、ひととき保育のスペースに明らかにあきがある中で、一時的に空きスペースへ寝かせられないかをお尋ねしたところ、この場所はひととき保育申込者のためのスペースなので、隣にあるベンチを利用してくださいとの案内でした。  結局、ミルクを調乳するために、泣いている子どもをひととき保育の真横のかたいベンチの上に寝かせてミルクを調乳し、だっこし直してミルクを飲ませることとなりました。問題が起きたときのリスクヘッジという観点で考えると、申込者でない者の介入を防ぐ危機管理能力の高さには目をみはるものがあるかもしれません。ただ、目の前で困っている人がいても、ルールだからと手を差し伸べることのないお役所仕事に、一人の区民として心底失望させられました。  そもそもそのような状態の子どもを外に連れて出歩くこと自体が間違っている、子どもは母親と家にいるべきだという立場の方もこの中には相当数いらっしゃると思いますが、子ども・子育て応援都市を名乗るのであれば、子どもと家にこもることを推奨するのではなく、子どもと一緒に外に出られる町、子どもと一緒に参加ができる町を目指すのが当然であり、ひととき保育のあり方についても、預けられる機能を用意するだけではなく、その場を子連れが利用することに対して門戸を広げたり、子どもの最善の利益に応じて柔軟な利用について見解を改めるべきであると考えます。  一方で、最終的なゴールを考えたとき、子どもを預けて参加ができる社会ではなく、子どもが望む限りは子どもも一緒に参加ができる社会であると考えますが、子育て当事者の区政への近づきやすさ、アクセシビリティーの改善について区としてどのような見解か伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 子育て家庭を対象とした事業を実施する際に、ひととき保育という形態だけではなく、子ども連れの参加者のために、子どもが自由に遊ぶことのできるスペースをマット等で確保し、キッズスペースを設けている事例もあります。  区では、ひととき保育物品として、遊具、CD、救急セット等の貸し出しを行っております。これらの物品は、事業主管課である子ども家庭課のほか、各総合支所地域振興課、子ども・子育て総合センター、男女共同参画センターらぷらすでも貸し出しを行っております。また、これらの物品はひととき保育だけではなく、子ども連れの参加者向けにキッズスペースを設けた場合でも活用が可能であると考えております。  今後とも、子育て家庭がさまざまな学習会や地域活動等へ参加しやすくするため、ひととき保育物品の有効活用や子育て家庭への気軽な参加の呼びかけなど、主催者がより配慮した環境整備ができるよう、庁内や区民団体等への周知を工夫してまいります。 ◆そのべせいや 委員 以前、大阪市で橋下徹氏が大阪市長だった時代に、タウンミーティングの中で、観客、客席にいた子どもが泣き出してしまったといったような機会のときに、当時の市長は、赤ちゃんは泣くのが当然だから、そこにいていただいて構いませんよと、むしろ議会のやじのほうがうるさいですと、その当時の大阪市に関してはというような発言もあったり、包摂をしていくような発言が出ていたりもしますので、ぜひ世田谷区でもそういったような場づくりというのを進めていただければと思います。  続いて、子育て世代包括支援センターについて伺います。  昨年三月、厚生労働省より特別区に対しても子育て世代包括支援センターの設置運営について改めて通知が出されました。この通知の冒頭には、二〇二〇年度末までに全国展開を目指す旨について記載されており、改めて世田谷区としてどのように対応するか伺ってまいります。  そもそもこの子育て世代包括支援センターについては、二〇一四年のまち・ひと・しごと創生総合戦略における若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるためにフィンランドで実施されている包括的な相談支援機関、ネウボラによる支援を参考に、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援として当初は掲げられておりましたが、二〇一五年に閣議決定された少子化社会対策大綱では、きめ細やかな少子化対策の推進に向け、結婚、妊娠、出産、子育ての各段階に応じ、一人一人を支援する方策の一つとされています。  同年、内閣府子どもの貧困対策会議の決定したすべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトによると、児童虐待の発生予防のためにも、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援、子育て包括支援センターの必要性がうたわれ、また二〇一六年に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランには、子育て中の保護者の約四割が悩みや不安を抱えており、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を実施するとの記載もあります。  国全体では、人口維持・少子化対策、地方の働き手の維持、児童虐待防止、悩みや不安の解消といったさまざまな観点から、子育て世代包括支援センターの機能が求められてきましたが、一方で、同時期の世田谷区の議論を見ると、妊娠期から子育て家庭を支える切れ目のない支援検討委員会の報告資料によれば、核家族化、孤立化、母親の有職率の向上、高齢出産の増加、情報過多といった特に世田谷において顕著な問題に対しての議論も加えられ、世田谷版ネウボラという形で、子育て包括支援事業が実施をされるに至りました。  同時期に、ともにフィンランドのネウボラを参考にした、そもそも同根であるはずの世田谷版ネウボラと国が推奨している子育て世代包括支援センターですが、二〇二〇年度までの設置が進められる中で、両者のかかわりはどのようになるのでしょうか、お答えください。 ◎鵜飼 健康推進課長 今、委員のお話にありましたように、子育て世代包括支援センターの役割としては、従前の乳幼児健診等の母子保健やひろば等の子育て支援事業の実施に加え、妊娠、出産、子育てに関する各種相談や必要な情報の提供、助言、保健指導、また、必要に応じ個別の妊産婦等への支援プランの作成などが具体的に求められております。  一方、区はこれまで各総合支所保健福祉センターにおいて母子保健事業を展開し、また地域の多様な子育て支援との連携も図っているほか、世田谷版ネウボラとして、妊婦に寄り添った面接相談や支援プランの作成等を行うなど、既に国が求める子育て世代包括支援センターの役割をおおむね果たしております。  今後はこれらのことを踏まえ、子育て世代包括支援センターの整備に向けて検討を進めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 また、厚生労働省から昨年三月に出された通知について、気になる部分についても伺います。  まず、対象者については、主として、妊産婦及び乳幼児並びにその保護者を対象とするが、地域の実情に応じて十八歳までの子どもとその保護者についても対象とするなど、柔軟に運用することができることとするとされていますが、世田谷区においては出産前の妊娠期、また要保護等でない就学前児童についての相談支援が薄いという前提に立ち、母子保健分野に特化した検討が世田谷版ネウボラ開始に当たってはなされたと認識をしております。  切れ目のない支援だからといって、妊娠期から十八歳までの未成年を一くくりにして包括支援をするのではなく、この点に関しては、従来どおり、あくまでも妊娠期から就学前、特に三歳未満児に特化をした展開をすべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区では平成二十八年七月より、妊娠期から就学期前までの妊婦や子育て家庭を切れ目なく支援することを目指し、世田谷版ネウボラを開始いたしました。今後は、妊娠期面接等の評価を行い、出産後の乳児家庭訪問から三歳児健診以降、就学前までのより一層の支援の充実について検討を進めております。  これらのことも踏まえ、子育て世代包括支援センターの対象者は、妊産婦及び乳幼児並びにその保護者を基本としつつも、就学以降の子どもの事象についても、総合支所保健福祉センター内で連携を図り、対応してまいります。 ◆そのべせいや 委員 この後、会派の田中優子委員から若者支援についても言及があるかと思いますが、若者支援の中で十五歳から十八歳は支援の対象にもなってしまう部分もありますし、あるいはほかの部分でも支援というものがなされている学齢だと思いますので、ぜひ今までどおり進めていただければと思います。  実施場所については、母子保健分野、子育て支援分野の両方が必ずしも同じ場所に集約される必要はなく、それぞれ機能ごとに複数の施設、場所で役割分担が可能とされています。  世田谷区においては、既に母子保健に関する支援については、世田谷版ネウボラ実施に向けて、総合支所保健福祉センター健康づくり課でチームとして支援体制が整えられてきた一方、子育て支援領域については、区内各地に資源が点在をしていますが、子育て世代包括支援センター事業の実施により、これらがどのように整理をされていくのでしょうか。  子育て世代包括支援センター業務ガイドラインには、母子保健分野と子育て支援分野の関係性について幾つかの事例も挙げられていますが、今後、世田谷区が子育て世代包括支援センター事業を実施するのであれば、改めて子育て支援分野についてどのような実施体制を確保していくのか今後の見通しを伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 昨年八月に国が示した子育て世代包括支援センター業務ガイドラインによりますと、その実施体制として当事者目線で支援を行う利用者支援事業基本型との連携体制の必要性が示されています。専門的な知見を有する保健師等の専門職と当事者目線の利用者支援事業基本型の両方の視点を生かし、必要な情報を共有して、切れ目なく支援することとなっております。  区では、利用者支援事業基本型の業務を担う地域子育て支援コーディネーターをおでかけひろばに配置し、各地域に一カ所ずつとなるよう進めています。現在、三地域に配置しておりますが、今年度中に五地域全てに配置する予定です。例えば家庭内の状況に多少の不安はあっても、地域子育て支援コーディネーターが必要な支援の案内をしながら、地域の中で見守る家庭もあり、身近な地区で、よりきめ細かな支援ができると考えております。  保健師等の専門職を配置する子育て世代包括支援センターが、地域の利用者支援とも連携を強化することで、妊娠期からの切れ目のない子育て支援のさらなる充実に取り組んでまいります。 ◆そのべせいや 委員 各総合支所単位で利用者支援事業基本型という業務が行われる体制を整えるとのことでしたが、世田谷区における総合支所の広さ、ほかの二十三区、中核市と人口規模でいうと同等であり、とても当事者目線と言えるような人口規模ではないということは、これは区としても御理解いただけると思いますので、実態としてはもっと身近な単位の足元の利用者支援が行われるように、各地の子育て支援事業者と関係を密に、この子育て支援分野について体制を整えていただければと思います。  以上で田中優子委員にかわります。 ◆田中優子 委員 そのべ委員にかわりまして、私、田中優子からの質問ですが、先ほどちょっと若者支援を引き続き私がということだったんですが、済みません、ぎりぎりになってちょっと時間の関係で、四十歳以上のひきこもり対策について伺いたいと思います。  これまで若者特有の問題として取り扱われてきた日本のひきこもり問題ですけれども、ひきこもりという言葉が世に知られるようになってから二十年ぐらいたつのかなというところです。近年、それが長期化、高齢化していって、大人のひきこもりが大変深刻な問題となっています。  親と子の年齢から八十、五十の八〇五〇問題と呼ばれるようになり、四十代から五十代のひきこもり当事者、それに七十代から八十代の親という組み合わせで、精神的、経済的にも限界を迎えている親たちの問題が顕著になってきているわけです。  内閣府が公表した調査、平成三十年度版子ども・若者白書によりますと、十六歳から三十九歳のひきこもり当事者は全国で五十四万人いると推計されています。しかし、四十歳以上に関しては調査がなく、実態がつかめていません。  それでは、区としては区内の八〇五〇問題の実態を把握されているのか、もし把握していないのであれば、調査すべきであると考えますが、いかがでしょうか。 ◎五十嵐 保健福祉部副参事 区では、地域包括ケアの地区展開の取り組みとしまして、区民に身近な地区において、高齢者だけではなく、障害者、子育て家庭などの相談を幅広く受け、適切な支援に結びつける福祉の相談窓口を全二十七地区で実施しております。  ひきこもりに関しましては、この福祉の相談窓口であんしんすこやかセンターが受け付けた相談件数として把握しておりまして、平成二十九年度実績で高齢者以外の相談千五百八十八件のうち、ひきこもりに関する相談は、四十歳以上に限った件数ではありませんが、五十六件となっております。  一方、国におきましては、四十歳から六十四歳のひきこもりの方の実態を探る全国調査を今年度中に実施、公表する予定であり、あわせて国として支援メニューを検討するとしているため、区といたしましては、こうした国の動向を注視してまいります。 ◆田中優子 委員 福祉の相談窓口で受けた件数というのは、ひきこもり、四十歳以上に限らずで五十六件と今ありましたけれども、これは大変少ない、ごく一部のことだと思うんです。そうなると、四十歳以上のことが実態を把握できていないわけですよ。  今答弁の中に、国のほうで四十歳から六十四歳の実態調査を全国的にして、支援メニューも検討するということがありましたけれども、区はまずそれを待ってということですけれども、その後、必要であれば、さらに自治体独自の調査も求めていきたいというふうに考えています。  私も幾つか身近なところで、知り合いで相談を受けたことがあるんですけれども、例えば五十代のひきこもりの息子が荒れていて家庭内暴力に悩んでいるとか、働かずに好きなものを収集することを繰り返していて、とうとう窃盗事件になってしまったとか、中には高校時代からずっと引きこもっていた友達の弟さん、四十代で自死してしまったというケースとか、とても深刻な問題だと感じています。  今現在は、親が豊かだから働かずしても生活ができるという、困らないで引きこもっていられる人がいるんですけれども、親亡き後は一体どうなるのか、どうしたらいいのか、そのことを一番心配しているのは、本人というよりもむしろ高齢になっている親御さんたちなわけです。  親が亡くなる前に何とか対策がとれないものか、支援ができないものかと思うわけですが、そのあたりについての区の認識について伺います。 ◎五十嵐 保健福祉部副参事 四十歳以上のひきこもりにつきましては、社会とのつながりがない期間が長期化し、高年齢化すると、社会参加や就労がますます困難になり、御本人の問題はもとより、社会的損失にもなることから、行政としてもその対策に取り組むべきと認識しております。  この間、福祉の相談窓口や社会福祉協議会、民生委員あるいは総合支所などによりさまざまな支援及び対応を行っている状況でありまして、こうした中、四十歳以上のひきこもり対策に絞った検討ではありませんが、烏山総合支所において、ひきこもりと関連の強い複合的課題である、いわゆる八〇五〇問題の事例研究を行い、今後どのような支援につなげていくかを検討する取り組みを進めているところでございます。
    ◆田中優子 委員 烏山総合支所のほうでは、地域ケア会議において八〇五〇事例研究を行ったということで課題が導き出されているというふうに聞いております。それを今後どのように生かしていくのかについて伺いたいと思います。 ◎和田 烏山総合支所保健福祉課長 事例研究から導かれた課題の中でも、特に世帯としてのアセスメントと親と子の両方の支援者への対応が重要だと考えており、これに対応するため、十月下旬から烏山地域の高齢、障害の支援関係者によるPTを開催し、事例検討により、役割や連携方法の確認を行い、八〇五〇ケースの支援体制を関係者の間で共有していきます。  また、十一月にはせたがや福祉区民学会において、この事例研究を報告するとともに、今後の全区版の地域ケア会議へも報告し、議論を深めてまいります。 ◆田中優子 委員 ぜひ烏山発信で、世田谷全区的に展開して議論を深めていっていただきたい、そして対策も考えていただきたいと思います。  このひきこもりの問題は、当事者や経験者など同じ立場の人たちがつくる自助グループと連携することが非常に重要だと思っています。例えば町田市です。町田市では、月一回ひきこもり当事者、経験者の居場所を開催しています。時間内は自由に出入りでき、交流あり、一人で過ごすのもあり、休むのもあり、和室でのんびりお菓子を食べながらまったりとお話ししましょう、事前の申し込み不要、直接お越しくださいというものです。  コーディネーターをしているのは、ひきこもり当事者のグループ、ひき桜を主宰している割田大悟さんという方で、ピアサポートの重要性を訴えていらっしゃいます。そのため、ひきこもり当事者と経験者の方のみを対象としているそうです。  世田谷区でも、ひきこもり自助グループ、ひきこもりを考える会in世田谷というものが立ち上がっています。今まさに活動を展開しようとしているところです。ぜひこうした自助グループと行政が連携しながら、町田市のような取り組みを世田谷区でも行えるといいと思うのですが、いかがでしょうか。見解を伺います。 ◎五十嵐 保健福祉部副参事 今後、区として四十歳以上のひきこもり対策に臨むに当たりましては、現状の把握が重要となります。こうした点から、自助グループの方のお話を聞くことは有意義と考えております。  今後につきましては、烏山総合支所での検討成果を生かすとともに、国の調査結果や支援メニューに関する情報を積極的に収集しながら、委員お話しの自助グループとの連携を含め、区としての支援のあり方を検討してまいります。 ◆田中優子 委員 ぜひピアサポートという観点から、自助グループの方たちとの連携、まずは意見交換などを始めながらやっていただきたいと思います。  次に、ヒューマンビートボックスの活動を障害者イベント等で生かせないかということを取り上げたいと思います。  ヒューマンビートボックスというのは、御存じの方も多いと思いますけれども、人間の口だけでドラムから、ベース音から、レコードのスクラッチ音まで再現し、演奏するというものです。どんなものかちょっと私、全くの入門者なんですけれども、やってみたいと思いますが、速記の方、イヤホンを外したほうがいいかなと、ちょっとマイクを使わせていただきますので。――というような、ちょっと声よりは少し楽器に近づいたかなという感じなんですけれども。  皆さん、一度は見たことがあるだろうRIZAPのコマーシャルがありますよね。あれはBGMは楽器じゃなくてヒューマンビートボックスだそうです。それをちょっとRIZAP風でやってみると――というような、全然初心者というか、入門者なので、本当のヒューマンビートボックスってこんなものじゃなくて、一人で一体何台の楽器を演奏しているんですかという、何も持たずに、すごいです。興味のある方は、関心を持たれた方、ぜひユーチューブで見ていただければと思うんです。  最近、私はこのヒューマンビートボックスの日本一を決める大会で史上初の四連覇をなし遂げたという、しかも国際大会でも優勝している世界チャンピオンである和田辰也さんというビートボクサーと知り合いました。和田さんは弱冠二十四歳のときに一般社団法人日本ヒューマンビートボックス協会を設立し、ビートボックスを通じて子どもたちへの教育や社会活動、福祉活動を中心に活動されています。現在は、アジア大会の運営をしたり、ロシアやシンガポールの大使館主催のイベント等に出演したり、また、ことしの年末にはディズニークラシックというイベントに出演予定で、来年の六月に開催されるディズニーのオリンピックコンサートにも出演依頼があり、決定しているということです。  このヒューマンビートボックスのすごいところは、発声器官が使えればどんな障害があっても、知的、身体、精神、どんな障害があっても健常者と同じ土俵に立てる、同等にできるというところです。健常者と同じに大会も出場できますし、その上、何といっても道具が要らない。あえて言えば、マイクとアンプぐらいでしょうか。お金がかからずにできて、場所もとりません。大きな会場、広い場所も要りません。世界の国境や性別、障害を超える新たな音楽の文化であると私は思います。  和田さんは、将来的には健常者と障害者の垣根を超える合同のイベントを行いたい、大会も行いたい、そのためにはまず、障害者向けのイベントを開催して普及に努めたいということでした。そして、子どもたちがビートボックスを通して障害者を理解し、コミュニケーション能力を高め、一緒に学び合える環境をつくりたいと熱く語っていらっしゃいました。  障害のある方々は、日ごろからスポーツにしても、文化的活動にしても、機会がとても少なくて残念だという話を聞いています。せっかくこのようなすばらしい活動があるのですから、世田谷区においてヒューマンビートボックスを障害のある方々に広く知ってもらい、楽しんでもらうといいのではないかと私は思います。そのために、障害児、障害者の余暇活動の幅を広げるためにも、区として普及啓発にも努めていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。区の見解を伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 ヒューマンビートボックスについては、口や鼻からの発声による擬音により、音色の加工や変化などを再現してさまざまな音楽をつくり上げる、誰でも楽しめる手軽な音楽表現の一つであると認識しております。  ことしの二月には、都立特別支援学校の久我山青光学園音楽芸術鑑賞会において、日本ヒューマンビートボックス協会が演奏をしたところ、多くの児童生徒が鑑賞し、好評だったと学校のほうから聞いております。  区民が文化芸術に触れたり、創作活動などを行うことは、障害の有無にかかわらず、生活の質の向上や心身の健康にとって大切なことでございますので、せたがやノーマライゼーションプランにおきましても、文化芸術に触れる取り組みの充実などを盛り込んでおります。  障害者施設などでは、合唱やダンス、絵画制作などの取り組みが行われておりますが、誰もが簡易に取り組めるヒューマンビートボックスも新たな選択肢とも考えられますので、機会を捉えまして、障害者施設や障害者団体に対して紹介をしてまいりたいと考えております。 ◆田中優子 委員 再来年はいよいよ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの年なわけですけれども、ヒューマンビートボックスはオリンピック種目ではもちろんないですが、例えて言うと、障害がある方でもオリパラと分けずに、オリンピックのほうに一緒に出られるというすばらしさがヒューマンビートボックスの特徴の一つだと思うんですよ。  私は、その障害があってもできますよというのを聞いたときは本当に感動して、これはもうぜひとも世田谷で広げていけたらいいなというふうに思いました。先ほど答弁で選択肢の一つというふうに言っていただきましたけれども、ぜひとも、まず障害者の施設とか団体に積極的に区としても紹介していただいて、その先には、ただ紹介するだけではなくて、区が紹介イベント、みんなでやってみませんかというイベントを開催することなどもぜひ視野に入れて考えていただきたいと思うんです。その辺についてはお考えはいかがでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 障害者施設、あるいは障害者団体等では、十二月の障害者フェスタ等での機会、あるいは各団体とか各施設がそれぞれの施設、あるいは地域での発表の場もございますので、紹介の次には、実際にその中で表現できるというようなこともお話をさせていただきたいなと思っています。 ◆田中優子 委員 ぜひ世田谷から広げていただけるように、障害者の方々が楽しめるメニューがふえるように、区としてもよろしくお願いします。  以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 せたがや希望の会の質疑を始めます。  ちょっと予定していた質問の順番を変えまして、まず、ワークスペースひろば型事業について伺っていきたいと思います。  先月、九月に区内二カ所でワークスペースひろば型事業というのが始まっていると思います。おでかけひろばULALAとおでかけひろばcobacoという二カ所ですけれども、こちらの実施を一カ月弱始めてみて、今その利用者の方たちがどのようにそこで利用されているかですとか、ニーズ、そういったものが現場からいろいろと状況が伝わってきていると思いますけれども、そういったニーズの状況についてどう捉えているか、まず伺いたいと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 今、委員からお話がありましたとおり、区では子どもの近くで働くことができるワークスペース補助事業を本年九月より二カ所で開始いたしました。九月末時点の利用登録は既に二十名を超えております。また、運営事業者にヒアリングをしたところ、育休中の方がキャリアアップのための論文作成を行う場合や自営の方が資料作成を行う場合など、子育てしながらも子どもをなれたスタッフのもとに一時預け、集中して仕事を行いたい方のニーズが一定数あることを把握しています。  また、利用時間が二時間から三時間など、比較的短い方が多く、午前または午後の時間のみ仕事をし、お昼を含めてそれ以外の時間は子どもと一緒にいたいことなどが理由と聞いています。 ◆佐藤美樹 委員 現場の様子を写真とかを撮ったんですけれども、パネルにできなかったので、リーフレットがあるんですが、どちらのおでかけひろばも一階がひろばで、ワークスペースが二階というようなつくりになっていて、私はULALAというおでかけひろばのほうに伺って、いろいろスタッフの方から話を伺ったんです。今回そのワークスペースの実施時間というのが十時から午後の三時、十時―十五時ということで、短いなというふうに思っていたんですが、実際その五時間フルに利用する、十時から三時までフルにというワークスペースの利用する人はゼロということだったりですとか、その理由としては、自分自身も子育てしていた、今もしていますけれども、振り返ると、そうだったなと思いますけれども、皆さんやっぱり授乳をしたり、離乳食の合い間の時間、その二、三時間のサイクルで、二時間あくからここの一時間半とか二時間を仕事するというような、そういった使い方をされているということで、この辺もやってみて見えてくるニーズの実態だなというふうに思います。  また、今回やってみてわかってくる部分として、今までのひろばに一時預かりが加わって、かつそのワークスペースというのが、働くという要素が加わることで、事業者に求められる質というところもいろいろ変わってくるのかなというふうに思います。また、やってみて、実際にどのぐらい使われるかというそのニーズ、量の部分についても、ここのULALAのほうでは、もう既に登録者数が利用可能枠を超えてきていて、実際は希望しても使えないケースが、今一カ月弱ですけれども、既に出てきているということでした。  この辺の課題について、今後、ひろば型ワークスペースをほかの場所に展開するとか、そういった計画もあると思いますけれども、課題についてはどう捉えているか伺いたいと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 現在のワークスペースひろば型の定員は全体で四デスク、預かり六人ですが、事業開始一カ月で登録者が二十名を超えている中で、より多くの方に利用していただくための工夫が必要であると考えています。  また、子育てしながらも子どもの近くで緩やかに働きたいが、短時間の在宅ワーク等の仕事がないために利用ができない方がいることや、施設の特性上、預かる子どもの年齢がおおむね三歳未満となることから、就学前までの預かりニーズには応えられないというのが課題となってございます。  まだ事業開始から一カ月という状況でもございますので、今後、各施設の実績や利用者アンケート等によりニーズを把握、分析し、利用者の視点に立ったよりよい事業としてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 今回のワークスペース型のひろば型の利用対象年齢というのは、子どものほうの年齢は三歳ぐらいまでということになっていますけれども、実際行ってみると、もうちょっと低年齢というか、ゼロ、一、二ぐらいまでの利用というか、その辺の子どもを抱えている方たちがこのワークスペースを利用されているのかなというような印象もあります。今おっしゃっていただいたような三歳以上のところについてのこういった働き方、緩やかな働き方をどう支えていくかというところについては、一般型のほうの制度設計というところで、そういったことを考える際にも、ぜひ生かしていっていただきたいなというふうに思います。  次の質問なんですけれども、先日、本会議で触れました新BOPの時間延長について伺っていきます。  本会議のところで、そもそもこの今回の制度変更について、子どもの視点に立って制度設計をしていただきたいということを申し上げました。時間延長する際の意思決定の際には、利用している保護者の方にアンケートをとっていますけれども、モデル事業実施後は、子どもたちからもアンケートなり、子どもたちの声をヒアリングできるような方策をとっていただきたいというふうに申し上げて、そういったアンケートということは検討されているようですけれども、どのようなやり方というか、どういうところに注意をしてそのアンケートというのをやっていくのかということを伺いたいと思います。 ◎相蘇 児童課長 新BOP学童クラブの時間延長モデル事業を検証し、今後の展開や方向性を定めていくためには、関係する方々の意見や状況を的確に把握することが重要であると認識をしており、保護者や従事者に加え、子どもにもアンケートを行う予定でございます。  アンケートの内容については、現場の職員からの意見聴取や世田谷区子ども・子育て会議における学識経験者からの意見、学校評価で子どもへのアンケートを実施している例などを参考に項目を検討し、作成していくことを考えております。  また、アンケートの実施に当たっては、保護者の方などに事前にモデル事業の趣旨を十分に御理解をいただけるよう丁寧に説明を行い、子どもにとってよりよい運営を行えるよう役立ててまいります。 ◆佐藤美樹 委員 これまでも区として、子ども向けの調査票というようなことも実施してきていますし、いろいろ今御答弁にあったように、子ども・子育て会議というような、そういういろいろ意見をもらえる場もあると思いますので、それなりにはいいアンケートになっていくだろうとは思うんですけれども、ぜひともそのアンケートで答えやすいような工夫をしていただきたい。  先ほど御答弁にありましたけれども、アンケート以外にも、現場のスタッフの、新BOPのほうのスタッフの方たちからのヒアリングとか、あと、結局今回七時十五分まで延長した際に、その子どもは次の日は朝また教室のほうに入っていくわけですので、学校の担任の先生というところにも、その子どもがどういう様子で、前の日に残っていて、次の朝に来て、学校でどういうふうに過ごしているかというところもヒアリングをしていただきたいというふうに思います。  それと十月一日に我々議員のところにモデル校の選定ということで、実施校が各地域一校ずつ決まったということがペーパーが入っていましたけれども、これの中で、烏山地域の実施校が千歳台小学校というふうになっているんですが、これは千歳台小学校自体は砧地域ですので、この辺はどういう選定理由だったのかお聞かせください。 ◎相蘇 児童課長 新BOP学童クラブの運営時間延長モデル校については、桜小学校、下北沢小学校、玉川小学校、喜多見小学校、千歳台小学校の五校で実施することといたしました。  選定条件の具体的な内容については、子どもの人数の多少に伴う人員配置の違いによる影響が出ないよう、できるだけ平均人数の百一名に近い条件としたことや、改修や建てかえなどの工事に伴う引っ越し、活動スペースの変更がないようなこと、指導員の配置、責任者の配置が行えること、駅からの距離によって保護者のお迎えに要する時間の長短が利用状況に影響するのか、また児童館を活用した子どもの過ごし方、自立の観点からの状況を見るため、児童館からの距離やその関係性を勘案いたしました。  これらの条件をもとに選定を進め、さまざまな検討課題が想定されるモデル事業を円滑に進められるよう、総合的に判断し、五校を選定したものでございます。  この中で、烏山地域においては、全ての条件を勘案した結果、この烏山の地域内の住所地からは選ぶことができず、烏山地域を管轄する児童館の所管である千歳台小学校を選定した次第でございます。 ◆佐藤美樹 委員 烏山地域のモデル実施校が千歳台小であるということは、その小学校が利用している児童館が粕谷児童館で、粕谷児童館が烏山地域だからということですけれども、この選定理由もそうですが、この間、今、同時進行で児童館のほうもあり方検討ということを進めてきていて、私のほうは新BOPのことを質問しているわけですけれども、新BOPと児童館というのは、区の組織体制から見ると一緒の職員の人たちの組織ツリーになっているというのは重々理解しているんですけれども、この二つを同じくくりで考える必要はないのかなというふうに感じています。  この間、他の議員からも、児童館についていろいろ議論があったと思いますけれども、やはり児童館のほうはより地域の拠点という要素でしたり、地域のコミュニティーというような要素が強いことであったり、両方とも子どもたちの放課後の過ごす場所ではあるんですけれども、似て非なるものかなというふうには捉えています。  今後、これまで質問してきた時間延長ですとか、あるいは児童館のほうはいろんな検討、民営化という論点も含めて検討していく中で、この両者については分けて考えて、制度をいろいろ構築していただきたいと考えますが、見解を伺います。 ◎相蘇 児童課長 児童館は児童厚生施設として児童のための地域組織活動を育成、助長し、児童の健全な育成を図る組織でありまして、新BOPのほうは平成十一年からBOP事業と学童クラブ事業を統合し、放課後子ども総合プランに基づいて一体化して運営をしてきております。  現在、新BOPの常勤職員は児童館に所属をしており、定期的に職員相互の情報交換や交流を行うとともに、新BOP事務局長と児童館長は相互に連絡協力をし、日常の運営や緊急対応のほか、配慮の必要な子どもへの一貫した支援など緊密な連携をとっているところでございます。  また、児童館の職員が出張児童館として新BOPに出向いて遊びの充実、児童館のPR、利用の呼びかけを行うなど、自立に向けた支援も行ってきているところでございます。  児童館と新BOP、ともに同じ地域の子どもを対象とした健全育成事業などの重要な拠点であることから、児童館と新BOPは連携については必要であるというふうに考えております。 ◆佐藤美樹 委員 実際子どもたちも、BOPのほうに一緒に遊べるお友達がいなかったら児童館に行ったりとか、そこの二つを使い分けているというか、そういったところで、似ているけれども、でも、申し上げたように、その連携はいいんですけれども、制度設計とか、大きなその方向性というのは今ちょっと違う方向になってきているかなというふうに思いますので、分けてそれぞれを制度設計していっていただきたいということを重ねて申し上げます。  それから、児童館のところは、これから児童相談所機能が移管されたと仮定したときに、児相の現場的な機能というところを持たせていくということを検討していると思いますけれども、そのこと自体は否定しないんですが、やっぱり今、児童館で子どもたちが特に伸び伸びと過ごしている、今すごく居心地のいい場所というふうに過ごしているそこの部分に影響というのが、この児相というのを持ってきたときに影響を及ぼさないように、やっぱりここも子どもたちを主軸に据えて検討していただきたいと考えていますけれども、今後のこの辺の検討についてはどう考えているか聞かせてください。 ◎相蘇 児童課長 現在、児童館のあり方検討会を初め、児童相談所の移管、地域包括ケアシステムの構築等に当たり、さらなる児童館機能の拡充が必要であるということで検討を進めてきているところでございます。  また、その中では、身近な地区にある児童館の特性を生かした相談や気づき、見守りや支援、地域の方や団体などと連携した場づくりなどの役割が今まで以上に求められるということになりますが、それは児童健全育成事業を基盤としているからこそ意味があるという御意見もいただいております。  児童館は、児童に健全な遊びを通してその健康を増進し、また情操を豊かにすることを目的とした施設でありまして、子どもを軸とした地区のネットワークの中心として運営をしております。  区といたしましては、児童健全育成と相談、見守りなどの機能を両輪として、ともに充実させていくことが重要であるというふうに考えております。 ◆佐藤美樹 委員 この辺については、また引き続き私のほうも注視をしていきたいと思います。  最後に、今年度から始まっている在宅療養相談窓口ということについて伺っていきたいと思います。  この在宅療養相談窓口というのが、全二十八カ所のあんしんすこやかセンターに設置が四月から二十七カ所されていると思うんですけれども、物理的に実際どういう窓口なのかというのを何カ所か見てきて、一カ所をちょっとパネルにしたんですけれども、これは成城のあんしんすこやかセンターにある窓口で、ほかの委員会のときに質疑でも聞いたんですけれども、窓口といういわゆる立て札を、もの忘れ相談とかとあわせて、窓口という立て札をつけていますということで、これは成城は二階にあるあんしんすこやかセンターのさらに中に、こういうデスクに窓口という立て札が張ってある状態でした。  そもそもこのあんしんすこやかセンターの事業者というのは、この間選考が終わって、従来のあんしんすこやかセンターの事業者の方たちが、四月からこの新しい窓口の機能も追加されて担っていくということで、その人材面も含めて在宅療養、在宅医療の普及啓発というところも担っている中で対応できるのかなというところが疑問に感じている点です。  まず伺うんですけれども、現在この窓口で、あんしんすこやかセンターの一カ所当たりの対応件数と、この窓口のための委託費等々について教えてください。 ◎加賀谷 調整・指導課長 全体になりますけれども、平成二十六年の介護保険法の改正がございまして、そちらのほうで介護保険の地域支援事業として、その枠組みの中で、市区町村が主体となりまして、御紹介いただきましたあんしんすこやかセンターを窓口として、在宅医療・介護連携推進事業を実施してございます。  実施に当たりましてですけれども、昨年度、さまざま患者の自宅を訪問します診療所、歯科診療所、薬局等の情報を掲載しました在宅療養資源マップ、こちらを発行しまして、あわせて対応のマニュアル、こちらも作成しながら、あんしんすこやかセンター職員向けの研修を行うなど準備を進めた上で、今年度、各地区に在宅療養相談窓口を開設しているものでございます。  お尋ねの相談窓口の状況でございますが、毎月約八百件の相談が寄せられておりまして、一カ所当たりでならしますと、月約三十件、経費につきましては、相談と、それから関係します推進事業がございますので、そちらを合わせまして年間約百五十万円という内訳でございます。 ◆佐藤美樹 委員 そもそも在宅医療という言葉と在宅療養という言葉もちょっと違うわけですが、この在宅医療の部分の医療系の質問について、あんしんすこやかセンターの方たちというのは医療系ではないので、その場で相談を完結できたりとか、対応し切れるのかなというところについては、例えば医師会の先生たちと何らか連携したりですとか、あるいはそこと協力しながら運営してくというような方法もあるのかなというふうに考えますけれども、この辺については、区としてはどう捉えているか教えてください。 ◎加賀谷 調整・指導課長 この相談窓口でございますが、まずは自宅で医療ケアを受けながら療養すると、在宅療養とはどういうことかということをまずは広く区民に周知をするということを前提としまして、担当者連絡会、研修会を定期的に行いながら、医療制度ですとか、医療機関の情報、困難事例等を共有して、相談のスキルの向上を図っているということでございます。  また、あんしんすこやかセンターで各地区を担当します医師のほうと連携しまして、医療職、介護職のネットワークづくりを進めます地区連携医事業を実施してございます。この中で医療的助言をいただきながら、多職種で考えて、それぞれの専門性ですとか、役割を学び合う機会としてございます。  また、今年度、患者の入退院支援を行います病院のMSWとの意見交換も予定してございまして、地区連携医事業、研修会等を通じて、あんしんすこやかセンター等介護職の医療的知識を広げるということを前提に、相談支援の拡充に図っていきたいとしてございます。 ◆佐藤美樹 委員 やはりあんしんすこやかセンターとしても、いろんな相談の対象というのが広がっていて、あれもこれもいろんな相談を受けるというのは、やはりキャパオーバーというか、専門知識もすごく幅広く求められてしまうと思うので、そういったところについては、今、連携推進事業ということがありましたけれども、どういうやり方があり得るのか。医師会の先生とか、医療系の方たちと協議をしながら、これからあんしんすこやかセンターも来年四月にまた新しい委託期間に入っていきますので、そこに向けて、こういった体制の、実際にその窓口というふうに掲げていて、実際にどのぐらい受け切れているのかというようなところについても、いろんな事例を検討して、体制面を考えていっていただければと思います。  少し早いんですけれども、以上で希望の会の質疑を終了します。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの福祉所管の質問を始めます。  初めに、妊娠期からの切れ目のない支援の充実に向けて、まずは子育て利用券事業について質問します。  この事業も実施二年が経過し、開始当初に比べ使いやすくなってきていますが、今回の決算書を見ますと、利用見込みに対する利用率は約四〇%にとどまっています。生活者ネットワークは、事業開始当初から区民目線で利用しやすい子育て利用券の仕組みづくりを求めてまいりました。  利用の現状と利用促進の取り組みについて伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 せたがや子育て利用券の利用状況ですが、開始直後の平成二十八年度のサービス利用者数延べ数の月平均が百十七件に対し、平成二十九年度は二百九十件、請求金額の月平均は七十九万円に対して百七十一万七千七百八十円となり、いずれも倍増するなど着実に伸びております。  また、区内の子育て支援団体等の利用を促すために、子ども・若者部と連携して地域団体の利用券登録事業者参入を働きかけました。  また、地域の活動団体の要望を受け、利用券の額面五百円券に加え、百円券導入などの運用面でも改善に努め、本年十月一日現在、事業者登録数は百七十四事業者、提供できるサービスは二百九十八サービスを数えます。  一方、利用券の有効期間を配布から二年としているため、事業開始二年目を迎え、有効期間を迎える方が出始めたころと推察しております。  今後、こうした状況を踏まえ、利用率の検証を進め、不足するサービス種別等をふやすための業者への働きかけなど、より一層妊産婦に利用しやすくなるよう努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 子育て利用券は、母子保健の充実のために、妊娠中に保健師による面接を受けるインセンティブとして事業化されたものですが、地域の中に子育てを支援する事業者や区民団体がたくさんあり、お母さん一人が子育てを背負い込まなくていい子育て応援都市というメッセージの発信にもなっています。そのためにも、身近な区内事業者や区民団体などで利用券を使えることが子育てを応援する地域を実感できるためにも重要だと考えます。  利用可能な事業者の数がふえたというだけではなく、今年度初めには八十八だった区内の事業者数が、現在百十二までふえているというふうに聞きました。今後も地域の子育て活動の活性化に結びつくようにこの事業をより使いやすいものにしていくように求めます。  妊娠期からの切れ目のない子育て支援、他会派からも先ほども質問がありましたが、最大の狙いというのはやはり母子保健の向上によって、児童虐待を予防することではないかと思います。  ことしの九月、二〇一四年から一五年の二年間で百十二人の女性が、産後一年以内に自殺により命を絶っているという成育医療センターの研究発表がありました。この中には子どもも道連れにする親子心中なども含まれています。  世田谷区では、子育て利用券制度開始以前から、産前産後のメンタル面も含め体調が不安定な時期の支援として、産前産後の家事サポート事業を実施しています。この制度は、さまざまな理由で妊娠期面接を受けられなかった方も無料で利用でき、事業協力者が育児不安や虐待の兆候を見落とさず、子ども家庭支援センターと連携し、子どもを守る仕組みとなっています。  このさんさんサポートは大変意義ある制度だと思いますが、実は本当に困ったときに使おうと思ってとっておいたあげく、期限切れになってしまったとか、予約時にどの事業者に頼めばいいのか迷ってしまったなど、うまく使いこなせないという声も聞いています。  さんさんサポートの利用率向上に向け、具体的な利用例を示すなど、一層の工夫が必要ではないかと思います。見解を伺います。 ◎松本 子ども家庭課長 さんさんサポートは、妊娠届提出日から生後一歳になるまでの子育て家庭に、子ども一人につき無料で三回まで子育て支援ヘルパーが訪問し、家事援助や育児補助を行うことで、育児負担や不安感の軽減、孤立の予防を図ることを目的として、児童虐待の未然防止の役割も果たしております。
     さんさんサポートの無料券は、妊娠届け出時に、母子保健バッグに入れてお渡ししており、妊娠期面接の有無にかかわらず、妊娠期から利用できるようにしています。また、出産後に転入された方にもお渡ししており、全ての妊婦や子育て家庭が利用できるようにしています。  委員御指摘のとおり、さらなる利用率向上のため、区ではさんさんサポートのチラシの工夫をし、まずは無料のさんさんサポートを御利用いただき、さらに必要な場合は、子育て利用券も活用できることをわかりやすく明記し、各事業をつなぐ周知に努めております。  さんさんサポートは、登録事業者の増等もあり、徐々に利用率は上がっておりますが、ことし実施しましたアンケート調査からは、どう使ってよいかわからない、使わないまま期限が過ぎてしまったなどの意見がありました。今後、利用者の声をもとに、使って助かった時期や内容等をホームページに掲載するなど、本当に困ったときはぜひ利用していただきたい旨、積極的にそのメッセージが伝わるよう効果的な周知に取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 さんさんサポートと利用券は、この二つの制度を接続によって相乗効果が期待できる関係だと思います。双方の利点を生かし、妊娠期からの切れ目のない子育て支援を充実していくよう求めます。  次に、四月に民間施設棟が開所予定の梅ヶ丘の保健医療福祉拠点について、福祉のまちづくりという視点から質問いたします。  精神障害者の相談窓口などを含む新拠点の完成は、平成三十二年四月、世田谷区立保健医療福祉総合プラザ開設後になるわけですけれども、民間施設棟も含め、地域との交流などを目的とした会議室や区民利用スペースが確保されているということに、従来総合福祉センターを利用してきた各種福祉団体や地域住民も、自分たちの活動拠点ができるということで、大いに期待を寄せているところです。  先日、初めて地域交流会議の準備会が開かれたと聞いています。さまざまな団体が今後梅ヶ丘の新拠点を利用していくに当たり、この交流会議を利用者目線でのオープンな話し合いの場とし、地域団体とそして利用団体がともに納得のいく使用ルールを定めて、そして利用者の視点に立った施設運営を目指すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎三浦 梅ヶ丘拠点整備担当課長 梅ヶ丘拠点の運営に当たりましては、各施設での多様な事業を取りまとめるとともに、関係機関や地域とのネットワークを構築する全体調整機能が必要となってまいります。  全体調整機能については区が担い、地域保健福祉審議会での専門的、全区的な視点からの御意見と、委員おっしゃる地域交流会議での地域住民、利用者の視点からの御意見を踏まえまして、区の担当所管と拠点内に入る事業者で構成する運営協議会において、拠点全体で実施する事業等を検討し、全区をリードする取り組みを含め、運営を図ってまいります。  開設までは準備会としております地域交流会議では、地域の町会、商店街、学校や福祉団体の代表の方と拠点における地域交流等についての意見交換を行ってまいります。その中では、拠点内にできる会議室での利用方法などについても御意見を伺いながら、使い勝手のよい開かれた施設となるよう取り組んでまいります。  また、梅ヶ丘拠点整備プランでは、世代や障害の有無等超えた多様な交流を生み出していくことも重要な取り組みとしております。  拠点内には、区民が利用できる総合プラザの会議室や喫茶室、エントランスホールや民間施設棟内に入ります地域交流スペースなどが整備されますので、それらを活用し、拠点内に入る各事業者とも連携を図り、さまざまな交流ができるようにしてまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 できるだけさまざまな立場の区民の方の声を聞き、建設的な地域交流会議の準備会となるようにお願いいたします。さらに、地域や関係者へ経過報告を小まめにお願いしたいと思います。  梅ヶ丘拠点整備に関してもう一点質問します。民間施設棟には医療的ケアが必要な障害児者のショートステイなど切実な要望のある施設が開所予定です。昨今、医療や福祉の人材不足が社会問題化しています。梅ヶ丘拠点整備の事業者のホームページなどを見ましても、介護から看護、各種専門職の募集を今も続けているようです。区が把握している四月開所に向けた人材確保についての状況をお聞かせください。 ◎三浦 梅ヶ丘拠点整備担当課長 事業者に確認したところ、民間施設棟の高齢者支援施設、障害者支援施設の職員の採用状況は、九月末現在で採用予定約四百二十名のうち六五%の二百七十七名が内定しております。また、事業者である南東北グループ全体での採用、その後の配置を含めますと九割近くになるという見通しと聞いております。提供サービスの質を確保するため、採用者のうち、経験者、グループ内からの異動が五割以上含まれ、新規採用についても開設前に研修や実習を行っていくということです。  引き続き、今後も職員確保に向け、募集広告、説明会の実施、外部の就職フェアへの参加などを行い、開設に向けて準備を進めていくと聞いております。 ◆高岡じゅん子 委員 医療・介護施設の運営は何といっても人材の確保が肝要です。契約に沿った人材配置がなされていくか、今後も注視してまいります。  続いて、世田谷型地域包括ケアシステムに関して質問します。  二十七のあんしんすこやかセンターの来年度からの受託事業者がプロポーザル方式によって選定されています。プロポーザル方式で事業者を選ぶメリットとはどういったものなのでしょうか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターの運営事業者の選定につきましては、三年ごとに策定する高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の期間等を考慮し、同計画の二期分に当たる六年ごとに行うことを基本としております。  選定に当たり、募集条件に対する企画提案の審査により委託事業者を特定する公募型のプロポーザル方式を採用しており、高度専門的な業務について広く事業者を募ることで、企画面の競い合いの促進や潜在的な事業者の掘り起こしにつなげ、より優秀な事業者を選定しております。  今回のプロポーザルは、平成三十一年度から六年間の事業者を選定するもので、二子玉川地区を含む二十八のあんしんすこやかセンターの運営事業者を選定いたしました。選定に当たりましては、学識経験者、区民代表、行政等、十五名の選定委員会を設け、応募内容を広い視点で審査しております。  応募事業者からは、法人全体でしっかりと検討され、すぐれた提案が提出され、事業者自身のレベルアップにもつながり、プロポーザル方式のメリットがあったと認識しております。 ◆高岡じゅん子 委員 六年に一度の公募プロポーザルによるあんしんすこやかセンターの選定は今回で三回目になります。この制度によって区民へのサービスは向上してきたのでしょうか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 プロポーザル方式では、応募事業者から財務状況や運営管理、各事業の実施計画等を記載した企画提案書の提出を求め、書類審査、公認会計士による財務審査、実地調査、ヒアリング審査を行っております。  今回の提案書を作成する過程において、応募事業者では、法人のバックアップ体制を含め事業の振り返りや新たな取り組み、改善に向けた検討が行われております。  今後、事業者は、法人本部とともに企画提案書の内容の実現に努め、区としてもこれを指導、支援することにより、業務の質の向上につなげてまいります。  また、区では、国から示された保険者機能評価交付金のあんしんすこやかセンターの評価項目に沿いまして、運営状況の点検を定期的に実施し、今後業務の向上に取り組んでまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 一定の競争原理を働かせることで区民サービスの質の向上やその時々の制度に合った体制づくりなどを進めてきたわけですね。  世田谷型地域包括ケアシステムでは、地域資源の開発として制度外の福祉資源を活用し、必要なサービスを必要な人につなぐコミュニティーソーシャルワークの部分を世田谷区社会福祉協議会が二十七カ所を一括して担っています。あんしんすこやかセンターは二十七カ所、それぞれ公募プロポーザルで委託しているのに対し、地域資源開発事業はなぜ社会福祉法人に一括して委託されているのでしょうか。  また、この契約は随意契約だと思うのですが、競争原理を働かせることで、さらなるサービスの質の向上を図る必要はないのでしょうか、見解を伺います。 ◎山本 生活福祉担当課長 地域資源開発事業は、委員お話しのとおり、社会福祉協議会に委託して実施しているものでございます。社会福祉協議会は、社会福祉法で地域福祉を推進する団体に位置づけられ、地域生活を支援していく役割を担っており、委託法人として適切であると認識しております。  地域の課題を地域が主体となって解決する取り組みは地区ごとに取り組み手法がさまざまとなるため、コミュニティーソーシャルワーカーとしての技量が必要であり、その向上には地域の皆さんとのつながりを深め、経験を積み重ねていくことが肝心であると考えています。  社会福祉協議会では、国や区等の研修に職員を派遣し、スキルアップに努めており、区としましても、こうした取り組みを支援してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 地域のことなら地元の団体のほうがずっとよく知っているというような声も聞こえます。区の外部団体である世田谷区社会福祉協議会に対する区民の目は厳しいものがあります。福祉のまちづくりを進めるために、今のままでは力が不十分であるということを自覚し、さらなる努力と研さんするよう区は指導を強めてください。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、世田谷区は人口の増加に伴ってひとり暮らしの世帯も増加の一途をたどっているということですが、ひとり暮らしがゆえに、さまざま暮らしにくさを抱えていることが多いと思うんですが、その中でも特に医療系の問題で、保証人がいなければ例えば手術を受けられない、入院も保証人がいなければできないと。若いうちは、遠方に親族がいる場合でも、判こをもらったりとかってできますが、高齢者の場合には、特に近親者がいないとかという場合には、医療機関で、保証人がいないがために、ひとり暮らしということで大変不便さを感じていらっしゃる方がいっぱいいると思うんですが、この点について、世田谷区としてはどういう対策ができるのかということを伺っていきたいと思います。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 お話しのありましたように、入院や手術時に、医療機関により保証人を求められるということが見受けられておりますけれども、ひとり暮らしで親族が遠方であったり、あるいは疎遠であったりする場合、また御自身の病気について知られたくないと考える方にとって保証人を立てるということは非常に難しい状況になると考えられます。  昨年、第二東京弁護士会が実施した調査では、都内百四十一の医療機関のうち、約九三%に当たる百三十一の医療機関が身元保証人を求めており、その理由としては、支払いの保証、担保が最も多かったというふうにしております。  一方、厚生労働省は本年四月に、医師法に基づき、身元保証人の有無にかかわらず入院を受け入れるよう、各都道府県から医療機関に指導するよう求める通知を出しており、東京都からも同通知についてホームページで公表しております。  区では、こうした国や東京都の対応を踏まえまして、患者や御家族からの問い合わせにつきましては、各医療機関において患者等のさまざまな御相談に応じるメディカルソーシャルワーカーに御相談することをお勧めしたり、東京都医療安全支援センターが実施している電話相談、患者の声相談窓口を御案内するなど取り組んでおります。しかしながら、複雑な事情を抱えている患者や御家族の方々もいらっしゃって、なかなか解決が難しい場合もございます。  関係所管や関係機関とそれぞれの課題に応じて対応策を検討するなど、ともに考えていきたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 先ほど都内の実態、九三%がそういう保証人を求めているという実態だったということですけれども、世田谷区内の実態はどうかということは区としては調査をされていないでしょうから、その点、実態調査等もされて、手術にしても、入院にしても、区民の皆さんが医療機関を受けやすい、そういう環境づくりをぜひ進めていただきたいと要望しておきたいと思います。  次の質問ですが、高齢者団体の方から要望がいろいろありまして、その中で特に長寿健診、これはほかの区の練馬区とか、中野区とか、世田谷区ぐらいが有料での長寿健診をしているということで、ほかの二十区ぐらいは無料でやっているということなんですが、ぜひ世田谷区もこれを無料健診にできないんだろうかというような要望をいただいておりますが、区としての現状の考え方と今後、無料化に向けていろいろ課題もあるんでしょうけれども、どういうお考えか伺っておきたいと思います。 ◎太田 国保・年金課長 お尋ねの長寿健診の自己負担金についてでございますけれども、事業開始当初は徴収しておりませんでしたが、平成二十二年度策定の政策点検方針に基づきまして、公平性や適正な利用者負担等の観点から、全事務事業の点検を行い、その結果、平成二十三年度から過度の負担とならないよう、対象者の方に配慮し、自己負担金五百円をお願いしてございます。その後、自己負担のあり方について見直しを行い、平成二十八年度から住民税の非課税世帯の方に無料化を実施しているところでございます。  委員お話しのございました自己負担に対する区の考えということでございますけれども、国民健康保険と同様、後期高齢者医療におきましても、一般会計からの繰り入れを行っており、今後も対象者が確実にふえ、医療費の増加も予想されることから、区の負担は増加してまいります。公平性の観点から適正な利用者負担が求められる中、住民税非課税世帯に対する無料化を行ったことで一定の配慮がなされているものと認識してございます。  後期高齢者医療制度の安定的な運営を維持していくためにも、自己負担金の全面的な無料化につきましては、無料化に伴う受診率向上の効果を見きわめるなど、慎重に検討を進めていく必要があるというふうに考えてございます。 ◆あべ力也 委員 いろいろ区の施策の中で、無料化を推進しようというような提案があって、区も今検討されていると。特に教育の分野で給食費を無料化しようであるとか、保育料を無料化しようというようなことがありますけれども、それは結構財源的にはすごく大きな財源の投入になるんですが、この長寿健診に関しては一千万円ぐらいで大体できるというような話を聞いておりますので、何かやりくりをして、無料化ができないかなというふうに思うのは私だけじゃないと思うので、その辺は、検討されるというようなことでございましたので、しっかり検討して、無料化ができるかどうかも含めて、今後対応をしていただきたいと、これも要望しておきたいと思います。  それとあと、最後に、精神障害者の施策についてですけれども、これも精神障害者の団体さんからいろいろ要望がある中で、特に梅ヶ丘の拠点にアウトリーチステーションを整備してほしいということが強く要望されているんですが、この点について、区のお考えを伺っておきたいと思います。 ◎鵜飼 健康推進課長 梅ヶ丘拠点に移転する区立保健センターでは、心の健康相談等の機能を拡充するために、新たな機能として区が閉庁する平日夜間、休日等に相談できる電話相談の窓口の整備や、またゲートキーパーなどの心の健康づくりを支える人材の育成を推進していく予定でございます。  一方、多職種チーム等の精神障害者施策の充実には、世田谷保健所等で進めていきます。 ◆あべ力也 委員 アウトリーチステーションに関しては、障害者、精神障害者の団体の皆さんも大変期待をしているところですから、しっかり検討していただきたいと、これも要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○河野俊弘 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 災害時拠点となる区内病院の非常用電源について伺います。  まず、区内には、厚労省の指定要件に基づき都が指定する災害拠点病院は三カ所、これらを補完する災害拠点連携病院が四カ所あるということですが、二種類ある病院の指定要件と、指定を受けた病院名、災害時想定されている受け入れ人数について御説明をお願いいたします。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 東京都が作成する災害拠点病院及び災害拠点連携病院設置運営要綱によると、大地震等の発災時において、主に重傷者の収容、治療を行う病院として、厚生労働省が示す指定要件に基づき、都道府県が指定する災害拠点病院と、主に中等傷者や容態の安定した重症者の治療等を行う病院として東京都が指定する災害拠点連携病院がございます。  指定要件につきましては、それぞれ細かく定められておりますが、主な内容といたしまして、災害拠点病院は二十四時間緊急対応を行い、発災時には被災地内の傷病者の受け入れや搬出の拠点となることや、診療施設が耐震構造であること、通常時の六割程度の発電容量のある自家発電等を保有し、三日分程度の燃料を確保することなどがあります。  災害拠点連携病院は、災害時の医療について相当の知識及び経験を有する医師が診療に従事していることや、災害時に病院機能を維持するため、自家発電機等を保有し、電源の確保は行われていることなどがあります。  また区内の災害拠点病院は、至誠会第二病院、都立松沢病院及び関東中央病院の三カ所で、災害時においては、入院患者については通常時の二倍の約三千二百人を、外来患者は通常時の約五倍程度の受け入れを想定しております。  一方、区内の災害拠点連携病院は、世田谷下田総合病院、東京明日佳病院、国立成育医療センターと、昨年新たに指定されました玉川病院の四病院です。災害時の受け入れ人数につきましては、都の設置運営要綱では特に定まっておりませんが、災害時には区の医療救護本部が情報を把握し、医療救護活動の統括を行ってまいります。 ◆上川あや 委員 病院の配置だけを考えますと、思った以上に偏りなく、全区的に指定病院はあるように感じました。災害拠点病院が三カ所、災害拠点連携病院が四カ所、計七カ所の全てに非常用電源が備わっているということですが、実際にどれだけ機能するかどうかが重要です。それぞれの非常用電源の連続稼働時間についてもお調べいただくよう求めましたけれども、御報告をお願いできますでしょうか。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 非常用電源の稼働時間につきましては、施設の規模や構造等により、備蓄できる発電機の種類も異なること、また、電力の使用量によって増減はあるようですが、先日確認したところ、災害拠点病院では八時間から七十二時間、災害拠点連携病院では六時間から七十二時間の稼働が可能とのことでございます。 ◆上川あや 委員 私もいただきました資料では七十二時間もつ病院が三カ所ある一方で、六時間から八時間しかもたない病院も複数あるというのが実情で、安心にはほど遠いと感じました。夜間に電源がなくなれば、病院機能の大半が失われたも同然になるものと懸念いたしますが、きょうはさらに懸念を深める実情があることを御紹介したいと思います。  六月に起きた大阪北部地震に関連する七月十八日のNHKニュースを読み上げます。大阪北部地震、揺れ強かった地域の病院、六割が非常用電源の点検を怠る。大阪府北部で震度六弱を観測した地震では、最大で十七万件の停電が起きましたが、揺れが強かった地域にある病院のおよそ六割で、消防法で義務づけられた非常用電源の点検が行われなかったことがNHKの調べでわかりました。多くの人が利用する病院や公共施設などでは、非常用電源の設備を作動させて行う負荷運転という点検や、機械内部の詳しい点検を一定の期間ごとに行うことが消防法で義務づけられています。  NHKは、先月、六月の地震で揺れが強かった大阪府内の六つの市に情報公開請求して調べたところ、地震の前のことし四月末の時点で、およそ六割に当たる、少なくとも百三十八の病院で負荷運転が行われていなかったことがわかりました。この中には、災害の際に救急医療の中核を担う災害拠点病院も三カ所含まれていました。引用はここまでです。  実際、大阪北部地震では、大阪・吹田市にある国立循環器病研究センターで停電時、非常用電源が機能しませんでした。その後の調査では、パネルのふぐあいや送電線のショートが見つかりましたが、センターは少なくとも五年間点検も試運転もしていなかったということです。同様な整備不良による非常用電源のふぐあいは、それ以前の震災でも起きています。  日本内燃力発電設備協会によりますと、二〇一一年の東日本大震災時には東北地方の約四千八百台のうち、津波の影響を除く二百九台が実際には作動せず、二〇一六年の熊本地震でも、百四台のうち十三台が機能せず、その原因の多くが整備不良と見られているということです。  皆さんもこれをお聞きになりますと、区内の状況はどうなのだろうと不安に思われるのではないでしょうか。区内の点検状況についてもお調べをいただくよう求めましたので、御報告をお願いいたします。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 発災時に被災地内の傷病者等の受け入れや搬出の拠点となる災害拠点病院や災害拠点連携病院におきましては、病院機能を維持するための自家発電機を保有し、非常時に使用可能なことを検証していくことが重要であると認識しております。  区内の災害拠点病院の七カ所につきましては、全ての病院で定期的に法定点検を行っておりますが、消防法に定められております負荷運転につきましては、災害拠点病院では一カ所、災害拠点連携病院も一カ所のみの実施状況でございます。 ◆上川あや 委員 区内の指定病院の二カ所でしか負荷運転は行われていない。つまり災害時、救急医療の中核を担う区内病院の大半で、法で義務づけられた点検すら行われていないということです。この状況を受けて、区はどう是正を図るおつもりなのでしょうか。事態を放置せず、強く是正を働きかけていただくよう求めますけれども、いかがでしょうか。 ◎伊藤 世田谷保健所副所長 病院に係る指導監督の権限は、医療法により都道府県にあること、また非常用電源の保守点検実施の報告先及び指導等の管轄は消防署等の関係機関であったため、区ではこれまで特に把握をしてまいりませんでした。  しかしながら、お話しのありました大阪府北部地震や熊本地震などの状況やこのたびの区の調査などを踏まえまして、医師会や災害拠点病院等から構成する災害医療運営連絡会及びその部会、その他医療関係者が集まる会議等で非常用電源の確保及び点検状況について確認を行ってまいります。  また、六月に消防庁より消防用設備等の点検の基準等の一部改正が公布されておりますが、こうした法改正などの情報共有を図るなど、災害時において非常用電源が正常に稼働されるよう働きかけを進めてまいります。 ◆上川あや 委員 終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 本日、私からは、保育の課題について質問したいと思います。世田谷区の保育園に入園希望の方からいただいた御意見をもとにした質疑です。  一点目は、認可保育園に入園していたとき、父母どちらかが転職したときの対応についてです。  まず、転職活動をする際、週五日八時間以上という就労条件が変わらないにもかかわらず、退園させられる可能性があるという点について保護者から問い合わせがあった場合、世田谷区としてはどのように対応しているのでしょうか、お答えください。 ◎有馬 保育認定・調整課長 認可保育園に在園している保護者から、転園に関するお問い合わせがあった場合の対応でございますが、自己都合で退職し、次の就職先が決まっていない場合には、三カ月の求職期間を見込みまして、その間に転職できる場合は、引き続き園に在園できることとしております。ただし、会社都合等で離職、転職をせざるを得なくなった保護者の方を除き、入園した年度内については、この入園の継続に関する取り扱いは適用しておらず、切れ目なく再就労することをお願いしております。  待機児童が多く、認可保育園に入園したくても入園ができない保護者がいる中、このような取り扱いをお願いしておりますが、子どもの視点に立ちますと継続的な保育の提供といった点などに課題があると認識しております。 ◆すがややすこ 委員 今御答弁がありましたけれども、三カ月間の求職期間は見込んでいただいているということですけれども、その入園した年度内、だから入って一年以内だとそれが適用されないというふうにも聞いています。  この方が区役所に問い合わせたところ、転職が具体的になったときに、改めて相談してもらえれば考慮できるかもしれないという回答だったというんです。ただ、保育園に入園を希望する立場から言えば、考慮してもらえるかもしれないし、もしかしたらしてもらえないかもしれない、そういう不安定な状況下では、転職活動もままならないというか、やっぱりそこに不安を感じるというのも事実だと思います。  転職したとしても、先ほど申し上げましたが、週五日、八時間以上という働き方を維持する以上、勤務先がどこに変わろうと、何度変わろうと行政が口出しすることではないのではないでしょうか。こういった転職に関する区の見解をお聞かせください。 ◎有馬 保育認定・調整課長 先ほどお話ししましたとおり、待機児童が多い中、より保育の必要性が高い方に入園していただく観点から、保護者の方々には入園の継続に関する転職の取り扱いについてお願いをしてきたところでございます。  一方、待機児童数が減少傾向にあり、働き方の多様化が進んでいる社会情勢を踏まえ、区としましては、御指摘の入園後における入園の継続に関する転職の取り扱いについて検討をしてまいります。 ◆すがややすこ 委員 今、御答弁がありましたけれども、やっぱり保育園待機児童がまだ世田谷区でもいる以上、世田谷区としてもちゃんとルールのもとでしっかりと運営をしていただきたいと思うんです。  ですので、例えば保育に関していろんな方からお問い合わせがあると思うんです。ただ、そのときに、このときはこれができて、このときはこれができなかったみたいな可能性も今の話ですとありますよね。ですので、例えば私自身、世田谷区議会議員になろうと思ったきっかけがやっぱり保育で、そのとき区役所に行ったときに、これは何度も言っているんですけれども、区の窓口の方に、私は一度会社をやめてしまっていたので、今申し込んでも無駄ですよみたいなことを言われたんです。だから、その当時は申し込まないでほしいと言われたんですよ。十七年ぐらい前の話だから、また今とも状況が違うので、あれですけれども。  要は保育園待機児童をふやしたくないわけじゃないですか。今そんなことは窓口で絶対言わないと思いますけれども、当時はまだそういう習慣がありましたし、もっと言ったら、会社でも、要は妊娠して、おなかが大きい人に営業はやらせられないみたいなことを言われたりとかして、まだそういう時代だったので、いろいろあると思いますけれども、やっぱり区民の方から区役所に問い合わせがあったときに、そのとき、そのとき対応が違うということはないようにしていただきたいなということで、転職関係についても、改めてルールを決めていただきたいなと思います。
     ちょっとここからなんですけれども、働き方も多様化しているというふうに、今、有馬課長の御答弁もありましたが、こういったその制度のもとで、要は転職をすると退園させられてしまう可能性があるという制度の中では、男の人ももちろんそうですけれども、キャリアアップの機会を阻んでいると思うんです。結局それが職業選択の自由を規定している憲法第二十二条に違反するのではないかなというところまで考えざるを得ないと思うんです。  以前は、これもちょっと以前も指摘させていただいたんですけれども、育休明けポイントの加算があることというのが、一度仕事をやめた方とか、あと育休中に別のキャリアアップの機会があったとか、あとはフリーランスで働く方とか、いろいろな働き方のケースがあるわけですよね。そういった方々にとってはやっぱりすごく不利な条件になってくるんです。働き方の多様化により、ポイントの考え方とかもやっぱりこれから検討していかなきゃいけないのではないかなというふうに思っています。  保育園に入園を希望する区民の方々が、育休明けポイントについて区役所に問い合わせたところ、区としては、育休を取得した女性がもともと働いていた職場に戻ることを推奨している、こういった回答があったわけです。ただ、その受け取り方にもよると思うんですけれども、こういう考えで育休明けポイントが加算されているとすれば、先ほど申し上げた憲法違反にもつながるのではないかというふうに考えます。この点については質問しませんけれども、ぜひ区役所としても引き続き検討していただきたいと思います。  次に、別の視点ですけれども、これもいろんな方から御意見があると思うんですが、十二月以降に生まれるお子さんの保育園入園申し込みについて、世田谷区としてはどのように対応しているのかお答えください。 ◎有馬 保育認定・調整課長 十二月以降に生まれたお子さんの四月一日の入園申し込みについては、現在は二月に行われる二次選考にお申し込みいただいており、一次選考で内定できなかった方とあわせて二次選考を実施しております。二次選考の枠として、私立保育園のゼロ歳児の枠を設けておりまして、現在は百三十名程度の四月の入園を確保しております。一方、他の自治体では、四月入所の一次選考に限り、出産前の申し込みを可能としている事例もございますが、区としましては、出産日のおくれなどによる事態等も影響し、選考全体に影響するデメリットもございます。御指摘の一次選考の申し込み締め切り後の生まれたお子さんの四月一日の入園申し込みの対応については、区としては、現行の二次選考の枠を少しでもふやす方向を待機児童の状況を見ながら検討してまいります。 ◆すがややすこ 委員 もう一点、プレコンセプションケアという質問も用意させていただいていたんですが、済みません、それは四定に回したいと思います。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、予算委員会に引き続き、保育園の入園状況の情報公開について質問いたします。  ことしの予算委員会では、以前に一次選考に漏れたお母様からいただいた御意見を取り上げ、質問いたしました。一次選考の結果通知が来たが、区のホームページには何も発表されていない。また、どのような選考方法で、結果として何人が入園することができたのか、自分はどのくらいの位置にいるのか、何が原因なのか、点数が何点なのか、もう少し情報が欲しいという御意見を受け、区はホームページでもう少し詳細な情報を提供すべきと質問いたしました。その後どうなったのか、進捗状況を伺います。  また、ホームページについてですが、世田谷区のトップページから入ると、認可保育園の空き状況が園ごとに閲覧する方式に変わっていて、一覧性が失われている。また、一覧性のページにたどり着けない、空き情報をわかりやすく情報提供するために工夫をしていただきたいと質問いたしました。この点も進捗状況についてお伺いいたします。 ◎有馬 保育認定・調整課長 保育に関する情報提供でございますが、個別の質問は電話等で個別に対応しておりますが、区民の方々から御質問を受ける一般的な内容につきましては、御指摘を踏まえまして、毎年九月に発行する保育のごあんないに反映するとともに、ホームページに新たなページを作成し、入園申込、書類の書き方、保育料、支給認定等に関し、百を超えるFAQを新たに掲載するなど、情報提供に努めております。また、初めて保育園を申し込まれる保護者を対象に、各地域において説明会の開催を始めたところでございます。  次に、認可及び認証保育所の空き状況についてでございますが、区のホームページから情報にたどり着けないとの御指摘がございましたが、現在は地域ごとに一覧で確認できるなど、既に改善を図っております。  保育に関する問い合わせ内容は多岐にわたっておりますので、今後も引き続き区民が必要としている情報を積極的に配信するとともに、来年十月には幼児教育、保育の無償化も予定しておりますので、適切なタイミングで情報を提供してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、幼稚園での預かり保育の拡充について伺います。  現在、多様な働き方がふえている中で、例えば週三から週四のパートタイムの方や自営業の方などの場合、フルタイムではなくても子どもを預けたいが、選択肢が限られており、フルタイムの認可保育園を希望せざるを得ない状況が続いており、依然として待機児童が多い状況、今後の保育はフルタイム型から多様なニーズに対応した保育サービスの提供が必要であり、その保育の一つとして、幼稚園の預かり保育の拡充が効果的で、待機児童解消にもつながると考えております。  以前から何度も質問しておりますが、前回の予算委員会の答弁では七園から二園ふえて九園において実施していただいているとのことでした。進捗状況をお伺いいたします。 ◎有馬 保育認定・調整課長 幼稚園の預かり保育の拡充についての御質問ですが、区では保育園と同様の保育時間で預かる標準型が八園、保育時間が比較的短い準標準型が一園の合計九園において、区独自の補助制度による私立幼稚園等の預かり保育を実施しております。  また、国の補助制度を活用し、教育時間の前後などに保育を行う事業もございますが、今年度から新たに二園が加わり、三園で預かり保育を実施しております。その他の私立幼稚園でも独自の預かり保育を現在二十八園で実施するなど、保護者の多様なニーズに対応しているところでございます。  区としましては、保護者の多様なニーズを踏まえながら、私立幼稚園等の個別の実態をお聞きするなど、丁寧な協議を進めながら、保育待機児の解消と私立幼稚園等の教育の振興を図ってまいります。 ◆ひうち優子 委員 今年度から三園で預かり保育を新たに実施していただいているということで、引き続き拡充についてよろしくお願いいたします。  次に、平成二十五年決算委員会で質問した病児・病後児保育施設の拡充について伺います。  以前に世田谷区は、病児・病後児保育施設が足りない、予約をとろうとしてもいっぱいで預けられなくて大変という声をいただき、特に子どもは急な発熱や感染症、けがといったケースが多く、親にとっては保育園に預けていても不安材料である、世田谷区は特に病児保育施設が足りない状況、また、予約がとりづらい原因として、一旦予約をしても子どもの熱が下がってキャンセルする場合が多く、予約がとれない要因の一つであるとのことでした。  今後、予約システムを改善するなどして予約をとりやすくしていただきたいと問いましたが、現在の進捗状況についてお伺いいたします。 ◎後藤 保育課長 病児・病後児保育事業につきましては、平成二十五年以降三施設を新設いたしまして、現在病児対応型施設が八施設、病後児対応型施設が三施設で、合わせて七十八名の定員を確保してございます。  保育需要が増大し、登録者数も伸びており、お話しのとおり、感染症の流行期等には予約がとれないという声もいただいております。こうしたことから、病児対応型施設を中心に、引き続き利用定員の拡充に取り組んでいるところでございます。  また、予約につきましては、利用者の利便性を高めるため、一部の施設において独自にネットシステムを導入している施設もございます。平成二十八年度からは全ての病児・病後児保育施設を集めた意見交換会を開催しており、そのような情報やノウハウを施設間で共有できるよう努めているところでございます。  今後も医師会等の関係機関に御協力をいただきながら、利用しやすい環境の整備に取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 引き続きよろしくお願いいたします。  次に、産後ケア事業について伺います。  先日、山梨県山梨市の公設民営の山梨市立産婦人科医院に視察に行ってまいりました。この病院では、妊娠、出産、育児などライフステージに応じた健康支援を行っており、施設のベッドも十九床と広く、妊産婦がゆっくり静養でき、安心して退院できる体制が整っておりました。  院長先生のお話では、本来、産婦人科がしっかりしてケアできるのであれば、産後ケアセンターは必要ないとのことでした。しかし、都内で出産する場合には、出産後一週間もたたないうちに退院することとなり、生まれたばかりの子どもへの接し方も十分でないまま、多くの家庭では親子だけの状態になってしまう。こうしたことから、全国に先駆けて、産後ケアセンターを立ち上げた世田谷区を初め都市部にこそこうした事業の必要性が高いと考えます。区の考えを伺います。  また、施設やそこで働く助産師などの専門性を地域の子育て家庭にも還元すべきと考えますが、あわせて見解をお伺いいたします。 ◎松本 子ども家庭課長 産後ケアセンターを開設した背景として、世田谷区の子育て家庭の約三人に二人が、頼れる親族が近くにいないという状況があるなど、都会ならではの母親や子育て家庭の孤立化が課題となっておりました。  開設から十年がたち、施設の特性を生かし、乳児がいる生活への適応や母親のセルフケア能力の向上の促進、地域における仲間づくりなどに取り組んでおります。また、受託事業者の自主事業として行うボディーケアや母乳外来は地域の方でも利用できます。今後、地域の母子が利用できる事業をさらに広げていく予定です。  このように産後ケアセンターは、都市型の実家機能を補っており、今後とも子育て家庭の孤立化の防止等に役立ててまいります。 ◆ひうち優子 委員 引き続き広げていただくということですので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、認知症の在宅支援について伺います。  認知症カフェの実施状況について、高齢化の進展となって地域の認知症高齢者もふえています。ちなみに我が家にも認知症のおばあちゃんもいますので、でも、年をとれば誰でも認知症になる可能性があります。認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる地域づくりは、区として差し詰まった課題とも言えます。  近ごろでは、認知症カフェという言葉をよく聞きます。認知症の本人や家族が参加して、介護や医療などについて気軽に相談したり、認知症家族の会の参加者の方々と交流をしたり、情報交換ができるので、区内の介護施設でも地域貢献の一環として、認知症カフェに取り組んでいるところがあります。  そこで、お伺いしますが、世田谷区内には認知症カフェがどれぐらいあるのか、区はそのカフェの活動をどのように支援しているのか、区の取り組みについてお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症の御本人や御家族が身近な場所で、介護や医療などについて気軽に相談したり、地域の方と交流できる認知症カフェは、平成三十年九月現在で、二十四地区で四十カ所が運営されております。  認知症カフェは、相談の場や交流の場だけでなく、認知症の正しい理解をいただき、地域での見守りの意識を醸成する場でもあります。  区では、運営者同士の意見交換や運営継続に関する相談ができるよう、交流会や巡回訪問を行っております。また、区民に広く周知できるよう、あんしんすこやかセンターで認知症カフェの御案内や区ホームページへ掲載するほか、今年度は認知症カフェガイドブックの作成を進めております。 ◆青空こうじ 委員 認知症家族の支援にどのように取り組んでいくのかもお伺いします。  家族が認知症になると、介護する家族はさまざまな困り事を抱えます。御本人への対応方法や介護の方法がわからない、いつから介護サービスを使えばよいのかわからない、どこに相談してよいかわからないというような、突然始まる介護生活に戸惑う家族は大勢いることと思います。  区は、平成三十年度から平成三十二年度までの第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定し、認知症施策の推進についても計画の柱の一つに位置づけています。第七期の計画では、認知症の家族支援にどのように取り組んでいくのか、これもお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 区では、介護による負担軽減や家族介護者の孤立予防、家族介護者の会のネットワークづくりに取り組むほか、認知症の正しい理解を進め、地域での見守りや支援をする認知症サポーターの養成を進めており、累計で二万八千人となり、今後もさらにふやしていく予定です。  あんしんすこやかセンターに設置しているもの忘れ相談窓口では、状況を丁寧にお伺いし、家族会や臨床心理士による家族のための心理相談、御家族向けのストレスケア講座などの事業を御案内しております。また、認知症ケアパスなどを活用し、将来的な見通しを含めた介護サービスの利用方法の説明も行い、できるだけ長く住みなれた地域で暮らし続けられるよう支援しております。  さらに、認知症カフェのほか、区民が自主的に実施する介護者サロンや家族介護者の会は三十八カ所あり、御家族の相談や交流ができる場が広がっています。介護者の会、家族会のパンフレットは毎年内容更新を行い、認知症カフェと同様に広く区民への周知を行うとともに、交流会の開催など、家族介護者の支援の充実に努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 次に、認知症介護のサービスの質の向上についてもお伺いします。  第七期の計画では、区の認知症高齢者の人数も載っていますが、介護保険の要支援、要介護の認定を受けている方は約三万八千人で、そのうち認知症の症状があり、介護を必要とする方は約二万五千人います。認定を受けている方の半数以上となります。ということは、介護事業の職員の多くは、認知症の方を介護しているということになり、安心して介護サービスを利用できるようにするためにも、介護事業所の認知症ケアの充実は大変重要だと思っております。  区は、介護サービスにおける認知症ケアの充実についてどのように取り組んでいくのか、これもお伺いします。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症の人の在宅生活が中断される最大の要因は、強い興奮や妄想などの行動心理症状であり、認知症のケアに携わる方が適切なケアを行うことは、在宅生活を支援する上で大変重要であると認識しております。  区では、認知症のケアに携わる方が適切なケアが提供できるよう、東京都の認知症の人の地域生活を支援するケアプログラム推進事業のプログラムを活用して、人材育成の研修を本年九月より本格実施しております。研修の受講者はアドミニストレーターと呼ばれ、それぞれの事業所での認知症緩和ケアのリーダー役となります。  研修の内容は、在宅生活の継続に向け、行動心理症状を御本人の意味ある行動と捉え、その背景にあるニーズを分析し、適切なケア計画を立て、チームで一貫したケアを実施し、行動心理症状を緩和させるものです。  今後も引き続き、認知症になっても誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、認知症ケアの充実に向けた取り組みを一層推進してまいります。 ◆青空こうじ 委員 私も梅丘に参り、認知症家族の会によく参加しました。今、梅丘から下北沢のタウンホールのほうに行ったんですが、そっちのほうはまだ一回も行っていないんですけれども、あそこに行くと、そこに来るだけで、ふだん、旦那さんとか、奥さんがもし認知症になった人が、いろいろ家族の方に預けて、そこに来るだけですごく安心すると言うんです。ぜひ家族の会も大事にしてください。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆安部ひろゆき 委員 それでは、自民党の質疑を進めさせていきたいと思っております。  昨年の予算特別委員会で、私、保険者努力支援制度について質問したところなんですけれども、一応一年以上経過しました。その後の状況について伺っていきます。  この保険者努力支援制度、これは国民皆保険制度を持続可能にするために、国の国保制度改革の制度でありまして、国保の財政基盤の強化を図るために施行されたというふうに伺っております。  まず、この制度の概要と取り組み状況について伺います。 ◎太田 国保・年金課長 保険者努力支援制度は、保険者の医療費適正化に向けた取り組み等に対し、国が評価指標に基づき財政支援を行うものでございますが、平成二十八年度より制度の前倒しが行われ、今年度から本格実施されております。評価指標は、特定健診や特定保健指導の実施率、糖尿病等の重症化予防の取り組み状況、データヘルス計画の策定状況等が設定されております。  交付額の算定方法は、評価指標ごとの点数や被保険者数により算出した点数を基準とし、全保険者の算出点数の合計に占める割合に応じて交付される仕組みとなっており、今年度の区市町村分の予算規模は五百億円となってございます。  区では、被保険者の健康の維持増進並びに医療費の適正化を推進することを目的にこの制度を有効活用し、平成二十八年度から重複服薬者に対する取り組みとなる重複服薬者へのアプローチ事業、平成二十九年度から糖尿病等の重症化予防の取り組みとなる糖尿病性腎症重症化予防事業を開始しており、平成三十年度の交付分として二億六千万円となっております。  なお、国の資料によりますと、都道府県別の被保険者一人当たりの交付額については、全国が千六百八十八円で、東京都は千三百三十三円となっております。一方、世田谷区につきましては、交付額二億六千万円を被保険者数で割って単純に試算いたしますと、一人当たり千二百七十二円の交付額となり、さらなる努力が求められている状況でございます。 ◆安部ひろゆき 委員 当初、平成三十年度の交付金が約二億六千万円であったということは伺っていたんですけれども、果たしてその金額というのが妥当なのか、どう評価するのかわからなかったんですが、今の答弁から、保険者として世田谷区の医療費適正化に向けた取り組みに対し、国の評価が低いんだということがわかりました。この交付金はまさにその保険者、世田谷区の通信簿と言ってもいいんじゃないかなというふうに思うんですが、そのことを鑑みますと、区は結果として取り組みが足りなかったと言わざるを得ません。  二十九年三月の先ほどの予算特別委員会の答弁で、重複服用者に対する取り組みであるとか、糖尿病等の重症化予防の取り組み、それ以外にも、私、がん検診であるとか、歯周疾患の検診についても、評価項目に入っているわけで、評価基準を達成できるように努めるというふうにも答弁を受けております。  国保課は、今まで種々の取り組みを行っていると思うんですけれども、昨年の評価指数の中で、世田谷区の取り組みが余り評価されていない項目が多くあるのではないかなと想定できます。毎年その結果を検証しまして、次年度に反映することが重要だと思っているんですけれども、そこで伺いますが、昨年度の取り組みに対する課題はどのような事柄があったかについてお答えいただけますでしょうか。 ◎太田 国保・年金課長 保険者努力支援制度の評価指標の中には、特定健診や特定保健指導の実施率等、これまでの健診事業の実績を評価する項目がございます。都市部における健診等の実施率は、対象者の転出入が多いこと等の理由から、地方と比べて低い数値となるため、これらの項目については高いポイントを獲得することが難しい状況にございます。  また、個人へのインセンティブ提供の取り組みでは、国はガイドラインにおいて、歩いた歩数や健診等を受診することでポイントがたまり、たまったポイントで物品等と交換できるヘルスケアポイント事業の導入を一例としております。この事業は、システムの利用料等で多額の初期費用がかかることや対象者が物品等を獲得することが目的化する可能性があり、事業の導入に当たっては慎重に検討を進めていく必要があるというふうに考えてございます。 ◆安部ひろゆき 委員 今の答弁の内容で、なかなか改善できる項目がないような感じで聞こえてしまうんですけれども、これは区としてもっともっと進めていかなければ、ますます全国平均からおくれてしまうというふうに懸念されます。  先ほどの個人へのインセンティブの提供は問題があるということなんですけれども、今回の保険者努力支援制度自体そのものが、まさに国から保険者へのインセンティブな施策と言ってもいいんじゃないかなと思うんです。そういったきっかけがあって、初めて区民のモチベーションの向上であるとか、医療の適正化につながることもあろうかと思いますので、あらゆる選択肢を検討すべきだと思っています。  組合健保などは、全て保険料で給付を賄っている医療制度でありまして、国保は税金が投入されているわけですから、ぜひその国保はさらなる努力をしていただかないと、なかなか国民全体が納得できないふうな危惧をしてしまうわけです。  その上で伺いますけれども、国民健康保険の保険者努力支援制度に対して今後どのように取り組んでいくか伺います。 ◎太田 国保・年金課長 国民健康保険の財政基盤を強化していくためには、制度を有効に活用し、健康課題に応じた効果的な保健事業を実施するなど、医療費の適正化を進めていくことが重要でございます。国が定める評価指標は、今後も項目がふえ、その達成基準も厳しくなってくることが想定されます。区といたしましては、定められた評価指標ごとに取り組みに係る費用対効果を見きわめ、効果が得られると判断した取り組みにつきましては積極的に実施してまいりたいと考えております。  保険者努力支援制度は、各保険者が国保の抱える課題へ対応することで保険者機能を強化することが目的となってございます。区は保険者として、今後も支援制度を積極的に活用し、被保険者の健康の保持増進並びに医療費の適正化を進めてまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 太田課長さんはたしか今期から国保課に異動されたというふうに聞いています。今回の結果を踏まえて、前任者以上に次年度に向けて、ぜひさらなる取り組みを進めていただきたいというふうに思っています。かなり大きな範囲についての改革というのか、取り組みが必要となっていくと思いますので、国保課だけで対応するというよりかは、まさに福祉保健全体、ひいては区全体が取り組んでいかないとなかなかうまくいかないことがあるんじゃないかなと思うんです。その辺に関して何か御意見がありましたら、お願いできますか。 ◎板谷 保健福祉部長 ただいま太田課長のほうから御答弁させていただきましたように、保険者努力支援制度は、各保険者が抱える課題へ対応することで保険者機能を強化することが目的となっています。今、御答弁の中でもさせていただきましたとおり、対象は特定健診や特定保健指導、がん検診、また医療費の分析、給付の適正化、また、国保の視点からの地域包括ケアの推進など、多岐にわたっています。関係機関、関係所管等連携を強化しながら制度の積極的な活用を図り、被保険者の健康保持増進、または国保制度の持続的な維持のために医療費の適正化等に役立ててまいりたいと思います。 ◆安部ひろゆき 委員 次に行きます。今度は保険者機能強化推進交付金。  先ほどの名前とちょっと似ているので、なかなかわかりにくいかもしれませんけれども、これは実はさきの一般質問で私、質問しました。その内容と今後の効果的な保健事業について伺ったわけなんですけれども、その答弁におきましては、地域包括ケアシステムの強化法によりまして、保険者、この場合は世田谷区でありますが、高齢者の自立支援、重度化防止に対する取り組みで、国が示す評価指標をもとに取り組みを評価し、結果に基づいて保険者に配分し、その結果の公表と財政的インセンティブの付与がポイントであります。今後は、企画、実施、検証を継続的に行い、さらなる事業展開を進めるというような答弁をいただいたわけなんですけれども、まさに、先ほどの国保の保険者努力支援制度の介護保険版というんですか、今期初めて、国が示した評価項目に世田谷区の達成状況を申請したというふうに伺っています。  国保努力支援制度と同様、世田谷区が今まで行った介護保険制度の取り組みでありますけれども、今回は保険者機能強化推進交付金の国における予算規模というんですか、世田谷区で想定される交付金額について、わかれば教えていただけますか。 ◎杉中 介護保険課長 平成三十年度の介護保険制度改正で新たに設けられた保険者機能強化推進交付金は、保険者機能の強化に向けて、高齢者の自立支援や重度化防止等に関する区市町村及び都道府県の取り組みを推進するため、各自治体の達成状況に応じて交付されるものです。  なお、交付金の使途は介護保険の認知症施策等の地域支援事業等に限定されております。  国の交付金の予算は二百億円で、そのうち都道府県分は約十億円、区市町村分は約百九十億円となっております。  交付金の評価指標の該当状況調査については、東京都へ九月上旬に提出し、都から十月中に国へ提出することとなっております。各区市町村に対する交付額は、各指標の達成状況による評価点数と第一号被保険者数、評価項目によっては国において保険者の上位の割合に応じて算定され、平成三十年十一月末に国から内示される予定となっており、現時点では交付金額は未定ですけれども、決まり次第御報告させていただきます。 ◆安部ひろゆき 委員 交付金の金額なんですけれども、先ほど説明があったとおり、しっかりやっている自治体には多く交付すると、余り熱心でない自治体については、申しわけないけれども、交付金は少なくなりますというシステムですよね。今までの世田谷区の取り組みについて、まさに今回、十一月ですか、その真価が問われるんじゃないかなというふうに感じているわけなんですけれども、それについてはしっかりと注視していきたいと思っています。  これは仮定の話なんですけれども、もし全ての自治体が全て同じ評価点数の場合は、交付金の金額というのは介護保険の第一号被保険者数の数で決まってくるんだというふうに聞いています。世田谷区の場合は、その人数でやると、約一億円をちょっと超すぐらいじゃないかというふうに伺っているんですけれども、その上で伺いますが、今回の評価指標の内容と交付金に対し、区はどのような見解を持つか伺います。 ◎杉中 介護保険課長 交付金の評価指標は、地域包括ケア見える化システム等を活用した保険者機能の強化に向けた体制等の構築、在宅医療、介護連携や認知症対策等の自立支援、重度化防止等に資する施策の推進、また介護給付の適正化等、六十項目にわたります。
     区といたしましては、今後とも着実な交付金の確保に向けて、自立支援、重度化防止等の施策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◆安部ひろゆき 委員 次へ行きます。世田谷たばこルールについて。  先週の金曜日、私は区民生活所管の特別委員会で、世田谷たばこルールについて質疑をさせていただいたわけなんですけれども、また、我が会派におきましては代表質問で、東京都の受動喫煙防止条例についても質問したところであります。その上で、福祉保健所管の中で、世田谷区ではまさに十月一日から新しいたばこルールがスタートしたわけなんですけれども、東京都の受動喫煙防止条例は喫煙者にとってかなり厳しい内容だと伺っています。これについてはかなり問題等が提起されまして、小池都知事さんも議会では過半数を超して優位であるにもかかわらず、なかなか議会は混乱したと。  その中でも、今回、国政とのたばこに対する規制と大分差があるんだという中で、今回の条例可決におきましては、医師会さんからのいろんなエビデンスだとか意見を取り込んだ上で立案したというふうに私は伺っているんです。  そういった意味で、保健所としては、受動喫煙、迷惑防止という観点もあるのかもしれませんけれども、喫煙者に禁煙を促すため、たばこを吸えない環境にするということが、まさに喫煙者その方の健康を守るため有効な手段だということは、多分重々理解しているはずと思います。まさに東京都からいらしたお医者さんであります辻保健所長さんは、世田谷たばこルールの検討委員会にも参加していたというふうに聞いていますので、今回のルール、罰則規定がないとかいうことでいろいろ、本当に実際どうなるのかわからないようなルールだというふうに言われていますが、そのお考えがもしありましたら、お答えください。 ◎辻 世田谷保健所長 受動喫煙は、がんや虚血性心疾患、脳卒中等の発症など、健康に影響を与えることが科学的に明らかで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、国では健康増進法の一部を改正し、東京都においても新たに条例を制定するなど、受動喫煙防止対策を強化する動きがございます。  区におきましては、屋外の公共の場所等での環境美化及び迷惑防止を促進する観点から、本年四月に世田谷区環境美化等に関する条例を制定し、本年十月より世田谷区たばこルールを施行しております。  このたばこルールの検討委員会に保健所も参加いたしましたが、このルールについて検討委員会では、罰則による規制ではなく、区民協働により地域のたばこマナーが向上するまちづくりの実現を目指すとしております。  保健所といたしましても、受動喫煙を防ぐためには、禁煙支援や禁煙教育などにより一層取り組むとともに、罰則といった規制ではなく、喫煙する人としない人の双方が、喫煙や受動喫煙に関する正しい知識を理解し、深めていくことにより、お互いに相手を思いやる行動がとれるようになることが受動喫煙対策としても重要だと考えております。  保健所といたしましては、今後とも、世田谷区たばこルールの取り組みとも連携を図りながら、健康の観点から受動喫煙対策に積極的に取り組んでまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 今回、施行したばかりのルールですので、なかなか区との見解について相違があることは発言なんかはしにくいんじゃないかと思いますけれども、今回、東京都の条例なんかは、お医者さんの意見をかなり尊重しているというふうに聞いていますので、世田谷たばこルールが本当に実効性があるかないかどうかというのを、今後数年間、状況を見て見直しをするんだというふうに、区民生活特別委員会のほうでも答弁がありましたので、一人でも多くの方々が健康被害を受ける前に禁煙できる環境を整えていただけることを切に願うばかりであります。  次に、健康先進都市戦略、福岡一〇〇というのがあるんですが、これはことしの夏、私たち自民党区議団が福岡市役所に視察に伺いまして、その福岡市の施策について伺ってきたわけなんですけれども、福岡市も世田谷区と同様に、これから高齢化が非常に見込めると。特に七十五歳以上の方が顕著で、今後、病床であるとか、介護に対する人材不足であるとか、高齢者の単独世帯の増加など、非常に老後に対して不安があるんだということであります。  ただちょっと違うのが、福岡市は、御存じだと思いますが、非常に経済が発展している、これからもしていくんだと。なおかつ若い方がふえていて、成長力が非常にあるということ。また、企業がスタートアップというんですか、本当にそれについては日本一だそうです。そういった意味で福岡市は、今、この中で生涯現役社会、また、産学官民によるオール福岡によって推進を宣言し、人生百年時代の健寿社会モデルをつくる百のアクションを制定しているわけです。それが今回の健康先進都市戦略、福岡一〇〇なんですけれども、その中で、多肢にわたっていろいろこれからやっていくというふうに伺っているんですが、その一つの中に、全ての市民がケアや介護に参加するために、ユマニチュードコミュニケーション技法というのがあるらしいんです。それを取り入れているということなんですが、世田谷区でも種々いろいろ取り組みを導入していると思いますけれども、この他の自治体が取り入れている手法などを取り入れることも有効なんじゃないかなと思うんですが、それについては見解がございますか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 福岡市で取り組まれている認知症コミュニケーションケア技法のユマニチュードは、フランスで生まれた認知症ケアの技法です。人間らしさを取り戻すという意味のフランス語で、見る、話す、触れる、立つの四つを柱とし、強い興奮や妄想などの行動・心理症状のある方へのケア方法の一つと認識しております。  区では、認知症の方の在宅生活を支援するため、認知症サポーター養成講座や認知症講演会などを実施し、認知症に関する正しい知識や驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけないなど、誰もが実践しやすい認知症の方への接し方の普及啓発を進めております。  さらに、平成二十八年度から二年間、東京都のモデル事業に協力し、行動・心理症状の改善効果が認められた認知症の人の地域生活を支援するケアプログラム推進事業のプログラムを活用して、認知症ケアに携わる介護職員を対象に、本年九月より適切なケアが提供できる人材育成の研修を本格実施しております。  今後も引き続き、認知症になっても誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、御本人と御家族の視点に立った認知症ケアの充実に向けた取り組みを一層推進してまいります。 ◆安部ひろゆき 委員 ほかにも今いろいろな取り組みがある中で、外国人の技能労働者の研修とかいろいろあるんですが、ちょっと時間がなくなってきたので、次に行かせていただきます。  次は、ライフステージに沿った健診予防事業についてなんですけれども、これが最後の質問になりますが、よく昔、揺りかごから墓場までなんて、第二次世界大戦の後、イギリスの社会保障のスローガンに上げて施策に反映したんですが、御存じのとおり、余りにも手厚いスローガンだったものですから、財政は破綻しまして、まともな医療サービスを受けられなくなったということがあったそうです。  社会保障というのは本当に肥大化しやすくて、まさにこのイギリスみたいな、一国の経済までも破綻のふちに追いやることが歴史上証明されているわけなんですけれども、日本国におきましても、社会保障費が増大し、その懸念がありまして、国民皆保険制度の維持には、これから無駄な医療費を削減することが重要で、そういった意味では、ライフステージに沿った予防医療というのが重要だと思っています。  健診予防事業については、出産から子育て、またずっと過ぎまして高齢者まで、多数あるんですけれども、実は冊子等ではあるんですが、一目でわかるような資料、リーフレットというんですか、そういった広報媒体というのが区には余りないんです。  実はせたがや子育て応援ブックというのがことしの四月に発刊されているんですが、これなんかは産前産後の資料について詳しく書いてあるので非常に評価するところなんですけれども、それ以外の他科の診療科目についてはそれほどないように見受けられます。  実は世田谷区歯科医師会という団体が、「歯っぴいライフ世田谷」という冊子があるんですが、そこの中に、生まれる前から、生まれた後の高齢者までの一覧の見やすい案内があるんです。お口のライフスケジュールのパンフレットがあります。いろんな広報媒体があるんですが、活字などの案内はなかなかインパクトがなくて見てくれないという中で、この資料は大変見やすいなと、工夫されているんじゃないかなと思っています。  区として、ライフステージに沿った予防施策を理解していただくために、より多くの方々に周知するとともに、他科の健診事業についても検討すべきではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 区では、区民の保健総合計画の健康せたがやプラン(第二次)後期におきまして、区民の健康保持増進を図るため、ライフステージに応じたさまざまな健康づくり施策に取り組んでおります。  ただいま委員から御紹介のありました世田谷区歯科医師会が作成するリーフレット「歯っぴいライフ世田谷」は、地域のかかりつけ歯科医師の御紹介に加え、妊娠期から高齢期までのライフステージごとの歯科保健事業が年表形式で掲載され、いつ歯科健診等を受けたらよいか区民にわかりやすく、利用しやすいものとなっていることを承知しております。  一方区には、今御紹介がありましたせたがや子育て応援ブックや、また、がん検診のチラシ、案内等でそれぞれの事業の資料について区民にわかりやすく御案内するように努めておりますが、生涯を通じた健康情報の御案内をするものはございません。  生涯にわたる区民のライフステージに応じたさまざまな健康づくりの御案内の手法等につきましては、今後、課題として検討を予定しております健康情報の発信機能とも比較検証しつつ検討してまいりたいと存じます。 ◆安部ひろゆき 委員 以上で私の質疑が終わりまして、ゆさ委員にかわります。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、引き続き質疑をしてまいります。  イタリアの映画で「ひまわり」という作品があります。二十世紀を代表するイタリアの二人の俳優、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演した私も大好きな作品で、一九七〇年、私が生まれる一年前に日本でも公開された作品です。きょういらっしゃる理事者の中にもごらんになられた方も多いと思います。  舞台は、第二次世界大戦の戦中、戦後のイタリア。洋裁で生計を立てる陽気なナポリの娘、ジョバンナと、アフリカ戦線行きを控えた兵士、アントニオ、二人は海岸で出会い、すぐに恋に落ち、十二日間の結婚休暇を目当てに結婚式を挙げます。二人は幸せな新婚の日々を過ごしますが、休暇の十二日間は瞬く間に過ぎてしまいます。精神疾患による除隊をもくろんだアントニオは、首尾よく精神病院に入院しますが、あえなく詐病、つまり精神疾患を装っていたことが露見します。結果、懲罰のため、過酷なソ連戦線へと送られることになります。見送るジョバンナに、毛皮がお土産だと笑顔を見せるアントニオら大勢の兵士を乗せた汽車はミラノ駅を出発していきました。  数年後、戦争は終わり、ジョバンナは年老いたアントニオの母親を励ましながら、夫の帰りを何年も何年も待ち続けますが、ついにジョバンナはアントニオを探しにソ連に行くことを決意します。かつてイタリア軍が戦闘をしていたというウクライナの町で、アントニオの写真を町行く人に見せながら彼を探し続けるジョバンナ。そして、ようやくたどり着いたある小さな村で、若いロシア人女性、マーシャと幼い女の子、カチューシャと出会います。アントニオの新しい奥さんと娘でした。マーシャはジョバンナを駅に連れていきます。その駅のホームで汽車から降り立ったアントニオとマーシャに連れられてきたジョバンナが衝撃的な再会、しかし、次の瞬間、ジョバンナは背を向け、既に動き始めていた汽車に飛び乗り、座席に倒れ込んでおえつしてしまいます。  ミラノに帰ったジョバンナは、失意のどん底の中、ほどなくして荒れた生活を始めます。一方、アントニオは、新しい奥さんのマーシャを説得した後、約束していた毛皮をモスクワで買い求め、ジョバンナの住むミラノへ向かい、彼女と再会をします。アントニオはジョバンナに毛皮を渡し、もう一度二人でやり直そうと言いますが、そのとき、隣の部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。その赤ん坊を見て、名前を聞く彼に、ジョバンナは赤ん坊の名はアントニオだと言います。ジョバンナもまた別の人生を歩んでいることを知ったアントニオはソ連に帰る決心をします。翌日のミラノ駅、モスクワ行きの汽車に乗るアントニオをジョバンナが見送りに来ますが、そのホームは以前、戦場へ行く若き夫を見送ったその同じホームでした。  こういうストーリーですが、一貫したテーマは、ソ連軍が悪いとか、イタリアの主導者がどうとかという枝葉末節なことではなく、ただひたすら戦争が憎い、戦争さえなければこの夫婦は引き裂かれることはなかった、そういうことから、私自身、不戦の誓いを新たにする、そういう作品だったと思います。  さて、劇中、アントニオは精神疾患を装って除隊をもくろみますが、彼の場合は詐病、しかし、世の中には精神疾患だけではありませんが、本当に病気や障害で苦しんでいる方、御本人や家族がたくさんいらっしゃいます。障害者施策を考える上で大変重要な問題であると思うのが、親亡き後対策です。  先日もNHKの番組で在宅診療をしている医師の活動を紹介していましたが、その医師の訪問先の一つが七十代後半の末期がんのお父さんと四十歳ぐらいの全盲の娘さんの二人暮らしのお宅でした。医師の治療のかいなく、そのお父さんは亡くなりましたが、残されたのはお父さんの介護をしていた全盲の娘さんです。亡くなられたお父さんはその全盲の娘さんのことをずっと気にしながら懸命に生きてきましたが、病には勝てず、ついに最期を迎えます。娘さんがお父さんの最期をみとりましたけれども、その後のこの娘さんの生活に思いをはせるとき、一体これから一人でどのように生きていくのか、亡くなられたお父さんの気持ちを察するに余りあるものだったと思います。  こういう思いを持ちながら生活をしている御家庭というのは、ここ世田谷区内にもたくさんあるのではないかと思います。あるいは、障害のあるお子さんを持つ親御さんの共通の心配事かもしれません。障害者の親亡き後対策というのは、決して新しい課題ではありません。  そこで伺います。障害者の親亡き後対策ということについて、区はどのように考えているのか見解を伺います。 ◎松本 障害福祉担当部長 障害者の介助等をされてこられた親御さんが亡くなられた後の対応ということでございますが、少し数字に触れさせていただきますと、平成二十八年に区が障害者児の実態調査というものを行っておりまして、その中で主に介助、支援をしている方の約四割が親御さんというような御回答がございます。さらに、介助者等の三割の方が御自身の高齢化が不安だと、こういうようなお答えも出ております。また、障害者御自身がどういう生活を希望されるのかということも伺っておりますが、今の家族と暮らしたいという方が五割、それから一人で暮らしたいという方が約一割、そのほか、グループホーム、あるいは入所の施設、こういったところで生活をしたいんだとおっしゃられる方が合わせて一割程度いらっしゃったという結果でございます。  こうした結果を見てまいりますと、介助等を行ってこられた親御さんが亡くなられた後についても、住みなれた住まいで生活したいという方がいらっしゃる反面、ひとり暮らし、あるいはグループホームなども選択肢として捉えていらっしゃるのかなというふうに考えております。  来年四月には梅ヶ丘拠点の民間施設棟ですけれども、こちらに障害者支援施設が開設いたしますので、ここでの生活訓練による自立生活能力の向上、あるいはグループホームの整備、また、今年度から新たに高齢障害の共生型サービスということも出てきておりますので、そういった活用の検討など、施策の充実に努めながら、障害者自身の生活意向を丁寧に伺って、介助者の高齢化とその後も視野に入れまして、訪問サービス、こういった点の活用も含めまして、対応を図りながら、共生社会の実現ということにもつなげてまいりたいと、こんなふうに考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 極めて難しい問題ではありますが、社会全体で障害のあるお子さんや障害者を支える環境を整えなければ、安心して子どもを産み育てることができる社会とは言えないと思います。  今、世田谷区の障害者は、都内や地方の施設に入所している方が五百人くらいいらっしゃると伺っていますが、その方々の中には、親御さんが亡くなったため、やむを得ず施設に入った方もいらっしゃると思います。ノーマライゼーションや共生社会の実現を目指すのであれば、区内で生活できる環境を整えるべきだと思います。  そこで、施設から地域での生活への移行を支援する梅ヶ丘拠点の障害者入所施設がいよいよ来年四月に開設するわけですが、親亡き後を見据えたこの入所施設の位置づけ、役割を改めて確認します。 ◎阿部 障害者地域生活課長 お話にございました梅ヶ丘拠点民間施設棟における障害者入所施設、こちらですが、地域生活支援型施設ということでございまして、原則三年、必要により最長二年の延長を含めた期間、御本人の特性に応じた支援計画のもとで地域移行に向けた支援を実施させていただきます。  具体的には、グループホームへの入居やアパート等での単身生活への移行、また、住みなれた自宅に戻られるということになりましても、家族等の支援になるべく寄らずに自立した生活を送ることができるように、生活リズムの構築、外出、買い物等の支援や訓練を行いまして、移行後も併設の短期入所や訪問系サービス、こちらの利用等によりまして、地域移行、地域定着の実現を図ってまいります。  区といたしましても、同施設において地域生活支援型、この目的に合った運営が行われているかモニタリングを実施しながら、運営事業者と連携し、介護者、介助者の高齢化や親亡き後への対応も見据えた入所者の地域移行と自立生活の実現、こちらを図ってまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 この梅ヶ丘拠点入所施設が地域生活移行型の施設ということであれば、地域に移行先となる住まいが必要になります。また、日中活動の場も同様です。これらの施設は現在不足していると伺っていますが、今後の確保策について、区はどのように考えているか見解を伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 住まいとしてのグループホームの確保、まずこちらにつきましては、都営住宅の建てかえに伴う余剰地を活用し整備する通所施設、こちらに併設しているほか、民間物件の活用といたしまして、ハウスメーカー等に御協力をいただき、グループホーム運営に意欲のある社会福祉法人等と土地の有効活用を図りたい所有者とのマッチングを図るなどの取り組みを進めております。  また、日中活動の場の確保といたしましては、一定の面積を持つ公有地を積極的に活用し、生活介護や就労継続支援等通所施設の整備、こちらを推進しているところですが、民間物件の活用や既存施設の機能転換等も視野に、障害者個々のニーズに対応したさらなる施設整備を推進してまいりたいというふうに考えております。  ですが、グループホームですとか通所施設の整備には、梅ヶ丘拠点施設からの移行先としての確保のみならず、特別支援学校からの卒業生の進路の確保、医療的ケアの必要な方の増加や障害の重度化、高齢化、こういった対応の課題もありますので、現在、中長期にわたる施設整備の基本方針の検討を進めているところです。 ◆ゆさ吉宏 委員 やはり、施設整備はそう簡単に進むものではないと思いますけれども、今後の道筋を明確にするためにも、答弁にありました施設整備の基本方針は重要になってくると思います。  そこで、現在の検討状況と今後の整備の見通しについて伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 現在検討を進めております施設整備の基本方針は、今後の障害者の増加を踏まえながら、障害者施設の需要、施設整備の方策、障害者の高齢化、重度化などへの対応の考え方を整理し、中長期にわたる施設需要への的確な対応を図るため、策定をするものです。  この検討に当たりましては、学識経験者や施設運営事業者にも御参加をいただきまして、本年八月に検討委員会を設置して以降、これまで会議を二回開催しまして、生活介護や就労継続支援B型等の通所施設及びグループホームについて、現状と今後の想定所要量、こちらの確認を行うとともに、今後の整備の方向性等について御意見をいただいているところです。  今月末に三回目の検討委員会を予定しておりますが、これまでの御意見を踏まえ、重度化対応等も含めた個々の特性に対応した多様な受け皿の確保を念頭に課題整理を進めまして、来年二月には検討素材として取りまとめ、次期ノーマライゼーションプラン及び第六期障害福祉計画策定に向けた検討に反映させたいと、このように考えております。  今後、節目では議会のほうにも報告をさせていただき、御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと、このように考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 ぜひこの大きな議論を前に進めていただき、広く区民の皆さんの理解を得て、障害者の親亡き後対策の充実を図っていただきたいと思います。  ただ、こうした課題に対応するためには一定の財源も必要になります。障害者福祉、高齢者福祉、子育てなど、その対象者はふえていきますが、しわ寄せは必ず地方自治体に来ます。区の税源流出は今後百億円のレベルを優に超えてきますが、しっかり財源を確保して、福祉の充実に充てていくべきだということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  続いて、認知症当事者の社会参加の取り組みについて伺います。  がんは、二人に一人がなり得るとともに、治る病気になってきた。一方、認知症、六十五歳以上の高齢者で現在五百万人弱、二〇二五年には約七百万人、高齢者の五人に一人が認知症になると推計されています。  ことし八十九歳になる精神科医の長谷川和夫先生は、一九七四年に認知症診断の物差しとなる長谷川式簡易知能評価スケールを公表した認知症医療の第一人者です。その長谷川先生自身も認知症であることを昨年秋、公表しました。  認知症の御本人や家族のことを考え、認知症に対して寛容な社会をつくることが必要だ、そんな思いから、さきの一般質問では、区における認知症の理解の促進や御本人の社会参加の取り組みについて質問をしました。  近年では、認知症に関する啓発が進み、早期に受診する人がふえ、軽度のうちに認知症の診断がつく方がふえてきました。認知症の御本人が自分のこれまでの経験や得意なことを生かして地域で役割を持ったり、自分のやりたい活動をするなど、社会に参加するために、区はその支援にどのように取り組んでいるか伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症は脳の病気で、誰もが発症する可能性があり、高齢社会が進展し、認知症の方がふえ続けている中、認知症の御本人が地域で役割を持って主体的かつ意欲的に社会参加することは大変重要であると認識しております。  区では、認知症ケアパスを医療機関、あんしんすこやかセンターなどで配布するとともに、認知症サポーター養成講座や認知症講演会など、認知症に関する正しい知識の普及啓発に加え、認知症の御本人や御家族が身近な場所で介護や医療などについて気軽に相談したり、地域の方と交流できる認知症カフェの活動も広がりを見せております。  さらに、平成二十八年度から東京都補助を活用して、認知症当事者のための社会参加型プログラム事業を実施しております。本事業では、認知症通所介護事業所に御協力をいただきながら、平成二十八年度に区内一地域から開始し、平成二十九年度は三地域、今年度には全地域で実施しております。昨年度は社会参加型プログラム事業の一環として、認知症の人を知る講演会を開催し、御本人の声をお聞きしました。  今後も引き続き、認知症の御本人や御家族の視点を重視しながら、認知症当事者の社会参加の取り組みを一層推進してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 今、答弁にありました認知症当事者のための社会参加型プログラムでは、具体的にどのような効果が見られたのか伺います。  また、今後どのようなことに取り組んでいくか、区の見解を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 認知症当事者のための社会参加型プログラム事業は、若年性認知症の方や軽度認知症の方が主体的かつ意欲的に参加できるよう、平成二十八年度から区が取り組んでいるものです。  社会参加型プログラムでは、野菜販売店の商品こん包や値札つけ、農家の畑の土壌づくりや種まき、さらに有償のボランティア活動として、商店の店頭に置くチラシの折り作業を実施するなど、地域との交流は少しずつ進んできております。  また、プログラムに参加されている御本人からはこれからも続けたい、御家族からは表情がよくなったなど、よい評価を得ております。さらに、プログラムに参加されている御本人からは、認知症の本人同士で集まって話がしたいとの希望が聞かれており、今後、認知症の御本人同士が交流できる場づくりについても準備を進めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 認知症の御本人のニーズや意見を把握して施策に反映するためにも、社会参加型プログラムの成果を広く区民に知らせるとともに、梅ヶ丘拠点に開設する認知症在宅生活サポートセンターの取り組みにつなげていく必要があります。区の今後の取り組みについて伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 平成三十二年度、二〇二〇年度に梅ヶ丘拠点に開設する認知症在宅生活サポートセンターは、今年度公募により選定された事業者による一部委託を開始し、センター開設準備を進めております。  認知症在宅生活サポートセンターは、認知症の方や御家族の相談支援を行う地域のあんしんすこやかセンターやケアマネジャーの後方支援のほか、認知症の家族会や認知症カフェなどの地域活動の支援、認知症ケアに関する新たな知見等の情報発信、介護職員への専門研修や認知症サポーターのステップアップ講座の実施など、人材育成の役割を担います。  認知症当事者のための社会参加型プログラムについても、平成二十八年度から実施してきた実績を生かし、今年度作成するマニュアルを含めて、プログラムや認知症の御本人に合わせた活動方法等のノウハウをセンターに引き継ぎ、介護事業所等への普及など、さらなる充実を図ってまいります。  今後も引き続き、認知症になっても誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる地域づくりに向けて、認知症施策を総合的に推進してまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 最後に、児童相談所の設置推進について伺います。  先日の企画総務委員会所管の決算特別委員会においては、都区制度と区財政について質疑をいたしました。区で行っている財調の独自研究などを通じて議会とも議論し、今後の特別区の自主自立に向けた突破口となるよう取り組んでいただきたいと思っております。  都区制度については、平成十二年の都区制度改革により、特別区は基礎的自治体と位置づけられたものの、都市計画決定の権限がないことや、特別区の財政自主権に制限があることなど、依然さまざまな問題が未解決のまま今に至っています。特に児童相談所に関しては、都区のあり方検討とは切り離して、都区間で先行して協議することを合意したにもかかわらず、具体的な協議が進んでおりませんでしたが、平成二十八年の児童福祉法改正により、特別区においても児童相談所が設置できることとなり、現在、その移管に向けて精力的に検討、協議を進めていただいております。また、区側として都区のあり方検討委員会の再開を求めるなど、都への働きかけを強めているところだと思います。  平成三十二年の児童相談所の開設に向け、東京都の協力が得られるのか、また、いつ都の方針が示されるのか、これが区の児童相談所の開設時期を左右する最大の課題であります。  先日、区議会として意見書を決定したところでありますが、この決定を受け、区はどのように東京都との協議に臨もうとしているのか、宮崎副区長の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 先日、区議会において取りまとめられました御意見、本当に心より感謝申し上げます。  この中で、意見書の中に都区双方が持つ資源や特色を生かした新たな協力関係の構築、この言葉は今まで特別区のまとめた中ではなかった言葉でございます。ここの辺のあたりを十分使わせていただきまして、東京都と当たっていきたいと思っています。  三定後に本格的な交渉になると思っておりますが、その中で、この区議会で御議決いただいた意見書をぜひ説明させていただきたいと思っております。理事者の主張のほうからは議会からの意見を踏まえた内容であるということを強く申し入れまして、その中で何とか東京都のほうの、その辺で調整をしていきたいと、このように考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 子どもの最善の利益が確保された児童相談行政を実現するためには、個々の取り組みについてより具体的に十分な議論が必要になります。特に、社会的養護については区民からも非常に高い関心が寄せられていますが、どのような方向で社会的養護の拡充を目指していくのか、区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 平成二十八年の児童福祉法の改正では、社会的養育の充実とともに家庭養育優先の理念が規定されております。  区といたしましても、児童相談所設置・運営計画案でお示しをさせていただいたとおり、子どもが家庭において健やかに養育されるよう、虐待予防に取り組みますとともに、里親などの家庭的な養育を優先した社会的養護の制度設計に取り組んでおります。  拡充に向けた取り組みが急がれるところでございますが、区は現在、児童相談所設置市区としての指定を受けていないため、現時点におきましては東京都が中心となり、里親制度の普及啓発事業や里親家庭への支援事業を行っているところでございます。  しかしながら、受け皿となる家庭の拡充には時間を要することから、区の児童相談所開設を見据えての早期から地域に密着した里親制度の広い区民周知と理解促進が重要となってまいります。  こうしたことを踏まえ、現在は都の普及啓発事業への積極的な協力のほか、これにとどまらず、区独自での関連団体や区民向けの説明会の開催、シンポジウムへの参加などを積極的に進めているところであり、来年度はさらに力を入れていく予定でございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 限られた時間の中で児童相談所を新設し、さらに社会的養護を拡充するということですが、拡充に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、区の見解を伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 まず、何よりも開設当初の安定的な運用のためには、区内の里親、児童養護施設等の皆様より児童相談所の運営を支えていただくということは必要になってまいりますことから、関係者との緊密な意見交換を進めているところでございます。また、短期の養育、障害児の養育など、多様な受け皿を広げていく必要もございますことから、この里親や児童養護施設の御協力に加え、効果的な制度設計について検討を行っているところでございます。  そのような中、本年一月から東京都は関係機関がチームとして里親家庭を支援するチーム養育などの新たな取り組みを始めております。こうした取り組みの効果を見きわめ、里親や児童養護施設ならではの視点を生かした助け合いの仕組みの強化も不可欠であると考えております。  来年の七月を目途に、里親や児童養護施設の皆様と十分な意見交換の上、児童相談所の安定的な運営を図りつつ、これと両立できるよう、新たな取り組みも加えた詳細な制度設計を固め、関係者とともに協力をしながら準備を進めていきたいと、そのように考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 御答弁いただきありがとうございました。  以上で私からの質疑を終わります。ここで、質疑者を上島委員にかわります。 ◆上島よしもり 委員 私からはまず、子ども家庭支援センターについて伺ってまいりたいと思います。
     児童相談所の移管に全力を注ぐ世田谷区だからこそ、総括質疑での我が会派の和田幹事長から、まずは虐待の未然防止を重視すべきということで、児童館の持つ役割の重要性について確認がございました。私からは、子ども家庭支援センターも同様に大きな役割が期待されているということで、改めて質問をさせていただきたいと思います。  全ての子どもと家庭を対象にあらゆる相談に応じる機関であり、支援が必要であれば支援を行い、地域の要保護児童支援協議会の調整機関として、関係機関との連携強化も図っている。また、児童虐待の一義的な通告窓口でもあるということでありまして、子ども家庭支援センターも児童館とは異なった、また違う形でのアプローチで、この重要な役割を担っているということであります。  児童虐待を未然に防ぐには、地域における予防的、また継続的取り組み体制が重要であり、まさに子ども家庭支援センターの役割はますます重要となると考えますけれども、まずその区の認識についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 子ども家庭支援センターは、地域の関係機関等と連携しながら、総合的な相談、支援、各種サービスの提供及び調整等を行い、地域における子どもと家庭の福祉の向上や児童虐待の予防、防止に取り組んでおります。  区は、児童相談所の設置に当たり、子ども家庭支援センターと児童相談所との一元的な運用を大きな柱として、地域の支援を最大限に活用した予防型の児童相談行政の実現を目指しています。そのためには、子ども家庭支援センターは、子どもや子育て家庭のさまざまな相談に寄り添いながら対応し、小中学校、児童館、幼稚園、保育園、民生児童委員など、要保護児童支援協議会の調整機関として、地域の人材や関係機関との顔の見えるネットワークづくりを行い、持てる機能を十分発揮して、虐待の未然防止や早期発見、再発防止に取り組んでいく必要があると認識しています。 ◆上島よしもり 委員 今、御答弁がございましたとおりでございまして、子ども家庭支援センターは寄り添い型ということで、地域で子育てをしていける継続的な支援をしているということですが、現在、具体にどのような取り組みが行われているのか、具体のお話というのはなかなか伺えないんですけれども、例えば児童相談所がかかわる前で対応できた事例などがございましたら、お聞かせいただければと思います。 ◎松本 子ども家庭課長 具体例としましては、例えば第二子出産後の母の育児疲れの支援をきっかけにつながり、支援を継続している事例ですが、出産時に利用した緊急保育の利用中に保育園が第一子の育てにくさに母が困っていることに気づき、子ども家庭支援センターに連絡をいただきました。その後、保健師やケースワーカーが訪問を続け、子どもの観察や母への子育てへの助言を行ってまいりました。  保育園入園後も保健師と子ども家庭支援センターがかかわり、母の育児疲れ解消のためにショートステイの利用につなげるなどの支援を続けていたところ、母が不慮の事故で亡くなり、父子家庭となりましたが、養育支援ヘルパーを派遣するなど、就労と子育てを両立できるよう支援を継続することで、子どもを家庭から離すことなく、地域で暮らし続けている事例もございます。  このように、子ども家庭支援センターは関係機関と連携をとり、子どもや保護者の気持ちを受けとめ、寄り添い、長期的にかかわりながら地域で子育てをしていくことを支援しています。 ◆上島よしもり 委員 非常につらい事例で、対応されたケースワーカーの方も大変だったと、御苦労されたんだなというふうにも想像いたしますが、さまざまな課題を抱えた家庭へのかかわりをつくっていって、そして支援を継続することができなければ、例えば昨今ニュースで見られるような最悪の結果が起こってしまうのだろうと思います。  今の事例を伺っても、やはり重要なポイントは、危機的な状況を発見するところから始まって、その後の迅速な対応、そして継続できる関係づくりと適切に支援する能力だというふうに思います。  国は目黒区の事件を受けまして緊急総合対策をまとめましたが、その中で、区市町村における子ども家庭総合支援拠点の設置を促進し、職員体制、相談支援体制、専門性を強化するよう求めていますが、区は本年から各総合支所保健福祉センターに子ども家庭支援センターを担当する副参事を配置されましたが、まずその成果についてと、そして、体制の強化と専門性の強化の必要性についてどのようにお考えか、あわせてお聞かせください。 ◎松本 子ども家庭課長 区の子ども家庭支援センターは、生活支援課と健康づくり課が一体となって業務に取り組んでいます。このうち、ケースワークの中心を担う生活支援課は、ひとり親家庭や養育困難な家庭の支援ともかかわりのある生活保護業務や生活困窮者対策とあわせて生活支援課長が担任していました。本年四月から子ども家庭支援センターに、児童相談所の開設の準備と、それから速やかな対応が必要な事例への迅速に判断し行動することができるよう管理職を配置しましたが、引き続き、組織体制のあり方を検討しているところです。  具体的には、平成二十八年の児童福祉法改正では、都内の子ども家庭支援センターをモデルに、全国の区市町村に対し、児童等に対する必要な支援を行うため、人口規模に応じた心理担当職員、専門員の配置や、子ども家庭支援員や虐待対応専門員の配置が必須となる子ども家庭総合支援拠点の整備に努めなければならないと規定されました。  国が示す通知を見る限り、既に区が実施している子ども家庭支援センターの業務が基本的には子ども家庭総合支援拠点業務に当たるものと認識しており、今後、関係機関と連携しながら、身近な地域で子どもや子育て家庭を支えていく子ども家庭支援センターのさらなる機能充実に向け、組織体制等を検討してまいります。 ◆上島よしもり 委員 やはり非常に難しい、厳しい家庭状況と向き合って直接支援をしていくケースワーカーの方々には、さまざまな心的ストレス、また体力的な無理も生じてくることが想像されますけれども、その辺の対応策といいますか、体制の工夫などはいかにされようとされているのでしょうか、お聞かせください。 ◎松本 子ども家庭課長 子ども家庭支援センターに寄せられる児童虐待等に係る相談件数は増加傾向にあります。また、相談内容も、虐待の背後に貧困の問題や夫婦間のDV、養育者自身に発達や精神上の課題を抱えている場合など、さまざまな要素が絡み合って児童虐待が生じている場合も多く、ケースワーカーに求められる対応力は非常に高度なものとなっています。  件数の増加等に伴う人員体制の強化はもちろんのこと、虐待等への対応に当たっては、専門職である保健師とチームで対応し、組織として判断や対応を心がけています。子ども家庭支援センターごとに月二回程度実施しております支援会議では、管理職も同席のもと、新たな相談のあった事例や継続的にかかわっている事例の状況を確認し検討の上、今後の支援を組織として決定しています。  また、本庁機能である子ども家庭課には、非常勤の心理士や児童相談所のOB職員がおり、各子ども家庭支援センターのケース対応の心理的な見立てや経験に基づく具体的なアドバイス、家庭訪問の際の動向など、ケースワーカーのバックアップ体制をとっています。  そのほか、専門分野からの助言が必要な場合には、児童精神科医や弁護士を講師とした職員相談研修を実施するとともに、専門性を高めるための体系的な研修の実施など、現場で働くケースワーカーのサポート体制の充実に取り組んでいるところです。 ◆上島よしもり 委員 昨今は事案も急増しているとも伺いますけれども、まずは人材確保、そして、やはり実際に接していらっしゃるケースワーカーの皆さんが業務をしっかりと続けられる環境を工夫していくことも重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。  予防に力を入れるという観点で、子ども家庭支援センターの存在意義はますます重要になってきているということでありますけれども、総じて、区が今後どのように強化を図ろうとされているのか、お聞かせください。 ◎松本 子ども家庭課長 平成二十八年の児童福祉法改正では、区市町村における身近な場所での支援業務を適切に行うことの重要性が明記されました。これを受け、現在、東京都と都内区市町村とで、児童相談所と子ども家庭支援センターにおける連絡調整のルールを定めた東京ルールの見直しを検討しており、地域のネットワークづくりや資源の活用が可能な事例がふえ、子ども家庭支援センターが担う役割はますます重要となってまいります。  委員御指摘のとおり、子どもの命を守り、児童虐待を防ぐためには、身近な地域における予防的な対策が重要です。児童相談所の設置に向けて、子ども家庭支援センターの体制を強化するとともに、実践や体系的な研修を通してソーシャルワーク機能の充実を図ってまいります。 ◆上島よしもり 委員 児童相談所の移管についてはまだどうなるのか見えていない段階ではございますけれども、そのいかんにかかわらず、やはり子ども家庭支援センター、その役割が非常に大きいということを再認識、再確認いたしました。  引き続き、この子ども家庭支援センターの一層の強化に取り組んでいただきますとともに、東京ルールというお話もありましたけれども、この見直しがよりよい形でおさまりますよう、児童相談所の設置に向けた取り組みと同様にしっかりとした御対応をお願いいたしたいと思います。  次に、障害者雇用についての質問に入らせていただきます。  まず、障害者就労支援の取り組み状況と課題認識についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 障害者就労支援につきましては、区ではこれまで産業団体や就労支援機関等の参加による世田谷区障害者雇用促進協議会、このもとで、障害者雇用支援プログラムを実施しまして、障害者雇用を検討している企業への働きかけや就労支援機関の支援力向上のための研修、また、障害当事者の就労意欲の向上を目的とした職場体験実習などを実施してまいりました。また、区においても精神障害・知的障害者をチャレンジ雇用職員として採用もしてまいりました。  企業等で働く障害者の中には、新たな環境に適応できず退職する方、また、悩みを相談できず休みがちになってしまう方などもいらっしゃるため、定着への支援も必要となっております。また、精神障害の方などでは体調の変化が大きいため、決まった時間の出勤や八時間の勤務に耐えられない場合があり、柔軟な働き方ができる環境づくりも課題となっております。  このように、就労に結びつきにくい方々の雇用を進めるためには、精神障害のある方などへのさらなる支援の充実や障害特性や希望に合わせて多様な雇用形態で働く仕組みであるユニバーサル就労支援、こちらの構築、安心して働き続けるための就労定着支援の拡大等が課題であると考えております。 ◆上島よしもり 委員 やはり民間での雇用も以前と比べて格段に増加したように感じられるわけでございますけれども、やはりまだまだハードルがあるのかなというふうに思っております。  一つ、スウェーデンのほうでは、国営企業のサムハルというところが二万二千人の障害者の方を雇って、年間千人ほど民間企業に優秀な人をどんどん送り出していると、毎年千人以上送り出しているという話を聞きました。ちょうど、このスウェーデンという国は九百九十万人の人口ということで、大体二十三区ぐらいなんです、人口でいいますと。その中で、二万二千人のそういう雇用をつくって、国営企業以外にも障害者を実際、育成していって、そしてさらにレベルの高い企業に勤めていただくような、そういう仕組みもあるようなんですけれども、その中でも国営企業のサムハルというところは、毎年毎年目標を達しているということです。  これは我が国でどうしたらできるのかなとちょっと考えたんですが、正直、このスウェーデンという国は、御案内のとおり、高負担高福祉ということで、税金も、ちょっと調べましたら、大体、国民負担率が日本の場合は四一・六%に対してスウェーデンは五五・七%、消費税は日本は八%ですが、スウェーデンは二五%、軽減税率で六%、一二%というものも含まれておりますけれども、基本二五%、所得税のほうは何と三〇%、これは地方税ということで取られるそうなんですけれども、三〇%も取っているということで、こういう形にしていくにはそれだけの負担を国民もしていかなくてはいけないのかなと思ったんです。目指すべき方向としては、障害者の方もやはり希望を持って人生を過ごすことができる、そういう社会、また、そういう障害者とかかわれるような地域社会というものをつくっていくというのが本来、人間であればそういうものを目指すのは当然でありまして、もちろん歴史もありますので、日本で同じようなことをやってうまくいくとも思いませんが、そういう方向にどうやったら持っていけるのかというのは、少し考えていかなくてはいけないなと思いました。  税と負担のあり方というのは、まさに国柄であるとか、社会のあり方をまさに投影するものだと思いますので、これは国の議論になるかと思いますけれども、少し、こういった社会をどうつくっていくかということを地方から発信していく、自治体から発信していくことも必要なのかなと思いました。  そういう中で、先ほど御答弁の中にもございましたけれども、やはり民間の雇用促進というものが重要だということで区もいろいろな取り組みをされていると思うんですが、国営企業じゃありませんが、先般、法定雇用率の誤算定と言ったらいいんですか、誤った数値が今まで発表されていたということで、その辺が明らかになったわけでございますけれども、やはり区としての雇用を経て、民間企業につなげていくという、チャレンジ雇用とかいろいろな取り組みがありますけれども、この辺のところを人事部門とさらにしっかりと連携して発展させていただくことが非常に重要だと思いますけれども、その点についていかがお考えでしょうか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区では、平成二十七年度より、お話がありました企業等への就労に結びつけるためのチャレンジ雇用として、精神障害者や知的障害者等を臨時職員、あるいは非常勤職員として最大三年間雇用しまして、障害者地域生活課において業務に従事していただきながら、企業等への就労移行の支援を行っているところです。  チャレンジ雇用職員は、就労訓練施設とは違う雇用環境の中で、社会人としてのビジネスマナーの習得や、いわゆる報連相などのコミュニケーションスキルの向上、正確な業務の遂行などを実際の業務を通して身につけるということによりまして、社会へ出ていく自信と就労意欲の向上につながっておると考えております。  今後、庁内でさらにこのチャレンジ雇用を進めていくためには、障害理解研修の継続やチャレンジ雇用の実績の周知、各職場における業務の洗い出し、さらには丁寧な定着支援を人事部門と密に連携協力しながら実施していく必要があると考えております。  こちらの障害福祉部門といたしましては、チャレンジ雇用職員が自信を持って民間企業への就労をしていただけるよう、経験できる業務の幅を広げるなどのこのチャレンジ雇用の充実と、今後、人事部門が行う区の障害者雇用の取り組みとも連携協力をしてまいりたいと考えております。  また、民間企業に対しましては、事前の障害理解研修や支援体制など、雇用者側の環境づくりについても、チャレンジ雇用での蓄積を整理し、配慮すべき事項等をお示ししながら、民間企業での模範となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 スウェーデンのサムハルの例を先ほど出しましたけれども、やれないことはないと思うんです、いろんなこと。これはいろいろな方々の協力を得ながら、また知恵をいただきながらどんどん前進させていただきたいと思います。  先ほど御答弁の中に、ユニバーサル就労支援とか、就労定着支援の取り組みが検討中だというふうに伺ったところですけれども、その具体的な取り組み内容についての検討状況については、現状どうなっているのかをお答えいただきたいと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区の就労支援ですが、障害者、若者、生活困窮者など、対象に応じた支援機関を中心に行っておりまして、こうしますと、重複した課題がある方の中には複数の支援機関を利用される方もいらっしゃいまして、適切な支援に向けた支援機関相互の連携が課題となっているところです。また、障害のある方の中には、先ほど申し上げたとおり、週五日ですとか、一日八時間勤務などの一般的な求人では就労が難しい方もおられることから、障害の特性や御本人の希望に応じた働き方ができる、こうしたユニバーサル就労の検討、開発を新実施計画(後期)にも位置づけまして、平成三十二年、二〇二〇年度の実施を目指しまして、今年度より、関係課によるユニバーサル就労支援機能開発検討会を設け、就労支援機関の御意見を伺いながら、現状分析や実現に向けた課題の洗い出しに着手をしております。  一方、障害者が安心して働き続けることを支援するため、国が今年度より創設いたしました就労定着支援事業につきましては、現在、区内で五事業所が事業を開始しておりますが、区の指定管理施設につきましても、事業開始についてただいま準備を行っております。  区といたしましては、今後も、これまで就労に結びつきにくかった方々の就労を促進するユニバーサル就労支援の開発を進めるとともに、就労後も安心して働き続けられるよう、就労支援の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 今お話しの中にも、障害のある方の中には週五日であるとか一日八時間というのがやはり難しい方がいらっしゃるということで、そのとおりだと思うんです。  この前の法定雇用率の話で言いますと、法定雇用率はたしか週三十時間以上で一人換算、二十時間以上三十時間未満だと〇・五人換算ということでありまして、そもそもこの週四十時間、年十二カ月働くという一般の方の就業モデルから今の障害者の方の割り出しをしているということ自体がちょっと私は間違っているような、これは国の話ですけれども、もう少し柔軟な形で、ゆっくりと仕事を少しずつでも始めていって、だんだんなれていったらというやり方も多分あると思うんです。ただ、いきなり二十時間以上、三十時間以上ということで、今、区切っている中では、やはりこの前、企画総務委員会の中でもお話がありましたけれども、障害者の取り合いになっているという話もありましたが、やはりそれではちょっと違うような気がするんです。ですから、そういう意味では短時間からでも働けるような就業体制というか、あとマッチングというんでしょうか、つなげていくというつくりをどうしていくかというのはこれから重要だと思うんですが、それがまさにユニバーサル就労支援とか、そういったことではないかなと私は想像しておるんです。  そこで、川崎市などが研究を進めているIDEAモデルというワーカーシェアリングの取り組みというのがあるらしいんです。つまり、一人の障害者の方が一つの職場で短時間で働くんですけれども、同じような仕事を別の企業でも雇ってもらって、合わせるとそれなりの仕事の時間になるんですけれども、もしくは、その入り口として、短時間から始めてだんだんふやしていくというやり方を今研究されているというふうに伺ったんですけれども、この辺と世田谷区が今考えているところとの違い、もしくはリンクというのはどういうふうに、同じような考え方でいいのかどうか、その辺をお聞かせください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 今、お話しのありましたIDEAモデルですが、お伺いしますと、東京大学先端科学技術研究センター、人間支援工学分野、近藤准教授が進める障害などにより通常の雇用システムでは就労機会が得られない人々、これを排除しない社会参加システム構築研究プロジェクトということで聞いております。  このIDEAモデルは、超短時間労働とワーカーシェアリングを組み合わせる新たな雇用形態で障害者を雇用につなげるための手法でありまして、川崎市では平成二十八年四月一日から平成三十年三月三十一日までの期間で、市内の二十三事業所において百三十四時間、法定雇用率四人分の雇用を創出し、十九人の障害のある方が就労したというふうに伺っております。  区といたしましてもこのIDEAモデルは、ユニバーサル就労を検討する中で大変有効であるというふうに認識をしておりまして、今年度、関係所管の職員で川崎市に視察に実際参りまして、取り組み状況ですとか課題等について意見交換を行ってきたところです。  今後、この川崎市の取り組みにつきましては、関係課によるユニバーサル就労支援機能開発検討会の中で具体的な検討に生かしていきたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 他の自治体の取り組みもしっかりと取り入れながら、このユニバーサル就労支援、また就労定着支援のほうをいい形に仕上げていただくよう、また、この前、法定雇用率の問題が発生しましたけれども、そういったことも、これは汚名返上というわけじゃないですけれども、こういうところにもしっかりと取り組んでいっていただく世田谷区の姿をぜひ見せていただきたいと思います。  今後、やはり働ける方、また働くことを望んでいる全ての障害者の方がしっかりと働ける社会というものを構築していくに向けまして、世田谷区としてどんな役割が果たせるかなというふうに考えているか、最後にお聞かせいただきたいと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 障害のある方が働くことは、経済的な自立のみならず、社会の一員としての誇りを持ち、生き生きと暮らす原動力になるというふうに考えております。しかしながら、障害特性や体調の不安により就労に踏み出せない方や、就労が実現した後もさまざまな状況の変化により雇用継続に不安を感じられる方もいらっしゃると考えております。  そこで、区といたしましては、申し上げたチャレンジ雇用等を通じ範を示す一方、区内の産業団体に対して障害の状況等を踏まえた短時間の雇用創出を働きかけ、好事例については積極的に発信をするなど、事業者に対する障害理解の促進にも努めまして、障害特性や体調の変化も踏まえながら、柔軟な働き方ができるユニバーサル就労の開発について、平成三十二年度、二〇二〇年度の実施を目指し、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。  あわせて、新たに創設された就労定着支援事業、こちらも活用いたしまして、障害のある方が安心して働き続けられるよう支援の充実を図り、働ける、または働くことを望んでいる全ての障害者が働ける、そういうような社会の実現に向けた取り組みをさらに進めてまいりたいと、このように考えております。 ◆上島よしもり 委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  それでは、もう時間がございませんが、もう一つだけ、オリパラに関連する質問をさせていただきます。  オリパラの二十六項目というのが先日示されましたけれども、福祉保健分野が担当となるそういった事業が見受けられなかったわけですが、たしか全庁的にヒアリングを行って、五十ぐらいたしか項目が出て、そのうち二十六があそこに形となってあらわれたというふうに伺っていますが、ここら辺は福祉部門ではどのように検討されてきたか、板谷保健福祉部長のほうからお願いしたいと思います。 ◎板谷 保健福祉部長 オリパラのことなんですけれども、全庁的な取り組みの中で領域としてもこの課題について取り組んでまいりました。まだ事業的なことは足りませんけれども、本当にスポーツに親しんだり、みずからの可能性を見出す契機に高齢者や障害者の方に提供するためにも、早くから関心を持って参加していただくことが望ましいと考えています。領域内でこのような認識を共有し、今後、事業等取り組みの創出に取り組んでいきたいと思っております。 ◆上島よしもり 委員 時間は余りもう残っておりませんが、時間のある限り検討を進めて、また全庁的に、まさに力を合わせてやっていく体制を保健福祉分野でもつくっていただきたいとお願いいたしまして、前半の質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは休憩いたします。     午後二時四十七分休憩    ──────────────────     午後三時二十分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆山口ひろひさ 委員 福祉保健領域ですので、正確な情報提供ということで、先ほど休憩があったんですけれども、実はうちの控室にスズメバチが入ってきまして――これは、お笑いになっていますけれども、スズメバチ、実は僕は中学のときに、これはNHKのニュースにも出たんですけれども、尾山台中学で林間学校に行ったとき、乙女峠を歩いたときに、僕はD組だったんですけれども、A組のやつがスズメバチの巣をたたいちゃったんです。それで、そのときは、僕はまだヨシキオ先生って覚えているんですけれども、その先生が、蜂は何もしなきゃ刺さないんだからと言って、何だ、何もしないならいいやと言って歩いていったら三発刺されましたから。日赤の病院に運ばれまして、それから二回目刺されるとアナフィラキシーショックというんですか、そういうのを起こすということで、僕にとっては生死にかかわる問題でございますので、ただ、本当に二回目刺されたら死んじゃうのかなというのをちょっと医学的な見地から教えていただければなと。 ◎辻 世田谷保健所長 今お話にありましたとおり、一度目は生命に危険がないこともあるんですけれども、二度目は危ないということで、お気をつけいただきたいと思います。もし刺された場合にはすぐに医療機関のほうに、救急車などを使っていらしていただければと思います。 ◆山口ひろひさ 委員 僕、一回旅行に行ったときも飛んできまして、それで本当に慌てて逃げて、もう女房なんか放っておいて、そんなことがありました。だから、スズメバチは怖いので、また、スズメバチは油断していると結構痛い目に遭いますので、ことしは多いような感じがしますので、注意をしていただきたいというふうに思います。  昼休みが終わって、二回目の休憩が終わって、皆さん、きょうお昼に食べた内容を覚えていますか。さすがにきょうのお昼というのは覚えていると思うんですけれども、ただ、ふとおとといのお昼は俺は何を食べたかなと考えると、さっきちょっと質問を聞きながら考えていたんですが、なかなか出てこないんです。頭の中ではおじさん大丈夫という声がだんだん聞こえてくるんですけれども、味覚の秋になってきましたので、これからいろんなおいしいものが出てきますけれども、思い起こすと、昔食べ合わせというのがあったと思うんです。てんぷらとスイカ、さっき教わったんだけれども、ウナギと梅干し、柿とカニ、昔からよくうちもおばあちゃんと一緒に住んでいて、台所にそんな絵が描いてありました。それを思い出したんですけれども、これが本当なのかどうかというのを、もしまた医学的な見地からお答えいただけたらありがたいなと。 ◎辻 世田谷保健所長 今おっしゃったてんぷらとスイカなどは、スイカを食べると水分がたくさん入りまして胃液が薄まるというようなこともありまして、油っこいてんぷらなどはなかなか消化しづらいというある程度の根拠はございますけれども、結論から申しまして余り根拠がございませんので、お気をつけになるということはありますけれども、それほど気にされなくてもいいと思います。 ◆山口ひろひさ 委員 ということでございますので、でも、おなかを冷やしちゃったりということがあるんだろうと思うんですけれども、やっぱりしっかりと睡眠をとって健康に留意するというのが一番だと思います。  それで、実は今、仕事のできるやつは昼寝をするということで、ちょっと昼寝について聞いてみたいなというふうに思うんですけれども、実はこの昼寝、これはぐっすり寝ちゃいけないんですけれども、十五分から三十分の仮眠をとることによって脳が活性化されると。それ以上の仮眠というのは逆に脳の活性化を下げる不眠の原因にもなるということです。昼寝をすることによって仕事の効率がアップするというふうな研究もあるそうです。三十分以下の昼寝を習慣的にとる人はアルツハイマー病を予防したり、いわゆる生活習慣病の予防が期待されると。逆に四十分以上寝ちゃう人はメタボリックシンドローム、このリスクを大きくするということで、言っている自分がどきっなんですけれども、医学的に見て、二度あることは三度あるなんで、このとおりでよろしいかちょっと。 ◎辻 世田谷保健所長 今おっしゃったとおり、例えば昼、食事の後に少し血糖値が上がりまして眠くなったときに十五分程度の仮眠をとることは、午後の効率的な仕事に非常にいいと言われております。ただ、今おっしゃったように、三時以降に一時間以上の仮眠をとるということは自律神経の乱れにもつながりますので、余りよろしくないということで、健康に対しても同じような形かと思います。 ◆山口ひろひさ 委員 お昼に食事をした後に、今答弁がありましたけれども、副交感神経、これが活発になるので、眠くなるというのは自然の摂理だそうであります。今、答弁がありました一時から三時の間に仮眠をとるということで、残念ながら時計を見ると、もう三時二十五分になっていますので、もう皆さん寝られないということです。ただ、そんなことを聞いたら、何だ昼寝は健康にいいのかということで、だったらちょっとうとうとしちゃおうかななんて思っている健康重視の方がいらっしゃるかもしれませんけれども、そこは、僕は二十八分質問時間がありますので、三十分寝られちゃうとあいつは何を言っていたんだということになっちゃいますので、ぜひ十三分頑張っていただいて、残りの一応十五分ですか、ちょっとリラックスしながら聞いていただければいいかなと。私もそんなことを考えて質問の構成を考えてまいりましたので、ぜひお願いしたいと思います。  人間はうれしいことがあると心が弾むといいますか、そういうことがありますけれども、うれしいことが僕は一つあったので、きょうの結果いかんによっては本当にうれしくなるんじゃないかなということがあるんです。実は僕は、ここの質問でも言いましたけれども、横浜DeNAのファンでありまして、いよいよ三位争いが佳境に入っておりまして、ジャイアンツファンの方もいっぱいいると思いますけれども、実はジャイアンツは残り一試合、DeNAは残り二試合、ジャイアンツがきょう負けて、DeNAが二勝全勝、または一勝一分け、そうすると三位に残るんです。そうすると、今大人気の赤ヘル、三連覇と言っていますけれども、実はこのDeNAも三年連続三位なんです。  こうなってくれればいいなと思って、こうなったらを仮定して話をすると、もしDeNAが三位になったら日本一になります。この根拠は、二〇一六年から三位になっているんですけれども、二〇一六年はDeNAは三位だったんですけれども、二位の巨人を破って、そして三位の優勝した広島に惜しくも負けてしまった。実は昨年は、二位の阪神を撃破しまして、ペナントレースでは十ゲーム差以上あったんですよ。その広島を撃破して、日本シリーズに行って、残念ながらパ・リーグのソフトバンクに負けちゃったんですけれども、そう考えると、ことしは、パ・リーグのチームには申しわけないんですけれども、もしDeNAが三位になったら、私は日本一になると断言をさせていただきたいなというふうに思っておりますので、そうなることを楽しみに、野球に全く興味がない方も、こんなことを言っていたやつがいるなということで、そういう視点でちょっと野球を見ていただくと、秋の夜長も少し楽しみながら過ごせるんじゃないかなというふうに思っております。  それともう一つうれしかったことは、実はうちは老犬と猫ちゃんを飼っているんですけれども、よく犬と猫の餌、餌というとうちの女房が怒るので、御飯と言わなきゃいけないんですけれども、御飯を買いに行くんです。ある日、ペットショップに行ったら、リニューアルで閉店だったんです。何月までだめだということで。何だと思いながら、リニューアル後に行ったんですけれども、そのお店の中に入って、僕にとって一番うれしかったことは、そこのお店はいわゆるケージに入れて生体販売をずっとやっていたお店なんですけれども、それがなくなっていました。ここで僕は質問でも言ったことがあるんですけれども、欧米では、そういういわゆるペットを商品として販売するという形はあり得ないんです。これから二〇二〇オリンピックが近づいてきて、多くの外国の方が日本に来るわけで、いろんな町を見たときに、僕はやはり、なくなったということは、この世界のスタンダードに一つ近づいたのかなというふうな気がして、それが本当にすごくうれしいです。お店の名前は言いませんけれども、世田谷区内にあるすばらしいペットショップですので、ぜひ買いに行っていただきたいなというふうに思います。  そのペットの関連からですけれども、この世田谷区は猫のいわゆる不妊・去勢手術の助成というのをやっています。うちも飼っているので、助成していただいているので、本当に助かるんですけれども、この二十九年度の実績というのはどのぐらいになるのでしょうか。 ◎山本 生活保健課長 飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を行うことで、猫の繁殖を抑制し、環境被害を少なくする取り組みが重要であると考えております。  区では、手術費用に対し雌猫一万円、雄猫五千円の助成を行う事業を平成十九年度から実施しておりまして、昨年度の実績でございますが、飼い猫の不妊・去勢手術件数は千百十八件、飼い主のいない猫の手術件数は百四十一件となっております。 ◆山口ひろひさ 委員 この中でそんなのいたのと思う方がいるかもしれないですが、僕が小さいころは、幼稚園のころだと思いますけれども、野良犬というのがいたんです。外で一人で遊んでいて、遠くに野良犬がいて、怖い、やばいなと思った瞬間、目が合った瞬間に向こうから犬が駆けてきて、そのときに家の中に逃げればよかったんですが、まだ小さいから家から離れてずっと走っちゃったんです。途中でこけてもうだめだかまれると思ったら、知らないおじさんが、僕、どうしたのというふうに声をかけてくれて、周りを見たらもう犬はいなかったんですけれども、ほとんど幼稚園のことって余り覚えていないんですけれども、その恐怖だけは覚えています。  野良犬というのはおかげさまでいなくなりましたけれども、ただ、野良猫というのは、数は減っているのかもしれませんけれども、まだいますよね。いろいろ、僕も犬の散歩で野良ちゃんに会うんですけれども、よく見ると猫はやっぱりかわいいですよね。ただ、目が合った瞬間に、やっぱり家で飼っている飼い猫と目つきが違います。だって、こういう、大自然の中じゃなくて、ちょっと歩けば道路に車が来たり、バイクが来たり、夏だって猛暑でしょう。冬だって寒い。そんな厳しい環境の中で生きているわけですから、目を見ると俺は厳しい中で生きているんだぜという野良猫の警戒心というか、やっぱりそういうのは感じます。  それで、そういう厳しい状況の中で、餌やりの問題ですとか、僕のところにも何件か相談があったりするんですけれども、ふん尿の問題とか、いろいろそういうことで、やはり猫を何とかしてくれないかという苦情が来ます。  本来であれば、野良犬と同じで、こういう飼い主のいない厳しい状況の中で生きていく猫というのは、やはり少なくなるというのが一番いいことじゃないのかと僕は感じているんです。  今お話を聞きましたけれども、飼い猫に対しては千百十八件、飼い主のいない猫には百四十一件という答弁をいただきましたけれども、僕はこの数がちょっと差が開き過ぎているというか、逆じゃないかなというふうに思うんです。やっぱりこういう不幸な猫というのをみんなの努力をして減らしていくことによって、本当に動物といわゆるペットと共生した社会というのができ上がってくるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、なかなか野良猫を捕まえたりするということは難しいのかもしれませんけれども、もう少し僕は飼い主のいない猫の部分に力を入れるべきではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎山本 生活保健課長 東京都の平成二十三年度の調査によりますと、これは都内なんですが、都内の飼い猫の推定総数は百五万頭、飼い主のいない猫は六万頭とのことで、この母数には大きな差がございます。この割合を世田谷区に当てはめますと、飼い主のいない猫への不妊・去勢手術の割合というものは少ないわけではございませんが、委員御指摘のとおり、猫の繁殖をより一層抑制する取り組みの必要性を認識しているところです。  今後とも、飼い主のいない猫の増加による区民の生活環境への被害を防ぐために、行政、地域住民、ボランティアの三者が協働して行う地域猫活動を一層強化し、飼い主のいない猫への不妊・去勢手術の助成事業について取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 今、答弁をいただきましたけれども、今度生まれてきたときは何になりたいなんてよく聞かれますけれども、僕も一瞬、セレブに飼われている猫になりたいななんて思うときもありますので、そんな意味も込めて、なるべくこうした不幸というか、野良猫が少なくなるこうした社会の実現を目指して、さまざまなそういう活動をしている団体もありますし、情報をとりながら努力していただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、若者支援、ほかの会派でも出ていましたけれども、ちょっとこれについてお伺いをしたいと思います。  企画総務のときにちょっと質問をさせていただきました。そこで、いわゆるひきこもりの若者が農作業を通じて行動を広げていった事例というような答弁がありました、農と福祉の連携ということで。ひきこもりの方というのは、やっぱりコミュニケーション能力というのか、そういうのがなかなか苦手なという部分もあるんだろうと思うんです。僕は農業を通じてひきこもりの方が出ていくということは非常にすばらしいことだと思うんですけれども、またそのほかにも、テレビで見ていますと、さまざまな地方に伝統芸能ですとか伝統技術というのがあったりしますよね。この区内の中でもそういう技術というのもあるんだろうと思うんですけれども、そこで一番やっぱり課題になってくるのが後継者、それを引き継いでくれる人が不足しているというところで、この農もそうなんですけれども、僕はこういうひきこもりの方が、本当にコミュニケーション、人間と接するのが苦手だということであれば、そういう技術の中で生きていく道というのもあるわけですから、そういう中で少し、いろんな意味で、地方との交流を絡ませながら、幅広い対策というのができるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、この所管ではいかがお考えでしょうか。 ◎小野 若者支援担当課長 区は、野毛青少年交流センターにおいて、メルクマールせたがや及びせたがや若者サポートステーションと連携協力し、ひきこもりやニートなどの若者を対象に、若者の福祉的な就労支援事業として、畑プログラムを仲間づくりの一つに位置づけ、実施しております。これは、参加者は自分のペースで農作業を行いながら、ほかの活動はほかの参加者と共同して行うことで緩やかな関係をつくり、対人不安や社会不安などを解消、緩和できるようサポートしていくものでございます。  屋外という開放的な空間で土や野菜に触れるなど五感を刺激する体験、また、近隣の農園を初め地域の方々の協力は、参加者が安心感や自己肯定感を得て意欲を高めていく効果があり、次の段階である社会参加プログラムの成果にもよい影響を与えております。  委員お尋ねの地方の自治体でのこうした活動の実現にはさまざまな課題もございますが、世田谷区の交流自治体には、農業ですとか伝統技術など、多種多様で魅力的な地域資源があり、生きづらさを抱えた若者の一人一人のニーズに合った交流ですとか、活動形態の選択肢が広がる可能性があると考えております。  一方、区内にも伝統技術を有する方々は多くいらっしゃいますので、まずは野毛や、また来年オープンします希望丘の青少年交流センターにおきまして、そうした方々を含め、さまざまな方との出会いや交流を通じて、若者がみずからの進路を肯定的に選択していけるような取り組みを充実させてまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 なかなかこうやれば対応できるという問題ではないので、奥が深いことだと思いますけれども、いろんな可能性を探りながら、ぜひ努めていただきたいなというふうに思います。
     時間の関係で申しわけないんですけれども、今、若者の話がありましたけれども、きょうは児童相談所の質問もいろいろ出てきました。今、区は一生懸命東京都の協議を行う方向で取り組んでいるんだろうと思いますけれども、僕は非常に残念な新聞記事を見まして、それは、本来虐待されて、そこからその家庭から解放されてという言い方はあれかもしれないですけれども、いわゆるそういった施設、あと里親、そういうところに預けられるわけですけれども、実は、そういった施設、そして里親の中でも虐待がふえている、この新聞記事をちょっと見させていただきました。  今、こうして子どもの虐待をなくそう、なくそうというふうにやっている中で、それに携わっている人、メンタルな部分ですとか、いろいろそれはあるのかもしれないですけれども、そこから助け出された子どもがその施設、そして里親のところで本当に家庭の愛情を味わえるような育て方をされる中でも虐待があったと、この事実を聞いて、ここでもかよと、僕は本当に悲しい思いになったんですけれども、これから、その予防型というふうに世田谷区も言っていますけれども、児相に関しては、目黒の問題もありましたけれども、いろいろ連携不足だとか、僕は正直、個人的には応援しているんです。何がいいかと。今までやってきた中でいろいろな事例があったけれども、結局対処できていない、助けられる子どもの命が助けられなかった事例がいっぱいあるわけです。そこに新たに世田谷区が出ていくことによって、こういうことがある、俺たちは頑張ろうよという、この気持ちが子どもの命を助けることにつながっていくんじゃないかなというふうに僕は思っているんですけれども、この施設で虐待があったということを踏まえて、どんな感想をお持ちですか。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 児童養護施設や里親は、虐待や貧困の連鎖を断ち切るための重要なセーフティーネットでございますが、委員お話にございましたような現状があるということを重く受けとめてございます。  心に傷を負いまして満たされない思いを持った子どもたちと正面から向き合うこと、これは大変な負担でございまして、これを孤立して対応すれば虐待発生の大きなリスクになると、そのように考えております。  区といたしましては、真に子どもに寄り添った養育ができるよう、環境を整備するということが重要であり、質の向上や支援の取り組み、こちらを今後は社会的養護の現場にも広げる必要があると考えてございます。区ならではの工夫と、国や都の支援を組み合わせた持続可能な取り組みとして具体化できるように検討を進めてまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 私たち会派でも都議会議員を選出しています。都議会議員とこの問題をちょっと話をしたことがあるんですけれども、実際のところ、都議会ではこの児童相談所、議会の中では余り出ていないようです。僕の親しい都議の先生に、世田谷は頑張っているんだから、もっと都議会で頑張って言ってよという話をすると、「そだねー」という感じで、余りこの問題に触れちゃいけないのかどうかわからないですけれども、そんな雰囲気もありました。  それで、普通に見て、児相はいろいろ大変じゃないですか。東京都だって大変なはずなんですよ。それを二十三区、世田谷区等三区が先行してですけれども、東京都さんは大変だから、子どもの命にかかわることだし、お手伝いしますよと区は言っているんです。だけれども、そこは、社会通念だったら、申しわけない、悪いね、じゃ、手伝ってもらおうかなと、普通だったらですよ。そこで、お金はどうしようか、こういうところはどうしようかという協議に入っていくわけです。子どもの命を守るという視点から考えたら、みんな一緒だと思うんですよ。だけれども、悲しいかな、これは何なんだろう、子どもの命を助けるためにやっているのに、大人の会話になるとそこが全く進まないんですよ。本当にそれが悲しい。だから、僕もこうやって議員をやっていますけれども、「そだねー」じゃなくて、議員としてできることもやらなくちゃいけないし、そしてこれから世田谷区としても都との協議を本当に頑張ってもらいたいと思うんです。  企総のときも適材適所という話をしましたけれども、その中でこの福祉の分野でも、四月から適材適所として実務に当たっていただいている土橋副参事、いろいろな実績を踏まえてのことだと思いますけれども、こういった状況等を考えて、何か御感想、見解があったら、お願いしたいんですけれども。 ◎土橋 子ども・若者部副参事 私はこれまでの四月以降の取り組みとして、児童相談所と子ども家庭支援センターの一元的な運用や建物整備などに取り組む中で、予防型児童相談行政の姿が明確となり、でき上がっていくことが自分のやりがいにつながっていると感じております。特に子ども家庭支援センターと児童相談所が協働して問題の解決や支援に当たるチーム連携について、庁内を初め、多くの関係者の方々から御理解を得られたことは、その必要性を考えていた私にとって大きな自信とやりがいを感じたところでございます。  また、児童相談所が緊急時に判断を誤ることなく、子どもの命と安全を守る重大な責務を果たすことができる組織とするためのより詳細な体制づくりや人材育成に取り組んでおり、その手応えを感じているところでございます。  今後、児童相談所の開設に向けましては、これまでの経験と専門性を生かし、引き続き子どもの最善の利益の実現のために尽力してまいりたいと考えているところでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 ぜひその実績と経験を生かしていただいて、やっぱり子どもの命を守る、その観点から考えれば、何で東京都の協力体制もなかなか、協力の方向に向かっているのかもしれませんけれども、何かすんなりいかないのかなという気がして、本当に残念でなりません。いい方向に向かうように期待をしていますし、議員としても努めていきたいと思います。  いろいろ取材を受けて、答弁をいただきました。日本はもったいない、もったいないと言いながら、食品ロスが世界一位だそうです。私も質問をしながら答弁をいろいろ考えていただきましたけれども、これからは答弁ロスがないようにまた努めながら頑張っていきたいと思いますので、以上で自由民主党の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○河野俊弘 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 それでは、公明党の福祉所管領域の質問を始めさせていただきます。  まず初めに、若者の性の啓発について質問いたします。  一般質問にて、子どもや若者を守るために現代に即した性教育を行う必要性を訴えさせていただきました。今、子どもや若者の間にネットの氾濫による性被害、性暴力、性感染症の増加など、看過できないさまざまな性のトラブルが発生をしています。特に性感染症の梅毒は、驚くことにこの数年、二十代の若い女性に急増しています。国立感染症研究所によると、梅毒に感染した人は二〇一〇年に六百二十一人だったところ、昨年二〇一七年には五千七百七十人と、一九七三年以来四十四年ぶりに五千人を超え、社会問題となっています。特に東京都はこの三分の一に当たる千七百八十八人と全国最多で、中でも二十代女性については三百五人と、たった五年で二十倍に急増をしています。  梅毒は、これまで男性の患者が大半で、男性間の性行為による感染が中心と考えられていましたが、女性の報告数が増加しており、異性間の性行為でも感染が拡大しています。例えば性風俗などには縁がないからと自分には無関係とは思わず、現代においてはリスクがある人もない人も自分事として捉える必要があるのです。  また、妊娠期での梅毒の感染は、流産や死産になりやすく、胎児の肝臓や目、耳に障害が起こる先天梅毒になるおそれがあり、二〇一六年には十四人と、三年間で三・五倍と増加しています。これから出産、育児を行っていく若い女性にとって、今とんでもない危機的な状況が起きているのです。  まず、この状況について区の認識とこれまでの対策についてお伺いします。 ◎安岡 感染症対策課長 梅毒の患者数の急増を受け、東京都は平成三十年度梅毒緊急対策の一つに普及啓発の強化を挙げています。  区は、次世代を担う若者が自身を大切にし、心身ともに健康であるために性感染症に関する知識を深めることは重要であると認識しております。区では、性感染症対策として毎週木曜日に、匿名、無料、予約不要で実施しているHIV検査相談を行っております。また、教育委員会と連携し、助産師を講師として区立中学校に派遣するいのちと性の健康教育を実施し、思春期の性に関する心と体や性感染症とその予防について学ぶ機会を設けております。さらに、区内学校に対し、啓発リーフレットやポスターの配付、区内大学の学園祭で行われる学生による性感染症啓発活動への支援などを実施しております。  今後もさまざまな機会を捉え、これからの未来を担う若者に対し、性感染症に関する普及啓発に努めてまいります。 ◆河村みどり 委員 毎週木曜日に行っているというこの保健所の分室での感染症検査ですけれども、匿名で予約も必要なく、しかも無料で受けられる、本当に敷居が低く、若者にとって大変有効と考えられます。  この検査数は年々増加しており、昨年の平成二十九年にはもう七百八十件と、たった一時間で二十人近くの方が来られているということで、これだけ利用がされていることに大変驚きました。この背景には、利用の機会を望んでいる方が大勢いらっしゃるんだなと推測されるわけです。必要な方々にこの検査の実施の情報が届くようにさらに周知をしていただくとともに、今後、多くの方々にもっと利用していただけるように、もう一日ふやすとか、もう一時間ふやすとか、月一回利用しやすい土曜日を設けるとか、事業の拡大ができないか、ぜひ検討していただきたいと思います。  この感染拡大には性に対して余りにも無知で、正確な知識がないことも原因との指摘があり、現代に合った性教育の重要性を実感します。区としてもこれまで大学等に啓発の支援をしてきているとのことですが、これ以上広がらないように、正しい情報が若者に届くような対策を講じる責務があると思います。  杉並区では、若者を中心に広がり続ける性感染症の課題を若者自身が地域と連携して解決を目指そうと、NPO法人と協働事業であるすぎなみレッドリボンプロジェクトを平成二十八年から立ち上げています。若者世代で性感染症がふえている背景に、性に関することへのタブー感がいまだ強いこと、またHIV等の性感染症への関心が薄くなってきていると問題を提起、同世代ならではの視点やアイデアを生かし、若者自身が性感染症予防の正しい知識の普及啓発活動を行っています。例えばカフェに集い、恋バナやセックスなどのさまざまなテーマで本気で語るすぎなみレッドリボンカフェやHIV検査体験ツアー、JRの駅前にて啓発活動、また次世代リーダーの育成の講座の開催等、それから中学生から大学生を対象に、同世代の若者による性の健康について出張講座など、区の独自事業では取り組めなかった課題について多様なアプローチを行ってきたこのプロジェクトを区も高く評価をされています。  ここで質問をいたします。これまで子ども・若者部で性の健康に取り組んで来られた事例がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎小野 若者支援担当課長 委員お話しのように、性感染症のことを含め、若者を取り巻くさまざまな問題について、若者自身が身近な問題と捉え、自分たちのこととして考え、理解、解決する時間を持つことは大変重要と考えております。  野毛青少年交流センターは、平成二十八年より、月に一回程度、東京都のエイズ・性感染症情報ラウンジ、ふぉー・てぃーの出張企画と連携し、野毛青少年交流センターに集う若者たちに、例えば性感染を題材にしたトランプゲームを活用するなどして、若者が遊びの要素の中から正しく性感染症を理解し、知りたいことについて意見交換するなどの取り組みを行っております。ここで配布される若者の視点を取り入れたリーフレットやポスターなどは、若者に理解を得やすく大変好評で、池之上の青少年交流センターでも配布しており、今後もこうした理解の機会を広めていきたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 野毛青少年センターで月一回、東京都のエイズ・性感染症情報ラウンジが出張してくださって、そして意見交換の実績があるということで、本当にこのような工夫はとても大事な取り組みだと思います。  ただ、一方的なものではなくて、もう一歩踏み込んだ杉並区のような若者の視点を生かした同世代発の啓発活動の取り組みはさらに有効な手法ではないでしょうか。多くの若者に啓発の機会を創出していける、そして保健所と子ども・若者部、また教育委員会とも連携していけるような若者主体のプロジェクトを我が区でも立ち上げていけないでしょうか。答弁を伺います。 ◎安岡 感染症対策課長 若者が性感染症を我が事としてより身近に捉えるために、若者みずからが性感染症について考え、若者の視点で仲間に情報を発信することは有意義であると認識しております。  先ほど若者支援担当課が答弁いたしました、青少年交流センターと東京都のエイズ・性感染症情報ラウンジとの連携活動は、まさに当事者である若者同士が課題に向き合う場であると考えております。  保健所といたしましては、この連携活動に対し、専門的な視点から性感染症に関する情報提供や支援を行うことで活動内容を充実させる効果があると考えております。また、若者の視点を取り入れた啓発の手がかりを得ることも期待ができます。  まずは、区内学校に対して実施しておりますHIV検査相談や啓発活動を青少年交流センターや関係団体等へ拡充し、情報発信を強化してまいります。さらに、委員御提案につきましても、関係所管と連携、調整を行いつつ、直接若者の心に響く、より効果的な啓発のあり方を検討してまいります。 ◆河村みどり 委員 御検討いただけるということで期待をしておりますので、未来ある若者の健康を守るため、さらなる推進をどうぞよろしくお願いいたします。  次に、本年第二回定例会でも取り上げました高次脳機能障害者の支援について、引き続き質問したいと思います。  高次脳機能障害の一つ、言語機能の障害である失語症は、聞いて理解すること、話すこと、書くこと、読むこと、この四つの能力が低下することで、簡単な会話も理解ができなかったり、言葉が浮かばずに自分からの発信が困難となる障害です。他者とのコミュニケーションがうまくとれないことで、地域や職場、家庭でも孤立したり、自宅に引きこもりがちになってしまう。その上、その困難さを訴えることができないために、障害の理解がされにくいこと、高次脳機能障害の他の障害の併発など、二重三重の苦しみがあるといいます。  今年度、東京都は障害者総合支援法の事業である失語症者向けの意思疎通支援者養成講座を開始したと聞いています。この講座は一対一の会話を行えるよう、失語症者の日常生活や支援のあり方を理解し、病院や役所等の外出場面において意思疎通の支援を実施することを目標としているもので、大いに期待できる事業がスタートしたと思っています。  そこで、平成十七年度より、区は先進的に総合福祉センターにて失語症会話パートナーの養成を行ってきておりますが、まず、この失語症会話パートナーの方は現在どのような活動を行っているのかお伺いをいたします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区では平成十七年度より、失語症を正しく理解し、コミュニケーション上の不自由さを補いつつ、周囲との会話の仲立ちをするボランティアとして、失語症会話パートナーの養成を開始し、昨年度末までに百二十七人が修了をしております。  失語症会話パートナーの活動は、養成講座修了後に紹介される失語症当事者の自主的なグループに参加するほか、総合福祉センターが実施する言語訓練グループのアシスタントなど、失語症の方との会話の橋渡し役をボランティアとして無償で行っております。  失語症会話パートナーの方々のボランティア活動により、当事者の自主的なグループ活動がふえ、失語症の方の社会参加の拡大や安心して集うことのできる交流の場ができております。そこでは、二、三名の小規模の会や女性だけの会、書道を楽しむ会といった失語症の方の希望に沿った多様な活動グループが十団体ほど活動しており、その活動の中で失語症会話パートナーの方々には御活躍をいただいております。 ◆河村みどり 委員 では、今回のこの失語症者向けの意思疎通支援事業と、またこの失語症会話パートナーの具体的な違いをお伺いいたします。 ◎竹花 障害施策推進課長 区が平成十七年度より養成を行っている失語症会話パートナーは、ボランティアとして会話のサポートや会議などで要点を筆記して伝える、あるいは先ほども申し上げました自主活動グループのお手伝いなどをしていただいております。  一方、東京都が今年度から養成を開始した失語症者向け意思疎通支援者は、国が今年度より障害者総合支援法の地域生活支援事業の一つに位置づけた失語症者向け意思疎通支援者養成研修事業により養成する人材でございます。支援者の養成は都道府県の必須事業であり、都では本年六月から四十名定員で養成講座を開始し、来年三月の講座修了後には都から各自治体に修了者名簿が配付される予定となっております。講座修了者は障害者総合支援法に基づき、報酬を得て買い物、役所の手続等、外出の際の日常生活のさまざまな場面で意思疎通の支援を行う担い手となるものでございます。この人材養成により区市町村では、失語症者向け意思疎通支援者の派遣を行うことができるようになります。  このような役割の違いから、区が行っている失語症会話パートナーの養成講習は、失語症の基礎知識やコミュニケーション支援技術の講習、実習を含めて十四時間であるのに対し、都の失語症者向け意思疎通支援者の研修時間は、支援者としての専門性の高い技術や知識を身につけるため、外出同行支援や身体介助の理論、実習などのカリキュラムとして四十時間ということになっております。 ◆河村みどり 委員 この意思疎通支援事業については、今までの会話パートナーの約三倍近い養成時間を使って、専門性の高い技術を身につけて、幅広い外出時の支援を行うものであると。そして、四十人の受講者がいらっしゃるとのことですけれども、区民の方がいらっしゃるのかどうか、また、平成二十八年、二十九年に国のモデル事業として区の意思疎通支援事業養成講座を行ったと伺っておりますけれども、その修了された方が何人いらっしゃるのか、その点を伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 今年度からスタートしました東京都の講習受講者は四十名中、世田谷区民が四人と聞いております。また、平成二十八年、二十九年度の国のモデル事業として区が行いました養成講座の修了者は十五名でございます。 ◆河村みどり 委員 今回の制度設計にこの国のモデル事業の修了者が乗るかどうかというのは今、現時点ではまだ不明かと思いますけれども、来年三月には区内の修了者が合わせて、現実は十九人になるというふうな、数え方としてはそういうふうに数えることもできるのかなと思いますけれども、これだけの人材が区に誕生することからも、ぜひ来年度より失語症向けの意思疎通支援事業の派遣実施を求めたいと思います。来年度以降の具体的な取り組みを伺います。 ◎竹花 障害施策推進課長 区の対応でございますが、失語症の方々には不自由となったコミュニケーションを補うための支援が必要となりますので、本制度の活用を進めたいと考えておりますが、失語症の方の状況は個々に異なるため、支援者派遣事業の実施には利用者と支援者のマッチングが必要となります。また、支援者の登録方法やマッチング手法などの課題もございますので、国や都からの事業スキームや要件が示されるのを待ちまして、具体的な派遣事業の検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 養成自体は今年度に終了するにもかかわらず、今のところまだ要件が示されていないということですが、課長おっしゃるとおり、本当に制度ができたとしても相性が合うかどうかのマッチングについて大変重要でありますし、実際の利用までは時間を要すると思います。だからこそ次のステップにはまだわからないと受け身ではなくて、国や都にしっかり働きかけを行って、スムーズな事業実施を求めたいと思います。そして、失語症会話パートナーとのすみ分けや人材確保のために希望する会話パートナーが意思疎通支援者へもスライドしやすいような制度を要望するなど、ぜひ検討していただきたいと思います。  自主グループにつながっている方も、またつながっていない方も、マンツーマンの支援が必要な方が区内に埋もれていらっしゃると思います。前回の一般質問でも取り上げましたが、この失語症向けの意思疎通支援事業をきっかけに高次脳機能障害者の潜在的に隠れているニーズ等の調査を進めていただきたいことを再度要望し、次の質問に移ります。  最後に、不妊治療の助成制度について質問します。  先日、夫婦共働き家庭の三十代の方から、ここ数年間不妊治療を行っているが、経済的なことを考えると続けていけるかどうかが不安だとの声が届きました。既に不妊治療費に二百万円近く費やしており、世帯の所得額が所得制限である七百三十万円を超えるあたりのため助成もかなわない。不妊治療は精神的、肉体的にも厳しく、せめて金銭面の安心感があれば継続していくことができるのにと所得制限の見直しを訴えていらっしゃいました。  このようなお声や、私の周りでも不妊治療をされている方がふえ、不妊治療は特別なことではなく、ごく身近なものになっていると実感しています。しかし、この不妊治療は繊細かつ過酷なこともあり、さまざまな面で追い込まれるといいます。  国は少子化対策の一環として、医療保険が適用されない特定不妊治療に所得制限や年齢制限、回数の制限を設け、都道府県の助成事業として治療の一部を助成しています。  区においても、平成二十一年より独自に不妊治療の助成制度を開始していますが、しかし、それぞれに制限を設けている都の要件を適用している現状があります。さまざまな困難をも覚悟の上で子どもを望んでいるにもかかわらず、対象から外れてしまっている方々にとっては不公平感を感じずにはおれない状況ではないでしょうか。  先日、総務省は八月の労働力調査で、生産年齢人口に当たる十五歳から六十四歳の女性の就業率が初めて七割に達したと発表しました。女性の社会参加が進んでいることを歓迎したい一方、女性の社会進出が一つの要因となって晩婚化、晩産化が進んでいる日本は、三十歳以上の五・五組に一組が不妊治療を経験し、二〇一五年に体外受精によって誕生した出生児数は五万一千一人と、約二十人に一人と、不妊治療を必要としている夫婦は年々増加を続けています。  また、区においても、区の助成制度利用数は、制度導入当初の平成二十一年には百七十八人だったところ、途中で年齢制限が設けられたにもかかわらず、平成二十九年には千三百七十五件と、たった八年で八倍近くまで上昇してきています。急速に超少子・高齢化に向かっている現代において、産みたい人が産みたいときに、子どもを望んでいるより多くの家庭に支援をすべきではないでしょうか。  他市町村や特別区においても、独自の要件で所得制限を設けていない自治体が複数あります。区においても、より幅広い方々にチャンスが行き渡るように、まず所得制限を廃止することを求め、区の見解をお伺いいたします。 ◎鵜飼 健康推進課長 本制度は、不妊に悩む夫婦に対し、不妊治療費の一部を助成することで経済的負担の軽減を図ることを目的としており、委員のお話しにありましたとおり、平成二十一年の制度開始当初より助成対象を東京都特定不妊治療費助成事業の承認決定を受けた区民としております。  このように、都の制度の上乗せ助成として本制度を実施していることから、夫婦の合計所得が七百三十万円以下との都の承認要件を区の制度でも適用しております。また、同制度に所得制限を設けることは国の補助要件でもあり、特別区では当区同様に十一区が都の制度の上乗せ助成の仕組みを採用しております。  お話にありました所得制限の廃止につきましては、毎年一千四百件程度の申請に対し一億円余りの支出をしている現状に加え、夫婦の合計所得額が七百三十万円以上の世帯で不妊治療を望む割合等の把握が困難なことから、区の財政負担等を算定することは難しいなどの課題があり、慎重な対応が求められるところでございます。  引き続き、近隣自治体等の動向も踏まえつつ検証してまいります。 ◆河村みどり 委員 それでは、以上で私からの質問を終わり、岡本委員に交代いたします。 ◆岡本のぶ子 委員 私からは、まず初めに、介護予防として、ことしの予算特別委員会で私が低栄養の高齢者への適切な支援で介護の重度化を防ぐことができる事例を取り上げ、低栄養を改善するための方策として専門職である管理栄養士の活用を求めました。  まず、この間の区の取り組みについて伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 低栄養は、筋肉が減少し、身体機能や認知機能の低下につながり、感染症のリスクも高まります。また、口から食べることは生きがいや楽しみでもあり、生活の質の向上につながることから、低栄養の予防、改善は自立支援、重度化防止のために大変重要です。  これまで区では、介護予防筋力アップ教室やまるごと介護予防講座、はつらつ介護予防講座などで、管理栄養士による講話や参加者の食事内容の評価や栄養改善の指導等を行っております。また、管理栄養士の訪問指導では、利用者宅に訪問し、継続的な栄養改善に向けたアドバイス等を行っております。さらに、高齢者自身や御家族、ケアマネジャー等が低栄養の危険性を簡単にチェックし、食生活改善につなげられるシートを世田谷保健所と協働で作成し、活用に向けた準備を進めているところです。  シートの啓発に向けましては、ケアマネジャー向けの研修やあんしんすこやかセンター、スキルアップ会議などで共有を図り、管理栄養士等の専門職と連携を図りながら、栄養、運動、社会参加を柱とするフレイル予防の普及啓発に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 一歩進めていただいているということですので、ぜひこのシート、期待したいと思います。  次に、フレイル予防について伺ってまいります。  今、御説明いただきましたけれども、フレイルとは、栄養、運動、社会参加が低下することで虚弱になることであり、要介護の前段階であることから、いかにフレイル状態であることを御本人が認識し、改善に向けて取り組めるかが鍵になります。  さきの会派の代表質問の佐藤弘人委員への答弁では、区はこれまでフレイル予防を取り組んできたとのことでしたが、予防事業がばらばらに行われており、高齢者の方々にフレイル予防が浸透しているとは言いがたく、これまで成人病予防としてメタボ対策が国民に浸透してきたように、今後、国は高齢者に対してはメタボ対策ではなく、フレイル対策が重要であることを周知し、効果的な対策を講じることを求めております。  代表質問でも取り上げましたが、千葉県柏市と東京大学の飯島教授が協働で開発したフレイルチェックがあります。この柏方式のフレイルチェックの特徴は、お元気な高齢者の方々をフレイルサポーターとして養成し、フレイルサポーターがチームを組み、高齢者の集いの場を巡回しながらフレイルチェックを実施するとともに、半年に一回のペースで体力測定を行う中で参加された高齢者みずからが体力測定の数値を確認し合い、若さを保つ喜びを感じながら、身近な仲間たちと続けるフレイル予防は大変効果が出ているとのことでした。  既にお隣の杉並区を初め、全国四十自治体が柏方式のフレイルチェックの手法を取り入れており、本区としても運動論として取り組むこのフレイル対策を取り入れるべきだと考えます。区の見解を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 これまで区では、東京都健康長寿医療センターに御協力いただき、東京大学と同様に栄養、運動、社会参加を柱としたフレイル予防の考え方に基づき、介護予防事業を実施しております。  総合的なフレイルチェックには二十五項目の基本チェックリストを使用しており、六十五歳や七十五歳になった方の介護保険や後期高齢者医療保険のお知らせに同封するほか、シルバー情報にも掲載しております。また、せたがや高齢・介護応援アプリでは、気軽にチェックし、結果に応じてリスクの高い項目をお知らせし、あんしんすこやかセンターへ相談するよう促しております。  区では、住民活動が活発に行われておりますが、区民の主体的な取り組みをより一層推進していくためには、行政や専門職による支援だけではなく、区民同士で活動を支え合うことが重要です。そのため、まず地域で主体的な活動を行っている地域デイサービスや世田谷いきいき体操のグループの代表者向けに、フレイル予防、体力測定等について研修会等を実施し、介護予防に向けた活動となるよう支援してまいります。また、誰にでもわかりやすい介護予防の共通目標を掲げ、地域での活動に取り組む区民にも御協力いただき、みんなで定期的に楽しみながら基本チェックなどを行い、介護予防の活動全体を盛り上げられるよう取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今、地域で主体的に活動を行っている地域デイサービスとかいきいき体操グループの方たちの代表者を招いて、そして研修を行っていくというお話でしたけれども、ぜひその研修のときに、このフレイルサポーターの養成を強力に推進している飯島教授を講師に招いて研修をすることがかなり効果が上がっていくのかなと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 飯島教授には、私どもも研究会、講演会等で勉強させていただいております。フレイル予防については、学識経験者に講師になっていただくだけではなく、その後の活動に関する事業評価についても御協力いただきたいと考えます。  区では、平成十三年度から介護予防の企画や評価等で東京都健康長寿医療センターに御協力いただいており、飯島教授が提唱されているフレイル予防の考え方に基づいて区の事業の支援を行っていただいております。  教授御自身、大変お忙しいとも伺ってはおりますが、事業を検討する中で、御提案の講師についても、世田谷区の実情に合わせた区民の人材育成や地域づくりの手法について引き続き検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 お忙しいけれども、飯島教授はかなり精力的に全国に展開しようと頑張っていらっしゃいますので、ぜひ来ていただくように頑張ってプッシュしていただきたいと思います。  では次に、総括質疑に続きまして、認知症の切れ目のない支援について伺います。  現在、国は住みなれた地域で医療、介護、生活支援などを一体的に受けられる地域包括ケアシステムの構築を進めています。本区においては、あんしんすこやかセンターがその軸として取り組み、一定程度の区民の方があんすこの存在を認知されるまでになりました。  総括質疑では、軽度認知症の方々の早期発見を幅広く推進する方策を講じ、支援につなげることを訴えさせていただきました。認知症の発症から診断、介護の各過程で適切な助言や支援の手が届かず、症状が進んでしまう高齢者が多いことも大きな課題となっていることから、例えば京都府では認知症の疑いがありながら、診断、治療を受けずにいる人、また、認知症初期と診断された人でも、介護サービスを利用するまでの期間の支援がなく、日常生活に支障を来している人たちに対応できるよう、ことし三月より、認知症の発症期から介護ケアまで、状況に応じた適切な支援をワンストップで提供できるのが最大の特徴である認知症総合センターを開設、認知症初期の人を支えるリンクワーカーの養成を進めております。  今後、本区では、梅ヶ丘の福祉拠点に設置する認知症在宅生活サポートセンターが認知症初期集中支援チームやあんしんすこやかセンターのバックアップをしていくとのことですが、認知症当事者や家族を身近な場所で支援する仕組みが必要と考えます。  本区において、リンクワーカーを養成し、あんしんすこやかセンターに配置し、認知症の切れ目のない支援の充実が求められます。区の見解を伺います。 ◎髙橋 介護予防・地域支援課長 英国のリンクワーカー制度は、認知症と診断された方の相談に応じ、必要な生活支援サービスにつなぐなどの支援を一年間無償で行うもので、一人のワーカーは年間五十人程度を専従で担当していると伺っております。  日本では京都府が平成二十七年度よりリンクワーカー研修を開始し、本年八月現在、百七十一人が受講し、内十三人がリンクワーカーとして登録されています。十三人のワーカーは、地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームの職員で、日ごろの相談業務と兼務し、認知症初期集中支援チームの支援終了後、おおむね一年間支援していると伺っております。  区では、あんしんすこやかセンターにもの忘れ相談窓口を設置して、認知症専門相談員を配置し、認知症に関する相談をお受けしております。相談員は御本人と御家族の視点に立ってニーズを把握し、介護サービス等の紹介など、早期対応、早期支援に努めております。必要に応じて認知症初期集中支援チーム事業につなぎ、ケアマネジャーや各関係機関と連携しながら、在宅生活の継続に向けた切れ目のない支援を行っております。  区が実施しているこの取り組みは、リンクワーカーの役割を含んだものとなっておりますが、あんしんすこやかセンター職員の誰もがリンクワーカーの視点を持てるよう研修を充実するとともに、世田谷らしい切れ目のない認知症の方への支援策について、医療、介護の関係者、御本人、御家族の意見も伺いながら、充実してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひお願いしたいと思います。  私の知り合いの方でも、お父様が認知症になって、あんしんすこやかセンターまで息子さんが行ったけれども、でも、その後、介護や何かのさまざまな手続をあんすこさんが教えてくれると思っていて待っていたという状況もあったんです。実際、切れ目のない支援ができていますとおっしゃりながら、できていなかったという事実がありますので、ぜひ認知症のこのリンクワーカーに全ての職員が意識を持っていくということであれば、そのような研修を含めて徹底をしていただきながら、切れ目のない支援が本当に実効性のあるものになるようにお願いしたいと思います。  では次に、上野毛にある医療的ケア児の児童発達支援事業所が休止になったということを、さきの一般質問で他会派の藤井議員から質問が上がっておりました。実は私にも保護者の方から九月中旬に御相談をしたいというお話がありまして、お話を伺ってまいりました。そのときに保護者の方々からは、なぜ施設はことし八月の時点で来月九月末に施設を閉じることになったという急な知らせをすることになったのか、世田谷区には、これまで施設の運営状況をどのように見てきたのかと疑問を投げかけられました。この言葉を重く受けとめまして、本日は角度を変えて質問をさせていただきます。
     まず、この当該施設の開設時期とこれまでに支払われた給付額について伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 委員お話しの施設につきましては、平成二十八年八月一日に東京都から児童発達支援事業、放課後等デイサービスの多機能型施設としての事業所指定を受けております。  これまでに、区が当該施設に支払った給付費につきましては、平成二十八年八月分から平成三十年八月分までで、総額四千八十七万円余りとなっております。 ◆岡本のぶ子 委員 平成二十八年八月一日に東京都から指定を受けたということですけれども、じゃ、この二年二カ月間の間にこの施設が休止に至るまでの間に、東京都や区はこの施設に指導検査に入られたのでしょうか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 区では、年に二回実施の運営事業者への連絡会において、運営上の留意事項等に係る集団指導を行ってまいりましたが、この間、都の当該施設に対する指導件数は実施されておらず、区においては、今年度中に当該施設の実地検査に入る予定でございましたが、今回の休止により実施には至っておりません。 ◆岡本のぶ子 委員 医療的ケア児の保護者の方が、今までどれだけ大変な思いをして子どもたちを育ててきているかということは区も認識をして、成育医療センターの先生方と協働でさまざま、国に対しても先進的な取り組みを伝えてきたんだと思います。  そうした中で、平成二十八年六月に国の通知では、医ケアの子どもたちに対しての保健、医療、障害福祉、保育、教育など、しっかりと関連分野の連携を地方自治体が中心となってやるようにというのが六月に発表されていたのに、その二カ月後に指定を受けたこの期間が何と二年二カ月間誰も状況を見にも行ってあげないで、そして閉鎖になってしまったということは、お母さんたちも大変困惑をしている、その声を私は本当に深く受けとめなくてはいけないと思っております。  そうした意味で、じゃ、この医ケアの施設だけがそういう状況だったのかということも、私も大変いぶかしく思いましたから、所管のほうに情報をいただいて表にまとめました。この表は、障害児の預かる施設というのは世田谷区に六十八施設、児童発達支援と放課後デイサービスは、給付を受けている施設が六十八施設あるわけですけれども、同じように子どもを預かる保育施設、認可保育園とか認証保育園とか保育ママとか、そういう施設は二百七十三施設あるわけです。では、そこに対して、区が巡回支援の相談に何回回っているのか。平成三十年度だけを見たとしても、この保育に関しては二百七十三施設中五百六十四回、二回ずつ回るということになっているわけなんですけれども、障害児の施設はゼロ回なんです。全く回っていないし、前年度も回っていないし、巡回指導そのものをやっていないということがこの数字として明らかになっております。これは区から提供されたデータですので、私が勝手につくったわけではありませんけれども。  また、先ほどの指導検査について調べてみると、二〇一三年から二〇一七年の五年間で実施した施設は、なんと六十八カ所中三十一カ所、五年間一回も指導検査に入っていないところが半数あるという、そういった実態も浮き彫りになりました。これでは、子どもたち、同じ子どもたちであり、ただ障害を負った子どもたちが過ごす場所が、世田谷区の責任者を呼んで連絡会をやっているだけで、全く寄り添うような支援になっていないということが私は大変問題だと思います。本件に対して区の見解を伺います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 医療的なケアを必要とするお子様や重度の障害をお持ちのお子様が日常生活における基本動作を習得し、集団生活に適応するよう訓練できる施設の重要性は区としても認識をしているところです。  区といたしましては、今後、このような重要な役割を持つ施設の状況を把握し、必要な指導、助言に結びつけるため、障害児施設に対する指導検査体制を強化しなければならないと考えております。  また、委員お話しのありましたように、施設との関係性を築き、日ごろから状況把握を行えるよう、保育施設、事業への巡回支援相談も参考としながら検討を進めまして、毎年の施設訪問が可能となるよう、効率的で効果的な実施方法と体制を整える必要があると考えております。  さらに、区が平成三十二年、二〇二〇年度の早期に目指す児童相談所の設置に伴い、障害児通所施設の指定事務も区の実施となりますことから、その実施体制の構築も検討しているところでございますので、これらの点をあわせ、障害児者支援施策充実の観点から、必要な体制整備を図ってまいりたいと、このように考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 本区は、保育の質、ずっと保育の本当に待機児童対策で取り組んできておりますけれども、やっぱり一方で、同じ年齢の子どもたちが障害児の施設に入っていることについてのその質の担保というか、そこに対しての対応が全くおくれていたというこの実態が浮き彫りになったということですので、本件に対して宮崎副区長、いかがでしょうか。 ◎宮崎 副区長 ただいま所管部のほうから状況の御説明をさせていただきました。非常に遺憾です。  今後、我々のほうといたしましても、この医ケア問題につきましては、なかなか一足飛びに進んでいないということは正直なところございますけれども、今ある施設のほうにつきましても、施設のほうと区のほうとの向き合い方をきちっと一回整理させていただきまして、その対応を進めていかなきゃいけないということを肝に銘じたいと思います。 ◆岡本のぶ子 委員 とにかく、医ケアの子どもたちや重症心身の子どもたちの受け入れる場所がないということをずっと保護者の方たちが悩んで悩んで、何度も何度も区にも要望して、また私たち議会にも要望されてきて、やっとできた施設が閉鎖になってしまうという、こういったことを起こしてはいけないと思いますので、そこの点をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  上野毛の施設が今休止というか、閉まってしまったことで行き場を失ってしまったそのお子さんたちに対しての対応も、区が責任を持って取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移ります。  二年後の開設準備が進む児童相談所の主要業務となる里親支援について伺ってまいります。  本年七月、国は質の高い里親教育を実現するため、フォスタリング業務のあり方をできる限り具体的に提示することを目的として、フォスタリング機関、里親支援包括支援機関及びその業務に関するガイドラインを策定しました。  私ども会派は、昨年十二月に福岡市、本年二月に金沢市、八月に静岡市の各児童相談所を視察し、里親支援等の先進的な取り組みを学ばせていただく中で、子どもに最善の養育を提供するためには、里親さんへの丁寧な伴走型の支援の必要性を実感いたしました。また、先日私は、世田谷区内でファミリーホームをされている里親家庭を訪問し、養育されているお子さんたちが過ごす様子を拝見しながら、里親さんと懇談をし、さまざまな課題について御意見、御要望を伺ってまいりました。  本日は時間がありませんので、その一つとして、東京都の児童相談所が行う里親家庭への訪問について、その里親さんがおっしゃるのは、里親家庭で養育を受ける子どもの中には障害のある子や、さまざまな課題がある家庭で育ってきた子どもなどがおり、年一回の訪問だけでは子どもの養育や里親が抱えている課題を伝え切れない。形式的な訪問ではなく、もっと里親家庭に寄り添う家庭訪問にしてほしいとの御要望をいただきました。  里親委託のガイドラインを見てみますと、委託直後の二カ月間は二週間に一回程度、委託の二年後までは毎月ないし二カ月に一回程度、その後はおおむね二回程度訪問する。そのほか里親による養育が不安定になった場合などには、これに加え必要に応じて訪問するとされているのです。しかし、東京都は年に一回しか訪問をしていないという実態がございます。恐らく人手が足りない、さまざまな対応に追われているということからかもしれません。  また一方で、新しい社会的養育ビジョンでは、法改正により、子どもの家庭養育優先原則が明記されたことを受け、里親への委託率の目標七五%が掲げられました。現在、本区には約百名を超える就学前のお子さんが施設や里親に措置されていると伺っておりますが、それに比して里親登録家庭数は約三十家庭であり、しかも、実際お子さんを受託されている里親家庭は二十家庭にも満たない状況と伺いました。今後、里親家庭の拡充も図らなくてはなりません。  ここで質問いたします。児童相談所開設が二年後と迫る中、区として里親養育を推進するために、里親養育包括支援機関となるフォスタリング機関及びその業務についてどのように考え、遅滞なく準備するのか、伺います。 ◎長谷川 児童相談所開設準備担当課長 現在は、区内の里親さんや児童養護施設等の方々と協力関係構築に向けた緊密な意見交換を進めているところでございますが、この意見交換を通じまして、児童の養育を委託するに当たっての児童相談所からの児童の情報が十分に提供されない、また、夜間や休日に問題が起きた場合、緊急の相談先がない、そういった課題があるということをお話はいただいておりまして、課題認識を持っているところでございます。  こうした支援の充実を図るということが里親をふやす上での重要なポイントでもあると考えてございます。また、多様な受け皿を広げる必要もあることから、里親支援団体などの委員お話にございました民間のフォスタリング機関との協働の可能性も含めた効果的な制度設計、これを進めていきたいということで考えております。  この間におきまして、国や東京都は里親家庭への新たな支援に取り組んでおり、こうした取り組みの効果についても見きわめるとともに、関係者との十分な意見交換の上で、来年の七月を目途に詳細な制度設計を進めていきたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 最後に要望ですけれども、さまざまな児童相談所を視察させていただいて感じたことなんですが、児童相談所は大変悩まれた保護者の方とか、さまざまな課題を抱えた中で育った子どもたちが来るところにもかかわらず、非常に暗いんです。なので、これから世田谷区の児相を設計するに当たっては、ぜひ明るくて楽しい、そういった子どもたちがほっとするような、そういう内装にしていただきたいことを要望しまして、板井委員にかわります。 ◆板井斎 委員 医療と介護と福祉の連携について伺います。  在宅介護、また医療を継続するためには、介護する側も受ける側もQOLを高めることが求められると思います。そのためにもこの地域包括ケアでは、医療と介護と福祉の連携が重要としているのはその必然の結果だと思います。しかし、当区においては、この介護・医療連携推進体制はまだまだ机上の論議で進んでいるのではないかと、具体的な在宅介護を継続するための支援策がおくれているのではないかという立場から質問いたします。  先般、区内の病院経営者と懇談した際、目黒区や豊島区で行っている在宅医療支援病床確保事業について、世田谷区も同様の制度をつくるべきとの要望をいただきました。この制度、事業については、自宅などで療養される高齢者等が安心して在宅での生活を続けられるよう、病状の急変時等に速やかに入院治療を受けられるために病床をあらかじめ確保している事業です。目黒区では四つの病院が利用でき、その事業の対象者は介護保険被保険者で、要支援または要介護の認定を受けている方、かかりつけ医、看護師、薬剤師などによる管理及び指導が行われている方で入院の必要があるとかかりつけ医や指定病院が認めた者となっておりますし、最大二週間入院することができます。  区内にはこうした事業を受け入れてもよいとする病院がありますので、この確保事業を実施できないか伺います。 ◎加賀谷 調整・指導課長 高齢化の進展に伴いまして、今後ますます医療・介護ニーズが高まることが見込まれる中、区民が安心して住みなれた自宅で療養生活を送れるよう、区としましては、在宅療養相談、それから地区連携医事業、区民向けシンポジウム等の各種事業を介護保険の地域支援事業として実施してございます。  御質問の在宅で療養中の患者を必要なときに受け入れる病床の確保につきましては、お話にもありました目黒区を初め、半数以上の区で実施がございます。事業の形態、対象者、受け入れ機関等の状況がさまざまなようですので、まずは利用実績及び財政負担などにつきまして、慎重に比較、分析する必要があると認識してございます。  また一方、在宅医療の後方支援制度としましては、患者、その家族が体調不良のときなどに入院できる在宅療養後方支援病院の制度がございます。一定の診療報酬の加算制度があるものですが、区内におきましても、五カ所の在宅療養後方支援病院がございます。患者、かかりつけ医、病院があらかじめ文書で入院先等の確認を行うとともに、かかりつけ医と病院が定期的に患者情報を共有するなどの手続を円滑に行った上で、制度を有効活用していくことが重要であると考えてございます。  このような切れ目のない在宅医療、介護の提供体制の構築に向けましては、今後も連携する多職種が参加いたします医療連携推進協議会、こちらのほうで協議をしていきたいと考えてございます。 ◆板井斎 委員 いざというときに預かっていただける病院があるということは大変心強い話だと思うんですけれども、今、課長の話ですと、その在宅療養後方支援病院、区内に五つある。目黒区もこの後方支援病院をそのまま支援病床確保事業ということにさせていただいているようでございますけれども、あらかじめ、そこにつながるまでハードルが高いということも目黒区の議員からも聞いておりますので、そうしたことをハードルを高くせずに安心して受け入れられる、そうしたことがやっぱり必要だと思いますし、今おっしゃっていただいた医療連携推進協議会、この中にも先ほど私が申し上げた病院も入っているようですので、そうしたところをしっかり窓口としながら、そうした支援ができるような仕組みをぜひ構築していただきたい。まずは今の答弁だと支援病院の周知になるかと思いますけれども、その状況を見ながら、この確保事業についても進めていっていただきたいと思います。  ここは一つ、杉並では今言った五つの世田谷デイ支援病院、これをちゃんと相談体制、相談を受け入れられる、そうした窓口も開設しており、直接家族というか患者が病院とやりとりするのではなくて、一旦区がその中に入ってスムーズにつなげているという事業もやっておりますので、そうした工夫もぜひよろしくお願いいたします。  次に、在宅生活を支えるために、調剤薬局、それから薬剤師との連携も必要不可欠であると思います。特にこのかかりつけ薬局制度については、平成二十七年の三年前の決算委員会でも取り上げました。同制度は二十八年四月から開始されておりますけれども、まだまだこの周知が広がっていないというふうに思いますので、改めてこの在宅医療における薬剤師の役割から説明をしながら質疑をさせていただきたいんです。  この薬剤師の制度における役割としては、服薬状況を一元的に管理して、重複投薬や相互作用、薬の飲み合わせ、そうしたものを気にせず服薬ができるということ、それから、休日、夜間でも相談できるということ、また、病院に足を運ぶことが難しい場合には、在宅での服薬指導もお願いすることができると。まさに、この地域包括ケアシステムにおいては、医師、看護師、ケアマネジャー、理学療法士などの医療チームとの連携はもちろんですが、こうした薬剤師との連携をするということは、在宅で生活をされている方の個々の生活状況を把握し、健康づくりや衛生指導などにさまざまな角度から患者をサポートすることができるものとあります。  また、薬剤師は、地域包括ケアの一翼を担うのみならず、災害時においては医療救護所での責務を果たすなど、地域においてはなくてはならない一員であります。  最近、町の薬局が減っております。一方では、大手の調剤薬局等はふえておりますので、今は医療救護で薬剤師さんが来ていただくという状況もあると思うんですけれども、それもいつまで続くかちょっとわからないというふうに私も実感しているところです。  十月十七日からは、薬と健康の週間というふうになっているそうであります。ぜひこの週間に合わせてポスターとかリーフレット等で継続して、かかりつけ薬局のメリットを発信するほか、そのかかりつけ薬局を持つための手続についても、イラスト等を用いてわかりやすく紹介するなどの支援も必要かと思いますが、見解を伺います。 ◎加賀谷 調整・指導課長 七十五歳以上の後期高齢者人口の増加に伴いまして、特に複数の慢性疾患を抱える方がふえることが予想されております。  そうした中、国のほうでは、地域の薬局が重複する投薬、それから副作用のフィードバック、残薬の管理等患者中心に対人業務に重点を置きました取り組みとして、平成二十七年に患者のための薬局ビジョン、こちらのほうを策定してございます。特にこのビジョンの中での位置づけですけれども、かかりつけ薬局としましては、患者の服薬情報を一元的、継続的に管理すること、二十四時間対応の服薬相談、指導ですとか、医療機関への処方提案等を行うこととしてございます。  区といたしましても、身近な地域の薬局で処方薬、市販薬の飲み合わせ等の服薬管理を行ったり、医療機関と連携しまして患者の状態を見守るなど、かかりつけ薬局を持つことのメリットにつきましては、薬剤師会等と一緒になりながらさまざまな機会を通じまして、区民や介護事業者等に周知普及を図ってございます。  また、かかりつけの薬剤師というのがございまして、こちらは在宅で療養生活をされている方の自宅を訪問しまして、薬歴管理ですとか服薬指導を行うなど、医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネジャーとともに在宅医療を支えるチームの一員という位置づけがございます。  今後も在宅医療・介護連携を推進していく中で、かかりつけ薬局が身近な相談役としまして区民の健康を支えていけるよう、関係機関からも御意見等いただきながら取り組んでいきたいと考えてございます。 ◆板井斎 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、自殺対策について伺います。  警察庁の統計によりますと、一七年の自殺者数は二万一千三百二十一人で、八年連続で減少しています。原因が特定できた約七割で一万五千九百三十人ですが、その内訳として、健康問題で自殺をされた方が一万七百七十八人で全体の七割を占めています。以下、経済・生活問題が三千四百六十四人、学校問題は三百二十九人と続いております。  自殺は個人の自由な意思や選択の結果ではなく、実際には生活苦や就労問題、健康問題、精神疾患など、さまざまな要因が絡み合い、心理的に追い込まれた末の死であると言えます。  世田谷区はこれまで自殺対策として、自殺の危機を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人、ゲートキーパー、命の門番事業に重点を置いてきましたが、その状況について伺います。 ◎鵜飼 健康推進課長 区では、心の健康づくりとして取り組む自殺予防対策の一つとして、平成二十一年度より、今お話にございましたゲートキーパーの養成講座を開始し、これまでに一千名以上の区民等が講座を受講されました。また、過去二回ですが、庁内職員向けの研修会も実施しております。  現在では、区民対象の一般向け講座に加え、医師、薬剤師を対象とする医療従事者向け講座も開催しております。また、区内の介護事業者や理容・美容組合の従事者などへ一般向け講座の参加を促すなど、区民と接する機会が多い方の参加拡充にも努めております。 ◆板井斎 委員 区職員向けの研修もされたと聞いていますけれども、二十七年、二十八年、二年間で約七十名ということでありますけれども、行政はこの窓口とか電話応対、訪問による区民との接触する機会が多いと思いますので、やはり、区民と接する機会が多い行政みずからが積極的にこの研修を受けていく必要があると思いますので、これはきょうは要望しておきますので、よろしくお願いいたします。  それから、この自殺未遂というか、その方の支援も問われます。東京都の調査によると自殺未遂者のうち、精神疾患を合併している患者は約六割であり、医療機関と連携したよりリスクの高い未遂者への支援を行っていくことも重要かと思います。区の現状についてお伺いします。 ◎鵜飼 健康推進課長 平成二十九年度の国の自殺統計では、世田谷区の自殺者の約三分の一が自殺未遂歴があるという結果が出ております。自殺を図り救急搬送された未遂者を把握し、自殺予防につなげるためには、医療機関との連携が重要であるものと認識しております。  そのため区は、平成二十五年度より隣接する目黒区との救急医療機関と連携を図り、救急搬送された自殺未遂者本人同意の上で、地区担当保健師の継続的な支援につなぐ事業を開始しております。この間、病院からの連絡を受け、区の保健師につなげた未遂者は四十三名に上ります。  また、自殺企図や自傷行為を繰り返す人は専門的な相談支援につながりにくいとも言われ、そのことから、今年度は区内の救急医療機関へ、区が発行する自殺ハイリスク支援者用のさまざまな専門相談窓口を紹介するリーフレットを配布する予定で準備を進めております。 ◆板井斎 委員 五年間で四十三名の自殺未遂者への対応をしたということですけれども、相手があることで、継続の難しさもあると思いますけれども、さいたま市ではこのアウトリーチ支援というのを行っておりますし、また、世田谷区としても今後、区複合施設、保健センターにおいて心の健康相談等機能を拡充する予定ですので、こうした中にもこの訪問型支援事業をぜひ実施していただきたいというふうに要望をしておきます。  それから、一個飛ばして、若者の自殺について伺いますけれども、この八年連続で自殺者が減少している中、十九歳以下の自殺者は前年比四十七人増の五百六十七人、また、十五歳から三十四歳の死因の一位が自殺であるのは主要七カ国でも日本だけであります。若者の自殺に歯どめがかかっておらず、若年層向けの対策が課題となっております。  我が党としてもその対策を探るべく、本年四月にNPO法人ライフリンク、清水康之氏を講師に招き、SNSを活用した自殺相談というテーマで講演会を開催いたしました。その氏によりますと、同会が本年三月に行ったSNSを活用した相談の実績は、一カ月でアクセス数が約四万二千三百八十二件、相談につながった件数は千百三十八件、そのうち、自殺念慮というか、自殺したいというか、そういう意思が強い方が四百八十七件、自殺の危機があると感じた件数が百三十二件、そして具体的に緊急対応、警察とか、そういう専門の機関につなげたのが八十七件ですから、一カ月で四万二千三百八十二件中八十七件がそういった緊急対応に至ったということです。  また、同氏はこのSNSを活用した相談のメリットとしては、対面や電話で話すのが苦手な人でも相談しやすい、相談画面で共有できるので、さまざまな専門家チームプレーによる対応が可能、三番目としては、相談履歴がそのまま残り、相談員がかわっても同じことを聞かずに済むと。このライフリンクというのは、専門性の高い他団体や相談する方との協議、連携をすることによって、相談から支援、それから保護、居場所の提供、こういう一連の流れの中で支援をしているわけでございますけれども、世田谷区としてもこのSNSを活用した相談体制への認識についてお伺いします。 ◎鵜飼 健康推進課長 区民の十五歳から三十九歳の若者世代の死因の第一位は自殺であり、区の全自殺者数の約三分の一を占め、若者自殺予防対策は区の喫緊の課題として認識しております。  一方、法改正により区にも自殺対策計画の策定が義務づけられ、区は来年度、区の自殺対策計画のこの策定に向け、今までの実績を踏まえつつ、世田谷区自殺対策基本方針を策定いたします。  今年度はその準備として、成人区民四千人の区民意識調査に加え、若者の悩みや生きづらさ等の状況等を把握するために、若者層向けウエブアンケートを実施いたします。これら調査結果を踏まえ、お話にもありました、今年度東京都が行っているSNS相談の動向等も注視しつつ、若者自殺対策について総合的に検討してまいります。 ◆板井斎 委員 荒川区は、地域にある今のようなNPO法人と連携しながら若年世代のこころの居場所相談室というのを行っているそうであります。これもやはりアウトリーチ型で、この町なかに出向くということが大きな特徴らしいんですけれども、あわせて区内の大学に、首都大学東京の荒川キャンパスとかに、この相談室のPR活動も行っており、やはり世代間への相談室の周知ということにも力を入れているようであります。  世田谷区にも多数の大学等も存在しているわけでございますし、そうしたところもしっかりとアンテナを張っていただき、今後、自殺対策基本方針を策定すると今の答弁でしたので、ぜひその中でも、大学等のそうした関係者も交えて検討していただければと思っております。  次に、認知症サポート事業についてお伺いをいたします。  この事業については、世田谷区介護ロボット及びICT機器の導入経費をクラウドファンディングを活用した寄附募集で行うと、そういう発表がありました。  いよいよこの福祉の分野でもそういうクラウドファンディングがあるのかと、大変関心を持って読みましたけれども、このクラウドファンディングというのはやっぱり寄附者に対して一定の成果を示すことが逆に言えば求められるわけであります。お金を集めて希望する施設に介護ロボットを贈呈しておしまいということではないと思います。  私は、この特養や有料老人ホームで福祉介護ロボットの導入を研究する調査に携わった経験があります。その中で言いますと、いいんですけれども、やっぱりすぐに効果は出ない。やっぱり操作する介護職員の理解があって初めてその効果が出てくるわけであります。例えば移乗介助などではやっぱり負担を軽減するために役立つ装着型の介護ロボットですが、この装着ケア実装に時間がかかる、また機械等が重い、数多くのそういう課題がある中で、この事業をやはり丁寧に進めていく必要があると思います。  ちなみに、この区内二十三の特養を調べましたら、タブレット端末を使って音声録音をしているところが十二園、熱線センサーを活用した見守りを行っているところが十一園、介護ロボットを全く導入していないところが十一園、ですから、十一園が今後導入するかどうかはわかりませんけれども、既に半数近くが導入しているということです。  導入するといっても、私はやっぱりクラウドファンディングというか、そこがメーンではないんですけれども、やっぱりこれは区内としても共通の課題として、介護ロボットをもう少し、本当に使い勝手がいいのか、また、使い勝手の先に何が待っているのか、そういった事業の目的とか、将来的にはどういう効果を期待するのか、各園において導入してよかったねと言うのではなくて、やはり一定の導入した後の、また、導入する有料老人ホームはあくまでも採算性ですので、あいた時間をつくって、あいた時間に別の事業を行うということによって、入居者の状況、介護度を満足させるとか、また、ほかの事業で収入を得るとか、そういう目的があってやっているわけです。特養は頑張っても頑張らなくても特定の配置基準が決まっているし、そういう意味ではなかなか目的が見づらいのではないかと思うんですけれども、この事業について、区はどのように認識しているのか伺います。 ◎尾方 高齢福祉課長 このたび区では、介護の問題を広く共有し、御協力いただきながら、特養ホームに介護ロボット、ICTを導入するため、認知症介護サポート事業の寄附金事業を開始いたしました。  今後、労働力人口が減少する中でますます高まる介護需要に応えるため、サービスの担い手である介護人材の確保、定着は喫緊の課題です。介護現場の業務負担を軽減し、介護環境を改善するため、また、介護事故の件数の減少などの効果を狙いとしています。  また、平成二十八年度から三カ年で実施している国の介護ロボット導入支援事業では、区内の二十三事業所が見守り支援機器や移乗支援機器などを導入し、見守りセンサーで睡眠状態が把握でき、睡眠を阻害せず適時の見守りができる、移乗では二人介助が一人でできるようになったなど、おおむね好評価も得られましたが、一方で機種によっては反応でばらつきが出る、動きづらいなどの課題もあり、介護ロボットを普及させていくにはさらなる改善も必要と考えております。  事業実施後、機器導入から半年を目途に、事業者から導入効果や課題の報告を受け、区として検証を行い、関係機関とも広く共有することで機器の改善を図り、普及促進に資することができるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆板井斎 委員 この事業については大いに期待をするものでございますけれども、やはりそういった何のために導入するのか、今後どうするかということを明確にして、この事業について実施していただきたいと要望して、福祉所管の公明党の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時休憩    ──────────────────     午後五時十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆中塚さちよ 委員 では、外国人介護士について質問をいたします。  国では、本年六月に、介護など人手不足の分野で就労を目的とした新たな在留資格を創設する方針を閣議決定しました。今回政府では、特に人手不足が深刻な介護、農業、建設、宿泊、造船の五分野で、二〇二五年ごろまでに五十万人超の外国人の受け入れを見込んでおり、実現すれば日本で働く外国人労働者が、単純計算で四割ふえるとも言われています。  これまでも我が国では、留学生やEPAの制度、また技能実習制度などにより外国人の方々が介護現場で働かれています。本区でも、介護施設等でこうした枠組みで来日された外国人が働いていらっしゃいます。また、福祉の専門学校や職業訓練校で介護技術を教えている講師の先生方に聞くと、こうした介護分野では、最近は外国人の学生の比率が高くなっていると言われました。  介護人材不足で困っている本区としては、今後にどんな期待や懸念を持っていますか。 ◎尾方 高齢福祉課長 労働力人口が減少し、介護基盤の整備を推進する中、担い手である介護人材不足はますます深刻化していると認識しております。  国は、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、新たな在留資格を創設するとしており、労働力不足が深刻な介護分野などを対象とすることが検討されています。  区内の特別養護老人ホームでは、インドネシアやベトナムからEPAの制度を活用して来日した方が介護職の担い手となっており、一緒に働く職員や利用者、御家族からの評判もよいため、区としても外国人介護士は、介護人材不足の中、有効と考えております。  EPAにより外国人を採用している区内の特別養護老人ホームでは、住まいや日用品の準備、日本語学習の時間を設けるなどの支援を行っています。また、複数の区内法人がベトナムの技能実習生の送り出し機関や看護・介護専門学校などを九月に視察しております。訪問した法人からは、出国前の日本語教育が大切、ベトナムでは介護ニーズが少なく、日本の介護技術を本国で生かす機会や収入が期待できない。来日に必要な経費の借金返済が大変といった課題があると伺っております。  また、外国人介護職の受け入れに当たっては、言葉や文化、生活習慣の違い、訪日のための経費や日本での生活費などが課題であると認識しております。 ◆中塚さちよ 委員 私も前にEPAで来日した介護士さんが働く施設を取材したこともありますし、またベトナムでの介護人材育成に関心を持って訪問している先生方とも意見交換などをさせていただいております。EPAのときから言われていたことなんですけれども、やはり日本語の習得というのが、例えば英語を覚えることに比べますと非常に難しくて、ハードルが高いです。そのため、介護福祉士の資格、これの合格率が、日本人は今八割ぐらいかと思いましたけれども、外国人の方だと五割程度しか合格できていないと。資格を取得できなければ、結局国に帰されてしまうといったリスクがあります。  そう考えると、日本に来る外国人の方々、技能実習の仕組みで言えば、自国の研修をまず日本語の研修とかを受けて、またそこの仲介あっせん業者というのか、管理団体というところに多額のお金を払っていまして、五年間日本で働くために二百万円以上のお金を払っているということなんです。そこまでして苦労して日本に来ても、国に帰されてしまうかもしれないし、また世田谷区にその中で来るということになると、賃料だとか生活費が地方と比べると高いですので、そうしたところまでしてこの世田谷に外国人の方が働いてくれるのかというのは、非常に難しい問題があるかと思います。そこを施設、受け入れ法人の方々がバックアップをするというのはあると思うんですけれども、どこまでできるかというのもそうした法人の側ではやはり問題かと思います。  つまり日本の経済、諸外国、インドネシアとか、ベトナムとか、そういった国々から来られると、やはり格差があるから、日本で喜んで働いてくれるだろうと思っていたらば大きな間違いでありまして、低賃金でまして働かせるとなったら、日本には来なくて、ほかの国に行ってしまうと思います。また、介護以外の職種のほうも今回規制緩和されますので、ほかの職種のほうで働きたいという方が結局ふえてしまうと思います。
     もちろん、そもそも我が国の介護職の賃金というのは低い低いと言われていますが、これは海外の中での介護職の賃金水準よりも低いということなので、やはり日本を選んで来てもらうために、日本人も含めて今の介護の仕事の待遇向上というのが急務ということには変わりありません。しかし、そうした中でも、できるだけいい方に来ていただいて、地域に定着して介護分野で活躍してもらうために、区の制度としてどんな支援やバックアップが考えられますでしょうか。 ◎尾方 高齢福祉課長 国は、増加が見込まれる外国人介護人材が円滑に介護業務に従事できるよう、日本語や介護に関する専門知識などに係る学習支援を行うなど、その受け入れ環境の整備を図るとしており、東京都でも日本語や介護技能の学習費用を助成する事業を行っております。  区では、外国人介護職に限らず、介護人材確保策として、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の受講料助成、介護福祉士資格取得の費用助成を行うほか、事業所を超えた仲間づくりなどを目的とした介護職員等合同入職式などを実施しております。  区といたしましては、介護人材の確保に向け、外国人介護職も含めた支援策について、事業者の意見も伺いながら、国や都、先進的な取り組み事例などの情報収集に努め、検討を進めてまいります。 ◆中塚さちよ 委員 今の日本人向けというのか、資格取得の費用ですとかを考えると、海外から来る人のかかっているお金というのはそんなものではないですし、合同入職会とかいうのがそんなに効果が上がっているのか、今の介護人材が全然ふえていないことを考えると、今の施策というのも非常に乏しい現状なのかなというふうに思うんです。新たな在留資格というのは、今の安倍首相は移民政策ではないというふうに言っているようですけれども、諸外国を見ますと、特に日本より早く高齢化というふうに進んでおりました北欧の国々などでは、移民の方々が非常に多く、介護現場で働いているという実態があります。  そうした中で、私どもも視察に行ってきましたけれども、フィンランドですとか、スウェーデンといった国では、移民の方々の人権というのを保障して、地域に溶け込めるように、言語の習得とか就労ですとか、子どものケアといったところまで手厚くサポートをしているようです。  今回の外国人介護士の規制緩和では、日本に来るまでに覚えて、習得しておくべきとされる日本語のレベルがすごく引き下げられておりまして、要はそんなに向こうで日本語を一生懸命勉強しなくても日本に来られる仕組みになっておりますから、逆に言えば、日本に来てから言葉がうまくいかなかったり、そういう理由で脱落者が多く出てしまうのではないかということが、その関係者の方々は懸念しています。  日本で言葉や地域に溶け込めなかったり、介護の職場に溶け込めないでいると、離職して、ほかの職業、下手をしたら風俗産業などに流れていってしまって治安が悪化するとか、そういったことを指摘する方もいらっしゃいます。ぜひこうしたことにならないために、例えば、今先にEPAですとか留学で来ている方々ってとても優秀な外国人の介護士の方がいらっしゃいますので、そうした方々がいわゆる先輩みたいな感じで、日本の文化とか生活習慣についてフォローしたり、あるいは国際課とか、そういったところとも、区が連携をして、そのほうが音頭をとって、地域の外国人との交流やサポートを行っているような市民活動の団体とか、そういった方々と勉強会をやるなど、研究をしていってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎尾方 高齢福祉課長 区内には二万一千人を超える外国人がお住まいで、区では外国人の生活支援、多言語対応、多文化共生のまちづくりの観点から、多言語対応による情報発信や国際交流イベントなど、外国人が暮らしやすい環境づくりに取り組んでおります。  故国から離れ、日本で働いている外国人介護職の方が孤立することなく、安心して暮らし、働き続けられるよう、交流や情報の提供など、事業者の声も伺いながら、関係所管課とも連携し、しっかりと取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 よろしくお願いいたします。  それでは次に、梅ヶ丘のところの質問をさせていただきます。  今民間施設棟が南東北グループによって運営されるということで移行に向けて準備中と思います。先般、区のほうで行っております専門職向けの研修に参加したところ、南東北グループの職員の方が何名かこぞって参加していらっしゃいました。まだ世田谷に来て間もないという若手の方々ばかりで、この大きなプロジェクトに真摯に取り組む姿勢というのが見えましたけれども、まだよくわからず、手探りといった雰囲気もありました。  そうした中で、これまで我が会派の藤井議員を初め、議会でもこの総福センターを利用していた区民の方々が、これまで同様のサービスが新しい法人で提供されるのかどうかといった心配というのが寄せられているのが現状でして、私のところにも幾つか問い合わせがありましたので、質問をさせていただきます。  その一つに、障害者の個別訓練があります。利用者から説明会の際に、現行六十分の訓練時間というのは四十分に短縮される、またこれまで送迎があったけれども、自力で通所してくださいといった説明があったといった声が寄せられました。そもそも障害があるのでリハビリしなくてはいけない。自力で通えないからリハビリが必要なのに、バスや電車に乗れなかったらタクシーで行かなくてはいけない。そうすると、非常に費用もかさんでしまい、障害があるから仕事もできないのに、タクシー代を払ってリハビリに通っていては、全く自立生活とはほど遠くなってしまうという御相談がございましたが、それについてこれまで同様のサービスというのが維持されないのでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 総合福祉センターで行っている成人向けの身体機能の維持改善を図る自立訓練事業につきましては、梅ヶ丘拠点整備後は民間施設棟の障害者支援施設へ移行することとなっております。  この間、総合福祉センターの利用者には、本年七月に説明会を行い、また八月からは利用者個々に事業移行後の訓練内容の希望を伺うなど、円滑な事業移行に向け、区と総合福祉センター、民間施設棟運営事業者の三者が協力して取り組んでいるところでございます。  御質問の訓練時間でございますが、現在総合福祉センターで行っている訓練は、六十分の場合は面談と訓練を合わせたプログラムとしております。  民間施設棟運営事業者の七月の説明会では、面談時間を除いた訓練時間を御説明したため、誤った情報を提供してしまったものでございます。移行後も総合福祉センターと同じプログラムで実施を予定しており、変更はございません。また、自力での通所が困難な方は引き続き送迎をいたしますので、この点も変更はございません。  七月の説明会終了後には同様の御質問がございましたので、既に御質問をいただいた方への対応をするとともに、他の利用者にも正確な情報を御案内しております。利用者が事業移行後も安心して訓練を行っていただけるよう、丁寧な説明や御案内をするよう、事業者の指導を行ってまいります。 ◆中塚さちよ 委員 ということは、今までと全く同じで変わらないということでいいんですね。例えば二十分が面談といいますけれども、毎回行っていたら、面談二十分もしないで訓練のほうを多く時間をとっていたとか、今度はそうはいかず、訓練を四十分しかやらないとか、そういうようなことにはならないというふうな理解でよろしいんですよね。 ◎竹花 障害施策推進課長 これまで総合福祉センターで行っていたプログラムと同様に取り組んでいく予定でおります。 ◆中塚さちよ 委員 わかりました。  あとは摂食指導についてです。  これは言語聴覚士などによって提供されている摂食指導というサービスがありまして、肢体不自由などでうまく食事がとれないといった方々に、食事のときの姿勢ですとか、口腔機能のチェックを行って指導するという、そういった乳幼児向けの指導でございますけれども、こちらが中心になるといった話も聞いているんですけれども、どうなっているんでしょうか。 ◎竹花 障害施策推進課長 摂食指導につきましては、児童発達支援事業の個別訓練として実施をしていることから、総合福祉センター廃止後は、梅ヶ丘拠点民間施設棟の障害者支援施設へ移行することとして、平成三十一年度からの事業実施に向け、民間施設棟運営事業者と協議を進めており、中止ということはございません。 ◆中塚さちよ 委員 摂食指導というのは、調べていただきましたところ、平成二十九年度で延べ九十七人で、ことしも八月末までで四十三人が利用していると、五十名以上の乳幼児にとって必要とされる状況ということでした。これがスムーズに移行できないとなると非常に影響が大きいと思います。  乳幼児のころの発達とか成長のもととなるのがこうした授乳だったり食べることだったりするので、ここでつまずかないように、必ずスムーズに継続していただけるよう取り組んでください。  時間がないので、次の質問に参ります。がん患者の家族支援について質問をさせていただきます。  本区では、がん対策推進計画を策定しまして、がん相談の窓口の設置運営というのを平成二十六年十月から行っているということです。男性が二人に一人、女性は三人に一人ががんに罹患すると言われている時代で、私自身もがんの治療を経験したということと、またケアマネジャーの仕事をしているということもあるので、このがんに関する御相談というのをいただくことが案外多いんです。  しかし、一方で区が今力を入れてやってきているがん対策、保健センターでやっているがん相談の実績というのがどうもいま一つに思います。平成二十七年では面談で二十件で電話十七件、二十八年で面談十三件、電話は二十七件、二十九年で面談二十一件、電話二十二件ということは、月に一人か多くて二人、少ないとゼロ、そういった相談の実績しかないということなんです。  まずは、がんになった方って病院のソーシャルワーカーとかに先に相談が行ってしまうのかなという事情はあるのかと思うんですけれども、それにしてもこの実績がこれだけ上がっていないということは、やはり活用しにくいとか何か原因があるのではないかと思うんですけれども、そのあたりは今後はどう考えているんでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 区立保健センターのがん相談コーナーでは、専門相談員によるがん相談を実施しております。また、そのほか二十七年度から電話相談、また二十八年度には社会保険労務士と連携した就労相談を始めるなど、毎年度事業の拡充を図ってまいりました。  一方、委員の御指摘のとおり、毎年度がん相談コーナーとして、対面、電話相談、合わせて七十回程度の相談窓口を開設しておりますが、相談件数が四十件前後で推移しており、やはり区民への周知の不足が大きな課題であると捉えております。  なお、去る十月二日に、区内の関係機関等が連携してがん患者等を支援するための意見交換や情報、課題等を共有する世田谷区がん患者等支援ネットワークを発足いたしました。区内医師会、歯科医師会、薬剤師会を初め、保健センター、あんしんすこやかセンター、また区外の二次医療圏内のがん診療連携拠点病院や近隣でがんに関する活動を行うNPO法人等をメンバーに、相談事例を活用したグループワークで討論を行い、闊達な議論が展開されました。  今後は、このネットワークを活用してがん相談の周知を図るとともに、がん患者と御家族にとって必要な情報の把握に努めるなど、がん患者やその家族の在宅療養生活の支援に、より一層の充実に向け取り組んでまいります。 ◆中塚さちよ 委員 区のほうでは周知不足ということでしたけれども、もう四年目になっていますので、また今後、梅ヶ丘のところにがん相談や情報提供というのを、情報発信の拠点にするといったことも決算書のほうに書かれておりました。では、この梅ヶ丘でやっていかれる情報発信の拠点というのはどのような内容になっていくのでしょうか。 ◎鵜飼 健康推進課長 がん患者やその家族が在宅で療養を受けながら、安心して暮らしていくためには、在宅療養に加え、訪問看護や介護保険サービスなど、さまざまな支援が求められ、それらを利用するための的確な情報の提供が必要です。  保健センターのがん相談コーナーでは、相談員による専門的な相談に応じ、また、在宅医療や緩和ケアなどの社会資源の情報なども提供しておりました。一方、平成三十年三月に策定した梅ヶ丘拠点整備事業に伴う世田谷区立保健センター事業実施方針では、区立保健センターを健康づくり等の情報発信拠点として強化を図り、さまざまなメディアを活用し、健康情報を発信することを掲げております。  今後は、梅ヶ丘拠点に移管する区立保健センターの拠点機能として、がん患者を初め区民が必要とする健康情報を誰にでもわかりやすく発信できる機能や手法等について、関係所管とも連携を図り検討してまいります。 ◆中塚さちよ 委員 情報提供ってわかりやすくするということは大事なことなんですけれども、要は現実問題は、今ネットで誰でも簡単にわかりやすい情報って入手できるんです。根本的な問題は情報が多過ぎることで、私はかねてから議会でも警鐘を鳴らしていますけれども、非常にステージ四のがんが消えたとか、諦めないがん治療とかいう、ほとんどエビデンスもなく、場合によっては有害なこうしたわかりやす過ぎる情報に飛びついてしまうことがむしろ問題だと思っています。  今、例えば新しいタイプのオプジーボとかがまた注目されたりしていますけれども、こうした免疫療法とか、先進医療に対する過大な期待ですとか、誤解だとか、非常にこうしたものが渦巻いているのが現状なんです。  私は、ここにサポートの研修にも行ってきたんですけれども、江東区のNPOのマギーズ東京はもう皆さん御存じかと思いますけれども、行ったことがある方っていらっしゃいますか。――残念、一人ぐらいいらっしゃるかと思ったんですけれども。ここに行きますと、予約なしでいつでも立ち寄れると、ぽっと行ったときに、いろんなお話を皆さんがされていかれる、私も一日傾聴させていただきましたけれども、そうした中で、本当にこうした多額のお金がかかる治療ですとか、エビデンスのないものですとか、間違った食事療法だとか、そうしたところで、余計に健康を悪化させてしまっている人とかもいらっしゃいます。  ぜひこうしたマギーズ東京には見学に、視察にでも行っていただいて、今後のがん対策のあり方の参考にしていただきたいと思います。  もう時間がないので、これで藤井委員と交代いたします。 ◆藤井まな 委員 本日、多分最後の質問者になると思いますので、よろしくお願いします。  障害者差別解消法について一問だけ質問をしたいと思います。  先日、障害を持った方のコミュニケーションを円滑にするアプリを開発している方のお話を伺う機会があったんですけれども、その先日会った方が、体は動かなくて、動くのは指先と眼球だけしか動かない方がいらっしゃるんですけれども、そういう方でもアプリを使ってコミュニケーションをとることができるようになっている、本当に技術の進歩はすごいなと思うんです。  その人は、今までしゃべることができなかったので、コミュニケーションをとれなかったんですけれども、指先でそのアプリを使うことによって、いろんな人とコミュニケーションがとれるようになって、その人はしゃべりはしないけれども、脳はすごい活発に動いているんだと自分自身では言っていて、その方がそのアプリの開発者の方とお話をし始めて、今どんどんアプリを使いこなせるようになってきてから、必ず会ってその方に言うのが、働きたい。私は脳も動くし、指先も動くし、眼球で合図をすることもできるから、働きたい、何度も何度も言ったという話を聞いて、返す返すも今回の誤算定は本当に残念だなと。世田谷区だけじゃないですよね。中央省庁も全部ですけれども、そういう人たちが今回の障害者の雇用について、こういったことが起こったことのニュースを聞いたら、本当に残念な思いをしているんだろうなというふうに思いました。  また、最近相談を受けている中で、区内の中学校で、中学校名は言わないですけれども、ここは文教所管じゃないので、そのことについては何も言わないですけれども、障害を理由に部活に参加できない。その本人はバスケットボールをやりたいんだけれども、ボールが飛んできて危ないからバスケとかはやらないほうがいいんじゃないかと、その学校の副校長先生からとめられて、いまだにバスケができないという相談を受けていて、その話も聞いて本当に残念だなというふうに私は思っているんですけれども、何とか解決してあげたいなと思って、まだ交渉している最中ですけれども。  今回何が言いたいかというと、正しく区役所の人たちが理解をしているのかなと。確かに障害者差別解消法というものがあって、合理的な配慮というものの言葉がすごい叫ばれるようになりましたけれども、心の底からしっかりそういったことが認識されているのかなと。  この障害者差別解消法っていうのは、合理的な配慮という言葉がすごく目立っていますけれども、重要なのは、障害を持っている方にどれだけ寄り添えるようになるかということが僕はすごい重要だと思っていて、そういった心はまだまだ育めていないんじゃないかなというふうに僕は感じます。  ここは福祉所管ですから、障害の施策の担当の方もいらっしゃいますし、それ以外の方たちも、多分、そういう障害を持った方たちに対する理解というのは、部署の中で一番進んでいる人たちがここに今集まっているんだと僕は思っています。  世田谷区全体に、世田谷区で働く職員の皆さん全員にやっぱりそういう障害を持った人たちに寄り添う心ということをしっかりと教えるという言い方が正しいのかわからないですけれども、共有していくということを進めてほしいと思っています。司令塔となってそういうことをやってほしいなと思っていますけれども、障害施策の担当の方の意気込みというか、これからの取り組みをお伺いさせていただきます。 ◎竹花 障害施策推進課長 平成二十八年四月に障害者差別解消法が施行されましたが、区では、法施行の前年度から区長を委員長とする世田谷区障害者差別解消委員会を設置し、全庁挙げて障害者差別の解消と法施行への対応の取り組み体制を整え、進めてまいりました。  その中で、区の基本的な考え方を定めた基本方針を策定するとともに、職員対応要領や職員向けガイドブックなどを作成し、区職員だけではなく、指定管理施設職員も対象とした研修会等を通じ、法の内容と対応について周知を図ってまいりました。  また、法施行後は、障害施策推進課では専門調査員を二名配置し、区民や事業所、庁内各課からの障害者差別解消に関する相談、問い合わせを受け、場合によっては現地を訪問し、障害理解の促進と差別解消の取り組みを進めてまいりました。  また、職員に向けては、採用一年目研修や係長候補者研修などにおいて、障害者差別解消法や具体的な合理的配慮の提供の考え方に関して研修を実施するとともに、庁内各課には、区民向けの印刷物には原則として音声コードの印刷、講演会等では手話通訳者の配置などを周知するなど、合理的配慮の具体的取り組みの周知徹底を図っております。  区では、区民の皆様からの御意見や合理的配慮の提供などの具体例を現在蓄積して、毎年度報告書や職員ガイドブックに反映した上で、庁内周知を図ってまいりました。  今後も、具体的な事例を職員研修などでも活用しながら、区職員に対する障害理解の促進と障害者差別解消法の周知啓発に継続的に取り組んでまいります。 ◆藤井まな 委員 今いろんな事例の蓄積というお話がありましたけれども、当然、障害を持った方たちは一人一人違うわけで、合理的配慮というものも大事ですけれども、そこに、先ほども言いましたけれども、寄り添うという心構えというか、そういう思いをぜひとも世田谷区で働く全員に共有をしていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。  次に、医療的ケア児のお話をさせていただきたいと思います。  この問題に取り組んできて随分前進している面ももちろんあるんですけれども、きょうあえて医療的ケア児の中で格差も拡大をしているということを述べておきたいと思います。  この間、多くの施設で受け入れるところもふえてきましたけれども、例えば医療依存度の高い医療的ケアの子どもたちが取り残されているという現状もあります。例えばすごい元気で走り回れる子どもでも、気管切開をしている子どもを受け入れてくれる施設は世田谷区には一カ所も今はない。あと呼吸器もそうです。そういった医療依存度が高い子どもたちの医療的ケア児というものが今取り残されているというふうに、格差が開いているというふうな現状というものがあるということをぜひとも多くの皆さんに知っていただきたいと思います。取り残されることなく、そういった子どもたちのこともしっかり考えていただきたいと思いますけれども、区の今の考え方をお聞かせください。 ◎阿部 障害者地域生活課長 平成二十六年度にこの医療的ケアに関して、世田谷区と社会福祉法人が共同実施しました実態調査、こちらのほうでは、回答いただいた約二百人のうち、十八歳未満では二一%、十八歳以上で一七%の方が人工呼吸器を装着しており、そのうち半数の方は常時使用ということで結果が出ております。  区内で医療的ケア、かつ人工呼吸器の対応を行っている事業所というのは七カ所ほどありますが、内訳としましては、児童発達支援、放課後等デイサービス、こちらの事業所が五カ所、障害児者の短期入所、日中ショートステイの事業所二カ所となっておりますが、まだまだ足らないということで、障害者団体や特別支援学校の保護者などからは、医療的ケア対応の短期入所等の施設整備や人工呼吸器装着の方の対応について御要望いただいているところです。  人工呼吸器の話は一例ではありますが、医療的ケアにつきましては、これまで公有地等を活用した施設整備の際に対応を求めてきましたが、委員お話しのとおり、若干施設についてはふえつつありますが、やはり専門性と個別性が高く、対応できる人材の確保も課題となっております。  区といたしましては、現在対応している事業所の運営の安定化と対応事業所の増加を目指すため、梅ヶ丘拠点の障害者支援施設において、事業者が職員の技術向上に努め、将来的には拠点施設として、他事業所に技術支援を行うなど、事業者と連携しながら、医療的ケアが必要な方への支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 続いて、一般質問でもお話をさせていただきましたし、先ほど岡本委員のほうからもありました放課後デイサービスの話をさせていただきたいと思います。  発達障害の放課後デイに関しても、診療報酬改定があって現場は大変だという話なんですけれども、重心、医療的ケアの子どもたちを受け入れる放課後デイは、さらに大変な状況になっています。  一般質問の中で、二年間一度も黒字にならなくて、人員配置基準が満たせなくてやめざるを得なかったという施設があると、先ほど岡本委員も言っていた上野毛の施設ですけれども、そういう施設があるという話をさせていただきました。  東京都は、補助金というものに対して東京都の独自のルールがあって、社会福祉法人であるとか、NPOとかには補助金は出すけれども、株式会社には補助金は出さないというふうに言っているという話を聞きましたけれども、それについて、世田谷区は、私の質問の以降にそういった確認はされましたか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 今お尋ねの東京都の重症心身障害児(者)通所事業補助の対象に株式会社が入っていないということにつきましては、東京都にその後、確認をいたしまして、そうしましたところ、都の補助要綱の対象施設としましては、公益性の高い事業のため、社会福祉法人等を対象としており、営利を目的とした株式会社は対象としていないというふうに確認しております。 ◆藤井まな 委員 そのことについておかしいじゃないかみたいなことは言っていただけましたか。 ◎阿部 障害者地域生活課長 やはり先ほどの一般的な公益性の高い事業なので、営利目的とした株式会社は対象としていませんよということで、こちらも東京都に重ねて、今は確かにそうかもしれない。では、今後、検討する可能性はあるのかと、そこまで伺ったんですけれども、今のところその予定もないということでした。  ただ、区といたしましては、委員先ほどお話しのとおり、この重症児を受け入れる事業ですとか、医ケア児を受け入れる事業、こちらについては、日常生活における基本動作を習得し、集団生活に適応することができるよう、適切かつ効果的な指導及び訓練を行うやっぱり重要な事業と区としても認識をしておりますので、今後につきましては、東京都に対し、医療的ケア児、重症心身障害児、こちらに対応できる施設をふやすためにも、障害児通所施設の実際の事業実施状況や経営状況などを東京都に説明しながら、多様な主体による事業実施が可能となるよう、補助対象の点も含めて、何とか要望してまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 何でおかしいじゃないかって言うかと言ったら、単純に厚生労働省はそういう枠をつけていないわけですよね。厚生労働省のルールでいけば、別に株式会社だって補助金は受けられるけれども、東京都の中の独自ルールで株式会社が除かれてしまっているという現状があるわけですから、これは引き続き世田谷区にもしっかりそういう枠は取り外してほしいというふうに東京都にしっかり言ってほしいと思います。  それ以外にも、補助金がない以外にも、送迎の問題が大変負担であるということもありますし、きょうは前回からその後調べてきたんですけれども、台東区の方では、世田谷区の瀬田にもある事業所と同じ事業所がやっている施設で、介護タクシー会社が移動支援を行ってきたというふうな事例もあるということも聞いてまいりました。さまざまな支援方法があると思いますので、引き続き研究をしていただきたいと思います。  そうなってくると、やっぱり重要となってくるのは梅ヶ丘の施設であるというふうになると思います。梅ヶ丘の施設でもショートステイで受け入れるということになっていますけれども、やっぱりそこに利用しようとしている人たちは、質がきちんと担保されるのかというのが本当に一番気になってくるところだと思うんですよね。ショートはあるけれども、そのままほったらかしなんじゃないか。もしもほったらかしなんだとしたら、日中ほかのサービスとのコンビネーションとかを使えないのか、さまざまな意見を聞きましたけれども、世田谷区として、どう質を担保していくのかというお話を聞かせていただければと思います。 ◎阿部 障害者地域生活課長 来年四月に開設予定の梅ヶ丘拠点民間施設棟における障害者支援施設では、障害者入所施設や障害児通所施設、障害者児の短期入所等において、委員ずっとお話しの医療的ケアの対応を、やはりこの施設の特徴として捉えていますので、この医療的ケアの対応につきましては、主治医の意見書等をもとに行うということになっております。御要望の多かった短期入所については、緊急受け入れのための居室を一室以上設けることにもなっております。  各事業におけるこの医療的ケアの具体的な対応範囲というところですが、短期入所等各事業の利用者募集が始まる前にお示しできるよう、現在運営事業者とその中身を協議を行っているところでございます。  とは言いましても、開設当初からこの医療的ケアの対応範囲をこれというふうに限定することなく、事業者が運営と受け入れをする中で、職員の経験やスキルの向上を積み重ね、その対応範囲を拡大していくことができるよう、専門医療機関等に参加いただいております医療的ケア連絡協議会なども活用しながら、区といたしましても事業者に対する指導、支援を継続して行ってまいりたいと、このように考えております。 ◆藤井まな 委員 利用者さんがこんなはずじゃなかったななんていうふうに思われないように、ぜひともしっかりしていただきたいと思います。  最後に、若者の支援ということで、余り時間がないんですけれども、本来、若者の働くということに関しては、働くということですから、産業政策部門が対応することなんですけれども、やっぱり若者の働くということに関しては、若者担当の方もしっかりケアをしていただきたいなと。特に若い世代の離職率というのはすごい高いわけです。十代、二十代が高くて、三十代、四十代、五十代はだんだん下がっていく。やっぱり離職率が高いということに関して、若者施策の担当の皆さんにもしっかりケアをしていただきたいと思うんですけれども、余り時間がないんですけれども、そこはいかがでしょうか。 ◎小野 若者支援担当課長 若者の離職率につきましては、平成三十年版の子供・若者白書でも、最初の就職先を離職した理由としては、仕事が自分に合っていなかったという理由が最も多く、四三%でございました。もし早い年齢段階から自分のやりたいことを、得意なことを知り、将来のイメージを持てていれば、仕事のミスマッチも減らせることができるのではないかと考えております。  青少年交流センターや児童館では、こういったさまざまな地域の方等の協力を得ながら、社会体験ですとか、自主企画、社会体験を積むような事業を実施しております。こうした体験の場を拡充していったり、またそこに多くの若者たちをつないでいくことも我々若者支援担当の責務であると考えております。 ◆藤井まな 委員 以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時五十六分散会...