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平成30年  9月 決算特別委員会-10月03日-03号

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  1. 世田谷区議会 2018-10-03
    平成30年  9月 決算特別委員会-10月03日-03号


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    平成30年  9月 決算特別委員会-10月03日-03号平成30年 9月 決算特別委員会 平成三十年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第三号 日 時  平成三十年十月三日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十七名)    委員長       河野俊弘    副委員長      高久則男    副委員長      桜井 稔              安部ひろゆき              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              上島よしもり              上山なおのり              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              山内 彰
                 ゆさ吉宏              和田ひでとし              板井 斎              岡本のぶ子              河村みどり              佐藤弘人              高橋昭彦              津上仁志              平塚敬二              諸星養一              風間ゆたか              中塚さちよ              中村公太朗              羽田圭二              藤井まな              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              村田義則              大庭正明              そのべせいや              田中優子              桃野よしふみ              阿久津 皇              小泉たま子              佐藤美樹              高岡じゅん子              田中みち子              あべ力也              上川あや              すがややすこ              ひうち優子              青空こうじ  出席事務局職員           議事担当係長 長谷川桂一  出席説明員   副区長            宮崎健二   副区長            岡田 篤   政策経営部   部長     岩本 康           財政制度担当参事                  松永 仁           政策企画課長 田中耕太           経営改革・官民連携担当課長                  中西成之           ふるさと納税対策担当課長(経営改革・官民連携担当課長兼務)                  中西成之           政策研究・調査課長                  藤野智子           広報広聴課長 池田 豊           情報政策課長 齋藤 稔           副参事    柳澤正孝   総務部     部長     中村哲也           総務課長   菅井英樹           区政情報課長 好永 耕           人事課長   大塚 勇           研修担当課長 金澤博志           職員厚生課長 前島正輝           副参事    池田実佐子   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                  松村浩之           庁舎整備担当課長                  秋山武徳   危機管理室   室長     工藤 誠           災害対策課長 荒  学           地域生活安全課長                  加藤秀紀           副参事    河野雄冶   財務部     部長     進藤達夫           経理課長   渡邉謙吉           課税課長   古川雅也           納税課長   庄司秀人           用地課長   村田義人   施設営繕担当部 部長     松村浩之           施設営繕第一課長                  高橋一久           施設営繕第二課長                  青木 徹           公共施設マネジメント推進課長                  髙野 明   会計室     会計管理者  菊池弘明   選挙管理委員会事務局           局長     鈴木孝之   監査事務局   局長     山本茂孝           次長     松田隆夫     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  認定第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定  認定第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定  認定第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定  認定第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○河野俊弘 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆高久則男 委員 おはようございます。公明党のほうから企画総務領域の質疑をさせていただきます。最初に私から防犯カメラについて何点かお聞きいたします。
     ことし五月七日に発生しました新潟市の女子児童殺害事件は、小学生が下校途中に事件に巻き込まれたもので、地域に、そして社会に大きな衝撃を与えました。その事件を受けて、国では現在、登下校防犯プランを策定し、登下校時の子どもの安全対策を進めているとのことであります。  通学路を含めた地域の安全対策では、警察による警戒パトロールであるとか、また町会・自治会、商店街やボランティア、PTAなどによる見守り活動であるとか、地域住民の見守り等々いろいろな角度からの活動がありますが、地域の犯罪抑止効果として力を発揮しているのが防犯カメラであります。この防犯カメラは、地域の見守り、また犯罪を行おうとしている者の犯行を中止させる効果、いわゆる犯罪抑止の効果があるとともに、犯罪が発生した場合にも、犯人の捜査、犯人の特定、立証にもつながるなど大きな効果があると考えられます。また、今、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けてのテロ対策等では、防犯カメラの整備は重要な施策であると思います。  さて、現在我が区で行われている商店街や町会・自治会での防犯カメラ整備費及び維持管理費助成ですが、今までは整備費は六分の五でありましたが、昨年度から東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを踏まえて補助率が十二分の十一へと引き上げになりました。また、現在、維持管理費は経費の二分の一を助成しているとのことですが、最初に、この防犯カメラの整備費助成事業の目的についてお聞きいたします。 ◎加藤 地域生活安全課長 補助事業の目的ですが、防犯活動の活性化と防犯カメラの設置を促進して、犯罪の抑止を図ることにございます。 ◆高久則男 委員 商店街では平成十七年度からこの事業がスタートしておりますし、また町会・自治会では平成二十七年度からこの事業をスタートさせていただいております。今年度末での見込みですが、商店街では百三十二団体中八十八団体、町会・自治会では百九十七団体中四十七団体が今年度末設置見込みとのことですが、区内全地域の防犯力を引き上げるためにも、防犯カメラの設置されていない空白地帯をなくして、区内の安全上の地域格差をつけないためにも、私は全ての商店街や町会・自治会に防犯カメラを設置していくことは重要と思っております。  そこで一点お聞きしますが、そもそもこの事業はいつまで、どこまで、目標設定がどのようになっているのかお聞きいたします。 ◎加藤 地域生活安全課長 区では、東京二〇二〇大会までに馬事公苑とその最寄り五駅周辺及び大蔵運動場周辺を重点地区として、各年度二十団体以上、その後も犯罪発生状況を踏まえて二十団体以上に補助を行えるように目標を設定しております。 ◆高久則男 委員 今の答弁では、返事がちょっと聞こえなかったのですが、商店街や町会・自治会など、基本的に防犯カメラ設置促進を図るためにも、まずはしっかりとこの事業を町会、商店街全てに周知して、全ての地域に安全上、空白地帯が出ないよう、やはり一〇〇%設置を目指すべきと考えています。  しかし、現実には、商店街や町会・自治会によっては、経済的にカメラを設置できないとか、また、プライバシー保護の観点から合意がとれないなどの理由で設置ができていないとも聞いております。例えば、それであれば、公園で今進めている自販機を活用した仕組みを取り入れるとか、また、補助事業ではなくて、区が直接整備をするというようなことも含めて検討はできるのではないかと思います。今後一〇〇%その設置を目指して、このような防犯カメラの設置が進まない商店街であるとか町会・自治会への働きかけをどう進めていくのか、改めてお聞きいたします。 ◎加藤 地域生活安全課長 何台整備するといった数値目標を設定することは、今後の治安情勢などから特定することは困難なのですが、東京都の補助の見通しを見きわめた上で目標を設定し、極力空白地帯をなくす方向で努めたいと思います。また、経済的な理由で防犯カメラを設置できない商店街、町会・自治会については、少ない台数でも大きな犯罪抑止効果が上がるように、設置場所について検討するなど、警察とも連携して働きかけをしていくように考えております。  プライバシー保護の観点から合意がとれないようなケースについてですが、区では区民のプライバシーを守ることを目的とした防犯カメラに関する条例が平成二十一年から施行されております。特に撮影した画像の適正な管理については、この条例を厳格に守っていただく必要があり、プライバシーの保護については十分に配慮されることを商店街や町会・自治会に十分に説明して、合意が得られるように働きかけをしてまいります。 ◆高久則男 委員 防犯活動、防犯カメラの設置は、あくまでも犯罪の抑止を図る目的でありますと。また、やはり犯罪のない安全安心のまちづくりということは自治体における重要な責務でありますので、空白地帯が発生しないように、しっかりと町会・自治会に周知していただき、整備を図っていただきたいと思います。  もう一つ、公園の防犯カメラについてお聞きしたいのですが、私も地元の方より、公園で死角と思われる場所があって、子どもを遊ばせるのに危険を感じていると。子どもの危険回避の上からも、パトロール等もありますが、防犯カメラを設置してほしいとの要望をいただいております。現在、区内の公園では自販機設置に合わせた方法で、事実上負担なしで防犯カメラを設置しているとも聞いておりますが、現在の世田谷区内の防犯カメラの設置状況について教えていただけますか。 ◎加藤 地域生活安全課長 区では、まず、自販機の設置の手法によって設置した防犯カメラの設置状況ですが、合計で十五台になります。その内訳としては、世田谷公園に六台、羽根木公園に四台、玉川野毛町公園に三台、桜みんなの公園に二台となっており、本年度も四つの公園に計四台を増設する計画で進めております。また、自動販売機設置の手法によらず、公園を管理している所管課により設置された防犯カメラが、世田谷公園に一台、太子堂円泉ヶ丘公園に一台、合計二台ございます。 ◆高久則男 委員 きょうは企画総務領域なので、都市整備領域の公園課の人がいないので、ちょっと聞けないのですが、ほかの自治体においては、例えば荒川区とかでは、四十ある公園で約八十の防犯カメラをプロパーでつけていると。ほかにも板橋区とか足立区とか葛飾区、二十三区で、やはり多くの自治体で設置もしていると聞いております。公園には多くの人が集まるし、その中で特に子どもの安全確保ということは最重要課題でありますので、プライバシーの課題等もありますが、まずは子どもの安全確保対策こそ最優先に取り組む課題として、カメラの整備は必須と考えます。  東京都も現在、防犯カメラの設置経費として、一部補助する制度を平成三十一年度までの期限つきでも行っているわけであります。財政的にも、費用がかかるのであれば、それこそクラウドファンディングであるとか、ふるさと納税制度、こういうものを使って、安全対策のための防犯カメラの寄附を募ってもよいのではないかとも思います。そういう観点から、公園への防犯カメラの設置促進をさらに進めるべきと考えますが、危機管理室としての見解をお聞きいたします。 ◎加藤 地域生活安全課長 植木の剪定等による見通しの確保等、公園の防犯対策は防犯カメラの設置以外にも手段、方法があると認識しております。警察等との情報共有により、防犯カメラ設置が望ましいと認められる公園に関しては、危機管理室としては自動販売機設置の手法による設置を継続してまいりたいと考えております。 ◆高久則男 委員 それから、先ほども申し上げましたが、新潟市の女児殺害事件を受けて、今、防犯プランというものを決定して策定していると。そのプランの中では、地域における連携強化、通学路の合同点検の徹底及び環境の整備・改善、そして多様な担い手による見守り活性化、不審者情報等の共有及び迅速な対応、子どもの危険回避に関する対策の促進を提示する等と出ておりました。このプランを受けて、世田谷区でも九月に、通学路の防犯上の死角があるかないかの緊急点検を実施したとも聞いております。こういったことにより、区内通学路の安全対策を危機管理室としてはどのように考えて、また、進めていくつもりなのか、お聞きいたします。 ◎加藤 地域生活安全課長 区内小学校の通学路については、教育委員会により平成二十八年度から平成三十年度までに各校五台ずつ、合計三百十台の防犯カメラの設置が完了する予定です。危機管理室としては、この三百十台のカメラのほか、区内警察署との情報共有はもとより、見守り協定締結事業者の協力を得るなどして通学路の安全対策に努めてまいります。 ◆高久則男 委員 それでは、次の質問に移りますが、官民連携ということについて伺いたいと思います。  世田谷区では、平成二十九年三月に世田谷区官民連携指針を策定しました。そして平成二十九年度から官民連携課を立ち上げ、さまざまな相談、提案を受けてきております。官民連携の目的とは、区と民間企業が連携することで、区民にとってよりよい公共サービスを提供していくことを目的としております。  その連携の効果としては、一つ、民間企業等の柔軟な発想や手法による新たな事業展開が期待されると。また、行政コストの削減が期待されると。三つ目には、民間企業等のCSR――社会的貢献の拡大の効果が期待される、こういった三つの効果が期待されて、官民連携のプロジェクトがスタートしているわけですが、平成二十九年の実績として、聞いているところでは十二件の実績、継続検討は三十三件とのことです。  いただいた資料を拝見していますと、公有地への宅配ロッカーの配置などとは出ておりましたが、期待される三つの効果がどれだけ出せているのかは疑問であります。どのような成果が出ているのか、また、今の課題は何なのか、まずお聞きいたします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今御紹介いただきましたが、世田谷区の官民連携指針では三つの効果、民間企業等による柔軟な発想や手法による事業展開や行政コスト削減、民間企業のCSRの推進といった効果を期待してやっているわけです。ただ、今現在、当課を通じて、先ほどお話があった十二件に加えて、平成三十年度も加えると延べ二十三件の連携を実施しているのですが、民間負担による区政PRとかセミナーの実施、また、区は持っていないネットワーク、民間企業同士のネットワークがありますので、それを活用した人材の紹介をいただいたり、あるいは事業のPRをしていただいたり、そういうことができます。また、民間との対話の中で、事業におけるターゲット層をここに絞ればよいのではないかとか、事業展開の戦略として、こうやっていくことがよいのではないかというようなアドバイスも受けるという効果も出ています。  それからまた、これまで地域との関係性は、民間企業には希薄なところも多いのですが、そういった事業者が区との連携を通じてNPOとつながって、では、地域のために社会貢献をしていこうかというような取り組みを始めたというような報告も受けています。  先ほど、あと、行政コストの話があったのですが、こちらについては公共施設の整備に関してサウンディング調査の手法を取り入れて、民間との協働によって公共施設の整備等を行っていくことで効果を得られないかということで、既存の枠組みにとらわれない手法を検討しているところでございます。今後もそういった取り組みを進めていきたいと考えています。 ◆高久則男 委員 こういった官民連携は、すぐ効果が出るものと出ないものとありますが、しっかり取り組んでいただきたいということで、きょうは私から、官民連携事業の一環として、SIB、余り聞きなれない言葉かもしれませんが、証券会社の名前ではなくて、ソーシャル・インパクト・ボンドという、これを活用した成果連動型業務委託事業、これをちょっと提案させていただきたいと思っています。  通常であれば、区民サービスを民間事業者に委託する場合には、区は成果が上がろうが上がるまいが委託料を払わなければいけない、そういう経費がかかります。このSIBの成果連動型業務委託事業では、まず民間事業者と成果連動型の支払いの業務委託契約を結びます。つまり、成果指標、ここまでできたらお金を払いますよ、そして、できなかったらお金は払いませんよというような行政と民間の契約を結ぶのが特徴でございます。行政が担い切れない社会サービスを専門性の高い民間事業者に、事業の成果に応じて行政が支払いを行うというような新たな仕組みです。  そして、具体的に行政、民間事業者、資金提供者のそれぞれのメリットですが、世田谷区がやるとした場合、行政は初期資金を民間資金で賄う。これは民間資金提供者が民間事業者にお金を投資していただくというスキームを使いますので、行政は初期投資を民間資金で賄うことで、成果の出ない事業には税金を投入しなくても済むと。また、財政的なリスクを抑えつつ民間のノウハウを活用でき、複雑化、多様化する社会的課題解決の手段として使えると。  逆に民間事業者としては、行政にはリスクがあってなかなか予算をつけづらい事業でも、このSIBの手法で、事業者が持つ得意なノウハウを有効に活用して質の高いサービスを提供できる。また、一年契約ではなく複数年度にわたって予算確保が可能であるといった手法をとっております。  そしてまた、民間資金提供者社会的課題解決に貢献できるとともに、新たな資金運用の機会を得ることができるとしております。  そして、そのSIBを活用した事業を行っている八王子市に視察に行ってまいりましたが、八王子市では、このSIBを活用した大腸がん検診受診率向上事業を経済産業省のモデル事業として実施しておりました。事業内容としては、キャンサースキャンという民間事業者と八王子市が、具体的に大腸がんの受診率であるとか精密検査の受診率、そして早期大腸がんの発見者数を成果指標として目標を設定し、この事業者がその目的を達成した場合に委託料を支払うというようなスキームをつくりました。  このスキームの効果としては、大腸がん受診率精密検査受診率を高め、また、大腸がん罹患者の早期発見、早期治療に結びつけることによって、市民の健康寿命を向上するとか、医療費の適正化といったことが効果として出るようになります。  こういった新たな官民連携の手法によっているところは、例えば神戸市では糖尿病性腎症等重症化予防事業を行っております。また、横須賀市でも養子縁組事業による取り組み、福岡市や松本市など七自治体では認知症予防事業を経済産業省のパイロットプログラム事業としてSIB事業に取り組んでいるとも聞きました。  このように、今、SIB事業を活用したいろいろな取り組みが出てきております。こういった取り組みを当区においてもぜひ検討すべきと思いますが、見解を伺います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今、ソーシャル・インパクト・ボンドの御説明をいただきましたが、ポイントとしては、区側から見た場合ですが、民間の資金提供者が成功達成にリスクを負うという仕組みであることから、成功に向けた民間側の努力が高まるということと、リスクをなかなか許容しづらい公的資金では実施が難しい事業でも、トライしていくことができるというような効果があると考えていますので、官民連携の重要な手法の一つとして認識してございます。  国のほうでも、先ほど経産省の話がございましたが、厚労省なども含め、複数の省庁で取り組みを始めておりまして、未来投資戦略とか経済財政運営と改革の基本方針などにも、政府として取り組んでいくということが明記されておりまして、また、八王子市等々の自治体でも、御紹介がありましたが、実証実験という形で始まっております。  ただ、一方で、世界的に見ても事例が少ない中で、さっきありました客観的な成果指標をどう設定するか、あるいはそれをどう評価していくかが大変難しいということと、あと、そもそも民間の資金提供者が少なくて始めにくいということもございます。  こういった課題はあるのですが、申し上げたとおり重要な手法ではないかと認識しておりますので、今後も民間との対話や自治体との取り組み、国の動向等の情報収集を進めまして、先行成功事例を庁内にまず周知啓発していって、事業主管課とともに研究検討を進めていきたいと考えております。 ◆高久則男 委員 今おっしゃったように、成果指標をどのように持っていくかとか、成果指標が出しやすい事業でないと取り組みが難しいということも聞いておりますし、また、やはり首長等のトップダウンでやっていくというところも多いようですので、ぜひこれは前向きにいろいろ調査研究していただきたいと思います。  それでは、最後の質問に移ります。官公需適格組合について伺いたいと思います。  官公需適格組合とは、国や都道府県が認可した中小企業組合の中で、国や地方公共団体が発注する仕事の受注に対して意欲があり、かつ受注した契約を十分に責任を持って履行する体制が整備されていると中小企業庁より証明された企業であります。現在、世田谷区では七つの官公需適格組合があると聞いております。まず、現在のこの官公需適格組合の受注状況がどのようになっているか、お聞きいたします。 ◎渡邉 経理課長 官公需適格組合ですが、今、委員お話があったとおり、中小企業庁が一定の条件に基づいて証明する組合であり、単体の中小企業では受注が難しい規模あるいは品質の発注案件について適正な履行体制が確保される面から、官公庁からの受注拡大を目的として制度化されたものでございます。  世田谷区内には、この官公需組合について七つございまして、昨年度の実績ベースで申し上げますと、六組合で二十一案件、過去五年までさかのぼりますと七組合で百二十案件という実績となってございます。また、その契約の内容ですが、街路灯ランプ交換作業や道路管理の夜間休日応急対応、それから資源回収処理委託、放置自転車等の移送等業務など多岐にわたってございます。 ◆高久則男 委員 官公需法では、国が物品の買い入れや工事の請負、役務の提供等の契約を締結するに当たっては、中小企業者の受注機会の増大を図るように努めなければならないこと、また、契約の相手方として組合を活用するように配慮しなければならないと、このように官公需法で規定されております。官公需適格組合には、今後とも、区内での災害時の対応を含めて、緊急性、機動性ある業務をこの組合に担っていただきたいと考えております。今後さらなる区内の官公需適格組合の活用の場拡大を求めるところでありますが、区の見解をお聞きいたします。 ◎渡邉 経理課長 官公需組合への発注については、個別の中小企業ではなかなか受注が難しい案件等がございますが、そのほかにも、一つの発注案件に対して、中小企業である複数の組合員が共同してその案件を履行することから、分離分割発注と同じ効果をもたらすというようなメリットもございます。国の会計令においては、随意契約ができる要件の一つとして、物品の買い入れに関するものもございますが、地方公共団体に関してはそういった規定がございませんので、官公需組合であることのみを理由として随意契約を結ぶことはなかなか難しい課題がございます。  また、お話にありましたように、個別の中小企業では受注が難しい災害時の対応や、緊急性あるいは機動性が求められる業務については、広範囲に適切な履行体制を確保できる面で、複数社で構成する、こういった官公需適格組合のほうが有効な面もあると考えてございますので、この制度になじむような案件がないか、改めて調査して、活用拡大の可能性について検討してまいりたいと考えてございます。 ◆高久則男 委員 時間になりましたので、私は終わりまして、平塚委員と交代いたします。 ◆平塚敬二 委員 私からは、まず災害対策について、特に首都直下地震で甚大な被害が想定されております通電火災の対策について聞いてまいります。  初めに、東京消防庁の平成三十年度上半期の火災の状況についての報告書を見ますと、上半期の火災件数は二千百九件で、前年同期と比べても二百三十四件減少しており、近年五年間の平均二千二百八十二件と比べても百七十三件少なくなっております。  しかし、火災の原因を見ますと、電気設備機器火災の件数は五百九十八件で、前年同期と比べても七件増加しており、全火災件数に対する割合は二八・四%で、年々増加傾向にあります。特に多いのは、充電式電池が二十六件、次いで電子レンジが二十二件、蛍光灯十八件となっていますが、そのほかにも電磁調理器やカーボンヒーターなど、さまざまな電気設備機器により火災が発生しております。また先日、消防署で伺ったところ、コンセントの差しっ放しとか、そこにまたほこりがついたりして、またクリップなどが挟まったりして、電気の火災が発生するということも通常起こっております。  そこで本題に入りますが、平成二十五年十二月に中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループが発表した首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)の被害想定においては、市街地火災は地震発生直後から火災が連続的、同時に多発し、地震に伴う大規模な断水による消火栓の機能停止、深刻な交通渋滞による消防車両のアクセス困難、また同時多発火災による消防力の分散等により、環状六号線から八号線の間を初めとして、木造住宅密集市街地が広域的に連担している地区を中心に大規模な延焼火災に至ることが想定されております。  地震火災による焼失は最大で約四十一万二千棟、倒壊等と合わせますと最大で六十一万棟です。また、同時に複数の地点で出火することによって四方を火災で取り囲まれたり、火災旋風の発生等によって逃げ惑い等が生じて大量の人的被害が出るおそれがありまして、火災による死者は最大約一万六千人、建物倒壊等と合わせますと最大で二万三千人の被害想定であります。やはり首都直下地震で一番怖いのは、この火災による被害だということが考えられます。  さらに、この首都直下地震対策検討ワーキンググループの最終報告では、火災防止対策として火災発生の原因となる電気火災等の発生を阻止するため、従来から進めてきた感震自動消火装置等を備えた火気器具や熱電器具の普及等を推進するとともに、市街地延焼火災の発生の危険性の高い地域を中心として、大規模な地震発生時に速やかに電力の供給を停止する方策や取り組みを検討し、また感震ブレーカー等の一〇〇%配備の方策の検討を進め、早急に実施すべきとあります。  まずは、この地震発生時にブレーカーを切ってくれる装置が感震ブレーカーなのですが、この一〇〇%配備の方策の検討を進めて早急に実施すべきとの報告に対して、区の見解を伺います。 ◎荒 災害対策課長 委員お話しの中央防災会議の報告を踏まえて内閣府が設置した大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会の報告では、延焼の危険性の高い木造住宅密集市街地等をモデル的に取り上げ、重点的な取り組みを進めるべきである旨の提言がなされました。内閣府は平成二十七年度に、アンケート調査に協力する町会・自治会等に簡易タイプの感震ブレーカーを配布するモデル事業を立ち上げ、当区を含む国内五自治体に協力の依頼があり、区は不燃化特区内の町会・自治会に簡易タイプ感震ブレーカーを六百五十個余り配布するとともに、アンケート調査を行ったところです。 ◆平塚敬二 委員 今、平成二十七年度に国のモデル事業でアンケート調査を行って、不燃化特区内の町会・自治会に簡易タイプの感震ブレーカーを六百五十個配布したということですが、配っただけなのですね。つけていただけたかどうかはわからない状況ですし、通電火災の怖さは、私はまだ全然伝わっていないのではないかと思っております。  では、なぜこの通電火災が怖いのかですが、地震による停電が復旧したときに火元となるおそれがあるのが、この通電火災なのですね。どの家庭でも起こる危険性があります。つまり、首都直下型地震の想定では、およそ半数の世帯が停電になります。このときにブレーカーを落とさずに避難すると、電気が復旧したときに、切れていたと思っていた電気機器が再び作動して、これが火元となって起こるものが通電火災なのですね。  また、通電火災は思わぬところからも起こります。例えば地震による家具の転倒や落下物によって傷ついた電気コードが、通電したときにショートを起こして、その近くに燃えやすいものがあれば火災につながりますし、さらにこの通電火災が怖いのは、時間差で起こる特徴があります。阪神・淡路大震災のときは、最長で八日後、一週間も過ぎてから火災が発生しているということがあるのですね。  そこで、世田谷区におけるこの感震ブレーカーの設置推進ですが、昨年まで対象地区の町会・自治会に対して感震ブレーカーの設置経費を助成しています。十個以上での申請に対して購入費用の三分の二を補助する制度で、予定数六百八十件となっています。  これがそのチラシですが、このチラシを見ていただくとわかるのですが、これと、もう一つ、木造住宅密集地域に、危険度の高い地域を対象に、設置工事の費用の三分の二を補助する制度で約六十件を募集しました。そのチラシがこっちなのですね。  このチラシですが、通電火災が怖いということは見た目に全くわからないのですね。多分伝わっていないのではないかと思うのですが、この申込件数はどれぐらいあったのか確認いたします。 ◎荒 災害対策課長 モデル事業を踏まえた平成二十八年度からの補助事業では、木造住宅密集市街地等の地域の町会・自治会向けに簡易タイプを、分電盤タイプ及びコンセントタイプを戸建て所有者向けに普及を図ってまいりましたが、実績としては、平成二十八年度及び平成二十九年度合わせて、簡易タイプが三町会、百四十八個、分電盤タイプが五件です。 ◆平塚敬二 委員 このチラシでしっかり周知したということですが、簡易タイプ三町会で百四十八個、分電盤タイプが五件の設置ということなのですね。対象が何件か私は聞きませんが、結果としてほとんど推進ができていなかったと考えます。  そしてまた、ことしですが、今年度はまたちょっと変えて、地域に関係なく通常価格の二割程度の割り引きをしたあっせん価格で購入できるようにしますと。  こちらがそのことしのチラシですが、デザインも内容も工夫されていて、まず「電気火災対策を!」と、きっちり書いてあります。そして、なぜ通電火災が起きるのかを絵で示されていて、すごく見やすい、よいチラシだなと思うのですが、助成制度はないのですね。これも、要は二割程度のあっせんをしますよというだけにとどまっているのですね。  これでことし四月からスタートしているはずなのですが、ことしに入って何件ぐらいこの設置が進んだのかを伺います。 ◎荒 災害対策課長 簡易タイプについては、補助対象地域外の方への普及のため、平成二十八年度からあっせんでも取り扱っておりましたが、平成三十年度からは分電盤タイプ、コンセントタイプでもあっせんに移行した状況でございます。実績については、分電盤タイプが三件となっております。 ◆平塚敬二 委員 このチラシで、もう一つあるのですが、いろいろな防災用品のあっせんで、これは世田谷区全般にやっているものですが、合わせての実績としては、ことしに入って三件というところです。この二年半で感震ブレーカーの設置がほとんど進んでいないということがよくわかりました。  この通電火災を防ぐには、感震ブレーカーの設置が本当に重要なのだと。私はさらなる対策が必要だと思うのですね。例えば東京都がことし二月に新たに公表した地震に関する地域危険度測定調査の第八回目では、建物倒壊危険度とか火災の危険度、災害時の活動困難度というものを判断して総合危険度というものをつけているのですね。  そして、五ランクが一番高いのですが、世田谷区に五ランクはないので、四ランク以下なのですが、四ランクだけではなくて三ランクの地域に対しても、この通電火災の危険性を伝えるダイレクトメールでも、とにかく周知する方法を決定して、設置についての助成制度も改めて検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎荒 災害対策課長 引き続き震災時の通電火災予防のため、地域危険度の高い地域等も勘案し、今年度のあっせん事業としての実績を検証しながら、各地で行われている防災塾、防災訓練等さまざまな機会を捉えて、しっかりと普及啓発に努めてまいります。 ◆平塚敬二 委員 本当にさまざまな機会を捉えて、今はこのチラシですので、これを使って、本当に通電火災は怖いのだ、これをとめるのは、まあ、自分でブレーカーを落として出てくれればよいのですが、そうはなかなかならないので、これは自動的に落としてくれますから、こういう通電火災が起きないような、そういう仕組みをしっかりと区民に周知して進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、特殊詐欺の対策について伺います。  先日も、区長の招集挨拶でもありましたが、特殊詐欺の被害は拡大の一途をたどっていて、ことしに入ってからの被害件数は、七月末時点で百八十三件、被害総額は四億七千万円と、前年同期の被害件数百六件と比べても、被害額も倍増する勢いでありますが、まず、その後の状況をお聞かせください。 ◎加藤 地域生活安全課長 世田谷区内における本年八月末までの特殊詐欺の認知件数は二百件ちょうどでございます。昨年の同じ時期に比べて七十四件増加したままでございます。また、被害額は約五億一千六百万円、昨年同期比で約一億八千九百万円の増加であり、依然として危機的状況にございます。 ◆平塚敬二 委員 そうなのですね、これは八月末でもう二百件ということなのです。被害総額は五億一千六百万円、昨年同期と比べても七十四件増加して、被害額も一億八千九百万円増加と大変厳しい、危機的状況だということですが、現状の対策としては、区内の四警察署長と区で特殊詐欺に関する緊急会合を開いて、これまで以上に協力体制を築き、緊密に連携していくこと、また、世田谷区役所職員をかたるなど新たな手口が増加しているので、チラシやのぼり、交通広告等を活用したキャンペーンに力を入れると。また、自動通話録音機の貸与をさらに広げると、また、世田谷区特殊詐欺相談ホットラインを開設して防止対策に全力を挙げるとのことですが、もう一つ具体策が見えてこないのですが、どこに力を入れていくのか、区の見解をお聞きします。 ◎加藤 地域生活安全課長 区では、被害に遭いやすい高齢者に広く詐欺の手口を知っていただくことが最優先と考えておりますので、広報紙や区からの通知、委員おっしゃいました庁用車のラッピングや世田谷線などの交通広告を活用するなどして、高齢者に届く広報を強化する一方で、子や孫世代に対し、御両親や、おじいちゃん、おばあちゃんを詐欺から守ろうと訴えるキャンペーンを開催して、全区民で特殊詐欺を封じる対策を講じてまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 被害に遭いやすい高齢者に対してさまざまな広報を打って周知していく、また、子や孫に訴えるキャンペーンを開催して、全区民で封じ込めるとおっしゃっていますが、まだ具体策が見えてこないのですね。  警視庁の犯罪抑止対策本部がありまして、八月二日に発表した平成三十年上半期における特殊詐欺の状況についてという報告書があるのですが、これを確認しますと、都内でも昨年の上半期、千五百十三件に対して今年度は二千三十七件、被害総額も四十四億六千九十一万円と、十億二百四十四万円増加しています。また、被害者の年齢層を見ますと、六十代、七十代、八十代、九十代で千八百四十六件、全体の九〇%、また、そのうち女性の方は千四百三十三件、七七・六%となっていますね。  この報告書から考えますと、六十代、七十代、八十代、九十代の女性の方が特に被害に遭われているということなので、この方々に本当に最新の情報提供が必要ではないかと思うのですね。そして、この方たちがふだんよく行かれるところで新たな手口などの情報発信をすることが有効だろうと考えるのですが、我々考えるに、よく行かれるのは、例えば病院とか接骨院とか美容院の待合室にテレビなどがあれば、特殊詐欺の手口を紹介する動画を流していただくようなことはどうでしょうか。  どうしてもチラシやのぼりなどでは伝わらないことがありますし、視覚と聴覚に訴える動画は、知識としてしっかりと残ると思うのですが、既に警視庁の犯罪抑止対策本部の特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京というものがあるのですが、ここには十一種類の動画集があります。世田谷区でも区内のこういう病院や美容院に積極的に働きかけていくことが大事だと思うのですが、また、区内にも、区役所の中でも、総合相談窓口などの待合室がありますから、動画を流して、常に最新情報を発信すべきと考えるのですが、どうでしょうか。 ◎加藤 地域生活安全課長 警視庁では、手軽に見て、聞いて、被害防止につなげる情報として、インターネットで特殊詐欺根絶アクションプログラムを公開しております。御指摘のとおり、このプログラムを広めることは得策と考えますので、今後、警察と協力しながら働きかけを強化したいと考えております。また、区の窓口等における放映についても、機材等の有無にもよりますが、実施していきたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 これはぜひお願いしたいと思うのですね。そして、待合室には必ずテレビがありますから。そして、世田谷区から協力をお願いすれば、その例えば病院、美容院であれば自分のところの患者さん、また、美容室であれば、お客さんが被害に遭わないために行うことなので、協力いただけると思うのですね。しっかりとそこは、区のほうから積極的にアプローチして、お願いしていただきたいと思います。  また、この特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京は、これまでは企業や団体などのグループで登録した方を対象としていたのですが、今はコンテンツを一新して、誰でも参加できるように改修されております。  コンセプトは、『簡単』ということで、インターネットに接続できる環境があれば簡単に利用ができる、あと『どこでも』ということで、eラーニングになっていますので、会社、自宅、移動中などどこでもこれを見ることができます。また『役に立つ』ということで、親とか祖父母の大切な老後資金を奪い取られないことが中心になっていますので、また、このプログラムを広く区民に広報して、両親や祖父母が被害に遭わないようにすることも大切ですし、また、誰でも実施できるわけですから、この特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京ですが、実はこれはまだ参加企業や参加団体は引き続き募集していますので、区内の企業、団体に周知して、参加を推進することも有効な対策と考えますが、区の見解を伺います。 ◎加藤 地域生活安全課長 高齢者に対する注意喚起だけでは、被害防止に限界があることは感じております。御指摘のとおり、アクションプログラムを企業や団体に広く知っていただき、子ども、孫世代から身近な高齢者に注意喚起をしていただくことも有効な対策と考えますので、区としても警察と連携して周知する方向で進めさせていただきます。 ◆平塚敬二 委員 本当にぜひともよろしくお願いしたいと思います。区民の生命と財産を守ることが世田谷区の最重要課題ですから、高齢者の財産を守るためにあらゆる手段を使って、詐欺の撲滅をしていただきたいということを要望して、岡本委員にかわります。 ◆岡本のぶ子 委員 昨日の総括質疑で行いました、区民の命を守る対策に関連して質問を始めさせていただきます。  まず、本庁舎等の整備について伺います。  昨年の決算特別委員会の当所管分において、私は、世田谷区民会館の保存、再生を優先することにより、物資の集積所等の災害拠点を担うこの場所に弊害を残すことがないよう、今後、設計者による調査の中で、世田谷区民会館の耐震性をⅠ類へ引き上げる方策を検討すべきと求めました。一年経過し、今回、区がまとめた世田谷区本庁舎等整備基本設計(案)中間報告において、区民会館ホールの耐震性能について、構造体の強化、費用等を総合的に判断し、当初の耐震安全性構造体Ⅱ類相当からⅠ類相当の確保へ方針を変更したことを、まず高く評価いたします。  その上で、次に気になることが、頻発する台風や豪雨による浸水被害が、現在の本庁舎の地下室等に発生している点です。まず、最近の本庁舎の被害状況について伺います。 ◎菅井 総務課長 去る八月二十七日、関東地方では夕方から夜にかけて局地的に大雨や落雷が続き、気象庁によりますと、午後九時までの一時間において、世田谷区内で最大約百十ミリの猛烈な雨が降ったと見られております。こうした状況の中、区役所本庁舎における主な被害状況ですが、今お話がありましたように第一庁舎一階事務室の一部及び地下一階の全面、食堂や巡視室、会議室等への浸水がございました。それから、その原因ですが、主に第一庁舎一階南側の出入り口などから雨水が庁舎内に入り込みまして、地下階にまで浸水したものではないかと考えてございます。現在、豪雨や今回のような台風が予想される際には、庁舎管理の担当職員と巡視職員とが連携して、庁舎の出入り口に土のうを積むなど、浸水防止対策を講じております。 ◆岡本のぶ子 委員 今、南側の一階から入ったのではないかという予測というか、言われていますが、何か北側のスロープからも、雨はかなり降り込むような状況になっているのではないかと思いますので、かなり地下一階全面が水没するという、それによって仕事にも支障を来しているということもありますので、今、それは現庁舎のことですが、これからの本庁舎と考えたときに、先ほど述べた本庁舎等整備基本設計(案)中間報告によりますと、区民会館ホールにつながる東一期棟地下一階にある集会室と練習室は、南東の池側から入る動線もあり、八月二十七日のように短時間の大雨が降った場合または大規模な震災の際に、池の水があふれて出てくるということもあるでしょうし、そういった意味での浸水被害が大変気になるところですが、新たに整備する地下の居室等の豪雨対策は万全か、区の見解を伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 御指摘の地下階への豪雨対策ですが、本庁舎等整備において区民の安全安心を支える防災拠点として、集中豪雨が発生した場合にも十分に機能が発揮できるよう、現在、地下ピットを利用した雨水貯留槽、そして雨水浸透設備を設けるとともに、止水板、そして十分な排水機能の確保等により、地下階への浸水対策を行う計画としております。  雨水貯留槽の規模については、今お話があった八月二十七日に発生した一時間当たり百十ミリという記録的大雨が降った状況においても、下水道本管の排水が滞った場合でも、十分に対応ができる貯留量計画をしております。排水貯留槽ですが、そこに貯留した雨水についても、下水道本管の排水の状況を確認しながら、適切なときに排水ポンプにより下水道本管へ排水するものですが、電気の供給が万が一停止した場合にも、非常用電源によりポンプを稼働して排水できる計画としておりまして、地下階への浸水を防止する対応をとっております。今後とも豪雨対策を初めとして、区民の方々が安全安心に本庁舎を御利用いただけるよう検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 豪雨対策については、今現状では万全ですよという答弁だったのですが、やはり設計上の都合によって雨水が流れ込みやすいという設計ではあろうかなとも思いますので、そういった意味では、ぜひ、さらに検討も重ねながら、万全の体制を進めていただくことを求めさせていただきます。  次に、受援力について伺います。  受援力とは、文字どおり解釈すれば、被災した自治体が支援を受け入れる力のことです。東日本大震災では津波による被害、熊本大地震では震災、西日本豪雨では洪水等による土砂災害等、自然災害により被災された地域からの応援要請は、被災状況によりさまざまな対応が求められていたと推察いたします。  例えば、二〇一六年四月に発生した熊本地震では、最も被害の大きかった益城町の発災後八カ月間の応急対応を検証した報告書には、災害業務に卓越した専門知識を有した職員を、交通整理や清掃業務に従事させたと記述があり、全国から応援に駆けつけた自治体職員を活用し切れなかった反省がつづられています。
     熊本地震から五年前に発生した東日本大震災でも同様な事態が起きており、その教訓が生かされていないことから、国は、支援を円滑に受け入れる自治体の受援力について、昨年三月にガイドラインを作成し、応援受け入れ調整を一括して担う専門窓口を災害対策本部に設置することを盛り込んでおります。  私は、区の受援力を高めるために、これまでも企画総務委員会等でも質疑をさせていただきましたが、各被災地に派遣隊として従事されてきた方々のさまざまな被災地での経験、ノウハウが大きな参考になると考えております。  まず、これまで区から派遣された職員の延べ人数、また実数と、また、これまでに受援力に生かすために派遣職員の方々から聞き取り等を実施してきたのかを伺います。 ◎河野 危機管理室副参事 被災地派遣の職員については平成十九年の新潟中越地震以降、延べ人数で三百三十二名、派遣実人数は二百七十四名となっております。派遣職員からの聞き取りについては、御質問の受援力に特化した聞き取りではありませんが、これまで被災地への派遣後に、派遣職員からの報告会を開催し、被災地のさまざまな状況について報告を受けています。この報告の中では、特に被災直後に受け入れ側の自治体が混乱し、想定していなかった業務への従事や、従事する業務が日々異なる場合もあったようです。このような派遣職員の経験からも、応援を受ける状況になったことを想定した体制の整備は重要であると認識しています。 ◆岡本のぶ子 委員 二百七十四名もの職員の方々が被災地に赴かれて、そして支援をされたということは、本当に大きな力になったと思いますし、いざという災害時には、縦割りとかは関係なく、何でもやるという、その心が一番大事だと思うのですが、その上で職員の方々の専門の力を生かしていくということも、被災された市民、区民の方々への大きな力になることは間違いないと思います。  その上で、今後、区として、災害対策本部に受援力を備えた、実効性のある専門窓口の設置が求められます。区の見解と今後の対応を伺います。 ◎河野 危機管理室副参事 今後、保健士や建築士など、専門の知識、経験を持った職員の受け入れについて、混乱することなく適切に配置を行える専門窓口の設置について検討を進めてまいります。また、現在、国のガイドラインを受け、東京都においても、区市町村向けの受援体制のガイドラインの作成に着手しており、これらのガイドラインとの整合を図りながら受援体制の整備に取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  では、その次に、昨日の総括でも、災害時のエフエム世田谷等を活用したエリア情報の提供について質疑をさせていただきましたが、本日は、エリア情報の収集について伺います。  栃木県のさくら市では、災害用ハッシュタグを活用し、大規模災害時に市内の被災状況を効率的に把握するため、ツイッターに上がった情報を検索しやすくするハッシュタグ機能の運用基準を定め、活用を進めております。  九十万区民が居住する世田谷区は、二十七地区のまちづくりセンターが防災担当として地区防災力のかなめとなっていますが、区の職員の方々だけでは、被災情報を収集し、発信するということには、かなり困難があると考えます。今後、区として、さくら市の例にあるような災害用ハッシュタグなどを活用して、世田谷独自の基準をつくり、各地区ごとの防災塾などで協力を呼びかける等、エリア情報の収集に努めることが求められます。区の見解を伺います。 ◎荒 災害対策課長 災害時の被害や被害を引き起こす可能性のある情報については、職員による現場確認だけでは限界があるため、テレビや国、東京都のホームページ、区民等からの通報に加え、ツイッター等SNSの投稿を検索することなども行って収集しております。過去の災害被災地では、誤った情報が発信され、地域住民等に混乱を与える事態もありましたので、可能な限り多くの情報を収集するとともに、その情報を精査して、活用できるものであるか確認する必要があります。今後も的確な災害対応ができますよう、エリア情報の収集については、栃木県さくら市のハッシュタグ活用の例も参考に、区民等からの発信情報の活用も含めて、情報収集方法について検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 さくら市でも、この七月に訓練をした際、結果的に職員の方々の情報が多くて、一般市民の方々からの訓練の中での情報はなかなか集まらなくて、その上で、今後、消防団などにも呼びかけをして協力をいただく工夫をしたいということも報道には書かれていたのですが、世田谷区としても、消防団の方々もたくさん活躍されていますので、いざという災害時に、そういった情報に協力をいただくということも検討されてはいかがかと思います。  それでは次に、乳児用液体ミルクの災害用備蓄について伺います。  公明党はこれまで、液体ミルクの普及を目指し強力に推進してきました。二〇一七年二月には党女性委員会として政府と意見交換をし、液体ミルクの早期解禁、普及や、災害用備蓄としての活用を主張し、政府の女性活躍加速のための重点方針二〇一七に、製品化の後押しに向けた取り組みを継続的に実施すると明記されたことが、先月、厚生労働省により、乳児用液体ミルクの国内流通に向けて、規格基準を定めた改正省令を施行し、国内での製造販売が解禁され、早ければ来年後半にも販売が開始される見通しにつながりました。  東京都は、ことし六月に、都内で災害が発生した場合、授乳に困る人が出ることをあらかじめ想定し、流通大手のイオン株式会社と災害時の液体ミルク調達に関する協定を結んでいたことから、この協定の締結が契機となり、都がイオン側に輸入や被災地への運搬協力を要請し、ことし七月の西日本豪雨の被災地の岡山県倉敷市、八月には愛媛県宇和島市、八幡浜市両市にフィンランド製の液体ミルクを提供したことが報じられております。  毎年、約七千人の新生児が誕生する本区において、いざという災害時に備えて、液体ミルクの調達は重要です。都の支援を待つだけでなく、本区として流通大手の会社等と協定を結ぶなどの対策を講じておくことが必要と考えます。区の見解を求めます。 ◎荒 災害対策課長 災害時の液体ミルクの供給については、東京都が締結している流通大手会社との協定によりまして、都を通じて都内自治体に供給されることになっております。区としての協定については、他の企業等の液体ミルクの取り扱いや供給量等、災害時に確実に受け入れることができるかなども含め、今後検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひ検討していただきたいと思いますし、また、今、都は一つの企業とだけ協定を結んでいるわけですから、一つの道だけだと、そこが閉ざされたときに供給ができないという懸念がございますので、世田谷区としても一歩進んだ取り組みをお願いしたいと思います。  また、一昨日発生した台風二十四号の影響で、本日の報道でも、静岡県では六万戸に及ぶ家庭で停電が続いており、また、私もマンションに住んでおりますが、二十四日の台風のときに、一瞬停電をしたときに、もうお風呂のお湯が出なくなったということがあって、あっ、電気で動いているから出ないのだということをそのとき初めて実感したのですが、建物の設備によっては水の供給も滞る事態が停電によって起きる、乳児がいる御家庭では、大規模な災害でなくても、停電などにより、日々の生活が大変お困りになるということを肌で実感いたしました。  今後、製造販売が進む中で、本区として、備蓄物品の中に液体ミルクも準備することが求められます。区の見解を伺います。 ◎荒 災害対策課長 現在、液体ミルクの保存期限は五カ月程度で、備蓄は難しい状況です。今後、国内でも製造が始まり、保存期限や価格設定など、備蓄に向けての環境が整った際は検討してまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひ情報収集していただいて、遅滞なくこの検討が進むことを願っております。  次に、災害時のペットの同行避難について伺います。  ことし三月の予算特別委員会の区民生活所管で、避難所運営にかかわる質疑として、私はペットの同行避難の訓練を、まず、五地域に一カ所ずつでもモデル的に実施するよう求めました。  そうした中、環境省は、この十月に、ペットの飼い主向けに、災害時の避難方法などをまとめた冊子「災害、あなたとペットは大丈夫? 人とペットの災害対策ガイドライン〈一般飼い主編〉」の配布を各都道府県に始めました。その中では、災害発生前から発生後一週間の同行避難の流れをフロー図で掲載しているほか、ペットの受け入れ可能な避難所を把握しておくことも勧めていることが目を引きました。  もし区民の方がこの冊子を手に取られ、自分のペットをどこの避難所に連れて行ったらよいのだろうと思ったときに、世田谷区には区内九十一カ所の区立小中学校が避難所として指定されておりますが、実際その避難所が、ペットの同行避難が可能となっているのかどうかが気になるところです。まず、区としてこのペットの同行避難を可能とする避難所の開設に向けた取り組み、目標等について伺います。 ◎荒 災害対策課長 各避難所においてペット同行避難者を受け入れることについては、各避難所運営組織が検討して決定することになっております。区内の指定避難所は九十一カ所あり、全ての避難所でペット同行避難ができるようになることが望ましいことですが、受け入れ訓練は、これまで三カ所の避難所にとどまっています。今年度は新たに三カ所の避難所で訓練を実施しますので、各避難所のスペースや運営体制等の課題もありますが、パンフレットの配布や避難所運営組織への説明、獣医師会との連携、同行避難訓練の実施などにおいて、各避難所での普及啓発に努め、同行避難可能な避難所がふえるよう担当部署と調整し、取り組んでまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 避難所の開設が、ことし新たに三カ所ふえるということは喜ばしいことですが、まだ八十数カ所残っておりますので、そこの開設がどのように進むかが世田谷区の責務かなと思うのですね。そういった意味では、まず避難所を運営される方々に、このペットの同行避難、マニュアルに既に書かれているわけですが、それをどう認識していただくか、そして、どのようにすることで受け入れが可能になるかという専門家の、ほかの避難所で行ったことも含めたアドバイス等も必要だと思いますが、今後、この環境省のガイドラインを確認しつつ、どのように区民に周知を図るおつもりか、区の見解を伺います。 ◎荒 災害対策課長 平成二十五年六月に環境省が策定した災害時におけるペットの救護対策ガイドラインについては、平成二十八年四月の熊本地震で多くの自治体が活用しましたが、避難所でのペットの受け入れ等さまざまな課題が指摘され、これを踏まえて本年三月にガイドラインが改訂されたところです。新たなガイドラインの中では、自治体が検討すべき事項として、地域防災計画へのペット同行避難の記載が挙げられています。  区では、原則、避難所へのペット同行避難者を受け入れるものとしており、地域防災計画に同行避難の普及啓発や体制整備について記載しています。ペット同行避難所の周知については、地域の防災講演会や、幾つかの避難所運営訓練等において、獣医師等の専門家を招き、参加者に同行避難の注意点などを説明いただくこととともに、区でルール等の説明をするなど個別に実施しております。今後も引き続きこのような機会を設けて、普及啓発及び周知を行っていくよう担当部署と調整してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今、世田谷の獣医師会の先生方も、この避難訓練に、しっかりとペットの同行避難が進むようにということで、防災担当のチームまでつくって、区に協力しようといったお声もいただいておりますので、ぜひ連携しながら進めていただきたいと思います。  最後に、ふるさと納税について伺います。  世田谷区のふるさと納税による減収の影響額は、これまでもさまざまな場所で共有しておりまして、平成二十七年度は十六億円、平成二十八年度は三十一億円、平成二十九年度は四十一億円と年々ふえ、区のまちづくりに対して看過できない状況になっております。  私は、平成二十八年度の予算特別委員会で、返礼品合戦にくみすることなく、世田谷区の魅力を発信する機会と捉え、政策提案型、体験型のふるさと納税を模索すべきであることを求めてまいりました。この間、区として発信してきた政策提案型、体験型のふるさと納税について伺います。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 今お話にございました政策提案型の取り組みですが、これまで四事業を実施しておりまして、平成二十八年度から始めていますが、児童養護施設の退所者等への奨学金、それから宮坂区民センターの玉電車両の塗装、大蔵陸上競技場スタンドの改修と、うままちプロジェクトですが、合計で約九千三百万円ほど寄附をいただいておりまして、達成率で言うと、個別にですが、七割から九割ぐらいというところでございます。  また、魅力発信ということで、体験型、参加型の記念品というものを御用意しておりますが、たまがわ花火大会の招待席百六十席分は、開始間もなく満席に、また、世田谷246ハーフマラソンの出走権については約九割ということで達成しております。  このような使い道が明確になっている施策については、寄附のお願いを地道に行うという努力は必要になりますが、寄附者の賛同も比較的得やすくて、また、事業所管課と寄付者が顔の見える関係になるといったメリットもあって、寄附により支え合うまちづくりの一歩として手応えを感じております。  十月一日から認知症介護サポート事業の第一期も新たに始めましたが、今後も新たな取り組みを打ち出せるように努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 メニューを拡充してきていらっしゃることは評価いたしますが、その一方で、せっかくふるさと納税のメニューを区がふやしたにもかかわらず、ふるさと納税であるということが伝わり切れていなくて、ただ区から寄附、寄附、寄附、今、寄附ばかり募られて辟易していると、私は何人もの町会の役員の方々に伺ったのですね。いや、いや、それはふるさと納税なのですよと説明すると、あっ、ふるさと納税だったのという話が聞かれるような状況で、非常に、何の弊害なのかなと思うわけですが、区長が寄附文化の醸成ということを表に出し過ぎたために、ふるさと納税が薄くなっているのではないかと思いますが、区のこの件に関する認識と今後の対応について伺います。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 ふるさと納税は、二千円の税控除を受けられるという制度で、このことそのものは、いろいろな形でお知らせしているところですが、お話にあったように、区民の方から寄附のお願いだという面が目立ち、ふるさと納税の対象だということがわからなかったというような声もいただいています。それは周知方法にいま少し見直すべき点があるのかなと考えておりまして、そもそもこれらの先ほどもお話ししたような事業は、ふるさと納税の対象だということを、もっとよくわかるように周知を図っていく必要があると認識してございます。  そして、ふるさと納税は、寄附をすると税金が減額されるということは、すなわち自分が希望する取り組みに自分の税金を使っていくというようなものだと言いかえることもできますので、ふるさと納税を契機として税の使い道ということを考えていただき、選んでいただけるような機会になるように、広報紙やホームページはもとより、各事業のお知らせ等でもしっかりとそのことを周知していき、ふるさと納税の対象だということをわかっていただくように努めたいと思います。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  その上で、きのうの総括質疑でも、最後に、清掃・リサイクル部長からも答弁いただいたのですが、東京二〇二〇大会に向けて海外の観光客が多く訪れる中で、世田谷区は食品ロス削減に力を入れている区だなと思ってもらえるように全力で取り組むというお話があったのですが、食品ロスそのものは、ある意味で経済的には無駄なことをしている、そこに対して区として、フードドライブの窓口に、区民に寄せていただいて、それを子ども食堂に循環させる、ここにお金をかけることは、私は意味がないと思っているのですが、そうは言っても、窓口をふやす課題とか、窓口をふやすことによって集まる量がふえれば、仕分けをしなければいけない課題とか、さまざま出てくると思うのですね。こういうところにふるさと納税を活用して、区民にも、区内外の方に協力をいただく、そして環境に優しいまち世田谷をつくるということのアピールにもなろうかと思いますが、この点についていかがでしょうか。 ◎中西 ふるさと納税対策担当課長 先ほどおっしゃっていたフードドライブをさらに拡大するには経費がかかってくるわけですが、そもそも食品ロスをなくそうという取り組みは、区民の関心も高く、寄附金の使途や成果も明確なので、ふるさと納税になじむものと考えております。経費を初期投資に充てるのではなくて、継続的に支援いただくというような課題もあるのですが、関係所管とともに仕組みを工夫して、実施に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で企画総務所管の公明党の質疑を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆中村公太朗 委員 いや、さっき初めて聞きましたが、高久委員の言っていたSIBでしたか。これはすごくよいですね、成果型の官民連携ですか。いや、ぜひやるべきだと。会派は代表していません、今聞いたばかりなので、あれですが、個人的には大賛同していますので、ぜひやっていただきたいなと。会派も多分大丈夫ですかね、ぜひ進めるべきだということを、まず冒頭、言います。  世田谷区、さまざまな事業を行う中で、いろいろな事件が起きまして、今は障害者雇用の例の問題でホットになることで、過去の事件が少し忘れられてしまったりとか、どうなっているのかわからないというようなこともあるのですが、例の談合発覚事件は、かねてから警鐘を鳴らしてきましたが、実際にこの世田谷区には談合がある、談合ネットワークがいまだに存在しているのだということが発覚いたしまして、とんでもない問題になったわけですが、まず、あのときの一連の流れ、その前の内部通告もありましたが、あれによって抑止が働いていないということもわかったわけで、区としてどのような対応をして、どのような制度、ルールが変更になったか、一連の流れの中でどう変わったかということをちょっと教えていただけますか。 ◎渡邉 経理課長 当然のことながら、指名停止の措置をしまして、その前に、指名停止の基準を厳格化していく中で、このことが起きたわけですが、それ以降については、そのまま変わってございません、厳格化したばかりの中で、こういうことが起きたということでございます。 ◆中村公太朗 委員 起きてしまったことはもう取り返しもつきませんし、議会からは、その指名停止も、たしか一年未満でしたので、また同じ事業者が同じ翌年の入札に入ってこられるではないかみたいな指摘もされていましたが、国のルール、さまざまな、できる、できないはあるにしても、やはりまだまだ優し過ぎるというか、とてもとても事業者が、これをやってしまったら怖いので、ちょっと談合はやめておこうぜというような状況までのルールづくりはできていないのだろうと思っていますので、やはりこれはすごく警戒をしていかなければいけないことだろうなと思っています。  もちろん行政としては、談合はよいのですか、それはだめです、絶対あってはならぬことですという答弁にはなるのでしょうけれども、その態度を見せるには、やはりルールをしっかりとつくっていくことなのだろうなと思っていますし、いよいよ迫ってくるこの本庁舎、実に四百億円を超える公共工事になるわけですよね。前後五十年見ても、多分、類を見ないような巨額なものになってきますから、恐らく世田谷区内にあるその談合ネットワークも、もう焦点を当てているのだろうと推測をいたしますので、そうしたことにならないようなルールづくり、もしくは入札方法などを考えていかなければいけないのだろうと思っています。  毎回の経過調書とか、毎月の工事請負契約状況などが企画総務委員会では報告されますが、競争性があるもの、ないもの。ないものに一概に談合がある云々ということを言うつもりはありませんが、大体個人的に見ていますと、五%から一〇%ぐらいは、やはり競争性がある、なしで金額が変わってくるのだろうと思っています。  ということは置きかえると、この四百億円で言えば、一〇%変われば、競争性が働いたとして下がるとすれば四十億円、五%でも二十億円、これだけの金額が、もしルールが整備をされず、この大きな一大事業に対しても、もし談合という形が起きた場合に、余計に支出されかねないなと思っています。  区としては、先ほども出ましたが、ふるさと納税については三十億円、四十億円、大変だ、大変だということで、これまであらゆる動きをしていますが、この談合一発で同等の金額が出ていきかねないわけで、イコール、それだけのお金がほかのサービスに投入できると考えれば、やはりふるさと納税が話題になったときに、たくさんいろいろな取り組みをしているように、もっともっとこの入札について、契機という部分もありますが、この本庁舎建てかえの前に、しっかりと、絶対に違法行為を許さないというようなルール整備をしなければいけないと思いますが、まずこの本庁舎の入札におけるルールづくりはどういう進捗で、どのようにやろうと考えているのか伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 本庁舎のほう、現在スケジュールにおいては、二〇二〇年度の着工を目指して基本設計の作業に入っております。現在、基本設計(案)中間報告を御報告して、その中で施工者選定方式についてもまとめております。今後、後半部分でローリング計画等を立てていきまして、各工区でどういう工事が必要かと、施工においての躯体についても、どのような形でやるのかも明らかにしながら、この後、施工者の選定方法等も含めて検討するというスケジュールでございます。 ◆中村公太朗 委員 ごめんなさい、そうすると、いつぐらいにルールが決まることになるのですか、もう一度お願いします。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 二〇二〇年の着工を目指しておりますので、当然その前の二〇一九年度中には何らかの形でルールという部分では検討に入ってまいります。 ◆中村公太朗 委員 それは多分どの案件も同じような流れで起きている逆算なのでしょうけれども、先ほど言った視点で、この工事において、パーセントはでかいわけで、これまでの一連の流れを踏まえた上で、何かしら新しいルールづくりをするという視点で、この入札のやり方を決めていくという想定はあるのでしょうか、ないのでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 まず、今回の本庁舎等整備の工事の特徴ではございますが、今回、いわゆる現庁舎を使用しながらの工事という部分、それから長期にわたる工事が考えられます。それから三期にわたって解体、建設を繰り返す工事ということがあり、具体的に言うと、工区ごとで建てられた建物を、最終的には一つの棟にするとか、エネルギーセンターの場所をかえながらも、新旧両方の庁舎へ安定的に電気等を送り続けなければいけない。  そして、やはり限られた敷地の中で、クレーン、ダンプ、それから躯体を運ぶトラックが来て、同時に区民の方を各庁舎へ案内する動線の検討もしないとならないということで、非常に難しい工事でございます。  このような大規模な工事ですので、ほかの自治体の事例で言うと、学識経験者等によって施工者選定手法を検討する委員会を立ち上げて、施工者選定条件について検討して、さらに、それに基づき施工者を審査する委員会を立ち上げている事例がございます。  このように、今回の本庁舎は、高い技術力が求められますので、今後どのような方法でそれを求めて施工者を決めていくかについては、今御紹介した他自治体の事例、そしてこの後検討するローリング計画の内容も含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 難しい工事だということは、今るる説明がありましたが、究極を言えば、難しいから談合があってよい、ないという話ではないと思いますし、今、選定委員会云々という話もありました。ほかの自治体を参考にすることは結構ですが、世田谷では、ほかの自治体にはない深刻な状況が起きたわけで、とにかく、そういうマインドを持って、前回の宮崎副区長も、怒っているという発言がありましたが、撲滅できるように、徹底的にそういう違法行為については、もちろん競争性確保の上で、適正な落札ができるように、そうした方々をしっかりと抑止できるようなルールづくりをより一層進めていただいた上で、本庁舎の入札が迎えられるようなスピード感で、しっかりと臨んでいってもらいたいと思います。  ちょっと企総と区民と両方で、またがってやりたいと思っているものが、一つ、アスベストの問題です。先般も、壊してみたらアスベストが発見されたので、追加の工事をしますなどという話がありましたが、やはりこれまで指摘してきましたが、竣工図の部分もありますが、このアスベストについてのケアが、今回いろいろな自治体の条例なども調べさせてもらいましたが、極めてぬるいのだろうとは思っています。  まず、改めて、アスベストの危険性は、理解されているようであれば、もし誰か営繕か何かでわかれば教えていただけますか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 アスベストの危険性については、解体工事によって粉じんなどが生じた場合に、労働者の健康等に重大な影響を及ぼすことがわかっております。 ◆中村公太朗 委員 例えば世田谷区は、つい先般、たばこルールを条例で設定しましたよね。あれも一緒で、吸っている人は究極、自分の健康を害することも踏まえた上で吸われている方がいらっしゃるので、まあ、しゃあないなと。  でも、あれは副流煙を人に吸わせることで影響が出ないようにという問題点があった上で、これまでルールづくりをいろいろ考えて、吸っている方の意見もあり、飲食店の意見もあり、さまざまな議論がありましたが、もともとの根本は、要は、全く第三者が吸って、健康に影響があるからということだったかと思うのですね。  まさにそれ――まあ、それよりもと言うと、ちょっと発がん性の部分もあるのですが、アスベストを吸ったら、体内に入って、小さいものが刺さると言うのですか、もう取り出せないですよね。そして、いつ発症するかわからないというような、極めて危険だと言われていて、世界でも禁止されているものなわけです。  翻って、では、建物を壊す、建材に入っていたり、吹きつけの塗料に入っていたりするものについてのケアは、現状、要は、ごめんなさい、個人宅の話はちょっと区民生活でやりますが、公共施設においても、もちろんケアをしていかなければいかんということなわけで、現状まず、どの程度把握をされているのかと。  要は、壊す直前になってみて、もしくは設計図だけを見てやってみて、そうしたら、実は違うものが解体途中で出てきました。それでは、もう多分壊している途中で、飛んでいる可能性もあるわけですよね。  そういうことを考えたときに、今その世田谷区の公共施設では、どこに、どの施設でアスベストが使われていて、もしくは建材なり吹きつけなりということができているかということは把握されているものなのでしょうか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 公共施設において飛散性の高い吹きつけアスベスト材については、アスベストに関する法に基づいて、現場の状況、含有の分析、そして撤去または飛散防止対策を実施してまいりました。区施設での対策は、撤去することを原則としていますが、飛散防止対策として封じ込めまたは囲い込みにより対処した施設が現在七施設ございます。これらの施設については施設管理所管課において定期的に室内空気の分析などを行い、飛散していないことを確認しており、問題はないところであります。 ◆中村公太朗 委員 まず聞きたいことは、アスベストがある、なしにかかわらず、要は、解体事業者に委託をするわけだと思うのですね。公共工事の場合は建築もセットかもしれませんが、解体工事をする会社は区内にも区外にもたくさんあるわけです。だけれども、対アスベストの除去についての能力には極めて大きな差があると現場で聞いています。  そういうことを考えたときに、まず一つは、アスベストの調査をしたときに、出る、出ない、事前の検体調査をするわけですが、それで、ある、なしにかかわらず、解体工事を行っている際の飛散しているものの調査、チェックは、まず、されているのですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 大気汚染防止法に基づきまして、調査はしております。 ◆中村公太朗 委員 それは、アスベストがあると言われたもの、事前の検体で発見されたものだけではなくて、発見されていないものについても、解体工事中に、アスベストが飛んでいるかどうかの調査はされているということでよいですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 アスベストがあることがはっきりしているものについて調査を行っているという状況であります。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、解体事業者が検体をとったときに発見されなかったり、もしかしたら見落としていたりとか、もしくは、これは公共工事は、もしかしたらないかもしれませんが、追加料金云々の事情の中で、ちらっと発見されても、手続も面倒でありますから、解体事業者が、もうそのまま、えい、壊してしまえということが仮に起きたとしたら、それは、要は区にはアスベストがありましたという報告がなかった場合に、飛散をしている可能性はあるということですかね。 ◎高橋 施設営繕第一課長 法律には、事業者が、まずその建物に着手する前に、アスベストの有無について調査することと義務づけられていますので、そこで見つかった場合については、必要な措置を講じなければならないので、そういうことはないと考えております。 ◆中村公太朗 委員 では、逆に、先ほども言いましたように、アスベストの処理能力、もしくは究極的に悪質な解体事業者が、えいや、こらで壊してしまって、区には報告しなかったという場合のチェックはできるのですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 区のほうでも、設計時において、事前にアスベストの有無については、はっきりしているものについては分析調査をするなどして把握しておりますので、いわばダブルチェックしている状態なので、そういうことはあり得ないかなとは思っております。 ◆中村公太朗 委員 いや、いや、今のは全て事前にアスベストが使われているとわかっているものに対して言っているわけですよね。その話はしていなくて、そうではないもので、飛散をしている可能性があるかもしれないし、それをチェックできる体制を構築しなければいけないのではないですかということで、つまり、どんな工事においても解体する際に、途中経過の飛散物質チェックをやっていることで、安全な可能性がふえるのではないかと思うのですが、現状それはやっていないということですし、それをやっていないところにおいて、なぜ大丈夫ですと言い切れるのかがちょっとわからないのですが、業者を信頼していますというだけのことですか。 ◎高橋 施設営繕第一課長 まず、区の公共施設のアスベストについては、改修・解体工事において、設計時に有無を確認しております。設計の場合はアスベスト使用の有無を目視及び設計図書等で確認していまして、分析調査を委託した上で工事発注をしています。設計を委託する場合についても、分析調査を含めて委託し、設計事務所において分析調査を行うなど適切な設計に努めています。アスベストの分析調査方法についても、日本工業規格に基づいて、同じ建材の施工部位の三カ所以上から必要分析量を採取し、まぜ合わせたものを資料として確認しております。  このほかにも、特記仕様書に各種関係法令を記載し、アスベスト処理含有建材の処理の取り扱いについては、石綿処理に係る特記仕様書を添付するなど、法令遵守の徹底を図っております。工事中においても、営繕課職員及びアスベストにかかわる条例監督部署の検査確認を行い、適切に履行することを確認しております。 ◆中村公太朗 委員 先ほどから言っていますが、設計図に基づいてやっていますということですが、何回も繰り返しになりますが、そもそもその数十年前につくったときの竣工図が現況とずれていることも多々あるということは指摘をずっとしておりますし、現場の方々に話を聞くと、設計図どおり行ってみたら全然違ったね、あけてみたらびっくりなどということもよく聞きますよ。もっと言うと、アスベスト専門業者でさえ、レベルが低ければ、それこそマスクしないでやっていますみたいな、そんなのばんばん入っていますよね、ははは、などという人もいるわけですよ。やはり区民の命にかかわる、事業者もそうだし、それが本当に飛散していたら、近くに住んでいる人にしたら、もうとんでもない災害になってくるわけではないですか。実際に見えないし、どこで吸ったかわからないようなものが、ずっと体に蓄積されて、いつかその発症したときに、では、誰に何を言ったらよいのですかというときもあるわけです。  個人的には、これはたばこの煙よりもよほど危険なのではないかと思っていますので、やはり徹底に徹底をしたほうがよいと思いますし、ほかと比べても世田谷区がばりばりにアスベストについてケアをしているとはとても思えないような現状ですので、そこは、まずは公共施設としては徹底的に、区民の生命と財産を守るのが世田谷区などと言っているのですから、そこについては安全に安全を重ね、調査で、もし検体でとれなかったかもしれないけれども、実はあるかもしれないので、ぜひこういう解体工事中の飛散しているものの分析などは、ぜひ想定に入れていただきたいということを申し上げまして、バッターを交代します。 ◆藤井まな 委員 私からは、昨日の羽田政調会長の総括質疑の続きとも言える公契約条例についての質問をさせていただきたいと思います。  公契約条例の質問を私も何度かこの場所からさせていただいてきたのですが、世田谷区の公契約適正化委員会の最新の意見書が上げられておりまして、昨日、区のホームページにもアップされたという話をお伺いし、それをもとに質問をしたいと思っているのですが、今まで私も委託業務に関する労働報酬下限額のことについて幾つか質問してきたのですが、今回の適正化委員会の意見書の中においては、やはりまずは千七十円を達成するべきだと書かれているのですね。  何度も言ってきましたが、高卒初任給が時間給換算で千百二十八円ということで、そこに二段階で到達できるための第一段階としての千七十円というような設定になっています。私もこの千七十円を、来年の四月一日には実行していかなければいけないと思います。  もちろんその大きな理由としては、やはり最低賃金が年々上がっているわけで、今月から最低賃金は九百八十五円になりました。かなり大幅な額上がっていて、来年になれば最低賃金は千円、十月になったら千円を超えることは確実だと言われていると。  翻ってみて、では、公契約条例の中の労働報酬下限額が千二十円から二年間据え置かれている、やはりこの現状は来年の四月一日には絶対にどうにかしていかなければいけないと私も、当然、適正化委員会の皆さんと同じように考えているわけですが、千七十円を四月一日にぜひとも達成していただきたいと思いますが、区の現状での考え方をお伺いします。 ◎渡邉 経理課長 今、委員からお話がございましたが、今般の公契約適正化委員会より提出された意見書の中で、昨年度据え置いた経緯も踏まえ、来年度は千二十円から五十円アップする、千七十円とするという意見が出されてございます。来年度の下限額については、可能な限り事業者あるいは区の予算、それから我々の契約の事務に支障を来さないように適時適切に判断していくものと考えてございます。 ◆藤井まな 委員 僕はこれは適正化委員会の皆さんも抑え気味に言っているのだろうなと思っています。本当だったらもっと大きな幅、最低賃金の時給の幅と同じぐらいの上げ率を言いたかったところを、区の予算も考えて、ある程度抑制的に言っているのだろうなと僕は思うので、この公契約適正化委員会の皆さんの心をぜひとも酌み取ってはいただきたいと思います。  また、昨日、羽田政調会長からできなかった質問として、やはり建設関係の皆さんには、それぞれの職種でそれぞれの賃金が決まっていると。でも、業務委託の中では決まっていないということをどうにかしていかなければいけないのだろうなと。  例えば保育士であったり、看護師であったり、さまざま業務委託の中でも、労働報酬下限額の段階の賃金を決めていかなければいけないと思っていますが、そこに関して世田谷区は今どう考えているか、お伺いさせていただきます。 ◎渡邉 経理課長 お話のように、工事以外の委託契約等の労働報酬下限額は一くくりにした額でお示ししてございますが、委託契約については福祉、医療分野等幅広く、さまざまな業務、業種があるため、現在示している下限額ではそうした現状と見合わないといった課題があることは区としても認識してございます。
     今年度開催された労働報酬専門部会においても、委託契約等における職種別下限額の設定の必要について議論されておりまして、その中では、二年程度の期間を設けて話を進めていこう、そういう意味では即座に結論をつけることは難しいことから、来年度以降もさらに研究、議論を深めていくこととされてございます。今後、委員会や部会での十分な議論が尽くされるように、私どもは必要な資料とか情報などの提供に努めるとともに、労働実態に即したよりよい環境となるように、職種区分とその下限額の適切な設定に向けて検討してまいります。 ◆藤井まな 委員 僕はここは公契約適正化委員会の皆さんと考え方が違って、二年も待つ必要はないと思っていまして、やはりもうやっているところはあるわけです。少なくとも二年後にはっきり始めるということであれば、もう来年度中に、どれとどの職種は段階的に決めるかとか、そういう素案を出していかなければいけないわけで、僕は二年後では遅いと思っていますが、二年後にぱっと始めるためには、まずはどの職種を当てはめるのかを世田谷区には出してほしいと思っていますので、そこは要望をさせていただきたいと思います。  今、私が述べてきた公契約条例は、労働者側の目線を全てお話ししたので、次は経営者側の目線のお話をさせていただきたいと思うのですが、やはり経営側の目線で重要となってくるものは入札制度改革だと思っています。今回の意見書の中に入札にかかわる諸過程の透明化を目指さなければいけないとなっていますが、まだまだその前段階に設計、積算、入札、落札、施工、各過程に関していろいろな意見が出されて、まだ透明化にはほど遠いと言われていますが、この透明化ということに関して世田谷区はどういう対策をとっていけるのか、お伺いさせていただきます。 ◎渡邉 経理課長 今お話しいただいたことは、契約過程の透明化に向けた手続の改善ということが委員会の中から御意見としていただいている、その件だと思います。この中では、業務委託等委託契約については、入札予定価格等の公表がされていないのだと、このような御指摘がございます。  工事案件については、積算単価等がございますが、業務委託についてはそういったものがございませんので、公表としてございません。そこには、その業務が多岐にわたり、事業者によっては得手不得手な部分もあって、一律に積算できないというような課題もございます。  例えば印刷封緘作業などを見てみても、業者から見積もりをいただきますが、その作業工程の内訳が、例えばAからDまで工程がある中で、業者によってはBとCが一体になっていたり、それが一連の流れの中でこういう金額になっているのだということで、業者側としても細かく積算できないというような状況もあろうかと思います。  これを踏まえて、では、区では契約所管課で、そういった予定価格なり見積もり積算を出していけるのかというと、さらに難しさが伴うと認識してございます。  こうした中で、今般、御意見として部会のほうでもお出しいただいておりますので、その中での議論も踏まえて今後検討してまいりたいと考えてございます。 ◆藤井まな 委員 透明化を進めていかなければいけないということで、区側の意見もいろいろあるのですが、やはり僕は、ここでは積算内容に注目して質問をしてまいりました。  特に前回か、去年か忘れましたが、法定福利費の別枠計上の話をさせていただきました。皆さんも御存じだと思いますが、法定福利費、業務委託で言えば一般管理費、建設現場で言えば現場管理費の中に含まれている社会保険にかかわる費用のことを法定福利費と話をしていますが、なぜこれを、例えば公契約シンポジウムで労働者側ではなくて経営者側が、あえてこの法定福利費を別枠計上しろという話をするかというと、やはり積算に関して透明性が確保されていないのではないかという不安があるからだと私は思っています。  そのことに関して、法定福利費を別枠計上すべきだという経営者側の方たちの意見を聞いて、私は前回ここで質問をしているのですが、いまだにこの法定福利費の別枠計上は実行されていないということで、なぜ実行されていないのかを、できる限り簡潔に説明していただきたいと思うのですが。 ◎高橋 施設営繕第一課長 法定福利費については、現場労働者及び事務員の厚生年金保険料、雇用保険料、健康保険料などの社会保険等にかかわる費用でございます。公共建築工事における工事価格の適正化に加え、業界における就労環境の改善及び持続的発展に必要な人材の確保という面からも、法定福利費の計上は大変重要と認識しております。  建築工事の場合、現場従業員の法定福利費は現場管理費に、本店及び支店の従業員の法定福利費は一般管理費という諸経費の中に含まれております。これらの費用は、積算基準で決められた計算方法によって算出します。  例えば現場管理費ですと、法定福利費を含めた十二項目で構成されており、この一つ一つの項目ごとに算出せず、一括で算出して計上する方法のため、法定福利費だけを別に計上することはできておりません。  こうした積算方法については国の基準によるものであり、国だけでなく全国の自治体で発注する建築工事においては、法定福利費を別途計上しているケースはまだ確認できておりません。  こうした中、国は建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインを策定し、工事受注者から入札後に提出してもらう請負代金内訳書に法定福利費を明示させることで、適正な請負代金による請負契約を締結するものとしております。法定福利費の扱いについては、引き続き国や都の動向を注視しつつ、関係課と協議しながら検討してまいります。 ◆藤井まな 委員 今の話だと、管理費には幾つかの項目があって、それを一つ一つ算定しないから、法定福利費が別枠計上できないというような話をされているのですが、だから経営者の人たちはおかしいなと思うわけですね。本当に法定福利費がその中に含まれて算出されているのかということを不安に思うのは、それが一つ一つ個別に算出されていないと、今のように世田谷区が言ってしまうからなわけですね。  そして、今、課長が、建設現場で法定福利費の別枠計上はされていないという話をしていましたが、私はこの場で、去年も御紹介しましたが、では、業務委託で法定福利費を別枠計上しているところはありますよね。一般管理費の中で法定福利費を別枠計上しているところはありますよね。それを御存じですか、課長。 ◎高橋 施設営繕第一課長 その件に関しては、清掃委託業務のことではないかと思っており、ある自治体の事例として把握しております。 ◆藤井まな 委員 最終的には建築で法定福利費を別枠計上してほしいですが、では、逆に言いますが、業務委託の中で法定福利費の別枠計上はできるというような考えでよろしいのですかね。 ◎渡邉 経理課長 先ほども申しましたように、我々のほうで積算をしておりませんので、業者のほうでどのようにこの管理費の部分を計上してきているかは、ちょっと定かではございません。 ◆藤井まな 委員 いや、これは世田谷区の建築関係の経営者の人たちがこの話をしているわけですから、本当に、もっとコミュニケーションをとっていただきたい。別枠計上はやっているところもあるので、物理的にできるのですよ。  済みません、この話ばかりしていると、ほかの質問を何もできなくなってしまうので、ぜひともそれをやって、もう一回別枠計上のことは、しっかり現場の皆さんとお話をしていただきたいなということを要望しておきます。  そして、防災対策について質問をしたかったのですが、スフィア基準のことをもう一回取り上げたかったのですね。スフィア基準はこの間の一般質問でも取り上げましたが、これは内閣府が避難所の運営に関して必要ではないかというような参考資料として提示して、全国の都道府県に紹介しているのですが、この中で、東京都はこのスフィア基準を導入していないのですが、その中でも徳島県はスフィア基準を導入しているので、そういった事例があるということを皆さんに知っていただいて、あえて僕もこの場で取り上げさせていただいたのは、スフィア基準を導入している都道府県があるということを皆さんに知っていただきたいので、ぜひともそういったことを区の中でも知っておいていただきたいということを、まず一つ要望しておきます。  もう一つ、八月二十七日の集中豪雨のときに、私のところに電話が三件かかってきたのですが、今どこが冠水していて、どこを警察署が通行どめにしているかという話をすごくいっぱい、いろいろな人から電話で聞かれて、私もその近くに、例えば結果的に冠水した駒留通りとか弦巻通りとか、そういうところの近くに住んでいる人たちに電話をして、今、通行どめになっていますかみたいな話を聞いたら、あっ、実際に通行どめになっています、窓から見える範囲で通行どめにしていますよという話を聞いて、ああ、ここは通行どめになっているらしいですみたいなことをお話ししたりしたのですが、それも、なかなか僕のほうに聞かれても、全部答えられるわけはないわけで、やはりそういう情報は、全部区民の人にできる限り伝えていくことが、災害に対してどれだけ自分を防御できるかにつながってくると思うのですね。  そして、警察が通行どめにするわけですから、警察の情報を世田谷区がいち早く得ることができれば、世田谷の防災メールとかに、ここが今通行どめになっていますよとかいう情報を提供することができるわけで、やはりその情報を素早く得る努力を世田谷区にもしていただきたいと思うのですが、そこについて世田谷区の考え方をお聞かせください。 ◎河野 危機管理室副参事 災害時の道路の緊急通行どめは、交通管理者として警察が行う場合と、区などの道路管理者が行う場合がございます。先日の八月二十七日のゲリラ豪雨の際には、駒留通り道路冠水の状況から、世田谷警察が巡回中に交通管理者として通行どめを行ったものと聞いております。  今回のようなケースで、区から通行どめ等の情報を発信する場合、警察との情報共有と情報発信までに要する時間が課題になると考えております。今後、区内各警察や各道路管理者と災害時の情報共有の発信のあり方について検討してまいりたいと思っております。 ◆藤井まな 委員 世田谷区には警察署との連携をより深めていただきたいと思います。  最後に、AIやICTの活用をして、世田谷区の業務効率アップをしていただきたいなというようなことを取り上げさせていただきたいと思います。  今、本当に多くの自治体でAIを導入した取り組みがありまして、江東区では防災訓練にAIを取り入れたりとか、保育園の入園選考に港区がAIを取り入れたりとか、ごみの質問にAIを取り入れた墨田区の事例、すごくたくさん、AIの事例が本当に毎日のように、いろいろな新聞に出ています。あとは、茨城県では決裁の電子化を行って、業務効率が大分改善したという話もあります。  ぜひともこういったAIやICTを取り入れて、区には業務効率アップを図っていただきたいと思いますが、ごめんなさい、時間がなくて申しわけないのですが、区の考え方があったらお答えいただければと思います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 定型的な枠組みが決まっている業務には、AI、ICTは十分活用できると思うので、今ベンダーからもいろいろ提案を受けています。ですので、今年度後半から実証実験をしていきたいと思っています。 ◆藤井まな 委員 いろいろなAIを研究していただいて、取り入れていただけるところがあれば取り入れていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩    ──────────────────     午後零時四十五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 それでは、日本共産党の企画総務領域の質問を行います。  私は、きょうは新実施計画後期計画の行政経営改革計画について伺ってまいりたいと思います。  実施計画では、まず、社会情勢の変化についての認識、前期計画の到達点と課題などについて明らかにしています。我が党は、今期の第二回定例会、そして今議会を通じて、この実施計画に示された認識と課題、さらに災害への対応など新たな課題を踏まえながら、計画の着実な実現のために、さまざまな提案を含め議論をさせていただきました。(「提案ばっかりだよ」と呼ぶ者あり)  中でも安倍政権による百億円余りに及ぶ地方自治を軽視した財政措置、また、庁舎建設を初めとする公共施設の更新需用など、厳しい財政状況の中で、区民の安心安全、子育て・介護など区民生活を最優先にした区政運営を進める上で、実施計画の行政経営改革に基づく取り組みの具体化を各分野で求めてまいりました。  その新しい行革計画、ここにありますが、世田谷区新実施計画(後期)の一二ページからが新実施計画事業、行政経営改革の取組みという内容になっております。この内容について具体的に質問してまいりたいと思います。  この行革計画では、その冒頭に、「自治の推進と独自性のある自治体経営の確立に向け」、持続可能な財政基盤の構築を進めると明記しています。これまでの計画では、とかく財政基盤の構築だけが強調されてきましたが、何のための行政経営改革かが明瞭に位置づけされました。これは大変重要だと思います。  そこでまず、この新しい実施計画で示された行政経営改革計画の冒頭に「自治の推進と独自性のある自治体経営の確立に向け」と記述した意図、その目的について伺いたいと思います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 新実施計画(後期)の行政経営改革の取り組みでは、区民に信頼される行政経営改革の推進を方針の一つに掲げております。都区制度改革や地域行政の推進、また、参加と協働を基軸にした区民参加の促進など、新たな行政のあり方を目指す取り組みを位置づけております。  一方で、安定した財政運営を可能にするためには、持続可能で強固な財政基盤の確立と資産などの有効活用による経営改善の方針に基づく取り組みも不可欠であり、これらをともに進めることが自治の推進と独自性のある自治体経営の確立を実現する方策であると考えておりまして、以上のような理由から、冒頭に目的を明記させていただいたものでございます。 ◆村田義則 委員 自治の推進と独自性のある自治体経営の確立のための改革であるということだと思います。  そして、計画では、行政経営改革では、三つの方針が示されております。三つの方針というのは、《方針1》区民に信頼される行政経営改革を推進、そして《方針2》持続可能で強固な財政基盤の確立、《方針3》資産等の有効活用による経営改善、この三つの方針に基づいて十の視点で改革を進めるという内容になっております。  そこでまず、私は、その方針の第一、区民に信頼される行政経営改革の推進の中で示されている四つの視点、まず(視点1)自治体改革の推進、(視点2)自治の推進と情報公開、区民参加の促進、(視点3)世田谷区役所、職員の率先行動、職場改革の推進、(視点4)執行体制の整備、この内容について幾つかただしてまいりたいと思います。  まず最初に、その方針の第一に(視点4)として執行体制の整備という項がつけ加えられました。その内容と理由について伺いたいと思います。 ◎田中 政策企画課長 これまで組織人員体制の見直しについては、組織体制の最適化を通じて、人員にかかわる経費を可能な限り有効活用するという観点から、持続可能な財政基盤の確立という方針のもと、位置づけておりました。しかしながら、行政需要が複雑化、多様化、拡大する中で、新たな区政課題に的確に対応するためには、人件費コストの最適化という課題のみならず、機動的に対応できる柔軟な組織づくりや、高度な専門知識や能力を持った職員の育成など、区政運営のかなめとなる執行体制の整備がより重要となっており、そうした取り組みの中で区民の信頼に応えていく必要があると、そのような考え方のもとで、新実施計画(後期)では執行体制の整備というテーマについて、区民に信頼される行政経営改革の推進に位置づけたところでございます。 ◆村田義則 委員 これは大変重要な変更だと思うのですね。今まで定員適正化と言うと、要するに財政の問題でしか位置づけられていなかったわけですが、それを第一、区民に信頼される区政の執行というところに位置づけたということであります。新しい視点として、ぜひ簡素で柔軟な組織体制の確立にしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  さて、区民に信頼される改革として(視点2)で取り上げられている問題が、情報公開の促進です。そして、今度の実施計画では、その(視点2)の具体化として、公文書管理条例と公文書館の設置の問題について実施計画でも触れられておりますが、伺っていきたいと思います。  公文書の管理について、この間、相次ぐ政権の不祥事、公文書の隠蔽、改ざん、廃棄など前代未聞の事態が相次ぎました。区の公文書の管理についても区民の厳しい目が注がれています。こうした中で、公文書管理条例の制定が実施計画に位置づけられたことは、新しい行革計画の具体化として評価をしております。条例制定について、区の基本認識と検討スケジュールについて伺いたいと思います。 ◎好永 区政情報課長 平成二十三年に公文書の管理に関する法律が施行され、地方公共団体は、法律の趣旨にのっとり、公文書を区民の知的資源として適正に管理していくことが求められました。公文書の管理は情報公開の基盤となるものであり、公文書を適正に管理するということは、区民との信頼関係を築くために重要な役割を果たすものと考えております。  委員御指摘のとおり、国においては公文書の取り扱いに関して区民から行政に対する不信を招き、公文書の管理がより注目されることになったことは記憶に新しいところでございます。このように情報公開の推進は、まさに区民に信頼された行政運営に当たり必要であり、その基盤となる公文書管理条例の制定が新実施計画の取り組みとして位置づけられた意味と理解してございます。  それから、検討のスケジュールですが、公文書管理条例の制定については、実施計画事業において、平成三十二年に条例の制定、平成三十三年に条例の施行の準備という当初の計画を立てておりました。その中で昨今の情勢も鑑みまして、現在の情報を適正に管理し、未来に向けて保存していく公文書の管理によって区民との信頼関係を早期に確立していく必要があると判断して、公文書の定義による、その範囲や保管、保存等新たな管理のルールを優先的に検討してまいる予定としてございます。 ◆村田義則 委員 今の答弁にもありましたが、国にも公文書管理法というものがございます。そこでは、第一条に、公文書等が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、国等の諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とすると、このように明確に書いてあります。そして、そのための措置が定められていました。  しかし、この法律のもとで現在の政権の公文書の改ざん、隠ぺい、こういうものが行われたわけです。つまり、世田谷区で条例をつくると言っていますが、条例をつくれば区民の信頼が得られるということではないということは、もう国民は見抜いていると思います。  問題は、どういう条例を、どういう区民の参加や、あるいは代表機関としての議会の関与、参画を含めてつくっていくのかが非常に大事だと思っております。そういう意味で、区民の信頼に足る条例とするためには、それにふさわしい、制定に当たっての手続、過程が必要だと思いますが、この点について区の見解を伺いたいと思います。 ◎好永 区政情報課長 公文書管理条例の制定については、その検討に当たる区民の参画、意見聴取が大事だと考えております。その検討には、学識経験者、区民委員から成る世田谷区情報公開個人情報保護審議会へ、審議会条例における制度運営に関する重要事項として諮問することを予定しております。  また、適宜、区ホームページで条例制定に関する情報を発信してまいります。条例の考え方の骨子についてはパブリックコメントを実施し、区議会の御意見を賜りながら、区民の知的資源として情報公開の推進に資するべく取り組んでまいる所存でございます。 ◆村田義則 委員 区政のこれからのあり方を左右する、あるいは区民からの信頼を本当にかち得ていく行政を推進していく上での一つの、現在の社会状況の中での、骨格的な政策の一つだと考えておりますが、その辺のことを踏まえた、この制定過程について、副区長はどのように指揮をとるおつもりか、伺っておきたいと思います。 ◎宮崎 副区長 これは公文書そのものが誰のものなのかということが、まずスタート地点に立たなければいけないものと思っています。やはり、当然、行政情報のものもございますが、まず区民が知り得る情報、知らなければいけない情報、こういうことを含めて、公文書の中には含まれてきますので、今般のこの公文書管理条例を制定するステップにおいては、やはり区民の方にも十分その辺の御意見を聞いていきたいと思っています。  先ほど課長から御答弁申し上げましたが、パブリックコメントは、当然今までの手続の中でもやっていますが、それ以上少し踏み込んだ形で、区民参加していただきまして、この内容についてよいものにしていきたい、このように考えております。 ◆村田義則 委員 そういう視点が大変重要だと思っております。ぜひ主権者である区民の参加、そして、その代表機関たる議会がこの問題に対しても積極的に、我々自身も勉強もして、さまざまな提案も行いながら、一緒につくっていくという姿勢が大事だと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、文書の問題を考えると、これから庁舎の改築が行われていくわけですよね。今、役所の中には大量の文書があふれています。引っ越しをすると、我が家の引っ越しも、皆さんそうでしょうけれども、物がなくなる、大事なものもわからなくなるということが多々ありますが、今、副区長も言われたとおり、区民の財産としての文書ですから、その改築に当たって、十分に注意を払った対応が必要だと思っております。  この実際の改築に当たっての公文書の扱いをどのようにしようとしているのか、それから、私はこの間、公文書館、そういうものもしっかりと、きちっと、それぞれの行政が棚に積んでいるだけではなくて、重要なものはきちっと選定し、管理する仕組みをつくることが必要だと提案してまいりましたが、改築に当たっての文書の管理をどうするか、公文書館についても、新庁舎改築の中でどう位置づけるのか、検討が必要だと思いますが、区の認識を伺います。 ◎好永 区政情報課長 本庁舎整備における移転に伴いまして、執務空間を移動する契機を好機と捉えまして、計画に載ってございます執務空間のオープンフロアを実現すべく、執務空間内の文書量を五〇%削減という目標を掲げております。  その中で、必要な情報については、先ほど申し上げた公文書管理条例の制定を踏まえた適正な管理、保存、保管、廃棄の一連の流れを確実に行う必要があると考えております。  その中で、歴史的に重要な公文書におきましては、公文書館的機能の必要性が求められておりまして、実施計画事業の中でもそういう文言をうたっております。この公文書館的機能については、区政への区民参加と協働を推進するための情報発信機能として、区政情報の文化や歴史等に関する資料などさまざまな情報を集約して、区民に提供できる、利用できる機能として整備しようと考えております。  区としては本庁舎の情報発信機能の整備にあわせまして、新庁舎での区民が公文書を閲覧でき、活用できる機能についても、あわせて検討してまいりたいと考えております。 ◆村田義則 委員 区民に信頼される行政経営改革の推進という中で、きちっと、しっかりと取り組んでいただきたいと申し上げておきたいと思います。  さて次に、その行革方針の第二、持続可能で強固な財政基盤の確立という分野について質問していきたいと思います。  この中には四つの視点が挙げられています。(視点5)として、施策事業の必要性、有効性、優先度の視点やプロセス評価による見直し、(視点6)民間活用や官民連携によるサービスの向上とコスト縮減、(視点7)施策事業の効率化と質の向上、(視点8)区民負担等の適切な見直しという四つの視点であります。  我が党は、持続可能かつ強固な財政基盤の確立のために、この間、提案を行ってまいりました。区もこれに応えた対応を進めてきていただいております。庁舎建設に当たっての基金の積み立てなどもそうであります。  昨日の総括質疑の中で、我が党は、厳しい財政状況の中だからこそ、行革計画で求めている施策の優先度を明確にした見直しなどを求めました。区長は、セーフティーネットとなる福祉基盤の充実など、基礎自治体としての区民の生活を総合的に向上させていく、バランスのよい財政運営を進めていきたいと答弁をしました。大規模な施設建設、公共施設の更新需用と投資的経費が拡大する中、実施計画で位置づけられた事業にも時には必要な見直しを行うなど、区民生活を総合的に向上させたいとする区長の政治姿勢を具現化する改革を強く進めていただきたいと申し上げておきたいと思います。  そこで、ここでは、私は(視点6)、民間活用によるサービス向上とコスト縮減の視点から、指定管理者制度の改革について伺ってまいりたいと思います。  行革計画では、サービス向上やコスト縮減が図られる場合には、行政の責任の明確化と質の確保に留意しながら進めるとしています。我が党はこの間、指定管理者制度の運用に係る指針の見直しについて繰り返し求めてまいりました。その基本的立場は、この行革計画の視点があり、区も改定に積極的に取り組んできました。その結果、例えばサービス向上に関する評価制度とその公開、選定委員会の透明性の向上などの改善を進めてきたことは一定の評価をいたしております。  さらに私は、民間活用による区民サービス向上、コスト縮減、質の確保を、行政の責任を明確にしながら進めることのルール具体化として、指定管理者制度運用のガイドラインの制定を繰り返し提案してきました。これまでの指針では、制度を運用する上での行政内部のルールというものです。しかし、本来この制度の運用は、住民、事業者の誰もが運用の目的、選定過程の情報公開や評価のルールなど、必要な情報にアクセスでき、公平公正で開かれたものになっていることが必要です。  区は、このガイドラインについて検討すると答弁してきましたが、検討の内容、状況についてお答えください。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 お話にもありましたが、指定管理者制度の運用に当たっては、指定管理者制度運用に係る指針を平成十六年度に策定し、随時見直しをしながら行ってきました。本指針の性格は、庁内における運用を主としたものになっております。  一方、ガイドラインに関しては、横浜市指定管理ガイドラインのような庁内のみならず、民間や区民に、よりわかりやすく、指定管理者制度の運用の考え方を示す上で必要なことだと考えております。制度のより一層の活性化に向けてガイドラインの検討を行っているところです。  現在の指針では、財務審査のあり方など、事務手続の詳細や、情報公開に関する区の姿勢などが明確には示されていないため、区の指定管理制度に関する運用のあり方を示すことを検討してございます。 ◆村田義則 委員 積極的に検討していただいているようですが、その内容について少し伺ってまいりたいと思います。  今、話にもありましたが、選定委員会の公開の問題です。議事録について、この間、一切非公開だったのですが、指針の見直しによって、議事概要という形で議会にも報告されるように、区民からもアクセスできるようになってまいりました。これは前進です。  しかし、たまたま今、私ども、経堂図書館の指定管理の問題について、さまざま研究というか、調べさせていただいておりまして、たまたま開示請求でとった選定委員会の議事録です。ここに持ってきました。  これは第二回選定委員会の議事録ですが、ごらんのとおり、黒いところがいっぱいありまして、次のページは真っ黒です。その次のページも、さらに真っ黒です。これは第二回選定委員会です。  これは第三回選定委員会の議事録です。もう一枚目から真っ黒です。二枚目、真っ黒です。三枚目、真っ黒です。四枚目、これは評価ですが、これも肝心なところがずっと真っ黒です。これで、選定委員会でどういう議論が行われて、何が問題だったのかとか、選定の過程は、これはやはりわからないですよね。この辺はぜひ改善していただかなければならないと思っておりますが、この問題についての見解を改めて伺います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 指定管理制度は、公の施設の設置目的を効果的に達成するために設けられた制度でありまして、選定の過程の透明化を図るために情報公開を促進することは必要であるという認識はしております。  そして、選定過程の情報公開ですが、事業者の利益や競争上の地位を害するおそれがあるということで、今お見せいただいたような黒塗りにもしてあるということもありますが、事業者と区の間で協議をして、どこが公開可能かを明らかにすることで、運営面で改善を図っていくことはできるのではないかと考えております。現在、関係所管課とともに、課題や運営面での検討を行っておりますので、その結果がまとまり次第御報告させていただきたいと思っております。 ◆村田義則 委員 先ほどはビジュアルだけお示ししましたが、例えばその黒塗りの前を読むと、収支計画、財務状況、業務実績の項目は専門家による診断結果をもとに採点されているが、委員からこの項目について、直接事業者に質問してもよろしいか、ぜひ質問していただきたいと委員長が言って、その質問の中身が全部黒、答えも黒になっているわけですよね。公平公正と区はよく言いますが、確かに事業者の利益は重要ですが、しかし、公の施設についての選定ですから、その利益を害するという中身についても、区と事業者で十分協議していただいて、どこが本当に利益を害する部分なのか、そこをはっきりさせた上で、この公開の課題に取り組んでいっていただきたいと思っております。  さて次に、その指定管理の事業者の評価のあり方ということについて伺っておきたいと思います。  先ほどの情報公開と一緒に、指定管理についての事業報告が委員会でも行われましたし、この一年間の経堂図書館の指定管理の区の評価についても、この七月に議会に報告されました。  そして、その報告書ですが、事業計画で提案した事業等の実施状況とかがずっと報告されているわけです。主な自主事業関係というものがありまして、ここが指定管理の大事な部分だと思うのですが、例えばデジタルサイネージによる情報発信、館内三カ所にサイネージを設置したと。それから館内のリニューアル等、そしてリニューアルの中身は、正面入り口の外観改装及び床置きプランターの設置とか、ビジネスコーナー、子どもコーナーの設置や充実ということが書いてあります。
     さらに、自主事業の講座というものがありまして、講座を一年間で全部で六回行っております。この六回の講座で参加人数の総数が六十二人、最低は一回六人、最高は二十人です。二十人参加した講座は何かと思ったら「日本の酒 世界の酒」、「適度なお酒で温まろう!」という、この講座に二十人参加しているそうですが、大変民間活用の成果があらわれたテーマかなとは思いますが、こういう内容になっております。  そして、その最終的な区の評価ですが、こういう事業に対して区としては、良好に管理運営が行われていると捉えていると、そういう評価が一言で書かれています。  しかし、実は第一回選定委員会の議事要旨が区の委員会に報告されております。その中におもしろいやりとりが記述されておりまして、その選定委員会の委員が、指定管理者に対して区が要求する業務内容は、現状維持程度のサービス提供といった理解でよいのかと委員が、選定委員会で聞いております。それに対して区、これは教育委員会だと思うのですが、区は何と答えたかというと、行政の観点からは気づきがたい区民の視点に立ち、民間活力による独創的な事業展開や、より効率的な管理運営を求めると答弁しています。独創的な事業提案と。  さっき私、読んだけれども、まあ、お酒の話は独創的かなと思いますが、どこにこういう独創的な提案事業があるのかなと、区が期待したのは本当にこの程度のことなのかと。この程度のことしかやっていなくて、評価できますと言っていたのでは、本当の指定管理の役割というか制度については、私はまだまだ不十分だと思わざるを得ないのですね。  だから、その評価の視点も、まあ、やってよかったという、この程度のことではなくて、やはり区が期待した、この独創的な事業提案と言っているのだから、これがどうだったかをきちっと評価の基準に据えなければいけないのではないかと思います。  それから、その評価という点では、積極面だけではなくて、例えば、図書館で言えば、個人情報の管理などということは、センシティブな情報では大変重要です。こういうものが本当にきっちりやられているのかと、こういう点での評価などについては、一切ありません。こういうことについても、きちっと評価をして、区民に、あるいは議会にきちっと報告するという、その評価のあり方が改善される必要があると思いますが、この点について見解を伺います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 今お話がありましたモニタリングの年度評価ですが、施設の維持管理や運営、事故や緊急時の対応などの項目、幾つか項目をつくって、指定管理者の自己評価、施設所管課による区の評価ということで年度ごとに実施しているのですが、評価では、主に評価表上はですが、ゼロから三までの点をつけて、要求水準を超えている場合は三ですし、要求水準以下という場合は一以下をつけるということになるわけですが、特定の項目に点数が低い場合のリスク要因に関しては、区としてきちんと是正を求め、改善させる必要はあると考えていまして、その評価結果は、公表する際に、ここに課題があったという場合には、その内容と改善策を明らかにするということでやっているのですが、今、このモニタリングを始めてから、平成二十九年度の指針の改定から始めていますので、まだ少しばらつきもあるのかもしれないので、その点も検証して、モニタリングそのものの改善も進めていき、モニタリングも、区民に情報共有を図りながら行っていって、指定管理事業そのものの改善を継続していきたいと考えております。 ◆村田義則 委員 行革計画で書かれている民間活用によるサービスの向上、これが本当にそういう意味できちっとした評価が行われるように、区民から見ても、そうなったなと思われるように、評価の視点も明確にして公開していただきたいと思います。  その結果によっては、書いてあるように、こんなものを指定管理にしてもしようがないという内容であれば、それの見直しも当然必要になってくるということについて指摘しておきたいと思います。  次に(視点8)区民負担等の適切な見直しということについて伺いたいと思います。  視点では、施策・事業の継続性と政策目的を踏まえ、経費抑制策や事務改善等に取り組むとともに、区民負担等の適切な見直しを図りますとあります。これまでは主に事業の継続性の観点から、コストと負担のあり方の見直しが行われてまいりましたが、今回の経営改革では、加えて政策目的を踏まえるとされております。  例えば集会所については、地域のコミュニティーの向上や自治の発展などの政策目的から、誰もが気軽に使える範囲での負担をお願いするとか、こうしたことを進めてきたわけです。  それから、スポーツ施設について、今般、値上げされたことで、利用料の見直しのパブリックコメントでは、多くの区民から、世田谷のスポーツ施設の利用料は高過ぎるよという声も上がっております。  つまり、利用料の設定については、政策目的を踏まえた料金の見直しという点が新しく加えられたところです。今、区は、この施設の利用料の改定に向けての指針の検討を行っていますが、この政策目的を踏まえた料金の見直しにどう取り組むのか、見解を伺いたいと思います。 ◎田中 政策企画課長 行政経営改革の(視点8)区民負担等の適切な見直しでの、使用料・利用料の見直しについては、施策・事業の継続性と政策目的を踏まえ、経費抑制策や事務改善等に取り組むとともに、区民負担等の適切な見直しを図るとしているところです。  それぞれ区民が利用される施設は、条例や各種計画において政策目的を示しているところです。例えば区民センターなどは条例で、地域住民のコミュニティーの形成を促進し区民の福祉を推進するという目的がございます。  そのような目的を踏まえ、区民センターについては地域住民のコミュニティーの活性化についての視点を常に持ちながら使用料の見直しについて検討する必要があると考えております。  また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの機運醸成や、それに伴うスポーツ振興という目的のために使用料の金額を変更するという考え方もございます。  先日の特別委員会で御報告しましたが、東京二〇二〇大会機運醸成を目的として、温水プールなどの一部スポーツ施設を、来年度の一定期間無料開放する取り組みも計画しております。  別の自治体になりますが、中野区においては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けたスポーツ振興の観点から、平成三十年七月より六年間、スポーツ施設の使用料を半額としております。  政策目的を踏まえるということは、条例による目的や、その時々の政策課題、また短期間での機運醸成なども含めて検討していかなければならないと考えております。 ◆村田義則 委員 それでは次、最後になりますが、これは時間がないので要望だけにしておきますが、行革計画の《方針3》資産等の有効活用による経営改善についてという項目があります。これは、さきの議会本会議での、たかじょう議員の一般質問で(視点10)、債権管理の適正化について、区の取り組み姿勢についてただしてきました。  区は、これまでの行革計画では徴収強化という表現しかありませんでしたが、それを適正な取り組みと新しく表現を変更しております。このたかじょう議員の質問に対して区からは、徴収努力とともに、区民生活再建に資するよう取り組むと答弁をしていただいております。ぜひこういう視点で、この分野でも取り組んでいただくように要望しておきたいと思います。  最後に、新実施計画後期計画にある自治の推進、区民に信頼される区政の前進のためには、新しい行革計画にしっかりと取り組むことが必要だという立場で、この取り組みへのさらなる努力を求めて、質問者をかわりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 それでは、私からは新庁舎整備について、特にノバビルの土地活用についての質問をしたいと思います。時間が押してしまったので途中までしかできないかもしれないのですが、質問していきます。  この間、地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会でノバビルの土地活用について報告もされてきました。このノバビルの土地活用について、そのプロセスが区民の前に十分明らかになっていないのではないかという議論にもなっていまして、そのときの説明になかったことがわかってきましたので、きょう改めて質問したいと思います。区民が納得できるよう、その説明をお願いしたいと思います。  世田谷区本庁舎等整備基本設計(案)中間報告が示されています。中間報告では、六月に策定された基本設計方針から設計要件が変更されていると。そして、現在ノバビル分庁舎が建っている土地を、本庁舎等敷地として新たに活用するというところが、要件が変わったと。  この土地取得の交渉をしていたことは、七月二十五日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会で初めて明らかにされました。  そして、基本設計の方針には、この土地取得の必要性や、交渉を進めているということは示されていませんでした。土地取得には億単位の大きなお金が必要になりますし、設計の要件も変わると。区民に説明をせずに、一度示した方針を変更しようとしていたということになるのではないかと思います。  この基本方針の中で、このことに一切触れずに、交渉はその裏で続けていて、終わった後に変えると、これは大変問題だと思います。このことを指摘しておきたいと思います。質問はできません。  そして、八月二十九日に覚書が締結されたということですが、この相手は誰なのでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 覚書の締結の相手は、大信興業株式会社でございます。 ◆中里光夫 委員 大信興業株式会社、それはどんな会社なのですか。 ◎菅井 総務課長 大信興業株式会社については、不動産の賃貸、管理事業などを行っている会社でございます。現在、ノバビル分庁舎の建物の所有者であり、建物賃貸借契約の相手方でございます。 ◆中里光夫 委員 七月二十五日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会では、隣接敷地活用に伴う基本設計要件の変更についてという報告があって、そこのやりとりの中で、地権者は代官屋敷保存会という答弁がありました。なぜこの大信興業株式会社が覚書の相手なのでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 七月の時点では、ノバビルの用地については、土地の所有者が代官屋敷保存会、ノバビル、建物の所有者が、先ほど答弁ありましたとおり、大信興業株式会社でございました。交渉の結果、おおむねの合意が得られまして、覚書の文言の協議に入ったわけですが、その後、土地所有権の移転が八月一日に行われまして、大信興業となったことを確認したため、土地所有者となった大信興業に、区側の権利設定としての登記や、賃貸借料の設定など、それまで行ってきた交渉の考え方が継続されることを確認しまして、今回の計画敷地算入に関する覚書を結んだものでございます。 ◆中里光夫 委員 九月の特別委員会では、既にこの移転もされていて、覚書も代官屋敷保存会ではない相手としていたのに、この委員会では報告がなかったわけですね。なぜこの売らないと言っていた保存会が、所有権の移転があったのでしょうか。 ◎進藤 財務部長 本件敷地については区としても、当初については取得を目指して交渉しておりましたが、相手方には売却の意思はないという状況でございました。区から提案した土地について等価交換については合意に至らなかったという状況がございます。そのため区としては賃貸借により敷地を確保することになったものでございます。 ◆中里光夫 委員 区に対しては売らないと言っていたのに、その大信興業との間では、一転して――もう時間がないですが、これは売ったということなのですか。 ◎進藤 財務部長 登記簿記録上見ますと、交換と書かれておりますので、等価交換したものと推測されます。 ○河野俊弘 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆田中優子 委員 それでは、無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの企画総務領域の質問を始めます。  私からは、昨年度末に発覚した狭隘道路整備に係る談合のその後について伺います。  その狭隘道路整備事業は、砧・烏山、玉川・世田谷南部、世田谷、北沢の四つの区分で見積もり合わせが行われる予定でした。しかし、砧・烏山において談合が疑われる不正な見積もり合わせが発覚したため、区は、そこに参加していた五つの業者を指名停止処分としました。株式会社高橋組興業、大亜建設株式会社、株式会社東洋土木、豊田土建株式会社、山内建設株式会社世田谷支店の五社であります。  その後、参加基準を見直し、問題の業者が排除された上で、再度見積もり合わせが行われたわけですが、その結果、四区分とも、当然のことながら、指名停止処分を受けた業者ではない、新たな業者が選定されました。  しかし、先月、匿名の区民の方から私のところに手紙が届きました。その内容を要約すると、指名停止となっている高橋組興業の作業員が、別の会社のユニホームを着て、引き続き同じエリアの狭隘道路整備の工事を行っている。元請会社の作業服を着ていれば指名停止業者が下請できるのか。どういう雇用関係になっているのか、念入りに調べてほしいというものでした。  この指摘は区にも入っているようですが、このことを区はいつ知ったか、また、内容はどのようなものだったか、まず、お答えいただきたいと思います。 ◎渡邉 経理課長 委員御指摘の件については、区にもこれまでに匿名で二通届いてございます。最初が本年四月十八日、その後、九月十四日に郵便にて送付されてございます。文書の内容についてですが、四月の文書は、本件に関する契約の再度入札で落札した二つの事業者が指名停止業者を下請にして施工しようとしているので、調べてほしい、こういう内容のものでございます。そして九月の文書は、指名停止を受けている事業者の従業員が、以前と違う会社の名前の作業服を着て、区の仕事である工事を行っているが、区の契約先の事業者の作業服を着ていれば下請が可能なのか、実際に雇用契約を結んでいるのかどうか、特に念入りに調べてほしい、このような内容でございます。 ◆田中優子 委員 九月のほうは、私が受け取ったものと内容が同じだと思います。手紙にも、区長と担当部長に同じものを送ったと書いてありました。その文書を受けて、区ではどのように対応したのかお尋ねいたします。 ◎渡邉 経理課長 区の指名停止基準において、契約担当者は、指名停止の期間中の有資格者が区の発注する工事、委託等の一部を下請し、または受託することを承認してはならないと規定していることから、最初の文書が届いて、すぐに、再度入札で当該工事を落札した事業者四社のうち、まずは指摘のあった、これは砧・烏山を受注した新舘建設と、それから玉川・世田谷南部を受注した永興建設、二社をお呼びし、事実関係の確認を行い、その後、残りの二社についても確認しました。  その結果、指摘のあった二社ともに、指名停止事業者の社員について、在籍型出向契約を契約したとのことで、最初の新舘建設は八名、そして、もう一社の永興建設は一名と契約したとのことでございました。また、指摘のなかった二社については、指名停止事業者との関係する事実は認められませんでした。 ◆田中優子 委員 今の説明ですと、つまり、区が禁止している下請ということではなく、在籍型出向契約という形で、指名停止事業者の従業員が別の会社で働いているということになるわけですよね。それについて区はどのような判断をされたのか、お答えいただきたいと思います。 ◎渡邉 経理課長 区では、事業者から聴取した在籍型出向契約の法的解釈について東京労働局に確認したところ、この出向契約は、出向元事業者と出向先事業者との出向契約に基づいて、出向元の社員が、その雇用関係を継続したまま、新たに出向先に雇用されるもので、この際には、一点目として、労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保すること、また二点目として、経営指導、技術指導を実施すること、三点目として、職業能力開発の一環として行うこと、四点目として、企業グループ内の人事交流の一環として行うこと、今御説明した四つの要件のうちのいずれかに該当する必要があるということでございました。その上で、改めて出向契約を結んでいる二つの事業者に、出向契約の目的や手続等を確認した結果、在籍型出向契約については、労働契約法を初めとする労働法規に照らし適法であり、出向先との直接雇用の関係にあるため、まずは請負に当たらず、また、二つの事業者は指名停止業者との間に下請負契約を締結している事実も認められなかったことから、指名停止基準第8に定める下請等には該当しないと判断したものでございます。 ◆田中優子 委員 形式的には適法であり、不正は認められないということだと思います。しかし、九月に再度情報が寄せられたということは、区の対応が不十分ではないのかと感じている区民がいる、疑念が払拭できませんよということだと思うのですね。言ってみれば、表向きには適法なのだけれども、実態はどうなのということではないですか。実際どのような状況なのか、在籍型出向みたいなことになっていますが、その働いている実態、出向の人数、それらを区は把握しているのかどうか、伺います。 ◎渡邉 経理課長 九月の文書が寄せられて以降、出向契約により指名停止事業者の社員を雇用している、その事業者に、改めて現在の状況について確認しましたところ、引き続きその出向契約により社員として雇い、区の契約工事についても従事しているというものでございました。  このうち、今回情報が寄せられた事業者に関連しては、これは電子入札のシステム上で把握している総職員数の情報ですが、指名停止事業者の職員数十二名、これは具体的には高橋組興業ですが、実際に八名を出向して雇用しているとのことで、四月に確認した状況と、人数、対象者ともに変わりがなく、さらに、この八名については年度末まで雇用する予定であるとのことでございます。  また、従事の状況ですが、出向元からの出向社員は全て土木作業員なのですね。そして出向先事業者は新舘建設になりますが、現場代理人を一名加えた、全部で九名の体制を組みまして、さらに、そのほか下請事業者も含めて現場作業に従事しているという状況にあるということで確認してございます。 ◆田中優子 委員 指名停止となっている高橋組興業は、社員が十二名いる事業者であると。そのうちの半分以上、八名が新舘建設に出向し、仕事を得ているわけですよ。しかも、その作業は九名で行われているということですが、一人は現場監督のようなもので、実質的には高橋組興業の従業員の人たちが、新舘建設が請け負った仕事を丸々やっている、年度末までやりますよということになっているわけですよね。  それを聞けば、実態としては、指名停止である高橋組興業が仕事を請け負っているのと同じではないですか。それでは指名停止処分というものを受けても何ら痛手を負わないわけですよね。仕事はそのままあるわけですから。  このように、指名停止は、私たちは非常に重い処分だと思っていたのですが、だから、二度とそういう不正はやってはいけないと肝に銘じるぐらいの重い処分なのかなと思っていたら、今回のこの実態を見ると、全く問題ないというか、言ってみれば、その業界というのですか、コミュニティーの中で人員とか作業員を融通し合って、同じ人が引き続き職を得られるようにという、何かそういうシステムみたいなものになってはいないのかと。  確かに形式的には違法ではないです。でも、このような実態を知りながら、区としては何もしないというのは非常におかしいと思うのです。適法だからしようがないのですよで、最初はその説明で終わってしまうのかなと私も危惧したのですね。  そんなのだめでしょうということで、今回、議会で取り上げさせていただいているのですが、それは適法だと言われれば、法的な処分は無理ですよ。でも、何らかの区としての、こういう実態はいかがなものかという対策はとるべきだと思うのですが、とれませんかね、見解を伺いたいと思います。 ◎進藤 財務部長 今、委員からも御指摘をいただきましたが、我々としても、区としても、締結している契約に関して、公平かつ公正で透明性のある契約手続を確保するためにも、御指摘のとおり指名停止基準の下請等の禁止などに違反していないか厳しく確認をして注視していく必要があるとは認識してございます。  こうした中で、今回改めて情報が寄せられたということは、情報をいただいた方を含め、区民の方に対しても疑念を生じないように厳しく対応していくことが強く求められているものと強く認識してございます。  今回の件については、下請に当たらない、いわゆる労働法制上の手法で行われているということでありますので、我々としても当該事業者から、こういった疑念が生じることがないよう、再度、先ほど課長からも御説明した基準にきちんと合致しているかどうか実態等を確認して、ある意味裏づけをとっていきたいと考えてございます。 ◆田中優子 委員 今回のように明らかに、もう実態としては下請とかわらないではないかと思われるようなことは本来避けるべきではないかと思うのです。何ら指名停止の反省をしていないのと同じように私たちは感じますよ。そして区民の方も、税金で行われている仕事なのに、そんなことでよいのかという怒りのお手紙だったわけですが、例えば今後、区として何かしら、そういう出向にしても、半分以下でなければいけないとか、何かルールをつくれないのかなという、そういう規定も検討すべきだということを、とりあえずこれは私の意見なのですが、申し添えて、そのべ委員と交代いたします。 ◆そのべせいや 委員 まず、本日、AIの活用について伺います。先ほども他会派の委員からもありましたが、私からもお願いします。  これまで、プログラミングでは対応が難しく、一概に機械的に行えないことについては、判断や経験に裏打ちされた予測をしながら業務を進められるという、これが人間の強みでしたが、今ではその部分についてもAIのほうが希望的観測を描いたり、そんたくすることがなく、公平で正確な判断ができるようにもなってきました。  二〇一五年に野村総合研究所が発表した、人工知能やロボット等による代替可能性が高い一〇〇種の職業の中には、一般事務員が含まれているだけではなく、行政事務員(県市町村)と明記されています。このことからも、行政事務とAIは非常に親和性が高い、逆に危惧されるべきことかもしれません。  昨今、AIの活用の一言で全ての事務がすぐに自動化できるような話なのではないかとなっておりますが、ここでAIで何ができるか、とても大まかに分類をすると、認識、判断、予測、加えて実行と幾つかの段階に分けることができます。  どの領域をどれほど担えるかは、一言にAIと言ってもレベルはさまざまで、簡単な対応のみのもの、対応できる幅が広いもの、昨今話題に挙がっているディープラーニングの技術により、みずから学習し正解を推測できるもの、また、特定の分野に特化したものもあれば、多岐にわたる領域の複雑な処理が可能なものもあります。  世田谷区情報化事業計画(後期)を見てみると、AIについては、AI等新技術を活用した情報セキュリティ技術的対策の強化、情報システム運用、データ利用、AI等活用等の強化に向けた人材育成、AIやIoT、センサーの調査研究、検討と記載があります。来年度には活用実証実験の実施との記載もありますし、先ほどの藤井委員への答弁でも、今年度中にするというようなお話でしたが、AIと言っても、どういった分野に活用を予定しているのか、まずは検討状況についてお聞かせください。 ◎齋藤 情報政策課長 AIとは、コンピューターがみずから考え判断する人工知能のことで、近年このAIの利用は急速に成長しております。他自治体では、例えば東京都主税局による都税への質問に答えるAIを活用した実証実験を五月より開始されました。  委員御指摘のとおり、区では世田谷区情報化事業計画(後期)において、新規事業として、行政分野におけるAIの活用場面を研究するとさせていただいております。具体的には、区民からの問い合わせのうち、質問や回答が限定されている、例えば、ごみの分別等の分野での検討をしてまいりたいと考えております。  一方で、保育園の入園選考のような、一定基準に基づくAIの活用の処理については、まだ実証実験の段階であるために、先行事例の検証を注視し、導入のタイミングを見きわめる必要があると考えております。引き続き情報収集に努めるとともに、庁内関係課と連携していきながら、利用可能なところから積極的な活用を図ってまいります。 ◆そのべせいや 委員 これまで区議会で取り上げられてきた内容を見ると、恐らくRPA、ロボッティック・プロセス・オートメーションにかかわるような部分で、これで事務処理速度、精度を上げるということについて特に言及がされてきました。  それ以外にも、今挙げていただいたようなものとか、音声認識、画像認識、テキスト解析、マッチングなどさまざまありますが、特に業務の改善といいますか、事務処理の速度、精度を上げるようなことに関しては、ことし、茨城県つくば市とNTTデータグループがまとめた報告書を見てみると、運用について属人的な業務になりがちのため人材育成が必要と。あとは、共通のルールの設定が必要ということが報告されています。  また、改めて情報が紙に出力をされているだけで、プロセスが一つふえるという言及もありますので、広く導入ができるような下地の醸成はあらかじめ、これはAIを導入する前に行ってください。  先ほどもちょっと触れていただきましたが、今回はここでボットというものについて取り上げます。ボットとは作業を自動化するためのロボットプログラムということですが、その中でも今回は会話、自動応答を行うチャットボットというところについて伺います。  最も有名なチャットボットは、アイフォン等のiOSに組み込まれているSiriというシステムで、これは何かをしたいと指示を出すと、アプリケーションがiOS上で動いてくれるということについては、ふだんこの中でも利用されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。  自治体の活用に目を向けてみると、ほかの自治体、二十三区も含めて、いろいろな自治体でも活用が進められています。これまで何か問い合わせがあると、電話とかメール、ファクスのようなやりとりで、まずどんな内容であったとしても、取り次ぐオペレーターが必要で、それについて判断をする必要がありましたが、チャットボットを導入していくと、二十四時間体制で対応は可能ですし、かつ簡単な質問についてはプログラムが自動で答えて、その場で解決もされます。民間企業だと人員が何人も減ったというような事例も出ています。少なくとも一次対応については簡略化が可能です。  今後、こうした技術の導入によって、事務作業の圧縮という観点だけではなくて、窓口業務、応答業務の効率化、将来的には人員削減も可能になっていくと思いますが、このチャットボットの活用について見解を改めて伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 御質問のボットとはロボットの略称であり、特にインターネットにおいては、ウエブサーバーとのやりとりを自動的に行うプログラムであって、インターネットボット、ウエブボット、そして単にボットとも称されます。  ボットの活用事例としては、区民等がホームページやスマートフォンのアプリ等で質問をし、自動応答型の対話形式でAIが回答するチャットボットと言われるシステムが既に幾つかの自治体で導入されています。  チャットボットの質問者の日本語認識については、高度なAIが応用されていますが、他方、回答に対しては特にAI機能が発揮されていないものがまだまだ多いと聞きます。したがって、質問の範囲が広くなり過ぎると回答の精度が落ちるという課題もあり、回答精度の担保及び向上についてさらに研究を進めているところです。今後も他自治体等の事例等について調査研究を行うとともに、AIやRPAの活用ともあわせて、IT技術を活用した区民サービスの向上を検討してまいります。 ◆そのべせいや 委員 こうした分野については、実際にやってみないとわからないことが多いと思いますので、考え終わってから走り出すというよりも、走りながら考えて、改善を進めていくというような方法で取り組んでいただければと思います。  続いて、公務員の副業、兼業というところについて伺います。  国家公務員については、国家公務員法の百三条で営利企業の兼職、経営の禁止、百四条によって営利企業以外の事業団体での報酬を得る事業の従事については許可を要する旨が規定されています。  一方、地方公務員においては地方公務員法三十八条により、営利企業への従事等の制限、そして任命権者の許可を受けなければ経営、報酬を得る事業の従事は禁止されています。  同法の第三章、職員に適用される基準、第六節、服務に規定されている三十条から三十五条ぐらいまでのところに服務の根本基準、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、これは特に勤務時間についてですが、職務に専念する義務というのは、これが根拠とされておりまして、これらが守られることについて、これは大前提となりますが、その前提を踏まえた上で、昨今、公務員についての副業、兼業のあり方について議論が起きている中で、世田谷区としてどのように考えていくか、これから伺います。  一般に副業という表現を用いると、本業以外の行為で少額の収入を得る労働、簡単に言ってしまうと、お小遣い稼ぎ、小銭稼ぎということが一般的に考えられていますが、法的な定義があるわけではありません。  一方で、ことし一月に厚生労働省が示した副業、兼業のガイドラインを参考にすると、副業、兼業を行う理由は、自分がやりたい仕事であること、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保等さまざまであり、また、副業、兼業の形態も、正社員、パート、アルバイト、会社役員、起業による自営業主等さまざまであるとされておりまして、昨今では小銭稼ぎだけではなくて、パラレルキャリアに資するものまで、一言に副業、兼業と言ってもさまざまな形態が広がっています。  政府の動きを見ると、ことし一月には、厚生労働省がモデル就業規則――これは一般企業に向けてのモデル――というものを改定して、労働者の遵守事項の、許可なくほかの会社等の業務に従事しないことという規定を削除して、副業、兼業についての規定を新設して、民間企業については禁止から原則容認へとかじが切られました。  また、公務員の副業を容認する姿勢も打ち出しておりまして、昨年三月に経済産業省の兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会のまとめた提言の中でも、公務員の兼業・副業解禁の検討という内容がうたわれております。  ことし六月の報道によると、国家公務員の兼業について今年度中に指針をつくる、つまり、どこまで認めるかの調整に入ったとのことです。  まず、世田谷区役所の中で、副業、兼業についてどんなものが認められて、実態をどのように把握しているのでしょうか。  ちなみに、これまでも国家公務員の兼業については、人事院規則一四―八、営利企業の役員等との兼業の運用について記載があり、賃貸不動産業、太陽光電気販売、農業などについて、どの範囲なら問題がないかについて言及がありますが、世田谷区はどのように線引きをしているのでしょうか。 ◎大塚 人事課長 公務員の兼業ですが、自治体職員は、公務の能率性や職務の公正性の確保といった観点から、地方公務員法によって営利企業等への従事は制限されており、兼業を行う場合は、任命権者の許可を受けなければならないとされております。
     区では、特別区人事委員会規則で定める基準に基づいて職員の兼業を許可しておりますが、兼業のために時間を割くことによって、職務の遂行に支障を来すおそれがあると認められる場合や、兼業しようとする団体等との間に認可や許可、補助金の交付等について関係がある場合、また、兼業しようとする団体等の事業に従事することによって、公務員としてその職の信用を傷つけると認められるような場合などは許可をしないものとしております。  区職員の兼業の状況についてですが、平成二十九年度で申し上げますと、例えば大学などの教育機関や、公益的団体からの依頼に基づく講師やパネリスト、公的な調査、研究機関の運営委員のほか、相続した不動産の賃貸など約六十件の兼業を許可しております。 ◆そのべせいや 委員 これは、一方で、今までは国の話をしていましたが、基礎自治体の動向に目を移してみると、昨年四月には兵庫県神戸市、八月には奈良県生駒市で、勤務時間外の社会性、公益性の高い地域貢献活動について、報酬の運用基準というものを定めました。  神戸市長は、昨年開催されたカンファレンスの中で、副業を後押しする地域貢献応援制度というものについて、ソーシャルビジネスをやるような会社をつくって、自分が社長になって問題を解決できるようにできないかというような狙いも語っています。また、報道によると、中高年の職員が、退職後の第二の人生に備えて、在職中から地域貢献活動などに参加をしやすくする狙いもあるそうです。  こうした流れ以前にも、既に二〇一三年に制定された、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律においては、公務員の消防団員との兼職に関する特例が設けられ、消防団の活動については、職務の遂行に著しい支障があるときを除き認めなければならず、地方公務員法三十八条一項の許可を要しないとされています。公務員で、消防団を兼業する方もいる一方、同じように公益に資する活動であれば、同様に認められるべきではないでしょうか。  他自治体の先進事例のように、公益への貢献要素の強い副業について認めていくことは、一義的に公益への貢献が職務領域以外に広がるだけでなく、先ほどもAI活用について論じる中で話題を出しましたが、単に業務をこなすだけの行政事務員は、もはやAIに取ってかわられます。AI代替されない職員のスキル向上、拡張につながり、ひいては世田谷区役所の多角的な見聞につながり、本業においても区民利益の向上につながると考えますが、見解を伺います。 ◎大塚 人事課長 今、委員から地方自治体の兼業についてお話がございました。また、先ほど国家公務員の兼業について、報道によりますと、民間の人手不足などを背景にして、公務員が持つ政策や法律に関する知見を地域の活性化につなげるために、NPO法人や非政府組織、NGOなどの公益的活動を目的とした兼業は認める方針とされております。  区においては、先ほど御答弁した観点を踏まえまして兼業を許可しておりますが、中にはNPO法人などの公益的な団体の活動に携わっている事例もありまして、こうした活動が職員の視野を広げ、資質の向上につながることも期待できると考えております。  区職員の営利企業等の従事に関しては、今後の国家公務員の兼業の取り扱いも注視しながら、職務の公正円滑な執行に支障を及ぼすことのないよう、法の趣旨を十分踏まえて適正な運用を図ってまいりたいと考えております。 ◆そのべせいや 委員 就業時間内に必要な仕事に専念する、信用失墜行為に該当しない、公務員の職務で知り得た情報を利用しないのであれば、そもそも勤務時間外に何をするかということ、これは誰がとやかく言う性質のものでもないのではないでしょうか。むしろ、副業禁止の中で収入をふやすには、同じ量の仕事を業務時間外まで延ばして残業代を確保するしかありません。これでは仕事ははかどらない、周りの時間も奪う、本来払う必要のない人件費がかかることとなり、それよりは、早く仕事を終え、おのおのが好きなように時間を使う、人件費も余分にかからないほうが、全ての人にとって幸せな姿だと言えます。  また、既に日本全体では人口減少局面に入り、ことしで十年目となり、この先の時代、公務員についても一生安泰とは断言できません。そんな時代の中で、一つのキャリアしか存在させないことはリスクであり、財政破綻した夕張市役所のその後を見ても、このリスクを世田谷区が負うことは実質的には不可能です。  具体的には国の流れを見てということになるかと思われますが、人事制度についても時代の要請に合わせたものにアップデートを続けてください。  最後に、キャッシュレス化ということについて伺います。  昨今では、現金を持ち歩かず、スマートフォン、スマートウオッチ一台あれば、電子マネー、クレジットカード、モバイルウオレットを活用して、日常生活は不便なく過ごせるくらいに、日本国内でもキャッシュレス化が浸透してきました。  税金、保険料、手数料といった区が扱うお金についても、時代の流れに合わせて、今後キャッシュレスの視点が必要ではないでしょうか。  一方、区の業務における現金の取り扱いについて見てみると、ことし二月には総合支所区民課区民係の執務室内で収納金を紛失、警察に被害届を提出したものの、その後の進展はなく、昨年七月には、区立学校の保護者から徴収した学校行事に係る費用の一部を紛失、二カ月ほど後に見つかったものの、当該教諭は戒告処分となりました。これらの事件事故についても、現金の直接管理をすることがなければ、そもそも発生することすらなかったはずです。  庁内の事務についても、金銭の授受について記録が残るよう、現金以外でのやりとりをしたほうが、業務内での安全性が担保されると考えますが、以上申し上げた二つの観点からキャッシュレス化ということを進めていくことについて見解を伺います。 ◎田中 政策企画課長 利便性の部分と、それから現金取り扱いでのリスクという部分で二点御質問いただきました。区では、納付者の利便性、効率性の向上を図るために、各種税、それから国民健康保険料、ふるさと納税など、現金持参のほか、クレジットカードによる納付を可能にしております。  ただ、納税の方法によって、納付者が手数料を負担する場合もございますが、納税手段と機会を拡大することが重要であると認識しております。  また、現金取り扱いの部分での紛失などによるデメリットについては委員御指摘のとおりですが、キャッシュレスの促進に当たっては、システム構築に係る経費といったものは課題となっているため、社会状況、それから区民ニーズを踏まえて、そういったものが利用しやすい環境、仕組みづくりそのものについて研究してまいります。 ◆そのべせいや 委員 最後に一点だけ、クレジットカードによる納付について伺います。  クレジットカード納付またはネットバンキングは、収納全体からすると大きな割合ではないので、直接ここについて言及するわけではないですが、コンビニ払いについては特別徴収、天引きを除くと約二割あるようですが、このコンビニ納付について、クレジットカードが利用できないということについて、これは導入のハードルについてお答えください。 ◎庄司 納税課長 コンビニ収納は、地方自治法施行令による収納事務の委託である一方、クレジットカード収納は、地方自治法により普通地方公共団体の長が指定する指定代理納付者という制度ということで、制度上の問題から、現在は現金のみの取り扱いということでございます。  一方、御指摘もある中で、コンビニ各社においてクレジット納付を実施している自治体が全国的にないこと、また、区と納付される御本人との手数料負担のあり方、他の納付方法との公平性の確保など、さまざまな問題がございますので、こちらは他の自治体の動向も注視しながら、多様な納付方法の充実ということで検討を進めていきたいとは考えております。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 せたがや希望の会の企画総務の質問をさせていただきます。  最初に、障害者雇用の誤算定の問題について伺ってまいります。  他会派からも幾つか質疑が出ていますけれども、改めまして、ことし八月、中央省庁三十三機関のうち八割超える二十七機関で、合わせて三千四百六十人に上る障害者雇用の誤算定があったことがわかりました。これによって、雇用率は二・四九%から一・一九%になったということです。また、その後、これはマスコミ調査になりますけれども、共同通信社の調査では、三十七府県、六の政令指定都市、十四の県庁所在市、また二の政令市でも誤算定が発覚し、その後、九月三日ですか、厚生労働省からの再調査の依頼というのがあって、今、市区町村でも調査しているところかと思いますけれども、世田谷区でも先日報告ありましたが、多くの市区町村でも不適切な誤算定の報告が相次いでいるというところです。二十三区でも、世田谷区以外にも同様のケースがあったということは聞いています。  世田谷でも、九月三日の報告では、障害者雇用数が百十六人から八十八人に、雇用率は二・五%から二・〇五%へなりましたと。その後、さらに詳細なガイドラインに基づいた再調査をしたということで、これは昨年度の数字になりますけれども、その雇用者数はさらに減って七十三人になり、雇用率は一・六五%まで減少したということです。  これはもちろん法定雇用率を下回るわけですけれども、世田谷でこの誤算定が発生したその理由について、まずお聞かせください。 ◎大塚 人事課長 今、委員からお話しいただきましたとおり、区では国において障害者雇用状況の再点検が行われましたことから、平成三十年六月一日現在の障害者雇用率を区独自で点検しましたところ、不適切な事務処理による誤算定が判明いたしました。  その後、国から平成二十九年六月一日現在の障害者雇用率について再点検の依頼がございまして、国のガイドラインに沿って雇用率の報告に同意があった職員のみを算定対象として再点検をしましたところ、雇用率が一・六五%となる結果となりまして、現在改めて平成三十年六月一日現在の障害者雇用率の再点検を行っているところでございます。  お尋ねの障害者雇用率の誤算定の原因でございますが、国のガイドライン等の認識が不十分であったことから、人事異動の意向調査での本人の障害の主訴ですとか、病気休職の診断書等をもとに、一部のものについて過去からのデータを引用しまして、手帳の確認をせず報告数に算入しておりました。また、基礎となる職員数について誤算定あったほか、障害者雇用率への報告数に算入することに対しまして、国のガイドラインに沿った障害者手帳所有者の同意を得ておりませんでした。これらのことが今回の誤算定の原因でございます。 ◆阿久津皇 委員 今、御答弁の中にも、国のガイドライン等の認識が不十分だったとか、あとは本人の障害の主訴や病気休職の診断書等を理由にして報告に算入したということなんですけれども、これは同じく誤算定が発覚した長野県ですけれども、厚生労働省のガイドラインの認識不足が原因、長期休暇等の診断書や本人の申告などをもとにということをその理由にしていて、また、同じく発覚している墨田区においても、病気休職時の医師による診断書等の書類により判断することが可能と誤って理解していたと、そういった同じような理由が挙がっているんですね。  今、ほかの自治体もほぼほぼそのガイドラインの認識、読み込みが甘かったですとか、本人の申告をそのまま算入したというようなことで、あくまで意図的なところは否定はされていますけれども、ガイドラインの読み込み、認識不足ということを軒並み理由に挙げているんですね。  これは、福島大学の長谷川珠子さんという准教授さんの御指摘ですけれども、対象となる障害者は原則障害者手帳を持つことということは、国が障害者雇用促進法改正するたびに説明していると、各省庁の理解していなかったという説明は信じがたいという指摘がございます。それは本当に私もそのとおりだと思いますし、私もガイドライン見させていただいて、制度の対象となる障害者の範囲として、一番目に障害者手帳等による確認とありますので、ここを見落とした、あるいはここを誤解したということはなかなか理解しづらいなと、多くの区民も多分そう思っているんだと思います。  もう少しここを掘り下げさせていただくと、九月二十八日の報告で、今度は雇用率の算定の分母となる職員数ですね。雇用数割る職員数で雇用率になると思うんですが、その分母の職員数についても、誤算定があったということですけれども、ここについて少し御説明ください。 ◎大塚 人事課長 障害者雇用率につきましては、障害者数を基礎となる職員数で除することで雇用率を算定しておりまして、この母数に誤算定があったというものでございます。  具体的には、再任用の短時間勤務職員を正規職員と同様に一人として換算すべきところを、誤って〇・五人と換算しておりました。また、除外すべき障害者の算入がございました。これに加えまして、平成二十九年度分の再点検では、今回の国の通知の中で、常時勤務する職員や出向中の職員、休業中の職員など基礎となる職員について、対象職員の範囲が詳しく解説されておりまして、国へも照会した結果、算入すべき派遣職員ですとか、非常勤職員の算入漏れがあったことが判明いたしました。これによりまして、母数に当たる基礎となる職員数が多くなったということも、障害者雇用率が当初の報告を下回った原因となっております。 ◆阿久津皇 委員 また今度、これはお隣の狛江市ですけれども、狛江市さんでも雇用率が下がってしまったということで、狛江市さんがおっしゃっているその理由としては、率の算定の分母となる職員の定義を確認したところ、フルタイムで一年を超えて雇用が見込まれる非常勤嘱託職員百六十八人を職員数に含めていなかったということで、狛江市さんは分子の雇用者数は変わらなかったんだけれども、分母が大きくなってしまったことで率が下がったということになったということで、つまり分子を、雇用者数を実際よりも大きく見せて、その分母となる職員数を小さくすることで障害者雇用率を達成させていたというのが、そういう理解がやっぱりできてしまうんですね。ほとんど軒並みの省庁が同じような理由で、同じような結果になっているということで、これは本当に今後是正していかなければいけないんでしょうし、そこに生まれてしまった区民の区に対する不信感、こういうものを今後は払拭していかなければいけないんだろうなということを考えています。  今度、少し別の問題として、また二十八日の報告にもありましたけれども、障害者枠で採用されて、障害者手帳を所有する方も、障害者雇用率の算入には御同意いただけない、そういった方が二割ほどいらっしゃったということなんですね。雇用率の算定に本人の同意が必要であることについてもガイドラインの中では示されているんですけれども、手帳は持っているけれども数字には入れないでくれという方が一定数いるということで、手帳を持っていることを知られたくない方だったり、障害があっても手帳をとらない方がいらっしゃるということは理解はできるんですけれども、障害者雇用はしているんだけれども、障害者雇用率には反映されないという、障害者雇用の実態との乖離が生じてしまう、そういう今状況なのかなということで、これは九月いっぱい、十月に報告されるということですけれども、全国の市区町村でも同じような事態が発生して、一層の雇用率というのは低くなってしまうのかなと思います。  同意に基づく雇用率の算定ということで、それがガイドラインに示されているんですが、それが実態に即していなかったということであれば、実際には障害をお持ちの方を雇用しているという本来の趣旨からは外れないということで、ガイドラインのほうに問題があるのかなということは、この間の委員会でも副区長もおっしゃっていましたけれども、今後区独自の採用を進めていくということですけれども、採用しても、また同意しないという方も発生してくる可能性があるわけで、その辺、今現状の同意を前提とするといったところの国のガイドラインに対して、区ではどのようにお考えかお聞かせください。 ◎大塚 人事課長 今お話しのありました国のガイドラインにつきましては、プライバシーに配慮した障害者の把握、確認方法について示されておりまして、報告の対象となる障害者は、障害者手帳等によって確認し、雇用率の報告のためには御本人の同意を得ることが明記をされております。  平成二十九年六月一日現在の障害者雇用率につきましては、報告数への算入について同意を得られなかったということによりまして雇用率が下がっております。  このことは実際の障害者雇用の状況と、国へ報告する障害者雇用の状況に、委員お話しのとおり乖離が生じておりまして、実態が適切に反映されていない制度設計となっているということが課題であると考えております。 ◆阿久津皇 委員 そもそも障害者雇用率の算定の仕方の数式が、何をもって二・五%なのかとか、二・三%なのかとか、あるいはその行政の法定雇用率が民間よりも高く設定されていることに対しても、率先垂範を求められているということ以外に合理的な理由がなかなかないんですね。役所の仕事というのは、基本的に事務的な作業が多かったり、窓口業務もありますし、なかなか単純事務作業を切り出すには限界があるという指摘もありますし、また、民間企業のように子会社を設立して、そちらで障害者を専門に雇い入れるというようなことができるわけでもないので、なかなかその数字を達成していくというのは今後も難しいんだろうなと思います。  いわゆる直接雇用だけではなくて、福祉作業所等に作業を発注したら、それが雇用率にカウントできるようなみなし雇用の活用も含めて、国のガイドラインの見直しをぜひ迫っていただきたいなと思います。  とはいえ、法定雇用率というのは文字どおり法で定められておりまして、平成三十三年、二〇二一年の四月までにはさらに〇・一%引き上げられるということですので、今後についても、きのうの上川委員の質疑の中でもありましたけれども、役所の採用選考の中では、実質、身体障害者の方しかなかなか採用には至らないというところもありますが、ちまたで言われている軽度の身体障害者の方の採用競争、奪い合いに役所がくみして民間の雇用を奪ってしまうということにさらに加担するのではなくて、精神障害の方、あるいは発達障害、あるいは知的障害といった方も含めて、そういった方たちを採用して本来業務の中に組み入れていく必要があるのかなと思います。  そのためには、民間の企業が行っているように、人事の中に障害者雇用の担当者を置くべきではないかなというふうに考えます。民間では、工夫して障害者のために仕事を見つけたり、その中で喜びを見出していただける、そういう環境づくりを進めていて、役所の中でも障害者のための業務を切り出したりですとか、あるいは障害を持った方のフォローをしていくような担当者を置く必要があるんじゃないかなと考えますけれども、それについてはいかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 法定雇用率の充足は喫緊の課題であると認識しております。今後の取り組みにつきましては、特別区人事委員会が実施する統一の採用選考による採用の拡大ですとか、知的障害者、精神障害者の方々を民間企業への就職につなげるチャレンジ雇用の業務範囲の拡大のほか、区独自の採用についても課題の整理を急いでいるところでございます。  障害種別を問わず、障害のある職員が安心して安定的に働き続けられる職場環境を検討していく上で、障害者雇用の専門知識を有する人材は重要であると考えております。委員御指摘の点も踏まえまして、障害者雇用を促進するための体制整備についても検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 区では、障害者地域生活課が主催して民間の障害者雇用担当者向けに、障害者雇用支援プログラムというものを開催しておりますし、ある程度のノウハウは蓄積されていると思うんですね。なので、そういった、それこそ重度の民間でもなかなか雇うのが難しいぐらいの方々も採用して本来業務に組み込んで、場合によっては、窓口にそういう方がいらしてもしっかりと区民にサービス提供できるような、そのぐらいの環境整備をしていただくことが必要なんじゃないかなと。そのために多少の税金が使われることに対しては区民も納得していただけるかと思いますし、より厳しい状況にある重度の障害者の採用もしていく、そういった姿勢を示す必要が信頼回復には必要なんじゃないかなということを申し添えまして、次の質問に移ります。  次は、避難所について伺ってまいります。  ことしは、七月に西日本豪雨、八月には台風二十一号、九月には北海道胆振東部地震ということで、それぞれ過去に類を見ない、あるいは平成最悪の水害ですとか、二十五年ぶりに非常に強い台風が上陸したですとか、全道的なブラックアウト、電力会社の管内全てが停電するというのはやっぱり過去に例がない災害だったということで、想定外というか、今までに類を見ないような自然災害が相次いで発生しているというところです。  世田谷においても、先日、台風二十四号による倒木の被害があったりとか、八月二十七日の豪雨の被害の話もありましたけれども、特に八月二十七日は、玉川管内においては火災も同時発生したということで、消防の方は水防をしながら、浸水の対応をしながら消火活動にも出動したということで、そういった複合的な災害も発生してきているのかなと。  北海道の胆振地震の大規模な土砂崩れに関しても、雨によって地盤が緩んでいるところに震度七の地震が来たということで想定外、想定以上の土砂崩れが発生したということもありますし、世田谷区でいろいろあるハザードマップに関しては、洪水、土砂災害、地震、それぞれ単体の災害のみに対応しているかと思いますので、そういった複合災害への備えを進める必要があるのかなということを指摘した上で、西日本豪雨の被災者は、九月三日の時点でいまだに千五百四十一人が避難所で生活をしていると。北海道胆振地震では、九月二十七日現在で六百三十六人が避難生活を続けているということで、一つ目の質問は飛ばしまして、熊本でも実際に仮設住宅への入居が始まったのが二カ月後ぐらいからということで、西日本豪雨でも九月に入って、ようやくみなし仮設への入居が始まっているということで、実際に住むところを失われた方は二カ月程度避難所での生活が続くということです。  先ほど藤井委員からも、スフィア基準ということで触れられましたけれども、日本の避難所は、海外から見ても非常に劣悪であるとか、人道的に問題があるといった指摘もされておりまして、先ほどのスフィア基準というところになるかと思うんですが、なかなかスペース的にも難しいということもあるのは承知の上で申し上げるんですが、トイレの数だったり、男子と女子とのトイレの数の割合だったりとか、十分に採用できるような環境基準というものがあると思いますので、そういった基準をしっかりと、東京都の基準を超えた基準を守った上で避難所の環境を整えていただきたいと思います。  今現状、世田谷区の避難所でのプライバシーの対策、そういったことについて教えていただけますか。 ◎荒 災害対策課長 相次ぐ自然災害におきまして、避難所での生活の状況がさまざまに伝えられております。避難所は主に体育館などが指定されていることから、着がえの際などのプライバシーや、床に直接座ったり寝たりすることへの抵抗や、体への影響などが課題となり、間仕切りや簡易ベッドなどが工夫され、被災地に支援物資として供給されるようになりました。  区では平成二十八年七月に、特定非営利法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワークと、簡易間仕切りシステムやダンボールベッドの供給に関する協定を、都内の自治体としては初めて締結しております。 災害時には、協力要請によりまして国内の同法人の協力工場で製作し、避難所に供給していただく仕組みで、避難所生活におけるプライバシーを確保するとともに、ストレスの軽減に寄与するものと期待しております。 ◆阿久津皇 委員 プライバシーの確保に加えて、各会派おっしゃっているように、暑さ対策、寒さ対策ということも必要でしょうし、あるいは不衛生なトイレ、また乳幼児、あるいは要援護者、要支援者への対応、また岡本委員からもありましたけれども、ペットの対応、そういったことも含めて、被災者が安心して避難できる避難生活を送れる環境を全避難所で整えていただきたいということを要望しておきます。  また、避難所等での性犯罪の被害対策についても伺います。  災害時にはさまざまな方が避難所、あるいは被災地に出入りされるということで、生命の危機に接した、あるいは不安定な心理状況やストレスによって、女性や子どもなど弱い立場の人に暴力の形で向かいがちだということです。その上で、避難所は就寝場所やトイレなど生活の場が男女共同となったり、不特定多数の人が集まってくる、あるいは昼間は大人や男性が極端に減るなど、性暴力被害のリスクが高い状況にあるということですけれども、この辺について区の対応を教えてください。 ◎荒 災害対策課長 性犯罪を初め、災害時の安全と秩序の維持に関しましては、警察との連携をまず第一に考えておりますが、災害時におきましては、警察、行政ともにその機能、役割を十分に果たすことは困難であることもあります。地域住民による共助の力も必要になると考えております。  昨年度修正しました避難所運営マニュアル標準版にも、内閣府の指針を踏まえ、防災対策項に女性、子どもなどへの犯罪防止のために知っておくこととして注意すべき点をまとめております。今後もこのマニュアルにまとめた内容を初め、災害時の性犯罪について、さまざまな機会を通じて啓発を進めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 熊本地震の際も警察が巡回を強化したりとか、さまざま啓発したりしたということですけれども、なかなか被害は防ぎ切れなかったということで、今御答弁にもありましたが、やはり共助というところで避難所内での自警団をしっかり組織するとか、あるいは消防団、交通安全協会、そういった方々は警察あるいは消防に準じたような制服なんかも配備されているので、そういった制服による抑止効果なんかも期待しながら、避難所の中でしっかりと自衛していく、そういった対応を求める必要があると思います。  それから、あとは母子避難所について、区内でも今その対応を始めたということですが、一カ所、今進めていると思いますけれども、それだけではなかなか不十分だと思います。当然、お子さんを抱えながら避難所に向かうというのも大変厳しい状況ですので、各避難所、全ての避難所において、子育てをしている方が使えるような部屋を別に確保して、安心して授乳だったり、おむつ交換だったり、あるいは夜泣きに対しても心配することがないように避難生活が送れるように環境を整えていただきたいということを要望しまして、せたがや希望の会の質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワークの企画総務の質疑を始めます。  一般質問に引き続き、世田谷区役所内に障害者の方たちの働きやすい職場環境をつくる、その具体策について質問いたします。  私、予算特別委員会で、世田谷区内における障害者雇用について、千葉県での県庁でのチャレンジドオフィスの事例とかも紹介して、障害特性に合わせた仕事の切り出しや、職場内で孤立せずに勤務が続けられるような環境づくりの推進について半年前に求めたわけなんですけれども、先日の委員会報告によりますと、本人同意をしたことの確認をしたら、今、法定雇用率に対しての誤差は五十以上というところまでしてしまったということを聞いております。この五十人という雇用というのはどうやっても一朝一夕では達成できるものではありません。だからこそ、職場環境の充実に区が取り組んでいるということを見せることによって、区民や、また特に障害当事者の方たちに対する世田谷区の信用を一歩一歩取り戻していくことが必要だと考えます。現在の取り組み状況について伺います。 ◎大塚 人事課長 障害者雇用の環境づくりでございますけれども、区では知的障害者や精神障害者を非常勤職員等として雇用しているチャレンジ雇用を実施しておりますけれども、今年度からは、区政情報課の印刷業務におきまして作業を行う取り組みも実施しておりまして、週三日間、チャレンジ雇用の職員が交代で勤務し、区政情報課の職員とともに働くことで、職場環境の変化に徐々に慣れていけるよう工夫をしてまいりました。  これらのチャレンジ雇用に加えまして、今後、知的障害者、精神障害者も対象となった特別区人事委員会の採用選考による採用枠を拡大するとともに、区独自の採用についても検討を急いでおります。  チャレンジ雇用の実績等を踏まえまして、障害のある職員の適性を生かすことができる職務や職域、勤務形態の整理、業務の切り出しや作業手法などさまざまな検討が必要であると考えております。また、障害種別を問わず、障害のある職員が安心して安定的に働き続けられるよう、障害の特性等に配慮したサポート体制を整備し、職場の指導役を担う職員や専門支援機関が連携して職場環境の調整を行うことも必要であると考えております。  区としましては、早急にこうした課題を整理いたしまして、人事部門と障害福祉部門とが連携しながら、障害の有無にかかわらず、ともに仕事することができる職場環境づくりを進めまして、障害者雇用を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 もちろん障害の専門所管との連携は大変重要です。総務部全体におきまして、人事だけではなく、研修とか福利厚生など総務部全体でハンデのある仲間を職場に受け入れるという体制づくりに取り組むことが必要と考えます。総務部長のお考えはいかがでしょうか。 ◎中村 総務部長 これからより多くの障害のある職員を仲間として迎え入れて、その一人一人が力を発揮できる働きやすい職場づくりに向けては、総務部の役割は大きいと考えております。  具体的には、採用時ですとか、異動に当たって、本人の障害特性や仕事の適性をよく把握して、配置職場と十分共有化することはもとよりですが、必要な駐車スペースや、トイレや、職場内の移動のための動線の確保などのハード面、また、心と体の両面にわたる健康を支える職員相談体制などのソフト面、さらには庁内の職員全員が障害に対する理解を促進していくための研修の実施など、総務部全体で取り組みを強化していく必要があると考えております。  今後、庁内各職場において、障害の有無にかかわらず、ともに仕事をし、ともに支えあうことを日常化して、誰もが職員一人一人の適性を生かしていくという基本に立ち返って、区民サービスの向上につなげていけるよう、総務部が庁内の先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 数のごまかしというふうにとられてしまってもしようがない状態なので、これは許されることではありません。また、法定雇用率もできるだけ早く達成すべきではありますけれども、そのためにも、まずはきょうから受け入れ体制づくりに取り組んでいただくように強く要望いたします。  チャレンジドを納税者にというミッションを持って活動している福祉団体、社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中さんという方が、こんなふうに今回の社会情勢について言っています。障害者は労働力にならないとの思い込みはまだ深い、社会には障害者雇用の支え手をふやそうというスローガンがあるが、就労から排除している雇用主は実際多いという投稿がありました。  雇用率以外の就労支援策をふやすこと、そしてまた起業したチャレンジドへの仕事をどれだけ発注したかなどの視点も障害者の就労支援として重要だというような指摘もありました。世田谷区としてはこのような当事者の声をきちんと受けとめ、障害者就労環境の改善に本当に取り組んでいってくださることを再度求めて、次の質問に行きます。  次は、災害対策について質問いたします。  こちらの写真なんですけれども、ここにある赤いものは、区道の中にトタン板が丸まって落ちていたものです。これは十月一日に私が自宅のすぐ近くで見つけて、北沢の地域振興課に慌てて通報したわけなんですけれども、こんなものは本当に初めて見ました。  今までにない災害被害が、日々、世田谷区内で起こっています。本当にこのような事態、特に台風とか局地的豪雨などに対して、区民にどのように適時適切に情報提供するのかというのはやはり大きな課題だと考えています。今回の台風二十四号については、各交通機関が非常に早くから運休を決め、マスコミがもう半日前から運休について繰り返し周知し、おかげで、今回接近が深夜だったせいもあり、不要に出歩く方が区民ではいなかったということが、今回の人的被害が報告されていないという一つの理由ではなかったかなと思っています。  豪雨とか強風の中で、防災無線での周知ということを言うんですが、この防災無線は実際は家の中でほとんど聞こえません。テレビとかラジオなどの公共放送の力を生かして、適時適切な区民への情報提供というものに力入れるべきではないかと思いますが、現在区ではどういった取り組みをしているかお答えください。 ◎河野 危機管理室副参事 区では災害に備えた事前の情報といたしまして、気象庁が発表する気象情報や洪水予報、雨量や水位の情報について、区のホームページや災害防犯情報メール、ツイッター、エフエム世田谷等を通じて発信しております。さらに、区が避難勧告等の避難情報発令する場合には、こうした情報伝達手段に加え、防災行政無線や緊急速報メール等も活用し、一斉に配信いたします。また、こうした災害に関する情報は、区からテレビのデータ放送へも情報を送信しており、送信後すぐに自宅のテレビ画面で確認することができます。地上デジタル放送を見ているときにテレビリモコンのdボタンを押せばデータ放送画面があらわれ、例えばNHKでは、地域の防災生活情報へお進みいただくと、世田谷区の天気予報や注意報、警報等の気象情報、区が発令した避難情報や避難所開設情報等を確認することができます。  区から発信するさまざまな情報伝達手段の中で、区民の方、とりわけ高齢者の方などが最も取得しやすい情報は日ごろからなじみのあるテレビのデータ放送と考えており、さまざまな機会を捉えて周知に努めてまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 防災アプリなどもよく宣伝されていますが、やはりアプリを使う習慣のない高齢者の方には、テレビで必要な情報が文字で確かめられるというのは非常にいいことだと思います。多分、自分の住む家の、例えば私ですと羽根木一丁目にどのような避難準備情報なのか、避難勧告が出ているのか、そういったことがはっきり、またそこの同じ画面でどんどん避難所が開設されているのかということを確認できるということは、非常に役に立つことだと思います。  私どもの地域では、自分のところに水害が起こると思っていないせいか、この情報が余り地域では、例えば地区防なんかでも強調されておりません。確実な避難行動に結びつけるために、全区での周知をぜひ求めたいと思います。  豪雨時に命を守る避難経路の事前確認のために非常に大切な情報として洪水のハザードマップがあります。区は定期的に更新して、区民にそれをきちんと配布して周知に努めていらっしゃることは評価しております。しかし、残念ながら、八月二十七日の局地的豪雨では、例えば経堂駅前など、ハザードマップの全区版で、どう見ましても全く想定していない白いところに内水氾濫が起こってしまいました。特に道を塞ぐ、避難路を塞ぐような道路の冠水についての情報というのは、あのハザードマップで事前に避難経路を決めるために利用されるので、なくてはならない情報ではないかと思います。この避難経路を安全にするための道路冠水に関する情報を確実にハザードマップの全区版に反映させるべきだと思いますが、区の見解を伺います。 ◎河野 危機管理室副参事 区では、浸水被害の予測について洪水ハザードマップを公表しておりますが、総雨量約五百九十ミリを想定した浸水予想区域や浸水の程度、避難所等を示したものです。また、浸水概況図と水害記録を区のホームページで公表していますが、土木や都の下水道局が対応した箇所を記載しており、実際に道路が冠水した箇所等が表示されていないこともございます。  他の自治体では、これまでの浸水記録等をマップに落とし内水ハザードマップとして公表しているマップでありますが、掲載内容は浸水記録のみのもの、浸水記録に加え河川の洪水予想を加えたものなどさまざまな形になっております。  今後、洪水ハザードマップに掲載する内容や、表示する色合い、デザインといった紙面上での見やすさ等を含め、区民にとってどのような洪水ハザードマップであれば、事前の避難経路の確認や日ごろの意識啓発、注意喚起につながるか、他自治体の事例も参考に今後研究してまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 逃げられると思った道が行きどまりになっていると大変パニックを起こします。ぜひハザードマップの改良を急いでいただくように求めます。
     あと、先ほどお聞きしましたテレビのデータ放送を使って、いつどこに逃げたらいいかということがわかるという、そのことについてもハザードマップの中に事前に書いておいていただくと実用的だと思いますがそちらの改良についてお聞かせください。 ◎河野 危機管理室副参事 今後、洪水ハザードマップを改定する際には、先ほど御案内しましたテレビのデータ放送からの情報取得方法を記載するなど、わかりやすい情報取得についての工夫を図ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 ハザードマップの改定まで待たずに、できるだけ早く区民にこれを周知していただくように要望いたします。  公文書管理条例に向けて質問いたします。  一般質問の中でほか会派に対して、原データがメールの場合であっても、これは公文書として認めるというような御答弁があり、そして今度の新実施計画の中に公文書管理条例を実現するということがきちんと位置づけられたということは評価いたします。実効性のあるものにするためには、やはり公開と記録というこの両面において、きちんとした実効性のある条例をつくっていく必要があると思います。  特に公開するということをきちんと念頭に置いた積極的な情報開示に向けた情報の管理条例にするということを求めたいと思いますが、区の見解を伺います。 ◎好永 区政情報課長 区では、情報公開の推進の実現に向けた取り組みの一環としまして、公文書管理条例の制定に向けた取り組みを新実施計画に位置づけて、今年度から着手しております。この条例は、公文書の管理を情報公開の基盤となるものと捉え、公文書を区民の知的資源として適正に管理することにより、区民からの信頼に応えることを目的として制定するものでございます。  委員御指摘のとおり、公文書の範囲、保管、保存の取り組みと、新たな公文書管理、ルールについて優先的に検討してまいります。  また、政策決定過程において使用される文書等については、区民の信頼関係のもと、公正で開かれた区政の実現に向けて、まずは適正に保管、保存されることが重要であると認識しております。区民の知的財産である公文書をまず保存し、情報公開制度により住民福祉の向上に資するようにしなければならないと考えております。区では、保存している公文書を情報公開制度につなげるために、起案文書の件名をホームページ上で検索できるような仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。  今後、関係部署との連携を図りながら、ホームページのリニューアル等の機会を通じまして、区民の情報を得られる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 区民が利用しやすいための索引をまずつくるという意味だと思います。ぜひ使いやすい区民が使いやすい公文書管理条例になるようにこれからも準備を進めてください。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十八分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいりますが、昨日、知り合いの方からツイッターでメールが来まして、世田谷区の関係で大変炎上しているという内容でした。それで、議会で聞いてほしいという内容でしたけれども、余りすぐに議会で聞くということに関してちょっと私も考えたんですが、ただ、区長もツイッターのほうで謝罪をしているというような状況でありまして、担当の課長、当事者本人に向かわせているということですから、取り上げてみたいと思います。  内容は、漫画家の方でして、実際にツイッターに載っている内容です。区役所であるイベントがあって、その講師として仕事を受けた。ところが、行ってみたら前もって渡していたデータが、このXという担当者が、データをなくしちゃいました、持ってきたでしょうということで、まず不審に思ったということなんですね。  その後、今度は事業開始前になってXが、今回お店をもう一つ予約しちゃったんだけれども、そのキャンセル料が生じますよ、それはYさんが払ってください、そのお店のキャンセル料二万円はYさんのギャラから出しますよと。びっくりしたと。いろいろと職員Xが言っているんですね。  普通ちょっと考えられないようなやりとりがあって、この方はとりあえず何とか仕事はしたと。  それから、終わってからまたびっくりしたことには、このお店の場所代はもともとYさんのギャラから引いたものだったということがわかったということなんです。  漫画家の方ですから、漫画にしてわかりやすく説明をしていて、ツイッターでは、大体五、六万人ぐらいの方がリツイートしているというような状況でありました。  それで、今、漫画で説明をするのは逆に難しいところがあって、内容を精査すると、担当者がデータを紛失した。担当者のXが店を間違って予約していた。また、Yさんにはミスの責任をなすりつけた。担当者Xがギャラをごまかしていた。担当者Xが画材を自腹で買いに行かせた。担当者Xが漫画喫茶に――漫画喫茶での予定だったみたいですけれども、漫画喫茶に迷惑をかけた。  これは単に、担当者が自分のミスでキャンセル料をギャラから差し引こうとしただけじゃなくて、総合的にいろいろ問題があるということなんです。  そこでですけれども、区はコンプライアンス上の問題として、私は適切でないと思うんですが、区はどう考えるんでしょうか。まず、副区長、お答えをいただきたいと思います。 ◎宮崎 副区長 今回、この件について委員からお話がありましたように、昨日起きていることですので、まだ私のほうには詳細な報告は来ておりません。  ただ、今お話を聞く中では、一つは、やりとりの中でデータ、物の紛失の問題と、相手方のほうに負担をかけているというようなお話がございますので、今お話にあったコンプライアンスという意味でいうと、区としては当然公務員として動いているわけですから、その辺についていかがかという感想は持ちました。ただ、実態のほうについては、先ほど申しましたようにまだ詳細は聞いておりませんので、その辺についてはどう評価していいのかわかりませんが、区長のほうからは、本日ツイッターをしているということで、やった事実についてはどうも確認をとったということですので、おわびをしたという状況ですので、詳細について改めて御報告をさせていただきたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 私も詳細がわからないので、余りはっきり、担当の課長にきょうの朝電話かけて聞きましたら、今その内容について報告書をまとめているという、事実関係を確認しているというような状況でありましたので、本当はツイッターではここにちゃんと担当者が推測できるようなこと書いてあるんですね。このYさんも、実は実名が書いてあるんです。でも、ちょっとどうなのかなということがあったのでXとYに変えました。それと、どういうイベントだったかというのも書いてあるんですけれども、所管もわかってしまって誰かわかってしまうので、ちょっと控えました。  いずれにしても、この内容を見るとかなりひどいなと印象としては思いますね。世田谷区の職員全てがこういう対応しているのかなというふうに思われるということに大変危惧を抱きました。人事管理上の問題とか、職員の対外的な対応の問題、この職員は何を意図して、何が目的でこういう行動をとったのか、全く私には理解ができないです。  今後、区長はこれらの経緯を明らかにしていきたいとツイッターでも言っておりますけれども、今後、当事者の方も含めて、もしくはツイッターでこの事実を知った区民の方、対外的なほかの方も含めて、どういうふうに区は今後説明をして、事態を収拾して、信頼を取り戻していくのかということについて、しっかり答えるべきだと思うんですが、副区長、もう一度お答えをいただければと思います。 ◎宮崎 副区長 お話しのとおり、かなりリツイートされているということで、区側としては、今回の事態につきましては、やはり内容の詳細について明らかにすべきだというふうに思います。それと、事の経過についても、正確に外に向かって発信すべきだと思っております。 ◆あべ力也 委員 しっかり事の次第を明らかにしていただいて、また責任の所在、担当課長は、これはもう管理をしている私の責任だと言われていましたけれども、本当にそうなのか、役所の体質的な問題があるのか、そういうことも含めてしっかり真相を明らかにしていただいて、関係する方に謝罪が必要ならばしっかり謝罪をしていただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 世田谷区職員のハラスメント対応について伺います。  現状、区のハラスメントに関する基本方針は、セクシュアルハラスメントに関するものと、パワーハラスメントに関する二種類しかありません。区の懲戒処分の指針を見ましても、明記をされたハラスメントの累計は今挙げた二つだけです。  昨年一月、改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法が全面施行され、区を含む事業者には職場での妊娠、出産、育児休業等を理由とした嫌がらせ、いわゆるマタハラを防止するために必要な措置を講じることが義務づけられましたが、これに対応した基本方針も、懲戒処分の指針も、今の世田谷区にはありません。法の施行から一年九カ月、区は打つべき手を打ってこなかったのだと私は認識をしています。マタニティハラスメント、マタハラに関してもきちんと区の基本方針を定め、懲戒処分の対象となるよう明記することを求めますけれども、いかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 ハラスメントへの対応についてでございますが、区ではこれまで、平成十年に職場におけるセクシュアルハラスメントに関する基本指針を策定いたしまして、平成二十八年には、職場におけるパワーハラスメントに関する基本指針を策定しております。また、職員からの相談窓口を設置し、個別の事案に対応するとともに、研修等を通じまして、ハラスメントの防止や意識の向上に全庁的に取り組んでいるところでございます。  委員お話しのとおり、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法が改正されまして、例えば職員が育児休業の申請をした際に、上司が申請を取り下げるよう求めるなどの妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントを防止するため、区にも事業主として方針の明確化や、その周知等が義務づけられたところでございます。  現在区では、これまでの二つのハラスメント指針に加えまして、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントも含めた新たなハラスメント指針の検討を進めております。また、指針の策定とあわせまして、懲戒処分の指針についても改定してまいります。 ◆上川あや 委員 当区のハラスメントの防止措置に関しては、このほかにも重要な部分が抜け落ちたままだと私は考えています。  本年四月より、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行されました。民族、国籍に対する差別も、性的指向、性自認に対する差別も禁止となりました。区は同条例で区内事業者に対しては、その事業活動及び事業所の運営において同条例の趣旨に沿い、必要な措置を講じるよう努めなければならないと努力義務を定めております。であるならば、本区においても、民族、国籍差別であるレイシャルハラスメント、性的指向、性自認の英語訳、セクシュアルオリエンテーションとジェンダーアイデンティティなんですが、これに対するハラスメント、頭文字を四つ並べてSOGIへのハラスメント――これはソジハラスメントと読むのですが――についても、きちんと方針を明確化し、対処するべきだと考えます。  この点、東京都東大和市では、東大和市職員ハラスメント防止指針として、この六月、さまざまなハラスメントを総合化し、冊子にまとめて公表し、職員理解の徹底を促しております。そこでは、さきに挙げたセクハラ、パワハラ、マタハラはもちろん、国籍差別、宗教差別を含むモラルハラスメント、そして最後に挙げましたソジハラスメントまでも別項目として列挙し、詳述し、大変充実した基本方針となっています。  同様の取り組みは、お隣狛江市にもございまして、これらと見比べますと、当区の対応のおくれは非常に明らかだなと考えました。ぜひ世田谷区でも総合的にハラスメント対策に取り組んでいただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 委員お話しのとおり、区はこの四月に、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を制定いたしました。区職員についても条例の基本理念を十分理解し、日々の職務に当たるべきものと考えております。  また、この条例の制定以前から、セクシュアルハラスメントに関する基本指針においては、委員から御指摘もいただき、性的な言動の範囲に性的少数者に対する言動が含まれることなどを盛り込み、職員の意識啓発に努めてまいりました。ハラスメントは個人の尊厳を不当に傷つけるものとして許されない行為であり、現在さまざまなハラスメントが社会的にも認知されてきているものと認識しております。  先ほど申し上げました新たなハラスメント指針の策定に当たりましては、御指摘の点を踏まえるとともに、他自治体の例も参考にしながら、職員がより理解しやすい、幅広い内容となるよう検討を進めまして、働きやすい職場環境づくりに向けて取り組んでまいります。 ◆上川あや 委員 続きまして、ハラスメント被害を申し出る苦情相談窓口についても、一言申し上げたいと思います。  さきに挙げた当区の二つの基本方針を見ますと、セクシュアルハラスメントについては、職員が気軽に相談できる相談苦情担当窓口を設置すると書かれ、パワーハラスメントについても幅広い苦情相談体制を整備するとは書かれておりますが、現実にはそうなっていないと私は捉えています。現状では、あくまでも区の総務部副参事、職員厚生課長や同課の係長に苦情相談をするほかなく、組織の上司からのハラスメントであっても組織そのものに届け出なければならず、客観性、第三者性が極めて薄いと感じます。  さきに挙げました東大和市やお隣狛江市、また中野区の新しい指針では、職員団体の代表者も含めた苦情処理委員会が設置されることにもなっておりまして、組織の都合で握りつぶしにくい、より客観性の高い制度が担保されております。世田谷でも同じような制度改革が望ましいと求めますけれどもいかがでしょうか。 ◎大塚 人事課長 職場におけるハラスメントにつきましては、職員の仕事に対する意欲や自信を喪失させ、ひいては心身の健康を損なう要因にもなり得るものであり、職場の秩序や職務の遂行を阻害し、区政の効率的な運営に大きな影響を及ぼすものでございます。  これまで、セクシュアルハラスメントとパワーハラスメントについて、相談窓口を設け職員からの相談に応じてまいりましたが、職員にとってさらに利用しやすい仕組みとしていることも重要であると考えております。  職員がハラスメントに関する相談をしようとしたときに、例えば苦情処理委員会といった第三者機関の存在は、その公平性が高まり、相談しやすくなるなどの利点もあるものと認識しております。全ての職員が働きやすい環境で意欲を持って職務に専念することができるよう、他自治体の取り組みも参考にしながら、職員がより利用しやすい相談体制について引き続き検討してまいります。 ◆上川あや 委員 さきに挙げた中野区のハラスメントの防止に関する基本方針では、苦情処理委員会に女性の管理職員、幹部の代表も入れるということを規定しておりまして、同様な配慮も必要と考えますが、一言いただけますか。 ◎大塚 人事課長 処理委員会に女性をということでございますが、御指摘の趣旨も踏まえまして、よりよい相談体制を検討してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひよろしくお願いいたします。以上で終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 本日は、過去も私から何度かこの場で取り上げさせていただいているんですけれども、非常勤職員さんの質問をしたいと思います。  改めて、現在の非常勤職員の契約形態というんですか、契約の内容みたいなことを教えていただけますでしょうか。 ◎大塚 人事課長 非常勤職員でございますけれども、一年ごとの任用ということになっておりまして、一年の勤務状況の評価によりまして、次年度へ任用更新ができるということとなっております。 ◆すがややすこ 委員 昔あった最大五年とかそういうのも今はないので、基本無期限で一年ごとに更新するかしないかということを判断して、そのまま働ける場合もあるということで、割と世田谷区でも非常勤職員さんは大変多くの方が働かれていると思うんですけれども、契約する年数が長くなってくると、要は、人によってはその職場で責任ある立場とか、責任ある仕事を任されているという状況もあると思うんですね。でも、自分は非正規職員というか、非常勤職員なのにここまでしていいのかなという悩みを持たれている、そういうふうに戸惑っていらっしゃる非正規職員さんのお話をお聞きすることがありました。  本来だったら、自分がもっと働けばお給料がもっと上がるとか、働いた分に見合ったインセンティブがもらえるのであれば自分も頑張りますけれども、結局非常勤職員さんというのはお給料も決まっている、自分の仕事に見合った昇給もないということで、なかなか区役所というところで対応がすごく難しいかと思うんですけれども、やはり非常勤職員さんが正規雇用の方々に比べて不公平感がないような働ける環境づくりが必要だと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎大塚 人事課長 現在区では、約三千二百名の非常勤職員が区政のさまざまな部門で業務に従事しております。正規職員の補助的業務を行う職や、一定の知識や経験のもと、専門的業務を担う職など多岐にわたっておりまして、各分野で円滑な事務事業の執行に寄与していただいているものと考えております。  お話しにありましたとおり、長期間同じ業務に携わることによって知識や経験が蓄積されて、職場において貴重な役割を果たしていらっしゃる方もいると聞いております。委員御指摘の趣旨を踏まえまして、各所属において任用更新の際などに、非常勤職員と正規職員との役割分担をしっかり行うことで、過度の負担がかからないよう配慮するなど、非常勤職員の皆さんが意欲を持って働ける職場環境の整備に取り組んでまいります。 ◆すがややすこ 委員 お願いいたします。今、非常勤職員三千二百名もいらっしゃるということで、正規職員五千二百人ですよね。だから、もうすぐ追いついてしまうというか、非常勤職員さんがどんどんどんどん毎年ふえているということですので、本当に同じぐらいの方が今この区役所でも活躍されていると思いますので、ぜひ非常勤職員さんの待遇の改善といったことも、今御答弁ありましたけれども、引き続き取り組んでいっていただきたいと思います。  次の質問なんですけれども、人手不足というふうに皆さんも質問されていますし、いろんなところで言われているじゃないですか。世田谷区でもやっぱり介護人材であるとか、保育園関係とか、あと学校関係とかもやっぱり人が足りない、人を探すことができないということをよく聞くんですね。なので、そういうことを踏まえて、世田谷区で働きたい方と世田谷区で必要としている人をマッチングするアプリの開発について質問したいと思います。  今申し上げたように、学校、障害者施設、あと保育園、それから高齢者施設とか、どこも人手不足で、この間、各施設の園長先生とか事務長先生とかと話していると、やっぱり多くいただいた御意見が、要は産休とかに入ってしまいますよね。そういうときの臨時の職員の方を探すとか、あとはちょっと休職されている方の臨時の職員を探すのがすごく大変なんですって。  それは各保育だったら各保育園で探さなければいけなかったり、あと学校もそうなんですけれども、学校だったら学校ごとに探さなければいけない。これは前も予算委員会でも申し上げたんですが、そういう学校とか各施設の負担感、人を探すことへの負担感がかなり大きいかなと感じました。  なので、世田谷区で一括してそういう方々を募集して、世田谷区として募集するじゃないですか。そして、その方々がちゃんと自分が働きたいところで働けるように世田谷区がマッチングするというんですか、それを要はインターネット上でやってしまえばいいというそれだけの話なんですけれども、今それを全部アナログでやっていると思うんです。  例えばマッチングアプリは、今出会い系で、出会い系サイトが昔あったじゃないですか。あれは結構怖い感じだと思うんですけれども、今その出会い系が、マッチングという言葉を使って結構正当化されていて、割と若い子が結構使っているんですね。アプリとかで簡単に人と出会えるという仕組みが今あって、なので、出会い系ではないんですけれども、要は働きたい人がそこに登録するわけですね。区役所はそれを見て、この人が必要だみたいな、そういうアプリを開発してはどうかなと思うんですが、世田谷区の御答弁をお願いいたします。 ◎大塚 人事課長 マッチングアプリということの御提案でございますけれども、区における非常勤の採用は、担当所管において公募を行いまして、面接等により選考を実施した上で必要な人員を確保することを基本としております。一方、区で雇用している、例えば事務アルバイトについては登録制をとっておりまして、履歴書を窓口に御持参いただいて、その場で簡単な面談を行って、それらを踏まえてアルバイトが必要となった職場に随時紹介をしております。  御提案のマッチングアプリでございますけれども、求職者がインターネットを利用して応募登録を行って、その情報を庁内で共有できれば効率的な人材確保が期待できまして、双方にメリットがあります。一方で、登録者の職務適正や任用条件をあらかじめ把握する方法ですとか、個人情報保護などの課題を整理する必要もございます。非常勤職員やアルバイトの確保に苦慮するケースもございますが、御提案の趣旨も踏まえまして、安定的な人材確保ができる仕組みについて研究してまいります。 ◆すがややすこ 委員 課題はあると思うんですけれども、そういう仕組みをぜひ構築していただきたいと思います。  質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は前回の予算委員会で質問したネーミングライツについて伺います。  ネーミングライツとは命名権のことで、もともと科学的な発見などに名前をつけることができる権利のことですが、今は企業が自治体の施設に名前をつけ、その対価を払って持続可能な運営を行うことを示すのが一般的となりました。他の自治体では野球場や体育館、音楽ホール、また道路や公園、トイレなどさまざまな事例があります。  現在、世田谷区でのネーミングライツは、世田谷区・IHIコミュニティサイクルレンタサイクルポートのみですが、お隣渋谷区では、区内の公衆トイレにネーミングライツを導入しており、日本トイレ大賞を受賞しました。きれいなトイレに早変わり、お金だけではなく、メンテナンスの部分を一括で請け負う形のネーミングライツ導入を行っております。  前回の質問では、トイレを初め、新庁舎、また大蔵運動場の陸上競技場のスタンドの改築に合わせてネーミングライツ導入を働きかけていただきたい旨の質問をいたしました。答弁では、事業者側にサウンディング調査を行い、ニーズの把握を行うとのことでしたが、進捗状況をお伺いいたします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 先ほどお話がありましたように、区では平成二十三年度のレンタサイクルポート以降導入が進んでおりませんので、今年度、民間事業者の意向把握するため、区施設のネーミングライツについて対話をしてまいりましたが、この間の景気低迷により広告費が削減されたということもあり、企業も対象を絞っていると。正直メディアへの露出が低い世田谷区の施設のネーミングライツはなかなか判断が難しいという厳しい回答をいただいているのが実情でございます。  御紹介がありました他自治体における歩道橋ですとか、トイレですとか、そういった小規模施設へのネーミングライツの例もございますけれども、こちらは渋谷のような例を除けば、当区のレンタサイクルレポートと同様に、施設に非常に関係の深い事業者に働きかけて実現している場合も多いというのが実情のようで、当区においては、今のところはそういった相手先を見つけられておりません。  広告を取り巻く状況が非常に厳しい中ではございますが、ネーミングライツの導入は公共施設の維持管理経費を確保する有効な手段であると認識しておりますので、施設の特性や地元の御意見等も踏まえながらですが、施設の外観が新しくなる、話題性が高まる改築や改修の機会を捉えて、引き続き事業者に働きかけたいと考えておりまして、今、官民連携で連携している企業が持っているネットワークなども活用しながら、民間事業者との対話による市場調査も続けていきたいと思っております。需要の掘り起こしに努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ引き続きよろしくお願いします。  次に、区民のひろばの拡充について、以前に質問した内容ですが、進捗について伺ってまいります。  世田谷区の六十五歳以上の高齢者人口は約十八万人、そのうち介護認定を受けていない方は約八〇%いることから、今後、高齢者の方が生き生きと過ごすためには、サークル活動などの情報提供の場づくりが必要であり、区報の区民の広場はまさにその役割を果たしております。  区民のひろばは、カラオケサークルやダンスサークルなど自主的な活動の場を紹介しており、区民の方同士をつなぐ役割を果たしておりますが、しかし、掲載希望が多く、掲載されるサークルの数も少ない現状があります。よって、この枠を広げていただきたい、また紙面の都合上難しければ、せめてどこに行けばサークル情報が手に入るのかという情報を提供している場所を区報で周知していきいただきたいとの質問を以前にいたしました。  具体的には、例えば各総合支所の窓口に行けばサークル情報を知ることができますし、また、ひだまり友遊会館の生涯現役情報ステーションには、かなり多くのサークル情報があり、各総合支所ごとに一覧表になっていますので、この場所だけでも周知していただきたいと思います。  その後の進捗状況について、一つ目、区民のひろばの拡充と、二つ目、せめてサークル活動の情報提供をしている場所を区報に周知すること、この二点について改めてお伺いいたします。 ◎池田 広報広聴課長 「区のおしらせ せたがや」の区民のひろば欄では、区民グループの開催する催し物やサークルの会員募集の記事などを載せさせていただいております。催し物は開催の日程に合わせて御希望の発行号に掲載しておりますが、会員募集の記事につきましては、催し物の掲載を優先する必要があるため、紙面の都合により数カ月お待ちいただく場合もございます。  「区のおしらせ せたがや」では行政としてお伝えするべき情報も多く、区民のひろば覧の拡大は難しいところでございますが、行政情報の掲載に余裕が生じた場合には、この枠を拡大させていただくなど、最大限の工夫をさせていただくように努めております。  また、本年三月十五日号では、一面において地域の活動への参加を呼びかける特集記事を掲載いたしまして、その中で、今御紹介いただきましたひだまり友遊会館の生涯現役情報ステーションを紹介させていただくなど、サークル活動の情報がどのような場所に集約されているかという情報も紹介させていただいております。
     区内では、区民の方々がさまざまなグループ活動、サークル活動を展開されており、その全てを区の広報紙で個別に御紹介することは困難ですが、それらの情報が区のホームページですとか、冊子、施設の情報コーナーなどに集約されているという情報につきましては、担当する所管の要望に基づき広く広報させていただきたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 まとまった情報があればそれを広く広報していただけるということでしたので、これは引き続き区民生活所管で質問してまいります。  次に、シリーズで質問している新公会計制度導入について伺います。  いよいよ今年度から新公会計制度が導入されております。平成三十年度の決算から実際に反映されますが、新公会計制度の活用をどのように行うのか、検討はどこまで進んでいるのでしょうか。  また、財務分析などに活用するとしても、企業会計の手法は職員の方にはなじみがなく使いこなすのは容易でないと考えます。組織として継続的に活用していくために職員の方へのフォローが必要と考えますがどのように行うのか、見解をお伺いいたします。 ◎菊池 会計管理者 区では、自治体会計で不足している情報を保管する観点から、今年度、新公会計制度を導入し、来年度には複式簿記・発生主義会計による財務諸表を作成して議会にも御報告いたします。  この制度をいかに有効に活用していくかは、区政の重要な課題であると受けとめております。このため新公会計制度を活用しまして、行政経営改革へのさらなる取り組みを推進する観点から、今年度中に新公会計制度活用計画を策定することとしておりまして、九月にはその素案を議会に御報告したところでございます。  活用計画におきましては、活用に向けた人材育成、これも重点的な取り組みに位置づけておりまして、企業会計の手法にはなかなか職員もなじみがないことから、活用のできる人材の育成、これが特に重要な取り組みとして認識しております。  このため職員の習熟度合いの状況も見きわめながら、複式簿記・発生主義会計の研修、あるいは財務分析研修などを計画的、段階的に充実させていきたいと思います。 ○河野俊弘 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 引き続きまして、無所属どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私からは、北海道胆振地区の町との交流支援についてお伺いします。  ことしは猛暑の中で行われた区民まつりでは、私は土曜の午前中から、保護司の社会の明るくする運動のテントで、子どもたちを対象にしたイベントに参加しました。昨年の若林公園から、ことしの場所は区民会館隣のにぎやかなところでした。太鼓やおはやしの鳴り響く中、多くの方が行き交うとてもにぎやかな場所でした。  祭り全体の来場者は、昨年を上回る多くの方の来場がありましたが、私は以前から、祭りの一番のにぎわいと言えば、おはやし、太鼓もいいんですが、やっぱりおみこしが欠かせないと思っています。ことしもおみこしがないため、少し物足りなさを感じるのは私だけではないと思います。  また、若林公園でも、例年どおりたくさんの交流自治体の物産展のテントやのぼりが並び、B級グルメや地ビール、野菜などを目当てに、こちらも大変多くの方でにぎわっていました。私も毎年、茨城の大子の物産展でお手伝いをしています。  こうした区民まつりに参加した交流自治体のほかに、区では自治体間連携事業にかかわる自治体との交流や連携の取り組みを行っていると伺っています。その自治体の中で北海道胆振地区の町があるとのことです。先日の震災では、土砂崩れにより多くの方が亡くなるなど大変な被害に遭われて、また、これからは特に寒さが厳しく、しばれることもあると思います。まだまだ厳しい環境が続くことから、さまざまな支援が必要になると思います。  そこでお伺いしますが、自治体間連携事業について、胆振地区の町との連携の経緯についてお伺いします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 特別区では、東京を含む全国各地域がともに発展成長し、共存共栄を図ることを目的に、平成二十六年度に特別区全国連携プロジェクトを立ち上げておりますが、その中で特別区長会と北海道町村会は、二十八年度に連携協力に関する協定を締結しております。その連携協力に関する協定の調整の中で、胆振地域が世田谷区との連携を希望されたことが連携のきっかけでございます。  世田谷区においても、地方との共存共栄の関係づくりを目指して、首長同士が率直に意見交換を行う自治体間連携フォーラムを開催しておりまして、胆振地域の代表の町に御参加をいただいております。  また、昨年度には区内で北海道いぶり体験祭りが開催されるなど胆振地域との連携を進めておりまして現在に至っております。 ◆青空こうじ 委員 町との連携の経緯について伺ったんですが、特別区長会のほうでは、全国連携プロジェクトという取り組みが地方創生として特別区長会と各自治体の市町村長会などと包括連携協定を結んでいます。世田谷区でもその関連では、北海道の町村会との全国連携プロジェクトの包括連携協定をきっかけとして、北海道の胆振地方と連携を始めたものと伺っておりますが、さまざまな自治体との交流を通じて、あるいは、知恵を出して合って連携することは、お互いの自治体にとっても、とてもメリットになる取り組みであると思います。  先ほど答弁で、自治体連携のフォーラムについて説明いただきましたが、世田谷区民にも余り知られていないと思います。そこでお伺いしますが、ことしの取り組みなどについてはどのような状況になっているのかお伺いします。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 自治体間連携フォーラムと、胆振地域との連携について御説明いたします。  胆振地域との連携ですけれども、自治体間連携フォーラムに洞爺湖町が代表として御参加いただいております。また、今年度、世田谷246ハーフマラソンの開催に際しまして、会場の駒沢オリンピック公園中央広場内に設置される模擬店、物産展のコーナーへ、胆振町村会として出展を予定しております。当初は物産販売予定でしたが、さきの北海道胆振東部地震を受けまして、震災時の支援のお礼と、胆振地域の紹介のブースになるというふうに伺っています。  なお、災害復興の支援として、先日、人的支援について御報告させていただきましたが、胆振地域のうち、被害が大きかった厚真町、安平町、むかわ町の三町へ、ふるさと納税の代理受け付けも実施する予定です。震災復興の一助になればと考えております。  今後も胆振地域を含む交流連携自治体との連携を深め、単独では解決が難しい分野の課題や、相互に発展するための取り組みを、区民の皆様にも知っていただけるように広報紙やホームページ、イベントなどでの広報にも努めながら進めていきたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 せっかくの取り組みですから、またその中に胆振地区の町も含まれて交流をしていたことなど私も知らなかったんですが、区民の皆さんもほとんど認識されていないと思います。ぜひもっともっと区民にもPRを行っていただきたいと思います。  こうした交流の中で、胆振地区について、今度の震災に伴って、区からも支援を行ったと聞いていますが、区からの支援や現場からの報告を受けたことを踏まえての感想などをお伺いします。 ◎荒 災害対策課長 胆振地域内で特に被害が甚大であった厚真町に、九月二十一日から二十六日までの六日間、保健師三名、事務一名を派遣しました。派遣チームからの報告によりますと、現地の課題といたしまして、町の保健師が町民からの物資の問い合わせなどに追われてしまって本来業務に支障が出るとか、そのような区が被災した場合にも起き得る課題を把握することができました。  また、被災自治体は目の前の対応に追われてしまうため、派遣された職員がその状況を整理し、復興復旧に向けたビジョンを示す必要があるなど、日々の活動報告書からは、派遣職員の誠実、懸命な業務遂行の様子が見てとれました。今般の支援を踏まえ、今後の災害対策行政に生かしてまいりたいと思います。 ◆青空こうじ 委員 今回の支援を通じて学ぶことや生かすことが多くあると思います。ぜひとも今後の区の対策について生かしていただくことと、胆振地区の町との今後の交流がさらに深まっていくことを期待して、質問を終わります。 ○河野俊弘 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十一分休憩    ──────────────────     午後四時五分開議 ○河野俊弘 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、自由民主党企画総務領域の質疑をしてまいります。  まずは、特殊詐欺の被害についてです。  既に他会派からもこの特殊詐欺については質疑がございましたが、非常に手口が巧妙化してきておりまして、ことしに入ってからも被害が拡大の一途をたどっているということでございました。  実は、私の身近な方でも、御自宅に電話がかかってきて大事なバック落としてしまった、その中には重要な書類が入っていて、それを弁償しなければいけない、補償の問題にもかかわってくるので、肩がわりをしてお金を出してほしいという、そういった緊迫感のある電話がかかってまいりました。そして、その電話を受けた方のお宅に、受け子と呼ばれる犯人の一味がやってまいりまして、最終的には家にあるお金全てを持っていかれてしまったと、その被害額も相当な額だったという話を聞いております。  かわいい我が子のためにという親心につけ込んだ犯行という非常に悪質な手口だということを感じております。  また最近は、職員ということ名乗って被害に遭われる方ということもありますし、実は職員の親御さんのお宅にも電話がかかってきて、実際に被害に遭われたというようなケースも出てきております。本当にこれは人ごとではないということがございますので、何としても食いとめていかなければいけないと思っております。  実際に大阪府警が実施いたしました被害者アンケートでも、特殊詐欺の被害に遭った方のおよそ八割が、一般的な手口はこういうものだと、特殊詐欺はこういうものだとわかっていたとしても、まさかうちに来るはずはないと思いまして油断していたというところから、結果的にだまされたというケースに至っております。八割の方がそのような事態になっているわけです。  世田谷区でも非常事態宣言を出していますが、最新情報といたしましては、ことし一月からこの八月末までに二百件です。そして被害額が五億円以上ということですから、本当に何としてもこの被害をとめなければいけない、待ったなしの状態であろうと思います。  実際に補正予算でも計上いたしまして、自動通話録音機の無料貸し出しをさらに台数をふやしたり、また先月スタートいたしました世田谷区特殊詐欺相談ホットラインとして、危機管理室の中に専用ダイヤルを開設しているということでございますが、さあ、こちらはどのような状況でしょうか。まずは、その状況を伺います。 ◎加藤 地域生活安全課長 九月十日にスタートしました特殊詐欺相談ホットラインですが、これまでに三十件を超える相談が寄せられております。 ◆石川ナオミ 委員 三十件を超える電話の件数だったということで、この数の多いか少ないかではなくて、やはりそれだけ誰かに聞いてもらいたいという不安に思ってらっしゃる方がいらっしゃるということですので、これは看過できないところであろうかと思います。  通常は被害者の方、高齢者の方など、被害者の方を守るという未然予防というところでフォーカスされることではありますが、私は今回は、これまでと違った視点で、加害者にならない、加害者をつくらないといった視点で、少年などの犯行グループの撲滅という観点から質問をしてまいります。  ここ数年、特殊詐欺に加担し検挙される少年がふえてきているということなんですが、実際の件数を教えてください。 ◎加藤 地域生活安全課長 本年上半期の数字となります。警視庁が特殊詐欺の実行犯被疑者として検挙しました四百四十六名のうち、未成年者が百四十一名となっております。昨年の上半期に比べまして九十三名も増加しております。犯行の低年齢化が問題となっております。  先ほど委員おっしゃいました受け子の検挙ですが、この百四十一名のうち、約七〇%が受け子として検挙されております。 ◆石川ナオミ 委員 受け子になる少年も、軽い気持ちで、まさかこんなことにはというような方もいらっしゃるかもしれませんけれども、特殊詐欺に加担するのにはどういった背景があるのでしょうか。 ◎加藤 地域生活安全課長 インターネットの闇サイト、闇求人サイトで安易に申し込んでしまったり、先輩や友人に誘われて軽い気持ちで犯行に手を染めていくといった現状がございます。 ◆石川ナオミ 委員 少年が犯罪に手を染めないような取り組みということも、何とか区としても対応ができないのかというところなんですが、区の見解を伺います。 ◎加藤 地域生活安全課長 区内の若者が犯行に手を染めていくといった、これは大きな問題と考えます。区としましても、警察の行っております学生向け講座などの場や、新入生に対する注意喚起などを行い、区内の在住在学の子どもたちが加害者とならないように働きかけを行うよう進めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 摘発と抑止という、この両輪で被害を一件でも減らしてほしいと強く願っております。  そしてもう一点、特殊詐欺対策といたしまして、今度は広報のことについて伺ってまいります。  現在、特殊詐欺に対しましては、いろんな広報を世田谷区としても行っておりますが、どういったものがあるでしょうか、改めて伺います。 ◎加藤 地域生活安全課長 「区のおしらせ」や、エフエム世田谷、区役所の各所管から送付する高齢者に対します通知へのチラシの封入等さまざまな媒体で啓発を行うほか、民生委員の皆様、社会福祉協議会の皆様などの御協力をいただきまして、可能な限り広く注意喚起を行っております。 ◆石川ナオミ 委員 可能な限り注意喚起を行っているということですが、被害がどんどんどんどんふえてきているというのは本当に残念なことでもあります。  昨日、総括質疑の中で上島委員が、防災無線を活用すればいいんじゃないかというようなお話もございました。このあとの加藤委員からもそういったお話が出てくるかもしれませんけれども、実際にこうした防災無線を使うということも非常に大きなことですし、それから、ありとあらゆる手を使ってでも、これは何としても食いとめていかなければいけないと思っております。  先ほど実際にエフエム世田谷でも周知をしているということでございましたが、どういった広報をしているのでしょうか、教えてください。 ◎加藤 地域生活安全課長 夕方の時間帯になりますが、三分程度の番組となります防災防犯インフォメーションで、月に十二回から十三回、特殊詐欺に関する手口の紹介や注意喚起を放送しております。 ◆石川ナオミ 委員 夕方の時間の三分枠ということですよね。そうしますと、その三分枠の番組を聞き逃してしまった場合に、やっぱり特殊詐欺がありますよとかということが、いろんなリスナー層には響いていかないということもあるんじゃないかなと思います。  ちなみにFMぐんまでは、詐欺被害者のインタビューですとか、オレオレ詐欺犯人の音声、生の音声をコマーシャルで放送いたしまして、注意を呼びかけているというようなこともございます。皆さんもあろうかと思いますが、よく耳に残って、頭の中でも結構このフレーズが常に出てくるというようなコマーシャルってありますよね。ふふふふふふんとか、リズミカルなコマーシャルもありますが、やはりそういう音で残していくというようなことも必要ですし、フレーズ、キャッチコピー、あたり前田のクラッカーみたいな、そういうキャッチコピーなども、頭の中に残っていくということがございます。  これは、リーセンシー効果というものでして、例えば買い物に行く途中に車で聞いたコマーシャルの商品を思わず買ってしまったということを皆さんも御経験があるんじゃないでしょうか。これは購入直前にコマーシャルを聞いたリスナーの購買意欲を高めるというラジオそのものの特性がありまして、こういったリーセンシー効果というところからも、これを特殊詐欺の犯罪抑止にもつなげていくということができるんじゃないでしょうか。ラジオから繰り返し流れるというフレーズが結構効果があるじゃないかなと思います。  そこで私からの提案でもございますが、この特殊詐欺対策の十五秒及び三十秒のコマーシャルをスポットとして何度も流していただいて、耳に残していただくということをぜひとも実践していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 ◎加藤 地域生活安全課長 耳に残って離れないということは、被害防止に役立つと考えます。御提案のオレオレ詐欺犯人の音声など、リスナーの気を引く番組は効果的と考えます。既存の防災・防犯インフォメーションの内容の検討も含めて、効果的な情報発信方法を選定するとともに、警察と連携しましてCM枠を確保するなどして、被害防止に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 警察と連携というところでも非常にこれは重要だと思いますので、ぜひ御検討いただいてといいますか、実践していただきたいなと思っております。  葛飾区のコミュニティーエフエム、かつしかFMで放送しています振り込め詐欺防止のお知らせを聞いた区民の方が、放送の内容を覚えていて警察に相談をし、振り込め詐欺を未然に防げたという事例がございます。これを受けて葛飾警察署が、振り込め詐欺防止に貢献をしたということで、かつしかFMへ感謝状を贈呈したということもございます。ですので、エフエム世田谷の放送でも犯罪抑止につながりますので、ぜひともこれは前向きに御検討をいただきたいと思います。  次は、災害対策の視点から、ラジオの有用性について質疑をしてまいります。  皆さんも御存じ、先月、大きな被害に見舞われました北海道胆振東部地震では、北海道全域で起きました停電、ブラックアウトは、日本でも初めての経験だったということでございます。その際に、わずかな電力で情報が得られるというラジオの有用性、重要性が改めて注目されました。ラジオが頼りだったとか、ラジオから元気をもらったという声が多かったと伺っております。  災害の情報を知る上で、全てのメディアが大切な役割を担っております。しかし、情報が多過ぎますと信憑性のない情報に翻弄されてしまうというおそれも出てまいります。特にSNSやインターネットの情報は、伝達スピードが早く有効と思いがちなんですが、中には正確でない情報も紛れております。災害という極めて緊迫した状態では、一〇〇%頼れる情報とは言い切れないのかもしれません。  そうした際に本領を発揮していただきたいのが、地域のコミュニティーエフエムでございます。先ほどから話題に上っておりますこのエフエム世田谷でございます。  二年前の熊本地震では熊本のコミュニティーエフエム、熊本シティエフエムと言うそうなんですが、二十四時間体制で、地震発生直後から放送を流していたということです。どんな情報を流していたかと申し上げますと、現時点で開店しているコンビニエンスストアは次のとおりですとか、ガソリンスタンドの営業状況をお知らせいたしますといった、生活に関連する情報などを常に送り続けていたということなんですね。  また、リスナーからリクエスト曲を募って流していたということなんですが、アニメソングや演歌といったリクエストが多かったと伺っております。そして、中でも特に喜ばれたもの、これは何だと思いますか。小学校の校歌が一番喜ばれたそうなんです。私もいまだに小学校の校歌は頭の中に残っていますし、フレーズも出てくるんですけれども、ラジオから流れてくる校歌を聞いた被災者の方が、避難所で無意識のうちに口ずさんでいたということで反響を呼んだそうです。まさに世代を超えて、地域住民に親しまれてきた校歌で復興を後押ししようという、よい企画だというふうにも思います。  そこで、エフエム世田谷も被災時の放送として、これまでの情報発信から、もっと地域に密着した放送を流していくべきというふうに考えますが、見解をお聞かせください。 ◎池田 広報広聴課長 区とエフエム世田谷を運営しております世田谷サービス公社は、災害時における協力協定を締結しておりまして、災害が発生した場合や台風の接近など災害のおそれがあるときには、早朝や深夜であっても区民の方に必要な情報発信を行う体制を講じているところでございます。  災害時にエフエム世田谷が発信する情報の一つとしては、区から提供した公的情報であり、区内の被災情報や避難所の開設状況、ライフラインの復旧情報など、災害対策本部に集約された情報をもとに、区がエフエム世田谷に放送を依頼する形で情報発信してまいります。  一方、行政から入手した情報だけでなく、地域の身近なエフエム局として地域に密着した情報をエフエム世田谷自身が独自に収集し発信してもらうということも重要と考えております。  エフエム世田谷では、熊本地震の際のエフエム局の対応を把握するために、エフエム熊本を視察したとの報告を受けております。先ほど委員御紹介いただきましたように、エフエム熊本では、当時、どこどこのコンビニが開いているですとか、どこの薬局が営業再開したですとか、エフエム熊本の社員が地域を飛び回って情報収集して、地域に根差した生活情報を、自動車の中でラジオを情報源として避難生活を送っていた熊本市民の方に情報提供していたということを聞いております。  エフエム世田谷におきましても、その母体であるサービス公社において、このエフエム熊本の取り組みを参考に、災害発生した際には、区内各公共施設に配置されているサービス公社の社員をネットワーク化しまして、地域のさまざまな情報を足で稼いで区民の方への情報発信へとつなげていく体制を構築する予定であるとの報告を受けております。  地域に根差した生活情報を初め、災害時に区民の皆さんに必要とされる情報を的確にお届けできるよう、エフエム世田谷との連携を深めながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。こういったときには本当に足で稼いで情報を得るということを、どれだけ皆さんがお困りなのか、どんなことを希望しているのかということを、やっぱり現場が大事なんですね。ですから本当に現場感覚の情報を発信していただきたいと思います。  また、SNSなど不なれな高齢者の方もいらっしゃいます。ラジオが情報入手の重要なツールとも言えます。誰かの心に寄り添うことができるのも、ラジオならではでございます。災害時に地域に密着した放送ができるように、さらに体制を整えていただきたいと要望いたします。  続いて、電子決裁の推進について伺ってまいります。  先日の報道で、茨城県庁は、紙ベースで占められていた県庁の決裁事務につきまして、電子決裁率が一〇〇%に達したということでございました。電子決裁を推進することで、ペーパーレス化や書庫スペースの削減、また決裁を持ち回る時間の短縮もできますし、各出張所や出先から本庁へ、決裁が必要なものを電子決裁することで、移動時間や燃料などの削減にもつながります。そしてまた改ざんなどの予防もできるというところで、文書保管としても書類の電子化は重要と言えるのではないでしょうか。  さて、区役所の書類決裁には時間がかかると思われがちです。その時間がかかる要因の一つに、通常の決裁という各部署で判こをもらいながら、スタンプラリーではないんですけれども、非常に時間がかかっていくということがありまして、この決裁ラインが非常に時間がかかっているのではないかと思われるんですね。よりスピーディーに対応していくことも区民サービスにもつながっていきますし、今やもう民間では当たり前になっている電子決裁について、区としてはいかがでしょうか、現状と課題を伺います。 ◎好永 区政情報課長 世田谷区では平成十七年度から、総合文書管理システムを導入し、起案文書の作成から決裁、保存、廃棄までの一連の文書事務の処理を行っております。決裁の方法としましては三種でございまして、添付書類を含む全ての起案の内容が電子データでシステム内で回付され決裁する方法、添付書類の一部が紙文書として回付されるものの決裁はシステム内で行う方法、全ての起案の内容が紙文書として回付され押印により決裁する方法があり、区では前者の二つの方法を電子決裁としております。  平成二十九年度の実績では、前期八万八千七百七十二件のうち四六・六%が電子決裁で、昨年度の四五・五%を若干上回るものとなっております。紙起案として回る際に必要な決裁の判この数で申し上げますと、一般的な一例で申し上げますが、区長決定であります条例の制定の内容ですと、関係機関の数にもよりますが、十六個以上の判こが必要となってございます。また回付にかかる日数のデータは、正確なものはございませんが、条例の制定の起案を例にしますと、大体十四日程度を要しているものと考えております。  押印による決裁するものに関しましては、区民の方や事業者から提出のあった申請書や事業計画書などの紙文書をそのまま添付したものが多く、これをいかに電子決裁による起案にしていくか、紙起案になれた職員のより一層の意識改革や、システム操作のスキルアップが課題となっております。 ◆石川ナオミ 委員 平均して十四日もかかってしまうということですから、区民の方が出した書類に関してもなかなか上がっていかないということもあるかと思います。そうした区民サービスというところからもぜひこれは改革をしていただきたい。また、行政改革の面からも、コスト削減ということにもつながっていきますが、この電子決裁を進めることは、働き方改革にもつながるんじゃないでしょうか。区の見解を伺います。 ◎好永 区政情報課長 起案文書の電子決裁率を高めていくことは、つまり起案文書の作成、決裁、保存、廃棄等の一連の過程の中で、ペーパーレスが促進されるということになります。その効果としましては、物理的な紙文書の移動がなくなる分の決裁時間の短縮や決裁の進捗管理ができること、過去の事案や類似案件をシステム内で短時間で検索することができ、今まで検索に充てていた時間を有効に使うことが可能になること、電子決裁を行った文書はシステム内に保存され、廃棄まで確実に管理されることなどが挙げられます。  また、紙の利用を抑えることにより、執務室内の紙文書量の削減による省スペース化が図られ、働きやすい執務空間づくりを進めることができます。  このほかに、今後は電子機器類や、セキュリティー対策の向上などの状況によっては、過去の資料を出張先に持ち運ばなくても、区のシステムにアクセスし、保存されている文書を確認し利用することが可能になるなど、働き方として、将来のモバイルワークの発展にもつながるものと考えられます。 ◆石川ナオミ 委員 御答弁の中にも、電子決裁を進めることによって文書量の削減ができて、省スペース化が図れるということでございました。これから本庁舎整備を進める上でもいいきっかけになるんじゃないでしょうか。これについてはどのように考えていますでしょうか。 ◎好永 区政情報課長 新たな本庁舎では、フロア全体を効率的に活用するため、部及び課の執務スペースの間の間仕切りを設けないオープンフロアの導入が予定されております。そのオープンフロアを実現するためにも執務室内の文書量を五〇%削減するという目標を立てております。本庁舎整備における文書量の削減方法としましては、不要な文書や重複する文書の廃棄や文書庫への移動、ファイリング方式の見直しなどが考えられます。紙文書を電子化することは、原本の紙文書の廃棄や庁舎内外の書庫への移動が可能となり、執務室内の文書量を削減するために有効な手段の一つであると認識しております。
     また、今後の紙文書を発生させない取り組みも必要です。御指摘のとおり、電子決裁率の向上は、これからの文書量の削減につながるものであると認識しております。  今後は本庁舎整備のタイミングを好機として捉え、働き方改革という視点とともに、個別具体の紙文書決裁事例を研究し、電子化に対する職員の意識改革を図りながら、電子決裁率の向上に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 紙がいい場合もございますから、何でもかんでも電子決裁というわけにはいかないと思いますが、迅速、正確な業務処理と、そして行政文書の確実な保存管理という面からも、今後、電子決裁はぜひとも推進していっていただきたいと要望いたします。  それでは最後に、防災士の活用について伺ってまいります。  私も、地域で避難訓練などいろんな訓練をしていくときに、防災士という方と一緒に取り組ませていただくことがあるんですね。消防団としても、私もいろいろとアドバイスをさせていただくというよりも、防災士の方々が活躍されるということがございます。この防災士の育成につきましては、避難所運営の一助になるということで、世田谷区でも平成二十四年から防災士の資格取得の助成を行っております。  さて改めて伺いますが、防災士というのはどういった資格でどういう活動をされていらっしゃるのでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 防災士はさまざまな場面で地域の防災力向上と災害による被害を減らすため活動する方で、防災に関する十分な知識、意識、技能を持つ者として、NPO法人日本防災士機構で認定された方です。  委員お話しのとおり、区では地域の防災力の向上を図ることを目的に、地域防災の担い手として、避難所運営本部の運営等の一助となるよう、防災士認証登録に関する費用の一部を助成しています。 ◆石川ナオミ 委員 現在世田谷区で実施した防災士育成講座を受講した防災士の方がいらっしゃると思いますが、大体何人ぐらいでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 現在この支援助成制度により約二百五十名の方が防災士として登録しており、そのうち女性は四十名ほどです。申請に当たりましては地域の防災区民組織に推薦していただいており、また、平成二十八年度からは、地域の防災における女性リーダー養成の観点から、対象の半数は女性枠とし、防災区民組織へは積極的に女性に申請いただくよう御案内しているところです。 ◆石川ナオミ 委員 防災士の分野でも、女性がどんどん活躍されているというのはうれしいことでもあります。  さて、実際に防災士の資格を取得した後も重要なところですが、区としてはそういったところをしっかりフォローされているでしょうか、答弁願います。 ◎荒 災害対策課長 現在、地域の防災リーダーとしまして、防災訓練や避難所運営訓練に参加していただき、中心的な役割を担っていただくとともに、研修会や講習会に御参加いただき、防災対応力や意識向上を図っております。こうした取り組みを通して、総合支所とも連携しながら地域防災力の向上に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね、今後も地域と連携をとりながら防災士の育成もしていただきたいですし、その後のフォローも、しっかりと力を入れていただきたいということをお願いいたしまして、私からの質疑は終わります。  続いて加藤委員にバトンを渡します。 ◆加藤たいき 委員 まず、私は区民会館についてから聞いていきます。  まずもって、区民会館をⅠ類に引き上げたことを非常によかったと思っておりますし、区の関係者の方々の御尽力にも感謝しています。同じ敷地内に同じタイミングで建設をする建物の耐震性がそもそも違っていたのは、本当違和感しか感じておりませんでした。まだ違和感が随所に残っていますので聞いていきます。  そもそも当初のプロポーザル案が基本構想の中から逸脱していないということは理解をしています。しかしながら、Ⅱ類として断定されていたこと、区民がメーンで使うところであり、災害時においては備蓄がとどまる場所においてⅡ類で出されたことには、昨年の決算委員会でも議論があり、議論がずっと続いてきました。  約一年間、予算委員会も含め、プロポーザル案に対してかなり長い議論を各会派費やしてきたわけですが、なかなか議論が進まなかった中、ここ数カ月で急転直下、Ⅱ類からⅠ類に変わったわけですが、なぜここにきて急に変わったのか、まずは伺います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 本庁舎等整備基本構想の五つの基本的方針の一つに、区民の安全安心を支える防災拠点となる庁舎を掲げ、設計者選定プロポーザルでは災害対策本部は免震構造を基本とし、災害対策本部に含まれない世田谷区民会館については、東京都の構造設計指針の施設用途の分類基準に従い、耐震安全性構造体Ⅱ類以上とし、集積場所となることも考慮して提案を求めました。  また、本年六月には、最優秀者となりました設計者が提案した考え方を尊重し、世田谷区本庁舎等整備基本設計方針を策定し、本方針におきまして、区民会館ホールを保存再生し、構造体Ⅱ類相当以上を確保することとし、ホール機能の向上を図ることを基本に基本設計を進めてまいりました。  この間、これまでの区議会での議論等を踏まえまして、耐震診断の結果に基づき、耐震性能、ホール機能、コスト、工期などについて複数の改修案に加え、改築の場合も参考に比較検討を行ってきております。  耐震診断等をもとに検討した結果、一般的な耐震改修によっても構造体Ⅰ類相当の耐震性能が確保できること、そして全ての建物をⅠ類とすることにより、災害時の機能継続の連続性が向上することから、区といたしまして、このたび構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保することを基本としたものでございます。  また、耐震改修によりまして、構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する手法で設計を進めていく旨の区の考え方を今回お示ししたものでございます。 ◆加藤たいき 委員 区としては佐藤総合計画と長い議論を交わしてきた上に、耐震診断を踏まえ、Ⅰ類相当を確保できるという見解になったということは理解できました。そもそもⅠ類にどうしたらできるのかと事業者側が提示していればよかったと思っております。いずれにしても所管の方々が汗をかいたことは本当に感謝しております。  その上で、我が会派は、改修案だけを出されても議論ができないため、代替案である改築案も出し比較検討をすべきだと主張してきたわけですが、今回、具体的な金額等が出てまいりました。  改修案二十五億六千万円に対し、改築案三十一億七千万円と、イニシャルコストに限って言うと約八掛けと改修案の方が割安の数字が出てきました。この数字だけを見ると、改修案のほうが無駄な税金が使われることもなくよいのではと思います。しかしながら、どれぐらい区民会館がもつのかという議論も必要ではないでしょうか。改修した場合、現在の区民会館は何年もつ想定なのか、また改築、つまり新しく建設した場合には区が出している公共施設等総合管理計画に当てはめ、六十五年という認識でいいのか伺います。 ◎青木 施設営繕第二課長 昨年三月に策定いたしました公共施設等総合管理計画において、基本的に構造体の耐用年数につきましては築六十五年程度とし、長寿命化可能な施設につきましては築九十年としております。区民会館ホールの改修につきましては、耐震改修とともに、長寿命化の改修を行ってまいりますので、最低でも改修後三十年は施設を利用する考えでございます。  しかしながら、今回実施しました劣化調査の結果、築六十年近く経過していても、躯体の状況が良好であったことから、三十年後に改めて躯体の劣化状況を確認するとともに、求められる施設機能の変化などを踏まえ、総合的に判断する必要があると考えております。  なお、施設整備後におきましては、公共施設等総合管理計画の基本方針にのっとりまして、可能な限り長く使えるように維持保全に努めてまいります。 ◆加藤たいき 委員 どれぐらいもつのかなんていう仮定の話をしている以上、机上の空論であるというのは重々承知をしております。それ以上もつこともありますし、それ以下もあり得ると。  それを踏まえた上でも、単純計算させてもらうと、改築案を使用最低年数六十五年で割ると、一年当たり約四千八百七十七万円、改修案を使用最低年数三十年で割ると約八千五百三十三万円、仮定の話をしているとはいえ、数字に落とすと差額三千六百五十六万円、私は無視できない金額だと思っております。  庁舎建設において、他会派からコストについて疑義が出ておりましたが、コストについてだけ焦点を当てると、人口が減ると言われている未来の日本では、財政状況が悪化が考えられます。だとしたら、今払っておく考え、次の世代にツケを残さない考え方も必要ではないでしょうか。  とはいえ、いつ起こるかわからない災害対策の面では、なるべく早く庁舎建設をしないといけないのも事実です。保坂区長がトップに立ってから庁舎建設は巻き戻り、リーマンショックのように予期せぬ事態が起こり滞ったとはいえ、本来であれば新庁舎が建っていてもおかしくはない時期が来ております。  先日の一般質問において、我が会派の真鍋議員の質問の答弁では、佐藤総合計画に聞いたところ、委員会の報告どおり、改修案では二十カ月、改築案は三十カ月かかると。そして、改修した場合も、改築した場合も、長期的なライフサイクルコストが同程度とのことでしたが、その根拠を詳細に伺いたいと思います。 ◎青木 施設営繕第二課長 お話しのコストにつきましては、まず改修の概算工事費約二十五・六億円には耐震改修、一部改築の費用に加えまして、設備機器等の更新をする改修費が含まれておりますが、一方改築した場合の概算工事費約三十一・七億円は、初期建設費のみの費用でございます。  施設の整備後は、建物を適切に維持保全するために、中長期保全計画に基づきまして、十五年、三十年のサイクルで設備機器の更新、外壁や防水などの仕上げ改修等を実施してまいります。特に三十年サイクルで実施いたします大規模改修に要する費用は、初期建設費の五割から六割程度かかります。したがいまして、今回お示ししました改築の場合では、三十年後の大規模改修に十億円から十九億円程度の費用がかかるものと考えられます。  改修した場合と改築した場合とでは、その後、改築する時期、大規模改修を実施する時期は異なりますが、例えば六十五年に要する改築、大規模改修費の総額は、こうしたことからおおむね同額になるものと考えてございます。  今後、設計におきましては、建設改修工事費のみならず、高効率な設備機器等の導入検討などによりまして、ランニングコストを含めたトータルコストの縮減に向けて取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 前にも申したことがありますが、保存再生にいいとか悪いだとか言っているつもりは全くございません。私の考え方として、この先の未来において同じような議論が再び繰り返されないように、今解決できることを次世代に残さない、それが今の私の仕事だと思っておりますし、子どもたちを導く大人のあるべき姿だとも思っております。  未来に財政状況が好転する見込みがあるのであればまた話は変わってきますが、予想ができませんので、少しでも長く使える庁舎をつくるべきだと思い質問しております。  区民会館について最後に伺いますが、区民会館建設中に災害が起きた場合の物品というのはどこに保存し、区民の皆さんに渡すのか伺います。 ◎荒 災害対策課長 区では、震災時の支援物資の受け入れ、積みかえ、配分等を行う場所である地域内輸送拠点として羽田クロノゲートを指定して、全国から集まる支援物資は、基本的に羽田クロノゲートにおいて受け入れ、各避難所へ配送されることになります。  第一順位の羽田クロノゲートが被災等により使えない場合のリスク回避といたしまして、第二順位の地域内輸送拠点としては、大蔵第二運動場と国士舘大学を指定しております。各地域の区民会館は、これら地域内輸送拠点を経ずに直接区に持ち込まれた物質等を一時的に集積、配送する場所として指定しておりますが、世田谷区民会館については、工事中により使用できない場合につきましては、近隣の国士舘大学を使用することを想定しております。 ◆加藤たいき 委員 ということは、現在集会室が入っている棟のところ、これは三十カ月かかろうが、二十カ月かかろうが、第一期は工事ででき上がっているということで、災害対策本部は問題ないという認識になります。  区民の皆様には、区民会館を使えない時期、仮に三十カ月だと伸びてしまいますが、年月関係なく物品を置いていく場所は、近隣に代替地があるということは理解をできました。  次に、スタンドパイプ等のことを聞いていきます。  まず、区としてスタンドパイプがどれぐらい設置されて、またどこに配備しているのか把握しているのでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 区では消火用スタンドパイプを区の施設五十四カ所に設置しています。また、町会・自治会等では、防災区民組織への資機材助成を活用して、または独自に購入したものを設置しており、合計約三百基を配備していると確認しています。  区が設置しているスタンドパイプは、まちづくりセンター、地区会館等にあり、操作訓練を受けた区民がいざというときに持ち出して使えるよう、主に施設の入り口付近に配備しています。町会・自治会等では、民有地に設置している防災倉庫のほか、区立公園等、区の施設や、また商店街では商店街が設置している街路灯に専用のスタンドパイプの収納箱を取りつけて、火災に備えると聞いております。 ◆加藤たいき 委員 昨日の総括質疑において、我が会派の畠山委員より、AED関連と二十四時間というキーワードがありました。私からは、コンビニ連携という視点を加えて聞いていきます。  世田谷区内のコンビニエンスストアは、商店街に加入している店舗も多く、その中のオーナーは地域の方、地元の方が大半であり、また近所に住むアルバイトの方々も従事していることが多いと聞いています。つまりは大手チェーンの看板があっても地域に根づいた一般小売店と大差がありません。二十四時間開いており、世田谷区内でも地域差がありますが、どこの地域にも大抵コンビニがあります。  ちなみにですが、今コンビニの店舗がどれぐらい世田谷区にあるか御存じでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 約三百六十店舗と確認しております。 ◆加藤たいき 委員 三百六十店舗と、かなり多いなというふうに私は思っているんですが、これをどうスタンドパイプとつなげていくかということになりますが、平成二十六年度に神奈川県大和市では、全国初、市内コンビニエンスストア三社の店舗にスタンドパイプを設置するための協定を締結したそうです。まちかど防災などでスタンドパイプを使う訓練などがありますが、具体的にどこに設置しているのか知らない方も多く、また、鍵等で保管している場合も多いと聞いています。その鍵責任者が近場にいないことも考えられます。それぞれの地域の消防団の方々が管理しているとも聞いていますが、その際の対処は区は知っているのでしょうか。誰でも使えるスタンドパイプという名で設置を推奨していますが、誰でも使える、誰でもとりに行けるスタンドパイプにすべきだと思っております。  同様に、AEDに対しても言えます。現在コンビニに置いてある場所もありますが、全店舗とは言えません。特にAEDは人命の救助において、一分の時間が大変左右されることも多い中、どこにあるか知ってもらうことは非常に大事です。数も多く配置することも大事ですが、どこにあるか、その店や設置場所が開いているかも非常に大事ではないでしょうか。二十四時間地域に住んでいる方が誰もが知っているが大きなキーワードです。  AEDの設置場所に対しては、保健所管轄、教育委員会管轄、補助を行っている経済産業部と点在されており、一括でまとめて把握し、区民の誰もが置いてある場所を知っておくべきだと思っております。  コンビニの一部に置いてあるがゆえに、いざ必要になったときに取りに行ったとしてもない可能性、これがいざのときに一番怖いところです。これについて、総じて区はどう考えているのでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 昨日の総括質疑の中でもございましたけれども、AEDの配置ということでは、一般財団法人日本救急医療財団、こちらに登録されている部分、それから公共施設で把握している部分ということで、区内おおむね千二百台ぐらいあるということで把握しているところです。  また、厚労省のガイドラインでは、AEDは心停止してからすぐに処置を行えば蘇生率が高くなるということから、五分以内に除細動が可能な配置が重要となっているということで、現場から片道一分以内の密度で配置されるよう考慮すべきとしております。  そういったことから、設置数ということにおいて、また二十四時間使えるかどうかという観点からも、どういった配置が必要かどうかというのは、民間の部分も含めて検討する必要があると考えております。  ただ単に設置数をふやすということではなくて、効果的、効率的な設置という部分も含めて、関係所管とともに研究してまいりたいと考えております。 ◆加藤たいき 委員 行政は、採算性や費用対効果を無視していいわけではないんですが、命を守ることに限っては採算性を求めてはならないと私は思っております。防犯カメラだったり、街路灯だったりというところで、初期費用は行政としては非常に出すんですが、継続させるための補助だったり、経費だったというのはなかなかないというところで、昨日の総括質疑において、保健所長がAEDの場所三百二十九カ所に三百三十台、そのうち百三十二台が保健所ということで、それ以外は各設置所管が管理しているという答弁がありました。  地域のまちセン・出張所で、AEDがどこにあるのかというのを管理していくのは非常に大事ではないかなと思っておりますし、それに加えて、スタンドパイプ、AED、ハザードマップ等をしっかりと地域の方々に、どこにあるのかというのを知ってもらうという観点を区としても持ってもらいたいなと思っております。  それを踏まえた上で、コンビニに行けばスタンドパイプも、AEDもあると誰もが知っている世田谷区にしていきたいなと、私個人的にはすごく思っておりますし、また企業的なイメージ向上にもつながると持ちかけていただきたいと思います。  次に、先日の一般質問の続き、先ほど石川ナオミ委員から予告がありましたが、昨日の総括質疑でも上島委員も言っていた特殊詐欺対策について少し聞いていきます。  先日の再質問で時間がなくなってしまいましたので、補正予算を今回組んで特殊詐欺対策をするというふうに大きく打っているわけですが、この広報周知活動していくことで、具体的に特殊詐欺の件数が下がっていくと区は思っているのか、まずそこを教えてください。 ◎加藤 地域生活安全課長 これまで実施してまいりました広報周知により、一定の効果はあったと考えております。今後につきましても、あらゆる周知方法を、波状的、継続的に行うなど、しっかりと取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 数がふえていると、先ほど他会派からあって、五億一千六百万円という数字も出ていたわけですが、それで効果があったと思うのか、具体的に件数とかを言ってもらったら理解できるんですが、これ以上は突っ込みませんが、壇上での答弁で、防災無線を使った特殊詐欺対策の答弁で、私、壇上ではやらないという方向に区は傾いているんだなという認識があったんですが、昨日の上島委員の質疑においても、研究という言葉が最初に出て、最後、区長が検討ということで、最後に進むのかなとすごく期待をしてしまったんですが、昨日と重複してしまうので聞きませんが、もう一度言わせてもらいますが、(「聞かないとだめだよ。三十分かかったっていいんだから」「やらないという話だから」「大丈夫、頑張らなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)検討するということで、工藤室長、済みません。(「諦めたら終わりだぞ、加藤君」と呼ぶ者あり)税金でもすぐに使わないでもできる防災無線を使った特殊詐欺対策についてもう一度、昨日の答弁ではなく、きょう聞けたらいいなと思いますが、お願いします。 ◎工藤 危機管理室長 改めまして、他区の状況等も踏まえまして、今後検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 ぜひ検討して進める、これは間違いなく私はずっと言い続けようと思っていますので、最後にもう一度言わせてもらいますが、税金を使わないですぐにでもできる防災無線を使った特殊詐欺対策をすべきだと思っております。  最後に、障害者雇用の誤算定について私も聞いていきます。各会派が議場でも、決算委員会でも聞いてきたわけですが、私も少し触れます。  定例会が始まる前の企画総務委員会では、区が独自点検した平成三十年六月一日現在の障害者雇用率は二・〇五%となり、結果、二十七人足りずとのことでしたが、先週の臨時企画総務委員会では、国の依頼により、国のガイドラインに沿って雇用率の報告に同意をいただける方のみを算定対象として、平成二十九年六月一日現在の雇用率を再点検した結果、雇用率が一・六五%で、結果五十一人足りてないという下方修正になりました。  そこでまず聞きたいんですが、雇用率は大幅に下がりましたが、区では障害者の方々の雇用を毎年行っているのか、また現在どれぐらいの方を雇用しているのか教えてください。 ◎大塚 人事課長 障害者採用の状況でございますが、区の正規職員の障害者採用につきましては、特別区人事委員会が統一選考として実施しております身体障害者を対象とする職員採用選考におきまして、退職等による需要なども勘案しながら、採用を進めてまいりました。  平成二十一年度から今年度までの十年間の採用状況を申し上げますと、各年度、おおむね二名程度の採用を見込んでおりましたが、採用内定を出したものの内定辞退によりまして、採用に至らないケースもございまして、この十年間では十四名の職員の採用となっております。  現在の障害のある職員の人数でございますが、国から依頼がありました平成二十九年六月一日現在の障害者雇用率の再点検の結果、障害者手帳所有者が八十八名でありまして、そのうち五十数名が障害者採用選考により採用されたものとなっております。 ◆加藤たいき 委員 採用を内定しても採用できない場合もあったということですが、今後、法定雇用率二・五%を充足するために非常勤職員を含めて五十一人の採用をどう行っていくのか伺います。 ◎大塚 人事課長 委員お話しのとおり、国から再点検の依頼があった平成二十九年六月一日現在の障害者雇用率の結果をもとに算定しますと、法定雇用率二・五%を達成するためには、新たに五十一人の障害のある方の採用が必要な状況でございます。まずは特別区人事委員会における統一的選考による正規職員の採用枠を拡大してまいりますが、今後数年は毎年十名を超える採用をしていく必要があると見込んでおります。  また、区がこれまで実施してきました知的障害者、精神障害者の方々を民間企業への就職につなげるチャレンジ雇用につきましても、業務範囲を拡大するとともに、東京都が昨年度から実施しております知的障害者の非常勤職員採用の選考事例にも参考にいたしまして、区独自の採用についても課題の整理を急いでいるところでございます。  障害のある職員がその適正を生かせるよう、十分配慮しながら働き続けられる環境づくりを進めまして、障害者雇用の促進に全庁挙げて取り組んでまいります。 ◆加藤たいき 委員 毎年二名、採用しようとしていた辞退もあったということで、年間これから十名ずつ採用していくというのは本当に大変なお仕事になると思いますが、世田谷区が障害者雇用に対してこれまで以上に広く門戸をあけていくということをどんどんアピールしてもらいたいなと思います。  ただ、二・五〇という国の法定雇用率の数字はありますが、区としては障害者の方々の雇用を、正規、非常勤ともに数字に追われるだけなく、着実に推し進めていただけたらなと思います。  以上で私からの質疑を終え、ゆさ委員にかわります。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、引き続き質疑をしてまいります。  昨日、内閣改造と党役員人事が行われました。経験を重視した堅実な人事が行われ、今後、憲法改正に向けた動きが加速していくものと思います。日本各地で地震や台風など未曾有の災害が発生する中、自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるということは、私はそんなに悪いことだとは思いません。  また、大地震その他の異常かつ大規模な災害を想定した緊急事態条項を創設して、有事に柔軟に対応できるようにしたい、あるいは参院選の合区を解消して、人口比例による基準だけではない、地域的な一体性を総合的に勘案するというのは、特に私のような地方出身者にとって、おらが町の議員がいるんだということは、正直うれしいことだと思います。  そして教育の充実。経済的なハンデが教育に反映しないように、誰でも教育の機会を得られるようにすることは、多くの国民の皆さんに理解を得られる内容だと思います。ただ、憲法改正には、両院の三分の二以上の賛成と国民投票で過半数の賛成という高いハードルがあります。実際、改憲に反対される方も多くいらっしゃいますので、できるだけ多くの方に賛成していただけるよう、粘り強く説明していかなければならないと思っています。  そこで伺います。世田谷区における一般的な条例の制定及び改正の手続はどのようになっているのか、改めて伺います。 ◎好永 区政情報課長 一般的な条例の制定及び改正の流れについて御説明いたします。条例の制定及び改正の必要が生じました場合には、所管課でその内容を検討し、条例を制定または改正したい旨を区政情報課法規担当に連絡をし、担当課が作成した制定案及び改正案を区政情報課法規担当が所管課と協議しながら審査し、制定案または改正案を作成します。  重要な条例の制定または改正の場合は、必要に応じてパブリックコメント等の手法により、区民意見聴取の手続を経る場合がございます。  その後、所管課が庁議に諮り、決定した制定案または改正案を区議会に議案として提出いたします。上程された条例案は各委員会へ付託されまして、委員会の審査を経た後に、区議会本会議において御議決をいただいております。議決後公布され、施行される流れとなります。 ◆ゆさ吉宏 委員 さて、さきの一般質問では、税源確保と都区制度改革というテーマで質問をしました。そこで、都区制度と区の財政について、さらに伺ってまいりたいと思います。  まず、国の税制改正による区財政への影響ですが、そのうち、ふるさと納税について平成二十八年度は十六・五億円、二十九年度は三十一・八億円、三十年度は四十一億円となりましたが、三十一年度以降の影響の見込みについて伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 ふるさと納税につきましては拡大の一途をたどっており、行政サービスへの影響も危惧されるところですが、国は今後、金銭類似性が高いものや返礼品価格が寄附額の三割を超えるものなど、制度趣旨にそぐわない返礼品を扱う自治体を制度から除外するなどの法改正を行うとの報道もされているところでございます。  こうした中、平成三十一年度のふるさと納税の影響額といたしましては、現時点では今年度と同程度の減収と見込んでいるところでございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 ふるさと納税は通販ショッピングではありませんので、しっかりとした国の対応を期待したいと思っております。  次に、地方法人課税の見直しについて伺います。  平成三十年度においては、法人住民税の一部国税化の影響で二十九億円のマイナス、また地方消費税の配分方法の見直しで、同じく二十九億円のマイナスとなりましたが、さらなる税制改正の影響について伺いたいと思います。  こうした都区を狙い撃ちした税制改正の動きについて再度まとめていただくとともに、今後区として打つ手はないのか、この点についても伺います。
    ◎松永 財政制度担当参事 この間の都区を狙い撃ちした不合理な税制改正ですが、ふるさと納税制度による区税の減収を初め、法人住民税の一部国税化による特別区交付金の減、地方消費税の配分方法の見直しによる地方消費税交付金の減により、平成三十年度では合わせて約百億円の減収となり、消費税率一〇%の段階では約百三十億円の減収が見込まれております。  さらに、国においては、平成三十一年度税制改正に向けまして、税源の偏在を是正する新たな措置が検討されており、新聞報道等によれば、東京都から最低でも三千億円規模の法人事業税を地方に分配するといった検討がなされていると聞いております。平成三十二年度より、都税である法人事業税の一部を特別区交付金の原資に繰り入れる法人事業税交付金が新設されることとなっており、この部分が縮小するのではないかと、今後、区財政へのさらなる影響も懸念されるところでございます。  こうした国の不合理な税制改正に対しまして、特別区長会において、先般、総務大臣宛てに制度の見直しなどの要望書を提出したところです。引き続き、地方財源の不足や地域間の税収等の格差については、都市部から税源を吸い上げるのではなく、国の責任において地方財源を拡充することが地方分権の本来の姿であることなどを、都区一体となって、国に対し粘り強く訴えかけていく必要があるものと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 こういった現状について、区は国に対して反論や申し入れを行うだけではなく、ここに至っては、区の窮状、特にふるさと納税の現状について、区民に対しても周知を図るべきではないかと思いますが、この点について区の見解を伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 区民への周知といたしましては、平成三十年度予算概要において、国の税制改正による区への影響を掲載するとともに、特別区長会が作成した不合理な税制改正等に対する特別区の主張を区のホームページに掲載するなどの周知を行っております。  また、ふるさと納税につきましては、「区のおしらせ」や、パンフレットなどにより、ふるさと納税制度が及ぼす区への影響額など区民への周知に努めており、今年度もふるさと納税特集号等を発行する予定でございます。  こうした国による不合理な税制改正等に対しまして、特別区の現状と国に対する主張等について、よりわかりやすい周知に努めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 都と特別区を狙い撃ちした国の税制改正については、ある意味、都と区の利害が一致することから、都区で連携協力して対応していくことができると思います。一方、財調問題など都区間の財源問題になると、都区の関係は、国対都と同じような構図になってしまいます。  そこで、特別区の自主自立の観点から、特別区の財源問題、都区財調について伺ってまいります。  さきの一般質問での副区長の答弁にもありました平成十八年度に行った区独自の財調改革試案についてどういう内容だったのか、改めて確認します。 ◎松永 財政制度担当参事 お話しのありました都区財政調整制度の区の独自研究でございますが、平成十五年度から調査研究を進めまして、平成十八年九月に改革案として公表したものでございます。  研究を始めた背景といたしましては、平成十二年の都区制度改革により、特別区は基礎自治体と位置づけられたものの、都と特別区の事務の役割分担や特別区の財政自主権の確立など、依然さまざまな課題があり、真の都区制度改革がなされていない、こういった問題認識がございました。また、平成十八年度は、都と特別区の間で、都区のあり方検討会が開始されるなど、都区制度の改革に対する議論が高まっていた時期でもございました。  このような状況の中で、都区財政調整交付金の財源である調整税は全て特別区の税とするとともに、東京都が特別区の区域で行う市の事務、いわゆる大都市事務も全て特別区の事務とする。その上で、二十三区一体で行うことにメリットがある事務は一体で処理する。また、特別区間の財政調整は特別区が自主的に行うなど、世田谷区として地方分権の流れを加速し、東京都主体の制度から特別区主体の制度や転換を図る案として独自の改革案を作成したものでございます。  なお、この独自研究でございますが、特別区が主体的に制度運営を目指す改革案でございまして、世田谷区が二十三区から独立して一般市になるといった改革案ではございませんでした。 ◆ゆさ吉宏 委員 さて、副区長は、既に十年以上経過し、人口増など区を取り巻く環境も大きく変化していることから、改めて改革試案を更新、検証すると言われました。十一月を目途に議会に報告するということで、まだ作業の途中だと思いますが、現時点で平成十八年度時点での独自研究の考え方から変わってくる点などはどう想定されているか伺います。 ◎松永 財政制度担当参事 都区財政調整の独自研究につきましては、調整税や大都市事務の各区帰属額を推計するための数値を更新し、平成二十八年度時点での設計値を算出すべく現在作業を進めているところでございます。  平成十八年度時点と比べて変わってくる点でございますが、まず平成十八年度までは財調交付金の配分率が、都が四八%、区が五二%であった配分率でございますが、平成十九年度より、都が四五%、区が五五%に変更になっておりますので、この影響が出てくるものと思われます。  また、財調普通交付金の算定に当たって算出する基準財政需要額におきまして算定の基礎となる人口増や保育定員の増など、こういった状況の変化による影響も想定されるところでございます。  こうした点から、調整税の収入見込み額と大都市事務に財調交付金を加えた額の経費比較につきましては、変化があらわれると予想しております。また、この比較につきましては、平成十八年度時点では、世田谷区が仮に固定資産税等を直接収入した場合の調整税の額と、移管を受ける大都市事務に財調交付金を加えた額がほぼ均衡した状態であるとの推計結果が出ておりましたが、このあたりが十年前とどう変化しているか、変わらないのかということが一つのポイントになってくると考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 また先日の副区長答弁では、将来の人口動向を見据えた今後の自治体経営のあり方の検討とあわせて検討すると言っておられましたが、具体的にどのような検討を行っているのか伺います。 ◎藤野 政策研究・調査課長 昨年度、区の新実施計画(後期)を策定するに当たりまして、近い将来、人口が百万を超えるという将来人口推計結果を得ました。これを踏まえますと、区民生活の変化、あるいは持続可能性等の視点から、将来人口動向に応じた自治体経営のあり方について検討を行っていく必要があるというふうな認識をしたところでございます。  そこで、行政経営改革の取り組みの一環として、百万人を超える人口を擁する住宅都市となっても、将来にわたり安定した自治体経営となるよう、そのあり方の研究検討を総合的、横断的に行うため、プロジェクトチームを設置いたしました。このチームは、多面的かつ柔軟な発想による論点を抽出するということで、政策経営部長を座長に、管理職員と若手職員をメンバーとして構成しております。  研究テーマでございますが、権限と資源のあり方、また住民自治のあり方、効率的、効果的な行財政運営のあり方という三点を設定いたしまして、現在グループ討議と全体討議を行っております。  現段階では、各テーマにおける論点の抽出を行っているところでございますが、三名の学識経験者の方々に御専門の立場からのアドバイスもいただきながら、今年度末を目途に中間的なまとめを行っていく予定にしております。この研究プロジェクトチームといたしましては、研究検討の期間をおおむね二年程度と想定しておりまして、次年度は引き続き議論を継続いたしまして、あるべき方向性と取り組むべき課題の整理、そして具体的取り組みについて、一定の結論を得たいということを目指して今後とも議論を進めてまいりたいと存じます。 ◆ゆさ吉宏 委員 先日の我が党の真鍋議員の一般質問の中で、区長は、政令指定都市を目指していきたいというふうに答弁をされました。世田谷区の人口は、二十ある政令指定都市のうち七つの市の人口を上回っております。ちなみに、平成二十七年の国勢調査によりますと、静岡市が七十万人、相模原市と岡山市が七十二万人、熊本市が七十四万人、浜松市が八十万人、新潟市が八十一万人、堺市が八十四万人となっています。  世田谷区は政令指定都市並みの人口規模を擁していると言えますが、そもそも政令指定都市制度と特別区制度の違いは何か改めて伺います。 ◎田中 政策企画課長 政令指定都市ですが、地方自治法の大都市に関する特例で規定された政令で指定する人口五十万人以上の市という規定になっておりまして、社会福祉、保健衛生、都市計画、建築などの事務を府や県から移譲されるものということになっております。  かつては人口が百万人というのが大体目安になっておりましたが、市町村合併を促すということもあり、人口七十万人程度の市も指定されることとなり、御指摘のとおり、世田谷区より人口が少ない政令指定都市もございます。  政令指定都市、それから、そうではない一般の市町村、特別区、これはどれも押しなべて基礎自治体ということになりますが、地方自治法において、都道府県、政令指定都市市町村、こういったものを含めて普通地方公共団体、特別区においては特別地方公共団体とされていまして、そういった意味での位置づけが異なっております。  また、都区制度ということで、東京都と特別区の間で設けられておりますが、先ほど財政制度担当参事から答弁ございましたけれども、一般に市が行うような事務、消防、上水道、下水道に係る事務のほか、都市計画の決定に関する事務の一部などを東京都が行っているというものでございます。  また、都区財政調整制度により、市の税収となる市町村民税法人分、固定資産税、特別土地保有税は東京都が徴収し、都と特別区との協議の上、各区に配分されるといったものでございます。  そういったものを含めて、一般の市と比較して、権限や財源の面でさまざまな制約があるという状況がございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 世田谷区は九十万人もの人口を擁する基礎自治体であるにもかかわらず、特別区という枠の中では一般市に比べて権限等に制約があるということを、こうした議会での議論とともに、区民に対してもアピールしていくことも必要だと思いますが、区の見解を伺います。 ◎田中 政策企画課長 先ほど藤野課長からも御答弁させていただきましたけれども、人口が百万人という規模になりそうだということです。現況九十万人の都市でありますけれども、複雑化、増大化する行政需要に適切に対応していくためには、都区制度による権限や財源の制約を何とか取り払い、自治権を拡充するといったようなこと、これは非常に重要なことであると考えております。  例えば今般、平成三十二年度の区による児童相談所の設置に向けた準備を今進めているところです。都区間の具体的な協議が始まりました。このように、区が児童相談所を設置するという、今まで東京都が運営してきたわけですが、これを区が運営することによって、今まで区が行ってきた子ども家庭支援センターなどと密接な連携が図られ、子どもの権利がより一層保障されるものになると考えております。  こういった児童相談所の設置のように、都が実施していたものが区にかわる、そのメリットを区民にわかりやすくお示しすることが都区制度改革を進める上でも必要なことだと認識しております。  委員御指摘のとおり、まずは都区制度の現状や改革によるメリットなどを区民の皆様にわかりやすく伝え、御理解いただくことが重要なことだと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 今後の都区制度のあり方検討は、世田谷区一区のみの検討でどうにかなるというものではないと思います。現在区で行っている財調の独自研究や、今後の自治体経営のあり方の検討などを通じて、議会ともしっかり議論し、今後の特別区の自主自立に向けた突破口となるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思いますが、最後に副区長の見解を伺います。 ◎宮崎 副区長 この都区制度問題につきましては、過去取り組んできた中で、ただいま各参事、課長のほうから御説明をしたとおりでございます。  もともと財調制度の部分のところに絞ったのも、この地方交付税制度を都区間の中で、お互いのある意味合意できるところが制度的にでき上がっているのが、現状の財調制度ということになります。それでいきますと、これは東京都からの見方になりますけれども、やはりそういう制度設計をする際に、なるべく特別区全体が、二十三区均一に、画一的にやったほうが財調の算定というのはやりやすい仕組みになっております。そこが逆に言いますと、二十三区それぞれが、それぞれ自立をしてくる中で、それぞれの置かれているテーマが違います。  例えば都市計画などにつきましては、それぞれ置かれている状況がだいぶ違います。例えば道路の関係で言えば、国道多いところもあれば、都道が多いところもあるというようなことで、それぞれ整備を迫られるものが違うわけです。にもかかわらず、この道路整備などについては、態容補正、専門用語を使いますが、それぞれ違う状況は算定されているということになりますけれども、でも、結果としてはなるべくそこを公平にという立場で均一にしていこうというような算定の結果になります。  こういうことを続けておりますと、例えば今、世田谷区が置かれている人口の問題も含めまして、なかなか立ち行きがいかなくなるという状況が、やはり迫られているんじゃないかと思っています。  そういう意味でも、先ほども御紹介申し上げましたが、この独自の研究のものについて状況の変化を加えまして、具体的に言うと、この財調改革試案につきましては、まずは更新してきたものについて十一月の段階で議会にもお示しさせていただいて、どういう方向感でこの検討を進めていけばいいのかという御意見も頂戴したいと思っています。  その上に、もうちょっと大きな話になりますが、前回の試案のときも出しました特別区のあり方、世田谷区あり方ということについても加えていって、これを何とか議会側との御意見の中でまとめていき、またこれから二十三区の中でも議論ができるような素材を出していきたい、このように思っております。 ◆ゆさ吉宏 委員 御答弁いただきありがとうございました。以上で私からの質疑を終わります。  ここで、山口委員にかわります。 ◆山口ひろひさ 委員 安倍内閣の新たな組閣が、きょう一つ決まっていなかった法務大臣のポストが決まりまして、閣僚の顔が出そろったわけでありますけれども、新しい法務大臣、山下法務大臣ですけれども、石破派の議員ですけれども、この組閣を見て、マスコミ等をいろいろ聞いていますと、この法務大臣が一番の適材適所じゃないかなというふうに高い評価を受けています。山下新大臣は、検察官から政界のほうに入られまして、そして今回新たに法務大臣に就任されたということであります。  世田谷のほうを見てみますと、実は四月に、法曹界からこの企画総務領域の総務部に配属になられました池田副参事。これも、そう考えていくとすばらしい適材適所なのかなと感じているわけですけれども、きょう初めて企画総務領域の委員会を聞きながら、弁護士として、聞いていていろいろ弁護士のおしゃべりポリープがちょっとうずいている部分もあったんじゃないかなと感じますけれども、この四月からこうして実務に当たっているわけですけれども、どのような感想お持ちかお答えいただければと思います。 ◎池田 総務部副参事 私は、この四月に弁護士の資格を有する者を対象にして実施された任期つき採用制度によって、総務部法務担当の副参事として任用されました。現在主たる業務としましては、所管課からの相談業務ですとか、あとは係属中の訴訟案件に対する対応などを行っております。  三月までは民間の法律事務所に在籍をしていたのですが、民間にいた際には、主として依頼者の利益のために法的な論理を構築するといったことに力を注いできました。それはそれでとてもやりがいのある業務だったのですが、今区の職員となった立場ですと、区民の利益のために働くという明確なミッションのもとでやりがいを感じているところであります。弁護士としても貴重なキャリアを積むことができていると感じております。  今後も弁護士としての法的助言のみならず、区民の方ですとか、職員とともに事業の構築ですとか、課題の解決に努めてまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 初めての法曹界、弁護士の方がこうして区政の中に入っていただいているということで、今いろいろと感想をいただきましたけれども、ぜひ頑張っていただきたいなと思います。  僕は通告も何もしないで池田さんに質問してしまったんですけれども、別に条例上規則上、これは触れることはないですよね。 ◎池田 総務部副参事 全く問題ございません。 ◆山口ひろひさ 委員 安心しました。  うれしいことで、いわゆるテニスの世界四大タイトルがありますけれども、念願の日本人で初めて、大坂なおみ選手が優勝をしたわけですけれども、ただ、生まれていない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、この四大タイトルというのは、大坂なおみさんは全米オープンですけれども、実は過去に四大タイトルで優勝した日本人選手がいるんですね。御存じの方がいるかと思いますけれども、沢松和子さん。  ただ、実はこれはシングルスではなくて、ウィンブルドンのダブルスで、アン清村というやはり日系の選手と組んで、ウィンブルドンで優勝したわけですけれども、そのときに僕もまだ小学生か中学生ぐらいだったので、ニュースで盛り上がっているの感じましたけれども、ダブルスというのはなかなかテレビでも中継しないのであれですけれども、やっぱりメーンはシングルスということで注目をされるので、大坂なおみさん、今回いろいろインタビューを聞いていると、なおみ節なんて言いながら注目をされておりますけれども、パンパシフィックでしたか、その試合もチケットがもう売り切れてなかなかとれなかったという、そういうフィーバーみたいなところがあるみたいです。  この全米オープンで、彼女が優勝する要因の一つとして挙げられるのが、我慢というところらしいですね。彼女もすごく才能があるんですけれども、イライラしたり、自分の気持ちを抑えることができなくて、なかなか自分のプレーが肝心なところでできない部分で負けることが多かったんですけれども、サーシャベイジンコーチと出会ってから、例えばそういう状況になっても、自分のプレーをポジティブに考えていく、我慢をして、自分の気持ちを抑えてというところがやはり一つの勝利につながっていると言われています。  確かにテレビで全米オープンの決勝見ていて、ラケットをたたきつけそうだったんですけれども、ぐっとこらえている部分がありましたね。逆に決勝で当たった元世界ランク一位のセリーナ・ウィリアムズのほうは、審判のいろいろな指導があったせいもあるんでしょうけれども、もう思いっきりラケットをたたきつけていた場面があって、相当イライラ、フラストレーションがあってヒートアップしたのかなと思いました。  ただ、びっくりしたのは、たたきつけたあのラケットがぐにゃっと曲がったというあのパワーです。やっぱり二百キロオーバーのサーブを打つ選手なんだなと感じました。  それで、大事なことは我慢なんですけれども、こうして今、きょうは企画総務の領域、十時からこうしてずっと質疑をしているわけですけれども、だんだんもうこの時間になってくると、明るかったんですけれども、外を見るとちょっと暗くなってきましたし、質問もそろそろ出尽くしたんじゃねえかなんて感じる中で、理事者の方も、委員の方も、そろそろ疲れがヒートアップしているんじゃないかなと感じるわけです。  よく外国人が、いろいろな方、日本に留学したり、また生活をしたりする人がいるわけですけれども、日本のすばらしさは何ですかと聞くと、その中に必ず挙げられるのが、日本人の我慢強さだと言われています。今、日本人の我慢強さというのが、世界から非常に高く評価をされているということで、今ここの理事者の皆さんも、そして委員の皆さんも、日本人の美学の我慢の中に入っているのかなと思っております。  ただ、うちの石川ナオミ議員が一般質問で、恵泉通りの質問のときに、我慢にも限界がありますというようなことをおっしゃっていましたけれども、ただ、私の場合は時間が決まっておりますので、ぜひ安心しながら我慢していただければありがたいなと思っております。  また戻ってしまってごめんなさい。大坂なおみさん、実はハイチ生まれのアメリカ人のお父さんと、日本人のお母さまハーフなんですね。大阪で生まれて、三歳まで日本で育って、その後、アメリカに移ったということです。大阪で生まれたから大坂なおみと名乗っているのかなと思ったんですけれども、これはどうも違うらしくて、それは大阪で生まれた人が大阪と名乗ったらみんな大阪になっちゃうので。  うちの会派にも、なおみちゃんこと、石川ナオミさんがいるんですけれども、私がちょっと調べた結果、石川ナオミさんは石川で生まれたのかなと思ったら、どうも石川ではなくて、はちきん、いごっそうで有名な県じゃないかなと私の調査では出ております。そう言っている私も山口なんですけれども、調べた結果、私も山口県では生まれてないと。きょう、最後の望みじゃないんですけれども、宮崎副区長、御出席をされているわけですけれども、八割方、ひょっとしたら宮崎副区長は宮崎出身じゃないかなと僕は思っているんですけれども、どうですか。 ◎宮崎 副区長 御期待に添えませんで、世田谷生まれでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 残念きわまりないんですけれども、今ちょっと都道府県を言いましたけれども、実は都道府県で名字として登録されていないところが実は二つあるんですよ。皆さん今考えて、まずは北海道だろうと思うと思うんですけれども、実は北海道という名前の方はいらっしゃらないんですけれども、北海さんという方を北海道はいるとカウントすると、そのほか二県、わかる方はいらっしゃいますか。  実は、ここはそうかなと思いますが、沖縄ですね。沖縄と、もう一つは愛媛だそうです。  実は、都道府県の名字の登録で一番多いのが、申しわけないですけれども、私の山口、二位が石川、そして三位が宮崎ということで、この委員会の中でワン、ツー、スリー独占ということで、何か本当にちょっとうれしく感じますよね。  今度、都市整備で山梨課長が控えているんですけれども、ちょっと待ってよという感じかもしれませんけれども、残念ながら山梨課長は二十位ということで、四位は千葉さんだそうであります。  これはさておいて、先ほど恵泉通りの話をさせていただきましたけれども、我慢の限界があるということで、いろいろ理事者の答弁の中では、代執行の準備もしておりますということですけれども、なかなかこれは先が見えない状況ですけれども、最終決断というのはあくまでも区長の判断となるのかなと思いますけれども、保坂区長、二期目になりまして三年半が経過するわけですけれども、いろいろ振り返ってみて、報告が遅いじゃないかとかいろいろあるわけですけれども、まず基本的な部分でいろいろな新しい政策が提案されるわけでありますけれども、どのような流れで決まっているかというのを、まず確認したいと思います。 ◎田中 政策企画課長 政策決定の流れでございますけれども、政策決定までのプロセスは事案によるさまざまな取り組みを所管部が中心となって行っているところです。新規事業、それから重要な施策につきましては、政策課題の検討を初め、調査研究、それから若手職員を活用したりですとか、庁内での意見募集、領域内、それから全庁での部長級会議、こういった議論を繰り返し行いまして、またその間、議会からの御意見や区民などの参加による取り組み、こういったさまざまな取り組みで進めているところです。  事案決定ということにつきましては、原則は文書による起案方式による決定ということをしております。また、会議方式により決定している場合もございますけれども、具体的には区の行財政運営の基本方針、新規事業、条例など、決定する政策会議といったものがございます。  また、特に重要な政策課題の実現などのため全庁挙げて迅速に取り込む必要があるとき、そういうような意思決定を行う場として、例えば保育待機時緊急対策本部ですとか、ふるさと納税等対策本部、こういった会議体により決定をしているということがございます。 ◆山口ひろひさ 委員 さまざまな流れの中で今答弁をいただきましたけれども、ちょっと個別の具体的なところでお聞きしたいと思うんですけれども、今回打ち切りになりましたけれども、北沢小学校のスクールバスの導入については、どういう流れで決定をされたんでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 北沢小学校の統合に伴うスクールバスの運行予算についてですが、学校統合により、なれない通学路を通うことになる児童や保護者の方々の不安への配慮などの観点から、統合に伴う一定の期間の経過措置としてスクールバスの運行が必要であると教育委員会が判断し、教育委員会からの予算要求に基づき予算編成過程における議論を経た上で、平成三十年度予算案に必要経費を計上したものです。  新規事業の予算化に当たりましては、区民ニーズをしっかりと捉えた上で、経費の妥当性や費用対効果などを見きわめることが重要だと認識しており、こうした認識のもと、予算編成過程において、各部の事案についてさまざまな議論を行っているところです。こういった部分を踏まえた上での決定だったというところでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 もう一つ、一般質問で我が会派の菅沼委員も取り上げましたポートランドへの派遣事業ですけれども、これはどのようにして決定されたんですか。 ◎田中 政策企画課長 ポートランドへの派遣事業でございますけれども、ポートランド市と教育交流事業の検討経緯ということで、本件につきましては、東京二〇二〇大会に向けたオリンピック・パラリンピックに関する重要施策であることから、庁内の東京二〇二〇大会の機運醸成に向けた事業推進プロジェクトチームでの検討を経て、区長を本部長とする東京二〇二〇大会オリンピック・パラリンピック競技大会庁内推進本部において、今後に取り組むべき施策の案といたしました。  今年度、教育委員会において現地調査等を行い、実施に向けた検討を進めると聞いております。 ◆山口ひろひさ 委員 それぞれ所管から要求、要望があっての流れの中で政策として上げているんだろうと理解しますけれども、区と区議会は車の両輪だというふうに言われておりますけれども、また決議もありましたけれども、その後の状況を見ても何となく私は、両輪と答弁の中ではおっしゃっていますけれども、なかなかそれが、こういういろんな案件を見ていると感じられない部分が多いんです。まだまだ不足しているんじゃないかなと思いますけれども、その辺に関してはどのような見解をお持ちでしょうか。 ◎岩本 政策経営部長 今の具体の事業を御指摘いただいた上で、区議会への説明が不十分だったということで御意見いただき、この間もいただいております。  区長からは、区議会と区政は車の両輪ということで真摯かつ率直な意見交換をもとに世田谷区政をつくっていくというような発言をしておりますが、私としてはその旨の指示も受けているものと考えております。  政策経営部といたしましては、特に新規事業であるとか懸案課題などについては、できる限り早い段階から区議会への御説明を申し上げて御議論をいただけるよう、庁内調整に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆山口ひろひさ 委員 私も若かりしころ、そんなに長くはないですけれどもサラリーマンをした経験があります。そのときに上司から言われたのは、ホウレンソウと言われました。ホウレンソウと言うと、生まれてない方は知らないかもしれないですけれども、僕の世代だとポパイが缶詰から緑のホウレンソウを食べて、そうすると突然、あの弱かったポパイがブルートをやっつけちゃうという、そういうイメージがあったんですけれども、御存じの方も大勢いるかと思いますが、ホウレンソウというのは、報告、連絡、相談ということですね。  何事に関してもそうなんですけれども、これがやっぱり基本になってくるんじゃないかなと思います。これを徹底することによって、考え方の違う政策ですとか、議会の中でもそれぞれまた考え方が違いますけれども、そういったことを早く報告、そして相談していただくことによって、よりよい議論の中で、相互の歩み寄りが発生して、区民にとっていい形ができ上がってくるんじゃないかなと思うんです。  突然出されて、もう時間がない中でやらなくちゃいけませんよという形になってくると、こっちも本当に反対したくてやっているわけじゃありませんので、これは区長が誰であろうと、やっぱり行政と議会の基本じゃないかなと思いますので、ぜひこの辺を徹底していただきたいなと思います。  ノーベル賞をとった本庶さんが、教科書に書いてあることを信じちゃいけない、まず疑うのが一番大事だと言っておりましたけれども、ある意味疑うのも、チェック機関ですから議会としては必要なことかなとは思いますけれども、やはりお互いの議論の中で信頼がなければ政治というのは成り立たないんじゃないかなと思います。  いろいろな議員さんの質問の中で、理事者の方が答弁をされているんですけれども、僕が感じたことですよ。いろいろとこれを言ったらまずいんじゃないかなとか、そういう部分があって、オブラートに隠すような答弁をされて、なかなか苦しい答弁にまた苦しい答弁を重ねて、うその上塗りじゃないですけれども、何かそういった状況が見受けられることも、僕は感じるんですね。  だから、御答弁でこういう影響があるからといろいろと忖度されているのかもしれないけれども、逆にストレートに議会のほうに答弁で言ってしまったほうが、逆にいい結果が生まれてくるんじゃないかなというふうな感じはしているんですけれども、答弁をされている皆さんいかがでしょうか。 ◎岩本 政策経営部長 今お話しいただいたとおりといいますか、私も感じるときがありまして、私がそこに感じているのは、それぞれ組織が縦割りだとも言われておりますけれども、管理職としては区の経営スタッフの一人ですので、自分の立場も超えて、区民の目線からお答えできればいいのになと私も常々思っていまして、ただ、やっぱりそれぞれ立場、組織上の立場とか、抱えている課題もありますので、ただいま御指摘いただいたように、区の経営スタッフといいますか、管理職の意識を持って、広い視点で御答弁ができるようにしていきたいというふうに考えてございます。 ◆山口ひろひさ 委員 議会も、話のわかるいい人ばかりですので、ぜひそういったことは早目に相談をしていただいて、また区民の利益につながる施策を充実していかなければいけないのかなと思っておりますので、改選まであと半年ですけれども、大事な平成最後の予算編成もこれからありますので、ぜひその辺を徹底していただきたいと思います。  それで次に、繰越金ですね。毎年あるわけですけれども、新たな視点でそこから画期的な質問をしようかなと思っていたんですけれども、資料をそろえ説明を聞いたら、全く画期的な視点がなかったものですから、これはやめて、自治体連携フォーラム、常任委員会でも報告がありましたけれども、このことについてお聞きをしたいと思います。  十日町と世田谷区の共催という形でやられまして、二大学と九自治体の参加で行われたということで、意見交換等々が行われ、世田谷区の提案としてちょっと注目するのが、新たに農業と福祉の連携の可能性を提案したということであります。  いろいろエネルギーのほうが先行していた部分があって、僕も質問の中で、やはり福祉分野でも交流連携が必要じゃないかなというふうに言っていたんですけれども、この部分に関してはどのようなことが考えられるかお聞きしたいと思います。 ◎中西 経営改革・官民連携担当課長 まず、自治体間連携フォーラムなんですけれども、世田谷区総合戦略、平成二十七年に定めたものですけれども、そちらの基本目標では、心豊かな暮らしを実現するための地方、都市との連携交流というのを掲げておりまして、それを実現するために、毎年、自治体間連携フォーラムというのを開催しています。  都市の暮らしというのは、全国の市町村での農林漁業などで支えられていて、地方の衰退は、すなわち都市の生活基盤が沈下することだという問題意識のもとに、地方とともに相互に発展、成長し、一層活性化する共存共栄の取り組みを展開していくことが必要だということを考えておりまして、プラットホームをつくりまして、首長同士で継続して顔の見える関係をつくって、相互の課題について意見交換をするということをやっているわけです。  この中で、今お話しありました農村の持つ多様な効果ということについて議論がありまして、ひきこもりの若者が川場村で農業に携わった結果ひきこもりを脱したというような話もあったり、これは区内での話なんですけれども、生活保護を受けている方が、まずは最初の就業の入り口として農家の方を手伝うというところから仕事につくというところに発展していたというような事例なども紹介した上で、今交流している自治体は、やはり農業を基盤している自治体が多うございますので、そちらの資源を生かして、ぜひ都市との交流という形で何かできないかというような話がその場で出たということでございます。  ただ、そこを具体的にどうするかという話はまだ形になっておりませんので、事業化するには、具体的なニーズが何であるかとか人員体制だとか受け入れ体制ですとか、そういうものを整理していかなければならないので、今後まず庁内の関係部署と連携していくこと、あり方や取り組みを研究していくことと、あと首長同士のつながりがあるんですけれども、地方の自治体の関係部署との直接の連携というのをまず図っていきながら、課題出しをやっていき、地方と都市それぞれの強みが生かされるように連携協力をしていきたいと考えてございます。 ◆山口ひろひさ 委員 僕は福祉分野の連携の第一歩として高く評価させていただきたいと思うんですけれども、今提案があって、具体化していくというのはこれからまた大変な作業が出てくるのかと思いますけれども、やはりこの福祉分野は直接、エネルギーは環境に優しいということで、それも間接的には区民の利益につながるのかもしれませんけれども、この福祉分野で特に連携をつくるということに関しては、直接区民一人一人それぞれ、これから非常に高齢化社会を迎える二〇二五年の問題もありますけれども、そういう中で深刻な問題だと思うんですよ。
     そこの中で共存共栄じゃないけれども、地方自治体とうまくマッチングをして、そういった部分に応えられる部分というのは、僕は数多い可能性があると思いますので、非常に連携というのは難しいことなのかもしれませんけれども、早い段階で、いろいろな連携が具体化されるようにぜひ努力をしていただきたいと思いますし、また、この関連の質問は、福祉の分野でも質問させていただきたいと思います。  それで、実は自治政策研究で出されていまして、提案があるわけですけれども、百万都市に世田谷が十年後にはなるという推計がされていまして、その研究の中で何をすべきかというふうにありましたけれども、今、日本の生産年齢人口というのは、今じゃないですね、二〇四〇年の日本の生産年齢人口というのは、調査しますと約五四%になるらしいです。これは主要国では最低だそうです。  ただ、日本は世界一の長寿国でありまして、これを考え方を変えて、生産年齢人口を二十から七十四歳にすると、その割合は約六五%で、世界で第一位になるという推計が出ているんですけれども、これから労働人口が減っていくと言われている中で、どこでも人手不足、AIの導入だと言われていますけれども、やはりこの生産年齢人口の考え方というかな、その辺を変えていくことが私は必要なのかなと思っております。  やはり生産年齢人口が減ることによって、自治体政策研究の中でも税収が減っていくということを指摘されているんですけれども、これから二〇二五年を迎えますけれども、その中で、健康寿命を延ばすことは本当大切なことなんですけれども、それと同時に、働き方改革ではないですけれども、働く生産年齢人口。役所の中でもそういう視点というのがこれからやっぱり必要になってくるんじゃないかなと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎藤野 政策研究・調査課長 将来人口推計上は、そう急激には生産年齢人口が減っていきませんが、ただ実際には生産年齢人口というのが現在の定義では十五歳からということで、現実にはこの定義にはまるような形で実際的な生産年齢にはなっていないということを考えますと、やはり今後、将来に向けてはそれをそう名乗るかどうかは別として、健康寿命、あと生きがいですとか、介護予防という観点で、高齢者の主体的な活躍の場というのは重要になると思っておりまして、現在のプロジェクトの議論の中でも積極的にそういう場がつくられていくことが必要だという議論がされております。 ◆山口ひろひさ 委員 いわゆる生産年齢人口が何人を支えるというふうによく言われますけれども、やはりここら辺の考え方を変えていかないと、持続可能な社会というのはなかなか僕は難しいと思っておりますので、これから人事を抱える企画総務領域としても、働き方改革の中の一つとして、この辺の観点もやはり取り入れていく必要があるんじゃないかなと思います。  また、健康事業に関しては、福祉の分野でやりたいと思います。  もう緑になりましたので、余り無理をしても、二日目でございますのでいけないと思いますので、この辺で自由民主党の質問を終わらせていただきます。 ○河野俊弘 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○河野俊弘 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時五十六分散会...