世田谷区議会 2018-09-19
平成30年 9月 定例会-09月19日-02号
平成30年 9月 定例会-09月19日-02号平成30年 9月 定例会
平成三十年第三回定例会
世田谷区議会会議録第十三号
九月十九日(水曜日)
出席議員(四十九名)
一番 ゆさ吉宏
二番 加藤たいき
三番 おぎのけんじ
四番 青空こうじ
五番 あべ力也
六番 ひうち優子
七番 上川あや
八番 すがややすこ
九番 山口ひろひさ
十番 石川征男
十一番 安部ひろゆき
十二番 高岡じゅん子
十三番 田中みち子
十四番 阿久津 皇
十五番 佐藤美樹
十六番 小泉たま子
十七番 河村みどり
十八番 津上仁志
十九番 菅沼つとむ
二十番 石川ナオミ
二十一番 河野俊弘
二十二番 三井みほこ
二十三番 大庭正明
二十四番 田中優子
二十五番 桃野よしふみ
二十七番 福田妙美
二十八番 高久則男
二十九番 山内 彰
三十番 真鍋よしゆき
三十一番 上島よしもり
三十二番 江口じゅん子
三十三番 桜井 稔
三十四番 たかじょう訓子
三十五番 中村公太朗
三十六番 藤井まな
三十七番 岡本のぶ子
三十八番 平塚敬二
三十九番 板井 斎
四十番 和田ひでとし
四十一番 上山なおのり
四十二番 畠山晋一
四十三番 中里光夫
四十四番 村田義則
四十五番 羽田圭二
四十六番 風間ゆたか
四十七番 中塚さちよ
四十八番 諸星養一
四十九番 佐藤弘人
五十番 高橋昭彦
欠席議員(一名)
二十六番 そのべせいや
出席事務局職員
局長 本橋安行
次長 井上徳広
庶務係長 星野 功
議事担当係長 水谷 敦
議事担当係長 長谷川桂一
議事担当係長 下村義和
議事担当係長 岡本俊彦
議事担当係長 菊島 進
議事担当係長 末吉謙介
調査係長 佐々木 崇
出席説明員
区長 保坂展人
副区長 宮崎健二
副区長 岡田 篤
世田谷総合支所長
平澤道男
北沢総合支所長
髙木加津子
玉川総合支所長
岩元浩一
砧総合支所長 澤谷 昇
烏山総合支所長
西澤 滋
政策経営部長 岩本 康
財政制度担当参事
松永 仁
総務部長 中村哲也
庁舎整備担当部長(
施設営繕担当部長兼務)
松村浩之
危機管理室長 工藤 誠
財務部長 進藤達夫
生活文化部長 田中文子
地域行政部長 志賀毅一
スポーツ推進部長
内田政夫
環境政策部長 畝目晴彦
経済産業部長 久末佳枝
清掃・リサイクル部長
原田茂実
保健福祉部長 板谷雅光
障害福祉担当部長
松本公平
梅ヶ丘拠点整備担当部長(
保健福祉部長兼務)
板谷雅光
高齢福祉部長 瓜生律子
子ども・若者部長
澁田景子
保育担当部長 知久孝之
世田谷保健所長
辻 佳織
都市整備政策部長
渡辺正男
防災街づくり担当部長
関根義和
道路・交通政策部長
小山英俊
土木部長 五十嵐慎一
豪雨対策推進担当参事
桐山孝義
教育長 堀 恵子
教育次長 淺野 康
教育政策部長 工藤郁淳
生涯学習部長 花房千里
総務課長 菅井英樹
────────────────────
議事日程(平成三十年九月十九日(水)午前十時開議)
第 一 代表質問
第 二 一般質問
第 三 議案第八十四号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例
────────────────────
本日の会議に付した事件
一、日程第一 代表質問
二、日程第二 一般質問
三、日程第三
企画総務委員会付託
────────────────────
午前十時開議
○三井みほこ 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
────────────────────
○三井みほこ 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第一 代表質問
○三井みほこ 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。
質問通告に基づき発言を許します。
自由民主党を代表して、四十一番
上山なおのり議員。
〔四十一番
上山なおのり議員登壇〕(拍手)
◆四十一番(上山なおのり 議員) おはようございます。質問通告に従い、
自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。
日本戦後復興の象徴であり、また一九六四年
東京オリンピックメーン会場であった国立競技場がその歴史に幕をおろし、はや四年数カ月、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会の開催まで二年を切り、佳境に入った新国立競技場の建設工事の状況を目にするたびに、新たな歴史を刻むスポーツの祭典がいよいよ迫ってきたという期待感が込み上げてまいります。
昨今のスポーツ界では、ゴルフやテニス、また、今月二日に閉幕したアジア大会でMVPを獲得した池江選手の競泳などさまざまな個人競技において、日本人選手が好成績をおさめています。個人では欧米人にかなわないとこれまで言われてきた種目において、日本人選手が活躍するたびに、感嘆と尊敬の念を抱いておりますが、一方で、二〇一六年
リオデジャネイロオリンピックにおいて、強豪ひしめく中、見事銀メダルを獲得した陸上男子四掛ける百メートルリレーや野球、ソフトボールなど個々の力を集結し、チーム一丸となって戦う団体競技も日本人の特性を最も生かすスポーツであることは間違いありません。
その一例と言えるのが、本年六月から七月にかけて開催された
サッカーワールドカップロシア大会における
日本代表チームではないでしょうか。残念ながら、あと一歩のところで史上初の
ベストエイト進出を逃したものの、アジアの代表国として、南米勢から
ワールドカップ大会で初白星を上げるなど、前評判を覆し、我々日本国民に大きな感動と勇気を与え、大会を去った実績は称賛に値します。就任後のわずかな期間でチームを一つにまとめ上げ、躍進させた西野前監督を初め日本代表選手の皆さんには、最大の敬意を表するものであります。
今やワールドカップ本大会の出場常連国となり、またロシアの地で華々しい活躍を見せた
日本代表チームであっても、アジア最終予選の最中には余りにも低調な試合内容が続いたため、本戦出場を逃すことで危機感を持たせたほうが日本サッカー界の将来のためにはよいではないかと荒療治を支持する声も上がっていたそうであります。しかし、今大会で快進撃した
日本代表チームの勇姿を見る限り、世界のトップクラスの選手と対峙する機会を設けて経験を積ませるとともに、ベテラン選手の経験値と若手選手の勢いを巧みに融合させることは、非常に意味深いものであると実感した方も多いのではないでしょうか。
今大会で若手と呼ばれた選手たちが、四年後、八年後にはベテランとしてチームを牽引し、目標に向かって突き進む姿をさらに若い選手たちがお手本にするサイクルを絶やさずに、チームの総合力、ひいては日本の強みをよどみなく高め続けることを大いに期待するものであります。
一方、我が世田谷区でありますが、保坂区長というリーダーのもと、ベテラン職員から若手職員へのスキルの継承やノウハウの共有は滞りなく進んでいるのでしょうか。また、将来にわたり世田谷区の強みを発揮し得る財政基盤の確立は進んでいるのでしょうか。他自治体にまさるとも劣らない組織力と団結力を備え、しっかりとした土台を築かない限り、保坂区長が立派だと自負する施策を幾ら打ち出したとしても、砂上の楼閣のごとく、安定した行政運営は期待できません。今こそ地に足をつけた行政運営を心がけ、さらなる少子・高齢化による社会保障費等の増大や老朽化が進む公共施設の更新等に伴う行政需要の高まりにも対応可能な体制を整えておくべきであります。
そこでまず、行政経営改革について伺います。
保坂区長が誕生し既に七年が経過しましたが、この間、我が会派は、保坂区長の議会軽視を初めとした数多くの言動に苦言を呈し、九十万自治体を預かるリーダーとしての資質を問うてまいりました。その最大の理由は、行政経営改革に打ち込む積極的姿勢が欠如しているためであります。優先性、必要性、そして公平性といった行政経営に携わる者として当たり前のことすら深慮せず、この七年間で次々に新規施策を事業化し、膨れに膨れ上がった財政規模こそその象徴なのではないでしょうか。
当の保坂区長は、ことしの第一回定例会において、肥大化する平成三十年度予算の是非をただした我が会派の代表質問に対し、急速な高齢化等に伴う社会保障費の増や
保育待機児童対策の拡充などにより民生費が増大するとともに、人口増による行政需要の拡大に伴い、当初予算額が三千億円を突破したと、まるで他人事のように歳出増の言いわけを淡々と述べられていましたが、これでは自治体経営者としての危機感がないと指摘されるにとどまらず、当事者意識すら感じられないと非難されても仕方がありません。
このたび、ようやく区長は重い腰を上げ、新実施計画後期に掲げた行政経営改革の取り組みを進めるとのことでありますが、その内容は、
業務プロセス分析による事業手法の改善や新公会計制度を活用した新たな
行政評価システムの構築など、いわゆる言葉遊びとでも申し上げましょうか、相変わらず表面的かつ仮想的な文言を並べただけの薄っぺらな表現であるとの印象を受けざるを得ません。しかし、この七年間の保坂区政のもとで増大し続ける区の事務事業や、区長の言動に翻弄されている区職員に思いをめぐらせると、
業務プロセス分析による事業手法の改善に光明を見出すことは皮肉にも理にかなった思考と言えるかもしれません。
事業手法の改善に着手する以上、効率化が可能な業務を徹底的に洗い出して整理するとともに、限られた財源と人員で最大の効果を発揮する組織づくりを目指す必要があります。もう我々は口先だけの空虚な行政経営改革の理念を聞き飽きました。改革を推進するためには何よりもトップの意気込み、本気度が重要であり、区民を初め区職員にその思いを浸透させなければなりません。AIやRPA、ロボティック・プロセス・オートメーションを活用して人件費の削減に成功した自治体もあると聞いておりますが、
業務プロセス分析による事業手法の改善を区長はどのように進めるのか、今後のスケジュールを含め、具体的かつ明快な答弁を求めます。
さて、未来を見据えた行政手法による改革と聞いて、皆さんはどのような心象を描くでしょうか。保坂区長が発する言葉らしく、非常に聞こえのよい、上辺だけの表現であると感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、厳しい現実を直視せず、はぐらかすかのような美辞麗句を並べるだけでは、行革の成果は上がりません。保坂区長は、ふるさと納税による税源流出を初め、区固有の財源が失われていることに対し、折に触れて
クラウドファンディング等による寄附の呼びかけを行ってはいるものの、一朝一夕で成果が上がるものではありません。やはり行政経営改革の王道である事務事業の見直しを余すところなく念入りに行い、行政の無駄を省くべきであります。
二期目四年の任期も残すところ半年、遅きに失した感は否めませんが、今からでも行革に目を背けず、また逃げることなく事業の縮小や廃止も辞さない徹底した事務事業の見直しに着手すべきです。果たして区長にその覚悟があるのか見解をお聞きいたします。
続いて、来年度の予算編成についてです。
皆様御存じのとおり、ことしの予算特別委員会において、我々が提出した北沢小学校統合に伴うスクールバスの運行と一般型の
ワークスペース補助事業の予算を組み替える動議は、いずれも賛成多数で可決しました。地域の公平性を配慮することなく、また議会の理解を得ぬまま、施策の優先順位をつけずに安易に事業化しようとする区長の姿勢が、予算審査を通じて厳しくただされたことは記憶に新しいところであります。
その
ワークスペース補助事業一般型の実施を見送るための補正予算が今定例会に提出されていないことからも、区はいまだに事業化に向けて検討しているものと察しますが、行政が実施する必要性や事業効果を考慮し、撤退すべきであると我々は考えております。
さて、我が会派が以前より申し上げているとおり、保坂区長のもとで編成される予算には、スピード感や積極性を掲げるものの、その実は区長の思いつきのアイデアを拙速に実行に移すだけではないかと首をかしげたくなる事業が散見されるのも事実です。自治体の政策立案は新規性を追い求めることではなく、施策の必要性に関する明確なデータに基づいて制度を構築し、その自治体で暮らす住民生活の安定、向上を目指すことこそが本質であり、重要なのであります。その点を踏まえ、平成三十一年度予算の編成に臨むべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
また、先月には、イタリア北西部のジェノバで高架橋の崩落事故が起きましたが、報道によると、以前より構造上の問題が指摘されていたにもかかわらず放置されていたことが原因と言われております。区民の生活を守るという区の最大の責務を果たすためには、やはり道路、橋梁などの都市整備施設の安定的な維持更新が不可欠であります。目新しい事業を安易に次々と予算化するのではなく、舗装更新計画や
橋梁長寿命化修繕計画に基づき、都市インフラを着実に維持更新し、盤石な都市基盤を構築するための予算を十分に確保する必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。
続いて、道路整備についてお聞きします。
これまでも繰り返し申し上げてまいりましたが、我が会派は限りある財源及び人材を行政が直接担わなければならない分野に効果的かつ効率的に配分する必要があるとの考えから、小さな政府の実現と民間活用の推進に全力で取り組んでまいりました。しかし、保坂区政の誕生以降、小さな政府という概念からはかけ離れた区政運営が行われていると言わざるを得ず、それが昨今の放漫財政に帰結しているものと認識しております。区の裁量の範囲内であれもこれも着手するという緩慢な区政運営から脱却しない限り、強固な財政基盤の確立が不可能であることは間違いありません。
そして我が会派は、区民の生命と財産を守ることに主眼を置き、災害に強いまちづくりの実現に向けた都市基盤整備、特にその骨格となる道路整備こそ行政が率先して果たさなければならない事業であると考えます。我々の主張に対し、区長はどのような見解をお持ちであるのか伺います。
さて、保坂区長が補助五四号線のⅡ期、Ⅲ期区間を第四次事業化計画の優先整備路線から外して二年半が経過しました。この間、都区では、未着手の都市計画道路のうち、優先整備路線に選定されなかった路線のあり方について協働して検討を進めているようですが、世田谷区としてはどのような考えを持って検討に臨み、どのような部分を重要視して意見を上げているのでしょうか。二〇二一年度末の完成を目指す補助五四号線Ⅰ期区間の事業進捗状況とあわせてお答えください。
道路整備に関し、もう一点質問いたします。
区内には、土地所有者が不明なため、区の
私道整備助成事業の対象であっても関係者全員の合意が得られず、なかなか整備、改修に至らない私道があると伺っております。また、管理不全の空き家と同様に、今後、相続等により私道の権利関係がさらに複雑化するおそれもあります。区は、この課題をどのように認識し、解決を図るつもりでいるのかお聞かせください。
次に、本年七月に西日本を襲い、平成史上最悪の被害をもたらした記録的豪雨、また今月六日未明に発生した
北海道胆振東部地震に関連し、何点か質問してまいります。
またしても多くのとうとい命が自然災害の犠牲となってしまいました。犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。大自然の脅威に対して絶句するとともに、抗うすべがない人間の無力感にさいなまれたのは私だけではないと思います。しかし、改めて申し述べるまでもありませんが、我々はこのような激甚災害を忘れることなく教訓とし、英知を結集して、災害に強いまちづくりをひたむきに推し進めるしかないのであります。
人命を守ること以上に優先されるものはありません。我が会派も区民の生命と財産を守るため、これからも全力で区政に取り組んでまいります。
さて、さきの西日本豪雨を初め、世田谷区でも先月二十七日、一時間の最大雨量が百十一ミリを記録する豪雨が発生しました。日本各地で想定を超える降雨量のため、河川が氾濫する災害が相次いでおり、過去の気象データが必ずしも当てにならない局面を迎えていると考えるべきであります。
区では、本年六月に
豪雨対策行動計画を策定し、平成二十八年度末現在で三十八・八万立方メートルである流域対策量を二〇二一年度までに五十一・五万立方メートルに引き上げる目標を掲げました。
雨水貯留浸透施設の設置や緑地の保全に全力を挙げ、早期の目標達成を目指すとともに、想定外の集中豪雨に対応するため、計画目標をさらに高める必要もあると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
また、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市では、地域防災計画で定めている発令基準を満たす以前に避難勧告等を発令して早目の避難を呼びかけたそうであります。しかし、エリアメールの受信装置を持っていない方や、激しい雨音のため防災無線を聞き取れなかった方も多かったと伺っております。
区では、昨年、避難行動要
支援者避難支援プランを策定したことは承知しておりますが、情報弱者や避難行動要支援者等への支援策の強化に終着点はありません。高齢者を初めとする災害弱者と呼ばれる方々の命を守るためには、さらに積極的な支援に取り組むべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
また、消防庁によると、西日本豪雨による避難指示、避難勧告の対象者数は約八百六十万人に上ったそうですが、一方で、自治体指定の避難所に避難された方は三万人以下と想像以上に少なかったことが被害拡大の一因とも言われております。また、過去に何度も避難指示が出たが何も起きなかった、よくある大雨、今まで同様、大したことはないだろうという正常性バイアスや経験の逆機能が心理的に働いてしまうことで、大きな危機に気づかずに逃げおくれた方が多かったとの報道もあります。
区においては、避難指示等の発令後に周囲の住民に避難行動を促すことの重要性を防災訓練などを通じて改めて区民に周知するとともに、今回も大丈夫だろうという思い込みを断つために、
地域防災リーダー等に率先して避難行動を促してもらうことも有効な手段であると考えますが、見解を伺います。
災害対策関連についてもう一点質問いたします。
災害時には、延焼遅延帯または緊急避難帯として機能すると言われている農地でありますが、実際に東日本大震災の発生の際には、区内においても通学路沿いの農地で作業をしていた方の呼びかけにより、近所の小学生たちを農地に避難させた事例があるそうです。しかし、区内の農地は減少の一途をたどり、
土地利用現況調査によると、今や百ヘクタールを切っている状況であり、区はさまざまな方策を駆使して重要な地域資源である農地の減少を食いとめなければなりません。例えば看板を設置して一時的な避難場所としての機能を周知するなど、農地の多機能性を次世代を担う子どもたちにPRすることで都市農地に関する理解をさらに広げることができると考えますが、区の見解をお聞かせください。
次は、三軒茶屋の再開発についてです。
区内三カ所の広域生活・文化拠点の一つである三軒茶屋は、今後、区がさらなる成長を遂げるためには欠かすことのできない重要なエリアであることは間違いありません。区のもう一つの広域生活・文化拠点である二子玉川や渋谷を初めとする都心各地と東急田園都市線で結ばれている地理的特性を生かし、区における東の玄関口である三軒茶屋がさらに発展することを地元の多くの方々が願っています。大型開発ノーを掲げて当選された保坂区長であっても、地元住民の意見に耳を傾け、全力で再開発を促進してもらいたいものです。
さて、現在、三軒茶屋駅周辺地区では、既に地権者を中心に市街地再開発準備組合が設立され、今年度中には
駅周辺まちづくり基本方針の策定を目指していると伺っております。「継承し、残していきたい街の魅力」、「空間・動線や安全面での課題の多い都市基盤」、「発展の契機を活かした新しい魅力創出の可能性」という三つの特色に着目し、三軒茶屋における産業の特性やにぎわいの創出、また職住近接の視点を取り入れて基本方針の検討を進めていることは一定の評価をするものであります。
しかし、三軒茶屋といえば、昨年に頓挫した行政機能の集約の課題がいまだに解決されない状態であることからも、区が率先して公共施設整備の必要性を発信し、関係者からの意見を聞きながら、
駅周辺まちづくり基本方針に公共施設整備の考え方を反映させるよう取り組むべきであると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
続いて、本庁舎整備についてお伺いします。
ことしの区民意識調査によると、本庁舎整備計画を知らない方が過半数以上を占めており、区民の関心はまださほど高くない状況であると言えますが、本庁舎整備に関しては、工期が五年、概算事業費が四百十億円もかかる
一大プロジェクトであることからも、今後、
整備スケジュール等が詳細に示されるにつれ、区民の関心が高まっていくことは想像にかたくなく、今のうちからしっかりとした整備計画を練り上げておく必要があります。
本庁舎整備の経緯を振り返りますと、保坂区長のスタンスが不明瞭であったため、迷走を繰り返し、
整備基本構想策定以前から相当の時間と労力を費やしてきました。整備方針さえ区長みずから決められずに外部任せにした影響は、区民会館の整備手法がなかなか定まらないなど、現在に至っても尾を引いていると言わざるを得ません。
そのような中、区は、この間の我が会派からの指摘により、区民会館整備における耐震性能確保に向けた手法の検討結果を示しましたが、それによると、区民会館に関しては、改修工事によって、当初示していた構造体Ⅱ類相当からⅠ類相当の耐震性能を確保する方針に切りかえ、検討を進めるようです。
そこで、忘れてはいけないのは、本庁舎整備に限らず、最近の区政全般に言えることかもしれませんが、目先のことだけではなく、将来を見据えた検討を行い、その結果を次世代に継承する視点であります。具体的に申し上げますと、改築の場合と比較して、躯体の寿命が短い改修工事を選択するのであれば、次の更新時期を示すとともに、どのような手法で区民会館を再整備するのが最善であるのかを検討し、明示しておくことが区民共通の財産である公共施設を預かる区の責務であると考えますが、区の見解をお聞かせください。
次は、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会についてお聞きします。
去る七月、東京二〇二〇オリンピック二年前イベントが、そして先月にはパラリンピックに向けた二年前イベントがそれぞれ開催され、私も参加させていただきました。オリンピック二年前イベントについては、台風接近の影響により、予定していたプログラムの一部を中止せざるを得ない状況になったものの、両イベントとも多くの区民の方々が来場されていました。また、冒頭でも触れた
東京オリンピックの前哨戦とも言える
アジア競技大会が、先日インドネシアで開催され、馬術競技団体で六大会ぶりの金メダルを獲得するなど、日本選手の目覚ましい活用を連日のように観戦し、東京二〇二〇大会がいよいよ間近に迫ってきたと実感された方も多いのではないでしょうか。
そのような中、区では二〇二〇大会への機運をさらに盛り上げようと、今後も趣向を凝らした各種イベントの実施を予定していますが、行政の自己満足で終わることなく、商店街や民間企業、大学等と連携し、オール世田谷で取り組むことで、町のにぎわいにつなげるよう強く要望するものであります。
また、区では、これまでもパラリンピックの正式種目であるボッチャの体験会などを通じて、パラスポーツの普及啓発に努めてきました。このたび、区は、日本ボッチャ協会と連携協定を締結するとのことでありますが、この機会を捉え、ボッチャを初めそれ以外のパラスポーツについてもさらに普及啓発に努め、パラリンピックの機運を高めるとともに、共生社会の実現に資するべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
一方、ボッチャなどパラスポーツを総合運動場体育館や小中学校の体育館で行う場合は、みずからがコートのラインを引かなければならず、会場設営に相当な手間と時間がかかってしまいます。今後、区が既存体育館を改修する際には、障害者と健常者がともに使えるユニバーサルな仕様に変えることはもちろん、パラスポーツにも対応可能なしつらえにするなど、施設面の充実に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。
さて、今後、区においては、アメリカ選手団のキャンプ地、またアメリカ合衆国のホストタウンとして、スポーツ、文化、芸術などさまざまな交流事業の実施が期待されます。特に子どもたちの心に残るレガシーを創出するためにも、小中学生を中心に、例えばハナミズキと桜の日米交流など多くの交流機会を設けるよう求めるものでありますが、区はホストタウン事業をどのように展開していく予定であるのかお聞きします。
また、行政だけではアイデアやマンパワーに限界があると思います。そこで提案いたしますが、区内にはアメリカの各都市と草の根的に交流を重ねている団体があり、そのような団体を支援しつつ、また協力を得て、コーディネートやボランティア等の依頼をしてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。
次は、受動喫煙対策についてです。
従業員を雇う飲食店については、面積にかかわらず、原則として屋内を禁煙とする受動喫煙防止条例がさきの都議会定例会において可決成立しました。国よりも厳しい規制を行う条例の内容を認知している都民が全体の五・一%にすぎない中、拙速かつ強行に条例制定を急いだ都の姿勢には疑問を感じざるを得ません。しかし、悪法もまた法なりとまでは申しませんが、たとえどのような条例であっても適法に定められ、効力が生じている限り、我々はその条例を遵守しなければなりません。
東京都は、学校や医療機関等における敷地内禁煙の取り組みや飲食店におけるステッカー表示の義務化を来年の九月一日までに、また条例の全面施行を再来年の四月までに実施するとしています。条例施行後に飲食店等に対する指導、取り締まり等の実務を担うのは保健所になりますが、七千軒近くある区内の店舗のうち、原則屋内禁煙の対象となる飲食店を把握するだけでも相当の時間を要することは明らかであります。
東京都からの具体的な説明がなく、区が苦慮している状況であることは認識しておりますが、都内自治体間で不公平な取り扱いとならぬよう、また混乱を招くことなく実効性のある取り組みを行えるよう、東京都に対しては早急に詳細な説明を求めるべきではないでしょうか。
また、区の事務がふえることからも、何らかの財源措置があってしかるべきと考えますが、東京都からは現時点でどのような説明があるのか、あわせてお聞かせください。
さらに、世田谷区は事業者としても条例を遵守する責務が生じます。現在、区が管理、保有する公共施設は八百を超えると聞いておりますが、喫煙場所の設置あるいは禁煙の周知徹底など、施設ごとの調整をどのように進める予定であるのかお聞きいたします。
続いて、生涯現役社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
終戦の日から七十三年を迎えた先月十五日、うだるような暑さの中、平成最後となる全国戦没者追悼式がとり行われ、さきの戦争で亡くなられた方々の鎮魂の祈りをささげるとともに、平和への祈りを新たにしたところでありますが、報道によると、追悼式への参列を申請した遺族のうち、戦没者の配偶者は全体の〇・三%となり、みずからも戦争を体験した遺族の高齢化が顕著にあらわれているようです。また、一昨日は敬老の日ということで、祖父母あるいは御両親とともに長寿のお祝いをされた方も多かったと推察いたします。
我々は、多年にわたり社会に尽くしてこられた御高齢の方々を敬愛し、長寿を祝う文化を次世代に継承するとともに、人生百年時代の実現に向けた取り組みをしっかりと進めていかなければなりません。
さて、区の将来人口推計によると、区内の高齢者人口は一貫して増加傾向が続き、十二年後には高齢者人口の比率が二一%に達して、いわゆる超高齢社会に突入する見込みでありますが、高齢者の生活をよりよいものにするためにも、また健康寿命の延伸のためにも、高齢者自身が地域や社会で活躍していただくことが何より重要であると考えます。しかし、会社員であった方などは、退社後、どのように地域や社会とかかわればよいか悩んでいる方が多いとも聞きます。
そこで提案いたしますが、PTA活動等を通じて地域とかかわる機会が比較的に多い子育て世代を生涯現役施策の対象として位置づけ、早期にアプローチを行えば、シニア世代になってからの地域参加をスムーズに促進できるのではないでしょうか。区の見解を伺います。
次に、地域包括ケアシステムについて伺います。
区がまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者連携による福祉の相談窓口を全二十七地区で開設してから二年が経過しました。保坂区長は機会あるごとにその成果を誇らしげに語られますが、窓口での複合的な相談に対しては、必要とされる適切なサービスにつながらないケースもあると伺っており、システムが正常に機能しているのか甚だ疑問であります。これまでの経緯を振り返りますと、保坂区長が開設時期を早々に決めて公約としてしまったがゆえ、肝心の体制についての検討が不十分なまま見切り発車をしてしまった弊害とも言えるのではないでしょうか。
我が会派は、相談窓口の設置だけではなく、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを包括的に提供する体制をしっかり構築し、その上で、地域共生社会の実現に向けた地域コミュニティーづくりを進めるべきとの立場であります。
区は、今年度、地域包括ケアシステムの深化、推進に向けた組織改正を行い、宮崎副区長がみずから担当参事として地域包括ケアシステムの検証を進めていますが、現時点ではどのようなことを課題と認識し、その解決に向けて今後どのように取り組むつもりであるのかお聞きいたします。
続いて、児童相談所の移管についてお聞きします。
目黒区で起きた大変痛ましい児童虐待事件の発覚から三カ月余りが経過しましたが、悲しいことにその後も虐待関連の報道は後を絶ちません。頼るべき父親や母親に暴力を振るわれ、絶望する幼い子どもたちのことを思うと、胸が張り裂けんばかりであります。また、同時に、他自治体の児童相談所との引き継ぎの課題、緊急的判断の難しさなど、児童相談所の運営が重大な使命を帯び、万全の体制をもって臨まなければならないことを改めて認識させられました。
目黒区の事案のような虐待死を防ぐため、政府はことし七月の関係閣僚会議において、国、自治体、関係機関が一体となって児童虐待防止対策を強化し、子どもの命を守る施策を推進することを確認しました。具体的には、今後四年間で現在不足している児童福祉司を約二千人ふやすことなどを盛り込んだ新プランを策定するとともに、児童相談所の支援を受け、かつ虐待による外傷があるといった緊急性の高い家庭が転居した際には、転居前と転居後の児童相談所職員が対面による情報を引き継ぐルールの徹底などが決定されたとのことであります。
一方、我が世田谷区でありますが、昨年三月時点の計画では八十一人としていた児童相談所と一時保護所に携わる職員体制を見直し、二十五人増の百六人の計画にする報告がありました。中でも児童福祉司はスーパーバイザーを含めて十人ふやし、三十三名とする予定です。しかし、先月、我が会派は熊本市の児童相談所を訪れ、県からの移管準備に関する事務や移管時の人員体制等について調査してまいりましたが、想像以上に人員確保に苦慮している現状を目の当たりにし、区の職員配置計画に大変不安を覚えているところであります。
地域包括ケアのような開設時期ありきで物事を進めてはいけません。我が会派は以前より申し上げているとおり、人材や財源の確保が不透明なまま移管を受ければ、逆に組織の弱体化につながり、児童虐待への対応を悪化させるおそれがあるのは火を見るより明らかであります。区は、東京都に対し児童相談所の開設に係る連携体制の構築に真摯に向き合うよう要請していることは承知しておりますが、子どものとうとい命を守るためにも、保坂区長はさらに都に対して真剣に働きかけ、人材面や財政面における都のバックアップを確実に引き出し、区民の不安払拭に努めるべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
最後に、キャリア教育について伺います。
民間企業の学生モニター調査によると、八月一日時点における来春卒業予定の大学生の就職内定率は八五%を超えており、今後もしばらくはいわゆる売り手市場が続くものと予想されますが、一方で、厚生労働省の統計によれば、新規大卒就職者のうち、三年以内に離職した人の割合が三〇%を超えている状況が続いているのも事実であります。
中には、勤めていた企業でさまざまなスキルやノウハウを身につけ、キャリアアップするために離職もあるのでしょうが、働く目的や意義が明確でないまま就職した結果、仕事内容等とのミスマッチにより離職する若者が多いとも聞きます。このような場合は、離職者本人に職業能力が蓄積されにくいため、その後も非正規雇用者として転職を繰り返すケースが多いとの研究結果もあるようですので、学生の皆さんには固定観念や先入観に捉われることなく、自己分析や企業分析等をしっかり行い、悔いの残らない就職活動に励んでいただきたいと思います。
また、知名度が高くない中堅、中小企業の多くが新卒者の採用に苦戦を強いられていることからも、仕事に対して意欲的に取り組む姿勢や態度を身につけることを初め、いろいろな職業や職種が存在することを子どもたちに教える機会となっているキャリア教育の重要性は、今後ますます高まっていくのではないでしょうか。
これまでも子どもたちが働くことの意義をみずから考え、また職業観を学ぶことで、将来、社会人として自立していくことができるよう、教育委員会では積極的にキャリア教育を実施していますが、この間の成果をどのように評価しているのか、まずお聞かせください。
また、今後のキャリア教育の展開として、人材不足や後継者不足等、自分たちが住む地域における産業界の課題を職場体験等を通じて子どもたちに伝え、その原因や解決策を検討させることで、我が国における人口減少問題を身近な問題として深く考えさせてはいかがでしょうか。人口減少社会の克服、またさらなる経済成長の実現のためにも、必要かつ有意義な取り組みであると考えますが、見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 上山議員にお答えいたします。
一点目は、行政経営改革についてでございます。
今後、人口増や単身世帯の拡大が進み、支えあい、助け合いの関係性の希薄化も進む中で、基礎自治体としてよりきめ細やかな対策が求められております。今後とも、区民生活を支えていく充実した行政サービス、特に対人サービスを維持するために、あらゆる分野で業務改善により職員が能力を十分に発揮できる環境を確保することが喫緊の課題であると考えております。
予算編成に先立ちまして、民間の活用など業務改善の取り組みについて全庁から提案を募るとともに、業務を支援するRPA、ロボティック・プロセス・オートメーションなどの導入についても指示したところであります。
今年度から順次改善を進めるとともに、三十一年度からは、民間コンサルタントも含めて
業務プロセス分析を行い、業務改善を本格的に進めていきたいと考えています。
現場での職員の声、知恵を十分に聞き、発揮してもらうこと、持てる力を十分に出していただくこと、最小の経費で最大の効果を上げられる組織とするために、世田谷区役所版働き方改革を推進してまいります。
二点目に、事務事業の見直しに関連をした御質問です。
行政経営改革の中でも私が事業執行の手法を根本から見直す作業を継続してきました。電算システム改革、電力調達改革、仮設建設物の抑制やリノベーション等で招集挨拶で申し上げたとおり、二十八億六千万円の歳出抑制を生んだところでございます。
行政需要が多様化、複雑化し、区民ニーズや政策目的が事業間で相互に関連し合う中で、一つの事業を取り出して、これを縮小廃止するということは、かつてのように容易ではない状況にあります。したがって、事務事業の見直しには、従来手法にとどまることなく、各事業がどのように区民生活に寄与し、政策効果を上げているのかどうかと区民からの視点が重要だと考えています。
今年度より新公会計制度が導入され、経費と成果の関係を明確化するなど、行政評価手法の再構築を進めておりますが、こうした手法も活用しながら事務事業の意義を捉え、議会からの御意見も踏まえながら、行政経営改革を着実に進めてまいります。
次に、三十一年度予算編成についての姿勢について御質問です。
来年度の予算編成に向けては、子育て支援の充実、地域包括ケアシステムの推進など、区民の暮らしに直結する重点政策を最優先に、新実施計画後期を着実に推進していく旨、庁内に指示をしたところでございます。
新実施計画後期の策定に当たりましては、改めて社会情勢の変化や新たな社会的な課題を捉え、区民の暮らしを守り、参加と協働を一層推進する視点から、庁内での議論を重ねるとともに、区議会からもさまざまな御指摘をいただきました。区民生活の安定、向上を目指す上でも、新たにスタートした新実施計画後期をきちんと進めていく、推進していくことが重要だと考えています。
さらに、議員御指摘になりました都市基盤強化につきましては、この間の豪雨・治水対策等に一層力を入れ、加速していく必要があり、今般発生した台風二十一号や
北海道胆振東部地震などの大規模な災害発生時の被災状況からも、大変重要であると改めて認識しているところであり、都市インフラについて計画的な維持更新も必要である、これは不可欠であると考えています。
引き続き、限りある財源を効率的、効果的に配分することを念頭に、区民生活の諸課題に目を配り、議会への的確な御説明と議論を尽くし、必要な施策を見きわめながら予算編成に取り組んでまいります。
次に、道路整備についてであります。
道路は、災害時において避難、緊急物資輸送、延焼遮断などの役割を担い、救命救急、被害拡大の防止、迅速な復旧復興に不可欠なものであり、災害に強い町をつくるためには、その骨格となる道路の整備を計画的に、速やかに進めることが重要であると認識しています。
世田谷区は、狭隘な道路の割合が極めて大きく、都市計画道路の整備率も五割といまだに低い水準であることから、区では、せたがや道づくりプランを平成二十六年三月に策定し、都市計画道路から地先道路に至るまでの道路網の早期形成に取り組んでいます。
今年度は、せたがや道づくりプランの中で特に早期整備が望ましい路線として位置づけた区間の一部について、新規事業着手に向け動き出したところです。今後、区の財政状況や全体の道路整備の進捗状況などを見きわめるとともに、引き続き道路ネットワークの計画的な整備に向けて優先度の高い路線の事業化を目指してまいります。
最後に、児童相談所についての決意についてお尋ねがございました。
児童相談所の移管につきましては、子どもの最善の利益が確保され、児童虐待の予防と再発防止が徹底された児童相談行政を一日も早く実現させるため、最短で平成三十二年四月の開設を目指し、準備を進めております。
政令指定要請の提出に係る一定の判断を行うとしてきた十二月が近づいておりまして、議員より御指摘がありました東京都のバックアップについて、現在協議をまさに詰めている時期に入ってございます。また、万全の体制で児童相談所開設を迎える上でも、この確かな見通しは必ず立てていかなければならないと認識してございます。
引き続き、区長会を挙げて東京都に強く要望していくとともに、区が目指す予防型の児童相談行政の実現に向け、強い決意とリーダーシップを持って、全力で都との協議に臨んでまいります。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。
最初に、ボッチャ、パラスポーツの普及啓発についてでございます。
区では、東京二〇二〇
パラリンピック競技大会の開催を障害者スポーツ推進の最大の好機と捉え、スポーツ推進計画後期年次計画で定める障害者のスポーツ活動の推進、障害のある人とない人の交流の促進、パラリンピックの機運醸成を図るため、普及啓発等の取り組みを進めております。
東京二〇二〇大会の開催まで二年を切る中、大会後のレガシーを見据えた取り組みの一つとして、パラリンピックの正式種目でありますボッチャに区民、事業者、区で取り組んでいきたいと考えております。また、ボッチャに限らず、パラリンピックの機運醸成イベントや障害のある人とない人もともに楽しめるスポーツ・レクリエーション交流事業、スポーツ振興財団と連携したユニバーサルスポーツ推進事業等におきまして、駒沢公園で全日本大会が実施されているフライングディスクを初め、車椅子バスケットボールやブラインドサッカー等、さまざまな種目の体験会等を実施しており、今後も新たな種目の実施にも継続的に取り組んでまいります。
障害者スポーツの推進に当たりまして普及啓発を進め、活動を支える人材の育成、用具や実施場所の確保等に早急に取り組んでまいります。
今後、パラリンピックの機運醸成を図るとともに、スポーツの力を生かして共生社会を実現してまいります。
次に、地域包括ケアシステムについてでございます。
区では、平成二十六年度に策定いたしました地域保健医療福祉総合計画に基づき、各施策の充実や施設の整備など、地域包括ケアシステムの基盤整備を積極的に推進するとともに、身近な地区での福祉の相談窓口の充実と、地区の課題を地区で解決する参加と協働による地域づくりに取り組む地域包括ケアの地区展開を進めてまいりました。この相談窓口の区民への周知度は少しずつ高まってきていると思っております。
また、この間の取り組みを通しまして、現時点での大きな課題は、精神に問題を抱える方の顕在化への対応、子ども家庭に関する相談体制の充実など、福祉の相談窓口を支える、総合支所及び本庁の体制強化であると認識しております。
こうした課題認識のもと、来年度、全区並びに地域における精神福祉分野の相談、連携体制の強化に取り組むとともに、児童相談所の移管を踏まえ、総合支所及び保健福祉領域の組織体制を順次強化してまいります。
区民に対します包括的、継続的な支援を行うため、職員の対応力強化を図るとともに、区民、事業者、関係機関、区の共通理解による切れ目のないネットワークの形成に努め、地域共生社会の実現に向けた地域コミュニティーづくりを目指して、地域包括ケアシステムの深化、推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。
まず、都における都市計画道路の検討に対する区の検討姿勢と下北沢補助五四号線Ⅰ期区間の進捗状況について御答弁いたします。
未着手の都市計画道路のうち、優先整備路線に選定されなかった路線のあり方につきましては、これまで都区市町で検討を重ね、本年七月に東京における都市計画道路のあり方に関する基本方針中間のまとめを公表いたしました。二十三区の都市計画道路の中でも、我が区の整備率は低く、道路整備のおくれによるさまざまな課題を抱えております。
区はこの課題解決のために、二十三区一体となった都市計画道路網の形成とその機能発揮を基本的考えとし、未着手の都市計画道路について、実際に事業を行う際の課題なども見込みながら検討に参加をしているところでございます。
その中で、今回公表した中間のまとめで検証事項に挙げている計画重複等に関する検証につきましては、都市計画道路と公園が広く重複する地域が区内にもあることから、課題があると認識しております。このため、区では、これまで検討の場において円滑な事業を行えるよう、個々で異なる重複の状況に合わせ、さまざまな解決手法を検討すべきとの意見を伝えてまいりました。
一方、既に事業中である下北沢の補助五四号線第Ⅰ期と世田谷区画街路一〇号線につきましては、現在、鋭意事業推進中であり、今年度は駅前部分の仮整備工事を実施いたします。用地の取得率は昨年度末時点で約三割となっており、今後、引き続き事業推進に努めてまいります。
次に、本庁舎整備に関連しまして、区民会館を改修とした場合の更新時期と整備手法について御答弁申し上げます。
本年六月に策定いたしました本庁舎等整備基本設計方針において、基本設計を進めるに当たり、プロポーザル提案内容において特に設計者選定委員会で高く評価された点を区の基本設計の基本的考え方とし、その一つである区民会館ホールの保存、再生につきましては、議会での御意見を踏まえ、耐震診断に基づき耐震性能の向上等について検討していくといたしました。
その後、耐震性能、ホール機能、コスト、工期などについて複数の改修案に加え、改築の場合も参考に比較検討を行ってまいりました。耐震診断等をもとに検討した結果、一般的な耐震改修によっても、構造体Ⅰ類相当の耐震性能が確保でき、全ての建物をⅠ類とすることにより、災害時の機能継続の連続性が向上すること、改築した場合の経費と比較し、八割程度の費用であること、またホールの機能向上が図られることなど、基本構想等で求める機能等を満足していることから、区といたしましては、耐震改修によって構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する手法で設計を進めていく考えをお示ししたところでございます。
改修後の更新時期でございますが、区の公共施設等総合管理計画においては、基本的に構造躯体の耐用年数を築六十五年程度とし、長寿命化可能な施設は築九十年としております。区民会館ホールは築六十年近く経過しておりますが、躯体の状態が良好で、今回長寿命化の改修を行い、三十年後に改めて躯体の状態や求められる施設機能の変化などを踏まえ、総合的に判断する必要があると考えております。御指摘のように、将来を見据えつつ、本庁舎等の早期整備を目指し、引き続き取り組んでまいります。
以上でございます。
〔堀教育長登壇〕
◎堀 教育長 キャリア教育について二点御質問いただきました。まず、この間の成果をどのように評価しているのかという御質問です。
キャリア教育の取り組みは、平成十一年の中央教育審議会で、若者の職業観や雇用問題等の課題を改善するため、発達段階に応じたキャリア教育の必要があるという提言から始まりました。その後、約二十年間の実践を踏まえ、私ども教育委員会も第二次教育ビジョン・第二期行動計画にこれからの社会を生きる力の育成を基本方針として位置づけ、職場体験やキャリア教育を推進することを明記しております。
各学校の教育課程編成の際にもキャリア教育を積極的に推進するように指導するとともに、小学校高学年と中学生用にはキャリア学習ノートを作成、配布したり、キャリア教育担当教員の研修会を実施したりしております。
また、キャリア教育をテーマとした研究指定校の取り組みも継続しております。例えば研究指定校では、児童生徒が将来の生き方や働き方について、みずから考え行動することにより、人間関係形成能力やキャリアプランニング能力といった基礎的、汎用的能力の育成が図られるよう実践研究を行うなど、その成果は区内小中学校に広く発信してきております。
これらの取り組みを通して、子どもたち一人一人の自立につながる社会的、職業的な基盤が形成でき、望ましい勤労観や職業観が育成されていると考えております。
次に、今後のキャリア教育の展開として、人口減少問題を身近な問題として深く考えさせてはいかがかという御質問です。
お話しのように、平成二十九年に出された国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の五十年後、二〇六五年の人口は約八千八百万人と、一億人を切る予測が出されるなど、少子化はますます進展すると言われております。しかし、一方で内閣府は、ことし六月、今後の技術革新によってもたらされる社会のありようについて、ソサエティ五・〇を出し、少子・高齢化などに対応しながらも、人工知能AIやロボット技術で生産性を劇的に向上させ、持続可能な経済成長をなし遂げるというビジョンも掲げております。
社会は大きく変化していくと言われております。予測困難と言われるこれからの時代を生きる子どもたち、そのような社会を支える子どもたちの職業選択には、これまで以上にさまざまな視点と経験が求められていると考えております。このことを踏まえ、議員お話しの少子・高齢化や高度情報化、グローバル化などの現代的な課題について、キャリア教育を通した主体的な学習議論が大変意義のあることだと考えております。
私ども教育委員会は、社会の大きな変容を見据え、子どもたちが社会性を育み、夢や希望を持って自分らしい生き方を実現していくためのキャリア教育を今後もより一層充実させてまいります。
以上でございます。
◎五十嵐 土木部長 私からは、所有者不明私道の対応についてお答えいたします。
土地所有者が不明なため、私道整備助成の条件である土地所有者の承諾がとれず、整備までに至らないケースもあることから、今後、舗装などの劣化がさらに進行することで、通行などに支障を来すおそれがあります。国においては、所有者不明の土地への対応がさまざまな分野で問題となっていることを踏まえ、特に私道につきましては、本年一月に所有者不明私道への対応ガイドラインが示されたところです。
区といたしましては、相談者から得られる情報の収集や整理をし、国の作成したガイドラインに照らすなど、現行制度の中での可能な整備手法を相談者に対し提案してまいります。
また、現在、所有者不明私道の実例で解決に向け取り組んでいるところでございます。この事例を一つの契機とし、どのような支援が可能か、関係所管と研究検討の深度化を図ってまいります。
以上です。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、本年六月に策定した世田谷区
豪雨対策行動計画の早期目標達成と計画目標をさらに高める必要について御答弁申し上げます。
近年、時間降雨強度五十ミリを優に超える豪雨により浸水被害が多く発生していることから、東京都豪雨対策基本方針が平成二十六年に改定されております。そして、このことを受け、世田谷区豪雨対策基本方針も平成二十八年に修正しております。
ことし六月に策定しました世田谷区
豪雨対策行動計画では、それらの基本方針との目標値の整合を図っております。また、その新たな行動計画では、流域対策において、区立小中学校の単位対策量では、従前計画の一ヘクタール当たり六百立方メートルから千立方メートルへと単位対策量を引き上げるなど、グリーンインフラの推進も含めて、流域対策の強化を図っているところでございます。
こうしたことから、まずは新たに策定しました行動計画を踏まえた取り組みを着実に進めてまいります。
今後は、今夏の平成三十年七月豪雨や台風二十一号の影響による被害を教訓としまして、より区民にわかりやすい情報発信の工夫や自助による浸水対策に関する日ごろからの備えの啓発につきましても、関係部署と連携して一層取り組んでまいります。
以上でございます。
◎板谷 保健福祉部長 私からは、避難行動要支援者等への支援策の強化についてお答えをいたします。
各地で発生した自然災害の甚大な被害を省みると、改めて日ごろからの自助、共助の取り組みの重要性を認識したところです。区内の要介護四、五等に該当する避難行動要支援者の方は七月末で約八千七百人で、町会・自治会との協定締結数は百九十七団体中九十七団体です。協定締結や本人同意などのハードルはございますが、説明を重ね、粘り強く進めていく必要がございます。
高齢者や障害者に対する日ごろからの状況把握や災害時の安否確認には、関係機関と連携して重層的に取り組むことも重要です。社会福祉協議会では、かかりつけ医など、緊急時に必要な情報を書き込むカードを個別配布し、関係者で共有をしております。また、あんしんすこやかセンターや介護事業者等で構成する介護ネットでは、フォロー者リストを作成して災害時の安否確認等を行います。支援の担い手として社会福祉協議会の災害福祉サポーターの登録も進めております。
避難後の特に配慮を要する方の支援となる福祉避難所の取り組みでは、九十三施設と協定締結し、備蓄や物品配布を行うとともに、災害対策用の物品購入時に区の福祉基金を活用した助成も行っています。引き続き、避難行動要支援者支援プランに基づき、総合支所、各団体と連携し、町会・自治会及び事業所との協定締結を進めるなど強化に取り組んでまいります。
以上です。
◎工藤 危機管理室長 私からは、避難行動を促すことの重要性から、その周知と
地域防災リーダー等との連携について御答弁いたします。
平成三十年七月の西日本豪雨では、河川の氾濫や土砂災害により大きな被害を受けております。この中で、自治体が発令する避難情報に対し、逃げようとしない住民をどのように逃がすかという課題が浮き彫りになっております。
区はこれまで区民自身がハザードマップで自分がいる場所の危険性を確認し、区が発令する避難情報の内容やタイミング、それを受けてどのような行動をとればよいかなど、「区のおしらせ」や区のホームページ、災害・防犯情報メール等で機会を捉え周知してまいりましたが、今回の七月の豪雨を受け、改めて区民に水害や土砂災害の避難等について理解できるよう取り組みを進めてまいります。
また、実際の避難の際には、地元の消防団を初め、防災活動にかかわる町会・自治会や
地域防災リーダー等が地域の中でどのように連携して地域住民に避難行動を促すことができるのか。防災塾や地区の訓練を活用し、地域の実情に応じた取り組みを進めることができるよう、総合支所と連携し取り組んでまいります。
以上です。
◎久末 経済産業部長 私からは、災害対策における農地の役割について御答弁申し上げます。
区内農地は、新鮮な農産物を供給する場だけではなく、災害時における一時的な避難場所としての活用、住宅地の中における景観維持、子どもたちの食育の場となるなど、都市における多面的機能をあわせ持つ貴重な空間であります。
特に災害時における避難場所としての活用においては、平成十二年に区内二つのJAと災害時における生産緑地の活用と協力に関する協定を締結し、協力農地として看板等表示物の設置をこの四月からJAに依頼し、順次周辺区民への周知を行ってきているところです。
また、多くの区民が集まる機会として、春から秋にかけて開催している農業イベント、ふれあい農園等の収穫体験、区民農園、体験農園等の農業体験等を活用して区内農業をPRするブースを設けるなど、農地の持つ防災的・多面的機能について周知し、理解を求めているところです。
今後も、都市農地保全の有益性や都市農業の必要性を区民に周知してまいります。
以上でございます。
◎岩本 政策経営部長 私からは、三軒茶屋
駅周辺まちづくり基本方針と公共施設の関係について御答弁申し上げます。
三軒茶屋
駅周辺まちづくり基本方針は、この間の有識者検討委員会での御議論を経て、素案として御報告したところですが、三軒茶屋駅周辺の特色を踏まえ、まちのビジョンとまちづくりの方向性を示しております。
三軒茶屋駅周辺におけるまちづくりの具体的な取り組みは、本方針をガイドラインとして策定する個別の誘導方針や計画等において検討を行い、実施することとなります。三軒茶屋における公共施設整備につきましては、太子堂出張所の狭隘化など喫緊の課題解決に向けて検討を続けるとともに、三軒茶屋のまちづくりの方向性と整合を図りながら、中長期の視点から取り組む必要があります。引き続き、区議会での御議論を初め、区民の方々の御意見をいただきながら、本方針の策定に取り組むとともに、広域生活・文化拠点である三軒茶屋の町の将来像の実現に向け、公共施設整備の課題についても、その解決を図れるよう、個別の誘導方針等に合わせ検討してまいります。
以上でございます。
◎内田
スポーツ推進部長 二点御答弁申し上げます。
最初に、パラスポーツにも対応可能な施設面の充実についてでございます。
障害者スポーツの普及、共生社会の実現を進めていくためには、障害のある方が健常者の方と同様に、いつでもどこでも気軽にスポーツを楽しめることが大切であると認識をしております。区では、大蔵運動場の陸上競技場スタンド改築に当たって、車椅子対応の更衣室やシャワールームを整備するなど、スポーツ施設のユニバーサルデザイン対応を進めております。
一方、議員お話しのとおり、総合運動場体育館など既存のスポーツ施設にはボッチャなどのパラスポーツのコートラインがなく、準備に手間と時間を要することになります。
平成三十一年二月に新たに開設する仮称希望丘地域体育館において、ボッチャのコートラインを整備するとともに、今後、大蔵運動場と大蔵第二運動場の一体化や上用賀公園拡張用地におけるスポーツ施設、また既存体育館の改修工事等の機会を捉え、さらなるユニバーサルデザイン対応やボッチャなどパラスポーツのライン整備も含め、障害者スポーツの推進に向けた施設面での充実を検討してまいります。
次に、ホストタウン事業の今後の展開についてであります。
東京二〇二〇大会で多くの選手や観客等が来訪することを契機に、地域の活性化等を目的として、区はアメリカ合衆国のホストタウンとして平成二十八年六月に登録をされました。平成二十八年度から区内の中学、高校の生徒を対象に、野球や女子ソフトボール選手との交流事業を行い、今年度は日米協会に協力をいただき、花みず木フェスティバル、全国ホストタウンイベント、区民まつりなどの場において、アメリカのホストタウンである旨のPRを実施いたしました。また、八月には、アメリカ大使館の協力のもと、教育委員会とスポーツ振興財団と連携し、アメリカ女子水泳選手のオリンピック金メダリストを招聘し、区内の子どもたちとの水泳教室を実現することができました。
しかしながら、ロゴを使ったホストタウンPRは今年度始まったばかりでございまして、区民のホストタウンの認知度は十分でないと考えております。今後の展開といたしましては、オリンピアン、パラリンピアンと小中学生などによるスポーツ交流、アメリカ選手のキャンプを通じた交流に加えて、日米協会やアメリカ大使館と連携協力しながら、御指摘のハナミズキと桜の日米交流を含め、多世代が親しめる文化的事業を検討し、ホストタウン事業を幅広く展開をしてまいります。
以上です。
◎田中 生活文化部長 私からは、二点に御答弁いたします。
初めに、東京二〇二〇大会に向けて草の根的な交流活動をされている団体と協力したアメリカとの国際交流についてでございます。
東京オリンピック・
パラリンピック競技大会まで二年を切り、区民の大会への期待も日に日に増していることを感じます。区内でボランティアとして何か貢献、協力できないか、キャンプを行うホストタウンであるアメリカ合衆国と何か交流できないかなどさまざまなお声をいただいております。
区には、国際交流や国際貢献、在住外国人支援などの活動を行っている団体が数多くあり、その中にはアメリカの都市と交流を行っている団体もございます。そのような団体や関係者にホストタウンにつながる事業のコーディネートやボランティアの協力をお願いし、活躍していただくことは、市民同士の地域の国際交流を推進する上でも大変重要であると認識しております。
大会が近づく中、今後さまざまな機運醸成に向けた取り組みが行われますが、分野を超えて、団体等の活動が東京二〇二〇大会のレガシーとして残っていくよう取り組みを進めるとともに、引き続き区民参加の仕組みや手法について区民、団体のアイデア、御意見を伺いながら検討してまいります。
次に、生涯現役社会の実現に向けた取り組みについて御答弁いたします。
中高年世代の地域社会への参加促進は、高齢者自身の生きがい、健康づくり、介護予防を初め、区政における参加と協働の観点からも大変重要です。区では、平成十九年よりNPOや民間事業者、地域活動団体などで構成する生涯現役ネットワークを立ち上げ、団体同士の横断的な連携や中高年世代の社会参加を支援しております。
少子・高齢化の進展などにより、地域コミュニティーの担い手が不足する中でさまざまな地域課題に対応していくためには、若い世代も含めたより多くの区民が専門知識やスキルを発揮できる環境の整備が今後ますます求められると認識しております。
現在、生涯現役ネットワークと協働し、四十歳からの社会参加入門編として、働く世代が比較的参加しやすい土曜日に講座を開催し、地域活動の担い手の発掘、育成に取り組んでいるところです。
今後も、お話しのPTAやおやじの会で活動している子育て世代にも声をかけるなど啓発を工夫し、シニア世代になってからの地域参加がスムーズにできるよう努めてまいります。
以上でございます。
◎辻 世田谷保健所長 私からは、受動喫煙対策について、東京都に対し早急に詳細な説明を求めるべき、また、財源措置についてどのような説明を受けているのかについてお答えいたします。
東京都受動喫煙防止条例は、改正健康増進法よりも厳しい内容として、平成三十年第二回都議会定例会で成立し、七月に公布されており、条例の施行については、改正法の施行に合わせ、段階的に実施していくとされております。
この間、東京都からは、特別区保健衛生主管部長会等を通じて、条例骨子案及び条例案への意見照会や改正法案と条例案との違い等について説明がありましたが、違反飲食店の把握方法や罰則の適用基準等、実務を行う上で必要な具体的な回答はいまだに示されていない状況にあります。
また、都条例が適用される事務については、平成三十一年第一回都議会定例会で特別区における東京都の事務処理特例に関する条例を改正し、区へ権限移譲をする想定である旨の説明は受けましたが、具体的な事務処理の内容や事務量、経費の財源等が示されていないことなどから、特別区と東京都の協議はいまだ継続中となってございます。
区におきましては、引き続き、東京都に対し早急な説明会等の実施を求めていくとともに、関係所管や関係機関等に対してもさまざまな機会を捉えて受動喫煙防止に係る情報提供を行い、連携協力を働きかけていくなど、実効性のある対策となるよう取り組んでまいります。
以上です。
◎畝目 環境政策部長 私からは、受動喫煙対策における区の公共施設について、調整などをどのように進めていくのかについて御答弁を申し上げます。
改正法、都条例に基づく対応といたしましては、区庁舎などの行政機関を初めとした公共施設等の種別ごとに受動喫煙を防止し、必要に応じた分煙対策を講じていくことが求められます。
この改正法等は、来年九月一日までに一部施行されますことから、その前の八月末までには行政機関等の施設は屋内喫煙禁止とし、必要に応じた屋外喫煙所の設置を進めていくことが必要となってまいります。しかしながら、いまだ国や東京都からは、喫煙所の設置基準や施設種別の定義、複合施設の取り扱いなどについて具体的に示されていない状況でございますことから、各区市ともに対応に苦慮しているところでございます。
区といたしましては、当面の対応といたしまして、各施設における施設利用者の喫煙場所の利用状況や施設に面した道路通行者への影響、近隣住宅等への影響などの視点などから状況調査を実施しまして、今後示される基準を踏まえ、議会の御意見をいただきながら対応の方向性を取りまとめるとともに、施設利用者への周知徹底に努めてまいります。
以上でございます。
◆四十一番(上山なおのり 議員) 答弁をいただきました。その中で行政経営改革の答弁で、区長は、電力調達や公共施設の整備手法の改革と挙げられましたが、これは技術革新や制度の改定によって行われているだけではないでしょうか。この答弁の中でも最後にありましたが、行政経営改革を着実に進めている、そこの観点からは少し私はずれているような感じがいたします。
次に、道路整備につきましては、せたがや道づくりプランは平成二十六年三月に策定されております。この間、我が会派の代表質問や一般質問で五度質問で伺っております。この四年半経過して、ようやく、特に早期整備が望ましい路線として位置づけられた区間の一部について、新規事業着手に向けて動き出したというのはとても遅過ぎます。
幅員四メートル未満の狭隘道路がいまだに道路全体の三割を占めていることからも、狭隘道路の拡幅事業を含めた道路整備を積極的に推進することを改めて要望しておきます。
避難対策については、先ほど計画、そして災害弱者への対応、避難の呼びかけ等を伺ってまいりましたが、避難する場所として、学校体育館の施設充実も必要であります。今夏のような猛暑、暑さ対策や冬の時期の寒さ対策等としての冷暖房設備設置を進めていかなければなりません。強く要望いたします。
パラスポーツのことについてですが、パラスポーツの施設の充実につきましては、七月末にお台場にできましたパラアリーナのほうに視察に伺いました。パラ選手用に建てられただけありまして、細部まで念入りに考えられたものであります。体育館の中にボッチャのラインや、また車椅子のバスケットボール、そういったものが引いてあり、すぐに練習ができる体制であります。また、それ以外にも細部で念入りに考えられたものであり、担当者に伺ったところ、施設内にあるトレーニング機器、器具や、ロッカー、シャワー、洗面台等は特注してつくったものではなく、市販されているものを使用していたとのことでありました。その中で、洗面台の下の部分が開いており、車椅子でも奥まで入れるなど、車椅子を使用する人からは当たり前のことでも、健常者にとっては気づかなければわからないこと、そういったことがやはり必要ではないかと思います。
このおもてなしの心を今後のユニバーサルデザイン、そういった観点にもぜひとも入れていただきたいと思います。
そこで、最後に再質問を一点お伺いいたします。
三軒茶屋の広域生活・文化拠点として、文化としてはパブリックシアターがあり、また三茶de大道芸など、形が見えておりますが、産業の形がなかなか見えておりません。区として、今後の三軒茶屋の産業のあり方はどのように考えていくおつもりなのかお聞かせください。
◎久末 経済産業部長 ただいまの再質問、産業に関して三軒茶屋の今後のあり方について御答弁申し上げます。
議員お話しのとおり、三軒茶屋駅周辺は世田谷区基本計画において広域生活・文化拠点に位置づけられており、商業業務機能や文化情報発信機能が集積した全区的な核を目指しております。三軒茶屋
駅周辺まちづくり基本方針素案でもお示ししておりますが、三軒茶屋は交通の便に恵まれており、渋谷に近接したオフィスの需要や観光ニーズの高まりにより、時代に応じた新たな拠点としてのポテンシャルを秘めているものと認識しております。
また、駅を中心とした商業地の背後に住宅地が広がり、日用品の買い物は全て徒歩圏で済ませることができるなど、居住者にとっても生活利便性の高い地域となっております。
こうしたことから、三軒茶屋においては世田谷区産業ビジョンにもございます新たな働き方のための環境整備や商店街を中心としたコミュニティーの形成、産学が連携したビジネスモデルの開発や創業、事業承継の支援等、今日的な課題を進める場として今後の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆四十一番(上山なおのり 議員) 今、答弁いただきましたが、しっかりとこの三軒茶屋の開発のほうはやはり場所、立地的なものも特にすぐれているところでございますので、いろんな観点からいろんなところでしていただきたいと思います。
以上で
自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で
上山なおのり議員の質問は終わりました。
これで各会派の代表質問は終了いたしました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二 一般質問
○三井みほこ 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。
質問通告に基づき、順次発言を許します。
九番山口ひろひさ議員。
〔九番山口ひろひさ議員登壇〕(拍手)
◆九番(山口ひろひさ 議員) 長年夢見ていました一般質問の一番をきょう引かせていただいて、夢が実現して本当にうれしいです。ぜひお昼には豚カツ、抹茶アイスクリームを食べたいという気持ちで順次質問してまいります。
まず最初に、中学生のふれあい授業、赤ちゃんを連れて学校へ行こうについてお伺いいたします。
中学校三年生の家庭科授業の一環で、赤ちゃんとの触れ合い体験をNPO法人と地域の赤ちゃんとお母さん、お父さんに協力していただき、区立中学校数校で実施されております。
他自治体のデータでありますが、現代は初めての子どもが生まれる前に赤ちゃんの世話をしたことがない親の数が四人のうち三人もいるというデータもあるそうです。また、山口県の教育者の方が子育て四訓に簡潔にまとめ、提唱されたものがあり、その四つは、乳児はしっかり肌を離すな、幼児は肌を離せ、手を離すな、少年は手を離せ、目を離すな、青年は目を離せ、心を離すな、この事業を体験した中学三年生は、この肌を離すなを実感したことと思います。
また、十五歳のころに赤ちゃんを抱っこしたり、触れ合いを体験することにより、成人に至る成長過程にもよい結果を及ぼすとも言われております。社会環境、家庭環境の変化とともに、私の世代ではごく普通に体験できたことが、現代社会においては、他自治体のデータのとおり、その機会が希薄しているのでしょう。
この世に生を受けて育った、この授業を通じて自分が生まれてきたこと、そして育てられてきたことを思い、そして赤ちゃんと直接触れ合うことで命の大切さを学ぶ。今まさにバーチャルが蔓延する世界の中でリセットのきかない命の大切さを知ることや、触れ合いの温かさを知ることは、不登校やいじめ、自殺といった深刻な問題の解決にも少なからず寄与する貴重な体験だと私は思います。
当初は、赤ちゃんと中学生との授業と聞いたとき、正直赤ちゃんは大丈夫なのかなと一抹の不安を感じましたが、実際に話を聞いてみますと、心配御無用で、まずはそんな心配よりも、普通の授業と違い、興味津々で、中学生の目が赤ちゃんの目と同様にきらきら輝いていること、そして自分が親から生まれ、また次の世代につなげていくんだという感覚や、将来結婚して、赤ちゃんを目の前にしているお父さん、お母さんのように、育てていくんだという雰囲気にも自然となっていくようでもあるそうです。
また、赤ちゃんだけではなく、その兄弟のお兄ちゃんやお姉ちゃんも一緒に連れてこられる方もおり、その幼児と遊んだり、おしゃべりをしたり、また連れてこられたお母さん、お父さんにとっても、自分の赤ちゃんが中学生になるとこんなふうになるんだと感じたり、中学生が親についてどう思っているのか、またスマホは持っているのか等、知らない世代の情報を感じることができて、相互のメリットもあるようであります。また、いかに偉い先生や有名な学者よりも、赤ちゃんや幼児は何よりもまさる先生であるということをこの授業を体験して感じるそうであります。
そういえば、自分の子どもが赤ちゃんだったころ、かわいくてかわいくて、ミルク臭いほっぺたのにおいをかいだり、それだけではかわいさモードがおさまらず、鼻の頭を軽くかんじゃったりしたことがあったことを思い出しました。これが子はかすがいのゆえんなのでしょうか。
また、さらにもう少し幅広く考えると、赤ちゃんの御協力をいただいたお母さんも、地元の中学生や他のお母さんとのつながりができることにより、育児の孤立、不安の解消にも役立つのではないかと感じます。
最近では、こうした授業が他の自治体でも広がりつつあるようであります。私はぜひこうした赤ちゃんや幼児との触れ合いを一人でも多くの中学生に体験させるべきだと感じますが、区の見解をお聞きします。
次に、区役所における聴覚障害者の対応についてお聞きします。
本庁舎第二庁舎一階に現在、手話通訳者の方が来庁者のために待機しております。まずは、この利用状況についてお伺いいたします。
私も一階フロアを通るときに手話通訳の方をお見かけいたしますが、時折お見かけしなかったりもします。それは現在、朝九時からお昼の十二時の待機で対応しているからであり、午後の時間帯はいらっしゃらないので、午前中はお見かけし、午後はお見かけしないということであります。
先般、聴覚障害者の方々からお話を伺う機会があり、いろいろなお話、考え方を伺いました。区も障害者差別解消に関しては、さまざまな対策を通して、解消に向けて努力を進めているところでありますが、ただ、この来庁者の現状の対応に関しては、一般の方は九時から五時まで来庁すれば対応してもらえるのに、聴覚障害の方は、手話通訳者がいる午前中に、言いかえれば午後はだめですよということになるわけで、本来ならば、誰もが九時から五時に来庁すれば対応してもらえる中で、この九時から十二時の対応というものは、灯台もと暗しではありませんが、基礎的な部分での差別解消ができていない感じがいたします。
区役所は、区民の役に立つところだから区役所と言うんだと言っておられた議員さんが過去いらっしゃいましたが、基礎的な部分に九時から十二時の形式が存在すること自体に、私は違和感を感じざるを得ません。費用等の問題があるかもしれませんが、であるのならば、聴覚障害者全ての方が手話ができるそうではなく、中には手話のできない方もおられるそうであります。そうした方々にもこれからは対応できるように、早急にタブレット等を活用したAI等の電子技術の活用を取り入れるべきだと考えます。一時的な経費は発生するかもしれませんが、継続的な観点から見た費用対効果と、また現在の対応よりもサービス対応の幅が広がる効果も期待できるかと思いますし、何よりも基礎的なサービスの実現に近づくものと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
最後に、ボッチャの取り組みについてお伺いいたします。
ボランティアの募集等、いよいよ二〇二〇
東京オリンピック・パラリンピックの現実味が増してまいりました。オリンピックの成功は当然のことながら、パラリンピックが成功するかしないかによって、ロンドンオリンピック以来、その国の成熟度があらわされるとも言われております。
そのパラリンピックの機運醸成を進めるとともに、大会後のレガシーとして、世田谷区は当初、「ボッチャのまち世田谷」と銘打ってボッチャの推進に取り組んでいくとの説明がありましたが、ボッチャのまち世田谷の名はなくなりましたけれども、ボッチャの取り組みというふうに変わったようであります。
そんなことはどうでもいいことなんですが、このボッチャという競技は、白いボール、ジャックボールという、いわゆる目標球に赤、青、それぞれ六つのボールをいかに近づけるかを争うスポーツで、障害のある人もない人も、子どもから高齢者まで参加しやすい、ルールがわかりやすい、また小さなスペースで実施することができる究極のバリアフリースポーツとも言われています。
私自身、お恥ずかしい話ですが、ボッチャの競技については最近知りました。障害者スポーツの推進と障害者との壁をなくすには、障害のない人の理解の促進、そして私のように知らなかった人、知らない人へその競技の認知度を高める、そして一緒に楽しめるということが大切なことだと思います。
難しいことは抜きに、いつでもどこでも三色のボールさえあれば誰もが楽しめるボッチャ、その観点からこの取り組みについて私は賛同する一人であります。
今後のスケジュールの中、ボッチャ協会との協定締結等々も大事なことではありますが、私が願うのは、ぜひとも、子どものとき、空き缶が一つあれば缶蹴りをしたり、ゴムボール一つあればゴロベースをしたり、またラケットがなければスリッパをラケットがわりにしてピンポンもやったように、何か工夫をして遊びました。別に正式なボールがなくても、例えば運動会で使う紅白の玉入れの玉と何か目標になるものを用意すればボッチャはできると思いますし、新聞紙を丸めて、色紙で包んだ三色のボールをつくれば、はい、道具でき上がりのように、手づくりでできる身近なスポーツだと思います。
パラリンピック終了後、学校の校庭や公園で、その前を通り、ふと子どもたちの遊んでいる姿を見たときに、おっ、ボッチャやっているじゃんなんて光景が見られるようになることがオリパラの、それが本当の意味でのレガシーになるのではないかと思います。
そんな近い将来を期待し、区の取り組み方と将来に向けての考え方をお聞きし、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤 教育政策部長 私からは、赤ちゃんを連れて学校へ行こうというふれあい授業の効果と今後についてという御質問に御答弁申し上げます。
ふれあい授業は、昨年度四校の区立中学校が実施をしまして、今年度は既に二校が実施をしており、今後は八校が実施を予定または検討しているといった状況でございます。
実施した学校では、出席の生徒全員が乳幼児に触れ、緊張した中でも意外と重く、やわらかかった、命の重みを感じたですとか、子育ての大変さがわかり、自分も親に感謝したいと思ったなどの感想が寄せられています。
授業者の先生からも、中学校の家庭分野だけではなく、道徳の命のとうとさや家族愛などの学習にもつなげることで、生徒の考えの深まりが見られるという話がございました。
教育委員会としましては、各学校の充実した取り組みを校長会や研修会で周知したり、地域の乳幼児やその保護者などとの連携がとれるよう、関係機関との連携を図りながら情報提供するなどして、豊かな心の育成に努めてまいります。
以上でございます。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、区役所における聴覚障害者への対応についてお答えをいたします。
区役所での手話通訳者は、聴覚障害の方などが手続を行う際に御利用いただけるよう、平日の午前中、第二庁舎に待機をしております。また、平成二十六年度からは、タブレット端末を活用して区役所と各総合支所をつなぎ、総合支所での手続の際も手話通訳を利用できるようにいたしました。
手話通訳者の利用実績でございますが、昨年度は月平均十四人、今年度はこれまで月平均十二人の方の利用がございましたが、タブレット端末を活用した遠隔手話通訳については、昨年度と今年度、これまでの間、利用がない状況となっております。
区役所に来庁される方は、開庁中のさまざまな時間にお越しになりますので、開庁時間に合わせて手話通訳者を御利用いただける環境が望ましいとは存じますが、この間、手話通訳対応の充実や利用実績も踏まえ、現状の対応を図っているところでございます。
近年、タブレット端末を活用したさまざまなコミュニケーション手段も開発をされております。区といたしましては、区役所における対応の充実、障害者の日常生活での意思疎通支援などの観点から、AI等の電子技術に注目しながら、できるだけ効果的な新たなコミュニケーション手法の活用を検討してまいります。
以上でございます。
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、ボッチャの取り組みにつきまして御答弁申し上げます。
区では、東京二〇二〇
パラリンピック競技大会の開催を障害者スポーツ推進の最大の好機と捉え、大会後のレガシーを見据えた取り組みの一つとして、パラリンピックの正式種目であるボッチャを区民、事業者、区で取り組んでまいります。
ボッチャの取り組みに当たりましては、競技としての実施だけではなく、障害のある人とない人の交流を促進するなど、スポーツ・レクリエーションとしての実施も検討しております。
ボッチャで使用する用具は、公式な競技で使用するものは高額なものもございますが、レクリエーションとしての実施におきましては、必ずしも公式用のボールにこだわらず、お話しのように、身近にあるものを活用して気軽にボッチャを楽しめればと考えております。
今後、ボッチャの取り組みを初め、障害者スポーツの推進に当たっては、障害のあるなしにかかわらず、いつでもどこでも気軽に体験することが可能となるよう、用具の工夫も含め、引き続き検討を進め、実施をしてまいります。
以上でございます。
◆九番(山口ひろひさ 議員) 今豊かな心の育成という答弁をいただきましたけれども、ぜひ、心の育成というのは本当に大切だと思いますので、積極的にこのふれあい授業を進めていただきたいと思います。
また、それを要望するとともに、ボッチャの取り組みも、同じく、小中学生が高齢者や障害者の方と一緒にできるということが大切なことであって、そういう機会を多くつくることによって、やっぱりこれも豊かな心の育成につながっていくんじゃないかなというふうに思います。
頭のできはよくないが、心のできは最高さ、根っから気のいいやつばかりという歌の歌詞を今ちょっと思い出しましたけれども、やっぱり心というのは本当に大切なことで、もちろん頭のできがいいということも重要なのかもしれませんけれども、やっぱり人間、心のできというのがやっぱり一番大切なこれからの部分じゃないかなというふうに思いますし、そういう意味では、これから教育とスポーツ、それぞれ所管が違いますけれども、お互いがその辺を考えながら、やっぱりつなげていくということが、心の育成と、そして今目指しているオリパラの後のレガシーの創設につながっていくんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それぞれ所管が違いますけれども、その辺の連携、マッチングについて、今後どういうふうに対応していくのか、考えがありましたら、お聞かせください。
◎内田
スポーツ推進部長 再質問にお答えをいたします。
ボッチャにつきましては、障害者のスポーツを推進する上で重要な取り組みの一つだと考えております。また、小学校、中学校、あるいは高齢者等々、その方々が一緒になってできるような取り組み、こういうことを教育委員会とも連携しながら、検討し、実施をしていきたい、このように考えております。
以上です。
◎工藤 教育政策部長 先ほど御案内いただきました赤ちゃんを連れて学校へ行こうという授業につきましては、実は教育委員会と子ども・若者部で連携してやっております。御示唆いただきました御質問の趣旨、いわゆる体験といったようなこと、いわゆる仮想体験じゃなくて実体験といったものを取り入れていくことによって、心の教育、そういったものもそれぞれの立場で、子どもも、親も、そして赤ちゃんもそれぞれ体験を通じて得られるものがあるなと思っていますので、今後の幼児教育センターなどでも生かしてまいりたいと思います。
以上です。
◆九番(山口ひろひさ 議員) ボッチャに関してはいかがですか。
◎工藤 教育政策部長 ボッチャも、おっしゃるとおり、障害理解という一面だけではなく、もう主体的に楽しむ一つのスポーツであるといったような可能性があると思っています。教育委員会、学校の敷地というのがございます。ポテンシャルを非常に持っていますので、ぜひこのレガシー、一つの機会として生かしていきたいなというふうに思っています。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上で山口ひろひさ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、一番ゆさ吉宏議員。
〔一番ゆさ吉宏議員登壇〕(拍手)
◆一番(ゆさ吉宏 議員) いよいよあす、総裁選が開票されます。自民党が政権を奪還して第二次安倍政権が発足した二〇一二年、日経平均株価のこの年の終わり値は一万三百円台でした。これが二〇一八年、昨日の時点で二万三千円を超えています。有効求人倍率、二〇一二年は〇・八二倍でした。これが二〇一八年、直近の数字で一・六三倍になりました。これによって、大学や高校を卒業したばかりの方に限らず、多くの世代で、さまざまな選択肢の中から仕事につくことができるようになりました。また、高齢者の方は、好調な株価を背景に、株で運用している公的年金を安定して受け取ることができているわけです。
一方、外交に目を向けますと、史上最も強固な日米同盟を築いて、今月末には日米首脳会談が行われます。また、尖閣以降悪化していた中国との関係も改善をして、来月の日中首脳会談にこぎつけることができました。さらに、北朝鮮拉致被害者の問題解決に向け、日朝首脳会談を早ければ年内に実現する方向で調整をしています。
年内といえば、日露の平和条約、これは非常に難しい問題ではありますが、もともと正々堂々と戦った二国間だったら、そういったアプローチというのもあり得るのかもしれませんけれども、戦争末期に条約を破って勝手に侵攻してきたわけですから、まず、平和条約をというのはあり得ない。本当はまずは後ろに下がりなさい、そこからスタートすべきだろうと思いますが、これもぜひシンゾーとウラジーミルで北方領土問題の解決を図っていただきたいと私は思っています。
さて、これは今思いついたわけではありませんが、区の税源流出はふるさと納税の四十一億円を筆頭に、地方消費税の配分見直し、住民税の一部国税化など、合計約百億円、国の都市から地方へという税源移転の流れは容易にはとめられないだろうと思います。であるならば、区も地方分権の大義を掲げ、財調交付金の財源である、いわゆる調整税を特別区の税とするべきという議論を再始動させる必要があります。
それに当たっては、平成十九年の区独自の研究、都区制度、都区財政調整制度の今後のあり方に関する調査研究を振り返り、この中で試算した税源移譲による調整税の収入額見込みと区に移管される大都市事務の経費比較を改めて行ってみる必要があるのではないかと思っています。
かつての試算では、両者はほぼ均衡しているという結果でしたが、現在はどうなるのか。税源移譲が区にとって有利なのか不利なのか、数値によって明確にして、改めて制度改革の道筋を立てるべきではないか。仮に税収と経費の比較がやはり均衡していたとしても、権限が広がるメリットを考えれば、都区制度改革の交渉を積極的に進めるべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。
次に、認知症を取り巻く寛容な社会の整備について。
今から三十年以上前、がんは不治の病とされ、家族にがん患者がいたりすると、それを隠したりしたものです。今は、がんは生活習慣病の一種みたいなものとして治る病気として、有名人、芸能人を初め、皆さん公表して社会に受け入れられるようになってきました。
一方、認知症はまだまだそうなっていないと思います。認知症の家族がいるとなかなか言いにくい環境にあります。実際、五年前に亡くなった私の母も、亡くなる数年前からレビー小体型認知症を患っていましたが、症状がいわゆる統合失調症、昔は精神分裂病とも呼ばれましたけれども、これと紙一重のところもあって、他人には言いづらいなというのが息子の実感としてありました。
ところが、昨年秋、期間限定で注文を間違える料理店というお店が六本木にオープンをしました。認知症の御本人がウエイターやウエイトレスを務め、例えばお客さんがハンバーグを注文して、実際には餃子が出てきたとしても、お客さんは決して怒ったりしない。微笑みながら目の前で起こっていることを全て受け入れる。時代もようやく動き始めたなというふうに感じています。
認知症の人が暮らしやすくなる社会、地域をつくっていくためには、認知症を正しく理解し、見守り、支えあい、ともに地域で暮らし続けることができる寛容な社会をつくることが必要です。そのためには、認知症の御本人や家族の意向を的確に把握し、区の施策に反映させるとともに、区は変わったんだと、区民に広く周知していく必要があります。
今後、区はどのように取り組むのか区の見解を伺います。
最後に、精神障害者施策について。
区の人口が毎年毎年ふえ続けているということは、精神障害者の方も年々ふえているということだと思います。今般、区は精神障害者施策の充実とともに、障害者の相談支援機能についても、精神障害者への支援強化を打ち出しています。
従来、医療的な支援が中心であった精神障害に対し、福祉的側面を強化するということは、私は高く評価をしています。地域包括ケアの観点から、今後、精神障害者の支援は主に誰が行うことになるのか、高齢者福祉と違って、ケアマネジャーのような方がいませんので、大変気がかりなところです。区の見解を伺います。
また、区は平成二十八年七月から二十七地区で福祉の相談窓口を開設していますが、この福祉の窓口の役割が今後変わっていくのか区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、都区制度改革の交渉につきまして御答弁申し上げます。
都区財政調整制度は、大都市地域におきます行政の一体性、統一性の確保とともに、基礎自治体としての特別区の財政自主権を支える法定の財源保障制度でございます。財調交付金の配分割合や算定方法は、毎年の都区協議会を経まして、都条例により定めることとなりますが、その協議過程におきまして、都区間の議論がかみ合わず、不調となるものもあり、現行制度は特別区の財政自主権の観点からは、手続、算定内容におきまして課題が多いと認識しております。
世田谷区では、平成十八年度に財調の財源となります調整税の特別区への移譲や区側が主体的財政調整を行うといった区独自の財調改革試案を取りまとめたところでございますが、既に十年以上が経過いたしまして、この間、人口増や保育サービスの増、また、ふるさと納税による減収、都市部を狙った不合理な税制改正に加え、児童福祉法の改正など、区財政を取り巻く状況は大きく変化してきております。
現在、改めて、調整税収入や大都市事務の経費の実態など、改革試案の更新、検証に着手しておりまして、十一月を目途に検証状況を議会に報告するとともに、将来の人口動向を見据えました今後の自治体経営のあり方の検討とあわせまして、権限の拡充や財源の確保など区の自主性が最大限に発揮できる都区財政調整制度のあり方につきまして、議会の御議論をいただきながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、認知症を取り巻く寛容な社会の整備について御答弁いたします。
認知症を正しく理解し、認知症の方や御家族が安心して暮らしていけるよう、区では、認知症サポーター養成講座の実施やもの忘れチェック相談会で医療的支援につなぎ、認知症カフェや家族会の活動を通して、本人、御家族を支援してきました。
御家族からは、上手な対応を知りたい、認知症の御本人からは認知症当事者のための社会参加型プログラムなどの事業を通しまして、自分でできることは続けていきたい、本人同士で集まって話がしたいなどの声を伺っております。
認知症の御本人や御家族の声は、学識経験者、認知症専門医、家族会、事業者などが参加する認知症施策評価委員会の中で共有し、御本人や御家族の視点を施策に反映できるよう努めております。
今後、さらに認知症デイサービス等を利用する方の声をお聞きするなど、御本人の意向を把握するとともに、本人同士の交流会や認知症施策評価委員会への参加など、御本人がみずからの言葉で気持ちを発信できるよう取り組んでまいります。
認知症施策は、本年四月から、区とともに認知症在宅生活サポート室で取り組み、平成三十二年度には、梅ヶ丘拠点に開設する認知症在宅生活サポートセンターに引き継ぎ、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりを推進してまいります。
以上でございます。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、精神障害者支援について二点の御質問にお答えをいたします。
まず、精神障害者支援を主に誰が行うかという点でございます。
精神障害者は、ここ数年、三百から四百人ずつ増加をしておりまして、家族会等からは、相談体制の強化など、施策の充実が求められているところでございます。そのため、区では、昨年度からこころの相談機能等強化専門部会を設けまして、相談支援機能の充実や訪問型支援事業等について検討を進めてまいりました。同時に、国におきましても、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業を打ち出すなど、精神障害者の支援施策の充実と、それを提供する体制の強化が必要となっております。
障害福祉サービスにおきましては、相談支援専門員が必要なサービス利用に向け、サービス等利用計画を作成いたしますが、お話にもございましたが、高齢者福祉サービスとは制度的な違いもございまして、ケアマネジャーのようなコーディネート機能までは担っていないのが現状でございます。
精神障害者は心身の状況の変化により、支援内容を適時見直すなどの対応が必要となることから、相談支援専門員だけでなく、総合支所の保健福祉課や健康づくり課とも連携し、地域障害者相談支援センターの相談員が継続的に接しながら、見守りと福祉サービスの調整役となる必要があると考えております。
こうした点を踏まえ、平成三十一年度からは地域障害者相談支援センターに精神保健福祉士の配置を必須とするなど体制の強化を図りながら、精神障害者の地域包括ケアシステムを推進してまいります。
続きまして、地域障害者相談支援センターの充実に伴って、福祉の相談窓口の役割が変わるのかという点でございます。
平成二十八年七月から二十七地区に設置しております福祉の相談窓口は、高齢者にかかわる相談に限らず、障害者、子育て家庭、生活困窮など身近に利用できる福祉の相談窓口として多くの方に御利用をいただいております。
他方、平成二十五年四月に設置いたしました地域障害者相談支援センターは、あらゆる障害の相談支援の窓口となっておりますが、障害者の増加等により相談件数が増加しており、とりわけ精神障害者に係る相談が全体の七割を占める状況となっております。また、福祉の相談窓口から地域障害者相談支援センターへつなぐ方も増加しており、身近な相談窓口である福祉の相談窓口と専門相談に応じる地域障害者相談支援センターの連携が深まっていると捉えております。
区といたしましては、引き続き福祉の相談窓口の相談の質の向上を図りつつ、地域障害者相談支援センターは専門性の高い相談支援窓口として充実を図りまして、役割分担と連携のもとで、障害福祉における地域包括ケアの地区展開を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆一番(ゆさ吉宏 議員) 御答弁いただきありがとうございました。以前から申し上げておりますけれども、これからの世田谷区の行政というのは、前例主義じゃないんだと、過去の延長線上にとらわれずに、未来志向であらゆる可能性を模索して取り組んでいただきたいと思います。この点を最後にお願いをしまして、質問を終わります。(拍手)
○三井みほこ 議長 以上でゆさ吉宏議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
──────────────────
午後零時五十分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
十一番安部ひろゆき議員。
〔十一番安部ひろゆき議員登壇〕(拍手)
◆十一番(安部ひろゆき 議員) 質問通告に従い、順次質問をしてまいります。
まず、世田谷区医療連携推進協議会について。
世田谷区は、高齢者が在宅などで安心して療養することができる体制の構築を保健、医療、福祉の関係機関が連携して推進するため、二〇〇七年六月に世田谷区医療連携推進協議会を設置しています。
少子・高齢化及び医療費増加に伴う国の施策で、地域包括ケアシステムが提唱されておりますが、その概念は、一九八〇年代に広島県の山口昇医師が町役場に健康管理センターを公立みつぎ総合病院内に設置し、医療と行政が連携して寝たきりゼロに向けた取り組みを地域包括ケアシステムと呼ぶようになりました。
二〇〇〇年に介護保険制度が施行され、国では二〇〇八年に地域包括ケア研究会を立ち上げ、二〇一四年、医療介護総合確保推進法が設置され、初めて地域包括ケアシステムを構築するように定められました。国が地域包括ケアシステムを構築するために医療連携を推進することが重要な事柄と認識し、現在に至るわけですが、区は、偶然かもしれませんが、国が二〇一四年に提唱する前、二〇〇七年から医療連携推進協議会を設立したことは、大変価値あることと評価するところでございます。
しかし、今後の区の医療行政に大きくかかわるこの協議会の存在を区民の方は余り認知していないと思うのです。それは、内々の会で、傍聴も認めず、資料についても当日来た参加者のみしか配付していないので、どのような協議を行っていたかわからないのです。私が二〇一一年に議員になってから再三傍聴を要請してきましたが、関係者でなければ議員でも拒否をされました。これでは認知されないわけです。
ところが、突然、本年二〇一八年六月二十九日に新たな要綱が発表されました。それは、第八条の変更で、この協議会が原則として公開とし、傍聴についても別に定め、協議会の議決においてこれを認めるようになりました。この決定については評価するところでございますが、今回の認可になったその過程とその理由、また公開することで今後区はどのようなことを期待するのか伺います。
次に、二〇一七年三月予算特別委員会で、私は、保険者努力支援制度について質問をしました。当初、詳細が国から示されず、答弁は、薬の重複服用者に対する取り組み、糖尿病性腎症予防に対する取り組み、また評価基準を満たす事業を拡大していくということでした。その後の状況については、決算特別委員会で聞いていきたいのですが、今回は、五月に行われたその医療連携推進協議会で、二月二十八日、厚生労働省老健局介護保険計画課の事務連絡があったと説明を受けております。
その内容は、二〇一八年度における保険者機能強化推進交付金(市町村分)についてです。先ほど述べた保険者努力支援制度の介護版とも言えますが、今回の制度を踏まえ、区の今までの施策の評価と今後の効果的な保健事業のあり方について伺います。
また、市町村分と記載されておりますが、特別区では今回の交付金の対象になるのかもあわせて伺います。
次に、世田谷区立保健医療福祉総合プラザについて伺います。
保健医療福祉総合プラザ一階に福祉人材センターの事業が加わりますが、現在の事業を運営する社会福祉法人世田谷区社会福祉事業団の世田谷区福祉人材育成・研修センターの平成三十年度事業案内とともに、その基本方針の説明を受けました。不足する福祉人材の確保、支援に向けた取り組みについてはより一層進めていただきたいのですが、本年度になり、厚生労働省は、外国人の技能実習制度への介護職種を追加しました。それは、二〇一七年十一月一日の外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の施行に合わせ、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されたわけです。しかし、その事柄を踏まえ、今回の基本方針には関係する文言は一切ございませんでした。
国の動きより先んじた医療連携推進協議会の取り組みなどのように、国の方針を踏まえ、今後の介護人材育成のため、どのように対応を検討していくのか伺います。
次に、今まで述べた世田谷区立保健医療福祉総合プラザ条例について伺います。
今までの梅ヶ丘拠点での主たる機能を受け持つ運営事業でありますが、その条例の概要では、隣接して設置される施設において実施される他の事業とともに連携を図ると記載されておりますが、何とも曖昧で、どの事業なのかわかりにくいと思います。
隣接する南東北グループが運営する民間棟を含め、近隣には、障害者、認知症高齢者の歯科医療福祉事業を担う口腔衛生センターなどがあります。今回は具体の連携について記述がないのですが、誤解を招くので、関係機関には丁寧な説明が必要と思いますが、区の見解を伺います。
次に、人と地域を結ぶ神社仏閣の観光活用について。
四国八十八カ所の霊場、札所を巡礼するお遍路は有名ですが、今夏、私は二十四番目までの霊場、札所を巡礼してまいりました。弘法大師、空海の足跡をたどる四国八十八カ所の霊場は、開創一千二百年に当たるそうです。
私は、真言宗を信仰しているわけではありませんが、先人が創設した荘厳で偉大な歴史的な建造物と多くの民を魅了した教え、また八十八カ所の霊場など、今回の巡礼を通じ、大きな感銘を受けたところです。
四国は、関東から遠く、巡礼へ行けない方のために、利便性を高めた関東八十八カ所霊場があります。また、千葉県の神社が中心となって、房総神社ライドの企画を打ち出し、サイクルツーリズムの盛り上げに一役買っているとも聞いております。
世田谷区にも多くの神社仏閣があり、世田谷区を知ってもらう歴史的な資源を活用し、二〇二〇に合わせて、各宗派の協力を求め、例えば世田谷版お遍路などの取り組みなどは有効と思いますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。
以上で檀上からの質問を終わります。(拍手)
◎板谷 保健福祉部長 私からは、三点質問に順次御答弁いたします。
初めに、医療連携推進協議会の傍聴についてです。
世田谷区医療連携推進協議会は、高齢者等の在宅療養支援の充実に向けて医療と福祉の連携を推進するため、平成十九年度に医師会、社会福祉事業団、区を委員として設置された会議体です。その後、歯科医、薬剤師、ケアマネジャー、あんしんすこやかセンター等、参加職種を拡大するとともに、医療と介護の連携シートの作成、訪問看護師就労支援事業、在宅医療の区民向けシンポジウム等の各種事業を実施してまいりました。
医療と介護の連携については、それぞれを支える保険制度が異なることから、多職種間の相互理解と情報共有を図るという初期の段階であったことや、小規模の検討会として発足したことなどから、特定の法人名等を交えて忌憚のない議論が行える場となるよう、傍聴を認めてこなかった経緯がございます。
こうした状況の中、平成二十六年の介護保険法改正により、医療介護連携を推進するための会議体を平成二十九年度末までに設置することが区市町村の役割とされました。区では、医療連携推進協議会をこの会議体に位置づけるとともに、傍聴や資料公開の手続を整え、医療介護提供体制のあるべき姿や進め方の全体像を関係者だけでなく、広く協議、共有しながら在宅療養相談や地区連携医事業等、在宅医療・介護連携推進事業の各施策を進めてまいります。
次に、保健者機能強化推進交付金についてです。
保健者機能強化推進交付金は、平成二十九年度の地域包括ケアシステム強化法により、高齢化の状況や医療・介護資源等に地域差がある各保険者が、高齢者の自立支援、重度化防止に関する取り組みを推進するために創設された新たな交付金です。
この制度は、国が示す評価指標をもとに自治体ごとに介護予防の推進、介護給付適正化等に関する取り組みを評価し、評価結果に基づいて交付金が保険者に配分される流れで、結果の公表と財政的インセンティブの付与が制度のポイントとなっており、世田谷区も対象となります。
在宅医療・介護連携推進については、国の示す事業内容がどのような構成員で検討され、どういう具体策が実施されているのか評価するため七つの指標が設定されており、区では、在宅療養資源マップの発行や在宅療養相談、地区連携医事業等を実施し、指標に沿って評価を行っているところです。
今後は、国の評価指標や保険者努力支援制度を活用し、多職種が参加する医療連携推進協議会でPDCAサイクルに沿って企画、実施、検証を継続的に行いながら、さらに効果的な事業展開に向けて取り組みを進めてまいります。
最後に、福祉人材育成研修センターにおける外国人従事者への対応についてです。
保健医療福祉総合プラザ内で新たに開始する福祉人材育成・研修センターにつきましては、障害者、高齢者、子ども、保健医療の各分野の学識経験者の御意見をもとに事業実施の基本方針を策定いたしました。今後は、基本方針を踏まえた運営事業者の選定を行ってまいります。
基本方針で掲げた人材確保、人材の定着促進、サービスの質の向上、保健、医療、福祉の連携、地域福祉を支える人材の育成支援、事業者、団体等への研修支援、調査研究の促進の七つの機能に基づき事業を実施してまいります。事業運営に当たりましては、学識経験者等を含めた運営委員会を設置し、PDCAサイクルによる事業改善も行うこととしております。
御指摘の介護人材不足への対応は喫緊の課題であり、区内の施設においては、外国人労働者の受け入れを行っている事業所があると承知をしてございます。
今後、国の動向や区内事業所の状況を踏まえ、区としての人材確保や質の向上のための効果的な役割について、運営委員会も活用し、整理、検討してまいります。
以上です。
◎板谷
梅ヶ丘拠点整備担当部長 私からは、梅ヶ丘拠点における口腔衛生センター等との連携についてお答えをいたします。
総合プラザの条例は、梅ヶ丘拠点整備プランに基づき、区複合棟の中に入る保健、医療、福祉の各施設が総合的に連携し、一体となって区の地域福祉の推進に寄与することを目指しており、複数の施設事業を一つの設置条例として定める条例となります。
また、梅ヶ丘拠点は、区複合棟と民間施設棟が協力・連携して、「相談支援・人材育成機能」、「健康を守り創造する機能」、「高齢者等の在宅復帰、在宅療養支援機能」、及び「障害者の地域生活への移行継続支援機能」の四つの機能を整備することとしております。このため、区複合棟と民間施設棟がそれぞれの役割を果たしていくため、条例に運営の原則を定めるものです。
梅ヶ丘拠点は、全区的な保健医療福祉の拠点として事業を進めていくものでありますので、御指摘の梅ヶ丘拠点に近接する口腔衛生センターを初め、保健医療福祉のさまざまな関係団体とも連携協力して、区の地域福祉の推進に取り組んでまいります。
以上です。
◎久末 経済産業部長 私からは、神社仏閣の観光活用について御答弁申し上げます。
区では、区民が日常生活の中で親しみ、育ててきた歴史、自然、文化、町並み等、区民自身が感じる区の魅力を観光資源として発信し、区民と観光客との交流や区のにぎわいの創出を進めるまちなか観光を展開しております。
議員お話しのとおり、神社仏閣や巡礼路等は、その土地の歴史や文化と密接につながった貴重な観光資源となっている場合が多く、例えば本年世界遺産に登録された長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産も登録を契機に多くの観光客が訪れていると伺っています。
区のまちなか観光においても、区民に身近な神社仏閣などは貴重な資源であり、豪徳寺や世田谷八幡宮には外国の観光客も多く訪れております。また、産業振興公社では、昨年度、北沢の教会堂をテーマに町歩きを実施したほか、現在、流行の御朱印集めをテーマに烏山寺町の町歩きを検討しているところです。
今後も東京二〇二〇大会に向けて観光ホームページ、アプリ等の充実や観光案内所設置による情報発信、デジタルミュージアムの活用などにより、神社仏閣等も含め、区民に身近な観光資源のさらなる魅力の発信に努めてまいります。
以上でございます。
◆十一番(安部ひろゆき 議員) 先ほどの福祉保健所管で要綱設置の会議体かつ外部の方が構成員となっている会議体、五十三個あると伺っています。今回の医療連携推進協議会のように、今まで傍聴を認めていない会議体もあると伺っておりますが、今後、公開が可能であるかどうかについて、再度精査が必要と思いますが、それについての御意見を伺います。
また、御朱印めぐりを進めるに当たって、神社仏閣の宗派を超えて、理解というのはやっぱり必要だと思うんですね。その課題はいろいろ出てきたと思うんですが、その答弁にあった烏山寺町の町歩きの検討に当たってどのような課題があったか、またそのときにどういった対応をしたのかについて伺いたいと思います。
また、今回烏山寺町だけじゃなくて、そのような試みをぜひ世田谷全区で展開をしていただきたいなと思っているんですが、あわせてお伺いします。
◎板谷 保健福祉部長 再質問にお答えをいたします。
会議の傍聴等についてなんですが、公開を進めることは区民参画の観点から望ましいことと考えております。一方、各会議体におきましては、事業者選定や、事業運営の確認や、また連絡会など、会議内容の性質により、必ずしも公開がなじまない会議体もございますことから、各会議体の所管において個別に、適正に判断されているものと認識をしてございます。
以上です。
◎久末 経済産業部長 私からは、神社仏閣の観光活用の再質問にお答えいたします。
御質問の産業振興公社で烏山寺町の町歩きを検討するに当たりましては、寺院の方々から、多くの観光客が訪れることによる喧騒の懸念や案内を行う人材確保が困難であるなどの御意見をいただき、法要等が多い休日には実施しないなどの対応を図っていると聞いております。
区内の神社仏閣等につきましては、烏山寺町以外でも観光に生かしてまいりたいと考えておりますが、信仰の場であることや行事など宗教施設として優先すべき事柄もあるものと認識しております。今後の事業展開に当たりましては、それぞれの状況に配慮しながら丁寧に協力を依頼して進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆十一番(安部ひろゆき 議員) 以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で安部ひろゆき議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、四十六番風間ゆたか議員。
〔四十六番風間ゆたか議員登壇〕(拍手)
◆四十六番(風間ゆたか 議員) きょうは朝から四人連続で自民党議員の質問が続きましたけれども、立憲民主党、風間ゆたか、質問通告に基づき質問を行ってまいります。
政党は違いますけれども、きょう一番バッターの山口議員の質問は、全て私が質問したいと思うような内容で非常に感激しました。幾つか重なる質問もありますけれども、まずはきのう保坂区長の招集挨拶でもありましたみんなで子どもを守る町世田谷という観点から質問をしたいと思います。
きのうの答弁でも保坂区長は、児童相談所設置に向けた準備、これは最優先課題の上のほうというお話がありました。目黒で起こった事件というのは、皆さん、多くの方に衝撃を与えたことでありましたけれども、世田谷でもいつ起こってもおかしくない、そういう覚悟を持って取り組む必要があると思います。
立憲民主党は、このたび、子ども政策をまとめるに当たっては、子どもの権利条約、これにのっとり政策を進めていくということを打ち出しておりますけれども、この子どもの権利条約、これが一体どれぐらい認知されているかということが一つ課題だと思っています。
世田谷区は、かつての母子手帳にはこの子どもの権利条約が記載されていました。しかし、今の母子手帳には記載されていないんです。このことを教えてくれたのは、実は世田谷区内に住む小学六年生の女の子でした。この女の子は、子どもの権利について勉強し、それを広める活動をしたいということで、世田谷区役所になぜなのかということを問いに行ったそうですが、区役所の方も当初はわからなかったということであります。調べていくうちにその経緯がわかってきたわけですけれども、子どもの権利、このことに関しては長年取り組んできた保坂区長ですから、載せないのはおかしいということで、私も感じているところであります。これは早急に子どもの権利条約、再び記載するべきだと考えますが、区の見解を問います。
もう一つは、児童相談所の設置準備を進めるに当たって、一時保護所を整備していくという報告もありました。しかし、これだけでこの八十万、九十万区民が住まう世田谷区、事足りるのかという観点から、最近では短期里親制度に取り組む自治体がふえています。ふえるまでは行っていませんけれども、進み始めています。
これは虐待予防という意味でも、短期里親、ショートステイ、現在では東京都の制度になりますけれども、児童相談所を設置するに当たっては、これも区に移管されるということから、地域でみんなで子どもを守っていくという意味では、この短期里親制度ということはきちんと準備していくべきではないかと考えますが、区の見解を問います。
続いて、保育、特に就学前から低学年の子どもたちを預かる一つの居場所としての課題についての質問を行います。
学校内に設置されている新BOP学童クラブ、この利用時間の延長ということについての報告があり、その利用は、まずは一年生からという話でした。二年生、三年生も利用しているわけですが、二年生、三年生については、さも自立できていない子に限定するかのような表記があったことに対して、文教常任委員会で私はこの問題に改善せよと求めてきたところですが、明確な答弁はありませんでした。
自立をしている、していないというのはどういう基準なのかも明確でありません。また、自立をしていくように育んでいくということに異論はありませんけれども、さも利用している二年生、三年生が自立できていない子だとレッテルを張られるかのような文言を行政が打ち出すことには大変な問題があると感じています。これは早急に見直すべきだと考えますが、区の見解を求めます。
学童保育の局長問題についてお伺いします。
現在、学童保育クラブの局長さんは元校長先生が多いと聞いていますし、私が学童クラブの局長さんは何人か見ていると、教育者であって、保育者ではないと感じることが多々ありました。放課後の子どもの居場所というのは、教育をされる場所ではなく、健やかに安らいで、居場所が確保されている、このことが重要でありますが、この保育の基本を理解していないとおぼしき方々も散見されるということに大変な問題だと感じているところであります。
この学童クラブの局長ポスト、これは決して元校長先生の天下りポストであってはならないと思います。適格者はまだほかにもたくさんいらっしゃると思いますので、この採用について改めていくべきだと考えますが、区の見解を求めます。
そして、保育ということについては、きのうの区長招集挨拶でも大分めどが立ってきたと。ゼロ歳から二歳についてはまだ待機児童がかなりいるということから、この小規模保育の整備を含めて進めていくというお話があり、私もそれを求めてきたところでありますが、区立幼稚園の用途転換ということについて、保育園の待機児童解消に寄与するということから、議会の理解を得てきたと捉えています。にもかかわらず、松丘幼稚園の用途転換、新たに弦巻中学校内に整備をする計画だという報告の際に、ゼロ歳から二歳を整備しないということでありました。本当におかしな問題だと思います。待機児童のいない三歳から五歳にのみこども園として預かり機能、保育機能を設けるということ、これは区の矛盾と言わざるを得ません。新しくつくるのであれば、きちんとゼロ歳から預かり、幼児教育の研究を進めるというのであれば、教育委員会も責任を持ってゼロ歳から五歳、六歳までの就学前児童の教育研究を一貫して行うべきだと、このように考えますが、区の見解を求めます。
最後に、寄附文化醸成とふるさと納税のあり方という観点から質問を進めます。
昨日、ほかの会派からもお話がありました、キャリア教育としてポートランドに中学生を派遣する計画、質問した会派も実現すれば賛成できるという話でしたので、心強いことですし、私たち会派は、子どもたちで海外に行く経験をふやしていくべきだということを求めてきましたので、大変に楽しみな計画であります。しかし、やはり財源は限られているというところから、私が提案したいのは、この財源確保をふるさと納税でやってみてはどうかということであります。
今、文部科学省がもう五、六年続けています「トビタテ!留学JAPAN」という取り組みがありますが、この留学費用は民間企業や個人からの寄附によって賄っており、文部科学省は広報予算のみで済んでいる、このような話を聞いたことがあります。この事例を参考にして、各自治体でふるさと納税で地域の子どもたちを海外に送るという取り組みもことしから広まってきました。この取り組みを世田谷区もぜひ取り入れていくべきではないかと考えますが、教育委員会と区長部局の両方にまたがることだと思いますので、見解を問います。
そして最後になりますが、山口議員の話にありましたように、ボッチャのまち世田谷、私はこれもどんどん進めるべきだと思います。パラリンピック、これをもっともっと多くの人たちに応援してもらうためには事前に盛り上げていくことが必要である。特に身体障害だけではなく、さまざまな障害を持った人たちが取り組めるというのがボッチャのすばらしいところだと思います。これを子どもたちの障害理解教育につなげていくということが大変に重要であり、この器具を各学校に用意をするということであれば、これもふるさと納税で行ってはいかがでしょうか。
区民全体になってこういったパラリンピックを盛り上げていくということ、障害理解を進めていくということを取り組んでいくのが機運醸成だと考えます。区の見解を求めます。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 風間議員にお答えをいたします。
母子手帳に記載をされていた子どもの権利条約の件についてでございます。
子どもの基本的な人権を国際的に保障するため、我が国も批准しております児童の権利に関する条約、子どもの権利条約、これは日本政府も批准したことを踏まえて、これまで世田谷区も子どもが権利条約の趣旨を理解し、年齢に応じて、市民社会の一員として社会に参加できる環境をつくるよう努めてまいりました。世田谷区子ども条例の前文にも記すなど本条約の大切さを十分認識しております。また、この条約の中で非常に特徴的なのは、子どもの意見表明権ということを明記していることだというふうに思います。
お話にございました小学校六年生の女の子が尋ねたいということでお会いをしました。フリー・ザ・チルドレン・ジャパンという子どもや若者自身が、この変化を起こしていこうと、その担い手として活動するグループの活動に啓発をされつつ、お会いした際に、現在の世田谷区の母子健康手帳には条約の記載がないということ、以前はあったということもお聞きをいたしました。
どこでどのような経過で消えたのか、早速担当所管の世田谷保健所に確認をいたしました。その結果、故熊本区長の時代の平成二十二年度までは条約の記載がある東京都の母子健康手帳を世田谷区で購入し、交付していたと。ところが、平成二十三年度以降、つまり私の就任以降、条約の記載がない全国版の母子健康手帳に切りかえていたと、こういうことで本当に不徳のいたすところでございます。
これは記載しないという判断をしたのかという、そんな判断は全くしていないわけで、東京都版と全国版の事業者の編集内容と、こういうことでございました。世田谷保健所には来年度版から必ず条約の記載を盛り込んでくれるように指示をしたところでございます。
子ども自身の意見表明によって、まさに子どもの意見表明を内容としている権利条約の記載という重要な指摘をいただいたこと、改めてすばらしい子どもたちの成長だなというふうにも感じております。
現在、世田谷保健所では母子健康手帳に東京都が進める七歳から十八歳までの成長、健康の記録ができる子ども手帳の様式を導入するための準備を進めておりました。したがって、来年度版には条約を掲載できる見通しだと報告も受けております。
これからも子どもを大切にし、子育てのための、そして子どもが成長、発達するための土台を築き、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を実現してまいります。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、二点お答えをいたします。
一点目でございます。短期里親制度で子どもを支援する取り組みを進めよという御質問にお答えいたします。
区は、子どもが家庭で健やかに養育される予防型の児童相談行政の実現を目指すとともに、家庭養育を優先した社会的養護の充実に向け、里親制度の普及促進を進めていきたいと考えております。
社会的養護を必要とする子どもたちの現状を見ますと、永続的な家庭を必要とする子どもや自立するまでの一定期間の養育を必要とする子ども、困難な現状を乗り切るために一時的に生活の場を必要とする子どもなど、さまざまな背景がございます。
里親の希望者につきましても、希望理由がそれぞれ異なり、養育できる子どもの年齢や期間などもさまざまであり、状況に合わせた里親と子どもの多様なマッチングの促進が望まれております。
重篤な事態に至る前の早期支援や一時保護委託先の確保のためにも、短期の養育委託を初めとする多様なマッチングの促進が非常に有効であると考えております。その効果的なマッチングのための仕組みや養育委託後の支援体制の整備を進めるとともに、短期の養育も可能であることを区民に広く知っていただくことで里親希望者が広がることも期待されますことから、里親希望者の掘り起こしのための積極的な周知に努めてまいります。
二点目でございます。新BOP学童クラブの時間延長モデル事業の利用要件の表現につきまして、誤解を招かないようにすべきという御質問にお答えいたします。
新BOP学童クラブでは、子どもたちが放課後の時間をみずから考えて遊び、学び、過ごせるようになるように、自立に向けた取り組みを行うとともに、成長を支援しながら運営をしております。しかし、子どもの成長には個性があり、また個々の家庭環境の状況が異なることから、運営時間延長モデル事業においては、学年が上がる際には、保護者と相談の上、子どもと保護者の気持ちに考慮し、子どもにとって必要な状況であれば利用できるとしております。
また、自立に向けた配慮が必要な児童という表現については、募集案内及び区民周知の際には誤解のない、わかりやすい表現になるよう工夫をいたします。
今後も、成長に応じた放課後の居場所として子どもの成長や自立に向けた支援を行ってまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、二点御答弁させていただきます。
まず最初に、区立幼稚園の区立認定こども園への用途転換についてでございます。
区では、平成二十五年三月に、区立幼稚園のあり方に関する基本方針及び用途転換の方向性についてをまとめまして、基本的な考え方として、幼保一体化への取り組みの推進や、保育待機児解消に向けた保育環境の整備、また幼稚園、保育所等と小学校との連携の推進、幼児教育の研究の推進、さらに配慮を要する子どもへの支援などを示してございます。
また、平成二十六年八月に策定した区立幼稚園用途転換等計画に基づきまして、区立幼稚園を五つの区立認定こども園と四つの私立の認定こども園に用途転換することとしており、例えば区立松丘幼稚園から移行する区立認定こども園につきましては、三歳から五歳児を想定してございます。
区立認定こども園においても、ゼロ歳から二歳児を受け入れるべきとの御指摘ですが、区立認定こども園の周辺の保育施設の状況も鑑みながら、それらの施設との連携を図るなど、そのあり方について保育担当部とも連携協力して検討を進めてまいります。
なお、二〇二一年度に教育総合センター内に開設予定の乳幼児教育支援センターは、ゼロ歳から五歳まで、就学前児童を対象としてございまして、公立、私立、また幼稚園、保育所等の枠組みを超えた合同研修や指導マニュアルの作成など、世田谷区の乳幼児期の教育、保育がより一層充実するよう、さまざまな取り組みを推進してまいります。
続きまして、ポートランド教育交流に関しまして、ふるさと納税の御提案についてです。
区では、これまでカナダやオーストリア、オーストラリアとの姉妹都市交流として、毎年小中学生を海外に派遣してまいりました。
海外派遣は子どもたちが言語や生活、歴史、文化の違いを理解するとともに、多様な考えを受容できる相互理解の貴重な機会であると考えてございます。
子どもたちが日本のよさを改めて見詰め直し、物事を広い視野で捉える上で大変意義があり、教育委員会といたしましても、こうした取り組みを推進してきたところでございます。
来年度からは、フィンランドへの小中学生の派遣に備え、現地との調整を進めるとともに、このたびアメリカ合衆国のホストタウンとなったことを契機として、新たにポートランド市との中学生の交流を検討しております。
こうした事業を進めるに当たりまして、お話しのとおり、ふるさと納税の活用など、財源の一部を寄附で確保していくということは大変魅力的な御提案であると考えます。今後とも、関係部署と協議し、海外派遣事業の充実に向けたさまざまな方法を研究してまいります。
以上でございます。
◎知久 保育担当部長 私からは、区立認定こども園への転換に係る保育所管の見解について御答弁いたします。
区の現在の待機児童の状況ですが、三歳から五歳までの待機児は御指摘のとおり解消しまして、地域によっては全ての年齢で待機児童解消が見込まれるところも出てきております。こうした状況を踏まえ、今後は低年齢児の保育施設を中心に立地等についてさらにきめ細かく検討して施設整備を進めてまいります。
一方、待機児童解消の目標としている二〇二〇年以降についても、女性就業率の増加や幼児教育無償化などの保育需要の増加が見込まれることから、新たな待機児童を生じさせないためにも、一定の施設を継続的に整備していく必要があると考えております。
詳細な整備計画につきましては、今年度実施予定の子ども・子育て支援事業計画に伴うニーズ調査等の結果を踏まえますが、お話しのこども園につきましても、保育施設と同様に転換を図る幼稚園の立地や周辺の保育施設の整備状況を考慮し、定員や規模等の具体的な事項について見きわめた上で、必要な施設整備について教育委員会と協議してまいります。
いずれにしましても、待機児童解消と目指すべき幼児教育・保育の実現、それぞれの課題を一体で解決していく意識はとても大切なものと考えております。今後も、教育委員会と連携し、効果的な保育施策を展開してまいります。
以上です。
◎花房 生涯学習部長 私からは、新BOP事務局長について御答弁申し上げます。
新BOPにおきましては、各新BOPに一名ずつ、合計六十一名の事務局長を配置しております。事務局長の任用要件といたしましては、小中学校の校長、副校長、教諭等の経験及び識見を有すること、地域で青少年健全育成などの活動経験を有することなどとなっておりまして、現在も校長、副校長、OB、OG、民生委員などがそれぞれ事務局長として勤務しております。
事務局長の主な職務といたしましては、新BOPの管理運営に関すること、児童の健康管理、安全確保、情緒の安定に関すること、学校との連絡調整に関することなどとなっており、事務局長は新BOP全体を統括するとともに、対外的な連絡調整、特に学校との連絡調整が重要な役割となっております。
平成十七年度より区内の全小学校で新BOPは運営をしておりますが、学校施設で実施するため、導入当初より学校の状況に詳しい校長、副校長の経験者を事務局長とし、学校との連携を図ってきた経緯がございます。
新BOPは、子どもが豊かな放課後の時間を過ごすための貴重な居場所であり、質の向上を常に図っていく必要がございます。そのためにも、新BOPを統括する事務局長につきましては、今回の運営時間の延長なども十分に対応できるよう、適正な人員配置を行ってまいります。
以上でございます。
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、寄附文化醸成とホストタウンの取り組み、そしてボッチャ、パラリンピックの取り組みにつきまして御答弁申し上げます。
区は、さまざまな事業を通して区民の参加と協働による支えあいの輪が広がる地域社会を目指し、寄附の活用や制度への理解を深める取り組みを進めるため、スポーツや福祉などへの寄附を通じた区政参加の促進も重要であると考えております。
共生社会ホストタウンの課題は、国や東京都からの交流事業に対する財政支援が明らかになっていないこと、さらに、パラリンピック支援を含め交流の輪をどのように広げていくかだと認識をしております。まずは交流の輪として、障害理解の促進と東京二〇二〇
パラリンピック競技大会の機運醸成に向けて、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが参加しやすいボッチャを活用し、教育委員会や児童館などの協力を得ながら、多世代や障害のある人とない人の交流が広がる環境づくりに努めてまいります。
また、ふるさと納税による区財政への影響も踏まえ、政策経営部と連携しながら、例えば企業や区民から障害者スポーツであるボッチャのボールの寄附を受ける、そしてそのことを学校で子どもたちに紹介するなど、寄附により支えあうまちづくり、共生のまち世田谷の実現に向けまして、区民や事業者と連携協力する効果的な事業の構築や区への寄附を促す取り組みにつきまして鋭意検討してまいります。
以上でございます。
◆四十六番(風間ゆたか 議員) それぞれ答弁ありがとうございました。特にボッチャの件では、かなり前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ進めていただければなと思います。
保育の問題に関しては、やはりゼロ歳から二歳で入れない人たちがまだまだたくさんいるという状況の中で、新しくつくる施設が三歳からであるということは、そこで待っている人たちの理解は得られないと思うんですね。これは本当に真剣に考えていくべきものだと思います。
また、教育委員会としてその保育士がいないという状況の中で、区立のゼロ歳から二歳を預かる機能ということに対しての懸念があると思うんですけれども、これはもうチャレンジするべきです。ほかの自治体でも、保育の部分は教育委員会で見ているというところも出てきていますから、今後こういったことも議論していければと思います。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上で風間ゆたか議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、六番ひうち優子議員。
〔六番ひうち優子議員登壇〕(拍手)
◆六番(ひうち優子 議員) 本日は、精神障害者施策の充実について伺います。
以前に、自宅で長年引きこもっているお子様をお持ちの親御さんから、うちの子は高校卒業後から自宅に引きこもるようになり、一回は仕事を見つけたものの、また引きこもってしまった。どうにかして自立してほしいのだが、手立てが見つからない。困っているとの相談をいただきました。地域では、精神疾患などにより、自宅で長年引きこもっていたり、本人に病状の自覚がなく、家族が困っている場合も多い状況です。
現在、世田谷区内で精神障害者、精神疾患の方は、平成三十年四月一日現在において、精神障害者保健福祉手帳を持っている方は五千六百四十八人、自立支援医療費承認件数は一万一千六百三十九人と年々ふえております。本日は、精神障害者の方に対する施策の充実について何点か伺ってまいります。
一点目、今般、国は入院した精神障害者が退院後に、医療、福祉などの包括的支援を受けられることを目的とする地方公共団体による精神障害者の退院支援ガイドラインを示し、自治体にその対応を求めております。
また、国は平成三十年度から精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業の実施主体を特別区に拡大しましたが、その理由、そして国が示す十事業について、区はどのように取り組んでいくのか、まずお伺いします。
二点目、区が優先的に取り組むとしている事業として、多職種チームによるアウトリーチ事業を挙げております。アウトリーチ事業とは、保健師一人ではなく、医師や精神保健福祉士とタッグを組んで多職種による訪問支援を行うことで、それぞれの状態に応じて精神保健、福祉を幅広い視点から支援を行うというもので、今後、世田谷区としてその体制づくりを行っていくとのことですが、今後、多職種チームによるアウトリーチ事業をどのように展開していくのか見解をお伺いします。
三点目、地域の中に埋もれている未治療の精神障害者などへの支援について伺います。
先ほどの地域の方の悩みのように、地域では精神疾患などにより自宅で長年引きこもっていたり、本人に病状の自覚がなく、家族が困っている場合も多い現状があります。区として、このような場合の支援につなげるための対応をどのように考えているのか、精神障害者などへの相談体制の拡充や強化に関する区の見解を伺います。
四点目、精神障害者の方の居場所づくりについてです。
精神障害者の方、また御家族の方の声で居場所づくりは自分の生きているあかし、アイデンティティーとして重要と伺っております。区ではどのように考えているのか見解をお伺いします。
次に、ユニバーサル就労について伺います。
精神障害者施策の充実に当たっては、就労支援の強化についても重要であります。障害者雇用促進法の改正により、平成三十年四月から雇用義務の対象に精神障害者が加えられ、雇用促進が期待されているところですが、実態はその障害特性から週四十時間の勤務が難しい場合も多いのが現状です。
そこで、働きたくてもさまざまな理由により働きづらい方を対象に、その特性や事情に合った業務内容、雇用形態などを調整して働くユニバーサル就労の開発が今後有効と考えます。
その理由は次の三点。一、テレワーク――このテレワークとは在宅・サテライト就業――の推進により、常時勤務が困難な精神障害者や通勤困難な身体障害者が自由に働ける環境を整備できる。二、障害者を積極的に雇用することで、今後、深刻さを増すであろう労働力不足の解消に寄与できる。三、超短時間雇用が可能となる。これは雇用保険加入条件や障害者雇用率算定において二十時間以上が基準とされているが、これにとらわれることなく、短時間勤務を希望する障害者と希望に適した仕事をマッチングさせることで、生産性の向上も目指せる。この三点であります。
他の自治体では、ユニバーサル就労を積極的に取り入れており、例えば岡山県総社市は市単位で千人雇用を実現しており、鳥取県では千人雇用に向けたプロジェクトをスタートさせております。
区も新実施計画後期にユニバーサル就労の開発を掲げており、障害者支援の立場からもぜひ進めていただきたいと考えます。ついては、ユニバーサル就労の検討の背景、趣旨、目指すところを伺います。
また、現在の検討状況と今後の見通しはどうなっているのかについてもあわせてお伺いいたします。
次に、ゲリラ豪雨について伺います。
八月二十七日の集中豪雨では、一時間におよそ百十ミリの猛烈な雨が降り、区内でも特に半地下のお宅など大きな被害が出ました。その中でも、世田谷一丁目や上北沢一丁目など、ハザードマップには危険と示されていない地域でも、床上・床下浸水が起こりましたが、まず区の認識についてお伺いします。
次に、今回さまざまな方から声をいただきましたが、その中でも実際に深沢のマンションで床上浸水の被害を受けた方から、世田谷区も他区のように止水板の助成制度を創設してほしいとの声をいただきました。他自治体、例えば板橋区、北区、朝霞市、新座市などでは、止水板助成制度を創設して、豪雨に対して区民の方に対するケアを行っております。この止水板助成制度について見解をお伺いします。
次に、過去に何度か質問している土のうステーションについてです。
八月二十七日の集中豪雨や台風二十一号の影響による雨で、土のうステーションから土のうが約二千八百袋使われましたが、ゲリラ豪雨が起きてから土のうステーションを使う方が圧倒的に多い現状があります。中には、ゲリラ豪雨が終わった後で土のうステーションに土のうをとりに来た方もおられます。しかし、土のうは、ゲリラ豪雨が起きる前、雨が降る前に、日ごろから積んでおくことが一番効果的であります。
せっかく区内に五十一カ所土のうステーションがあるのですから、特に被害が多い地域に住んでいる方には、土のうステーションの使い方、また土のうを積むタイミングをゲリラ豪雨の記憶が新しい今こそSNSなどで周知すべきと考えます。このことは過去に何度か質問しましたが、改めてお伺いします。
次に、ゲリラ豪雨の対策にはハード面の抜本的な対策が必要と考えます。浸水対策には抜本的対策と流域対策がございまして、抜本的対策として河川の整備、下水道の整備、また基準量の見直しなどが挙げられます。流域対策としては、
雨水貯留浸透施設の整備、雨水浸透枡の設置などですが、今回は河川、下水道管の整備について伺ってまいります。
まず、現在の河川の整備について現状と今後について伺います。
次に、下水道管の整備ですが、下水道管には二種類ありまして、そのうち汚水管と雨水管が別々になっている分流式地域の雨水管の整備についてです。
平成二十五年の私の質問に対する答弁の際には、約二割しか整備をされていないとのことでしたが、進捗状況も含めお伺いいたします。
次に、何度も質問している滞在型の図書館について、進捗状況について伺ってまいります。
以前から滞在型図書館について、図書館機能だけではなく、文化施設としての機能も兼ね備えるべきと申し上げてまいりました。まず、パソコンと電源、Wi―Fiといったネット環境を整備し、閲覧席を充実させる。閲覧席を大幅にふやし、時間制、ネット予約可、有料自習室を整備する。そして、人々が集えるようなセミナールーム、小中学生用の学習室、読み聞かせ室など幅広い世代の方々がさまざまな用途で使用できるようにすべきである。
また、カフェも併設をして、区民の皆様が休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごすことができるような癒やしの空間を提供できるような滞在型図書館を目指すべきと申し上げてまいりました。
一方で、貸し出し、返却機能については、ICタグをフル活用することで、無人貸出機による本のセルフ貸し出し、セルフ返却、またセルフの予約貸し出しのコーナーを設けることができ、利便性向上、またコスト削減に寄与することができます。
前回の質問では、平成三十三年度竣工予定の梅丘図書館、平成三十四年竣工予定の中央図書館についてこれらの機能を整備すべきと主張いたしました。前回からの梅丘図書館、中央図書館の進捗状況についてまずお伺いします。
また、ICタグについて、前回の質問の答弁では、平成二十九年度に経堂図書館と世田谷図書館の二館にICタグを導入する予定で、その後、全館全てにICタグを導入予定を目指すとのことでした。その後の進捗状況についてお伺いをいたします。
最後に、図書館カウンターについてです。
この図書館カウンターについては何度も議会で質問し、現在、二子玉川と三軒茶屋駅近にございまして、大変好評でございます。今後、下北沢駅を初め、特に図書館が駅の近くにない場所にはこの図書館カウンターを整備すべきと考えます。
図書館カウンターの今までの実績と今後についてお伺いをいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎辻 世田谷保健所長 私からは、精神障害者施策について四点、まず、国が精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業を特別区に事業拡大した理由、そして国が示す十事業について区はどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。
国は、地域の保健・医療・福祉関係者が柔軟に連携し、精神障害者等へ迅速かつ包括的に支援ができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業の実施主体を今年度より特別区にも拡大いたしました。
区は、国が示す十事業中、今年度は必須事業の保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置のほか、区の任意事業である地域障害者相談支援センターの相談支援体制の強化に向けた準備や、アウトリーチ事業の体制づくり等に取り組み、残り七項目につきましても、優先順位をつけて実施をしてまいります。
次に、多職種チームによるアウトリーチ事業を今後どのように展開していくのかについてお答えいたします。
地域で暮らす精神障害者等で御家族などでは対応が困難な方には、総合支所の地区担当保健師が訪問支援や保健・医療・福祉サービスの利用支援を行っております。
一方、福祉の相談窓口など相談機会の拡充等により、未治療の精神障害者等に係る相談がふえ、地区担当保健師だけでは対応困難な事例に対しては、医師等の専門職から支援が受けられる体制整備が求められておりました。
こうした状況を踏まえ、平成三十一年度に世田谷保健所に保健師及び精神保健福祉士や専門医師等で構成する多職種チームを設け、地区担当保健師等とともに精神障害者等への訪問支援や保健・医療・福祉サービスの利用支援を担うほか、精神保健福祉法の改正後は、措置入院患者等の退院後支援計画の作成等を担ってまいります。
次に、精神障害者等への相談体制の拡充や強化に関しお答えいたします。
昨年六月に設置した学識経験者等によるこころの相談機能等の強化検討専門部会では、国の動向も踏まえた精神障害者等への相談体制の課題整理などを進めてまいりました。その中では、家族会から二十四時間相談窓口開設の要望をいただきましたけれども、当事者の昼夜逆転による生活リズムの乱れや相談窓口への依存症等についての懸念の意見も多く、今後も慎重な議論が必要であるものと結論づけました。
こうした専門部会での議論を受け、区は梅ヶ丘拠点に移設する区立保健センターに区が閉庁する平日夜間、休日等に相談できる電話相談窓口を整備する方向で検討を進めるとともに、区民に身近な福祉の相談窓口を初め、各相談窓口とより一層連携を図り、相談支援の充実に取り組んでまいります。
最後に、精神障害者の方の居場所づくりについてお答えいたします。
精神障害者等の当事者の方が自分らしさを発揮できる居場所が地域にあることは大変重要なことと捉えております。居場所の現状といたしまして、烏山地域では、当事者やサポートする区民等が主体となり、心と体をほぐす場として誰もが参加できるここからカフェを平成二十五年一月より毎月一回開催しており、世田谷保健所も協力をしております。また、本年四月からは玉川地域でも同様の取り組みが開始されております。
区におきましては、このような居場所づくりがより一層進められるよう、今後も地域の方々とさまざまな方策を考えてまいります。
以上です。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、ユニバーサル就労についてお答えをいたします。
まず、検討の背景、目指すところなどについてでございます。
区の就労支援は、障害者、若者、生活困窮者など対象に応じた支援機関を中心に行っておりますが、重複した課題がある方の中には、複数の支援機関を利用される方もおり、適切な支援に向けた支援機関相互の連携などが課題となっております。
また、精神障害の方では、週五日や一日六時間勤務などの一般的な求人では就労が難しい方もおられることから、障害の特性や本人の希望に応じた働き方ができる環境整備を図るため、ユニバーサル就労の検討、開発を新実施計画後期にも位置づけまして取り組んでいるところでございます。
これまで就労が難しかった方の就労の実現や社会的に課題となっております働き手不足解消の点も含めまして、誰にとっても働きやすい就労環境の実現を目指してまいりたいと考えております。
次に、現在の検討状況と今後の見通しでございます。
ユニバーサル就労の開発に向けまして、昨年度より各就労支援機関と庁内関係課で継続的に意見交換を行うとともに、ユニバーサル就労を先駆的に実施している富士市や短時間雇用創出プロジェクトを実施している川崎市を訪れまして、取り組みの状況や課題等の把握に努めてきております。
こうした取り組みを踏まえまして、今年度より、多機関の連携手法や短時間の求人開拓を検討テーマに、関係課によるユニバーサル就労支援機能開発検討会を設け、就労支援機関の意見を伺いながら、現状分析や実現に向けた課題の洗い出しに着手しております。
今後の検討でございますけれども、働く場をつくる機能、働く場につなぐ機能、ユニバーサル就労を広げる機能の三点について具体的な検討を進めまして、平成三十二年度の実施を目指してまいります。
以上でございます。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、ゲリラ豪雨対策につきまして三点、順次御答弁申し上げます。
まず、ハザードマップで危険とされていないところでも浸水被害が発生していることについての区の認識と止水板設置助成制度を設けられないかという点についてお答えいたします。
昨今の集中豪雨の状況から、これまでに大きな浸水被害が発生していない場所でも浸水被害が発生する可能性があり、特に住宅の地下室や地下車庫などにおける浸水のおそれが強くなっていると認識しているところでございます。
止水板につきましては、世田谷区
豪雨対策行動計画の家づくり、まちづくり対策の促進の中で、浸水被害に強い家づくりを目指して、止水板や排水ポンプ等の設置を促進することにより、地下や半地下建物における浸水対策を促進するとしております。
止水板の助成制度につきましては、東京二十三区のうち、品川区や板橋区など五区において助成制度がございます。世田谷区では、日ごろの備えとして、自助の一環として捉えており、止水板設置の啓発に努めているところでございます。
区としましては、今後も区民がみずから行う浸水対策につながるよう、周知の工夫に努め、助成制度につきましては、今後、先例事例の研究をしてまいります。
次に、土のうステーションの土のうの効果的な利用の仕方の周知についてお答えいたします。
自助の取り組みの中で土のうステーションの土のうが浸水被害予防対策に寄与することは大変意義があることと認識しているところでございます。そのため、浸水対策の日ごろからの備えの啓発や土のうステーションの効果的な利用を含めた周知をSNSなどにより行うなど、関係部署と連携して工夫しながら取り組んでまいります。
最後に、ゲリラ豪雨のハード面の抜本的対策である河川や下水道分流地域の雨水下水道管の整備状況についてお答え申し上げます。
豪雨対策の中で東京都が担っている河川や下水道の整備では、これまで一時間当たり五十ミリの降雨に対する対応の整備が進められているところでございます。河川整備のうち、野川につきましては、今年度でおおむね区内での河床掘削が完了し、五十ミリ対応の河川整備が終了します。また、仙川につきましては、現在、野川との合流部の護岸整備工事を行っており、その工事が終了後、順次、河床掘削工事を行っていく予定であると伺っております。さらに、谷沢川につきましては、今年度より谷沢川分水路の整備に着手したところでございまして、二〇二四年度の完成を目指して取り組んでいると伺っております。
分流地区の下水道雨水管の整備につきましては、現在整備率が三割弱のため、区といたしましても、東京都から下水道事業を受託するなど、早期整備を目指して取り組んでいるところでございます。
今後も河川整備や下水道雨水管の早期整備を東京都に要望するとともに、東京都と連携・協働して、豪雨対策を一層推進してまいります。
以上でございます。
◎花房 生涯学習部長 私からは、図書館について三点御答弁申し上げます。
まず、梅丘図書館、中央図書館の進捗状況についてでございます。
梅丘図書館は、現在改築に向けて基本設計の作成を進めているところでございます。羽根木公園と一体的な整備を行い、地域の活動、交流の拠点となる居場所としての機能充実やカフェの併設など、公園内という立地を生かした癒やしと憩いの空間の創出に取り組んでまいります。
また、中央図書館につきましては、昨年度に機能拡充の方向性を取りまとめ、一階のアトリウムの活用などによるにぎわいや交流の場の創出、子ども図書館機能の充実や、今月から運用を開始する多文化体験コーナーやプラネタリウムとの一体的利活用などを図ってまいりたいと考えております。
今年度は機能拡充の方向性を踏まえ、基本計画の策定、来年度は基本設計の作成を進めてまいります。
次に、ICタグについてでございます。
ICタグは、利用者の利便性の向上と業務の効率化を目的に、平成二十九年度には世田谷図書館と経堂図書館で全ての蔵書へICタグを貼付しております。今年度から自動貸出機を設置いたしましたが、少しずつ利用がふえてきております。
今後、設置した館での利用啓発を行いながら、第二次図書館ビジョン第二期行動計画に基づきまして、二〇二一年度までにICタグの全館への導入を進めてまいります。
また、梅丘図書館の改築及び中央図書館の機能拡充におきましても、予約資料を含めた自動貸し出しやセキュリティーゲート設置による館内での自由な本の持ち運びなど、利用者サービスの向上と効率的な運用を図るよう検討してまいります。
最後に、図書館カウンターについてでございます。
図書館カウンターは交通結節点の駅周辺や図書館へのアクセスが不便な地域において、資料の予約や貸し出し、返却などを主な機能とする施設として、平成二十七年に二子玉川と三軒茶屋の二カ所に開設いたしました。
図書館カウンターの利用状況は、貸出数は二カ所合計で平成二十八年度三十万七千件から二十九年度には三十四万五千件と増加いたしました。予約での貸し出しに限れば、ほかの区立図書館との比較でもそれぞれ五番目、六番目に当たる件数でございまして、新たな利用者の拡大につながっていると考えております。また、区内障害者施設の自主生産品の販売も行っており、販売事業の売り上げにもつながっております。
新たな図書館カウンターの設置につきましては、第二次図書館ビジョン第二期行動計画でお示ししているとおり、既設の二カ所での利用状況等を検証しながら、今お話にありました下北沢など多くの利用が想定される地域への設置の検討を進めてまいります。
以上でございます。
◆六番(ひうち優子 議員) それぞれ答弁をいただきましてありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、二番加藤たいき議員。
〔二番加藤たいき議員登壇〕(拍手)
◆二番(加藤たいき 議員) 地震や台風、豪雨を含め、ここ数年の気候、そして気温、常識が常識ではなくなっています。つまり、今までの常識が非常識になってしまっています。行政のあり方も、過去はどうだったかに捉われるのではなく、想定外を踏まえた上の対策を講じる必要があるはずです。インフラ整備、下水道や道路整備、必要な公共設備の重要さが改めて浮き彫りになっています。その上で、まずは学校体育館の冷暖房設備設置について聞いていきます。
昨年度も質問しましたが、気象庁からデータを引っ張ってきても、三十年前から約五度近く七月の平均気温が上がってきており、気温も天災の一つとして無視ができない災害の一つとなっています。
昨年、私の質問の答弁で、イニシャルコスト、ランニングコストを踏まえて検討するとのことでしたが、あれから約一年がたって、どのような議論があったのか。案の定、夏休み前の終業式は、体育館で行えない学校や、体育の授業自体のあり方を、外でも中でも行えないと悩んでいると、校長先生から聞いています。文京区は、先駆けて一年で小中学校全てに設置していますが、一台当たり百五十万円程度の装置を区内のある学校において昨年度試行実験したそうですが、効果があったと聞いています。ただし、大きな電圧がかかるそうで、そちらの対応もせざるを得ないとも聞いています。効率よく室内を冷やすための対策として、空調設備に加えて、屋根に遮熱性塗装を施すことにより、熱がこもりにくいようで、庁舎近隣の城山分庁舎にこの塗装を屋根に使ったそうですが、コストパフォーマンスもよいと聞いています。幾つかの策を同時に講じ、機能的に、かつコストを抑える策をすべきです。
また、昨年も言いましたが、災害時においても、体育館は、においや衛生面や食物保存を勘案した上で、絶対的に必要な施設です。先日ありました北海道の地震も、電気はすぐに復旧したそうですし、私も福島の震災後すぐに伺った際には電気も復旧したと聞いています。昨年の六月に大規模改造事業として学校施設環境改造交付金として国からの補助金がある今、早急に対応すべきです。学校改築時においての基本構想にまず入れるべきですし、順次既存の学校にも対応すべきだと思いますが、教育委員会の見解を伺います。
次に、特殊詐欺対策について聞いていきます。
世田谷区内の刑法犯認知件数は昨年度の上半期より三百二十件減の二千九百一件となりましたが、特殊詐欺認知件数は昨年度八十八件から百五十七件と二倍弱と大幅にふえました。この数字は、表に出た警察が把握している数字、警察に被害届が出された方の数字ですので、潜在的にはもっと多いと言わざるを得ないでしょう。また、恐らくこの数字の何十倍と特殊詐欺にかかわる電話と訪問があったことを考えると、高齢者がたくさん住む、これからふえる世田谷区において、対策は急務と言えるのではないでしょうか。金額も約四億四千八百万円と、命とお金を天秤にかけること自体ナンセンスだと思いますが、無視できない数字です。
それもあって、補正予算で世田谷区でも一千八百万円かけてその特殊詐欺対策に対しての施策を打つことになりました。しかしながら、どうでしょうか。周知に努める策が、特殊詐欺に対する抑止力につながるのでしょうか。これまでも周知しているのは承知していますが、既に限界に達しているのではないでしょうか。補正を使った施策は、世田谷線のラッピング電車、チラシの配布など。
ラッピング電車は、世田谷線の路線近辺でしか目に入らず、また、招き猫電車を想定したと推測されますが、地元の私でさえ毎日見るようなものではなく、猫の愛くるしさから来る目のキャッチだからこそ評判がいいのであって、特殊詐欺に関するラッピングに効果があるのか疑問です。最近では、スマートフォン普及から乗車中も電車を待っている際も携帯端末を見ている人が多いため、目に訴える視覚からの広告は、よほど興味がある方以外、厳しくなっているのが現状です。
特殊詐欺に関してもう一つ言うと、特殊詐欺に遭う方は、詐欺だと思って遭っているわけではないので、世田谷区が幾ら周知をしようと、私は、抑止力はもちろんですが、被害に遭う方が減少するとは到底思えません。世田谷区特殊詐欺相談ホットラインを設けると、区長は会見、また招集挨拶で語りましたが、それは警察の仕事であり、補正で組んだ施策も全て受け身、詐欺を起こさせない取り組みとは言えず、もはや宣伝効果を狙った区長のパフォーマンスとしか言いようがありません。
荒川区では、本年二月より、特殊詐欺対策の一つとして、防災無線を活用し、実績を上げています。居住人口の違いはありますが、荒川区の被害認知件数は、昨年度と比べてみると、一月は六七%増、運用を始めた二月、三月はゼロ%と昨年度と同様、四月にはマイナス一七%、五月にはマイナス三三%と、確実に数字を積み重ねてきており、非常に効果があると言えます。大体同じ地域に詐欺をしかけることが多いと言われている中で、警察からの情報をもらい、防災無線をピンポイントで使い、放送することにより、受け子の検挙につなげ、未然に被害を防ぐとのことです。荒川区の事例では、還付金詐欺で入金準備をしていた女性が防災無線を聞き、被害を防止したケースもあったそうです。
世田谷区でも、税金を使わない良策である防災無線を使った対策を講じるべきだと思いますが、見解を伺います。ほかの自治体でも行っているように、防災無線を天災時以外にも使えるようにすべきだと思っています。不審者情報などを、現在、学校では保護者向けメールで配信していますが、近隣の方には伝わりません。もしその情報がデマであっても、知らないで被害に遭う可能性を減らすほうが、私は区民の命を守る区のあり方だと思っています。ほかの自治体の検証結果を待っていては、被害がふえる一方です。
次に、カラス、ハト等への餌やりについて聞いていきます。
今年度四月一日より、カラス、ハト等への餌やりによる迷惑行為防止条例が動き始めました。昨年度も質問し、非常に前向きな答弁をもらい、当初、勧告等の是正ができるような条例になるのではと考えていましたが、でき上がったものは区民の責務としての努力義務にとどまり、私個人も、そして私の地元の方々も、正直落胆の色を隠せておりません。それでも条例に盛り込めたのは評価しておりましたし、新たな一歩目を踏み出せたことによって変わるものがあるのではと期待しておりました。
私の近隣地においては、少なからず変わった場所があります。しかしながら、非常に問題視していた地元の弦巻は一向に変わる気配もございません。先ほど新たな一歩と申し上げましたが、条例制定は、ゴールではなくスタートです。運用が難しい、あけてみたら変わらないのであれば、次のステップを考えるのが世の常ではないでしょうか。大阪府の箕面市や近隣区である荒川区では勧告、命令、名前公表、罰則と、条例内に規定しています。世田谷区でも条例内に盛り込むべきです。世田谷区では、この条例が誕生し、運用も含め、何が変わったのか、解決できるようになったのか伺います。
最後に、多文化体験コーナー「Touch the World」について聞いていきます。
中央図書館の二階に先日プレオープンし、十月一日より、いよいよ区内小学四年生の移動教室の受け入れを含め、オープンします。私も、昨年度末の予算質疑において、非常にこの施設に対して疑義を唱えてまいりましたが、先日のプレに参加し、一層感じざるを得ませんでした。辛辣な言い方になってしまいますが、正直、行政がつくった行政らしい施設であり、図書館に入ったついでにまた寄るかと、地元に住んでいる私でさえ、今の現状では思えません。
予算質疑において、中央図書館には年間五十万人訪れている中で、この場所にあった郷土学習室には年間一万人、うち五千人は子どもの移動教室であることを考えると、また同じ轍を踏むのでは、施設を運用していくに当たってはどのぐらいの人数の方が訪れるのか聞いたところ、数字も出てきませんでしたし、そもそもそういった議論をしてこなかったとありました。
移動教室のようなものであれば、教育委員会がプログラムを考える必要があるとは思いますが、施設の運営、運用を教育委員会が考えていくことは、私はそぐわないと思います。多文化の方も訪れる施設にするのなら、なおさらそうではないでしょうか。外国人の方が訪れることを視野に入れた施設であるはずなのに、外国人の方にも意見を聞いていないようです。であるのであれば、子どもたちの教育にかかわるソフト面だけを教育委員会が考え、それ以外は民間事業者に任せるような考えはないのでしょうか。常駐スタッフを置く会社があるようですが、あくまで委託会社であり、改善は教育委員会とのことで、指定管理者制度という考えはなかったのか疑問です。
また、五千万円の税金を投資し、あの中身では区民には到底理解ができません。それに約半分の二千五百万円がジオラマに投影するプロジェクションマッピング。それには金額がかかることも理解はしていますが、半額を使って、あの施設には必要なものだったのか、区民の納得できるものだったのでしょうか。
どれぐらいの人に来てもらうか、リピーター率を上げるための施策を私が三月に聞いたところから議論をどのように進めたのか、教育の一環として効果があるのか、プログラムはどう決めたのか伺います。
いずれにしても、ずるずる施設を使っていくのではなく、ノルマを定め、ある一定の期間で検証をし、継続すべき施設かどうかデッドを決めるべきだと思います。英語に特化したものや、先日オープンした東京都の英語村のように、広い世代に対して教育に有益な施設などのようにかじを切ることも必要だと思います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎淺野 教育次長 私からは、体育館の空調設備につきまして御答弁させていただきます。
世田谷区の小中学校の普通教室、特別教室については既に冷暖房設備を完備しておりますが、体育館は、大空間であり、冷暖房負荷が大きく、コスト面などの課題があることから、現在空調等の設備は導入はしておりません。
しかしながら、地球規模の温暖化等の影響により、昨今の真夏の気温の上昇は顕著であります。特にことしの夏は、酷暑と言われるように、全国的に熱中症で搬送される方が急増するなど、人命に危険を及ぼす状況が生まれております。こうした状況の中で、既に区長より空調設備導入を検討するようにとの指示を受けております。今後速やかに検討を進めてまいります。
一方、体育館のような大きな空間を効率的、効果的に冷却するという手法はさまざまな工夫が必要であると考えております。議員御指摘のように、断熱を施すことも効果が大きいものと考えております。空調を既に導入している他区の状況などを参考に、速やかに検討を進め、よりよい教育環境の整備に努めてまいります。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、特殊詐欺対策として防災行政無線の活用について御答弁いたします。
区内の特殊詐欺の発生に歯どめをかけるには、これまで以上に実効性のある対策を講じる必要があるものと考えておりますが、被害防止の啓発を広くかつ継続して行うことは、対策の基礎と認識しております。
二十三区では、これまでに把握したところによりますと、六自治体で防災行政無線塔を利用して特殊詐欺に対する注意喚起を行っており、荒川区では予兆電話入電地域に対する速報的な広報を行い、効果を上げているとお聞きしております。
しかしながら、当区では、防災行政無線を災害時に区民の命を守る重要なツールと位置づけ、避難情報やJアラート等の放送に用いております。現在、区では、即応的な広報の観点から、本年五月より、二十四時間安全安心パトロールカーを臨時転進させての広報を開始したところでございます。今後も有効な対策を行っていきたいと考えております。
以上です。
◎畝目 環境政策部長 私からは、餌やりによる迷惑行為の防止について、条例に定めたことにより何が変わったのか、解決できるようになったのかについて御答弁を申し上げます。
カラスやハトなどの野鳥に餌を与える行為により、その周辺に多数の野鳥が集まり、道路や建物がふんで汚され、また、鳥の鳴き声で生活環境が乱されるといった御相談や、区民意識調査においては、日常生活での困り事の上位に入るなど、地域住民の生活環境に影響が生じている状況であり、被害防止の観点から、区は、本年四月、環境美化等に関する条例において、野鳥への餌やりによる迷惑行為の防止を規定いたしました。区では、四月以降、餌やりによる迷惑行為の防止について条例で規定したことを「区のおしらせ」やホームページ、ポスター、区内掲示板など、さまざまな形で広く区民への周知に取り組んでまいっているところでございます。
条例に迷惑行為の防止を規定することにより、餌やりを行っている方に対しまして中止の働きかけの根拠となりますことから、注意喚起により餌やりをやめる事案もございますが、議員御指摘の事案につきましては、区といたしましても、定期的に現状を確認しながら、餌やりを行っている方に対し、文書や口頭により中止の申し入れを行っているところでございます。
野鳥への餌やりによる迷惑行為の防止の条例化に際しましては、法律の専門家の御意見をいただき、法令等に配慮しながら慎重に検討を行ってまいりました。区といたしましては、条例の規定に基づきまして、餌やりを行っている方に対して、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしている状況をしっかりと御説明し、餌やりの中止を粘り強く働きかけてまいります。
以上でございます。
◎工藤 教育政策部長 私からは、多文化体験コーナーについて御答弁申し上げます。
教育委員会としましては、グローバル化が進む社会情勢や小学校における英語の教科化などの流れを踏まえまして、子どもたちが英語の楽しさを実感し、言語や文化の多様性を理解し、多文化の視点から日本文化や世田谷の文化を学べる場として、多文化体験コーナー「Touch the World」を整備いたしました。この施設において、九月二十五日より開始します小学四年生対象の英語体験教室では、子どもたちが海外の生活の場面をイメージしながら日本文化や世田谷の文化を体験的に学び、小学校の外国語活動の充実につながるよう、校長を初めとした教員などで構成した委員会において検討したプログラムを実施いたします。
教育委員会としましては、今後、オリンピック・パラリンピック教育の推進とともに、いただきました御意見なども踏まえまして、中学生が学習に活用できるようプログラムの開発を進め、内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆二番(加藤たいき 議員) 防災無線に関しては、つまりはやらないということだと、私、認識したんですが、これは周知しただけで特殊詐欺が減っていくという考えであるのであれば、もう次のステップを考えながらそれをやっていかないと。(「金がかからないのに何でやらないのか聞いたほうがいい」「再答弁」と呼ぶ者あり)じゃ、再質問させていただきます。特殊詐欺対策として、周知で減ると思っているのか、また、税金がかからないで進める策についてどう考えているのか、もう一度お願いします。
◎工藤 危機管理室長 再質問にお答えします。
まず、防災無線につきましては、先ほど答弁ございましたように、二十四時間パトロールカーを、予兆電話が入りましたエリアに転進をしまして、そこで啓発をしております。
また、議員から御質問いただいたように、今、二次補正等、新たな取り組みもございますので、そちらをまずしっかりやらせていただいて、特殊詐欺防止に向けて取り組んでまいります。
以上です。
◆二番(加藤たいき 議員) 決算で続きをやります。終わります。
○三井みほこ 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三十六番藤井まな議員。
〔三十六番藤井まな議員登壇〕(拍手)
◆三十六番(藤井まな 議員) 災害対策について質問をしてまいります。
ことしは日本各地で災害対策について議論が交わされているのではないでしょうか。世田谷区でも首都直下型地震への備えをより万全なものにしなければならないと、多くの方が思ったのではないでしょうか。さらには、世田谷区でも八月二十七日の大雨で多くの建物で浸水被害が発生した集中豪雨。世田谷区における災害対策をより精度の高いものにしていかなければならないと思います。今回の質問では、災害対策に関して幾つか提言を行ってまいります。
まず、災害時に最も重要なのは情報だと考えます。的確な情報を素早く区民の方にお届けすることができれば、被害を軽減することが可能です。全ての御家庭にリアルタイムに正しい情報を流していくことを目標にしていかなければなりませんが、まだまだ現状では難しい段階です。それならば、事前にできる限りの正確な情報を皆さんに御提示することをまず優先すべきではないでしょうか。防災マップの普及をさらに進めるべきです。
既に世田谷区は洪水ハザードマップなどを作成しておりますが、全ての御家庭に必ず洪水ハザードマップがあるとは思えません。今の洪水ハザードマップは世田谷区全域を網羅する形の地図でありますが、もっと工夫が必要ではないでしょうか。もっと身近に感じるために、地域ごとのハザードマップの作成を提言いたします。一部、地域ごとの防災マップを作成している地区もありますが、例えばまちづくりセンター単位など、より地域に根差したマップの作成を全ての地域で行うべきです。また、洪水や浸水の被害と地震の被害では状況が変わってきます。表と裏でもよいと思いますが、それぞれの災害に対応した防災マップにすることが重要です。
また、今回の世田谷区における豪雨被害は、二〇一三年の豪雨被害の際と同じ場所で浸水被害が起きたところも見られました。そういった状況を落とし込めるような、常にブラッシュアップし続ける防災マップが必要と考えますが、世田谷区の考えをお伺いいたします。
また、今取り上げた浸水被害についてもお伺いいたします。今回、私の目で確認し、実際にお話を聞きに取材に伺った場所である上馬や弦巻地域は、五年前にも浸水被害が起きた場所でありました。区内には複数回浸水被害を出した地域がどれほどあるのでしょうか、お伺いいたします。
また、以前行った質問で、現在一時間に五十ミリしか耐えることのできない構造を一時間に百ミリの雨が降っても耐え得る構造に変えていくべきだと発言しましたが、こうした複数回の被害を受けている地域を中心に早急に進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
地震対策についてもお伺いをいたします。前々から質問を重ねている避難所についてお伺いいたします。梅ヶ丘拠点や介護事業所の家賃補助の政策などで徐々に福祉避難所もふえてきましたが、まだまだ不足をしています。多くの障害者団体の方が不安に思っているというお話も聞きます。今後、福祉避難所がどのようにふえていく計画なのか、世田谷区はどういった展望を持っているのかお伺いをいたします。
また、通常の避難所において国際的な基準であるスフィア基準の導入を検討できないかと研究してきましたが、今回、区内の団体からも予算要望としてスフィア基準を導入すべきでないかという御提言をいただきました。スフィア基準は、国際難民キャンプの劣悪な環境を改善しようと提唱が始まった基準であり、災害時の避難所では二十人に一人のトイレや女性トイレは男性トイレの三倍必要など、命をつなぐために必要な最低基準という内容になっています。あすからすぐに導入できるものではありませんが、世田谷区として、このスフィア基準をどのように捉えているか、また、導入にはどのような課題があるかをお伺いいたします。
三軒茶屋のまちづくりについて質問いたします。
会派の代表質問でも取り上げた三軒茶屋周辺の再開発について、今の区の進め方には大きな疑義があり、関係者の合意形成がないまま後押しをしていく姿勢には反対をいたします。
まず、お伺いいたします。地権者や三軒茶屋の町に集う人々の中で、この再開発に反対をしている方がいることを区は把握しているのでしょうか、お答えください。
きのうの区長答弁でもあったとおり、まちづくり素案では、方針一として、町の個性を継承、強化する、小さな店舗と住居が共存するヒューマンスケールのにぎわいの継承と書かれています。一方、方針二では、交通結節点の形成と多様な空間で町を支えつなぐとあります。これを再開発地域に置きかえてみれば、両方を成り立たせるのは至難のわざです。担当部長も担当課長も、本来の目的は方針二であると発言しており、再開発ありきの素案であると思います。改めて担当部長にこの方針の認識をお伺いいたします。
また、平成三十一年三月に方針策定となっており、きのうの我が会派の代表質問での部長答弁では、意見を聞く工夫をすると発言をされていましたけれども、地権者以外の意見を聞く場は設けられず、パブリックコメントがあるのみです。これが意見を聞く工夫なのでしょうか。結論ありきの部長答弁にしか聞こえません。半年で方向性を出す拙速なやり方は考え直すべきだと思いますが、区の考えをお伺いいたします。
医療的ケア児について質問してまいります。
今期、委員会や本会議を含めて最も時間をかけて質問してきた政策が医療的ケア児に対する取り組みです。まだまだ医療的ケア児を受け入れる施設が不足していると考えておりますが、区はどのように捉えているか、まずお伺いをいたします。
先月の八月二十七日に初めて世田谷区医療的ケア連絡協議会が開催されました。多くの意見が出されたことを評価いたしますけれども、本当に苦しい当事者や当事者の家族は、この会議に来ることすら、手を上げることすら、難しいことを知ってほしいと思います。今回の質問では、民間の医療的ケア児を扱う施設を御紹介し、その厳しい経営環境を少しでも知っていただき、区としてどのように感じるかをお伺いしたいと思います。
皆さんも御存じのことと思いますけれども、児童発達支援事業や放課後デイサービスが区内にはふえてきました。放課後デイサービスには二種類あり、発達障害などを扱う放課後デイと、重症心身障害児を扱う放課後デイでは、人員配置基準など大きく異なります。今回は、重心を扱う放課後デイサービスに取材に行き、現状を聞いてきました。この施設は、九月末、今月です。休止となります。登録者も多く、利用者も継続を求め続けていますが、退職希望の職員が出たため人員配置基準を満たせず、休止となります。そして、この施設は開所してから二年間、一度も黒字にはなりませんでした。
重心の子どもたちですから、送迎も必要となり、施設内以外に送迎にはドライバーと看護師さんが必要となります。子どもの体調はその日その日で変化します。当日に体調が悪くキャンセルとなると、施設の特性上、二十分の一のキャンセル料のみで利用料は入ってきません。区内の放課後デイでは、以前にも同じように、送迎などの問題で経営の難しさから施設の撤退などが持ち上がった施設もありました。重心の施設には、東京都の補助金をもらって運営している施設がほとんどですが、補助金はNPOや一般社団法人に限られています。国は補助金をNPOや社団法人には限定していません。この東京都独自の基準に対して世田谷区はどのように考えているか、お伺いをいたします。
送迎に関しても、介護タクシーのチケットや乗り合い送迎など、支援の形はないものかと頭をめぐらせてきましたが、この現状を区はどのように捉えているか、お伺いをいたします。
最後に、障害者雇用についてお伺いをいたします。
中央省庁で起こった障害者雇用の水増しは、多くの障害者団体を中心に疑問の声が上がりました。本来雇用されるべき障害者の方々が雇用されなかったことは、大変に残念なことであります。さらには、世田谷区においても、障害者でない方を障害者と算定していたということで、基準をしっかりと守っていた区内の企業などに失望が広がりました。今回の勝手に障害者と認定をした職員には、まだその事実を伝えていないということですが、なぜ伝えていないのか、伝えるべきではないのか、お伺いをいたします。そして、世田谷区は、今後の法定雇用率達成をどのように展望しているのかお伺いをいたします。
さらには、区だけではなく、外郭団体でもいまだに法定雇用率を達成していない団体がありますが、その団体が指定管理者として新たな指定を受ける来年の四月までには法定雇用率を達成させるように指導するべきだと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤 危機管理室長 私からは、災害対策として三点について御答弁いたします。
まず、防災マップづくりの御質問です。
区では、防災に関するさまざまなマップを作成しております。いわゆる防災マップとして、災害時区民行動マニュアルマップ版を作成しております。指定避難所や福祉避難所、広域避難場所、医療救護所等、災害時に必要となる情報を掲載しております。
また、ハザードマップとして、洪水ハザードマップと土砂災害ハザードマップの二種類を作成しております。洪水ハザードマップは全区版と多摩川版とに分かれ、全区版につきましては浸水予想図は東京都が公表しているもの、多摩川版の浸水想定区域図は国土交通省が公表しているものをそれぞれ掲載しております。土砂災害ハザードマップは、東京都が指定した土砂災害警戒区域、特別警戒区域を掲載しております。
こうした区全体の防災に関するマップは、広域避難場所や給水拠点、広域避難のルートを確認する際に有効でございます。一方、自宅周辺の情報をよりわかりやすく表示したマップも必要との認識から、既に一部の地域では、地区単位、町会・自治会単位で掲載内容等について地域住民同士で議論を重ね、町歩き等も行いながら、地域特性を踏まえた独自のマップを作成しております。
区といたしましては、過去の浸水履歴等も踏まえ、防災塾や地区防災計画の検証、修正等の際に、地域の実情に応じた個別の防災マップの作成を総合支所と連携し、支援してまいります。
次に、福祉避難所の不足への区の取り組みについての御質問です。
現在、区内には自宅や指定避難所での生活が困難な避難者を受け入れる施設としまして、九十三カ所の福祉避難所がございます。これは、それぞれの施設を運営します法人と区が協力協定を結び、施設の提供を受けているものでございます。区内の高齢者、障害者、妊産婦等の人数や、首都直下地震の被害想定により避難生活者数を考えますと、まだまだ十分とは言えない数字と考えており、今後も、区内に新たな施設ができましたら積極的に協力を呼びかけるなど、福祉避難所の拡充に努めてまいります。
最後に、避難生活におけます国際的な基準についての御質問です。
スフィア基準は、国際赤十字等のNGOがプロジェクトを結成し、作成されたもので、被災者等に対して支援者が守るべき最低基準として国際的な人道支援の現場で運営されているものでございます。国では、今後、我が国の避難所の質の向上を考えるときの参考にすべき国際基準としており、区としましても、避難生活者の支援を構築していく上で非常に重要な基準と捉えております。発災後の混乱等を考えますと、現状この基準を全てクリアするのは困難でございますが、スフィア基準のベースとなっております権利保護の考え方に基づき、避難所の質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、災害対策のうち、繰り返して浸水被害を受けている地区の水害対策について御答弁申し上げます。
繰り返して浸水被害を受けている地区としましては、弦巻地区、上馬地区、中町地区、深沢地区などがございます。特に上馬、弦巻地区につきましては、これまで何度も浸水被害が発生し、特に平成二十五年七月とことし八月の集中豪雨では、広範囲での浸水被害が発生しております。東京都下水道局では、こうした浸水被害を受けまして、豪雨対策下水道緊急プランを策定し、世田谷区内では初めての七十五ミリ対応の地区として上馬・弦巻地区を選定しております。
具体的な浸水対策として、下水道局では、この地区に蛇崩川下水道幹線の増強施設として、弦巻四丁目十一番の交差点から区立丸山公園までの延長約三キロにわたり、直径二・二メートルから五メートルの下水道幹線の整備を平成二十九年度に着手したところでございます。この整備には今後おおむね四年間程度の工事期間を要すると伺っております。今後も、区といたしましては、蛇崩川幹線の増強施設の早期整備を目指して、下水道局と連携を図り、また、地元の皆様方の御理解、御協力をいただきながら、浸水被害の軽減に努めてまいります。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋のまちづくりと再開発に関連しまして、まちづくり基本方針の認識、それから合意形成、さらに進め方につきまして、あわせて御答弁申し上げます。
区が今般取りまとめをしました三軒茶屋
駅周辺まちづくり基本方針(素案)は、魅力にあふれ、利便性の高い広域生活・文化拠点の実現に向け、町のビジョンとまちづくりの方向性を示し、行政、区民、事業者が連携してまちづくりを取り組んでいくことを目的としたものでございます。この素案では、庁内検討委員会や有識者検討委員会での議論を経まして、活力あるコミュニティーや多世代を集める魅力などの継承、交通結節機能の強化や交流する空間の充実、新しい価値を創造する機能の導入や利便性の高い駅前の機能の充実など、まちづくりの方向性として示したものであり、具体的な取り組みにつきましては、個別の誘導方針などにおきまして検討していくこととしてございます。
今後は、この素案にまず地元の町会、商店街など関係団体との意見交換、区民意見募集を行いまして、さまざまな機会を通じて、議員御指摘がございましたけれども、御意見をいただく機会を設けまして、方針として取りまとめてまいります。
一方、三軒茶屋二丁目地区におきましては、都市再開発法に基づく多くの地元地権者で構成をいたします再開発準備組合が、地区の課題解決や町の将来の発展を目指しまして、地権者の意見を聞きながら、施設計画の検討や合意形成に取り組んでいる状況については認識してございます。準備組合の土地の権利者の加入状況は約四割ということで、賛同を全ての方に得られている状況ではございません。
区といたしましては、三軒茶屋二丁目地区の再開発準備組合が検討している計画につきまして、今年度作成を目指しております基本方針で示すまちづくりの方向性を踏まえまして、公共性の高い計画となるよう、幅広い視点から町を取り巻く環境変化や、これからの社会のあり方を見据え、広域生活・文化拠点にふさわしい機能など、個別の誘導方針として検討を行いまして、まちづくりを適切に誘導してまいりたいと思います。
以上です。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、医療的ケア児の支援について二点の御質問にお答えをいたします。
まず、医療的ケア児を受け入れる施設の不足についての御質問でございます。
医療的ケアを必要とするお子さんは、区内に百六十人程度いらっしゃるものと推定しておりますが、医療的ケアを必要とするお子さんを受け入れる児童発達支援や放課後等デイサービスの通所事業所は、延べ七カ所、定員三十五人となっており、充実が必要と考えております。既存施設においても、看護師、理学療法士等専門職の確保や、体調により通所ができないことによる収支の不安定さなどの課題もございまして、民間事業者による新規開設を難しくしている面があると考えております。
そのため、区では、この間、子ども・子育て総合センター内に居宅訪問型保育を併用した児童発達支援施設を誘致したほか、梅ヶ丘拠点障害者支援施設では、医療的ケアにも対応する児童発達支援と放課後等デイサービスなどの事業を実施してまいります。また、平成三十三年、二〇二一年度には(仮称)花見堂複合施設内に児童発達支援施設を整備してまいります。
医療的ケアが必要なお子さんと家族の支援には、施設の整備運営に加えまして、訪問看護等の充実も必要でございます。本年八月に医療関係者や支援機関等の参加により設置をいたしました世田谷区医療的ケア連絡協議会の中で、これらの課題について検討協議しながら、関係機関が連携して支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、医療的ケアを受け入れる民間施設の運営の状況についての御質問でございます。
医療的ケアを必要とするお子さんが通所する児童発達支援や放課後等デイサービスの受け入れに当たりましては、利用の不安定さによる経営上の課題に加えまして、送迎時を含め、看護師の確保と、それに伴う経費負担も課題であるというふうに捉えてございます。障害児通所施設の運営は、国の制度の中で事業が実施されており、国が定める報酬には看護師配置加算や送迎加算もございますが、これらが医療的ケアを必要とするお子さんを受け入れる施設の実態に合ったものとなっているのかなど、施設運営上の課題を事業者から丁寧に聞き取り、実態の把握に努めたいと考えております。その上で、制度上の課題があれば、三年に一度行われます報酬改定に向けまして国に必要な対応を求めてまいりたい、このように考えております。
また、お話にございましたが、主に医療的ケアを要する重症心身障害児(者)通所事業に対する補助でございますが、重症心身障害児(者)通所事業所として都の指定を受けた事業所に対し、都の補助を受け、区が実施するものでございますので、対象となる法人や指定条件につきましては、今後の支援の点も含めまして、改めて東京都に詳細を確認してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎中村 総務部長 私からは、障害者雇用について二点御答弁いたします。
一点目は、障害者手帳を確認できなかった職員には障害者雇用の報告に算入していたことを伝えるべきという御質問です。
初めに、このたびの不適切な事務処理による区の障害者雇用率の誤算定につきましては、区の信頼を損ねる結果となり、その責任を重く受けとめております。国のガイドラインの認識が不十分であり、障害者手帳の所有を確認できなかった二十六人を含めて、障害者数として国に報告していた百十六人に対して、報告数に算入することについて御本人の同意の手続をとっておりませんでした。障害者手帳を確認できなかった方を含め、これまで同意を得ていなかった方に改めて告知をすることは考えておりませんが、現在、国からの依頼により、平成二十九年度の障害者雇用率の再点検を実施しており、この中で、障害者数に算入する場合は、さかのぼって御本人の同意を得ることとさせていただきました。
次に、今後の障害者雇用の展望についてです。
区は、障害者の就労を促進する立場であり、区としての法定雇用率の達成は喫緊の課題であると認識しております。法定雇用率の達成に向けた今後の取り組みにつきましては、現在行っています平成二十九年度の雇用率の再点検の結果も踏まえて進めてまいりますが、まずは、今年度から知的障害者、精神障害者も対象となった特別区人事委員会の統一的な採用選考による採用を拡大してまいります。また、区では、平成二十二年度から知的障害者、精神障害者の方々を民間企業への就職につなげるチャレンジ雇用を実施しており、この業務範囲の拡大などのほか、区独自の採用についても課題を整理しているところです。
今後、国に障害のある職員の採用計画を提出することになりますが、今回の件を踏まえ、改めて庁内の業務を見詰め直し、障害のある職員が適性を生かすことができる職務や職域、勤務形態を整理するとともに、中央省庁の取り組みも参考にしながら、早期の雇用率達成に向けた具体策を組み立ててまいります。
以上です。
◎岩本 政策経営部長 私からは、外郭団体の障害者雇用について御答弁申し上げます。
外郭団体の障害者雇用率につきましては、民間企業と同じ二・二%が適用されており、現在、世田谷区の外郭団体では、一つの団体を除く十団体で障害者の雇用義務数を満たしております。雇用義務数を超えて障害者を雇用している団体も四団体ございますが、一方で、公益財団法人世田谷区保健センターでは、二名の雇用義務数のところ、一名の雇用にとどまっております。保健センターにおきましては、職務の専門性などから課題があるとの報告も受けておりますが、できる限り早期に障害者の雇用義務数を満たすよう、団体において検討しているところでございます。
障害者の社会参加や障害者が能力を発揮できる職場環境づくりを進めるためには、区はもとより外郭団体におきましても、団体の規模や事業内容に応じて障害者雇用を進めていくことが重要です。区では、毎年、各団体の障害者雇用の状況を把握しておりますが、今後も各団体と十分協議しながら雇用の促進に向けて指導、調整してまいります。
以上でございます。
◆三十六番(藤井まな 議員) 障害者雇用に関して二十六人の職員の方が勝手に算入されていて、その人たちはいまだに知らないということは、やっぱりおかしいということは、もう一度述べておきます。
医療的ケアのお話、事業者の補助金に関して、ちょっと細かくなっちゃうので、この後決算で続きをやりたいと思います。
三軒茶屋の再開発に関してのお話なんですけれども、僕が質問の中で、この地権者の中にいながら、この三軒茶屋のまちに集う人々の中で、この再開発に反対している人たちがいることを把握していますかという質問をしているので、ぜひともその質問にまず答えていただきたいと思います。今の部長答弁の中だと、地権者の中のこの準備組合に加入しているのは四割しかいないわけですよね。つまり、それ以外の人たちの意見を聞く場というのはパブリックコメント以外になく、素案を来年の三月までつくるという話ですけれども、やっぱりそれはおかしいと思うんですけれども、そこら辺をもう一度部長に答弁を求めたいと思います。
◎渡辺
都市整備政策部長 再質問にお答えいたします。
再開発準備組合への加入状況という中で、全体としての反対の状況について、細かく私どものほうで把握しているところではないんですが、準備組合への加入が四割というところは、つまり、この再開発によって、将来のまちを目指すということで、いわゆる同志が四割ということでの参画ということでございますので、そういった意味で十分理解がまだ得られていないということで、合意形成に課題があるということで申し上げました。
地区外の方々につきましては、現在、再開発準備組合で、まずは組合員に対して施設計画の内容検討について御説明するとともに、権利関係についての考え方について説明をしてございます。今後、こういった内容につきましては、聞く場面が当然都市再開発法等の手続の中で出てまいりますので、そういった中でも聞いてまいりますけれども、私どもが今作成を目指しております基本方針の中で、地域の方々と意見交換をしてまいります。恐らくその中でも再開発に関するお話等も出ると思いますので、そちらの方々の声を聞きながら、私どもとしても、計画について組合のほうと意見交換をしてまいりたいと思います。
以上です。
◆三十六番(藤井まな 議員) この素案を最初からもう来年の三月につくるという時間ありきで、それまでに聞くのはパブリックコメントだけだというのは、やっぱりちょっと工夫がなされているとは思えないので、この話の続きはまた決算でさせていただければと思います。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、八番すがややすこ議員。
〔八番すがややすこ議員登壇〕(拍手)
◆八番(すがややすこ 議員) 質問の順番を変えて、初めに特認校など特色ある学校の制度について質問したいと思います。
平成二十八年度の文部科学省の調査では、不登校生徒児童が全国で十三万三千六百八十三人、世田谷区は平成二十八年、小中合わせ、前年度から四十四人増の五百五十八人で、平成二十五年度以降増加の一途をたどっています。毎年二学期が始まる九月一日は、子どもの自殺が一年で一番多く、学校に行くなら死んだほうがましと追い詰められている子どもが今も少なからずいることを思うと、胸が締めつけられる思いです。
不登校となるきっかけはさまざまですが、文部科学省の実態調査によりますと、家庭に係る状況が最も多く、続いていじめを除く友人関係をめぐる問題、学業の不振となっているようです。調査によると、約半数が、世田谷区でいえばほっとスクールのような公的教育の支援を受けており、その他は自宅にいるケースもありますが、NPOや個人が運営するフリースクールに通っているケースもあります。ただし、これは学校教育法の学校には当たらず、設置基準がないため学校卒業認定を受けることができないという課題もあります。
世田谷区のほっとスクールですが、ここも適応指導教室ということで、いわゆる学校教育法の中で位置づける学校には当たりません。心理的理由等により不登校の状態にある児童生徒が、体験活動やスポーツなどの小集団生活を通して、社会性や協調性を育み、自立心を養い、学校生活への復帰や、自分の進路の実現を目指すという、あくまでも学校に復帰するための活動の場です。
この課題を受けて、二〇一七年二月には教育機会確保法が施行されました。この法律は、不登校児童生徒に対する教育機会の確保等を総合的に推進することを目的とし、その責務を地方公共団体に課しています。特にこの法律では、不登校は誰にも起こり得ることで、学校に行くことが当たり前ではない、学校を休んでもよい、学校以外の場の多様な学習活動に対する支援を行うということが、衆参文部科学委員会の附帯決議として添えられていることが特徴です。
このように学校以外の場が学校としても位置づけられてきている動きの中で、来年二月には、ほっとスクール希望丘が開校予定です。運営を民間に委託するとのことで、フリースクール的な役割も果たしていくのではないかと考えられます。
そこで、世田谷区のほっとスクールを学校として位置づけ、特認校制を利用して、より多くの通学区域の児童生徒の就学を可能にしてはいかがでしょうか。
特認校制とは、学校選択制の分類の一つで、従来の通学区域は残したままで、特定の学校について、通学区域に関係なく当該市町村内のどこからも就学を認める制度です。二十三区では中央区が採用しており、小学校十六校のうち四校が特認校制度として運営されています。四校はそれぞれの特色を掲げ、通学区域外からの就学者を募集していますが、高額な制服で有名になった泰明小学校もその一つで、特色としては、明治十一年の開校以来、各界で活躍された方々が学んできた学校として伝統を大切にした教育を行っているといいます。
特認校制は、特に小規模校の活用方法の一つとして運営されていることが多いようで、北沢小学校の閉校の際も、特認校として残してほしいと保護者からの要望があったと聞いています。このほかにも、世田谷区には、例えば夜間学級のある三宿中学校、小中一貫して運営できる芦花小中学校など、特色ある学校があります。あわせて特認校として設置し、子どもたちの教育の場の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。
また、特認校制を活用すれば、今後、新たな特色ある教育の可能性もあります。これまでの学校教育のような画一的なものだけでなく、多様性が認められる社会の中では、教育の機会にも多様性が必要であり、世田谷区でもこのような視点で今後の教育を行っていただきたいと考えます。
例えば中高一貫校としてスーパーサイエンスハイスクール、スーパーグローバルハイスクール、芸術に特化した学校、テストや通知表のない学校など、まだまだ可能性は考えられますが、世田谷区において特認校制を活用した特色のある学校をつくる可能性について、見解を求めます。
次に、医療と連携した親と子どもを守る政策について質問いたします。
一点目に、発達障害の気づきの現状について質問いたします。
発達障害は、その症状もさまざまですが、成長の過程で見過ごされた結果、学校では一定の授業についていけない、友人関係のトラブルを起こす、不登校になるといったことにもつながってしまいます。親も含め、その都度、それぞれに合った必要な医療や相談体制などの支援を受けられる体制は大変重要です。発達障害は、障害ではなく、その子どもの特性、個性、特徴であるという視点で、その特性に合った教育や相談体制があることで、親にとっても子育てへの負担感の軽減につながることは言うまでもありません。
さて、子どもの心身の成長を見守る過程としては、まず乳幼児健診が挙げられます。世田谷区で生まれた子どもが受ける健診としては、三カ月、六カ月、九カ月、一歳半、三歳の計五回実施されており、うち三カ月、一歳半、三歳については、区の直営で集団健診を実施し、医師のほか、心理職、看護職等、多職種による健診と相談が行われ、発達障害の早期発見にもつなげているということです。このほかに一カ月、一歳、二歳の健診を追加して計八回実施するよう母子手帳の記載欄がつくられています。
一方で、アメリカで行われている日本の乳幼児健診的なものとして、小児科医による個別健康診断があり、約七割の子どもが受けているといいます。まず、乳幼児健診が生まれてから三歳までに十三回、三歳から二十一歳までは一年に一度かかりつけ医で三十分間の個別健診を受けることになります。三十分間のうち十分間は日本の学校で行われている健康診断と同じような身長、体重、視力測定、聴診器など、そして残り二十分は主にサイコソーシャル的な面、直訳すると社会心理的なとなりますが、例えば心理、精神的に何か気になる点がないか、あるとすればそれはどのような背景か、例えば友人関係、そして家庭環境があるのかなどについてのカウンセリングを小児科医が行うといいます。
日本でも、日本医師会の母子保健講習会の講演で、国立成育医療研究センターの医師より、心のストレスが身体症状化しやすい思春期に見られる精神疾患の特徴や要因を解説、思春期は、診療において、コミュニケーションの難しさがある反面、支援により変化が期待できるしなやかさもあるとした上で、身体の疾患、家族の不和、社会経済状況、不適切な養育環境など、発達課題の停滞に影響する因子に対して、バイオ、サイコ、ソーシャルの三つの視点からアセスメントすることを提唱しています。
世田谷区では、三歳では多職種による健診も行われるとのことですが、その後、対応はどのようになっているのでしょうか。発達障害の気づきにおける現状とあわせて御答弁ください。
発達障害の症状はさまざまで、その判断も大変曖昧です。それは障害なのか、その子どもの特性なのか、つまり、学校のような集団生活になじめないのか、授業についていけないのか、それとも性格なのかという点があり、以前は親の育て方が悪いからということも言われていました。また、このような発達障害の特徴は、大人になるにつれて目立たなくなると以前は言われておりましたが、本当にそうでしょうか。成長するにつれ、学校の勉強についていけなかったり、友人関係がうまくいかなくなるなど、精神的に追い詰められてしまって、それが結果的に先ほどのような不登校につながるといったことも考えられ、やはり三歳児健診以降も継続的に子どもの心と体を見守る仕組み、つまりアメリカで行われているような一年に一度のバイオ、サイコ、ソーシャルの視点での健康診断が必要ではないかと考えます。
日本の場合、実施体制などにまだまだ課題があることも承知してはおりますが、ぜひこのような仕組みを少しずつ導入していただきたいと考えます。そこで、小中学校で入学前や毎年行われている健康診断で現在の項目、つまり、バイオの部分以外にサイコ、ソーシャルという視点での健診を行うことはできないでしょうか、見解を求めます。
また、乳幼児健診以降、継続的に子どもの心と体の発達を見守っていくための仕組みを医師会と連携して構築していっていただきたいと考えます。見解をお聞かせください。
以上、壇上からの質問といたします。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 すがや議員にお答えをします。
特認校制度など特色ある学校制度についてということであります。
この間、区長部局である私が主催する総合教育会議の中で、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新、人工知能、AIの飛躍的な進化により、社会の仕組みや、将来、子どもの働き方も大きく変わる。そんな議論を重ねてまいりました。とりわけ、社会の変化に呼応しながら、教育や学校現場がどう変われるのか。学校といえば、これまでの尺度では、暗記する力、正確に目の前の事柄を処理する能力、これが問われて育成されてきましたが、昨今言われているアクティブラーニング、例えば主体的で対話的な深い学びというような、新しい学力観への転換ということが、文部科学省自体、新学習指導要領の中で語られる時代になってきたというふうに思います。
子ども一人一人が自分らしく豊かな人生を送ることができるようにすることは、学校教育において、読み書きそろばんなどの基礎的な学力を身につけるだけではなくて、生まれながらにして持つ潜在能力を最大限に引き出して、創造性と意欲、協調性、社会性、共感力などのいわゆる非認知的能力と呼ばれている部分を育み、それぞれの生き方の土台、基礎を養うことが重要だと思っております。
さて、議員御指摘の教育機会確保法ですが、この確保法が施行され、不登校の子どもたちの学校外の学び場の重要性が示されました。まさにこの法律はパラダイムシフトと呼んでいい法律で、昭和十六年、一九四一年の国民学校令、これは教育の国家統制を決定的に強めた、いわば公教育、国の教育、私学教育もいずれそこに統合していくという趣旨のものであったわけですが、ここで、この法律で初めて、学校以外の場で学び育つということが現実にあるではないか、それはそれで認めていこう、応援していこう、自治体もそれをやっていこう、こういう内容になっているわけです。
こうした対応は、不登校のみならず発達障害等により学校生活や集団生活になじめない子どもたちにとっても、同様のことが言えるかと思います。子どもたち一人一人が、夢や希望を持ち、主体的に取り組めるよう、多様な学びの場の創造をしていくべきだ。とりわけ、御質問にもありましたが、世田谷区内四万七千人の小中学生のうち五百五十人を超える児童生徒が現在不登校の状態にあるだろう。この現実は極めて重いものと、ほっとスクールの整備等を急いでやっていきますけれども。
同時に、今お話のあった特認校、この制度的なことについてはこの後教育委員会のほうから説明があると思いますが、そのほかにも特例校だったり、あるいは特区を活用するなどの方法があり、平均的、一律の教育にとどまらない意欲的な挑戦的な内容を持つ公教育、例えばお話にありましたような芸術表現、スーパーサイエンス等、時代の先端を行く学校教育の場がつくれないかということを教育委員会、そして、区議会の皆さん、また区民ともよく議論して、時代の要請、総合教育会議も次にSDGsについて語りますけれども、しっかりと今の御質問を受けとめて議論を深めていきたいと思います。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、子どもの発達障害の気づきの点についてお答えをいたします。
まず、発達障害の気づきの現状についてでございます。
発達障害のあるお子さんが、早期に医療や療育センターなどの専門支援につなげることは、生活の困難さの改善だけでなく、不登校やひきこもり、精神疾患といった二次障害を予防するためにも重要であると認識をしております。一方、子どもの発達に心配があっても、障害という言葉への抵抗感から専門相談や支援を受けたがらない保護者も少なくないことから、区では早期に必要な支援につながることができるよう、母子保健事業による早期発見に努めながら、子育て支援の窓口と専門的な支援機関とが相互に連携する体制を設けております。
また、三歳児健診以降につきましては、四歳六カ月を迎えるお子さんの保護者全員に、落ちつきがない、コミュニケーションが難しいといった心配がある場合は、子育て施設などの身近な機関で相談が受けられる旨の案内をさせていただいております。学齢期以降につきましては、教育相談や若者支援、生活困窮者支援などのさまざまな機関が連携し、相談に応じる中で、発達障害が疑われる場合は、必要に応じて発達障害相談・療育センター「げんき」や発達障害者就労支援センターゆにを御紹介するなど、役割分担と連携のもとで支援に努めております。
次に、かかりつけ医での発達障害の気づきの点でございます。
子どもの成長段階に応じ、身近な地域で発達についての相談が受けられることは、発達障害のお子さんを早期に必要な支援につなげていくために重要であると認識しております。アメリカでの取り組みの御紹介がございましたが、国内では、かかりつけ医が発達障害を早期に発見し、早期の支援に結びつけられるよう、昨年度より小児科医等を対象に対応力向上の取り組みを進めており、発達障害児の診察ができる医療機関が徐々にふえていくものと考えております。
区といたしましては、身近な相談機関に加えまして、今後、こうしたかかりつけ医とげんきなどの専門支援機関との連携に向けた取り組みを進めるとともに、児童相談所設置にあわせ、子育て相談機能の充実も検討しているところでございます。発達障害のお子さんの早期発見、早期支援、また、御家族が悩みを抱え込んでしまうことのないよう、かかりつけ医を含めた関係機関のネットワークの拡大を通じまして、相談支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、二点御答弁させていただきます。
まず最初に、学校の健康診断の件でございます。
教育委員会におきましては、子どもたちのための健康診断として、就学前に実施する就学時健康診断、就学後に実施する定期健康診断の大きく二種類の健診を実施しております。健康診断で行う検査項目につきましては、学校保健安全法等の法令に定める視力、聴力、歯及び口腔の疾病などとなりますが、これら健診項目を各学校に配置されております学校医及び学校歯科医である内科医、眼科医、耳鼻咽喉科校医、それから歯科医で診断しております。
御質問の学校健康診断でサイコソーシャルというお話をいただきましたが、小児精神科医等のメンタル的な要素ということでございますが、法令に基づく検査項目の中で実施してございますので、小児精神科医による診断は行っておりません。しかしながら、障害や発達上の特性がある児童生徒の保護者からの御要望などに基づきまして、別途御相談いただく等の対応はさせていただいて、丁寧に御案内しております。
教育委員会といたしましては、引き続き、児童生徒がそれぞれの状況に応じ、学校において適切に教育を受けることができるよう、各関係機関と連携を図りながら丁寧に取り組んでまいります。
続きまして、特認校制度ということで、芸術等に特化した特色ある学校という御質問ですが、学校の就学に当たっては、学校教育法施行令第五条によって通学区域に基づき、教育委員会が就学すべき学校を指定することが基本となっております。特認校制度は、学校選択制の一つの類型で従来の通学区域を残したまま、特定の学校について通学区域に関係なく当該区市町村のどこからでも就学を認めるものと分類されております。
世田谷区では、地域とともに子どもを育てる教育を推進する観点から、学校選択制はとってございません。なお、通学区域にかかわらず通えるものとして、不登校対策のためのほっとスクールがあり、学校教育法に基づく学校としての位置づけではないため、そのもの自体を特認校とはできませんが、引き続き不登校児童生徒の支援のため、将来の社会的な自立を目指し、機能強化に取り組んでまいります。
また、調布市の不登校特例校の開設など、他の自治体の動向を注視するとともに、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保の観点から、夜間中学校での対象生徒の拡充のための教育内容等を検討してまいります。
教育委員会は、本年三月に世田谷区特別支援教育推進計画(第二期)を策定いたしました。障害の特性のある児童生徒の中には、特別の才能や能力を十分に発揮できずに学校生活や集団生活になじめなかったり、生きづらさを抱え、自己肯定感が低くなってしまう児童生徒もいらっしゃいます。こうした児童生徒が自己肯定感を保ちつつ、夢や希望を持って生活していくことができるような教育環境や支援方法等について今後とも研究してまいります。
以上です。
◆八番(すがややすこ 議員) それぞれ御答弁いただきました。ありがとうございました。
まず、特認校制については、やはり教育委員会の御答弁を聞いていると、なかなか課題があるみたいなところもあると思いますので、ぜひ引き続き研究していっていただきたいと思います。
区長からは、子どもの生まれながらにして持つ潜在能力ですとか、多様な学びの場みたいな御答弁があったと思うんですけれども、その点が、本当に子どもたちのこれからの教育にとって重要だと思うんです。これまでの画一的な教育ではなくて、やはり多様な機会が教育の場にもあるべきであると思いますし、そういった視点でこれからの学校教育を行っていただきたいということを要望いたします。
それからもう一つの、学校で、精神心理的な、要は健診をやってもらいたいという点なんですけれども、学校保健安全法の中で決められた項目があるから、それでやっているということでしたけれども、それ以外にやってはいけない決まりはないと思うので、その点についてもう一度御答弁をお願いできますか。
◎淺野 教育次長 御質問の件ですけれども、法令に基づいた項目を行うことが基本となってございます。ですから、新たに任意につけ加えるということは基本的には難しいというふうに考えてございますが、障害や発達上の特性がある児童生徒の保護者からの要望などに基づき、別途丁寧に対応させていただきたいと考えております。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上ですがややすこ議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時五分休憩
──────────────────
午後三時二十五分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
────────────────────
○三井みほこ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○三井みほこ 議長 一般質問を続けます。
三十八番平塚敬二議員。
〔三十八番平塚敬二議員登壇〕(拍手)
◆三十八番(平塚敬二 議員) 通告に基づき質問いたします。
初めに、児童相談所開設に向けた里親支援の取り組みについて伺います。
先日、地元で里親をされている方からお話を伺いました。内容は、高校生の女の子をお預かりして一年以上が過ぎているのに、いまだにコミュニケーションがとれず、これ以上続けることはできないと考えて、児童相談所に相談しようと連絡をしたところ、対応が大変に遅く、話を聞いてもらうだけでも時間がかかり、やっとの思いで里子をお返しすることができたとのお話でした。そもそも、マッチングのときに里子の状況についてほとんど説明もないままに受け入れてしまったことを里親の方は嘆いておられましたが、現在の児童相談所においても、里親制度には多くの課題があるのではないでしょうか。
そこで、我が会派では、静岡の里親家庭支援センターを視察させていただきました。NPO法人静岡市里親家庭支援センターは、平成十七年四月、静岡市の政令指定都市移行に伴い、静岡市児童相談所として開設されるのと同時に、静岡県中部地区里親会から独立をして静岡市里親会を設立し、児童相談所内に一部屋を構えます。同会は、里親として活動するとともに、児童相談所と連携をして里親促進事業や里親支援事業の取り組みをスタートします。翌年、十八年四月には、地域と児童相談所とのパイプ役を担う里親促進事業推進員を設けて十一名の先輩里親に委嘱をします。推進員は、地域の里親宅を訪問して、里親やその家族の相談を受けて必要な助言を行うとともに、地域の民生委員児童委員などと協力をして、里親制度の普及啓発を推進していきます。その後、里親サロンやちびっこサロンを開催するなど、里親支援を続けられ、二十二年にはNPO法人設立、二十三年には静岡市より里親支援業務の一部を受託、二十五年には里親委託に係る措置権を除く里親支援業務全般を受託しています。現在では、普及啓発、研修、相談支援の三本柱で活動されていました。お話を伺う中で、里親の会が団結をして里親の皆さんを支援する中で、力をつけられて現在の支援センターができ上がったことがよくわかりました。
そこで質問しますが、世田谷区が児童相談所開設に向けた里親支援の取り組みにおいては、静岡市のように、児童相談所の中にワンストップで相談ができる相談窓口を設置すること、また、担当者は職員ではなく、先輩の里親の方にお願いをする体制を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。
次に、高齢者の住まいの確保について伺います。
世田谷区では、民間賃貸住宅への入居者が安心して暮らし続けることができるよう、住宅部門と福祉部門のさらなる連携を図り、入居を推進するため、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法に位置づけられる居住支援協議会を平成二十九年三月二十一日に設立して一年半が経過しました。居住支援協議会の設立に伴い、不動産関係団体、社会福祉法人、NPO法人等の多様な主体と協働、連携し、住宅確保要配慮者に対して住まいの確保を支援していくとしていますが、特に高齢者の入居が難しいことが改善されていない状況が続いています。
また、せっかく御協力をいただけても、先月の末に火災があり、火元の住人がなくなってしまう事故がありました。大家さんからの話では、二階に住んでいた住民の方は、高齢で生活保護を受けていたのに、昨年の更新時に手続の不備があり、火災保険の更新をされていなかったために、大家さん御自身が加入していた火災保険で改修費用全てを賄わなくてはならず、協力したのに大変残念であるとのことでした。
世田谷区では、今月の居住支援協議会において、東京都の居住支援法人としての指定を受けて、高齢者向け入居・居住支援サービスを行っている民間企業と居住支援協議会に参加している不動産関係団体、世田谷区との間で協定を結ぶ方向で検討しており、その内容を区内の賃貸住宅の大家さんにお伝えをして、高齢者等の住宅確保要配慮者の受け入れをお願いしていくと聞きました。この民間企業の行っている高齢者向け入居・居住支援サービスの内容としては、初回登録料一万円や月額利用料千五百円を払うことで、週二回の安否確認のサービスがあり、また、居室内での不慮の事故があったときには原状回復、遺品整理、葬儀費用を百万円まで補償します。金額を上げれば居室以外の場所での事故にも対応できるそうです。
そこで、二点質問をいたします。
一点目は、今回の協定を結ぶことにより、不慮の事故があったときに、今までは大家さんの負担であった原状回復や遺品処理に対する不安の解消が見込めます。このサービス内容をどのように周知して、高齢者等の住宅確保要配慮者の住宅の確保を進めるつもりなのか、区の考えを伺います。
二点目は、居住支援サービスは、見守りも含めて、福祉部門でもさまざま行っています。今後のアフターケアとして、福祉部門との連携をどう整理していくのか、区の見解を伺います。
次に、空き家対策について伺います。
世田谷区では、空き家等の実態調査を行い、平成二十九年七月末時点での空き家の数は九百六十六棟であり、平成二十三年度の
土地利用現況調査により把握した二百七十七棟と比べても、六年間で三・五倍に増加しています。また、現地調査の結果を踏まえて著しく管理不全は八棟、管理不全は百五十六棟、管理不全予備群は三百十七棟、良好な状態は四百八十五棟となっております。著しく管理不全の空き家八棟に関しては、特定空き家の認定が五棟、そのうち四棟は解体済みであり、残り一棟、また他の残り三棟も指導に入っているとのことです。
昨年は、所有者等にアンケートを送付して、九月末時点で五百四十通の回収がありました。そのうち空き家等として集計したアンケートは二百四十六通あり、さまざまなことがわかってまいりました。回答者の七割は六十歳以上の方であり、建物は七割以上が昭和五十六年以前に建てられた旧耐震基準の建物であること。空き家になったきっかけは、約五割が居住者の死亡や介護施設等への入所や入院であり、管理については、約八割の方がみずから、また親族が行っているとのことです。
このアンケート結果を見ますと、所有者の高齢化、建物の老朽化がわかります。今後の管理不全の空き家等の発生抑制には、所有者やその親族による管理から民間の管理会社が必要な管理をしていくことが重要ではないでしょうか。
例えば、東村山市では、民間事業者やNPO法人と協定を締結して、相続、維持管理、解体、賃貸、売却など、空き家についてのお悩みを相談できる総合相談窓口を設置しています。相談は原則無料でフリーダイヤルにて二社が対応しており、一社は九時から五時まで、一社は十時から六時まで、定休日以外は年中無休で受付を行っています。委託ではないので費用はかからないそうです。市民としては、ワンストップで相談ができるメリットがあります。市としては、今後は情報提供を受けて、管理不全の抑制に努めるそうです。
また、協定を結んでいるNPO法人は、百円管理サービスを行っています。初期費用として三千八百円で登録をして、毎月百円を払うと、外部からの目視点検した巡回報告書を写真つきで作成し、Eメールで送ってくれるそうです。このサービスは、所有する空き家が原因となる事件を抑制することを目的としています。百円管理サービスを利用すると、NPO法人の管理看板を設置し、管理者がいるということを知らせることで、不法侵入や放火などの犯罪を抑制する効果もあり、また、看板を見た近隣の方から連絡があった際にもNPO法人で対応しますので、管理物件に対する近隣の方々の理解も得ることができ、御近所の方々と協力して、より安心できる管理が可能となります。さらに、ポストの清掃や敷地内の草刈り、立ち木の剪定なども別料金で行うそうです。
そこで、二点質問いたします。
一点目は、空き家のアンケートの結果から、所有者の高齢化や建物の老朽化を考えると、管理不全の空き家の発生抑制には民間の管理会社が必要な管理をしていくことが重要であると私は考えますが、区の見解を伺います。
二点目は、空き家に係る民間管理会社などの情報発信ですが、今回アンケート調査したように、ダイレクトメールで所有者に直接新たな情報を提供して、まずは管理不全にならないように周知をして推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童相談所開設に向けた里親支援の取り組みについてお答えさせていただきます。
国は、本年七月に里親への包括的支援体制の抜本的強化に向けたガイドライン等を示したところであり、東京都におきましても、本年一月より、児童相談所と児童養護施設や里親支援機関がチームとして養育家庭を支援するチーム養育支援を開始したところでございます。区といたしましては、国や東京都の取り組みとその効果を見きわめながら、区独自の支援プランを構築する必要があると考えており、その検討を進めているところです。
里親制度の効果的な普及促進に当たりましては、里親として子どもを守り育むことの難しさや喜びを知る当事者ならではの経験や視点を生かし、里親同士が助け合い、研修や相談支援などを行う仕組みづくりが不可欠であり、そのためには里親自身による積極的な活動をサポートし、区ならではの地域との顔の見える関係を最大限に生かした積極的な支援が重要であると考えております。
他自治体の先駆的な取り組みや里親支援団体の取り組みなども参考にしつつ、里親の皆様の御意見を十分に踏まえながら、温かく里親家庭を見守る地域づくりと支援体制の構築に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、高齢者の住まいの確保につきまして、二点に御答弁申し上げます。
まず、居住支援サービスを行う民間企業と協定を結ぶことにより、どのように周知し、オーナーに協力をいただき、高齢者の住宅を確保するためにどのように進めるのかでございます。
世田谷区居住支援協議会では、議員お話しのとおり、昨年度より、単身高齢者の民間賃貸住宅への入居促進策を検討してまいりました。この中で、このたび入居後の安否確認と万が一の場合の部屋の原状回復や遺品整理などにかかる費用補償のサービスを入居者などとの契約により提供する、民間事業者と不動産団体と区で連携し貸し主の不安要素を解消する取り組みを推進していくことを確認いたしました。今後は、高齢者の入居促進につながるサービスを持つ民間事業者と包括的な連携協定を結ぶことにより、まずは事業者のサービスを取り扱う不動産店を拡充していくこと。そして、そのことにより、高齢者の方がサービスを利用できる環境を整えていく必要があると考えております。
区といたしましては、協定の締結を報告する内容を含めましたチラシなどを作成し、居住支援協議会参加団体である不動産団体などにも御協力をいただきながら、個々の不動産店に周知を進めるなど、民間事業者と連携した関係者向けセミナーの実施や、区ホームページなどを通して積極的にこの取り組みを周知してまいります。
次に、居住支援サービスについて、福祉部門との連携をどう進めるのかでございます。
高齢者の入居後における居住支援サービスにつきましては、御指摘のとおり、既に福祉部門で取り組んでいるさまざまなサービスがあることから、福祉部門との連携は不可欠であると認識してございます。現在、世田谷区居住支援協議会におきまして、高齢者の居住支援に当たって貸し主の方が高齢者を受け入れる際の不安解消に資する内容、例えばケアマネージャーやあんしんすこやかセンターなどの連絡先や福祉サービスの支援体制等の情報を入居予定者と貸し主とで共有するためのリーフレット的なものも有効であると考え、その内容を検討してございます。検討に際しましては、福祉部門との連携を十分に図りながら、居住支援協議会でも議論を重ね、作成をしてまいりたいと考えております。高齢者の方が入居後も安心して住み続けられるよう、具体的な取り組みをさらに進めてまいります。
以上です。
◎関根
防災街づくり担当部長 私からは、空き家対策について二点お答え申し上げます。
まず、民間の事業者が空き家の管理に関与することについてです。
区では、本年十月に策定予定の世田谷区空き家等対策計画の検討過程において、その基礎的データとするため、昨年度、空き家の実態調査として、現地調査や所有者等へのアンケート調査を実施いたしました。その結果、空き家の所有者等に高齢者が多いことや、旧耐震基準の建物が多いことなど、空き家が管理不全になってしまう事情があることが判明いたしました。これらの事情も踏まえ、空き家についての相談体制を充実するため、空き家の適切な管理、流通の施策の一つとして、現在、空き家の所有者等が抱える問題に応じて、弁護士、司法書士、建築士などの専門家等に相談できる仕組みの検討を進めております。
また、東京都では、空き家の相談に無料で応じるワンストップ相談窓口として、民間事業者と連携した空き家利活用等普及啓発・相談事業を行っており、空き家の管理についても相談できる体制となっております。区では、この事業について、空き家の適切な管理につながる窓口として空き家の所有者等に対し周知を努めております。
今後とも、民間事業者との連携について、他自治体の事例を研究しながら、区内の空き家の状況に応じた独自の取り組みも検討してまいります。
次に、空き家に係る情報発信についてです。
このたび取りまとめた空き家等対策計画の案では、管理不全な空き家の発生抑制対策の一つとして、建物の適切な管理の必要性や、管理不全な空き家が地域の住環境に影響を及ぼすことなどについて、高齢者にもわかりやすいガイドブックを作成することとしております。ガイドブックの作成に際しては、弁護士、司法書士、建築士などの各専門家や金融機関などにヒアリングを行い、空き家の所有者等が抱えている問題を解決するために所有者等が真に必要としている情報や、空き家を所有し放置しておくことのデメリットなどの掲載を予定しております。
ガイドブックでは窓口での配布やホームページでの掲載に加え、空き家の実態調査で把握した空き家の所有者等にも送付するほか、区民からの通報などにより新たに把握した空き家についても所有者等の所在を調査し、随時送付してまいります。区といたしましては、管理不全な空き家の発生抑制に必要な情報を積極的に提供することなどにより、良好な住環境の保全につなげてまいります。
以上です。
◆三十八番(平塚敬二 議員) 答弁ありがとうございました。二点再質問します。
一つは、ぜひ相談窓口の設置に向けて準備をしていただきたいということです。これはまだ答弁いただいていないのでお願いします。
もう一つは、居住支援なんですけれども、今、現状、入居されている方にもしっかりと周知をしていただきたい。この点に関してもちょっと答弁をお願いします。
◎関根
防災街づくり担当部長 再質問にお答えいたします。
総合相談窓口の準備でございますが、空き家等対策計画の策定にあわせて相談窓口を開設する予定で、現在準備を進めております。
以上です。
◎渡辺
都市整備政策部長 再質問にお答えいたします。
入居をされている高齢者の方々にもさまざまな手法を研究させていただきながら、効率的に周知をさせていただきたいと思っています。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 再質問にお答えいたします。相談窓口の設置についての検討ということでございます。
現在、先ほども御答弁させていただきましたとおり、里親の支援につきましては、社会的養護の検討を、今、区独自の支援プランというのを検討しております。議員から御提案がございました相談窓口につきましても、一つの選択肢ではあると考えておりますが、専門家による検討委員会でも、里親の方から現在実施している都のチーム養育支援を継続してやってほしいなどという御意見もいただいておりますので、そういう御意見も踏まえながら、この窓口については検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
○三井みほこ 議長 以上で平塚敬二議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、四番青空こうじ議員。
〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手)
◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。
この夏、区立小学校が夏休みに入った土日の二日間、三軒茶屋では、世田谷区と環境エネルギー・ラボ実行委員会が共催して、大変大きな子ども環境イベントが開催されました。私も、初日に会場となった文化生活情報センターと三軒茶屋のふれあい広場に行ったのですが、イベントが始まる午前十時より前にイベントの整理券を求める親子連れが行列をつくり、会場内もワークショップの参加者や多くのボランティアなどで大変なにぎわいになっていました。これほどにぎわいのある区のイベントに参加するのは本当に久しぶりでした。会場では、お父さん、お母さんとともに参加した子どもたちが楽しそうに万華鏡づくりやペットボトルを使ってつくる雲づくり、環境をテーマとしたゲームに参加していました。
出展協力を行っているのはどんな人たちか、プログラムを見てみると、東京都市大学、産業能率大学、昭和女子大学、東京農業大学、青山学院大学、国際ボランティア学生協会、そして慶応の藤沢高校などが名前を連ね、百名を超える大学生、そして高校生がボランティアとして参加していました。実際のワークショップの様子を見学したのですが、ボランティアの学生さんたちの教え方が上手で、また親切に丁寧に子どもたちに接していると感心しました。ボランティア以外にもさまざまな環境団体、企業などがそれぞれ用意した、創意工夫にあふれたワークショップを実施していて、子どもたちだけではなく親御さんたちも大変楽しそうにしている姿が印象的でした。
そこで伺いますが、このような大変すばらしい環境イベントを企画した意図はどんなところにあるのか、また、今回この環境イベントの成果を主催した世田谷区及び実行委員会はどんなふうに捉えているのでしょうか。
環境教育や環境保全の重要性はこれからますます高まることと思われます。将来を担う子どもたちが環境について楽しく学ぶことができる環境エネルギー・ラボを今後どのようにしていくのか、考えをお伺いします。
また、ことしの夏は、気象庁が一つの災害として認識しているという発表をしたほど記録的な暑さが続きました。台風も毎日のように発生、中でも台風七号及び梅雨前線などの影響で六月二十八日から七月八日にかけて、西日本を中心に甚大な被害をもたらした平成三十年七月の豪雨は、これまでの想定をはるかに上回る大雨を記録しています。九月四日には、今世紀最大の勢力である台風二十一号が上陸し、この台風でも四国から近畿地方を中心とした甚大な被害が発生しました。そして、台風二十一号の去った翌々日の六日には北海道で震度七を記録する地震が発生しました。
まさに矢継ぎ早に起こる大災害に、日本列島が災害列島であることを改めて認識するとともに、亡くなられた皆さんに心からお悔やみを申し上げ、被災された皆様には一日も早く平穏な日常の生活が戻ることを祈念申し上げます。
さて、日本各地で発生する災害は、他人事ではありません。我々も、いつ何どき被害に遭うかわからないことを肝に銘じている必要があると強く感じています。世田谷区においても、八月二十七日には関東を中心に大気の状態が非常に不安定になって、夜には雷を伴う猛烈な雨となりました。私は当日家にいましたが、これまで経験したことのないような雨と風、そして雷が三十分程度続きました。区からの報告では、区内における十分間の最大雨量は、世田谷の観測地点が四十ミリ、一時間最大雨量は玉川の観測地点で百十一ミリを記録したということでした。
この大雨で、世田谷区内では床上浸水が約二百五十件、床下浸水が約二十件、また、地下車庫などの浸水も多数発生し、さらに、区内各所で停電が発生し、私の近くの松原五丁目では約九時間も続いたと聞いております。世田谷区では、今回の大雨で警報が発表された時間は二時間半程度ですが、七月に発生した西日本の豪雨のように、数日にわたり大雨が降り続くことも今後十分に想定されると思います。豪雨への対策はますます重要になってくるのだと私は思います。
そこで、まず、今回の大雨で水の被害に遭われた世田谷区民の方に対する区の支援について質問しますが、被災された世帯などに対する区の支援制度はどのようなものがあるのかお伺いします。
また、区ではこれまでも洪水ハザードマップや先般更新された土砂災害ハザードマップ、ホームページでは、気象情報や雨量、水位情報、また、災害・防犯情報メール配信サービスなどさまざまな媒体で情報を発信していますが、さらに区内の浸水履歴や河川・下水道整備状況を公表し、日ごろの水害対策の参考になる情報を発信しています。河川や下水道の整備は現在も進められていますが、インフラ整備は一朝一夕に完了するのではなく、これらの情報をもとに、区民みずから豪雨に対する対策をとっていくことが今後ますます重要になっているのではないでしょうか。今後の豪雨対策として、区ではどのような対策に重点を置いていくのか、お考えをお伺いします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎畝目 環境政策部長 私からは、環境エネルギー・ラボのイベントについて、三点順次御答弁を申し上げます。
初めに、一点目と二点目のイベントを企画した意図と成果をどのように捉えているのかの二点について、あわせて御答弁を申し上げます。
環境エネルギー・ラボ二〇一八inせたがやは、未来を担う子どもたちが環境エネルギー問題を科学的に捉え、楽しく学び、参加者がみずから課題解決に向け創意工夫を始めるきっかけづくりとするため、世田谷区と実行委員会との共催により開催いたしました。
実行委員会には、川崎市のほか、東京都市大学、産業能率大学などの大学やNPO等に企画段階から参加を得て、協働して環境に関する体験イベントを構築し、多くの大学や企業、NPOや市民団体、交流自治体など三十二団体もの御出展をいただき、七月二十一日と二十二日の二日間、約三千名を超える御来場をいただきました。
また、世田谷区と川崎市との包括協定に基づく連携協力の取り組みといたしまして、同日に環境エネルギー・ラボ二〇一八inたかつが開催されました。さらに、環境教育の推進の取り組みといたしまして、教育関係者を対象とした子ども環境教育フォーラムを開催し、世田谷区の教員だけではなく、川崎市の教員を初め、文部科学省、大学関係者など総勢五十名もの御参加を得ることができました。
区といたしましては、来場者のアンケート結果から、本イベントの満足度は非常に高く、楽しかった、来年も開催してほしいという御意見をたくさん頂戴し、環境教育の推進や自治体間の連携を深める上で大きな成果を上げ、全体として大成功であったと考えてございます。
次に、三点目の今後のイベントの展望についてでございます。
今回、区と実行委員会の共催により開催いたしました環境エネルギー・ラボ二〇一八inせたがやは、大変多くの大学生、環境団体、企業等の御協力をいただきまして、非常に有意義な環境イベントとなったと考えてございます。ことしは記録的な猛暑や豪雨災害等が各地で発生するなど、地球温暖化対策の重要性は一層高まっており、子どもたちの環境問題への意識を高め、環境に配慮したライフスタイルを促進する上で、環境エネルギー・ラボは非常に大きな役割を果たすものと考えてございます。今後も、実行委員会や関係団体と協働して、環境エネルギー・ラボをさらに充実発展させ、未来を担う子どもたちの環境意識の醸成や環境配慮行動の推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、水害による被災世帯への区の支援制度について御答弁いたします。
今回の大雨で浸水等の被害に遭われた世帯へは、世田谷区災害見舞金支給要綱に基づきまして、床上浸水の場合は単身世帯に三万円、複数人世帯につきましては四万円を支給することとなっております。また、被害に遭われた家庭から出される粗大ごみや臨時ごみの処理手数料の減免、水が引いた後の屋内の消毒、また、被害の状況に応じて税金等の減免制度がございます。区では、八月二十七日の翌日から区のホームページにおいて、これらの支援制度を掲載し、支援内容について御案内しているところでございます。
以上です。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、今後の豪雨対策として区はどのような対策に重点を置いていくのかという点につきまして御答弁申し上げます。
ことし六月に策定しました世田谷区
豪雨対策行動計画では、豪雨対策の取り組みについて四つの柱がございます。その中で、今般の平成三十年七月豪雨等の被害を踏まえますと、区が早期に取り組むべき対策としましては、家づくり・まちづくり対策の促進及び避難方策の強化であると考えております。家づくり・まちづくり対策の促進の取り組みでは、浸水被害に強い家づくりを引き続き働きかけてまいります。また、避難方策の強化におきましては、町会・自治会、消防署などと連携した定期的な避難水防訓練や避難所、避難ルートの確認、また、適切な避難に必要なさまざまな水防関連の情報について、より区民にわかりやすく伝えられるよう努めてまいります。
さらに、日ごろから区民の方々に水害の備えに関する関心を高めていただくために、これまで区のホームページや区の広報紙での御案内を初め、国内イベントでのPRなどでの周知に努めてきておりますが、今後は各家庭でできる対策の重要性をさらにわかりやすくPRするために、例えば罹災証明の交付申請をされた方や、世田谷区に転入された方に水害対策関連のパンフレットの配布などの取り組みを関連部署と連携を図りながら進めてまいります。
以上でございます。
◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございました。
確かに床上とか床下浸水で多少なりとも、三万から四万いただけるというのは、本当にいいことだと思います。
もう一つ、今回ちょっと聞きたいのが、夏休みになってすぐにあった環境エネルギー・ラボ。今回本当に大学生があれだけ早くから。私も九時半にはもう行っていたんですが、そのときボランティアの方はもういるわけですよね。僕が帰ったのは大体二時ごろなんですが、夕方までずうっといたとすると大変な時間だと思うし、お昼御飯も食べなきゃいけないんだけれども、ちょっと嫌らしい聞き方なんですが、あのボランティアの方々、約百名以上の方々というのは、お昼御飯とか交通費というのは支給されるのか、されないのか、ちょっとこれ一点だけ聞きたいと思います。
◎畝目 環境政策部長 再質問にお答えいたします。
今回ボランティアということでお手伝いしてくださった大学生の皆さんは、それぞれ今回参加された大学の生徒ということで、研究室にも所属している学生だというふうに認識しています。それぞれ学校のほうから応援ということでいただいているので、交通費等については我々のほうからは支給はしてございません。ですので、そうしたお弁当等についても、我々で用意している部分もございますけれども、全部に行き渡っているかどうかだとか、そうしたところについて把握はできていないですが、それぞれ皆さん楽しんでいただけたかなというふうには思っています。
以上でございます。
◆四番(青空こうじ 議員) じゃ、来年も期待していますから、また一生懸命頑張ってください。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十五番佐藤美樹議員。
〔十五番佐藤美樹議員登壇〕(拍手)
◆十五番(佐藤美樹 議員) まず最初に、子どもの視点に立った放課後の事業について伺います。
今回の新BOPの時間延長は、共働き家庭などへの両立支援の一つと理解しています。現行の新BOPにはさまざまな課題がたくさんあり、終了時間もその一つではあります。課題解決のための政策、手法を検討する際に、子どもにとってどうなのかという視点、論点を欠かしてはならないと考えますが、この点について伺ってまいります。
世田谷では、学童、BOPを一体化することはほかに先駆けて実施したものの、現場レベルにおいては、今もさまざまな縦割りが存在しており、子どもたちはその縦割りによる日々の運用の違いを子どもなりにこなしています。例えば放課後、教室をお友達と一緒に出てきて、新BOP室に入ったとしても、BOPと学童の子の靴箱の場所の違い、そしてランドセル置き場の違い、入室の際、学童の子はノートのやりとりが先生とあったり等々です。そして、おやつの時間には、学童の子は一旦遊びを中断し、別の部屋に入ります。
ほかの自治体において、子どもたちの放課後におけるさまざまな課題を解決する一つの手段として、民間活用を取り入れているところが多くあります。民間の活用メリットとしては、今述べた縦割りの解消だけでなく、コスト面、民間の持つノウハウなどがあります。
板橋区では、学童、BOPを一体化させたあいキッズがあり、全学童クラブを民間委託しています。あいキッズ事業の目的として三つの柱が掲げられており、その一つに両立支援もありますが、残り二つは子どもを主体としたものになっています。会派でも以前視察をしましたが、子どもたちの主体性を重視したさまざまな工夫がなされていました。詳細は省きますが、この板橋区でのあいキッズの制度の一端をパネルにしましたので、紹介したいと思います。
今述べたように、全部五十一施設を民営化しているわけですけれども、株式会社二十五、社会福祉法人十九、NPO七と、全てそれぞれの施設ごとに運営がされています。そして時間については、五時までが全児童対象の、ここは同じですけれども、このさんさんタイムとかきらきらタイムといった名称のところも、これも工夫がされているなと思いますし、コスト面では、当区五千円に対して、六時までですと二千七百円、十九時、七時までですと三千九百円。そして、おやつは、この全児童を対象としたさんさんタイムが終わった五時のタイミングで提供されており、その内容も、当区のお菓子中心のものと異なり、焼きおにぎりですとかロールパン、ピザといったちょっとおなかにたまるようなものが提供されています。
そして、先ほど日々の運用で縦割りの弊害が今も存在していると申し上げましたけれども、その辺の解消の一つにシステムも導入して、例えば入室の際にみんな教室で持っている名前カードをタッチすればいいというような、そうした運用面での工夫というのもされています。
当区において、単に時間延長をするということだけでなくて、今申し上げたような子どもにとって伸び伸びと居心地よく過ごせるような場にするためにはどうしたらいいのか、もう少し工夫を凝らして制度設計していただきたいと考えます。民間活用を含め、見解を問います。
新BOPについてはもう一つ、事故、けがの際の対応についても問います。
夏休み中の学童で、骨折した子の保護者からいろいろ話を聞く機会がありました。各新BOPには、事故、けがの対応について定めたマニュアルがあると聞いていますが、そうしたマニュアルについて、定期的に研修や、現状に即した内容であるかどうかの見直し、検証はなされていますでしょうか。マニュアルを用いての運用状況について伺います。
次に、猛暑対策とグリーンインフラについて、大きく三点問います。
一点目は、この夏の猛暑を受け、子どもたち、特に学校における児童の活動はどうであったか、また今後どうすべきかについてです。
娘の小学校など、周りの話を聞いているだけでも、猛暑により、プールが中止になったり、体育館での活動が中止になったり、また、休み時間の外遊びも制約を受けていました。今後もこのような猛暑であり続けるとした場合、子どもたちの運動量、活動量の減少が懸念されます。学校によっては、校庭にミストファンが整備されるところもあるように聞いていますが、こうした整備や、また、体育館の冷房もこれからは必要なのではと考えます。見解を問います。
二点目は、グリーンインフラについてです。
グリーンインフラとは、緑が猛暑や豪雨などの災害対策のインフラになり得るというもので、持続可能な都市づくりの一つとして注目をされています。世田谷では、みどり33%の推進を掲げ、さまざまな施策を展開していますが、今回はその中でも生垣助成について伺います。
生垣助成制度は、接道部分の植栽、シンボルツリー、生垣などに対し助成をするもので、以前よりあるものですが、今回のブロック塀等の緊急助成制度を受け、生垣助成のほうの利用もふえることが期待されます。現行、生垣助成の執行率は約五〇%と低調と聞いています。利用を検討されたことのある区民の方から伺ったところ、この植栽、シンボルツリー、生垣など、複数組み合わせで実施する際、どこまでが助成対象なのかが――こちらがリーフレット。こちらを提供していますけれども――このリーフレットを見ただけでは、文字の情報のみなので、個々のケースにより助成内容が異なるというところがわかりづらい状況になっています。ある程度パターンに分類して、助成になる、ならないをイラスト等で補足してはと考えますがいかがでしょうか。今回のブロック塀除去や猛暑だったことを機と捉えて工夫を凝らしていただきたいと考えます。見解を問います。
グリーン
インフラ関係の質疑の最後に、緑のリサイクルについても伺います。
剪定枝、剪定された枝ですが、これらの樹木のごみに対し、リサイクルされている量は全体の一八%、約七千九百トンで、残り八〇%強は一般ごみとして焼却しているのが現状と伺います。緑をふやすとともに、緑のリサイクルの量をふやす政策を考えてはと提案したいと思います。
現在、世田谷の緑のごみについては、川場村、笛吹市、座間市へと搬送され、木質チップなどにリサイクルをされています。搬送先自治体の受け入れ量は決まっており、これ以上ふやせないことや、また、区内では木質バイオマス発電や木質チップの精製工場を整備することは不可能ですので、緑のごみについてリサイクルが可能な連携先自治体をふやす取り組みをしてはと考えます。見解を問います。
最後に、希望丘地域体育館について伺います。
来年二月、希望丘地域体育館が利用開始となります。希望丘複合施設の一部に整備される当地域体育館については、複合施設にあるほかの機能とのかかわり、例えば三階部分には青少年交流センターがありますので、若者とのかかわりや、あるいはボッチャ専用コートの整備を受けて障害者スポーツの部分を含め、この施設での多世代交流、地域交流の展開が期待されます。
一方で、さきの希望丘小学校の体育館利用中止を受け、次の卒業式、入学式の際、この地域体育館を代替施設として検討しているとも聞いています。卒業式、入学式以外に通常での体育でも使う場合を含め、けやきネットで開放する一般利用枠との関係をどう調整していくのでしょうか。さきに述べたほかの機能とのかかわりを含め、今後の当地域体育館の運用について伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、放課後児童健全育成事業について二点お答えいたします。
一点目、新BOP、学童クラブの時間延長については、子どもにとっての視点で制度を工夫すべき、民間の活用も必要ではないかという御質問にお答えいたします。
新BOP、学童クラブの時間延長につきましては、特に子どもの視点から考えた延長時間帯における過ごし方や、子ども自身の自立への影響など、さまざまな課題があり、それを的確に捉えて解決していくことが必要であると認識をしております。そこで、モデル事業におきましては、多様な保護者の働き方による利用ニーズや延長利用の有効性だけでなく、子どもの意見も鑑み、子どもの状況やそれに伴う課題等について把握するため、子ども、保護者及び従事者にアンケートを実施し、意見を反映した上で解決を図り、子どもの目線を重視しながら進めてまいります。
現在、新BOPにおきましては、多様なプログラムを取り入れ、放課後の時間帯の充実を図る必要があると考えております。平成二十九年度に他区の民間が運営している学童クラブなどを視察した内容も踏まえまして、学生団体と協働したボッチャイベントの実施、スポーツクラブ指導者による最新の外遊びの研修とプログラムへの取り入れなどの取り組みを進めているところです。
区といたしましては、今後の展開や方向性につきまして、民間の活用も含め、モデル事業を検討、検証しながら、さらに充実した新BOP運営が行えるよう努めてまいります。
二点目の御質問でございます学童におけるけが、事故への対応についてお答えいたします。
新BOP、学童クラブにおきましては、新BOP安全対策マニュアルを常備し、全ての職員が児童のけがや事故発生時とその後の対応に当たることができる体制をとっております。新BOP安全対策マニュアルの内容につきましては、東京都や保健所からの情報による最新の医療的判断等を反映させ、定期的に見直しを行っております。また、児童課に配属されている看護師が全新BOPを巡回し、マニュアルの内容を点検するとともに、新BOPにおけるけが及び病気等の基本的な対応についての指導、感染症やアレルギー対応についてシミュレーションを行い、実技も含めて学ぶ機会を設けております。さらに、上級救命講習を新BOP事務局長を含め全指導員が受講し、緊急時における救命技術や疾病者管理、外傷の応急手当等も学び、対応力の向上を図っております。今後も子どもたちが安全に安心して過ごせるように新BOPを運営してまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、二点御答弁させていただきます。
まず、学校における猛暑対策です。
区立小中学校では、気温三十五度、暑さ指数三十一度を目安として、原則運動等の活動を中止することとしておりますけれども、ことしの夏はそれを超える猛暑日が続きました。このため、体育館の使用中止やプール活動の中止などもあり、体育の授業に大きな影響を及ぼしております。また、中学校では、クラブ活動なども大きな影響があったことは把握しております。学校の中には、その対策として既設の水道を利用したミスト装置を設置した学校もございます。区立小中学校では、普通教室、特別教室については既に冷房設備を導入しておりますが、体育館においても既に区長より空調設備導入を検討するようにとの指示を受けております。
一方、体育館の冷房装置は大きな空間を冷やすための能力が必要なことから、既存の体育館に導入する場合、電気容量や運用コストなどの検討が必要な課題も多くあります。いずれにいたしましても、近年の夏季の猛暑による児童生徒の健康への配慮、体育の授業など学校活動への影響を十分に考慮して、早急に検討を進めてまいります。
続きまして、希望丘小学校に関連しまして、希望丘地域体育館の利用についてです。
希望丘小学校は、校舎及び体育館の耐震強度不足が判明したことから、校舎につきましては本年の夏休みから耐震補強の一部先行工事を実施しておりますが、体育館について使用を中止しております。体育館の耐震補強工事は現在設計を進めておりますが、工事完了は来年度の十月ごろを予定しており、さらに一年以上は使用できない状況となっております。
このため、体育館を利用する授業や式典等につきましては、近隣の船橋希望中学校の挌技室を使用する準備をしておりますが、同時に来年の二月にも希望丘地域体育館が開設されることから、どのような活用が可能か検討も進めております。希望丘地域体育館の一般利用の受け付けが十二月にも始まると伺っておりますので、それまでにはスポーツ推進部に協力を求め、調整をしてまいりたいと考えております。
以上です。
◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、グリーンインフラに関連して、生垣助成について御答弁申し上げます。
区では、暑さ対策や減災等にも役立つ緑をふやすため、区民の自主的な緑化を支援する緑化助成制度を設け、民有地の緑の創出に努めております。緑化助成制度には、生垣緑化、植栽帯助成、また、シンボルツリーの植栽等があり、経費や技術面においてさまざまな緑づくりの支援をしております。御質問の生垣助成につきましては、例えば接道部から奥行き五メートルまでの区域にあること、生垣等の面している道路が幅四メートル以上であること、また、道路と生垣等の間に高さ六十センチメートル以上の見通しのきかない遮蔽物がないなど、さまざま条件がございます。また、道路から見て、樹木などが奥に重なっている場合は、原則として一番道路側の樹木のみが助成の対象となります。
制度の御案内に当たっては、それぞれのお宅の状況が異なることもあり、具体的なお話を聞きながら職員が個々に説明をしておりますが、今後とも、助成制度をよりわかりやすくするよう御案内方法など工夫をしていくとともに、一件一件で一坪程度の緑空間を創出するひとつぼみどり運動を展開いたしまして、世田谷みどり33の推進に努めてまいります。
以上です。
◎原田 清掃・リサイクル部長 私からは、緑のリサイクル先をふやす取り組みについて御答弁申し上げます。
世田谷区では、造園業者などから排出される剪定枝葉を他市にある再資源化施設に運搬し、破砕、チップ化したものを木質バイオマスとして活用する方式で、緑のリサイクルを行っております。平成二十九年度は約七千九百トンがリサイクルされ、これはごみ収集車十九台分を毎日減量したことになり、事業系持ち込みごみ量を一八%押し下げた効果があります。また、焼却しないことでCO2削減による環境負荷の低減化にも貢献しております。
一方、区内では、民間事業者から出る剪定枝葉の再利用率が低く、三千平方メートル以上の事業用大規模建築物では、剪定枝葉の再利用率は二割台にとどまっております。現在、川場村のほか三市の施設に運搬しておりますが、今後区内から出る剪定枝葉のリサイクル率を上げていくためには、より多くの受け入れ施設の確保が不可欠です。安定した緑のリサイクルの推進のため、今後とも、周辺の市町村の情報を収集しながら、受け入れ施設の拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、希望丘の地域体育館、複合施設内の施設との連携、一般開放につきまして御答弁申し上げます。
希望丘地域体育館は、複合施設基本構想等の検討の中で区民に開放できる施設とする一方、複合施設内の青少年交流センターや区立保育園、ほっとスクール等が使用できる施設といたしました。この基本構想等を踏まえまして、体育館の利用につきましては複合施設内の施設を管理する関係所管と協議し、各施設が使用する時間帯を検討するとともに、地域の方々など、区民が自由に利用できる無料開放の時間帯を設定いたしました。
こうした複合施設内各施設の利用や無料開放がない時間帯につきましては、他のスポーツ施設と同様に、体育館はけやきネットによる貸し出しを行ってまいります。
また、希望丘地域体育館はユニバーサルデザインの対応に加え、一階にボッチャコートのラインを引くなど、障害者スポーツの場として、利用も想定をしております。希望丘複合施設は、施設内の各施設が互いに連携し、多世代の交流や障害者スポーツの場として有効に活用していくため、今後も関係所管課や地域住民と連携して、平成三十一年二月の開設に向けて準備を進めてまいります。
以上でございます。
◆十五番(佐藤美樹 議員) それぞれ御答弁いただきました。一点、新BOPの時間延長についてお伺いします。
今回その時間延長を決める、モデル事業を決める際に、保護者にアンケートをとられていると思いますけれども、先ほど御答弁にも、子どもの目線というお言葉がありましたが、このモデル事業実施後のニーズ把握の際には子どもたちにもアンケートをとっていただきたいと考えますが、この辺はどうでしょうか。
それと、一点副区長にもお伺いしたいんですけれども、子どもたちの放課後というのがどうあるべきと考えていらっしゃるか。今回こういったモデル事業をやっていくわけですけれども、今後どうあってほしいと考えているかを含めて、お伺いします。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 再質問に御答弁申し上げます。
まず、このBOPを立ち上げるとき、それから学童クラブがその間にありましたけれども、これをあわせて世田谷区として新BOPという形で事業運営をやってきているわけでございます。この両方を兼ねそろえた形のものというのが、当時、先駆的にかなりやってきまして、いろいろ課題等もそのときから生まれてきたわけです。昨今にわたりましては、子どもたちが多く、この利用が多いということから、例えば場所の問題、こういうことについてもかなり厳しい状況にも来ているということがございます。
今御質問の中にもございましたけれども、まずはやっぱりこの放課後にかかりまして、子どもたちが遊びを通しまして成長していく、この大切な時間帯をどういうふうに過ごしてもらうかということがまず一つ大切ですし、また、子どもたちが自主的に、遊びを通してですけれども、自分たちで遊びを例えば工夫していくとか、そういうことが必要になってくるんじゃないかと思っています。そういう意味でも、子どもたちの意見、後ほど部長のほうからも答弁があると思いますけれども、そこはぜひ意見を聞いてみたいと思っております。
そういう中で、この時間延長にかけまして、モデルをつくっていくわけでございますが、例えば施設の問題、それからここの事業を行っていく担い手の問題、さらにはカリキュラムといいますかプログラムといいますか、そういうところについてもやはり子どもたちの意見も聞きながら、よりいいものにしていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 再質問にお答えさせていただきます。
新BOP、学童クラブの時間延長のモデル事業につきましては、先ほども御答弁の中で申し上げましたとおり、このモデル事業実施に当たりまして事前の保護者の方へのアンケートということでとらせていただきましたが、お子様の意見、子どもの意見というのはとっておりませんでした。議員御指摘のとおり、子どもの視点というのも非常に大事であると私たちも考えておりますので、このモデル事業におきましては、子どものアンケートというのもとらせていただいて、検証、検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◆十五番(佐藤美樹 議員) 世田谷は子ども・子育て応援都市宣言というのもされていますし、ぜひとも子どもの目線というのも忘れないで事業設計していただきたいと要望して、終わります。
○三井みほこ 議長 以上で佐藤美樹議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十四番阿久津皇議員。
〔十四番阿久津皇議員登壇〕(拍手)
◆十四番(阿久津皇 議員) 通告に従って質問してまいります。
世田谷区では、先般、米国ポートランド市へ区内中学生を派遣するキャリア交流事業案を示しました。本事業に関しては、他会派の代表質問でも触れられておりましたが、唐突に発表された感が強く、その手続においても、内容についても、問題点を指摘せざるを得ません。
言うまでもなく、海外での経験は、語学力、コミュニケーション能力の向上だけでなく、他の国籍、文化を持ち合わせた方々との交流を通じて、視野を広げ国際感覚を身につけると同時に、自分の生まれ育った文化や国を客観的に見ることで、自身のアイデンティティーを確立させ、自立した人間の育成を手助けします。
そういった観点から、区内の小中学生に海外経験を積んでいただく機会を創出するため、世田谷区議会でも、教育委員会、国際課と連携しながら、台湾、フィンランド、韓国、英国など、さまざまな都市と信頼関係を構築してきたところです。それぞれの訪問先からも子どもたちの交流に前向きな反応をいただいており、台湾の高雄市とは、我々議員団の訪問をきっかけに、昨年、中学生のバスケットボールチームが来日され、区内中学生との交流試合を行い、つい先般はジュニアオーケストラとの音楽交流も実現したばかりでありました。
そのような矢先に示された今般のキャリア教育交流事業は、こうした経緯や各方面の努力を無視するかのような発表であり、議会を軽視していると言わざるを得ません。また、今回の事業によって、他の姉妹都市交流の交渉にも影響が出ることは必至で、それらの都市との信頼関係を崩すことにもなりかねません。本事業案の目的や意義を見ても、その正当性を見出すのはなかなか難しく、ポートランド市との交流ありきで後から目的や意義をつけ足したような内容になっています。
そこで伺います。本事業の目的にオリンピック・パラリンピックにおけるアメリカ合衆国のホストタウンとなったことからポートランド市との交流事業を検討するとありますが、本事業とオリンピック・パラリンピックとの関係性についてお示しください。
あわせて、キャリア教育の必要性と他の姉妹都市交流との違いについて伺います。
ポートランド市は全米一住みやすい都市と言われているだけでなく、全米一環境に優しい都市であるとされ、歩いて暮らせるように設計されたまちづくり、発達した公共交通機関、全米で最も自転車通勤に適した町、また、全米で最も出産に適した町、さらには地産地消やサステイナビリティーを意識した企業が多いなど、ある意味では世田谷区が目指す都市像の一つなのかもしれません。本事業案の世田谷区とポートランド市との交流の意義においても、互いに緑豊かな町であり、住みやすい町として若者が集っているという点で共通点があるとしています。
しかしながら、本来、海外での経験というのは、国内では経験できないさまざまな体験を通じて視野を広げ、環境やコミュニケーションに不自由する中、自分で何とか打開することで自立して生きるための力、すなわち人間力が向上することに価値があると考えます。中学生にとって、ポートランドという、ある意味世田谷と似ていて少し先を行っている町での生活を通して、何が得られるのか疑問です。
そこで、交流先としてなぜポートランド市であったのか、改めて伺います。
また、派遣する生徒の選出について、ガリレオコンテストの手法を活用するとしました。その内容についても伺います。
次に、区に寄せられるお問い合わせの対応について伺います。
区には、ホームページや電話等を通じて年間二千件以上のお問い合わせが寄せられます。区民からのお問い合わせの対応は、区民と行政を直接つなぐ大変重要な役割を担っており、区民の悩みや怒りだけではなく、うれしかったこと、悲しかったこと、さまざまな御意見を寄せていただき、その生の声を業務に生かしていく、区民に還元していくことが区民の満足度を向上させると同時に、区への愛着を強くし、ひいては人口の増加や区民の定着、寄附文化の醸成にもつながると考えます。逆もまたしかりで、ここを怠ると、区への失望から区民の流出、区の衰退にまでつながりかねません。
区民一人一人の声を大切にし、全てのお問い合わせに対して庁内で共有して的確に対応するため、お問い合わせを管理する顧客管理システムの活用が重要になります。顧客管理システムを効果的に活用することで、区民からの多様なお問い合わせに対して、内容を分類し、適切な部署に回答を依頼するだけでなく、事例の蓄積、さらにはテンプレートの活用で回答品質を担保すると同時に、業務を効率化し、進捗状況を広報広聴課が一元管理できるといったメリットがあります。
先日、区議会に寄せられた陳情を通じて、区民からのお問い合わせの対応や進捗管理に不備があったことが明らかになりました。現在の区のシステムには改善の余地があるのではないでしょうか。見解を伺います。
また、さきに述べたように、区民の声を庁内で共有し、業務に生かすことが大切です。現在、区民の声はどのように庁内で活用されているのか伺います。
今般、西日本を豪雨、台風被害が襲い、北海道では震度七の地震が大きな被害をもたらしました。特に
北海道胆振東部地震では、前日に台風二十一号が北海道沖を通過しており、雨と地震の複合災害から大規模な土砂崩れを引き起こしたとされています。震源に近い厚真町は、地盤が火山灰に覆われており、振動に特に弱い状態の斜面が直下型地震によって崩壊したと分析され、関東ローム層が堆積する国分寺崖線は、厚真町の地盤とよく似た構造であるとの指摘もあります。
世田谷区においても、雨と地震の複合災害によって、つい先日、映像で目の当たりにしたような大規模な土砂崩れが発生するおそれがあります。また、多摩川に近い地域では、多摩川河川敷が広域避難場所として指定されており、雨と地震の複合災害時の避難先など、十分に検討、周知する必要があるということは指摘をしておきます。
大規模災害時に区民の生命、財産を守るのは地域コミュニティーの共助の力であることは言うまでもありません。地区防災計画を実効性のあるものとし、地区防災力を高めるだけではなく、平時から高齢者、障害者、子育て家庭など、助けが必要な人を地域で支えあう仕組みを構築し、いざというときに住民同士が支えあい、助け合える自立した地域共生社会の実現を目指す必要があります。その中心となるのは、かつて出張所として各地区に整備され、行政機能を持ち、さまざまな情報やノウハウが蓄積されるまちづくりセンターであるべきと考えます。さまざまな行政情報、防災情報などにふだんから区民に接してもらうためにも、まちづくりセンターに区民が集まる仕組みづくりを進めるべきです。
長期的には図書館や児童館、消防団の詰所など、こういった施設を複合化することで区民のにぎわいを集める、さらには商業施設等へのまちづくりセンターの設置など、子どもからお年寄りまで多くの区民が集まる施設整備を進める一方で、今できる取り組みとして、まちづくりセンターにおけるイベントや子育て支援など、住民同士の交流を促進し、ふだんからまちづくりセンターに足を運んでいただく取り組みが必要であると考えます。見解を伺います。
また、証明書自動交付機のシステムの廃止に伴い、まちづくりセンターで住民票発行等の窓口業務を行うとしました。多くの区民にまちづくりセンターに足を運んでいただき、交流の中心とするためには、まちづくりセンターの窓口機能のさらなる充実が必要です。現在の人員、システムで実現可能な窓口業務のさらなる充実を求めます。見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎淺野 教育次長 ポートランドの関係で幾つか御質問いただきました。私からは、そちらについて御答弁させていただきます。
まず、オリンピック・パラリンピックとポートランド事業の今回の事業との関連についてということと、今回のキャリア教育交流の必要性と姉妹都市交流との違いにつきまして、あわせて御答弁させていただきます。
東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会の開催をきっかけとして、世田谷区がアメリカ合衆国のホストタウンとなったことは、子どもたちにとってかけがえのない機会だと考えてございます。教育委員会といたしましては、ホストタウンとして、現在、子どもたちのおもてなしや応援など、さまざまな取り組みを計画しているところでございますけれども、ホストタウンで築いた関係を二〇二〇年以降も子どもたちにとって有意義で継続的な取り組み、また、人と人との関係としてレガシーとして残していくことができれば大きな財産になると考え、教育交流を検討したところです。情報通信技術やAI等の発展、また、グローバル化の進展など、社会のあり方が大きく変容していく中で、みずから学び、国際色豊かで創造性のある人として子どもたちが成長していくことは、大変重要なことと考えております。
このようなことからキャリア教育の重要性を認識しており、特にポートランド地域には世界的に有力な企業等も立地しており、これらの企業等との連携の可能性も含めて、ポートランドとのキャリア教育交流を考えているところでございます。なお、今回の交流は協定を結んで実施している姉妹都市交流とは異なりまして、アメリカ合衆国ホストタウンを契機とした交流です。
続きまして、ポートランド市に決まった理由ということと、派遣する生徒の選出方法について御答弁申し上げます。
ポートランドは、アメリカ合衆国の中でも治安がよいこと、教育について熱心であること、また、環境についての配慮、取り組みがすばらしいこと、さらに日本文化への関心が高いことなどの基礎的な条件がそろっていることに加えまして、先ほども申し上げましたとおり、有力な企業が近くに立地しており、キャリア教育の観点から、これらの企業等とも連携していける可能性もあります。
このような環境を生かし、そこでの体験やディスカッションなどを通して、みずからの生き方や将来を考え、さまざまな課題に積極的に取り組む主体性を育成する機会ともなると考えております。ポートランドとの交流に関しましては、庁内の東京二〇二〇大会の機運醸成に向けた事業推進プロジェクトチームでの検討を経まして、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会庁内推進本部で今後取り組むべき施策の案としたところです。
派遣する生徒の選出方法についてですけれども、中学校の科学に関する研究発表として実施しているガリレオコンテストの手法を参考にしまして、研究発表によるコンテストの優秀者を派遣者として決定するなど、これまでとは異なる派遣者の決定方法を考えてございます。
このガリレオコンテストの手法を参考にするという趣旨ですけれども、今回のキャリア教育交流の目的が、国際感覚豊かで創造性のある人材育成ということを一つの大きな目的としておりますので、ガリレオコンテストの手法を参考にすることによりまして、熱意や好奇心、また、豊かな発想と創造力に富んだ優秀者を選出することができるのではないかと教育委員会では考えてございます。
以上です。
◎岩本 政策経営部長 私からは、区民からのお問い合わせに関し、二点御答弁申し上げます。
初めに、区民の声システムの改善についてでございます。
現在、区のホームページを通して区政の御意見をいただく区長へのメールや専用のはがきをお送りいただく区長へのハガキなどを通じて、年間二千件を超える御意見、御要望をお寄せいただいております。お寄せいただいた御意見への回答は、七日以内を原則とし、七日以内に回答できない場合はその旨を申立者の方に連絡させていただいております。
これらの一連の業務は、区民の声システムという庁内ネットワークシステムにより、全体の進捗管理や関連する部署への情報共有などを行っております。このシステムは平成十三年度に導入し、以後、随時システム改修を行っておりますが、例えば回答が遅延している事案がないかというチェック作業は職員が目視で行う必要があるなど、改善が必要な部分もございます。こうした点については、システムの必要な改修に取り組むとともに、あわせて業務マニュアルの見直しなども行い、区民の方からの御意見により的確に対応できるよう取り組んでまいります。
次に、区民の声の活用についてです。
区長へのメールなどを通じて区にお寄せいただいた御意見、御要望は、業務を担当する所管課に送付の上、事業の改善などの基礎資料となっております。また、年度ごとに区民から寄せられた苦情や要望などを学校教育、ごみ・リサイクル、道路、職員対応などの項目ごとに集計し、主な内容について部長会などで共有しているところです。
特に職員対応に関するものは、広報広聴課においてどういった点で御指摘をいただいているのかなど、傾向分析や事例のエッセンスを一覧にまとめ、全庁に情報発信し、職員対応の改善を求めるとともに、新任係長職の研修の素材として活用しているところです。区に寄せられた区民の御意見が業務改善のための貴重な情報源として活用できるよう、引き続き取り組んでまいります。
以上でございます。
◎澤谷 砧総合支所長 私からは、子育て支援などとの連携により、まちづくりセンターを中心として区民交流を促進する取り組みについて御答弁いたします。
災害時において、地域の協力、連携によりまして、区民の生命、財産を守っていくためには、平常時から住民同士の交流を促進し、地域におけるコミュニケーションを活性化することが重要であり、まちづくりセンターはその拠点としての役割を担っております。
子育て支援の取り組みも、地域における住民相互の交流を促進する契機の一つと考えております。砧地域におきます例といたしましては、船橋地区で八月に小中学生と保育園児、その保護者との交流を目的としたちいさな夏祭りというイベントを開催いたしました。また、砧地区において、山野児童館の改修に伴い、十月以降、まちづくりセンターの活動フロアを活用して、児童館主催の子育てひろば事業を三者連携の取り組みの一環として実施する予定でございます。
今後とも、まちづくりセンターにおいては、子育て支援事業など地域の活動団体による活動と、三者連携による福祉の相談窓口としての取り組みとを効果的につなぎ合わせ、子どもから高齢者まで全ての世代が気軽に集まれる地域の拠点としての機能を充実させていくとともに、災害など緊急時の共助活動にもつながる住民相互の交流の促進に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎志賀 地域行政部長 私からは、まちづくりセンターの窓口のさらなる充実によって、まちづくりセンターに足を運んでいただくことが必要と考えるという点について御答弁申し上げます。
区では、この間、区民が住みなれた地域で安全で安心して暮らし続けることができる地域コミュニティーを形成するため、区民の生活の場である地区に着目し、地区の強化に取り組んでまいりました。特に防災や災害対策の観点からは、平常時よりまちづくりセンターが核となり地区住民や団体間をつなぎ、顔と顔の見える関係を築くことが重要であり、地区情報連絡会の開催など、さまざまな機会を設けて取り組みを進めているところでございます。
また、平成三十一年十二月の証明書自動交付機の廃止に伴い、マイナンバーカードへの切りかえ促進を基本としつつ、地区における住民票の写しなどの証明書発行を継続するため、まちづくりセンターでの取り次ぎサービスを行う予定でございます。
現在、まちづくりセンターでは、地域包括ケアの地区展開として、福祉の相談窓口を開設し、日常生活の相談と支援につなげる取り組みを進めており、多様な相談をお受けしております。まちづくりセンターが最も身近な行政拠点として気軽に足を運んでいただけるように、さまざまな取り組み状況を検証しながら、窓口のあり方についても検討してまいります。
以上です。
◆十四番(阿久津皇 議員) ポートランドに関してなんですけれども、今御答弁いただいた内容を見ても、地域のポートランドの有力な企業等とも連携している可能性もありですとか、選出する方法についても、ガリレオコンテストの手法を参考にとか、まだ何も決まっていないんですよね。そういった状況で、とにかくポートランドに行く子どもたちを派遣するということだけは決まっているというのは、いささかやっぱり不自然に感じますし、きのうの他会派の代表質問への答弁でも、区長と副区長と、また教育委員会との事実関係に関するその認識にも違いがあるというのも大きな問題だと思うんです。
まず、そのきのうの、実際に交渉されたかどうか、その点について再質問いたします。
◎淺野 教育次長 再質問にお答えさせていただきます。
きのうの他会派からの代表質問への答弁で、副区長からのレガシーとして考えていること、それから、区長からは、プライベートの訪問中に、ポートランド市長にグリーンインフラや教育交流についてお話しいただいたということを私どもも聞かせていただきました。
教育委員会としましては、具体の交渉というのはこれからなんですが、こういったことを踏まえましてポートランド市の学校や企業等に関する詳細な情報収集や交流の可能性等の検証を目的として、年内をめどに現地の視察を行いたいと考えてございます。今後、先方との具体的な打ち合わせや交渉を進めていくに当たりまして、適宜常任委員会等でも御報告させていただきまして、丁寧に対応を進めてまいります。
以上です。
◆十四番(阿久津皇 議員) 続きは決算委員会でやりたいと思います。終わります。
○三井みほこ 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十九番菅沼つとむ議員。
〔十九番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手)
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 質問します。最初に、世田谷区の児童相談所の開設に向けた検討状況についてを聞きます。
六月の二定で質問してから三カ月がたちました。どのくらい児童相談所の開設に向けて進んでいるのかお聞きします。
世田谷区の児童相談所開設に向けたスケジュールでは、九月の常任委員会で児童相談所準備進捗を示すとあります。示されたのは児童相談所と一時保護所の職員配置です。また、児童相談所に向けた課題五百九十八項目のうち百三十四項目の検討は終了しましたが、依然四百六十四項目の検討が終わっていません。
第一に、いつまでに児童相談所の課題四百六十四項目は達成できるのか、具体的にお聞きします。また、児童相談所開設に伴い、移管を受ける設置市事務の五十四担当所管が示されました。そのうち子ども・若者部が五十四担当の中で二十九事業が担当です。
第二に、今も子ども・若者部は仕事があります。新たに二十九事業がふえます。職員体制はどのようにしていくのか、具体的に区にお聞きします。
また、児童相談所の財源についてもお聞きします。世田谷区の児童相談所の財源は、東京都の特別区財政調整の特別交付金の五%の中で、当分の間行われます。特別交付金はもともと災害などの財源です。世田谷区の答弁では、児童相談所の開設後、普通交付金で考えていますとの答弁でした。児相と三区だけが都の普通交付金になるのは疑問です。せめて二十三区が児童相談所ができてから、東京都と二十三区との交渉だと思います。
第三に、まだ二十区の全部の区が児童相談所を何年にするかを決めていません。八年かかるか十年かかるかわかりません。区の考えを聞きます。
次に、児童相談所開設に向けたスケジュールについてお聞きします。区のスケジュールによると、あと三カ月たちますと、十二月には厚生労働省に政令指定要請の提出判断を行います。三十一年二月には政令指定要請に向けた提出手続が始まります。三月には政令指定要請。三十一年六月には国の政令指定の判断が始まります。九月には児相の設置条例の制定、三十二年、児童相談所開設になります。
児童相談所開設までにあと十九カ月しかありません。その中で、十二月には第四回定例会の予定があり、二月には約三十六日間の第一回定例会の予定があります。正月休みもあります。同じことが東京都でもあります。今の児童相談所開設スケジュールでは無理があります。
第四に、児童相談所の開設スケジュールを延ばすべきだと思いますが、区の考えを聞きます。
また、世田谷区の答弁では、東京都と十月までに一定のめどをつけ、年内には政令指定に間に合うように進めていますとの答弁がありました。児相の都と区の協議はほとんど具体的に報告されていません。十二月は区が政令指定要請の提出判断を行うことになります。議会には都と区の協議内容の説明を受けていません。児相の判断が、これではできません。
第五に、世田谷区は十二月までに議会に都と区の協議内容を具体的に説明できるのか、区にお聞きします。
次に、新しい本庁舎、区民会館についてお聞きします。
先日、第二回世田谷リング会議が行われました。何点か気になった点をお聞きします。
会議の中でデッキピロティーは二つの庁舎と区民会館を結ぶ通路です。区のデッキピロティーの耐震性、安全性は確保した構造になっています。区民会館のところだけデッキピロティーではなく、ベランダを使うほうがいいと、また、区民会館の使わない広い階段もいいと、佐藤総合計画が話しています。ベランダでは車椅子がすれ違いができません。また、デッキピロティーとベランダをつなぐと段差ができます。バリアフリーになりません。
第一に、区民会館の外のベランダの耐震性は大丈夫なのか聞きます。
第二点、佐藤総合計画は何を考えているのかお聞きします。
次に、八月二十七日の世田谷区は大雨が降り、一時間に百十一ミリ、十分間で四十ミリが降りました。世田谷区でもマンションの地下駐車場の車は使えない状況でした。もちろん地下に排水ポンプはついていましたが、役に立ちません。
第三に、本庁舎計画では、地下に駐車場、機械室、電気室、非常用発電機室、防災備蓄室があります。十分間で四十ミリ、一時間で百十一ミリ、大雨でも大丈夫なのかお聞きします。
次に、三人目の質問をいたします。
世田谷区が示した東京二〇二〇大会にありますホストタウンを契機とした交流事業についてお聞きします。
事業内容はポートランド市の中学生と世田谷区の中学生と相互交流の実施について、何点か気になる点をお聞きします。
ちなみに、区の国際交流は、ポートランド市交流は知りません。オリンピック担当のスポーツ推進部も知りません。
第一に、教育委員会も今現在ポートランド市に行ったことがないのに、広いアメリカの中でポートランド市に決めたのは教育委員会か、保坂区長かお聞きします。また、ポートランド市以外の治安のいいシアトル、デンバーなど、ポートランド市以外は検討をしたのかお聞きします。
第二に、ポートランド市と交流しているのは、日本では姉妹都市、札幌市、小学生の交流、友好都市、富山県南砺市、中学生の交流、文化都市、福井県丸岡町、小中学校の交流、神戸市須磨区、私立小学校の交流、静岡県沼津市、私立小学校の交流、世界で姉妹都市は、イスラエル、台湾、韓国、ジンバブエ、メキシコ、ロシア、中国、イタリアです。友好都市はエストニアなど。ポートランド市は友好が多い都市です。ポートランド市以外の都市は考えたのかお聞きします。
第三に、世田谷区の事業なら教育委員会、生活文化部の国際課、アメリカのホストタウン担当、スポーツ推進部ぐらいで広いアメリカの交流事業を初めからやり直すべきと思います。区の考えをお聞きします。
壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 私からは、児童相談所開設に向けた検討状況の中で、まず、児童相談所の財調との関係でございます。
平成二十八年の児童福祉法の改正によりまして、政令で指定された特別区においては、児童相談所関連の事務が法律上特別区の事務となることとされております。三十年度に向けました財調協議におきまして、都は、現時点で児童相談所関連事務が地方自治法上の特別区が等しくその行うべき事務に当たると考えていないとして、具体的な協議に至っていない状況でございます。
しかしながら、従前より、中核市が政令の定めにより児童相談所を設置した場合には、地方交付税におきまして、基準財政需要額の算定が府県分から市町村分に移されることにより、財源保障がなされております。これと同じく、特別区の財源保障制度として、都区財調が位置づけられている以上、政令で指定された場合の児童相談所関連経費につきましては、都区財調の基準財政需要額として算定されるべきものと考えております。財調におきます算定方法につきましては、各区におけます児童相談所の設置年度が異なることを踏まえまして、都区の配分率や開設準備経費等も含めて、特別区全体で検討いたしまして、今後の都区協議に臨んでまいります。
もう一点私のほうから、議会のスケジュールを考えたときの開設時期の問題でございます。
児童相談所の開設時期を判断するためには、子どもの安全と命を確実に守るための運用体制の整備や、それを支える人材の確保育成、施設の整備、設置市事務の準備状況などが大きな判断材料になるものと考えております。最短で平成三十二年四月の開設に間に合うよう準備を進めてきたところであり、福祉保健常任委員会におきましても、逐次状況を御報告してまいりました。
年内におきましては、開設時期につきまして判断することとしており、その判断材料となる準備の進捗状況につきまして、区議会にもお示ししまして御議論いただく必要があると考えております。先日の福祉保健常任委員会におきましても御答弁申し上げましたとおり、十一月の同委員会におきまして、その時点の状況を報告し、区議会での御議論を踏まえた上で、十二月には判断の結果をお示ししてまいります。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童相談所開設に向けた検討状況について、三点お答えいたします。
まず、一点目でございます。いつまでに課題が解決されるのかという御質問にお答えいたします。
お話にございました各課題につきましては、同じ課題として数えられるものであっても、事務書類の作成もあれば相手方のある調整事項もありまして、重みが全て異なってまいります。また、それぞれ関連し合うものであり、機械的に済むものではなく、優先順位をつけて検討を進めております。
現在、政令指定の要請に当たり解決されていなければならない課題を中心に、約百項目を対象に十二月までに解決または方向性の明確化ができるよう、優先的に検討を行っております。課題の中には、事務移管に向けた都の協力について見通しがつくことにより解決されるものが多くございます。政令指定に向けた都の支援の姿勢とともに、これらの見通しが明らかにされるものと見込まれ、都に対し早急に協力支援の姿勢を示すよう強く求めているところでございます。
なお、ことしの十二月までに解決または方向性の明確化が必要な課題を除くその他の課題につきましても、平成三十二年四月以降早期の開設に間に合うよう、来年の七月を目途に解決を目指してまいります。
二点目の御質問でございます。子ども・若者部が新たに設置市事務を担うだけの体制がつくれるのかという御質問についてお答えいたします。
設置市事務に係る業務量の試算や業務の実施に向けた準備状況につきましては、七月の福祉保健常任委員会で御報告したところであり、現在も必要な体制整備や業務内容の検討、準備を進めております。今後、マニュアルの整備や事務内容のさらなる検討を進めるとともに、設置市事務以外の既存の業務を含めた人員の精査を行い、適切に業務を遂行できるよう体制を整備してまいります。
三点目でございます。東京都との協議はどうなっているのか、十二月までに区議会へ報告できるのかという御質問にお答えいたします。
現在、東京都との協議といたしましては、開設時期の最も早い世田谷区、江戸川区、荒川区による東京都との計画案のモデル的確認作業と、入所施設や一時保護所の広域調整について協議を行うための検討会が設定されておりまして、具体的な協議を進めております。いずれも事務レベルでの協議であり、双方の積極的な意見交換の場とするためにも、協議の状況の御報告につきましては一定程度取りまとめた上でさせていただきたいと考えております。
なお、東京都に対しましては、政令指定要請に当たっての都の支援について、十一月には都の姿勢を示していただく必要があり、この時点において協議の結果を区議会にもお示ししていく必要があることを区側から強く申し入れております。東京都から積極的な支援を引き出すためにも、引き続き区議会の御協力を賜ればと考えておりますので、よろしく御理解と御支援をお願いいたします。
以上でございます。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎整備につきまして三点の質問にお答えをいたします。
まず、区民会館及び区民会館のバルコニーの耐震診断の結果でございます。
今回、世田谷区民会館の整備を検討するに当たりまして、区民会館ホール部分につきましては、建物の各階層に係る地震時の荷重に対する耐震性能を把握するため、四階層に分け、お話にありましたバルコニー部分も一体の構造物として、より詳細な耐震診断を実施いたしました。耐震診断の結果につきましては、九月五日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会で御報告をさせていただきましたとおり、Is値最小値は〇・六三でございました。この数値をもとに基本設計を進めております。
次に、現在の区民会館バルコニーを使用しリングテラスを設置する案についてお答えいたします。
リングテラスにつきましては、第二回世田谷リング会議におきまして、既存のバルコニーから離してフラットにテラスを新設する案と、お話にありました既存バルコニーを活用する案の二案が佐藤総合計画から示されました。お話しの既存バルコニーを活用する案につきましては、新設するテラスと既存バルコニーとの高さが異なることから、接合部分に段差が生じること、スロープで解消する場合も長いスロープになることが検討課題として示されるとともに、今後二案の検討をしていくという説明があり、リング会議の場で意見を聞いたものでございます。
区といたしましては、本庁舎等整備基本設計(案)中間報告にお示ししましたとおり、テラスを初めとした本庁舎等における移動空間につきましては、ユニバーサルデザインの考え方に基づき整備をし、既存バルコニーを活用する場合にも、誰もが歩きやすく車椅子等で移動がしやすいよう、段差のない動線を確保するとともに、構造的な検証をすることが必要条件と考えております。
今後、テラスのしつらえにつきましては、この考え方に基づき、議員御指摘の点も踏まえて詳細に検討をしてまいります。
次に、地下に計画しております電気室や非常用の発電機室などの浸水対策についてお答えいたします。
区では、近年頻発している集中豪雨から区民の生命と財産を守り、水害に強い安全安心のまち世田谷を目指して豪雨対策に取り組んでいるところでございます。今回の本庁舎等整備におきましては、区民の安全安心を支える災害対策拠点として、集中豪雨が発生した場合にも十分に機能が発揮できる庁舎を目指し、雨水貯留槽や雨水浸透設備を設けるとともに、止水板や十分な排水機能の確保などによりまして、地下階への浸水対策を行う計画としております。雨水貯留槽の規模につきましては、先般の八月二十七日に発生したような一時間当たり百十ミリの記録的な大雨が降った状況において、下水道本管の排水が仮に滞った場合におきましても、十分に対応ができる貯留量を計画しているところでございます。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、ポートランドで幾つか質問をいただきましたので、順次御答弁させていただきます。
まず最初に、なぜポートランドに決まったのかということと、決めたのは教育委員会なのか区長なのかという御質問です。
教育委員会といたしましては、世田谷区がアメリカ合衆国のホストタウンであることを子どもたちにとってかけがえのない機会として捉え、子どもたちが海外の同年代の子どもたちと交流し築いた関係をレガシーとして、グローバルな視点で活躍していけるよう、ホストタウンを契機とした交流を新たな教育交流として考えたところです。
ポートランドは、アメリカ合衆国の中でも治安がよいこと、教育について熱心であること、環境についての配慮、取り組みがすばらしいこと、また、日本文化への関心が高いことなどの基礎的な条件がそろっていることに加え、USOCの有力スポンサーであるナイキや、その他の有力な企業が近くに立地しており、キャリア教育の観点からは、これらの企業等とも連携していける可能性もございます。このような世界的な企業の存在や起業家が集まる環境を生かし、そこでの体験やディスカッションなどを通してみずからの生き方や将来を考え、さまざまな課題に積極的に取り組む主体性を育成する機会ともなると考えてございます。
このようなことから、教育委員会といたしまして、東京二〇二〇大会機運醸成に向けた世田谷区の取り組みの一つとして、案として示し、区長を本部長とする東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会庁内推進本部で、今後、取り組むべき施策の案として、区として決定していただいたところです。
続きまして、他都市は検討したのかということですけれども、都市を選定するに当たりましては、先ほど申し上げましたが、治安のよさ、教育についての熱心さ、環境への取り組みであるとか日本文化への関心の高さなどを基礎的な条件といたしました。さらに、キャリア教育の観点から、企業等とも連携している可能性があるなどのことから、ポートランド市が最適であると判断したところでございます。
続きまして、ポートランド市は多くの都市と交流しているが、そのほかの都市ということはなかったのかという御質問ですが、ポートランド市が多くの都市と交流を行っていることについては承知しております。教育委員会といたしましては、これまでのさまざまな交流とは異なり、また、姉妹都市交流ということでもなく、キャリア教育の視点で互いの子どもたちが議論し合い、将来について提案するなど、地球規模で考え、ともに成長することを大切にした教育委員会ならではの取り組みとすることを考えておりまして、こうした交流に向け、交渉を行ってまいりたいと思っております。このようなことからポートランド市が最適であると考えております。
続きまして、生活文化部やスポーツ推進部等の連携ということでございますが、ポートランド市との交流ということにつきましては、先ほども申し上げましたが、庁内の東京二〇二〇大会の機運醸成に向けた事業推進プロジェクトチームでの検討を経まして、東京に二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会庁内推進本部で今後取り組むべき施策の案としたところでございます。
また、昨日の他会派の答弁で区長や副区長からも御説明申し上げましたように、ホストタウンとしてのレガシーとして子どもたちに継続的に残る関係として考えてございまして、教育委員会としましては、交渉の状況等を常任委員会で御報告させていただきながら、丁寧に進めていきたいと考えてございます。なお、今後、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会をきっかけとしたホストタウン事業や、子どもたちの継続的な国際交流について、一層充実が求められると認識してございます。そのため、スポーツ推進部や生活文化部等、関係部署との情報共有や連携はしっかりと図ってまいりたいと考えてございます。
以上です。
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 質問させていただきます。
教育委員会、三人目でいろんな答えが出ているんですけれども、今までは国際交流だとかそういうときに、職員は行く、学校の先生は行く、また職員が行って、こっちと向こうの受け入れ先だとか、そういうものを慎重にやってきたじゃない。今、教育次長が一生懸命答弁してもらっても、第一、自分の目で、教育委員会が誰も現場も見ていないんですよ。それで、小学生だとか中学生が送れる。その辺がわからない。だから、本当に、もうちょっと子どもたちのことを考えて、今までは慎重にやっていた。だけど、今度は慎重とは言えない。
それからもう一点、ほかの都市はきちんと検証したのか。検証していないでしょう。ポートランド市がいいから、そこに決めただけでしょう。
この二点をお願いします。
◎淺野 教育次長 まず、最初の点でございますけれども、ポートランド市につきましては、先ほど申し上げましたように、年内を目途に視察に行きたいと考えてございます。なお、具体的に中学生を派遣するのは二〇二〇年からということを今想定してございますので、教員の派遣を来年度に行って、実地調査といいますか、その打ち合わせをしてまいりたいと考えてございます。
それからもう一点のほかの都市ということですけれども、逐次アメリカの全ての都市を比較検討という形での検討は行っておりませんが、先ほど申し上げましたように、基礎的な条件等を踏まえまして、ポートランドを考えたところでございます。
以上です。
◆十九番(菅沼つとむ 議員) 終わります。
○三井みほこ 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三番おぎのけんじ議員。
〔三番おぎのけんじ議員登壇〕(拍手)
◆三番(おぎのけんじ 議員) 地震、台風、豪雨、さながら日本は天災列島と化したかのように毎月自然災害に見舞われ、今なお満身創痍の状態が続いています。まずもって、一連の被災により亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
常識が根底から覆される事態の連続に、半ば途方に暮れる思いを抱きつつも、現実は直視しなければなりません。行政に最大限の対策、対応を求めるとともに、我々区民一人一人も自助の意識を根本から見詰め直し、災害に対峙しなければならないと強く思うところであります。
それでは、通告に従い、まず豪雨対策について伺います。
西日本豪雨において多くの犠牲者が出てしまった倉敷市真備町では、今回の浸水被害が、ハザードマップにより、おおむね的確に予測されていたそうであります。一方で、市から避難勧告が出されたものの、実際に避難された方はごくわずか。その後、想定外のスピードで浸水が進み、最初の避難指示が出されたのは、堤防決壊がわずか四分後に迫るタイミングだったとのことです。
世田谷においては、氾濫の可能性がある多摩川の洪水ハザードマップが作成されていますが、予防としての区民に対する周知の徹底、また、いざ洪水が起こった際の想定外の状況も見越した上での避難勧告、指示のあり方など、西日本豪雨を教訓に、改めて区の対策を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、避難所について伺います。
ハザードマップにおいて想定されているのは二日間の総雨量五百八十八ミリ、また、避難者数は約五万八千人と聞いています。マップ上にプロットされている一部の小中学校などを避難所とするだけではキャパシティーが明らかに不足しています。幸い、国分寺崖線の上部には多くの企業、店舗、高校、大学があります。また、二子玉川には高層ビルも連なっています。そうした地域資源を最大限活用し、多摩川氾濫時の避難所のネットワークを再構築するべきと考えます。見解を伺います。
あわせて、洪水等の浸水想定区域内または土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設に対し、避難確保計画の作成、訓練の実施が昨年六月に義務づけられました。対象となる施設が区内に約七十カ所ありますが、現在の進捗について伺います。
次に、浸水対策について伺います。
八月二十七日の記録的な大雨により、区内各地で浸水、停電被害が出てしまいました。特に玉川地域では一時間最大百十一ミリと、まさに想定外の雨量となりました。私の住まいのほど近く、中町四丁目交差点付近は、五年前と同様に冠水し、何台もの車やバスが水につかり、用賀中町通りに面した店舗は軒並み四十センチほど浸水、近くを流れる谷沢川も氾濫し、半地下の駐車場では一メートルほども水がたまる事態になりました。これ以外にも数多くの被害情報が寄せられ、実際に被害状況を見聞した立場から何点か伺います。
まず、谷沢川流域の豪雨対策の決定打として大きな期待が寄せられているのが、東京都が手がける谷沢川分水路整備であります。昨年十一月より着工されましたが、工事終了予定が六年半後の二〇二五年三月末と長期にわたります。今回の事態を受け、工事の前倒しを地域の方々も強く望んでいます。この点について都への申し入れを要望します。
次に、自助体制構築の一助として浸水ハザードマップの策定を提案します。
洪水ではなく内水によるいわば浸水実績図であります。内水とは、降雨量が下水道や河川などの排水能力を超え、排水そのものができず、住宅や道路に浸水することであります。実際、洪水ハザードマップとは別に内水による浸水ハザードマップを用意する自治体がふえてきています。
現在、区では浸水概況図というものがアップされていますが、ビジュアル的に見づらく、なぜか地域が三分割されていたりと、お世辞にも実用に耐えるものとは言えません。今回の浸水・冠水履歴を含め、各所からの情報を一元的に整理統合し、区民にわかりやすい形で公表し直すべきと考えます。
また、浸水が確実視される地域の方々に対しては、被害を少しでも軽減するために、浸水ハザードマップの周知に加え、吸水性の土のうや簡易な止水板などを積極的に案内し、自助体制構築を促進していくべきと考えますが、見解を伺います。
最後に、情報発信について伺います。
今回の豪雨の際、区長以下、関連所管のツイッターからは、気象庁発表の情報をそのまま掲載するだけで、区民にとって有益な情報は何ら提供されませんでした。勤務時間外とはいえ、各地の被害情報は職員のもとに集まっていたはずです。
例えば、用賀中町通り、弦巻通りのどこどこが冠水している、谷沢川がライブカメラによると危険水位であるなど、生の情報がなぜ発信できなかったのか。翌日以降も、罹災証明、災害見舞金、支援制度についてのツイートがなぜなされなかったのか。大変理解に苦しむとともに、今後に大きな不安を抱きます。今後の災害時の情報発信のあり方について改善を強く求めます。見解を伺います。
次に、児童館の今後のあり方について伺います。
児童館の強みの一つは、友達感覚、近所のお兄さん、お姉さん的な感覚で遊んで触れ合える職員がそこにいるということ。それがゆえ、子どもが気軽に立ち寄れ、居心地よく楽しい遊び場としての価値が担保されているのだと考えます。そうした子どもと職員の関係性があるからこそ、子どものちょっとした変化、サインをキャッチすることができ、実際に子ども家庭支援センターなどにつなぎ、いじめ、虐待などの一次予防に貢献できているのだと思います。
区が児童館のあり方検討委員会で配付した資料を見るに、今後の児童相談所、子ども家庭支援センター、地域包括ケアシステムなどで形成される子ども見守りネットワークに、児童館を機能強化した上で組み込んでいくイメージを私なりに読み取りました。その方向性に異を唱えるものではありません。
しかしながら、児童館に過度な子どもの見守り相談支援機能が付与されることで、本来児童館が持つよさが毀損されることはあってはならないという懸念を強く抱いています。あくまで遊び場機能があっての見守り相談支援機能であり、二つの機能が一体不可分であるからこそ、児童館の存在価値があるのだと考えます。したがって、今後の方向性として、機能が分化されて運営される、あるいは後者の機能だけに重きが置かれることがあってはならないと考えます。まずはこの点につき、区の見解を伺います。
また、機能拡大に伴い、子どもにまつわる情報の丁寧かつ厳重な管理は言うに及ばず、関連組織、また地域ネットワークとのより密な深い連携が求められます。それらが有機的に絡み合うことで、セーフティネットの強度が増します。つまり、今後の運営においても正確性と継続性、地域へのコミットメントが求められるという点で区が果たす役割は非常に大きく、あり方検討委員会でも議論されているとされる民間活力導入は慎重に判断するべきと考えます。また、職員の業務量も増加が予想されますが、専門職の配置を含め、どんな布陣で運営することを想定しているのか、あわせて伺います。くれぐれも、職員が事務作業に忙殺され、子どもとかかわる時間の拡充という、どこかで聞いたような課題が生まれないことを強く望みます。
最後に、区の障害者雇用のあり方について伺います。
このたびの障害者雇用率誤算定発覚に際し、区内在住の多くの障害者の方々、関係者の方々から怒り、悲しみ、諦め、さまざまな感情が入りまじった声をいただきました。まさに言語道断の事態であり、障害者の方々に大きな失望を与えてしまったという責任は極めて重く、国のガイドラインの認識が不十分だったというような軽い弁明で済まされる問題でもなく、今後障害者雇用に関する区の一挙手一投足があらゆる面から厳しい目にさらされることをまずは肝に銘じていただきたいと思います。
区における障害者採用は、事前に各所管へのニーズ調査はなく人事が一括して計画、実務を担い、配属後の働きぶり、定着率、実際働いている方々の声といった情報も把握できていないようです。法定雇用率をわずか〇・〇一%上回る二・五一%という誤算定の数値が暗に物語るように、世田谷区はどう大きく見積もっても障害者積極採用自治体とは呼べないのが実態であり、今回の事態は、そうした世田谷区の障害者雇用に対する姿勢そのものに問題があったからこそ引き起こされたのだと思わざるを得ません。
区の資料には、早期の雇用率達成に向け、計画的な採用を進めていくとの記載がありましたが、大事なのは、不足とされる二十七人をその場しのぎで突貫採用することではありません。今回の事態を契機に、世田谷区のこれからの障害者雇用のあり方を根本から見詰め直すべきと考えます。今年度から、身体障害者の方に加え、知的障害、精神障害者の方々も正規職員としての採用対象となりました。二年後にはパラリンピックもあり、今後は障害者スポーツの普及促進にも力を入れていくとの報告もあります。あらゆる機会を捉え、障害者の方々に貴重な戦力として活躍してもらえる新たなフィールド、職域はどんなものがあるのか、全庁的に徹底的に考えていただきたい。
そして、その大もとには、そもそもなぜ障害者を雇用するのか、世田谷区にとって障害者を雇用することの意義は何なのかがしっかりと息づいていなければなりません。障害者の方々にとって、世田谷で働く価値を明確にし、また、障害者の方々にも世田谷で働きたいと思ってもらえるような関係性をぜひとも創出していただくことを切に期待いたします。法定雇用率は、そうした地に足ついた積極的な取り組みの結果として、必ずやついてくるものだと思います。
以上の点につきまして区の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤 危機管理室長 私からは、豪雨対策について五点御答弁いたします。
まず、避難所として民間施設の活用についての御質問です。
洪水発生後、御自宅に戻れなくなった方の一時的な滞在場所として、区立小中学校避難場所に移行し、避難生活をしていただくことになります。多摩川洪水ハザードマップに表示しております避難所で避難者がおさまりきらない場合は、その場所から近い区立小中学校を避難所として順次開設していくことを想定しております。
また、洪水時の民間の避難場所としまして、聖ドミニコ学園や駒澤大学玉川校舎、ゆうぽうと世田谷レクセンターと協定を結んでおります。区としましては、少しでも安全で身近な場所に避難していただけるよう、地域住民の意見を踏まえ、他の民間施設との協定について総合支所と連携しながら検討を重ねてまいります。
続きまして、要配慮者利用施設の避難確保計画の作成等の現状についての御質問です。
平成二十九年五月に水防法が改正され、洪水や土砂災害のリスクが高い区域にある要配慮者利用施設につきまして、この管理者等に避難確保計画の作成、避難訓練の実施が義務化されております。これを受けまして、区では担当の福祉所管を通じまして、多摩川洪水浸水想定区域内にある要配慮者利用施設に対し、避難確保計画の作成と提出を促してきたところでございます。現在、避難確保計画の作成対象施設六十五施設のうち、本年三月時点で三十九施設が避難確保計画を作成しております。
区といたしましては、避難確保計画につきまして引き続き福祉所管を通じまして早期の作成を促すとともに、洪水発生時に円滑かつ迅速に避難できるよう、各施設の避難訓練等の取り組みを支援してまいります。
次に、西日本豪雨を教訓とした避難情報についての御質問です。
平成三十年七月の西日本豪雨では、避難場所へ避難した方は対象者のわずか数%で、避難情報をどのように避難につなげるかが課題であるとの報道がなされております。西日本豪雨の教訓を受け、区民に震災のリスクや避難情報を正しく御理解いただき、適切な避難行動がとれるよう、さまざまな機会を捉え、これまで以上に洪水ハザードマップの周知啓発に努めてまいります。さらに、西日本豪雨のような急激な大雨に対しまして、河川についても急激な増水が予想されます。現在、国や都の河川管理者とホットラインの構築を目指しており、区内の河川水位情報だけでなく、河川全体の水位情報から避難行動をとっていただけるよう、より適切で正確な情報発信についても検討してまいります。
四点目でございます。内水ハザードマップの作成についての御質問です。
区では、浸水被害について、浸水概況図と水害記録を区ホームページで公表しておりますが、区の土木部や都の下水道局が対応した箇所を記載しており、実際に道路冠水した箇所等が表示されていないこともございます。他自治体では、これまでの浸水記録等をマップに落とし、内水ハザードマップとして公表しているマップがありますが、掲載内容は浸水記録のみのもの、浸水記録に加え河川の洪水想定を加えたものなどさまざまございます。今後、内水ハザードマップにつきましては、これまでの浸水概況図に加え、浸水被害等の蓄積データ、掲載内容等について他自治体の事例を参考に作成及び公表を検討してまいります。
最後に、災害関連の情報発信についての御質問です。
区では、災害に備えた事前の情報としまして、気象庁が発表する気象情報や洪水予報、雨量や水位の情報について区ホームページや災害・防犯メール、ツイッター、エフエム世田谷等を通じ、発信しております。こうした災害に関する情報は、適切なタイミングで、よりわかりやすく、情報伝達媒体の特性に応じて発信することが必要であると認識しております。今後、ツイッター等によるリアルタイムの発信型の情報につきましては、情報を取得する区職員の体制を検討してまいります。あわせて、二十四時間体制の区内警察、消防との情報の共有につきましても研究してまいります。
また、被災地に対する各種支援情報につきましては、今後、ツイッター等も活用し、区民の方にわかりやすい情報発信をしてまいります。
以上です。
◎桐山
豪雨対策推進担当参事 私からは、豪雨対策のうち、浸水対策二件につき御答弁申し上げます。
まず、谷沢川分水路工事の完成を前倒しする要望ができないかという点でお答えします。
谷沢川流域につきましては、平成二十六年六月に改定された東京都豪雨対策基本方針(改定)におきまして、丸子川流域とともに新たに対策強化流域に指定され、時間七十五ミリの降雨に対しても浸水被害の防止を目指すものとなっております。このことを受けまして、東京都は谷沢川分水路整備を位置づけた河川整備計画を策定し、今年度から整備に着手し、二〇二四年度の完成を目指して取り組んでいると伺っております。整備には長い期間を要しますが、昨今の集中豪雨による浸水被害を軽減するためにも、東京都に対して早期完了の要望を行ってまいります。
次に、区民の自助体制構築の促進についてお答えいたします。
本年六月に策定しました世田谷区
豪雨対策行動計画の四つの柱の一つである家づくり・まちづくり対策促進の中では、区民みずからが実施する浸水被害に強い家づくりの促進を目指し、自助の取り組みを促進することとしております。現在、マップや土のうなどの普及を図るために区のホームページやパンフレットの配布等を行い、啓発に努めているところでございます。今後につきましては、自助体制の強化をより図るために、内水被害が繰り返し発生する地区におきましては、パンフレットなどを戸別配布したり、町会や自治会の会合に出向いて自助に関する案内を行うなど、関係部署とも連携して周知方法を工夫しながら、豪雨対策に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童館の今後のあり方について二点お答えさせていただきます。
一点目、遊び場機能があっての見守り相談支援機能であり、二つの機能が一体であることからこそ児童館の存在価値がある、区の見解はという御質問にお答えいたします。
区では、児童相談所の移管や地域包括ケアシステムの構築等に当たり、さらなる児童館機能の拡充が必要であると考え、世田谷区立児童館のあり方検討委員会において、今後の児童館のあり方、機能拡充等について御意見をいただきながら具体化を進めているところでございます。検討委員会では、身近な地区にある児童館として、これまでの児童健全育成事業が重要であり、それを基盤とした敷居の低い児童館の特性を生かした相談や気づき、見守り等の子どもや子育て家庭への支援、地域の方や団体等と連携した支援や場づくりなど、機能をより高めた役割が求められるとの御意見をいただいております。区といたしましても、児童健全育成と相談や見守りなどの機能を両輪として、ともに充実させていくことが重要であると考えております。今後は、児童館の方向性や方針を定め、具体化を進める中で適切な運営体制の整備を図ってまいります。
二点目の御質問でございます民間活力の導入は慎重に判断すべきということ、また、職員の業務量の増加が予想されるが専門職の配置等を想定しているかという御質問にお答えいたします。
児童館での相談につきましては、日ごろの子どもや子育て家庭との継続的なかかわりや信頼関係の中で、敷居の低い相談窓口として機能をしております。相談は、子ども家庭支援センターや児童相談所と連絡連携するものや、児童館で対応、解決できるものなど、軽易なものから重篤なケースまでさまざまであり、その際、個人情報については厳重に取り扱っているところでございます。
検討委員会におきましては、個人情報を扱う深刻な相談などは、区の職員に対する信頼感や安心感が基礎にあるとの御意見がある一方、民間では多様なプログラムを持つ健全育成事業や開館時間など、柔軟な運営が可能であるのではという御意見がございました。
また、今後の職員の人材や体制につきましては、相談やアセスメントスキルの向上や区全体での人材育成や配置等の検討をするとともに、子どもにかかわる団体等とのネットワークを通じた、地区全体で子どもの見守り体制づくりや健全育成事業の展開が必要であると考えております。今後は、本年十一月に予定をしておりますあり方検討委員会のまとめなどを受け、十二月を目途に児童館の今後の方向性や方針等をお示ししてまいります。
以上でございます。
◎中村 総務部長 区の障害者雇用のあり方について御質問いただきました。一括して御答弁いたします。
初めに、このたびの障害者雇用率の算定に係る不適切な事務処理につきまして、区の信頼を損ねる結果となり、率先垂範して障害者雇用を努めるべき区として、その責任を痛感しております。区は、今回の事態を機に、法定雇用率を満たすという受け身の対応にとどめず、障害者雇用の意義を改めて問い直す必要があると認識しております。
区が障害者雇用を進める意義は、共生社会の実現に向けてみずから率先して障害者の働く場を提供し、就労を通じて障害者の自立と社会参加につなげていくことに加え、庁内の各職場において、障害の有無にかかわらず、ともに仕事をし、ともに支えあうことが日常的となることで、障害に対する理解や配慮が促進される点にあると認識しております。さらには、誰もが職員個々の能力を生かしていくという基本的な立場に常に立ち返り、区民サービスの向上につなげていく必要があると考えております。
こうしたことを念頭に、今後の障害者雇用につきまして、国から依頼のあった平成二十九年六月一日現在の雇用率の再点検結果も踏まえて進めてまいりますが、まずは今年度より、これまでの身体障害者に加えて、知的障害者、精神障害者も対象となった特別区の障害者採用選考による採用枠を拡大してまいります。また、庁内からも提案を受けながら、業務をいま一度見詰め直し、障害のある職員が力を発揮できる職務や職域を整理し、チャレンジ雇用の拡大とともに、東京都が昨年度から実施しています知的障害者の採用選考を初め、他自治体の事例も参考にしながら、区独自の雇用の仕組みについて検討を急いでおります。
今後、障害のある方々が区で働くことを希望していただけるよう、庁内全体で共通認識を持って障害者雇用を促進していくとともに、早期の雇用率の充足に向けて全庁挙げて取り組んでまいります。
以上です。
◆三番(おぎのけんじ 議員) 豪雨対策についていろいろ答弁の中で検討、検討ということが繰り返されていましたけれども、議会から突っ込まれてから初めて検討するのでは遅過ぎると思います。じゃなくて、各所管から、今後は能動的に、こういう対策をとっていきますという報告がなぜ出てこないのか、私は非常に残念でなりません。これだけ災害が相次いでいるわけで、そこからの知見を貪欲に吸収して、スピーディーに意思決定していただいて、実行に移していただくことを期待して、質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上でおぎのけんじ議員の質問は終わりました。
これで本日の一般質問は終了いたします。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第三を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第三 議案第八十四号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例
○三井みほこ 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第八十四号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明申し上げます。
本件は、建築物の敷地と道路との関係に係る建築認定申請手数料等を定め、あわせて規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件を企画総務委員会に付託いたします。
────────────────────
○三井みほこ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。
なお、明二十日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十五分散会...