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  1. 世田谷区議会 2018-03-08
    平成30年  3月 予算特別委員会-03月08日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成30年  3月 予算特別委員会-03月08日-03号平成30年 3月 予算特別委員会 平成三十年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第三号 日 時  平成三十年三月八日(木曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  山口ひろひさ 副委員長 平塚敬二 副委員長 藤井まな      安部ひろゆき      石川ナオミ      石川征男      おぎのけんじ      加藤たいき      上山なおのり      河野俊弘      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき      三井みほこ
         山内 彰      ゆさ吉宏      和田ひでとし      板井 斎      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      津上仁志      福田妙美      諸星養一      風間ゆたか      中塚さちよ      中村公太朗      羽田圭二      江口じゅん子      桜井 稔      たかじょう訓子      中里光夫      村田義則      大庭正明      そのべせいや      田中優子      桃野よしふみ      阿久津 皇      小泉たま子      佐藤美樹      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      すがややすこ      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 菊島 進  出席説明員   副区長           宮崎健二   政策経営部   部長    岩本 康           政策企画課長                 田中耕太           官民連携担当課長                 山戸茂子           政策研究・調査課長                 藤野智子           財政課長  加賀谷 実           広報広聴課長                 池田 豊           情報政策課長                 齋藤 稔           副参事   中西成之           副参事   柳澤正孝   総務部     部長    中村哲也           区政情報課長                 大塚 勇           人事課長  松永 仁           研修担当課長                 金澤博志           職員厚生課長                 前島正輝           副参事   上村 隆   庁舎整備担当部 部長(施設営繕担当部長兼務)                 松村浩之           庁舎整備担当課長                 秋山武徳   危機管理室   室長    澤谷 昇           災害対策課長                 荒  学           危機管理担当課長                 加藤秀紀   財務部     部長    菊池弘明           経理課長  山田 実           課税課長  古川雅也           納税課長  庄司秀人           用地課長  村田義人   施設営繕担当部 部長    松村浩之           施設営繕第一課長                 安間正伸           施設営繕第二課長                 青木 徹           公共施設マネジメント推進課長                 窪松泰幸   会計室     会計管理者 金澤眞二   選挙管理委員会事務局           局長    鈴木孝之   監査事務局   局長    山本茂孝           次長    松田隆夫     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成三十年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成三十年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成三十年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成三十年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成三十年度世田谷区学校給食費会計予算企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○山口ひろひさ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ────────────────────
    ○山口ひろひさ 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日、遅参の届け出がありますので、御報告いたします。  遅参者は田中優子委員です。以上であります。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆河村みどり 委員 おはようございます。それでは、公明党の企画総務委員会所管の質疑を始めさせていただきます。  まず初めに、女性の視点を取り入れた防災について質問します。  東日本大震災から間もなく七年を迎えます。また、来月四月には熊本地震から二年がたとうとしています。復興に向けて進んでいるものの、いまだ仮設住宅にお住まいの方は、本年一月現在で、熊本地震では約四万人、東日本大震災の影響では約三万人と、今なお復興は道半ばです。  私たちは、この二つの震災でさまざまな教訓を得てきました。特に避難所における女性や子ども等の弱者に対する配慮の不足が浮き彫りになり、着がえや洗濯干しの場所の確保、女性や子どもを狙った性犯罪や暴力、母子が安心して授乳できる空間等のさまざまな課題について、女性の視点の取り組みの重要性が明らかになりました。  東日本大震災以来、我が党は、国や都、本区議会においても防災対策に女性の視点を取り入れることを求めてきました。  区では、有識者等による女性の視点部会を設け、検討の結果の提言を平成二十九年地域防災計画の修正に盛り込み、避難所運営体制及び意思決定への女性の参画も位置づけられました。  いよいよ来年度よりこの立場を担う女性防災リーダー育成が開始されることについては大いに評価するところです。熊本地震の事例にも活発に自助共助の活動を行っていた避難所は、日ごろから地域活動をしっかり行っている女性リーダーがいた避難所との報告がされています。来年度については、女性防災リーダー育成研修プログラム構築と研修の実施が予定されていますが、今後、区内九十一あるそれぞれの避難所など、意思決定にかかわる女性防災リーダーをいかに輩出できるかが重要な課題ではないでしょうか。  避難所運営を行う町会・自治会に対して丁寧な取り組みを推進し、着実に女性防災リーダーの育成を図るべきと考えますが、区の見解をお聞きします。 ◎荒 災害対策課長 区といたしましても、過去の被災地の事例等から震災時における女性への配慮の必要性を認識し、地域防災計画の修正に合わせ、有識者等による女性の視点部会を設置し、検討の結果を提言書として取りまとめました。この提言書を踏まえまして、来年度からの四カ年で避難所運営における意思決定や活動等に参画する女性防災リーダーの育成を進めるとともに、避難所運営等、被災時における男女共同参画の視点の普及啓発の促進に取り組んでまいります。  来年度につきましては、まず、防災や男女共同参画の視点に関する知見を持つ有識者等による検討会を設置しまして、女性防災リーダー育成のための研修プログラムの検討を行ってまいります。そのプログラムに基づき、防災や男女共同参画の視点の啓発に関して意欲、関心をお持ちの女性を対象に、平成三十年度の下半期から平成三十一年度の上半期にかけて六回程度の研修を行う予定です。  研修を修了したリーダーの皆様には、地域の防災組織等への研修や、避難所運営組織、防災訓練等への参画を通じて普及啓発を進めていただきたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 ぜひ研修会に一人でも多くの方がまた参加できるよう、推進をよろしくお願いいたします。  次に、三月一日より無料配布が始まっている、東京都が作成した女性視点の新たな防災ブック「東京くらし防災」について伺います。  平成二十七年に発行された防災ブック「東京防災」の第二弾として、女性ならではの視点できめ細やかな情報で災害への備えを促進する。このピンクの「東京くらし防災」は、都議会公明党の提案で作成され、読みやすい、わかりやすいと、早くも好評のようです。より多くの方々の手にとっていただけるよう、公共施設を初め、郵便局や美容室などの協力店に設置されていますが、まず、現在の区の配布状況をお伺いします。 ◎荒 災害対策課長 「東京くらし防災」は、女性視点の防災ブックとして東京都が作成し、初版百万部を公共施設を初め、御協力いただける民間事業者の店舗、事業所など、都内約九千カ所にて、三月一日より配布しております。  区の施設では、まちづくりセンター、図書館など七十カ所にて配布しておりまして、民間事業者の店舗等を含めると、区内で約二百カ所で配布しております。また、東京都が配信しているアプリでも閲覧ができるようになっております。 ◆河村みどり 委員 東日本大震災、熊本地震での教訓をもとに、トイレでできる防災や子どもと備える防災など、あらゆるシーンでどう対応すべきかなど、多くの実践的なアドバイスが収録され、日常の暮らしの中で無理なく取り組める対策をイラストを使ってわかりやすくまとめています。また、防災アプリやホームページからも閲覧でき、特にアプリでは、防災意識が薄い世代でも興味を引けるような、そんな工夫がされています。  簡潔に要点がまとまっているこの女性の視点防災ブックは大いに防災対策の教材になるものです。ぜひアプリを含め、多くの女性の方々に普及啓発を図るとともに、女性防災リーダーの育成の場や、町会、防災担当の男性の方々にも教材として活用していただきたいと考えますが、見解をお伺いします。 ◎荒 災害対策課長 女性の視点からの防災対策を進めていくためには、女性の防災への参画を促進するとともに、地域の皆さんの理解が必須であると考えております。  区におきましても、来年度からの女性防災リーダーの育成事業や地域への啓発等に、この「東京くらし防災」を十分活用してまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 ありがとうございます。  それでは次に、特殊詐欺対策について質問をしてまいります。  区におけるオレオレ詐欺や還付金詐欺、また、最新のカード預かり詐欺などの特殊詐欺被害は、ここ数年、被害件数が約百三十件、被害総額は約四億円、平成二十八年に至っては三億三千万円と減にもなりましたが、ほぼ横ばい傾向であったところ、平成二十九年の被害は二百十六件の五億四千七百万円と一気に増加したことに大変衝撃を受けました。  改めて、今回の急激な増加の要因は何なのか、また、現在の国や都における特殊詐欺被害の傾向についてお伺いします。 ◎加藤 危機管理担当課長 平成二十九年の区内の被害を平成二十八年に比べますと、件数にして七十七件、金額にして約二億一千万円が増加し、この増加の傾向は東京都全体とも一致しております。全国では被害額は減少したものの、件数は大幅に増加しました。人口が多いということもございますが、過去五年を見まして発生件数が二十三区でいずれも最多ということを考えますと、世田谷区民が犯人に狙われていることがうかがえます。  増加の要因ですが、従来からの子や孫など身内をかたった手口が変遷し、いろいろなパターンの手口、だましのストーリーがつくられている点が一因と考えられます。 ◆河村みどり 委員 それでは、ことしに入ってから、まだ二カ月ですけれども、被害はいかがでしょうか。 ◎加藤 危機管理担当課長 二月までの統計が出ておりませんので、平成三十年一月のみとなりますが、区内で十一件の被害を認知しております。平成二十九年一月の八件を上回る勢いで発生しております。 ◆河村みどり 委員 もうことしも昨年を上回る勢いだということで、先ほどもお話がありましたが、我が区が本当に特殊詐欺の標的になっていて、まさしくこのような状態は緊急事態ではないかと思われます。  区の平成二十五年から二十九年までの五年間だけでも被害件数が七百八十四件にも上り、二十五億三千六百万円という被害を目の当たりにして、こんなにも大勢の高齢者の方々が自身の大切な財産の被害に遭遇して悲嘆に暮れているかと思うと、絶対に許しがたい犯罪だと思います。また、昨年からの増加傾向を鑑みますと、より一層の対策に踏み切るべきと考えます。  被害を水際で防ぐためには、ともかくすぐに電話に出ないことだというふうに伺いました。これまでも高齢者や家族に対して未然防止に向けた取り組みを行ってきているところですが、ふだんなかなか地域に出られない在宅の高齢者の方への周知をさらに進めるべきではないでしょうか。  例えば、行政から届く郵便物の封筒への効果的な印刷で啓発を行う、また、民生委員が高齢者宅へ伺うふれあい訪問のときには未然防止に向けた一言をプラスするなど、留守番電話にしてすぐにとらない防止策や自動通話録音機の普及啓発に向けて、在宅の方への周知の強化を図るべきと考えます。今後の対策について、区のお考えをお聞きします。 ◎加藤 危機管理担当課長 委員御指摘のとおり、これまで以上の啓発活動が必要と考えております。平成三十年度はシルバー情報への掲載や路線バスのシルバーパス配付時における広報啓発など、他の所管や区内事業者の協力を得まして、広く区民周知を行ってまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 振り込め詐欺の被害防止用として通話録音機を、区は来年度も七百台の貸与を予定しております。この通話録音機の効果検証をさまざまな自治体が行っておりますけれども、三重県のモデル事業では、高齢者に計三百六十台、一年間貸し出しをして、終了後のアンケート結果によると、不審な電話や迷惑電話がほとんど、または全くかかってこない、もしくは減ったと回答した利用者が約九割に上り、機器設置後の被害はありませんでした。また、和歌山県でも同様の調査で約八割の利用者が効果を実感しているとの結果が出ております。  また、昨年、百三十件の被害がありました大田区では、一人でも多くの高齢者の被害を防ぎたいとのことから、平成二十九年度は二千台、それに引き続き来年度も三千台もの自動録音機の予算を予定しております。区民への周知を推進していることで、今年度の二千台はほぼ終了されており、来年度についても年度中に推進できる見込みだと、そのように伺いました。何としても特殊詐欺被害を減らすんだとの大田区の強い思いが感じられると思います。  区は、自動通話録音機特殊詐欺対策に対してこの効果をどのように感じていらっしゃるのか。効果があるのであれば、一人でも多くの区民を守るため、大田区のように徹底的に対処すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。 ◎加藤 危機管理担当課長 区内で自動通話録音機を設置している世帯において被害が発生していない点から、被害防止効果が高いと言えますので、危機管理室としましては、今後も可能な限り普及させていきたいと考えております。  一方で録音機の普及と並行して防犯機能つき電話の紹介、また、在宅時であっても電話を留守番設定にするなどして、まずは犯人からの電話に出ないことが被害防止になるといった区民周知も行い、区民の皆様に不都合が生じないように適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆河村みどり 委員 引き続き対策の強化を、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、官民連携による公共交通不便地域対策について質問をいたします。  現在、公共交通不便地域対策において、砧地域をモデル地区として調査検討を行い、新たな公共交通の導入に向けた検討が現在進められており、他地域の不便地域に広げていくためにも、ぜひともこのモデル運行の実現を期待するところでございます。しかし、まだまだ具体的なめどについて不透明な状況でもあります。  今回も一般質問で取り上げてまいりましたが、買い物や通院などへの円滑な移動ができず、生活不便を強いられている地域の高齢者の方々から思うように外出することができないと、交通不便解消を長年待ちわびているお声がたびたび届いております。  二〇二五年には四人に一人が七十五歳以上の高齢者となる超高齢化社会を迎えます。健康維持のためにも、高齢者の方々が自由に外出できる機会をふやすことはますます重要となってきており、将来のためにも早期の対策が求められます。ありとあらゆる可能性を視野に入れ、それぞれの地域に合った交通不便解消に向け、より一層真剣に取り組むべきと考えます。  その方策として、官民連携のノウハウを生かした取り組みを推進していくべきだと考えますけれども、区民にとってよりよい公共サービスを提供していくことを目的としている官民連携担当課として、区にとってこのような大きな課題である公共交通不便地域対策についてどのようにお考えになっているのかお伺いいたします。 ◎山戸 官民連携担当課長 お話しのように公共サービスのさらなる充実を目的に、世田谷区官民連携指針を策定し連携の仕組みを定め、庁内外の橋渡し役として官民連携担当課を設置し、この間、民間企業等との対話を進めてまいりました。  高齢社会の進展によって、今後、日常生活上の移動などの課題解決の必要性が高まることが想定されることから、公共交通不便地域対策は区の行政課題であり、民間や区民の皆様などと連携することによって解決を検討する課題の一つであると認識しております。 ◆河村みどり 委員 それでは、官民連携担当課が設置されてから、この公共交通不便地域の解決に向けた具体的な取り組みを行っているのかお伺いいたします。 ◎山戸 官民連携担当課長 この間、対話を行ってきた民間等の中には、駅から店舗までの送迎バスを運行している企業や区内を走行している運送企業がおり、交通不便地域対策への協力を得られないか、意見交換を行ってまいりました。その対話の中では、法律の適合性や採算性などの課題が挙げられ、具体的な連携の実現までには残念ながら至っておりませんが、今後とも機会を捉えて、さまざまないい民間企業等と対話を行ってまいります。 ◆河村みどり 委員 一般質問でも取り上げさせていただいたんですけれども、札幌市では、お一人の主婦の取り組みで、バスやタクシーでは通れない細街路も走れるドイツ生まれの高性能な自転車のタクシー、ベロタクシーという、そういったものが、観光客だけでなく、市民の足として利用されています。  また、自由が丘駅商店街を中心に無料で運行しているコミュニティバス、サンクスネイチャーバス、もう御存じの方も多いと思いますけれども、地域三十一の企業や商店、複数の個人がサポーターとなって、民間が運行しています。隣接している本区の一部地域にもルートに入っているこのバスは、高齢者や子ども連れの親子が安心して乗れるとして地域に定着をしております。  行政のみでは解決が困難なこの公共交通不便の問題を、官民連携担当課が主導となってしっかりとテーマを設定して、民間からの提案を募集する取り組みを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。 ◎山戸 官民連携担当課長 世田谷区官民連携指針において示した具体的な仕組みの一つとして、区側が課題等のテーマを設定し、民間からの提案を募集する、テーマ設定型の手法がございます。  交通不便地域対策については、現在、モデル地区を指定し、地域住民と勉強会を開催するなど取り組みを進めておりますが、テーマ設定型を活用して、民間との連携も進めることができないか、関係所管とともに検討を進めてまいります。 ◆河村みどり 委員 ぜひ官民連携担当課が、今までの既存の概念にとらわれずに、柔軟な発想で交通不便解決に向けて研究していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わり、福田委員に交代をいたします。 ◆福田妙美 委員 引き続き公明党の質問をさせていただきます。  私からは、区民への説明責任を果たしていくべきだという観点から質問させていただきたいと思います。  現在、人口九十万人の区の区民の暮らしをつくる平成三十年度の一般会計当初予算は、前年度比三十一億円増の三千十九億円となりました。歳入においては、ふるさと納税の影響は約四十億円、地方消費税交付金二十九億円による減収は、持続可能な財政基盤の構築を揺るがす要因となりつつあります。  私も平成二十七年の第一回定例会において、ふるさと納税制度の改正による減収への対策を求めましたが、区は対応が後手となり、ことしに入り、やっとスポーツ施設などの公共施設の改築などに充てるクラウドファンディングを開始いたしました。  また、現在、区の資産で占める割合が大きいのが公共施設です。固定資産が世田谷区は約一兆六千億円のうち、公共施設が占めるのは約三千百億円というふうになっております。区の占める公共施設という大きな資産に対して、私を初め我が会派といたしまして公共施設のマネジメントというものを求めてまいりました。区は、それにあわせて公共施設白書の作成、また、公共施設整備計画の作成により、長寿命化など平準化を進めていくことは大変評価いたします。しかし、昭和三十年から五十年代に整備された公共施設は全体の約六〇%、築六十年を迎える改築ラッシュのピークの平成四十年以降の時期をどう乗り越えるのかという課題は大きく残っております。  公共施設の更新と整備、維持管理にかかる年平均経費は六百二十九億円。従来の経費を百億円超過しています。高齢者人口の増加などから民生費は年々増加傾向で、三十年度は前年度より七十八億七千万円増で、一千四百億円を超え始めました。今後も増加傾向が予測されていきます。  その上で、持続可能な財政基盤の構築はあらゆる手法を取り入れていく必要が高まってまいりました。今回、公共施設の利用料金の改正案が示されています。公共施設の利用料金は指針に基づき二年から三年ごとに見直しが行われているということですが、今回の施設使用料の改正の考え方について、まずは伺いたいと思います。 ◎田中 政策企画課長 今回の施設使用料の見直しですけれども、前回見直しを実施した平成二十五年度以降、消費税増税を経て諸経費の変動もあり、施設の管理運営経費が増加している状況を踏まえ、区民サービスの維持に向けて見直しを行う必要があることから、平成三十年十月に料金改定を実施するものです。  見直しの基本的な考え方としましては、区民生活への影響に配慮し、利用者負担の大きな上昇を抑えることを念頭に置いた改定としております。  例えば地区会館や区民集会所などですけれども、おおむね二割未満の改定とし、利用者負担率を平成二十五年度の前回改定時と同程度になるよう抑制するとともに、子ども、高齢者、障害者のプールなどの個人利用は据え置きとしております。 ◆福田妙美 委員 強固な財政基盤の構築のために経費削減への工夫というのはまず第一ですが、今回、利用者負担の見直しがなされるということで、ただいま説明がありましたが、適正な利用者負担の導入指針というのが世田谷区にはあります。これがそうですけれども、これに基づいて今回改正を行うということです。  区は、区民、議会に説明をされているつもりだとは思いますけれども、区民アンケートでも老朽化した施設と新しい施設での不公平感や利用料の算定への説明責任を果たすことが求められていますが、いま一つ、この説明責任が納得できるような説明へと至っていません。  このような状況が生み出されているのは何か原因があるというふうに私も思っております。そのずれを是正していかなくては、幾ら説明をしていますといっても、この溝が埋まらないと思いますが、区は、この利用料をどのように決めていらっしゃるのでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 利用料の決め方での御質問ですけれども、平成二十二年度に策定しました適正な利用者負担の導入指針では、サービス提供の財源を確保するため、施設の性質区分ごとに、利用者負担の割合について一定の基準を定めており、例えば区民集会施設は利用者負担率を一から五割で設定しております。今回の使用料の見直しは、この基準を一つの目安とした上で、施設の管理運営経費が増加している状況を踏まえ、実施するものです。  見直しに当たっては、平成二十五年度と二十八年度で経費比較を行いまして、例えば地区会館及び区民集会所の場合、施設の管理運営経費が平成二十五年度実績の四億九千九百万円から約五億九千三百万円と増加しており、利用者負担率につきましては一九・七%から一六・六%に下がっている。こういった状況などについてわかりやすくグラフ化し、見直しの考え方とともにパブリックコメントやホームページで周知するなど、できる限り区民の方々への丁寧な説明に努めてきたところです。 ◆福田妙美 委員 御説明はいただきましたけれども、今回は区民集会所などが改正されるということですけれども、世田谷区の適正な利用者負担の導入指針というものに基づいているということですが、どこら辺がポイントになっているのかというのを少し拡大してみました。  世田谷区の導入指針の中にある図を私なりに大きくつくってみましたけれども、今回の、例えば公共施設の中でも導入が行われるのは、世田谷区の場合は、この四つの分類に分けて施設を置いています。それで、この分類ごとに利用者の負担の割合を決めているということで、こちらが必需的で、こちらが選択的、公益性、収益性というので大まかになっていまして、ゼロから五〇%、五〇%から一〇〇%という大きなカテゴリーの中で割合を決めていくことになっております。これだけ大きな割合のところにどこにその施設が細かく入っていくのかというところがポイントになるんですけれども、これだけの大きな割合ではなかなか決めがたいところがあるのではないかと思います。  この不明瞭だなと思っている部分が、実は利用者負担率というところになります。この老朽化した施設と改築後の施設との違いといったものをどういうふうに反映していくのかとか、また、一割から五割という大きな範囲ではなかなか理解しがたい説明責任の部分がございます。  そこで、私がいろいろ調べてみましたら、これは岐阜市で示している算定基準です。岐阜市では明確に算定基準を示しています。これが岐阜市では十六のカテゴリーに分けて、それぞれの公共施設を細かく分類しています。ですので、利用者の負担を七〇%なら約七〇%ということで、五〇%から九〇%の間に入るような形で示しています。ですので、ぶれが少なくなりますので、算定基準も明確になってまいります。  このように、岐阜市では具体的に示しているのは、負担者の割合が明確になっているところと、あともう一つが算定基準を明確にあらわしています。これが例えば二百平米の会議室Aを二時間利用する場合というときの算定基準を示しています。ここの会館は会議室AとB、両方合わせて三百平米というところをまず示し、そしてこの施設全体の原価というところなんですが、人件費、物件費などを入れて、ここは減価償却費まで入れております。そして、年間の開館時間が二百五十時間ということと、あと性質別負担割合というのが、先ほどのところに示した、これが七五%の施設になります。そして、貸し出しの面積の合計が三百平米、ここが基本的な数字をまずあらわしまして、一平米当りの年間の原価を計算し、そして一平米当たりの時間単価を出します。そうしますと、一室当たりの部屋の、二百平米のお部屋ならば六千四百円というふうに示されて、今度は一室当たりの使用料は六千四百円に負担割合七五%というのを掛け合わせまして四千八百円と、このように市民に明確に示しているということでございます。  世田谷区の場合ですけれども、世田谷区の場合は、今回お示しいただきましたけれども、三年前の改正のときの基準になるべく合わせていくというような御説明をいただいておりますが、具体的にはこのような算定基準が明確には示されていないというのが事実であります。  そこで、まず適正な利用者負担の導入指針の見直しが必要ではないかというふうに思います。今回の利用料の改正の説明にも、今後増大する公共施設の更新、維持費の増大に触れていますが、本来の利用者の負担には入っていない要素でもあります。  今後、持続可能な財政基盤の構築のため、利用者負担と区民全体での税負担の割合の考え方も改めて検討していかなくてはなりません。三十年度から新公会計制度が導入されます。公有財産の台帳でのデータの管理から、資産形成の必要額を加え、減価償却費を計上することも可能となり、資産管理から活用の視点が可能となります。新公会計制度の導入とともに、利用料金のもとになる経費の考え方も、減価償却費を加えていくかどうかの検討も可能な状況になってまいります。  区民への説明責任を果たすためにも、適正な利用者負担の導入指針の見直しの観点から伺いたいと思います。新公会計制度が導入され、今後、利用者負担の算定のもとになる管理運営費、現在は入っていない減価償却費などを対象とするのか検討すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎田中 政策企画課長 今回見直しさせていただきました。もうさらにその先の見直しということですけれども、区民生活を取り巻く状況は変化してございます。消費税増税や幼児教育の無償化の動向、また、さまざまな区民活動の展開など、そういった社会状況の変化を幅広く捉えた検証を行う必要があり、利用者負担率にとどまらず、使用料見直しの要否というのを総合的に判断する必要があるのではないかと考えております。  御指摘いただいた減価償却費などにつきましては、現在、利用者が負担するコストには含めておりませんが、今後の改築や大規模改修に多くの経費がかかる中で、施設コストを適正に把握していくためにも、岐阜市の例を出していただきましたが、他自治体の状況も踏まえまして、改めて利用者負担の範囲についての検証が必要であると認識しているところです。 ◆福田妙美 委員 ぜひとも御検討をよろしくお願いいたします。  実は数年前なんですけれども、町田市にこの新公会計制度が導入されてからということで、私たち会派で視察に伺ってまいりました。その際に、町田市のほうからいただいてきたのが事業別財務諸表ダイジェストというものです。こちらのほうは、市民の方々に税金がどのように使われているのかということをあらわすためにあるものですが、その中をこちらに大きくしてみましたけれども、余りよく見えないかもしれませんが、このように事業別に財務諸表をあらわして、町田市では特に市民の方が御利用されていて御理解がしやすいものを、このように財務諸表としてあらわしています。  そしてポイントは、実は余り見えませんけれども、一日当たりのコストというものをあらわしています。ここがポイントになりまして、一日当たりとか、一人当たり、一部屋当たりというコストを示すことで、私たちでいえば、区民の方々がこの事業で税金がどのように使われているのかというのが非常に理解しやすくなってくるというのがポイントです。  町田市では、これを事業ごとの値札というふうに言っています。事業の成果が上がっているのか、税金が効果的に使われているのかということが、新公会計制度が入ってくれば、このことを明確に示すことができるということで、町田市では、さらに市民の方にわかりやすく説明していく一つのツールとしてこれをお示ししているそうです。  また、以前、浜松市も視察に伺ってきたんですけれども、そこでもやはり公共施設の整備におきましても、また、市民の方々に公共施設のあり方について説明していく上で、当たりコスト、一人当たりどれぐらいかかっているのか、一部屋当たりどれぐらいかかっているのかというコストを示しながら、住民の方々に御理解をいただき、また情報を共有しているということです。これによって、事業の成果が上がっているのか、また、税金が効果的に使われているのかが明確にわかっていくということには大変効果があると言われています。  この使用料の財政の見える化をして、区民への税の使われ方の説明のためには、財政の見せる化、そして、わかる化につなげていかなくては、参加と協働の公共施設の利用と維持へとつなげることができないのではないでしょうか。  ここで伺いますが、新公会計制度の導入後、区民に施設または事業ごとに税の使われ方をわかりやすく示す工夫を凝らした冊子などの作成が必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 今、町田市の冊子を御紹介いただきまして、わかりやすくということでしたけれども、世田谷区でも、使用料、利用料の算定や各施設のコストの抑制などの改善に向けまして、施設別行政コスト計算書というものをつくっておりまして、「世田谷区の財政状況」という冊子で区民にお知らせしてございます。  この施設別行政コスト計算書につきましては、今後、新公会計を導入しまして、財務システム上の仕訳による統一したルールの運用により、また、人件費も実態に即して割り当てることで、より精緻な計算結果をお示しできるようになると考えてございます。  また、間接経費の明確化ですとか、設備投資、建物の長寿命化といった経費を減価償却費に盛り込むなど、建物の資産価値や保全経費も積み上げたフルコストを明確にする手法についても今検討を進めております。  こういったことによりまして、先ほどお話にもありました利用者負担の範囲をどこまでにするのかですとか、そういった議論を行うのに必要な基礎データの見える化をするとともに、先ほどお話にあった、一人当たり、一日当たりといったデータのようなものも加えて、区民にわかりやすくお知らせしていくような冊子づくりをしたいと考えてございます。 ◆福田妙美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  今後、この適正な利用者負担の導入指針への改正に向けて、新公会計制度の導入後、施設の管理運営費を検討し、算定基準を明確に定め、区民に説明責任を果たすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎中西 政策経営部副参事 今お話しございました適正な利用者負担の導入指針ですとか、また、次の使用料、利用料の見直しに当たりましては、まず利用者負担の考え方と算定基準をしっかりと整理して、区民より御指摘いただいた点への御回答をお示しすることが何より肝要と考えてございますが、考え方の根拠となるデータも新公会計等を使いまして同時にお示しすることによって、納得感を持って御理解いただけるものと考えてございます。  先ほどお話にございました浜松市の例ですと、施設ごとにカルテを作成し、工事の履歴ですとか利用状況、維持運営コスト、面積当たりコスト、一人当たりコストなどを示していまして、施設の運営状況とコスト、それから利用者収入を対比して、妥当なのかということがわかるようになっております。
     また、岐阜市の例は指針の参考になる事例だと思っておりますので、このような先行事例なども参考にしながら、施設別行政コスト計算書の改善充実とともに、指針の改定に向けて算定根拠のわかりやすい資料づくりに努めてまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひとも区民が納得できる判定基準を示しながら改定をお願いいたします。  続きまして、洪水ハザードマップについて伺ってまいりたいと思います。  近年、集中豪雨による水害が頻発しております。広域にわたる都市部での浸水や地下空間の浸水など甚大な被害が発生しています。昨年は、世田谷区内においても豪雨、落雷などによる被害が発生しました。  昨年の台風二十一号では、十月二十二日の夜八時に土砂災害に関する避難準備・高齢者等避難開始を発令しました。この際、私も安全を確保しながら避難所を回っていきました。すると、この土砂災害の避難準備の発令時は、高齢者の方は単独避難が難しかったがためか、近隣の方の協力を得ながら避難されている方もいました。  そして夜が明けると、朝七時十五分、今度は多摩川の洪水に関する避難準備・高齢者等避難開始が発令されました。今度は多摩川と、そして野川、仙川に挟まれている地域の高齢者の方々の顔が浮かび、地域を巡回していますと、何と多摩川の河川敷には、河川の水位を確認しに来ている人の姿が多く見られました。  水害、土砂災害は突然襲う地震と異なり、個々の安全な避難行動で被害を軽減することができます。一昨年の鬼怒川の決壊は、計画規模を超えた降雨により甚大な被害をもたらしました。想定外の洪水の被害を軽減するためには、ハード対策とあわせてソフト対策の重要性が認識されました。  昨年、国土交通省が想定雨量を、多摩川流域の四十八時間総雨量を五百八十八ミリという激しい雨の想定に変更いたしました。  私から、平成二十九年予算委員会にて提案をいたしました、一連の降雨で同時に発生しやすい水害と土砂災害の情報の一元化を求め、区は情報を一元化したハザードマップを作成、配布いたしました。  このたび、区内には新たな土砂災害の警戒区域が指定もされました。この新たな情報を踏まえ、水害と土砂災害の一元化のハザードマップの作成が必要と考えますが、まずは区の見解をお聞かせください。 ◎荒 災害対策課長 新たに指定された土砂災害警戒区域等を含めた土砂災害ハザードマップは、来年度更新し、前回同様、秋ごろまでには今回指定の周辺住民への戸別配布や区窓口で配布いたします。  また、委員御指摘の洪水ハザードマップへの土砂災害警戒区域等の併記も、周辺住民への大切な情報提供と考えておりますので、あわせて更新してまいります。 ◆福田妙美 委員 よろしくお願いいたします。現在、日本を訪れる外国人も約二千八百万人を超え始め、そして東京二〇二〇では、多くの外国人が日本を訪れることはもちろん予測ができることであります。  ここ世田谷区内に住む外国人は年々増加傾向にあり、現在では二万人。年々ふえる外国人の方に、またさらに民泊というものも本格的にスタートいたします。  こういった状況の中で、外国人に対する情報提供が課題になってまいります。外国人の住民の方は日本語を十分に理解できるとは限りません。そのため、災害が発生した場合の情報収集が不十分となり、避難行動や必要な支援を得ることができなくなります。また、日本で生まれ育ち、小学校などでの避難訓練などの経験がなく、出身国によっては被災経験の種類や有無も違いがあり、災害に対する知識が乏しく、災害への適切な行動につながりにくい現状もあります。そのようなことから、外国人も災害時の要援護者として位置づけられています。  外国人への情報提供のため、洪水ハザードマップの多言語化への対応が必要と考えます。在住外国人のみならず、訪れた外国人にも情報提供するためには、携帯で確認ができるアプリなども視野に入れて検討していく必要があると思いますが、区の見解をお聞かせください。 ◎荒 災害対策課長 今後、区内外国人の水害、土砂災害のリスクの認識状況等を踏まえ、ハザードマップの多言語化の必要性について検討するとともに、関係所管とも連携し、外国人向けのイベント等でも周知を図ってまいります。 ◆福田妙美 委員 よろしくお願いいたします。  私が前回の質問のときに洪水ハザードマップと土砂災害の一元化ということで、そのことを求めてまいりまして、それが一定の形で区民に配布はされていますけれども、この洪水ハザードマップ自体は、区民たちがみずから水害の危険性や避難の方法を理解して、適切な避難行動をとるように促すためにつくられています。これによって人的被害の軽減を図るためのものになっていますけれども、区民の方々がその内容を十分に理解して、水害時に適時的確な避難行動をとれるようになることは、実は難しい課題が幾つか残されていました。  私はこのハザードマップを持って地域を何軒も回っておりましたが、この新しくなったハザードマップがどのように何が変わったのかということをまず御理解していなかった方々、また、この土砂災害のことも一元化されているんですよと言っても、避難方向にそのようなものがあることも知らなかった。  また、一番の大きいところは、地震に対する避難訓練等は日ごろから行っているので、避難所が同じだと思っていたという方々がいましたが、実は水害のときにおきましては、避難所がまた別になっている地域がございます。こういった場合には避難所を間違えてしまうというような大きな違いが出てきますと、やはり命に及ぶ危険性も出てくるのではないかと思っております。  こういった水害に対する理解というのは、実はなかなか促進していないことがわかりました。この洪水ハザードマップの配布、公表だけの一過性で終わらないように、洪水ハザードマップを区民がみずから活用して、個々人の避難行動につなげて命を守っていただくことが一番大切です。  そのためにも、区民への説明会等の開催を前回求めましたが、区はその後どのように区民への周知を行ったのでしょうか。説明会、イベント等の機会を利用した周知、また、区民みずからが避難計画を考えるワークショップ、防災教育・学習、また、防災訓練等での利活用等の取り組みを積極的に行うべきと考えます。  例えば、なかなか水害というものがどういうものかというのが理解しにくい、自分の生活区域の中ではどうなっていくのかが理解しにくいといった方々には、やはり映像なども示し、また、専門家による説明をいただいて、被害がどのようになっていくのかということを理解していただくシンポジウムなどを行って、命を守っていく行動に確実につなげていく、こういったことも必要ではないでしょうか。  また、毎年、水防訓練も実施されています。この水防訓練の時期とあわせてシンポジウムなど、皆様、区民の方々に御理解していただく促進につながる行動を、区が先駆を切って行っていくべきと考えます。各地域ごとの水害に対応する、また、避難経路のマップの作成も非常に実効性があると考えます。  今後も区民の安全な避難行動につながる説明、周知を継続的に行うべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ◎荒 災害対策課長 区が作成しておりますハザードマップは、水害、土砂災害に関するさまざまな情報を掲載しております。洪水ハザードマップでは、浸水のおそれのある区域や避難所を、土砂災害ハザードマップでは土砂災害警戒区域、特別警戒区域や避難所を地図で示しております。また、気象庁などから発表される気象情報や洪水予報、区から発令される避難情報の種類やとるべき避難行動、日ごろからの備えや情報収集の手段等を掲載しております。  区といたしましても、ハザードマップを活用して、水害、土砂災害のリスクや、日ごろの備え等の理解促進につながりますよう、今後も総合支所やまちづくりセンターと連携し、地区での防災塾や訓練、講習会等を通じて、また、民間事業者等とも連携して、イベントで幅広い周知に努めてまいります。 ◆福田妙美 委員 ぜひともお願いいたします。一過性で本当に終わってしまうと、なかなか皆さんに御理解が難しいので、何度も繰り返しながら、水害に対する命を守る行動をしっかりとお伝えしていただきたいと思います。  以上で私からの質問を終わり、高橋委員にかわります。 ◆高橋昭彦 委員 では、引き続いて行ってまいりますけれども、たっぷり時間をいただいたので、ゆっくりやりたいと思います。  まず、大学連携について何点か質問したいと思うんです。久々にこの大学連携ということを議題にして、世田谷区には十六の大学学部があるんですね。これは二十三区の中では非常に多くて、世田谷区というのは非常に恵まれているところですよね。ただ、大学に関して、二十三区の大学への規制ということをマスコミでも取り上げられてきている。日本全体で人口減少が進んでいるところで、東京一極集中の対抗策というふうにも言われているんですね。だから、私立大学の定員抑制というのが行われようとしているわけですね。新しく学部をつくっちゃいけませんよとか、二十三区の私立大学は地方から学生を呼び込んじゃだめですよみたいな、そんなことをやろうとしているわけです。  これは、地方の都市と大学が協力連携して地方都市の活性化を図るために、若い世代が東京を目指さないように、地方で高等教育を受けて、そのまま社会人として定着できる環境を目指した動きだというふうに言うわけです。  世田谷区の私立大学は、体育とか、美術とか、危機管理とか、保健医療とかというふうに特徴ある専門性を持った大学があって、恵まれているわけですよ。  世田谷区はしばらくは人口増加傾向が続くというふうに言われていますけれども、日本全体の人口減少に歯どめがかからない限りは、いずれは人口減という局面を迎えることは避けられないわけです。  文部科学省は、二〇四〇年度の大学進学者数が二〇一七年度より二割少なくなるというふうに推計を、中央教育審議会部会に示したという報道が先日もあったんですね。  これらを考え合わせると、若い世代が区内に転入して定着しやすい環境を引き続き発展させることを念頭において、積極的に区内大学との連携協力を深めていくということは大事だと思うんです。そういう意味で具体的取り組みを進めることの重要性を認識していただきながら、区の現状や考えをお聞きしてまいりたいと思うんです。  一つ目は、区と区内大学が連携した取り組みは現在いろいろ進められていると思うんですが、個々の大学と区との間で連携の取り組みを進めるに当たって、特定のテーマ、課題に関する協定を結んだ上で、具体的な取り組みを行う形もあると思うんですけれども、今どのような現状になっているのか、まずお聞きしたい。 ◎藤野 政策研究・調査課長 ただいま委員のほうから御紹介がありましたように、区内には十六の大学学部がございまして、お話にもありましたように大変個性的なといいますか、美術ですとか、体育ですとか、そういう専門性の高い大学、あるいは一般的な人文系の大学ということで、多様な形で存在しております。  区では、こうした個性あるいは強みを持つ大学と特定のテーマ、課題について連携した取り組みを進めるために、協定を結ぶというやり方をとっている事例がございます。一番区内大学が多く参加しているのが災害に関する協定でございまして、例えばキャンパスを避難所として活用するですとか、物資の集積、あるいは配送の拠点として活用する、あるいは学生とか教職員をボランティアとして派遣していただくという形で、幅広い形での防災の協定というのが一つ、一番大きな形で展開されております。  また、テーマは特に体育ですとかスポーツ、あるいはそれに関連した形で、区民の健康増進をテーマに協定を結ぶという形もございますし、若者支援という分野で連携協定を結んでいるというような形もございます。  そういうような多様な連携の形が、特定のテーマに絞っても、今後とも進む可能性があるのではないかというふうに思っておりますが、現時点ではこのような状況でございます。 ◆高橋昭彦 委員 大学連携が大分進んできたなという感を持っているんです。実はもう十年以上前に、僕が大学連携ということで質問したときは、学長懇談会って前にやったことがありますねみたいな答弁だったんですね。このごろやっていないんですよという、そんな答弁があって、ちゃんと連携してやっていくべきなんだという話をしたときがあったんです。  そういうことから考えると、学長懇談会もきちっと行われるようになって、各私立大学の事務方との連携もしっかりやられているようで、そこからこんなさまざまな協定ができるようになってきたんだろうと思うんです。  今お話があったような特定の課題、テーマでの協定ではなくて包括協定という、包括的な協定を結ぶという形があるんだというふうに聞きましたけれども、現在、区と包括協定を結んでいる大学はどのぐらいあって、具体的にどんな場合にこの包括協定というのを結ぶのか教えてもらえますか。 ◎藤野 政策研究・調査課長 包括協定でございますけれども、これは幅広い観点から、大学と区がそれぞれ持つ強みといいますか、特徴、特性を生かして、地域社会の継続的な発展に資するということを目的に締結しているような形で行われております。  この間、包括協定を結んでまいりました大学は現時点で五大学ございまして、具体的には、産業能率大学、昭和女子大学、成城大学、東京都市大学、そして隣接ではございますが、明治大学の五カ所でございます。  なお、現在、来年度に向けて、学部レベルでございますが、一大学、包括協定を結ぶべく準備を進めている状況にございます。  もう一つ、御質問のありました包括協定はどういう場合に結ぶのかということでございますが、実は各大学さんのほうでそれぞれ個別の特定のテーマ、課題での協定は結ばずに、例えば直接大学の先生、教職員の方がゼミですとかその他の研究テーマを持って、一番区に関係する所管にお声かけいただいて、いろいろな連携取り組みというのも行っているわけですが、そういうのが複数、一つの大学で続いてまいりますような場合に、例えば防災訓練のイベントに参加するバージョンがあったり、区立の小中学校の授業の協力をする取り組みがあったり、あるいは子どもの関係の、特に夏場のイベントへの協力ですとかそういうのが重なってまいりますと、大学としてはその取り組みをさらに発展させたいというようなことで、包括協定を結びたいというお話をいただくことが多くございます。  区といたしましても、包括協定の締結ができますと、各大学との連携協力体制が一層安定的に推進されるだろうということも期待いたしまして、区としては地域課題の解決、大学側にとってはさまざまな教育研究の充実に、それぞれメリットがあるという形で大切な取り組みかなと思っておりますので、お申し出いただいた場合には積極的に対応させていただいているという状況でございます。 ◆高橋昭彦 委員 申し出いただいた場合は積極的に対応すると。どちらかというと、区は待ちの姿勢になっているというのは、今の大学連携の状況で何か見えてきたなという感じがするんですね。区のほうから積極的にというよりも、大学のほうが大きく動き出してきた。それは、これからの少子社会にあって、大学というのが、今までみたいに幾らでも受験生がいて、幾らでも大学生がいますよという状況ではなくなってきているというのもあるんだろうとは思うんですけれども、大学側から区のほうにそういう声がかかってくる時代になったので、それはよかったなというふうに思うんですが、区のほうからももっとさまざまアプローチをかけていけるような体制がきちっとつくれればいいなというふうには思うんです。  大学には特徴ある知的資源がいっぱいある。お互いのメリットになるように取り組みを進めるということが大事なんだろうと思うので、今後の取り組みとその展望を少し教えてもらえますか。 ◎藤野 政策研究・調査課長 今、委員のほうから御指摘のあった、大学のほうからアプローチがあったときに対応するだけでなくという意味では、世田谷区は、今の基本計画をつくりましたときに、知のネットワークづくりというのも重点政策の一つに置きまして、それをきっかけに、先ほど少し触れられました学長懇談会というのも年一回、定期的に開催するような動きになっているわけですが、この動きは、区とある大学との一対一の関係を強化するということではなくて、区内大学、先ほど申し上げた明治大学も含めまして、全体と区とが一緒に協力関係、連携関係をつくっていこうという取り組みになっております。  その具体的なやり方としては、私ども政策経営部が事務局になっておりますが、区内大学全体と調整連絡会というのを設けまして、年に五、六回会議を開きますが、その中でテーマごとに、区の複数の所管、あるいは複数の大学とプロジェクトを構成して協働に取り組むというのをこの間重ねてきております。現在動いておりますのは、等々力渓谷の環境改善のプロジェクトであったり、産業のプロジェクトであったり、国際化のプロジェクトであったりということで動いておりますが、今後に向けましては、文化あるいは芸術の関係から、ボランティアの関係というのもプロジェクトとして動こうとしておりますので、こういうことは区も大学と一緒にパートナーとなって進めていきたいと思っております。  また、今後の展開の可能性としては、実は委員も区内大学の置かれている状況、あるいは将来に向けての状況をお触れになりましたけれども、昨年の秋以降、区内の複数大学におきまして大学主体の取り組みというのが始まっておりまして、これは地域の高等教育全体の活性化を目指すという取り組みなんですが、特に産業を絡めるですとか、それから学生主体の取り組みを積極的に進めようという、今、私どもが事務局になっている切り口とは多少違った切り口も含めた取り組みになっておりますので、こういう取り組みとあわせて、基本計画が目指す知の拠点ネットワークを発展強化させていかれればということを期待しております。 ◆高橋昭彦 委員 知のネットワークと銘打ってやっていこうと、さまざまなプロジェクトを複数大学が協働してやっていくというのは非常に大事なことだと思いますよ。だから、今言われたような文化・芸術、特に世田谷区の文化振興なんかにもどう役立てていくのか。特に国際化に関して、もっと力を踏み込んでいただくということも大事だと思うんです。世田谷区は文化と国際とか、また観光とかいうところになかなか非常に弱い部分があるんですね。こういったところに大学の持っている新たな発想みたいなものをしっかり生かしていただけるように、区のほうからもう少し働きかけていくということも大事だし、大学で今何が行われているかなというようなことをもっと引き出すことも必要なんだろうと思いますよ。待っているだけではなくて、こんな提案をやりたいんだけれどもと大学が言うだけではなくて、こちらからこういうことはできませんかねというようなことをもっと問いかけてみることも必要だと思います。  僕の近くの日大文理なんかでは、一つのゼミで、フィリピンの子どもたちに文房具を毎年送るようにしているんだという、学生のサークルをつくってやっていましたよ。毎年行っているんですというんですね。毎年送って、毎年行って、そこで日本とフィリピンの交流もしながら、なかなか恵まれない、教育に届かない、そういった子どもたちにどういうふうにやっていくかということを、毎年、一人の教授を中心にやったりしているというんですね。  そういう意味では、見えないところで、大学は結構いろんなことをやっていると思うんですね。そういうのを生かしてあげるという意味でも、また、バックアップしてあげるという意味でも、この大学連携は非常に大事だと思うのね。  今まで大学連携といっても、しっかりした窓口がなかなかなかった。今、藤野さんがいるところが窓口になって包括をしながら、どういうふうに進行管理できるんだという状況にもなってきているので、これは非常に大事だと思うんですね。だから、やっていたけれども、いつの間にかなくなりましたねというような、所管ごとにやっているとそんなことも起こるわけだから、そういう意味では全体の進行管理をしながらどういうふうに発展させられるか。  プロジェクトをいっぱいつくりながら知のネットワークをもっと進めていっていただきたいと思うんですよ。区はそういうふうに押していけるような、そういう世田谷区をしっかりつくりましょう。せっかく十六大学、いい大学がたくさんそろっているわけだから、生かしながら、もっと世田谷区の魅力をつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次は、職員数、また組織についてちょっと触れたいと思うんですね。  世田谷区本庁舎等整備基本方針(素案)の中で、本庁舎の全体規模がプロポーザル時の設計者提案時は六万七千百四十平米だったんだけれども、ふやしますよという状況がこの間ありました。基本構想時点では規模の想定に当たっては、平成二十八年度当初の職員数二千八百三十一名を基準にしていたのが、先日、特別委員会で三千百人を基準にするんだというふうになったと。職員が非常にふえてきたんですという状況を話されていましたよね、秋山さん。  世田谷区の実施計画後期の将来推計では、二〇三二年には百万人の都市になりますよというふうにも言われているわけですけれども、この四月の本庁舎の職員数も今年度よりは増加するというふうに聞いているんです。やっぱり人口がふえるから職員もふえざるを得ないというふうにも聞こえるんですけれども、今の区全体の職員数、現状、そして来年度もふえる見込みというふうに言うんですけれども、その理由は何なのか。また、職員数は過去五年間どういう推移をしてきたか。直近で正規職員が一番多かったのを含めて、また非常勤も含めて状況を教えてもらえますか。 ◎松永 人事課長 区の職員数でございますが、平成二十九年四月年度当初で、正規職員が五千百四十一名、非常勤職員が三千百二十二名でございました。正規職員につきましては、この間、定員適正化の取り組みを進め、現業系職員の退職不補充、施設の民営化や委託化、また、事務事業の見直しなどを行いまして、ピークであった平成十二年度の清掃事業移管直後――それが六千二百三十九名でしたが――と比較いたしますと、今年度の当初の時点では千九十八名の減となってございます。  ここ数年の推移といたしましては、平成二十四年度、五年前が五千八十四名でした。平成二十七年度の五千四十九名を境に、保育園の定員拡充対応ですとか、あと、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックの準備の対応などによりまして、平成二十八年度から増加に転じております。  来年度につきましても、児童相談所の開設に向けた準備体制、子ども家庭支援センターの体制強化、また、働き方改革の視点から、恒常的な超過勤務が発生している所属などへ必要な人員を投入することなどにより、一定の増を見込んでいるところでございます。  非常勤職員につきましては、平成二十四年度は二千四百十三名でした。昨年の四月は三千百二十二名と、この五年間で約七百名ふえております。主には区立保育園の保育員、また、図書館嘱託員のほか、庁内の事務的な補助としての事務嘱託員などが増となっております。 ◆高橋昭彦 委員 非常勤職員が七百名増になったわけですね。何とか適正化というふうに言いながら、職員数を微増ではあるけれども、その分、やっぱり非常勤が多くなるよという状況がもう顕著になっているということですね。人口がふえれば必要な行政サービスが比例するようにふえるんだと。仕事がふえるのは仕方がないのかもしれないんですけれども、単純に行政需要や行政課題がふえたので、職員がふえますというのでは納得が得られないんだろうと思うんです。  平成十二年の清掃事業の移管時の職員数に比べると千人以上の削減になっているけれども、それ以降増加しちゃったと。そもそも世田谷区、この人口九十万規模の自治体における職員についてどうあるべきなんだというふうに考えているのか教えてもらえますか。 ◎松永 人事課長 職員定数につきましては、組織体制、また、行政需要の変化に対応いたしまして、効果的、効率的に遂行するために必要な人員体制として管理するものでございますが、先ほども申しましたが、この間の本区の職員定数につきましては、例えば地方自治法の改正により、保健所、清掃事業の移管、また、世田谷区独自の地域行政制度の展開など、法改正、さまざまな行政施策に対応いたしまして、一方で定員適正化にも取り組みながら積み重ねてきた結果でもございます。  今後につきまして、児童相談所の開設を初め、区政を取り巻く環境が刻々と変化する中で、引き続き民間活用など官民連携の視点も含めまして執行体制の効率化を図り、職員が担うべき業務の範囲を見きわめながら、適宜適切な職員規模について精査してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 職員の定員適正化とか職員規模って、では、一体何なんだろうと感じるんですよ。これは何が適正なんだ、その指標は何なのかなという感じがするんです。  その前に、先日、我が党の代表質問の答弁で、副区長が行政改革の取り組みを加速的に進めると言ったけれども、副区長、加速的に進めるというのは具体的に何ですか。 ◎宮崎 副区長 この加速的というのはもちろんスピードを上げるということになりますけれども、現状に置かれている今までの手法を含めての中ではなかなか立ち行かなくなるということは、もう既に議会からも再三にわたりまして御指摘いただいています。そこの受け取り方としては、私たちも当然重く受けとめますし、これから先の、例えば税の問題にしても、これは国のほうへも、それはやっぱり受け切れないということで要望等も重ねていますけれども、なかなかそれが押し切られている今の現状を考えますと、この先も、先ほど来触れています東京一極集中の問題というのはかなり長引く問題だろうと思います。  この後も人口減少と、先ほども御紹介ありました世田谷区などはまだ人口がふえてくるという予測は多分、今の時点ではそういう推計が出ていますので、その辺のところについて目を向けられてくるということは当然のことかなと思っています。そういう意味でも、まずやるべきことをとにかく早くやらないと、この後、本当に立ち行かなくなるという危機感も含めて加速的という言葉を使わせていただいた状況です。 ◆高橋昭彦 委員 やるべきことを早くやる。やるべきことは何ですか、副区長。 ◎宮崎 副区長 先ほどの職員の適正化の問題のところもそうなんですけれども、これも今、委員のほうからもこの定員適正化計画って何なんですかねというお話がありましたが、今までですと、私たちもそれは経験しているわけですが、一つは他団体との比較というのを非常に重んじてきたというのが、今までの地方公共団体の運営のところでは必ず示されるものなんです。  例えば、この間の人口減少のスピードがかなり上がってきたときに、なかなか定員適正化計画のあらわし方も難しくなってきているはずです。例えば職員数、職員一人当たりが抱える人口数というのが一つの指標になるんですけれども、それですと、当然減少はしたけれども、職員がやるべきことというのは、例えば人数が減ってもやるべきことは残っていますので、そうすると、そこの部分についてはだんだんパイが膨らんでくるはずです。そうすると、東京のほうは逆に少なく見えますから、今までのような適正化計画という言い方では多分立ち行かなくなるはずです。その辺のところは、この財政的な面も含めて、今は東京一極集中に対しての厳しい目が向けられるという状況になってくるんだろうと思います。そこで税の問題になると。  こういうことを考えますと、やはり税の構造や、この間も幾たびもその辺の御指摘をいただいています。例えば都区財調問題の部分とかは、やっぱりこれは避けて通れない。世田谷区の部分は、先ほど言ったように人口がふえてきますけれども、これは二十三区が同じような状況にあるかというと、これまた違う状況ですので、そこのところを均一で見られてしまうと、世田谷区はかなり裕福だというふうに見られてしまう。これでは違うんだということを主張しなきゃいけない。その主張のためには、例えば民間活用の問題にしてももっと加速しないと、やることをやる中で、我々としては主張すべきことは主張するということのセットでこれから先行かないと、やっぱり厳しい状況は続くんじゃないか、そのように思っております。 ◆高橋昭彦 委員 そういう意味では、民間活力、特に民営化していくという、やれるところはどんどん加速度的にやるんだという状況が非常に必要だと思いますよ。人事政策というのは、行政改革、行政経営改革に一番近いんだということを意識して取り組んでいかないと、人事政策はいかないと思うんです。必要な人材確保と民間活用のバランスを、やっぱり人事部門が区の行政改革をリードしていくという気概で、これはしっかり取り組んでいかなければいけないと思いますので、こういうふうにやっていきますよということを、人事からしっかり発信していくような状況をつくらないと、しようがないかなという状況がずっと進んでいっては困りますから、これはしっかり指標を示しながらやっていただきたいと思います。  少し時間があるのでお聞きしたいと思います。これは代表質問でもお聞きしましたけれども、危機管理専門員へ自衛隊OBの採用についてです。特に東京二〇二〇大会はあと二年間で、テロや大規模災害対応に不可欠な人材確保ということをずっと訴えているんですけれども、昨年の予算のときもこの話をしましたが、最終的には自衛隊OBを非常勤で採用したいという表明がありましたよね。  それから一年です。一年間どういうアプローチをしてきたのか、そしてどういう交渉に当たってきたのか、どういう反応だったのか、詳しく教えていただきたい。 ◎荒 災害対策課長 区では、近年多発している地震や風水害、土砂災害などの自然災害を踏まえまして、区の防災体制の強化を図るため、危機管理に専門的見識を有する職を配置することとし、今年度から退職消防官の非常勤職員を配置しているところでございます。  退職自衛官の採用につきましては、昨年度から防衛省に人選依頼をしているところですが、現在推薦された者はいない状況で、引き続き適任者の人選をお願いしているところです。 ◆高橋昭彦 委員 適任者がいないと言われたわけですか。 ◎荒 災害対策課長 区として必要な条件を防衛省のほうにお示しして、それに該当する方がいれば、こちらにすぐに連絡をいただきたいとお伝えしているところです。何度か私のほうも連絡をとったり、向こうに出かけたり、お話を聞いているところですが、現在のところ、こちらのほうに推薦できる方はいらっしゃらないということです。 ◆高橋昭彦 委員 これは本気でやっているのかどうかということですよ。きちっと絶対来てもらいたいというふうに、しっかり世田谷区の危機管理をやってもらいたいんだというその本気度が試されているんじゃないですか。一年間何をやってきたんだという感じがしますよ。だから、結局、交渉の仕方、条件の出し方が違うんじゃないのかね。  きょうはトップがいないから、本音で言ってくださいよ。 ◎荒 災害対策課長 大きな災害が発生した際には、警察、消防、自衛隊の協力を得て災害対策に取り組むわけですけれども、その関係機関に勤務されていた方の経験や知識を活用することは重要だと認識しておりますので、こちらとしては真剣に依頼をしているところでございます。 ◆高橋昭彦 委員 また状況を見ます。終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、世田谷立憲民主党・社民党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 それでは、世田谷立憲民主党・社民党の企画総務領域の質疑を始めます。  去年のこの日も質問を担当したんですけれども、きょうは何の日でしょうか、国際女性デーですね。行政の屋台骨とも言える企画総務領域に、ぱっと見回すと、女性管理職は二人しかいないという状況ですけれども、副区長、この状況はどのように捉えていますか。 ◎宮崎 副区長 この領域におきましてはそのような数ですが、それぞれの適材適所の中で女性管理職の活用も図っておりますので、結果としてというふうに受けとめております。 ◆風間ゆたか 委員 私も女性の管理職比率は何割にすべきだという考え方には否定的でして、男女関係なく能力のある方がポジションについていくということだと思っていますので、結果的にそうなんだと思いますけれども、企画総務領域は、やはり区政の全体像が見える部署なのかなとも思いますので、多くの女性管理職にもぜひ経験してもらって、ゼネラリストになってもらえればなと思っています。  その点では、長らく区政を支えてこられた、きょういらっしゃる藤野課長には敬意を表しつつ、もう一人の山戸課長に、きょうは質問をしていきたいなと思っています。  官民連携の担当課長ということで、ことし一年間やってこられて、成果報告もされていました。一年目の官民連携という報告を聞いている限りでは、正直、期待しているほどのことでもなかったなというのが私たちの印象ではあるんですけれども、報告が上がってきた内容だと、やはり連携するパートナーが大手企業であるというようなこと、もしくは同じ業態をやっている競合があるにもかかわらず、その企業を選んだという印象を持っています。  現状、課題はどのように捉えていますか、教えてください。
    ◎山戸 官民連携担当課長 委員おっしゃるように官連携、先日実績報告させていただきましたけれども、官民連携を進めていく上で、まず一番大切なことは公平性の担保であると考えながらやってまいりました。  その中で、大手企業ばかりというような御指摘も受けるところでございますが、現状、今年度は官民連携の窓口を初めて設置したこともあって、たくさんの企業の皆さんから御提案など対話を続けてまいりましたが、どうしても受け身になっていたところが否めないかと思っております。  提案を受けている案件を着実に実現していくことに、ことしはちょっと一生懸命になってしまったところがございますけれども、今後は積極的に区から発信していくことが、今後の官民連携の課題だと認識しております。 ◆風間ゆたか 委員 そうですね。大手企業となりますと、やはりもう限られたパイを競合と食い合うというようなこともありますから、区がそこで提携することによるマイナス影響ということもきちんと考えていかなければならないと思いますから、その領域で本当に必要なのであれば、その業界全体に呼びかけていくなどの工夫も今後は必要かなと思います。  一方で、やはり受け身になっている、提案をいただいて、それを検討するというところにとどまっていると、やはり企業主導になってしまうということもあると思うんですね。行政の課題、それを解決するパートナーとして提携していくということであれば、むしろ、区としてはこういうことで一緒に課題解決をしてくれるパートナーを探しますというような積極的な発信も今後は必要かと思います。中には特別な技術を持っている中小企業があるかもしれませんし、そういったことを今後取り組んでいく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 委員おっしゃるように、先ほど申し上げたように、今まで受け身でございましたけれども、公園の運営や公共施設の整備など、区が取り組む課題に対して、民間のアイデアやノウハウを取り入れられるようなテーマ設定型というものも官民連携指針で設定しておりますので、そのような手法を活用するとともに、企業の大小にかかわらず、区の課題を解決していく中で大切なパートナーというものを発掘していくために、積極的に区の課題を提案型で打ち出していきたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 一方で企業の規模ですとか企業の実績とかを見きわめていくとなると、なかなか行政として判断しにくい部分もあるのかな、もしくはこの官民連携が最初できる当初にも話がありましたように、どうしても企業と組むことによるリスクのほうばかりを見てしまうということもあるのかなと思いますので、どういったパートナーを探していくのかということや、実際に提案があった内容をきちんと一緒に解決していけるパートナーなのかどうかということも、ある意味では、外部の専門家を交えながら、検討委員会とか評議員会とか、そういう形式をとりながら進めていくということも必要なんじゃないかと思いますけれども、その辺はどう考えていますか。 ◎山戸 官民連携担当課長 おっしゃるように官民連携事業のパートナーを選ぶに当たりましては、まずは庁内の部長会など、より多くの視点、角度から十分に確認するとともに、委員おっしゃるように、必要に応じて専門家の助言を受けるなど、チェック検討体制としてまいりたいと考えております。  また、官民連携のあり方の御議論ですとか御意見を伺うためにも、今後も区議会や区民の皆さんに向けて官民連携に関する情報を発信して、御意見をちょうだいしたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 ぜひそのように進めていってもらえればと思います。  企業に限らずですけれども、そういった民間団体とパートナーシップを組んでいくということについては、今、行政の大きな課題の一つにもなっているふるさと納税の問題があるのかと思います。  世田谷区は、お土産というんですか、返礼品については行わない方針だということで、二十三区でこういったことを行っている自治体がうまくいっていないところを見ると、その方向性については評価をしているところです。  ただ、ことし新たにやり始めたというような話を聞いていても、きのうもお話しありましたように金額的なインパクトというのは、寄附型のものですとかクラウドファンディングといったものだと、どうしてもなかなかいかないということなのだとすると、メニューをふやしていくことが非常に重要なんだと思いますね。それは体験型であるにしても、寄附型であるにしても、行政の知恵だけではなかなか出てこないんじゃないかと思います。このあたりを、やはり企業からの提案ですとか、民間団体、NPOのあたりからの提案を求めていくというような形で、今後メニューを広げていく必要があると思うんですけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。 ◎中村 総務部長 この間、ふるさと納税対策に当たりましては、庁内検討を進める一方で、昨年七月には「世田谷に『ふるさと納税』。」と銘打ったリーフレットを作成したり、また、ふるさとチョイスを活用したりといった、主に情報発信に当たって、外部の専門事業者を活用してきたところです。  特に昨年十二月からスタートしました二つのクラウドファンディング、これを案内するふるさとチョイスの画面につきましては、このチョイスを運営する会社が構成やデザインを依頼したものですけれども、区が提供した内容を的確なキャッチフレーズですとか写真を駆使して、より効果的な情報発信につながったと考えております。外部の専門事業者を活用することの有効性というところでは、改めて認識をしたところです。  今後も、こうした情報発信に加えまして、例えばクラウドファンディングを検討する上で、構想の段階から助言を受けて、多くの方に賛同いただけるような魅力ある形に仕上げていくなど、より効果的な外部事業者、外部の人材活用について、費用対効果も踏まえながら検討したいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 ふるさとチョイスの提案を受けてやっていくという意味では、これはもう自治体間競争になってしまって、それに巻き込まれているという捉え方もできるわけですね。またはそのふるさとチョイスのサービスを消費する側に回ってしまっているわけですね。そうではなく、ウイン・ウインの関係を本当に築いていくようなパートナーシップ、こういった新たなクラウドファンディングをやっていきましょうというような提案を募集していくだとか、そんなことも今後検討していく必要があるんじゃないかという質問だったわけです。  また、自治体間競争となってくるのであれば、寄附型ですとか体験型も最近ふえていますから、より世田谷区らしさみたいなものをもう少し広報していく、もしくはお金を出してもらうという観点からいけば、マーケティングをしていくという観点も必要になってくるかと思うんですね。どうしても行政はそのあたりが弱いと思いますから、例えばふるさとチョイスからこういうやり方がありますよと言われれば、その分、お金を払ってそれをやらなければならないということになってきますけれども、同じお金を払うのであれば、そういったマーケティング全般をもう少し有効に、どう行っていくかということを相談できるようなパートナーを見つけていくことも含めて検討していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 委員おっしゃるように、先ほどの官民連携の事業の推進でもそうですけれども、庁内でいろいろ企画を立ててございますが、どうしても企画力やアピール力など、まだまだ工夫の余地がありまして、そうしたクリエーティブな部分こそ、おっしゃるようにマーケティングにたけた民間の活用が有効だと考えております。  企業と私どもが対話している中で、やはりふるさと納税に関して御提案がある企業等もあろうかと思いますので、その中でアドバイスをいただいたり御提案をいただいたりして生かしていきたいと考えております。 ◆風間ゆたか 委員 私もこのことに問題意識を持って、いろいろなアイデアを持っている企業人と意見交換をしたりなんかしていますけれども、そうやってちょっと募集をしただけでも、例えば世田谷区で人気の高いものは何かといったときに、一つ、世田谷ハーフマラソンがあったりするわけですね。これは全国から応募があったりもするわけですけれども、東京マラソンがやっているようにチャリティーランナーというような形で、このふるさと納税のメニューに加えていくのは大いにあり得ることだと思います。これだけ倍率が高いのであれば、区外の人で抽せんでということであれば、区外の人はむしろ寄附をしていただいて走っていただくというようなところに頭を切りかえていく必要があるのかもしれません。  または、世田谷区の一つの特徴かわかりませんけれども、保坂区長が頻繁にシンポジウムをしていますから、このシンポジウムのパートナーになれる権利みたいなこともあったら、お金を払うか、わからないですけれども、そんなことも意見としてあったりしました。このように行政の中では考えられないようなアイデアを募集していくということで、何とかそのメニューをふやしていくという工夫が今後必要だと思いますけれども、副区長、最後、いかがでしょう。 ◎宮崎 副区長 例えばハーフマラソンを例示に挙げられていましたけれども、我々もそこには少し目をつけていまして、東京マラソンの実態を今確認させていただいています。  今までの経過のところは、やっぱり区民の方というふうに限定していますが、区のほうも別の意味では交流ということも言っているわけですから、そういうところは少し幅広く持っていかなきゃいけない。その際のノウハウというのは、やっぱり民間の方がかなりお持ちになっていますので、そこにも今御意見を聞いているようなこともやっております。  今御指摘ありましたように、今後もふるさと納税にかかわらず、民間の方々とのパートナーという部分が、先ほど委員からも御指摘いただきましたけれども、これは公平性を欠いちゃいけないという点ももちろん我々にはあるわけですから、そのことにも十分留意しながらも、やはりノウハウをいただきたいというところは多分にありますので、その辺は積極的に出ていきたいなと思っております。 ◆風間ゆたか 委員 最後にしますけれども、例えば二〇二〇のオリパラに関して、ホストタウンであることの認知が低いであるとか、それをもっともっと区民を巻き込みながらどうやっていくかみたいなことについても、なかなかアイデアが出てこない状況だと思います。これについては、かなり企業がもう動き出していますから、そんなことも含めて、世田谷区の広報のあり方とそのパートナーシップの組み方ということについては、ぜひ外部を巻き込みながら、今後検討を進めていくように要望しまして、私の質問を終えて交代いたします。 ◆中村公太朗 委員 やっぱり世田谷区には談合があったんですね。本当に長きにわたって、こうした契約の問題とか入札の問題を言い続けてきましたけれども、昨年の二件、匿名の情報があってから以降は多少動いてきたなというところであります。  きのう、共産党さんからもありました抑止が一切働かない中で、今回露見をしたということです。四件の同時に行われた狭隘道路の入札において一件、業者がぽかをしたことによって発覚し、それはA社が落とすということになっていたので、調査をしたところ、ほか四件は、談合のメモに入っていたA、B、C、Dそれぞれが分担して落とす形になっていたと。典型的な談合の形だったわけです。  まずお伺いしますが、今回の件、行政は談合だったと認識をしているでしょうか。 ◎山田 経理課長 事情聴取の結果、我々は捜査できる権限があるわけではありませんので、あくまでも不正行為の疑いというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、不正行為の疑いで入札を取りやめたり、参加資格を停止したりすることは今後できるんですか。 ◎山田 経理課長 今後という話になりますと指名停止ということになるかと思いますが、それの理由としては不正または不誠実な行為ということで考えております。 ◆中村公太朗 委員 捜査権がないのに、どこが不誠実だったと言えるんですか。 ◎山田 経理課長 今お話にもございましたように、一つの会社がほかの会社にファクスを送って依頼したということを話しておりましたので、これは明らかにそう言って価格が決められたということを我々も認定して、これは不正または不誠実な行為があったんだろうということで考えております。 ◆中村公太朗 委員 もちろん今捜査で逮捕されたわけでもないでしょうし、行政が一〇〇%断定することができないのはわかりますが、対応を見ていれば、これを認識しているということなんだろうと思っています。  行政のほうについては後ほどやりますが、まず、入札監視委員会ですね。これは入札は監視できていなかったということが明らかになったわけですが、これはまず年に一回だということが、この間、年一回しか開催されていないというのが、これまでの流れになっています。  去年の匿名の情報があって的中したという案件前後というか、中から後にかけて状況が動いて、急遽開催はいたしましたということなんですけれども、先般、二月五日の企画総務委員会での報告事案というんですか報告で、入札監視委員会の開催状況についてということで、この間の状況が報告されました。大体毎年十一月にやっているので、二十八年度は、十一月八日に予定価格の適切な落札率について、発注方法と質の確保について、応札者数と辞退理由についてということで定例でやられています。先ほど言った問題が起きたので、二十九年度には七月十三日に急遽行われましたと。また定例の昨年の十一月六日にやりましたよというのが二月五日に報告をされているわけですね。審議結果、今回の審議では不適切な入札の実施、あるいは早急に是正すべき入札制度の問題点などについて、委員会としての指摘、意見の具申はなかったというのが二月五日の状況です。  今回の談合、不正行為の疑いが発覚したのが二月十五日、それから十日後なんですよ。十日後にこのファクスが送られてきて、どうやら十日前にあったような是正すべき入札制度の問題点も不適切な入札もないという審議結果とは間逆の調査が十日後に始まるわけですけれども、入札監視委員会というのはどういう権限で、何をどこまで見ていて、今回の結果にはどういうふうにかかわっているのか、所感を伺いたい。 ◎山田 経理課長 入札監視委員会は、まず法律がございまして、それに基づいて指針があって、さらにその指針をもとに設置されているものでございまして、全ての自治体に設置されているわけではないんですけれども、世田谷区は設置をしてございます。  権限といいますか、所掌事務としては、まず入札及び契約手続の運用状況等についての報告を受けることというものが一つありまして、もう一つが、先ほどお話にありました、区の契約のうち、委員会が指定したものに関して審議を行って、区に対し意見の具申を行うことというものがございます。それから最後に入札及び契約手続における透明性及び公正性を確保するために必要な事項について審査を行い、区に意見を具申する、この三つが所掌事務としてございます。 ◆中村公太朗 委員 二月十五日以降、そういう問題が発覚をし、三月二日には、また緊急の企画総務委員会が開催されて報告をされたわけですけれども、二月十五日以降、この入札監視委員会は開催されていますか。 ◎山田 経理課長 開催はしておりません。 ◆中村公太朗 委員 これは開催は普通、行政が招集するものなのか、委員がよしやろうぜと言って行うものなのか、どちらなんですか。 ◎山田 経理課長 設置要綱上は、会長が招集するものとなっております。 ◆中村公太朗 委員 なぜ会長は、この大きな問題が発覚してから入札監視委員会を招集していないんでしょうか。 ◎山田 経理課長 この入札監視委員会は、先ほど言いました三つの所掌事務がございまして、国土交通省がつくっているマニュアルなんかに、入札というか談合情報へのかかわりが書いてございまして、そこには、談合情報への対応については、当該機関は、警察や公正取引委員会等とは異なり、刑法の談合罪や独占禁止法違反事案に係る調査を行う専門機関ではなく、かつ強制捜査権も持たないため、その調査に限界があること。違法行為の断定を行う権限を持たない機関であることに留意した上で適切に運用する必要がありますというのがございまして、一定程度の制約というか、権限がないところなものですから、それで、会長もこの辺を考慮して招集していないのではないかというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 よくわからないんですけれども、匿名のリーク情報というんですか、あのときには緊急に行っていて、今回は、言い方は悪いですけれども、本人たちは認めているわけですよね。という状況があってまでやっていないということは極めて違和感があるし、これはブレーキ役になっていないんだろうというふうに思うわけです。  行政はなかなか言えないんでしょうけれども、基本的には、恐らく毎回のテーマ、年に一回選ぶ案件は、まさか行政がこれを見てくださいねなんて言っているかどうかは知りませんが、少なくとも注視すべきポイントなんていうのは、よくある会議体のように、行政が事務局で、これとこれとこれを今回やってくださいねと言っているとしか思えないわけですよ。そうすると、入札監視委員会をなぜ置いているんだ、何の役に立っているんだということにしかなりませんから、ここは独自性、どこまで権限を与えられるかどうかは別としても、もし本当に与えられないんだとしたら、なくすことも想定だろうし、それ以外に、もっとちゃんとしっかりできる機関をやるべきだと思う。今回はこういった問題があるのであれば、むしろ、行政としてちゃんと、やっぱり招集しましょうということを声かけしていくべきなんだろうと思うんですけれども、いかがですか。 ◎山田 経理課長 もちろん入札監視委員会の独自性というのがあるんですけれども、委員がおっしゃっていることも趣旨としては理解できますので、今後、会長等に相談してみようというふうには考えています。 ◆中村公太朗 委員 そういう状況なので、入札監視委員会はおいておいたとして、やっぱり区の問題になってくると思うんです。  これで一番問題なのは、この問題が発覚してから、前からそうなんですけれども、委員会でもさまざまな報告事項、質疑がありました。きのうも共産さんからもいろいろありましたけれども、行政の皆さんからのお話の中に、この問題に対する怒りが感じられないんですよ。だって、これは税金ですよ。極めて競争性が阻害され、もし高づかみをされていたとしたら、本来、競争性が働いていて、もっと安値で世田谷区としては契約ができたかもしれない部分が、余計な支出が出たのは区民の税金ですよ。これは区民の立場に立ってもっと怒らなきゃいけないと思うわけです。  申しわけないけれども、経理課長も、きのうの財務部長の答弁も一切その感情というものが出てこない。委員会で、副区長は多少ありますけれども、いつも怒っているみたいなものなので、今回、特段に怒っているのか、よくわからないんですが、本当は区民の税金が無駄にされた、ばかにされたといって怒ってくださいよ。それが当事者なんですよ。ということを考えたときに、この談合というのは今後の大きな転換点だと思います。  最近、何回も言いますけれども、事前の匿名のやつから制度を大分変えてきていますと。あれも大きな一歩だとは思っていますが、言い方は悪いですが、それではおさまらなかったので、今回発覚したわけで、大きなターニングポイントで、もうがらっと劇的に変えるべきだというふうに僕は思うわけですが、談合はなくせますか。 ◎山田 経理課長 非常に難しい問題かとは思いますけれども、なくすために、我々は努力していかなくてはいけないというふうに考えています。 ◆中村公太朗 委員 副区長は今回、厳正な対処で臨んでいくということを、委員会では答弁いただいたと思いますが、今回発覚した当該事業者、今回のケースに対して厳正な対応をとっていくということなのか、そもそもこういった談合という問題を、この世田谷区からなくすための制度改編に向けて厳正に臨んでいくつもりですか、どちらですか。 ◎宮崎 副区長 まず、財務部を含めて、この件についてはかなり怒りを覚えております。結局、今回の部分については、もちろんこの事業者そのものについては疑いということで今回対処せざるを得ないわけですけれども、我々が今やっていることについては、同じ業務をもう一度やり直さなければいけないということだけを考えましても、かなり区民のほうへの影響を含めて考えますと、あってはいけないことが起きているという認識には立っております。  その上で、改めて指示をしていますのは、今般のこの制度の部分についてもう少しクリアな形で、例えば対外的に示せるものも含めてですけれども、今回、この後検討している指名停止の問題もあるわけですが、その辺についての考え方を含めてもうちょっときちっと、今回、こういう事態が起きていますので、その辺についての整理を今指示しているところです。  我々がやれる範囲というのは、これは繰り返しになりますが、限度というものもございます。ですが、やれる範囲のところまでは、やはりこういうことが二度と起きないような形のものでのアプローチというのも必要だろうと思っていますし、またそれが区民にとっての利益にもなるというふうに考えていますので、その辺を十分考慮対象にして、今回の部分についてできることは何なのかということについて今検討させていただいている、そういう状況です。 ◆中村公太朗 委員 抑止をもし働かせるというのを最大限、今回働いていなかったわけですけれども、一回発覚したら、もう二度と世田谷区の入札には参加できないとかぐらいであれば抑止になるのかなと思うんですが、この間のやりとりで、たしかルール上はそれはできないんですよね、制度上できないんですよ。だから、マックス今三年とかになってしまっているということを考えたときに、では、抑止の方法ってほかに何があるんだと、今回改めてじっくり考えたんですけれども、なかなかないですよ。ということは、これはもう競争性を究極的に働かせるしかないんですよ。  ということは、これはこれまで言ってきていた最低制限撤廃、失格基準撤廃、完全なる一般競争入札。確かに、これは僕もずっと言っていますが、世田谷区では起きたこともないダンピングを理由に、それはいかがなものかというスタンスがありましたけれども、それこそ毎回低入札価格調査をやって、もしそれでダンピングが発覚したら、それも同じように処罰をして、もう二度と入れないぐらいの抑止にしていくということであれば、これは低入札価格の手間とか金額とか、それは課題もあると思いますが、世田谷区が今この問題が生じた上で目指すべき方向性じゃないんでしょうか、いかがですか。 ◎山田 経理課長 低入札価格にしても最低制限にしても、やはり国の指導があって実施しておりまして、多くの自治体も取り入れているところですので、なかなかその撤廃というのは難しいのかなと考えております。 ◆中村公太朗 委員 平成二十七年三月までは、世田谷区は一億八千万円以上の案件について失格基準を設けていなかったんですよね。失格基準をつくったのは二十七年四月からなんですよ。それまでは低入札価格調査が制度としてやられていたかどうかは別、やっていましたけれども、年間に二、三本やっていましたということです。それを二十七年四月に失格基準というばっさりいく、それ以下は全てダンピングだと断定をし、調査もせずに切っていくという制度を導入しました。昨年度、低入札価格調査は行われなかったんですよね。個別の案件を挙げるのは好きじゃないですが、昨年度の失格基準に該当するものは八九・八五%で失格基準になっているんですよ。八九・八五%って落札率ですよ。これは契約履行できないんですか、ダンピングなんですか。 ◎山田 経理課長 非公表なもので、答弁にちょっと困るところはあるんですけれども、失格基準とか調査基準がどこにあるかということについては基本的に非公表なものですから、ただ、その件に関しましては、私ども独自に失格基準の計算式を持っているんですけれども、その計算式が九〇%を超えてしまいまして、基本的に低入札価格調査基準価格、失格基準ともに、基準価額は七割から九割というふうに制限されておりまして、その範囲内で失格基準を定めるというふうになっているものですから、両方が九割を超えてしまったので、九〇%にしたという事実でございます。 ◆中村公太朗 委員 そこはちょっとテクニカルなので、どこまで皆さんに伝わっているかわかりませんが、要はこの案件については低入札価格帯というのはゼロ円だったわけです。低入札は行われないという状況の中で、八九・八五%が失格基準になりましたと。結果として九九%で落札されました。これは一〇%ありますと。これは四億円の仕事ですから約四千万円。八九・八五%が本当にダンピングならば話は別ですよ。一般的に考えたらできる数字ですよ。区としてはそれを調査もせずにカットしたわけですが、もし失格基準がなければ、この四千万円を多く契約に使ったと言われてもおかしくない案件だと思うんですよね。もちろんそれ以降は制度が大きく変わったので、今後期待するところではありますが、でも、これだけ言ってきて、去年の時点でまだこんなことをやっているわけですよ。もちろん計算式があっての話ですよ。でも、計算式があったかどうかというのは、こんなのは問題になりますよ。  いいんですか、この四千万円って。今、バスが三千六百万円でもめていますけれども、それ以上の金額が一個の入札で余計に支出されたわけですよ。だから、これはやっぱりちゃんと低入札価格調査を行っていれば、こういうことは防げるわけだと思うので、少なくとも失格基準は、平成二十七年四月から行ったということなので、法令上はわからないんですけれども、撤廃することは可能なんですよね。 ◎山田 経理課長 低入札価格調査を採用していないところもありますので、できないことはないと思いますけれども、多くの自治体が導入していて、それをやめたという例はちょっと聞いておりませんので、国の指導がある中で、そこら辺はなかなか難しいのではないかなというふうには考えております。 ◆中村公太朗 委員 やめたという前例がない中で、今回のこの談合が発覚という大きな転換期にあるわけですから、前例前例と言っていないで、そういったことも含めて大きな改編を検討すべきだと思いますが、いかがですか。 ◎山田 経理課長 ただ、御指摘も踏まえまして、例えば失格基準にひっかかったのは、二十八年度については二件ございまして、いずれも解体の案件でございました。これは二十九年度から解体の失格基準の基準をちょっと下げたという改善をしておりますし、今回も御指摘がございまして、歩みがのろいということであれば、確かにそのとおりかもしれませんけれども、この八九・何%で失格になったという例を踏まえまして、途中から失格基準の基準も改正しております。現在は、そのようなことはないかというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 今回、一億八千万円から一億円に下がったラインというんですか、最低制限のほうもやっぱり問題だと思っていますし、今言った解体はもともと平均落札率が低いんですよね。八〇%の半ばだったりもするし、そういうこともちゃんと敏感に察知して手を打っていれば、去年の時点で、もしかしたらそういうことはなかったかもしれないし、ちゃんと調査をしてもらいたいなと思うんですけれども、いただいたデータを見ても、建築工事でも最低制限割れは四分の一ぐらいあるんですよ。土木にしてみたら本当に相当数ありますから、区内事業者育成の観点を一〇〇%否定するものではありませんが、今回談合にかかわっていたのは全部区内事業者だという報告も受けましたし、区内区内と言って何かを捨てていくということであれば、区民に対しての説明はついていかないことが、今後本当に多くなってくるんだろうなと思っていますので、ぜひここは、さっきの入札監視委員会のあり方も含めてどうしていくのかということを、担当所管は本当に真剣に考えていただきたいというふうに思います。  時間がないな、どうしようかな。あと五分じゃできないな、終わりますか。では、終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で世田谷立憲民主党・社民党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○山口ひろひさ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆桜井稔 委員 まず、施設使用料の適正な利用者負担の導入指針の見直しについて伺います。  平成二十二年十二月に、七年前に制定されました適正な利用者負担の導入指針を改定するとしております。その改定の理由と課題はどこにあるのか、まず伺います。 ◎田中 政策企画課長 今回の施設使用料の見直しは、前回の見直しを実施した平成二十五年度以降、消費税増税を経て諸経費の変動もあり、施設の管理運営経費が増加している状況を踏まえ、区民サービスの維持に向けて見直しを行う必要があることから、平成三十年十月に料金改定を実施するものです。  平成二十二年度に策定した現在の指針は、施設の性質区分ごとに利用者負担の割合について一定の基準を定めており、使用料見直しに当たってはこの基準を一つの目安としてきましたが、施策事業の継続性と政策目的を踏まえた利用者負担のあり方をいま一度検討する必要があると認識しております。  また、今後も消費税増税など、区民生活を取り巻く状況は変化が予想され、利用者負担率にとどまらず、施設使用料の全体の経費について幅広い検証を行う必要があると考えております。 ◆桜井稔 委員 今答弁されましたが、この改定を行う背景の問題についてちょっと聞きたいんですが、この間の行政経営改革が変わりまして、この利用者負担の見直しも変えていくということですが、行政経営改革がどう変わったのかということについてお答え願えますか。 ◎田中 政策企画課長 前回の平成二十二年に策定した指針につきましては、実施計画と同時期に策定した行政経営改革とあわせてはやっていなかったという状況にあります。  来年度、新実施計画の後期が実施されるのに伴いまして、行政経営改革も改めて行いますけれども、今後はそれに沿って指針の見直し等を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 平成二十四年から二十五年の前の行政経営改革の中身では、利用者負担の見直しという項目はこう書かれているんですね。サービスを利用する区民と利用しない区民の間の公平性を保ち、サービス提供の財源を確保するため、サービス受給者の利用者負担等の見直しを図ります、これが前の行革の中身です。  今度、新実施計画(後期)では、区民利用者の適切な見直しというのが大幅に書きかえられまして、施策事業の継続性と政策目的を踏まえ、経費抑制策や事務改善等に取り組むとともに、区民負担の適切な見直しを図りますということで、平成二十二年の導入指針から見て、これが大きく変わっていることだと思うんですが、その辺は、今言った認識でいいんでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 委員、今御指摘いただいた新実施計画(後期)におきましては、自治体改革を進める行政経営改革の視点に立ち、施策事業の継続性と政策目的を踏まえ、経費抑制策や事務改善などに取り組むとともに、区民負担などの適切な見直しを行う、こういうふうにしております。 ◆桜井稔 委員 その事務事業の継続性と政策目的を踏まえた利用者負担のあり方ということですけれども、事務事業の継続性、また、政策目的というのは具体的にはどういうことを指すのか、例えばどういうことを言っているのか、その辺をお答え願えますか。 ◎田中 政策企画課長 今回の使用料を見直しするに当たって、さまざまな施設がございます。区民の自主的活動であったり、文化であったり、スポーツであったり、子育て支援など、それぞれ目的があって行っていて、施設が設置されて、区民が利用しているというところです。これらを踏まえた検討を行っていくことが必要だというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、さまざまな住民の自主活動や、文化・スポーツ、また子育て、介護、防災など、多くの区民の活動が行われておりまして、この活動自身が今の区政を支えていることですし、また、今後の区政に欠かせない役割を果たしておりまして、こういう区民のさまざまな自主的な活動が、やはりここで言われている政策目的を踏まえたということだと思うんですが、それは確認、そういうところでいいですかね。 ◎田中 政策企画課長 先ほどと御答弁が重なることもございますけれども、二十二年に策定した適正な利用者負担の導入指針において、利用者負担の見直しに当たり、事業の政策目的と照らしながら、利用者負担の範囲や積算内容を明確にするなどに当たり検討を行うこととしておりました。  今後、指針を見直すに当たって、区民サービスの維持、そういうこともございます。そういったことも踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、それぞれの施設の目的がございますので、そういったことを加味した上での検討を行っていく、そういう認識でおります。 ◆桜井稔 委員 この利用者負担の見直しですけれども、その中で、やはり施設の運営経費の増額に基づく区民負担の見直しということは実際あると思われます。また、そもそも区民負担額が、今言った区の政策目的から考えると妥当かどうかという額もあります。また、区民の声を踏まえて検討する必要があると思います。  今、スポーツ施設などは他区と比べても高いのではないかという声が多く寄せられておりますし、また、今の集会施設自身は運営経費との関係でやむを得ないかなという状況もありまして、やはりこれらを踏まえて区民負担を検討すべきということを要望しておきます。  次に、事業者の提案内容の公開ということについて伺います。  世田谷区の指定管理者の指定で、選定過程の情報や選定理由の説明が十分ではありません。事業者の提案内容は完全非公開となっております。委員会でも区の説明は、事業者の評価点数や選定理由の説明のみでありまして、しかし、今、選定委員会の議事録が資料として出されたこと自身は評価いたしますが、事業者の提案内容が非公開となっているのは、それは一体、なぜそうなっているのかということをまずお聞きします。いかがでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 指定管理者制度は、公の施設の設置目的を効果的に達成するために設けられた制度であり、区民の皆さんの御理解や参加を促進するためにも一定の情報公開が必要であるとは認識しております。  一方で、選定過程の情報公開については、事業者のノウハウやアイデアに関する情報などを公表することにより、事業者の権利利益や競争上の地位を害するおそれがあることなど課題もございますので、現在、統一的なルールとしては、選定事業者からの提案書そのもの全部を公開することとはしておらず、審査点数や選定理由などを記載した選定結果を公表しているところでございます。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、公表することによって、事業者の権利侵害や競争上の地位を害するおそれがあるということであります。
     それで、事業者の提案内容自身は、施設そのものは指定管理者が管理しておりますが、しかし、それを使うのは区民でありますから、それでまたその施設そのものが区民の税金が使われて運営されているということがあります。区民の利益を第一に考えると、事業者提案を公開し、どの提案が一番いいのかというのも明確になってくるのではないかと思われます。  事業者の利益を害するおそれがあるということを先ほど言われましたが、事業者の利益ではなくて、やはり区民の利益も考えていくべきではないかと思います。その上で、事業者の理解を得るということが大事だと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◎山戸 官民連携担当課長 事業者のノウハウ等の利益を守り、競争上の地位を害しないことが、結果的に区民サービスの向上につながる場合があると考えております。しかしながら、行政情報の公開は、区民の知る権利を保障することや、区民の区政参加を推進する上でも重要なことだと認識しております。  また、指定管理者の指定に当たっては、議会による議決をいただくことになっており、例えば横浜市などでは事業計画や収支計画といった提案内容の公表を行っている事例もございます。  こうしたことを踏まえまして、区民の利益を前提として、これら課題を整理し、選定過程における情報公開、情報提供のあり方の検討に、庁内各課と着手しておりますので、委員御提案の事業者の理解を得るということも念頭に置きながら検討を進めてまいりたいと思います。また、検討結果につきましては、取りまとめ次第、御報告したいと考えております。 ◆桜井稔 委員 また同時に、委託契約のプロポーザルの問題もあります。昨日、総括質疑でありましたが、喜多見の農業公園の委託問題。この二年間は実質的には地域住民のNPO団体が農業公園を管理していたと。しかし、今年度はプロポーザルがされて、JAがとったということでありますが、その選定理由や経過はわからないということであります。  他のさまざまな委託契約においても、区民には選定理由、選定過程が知らされないままであります。これはなぜこのような状況になっているのかお伺いします。 ◎山田 経理課長 プロポーザル方式による選定では、それぞれの契約案件における事業内容について、参加事業者から提案書をいただき、その内容について審査を行い、契約の相手方となる候補者を決定しております。  この候補者については、区のホームページで公表しておりますが、提案書を初め、選考の一つとして行われるプレゼンテーションや参加事業者への質疑の内容等につきましては、表現方法等を含め、参加事業者のノウハウが凝縮されていることから、情報公開条例に照らし、原則非公開としております。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、参加事業者のノウハウが凝縮されて非公開とされているということでありますが、今回、本庁舎整備の事業者選定プロポーザル提案を公開して行ってまいりました。本庁舎の基本構想に基づいて六社が参加し、その提案内容、またアイデアを区民に公開して、その違いの中で最優秀者を選んでまいりました。この選定過程の透明性を優先するということを前提に、事業者の理解を得たやり方をしてまいりました。このプロポーザル方式でも公開できるのではないでしょうか。なぜ本庁舎整備の事業者選定を公開で行ったのか、その辺をお伺いしたいと思います。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 本庁舎等基本構想におきまして、本事業は、区民、また全国の設計者等からの注目度が非常に高いことから、設計者選定プロポーザルに当たりましては、区民意見への柔軟な対応と選定の公開性を確保することに留意いたしまして、建物の配置や形状等につきまして提案を求めまして、設計者の審査を行うこととしました。  設計者審査委員会におきましては三つの基本方針、公正で透明性、公開性のある設計者選定とすること、すぐれた建築計画力、技術提案能力などを有している設計者を選定すること、そして、提案を踏まえながら人、組織を選ぶプロポーザル方式とすることで審査を進めることとしまして、公平性を担保しながら、区民への公開、参加がどこまでできるか、慎重かつ活発に御議論がなされまして、審査は一次審査、二次審査の二段階で行いまして、公開プレゼンテーション、ヒアリングの実施や、公開プレゼンテーション前の二次提案書の公開展示、そして区民意見聴取などの取り組みを行うこととしたものでございます。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、審査委員会を設けて、区民の注目度が高いという中で、公開の中身、手だても含めて公開をしてきたわけですが、今言われたように、その中には、結局、そこで事業者の理解を得て公開するということがやはり大前提だと思うんですね。  横浜市の指定管理者運用ガイドラインではこのように書かれているんですが、事業計画に基づいて指定管理者として指定されたのか、提案どおりに施設管理がなされているのか、見える化することで、市民への説明を果たしてまいりますということが書かれております。  またもう一つ、その中に、この考えを基本としつつ、まず市民局市民情報室と調整の上、開示決定を行うということも述べられております。だから、もちろんそういう市民への見える化、市民説明を果たすということが大事なんですが、これを公開するかどうかは、やっぱり情報室との調整が必要だ、それで行うんだということが明確に述べられております。  世田谷でもやはり区民への説明責任を果たすということで、区民の立場に立って指定管理やプロポーザル方式を進めていただきたいと思うんですが、その辺はいかがでしょうか、答えられますか。 ◎大塚 区政情報課長 指定管理者やプロポーザルの選定過程をできる限り公開し、意思決定過程の透明性を高めていくことは重要なことであると考えております。  一方で、ただいま事業所管から御答弁申し上げましたとおり、選定参加事業者のノウハウなどに関する情報の公開は、事業者の権利利益にかかわるものであるため、慎重に検討して進めていく必要があると考えております。  現在、事業所管とともに、他自治体の事例なども踏まえまして、情報公開に当たっての課題を整理検討しているところでございまして、今後も情報公開所管として、事業所管と連携し、支援しながら情報公開を進めてまいります。 ◆桜井稔 委員 ぜひ情報公開をさらに進めていただきたいということを要望しておきます。  次に移ります。次は、民泊事業のガイドラインについて伺いたいと思います。  区は、民泊事業の実施運営としてガイドラインを定めました。このガイドラインを見ますと、最初の第1は制定の趣旨、第2が用語と、第3、第4、第5がそれぞれの事業者に対する問題ですが、第3では住宅宿泊事業実施前の事前準備ということと、もう一つは、第4が各種届出、第5は事業者の業務に関する指導ということが書かれております。  ただ、この書かれている第3、第4、第5の最初の一行目がこう書かれているんですね。第3では、適正な事業実施を計画するに当たって、事業を営もうとする者は、以下の事項に留意することということが書かれております。  それで、各種届出も、事業者は各種届出に当たり、以下の事項に留意することということが書かれておりまして、また、事業者の業務に関する指導のところでも、事業者は業務に関して以下の事項に留意することということが最初の一行目にずっと書かれているんですが、以下の事項に留意することとはどういうことなのか、まず聞きたいんですが、その辺はいかがでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 ガイドラインの中にあります留意するという用語の意味合いですけれども、気をつけていただく、あるいは守っていただくという趣旨であると理解しております。 ◆桜井稔 委員 これは守っていただくと気をつけていただくということは、誰に対して述べているのか。守るものじゃなくて、守っていただくということなので、これ自身は誰に求めている留意なんでしょうか。その辺をまずお答え願います。 ◎大塚 区政情報課長 ガイドラインに示された内容に対して、内容を行うことを求める、そういう相手方に対してということで理解しております。 ◆桜井稔 委員 私もこの留意という文言を辞書でいろいろ調べたんですが、留意というのは、物事に心をとどめて気をつけること。心をとどめておいて気をつけてくださいねという程度のものだということが言われておりますが、この全体のガイドラインそのものの文章、これは一体どういう性格があるのか、それとまた、その効力はどういうものがあるのかということを伺いますが、どうでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 ガイドラインという用語は、法律上明確に位置づけられているものではなく、辞書などにおいても、政府や団体が指導方針として掲げる大まかな指針、政策、施策などの指針、指標、また、国や自治体など関係者が取り組むことが望ましいとされる指針や基準となる目安などを示したものなどと解説されております。  ガイドラインにつきましては、法令そのものではないものの、一般的にガイドラインに示された内容を相手方に求めるものが多いと言われております。  ガイドラインの具体的な内容ですが、法令の解釈や留意事項、運用基準、指導指針など、さまざまなものがございます。ガイドラインは一般的には法的拘束力はないものとされておりますが、法令等に基づく事務などを適正に実施するために策定されるものであると認識しております。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、ガイドラインは一般的な拘束力がないということでありますが、その中でこのガイドラインを守らせることはできるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 ガイドラインですけれども、今申し上げましたとおり、事務を適正に実施するためのものでございますので、法的拘束力はありませんけれども、ガイドラインが守られず、法令等に沿わないような状況につながる場合には、法令等による対応をとることもありまして、こういった点から、ガイドラインは柔軟に対応できるものと考えております。 ◆桜井稔 委員 我が党は今回、民泊事業での条例の修正案というのを出しましたが、そこの中身では、条例の目的で宿泊事業に起因する区民の生活環境の悪化を防止するということを定めて、周辺住民への周知のことを問題にしました。  そのガイドライン自身には、周辺住民への事前周知の範囲は書かれているんですが、事前周知はいつまでに行うべきかという期間は書かれておりません。これでは住民とのトラブルは避けられないのではないかと思われます。  こういう条例を具体的に示していくということがすごく大事だと思うんですが、条例そのものの効力というのは一体どういうものがあるのかお教えください。 ◎大塚 区政情報課長 条例につきましては、御案内のとおり、地方自治法において、地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、地域における事務と法令により処理する事務に関して条例を制定することができると定められております。  条例は、その効力が及ぶ住民などに条例の内容を強要することができることに法規範としての性格があり、地方自治法では義務を課し、権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除き、条例によらなければならないとされております。 ◆桜井稔 委員 今言われましたように、条例というのは法規範としての性格があるということと、義務を課して権利を制限するためには条例でなければならないということまで明確に言われました。  一方、ガイドラインは法的拘束力がないというものであります。民泊事業そのものはガイドラインではなくて、効力のある条例で定めていくべきだということを強く感じます。  そこで、副区長に伺いたいんですが、民泊事業の実施について、今後どのように進めていくのかということについてお伺いしたいと思います。いかがでしょう。 ◎宮崎 副区長 きょうは企画総務領域の質疑ですので、その点に関してちょっと申し上げたいと思います。  今御質問ありましたこのガイドラインでございますけれども、こちらについても、先ほど、担当課長から御説明申し上げていますが、区長の裁量の中でやれる範囲についてお示しし、これを実際運営しようとされる方々にお示しする、その目的でつくっているものです。  一方、今御質疑もありましたけれども、条例のほうは、今般はこの法に基づいて課せられている範囲で、世田谷区は条例を定めたという状況ですので、その運用に係りましては、やはりガイドラインのほうを守っていただきたいということの思いでお出ししているものです。  これは三月十五日から届け出を受けていくことになりますけれども、その中でいろいろ御意見等も出てくる。また、区民の方からやはり不安だというような声が上がるかもしれません。その辺の御意見をお聞きしながら、運用としてやっていくものの範囲で、六月十五日の施行をまず迎えたいと思っています。その上で、条例の附則にお示ししたように、一年という範囲の中で見直しを図っていきたいと思っておりますし、規制する部分をより強める中で、条例という判断もあるかもしれません。この辺につきましては、今の実態を議会のほうにもお示しし、御相談申し上げながら、引き続き条例の規定を含めてどうあるべきかということについて判断させていただきたいと思っています。 ◆桜井稔 委員 ぜひ今のガイドラインではなくて、やっぱり効力のある条例で定めていただきたいということを再度要望しておきます。  次に移ります。次に、本庁舎整備についてお伺いしたいと思います。  本庁舎等整備基本設計方針(素案)が出されました。これは本庁舎等整備基本構想と比べて大きな変更点があります。その内容について、区民への説明が必要だと思います。この大きな変更点の中身は、一つは本庁舎の規模を変更したことでありまして、六万七千百四十平米を六万九千平米にする、約二千平米ふやすということをしました。この二千平米というのは、現庁舎の第一庁舎の大体二階分ぐらいになると思いますが、そのぐらいの階になります。  そして、この二千平米というのは一体どのぐらいの費用がかかっていくのかということですが、これはちょっと答えられますか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 建物全体におけます詳細な費用の算定、検討につきましては今後でございますが、あくまで参考といたしまして、今回、佐藤総合計画から提案をいただいております、そちらのほうの平米単価が約五十二万円で計算してございますので、これによりますと、二千平米ということで約十億四千万ということになろうかと思います。 ◆桜井稔 委員 区民の税金を新たに十億円近くふやすということでありますから、やはり区民にしっかりした説明が必要だと思います。同時にまた職員数の変化であります。基本構想では二千八百三十一名ということでしたが、基本設計方針素案では三千百名にふやしておりますが、この三千百名とする根拠をまず示してください。よろしくお願いします。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 まず、今回、区の考え方をまとめました基本設計素案におきまして、本庁舎等の規模といたしまして、今委員からございました六万九千平米というのをお示しさせていただきました。これは集約施設や機能拡充も含めまして、そしてまた、今ございました本庁舎の規模算定の一つである職員数について三千百名としたものでございます。これにつきましては、現況を踏まえまして修正したということでございます。  お尋ねの三千百名の根拠でございますが、本庁舎等整備基本構想では新たな政策展開、そして自治権拡充の増要素の観点、そして地域行政を一層展開する減要素の観点があること。また、今後の人口動向も踏まえまして、平成二十八年当初の本庁舎及び関連施設に配置されている職員数を基本に、本庁舎の規模を想定することとしてございました。  この間、職員数でございますが、人口増等に伴う各分野の行政需要の増加のほか、児童相談所の開設や本庁舎等整備、そして東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会、保育関連等の一定期間増員が必要な部署への配置や、育児休業等欠員への対応が主な要因でふえてございます。  一方、今後、事業終了や事業の安定化等や、地区、地域の充実強化を目指す地域行政の推進、そして働き方改革の推進、また、ICTやIoT技術の進展等における減要素も見込んでございます。さらには、事務事業の見直しに加えまして、事業手法の見直しを含めた行政改革の取り組みを進めていくことから、これらを踏まえまして、人事所管課からは職員数は現状維持から微増程度と考えているというふうに聞いております。これらをもとに、本庁舎等の規模算定の一つである職員数につきまして約三千百名としたものでございます。  今後、今回お示しした規模とともに基本設計を進めてまいります。 ◆桜井稔 委員 今、三千百名の内訳が幾つか述べられましたが、これらはやっぱり区民に説明していくことがすごく大事だと思います。  その中で、ちょっと具体的に伺っていきたいんですが、最初に言われました人口増に伴う各分野の行政需要の増加ということですが、人口増というのは一体何人から何人にふえる予想なのかということで、行政需要の増加というのは一体どういうことを示しているのか、その辺はいかがでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 人口増につきましては九十万人を超えまして、今回、実施計画の後期で出させていただいていますが、平成五十四年、二〇四二年に百八万人ということで、こういった経過をたどると百万人を超えるという状況がございます。  また、行政需要の増加でございますけれども、先ほど担当課長から御答弁いたしましたが、児童相談所等がございます。さらには保育に関すること。それから教育ですね、学校に関すること。それから、もう待ったなしで迫っている超高齢化への対応、そういったものが需要増として見込まれているというふうに考えております。 ◆桜井稔 委員 今、保育とか言われましたが、先ほど言われた中で、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会とか、保育関係の一定期間の増員が必要な部署へ配置するということを言われましたが、これは二〇二〇オリンピック・パラリンピックという期間限定ですし、保育の事業というのも一定期間で終わるということなんですが、これは一体いつからいつまでどのぐらいふえると考えているのか。これはまた結局戻るのか、その辺はいかがでしょうか。 ◎松永 人事課長 今回、本庁舎の基準として職員数を三千百人といたしましたのは、今お話しいただいた行政需要、特に児童相談所の開設準備、また、本庁舎整備、そのほかにくみん窓口とそれに伴う集中入力センターの体制、これは非常勤職員になるんですが、あと保育園は、現在は施設整備のほうに重点を置いているんですが、定員増になることによって、今度、例えば入退園の事務ですとか、その事務量も相当ふえるということが、もう既にふえてはいるんですが、予想されています。  あわせまして、今後、児童相談所が設置されることにより、同時に児童相談所設置に伴う設置事務が十四事務ございますが、そういった区で新たに行わなければいけない事務ですとか、そういうことを踏まえて三千百人という数字を出しています。  一方で、今お話しになりました、例えば本庁舎にしてもそうですし、オリンピックにしてもそうですし、教育総合センター、そういう一定期間で事業を行うものにつきましては減ということを見込んで、現状維持または微増という考えでお示ししたものでございます。 ◆桜井稔 委員 職員の減の要素として、ここでさっき言われましたように、地区、地域の充実強化を目指す地域行政の推進ということが言われておりますが、地域行政の推進そのものは一体具体的にどうなっていくのか、答えられる人がいるのかどうかわからないんですけれども、どうなっていくのかということはいかがでしょうか、地域行政の問題。 ◎松永 人事課長 人事の面からお答えいたします。  地域行政の推進という点では、この四月の組織改正でも、保健福祉センターの設置ですとか、子ども家庭支援センター副参事等の設置を進めております。  今後の職員数の管理に当たりましては、本庁を中心に業務の効率化ですとか、今議会でも御提案のありましたICT、IoTの活用等を含めまして、職員数を抑制するとともに、職員でなくてはできない、区民に対する個別相談ですとか個別支援などを担っていくことが必要だと、そういった部門を充実していく必要があるというふうに考えているところでございます。 ◆桜井稔 委員 わかりました。それで、これらのことを、今後区民に説明していくことが必要なんですが、これをどう説明していくのかということについてお答え願えますか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今回、基本方針の素案第四章で本庁舎等の規模につきましてお示しさせていただいております。今後、基本設計を進めるプロセスにおきまして区民参加を行ってまいります。その中で、区の考え等を含めまして丁寧に御説明はしてまいりたいと考えております。  また、昨日も御答弁しておりますとおり、基本構想では六万八千六百平米で四百十億円ということで算定してございますが、今後、五月末にお示しいたします基本方針の案におきましても、概算ではございますが、事業費のほうも掲載いたしまして、そちらのほうも含めまして丁寧に御説明をしていきたいと考えております。 ◆桜井稔 委員 今回大幅に変更されている、区民の税金も十億円近く使われる、ふやされるということでありますから、区民への丁寧な説明をよろしくお願いしたいということを要望しておきます。  最後になります。公契約条例について伺います。  平成二十八年の八月三十一日の公契約適正化委員会の答申、その中で、労働報酬専門部会の報告というのは一体何なのかと。特に労働報酬下限額についての報告についてお答え願えますか。 ◎山田 経理課長 労働報酬下限額につきましては、平成二十八年度の特別区行政職の一般事務高卒初任給を時給に換算した千百五・六円とすることが必要であるが、財政歳出への影響の配慮から二年をかけて実現することが適当であり、平成二十九年度の業務委託の労働報酬下限額を千二十円とするとの報告でございました。 ◆桜井稔 委員 二十九年度は千二十円とするということで引き上げられました。その費用は一体どのぐらいになっているのかお答え願えますか。 ◎山田 経理課長 それまでの九百五十円から七十円引き上げまして、部会の報告書のとおり千二十円といたしました。これによる区の予算への影響額は約五億四千万円でございました。 ◆桜井稔 委員 最低賃金の九百五十円から見れば七十円高い、大きく前進したものだと思いますが、二十八年のときの答申で言われているように高卒初任給で換算した千百十三円の引き上げということになりますと、区の予算への影響額は一体どのぐらいになるんでしょうか。 ◎山田 経理課長 現行の千二十円から千百十三円に引き上げたと仮定しますと、区の予算への影響額は約七億二千万円でございます。 ◆桜井稔 委員 七億円ということで、五億円から新たに二億円上乗せをするということが必要であります。この答申はやっぱり尊重して引き上げるべきだと思いますが、引き上げについてはいかがでしょうか。 ◎山田 経理課長 今年度は、部会の検討結果にお応えできませんでしたが、平成三十年度は下限額の確実な履行を徹底して、公契約条例の実効性の担保に努めていきたいと考えております。また、下限額につきましては、来年度も部会等で御検討いただき、その結果を尊重しつつ、諸般の状況を勘案しながら適時適切に判断してまいります。 ◆桜井稔 委員 最後に、労働報酬下限額の問題について、今後の区の考え方を伺いたいんですが、これは副区長にお答え願えますか、労働報酬下限額の今後の考え方について。 ◎宮崎 副区長 労働報酬下限額においてのベースは、公契約条例のところが発信したわけでございますから、その委員会のほうでの御議論等はきちっと尊重していく、ただいま課長のほうから申し上げたとおりです。あとは私たちのほうで今の財政状況等を勘案しながらの判断ということも、議会のほうにもお示ししたいと思っております。 ◆桜井稔 委員 ぜひ労働報酬専門部会を尊重していただいて、これを進めていただきたいということを強く要望しておきます。  以上で終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番・プラス、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 まず冒頭に、先月の一般質問におきまして、インフルエンザ感染により欠席をし、貴重な質問の機会を手放さざるを得なくなったことを、区民の皆様に、そして関係各位におきましては御迷惑と御心配をおかけしたことをおわび申し上げます。仕事の借りは仕事で返すという意気込みで、本日も質疑に努めてまいります。  最初に、公印の省略ということについて伺います。  昨年十一月の本会議での一般質問におきまして、一般区民の提出資料において、また、庁内決裁において押印の省略を進めるべきであるという趣旨の質問をいたしましたが、今回は区が利用する公印の省略が進められないのかという観点で質問いたします。  まず、現状、区が定めている公印が必要な書類の類型について、また、公印が省略できる場合について伺います。 ◎大塚 区政情報課長 公印の現状、あと省略についての御質問でございますが、公印は、公印が押印された文書につきまして内容が真実であることですとか、公に信用を与えることを証明する機能を持っております。公印を押印することは必ずしも公文書を作成する上での要件ではございませんが、公印が押印された文書は公文書として推定を受けますので、区では原則として外部に対する文書には公印を押印することとしております。  一方で事務効率の観点から、公印の有無によって文書の信用性が問題にならないような場合には公印の押印を省略しておりまして、法律効果を伴わない、単なる事実の通知、照会、回答などの軽易な文書については公印を押印しない取り扱いとしております。 ◆そのべせいや 委員 続いて押印の方法について伺いますが、基本的に公印というものは手動で押印をしているのでしょうか。 ◎大塚 区政情報課長 公印の押印の仕方については三種類ございます。今お話にありました職員が押印するもの、またそのほかに電子公印というものがございます。また、公印の押印にかえまして、公印の印影を印刷するという場合がございまして、この三種類がございます。 ◆そのべせいや 委員 また確認になりますけれども、どのような場合が手動で、どのような場合には印刷をして対応されているんでしょうか。類型について、他自治体では定められているところもあるようですけれども、世田谷区ではどのように取り扱われていらっしゃいますか。 ◎大塚 区政情報課長 まず初めに、電子公印のことについて御説明させていただきます。電子公印は、大量の文書を区の業務システムから印刷する際に、公印もあわせて印刷することができるように、あらかじめシステムに印影を記録した公印のことでございます。電子公印は業務の電算処理に伴い導入したものでございまして、現在、住民基本台帳や戸籍のオンライン業務を初め、生活保護、国民年金、介護保険など四十のオンライン業務に使用しております。この電子公印につきましては、区の公印管理規則に定めております。  続きまして、こうした業務システムによる電子公印のほかに、税や保険料の納付書など大量の文書に公印を押印する必要があって、公印を印刷しなければ事務処理の停滞が予想されるような場合には、印影を印刷することができる取り扱いとしております。この二つ以外は、職員が公印を押印するということで、三種類ございます。 ◆そのべせいや 委員 この電子公印というものに関してですけれども、一般的には電子印という呼び方で使われていまして、こちらは似ているようですけれども、電子署名とはもちろん似て非なるものであり、電子署名というのは、電子署名及び認証業務に関する法律に基づいて、本人認証と非改ざん認証が備わっている電子文書のことでありまして、その認証を含めているものが電子署名。対して電子印は、先ほどもお話しありましたけれども、電子計算機、要はコンピューターから出力するときに印刷をするようなものでありますし、印影の印刷といいますのは、言葉どおり印刷してある印影をもって代替する、そういった措置をとっていることだと認識しています。
     そもそもわざわざなぜ公印を押印するのかと考えますと、区によって認証している、そういった機能を表示する。また、偽造防止といった観点であったというふうに考えておりますけれども、印影の印刷で可能ということでしたら、例えば印影が印刷されている原本と、その原本のコピーのもののどちらが原本になって、またどちらが複製したものなのか、コピーをしたものなのか。場合によってはコピーというのが偽造かもしれないですけれども、比較をしたら、もちろん二つ比較することでわかる場合もあるでしょうけれども、公印の印影を印刷している場合には、片方だけ見て、果たしてこれが複製、偽造だということが判断できないだろうなと考えています。もはや印影の印刷で代替が可能ということでしたら、どんな印刷で来た場合でも、受け取った側の区民の方ですとか業者の方、それを疑う余地はありませんし、もはやわざわざ印影を印刷することが偽造の防止に果たして寄与しているのかということは、改めて考えていただければと思います。寄与しないのであれば、認証の機能として印刷というものに関しては、これは公印がある意味があるのかなと、改めて考えてしまいます。  そもそも区民が区から発送されてくる文書に、公印の有無によって効力を疑うか疑わないかと考えると、区から発送されたものに関しては、恐らくわざわざ疑うことはないだろうなと考えられますし、そもそも公文書の偽造に関しても、公文書偽造罪としてもちろん立派な犯罪にもなっています。  以上のように考えていくと、既に印刷で対応しているような簡略化した公印の押印というのは、これは別に必要ないのではないかな。この部分に関しても省略範囲を広げるということに関して見解を伺います。 ◎大塚 区政情報課長 公印の省略につきましては、他自治体においても、おおむね区と同様の取り扱いが行われているものと認識しております。公印を省略する範囲の拡大につきましては、文書の内容の真実性や信用性を証明する公印の機能と文書の性質などを十分考慮して検討する必要があると考えております。  今、委員から御指摘がありましたけれども、区としては御指摘を踏まえまして、公印の省略も含めて、今後も適正な公印事務に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆そのべせいや 委員 ここまで延々と印鑑の省略ということについて質問を重ねてまいりましたけれども、押印が必要であるということで、まず紙への出力が必要になります。そして、相手方にお送りするときには郵送ですとか手渡しで現物を届けるしか方法もなくなります。そういったことよりも、電子化によって、この手間にかける金銭コスト、時間的コストというのをもっとほかの分野に回していくべきではないかと考えておりますので、電子化に向けたこういった、例えば今回は公印の省略ですけれども、前提を整えることについて、ぜひ区でも進めていただきたいと思いますし、私としては今後も取り上げてまいります。  続いて、狭隘道路整備工事の見積もり合わせに談合の疑いがあったという件について伺います。  まずは、今回の業者選定方法について、改めて確認をしていきます。  地方自治法第二百三十四条一項を引用すると、「売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するもの」とされています。  今回は業者選定方法は希望制見積もり合わせということでしたけれども、これは随意契約に分類されます。見積もり合わせという表現、一般には聞きなれないものかもしれませんけれども、要は相見積もりをとるということで、その上で業者を選定するというような随意契約となります。  なので、今回出てきている価格についても、その価格で最終的に発注が行われている、精算が行われているということではなく、少しわかりやすく表現をしますと、十人分のケータリングの見積もりをとって、実際に発注したのは、最終的に安い業者から二十人分であったり、三十人分であったりということで、落札価格と発注金額は実際のメニューによって異なるものにもなっています。  まず、この狭隘道路工事の過去の落札状況に関して、昨日、共産党の中里委員からも掲示がありましたが、念のため、まず掲示をさせていただきます。  こちらの表にありますように、四地区全てについて、基本的には同じ業者の落札が続いていたと。しかしながら、昨日の財務部長の答弁によると、一般的に特定の地域や地区で業務を反復して行うような契約がございますけれども、そういった案件に関しましては、履行するたびに習熟度が増す、経費や人員面で効率的になる。その結果、他に比べて有利に請け負うことが可能になるというケースも考えられます。その結果として、連続してその地域を希望して、契約の相手方となることがあると思っていますとの答弁がありました。  翻って、同じく業者選定に希望制見積もり合わせという方法を採用している、道路維持工事という類似の落札が行われている工事と比較しますと、こちらになるんですけれども、同一業者が落札を続けて独占しているというようなことはありません。会社は色別で分けています。こちらの工事に関して、今からちょうど二十五年前に、大庭幹事長が九地区全ての業者が九百八十八万円の見積もりになっているということの疑義についても指摘をしておりましたけれども、現在、見積経過調書を確認しても落札金額が同一ということではなく、地域ごとの落札業者の一覧をまとめてみても、同じ地区に同じ業者ということが少なくとも独占にはなっていない。こういったケースが本来、部長が答弁されたような、習熟度が増して効率化がされて、連続して請け負うというのは、恐らくこの程度の連続性のことではないかと思います。  先ほどの狭隘道路工事と同様の契約方法を採用している道路維持工事と比較すると、希望申請要件に道路舗装工事における共同格付が、狭隘道路工事がA・Bランクであるのに対して、道路維持工事についてはC・Dランクと設定されているようですけれども、今、世田谷区でどのランクに何社格付されているのかという点について、まず確認をさせてください。 ◎山田 経理課長 道路舗装工事になりますけれども、これのAランクが二社、Bランクが十三社、Cランクが二十社、Dランクが六社、Eランクが三社でございます。 ◆そのべせいや 委員 今答弁いただいたところを鑑みると、同じ企業が連続して受注する可能性は狭隘道路工事のほうが高いことはもちろん言えますけれども、表を見ていただいてのとおりということが続いています。  ちなみに、二十九年の北沢、二〇一七年の北沢のみ、落札業者が変わっておりますけれども、こちらについて見解をお聞かせください。 ◎山田 経理課長 それについては、それまで連続してとっていた会社がCランクになってしまったがために、これはA・Bランクの事業ですので、そこから外れたということでございます。 ◆そのべせいや 委員 それで、平成二十三年、二〇一一年以前に関しては、世田谷区のウエブサイトより区政情報、契約・入札情報、契約状況、見積り合わせ結果と階層をたどっていくと、平成二十一年、二〇〇九年から二十三年、二〇一一年まで、今回の狭隘道路工事の四地区分について見積り経過調書が見つかりました。今回の件に関して文書保存の年数が原則五年だったと把握をしておりますけれども、過去にさかのぼって確認できたことで、新たな事実についても確認ができました。  ここで、表からまず先に脱線をするんですけれども、文書保存について、今の時代、庁舎のスペースに保存について要することのない文書保存形式があることを鑑みると、一部の個人情報を含むものなど配慮が必要なものを除いて、基本的にはわざわざ年数を定めて、あえて廃棄する必要はないのではないでしょうかという点で伺います。  世田谷区文書管理規程の磁気的記録の項を見ても、更新、平成十八年、二〇〇六年でとまっているようですが、この十年間の間にもクラウドサーバーへの利用普及など技術も発展し、保存に係る物理的な制約がなくなったことを踏まえて、文書保存期間の見直しについて見解を聞かせてください。 ◎大塚 区政情報課長 電磁的記録の保存期間のお話でございますが、現在、電磁的記録の保存期間は原則として一年としてございます。これは平成十七年度から総合文書管理システムを導入しまして、起案に添付する基本的な電磁的記録については、システムに登録できることですとか、ファイルサーバーの容量などを踏まえまして、このような保存期間を設定したものでございます。  しかしながら、今後、本庁舎整備を踏まえた文書削減ですとか働き方改革の観点から文書の電子化に取り組んでいく必要があると考えておりまして、電磁的記録の文書保存期間の見直しについても検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆そのべせいや 委員 先ほど申し上げた平成二十三年というのは一番上で、二十四年以降と基本的には同じ顔ぶれです。二十二年に関しては、玉川・世田谷南部地域というところが異なるものの、この年も基本的に同じような結果でした。  しかしながら、二十一年の落札者を見ると、四地区中三地区は一社が落札していることがわかります。そして、その見積金額を見ると、三地区を落札した一社がその年には全ての地区、ちょっと桁は異なるのですが、約三百八十万円で落札がありました。  それ以降の年は各地区とも五千数百万円から七千万円ぐらいの規模で、最大で二十倍ほどの金額差があります。この金額差に関しましては、先ほども例えを使わせていただいたとおり、例えば十人分の見積もりをとっているのか百人分の見積もりをとっているのかというところで金額差自体は生じてくるものであろうなとは考えられますけれども、ここで平成二十一年の世田谷地区と平成二十二年の世田谷地区を比較してみると、他社が平成二十一年には七百万円で見積もりを入れていたところですとか、低くても四百五十万円で単価を入れていたところばかりになるのですが、ばかりというわけではないです。平成二十二年になると、全ての業者が七千万円台で、この見積もり合わせ、見積もりをしている形になっています。  この他社の見積額との上がり幅というのを比較すると、工数の数だけではなくて、一つの工事の単価についてもここで変化があったのではないかということは推測されます。また、二十一年は一社で複数箇所を落札していたというところから、その後、一社が一地区体制ということが長年続いておりますけれども、その点もあわせまして、この年を境に何があったのかということについてお聞かせください。 ◎山田 経理課長 その年を境に何かあったというふうには認識していないんですけれども、ただ、所管から聞いている話では、二十一年のときにその三地区をとった会社が初参入して、そのために頑張った価格を入れたというふうに認識しております。 ◆そのべせいや 委員 それ以降は談合状態と推測をされたとしても、この平成三十年の疑義が出てしまったことについて、さかのぼってそう思われてしまうような状態になってしまっているということですけれども、これは果たして本当に自由競争というものに関してとめていくようなことが、工事内容を担保する方法とかそういったことで本当に必要な方法だったのかなということに関しては受けとめていただければと思います。  このとき何があったのかということに関して、この場で詳細を伺ったとしても、もちろん所管外で、詳細はお答えいただけないことは理解しておりますので、都市整備領域で詳細は伺いたいと思います。  平成二十一年と平成二十二年でこの狭隘道路工事における発注総額には大きな変化がなかったので、行政がこういったことを見逃したことによって、結局は狭隘道路整備の速度が遅くなってしまったということに関しては認識をしっかりとしていただければと思います。  あと、副区長にちょっと認識をお伺いさせていただければと思います。 ◎宮崎 副区長 今、そこの表にされていますところについては、私もちょっと詳細は把握しておりませんので、即座にお答えできませんが、いずれにしても、今のような結果が出ているということですので、我々のほうも都市整備部門を含めまして確認させていただきたいと思います。 ◆そのべせいや 委員 あとはちょっと短くしていきますけれども、我々の会派の田中委員から、今回疑義がある六社のうちの一社の代表が公契約適正化委員会の委員だったということに関して、このまま委員を続けることがあるのかということについても触れておきます。  公契約条例の六条二項を抜粋すると、「委員会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議し、答申する」と。中略しますけれども、「(4)前三号に掲げるもののほか、区の入札その他の公契約の手続における透明性及び公正性を確保するために区長が必要と認めること」。以降省略しますけれども、このように透明性、公正性を審議する立場にあったわけですと。また、入札監視委員会のメンバー三名も公契約適正化委員を兼ねているというような、顔を合わせるような間柄だということを鑑みても、今後、委員を続けるということは、到底区民の理解を得られるものではないということは指摘しておきます。  また、指名停止に関しても確認しておきますけれども、今回の件に関してどの類型に該当する可能性があり、また、その判断はどなたが行うのかということについては確認をさせてください。 ◎山田 経理課長 指名停止基準の不正または不誠実な行為ということで、範囲としては一から十二カ月、決定は、区長が決定いたします。 ◆そのべせいや 委員 これは区長が直接決定をする権限があるのでしょうか。どこかに諮問して答申が行われるようなものではないという認識でよろしいでしょうか。 ◎山田 経理課長 その認識のとおりでございます。 ◆そのべせいや 委員 そうしたら、この場にはいらっしゃいませんけれども、区長にはしっかりとした判断を求めます。  最後に、今回の業者の選定方法についても、今回参加していた六社を除いて、Cランクも含めて新たに残りの二十九社から選定を行うということが、先日の企画総務委員会であったと思いますけれども、今後の進め方について、最後確認をさせてください。 ◎山田 経理課長 この見積もり合わせにかかわった会社を除いたCランクまでのところを直指名して、見積もり合わせをやり直す予定でおります。 ◆そのべせいや 委員 これは予算審議ですし、区民の税金をしっかりと、狭隘道路の予算分、早い執行を正確にしていただきたいということを求めて、大庭委員にかわります。 ◆大庭正明 委員 本庁舎整備についてお聞きいたします。  本庁舎整備については、一昨年の平成二十八年の十二月に、本庁舎等整備基本構想というのがつくられて、それに基づいて、昨年ですけれども、公募型プロポーザルというのが行われました。  ここまでは非常に透明性が高いやり方をやってきたんですけれども、それ以降、議会はそっちのけというか、一体何が行われているのかというのは全然わからない。あくまでも公開のプロポーザルでは、先ほども課長が言っていましたように、提案を踏まえながら人と組織を選ぶというのが公募型プロポーザルの目的であって、あそこへ出された設計図面をどれがいいのか選ぶということではないということは再三確認して、あそこに書かれた設計図とか絵というのは、そこの設計技術者の技量というか、技術力というか、そういうものを判断するということで行われたはずなんです。  それがいつの間にか、この間の特別委員会で出された世田谷区本庁舎等整備基本設計方針という中に、もうこの考え方、この考え方というのは、佐藤総合計画の出された設計図を基本に基本設計を進めることとしたと書いてあるんですよ。これはおかしいですよ。要するに、もともとはあそこは、議会としては全面改築という考え方を持っている方が結構いらっしゃるわけですよ、全面改築。それに対して佐藤総合計画は全面改築じゃないんですよね。一部保存再生みたいなことが書いてあるわけです。これはおかしいでしょう。  だって、九月の段階で設計事業者を決めて、十月に契約をした。十二月に、この業者に決まりました、これから設計をやっていきましょうというふうな形で区長が言われた。それで、二月になって、委員会でいきなり、もうあの佐藤総合計画の設計図でほぼいきますよ、これはどういうことなんですか。  しかも、この設計図面はもうコンクリートされていて変えられないんですか。議会ではいろいろ案を出しているんですよ。もうちょっと容積率を有効にできないのかという質問が委員会でありました。そうしたら、職員が三千百名になったので云々といって、全然見当違いの答弁なんかしていますよね。これは全面改築にするということはできるんですか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 まず、これまでの経緯といたしまして、先ほども他会派に御答弁しましたが、具体的な建物の配置や形状等について、基本構想の条件をもとに基本設計事業者に提案を求めて、公募型のプロポーザルを行っております。  それで、佐藤総合計画の提案は、こうした区の極めて高い要求水準に対する最適解であるということで、この部分については、区議会のほうにも御報告をさせていただいております。さらに、平成二十九年十一月十四日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会において基本設計の開始ということを御報告した際に、設計者からの提案を基本に、今後設計を進めていくということをお示しさせていただいております。今回、これらの経緯も踏まえまして、区の考え方として素案として御報告させていただいたものでございます。  今後御議論をいただきまして、案、そしてその後、基本設計の中で、区議会の御議論をいただきながら基本設計を進めてまいりたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 だから、聞いているのは全面改築ということもあり得るんですか、これについて答えさせてください。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今回、素案の中でもお示しさせていただいておりますが、基本設計を進める上で、今回、佐藤総合のほうからもございました提案を高く評価していることも踏まえまして、基本設計を進める上での四つの基本的な考え方というのをお示ししてございます。それを中心に、今後設計を進めてまいりたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 委員長、答えていませんよ。だから、議会側から全面改築という案が出た場合、それは可能なのか、佐藤総合計画は変更が可能なのかということですよ。それを聞いている、可能か不可能なのか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 今課長が答えていますように、これまでの基本構想設計者プロポーザル選定の経緯を踏まえまして、この設計者プロポーザル提案の考え方を基本に、基本設計の検討作業を進めていくということでございます。 ◆大庭正明 委員 委員長、答えていませんよ。要するに、区民会館を全面改築することは具体的に可能なのかどうかということを聞いているんです。ほかは全部全面改築するんですからね。 ◎松村 庁舎整備担当部長 繰り返しになりますけれども、基本的な考え方の一つに、これは高く評価されたポイントの一つにもなりますけれども、区民会館ホールを保存再生して、その東側道路からのアプローチや広場の構成を含めて、現庁舎の空間特質の特徴を継承するというそのポイントは評価された一つでございまして(「一つでしょう、そんなもの」と呼ぶ者あり)四つの基本的考え方の一つでございまして、このほかの三つの考え方を含めて、この四つの基本的考え方をもとに基本設計を進めていくということでございます。 ◆大庭正明 委員 答えてくださいよ。これは次の特別委員会は五月ですよ。素案が計画になっちゃうんですよ。そうすると、もうそのときになって、議会側からああしろこうしろとか、これはできないのかなんて言ったって、もうこのとおりにやるしかないですと言われているんですよ。  では、議会側の考え方として予算をとめようとしても、去年、僕たちは反対したんですけれども、この予算は新年度予算の中には入っていません。去年で全部です。債務負担行為で二年間分全部とっているんですよ。ですから、もうこれは予算をとめて計画を変更する手はないわけですから、もう一回答えてください。区民会館を全面改築するということは設計上できるんですか。今の段階ならできるはずですよ。 ◎松村 庁舎整備担当部長 今の段階では、この提案プロポーザルの内容をもとに進めていくということでございます。 ◆大庭正明 委員 委員長、答えていないですよ、答えていない。 ○山口ひろひさ 委員長 できるかできないか、答えられますか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 ですから、今の段階では保存するという内容をもとに進めていくということです。 ◆大庭正明 委員 委員長、聞いてください。方針じゃなくて、できるかできないかということです。 ◎松村 庁舎整備担当部長 今の段階で言いますと、この設計の中で、今の段階では検討しないということでございます。 ◆大庭正明 委員 できないということなんだ。あと何秒ある。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・プラスの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆阿久津皇 委員 私どものほうからは、まずは区の財政状況と事業の内容の精査について伺ってまいります。  来年度予算が示されまして、財政が大変厳しいという状況が見えてまいりました。来年度以降、プライマリーバランスが赤字状態になる。また、区債残高と基金のバランスが逆転して、五年後には四百億円以上の債務が上回るという状況になります。  一般質問でも指摘させていただきましたが、ここ十年で人口当たりの民生費の増加率というのは、世田谷区は二十三区の中でも突出しており、平成二十一年度から平成三十年度までの十年間で、一般会計の歳出が六百億円増加したのに対して、民生費は六百八十八億円増加しました。つまり、この十年間で民生費以外の予算というのが八十億円以上削減されているという状況にありまして、福祉以外の分野については行政サービスが低下しているのではないかということを私は危惧しています。  区では、限られた財源を効果的に配分するということで区民ニーズに対応してきたと言われておりますが、数字上、そういった状況にあるということは指摘しておきます。  加えて、今後も小中学校を中心とした公共施設の更新は続きまして、区財政は先行き不透明という昨日の説明もありました。また、新実施計画におきましても、歳出は伸び続けており、行政経営改革の効果を上回る、景気の動向によっては財政を持続可能に保つのは難しいとされました。  こういった財政状況の中で、事業の拡大ですとか職員の増加、今、新庁舎の整備の問題でも二千八百人から三千百人という話にもなっていますけれども、このような財政状況の中で、そういった事業の拡大、あるいは職員の増加というのは、区民感情を鑑みてもなかなか許されるものではなく、事業の選択と集中が求められるというふうに考えます。  しかしながら、毎年、予算説明のたびに新規事業が数十示されるわけですけれども、その中で、一方、廃止事業はゼロだという説明がなされておりまして、職員の数は大きく変わらないのに、どのように事業を進めているのかなということは大変不思議に思っておりました。先日の他会派からの一般質問でも同様の指摘がありましたが、本当に事業の廃止は全く行われていないという認識でよろしいでしょうか。 ◎中西 政策経営部副参事 廃止がゼロということについてですけれども、新実施計画(後期)の行政経営改革の取り組みの中では完全廃止といった事業はないということでございまして、三十年度予算編成作業を進める中では、例えば環境総合イベントの統合ですとか、活用実績のなかった正規雇用促進助成金の廃止など、事業の一部または全部廃止といった見直しは行ってございます。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃった全部廃止というのと完全廃止というのがよくわからないところがあるんですけれども、今後、行政経営改革の中で、事業の完全廃止というものも含めてどのように進めていくのかお聞かせください。 ◎中西 政策経営部副参事 区ではこの間、十年以上にわたって行政経営改革を継続してきましたが、学校主事の委託ですとか給食の調理業務の委託、また、イベント事業の運営主体を区直営から転換したり、公有財産の貸し付けによる税外収入の確保など、改革を進めてまいりました。  一方で、行政需要が低下して必要性がなくなったので翌年度から即廃止できるといった事業は近年少なくなっておりまして、そのため、事業の見直しには、サービスの提供手法の転換ですとか、官民連携など幅広い社会資源の活用、また、対象や達成目標が重なる事業の整理統合などといった、いろんな工夫を積み上げて進めなければならないという状況にございます。  これらの取り組みを推進するため、行政経営改革を専管する組織として経営改革・官民連携担当課を三十年度より設置いたしまして、事業見直し、統廃合のみならず、税外収入の確保、官民連携の推進など、幅広く行政経営改革に取り組み、持続可能な財政基盤の構築に努めたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 来年度から経営改革・官民連携担当課を設置するということですけれども、これは、今年度まで、今までの段階で行政改革が思うように進んでいない、あるいは加速度的に進めないと財政が維持できないという危機感のあらわれだということで理解して、評価いたしますし、期待したいというふうに思います。  しかしながら、今答弁にもありました官民連携の取り組み、あるいは重複する事業の整理統合などというところでは、内部の人間だけでは抜本的な改革というのはなかなか難しいのかなというふうに考えておりまして、しがらみのないといいますか、外部の専門家、昨日、私たちの会派の佐藤美樹委員からも指摘させてもらいましたが、外部の人材を取り込んでいく、そういった取り組みが必要なんじゃないかなというふうに考えています。  そこで、先に経験者採用のことについてお伺いしたいんですけれども、現在、区のほうでそういった外部の人間、民間の経験のある方の採用というのはどのように行われているか、教えてください。 ◎松永 人事課長 特別区人事委員会では、平成十九年度より、事務、土木造園、建築、機械、電気職、また、今年度からは福祉職を対象とした経験者の職員採用試験、選考を実施しております。世田谷区で本年の四月採用予定を含めますと、これまでに事務七十六名、土木造園三十一名、建築四十六名、機械一名、電気三名、福祉一名、百五十八名の経験を持った職員の採用を行っております。 ◆阿久津皇 委員 土木造園、建築、機械、電気、そういった専門職とか技術職――事務職の方もいらっしゃるようですけれども――が中心になるのかなという印象があるのと、あとは、いわゆる管理職の方々、そういった事業に対して責任を持たれる方、予算も含めて責任を持たれる方に民間経験者がふえてくることが、こういった行財政改革には必要なんじゃないかなというふうに考えています。  一方で、職員一人一人も経営感覚というか、民間の数字の感覚を身につける必要があるかと思っておりまして、そういった職員の方々の民間への出向も必要かと思うんですが、そういったことは現状行われているんでしょうか。 ◎松永 人事課長 お話しのように、区財政の先行きが不透明とされる中、行政需要の拡大、多様化に柔軟に対応するためにも、職員の経営感覚、コスト意識に基づく行政経営改革の取り組みというのは不可欠です。  お話しのような民間企業との人事交流につきましては、これまで実績はございませんが、行政にはない業務、組織風土を経験することを通じまして、区民感覚や経営感覚など、幅広い視野と柔軟な発想が培われ、さまざまな行政課題の解決などに生かされることが期待できると考えております。  民間企業との人事交流につきましては、関心のある企業もございまして、御相談しているケースもございますが、受け入れ体制や営利目的の企業への派遣に関する服務の取り扱いなど、課題などを整理し、また、他の先進自治体の事例なども参考に検討を進めているところでございます。 ◆阿久津皇 委員 なかなか地方自治体ではまだまだ進んでいないという現状があるようです。一方、国のほうでは官民交流法というものが整備されていて、民間企業の実務を経験させることを通じて、効率的かつ機動的な業務遂行の手法を体得するですとか、行政の課題に柔軟かつ的確に対応するための人材育成を図る、こういった目的で官民の人材交流が進んでいるようですので、しっかりと世田谷でもそういったことを進めていただきたいと要望いたします。  次に、同じように民間のノウハウの活用というところなんですけれども、区の広報活動ですとかイベントごとに対しても、民間のPR会社ですとかイベント主催会社のノウハウを活用することができるんじゃないかなというふうに考えています。  広報活動といいますと、一般的にはPRというふうに申しますが、パブリックリレーションズですね。要は、社会との関係性をどのように保つかということで、区の発信したい情報を一方的に発信するのではなくて、社会がどのように受け取るのか、区が社会とどういうふうに関係を構築していくのか、ひいては区民が区のファンになっていただけるような、そういった広報活動が必要なんじゃないかなというふうに考えています。  私も、民間で働いているときに広報部門にいたということもありまして、幾つかPR会社さんなんかともおつき合いさせていただいたんですけれども、多くの広報担当の人間というのは、あくまで会社の製品とかサービスのプロであって、広報を担当しているというだけで、PRのプロではないという方が多いんですね。  これは多分区でも同じなんじゃないかなと思っています。あくまで行政のプロであってPRのプロではないのかなというふうに思っておりますので、そういったところにPRのプロの方にアドバイスをいただく、区の広報担当は、あくまでも区の各所管との窓口、あるいはその調整役となることを主として、対外的なところはPR会社の方にお任せする、そういったことでより効果的な広報活動ができるんじゃないかなというふうに考えています。  例えばプレスリリース一つをとっても、その出す内容ですとかタイミング、あるいは送付先、曜日によっても、リリースが採用される、されないというのも変わってくると伺っていますし、その文面の出し方というものも、もちろん役所には役所の決まり事もいろいろあるかと思いますけれども、そういったところも含めて、受け手にとってどのように伝わるかということをより意識した広報活動が必要かなと考えています。  もちろん「区のおしらせ」、広報紙ですとかホームページもそうですし、区長の記者会見、こういったことも含めて、さまざまな媒体を活用して一体的に、戦略的に広報活動ができるように、そういった民間のノウハウを活用することも必要かと思いますけれども、見解をお聞かせください。 ◎池田 広報広聴課長 今御指摘いただきましたように、区政に関する情報発信といたしましては、「区のおしらせ」、ホームページ、公式ツイッターなど、区が管理する広報媒体を用いるほか、区長記者会見ですとかプレスリリースなど報道機関を通じた情報発信にも力を入れているところでございます。どのような媒体を通じてどのような記事を発信していくかなどについては、関係所管からの要請なども踏まえながら、広報広聴課において企画立案をさせていただいているところでございます。
     広報広聴課では、情報発信スキルを向上させるために、民間の研修等に職員を参加させているところでございますが、御指摘のとおり、より広い視点から世田谷区の広報戦略の質を向上させていくためには、専門的なノウハウを持つ民間事業者や専門家の方の話を聞く機会を持つことは大変有用だと考えております。民間スキルを活用いたしまして、より適切な広報活動につなげるよう取り組んでまいります。 ◆阿久津皇 委員 また同様に、区のイベントごと、シンポジウムなんかもそうですけれども、そういったことにもイベント企画会社、こういった方たちに絡んでいただくことで、より適切なターゲットに適切な訴求ができるんじゃないかなと考えています。  なかなか確かに、行政の主催するイベントごとということで、集客で苦戦しているところも見受けられますし、訴求したいターゲットをある程度設定して、企画内容から会場選定とか時間帯を含めてまで、イベントのいわゆるプロの方に絡んでいただくことで、より効果的に啓発することができるんじゃないかなと。もちろん一定の費用はかかるんですけれども、所管の担当者は、より一層そのイベントの中身というか、啓発したい内容のほうに集中することもできますし、より効果的な啓発効果があるというふうに考えます。  ここについては答弁は結構なんですけれども、業種にもよるんですけれども、一般の企業では売り上げの数%がいわゆる広報活動に投じられているということで、世田谷区も翻れば、もちろん営利企業ではありませんが、数十億円ぐらい広報活動に費やしてもいいのかなというふうに思いますし、さまざまな行政サービスがありますけれども、子育て支援、包括ケア、また、参加と協働を含めても、なかなか区民に周知されていない行政サービスというのは多々あると思います。  そういったことをしっかりと区民の方にお伝えすることも広報の役割でしょうし、先ほど申し上げたように、区民が区のファンになっていただける、そこまで信頼関係というか、パブリックリレーションズが構築されてくれば、効果的な行政サービスが展開でき、また、参加と協働というものも実現してくるのかなと思いますので、ぜひ区の広報施策というものも重点項目の一つとして戦略的に進めていただきたいと要望いたします。  次に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化というところを伺ってまいります。  三日後、いよいよまた三・一一、三月十一日ということで、東日本大震災から七年目を迎えます。東日本大震災の教訓を生かして、平成二十五年に消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律、通称消防団等充実強化法というものが成立いたしました。この法律では、消防団の充実強化、消防団への加入の促進、公務員の兼職の特例、あるいは団員の処遇改善などが盛り込まれております。  首都直下型地震の東京都の被害想定によりますと、世田谷区内では、皆様御承知のとおり、出火件数は六十二件、焼失棟数は二万二千四百五十五棟ということで、これは計算すると、一つの火災で三百六十件余りが焼失するということで、一昨年末にありました糸魚川の大火災は全焼が百二十棟ということでありますから、あれの数倍の規模の火災が世田谷区内六十二カ所、至るところで発生するという事態が想定されます。  こういった災害から区民の生命、財産を守るためには、地域に存在する防災の実力組織といいますか、初期消火に当たれる唯一の組織であると言える消防団が中心となって、地域の被害状況、火災の状況を確認し、分団長、または副分団長の指揮のもと、独自に消火活動、救出活動が行われることが必要となるのかなというふうに考えています。  ただ、残念ながら、消防というのは東京都の所管ということで、なかなか区のほうで主体的に活用できないというところもあるようですけれども、実情では、団員も不足しておりますし、なかなか訓練の練度も上がっていないという状況です。一義的には都の所管ではあるでしょうけれども、世田谷区も独自の取り組みを行っていくべき、消防団を支える取り組みを行うべきだと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 消防団の皆様には、日ごろより地域の安全のために防災活動や警戒活動に献身いただき、また、大災害発生時には、消防署隊と連携して消火や救助などの活動に従事していただくこととなっておりまして、区における消防団の役割の重要性につきましては十分に認識しているところでございます。  現在の区の消防団への支援につきましては、活動費への一部助成、資機材助成、防災資機材格納庫の敷地使用、関連会議体の事務局などを行っております。また、団員募集についても、「区のおしらせ」への掲載や窓口でのチラシの配布などを行っております。  将来予想される首都直下地震や緊急対処事態などに備え、地域の防災力を強化していくためには、消防団の活躍がますます重要になってまいりますが、団員の確保など、組織体制の充実につきましては課題があると伺っております。今後も団員募集の支援等、消防団の強化に向けまして、消防署と連携を図りながら、引き続き支援に努めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 区でできることは既に一部行われているということも承知しておりますけれども、なかなか不十分、十分ではない、足りてはいないということがあるので、より積極的に行っていただきたいと思います。  また、先ほど申し上げた法律では、公務員の入団というものも例外的に認めているということで、それほど切迫した状況であるということ、必要であるということが盛り込まれておりますけれども、区内に在住している区職員の消防団への加入というのは、地区の防災の現状を知る上でも、また、消防との連携を図る上でも意味があると考えますけれども、現状はいかがでしょうか。 ◎荒 災害対策課長 区の職員は、災害時には世田谷区災害対策本部運営要綱に基づき非常配備態勢をとることとなっておりまして、震度五弱以上の地震が発生した場合には、指定された場所に参集し、応急対策業務、復旧・復興業務に従事することとしております。現在、区職員で居住地域の消防団に入団している職員もおりますが、地元地域への社会貢献の観点などから自主的に入団しているもので、震災時には原則として区の非常配備態勢に基づき、指定された災対各部において応急対策業務等に従事することになります。  区といたしましては、震災時における行政の役割の観点からは、全庁的に区職員の消防団入団を働きかけることは難しいと考えますが、引き続き区民の消防団への積極的な入団が促進されるよう、消防署と連携を図りながら支援してまいります。 ◆阿久津皇 委員 区職員に消防団に入っていただくというのは、地域に対する啓発とか、地域との人間関係づくりという意味合いでも意味があることだと思いますので、希望される方には勧めていただきたいなというところはあります。また、地域の方々に消防団の重要性を認識していただくこともそうですし、企業や大学との協力というものも進めて、団員の充実というものに力をかしていただきたいと思います。  また、先ほど申し上げた消防団等充実強化法では、区民が地域防災に協力する責任というものも明確に示しながら、消防団を中心に、町会・自治会などの諸団体、あるいは自治体が協力して、地域防災に当たる体制を築くということが示されています。  昨年度整備された地区防災計画、区内全地区で今示されていると思いますけれども、内容を見ますと、現状の認識というところにとどまっていて、まだまだ実効的なものにはなっていないのかなという印象なんですが、消防団を中核とした実効性のある地域防災計画という法の趣旨に鑑みても、まだまだ昇華させていかなきゃいけないと思いますけれども、今後の見通しについてお聞かせください。 ◎荒 災害対策課長 昨年、区内全地区におきまして実施しております防災塾での検討を通じまして地区防災計画を策定しましたが、今後、計画内容のさらなる充実に向けまして、地区住民の皆様と一緒に計画のブラッシュアップを図ってまいります。また、策定した計画の認知度を高めていくことが課題であるとも考えておりまして、今後、リーフレットを作成、配布するなど、広く地区内の住民への周知を図ってまいります。  また、地区防災計画上、消防団の力を活用できれば効果的だと考えますが、発災時の指揮命令系統が消防署にあるなどの課題もございます。今後、消防とも連携調整しながら、地域防災力の向上に向けた体制構築を図ってまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 今の御答弁にもありましたが、発災時の指揮命令系統が消防署にあるということで、消防は都の管轄であって、それは特別区二十三区だけで、ほかでは市町村が責任を負っているということです。また、消防団等充実強化法の中では、地域防災の中核に消防団をと示しておきながら、地方自治法の都区制度では、消防は都が管理すると。そういった状況で、地区防災計画になかなか落とし込めないというような状況があるかと思います。  地区防災の強化という観点では、消防を区に移管するということも含めて、自治権というものも考えなきゃいけないと思いますし、そうでなくても、震災などの非常時には、地区防災計画に沿って消防団が自主的に活動できるように、都や消防と協議する必要があるのではないかと考えております。  また、地区防災計画では、今示されているような震災だけではなくて、近年頻発するゲリラ豪雨ですとか、それに伴う水害、また、テロや他国によるミサイル攻撃、こういったことまで想定して準備しておく必要があるというふうに考えています。  こういった地区防災を強化する、強固なものにしていくためには地域の方々の協力が必要であって、まちづくりセンターを中心に、ふだんからの人間関係づくりというものをしっかりと構築して、地区の活性化を図る必要があるということをつけ加えまして、希望の会の質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩します。     午後二時二十七分休憩    ──────────────────     午後三時開議 ○山口ひろひさ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 まず、世田谷区内における働き方改革について質問をします。  午前中、他会派の方も触れられていましたが、きょうは国際女性デーです。社会的、経済的にも男女が平等で、全ての人権が尊重され、尊厳を持って生きることのできる社会へ向けて、世界中でさまざまな取り組みが行われている一方で、日本の女性の六割が非正規雇用であり、貧困や格差が進んでいます。貧困の連鎖を断ち切るためにも、一人一人に寄り添った支援や労働環境を是正し、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方改革が必要です。  しかしながら、今国会において、過労死された御遺族がやめてほしいと訴えた働き方関連法の裁量労働制や高度プロフェッショナル制度の対象拡大は、長時間労働の是正、過労死ゼロにするための働き方と逆行するものであり、働く人の権利が保障される内容になっていないことが明らかになりました。国や経済界の都合でなく、仕事と自分自身の幸せにつながる生活時間を大切にした、多様な働き方を選択できる社会が望まれます。  一方、フルタイムで働く人がふえ、共働きで子育てをする家庭が一般的になりましたが、相変わらず家庭における育児や家事の多くを女性が担っています。子ども食堂に未就学児を連れ参加する女性からは、ワンオペのつらさや、子どもを預けて働きたくても、保育施設の抽せんに落ち、キャリアを断念せざるを得なかった状況など、さまざま聞きます。女性の就業率が上がれば、保育の受け皿が必要なわけで、待機児童問題の解決なしに働き方改革はあり得ませんし、男女がともに働き、仕事も生活も充実した社会を実現するには、ワーク・ライフ・バランスによる女性の就労支援を充実させることなくして実現はできません。  そこで、世田谷区役所の男性の職員育児休業取得率を調べました。二百三十五人中十一人と五%にも満たず、この数字でもまだまだ女性ばかりが育児を担う現状が浮かび上がります。区内産業へワーク・ライフ・バランスの推進を図る世田谷区がみずから率先して、仕事中心の働き方から生活時間を重視する働き方へと改革を進めていくことが必要です。  昨年の七月、世田谷区はイクボス宣言をして、世田谷区役所版働き方改革をスタートさせましたが、まず、その目的や将来のビジョンについて伺います。 ◎前島 職員厚生課長 世田谷区役所版働き方改革は、ワーク・ライフ・バランスの推進、勤務時間の適正管理、ワークスタイル改革を三つの柱として具体的な取り組みを進めることとしておりまして、昨年七月、区長以下の幹部職員が行いましたせたがやイクボス宣言は、そのキックオフの取り組みとして実施したものでございます。  複雑化、高度化する地域の課題に迅速に対応し、区民にとって必要なサービスを持続させていくために、区政を担う優秀な人材の確保、定着を図るとともに、職員一人一人がみずからの家庭生活と仕事を両立しながら、それぞれ持てる能力や個性を存分に発揮し、活躍できる働きやすい環境の整備や組織風土づくりを進め、組織の活性化、効率性と創造性を向上させることをその目的としております。 ◆田中みち子 委員 つまり、世田谷区役所版働き方改革とは、ワーク・ライフ・バランスの推進、勤務時間の適正管理、ワークスタイルの改革と、三本の柱のもとに取り組みを進めるということですね。今後、この取り組みを注視していくためにも、その中身について確認をしていきます。  まず、三本の柱の一つ目、ワーク・ライフ・バランスの推進です。女性が働きやすい環境をつくることは、男性職員にとっても働きやすい環境になるということです。いまだ性的役割分担による女性の家事労働、育児や介護が当たり前となっており、これまでの働き方では仕事との両立が難しい状況の中、平成二十九年度から開始した育児・介護の早出遅出の時間差勤務制度などについて積極的に進めていくべきと考えますが、その取得状況と課題を伺います。 ◎前島 職員厚生課長 育児または介護を行う職員の早出遅出勤務制度は、所定の勤務時間をずらす、いわゆる時差勤務制度でございますが、ワーク・ライフ・バランスを推進する取り組みの一環としまして、平成二十九年四月から実施しているものでございます。  これまでに、育児を理由とする者が五十名、介護を理由とする者が五名、合計五十五名の職員が利用しております。また、そのうち四割強が男性職員となっておりまして、区としては一定の利用実績があったものと認識しております。今後、さらなる拡充に向けましては、利用しない職員も含めた制度趣旨の理解促進と意識の醸成、勤務時間が複雑化することに関する労務管理上の負荷の増大などといった課題が考えられます。  しかしながら、東京都を初め他団体では、育児または介護といった要件を撤廃している先進事例もあることなどから、多様な働き方を拡充することによる組織の活性化や業務能率の向上を目指す観点を含めたさらなる拡充に向けて検討していく必要があると考えております。 ◆田中みち子 委員 正規職員とフルタイム再任用職員と合わせて約五千四百人も抱える世田谷行政において、五十五人では約一%です。そもそもこの取得率が低いです。介護と育児以外で使える要件の撤廃も含めて拡充を要望します。  二つ目の柱、勤務時間の適正管理について伺う前に、メンタル不調による休職者についても伺っておきたいと思います。平成二十九年度十二月末の休職者数は八十五人。そのうちの約七五%がメンタル不調による休職となっていることは問題です。メンタル不調はさまざまな要因が考えられますが、長時間労働が原因であってはなりません。働き方改革をする上で重要な職員のメンタルヘルスについて、現在の課題認識と取り組み状況について伺います。 ◎前島 職員厚生課長 メンタルの不調は、仕事や人間関係、プライベートなどの要因はさまざまで個人差はありますが、いずれも早期発見、早期対応が重症化を防ぎ、早期の回復につながるものと認識しております。  区では、平成二十一年三月に策定いたしました職員の心の健康づくりのための基本方針に基づきまして、セルフケア、ラインケアに関するメンタルヘルス研修を実施し、精神科産業医や外部心理カウンセラーによる心の相談、個人カウンセリング、管理監督者へのコンサルテーション事業などを実施しております。また、法に基づくストレスチェックの実施では、ストレス数値の高い職員へのフォローアップ面接だけではなく、組織評価による健康リスクの高い職場に対して外部心理カウンセラーによるコンサルテーションを実施し、職場全体のストレス要因を把握、分析することで職場環境の改善に努めております。  職員のメンタルヘルスケアにつきましては、職員自身の心の病への対応にとどまらず、職員が持てる能力を十分に発揮し、職場全体の活力を高めるために必要不可欠でございますので、今後も効果的な取り組みを推進してまいります。 ◆田中みち子 委員 組織評価において健康リスクの高い職場に対する分析を行い、環境改善を図っているということで、効果検証など具体的に聞いてまいりたいのですが、時間に限りがありますので、別の機会に質問したいと思います。  次に、三本の柱の二つ目、勤務時間の適正管理についてです。ことしの二月から新たな超過勤務ルールを開始したとのことですが、ルールをつくることで、かえって業務がふえることになることなど予想されます。課題と今後の展開について、端的に答弁願います。 ◎前島 職員厚生課長 区では、より適正に職員の勤務時間管理を進めていくことを目的としまして、全ての勤務日における退勤時の打刻、個別の超過勤務命令ごとの速やかな処理の徹底、原則として午後十時には終了などのルールを主な内容としました、新たな超過勤務ルールの試行を実施しております。  超過勤務のあり方、とりわけ過度な長時間労働を防止していくためには、単純に規制的なルールをつくればいいというものではなく、総合的に働き方改革を進めていくことも重要でございます。こうした観点も踏まえますと、今回の試行による運用の徹底を図りまして、職員の意識改革も進め、実績や課題などの検証を行い、ワーク・ライフ・バランスの推進、ワークスタイル改革といった観点の取り組みとあわせまして、より実効性のある取り組みにしてまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 最長として原則十時には終了ということですが、例えば、先ほど別の機会に具体的に聞いてまいりたいと申し上げました組織評価において、健康リスクの高い職場や、また、常時多忙な職場など、十時終了が本当に可能なのでしょうか。深夜零時過ぎにはシステムの問題上、タイムカードに打刻できないなど、適正に管理できるのか疑問です。新しい運用のもと、逆に業務がふえてしまい、ストレスになる職員も出てしまうのではと危惧しています。  また、時間外労働の抑制と言われても、常時多忙な職場は混乱します。職員の能力が最大限発揮され、専門性を持って業務を行う体制にするには、外部に出せるものは外部委託なども視野に業務の効率化を図り、何より定時で帰りやすい職場環境にしていくことこそ必要な取り組みです。見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 働き方改革を進めていくためには、民間活用を積極的に進めて事務量を軽減し、職員がより高度な業務に注力できる環境を整備することが重要だと認識しております。そのためには、各所管の業務内容につきまして、作業工程や必要人員を調査し、業務を切り出してアウトソーシングを進めることで、サービスの質を確保しながら、職員が直接担う業務の縮減を図ってまいりたいと考えております。また、他の自治体で既に実証実験が始まっているAIの活用も業務改善の有効な手段になると考えられますので、活用方法を今後研究してまいります。 ◆田中みち子 委員 超過勤務により職員の健康が損なわれることがないように、実態の把握や改善に向けた対策をしっかり行うこと、また、今後、雇用を進める精神障害者や知的障害者への仕事の切り出しも視野に取り組みを進めることは、職員のモチベーションアップにもつながると考えますので、こういったユニバーサル就労の観点で業務の切り出し作業の取り組みを進めることもあわせて要望します。  次に、三本の柱の三つ目、ワークスタイル改革についてです。取り組みの一つにテレワークを導入するということですが、一部の民間企業や自治体で導入が進んでいるテレワークとは、ICTを活用した、場所などにとらわれない柔軟な働き方をすることを言います。モバイルワーク、サテライトオフィスや在宅勤務の形態があり、世田谷区でも、子どもの近くで働くことができるコ・ワーキング・スペースを補助事業として実施します。このことは、昨日、他の会派からも意見がありましたが、多様な働き方の選択肢の一つとして期待する声が届いています。  区内業務におけるテレワークについても大変期待しているのですが、どのようなスケジュールで、どのような到達点を見据え体制を整備するのか伺います。 ◎齋藤 情報政策課長 モバイルワークの試行実施期間は、今年度、平成二十九年度末から平成三十一年度末までの約二年間とし、外出時にモバイル端末利用における業務効率の向上や、職員負担軽減の測定及びセキュリティー対策の課題解決を中心に検証を実施いたします。また、業務に与える影響及び課題を考慮し、内部事務系業務資料の外出先での取り扱い、個人情報を扱う業務の外出先での取り扱いに分け、段階的に検証を実施いたします。  到達点といたしましては、モバイル端末を利用して庁内のネットワーク環境に接続して業務を行うことにより、場所などにとらわれない柔軟な働き方を可能として業務改善を行います。さらに在宅でのモバイル端末の利用は、今後の試行検証とあわせて、働き方改革会議を中心とした検討を行い、実施の可否を検討いたします。 ◆田中みち子 委員 テレワークの中のモバイルワークを進めるということですけれども、やはりそれだけでは子育てや介護で仕事と生活を両立ができず、離職せざるを得ない職員の選択肢にはなり得ないと思います。  あさってで東日本大震災から七年となります。在宅勤務体制を整えることは、災害時に職員の参集ができない場合、慌てず区の職務に従事できるといったメリットもあります。やはりここは在宅勤務について同時進行で進めていただきたいところですが、いかがでしょうか。 ◎田中 政策企画課長 在宅勤務により育児や介護を行う職員の通勤負担が軽減されるなど、時間を有効に活用されることが期待されています。一方、課題もありまして、勤怠管理、業務管理、それからコミュニケーションのとり方、個人情報などセキュリティー対策など、そういったものもございます。ただ、先行自治体、それからモバイルワークの施行状況を見ながら、在宅勤務について研究してまいります。 ◆田中みち子 委員 今、答弁を聞きますと、在宅勤務ができるようになるのにはほど遠いように思います。佐賀県はパソコン千台を整備して在宅勤務を進めていますし、今、課題とおっしゃった部分を解決して先駆的に進めている自治体ですので、こうした取り組みを研究していただきたいです。そして、多様な働き方に対応した仕組みづくりに在宅勤務は欠かせないと考えていますので、早急な検討を要望します。  そして、ここでさらに職員の意識改革というところを聞いてまいりたいと思っているんですけれども、イクボス宣言をした部長たちが集まる補充のところでこの質問は続けてまいりたいと思いますので、企画総務の所管での質問は、途中ですけれども、こちらで終了させていただきます。  以上で質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず、たばこの関係を質問します。  たばこは、世田谷のたばこルールを今策定しているところでありますけれども、これは役所じゃなくて、一般の道路であったり、民間のところでの話ですから、私は役所の喫煙について取り上げたいと思います。  最近は職員の方もたばこを吸わなくなった方は大変多くなっていると思うんですが、今試しに、きょうの理事者の方でたばこを吸っている方はどれぐらいいらっしゃるんですか。ちょっと手を挙げていただくと、七人ですね。パーセンテージ的には昔より大分少なくなったのかなと思いますけれども、それぞれ趣味、嗜好がございますので、一概には禁止ということもできないんでしょう。私もタバコをやめて十五年目になりまして、やめようと決めてから一本も吸っていないというのが一つ自慢なんですけれども、それまで、やめるまでは大変、ガムをかんだり、パッチを張ったりしてやっていたときはやめられなかったんですが、もうきょうから吸わないと決めたときからのほうがやめられましたね。  いずれにしても禁煙は大変厳しいんですけれども、その上で、今、理事者の方に聞きましたけれども、役所の職員の方の喫煙率というのは今どれぐらいあるんですか。 ◎前島 職員厚生課長 今年度の職員定期健康診断の結果の集計によりますと、全体で一二・五七%でございます。 ◆あべ力也 委員 それは何人ですか。 ◎前島 職員厚生課長 全体で八千三十五人おりまして、そのうち千十人という結果でございます。 ◆あべ力也 委員 国は健康増進法がなかなか決着がつかないという状況の中で、東京都は条例化を国に先行して進めて、ことしの四月から施行すると。これは、子どもの受動喫煙を防止する、受動喫煙から子どもを守るということが趣旨のようですけれども、公共施設は学校から世田谷区の区役所のような公共施設までさまざまございます。国も教育施設では敷地内も建物の中も禁煙だというようなことを打ち出しておりますけれども、特に地方自治体の役所は、子どもの問題を取り扱っている部署もありますし、また、健康を増進するというようなことを扱っている課もございますので、私は基本的には役所での喫煙というのはやめたほうがいいんじゃないかなと考えているんです。  今、庁舎を建てかえるということもありますし、これから基盤整備の中身も決まっていくという中で、では、分煙なのかどうなのかという議論もこれからあるんだと思いますけれども、私は、どちらかというと、世田谷の区役所はもう全面禁煙にすべきなんじゃないかなという考えでいます。これについて、役所の職員の方だけじゃなくて、役所を利用する区民の方に対する配慮とかという考え方もありますけれども、役所が全面禁煙になれば、逆に役所の周りの飲食店だったり喫茶店とか、たばこを吸いたい方がそういうところに入るということで、逆にそういう経済効果もあるのかなというふうに思いますので、私はできれば役所の管理上としては敷地内も禁煙にすべきだというふうに考えているんですけれども、この点について、総務部のほうはどういうふうにお考えでしょうか。 ◎中村 総務部長 現在、国が公表している健康増進法の改正案としては、学校や病院、それと行政機関が敷地内禁煙としつつ、屋外で必要な措置がとられた場合には喫煙場所の設置を認めるというふうにしています。二〇二〇大会に向けた改正を目指しているという状況です。  この案を区の本庁舎の現状に照らしますと、今、喫煙所が四つある中で、建物内にある三庁舎と区民会館の喫煙所は廃止するということになりますが、一庁、二庁の喫煙所のほうは、屋外で必要な措置がとられた場合には喫煙場所の設置を認めるという改正案との関係で検討が必要になると考えています。  区といたしましては、本定例会で提案しています、世田谷区ポイ捨て防止等に関する条例の一部を改正する条例の趣旨であります、喫煙する人としない人が相互に理解を深め、区民協働により地域のたばこマナーが向上するまちづくりの実現ということを基本に、国の法改正の動き、それからまた、東京都が今回発表しました都庁舎の受動喫煙対策の実施状況、さらに、お話しがありました庁舎敷地内を禁煙とした場合に、周辺のコンビニですとか商業施設への影響など、これらを総合的に判断して、来庁者も含めた形で受動喫煙対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 ちょっと時間がなくなりましたので、たばこの問題をもうちょっと話しますけれども、今部長が言われたように、東京都は都庁は全面禁煙に移行するというような動きがあって、議会棟なんかも全面禁煙にしたということは、議会の提案であったようです。  そういうことも含めて、今お話しになった分煙的な考え方も、もちろんそういう考え方もあるんでしょうけれども、でも、役所としての性質からいえば、役所の敷地内は全面禁煙にしていくということをしっかり示していくことも時代の要請として大事なことだと思いますし、世田谷は二〇二〇のオリンピックに向けて、実際にその競技を開催するところでありますから、国際的な基準から考えても、分煙というよりも、役所内はやっぱりもう禁煙にすべきだというふうに私は考えますので、その辺は役所の中でも今後議論をしっかりしていただいて、役所内での喫煙に関してのルールをしっかり検討していただきたいと、これは要望しておきたいと思います。  最後に、どうですか。 ◎中村 総務部長 専門の保健所所管ですとか環境所管とも連携しまして、この件については、吸う人、吸わない人、両方の立場を含めてしっかり検討してまいります。 ◆あべ力也 委員 以上で終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 自転車通勤をする区の職員の自転車保険、賠償保険の加入状況について伺います。この質問を行いますのは、平成二十六年の十二月、また、二十八年九月以来三回目となります。  初回の質問時、区に自転車通勤を届け出ていた職員数は千二百六十五人、ざっと区の職員の四分の一が自転車通勤でした。これら職員が通勤の途上の事故で負傷、死亡した場合には労災保険が適用となりますが、巻き込まれた被害者の方はカバーされません。その賠償責任は運転した職員が負うことになりますが、本人が死亡する、または資金がなくて賠償できない場合には、雇用主である区が使用者責任を問われる可能性が出てまいります。ところが、区は、保険の加入状況の把握もせずに、通勤手当だけは支給をし続けているという非常に甘い管理でした。そこで、自転車通勤する職員に一定額以上の保険の加入を義務づけられないかということを問うたのが最初の質問です。  この質問を受けて、区は加入状況の調査を始めました。本庁舎で自転車通勤者が駐輪場を申し込む際、保険加入の有無を確認し、入っていなければリーフレットを手渡して加入を勧奨するという方法で加入の促進を図りまして、二十八年九月に私が二回目の質問を行いますと、二十七年四月時点の本庁舎の自転車通勤者の加入率は五一・五%、一年後、二十八年四月には六七・五%に伸びたという御報告でありました。  ところが、区が把握を始めたのは本庁舎の職員のみでした。そこでもなお三分の一の自転車通勤者は無保険で、毎日本庁舎に通勤を繰り返しておる。本庁舎以外の職員に至っては、自転車通勤する職員の半数以上を占めるにもかかわらず、全くの放置、把握はありませんでした。そこで、全庁的な加入状況の把握と保険加入のさらなる促進を求めたのが二回目の質問でありました。  そして、今回が三回目になります。区に先日、最新の全庁的な加入状況のデータを求めますと、若干古い、おととし十一月の調査結果が出てまいりました。それによりますと、当時、自転車通勤していた職員は二千四百九十三人で、職員全体の三分の一以上が自転車通勤でした。このうち賠償保険の加入者は千四百四十七人、加入率にして五八%。裏を返しますと四二%、実に毎日千人以上の職員が無保険のまま通勤をしているということがわかりました。  そこでまず、一点目の質問です。まず、最新の全庁的な保険加入状況の調査結果がおととし十一月時点のものというのはどういうことなんでしょうか。つまり、年に一回の調査の把握すら行われていない。もっと言えば、おととし九月に私が質問したのを受け、慌てて初めて全庁的な調査を行って以降、一度も調査を行っていない、全庁的な把握はないということだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎前島 職員厚生課長 区職員の自転車通勤者調査は、平成二十八年十一月に全所管を対象に実施し、平成二十九年一月に調査結果を全庁に周知するとともに、その結果を踏まえ、駐輪する際に登録を必要としていない出先職場や、特に非常勤職員が多く在籍する職場等に対して、該当職場の所属長が集まる場などを活用して個別に状況を伝え、自転車保険加入の勧奨をしてまいりました。また、支所においても、年度当初の駐輪場登録時に、本庁同様の方法で保険加入状況の把握をし、勧奨を行っているところもあり、加入率を伸ばしております。  御質問の前回の調査からこれまでの間、全庁的な調査をしていないことは確かでございますが、職員の自転車安全対策を推進する上でも、取り組みに対する効果を見定める点においても必要な調査でございますので、今後は本庁とあわせ、全庁的な調査を定例化してまいります。
    ◆上川あや 委員 議員に言われたときだけやりましたという姿勢がありありなんですね。ぜひこれは管理を徹底してください。  この夏、区は、区民の自転車加害事故への対策を強化するために、新たに区民交通傷害保険を始めるということです。区民にはこれまで以上に保険の加入をお願いしておきながら、他方、区の職員は毎日無保険で自転車通勤を繰り返す、そのような身勝手が通るんでしょうか。自転車通勤する職員の保険加入の徹底を改めて求めますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎前島 職員厚生課長 本庁における自転車通勤者の保険加入率は、年度当初に、駐輪場登録時に自転車交通ルールである自転車安全利用五則の配付による啓発とあわせまして、職員個々に保険加入の有無を確認する方法によりまして、平成三十年二月現在では七八%と、確実に加入率を高めております。  このような状況を受けまして、今後は、駐輪する際に登録する必要のない出先職場等に対しましても、本庁、支所同様に、年度当初の人事異動に合わせまして、定期的に職員個々に保険加入の有無を確認するよう呼びかけまして、継続的に自転車保険加入の必要性を浸透させてまいります。  来年度から実施します区民交通傷害保険につきましては、非常勤職員も加入できる保険ですので、非常勤職員も含めた全職員に積極的に加入を呼びかけるなど、引き続き職員の自転車安全利用の徹底と保険加入率の向上に努めてまいります。 ◆上川あや 委員 今後も点検しますので、しっかりお願いいたします。  最後に、本庁舎の整備について伺います。  私には本庁舎の改築に当たって整備を求めたいものが今四つございます。  一つ目は、乳幼児を連れて来庁する区民のための託児スペースです。おととし十二月にまとめられた本庁舎等整備基本構想には、子ども連れの方も安心して利用できるようにキッズスペースや授乳室を設置するとありますが、これはあくまで来庁した御本人に世話をしていただくという考え方に立つものだと読めます。そうではなくて、乳幼児をお連れの方も、ひとときお子さんを預けて安心して手続、相談ができる、会議やイベントに参加ができるといったことのために託児スペースの整備を求めます。  二つ目に、補助犬用のトイレです。世田谷区役所には都内の庁舎で初となるこの設備が整えられておりますが、盲導犬ユーザーが犬の尿意などを気にせずに庁内で過ごせる設備としてとても大切ですので、整備を求めたいと思います。  残る二つは、難聴者の補聴器に直接クリアな音声を届ける補聴援助システムと福祉作業所産品の常設の販売スペースです。この二つは、前出の基本構想にも簡単に触れておりますが、その整備をお約束いただきたいと思います。いががでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 本庁舎等整備基本構想では、「すべての人に分かりやすく、利用しやすい、人にやさしい庁舎」を基本的方針の一つとしてございます。具体的には、ひととき保育が可能なスペース、それから、今、委員御指摘のあった部分が書いてございます。ただいままた、さらにそのほか、委員からの御指摘をいただいた点も含めまして、基本設計、実施設計の中で検討してまいります。 ◆上川あや 委員 うれしいお答えです。よろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 本日は、外国人人材の活用について質問いたします。  生産年齢人口が減っていく中で、外国人労働者が注目されています。政府でも、一定の技能やスキルのある外国人労働者の受け入れを拡大していくとのことですけれども、あわせて入国管理法の改正なども含めて検討しているそうです。既にさまざまな分野の現場において、多くの事業者さんが外国人人材の獲得に向けて動いているんですね。  世田谷では、例えば保育人材確保の一環として、保育業務の負担軽減のためのICT化ということで、システム導入経費の補助を行っていく、それを来年度予算においてもさらに拡充するということです。しかしながら、ICT化による業務負担軽減にも限界があって、やはり人材の確保ということは課題として残るわけですよね。保育や介護とかもそうなんですけれども、これも来年度予算で拡充する、小学校の英語教科に伴うALTの教員の派遣時間が拡充というふうにあるんですけれども、結局、その人材については、基本、学校側で探さなければいけないということで、学校も大変なんですよね。  それ以外にも、過去にも質問で取り上げた、例えばファミリー・サポート・センター事業で行っている保育のベビーシッター制度をもっと活用してもらいたいということも質問しているんですけれども、それでもやっぱり登録する方が少なくて、利用したい方が多いんですけれども、人材不足ということで事業がなかなか進んでいかないという現状もあります。  世田谷区として、こういった外国人人材の方を募集して、登録制みたいな感じですることはできないかなというふうに思いまして、この件を質問したいと思ったんですね。やっぱり、さっき話した学校ですとか事業者さんというちっちゃい単位で人材を探すとなると、すごく大変だと思うんですけれども、世田谷区として募集して、そこで登録して、派遣会社みたいになってしまうんですけれども、必要なところに人材を充てていくというような取り組みができないのかお伺いいたします。 ◎松永 人事課長 日本国籍以外の方が特別区で正規職員として任用される場合は、公権力の行使や公の意思形成に携わる可能性が低い職とされております。一方で非常勤職員の場合は、特に国籍要件を求めていませんので、任用されるケースもありますが、実態までは把握していない状況でございます。  外国籍の方のスキルやノウハウを生かすため登録制にしてはとのお話ですが、例えば労働力不足を補う場合、また、語学力や技術力のスキルを求める場合では、求める人材などにも違いがあろうかと思います。  正規職員や一般事務補助以外で求める人材につきましては、それぞれの所管において確保することが原則でございます。所管外にはなりますが、例えばこの四月から生活文化部でボランティアの人材バンク、ボランティアマッチング事業が開始されますが、外国籍の方でも登録することが可能だと聞いておりますので、こうした事業を区でも活用できないかなど、担当所管とも連携して、多様な人材活用について研究してまいります。 ◆すがややすこ 委員 ぜひ研究してください。  二点目に、例えば二〇二〇オリパラなど、そういうイベント的なことですとか、あとは、区でも毎年実施しているイベントとか観光事業とかにおいて、外国人ならではの語学力であったり、慣習などの活用をしなければならない事業があるかと思います。そういった事業というか、そういうことに対して、世田谷区はどのような対応を行っているでしょうか。 ◎松永 人事課長 先ほども申しましたが、日本国籍以外の方が正規職員として任用される場合は、国籍要件がある職がございます。昭和六十年度以前は、技能系や医師、歯科医師などに限定されておりましたが、現在では、保健師、看護師、検査技師や栄養士、学芸研究、福祉、社会教育、また心理などが任用可能となってございます。  非常勤については、先ほども申しましたとおり、国籍要件を求めていませんので、二〇二〇オリンピック関連事業、また、さまざまな区の事業等に、外国籍の方が持つ語学力などスキルの活用、また、文化的な交流を図るとか、そうした事業目的に応じて多様な人材活用を図ることも必要な観点であると考えております。  繰り返しになりますが、こうした外国籍の方の活用につきましては、人材を必要とする所管など関係所管とも連携しながら、多様な人材の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 日本で働く外国人は、二〇一七年で約百二十八万人で、日本全体の就業者に占める割合が二%なんですって。この数字は働く人の五十人に一人なんですけれども、今は区役所でこういった外国籍の方をお見かけすることは窓口とかでは余りないんですけれども、ぜひ区役所でも雇用ができる、非常勤職員さんとかですと制限はないということですので、雇用自体は可能ですので、そういった人材活用という意味で外国籍の方を雇用していくということを積極的に進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、平成二十一年九月以来、何度か取り上げましたネーミングライツについて、久しぶりに質問してみたいと思います。  ネーミングライツとは命名権のことで、もともと科学的な発見などに名前をつけることができる権利のことですが、今は企業が自治体の施設に名前をつけ、その対価を払って持続可能な運営を行うことを指すのが一般的となりました。野球場や体育館、音楽ホール、また道路や公園、トイレなど、さまざまな事例があります。  平成二十一年に質問した際には、世田谷区でネーミングライツを導入している施設はなく、その後、平成二十三年度にコミュニティサイクルポートに導入し、世田谷区・IHIコミュニティサイクルレンタサイクルポートと名称がついております。その後のネーミングライツ導入について、進捗状況を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 ネーミングライツは、公共施設の維持管理経費の確保の手段として有効であると認識しておりますが、平成二十三年のお話しのレンタサイクルポートにネーミングライツを入れて以来、ふえておりません。民間からのさらなる提案を促すには、事業者のメリット、ニーズを的確に把握することに加えまして、事業者が提案しやすくなるような仕組みに見直す必要があると考えております。 ◆ひうち優子 委員 公営の施設では、東京都が二〇〇三年に最初に導入し、東京スタジアムが味の素スタジアムになったのを皮切りに、日産スタジアム、富士通スタジアム川崎、神戸女学院小ホールといったスポーツ施設や文化施設にネーミングライツが導入されております。また、そのほかにも、横浜市、渋谷区を初め、広島県、名古屋市、仙台市といった自治体で導入されており、スポーツ施設などの契約金額の高い大手企業による導入だけではなく、道路や歩道橋、トイレなど多種多様な施設に地域に根差した中小企業や大学が参入しており、契約内容も多様であることが特徴的です。  例えば渋谷区では、区内の公衆トイレにネーミングライツを導入しており、日本トイレ大賞を受賞しました。渋谷区といえば、以前はトイレが汚いイメージでしたが、第一号となる渋谷区役所前公衆便所では、「区役所前 トイレ診断士の厠堂」と命名し、命名権を獲得した企業により、通常の清掃に加え、便器の交換、照明器具の取りつけ、排水やにおいの濃度チェックなどの維持管理も定期的に行われ、きれいなトイレに早変わり、お金だけではなく、メンテナンスの部分も一括で請け負う形のネーミングライツ導入を行っております。  トイレがきれいなことは重要ですし、犯罪も減ります。また、民間の資金やノウハウなどを活用しながら施設の魅力を高められるメリットがあります。企業にとっても、施設に名前をつけることで企業名の知名度アップにもつながり、CSRにもつながります。  現在、世田谷区の公園の数は、区立公園五百九十八カ所、公衆トイレ八カ所、スポーツ施設は公共施設白書によれば二十三カ所ありますし、また、道路へのネーミングライツも可能性があります。例えば、今、改築中である玉川区民会館や、少し先になりますが、改築予定の世田谷区民会館、また、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地になることにあわせて大蔵運動場の陸上競技場のスタンドの改築もありますので、これらへのネーミングライツ導入も含め、区内の施設へのネーミングライツ導入を企業に働きかけを行っていただき、税外収入を確保していただきたいと思います。見解を伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 お話しのとおり、渋谷の公衆トイレの例ですとか名古屋市の歩道橋の例は、ポイントとして、比較的少額での契約ができるということと、それから社会貢献、地域貢献にもつながるということで、企業のイメージアップにつながるというところが企業側のメリットになっている、それで効果を上げることにつながったというふうに伺っております。  ですので、こうした先行事例も参考にしながら取り組んでいきたいと考えておりますが、まずは事業者側にサウンディング調査を行って、どの施設であれば企業としてメリットがあるのか、ネーミングライツを獲得する魅力があるのかといったニーズですとか、企業側のメリットの把握に努めていきたいと考えております。  また、ネーミングライツに限らずですけれども、社名入りの商品の寄附ですとか施設の維持管理といった新たな貢献のあり方、区に対する貢献の事実をより効果的にPRできる手法など、官民連携事業の検討を進めることで税外収入の確保を図っていきたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 まずはサウンディング調査を行い、企業のニーズ、また、企業のメリットの把握から進めていただきたいと思います。  次に、平成二十九年からシリーズで質問している新公会計制度導入について伺います。  新公会計制度が導入され、行政の見える化が可能となります。今回の公会計の改革では、発生主義化、複式簿記化という流れに加えて、比例連結、直接法のキャッシュフロー計算書という技術的にハードルの高い機能要請があります。  ここで、前回は新公会計制度の準備状況、つまり、新しく財務諸表を作成するためにはその準備として、開始の貸借対照表、つまり、期首BSと固定資産台帳の作成が必要になります。特に難関である期首BSの整備、固定資産台帳の整備、時価の再評価、耐用年数、償却方法の確認が必要であると質問いたしました。  その際の答弁では、昨年九月に二十八年度の決算データを使ったテスト版が完成した、年度末にかけてデータチェック、システムチェックを行うとのことでした。改めて期首BSの整備、固定資産台帳の整備について進捗状況を伺います。 ◎金澤 会計管理者 進捗状況につきましては、委員から機会あるごとに御質問いただいておるところですが、今年度末に財務会計システムのバージョンアップが終わりまして、この四月から、財務諸表を作成するためのデータの蓄積、それから最終的にデータを整理する重要な一年となってまいります。  御質問の開始の貸借対照表、私たちは開始BSと呼んでおりますが、三十一年度から毎年作成をする財務諸表の基礎となる、特に重要なものでございます。  取り組みの状況としては、御質問の中にもございましたが、今年度は二十八年度の決算データで開始BSのテストを行いまして、順調に検証を行いました。本番の開始BSは二十九年度、今年度の決算データで作成いたしますので、出納整理期間を経て、決算が確定するこの六月から改めて全庁の調査を行いまして、十一月を目途に完成させる予定です。  固定資産台帳についても財務会計システムにセットアップを行っておりますが、最新のデータを入れる必要がありますので、これも決算確定後の六月からになります。いよいよ具体的になってまいりましたので、議会には機会を捉えて、活用も含めてしっかりと御説明をしながら進めてまいりたいと存じております。 ◆ひうち優子 委員 着々と準備が進んでいること、答弁をいただきました。引き続きよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は年間、全国のたくさんのところに伺う機会がありますが、季節ごとの様子や、その土地に行かなければ食べられないものなど、例えば講演する市民会館や商店街など、その町が元気がある、そして活気がある町、また、ちょっと寂しいところもありますが、それぞれにいろいろな魅力があると印象に残っております。  では、自分が住んでいる地域の下北沢では、先月までは演劇祭が行われたり、週末には外国人旅行者も多く見受けられます。また、羽根木公園では、ついこの間まで梅まつりが開催されているなど、たくさんの人が訪れる、大変にぎわいのある町だと改めて思います。  世田谷区の三十年度の予算は、九十万区民の暮らしをつくる参加と協働の予算として、一般会計の当初予算では初めて三千億円を超える規模となっていましたが、一方、区の人口は九十万人を突破して、納税者の数も増加して、そして、特別区税を確認したところ、平成四年、そして平成五年以来の一千二百億円となっていました。中でも子ども関連予算と教育予算があわせてふえていて、確認したところ、私が初めて議員となった平成十五年度の予算全体のうち約一六%の三百二十六億円でしたが、三十年度の予算では約二九%の八百七十七億円と、未来ある子どもたちを支える投資のための予算が拡大していることは大変喜ばしいことと思いますが、しかしながら、歳入予算の中で非常に大きな減収が見込まれ、心配されているところもあります。  その一つは、地方消費税の交付金が国の税制改正によって配分方法が変更され、交付金が減収になる見込みで、区の三十年度は二十九億円の減収の影響と聞いております。  そのもう一つは、ふるさと納税による区民税の減収が、三十年度、何と四十億円にもなっていることです。地方をぜひ応援したい、災害で大変な思いをしているなどの思いで寄附をするのは大変いいことと思いますが、いかにも特に品物につられて寄附をと思われる人も多いと思います。また、所得が高いほど控除の上限額が高くなるため、節税対策として多額の寄附をしている傾向があるのではないかと思うところです。このまま税収がどんどん減り続けると、区のサービスに財源が回らなくなってしまって、十分に行き届かなくなってしまうことが起こりかねないと私は心配しているところです。  現在、梅ヶ丘拠点整備、玉川総合支所の改築が行われ、また、本庁舎整備が控えています。大きな予算が必要になり、それに加えて、区は基金を積み立てていると思いますが、それも確実に減っていると思います。果たしてこうした見通しで、今後の区の財政運営は大丈夫なのでしょうか。本庁舎整備を控えて、区の財政運営は大丈夫なのか、見通しをどのように見込んでいるのか、区の見解をお伺いします。 ◎加賀谷 財政課長 今後の財政見通しでございますが、保育サービスを中心としました扶助費、高齢者人口の増加に伴います後期高齢者医療会計、介護保険事業会計の繰出金、今後も増加が続くものと見込んでございます。  また、投資的経費でございますが、大型事業の梅ヶ丘拠点整備が三十一年度、玉川総合支所の改築が三十二年度でそれぞれ終了となりますが、三十二年度以降は本庁舎整備が始まりまして、あわせて他の公共施設経費も事業計画等に基づいて見込まれてございます。  一方、歳入の見通しでございますが、人口動向推計を踏まえた納税者数の増加による特別区税は一定の増収を見込んでございますが、国の税制改正、将来的な景気変動リスクの対応なども見通しとして必要となります。  今後、確実な増加が予想される民生費、公共施設の更新経費を見通しながら、引き続き施策の選択、事業手法の改善、計画的な起債活用、基金残高の確保もあわせて行いまして、中長期を見通した計画的な財政運営に取り組んでいきたいと考えてございます。 ◆青空こうじ 委員 私は、ふるさと納税の対策として、財源の確保に向けて、区民に対して区への寄附もふるさと納税の対象になることや、区への寄附の呼びかけをもっともっとPRすべきだと思います。例えば熊本市の熊本城の復興城主など、寄附をしたいと思わせるメニューを用意すべきだと思います。また、オリンピック銅メダルと活躍した、カーリングの女子チームのある北海道北見市では、チームの活躍をきっかけに、前年度の四倍以上の寄附の申込件数があったそうです。  また、世田谷区にゆかりのある方に観光大使となっていただくなど、区民やほかの地域の人から寄附をしたいと思わせるような、そしてなおかつ、使い道がわかりやすい魅力ある寄附メニューを示し積極的に呼び込んでいくことが、世田谷区では必要だと思いますが、区の見解をお伺いします。 ◎加賀谷 財政課長 まずは、区への寄附の状況でございますが、この間、八つの基金への呼びかけ、それから、目的、使い道を明確にしましたクラウドファンディングの手法を活用した取り組み、あわせまして、先月末時点ですが、四千四百万円を超えて、昨年度末と比較しましても金額で一・八倍の状況となってございます。  そうしたクラウドファンディングの手法であります宮坂区民センターのいわゆる玉電の塗装事業ですとか、大蔵運動場の陸上競技場のスタンド整備など、大変反響をいただいておりまして、使い道を明確にした呼びかけは効果が大きいものと認識してございます。  今後、馬事公苑の周辺整備の一つとしまして、蹄鉄入りの平板ブロックの設置なども予定しておりますけれども、まず、引き続き全庁から幅広いアイデアを募集するなど、御指摘がありました世田谷らしい魅力ある企画を組み立てて、積極的に流出防止ということで区民の方へ呼びかけを行っていきたいと考えてございます。 ◆青空こうじ 委員 努力は買いますが、もっともっと頑張って、これからも本当に区で、やっぱり寄附をしたいなという魅力あることを心がけてください。  以上で質問を終わります。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五十六分休憩    ──────────────────     午後四時十五分開議 ○山口ひろひさ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆おぎのけんじ 委員 自民党の質疑を始めさせていただきます。  私はまず、本庁舎整備の件をお伺いしたいと思いますが、先ほど、大庭委員からの質問に対しまして、松村部長から全面改築は検討しないという旨の答弁がありましたけれども、今、並行して区民会館ホールの劣化調査、耐震診断を行っているということでありますから、その結果次第では、もちろん検討のテーブルに再度浮上してくるものだろうというふうに思っていますけれども、いかがでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 先ほど答弁しましたとおり、基本的な考え方のもとに進めていくわけですけれども、今の区民会館ホールの耐震性能につきましては、今、耐震診断の調査をしているところでございますし、その診断結果を踏まえた耐震改修方法、また、その費用対効果も含めて議会に御提示しながら、議論いただきながら進めていくというふうに考えているところでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 結果次第では、保存再生のまま耐震化するのか、全面改築して耐震あるいは免震にするのかといういろんな可能性があると思いますので、これ以上は聞きませんけれども、その前提で質問させていただきたいと思います。  以前も私は、佐藤総合計画の示してきた案につきまして、東、西、区民会館という三つで構成されたあの案について質問させていただきましたけれども、耐震性能は、東の建物がⅠ類で、西の庁舎がⅠ類、間に挟まれた区民会館がⅡ類である、それは大丈夫なんですかという質問をさせていただきました。御答弁で、他会派だとかうちの違う議員の質問に対しても、東京都の構造設計指針においてⅡ類相当を確保したいという答弁を繰り返されていまして、Ⅱ類で病院だとか学校だとか、そういう公共施設等々が書かれているのは私も知っておりますが、だからといってⅠ類を目指してはいけないという理由にはならないと思っております。  今回、佐藤総合が示してきた案では、前も言いましたけれども、区民会館の隣に庁舎があって、そこが災害対策本部となり、区民会館自体が物資の集積所となって、広場は避難所みたいな機能も備えるという外的要因があるわけです。区民会館は、仮にどこか別の場所にぽつんと一個あるだけならば別にⅡ類でも構わないと思いますけれども、ただ、今回はこういう三つで囲まれた三位一体とも言えるようなところにⅠ類、Ⅱ類、Ⅰ類で挟まれているわけでして、それがそういった災害対策機能に毀損を与える影響はないのかということを私は懸念して質問してきたわけです。  そこに関して余り明確な御答弁をいただけていなかったので、私は、今言ったようなことは問題ありませんと、今、区の責任ある部署として言えるのかというところをもう一度御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。 ◎青木 施設営繕第二課長 区民会館ホールにつきましては、本庁舎等整備基本設計方針(素案)において、区民会館利用者の安全を図り、かつ、避難場所へのスムーズな移動ができる、耐震安全性の構造体Ⅱ類相当以上の耐震性を確保し、保存再生することを基本的な考え方としております。  この耐震安全性の構造体Ⅱ類とは、建物の倒壊や崩壊のおそれがなく、人命の安全が確保される新耐震基準の耐震性能に対して一・二五倍の耐震性を有するものであり、耐震安全性の構造体Ⅱ類相当以上の耐震性を確保することで、災害時における復旧車両の駐車や物資の荷さばき場としての広場機能などに支障がなく、災害対策機能が確保されるものと認識しております。 ◆おぎのけんじ 委員 Ⅱ類のスペックだとか、一応御説明いただきましたけれども、であるならば、今、災害対策本部のある東側の建物がⅠ類というのはわかるんですが、西側の庁舎もⅠ類というふうになっているわけですよね。だったら、あっちもⅡ類にして、コストをその分安くすればいいんじゃないかと思うんですけれども、この点はいかがですか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 西側のゾーンの建物につきましては、この後検討を進めてまいりますが、世田谷総合支所と地域災害対策本部がどこになるかというのが今後の検討でございます。今、プロポーザルの提案では、西側のゾーンに世田谷総合支所が入っておりまして、地域災害対策本部というので考えがございます。その意味も含めまして現在Ⅰ類としておりますので、こちらの考えを踏まえまして基本設計は進めてまいりたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 仮に大災害が来た場合に、災害対策本部と地域災害対策本部、東と西で同時に立ち上がるというのは現実的にどうなのかなという気がしなくもないんですけれども、別の観点で聞きますね。  きのう、他会派からも接続部分の耐震と免震が一緒になって大丈夫なのかという質問がありましたけれども、世田谷リングという回廊部分がありますが、佐藤総合の提案のイラストを見ていると、大地震が来た場合、真っ先に崩壊というか、瓦解しそうなイメージを私は持っておるんですけれども、あそこの耐震性というのは今どんな感じで想定されているのかお答えください。 ◎青木 施設営繕第二課長 佐藤総合計画から提案がありました世田谷リングデッキの耐震性につきましては、建物と連続していること、また、中央区道を横断することからも、十分な耐震性を確保する必要があるものと認識しております。今後、基本設計におきまして構造計画を検討してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 いずれにしましても、今、ああいう佐藤総合さんの提案してきた案だと、いろんな観点の突っ込みがやっぱり入ってくるわけですし、我々もいろんな懸念が生じてくるわけですから、今、耐震診断を行っているということですけれども、その調査結果いかんによってはシンプルに切りかえていただくことも、ぜひ検討の一つに加えていただきたいと思います。  では次、行革について伺ってまいります。
     先ほど、他会派からも事業の見直しという点について質問がありましたけれども、やらないことを決めていくということは、企業経営においても行政にしても経営の鉄則なんだろうというふうに思っておりまして、何かをやろうというのは割かし簡単で、誰でもできると思っています。これはやらないと決めることは非常に難しいと。ただ、難しいけれどもやらなきゃいけないということで、それこそがリーダーの腕の見せどころでもあろうと思いますし、力量差としてあらわれてくるところだろうと思っております。  そういう意味で、来年度の一般会計予算事業数が九百四十二事業あって、廃止される事業はゼロというのはあり得ないと思っておりまして、無駄な事業をどんどん切り込んでいって行革効果を目いっぱい上げていく、そういう気構えが来年度の計画からはみじんも感じられないという立場から、行革及び事業の見直しについていろいろとお聞きしたいと思います。  この予算説明書の別冊という冊子の一六ページに来年度の行革効果額のサマリーが載っているんですけれども、この十七億四千万円というところの内訳を見てみると、これは行革なのかと思われるような項目が入っているんですよね。例えば上から二つ目の世田谷区役所、職員の率先行動、職場改革の推進だとか、あるいは、この予特でも話題になっていますけれども、区民利用施設の値上げ効果、これは五千三百万円だとか、あるいは一番下の公共施設等総合管理計画に基づく取組み、ここもいろいろ見ていくと怪しい部分があるかと思うんですが、私が今回注目したのは、上から三つ目の施策事業の効率化と質の向上、これが一億一千二百万円ということで書かれております。  もっともらしい見出しで一億一千二百万円と書かれているんですが、よくよく見ていきますと、その下にぽちで補助金の見直し、情報化基盤の強化、事業手法の見直しによる効率化と書かれているんですが、上から、補助金の見直しが六百万円、情報化基盤の強化が一億四百万円で、最後の事業手法の見直しによる効率化というのは二百万円ということなんですよね。  要するに情報化基盤の強化という、これはクラウドへの移行だとかそういうことを指しているんだと思いますけれども、それが大半を占めていて、見出しでうまくぼやかされているのかなと思いますけれども、事業の見直しによる削減というのがたったの二百万円だと。ちなみに、後で触れますけれども、これは百五十万円を切り上げて二百万円と書いているんです。しかも、たったの一つだけの事業の見直しにとどまっていると。事業の見直しは政経部マターだと認識していますが、これを見る限り、行革に対する政経部の介在価値というのはほぼないに等しいんじゃないかなと、私はこのページから読み解いております。  同じ冊子の四六、四七ページにも、今のも含めたメニューが載っていますけれども、右下に三つ区分がありまして、削減額、抑制額、歳入増となっています。このうちの削減額が十七・四億円のうち一・五億円だけなんですよね。ここにさっきの二百万円も入っているんですけれども、そもそも削減額がこれでいいんですか。絶対額としても割合としても少な過ぎるように思いますというのがまずあります。  新実施計画(後期)四年間の行革効果額というのは、四七ページの右下に五十三億六千六百万円という計画になって書かれていますけれども、この五十三億六千六百万円の内訳として、来年度がまず、さっき言った十七・四億円、再来年度が十二・八億円で、その次も十二・八億円、最後の四年目、三十三年度が十億五千五百万円、これは年を追うにつれてどんどん計画が減っていっているんですよね。  これは大丈夫かなと率直に思うわけなんですが、まず、そもそものところをお聞きしますけれども、岩本部長は以前、行革の仕事に携われていたとお聞きしましたけれども、政策経営部として、この計画は行政経営改革であると胸を張って言えるメニューと効果額になっていると思っていらっしゃるのか、まずお聞きします。 ◎岩本 政策経営部長 今お示しいただきましたけれども、新実施計画(後期)における行政経営改革の取り組みですけれども、前期計画と同様に三つの基本方針と十の視点で書いてございますが、それで取りまとめさせていただきました。  この中で、いわゆる財政基盤の確立であるとか税外収入といった財政面のみならず、都区制度改革であるとか区民参加など、区民に資する行政経営改革的なことも取り上げております。今、効果額について四年間で抑制額を含め五十四億円ほどでございます。下のほうにちょっと注意書きで、現時点で積算できない部分もあるという書き方をしてございますが、効果額については決して十分なものだとは思ってございません。  この間、行革については、午前中ちょっと議論もございましたけれども、平成二十年の前半ごろまでは、職員定数の削減ということで千人規模、単年度で百人以上の削減を行ってきておりまして、職員定数の削減というのが行政改革の効果の中核を占めていたというふうに感じています。また、その後、全事業点検であるとか、リーマンショックを踏まえた政策点検方針に基づく取り組みといったことで、事業を洗い出してきたといった経緯もございます。  ただ一方で、この間、社会状況がさまざま変化してきまして、子育て支援であるとか格差の問題等、社会状況も変わってきていると思います。そういう意味では、区民ニーズから見て明らかに行政のやる仕事じゃないというような合意がとれる事業については大分減ってきているのかなというふうに思っています。そういう意味では、社会の状況の変化も踏まえまして、これまで以上により丁寧に、議会を初め区民の皆様には、例えば事業の廃止、縮小については丁寧に段階を踏んで説明をする必要が高まっているものだと考えています。  いずれにしても、効果額については、ここで十分だというふうには考えておりませんので、今回お示しした行政経営改革の取り組みを出発点として、さらに具体化を進めまして、新たな取り組みメニューを追加したり拡充する中で、効果額についても拡大をさせていきたいというふうに考えてございます。 ◆おぎのけんじ 委員 やっぱりちょっとまだ少ないというふうなことを御答弁いただきましたけれども、行革の一丁目一番地というのは事業の見直しだと私も思っていますし、桁が一つ二つ違うんじゃないかなというふうに思っております。  今度、経営改革・官民連携担当課というのができるということですけれども、ただ、組織ができるにもかかわらず、さっき申し上げたように計画自体は年を追うごとにどんどん減っていく、これはベクトルが全然逆を向いているんじゃないかなと思うんですけれども、これは何でこうなっているのか伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 今、部長からも御答弁差し上げましたが、効果額はまだ十分だとは認識しておりませんで、効果額につきましては、どうしても三十年度予算編成を進める中で確定しているものから優先的にはめておりまして、先の年度についてはまだ未定のところもあるので、今確定している効果額がだんだん少なくなっていくというふうになってございますが、今後、お示しできていない取り組みについても、取り組み内容の具体化を進める中で明らかにしていきたいと考えております。  来年度新設する経営改革・官民連携担当課は、まさに行革を推進する組織でありまして、効果額をお示しできない取り組みについて、それを積み上げ、また、新たな取り組みの掘り起こしを進める部署でございますので、今後、そこに注力していきたいと考えてございます。 ◆おぎのけんじ 委員 さっきも言いましたけれども、純粋な事業の見直しというのが、来年度の計画だと、四七ページの上から六段目、0725事業手法の見直しによる効率化ということで、この詳細を見ると、エコフェスせたがや等環境関連イベントの統合というのが内容になっておりまして、これが百五十一万円の効果額です。これを切り上げて二百万円とこの冊子上では表現していると思うんですけれども、以上、終わりなんですよね。このエコフェスせたがやの件というのは、いつ、誰が、いかなる判断材料をもとにどう決断したのか教えてください。 ◎中西 政策経営部副参事 エコフェスせたがや等環境関連イベントの統合ということで、三つの環境イベントを統合する、あと、実行委員会との共催化を図ることでコストの縮減を図るという取り組みなんですけれども、こちらは予算編成過程で所管部のほうから提案があった、それを政経部と協議をして、削減のプランをこうしようということを詰めて、行革の取り組みとして実施計画に載せた、こういう経緯でございます。 ◆おぎのけんじ 委員 所管部から提案があったということですけれども、本当にこれしかなかったんですか、伺います。 ◎中西 政策経営部副参事 新実施計画をつくる過程で行革の提案がさまざまございましたが、事業の見直しに関するもので、三十年度に、もうこれでやるぞと確定できたものはこれ一件だったということでございます。 ◆おぎのけんじ 委員 いろいろ聞きたいことはあるんですけれども、そもそもの話なんですけれども、この事業自体を見詰めて、実績が上がっていないねとか、見通しが甘いねとか、計画を下方修正しようかというような議論というのは、いつ、誰が、どこで行っているんですか。 ◎中西 政策経営部副参事 そういった事業見直しを初めとしました行革の取り組みですけれども、まず、年度当初に行政評価、各所管に自己点検するようにということでお願いしているんです。そちらの公表を行う十月ごろですけれども、ここから予算編成が始まるんですが、その間、予算編成作業と並行して検討を行う、今現在、そういうスケジュールになっております。 ◆おぎのけんじ 委員 その事業査定というところで伺いたいんですが、予算編成のフローにおいて、今ちょっとお話が出ましたけれども、まず、予算フレームを各部、各所管に振っていくところから始まっていくんだと思いますが、その予算フレームというのは、各所管の事業の見直しが終わった上で提示をされているということではないんですか。 ◎加賀谷 財政課長 予算フレームのお話がございましたが、まず、例年、八月に庁内にお示ししていますけれども、その前の段階の決算の状況は当然見させていただいて、あるいは当該年度の事業の執行状況、それから、新実施計画ですとか各種事業計画の進捗状況、これらを反映いたしまして、あわせて区の新たな政策決定などの状況、これらを翌年度の予算フレームの見込み額ということで算出して、庁内にお示しをしていると。  その際、各部への事業費の増減見込みをあわせて調査、ヒアリング等を行いまして、各部と調整を図りながら並行して、政経部のほうでは翌年度の歳入の見通しも踏まえた上で、庁内にフレームを提示しているという状況でございます。 ◆おぎのけんじ 委員 そういう状態で予算フレームを提示するけれども、毎年そのフレームを大幅に超過してくるわけですよね。その主たる原因というのは何なのか。  さっき御答弁で、今のところ事業見直しは所管からの自己申告によるとありましたけれども、所管任せにした結果、ああいう乏しい結果になっているわけで、前もって政経部がしっかり事業の見直しプランをつくっておけば、無駄な作業が後々発生しなくて済むんじゃないかなと思うんですけれども、この点はいかがですか。 ◎中西 政策経営部副参事 委員おっしゃるとおり、行政評価をなるべく早く行って、事業の見直しになるべく早く着手していれば、予算編成に入る前に、ある程度事業見直しのプランを詰めて、前倒しで実施できるというふうには考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 今、行政評価の件が出ましたけれども、私も一般質問でこの間触れさせていただきました。例えば若年者就労支援の推進という事業の行政評価があって、詳細は割愛しますけれども、二十八年度実績が劇的に悪化しているんですよね、これは私が見る限りですけれども。その行政評価が完成したころには次年度予算はほぼほぼでき上がっていると。要するに、この行政評価の意味が全くないんですよ。  実際、新実施計画上も四年間、また毎年五千五百万円という形で組み込まれておりまして、行政評価ができ上がるのが遅いというのもあるのかもわかりませんけれども、言っちゃ悪いですけれども、あの程度のペーパーをつくるのに何で半年もかかるのかというのがそもそも私はわからなくて、そういう様子を見ているから、幾ら皆さんがPDCAが大事だどうだと言っても絵そらごとにしか聞こえないんですけれども、この点はいかがですか。 ◎中西 政策経営部副参事 行政評価の使い方なんですけれども、決算の報告に使っているということが主になっておりまして、個別の事務事業について、きっちり政経部のほうで見直しの点検をするということができていないのは事実でございますので、今度、新たな課で取り組む際、新しい行政評価では、事業の対象を絞り込みながら前倒しで点検していく、そういう取り組みを進める必要があるかと認識しています。 ◆おぎのけんじ 委員 行政評価、その時期を早めるということもそうなんですけれども、そもそもその内容が余りよろしくないということも、一般質問で指摘させていただきました。  ちょっと一本取り上げさせていただきますが、若者支援連携事業というのがありまして、年次別目標と実績という欄に、平成二十七年度から二十八年度、二十九年度と連続してメルクマールせたがやの運営が目標になっているんですよ。実績欄はメルクマールせたがやの運営。事業、目標達成度に対する評価ということで文章が書いてありますけれども、メルクマールせたがやの支援内容、体制の充実とあわせ、せたがや若者サポートステーション、ヤングワークせたがやと連携し、ひきこもりや就労支援など総合的な若者支援を実施することができたということが書いてありまして、要するに数字は一個も入っていないんです。こういうような行政評価で、事業見直し、事業査定がまともにできると、中西副参事は思われますか。 ◎中西 政策経営部副参事 委員お話しの若者支援連携事業に限らずですけれども、事業の性質から具体的な数値目標が設定しにくい事業というのはございます。また、単年度ですぐに成果が上がらない、年次の目標が設定しにくい事業もあるため、定性的な目標設定にならざるを得ないということで、この間こうしてきた経緯はございます。  ただ、御指摘のように、評価に当たっては、やはり成果を定量的にはかるということが重要だと考えておりますので、このたび策定した新実施計画(後期)では成果指標というものを新たに設けまして、その成果指標もなるべく定量的な指標を置くというふうに変えさせていただいております。これに基づく行政評価はこれから進めていこうと考えてございます。 ◆おぎのけんじ 委員 定量的な指標を置きづらい事業もあるというお話がありましたが、今言った若者支援連携事業に関しては、これは指標化するのはすごく簡単だと思うんですよね。だから、そういうことに対して、ここはもうちょっと具体的に指標を入れて管理していきなさいということを、政経部としては言っていかなきゃいけないと思うんですけれども、そういう視点で見て、これは指標化できるけれどもされていないねというような、そういう洗い出しとかはされているんですか。 ◎中西 政策経営部副参事 先ほど申し上げましたけれども、新実施計画を今回策定するに当たりまして、成果指標の設定については、所管部と一事業につき一つずつ協議をして、この成果指標では定量的に成果を把握できないということで、ぜひ数的なものに置きかえてくれというような調整はしてまいりました。 ◆おぎのけんじ 委員 あと、参考までにちょっとお聞きしたいんですけれども、きのうの総括の質疑で下北のバスの件がいろいろと議論になりましたが、区長からの答弁で、その事業の費用対効果をきちんと見きわめたいみたいなくだりがあったんですけれども、僕はあれを聞いていて、そのバスを走らせた費用対効果は一体どうやってはかるんだろうかとわからなかったんです。これは成功したねとか失敗だったねとかというのはどういう指標になってくるんですか。 ◎岩本 政策経営部長 御指摘の意味の数字的な効果という部分はちょっと難しいかなと思います。さまざま御指摘いただいていますけれども、北沢小の統合に関しましては、本当にさまざま地域から御意見をいただく中で、四月以降、円滑なスタートを切りたい、子どもたちの事故も起こしてはならないといった意味での取り組みでございますので、三千六百万円に対してどのくらいの効果を生んだのかというのはすぐにはお答えしづらい部分がございますけれども、そういった大きな意味での区長の発言だったというふうに認識してございます。 ◆おぎのけんじ 委員 何でもかんでも数値化しろと言うつもりはありませんけれども、ただ、下北の件は、バスを走らせる以外にも、警備員みたいな方を学区域に十二人ぐらい張りめぐらせて、それがまた七千二百万円ぐらいかかるという話も聞いておりますし、トータルで、そこの対策費ということで含めれば一億円近いお金がかかってくるわけですから、当然そういういろんな効果検証もしていかないといけないという覚悟で立ち上げるべき事業であると思いますし、あれだけ議論が出てくるということは、そこら辺が甘いということは、私からも指摘をさせていただきたいと思います。  さっきの行政評価に戻りますけれども、職員の方があれだけ手間暇かけてつくっているものが余り使われずに終わっていくというのは非常にもったいないと思いますし、新しい評価軸を入れていくというような話も聞いていますけれども、であれば、各所管に対して行政評価は五月中に出せと言えばいいと思うんです。既存事業に関しては、せいぜい六月から政経部が各所管と話を始めるし、新規拡充事業についても同じようなタイミングで話を始めていって、だめなものは落とし切った上で予算フレームに反映をしていくのが理想であって、組織的な人員もふえるわけですし、これは端から見て全然無理なスケジュールじゃないんじゃないかなと思うんですけれども、そういうフローは組めないんですか。 ◎中西 政策経営部副参事 行政評価を早めるということは大事だと認識しておりますが、直ちに翌年度廃止できる事業ばかりではなくて、サービスの提供手法ですとか事業主体を切りかえる、あるいは事業を統廃合するということで、さまざまな手順を経て調整していくものもございます。ですので、八月の予算フレームに、五月に評価したとして、全てを反映し切るというのはなかなか難しいのかなと思っております。  ただ、評価の時期は、新実施計画事業以外の事業につきましてもスケジュールを前倒しするということは必要だと思っておりますので、次年度の予算編成に可能な限り生かすことができるようなスケジュールを新たに組んでいきたいと考えております。 ◆おぎのけんじ 委員 いずれにしましても、私が言いたいのは、事業の見直しが百五十万円というおかしなことは即刻やめていただきたいということでありまして、ここの桁はやっぱり二つ、三つ、四つぐらい上げていかないと、政策経営部としての価値がないと思います。幸い、さっきの四七ページの0725の二百万円と書いてあるところの右側、米印になっておりますから、ここがそれなりの数字で埋まっていくことを祈りつつ、私の質問を終えたいと思います。 ◆加藤たいき 委員 まず、私も本庁舎についてから聞いていきます。  プロポーザルで決まったのは一設計業者であって、基本設計案ではないという認識でいいのか、まず確認させていただきます。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 プロポーザルでは、区側で決めました本庁舎等整備基本構想を、本庁舎の機能等を要件といたしまして、建物の配置や形状等を含めまして、設計者に提案を求めたものでございます。今回実施しましたプロポーザルでは六社から、周辺環境との関連性や敷地内の配置の考え方、そして、既存建物に関する具体的な方策等の観点から多様なバリエーションのものがあり、結果、既存の設計者の審査委員会にて総合的に判断した結果、佐藤総合計画の案が最優秀者になったものというふうに考えてございます。  これらを踏まえまして、プロポーザルの骨格の考え方の部分についてはこれを踏襲し、区としては基本設計を進めていくものというふうに考えております。 ◆加藤たいき 委員 私は確認だけでよかったんですけれども、秋山課長、ありがとうございます。  基本的な考え方で言うのであれば、私は設計案ではないと思っているんですよ。区の答弁を聞いていると、まるで設計案が決まっているかのようで、プロポーザルで出てきたのは、佐藤総合計画さんのあくまでもプロポーザル用に出してきた案であって、これから変更できると私は思っています。  現にプロポーザルで出されてきた案だと執務スペースが足りないで、六万九千平米という数字に後から変わったわけですし、先ほど、他会派の大庭委員から議論がありました変更できる、できないというのは明確に一言で教えてもらいたいんですけれども。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 先ほども御答弁しましたが、四つの考え方を基本にいたしまして、今回お示ししたとおり、例えば職員数の部分を変更いたしまして、今、委員のほうから御指摘があったとおり、その執務空間の平米数等については変更しているところでございます。 ◆加藤たいき 委員 実はこの議論は保存再生がいいとか悪いとかという話ではなくて、変更できるかできないのかという話で、昨年度、基本構想を出した中で、主な設計者選定方式という中にプロポーザル方式というものが書いてあるんですね。あと設計協議方式。  原文のまま読ませていただきますが、プロポーザル方式から読みます。「発注者が事業の目的を示し、そのための設計業務遂行上の条件や課題を明らかにし、これらに対する業者側からの提案等から、業者の考えや能力を評価し、最も適切である業者を選定する方式である。この方式は業者提案をそのまま採用するのではなく、区民等からの意見等を聞き入れながら、発注者と一緒に設計を進めていくことが可能な方式である」、これがプロポーザル方式ですね。  設計競技方式というのが書いてあって、この方式だと「この方式は、設計者選定の一方式で、発注者が示す条件等から、具体的な案を求め、最も優れた案を提案した設計業者を選定する。この方式の特徴は案の独創性を優先するもので、建物の配置・形態がこの時点でほぼ決定されることになり、設計段階における区民意見の反映等の余地は小さくなる」。  先ほどからいろいろ議論がある中で、世田谷区がやったのはプロポーザル方式ですよね。今の答弁を聞いたりすると、設計競技方式になってしまっていて、そごが出てきているんですけれども、この辺をどう考えているんでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今ございましたとおり、今回、プロポーザルをやるに当たって、審査委員会のほうで三つの方針をやっております。その中の一つといたしまして、設計提案を踏まえて一組織を決めるということでやっております。先ほども言ったとおり、プロポーザル六案、さまざまな提案が出ております。これにつきまして、区民への情報公開、それから一次審査、二次審査、そして公開プレゼンテーション及びヒアリング等、公開性も含めた形で、その提案も踏まえまして今回選定したものと考えております。これによりまして、先ほども御答弁させていただきましたが、四つの基本的な考え方を踏まえ、基本設計を進めていきたいというふうに思っております。 ◆加藤たいき 委員 もう一度言いますけれども、プロポーザル方式は「この方式は業者提案をそのまま採用するのではなく」と基本構想に記載されているんですよ。それで、なぜに基本的な考え方から変更できる、できないの明言ができないのかというところをもう一回教えてください。 ◎松村 庁舎整備担当部長 先ほどから説明、答弁していますけれども、今回は基本構想ではその機能とか規模の要件を決めたと。具体的な配置であるとか形状は設計者に求める、そういったプロポーザルをしようということを基本構想でうたったわけです。これを受けて、設計者の審査委員会では、通常のプロポーザルとはそういう意味では少し違うと思うんですけれども、提案を踏まえながら一組織を選ぶ方式とするということを一つの基本的な方針にしています。  審査報告書にも最後、講評で書かれていますけれども、プロポーザルの提案をさらに深化、発展させることを望むということもコメントをいただいております。ですから、今回は確かに設計コンペの案という認識はございませんで、提案の基本的な骨格となる考え方をもとに、この間の設計要件の修正については、その中で対応を考えていくということでお示しさせていただいたものでございます。 ◆加藤たいき 委員 この基本構想からちょっとずれていませんか。プロポーザル方式でやったということであれば、この業者提案をそのまま採用するのではなく――設計競技方式ではないと今、部長答弁がありましたけれども、これで設計競技方式でありましたというのであればちょっと理解はできるものなんですけれども、プロポーザル方式でやりましたというのであれば、これから議会提案を含め、基本設計方針が五月に出てくるという中で、そうしたら一年間議論しなくていい話になってきますよね。  というところで、今まで一般質問でも決算でも何度も聞いてきましたが、区の考え方自体は変わってきているのに、我々区議会に対しては変更できないと言っているのはおかしいと私は思っています。基本的な考え方はあくまでも考え方であって、この先、五十年先も新しい庁舎を使うに当たって柔軟に考えるのはなぜおかしいのかというところが、私には理解できておりません。  基本構想から一年で、一文、注意書きのように書かれてはいましたが、エムケイアースビルから保健所機能を集約することになったり、決算から半年もたっていない中で、庁舎特別委員会では想定職員数を二千八百三十一人から三千百人にしたと報告があったりと、要因を詳細に説明して、まず基本構想に落としてから、先日出された素案に出していくというプロセスを踏んでいくというのが妥当だと思うんですけれども、基本設計方針というものの意味合いを教えてください。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 基本設計、今回お示ししました素案でございますけれども、当然、基本設計にも入っておりますので、その前の段階といたしまして、庁舎の規模等を含めまして区の考え方をお示ししたものでございます。 ◆加藤たいき 委員 区の考え方ということは、区としては基本設計方針と基本的な考え方がもう合致しちゃっているじゃないですか。そこら辺は、もう一回戻しますけれども、プロポーザル方式は、この方式を業者提案ではなく、議会と一緒に進めていくという認識であるのが普通の考え方だと思うんですけれども、そこをちょっと。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 先ほども他会派のところで御答弁をいたしましたが、プロポーザルを実施しまして、その結果が出まして、その御報告をしまして、その後、平成二十九年十一月十四日の地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会におきまして、基本設計の開始ということで御報告をさせていただいております。その中で、設計者からの提案を基本に、今後設計を進めていくということをお示ししてございます。  この間、基本構想の中で、まず機能、規模等に関係するところを検討していくということを、項目について順次検討を進めて、今回御報告をしたものでございます。今後ともこの形でやっていきたいというふうに思っています。 ◆加藤たいき 委員 保存再生に私は疑問を持ってはいるんですけれども、この議論というのは保存再生の議論じゃなくて、プロポーザルで決まった内容を変更できるのかできないのかということだと思っているんですよ。区が出した基本構想には、業者提案をそのまま採用するのではなくということが記載されている中で、理解ができないんですけれども、もう一回、部長、ちょっと教えていただけないでしょうか。 ◎松村 庁舎整備担当部長 変更の幅の問題かなと思うんですけれども、要するに設計コンペで決まったのは、基本的には、ほぼそのままその内容で設計を進めていく。プロポーザル提案で、先ほどから考え方と言っていますけれども、今回は四つの考え方を示しているわけですけれども、その考え方をもとにしてやっていくわけです。今回、例えば職員数とかもろもろの機能拡充で面積を六万七千百四十平米から六万九千平米にしていきますよと。これを満足していくためには、当然プロポーザル提案を一〇〇%そのままで対応することはできないわけですけれども、基本的な考え方は尊重しながら、その中での対応を考えていくということになります。  その規模の拡大等について具体的な計画の中でどういう形で対応していくのかということについて今検討しているところでございまして、今後、適宜、議会にも御報告しながら、御議論をいただきながら進めていきたいということでございます。 ◆加藤たいき 委員 今この議論をしておかないと、次に基本設計方針が出るのは五月で、それまで、あと補充ぐらいしかこの本庁舎の議論はできない状態ですよね。  結局はここで基本設計が変更できるかできないのかという、そこだけでも明確に出しておいてもらわないと、補充に次に(「議論の余地があるかないか、わからないじゃない」と呼ぶ者あり)というところ、変更できるのかできないのか、明言できないのであれば、宮崎副区長、一言、一言でいいので。 ◎宮崎 副区長 今、部長のほうからプロポーザル方式の意義をお伝えしていますが、少しその答弁の中で申し上げていますが、私たちとすると、この経過の部分を議会のほうにきちっとお示しして、今日に至っているという認識に立っています。  そういたしますと、変更の幅という言葉を使いましたが、その前提となる、言ってみれば提案の事業者のほうの考え、能力を評価して、この事業者を選んだわけですから、その事業者としましては、当然これをもとに設計に入っていくものという前提に立って、それが四つの基本方針というところで我々はお示ししています。  その中で、当然議会の御意見を伺いながらと申し上げているわけですから、何もできませんということを申し上げているわけではないんですけれども、先ほど部長から申し上げているその変更の幅には限度がある、これはスケジュールも含めてお示ししているわけですから、そこから大前提を変えていくということになると、これは今まで私たちが議会のほうにお示ししたことと違ってくるんじゃないかという思いがありますから、今のような表現をとらせていただいている、そのように御理解いただきたいと思います。 ◆加藤たいき 委員 いずれにしても、この短期間で基本構想自体から少しずつずれてしまっている中で、このプロポーザルで出された基本的な考え方を遵守せざるを得ない状況が何なのか、私には理解できておりません。  児童相談所の移管のように、地方分権が先々ないとは言えませんし、逆に進むと私は思っています。そうしたときに、庁舎が手狭になり、結局、ノバビルだったり、城山分庁舎、産業プラザのようにまた近隣に借りる、それを懸念して今発言させてもらっています。  現に、今の庁舎を増築していった過去を振り返ると、一九六〇年に第一庁舎ができて、その次、一九六九年に第二庁舎、それで第三庁舎が一九九一年にできたという、これは同じような道をたどるとしか私は思えないんですよね。そもそも来月の四月から職員数が、基本構想で策定した二千八百三十一人と想定していた人数をもう既に超えてしまうというところもあわせて、なぜ遵守しなくていけないのかというところもあわせて、遵守せざるを得ない状況を踏まえて教えてください。 ◎宮崎 副区長 その職員数の問題ですけれども、先ほど、基本構想のところでは確かにおっしゃっている数字をお示しさせていただいていますが、今般は三千百人という数字です。この間も議会のほうからもいろいろ御意見をいただいていく中で、長期にわたってこの庁舎を使っていく中で、それで本当にリスクはないのかということについて、再三御指摘もいただいています。  その中でもう一度、では、我々としては増減を含めて整理した中で、今般、三千百人という数字をお示しさせていただいて、これでまた改めて御議論いただければと思っています。 ◆加藤たいき 委員 でも、次にこの基本設計方針に対して議論できるのは補充だけになってしまいますよね。  時間も大分たってしまったので、保存再生のほうに話は行きますけれども、区民会館の保存再生にこだわる理由が、先ほど申し上げたとおり、私はいまだに理解ができていません。当初から改築に踏み切っていたら、仮庁舎をあの場所に建てることができて、別途、北沢保健福祉センターのような予定地を考えなくても済んだのではないでしょうか。  もし仮に区民会館を改築することになり、日影規制を考慮した上で区民会館の上部に建物をつくる場合にはどれぐらいの面積があるのか、保存再生のケースとあわせて面積を出してもらえたらなというふうに思います。いかがでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 区民会館ホールの恐らく上部の部分だと思いますが、どの程度の空間が確保可能かというのは検証を行っておりません。ただ、日影等の法的な規制を踏まえますと、五階から六階の一部に一定程度の床が確保できるものではないかというふうに考えております。 ◆加藤たいき 委員 ぜひ数字を出してもらいたかったんですけれども、恐らく区民会館側から第二庁舎のほうに段々と階段のように下がっていくような形になるのかなと思うんです。アクセスが区民会館と本庁舎とは違う動線図をつくって、区民会館を広くとっておけば、執務スペースが足りなくなった際には代替できますし、区民会館のように広く区民が集える場所であれば、控え室や集会所、練習場など、あらゆる可能性が生まれます。区民会館と庁舎を大きくつくっておくことは、区民の理解を得られないはずがないと思うんですが、そこら辺をどう考えているんでしょうか。 ◎秋山 庁舎整備担当課長 今回、素案でお示ししました六万九千平米という規模でございますが、基本構想策定後の、今、委員からありました職員数、集約施設、駐車場、駐輪場の変化を踏まえまして、そしてまた、これも御指摘をたくさんいただいております災害対策本部会議室、オペレーションルームなどの災害対策機能、そして区民交流の関係のスペースを拡充いたしまして本庁舎等の規模を適正に修正しておりますので、この六万九千平米という規模については適正なものと考えております。 ◆加藤たいき 委員 でも、人口増加が見込まれている中で、人口推移もどんどんふえていくと、世田谷区は出していますよね。それなのに保存再生しなきゃいけない理由というのは、やっぱりそれがプロポーザルの中で生きたからこそ、これが生きているようにしか思えないですよね。  それで、先ほど、おぎの委員からもあったんですけれども、区民会館は耐震基準のⅡ類というのも、正直、私はまだ納得していないですし、二軒長屋だったりが耐震性がない中で、一方を耐震化しても、耐震されていないほうに引っ張られてしまうという話も聞いているので、Ⅰ類とⅡ類を並べてつくってしまったら、Ⅱ類のほうに引っ張られてしまうんじゃないかなというふうに思っています。  最後に、庁舎の東側のバス停留所について聞いていきますが、現状、バスを数台が待てるようなつくりになっていますが、この区有地を一体どういう形にしていくのか伺います。 ◎青木 施設営繕第二課長 本庁舎等整備基本構想では、現在の本庁舎敷地の南東角にある路線バスの起終点となる折り返し所において、誘導員によるバック入庫の形であるため、歩行者との錯綜等が課題になっていることから、バスベイを東側道路に沿って配置することとしておりました。  佐藤総合計画の提案では、バスベイ等を現在の第一庁舎の東側道路に沿って新たに整備し、現在のバス折り返し所は、来庁者のアプローチとすることが提案されております。区といたしましては、佐藤総合計画の提案を踏まえ、今後、バス事業者、交通管理者等と協議してまいります。現在のバス折り返し所については、松陰神社前駅からの歩行者のメーンアプローチとして整備するなど、基本設計の中で詳細に検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 松陰神社前駅側からの玄関になるわけですから、防災観点も含め、広場、公園のような緑を配置した区民の入り口をつくってもらいたいと思います。  庁舎は補充に任せて、次に行きます。予算のつけ方について聞いていきます。  先日の私の一般質問の不妊治療での答弁で費用対効果の検証が必要だという言葉がありました。確かに必要な観点です。しかしながら、裏を返すと、国の動向と世田谷区は少し違いますが、日本では、少子化と言われている中で出生率を上げる、後々の生産人口世代をふやさないといけないこと。また、家族をつくりたいという気持ちに費用対効果という言葉が適当でしょうか。  費用対効果という観点でいえば、先ほど、おぎの委員も言っておりましたが、例えば若者支援事業は、今年度は約二億四千六百万円、三年が終わり、予算を拡充し続けております。昨年度から一億円以上ふやしましたが、ある一定の成果があったのか、それを踏まえて拡充したのか。所管外なので、事業内容というより、なぜ拡充をするべき見解になったのか伺います。  新実施計画(後期)でも、若者交流と活動の推進で、三十年度三千四百万円、三十一年度七千五百万円と倍額と記載されていますが、検証や成果が見えていない中で、私はこの予算のつけ方に違和感を感じています。  これ以外にも、東京都の中にある特別区である世田谷区、先日、弘前市との話もありましたが、弘前のエネルギーを物理的に世田谷区に持ってこられるわけではないので、こういったエネルギー施策は必要でしょうか、私は疑問です。総じて言えることですが、区がつけている予算には費用対効果の検証が行われているという認識でいいのか伺います。  行政という性質上、私は費用対効果だけで事業が成り立っているとは思いませんが、実数の把握や検証、振り返り、目標値、引き際、そういったものを出したものに予算づけ、予算の裏づけをすべきだと思いますが、見解を伺います。 ◎加賀谷 財政課長 三十年度予算編成の中での査定の取り組み方の御質問がございまして、当然、庁内にお示しする段階では、事業手法の改善、不断の行革の取り組みをお示ししまして、決算状況、執行率、執行残額の発生要因を把握した上で、それぞれの事業目的に応じました実施状況、あるいは翌年度の事業計画、当然費用対効果の視点も踏まえまして徹底した精査を行ってございます。さらには、各種事業計画、区の実施計画との整合性という観点も踏まえた上での予算編成とさせていただいてございます。
     それで、先ほどその中で御指摘がございました、例えば若者支援事業の中での増額の状況でございますが、来年度、希望丘の青少年交流センターの開設が二月に行われる予定でございます。それに伴いまして、三十年度も整備費と運営費、維持管理費等々を含めました経費が含まれている関係で、御指摘の金額が増額となっているものでございます。  当然費用対効果ですとか事業内容を見る上では、単年度でなかなか成果が見えない部分がございますので、ヒアリングを重ねながら、その中での事業の進捗状況等々を確認いたしまして、一定程度の判断をした予算としてございます。 ◆加藤たいき 委員 この若者支援事業なんかで言うと、九十万人が住む世田谷区で予算の約一%を使って、実数を把握していない、進んでいるんだか進んでいないんだか、どれぐらい仕事についたのかというところも実数が私のところには届いていないんですけれども、そういう進んでいるんだか進んでいないんだか不透明な事業の予算をどんどん拡充していくということは、私は違和感を感じます。  行政で行うべき仕事、民間に任せてよい仕事というように、行政で行わないでよい仕事があります。また、ある程度時期を見て、検証を踏まえた上で、先ほど単年度ではなかなか切れないという話がありましたけれども、数年間やっている事業でも不透明なものはたくさんあると思うんですよ。そこら辺の線を切って事業廃止を、政策経営を部中心に考えているとは思うんですが、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。  これは一般質問でも言ったんですけれども、平成二十四年度から二十九年度の五年間にわたり、新規事業六十一億二千六百万円に対し廃止事業三億三千百万円と、区長の意向もあってなかなか切れないのかなという印象が続いています。とはいえ、今年度、基金を大きく切り崩している中で大型事業が幾つも控えており、世田谷区の先々の財政事情は楽観視できないのではというふうに危惧しております。事業が肥大化している印象が私にはあるんですが、このままだと行き詰まるのではないでしょうか。  毎年、過去最高の予算を計上している世田谷区ですが、予算の社会的増を踏まえた上で、毎年、区の新規事業はこのままふえていき、事業をやめないと、いつか歳出が歳入を超えてしまうような気がしてしまっています。そういう補助金とかのね。  このまま事業がふえていくのであれば、いつこれが財政破綻、世田谷区、年度が出せるのであれば出してもらいたいなというふうに思うんですが。 ◎加賀谷 財政課長 先ほど、若者支援のところでの数字がございましたので、ちょっと補足させていただきますが、私の手元にある数字としましては、昨年度の延べ件数でございますけれども、約二千四百七十六件の相談対応の件数がございまして、そのうちのケースとして、最終的に終結したというケースが四十六件ございます。他機関へつながったものですとか就労につながったもの、さまざまでございますが、相談を受ける中で、それぞれの特性が改めて明らかになってつながっていっているというところでございました。この間、査定を行う中で、そういった状況は確認して把握しているものでございます。  それで、今後の状況になりますが、この間も行政経営改革を当然並行して行ってきております。電算関係ではクラウドサービスのシステム運用経費の削減ですとか、公共施設の関係は、複合化、学校改築をあわせた仮設校舎の抑制等々を行ってございます。今年度、先ほど御指摘がございました環境啓発イベントの整理だけというわずかでございましたが、そういった重複事業の整理も行ってございますので、今後、中期の財政運営を見通した上では、新たな事業評価の分析も活用しながら、新公会計制度のコスト把握もあわせて活用して、持続可能な財政運営に取り組んでいくということを計画的に行っていきたいと思っております。 ◆加藤たいき 委員 事業の見直し、総事業の点検というのは、熊本区政から行っていないと聞いているんですけれども、これはどれぐらいの期間行っていないのか、また、なぜ行っていないのか、ちょっと教えてください。 ◎加賀谷 財政課長 御指摘のとおり、かつて全事業点検を行ったことがございます。それからしばらくは、その後のリーマンショックの影響、厳しい収入の状況を受けまして、また、事業の見直しということは、この間、大きな取り組みとしてございました。それとあわせまして行政経営改革も並行して取り組んでございますので、その時々の効果額という部分では、多少規模の違いはございますが、引き続き行っているということでは取り組んでいると。また、後期計画の中でも、先ほど議論がございましたけれども、四年間の取り組みということでは十の視点、柱をお示ししまして取り組んでいくということとしてございます。 ◆加藤たいき 委員 どれぐらい行っていないか。熊本区政になってくると、保坂区政が今、丸七年ということで、それ以上はやっていないということで、大変でしょうけれども、ぜひやってもらいたいと思っております。  行政改革の取り組みで、来年度十七億四千万円の効果があるとのことですが、大きく占めるのが公共施設管理計画で十二億二千九百万円で、改築時期の延伸など、これは問題の先送りで、いつかは行わなくちゃいけない案件だと私は思っていて、これが行革なのかなというふうに違和感を感じています。  余り持ち時間がなくなってきたのでどんどん行きますけれども、本庁舎の件もそうですが、いろいろなものが既定路線に乗っかっていって、議会の前をさっと通り過ぎてしまっているのではないかなと。私の杞憂であってほしいんですが、歴史や過去というのは非常に大事にしなくてはいけないというふうに思っておりますが、今現在というのは未来のためにあると思っておりますので、厳しい判断があると思うんですが、ぜひ未来のために考えていただきたいなというふうに思っております。  最後に、入札関連の一般質問で質疑してきたものをしていきたいんですけれども、この件で、安間課長にはおつき合いいただき、お世話になりました。間もなく退職されるとのことで、本日、自民党が最後のブロックになりますので、安間課長の質疑も最後になるかなというふうに思うので、よろしくお願いいたします。  再三、積算を第三者機関にチェックしてもらい適正な金額を出すべき、誤りは事業者に負担がかかると発言してきました。なかなか特効薬的なものがこの案件で見つからない中で、一歩一歩着実に進めるべく質問してきたつもりです。  今年度、予算をとり、一年半前に一般質問した設計積算検証業務がようやく実施され、先日の常任委員会で報告がありました。いつやるのか、いつやるのかと見守ってきたわけですが、この検証業務はある一定の期間を設けないといけないために、所管の方々はさぞ苦労したと思います。実施されたことを一定の評価はいたしますが、報告内容を見る限り、十分な対応とは言えないのではないでしょうか。まずはこの検証業務の振り返りと今後の積算の適正化について伺います。 ◎安間 施設営繕第一課長 公共工事を発注する側の責務として、今回、さらに区が発注した建築設計業務委託の成果品に対する、第三者による積算検証業務を行いました。この結果を踏まえて、今後の建築設計積算業務における精度の向上を検討するための材料とすることとしました。  業務内容は、設計業務の中で作成された内訳書の数量に誤りがないか、第三者により調査を行うものであります。その第三者による総括的評価として、全体としては許容誤差の範囲内であると判断できるという見解をいただいております。このことからも、数量の拾いには一定の誤差が生じることはやむを得ない面もあり、適正な範囲と評価をいただいたところですが、注意すべき事項もございました。  そこで、今後の方策として、設計事務所に対しては、積算委託仕様書に区の積算で求める基準や水準を明示すること、建築積算士の関与によって積算精度を高めることなどを、職員に対しては、今回の数量検証をお願いした日本建築積算協会を通じて積算の研修を実施することなどを検討しており、今回の積算検証結果をより効果的な形に発展させて、継続的に実施してまいります。 ◆加藤たいき 委員 積算検証業務は今年度で終了とのことですが、一つ、個人的にすごく残念なのが、それぞれ二件の対象案件を行った設計事業者に設計積算検証をしますと伝えていたことです。いつも以上に気合いを入れて精度を高めて非がないようにするのは、邪推になってしまうんですが、そんなことを考えてしまいました。  区としては、この新たな取り組みの総括として次へのステップが広がったとのことですが、この材料をしっかりと次年度以降につなげていただきたいと思います。先ほどの答弁の中でも建築積算士の活用をしていくとのことですが、具体的な活用法は考えているのでしょうか。 ◎安間 施設営繕第一課長 建築積算士は昭和五十四年に発足した民間資格で、建築生産過程における工事費の算定並びにこれに附帯する業務に関する専門家で、高度な専門知識及び技術を有する者ということになります。積算の資格として一般的に認知されているのは建築積算士です。  この資格を活用することとした理由でございますが、建築積算士は国土交通省の建築数量積算基準に従って建築数量の算出を行うための資格で、資格者数は、平成二十九年四月現在で約一万一千人となっております。世田谷区が発注する建築設計にも継続した対応が十分できると期待しております。  建築積算士が区の積算にどのように関与していただくかについては、資格を発行している日本建築積算協会との協議が必要かと考えております。積算検証業務のように図面を見せてゼロから積算してもらう方法や、積算事務所が作成した数量積算の成果品を再チェックする方法、あるいは設計事務所に対し数量積算の作業を、建築積算士に限定して委託する方法もございます。  いずれにいたしましても、建築積算士の活用は他の自治体ではまだ余り実例がないことでもありますので、その効果が最大限発揮できる方法を検討してまいります。 ◆加藤たいき 委員 ほかの自治体では余り実例がないとのことですが、国では活用しているとも聞いていますので、そこも踏まえて、世田谷区でも進めていただきたいと思います。  いずれにしても、総じて言えることですが、これからの建築業界の健全な環境整備を、区としても推し進めていくのが大前提だと思います。今回の取り組みで公益社団法人日本建築積算協会と初めてかかわって、この協会は民間と競合するような仕事を受けない方針とのことで、中立性が担保されるはずです。積算の講師とかだけではなくて、年に振り返りという部分を含めて、積算の顧問監査みたいな形の役職をぜひ考えていただきたいなというふうに思います。意見になりますので答弁を求めませんが、来年度、協会側とぜひ相談していただきたいと思います。  安間課長、お疲れさまでしたということで、私からの質疑を終え、石川ナオミ委員にかわります。 ◆石川ナオミ 委員 これまで、おぎの委員、そして加藤委員が冒頭で庁舎問題を取り上げましたので、私もと言いたいところでございますが、私は別の議題で質疑をしてまいります。  ただ、ここまでの御答弁を伺っておりましても、この庁舎整備につきまして、できる、できないという、この二者択一のところでできない理由を考えている、できない理由の答弁を一生懸命言っていらっしゃるというように聞こえてしまうのが非常に残念でなりません。この庁舎問題につきましては、我が会派でも、この後、補充でも質疑をしてまいりますので、どうか誠実に御答弁いただきたいというふうに思っております。  では、区内における防犯について伺ってまいります。  まずは、この防犯につきましては、他会派からも既にございましたが、依然被害件数、被害額が大きい特殊詐欺について伺ってまいります。  平成二十九年の区内における特殊詐欺の被害状況は二百十六件ということで、その額がおよそ五億四千七百万円ということでございました。その被害を最小限に食いとめようということで、区内でも自動通話録音機を貸与しておりまして、昨年は五百台貸与でしたけれども、昨年の十一月には既に在庫がもうなくなってしまうという状況になってしまいました。追加注文もあったという経緯も伺っておりますが、来年度は予算額の中にも七百台分の通話録音機を計上しているということでございます。ただ、被害が拡大してきている点から鑑みましても、もう少しこの貸与する台数をふやしてもいいのではないかなというところも考えられます。  そこで、この自動通話録音機に焦点を当てて伺ってまいります。平成二十九年の被害額、先ほども申し上げましたが、五億四千七百万円と、額ではやはり大きいです。その前の年、平成二十八年はおよそ三億三千万円ということなんですね。つまり、この自動通話録音機を導入しても、前年よりも被害件数がふえたということ。これはどういうふうに原因を分析していますでしょうか、答弁を求めます。 ◎加藤 危機管理担当課長 急増の原因としましては、手口の変化が一因と言えると思います。オレオレ詐欺の語源ともなります、お子さんやお孫さんなど身内をかたった手口から、ここ数年では、デパート店員や銀行関係者など身内とは無関係な人物に成り済ますなど、新しい手口がふえていることが挙げられると言えます。 ◆石川ナオミ 委員 次々に新手の手口が出てきているということでございますが、最近の手口としてはどういうものがありますでしょうか。また、自動通話録音機の効果についても伺います。 ◎加藤 危機管理担当課長 平成二十九年の急増ということを考えますと、二十九年下半期ころから目立ってふえておりますのが、警察官に成り済ました犯人が、詐欺グループを捕まえたら、あなたの個人情報を持っていたなどとうその電話をかけ、捜査協力を求めるふりをして、別の警察官役が被害者宅を訪問してキャッシュカードをだまし取り、口座から現金を引き出す手口です。また、区役所職員などをかたって、還付金があるなどとうその電話をかけ、ATMを指示どおり操作させ、犯人側の口座にお金を振り込ませてしまう手口も依然として多く発生しております。 ◆石川ナオミ 委員 つまり、この自動通話録音機は、そうしたことにも効果があったということでしょうか。 ◎加藤 危機管理担当課長 失礼しました。先ほどの委員の質問でお答えするのを失念しました。録音機の効果なのですが、区内で設置している世帯において被害が発生しておりません。設置効果は極めて大きいと言えます。 ◆石川ナオミ 委員 確実に効果があったということ、見られるということなわけですよね。そうしましたら、これをもう少し導入していくことを検討していくということも一つでございます。例えば大田区では来年度三千台分、そして荒川区では一千台分を貸与するということで予算が組まれております。  世田谷区は九十万都市であり、高齢者人口も多いということもありまして、また、昨年は足りなくなってしまったというようなこともありました。そうしたことでも、来年度も七百台分で足りるのかなということが懸念されるところでもございます。財源にもよりますが、区民の生命と財産を守るということ、高齢者の方々を守るということも含めまして、貸与台数をふやすなどの対策は必要なのではないでしょうか、改めて今後の取り組みについて伺います。 ◎加藤 危機管理担当課長 三千台や一千台も購入する自治体があることを考えますと、人口の多い世田谷区が七百台という数字が少ないことは否めません。警視庁の見解にもありますとおり、録音機が被害防止に最大の効果があることは確かですので、今後も可能な限り台数をふやしていきたいと考えております。  一方で、自宅の電話を日ごろから留守番電話設定にするなどして、犯人からの電話に出ないことも効果的と言われておりますので、このような対策の区民周知も一層行ってまいりたいと考えております。 ◆石川ナオミ 委員 啓発も一緒にしていかなければならないというところでございます。  ところで、この自動通話録音機を設置したお宅の方から、ふぐあいが生じてきているというようなお声も上がってきております。これまで、設置した後にそういったお声を聞いているのでしょうか。  そこで、こうした録音機の利用アンケートなどを行いまして、より安心に使っていただけるような、そうした取り組みをしてはいかがかなと思いますが、見解を伺います。 ◎加藤 危機管理担当課長 障害が報告されたケースもありますが、ある程度の障害ケースを把握して解消している一方で、まれな障害ケースにあっては、メーカーにサポートをさせております。  委員御提案の利用者アンケートにつきましては、録音機の効果や改善点をこれまで以上に具体的に把握する有効な手段であると考えますので、実施する方向で進めさせていただきます。 ◆石川ナオミ 委員 アンケートなど、より手間がかかるのですが、やはり区民の皆さんの声をしっかりと受けとめて、改善策を講じていただきたいと要望しておきます。  ところで、昨日、下の娘の小学校からメールがありまして、緊急度が高いときに送られてくる緊急連絡メールがあったんですね。それはどういったものなのかといいますと、学校の周辺に変質者が出たということで、そのメールの中には、どういった方か、年齢ですとか身なりとか、どう声をかけてきたかというようなこと、具体的なものが書かれてありました。そうしたことで、私たち保護者も気をつけなければいけないなということで、子どもたちとの話もできますし、また、地域の中でもそうした見守ることがより強化できるということでは、非常にこれはありがたい情報でもあろうかと思います。  ただ、やはりこの御時世、隣の方は誰が住んでいるかわからないといった、コミュニティーがなかなか希薄になってきている中で、こうしたお互いに見守るということがなかなかできない中、地域の目として一役を買っているのが防犯カメラでもございます。ちょっと無理なこじつけでもありますが、その防犯カメラについて伺ってまいります。  既に町会ですとか自治会、商店街などからも御要望が多く上がっております。来年度は、商店街では十団体、また、町会・自治会では十八団体に設置予定ということです。この防犯カメラは、犯罪を抑止するだけではなくて、事件解決への手助けにもなっているということでもありますから、治安の向上にも非常に役立っているということが言えると思います。  そこで伺ってまいりますが、世田谷区で防犯カメラがあったことで事件が解決につながったケースという、最近の事例を御紹介ください。 ◎加藤 危機管理担当課長 区内四つの警察署で、防犯カメラの画像が決め手となり、検挙に至ったケースは多数あります。平成二十九年中の特異なケースを紹介させていただきますと、北沢警察署では、店舗内の強盗致傷事件の犯人を、商店街の防犯カメラ画像の捜査により検挙しております。また、先ほど委員からお話しのあったような事案の類似の事案としては、成城署では、痴漢や公然わいせつを一カ月に計二十六件に及んで連続敢行していた犯人を、町会や商店街等の防犯カメラの画像の捜査により検挙しております。 ◆石川ナオミ 委員 未然に防ぐということ、また、事件が起きた後も事件の解決につながっていくということでは大きな手だてになっていく防犯カメラでもございます。また、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けても、やっぱり町の安心安全を守っていくということにおきましては、防犯カメラの設置をさらに進めていかなければなりません。  ただ、防犯カメラを希望しましても、予算が確保できなかったため、翌年に見送られてしまったというケースもあると聞いております。こうした課題にはどう向き合っていくでしょうか、答弁を求めます。 ◎加藤 危機管理担当課長 来年度は、希望されています全ての団体が整備を行えるだけの予算を要求させていただいているところです。危機管理室としましては、犯罪抑止や事件検挙のため、来年度以降も一団体でも多く、一台でも多く街頭防犯カメラの普及を推進してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 また、防犯カメラにおきましては、公園などへの設置ということが求められるかと思います。おととしなんですが、自動販売機の設置によって、予算なしで、持ち出しなしで防犯カメラが設置できますよというスキームを取り上げて、私も議会でも御紹介させていただきましたが、実際にもうこれを導入してくださっている、台数もふえてきていると伺っておりますが、現状はいかがでしょうか。 ◎加藤 危機管理担当課長 平成二十八年の第一回定例会で委員から御提案のあった公園への防犯カメラの設置につきましては、平成二十八年度に世田谷公園に六台、平成二十九年度には羽根木公園など三つの公園に九台を設置し、現在、四つの公園で十五台の防犯カメラを運用しているところでございます。  世田谷公園では、平成二十八年に四件であった自転車盗難が、防犯カメラの設置後の平成二十九年はゼロ件であり、防犯カメラの設置が減少の一効果であるとも考えられます。  今後も関係所管や区内警察署と協議し、プライバシーなどにも配慮し、必要が認められる公園の防犯カメラの設置に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 世田谷には大小さまざまな公園がありますが、これまで防犯カメラの設置がなかったということもございましたので、これからより安心安全が守られていくためにも、やはり公園などへの防犯カメラの設置は進めていただきたいと思います。  さて、次に、公契約について伺ってまいります。  区が発注する小規模な業務、例えば測量ですとか修繕工事などの五十万円以下の業務につきまして発注したものに関しましては、事業者の事務的な作業などの簡便化、手間をかけないといったことなどを考慮して行われます小額契約として請書兼請求書というものがございます。こちらに今、私も実際に請書兼請求書というものを持っておりますが、これは、事業者が区と契約を結ぶ際に、実際にどういったものがかかったのかということ、金額なども記入をして、そして次ページ、二枚目には納品書兼完了届というものもついておりまして、複写になっておりますから、これは一枚で契約が完了してしまうという非常に簡便化が図れるものでございます。  本来は物品購入としてこの請書兼請求書という書類を提出するものなんですが、測量ですとか修繕工事など五十万円以下の業務でも、この書類を提出すると、そこで契約がされるということです。  ただ、ここ数年、資材ですとか人件費がだんだん高くなってきている中で、区内の測量ですとか修繕工事の事業者は、その作業が例えば五十万円以上、六十万円、七十万円かかっても、この請書兼請求書を使って契約をしなければならないというような現象が起きてきている、厳しい状況がありますということを、数社からお声をいただきました。区としても適正な積算ですとか価格で発注すべきではないかというふうに思われます。  そもそもこの規定額である五十万円以下というのはいつ設定されたものでしょうか、これまでの設定額の経緯なども伺います。 ◎山田 経理課長 五十万円以下の少額契約は、区長から契約権限の委任を受けた所管課長が契約を締結するものであり、世田谷区契約事務規則に定める随意契約の一つでございます。  五十万円以下という金額がいつ設定されたかというお尋ねですが、地方自治法施行令の改正を受け、昭和六十一年四月一日に契約事務規則を改正し、適用しています。それ以前の設定額は三十万円でした。 ◆石川ナオミ 委員 昭和六十一年に三十万円から五十万円に引き上げたということですよね。そういった経緯があるということです。ですから、昭和六十一年ということは、もう三十年以上ずっとこの五十万円以下という設定額で、事業者の皆さんは契約をされてきているということなわけですね。  消費税がこれまでも三%、五%、八%というふうに導入されてきておりますが、消費税込みの金額で請け負っていると。今後、この消費税が一〇%になるということも予定されておりますので、そうなれば、事業者の方としても厳しいのではないかという声もございますが、こうした声をどのように考えますでしょうか。 ◎山田 経理課長 お話にありましたように、一般的に契約金額は本体価格に消費税相当額を加えた合計額となります。したがいまして、消費税が増税となれば、増税分の消費税相当額は契約金額に含まれることになります。このため、今後、消費税率が一〇%に変更された後に、区が五十万円以上かかる仕事を五十万円を超えないような金額で請け負わせているという声が聞こえてくるようであれば、事業者に対して価格面で不利益を及ぼすだけでなく、低価格による粗雑履行などを招く恐れもあり、公契約条例の着実な取り組みを進めてきた区の施策に逆らう行為であり、あってはならないものであると考えております。 ◆石川ナオミ 委員 これは見直しの検討などもしていただきたいと思います。  ちなみに、調べてみましたら、二十三区内でも八つの区では八十万円以下という設定をしている区もございます。今後、世田谷区としてもこの設定額の見直し、調査検討についてはいかがでしょうか、答弁を求めます。 ◎山田 経理課長 他の二十二区の状況を見ますと、所管課に委任していない区が一区、五万円、十万円、二十万円としている区がそれぞれ一区、三十万円としている区が五区、五十万円としている区が世田谷区を含めまして六区、八十万円としている区が八区ございます。  昨年度の特別区の経理課長会では、これらの金額の各区での見直しが話題になったとの引き継ぎを受けております。その段階では、直ちに見直しを行うとしたところはなかったとのことですが、今後、地方自治法施行令の改正など状況の変化が起きた際には、他区の動向も参考にしながら適宜適切に対応してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 また検討をお願いしたいと思います。  続いても契約関係について伺います。決算特別委員会でも取り上げました公共工事の平準化についてでございます。  三月、年度末も道路工事が非常に多いというようなことがありまして、こうした工事の年度末への集中を避けるために、発注・施工時期などを平準化して、やはり区民の皆様にもそうした不満などがないようにしてはどうかという提案をさせていただきました。実際、決算特別委員会では検討していきますという御答弁でもございました。  そこで伺いますが、公共工事の平準化について前向きに検討するということ、その後の取り組みはいかがでしょうか。 ◎山田 経理課長 決算特別委員会での御提案を受けまして、道路工事の起工課である土木部所管では、これまでの計画よりも設計及び積算作業等を前倒しすることによって、来年度分の工事を今年度内に発注する、いわゆるゼロ区債、ゼロ債務負担行為を活用した工事発注を行い、さらなる工事の平準化を図るよう取り組んだと聞いております。 ◆石川ナオミ 委員 実際に平準化によりましていろんなことが期待できるかと思いますが、どういったことが挙げられるでしょうか、答弁を求めます。 ◎山田 経理課長 来年度分の工事を今年度内に発注するゼロ債務負担行為を活用した工事発注は、工事期間が二月二十二日から六月十二日までの成城六丁目、同じく二月二十二日から七月八日までの下馬六丁目、三月一日から七月二十五日までの北烏山四丁目の三カ所の工事案件で実施されること、また、これらのほかにも、四月、五月の年度早々での工事発注も予定されると聞いております。  これらの平準化によりまして、入札の辞退が減り、不調案件が減ること、これらの案件に関しての起工課の職員、また、経理課の契約担当、検査担当の職員の事務にかかる所要時間が減少すること、工事事業者に余裕ができることで、工事の履行状況も向上すること。結果といたしまして、区民が当該区間の道路を快適に利用することができるようになることなどが期待されております。 ◆石川ナオミ 委員 まさに働き方改革ですね。平準化をすることによって、やはり心の余裕も生まれてきますし、質の高い、向上できる、そうした仕事にも取り組めるということですので、ぜひここは進めていっていただきたいというふうに思います。  四月、五月に水道管などの作業が多いということも伺っております。平準化による区内の今後の工事の取り組みについて伺います。 ◎山田 経理課長 工事の平準化を目指した区の取り組みによりまして、お話しのありました水道工事など、関係企業者への影響も考えられますが、所管課からは、平準化のスケジュールに合わせての工事が行われるよう、区と関係企業者が一堂に会して調整を行う道路工事調整会議などの場を通じて調整を図っていくと聞いております。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、最後は行政改革について伺います。  効果額ということにつきましては、先ほど、おぎの委員からも質疑がございました。私も実効性のあるものかどうかということで伺ってまいります。ここでは、行政改革の取り組みの中でも、区全体のエネルギーの使用量削減として効果額が二千九百万円と挙げられているんですが、こちらについて伺ってまいります。  この分野は、実は環境面でもありますので、区民生活領域ということになりますので、私はここでは、企画総務領域としましては、区が進めていますESCO事業について伺ってまいります。このESCO事業は平成二十五年からの取り組みということなんですが、改めてどういった事業なのか教えてください。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 ESCO事業とは、民間の企業であるESCO事業者が建物の省エネルギーに関する包括的なサービスを提供することにより省エネルギーを図り、さらに削減効果を保証することで、確実に施設運営費の削減を実現するものです。具体的には、ESCOサービス提供期間、原則三年において光熱水費の削減を図るため、運営、維持管理等、サービス提供業務料を支払って削減額を保証してもらう仕組みです。  新実施計画上は、光熱水費削減予定額からサービス提供業務委託料を差し引いた額を削減効果額としています。なお、ESCO事業終了後はサービス提供業務料の負担がなくなり、光熱水費削減額が全て効果額となります。 ◆石川ナオミ 委員 これまではどのような施設に導入してきたのでしょうか。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 ESCO事業の対象として考えられるものは、水、電気、ガスなどのエネルギーを大量に使用する施設で、かつ、施設などの機器が老朽化し、設備機器、空調等の制御のシステム等を含め見直し、改修を行うことにより、光熱水費が大きく削減できる可能性がある施設です。これまで、平成二十五年度の総合運動場の温水プールなどを初め、北沢タウンホール、玉川中学校温水プール、大蔵第二運動場の四施設で導入してまいりました。 ◆石川ナオミ 委員 では、これまでの具体的な省エネの取り組み内容についても伺います。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 取り組み内容といたしましては、空調設備の高効率化や照明のLED化などの設備のハード的な省エネルギー改修を行うとともに、エネルギーの削減目標を設定し、設備の運転指導や効果の計測、検証まで責任を持って一貫して行うことで、省エネルギー効果の実現をより確かなものとしております。 ◆石川ナオミ 委員 では、来年度の導入施設はどちらでしょうか、どれくらいの水光熱費の削減が期待できるのでしょうか、見解を求めます。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 来年度、世田谷美術館で導入する予定で、四百二十万円の光熱水費の削減を見込んでおります。なお、金額的な効果だけでなく、ESCOサービスを導入した契機に、施設運営者の省エネルギー意識の向上や、利用者の室内環境の快適性に配慮するなど、相乗的な効果を図ることが期待できます。 ◆石川ナオミ 委員 新実施計画の中で、平成三十年度、来年度は、冒頭で申し上げましたが、この削減効果額が全体ではおよそ二千九百万円というふうになっているわけですね。ESCO事業の効果額としてはどのぐらいなんでしょうか。
    ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 平成三十年度は、新規導入の世田谷美術館の光熱水費削減予定額約四百二十万円で、事業者へ支払うサービス提供業務料約二百七十万円を除いた約百五十万円を効果額としております。なお、サービス期間の三年経過後は、サービス提供業務料がなくなり、光熱水費削減額の見込み額四百二十万円全額が毎年の継続的な効果として享受できます。 ◆石川ナオミ 委員 伺って、ちょっと素朴な疑問だったのですが、お答えできるようだったらお答えいただきたいのですが、つまり、二千九百万円のうちの効果額が百五十万円ということでございますよね。そうしますと、行政改革の中での効果というのは、二千九百万円のうち、残りの二千七百五十万円は別のところで削減ができるということで見込まれているわけなんですね。 ◎窪松 公共施設マネジメント推進課長 今回、エコの取り組みということでLEDなどの改修などもやっております。街路灯のLEDなどもやっています。そういうのを合わせて、三十年度の効果額として二千九百万円を掲げており、来年度実施する美術館の分として百五十万円を効果額として取り上げております。 ◆石川ナオミ 委員 エネルギーの削減ということで消費量を削減しても、それは当然やっていかなければいけないのですが、職員の皆様ですとか、この行政サービスというところでは、区民の皆様に対してはエネルギーは削減してほしくないなというふうに思うんですね。  やっぱり職員の方々も、区民の皆様に対してのサービスの質の向上、顧客満足度を上げていくということですとか、より施設を利用しやすいものにしていくということ、常に工夫と努力をしていただきたいということ、そうしたことを要望いたしまして、私の質疑を終了といたします。  続いて、ゆさ委員にバトンを渡します。 ◆ゆさ吉宏 委員 それでは、引き続き質疑をしてまいります。  私も一昨日、確定申告に行ってまいりました。理財局長から国税庁長官に転じた佐川さんのことがいろいろ報道されておりますが、今度は財務省、正確には近畿財務局の決裁文書が書きかえられたのではないかという話が出てきております。財務省というのは役所の中の役所と言われておりますので、にわかには信じがたい話ですが、ここまで来ると、近畿財務局が吹っ飛ぶか、報道したメディアが吹っ飛ぶかというところまで来ていると思います。  ないものをないと証明するのは非常に困難で、悪魔の証明とも言われますが、今回の場合、立証責任はあるという立場にあるメディアのほうで、いずれにしても明らかにしなければならないし、万が一にもあってはならないことです。  翻って、世田谷区において決裁文書が書きかえられるようなことはないか、そもそも書きかえることは可能であるかどうか、伺います。 ◎大塚 区政情報課長 お話しのとおり、現在、国会におきまして、森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の問題が議論されておりますが、昨日、区長が他会派の御質問に答弁しましたとおり、公文書の書きかえなどはあってはならないことは言うまでもございません。  区では、文書管理規程に基づきまして、組織として適正に文書を管理しておりますので、区において決裁文書の書きかえなどということはありませんし、できません。 ◆ゆさ吉宏 委員 私も、書きかえなんてあり得ないことですし、役所というのはそういうものだというふうに思っています。  私の父は宮崎県庁の職員でしたし、私は金融出身ですけれども、例えば融資をする際の稟議書が書きかえられるなんていうことはあり得ないことです。一方で、メディアの報道も捏造や印象操作などはあってはならないことですし、大変危険だと。我々もそういった類いの話に踊らされてはいけないというふうに思っています。安倍内閣が憎い、安倍内閣を倒したい、それが社是だということなのかもしれませんが、精度の低い情報をもとに記事を書いたら、かの国の大統領からフェイクニュースと言われるだけだと思います。  さて、話は変わりまして、さきの一般質問では、小さな政府で大きな行政サービスをというテーマで質問いたしました。今後、歳入はふえないが行政需要はふえるという厳しい将来が予想される中で、区財政の持続可能性をいかに確保するか。  その解決の一つの方向性として、身の丈に合わない公共施設を売却し、持たない経営を志向すべきだと申し上げてきました。歳出を削る行革ももちろん進めなければなりませんが、削ることができないサービスも多い以上、行政の外にある社会資源を活用して公共サービスを提供することも重要だと考えます。持たない経営、特定財源や税外収入の確保、民間資源の活用という観点から質問してまいりたいと思います。  それでは、区の財政の現状と将来の財政見通しについて確認してまいります。まず、区の人口推計について、国の人口はもう既に減り始め、都もいずれ減っていくのに、なぜ世田谷はふえ続けるのか伺います。 ◎藤野 政策研究・調査課長 昨年十二月に公表されました厚生労働省の人口動態調査によりますと、日本全体におきましては、昨年一年間で約四十万人減少しているという状況になって、人口減少がより加速している状況でございます。  また、東京都の将来人口推計によりますと、転入者が転出者を上回る、いわゆる社会増がしばらく継続するというふうに見込まれておりますが、日本全体で人口減少が進むということで、東京都全体では社会増が規模としては縮小していくということが見込まれていることと、高齢化の進行によりまして出生数よりも死亡数のほうがふえるということで、その両方があわさって、東京都全体では二〇二五年以降に人口の転換期を迎えるというふうに予測されているものでございます。  一方、二十三区の全体の状況では、世田谷にとどまらず、いまだにまだ転入超過という状況が継続しております。そういったこともございまして、世田谷区の将来人口推計を行うに当たりましては、過去の人口動態の実績値に基づいて今後二十五年間を推計するという中で、世田谷の人口増加の特徴である二十代を中心とした若年層の転入超過が、近年、さらに傾向として高まっているということと、比較的人口規模が大きい年齢層、三十代から四十代前半、ここの年齢層の出生率が増加傾向にあるということ、こうした傾向を踏まえまして仮定値を設定して推計したところ、東京都の推計では転換点とされた二〇二五年以降も、引き続き世田谷区においては人口増加傾向が継続するというような推計になったところでございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 近年の趨勢から、当分は人口流入が続き、人口がふえ続ける可能性が高いということだと思います。過去十年も世田谷区の人口はずっと伸び続けています。  そこで一つ疑問ですが、人口がふえ続けているのであれば税収もふえそうなものですが、ここ十数年で社会保障費が大幅に伸び、一方、区民税が変わらないのはなぜか、伺います。 ◎加賀谷 財政課長 平成三十年度予算との比較で申しますと、民生費が千五百八十一億円、平成二十一年度当初予算と比較しますと六百九十億円、一・八倍の増加となってございます。その増の主な要因ですが、子ども関連経費、生活保護費、障害者自立支援給付費、特別会計への繰出金などの社会保障関連経費の増加が大きな要因となってございます。この間、国、東京都の財源も活用しながら対応を行ってございまして、特定財源のほうも連動して伸びてきている状況でございます。  一方、御指摘の区民税の伸びでございますが、平成十九年度にいわゆる三位一体改革の税源移譲がございまして、その中の住民税率が三段階から一〇%の一律フラット化ということがございました。あわせて、都と区の配分割合の変更という大幅な引き下げがあり、区民税は当時、マイナス百億円の減収という影響がございました。その減収分の補填としましては、都区財調の都と区の配分割合の変更、五五%に変更になったという経緯もございますが、そういった影響が大きくベースとしてあるものと認識しております。  その後、平成二十年のリーマンショックの影響による大幅な減収がございましたが、この間、人口増による納税者数の増加もあり、一定の増収が続いてございます。平成三十年度予算案では、区民税としましては一千百六十四億円と、リーマンショック前の規模を上回っているということです。しかしながら、この間のふるさと納税の減収の拡大、実質賃金の伸び悩みなどもございまして、一人当たりの納税額もわずかな伸びにとどまっているということで、二十一年度に比べて五十億円、一・〇四倍の増と、民生費の大きな伸びに比べて微増となっている状況でございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 答弁をまとめますと、税収は景気の影響を大きく受け、個人所得の伸びが鈍化していることが原因であると。一方で、高齢化や子ども・子育て関係の行政需要がふえており、歳出が伸びているということかと思います。  この傾向が続けば、遠からず予算が組めなくなるのではないかというふうに懸念をしております。三十年度予算編成においても、財政調整基金から繰り入れて予算を編成することとなっていますが、既に予算が組みにくくなっているということでしょうか。今回、財政調整基金を取り崩さないと平成三十年度予算が組めないのはなぜか、伺います。 ◎加賀谷 財政課長 御指摘の三十年度予算編成の中で、特にふるさと納税の四十億円の減収拡大の影響に加えまして、年末の国の税制改正によります地方消費税交付金二十九億円の大幅な減収という影響があわせてございます。  予算編成過程の中では、真に必要な事業の見きわめ、各種事務事業の徹底した精査を重ねて行っているところですが、喫緊の課題でございます保育待機児対策、障害者自立支援給付費の社会保障関連経費、それから、老朽化した公共施設への対応など、さらなる事業費の精査、先送り等が困難な状況であったことを踏まえて、全体の収支状況も見ながら、財政調整基金から必要最小限の繰り入れを行ったところでございます。  なお、同時に編成しました平成二十九年度補正予算の中では、早期着手、経費の平準化等を図る観点から、一部工事の前倒しですとか、財政調整基金を初めとしました基金への積み立てによる一定の財源の確保にも努めているところでございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 では、そのふるさと納税についてですが、ふるさと納税の影響の現状と今後の見通しについて伺います。 ◎古川 課税課長 ふるさと納税による区税の減収は拡大の一途をたどっておりまして、ただいまの答弁にもございましたとおり、平成三十年度予算では平成二十九年度の約一・三倍、四十億円を見込んでおります。この間、当課を含め関係所管では、納税者宛ての通知のほか、各種広報媒体等により、ふるさと納税の仕組みや問題点、世田谷区にもふるさと納税ができることなどを区民に呼びかける等の対策を講じてまいりました。  このような状況の中、総務省は各自治体に対し、金銭類似性が高いものや返礼品価格が寄附額の三割を超えるものなど、制度趣旨にそぐわない返礼品の自粛を要請してきました。この要請は、過熱した返礼品競争の沈静化に一定の効果はあったとの報道もなされておりますが、強制力がございませんので、区税減収の歯どめとなるかどうかについては予断を許さないものとなっております。  また、税制改正により、給与所得控除の上限額、いわゆる頭打ちでございますが、これが適用される給与収入額が八百五十万円まで順次、段階的に引き下げられることとなっております。これにより控除額が減少されることに伴い、特に所得の高い層においては増税となる一方で、ふるさと納税による税控除上限額は高くなってまいります。そのため、今後、ふるさと納税の活用に拍車がかかることも想定されるところでございます。  今後も、国や他自治体及び税制の動向を注視しながら、関係所管と連携し、情報共有を進めていく必要があると認識しております。 ◆ゆさ吉宏 委員 ありがとうございました。  これら国の制度改正による区財政への影響を財政課長はどのように見ておられるか、伺います。 ◎加賀谷 財政課長 平成三十年度の段階でございますが、ふるさと納税の影響に加えまして、地方消費税交付金の配分見直しによる影響、それから、財調交付金の原資となります法人住民税の一部国税化の影響、これらを合わせまして九十八億円の減収というふうに見込んでいるものでございます。  これらが今後、消費税率一〇%の段階でございますが、消費税交付金は一定の増収が見込まれますが、今般の配分見直しによる影響と連動しまして、さらに減収が拡大するというようなことも踏まえまして、三十三年度の段階では減収が百二十五億円に拡大するという試算をしている状況でございます。  さらに、三十一年度税制改正におきまして、新たな税源の偏在是正措置についての動きが示されていること、それから、今後の国の幼児教育無償化に伴います財源見通しなど、民生費に係ります予算構成が大きく変化することも予想されておりますので、区財政への影響が懸念されているという状況です。  増大する社会保障関連経費などに対しましては、国、都の負担金、補助金、社会保障関連経費の財源と位置づけられております地方消費税交付金の活用など、確実な財源の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆ゆさ吉宏 委員 世田谷区の将来の姿は、人口はふえるが、高齢者や子どもがより多くふえ、行政需要はふえる、一方で歳入増は見込めないということだと思います。やはり将来的な資産保有量は必要最小限にとどめ、持たない経営を行うことが必要だと考えます。公共施設の保有可能な量ついて具体的な目標を明らかにするために、順次尋ねてまいります。  その持たない経営についてですが、公共施設の将来経費見通しについて、イニシャルコストばかりが注目されがちですが、施設をふやせばランニングコストもふえます。今後どのくらいになると見ているか、伺います。 ◎田中 政策企画課長 公共施設の整備費と維持管理経費、いわゆるイニシャル、それからランニングコストについての将来見通しですが、平成二十八年度に公共施設等総合管理計画を策定するに当たり、現状を整理いたしました。現状のまま何の対策も講じないと、公共施設の整備及び維持管理にかかる経費は平成五十二年にピークを迎えまして、年間七百九十九億円程度まで経費が増加し、うち建物の整備費は三百八十九億円程度、建物の維持管理経費は二百六億円程度になるとのシミュレーション結果になりました。  また、建物の維持管理経費についてはその後も増加し続け、三十年後の平成五十八年には年間二百十億円程度まで増加するとの結果も出ました。平成二十八年度決算での建物の維持管理経費は年間約百七十億円でしたので、それと比べると四十億円程度増加することとなります。このシミュレーション結果を踏まえ、公共施設等総合管理計画により経費抑制目標を定めたところです。 ◆ゆさ吉宏 委員 ランニングコストが二百十億円に上がるという衝撃的な数字だと思います。ランニングコストは固定費ですが、これが年四十億円もアップするというのは、とても財政上許容できないのではないかと思います。どの程度まで許容できるというふうに考えているか、伺います。 ◎田中 政策企画課長 建物の建設から解体までの生涯にかかるコストのうち、建設コストは全体の四分の一、光熱水費、機器の保守点検委託費、清掃委託費などの維持管理コストは全体の四分の三かかると言われております。つまり、ランニングコストは建設コストの三倍かかると言われているところです。  六百を超える建物を管理する世田谷区におきましては、毎年の固定費となる公共施設の維持管理経費は大きな財政負担となっております。公共施設等総合管理計画に基づき、超高齢社会においても福祉などの水準を維持しながら、他の行政サービスに影響を与えない範囲内で建物の整備、維持管理を行うには、年間経費を三百七十億円程度に抑制する必要があり、そのうち維持管理経費については年間約百八十五億円程度に抑制する必要があると考えております。  今後、人手不足を背景とした人件費の高騰に伴う維持管理経費の上昇もあると考えており、低廉でメンテナンスしやすい建物を整備し、光熱水費などの一層の削減を図るなど、維持管理経費の抑制に継続して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 経費抑制策についてもお話がありましたが、私は持たない経営が重要だと考えております。将来の保有資産を抑制する方策についてどのように考えているか、施設の統廃合、資産の売却等も含めて伺います。 ◎田中 政策企画課長 今後も、公共施設等総合管理計画に基づき施設マネジメントを徹底し、既存施設を適切に保存や保全、長寿命化しつつ、必要かつ合理的な更新を進めてまいります。また、公共施設の跡地などは売却を原則とし、一方、不足が見込まれる保育や介護などは、民間事業者を誘致するための場所として活用も検討してまいります。人口構成や社会状況の変化により需要が変動する可能性がある施設や事業などは借り上げも活用するなど、柔軟な運用に努めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 答弁された目標実現に向けて適切な施設マネジメントを進めていただきたいと思います。  次に、ふえ続ける行政需要に対し、自前の財源だけでは対応できない以上、幅広い社会資源をいかに活用するかという観点から、まず、特定財源、税外収入の確保について伺います。新実施計画において取り組みが掲げられていますが、順次、具体的な取り組みについて尋ねてまいります。  まず、各基金の運用によって運用益の確保を狙っているということですが、見通しと今後の方針について伺います。 ◎金澤 会計管理者 財源確保、それから税外収入の確保についてですが、区税は、お話しがありましたとおり、ふるさと納税の影響による減収、さらに今後は地方法人課税、地方消費税の配分等の見直しによる減収も見込まれておりまして、区財政の持続可能性の観点から、各部もそうですが、会計室でもやるべきことにしっかり取り組んでいこうというふうに考えています。  現在、会計室として重点的に取り組んでいることは二つございまして、一つは、御質問にお答えしようと思います積立基金の運用益の確保です。もう一つは、新公会計制度の導入です。これは、事業の歳入歳出構造の見える化をして、より的確な行政運営を行うための取り組みでございまして、職員のコスト意識の醸成にもつなげていきたいというふうに考えております。  そこで、御質問の積立基金の運用益の確保につきましてですが、現在、十五の基金で、現在の残高の総額で約八百五十八億円を一括で運用しております。平成二十四年度から二十八年度までの五年間で、毎年コンスタントに二億円強、総額で約十億八千万円の利子収入を得られているところです。今年度も約二億二千万円を確保できる見込みです。  この運用は、公金管理方針と、毎年、運用計画を定めまして、国債、それから地方債などの債券と定期性預金の二本立てで行っております。しかし、御案内のように、日銀のゼロ金利政策が継続をされており、債券、それから定期性預金とも大変低い金利水準にありまして、なかなか厳しい状況にもございます。また、これからの運用で特に注意が必要だというふうに考えているのは世田谷区中期財政見通しでございまして、そこに示されたとおり、基金の取り崩しが予定をされているところです。  今後の方針というところですが、安全性を第一の基本方針として、その上で、より多くの運用益を確保するよう努めてまいります。具体的には、基金の取り崩しというのも予定されておりますので、それに対応できるよう、定期性預金での短期的運用というものを主体にしつつ、相対的に高い利回りを確保できる債券の長期的運用というのも組み合わせとしまして、金融機関等から情報収集を積極的に行いながら、現場で工夫を重ねてまいりたいと思います。 ◆ゆさ吉宏 委員 基金の運用益を年二億円以上、既に上げているということはすばらしい実績だと思います。さらなる運用益の向上を期待しております。  次に、土地開発公社による用地買収を積極的に活用すれば、負担の平準化だけでなく、毎年の国庫補助金の確保が確実になります。現状と今後の用地取得の方針について伺います。 ◎村田 用地課長 世田谷区土地開発公社の活用により、区が確保できた平成二十八年度の補助金等につきましては、公社で先行取得した道路や公園用地の買い戻し処分に要した支出、約二十七億五千万円に対し、約十一億三千三百万円でございました。今後の用地取得におきましては、小田急線連続立体交差事業及び複々線化事業の完成時期を見据えた、下北沢駅前周辺など高額物件の取得が予定されています。  区といたしましては、引き続き借入金の利息も考慮しつつ、土地開発公社を計画的かつ積極的に活用することで補助金を確実に導入するなど、毎年度の財源確保に努めてまいります。 ◆ゆさ吉宏 委員 私も土地開発公社にかかわる一人として、積極的な活用を期待しております。  さて次に、企業の広告などを活用した歳入確保や経費削減についてどのような方向性を考えているか、伺います。 ◎池田 広報広聴課長 現在、区では、印刷物への広告掲載、ホームページへのバナー広告、庁舎内への広告つき映像モニター設置などの広告事業を通じて、税外収入の確保や事業経費の削減に取り組んでおりまして、二十九年度は二千四百万円の効果額を見込んでいるところでございます。三十年度においては、けやきネットのホームページにバナー広告を掲載するなど、新たな取り組みも進めているところでございます。今後も、区の事業の特性などを生かしまして、広告事業を効果的に展開してまいりたいと考えております。  一方、広告は、看板などの広告からデジタル広告へ、紙面の広告からインターネット広告へと、その手法は変化してきております。広告事業に精通した民間事業者のアドバイスや他自治体の最新の取り組みなども参考にしながら、広告事業を通じてより多くの財源確保につなげることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 さらなる広告の確保を期待しております。  最後に、このたび、新たな組織としてふるさと納税対策担当課ができますが、どのような取り組みで区へのふるさと納税を確保したいと考えているか、伺います。 ◎田中 政策企画課長 この間、御答弁をいろいろさせていただきましたが、クラウドファンディング、本数をふやしてやっていきたいというところですが、来年度より、ふるさと納税対策担当課の専管組織を新設いたします。今後、庁内各所管で行っている事業同士のマッチングをふやしていきたいということ、それから、民間事業者のノウハウを生かした企画など、こういったものを切れ目なく数多く打ち出していくことで、より多くの寄附の呼びかけを行っていくことが可能であるというふうに考えております。 ◆ゆさ吉宏 委員 今後、ふるさと納税を初めとした財源の確保に力を入れていただいて、成果が上がることを期待したいと思います。  御答弁いただきありがとうございました。今後、より一層取り組みを進め、新たな公共サービスの実現に向けて努力していただきたいと思います。  以上で自由民主党の企画総務委員会所管の質疑を終了いたします。 ○山口ひろひさ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山口ひろひさ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十四分散会...