世田谷区議会 2017-10-03
平成29年 9月 決算特別委員会-10月03日-02号
平成29年 9月
決算特別委員会-10月03日-02号平成29年 9月
決算特別委員会
平成二十九年
決算特別委員会
決算特別委員会会議録第二号
日 時 平成二十九年十月三日(火曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十五名)
委員長 安部ひろゆき
副委員長 津上仁志
副委員長 たかじょう訓子
石川ナオミ
おぎのけんじ
加藤たいき
上山なおのり
河野俊弘
菅沼つとむ
真鍋よしゆき
三井みほこ
山口ひろひさ
山内 彰
ゆさ吉宏
和田ひでとし
板井 斎
岡本のぶ子
河村みどり
佐藤弘人
高久則男
高橋昭彦
諸星養一
風間ゆたか
そのべせいや
中塚さちよ
中村公太朗
羽田圭二
藤井まな
江口じゅん子
桜井 稔
中里光夫
村田義則
大庭正明
田中優子
桃野よしふみ
阿久津 皇
小泉たま子
佐藤美樹
高岡じゅん子
田中みち子
あべ力也
上川あや
すがややすこ
ひうち優子
青空こうじ
出席事務局職員
議事担当係長 下村義和
出席説明員
区長 保坂展人
副区長 宮崎健二
副区長 岡田 篤
世田谷総合支所 総合支所長 内田政夫
北沢総合支所 総合支所長 男鹿芳則
玉川総合支所 総合支所長 小堀由祈子
砧総合支所 総合支所長 寺林敏彦
烏山総合支所 総合支所長 進藤達夫
政策経営部 部長 岩本 康
財政課長 加賀谷 実
総務部 部長 中村哲也
総務課長 望月敬行
庁舎整備担当部 部長(
施設営繕担当部長兼務)
松村浩之
危機管理室 室長 澤谷 昇
財務部 部長 菊池弘明
施設営繕担当部 部長 松村浩之
生活文化部 部長 田中文子
地域行政部 部長 本橋安行
スポーツ推進部 部長 平澤道男
環境政策部 部長 松下洋章
産業政策部 部長 久末佳枝
清掃・リサイクル部
部長 原田茂実
保健福祉部 部長 板谷雅光
地域包括ケア担当参事
岩元浩一
障害福祉担当部 部長 松本公平
梅ヶ丘拠点整備担当部
部長(
保健福祉部長兼務)
板谷雅光
高齢福祉部 部長 瓜生律子
子ども・若者部 部長 澁田景子
世田谷保健所 所長 辻 佳織
都市整備政策部 部長 渡辺正男
防災街づくり担当部
部長 関根義和
みどりとみず政策担当部
部長 髙木加津子
道路・交通政策部
部長 小山英俊
土木部 部長 五十嵐慎一
会計室 会計管理者 金澤眞二
教育長 堀 恵子
教育委員会事務局
教育次長 志賀毅一
教育政策部 部長 工藤郁淳
生涯学習部 部長 花房千里
監査事務局 局長 山本茂孝
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本日の会議に付した事件
認定第一号 平成二十八年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 平成二十八年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 平成二十八年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 平成二十八年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 平成二十八年度世田谷区
中学校給食費会計歳入歳出決算認定
(総括説明、総括質疑)
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午前十時開議
○安部ひろゆき 委員長 ただいまから
決算特別委員会を開会いたします。
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○安部ひろゆき 委員長 本日から、当委員会に付託されております平成二十八年度決算認定五件の審査を行うわけでありますが、さきに決定しております運営方針に基づき委員会を運営してまいりますので、委員並びに理事者の皆様の御協力のほどよろしくお願いいたします。
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○安部ひろゆき 委員長 さて、本日は、まず区長より挨拶をしていただき、引き続き政策経営部長より総括的な説明を受けた後、各会派の質疑に入ります。
それでは、区長の挨拶をお願いいたします。
◎保坂 区長 おはようございます。
決算特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げます。
本日より平成二十八年度世田谷区各
会計歳入歳出決算を御審議いただくわけですが、平成二十八年度の財政状況は、歳入では特別区税がふるさと納税による大きな影響を受けたものの、納税者数の増などによって増額となるなど、前年度比増となりました。歳出では、梅ヶ丘拠点や公園用地取得費、
私立保育園運営費などの子ども関連経費などが増額となり、前年度比で増となりました。
財政健全化判断比率につきましては、平成二十八年度におきましても、引き続き健全な状況を維持いたしましたが、将来の財政需要に応えられるよう、財政運営の持続可能性を今後も確保していくことが重要だと考えております。
決算状況の詳細につきましては、この後、政策経営部長より説明をさせていただきますが、この委員会の審議の中で委員の皆さんからいただく御意見、御提案につきましては、今後の区政運営に十全に生かしてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
本日より長時間にわたる委員会審議になりますが、委員の皆さんにおかれましては、体調に御留意いただきながら御審議をいただき、御認定を賜りますようお願い申し上げ、区長からの御挨拶といたします。よろしくお願いします。
○安部ひろゆき 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。
次に、政策経営部長より説明をお願いいたします。
◎岩本 政策経営部長 おはようございます。平成二十八年度世田谷区各
会計歳入歳出決算の概要につきまして、お手元の「世田谷区各会計主要施策の成果」に沿いまして御説明をいたします。
まず、三ページをお開きください。初めに、平成二十八年度の財政運営の概要について御説明いたします。
平成二十八年度の我が国経済は、各種政策の効果もあり、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いたものの、年度前半には海外経済で弱さが見られたほか、国内経済についても、個人消費及び民間設備投資は、所得、収益の伸びと比べ力強さを欠いた状況となりました。
このような経済情勢の中、世田谷区においては、新たな基本計画、新実施計画の三年目を迎え、子育て・若者支援や高齢者・障害者施策、災害対策の強化や自然エネルギーの活用など、基本計画に掲げる重点政策を積極的に展開することを基本に区政運営に取り組んでまいりました。
平成二十八年度の一般会計当初予算額は、歳入面では、ふるさと納税の影響により十六億五千万円の大きな減収があったものの、納税者数の増などにより特別区税が増加したほか、特別区交付金が
基準財政需要額の伸びによる配分割合の増加などにより、また、特別区債が
梅ヶ丘拠点整備の用地取得などに伴い、それぞれ増額となりました。歳出面では、特別区債償還金の減により公債費が減少したものの、
梅ヶ丘拠点整備の用地取得経費、
私立保育園運営費等の子ども関連経費や
社会保障関連経費、
公園用地取得経費や
庁舎等建設等基金積立金などが増加いたしました。これらにより、一般会計当初予算額は二千九百五億八千六百万円、前年度当初予算比で二百億三千百万円、七・四%の増となりました。
その後、東京都知事の辞職に伴う東京都知事選挙の執行経費や
保育待機児童解消に向けた対応、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会に向けた環境整備やマイナンバーカードの早期交付体制の整備に係る経費、さらに、東京都の補正予算に連動した
保育待機児童解消に向けた支援の拡充、国の補正予算に連動した臨時福祉給付金の支給に係る経費、
国民健康保険事業会計等の特別会計への繰出金の増などに対応するとともに、今後の大規模な公共施設整備などの財政需要に備えた基金への積み立てなど、三次にわたる補正を行いました結果、平成二十八年度の
一般会計最終予算額は、三千三十八億五千九百万円となりました。
それでは、一般会計の決算について御説明をいたします。四ページをお開きください。
なお、決算額などの金額は、百万円未満を四捨五入した概数で申し上げますので、御了承をいただきたいと存じます。
第1表、
一般会計実質収支前年度比較をごらんください。表左の区分の欄上段、丸Aと表記しておりますが、平成二十八年度の歳入総額は二千九百八十四億四千七百万円、前年度比五・七%の増となっております。その下、丸Bの歳出総額は二千八百七十八億七千八百万円、前年度比五・八%の増となっております。この結果、丸Cの歳入歳出差引額は百五億七千万円となり、これから丸Dの翌年度へ繰り越すべき財源を差し引きました丸Eの実質収支は八十六億六千九百万円となっております。また、実質収支から前年度の実質収支を差し引いた丸Fの単年度収支は十四億三千四百万円となり、丸Gの
財政調整基金積立額二十億七千七百万円を加えました、丸Jの実質単年度収支は三十五億一千百万円となりました。
次に、五ページの第2表、
一般会計歳入決算前年度比較について御説明いたします。
歳入における主な増項目でございますが、20の特別区債が
梅ヶ丘拠点整備の用地取得により八十億六千六百万円、一八七・八%の増、13の国庫支出金が
保育所等整備交付金や
社会資本整備総合交付金の増などにより四十四億二千八百万円、一一・二%の増、1の特別区税がふるさと納税による大きな減収の影響を受けたものの、納税者数の増などにより三十九億五千二百万円、三・四%の増、19の諸収入が
土地開発公社貸付金返還金の増などにより三十一億六千六百万円、三九・三%の増、14の都支出金が保育施設の整備に係る補助金の増などにより二十六億四百万円、一三・二%の増となっております。
一方、主な減項目につきましては、9の特別区交付金が
基準財政収入額の増などにより二十億一千六百万円、四・三%の減、6の
地方消費税交付金が暦の関係で二十七年度の交付額が増となったため、二十八年度は前年度よりも下回ったことなどにより十七億五百万円、八・八%の減などとなっております。
次に、六ページをお開きください。第3表、
一般会計歳入決算財源構成でございます。これは、歳入科目ごとの一般財源と特定財源の内訳を記載したものでございます。この表の下から二行目の合計欄をごらんください。一般財源の構成比が六五・七%、前年度より五・三ポイントの減、特定財源が三四・三%、前年度より五・三ポイントの増となっております。
続きまして、七ページ、第4表、平成二十八年度都区財政調整結果について御説明をいたします。
まず、上段の普通交付金の表ですが、下から五行目、
基準財政収入額の合計丸A欄をごらんください。平成二十八年度決定額の再調整欄は千二百二十億一千二百万円となっており、前年度に比べ五十五億九千六百万円の増と算定されております。
次に、三行下の
基準財政需要額の合計丸B欄でございますが、平成二十八年度決定額の再調整欄は千六百三十七億六千九百万円となっており、前年度に比べ三十三億一千二百万円の増と算定されております。
その結果、次の行の普通交付金の差引交付額は四百十七億五千七百万円で、
基準財政収入額の増が
基準財政需要額の増を上回ったため、前年度に比べ二十二億八千四百万円、五・二%の減となりました。
また、その下の表の特別交付金は、災害などの特別の財政需要などによる経費や、
基準財政需要額で捕捉されなかった財政需要などの合計で平成二十八年度の決定額は二十六億七千八百万円と算定され、前年度に比べ二億六千八百万円、一一・一%の増となっております。
次のページ、八ページをお開きください。以上の結果、一番上の説明文の三つ目の段落に記載されてございますように、特別区財政調整交付金の決算額は、普通交付金と特別交付金を合わせた総額で四百四十四億三千六百万円となり、前年度に比べ二十億一千六百万円、四・三%の減となっております。
続きまして、第5表【A】、
一般会計歳出決算前年度比較について御説明をいたします。この表は、款別の歳出決算を前年度と比較したものでございます。
歳出における主な増項目といたしましては、3の民生費が
梅ヶ丘拠点整備用地取得経費や
私立保育園運営費の増などにより百八十一億八千八百万円、一六・一%の増、7の土木費が公園用地や道路用地の取得経費の増などにより二十四億四千五百万円、九・二%の増、9の職員費が退職手当の増などにより八億四千三百万円、一・九%の増、2の総務費が
北沢総合支所改修工事費の増などにより三億九千万円、一・三%の増などとなっております。
一方、主な減項目といたしましては、10の公債費が特別区債の元利償還金の減により三十九億三千七百万円、三七・四%の減、11の諸支出金が
財政調整基金積立金の減により二十億九千六百万円、五〇%の減、6の産業経済費が
プレミアム付区内共通商品券の発行が国事業の終了に伴い縮小し、発行経費が減となったことなどにより二億七千二百万円、一五・六%の減となっております。
続きまして、九ページ、第5表【B】でございますが、これは、ただいま御説明いたしました第5表【A】の9の職員費を関係各款に振り直した表でございます。
平成二十八年度の各款別の構成比は、3の民生費が五〇・八%と最も高く、続いて、2の総務費が一五・一%、7の土木費が一一・七%、8の教育費が一一・一%の順となっております。
次に、同じページ下段の第6表をごらんください。これは、平成二十七年度から二十八年度に繰り越した事業の執行状況を示したものでございます。
繰越明許費は、
共通基盤システム運用から一〇ページにお進みいただき、民家園改修工事までの十八事業、事故繰越しは地域防災力の向上ほか八事業となっており、執行額等は記載のとおりでございます。
次に、第7表をごらんください。これは、平成二十八年度から二十九年度へ繰り越した事業と金額を記載しております。繰越明許費は、
世田谷総合支所・出張所改築工事から、右側一一ページにお進みいただき、民家園改修工事までの十六事業、事故繰越しは路面改良ほか五事業で、繰越額は四十八億九千七百万円となっております。
次に、同じページ、第8表、
一般会計歳出決算性質別内訳をごらんください。人件費、行政運営費及び投資的経費の区分による決算額、構成比等は記載のとおりでございます。
続きまして、一二ページをお開きください。第九表は、各特別会計の決算収支について記載したものでございます。特別会計につきましては、後ほど概要を御説明いたします。
以上が平成二十八年度財政運営の概要でございます。
続きまして、主要事業の説明をさせていただきます。一六ページから一九ページまでの主要事業の総括に沿って説明をさせていただきます。
まずは、一六ページをお開きください。ここに記載の各項目は、平成二十六年度から二十九年度までを計画期間とした世田谷区新実施計画の推進事業に基づくもので、計画の三年目である二十八年度の実績について御説明をいたします。
まず、左側上段、基本計画の分野別政策のうち、「1健康・福祉」でございますが、決算額が二十三億九千万円、執行率は九六・〇%となっております。
主な事業といたしましては、「Ⅰ健康づくりの推進」では、がん対策の推進や介護予防事業などの推進、「Ⅱ相談支援体制の確立及び保健・医療・福祉の連携強化」では、
まちづくりセンターとの相談窓口の一体整備の推進や、
あんしんすこやかセンターの相談支援対象の拡大の全地区実施、「Ⅲ区民、事業者等との協働による地域づくり」では、福祉人材の発掘を初めとした地域資源の創出、「Ⅳ地域福祉を支える基盤整備」では、
梅ヶ丘拠点整備や高齢者などに係る地域拠点の整備、障害者の就労支援の促進などに取り組みました。
次に、左側中段、「2子ども若者・教育」でございますが、決算額が七十四億円、執行率は九三・五%となっております。
主な事業といたしましては、「Ⅰ若者が力を発揮する地域づくり」では、生きづらさを抱えた若者の支援や若者の社会的自立の促進、「Ⅱ地域社会を創る生涯学習の充実」では、
図書館ネットワークの整備拡充、「Ⅲ子どもが育つ環境づくり」では、保育定員の拡充やおでかけひろばなどの在宅子育て支援の拡充、「Ⅳ質の高い学校教育の充実」では、世田谷九年教育の推進や
特別支援教育体制の充実、「Ⅴ虐待のないまち・子ども・子育て家庭への支援」では、保育園などへの巡回支援や産後ケア事業の拡大、教育相談機能・不登校対策の充実などに取り組みました。
次に、左側下段、「3暮らし・コミュニティ」でございますが、決算額が六億五千四百万円、執行率は八八・六%となっております。
主な事業といたしましては、「Ⅰ
地域コミュニティの促進」では、町会・自治会の活性化に向けた支援や連携協働による地域活動団体の自主活動の支援及びネットワークの拡充、「Ⅱ安全・安心のまちづくり」では、全地区での防災塾の実施による地区防災計画の策定、防火水槽の設置や防犯カメラの設置・維持管理経費の助成、消費者被害の未然・拡大防止の強化、「Ⅲ多様性の尊重」では、第二次
男女共同参画プランの策定やDV防止の取り組み、「Ⅳ文化・芸術の推進」では、文化芸術情報の発信や子どもの創造性を育む取り組みの実施、「Ⅴ生涯スポーツの推進」では、
総合型地域スポーツクラブの設立に向けた支援やスポーツ設備の整備、「Ⅵ快適で暮らしやすい生活環境の創造」では、友好自治体との連携による
自然エネルギー利用の促進や
環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」の推進、「Ⅶ産業振興・雇用促進」では、区内中小企業者への
経営支援コーディネーターによる支援や
就労支援センター事業の拡充、まちなか観光の推進などに取り組みました。
一八ページをお開きください。左側上段、「4都市づくり」でございますが、決算額が四十億八千百万円、執行率は七六・四%となっております。
主な事業といたしましては、「Ⅰ災害に強い街づくり」では、不燃化特区制度の活用などによる
木造住宅密集地域の不燃化促進や建築物の耐震化の促進、「Ⅱみどりとやすらぎのある快適な住環境の推進」では、
環境配慮型住宅リノベーションの推進や民有地のみどりの保全、創出に向けた取り組み支援、農地保全の推進、「Ⅲ魅力ある街づくり」では、公共サイン整備・改修や
馬事公苑界わいまちの魅力向上構想の策定、歩きやすい道路環境の整備、「Ⅳ
交通ネットワークの整備」では、
京王線沿線街づくりの推進や新規バス路線の運行実施、「Ⅴ都市基盤の整備・更新」では、道路、公園、緑道の整備や
小田急線上部利用計画等施設整備などに取り組みました。
以上、主要事業の総合計は、決算額百四十五億二千六百万円、執行率は八八・一%となっております。
主要事業の総括説明は以上でございます。
なお、二〇ページから二七ページまでは新実施計画の政策別の実績等についてまとめております。
また、主要事業の各施策の概要、実績等については三〇ページから一三七ページまでに記載しております。また、予算の執行実績につきましては一四九ページ以降に記載しております。
次に、特別会計の決算概要について御説明をいたします。
まず、
国民健康保険事業会計でございます。四〇八ページをお開きください。
歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は九百四十三億九千百万円で、収入率は九六・五%となっております。前年度比では十六億三千七百万円、一・七%の減となっております。
次に、四一〇ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は九百三十七億四千百万円、執行率は九五・八%となっております。前年度比では十七億一千四百万円、一・八%の減となっております。内容といたしましては、被保険者数の減少などに伴い、主に保険給付費が減となったことによるものです。
次に、
後期高齢者医療会計について御説明をいたします。四五四ページをお開きください。
上段、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は二百六億八千四百万円、収入率は一〇〇・六%となっております。前年度比では十二億一千四百万円、六・二%の増となっております。
その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は百九十五億四千六百万円、執行率は九五・一%となっております。前年度比では十億三千七百万円、五・六%の増となっております。内容といたしましては、被保険者数の増加などにより歳入では保険料が、歳出では広域連合への負担金等がそれぞれ増となっております。
次に、
介護保険事業会計について御説明いたします。四七六ページをお開きください。
歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は六百一億六千三百万円、収入率は九九・二%となっております。前年度比では十七億六千九百万円、三・〇%の増となっております。
次に、四七八ページをお開きください。歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は五百八十五億九千万円、九六・六%の執行率となっております。前年度比では五億四千七百万円、〇・九%の増となっております。内容といたしましては、要介護・要支援認定者数の増加等に伴い保険給付費等が増となったことによるものでございます。
最後に、
中学校給食費会計でございます。五二四ページをお開きください。
上段の表、歳入の歳入合計欄に記載のとおり、収入済額は一億六千三百万円、収入率は九五・五%となっております。前年度比では一千百万円、七%の増となっております。
その下の表、歳出の歳出合計欄に記載のとおり、支出済額は一億六千二百万円、執行率は九四・九%となっております。前年度比では一千百万円、七・六%の増となっております。内容といたしましては、主に給食費単価改定の増によるものでございます。
以上で、平成二十八年度世田谷区各
会計歳入歳出決算概要の説明を終わらせていただきます。
なお、先ほど御説明申し上げました主要事業の評価に係る詳細は、十月一日より区のホームページにて御案内をさせていただいております。
御審査のほどよろしくお願い申し上げます。
○安部ひろゆき 委員長 以上で政策経営部長の説明は終わりました。
────────────────────
○安部ひろゆき 委員長 ただいまから総括質疑に入ります。
質疑者はネームプレートを質疑者席にお持ちいただくようお願いいたします。なお、持ち時間の終了五分前には予鈴と質疑者席の緑ランプの点灯でお知らせいたします。さらに、一分前には赤ランプの点滅でお知らせいたします。
また、質疑される委員の方は、マイクから離れ過ぎないようお願いいたします。
続いて、理事者の皆様に申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお答えいただきますようお願いいたします。
また、決算運営委員会において、やむを得ない場合は理事者が席を離れることを認めると確認されておりますので、御無理をなさらないでください。
それでは、総括質疑を始めます。
自由民主党、どうぞ。
◆和田ひでとし 委員 それでは、自由民主党の総括質疑を始めさせていただきます。
まず初めに、世田谷区の人口推計について伺ってまいります。
将来人口推計に基づき、区の計画を策定することや施策を立案することは、限りある財源を効率的かつ効果的に配分するためにも非常に重要なことです。全国的には、人口減少、少子高齢化がますます顕著になっている中、東京への一極集中はなおも続き、とりわけ二十三区最大の人口を抱える世田谷区においては、間もなく九十万自治体になろうとしています。反面、私としては、人口増加と相反して緑豊かな住宅都市世田谷は、この先どうなってしまうのだろうかと少し心配になります。さらに、二十五年後の平成五十四年、二〇四二年には、世田谷区の人口が百万人を超える予想と言われていますが、住宅都市世田谷はどのような姿になっているのか不安となります。
そこで、まずお聞きしますが、区長は良好な住宅都市としてのあり方や、世田谷区における適正な人口についてをどのようにお考えなのでしょうか、改めて伺います。
◎保坂 区長 おっしゃるように、九月一日で八十九万九千七十二人と、間もなく十月一日の統計が出てくることでしょうけれども、八十五周年というところで九十万都市になろうとしているところでございます。おっしゃるように、その上昇トレンドが百万人をも超えていくだろうという予想もしております。適正な人口ということでお答えすると大変難しいんですが、例えば八十万だ、九十万だ、百万だと申し上げることはなかなか難しいんですが、一つだけ重要なことは、現状では全世代、赤ちゃんから高齢者まで満遍なく人口がふえていると。これは社会を持続可能にしていくという観点では、非常に望ましいことだろうと思います。
そして、住環境の話ですが、絶対高さ制限及び、いわゆる宅地の狭小な細分化を少しセーブしていこうということを都計審からも答申をいただいているところですけれども、どのような形でその人口増が果たされていくのかと。まさに、狭い住宅がさらに細分化されるということになると、これは良好とは言えないし、緑が減るだけということになってしまうだろうと思います。
一方で、幾つかの住宅を、例えば集合住宅なり、タウンハウスのような形でまとめて、比較的広い庭地というか、緑をそこに実現していくというような建てかえの手法であれば、一定の人口がふえても環境イコール悪化というふうにはならない。むしろ、そういったルールづくり、都市戦略のあり方が問われていて、みどり33ということを、かなり距離がありますので、この点にしっかり力点を置いて、都市の形成を図っていきたいというふうに考えております。
◆和田ひでとし 委員 子どもの人口増加が特徴的な世田谷区は、ゼロ歳から十四歳までの年少人口については、二十五年後には現在と比較して三万五千人程度ふえることが予想されています。既に、区の西部地域では、年少人口の増加により学校施設がパンク寸前のところがあるようですが、そこで、保育施設の整備についてはもちろんですが、学校施設についても、これからの人口推計をしっかり精査して準備しておく必要があると考えますが、今後の対応方針をお聞かせください。
◎志賀 教育次長 私からは、まず学校施設の整備についてお答えいたします。
教育委員会では、区立小学校の大規模化、小規模化、老朽化の三つの課題に対応するために、適正規模化・適正配置に関する具体的な方策第二ステップを作成しております。学校の大規模化への対応といたしまして、五つの視点、普通教室への転用、指定校変更の制限、通学区域の見直し、校舎の増築、校舎の改築で取り組んでいるところでございます。また、公共施設等総合管理計画におきましても、適正配置・適正規模の考え方を踏まえ、児童生徒数の増加に対応していくこととしております。
近年の都心回帰等の影響によりまして、他区や川崎市、横浜市といった近隣自治体でも、児童数が千名を超える小学校が出てきております。同様に、世田谷区においても児童生徒数が増加しており、主に区の西部地域において増加傾向が顕著となっております。こうした状況も踏まえ、計画的に大規模化への対応方策を検討しており、今年度も芦花小学校と希望丘小学校について増築による対応方針を決定したほか、京西小学校について平成三十年度からの指定校変更制限の実施を決定したところでございます。
教育委員会では、今後も児童生徒数の推移を見きわめながら、個々の学校の大規模化対策に着実に取り組み、引き続きよりよい教育環境の確保を目指してまいります。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、保育施設の整備についてお答えさせていただきます。
昨年度、就学前人口や保育需要の増加に伴いまして、平成三十一年度までの子ども・子育て支援事業計画を見直しまして、現在、平成三十二年四月の待機児童解消を目指し、全力で取り組んでいるところでございます。平成三十二年度以降の保育施設整備につきましても、将来人口推計や地域ごとの保育ニーズ、申し込み状況、さらに保育施設の整備状況などを踏まえまして、精緻に分析いたしまして検討してまいります。
◆和田ひでとし 委員 一方で、高齢者人口、六十五歳以上の人口増については、二十五年後には現在と比較して七万五千人以上も増加する見込みであると言われておりますことから、健康寿命を延ばすことはもちろん大切ではありますが、特養待機者においては、さらに増加の一途をたどることが懸念されています。そこで、多くの区民の方々に今後も安心して住み続けていただくためにも、区は高齢者施設整備を初め、さまざまな高齢者施策をより一層推進しなければならないと考えますが、区の見解を伺います。
◎瓜生 高齢福祉部長 区では、三年ごとに策定する高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づきまして、高齢者施策を計画的に推進しております。現在、あわせて策定しております介護施設等整備計画に基づき、在宅の要介護高齢者の生活を支える地域密着型サービス拠点とともに、在宅での生活が難しい方の生活の場となる特別養護老人ホームの整備を計画的に進めております。特養ホームは平成三十七年、二〇二五年を見据えた中長期の整備目標として約千人分の整備を目指しており、平成二十九年度から三十一年度までに九カ所、約六百四十人分が新たに開設いたします。
一方、本年七月の将来人口推計から、高齢者人口が今後さらに増加することを踏まえ、要介護高齢者の推移や高齢者のニーズ把握に基づき、高齢者施策をさらにスピード感を持って推進する必要があると認識しております。
区では、介護予防や認知症施策の総合的な推進を図るとともに、地域密着型サービスや特養ホーム等の基盤整備を進め、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの推進に全力で取り組んでまいります。
◆和田ひでとし 委員 区における高齢者の増加は着実に進むということが言われております。こうした中、世田谷区は高齢化をむしろチャンスと捉え、高齢者が生き生きと活躍できる地域とすることが必要ではないでしょうか。そのためには健康寿命を延ばし、介護、医療なしでも過ごせる高齢者の比率を高めていく必要があります。その上で、介護、医療の受け皿整備も計画的に進めていくべきと考えます。
次に、行財政改革について伺います。
区では、新実施計画後期を策定中ですが、自動車のアクセルに該当する計画と、ブレーキに該当する行革のどちらか一方に力を入れるのではなく、持続可能な自治体運営を目指すのであれば、両者をバランスよく展開する必要があるはずです。区の将来人口推計によると、生産年齢人口が十年後の平成三十九年には、現在と比較して六万人以上増加する見込みであると予想されています。景気が堅調である限り、今後も税収は増加傾向となることが予想されますが、人口はいつまでもふえ続けるわけではなく、やがて減少のカーブを描き出すことも想定しておかなければなりません。そのためにも、区全体としての体力がある今のうちに、筋肉質な財政構造をつくり上げておく必要があります。
今定例会における我が会派の代表質問に対し、残念ながら区長からの行財政改革に対する答弁はありませんでしたが、今後の行財政改革に対する区長の意気込みを改めてお聞きします。
◎保坂 区長 今後、地域や家族のあり方が大きく変わってくる、そして、人口の増に伴って、生まれる赤ちゃんがふえて、子育て支援、そして、人口の全体がふえれば障害をお持ちの方の数も――現在手帳をお持ちの方は四万人ですが――ふえていくでしょう。そして、御指摘のように、高齢介護の需要増ということでございます。一方で、公共施設のニーズも、また、その施設が古くなった更新、こちらの需要も同時に起きてくると。長期的な視点に立った行政経営改革は欠かせないものと考えております。
このために、昨年からスタートしている二十七カ所の福祉の相談窓口ですが、事業手法の思い切った改革を進めていきたいと考えています。区と区民と事業者の参加と協働の裾野を広げて、地域運営の担い手をふやしていくこと、官民連携により新しい発想や手法を生み出すなど、拡大し、複雑になる行政需要に限られた職員でしっかり対応する仕組みづくりを進めていくことが必要だと考えています。
国の税制や社会保障制度の変更に大きな影響を今後区も受けていくわけですが、区政運営の持続可能性という観点から見ると、限りある資源、これは人的資源も含めてですが、そして、財源をどのように配分して課題に取り組むのが必要なのか、このかじ取りは大変難しいわけですが、将来を見越して必要な政策を優先順位をつけて配置をし、前例にとらわれない事業の改善、改革に取り組んでいきたいと決意をしております。
◆和田ひでとし 委員 しっかりと進めていただきたいと思います。また、特色ある新規事業や拡充事業を実施するための財源については、税収の増部分を充当するのではなく、まずは既存事業の廃止、縮小により財源を生み出すなど、不断の行政経営改革が必要であると考えますが、見解を伺います。
◎岩本 政策経営部長 さまざま行政需要が増大していくことが確実な中で、将来に向けた安定した財政基盤を維持するためには、常に財源の確保を意識しながら取り組む必要があると認識してございます。これまでも施策事業の充実と改革を一体として進め、事業手法の改善や民間事業者の活用など、区民サービスの質に影響を与えずに経費の削減や業務の効率化を実現する改革に取り組んでまいりました。
しかしながら、将来の行政ニーズの増大を考えるならば、例えば事業開始当初に比べてニーズが減ったり、利用者が減少している事業や民間事業者の参入が進んでいる事業などは、財源やマンパワーの面からも一定の優先順位のもとで見直しの対象とするなど、区民の理解を得た上で、さらなる改革に取り組む必要があると考えております。
来年度導入される新公会計制度では、事業の費用を明らかにするコスト分析も可能となりますので、こうした手法も取り入れながら、必要な改革に取り組み、持続可能な財政基盤の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
◆和田ひでとし 委員 世田谷区の財政は、足元では基金残高が区債残高を数百億円規模で上回り、まだ健全な状況にはあります。ただし、今後の人口変動に伴う税収の伸び悩みと支出圧力の増加を考えれば、財政の持続可能性に余裕はなく、財源の裏づけのない不安定な歳出や非効率な歳出は直ちに見直すべきではないでしょうか。
では次に、本庁舎整備について伺ってまいります。
先日の本庁舎等設計者審査委員会において、耐震性をより高め、財政負担を抑える内容を提案した事業者が最優秀者として選ばれました。我が会派の思いとは、なお隔たりがあるものの、区が当初に提案した一部保存案からは大きく前進していると感じております。
そこで、六案から選ばれた、いわゆる世田谷リングの手法について、区長は率直にどのような感想を持たれておりますか、伺います。
◎保坂 区長 この本庁舎整備につきましては、一昨年から区議会での議論、そして、区の考え方も一旦フラットにしまして、昨年、本庁舎等整備基本構想検討委員会を設置し、議論をいただいて、基本構想についての報告書をいただき、その報告書に沿って基本構想を策定していったと。この中で五つの柱立て、これを示して、どういう機能をつくってほしいかということを整理し、事業費の抑制、工期の短縮、そして現庁舎の空間特質の継承なども含めて高い要求水準で、どのように公平に、また有為な才能ある設計者から提案をいただくということで、本庁舎等設計者審査委員会を設置したところです。
私も、プレゼンテーション、ヒアリングに一日同席をしておりまして、実に六社とも総力を挙げた提案で、極めて質の高いプレゼンテーション、そしてまた、ヒアリングもそれぞれの専門的な見地から、防災上どうなのかとか、交通の考え方でどうなのかとか、検証されていくそのプロセスは非常にすばらしかったというふうに思っております。
世田谷リングという考え方についても、そこでその議論が終わるのではなく、今回のプロポーザルは人と組織を選んでおりますので、区議会の議論を初め、区民の皆さんや広範に、この庁舎というものをどのようによりよくしていくのかという、いわば衆議、周知を集める、そういった仕組みとして提案をされているものと承知をしております。
◆和田ひでとし 委員 最優秀者、もしくは次点者以外の事業者を選定することは区民の理解が得られないとは思いますが、区長は審査結果を尊重するつもりはおありなのか、改めて確認をいたします。
◎保坂 区長 当然尊重するつもりです。本事業は、現在地で本庁舎の業務を継続をしながら、災害対策や環境性能などの必要な機能、かなりハードルの高い条件を出して、難易度の高いプロポーザル、企画提案であったというふうに伺っております。
設計者審査委員会も、どのような審査が本当に公平なのかということを実に詳細に議論していただいて、情報の事前公開の仕方も過度にオーバーヒートしないように、しかしながら、正確に情報を出すようにという工夫がなされ、これは各審査委員の採点、点数配分もおおむね一位になった最優秀設計事業者が高い点数をとったということでありまして、他方面から専門家の見地でしっかり見ていただいたということでございます。
本庁舎整備構想のこの審査委員会の結果は尊重しながら、しかし、これは今後さらに基本設計に向けて詳細に詰めていかれますので、さらによいものになるように力を合わせてつくり上げてまいりたいと、このように考えております。
◆和田ひでとし 委員 現庁舎の課題である耐震性不足、分散化、狭隘化等の解消を基本設計に反映し、早期竣工を目指すべきと考えますが、これについてはいかがでしょうか。
◎松村 庁舎整備担当部長 今回の最優秀者の提案におきましては、基本構想で求めました災害対策の拠点としての機能強化、区民サービスの充実、効率的事務執行を実現するスペースの拡充、施設や設備の環境性能等の機能強化、区民交流、区民参加の機能を高めるスペースの拡充などの課題に対しまして、庁舎規模が満足していること、分棟型としながら世田谷リングというコンセプトによりまして、全体として一体感があり、各機能の連携が図れる計画となっていることなどが評価されたものと考えております。
今後、審査委員会の審査結果を踏まえ、区としての意思決定を速やかに行い、設計者と契約をし、基本設計におきましては、提案内容の具体化とともに、さらに魅力ある本庁舎の実現に向けて詳細に検討を進めてまいります。
区といたしましては、区民の安全安心を支える防災拠点でもある本庁舎をできる限り早期に整備するためにも、基本構想に示している平成三十二年度からの着工を目指し、着実に取り組んでまいります。
◆和田ひでとし 委員 業務を続けながらの改築事業ですから、かなり難易度の高い工事が予想されておりますが、そこで一つ気になりますのが、審査結果の設計プランでは、仮設庁舎は基本的に必要ないことになっております。今後、設計に入った段階で必要になった場合の対応策は考えておくべきではないでしょうか、区の見解を伺います。
◎松村 庁舎整備担当部長 今回のプロポーザルでは、世田谷四丁目の公園予定地の一部の土地を工事期間中の敷地外の仮駐車場の用地として確保する一方で、仮設庁舎につきましては敷地外に確保できていない、その条件で提案を求めたところです。委員の御指摘のとおり、最優秀者の提案では、適切な規模で工区を分割し、工区ごとに順次建てかえることで仮設庁舎が不要となる、そういう提案がなされております。
区としましては、本事業は本庁舎等の機能を工事期間中も継続させ、さらに近隣住民や施設利用者並びに職員の安全なども確保しつつ、円滑に工事を進めなければなりません。こうしたことから、施工計画におきまして、段階的な工事をより安全かつ円滑に行えるよう、設計を進める中で、区役所周辺を基本に、可能な範囲で仮設庁舎に活用できる場所を速やかに確保できるよう検討してまいります。
◆和田ひでとし 委員 それにしても、今回決定されたプランでは、工期が四年十一カ月と六案の中で二番目に短い提案でした。確かに業務を続けながらの工事ですから大変だと思いますが、もう既に当初の予定よりおくれているわけですから、少しでも早く新庁舎を竣工させるためにも、今回提案された工程を想定した上で区は設計作業に入るべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎松村 庁舎整備担当部長 区といたしましても、区民の安全安心を支える防災拠点でもある本庁舎をできる限り早期に竣工することが大変重要な視点と考えております。今回の最優秀者の提案では、現在地で本庁舎等の業務を継続しながら、解体、建築を繰り返す非常に難易度の高い工事の対応としまして、逆打ち工法や地下躯体の山どめ一体利用など、工期の短縮の提案がなされている点が評価されております。
今後、基本設計を進める中で設計者からの提案を尊重するとともに、業務の継続、工事期間中の災害対策本部機能の維持、工事期間中の安全管理、近隣への影響なども考慮しながら工程を検討してまいります。
◆和田ひでとし 委員 しっかりと進めていただきたいと思います。
それでは次に、男女共同参画と多文化共生を推進する条例について伺います。
区は、来年の第一回区議会定例会に条例案を提出することを前提に検討を進め、九月二十日には「区のおしらせ」パブリックコメント特集号にて区民意見を募集しているところです。私のところにも「区のおしらせ」をごらんになった区民の方から素朴な疑問が寄せられておりますので、確認のために改めてお聞きいたします。
まず、そもそもなぜこのタイミングで、この条例をつくるのか伺います。
◎田中 生活文化部長 御質問の条例は、多様性を認め合い、人権を尊重することを基本に、男女共同参画と多文化共生を推進することを目的としております。区では、平成二十七年七月に学識経験者や当事者、区民代表から成る第二次
男女共同参画プラン検討委員会を立ち上げ、二年近くにわたり議論を積み重ねていただきました。第二次
男女共同参画プランは、この検討をベースに基本構想、基本計画との整合を図り、これまでの取り組みを継承するとともに、社会情勢の変化や区民意識の状況、国の第四次男女共同参画基本計画などを踏まえ、今後十年間の計画として本年三月に策定したものです。
一方、家族形態やライフスタイルの多様化は一層進んでおり、さらに、国際化が進み訪日・在住外国人もふえているという状況から、多様性を念頭に置いた施策の必要性はますます高まっています。このため、第二次
男女共同参画プランの策定から間をあけず、また、東京二〇二〇オリンピック・
パラリンピック競技大会まで三年を切った今こそ、全ての人が多様性を認め合い、人権が尊重される社会の実現を目指す取り組みを加速することが求められており、条例制定の好機であると考えております。
◆和田ひでとし 委員 さきの本会議で他会派の一般質問でも触れられていましたが、今後検討を進めるに当たり、区は区民や事業者の方々に、条例案の内容を誤解なく理解してもらうためにQアンドAのようなものを作成して周知すると答弁がありましたが、その内容はどんなものなのでしょうか。
◎田中 生活文化部長 本条例の目指す社会の実現に向けては、区、区民、事業者が基本理念を共有し、それぞれの立場で取り組みを進めることが不可欠です。このため、子どもから高齢者まで、また、区民、事業者を問わず、条例の内容について幅広く理解していただく必要があると考えております。具体的には、条例内容を解説するパンフレットなどの作成や各種広報紙の活用とともに、説明会の実施やイベントでのPR機会の確保など、さまざまな方法で周知を図ってまいりたいと考えております。
お話しのQアンドAにつきましては、条例の趣旨を初め、条文ごとの具体的な内容を解説することを想定しております。現在実施しておりますパブリックコメントなどでお寄せいただく疑問や御意見などにお答えすることもあわせて考えてまいります。具体の内容につきましては、今後、議会や区民の御意見を伺いながら検討してまいります。
◆和田ひでとし 委員 当事者ではない方にとっては、なかなか理解できない部分があると思います。まずは、条例制定に当たり誤解のないようにすべきであり、特に理解の進んでいない区民がささいな発言から、条例により罰せられたり、周囲の人から条例違反をしているなどと言われたりすることがないように、正確な理解ができるように努めるべきであると考えております。
時間ですので、私からの質問は以上で、菅沼委員と交代をいたします。
◆菅沼つとむ 委員 まず、本会議の代表一般質問の区の答弁で気になった何点かを聞きます。
世田谷民進社、風間幹事長の質問で、保坂区長は選挙公約で世田谷総合支所を三軒茶屋に移転すると公約されましたが、今でも公約どおりにするのかと質問がありました。保坂区長は、今でも考えていると答弁がございました。そこで、何点かお聞きさせていただきます。
新しい本庁舎ができて、区民が手続に来た場合、世田谷総合支所がなければ全部の手続ができないんじゃないかというふうに思いますけれども、どういうふうに思っているのか、お聞きします。
◎保坂 区長 他会派への答弁で、選挙時に公約、三軒茶屋に総合支所を移しますと、こういったことについて書いております。しかしながら、御承知のように、世田谷総合支所は現在、基本構想、本庁舎をどうつくるかという中で、三軒茶屋の部分がどうしても平米が足りない、面積が足りないということで、こちらを本庁舎の中につくっていくというふうに変えました。したがって、そこは選挙時に言ったことが実現しなかったというのは大変残念ではございますが、一方で、各総合支所は地域の核になるところ、交通利便性のあるところにあって、自治の拠点として、また、住民に近いところで事務執行していくというところで、中長期的な視点で、これは追求をしていきたいというふうにお答えをしたところでございます。現在もそのとおりに考えております。
◆菅沼つとむ 委員 確かに、私も三軒茶屋がいいというふうに考えた時期もあります。しかし、本庁舎に来て世田谷総合支所がなければ、逆に言うと、玉川の人は玉川の総合支所へ行ってください、世田谷に行ってください、烏山へ、振り分けなくちゃいけないわけですよ。なぜ総合支所に来るかというと、世田谷総合支所に来れば何でも間に合うというのが大きいんですよね。だから、要するに
世田谷総合支所は本庁舎から動かせないというふうになろうかと思います。
今、中長期的にやっていくという区長の答弁がありましたけれども、そうすると、五つの総合支所が六つになるわけです。そうなったときにどうなるんだといったときに、
世田谷総合支所は今でも三百八十人ぐらい職員、非常勤がいるわけですよ。また、その分だけ職員をふやすのかということになります。区の職員を一回雇ったら、基本的には定年までずっといられるわけですよ。そうすると、本当にそんな人数を雇っていていいのかと。
ちなみに、保育関連経費は今四百六十億円使っていますよ。それでまた人をふやす。児相のほうもふやす。そうすると、一番大きいのは、職員がふえることが財政的にすごく圧迫されるわけですよ。本当にそんなことをやっていいのか、お聞きします。
◎岡田 副区長 今、総合支所の移転に関連して御質問がございましたけれども、確かに、本庁舎の基本構想の中でも記載があったと思いますけれども、
世田谷総合支所を仮に三軒茶屋に移転した場合には、本庁に一定程度の機能を残す必要がございます。そういう意味では、人員、それから、お金の面でも負担が生じるということはあると思います。中長期的な課題ということで、今後の窓口のあり方等々を考えますと、さまざま技術的な改善もあると思いますので、そういう技術的な改善等も含めた上で判断していくべき課題ではないかというふうに考えております。
◆菅沼つとむ 委員 区長の公約というのは重たいものだというふうに思いますけれども、やっぱりできることとできないことがあるわけですよ。その辺はきちんと考えなくちゃいけないし、世田谷の財源は今はある程度いいですけれども、それがオリンピックだとかが終わった後に、財源が落ちてきたときに、人件費だとか、庁舎だとか、そういう問題は今からやっておかなければ間に合わないというふうに思います。だから、区長の公約も大事ですけれども、やっぱり、区長はきちんと計画的に前を見据えた答弁をしていただきたい。その辺をお願いしておきます。
次に行きます。続いて、一般質問の公明党の平塚議員、それから、世田谷無所属のひうち議員の質問で、自転車保険の加入に対する質問がありました。私はいい質問だったと思います。
平成二十九年一月から八月まで、交通人身事故は二十三区で一番多い区は世田谷区です。その約四割は自転車事故です。自動車からバイク、自転車までありますけれども、強制賠償保険にないのが自転車だけです。例えば自転車事故、小学生が自転車で帰宅途中に、歩道で歩行中の女性六十二歳と正面激突、意識が戻らない状態になったと。賠償額九千五百二十一万円、平成二十五年七月四日に判決が下っています。また、高校生が自転車横断帯の斜め横断をし、自転車で直進してきた二十四歳の会社員と激突、重大な障害があります。賠償額九千二百六十六万円、これも判決があります。自転車事故を起こすとき、被害者、それから自分のため、家族のために万一に備えるのが自転車保険です。
そこで何点かお聞きします。第一に、二十三区で十区が自転車保険を勧めています。区によっては、チラシ、宣伝だけで保険会社に丸投げの区もあります。区は自転車保険をどのように考えているのか、お聞きします。
◎五十嵐 土木部長 区では、交通事故の防止を図るだけでなく、転ばぬ先のつえとして保険への加入を進める必要があると考えております。平成二十四年四月に制定いたしました世田谷区民自転車利用憲章のうち、私たちはマナーを守り優しく自転車に乗りますの例として、保険加入に触れるとともに、自転車安全講習の中で保険加入の必要性について御説明しております。区では、さらに区が保険者となる区民交通傷害保険の実施に向け検討を進めているところです。
◆菅沼つとむ 委員 マナーだとか、啓発だとか、それは大事なことだと思いますけれども、それで済めば二十三区で一番自転車事故が多い区にはならないというふうに思っています。
世田谷区は、平成二十九年七月に自転車保険の実施区の区の説明に参加し、実施区のヒアリングを行っています。それからもう三カ月以上たっております。前回の一般質問では、世田谷区もスピードを持って進めていくと言っていますが、方向性がよく見えません。一般に自転車保険料は約百九円で、年間で千三百円です。高い保険もあります。自転車保険は、自分が事故を起こしたときだけでなく、車両による事故による人身、それから通院、治療費も出ます。
お聞きしますけれども、自転車保険を実施している区は十区ありますが、一つ問題があります。それは、十区の自転車保険加入率の低さです。平成二十九年、十区の自転車保険の加入率、練馬区二・二%、渋谷区二・四%、港区二・六%、一番高いのが墨田区です。実際には、本当に自転車の保険というのは必要だと私も思っています。そのときには、多くの区民に入っていただくことが一番大事かなというふうに思っています。努力義務だけじゃなくて、やっぱり世田谷区としてお願い条例で、世田谷区民全員に自転車保険に入っていただくというのが一番大事かなというふうに思いますので、条例化に対してどういうふうに思っているか、お答えを聞きます。
◎五十嵐 土木部長 自転車保険の加入につきましては、東京都自転車安全利用条例で自転車利用者の努力義務として規定されているところでございます。全国で最初に条例で自転車保険への加入義務を定めました兵庫県の場合でも、条例で罰則などを規定しているわけではなく、損害賠償責任補償のみに加入できる新たな保険制度を創設したことにより、効果があったと伺っております。
区といたしましては、自転車保険加入の義務化につきまして研究するとともに、今後も継続的に通勤や仕事に自転車を利用する事業者に働きかけるなど、自転車保険加入を促進してまいります。
◆菅沼つとむ 委員 平成二十五年四月に東京都自転車安全利用条例というのができているんですよね。自転車利用者は、自転車の保険加入が努力義務になっているんです。努力義務でも保険に入っていないということなんですよ。二十三区で一番自転車事故が多い区ですので、努力義務だけじゃなくて、やっぱりお願い条例でやるべきだというふうに今お聞きしたんですけれども、研究するということは、世田谷区でやらないということですので、大変残念だなというふうに思っています。
それで、スポーツ保険だとか、いろんな大会保険だとかあるんです。子どもたちの団体、要するに大会に出るときに、スポーツ保険や何かは必ず入らなくちゃいけない。それは子どもたちを守るだけじゃなくて、付き添いの父兄だとか、それからコーチだとか、事故があったときに守るために保険に入っているわけですよ。だから、世田谷区民を守るには、やっぱり保険をお願い条例にするべきだというふうに思っております。
自転車のほうで最後に、今十区で保険加入率が低いということですけれども、部長、目標はどのぐらいを持っていますか。
◎五十嵐 土木部長 ともかく先ほども説明しましたけれども、区民交通傷害保険、そちらの実施に向けて検討もいたしますし、これが実施になった暁には、あらゆる機会を捉えてPRに努めまして、保険加入率がアップするように頑張っていきたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 気合はよくわかるんですけれども、二十三区で一番ぐらいの数字を出していただきたいというふうに思います。
次に、本庁舎整備についてお聞きします。
私は、本庁舎の特別委員会、都市整備委員会にも入っていません。区長の答弁でも、記者会見で、本庁舎の基本計画委託契約を二十九年十月に区として決定するとありました。本庁舎の、区民、それから議会の意見を聞きながら進めると。十月に契約ですから、今言わないと意見がないことになりますので、私の意見を言わせていただきます。
第一に、本庁舎、第一庁舎、第二庁舎、区民会館、
世田谷総合支所を全部壊して、免震構造で一つの高層ビルにして、空地、それから広場、公園の中の本庁舎をつくっていただきたい。第二に、今の本庁舎は、第一庁舎、第二庁舎、
世田谷総合支所、区民会館、城山庁舎、三軒茶屋の産業政策部など、区民が来ても窓口がばらばらでどこへ行っていいんだかわからない、そういうこともあわせ、それからまた、いつも見ていると職員が書類を運んだり、会議の場所もばらばらだったり、本当にこれでいいのかと。何を言いたいかというと、職員の効率性が悪いということは、職員の人件費の無駄遣いなんですよ。本当にその辺を考えていただきたい。
例えば、楽天が二子に来る前は臨海にありました。ビルを二つ借りていて、行ったり来たりする効率が悪いということで、今二子に引っ越してきているわけですから、その辺も考えていただきたいというふうに思います。ばらばらな庁舎を本庁舎一カ所にできるのに、また何で三カ所に分けたのか、本当に私にはわかりません。
第四に、新しい本庁舎は約七十年以上使います。丈夫で長もちし、使い勝手がいい本庁舎にするべきです。本庁舎は約七十年先を見た計画になっているのか、また、本庁舎は芸術品ではなく、使い勝手がいいのが一番だろうというふうに思っています。この間、本庁舎のプロポーザルが六社行われました。効率的な一つの庁舎というのは、残念ながら一社もございませんでした。大変残念だなというふうに思っています。
お聞きします。本庁舎整備で審査委員会の結果を見ておきますと、今の本庁舎の設計は、御存じのように前川さんがやったと。そのときに、修理だとか、雨漏りをやったときに、前川さんの許可がないと修理もできなかったんですよ。だから、区が手をつけられなかったというのが事実だと思います。今度の佐藤総合計画も同じなのかお聞きします。
◎松村 庁舎整備担当部長 区が所有します庁舎等の公共施設につきましては、経済的、あるいは実用的観点から、必要な範囲で改修を行うことは区の判断で実施できるものと考えています。今回整備する庁舎等につきましても、同様な考えであると認識しております。いずれにしましても、今後、設計者と契約する仕様書の中で、建物に対する改修等の許諾について明確にしていきたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 今答弁いただいたように、契約時に必ず入れてください。お願いします。
それからもう一つは、ノバビルを初め、たしか年間四千八百万円ぐらい家賃を払っていると思います。それから、周りのビルも借りていると思います。だから、新しい本庁舎ができたときに、集約すれば、その分家賃を払わなくていいというふうに思いますけれども、どのくらい集約できるのか、区にお聞きします。
◎松村 庁舎整備担当部長 今回、本庁舎等整備基本構想におきましては、現在本庁舎の敷地外にあります本庁舎の関連施設について、機能の効率化を図るため、原則本庁舎へ集約することとしております。具体的に集約する関連施設としましては、分庁舎ノバビル、城山分庁舎、美松堂、プレハブ会議室、東京日産太子堂ビルとしておりまして、このうち、分庁舎ノバビル、美松堂、東京日産太子堂ビルが借り上げ施設でございます。さらに、保健所試験検査機能が入っておりますエムケイアースビルにつきましても、借り上げ施設であることから、集約を視野に検討することとしております。さらに、三軒茶屋分庁舎の産業政策部、厚生会館の政策研究・調査課、事務センターの災害時のバックアップ機能につきましても、本庁舎に機能を集約することとし、これを前提としまして、行政機能四千七百三十平米という規模を定めたところでございます。
今回の最優秀者の提案では、行政機能が約四千七百三十一平米としておりまして、区が基本構想で求めている規模を満たしているということでございます。本庁舎機能につきましては、機能集約による区民の利便性の向上など、将来に向け、さまざまなニーズに確実に対応できる執務空間と体制を確保してまいります。
◆菅沼つとむ 委員 次の質問に移ります。児童相談所移管についてお聞きします。
自民党会派で東京都中央児童相談所、また福祉保健委員会の視察で大阪の堺市の児童相談所、また会派で浜松市の児童相談所の視察の現場の意見を聞きながら質問させていただきたいというふうに思います。
浜松市は人口七十九万人、面積は世田谷区の二十六倍です。広いので、児相の職員が現場に駆けつけるのに時間がかかり大変だというお話を聞いています。また、児相の職員が足らなくて、今探しているという状況でございます。堺市は人口は八十四万人、面積は世田谷区の二・六倍、今の児相の職員、非常勤合わせて百人くらいいるそうです。しかしながら、虐待だとか、さまざまな件数がふえて、今探していますが、なかなか見つからない状況です。堺市も浜松市も政令指定都市になったので、児童相談所をやらなくてはならない、だから、やっているというふうに思います。政令指定都市になったことで、大阪府、静岡県が全面的に児童相談所、一時保護所を初め、児相にかかわる施設を市に貸し、児相のベテラン職員をなれるまで市のサポートに回しています。ちなみに、浜松市、堺市の児童相談所の財源は地方交付税です。児相の視察で一番大事なのは職員です。
そこで何点かお聞きします。区長は積極的に児童相談所を進めると言っていますが、一般職員は週月曜日から金曜日です。勤務時間は九時から五時です。児相にかかわる職員は二十四時間、三百六十五日体制になります。警察、児相の全国共通ダイヤルが来たときに、夜間でも区の職員が子どもたちの安全を確認に現場に行かなくてはなりません。
そこでお聞きします。区長がやる気があるのはよくわかります。だけれども、職員も児童相談所に行くのはよく話をして納得しているのか。要するに、区長がやるからやれじゃ、これは続かないなというふうに思っていますし、また、区の職員組合は、これはオーケーですよという話をもらっているのか、その辺をお聞きします。組合は大事ですから。
◎宮崎 副区長 まず、この児童相談所の件は、再三議会の中でも申し上げておりますけれども、経過がございまして、地方分権の流れの中で、どうやって児童相談所のほうを特別区に持ってくるかということから始まっております。当然その経過も含めましては職員も知っております。この間の本会議の中でも御説明しましたように、やはり、今の状況の中でも子家センのほうと児相とのキャッチボールの中で、区側としても、職員のほうからその辺についての悩みもお伺いしているところでございます。さらには、今申し上げております体制の問題についても、この後、職員のほうからも意見聴取をして、世田谷区におきましてのよりよい対応をしていきたいと、このように考えているところでございます。
◆菅沼つとむ 委員 世田谷の職員は大したもんだろうというふうに思います。覚悟ができているということで、次にお願いがあります。児相を支えるのは区の職員です。職員は、要するに三年ごとに異動があります。児相関連は最低でも五年以上、経験ですとか積ませる必要があるというふうに思います。できたら十年以上はお願いしたいというふうに思いますけれども、区の考えを聞きます。
◎澁田 子ども・若者部長 子どもの命と安全を守る重責を担います児童相談所の職員の肉体的、精神的な負担は大きなものがございまして、こうしたことに配慮しながら人員配置を行う必要がございます。また、委員御指摘のとおり、職員の経験を蓄積することで、児童相談所全体のスキルアップを図る必要もございます。そのためには、まず短期間で職員が業務を継続できなくなるような事態を防ぐということは必要でございますが、長期間勤務させるという体制づくりといたしましては、複数対応とか、組織としての対応が必要となってまいりますので、長期にわたって固定化することに安定感や安心感を得られるものと考えられますが、その持てるノウハウや技術を伝授して、その立場にかわる職員を育てることが、長期的に見れば安定的な運営が図れるものと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 大阪の堺市に行ったときに、政令指定都市になるときに、担当者、立ち上げる女性の方がいました。その人は今でもやっています。なぜかというと、初めて、経験がないので、やっぱり経験を積ませないと、区長が言っているように子どもの命がかかっているんですよ。その辺はきっちりやっていただきたいというふうに思います。
また、浜松市に行ったときに、東京都は金、人、施設、経験もあるのに、世田谷区さん、何で児相をやるんですかと逆に聞かれました。私はわかりません。せっかく聞かれましたので区の考えを聞きます。
時間がなくなりましたのでかわりますけれども、私は区長から答弁がいただきたいというふうに思います。実際に、人、物、金、東京都よりいい児相にしなかったら、子どもは死ぬわけですから、どっちがやるかじゃなくて、誰がやったらよくなるか、その辺をきちんと考えていただきたいというふうに思います。私の時間は終わりました。
◎松村 庁舎整備担当部長 申しわけありません。先ほど私の答弁で、行政機能の面積四千七百平米と申し上げましたが、四万七千三百平米の間違いです。訂正をさせていただきます。
◆三井みほこ 委員 それでは、私からは初めに、危機管理意識と危機管理体制についてお聞きしたいと思います。
自民党の代表質問でも、八月十九日の花火大会の避難誘導や対応について質問していますが、もう一度確認したいと思います。このたまがわ花火大会は、砧総合支所の職員の方々や実行委員会の方々、この実行委員会というのは地元の喜多見や宇奈根、鎌田、大蔵、岡本、玉川、瀬田など、さまざまな町会の方々を初め、商店街や日赤の方々、多くの皆様の大変なお力をいただいて毎年開催ができているということでございます。そして、これは言うまでもなく世田谷を代表するイベントです。
まずは確認ですけれども、昨年度の来場者数と、ことしは中止になりましたけれども、あの時点でどのくらいの方が来場していたのでしょうか。
◎寺林 砧総合支所長 昨年のたまがわ花火大会の来場者数ですが、約二十三万人でございます。本年につきましては、中止したため公表はしておりませんが、八万人程度ではないかと見込んでおります。
◆三井みほこ 委員 本当にそれほど多くの方が訪れるイベントなのですから、現在の花火大会の危機管理マニュアルのままでよかったのか検討も必要ではないかと考えます。今回、落雷の影響によるしびれ等で救急搬送された方々は、幸い大きなおけがではなかったからとか、天候が急変したから仕方なかったということで済む話ではないと思っています。警察、消防等関係機関との振り返りの会議体を持つと聞いていますが、実行委員会の方々や、それに加えて応援に行った全ての職員のヒアリングなども行って、今回のことをしっかりと検証し、今後に生かすべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎寺林 砧総合支所長 これまで花火大会終了後は、御協力いただきました警察、消防、交通事業者、あるいは川崎市等の関係機関と個別に振り返りの場を設けさせていただいております。その際、本大会におけます懸案事項、あるいは新たな課題のヒアリングを行うとともに、次回に向けました改善案の御意見をいただいております。御指摘の従事いただいた実行委員の皆様及び応援職員の方々にはアンケートによりまして、当日の状況や次回に向けました課題の抽出を行っております。
引き続き、御協力をいただきました皆様の御意見を伺いながら、警察、消防との関係機関と連携いたしまして、来場者の安全確保を最優先に花火大会の運営に努めてまいります。加えまして、区民まつり、246ハーフマラソン、あるいはオリンピック・パラリンピックを担当いたします所管課とも情報共有化を図りまして、大規模屋外イベントの運営に対します危機管理体制がより強固なものになるよう努めてまいります。
◆三井みほこ 委員 この危機管理マニュアルというのを見せていただきました。このマニュアルによると、事件、事故が発生した場合、実行責任者である砧総合支所長が警察、消防や玉川総合支所長と協議する、そして、実行委員長とも協議して決定、それを区長に報告し指示を受けるとなっています。当日も、砧総合支所長が中止の決定をされたと聞いています。当日は、雷注意報が継続して発表されていましたので、寺林総合支所長は天候の情報も常にとりながら、中止した場合いろんな影響がある、そのことも考えて、実行責任者として中止と判断されたことは本当に大変なことだと思っています。
実行責任者は砧総合支所長になっているとはいえ、世田谷区最大のイベントといってもいいこの花火大会の中止を決定したときに、区長は本部にはいなかったと聞いていますが、これはどういうことだったのでしょうか。
◎寺林 砧総合支所長 まずは冒頭に、このたびの花火大会におきましては、天候の急変によりまして、避難、誘導準備の時間がとれなく、来場者の皆様を初めまして、警察、消防等の各関係機関の皆様に大変御迷惑をおかけしましたことについて、改めて申しわけなく思いますとともに、おわび申し上げます。
また、区長の当日の動きでございますが、実行委員や警察、消防等の関係者への挨拶のため、各本部回りと花火打ち上げ前のステージ挨拶をお願いしておりました。区長は、十六時四十分過ぎには実施本部には到着しており、その際、私から今後の気象状況によっては中止もあり得る旨、現場責任者として判断することを報告し、区長から了解を得ていたところでございます。その後、区長は兵庫橋本部に向かっております。
◆三井みほこ 委員 十六時四十分過ぎには区長が到着していたということで、その際に、今のお話ですと、総合支所長から気象状況によっては中止もあるという旨を報告し、了解を得ていたということであれば、なおさら通常のときとは違うというわけですよね。どうぞ、区長、御挨拶に行ってくださいというような流れだったとしても、本当にこの夏の豪雨とか、雷の状況を見ると、各地で天候の急変というのは起きています。
そして、当日は雷注意報が継続して出されていたわけですし、たまがわ花火大会及び多摩川クリーン作戦の実施概要というのも見させていただきましたが、中止の判断基準に落雷のおそれがあるとき(落雷注意報が発令されているとき、または落雷のおそれがあるとき)というふうになっています。そういう状況の中、いかなることが起こるかというか、そのときは天気がよかったとしても急変が予想されていたと。そういうときに、区のトップとして区長が本部を離れてしまうという感覚が、私にはちょっと理解できないんですね。本当にさまざまな対応がすぐとれる、そういうときには、やはり本部にいるべきではなかったのかなと思います。区長はどのようにお考えでしょうか。
◎保坂 区長 当日は四時半過ぎに現地会場に到着しまして、まずは吉沢橋の警備本部などを御挨拶をし、本日はお願いしますという形でまた本部に立ち寄り、そして本部に行ったときに、先ほど支所長が答えた、これは中止ということになるかもしれないと、その場合、六時前にはそういう判断をしなければいけないかもしれないというお話は確かにありました。
ただ、その時間はまだ四時四十分過ぎということで、結果としては天候が急変したわけなんですが、そこまでの急変が起きるということは予想がつきませんでした。また、天気予報会社などの情報も、そういう情報ではなかったので、岡田副区長を伴って兵庫橋のほうに挨拶に行き、兵庫橋の挨拶をしているときも、何とか天候はもつといいねというようなお話が現場でもあり、そして戻ってきて、ちょうど橋の下あたりで急激な雨が降ってきたと、風も吹いて来た、こういった状況でございます。ですから、結果として、寺林支所長が中止の判断をしてくれたのは適切だったと思いますし、その後、風雨の中を何とかして本部まで戻って、現状の体制はどうなのかということで報告を受け、またチェックをしたということでございます。
ただ、今回の花火大会の件については、翌日、警察、消防、それぞれお礼も含めて回りまして、やはりこれまでにない急激な気象の変化に対して、十分備えができていたのかどうかというのは課題だということで、振り返りの会をやろうと。それから、この時期が本当に花火大会としていいのかどうかということも川崎市側と協議を始めたいと思っているところで、現に話をし始めているところです。ですから、反省すべきところは十分にあるというふうに思います。
◆三井みほこ 委員 もちろん、今、区長がおっしゃったように今後に生かしていただきたいと思います。総合支所長は、現場責任者としてしっかり役割を担ってくださったと思っています。ですが、結果として九名の方が搬送されて、場合によってはもっとさまざまな被害が出てしまったかもしれないですね。本当に大雨と雷が鳴っている中、橋に立って誘導に当たっている職員の方々もおり、そしてまた、消防団員の中には延焼防止の放水作業の任務に当たっている方も毎年いるわけですが、そういう任務の方は川のそばであの大雨に当たって、雷がどんどん落ちると、そういう状況で、本当に生まれて初めて生命の危機を感じたという声も、私いろいろ聞いております。ですから、今回もこの話を取り上げさせていただいているわけですけれども、あと一点、救護体制について少し提案をしたいと思います。
保健所長はドクターであるわけですが、救護本部に医師が配置されるのは六時と聞いています。もちろん今回の中止の時間は、まだいらっしゃる時間ではなかったんですけれども、打ち上げが七時からという花火大会ですが、本当に早くから多くの方が集まってくるイベントですから、いろいろなお仕事の御都合もあるかと思いますが、医師の早目の配置というのが可能であれば、それこそあれだけの人数が集まれば、いろんなことが起こる可能性があるわけですので、安心な救護体制になると思います。
今、区長も答弁していただきましたけれども、救護体制のあり方、開催時期、また中止等の判断基準等、もう一度よく検討していただいて、場合によっては危機管理マニュアルの検討というか、その辺のことまで考えなければいけないと思っています。いかがでしょうか。
◎岡田 副区長 現行の危機管理マニュアルにつきましては、先ほど委員のほうからも御紹介をいただきましたけれども、花火大会の開催に至るまで実行委員会を初め、警察、消防等関係機関との会議、あるいは現場確認を通じまして、警備警戒態勢の協議を重ねてきた砧総合支所長が実行責任者となることになっております。中止決定につきましても、砧総合支所長が実行委員会代表、区長と協議の上、決定するというような仕組みになっております。
今回の例におきましても、現場に精通している支所長が、事前に区長、それから実行委員会に了解をとった上でですけれども、臨機応変に決定を下したということの重要性を再認識したところでございまして、今後、オリンピック・パラリンピックなど大きなイベントにおきましても、この仕組みを、また今回の経験を生かしてまいりたいというふうに考えております。
一方、昨今の気象変動の中で、今回のような事態を招いたことは重く受けとめなければいけないと考えております。今お話がありました救護体制の問題、世田谷保健所がずっと対応してくれておりましたけれども、その時間の問題ですとか、救護体制、それからその他、開催時期、中止の判断基準、こういったことは今後、警察、消防の意見も聞きながら再検証して、来場者の安全確保を最優先に、花火大会ほか大規模イベントの運営に努めていきたいと考えております。また、東京消防庁に対しましては、最新の雷対策などの知見を伺う機会を現在お願いしているところでございます。
◆三井みほこ 委員 それこそ悪天候だけではなくて、いろんな事態も想定しなければいけないと思います。また、オリンピック・パラリンピックも控えておりますので、警察、消防などの関係機関としっかりと連携をとって、危機管理体制を万全なものとしていただきたいと要望いたします。
では続いて、浸水対策や対応についてお聞きしたいと思います。
花火大会の当日は、大会中止となるだけでなく、あの大雨で家屋の浸水被害が発生しました。特に半地下のお宅に被害が多かったと聞いています。このような水害に弱い半地下や地下の建築物の被害を減らすため、浸水対策などを記載した、このようなチラシがもう既につくられておりますけれども、これは支所や関連部署の窓口に配置しているということでした。せっかくつくっても、棚に置いているだけでは周知の効果が薄いのではないかと思います。毎年大雨による浸水被害が世田谷では起きているわけですので、地域で行っている地区防災訓練、また、各種のイベントなどの機会も利用して、区民の方々に対して浸水対策について、もっときめの細かい対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。
◎小山 道路・交通政策部長 お話しの浸水被害に対する対策のチラシでございますが、これは区民向けに作成いたしまして、各支所、
まちづくりセンター、関係部署の窓口などで配布し、区民周知に努めているところでございます。そのほかにも浸水対策の周知の主な取り組みといたしまして、建築に際して、建築物浸水予防対策要綱に基づく事前の届け出とか、あと洪水ハザードマップ、土のうステーションを御利用くださいとか、これは東京都の下水道局のほうで作成しておりますが、「半地下家屋・地下室にご用心」このようなチラシ等を各所管に備えつけて対応等をしているところでございます。あわせて雨水浸透枡、それから雨水タンクの設置への助成制度など、都市型水害の軽減にも取り組んでいるところでございます。
区といたしましては、浸水被害軽減に向けまして、浸水対策について、きめ細かな区民への周知をさまざまな機会を活用して、引き続き関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
◆三井みほこ 委員 前もって備えていたとしても、想定外の大雨で緊急に対応しないといけないような事態も考えられると思いますが、区民の方がそのようになったときには、どうしたらいいのかということをお聞きしたいと思います。
◎五十嵐 土木部長 先ほどもお話しいたしましたように、チラシにも御案内がありますけれども、最寄りの土木管理事務所、それからまた、各支所に一報いただければ区のほうで対応いたします。御安心ください。
◆三井みほこ 委員 ありがとうございます。特に休日とか、夜間も心配になると思うんですけれども、その場合はどうしたらいいでしょうか。
◎五十嵐 土木部長 大雨警報とか、大雨注意報とか、そういったふうになれば、当然区のほうで職員が事務所だとか支所のほうに参集いたしますので、そういった形で連絡いただければ、私どものほうで対応するという形をとっております。
◆三井みほこ 委員 電話が通じるということなんでしょうかね。先ほど、花火大会のときに成城でも浸水がありました。そのときに確認したんですが、例えば消防署の方が区のほうに連絡をとるというときでも、まず音声案内につながると。それから、その音声案内の最後のほうで、緊急の場合にはどうこうということが流れて、それで守衛さんにつながって、それから災害対策課長につながったんですというのを聞いて、私はちょっと驚いたんですけれども、例えば消防署が連絡するということは、それなりに緊急なことですよね。例えば排水ポンプは消防団では持っていないので、世田谷の土木関係のところに連絡をとったりとか、そういうことが必要だと思うんですけれども、消防署と区では、そのようなホットラインというか、直通の電話は夜間とか休日にはないんでしょうか。
◎小山 道路・交通政策部長 緊急時といたしまして、大雨の注意報から警報になるというような事態にあわせて、それぞれ参集体制を整えておりまして、本所、さらに土木管理事務所、公園管理事務所のほうで人員を整えるような形で対応しております。その中でちょっとしたタイムラグがあったのか、先ほど委員おっしゃったような事態もあったかと思いますが、いずれにしましても、消防署等と連絡を密にいたしまして、土木事務所のほうで持っている排水ポンプ等も使ったりとか、あと消防署のほうでも非常に大きいポンプになるんですが、そういったものを出動させたりとか、それは連携を密にしてやっているところでございます。
◆三井みほこ 委員 その連携を密にするために、休日とか夜間でも直通で、消防署から危機管理でもどこでも、区のそういうところにつながる体制はとれているんでしょうか。
◎小山 道路・交通政策部長 緊急時の連絡体制としては、連絡網そのものも一応用意してございますし、その中で対応するような形になってございます。あわせて、消防署以外にも東京都、あと国の河川管理する事務所等も含め連絡体制というのは整えているものでございます。
◆三井みほこ 委員 それでは、ホットラインがあるという認識でいいんですね。
◎小山 道路・交通政策部長 緊急時の連絡網として整えてございます。
◆三井みほこ 委員 わかりました。では、当日は混乱がいろいろあったのかもしれないですけれども、そういう休日夜間、直でつながる手だてはなかったというふうに私は聞いておりましたので、確認させていただきました。
それでは次に、学校給食における「せたがやそだち」の活用についてお聞きしたいと思います。
自民党としてこれまで、さまざま区民生活領域とか、文教領域とか、補充、各議員が何度も質問してきました。ここで繰り返し言うまでもありませんけれども、地元でとれた本当に新鮮な野菜を子どもが給食で食べられる。また、食育の観点からもすばらしいことですし、世田谷、我が町に対する思いというか、理解を深めるという意味で本当に有意義だと考えています。その学校給食における「せたがやそだち」の活用について、どのくらい進んでいるのか、お聞きしたいと思います。
◎志賀 教育次長 「せたがやそだち」を学校給食で使用することは、とれたての新鮮な野菜を食べることができる地産地消と合わせて、食育の観点からも有意義なことであると認識しております。一方で、「せたがやそだち」は少量、多品種で栽培されていることから、給食で使う必要量をどう確保するかといった課題もございます。
こうしたことを踏まえまして、昨年度、庁内関係所管やJAと連携し、世田谷産農産物利用推進検討会を設置いたしまして、「せたがやそだち」の利用拡大に向けた検討を行ってまいりました。その結果、平成二十九年一月に、「せたがやそだち」給食ウイークとして、「せたがやそだち」を利用した給食、世田谷根菜汁の提供を試行したところ、約七割の学校で実施できました。
今年度は、昨年度のこの試行結果に基づき、小中全校での実施に向け、必要な量をJAに作付から御相談申し上げるとともに、各校の実施校を割り振りし、「せたがやそだち」の大根を利用した献立で豚肉と大根のうま煮、またはおでんを十一月から十二月にかけて実施する予定でございます。この取り組みは、子どもたちの健やかな成長を地域で支える取り組みの一つでもあることから、今後、さらに「せたがやそだち」の利用拡大が図られるよう、関係所管やJAと連携し、検討してまいります。
◆三井みほこ 委員 今、御答弁にもありましたけれども、子どもたちの健やかな成長を地域で支えるというのは本当に大切なことだなと思っています。以前にも質問しましたけれども、地域のお母さんたちの協力を得て、NPOが実施している赤ちゃん体験授業についてお聞きしたいと思います。自分が子育てをする前に、赤ちゃんの世話をしたことがなかったというお父さんやお母さんがたくさんいます。赤ちゃんを抱っこしたり、子育ての話を聞く、そのことで命の大切さに気づいて、これは長い目で見て虐待やいじめの未然防止につながると考えます。積極的に進めていっていただきたいということを前回も申し上げました。そのときの答弁では、校長会や研修会などを通じて周知するということでしたけれども、その後の進捗状況をお聞きしたいと思います。
児童相談所も本当に大切ですけれども、いかに虐待等を生じさせないようにしていくかということが大事だと思います。その一つとして、教育の場でも積極的にこのような取り組みを進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎工藤 教育政策部長 児童生徒が乳幼児と触れ合う体験は、人間は周囲の人に見守られて育つこと、適切なかかわりが子どもの成長に必要であることなどを理解し、命の大切さや自分の成長、これからの生き方への気づきにつなげるために効果的であると認識しております。中学校の家庭科では、幼児の生活と家族の授業において、幼稚園や保育園と連携し、幼児と触れ合う活動を通じて幼児への関心を高め、かかわり方を工夫できるよう学習をしております。
委員お話しのように、NPO法人の協力を得て、乳児と母親を学校へ招き、触れ合ったり、話を聞いたりする体験を行っている学校は昨年度は三校、本年度は四校ございます。ほかにも、乳児の人形を使って抱き方や重さを実感するなどの活動を行っている学校があるなど、実感を伴った体験活動が重視されています。さらに、幼稚園や保育園での職場体験において、絵本の読み聞かせをしたり、乳幼児の世話をしたりして、周囲の大人のかかわりの大切さや子育ての大変さなどに気づいたなどの生徒の感想が聞かれております。
教育委員会といたしましては、生命尊重や家族愛など、豊かな人間性の育成に向けた取り組みの充実に向けて、地域の乳幼児やその保護者などとの連携がとれるよう、学校支援本部や関係機関との連携を図りながら、各学校への情報提供もしてまいります。
◆三井みほこ 委員 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
次に、道徳教育についてお聞きしたいと思います。
美輪明宏さんが、「国が道徳の教科化?笑っちゃいます」というタイトルの朝日新聞デジタルの記事を区長がツイートしております。私も美輪明宏さんの記事を読ませていただきました。時間の関係で全て読み上げられませんが、美輪さんがこの記事の後段で述べている部分、本当に愛情を持って子どもを導くには、まず、導く資格があるかどうか我が身を振り返る。そして、その後もいろいろ述べられていて、最後のほうに、本当に子どものために必要なのは、どんな教育よりも親の生き方、大人の生きざまなんです。その上で、時に突き放して苦労から学ばせる厳しさと、時に身を挺してでも守り抜くバランスが、子どもへの真の慈悲になるのですとありました。この言葉は本当にそのとおりだなと思って読ませていただきました。
ですが、その朝日新聞デジタルのリード文の中に、「『子どものため』って大人はよく言うけれど、本当だろうか。有無を言わさずに子どもを方向づけ、小学校でも道徳を教科にして大人が評価をするようになる。それってほんとに子どものため?」と書かれていました。この朝日新聞デジタルのリード文は、来年春から世田谷でも導入していく道徳とは解釈が違うのではないかなと思ったんですね。有無を言わさず方向づけたりとか、いわゆるほかの教科のような評価というのではなくて、問題解決とか体験的な学習を取り入れて、考え、議論する道徳を目指しているのだと私は認識をしています。
ですが、区長はこの記事をツイートしているということは、道徳教育をどのように捉えているというか、どのように考えているのでしょうか。
◎保坂 区長 それではまず、私の道徳教育について考えていることを簡潔に述べれば、子どもが人としての生き方、社会のあり方について多様な価値観の存在を認識して、他者と協働しながらよりよい方向を目指していく資質や能力を備えていくことが重要だと考えています。とりわけ、人の話がきちんと聞けて、人の痛みを受けとめる感受性があり、弱肉強食のジャングルルールに埋没するのではなくて、人の尊厳を大切にする多様性を承認する心の広さも大変大事だと考えています。
この道徳の教科化については、特定の価値観や規範意識の一方的な押しつけにつながってはならないと考えています。道徳の授業をかなめとした各教科、教育活動全体を通して、よりよく生きるための基礎となる道徳を学び、子どもたちがこれからの生き方や人生の土台について形成していく自己肯定感も高めていくことにつながればと思っております。
美輪さんの記事をリツイートしたわけですよね。これについては、例えば安倍首相の記者会見の一部をリツイートすることも考えられるわけで、リツイートというのは全面的な賛意ということで必ずしも行われるわけではありません。その上で、美輪さん自身は、この文章の中でも戦争体験、しかも、長崎原爆の体験があって、軍国主義教育をかなり推進してきた大人が一夜にして豹変をしたということを原点として、今、議員御紹介いただいたような、大人、親の背中を見て育つんだと、どんな教育よりも親の生き方、生きざまで示していくべきだというふうに述べているわけです。
リード文に、押しつけになるんじゃないのというようなことがあったということですが、そうならないように教育現場で努力されていくと考えております。
◆三井みほこ 委員 平成二十七年に法改正があって、首長及び教育委員会により構成する総合教育会議を設置することになって、もちろん世田谷でも既に、世田谷区総合教育会議というのを開催しているわけですよね。そういう中ですから、区長は教育委員会と教育政策の方向性を共有して、一致して当たっているというふうに私は認識していたので、少しこのリード文の部分で解釈が違うかなと思っているところを――私は美輪さんのところは別にいいと思っているんですけれども、その冒頭についている部分が、それをリツイートされたというのをちょっと残念だなと思いました。教育長の道徳教育の考えをお聞きしたいと思います。
◎堀 教育長 今、区長からリツイートされたお考えをお聞きしましたし、私どもも、先ほどの区長のお話にありましたように、特定の価値観や規範意識の一方的な押しつけになってはいけないと思っております。
平成二十七年の三月に学習指導要領が改正になりましたが、あのときにもいろんな御意見がありました。私どももその御意見を耳に入れながら、今、区長からお話がありましたようなことをお聞きしながら、来年度からの小学校、再来年度からの中学校に円滑に移行していきたいと思っております。評価も数字ではなく、子どもの成長に応じて内面の評価をするということですので、子どものみならず、教員も人間らしく生きる、幸せとは何かとか、豊かな人生とは何か、そういうものを考えられるような、教員自身も道徳について学んでいっていただければと思っておりますので、そのような体制をとって臨んでいきたいと思っております。お話にありましたように、考え、議論する道徳に移行してまいりたいと思っております。
◆三井みほこ 委員 ちょっと時間が大幅に過ぎてしまいましたので、これで質問を終わりたいと思います。地域包括ケアシステムについては、福祉のところでお聞きいたします。質問をかわります。
◆上山なおのり 委員 それでは、代表質問に引き続き、三軒茶屋における行政機能の整備について伺ってまいります。
さきの代表質問、一般質問でも多くの会派から整備方針そのものを疑問視する声が上がりました。三軒茶屋周辺に点在している公共施設を集約する趣旨は理解できるものの、民間事業者が自己所有地に建設し、区が借り上げる民間建設借り上げ方式により、四億円以上もの賃借料を二十年間支払い続けることを、やはり区民に理解していただくことは難しいのではないでしょうか。
私から提案させていただきましたが、区が保有している土地、ふれあい広場、保健センターについて、答弁の中でこの二つの場所では建設は難しいということでありました。NTTありきのこの議論と言わざるを得ません。区が示さないため、建築士の方に検討をしていただきました。平成二十五年九月二十日
世田谷総合支所地域振興課が示した世田谷区三軒茶屋ふれあい広場の整備についてのところからデータを引っ張ってまいりまして、敷地面積九百八十平方メートル、建蔽率八〇%、容積率が五〇〇%で商業地域であります。このデータから見ますと、四千九百平方メートル、おおむね六階まで建つだろうということで、また、茶沢通り側から二十五メートル先は高層化も可能ということで、茶沢通り沿いの並びにホテルがあります。ここも手前側、茶沢通り側の部分は五階、その奥が十二階建てということになっております。
また、保健センターは、現在の建物ですと、地上が四階、地下が二階建てで、延べ床面積のほうが五千二百三十二平方メートルです。また、建てかえた場合でも敷地面積が現在で五千二百平方メートル、そして、建蔽率が六〇%、容積率三〇〇%、第一種住居地域であります。このデータから計算をしていただきましたところ、一万五千六百平方メートル、おおむね六階ぐらいまでは建つのではないかという計算でございます。保健センターは現在の建物を再利用するのか、また建てかえるのかにしても、いずれも世田谷医師会との交渉が必要ではありますが、そういったものを含めまして、三軒茶屋ふれあい広場や保健センターでの施設建設の可能性について、改めて再度確認をさせていただきます。
◎岩本 政策経営部長 三軒茶屋の公共施設整備につきましては、既存の借り上げ施設の集約などによる相乗効果の創出、施設機能の向上、利便性の向上などを図るため整備の検討をしております。今、具体の建築条件などをお話しいただきましたが、三軒茶屋ふれあい広場は産業交流センター建設用地として昭和五十五年に取得して以来、区民憩いの場として活用されてきました。
その後、太子堂出張所の整備に向けて、太子堂複合施設整備基本構想を平成二十一年三月に策定しましたが、ふれあい広場についても地域の方々と協議を重ね、災害時の一時集合機能や地域の憩いの場、区民の催しの場などを目的に整備した経緯がございまして、現在活発に利用されている状況がございます。また、保健センターについても御指摘いただきましたけれども、駅から約八百五十メートルほどの距離にありまして、利便性の面で課題があると認識をしてございます。
以上のことから、利便性の向上や借り上げ施設の集約化を目的とした今回の施設整備に当たっては、当該土地については検討の対象としていないというのが状況でございます。
◆上山なおのり 委員 それで、今現在、ふれあい広場に隣接する場所に太子堂出張所、
まちづくりセンターがあるわけですが、この複合施設が違反建築物とならないで、今の茶沢通り側にあります屋根の部分、そしてまた土の部分で建てられる面積はどれぐらいになるのか確認をいたします。
◎内田
世田谷総合支所長 ふれあい広場の面積ですけれども、屋根の部分と屋根のかかっていない、いわゆる土の部分を合わせますと約九百八十平米であります。現在、土の部分につきましては、太子堂出張所も入っている太子堂複合施設の敷地面積に算入されているという状況でございます。
屋根の部分と土の部分とで一帯の施設整備を検討する場合、太子堂複合施設の敷地の部分を分割する必要がありまして、ふれあい広場の全ての面積が使用できるとは限らないこと、また、実際の建築に当たっては、緑化ですとか、日影等のさまざまな建築法規上の規制をクリアする必要がございます。仮にお話の約九百八十平米の敷地面積といたしますと、ここは容積率が五〇〇%でありますので、建物の床面積としては約四千九百平米の規模の建物が建てられる可能性がございます。
このふれあい広場につきましては、地域の方々と長年協議を重ねまして、当初、区としては太子堂の複合施設、今現在よりも大きな規模を考えておりましたけれども、地域の方々と話をする中で、地域の方々からふれあい広場の面積を確保してほしい、あるいは土の部分につきましては、子どもが遊べる、いわゆる土として残してほしい、土の部分の真ん中はケヤキと桜の木、大きなものが二本ございます。それを残してほしいという意見もございまして、今回、屋根の部分と太子堂複合施設をセットで整備させていただいたというところでございます。
支所といたしましては、引き続き、ふれあい広場として継続をしていきたい、このように考えております。
◆上山なおのり 委員 今答弁がありました。機能面ではどうでしょうか。就労支援施設を集約し、重複している機能整理を図るとともに、施設間の連携をより精度の高いものとし、区内の就労困難者に対して相談、支援から職業紹介までワンストップサービスなど、機能の充実を目指してまいりますと代表質問での答弁がありました。まだまだわからないことがございます。このNTTの建物に集約する施設や事業の必要性の精査を改めて伺わせていただきます。
◎岩本 政策経営部長 現在、三軒茶屋公共施設の集約を検討している施設機能につきましては、太子堂出張所を初めとして、現在借り上げ施設で運営している三茶しゃれなあどホール、産業プラザ、らぷらすほかワークサポートせたがやを初めとする障害者、若者などの就労支援施設でございます。就労支援施設につきましては、現在就労を求める方の状態に応じまして、それぞれ施設を御案内しておりまして、それぞれ重要な役割を担っていると考えております。これらの就労支援施設を集約して連携を図ることによりまして、それぞれの施設で保有している専門性を生かした相談機能をさらに強化していきたいと考えているところでございます。
また、三茶しゃれなあどホールにつきましても、区民会館別館という位置づけですけれども、利便性のよさから利用率が高いものの、使い勝手の課題について指摘を受けているといった状況もございます。
いずれにいたしましても、整備に当たりましては、それぞれ各施設が抱えている課題の解消や現在借り上げ対応している既存施設の集約による効率化を目的に、整備の検討をしてまいりたいと考えてございます。
◆上山なおのり 委員 では、その集約するものが三軒茶屋になければならない理由について伺います。
◎岩本 政策経営部長 新たな三軒茶屋公共施設に集約を想定している施設につきましては、三軒茶屋分庁舎を初め駅付近に点在している施設が多くありまして、先ほど御答弁申し上げました三茶しゃれなあどホールのように、駅に近いことにより利用率が高い状況にあるなど、三軒茶屋という立地と利便性を今回の検討に当たっては維持をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
◆上山なおのり 委員 今の答弁の中で、そういった駅に近いところにあれば、もちろん利用率も上がりますし、利便性も高いものだと思います。しかしながら、民間の施設を借り上げるわけですから、そこら辺はしっかりと考えていただきたい、そのように思います。
また、今集約するという機能について、三つの機能ですね。行政、区民交流、防災機能、そして産業支援機能、就労支援機能と三つの機能があるわけですが、機能ごとに分けることは可能ではないでしょうか。また、以前に質問いたしましたが、三軒茶屋二丁目再開発も進んでおります。その中に世田谷区の土地、現在の三軒茶屋二丁目自転車駐輪場三百七平方メートルがあります。今後の交渉次第だと思いますが、三軒茶屋周辺公共施設の貴重な土地ですので、有効活用していただきたいと思います。
また、先ほどの答弁の中にありましたが、ふれあい広場の防災面ということですが、防災面の現状を確認いたします。
◎内田
世田谷総合支所長 三軒茶屋のふれあい広場でございますけれども、平成二十六年に地域の憩いの場、そして地域のコミュニティーの形成に寄与するというところで、広場として再整備をされております。以来、地域の区民の交流、そして防災訓練等に利用されているところでございます。一方で、この広場につきましては、マンホールトイレやかまどベンチを有しておりまして、災害時には町会の一時集合所としての機能もございます。
◆上山なおのり 委員 こういったことは他会派からもございましたが、やはりその防災面としてもどうなのか、今現在建っているふれあい広場の屋根のある部分は五階建てのビルの間にあります。倒壊等の危険性について検討されているのか伺います。
◎内田
世田谷総合支所長 ふれあい広場につきましては、茶沢通り沿いに面しておりまして、ここは防火地域に指定されている場所であることから、このふれあい広場に隣接している建物につきましては、耐火性の高い建築物であると考えておりますが、個々の建築物の耐震性の確認までは行っておりません。
◆上山なおのり 委員 このふれあい広場に限ったことではないと思うんですが、そういった区の施設、隣接する近隣の建物、そういったものも鑑みながら防災面も考えていただく、そういった必要もあるのではないでしょうか。いろいろと答弁をいただきましたが、まだまだ納得できるものではありません。引き続き、このことについては質問してまいりたいと思います。
次に、災害対策について何点か伺っていきたいと思います。
東日本大震災以降も、伊豆大島や広島の土砂災害、熊本地震、そして、北九州豪雨と災害が多発しております。一度災害が発生した場合、自治体は災害対策本部を立ち上げ、さまざまな対応をすることになるわけですが、その際、災害対策本部の職員はどのように働いたのか、また、どう休んだのか、東日本大震災の際、区の災害対策本部はどうだったのか、区役所にどのように寝泊まりしたのか、まずは伺います。
◎澤谷 危機管理室長 東日本大震災が発生しました三月十一日、区も災害対策本部を立ち上げました。区内の被災状況の把握や各部が所管する施設の点検、園児、児童生徒の保護など、災対各部がそれぞれの役割に基づき行動を開始しております。災対統括部である災害対策課の状況としましては、本部運営や災対各部との連絡調整に当たり、発生当日から二週間程度、交代制で泊まり込みをいたしましたが、電話対応などのために事務室や打ち合わせスペースの床に毛布等を敷き、仮眠をしていた状況でございます。他の災対各部におきましても本庁舎の各部や地域本部、拠点隊など、状況に応じて交代で泊まり込み対応に当たったという記録が残ってございます。
◆上山なおのり 委員 本庁舎は震度六強の揺れでも業務が継続できることが大前提であると思います。首都直下地震が来ても、全職員が区役所に寝泊まりして対応することはないだろうとは思いますが、災害対応が長期化した場合、災害対策本部の職員は何十人も区役所に寝泊まりすることは必須であるのではないでしょうか。であるならば、シャワールーム、仮眠部屋などを整備するべきであります。職員も人間であり、不眠不休で働くことはできません。一般的に水回りを使用しないと詰まるので、シャワールームはふだんは職員に開放し、仮眠部屋は休養室としてふだんから使用すれば、詰まりにくく、使用できる形になると思います。災害対策本部の職員が疲弊していたら正しい判断ができません。また、指揮もとれません。職員が快適にとまでは言いませんが、最低限の生活、いわゆる籠城ができるようにすべきであります。災害時に職員が初動対応や応急対策に従事する際の環境整備について、本庁舎整備に反映すべきと考えますが、区の考え方を伺います。
◎澤谷 危機管理室長 被災地の自治体は、災害直後の救援活動に始まり、中長期にわたって被災者を多方面から支援する重要な役割を担っており、個人や職場、地域の生活基盤が突然崩れる中で、災害関連業務を行う自治体職員のストレスの状況にははかり知れないものがございます。
このことは、阪神・淡路大震災や東日本大震災において検証され、全職員が二十四時間体制で連日泊まり込んで対応に当たった神戸市では、わずかな休憩時間でもとりがたいような緊迫感の中で、睡眠不足や疲労蓄積、不眠を訴える職員も少なくなく、少しでも職場環境を改善することが不可欠であったと報告されております。また、警察や消防においても長期間における災害対応につきましては、当該職員の適切な休息、睡眠、給食などの環境整備が必要とされております。
区におきましても、今後、具体的な設計を進めていく本庁舎整備に際しまして、応急対策や、その後の長期間にわたる復旧・復興のため、職員の災害対応における執務環境整備については、食料の備蓄はもちろん、男女別の仮眠スペース、シャワールーム、仮設トイレ等、心身の医療的ケアの機能も含め、最大限の配慮を求めてまいりたいと思います。
◆上山なおのり 委員 災害対策課の近くにシャワールームを設けることはもちろんのこと、別のフロアや別の建物にも設けるべきであります。災害対策では、ツーウエー、スリーウエーの考え方があります。一つが、被災しても別の施設を使うことで業務を継続できる、また、災害対応が長期化した場合、自治体職員がどう働いたか、他の自治体の実態を把握して、職員の健康状態を考えて対応していただきたいと思います。
また、震災等の災害が発生した場合は、区立の小中学校は近隣住民の避難所に指定されています。日ごろから避難所の開設や運営管理について、各避難所運営委員会の場で協議し、災害時にできるだけスムーズに対応できるようにする必要があります。今回、避難所運営マニュアルの修正素案が示されましたが、その意義や目的、重要事項についてお伺いいたします。
◎澤谷 危機管理室長 本年一月に修正しました地域防災計画に基づき、区では、今年度防災に関する各種マニュアル等の修正に取り組んでおり、このたび避難所運営マニュアル標準版の修正素案を取りまとめたところです。修正に当たりましては、国指針、計画等との整合を図ること、区民意見を反映すること、見やすくわかりやすい構成と役立つツールの充実を主な柱として、これまでの災害の教訓や、新たな知見に基づく運営のポイントを反映させるなど、修正作業を進めてまいりました。
主な修正項目としましては、物資、食料の要請、搬送手順、トイレの利用管理のポイント、ボランティアの派遣要請の手順、要配慮者への対応、男女共同参画の視点の導入、防災、防犯対策の新設を掲げております。十一月にこの修正素案を検証するためにワークショップを開催する予定です。このような取り組みにより、避難所運営組織の皆さんの御意見を伺いながら、案に反映させるなど、さらに内容の充実を図ってまいります。
◆上山なおのり 委員 やはり、避難所によってはできているところ、またできていないところがあるわけでありますので、世田谷区内全体で底上げをしっかりとして、日ごろからやっていることじゃなければ災害には対応はできませんので、しっかりと災害対策についても行っていただきたいと思います。
以上で、自由民主党の質問を終わりにいたします。
○安部ひろゆき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時十一分休憩
──────────────────
午後一時五分開議
○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆津上仁志 委員 それでは、公明党世田谷区議団の総括質疑を始めたいと思います。本来であれば、高橋幹事長からスタートなんですけれども、副委員長の後半の役割がありますので、先に私のほうからさせていただきたいと思います。
まず初めに、私のほうから世田谷区産業ビジョン素案について伺っていきたいと思います。
本会議場でも他会派から指摘があったと思うんですが、今回、非常におくれてこの産業ビジョンというものが示されました。そのために、代表質問、また一般質問でも議論ができずに、常任委員会で初めて示されました。この
決算特別委員会での質疑で行うことになってしまうということは、先輩議員に聞いても前代未聞のことだということでした。これまで、区がこの産業政策についてしっかり取り組んできていなかったのではないかというふうに感じてしまう残念な結果だったというふうに思います。
この新たな産業ビジョン策定について、我が会派は、これまでも建設業を明確に位置づけ対策を強化すること、また、東京二〇二〇大会に向けて、国際化、文化振興の視点から観光施策の充実を図るためにも、国際観光協会を設立し、民間の知恵と力を結集すべきだというふうに求めてきました。しかし、この新たな産業ビジョンの素案を見ても、その内容というのがほとんど示されていないのではないかというふうに感じる内容でございました。
まず、産業政策について伺っていきたいと思うんですけれども、本年第一回定例会にて、建設業団体から地域建設産業の振興を図ることを求める請願が出されました。これについては、全会一致で採択がされました。また、我が会派も区内産業を支える建設業を四本目の柱として、しっかりと産業ビジョンの中で明確に位置づけて、所管する課を設置をして取り組んでいくべきだというふうに再三求めてまいりました。それに対して、世田谷区も昨年第四回定例会においては、産業ビジョン懇話会等での議論を通じまして、建設業を含めた多様な産業の育成を効果的に進めていくための産業施策のあり方と産業政策全体の中での建設業の位置づけについて検討するというふうに答弁をなされました。
しかし、このビジョン作成に当たって設置された懇話会の構成委員なんですけれども、十四名いらっしゃいますが、学識経験者、産業団体代表、金融機関、NPO法人、消費者団体というふうになっているんですが、この産業団体代表はこれまでと同じように、農工商の団体になっています。建設業団体は、この懇話会の中には参加されていない状況でした。これではビジョンの中に記載はありますけれども、柱として考えられているのかどうか、協議の場に参加していただいて、御意見をいただきながら一緒につくっていくというのが本来のやり方ではないかなというふうに思うんですけれども、まず、こうしなかった点について、区の見解を伺いたいと思います。
◎久末 産業政策部長 さきに御指摘のとおり、産業ビジョンの素案の御報告がおくれましたこと、大変申しわけなく思っております。
現行の世田谷区の基本計画と、それに基づく産業振興計画におきましては、商業、工業、農業の枠組みにとらわれず、福祉、環境や建設などを含めた地域を支える多様な産業の育成を世田谷産業の基盤づくりとして掲げております。そうした方針に基づきまして、今回産業ビジョンにおいて、重要な都市産業として位置づけました建設業につきましては、建設業の方々との意見交換会、それから、建設業実態・意向調査を実施することで、現状の課題、今後の建設業のあり方について御意見をいただいたところです。
懇話会のメンバー構成のお話がございましたが、今回の産業ビジョンの素案の作成に当たりましては、懇話会での意見に加え、そのようなさまざまな意見を踏まえ、多面的に検討し、建設業の位置づけについてビジョンの中で掲げております。今後は、産業ビジョン素案に対する区民意見募集を行い、区民の方々からの御意見を伺い、また、区議会での御議論をいただきながら、さらに検討を進め、また、この後作成いたします産業振興計画の中でも施策についてはお示しをしてまいりたいと考えております。
◆津上仁志 委員 先ほど、この答弁の中に、別で意見交換会開催をして意見をいただいたということでしたけれども、その前に、今回の産業ビジョンにおいて、重要な都市産業として位置づけた建設業についてはというふうに御答弁があったんですけれども、これは産業ビジョンを読んでも、本当に位置づけられたのかどうかというのがわからないなというのが率直な感想なんです。まず、策定の目的というところにも、一切建設という言葉も何も出てこない状況でありますし、また、産業団体、建設業の方からも、本当に位置づけられたんですかという心配の声もあるんですけれども、その辺は区はどういうふうにお考えなんですか。
◎久末 産業政策部長 現行の産業ビジョンですとか、産業振興計画におきましては、建設業というのは、工業、ものづくり振興施策の一環として支援を行ってきたところです。今回の産業ビジョンの中では、近年老朽化した都市インフラや大規模災害への対応の必要性が高まる社会状況の中で、建設産業はインフラ整備や災害時の復興支援を中心に担うということで、都市の基盤整備や地域の安全安心の維持に大きな役割を果たしているというふうに認識しております。
今回の産業ビジョンの素案では、建設業に係る意見交換会ですとか、実態調査の結果も踏まえて、建設業を重要な都市産業と位置づけて、人材確保などの支援策に取り組むという方向性を示しております。また、今後は産業ビジョンでも掲げていますように、人と事業所とまちが創る成熟都市せたがやを目指す中で、都市基盤を強固なものとする建設建築関連産業の発展をさらに促進すべく、担当所管も含めた建設業への区の支援体制について検討してまいりたいというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 支援のあり方なんですけれども、担当する所管課の設置も含めて検討するということなんですけれども、言うまでもないんですが、建設業は公共事業の一翼を担っていただいているところであります。また、担い手の確保とか育成、先ほど御答弁の中にもありましたけれども、これが大きな課題となっているという現状もあって、将来的にわたって、この公共工事というものの質をしっかり確保していくという観点でも、ビジョンに明確に位置づけた上で取り組むべきだというふうに思います。
また、具体的に政策を進めるためにも、建設業を担当する課というものをしっかり設置すべきだというふうに考えるんですね。今の御答弁ですと、検討していくということなんですけれども、ここでちょっと区長にお伺いしたいんですが、ことしの初めに建設業の方の会合があって、私も参加していたんですけれども、そこに区長も参加されて、来賓として来られて御挨拶もされていたんですが、その中でこの建設業について、しっかり区としても位置づけを明確にしながら、支援のことについても検討していきますよというお話もありました。
ですので、ぜひとも担当する課というものをしっかり設置した上で進めていくということについて、区長はどうお考えかお聞かせいただきたいと思います。
◎保坂 区長 確かに、基本計画で建築というジャンルを初めて書き込んで、その後については、この産業ビジョンでしっかり位置づけていきますというふうに答えてきましたし、私もそういう内容をぜひ期待をしているということも伝えてまいりました。
今おっしゃるように、五十年前、六十年前の産業の形態と現在は全く間違っていますので、とりわけ区内にお住まいで、労働人口も多い建設産業について、どこの部署でどう担当するのかということさえこれまで明確じゃなかったという点は改めて、この産業ビジョンをしっかり計画に落として、今後、建築産業全体を底上げするような体制をつくりたいというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 担当課の設置を含めて、しっかり考えていただいて、早急に設置していただきたいなというふうにお願いをしたいと思います。
それで次に、観光施策についても伺っていきたいんですけれども、これまで世田谷区をいかにPRして、世田谷というブランド価値を上げていくかというための提案を繰り返し行ってきました。区でも、平成二十四年三月にまちなか観光研究会を発足させ、区内回遊をしていただき、区民との交流や体験の場をつくり、それを発信することが魅力向上につながり、来訪者がふえるとして五年以上取り組んできましたけれども、感想として、イベントの開催は非常に行っているとは思うんですが、新たな観光資源の開発とか、情報発信の方法、こういったものについては何ら成果が上がっていないんじゃないかなというふうに思っています。
これまでの結果を見ると、今までのやり方、手法というものが正しいのかどうか検証していかないといけないですし、また、推進組織、現状のものでは、目標としている東京二〇二〇大会がありますけれども、こちらに向けて間に合わないというか、目標達成できないんではないかというのが、現状結果を見る限り、明らかなんではないかなというふうな感想を持っています。
東京二〇二〇大会までは残り二年八カ月余りになっています。まちなか観光だけにとらわれることなく、柔軟な発想で取り組めるように、早急に推進できる組織に変える必要があると思いますけれども、区の見解を伺います。
◎久末 産業政策部長 今回策定しております産業ビジョンにおける観光施策につきましては、交流を生み出す観光の事業ですとか、インバウンド対応、民間事業者等との緊密な連携による観光事業の展開をうたっておりまして、これに沿った事業を推進していきたいと考えております。
世田谷まちなか観光交流協会は、民間事業者から地域活動に取り組む団体まで、多種多様な六十一団体が参画しておりますが、体験型観光のニーズが高まる中、各団体が相互に連携しながら、観光客と区民をつなぐ観光イベントや町歩きツアーの実施など、交流と体験を生み出す観光事業に今取り組んでいるところです。現在、産業振興公社がコーディネーターとなりまして、観光交流協会内におけるワークショップの開催など、情報交換の促進に取り組んでおります。
今年度は、産業振興公社も組織を強化いたしまして、区と連携をいたしまして、今お話しの情報発信のほうにも力を入れたいというふうに考えております。現在、プロモーションビデオの制作ですとか、配信、それから、外国語に対応するホームページや観光情報冊子の発行、また、インスタグラムやフェイスブックなど、SNSを活用した観光情報の発信を予定しているところです。
まちなか観光交流協会が柔軟な発想と行動力を持った組織として、国内外からの観光客にとって魅力ある観光事業を提供することができるよう、組織内の連携を促進しながら、戦略的な観光事業を企画、実行してまいりたいと考えております。
◆津上仁志 委員 そういう御答弁がずっと続いているんですけれども、ここの産業ビジョンの二七ページ、世田谷の魅力が様々な交流を促し、さらなる賑わいを生み出すまちということで、観光のことについて書かれているんですけれども、その中に書かれているのが、国内外にその魅力を広く発信するために、図柄入りナンバープレートの導入や普及、プロモーションビデオ活用など、区の魅力のプロモーションを強化する取り組みを推進していきますというふうにあるんです。この図柄入りナンバープレートを導入したり、普及することによって、区の魅力をアピールすることにつながる、また、プロモーションビデオを委託してつくられるということですけれども、そういったことのみで、果たしてブランド力というものが上がっていくのかというのは、私は甚だ疑問に感じているんです。
そもそもこのビジョンをつくるに当たっても、先ほども申し上げましたけれども、懇話会のメンバーにそういう観光とか、シティプロモーションに関する方たちが入られていないこともありますけれども、そういった意味で、どういうふうにこれを作成していったのかということをまず伺いたいと思います。
◎久末 産業政策部長 産業ビジョンの策定に当たりまして、委員おっしゃるとおり、懇話会のメンバーに観光の委員はおりませんでした。しかし、観光施策につきましても、まちなか観光交流協会で議論を行ったり、それから、区内事業者の若手人材ですとか、学生が参加したワークショップなどを通じて観光のあり方ですとか、プロモーション手法の工夫などについて意見を行ったところです。こういった意見を懇話会とあわせて多面的に検討して、ビジョンの中に書き込んでいったという経緯がございます。
◆津上仁志 委員 観光という部分で民間の力というのは非常に大きいと思うんですね。比較になるかどうかわからないですけれども、神戸市さんなんかは観光資源が全然違いますけれども、あちらは神戸市と一緒になりながら、ウエディング会議というものを二〇〇七年に立ち上げて、ずっと取り組まれているんですね。ことしは開港百五十周年ということで、プロポーズのそういったものをイベントとして開催して、非常に反響があったようなんです。これを構成している団体というのが、ホテルだとか、あと服飾、宝石とか、そういう多職種の企業の方が参加をされて、ウエディングというものをきっかけに町を盛り上げて、かつ、その企業もしっかり売ろうという地域振興というんですか、それにつなげるということで取り組まれているんですね。
民間を参入して、民間の力を入れていくには、いかに世田谷でもうかるかというか、言い方は悪いですけれども、やっぱりそういうふうな視点も必要だと思うんですね。今取り組まれている六十一の団体が入って、まちなか観光交流協会というものは非常に大きな団体にはなっているんですけれども、あくまでもボランタリーというんですか、交流とか、そういったものを主にしながら取り組んでいる事業ですので、そういう発展性というものも、なかなか見えてこないんではないかなというふうに感じているんですね。
ですので、先ほども申し上げましたけれども、観光事業というのは、さまざまな視点でのアプローチがやっぱり必要になってくると思いますので、せっかくこれだけの団体の方が参加していただいているものをしっかりコントロールできるような、そういうものをまずはつくっていかなければ、現状にあるような観光に対する施策というものはほとんど進んでいかないという危惧を私は持っているんですけれども、その点について、もう一度どうお考えかというのをお聞きしたいんですけれども。
◎久末 産業政策部長 今お話がございましたように、世田谷区のまちなか観光交流協会、民間の事業者さん、鉄道会社さんですとか、それから民間で仕事をされている方、NPOの方々、いろんな団体の方々が参画しております。産業振興公社が事務局となってコーディネートをしているんですけれども、民間の観光に対する感覚というのは、非常に私たちが想像できないところもありますので、そういうところはしっかりと生かしながら、今後施策につなげていきたいというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 我々は、しっかり改めた体制で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
もう一つ、東京二〇二〇大会で来訪する外国人観光客の方がふえるとは思うんですけれども、この方々をどう取り込んでいくかということも非常に大事だと思うんですね。世田谷区では、先ほどもありましたけれども、世田谷区多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例というものを制定して、国籍や文化の違いを理解し合う環境の整備に取り組もうとしていますけれども、東京二〇二〇大会にはたくさんの海外の方が来訪されますので、こういう多文化共生を目指す世田谷として、海外の方をどういうふうに迎えていくのか、それをどう区内産業の活性化につなげていくのかということを伺いたいと思います。
◎久末 産業政策部長 現在策定中の産業ビジョンにおきましては、東京二〇二〇大会を契機としたインバウンドへの対応に取り組むというふうにしておりまして、国内外から多くの観光客の来訪が見込まれる中、国際化の視点を取り入れた観光事業に、より区内産業の活性化を推進していくことは非常に重要であると認識しております。また、今回こういう条例ができたことで、我々、住民としても非常に国際化に対する意識も高まってきているので、その辺の理解というのは進めてまいりたいというふうに考えております。
区といたしましては、外国人観光客の誘客の促進に向けて、多言語に対応した観光情報冊子ですとか、ホームページというのを今年度中に取り組んでいこうと思っています。また、おもてなしの取り組みにつきましては、産業団体と連携した外国人接客マニュアルの普及、それから、快適な町歩きを提供していくための環境整備として、世田谷デジタルミュージアムの構築、こちらは多言語で提供していただけるということですので、こういう構築ですとか、サイン整備など、他所管と連携して、さまざまな視点からインバウンドに対応した取り組みを進めていきたいと思っております。また、国際交流や国際理解を目的として、区内で活動する団体と観光事業についても連携をして、区民との交流を生み出すまちなか観光につなげていきたいと考えております。
新たに策定する産業振興計画におきましても、こうしたインバウンドを視野に入れた具体的な取り組みを盛り込みながら、誘客を促進する観光事業を展開することで区内産業の活性化につなげていきたい、こういうふうに考えております。
◆津上仁志 委員 さまざま御答弁いただいたんですけれども、現状、外国の方が今も来られていると思うんですけれども、区内でどういうふうなところに行かれているとか、どのぐらいの方が区に来訪されているかとか、その辺のマーケティング的な市場調査みたいなことはやられているんですか。
◎久末 産業政策部長 区として、マーケティング調査で数字は現在は出しておりません。やっぱり、産業につなげていくためにはマーケティング調査は必要だと思っていますので、今後取り組んでいこうと思っております。
また、区内では、聞くところによりますと、例えば豪徳寺の招き猫のところに外国の方がいらっしゃったり、私ども産業政策部が三軒茶屋にありますけれども、よく海外の方がいらっしゃって、日本のいわゆる飲み屋さんが集まっているところですとか、ああいうところを写真に撮っていかれる方が最近はふえたなというふうに思っております。
◆津上仁志 委員 今、そういうことをやっている時点で、もうだめだというふうに思うんですね。そんなことはとっくにできていて、それに対する政策をこういうビジョンなんかに示していくというのが本来のやり方だと思うんですね。ですので、今の推進しているこの状況では、全くもって機能していないというふうな判断しか下せないというふうに私は思うんですね。
ですので、もう一回申し上げますけれども、現状のまちなか観光交流協会を主軸にしながらする観光施策ではなくて、我々が提案しているような民間をしっかりと導入して、その力を十分に発揮していただくような集団というんですか、体制に早急に変えていただきたいと思うんですが、もう一度お伺いします。
◎久末 産業政策部長 体制につきましては、委員おっしゃるように、なかなか進んでいないということは、こちらのほうも理解はしているんですけれども、今回、産業振興公社のほうの組織体制も強化いたしましたし、まちなか観光交流協会のメンバーも非常にしっかりと位置づけておりますので、あの方たちの御意見も聞きながら、民間の力ということでは活用できるように努めていきたいというふうに現在では考えております。
◆津上仁志 委員 ちょっと時間がなくなったので、次に行きたいと思うんですけれども、がん対策について幾つか質問したいと思います。
これは第二回定例会でも質問してきたんですけれども、我々、本年一月に公明党世田谷区議団として、がんに関する区民の意識・実態調査アンケートを実施して、約一万五千人の方から回答いただいて、それに基づいて、東京都と世田谷区にがん対策強化への提言を行いました。
それで、前定例会で四つの提言について質問してきたんですけれども、まず伺いたいのが、がん情報ガイドについてなんですけれども、区でもポータルサイトとして検討するという話をされておりました。このポータルサイトについては、平成二十八年の三月の予算特別委員会で私も質問して、そのときにも答弁をいただいたんですけれども、かなりたっているんですが、現状どういう進捗になっているか、伺いたいと思います。
◎辻 世田谷保健所長 さきに、がんポータルサイトの開設に向けた検討を行うことを御答弁させていただきました。その後、情報収集を行い、東京都を初め、近隣の千葉県や宮城県等の都道府県のレベルの自治体がポータルサイトを開設、運営していることを確認しております。また、政令指定都市の堺市では、がん検診総合相談ポータルサイトを開設するなど、区市町村にもそのような情報発信をする取り組みが徐々に広がってきております。
区におきましても、本年七月に開催した世田谷区がん対策推進委員会を通じ、区におけるがん情報を発信するポータルサイトの開設に向けた検討を行いました。その中では、先進自治体の取り組みの情報を参考として、ポータルサイトの効果等を検証しつつ、段階的にがん情報の効果的な発信の仕組みづくりについて検討を進めていくことを確認しております。
また、平成二十六年以降、区は基準を設け、さまざまな区政情報について動画作成し、ユーチューブ等を活用して広く区民に配信をしております。がん情報の効果的な発信の第一段階といたしましては、これらの手法を参考に、まずはがんに対する正しい知識の普及やがん検診の情報等の動画配信に向けて取り組んでまいります。
◆津上仁志 委員 動画配信等を検討するということなんですけれども、私は一元化された情報ツールがあるということが、やっぱり大事じゃないかなと思うんですね。がんに関する情報を提供するというものは、そういった啓発的なものというのは、そこも大事だと思うんですけれども、どういったところで治療ができるのかとか、生活に関するものとか、がんになると、やっぱりさまざまな問題が出てくるので、そういったものを一括して、そこにいけばあるというふうな、これを見ればわかるというようなものがあるかないかで大きく安心感につながると思うんですよね。そういうものをぜひつくっていただきたいというふうに思いますので、今、検討されているということですけれども、情報の一元化ということもしっかり検討の中に入れていただきたいというふうに思います。
次に、がん教育について伺いたいと思います。
実施校の充実ということでずっと求めてきたんですけれども、区は五校実施ということをずっと答弁をされています。がん教育の重要性については何回も申し上げてきたので申し上げませんけれども、モデル実施している自治体なんかでは非常にいい結果も、検診受診率が上がるとか、そういった結果も出ていますので、がん対策推進条例を策定して取り組んでいる世田谷区ですので、全校実施を目標にしっかり検討すべきと思うんですが、いかがでしょうか。
◎辻 世田谷保健所長 区では、世田谷区保健所が教育委員会と共同して作成いたしました区独自のがん教育用パンフレット「がんについて学ぼう!」を活用し、今年度も区立小学校六年生、区立中学校三年生の授業を通じがん教育を行っております。
また、昨年度より本格実施いたしました区立中学校三年生を対象とした外部講師によるがんの講話につきましては、昨年に引き続き教育委員会と連携し、区立中学校五校で年度末に実施することを予定しております。昨年、講話を実施した学校の生徒からは、がんになる確率が高くて驚いた、講師のように前向きに生きたい、家族に感謝したいなどの感想が寄せられ、本事業の意義が着実に根づいているものと実感をしてございます。
今後、全校実施を目指すことにつきましては、学校のカリキュラムとの関係もあり、また、御家族をがんで亡くした生徒への配慮等の調整もございますが、できる限り学校の要望に応えつつ、多くの生徒が講話を聞けるように努めてまいります。今後も、新しい学習指導要領にがん教育が明確に示されたことを受けまして、教育委員会との連携をより進めていきたいと考えております。
◆津上仁志 委員 しっかり進めていただきたいと思いますが、ちょっと時間がないので、教育委員会に意見だけ申し上げておくんですけれども、課題というのは、多分、先行してやっている自治体については、どちらの自治体でも検討されている問題だと思いますので、ほかの自治体の例なんかもしっかり見ながら、全校実施に向けて、カリキュラムの関係があるとおっしゃるんですが、五校は実施できているわけですから工夫のしようはあると思うんですね。そこをしっかりと検討した上で、全校実施を目指して取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、がんの先進医療費に対する融資制度、利子補給制度の創設について伺いたいと思います。
区のほうでは、先日質問した中では積極的に進めていきたいというような御答弁だったと思うんですけれども、その後の進捗について伺いたいと思います。
◎辻 世田谷保健所長 がん患者とその御家族が、最も効果的な治療方法を選択できることは大変重要なことと考えております。特に、先進医療の受診を希望される場合には、一定の経験を有する医師が配置され、倫理委員会が設置されている等、幾つかの要件を備えた限られた医療機関でしか受けられず、健康保険も適用されないため、がん患者やその御家族にとっては大変な御負担となってございます。最も高額な場合には、その治療費は三百万円を超え、原則、一括事前払いが求められるものと聞いております。区は、区に本拠地を構えます複数の金融機関へ、区民を対象としたがん先進医療費に対する融資制度の創設につきまして働きかけ、先方では前向きに検討していただいている旨をお聞きしております。
区といたしましても、これら金融機関における先進医療費に対する融資制度の創設に備え、当制度に対する区の利子補給制度の導入に向けまして、他の先進自治体の事例なども参考に、引き続き準備等に取り組んでまいります。
◆津上仁志 委員 来年度実施に向けて、しっかり準備していただきたいと思います。よろしくお願いします。
最後に、がん患者支援についての社労士などのあっせん制度について伺いたいと思います。
働きながらがん治療を行うことは、もう当たり前の時代になっています。しかし、事業者の理解や協力が得られず、退職を余儀なくされる方もいらっしゃいます。国においても、働き方改革実行計画に基づいて、治療と仕事の両立が普通にできる社会を目指して、さまざまな検討が今なされていますけれども、区においても、区内事業者への理解、協力が得られるような対策、また、労使の当事者同士では交渉がうまくできないケースなんかもありますので、社労士等による労使間の調整に入れるようなあっせん制度の創設というのが必要だと思うんですけれども、区の見解を伺います。
◎辻 世田谷保健所長 区内事業者の約九割が中小企業で占められている現状では、その従業員の方ががんに罹患した場合には、治療と仕事との両立がとても困難であると推察をしております。そのような中、昨年、がん患者やその御家族を対象に、区立保健センターのがん相談で就労相談を試行いたしました。今年度は、東京都社会保険労務士会世田谷支部と連携を図り、十月に二回、来年二月に二回、計四回の就労相談を実施する予定です。また、対象をがん患者とその御家族に加えまして、企業の経営者や人事担当者まで拡充いたします。
お話にありました社会保険労務士等による労使間のあっせん制度の創設でございますが、厚生労働省東京労働局や東京都など、既に複数の機関で紛争調整をしております。がん相談を通じ、実際に御相談がありました場合には、これらの機関と情報提供をしてまいります。
◆津上仁志 委員 さまざま、国、都でもやっているということなんですけれども、区内事業者に関しては、我々区がしっかり責任を持ってやるべきものだと思いますので、区でも、労使間で直接御当人同士が話をするというのは、交渉するのはなかなか難しい現状がありますので、他機関をあっせんする、紹介するということも大事なんですが、区内事業者に関しては、区でしっかり対応できるような、顔が見えているわけですから、そこにはしっかり入っていけるようなあっせん制度というものをしっかりつくっていただきたいなというふうに思いますので、今後検討をよろしくお願いをいたします。
以上で私の質問を終わりまして、高橋委員とかわります。
◆高橋昭彦 委員 それでは、公明党の後半の質問をしていきたいと思いますけれども、この間、うちの政調会長がやりました代表質問で百万都市、約十年後に百万になるんですかね。九十万は今月になるんですかね。大きな都市になるという、やっぱりほかには引けをとらないような都市にならなきゃいけないという力強さが、これから必要なんだろうというふうに思います。
その上で、三層構造の問題とか、世田谷が今後どのような区に変わっていくのかということをしっかり定めていければなというふうに思いますけれども、平成元年、世田谷独立宣言というのが大場区長時代に、私は生まれてはいますけれども、よく知らなかったんですね。このときに職員になっている方々もたくさんいらっしゃるんだろうというふうには思うんですけれども、「手づくりまちづくり」、世田谷区長大場啓二という本があったんですね。区長も読んだことありますかね。この中にこんなことが書いてあって、非常に興味を持つ部分がありました。
世田谷独立宣言、あるポスターが反響を巻き起こして、我々の役所の企画課に電話がじゃんじゃんかかってきましたと、世田谷独立宣言とうたったからです。ところが、電話をかけてきたのはほとんどが小中学生、しかも、独立すると記念日は学校は休みになるんですかという問い合わせが多かった。我々としては、喜んでいいのか、そういう受けとめ方もあったのかとびっくりしましたという感想から始まっているんですね。都区制度改革なんて言っているから堅苦しくて、他人事みたいに受けとめられがちですが、私はこの改革なしには、どの区だってまちづくり一つとってみても、サイドブレーキをひいたまま車を運転するようなものだと言っているんですと、そのとおりですね。今もそうじゃないですかね。東京の区は憲法上認められた地方自治体ではないからこうなっているんですと、この当時ですね。都道府県やそれぞれの市区町村とは別扱いだと、一人前ではないということになっていると。世田谷の場合は人口は八十万を超えていて、このころにもう八十万を超えていたんですね。島根県や鳥取県よりも多い、横浜市、川崎市と同じように政令指定都市になってもおかしくないぐらいだというふうに、当時の大場区長は本で書いているんですね。
その当時の世田谷区というのは、非常に血気盛んだったんだろうなという感じがありますよ。「世田谷独立宣言」ゼミナールという冊子も出して、チラシまで出しているんですね。一九八九年、平成元年世田谷独立宣言、区の自治権確立に向けてキャンペーン開始と。一九九〇年、平成二年答申と、一九九二年、平成四年、今、区の独立に向けて具体的な詰めを都と区で協議中と。
これで何が大きく変わったのかなと思いながらいろいろ見ていますと、このチラシの中に六つの疑問点が書いてあるんですよ。区のままじゃまちづくりができないのという質問があって、その中に都市計画というものは都が握っているから、自分たちで快適な個性的なまちづくりがこのままじゃできないんです、ここがポイントですというふうに言っているんですね。二つ目は、生ごみの回収は誰が決めるのと、ごみの収集運搬、これはここから変わったんですかね。でも相当たってからですね。教育問題はもっと身近になるって本当と、教育人事権は全然変わっていませんね。子どもの相談窓口もばらばらだったの、児童相談所は都が持っているままですよと書いてあるんですよ。ようやく、もう二十八年たっているんですかね。もしかしたら税金がふえるのって。いや、税金はふえないけれども、都と区の協議で自主財源を確保できるようになるんですよと、これはなっているんですかね。世田谷市という名前になるのと、それは名前も区や市にこだわらず、新しい自治体にふさわしい名前を皆さんと一緒に考えていきたいと思いますというふうに書いてあるんですね。
その後、自治権拡充というところでスタートした世田谷区ですよ。独立という言葉に大きく夢を持って、その当時の世田谷区の職員の皆さんは、よし、世田谷区変わるぞという思いが強かったんじゃないかなと僕は実感するんです。それがゆえに、この平成二年に、まず本庁と玉川支所、砧支所ができるわけだよね。平成三年には地域行政制度発足、五支所スタートというふうになるわけですね。これはもう現実に、世田谷区は政令市と同じような思いでやりますよ、地域行政制度をつくって、いつでもなれるような状況をまず整えますよと、これは、区長本気なんだなということが世田谷区の職員の中に、そしてまた区民の中にあったんだろうと僕は思うんですよ。こういう気概が僕は大事なんだろうなというふうに思うんですね。
いよいよ百万と言われるとき、このとき八十万でこれを言っているわけですね。十年後に百万都市となったときに、どういう世田谷区とアピールをしていかなければいけないと思うし、世田谷区はこうしますよというかじ取りを、しっかり職員の先頭に立つという思いで、区長、副区長は、やっぱりここはやるべきなんだろうというふうに思うんですよ。
代表質問では、百万都市に見合った三層構造のあり方とか、公共施設の運営の民営化とか、都区制度からの脱却といった話を政調会長のほうからしてもらいました。地域行政制度とともに三層構造、百万に見合った総合支所、地区のあり方というのはどういうものだと、区長、まず考えていますか。
◎保坂 区長 私も大場区長が亡くなった際に、この本をもう一度じっくり読み直して、この世田谷独立宣言は非常に印象に残っているところであります。また、こういった当時の広報物もやる気に満ちていて、今より柔らかく若者言葉でまとめたりして、世田谷独立宣言と言葉で引きつけて、二十三区全体でやっているんですよと最後には書いてあるんですけれども、この気概というものは大変なものだったというふうに思います。
その後、現状を見ると、このときにもあった児童相談所一つだけでも、まだまだ都と特別区間の協議というのが膠着状態が続き、それは力技で特別区会長がそれなりの政治家の人脈をたどって、確かに法改正までいったものの、やはり潜在的な意識のところに、東京都の側に旧内部団体という意識があり、また、我々区の側にもどこかである種の、この壁を取り払おうというところの意識がちょっと欠けてきたところがあるのかなと、長いこと続いているわけです。
ですから、大阪都の議論をしたときに、ついこの間、選挙があった堺市の市長が本当に驚いていました。用途地域の指定ができないんですよと。つまり、市町村でできるわけですね。村以下が特別区なんだと言うと、それじゃ何もできないじゃないですかと、こういうふうに言われました。現に、今さまざまな都市再開発、あるいは町の魅力、先ほどシティプロモーションの話もありましたけれども、例えば劇場とかギャラリーを連鎖していくような魅力をつくろうとしても、これはなかなか至難のわざだというところで、何としてもこの都区制度改革、世田谷独立といった気概を引き継いで、なおかつ百万規模になっていくんだと。九十万を超えた段階で、まず大きく注目されると思います。
ですから、三層構造、とりわけ総合支所というものを政令都市の中の、いわゆる行政区をイメージしながら、自治のよりどころという、さらに進んだ考えもあってつくっていった、そこにもう一回息を吹き込んでいかなければいけないし、地域内分権というのをきちっと進めながら、この九十万を超えた世田谷区が、このまま特別区というところにくくられてはやっていけませんと、一緒に変えましょうよということを議会や区民とともに熱く語る、そういう機会をぜひつくりたいと思っております。
◆高橋昭彦 委員 何もできませんよと、市町村以下なんですよと、じゃ、議会と区民と一緒になって変えましょうと、どうするんですか、独立と宣言しますか、区長。
◎保坂 区長 大場区長の志が今宿ったのかなというふうに思います。世田谷独立という言葉で表現する、これは市なのか区なのか、区のほうが上じゃないかというのが今も確かにあるんですね。市というのは何か格下げじゃないかと、そういったことも含めて、思い切って議論をとくというか、封印を解くという中で、独立といった過去の思いは正しかったと。これからどうするというあたりは、ぜひ開かれた場で議論したいと思います。
◆高橋昭彦 委員 わかりました。しっかり議論しましょうといっても百万は十年後ですよ。急がないと。
次に行きます。私たちのテーマです。未来ある子どもたちへの投資、教育の充実について何点か質問してまいります。
この
決算特別委員会はきょうから始まって、各所管で未来への投資ということを公明党のテーマとして、今回は補充までずっとやってまいりますのでよろしくお願いしたいと思います。現在日本では少子化が急速に進んで、昨年の年間出生数は全国で初めて百万を切ったんですね。このままでは人手不足は深刻さを増して、経済成長を著しく妨げるばかりか、年金や介護の社会保障制度も危ぶまれます。少子化の要因は若年層の経済的理由が最も大きいと言われています。中でも、教育にかかる費用が重くのしかかっているというふうに言います。
そこで今回、安倍首相は待ったなしの課題に最優先で対応するため、消費税引き上げ時に財政再建に充てる予定だった消費税収から二兆円を新たに教育負担の軽減に充てるという方針を発表いたしました。幼児教育無償化は、早くから公明党が訴えてきていまして、政権合意のときにも公明党がこの言葉は入れさせました。これからの選挙で一気に花を咲かせるというような状況になるというふうに思っていますが、これまで国による幼児教育の無償化は、原則第三子以降というふうになっていましたけれども、今回のこの政策が実現すれば第一子から無償化になります。
私たちは、親の経済力によって子どもの学ぶ機会が奪われてしまうことがないように、一貫して支える役割を果たしてきたと思っています。国において、古くは教科書の無償配布をやりました。そしてまた、東京都では私立高校の実質無償化もかち取ったわけです。
今回、解散表明における人づくり革命では、消費税の使い道を子育て世代への投資としたと。世田谷区も、子ども・子育て応援都市宣言をしています。子ども・子育てに、区長は大変力を入れている姿勢であると思っていますけれども、まず、未来への投資という言葉について、私たちの主張について、区長の考えを伺いたい。
◎保坂 区長 結論から言えば大変重要な課題、世田谷区としても、子ども・子育て応援都市をさらに実質化していく必要があるというふうに私は思っております。
諸外国において、質の高い幼児教育がその後の人生に大きな影響をもたらしていくということが証明をされ、だからこそ、そこにかける予算、そこにかける人員というのは何倍かになって十分戻ってくるんだと、つまり市民として、立派な社会人として子どもたちが育っていく、そういうことが証明されていると思います。また、誰もが平等に教育を受けることができる、幼児教育から高等教育までだと本来は思います。現に、ヨーロッパに行けば大学院も無料だという日本とは全く違う社会がそこにあり、日本よりアメリカのほうがさらにお金がかかると、こういうふうになっていますけれども、やはり教育無償化というテーマで幼児教育から進めていくということに対しては、大いに期待をするところです。
また、国においても財源問題を含めて、今後、高等教育までの無償化をどのように実現するのかという点に入れば、財政の悪化の問題もあります。となると、税の再配分の仕方、これをバランスよく行っていく税制改革が必須になるだろうと。その上で、教育の無償化という問題提起を大きな観点から受けとめたいというふうに思います。
◆高橋昭彦 委員 今回代表質問で、未来への投資の大切さに触れました。そして、我が党は幼児教育無償化と学校給食の無償化という大きな挑戦を表明いたしました。百万都市世田谷が、東京、また全国を牽引するということが、この政策からも必要だというふうに思っています。
幼児教育に触れていただきましたので、給食費無償化について触れます。
栃木県の大田原市は給食費無償化をしておりまして、そこでは趣旨として、こういうふうに言っています。最近の児童生徒の中には、朝食の欠食、肥満、過度の細身が見受けられます。将来の生活習慣病との関係も指摘され、身についた食習慣は大人になって改めることは困難ですというふうに言っています。成長期にある子どもへの食育、徳育は健やかに生きるための基礎を培いますと、核家族化の進展や共働きの増加、調理済みの食品や外食の増加、食生活が大きく変化する中、子どもに対する食育は、学校においても積極的に取り組んでいくことが必要ですと。次の世代の親への教育という視点も必要であると考えていますと大田原市が言うんです。子どもたちを心身ともに健康な大人に育て上げることは保護者だけでなく市民全体の責務でもあります。欧米では、教育は親の責任という考え方より社会が育てるという発想で、教育費に充当される税金の割合が高いことが特徴だと。日本では、長引く景気の低迷で、家計の中で教育費が占める割合が高くなっており、子育て環境悪化が懸念されていますと。子どもたちがやがて大人になり、給食費無料化の理念を理解し、進んで納税や自分の子どもに積極的に教育を受けさせたとき、食育、徳育が実を結ぶことになります、こういう宣言をして大田原市が始めたんですね。
給食は、ただ昼に食べるものではなくて、子どもたちにとって、今の時代は非常に重要な食育の場になっていると僕は思うんですけれども、まず、学校給食の意義について教育委員会の考えを伺いたい。
◎志賀 教育次長 学校給食の意義につきましては、まず、適切な栄養摂取による健康の保持増進を図ることや食事についての正しい理解を深め、望ましい食習慣を養うことがございます。また、食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや食生活にかかわる人々のさまざまな活動に支えられていることについての理解を深め、食や生命に関する感謝の気持ちを育てていく役割も担っております。季節折々の行事食や旬の食材を学校給食として実際に食べることにより、日本の伝統的な食文化や食料の生産、流通などについて学ぶきっかけにもなっております。
学校給食は、このようにさまざまな観点から児童生徒が食について学び、心と体を豊かにする時間として、学校生活において重要な役割を担っていると認識しております。引き続き、安全でおいしい給食を提供するとともに、学校給食が生きた食育の場として有意義な時間となるよう、尽力してまいりたいと考えております。
◆高橋昭彦 委員 区長、学校給食無償化について区長の考えを。
◎保坂 区長 今御紹介があったように、全国の地方自治体の中で給食費を無償化するという自治体が近年ふえてきているということは承知しております。その中で、子どもの貧困の問題、主に摂取する栄養が学校給食によるものが大であると、こういったところも言われているところも注目をしております。
世田谷区においては、給食費で集めさせていただいている合計額約二十五億円ということで、財源としてもかなり大きいわけですけれども、児童数がこれからふえているという中で、財源をどのように持っていくのかが大きな課題になるだろうと思います。ただ、子ども医療費無償化については、子ども・子育て応援都市として、これは財源は結構厳しい。不要な乱用、これはセーブをかける必要はあると思いますけれども、しかし、所得制限をかけずに、どの子どもも平等に医療費無料化で扱うという考え方は、私は正しいと思っています。
大変大きな問題提起をいただいたと、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育ての土台をつくるための重要な問題提起と受けとめさせていただきます。
◆高橋昭彦 委員 未来への投資を考えるときに、さまざまな問題がほかにもあります。今後ますます多様化していく大人の働き方も施策展開が必要だと思っています。改めて、これまで良としてきた行政施策を見直して、既成概念にとらわれずに新しい発想のもと、未来への投資のあり方について考えることも重要だと思っています。特に、子どもへの投資を考える際に、親の働き方に目を向けていくことは特に重要です。働き方については九時、五時のものから、深夜、不規則、在宅など働き方は多様化しています。また、介護職や看護職や深夜勤務がある方々に――消防署、警察署もそうですけれども――着目し、そして、施策展開することは、人材不足が叫ばれている職種への喫緊の課題だと僕は思う。
保育園では、延長保育や休日保育など、ある程度多様な勤務に対応する施策展開となっていますが、介護職など、さらに多様な働き方に対応できる体制を整備しなくてはいけないと考えますけれども、見解をお聞きしたい。またさらに、保育園が延長保育をおおむね七時十五分までにしている一方で、新BOP学童クラブは六時十五分までだと。幼児教育ビジョンで連携の大切さをうたうのであれば、同じ児童施設同士の連携という意味からも、新BOP学童クラブの時間延長についても実行すべきと考えますが、考えをお聞かせ願いたい。
◎宮崎 副区長 まず、介護職を含めて例を挙げられましたけれども、この働き方改革については、本当に待ったなしの課題であるということの認識は立っております。現に今、国、東京都のほうから来るいろいろな施策の中で、補助という形のもので支援をいただいていますけれども、抜本的な形のものでの解決には結びついていないという状況です。さらに、ますます少子化、高齢化が進む中で人材確保の問題についても、これまたいろいろ事業者のほうは工夫されていると思いますけれども、そこに妙案がないという状況で、今般、国のほうから第一歩の働き方改革のスタートを言ってみれば切る予定だったのが、今、一度とまっている状態になりました。
そういう中で、区としてどういうことをやっていくかということになるわけですけれども、一つは、今御紹介がありました保育については、今、最大幅の部分の中で延長保育も含めてやってきているという状況の中で、新BOP学童クラブの問題については、これは御案内のとおり、以前、十五分間の延長という形のものを一度やって、そこでいろいろ御要望を聞いて決着をさせている問題ではありますけれども、今お話のありましたように、勤務形態そのものが、特に準夜にかかってくる分のところまでが出てくる。まさに学童クラブのところで準夜までの対応ができるとは思っておりませんけれども、言ってみれば、勤務の幅がずれてきている中で今の六時十五分まででいいのかと、この辺についてのものは十分考えていかなきゃならない問題だろうという認識には立っております。
ただ、現に子どもの家庭環境の問題や、それから、今は学童クラブの段階では、子どもがお一人で帰っていただくという問題がございますので、こういうことも含めて、十分その辺の検討をさせていただければと思っております。
◆高橋昭彦 委員 もう一つ、子どもへの投資の中でさまざまな問題を未然に防ぐ予防的な観点から、多様な相談に身近なところで応じることのできる児童館の存在意義は大きいと思います。今後の児童館のあり方について、どのように考えているのか伺っていきたいと思います。というのも、地域に身近な相談窓口が地域包括ケアの取り組みとして進められている中で、地区展開と児童館の数が合致していない。これは前に小泉さんが言っていましたけれども、この例からわかるように、区として一貫した施策展開になっていないんじゃないかと。
また、児童館をさらに意義あるものとしていくために、行政改革の面からも、私どもは時間延長や多くのサービスを柔軟に展開できる児童館の民営化について主張してきたところでもあります。改めて、新たな時代に向けた児童館のあり方について見解を伺いたい。
◎宮崎 副区長 児童館の問題ですけれども、まず、今般の児相と子ども家庭支援センターの関係、さらには、今御紹介のありました地域包括ケアを申し上げてきたときに、当然子どもを支えていく、そういう環境整備において児童館の役割は大きいということを申し上げてまいりました。現時点でも地区の身近な相談機関としての役割をさらに増幅している状況はございまして、ここはやっぱりしっかり受けとめなきゃいけない状況だろうと思っております。
そういう中で、児童館のあり方について検討してきているわけでございますけれども、なかなか答えを出し切れていないというのが現状です。現に今お話がございましたように、地区の中にいわゆる児童館がないところが現在七カ所ございます。それから逆に、五地区においては二カ所の児童館を持っているという状況もありまして、こういうところからも、現実に地域包括ケアをさらに地区展開で進めていく上には、児童館の配置の問題、ここについて検討させていただきたいと思っておりますが、その際に敷地、それから財政状況、こういうことも踏まえながら、その辺のでき得るものがどこからかということについて検討させていただきたい。その中で、児童館のあり方の中では民間との協働、こういうことについても検討させていただきたいと、このように考えております。
◆高橋昭彦 委員 これからは財源をどのメニューに充てていくのかということですね。やめるものはやめる、直営でなくてもできるものは変えていく、この視点で事業を総点検していかなくてはいけないし、未来への投資へ大きくかじを切るときだというふうに僕は思います。未来ある子どもたちへの投資について、予算編成や今後の計画への反映をどのようにしていくのか伺いたい。
◎岩本 政策経営部長 区ではこれまでも、さまざまな保育待機児対策等、子育て支援策に取り組んでおりますけれども、子育て世代や子どもたちが今後も増加を続けるということ、また、幼児教育の完全無償化など、新たな発想のもとでの子どもたちへの投資ということを踏まえますと、事業総点検という御指摘をいただきましたけれども、世田谷区の持つ資源や財源で、また新たな資源や財源をどのように生み出して、どのような展開を図れるかが大きな課題であると考えてございます。
世田谷の未来を担う子どもたちへの支援に向け、新実施計画後期素案におきましても、子ども・子育て応援都市の推進を引き続き行うこととしておりますけれども、平成三十年度予算において国の動向なども注視しながら、世田谷区としての取り組みについてさまざまな検討を重ね編成作業を進めてまいります。
◆高橋昭彦 委員 本庁舎について四つあったんだけれども、全然時間がないので一個だけ聞きたい。区民会館の保存再生案が示されましたけれども、現在の区民会館はIs値で〇・六四、耐震安全性の分類Ⅲ類の相当であります。これをⅡ類相当にするということですけれども、最優秀者の提案では徹底的に再調査を行い、適切な改修方法を提案しますとありますけれども、区は改修方法を含めて、これはどのようにしてⅡ類相当に上げていくのか。
◎松村 庁舎整備担当部長 今お話がありましたとおり、区民会館については耐震性能をⅡ類以上として、災害時の物資の集積所となることも考慮して、今回提案を求めました。耐震安全性Ⅱ類につきましては、国土交通省の定める官庁施設の総合耐震・対津波計画基準におきまして、大震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保は図られていると規定されております。最優秀者の提案においては、これを目指し、重量減手法による耐震改修が提案されておりますが、今後、基本設計の中で、何よりも安全を第一とし、基本構想で求める区民会館に必要な機能が確保できるⅡ類相当以上の建物となる適切な改修方法について、詳細に検討してまいります。
◆高橋昭彦 委員 時間になりました。以上で終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷民進党・社民党、どうぞ。
◆風間ゆたか 委員 世田谷民進党・社民党区議団の総括質疑を始めます。
あえて名前をしっかり言わせていただきましたけれども、衆議院が解散して、民進党分裂という報道がなされていますけれども、まだ政党は残っていますし、我々は一致団結して、これからもやっていきますので、まずはその決意を表明させていただいて、質問に入らせていただきます。(「地方が頑張らなきゃだめだ、地方が頑張らなきゃ」と呼ぶ者あり)そうですね。
まず質問しますのは、ドリームジャズバンドの問題、本会議でも幾つかの会派から質問がありました。まず最初に行政から報告があったのは文教常任委員会でのその他の報告からでしたし、その場で私が発言したことは、まず暴力だと。暴力的行為があったのは事実であり、それが映像に映し出されている。そのことに関しては、もう絶対に許されるべきことではないということなんですね。そのあたりが答弁を聞いていても非常に曖昧であるということが、今回の一つの問題なのではないかと思います。
そのことについてしっかりと表明をするということがまず大事であるし、その問題について、日野さんがどういうスタンスなのかということは、その後、全く見えてこないわけですね。区長が会ったとか、教育長が事務所の方と会ったとか、そんな話をされても、区民の方たちは知らないわけですよ。日野さん本人がどういう表明をしているかもわからないし、そんな状況のまま事業が継続するんだなんていう話をして、納得いかない区民がいるというのは当然なことだと思うんですね。
これについて、まず行政の、区長もそうだし、教育委員会としての認識もまだまだ甘いのではないかというのが我々のスタンスですけれども、文教常任委員会で私が申し上げたのは、そこを明確にした上で、今後のことについては慎重に見直していくことも含めて検討すべきだということを言ったわけですが、区長はどのように捉えていますか。
◎保坂 区長 このたびのドリームジャズバンドワークショップにおけるコンサートでの日野皓正氏の行為で、参加していたお子さんたち、保護者の方や、会場にいらした方、関係者の皆様に大変御心配をかけたことは申しわけなく、おわびを申し上げます。
今後のことについてお尋ねでありますが、まず前提として、委員御指摘のように、今回の件は二度とあってはならないというふうに考えておりますし、その旨も幾度にわたって先方にも伝えているということであります。
本件を踏まえて、「新・才能の芽を育てる体験学習」のあり方、目的も改めて確認し、今回どういう事態だったのかという検証も行って、そして、区が何をすべきだったのかということも課題としてあると思います。それらの点をしっかり改善していくんだということを、まずは教育委員会のほうに指示をしたところであります。
この事業自体が、子どもたちの個性、可能性を大いに伸ばす、そういった成果を生んできたことは事実であって、子どもたちからもこの事業で大変励まされたとか成長したなどの声も受けております。だからこそ、今回の件をおっしゃるようにしっかり検証して、改善をこのようにするんだということが重要だろうと思っております。
◆風間ゆたか 委員 才能の芽を育てるということで各種メニューがあって、さらに拡充していくという報告も文教委員会でありましたし、それについては賛同するものであります。ただ、それが教育委員会がやっていることであれば、きちんと適切な講師がやっているのかどうかということも含めて、学校現場であればきちんと免許を持った人が適切な指導をするという大前提でやっていながら、やっぱり体罰があると。それに関してはきちんと処分をされているわけでありますし、そういったことも含めてきちんと検証した上で、今後のことを話していかなければ順番が違うでしょうという区民感情になるのは当然のことでありますから、ぜひまずきちんと検証するということ。そして、私が求めたのは、日野さんの謝罪がきちんと区民に伝わるような形で行われるということを引き続き求めていきます。
続きまして、先日、週刊誌で掲載されて、一部の地域の子育てをしている方々が非常に不安に陥った案件ですね。小児性愛者が祖師ヶ谷大蔵に住んでいたと。その人が再犯を必ずやるということを週刊誌上で言い切っていたりだとか、また、その人が世田谷区内の学童クラブで勤務をしていたということが記されていて、現在は警察のほうで拘留されているというような記事でした。
これは何が問題かといったときに、一つは、そういう小児性愛者が学童クラブで勤務をしていて、その中でわいせつともとれるような行為をしたということであるのがまず一つ。もう一つは、そのことで区民が週刊誌を見て不安を抱いていた後の対応についてということがあると思いますね。さらにその方が祖師ヶ谷大蔵近辺に住んでいたということから、これは戻ってくるのではないかということに対する不安に対して、区はどういう対応をしているのかという問題もあったりします。
教育委員会、学校側が発信した対応については、これは文教のほうでちょっとやりますので、今回は時間も限られているのでやりませんが、まず、学童クラブ、民間も含めてですけれども、一般的にもそういった小児性愛者に対する危機意識を持っている。または関心がある人たちが入っていきやすい場所だなんていうのは割と報道もされてきていますが、世田谷区の審査というか採用過程、そこにやっぱり問題があったのではないかという区民の不安があるわけですけれども、そのあたりはどう考えていますか。
◎澁田 子ども・若者部長 週刊誌報道を受けまして、子ども・若者部といたしましては、勤務実態等についての事実確認を行いまして、全児童館へ、記事を受け不安に思う方へのお問い合わせは、児童課で行う旨の対応を周知いたしました。
報道にありました学童保育のサポートをする仕事というのは、新BOPの臨時職員として、子どもたちの遊びの見守りとサポートをする仕事でございまして、その雇用条件には地方公務員法が適用されます。臨時職員につきましては、提出されました履歴書と面接により採用の適否を判断しているところでございます。
区といたしましては、新BOPを含む全児童課職員に公務員としての責任と自覚を促すとともに、子どもの安全な居場所を確保していくために、採用の際にどのような確認や判断ができるか、また、改めてプロセスを検討いたしまして、採用の質を高めてまいります。
◆風間ゆたか 委員 その人物は、小児性愛者ということで連れ去りをして、逮捕までされた人物だったわけですね。まず、その人物が世田谷区の学童クラブで勤務をしていたということが、やっぱり区民にとっては衝撃なわけであって、それは採用の過程できちんと見きわめることができなかったのかということだったりすると思います。完璧にできないのかもしれませんけれども、その精度を上げていく努力はするべきでありますし、していかなければなりません。
その人物だけに限らず、世田谷区には学童クラブはたくさんあるわけですから、そこで採用する際に、もうワンステップ入れていく必要があるのではないか、あらゆる手段を講じていくべきだとまず思います。海外であれば、そういった方たちが子どもと接することができないように、国として取り組んでいるところもあるわけであって、日本はそのあたりはもう非常に甘いということを言われているわけです。
世田谷区だけに限った問題じゃないですけれども、世田谷区はこういうことがあったからこそ、きちんと強化していくということが必要だと思いますので、しっかりやってください。
続いて、三軒茶屋の拠点についての質問、一般質問に続き行っていきますけれども、きょうは、大きな会派からもそういう発言がありましたし、なぜ今話を進めている場所なのかという話もありましたね。そのことについては、私たちはもうずっと言ってきているわけです。
この問題は何かといったときに、一つは、区長が総合支所の移転を公約に掲げたということ、それを断念して今の案があるということが一つの問題であるということ。それで二つ目は、似て非なるものとして、なぜか産業だとか雇用だとか、そういった部門を集積するという話にすりかわって、今の案があるということなんですね。
一般質問では、区長が公約に掲げたことをすりかえて進めていくということに関して私は批判をしたわけであり、そのことに関しては非常に残念だという区長の言葉、これは区長が残念なだけではなくて、区民が残念なんですね。三軒茶屋の総合支所を望んでいた人にとって非常に残念な話なわけであって、そのことに期待していた区民もいるわけですから、まず、残念なで済まされたらたまったものじゃありません。
ですから、少なくとも私としては、福祉領域でわざわざこの本庁にまで来なければならない。
世田谷総合支所ということは、この地まで来なければならない。このことによって非常に不便だと感じている世田谷地域の住民は、恐らく世田谷地域の中で半分ぐらいはそうなはずですね。ですから、特に福祉領域の人たちは、子育てだったりとか、身重だったりとか、高齢だったりとか、そういう状況の方々なわけですから、そういう方々が電車一本で行ける場所、もしくは歩いて行ける場所ということで、三軒茶屋にちゃんと窓口機能を持つべきじゃないかと。
総合支所を丸々移転するのはキャパシティー的に難しいということは理解できます。そのことについて全く検討していないということが問題であると言ったわけですけれども、実際に
世田谷総合支所に福祉領域で年間どれぐらいの人がわざわざ来ているのか教えてください。
◎内田
世田谷総合支所長 まず、福祉三課がございます。そのうちの相談ですとか申請の延べ件数ということで、平成二十八年度の実績を件数で申し上げますと、生活支援課で約三万七千件の相談、保健福祉課で約一万六千件の相談プラス約二万四千件の申請、健康づくり課で約一万八千件の申請と面接等がございました。
◆風間ゆたか 委員 保育園の申し込みとか子育て支援的なものでもあるはずですよね。その中に含まれるんですか。
◎内田
世田谷総合支所長 先ほど、生活支援課で約三万七千というふうに申し上げました。これは児童手当ですとか保育も入っております。
◆風間ゆたか 委員 一方で、今既に世田谷近辺にある就労関係、あとは産業関係で訪れる人というのはどのぐらいいるんですか。
◎岩本 政策経営部長 現在、集約化を想定している就労支援施設でございますが、ワークサポートせたがやを含む三茶おしごとカフェで四万一千三百名、若者サポートステーションやヤングワークせたがやで二千六百七十五名、メルクマールせたがやでは五千四百三十件、また、相談件数になりますが、しごとねっとが千二十八件、スキップ分室クローバーが千百三十件、ぷらっとホーム世田谷は来所者数になりますが、三千三百八十八名、合計で五万四千九百五十一名となってございます。
◆風間ゆたか 委員 今政経部長が言った話というのは三軒茶屋ということですから、全区から集まってくるわけですよね。その人たちが実際に三軒茶屋に来ている、もう来ているわけですよね。その人たちにとっては目的があって、目的がある場所に行っていますから、もしかしたら、わざわざ場所を一つにまとめてもらう必要なんてないかもしれない。それを行政の都合で連携がどうのこうのとか言って、一つの新しいビルに入れてしまおうとかということは、区民にとって全然利便性が高まるものじゃないかもしれないですよね。しかし、福祉領域はわざわざ世田谷線に乗ってとかバスに乗ってここまで来なきゃならない。こういうふうに苦労している人たちが延べでいったら四万人とかあるわけですよね。そこの課題は全く解決しようとしないで、なぜ産業部門だとか雇用とか就労とかのものを一つにまとめるという話になっちゃったんですかということ、そのことについての説明は全くないんですよ。
そして、今回上がってきた案についていえば、これはお金がかかると。お金も何とか歳入も入れていかなきゃならないということで、サブリースなんていう話が突然出てきた。区民にとってみれば理解できないですよね。それは行政の都合ですよ。区民のことなんて考えていないんじゃないですかという話になりますから、今のままの案で通すなんていうことは絶対もうあり得ないですよ。
こういうことをずっと言ってきましたので、引き続きその面に関しては丁寧な説明って、同じことを繰り返されても全く意味がありません。今私が投げかけた問題提起についてどのように考えているか、今の段階で考えがまとまっているのならお答えください。
◎岩本 政策経営部長 九月の常任委員会で御報告した状況でございますけれども、今御指摘いただいた面を含めまして今の検討状況は、主にですけれども、現に借り上げで運営している施設を集約するということで、三億円以上の賃借料を払っているのを新しい場所に借りかえようという構想でございます。そこでコスト高になるわけでございますけれども、そのコスト増と集約なり、環境的にはバリアフリーの問題で現施設が課題もあったりするものですから、移転によって集約効果であるとか利便性の向上という部分とコストアップの部分を厳格に比較した上で、また改めて御説明をさせていただければと思っております。
◆風間ゆたか 委員 大きい会派から再開発の話なんかもありましたし、ほかの場所の提案なんかもありましたよね。そういったことに関しては無理であることの理由ばっかり話してあって、今、そこの話がうまくまとまっていきそうだから、では、NTTの場所を使ってみたいな話にしか聞こえないわけですよ。
そんなに喫緊の課題なのかといったときに、太子堂出張所が手狭だというのはわかります。実際にあふれ返っている。では、まずその場所を広げるとか移転するとか、そういうことを考えていけばいいわけであって、ほかのものを集積しなきゃいけないということに関しては全く緊急性があるとは思えません。ですので、もしそういうことで言うならば、今後、もう少し納得できるような説明をしてもらうように、これは要望しておきます。
続いて産業政策についてですけれども、これも一般質問の続きですが、今、公明党さんからも話があったように、産業ビジョンがようやく出てきた。しかし、やっぱりこれを見ていても何のための産業政策なのかがさっぱりわからないわけですね。だから、政策なき産業政策部というふうに申し上げましたけれども、部長、そもそも行政として産業を支援する理由は何なんですか。
◎久末 産業政策部長 簡単に申し上げますと、産業は区民生活を支えているもの、こういうふうに考えております。
◆風間ゆたか 委員 そうですね。区民生活を支えている。ビジョンというのは方向を示すものでしょうから、どういう方向で産業が活性化していくと区民生活がより豊かになっていくのか。この概要版なんかは、そういうことが一目でわからなければならないと思うんですよね。
メーンテーマは「区民・産業がつくる 世田谷の新たな価値と豊かさ」とあります。これもぼやっとして、よくわかりませんけれども、三つの視点でいえば、区民生活、産業活性化、まちづくりということであるわけですけれども、区民生活の視点から、これは世田谷区の基本構想の委員での議論、私が委員で出ていたときに議論として出てきたのが、例えば世田谷らしさって何だろうという話の中に、職住近接みたいな話がかなり出てきたのに、この概要版のところでそれがばっと出てきていないだったりとか、やっぱり職住近接で家族と過ごす時間をふやすことができたりすれば豊かさにつながりますよね。そういうことを求めているのかと思いきや、そういうことが書かれていなかったりとか、これから在宅で働く人たちとかテレワークだとかという話が出てきているのであれば、なおさら世田谷はそういうことを求めていくということなんじゃないかと思いきや、やっぱりそのことも載っていなかったりということですよね。
一つは、そういう問題があるなということと、先ほど、公明党さんから話があった観光について、これは観光に力を入れていくって誰得なんですか。区民にとって何か得があるんですか。
◎久末 産業政策部長 観光が盛んになるに従って、町がにぎやかになって活気が出てきて、いろんな方々が、高齢者なんかもなかなか外に出ないところが出てきたりとか、町がにぎやかになるという大きな利点はあると思います。それに伴いまして経済効果というのもあると思っております。
◆風間ゆたか 委員 経済効果はわかります。しかし、二十三区の中でも観光地になっている場所は、外国人であふれ返って治安が悪くなっているだとか、よその人たちであふれ返っていて、地域の人たちがなかなか怖くて歩けなくなったりとか、そういう弊害もあるわけですから、観光に力を入れるってどういう意味があるのかということがまだまだ煮詰まっていないんじゃないかと思うんですよね。
この後、民泊の質問もしようと思っていたんですけれども、時間がないので一緒に言っちゃいますが、民泊の問題と一緒なわけですよ。インバウンドとかいって、外国人は確かにいっぱい来るでしょう。しかし、本当にその人たちが世田谷にとどまることがいいのか。確かに民泊業者はもうかるかもしれない。しかし、そのことによって、現に違法民泊で住民生活が不安に脅かされている、そういう状況もあったりするわけだから、必ずしも観光を活性化していくことが、今の住民生活にとってプラスにならないかもしれないわけですよね。そういったこともきちんと検証しながら、産業ビジョンというのはつくっていかなきゃならないんじゃないか。なぜならば、大上段にあるのは区民生活を豊かにすることであるからと思うわけです。
そういったことを総合的に、これは後でうちの政調会長からも話がありますけれども、区民が労働する環境を整えていくということが、この産業ビジョンについていえば、すごく小さい取り扱いになっている。このこともやっぱりちゃんと考えていくべきだと思うんですね。消費生活だったりとか、労働雇用の問題だったりとか、あとは個人事業主として一人でやっている。でも、その人たちが事業がうまくいって規模が大きくなって、雇用もできるようになっていけば、新たな雇用が生まれて、世田谷区内の失業している人たちが少なくなるかもしれないというようなことも含めて、やっぱり連携して考えていくようなビジョンになっていないと、本当の意味での政策と言えないのではないかな、これを見てまず感じます。
ということで、私が提案しますのは、産業政策部、これを経済産業政策にするべきだという提言をしました。そもそも組織のあり方、先ほど建設業を管理するべきだとかいう話がありましたけれども、業界ごとに区切って課をつくっていくなんていうのはもう一昔前の時代の政策ですよ。今は政策立案をする部隊がどんとあって、それは世田谷区の本部と一緒にあって、その下に各テーマごとに、世田谷の場合は特に消費生活も入っているし雇用も入っているのであれば、それがそもそも課になるべきじゃないかと。一次産業、二次産業、三次産業を分けるのであれば、分けても構いませんけれども、その中で新産業はどこに位置づけるのかというようなことをやっぱり総合的に政策として関連づけていけるような組織体制が必要だと思うし、そういうことは、やったことのある、経験のある人をきちんと呼んでくる必要があるんじゃないかということで提言をしているわけです。
本会議でも質問しましたように、福祉領域は厚生労働省の人が来た。経済産業省とか中小企業庁の経験がある人を人事交流で呼んできて、一緒につくっていくとかということも検討するべきじゃないかという話をしましたけれども、副区長、いかがですか。
◎岡田 副区長 本会議でも御質問いただきましたけれども、この産業政策という仕事は、役所の中の仕事としては、事業者の皆さん、区民の中でも経済状況の中に実際に入って切磋琢磨されている方たちを相手にして政策を立てていくという仕事だと思いますので、本会議で御質問いただきましたけれども、経済動向にアンテナを張って、そういうセンスを持ってやっていくということで、民間の活用であるとか、あるいは幅広い人材の活用であるとか、そういったことを視野に入れて取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆風間ゆたか 委員 交代します。
◆中塚さちよ 委員 世田谷民進党・社民党の中塚さちよです。今の幹事長の質問もですけれども、民進党は世田谷民進党ですから、区民とともに進むという気持ちを今後も持ち続けていきたい、そういった理念が踏まえられた質問だったのではないかと思っております。
私からは、本庁舎についての質問をさせていただきます。
九月十八日に成城ホールで行われました本庁舎等の基本設計の公開プレゼンテーションが十時から六時近くまで終日ございまして、私も出席をさせていただきました。本当にどの案も見どころが非常にありまして、特に今回選定されました佐藤総合計画さんの発表は非常にプレゼンも上手でしたし、また、委員の先生方も評価されていたように、特に景観に関しては、今の庁舎の雰囲気というのがかなり踏襲されている感じで、そこはいいなというふうに私自身は感じていたところです。
一方で、次点の選ばれた案については、これも本当に世田谷区民とか世田谷区に対する思い入れがすごく伝わってくるアイデアでありましたけれども、デザインはすごく斬新なものでしたので、本当に専門の先生方がごらんになられて、いろんな見方があるんだなということを感じました。
そういった中で、これから九十万人区民の方がみんながよかったと思える庁舎というのをつくっていくことは、本当に難しい問題がまだまだこれからあるなというふうに実感をしております。
区長、副区長も本当に長時間、一日これをごらんになられていたかと思いますので、ぜひその感想をお聞きしたいんですけれども、区長、いかがでしょうか。
◎保坂 区長 九月十八日の成城ホールにおきます公開プレゼンテーション及びヒアリングには、事前申し込みが四百十六名あって、約三百名の方に御案内したものの、当日、ロビーでモニターで見られるという方も多数いらっしゃいまして、三百七十四名の方に来ていただいたと。
午前中から夕方にかけて、六事業者の二十分のプレゼンテーション、そしてかなり詳細な点まで微に入り細にわたりというか、重要なポイントをお尋ねになった審査員の皆さんの質問というのを聞いていまして、やはり庁舎というのは非常に重いもので、個人の住宅はその個人が決めると。また、会社のビルであれば、その会社組織の意向で建てていくんでしょうけれども、庁舎というのは、未来の区民、そして職員も含めて長らく残っていくもので、やはり五つの柱を立てて、その柱を見て、設計者に相当負荷が大きかったと思いますが、限られた時間の中で相当レベルの高い案を、しかも、それぞれが違う案を出していただいたと。その上で、審査員の方がそれぞれの項目で採点をされて、結果を出していただいたその全プロセスについては、自治体の庁舎はたびたび話題になりますけれども、集中、この間の世田谷区のこの庁舎プロポーザルに至る積み上げといいますか、この仕組みといいますか、あるいは関心の高さというのは、近年特筆されるものだということも関係者から聞きました。
私は選定された最優秀案について大変敬意を持って、関係された審査員の方、そして六事業者、全ての方に感謝申し上げたいなと思っており、また、事務局も丹念にそこまで支え切ったことに対しても敬意を表しているところです。
◎宮崎 副区長 私のほうは担当として、今度、これにかかわるわけですけれども、まず、六社の提案をされた方、それから七名の委員の方に本当に感謝申し上げたいと思っています。特に七名の委員の方々が当日のプレゼンの状況を見て、どういう御質問をされるのかなと。逆に言うと、その辺がこれからの詳細に詰めていく際のヒントになるのかなという観点も思いながらお聞きした次第です。
これから、きょうも質疑いただいていますけれども、なるべく早い段階で基本設計を固めていきたいということ。さらには、これから本当に実務方として整備経費の精査や、この後の財政計画にも反映していかなきゃいけないという手順を踏んでいきますので、引き続き努力していきたいと思っております。
◆中塚さちよ 委員 副区長のほうから、今、これから具体的になるべく早く基本設計のほうを詰めていきたいというような御答弁をいただいたところですけれども、今回、デザインとかそういう案を選ぶということではなくて、設計者を選ぶ、提案を踏まえながら、能力のある人や組織を選ぶということが趣旨のプロポーザルであったということですが、今回選定されました佐藤総合計画には、特にこれからどういうことを期待していきたいですか。
◎松村 庁舎整備担当部長 今回最優秀者になりました佐藤総合計画は、分棟型の建物をつなぐ世田谷リングというコンセプトによりまして、全体として一体感があり、各施設の機能的な連携が期待でき、来庁者にとってもわかりやすい構成になっていること、現在の庁舎の空間特質をよくそしゃくしており、また、合理的な施工手順を提案していること、さらには、責任が明確で、提案内容を踏まえた経験も有する体制を組んでいることなどが評価をされております。
区としましても、設計の考え方はもとより、それを実現する技術力、組織力を評価されたものと受けとめております。設計契約した際には、その力を遺憾なく発揮していただき、今後、二十一世紀半ばを長期にわたり区政を支える、防災拠点ともなる庁舎となるよう設計していただくことを期待しております。
また、審査委員会の総意として、審査講評でも述べられているとおり、設計者には、今後の設計プロセスにおいて、区との綿密な調整を行うとともに、議会、区民の方々の意見を広く取り入れながら、提案内容をさらに進化、発展させ、区民に親しまれる安全安心な魅力ある庁舎及び区民会館を実現することを期待しているところでございます。
◆中塚さちよ 委員 大きなこういった建築という意味で言うと、国立総合競技場、オリンピックの建物の件とかいろいろありましたので、今後、区としてもしっかりその辺、また引き続き取り組んでいっていただきたいと思います。
今回選ばれなかったいろいろな事業者の案の中にも非常におもしろいもの、見るべきものはたくさんありまして、特別委員会のほうでもちょっと触れられていましたけれども、オープンハウスで区民の方に常に逐次情報共有していきたいといった提案であったり、あるいは植栽とか、区の庁舎の中で緑の維持管理とかを一緒に区民と協働でやっていこうといったアイデアですとか、あと、ロボットコンシェルジュを配置させるとか、そういった非常にいろんなアイデアがありまして、今回、六社応募があった中で本当に多様な意見が出たということを考えますと、今回、一次審査が非常にハードルが高くて、最初からこの六社しか通過しなくて、それで最終的なプロポーザルだったんですけれども、本当に一次の段階でもっと参加のハードルが低ければ、もっといろんなアイデアとか、いろいろおもしろいよい点という発想が出てきたのではないかなと感じました。そのようなもっと幅広い事業者に参加していただけるようなやり方というのも、次回の検討課題ではないかというふうにも思うんです。
そうした中で、今回出てきた中で見るべきもの、これはいいんじゃないかといったものもあったと思うんですが、それはそれぞれの事業者さんの独自のアイデアということですので、今回、それが採用できるというわけにはいかないとは思うんですけれども、そういった中でも取り入れられる部分というのがあれば、ぜひ検討していっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
◎松村 庁舎整備担当部長 今回、本庁舎等整備の基本設計業務委託契約の優先交渉者を決めるため、七名の専門的知見を有する審査委員から成る設計者審査委員会を設置し、最優秀者、次点者を選定いただきました。
本プロポーザルは、お話しにあったとおり、提案を踏まえながら人、組織を選ぶ方式とし、極めて難しい要求に対しまして、すぐれた設計の考え方とそれを実現する技術力、組織力などが評価された結果と受けとめております。
区といたしましては、この結果を尊重する考えでございます。最優秀者の提案では、機能性、効率性、防災、環境や施工性、さらには空間特質の継承など、それぞれのテーマに対しましてよく練られた考え方が提案されており、最優秀者と契約した場合は、この提案の考え方をもとに基本設計を進めてまいります。
一方、審査委員会では、他社の提案において、例えば職員、区民への情報発信場所の設置などが高く評価され、区に実施する検討を求める意見が出された内容もございます。
今後、最優秀者の提案の考え方を基本に、こうした意見も踏まえた検討も行い、区民に親しまれる、より安全安心な魅力ある庁舎及び区民会館を整備してまいります。
◆中塚さちよ 委員 今後につきまして、特に区民参加のことなんですけれども、一応いろいろな区民参加というのが、ここから先もまだそういった余地があるのかと思うんです。
会議体をつくるとか、その進行のプロセスなどについても、いろいろな事業者さんで具体的な提案などもあったと思いますが、区としては、こうした区民参加については、今後どのようにかかわっていくことになるんでしょうか。
◎松村 庁舎整備担当部長 基本構想においては、各段階で区民参加を進め、本庁舎等の整備を行っていくとしておりまして、今回のプロポーザルにおいても、二次提案書の公開展示及び区民意見聴取や、公開プレゼンテーション及びヒアリングを行い、多くの参加をいただいたところでございます。
また、応募者には二次提案の業務取組方針の中で、設計段階における区民参加の方法について提案を求めました。今回の最優秀者の提案書では、世田谷リング会議という区民と設計のプロセスを共有する考え方が提案され、また、子どもからお年寄りまで参加しやすい特定のテーマに絞ったワークショップの開催が提案されております。
本庁舎等は区民共有の財産であることから、本庁舎等整備のプロセスそのものが区民参加と協働によるものとなるよう、全体の整備スケジュールを鑑みながら、最優秀者からの提案を踏まえまして、区民の参加の仕組みを引き続き検討してまいります。
◆中塚さちよ 委員 ぜひこの庁舎設計につきましては、世田谷区のほうでも区民とともに進んでいくというスタンスで、今後も頑張っていただきたいとお願いいたします。
現在の本庁舎の構造というのか、その問題点としまして、本日、他会派の委員さんからもありましたけれども、庁舎があちこち分散しておりますために、職員の方の効率がよくないというようなお話がございました。確かに私たち議員に対しても、いつも何かの情報提供とか御説明とか取材ということで、いろんな庁舎の方が一々こちらに足を運んでいただいていることは、私としてもいつも申しわけなく思っております。ちょっとした打ち合わせなど、多分職員の方々は事あるごとに違う庁舎からこの本庁舎まで足を運んでいることも多々あるのかなというふうに拝察しております。
一方で、こうした庁舎が分散しているというのは、やはり住民のきめ細かいサービスであったり利便性という意味で、総合支所、また、
まちづくりセンターといった三層構造をとっているというのは非常に重要なことであります。
そういった中で、確かに一カ所に大きい建物に全部集約すれば効率的なのではないかというのも一つの御意見とは思いますけれども、確かに厳しいビジネスの世界で勝ち残って、生き残っていくような民間企業というのは、社内の移動というところに無駄な時間を使ってはいないと思いますけれども、一方で多額の費用をかけて、そういう高層ビルをつくるという時代でもないのではないかとも思います。
そうした中で、やはり民間の企業、いろいろな支社、営業所、海外とかにも拠点があったりしますと、会議とか打ち合わせというのはわざわざ、一々移動はしておりませんし、電話とかビデオ、スカイプ会議とか、いろいろなものを活用しているのかなと思います。
今、行政におきましても、例えば豊島区は新庁舎を建設したときをきっかけに、そうしたテレワーク的な環境整備を行っている。あとは関西のほうでは、西宮市だと思いましたけれども、クラウドで非常に業務の効率化を図ったと。そういった事例なども耳にしております。
世田谷区でも、これは本当を言うと庁舎建設を待つまでもなくというところかもしれませんが、こうしたテレワーク環境であったり、ビデオ通話やスカイプなどを活用しまして、離れているところの庁舎の方でも便利に仕事や打ち合わせができる。我々議員への対応もぜひ効率化をしていただきたい。こういったことがひいては、例えば育児や介護とか、病気があったりしても仕事を続けられる環境というところにもつながっていくのではないかと思いますけれども、答弁をお願いいたします。
◎岩本 政策経営部長 現在策定を進めております、平成三十年度からの情報化事業計画におきましては、世田谷区役所版の働き方改革や本庁舎等整備などとも連動しまして、ICT利用環境の整備、検討を進めることとしております。
世田谷区役所の働き方改革では、お話しのテレワークと言われる働き方を、出張先、外出先等でモバイル端末を使用して業務を行うモバイルワーク、また、勤務庁舎以外の庁舎等に設置された場所で業務を行うサテライトワーク、また、自宅で通信回線に接続したパソコンを使用して業務を行う在宅勤務と三つに整理をいたしまして、在宅勤務につきましては勤務条件等さまざまな課題があることから、当面の間、モバイルワークを試行検証することとしまして、庁内働き方推進会議において活用に対しての意見募集も行ったところです。
今後、モバイル端末を利用して、出張先からなど庁外からのメール予定表の利用、庁外での文書作成、閲覧、電子決済、各種業務システム利用など、現場での対応業務を効率化するモバイルワークの試行検証に取り組んでまいりたいと考えております。
また、いわゆるビデオ通話等でございますけれども、現在も出先職場等のICTを活用したコミュニケーションに関しましても、現在、総合支所において庁内の事務用ネットワークに標準導入されたソフトを活用することによりまして、テレビ電話、テレビ会議として映像を用いたコミュニケーションの試行検証を行っているところです。
テレビ会議につきましては、現在のソフトでは発言している者しか画面に表示できないなど課題もありまして、まだなかなか実用的でない部分もございますが、今後、ICTをさらに研究いたしまして、より効率的な行政運営ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 いろいろ工夫はされているということですが、よく私のところにも情報提供とか御説明に伺いますと言っていただくのはありがたいんですけれども、私はスカイプでも全然問題ありませんので、ぜひ御検討ください。
あと、今後なんですけれども、そうした働き方改革に関連して、改正介護・育児休業法というのが十月一日から施行ということになりました。今、いろいろなワーク・ライフ・バランスという中で、介護ですとか育児ですとか、ほかに、例えばがんなどの病気にかかって、なかなか毎日フルに働けない、しかし、仕事を続けていかなくてはいけない、そういった状況に置かれている方がたくさんいらっしゃいます。
そうした中で、特に育児休業とかに関しては、皆さん、非常に情報を共有されていたり、若い世代が多いので、SNSとかでいろいろ情報を集約されていらっしゃる、収集されていると思うんですけれども、やはり介護休業はなかなか取得が進まず、厚労省の調査でも取得はわずか三%程度となっている、そういった実態があります。また、がんにかかった人というのは三割が離職しているといった調査の結果もございます。
こうした中で、特に中小企業などでは人材確保が非常に大変なので、なるべく長く勤めてほしいということで柔軟に対応などしている一方、やはり事例が少ないと、働く中で制度の知識が、働く側も、あとは雇っている側も十分ではない、そういった実情もあるのではないかと思います。
中小企業、区内は多いですので、こうした経営者の方々などへの啓発も大事だと思いますけれども、区としてはどういった取り組みを行っていますでしょうか。
◎久末 産業政策部長 区内の中小企業にとって、介護や育児、がんなどの疾病等による従業員の離職は大きな損失であり、そうした離職の防止、定着促進が非常に重要だと認識しております。
今年度、働き方改革検討会を行っておりまして、このヒアリング調査を実施した事業所では、疾病のため事業所で働くことができなくなった社員のためにテレワーク制度を導入して、現在は家族の介護を抱える社員が活用している事業所もありました。また、男性社員から育児休業の取得相談を受けた企業は、テレワーク制度の導入を考えているといった事例もございました。
区といたしましては、昨年作成いたしました企業向け女性の活躍支援情報誌「せたがや+W」では、介護や子育てと仕事との両立等に向けた企業の取り組み事例や制度の紹介をしており、東京商工会議所及び世田谷工業振興協会等の産業団体ですとか、セミナー参加企業への配付を行うとともに、企業向け情報誌や区のホームページでも周知しております。
さらに、経営者等から介護等に悩む社員についての相談があった場合は、おしごとカフェでの社会保険労務士相談を進めるなど、仕事をやめずに働き続けられるように解決の支援をしております。
今後も介護や育児をしている方を初め、誰もが働きやすい職場環境の改善支援等の働き方改革の取り組みについて、区内事業者に啓発をしてまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 事業者さんにいろいろ啓発とか冊子とかをつくっても、実際読んでもらえているのかどうかというところが難しいところかと思います。
私はケアマネジャーの仕事をしておりますために、いろいろ企業さんとかに介護に関してのセミナーをやってほしいと言われて、たまに行かせていただくこともあるんですけれども、やはり介護休業はなかなかとる人がいないということと、管理職とか、やはり仕事が非常にもう大変な働き盛り世代になっている方が多くて、そういう人がある日突然、介護とか病気で会社に来れなくなるとか、なかなかそれまで表に上がってこなかった人が急にもう来れなくなってしまったりということで、非常に頭の痛い問題だということを、企業の方々からお聞きしています。
そうした中で、やはり働く側も介護だとか病気だとかを持ちながら働くイメージがない人が多いので、ケアマネジャーですとかソーシャルワーカーといった専門職の方、そうした方が相談に乗ってくれるように、区内の人材ですとかネットワーク、団体を活用して講座とか相談対応をしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
◎久末 産業政策部長 御提案の介護の専門職の方々による企業支援は、さらに踏み込んだ支援ができるものというふうに考えております。東京都で開設いたしましたとうきょう介護と仕事の両立応援デスクは、企業に派遣という形ではないんですけれども、働いている方や事業主が抱えている不安や悩みを、ケアマネジャー等の介護の専門家と社会保険労務士が電話等で応対する事業というのをやっておりますので、この事業の活用も、区内企業にあわせて御案内してまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 社内で、なるべく身近ですぐに相談できる体制というのが大事だと思います。
○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷民進党・社民党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時五十八分休憩
──────────────────
午後三時三十分開議
○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日本共産党、どうぞ。
◆江口じゅん子 委員 日本共産党の総括質疑を始めさせていただきます。
私からはまず、国民健康保険の広域化について伺います。
来年の四月から国保は広域化となり、運営主体、これは保険者といいますが、都道府県と区市町村の共同運営となります。都道府県は財政運営の責任を担い、区市町村は従来どおり賦課・徴収などの国保の実務を行います。目前に迫る広域化に対し、区議会でも七月に、国や都へ財政支援などを要望する都への意見書などを求める陳情が提出、継続審議となりました。今でも高過ぎる保険料が、さらに値上がりをするのではないかなど、区民の関心、不安が高まっていると実感しております。
さきの福祉保健常任委員会で第一回の都の国保運営協議会における保険料試算と、そして東京都国民健康保険運営方針素案、こちらにありますけれども、報告がありました。
まず、ここでお伺いしますが、国民健康保険運営方針とはどのようなものか伺います。
◎板谷 保健福祉部長 東京都国民健康保険運営方針は、来年度から実施となります国保の制度改革、いわゆる国保の広域化の一環として、都が区市町村とともに国保の保険者となることに伴い、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保のため、都内の統一的な運営方針として都が定め、区市町村が担う国保事務の効率化、標準化、広域化を推進するものと位置づけられております。
厚生労働省からは、国保運営方針の必須記載事項や任意事項が定められたガイドラインが都道府県に対し本年四月に示されております。都道府県は、区市町村の意見を聞いた上で、都道府県の国保運営協議会での議論を経て、地域の実情に応じた国保運営方針を定めることとされております。
◆江口じゅん子 委員 今るる御説明があったように、運営方針とは、これまで区市町村が独自裁量で決定、実施してきた保険料の賦課や、保険業務実務の統一のルールを定めるものです。
一方、国は、これを技術的助言、つまりガイドラインとしており、保険料賦課決定権、予算決定権は、これまでどおり区市町村にあります。これまで各自治体は地域の実情に応じて保険料負担軽減のために一般会計から法定外繰り入れを行うなど、さまざまな努力をしてまいりました。広域化により、医療費給付の抑制や、そして高過ぎる保険料の高騰、徴収強化につながることが危惧をされております。
こうした中、昨年十二月に二十三区の特別区長会で国に対し、国庫負担の充実や、低所得者や子育て世帯に対する財政措置などを求めた緊急要望を行っております。既に議会の皆様はごらんになった方が多いかと思うんですけれども、改めてこの特別区の緊急要望について御紹介をしたいと思います。
要望事項は五つあります。主なところを抜粋して申し上げますが、①国庫負担を充実させ、国保財政基盤の強化拡充と被保険者の保険料負担軽減を図ること。②低所得者層へのより一層の保険料負担軽減を図るため、国の責任において必要な財政措置を講じること。③子育て世帯の経済的負担を軽減するため、国の責任において区市町村の補助制度に対する財政措置を講じること。⑤都道府県移行については、住民サービスが低下しないよう激変緩和策を講じるとともに、必要な財源措置を講じることと、二十三区の特別区の緊急要望、こういったものが厚生労働大臣宛てに出されております。区長会の総意ということですね。
こうした区長会の緊急要望が今回の素案に反映されているのでしょうか。ここは大変気になるんですが、区の受けとめをお伺いします。
◎板谷 保健福祉部長 このたびの素案には、区がリードして特別区長会要望とした多子世帯軽減を初め、都独自の施策や財政面での支援など意見要望として上げていたものが十分に反映されているとは言えないと考えております。
◆江口じゅん子 委員 十分に反映されているとは言えないという、こういった状況の中で、この特別区の緊急要望というのは、区がリードして多子世帯の軽減や財政支援など要望を上げたという趣旨でしたけれども、それが反映されていないということでしたが、こういった要望は、区としてどのような背景でこういう要望をされたのか、まずそこをお伺いしたいと思います。
◎板谷 保健福祉部長 国民健康保険は、被保険者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方で、被保険者の所得水準が比較的低く、保険料負担が大きいという構造的な課題を抱えています。そうしたことから、国が示す保険料激変緩和措置に加えて、被保険者の負担に配慮した激変緩和措置を講ずることなど、都の財政負担を求める要望もしております。
また、少子化対策が国を挙げて大きな課題となっている中、国民健康保険では収入のないお子さんにも均等割の保険料がかかり、多子世帯の方の負担が重くなる仕組みとなっていることから、多子世帯の保険料負担軽減について要望したところでございます。
◆江口じゅん子 委員 今御答弁をされたように、国保は、加入者に高齢者、無職、非正規雇用など低所得者が多く、所得水準が低い、医療費の水準が高い、財政基盤が弱いという構造的課題を抱えています。こうした方たちに国保料は重くのしかかっております。
区では、国保加入者の約八割が旧ただし書き所得二百万円以下、こういった方が約八割を占める、こういった状況です。ことしの二十三区の平均保険料は十一万八千四百四十一円、前年度比で七千二百五十二円と、過去五年間、最高の値上げ幅、額でした。ことしのこの保険料が、例えば給与所得三百万円で、子どもが一人いる世帯では年間保険料が約三十万円になると、給料の一カ月分にもなります。
区にはことしの保険料通知に対し、なぜこんなに高くなったのかなど、問い合わせの電話が一カ月で五千二十二件あったと聞いております。すごい数ですけれども、例年よりは少なかったということですが、一カ月で五千件以上ということで、区民の関心は大変高いものとなっています。
こうした国保料が高い根本的な要因は、国が昭和五十九年に国庫補助率の大幅な引き下げを行ったことにあります。ですから、区長会の緊急要望でも、先ほど申し上げたとおり、国庫負担の充実を求め、そして全国知事会では国保料軽減のために具体的に一兆円の国庫負担増が必要と、これは全国知事会が要望しているんですね。
同時に、今問われるのは広域化で、区とともに運営主体となる東京都の保険者としての役割についてです。高過ぎる保険料のもとで、払いたくても払えないという多くの切実な実態があり、特に低所得者、子どもが多い世帯の支援は喫緊の課題です。東京都として加入者の負担軽減のための独自の減免制度や財政支援が必要です。区としては、今後、都にどのように働きかけていくのかお伺いします。
◎板谷 保健福祉部長 先ほど申し上げたとおり、このたび示された東京都国民健康保険運営方針の素案には、多子世帯軽減などの都の独自施策については触れられておりません。子育て支援策としての保険料軽減策の検討を求める区市町村の意見に対し、東京都では子どもの均等割保険料軽減などの導入については、全国知事会を通じて国に対し提案要望をしており、多人数世帯の負担が大きい等の制度上の課題については、国が責任を持って対応すべきことと考えているとしております。
区といたしましては、都に対し、都も新たに国保の保険者となることも踏まえ、被保険者である区民を初め都民への影響も考慮し、都独自の軽減策や財政負担について検討し、都の国保運営方針に反映するよう、引き続き働きかけてまいります。
◆江口じゅん子 委員 引き続き働きかけていくということで、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、この質問の最後に、区長にお伺いいたします。質問の冒頭で運営方針素案について伺いました。この素案は、確かに東京都が策定、決定するものですが、区市町村と協議を通じての策定作業になります。率直に申し上げて、区長会要望が素案に入っていないことは残念であり、この素案が都と区の共通認識でよいのか、大いに危惧をしております。
広域化の今後のスケジュールは非常にタイトでして、十一月下旬には、都の運協に納付金・標準保険料率の算定、国保運営方針案を諮問、その場で答申、十二月の都議会第四回定例会において条例と運営方針が決定の見込みです。
こうした中、区長の素案に対する受けとめ、そして今後どうされていくのか、見解を伺います。
◎保坂 区長 この国民健康保険運営方針についてなんですが、今回の法改正によって新たに定められたもので、都道府県が管内区市町村の意見を聞いた上で、統一的な運営方針として都道府県、我々の場合は東京都が定めるというふうにされています。
この都が運営方針を策定するに当たって、委員のお話にもありましたが、国民健康保険制度の抱える構造的な問題、そして運営方針策定に当たってのベースとなる認識は本来共通であるべきだと考えていますが、子ども・子育て応援都市というお話も先ほどありましたけれども、子どもが多ければ多いほど負担が重くなるというのが現行の制度であって、逆説であれば、なるべく子どもは少ないほうがいい、このようになっています。東京都が保険者になるに当たって、自治体としてどのような是正策を行うのかどうかというところが、いま一つ明確に見えてきていないということがございます。
この点は、引き続き特別区長会で議論を高めて、やはりスタートの時期は改革の一番入り口でありますので、あえてその視点を反映して運営が始まるように意見を出していきたいし、そのように変えていきたいというふうに強く思っているところです。
◆江口じゅん子 委員 高過ぎる国保料の軽減に、都としての財政支援は不可欠ということで、ぜひ区長の働きかけを期待したいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次に、第七期の世田谷区介護施設等整備計画について伺います。
現在、区では第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案が示され、策定作業が進んでおります。地域では特に介護基盤の整備、特別養護老人ホームの整備の期待は高まっており、このことについて、以下伺ってまいります。
まず、九月の高齢者福祉・介護保険部会において、区は介護施設等の整備状況と今後の整備の考え方という文書を提起しております。この文書にある世田谷区介護施設等整備計画とはどういうものか。介護保険事業計画などの位置づけですとか、そういったことについてお伺いします。
◎瓜生 高齢福祉部長 世田谷区介護施設等整備計画は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律の規定により、事業の実施に関する市町村計画として策定するものです。世田谷区では、区内で整備が必要な地域密着型サービス、特別養護老人ホームや都市型軽費老人ホームなどの介護施設等の整備に関する事項等を定めております。
本計画を策定するに当たりましては、介護保険事業計画との整合性を保つ必要があるため、区では、第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定とあわせて、平成三十年度から三年間を計画期間とする次期整備計画の策定作業を進めております。今後、十一月の常任委員会で整備計画案を御報告させていただき、第七期高齢介護計画案とあわせ、来年二月の常任委員会で報告の上、三月に第七期高齢介護計画及び次期整備計画を策定してまいります。
◆江口じゅん子 委員 要するに世田谷区介護施設等整備計画というのは、施設整備の中長期的な計画という位置づけだと、今の御答弁で認識をしました。先ほど申し上げた文書の中で特別養護老人ホームの今後の方向性も書かれております。まず、二〇二五年を目途に一千人分の整備を目指すということ、そして、二〇二五年における入所必要数について、現在の入所指針七十五ポイント以上を基準として、直近の高齢者人口や要介護認定状況などを踏まえた検証を行い、中長期計画を見直すとあります。
ことし七月の新たな世田谷区将来人口推計では、二〇二五年の高齢者人口は、六期計画に比べて一・〇六倍の約十九万五千人増加をするということになっております。さきの他会派の質問でもありましたが、やはり新しい人口推計を受けての整備計画見直しは必要と考えますが、認識を伺います。
◎瓜生 高齢福祉部長 平成二十九年一月一日現在の二十三区の特養ホームの整備率は一・二一%で、世田谷区の整備率は〇・八%ですが、二〇二五年までに新たに約千人分の整備を進めますと、整備率は一・二六%となる見込みでございます。
区の特養ホームの計画数は、高齢者人口だけではなくて、要介護認定者数、入所申込者数の推移や要介護度分布、新規の入所者数等を勘案しまして、三年ごとに策定する介護施設等整備計画で定めております。必要な方が速やかに入所できるよう、特養ホームの整備に努めるとともに、在宅生活を支える地域密着型サービスの推進にも着実に取り組んでまいります。
◆江口じゅん子 委員 今、部長は、必要な方が速やかに入所できるよう、特養ホーム整備に努めるとおっしゃっていましたが、大変重要な御認識だと思っております。区内の特養ホーム待機者はここ何年も二千人以上の高どまりでした。平成二十七年に入所が要介護三以上と厳格化され、現在はそのため、一千七百五十四人となっていますが、本質的には待機者は減っていないのではないかと認識しております。
ここにパネルがあるんですが、世田谷区の特養ホーム入所指針があります。改めて特養ホーム入所指針、この七十五ポイント以上というのはどういうことか、見ていきたいと思います。
例えば私の父親が要介護三として特養ホームの申し込みをすると。その場合はどうなるかということで、最大限点数をつけてみたいと思います。
まず要介護度ですが、要介護度三から特養入所できるということなので、要介護度三、二十、そして介護期間ですね、最高の二年以上、二十ポイント、そして介護者などの状況ですが、満点をつけるにはここのところで四個以上必要ということで、七十歳以上、介護保険の認定を受けている、障害がある、病弱である、この四個以上で二十点。行動心理症状、徘徊、それから暴力的な行為があって危険、これで二個以上の十点となっております。
計算していただくと、これだけでは七十ポイントなんです。これでは入所指針七十五ポイントには足りないんです。この状況を見ますと、私が入ってほしいというその父は要介護度三で、暴力、徘徊があって、介護する母も介護保険を受け、障害、病弱と、この時点でもう老老介護が破綻しているというか、大変厳しい状況だと思います。しかし、それでも七十五ポイントには足らない。七十五ポイントに達するには、ここにありますとおり、介護期間が継続して要介護三以上であった場合の加点、二年未満の五ポイント、これがついて初めて七十五ポイントと、入所資格が得られるということになります。
つまり、区の入所指針は待機時間が前提であって、さらに待機者は今一千七百五十四人いるので、七十五ポイントでもすぐには入所できない、待たなくはいけないという、そういった状況です。
では、特養ホームを待っている方、その間どうされているんでしょうか。私、区内のある事業所のケアマネジャーさんに実態を伺いました。徘徊、暴力、要介護の状態で二年も高齢の家族が介護することはできず、子どもが介護離職をしたりとか、お泊まりデイや小規模多機能、また、老健などで待っているうちに亡くなる方も多い。認知症グループホームは重度で寝たきりの方が多くなり、軽度の方が入れなくなってきている、こういった状況でした。
区としては、こういう実態、ぜひ把握していただきたいと思うんです。特にお泊まりデイは安くて長期間の利用は可能ですが、営利目的でサービスに問題があり、区内では以前、死亡事故も起きたことなど、議会でも多くの会派が指摘をしております。特養ホーム入居待ちの間の高齢者の実態をつかむ上でも、お泊まりデイの一斉調査の定期化など、ぜひ検討していただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎瓜生 高齢福祉部長 特養ホームを希望して入所できない方には、年一回、実態調査を実施しております。実態調査では、希望ホームの変更がないか、居住場所、介護者の状況、行動心理症状を確認しております。
先ほどの千七百五十四人の方の居住場所を見てみますと、在宅が四二%、次いで老健が二〇%、病院が一五%、療養型が三%、その他が一九%となっております。
今後、希望調査の中で利用サービスの状況の確認について検討していきたいと考えております。また、御指摘のお泊まりデイ、地域密着型サービスを含め、通所介護事業所等での宿泊サービスについては、世田谷区における指定地域密着型通所介護事業所等で提供する宿泊サービスにおける人員、設備及び運営に関する指針を定め、それに基づいて事業者から届け出を受け、事業者の状況を把握しております。
これまで事業者に対しましてはファクス情報便や文書、ホームページ等で指針や届け出の周知、集団指導を実施するとともに、地域密着型通所介護の実地指導にあわせて宿泊サービスの状況の確認を行っております。引き続き事業者に対する指針の周知を行うとともに、サービスのプランニングを行っておりますケアマネジャーに実施しております研修等によりまして、介護保険制度の目指す個人の尊厳の保持と自立支援に沿った適切なケアマネジメントができるように努め、サービスの質の確保ができるように働きかけてまいりたいと考えております。
◆江口じゅん子 委員 世田谷区もお泊まりデイの法定外のサービスに対して、できることをしていただいているということですけれども、やはり実態調査は本当に必要なことだと思います。所管に聞くと、当面一斉調査の予定はないということなので、ぜひお願いしたいと思います。
地域の方からは、二〇二五年の特養ホーム一千人分の整備目標に対し、区はよくやっていると評価や期待の声を私も聞いております。ぜひこの一千人分の整備目標、新たな人口推計で高齢者人口がふえ、それから、部長も先ほど御答弁されていましたように、必要な方が速やかに入所できるという、そういったことを大切にしていただいて、整備目標の情報修正、前倒しが必要と考えますが、区の見解を伺います。
◎瓜生 高齢福祉部長 世田谷区の特養の入所指針では、介護度、介護期間、介護者の状況、行動心理症状によりポイントを付与して、ポイントの高い方から優先入所いただく仕組みとなっております。
整備計画を策定する中で、区では入所指針に基づいて一定以上のポイントの方を対象者として推計しているため、現在、待機期間も重要な要素となっております。
第七期計画期間中の特養整備数は、第六期計画中に定めました目標数を上回る見込みで整備が進んでおり、今後三年ごとの計画策定におきましても、入所申し込み状況等の検証を行いながら待機期間を短縮できるよう、中長期の視点を持って全力で整備に努めてまいります。
◆江口じゅん子 委員 待機期間の短縮、今、部長の御意義を伺いましたので、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、私の質問を終わりまして、たかじょう委員にかわります。
◆たかじょう訓子 委員 私からは、新実施計画における防災対策について伺います。
我が党は代表質問で、新実施計画後期の策定に当たって重要なのは、前期の到達と総括を明らかにしながら後期の課題を設定することと社会状況の変化に伴う新たな課題に取り組むことだと述べてきました。
前期の到達と総括について、区は福祉分野での前進はあったが、建築物の耐震化の促進など目標を十分に達成できず、さらなる取り組みが求められる事業もあるとの見解を示しました。
災害対策は区の最重要課題の一つです。阪神・淡路地震、東日本大震災、熊本地震の経験から、我が党は、今後の災害対策では命を守ること、災害対策の基本を予防と防災対策に置くべきだということを申し上げてまいりました。三十年のうちに七〇%の確率で首都直下型地震が起こると言われている中、防災対策全体を区民の命を守るという観点で見渡し、総合的な総括を行うことが重要です。
新実施計画後期素案の策定に当たり、どのような総括を行ったのか伺います。
◎岩本 政策経営部長 新実施計画後期素案の策定に当たりましては、基本計画の重点政策ごとに領域横断的な検討部会を設け、特別職と所管部長で意見交換を行いました。これまでの取り組みの到達点を踏まえ、議論を積み重ね、課題を整理し、政策としての取り組み方針をまとめました。
重点政策の安全で災害に強いまちづくりの検討過程では、危機管理、まちづくり、福祉のそれぞれの観点から、災害時に支援を必要とする方に対してどのような支援を行うかを総合的に議論いたしました。また、耐震シェルターや家具転倒防止器具といった防災対策が支援を必要とする方に届くよう、さらに工夫が必要であるといった課題も確認し、戸別訪問などの機会を捉えた防災対策の総合的啓発を横断的連携の取り組みとして、改めて位置づけをしたところです。
区民の生命と財産を守る災害対策は行政が果たす最も重要な責務であり、施策が縦割りとならないよう、引き続き領域横断的な検討を重ね、総合的な取り組みとなるよう、新実施計画事業としてまとめてまいります。
◆たかじょう訓子 委員 総合的に進めるとの答弁をいただきました。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
ことし新たに地域防災計画が策定されました。減災対策の中心は建物の倒壊の危険から命を守ることです。一人でも被害に遭われる方を減らすために、区民一人一人が命を守る対策に取り組めるよう、最後の一人まで支援を行う気概を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
このことを踏まえ、建物の耐震化について伺います。
建物の倒壊から身を守るためには耐震化を進めることが重要です。区は、耐震診断、訪問相談、設計を無料で実施し、耐震改修に対しては上限百万円を限度に助成を行っています。しかし、平成二十七年度に国の三十万円上乗せ助成制度への補助がなくなったタイミングで耐震化助成の利用が減少してしまいました。耐震改修を進めるべき対象として、耐震診断を受けながら費用が負担できないことが理由で耐震改修を断念した方がおられます。耐震改修をするという意思がおありの方、こういった方に対して上乗せ助成などの拡充に取り組むことが必要ではないでしょうか、見解を伺います。
◎関根
防災街づくり担当部長 木造住宅の無料耐震診断を受け、耐震性がないと判明したものの、耐震改修工事に結びつかない理由として、耐震改修工事助成金額の上限が百万円であることに対し、実際の工事費用は平均三百万円程度かかることから、費用を捻出できないことや、年金暮らしのため、ローンを組むことができないというケースが多くございます。こうしたこともあり、耐震性が不足していると判明したもののうち八割程度が耐震改修工事助成に結びつかない状況でございます。
一方、木造住宅の耐震改修助成の件数ですが、国の緊急支援制度を活用し、三十万円の上乗せ助成を行っていた平成二十五年度が七十三件、平成二十六年度が二十七件、平成二十七年度が二十九件で、上乗せ助成がなくなった昨年度は六件となりました。三十万円の上乗せ助成の期間内に前倒しで耐震改修工事に取り組んだ所有者もいるため、昨年度は助成件数が落ち込んだものの、また、昨年四月に熊本地震が発生したこともあり、今年度は上半期で八件の申請がございました。
今後、上乗せ助成を実施する場合、国の緊急支援制度は既に終了しておりますが、前回の三十万円上乗せ助成の実績から一定の促進効果があると見込まれるため、御提案の上乗せ助成も含め、木造住宅の耐震化についてさまざまな拡充策を検討してまいります。
◆たかじょう訓子 委員 ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
次に、耐震シェルター、耐震ベッドなどについて伺います。
熊本地震では、多くの方が倒壊した家屋の下敷きになって亡くなりました。区議団は熊本県益城町を訪問し、建物の耐震化の重要性を改めて実感しました。我が党は、耐震化に課題がある建物に住む方で、とりわけ高齢者、障害者など一人で避難することが困難な災害時避難行動要支援者については、すぐにでも耐震シェルターや耐震ベッド、感震ブレーカー、家具転倒防止金具の三点セットの設置が必要であると訴え、普及を求めてきました。地震により建物が倒壊しても住民の命を守ることができ、通電火災を防げれば、自宅から火事を出さず、家具の転倒によるけがなどを防ぐことができます。発災時に地域の方やボランティアの方が安否確認、救護に来るまで命を守ることができます。災害時避難行動要支援者一人一人に対し普及を進めることが重要です。
また、同じように建築基準法に合わないために助成が受けられない方や、経済的な理由で耐震改修をちゅうちょしている方で、どうしても耐震改修はできないという方にも一人一人の事情があります。そこに寄り添い、最後の一人まで三点セットの普及を行い、支援につなげる努力が必要です。
耐震シェルター、耐震ベッドへの助成額は上限三十万円です。実施されていますけれども、まだ実績はゼロです。多くが経済的に困難で耐震改修ができない方が対象となるため、持ち出しなしでと考えた場合には選択肢が狭まります。自宅の状況に合わないと諦める方もいます。助成額を増額することにより選択肢が広がるのではないでしょうか。増額について検討すべきです。見解を伺います。
◎関根
防災街づくり担当部長 耐震改修工事に踏み切れない場合でも、万が一の住宅の倒壊から命を守る措置として耐震シェルターや耐震ベッドの設置は大変有効であると考えております。
昨年度、普及促進策として耐震シェルター等の購入経費の助成要件を見直し、年間所得制限を世帯所得合計額から申請者のみの所得に変更するとともに、六十五歳未満の同居者がいても申請できるよう条件を緩和するなど、助成対象者を広げております。そのため、耐震ベッドにつきましては、昨年度はこれまで最高の四件の申請をいただいております。
無料耐震診断と耐震改修の訪問相談を利用した後、耐震化に進んでいない方々に対し耐震シェルターや耐震ベッドなどの助成制度を再度働きかけていくことは、命を守る施策として大切であると認識しております。
区といたしましては、万が一の大震災による建築物の倒壊から命を守ることができる耐震シェルター、耐震ベッドについても、先ほど答弁いたしました木造住宅の耐震化拡充策とあわせて検討してまいります。
◆たかじょう訓子 委員 ぜひ検討をお願いいたします。
我が党は耐震シェルターの周知が必要だと言ってまいりました。庁舎内での展示を考えてはどうかという提案もしてまいりましたけれども、今般、第二庁舎一階ロビーにて、十月二十三日から二十七日まで耐震シェルター、耐震ベッドのモデル展示を行うと聞いています。来庁者に対しポスターなどで知らせて、展示会場まで誘導する工夫を行い、多くの方に知っていただくことが重要だと考えます。いかがでしょうか。
◎関根
防災街づくり担当部長 一般になじみの少ない耐震シェルターと耐震ベッドについて普及を促進するため、一人でも多くの区民に実際に見ていただく機会として、今月二十三日月曜日から二十七日金曜日まで、区役所第二庁舎の一階ロビーにおいて、区の助成制度の対象製品となっている耐震シェルター、耐震ベッドを各一基ずつ展示し、説明するための職員も配置する予定です。
この展示日程につきましては、助成制度の対象となる高齢者に見ていただけるよう、毎年、区役所で開催されているいきいきせたがや文化祭に合わせております。展示の区民周知といたしましては、「区のおしらせ」十月一日号や、同日から区ホームページには既に掲載しておりまして、そのほか、展示期間内にいきいきせたがや文化祭や他の要件で来庁された方々にごらんいただけるよう、庁舎内での誘導案内の設置など効果的な取り組みについて実施してまいります。
◆たかじょう訓子 委員 ぜひ普及を進めていただきたいというふうに思います。
次に、新実施計画における子どもの貧困対策について伺います。
この間、新実施計画後期において、新たな視点として子どもの貧困が加わったことについて、我が党は評価をしてきました。代表質問で我が党は、子どもの貧困対策として必要な世帯に支援をつなげるために多様な取り組みを行うよう求め、また、就学援助の入学準備金の増額についても訴えました。子どもの貧困対策が総合的に進むことを期待します。
東京都が昨年実施した子どもの生活実態調査がことし三月に発表されました。新宿区、足立区、八王子市で、十六歳から二十三歳になる方とその保護者の方を対象に、墨田区、豊島区、調布市、日野市で、小学校五年生、中学校二年生、高校二年生と保護者を対象に、首都大学東京子ども・若者貧困研究センターが実施しました。剥奪指標を使って、低所得、家計の逼迫、子どもの体験や所有の欠如、この三つのカテゴリーの項目に二つ以上該当すれば生活困窮層と定義し、どれか一つの場合は周辺層とします。この二つの層をあわせて生活困難層と定義されます。生活困難層に該当する子どもは、小学校五年生で二〇・五%、中学二年生で二一・六%、十六歳から十七歳で二四・〇%でした。おおむね二割以上の子どもが生活困難層に当たります。世田谷区の実態とイコールではないにしても、傾向として捉えることができるのではないでしょうか。
現在、世田谷区の就学援助の受給率が一二%であります。この調査に当たっている調布市では一〇%。一〇%の調布では生活困難層が二〇%以上になるということですので、近い数字がやはり世田谷でもあるのではないかと考えられます。
現在、区は生活保護基準の一・二四倍の世帯まで援助を行っています。支援が必要とされる層へ支援を拡充することが求められます。子どもの貧困対策として効果的だと考えます。見解を伺います。
◎志賀 教育次長 就学援助の制度は、子どもの貧困対策の観点からも重要な施策であると考えてございます。区では、就学援助の準要保護世帯の認定基準を平成二十五年八月からの生活保護基準の段階的な見直しの際にも経過措置を設け、見直し前の生活保護基準で認定し、影響が出ないようにしてまいりました。
今年度からは最新の生活保護基準を適用しておりますが、従前の一・二倍から一・二四倍へと拡大し、これまでの認定世帯は引き続き認定されるようにしてございます。
今後とも、国や都の動きに十分注視しつつ、効果的な就学援助のあり方についてきめ細かく検討してまいります。
◆たかじょう訓子 委員 東京都が行った剥奪指標を用いて行った調査について、就学援助を受給している世帯との関係や生活保護世帯との関係でどうであったか、こういったことが浮き出てきません。平成三十年度に行います子どもの生活実態調査を区は計画しておりますけれども、現在区が行っている支援との関係で十分なのか、足りないのか、こういったことがわかるような、そういった調査内容として検討すべきです。見解を伺います。
◎澁田 子ども・若者部長 区における子どもの生活実態調査は、家庭環境や生活習慣が子どもの健康や学習状況に与える影響を明らかにし、子どもやその世帯の経済状況への媒介要因を分析して、子ども・子育て支援施策を検討するために実施するものでございます。
実施に当たりましては、東京都が昨年度実施しました実態調査を参考に検討しまして、生活困難の度合い、学校での様子や幼少期の経験などリスク要因、親の就労や健康の状況と子どもの状況の関連などを分析する予定です。
区が行っている支援について調査項目に入れることは可能でございますが、生活困難との関係性をどこまで明らかにできるかにつきましては、専門家の意見を伺うなどの検討を要すると考えております。
いずれにしましても、生活困難を抱える子どもや家庭の状況を把握しまして効果的な施策を展開できるよう、庁内横断的な議論や外部有識者からの御意見もいただきながら、子どもの貧困対策にしっかり取り組んでまいります。
◆たかじょう訓子 委員 ぜひきちんと取り組んでいただきたいというふうに要望しまして、質問を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
────────────────────
○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。
◆田中優子 委員 私は、さきの一般質問で、ドリームジャズバンドで起こった暴力事件について、保坂区長と教育委員会がその暴力行為をぎりぎり体罰手前と、わけのわからない判断でごまかした問題について質問いたしました。
残念ながら、保坂区長はほとんど私の質問は無視して都合のよい意見を述べたにすぎず、議会を傍聴に来てくださった方も、議会中継を見たという方も、あれはないだろうと。答えたようにごまかすのはとてもうまかった、そう思ったが、そんなことは誰でも見抜けるということが、区長はわからないんですかね。何も後ろめたいことがないのであれば、田中議員の質問に真っ直ぐに答えられるはず、私たちは保坂区長の暴力に対する考え方をきちんと聞きたいのですと、大変多くの声が届いています。
そうです。保坂区長は、私の質問に真っ直ぐに答えていらっしゃらなかった。あれでは議会軽視ではないですか。御自身の判断が正しいと胸を張れるのであれば、遠回しな言い方をしないで、私が通告した質問にダイレクトに答えていただきたかった、いただけるはずだと思いました。
そこで、まず最初にお示ししたいのはこちらのパネルです。これは二〇一三年一月二十九日の朝日新聞デジタル「太陽のまちから」に保坂区長が投稿された記事の一部であります。
皆さん見えるかどうかあれなんですけれども、これは一部なんですが、ついこの間まで、教師が生徒を指導するときに殴って何が悪い、心で泣きながら生徒を平手打ちすることまで否定されるべきではないと語ってきた人たちはいなかったでしょうか。言葉にしなくても、そうした考えは学校関係者の間にも根強く残っているように思うのです。子どもたちや保護者の誤った人権意識を戦後教育の病理とする指摘もあちこちで耳にしました。厳しく指導する覚悟が教師にないと知れば、子どもたちは最初からなめてかかるとも。一九八〇年代から九〇年代前半にかけて、私はいじめや体罰の問題が社会的に話題になるたびに、教育ジャーナリストとしてシンポジウムやテレビの討論番組に出席すると、このような主張をよく聞かされたものです。
そして、ここに来ます。今は一時的に声を潜めているかもしれませんが、体罰容認の風潮が社会に深く根をおろしていることを見失ってはいけないと思います。もう少し時間がたてば、体罰は愛のむちという論者が堂々と登場しても不思議ではありません。多くの場合、教師による体罰に対して、生徒は無抵抗です。残念ながら日常的に体罰を振るうようになると人間の感覚は麻痺します。平手打ちがげんこつになり、げんこつから蹴りへとエスカレートするでしょう。全くおっしゃるとおりだと思います。
そして、この後にです。私が本会議で御紹介しましたこちらのパネルの文章が、実はこの朝日デジタルの後に続いています。
理由がある暴力は体罰で、理由のない暴力は単なる暴力という考えは間違いである。理由があれば、教師は指導の手段として暴力を行使していいという正当化、イコール体罰容認論に陥ります。熱心な愛情の表現と美化され、教師も暴力の行使にためらいもちゅうちょもなくなり、歯どめがきかなくなります。まさにおっしゃるとおりだと思います。
そして、この文章に引き続き、こんなこともツイッターでつぶやいていらっしゃいます。これはとても重要なので、ぜひ耳を傾けていただきたいんですけれども、この際、なぜ体罰という名の暴力を容認してはならないのかを徹底的に掘り下げて、中途半端な容認論を打ち砕いておくべきだ。
今、私がこうして質問しているのは、まさにこれなんです。このことなんです。四年九カ月前に保坂区長が述べていたこと、そのものなのです。なぜ体罰という名の暴力を容認してはならないのかを徹底的に掘り下げて、中途半端な容認論を打ち砕いておくべきだ、今そう思うから、そのいい機会だからこそ、こうして取り上げているのです。その中途半端な容認論を打ち砕くどころか、打ち出して世間に広めているのが保坂区長御自身だということを自覚していらっしゃらないのでしょうか。
そして、保坂区長がここで予言しているように、まさに予言ですね、このピンクのこの部分です。体罰容認論者が正々堂々と登場しているではありませんか。しかも、そのきっかけをつくったのは紛れもなく保坂展人区長、世田谷区長なのです。
今回の事件は体罰肯定の社会の風潮にくぎを刺す絶好のチャンスでした。私はそう思います。世田谷区教育委員会と保坂展人世田谷区長は、体罰は絶対にしてはならないということを全国に伝える絶好のチャンスを逃しただけでなく、髪の毛をわしづかみして何回も振る、往復びんたをする、その程度は行き過ぎた指導であり、暴力とか体罰ではないと、全国に真逆のメッセージを伝えてしまったではありませんか。それは明らかに暴力や体罰を容認する風潮を助長することにつながっています。それを世田谷区長と世田谷区教育委員会がやった、その罪は非常に重いと思います。
これから一般質問のときに無視された答弁を求めていきたいと思いますが、先ほど、このように御紹介した保坂展人氏の体罰や暴力に対する考えがもしこのままであれば、今回のドリバンでの暴力行為を行き過ぎた指導のぎりぎり、体罰の手前などとは絶対に言わなかったと思います。
そのことに関して、音楽評論家、高橋健太郎氏という方がいらっしゃいますが、このように述べています。世田谷区議は保坂区長に区議会でまず事実認識から問うてほしい。髪の毛をつかんで振り回す行為、パシッと音が聞こえる平手打ちが暴力に当たらないわけはない。世田谷区の教育イベントで暴力行為があったのかなかったのか、全ての議論はそこを明確にしてからだろうと。
私はこの方に言われるまでもなく、さきの本会議でそのことを問いました。その答弁が、あの中途半端なごまかしとしか聞こえなかった、行き過ぎた指導のぎりぎりであり、体罰の手前というものでした。あくまでも暴力や体罰というものではないとおっしゃいました。この答弁にどれほど多くの人が落胆しているか、区長はわかっていらっしゃるのでしょうか。
つまり、保坂区長は、以前は明確に暴力、体罰を否定し、指導熱心だとか、愛のむちだとか、そういう体罰肯定の体質を変えようと発信していたのに、まるで考えが変わってしまったということをあらわしているのです。ドリバンの暴力行為を暴力と認めないとは、保坂展人は人が変わってしまったかのようだと、多くの人々が失望しています。
彼らを代表して伺います。区長はいつお考えが変わったのでしょうか。
◎保坂 区長 変わっておりません。
◆田中優子 委員 幾ら御自身が変わっていないと今お答えになりましたけれども、実態がそうじゃないんですよ。自覚されていないのか、自覚されているけれども、そうおっしゃっているのか、私にはわかりませんが、暴力や体罰を容認するとか、容認する風潮を増長することは一切ないのだ、そんな考えはないのだと、さきの一般質問でもお答えになっていましたけれども、口で言っても事実に反しているということがおわかりじゃないのでしょうか。保坂区長が頭の中でどう考えているかが問題ではないです。今問題なのは、結果的に容認論が盛り上がっている、助長してしまっているじゃないか、その事実ですよ、それが大問題だと私は指摘しているんです。
その証拠に、あちこちから声が上がっています。保坂さん、この総括はないと思いますよ。体罰に対して、以前言及していたことと全然違うじゃないですか。変節したと言われても仕方がない。保坂展人氏は為政者になった途端に、御自身のライフワークであったはずの子どもたちの人権を踏みにじるという対応に心底失望しました。日野氏には、今後改めていただくようお伝えしている、注意を受けたお子さんの保護者からも、日野さんには感謝している、やめてほしくないとも伺っている、こういう対応って、あなたが生涯をかけて闘ってきた不誠実な連中の典型的な常套句ではないのですか。
一番怖いのは、愛があれば殴っていいんだと、今回のことを利用されることです。今回のことを、お互い納得しているのだからよいではないかと特例とするのはいかがなものか。
まだあります。保坂氏は、子どもの人権を擁護するのをやめたのか、保坂展人さんが体罰を黙認するなんて、安倍首相が共産党に入党するよりもあり得ない、今からでも遅くはないので、きちんと対応してほしいです。これは本当にこういう意見が――私が創作したんじゃないです。こういう意見が載っています。
また、中でもフリーライターの赤木智弘さんの言葉は衝撃的でした。保坂展人も権力の座についたら、そういうおもねり方をする程度の人間でしたか、もう体罰大好きって公言されたらいかがですか。
もう御紹介し切れないぐらい、まだまだ幾らでも疑問の声はたくさん届いています。体罰を容認する人たちから称賛されても、保坂区長に共感し、応援してきた支援者たちが裏切られたと言っています。保坂展人、正気かと。
ここで確認しておきたいと思いますが、区長へのメールや教育委員会への電話など、今回の事件に関してはどのくらい届いているでしょうか、それぞれお答えください。
◎岩本 政策経営部長 今回の案件で、区民の声としてお寄せいただいた意見については延べ百十四件となっております。
◎花房 生涯学習部長 私どもへお寄せいただいた御意見は延べ二百十四件となっております。
◆田中優子 委員 件数を伺いましたけれども、私はとても少ないものじゃないと感じましたが、その評価はどのように思っていらっしゃいますか。このぐらいの意見が届くということはよくあることでしょうか。
◎岩本 政策経営部長 他との比較は特に行っておりませんけれども、週刊誌等で報道されたときから日に三十件等々のメールをいただいておりまして、さまざま御批判、御懸念もいただいているといったような状況でございます。
◎花房 生涯学習部長 私どもも週刊誌で報道された以降ふえておりまして、電話での御意見を寄せられております。
◆田中優子 委員 それでは、ちょっと内容について伺いたいんですけれども、大まかで結構です。どのような御意見が届いているんでしょうか。
◎岩本 政策経営部長 全部を確認してございませんが、おおむね九割程度は、日野さんの行為に対する御批判、御懸念、また、プラス当事者のお子さんに対する御心配の意見などもあったことを確認しております。
◎花房 生涯学習部長 約半数が日野氏に対する御批判で、二割弱が区教育委員会に対する御批判、残りが日野氏の擁護、その他となってございます。
◆田中優子 委員 やっぱり良識的な方もたくさんいて、あれはないだろうと、そう思うからこそ、なかなか区に対して意見を出すというのは簡単なことじゃないと思うんですよ。やっぱりよほど決心した人、よほど何か言わなくちゃと思った人が意見を届けると思うんですね。意見を届けるまでもないけれども、あれはおかしいと言っている方たちもたくさんいるということをもう少し自覚していただきたいと思うわけです。
もしかしたらですけれども、保坂区長は、私、田中優子だけが、もういいじゃないか、済んだことをまだ騒いでいるのかと思っていらっしゃるかもしれませんけれども、だとしたら、それは違います。本当に数え切れないぐらいの御意見をいただき、この問題は今後に影響するんです。済んだことじゃないんです。心からそのように危機感を抱いているので、こうして議会で取り上げています。そして、私は、ぜひ私たちの意見を直接区長に届けてくださいと、良識ある大勢の方たちからお願いもされています。そしてここに臨んでいます。
例えば日本中の誰が見ても明らかな体罰、暴力をぎりぎり体罰の一歩手前とすりかえることが、すなわち体罰を容認することになるということが、保坂区長や堀恵子教育長にはわからないのでしょうか。こういう言葉のすりかえを容認してしまえる人間は恐ろしい、信用できないと思いますという声。
この事件による今後への影響ははかり知れません。しかし、保坂区長にその自覚は全くないようです。そのことに怒りと懸念を感じます。間違いを犯したら素直に認め、謝罪することを教えることこそが教育ではないのですかという声。
ドリームジャズバンドで起きた、日野氏による生徒への暴力行為は、誰が見ても明らかに暴力であり、区長と教育委員会の見解は、日野氏を擁護する余り、無理のあるゆがんだものとなっている。それにより、世田谷区は体罰を容認する区となってしまい、最悪の状況を招いている。その間違った認識を早急に改めていただきたいという声。
日野氏及びその事務所は、保坂区長及び世田谷区教育委員会に対して謝罪の意をあらわしたというが、その内容は明らかではない。何に対してどのように謝罪したのか、はっきりと区民にわかるように文書で示してほしい。それがない限り、区民の、私たちの税金を使って、区教育委員会主催の事業として継続させるわけにはいかないという声。
区長はこうした声に対してどのように答えるつもりでしょうか。あの程度だったら体罰ではないと、保坂展人は暴力を容認していると世間で捉えられてしまっているんですよ。そのことに対して、そうではないというのであれば、ドリバンの会場で行われた暴力行為を暴力であるとはっきり認めた上で、あれはだめだと、そのように改めない限り是正できないと思います。
これは教育長も同じです。あのような行為は許されるものではなく、許してもいませんと、一般質問のとき、教育長は答弁されました。でも、そんな答弁をしても、世間はそう捉えていません。事実をもっと重く考えていただきたい。
保坂区長に再度伺います。あんな暴力は許されないと表明するおつもりはあるかどうか、お答えいただきたいと思います。
◎保坂 区長 記者会見で、今、田中委員が御紹介になったような表現を確かにしました。すりかえはまずいと思うんですね。別に体罰を容認したわけでもないし、体罰を承認して、これから認めていくなんて一言も言っていません。体罰はいけないということを何度も言いながら、その行為について語ったわけで、ならなぜその記者会見ですか、新聞のメディアがいます。メディアの記事はごらんになったと思いますが、体罰容認を打ち出したとか奨励したとか、そんなことは一言も書いてない。そういう見方は非常に一方的だというふうに思います。
また、子どもの人権について取り組んできました。人権は多様にあって、今回の事案で私が最も心配だったのは、どこからどういう形で出たのかわかりませんが、インターネット動画が繰り返しテレビで放映された。近隣の人は、周辺の人は、繰り返しテレビで放映された当事者は誰だかわかっているわけです。その御本人がどれだけつらいのか、どんな思いでいるのか、これはやはり一番大きな問題だというふうに私は認識したからこそ、その御本人に会い、そして親子の声を聞き、そしてドリバンの継続だけはぜひお願いしたいというのは親子の声でした。
また、ドリームジャズバンドの子どもたち、あるいは保護者、さまざまな偶然会った子どもたちもいますけれども、今回の件について、大変残念な思いをしているけれども、ドリバンの事業について、ぜひこれからも継続してほしい、こういったことを要望というか、そういう生の声を受けております。体罰を容認する気はさらさらありません。
◆田中優子 委員 今私がるる述べてきた大勢の方たちの、一般の方たちの、区長の記者会見を見た方もいるし、新聞報道を見た方もいるし、その範囲の中での判断を御紹介したのにもかかわらず、全く区長には届いていないわけですね。自分が体罰を容認しますと言っていないから、それが正しいのだ、いいのだと、それは通らないですよ、今大変な事態ですよと私は訴えているんですよ。そんなふうにみんな捉えていないから、こうして怒っているんじゃないですか。懸念しているんじゃないですか。あなたはいつから体罰、暴力容認者になったんだという声が実際出ているじゃないですか。それは幾ら私は容認したなんて言っていない、それは容認したなんて言うわけがないですよ。でも、実態が容認になっているでしょうということをこんなにたくさん言われている、私もそう思いますよ。いろんな意見があって、しかも容認している人たちが、保坂区長、正しい、こういうふうに言っているんですよ。つまり、みんな保坂区長は容認していると思っている、このことが危機的じゃないですかと。
公の自治体の長があのことに対してきちんと暴力はまずいと言わない。髪をわしづかみで何回も振っていましたね。往復びんたですよ。当たったか、かすったかわからないなんて、そんなことを記者会見でおっしゃっていたけれども、それはどういう視点ですか。誰が見ても暴力ですよ。だから、みんな怒っているんじゃないですか、心配しているんじゃないですか。何でそのことが伝わらないのか。きょうの時点でも、これだけ言ってもわからないということで、本当に私は驚いているんです。
もう一つお伺いします。日野氏の事務所がどのように謝罪したのか、日野氏自身もどのように謝罪したのか、文書で区民に公表すべきであると。つまり、多くの人たちは、あの日野皓正さんが戻ってきたときの、俺はこれからもやるよ、悪い子はああやって教えなくてどうするんだと言った、そこで終わっちゃっているんですよ。議会中継を見た一部の方は、日野さんも謝っていますみたいなことはちょっと聞いたかもしれませんけれども、多くの人はあそこで終わっている。そして、日野さんってああいう人なんだで終わっちゃっています。それでまた、ドリバンはいいあれですからやりますよなんて言っているような、そんな状況はまずいですよ。だから、文書にして区民に公表すべきですという意見があります。ちゃんとお知らせくださいと。それに対してはどう対応するつもりか、お答えいただきたいと思います。
◎花房 生涯学習部長 今回の件につきましては、さまざまな方から多数の御意見をいただいているところでございます。それらの御意見を受けとめまして改善を図ってまいりたいと考えております。
また、ドリームジャズバンドワークショップに参加された方を初め関係者の皆様には何らかの形で御説明をしてまいりたいと考えております。その上で、他会派からの御意見もございましたけれども、御提案の点も検討してまいりたいと考えております。
◆田中優子 委員 やはりああいう形でしっかりと、こういうふうに謝りました、暴力はいけないと言って謝りましたと。今後改善していきますということがきちんと表明されていない現段階では、区民は怒りますよ、それは私たちの税金をそんなイベントに使うのはおかしいじゃないかと。私もドリバンは本当にすばらしいイベントだと思ってきました。皆さんに紹介もしてきました。見たこともあります。感動も覚えました。だから、変な形で潰したくないですよ。
でも、今の形じゃだめです。区長が煮え切らない。容認すると言っていなくても、実態は容認なんです。体罰というのは、学校の教員にしか本当は使わない言葉ですよね。つまり、暴力ですよ、暴力行為。それを手前とかなんかごまかししているじゃないですか。それは幾ら区長が弁明しても、みんな本当のことがわかるんですよ。区長はごまかしているって感じているからこその先ほどの意見、まだまだ紹介し切れないぐらいありますよ。本当に大学教授から、それこそ教育ジャーナリスト、教育評論家の方。私は実際に教育の現場にいる数々の友人も知人もいますけれども、誰一人、あれは体罰の手前、行き過ぎた指導なんて言う人は一人もいません。なぜ区長だけ、教育長だけ、世田谷区だけ、本当におかしいよねという声が届いているんですよ。これは絶対に是正しなければいけない問題だと思います。世田谷区がこんなことを発信して、これでいいのだということが、今後、世の中で通っていったら大問題です。
残念ながら、きょう、この時点ではその答弁はありませんでした。直しますよという答弁はありませんでした。でも、このままでは絶対にだめです。どこかで区長、しっかりと改善してほしい。
以上で私はこれを主張して(「改めるということについてきちんと検証して」と呼ぶ者あり)質問していませんけれども。
○安部ひろゆき 委員長 質疑中です。
◆田中優子 委員 私はもうそのことを再度主張させていただきます。それで質問を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 せたがや希望の会の総括質疑を始めます。
一般質問において
地域コミュニティー施設の運営について取り上げましたが、答弁がないもの、そして論点がわかりづらいというお話もいただきましたので、再度取り上げます。
問題は、今回、区が数ある区民活動団体の中で特定の団体を登録認定して、区民利用施設を優先利用させるという案を出したことです。さまざま問題があるのですが、まず、このような区役所認定お墨つき団体をつくり出していく、このような考え方を世田谷区がとっていくということに大きな問題があるのです。
世田谷区は区民参加で全国をリードしてきました。この区民参加についてですが、区はどのように考えているのか、今回の提案で真に疑問を持たざるを得ません。区民参加の基礎は、区民の自由な自主的な活動が保障されていることが大前提です。区と区民活動団体が対等の関係であること、区民活動団体が真に自主的な活動をしていて、自分たちの活動に対して、自分たちで責任を持っていることが根本です。
一方で、区は区民の活動のうち、あるものを公共的活動として位置づけしようとしています。私は一般質問の中で、区が言う公共的サービスを提供するというのは一体何を指すのかと質問しました。答弁がありませんでした。再質問しませんでした。なぜなら、今回のやりとりの中で、区は公共的サービス、そしてその提供ということに全くきちんとした考えを持っていないことがわかったからです。
きちんとした考えなしに具体的な物事を解決できるわけがありません。このところの区は全くおかしい。ですから、これまで営々と築き上げてきた区民センターのさまざまな自主的な事業を区事業と切りかえ、区民に事業委託をしようとするのです。区は、みずからの責任で行うことは自分で責任を持って行う、区民の自主的な活動は保障するという大前提があって、その上で足りないところをどうしていくという検討をすべきなのに、検討されていないのです。
今回、所管に調べてもらいましたが、現在のけやきネット施設において優先利用が二十八年度で合計四千四百二十六件あるということです。支えあいミニデイや子育てサロン、高齢者のボランティア活動などが行われているのですが、それはその団体を認定して優先しているのか、事業を評価して優先使用させているのか、そのどちらかを端的にお答えください。
◎本橋 地域行政部長 施設の使用申請に当たりましては、事業単位に優先使用の判断を行うことで進めております。
◆小泉たま子 委員 いただいた表によれば、一見団体に優先利用させているようですが、実際には各所管がその事業の有効性などを判断し、事業を評価しています。この仕組みを私は評価します。このように、日々の現場での実績の積み上げがあるのに、今回、区はあえて団体というものを認定しようとしています。
問題は、なぜこのようなこととなってしまったかということです。余りにも拙い検討ではないですか。このままでは、世田谷区は団体を選別し、区の考え方に沿った団体を優遇する、世田谷区はそのようなことを考えているのかということが、区民の間に浸透していくこととなります。なぜこのようなことになってしまったのか、現場はどのような検討をされたのか、一般質問でお伺いしましたが、答弁はありませんでした。
副区長が答弁で、今回の案について見直しのことを言及されましたが、私は単に今回の案の問題だけでなく、区の区民活動全体に対する認識の問題だと思います。区民参加の先進都市であればあるほど、特定の住民活動団体との連携については慎重であるべきところ、まず、今後、区はどのように見直しをし、健全な区民活動支援を行っていくのかお答えください。
さらには、地区コミュニティ施設協議会の設立についても見直すべきです。地区コミュニティーについては、施設から協議するというのは、余りにも施設が偏在していて問題を巻き起こすだけですし、ある程度の施設が充実された段階で考えていくべき事柄です。
この二つについて、担当副区長は、見直しをすること、現場での意見を聞くことを言われたわけですが、今後どのように進めていくのか伺います。
◎本橋 地域行政部長
地域コミュニティー施設の運用の検討につきましては、地区の力を高めていただくため、区民の活動の場所を確保するとともに、優先使用の仕組みを拡充することが目的でございます。活動の場所の確保につきましては、けやき施設の開放時間枠をふやすとともに、学校、児童館、
まちづくりセンターの活動フロアーなど、公共施設や民間施設等にもできるだけ多くの活動の場を確保する方向で検討しております。
また、区民の自主的で主体的な活動を支援するため、地区まちづくりや、福祉、見守り、防災など、あくまでも事業内容に着目いたしまして、申請に基づき、個別に優先使用の判断を行う方向で検討しております。
さらに、地区、地域における従来の区民活動に加えまして、このような新たな区民活動との間で、現在の地区情報連絡会をベースにした情報共有する場を設け、将来に向けては施設運営を主体的に取り組んでいただけるような仕組みづくりについても検討を進めてまいります。
さきの一般質問におきまして御指摘いただきました
地域コミュニティー施設の利用拡充の取り組みが、地区のコミュニティーに混乱を来すものであってはならないと考えております。
例えば、今回の見直しでは公共的なサービスを提供する団体の登録と説明してまいりましたが、優先使用に当たりましては、団体として登録するのではなく、事業単位の判断に見直すなど、地区力の向上につながるような検討を進めてまいります。
◆小泉たま子 委員 副区長に伺います。見直すか、見直さないか、しっかり答えてください。はっきり答えてください。
◎岡田 副区長 見直します。
◆小泉たま子 委員 次に移ります。九月一日号の「区のおしらせ」で、区長は転入されて間もない方に呼びかけて、地域防災への参加を促すとされました。一体どこのどなたが転入者に声をかけるのですか。
まちづくりセンターに聞くと、転入者の情報は届いていないのです。ですから、転入者に呼びかけることはできない。町会・自治会も転入者の情報は持っていない。では、誰が呼びかけるのですか。このところの区の対応は、これをやります、あれをやりますと言っておいて、それでは、実際どのようにやるのかというと、ほとんど何もできていないということは余りにも多過ぎます。
その典型がくみん窓口です。マイナンバー実施に伴い、区民の利便性を高めるということで総合窓口構想が出され、それが総合窓口の名前に値しないと指摘すると、申請窓口の総合化と名称を変更し、さらに実施に当たっては、くみん窓口として名称をつけかえる。そして、人、物、金はほとんど負担がかからないと言いながら、実際には三億円もの経費と多くの人員増となり、全く計画行政とは思えないことを行っているのです。
「区のおしらせ」にも、区長がくみん窓口が始まりますと書いていますが、経費などについては触れていません。区、そして区長が最も強調するのは待ち時間の短縮に努めますということです。
九月二十九日午後三時の世田谷区役所の窓口状況を調べました。パソコンで調べられますが、三時現在の受付待ち人数は六人でした。時期的には最も余裕のあるタイミングです。係の方に伺うと、現在のところ、転入届については約一時間程度かかるとのこと。区にお聞きしますと、特に繁忙期にはフロアマネジャーを補強するという話はないようで、では、区が言うように待ち時間の短縮に努めるというのは、実際にどのように実行するのでしょうか。
世田谷支所の窓口では、例えば異動届については、最も忙しい日の件数と最も暇な日の件数には五・三倍程度の差があります。この件数の差を埋めるためには、閑散期のスタッフの五倍程度の人数がなければ同じ時間で処理はできません。小学生でもわかることです。
区は、この仕組みの導入についての責任の所在を問うと、区長、副区長以下全員で責任をとるとのことですが、一体どうするのですか。区民にお話ししましたら、それは区長以下偉い人たちが窓口に出て案内するということじゃないの。しかし、そんな偉い人たちが窓口で案内できるのかと笑い話になりました。まさに通常期は税金の無駄遣い、重要な繁忙期は役に立たないという、お役所仕事の典型です。全く創意工夫が感じられないというか、何を目的にしているのかわかりません。
この総合窓口ならぬ、くみん窓口については、当初から本当に多くの問題があり、想定外の膨大な経費と人員が費やされ、一方で、区が主張される待ち時間の短縮についても、その短縮を行おうとする意欲すら感じられないというこの仕組み。この仕組みについてどのように見直しを図っていくのか伺います。
◎本橋 地域行政部長 これまでくみん窓口開設に関する検討の中では、フロアマネジャーの新設ですとか、集中入力センター方式の導入、証明書発行等の簡易な手続のクイック処理、これらに加えて
世田谷総合支所の土曜開庁窓口の増設など、少しでも来庁者をお待たせしないための取り組みを検討し、七月から実施したところでございます。
また、新たな番号発券機システムを導入いたしまして、各窓口の混雑状況をお手元のパソコンやスマートフォンからリアルタイムで確認することができるようにしており、お待ちいただいている間の手続の状況の見える化を図ったりしております。また、待ち時間の有効活用を図るために、窓口を離れた外出先へのスマートフォンなどの呼び出しも可能にしており、こうした改善を図っているところでございます。
今後、繁忙期に向けまして、これらの取り組みが効果的に機能するよう、窓口担当とも連携を図り、しっかりと対策を講じてまいりたいと考えております。
◆小泉たま子 委員 しっかりやってください。
次に、外環道整備に関連して伺いますが、外環道の整備は、四十年にもわたる整備凍結により、町の発展が阻害されてきたのですが、再開され、関係者が全力で努力されている状況です。現場には現在、オープンハウスが設置され、さまざまな最新の情報提供がなされるとともに、外環事業者、区と区民との協議が行われる場となっています。
私は、国、関係機関のこの姿勢を評価します。反対であれ、賛成であれ、それぞれの立場の方々が一つの場所で整備について協議を重ねているのです。このオープンハウスは民主主義の学校とも言えるものです。現在、外環道上部空間等利用計画案が示されていますが、このオープンハウスは、利用計画において、区が現在考えている福祉、交流、防災施設が整備される拠点に隣接した場所に設置されているのです。
そこで提案ですが、区はこれまで、また、これからも安全な外環道整備についての区民活動の拠点ともなるこの場所を、外環道完成後、引き続き国や関係機関等の協力もいただきながら、本来の意味での地域のオープンハウスを整備していくことがよいと考えます。これは四十年にわたり事業凍結され、まちづくりがとまってしまったこの地域を新しく生まれ変わらせる、そして外環道整備の国、都、区、区民の協働のあかしとしての新しい形の地域センターと言うべきものです。
このようなビジョンをなるべく早く区民に示し、この場所が地域の区民活動の拠点、そして外環道整備の記念施設と変貌を遂げる、この希望を持てる仕組みをつくることがよいと思いますが、区のお考えを伺います。
◎寺林 砧総合支所長 お話しの場所は、多摩堤通り沿道で、世田谷通りにも近く、交通利便性が高い場所でもあることから、上部空間等の中でも、人々の交流やにぎわいの場を創出する上でポテンシャルの高い場所と考えております。そのため、区といたしましては活用していきたいと考えており、上部空間等利用計画素案において利用可能な区域の拡大を検討するエリアとしてお示ししております。
当該地は、外環道路用地として、外環事業者が取得した土地でございます。御提案の趣旨につきましては、外環事業完了後の土地活用として、今後、庁内を初め、外環事業者等関係者の意向なども踏まえながら検討を行ってまいります。
◆小泉たま子 委員 以上で私の質問を終わります。
佐藤委員にかわります。
◆佐藤美樹 委員 私からは、先日示されました世田谷区の将来人口推計というところの話と公共施設マネジメントの関係について伺っていきたいと思います。
七月の人口推計だと、これまで、つい最近出ていた世田谷区人口ビジョンは、ある一定のところでピークアウトして、全国的なトレンドと同じ人口減少に入っていく、転入超過がある程度のところでとまるというふうなビジョンを持っていたのに対して、この転入超過がいつとまるかというのはもう見込むのが難しいので、人口が増加のままいくという推計を、今回、世田谷区として示したというふうに理解しています。
このようなトレンドで、十年後、九十九・九万人、二十五年後、二〇四二年には百八万人と非常に衝撃的な数字なんですけれども、こうなってくると、果たして公共施設の施設の規模ですとか、こういった人口増加の中でどこにどれだけ財源を配分していっていいのかというのは、この推計をもって、また新たに見ていかなければいけない点があるんじゃないかなというふうに思って、今回質問します。
この人口推計の話とともに、その前に出された公共施設等総合管理計画は、そもそも全国的に人口減少社会を迎える中で、老朽化する公共施設をどうやって更新していくかというのが背景の文脈にあって、財源が少なくなってくるところで、やっぱり施設の規模は抑制していこうという、基本的にはこの抑制、全国的な流れとしてはこの施設をどう抑制するかという中で、世田谷も抑制論というのがベースに入っているわけです。
今述べたように、人口が増加するという全国と違う要素を踏まえると、抑制だけで見ていてはいけない点というのが、特に人口増加に直結している部分で、かつ官と民の役割で見ても、絶対に世田谷区がやらなければいけない、民設民営ということができない施設については人口に合わせてしっかりふやしていく、抑制じゃなくて、規模もふやしていかざるを得ないというところを計画に盛り込んでいるのかどうか、お伺いしたいと思います。
特にその中でも小中学校という学校施設は、施設の規模で言うと、今、床面積で見ても、今の世田谷区の公共施設の大体半分ぐらいを占めているわけですけれども、小中学校の学校の改築というような施設整備の計画は、今回の人口推計というのをどこまで踏まえているのか。将来的な費用というのもかなり精緻に積んでいかなければいけないと思いますけれども、この辺はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
◎岩本 政策経営部長 公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、ことし七月に御報告した、前のになりますが、平成二十七年度に策定した世田谷区人口ビジョンにおける将来人口推計をもとに施設需要を検討いたしました。これまでも学校教育の充実やユニバーサルデザインの対応などによりまして、学校施設では建物の改築時に四〇%程度施設規模が拡大してきたこと、また、計画策定時において子どもの数はふえ続ける見込みがあったことを踏まえまして、小中学校に通う子どもの人口予測値から将来の学校施設全体の必要面積を算出し、公共施設等総合管理計画の将来経費試算にも計上したところでございます。
将来にわたって教育環境の確保を図る計画といたしまして、その他、本庁舎の整備等も踏まえまして、五十年後、平成七十八年度となりますが、その施設総量を見通しまして、平成二十八年度比一四%増の百四十七万平米と見積もったものでございます。
また、今後、より精緻に経費を見積もるべきだといった御質問をいただきましたけれども、この間、特に区の西部地区においては子どもたちの増加が顕著になっておりまして、この間、喜多見小学校、船橋小学校、また、今年度、希望丘小、芦花小についても増築の御報告をさせていただいています。
今後、教育委員会とも連携いたしまして、より精緻に施設需要等について、改めて経費の算出等も取り組んでいきたいと考えてございます。
◆佐藤美樹 委員 公共施設の中でも箱物とインフラと分けたときに、小中学校の学校施設も箱物にくくられるんですけれども、意味的には、今申し上げたように、絶対的に世田谷区がやめた、民間にお願いしますというふうにできない性質なので、そういうところも踏まえて、個々の地区ごと、あるいは学校単位で推計というのも見た上で、施設の改築の費用の算出というところを見ていっていただきたい。この辺は、また別の領域で質問をします。
財源の話なんですけれども、本会議で、公共施設整備に当てにできる基金の額というのは、今、基金は総額で七百五十億円と総額で見ていますけれども、例えばみどりのトラスト基金ですとか、スポーツの基金とか、子ども基金とか、目的ごとに基金は設定されているので、公共施設に使える基金というのは、庁舎等という基金と、学校でいえば義務教育目的基金というのになるわけです。
そうすると、今回の決算ベースで言うと、義務教育目的基金、今、決算額九十一億円ということで、これで果たして、今申し上げたように、これから人口増加に絶対に反映させていかなければいけないような要素を抱える学校の改築費用というのが十分に賄えるのかどうなのか、財源として確保できているのかどうなのかというところを懸念しています。
改築すると、最近の改築校のあれでいくと、大体一校当たり三十五億円ぐらいかかっていると思うんですが、この基金は、その中でも改築費用、基金とか、起債とか、国庫支出金を組み合わせると思うんですけれども、このうち基金は財源としてどのぐらい割合を占めているのかお伺いします。
◎岩本 政策経営部長 今例示いただきました一校当たり総事業費三十五億円程度といたしますと、国庫支出金としては約四億円程度、一割強でございます。起債も行っておりまして、これについては約十二億円ほどで三三%、これについては後年度、財調交付金の需要額に算定されるものですから、起債は的確に行っていきたいと思っています。残り約五五%の十九億円あたりが一般財源相当になります。この十九億円ほどに対して、その時々の収支状況でどのくらいの基金を充てるか。収支状況がよければ、基金を崩さずに全額一般財源ということもあり得るといった状況でございます。
◆佐藤美樹 委員 ちょっと時間がなくなってきたので、また別な機会にしますけれども、やはりこの義務教育目的基金が九十一億円で足りるのかどうなのかというところは非常に疑問を持っていますし、本庁舎に今二百億円強かな、基金を積んでいると思いますけれども、性質的、あるいは規模的に考えたら、圧倒的に学校のほうが基金を必要とする要素を含んでいますので、こっちの基金の積み立てもしっかり行っていただきたい。また別の機会に質問してまいります。
以上でせたがや希望の会の質疑を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時五十八分休憩
──────────────────
午後五時十五分開議
○安部ひろゆき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆田中みち子 委員 生活者ネットワークの総括質疑を始めます。
世田谷区の二十八年度の財政は、
梅ヶ丘拠点整備の用地取得、子ども関連経費などによる歳出の増加や、ふるさと納税による影響が拡大しましたが、納税者数の増による歳入に助けられ、基金残高が特別区債を上回る結果となりました。今後ふえ続けるふるさと納税による影響や
社会保障関連経費など、財政需要は大きく増加することが見込まれます。限られた財源を有効に活用し、柔軟な発想による手法の転換や見直しなどの行政改革を進めることを求めて、総括質疑に入ります。
一般質問に続いて、障害者差別解消法における実効性のある取り組みについての質問です。
法が施行され、障害者の社会参加や雇用促進の取り組みをより一層進めていくことが求められます。先般、障害者雇用促進法が改正され、二〇一八年四月から障害者雇用率の算定式に精神障害も含まれることになりました。民間企業は二%から二・三%、国や地方公共団体は二・三%から二・六%へ、都道府県教育委員会は二・二%から二・五%となります。
現在、世田谷区の障害者雇用率は二・四五%と辛うじて達成している現状ですが、法の施行が来年と迫る中、早期に区職員の法定雇用率を達成する取り組みが必要です。見解を伺います。
◎中村 総務部長 お話しありましたように、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正により、地方公共団体の雇用率は現在の二・三%から、平成三十年四月以降、二・六%に引き上げられることになります。経過措置としまして当面二・五%とされますが、障害者の雇用を促進、安定させるため、できる限り速やかに雇用環境等を整えることが求められていると考えています。
区ではこの間、二十三区統一での身体障害者を対象とする採用選考に加え、平成二十二年度以降、チャレンジ雇用として知的障害者及び精神障害者の臨時職員を採用し、平成二十七年度からは非常勤職員の採用を開始しております。こうした取り組みなどにより、平成二十九年度の障害者雇用率は二・四五%となっております。
障害を持った方々の社会参加と自立支援の促進は、区全体で取り組むべき課題と認識しており、平成三十年度の予算編成に当たっての依命通達の中でも、障害者の雇用の促進に努めることを明記したところです。
今後も障害を持った方々が十分に力を発揮できる働きやすい環境を整備し、正規職員だけでなく、非常勤職員等も含めた障害者雇用の拡大に努めてまいります。
◆田中みち子 委員 既に世田谷区はチャレンジ雇用として知的障害者や精神障害者を臨時職員などとして採用していますが、法改正の趣旨を踏まえると、正規職員として採用することも必要です。
これまで臨時職員が従事する業務以外に、障害特性に応じた新たな仕事をつくることが求められます。当事者の個別の事情などを考慮し、就労が定着するよう、支援計画を策定しながら進めることなども必要と考えますが、今後どのような就労形態を考えているのでしょうか、見解を伺います。
◎中村 総務部長 障害者雇用のさらなる促進に当たっては、障害の種別にかかわらず、広く就労機会を確保することが必要であると認識しております。
東京都では、これまで身体に障害のある方を対象としていた障害者採用選考について、今年度から知的障害者及び精神障害者の方々も受験可能とする見直しを行っております。特別区人事委員会におきましても、平成三十年度の選考に向けて同様の見直しを検討中です。
これまで区は、臨時職員または非常勤職員として、知的障害者及び精神障害者の方々を雇用するチャレンジ雇用の取り組みを進め、書類の丁合いや封入封緘、データ入力やリスト作成など、さまざまな業務に従事していただいております。
今後、知的障害者及び精神障害者の雇用拡大に当たりましては、全職員が障害者雇用や障害理解をより深め、障害を持った方々が働きやすい環境を整えるとともに、区のさまざまな業務の中から、それぞれの個性を生かせる仕事を切り出すなど、職域の拡大に向けて取り組んでまいります。
◆田中みち子 委員 昨年の
決算特別委員会でも申し上げましたが、障害を理由に不利益をこうむる社会に一石を投じる兵庫県明石市では、障害のある人の基本的人権を保障するために、地方公務員法の欠格条項を撤廃する条例を定め、市の正規職員として精神障害者の雇用も既に行っています。福祉所管ではこの間、明石市へも視察に行き、聞き取りを行っています。区として福祉所管の情報も生かし、障害当事者が正規職員として働くことに対する自覚や誇りを持って働けるように、職員の意識改革を含めた職場環境の整備とともに、新たな仕事の創出を進めてください。
次に、豪雨対策とグリーンインフラの推進について質問します。
地球温暖化によるさまざまな影響は、自然環境を破壊し、私たちの生活にも甚大な被害を及ぼし、持続可能な循環型社会へシフトすべきと警鐘を鳴らしています。
茨城県常総市や九州北部など想定を超えた浸水被害や、八月の二子玉川の花火大会を直撃した台風ではゲリラ豪雨による冠水があちこちで起き、予測不可能な異常気象による被害は拡大をしています。被害を最小限にとどめ、地域全体で雨水が流出しにくいまちづくりを加速して進めていかなければなりません。
二十八年度の世田谷区の流域対策による雨水流出抑制量の達成も五三%でした。雨水貯留浸透施設や雨水タンクなど、民間事業者だけでなく、区民へも設置費の一部を助成し対策を進めていますが、年々減少しています。雨水貯留浸透施設の昨年度の設置件数も十八件と少なく、雨水タンクは、東日本大震災での百件の実績をピークに、三十一件と三分の一にまで減少しています。助成制度の拡充や、区民アンケートでは八割の方がこの助成制度を知らないと答えていることからも、PRの工夫が必要です。
本来、雨は貴重な水資源です。貯留することで身近な水源として生かすことができますし、蒸発、浸透させることで、雨水が河川や下水道に流れ込む量を一時的に抑える効果があるだけでなく、地域の健全な水循環系を育むことができます。
流域対策の重要性に対する認識を高め、区民一人一人が循環型社会の担い手として参加するよう、機運の醸成に努めることが求められます。
昨年、雨水ネットワーク全国大会が二子玉川で行われ、グリーンインフラや雨水の活用などに関する機運の醸成にも大変よいイベントだったと聞きました。このイベントでの区のかかわりと、どのような周知を行ったのか伺います。
◎五十嵐 土木部長 雨水ネットワークは、雨水の活用や雨循環の再生などにかかわる、市民、企業、行政、学会等で形成する活動組織です。昨年八月に雨水ネットワーク全国大会が世田谷区の東京都市大学二子玉川キャンパスで開催されました。グリーンインフラの取り組みの講演や「雨から始めるグリーンインフラ」と題してのパネルディスカッションなどが行われ、三日間で六百名を超す方々の参加により、成功裏に終了いたしました。
区は、地元自治体として雨水ネットワーク全国大会in東京実行委員会に参加するとともに、大会当日は、職員による世田谷区の流域対策の取り組みなどについての講演やグループディスカッションへの参加などのさまざまな場面で、大会への連携協力をさせていただいたところでございます。
また、会場に世田谷区のPRコーナーを設置し、雨水浸透施設、雨水タンクの助成など、区の豪雨対策の取り組みについて広報いたしました。同大会の周知には、事務局の公益社団法人雨水貯留浸透技術協会が担い、ホームページや雨水ネットワーク大会の協力大学、後援団体、協賛企業によるPRなどにより広報が行われ、区もポスターやパンフレット配布により周知などを行ったところでございます。
区といたしましては、今後もグリーンインフラや雨水活用の取り組みについて、幅広く区民に理解されるよう周知を行い、これらを生かしたまちづくりに努めるとともに、PRイベントなどの開催なども検討してまいります。
◆田中みち子 委員 三日間で六百名を超す参加者だったそうですが、このイベントは全国から集まっていますので、区民がどれだけ参加したのかわかりませんし、近隣へのパンフレット配布やポスター設置にとどまっているということですが、広く区民に周知できていないと考えます。今後は、ホームページなど積極的に情報を出し、日ごろから区民全体に周知することに努めることを求めます。
また、イベント開催地の地元自治体としてグリーンインフラの講演も行ったそうですが、まだまだグリーンインフラについては知られていません。グリーンインフラは、豪雨対策など減災、防災として機能すると同時に、多様な緑と多様な生き物をふやします。これまでのコンクリート中心のグレーインフラによる都市計画を改めて、街路樹で日陰と風の道をつくるなど、自然の多様な機能を活用したグリーンインフラを主流にした循環型社会を一層推進していくことが求められます。
ことしオープンした上用賀公園も豪雨対策のモデル地区として指定され、グリーンインフラの取り組みの一例に挙げられるレインガーデンができました。レインガーデンとは、雨水が地中にしみ込むくぼ地をつくり、豪雨対策やヒートアイランド現象を緩和します。さらに拡張される上用賀公園においても、この観点で進めることが重要です。
これからのまちづくりは、貴重な緑の環境を保全創出できるグリーンインフラによる取り組みを総合的に推進することを求めます。見解を伺います。
◎五十嵐 土木部長 現在策定中の次期世田谷区豪雨対策行動計画において、自然の多様な機能を活用した、グリーンインフラの導入による新たな取り組みについて検討しているところです。
例えば植栽帯や草地などの緑地の面積を対策量に換算し、雨水浸透の対策量として積み上げを可能とする、雨水流出抑制の技術指針の改定を予定しております。このことによりまして、緑の創出をより一層推進できる効果もございます。
また、みどり所管と連携し、グリーンインフラを活用した公園と道路の一体的なモデル整備などにつきましても検討してまいります。
今後は、グリーンインフラの取り組みについて、関係所管と連携し、幅広く区民に理解されるよう、あらゆる機会を捉え周知を行うとともに、効果的、総合的な豪雨対策の推進を図ってまいります。
◆田中みち子 委員 お話しのように、平成三十年からの次期世田谷区豪雨対策行動計画の中で雨水流出抑制施設の指導指針が緑地面積を雨水浸透の対象量として積み上げ可能と改定されれば、世田谷区のみどり率三三%という長期達成目標、みどり33が現実味を帯びてきます。みどり所管とも連携し、貴重な緑を永続的に保存するため、グリーンインフラによる都市づくりを、区民の参加と協働により、一層進めていただきたいと要望します。
区が管理する道路においては、雨水貯留浸透施設や透水性舗装の整備と同時に進めていかなければならないのは遮熱性舗装です。庁舎前と隣接する区役所西通りもこの遮熱性舗装ですが、ヒートアイランド現象の緩和にも有効であることからも、効果的に整備することが求められます。
これまでの実績は五万一千三百五十六平方メートル整備されていますが、新実施計画素案の中では何ら触れられていない状況です。遮熱性舗装もしっかりと進めていく必要があります。今後の取り組みについて伺います。
◎五十嵐 土木部長 東京二〇二〇大会のマラソンコースにも整備されます遮熱性舗装でございますが、アスファルト舗装に遮熱材を塗布することで近赤外線を高反射し、路面の蓄熱の抑制により、路面温度の上昇を約十度C下げる効果がございます。夜間においては放射熱を抑え、熱帯夜を軽減する効果もございます。
対象路線につきましては、都市計画道路、主要生活道路、駅前広場及び商店街などの
歩行者交通量の多い路線やライフラインの掘り返しが少ない路線に施工しております。塗布する舗装は透水性舗装などの開粒度舗装のため、豪雨対策の一助にもなっております。
今後の予定につきましては、東京二〇二〇大会の競技会場であります馬事公苑周辺道路四路線について、無電柱化などのオリンピック・パラリンピック関連工事に合わせて整備を行う予定でございます。また、その他の路線につきましては、今年度策定予定の世田谷区遮熱性舗装四カ年計画の中で検討してまいります。
◆田中みち子 委員 真夏の道路はやけどをするほど熱くなり、日中の犬の散歩など、肉球が焼けてしまうためできません。主要生活道路の整備もさらに進めることを要望します。
農地や樹木、樹林の減少、アスファルトの増加などによるヒートアイランド現象による平均気温の上昇は自然環境や経済社会にもさまざまな影響を及ぼしています。緑を保全し創出するグリーンインフラの取り組みは、将来の世代に引き継がれるべきものであることを念頭に、全ての事業において一層推進していただくことを求めて、総括の質疑を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず、給食費の関係で、教育委員会が各学校にかわって給食費を徴収するということは大変評価をしております。また、給食費に関しては、この間、一般質問でも無償化に向けた取り組みの要望等をさせていただいておりますけれども、この間、給食費に関しては、行政改革等の果実として給食費を何とか無償化できないかというようなことから始まりまして、私としては大変長く主張してきているわけです。子どもを取り巻く環境等、子どもの貧困の問題であったり、子どもの人権等に勘案して、今の情勢からいえば、給食費を無償化していくことはそれなりに意義のあることだということで、きょうも他会派から給食費を無償化すべきだという話が出ましたけれども、私も全く同感で、かねてから主張させていただいておりますので、改めて給食費の無償化に向けた取り組みをしっかり検討していただきたいということをまず要望しておきたいと思います。
質問に入ってまいりますけれども、まず、一般質問で、今回、スマートフォンのながらスマートフォンですか、歩きスマートフォンについて質問をさせていただきました。これは世田谷区内の一般の道路、また、歩道等でスマートフォンをされる方が大変多くなっていると。それに対して、障害者の方からも要望等があって、区内で歩きスマホを何とかなくせないかというようなお話をさせていただきました。区でも今後いろいろ検討されるんでしょうけれども、さまざまハードルもあると思います。その上で、世田谷でどういうルールをつくっていくのが一番適当なのかということも含めて、しっかりこの点も検討していただきたいと思うわけです。
ところで、区内の道路ではなくて、世田谷区の庁舎の中において、職員の方が歩きスマホをされているというような現状がございます。私もこの第二庁舎から第一庁舎のほうに向かって地下道を歩いておりますと、職員の方が歩きスマホをされて歩いてくる方が大変多く見受けられるということなんですね。
まず、役所の中で歩きスマホに関してはしっかりなくしていただきたいと私は要望したいと思うんですが、この今の現状について、所管ではどのように考えていらっしゃるのか、まず伺いたいと思います。
◎中村 総務部長 いわゆる歩きスマホにつきましては、近年、駅のプラットホームからの転落や歩行者間のトラブルを引き起こす原因となっているなど、社会問題にもなっていると認識をしています。
区では歩きスマホに関する個別のルールというのはございませんが、庁内における秩序及び美観の保持等を図るため、世田谷区庁舎管理規則において、庁舎の管理について必要な事項を定めているところです。
高齢者や障害者など、さまざまな区民が来庁する庁舎内において、職員が歩きスマホをするということはマナー違反を超えて危険な行為であって、本規則が禁止しています、庁舎のほかの利用者、職員等に危害を及ぼす行為をすることに抵触するのではないかと考えております。
◆あべ力也 委員 この問題について、私はもともと民間企業におりましたので、民間の友達に、役所の中でも結構スマートフォンをやっている職員がいてという話をしましたら、その民間企業に働く友達は、役所といえば、個人情報を取り扱ったり、さまざまな情報を取り扱っているという中で、職場にスマートフォンそのものを持ち込んでいるということは、民間企業の場合にはちょっと考えられないというようなお話を今回されました。確かに情報の問題でいろいろ問題があったりというようなことも今までございました。
それで、スマートフォンも今さまざまな機能があって、写真をぱっと撮れてしまうというような状況の中で、実際、各職員の方が職場でスマートフォンを仕事として使うことはほとんどないと僕は思うんですが、職場にスマートフォンを持ち込むことに関しても、今後、庁内でどういうルールをつくっていったらいいのかということもしっかり検討していくべきだと私は思うんですが、この点についてはどういうふうにお考えでしょう。
◎中村 総務部長 現在、庁内で職員がスマホを持ち込むことについて特に制限はございませんが、お話しのとおり、スマホが多機能になっていることは認識しております。我々は守秘義務ですとかそういうのは課されていますけれども、今後、お話しのありました民間企業においてどういう部門でどういった制約があるのかということも調べた上で、庁内の取り扱いについて研究、検討をしていきたいと思います。
◆あべ力也 委員 スマホの取り扱いもしっかり検討していただきたいと思いますが、その前に、庁内での歩きスマホはぜひなくしていただきたい、これはしっかり要望しておきたいと思います。
次に、災害対策について伺いますが、国のほうでは、ことしの九月二十六日に防災対策の中央防災会議が開かれて、南海トラフを含む東海沖地震等の予知を前提とした防災を見直すというようなことを報告書でまとめて、これを大臣のほうに提出したということであります。
今まで、特に東海沖地震は、東京都もその対象の中に入っているわけでありますけれども、予知そのものはなかなか難しいという結論に至って、この予知を前提とした防災を見直すということでありますから、世田谷区の防災計画そのものも、これにあわせて見直していく必要が生じてくるのではないかと思いますが、この点について伺っておきたいと思います。
◎澤谷 危機管理室長 今御指摘の東海地震を含む南海トラフ沿い等で発生する大規模な地震については、現在の科学的な知見では確度の高い地震予測が難しいということでございます。この報告を踏まえ、気象庁では、南海トラフ沿いで大規模地震の発生に係る異常事態を観測した場合は、関連する情報を発表し、被害が想定される全域の住民に対して警戒を呼びかける方針を決定しました。
区の地域防災計画については、こうした情報への対応や地域住民への周知方法なども含め、今後国から示されるであろう新たな対策の方針や計画等に基づき、都道府県の地域防災計画の修正を踏まえ、対策の見直しを行ってまいります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 「たまリバー50キロ」というものについて伺います。
「たまリバー50キロ」は、都民の健康づくりを目的に、東京都が羽村市から大田区までの多摩川の左岸――東京側ですね――十区市に協力を呼びかけつくられた、多摩川河川敷等を利用したウオーキング、ランニング、散策コースです。このコース、自転車愛好者、サイクリストからも多摩川サイクリングコース、略称多摩サイという愛称で呼ばれまして、大変な人気コースです。しかし、この世田谷区部分がいただけません。幅員が狭過ぎたり、砂利道区間が非常に長いんですね。
このため、どんなことが起こっているのかということで、ここで一つ目のパネルを御紹介します。
これはある新聞社がネット上でお勧めをしている多摩川沿岸のサイクリングコースです。始点と、あるいは終点となるのは「たまリバー50キロ」と同じ羽村と大田区ということになります。
それでは、コースが全て「たまリバー50キロ」、東京都側に重なるのかといいますと、さにあらずということなんですね。よく見ると、世田谷部分のみ避けられて、川崎側を走るようにお勧めしております。
どういうことなのかといいますと、世田谷区部分は悪路が続くから。逆に言いますと川崎側の整備状況が非常にいいからということで、狛江市から川崎に渡ったら、川崎をずっと走って、世田谷区を過ぎた大田区になったら東京都に戻れということなんですね。
まず御質問いたしますが、路面状況です。上流から下流まで順にどのような状況か、御説明ください。
◎平澤 スポーツ推進部長 「たまリバー50キロ」事業は、多摩川の土手、河川敷等を利用し、総延長五十三キロのウオーキングやランニングなどが楽しめるコースとして、都が国と川沿いの区市と連携して行っている事業で、世田谷区内は七キロ強でございます。
区内の路面状況でございますが、まず、上流の狛江市境から二子玉川緑地運動場、兵庫島公園を進み、兵庫橋を渡るまでの約三キロの区間につきましてはゴムチップ舗装とアスファルト舗装として整備しており、区が国より占用許可を受けて管理しております。
兵庫橋を渡ってからは幅員の狭いところもある二子橋と田園都市線をくぐり、二子玉川公園の前までの約一キロ区間でございますけれども、こちらは近年、国が暫定堤防として整備し、ソイル舗装と言われる土をかたく固めたグラウンドのような舗装となっており、区は多摩川遊園として国から占用許可を受けて管理しております。
二子玉川公園の先から大田区境までの約三キロの区間は、緊急河川敷道路として国が直接管理し、未舗装の土部分や幅広い砂利道となっております。
◆上川あや 委員 三月の予算質疑で、村田委員のほうから、多摩川河川敷におりる階段が、大田区側では手すりがついて、緩やかなスロープまでついて、大変立派なものであるのに対して、世田谷区内では整備がひどい状況だというお話があったかと思いますが、おりた後の散策路についても、世田谷部分は非常にひどいんですね。
二枚目のパネルなんですが、これはどのような状況かお示ししたいんですが、二子玉川の再開発のビルが見えます。二子玉川公園の配慮のあるバリアフリーのスロープをおりてきて、では、いざ散策路というと、この状況なんですね。これは先週土曜日の雨上がりの二日後、晴れた日でしたけれども、ところどころに泥だまり、水たまりがあるということで、ここから先三キロメートル区間、大田区までこの状況が続きます。
この三キロ区間の砂利道については、平成二十年十二月の本会議で、他会派の質問に対して、区から都に整備を申し入れていくという答弁がされていますが、全く改善はされておりませんし、その後、実際に申し入れた形跡もないというふうに確認をしておりますけれども、いかがですか。
◎平澤 スポーツ推進部長 本事業の推進に当たりましては、東京都と関連する川沿いの自治体、国土交通省の京浜河川事務所で構成する協議会を設置し、コース整備や案内施設、広報等について協議、検討を行ってまいりました。
お話しの平成二十年の第四回区議会定例会での御質問には、未舗装となっているコースの整備に向け、再三、東京都による直接整備、あるいは国への整備の働きかけを要望しても実現に至っていなかった中で、引き続き東京都に申し入れ、協議会の中での検討を要請していくと御答弁申し上げております。
その後は、翌年、協議会が一度開かれただけで、協議、検討は進展しておらず、また、東京都に対する文書等での申し入れも行っていない状況でございます。
コース全体では、隣接の大田区や狛江市内のコースにも未舗装部分がありますので、区といたしましては、事業主体である東京都に対し、協議会の開催なども含めて、改めてコース整備について要請してまいります。また、みどりとみず政策担当部も協議会の委員となっておりますので、引き続き連携して取り組んでまいりたいと考えております。
◆上川あや 委員 区長にお伺いしたいと思います。九年前と同じ答弁なんですね。東京都にただただ要請するということで、この状況は変わるんでしょうか。上流側は既に世田谷区の手でサイクリングロードが整備されておりますし、下流側も、この国の管理区間の脇にはずうっと世田谷区立公園が並んでいるんです。区としてもしっかり積極的にこれを改善していただきたいと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
◎保坂 区長 今のイラストも見せていただきまして、多摩川流域の首長の皆さんが一堂に会する集まりがあって、この一つながりに行けるかどうか、常に話題になって、国が管理しているところもあり、また、区が委託を受けているところもありますが、二子玉川、そして貴重な河川敷という非常にすばらしい環境を快適に歩けるように、あるいは車椅子など通行できるような、そういう改善を積極的にしていく必要を感じました。待っているのではなくて、働きかけたいと思います。
◆上川あや 委員 働きかけるだけではなくて、区としても積極的に対応していただきたいんですね。この間お話ししていると、スポーツ担当部と公園管理、何か押しつけ合っているかのようで、どちらがちゃんとやるのかというイニシアチブがとれなかったので、きょう、ここで聞いているんです。
区としても積極的にやるつもりがあるのかどうか、上流部はもう区はやったんです。下流部もずうっとこの横は世田谷区立の公園です。区としても頼むだけじゃなくて、その整備をするつもりがあるのかどうかですよね。区立公園に対して、区民の方が車椅子でも行けるようにするかどうかというところはどうでしょう。
◎保坂 区長 平成二十年から一向に変わっていないということですので、やはり早急な改善が図られるように、区としてもしっかり現状を変えるということに取り組みたいと思います。
◆上川あや 委員 上流の羽村市から調布市までは一〇〇%舗装済みです。下流側の大田区も一部を除いて舗装済みです。上流の狛江市と世田谷が最悪だというんですけれども、狛江市側は一部舗装が始まりました。世田谷区の最悪、ぜひ改めるようにお願いいたします。
終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。
◆すがややすこ 委員 けやきネットの件について、けやきネットの適切な利用という件について質問したいと思います。
けやきネット改修が現在行われておりますけれども、現行けやきネットについては、使い勝手やキャンセルの対応などについて、各方面からも質疑とか御意見が出ていることと思います。新けやきネットシステムに関しては、これらをもとに改善を行っていくことと思いますけれども、本日取り上げたいのは、現行けやきネットでとった施設の適正な利用とはどういったものかという点について、特にけやきネットでとる施設でも、倍率が高くてなかなかとることができないテニスコートについて質問したいと思います。
テニスコートなんですけれども、私も登録しているんですが、土日とかになりますと、一個二時間の枠なんですが、一つの枠に八十団体以上の人が申し込んでいたりしていて、だから、倍率が八十倍ということになるんですか、そういうような状況なんです。
ほかのけやきネットシステムの施設と違って、テニスコートに関しては毎月十五日、十六日、十七日、十八日の四日間のうちに抽せんの申し込みをして、二十日以降に当せんの発表があって、それでまたもう一度当せんの確認をするという非常に面倒な作業をしていかなければいけなくて、そこに外れてしまうと、その次の月はテニスができないというような仕組みなんですね。(「そんなに埋まっちゃっているの」「テニスが一番倍率が高いんだ」と呼ぶ者あり)そうなんです。本当にテニスは、今皆さんもおっしゃっていただいたように倍率が高くて、すごくとれない施設の一つでもあるということで、周りを見てみますと、皆さん、サークルとかに入って、そのサークルがまとめてぼんととって、テニスを楽しんでいたりというような状況なんですね。
もう一つは、インターネットを利用してテニスオフというのがあるんですけれども、それは御存じですか。テニスオフというふうに検索していただくと、ばあっといろいろ出てくるんですけれども、一人の人がテニスコートをとりますよね。ネット上で呼びかけるんですね。この日、テニスやれる人とかといって呼びかけて、例えば中級以上とか、上級者向けとか、そういった形で呼びかけて、不特定多数の人に呼びかけて、テニスを知らない人同士でやるみたいな、そういう利用をされている方が、実際に世田谷区内でいらっしゃるというんです。
まず、ここで質問したいんですけれども、このようなけやきネットの利用方法については、区としてはどのような見解でしょうか。
◎本橋 地域行政部長 けやきネットシステムによりまして総合運動場や公園、中学校などのテニスコートを利用するには団体登録が必要でございまして、この際に届け出たメンバーのみが御利用いただけるルールとなっております。
お話しにございましたテニスオフネットは、インターネットを通じてテニスの仲間を募集するソーシャルネットワークサービスでありまして、一人でも気軽に参加できることから、一部の愛好家の間で広がりを見せているものと認識しております。
このようなインターネットを利用して募集した利用者がけやきネットで予約した施設を利用することにつきましては、登録した参加者と異なる場合は利用することができないことになります。
区では現在、けやきネットシステムの改修におきまして、重複登録などの不適切利用のチェック強化に取り組む一方で、このような利用状況を把握した場合には、代表者に対して、改めてけやきネットの利用方法を説明いたしまして、必要に応じて是正を求めるなど、公共施設利用の公平性あるいは公正性の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆すがややすこ 委員 そうはいっても、先ほど申し上げたとおり、テニスコートはなかなかとれないような状況の中で、区民の方もそういった仕組みを利用されてテニスをしているという現状もあって、けやきネットのシステムとしては適正な利用ではないんだけれども、やっぱりそういう利用の仕方も今後はあり得るんじゃないかなというふうに個人的には思うんですね。ですので、それはけやきネットの今後の改修の課題というふうにもしていただきたいんです。
もう一点、この質問の流れで質問したいのが、先ほど言ったテニスオフのサイトをずうっと見てみますと、総合運動場とか大蔵第二運動公園とかではなくて、中学校の学校開放施設としてテニスオフを利用しているのが目立つというか、多いんですね。
テニスコートって一般的に余りとれないということを、さっきから何度も申し上げているんですけれども、でも、ある一人の方が何日も連続でとっていたりということが結構見受けられて、割と夜間とかはあいているからとれるのかもしれないんですけれども、その方が連続してとっているみたいなケースもあるんです。
学校開放施設ですので、教育委員会のほうに確認しましたけれども、学校側からは施設を地域の方々に開放してもらっている一方で、学校を使用する際などは、優先的に押さえる学校承認枠も当然あるというような状況だそうなんです。
ここで質問したいのが、誰がどのような場合にこの学校承認枠が使えて、それで、その地域開放する学校施設の適正な利用については、教育委員会としてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
◎花房 生涯学習部長 お話しの学校施設利用のルールとしましては、学校での使用が優先となりますので、団体利用の予約ができる枠は、学校での授業や部活動等の教育活動で使用する以外の時間帯となります。通常は夜間や土日、祝日でのあいている時間帯を各校において開放することとなります。
また、学校が優先的に利用するほか、学校の承認による地域利用の方法がございます。これは、学校運営や地域の子ども・子育てに寄与すること、また、
地域コミュニティーの醸成に寄与するなどの目的で利用する場合に承認いたします。具体的には、PTA活動や総合型地域スポーツ・文化クラブの活動、町会・自治会の活動などが該当いたします。
区民の方々のスポーツ活動が活発になる中で、教育委員会といたしましては、教育活動等に支障がない限り、けやきネットにより広く地域の団体が利用できる枠をふやす努力をするよう、学校に依頼してまいります。
また、学校との連携を強化いたしまして……。
○安部ひろゆき 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、以前から質問してまいりました三つの図書館構想の一つ、滞在型図書館について伺ってまいります。
私は、図書館に対するニーズは社会情勢、時代変化の中で多様化してきており、今後の図書館のあり方として、機能別に分けた三つの図書館整備が必要と考えます。
その中の一つ、滞在型図書館についてです。
まず、本年四月に指定管理者制度を導入した経堂図書館について、貸し出し、返却がメーンで、閲覧席が少ないといった御意見をいただきます。そこで、せめて電源を整備し、仕事帰りにパソコンなどの作業ができるような、立ち寄り型から滞在型の図書館にすべきと考えますが、見解を伺います。
◎花房 生涯学習部長 図書館運営につきましては、第二次世田谷区立図書館ビジョンに基づきまして、民間活力を計画的に導入し、知と学びと文化の情報拠点として、多様な区民ニーズを捉えた、魅力あふれる図書館づくりを進めているところでございます。
図書館に求められる機能といたしましては、蔵書の充実やレファレンスの強化などの図書館機能を軸としつつ、パソコンが使えるような学習室の充実、読み聞かせができるスペースやゆっくりくつろげるカフェなどの併設のほか、ICTの活用といった、いわゆる滞在型図書館の機能も大切であると考えております。
本年四月から指定管理者制度を導入した経堂図書館は、今月には指定管理者からの提案により、レイアウト変更等によるリニューアルを行ってまいります。パソコンを持ち込んでの調べ学習のほか、講座や相談会などにも利用可能な閲覧席の新設、森をイメージした自然音のもと新聞や雑誌を閲覧できるスペースの充実に加えまして、親子で気軽に本を楽しめる読み聞かせのスペースを設けるなど、これまでの立ち寄り型図書館から滞在型図書館の要素を取り入れ、より一層の機能拡充を図ってまいります。
今後ますます多様化する区民ニーズに対応するため、さまざまな機会を捉え、魅力ある図書館づくりを進めてまいりたいと考えております。
◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いします。
次に、平成三十三年度竣工予定の梅丘図書館についてです。ようやく世田谷区でも図書館に指定管理者制度が導入され、これにより、民間のノウハウを活用し、さまざまな形の個性的な図書館の整備が可能となりました。
梅丘図書館は、ただ本を貸し出すだけでなく、文化施設としての機能を持った滞在型図書館にすべきと考えます。ICタグを導入して、自動貸し出し、自動返却、自動予約貸し出しを行うことでコストを削減し、その他の機能を充実させることを提案いたします。
まず、パソコンと電源、Wi―Fiといったネット環境を整備し、閲覧席を充実させる。閲覧席を大幅にふやし、時間制、ネット予約可、有料自習室を整備する。そして、人々が集えるようなセミナールーム、小中学生用の学習室、読み聞かせ室など、幅広い世代の方がさまざまな用途で使用できるようにすべきと考えます。
また、カフェも併設して、区民の皆様が、休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごすことができるような、癒しの空間を提供できるような滞在型図書館を目指すべきと考えます。梅丘図書館の整備について見解を伺います。
◎花房 生涯学習部長 梅丘図書館につきましては、平成二十七年度に実施いたしました住民参加によるワークショップでの意見等を反映した梅丘図書館改築基本構想報告書をもとに、平成三十三年度竣工を目指す改築整備方針を取りまとめたところでございます。
今後、整備方針に基づきまして、羽根木公園との一体的整備のほか、地域の活動・交流拠点や居場所の整備などを図りまして、多様な区民ニーズに応える機能をあわせ持った図書館として整備を検討してまいります。
具体的には、パソコン利用も可能で、落ち着いて調べ物ができる閲覧席を配し、ワークショップなどのイベントやセミナーにも利用可能な諸室を設けまして、ボランティア活動や交流の拠点となるスペースの設置などを検討してまいります。
また、今後のICタグ導入により、無人貸出機による自動貸し出し、返却や、セキュリティーゲート設置による館内での自由な本の持ち運びなどを検討しており、羽根木公園内という立地を生かしたカフェの併設を通じて、癒しと憩いの空間の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
来年度実施予定の基本設計に向けまして、民間事業者のアイデアの活用も視野に入れながら、さまざまな区民ニーズに対応した魅力ある図書館づくりに取り組んでまいります。
◆ひうち優子 委員 ぜひ本の貸し出し機能だけではなく、文化施設としてさまざまな機能を充実していただきたいと思います。
次に、ゲリラ豪雨対策について、進捗状況などを伺ってまいります。
豪雨対策には、河川、下水道の整備の抜本的な対策と雨水貯留浸透施設の設置などの流域対策があります。抜本的対策としては、東京都の事業ではありますが、世田谷区内の分流式地域の雨水管の整備が約二割とおくれており、残り八割の雨水管の整備が必要です。
区が担う豪雨対策としては、雨水貯留浸透施設、雨水タンクや雨水浸透枡の助成による設置促進、土のうステーションなどがあります。区は、平成二十六年度から二十八年度の豪雨対策行動計画後期を策定しましたが、今年度、最終年度であります。今までの流域対策の進捗状況と今後について、まずお伺いいたします。
◎五十嵐 土木部長 現在の進捗状況でございますが、平成二十八年度までで約三十八万八千立方メートルの対策量の整備によりまして、平成二十九年度までの行動目標の三十九万四千立方メートルの約九八%を達成しております。今年度の整備実績と合わせますと、平成二十九年度までの行動目標は達成できる見込みです。
今後は、最終目標である、世田谷区内全域で平成四十九年度までに時間十ミリ降雨相当の約九十六万立方メートルの流出抑制を目指し、次期世田谷区豪雨対策行動計画によりまして、豪雨対策をより一層推進してまいります。
◆ひうち優子 委員 次に、ゲリラ豪雨対策で区ができることとして、これまで質問してまいりました雨水貯留浸透施設について、今後も進めていく必要があると考えます。
昨年の私の質問への答弁では、平成二十七年度末までに十四路線を設置するとのことでしたが、取り組み状況と今後についてお伺いいたします。
◎五十嵐 土木部長 道路の流域対策につきましては、透水性アスファルトなどの雨水貯留浸透施設によりまして雨水流出抑制を行っております。しかしながら、道路には占用物件等がございますので、雨水浸透施設の整備にはさまざまな制約、課題がございます。
一方、最近では既設雨水枡の底版に雨水浸透管を設置する新工法もございますので、そういったことも参考にしながら、今後も流出抑制に当たってまいりたいと思います。
◆ひうち優子 委員 ぜひ、新工法の雨水浸透施設も開発されているとのことですので、これからも豪雨対策、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 私からは、世田谷区の平和資料館についてお伺いします。
私の父は三鷹の中島飛行機に勤めていたので、陸軍の航空隊の整備士として南方の部隊に配属されました。戦地で航空兵がどんどん亡くなっていたので、最後には整備兵も飛行機に乗るようになり、一回目、二回目の出陣では無事に戻りましたが、三回目の出陣では戻らなかったと、私が小学校五年生のときに、父の戦友が家に来て床の間の前で話してくれました。
世田谷区では、平成七年に玉川小学校に開設した平和資料室が、平成二十七年に世田谷公園の中に平和資料館として設置され、二年がたちました。年間の来場者数は何人ぐらいで、大体年齢層はどうでしょうか。私たちも行っていますが、来館者は資料館を見た後、どんな感想を持って家に帰るのでしょうか、また、来館者からはどんな質問があったのでしょうか、また、どんな気持ちで来ているのでしょうか、わかる範囲でいいですからお伺いします。
◎田中 生活文化部長 平和資料館ですが、年間の来館者数は、平成二十七年度が一万一千百六十四人、二十八年度が一万三千百四十三人となっております。また、年齢層については、高校生以下の来館者が全体の二割程度、成人の方が八割弱となっております。
来館者の感想はさまざまいただいておりますが、幾つか御紹介いたしますと、興味を引く資料が多く、大変ためになった、企画展を含め、また訪れたいや、世田谷公園という区民がよく利用する場所にあり、子どもや子連れにも利用しやすいようになっている点がよい、展示が充実していて、子どもと一緒に見るのによかった、ビデオもゆっくり見られて、いいスペースだと思った、見たことのない画像が多く、心が痛くなった、知らないことを多く学べてよかったなどがございます。
来館者からの質問ということですけれども、当時の生活用品や手紙など展示品に関連したものが多く、戦争や平和について調べ学習をする小中学生も頻繁に来館し、熱心にメモをとっています。また、終戦時には子どもで余り詳しくは覚えていないという七十代半ば以降の方々も多く来館され、展示品一つ一つを、当時の記憶を確認するようにごらんになる姿が印象的でございます。
◆青空こうじ 委員 うちにも床の間にお骨がありました。おふくろが戦地から送ってきたそのお骨をあけたときに、中に入っていたのが石ころだったそうです。その石ころをお墓に埋めるのはみっともないもので、うちにあったおやじの免許証とか、髪の毛とか、へその緒とか、衣類品を入れてお墓に入れて、うちにあれば、そういうものをちょっと寄附したいなと思ったんです。
私のうちにはないんですが、区民の皆さんから平和資料館への寄贈品はどういうものがあったのか、また、量的にはどのぐらいあったのでしょうか。家に大事にしまっていた品物をどういう事情で寄贈されたのか、寄贈品はまたどんな物語を語っていたのか、それもお伺いします。
◎田中 生活文化部長 二十八年度一年間の寄贈品は、三十七人の方から物品百七十三点、書籍等五百十一点をいただいています。内容としては、軍隊手帳を初め、千人針、戦地からの手紙、戦前戦中の雑誌、新聞、写真など多岐にわたっています。家の建てかえや御家族の遺品整理などの過程で、御遺族から平和事業のために区で活用できないかと、平和資料館に相談されることが多いようです。
それぞれの寄贈品は、当時の生活の様子や世相の変化が感じられるものが多く、また、戦死した親族の戦友からの手紙などは戦地や戦死した親族の様子がわかるなど、戦争や平和を考える上で大変貴重なものです。
今後も可能な限りこうした寄贈品をお預かりし、戦争の悲惨さを多くの方に知っていただくとともに、平和のたっとさを身近に感じ考えていただくため、常設の展示を初め、さまざまな企画展の開催などで活用してまいりたいと考えております。
◆青空こうじ 委員 確かに家にずうっと七十何年間しまっておいたものを、区民の方が御寄付していただくのは大変ありがたいんですが、家族にはそれは大事なものだけれども、一般の見た人はわからないもので、ぜひそういう品物を大事に扱ってください。よろしくお願いします。
また、平和資料館は、二十三区の中で唯一の区立の施設です。区外から来る方もいると思いますが、こうした施設があることは、区民にとっても誇りです。戦後、日本の土台を築いたのは、戦争に行った多くの先輩たちです。戦後七十二年を経て、そうした方々の思いをどのように引き継ぎつないでいくのか。また、戦争体験の継承は年々本当に難しくなっていると思います。語り部やDVDなどの作成や活用など、平和資料館の今後の展開もお伺いします。
◎田中 生活文化部長 来館者は、近隣の渋谷区や目黒区、杉並区からも多くの方がおいでになりますが、埼玉県や千葉県など遠方からもおいでになります。太平洋戦争終戦から七十二年が経過し、当時の生活や戦地でのことを話していただける方も少なくなっています。当時のつらい記憶を話してもいいという方には、戦争体験を風化させず、戦争の悲惨さや平和のとうとさを未来に語り継いでいくため、語り部DVDの作成への御協力をお願いしています。
現在、作成済み語り部DVDは七人分で、今年度は二件の作成を予定しています。作成したDVDは、平和資料館で随時見ていただけますし、貸し出しもいたします。
今後とも語り部DVDの作成協力をお願いするとともに、作成したDVDは、学校や平和学習の場などで活用し、未来の平和のために、戦争体験としてしっかり継承できるよう工夫してまいります。
今後も平和資料館の使命である区民の平和に対する理解を深めるとともに、戦争の悲惨さや平和のとうとさを知ることを通じて、区民相互及び地域の交流を促進し、恒久平和の実現に向けた意識を醸成していくため、多くの方に関心を持っていただけるよう工夫してまいります。
◆青空こうじ 委員 ありがとうございました。これからも本当に平和資料館、僕自身も年に二回ぐらいは行きたいと思っております。自分自身もここのところ、家で先月から日本国旗を揚げるようにしました。なかなか国旗を祝日に揚げるというのは気持ちがいいもので、ぜひ皆さんも気持ちのある方は揚げてください。よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
○安部ひろゆき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
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○安部ひろゆき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後六時十三分散会...