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  1. 世田谷区議会 2017-09-20
    平成29年  9月 定例会-09月20日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成29年  9月 定例会-09月20日-01号平成29年 9月 定例会 平成二十九年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十二号  九月二十日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   石川ナオミ 二番   ゆさ吉宏 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   山口ひろひさ 十番   石川征男 十一番  安部ひろゆき 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  菅沼つとむ 二十一番 加藤たいき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 真鍋よしゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 おぎのけんじ 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  和田ひでとし 四十一番 上山なおのり 四十二番 畠山晋一 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     井上徳広 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 佐々木 崇 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 岡本俊彦 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 岩本 康 総務部長   中村哲也 庁舎整備担当部長施設営繕担当部長兼務)        松村浩之 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   菊池弘明 生活文化部長 田中文子 地域行政部長 本橋安行 スポーツ推進部長        平澤道男 環境政策部長 松下洋章 産業政策部長 久末佳枝 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        澁田景子 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 みどりとみず政策担当部長        髙木加津子 道路・交通政策部長        小山英俊 土木部長   五十嵐慎一 教育長    堀 恵子 教育次長   志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 生涯学習部長 花房千里 総務課長   望月敬行     ──────────────────── 議事日程(平成二十九年九月二十日(水)午後一時開議)  第 一 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定
     三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○上島よしもり 議長 ただいまから平成二十九年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   十五 番 佐藤 美樹議員   三十七番 岡本のぶ子議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から十月二十日までの三十一日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって会期は三十一日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、出席説明員に異動がありましたので、御報告いたします。  お手元に配付の出席説明員一覧表のとおりであります。御了承願います。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 平成二十九年第三回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆さんに御挨拶を申し上げます。  七月十八日朝、名誉区民の日野原重明さんが御逝去されたとの報が入りました。五年前、平成二十四年一月の新春対談で、百歳となられた日野原先生をお迎えして、子育て応援のために、熱を出したときに預けられる病児保育が必要、互いに声をかけ合い心が通じ合う、温かい地域になるようにとのお話を伺いました。  また、続くように八月一日には、名誉区民、武田治恵さんがお亡くなりになりました。武田先生は晩年まで一貫して、幼児教育と福祉の向上に尽くされました。百一歳でした。  敬愛してやまないお二人が相次いで亡くなられたことに対しまして、区民を代表して謹んで心から哀悼の意を表します。  さて、八月五日、六日には、世田谷の夏の風物詩である第四十回せたがやふるさと区民まつりが開催されました。東京二〇二〇大会の開催に向け、改修工事に入っているJRA馬事公苑から会場を移し、世田谷区民会館、区役所中庭、若林公園を使って、規模は小さくなったものの、三十六自治体が参加するふるさと物産展を初めとして、区民活動団体によるステージなど、人々が集う熱気あふれる会場の様子は前年と変わらず、四十年間の伝統ある祭りを引き継ぐことができました。  八月八日には、長崎で開催された国内外の加盟都市首長が集う四年に一度の第九回平和首長会議総会に出席いたしました。被爆体験証言のほか、核兵器禁止条約の採択にも言及する世界各国の発言を聞いて、当時を知る人々が減り、平和への緊張が高まる今日こそ、戦後七十二年の平和のとうとさ、被爆体験を語り継ぐことの重要性を深く心に刻みました。その後、北朝鮮による八月二十九日のミサイル発射、九月三日の核実験、九月十五日の再度のミサイル発射に対して、それぞれ厳重に抗議をいたしました。  八月十九日に予定されておりました第三十九回世田谷区たまがわ花火大会は、天候の急変により中止になりました。準備に当たられた実行委員の皆様や、楽しみにされていた来場の皆様には、大変申しわけないことになりました。なお、会場内において、落雷の影響などにより来場者数名の方が手足にしびれなどを訴え、救急搬送されました。心よりお見舞いを申し上げるとともに、引き続き、御来場の皆様の安全を最優先に、花火大会の運営に努めてまいります。  区の総人口は、九月一日には八十九万九千七十二人と、九十万人到達が目前となりました。人口動向は都市の鏡です。全体の総人口のみならず、子どもの出生数と年少人口、高齢者人口、年齢・年代別人口の地域的特性や転出入の動向に目を凝らしています。  同時に、ライフスタイルや家族の形も大きく変化をしています。昨年来、せたがや自治政策研究所は、家族をテーマとして、地域社会の変容を読み取るシンポジウムを重ね、行政課題を抽出、新たな時代に備えていく仕事を続けています。  さて、二十六年度に世田谷区基本計画のもとにスタートいたしました新実施計画も四年目の最終年度となり、このたび、平成三十年度から四年間の新実施計画(後期)の素案をまとめました。新たな計画期間内に、東京二〇二〇大会を挟み、子ども人口の増加に伴う子ども・子育て支援策や団塊の世代が七十五歳以上となる時期を迎え、高齢・介護施策の需要の高まりが予想されます。  そこで、基本計画の六つの重点政策を確実に進めるとともに、現状と課題、今後の取り組みや論点をまとめて報告し、議会で御議論をいただきたいと思います。  まず、重点政策一の子ども若者が住みたいまちづくり、教育の推進の実現に向けて、保育待機児童の解消、幼児教育・保育の推進についてであります。  保育待機児童対策については、全力で施設整備、保育定員拡充の取り組みを進め、本年四月の待機児童数は六年ぶりに減少し、三歳児から五歳児までの待機児童を解消することができました。今後は、ゼロ歳から二歳児までの低年齢児を対象とした小規模保育施設整備に重点を置くとともに、現場で働く保育士等職員への処遇改善策等を通した保育人材の確保や、質の高い保育の提供を進め、引き続き待機児童解消に取り組んでいきます。  また、本年七月に、世田谷区の乳幼児期における教育、保育のより一層の充実を目指して、世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定いたしました。今後、乳幼児教育支援センターの設立に向け、具体的な検討を進めてまいります。  次に、妊娠期からの切れ目のない支援についてです。  核家族化や地域社会とのかかわりの希薄化により、子育てに孤立感と負担感を覚える保護者がふえています。地域の中では、保護者が気軽に集い、多くの人が子育てにかかわることができ、地域全体で子どもの成長を見守る環境づくりが大切です。区内に幾つかの場で、子育て広場、子ども食堂、地域食堂の運営等を通して、多世代が交流し、地域の子育て環境を支えているケースが見られます。  一方、世田谷版ネウボラは、昨年七月の開始から一年が経過をいたしました。妊娠期面接を受けた方からは好評をいただいていますが、より一層の周知が必要です。今後とも、医療機関や地域の支援の担い手などとの緊密な連携により、妊娠期からの一つながりの育成支援の相談体制を強化してまいります。  また、産後ケアセンター桜新町につきましては、現在の設置主体である武蔵野大学の撤退に伴い、同大学から区が建築物の無償譲渡を受け、平成三十年度から区立産後ケアセンターとして事業運営をいたします。そこで、事業運営に必要な事項を定める条例案を本定例会に提案いたします。産後ケアセンターがこの十年間で培った経験や実績から、本事業の安定的運営と発展のために、制度設計の法制化が欠かせないという点に関して、さきの八月一日付の国のガイドラインに続いて、国へ強く要望をしてまいります。  次に、若者の活動を支え成長を促す環境づくりについてです。  若者の交流と活動の推進に向け、これまで二カ所の青少年交流センターを運営、開設し、若者が主体的に活動する機会の創出を促してきました。平成三十一年には、希望丘中学校跡地に三カ所目の青少年交流センターを開設予定で、現在、若者や地域の方々の真剣な意見交換により、問題意識を共有した上で、開設の準備を進めています。  次に、支援が必要な子どもへの総合的な支援、効果的な児童相談行政の推進についてです。  子どもの貧困、配慮を要する児童、児童虐待などにより支援を必要とする子どもたちに、教育と福祉、地域との密接な連携とサポートが必要です。児童虐待防止対策の推進を初め、子どもの命を守り、最善の利益を実現する環境整備に努めてまいります。  あわせて、児童相談所の移管準備を進めます。年々増加する児童虐待相談に迅速に対応し、児童相談所、子ども家庭支援センター、地域が一体になり、子どもの立場に立ったきめ細かな児童相談行政の実現を目指します。外部の有識者を招いた検討委員会等で、さまざまなアドバイス、意見をいただくなど、平成三十二年四月以降、早期の開設を目指して、着実に準備を進めてまいります。  次に、総合教育会議の議論も踏まえた質の高い教育の推進と学校経営の推進についてです。  平成二十六年度から十年間の教育を展望する第二次世田谷区教育ビジョンの平成三十年度から四年間を期間とする第二期行動計画の策定を進めてまいります。次期学習指導要領では、予測困難な時代を生きる子どもたち一人一人が未来のつくり手となるために、幼児期から高等学校に至るまで一貫した視点で、資質、能力を育成する方向性などが示されております。  また、子どもの個性や成長の歩みの多様性から、子ども一人一人の側に応じたきめ細かな教育が求められ、個人や学校、地域等の実情を踏まえた特色ある取り組みや実態に即した弾力的な取り組みに加え、グローバル化の進展やAIの普及など、今日的なテーマへの対応が必要です。このため、教員の研究、研修の充実や、学校支援を強化する教育総合センターの整備を推進してまいります。  さらに、さきの七月二十一日の総合教育会議では、幼児期からの豊かな遊びと学びの環境づくり、学びの質的転換と新教育センターの役割について、教育長、教育委員と議論をいたしました。今後、世田谷らしい質の高い教育の推進に向け、議論を続けてまいります。  次に、重点政策二の高齢者・障害者等の在宅生活を支え、孤立させない地域包括ケアシステムと住まいの実現に向け、地域包括ケアシステムを推進するための取り組みについてです。  区では、地域包括ケアの地区展開を推進し、昨年七月から全二十七地区での福祉の相談窓口の開設と展開、地域資源開発の取り組みをスタートしています。  後期高齢者人口前期高齢者人口を今後さらに上回り、また、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみ世帯がふえていきます。また、障害者数も増加の傾向が進み、さらに高齢化も進んでいるなど、地域福祉の基盤の整備をさらに進める必要があります。  一方、国は、我が事・丸ごと地域共生社会の実現に向けて、地域の福祉相談窓口の一元化を打ち出しました。また、ことしの通常国会において、改正住宅セーフティーネット法が成立、住宅と福祉の政策を結んだ新たなスキームができ上がりました。区では、居住支援協議会を活用し、関係団体と連携して、高齢者や障害者等への住宅支援を図る取り組みを進めてまいります。  そこで、地域包括ケアの地区展開についてです。  地域包括ケアの地区展開の全地区実施では、まちづくりセンターが中心となり、あんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者が密接に連携し、各地区での社会資源や課題を抽出した地区アセスメントを作成しました。この地区アセスメントに基づき、各地区で具体的な取り組みが始まり、例えば上北沢地区での買い物支援、成城地区での男性の地域参加、上町地区での個人宅を活用した新たな活動拠点づくりや、このほか活動の場の地区内の偏在解消など、多様な取り組みへの広がりを今後も支援してまいります。  次に、担い手となる福祉人材の育成・拡充、社会資源の活用についてです。  全世代で人口がふえ、保健福祉サービスの需要も広がり多様化しています。新たなニーズに応えるためには、行政、事業者とともに保健福祉の専門人材の確保、育成と身近な地区での支え手となる地域人材の掘り起こしが必要です。社会福祉協議会による社会資源の開発とともに、世田谷区福祉人材育成・研修センターの支えあい研修等を拡充しています。さらに、平成三十二年四月開設予定の梅ヶ丘拠点区複合棟への移転とともに、分野を超えた研修の実施や新たな取り組みへの構築に向けて準備を進めます。  次に、重点政策三の安全で災害に強いまちづくりの実現に向けた防災塾、地区防災計画の活用による防災の地域コミュニティーづくりについてです。  首都直下型地震を初めとした巨大地震はいつ発生してもおかしくありません。さきの七月に九州地方を襲った線状降水帯による豪雨被害等、不安定な気象状況も続いております。こうした自然災害から区民の生命を守るため、地域にお住まいの区民や事業者と連携し、それぞれの役割分担のもと、一体となって取り組む姿勢が必要となってまいります。  この三年間、二十七地区全てにおいて、防災塾の開催や地区防災計画策定など、地域の防災意識を高め、住民同士の顔と顔がつながる取り組みを進めてまいりました。今後は、さらに多様な人材の参加を促し、同計画の周知を図りながら、検証、改定を進め、スタンドパイプを使用した延焼防止等の実践的な訓練を通して、日常的な防災意識が根づいた住民主体の地域コミュニティーづくりを着実に進める必要がございます。  さらに、災害時に円滑にボランティアを受け入れるためのコーディネーターの育成や、男女共同参画の視点を取り入れた防災研修の実施や女性リーダーの育成など、地域の災害対応力の向上に向けた努力も重ねてまいります。  次に、不燃化や耐震化、豪雨対策等の住民、事業者との協働による推進についてであります。  建物の不燃化や耐震化の対応は、地域に根差した息の長い取り組みが必要です。地域のイベントや個別相談会の場を活用した助成制度の啓発普及活動を継続するとともに、戸別訪問や空き家対策の取り組みと連動して、建物の不燃化や耐震化に向けた支援や周知、呼びかけを具体的な成果につなげてまいります。  豪雨対策では、雨水が河川や下水道に流れ込む量を一時的に抑えるため、雨水貯留浸透施設を設置する流域対策を推進しています。この流域対策は、公共施設だけではなく、区民、民間事業者との協働、連携により進めています。  今後は、学識経験者の協力を得ながら、グリーンインフラの視点を流域対策に生かす方策を推進してまいります。  次に、道路、公園等の計画的かつ効率的な整備による災害に強いまちづくりについてです。  道路、公園等の都市基盤施設は、災害時における避難、緊急物資輸送、延焼遮断などの役割を担っており、救命救急、被害拡大の防止、迅速な復旧、復興に不可欠なものであります。しかしながら、区内の都市基盤整備はおくれており、災害に強い町をつくるため、道路、公園等の都市基盤の整備を計画的に進めることが必要となっています。今後も防災、減災の考え方に沿い、せたがや道づくりプランに基づいて、区内の道路ネットワークの整備を進める必要があります。  また、公園の整備を進めているところでございますが、人口が増大していることで、一人当たりの公園面積については横ばいの状態が続いています。区民との協働により、地域特性に合わせた公園の整備、拡張を推進し、災害に強いまちづくりに寄与してまいります。  次に、重点政策四の自然の恵みを活かして小さなエネルギーで暮らす豊かなまちの実現の実現に向けて、再生可能エネルギーの普及拡大、区民や事業者等の環境配慮行動による環境共生の推進についてであります。  パリ協定の推進など、地球温暖化対策は時間との戦いです。二〇一五年に国連が、持続可能な開発目標を採択し、我が国も、目標実現に向け、省エネルギー、再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会を優先課題に掲げた取り組みを進めています。  区ではこれまで、区民、事業者の皆さんの省エネの促進、再生可能エネルギー活用の仕組みづくりや普及拡大、ごみ減量、特に食品ロス対策を初めとするごみの発生抑制などを進めてきました。こうした中、代表的指標であります区内のエネルギー消費量やごみの量は、この間の人口増にもかかわらず、区民、事業者の皆さんの御努力で減少しています。今後もさらに取り組みを進めます。  次に、質量ともに豊かな緑の環境づくりについてです。  住宅都市世田谷の充実した緑は、次世代に引き継いでいく区民共有の財産であり、今後も、世田谷みどり33を進めてまいります。区民一人一人が身近な場所でちょこっとした緑空間をつくり、この小さな緑づくりを多くの区民で取り組むことにより、大きな緑を生み出す参加と協働による緑づくりを進めます。このために、シンボルツリー植栽、生垣や花壇、屋上や壁面など緑化の助成や、雨水浸透施設、雨水タンク設置等の水循環のための助成などを一体的に進め、拡大していくとともに、保存樹木指定、市民緑地拡充を進めるなど、緑を守り、ふやしてまいります。  次に、たばこマナー向上など環境美化の取り組みによるきれいで清潔な町の実現についてです。  区では、ポイ捨て防止等に関する条例により、ポイ捨てと歩きたばこをしないことを区内全域で努力義務と定め、環境美化に一定の成果を上げてきました。  近年、喫煙の影響に対する関心が高まり、東京二〇二〇大会開催をきっかけに、屋内の受動喫煙防止の取り組みと連携して、屋外での健康で良好な環境の実現が求められています。このため、たばこを吸わない人も吸う人も互いに理解を深め、地域のたばこマナーが向上する町の実現を目指し、(仮称)世田谷区たばこルールの策定に向け、区内全域の道路や公園を禁煙とする方向で現在検討を進めています。さらに、区民、事業者と連携してたばこマナー向上の全区的展開を図り、迷惑たばこのない環境の整備の取り組みを進めてまいります。  次に、重点政策五の世田谷の文化の創造と知のネットワークづくりの実現に向けて、区民が生涯を通して学び、文化、芸術、歴史に親しめる環境づくりほかについてであります。  世田谷区には、世田谷美術館や文学館、文化生活情報センターなどの区立の文化施設のほか、国宝を所蔵する美術館、劇場、ライブハウスなど多くの民間の文化施設など、多彩で豊富な文化・芸術資源があります。また、古墳を初めとした史跡や文化財、古民家、近代建築、地域に受け継がれてきた行事、祭事など歴史的資産にも恵まれ、区民に親しまれてきました。世代や目的に合わせた情報の発信や、(仮称)世田谷デジタルミュージアムの活用、区内の町の魅力をつないでめぐる世田谷まちなか観光をさらに展開いたします。  次に、図書館を情報拠点とした文化の創造と知のネットワークづくりについてです。  区民の知る権利を保障する機関である図書館は、区民の知的欲求に応え、また、日々の暮らしや健康、仕事、地域の疑問や課題を支援できるよう、より迅速に有効な図書や資料を提供、回答するなど、充実したレファレンスサービスを提供してまいります。  また、多世代の区民が集まる施設としての特性を生かし、交流の場の創出、読書や学びを通した啓発の場として、地域コミュニティー活性化の一端を担い、区民参画の促進に取り組み、知と学びと文化の情報拠点として、中央図書館を中心とした区民に親しまれる魅力あふれる図書館づくりを進めます。  次に、総合型地域スポーツ・文化クラブ、障害者スポーツの推進についてです。  この間、運動施設や学校等、スポーツの場の確保を実現する努力を重ねてまいりました。東京二〇二〇大会を契機とした取り組みを生かし、子どもから高齢者まで、障害の有無にかかわりなく、誰もがスポーツに親しめるスポーツ環境の整備に努めていく必要がございます。今後、総合型地域スポーツ・文化クラブの新規設立や既存クラブへの支援、障害者スポーツへのサポートや機運の醸成に向けて準備を進めていきます。  次に、重点政策六の豊かなコミュニティー活動の発展と住民自治の推進の実現に向けて、地域活動への参加促進と協働の促進、地区まちづくりの推進についてです。  超高齢社会の到来を目前に、高齢者、障害者の見守りや地域ぐるみの子育てなど、お互いに支えあう地域社会づくりが求められています。区では、これまで福祉や健康づくり、子育て支援、防災、防犯、地区のまちづくりなど、さまざまな分野で参加と協働を進めてきましたが、地域活動の担い手は、依然として少数の方々に負担が重く、新たな担い手を次々と呼び込むまでには至っていません。  新たな地域社会づくりに向けて、地域の人材と活動の双方を効果的、効率的にマッチングしていく必要があります。地域活動への参加の裾野を広げていくために、公共施設の効率的な活用等により地域活動のための場を確保するなど、コミュニティー支援を展開していきます。将来に向けた施設運営、街づくり協議会による地区計画など、検討して進めてまいります。  次に、さまざまな文化的背景を持つ外国人とともに推進する地域社会づくり、国際交流の推進についてです。  区は、個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、全ての区民が活躍できる多文化共生社会の実現を目指しています。  平成二十九年九月一日現在、区内の在住外国人の人口は一万九千三百四十九人となり、この三年間、年に約一千人のペースでふえ続けています。  また、東京二〇二〇大会に向け、馬術競技大会の開催により海外から多くの関係者、観光客が世田谷を訪れることが予想されます。また、アメリカオリンピック・パラリンピック選手団のホストタウンとなったことで、日米交流の機会もふやしていきたいと考えています。  区民の皆さん、中でも未来を担う子どもたちが、海外を身近に感じ、ますます心豊かな暮らしが実現できるよう、日本人と外国人がともに理解し、支えあい、活躍できる地域づくりや、多文化への理解、共生、交流に向けた取り組みを広げ深めてまいります。  次に、職住接近に向けた産業基盤の強化と多様な働き方の推進についてです。  子育てや介護等、自分のライフスタイルに合った働き方で働くことができるよう、区民の働き方改革の推進を初め、多様な働き方を可能とするテレワークやコ・ワーキング・スペース等の環境整備を推進していくことが必要です。とりわけ、仕事と育児を両立させる仕組みについて検討を進めます。また、区内産業の成長に向け、金融機関や大学等と連携した創業支援や経営支援、地域課題の解決に取り組むソーシャルビジネスへの支援など、区内産業を活性化し、地域の中で雇用、起業など多様な就労形態の拡大と環境整備など、職住接近に向けた産業基盤の強化につなげてまいります。  あわせまして、現在、新実施計画(後期)素案とともに、各政策分野を支える各計画の策定も進めています。世田谷区第三期文化・芸術振興計画、世田谷区地球温暖化対策推進計画改定、世田谷区産業ビジョン及び世田谷区産業振興計画、第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、せたがやノーマライゼーションプランの一部見直し及び第五期世田谷区障害福祉計画、世田谷区みどりの基本計画、第二次教育ビジョン・第二期行動計画、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画の各計画について、素案として区民からの御意見をいただき、策定作業を加速していきます。  以上、重点政策について述べましたが、今後の財政状況を直視しながら、行政経営改革に取り組み、必要な施策を支える強固な財政基盤を維持すること、効果的な手法改革を進める必要がございます。  前期の新実施計画では、公共施設の長寿命化、仮設建築物の抑制など、整備や更新手法の転換や、保育園等使用料、利用料の見直し、情報関連機器のクラウド化などの行政手法改善により、合計七十六億円の効果額を積み上げました。
     人口増による税収増がこの数年続きましたが、経済状況の不安定化や景気の影響等により、区の歳入増は見込めない可能性もございます。その場合、新たな財源となるのは、既存事業の見直しによる削減額とともに、官民連携の事業手法の導入や税外収入となります。新実施計画(後期)を確実に進めるために、これまでの取り組みはもとより、行政評価や新公会計制度を活用したコストと成果を重視した施策事業の選択を行う必要がございます。  中長期的な人口動向予測による総人口の増加と年少人口や高齢者人口の増により、行政需要の高まりなどの将来も注視しながら、公有財産等の有効活用による民間や区民との連携による施設整備や運営、外郭団体の効率的で効果的な経営体制の確立、公共施設等総合管理計画に基づく施設の整備更新の効率化、手法改革を進めます。  また、とりわけ情報公開と区民参加は、参加と協働を掲げる基本計画を進めていく鍵となると認識しており、新実施計画(後期)でも、引き続き実施、発展させます。前期で取り組んできた各種情報のオープンデータ化、庁内会議の内容の公開を進め、区ホームページのリニューアルなどさらなる情報公開、情報提供施策の充実を図ります。また、政策形成過程における区民ワークショップ等の拡充や、パブリックコメントや区民意見募集の手法の工夫や転換を図るなど、区民参加の機会の拡充に努めます。  次に、直面する施策の展開について、基本計画の分野別計画に沿って述べます。  まず、(仮称)世田谷区多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例についてです。  区では、基本構想、基本計画で掲げる個人の尊厳や多様性の尊重との整合を図り、第二次男女共同参画プランを三月に策定しました。一方、家族形態やライフスタイルの多様化や国際化が進み、多文化共生の施策の必要性が高まっています。こうした背景の中、その実現に向けた条例の検討を進め、このたび骨子案を取りまとめました。多くの御意見をいただきたいと考えています。  次に、高齢者施策についてです。  今年度、区内で百歳になられる方は二百四人で、先日、お祝いに伺った方は、お元気でひとり暮らしをされ、逆にこちらが元気をいただきました。  区では、高齢者が地域で安心して暮らし続けられるよう、在宅サービスの充実とともに、高齢者施設の整備を進めています。さきの八月一日には、深沢一丁目の国有地で小規模多機能型居宅介護事業所などを併設した定員九十六名の特養ホームが、また九月一日には、成城三丁目の区有地で区内初の地域密着型特養ホームが、併設の認可保育園とともに開設いたしました。このほか、平成三十一年度までに七カ所五百十八人分の特養ホームが順次開設を予定しており、今後も、必要な介護基盤の整備を計画的に進めてまいります。  次に、障害福祉施策についてです。  昨年、相模原の障害者施設で発生した入所者の殺傷事件から一年が経過しました。いまだ事件の傷が癒えない中、事件の背景にあると言われる障害者差別の解消に向け、改めて社会全体で障害理解を進める必要性を感じています。  一方で、施設運営に当たっても、防犯対策強化の課題もあり、今年度と平成三十年度の二カ年にわたり、区立、民立を合わせた百五十の施設に防犯カメラや緊急時の通報システム等の導入を進めてまいります。  次に、都市づくり分野の魅力ある街づくりの観点から、建築物の高さ及び敷地面積に関するルールの見直しの基本的な考え方についてであります。  区では、住宅地での突出した建物の発生や敷地の細分化による建物の密集化を抑制するため、平成十六年に都市計画により、新たな建築のルールを定めました。しかし、近年、建築技術の向上や建築基準法の改正等から、住宅地では比較的高さのある建築物の建築や、敷地面積の最低限度の制限のない地域では、敷地の細分化が進んでいます。  このため区では、都市計画審議会の学識経験者による検討部会を設け、既存建物を初め土地利用等の検証、検討を重ね、現在の二種類から地域特性に応じ七種類の絶対高さ制限へ見直し、周辺住環境の保全を図る規制と緑化や空地など環境に資する建築への誘導を組み合わせた取り組みを、昨年九月に、建築物の高さ及び敷地面積に関するルールの見直しの基本的考え方素案としてまとめ、さまざまな機会を通して積極的な周知に努め、区民意見を踏まえて、このたび案として、都市計画審議会から答申を受け取りました。  区は、この考え方に基づきまして、都市計画を定め、光と風、緑を確保していく街づくりを進め、都市整備方針で掲げるみどりとやすらぎがあり、住みたくなるまちを目指していきます。  次に、外環道東名ジャンクション(仮称)の換気塔色彩デザインコンクールについてです。  東京外かく環状道路は、関越道から東名高速まで国土交通省、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社が事業実施をしています。事業に伴い東名ジャンクション予定地内に、外環道の地下トンネルの構造上必要な換気塔が地上部まで建設されますが、その規模は高さ約三十メートル、幅約二十メートルと、大きなものになっております。一方、東名ジャンクション付近は、国分寺崖線や野川に近く緑豊かで、風景づくり重点区域、水と緑の風景軸に指定され、区を代表する田園都市的な風景を有する地域です。  そこで区では、事業者の協力のもと、換気塔色彩デザインコンクールを実施することにしました。換気塔の色彩デザインを区民の皆様を初め全国から募集、審査、選定し、すぐれた作品の着彩を事業者に依頼をしていく予定です。このイベントを通して、区民の皆様が我が町の風景について考え、地域や風景と調和したアイデアを出すきっかけとなることを願い、進めてまいります。  次に、生産緑地についてです。  生産緑地地区の指定における面積要件について、本年六月、国は、都市農地の保全、活用により、良好な都市環境の形成に資するため、生産緑地法を含む都市緑地法等の一部を改正し、これまでの一団で五百平米以上の区域とする下限面積から、三百平米以上で区市町村が条例で定める規模に引き下げることを可能といたしました。  区としては、新鮮な農作物の供給のみならず、安らぎある潤いの創出や、農業体験、交流の場、防災機能など、多面的な機能を持つ都市農地において、引き続き良好な都市環境の形成や都市農業振興等により、区民に理解、信頼される都市農業の確立を目指し、農業振興と農地の計画的な保全を図るため、都市計画における生産緑地地区の下限面積を三百平米以上とする条例の制定に向けて取り組んでまいります。  最後に、本庁舎整備について申し上げます。  本年四月より開始した世田谷区本庁舎等整備基本設計業務委託公募型プロポーザルについては、八月二十一日から九月一日まで、六案の掲示を多くの皆さんがごらんになり、六百八十件もの御意見をいただきました。この十八日に、一次審査を通過した六者による第二次提案書公開プレゼンテーション及びヒアリングを実施しました。その後、審査委員会において、各委員の専門的な分野から、最終審査をしていただきました。現在、審査委員会では、この間の審査経過及び選定理由をまとめた審査講評を作成している途上であり、九月二十七日に最終審査結果を御報告する予定です。  区としては、審査委員会の審査結果を尊重し、設計者を決定し、二十一世紀半ばを長期にわたり区政を支える拠点となる本庁舎整備に向け、議会の意見を踏まえながら、基本設計業務に取り組んでまいります。  次に、決算及び補正予算についてです。  本定例会で御審議いただく平成二十八年度の各会計歳入歳出決算の概要について申し上げます。  一般会計の決算ですが、歳入は、特別区税がふるさと納税による十六億五千万円の減収という大きな影響を受けた一方、納税者数の増などにより、前年度比で三十九億五千二百万円の増額となりました。また、投資的経費の増に伴い、特別区債が前年度比で八十億六千六百万円の増になったことなどにより、歳入総額は二千九百八十四億四千七百四十五万七千円、前年度と比較して五・七%の増となりました。  歳出は、梅ヶ丘拠点や公園の用地取得費、私立保育園運営費等の子ども関連経費が増額になったことなどにより、歳出総額は二千八百七十八億七千七百九十一万三千円、前年度と比較して、五・八%の増となりました。この結果、平成二十八年度決算の実質収支では、八十六億六千八百九十四万一千円となっております。なお、年度末における基金残高は、七百八十五億九千三百六十七万六千円となり、昨年度に引き続き、特別区債残高五百二十九億三千四百九十七万六千円を二百五十六億五千八百七十万円上回っております。また、健全化判断比率につきましては、平成二十八年度においても、引き続き健全な状況を維持いたしました。  次に、一般会計の補正予算案について申し上げます。  このたび補正は、保育施設運営費の増、障害者施設の防犯対策強化、小田急線駅周辺まちづくりの整備などの状況の変化に対応するとともに、今後の大規模な公共施設整備に備えた基金への積み立てを行うための経費を計上するものです。あわせまして、国民健康保険事業会計など四つの特別会計につきましては、前年度繰越金の確定などに伴う補正を行っております。  全ての会計を合わせますと、八十七億八千八百四十四万五千円の増額補正となっております。  最後に、本会議への御提案は、世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例など議案三十件、認定五件、諮問一件、報告二十一件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。 ○上島よしもり 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第二十三号 平成二十八年度世田谷区財政健全化判断比率の報告外二十件 ○上島よしもり 議長 以上で諸般の報告を終わります。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○上島よしもり 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、自由民主党を代表して、四十一番上山なおのり議員。    〔四十一番上山なおのり議員登壇〕(拍手) ◆四十一番(上山なおのり 議員) 命はなぜ目に見えないか、それは、命とは君たちが持っている時間だからです。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう。どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うか、しっかり考えながら生きていってほしい。七月十八日御逝去された世田谷区名誉区民の日野原重明さんが全国の小学校で行ったいのちの授業で用いられた言葉です。また、八月一日には、同じく名誉区民の武田治恵さんがお亡くなりになりました。お二人の生前の御功績をしのび、心より御冥福をお祈りするとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。我々は、故人の思いを深く胸に刻み、命のとうとさ、また人を慈しむことの大切さを次世代へ伝えてまいります。  それでは質問に通告に基づき、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  今や日本の夏の風物詩とも言える全国高校野球選手権大会ですが、ことしも熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられました。大会期間中においては、全国的に不安定な空模様でしたが、優勝した花咲徳栄高校の選手はもちろんのこと、憧れの球場で大勢の観客に囲まれてはつらつとプレーをする選手たちの姿を見るたびに、爽やかな風が通り過ぎたような清涼感が心に中に広がったのは私だけではないと思います。  念願かなって甲子園に出場した選手も、夢届かずに地方予選で敗れた選手も、多くの高校球児が甲子園出場という共通の目標達成に向けて練習に明け暮れ、仲間同士で切磋琢磨し合ったことは想像にかたくありません。彼らは、日々の鍛錬を通じ、目標達成のために努力することの大切さやチームワークの重要性を学ぶとともに、自分のことを支えてくれている周囲の人々に感謝する心を育んだことでしょう。  一方、ことしは雨天順延となる日が多かったため、例年よりクローズアップされることは少なかったものの、これまでも大会の過密日程による選手の健康管理面が問題視されることが多々ありました。報道によると、来春の選抜高校野球大会から、延長タイブレーク制度を導入することが昨日決定したようですが、延長戦で繰り広げられる緊迫した名勝負がなくなるなどの反対意見も出ている中で、誰のための大会かという至極当然の目的を見失わずに、将来ある子どもたちのことを最優先に考えた結論であると思います。  歴史ある大会のルール変更に向けた検討は、慎重にならざるを得なかったと察しますが、伝統を尊重しつつも美徳という枠にとらわれることなく、社会情勢に応じたルール改正を行う勇気は、いつの時代も必要なのではないでしょうか。それは日本国憲法においてもしかりであります。  さて、私自身、高校生時代は甲子園出場を目指す球児の一人であったこともあり、高校野球を例に挙げ、るる申し述べてまいりましたが、将来ある子どもたちのことを最優先に考えるべきなのは、区政においても同様であることは言うまでもありません。  そこでまず、児童相談所の移管について伺います。  先月、我が会派は、東京都の中央児童相談所として位置づけられている東京都児童相談センターと、政令指定都市への移行に伴い、県より移管された浜松の児童相談所を視察し、主に児童相談所における人材の確保及び育成について、調査研究をしてまいりました。視察を終えて、会派として再認識した事実、それは両施設とも人材確保に大変苦慮しているという厳しい現実です。  東京都児童相談センターでは、特別区に限らずさまざまな自治体から、研修、派遣の職員を受け入れていますが、研修期間の二年間を終える前に、業務の特殊性や責任の重さを痛感してドロップアウトしてしまう職員がいるとのことです。また、浜松児童相談所では、増加傾向にある児童虐待相談や厚生労働省が示した児童相談所強化プランに対応するために、たび重なる職員の増員計画を余儀なくされる一方で、人材不足により思いどおりに職員が集まらない状態があるそうです。  我が会派は、児童相談所の移管について十分な人材や財源の確保が不透明な状況で移管を受ければ、逆に組織の弱体化につながり、児童虐待への対応を悪化させるおそれがあると考えることから、かねてより職員の人材確保策や他区との連携方法のほか、財源などの課題を解決し、区民の不安を払拭すべきと主張してまいりました。区は、児童相談所が移管されれば、子どもに関する一般的な相談窓口である子ども家庭支援センターと児童相談所の連携が強化され、一元的かつ総合的な児童相談行政が期待できると説明しますが、現在は両者の連携が十分にとれていないとの認識なのでしょうか。両者が十分に機能を発揮しているのであれば、タイトなスケジュールのもとで移管準備を進めるのではなく、諸課題を一つ一つ解消し、区民の理解を得る下地を整えてから、移管準備を進めるべきではないでしょうか。児童相談所の移管が現在の世田谷区に必要な理由を改めて伺います。  次に、人材確保策について伺います。  区では、移管後の児童相談所において、児童福祉司を二十三名、また児童心理司を十二名配置することを想定していますが、先日の委員会では、当初当てにしていた東京都からの派遣職員を確保する見込みが立たないためか、区職員の採用を早めることにより、人材確保に努めるとの報告がありました。また、特別区が一丸となって東京都と交渉を進めなくてはいけない時期に、世田谷区が独自に東京都以外の自治体と職員派遣について協議を進めるとのことですが、区が単独で人材確保に奔走する行為自体、特別区間の足並みを乱すことにつながるのではないかと考えます。区の見解をお伺いいたします。  引き続き、移管に関するもう一つの大きな課題である財源問題について伺います。  特別区では、来年度より都から区への財源移譲の検討を始め、平成三十一年度以降の財調協議に向けた準備を進める予定ですが、それまでの間、悠長に構えている時間はありません。区から、一時保護所についても児童相談所と同時に開設する方向性が示されたところですが、それらに要する人材確保策だけではなく、財源確保策についても、区民に対して明示する責任があるはずです。  東京都は、特別区内における児童相談所及び一時保護所の運営に毎年どの程度の経費がかかっているのか、また、移管後には人件費を含めて区はどの程度の財政負担を見込んでいるのか、あわせて伺います。  我が会派は、直ちに児童相談所の案件とならないように、子どもに関する一般的な相談窓口である子ども家庭支援センターの機能を強化することが先決であるとの立場です。未来ある子どもたちのことを最優先に考え、児童相談所の移管に関しては、慎重な対応を強く求めます。  さて、区では、区内の幼稚園、保育園等における教育、保育の充実を図るとともに、未就学児を育てる家庭での教育の充実も含め、幼児教育及び保育の方向性を示す幼児教育・保育ビジョンを策定しました。ビジョン策定に当たり、関係者へのアンケート調査を分析して、幼稚園や保育園等の実態を反映させたことには一定の評価をいたします。しかし、区では、乳幼児教育支援センターの整備や幼児教育・保育情報連絡会の設置のほか、乳幼児教育アドバイザー制度の導入など、推進体制のあり方は検討しているものの、今後の具体的な施策については何も示されていない状況です。  我が会派は、私立幼稚園や家庭での教育を支援するためにも、ビジョンの考え方に基づく実効性のある施策を早急に展開すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、平成三十年度の予算編成方針についてお聞きします。  平成二十七年度は百六十四億円、二十八年度は百九十六億円、二十九年度は百八十億円、ただいま申し上げた金額は、過去三年の各部予算見積もり集計段階、いわゆる予算要求締め切り時における予算フレームに対する各部見積もりの超過金額です。  区は、平成三十年度の予算編成方針において、後年度を見通した歳出構造の見直しをさらに進め、柔軟な発想による手法の転換や、事業の見直しなどを行った上で予算を見積もるよう庁内に周知していますが、それだけではことしも多額の超過金額が発生し、ひいては限りある財源を効率的、効果的に配分することが困難な状況に陥るおそれがあるのではないでしょうか。  今後の社会保障関連経費の増大や公共施設の更新需要の増加、また大規模事業などの財政需要に的確に対応するには、持続可能で強固な財政基盤の確立が何よりも重要であることを区長が認識しているのであれば、予算見積もり中である今こそリーダーシップを遺憾なく発揮して、幹部職員を初め全職員に、健全財政の維持に向けた予算を編成するよう強く訓示をすべきと考えますが、区長の見解をお聞きします。  また、今後ますます懸念されるふるさと納税の拡大や、地方法人課税のさらなる偏在是正措置などの影響により、区の歳入が大幅に減少する事態も想定しておかなければなりません。区は、二十九年度に引き続き、来年度においても、計画的な基金積み立てを行い、将来における財源の確保を図る予定ですが、財政の弾力性を高め、持続可能な財政基盤を確立するには、特別区税や特別区交付金が堅調である今のうちに、無駄な予算をそぎ落としておく必要もあるはずです。  先日示された新実施計画(後期)の素案における行政経営改革の取り組み例を見る限り、行政評価システムの見直しや民間企業からの提案を受けた取り組みなど、未来志向の行政経営改革の実現を目指すと豪語していた割には、インパクトに欠けた非主体的な項目が多く、相変わらず行財政改革に消極的な保坂区長という印象を拭い切れません。  我が会派は、以前より申し上げているとおり、次世代に負の遺産を残さないためにも、美辞麗句を並べた計画策定に終始するのではなく、実効性のある行財政改革を断行すべきです。区の見解を求めます。  さて、指針で定められているおおむね三年ごとの見直し期間を区長みずからの判断で延期した使用料及び利用料の見直しについての考え方が、ようやく議会に報告されました。強固な財政基盤の確立、また公共施設利用における公平性の観点からも、利用者の方々には適正な負担をしていただく必要があります。  今後、使用料及び利用料の具体的な改定案が示される予定ですが、その際には、区の財政状況や公共施設の維持管理費の内容などを区民の方々に丁寧に説明し、理解を得るべきであると考えます。区は、「区のおしらせ」特集号による周知を予定していますが、さまざまな手法を活用してより多くの区民にアナウンスし、見直しの必要性など十分な理解を得た上で進めるべきではないでしょうか。区の見解をお伺いいたします。  次に、公共施設整備に関し、まず本庁舎整備について伺います。  先日、我が会派は、甲府の新庁舎建設について視察してまいりました。平成二十五年に竣工した庁舎は、太陽光パネルを屋上に設置し、地中熱交換パイプや屋上緑化、自然換気システム等を導入し、非常に環境に配慮した建築物でありました。また、災害時には七十二時間電力供給可能な自家発電機や防災備蓄倉庫、四十トンもの非常用貯水槽が備えられており、帰宅困難者の一時避難場所としての機能もあわせ持っていると伺いました。世田谷区においても、一刻も早く災害に強い庁舎建設が必要であると改めて認識した次第であります。  さて、一昨日、成城ホールにて本庁舎整備設計者選定の一次審査通過者六者による公開プレゼンテーション等が行われました。また同日中に、本庁舎等設計審査委員会の二次審査が行われ、最優秀者と次点者が決定したと聞いております。招集挨拶でも触れられておりましたが、現在、審査委員会において審査講評等を取りまとめており、来週には区議会へ審査結果が報告される予定です。  我が会派は、決断力に欠ける保坂区長のもとで、迷走に次ぐ迷走を重ねてきた本事業について、整備手法が決定していないにもかかわらず、一部保存に必要な一千万円もの調査費を計上していた平成二十八年度予算を減額修正するなど、厳しい対応を行ってまいりましたが、それもひとえに、災害に強く今後の行政需要の多様化や人口増を見込み、機能的かつ効率的な庁舎建設を望む多くの区民がいらっしゃるからであります。区長は、審査委員会の審査結果を尊重して設計者を決定するそうですが、ただでさえ無駄な時間、予算、労力を費やし、保坂区政停滞の代名詞とも言える本庁舎整備事業をこれ以上おくらせるわけにはいきません。設計事業者決定後における整備の進め方について、担当副区長の意気込みをお伺いいたします。  さて、一年前に区が示した三軒茶屋における今後の行政機能の展開に対し、多くの会派から整備方針そのものを疑問視する声が上がったことは御承知のとおりです。  先日、区からその後の検討状況が報告されましたが、到底納得のできる内容ではありませんでした。三軒茶屋周辺に点在している公共施設を集約する趣旨は理解できるものの、民間事業者が自己所有地に建設し、区が借り上げる民間建設借り上げ方式により、四億円以上もの賃借料を二十年間も支払い続けることを区民の皆さんに理解していただくことは難しいのではないでしょうか。さらに、民間事業者による新ビジネスや多様な就労形態を可能にするスペースを設け、転貸し、賃料を得る計画となっていますが、新たに公共施設を整備する際には、余剰スペースを省き、よりコンパクトに低コストで行うべきです。また、細分化されているそれぞれの就労支援機能をただ一カ所に集約するだけでなく、縦割りを排除して、整理統合し、さらにスリム化を図る必要もあると考えますが、区の見解を伺います。  三軒茶屋には、今後、梅ヶ丘に移転する保健センターの敷地やふれあい広場など、現在区が所有している土地があります。これらの土地を有効活用せず、二十年間も多額の賃借料を払い続ける計画案を策定した理由についてもお聞かせください。  次に、災害対策と道路整備について伺ってまいります。  七月に、九州北部地方を襲った豪雨を初め、先週末に日本列島を直撃した台風十八号による被害など、ことしも日本各地で多くの豪雨災害が発生しました。被害に遭われた多くの方々に、改めて御見舞いを申し上げます。  昨年までの十年間で、一時間に八十ミリ以上の猛烈な雨が降った回数は、一九八〇年代と比べておよそ一・五倍にふえ、さらに今後も同程度の豪雨が発生する可能性が高まると報じられています。世田谷区においても、先月十九日の荒天により、たまがわ花火大会が中止となるとともに、床上浸水や道路の冠水などの被害が発生したことは記憶に新しいところです。  豪雨対策に関して、即効性のある施策が見当たらない中では、区が行っている雨水浸透施設や雨水タンクの整備促進など、地道な努力の積み重ねが重要です。広報紙やパンフレットだけではなく、創意工夫を凝らし、整備費助成等の内容をより一層区民に知っていただくよう努めるべきと考えます。設置費助成等のさらなるPRを含め、今後の豪雨対策の推進について区の見解を伺います。  また、中止となったたまがわ花火大会の会場においては、落雷により九名の方がけがをされましたが、後日、幸いにも命に別状がないという情報を耳にし、胸をなでおろしました。  私は、三年前に二子玉川緑地運動場における雷対策について、この壇上にて質問しておりますが、当該敷地は河川内にあることに伴い、工作物設置に関する制限により避雷針がないため、天候の急変などの危険性を早期に把握し、利用者への情報提供と避難誘導等の対応を適切に行っていくとの答弁でありました。通常のスポーツ利用であれば、そのような対応でも済むのかもしれませんが、今回の花火大会では、適切な避難誘導はできたのでしょうか。また、区は今回のケースを十分に検証し、多くの観客が訪れるイベント開催時における対応を検討しておくべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。  ことしは、日本各地で落雷が原因と見られる火災も多く発生しました。また、火は出ないまでも、家の中の電気配線や電化製品に被害を受けたケースも多々あるようです。区は、区民の生命と財産を守るためにも、落雷を原因とする火災に関する有効な対応策について研究するよう求めておきます。  続いて、災害時における各種団体との協力協定について伺います。  東日本大震災の被害は、広範囲かつ甚大なものであり、被災地では自治体機能そのものが麻痺した例も多く、被害状況や支援要請の集約に時間を要しました。いつ起こるかわからない首都直下型地震に備え、自衛隊、警察、消防等との連携を強固なものとするとともに、区における初動対応体制を強化することが何よりも重要であります。また、実際に被災した際には、多くの負傷者が見込まれることからも、より迅速な医療救護活動が行えるよう初動医療体制を整え、医薬品や医療資機材を確保しなければなりません。  区は、緊急医療救護所には緊急医療救護所用医薬品を、区立小中学校の避難所には応急救急医薬品を、医療救護所となる避難所には災害医療セット等をそれぞれ配備していますが、三日分程度の備蓄しかなく、不足した場合には東京都を初め災害発生時における医薬品等の調達に関する協定を締結している医薬品卸売販売業者、または東京都から調達することになります。しかし、医療品卸売販売業者が世田谷区以外にも多くの自治体と同様の協定を締結している場合、必要とする医薬品等が品薄となり、区が優先的に確保することが困難になるおそれもあります。  区は、医薬品に限らずさまざまな団体と災害時協力協定を締結していますが、その後の運用を見据え、協定内容を見直す必要もあるのではないでしょうか。区の見解をお伺いいたします。  次は、道路整備について伺います。  公園や農地と同様に、延焼遮断帯として機能する道路を整備することは、市街地を火災から守るためにも区の重要な責務であります。新実施計画(後期)の素案によると、道路ネットワークの計画的な整備が計画事業として挙げられていますが、その取り組み例は、主要な生活道路築造とあります。  区長は、これまでも道路を初めとする都市基盤整備が必要不可欠であると発言はするものの、みずからが先頭に立って実行に移す姿は全く見受けられません。計画的に道路ネットワークを整備するためには、築造に限らず道路整備の大もとである用地取得が欠かせないはずですが、現在の実施計画に引き続き、道路用地取得事業を新実施計画(後期)から外している理由をお聞かせください。  次に、高齢者施策について伺います。  区の将来人口推計によると、二〇二五年時点では総人口が増加傾向にあるため、高齢者率は現在と横ばいの約二〇%で推移していますが、後期高齢者人口は二万人以上増加し、十一万人を超える見込みです。また、年齢が上がるにつれてひとり暮らしの高齢者の割合がふえる傾向もあることから、住まい、医療、介護予防、生活支援が一体的に提供される真の地域包括ケアシステムの構築が必要であると、我が会派はこれまでも申し上げてまいりました。  先日示された第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案によると、世代間交流を含めた日常的な地域との交流、連携により、地域包括ケアシステムにおける地域の拠点となる特別養護老人ホームの整備を今後も着実に進めるとあります。  区は、二〇二五年に向け千人分の特養整備を中長期的目標としていますが、それ以外にも、認知症高齢者グループホームや都市型軽費老人ホームなど、高齢者がいつまでも安心して暮らせる施設を総合的に整備する必要があります。今後、高齢化のスピードが区の予測をはるかに超えることも想定し、国や東京都の動向を機敏に捉え、高齢者施設の整備に努めるべきであると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
     また、高齢者施設の整備とともに、介護人材の確保も喫緊の課題です。人材不足により、ベッドはあいているものの、利用者を入所させることができない施設が日本各地に存在すると聞いております。区では、介護人材の確保に向け、離職者の七割強が勤続年数三年未満という実態を踏まえ、新規採用職員を対象とした合同入職式の実施や、職場や法人の垣根を超えて悩みなどを共有できる関係づくりを目的とした交流事業等に取り組んでおりますが、離職者中の介護福祉士等の再就職をさらに促進する必要もあります。  以前、介護関係者に伺った話では、労働に見合わない低賃金や人間関係でもめる職場環境などの理由のほか、腰痛等の体の不調により離職される方も多くいらっしゃるそうです。身体的負担が大きいため、再就職をためらっている方々のためにも、介護ロボットの積極的な活用を初め、例えば鍼灸院への通院費やマッサージの施術費の助成など、福利厚生面を充実させる取り組みも有効ではないでしょうか。区の見解を伺います。  先日の新聞報道で、若者に選ばれる職場にするために、入居者の食事量や健康状態を即時に記録できるよう、タブレット端末を導入し、残業時間の減少に成功した介護施設や、子どもが小学校を卒業するまでの短時間勤務を継続できる制度を導入し、家庭と仕事の両立を目指す取り組みを行い、離職率を減少させることに成功した介護施設が紹介されていました。いずれの施設も、京都府の福祉人材育成認証制度を活用した事例ですが、区においても、他自治体の先行事例を研究し、介護人材の確保に向け、世田谷区にふさわしいバックアップ体制の確立を求めます。  次に、障害者施策について伺います。  障害者差別解消法施行から半年もたたない間に発生した相模原の知的障害者福祉施設における殺傷事件から一年余りが経過しました。この残忍な事件を機に、障害者の地域での生活や入所施設のあり方など、懸案が顕在化しましたが、これらの課題を解決するには、障害者理解の促進が何よりも重要です。昨年の障害者(児)実態調査によると、障害者に対する差別や偏見がある、もしくは少しあると答えた区民が七割強を占めていることからも、障害者差別解消法のさらなる普及啓発を初め、インクルーシブ教育の重要性は増しております。  今後は、児童生徒が定期的に障害者施設を訪問するなど、さまざまな手法を用いて、障害を自分の問題、家族の問題、さらには身近な問題として捉えることのできる施策を展開し、障害者理解の促進に努めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、(仮称)多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例について伺います。  障害者だけでなく、地球上のあらゆる差別を解消しなければなりません。先ほども申し上げましたが、我が会派は差別を解消するためにはまずその対象の理解を促進することが一番の近道であると考えております。  さて、日本国憲法第十四条では、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と侵すことのできない永久の権利として、国民一人一人の人権を保障しております。また、世界人権宣言第二条においても、「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」とうたわれております。  このたび、区より条例骨子案が示されましたが、本条例骨子案における目的の趣旨については、ともに約七十年前に制定された日本国憲法や世界人権宣言で、ほぼ網羅されているように思えます。基礎自治体である世田谷区が今になって本条例を制定する意義を改めてお聞かせください。  次に、産業政策についてお伺いいたします。  行政上における目標を達成するためには、実効性のある計画を策定することが重要であるのは当然のことです。PDCAサイクルの起点となっていることからも、計画は自治体経営の一丁目一番地と言えるのではないでしょうか。  区からは、今定例会に向けて後期の新実施計画や第二次教育ビジョン・第二期行動計画を初め、今年度末に策定予定のさまざまな計画の素案について報告がありましたが、我々区議会議員は、その報告に基づき常任委員会などで質疑し、意見を申し述べるとともに、この壇上における質問を通じて、区の公式見解を確認し、行政と議会が議論し合うことでよりよい計画が策定できるものと認識しております。  しかしながら、今年度末に策定予定の計画のうち、区の産業政策の根幹をなす産業ビジョンの素案については、いまだに報告がありません。区は、昨年の七月から計画策定に取りかかり、その後、学識経験者や産業団体、区民代表者等で構成される産業ビジョン懇話会の提言を受け、現在も庁内において策定作業中とのことでありますが、余りにも時間がかかり過ぎであり、区長は我々との実質的な議論を避けているのではないか、あるいは産業政策を軽視しているのではないかと疑ってしまいます。  東京二〇二〇大会を間近に控え、国内外からの人の流れが活発化することが見込まれる中、商店街振興はもちろんのこと、都市農業や工業、ものづくり産業の振興を一層推進していかなければなりません。区は一刻も早く素案を示し、議会と議論することで地域経済の活性化につながる計画を策定すべきと考えますが、見解を伺います。  さて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで、いよいよ残り三年を切りました。区内では、JRA馬事公苑において馬術競技が開催されるとともに、大蔵運動場と大蔵第二運動場ではアメリカ選手団のキャンプが実施されますが、道路基盤が脆弱な世田谷区においては、多くの馬術競技関係者や観客の来訪に伴う激しい交通渋滞により、日常の区民生活に多大な影響が出ることが予想されます。  こうした中で、区は、本年三月に策定した馬事公苑界わいまちの魅力向上構想において、馬事公苑から最寄りの五つの鉄道駅の周辺を五色のにぎわいパレットエリアと名づけ、東京二〇二〇大会を契機に、歴史と文化を大切にし、交流とにぎわいのあるまちづくりを目指すとしています。  区は、この魅力向上構想を踏まえ、五駅周辺の商店街等と連携して特徴を生かした魅力ある取り組みを推進し、またそのことを区内外に大々的にPRすることで、観客が駅周辺の町を楽しみながら、歩いて馬事公苑に訪れたくなるよう、交通渋滞の緩和に努めるべきではないでしょうか、区の見解を伺います。  駐車待ちの車両が道路にあふれ、交通渋滞を引き起こすケースがよく見受けられますが、区は、リオデジャネイロ大会やロンドン大会における馬術競技会場には何台分の駐車スペースが必要であったのか確認しているのでしょうか。また、現時点において馬術競技関係者や観客等が使用する車両の駐車スペースは十分に確保されているのか、まだ確保されていないのであれば、今後区としてどのように対応するのか、あわせてお伺いいたします。  次に、アメリカ合衆国のホストタウンとしての取り組みについてお聞きします。  昨年六月に、世田谷区はアメリカ合衆国のホストタウンとして内閣官房より登録を受け、また来月には、区とアメリカオリンピック委員会との間で、アメリカ選手団の区内におけるキャンプ実施について正式合意が行われる予定であります。  区はこの間も、アメリカ大使館と共同でイベントを開催し、区内の中学生が日米の著名な野球選手やソフトボールの選手たちとスポーツを通じた交流を行っておりますが、スポーツ以外にもさまざまな機会を通じて交流事業を展開し、ホストタウンとしての機運をより一層醸成すべきではないでしょうか、区の見解をお伺いいたします。  次に、地域における日常生活での困り事についてお聞きします。  過去十年間の区民意識調査において、連続一位となっている区民のお困り事は何でしょうか。それは、皆さん御承知のとおり、道路が狭くて危険であることです。先ほども申し上げましたが、木造住宅密集地域が点在する世田谷区において、市街地を大火から守るためには、延焼遮断帯となる道路整備は何よりも重要です。保坂区長におかれましては、区民の一番のお困り事を再認識し、実行に移されるよう再度強く求めておきます。  また、道路が狭くて危険以外にも、昨年度まで九年連続で三位以内に挙げられている区民のお困り事がもう一つあります。それは、カラス等の鳥獣による被害です。区では、近年、ペットとして飼われていたアライグマが捨てられ、野生化し、ハクビシンと同様に住環境に影響が出ていることから、今月二十一日にハクビシン・アライグマ被害対策講習会を開催する予定と聞いております。また、カラスによる被害は、平成十六年度より実施しているカラスの巣撤去緊急対応事業やごみの出し方の工夫などにより減少傾向にあるようですが、餌やりに群がるカラスの鳴き声やふんにより被害を受けている区民からの相談件数はまだまだ多い状況であると聞いております。カラス被害の解消に向け効果的な対策を講じるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  最後に、教育政策について伺います。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、教育委員長と教育長を一本化した新教育長が就任されてから一年近く経過しますが、この間、教育委員会の制度改革のほかにも、新学習指導要領の告示など、教育を取り巻く状況は大きく変化しています。このたび、第二次教育ビジョン・第二期行動計画素案が示されたところですが、教育長は、新教育長として就任してから現在までを振り返り、教育現場を取り巻く社会環境の変化も踏まえ、今後の世田谷区の教育をどのように進めていくのか、改めて教育行政に対する方針をお聞かせください。  学習指導要領の改訂を受け、平成三十年度より小学校において、英語科、英語活動が位置づけられました。英語の教科化に関しては、総合的な学習の時間割等と合わせた取り組みとするなどの報道もありましたが、基本的には授業時間数をふやすことを念頭に置いたものと受けとめております。  また、区は、現教育センターの二階部分を改修の上、多文化体験コーナーとして整備し、小学校四年生を対象とする英語体験移動教室を来年度より展開する予定ですが、学校教育での活用は年間六十一日だけであり、その他の日は、区民が在住外国人と交流する多文化体験や国際交流の場として一般への開放を考えているそうです。  英語力を身につける上では、英語の発音を聞き取る能力を養い、語彙力を高め、積極的に英語でコミュニケーションをとる行動力を身につけることが重要であることは理解いたしますが、多文化体験コーナーの整備に当たり、費用対効果の検証は行っているのでしょうか。区は、年間で何人程度の一般開放の来客数を見込んでいるのか、また、年間の維持管理経費はどの程度を見込んでいるのでしょうか、お聞きいたします。  昨年度末、区より教科「日本語」の検証・検討結果が報告されたところではありますが、新たな学習指導要領では、伝統や文化に関する教育の充実など、この間、区が先駆的に教科「日本語」の中で取り扱ってきた視点も多く盛り込まれております。  先日の委員会報告によりますと、教科「日本語」に関する今後の方向性については、小学校一、二年生は現行の授業時間数を確保するものの、小学校三年生以上は、学校ごとに授業時間の選択の幅を持たせるとのことですが、区は、新学習指導要領との整合性を図るとともに、現行の授業時間を減らすことなく教科「日本語」の取り組みをより発展させるべきであると考えます。区の見解をお聞きします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 上山議員にお答えをいたします。  まず、児童相談所移管についてであります。  私は、今を生き、未来を担う子どもたちの命を守り、育てるため、子どもの権利条約の根底にある精神に基づき、子どもの人権を守る仕組みづくりに全力で取り組んでまいりました。この間、世田谷区子ども計画、あるいは子ども・子育て応援都市宣言の発表、子どもの人権擁護機関せたホッとの設立などを通して、この理念の具現化に向け取り組み、区民に発信をしてきたところであります。  今回、区が目指す児童相談所の移管は、都から区への単なる権限移譲のみではありません。区民に最も身近な地域で虐待防止や子育て支援に取り組んできた子ども家庭支援センターと、寸刻を争う虐待など、緊急に子どもを保護する強い権限を持つ児童相談所との役割分担を再構築し、世田谷ならではの児童相談行政を現状よりも子どもの安全、生命を守る有効なシステムとして構築する大きなチャレンジであると認識をしております。  区といたしましては、区民への説明を行っていくとともに、議会の御議論を受けながら着実に検討準備を進め、平成三十二年四月以降、早期の児童相談所の移管を目指しています。あわせて、子育て家庭に寄り添った支援スキルを有する地域の子ども家庭支援センターのさらなる強化充実に取り組んでまいります。これにより、高い専門性や権限を有する区立の児童相談所と子ども家庭支援センターとを車の両輪として、虐待防止の予防を重視した取り組みを一層充実させ、全ての子どもが虐待を受けることがなく、健やかに成長できる町を目指してまいります。  二番目、平成三十年度予算編成の方針について質問でございます。  私は、区政運営に当たり持続可能な財政基盤の構築が不可欠との考えで、健全な財政運営に努めてまいりました。招集挨拶でも触れましたが、平成二十八年度決算では、引き続き基金残高が起債残高を上回り、過去最高の基金残高七百八十六億円となりました。今後も社会保障関連経費や公共施設の更新対応など、財政需要の大きな増加が見込まれています。また、引き続き、区の人口増加に伴う行政需要のさらなる拡大、御指摘のふるさと納税による減収の影響、さらには不安定な世界情勢、あるいは景気動向の影響など、区財政は予断を許さない見通しの中にあるというふうに認識をしております。  平成三十年度当初予算編成に当たりまして、将来の財政需要や急激な景気変動にも耐え得るよう、事業手法の改善など不断の行政経営改革に取り組むことや、働き方改革も進め、健康で質の高い職場環境を整備し、区民サービスの充実につなげていくことなど、改めて全庁に指示をしているところです。  今後の予算編成におきまして、各部長とのヒアリングを初め、庁内で十分な議論を重ね、議会の御議論も踏まえながら、優先課題に着実に取り組むとともに、将来を見通して必要な施策を見定めて限りある財源を効率的、効果的に配分することを基本としてまいります。  次に、男女共同参画、多文化共生の条例についてでございます。  日本国憲法は、個人の尊重と法のもとの平等をうたっています。また、国連においてもさまざまな文書の中で基本的人権、男女平等をうたってきたことに加えて、昭和五十四年には女子差別撤廃条約が採択され、我が国も昭和六十年に批准をされました。  区では、昭和六十二年に男女共同社会をめざす世田谷プランを策定するなど、現在の第二次男女共同参画プランに至るまでのさまざまな取り組みを積み上げてまいりました。また、在住外国人の住民の皆さんのために、外国語版の便利帳の発行など多言語による情報発信も努めてきたところであります。  しかしながら、今もなお、固定的な性別役割分担意識の解消が進んでいないなどの課題、また、家族形態やライフスタイルの一層の多様化が進んでいます。国際化も進展し、在住外国人もふえているということでございます。  あと三年余りで東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会を迎えるわけですけれども、オリンピック憲章、オリンピズムの根本原則の六のところに、「このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」というふうに明記をされてございます。この憲章がうたうように、多様性をさらに互いに認め合い、全ての人が尊厳を持って生きていく社会をつくり上げるために、またあらゆる活動に参画し、責任を分かち合う男女共同参画社会、多文化共生社会の実現を目指して、地域社会のあるべき姿について議論を積み上げ、区、区民、事業者がその目的理念を共有して、その実現に向けて参画、共同し、社会的責任を分かち合う意義はあるものということで、この条例を提案している次第でございます。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、五点について順次御答弁申し上げます。  最初に、児童相談所の移管に係ります川崎への派遣の関係でございます。  児童相談所の児童福祉司や児童心理司は、高い専門性を求められることから、特別区では、相互の意見調整を行いまして、人材育成を目的とした職員派遣の受け入れを東京都に要請してまいりました。これに対しまして、東京都みずからが現状、人材の確保、育成の課題に直面している状況にあり、全ての要望に応えることは困難であるとの見解でございます。これを受けまして特別区におきましては、合同で派遣先確保に取り組むとともに、各区が他自治体との独自の連携協力関係に基づきまして、職員派遣の受け入れ先の開拓に取り組むなど、人材の確保・育成策に取り組むこととしております。  世田谷区といたしましては、これまでの他自治体との協定を初めといたしまして、多方面の分野の事業によります連携協力関係を踏まえまして、派遣先の開拓を進めるとともに、職員の計画的な採用を行い、必要な育成期間を確保することによりまして、職員の専門性の向上を一層図る取り組みを加速していきたいと考えております。  あわせまして、各区との緊密な情報交換を行いまして、進捗状況の共有化を進め、当区のみならず特別区全体におきまして、児童相談所の移管が的確に進むよう鋭意努力していきたいと考えております。  続きまして、児童相談所の移管に係りまして、東京都の経費、区の財政負担についてでございます。  児童相談所の移管に係ります財源につきましては、特別区全体のロードマップに掲げましたとおり、平成三十年度に財調算定や財源移譲の方法を検討した上で、平成三十一年度に東京都との具体的な協議を行う予定でございます。そのため、特別区としてあらかじめ特別区内にあります児童相談所や一時保護所の運営経費を明らかにする必要がありまして、東京都に対しまして資料の提供を求めているところでございます。年度内を目途に明らかにしていきたいと考えております。  なお、平成二十五年十一月に特別区児童相談所移管モデルを参考にした区の試算では、運営費を約二十億円程度と見込んでおります。そのうち、措置費等の特定財源は七億五千万円程度を想定しているところでございます。  続きまして、行財政改革についてでございます。  人口の増加などを受けまして、現在の新実施計画期間の四年間で、特別区税収入は大きく増加した一方で、全体的に歳出も伸び続けておりまして、平成二十九年度当初予算は、平成二十六年度当初予算規模と比較いたしまして四百億円を上回る状況となっております。また、新たな将来人口推計では、二十五年後の区の総人口は百八万人を超え、高齢者、若年者のいわゆる従属人口も十万人以上増加すると推計されており、社会保障や公共施設の更新など、さまざまな行政需要のさらなる増加が見込まれております。まさに区はこれまで経験したことのない状況下にありまして、多様化する区民ニーズに的確に対応していくためには、これまでの手法の抜本的見直しを含めた自治体経営改革を推進していく必要があると考えております。  そのためには、長期的な展望を常に持ちながら将来に備えた不断の行政経営改革は不可欠であり、新公会計制度を活用しながら、公共施設の総量抑制や経営改善、コスト分析に基づきます民間活用のさらなる推進など、実効性のある取り組みを進めてまいります。今後さらに検討を進めまして、具体的な取り組みにつきまして新実施計画(後期)の案でお示ししてまいります。  続きまして、本庁舎整備事業でございます。  昨年十二月に策定いたしました世田谷区本庁舎等整備基本構想では、これからの二十一世紀を見通し、長期にわたりまして区政を支える拠点となる本庁舎の機能として、協働、交流や防災の観点から、大きく五つの基本的方針を定めたところでございます。今回実施いたしました設計者選定プロポーザルでも、これらの方針を評価の視点といたしまして、各提案について審査いただきました。  今後、審査委員会からの結果を踏まえまして、議会の御意見も十分に鑑み、区としての意思決定を速やかに行いまして、設計者との契約をし、遅滞なく基本設計業務に取り組む所存でございます。  区民の安全安心を支える防災拠点でもある本庁舎をできる限り早期に整備するため、仮設庁舎の活用や工期の短縮、工事期間中の災害対策本部機能の維持等、これまで議会で御指摘をいただいている点、また現在庁内で課題別の検討を目的として設置しています五つの分科会での議論を今後の設計に反映いたしまして、平成三十二年度の着工を目指し、着実に取り組んでまいります。  最後に、高齢者施策の基盤整備についてでございます。  区では、地域包括ケアシステムの構築を目指し、第六期の介護施設等整備計画に基づき、高齢者の在宅生活を支える地域密着型サービスや、在宅での生活が難しい方の住まいとなる特別養護老人ホームなど、介護基盤の整備を計画的に進めております。整備に際しましては、未整備圏域を対象とした区独自の上乗せ補助の活用、国や東京都の協力による公有地の積極的な活用などを進めまして、特別養護老人ホームを初めとする介護基盤の整備推進に努めてまいりました。  本年七月の世田谷区将来人口推計では、高齢者人口、中でも後期高齢者人口が従来の推計以上の増加が見込まれておりまして、それに伴い、要介護高齢者、認知症やひとり暮らし高齢者がますます増加すると想定しております。  区といたしましては、誰もが住みなれた地域に住み続けられるよう、介護基盤につきまして最新の将来人口推計に基づき、要介護高齢者予測やニーズ調査の結果などを踏まえまして、必要数や配置のバランス等を勘案して、第七期の整備計画を策定し、公有地や整備費補助等の情報を的確に捉えまして、施設整備に努めてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、三点の御質問にお答え申し上げます。  まず、災害対策に関連しまして、豪雨対策のPRについて御答弁申し上げます。  区では、世田谷区豪雨対策行動計画後期に基づき、区、国、都並びに区民や事業者が一体となり、流域対策を進めております。世田谷区内の各世帯が三百リットルの雨水タンクを設置すれば、小型のダムに匹敵する容量を貯留できることから、雨水タンクや雨水浸透枡で、みんなでつくろう世田谷ダムをキャッチフレーズに、雨水タンクや雨水浸透枡等の普及に努めております。  設置助成の区民周知につきましては、区報やホームページ、ポスター、区政PRコーナーの展示、梅まつりなど、区内イベントでのPR、世田谷線の駅での掲示等さまざまな方法を行っております。さらに新規のPRといたしまして、世田谷区官民連携指針に基づき、東京電力からの提案を活用いたしまして、電柱に設置助成のPR表示を予定してございます。また、今後は学識経験者や区民とのPRイベントなども検討してまいります。  現在、平成三十年度から三十三年度を期間といたします次期世田谷区豪雨対策行動計画の策定に取り組んでおり、自然の多様な機能を活用したグリーンインフラという新たな考え方を取り入れながら、さまざまな手法により流域対策を強化し、豪雨対策をより一層推進してまいります。  次に、豪雨・雷対策に関連しまして、花火大会での避難誘導について御答弁申し上げます。  今回の花火大会におきましては、天候の急変を受け、中止決定をしたところですが、当日の会場内において、落雷の影響により来場者数名の方が手足にしびれ等を訴え、救急搬送される事態となりました。幸い大きなおけがにはなりませんでしたが、心よりお見舞いを申し上げます。  避難誘導につきましては、天候の急変により避難誘導準備の時間がとれなかった中、将棋倒し等の二次被害が起こらなかったことは、来場者の皆様が落ちついた行動をとっていただいたたまものと感謝を申し上げているところでございます。  中止決定後の対応につきましては、各拠点に配置しております職員と委託警備員へ一斉無線を流し、中止の周知並びに来場者への帰路動線の案内誘導を指示するとともに、場内放送でのアナウンスにより、来場者への周知を図ってまいりました。  今後は、警察、消防、交通事業者等の関係機関の御意見もお聞きしながら、中止の判断基準や情報伝達方法を含め、想定外を視野に入れた緊急時対応の見直し、開催時期の検討を進めてまいります。また、区民まつりや246ハーフマラソンを初め、三年後、馬事公苑で行われるオリンピック・パラリンピック大会の馬術競技など、多くの観客が訪れるイベントについても来場者の安全確保を最優先に、開催時における対応を検討し、体制整備を図ってまいります。  次に、産業ビジョンの素案について御答弁申し上げます。  平成三十年度から十年間を見通した世田谷区の産業振興の基本的指針となる新たな産業ビジョンにつきましては、昨年七月から産業ビジョン懇話会における議論などを踏まえ、本定例会に向けて議会に素案をお示しすべく検討を進めてきたところでございますが、素案の御報告がおくれておりますことについておわびを申し上げます。  策定に当たりましては、IoTやAIなど急速に進展している新たな産業技術の活用や、それに伴う産業構造の変化など、最新の社会経済状況の動向を大きく捉え、商業、工業、農業といった従来の枠組みにとらわれず、福祉分野や環境分野など、さまざまな産業分野を横断的に捉えたビジョンとするという新たな試みに取り組んだこともあり、素案の取りまとめに当初の予定より時間を要した次第でございます。東京二〇二〇大会に向けて、国内外からの人の流れが活発化するなど、区内産業の振興を図るための環境が大きく変化することが見込まれる中、区の産業政策のあり方について、議会で十分な御議論をいただく必要があると認識しております。  九月二十五日に開催予定の区民生活常任委員会において素案をお示しし、御議論をいただけるよう進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  以上です。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 教育政策について、教育行政に対する教育長の方針について御質問いただきました。  お話をいただきましたように、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、新教育長として就任して間もなく一年になります。教育委員長と教育長を一本化した任期が三年の新教育長ということで、その責任の重さを受けとめると同時に、一層の緊張感を持って迅速な事務事業の執行に努めてまいりました。  この一年を振り返りますと、ことし三月に新たな学習指導要領が確定したことは大きな節目となりました。これを受け、現在私どもが進めている教育ビジョン・第一期行動計画の仕上げに取り組み、と同時に、平成三十年度からスタートする第二期行動計画の策定にさまざまな視点から検討を行っている状況です。  在任期間中の施策の推進についても御質問いただきました。  御案内のように、教育ビジョン・第二期行動計画の素案を取りまとめましたが、平成二十六年三月に策定した第二次世田谷区教育ビジョンは十年間の区の教育の方向性を示す計画であることから、その教育目標や基本的考え方は引き継いでまいります。教育ビジョンの教育目標には、全ての教育活動を通して人権教育を推進していくこと、四つの育てたい子ども像の実現、地域とともに子どもを育てる教育の推進などを掲げております。  国際化や情報化の急激な進展等により、今後社会がますます変化していく中で、今まで以上に人権尊重や教育の機会均等などの観点から、施策を展開していくことが重要であると考えています。また、教育ビジョンの基本的な考え方は、一人一人の多様な個性、能力を伸ばし、社会をたくましく生き抜く力を学校、家庭、地域が連携して育むことを掲げております。科学技術や情報化、グローバル化が急激に進展する今後においてこそ、この考え方はより大切な視点になります。さらに、自尊感情や粘り強くやり抜く力などの非認知的能力を乳幼児期から育んでいくことも重要な取り組みです。  本日から教育ビジョン・第二期行動計画素案のパブリックコメントを始めております。教育ビジョンの教育目標や基本的考え方に立ち、これまでの取り組みの充実を図るとともに、新たな課題へスピード感を持って対応してまいります。  以上です。 ◎志賀 教育次長 私からは、幼児教育・保育推進ビジョンの考え方に基づく実効性のある施策を早急に展開すべきという点についてお答え申し上げます。  区では、乳幼児期に大切にする子どもの育ちや育む力を明確にし、保護者や幼稚園、保育所等、小学校、地域など区全体でビジョンを共有し、連携しながら乳幼児期における教育、保育に取り組むことを目指して、平成二十九年七月に世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定いたしました。  ビジョンにおきましては、取り組みの方向性として、世田谷区の特色を生かした教育、保育の推進、地域で見守り支える教育、保育など、五つの基本方針を定め、体系的に質の高い乳幼児期における教育、保育の推進に向け、取り組みを進めていくこととしております。  ビジョンに基づく具体的な取り組みにつきましては、現在策定中の平成三十年度を初年度とする第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画でお示ししてまいりますが、乳幼児教育アドバイザー制度や世田谷区幼児教育・保育情報連絡会などにつきましては、区立、私立の枠組みを超えて、今年度中に先行的に実施していく予定でございます。  今後、事業の進捗に合わせて段階的に事業の拡充を図ってまいりますが、平成三十三年度に開設予定の世田谷区教育総合センターに、乳幼児期の教育、保育の推進拠点として、乳幼児教育支援センターを設置することとしており、乳幼児期の教育、保育の質の向上や子育て家庭を支える取り組みなど、さまざまな事業を展開してまいります。  以上です。
    ◎岩本 政策経営部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、使用料、利用料の見直しに関し、区民への説明についてでございます。  使用料、利用料の見直しについては、おおむね三年ごとに見直す方針を定めており、前回は平成二十五年七月に料金改定を実施したところです。今般の区民利用施設の使用料の見直しは、施設、コミュニティー施設の検討や、けやきネットシステムの改修などの理由から、平成二十八年度から検証に取り組み、平成三十年度の改定を目指しているものです。  この間の検証の結果ですが、施設の管理運営経費は、消費税の増税も経て増加しており、前回の料金改定により使用料収入も増加傾向ではありますが、指針でお示しした適正な利用者負担率に対し、利用者に負担いただいている割合とは乖離がある状況となっております。そのため、区民利用施設の政策目的を十分に踏まえながら、区民サービスの維持や公平性の確保を図るために、利用者負担の見直しを行う必要があると認識しております。  料金の改定に当たっては、議員お話しのとおり区の財政状況や施設の管理運営経費の実態、利用者負担の考え方など、区民の方々に丁寧な説明を行い、理解を得ながら進めていきたいと考えております。  平成三十年十月の料金改定に向けまして、本年十一月には議会に御報告の上、パブリックコメントとして「区のおしらせ」特集号やホームページで具体的な改正案をお示しし、区民の御意見をいただいてまいります。また、特に施設を利用される方の理解を得られるよう、各施設でも十分な周知を行いながら見直しを進めてまいります。  次に、三軒茶屋における公共施設の整備についてでございます。  三軒茶屋における公共施設につきましては、主に社会情勢によって需要が変化する可変的施設として、現在借り上げで対応している既存施設の集約化、複合化による相乗効果の創出、利便性の向上などを図るため、整備の検討を行っています。借り上げ公共施設を集約することで、老朽化やバリアフリー対応、性能不足を抱える施設の課題を解決するほか、会議室などを共有することで、面積の縮減が図れるよう検討しております。また、御報告した検討状況では、集約する機能を見直し、当初計画面積に対し余剰スペースが創出できる可能性があることから、サブリースによる新規事業の可能性についても検討しているところです。  一方で、御指摘いただきました施設規模を縮小した場合のコストについて、NTTと協議をしており、新規事業を実施した場合と施設規模縮小の場合の双方のコストを比較検討する必要があると考えています。機能面では、就労支援施設を集約し、重複している機能の整理を図るとともに、施設間の連携をより密度の高いものとし、区内の就労困難者に対して、相談支援や職業紹介など、ワンストップサービスを図るなど機能の充実を目指しております。  御指摘の保健センター跡地は、駅から約八百五十メートルほどの距離にあること、また、ふれあい広場につきましては、地域との協議を重ね整備に至っており、町会、商店街振興組合、各種団体などが活発に利用し、災害対策上の位置づけもあることから、この二つの場所での建設は難しいと考えております。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、災害時における医薬品卸売販売業者との協力協定についてお答えいたします。  災害時における医薬品等の供給につきましては、従来は、医薬品卸売販売業者等が無償で提供した医薬品等を自治体職員が集積所などで仕分け、医療救護所等へ届ける体制をとっておりましたが、東日本大震災では、現場の混乱により医薬品等の流通が停滞し、効率的に機能しないことが明らかとなりました。  こうした事態を受けまして、東京都では、平成二十四年に東京都地域防災計画を改定し、災害時の医薬品等の調達を滞りなく進めることを目的といたしまして、区市町村が卸売販売業者と協定を締結するよう推進してまいりました。  世田谷区におきましても、平成二十六年三月に、区内外七社の医薬品卸売販売業者と災害発生時における医薬品等の調達に関する協定を締結いたしまして、発災時に備蓄している医薬品等の不足が生じた場合には、緊急医療救護所等へ直接医薬品等を納品させる供給体制をとることとしており、当該卸売販売業者には対応が難しい場合には、東京都に協力を要請して必要な医薬品等を確保することとしております。  今後は、災害薬事センターの中核となる災害薬事コーディネーターの役割や、梅ヶ丘拠点整備後に複合棟に設置予定の災害薬事センターにおける医薬品の供給体制等について、医師会、薬剤師会及び医薬品卸売販売業者等の関係機関とともに検討を進め、必要に応じて協定内容の見直しにも取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、道路整備につきまして新実施計画(後期)素案における道路用地取得事業の取り扱いにつきまして御答弁申し上げます。  区では、他の区よりおくれている都市計画道路などの都市基盤整備を進めるため、用地買収や寄附、土地の交換等さまざまな手法を活用し、道路整備を実施してきております。  区といたしましては、道路整備の進行管理を適切に行い、円滑な事業執行を図るため、道路整備事業を道路ネットワークの計画的な整備として新実施計画に位置づけ、せたがや道づくりプランに基づき、優先的に整備すべき路線について、計画的な事業化を図ることとしております。  道路整備は、最終的には道路を築造し、供用を開始することによってその効果を発現させることを目標とするものです。そのため、新実施計画におきましては、用地買収の結果として道路築造に至るという観点から、主要な生活道路築造を予算事業として掲げております。計画的な道路の築造整備を行っていくために、道路用地の取得を着実に進め、今後とも道路整備事業を推進してまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、高齢者施策におきます介護人材の確保について御答弁いたします。  昨年度実施しました区内介護事業者の実態調査におきまして、介護人材について、約六二%の事業所が不足している、やや不足していると回答しております。また、離職理由は、家庭の事情、三五%に次いで、健康上の理由が二五%となっております。さらに、人材不足の理由として、約六六%の事業所が、処遇改善等を含む給与が労働条件に見合わないと回答するなど、介護人材を取り巻く環境は大変厳しいと認識しております。  介護保険制度では、介護職員の処遇改善に向け、賃金体系の整備やキャリアアップの仕組みの構築し、職場環境等要件を満たす事業所に対する処遇改善加算の仕組みが設けられております。区では、この加算を事業所が取得できるよう、介護職員初任者研修や実務者研修などの資格取得支援事業や、福祉人材育成・研修センターにおいて、資質向上に向けた研修を行っております。また、職員が腰痛など体を壊すことなく働き続けることができるよう、体を痛めない介護技術などの講義や実技演習も行っております。  昨年度から三カ年で実施しております介護ロボット導入支援事業の効果検証を踏まえ、その普及について、今後検討してまいります。また、健康づくり制度や介護福祉機器の導入など、離職率の低下に取り組む事業者に対する国の職場定着支援助成事業などの周知に努めてまいります。  事業者が福利厚生の充実に取り組むことは、働く職員の勤労意欲や職場満足度を向上させ、そのことにより、人材の確保や離職防止につながると認識しております。区としましては、介護人材の確保、育成、定着支援に向けた取り組みについて、さらに検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者差別の解消と障害理解の促進について御答弁申し上げます。  区では、せたがやノーマライゼーションプランの基本理念として、障害の有無にかかわらず、誰もが住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続できる社会の実現を掲げておりますが、そのためには、社会全体が障害を理解することや、差別の解消、必要な配慮を行うことが不可欠でございます。  区では、昨年四月の障害者差別解消法の施行も踏まえ、広く障害理解の促進や障害者への配慮について、具体的な事例を御紹介しながら、出前講座やパンフレットの配布等を通じた普及啓発を行っております。同時に、意識の醸成や法の周知だけでなく、さまざまな機会に障害者と交流するなど、障害を具体的に理解していただく取り組みも必要と考えており、地域イベントと連動した障害者施設の公開や、障害のある人もない人もともに楽しめるスポーツ・レクリエーション事業などの取り組みも行っております。  御指摘のとおり、障害は特別なものではなく身近にあるものという意識づくりを啓発の一つとして取り組むとともに、商店街の協力による交流の場の創出や、障害者が外出しやすい環境づくりなどの取り組みを行いながら、誰もが安心して暮らし続けることができるまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、三点御答弁をさせていただきます。  まず初めに、学校における障害者理解教育についてでございます。  教育委員会では、障害の有無にかかわらず、全ての人と協力した共生社会の形成に向け、次代を担う子どもたちに対する障害者理解教育が大変重要であるという認識のもと、第二次世田谷区教育ビジョンの基本方針に、ニーズに応じた特別支援教育の推進を位置づけております。  学校における具体的な取り組みといたしましては、例えば総合的な学習の時間で、車椅子やアイマスク体験などを行ったり、ゲストティーチャーを招いたりして障害のある人の生活などについて学んでおります。また、特別支援学級や都立の特別支援学校の子どもたちと直接交流をしまして、障害への理解を含め、互いを認め合う学習に取り組んでいる学校などもございます。また、全ての小中学校では、東京二〇二〇大会に向けたオリンピック・パラリンピック教育を進め、障害者スポーツの体験や、パラリンピアンや障害者アスリートとの交流などの活動を計画的に実施しております。  教育委員会としましては、今後も障害の有無にかかわらず、誰もが住みなれた地域で自分らしく生活できる社会の実現に向けまして、保護者や地域と連携し、各教科ですとか道徳など、さまざまな教育活動を通して個性や発達の多様性を認め合い、心のバリアフリーを浸透させる取り組みを進めてまいります。  続きまして、多文化体験コーナーについて答弁をさせていただきます。  多文化体験コーナーは、第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画に基づき整備するものであります。この施設では、さまざまな国や文化の書籍、資料などを配置しまして、区民が多様な文化に触れ、多文化を理解するとともに、区内在住の外国人との交流を深めるなど、外国の絵本の読み聞かせを初め日常的に中央図書館の機能を果たすものとして、中央図書館全体の来客者が訪れるよう、最終的な全体活用を予定しております。  こうした活用を念頭に置いた上で、次期学習指導要領の改訂を踏まえまして、施設の一部を学校教育の英語体験の場として多目的に活用することは、効率的な施設の利用方法であると考えております。年間の維持管理経費につきましては、現在、郷土学習室として使っているわけですが、こちらについては直営で行っております。今後、民間の提案を募集し、民間委託の手法により、現在とほぼ同水準のコストで、英語体験移動教室などを実施できるものと見込んでおります。  教育委員会としましては、学校教育以外の活用につきましても、関係所管としての活用が進むよう求めてまいりたいと考えております。  引き続きまして、三点目、教科「日本語」についてでございます。  区が先駆的に行ってきました教科「日本語」の内容は、議員のお話にもございましたように、二度の学習指導要領の改訂を経まして、国語などの教科などとの重複の整理ですとか、発達段階に応じた教材の再構成が必要となってきておりまして、現在、具体的な改訂作業を進めております。また、新学習指導要領の社会に開かれた教育課程、カリキュラムマネジメント、主体的、対話的で深い学びといった趣旨や、新たに示されたプログラミング教育、主権者教育など、さまざまな教育課題に関する学習を進めていくことが求められております。  こうしたことから、言葉の力の基礎をつくる小学校一、二年生を除きまして、平成三十二年度より教科「日本語」を必修十八時間と選択十七時間に分けまして、各学校が児童生徒に身につけさせたい力の内容や地域の実情などに合わせまして、各学校が主体的かつ柔軟に教育課程を編成できるようにいたします。  改訂に当たりましては、これまでの教科「日本語」のよさを凝縮した教材を十分に精査して、必修、選択に再編成し、全ての小中学校で言葉の力を育み、日本の伝統的な文化を学ぶ質の高い学習を維持します。その一方で、新学習指導要領でも求められております新聞教育、演劇などによる体験学習の導入ですとか、言葉の響きやリズムを楽しみ、日本の伝統文化に親しむ幼児教育の教材についても検討し、教科「日本語」の取り組みをより発展させ、日本人としてのアイデンティティー、グローバル社会で活躍するための資質などをトータルで身につけていくことができるよう、取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、馬事公苑周辺の商店街等と連携し、魅力ある取り組みの推進及び町を楽しみながら歩いて、馬事公苑を訪れたくなるようPRに努めるべきにお答え申し上げます。  東京二〇二〇大会の馬術競技会場では、馬事公苑かいわいの総合的な魅力向上を目指すため、区は、馬事公苑界わいまちの魅力向上構想を本年三月に策定しました。この構想では六つの方針を掲げ、実現化をするための三十九の取り組みがありまして、観光案内標識の設置やグッズの検討、空き店舗の活用、町の美化活動など、商店街との連携が必要な取り組みがございます。現在、関係所管と定期的に情報共有、意見交換しながら、準備を進めているところでございます。  また、取り組みの一つであります最寄り五駅から馬事公苑までのサイン整備の実現に向け、八月十一日に、「うままちあるき」というイベントを実施しました。当日は、商店街や地元の方にも御参加をいただき、町の特徴を生かした魅力あるルートとなるよう、サインを初めさまざまなアイデアの御意見をいただいたところです。  議員御提案のとおり、東京二〇二〇大会では観客が五つの駅から町並みを見たり、楽しく歩けるような整備によりまして、馬事公苑かいわいを訪れたくなるよう商店街との連携による最寄り五駅周辺の魅力向上と、区内外へのPRにつきまして、関係所管と積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎平澤 スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に関連し、二点御答弁申し上げます。  まず、馬術競技関係者や観客等の駐車スペースの確保についてでございます。  東京二〇二〇大会の円滑な開催に向けて、選手や関係者、観客等の輸送ルートの設定や大会関係者の駐車場の確保等は組織委員会が担っておりますが、区としても重要な課題の一つであると認識しております。昨年視察したリオ大会では、広大な軍事施設の敷地内で馬術競技が行われており、各国の要人を含む競技関係者の駐車場を非公開の場所に確保していたと考えられます。またロンドン大会も、観客は公共交通機関や自転車、徒歩での観戦を推奨されたと伺っていることから、馬術競技の会場となった大きな公園の中に競技関係者の駐車場が確保されていたものと見られます。  東京二〇二〇大会における各会場の駐車場確保につきましては、組織委員会の会場運営に係る部署が担当しておりますが、これ以外にも会場整備や仮設施設整備など、さまざまな部局がかかわっております。組織委員会では、速やかな意思決定を行うために、今月から数多くの部局を会場エリアごとに横断的に検討する体制に再編したと伺っております。馬術競技の開催時間や観客の動線、駐車場の確保など、区では早い段階から確認や問い合わせをしておりますが、いまだ組織委員会から明確な回答を得られていない状況でございます。  大会まで三年を切った今、区といたしましても、これまで以上に庁内関係所管と情報共有を図るとともに、組織委員会からもさらに情報を引き出し、周辺への影響を含め、馬事公苑での馬術競技が円滑に開催されるよう、取り組んでまいります。  次に、アメリカ合衆国のホストタウンとしての取り組みについてでございます。  ホストタウンは、東京二〇二〇大会開催に向けて、住民と大会に参加する選手や大会参加国との交流等を通じ、スポーツの振興や教育文化の向上などを図ることを目的として内閣官房が推進するもので、本区は昨年六月にアメリカ合衆国のホストタウンとして登録されております。ホストタウン事業の一環として、これまで区内の中高生とアメリカゆかりの選手とのスポーツ交流事業を実施いたしましたが、御指摘のとおり、文化や芸術などさまざまな交流事業を展開することも重要であると認識しております。  今後といたしましては、まずはアメリカ合衆国のホストタウンであることを区民へ広く周知するため、民間事業者が主催する大規模イベントも含めたさまざまな機会を活用してPRに取り組みます。さらに、美術館でのボストン美術館展を初めとした一連の企画展や民家園での文化体験等の関連事業を関係所管と連携しながら推進し、ホストタウンとしての機運醸成を図ってまいります。  東京二〇二〇大会に向けて、アメリカ合衆国のホストタウンとして、またキャンプ開催地として、区民がアメリカ選手を応援する機運を高めるとともに、これを契機としてさまざまな国や地域と区民との幅広い異文化交流を促進し、多文化共生が区民のレガシーとして長く継承されるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎松下 環境政策部長 鳥獣による被害の解消に向け、効果的な対策を講じるべきとの御質問にお答えいたします。  鳥獣、特にカラス対策については、この間、総合支所と清掃・リサイクル部、さらに東京都とも連携して取り組みを進めてまいりました。その結果、都内のカラス生息数は、都区連携の取り組みを開始した平成十三年度時点から、現在約四分の一に減少をしております。一方で、カラスやハトなどの野鳥への餌やりによる被害の御相談が近隣にお住まいの方から寄せられるという事例が生じておりまして、区民意識調査でも、日常生活での困り事の上位に挙げられているというのは御指摘のとおりでございます。  被害の御相談に対しましては、総合支所地域振興課と環境保全課が連携して、現場確認や餌やりを行っている人への中止の働きかけを行っているところでございます。また、野鳥への餌やりをしないよう、区のホームページ等での啓発を継続して行っておりますけれども、野鳥への餌やりを規制する法令等が現在はなく、法令を根拠とする指導等ができないというのが現状でありまして、現在、野鳥への餌やりによる被害防止に関する他自治体の事例調査を進めております。  今後、より効果的な対策として、餌やりをしないよう条例で規定する他自治体の事例も参考に、条例化を視野に検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆四十一番(上山なおのり 議員) いろいろ答弁をいただきました。  まずは、児童相談所につきまして、区長の思いはわかりました。しかしながら、実効性が伴わなければならないと言っているわけであります。  浜松の児童相談所移管では、準備期間が二年間と世田谷区と同じではありました。しかしながら、静岡県からの全面的なバックアップ体制があり、準備期間から、そしてまた移管期をまたいで人材の派遣があったそうです。しかしながら、それでも移行期間、またはその後数年間は、その日その日の対応に追われ、大変な思いをされたと現場の職員の方が言われておりました。拙速に移管するのではなく、子ども家庭支援センターの機能を強化して対応して、児童相談所の案件とならないようにするべきではないでしょうか。  また、今後も東京都、そしてまた他自治体との交渉等があると思いますので、引き続き質問してまいりたい、そのように思います。  公共施設整備につきまして、世田谷区公共施設等総合管理計画における適正規模、適正配置はわかります。しかしながら、将来人口推計が出されるたびに上方修正されております。どんどん人口がふえていくという予想がなされているわけであります。  さきの文教常任委員会で報告がありましたが、希望丘小学校の増築等整備方針や、三軒茶屋における行政の機能の整備の中にある太子堂出張所など、初めから予備の余裕のあるスペースをつくれば、追加工事する必要がないわけであります。全ての公共施設にとは言っているわけではありません。人口の増減で大きく影響のある本庁舎、出張所、小中学校は余裕を持つべきではないでしょうか。意見として申し上げておきます。  最後に、防災対策について一言申し上げます。  災害・雷対策で質問いたしましたが、災害については、やはり知っているか知らないかだと思っております。一人一人の防災力を高めるしかありません。広報をいろいろなアプローチで広めていただきたいと思います。  また、たまがわ花火大会など大きなイベントでは、区の職員がみずからの命を守り、区民の命を守らなければならないという立場になると思います。意識を持って、しっかりと防災対策を行っていっていただきたいと思います。  以上で、自由民主党世田谷区議団の代表質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で上山なおのり議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十二分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時三十五分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 代表質問を続けます。  公明党を代表して、四十九番佐藤弘人議員。    〔四十九番佐藤弘人議員登壇〕(拍手) ◆四十九番(佐藤弘人 議員) イタリアの教育学者モンテッソーリは、幼児教育に基礎世界像を与える試みをし、その教育論を取り入れた幼児教育施設では、現在、地球儀を日常的に親しませています。また、東京学芸大学名誉教授の斎藤毅氏は、豊かな世界像は、現代の諸問題を世界的規模で捉えることができ、おのずとそれらと自分とのかかわりも見え、解決策への模索も促されると述べています。  今、国際社会においては、パワーバランスの激変で、国際的秩序の不安定さの増大と同時に、我が国を取り巻く安全保障環境も一層厳しさを増しています。多発する国際テロなど、国家の枠組みを超える地球的規模の諸課題は、個々の人間の生存、生活、尊厳を脅かしており、この情勢下では、国連を初め世界各国と連携し、近隣外交、経済外交などを発展させることが重要です。一方で、地域生活においては、家族形態やライフスタイルの多様化も進んでおり、東京二〇二〇大会が目前に迫る中、多文化共生の施策の必要性は日を増すごとに高まっています。  今般、我が党の主張により、(仮称)世田谷区多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例骨子案が示されたことは高く評価いたします。今後、日本の魅力を生かした観光立国戦略の推進や安心して暮らせる住まいの確保と魅力ある住環境の整備、文化芸術の振興、東京二〇二〇大会を見据えた国際交流などを通し、豊かな世界像を育む世田谷としての大きな一歩となることを期待しています。  それでは、公明党世田谷区議団を代表して質問をしてまいります。  初めに、百万都市世田谷の独立についてお伺いします。  先般示された世田谷区の将来人口推計によると、総人口は、二〇二八年にはおおむね百万人に、同四二年には百八万人に達すると予測しています。他方で、年少人口及び高齢者人口は、総人口と同様に一貫して増加傾向が続く反面、生産年齢人口は当面の間、増加が継続するものの、二〇三二年をピークに緩やかに減少傾向に転じるとされています。まさに我が党が示す大介護時代へ、超高齢社会へと突入が始まります。さらに、それに応じて家族形態も大きく変化し、標準世帯の減少とともに、単身、高齢者世帯の増加により、これまで地域社会を形成してきた支えあい、助け合いができなくなり、社会保障に頼らざるを得ない人々がふえています。  さきに述べた現状を鑑みれば、それ以上に行政需要が増大することは明らかであります。既に大規模自治体である世田谷区として、独自の財源、権限を担い、みずからの責任を持って自治体運営が可能となるよう、自立を目指すべきと再三申し上げてきましたが、今回は、我が党が重要と考える三つの観点から質問いたします。  第一に、三層構造改革についてです。  さきに述べた人口推計から見ても、本庁、総合支所、まちづくりセンターで構成される三層構造のあり方検討が急がれます。さきの第二回定例会において、我が党の代表質問に対し、保坂区長は、総合支所における役割をどう明確にしていくのか、権限、財源も含めた位置づけをしっかりと未来を見据え、見直す時期に来ているとの認識は示されています。今後、具体的な改革への道筋をお答えください。  第二に、官民連携及び民営化による運営及び事業改革についてです。  保育園、図書館、児童館など、公共施設運営における民営化をさらに推し進めるべきです。既に全国での取り組みを見れば、民間のノウハウとフレキシビリティーを活用することで、住民へ提供する公共サービスとして、新たに多くの付加価値を生み出せることは明らかです。また、事業においては、事業内容をフィックスした単なる委託ではなく、事業の方向性だけは定めた上で、柔軟な発想のもと、オリジナリティーあふれる民間事業者のノウハウを生かすべきではないでしょうか、区の見解を伺います。
     第三に、都区制度からの脱却についてです。  御存じのように、都区間の財政調整制度では、基礎自治体のさまざまな根幹税がほぼ都税の収入になっており、市町村民税法人分、固定資産税、都市計画税なども含めれば、年間一兆円以上が都に収納されています。かつそれがどこにどう使われているかが全く不明であります。  今後、日本全体では人口減少である一方、特定の心地のいい都市に人口が集中する可能性も、また都市の内部でも人口の集中と過疎が発生していくのではないでしょうか。その過程で、みずからの権限と財源によって責任ある自治体として独立し、職員一人一人が主体者となり、経営感覚を自覚し、バランスを意識しながら行政運営をしていかなければ、未来を創造することすらできません。ぜひこの機に、特別区という予定調和の呪縛から脱するべく、専門組織を立ち上げ、具体的な法改正のハードルや財政シミュレーションなどを検討すべきと考えますが、区長の決意を伺います。  次に、三軒茶屋公共施設整備について伺います。  このほど、三軒茶屋における公共施設整備について、今年度中にその可否を判断する前提で、NTT東日本との協議に当たる覚書の締結について報告がありました。我が党は、この間、整備に当たっては、集約する各施設について、運営、事業の見直し、重複事業の整理などを行い、経費抑制額、相乗効果を明確にした上で検討を行うべきと申し上げてきました。しかし、その検討下地となるべき各事業の評価や機能の集約化、さらに各就労支援事業における重複する整理など、具体的な項目について全く明らかとなっていません。産業支援、就労拠点支援、区民交流や民間活用など、トータルコストの比較した細目にわたる検討素材と時期を明確に示すべきです。  そこで二点質問いたします。  一点目に、まず可否の判断基準をどこに重きを置いているのか、明確に答弁を願います。  二点目に、整備検討に当たり、各事業見直し、重複事業の統廃合の状況など、拠点や事業集約化についてのメリットをどのように区は考えているのか見解を伺います。  次に、「未来への投資、教育の充実をめざして」と題して質問いたします。  公明党は、従前より教育のための社会を旗印に掲げ、子どもは社会の鏡であり、子どもの幸福は社会の幸福につながることを踏まえれば、教育のために社会が果たすべき役割、責任は大きく、緊急を要する課題であります。そこで、本日は二つの観点から提案いたします。  第一に、幼児教育の無償化についてです。  さまざまな研究によると、早期の教育が意欲や自信など、生涯にわたって必要とされる非認知能力などの獲得に効果があることを初め、将来的にもさまざまな効果が見られることが近年、明らかにされています。幼児教育無償化について、我が党は二〇〇六年より、全ての子どもが学べるようにすべきであり、公的負担を基本とすべきと公約に掲げています。  先日の日経新聞には、子育て施設を就学前教育の場と考えるのは世界の流れ。それまで自由に遊んでいた子どもが小学校に上がった直後から椅子に座っておとなしく授業に参加するのは難しい。日本でも幼稚園の教育要領は、小学校から逆算してつくられ、保育所の保育指針にも取り入れられている。小学校入学を控え、質のよい教育を受けることは重要で、保育と教育の充実を進めるべきと世界各国での幼児教育についての記事がありました。今後、幼児教育センター機能をどう展開するのか、その議論の根幹は決して研究機関ではなく、実働機関として実務をどう兼ね備えるかです。特に就学前の二年間は、現在、小学校へのつなぎやアプローチ事業では賄うことができないほど複雑化、多様化しており、義務教育的期間として捉えた位置づけと定め、まず四歳から五歳児における幼児教育無償化への検討に着手すべきと考えますが、区の見解を伺います。  第二に、学校給食の無償化についてです。  国は、公立小中学校の学校給食の無償化に関する全国調査を今年度初めて行う方針を明らかにしています。その背景には、食のセーフティーネットとして給食に注目が集まっていることにあり、事実、厚生労働省が発表した二〇一〇年の国民健康・栄養調査では、低所得世帯の子どもほど朝食をとらない割合が高く、野菜を食べる機会が少ないという結果が出ており、学校給食が果たす役割は大きくなっています。学校給食の無償化は既に全国では五十八自治体が小中学校に、三自治体が小学校で実施しています。その背景には、保護者への負担軽減があり、例えば世田谷区での給食費の平均は区立小中学校で月額約四千六百円、同中学校で約五千六百円と低所得家庭ほど負担感は強く、また、給食費未払いの原因の約三割が保護者の経済的理由によるなどと報告されています。  財源の確保を初め、解決すべき問題も多く、今後、行われる全国調査を学校給食無償化の論議を深める契機としたく、区においてもこれらの自治体が無償化に踏み切った理由や子どもへの影響などについて調査、分析など、二十三区を先行して学校給食無償化の検討を進めるべきと訴えますが、区の見解を求めます。  次に、がん相談機能について伺います。  近年のがん治療は、以前の長期入院から通院治療へと大きく変わり、五年生存率は約七〇%、早期発見であれば九五%と既に不治の病ではありません。その一方、公益財団法人がん研究振興財団の二〇一六年統計によると、がんと診断される年間百一万人のうち、三割が六十五歳以下の働く世代であり、がんと診断されたときから精神的苦痛、治療の内容や費用、副作用、就労、子育てや家族のことなど、多岐にわたる悩みが押しかかってきます。  そこで、以前視察した京都府がん総合相談支援センターでの先駆的な取り組みを改めて紹介すると、小さなことだけれども、気になる、誰かに聞いてほしい、家族ががんになった、不安で仕方がないといった医療機関では尋ねにくい、話しにくいことを聞き、安心して生活が送れるように、電話相談に加え、個別面談や出張相談も実施し、つなぎ目を支援しています。  我が党はこれまでがん診療連携拠点病院がない当区においては、このような病院治療以外の就労支援、収入、保険など、生活全般における課題についての相談体制機能は、保健センターが担うべきだとその必要性を訴えてまいりました。  そこで質問いたします。多様化するがん患者、家族のニーズに対応できるよう相談事業においても人材の確保は急務です。そこで、専門性を有する医療的な相談は医療法人との連携型で担ってもらい、その他相談全般を保健センターで担うなど、役割分担での運営手法を検討すべきと考えます。人材確保のための予算措置も含め、区の見解を伺います。  次に、マイナンバーカードの普及と活用について伺います。  国は昨年成立した官民データ活用推進基本法に基づき、平成二十九年五月に新IT戦略、世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を策定しました。特に重視すべき点として、行政手続のオンライン化の原則と国民負担の軽減や行政コストの削減を進めることが計画の骨格です。その基盤となるものがマイナンバーカードであり、普及と活用は大変重要な課題です。本区でも、マイナンバーカードを活用し、住民票や諸証明書のコンビニ交付が既に始まっており、本年秋ごろからはマイナポータルの運用開始予定と聞いております。  例えば引っ越しや死亡等があった場合、これまで自治体窓口や公共機関等に個別に連絡する必要がありましたが、自宅などからオンラインで一括手続が可能になるなど、利便性の向上が期待されます。この夏、会派として昨年十一月からマイナンバーカードを活用して母子健康情報サービスの提供を開始した静岡県焼津を視察しました。乳幼児の予防接種や健診記録等の情報や電子母子手帳としての活用が期待できるすばらしい仕組みでる一方で、マイナンバーカードの普及が思うように進まず、サービス利用者が伸びていないという現状も伺いました。  今後、国は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を平成三十二年ごろ予定しており、並行して病院の診察券の一体化も進むと考えられます。さらに、航空会社のマイレージや地域貢献活動に参加した住民に自治体が発行するポイントなども集約し、マイナンバーカードを使って買い物や公共施設への利用を可能にする実証事業も始まると伺っております。  ここで二点質問いたします。  一点目に、区民に登録を促進する一つの方策として、マイナンバーカードを活用して区独自のエコ・アンド・ヘルスポイント事業を創設し、現在実施している介護ボランティアや省エネポイント事業を統合し、かつ特定健診やがん検診、区のスポーツ等のイベント参加などのポイントを付与し、公共施設の利用料や商店街での買い物に利用できるような仕組みも考えられますが、区の見解を伺います。  二点目に、このたび本区が次期情報化事業計画素案に、我が党の提案を受け、マイナンバー制度等による世田谷版ネウボラを支える情報システムの構築を新規事業に掲げられたことを高く評価いたします。今後、総務省が推進している共通ID、個人認証を軸とした情報連携、いわゆる区独自の健康ポータルサイトの構築も視野に入れるべきです。区の見解を伺います。  次に、図書館運営の民間委託について伺います。  我が党は、区民ニーズとの乖離がある図書館の改革が必要との立場から、武雄市立図書館や岐阜市立中央図書館、海老名市立図書館等の視察を重ね、その底流には、図書館とはイコールまちづくりであり、その町に住みたくなる空間を創出するとの明確なビジョンがあることを学びました。しかし、今回、区が示した第二次世田谷区立図書館ビジョン第二期行動計画素案は、私どもの期待と大きくかけ離れており、受け入れがたい内容であります。特に重点プロジェクトに示された中央図書館及び地域図書館の民間活力は、ニーズに応じた多様な運営体制はいまだ検討の段階にあります。  さらに、中央図書館において多文化体験コーナー等の整備、活用が今回唐突に発表されましたが、我が党は、中央図書館を含めた現教育センターのあり方を、発想から民間の知恵とノウハウに委ねるべきことを主張しており、なぜ新しい魅力ある公共空間とサービスの提供より、行政の既得権益を優先するのか全く理解できません。  改めて申し上げますが、民間活力を導入した新たな中央図書館の検討に入り、平成三十四年度の開設を目指すべきであります。加えて地域図書館の民間活力についても、世田谷、経堂に続く新たな館についての道筋も明確にすべきと考えます。あわせて教育長の強い決断を伺います。  次に、建築リノベーション条例について伺います。  総務省の二〇一三年住宅土地統計調査と国立社会保障・人口問題研究所による二〇一四年四月推計の日本の世帯数の将来によると、二〇一三年時点での総住宅数六千六十三万戸に対して、空き家率一三・五%、八百十九万戸の割合ですが、二〇三五年時点では、総世帯数は四千九百五十六万世帯と今後は減少に向かう反面、空き家、空き建物が一気にふえると予測されています。  世田谷区における平成二十八年度土地利用現況調査報告書によると、入居者募集をしていない空き家は全体で七百八十三棟、そのほかに区の把握している空き家を足すと約一千棟の空き家が既に確認されています。そうした空き家には、老朽化が進み、除却せざるを得ないものもある一方で、大きくて部屋数の多い立派な家も相当数含まれていると推測されます。  そこで、今こそ次世代を見据え、既存の建築物を公益的な施設へと再生し、生かすための諸制度の改革が必要だと考えます。しかし、大きなネックとなるのが、建物の成立を根拠づける法律や建築行為を行うための基本となる建築基準法等が新築を前提にしている点であると明治大学の園田眞理子教授は指摘しています。特に成立の根拠法、例えば老人福祉法、児童福祉法や消防法、バリアフリー法等が個別の規制をし、相互の関係性が希薄なこと、さらに全国一律の画一的な規制になっていることが、既存建築物の持続や再生を図ることを拒んでいるのではとも問題提起されています。今こそリノベーションによる長寿命化や省エネ化を進め、公益目的の活用へ既存建築物の流通促進を図るべきと考えます。区独自の建築リノベーション条例について、区の見解を伺います。  次に、危機管理における事業継続計画、BCPについて伺います。  政府の首都直下地震の被害想定を受けて、世田谷区は地域防災計画が修正され、より実効性のある災害時の業務継続計画を本年度中に更新すると聞いています。また、今回は地域防災計画が見直されたことを受けての更新ですが、本来は、人事に異動があればその都度見直しされるべきもので、見直し後はその配置に応じた訓練がされなければ、絵に描いた餅になってしまいます。  そこで三点質問いたします。  初めに、今回の見直しは、被害想定をどのような視点で策定するのか区の見解を伺います。  二点目に、今後の見直しと訓練については、人事異動に応じて実施し、常に最新の情報にすべきと考えます。また、訓練においては幾つか具体的なマイナス要素を加味した上で実施すべきです。例えば火災の多発、延焼と道路交通への支障により、職員においては区外からの参集は困難を前提とし、区内在住職員のみの参集で行う、また火災による停電の発生により、庁舎の防災機能が十分に起動しないなどの状況を想定した訓練にすべきと考えますが、区の見解を伺います。  三点目に、我が党が再三要望している災害を経験した退職自衛官を危機管理監として常勤職採用し、現実に起こり得る事態を想定した対策を充実すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、まちなか観光交流協会と国際交流のマッチングについて伺います。  東京二〇二〇大会開催に当たっては、馬事公苑が馬術競技の正式会場となり、アメリカ選手団の事前キャンプ場、さらにはホストタウンと、今後三年間、いやが応でも観光、さらには国際交流に光が注がれます。その意味においては、今こそ観光と国際交流との融合をどう図っていこうとするのか、世田谷区が名実ともに国際都市として世界に羽ばたいていくためにも、両者の統合は必然でもありましょう。  その先例として、公益財団法人仙台観光国際協会が挙げられます。ここでは仙台、宮城県の有する文化的、社会的、経済的特性等を生かし、国内外からの観光客やコンベンションの誘致、事業を行うとともに、国際交流活動等の推進を図り、交流人口の拡大及び地域経済の活性化と多文化共生社会の形成による活力ある都市づくりに寄与することを目的として、平成二十七年四月に仙台観光コンベンション協会と仙台国際交流協会が統合したものです。単に比較をすることは難しいかもしれませんが、二十三区にあって、当区が、東京における先進都市としての機能を十分に持てる素地を持った都市であることは論をまたないでありましょう。  現に区内には二十を超える国際交流を進める団体があります。そうした団体とも有機的に連携し、東京二〇二〇大会に向けて国内外からの多くの観光客、さらには国際交流で来られる方々に世田谷をどうアピールしていくのか、国際交流の推進とその頭脳としての国際観光協会の創設を急ぐべきであります。見解を求めます。  次に、都市農業のさらなる振興策について伺います。  二〇一五年に都市農業振興基本法の制定を機に、翌一六年には基本計画が策定、そして、ことしに入ってからは市街化区域内の都市農地保全につながる生産緑地制度の改善を提唱、さきの通常国会で生産緑地の面積要件を五百平方メートルから三百平方メートルまでに引き下げるなどの法改正を実現させ、我が区でも今定例会に上程の運びとなっております。  その上で、我が党は高齢化や後継者不足などで営農継続が厳しくなる都市農家の増加に備え、意欲と能力のある担い手に都市農地の貸借を促す新たな法制度を提唱し、生産緑地を貸し付けても相続税納税猶予が継続されるよう、現行制度を見直し、二〇一八年度の与党税制改正大綱に新制度創設を盛り込むよう進めております。  このように都市農業の振興に向けて当区においても、都市農業をいかに守っていくのか、否、守りから攻めへの振興策を積極的に進めていくべきときと考えます。  その第一として、我が党が従前より求めております道の駅構想であります。先日、我が党は、柏の農産物直売所「かしわで」及び併設の農家レストラン「さんち家」を視察し、運営母体の代表をされている染谷茂さんから大変参考になるお話を聞くことができました。染谷代表は、「かしわで」を起こした動機として、輸入農産物から農業を守り、都市農業の一つの方向を探る上で、安全安心、安い、豊富、楽しいを消費者の利益として掲げ、平成十六年五月に開設をされました。当日、直売所は大変多くの人でにぎわっており、取扱品目は百二十品目、生産者数は既に二百三十名まで拡充しています。さらに、おいしい野菜をすぐに味わってもらえるよう、地元農家の主婦がシェフを務める野菜だけのこだわりのレストラン「さんち家」を隣接に立ち上げるまでになったのです。  そこで二点伺います。  一点目に、九十万人口を抱える大都市世田谷で共生できる農業を目指す、さらには世田谷ブランドを全国に知らしめていくためにも、例えば高速インター出入り口沿いに直売所、レストランを道の駅的拠点として整備することは、地産地消の事業展開を図り、都市農業振興の新しい形を示すことになるのではと考えます。区長の英断を求めます。  二点目に、学校農園、学童農園など、子どもたちが農業体験できる機会の拡充についてであります。何より子どもたちが農作業を体験し、農産物の収穫を通して、農業に従事されている方々の営々とした努力、私たち人間が自然からの恩恵をいかに受けているかをこの身、この肌で実感できる、学ぶことは得がたい経験であり、食育にも通ずるものであります。現在、区内の保育園、幼稚園、小学校の園児、児童を対象として、教育目的型農園として整備がどれだけ進められているのでしょうか。今後の展開について具体的な計画をお示しください。  次に、食品ロス削減のための取り組みについて伺います。  農林水産省の報告によると、我が国の年間食料廃棄量は食料消費全体の三割に当たり、このうち、売れ残りや消費期限を超えたもの、食べ残しなどの食品ロスは約六百二十一万トンに達しており、これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた各国からの食料援助量である年間三百二十トンを大きく上回る数字になります。  我が党は、持続可能な社会の構築には食品ロス削減を最重要課題として、食品ロス削減推進プロジェクトチームを立ち上げ、食品ロスの削減を推進するため、国、都、各自治体が連携し、取り組みを進めています。先般、会派では、もったいないをキーワードに、ごみ減量化施策と食品ロス削減事業を先駆的に取り組んでいる松本へ視察に伺い、実態を拝見しました。保育園、幼稚園、小中学校において、資源の大切さを忘れない心を育むために、参加型の環境教育や食品ロス削減啓発用紙芝居プロジェクトの実施、の職員による出前型環境教育の推進によって、五割を超える園児が残さず食べられるようになっていました。食品ロス削減は食料生産に伴う大量の水を節約することにもつながり、水資源問題への大きなアクションともなります。  ここで二点質問いたします。  一点目に、世田谷区においても小中学校の教育現場で食品ロス削減等の環境教育に関する意識啓発、意識醸成を深める取り組みを積極的に進めるべきと考えます。見解を伺います。  二点目に、現在、区内ではフードドライブの回収場所は、リサイクル千歳台とエコプラザ用賀の二カ所で試行的に行っておりますが、今後、環境教育をさらに推進していく上からも、フードドライブの回収場所を各総合支所に一カ所は整備すべきと考えますが、見解をお聞きいたします。  最後に、世田谷区たばこルールについて伺います。  世田谷区では、屋外の公共の場所等での環境美化及び迷惑防止を促進し、区民にとって健康で安全かつ良好な環境を実現するために、区内全域の道路、公園上を全面禁煙とする(仮称)世田谷区たばこルール素案が示されました。一方で、今後、要件を満たす民間の喫煙場所を指定していくとのことですが、これまで区による公共的な喫煙場所の整備は整っていないのが現状です。官民ともに喫煙場所整備の見通しがつかないまま、早急な条例制定をすることにより、喫煙する人としない人とのトラブルが生じることが懸念されます。  ここで質問いたします。世田谷区は分煙の考え方を明確にした上で、区及び民間による指定喫煙場所の整備目標を明確にし、その計画に従い整備を進めていくべきと考えますが、区の見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 佐藤議員にお答えをいたします。  まず、百万都市世田谷という中で、三層構造の改革についてであります。  地域行政制度を開始したのが、四半世紀前の平成三年、このときの人口は七十七万人でありましたが、現在、三割、三〇%の住民がふえて九十万人となっております。およそ十年後の人口推計で百万人という推計が出ておりまして、御指摘のように、家族の形や地域の姿、世田谷の町、生活基盤自体が大きく変化をしてくると、現在、その変化の最中だと考えております。こうした中で行政需要が拡大をする。これを的確に把握して行政サービスを提供するとともに、区民参加を、また協働を進めていくために、これまで取り組んできた地域行政を一層充実させ、さらに次の段階に展開するというような指摘だと認識をしております。  喫緊の課題に対しては、平成三十二年四月以降、早期の開設を目指しております児童相談所の移管に伴って、子ども家庭支援センターのあり方の検討や平成三十二年度にスタートを予定しております地区コミュニティーの充実に向けた新たなまちづくり機能の見直しなど、今取り組んでいるところであります。  昨年からの福祉の相談窓口の全地区展開、世田谷版ネウボラのスタートに伴って、二十七地区、総合支所、そして本庁の福祉部門の新たな役割分担が大きな課題となっております。このため、区民の立場に立って地域行政を推進する観点から、平成三十二年をめどに、ここへ向けて新たな時代にふさわしい三層構造のあり方、その改革について検討を進めてまいります。  二つ目に、都区制度からの脱却ということで、決意のほどはという御質問をいただきました。  現在の都区制度については、都、区双方の見解の相違により、改正地方自治法の原則に沿った役割分担の明確化、安定的な財源配分の確立という根本的な問題が残ったまま議論が中断をしている状態です。さきに触れたように、区人口が九十万人に到達する今目前ということですが、都区制度が始まった昭和二十二年の区の人口は三十五万人、時代が変わって、社会の基盤、人の暮らしが変わったにもかかわらず、都区制度だけは永遠不動ということはあり得ない、それは違うというふうに思います。  私は、特別区が権限や財源に必要以上の制約を受けていることについて、たびたび他の自治体、とりわけ人口が我が世田谷区に近い政令市の首長さんなどとお話しするたびに、非常に違和感を覚えているところであります。自治権拡充の観点から、都区制度改革の議論の底上げを図る必要があるというふうに認識しております。  平成十八年から始まった都区のあり方検討委員会において、都区の事務配分に関する検討対象項目、四百四十四ありましたが、区に移管する方向で検討する事務項目五十三の中に、現在議論されている児相の移管、設置が含まれておりました。とりわけ都内で起こった、他区でありますが、不幸な事件によりまして、児童相談所移管だけは急ぐ必要がある、これは特出しでやっていこうと。ところが、議論が、その後、震災が起きたり等々ありまして、ずっと停滞をして進展がない状態にございました。ようやく法改正によって、都と区の具体的な協議の場の一歩を現在踏み出したところであります。  御指摘のように、都区制度の制約を取り払う自治体の独立性の確保については、まず区民に知っていただくということが必要かと思っております。児相移管は当然でありますけれども、お知らせするという取り組みを伝えていくことは当然でありますが、課税自主権の大幅な制約を受けていること、用途地域の決定権限等も区にないことなど、現在の自治体として不当に制約された九十万都市の自治の現状を区民にしっかりわかりやすく、こういう課題があるということを伝えていくことから始めていきたいと思います。  私は、九十万人を抱える自治体の長として、新たな自治の形を目指し、御指摘の専門組織も視野に入れながら、区長会等での議論もしっかり行いながら、都と区の改革について、その先頭に立ちたいというふうに考えております。  次に、危機管理におけるBCPの点で、退職自衛官についてのお尋ねがありました。  近年、各地で相次ぐ地震や強力な台風、局地的豪雨による風水害など、自然災害が多発しており、現実に起こり得る事態を想定し、一層の自治体の防災体制の強化を図る必要があると認識しております。そのため、この四月から消防庁より推薦をいただいた人材を非常勤の危機管理専門員として危機管理室に配置、さまざまな事案に対して具体的な助言、指導をいただき、防災体制の確立、強化を行っているところです。  さきの定例会で答弁いたしましたように、さらに災害対策対応を進めるために、御指摘の点につきまして、非常勤の職としての検討を進めており、対象となる適任者の推薦を当方より依頼をしているところでございます。  次に、都市農業の世田谷区ならではの展開を図れという御質問でございます。  都市農地の役割として、環境、防災、また食育など、大変多面的な機能を有し、区民にとって世田谷の魅力を底支えするかけがえのない存在だと考えております。都市農地のこのすばらしい役割を、まだ農地を抱えている都内の各自治体とともに国に対する要望を続けてきました。  昨年、都市農業振興基本計画が示され、都市農地の概念が大きく変わりました。都市化すべきものという対象から都市にあるべきものというふうに方針が変わり、緑として保全し、営農を継続できる環境維持を行っていくものとされたということであります。  今回の生産緑地法の改正は、農地保全策をより具体化したもので、農作物の直売所、レストラン等の生産緑地内設置や生産緑地の貸し付けも可能としています。実際には税制面などに課題があり、国の税制改革の状況を、世田谷区も農家あるいは農地の価値を非常に評価する住民の皆さんとともに、積極的に発言し、実効性のある制度要求をしてまいりたいと思います。  今後の世田谷の魅力の発信材料として、農のある風景や「せたがやそだち」が大変有効であり、まちなか観光を進める視点からも都市農業をシンボル化したような、新たな事業形態について、これまでの農業政策の枠を超えて検討を進めてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、運営形態、事業形態による改革についてでございます。  区では、これまで各事業の運営形態につきまして、質の確保に留意しながら、委託化や指定管理者制度の導入、民営化に取り組み、サービスの向上やコスト削減に取り組んでまいりました。今般、御提起いただきました保育園では、区立保育園民営化ガイドラインによります質の充実確保を図りながら五園の民営化を実施、また図書館では、第二次世田谷区立図書館ビジョンに基づきまして、世田谷図書館の一部委託化、経堂図書館の指定管理者制度導入、図書館カウンター二子玉川、三軒茶屋の委託化を実施したところでございます。また、スカイキャロット展望ロビーの指定管理者制度導入に当たりましては、一部内部仕様変更の提案を受けまして、改修を事業者にお任せするといった包括的な取り組みも行ったところでございます。  運営形態、事業形態の改革を断行という御提案に対しましては、事業の目的や役割を踏まえつつ、民間が持つノウハウや知見といった強みを生かした事業形態への転換によりまして、区民サービスの向上を図ることが重要であると認識しております。限られた財源、増大する行政需要、人材確保を背景に、行政の役割を的確に捉えた上で、既定の固定概念に縛られることなく、官民の境界を見直していくことが肝要であり、このような視点に立ちまして、新実施計画(後期)に明記いたしまして、運営形態、事業形態の改革を進めてまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、建築リノベーション条例について御答弁いたします。  第三次住宅整備後期方針では、重点的に取り組むプロジェクトの一つとして住宅資産活用プロジェクトを掲げており、空き室や空き家等、既存の住宅資産の有効活用による住まい、まちづくりは、区といたしましても大変重要な施策と認識しております。  区では、平成二十五年度より、空き家等地域貢献活用事業を実施してきておりますが、御指摘のように用途地域での制約や用途変更に伴う建築基準法、その他関連法令等の適合が求められ、戸建て住宅からの用途変更等の場合、耐震、防火、避難規定、バリアフリー化などの対応が必要になるため、初期整備のコスト面が課題となり、事業が不成立となる事例もあるのが現状でございます。ちなみに現行の事業におきましては、平成二十八年度より関連法令の専門性を考慮し、建物の現況確認、改修費用に関すること、活用用途に合わせた法令上の整理等について、建築士等の専門家からのアドバイスを行う専門家支援事業を実施しております。  議員の問題提起につきましては、例えば住宅施策における空家等を居住支援として活用するとした国土交通省のいう新たな住宅セーフティーネット制度においても、今後、運用において大きな課題になると考えます。区といたしましては、このことについて、国、都の動き、また他自治体の状況を注視しながら、住宅委員会や(仮称)世田谷区空家等対策計画の策定に向けた空き家の利活用に関する議論を踏まえ、対応策について検討してまいります。  次に、世田谷区たばこルールについて御答弁申し上げます。  たばこへの関心の高まりを背景に、屋内の受動喫煙防止に関する東京都等の取り組みと連携しまして、屋外での健康で安全な環境の実現が求められる中、区はたばこを吸わない人も吸う人も互いに理解を深め、地域のたばこマナーが向上する町の実現を目指して、(仮称)世田谷区たばこルールの検討を進めております。区は、御指摘のありました分煙を進める観点から、区内全域の道路、公園を全面禁煙とし、一方で、道路、公園などに喫煙場所を整備していきたいと考えております。喫煙場所の具体的整備内容や手法について、今後、整備指針を取りまとめるとともに、他区の事例も参考に、民間による喫煙場所の整備に対する助成制度の導入も視野に検討を進めてまいります。  御指摘を踏まえ、喫煙場所について、平成三十年四月から区の整備を加速するとともに、民間整備の促進策をスタートできるよう、たばこマナーが向上するまちづくりの実現の一環として、後期新実施計画に位置づけるべく検討を進めてまいります。(仮称)世田谷区たばこルールを踏まえた条例案につきましては、来年の第一回区議会定例会に提案させていただき、半年程度の周知期間を設けた上で、来年秋の施行を目指し、準備を進めてまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕
    ◎堀 教育長 図書館運営の民間活力について、教育長の決意をという御質問をいただきました。  図書館運営については、第二次世田谷区立図書館ビジョンに基づき、知と学びと文化の情報拠点の基本理念のもと、子どもの読書活動の推進や大人の豊かな学び、地域文化の発信等を目指した魅力ある図書館づくりに取り組んでおります。  御質問の中央図書館は、図書館ネットワークの中枢であり、そのため、基本構想策定委員会を設け、機能拡充の方向性を示してまいりました。その中では、高度な専門書をそろえた蔵書構成、充実したレファレンスや事業者のマネジメントに対応できる専門性の確保、にぎわいの場や居場所の提供など、中央図書館にふさわしいさまざまな機能を提供していく考えでおります。  お話しの多文化体験コーナーは、新しい学習指導要領に向けたリニューアルですが、民間の力を活用しながら、多様な文化に触れ、交流することができる場として整備していく考えです。中央図書館全体の機能拡充は、平成三十四年度になりますが、お話にありましたように、設計の段階から民間事業者を活用した整備を検討しております。また、御提案のあった民間事業者を設計の段階から活用するという手法は、まずは梅丘図書館の基本設計の段階からモデル的に検討していきたいと考えております。  本年四月から指定管理者制度を導入した経堂図書館は、十月には指定管理者からの提案を取り入れたリニューアルを予定しております。平成三十年度から四年間の地域図書館の民間活力導入の検討に入りますが、指定管理者制度や業務委託等のさまざまな手法やボランティア等の区民参画による事業運営の手法などを織りまぜるなど、立地条件や地域特性、施設環境等を考慮して計画的に進めてまいります。  知と学びと文化の情報拠点として、世田谷という町にふさわしい魅力ある図書館の実現に向け、図書館ビジョン第二期行動計画に掲げた中央図書館を拠点として、多くの本に出会う世田谷を目指して進めてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、三軒茶屋の公共施設整備について二点御答弁申し上げます。  最初に、可否の判断基準をどう考えているかということでございます。  三軒茶屋公共施設整備は、当面二十年間の中期的な期間を視野に、既存施設の集約化による相乗効果の創出、施設機能の確保、向上、利便性の向上などを図るため、整備を検討しております。具体的には、太子堂出張所の狭隘対策や駅周辺施設で抱えている老朽化、バリアフリーへの対応、また、点在している就労支援施設を集約することで、就労困難者への相談支援から職業紹介までのワンストップサービスが可能な施設整備を目指し、検討しているところでございます。  整備の可否判断につきましては、今年度中にお示しすることとしておりますが、判断基準といたしましては、区の求める機能が物理的に確保できるか、また、現在の賃料と借りかえに伴う賃借料の増加に対し、バリアフリーを初めとする施設機能の向上や就労支援などの機能集約に伴う区民サービスの向上が、費用対効果として十分であるかが重要な判断ポイントと考えております。  現在、施設概要や規模、コストなどの算定について、NTTを交えて検討しておりますので、十一月にはコストや費用対効果を含めた三軒茶屋における公共施設整備の内容をお示ししたいと考えてございます。  次に、事業集約のメリットについてでございます。  三軒茶屋駅周辺の公共施設の集約に当たりましては、御指摘のとおり、重複した事業の整理、経費抑制、相乗効果の創出が重要と考えております。整備のメリットといたしましては、第一に、各施設が有する会議室や相談室を共有し、施設を有効活用することで面積の縮減を図ること、第二に、就労支援施設を集約し、各施設を横串に連携させる会議体の設置、各施設がこれまで蓄積してきた求人情報を共有化することによる就労マッチング件数の増加を図ることなどがあります。整備に当たりましては、重複した事業の整理や経費の抑制などを念頭に、引き続き、就労支援事業などの円滑で確実な実施に向け、事業スキームについて検討し、議会へ報告してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎志賀 教育次長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず一点目、就学前の二年間を義務教育予備期間と捉え、幼児教育無償化への検討に着手すべきという点にお答えいたします。  外国では、忍耐力、自尊心といった非認知的能力の育ちが将来の生活に大きな影響を与えるという研究結果もあり、乳幼児期に生きる力の基礎を育むことは重要だと認識しております。区では、乳幼児期に大切にする子どもの育ちや育む力を明確にし、保護者や幼稚園、保育所、小学校、地域などが連携して教育、保育に取り組むことを目指す世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンを策定したところです。また、平成三十三年に開設予定の教育総合センター乳幼児教育支援センターを設置し、乳幼児期の教育、保育の拠点施設として、区立と私立で幼稚園と保育所等の枠組みを超えて、教育、保育の質の向上に取り組んでいけるよう機能の検討を進めてまいります。  御提案の幼児教育の無償化につきましては、日本は、教育機関への公的支出のGDPに占める割合が加盟国中最下位とのOECDの調査結果もある中で、国においても無償化の議論が始まったと聞いております。就学前の一定期間を誰もがひとしく教育を受けられるように環境を整えることは幼児教育を推進する上で大変効果的であるとの観点から、区単独での財源確保に課題もございますが、国の検討状況や社会の動向などを見据えながら、調査研究を進めてまいりたいと考えてございます。  次に、学校給食無償化への検討でございます。  学校給食に要する経費負担につきましては、学校給食法等の規定に基づき、食材費は保護者の方に負担していただいており、それ以外の施設に関する経費や人件費等については公費で負担しております。しかしながら、少子化や過疎化を背景に、子育て世代の流出を防ぐことなどを目的に、給食費の無償化を図る動きが、主に小規模な自治体で徐々に広がりつつあることについては認識しております。  世田谷区において、全児童生徒の保護者が負担している給食の食材費は全体として約二十五億円となっており、それに加え、毎年、児童生徒数が増加している現状にあって、給食費の無償化を図る場合には、安定的に財源をどう確保していくかなどの課題があるものと考えてございます。  学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上で大変重要な役割を持っております。国においても学校給食無償化に関する全国的な調査分析を行うとも聞いておりますので、引き続き、他自治体の取り組みや国の調査の動向を注視し、必要な調査検討は進めてまいりたいと存じます。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、二点に、まずがん相談機能の強化へ、医療法人との連携をとの御質問にお答えいたします。  国の指針では、がん診療連携拠点病院に地域住民や医療機関等の相談に応じられる相談支援センターを設置することがうたわれております。一方、区内にがん診療拠点病院はなく、区民の身近な場所でがん患者と御家族が相談できる機会を提供するために、平成二十六年度から区立保健センターにおいてがん相談事業を開始いたしました。  当該相談におきましては、訪問看護に携わる看護師や専門研修を受講したがん罹患体験者等の経験豊かな相談員をそろえ、がんに罹患した区民や御家族に寄り添い、福祉サービスから就労関係まで、多岐にわたる相談にきめ細かく応えております。また、同事業を請け負う公益財団法人世田谷区保健センターでは、聖路加国際病院など、区外のがん拠点病院等よりソーシャルワーカー等を講師に招き、職員向けの専門研修を毎年複数回開催するほか、所属する看護師一名が国立がん研究センター認定がん専門相談員の認定を受けるなど、がん相談に関するスキルの向上に努めているとも聞いております。  一方、がんに罹患した区民は、区外の拠点病院や専門医療機関等で治療を受けることも多いと考えられ、それら医療機関等と連携を図り、支援が必要な区民をがん相談窓口へつなぐことが喫緊の課題と認識しております。  御提案の医療法人と連携した専門相談員の人材確保や相談機会の拡充につきましては、梅ヶ丘拠点に移設する新たな保健センターの機能の拡充を踏まえ、その効果や有用性を検証させていただきたいと存じます。  次に、区独自の健康ポータルサイト構築への考えはとの御質問にお答えいたします。  本年、第一回定例会で御質疑にありました区における母子健康情報の電子化につきましては、関係所管等との連携のもとに、その必要性や有用性について議論を重ね、その結果、お話しのとおり、平成三十年度から三十三年度を期間とする次期情報化事業計画の情報化計画事業として、世田谷版ネウボラを支える情報システムの構築を位置づけました。今年度は母子保健に携わる関係所管と連携を図り、システムの適用範囲や導入に向けた課題整理等の準備を行っております。また、システムの開発に備え、予算確保や体制整備等の調整をしております。  一方、妊娠期から切れ目のない支援の情報を効率的に活用し、管理するためには、今回の母子健康情報の基盤整備にとどまることなく、効果的に母子保健と子育て支援の情報連携が図れる仕組みづくりが不可欠でございます。同計画では、平成三十二年四月以降、早期の開設を目指す児童相談所の設置も見据え、児童相談所移管に向けた情報システムの構築も情報化計画事業に位置づけられております。次の段階では、これら関連システムとの情報連携のあり方等につきましても検討をしてまいります。  将来的には、御提案の区民の健康情報を一元管理できるシステムの構築を目指してまいりたいと存じます。まずは、課題であった母子健康情報の基盤整備から取り組んでまいります。  以上です。 ◎本橋 地域行政部長 私からは、マイナンバーカードの普及啓発につきまして、カードを活用したポイント制度の一元化等について御答弁をいたします。  マイナンバーカードは、制度導入以来、行政関係の手続の簡素化、迅速化、効率化に加え、お話にございましたマイナンバーカードを活用したさまざまな取り組みにつきましても、区民にとって利便性が高く、区民生活の向上に役立つものと認識しております。  今月二十五日から、国の実証事業であるマイキープラットフォームが実施されますが、これは、例えば民間の各種ポイントやマイレージから交換して自治体が発行するポイントと合算し、商店街での買い物に利用するといった取り組みや図書館の貸し出しカードとしてマイナンバーカードを利用するなど、全国十数カ所の区市町村で実験的に取り組まれると聞いております。  区の現況といたしましては、マイナンバーカード交付枚数が、平成二十九年八月三十一日現在、約十万二千枚で、人口の約一一%まで増加してきておりますが、区民の利便性の向上のためには、普及促進が課題と考えております。  今後、国の実証事業における効果や課題等を検証し、世田谷区ならではの効果的な自治体ポイント事業の促進や統一化に向け、関係所管による検討会で具体的な研究を重ね、マイナンバーカードの普及、利活用の推進に努めてまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、業務継続計画、BCPについて二点御答弁申し上げます。  初めに、今回の見直しにおける被害想定をどう考えているかについてでございます。  業務継続計画は、行政が被災し、利用できる資源が限られている状況下においても適切に業務を執行するため、優先すべき業務を特定し、必要な資源の準備や対応方針等を定めることを目的とした計画でございます。  被害想定につきましては、東京都地域防災計画との整合を図るため、東京都防災会議が平成二十四年四月に発表した首都直下地震等による東京の被害想定を採用しており、この中でも相対的に区への影響が最も大きい東京湾北部を震源とする直下地震を被害想定の前提として位置づけております。  この想定では、区内の約七割が震度六強とされ、耐震化をしているものの、本庁舎の機能が一部使用できないような場合や、就業時間外の発災により職員の参集も十分でないような事態も想定する必要があると考えております。そのため、今回の計画修正においては、第一・第二庁舎が継続使用できない場合の代替施設について具体案を作成するとともに、職員の参集推計の見直し、情報システムや通信等の業務遂行に必要な資源の確保など、より実効性の高い計画となるよう、修正に取り組んでまいります。  次に、人事異動の際、またマイナス要素を設定した訓練にすべきとの御質問でございます。  区では、発災時の対応力の向上を図るため、防災週間である毎年八月末に災害対策本部運営訓練を実施しております。今年度は、八月三十日に実施し、本部運営訓練とあわせて地震発生時の初動行動訓練や、災対各部単位によりますマニュアルに基づく初動業務の確認、検証等を行ったところです。また、職員の非常配備体制については、毎年度、人事異動の反映を行い、災対地域本部や拠点隊の人員を厚くしたり、区民が主体的に行うまちづくり活動を支援する地区まちづくり職員制度と拠点隊への配備との整合を図るなど、災害時の職員配置について、適宜見直しに努めているところでございます。  議員お話しのように、職員参集が整わない時間経過での指揮命令系統や緊急性の高い仕事への配置につきましては、緊急指令システム、ICSの考え方をマニュアルに盛り込んでおります。こうしたことを含めて、発災時におけるさまざまな状況を想定した訓練の実施は、今後のBCPや職員行動マニュアルの修正を踏まえて、新たな課題や対策の必要性を発見する上で、また訓練後のマニュアル等の見直しにとっても非常に有効であると考えております。そのため、BCPや職員行動マニュアル等をより実効性のあるものとし、区の災害対応力の向上を図るため、今後もより実践的な想定に基づく訓練を実施するよう努めてまいります。  以上です。 ◎田中 生活文化部長 私からは、今後の国際交流の推進について御答弁いたします。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、国際化と観光は今後、総合的に取り組むべき大きな課題であると認識しております。特に国際交流の手法としては、これまでの姉妹都市交流を柱とする国際交流に加え、今後は、文化やスポーツなどの交流や地域の中の多様な交流を総合的に展開していくべきものと考えております。  このような多様な国際交流を継続的、発展的に推進するため、まずは区民や各団体の多岐にわたるさまざまな国際交流の情報を共有し、交流活動をサポートする効果的な体制のあり方について、庁内関係所管とともに検討を進める必要があると考えております。さらに、一万九千人を超える区内在住外国人や留学生の皆さんに地域づくりに参加していただくとともに、国際交流の担い手になっていただけるよう、多文化共生に向けた取り組みも進め、あわせて観光事業との連携の強化により、世田谷の魅力を国内外に向けてアピールできるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎久末 産業政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず、国際観光協会の創設についてでございます。  世田谷区における観光事業は、スカイツリーや浅草といったいわゆる観光地をメーンに誘客を行うものではなく、世田谷区内外から訪れる観光客に世田谷区の誇りとも言える自然や町並み、歴史、文化を体験していただき、区民との交流もできるまちなか観光を目指しております。このことは、観光庁が実施した平成二十八年の訪日外国人消費動向調査においても、外国人観光客の観光目的が買い物から異文化が体験できる自然や歴史文化等の体験に変化してきていることからも、方向性については確認をしてきたところです。  こうした中、世田谷まちなか観光交流協会では、民間事業者から地域活動に取り組む団体まで、区内観光にさまざまな強みを持った六十一団体が相互に連携して、観光客と区民をつなぐ観光イベントや町歩きツアーの実施など、交流と体験を生み出すまちなか観光に向けた取り組みを進めているところです。  御指摘のインバウンドを視野に入れた効果的、戦略的な観光事業の展開につきましては、まだ実績も少なく、結果も十分ではございませんが、区といたしましては、今後もまちなか観光交流協会をプラットフォームとし、国際交流団体とも連携することにより、さらなる誘客に努め、世田谷をアピールすることができる観光事業を目指してまいります。  次に、都市農業のさらなる振興策、子どもたちが農業体験できる機会の現状と今後の展開について御答弁申し上げます。  区では、子どもたちが自然に親しむ機会が少なくなっている現在、区内の保育園や小中学校等の教育、または福祉を目的とする団体を対象とした学童ふれあい農園を区民農園として一園開設し、土に親しみ、つくる喜びを体験することで、農業に対する理解を深め、日々の生活に潤いをもたらすとともに、良好な生活環境の保全を図っているところです。  現在、区内二カ所の農業公園におきましては、子どもの食育や環境教育等を目的とした活動プログラム等の実施できる場を提供しております。この農業公園を利用して、地域農家の協力を得て、保育園や幼稚園の子どもたちは、種まきから収穫まで一連の農作業を体験することにより、生命のとうとさや自然への畏敬など、重要な体験をしております。また、この農業公園は、現在五カ所を都市計画決定しており、教育、福祉を目的とした整備も計画しているところです。  区といたしましては、引き続き、区内農家や関係団体の協力を得て、子どもたちが農作業を体験できる場の確保に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、食品ロス削減のための取り組みということで、教育現場での意識醸成や啓発の取り組みを強化せよとの御質問について答弁をさせていただきます。  食品ロスは、食料自給率の低い日本においては、大変大きな課題であると認識しております。これは子どもたちにとっても身近な食べ物に関する問題であり、削減に向けた取り組みや環境とのかかわりを意識して生活を見直し、限りある資源を有効に利用しようとする態度を育む上で重要なことであると考えております。  教育委員会では、子どもたちへの指導を充実するために、ESD教育の一環として食品ロスをテーマに取り上げ、世界の食糧の現状やリデュース、リサイクルの仕組みや方法などについて実践的に学ぶ教員研修を実施いたしました。また、各学校では、学校給食のみならず、さまざまな教科などで食品ロスにかかわる学習を行っております。  例えば小学校五年生の社会科では、食料の安定的な確保について生産者と消費者の関係を調べる中で、多くの食べ物が捨てられていることに気づかせる学習を行っています。中学校三年生の家庭科では、ごみの出ない調理の仕方を学ぶ中で、食料資源などを有効活用するための暮らし方の工夫を体験的に学ぶ活動を行っております。こうした取り組みを通じて、子どもたちのもったいないという意識や食べ物を残さない、物を大切に扱うなどの態度を育成しております。  教育委員会といたしましては、今後とも教員研修を継続しまして、食品ロス削減に関するすぐれた取り組みを周知するなどしまして、教員間の情報共有も図りまして、世田谷区の子どもたちの意識醸成を図る、そういった教育を充実してまいります。  以上です。 ◎原田 清掃・リサイクル部長 私からは、フードドライブの回収場所について御答弁申し上げます。  平成二十八年度に実施した家庭ごみ組成分析調査によると、未使用食品の可燃ごみにおける割合は二・七%で、区全体での廃棄量は約四千五百トンと推計しており、食品ロスの対策はごみ減量において重要な課題であると認識しております。  食品ロス削減の取り組みの一つに、お話しのフードドライブがございます。区では、区民まつりなどのイベント開催時やごみ減量の講習会開催時にフードドライブを実施しているほか、本年四月からエコプラザ用賀とリサイクル千歳台の二カ所で常設のフードドライブの受け付けを開始したところでございます。また、各清掃事務所が保育園や小学校で実施している環境学習の中で、実際に捨てられた手つかずの食品の写真を掲載した子ども向けのパンフレットを活用し、食品の無駄をなくすよう教えております。  さらに、昨年度より区内の大学と協働して、エコなお買い物体験を小学四年生を対象に実施し、容器包装の少ない商品や環境に優しい商品の選び方に加え、必要な分だけ食材を買う、賞味期限と消費期限の違いを正しく理解するなどの食品ロス削減につながる消費行動は何かを実際に店舗でお買い物をしながら学んでいます。  御提案いただきました各総合支所にフードドライブの窓口を設置することに関しましては、今後、エコプラザ用賀とリサイクル千歳台の回収量の推移を見ながら、設置可能な施設を候補として掲げ、検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十九番(佐藤弘人 議員) 幾つか再質問します。  まず、三層構造ですが、都区制度の脱却も含めて区長の思いはよくわかりましたが、大事なことは、児童相談所の移管、設置、開設が平成三十二年四月を目途ですので、この絶好の契機をやはり見直しとあわせて、なおかつ、世田谷区の独立の将来像に合わせた三層構造の見直しにしていかなくてはいけない、こう考えていますが、その点も踏まえての意思があるのかどうかということを確認したいと思います。  二つ目は、マイナンバーの活用で、どうして国の実証実験が行われるのに、世田谷区は手を挙げないのかということです。こんなに効果を検証して、さらに世田谷区の特性に合っているのか否かということが国の事業でできるのに、第三者的に豊島区がやりますみたいな、そんな答弁をしていたらだめだということです。前にも言いましたけれども、国家戦略特区でも後から手を挙げる。今回もなぜ手を挙げないのか明確にお答えください。  それから三点目は、図書館。これも答弁では、民間のノウハウに照らすと言っていましたけれども、経堂と世田谷以外の十四館について、自分たちの図書館、これがいい、あれがいいとやるんではなくて、民間の活力、ノウハウに合っているのかどうかということを民間に判断してもらってくださいということなんです。それができるのか否かです。  大和市立図書館が、今、昨年十一月に開館をして、六社、JVで指定管理になっています。開館から百三十五日で来館者数百万人突破しています。これが今の公共施設のあり方だと思います。よろしくお願いします。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 再質問のうち、三層構造の見直しの時期について、実務の観点から、私のほうから御答弁をさせていただきたいと思います。  先ほど区長から御答弁申し上げましたとおり、地域行政につきましては、児童相談所の移管を初めとしまして、大きな変化が平成三十二年度にございます。これに向けた準備とともに、また、この間、福祉の相談窓口の全地区展開、また世田谷版ネウボラのスタートに伴いまして、地区へのサポート体制を整備する必要も生じてきております。  こうしたことを考えますと、平成三十二年度という年を見通しながら、できるだけ早い時期に三層の役割分担を初めとする組織体制の見直しを実施してまいりたいと、このように考えているところです。  以上でございます。 ◎本橋 地域行政部長 私からは、マイナンバーカードの普及につきまして再質問に御答弁いたします。  先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、各自治体でさまざまな取り組みがなされているというふうに伺っております。区といたしましては、こうした自治体の実証事業を検証する中で、対象事業の適正ですとか、対象エリア、あるいは人口規模、こういったものをきちっと分析した上で、先ほど御提案がありましたエコ・アンド・ヘルス、あるいは介護ボランティア、省エネポイントの統合、こういったことの既存のものも活用するとともに、新たな発想の視点から、区の地域特性を生かせるよう、関係所管と検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎花房 生涯学習部長 再質問にお答えいたします。  先ほど地域図書館の民間活力導入の筋道につきましては、教育長より答弁させていただきました。梅丘図書館では、改築基本構想策定時に、住民ワークショップによる意見等を踏まえまして基本設計に入りますが、民間事業者の設計の段階から活用する手法をモデル的に実施することを考えております。  平成三十年度から四年間の地域図書館の民間活力導入は、指定管理者制度や業務委託等、さまざまな手法にボランティア等の区民参画による事業運営を織りまぜて、立地条件に合わせ、地域の特性、施設環境等を考慮して計画を進めてまいりますが、民間の持つノウハウや知見を十分に生かしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○上島よしもり 議長 以上で佐藤弘人議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、世田谷民進党・社民党を代表して、三十六番藤井まな議員。    〔三十六番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(藤井まな 議員) 世田谷民進党・社民党を代表して質問をいたします。  災害時などの危機管理分野について質問いたします。  想像を絶する自然の脅威に日本中で被害が発生しています。七月の九州北部豪雨では、多くの命が失われ、いまだに自宅に帰れない方がおられる状況です。多くの専門家が指摘するように、温暖化の影響で急激な天候の変化や規模の大きな台風が多くなってきています。より災害に対して警戒感を強めることやみずからで命を守ることが求められています。  マイアミに直撃した台風に対して当局が強い口調で避難を促し、二百万人を避難させた映像は皆さんもごらんになったことと思います。思い出すのは、平成十九年の多摩川が氾濫の危機にあったとき、避難所を開設しましたが、実際に避難したのは数人だったと記憶をしています。区は、共助、公助だけでなく、自助を促す強い取り組みが必要だと思いますが、考え方をお聞かせください。
     その避難に当たって緊急時の放送機能が作動するかどうかが大きな問題となってきます。再度の確認作業と実際に動かしてみる訓練が必要だと思われますが、区の考え方はいかがでしょうか。  また、集中豪雨や首都直下型地震が起きた場合の避難先についても質問いたします。  東京都では、世田谷区クラスの自治体では数万単位の避難者が出る可能性があると試算しています。半壊や全壊など、区民が自宅に住むことができないことが想定されます。避難所での長期の生活はさまざまな弊害が報告されており、仮設住宅が必要となってまいります。  まずお伺いします。世田谷区においてどれくらい仮設住宅の配置が可能なのでしょうか。区内で受け入れが不可能なほど避難者が出る場合も予想されます。その場合には、被害のない自治体、災害協定を結んでいる自治体でどれほどの仮設住宅が用意できるのでしょうか。現在の災害の協定書にはどこを見てもそういった記載がないように見受けられます。区はどのように考えているのかお聞かせください。  三軒茶屋における公共施設整備の検討状況について質問をいたします。  さきの委員会において検討状況が報告されました。不透明な点や疑問点が散見されます。コストに関しても、数字が出てきたものの、各委員会での質疑を聞いてみると、変動する可能性があるという点、就労機能を集め、よりマッチングが機能的になるという説明ですが、利用者の多いハローワーク端末の場所などは面積が変わりません。将来的には、本物のハローワークと同じ機能を備えてほしいと願う側にとっては、未来が明るいとは言えないように映ります。サブリースという新規事業についても不透明な部分が大きいように見えます。  そもそも総合支所移転ということが本来目指してきた流れだと思いますが、現段階で総合支所機能にはほど遠い施設だと言わざるを得ません。新しいビジネスと区は主張しますが、新しいビジネスを重視して、窓口機能を軽視することには賛成できません。我が会派は、総合支所機能が難しいなら、最低限、子ども関係や福祉関係の窓口を設置するのが筋ではないかと主張をしてきました。計画を変更すべきではないでしょうか、区の考え方をお伺いいたします。現在の不透明で中途半端な計画では賛成することはできません。  次に、公共施設利用に関する取り組みについて質問をいたします。  先ほどの三軒茶屋施設と同じく、各委員会で施設利用料の見直しについて報告がありました。平成二十六年四月に消費税が八%に増税されたときに、コスト削減を図り、増税前と同額の使用料を設定してきましたが、大幅な歳入の伸びが見込めない、公共施設の更新需要、適正な区民負担という理由で適正な利用者負担となるように見直しを行うと報告されました。区民の皆様にもわかりやすく端的にあらわすなら、区民の利用できる全ての公共施設の利用料を値上げする宣言です。  確かに環境の変化に応じて利用料の見直しの必要性が発生するケースもあります。しかし、委員会報告の中で、他区との料金比較表をつけ、他区よりも世田谷区はこんなに安い、だから値上げも許されるような論拠が示されましたが、他区と比べて安いから高くするという大義名分は成り立ちません。利用料が上がることによって利用率が下がるような値上げも避けねばなりませんし、高齢者や障害者などの負担増につながるようなことはあってはなりません。丁寧な説明が必要であると考えます。区の考え方をお伺いいたします。  施設利用の中身についての改革も行わなければならないと思います。多くの方から使いたい施設が使えないという声をいただきます。制度設計をもっと細かく平等に行わなければなりません。団体区分け、優先枠、減免措置など、偏りがない形で新しくする必要があるのではないでしょうか。地域活性化団体、公益性の高い団体、配慮をもって貸し出せるように取り組むことが必要と考えますが、区はどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。  また、ビジネス目的を行っている団体があるような苦情を区民の方からいただきます。事前にお金を振り込んで、当日にはお金のやりとりをしないなど、施設管理者がわかりにくいような巧妙な手口もあるようです。社会通念上許容されないお金の徴収などは許されないと書いてはいますが、具体的な事例の提示もあってよいかと思います。どちらにしても厳しく対応する必要があるのではないでしょうか、区の考え方をお伺いいたします。  次に、(仮称)世田谷区多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例について質問をいたします。  我が会派は、LGBTQに特化をしない条例制定とし、なおかつ、LGBTQの差別と偏見の解消を含めた対応が必要であると考えています。この条例案の注目は七条の差別解消条項ですが、我が会派は、禁止条項ではなく、解消という条文になっており、頭ごなしに押さえつけない極めて世田谷的な対応であり、評価できると考えています。禁止条項でなかった理由をまずお伺いをいたします。  また、本日二十日から始まったパブリックコメントを含め、さまざまな意見が今後、出ると思いますが、この差別解消条項が後退しないことを望みます。今後の流れを含め、区の考え方をお伺いいたします。  また、十一条の(二)にある適切な対応を行うものとするという内容ですが、今後、具体的な例示も必要となってくるのではないかと考えます。その部分も含めてお伺いをいたします。  次に、民泊について質問をいたします。  国内への観光客の増大は、都内の宿泊施設の定員超過を生み出し、このままでは二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの需要に応えることができないという、そういった声に応える形で来年の法制定が議論されてきました。新しいルールでは、来年六月に民泊に関する条例が制定できるようになります。許可申請を区が担当することとなれば、受け付けは三カ月の期間を設けることになっており、来年三月にスタートとなります。最低でもことしの第四回定例会に条例の骨格案が提案されている必要があるのではないでしょうか。条例制定まで時間は余りありません。今回の民泊の規制緩和はさまざまな問題点もあります。我が会派は、これまでも民泊には大いに問題があると指摘をしてまいりました。改めて述べてまいりたいと思います。  まず一つは、住環境の変化です。仮に世田谷区全体で民泊がスタートするということは、住宅地域が大半を占める世田谷区ではさまざまな弊害が起こりかねません。平穏な住宅街に観光客や外国の方々が入ってくるということは、ルール、文化の違い等から発生する騒音の問題やごみの問題が発生する可能性があるということです。特に騒音の問題は、民泊が普通のマンション等を使用する都合上、どうしても避けられない問題であり、市民の不安をあおることや人々の平穏な生活環境を脅かすことにつながるのではないでしょうか。民泊を施行するにしろ、住宅地域ではなくて、商業地域や近隣商業地域のみに民泊を認めるなど、工夫が必要なのではないでしょうか。  そして二つ目に、オリンピックを大義名分にするやり方についてです。オリンピックが開催される二〇二〇年まではホテルの不足や観光客の増加による民泊の需要は高まるでしょう。しかし、オリンピックが終わった後はどうなんでしょうか。オリンピックだからといって一斉に民泊を認めるというのは、住環境の急激な変化による治安の悪化という面やオリンピック開催後の民泊の維持、経営という面から見ても早計であると判断せざるを得ません。これらの問題に対する世田谷区の考え方をお伺いいたします。  次に、梅ヶ丘拠点整備について質問いたします。  現在、総合福祉センターを利用している人々からさまざまな不安な声が寄せられています。南東北グループが受け持つ予定の民間棟での機能は、現在の総合福祉センターの機能を受け継ぎます。人員配置を見ても、利用者が希望するだけの機能が維持されるのか不安です。私が福祉保健常任委員会で同じ機能が担保されるのかと聞いたところ、区側の答弁は、機能は維持されると認識していますという発言をしています。  しかし、先日、南東北グループが同じように都心で運営している福祉施設を委員会で視察してまいりましたが、不安な気持ちは解消されませんでした。施設内の利用者の目の届く場所に利用者の安全管理について、事故が減少していないというような職員の取り組み不足を指摘するような張り紙が張り出してありました。視察の最中に読ませていただきましたが、不安はより増すことになりました。  また、梅ヶ丘民間棟では、医療的ケア児者を通所だけではなくて、入所者として受け入れることになっております。しかし、視察先では、看護師配置もなされておらず、入所機能を請け負うことに対しては大きな疑問を感じました。施設の方に質問しても、この施設ではと言葉を濁し、郡山に見にきてくれればと何度も繰り返し、看護師配置をしていない、もしくはできない理由をはっきりとは述べませんでした。  郡山と都内では状況が全く異なります。看護師の確保がどれだけ大変で、幾つもの医療的ケア児者の受け入れ施設が計画を縮小する、あるいは断念してきている事例などを理解されていないのではないでしょうか。やろうと思えばできる、ふたをあけてみたらできなかったでは取り返しがつきません。梅ヶ丘拠点整備事業について総合福祉センターから民間棟に移動する事業において、現在の利用者が同じように利用できるように取り組むことを強く求め、区はどう考えているのかお伺いをいたします。  また、そのことを各種団体に丁寧に説明することが大切です。人員体制についても不安の声を聞きます。総合福祉センターの職員はどれだけ移管後も従事する予定なのでしょうか。民間棟の職員の多くが新規雇用ということでは利用者に不安を与えます。一刻でも早く区、南東北グループと総合福祉センター、三者協議を行うべきと考えます。不安払拭に向けた区の取り組みをお伺いいたします。  児童相談所移管に向けて質問いたします。  個別支援について、基礎自治体がその役割を果たすことの意味を明確にするべきだと主張します。世田谷区では、子ども家庭支援センターが虐待の予防対応に力を入れてきました。児相を移管するということは、児相と子ども家庭支援センターを初め、世田谷区の持っている既存の機能と連携が深まることにつながってまいります。もっと救わなければならない子どもたちのために、区はこの大きな意義を広く主張しなければならないと思います。  そもそも児相移管に関しては、身近な事務を区に移管するという自治権拡充の考え方があります。余り協力的ではない東京都の対応は、これらの流れに逆らうことになり、大変疑問です。今の東京都の対応に関して、区はどのように考えているかお伺いをいたします。  また、一時保護所の整備を行うならば、早急に対応する必要があるのではないかと思います。ゼロから建築するならば、年内に候補地選定と、来年度の前半で建築設計、来年度の後半からは施工しなければならないと思いますが、どうでしょうか。  人材の育成という面で新たに川崎と連携を始めたことは評価できます。必要であれば、他の都市の児童相談所との連携も模索する必要があると思います。それでも最終的には東京都との信頼関係の構築が重要です。福祉保健常任委員会視察では、児相移管について、大阪府から堺の密な連携が必要だと伺ってまいりました。東京都と適切な連携がとれるように引き続きの努力を求めますが、区の考え方をお聞かせください。  緑と水について質問いたします。  (仮称)世田谷区みどりの基本計画を見てまず驚いたのは、今まで「みどりとみず」という表現でしたが、いつの間にか「みず」という文字が取れていることです。政策には、時代に合わせて変えなければいけない施策と時代が変わっても変えてはいけない政策があります。十年前に「みどり」から「みどりとみず」という言葉に変わりました。再び今回「みどり」だけに戻す予定ということですが、こういった恒久的に続けなければいけない政策のタイトルを思いつきでころころ変えてよいとは思えません。飽きたから新しい雰囲気を出したいのが狙いなのかもしれませんが、「みず」という言葉をなくすべきではありません。生物多様性を大切にする観点からも、全ての根源である水の保全は大切です。区の考え方をお伺いいたします。  二〇二三年までに区民みどり満足度の目標値も設定されていますが、満足しているが七割を超える中、大変満足しているという意見を三三%にすることがみどり率目標達成にどこまで効果があるのか不透明です。みどり率が平成二十九年の目標値二七・五%を二・三ポイント下回る現況、満足度を高めることがみどり率の目標達成にどれほどの因果関係があるのでしょうか。みどり率は達成できなかった、しかし、満足度は達成できたと胸を張って答弁されても、自己満足でしかありません。ぶれることなく、みどり率のみを追い求めるべきです。  区内の緑で重要な要素である生産緑地についてもお伺いをいたします。  国では、生産緑地法について議論が行われてまいりました。生産緑地法等の一部改正がなされました。指定下限面積の緩和が目玉となっています。この改正の意義とは何でしょうか、まずお伺いいたします。  我が会派では、都市農地を残していくことが重要と考えています。この改正では、まだ税制面などで不透明な点が見受けられます。区も率先して農家の皆さんを中心に御意見を伺い、国の動向を注視する必要があると考えます。都市農地を残すために区は今後どのような政策を打ち出すのでしょうか、お伺いをいたします。  最後に、第二次世田谷区教育ビジョンについて質問をいたします。  今回の教育ビジョン・第二期行動計画素案を注意深く見てみると、我が会派が特に重要視をしている人権尊重社会の項目が後退していると言われても仕方のない記載になってきています。今まで区が項目立てをしていた人権尊重社会の言葉が大きなタイトルから外れ、リーディング事業の中のオリンピック・パラリンピックの項目に二〇二〇年東京大会を契機に人権教育を進めていくと書いてあります。人権教育はオリパラに内包されているだけでいいものではありません。人権教育はビジョンの上段に位置づけるべきと考えますが、区の考え方はいかがでしょうか。  次に、新教育センターについても質問いたします。  教育委員会が前のめりになって推進している新教育センターですが、ビジョンを読んでも、委員会の内容を見ても、もう既に配置は決まったかのように書いてあります。肝心な部分である本当に利用されているのかという疑問に全く答えていません。教育委員会は、希望の聞き取りだけではなく、教員が利用しやすい環境とは何なのかを把握し、整備していくことが重要だと考えます。区の考え方をお伺いいたします。  済みません、ここから本当は質問があったはずなんですが、消えていました。  教科「日本語」について質問をいたします。教科「日本語」を今回、各学校の校長先生に判断を委ねるというふうに変わってきたと思うのですが、なぜ各学校の校長先生に判断を委ねるというふうになったのか、まず区の考え方をお伺いいたします。  中途半端な教科「日本語」が、各学校単位で時間が変わるということが今回の内容で発表されましたけれども、そういう対応をするのであれば、教科「日本語」を廃止するべきだと思いますが、区の考え方はいかがでしょうか。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 藤井議員にお答えをいたします。  児童相談所移管についてでございます。  児童虐待相談対応件数が年々増加し、またその内容が複雑化する中で、これまで以上にきめ細かな対応が求められています。先ほど他会派に対する答弁でも申し上げたとおり、区長会の長年の要望が実って、昨年の児童福祉法改正で特別区に児童相談所を置くことができると明記をされたわけであります。  区は、児童相談所の移管により、児童相談所と子ども家庭支援センターが一層緊密な連携を図り、支援から介入まで一連の対応を一元的かつ総合的に一つながりの子ども支援、子ども保護として展開できる児童相談行政を目指しております。これは子どもの生命と安全を守るため、区民に最も身近な基礎自治体として行うべき大きな意義のある取り組みだと考えています。また、児童相談所を設置する以上は、設置当初より行政の保護を必要とする子どもの生命を確実に守っていくために、児童相談所と一時保護所が密接にリンクしているという対応も必須だと認識をしております。  この間、外部有識者会議、あるいは議会での御議論の中で、子どもの緊急保護の重要性についての御指摘もいただいており、今般、児童相談所の移管と同時に一時保護所を開設するという区の方針を決定したところであります。今後は、一時保護所の整備地や整備手法を含め、年内にも御報告できるよう進めてまいります。また、整備を速やかに進めていくためにも、児童相談所の移管によるメリットを広く周知し、区民や関係する団体、子どもの生命、そして安全を守ることが重要という、その内容を周知してまいりたいと思います。  また、国も児童養護施設をこれ以上ふやさない、社会的養護施設の制度構築においては里親をふやしていくと、大変大きな転換を図ったわけでございます。現在は、東京都の児童相談所が直接の窓口になり、世田谷区は協力している状態、大変里親は少ないんですね。諸外国に比べてももう圧倒的に少ない。こういったことも移管前から取り組んでいかなければならないと思います。  まとめて言いますと、児童相談所移管の意義は、一、子どもの命、安全のため、二、児童相談所、社会的養護の今日的な見直し、制度自体が昭和二十年代前半に設計されています。時代の要求に合う制度に改善する。この一、二は、東京都と課題意識、問題意識は完全に共有できると思います。三番目に、九十万自治体の自治の拡充強化と、この点において若干の隔たりがあるかと思いますが、一、二において、子どもの生命、安全最優先というところは東京都と確実に共有できるよう、最大の努力を果たしてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、民泊の関係について御答弁申し上げます。  民泊の適正な運営を確保しつつ、国内外からの観光客の宿泊に対します需要に的確に対応していくための住宅宿泊事業法がことしの六月十六日に公布され、一年以内の施行が予定されております。法には、事業者に対しまして、宿泊者の衛生や安全の確保、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関する事項、苦情対応や標識の設置などが規定されておりまして、国としての一定のルールが示されております。  民泊に関連しているだろうと思える区に対する苦情でございますが、平成二十八年度には五十五施設、平成二十九年度は現時点で三十一施設の状況でございます。主な苦情内容でございますが、騒音、ごみ出し、安全面についての不安となっておりまして、生活環境の悪化に関します区民の不安については区としても十分認識しているところでございます。  区では、良好な住環境を確保することを基本にいたしまして、有識者や区民等の外部委員によります世田谷区住宅宿泊事業検討会を開催いたしまして、適正な事業運営に関しますルールづくりについて検討を進めております。間もなく国の政省令などが示されることになりまして、それらを受けとめまして、区としての考え方を求めて、区議会にお示しし、御議論いただきたいと存じます。  なお、御指摘のありましたオリンピック・パラリンピック終了後のことも考慮すべきにつきましては、十分留意していきたいと考えております。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、公共施設の利用環境向上に向けた制度設計について御答弁を申し上げます。  区では、地区、地域において、区民主体の自主的な活動団体によるさまざまな活動の場を確保するとともに、活動団体間の情報共有を図るため、地域コミュニティー施設の運用に関する検討をしてまいりました。場の確保につきましては、けやきネット対象施設は、開放時間枠の細分化や直前キャンセルの防止による利用枠の拡大を図るとともに、けやきネット対象外の公共施設や利用可能な民間施設の活用により、さらなる活動の場の確保に努めてまいります。  活動団体につきましては、地区、地域における従来の活動団体に加え、福祉や見守り、防災などに取り組んでいる新たな活動団体による優先的な施設の利用促進に向けた取り組みを進めたいと考えており、その具体的な方法についてガイドラインを定める予定でございます。また、これらの団体により、現在、地区ごとに開催している地区情報連絡会をベースにした(仮称)地区コミュニティー施設協議会を通じて情報交換を図り、地区力の向上につながる活動の促進につなげていきたいと考えております。  地区におきましてさまざまな活動が展開され、町会・自治会を初めNPOを含むさまざまな活動団体や区民が互いに顔の見える関係になり、まちづくりの促進、地区の強化につながるよう、まずは総合支所、まちづくりセンター、また当事者である区民の方々と十分な協議を行い、現場実態に即した仕組みとなるよう引き続き検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、災害時の危機管理について二点御答弁申し上げます。  初めに、自助の取り組みの強化についてでございます。  近年、全国各地で洪水等の被害が頻発、激甚化しておりまして、昨年八月の台風第十号の豪雨や本年七月の九州北部豪雨等、多数の被害が発生しております。区では、こうした風水害などの大規模災害に対して、災害時区民行動マニュアルや洪水ハザードマップ等、さまざまな啓発物を作成、配布して意識啓発を行っているところです。  区では、この七月、洪水ハザードマップを更新いたしました。更新に当たっては、日ごろ防災活動に携わる町会・自治会等に御意見をいただきながら、多摩川の想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域や避難行動につながる情報をわかりやすく掲載しております。多摩川洪水浸水想定区域に係る地域住民に戸別配布を行い、周知を図ったところです。今後も引き続き、総合支所と連携して、地域の防災訓練等の取り組みやさまざまな機会を捉えて、洪水ハザードマップ等の啓発物を活用し、水害リスクの把握や避難情報の入手方法のさらなる周知を図るとともに、水害への意識を高め、避難行動などの自助の取り組みを促していくなど、地域防災力の向上に努めてまいります。  次に、緊急情報は防災無線塔から確実に放送ができるのかどうなのかという御質問でございます。  避難関連情報等、緊急を要する場合には、区から区民へ迅速、的確に情報を伝える必要があると認識しております。区では、区民への伝達手段としまして、登録メール、緊急速報メール、ツイッターを活用して情報を配信するほか、現在、デジタル化を進めております区内百八十九カ所の防災無線塔で放送を行うこととしております。Jアラートを通じて国から送信される情報についても、区内の防災無線塔と連動して自動で放送する仕組みとしておりまして、加えて国は、同じ情報を大手携帯電話事業者を通じて緊急速報メールで配信することになっております。  御指摘のありました防災無線塔からの確実な放送についてですが、例えば毎年十一月、国が主導で実施しておりますJアラート全国一斉情報伝達訓練の際に、区内施設の職員が防災無線塔放送の確認を行うなど、区民への確実な情報伝達の確保に努めてまいります。  以上です。 ◎渡辺 都市整備政策部長 災害時における応急仮設住宅に関しまして御答弁申し上げます。  応急仮設住宅につきましては、災害救助法に基づき、東京都が広域的な対応として設置することとしておりますが、区では、建設可能な公園等を候補地として報告するなど、東京都と連携してきております。  お尋ねの区内の応急仮設住宅の建設候補地につきましては、平成二十八年度の調査におきまして、都市公園や身近な広場、生産緑地などのオープンスペースに配置できる仮設住宅は、一戸当たり八十平米の土地を確保することなどを前提にしまして、建設可能戸数は約七千八百戸程度を見込んでおります。また、震災によりまして、世田谷区内で百五十棟以上の家屋が滅失した場合、災害救助法の適用を受けることとなり、国が東京都などとの協力のもとに応急的に必要な援助を行うことを基本としまして、避難所及び応急仮設住宅の供与を行うこととなります。  議員御指摘の災害時協定の仮設住宅の取り扱いにつきましては、自治体間では相互に協力、支援することと記載されております。区といたしましては、今後も国や東京都とともに連携しながら、区外への仮設住宅の活用につきましても、災害協定を締結している自治体も含めまして、災害のなかった近隣の自治体への協力要請など、関係所管と連携し、災害時の住宅確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、三軒茶屋の公共施設について福祉の窓口の設置がない、計画を見直すべきとの御指摘です。  福祉の窓口のお話をいただきましたが、この間、御答弁申し上げたとおり、いわゆる総合支所機能の三軒茶屋での整備については、周辺のまちづくりの進展などを踏まえた中長期的な課題であると認識をしております。今回の検討では、主に社会情勢によって需要が変化する可変的施設として借り上げで対応している三軒茶屋周辺の既存施設を集約し、老朽化やバリアフリー対応、性能不足を抱えている施設の課題解決のほか、集約することによる相乗効果の創出、利便性の向上などを図ることを目的として、整備の検討を行っております。  三軒茶屋公共施設整備の可否判断につきましては、今年度中にお示しすることとしておりますが、十一月にはサブリースと建築面積縮小とのコスト比較、現在の賃料と借りかえに伴う賃借料の増加に対し、バリアフリーを初めとする施設機能の向上や就労支援などの機能集約がどのように区民サービスの向上に結びつくか、費用対効果をできるだけ具体的にお示しし、御議論いただけるよう取り組んでまいります。  次に、使用料の見直しについて、丁寧な説明をとの御質問です。  使用料、利用料の見直しにつきましては、おおむね三年ごとに見直す方針を定めており、平成三十年度の改定に向けて検証、検討を行っているところです。この間、消費税増税などを経て、施設の管理運営経費は増加しており、指針でお示ししている適正な利用者負担率に対して、利用者に負担いただいている割合とは乖離のある状況となっております。そのため、区民利用施設の政策目的を十分に踏まえながら、区民サービスの維持や公平性の確保を図るために、利用者負担の見直しを行う必要があると認識しております。  今後、具体的な見直し案の検討を進めてまいりますが、各施設の利用状況やお話のあった高齢者や障害者、また子どもの利用に配慮するなど、きめ細かな検討を行ってまいります。料金改定に向けて、本年十一月には議会に御報告の上、パブリックコメントとして、「区のおしらせ」特集号やホームページで具体的な改定案をお示しし、区民の御意見を伺ってまいりますが、区の財政状況や施設の管理運営経費の実態、利用者負担の考え方、使用料見直しの必要性について、区民の方々に丁寧な説明を行い、十分な理解を得ながら見直しを進めてまいります。  以上でございます。 ◎小堀 玉川総合支所長 私からは、公共施設の利用環境向上に向けた営利を目的とした団体の対応について御答弁申し上げます。  区では、公共施設の利用者登録や使用につきましては、世田谷区地区会館条例、世田谷区公共施設の共通使用手続に関する規則及びそれに基づく世田谷区公共施設を不適切に利用する団体への利用制限に関する基準において、営利を目的とするときは、利用者登録や使用の承認を行わないことなどを定めております。このため、けやきネットへの利用者登録を行う際は、申請者に営利活動で施設を利用しないことを必ず確認しております。  一方で、施設利用団体が発行するチラシやホームページを確認いたしますと、公共施設を利用して営利活動を行っていると疑われる団体も年に数件ございます。このような場合は、活動現場を確認いたしまして、代表者等に事情聴取するなど対処しておりまして、中には金銭を徴収しているケースもございましたが、アートフラワー講習会での材料費などでありまして、これまで営利活動と判断した例はございません。  各団体の活動内容はさまざまであり、営利の具体的な例示は困難でございますが、今後も団体登録申請時には活動の詳細を申請者から聴取し、個別具体に判断いたしまして、適切な施設利用が行われるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、(仮称)世田谷区多様性を認め合い、人権を尊重し、男女共同参画と多文化共生を推進する条例について、差別の禁止ではなく、解消とした理由、今後の流れと考え方及び相談及び意見の申し出に対する適切な対応の具体的内容という三点の質問にあわせて御答弁いたします。  骨子案七では、性別等の違い、または文化的違いによる差別の解消等を規定しております。誰もが性別等の違い、または文化的違いによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する男女共同参画社会及び多文化共生社会を実現するためには、多様性を認め合い、人権を尊重することが大切です。一律に禁止するのではなく、日常生活や社会生活において、性別等の違い、または文化的違いによる差別により活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁を取り除くことが重要だと考えております。  今後の進め方につきましては、本日から始まりましたパブリックコメントを初め、議会での御議論をいただき、条例制定に向けて地域社会のあるべき姿について議論を積み上げてまいりたいと考えております。  また、骨子案十一の(二)では、相談及び意見の申し出等があった場合の対応について規定してございます。男女共同参画や多文化共生に関して、さまざまな相談が寄せられることが想定されるため、適切な窓口への誘導も含め、また相談体制や御意見を施策に反映する方法等につきましても、今後、議会や区民の御意見を伺いながら検討してまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、梅ヶ丘拠点整備に伴います総合福祉センターから民間施設棟への事業移行につきましてお答えを申し上げます。  平成三十年度末に廃止となります総合福祉センターの事業につきましては、梅ヶ丘拠点施設への移行に向け、個別事業のサービス量や引き継ぎ方法などを本年度中に個別事業移行計画として取りまとめる予定にしておりまして、実施体制につきましても、その中で整理をしてまいります。  事業移行に当たりましては、円滑な移行、サービスの質の確保、計画的な移行の三点を基本方針として、専門人材による安心で信頼されるサービス提供を念頭に、既に民間施設棟の運営事業者から五名の職員を総合福祉センターで受け入れ、ノウハウの引き継ぎ等を図っております。また、医療的ケアが必要な方の受け入れについては事業者募集の際の要求水準書に盛り込みまして、看護師等の支援体制整備に対する事業者補助も予定しているところでございます。区内での看護師確保の難しさなどもお伝えをしておりますので、引き続き、事業者と連携し、取り組んでまいります。
     あわせまして、療育や機能訓練等の利用者が不安のないように移行することも大切な課題と考えております。今月下旬から総合福祉センターの利用者説明会を開催し、事業移行や新たな事業内容等の説明を行い、御意見を伺うほか、移行時には、利用者への個別説明も重ねるなど、区と総合福祉センター、運営事業者の三者が密に連携しながら事業移行に向け、丁寧に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童相談所移管に向け、東京都との連携のあり方についての御質問に御答弁させていただきます。  児童相談所の移管に向けまして、高い専門性を持った児童福祉司や児童心理司の育成のため、特別区は東京都への職員派遣受け入れの増員などを要請しておりますが、東京都も人材育成、また確保の課題を抱えておりまして、各区の要望に応えるには厳しい状況と聞いております。  特別区は、団結して東京都に協力要請や合同での他自治体への派遣協議を行う一方、各区の特色を生かし、人材の確保・育成策に取り組んでおります。世田谷区もこれまで培ってまいりました他自治体との連携協力関係を活用した区独自による派遣の協議を進め、さらに拡大を検討しているところでございます。  児童相談所移管を進めるに当たりまして、個別ケースでの引き継ぎや乳児院、児童養護施設、里親等への入所調整など、東京都が今まで担ってきた広域行政に関する調整や財源などの課題がありまして、東京都との協力は不可欠でございます。  区が児童相談所の移管を受け、基礎的自治体としての責任を果たすためには、子どもの最善の利益を目指すという目標を東京都と共有いたしまして協力し合うことが必要であり、粘り強く協議に臨むことで多岐にわたる課題についての解決の方策を見出していきたいと考えております。  以上でございます。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 私からは、みどりの基本計画の名称について御答弁いたします。  区制百周年、二〇三二年にみどり率三三%達成を目指しまして、現在、次の十年間、二〇二七年までを計画期間とする新たなみどりの基本計画の素案を取りまとめ、パブリックコメントを実施しているところでございます。  今回の素案では、従来の緑の量の確保として、緑被に加え、公園や水面などの面積をトータルしたみどり率、これを向上させることや水の視点に加えまして、緑の質の向上及び区民との協働の推進を計画改定の視点に掲げまして推進していくこととしてございます。  区では、「みどり」を樹林地、草地、水辺地、動物生息地、地下水などが一体となって構成された総合的な環境と、人とのかかわりによる文化や歴史的な緑の要素を含めて捉えており、こうしたことから、計画の名称につきましても次期計画はみどりの基本計画といたしました。お話にありました水の観点につきましては、世田谷の特徴である多摩川を初めとする河川の保全、住宅都市として良好な環境を形成し、また大きな水循環の視点からも大変重要であるという認識に変わりはございません。これまで以上に緑や生き物を育む水の施策を推進していく内容の計画といたします。  次に、みどりの基本計画素案で加えております区民満足度の目標についてでございます。  世田谷区の基本構想、基本計画では、九つのビジョンを示しまして、この中で、住みやすい町、健康で安心して暮らせる町、災害に強い町、環境に配慮した町の実現を目指し、区民や事業者と協働して緑を保全、創出し、その質と量の向上を図るとしております。  区では、緑の質を、緑が持つ機能を効果的に発揮するための付加価値であると捉えております。例えば同じ種類の樹木を植えるのではなく、多くの種類の樹木や草花を植えたり、ビオトープをつくることで多様な環境ができ、季節ごとに花が楽しめ、さまざまな生き物が生息、生育できます。緑をふやし、その緑の質も高めていくことで、緑を利用する区民のライフスタイルが豊かになり、区民の満足度も高まるものと考えております。  生物多様性の保全や区民が豊かさを実感し、緑のある暮らしを楽しむことが重要であることから、みどり率の数値目標とともに、緑の質の向上を推定する指標といたしまして、新たに区民満足度の数値目標を加えたものです。お話しの緑の量につきましては、その確保に鋭意取り組み、しっかりとみどり率三三%を目指す目標を堅持しつつ、緑の質の向上も図り、区民の方々の世田谷の緑のある暮らしに対する満足度も向上させてまいります。  以上でございます。 ◎久末 産業政策部長 私からは、生産緑地について二点御答弁申し上げます。  まず、生産緑地指定の下限面積を三百平米に改正する意義についてでございます。  本年六月の生産緑地法一部改正により、生産緑地の下限面積要件を区が条例を制定することで五百平米から三百平米に引き下げることが可能となりました。これに合わせ、本定例会に条例の制定案を提案しているところでございます。  この下限を三百平米に面積要件を引き下げることで、都市計画事業等により総面積が五百平米を切ってしまったことで、やむを得ず道連れ解除となった農地や営農意欲があるのに、面積要件が足りず、生産緑地に指定できなかった農地に門戸が開かれることになります。また、生産緑地に指定されることで、固定資産税、都市計画税が大幅に軽減され、相続税納税猶予制度も利用できるため、農業者が営農継続しやすくなる環境が整うなどのメリットがあることから、より一層の農地保全につながるものと考えております。  なお、世田谷区としては、現在約八十九ヘクタールの生産緑地がございますが、下限面積を引き下げることにより、新たに約四ヘクタールぐらいの農地が該当してくると思われます。  次に、都市農地を残すための区の政策についての御質問でございます。  都市農業振興基本法に基づく都市農業振興基本計画策定におきまして、国は、都市農地は都市化すべきものから、都市にあるべきものへと方針を変え、今年度、生産緑地法が改正される等、農地保全に向けた方策が打ち出されております。生産緑地法の改正では、お話にございました指定下限面積の緩和のほか、生産緑地内に農産物直売所等を設置することができることや、来年の春には特定生産緑地指定制度の創設も予定されており、営農が継続できる環境づくりを進めております。まだ税制を含む詳細は決まっておりませんが、区といたしましては、国等の動きに対し、農業団体等や区内農家と意見交換を行うことや情報共有に努め、農家が営農を維持できる環境を整え、都市農地を守ってまいります。  以上でございます。 ◎志賀 教育次長 私からは、第二次教育ビジョン・第二期行動計画について、人権尊重の項目が後退しているとの御質問に御答弁いたします。  第二次世田谷区教育ビジョンは、平成二十六年度から十年間の区の教育の方向を定めたもので、その教育目標には全ての教育活動を通して人権教育を推進する旨をまず第一に掲げています。このたび、第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画の素案をお示しさせていただきましたが、第二期行動計画は、教育ビジョンの基本的な部分である教育目標や基本的な考え方を継承するものです。教育委員会といたしましては、人権尊重という理念を教育の基本と考えており、人権教育は世田谷の教育の根底にあるものとして、あらゆる教育活動において引き続き推進してまいる所存でございます。  平成三十年度から四年間の施策としての第二期行動計画では、体系的にさまざまな施策を展開するものですが、これらの諸施策は第二次世田谷区教育ビジョンの教育目標や基本的な考え方のもとに構成しているものです。オリンピック・パラリンピックが人権教育のさらなる推進のための一つの大きな契機となるように施策を推進していきたいと考えております。  今後、第二期行動計画案の策定に向けましては、こういった人権尊重という計画全体を貫く基本理念がわかりやすく伝わるよう、表記なども含め工夫してまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、二点、まず初めに、新教育センターについて前のめり過ぎると、本当に教員が利用するのか調査すべきではないかという御趣旨の質問について御答弁させていただきます。  教員は、絶えず研究と修養に励むことがその使命として求められております。グローバル化、情報化など、社会の変化が激しく、複雑で予測困難になってきている中、子どもたちの生きる力を育んでいくため、教員の指導力の向上を図っていくことがさらに必要となっており、責務であると考えております。  その上で、教育総合センターは単なる研修施設ではなく、教育情報の発信などの場となる交流ゾーン、教育相談、移設するほっとスクール、センター事業を推進する事務の機能などが多くを占めております。また、乳幼児期からの教育を推進する機能や民間機関も含めた不登校支援の中核的な拠点機能など、子どもの学びや育ちを支援する場ともなってまいります。  なお、教員の利用に関しましては、施設への利便性の、アクセスの利便性の観点で、現在の教育センターと比較し、分析を行いましたが、徒歩と電車を利用した場合の平均所要時間においてほとんどの変化はございませんでした。御案内の観点も配慮してまいりたいと考えておりますので、教員が研究や研修に参加しやすい仕組みづくりなどについても並行して検討してまいります。  さらに、これまで小中学校教職員やPTAを対象にアンケートを実施してまいりましたが、世田谷の教育を推進する拠点ともなってまいりますので、引き続き関係者の声を聞きまして、取り組んでまいりたいと考えております。  次に、二点目、教科「日本語」についての御質問でございます。  教科「日本語」につきましては、昨年度の検証・検討委員会において、児童生徒に言葉への高い関心、自分なりの考えを持つなどの成果や教員、保護者からの高い評価が報告されましたが、二度の学習指導要領の改訂を経まして、国語などの教科との重複整理ですとか、発達段階に応じた教材の再構成が必要との方向性も明確になりました。  御質問の学校長に委ねるなら、教科「日本語」を廃止すべきではないかということでございますけれども、教科「日本語」の目標である日本語の響きやリズムを楽しむ、日本文化を理解するなどの言葉の力の育成に向けましては、効果が出ています新聞や演劇など新しい教材を加え、内容を精査しまして、必修とするものと選択とするものを示した上で、各学校が児童生徒に身につけさせたい力の内容や地域の実情などに合わせて、教科「日本語」を教育課程に位置づけ、充実を図ってまいります。  また、学校ごとの実情に応じた内容を認める背景について御説明しますが、教育課程の編成につきましては、次期学習指導要領において、教育課程を介して、その目標を社会と共有し、地域と連携、協働していく社会に開かれた教育課程や各教科や総合的な学習の時間を横断的に捉えたカリキュラムマネジメントの考え方が示されまして、各学校が児童生徒や地域の実態に即して主体的かつ柔軟に教育課程を編成することが求められております。  教育委員会は、総合的な学習の時間における今日的な教育課題の扱いなども含めまして、管理職に対して適切な情報提供や指導を行いながら、各学校が保護者や地域の声を積極的に反映し、次期学習指導要領の趣旨を生かした教育課程を編成できるよう支援してまいります。  以上です。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 大事な点を何点か再質問も含め聞いていきたいんですけれども、まず児相の移管について、広く世間に周知をしていただけるという区長のお話は重要だと思います。東京都が、私たちの表現でいえば、非協力的なように今現在見えているけれども、そういうのを区長のやっぱり得意な発信力で、東京都以外のところから雰囲気から醸成していくような発信力をぜひとも区長には発揮をしていただいて、進めていただければなと思っています。  これは区長ではなくて、担当の部長にお伺いをしたいんですけれども、この児相移管のときに、今既存の世田谷区で子ども家庭支援センターがあると思うんですけれども、その子ども家庭支援センターのところで働いている方たちと連携をしていかなければいけないわけですよね。そういった今現場で働いている方たちの意見もしっかりと聞きながら進めていただきたいと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうかというのがまず一点です。  民泊についてです。本当に今回のこの話は東京都に丸投げしようと思えば全部丸投げできる話の内容なんですけれども、やっぱり世田谷区が主導していくということだと思うんですね、今の答弁を聞いても。せっかく世田谷区が主導していけるわけですから、私たちは商業地域や近隣商業地域というところに限定をすべきだという意見を言わせていただきましたし、世田谷区は世田谷区独自の民泊のあり方というものをぜひともつくっていただきたいと思います。それは意見です。  あと、仮設住宅の建設可能戸数が、今回のやりとりで初めて七千八百戸だということが今回のやりとりでわかりました。こういう数字が出てくることは大変重要なことだと思いますけれども、やっぱり七千八百戸以上の避難者が出る可能性というのがあると思うわけです。そのときに、やっぱり具体的なシミュレーションが必要だと思いますから、まだ今世田谷区で七千八百できるということがわかりましたけれども、やっぱりどこに何戸仮設住宅をつくれるのかって、どこに避難できるのかシミュレーションは僕はあっていいと思いますので、そういったシミュレーションを考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎澁田 子ども・若者部長 それでは、今いただきました再質問に対してお答えをさせていただきます。  子ども家庭支援センター等の現場で働いている方の意見を聞いて進めるべきだという御質問だと思います。そちらに答弁させていただきます。  今、区長からも御答弁差し上げましたように、区では、児童相談所移管を進めますとともに、子ども家庭支援センターを充実していくと、予防型の行政を図るということで、区長のほうから方針の説明があったと思います。区といたしましては、子ども家庭支援センターと現在ワーキンググループ等の検討会で現場の意見も聞きまして、児童相談所移管について児童相談所との役割分担等の検討をしておりますので、議員御指摘のとおり、現場の意見も、区民の方の意見もお聞きしながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 応急仮設住宅につきまして、再質問にお答え申し上げます。  応急仮設住宅につきましては、区内で約七千八百戸を見込んでおりますけれども、限られた空間の中での検討ということで七千八百戸という状況でございますけれども、今、議員御指摘のシミュレーションにつきましては、他の自治体等の検討状況なども踏まえまして、東京都とも相談をしながら、ぜひ具体的な検討ということで深めてまいりたいというふうに思います。  以上でございます。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時四十六分休憩    ――――――――――――――――――     午後六時開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 代表質問を続けます。  日本共産党を代表して、三十四番たかじょう訓子議員。    〔三十四番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 日本共産党世田谷区議団を代表して質問いたします。  初めに、核兵器禁止条約について伺います。  核兵器の禁止を明文化した核兵器禁止条約が国連で採択されました。これは被爆者を初めとする核兵器のない世界を目指す草の根の運動が世界の国々を動かした結果であり、人類の悲願である核兵器廃絶への大きな一歩です。  この条約は、本日九月二十日、各国の加入手続が始まります。加入手続を済ませた国が五十カ国に達した後、九十日を経て発効します。八月八日、開かれた平和首長会議の総会は、核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議を上げました。保坂区長も参加されたと聞いています。この決議は、核兵器禁止条約の採択を心から歓迎するとし、核保有国を含む全ての国に対し、条約への参加を要請しています。このことは大変重要です。  区長は、核兵器禁止条約が採択された意義をどう受けとめているか伺います。  日本政府は、アメリカやロシアなど、核保有国とともに条約に背を向けています。日本には唯一の被爆国としてリーダーシップを発揮し、条約発効を推進する役割が求められています。日本政府に対し、核兵器禁止条約への参加を求める国民的世論と運動が重要です。  核兵器禁止条約を目指す世界の実現のために、区長としてどのような役割を果たしていくのか、区としての取り組みを伺います。  北朝鮮は核実験と弾道ミサイル発射を繰り返しています。北東アジアと世界の平和と安定にとって重大な脅威であり、国連安保理決議、六カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙であり、強く抗議します。  米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる可能性が強まっています。国民の中には、軍事的衝突に対する不安が広がっています。我が党は、平和的、外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、国連安保理決議の実施と米朝両国の直接対話を強く求めます。  北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に対して、区長はどのように考えるのか、日本政府がとるべき対応について見解を求めます。  次に、ドリームジャズバンド発表会での日野皓正氏の行為について伺います。  ドリームジャズバンドワークショップは、教育委員会主催の才能の芽を育てる体験学習の一環として、区内中学生が日野皓正氏を初めとするプロのジャズミュージシャンから直接指導を受ける取り組みです。八月二十日、体験事業の成果発表の場として、せたがや文化財団主催で行われたドリームジャズバンドのコンサート中に、ドラムのソロ演奏をやめなかった中学生に対し、日野氏が制止する目的でスティックを取り上げ、床に投げ、頭髪をつかんだり、平手打ちなどの暴力的な対応がありました。日野氏の暴力的な対応は指導としては行き過ぎた行為であり、二度とあってはならないことです。  この問題に対し、区長、教育委員会は行き過ぎた指導があったと述べています。それでは暴力的な対応を区が指導の範囲だったと認めていることになります。繰り返し述べますが、今回の日野氏の対応は指導としては行き過ぎた行為です。区長の見解を伺います。  この問題について、全体を通しては教育委員会が進める才能の芽を育てる体験学習の一環であり、日野氏はドリームジャズバンドワークショップの校長と位置づけられてきました。今回の問題は、せたがや文化財団主催のコンサートで起きたことだとはいえ、教育委員会の責任のあり方が問われています。日野氏に対し教育委員会として厳重に注意すべきです。見解を伺います。  次に、新実施計画について質問します。  平成三十年から四年間を計画期間とした新実施計画(後期)の素案が示されました。策定に当たって重要なのは、前期の到達と総括を明らかにしながら、後期の課題を設定することと、社会状況の変化に伴う新たな課題に取り組むことです。  前期である平成二十六年度から今年度までの到達と総括については、世田谷区は切実な住民の要求に応えた施策を前進させてきました。待機児解消のために認可保育園を中心に保育施設を八十四カ所、五千七百七十九人分を整備し、保育の質ガイドラインに基づく取り組みや区独自の保育士などの処遇改善に取り組みました。小中学校の就学援助について、生活保護の基準が下げられたもとでも、就学援助基準の対象を狭めることなく、守り、改善しました。また、高齢者介護の基盤整備として、特養ホームを四カ所、二百五十四人分の整備を進めてきました。同時に、地域包括ケアの地区展開など、参加と協働が進みました。区が区民の福祉を守ってきたことを評価すると同時に、引き続きこうした役割を果たしていくことを求めます。  前期新実施計画の到達と総括をどのように捉えているのか、区の見解を伺います。  区は、社会状況の変化による新たな視点として、東京オリンピック・パラリンピック、人口動向により顕在化した課題、子どもの貧困、消費税増税の延期、熊本地震などを挙げてきました。子どもの貧困などが加わったことを我が党は評価してきました。同時に、障害者差別解消法の制定、医療、年金、介護、生活保護の制度の変更が区民生活に大きく影響することを指摘し、福祉制度をめぐる環境の変化を新たな視点として加えることを提案してきました。  後期の課題は、前期計画の総括を生かし、前期計画策定時とは異なった社会の新たな変化に対応することです。認識を伺います。  次に、後期実施計画で新たな対応が求められる国保広域化問題について伺います。  国民健康保険は、高齢者、非正規労働者が中心であり、世田谷区では、旧ただし書き所得百万円未満の世帯が六割を占めています。低所得者にとって支払いの限度を超える高い保険料となっています。さらに、加入者一人一人にかかる均等割保険料は、二十九年度で四万九千五百円で子どもの多い世帯ほど負担が重くなっています。  保険料の現状は、低所得者、その中でも特に多人数世帯にとって負担の限界を超えています。保険料に対する区の認識を伺います。  来年度から国保の広域化で東京都に国保会計がつくられ、都は財政運営の責任主体となります。国民健康保険の運営主体として制度に係る諸問題の解決に都として主体的に取り組むことが求められます。国保運営で東京都の責任が問われます。  国民健康保険は、高齢者が多く、加入者一人一人の医療費が高い一方、低所得者が多いために、保険料負担能力が低いという構造的な課題を抱えており、安定的な国保運営ができる仕組みの確立が急務となっております。具体的には、高過ぎる保険料の軽減、とりわけ低所得者や均等割保険料への軽減などの予算措置が求められます。  国保運営で諸問題解決に向けた都の取り組みについて、区の認識を伺います。  また、都の財政措置を拡充し、国保料の軽減に取り組むよう都に求めること、見解を求めます。  国保の広域化に対し、平成三十年度から保険料の試算が示されていますが、都民や区民に明らかにされていません。広域化に向けた運営方針案と保険料率の試算を一刻も早く公開するよう都に求めます。見解を伺います。  次に、後期実施計画で求められる新たな対応の第二として、子どもの貧困について質問します。  世田谷区内には子ども食堂が十五カ所に広がっています。南烏山で民間団体が実施している子ども食堂では、ふだんでは一人で夕食を食べている子どもたちや小さな子どもを連れたお母さんが参加しています。運営者は、相談などで一度つながっても支援が途切れることがあり、そういった子どもたちへの支援について問題意識を持っているということでした。  文京区では、子どもの貧困対策の一環として宅食の取り組みをしています。就学援助、児童扶養手当受給世帯を対象に、月二回、米三キロ、レトルト食品や五百ミリリットルの飲み物数本などの食材を自宅に届けるものです。食材はフードバンクを活用し、届けるのは宅配業者です。区は百五十世帯を目標に募集したところ、予想を超える四百世帯の応募があり、担当者も驚いていました。江戸川区でも食を届ける多様な支援が始まっています。私は、世田谷区でもこの取り組みが強く求められていると感じました。  世田谷区で取り組まれている子ども食堂や学習支援などは非常に重要です。しかし、現場からも必要なところに届いているのかという声が出ています。文京区や江戸川区で始まった工夫のように、必要な世帯に支援をつなげるために、多様な取り組みを行うべきです。見解を伺います。  子どもの貧困の二つ目に、小中学校の就学援助について伺います。  就学援助とは、子どもがいる経済的に困難な世帯に対し、給食費、学用品費、入学準備金などを支給する制度です。日本共産党は、この間、実態と比べて低過ぎる就学援助の入学準備金について増額を求めてきました。就学援助は、生活保護受給世帯を要保護、これに準ずる世帯を準要保護としています。準要保護は市区町村が主体となって援助を行います。  ことし三月、国は要保護の入学準備金の単価を倍加しました。世田谷区においても、来年度の新入生からの入学準備金の増額を行うべきです。見解を求めます。  新実施計画では、新たな視点として子どもの貧困が加わりました。しかし、具体的にどのような子どもの貧困対策を進めるのかは明らかになっていません。新実施計画でどのような子どもの貧困対策を進めるのか伺います。  次に、児童相談所の開設について質問します。
     区は、児童相談所を平成三十二年四月以降に開設することを目指しています。我が党は、住民に最も身近な自治体である区が、子どもの命と権利を守る最前線の機関である児童相談所の設置主体となることは、積極的意義があり、児童福祉法改正の趣旨の一つもそこにあると認識しています。  しかし、児童相談所の運営にはさまざまな課題があります。これまで我が党は、経験を持った専門性の高い人材確保や区が負担する莫大な費用に対して、区民の理解と合意が必要だと訴えてきました。一時保護所は、高い専門性と即時対応が求められる現場であり、職員のやる気と熱意が職場を支えています。子どもの安全と人権がかかった現場です。だからこそ、職員の一丸となった取り組みが必要です。  児童相談所の開設に向けては、区民の合意と職員の理解が不可欠です。また、一時保護所の同時開設も必要です。丁寧な議論と十分な準備が必要です。拙速に進めるべきではありません。今後の対応について伺います。  次に、都市計画道路補助五二号線について質問します。  平成二十八年に宮坂二丁目から経堂、船橋を横断し、環八まで至る幅員二十メートルの補助五二号線を都は事業認可を目指す優先整備路線に指定しました。計画線は、ほぼ現道はなく、農大通りの商店街など四つの商店街、二つの寺、二つの公園などを横断する計画です。区議団の調査では、二百八十五戸以上の住宅が立ち退きを迫られます。  周辺住民でつくる五二号線に反対する会は、見直しを求める署名運動に取り組み、八月に二千三百七十二筆を都知事宛てに提出しました。地域からは、住みなれた地域で住み続けたい、大型道路が通ることで環境が悪化する、商店街が二十メートルの道路で分断され、潰れてしまうなど、多くの反対の声が寄せられています。  区長は、道路整備について住民の理解と合意を大切にすると表明しています。都市計画道路補助五二号線で認可を目指す区間の計画について住民の理解と合意は得られていません。区長の認識と今後の対応について見解を伺います。  次に、交通不便地域の解消について伺います。  日本共産党区議団は、交通問題に取り組む区民の皆さんと一緒に横浜交通サポート事業の視察を行いました。横浜では、地域住民が主体となり、行政が支援をしてコミュニティバスを走らせています。横浜旭区四季美台で推進してきた地域住民、町会の方々の話を伺い、ワゴン型バス、四季めぐり号の乗車体験もしました。バスのルートやバス停も住民が決め、採算を確保するために乗車キャンペーンも住民たちが行います。行政はそうした活動を支援し、試験走行のときの補助金も出します。地元のタクシー会社が熱意を持って実施していました。住民と行政と事業者の連携で実現したものです。  このように、横浜で住民と事業者と自治体が連携したコミュニティバス運営が実現していることは大変重要です。同じ課題を持つ世田谷区でも三者の適切な連携で一刻も早く実現させるべきです。見解を伺います。  烏山地域では、介護事業者の協力で送迎車を使った高齢者の買い物ツアーを実施しています。駅やバス停まで遠く、買い物が困難な高齢者からの切実な声に応えた取り組みです。区は不便地域解消のモデル地域を砧に選定し、検討をするとしていますが、烏山地域も切実な状況があります。一刻も早く住民の声に応え、烏山の交通不便地域へのコミュニティバスの取り組みを進めるべきです。見解を伺います。  区は、地域包括ケアの地区展開を進め、地区アセスメントを作成しています。烏山地域の取り組みとして紹介されたのが、前に述べた高齢者の買い物ツアーです。この取り組みは、烏山地域だけでなく、上北沢で実施され、喜多見、奥沢でも検討が進んでいます。  地区の課題を住民同士が協力して解決する地域包括ケアの地区展開の取り組みが進んでいることは、住民の参加と協働の積極的な事例です。各地に広げる必要があります。区としての評価と今後、どう生かしていくのか、区の対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 たかじょう議員にお答えをいたします。  まず、核兵器禁止条約の採択の意義、またこの間の北朝鮮弾道ミサイル発射、核実験についての私の見解ということでございます。  まず、核兵器禁止条約は、核兵器の開発、製造、所持、使用など、幅広く禁止する内容となっており、世界の平和と安全保障に対して、依然として存在し続ける核兵器の脅威に対峙するために画期的な条約だと認識しております。  世田谷区は、平和首長会議に加盟する自治体として、平和首長会議の方針である核兵器廃絶に向け、国際社会が総力を挙げて協力し、ともに取り組んでいくことが必要と考え、各国が核兵器廃絶に向けて世界の多様なパートナーとともに働きかけていく、これが平和首長会議の方針ですが、この方針とともに、核兵器廃絶と世界平和を誓った平和都市宣言に基づいて、平和事業の取り組みに積極的な役割を果たしてまいりたいと考えています。  また、北朝鮮の核実験やたび重なる弾道ミサイル発射について、国民の平和と安全を脅かす行為であり、絶対に許されるものではない、私は区長としてそれぞれの挑発的な行為に関して、厳重に抗議をいたしました。我が国としても、国連の制裁決議を踏まえ、唯一の被爆国、また北朝鮮の隣国としても、北朝鮮が今後、核実験やミサイル発射を行わないように、多国間協議の枠組みも整えつつ、粘り強く働きかけていくことが重要であると考えています。  次に、ドリームジャズバンド発表会におきまして、日野氏の行為についてということに関してでございます。  このたび、ドリームジャズバンドワークショップ発表会におけるコンサートにおきまして、日野氏がとった行為で、参加していたお子さんたちや保護者の方など、関係各位に御心配をおかけしたことに区を代表して心よりおわびを申し上げます。  ドリームジャズバンドワークショップは、新・才能の芽を育てる体験学習の一つで、区立小中学校を対象として、各界で活躍する方々を講師としてお招きし、ふだんの授業や生活では経験できないような内容の講座を実施している事業です。私も区長として就任をして、区内での初めての公務がこのドリバンの開講式でありまして、熊本前区長から学園長を引き継ぎまして、開講式並びに発表会、欠かさず参加をしてまいりました。  八月二十日に世田谷パブリックシアターで実施したコンサートで、ソロパートでなかなか演奏をやめなかった子どもに日野氏が演奏を中断させるということがありました。その際とった行為は、指導として行き過ぎた行為であり、二度とあってはならないと考えております。  この事業運営は、教育委員会が公益財団法人せたがや文化財団に委託しているため、今回の状況に鑑み、教育委員会からせたがや文化財団と日野氏の事務所に、今回のような行き過ぎた行為は改めていただきたいと要望し、改める旨の回答をいただいていると聞いております。また、私からも同様の趣旨をお伝えし、やりとりをしてございます。  事業開始から、日野氏を初め講師の方々は、参加した子どもたちと真剣に向き合い、子どもたちの持つ才能を引き出す努力を重ねてこられました。その成果を尊重しながら、今回起きた事態について検証を進め、今後の改善が具体的に図られるよう、総力を挙げるよう、教育委員会に指示したところでございます。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私から、二点について御答弁申し上げます。  最初に、この新実施計画(後期)につきまして、新たな変化に関する認識、それから対応についてでございます。  新実施計画(後期)の実効性を高めるためには、この間の社会情勢の変化を的確に捉え、これを計画に反映させていくことが重要であると認識しております。外部環境を含めて大きく捉えますと、三年後には東京二〇二〇大会が開催されますけれども、大会の成功はもちろんのこと、誰もがスポーツに親しめる機会の創出に取り組むとともに、障害に対します理解促進や多様な文化との触れ合いを図り、多様性を認め合う地域社会の実現を進めていくことが肝要かと思います。  また、個別の課題におきましては、年々増加いたします児童虐待や子どもの貧困の顕在化などへの対応のため、児童相談行政の強化など、児童福祉の一層の充実が求められております。また、国民健康保険制度の広域化など、社会保障制度の変化や熊本地震を契機に改めて重要性が浮き彫りになりました震災対策など、区民に最も近い行政といたしまして、日々の区民生活、暮らしの観点に立った対応策を最優先に取り組んでいく必要があると考えております。  これらの諸課題への対応策におきましては、将来人口の増加や構成の変化に伴ういわゆる行政需要の拡大や区民生活への影響、また財政上の諸課題については、持続可能な自治体経営の観点に立った検討を並行して進めてまいります。  このようなさまざまな課題につきまして、庁内で検討を重ねまして、議会や区民の皆さんの御意見を伺いながら、新実施計画(後期)の策定について取り組んでまいります。  続きまして、国民健康保険の関係で、広域化の問題でございます。  特別区では、本年八月に特別区長会要望といたしまして、都知事宛てに提出いたしました平成三十年度都の施策及び予算に関する要望書の中で、財政運営の責任主体として、国保運営の中心的な役割を担う東京都におきましては、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営ができるよう、予算措置を講じることを要望しております。  具体的には、国が示します保険料激変緩和措置に加えて、被保険者の負担に配慮した激変緩和措置を講じること、低所得者等の保険料負担軽減策を講じること、子育て世帯の経済負担を軽減するため、子どもに係る均等割保険料の軽減や多子世帯に対します軽減策を講じることなどでございます。  区といたしましては、東京都に対しまして、新たに保険者となることを踏まえまして、被保険者への影響も考慮し、国の制度設計を超えた低所得者支援策等、都独自の財政負担を行うべきであると認識しており、そうした点について機会を捉えて要望を続けてまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、都市計画道路補助五二号線の整備計画について御答弁申し上げます。  都市計画道路補助五二号線は、渋谷区神泉から世田谷区成城までの延長約九キロメートルの都市計画道路ですが、世田谷区内では、環状七号線から西の区間は未完成で、そのうち宮坂付近の補助第一二八号線までの区間が現在、東京都で事業が進められているところでございます。  御質問の補助第一二八号線から環状八号線までの区間は、昨年三月に策定されました東京における都市計画道路の整備方針第四次事業化計画におきまして、東京都が施行する優先整備路線として、平成三十七年度までに事業化を目指す路線となってございます。  補助第五二号線の整備は、自動車交通の円滑化等の整備効果もさることながら、住宅が密集している地区に計画されていることから、消防活動困難区域や災害時の避難が困難な区域の解消等、地域の防災性向上に効果があるものと考えてございます。  本路線は、東京都の施行の路線でございますが、道路整備に当たりましては、関係する区民の皆様の御理解、御協力をいただいて進めることは大変重要だと考えております。区といたしましては、今後、事業化される際には、施行者となる東京都に対しましても、適切な対応をとるよう働きかけてまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 ドリームジャズバンドの発表会について御質問いただきました。  先ほどから区長からも御答弁がありましたが、まず初めに、新・才能の芽を育てる体験学習の事業の主催者として、このたびの件につきまして、ドリームジャズバンドに入っている子どもたちや保護者、そして当日会場にいた方々や多くの区民の皆様に御心労をおかけしたことを心よりおわび申し上げます。  新・才能の芽を育てる体験学習のドリームジャズバンドワークショップの事業は、教育委員会がせたがや文化財団に委託して実施しております。そのため、今回の件につきましては、八月二十日の発表会後、せたがや文化財団と連携し、当事者の子どもや保護者への連絡をしておりました。その間、日野氏の事務所から謝罪をしたいとの連絡もいただいたので、これらの対応をともに解決していくために、せたがや文化財団へ要望書を提出した次第です。  その後、せたがや文化財団とともに、日野氏の事務所の社長が謝罪のため、直接私どもを訪ねてこられた際には、このようなことが二度と起きないよう強く申し入れたところです。改善する旨の回答をいただいてはおりますが、区長からの御指示を受け、改めて日野氏とはお話をする予定で考えております。  新・才能の芽を育てる体験学習は、学校の授業以外の場で、子どもたちがみずからの才能、個性に気づき、将来の夢や目標を発見し、たくましく成長することを願って実施している事業です。教育委員会としましては、この事業の意義を再度確認するとともに、今後とも適切な事業運営を関係者と協議しながら進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、現在の新実施計画について、到達と総括をどのように捉えているのかといった御質問に御答弁申し上げます。  新実施計画は、区の基本計画などに定めた理念や目標の実現に向けて、中期的な展望に基づき、区としての具体的な取り組みを定めた総合的な行政計画であり、この着実な推進こそが行政に求められる責務であると考えております。  その上で、今回の素案では、特に基本計画に掲げる参加と協働のまちづくりをさらに進めるため、区民一人一人がみずからの意思を区政や地域の運営に反映し、主体的に参加する地域社会の実現を目指して、参加と協働のさらなる推進を横断的な視点と定め、計画の策定を進めております。  御指摘の現在の計画の状況ですが、保育待機児対策については、定員の拡充はほぼ目標を達成し、三歳から五歳の待機児童を解消いたしました。一方で、建築物の耐震化の促進など、目標を十分に達成できず、さらなる取り組みが求められる事業もございます。  新実施計画(後期)の策定に当たっては、このような現在の計画の成果を総括し、行政の果たすべき役割と地域とのパートナーシップで進める取り組みの両面を明らかにしながら、計画をまとめてまいります。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、国民健康保険について二点お答えをいたします。  初めに、保険料に対する区の認識です。  国民健康保険では、高齢化の進展に伴い、その加入者の多くを退職後の高齢者や低所得の方々が占めるようになっております。そのため、高齢化と医療の高度化が相まって医療給付費が増大する一方、いわゆる現役世代が少ないことなどにより、保険料収入の確保が難しいという構造的な課題を抱えており、保険料についても毎年度見直しをさせていただいております。  そうした中、国民健康保険の保険料は、加入者一人一人に賦課される均等割保険料と所得に比例して賦課される所得割保険料で構成をされておりますので、所得の多寡に関係なく賦課される均等割の額は多人数世帯では大きくなります。七割、五割、二割軽減の対象を拡充するなど、従前より低所得者にも配慮した保険料としておりますが、当区といたしましても、多子世帯への軽減を特別区長会などで課題提起し、都や国への区長会要望につなげるなど、このことについて重く受けとめております。  次に、広域化に向けた都の運営方針案と保険料の試算の公開についてです。  東京都は、東京都国民健康保険運営方針素案及び二十九年度ベースでの標準保険料率の試算結果について、本日開催される東京都の国民健康保険運営協議会において報告し、公表するとしております。また、区はこれに先立ち、開示を求めましたが、公表前の情報については、意思決定過程の情報であるため、公開できないとの回答を受けております。  都運営方針素案と試算結果につきましては、区では、二十六日に予定をされております福祉保健常任委員会において、世田谷への影響についても含めて御報告をしたいと考えております。今後も引き続き、広域化に関する検討状況につきましては、区議会へ丁寧に御報告し、御意見を伺いながら、三十年度の新制度施行へ向けて準備を進めてまいります。  以上でございます。 ◎澁田 子ども・若者部長 それでは、私からは三点御答弁を申し上げます。  まず一点目でございます。子どもの貧困について、必要な世帯に支援をつなげる多様な取り組みを行うべきという御質問に対してです。  厚生労働省が本年六月に発表いたしました国民生活基礎調査の結果によれば、相対的貧困に当たる子どもは、平成二十七年時点で約七人に一人となり、ひとり親世帯ではいまだ約半数が相対的貧困の状態にあると指摘されております。経済的理由により生活上で困難を抱えた子どもは、みずからSOSの声を上げにくく、支援につながりにくいという課題が指摘されております。  区では、ひとり親家庭や生活困窮家庭の学習支援事業など、子どもの貧困対策としてさまざまな取り組みを行っており、保育園、児童館、学校など、日常に子どもとかかわる機関から必要な支援につないでおります。今般の児童福祉法の改正により、要支援児童を把握した関係機関は、区市町村に情報提供するよう努めるなど、より早期に支援につなげることの充実が求められております。  現在、早い段階から支援につなぐ仕組みとしまして、子どもの貧困にかかわる主な傾向をまとめました気づきのシートの活用の準備を進めております。十月中に、まずは区立保育園、児童館を中心に活用を開始しまして、検証を行った上で他機関へ範囲を広げてまいります。また、庁内における横断的な検討の場である子どもの貧困対策推進連絡会などを活用し、他自治体の取り組みも参考にしながら、必要な対策を検討してまいります。  次に、子どもの貧困につきまして、新実施計画でどのように進めるのかという御質問に対してお答えいたします。  現在、平成三十年度からの新実施計画(後期)の策定に向けまして検討しているところでございますが、この間の社会情勢の変化を踏まえ、子どもの貧困対策について素案に考え方を盛り込んだところでございます。内容としましては、配慮や支援等を必要とする子どもが家庭や地域の中で健やかに成長、発達していくことができるように、子どもの貧困対策としての効果的な施策の展開を通じて、子どもや家庭の状況に応じたサポート体制を充実することとしております。  具体的には、来年度実施予定の子どもの生活実態調査により、子どもの健康と生活の実態やニーズを把握するとともに、家庭環境や経済状況が子どもの健康や学習状況にどう影響を与えているのかを分析した結果を踏まえ、子どもの貧困対策推進連絡会での議論や外部有識者からの御意見をいただき、必要な施策を順次進めてまいります。  次に、児童相談所の開設につきまして、区民の合意や職員の理解が不可欠であり、十分な議論と準備を行うべきという御質問にお答えさせていただきます。  区の児童相談所設置の意義や一時保護所の検討状況について、広く区民に周知し、職員や関係機関を含めた議論を行うことで、児童相談所移管の必要性を共有していくことは大変重要だと認識しております。  現在、庁内の関係所管課による業務ごとのワーキンググループを設置し、移管される業務内容についての情報共有や実務の検討を行っております。これに加えまして、十月より全庁を対象とした説明会を予定しておりまして、児童相談所開設の意義や実際の業務等についても広く周知を図ってまいります。  関係機関や区民に対しましては、要保護児童支援協議会や区報、ホームページを活用いたしまして、来年一月に予定しております検討委員会の中間報告を公表することで、区の目指す方向をお示しするとともに、児童相談所の設置に伴う子ども家庭支援センターの体制強化や、それに要する区の財政負担などについても明らかになり次第、お知らせをしたいと考えております。丁寧な説明と十分な議論を行い、準備作業が具体化いたします平成三十年度までには、おおむね御理解をいただけるよう努めてまいります。  こうした取り組みの上、平成三十二年四月以降、早期の開設を目指し、体制整備等を進めてまいります。  以上でございます。 ◎志賀 教育次長 私からは、子どもの貧困について、就学援助の新入学用品費の増額について御答弁申し上げます。  区では、就学援助費の各支給費目を国の基準単価や都区財政調整制度の基準単価を参考に定めており、新入学用品費は、小学校二万三千六百九十円、中学校二万六千七百八十円としております。今年度文部科学省は、要保護者への援助としての国庫補助である要保護児童生徒援助費補助金について、新入学用品費の補助単価を従来の約二倍に引き上げたところです。  区といたしましては、子どもの貧困対策の観点からも就学援助制度の充実は重要であると考えており、国の動きも踏まえ、財政への影響等も考慮しながら、引き続き増額について検討を進めてまいります。  以上です。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、公共交通不便地域解消について二点御答弁申し上げます。  まず、烏山地域の不便解消についてです。  高齢社会の進展によって、今後、日常生活上の移動などの課題解決の必要性が高まってくると想定しております。先般、議会へ報告した地域包括ケアの地区展開の取り組み状況では、複数の地区で交通の便に関することを課題に掲げている状況がございます。このような中、烏山地域からは、これまでにも地元の方々からコミュニティバス導入の要望をいただくなど、切実な声があることも認識しております。  公共交通不便地域対策を考えるには、地域のニーズに見合った方策や事業採算性に見合った需要の確保などを地域全体の課題として住民が主体となって取り組む必要があると考えており、今年度から砧一丁目から八丁目をモデル地区として、住民の方々との勉強会やニーズ調査を進めているところです。  区といたしましては、まずはこのモデル地区での取り組みを今後のほかの公共交通不便地域での対策検討の素地とするためにも全力で進めてまいりたいと考えております。  次に、横浜の事例のような住民、事業者、自治体の連携についてでございます。  お話にありました横浜地域交通サポート事業は、住民のニーズと需要に基づく地域の主体的な取り組みがスムーズに進むよう、が地域活動を支援する事業です。区では、昨年度に取りまとめました公共交通不便地域対策調査検討の中間のまとめにおいて、今後の取り組むべき方向性の一つとして、地域住民が共同して地域の課題を解決し、公共的なサービスを運営していくという新たな住民自治の仕組みづくりの推進を掲げております。  今年度からモデル地区の住民の方々との勉強会やニーズ調査を行っておりますが、横浜地域交通サポート事業は、区が考えるモデル地区での取り組みに先駆けた事業と捉えており、状況の違いもありますが、今後も参考としながら、スピード感を持って取り組んでまいります。  以上です。 ◎内田 世田谷総合支所長 私からは、地域包括ケアの地区展開の総括と今後の対応につきまして御答弁いたします。  区は、地域包括ケアの地区展開に取り組み、身近な二十七地区で福祉の相談窓口とともに、参加と協働の地域づくりを進めております。各二十七地区では、昨年度から地区アセスの作成を進め、アセスで抽出した課題の中から、地区の社会資源を開発し、課題解決に向けて地区住民等を担い手とする取り組みを順次、実施したところです。  議員お話しの烏山地区などでは、住民の切実な要望を踏まえ、アセスの課題としての買い物支援を掲げ、取り組んでおります。こうした高齢者の買い物支援を初めとした各地区の取り組みは、いつまでも住み続けられる地域づくりの第一歩になるものと考えております。今後、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者が、地域住民等とともに、地区ごとに具体的な事業実施を検討してまいります。  区といたしましては、地区ごとに取り組んでいます買い物支援や高齢者の居場所づくり、男性が地域で活躍する仕組みづくりなど、さまざまな事例を積み重ね、ノウハウを各地区で共有しながら、社会資源開発や課題解決の取り組みを着実に推進してまいります。  以上です。 ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 都市計画道路五二号線について再質問いたします。
     この五二号線周辺の皆さんは、道路計画に納得をしていません。住民の方は、町や商店街の分断があると、また歴史的なコミュニティーの破壊があること、そして引っ越しを余儀なくされる住民もいるということ、さらに通過交通の増加による環境破壊が起こると、こういった声を上げているわけです。地権者である経堂の四百年の歴史のある福昌寺の住職さんのところには、見直しを求めて、檀家さんや商店街から百筆の署名寄せられました。そういうふうに聞いております。  区長は、繰り返し丁寧に対応すると答弁していますけれども、住民の皆さんの声、直接お聞きになりましたでしょうか。まだのようでしたら、ぜひ聞いていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問、たかじょう議員にお答えいたします。  岡田副区長から先ほどの答弁にもありましたように、補助五二号線は都施行でございますが、道路整備に当たっては、関係する区民の皆さんの御理解、御協力をいただいて進めることが重要だと考えています。  区としては、将来事業化される際に施行者となる東京都に対しても、適切な対応をとっていくように働きかけてまいります。その住民の皆さんの声、その機会を探りながらお聞きをしたいと思います。 ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 答弁ありがとうございます。ぜひ住民の方の声を聞いていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十一日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時四十九分散会...