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  1. 世田谷区議会 2017-06-13
    平成29年  6月 定例会-06月13日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成29年  6月 定例会-06月13日-01号平成29年 6月 定例会 平成二十九年第二回定例会 世田谷区議会会議録第八号  六月十三日(火曜日)  出席議員(五十名) 一番   石川ナオミ 二番   ゆさ吉宏 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   山口ひろひさ 十番   石川征男 十一番  安部ひろゆき 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  菅沼つとむ 二十一番 加藤たいき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 真鍋よしゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 おぎのけんじ 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  和田ひでとし 四十一番 上山なおのり 四十二番 畠山晋一 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     井上徳広 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 佐々木 崇 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 岡本俊彦 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    板垣正幸 副区長    宮崎健二 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 岩本 康 総務部長   岡田 篤 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   菊池弘明 施設営繕担当部長        松村浩之 生活文化部長 田中文子 地域行政部長 本橋安行 スポーツ推進部長        平澤道男 環境政策部長 松下洋章 産業政策部長 久末佳枝 清掃・リサイクル部長        原田茂実 保健福祉部長 板谷雅光 地域包括ケア担当参事        岩元浩一 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        中村哲也 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 防災街づくり担当部長        関根義和 みどりとみず政策担当部長        髙木加津子 道路・交通政策部長        小山英俊 土木部長   五十嵐慎一 教育長    堀 恵子 教育次長   志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 生涯学習部長 花房千里 総務課長   望月敬行     ──────────────────── 議事日程(平成二十九年六月十三日(火)午後一時開議)  第 一 代表質問
        ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、諸般の報告  四、日程第一 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○上島よしもり 議長 ただいまから平成二十九年第二回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   十四 番 阿久津皇議員   三十八番 平塚敬二議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は、本日から六月二十二日までの十日間とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって会期は十日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、区長から招集の挨拶の申し出があります。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 平成二十九年第二回世田谷区議会定例会の開催に当たり、区議会議員並びに区民の皆さんに御挨拶を申し上げます。  初めに、六月一日現在で世田谷区の住民基本台帳上の人口は八十九万八千二百六十二人となりました。名実ともに九十万都市を目前にしながら、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を掲げて、暮らしと福祉のコミュニティーの充実と間断なき区政の改革に取り組んでまいります。  世田谷美術館で「エリック・カール展 絵本とともに、あゆんだ道。」が四月二十二日から始まりました。私は五月に入って連休のさなかに鑑賞いたしましたが、館内は親子連れであふれて大盛況でした。アメリカの絵本作家で、色の魔術師と呼ばれるエリック・カール氏の世界は、美しく鮮やかな色彩と生きているように確かな存在感で見る者を魅了する作品が特徴的です。  アメリカで生まれたエリック・カール氏は、ドイツ移民だった両親とともに、六歳のころドイツに渡りました。多感な青少年時代をファシズムの吹き荒れるナチス政権下で過ごしています。十二歳のとき、彼の才能を認めた美術教師により、ヒトラーが退廃芸術として禁じたピカソ、クレー、マティスらの複製画を秘密裏に見せられ、その自由な色彩や形の表現に大きな衝撃を受けたそうです。その原体験が、八十八歳を迎えようとしている今でもなお、鮮やかな輝きを失わないエリック・カール芸術の出発点となり、穏やかな平和を願う原点にあると言えます。  開催からこれまで六月十一日現在、七万七千人を超える人が訪れました。親子でじっくり鑑賞する方々も多く、子どもたちに開かれた温かい企画展になっていることも印象的でした。長い時間をかけて醸成する文化芸術振興の大切さを改めて心に刻んだところでございます。  既に申し上げてきたように、多世代を支え、つなげる予算として平成二十九年度予算のもと区政運営が始まっております。  まず、平成二十九年度は、区の最上位計画として二十六年度からスタートし、十年間の期間である世田谷区基本計画のもとで、前期四年間の新実施計画の最終年度となります。続けて後期四年間の次期新実施計画の策定を進めるに当たり、人口動向を初めとした変化の要因を捉え、また新たに具体的な課題となっている事柄も加えて、基本計画に掲げる六つの重点政策に立ち返り、政策機軸をしっかり押さえながら時代の変化に対応していく内容に練り上げていく予定です。計画の策定まで、区民並びに区議会から活発な御議論をいただきたいと思います。  冒頭に触れましたように、世田谷区の人口は、基本計画をまとめた平成二十六年三月から三年間余りで約三万人の増加となりました。全年齢、全世代において偏りなく、十四歳以下の年少人口、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口、六十五歳以上の高齢人口の三区分ともに増加をしています。そのために高齢化率も二〇%と横ばいです。また、在住外国人の方々の人口も増加しています。  日本全体が、少子・高齢化と人口減少社会に突入する状況の中で、世田谷区は全国の傾向とは際立って異なる特色を示しています。人口増加傾向の中で、行政需要も拡大の一途をたどっています。限られた職員で充実した行政サービスを維持していくためにも、行政手法の改革を基軸にして行政経営改革を進めていく必要があると考えています。  以下、世田谷区基本計画の分野別政策の体系に沿い、サブタイトルにある参加と協働の視点に立ち、政策展開について述べてまいります。  まず、健康福祉の分野から述べます。  基本計画では、まちづくりセンターに身近な福祉の相談窓口を開き、専門家が適切に支援することにより、地域で包括的に支えるケア体制をつくりますと地域包括ケアの地区展開を掲げました。昨年七月、区民生活の最前線である二十七地区において、まちづくりセンターあんしんすこやかセンター社会福祉協議会による福祉の相談窓口を開設、運営する取り組みを全地区で実施をいたしました。今後、福祉の相談窓口を運営する三者連携の強化や幅広いPRとともに、地区での福祉課題を解決するための社会資源開発を進め、住民が参加し運営に携わる地域福祉の充実を目指し、参加と協働の地域づくりを進めてまいります。  次に、高齢福祉についてです。  基本計画では、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、保健医療福祉サービスの基盤整備や生活支援サービスの充実、専門分野の人材の確保育成をしますとしています。団塊世代が七十五歳以上となる二〇二五年の介護需要の高まりを想定して、福祉・介護人材の確保・育成・定着支援などに力を入れていきます。  先日開催されました介護職員等合同入職式においては「想いをカタチに~介護という仕事の価値~」という講演会やワークショップでは、介護の仕事について幅広く語り合い、現場で真摯に取り組まれている様子を聞き、頼もしく思いました。介護人材の確保育成に力を入れて総合的に取り組んでまいります。  次に、認知症施策の推進についてです。  本年四月、「ともに新しい時代へ」というテーマのもと、京都で国際アルツハイマー病協会、ADIの国際会議が開かれ、約七十の国々から四千人の方々が参加しました。この会議では、認知症当事者の方が多く参加され、認知症当事者は、守られるのではなく、支援者の力をかりて自立することが必要である、認知症になってもできることはたくさんある、できることを奪わないでと語られました。会議のタイトルとなった「新しい時代」とは、認知症の当事者が尊厳を持って暮らし続けることができる社会の扉を開こうというものです。  近年、認知症の方自身が、みずからの言葉で意思を発信する機会がふえてきています。区では、認知症カフェ、認知症当事者のための社会参加型プログラムの開発を通して、認知症の御本人が地域で主体的に活動できる取り組みを進めています。  区内で何らかの認知症状のある方は、三月末で約二万一千六百人となり、高齢者の約一二%です。区では、認知症の方や御家族への支援として、認知症に関する普及啓発や早期支援、地域で見守る体制づくりに取り組んでいます。認知症サポーターの養成では、既に約二万四千八百人の方が認知症サポーターとなっています。  本年五月からは、認知症等により外出先から自宅に帰れないなどの不安がある高齢者が、安心して外出ができるよう、新たな見守り事業を開始いたしました。お配りする高齢者見守りステッカーを衣類や靴など、身の回りのものに張っていただき、道に迷って警察などに保護された際に、二十四時間対応している高齢者安心コールを通し、迅速に身元が判明し、御自宅に連絡ができるよう支援をいたします。  次に、障害者福祉について申し上げます。  基本計画では、障害者等の地域生活の安心を支援するため、権利擁護の取り組みを促進するとともに、保健福祉サービスの質の向上に努めることとしています。平成二十六年に障害者の権利条約が我が国でも批准され、昨年四月には障害者差別の禁止と合理的な配慮の提供をうたった障害者差別解消法が施行され、一年が経過しました。この間、区に寄せられた相談、お問い合わせ、御意見などは九十八件に上り、他区に比べて多く、区民の関心の高さがうかがわれます。  相談の内容には、電動車椅子での飲食店の入店拒否など不当な差別的取り扱いに関することが九件、段差のある出入り口での介助をしてもらえなかったなどの合理的な配慮に関する相談が二十九件、障害者差別解消法について知りたいなどのお問い合わせも数多くいただきました。  区の対応を契機に、飲食店が入店介助を実施するようになった、病院が障害者差別解消法についての研修会を実施したなどの効果もあらわれ、障害当事者の方からは、お店や施設に対し積極的に配慮を求めやすくなったことや、町がよくなり出したとの声をいただいている反面、区民意識調査等では障害者差別解消法を知っている方がまだ三割に満たないなど、引き続き障害理解と法の周知を図る必要があると考えております。  また区では、せたがやノーマライゼーションプランの一部見直しを進め、精神障害者支援の充実、高齢となった障害者のサービスの利用環境整備、障害者就労など、地域包括ケアの視点も踏まえた方向性を明らかにいたします。あわせて、第五期障害福祉計画では、重症心身障害児や医療的なケアが必要なお子さんと家族を支える支援並びに発達障害への対応を実施していきます。  続いて、健康づくりについてです。  区では、平成二十四年度から十カ年の区の総合保健計画として策定した健康せたがやプラン第二次について、中間評価等を行い、二十九年度から五カ年の計画である健康せたがやプラン第二次後期を策定しました。  後期のプランでは、健康によいことを何か一つプラスしていけるように、健康せたがやプラス1をキャッチフレーズとしています。今後は、私の健康プラス1宣言を広く公募し、誰でも簡単に楽しく参加できるきっかけづくりや環境整備を区民や事業者等と広く連携して働きかけ、健康寿命の延伸、介護予防につなげ、地域包括ケアシステムの推進を健康づくりの側面から取り組んでまいります。  次に、子ども、若者、教育の分野について述べます。  区では、子ども・子育て応援都市を宣言し、子育て家庭を応援するとともに、地域に根差した質の高い教育環境の充実を目指して施策を展開しています。  まず、保育待機児童対策についてです。  四月一日時点の世田谷区の保育待機児童数は、前年度に比べ三百三十七人減少し八百六十一人となりました。区では、平成二十八年度の保育施設整備において、認可保育園二十一カ所、小規模保育事業二カ所、認定こども園一カ所及び認証保育所一カ所の新設、認可外保育施設の新制度移行等による定員拡充に取り組み、前年度比で千九百五十九人の定員の増を図りました。平成二十九年四月の申込者数は前年に比べ二百四十一人の増の六千六百八十人となりましたが、定員の増により六年ぶりに減少に転じました。  待機児童はゼロ歳二百九十九人、一歳五百十六人、二歳四十六人となっており、三歳以上は解消をしています。待機児童の厳しい状況が続く低年齢児を対象とした認可保育園分園小規模保育事業、認証保育所の整備に全力で取り組んでまいります。低年齢児を対象とする保育施設と三歳以上の定員にゆとりのある認可保育園を結んで体制を整え、周辺住民の御理解をいただきながら、より効果的な待機児童対策を進めてまいります。  次に、児童相談所移管についてです。  区は、この四月より、児童相談所開設に向けた専管組織を設置し、平成三十二年四月以降早期の開設を目指して取り組みを進めております。一月からの全三回の外部有識者によるアドバイザー会議を経て、この五月には地域関係機関の代表者も含めた検討委員会を設置、スタートさせました。同検討委員会では、児童相談所と一時保護所、子ども家庭支援センターあり方検討部会、社会的養護のあり方検討部会障害児支援体制あり方検討部会の三つの部会をつくり、十分に議論を深めてまいります。  また、区は荒川区、江戸川区とともに、モデル的に東京都との設置計画案の確認作業を進めるモデル的確認実施区となっております。この作業を通して具体的な設置に向けた東京都との協議を続けてまいります。子ども家庭支援センターと一体となった地域の支援を最大限に活用した一元的で効果的な児童相談行政の実現を目指して進めてまいります。  次に、世田谷版ネウボラの取り組みについてです。  昨年七月、妊娠期から就学期までの子育て家庭を支える切れ目のないサポート体制の充実を目指し世田谷版ネウボラを開始し、平成二十八年度の妊娠届け出数は八千七百七十九件でした。七月以降では六千四百七十四件の妊娠届があり、その中で妊娠期面接を受けた妊婦の方々は三千百三十六件、四八・四%でありました。  また、本年一月から二月にかけて妊娠期面接を受けた方を対象にアンケートを実施いたしました。御協力いただいた八百九十七名の九九%が満足とされている一方、世田谷版ネウボラを七割の方が知らないと回答し、周知に課題が残りました。今後、母子手帳を交付する窓口他で周知に努め、土曜日面接の試行など、世田谷版ネウボラ推進協議会での御議論を踏まえ、医療と地域との連携を図り、取り組みを強化してまいります。  教育についてです。  五月二十一日に教育について、ドキュメンタリー映画「みんなの学校」でよく知られている木村泰子大阪市立大空小学校元校長、文部科学省初等中等教育局教育制度改革室長らとシンポジウムで語り合いました。私たち大人にとっても予想することが難しい時代がやってくる中で、学びの変革も不可避となってくる学校現場で何から始めるべきなのかをテーマに、私はこの二年間の総合教育会議での議論を紹介いたしました。  現場が疲弊し、困難な局面にあるときに、オランダでは地域にある教育支援センターが支援に乗り出します。ベテランの教員や教育学者が、困難校の現状を分析して解決方法をともに考え、場合によっては学校に出向いて共同実践に乗り出します。日本でも、学校支援、現場支援、教員支援の機能を持った新教育センターが必要だと準備の議論を重ねていることも話しました。  新教育センターについては、世田谷の教育の質を高めるため、専門性の高い研究に裏打ちされた研修や子ども一人一人の特性に応じた支援など、乳児期を含めた学びの再構築に一元的に取り組む教育の拠点が必要です。これまでの検討を生かし、仮称世田谷区教育総合センター構想策定に続き、基本設計を進めてまいります。  今年度、総合教育会議では、学びの質的転換と新教育センターの役割、幼児期からの豊かな遊びと学びの環境づくり、配慮を要する子どもたちと学びの多様性、子どもの可能性を伸ばす学校外の教育環境の四つをテーマに議論を深めていこうと考えております。  次に、幼児教育、保育の推進についてです。  乳幼児期は、子どもの成長、発達にとって生涯にわたって人格を支える大きな基盤形成の時期です。激しい変化が加速していくことが予想される子どもたちが生きる社会で、乳幼児期に必要な教育、保育を充実するために、幼児教育・保育推進ビジョンの策定に取り組んでいます。  本ビジョンでは、地域における育ちや学びの連続性を重視し、幼稚園と保育所等の枠組みを超えた乳幼児期における教育、保育の質の向上や教育、保育と小学校教育の円滑な接続、家庭教育の支援、家庭、地域との連携の視点を明確にしております。今後、具体的な取り組みを第二次教育ビジョン第二期行動計画の中で示してまいります。  次に、中央図書館機能拡充についてです。  中央図書館は昭和六十三年に開設し、図書館ネットワークの中枢機能を担う拠点として区立図書館の全体調整などの役割を担ってきました。区民の多様化するニーズに対応するため、中央図書館機能拡充基本構想策定委員会を設置し、具体的な取り組みについて検討してまいりました。  図書館とは、区民の知る自由を保障する機関であり、区民の知的欲求に応え、また日々の暮らしや健康、仕事、地域の疑問や課題の解決、社会参加を支援できるよう、より迅速に有効な図書や資料を提供、回答する充実したレファレンスサービスを提供する都市の知的基盤です。  また、コミュニティー機能の一角を担い、区内大学を初めとした教育機関とも連携を深め、大人の豊かな学びと課題解決を支えたり、子どもの成長を支える機能などの拡充も図ってまいります。多世代が集う知と学びと文化の情報拠点として、区民に親しまれる、魅力あふれる図書館づくりを進めてまいります。  次に、暮らし、コミュニティーの分野についてです。  区では安全安心のまちづくりを初め、豊かなコミュニティー活動の発展とともに、スポーツを楽しみ、環境共生都市に向かう施策を進めています。  まず、災害対策についてです。  東日本大震災から六年が経過しています。区では、宮城県南三陸町、気仙沼市への職員派遣に加え、昨年被災した熊本市にも職員派遣を行っています。今後も、復興支援金への取り組みなど、息の長い支援を継続していく予定です。  昨年度、災害対策基本法の改正や東日本大震災、熊本地震等の実災害での教訓なども踏まえ、避難所における女性の視点や、ボランティア受け入れ体制などの議論を経て、世田谷区地域防災計画を修正しました。また、二十七の地区で開催してきた防災塾を通して、各地区の地区防災計画も策定をいたしました。  一方、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯がふえるなど、家族の形態の変化や地域のコミュニティーの希薄化が進んでいます。二十七地区のまちづくりセンターを拠点として、福祉の相談窓口を通して、地域福祉のネットワークを深め、災害に強いまちづくりを進めていきます。  次に、多様性を認める人権の尊重と男女共同参画についてです。  本年三月、平成二十九年度からの十年間の計画である世田谷区第二次男女共同参画プランを策定いたしました。本計画は、基本構想、基本計画の多様性の尊重を踏まえた、男女だけではなく多様な性を含めた全ての人が尊重され、参画できる社会を目指す計画として、区民を初め、区議会での議論を踏まえ策定したものであります。  あわせて、この四月から仮称多様性を認め合い人権を尊重する男女共同参画推進に関する条例制定に向けた検討に着手をいたしました。男女共同参画推進に関する条例については、二十三区中既に十四区が制定をしていること、さきの第一回区議会定例会での御議論などを踏まえて、区、区民、事業者の責務を初めとして、固定的な性別役割分担意識の解消や性別、性的指向、性自認等による差別的取り扱いの禁止、相談対応等を盛り込む方向で検討と準備を始めました。今後、区議会並びに区民の御意見や御提案をいただきながら、より議論を深めるとともに、内容をつくり上げていきたいと考えております。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてです。  私は、四月初旬、アメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングスにあるアメリカオリンピック委員会の本部を訪問しました。区のほうから投げかけたパラリンピックチームの期間中のキャンプ実施や区民との交流事業の実施について要請をしてまいりました。パラリンピックチームのキャンプについても、大蔵運動場などで実施したい、また交流事業などについても前向きに検討したいとの回答でした。今後もアメリカ合衆国のホストタウンとして友好関係を築いていくとともに、東京二〇二〇大会に向けたさらなる機運醸成を図ってまいります。  東京二〇二〇大会では、馬術競技が馬事公苑で行われ、国内はもとより海外から多くの方々が訪れる予定です。そこで区は、この三月に「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想を策定し、かいわいの魅力向上に積極的に取り組みます。また、周辺の五駅から競技会場をつなぐ道路や大蔵運動場周辺でのサイン整備計画を策定してまいります。  次に、環境、エネルギーについてです。  この四月、区立保育園四十一園に、長野県が開設した水力発電所の電気の供給が始まり、五月三十日に、長野県の高遠さくら発電所の竣工式に参加をしてまいりました。自然豊かな長野県の清流から生まれる電気を世田谷区の保育園が使うというニュースに注目が集まり、自治体間連携の新たなモデルとして大きな一歩を記しました。また、群馬県川場村の木質バイオマス発電所の電気を区民に供給する事業も五月に始まり、世田谷区のみうら太陽光発電所の電気を区民が直接購入する仕組みもスタートしております。  再生可能エネルギーの利用拡大を掲げ、住宅都市世田谷における二つの基軸として、区内の節電、省エネルギーの推進と太陽光発電の普及、交流自治体と結んで再生可能エネルギーを活用する地域間連携を進めてきました。昨年四月の電力の全面自由化を機会に、具体的なプロジェクトとして動き始めました。環境省も注目をし、「低炭素・循環・自然共生」地域創生実現プラン策定事業調査に区の取り組みが取り上げられています。こうした流れを受けて、八月一日には第三回となる自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議を開催の予定です。  四月には区でリースした燃料電池自動車がやってきました。電気自動車とともに公用車として利用するほか、給電機能を生かして水素燃料電池の普及啓発に活用していきます。また、懸案でありました移動式水素ステーションを世田谷清掃工場内に本年十一月から開設をいたします。  次に、新たな産業ビジョン、産業振興計画についてです。  四月二十六日に、産業ビジョン懇話会から策定に当たっての提言をいただきました。提言では、世田谷の特徴として用途地域の九割以上が住居地域であるという特性と、工業や農業など多岐にわたる産業集積都市としての顔が共存することや、下北沢、三軒茶屋、二子玉川駅周辺地区など、区を超えた広域的な交流の場として役割を果たしていること、また五百を超える市民活動としてのNPO団体や千八百余りの建設事業者が地域に根差した活動を行うなど幅広い多様な側面があることが挙げられています。  そこで、多様な働き方、人材育成、産業育成、産業基盤づくりなどのテーマごとの施策とともに、ビジョンを貫くメーンテーマを「区民・産業がつくる世田谷の新たな価値と豊かさ」とすることなどを提案いただいております。  産業政策は、活力ある世田谷を形成するエンジンです。これまでにない新しい価値の創造に向け、産業振興に資する構想を広げ、まとめてまいります。  平成二十八年度に、三茶おしごとカフェでは、一万二千八百九件の求職相談に対して、八千七百十六件の仕事を紹介し、千四十九人が就職しています。とりわけ、女性の就職希望者数は全体に増加傾向にあります。さらに、就職ではなく、起業を目指すセミナーに参加されている方もふえておりまして、区民の就労形態は多様化しています。  子育て、保育の課題と働き方改革の課題はつながっています。働きながら子どもを育てやすい環境をつくるために、保育園整備を中心とした施策展開とともに、子育て世代の働き方、企業や雇用者側からの配慮やライフスタイルのあり方が問われています。都市部では、子育てと仕事を両立させるために、短時間勤務やワークシェアリングを初めとして、コ・ワーキングスペースと託児機能を持つ新たな仕組みなど、これまでにない就労形態の環境支援も必要です。今後、区は、区民が求めている多様な働き方ができるよう調査研究を進め、制度設計に取り組んでまいります。
     次に、都市づくりの分野についてです。  区民が安全で快適に暮らしていくための都市環境の保全、緑の保全創出、快適で安全な移動と都市基盤の整備を進めていきます。  まず、木造住宅密集地域の解消についてです。  国や都の補助金を活用しました延焼を抑制し避難路等になる道路整備、防災機能を持った公園、空地の整備、また老朽木造建築物の建てかえ等による不燃化などにより、火災に強い町を目指した取り組みを進めてきました。想定されている首都直下型地震等に一刻も早く備えるため、特に改善が必要な不燃化特区では、平成三十二年度末までに延焼による焼失がほぼゼロとなる不燃領域率七〇%を目標としています。  次に、みどりの基本計画についてです。  住宅都市世田谷にとって、昨年までの五年間でわずかな増加を見せたみどり率を区制百周年までに三三%に引き上げるみどり33の取り組みは重要です。先日、新たなみどりの基本計画の骨子をお示したところですが、次年度から十年間の計画として、区民が緑の豊かさと潤いを実感し、質の高い住宅都市の魅力を高めるために、都市のグリーンインフラに取り組み、区民との協働を増進し、計画の策定を進めてまいります。  次に、交通不便地域対策についてです。  区では、昨年度から公共交通不便地域対策のための調査検討を進めています。これまでに、十路線のコミュニティバスを導入してきましたが、狭隘な道路が多い区内では、今後の拡充と展開が難しい状況にあります。そこで、今後の新たな交通不便地域対策として、小型のワゴン車等を活用した移動手段の導入可能性を探っていきます。  区内に点在する公共交通不便地域の中からモデル地区を早期に選定し、地域要望や公共交通導入の意向を確認するなど、地域住民と協働した新たな移動手段導入の可能性を検討してまいります。  次に、広域文化拠点のまちづくりについてです。  区の広域生活・文化拠点の一つである二子玉川では、再開発事業が完了し、エリアマネジメントの取り組みなど新たなまちづくりの段階に入ってきました。また、下北沢では小田急線の上部利用計画に基づいた施設整備を中心とした北沢デザイン会議、周辺のまちの魅力を高めるための北沢PR戦略会議などを区民参加で熱心な議論のもと、開催をしています。  もう一つの拠点である三軒茶屋では、地権者を中心とした三軒茶屋二丁目市街地再開発準備組合が設立され、事業化に向けた検討と準備を進めているところです。区では、基本計画及び都市整備方針の内容を深め、グランドデザインとしてのまちづくり基本方針を策定し、三軒茶屋の個性やポテンシャルを最大限に発揮し、新たな価値の創造に向けた方向で取り組んでまいります。  次に、区政全体の施策を推進する方策についてです。  各政策を確実に支えていくための効率的な施設整備や運営とともに区民、事業者、区による参加と協働の区政運営を進めてまいります。  まず、総合的なくみん窓口の開設に向けた取り組みについてです。  各総合支所の住民記録事務と戸籍事務の窓口を一体化し、区民の待ち時間の短縮や、窓口利用の快適性や利便性の向上を図るため、幅広い行政手続を一カ所で受け付ける総合窓口を本年七月にくみん窓口として開設します。  第一弾として、五月連休明けから各総合支所で窓口レイアウトを一新し、広く明るい待合スペース、ユニバーサルデザインにも対応したソファーを配置しました。現在、番号発券機システムの導入、フロアマネジャーの配置等を順次進め、くみん窓口の開設準備を行い、あわせて本年十月に開設する集中入力センターに向けても準備を重ねているところです。  次に、本庁舎整備について申し上げます。  四月十七日より、世田谷区本庁舎等整備基本設計業務委託公募型プロポーザルを開始しました。六月六日に第一次応募案を締め切り、六点の応募がありました。今後、第一次審査、第二次審査を行い、最優秀者、次点者を決定してまいります。公正かつ透明性、公開性の確保により、第二次提案書を公開し、区民意見聴取、公開プレゼンテーション及びヒアリングを実施し、設計者を選定してまいります。  次に、ふるさと納税と寄附文化の醸成についてです。  昨今のふるさと納税による影響額の増大は、平成二十八年度の十六億五千三百万円に続いて、二十九年度の三十億六千九百九十万円と看過できない状況になっています。区では、国に対して制度本来の趣旨に立ち戻った見直しを行うよう引き続き要請していくとともに、チラシ、リーフレット等を作成し、ふるさと納税の仕組みと区財政への影響を伝えるとともに、区民も世田谷区にふるさと納税できることをよりわかりやすく周知をしてまいります。  また、世田谷区の特徴を生かした取り組みとして、区内障害者施設の自主生産品及び世田谷美術館オリジナルグッズを活用した記念品の贈呈も始めました。今後は、区の事業を身近に感じてもらう体験型記念品やクラウドファンディングの導入に向けても積極的に検討をしてまいります。  今月五日には、区内税務団体等の十九団体の代表者の方にお集まりいただき、ふるさと納税制度の趣旨や影響、区の取り組みを知っていただくとともに、さまざまな意見を伺うことができました。今後も、強い危機感を持って、私自身が先頭に立ってキャンペーンを広げてまいります。  児童養護施設退所者等奨学基金では、この五月末で、ふるさと納税を含み二千八百八十二万二千九百十八円の寄附が集まりました。支えあいの循環がさらに広がることを期待しています。  新実施計画の策定と行政経営改革についてです。  区政運営においては、直面する課題への迅速かつ確実な対応とともに、より長期的で幅広い視点を持って戦略を見据える必要があります。区は、平成二十八年四月に総合戦略をまとめました。総合戦略では、多くの世代の希望の実現、活力ある地域社会の構築、地方、都市との連携交流を基本目標としております。  こうした総合戦略の考え方を踏まえ、現在進めている新実施計画策定では、今後、団塊ジュニア世代が高齢者になる平成四十年代から高齢化が再加速するとともに、昨今の未婚率の上昇から少人数の世帯など家族のあり方が変わることに備え、参加と協働を軸とした共助、共生の地域社会を目指してまいります。  また、行政経営改革では、前例にとらわれず、発想の転換により、最小の経費で最大の効果を上げられるよう大胆に事業手法を改善してまいります。官民連携の取り組みや建物の長寿命化など公共施設等総合管理計画を着実に進めるとともに、成果とコストの観点からの各事業の見直し、事業の整理と点検を進め、多様な主体とのマッチングなど、改めて行政経営改革を徹底していきます。新公会計制度への移行、コスト分析などによる成果をより重視した行政評価への対応も確実に進めてまいります。  最後に、本会議への御提案は、世田谷区立スカイキャロット展望ロビーの指定管理者の指定外議案二十三件、報告七件、同意案件二十四件です。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御議決賜りますようお願い申し上げて、御挨拶といたします。 ○上島よしもり 議長 以上で区長の挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔井上次長朗読〕  報告第十六号 平成二十八年度世田谷区繰越明許費繰越計算書外報告六件 ○上島よしもり 議長 以上で諸般の報告を終わります。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○上島よしもり 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、公明党を代表して、五十番高橋昭彦議員。    〔五十番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆五十番(高橋昭彦 議員) 今、世界情勢が不安定なときにあって、世界経済の長引く停滞と相まって、排他主義の動きが強まり、移民とその家族に対する風当たりが激しくなってきています。経済的合理性を優先する風潮が強まり、そのしわ寄せが弱い立場に置かれた人々をさらに深刻な状態に追い込む傾向が見られています。歴史家アーノルド・トインビー博士は、伝統的な偏見を徐々になくしていくのは、個人的なつき合いであった。どんな宗教、国籍、あるいは人種の人でも、その人と個人的につき合えば、必ずその人が自分と同じ人間であることがわかるものであると。多文化を知り、友情のきずなを足場に、憎悪の扇動に押し流されない共存の流れを、平和の世代をグローバルに築き上げること、いかなる分断の濁流も押し返す、多様性の尊重に基づいた平和の文化の構築のため、我が党はさらに推し進めていくことをまず申し上げ、公明党世田谷区議団を代表して質問に入ります。  初めに、がん対策についてお伺いします。  日本人の二人に一人が一生のうちに一度はがんになる時代を迎えている近年、世田谷区におけるがんによる死亡者数は増加傾向にあり、年間で約二千人、全死因の三人に一人ががんで亡くなっています。こうした実情を踏まえ、公明党区議団では、本年一月から二月にかけてがんに関する区民の意識調査アンケートを実施し、約一万五千人の方からの回答をいただきました。  調査結果を総括的にまとめますと、まず、がんは怖い病気であるが九三・三%、がん予防をとても意識しているが五〇・九%と関心が高い一方で、がん検診を定期的に受けているでは三五・四%と低く、検診を受けない理由として、二十代、三十代では、まだそういう年齢ではない、費用がかかるから、四十代、五十代では、面倒だから、時間がないから、六十代、七十代では、必要なときはいつでも医療機関を受診できるからと世代によって理由はさまざまでした。また、がんに対する不安について、医療費についてというのが六四・六%と最も高く、再発や転移が五五・二%、家族のこと、痛みや死について、就労、仕事の順に続きます。さらに、行政に取り組んでほしい対策はと聞くと、がん治療や検診のための定期通院に働き続けられる環境にないが七〇%と最も高く、相談や支援体制への強化が喫緊の課題であることが明らかになりました。  三十代女性からの意見で、末期の大腸がんになった母がターミナルケアの総合病院を希望したが、費用が高くてかなわず、結局病院を退院し、最期は家でみとりました。家族ががんになると経済的な負担と働きながら看護する大変さを痛感し、改めて国や自治体のがん患者やその家族への支援が必要と痛感しましたとつづられていました。  私どもは、アンケート結果を報告書として取りまとめ、先日、東京都と世田谷区に提出したがん対策強化への提言をもとに、次の四点にわたり質問をいたします。  一点目は、がんを知ることについてです。  我が党が視察した京都府がん総合支援センターでは、既に先駆的な取り組みが進んでおり、検診や予防についてのみならず、京都府内の療養生活に役立つ制度や相談窓口の情報がまとめられたがん情報ガイドを作成しています。がん患者とその家族のさまざまな心配や不安に寄り添い、その助けとなることを目指しているとのことです。五年生存率が六九%のがんは治る病気であり、早期の発見が重要であることを踏まえると、今後、世田谷区においても、区民一般向けのがん情報ガイドの作成と配布を行うべきです。見解を求めます。  また、小中学校でのがん教育についても触れておきます。現在、小学校六年生と中学三年でがん教育の授業を行っていますが、医師、看護師や経験者など、ゲストティーチャー活用など、実施校の拡充を図るべきです。見解を伺います。  二点目は、がん検診の機会の創出についてです。  言うまでもなく、がん対策の重要なポイントは早期発見であり、我が党は、これまでも再三、検診機会をどのように拡充させていくのか訴えてまいりましたが、例えば勧奨、啓発のための定期的ながんイベントの開催や日曜日に行っている保健センターや区の健康やスポーツイベントで同時に検診できる機会の創出を考えるべきです。さらに、受診率向上へコールリコール、電話や郵送での個別勧奨の積極的な展開が必要と考えますが、あわせて見解を求めます。  三点目は、がん患者や家族への支援として四つの観点から伺います。  第一に、融資制度の創設についてです。がん治療には、先進治療など、高額な費用が伴うことを背景に、豊島区や鳥取、愛知、群馬などでは金融機関と連携し、独自の融資制度を立ち上げています。世田谷区においても地元金融機関と積極的に制度の検討をすべきであります。決意を伺います。  第二に、定期的に通院や治療を働きながらできる環境づくりが急務です。まず、区は事業者への理解協力の促進を図るべきです。さらに、労使の当事者同士では、就労環境についての交渉は十分に意を尽くすことができません。そこで、支援策として、社会保険労務士等による労使間の調整に入れるよう、あっせん制度の創設を提案いたします。区の見解を求めます。  第三に、がん在宅療養には、訪問看護師の存在が重要です。潜在看護師等の発掘や研修、事業所での採用の仕組みづくりが求められます。社会福祉事業団で積極的な拡充の取り組みができるよう支援策を検討すべきです。見解を求めます。  第四に、平成三十二年度中に開設予定の梅ヶ丘拠点区複合棟を高度ながん検診の充実や当事者や家族のためのがん相談の常設化、ピアサポートの充実など、がん対策総合センター機能として備えるべきです。具体的ながん対策に先進的に取り組む世田谷区としての決意を伺います。  次に、児童相談所の移管に向けた道筋について質問します。  これまでの都との協議において、運営面でさまざまな課題が明らかになるとともに、施設整備面、財政面、人材面においても懸念材料が山積しており、満足いく進展が見られていません。区では、都道府県が運営する児童相談所とは異なる強みを生かした子ども家庭相談体制の構築を図り、さらに、児童虐待対応にとどまらない子ども家庭福祉の充実を図れることが期待できます。効果的な児童相談行政の推進へ一層の加速が必要です。  そこで二点質問します。  一点目は、一時保護所についてです。言うまでもなく、児童相談所の移管には、一時保護所の設置が必須です。都が設置している既存の一時保護所の施設の協力は得られそうにない現状を区としてどう対処していくつもりなのか、区の独自案について見解を求めます。  二点目は、児童相談業務を担う人材の確保、活用、育成についてです。児童相談所業務を担うには、児童福祉司、児童心理司、一時保護所の職員の派遣研修を初め、企画、政策を担う管理職を初めとした政策担当者が児童相談所業務の実態を知るための経験が不可欠となります。都への派遣受け入れに制限がある現状を鑑みると、政令市を含め他自治体への研修協力を模索すべきと考えます。あわせて、これまで区の保健所や子ども家庭支援センターなどで児童虐待対応のスキルの高い保健師を積極的に活用することも検討すべきです。区の見解を伺います。  次に、国際交流についてお尋ねいたします。  第一に、姉妹都市交流についてです。二〇一五年に立ち上げた区議会アジア諸国等親善交流議員連盟の活動を踏まえて質問いたします。  議員連盟は、一昨年は韓国・ソウル市、台湾・台北市を訪問、昨年はヨーロッパにも広げ、四交流団を派遣し、イギリスはロンドンとボーンマスの二都市、フィンランドはヘルシンキ、ビヒティなど四都市、台湾は高雄市、韓国はソウル市と四カ国八都市を訪問、その視察内容については、先般、議会報告を行い、区長にも報告書を提出したところであります。  まず、何よりも小中学校の子どもたちの国際交流を進めるという第一義の目的を十分に果たせたものと考えます。今後は、新たな教育交流、姉妹都市交流を具体的に進めるよう求めるものであります。これからの国際交流のあり方を二十九年度中に一定の成論を示すと報告がありましたが、姉妹都市交流は区として今年度中にも対象先を絞り、訪問団を送り込むぐらいのスピード感を持って行っていただきたいと重ねて強く要望するものであります。区の見解を求めます。  第二に、交流事業についてです。東京二〇二〇大会は、国際交流進展の絶好の機会であり、意識はいやが上でも大きな盛り上がりをもたらすことは間違いなく、自治体として今後の国際交流をどう進めていこうとするのか、二点お尋ねいたします。  一点目にホストタウン交流についてです。スポーツはもとより、文化、芸術、教育等幅広い分野での日米交流が世田谷区にとって大きな価値を生むことは間違いありません。このアメリカとのホストタウン交流の取り組みについて、二〇二〇大会へ向けて、さらにその後の永続的な交流へ向けての区の構想をお聞かせください。  二点目に内なる国際交流です。本区には在住外国人の方が五月一日現在で一万九千三十五人おられます。また、区内大学には多くの留学生が在学されており、日本人、外国人の相互理解を促進し、多文化共生社会の構築へ向けて、どう世田谷区はかかわっていけるのか、全国先進事例となるようぜひ進めていただきたいのであります。例えばふるさと区民まつりに各国のブースの設置をすることや、多文化を感じ取れる新たに国際交流イベントの開催など、早急に検討すべきであります。国際都市世田谷として、平和の礎を築く、未来へのかけ橋となるのではないでしょうか。区の考えをお示しください。  次に、地域行政についてお伺いいたします。  三層構造の推進役となる総合支所の役割や権限の強化について、何度も取り上げてきましたが、少子・高齢社会の進展に備え、地域住民に一番身近な行政単位である地区の比重がいや増して高まっている事実を受けとめるならば、総合支所のあり方について、地域行政本来の目的に沿ったものになっているのか、三層構造そのものをいま一度立ちどまって考える分岐点を迎えているのではないでしょうか。  全二十七地区では、地域包括ケアシステムが展開されており、総合支所では全面的にバックアップする地域包括総合支援センター機能なのではないでしょうか。それらを踏まえた機動力ある総合支所の体制を考えるならば、地域振興課を二十七のまちづくりセンターに再配置するとともに、街づくり課は本庁に統合するなど、限られたマンパワーを効果的に配置し、強化すべきと考えます。見解を伺います。  次に、行財政改革について、二つの観点から質問いたします。  第一に、公共施設の維持運営の管理費についてです。今年度予算では、特別区債を百四十一億円発行、財政調整基金を二十億円取り崩すなど、将来の行政サービスが大変危惧される編成となっています。財政規律を守った計画的な自治体運営が課題であります。さらに、公共施設等総合管理計画において、今後三十年間で財政負担は予想をはるかに超え、年平均八十九億以上の財源不足が生じると予測しており、その財源措置が大きな課題です。新実施計画の策定に当たっては、施策事業を行う意義、実施手法と政策目的の整合性を十分に評価し、優先順位を見定める必要がありますが、図書館や児童館などの運営は、官民連携により、区民サービスの向上を図っている他自治体の例を参考に、大胆に切り込むべきであります。区長の決断を求めます。  第二に、新公会計制度導入後における事業評価についてです。我が党は、財政の見える化を図ることが行財政改革を進める大きな鍵になることから、新公会計制度の導入を推し進めてきました。その実現にいよいよ今年度はシステムの構築や職員研修など、導入の具体的な準備を行う一年となり、来年度からは日々仕訳が行われ、三十一年度に財務諸表、三十年度決算が作成されるタイムスケジュールとなっています。財務諸表の種類として、会計別、事業別、施設別、そして外郭団体を含めた連結財務諸表を作成すると伺っていますが、一番大事な視点は、次期新実施計画の策定とも符合させるなど、活用のあり方が問われます。今後、区として区民への説明責任を果たし、区民サービスの向上と経営資源の効率化を実現させるための事業評価をどのように考えているのか、認識を伺います。  次に、危機管理対策について伺います。  先月、北朝鮮のミサイルへの対応について通達された文部科学省の発信文が区教育委員会に届いたものの、その情報が区長へも議会へも報告のないまま学校現場にだけ伝わってしまった事態が起きたことは、先般、文教委員会で問題視されました。  本年三月末に作成された修正版の世田谷区国民保護計画の初動連絡体制では、危機管理対策委員会を設置し、各種の連絡調整に当たるとともに、現場の警察、消防等の活動状況を踏まえ、必要により区災害対策本部を設置し、避難の指示、警戒区域の設定、救急救助の応急処置を行う、その対応の全ての司令塔は区長となっております。しかし、一省庁からの通達文ですら、危機管理初動体制にのっとらずに現場へ情報が伝わってしまうお粗末さでは、大規模災害の発災や突発的な武力攻撃事態等の緊迫した状況下で、果たして区長が司令塔となって役割を果たせるのでしょうか。改めて本区の危機管理体制そのものが経験則が生かされていない計画ではないかと懸念せざるを得ません。  会派としてこれまで再三、経験豊富なしかるべき立場の自衛官OBを本区における危機管理監として起用し、体制の総点検を図り、さらなる強化を求めてきましたが、いまだ進展は見られません。さらに、世界では頻繁に発生しているテロについても、三年後に控えた東京二〇二〇大会に向けて対策も備えも急務です。国や都、防衛省との連携や区民への救出活動の指揮系統を沈着冷静に担うトップマネジメントが必要であり、それには熟練した自衛官OBが何よりも適任であり、常勤職としての配置でなければ採用の意義がありません。すぐに非常勤採用という実態に合わない条件を撤回し、常勤自衛官の採用を急ぐべきです。区長の決断を求めます。  また、計画段階のみならず、具体的に災害時に区民の一番身近な場となる広域避難場所、各一時避難場所等において、避難所運営等に女性の視点を取り入れた取り組み、いざという災害に備えていくことが重要と考えます。区の見解を求めます。  次に、管理不全な空き家の対策について伺います。  国の特措法を受け、世田谷区空家等の対策の推進に関する条例が制定され、一年が経過しました。これまで区内の空き家は約四百軒のうち、特措法で定めている管理不全な特定空家と認定されたのは四軒です。特定空家は、倒壊等、著しい保安上危険な状態でなければならないなど、結局区民から苦情などが寄せられても、改善されずに放置された物件が多くあります。こうした物件の多くは、周辺に住む区民から不審者の侵入による火災やハクビシンのふん害など、不安は解消されていません。  そこで質問します。特定空家と認定されない場合であっても、物件ごとに老朽化、危険度などレベルを明らかにし、空き家としての背景を詳しく調査し、住民が安心できる措置を行うべきと考えます。例えば固定資産税の減免措置中止や、鶴岡市で取り組んでいる空き家バンクなど、一定の条件のもとに対応をすべきと考えますが、区の見解を伺います。  さらに、空き家を発生させない予防策を策定中の計画に位置づける必要があります。相談や調査など、専門家の活用を明確にすべきです。見解を求めます。  次に、ごみ屋敷対策について伺います。  区は、世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例を昨年四月に施行後、いわゆるごみ屋敷対策の報告によると、年四回開催される審議会では四件が諮問され、三件が管理不全な状況と答申され、対応中とのことです。諮問された件数が少ないのも驚きですが、対象の居住者には何らかの障害を抱えている方が多く、解決には福祉所管、地域との連携が不可欠である前提として条例化を進めてきたにもかかわらず、一定の成果が得られているとは言えない状況です。  ごみ屋敷解消の取り組みで成果を上げている豊中市社会福祉協議会コミュニティーソーシャルワーカーの活動は、相談者の声を地域住民と一緒に解決するために、ボランティアなど地域資源の発掘、地域福祉ネットワーク会議での検討を行いながら取り組んでいます。本区でも、福祉所管と環境所管の連携という体裁だけが先行し、一体どこの組織が責任を持って対処していくのか明確に定まっていません。豊中市のように、地域住民やボランティアなどの協力も得られるような仕組みが必要であり、地域包括ケアシステムの中で顕在化する前に対応を始める体制を早急に検討すべきです。見解を伺います。  次に、住環境を守る対策の推進について伺います。  近年、シェアハウス人気が高まるにつれて、脱法ハウスも急速にふえ、その劣悪さが報道されたことで、社会的にも大きな注目を集めており、世田谷区内でも同様の事例が報告されています。  平成二十五年九月に国土交通省は脱法シェアハウスを取り締まるべく、違法貸しルーム対策に関する通知についてを発表、寄宿舎として認められた物件のみがシェアハウスとして合法であると公表し、基準を満たされないものに対して違法であると定めました。  今般、区では、住環境に配慮した建築物への誘導策として、建築物の建築に係る住環境の整備に関する条例の一部改正を上程するとしています。しかし、今回の改正では、寄宿舎、シェアハウスは対象となっていません。東京都の建築安全条例では、寄宿舎の寝室または下宿の宿泊室は床面積を七平方メートル以上と定める一方で、既存転用でやむを得ない場合は七平方メートル未満でも認めるとしており、こうした形態の住宅様式が次々と存立していくことは、世田谷の住環境としてふさわしいものか検討すべき課題と考えます。良好な住環境を守る観点からも良好か否かの基準を定めるなど、何らかの対策をとるべきと考えますが、区の見解を求めます。  次に、熱中症対策について伺います。  気象庁によるとこの夏は、日本列島は高気圧に覆われ、全国的に厳しい暑さとなる見込みとして、早目の熱中症対策を呼びかけています。区では、保健所はこれまでお休み処やせたがや涼風マップなどで熱中症対策を進めていることについては一定の評価をしています。さらなる対策として、日差しを遮る屋根の設置や木陰の創出が重要と考えます。例えばバス停のベンチとセットで屋根を設置するとか、公園のベンチや学校など、プールにも設置を検討すべきです。東京二〇二〇大会に向けて、保健所だけでなく、各所管を挙げて、ハード、ソフト両面の総合的な熱中症対策プランを策定し、涼しい環境づくりを進めるべきと考えます。区の見解を求めます。  次に、教育政策のさらなる充実について、二つの観点から伺います。  第一に、不登校対策の拡充についてです。世田谷区内の不登校の児童生徒数は現在増加傾向にあり、平成二十七年度は五百人以上と聞きます。不登校の原因は学校生活での友人関係や家庭環境の影響などが想定されますが、要因や背景も複合的かつ多様化、複雑化しています。平成二十七年度より専門的な立場から助言、援助する教育支援チームの体制をスタートさせたと伺っておりますが、二十八年度は約百二十件であり、さらなる機動力が求められます。現在、不登校対策アクションプランを検討していると聞きますが、不登校予防のための気づきと初動、初期段階のケアなど重要視すべきであります。考えをお聞きします。  また、教育センターの新たな体制強化、拡充した体制を構築すべきと考えますが、見解を求めます。  第二に、教員の働き方改革について伺います。先ごろ文部科学省が公表した公立小中学校教員の勤務実態調査では、週六十時間を超えて働く教員は、小学校では三三・五%、中学校では五七・七%、平日の平均勤務時間は小中とも十一時間を超えているとの調査結果です。このままでは教員の心身の健康が損なわれるのと同時に、いじめ、不登校への対応、特別支援などさまざまな教育課題へと波及していくと考えられます。  その意味から、本区でも教育の働き方改革は待ったなしです。具体的には、部活動指導員の配置を抜本的に拡充するなど、部活業務の軽減、ICT活用による学校業務の効率化や勤務時間の適正管理、事務作業のセンター的な統一化、教員の業務をサポートする専門スタッフの派遣委託の一元化などです。
     本区では、これまで多忙である教員の負担軽減を図る上で、小中学校の教育の公会計化を推進、教育支援チームの配置、そしてまた、学校図書館司書の配置等を進めてきていますが、いまだ教員の負担は重く、児童生徒にかかわる時間が十分に確保できているとは言えません。今後、学校現場からアウトソーシングできるものは速やかに実行し、教員が心身ともに健康で子どもたちにしっかり向き合えることが重要です。今後、本区における教員の働き方改革をどのように進めていくのか、見解を伺います。  最後に、地域社会における多様性を認め合い、推進に向けた条例の策定について伺います。  今回、我が党の提案で多様性に関する条例へ向けて、区が方向性を示したことについては一定の評価をいたします。さきの第一回定例会で上程されたままの世田谷区営住宅管理条例ほか二件の議案についても、誰もがひとしく生活していく環境配慮の観点から、改めて議論を始めるべきと考えます。  地球上にはそれぞれの国に異なる人種、民族、宗教、文化、教育があり、それによって、人それぞれの価値観や生活環境が異なります。さらに、性のあり方についても多様であり、一人一人を尊重した差別のない地域社会での共存共栄が我が党の目指すべき人間主義です。一方で、偏見に伴う無視、嘲笑、言葉の暴力などの行為が、学校や職場などで表面化していることも事実です。世田谷区より多様性に関する条例制定への道筋が明らかになった今、まずなすべきは、既存のプランからの引用ではなく、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを目前に策定する条例としての特徴を示せるよう、国際的かつ性による差別のない先進的な理念を区民への理解、啓発を進めて、国際都市世田谷にふさわしい条例にすべきです。区の見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高橋議員にお答えをいたします。  まず、地域行政、総合支所のあり方についてのお尋ねがございました。  総合支所は、地域の生活者の視点から、世田谷版ネウボラや幅広い福祉サービス、防犯・防災、街づくり協議会への支援など、区民に身近なところで総合的な行政サービスを提供しております。一方で、御指摘のように、二十七の地区で福祉の相談窓口を設置し、地域包括ケアの地区展開を初め、従来より地区の役割が大きくなってきているということも踏まえ、総合支所と本庁、そして地区の連携ラインも見直していく必要は感じております。  人口九十万人を擁する世田谷区において、総合支所が地域経営の視点に立ち、福祉の相談窓口での対応をより迅速に課題解決に結びつけるため、あんしんすこやかセンターの体制強化や保健福祉三課のあり方の改革が喫緊の課題であるというふうに考えています。また、児童相談所と子ども家庭支援センターの関係など、将来を展望したときに、まちづくりセンターを含む総合支所全体のあり方を見直す時期に来ているという認識に立っています。来年度に向け、組織、人員を含めた体制のあり方について検討し、整備を進めていきたいと考えております。  次に、行財政改革、公共施設の維持運営について、官民連携の視点からということについてお答えします。  区民の生活をよりよくしていく視点から、区民サービスを向上させ、かつ持続的にサービスを提供していくために、区民やNPO、民間企業など、さまざまな事業主体が連携し、公共をともに担っていく取り組みが重要になっていくものと考えています。区では、これまでもサービスの質の確保に留意をしながら、事業委託や民営化、指定管理者制度の導入など、民間の資源を取り入れ、サービスの向上や行政コストの縮減に取り組んできました。加えて、社会状況は刻々変化してきており、人口増に伴う課題や公共施設等総合管理計画においてお示しをしたとおり、今後、老朽化が進んでいく公共施設の維持更新の課題など、区単独では解決が困難な課題に対応していくためにも、官民連携、広範な区民、NPO、民間企業などとの連携が必要だというふうに考えております。  区のこれまでの取り組みを検証し、議員のお話しのとおり、他自治体におけるさまざまな手法や取り組み事例をそれぞれのメリット、デメリットをしっかり把握し、利用者、納税者の視点に立った次期新実施計画において方向を定めてまいりたいと考えております。  次に、危機管理対策、自衛隊のOBを常勤職でというお尋ねです。  危機管理に関する専門職につきましては、近年、東日本大震災、熊本地震、台風による風水害等、全国各地で自然災害が多発している状況の中、自治体の防災体制の強化を図るために、配置を検討してきたところであります。この四月からは東京消防庁より推薦をいただいた消防署長経験者の人材を非常勤の危機管理専門員として危機管理室に配置、さまざまな事案に対して具体的な助言、指導をいただきながら、危機管理体制、防災対策の強化に努めているところです。  自衛官OBにつきましても同様に、非常勤の職として検討を進めておりますが、危機管理室を中心に専門分野の特性を持つスタッフにサポートしていただきながら、災害、その他非常時に備えていく所存でございます。  以上です。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私からは、空き家対策について二点についてお答えいたします。  まず最初に、特定空家対象外の空き家における対策についてでございます。  区では、平成二十七年五月に全面施行されました空家等対策の推進に関する特別措置法を受けまして、昨年四月に世田谷区空家等対策の推進に関する条例を施行し、住環境に多大な影響を及ぼす管理不全な空き家等への対策に取り組んでいるところでございます。平成二十九年三月末までに過去の調査や区民から寄せられた情報も含め、戸建て住宅等五百四十四軒の現場調査を実施し、居住など利用の実態を確認した建物を除き、四百十七軒の空き家を把握してございます。そのうち、著しく管理不全な状態の空き家四軒につきましては、法に規定されますいわゆる特定空家等と判断いたしまして、行政代執行も見据えながら、所有者等への対応を進めております。  特定空家以外の管理不全な空き家は二百五十三軒ございまして、登記簿等の調査から連絡がとれた二百五十二軒の所有者に対し状態の改善要請を行ったところ、四十一軒が解体され、百十七軒が改善されたことを確認してございます。改善要請を行ってもなお状態が改善されない空き家につきましては、引き続き所有者の責務としての適正管理を粘り強く働きかけ、管理不全な状態の改善に努めてまいります。  次に、予防対策を計画に位置づけ、専門家の活用ということでございます。  現在、特別措置法に基づく空家等対策計画につきまして、平成三十年度中の策定に向け、調査検討を進めております。空き家の増加を抑制するための方策につきましても、検討の対象としております。これまで管理不全な空き家の所有者への対応を重ねてきた中では、空き家の所有者や御家族が相続などで権利関係が複雑になる前の段階で、専門家のアドバイスを受けながら、空き家の売却や活用等を判断できる仕組みづくりが空き家の増加抑制のためには重要と認識しております。  今年度は、空き家の実態調査の一環として、空き家の所有者等へのアンケート調査を実施するほか、世田谷区空家等対策審査会や世田谷区住宅委員会、また司法書士や土地家屋調査士などの専門家の方々からも御意見をいただく機会を設けることを予定しております。それらの内容を踏まえながら、空き家の所有者等が専門家に相談しやすい仕組みづくりなど、空き家の増加抑制のための有効な方策等を検討し、空家等対策計画に反映させてまいりたいと考えております。  今後とも、管理不全な空き家への対応や空き家の増加抑制対策などにつきましては、地域住民や専門家の皆様と連携し、また国や東京都、他自治体との情報交換の場も積極的に活用しながら、当区の実情を踏まえた効果的な取り組みを進めることにより、良好な住環境の保全を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  最初に、区複合棟をがん対策総合センター機能として整備すべきではないかについてでございます。  区立保健センターは、区民の健康の保持増進を図り、福祉の向上に寄与するため、総合的な健康診査、健康相談、疾病予防の強化、健康増進プログラムの実施など、さまざまな事業を展開する中で、がん対策についても、がん検診や精度管理、がん相談の実施など、その役割を果たしてまいりました。  梅ヶ丘拠点で整備されます区複合棟への移転に当たりましては、こうした中で培った専門性を生かしつつ、区立保健センター機能の一つとして、がん患者や家族等を支える中核的機能の整備を検討しております。御提案にございましたがん相談の常設化やピアサポートの充実なども踏まえまして、がんを早期に発見するための各種がん検診とその精度管理を充実するとともに、がん患者や家族等が気軽に利用できる相談窓口の拡充など、平成三十二年度の開設に向けて準備を進めてまいります。  次に、アメリカとのホストタウンの交流に係りまして、東京二〇二〇大会へ向け、その後の永続的交流に向けての区の考え方についての御質問でございます。  ホストタウンは、東京二〇二〇年大会開催に向けまして、住民と大会に参加する選手や大会参加国との交流とを通じまして、スポーツの振興や教育文化の向上などを図ることを目的として、自治体の申請により、内閣官房へ登録するものでございます。  区では、ホストタウン事業の一環といたしまして、本年一月及び四月にアメリカ大使館の協力のもとに教育委員会、区内私立中学校、高校と連携しまして、アメリカにゆかりのあるアスリートを招聘いたしまして、区内の中高生と選手との交流事業を実現させておりますが、ホストタウンに関しましては、まだ区民への周知について不十分であると思っております。  今後の展開といたしましては、オリンピアン、パラリンピアンとの交流やキャンプに参加したアメリカ選手の足跡を区の財産として区民と共有するなどのスポーツを通じた交流に加えまして、美術館、文学館での企画展の開催や国際共同制作によります演劇の公演、案内標識の多言語化等を通じまして、区民の異文化との幅広い交流を促進、あわせてそれらを通じまして、区民周知に努めてまいります。  アメリカのホストタウンとなったことを契機に、アメリカを初め、さまざまな国や地域との交流や異文化理解が大会のレガシーとして長く継承されるよう取り組んでまいります。  最後に、地域社会におきます多様性を認め合い、国際都市世田谷にふさわしい条例についてでございます。  区は、これまでもあらゆる分野で男女がともに参画し、相互の自立を育み、人権を尊重し合う男女共同参画社会の実現を目指し、積極的に取り組んでまいりました。特に本年三月に策定した第二次男女共同参画プランでは、防災、地域活動への参加促進、性的マイノリティー等多様な性への理解促進と支援を柱立ての一つとして位置づけるなど、新たな取り組みを始めたところでございます。  一方、家族形態やライフスタイルの多様化は一層進んでおり、さらに国際化が進み、在住外国人もふえていることを踏まえれば、東京オリンピック・パラリンピックが目前に迫る中、多様性を念頭に置いた施策の必要性はますます高まってまいります。今回の条例につきましても、当然、これらの施策を牽引するにふさわしい内容が求められているものと考えております。  こうしたことから、新たな条例におきましては、性別などを理由に差別されることなく、多様性を認め合い、全ての人が尊厳を持って生きられることを初め、固定的な性別役割分担意識にとらわれることなく、多様な生き方を選択することができることや、あらゆる分野の活動において男女がともに参画し、責任を分かち合う社会を目指すことなどを柱にしていきたいと考えております。  今後、多文化行政のまち世田谷にふさわしい条例となりますよう、区民や区議会の御意見を幅広く伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 教育政策について二点御質問いただきました。  まず、不登校対策の拡充についてです。  教育委員会は、平成二十一年五月に策定した世田谷区における不登校対策のあり方に基づき、さまざまな対策を講じてまいりましたが、不登校の児童生徒は依然増加の傾向にあり、また不登校に至る経緯も複雑化、多様化しております。今般、教育機会確保法の施行等を踏まえ、改めてこれまでの学校、あるいは学校外における支援の方針を見直し、今後、数年を見据えた不登校の児童生徒にかかわる具体的な取り組みを仮称不登校対策アクションプランとして取りまとめております。  昨年の十二月に学識経験者や不登校の支援に携わる区民、小中学校の校長をメンバーに検討委員会を立ち上げました。策定に当たっては、予防に重点を置き、あわせて不登校の初期の段階において、専門職がチームを組み、子どもたちを迅速に支援する体制の再構築を図るほか、保健福祉領域との連携の強化に取り組む考えで検討しております。  このプランの策定は、今年度末にまとめていく予定でおりますが、この取り組みは、教育総合センターの学校支援機能や教育相談、不登校対策機能における共通課題の一つと捉えておりますので、教育総合センターの整備検討と整合を図りながら、プラン策定と施策の推進に取り組んでまいります。  二つ目は、教員の働き方改革についてです。  現在、国では、少子・高齢社会を背景にした社会全体の働き方改革を提唱しておりますが、教育再生実行会議の第十次提言でも、学校の教育力向上のための教師の働き方改革を取り上げており、教師の業務負担の軽減は喫緊の課題と位置づけております。私ども教育委員会も第二次教育ビジョン第一期行動計画のリーディング事業に、教員が子どもとかかわる時間の拡充というテーマを掲げており、さまざまな校務業務の事務改善を平成二十六年度より進めております。  この間、ICTの活用などにより、財務会計システムや人事庶務システム、文書管理システムを導入したり、また、今年度からは、中学校の給食費収納の公会計化を実現したりと、校務事務の減少に取り組んでおります。さらに、昨年度に試行で行った八月の一定期間に全教職員が一斉に休みをとる学校休業日の取り組みを今年度からは全小中学校において実施することとしております。  これらの施策は、現在策定を進めています第二次教育ビジョン第二期行動計画にも引き続き施策として取り組む予定でおり、また、教育総合センター設置目的の大きな柱の一つ、学校支援を掲げておりますので、さまざまな手法により、今後も教師の働き方改革を推進してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、がん対策及び熱中症対策についてお答えいたします。  まず、がん対策の一点目、がん情報ガイドの作成についてお答えいたします。  最近の医療技術では、多くのがんが早期発見により治癒しております。一方、二人に一人ががんに罹患するとも言われ、区民一人一人が予防に取り組むように働きかけるためには、がんに関する正しい知識の普及啓発や情報を提供することが重要であるものと認識しております。  平成二十六年度にがん患者とその家族の支援を目的に、区立保健センターに開設したがん相談コーナーでは、緩和ケア病院や患者サロン情報等をリスト化し、必要に応じ、相談者へ提供しております。また、年数回がんに関する講演会を開催するなど、がんに関する知識の普及啓発にも努めております。  本年三月に策定した健康せたがやプラン第二次後期では、前期計画に引き続き、がん対策の推進を重点施策と位置づけました。その中では、がんの予防、検診、患者家族支援や医療等の情報を提供するポータルサイトの開設を新たな施策と位置づけ、今年度から先進的に取り組む自治体等の情報収集に努めつつ、検討を進めてまいります。  御指摘の区民一般向けがん情報ガイドの作成につきましては、がん情報を提供するポータルサイトの開設も踏まえ、がんに関する知識の普及啓発のツールの一つとして、その効果等を検証しつつ、検討させていただきます。  がん対策二点目、がん教育の拡充についてお答えいたします。  お話にありましたように、平成二十八年度から区立小学校六年生及び区立中学校三年生の授業の中で、世田谷保健所と教育委員会が共同して区独自に作成いたしましたがん教育用リーフレット「がんについて学ぼう!」を活用したがん教育を行っております。また、区立中学校三年生を対象としたがんの講話も昨年度より本格実施をいたしました。実施した五校のうち、四校にはがん経験者を、一校には医師を講師として世田谷保健所より御紹介をしております。一方、医療従事者による講話を望む学校の要望に十分応えられなかった状況やがんで保護者や家族等をなくした生徒への配慮を求める声など、課題も浮き彫りとなりました。  したがって、この取り組みを慎重に進めていくために、当面は本事業を毎年五校ずつ実施していくことを教育委員会とも確認をしております。今後も、世田谷保健所と教育委員会が連携して、早い段階から中学校の要望や状況等を確認し、望まれる講師を確保するなど、できる限り学校の要望に応えつつ、これらがん教育の取り組みの拡充を目指してまいります。  がん対策三点目、がん検診の機会創出についてお答えをいたします。  がんを予防するためには、その早期発見に向け、区のがん検診の受診率を向上することが喫緊の課題であると認識をしております。がんに関する知識を普及啓発するために、年二回開催するがん講演会を初め、総合支所のさまざまな検診等を通じ、がん検診の受診率向上に向けまして、がん検診PR用チラシの参加者等への配布をしております。また、区立保健センターの事業やお祭り等のイベントなど、さまざまな機会を通じ、がん検診に関するPRにも努めております。  受診率向上に向けましては、平成二十四年度以降、大腸がん検診の特定長寿検診との同時受診の導入、肺がん検診の受診要件の緩和や女性のがん検診個別勧奨の年齢要件の拡充など、区民ががん検診を受診しやすい環境の整備に努めてまいりました。また、毎月第四土曜日の午前中には、区立保健センターで胃がん検診を実施しております。さらに、がん検診結果データを集約するがん精度管理を通じ、精密検査未受診者への受診勧奨にも取り組んでおります。また、これまでは区立施設等に検診車を派遣し、胃がん検診を実施してまいりましたが、今年度は受診者拡充の取り組みとして、未開拓の区内マンション等への派遣を現在検討しております。さらに、本年七月に実施いたします食品衛生週間の啓発事業の会場では、初の試みとして、大腸がん検診の検査キットを区民に直接配布し、受診勧奨をする予定です。  これら取り組みの成果等も踏まえつつ、御提案のありました日曜日やイベント会場での検診機会の拡充や区民向けの総合的ながん啓発イベント等の開催等につきまして、引き続き検討してまいります。  がん対策四点目、先進医療費等について積極的に融資制度をとの御質問にお答えいたします。  近年の先進医療の進歩は目覚ましく、がんの部位によっては、早期発見、早期治療により、五年相対生存率が九〇%を超えるものもございます。一方、最新のがん治療では、手術、薬物療法、放射線治療など、幾つかの手法を組み合わせて行うことや、先進医療として、健康保険が適用されない治療を取り入れることもあり、高額な医療費負担が必要になる場合が見受けられます。また、お話にありました緩和ケア病棟への入院では、医療費は保険が適用されるものの、入院が長期化することも多く、その他の費用もかさむなど、患者や御家族の方が経済的な負担を強いられることも少なくないものと聞いております。  区は、がん患者と御家族が少しでも安心して治療を受けられるように、他の自治体の先駆的な事例等を参考にして、がん治療費に関する支援等について検討してまいりました。その結果、お話にもありましたが、今年度より区内に一部金融機関と連携を図り、がん先進医療に対する融資制度の開発等を働きかけるとともに、その融資に対する区の利子補給制度の導入について検討を進めてまいります。  がん対策五点目、がん患者支援として、社会保険労務士等によるあっせん制度をとの御質問にお答えいたします。  平成二十八年十二月のがん対策基本法の改正では、がん患者の雇用の継続に関する規定が加えられました。がん患者が治療と生活及び仕事を両立するために、必要な支援を受けられる環境整備が求められております。一方、区内事業者の約九割を中小企業が占める現状では、がん患者が治療と仕事を両立することはかなり厳しいものと推察しております。  これら現状を踏まえますと、個々のケースにもよりますが、社会保険労務士等による労使間の調整が必要な場合もあるものと思われます。区では、国の法改正に先駆け、昨年度がん相談コーナーにおいて試行として、社会保険労務士による就労相談を二回開催いたしました。引き続き、今年度は十月と翌年二月に計四回の就労相談を実施いたします。  御提案のありました社会保険労務士等による労使間のあっせん制度の創設ですが、厚生労働省東京労働局や東京都など、既に複数の機会で紛争調整をしており、実際に相談がありましたらこれら窓口の情報を提供してまいります。また、これまでがん相談につきましては、がん患者とその家族を対象に実施しておりましたが、今年度からは就労相談に限り、会社の経営者の方等へもその対象を拡充して実施いたします。  最後に、熱中症対策について、ハード、ソフト両面の総合的なプランをとの御質問にお答えいたします。  例年七月の梅雨明けとともに、高齢者を中心に熱中症患者が多く発生します。区では、夏季にさまざまな事業が実施されることや施設に多くの区民が来所されることを踏まえ、平成二十三年度より全庁を挙げ、熱中症対策に取り組んでおります。  区民一人一人が取り組むことのできる熱中症予防には、水分、塩分の補給や通気性のよい服装、外出時の帽子や日傘の利用、小まめな休養などがあり、熱中症対策お休み処の設置場所とともに、こうした予防策についても涼風マップに掲載し、広く区民等に配布し、周知を図っております。また、二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に向け急増が見込まれる来訪者に対する熱中症対策につきましては、世田谷区のみならず、国や東京都等の取り組みも見込まれるため、担当所管との連携が必須となります。  今後につきましては、関係各課における熱中症対策の計画等も把握し、関係機関等と連携しながら、効率的、効果的な対策について順次進めてまいります。  以上でございます。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、がん対策に関連して、訪問看護師の確保についてお答えをいたします。  がんの治療を初め、在宅医療の充実には、訪問診療を医師や薬局、ケアマネジャー、ヘルパー等の多職種によるチームケアが求められ、医師の指示に基づき、患者の自宅を訪問して看護を行う訪問看護の役割は大変重要でございます。区では、看護師の資格を持つ方に訪問看護の仕事の内容や必要性、重要性を伝える訪問看護の就労支援講座や現役の訪問看護職員と訪問看護の仕事を一緒に体験する訪問看護の職場体験を福祉人材育成研修センターに委託して実施をしているところでございます。また、東京都も訪問看護推進総合事業として、訪問看護職員の確保に向け、各種助成・支援制度や看護師の有資格者の届け出制度等、潜在看護師の再就職やスキルアップを支援するための事業を実施しており、区内事業者にも情報提供する等、その活用を促しております。  高齢化の進展に伴い、在宅医療のニーズが増大することが見込まれる中、訪問看護師の確保育成は重要でありますので、機会を捉えて、看護師の資格をお持ちの方へ就労を働きかける等、訪問看護師の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、児童相談所の移管に関連して、二点御答弁いたします。  まず、一時保護所についてです。  一時保護所は、さまざまな理由により、保護者、養育者からの保護や支援を受けられない幼児から思春期までの幅広い年齢の子どもたちを保護するための施設です。区は、児童相談所の移管に当たりましては、他自治体との広域連携を前提に、区単独による一時保護所の設置を目指しております。設置の手法としまして、桜丘にある東京都の世田谷児童相談所の移譲を受け、一時保護所への転用も視野に入れた検討を行うとともに、児童相談所を設置予定の総合福祉センターの近接地における既存の区有施設の活用や新規建設も含め、設置場所の検討を進めているところです。こうした検討とあわせまして、乳児院や児童養護施設、里親への一時保護委託など、多様な保護の手法についても検討を進めてまいります。  今後、児童相談所の移管を受け、総合的な児童相談行政を実現する上では、必要なときに必ず子どもを保護することができ、また、子どもの年齢や状況に合わせたきめ細やかな対応ができる一時保護機能の確保が不可欠であると考えております。  今月から東京都との計画案のモデル的確認作業を開始しますが、世田谷児童相談所の移管について、具体的な協議を進めるとともに、あらゆる手法を検討し、一時保護所の設置を目指してまいります。  次に、人材の確保、育成、活用の方策についてです。  児童にかかわる多種多様な相談に対応できる高い専門性を持った児童福祉司や児童心理司の確保は、児童相談所開設に当たり、最重要課題であると認識しております。その育成のために、東京都への職員派遣受け入れの増員などを要請してまいりましたが、東京都の回答は、特別区の要請に応えた内容にはなっていません。  こうした状況を踏まえ、区は計画案のモデル的確認作業を通して、引き続き東京都に協力を求めていくとともに、東京都以外の児童相談所設置自治体への職員派遣につきましても、急ぎ検討をしているところです。また、区の政策を担当する部門の職員が現場の実態を知り、学ぶことは、全庁一丸となって総合的な児童相談行政を実現するに当たって必要なプロセスであると考えております。東京都のみならず、他自治体との交流などを活用して、政策担当者が現場を経験する機会を設けるなど、その育成に努めてまいります。  さらに、児童相談所に配置する職員について、福祉、児童指導、保育士などの福祉職に加え、保健師や社会福祉士、社会福祉主事、教員資格所持者など、児童福祉司となることができる資格を有し、子どもや子育て家庭を支援する職務経験を積んだ職員を活用していくことについても検討をしてまいります。  以上です。 ◎田中 生活文化部長 私からは、国際交流について二点に御答弁いたします。  初めに、新たな交流先の選定についてでございます。  これからの国際交流のあり方検討では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催、外国人観光客や在住外国人の増加など、急速に進展する国際化や区民の期待の高まりを捉え、これまでの姉妹都市を中心とした交流に加え、さまざまな形で行う多様なテーマでの交流のあり方や新たな交流先について検討を行っているところです。  今後の国際交流の意義は、教育、文化、スポーツ、産業、まちづくりなど、さまざまな分野で区民が海外とつながり、多文化への理解を深めることにより、日本人、外国人を問わず、誰もが生き生きと活躍できる地域づくりにつなげることにあると考えます。その上で、新たな交流先の選定に当たっては、次世代を担う子どもたちが異文化に触れ、成長していくことや、子ども同士の交流をきっかけに、相互の市民の信頼関係を育み、さらにさまざまな分野へ広がる可能性などは重要な視点になると考えております。  先日、区長宛てにいただいた議員連盟の報告書では、どの都市にも魅力ある特徴があり、多様な交流に発展する可能性が感じられ、検討に当たって大変貴重な資料をいただいたものと認識しております。今後、交流の視点や選定要件などについてさらに検討を進め、区議会にも丁寧に情報提供させていただきながら、現地調査の実施など、スピード感を持って進めてまいります。  次に、内なる国際交流についてでございます。  区内の在住外国人人口は、この五年間で約二三%増と急激な増加傾向にあり、また、グローバル化の進展など、時代の背景を踏まえると、今後もさらに増加することが予想されます。今後も住みやすい多文化共生社会を構築するためにも、こうした方々と内なる国際交流を進めていくことは大変重要であると考えております。
     取り組みの一つといたしましては、昨年度より、区内大学と連携し、世田谷国際化プロジェクトを実施しております。留学生も含めた学生たちと地域の区民との国際交流は多世代交流の場ともなっており、多文化共生のまちづくりの実現にもつながるものと考えております。また、区内には各国大使館や国際交流に寄与するNPO団体、あるいは海外在住経験者など、さまざまな方々がいらっしゃいます。今年度はそうしたさまざまな主体とも連携を図りながら、国籍を問わず、誰もが気軽に参加でき、参加者同士交流を深められるイベントを十一月に開催する予定です。  今後、さらに地域の中で、さまざまな形での交流の機会を創出することにより、区民一体となった世田谷らしい多文化共生社会の構築に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、新公会計制度導入に伴う事業評価のあり方について御答弁申し上げます。  新公会計制度は、次期新実施計画のスタートとあわせ、来年度、平成三十年度から導入し、計画初年度の評価である平成三十年度決算から財務分析を取り入れた新たな行政評価を行うこととしております。具体的な分析手法は現在検討を進めておりますが、事業実施の評価ではコスト分析が中心となり、施設運営については資産情報を活用するなど、施策、事業の内容に合わせた分析が必要であると考えております。  一方、次期新実施計画の策定においては、成果指標の設定がポイントとなると考えており、適切な指標を設定することで、従前の評価手法である実績評価と新たに取り組む財務分析を合わせ、総合的に事業評価することによって区民サービスの向上や効果的な資源活用を図りたいと考えております。  次期新実施計画の推進に当たっては、新たな行政評価を最大限活用し、政策目標を着実に達成できるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、女性の視点を重視した災害対策の取り組みについて御答弁いたします。  東日本大震災や熊本地震等の事例から、男女共同参画の視点からの防災対策の必要性が求められており、区では、地域防災計画の修正に当たり、世田谷区防災会議の専門部会として女性の視点部会を設置して、検討結果を提言書として取りまとめております。提言書では、避難者対策、生活再建支援、平常時における取り組みなど、各場面における男女共同参画の視点の強化が挙げられており、その必要性や具体的な取り組み等が取りまとめられております。  区では、この提言書の内容を地域防災計画に反映させるとともに、今年度取り組みます避難所運営マニュアル標準版などの修正に生かしていく予定です。また、あわせまして、今後、避難所運営への女性の参画を進めるため、男女共同参画センターらぷらすと連携した研修の実施やNPO、避難所運営組織などを対象とした研修訓練などを通じまして、男女共同参画の視点の普及啓発、女性リーダーの育成等を図ってまいります。  以上でございます。 ◎松下 環境政策部長 ごみ屋敷対策に係る組織の明確化について、環境所管からお答えをいたします。  住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例の施行に伴いまして、管理不全な状態の住居等の改善に向けて、全庁を挙げて対応するため、昨年四月、対策会議を庁内に設置いたしました。対策会議は、環境保全課のほか総合支所地域振興課、清掃・リサイクル部に加えまして、条例制定の際、居住者対応に当たっては、保健福祉領域所管による支援も想定することとしましたことから、総合支所健康づくり課、保健福祉課、生活支援課等を構成員といたしまして、平成二十八年度は五回開催しております。会議では、事例の共有化と情報交換、意見交換を行いまして、連携して対応方針の策定に当たっております。  役割分担と連携の内容といたしましては、敷地内外の状況を定期的に確認する、堆積した物品の片づけや撤去処分を促し、改善に向けた働きかけを行う、本人の生活状況や物品の収集に対する思いや撤去処分の意向を確認するなどがございます。対応には時間がかかりますが、条例制定後、これまで敷地外の物品等の撤去、また敷地内の一部の物品の整理、処分ができた事例や家族の協力により医療機関へ入院ができた事例もございます。  今後も、庁内関係所管の連携協力によりまして、地域の生活環境の改善に向けた取り組みを粘り強く進めてまいります。  以上でございます。 ◎岩元 地域包括ケア担当参事 私からは、ごみ屋敷の改善に向けて、地域包括ケアシステムの中で、福祉部門のかかわりについて御答弁申し上げます。  管理が不全な状況の住居、いわゆるごみ屋敷は、地域の生活環境が損なわれるなど、地域の困り事になっております。しかしながら、そこに居住する方が心身や生活等でさまざまな課題を抱えており、解決が困難なケースが多いのが現状です。ごみ屋敷を解決するための支援などを行うに当たっては、その居住者本人の状況を確認し、本人の理解を得ながら、さまざまな施策を組み合わせ、取り組んでいくことが必要となります。  これまでの事例の中では、ごみ屋敷の居住者の方を医療につなぎ、判断能力が不十分な場合には、成年後見制度を取り入れるなどの対応をしてまいりました。また、粘り強く信頼関係を構築し、本人同意を得て、事業者によるごみの片づけ後、必要なサービスを提供する中で、日常生活に支障が出ないよう、住環境整備に取り組んでいる例もございます。  地域包括ケアシステムでは、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供することを目的としております。こうした観点から、ごみ屋敷の対応に当たっても、居住者が認知症や障害、精神疾患、生活困窮などの課題を抱えているケースが多くありますので、総合支所の福祉三課など、関係所管との連携により、居住者への福祉的な支援を行うとともに、ごみ屋敷にならないための対応についても環境所管とともに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、住環境を守る対策の推進につきまして、狭小な住室から成るシェアハウスへの何らかの対応をとるべきに御答弁申し上げます。  ワンルーム形式で、一定規模以上の長屋などを新たに住環境整備条例の対象建築物に加える改正案を本定例会にお諮りしているところでございますが、お話しのいわゆるシェアハウスのように、共有の玄関や水回り等を有する形態の寄宿舎につきましては、本条例の対象としておりません。お話にございましたように、近年、シェアハウスなど、貸しルームにつきましては、国や建築基準法において、寄宿舎に該当するとの見解を示し、社会問題化していた劣悪な違法貸しルームの実態把握、指導是正がなされた経緯がございます。  その後、昨今の戸建て住宅を転用したシェアハウスなど、新たな住まい方が増加する中、既存住宅ストックの活用も可能になるよう、建築基準法施行令が改正され、これを踏まえまして、東京都建築安全条例におきましても、多様な住まい方に対応できるよう、寄宿舎について、窓先空地を不要にする避難規定などの改正が平成二十七年四月に行われました。これにより、寄宿舎の建築確認件数は改正前の平成二十六年度十五件に対し、改正後の平成二十七年度では六十六件と増加傾向にあり、狭小な住室から成るシェアハウスもこれに含まれてございます。  区といたしましては、シェアハウスなど、多様化する住まい方の住宅都市におけるその形態のあり方は新たな課題と考えており、まずは課題整理など調査研究をしてまいります。  以上でございます。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) それぞれ御答弁いただきましたが、何点か再質問したいと思いますけれども、一つは、今回実態調査アンケートをやりましたがん対策、世田谷区はがん対策推進条例を施行して約一年がたって、これからいよいよがんに負けない世田谷区をどうつくろうかということが、さまざまな施策を一気に進めなきゃいけない時期だというふうに思います。それとともに、三十二年に開設するこの梅ヶ丘をどのように迎えていくのかということが非常に重要になってくる。そこで、さまざまな意見、提案をさせていただきましたが、基本的には進めていこうという意思を出していただいたなというふうに思います。ただ、三十二年を待つわけではなくて、梅ヶ丘の区の複合棟がきちっと高度ながん検診、そしてまた本当に寄り添った、がん患者や家族が本当に世田谷にいて助かったと言えるような、そういったものが進められるような準備を進めるとともに、今からやれるものもきちっとやるんだという決意をもう一度お聞かせ願いたいというふうに思います。  もう一つは、危機管理対策です。私どもは、常勤できちっと危機管理監として迎えるべきなんじゃないかと。北からのミサイルとか、テロ対策、区長がどのように感じているのかわかりませんが、大変な現実、もしということになった場合は大変なことになるわけです。二〇二〇年のオリンピックに備えて、そしてまた、世田谷区は多くのイベントを行っていますよね。そういったところでの、区民の命を守るというふうに、この今の世界状況を、特にミサイルなんかはリアルな脅威ではないとでも言うかのようなこういう答弁は、あり得ないと思います。非常勤で進めてまいりたいというその気持ちをしっかり転換して、きちっと世田谷区でのこの危機管理体制をつくっていくんだという、区民の命を守るということはこういうことなんだということをもう一度、区長は先頭に立つならば、それでまた、これからも先頭に立っていくならば、区民の命を最優先するために、私は危機管理をしっかりやっていきますよ。そのためにも、いろんなしがらみも全て乗り越えて、自衛官がきちっとやりますよというぐらいの思いがなければだめなんだろうと僕は思います。もう一回しっかりと答えてもらいたいと思います。  教員の働き方改革ですけれども、教員が子どもとかかわる時間の拡充ということを掲げて世田谷区はやってこられた。教育長も行かれて、我々も行きましたけれども、フィンランド、教員がやっぱり元気で明るくて、活発にやっていましたよね。教育長もそうだというふうに感じたと思います。教員同士がしっかりディスカッションしている場がある。教員、子どもとの触れ合う時間が大事だということはそうかもしれないけれども、子どもから離れてでもきちっと教育のことを議論して、研修し、考えるというそういった時間を持つことがレベルアップにもつながっているという現実を僕は見たと思います。  そういう意味で、この教員のスキルアップのためには何が必要なのかというのは、教育長は視察してきてよくわかっていると思う。そういう意味での働き方改革というのをしっかりと進めてもらいたい。もう一回答弁をお願いいたします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高橋議員の再質問にお答えをいたします。  危機管理体制については、九十万区民の生命、健康、財産を守るため、一層充実をしていかなければならないと考えています。そのため、警察、消防、自衛隊等、専門機関との連携が重要だと認識し、この専門的知見を有する人材の協力を得て、重層的な危機管理能力の向上が必要だと考えております。危機管理の範囲は大変広く、予見可能性のある事態も非常に数多いと考えています。危機管理の要諦とは、行政機関として区の状況を正確に把握し、正しい情報を早期につかんで、区民への発信をしながら、危険から未然に区民を守ることであると考えています。  こうした責任者として私が先頭に立ち、各機関の専門的な知見を有する方々から必要な助言を受け、効果的な対策を進めることが重要と考え、先ほど答弁しましたように、自衛隊OBにつきましても、消防庁OB同様、非常勤の専門職として危機管理室に配置し、専門分野における知見をもとにして、危機管理に関して働いていただきたいというふうに考えています。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、がん対策に係ります再質問について御答弁申し上げます。  先ほど梅ヶ丘拠点のほうへの移転に関しましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、今の再質問の件の、いわゆる三十二年度までの間どうするんだということでございます。  先ほどの調査されたことからも、その内容で、私どものほうの把握の仕方としましては、本人の問題と家族の問題と、さらには社会全体で支えていく、そういう仕組みづくりなんだろうと思っております。その中では、当然ハード整備に伴うものがありますけれども、そうでない、ソフトのほうから対応できるもの、例えば先ほど来、保健所長のほうから個別の課題について答弁申し上げましたが、そこについても一つ一つ積み上げていきたいと思っていますし、また、新たな課題の部分についてのことについても、それについては、できるところから着手していきたい、このように考えておりまして、それらをトータルして検討を進めたいと考えております。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 再質問にお答えいたします。  私どももフィンランドを見てまいりました。議員の今お話にありましたように、大変教員の方々は、昼休みというんでしょうか、明るい職員室に集まり、本当ににぎやかに、和やかに談笑しておりまして、とてもそれが私は印象的でした。お話にありましたように、やっぱり一定期間、子どもたちと離れる時間はやっぱり必要だと思っております。  先ほども答弁させていただきましたように、今回、全校で全教職員が一斉に休暇をとる、休みをとる学校休業日を設けております。横浜のほうでは既にそれにトライアルしているということですし、国のほうでも、教師の日とか、キッズウイークとかいう新しい提案もあります。ですので、私どもはそういうことを視野に入れて、教育総合センター等で教員の多忙を解消する政策、施策について検討していきたいと思っております。  最近、教育誌にフィンランドのカリキュラム改訂というのが載っておりました。昨年度から新しくコアカリキュラムが改訂され、教員は研修、それからデジタル教材等で勉強しているようですが、何の悲壮感もなく、あしたの準備をして帰っていくというのがあるそうです。国の違い等はありますが、できればそういう環境をつくってあげたいなと思っております。  以上です。 ○上島よしもり 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十八分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時二十分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 代表質問を続けます。  世田谷民進党・社民党を代表して、四十七番中塚さちよ議員。    〔四十七番中塚さちよ議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 世田谷民進党・社民党区議団を代表し、順次質問いたします。  最初に、区の危機管理体制についてお尋ねします。  ことしに入り、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を相次いで行っております。そうした中で、去る四月二十八日、弾道ミサイル落下時の学校対応について(お知らせ)というプリントが区内の児童生徒たちに配付された件については、国民保護法、国民保護計画が踏まえられておらず、我が会派では、教育委員会の勇み足ではないかと問題視し、さきの文教常任委員会で質疑を行ってまいりました。  文教委員会での答弁によると、教育長は、プリント配付を指示した根拠として、予断を許さない状況であったといったことを述べています。それは、我が国への武力攻撃が差し迫った事態、つまり有事と判断したということですが、その認識は正しかったのでしょうか。そういう判断を一自治体の教育長が行ってよいものなのでしょうか。  また、このプリントは内閣官房国民保護ポータルサイトからの引用ではありますが、実際に弾道ミサイルが落下したときにとるべき行動がリアルに書かれています。これを直接子どもの目に見える形で渡すという方法も、万全を期した的確なやり方とは思えません。実際、ミサイルが我が国に向けて発射されれば、十分もせずに着弾すると言われております。しかし、プリントの内容は、できるだけ頑丈な建物に避難する、物影に身を隠すか地面に伏せて頭部を守るなど、もし本当にミサイルが着弾した場合、これでとても身を守れるとは思えない内容です。これを学校で配付させるという区教委の指示は、子どもたちの心の安全安心ということへの配慮をおざなりにして、国や都からの通達にいち早く対応したという形だけのものにしか見えません。  世田谷区のこのたびの対応はインターネットでも広まり、広く区民に混乱を招き、疑問視されています。教育委員会には、反省、自重を求めるとともに、区の今後の危機管理体制についての答弁を求めます。  次に、在宅障害者や高齢者を支える介護人材の確保について質問します。  東京商工リサーチの調査によると、二〇一六年に倒産した介護サービスの事業者は百八件に上り、前年から三十二件の増加で、介護保険制度スタート以来最多を記録、増加幅は前年比四二・一%増と最大となっています。  利用者はふえているのに事業者の倒産がふえている背景には、介護報酬の引き下げや慢性的な人手不足、競争激化による利用者や介護人材の奪い合いが指摘されています。また、倒産件数をサービス種別で見ると、訪問介護が四四・四%で一番多く占めております。小規模で資金調達力や体制が脆弱な新規事業者が淘汰される一方で、深刻な人手不足からサービス提供が困難になり、経営に行き詰まるケースも少なくないとのことです。  人材不足は、障害者介護の現場ではさらに深刻です。現状では、介護保険事業者が障害福祉サービスの指定も受けて、高齢者にも障害者にも訪問サービスを提供している事業者が少なくありません。しかし、特に在宅の重度の身体障害者等に、入浴、排せつなどの日常生活全般のケアを行う重度訪問介護などは、介護保険に比べ報酬単価が安いのが現状です。そのため、経営事情から、数少ない介護スタッフをより単価の高い介護保険のサービスに絞って優先的に配置したり、人手不足で必要とされるサービスを提供できず、やむなくお断りや、苦渋の決断で障害の事業を廃止したという事業所もあるのが実態です。  私のところにも、この数年で、これまで来てくれていたヘルパー事業者が障害サービスをやめてしまった、何十社と事業者に当たっても人手不足で来てもらえるヘルパーが見つからないといった在宅障害者からの御相談が後を絶たない状況です。介護人材をふやす取り組みが急務ですが、一朝一夕でできることではなく、間に合いません。  区でも障害福祉サービスに関する実態調査を行っておりますが、その調査研究をさらに深めて結果を分析し、利用者や事業者の支援を行うべきと考えます。例えば経営者や管理職向けに、離職防止、稼働率向上のための支援を行ったり、介護従事者のスキル不足で対応できないといったケースもあるため、適切なスキルアップ研修の支援を行う、あるいは利用者側に対してもモラルの保持を求めるなど、多角的な支援の検討を求めます。  二〇一八年に予定されている介護保険制度の改正では、要介護度にかかわらず、生活援助サービスについて、資格基準の規制緩和が検討されております。これまでは、軽度であっても要介護認定を受けている方には、生活援助サービスは介護の資格を持つプロの方が従事していましたが、法改正後は、自治体が独自に基準を定めて行う研修で人材確保を行うことも検討されています。今後は新たな介護人材の裾野をどれだけ広げられるかが、各自治体の介護サービスの質量に大きく影響してくるものと考えられます。  ところが、世田谷区では昨年、要支援の方への総合事業が始まった際、同様に独自に研修を行いましたが、他自治体と比べて時間数が多いなどハードルが高かったため、ほとんど人が集まらず、新たな人材発掘にうまくつなげられなかった実態があります。  過去の苦い経験を踏まえ、今後の介護人材確保に向けた研修などではどのような改善を考えているのでしょうか、答弁を求めます。  次に、世田谷版地域包括ケアシステムにおける相談窓口の改善についてお尋ねします。  まちづくりセンターあんしんすこやかセンター社会福祉協議会の三者連携による世田谷版地域包括ケアシステムについては、モデル試行より三年がたち、新たにさまざまな課題が見えてきております。先般の福祉保健常任委員会の報告によると、相談に訪れた区民の方は、内容にかかわらず、まずは入り口から一番近いところに相談に行ってしまう傾向が明らかになりました。窓口がうまく機能せず、非効率的になっている様子がうかがえます。  わかりやすい表示や対応方法などを早急に検討すべきです。今後どのように改善を行っていく予定か、答弁を求めます。  次に、人権尊重、多様性社会の推進に向けてお尋ねします。  世田谷区では、一昨年、渋谷区の条例に続き、パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱を定めています。これは多くの報道で取り上げられたため、全国的にも世田谷区といえばLGBT、性的マイノリティーに関する取り組みに先進的な自治体として印象づけられていることと思います。  そういった中で、前回の定例会では、同性パートナーの場合も異性のパートナーと同様、区営住宅の入居資格要件に含めるよう住宅管理条例の改正を行う議案が提出されましたが、継続審査になってしまったことは極めて残念です。  しかし、確かに区では要綱をつくったものの、これは単に同性カップルの方に証明書を発行するにとどまるものであり、多様な形態を持つ性的マイノリティーの方々に対する体系的な施策の整備に言及するものではありません。そもそもこの要綱は、宣伝効果により過大評価されていたとも感じられます。  今定例会では、改めて性的マイノリティーの方々も含めた人権尊重、多様性社会を実現、推進していくためのしっかりした条例を整備することで、住宅管理条例の改正による区営住宅の入居資格はもとより、不動産契約や携帯電話の契約等、幅広く社会で異性パートナーと同様の権利や利益を享受できるよう期待するものです。  さて、本区では現在、仮称多様性を認め合い、人権を尊重する男女共同参画推進に関する条例の制定に向けて作業を進めており、この中で性的マイノリティーの方々に関する内容を検討しているところです。渋谷区、文京区や多摩市などで策定された同様の趣旨の条例では、いずれも性的指向、性自認等について定義や基本理念等で明確にしたり、教育、啓発や苦情対応などの具体の施策を伴うものとなっております。渋谷区では、差別と思われることに対しては、調査の権限や指導助言、それに従わない場合の勧告や公表、審議会や苦情処理委員会などの第三者委員会を設置するなど具体的に定めており、より実効性が期待できる内容となっております。  世田谷区はこうした先行事例を踏まえ、性的マイノリティーに対する具体的な定義や施策の伴った、より先進的で実効性の高い条例を検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  ところで、最近ではLGBTという言葉よりも、さらに性的人権理解を進めるため、セクシュアル・オリエンテーション・アンド・ジェンダー・アイデンティティー、性指向と性のアイデンティティーの頭文字をとってSOGIという言葉が使われるようになってきております。  LGBTという言葉が広まり、レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった性的指向の方々の存在が認知されるようになったのは前進ですが、実際には、性的マイノリティーには多様な形があり、この四種類に収れんされるものではありません。SOGIは、性的マイノリティーの方々を区別しカテゴライズすることなく、誰にでも性的指向、性自認があるという考え方を示すものであり、国内でも、二〇一六年二月、性的指向と性自認(SOGI)に関するプロジェクトチームが設置されています。  性的マイノリティーに関する問題は、他自治体の例を見ても、男女共同参画社会に関する条例の中で取り扱われてきました。しかし、男女共同参画の問題と性的マイノリティーの問題を一つの条例で一緒に論じていくには余りにも焦点が広がり過ぎてしまい、大きな乖離も感じます。  区でもこうした時代の流れを見据えて、これから新たな条例を検討するに当たっては、人権尊重、多様性社会という観点に特化し、条例の名称も中身もより時代の変化に見合ったものを検討すべきと考えます。見解を伺います。  次に、医療的ケアが必要な児童の小中学校での受け入れについて質問します。  近年では、新生児医療の発達により、都市部を中心にNICU、新生児集中治療室が増設された結果、超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもなど、以前なら出産直後に亡くなっていたケースであっても、助かることが多くなってきました。その結果、医療的ケアを必要とする子どもの数は増加傾向にあります。  本区では、そうした子どもたちが地元の学校に通う場合、常時見守りや、必要なときにはすぐたんの吸引や経管栄養、導尿といった医療的ケアを行う必要がありますが、学校では対応してもらえないため、必ず親が付き添わなくてはなりません。その結果、母親が仕事を断念せざるを得ないのが実情です。  我が会派では、医療的ケアが必要な重症心身障害児者に対する先進的な取り組みを行っている大阪府を視察してまいりました。大阪府では、府立支援学校だけではなく、地域の小中学校でも医療的ケアを必要とする児童生徒が増加しているとの市町村側からの訴えがあり、管轄をする市町村に対して、平成十八年度より、看護師の人件費を補助する制度を設けているとのことです。平成二十八年度には、二十六市町村百十七校で、必要な子どもにほぼマンツーマンで対応できる看護師を配置しているとのことでした。  大阪府の担当者の話を伺うと、親が働いていると地元の学校には通えないというのはどうなのか、親の就労状況にかかわらず、子どもがひとしく教育を受けられるよう尽力することが行政の役割ではないかといったことをおっしゃられ、とても考えさせられました。  区ではまだこのような看護師の配置は行われておりませんが、教育長はこのような考え方について、区の現状と照らし合わせ、どのように考えますか、見解を伺います。  大阪府の取り組みでは、小中学校への看護師配置に対して人件費を補助する国の制度を活用しているとのことでした。世田谷区もこういった補助制度を活用し、家庭環境にかかわらず、医療的ケアが必要な子どもたちが安心して身近な地域で義務教育を受けられるよう取り組むべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、新教育センターと中央図書館の活用について質問いたします。  区教育委員会では、現在、平成三十三年度に若林小学校跡地に開設予定の新たな教育センターの設置に向けて検討を行っており、構想案を取りまとめたところです。大きな事業費のかかる公共事業に区民から厳しい目線が寄せられる中で、区議会でも、我が会派含め、他会派からも箱物整備ありきの話ではなく、しっかり内容が伴ったものでなくてはと慎重な声が多く挙げられておりました。新たな教育センターは教職員の指導力や専門性の向上に役立ち、教員はもとより、子どもたち、保護者に親しまれる地域の資産であるべきです。  そのような中、不登校状態の子どもたちのためのほっとスクール城山もこの場所に移転するということですが、私たちは大阪府の会派視察の際に、池田市で公設民営のフリースクールの取り組みについてもお話を伺ってまいりました。NPOの代表理事がキーパーソンとなって運営されているこのフリースクールでは、教育委員会としっかり連携しながらも、民間ならではの独自性や柔軟性を生かした個別カリキュラムで子どもたちの成長を支えており、子どもがここに通いたいと他自治体から引っ越してくる家族もいるなど、高い評価を得ているようです。  本区でも移転を機に、こうした事例も参考に、ほっとスクールのあり方についてしっかり再検討していただきたいと思います。学校に戻ることを支援しながらも、それが全てではなく、必要とする子どもたちがいつでもいやすい場所にしていくため、柔軟性の高い公設民営の手法もぜひ検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  なお、新教育センターでは大学等とも連携し、先駆的な教育研究を行ったり、研修や教職員による自主研究の場としての機能も構想されております。しかし、教職員の過重労働が問題となっている中で、せっかくそのようなすばらしいセンターができても、それを十分活用できるだけの余力が今の先生方にあるのでしょうか。  昨年、議連のメンバーでフィンランドの学校も視察してまいりましたが、フィンランドでは先生方が大変研究熱心とのことでした。フィンランドと我が国では、教職員の労働環境や学校で持っている権限や裁量に大きな違いがあり、あのような環境だからこそ、先生方が生き生きと積極的に研さんに取り組むことが進められるものと感じました。
     区でも、教員の労働環境の改善がなければこのセンターも十分活用されることがなく、宝の持ち腐ればかりか、かえって教員の負担となってしまいかねません。区でも独自に教員の労働実態調査を行うよう求めます。  最後に、中央図書館についても一点お尋ねします。  本区では、開設から約三十年が経過した中央図書館について、大規模改修とともに、貸し出し、閲覧など、資料を中心とする従来の図書館機能に加えて、区民ニーズの多様化に対応するさまざまな機能を拡充する予定となっております。そういった中で、特に昨今では、グローバル化の進展により、未来を担う区内の子どもたちに生きた英語を学ぶ機会が必要と、我が会派は繰り返し求めてまいりました。  新たな中央図書館では、機能拡充に合わせて多文化体験コーナーが設置される案が今回提示されましたが、区から示された資料を見る限りでは、外国語資料の充実や読み聞かせと書かれているだけで、生きた英語、社会で生かせる英語に触れられる環境とはほど遠いと感じました。  我々会派は、大阪の視察の中で民間事業者の運営する英語村も訪れましたが、日常生活の具体的な場面でネイティブの英語に触れられる実践的な内容となっており、子どもだけでなく、大人、高齢者など、生涯学習の観点からも、地域で活用される有効な施設となっており、評価できるものでした。  中央図書館における多文化体験、英語学習について、今後の展開をどのように考えているか、答弁を求めます。  以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 中塚議員に、危機管理体制につきまして答弁をいたします。  不測の緊急事態時に区民の生命、身体及び財産を守ることは、区の重要な役割であると認識をしております。今般のたび重なる北朝鮮による弾道ミサイル発射なども含め、区における危機は多様でございます。地震、水害、強風、噴火、積雪、熱波及び寒波等の自然災害、また大規模に延焼する火災、爆発事故、有害化学物質の飛散、そして六年前の三・一一でありました原子力発電所・施設等の大規模な原子力災害、またテロ、また大規模な暴力不祥事件、そして重篤な感染症など、多岐に及ぶと思います。  危機管理に当たっては、正確な情報を庁内で共有し、手順を踏んでわかりやすく、誤解のないような情報発信をする体制が肝要だと考えています。平常時にこうした体制を築いておき、危機発生時には、迅速、的確な対応が可能となります。被害の最小化の役割を果たすべく、一層の体制整備に努めていきたいと思います。  今回の事態を踏まえ、私は、改めて危機管理室を中心とした情報連絡体制の確認をするよう指示いたしました。今後は関係所管がより連携して、適時適切に情報を共有し、区民が混乱することのないよう、情報提供と発信を行っていくよう努めてまいります。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、人権尊重・多様性社会の推進に関しまして、時代の変化に見合った条例の検討について御答弁申し上げます。  平成二十七年の十二月に改定されました国の第四次男女共同参画基本計画には、性的指向や性同一性障害を理由として困難な状況に置かれている場合、人権尊重の観点からの配慮が必要との記載がございまして、性的マイノリティーの課題に対しまして、男女共同参画の視点に立って必要な取り組みを進めるとの考え方が示されております。  区の第二次男女共同参画プランでは、こうした国の考え方やこれまでの区の取り組みなどを踏まえまして、男女共同参画社会の言葉の定義を、男女だけではなく、多様な性を含めた全ての人が尊重され参画できる社会とした上で、全ての人が尊厳を持って生きることができる社会の構築という基本目標の中に、性的マイノリティー等多様な性への理解促進と支援を位置づけております。  このような経過を踏まえまして、新たな条例は、性別やお話しのSOGI、つまり、性的指向や性自認にかかわらず一人一人が尊重され、みずからの意思に基づいて個性と能力を十分発揮でき、人権を尊重し、多様性を認め合う社会の実現を目指す方向で検討を進めるところでございます。いただいた御意見を踏まえまして、またさらに、ワークショップ等で区民の意見もいただきながら、具体的な内容について検討を進めまして、議会に報告してまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 二点御質問いただきました。区の危機管理体制について、弾道ミサイル発射に関する教育委員会の対応についての御質問です。  私ども教育委員会は、国や東京都教育委員会からの通知を踏まえ、弾道ミサイルや国際情勢に関する報道等を勘案し、万が一の場合に備え、教育委員会、学校が子どもたちの安全安心を最優先に、子どもたちが学校にいるときの対応と登下校時の対処方法などについて保護者の皆様にお伝えしたものです。この間、保護者の方々や区民の皆様方、議会の方々から、今回の保護者への御連絡に関してさまざまな御意見をいただきました。  このことを踏まえ、区長からの御指示もいただきながら、五月三十一日には、改めて各学校、園に対して、今回の対応に関しての通知をさせていただきました。この通知には、各学校、園に今後起こり得るさまざまな危機に対応し、一層の安全管理体制の充実を求めると同時に、平和や人権尊重にかかわる教育のさらなる推進などについてまとめさせていただきました。  なお、保護者の方々へのお知らせについての伝達方法、また庁内連携、情報連絡のあり方などについての御意見につきましては、真摯に受けとめさせていただきます。  教育委員会といたしましては、今回の件を機に、庁内における情報伝達体制の再確認や議会等への情報提供のあり方について、庁内で緊密に連携し対応するよう努めてまいります。  次に、医療的ケアが必要な児童生徒の小中学校の受け入れについてという御質問です。  お話にありました大阪府では、長年にわたって地域の小中学校で医療的ケアが必要な児童生徒を多数受け入れてきた経緯があり、先駆的に取り組んでいる状況であると受けとめております。  一方、東京都では、医療的ケアが必要な児童生徒一人一人の教育的なニーズを踏まえ、子どもたちのほとんどが、看護師等が配置され安全体制が整っている都立特別支援学校に就学している現状です。議員お話しの、区立小中学校で医療的ケア児を受け入れる際には、子どもたちが安全に安心して学校生活を送ることができるよう、環境を整えていくことが必要であると認識しております。  現在、教育委員会では、世田谷区特別支援教育推進計画に医療的ケアの検討を位置づけておりますが、新たに障害福祉担当部、総合支所、保健福祉部、子ども・若者部、教育委員会で構成する医療的ケア児とその家族の支援関係所管連絡会を設置する予定でおります。  医療、福祉、教育の連携とともに、地域支援体制について今後の方向性をお示しできるよう、積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者の介護人材の確保について御答弁申し上げます。  障害者の在宅介護を行う区内の居宅介護事業所は、東京都の事業者指定情報によりますと、昨年度中に二十二カ所の増と十三カ所の減がございまして、差し引き九カ所増の百六十二事業所となっておりますが、昨年実施いたしました世田谷区障害者(児)実態調査では、居宅介護利用者の三五%余りが、サービス提供事業者が少ないとの回答を頂戴しております。また、実態調査では、事業者におきましても約八割で職員が不足していると回答し、さらに、そのうちの約半数が介護職員不足と回答するなど、介護人材の安定確保は大きな課題であると認識をしております。  介護人材の確保に向けては、事業者みずから報酬や勤務条件の改善、福利厚生の充実、人材育成などに取り組んでおりますが、区におきましても、事業者が介護職員処遇改善加算を得られるよう、福祉人材育成・研修センターにおいて研修を実施しているほか、就職面接会の開催などの支援を行っております。  区といたしましては、引き続き処遇改善や人材確保に向けた事業者の取り組みを支援しながら、さまざまな障害の特性や障害者介護の専門性向上の研修、事業者に対する運営管理研修の充実など、実態調査も踏まえ検討をいたしまして、事業者が安定的にサービス提供できる環境づくりに取り組み、障害者福祉の向上を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、今後の生活援助を中心とした介護人材確保について御答弁いたします。  区では、平成二十八年度より、介護予防・日常生活支援総合事業におきます訪問型サービスにおきまして、基準等を緩和した生活援助サービスを開始し、このサービスの担い手を養成する目的で、生活援助サービスの従業者養成研修を実施しております。平成二十八年度に二回研修を実施しましたが、研修参加者は二十名と少ない状況となっております。その要因として、事業に対する理解、周知が進んでいないことや、研修時間が四日間、二十三時間と長いこと、PRの工夫不足等が挙げられます。一方、この研修修了者を受け入れる介護保険の指定事業者からは、質を確保するために一定の研修時間は必要との御意見もいただいております。  現在、国は、生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和や、これに応じた報酬の設定を行うことを示しております。詳細はこれから審議されるところでございますが、総合事業を含め、生活援助の担い手の確保育成がさらに重要になると認識をしております。今後は総合事業の課題等を踏まえ、介護の仕事について経験がない方にも興味や関心を持っていただけるよう、さまざまな機会を捉えたPRを工夫し、一層の事業の理解、周知を図ってまいります。また、国の動向を引き続き注視し、研修体系等や支援策の見直しを図り、多様な担い手の確保や活動の支援を行い、誰もが住みやすい地域づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎本橋 地域行政部長 私からは、世田谷版地域包括ケアシステムにおける相談窓口の改善につきまして御答弁をいたします。  地域包括ケアの地区展開につきましては、昨年七月の全地区において、まちづくりセンターに福祉の相談窓口を設置し、身近な地区における相談の充実を図っております。  福祉の相談窓口の設置に当たりまして、「区のおしらせ」やリーフレット等により区民への周知を行うとともに、窓口カウンターの整備、案内表示の見直し、相談スペースの確保などに取り組んでまいりました。御指摘のまちづくりセンター内のレイアウトにつきましては、あんしんすこやかセンター社会福祉協議会との三者が連携をより密にできるよう配置しておりますが、一部の施設では、施設の構造や併設施設等の条件によりまして、来所者の動線や待合スペースの確保等に課題があることは認識しております。多くの皆様に相談窓口を御利用いただけるよう、引き続き区民への周知に努めるとともに、今後整備が予定されている施設におきましても、三者のかなめとなるまちづくりセンターの配置場所等に留意しておりますが、既存の施設につきましても、運営を進める中で適宜改善を図り、相談しやすい環境づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎田中 生活文化部長 私からは、人権尊重、多様性社会の推進に向け、実効性ある条例を検討すべきという御質問にお答えいたします。  検討中の条例には、関連する言葉の定義を初め、基本理念や性別などによる権利侵害の禁止等、基本的施策、審議会の設置、相談対応などについて規定し、これらにより男女共同参画推進に関する施策を推進することを目指しております。  また、基本的施策を総合的かつ計画的に推進するため、行動計画を策定、公表し、具体的な取り組みである事業を実施していく予定です。なお、実効性のある条例となるよう、行動計画の進行管理を初め、年次報告や相談対応結果に関する評価、検証を行う機関として審議会を位置づける方向で検討しているところです。今後、具体的な施策等については、さらに区民や区議会の御意見を幅広く伺いながら精査してまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  まず初めに、国の補助金を活用し、家庭環境にかかわらず、医療的ケアが必要な子どもたちが義務教育を受けられるように取り組むべきだという御質問です。  医療的ケアが必要な児童生徒の小中学校での受け入れ体制の構築に当たりましては、看護師など人件費に対する一定の財源確保などもまた必要になってくると考えております。御案内いただきましたように、国の補助金の活用も持続可能な制度とする上で大変重要な視点であると考えております。  補助制度導入に当たりましては、制度の安全性の観点を初めとした検討とあわせまして、補助金制度を活用した財源の確保についても検討を進めさせていただきまして、できれば来年度の予算編成などにも反映してまいりたいというふうに考えております。  二点目でございます。公設民営の手法も検討して、ほっとスクールのあり方を再検討せよという趣旨での御質問でございます。  ほっとスクールは、心理的理由などにより不登校状態にある児童生徒の心の居場所として、自主性を養い、社会性を育み、学校復帰を支援する目的で教育委員会が設置しております。ハード面では、現在、仮称希望丘複合施設に三カ所目のほっとスクールの整備を進め、平成三十年度末の開設を予定しております。また、ほっとスクール城山を教育総合センターに移転し、同センターが持つ不登校対策機能との連携を意識した再整備を行う予定としております。  他方、対策の方向性については、この三月に教育機会確保法に基づく指針が文部科学省から示されましたけれども、児童生徒の学校復帰のみを目標とせず、将来の社会的な自立を支援するという考え方がより強調されてきております。こうした状況も受けまして、区としましても、児童生徒の社会的な自立を見据え、基礎的な学力指導はもとより、児童生徒の興味関心を広げる体験的なプログラムや、個性に応じた支援プログラムの充実が必要と考えております。  こうした充実に当たりましては、庁内の関係所管との連携のほか民間のノウハウの活用も検討しており、お話しの池田市や川崎市などの取り組みも参考にさせていただきまして、今年度策定予定の仮称不登校対策アクションプランや教育総合センターの整備検討の中で具体化を図ってまいりたいと考えております。  三点目でございます。教員の労働実態調査を求めるという趣旨での御質問です。  御指摘いただきましたように、学校現場の教員に求められる期待が高まっている中で、長期間にわたる長時間労働による疲労が蓄積され、心身の健康障害につながることが懸念されております。昨年六月に、文部科学省より学校現場における業務の適正化に向けてという通知が出されまして、学習指導要領の改訂の動向を踏まえた授業改善に取り組む時間や、教員が子どもと向き合う時間を確保することの必要性が改めて周知されております。  また、同年、文部科学省が行った教員の全国的な勤務実態の調査によれば、十年前と比較すると、一週間当たり四時間から五時間、総勤務時間がふえているといった報告がされております。さらに、東京都教育庁が、都内の公立学校に対し勤務実態調査を行うと聞いておりまして、さらに教員の勤務状況について実態把握がなされ、分析結果が報告されるものと考えております。  これらの経緯等を踏まえますとともに、世田谷区では、第二次教育ビジョンのもと、教員が子どもと向き合う時間の拡充に向けた具体的な取り組みとして、今年度より、教員が勤務を要さない学校休業日を八月に設けること、教育総合センターで教員が積極的に学べる環境づくりについての計画を進めることなど、教員が働きやすい環境の整備に今後とも努めてまいります。  以上です。 ◎花房 生涯学習部長 私からは、中央図書館の機能の拡充の一つである多文化体験コーナーについて御答弁申し上げます。  第二次世田谷区立図書館ビジョンでは、子どもの読書を支える図書館や大人の学びを豊かにする図書館として多文化サービスの推進を明記しており、中央図書館はその拠点となります。また、中央図書館につきましては、昨年度設置いたしました中央図書館機能拡充基本構想策定委員会で検討を重ね、その報告を踏まえまして、中央図書館の機能拡充の方向性の一つとして、多文化理解を促すサービスの拡充についてお示ししたところでございます。  学習指導要領の改訂を受けた小学校における英語の教科化やさらなる国際化への対応に向け、新たに設ける多文化体験コーナーでは、外国人英語指導補助員等を活用した、英語を使って日本文化の紹介を行うコミュニケーションの体験など、子どもたちを中心とした多文化サービスの拡充を検討してまいります。  さらに、区民の多様な言語や文化への理解を深めるため、外国語の資料や外国語の絵本などの収集、ボランティア団体による外国語での絵本の読み聞かせの事業の一層の充実に加えまして、在住外国人との交流イベントを開催するなど、中央図書館機能の充実を検討してまいります。  以上でございます。 ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 答弁ありがとうございました。在宅の障害者の居宅介護の事業所が一年で九カ所ふえたということですけれども、その中身を聞きますと、二十二カ所がふえたけれども、十三カ所が減っているというのが実態なんですね。この減っている十三カ所で利用していた方々は本当に困っておられますので、新しい人を確保するのもあれですけれども、事業者の倒産を防ぐ支援をするだけでも助かる障害者の方はたくさんいらっしゃると思います。ぜひそうした視点でも取り組んでいただきたいというふうに要望させていただきます。  再質問なんですけれども、医療的ケアが必要な児童、子どもの受け入れに関してなんですが、今、ほとんどが看護師が配置されている特別支援学校に就学しているということですけれども、これは逆に、地域の学校でそういった通えるという体制がないから特別支援学校に通っているというようなのが現状ではないかと思うんですね。今後、やはり本当に身近な自分の希望する地域の学校に通える体制、それも親が働いていても、フルタイムで仕事をしていてもやめずに通えるんだということを区の公教育の中で取り組んでいくべきというふうに考えます。もう一度、再答弁をいただきたいと思います。 ◎工藤 教育政策部長 医療的ケア児についての再質問をいただきました。御案内いただきました大阪、大変その分野では先駆的な取り組みをされてきているというふうに考えています。  他方、今お話しいただきました東京都におきましては、特別支援学校を中心とした受け入れ体制という方策を主に選択してきている。これは世田谷区だけではなくて、都内全域がそういう形をとってきたという現状があります。歴史的な経緯等も実際そうなっているわけですけれども、御質問いただきましたように、今後可能な限り地域の小中学校で受け入れるべきじゃないかという視点をいただいておりますので、大阪の先駆的な例なんかも参考にさせていただきながら、安全を第一と指摘しながら、できるだけ早い時期に実施していきたい、そういう趣旨でございます。  以上です。 ◆四十七番(中塚さちよ 議員) 今、インクルージョン教育ということもありますし、都がどうこうとおっしゃっていましたけれども、国のほうでは女性活躍推進と言っているわけですから、女性の方がフルタイムで、仕事をやめずに、子どもはしっかりちゃんと学校に通っていけるような体制というのを区としてもしっかりやっていっていただきたいと要望を申し上げまして、質問を終わりとさせていただきます。 ○上島よしもり 議長 以上で中塚さちよ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、日本共産党を代表して、三十三番桜井稔議員。    〔三十三番桜井稔議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(桜井稔 議員) 日本共産党世田谷区議団を代表して質問をします。  まず、北朝鮮問題について述べます。  北朝鮮は、国連安保理決議、六カ国協議の共同声明、さらに日朝平壌宣言にも反して、核・ミサイル開発の暴挙を進めています。日本共産党は厳しく抗議します。北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせるには、外交的解決、話し合いしかありません。軍事対軍事の軍事力行使では甚大な被害が広がります。軍事力行使は絶対にやってはなりません。  しかし、この機に乗じて安倍政権が安保法制を発動し、自衛艦に米艦防護の任務を付与したことは、それ自体が軍事対軍事の緊張をエスカレートさせるものになりました。日本がなすべきことは、憲法九条を持つ国として、対話と交渉による解決を働きかけることです。  以上の認識のもと、今回の教育長の対応について述べます。  四月二十八日に区立の各小中学校で、弾道ミサイル発射時の学校対応についてという文書が子どもたちを通して保護者に渡されました。これは、保護者や子どもたちにいたずらに不安をあおることになりました。五月二十四日の文教委員会で、これは教育長の判断で行われたということが表明されています。  今回の教育長の対応は、学校現場に有事を前提とした国民保護法の具体化を行うことで、教育長の判断は誤りであり、反省を求めます。また、区長の管理責任も問われ、問題です。  次に、核兵器禁止条約の実現について伺います。  ことし三月二十七日から三十一日に、ニューヨークの国連本部で、核兵器全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議の第一会期が開かれ、百十五の国と被爆者やNGOなど市民社会の代表が参加し、禁止条約実現に向けた合意がされました。そして、六月十五日から七月七日まで開かれる第二会期には、核兵器禁止条約案が国連会議の中で審議され、採択される見通しです。  先日、核兵器禁止条約の草案が発表されました。草案について紹介します。草案の前文では、核兵器の使用がもたらす破滅的な人道的結果と、いかなる状況下においても核兵器が二度と使用されることがないようあらゆる努力を行うこと、核兵器の破滅的な結果が、人類の生存や環境、社会経済的発展、世界経済、食料安全保障、将来世代の健康に重大な影響を与えること、核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)及び核実験の被害者の苦難に留意するとしています。  そして、第一条の一般的義務では、締約国は、核兵器の開発、生産、製造、取得、所有、貯蔵、移転、使用、核爆発実験などを禁止し、また核兵器の配備、配置することを禁止しています。  核兵器禁止条約が多数の国の参加で締結されれば、核兵器廃絶に向けた新しい状況が期待されます。  外国軍の艦船、航空機などは、核兵器を積んでいないと証明しない限り、禁止条約に調印した国に寄港することができなくなる可能性があります。核兵器禁止条約が国連で決議されれば、それは核兵器のない世界に向けた重要な第一歩になります。  しかし、日本政府はこの国連会議には不参加でした。日本政府は、核兵器禁止条約に背を向ける態度を根本的に改め、条約への参加を真剣に検討すべきです。また、北朝鮮の核問題を解決するためにも、禁止条約によって核兵器を違法化することが重要です。  北朝鮮の核とアメリカの核の対抗では核兵器はなくなりません。北朝鮮の核をなくす上でも、核兵器禁止条約の実現が求められます。核兵器禁止条約制定を目指すヒバクシャ署名は、現在全国で二百九十六万筆以上です。二〇二〇年に向け、世界で数億人を集める計画です。区民も署名運動に取り組んでいます。また、区長も平和首長会議に参加し、核兵器禁止条約の制定を目指しています。  核兵器禁止条約は、核兵器のない世界に向けての大きな一歩となります。核兵器禁止条約についての区長の認識と評価を伺います。  次に、新実施計画の策定と行政改革について伺います。  区長の招集挨拶で、次期新実施計画の策定について、時代の変化に対応していく内容に練り上げていくと述べています。区は、次期新実施計画を検討する上での社会状況の変化による新たな視点を示し、東京オリンピック・パラリンピック、人口動向による顕在化した課題、子どもの貧困、消費税増税の延期、熊本地震を新たな視点として挙げました。これは重要です。  さらに我が党は、新たな視点として、福祉制度をめぐる環境の変化を加えるべきと提案しました。医療、年金、介護、生活保護などの制度の変更が区民の生活に大きく影響します。障害者差別解消法の制定、国保制度の広域化、介護保険では利用料三割負担が計画されています。自治体は、住民の暮らしや福祉を守っていかなければなりません。  区は、我が党の質問に対して、福祉制度をめぐる環境の変化も重要な変化と認識しており、最も区民に近い行政として、区民の暮らし、福祉を継続的、持続的に守っていかなければなりません。次期新実施計画の策定に当たり、こうした変化を踏まえた視点より検討を進めてまいりたいと答弁しています。検討状況についてどうなっているのか、見解を伺います。  また、新実施計画の財政計画について伺います。  玉川総合支所の改築、梅ヶ丘福祉拠点の整備、学校改築など、公共施設の整備が続く中で、予算規模が大きくなっています。今後さらに、本庁舎整備、北沢総合支所の改修、希望丘複合施設の整備などが続きます。  福祉や暮らしの施策を後退させない、区民の暮らしを守ることを第一にした区政を続けるためにも、財政規律を守り、計画的な財政運営で全体の規模を適正な範囲に抑えることが必要です。新教育センターは財政的計画の裏づけをどう考えているのか、見解を伺います。  次に、国保の広域化について伺います。
     今年度、国保料は大変な値上がりになります。平均保険料は十一万八千四百四十一円、前年度比で七千二百五十二円も値上げです。給与所得三百万円で子どもが一人いる三人世帯の場合の保険料は二十九万八千四百三十七円で、一万八千六百四十五円も値上がりします。給与の一カ月分が保険料として取られ、払い切れないという悲鳴の声が上がっています。この高い保険料の通知が七月に区民に届きます。二十三区区長会は昨年十二月に財政支援を求め、国に対して緊急要望を行いました。さらに、平成三十年度から国保の広域化になり、区市町村とともに東京都も国保の保険者となります。  国は、国保の広域化によって、それまで各自治体で行っていた保険料を抑えるための繰入金、すなわち決算補填目的の法定外繰入金をなくそうとしています。これをなくせば、保険料の大幅値上げが予想されます。広域化による国の都道府県国民健康保険運営方針・ガイドラインに基づいて試算をした結果、例えば埼玉県蕨市では、一人当たりの保険料が現在七万一千円であるのに対し、標準保険料になると十四万一千円で一・九倍になります。戸田市も一・九倍です。急激な保険料値上がりに対し、国はガイドラインの見直しを行い、夏以降に再提示するとしました。  では、世田谷ではどうなるでしょうか。世田谷区の一般会計から国保会計への繰入金は、平成二十七年度で九十四億四千万円です。そのうち、保険料を引き下げる目的のための法定外繰入金は三十九億五千万円です。その法定外繰入金がなくなると、区議団の試算によれば、一人当たりの保険料は一万八千円の値上がりとなります。  区の一般財源の繰り入れをなくせばどのぐらいの保険料の値上がりとなるのか、区としての試算を示してください。  国保料の大幅値上げを抑えるため、国や都に財政措置を求めます。同時に、区が国民健康保険に一般財源を繰り入れ、保険料を抑えることが必要です。住民の福祉の増進を規定した地方自治法のもと、国保会計への一般財源の繰り入れについて、厚労省は自治体で判断していただくと答弁しています。国は一般財源の繰り入れを禁止することはできません。  国保会計への一般財源の繰り入れを行う是非は区の判断となります。区は、このことに対しどのような見解を持っているのか伺います。  先ほども述べたように、法定外繰入金三十九億五千万円のうち、三十四億三千万円が財調で担保されています。国保事業については、これまでどおり財調の基準財政需要額に算定すべきです。これを区長会で求めるべきです。見解を伺います。  次に、地域密着型介護サービスについて伺います。  世田谷区の介護保険事業計画では、平成三十七年、二〇二五年に向けて、介護施設の配置計画は、認知症グループホームまたは地域密着型特養ホームは、いずれかが日常生活圏域に一カ所以上となっています。日常生活圏域とは、出張所・まちづくりセンターごとの二十七地区です。認知症グループホームは現在四十二施設が整備され、二十地区に配置されています。しかし、いまだに空白の地区は七地区です。太子堂、梅丘、代沢、北沢、松原、松沢、成城に整備されていません。また今後、地域密着型特養ホームは、成城、上北沢、下馬の三カ所に整備され、ようやく緒についたばかりですが、区民の期待は大きいものです。  地域密着型特養ホームまたは認知症グループホームが二十七地区全てに整備が進む見通しはあるのか、見解を伺います。  また、小規模多機能型居宅介護は日常生活圏域に一カ所以上となっていますが、整備できているところは九地区です。小規模多機能型居宅介護の整備も求めます。  区内で特養ホームの整備がふえてきています。現在十九施設が整備され、十地区に配置されています。さらに、今後二〇二五年までに区は、千人分の特養ホームの整備を進める計画です。現在、二〇一九年度までに六百四十人以上の特養ホームの計画が発表されています。この計画を行えば、二十七地区中十三地区で整備が進みます。さらに、下馬や大蔵、八幡山など、団地の建てかえに伴う土地の活用も進めるべきです。  特養ホームの整備が進めば、地元の方の入所ができやすくなります。たとえ施設に入っても、住みなれた地域で生活ができるためにも、特養ホームの入所の際には、地元の方が優先して入所できるルールを考えるべきです。見解を求めます。  次に、保育待機児について伺います。  区はこの間、待機児解消対策の根幹に、認可保育園を中心とした、量とともに質を大切にした保育園整備を掲げ、精力的に整備に取り組んできました。  世田谷区の保育園は、二十八年度一年間で、認可保育園の分園も含め二十七カ所が増設され、保育定数は千九百五十九人ふえました。その結果、保育待機児童は六年ぶりに減少し、待機児は八百六十一人となりました。三歳児以上の待機児童はゼロとなりました。  国が規制緩和を中心とした待機児対策を掲げる中、質を大切にしながら認可を中心とした整備こそ効果があることを示すこととなりました。この間の区の努力を評価します。しかし、八百六十一人の待機児童が残されています。引き続き、一刻も早く待機児童をゼロにするために、全力で取り組んでいただきたい。見解を求めます。  次に、防災対策について、特に避難行動要支援者の支援策について伺います。  世田谷区避難行動要支援者避難支援プランは、避難行動要支援者、すなわち高齢者や障害者などの安否確認体制づくりを目指しています。災害発災時の要支援者への安否確認を区と町会・自治会などとの連携で当たることになっています。しかし、町会・自治会との協定は半分にとどまっており、さらに、町会・自治会での役員の高齢化や活動の担い手不足が課題として挙げられ、安否確認体制が十分整っていません。  安否確認の課題は多くあり、しっかりと取り組んでいかなければなりません。安否確認が行き届かないもとでも、避難行動要支援者の命を守る対策が必要です。  我が党は、命を守るために減災対策が必要と考えます。減災対策として、家具転倒防止器具や感震ブレーカーの設置、耐震シェルターや耐震ベッドなどの普及を進めるべきと求めてきました。避難支援プランにはその減災対策がありません。減災対策を避難支援プランに書き込むべきです。  避難行動要支援者に対して、区は、これら減災対策をどう位置づけているのか、また、どう支援を進めようとしているのか伺います。  次に、指定管理者制度について伺います。  区議会では、がやがや館での前回の指定管理者選定をめぐり、各会派から事業者の選定過程の情報開示を求める意見が出されました。区民の税金でつくった公の施設の管理運営を民間事業者に委託するのですから、その選定過程の情報公開は当然のことです。  これまで指摘してきたように、横浜市には指定管理者制度の運用ガイドラインがあります。ガイドラインでは、指定管理者の選定に当たって、選定過程の透明性を高め、市民の信頼を高めることを重視しています。公募の文書は公開を原則とし、選定された業者の応募書類は、市民への説明責任を果たすために公開としています。  世田谷区は、指定管理者制度の運用に係る指針を改定しましたが、指定管理者の選定過程の情報は非公開となっており、選定結果のみが議会に示されています。世田谷区でも、指定管理者の選定過程について議会と区民への情報公開を進めるべきです。見解を求めます。  次に、公共交通不便地域対策について伺います。  世田谷区内の公共交通不便地域は、全面積に対して一九・七%となっています。区はこの間、区内での公共交通不便地域の解消や南北交通の強化などのために、コミュニティバスを新たに十路線運行したとしています。しかし、区内にはまだ交通不便地域が多数残されています。さらに、高齢化による通院や買い物などのためにコミュニティバスの運行を望む声が寄せられています。  公共交通不便地域対策調査・検討の中間まとめが出されました。中間まとめで、コミュニティバス運行に際して、事業の採算性の問題が最も大きな課題となっています。  日本共産党東京都議団が平成二十七年四月に、二十三区全てに対してコミュニティバスの実施状況のアンケート調査を行いました。それによると、コミュニティバスを実施している区は二十三区中十九区、実施していない区は四区のみです。世田谷区のように、自治体の補助がゼロになっている区も実施している区に入ります。バス運行でその経費の一部を自治体が補助しているところがほとんどです。多くの自治体でバス運行の採算性の確保が課題であるとなっています。同時に、世田谷区のように今後、交通不便地域をなくしていこうと検討している区もあります。そしてその財源をどうするか検討をしています。  コミュニティバス事業に対し、二十三区共通課題として財調の基準財政需要額に算定すべきではないでしょうか。二十三区区長会に提起することを提案します。  次に、三軒茶屋二丁目再開発について伺います。  三軒茶屋二丁目再開発は、地元地権者の方々の主導で準備組合が結成され、再開発が検討されています。再開発準備組合は、昨年、施設基本計画を出しましたが、ことし、施設計画を見直しました。区の指摘を受け、住宅部分を減らし、オフィスなどの業務部分をふやした施設計画の見直し案をつくりました。しかし、施設計画をつくるよりも、区は、三軒茶屋全体のまちづくり計画を示すことが重要です。  区長は招集挨拶で、三軒茶屋二丁目再開発について、次のように述べています。三軒茶屋二丁目再開発準備組合が設立され、区は、基本計画及び都市整備方針の内容を深め、グランドデザインとしてのまちづくり基本計画を策定するとしています。一刻も早くまちづくり基本計画を提起し、準備組合に示すべきです。三軒茶屋二丁目再開発のグランドデザイン、まちづくり基本計画を示して、そこに沿った再開発が進められるように区長のリーダーシップを発揮すべきです。見解を伺います。  さらに区長は、三軒茶屋の個性やポテンシャルを最大限に発揮し、新たな価値の創造に向けた方向で取り組んでいくと述べていますが、どういう思いで三軒茶屋の将来像を描いているのか、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桜井議員の御質問にお答えいたします。  一点目は、核兵器禁止条約についての認識と評価でございます。  先日、核兵器禁止条約の草案が公表されました。条約前文には被害者(ヒバクシャ)という文言が盛り込まれ、核兵器の開発、製造、所有、移転、使用等、幅広い項目を禁止する内容となっていて、核兵器廃絶を求める国際的な機運の高まりを感じます。画期的な内容であると考えております。  一方で、条約制定に向けた交渉会議には、条約に反対の立場をとる核保有国を初め、核保有国と非核保有国との隔たりの大きさ、そして核兵器廃絶への道のりの厳しさを痛感していますが、とりわけ日本政府が参加をせず、その後に反対表明をした点について、極めて残念に受けとめています。  唯一の被爆国である日本といたしまして、核兵器による犠牲者をこれ以上生むことのないよう、人間の尊厳を否定する核兵器のない平和な世界の実現に向けて積極的に世界各国に働きかけていく責務を果たすべき立場であると考えています。  引き続き、平和首長会議の活動に参加するとともに、区としても、核兵器廃絶と世界平和を誓った平和都市宣言に基づき、区の平和事業に積極的に取り組んでまいります。  もう一点、三軒茶屋二丁目再開発について御質問にお答えします。  三軒茶屋駅周辺地区は、区内有数の商業、業務、区文化施設や大学、ホールなど、文化と情報発信機能が集積する全区的な核であり、同時に、区を超えた広域交流の場として、広域生活・文化拠点としての位置づけをしております。  三軒茶屋は、世田谷区のいわば玄関口に位置し、交通利便性が高いことから、一日十三万人が鉄道を利用しているほか、若い世代を中心に生産年齢人口の伸びが著しい特徴があり、こうしたポテンシャルを最大限発揮し、商業、業務、文化の充実に向けた土地利用を誘導する地区としております。  これまでにない新しい価値を創造できる場や、多様な人材を活用できる新たな就労形態の構築、情報ステーション機能など、さまざまな可能性があると考えておりますが、良好な住宅都市世田谷を支える広域生活・文化拠点にふさわしいまちづくり、駅周辺の開発などを生かしながら、取り組んでまいりたいと考えています。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私からは、次期新実施計画の新たな視点についてお答えさせていただきます。  次期新実施計画の策定に当たりまして、この間の新実施計画、基本計画の中間総括を行い、社会情勢の変化も踏まえ、策定の考え方案を取りまとめました。その中で、人口構成や家族のありようの変化に伴い、家族や地域の支えが薄れ、困難に直面したときに、孤立し、社会保障に頼らざるを得ない人をいかに支えるかという課題を提起しております。  個人と社会、さまざまな福祉制度をめぐる環境の変化も、この間の重要な変化であると認識しており、最も区民に近い行政として、こうした変化も踏まえながら、区民の生活を守る必要があると考えております。  次期新実施計画の策定におきましては、このような視点も持ちながら、基本計画の実現に向けた施策の選択、編成を行い、議会や区民の方々の御意見を伺いながら、平成三十年度に向けてまとめていきたいというふうに考えております。  以上でございます。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、保育待機児の解消について御答弁申し上げます。  平成二十九年四月一日時点の保育待機児童数は八百六十一人と、昨年度と比べまして三百三十七人減少しまして、六年ぶりに前年度を下回ることができましたが、いまだ入園を希望する多くの子育て家庭の期待に応えることができていない状況をしっかり受けとめまして、引き続き、保育待機児解消に向け全力を挙げてまいります。  今回の待機児童の状況を見ますと、現時点におきましては、三歳以上の保育待機児童は解消されておりまして、二歳の待機児童につきましても解消している地域が一部ございます。今後の取り組みといたしましては、地域ごとの保育需要等をよりきめ細かく分析いたしまして、三歳児以降の受け皿となる定員を持つ認可保育園を確保しつつ、低年齢児を対象とした保育施設の整備を重点的に進めるとともに、新たに開設しました保育施設におきます三歳児以降の定員の余裕スペースを活用した定期利用保育の拡充など、保育の質の確保を前提に、効果的な保育待機児童の解消策に引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、新教育センターの財政計画上の見解を御答弁させていただきます。  教育総合センターは、次期学習指導要領を見据え、専門性の高い研究を進めるとともに、さまざまな課題に直面している学校や教員を支援する学校教育のバックアップセンターとして、世田谷の教育の質を高めていくことを目指しています。さらに、不登校対策や特別支援教育など、福祉や医療との連携を図りながら、子ども一人一人の状況に応じた支援を推進していく拠点機能を担ってまいります。  御指摘のとおり、公共施設については計画的に整備を進めることが重要であり、区では、区の財政を健全な状態に保ち、将来的な見通しに基づいて計画的に施設整備を進めていくために、世田谷区公共施設等総合管理計画を策定いたしました。  教育総合センターの整備につきましても公共施設等総合管理計画に盛り込みまして、財政面においては、三十三年度の開設に向け、今年度は基本設計の経費を予算化し、計画的に進めているところでございます。整備に当たりましては、引き続き公共施設整備方針を踏まえ、建築経費の縮減など、経費の適正化に努め、公共施設等総合管理計画、中期財政見通しと整合を図りながら、効率的、効果的な施設整備に努めてまいります。  以上です。 ◎板谷 保健福祉部長 私からは、国保の広域化について二点お答えをします。  初めに、区の一般財源の繰り入れについてでございます。  国保の広域化では、国民健康保険の財政基盤の安定化を図るため都道府県が国保の財政運営の責任者となり、さらに区市町村とともに国保の保険者になり、持続可能な医療保険制度とすることを目指しております。  この制度改革におきまして、国は、一般会計から多額の法定外繰り入れを行うことは、給付と負担の関係が不明確となるほか、国保加入者以外の住民にも負担を強いることになるとして、赤字削減解消策の一環として、決算補填等を目的とする法的外繰り入れについては、計画的、段階的に削減していくことが重要であるとしております。  当区における解消すべきとされる決算補填等を目的とする一般会計からの法定外繰り入れの額は、平成二十七年度では約三十九億五千五百二十五万円でした。これを保険料で賄う場合、同年度末の国保被保険者数が二十一万三百六十六人でしたので、単純に一人当たりで割り返しますと、およそ一年間で一万八千八百円の増となります。  次に、一般財源の繰り入れは区の判断であるかとのお尋ねです。  国は、このたびの国保制度改正の根拠となっている持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険等の一部を改正する法律の審議の中で、国民健康保険が厳しい財政状況にあるために、一般会計繰り入れをやってはいるが、これは計画的、段階的に赤字解消ということをずっとお願いをしてきたところであると述べており、その後、二十八年四月に示した都道府県国民健康保険運営方針策定要領において、この考え方を明記しております。  その一方、国は法改正の審議の中で、一般会計からの繰り入れをどうするかについては自治体に御判断いただく、制度によって禁止するということは考えていないという見解も示しています。  区といたしましては、今回の制度改革の趣旨である安定的な財政運営や効率的な事務の確保は重要であると認識をしております。その一方、制度改革による急激な保険料の上昇など、被保険者の負担増については慎重に対応する必要があると考えております。  今後、国や都から示される激変緩和策の具体的な内容や都の策定する国保運営方針等を参考にしながら、区としての考えをまとめてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  初めに、国保の広域化について、財調での取り扱いでございます。  二十三区の国民健康保険事業につきましては、統一保険料方式のもとで運用されており、法定外の繰入金などの財源保障として、財調算定において、特別区全体で約八百億円の需要額が算定されております。  平成三十年度からの制度改革による国保の広域化に伴い、保育料等を含めた制度設計については現在検討が進められているところでありますが、あわせて国保事業の財調算定のあり方についても、特別区としての考えをまとめていくこととしております。  国保事業の安定的運用のためには、繰入金などは、各区共通の普遍的需要であることから、財調算定での確実な需要として反映されるよう、都との協議に努めてまいります。  次に、指定管理者制度の情報公開のあり方について御答弁申し上げます。  指定管理者制度は、公の施設の設置目的を効果的に達成するために設けられた制度であり、区民等の理解や参加を促進させるためにも、情報公開のあり方が課題であると認識しております。  一方で、選定過程の情報公開については、事業者のノウハウやアイデアに関する情報などを公表することにより、事業者の権利利益や競争上の地位を害するおそれがあることなど課題もあり、現在統一的なルールとしては、選定委員会の議事録の公表や事業者からの提案書などを公開することとしておらず、選定結果の概要を公表しております。  指定管理者の指定に当たっては、議会による議決をいただくことになっており、また、お話しいただきましたように、他自治体では応募書類などの公開を行っている事例もあることから、これから課題を整理し、選定過程における情報公開、情報提供のあり方を引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、介護保険について二点御答弁いたします。  まず、地域密着型特別養護老人ホームまたは認知症グループホームの整備は計画通りに進むかという点についてでございます。  区では、高齢社会の進展に伴う認知症の方の増加やひとり暮らし高齢者の増加等を踏まえ、在宅サービスの充実や中長期的な視点により、特養ホーム、地域密着型サービスの整備を計画的に進めております。  認知症や重度の要介護高齢者の生活の場となる地域密着型特養ホームや、認知症高齢者グループホームにつきましては、平成三十七年をめどに、二十七地区にいずれか一カ所以上という目標を掲げ、整備を進めております。平成二十九年度末時点では二十一地区で整備されますが、まとまった土地の確保が難しい北沢地域での整備が課題となっております。小規模多機能などを含め、グループホームなど、未整備圏域での整備を進めるため、施設の併設や公有地活用の機会を積極的に捉えるとともに、都の認知症高齢者グループホーム緊急整備支援事業補助金の活用や、定期借地による前払い地代に対する補助、区上乗せ補助により整備を推進しております。  また、土地所有者に向け、補助制度等を活用し整備に御協力いただけるようチラシを作成し、金融機関や宅地建物取引業協会などで積極的な周知を進めるなど、目標の達成に向けて努めてまいります。  次に、特養ホームの増を踏まえ、地元優先入所のルールという御質問についてでございます。  区では、特養ホームの入所者決定に際し、区内施設とともに策定した特養ホーム入所指針に基づき、介護度、介護期間、介護者の状況、行動・心理症状の四項目を点数化し、必要性の高い方から入所できるポイント制をとっております。特養入所希望者は、入所が原則として要介護三以上の方に限定されたこともあり、五月現在、約千八百名となっております。依然として多くの方が入所をお待ちいただいており、特養ホームの地域偏在がある現状では、地元優先ルールを設けることは厳しい状況にあります。  区といたしましては、在宅での生活が難しくなっても、住みなれた地域で地域とのかかわりを持ちながら生活を続けられるよう、地域偏在の解消を踏まえ、特養ホームの計画的な整備に取り組んでおります。今後、施設整備が進む平成三十年度以降に向け、入所指針の見直しについては、区内特養ホームとともに検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎関根 防災街づくり担当部長 私からは、避難行動要支援者避難支援プランに、災害発生前の支援策として家具転倒防止器具や感震ブレーカーなどの設置を位置づけることについてお答えいたします。  世田谷区避難行動要支援者避難支援プランは、災害時に自力での避難が難しい要介護高齢者や障害者等の安否確認、避難支援及び避難生活の支援などについて計画したものと認識しております。  その一方、震災発生前の取り組みである家具転倒防止器具や耐震シェルター、また感震ブレーカー等を設置することは、避難行動要支援者の生命を守るだけでなく、減災にもつながることから、安否確認や避難支援等を円滑に行うためにも大変有効であると認識しております。  区では今後、避難行動要支援者を対象に災害時持ち出し用バッグの配付を予定しておりますので、その際に、耐震シェルターや感震ブレーカー設置等の補助制度などにつきましても御案内するとともに、防災塾等で培ってきた既存のネットワークなどを生かしながら、関係所管とも連携し、避難行動要支援者へのさまざまな支援策の周知、啓発の手法について検討してまいります。  以上です。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、公共交通不便地域対策の財源について、二十三区共通の課題として、基準財政需要額に算定せよというお尋ねにお答えいたします。  昨年度から取り組んでおります公共交通不便地域対策調査・検討におきまして、他区の公共交通の取り組みについて調査を行っております。
     その中で、多くの自治体で対策に取り組んでいることがわかりましたが、それぞれの自治体でどのような目的、手段、制度を活用しているのか、また経費等の取り扱い等について詳細には把握できていないことから、御指摘の検討に当たっては、さらなる調査が必要であると認識しております。  今年度につきましては、ワゴン車などを活用した新たな移動手段の検討に取り組むこととしておりますが、現段階では、具体的な対策やそれに対する区の関与が未定であることから、まずはモデル地区での調査検討を進める必要があると考えております。  したがいまして、区といたしましては、今後、対策と費用負担の考え方の検討を進めるとともに、他区の取り組みとの整理を図りながら、対象経費について、財調算定の基準財政需要額への反映の可能性を政策経営部と協議してまいりたいと思います。  以上です。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋二丁目再開発に関連しまして、一刻も早くグランドデザインとして提起すべきに御答弁申し上げます。  三軒茶屋駅周辺地区は、区の広域生活・文化拠点として、商業、業務及び文化情報発信機能が集積した、にぎわいと区を超えた交流の拠点と位置づけております。三軒茶屋二丁目地区、いわゆる四工区では、地権者を中心とした三軒茶屋二丁目地区市街地再開発準備組合が関係権利者の合意形成を図りながら、事業化に向けた検討を鋭意進めているところでございます。  区といたしましては、近年の社会状況、三軒茶屋駅周辺地区の現況及び基本計画や都市整備方針の内容を踏まえまして、三軒茶屋駅周辺地区のグランドデザインとして、まちづくり基本方針の取りまとめに着手したところでございます。  また、事業化に向けまして、再開発準備組合の支援を引き続き行い、東京都など関係機関との調整を進めております。今後取りまとめいたしますまちづくり基本方針において、三軒茶屋駅周辺地区の将来像を示し、区の広域生活・文化拠点にふさわしいまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十三番(桜井稔 議員) 区長に再質問をいたします。  先ほど、指定管理者の情報公開について言いましたが、その答弁が、委員会の議事録の公表や事業者からの提案書などを公開することとしておらずと、選定結果の概要を公表していると。これらの課題を整理して、選定過程における情報公開、情報提供のあり方を引き続き検討してまいりますというのが区の今の答弁でした。  ここで聞きたいんですが、池尻にあるがやがや館の指定管理の指定で、今公募中でありますが、引き続き、このがやがや館に対する情報公開がされない、強いて言えば、ブラックボックスと言われるような状況になるのか。引き続き検討してまいりますということでは、やはりこのがやがや館の指定管理の指定について議会で議論ができないのではないかということでありますので、ぜひこのことでいいのかどうか区長の答弁をお願いします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 桜井議員の再質問にお答えをいたします。このがやがや館の指定管理のプロセスについての御質問です。  区民の参加と協働を進めていくためには、情報公開の充実が大変重要であると認識をしております。そのため、区民の皆さんが利用される公共施設の指定管理者の選定過程を知っていただくことは重要であり、また、議会に対してもその情報開示は必要なことだと思っております。  お尋ねのがやがや館の指定管理者制度について、現在公募中ということでありますけれども、指定管理者に対して求めている情報の提供というか提案の内容について、今回それを全て公開するには課題があるということですが、この指定管理者の選定過程について、横浜市などが、議員おっしゃるように、提案内容、また審査経過等々をしっかり示して、また議会に御判断いただくと。区民に対して説明するということは大変重要であるというふうに考えておりますので、公開に向けて課題を整理するように指示をしております。  また詳細については、政策経営部長に追加で説明させます。 ◎岩本 政策経営部長 がやがや館の選定過程についてのお尋ねでございます。  既に公募要領を配付して募集をしている途中でございます。先ほど公開されていない、例えば事業者からの提案書、あと選定委員会での議事録というようなことを申し上げました。提案書につきましては、考え方としては公募前に、公募要領に公開を前提としたということで書き込んでいかないと事業者の理解を得るのはちょっと難しい部分があるかなと考えております。  ただこの間も、議事録については既に公開している外郭団体の選定はございますので、今回のがやがや館の選定につきまして、その辺の課題を整理させていただきながら、どういった形で公開するか検討させていただければと考えてございます。  以上でございます。 ◆三十三番(桜井稔 議員) ぜひがやがや館については、秋までには決まってしまうので、ぜひその議事録の公開も含めて、急いで検討していただきたいということを要望しておきます。  もう一つですけれども、次期新実施計画のことについてですが、福祉制度をめぐる環境の変化もこの間重要な変化であると認識して、こうした変化を踏まえ、区民生活を守る必要があると考えておりますという大変いい答弁をいただきまして、ありがとうございます。  同時に、二月のときに次期新実施計画の検討についてということで出された新たな視点で、子どもの貧困や消費税増税の延期など、この変化を踏まえて検討していくということが書かれているんですが、こういう変化について、この次期新実施計画に書かれているのか、また具体的に検討されるのか、それについてお伺いします。 ◎岩本 政策経営部長 福祉制度をめぐる環境の変化について再質問をいただきました。  副区長からも御答弁申し上げましたが、さまざま今御指摘いただいた国民健康保険制度の広域化であるとか、障害者差別解消法の制定、または子どもの貧困の課題等、庁内でさまざまな議論をしている課題がございます。これらにつきましては、実施計画の、昨年、基本的な考え方を前回案としてお示ししたわけですが、検討のベースとして十分捉えた上で、庁内で議論を重ねて次期新実施計画に反映をしていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○上島よしもり 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十三分休憩    ――――――――――――――――――     午後五時五分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 代表質問を続けます。  自由民主党を代表して、二十九番真鍋よしゆき議員。    〔二十九番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆二十九番(真鍋よしゆき 議員) 質問通告に従い、自由民主党世田谷区議団の代表質問を行います。  予算編成権、また人事権を持つ区長の権限は大きく、区長の判断が世田谷区を大きく左右することは言うまでもありません。平成二十七年四月、多くの区民から支持を受け、再選された保坂区長の責任は重く、また同時に、選ばれた我々、自由民主党世田谷区議団の議員も区民のために区長と手を取り合って区政を進められたらと考えておりました。しかし、残念ながら、昨年三月、基盤整備がただですらおくれている下北沢の都市計画道路補助五四号線Ⅱ期、Ⅲ期区間を、区議会、区関係団体などが再三継続を求めたにもかかわらず、区長の判断で大切な第四次事業化計画から外してしまいました。  昨年十二月、新潟県糸魚川で発生した大火は大変な被害をもたらしました。糸魚川市では、以前、まちづくりの計画もありましたが、これを実現するに至らなかったと伺っております。災害は起こらないほうがいいに決まっています。しかし、悲しいかな、毎日のようにどこかで火災があり、そしていつ地震が来てもおかしくないのが我が国の現状であります。世田谷区も例外ではないのです。正直、今でも区長の判断が理解できません。  昨年の第三回定例会において、区長と日本共産党世田谷地区委員長との間で交わされた覚書についての質問が他会派からございましたが、補助五四号線に関する区長の判断は、この覚書が大きく影響していると私も考えます。かつて大場区長時代に、我が会派が行政改革、特に職員定数削減、議員定数削減を訴えたときも、区長と日本共産党との協定により、人員削減を行わない旨の内容を知り、このままでは区政は成り立たなくなると判断し、熊本区長の擁立に向かったことを思い出します。外環道におけるシールドマシン発進式に保坂区長が出席されないのも、そもそも大型開発を優先しない覚書を交わしていたからではないかとすら考えてしまいます。  ここで改めて伺います。保坂区長は大型公共工事を含むまちづくりについて、どのようなお考えをお持ちなのでしょうか。  また、シールドマシン発進式にはなぜ出席されなかったのか、発進式よりも重要な公務があったんでしょうか、お答えください。  次に、次期新実施計画について伺います。  区では、基本計画に示した考え方や方向性、また基本計画策定後の社会動向の変化等を踏まえ、平成三十年度から三十三年度までの四年間に推進する重要な施策や事業の具体的な年次別計画である次期新実施計画を策定する予定です。現行の実施計画については、計画期間の最終年度に当たる二十九年度の計画目標達成に向け、施策や事業を遂行すると先月の企画総務委員会において報告がありましたが、一方で、三月に示された進捗状況によると、当初計画どおりに進んでいない事業が散見されます。さらに申し上げれば、さきの第一回定例会において、生きづらさを抱えた若者の支援事業の曖昧な年次別計画を、我が会派のおぎの議員が一例として指摘したとおり、計画策定当時の計画目標の設定方法自体を改善する余地があるのではないでしょうか。  次期新実施計画が机上の空論、絵に描いた餅では策定する意味などありません。効率的かつ効果的な区政運営を目指すのであれば、現実的で明確な計画目標を策定し、着実に事業を執行することが重要であると考えます。区の見解を伺います。  我が会派は、さきの定例会での予算審議において、歳入の根幹である特別区税及び特別区交付金を前年度比で微増、その他の各種交付金を大幅な減収と見込む一方で、繰入金と特別区債を著しく増加させている平成二十九年度予算をその場しのぎ的な予算であると指摘をいたしました。区の財政見通しによると、三十年度の予算規模は、投資的経費や公債費の減により、今年度と同程度、また三十一年度については、扶助費を初めとする諸経費の増により、ついに三千億円を超える予算規模になると想定しています。今後、社会保障関連経費や公共施設の更新経費がますます増大することは明らかであり、基金と特別区債のさらなる活用が必須となることからも、新規・拡充事業は最小限度にとどめるべきです。  そこで伺います。来年度の予算編成基本方針が八月に示されると思いますが、区はどのような方針のもと、歳入の確保、また歳出の精査を図るのか、お聞かせ願います。  ことし三月、区は、公共施設整備における官民連携指針を策定し、以下の三項目を基本指針として定めました。一つ目は、民間のノウハウや発想力を活用し、財政負担の軽減や施設機能、サービスの向上を図る。二つ目が、民間での同等の施設の運営が可能な場合は、民間での整備を誘導することとし、土地、建物を条件つきで貸与する。そして三つ目が、今後、施設整備の基本構想の前に官民連携手法の導入可否を必ず検討することとするという内容です。  また、四月には、官民連携担当課が新設されたことからも、今後の公共施設整備に当たっては、民間のアイデアや資金、活力を積極的に導入することを期待しておりますが、具体的にはいつ、どの施設からどのような検討を始めるのか、お伺いします。  また、公共施設整備に当たり、民間活力を導入することはよい取り組みであると思う反面、以前から申し上げているとおり、資金力のある大手事業者に押されて、区内事業者が取り残されてしまう心配もあります。さきの予算特別委員会で、区内事業者とも協議しながら、あらゆる手法を研究するとの答弁をいただきましたが、その後の進捗状況をお聞かせください。  官民連携を踏まえた公共施設整備についてもう一点伺います。  先月、あおぞら銀行の本社が上智大学の新校舎に移転しました。銀行の本社が大学の構内に入るのは極めて異例のことでありますが、移転を機にあおぞら銀行は、現場の銀行マンが上智大学の経済学部で銀行実務に関する講義を行うほか、インターンシップを積極的に受け入れ、一方の上智大学は、賃料による収益を海外からの留学生の支援に充てるなど、民と学が連携した先駆的事例の一つであると思います。  そこで、同じような取り組みが世田谷区においても可能なのではないかと提案する立場でお聞きいたします。区が所有している公共施設は、建築基準法で認められている容積率の何%程度を活用しているのでしょうか。  また、未活用の容積があるならば、民間企業への賃貸用として増床するなど、改築のタイミングに合わせて、積極的かつ有効に建物整備を進めるべきではないでしょうか、見解を伺います。  次は、子育て支援についてです。  世田谷区にとって保育待機児の解消が喫緊の課題となってから久しい年月が経過しておりますが、残念ながらことしも八百六十一人が待機児童となってしまいました。保育関連経費が年々増加する中、一刻も早く保育待機児を解消するためには、区がこの間、注力している保育施設整備以外にも、限られた財源と社会保障制度を活用し、さまざまなアイデアや手法を用いて課題の克服に取り組む必要があります。ましてや、当時、困惑する職員はさておき、子ども・子育て応援都市を宣言することにこだわった区長には宣言に恥じない施策を実行する責務があるはずです。  国は、育児休業期間について、ことしの十月から最長二年に延長する予定です。しかし、育休期間終了後に保育待機児となる事態を避けるため、育休を早目に切り上げて保育サービスを受ける方が多くいらっしゃるのが現実です。その結果、ゼロ歳児保育の需要が必要以上に高まるという悪循環に陥っているのではないでしょうか。  育児休業をフル活用する方々が安心して保育園に預けられるように、保育園入所の調整基準における育児休業明けの加算数値をより一層引き上げるなど、政府が推進する働き方改革と歩調を合わせた措置が必要であると考えますが、区の見解を伺います。  また、認可保育所に子どもを預けることができずに、認可外保育施設を利用されている方が区内には二千人以上いらっしゃいます。区がこの間、認可保育園における保育料を見直すとともに、認可外保育施設利用者の保育料負担軽減補助を拡充するなど、認可保育施設と認可外保育施設との保育料格差の是正に努めていることは承知しております。しかし、まだまだ保育料に差があり過ぎるのではないでしょうか。  認可、認可外のどちらの保育施設を利用するにせよ、納税者でもある利用者間の公平性を保つためには、保育料格差のさらなる是正に取り組む必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。  子育て支援の最後に、私立幼稚園の預かり保育について伺います。  世田谷区には、伝統ある私立幼稚園が多くあり、建学の精神に基づき豊かな幼児教育を推進する中、多くの私立幼稚園がその地域や幼稚園の特色を生かし、保護者や地域の子育て世帯を対象とした育児相談や園庭開放、体験保育など、子育てを支援するさまざまな取り組みを行いながら、保護者のニーズに応じた預かり保育も実施しています。  区は、今年度、私立幼稚園における預かり保育を二園ふやし、十一園での実施を目指していますが、在宅での子育てを支援する重要な機能であるとともに、保育待機児童の減少に寄与することからも、私立幼稚園関係者の方々と積極的に交渉し、さらに拡充すべきであると考えます。区の見解を伺います。  続いて、高齢者施策について伺います。  待機せざるを得ない区民は児童だけではありません。区内の特別養護老人ホーム入居待機者は、五月十六日現在、保育待機児童をはるかに上回る千八百二十四名もいらっしゃいます。我が世田谷区は、他自治体に比べ、高齢化の進み方は緩やかであるものの、高齢者が安心して暮らし続けられる町にするためには、地域包括ケアシステムの構築等によるソフト面の充実はもちろん、特別養護老人ホームを初めとした施設整備にも力を注がなければなりません。  そこでまず、特別養護老人ホームの整備について伺います。区内の地権者の方が特養ホームの整備を検討したところ、社会福祉法人みずからが整備する場合に適用される固定資産税等の優遇措置が受けられず、また、福祉医療機構からの融資も利用できないことから、整備を断念したとの話を耳にしました。  区が国や東京都に税制優遇措置を働きかけていることは重々承知しておりますが、規制緩和に伴い可能となったいわゆるオーナー型整備を有効な特養整備手法とするためにも、区独自の支援策を検討すべきではないでしょうか、区の考えをお聞かせください。  また、少子・高齢化の急速な進展に伴う賃貸アパート等における空き室の増加や独居高齢者の孤独死リスクの高まりなどを背景に、建築物の用途転換の検討を始めるオーナーが昨今ふえてきております。賃貸アパート等のオーナーに対し、特養ホームの建設のハードルが残念ながら高い現状においては、介護、医療と連携して高齢者支援のサービスを提供するサービスつき高齢者向け住宅の整備を促進するべきではないでしょうか。例えば特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービスつき高齢者向け住宅をふやすことで、住まい方の選択肢もふえ、特養ホームへの入居希望の集中を軽減し、また、区内の空き家、空き室、空き地対策にもなると考えます。  高齢福祉部門と住宅部門の垣根を取り払い、早急に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次は、産業振興についてです。  先月の都市整備委員会において、地区の特性に応じた土地の合理的な利用及び形態等を備えた建築物の建てかえを適切に誘導するために、北沢三、四丁目地区の地区計画を変更する旨の報告がありました。具体的には、地区の南側に位置する沿道の商業地において、通りに面する一階部分に住宅、共同住宅等の用途に供する建築物を建ててはならないというものです。商店街として一体性のある景観を担保することからも、商店街振興の一翼を担う有効な取り組みであると考えます。  地区計画の策定及び変更には並々ならぬ時間と労力を要することは認識しておりますが、このような取り組みを区内全体に広げるべきではないでしょうか、見解を伺います。  また、区内の準工業地域は、産業振興に資する貴重な地域であるものの、近年のマンション建設等による大規模な土地利用転換に伴い、事業者が移転を余儀なくされている実態があります。準工業地域の保全を初め、住工共生の取り組みをより一層進めるよう、一言申し添えておきます。  さて、世田谷ブランドという言葉を耳にした際、皆さんは何を想像されるでしょうか。良好な住宅地、緑豊かな町などをイメージされる方が多いと思います。産業振興という視点では、ぜひとも「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」を思い浮かべていただきたいのですが、残念ながら、そこまで浸透していないのが実情ではないでしょうか。  そこで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を三年後に控えた今こそ、町の魅力の再発見につなげるために、区民の方々に対して、「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」といった世田谷ブランドを発信し、普及に向けて全力で取り組むことが産業振興にも寄与すると考えます。まず区の見解を伺います。  また、区内農業は、主に露地栽培が盛んで、季節ごとに新鮮な農産物を提供し、多くの区民の方々に喜ばれております。特に昭和の時代には一度表舞台から姿を消した大蔵大根や下山千歳白菜が、今では世田谷の地場野菜として親しまれているのは、ひとえに区内における生産者の熱意と努力があったからこそだと思います。  しかしながら、区内の生産緑地は減少の一途をたどり、ついに九十ヘクタールを下回りました。農地は耕作の目的に供されるだけではなく、総合的な環境保全や災害時の延焼遅延帯、緊急避難帯としても大きく貢献しており、区の都市政策にとっても非常に重要な地域資源であるはずです。  そこで伺いますが、生産緑地の取得を目的とした基金の創設を含め、あらゆる方策を尽くして農地の減少を食いとめる必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。  産業振興に関連して、入札制度改革について伺います。  先月十五日、東京都が六月から試行する入札契約制度改革に関して、業界団体の意見聴取を行いました。入札時における最低制限価格の撤廃、予定価格の事後公表など、大規模な制度変更であるにもかかわらず、試行開始までわずかな時間しかない中で行われたヒアリングであることから、参加した建設・設備業界からはあまりに性急などと戸惑いの声を伺っております。  都における今回のてんまつについては、唐突感、拙速感が否めない状況でありますが、これこそこの間、保坂区政のもとでたびたび繰り返されてきた状況と酷似していると感じるのは私だけじゃないと思います。改革に求められているものはスピード感だけではありません。庁内の議論はもちろん、関係者への事前の情報提供と綿密な協議、あるいは区民への丁寧な周知が重要です。区においては改めて地に足をつけた改革を進めていくことを強く要望いたします。  さて、我が世田谷区では、事業者の健全な経営環境の確保と技能労働者の処遇改善を目的とした公契約条例の施行から二年が経過しました。しかし、この間の労働報酬下限額の導入後においても、工事予定価格の積算が不明確であることなどから、事業者のみならず、労働者側からも不満が噴出していると聞いております。我が会派はかねてより、適正な入札環境のもとで、過度な価格競争を排し、品質が十分に確保されること、また受注工事に携わる事業者の健全な経営環境が確保されることが重要であると主張してまいりました。それは区内事業者の安定した経営基盤が築かれない限り、労働者の処遇改善はもちろん、労働環境を守ることすらできないと考えるからであります。  工事予定価格の適正化に向け、区は今年度積算の検証を試行すると伺っておりますが、区内事業者からはそれだけではしょせんチェックにすぎず、根本的解決に至るものではないとの意見も伺っております。区内産業、区内事業者がもっと元気に、そして安定した経営基盤を築くため、今こそ実効性のある入札制度改革が区に求められています。見解をお聞きいたします。  続いて、安全安心なまちづくりについて伺います。  世田谷区内の鉄道は我々の生活の根幹をなす大動脈であり、公共交通としてはなくてはならないものです。昭和三十九年に都市計画決定した小田急線連続立体交差事業ですが、四年前には東北沢~和泉多摩川駅間に存在した三十九の踏切がゼロになり、周辺住民の安全性、利便性が飛躍的に向上しました。さらに、来年三月には複々線化事業が完成し、通勤通学時における電車内の混雑緩和のほか、新宿や大手町までの移動時間短縮など、さまざまな効果が期待されます。  都市計画決定から半世紀、悲願達成を間近に控え、我々は改めて都市基盤整備とは五十年、百年の大計であるとの思いを強く胸に刻む次第です。今後とも中長期的な視野を持ち、将来を見据えた世田谷らしいまちづくりを区としてしっかりと推進していただくことを求めます。  さて、小田急線の連続立体交差事業といえば、保坂区長が東京都と小田急電鉄の了承を得ぬまま、区独自の上部利用計画案を勝手に公表し、謝罪する事態に追い込まれたことが思い出されます。その後の上部利用の整備については、関係機関と連携して順調に進んでいるのでしょうか、確認をいたします。  また、平成二十六年に京王線の笹塚駅~仙川駅間の連続立体交差事業並びに鉄道付属街路事業に関する都市計画事業が認可されました。開かずの踏切解消に向け、早期完成が望まれますが、その後の進捗状況はいかがでしょうか、事業完了の見込み時期もあわせてお聞きいたします。  区内には京王線以外にも井の頭線、東横線、大井町線の各線において開かずの踏切が存在します。開かずの踏切を解消するためには、連続立体交差事業が有効な手法であることは当然のことでありますが、相当な年月と経費、そして労力を要することは改めて申し上げるまでもありません。  そこで提案いたしますが、連立事業以外の箇所においても踏切道を単独でアンダーパス化、もしくはオーバーパス化し、区内から一日でも早く開かずの踏切がなくなるよう全力で取り組むべきではないでしょうか、区のお考えをお聞かせください。  質問の冒頭でも申し上げてまいりましたが、安全安心なまちづくりを推進するためには、市街地を大火から守る延焼遮断帯または災害時における支援物資の搬送路となる都市計画道路の整備は欠かせません。保坂区長もさきの第一回定例会において、我が会派の山口議員の代表質問に対し、せたがや道づくりプランに基づく計画的な道路整備の推進など、安全で災害に強いまちづくりに必要な都市基盤整備を着実に進めてまいりますと答弁されたことから、しっかりと都市計画道路整備を推進していただけるものであると思っておりました。  しかし、せたがや道づくりプランにおいて、優先整備路線の中でも、特に早期整備が望ましい路線に指定されている箇所にお住まいの方からは、区の連絡が全くないため、建物を改修してしまったとの話を最近耳にしたところです。せたがや道づくりプランの策定から三年以上が経過しているにもかかわらず、優先整備路線の地権者に接触すらしていない区の姿勢はまことに遺憾であります。組織改正してまで全力で取り組むとこの本会議場で明言したのは一体誰だったのでしょうか。その地権者、この計画にかかわる人の生活再建はいいのでしょうか、事情はどうでもいいのでしょうか。  都市計画道路の整備について、区長は本気で取り組む意気込みはあるのか、区長みずからの意見を改めてお聞きします。  平成二十六年九月、池之上小学校の通学路で起きた痛ましい交通事故を受け、学校、PTA、道路管理者、警察、教育委員会が連携して通学路の合同点検を行い、毎年進捗状況を確認していると伺っております。区や警察においては、外側線の塗りかえ、交差点のカラー舗装や注意喚起標示板、標示幕の整備のほか、道路上のとまれ標示の塗り直しや横断歩道の設置など、さまざまな対策をされていますが、子どもたちの安全を守るためには、やはり歩行者空間の確保が一番求められているのではないでしょうか。  このたびの粕谷二丁目における通学路整備のように、自宅の裏に国から移管された赤道等がある場合には、道路に接する土地と交換して道路を拡幅し、歩行者空間や隅切りのスペースにするなど、前例にとらわれずに柔軟な発想を持って安全な通学路を整備する必要があると思いますが、区の見解を伺います。  次は、災害対策についてです。  今後、三十年以内にマグニチュード七クラスの首都直下地震が相当の確率で起きると言われてから既に数年が経過している中で、我々は過去の事例を教訓にしつつ、いつ起きてもおかしくない震災に対し、しっかりと備えておく必要があります。  そこでまず、大災害に備えた自治体間連携について聞いてまいります。首都直下地震が起きた際、交流自治体による支援が頼みの綱になることは言うまでもありません。現在、東京都外の自治体では、川場村を初め、新潟県十日町市や長野県松本市など七つの自治体と相互支援に関する協定を締結していますが、九十万区民をあずかる世田谷区において想定される被災状況を勘案すれば、まだ少ないのではないでしょうか。相互支援体制の構築を視野に入れ、より多くの自治体と交流に努めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  今から七十年前、戦時中における世田谷区の疎開先は、新潟県と長野県でした。私が聞いた話では、中里小学校の当時の児童たちが、長野県松本市の山辺小学校に疎開し、その縁がもとになり、今でも学校同士の交流が行われていると聞いております。
     マグニチュード七クラスの首都直下地震が起きた場合、市街地の復旧に相当の時間を要することが想定されます。その際、交流自治体に対しては、戦時中の学童疎開のように児童を受け入れてもらう必要が出てくるかもしれません。子どもたちの安全を守るためには、災害時の学童疎開についても一考の余地があると思いますが、教育委員会としてどのような見解をお持ちかお聞かせください。  さて、繰り返し申し上げますが、災害はいつ起こるかわかりません。昼夜を問わず備えておく必要があります。災害が執務時間中に起きれば、区役所内に大勢の職員がいますが、深夜や早朝に発生した場合は、一定の時間を経ないことには参集できないのが現実です。区では、定期的に行う拠点隊運営訓練を通じて、職員の自宅から拠点隊までの参集訓練を実施していることは承知しておりますが、結局のところ、徒歩による参集が可能な職員を一人でも多く確保しておくことが重要であると考えます。  下馬職員住宅のような災害対策職員住宅の整備以外にも、区内在住の職員をふやすための取り組みを早急に検討すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。  続いて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてお聞きします。  世田谷区議会では、さきの臨時会でオリンピック・パラリンピック・環境対策等特別委員会を設置いたしました。我々議員も一丸となり、三年後に迫った東京二〇二〇大会に向けて、スポーツの機運を大いに高めていく所存であります。しかし、残念なことに世田谷区内にはスポーツを楽しむ施設が多いとは言えない状況です。例えば二子玉川緑地には他区のスポーツ施設が隣接しておりますが、相互の予約状況、利用状況が把握できず、また融通もきかないため、世田谷区エリアは予約が殺到していても、隣の他区エリアにはあきがあるなど、まさしく隣の芝生が青く見える状況が多いとの声を耳にします。有効活用のための方策はないのでしょうか、まずお伺いします。  また、昭和三十一年生まれの私は、まさしく巨人、大鵬、卵焼き世代ですので、子どものころはよく空き地や神社の境内などで野球をして遊んだものですが、今の世田谷区には野球を初め、サッカーやソフトボールなどの球技を気楽に楽しめる場所がほとんどありません。  そこで伺いますが、用賀住宅を取り壊して上用賀公園として整備する間、あいたスペースを暫定的に広場として開放し、利用者の自己責任のもと、球技場として活用することはできないのでしょうか。  また、大規模開発に伴い提供される緑地においても、球技を楽しめる公園として整備するように誘導することはできないのでしょうか、それぞれお伺いします。  ことし十月一日に我が世田谷区は区制施行八十五周年を迎えます。その記念イベントの一つとして、車椅子バスケットボールやボッチャの体験コーナーを設けると聞きましたが、障害者スポーツに接する機会を多くの区民に提供するよい取り組みであると思います。また、オリンピック・パラリンピック教育を通じて、障害者スポーツを体験したことにより、子どもたちが競技に対する理解だけではなく、障害のある方への理解や親しみが深まったとの声も聞いております。  そこでお聞きしますが、東京二〇二〇大会に向けて、障害者スポーツをさらに普及させるためにも、先日創設したスポーツ推進基金を活用し、障害者スポーツの活動を支える人材育成など、一歩踏み込んだ施策に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  東京二〇二〇大会では、区内の大蔵運動場と大蔵第二運動場がアメリカ選手団オリンピック・パラリンピックチームのキャンプ地となりますが、この機会に世田谷の子どもたちがトップアスリートたちと多彩な交流ができるよう、引き続きUSOCと協議に臨むことをこの場をかりて要望させていただきます。  さて、区はこのたび、大蔵運動場の陸上競技場スタンド等の改築準備を進めていますが、アメリカ選手団のキャンプが間近に控えていることからも、工事のおくれは許されません。万全の体制で選手団を迎え入れるためには、バリアフリー対策を含め、おもてなしの精神を持ってしっかりと改築事業に取り組むべきです。また、体育館やプールなどの改修が必要な場合には、工事期間中に利用が制限される区民の方々に対して、工事スケジュールを早目に示す必要があると思いますが、二点あわせて伺います。  先日、馬術競技の会場となる馬事公苑において、爆発物が入ったリュックサックが見つかったことを想定したテロ対処訓練が実施されました。周辺の規制や爆発物処理班による処理など、緊迫感のある訓練であったと聞いております。世界中でテロ事件が多発している今日、区は警察等と連携してアメリカ選手団のキャンプ地となる大蔵運動場と大蔵第二運動場を初め、馬事公苑の最寄り駅である千歳船橋、経堂、上町、桜新町、用賀駅においてもテロ対処訓練を実施するなどセキュリティー対策の強化に向けた準備を進める必要があるのではないでしょうか、区のお考えをお聞かせください。  さて、東京二〇二〇大会では、国内外を問わず、多くの方が世田谷区を訪問されると予想されており、区としても何度も世田谷を訪れたいと来訪者に思っていただけるようなまちづくりを進めていかなければなりません。  区が一月に策定した二〇二〇年に向けた世田谷区の取組みには、「受動喫煙防止対策を推進し、誰もが快適にまち歩きできる環境を提供します」と明記されております。飲食店における喫煙の可否については、国においても議論されているところですが、子どもの受動喫煙防止策や指定喫煙場所の増設等については、区がみずから取り組むべき施策であると思います。  そこでお聞きしますが、例えば子どもを受動喫煙から守るための条例制定を検討するとともに、JTの協力を得ながら、道路整備後の残地等に喫煙所を整備するなど、分煙の徹底を図る取り組みをさらに推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。  また、区が実施している禁煙教育施策を一歩進めて、積極的な禁煙勧奨を行う必要があるのではないでしょうか、あわせて伺います。  オリンピック・パラリンピック関連の最後に、吸い殻のポイ捨てゼロに向けた取り組みについて伺います。  喫煙者のマナーを信用したいところでありますが、区内はいまだに吸い殻のポイ捨てが見受けられます。かつて世田谷区は六つのゼロを掲げ、そのうちの一つであるポイ捨てゼロを目指してきた時期がありましたが、今こそポイ捨てゼロ宣言を行うなど、町の美観の確保に向けた施策を力強く推進すべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、児童相談所の移管について伺います。  ことし三月、特別区長会は、東京都に対し、都から提示された計画案の確認作業をモデル的に実施する区を世田谷区を含めた三区とすることを回答するとともに、開設準備期間中における区職員派遣の受け入れ数の拡大や開設当初における東京都職員の区児童相談所への派遣などを要請しました。しかし、その要請に対する東京都の回答は、全くのゼロ回答であったと聞いております。  児童相談所の移管に関し、我が会派は以前より開設ありきの見切り発車をせず、まずは人材確保策や財源などの課題を解決し、区民の不安を払拭すべきと主張してまいりました。東京都が保有する専門性の高い技術とノウハウの継承は必要不可欠であることを区も認識しているはずです。人材の確保策、また財源の問題が解決しないのであれば、子どもたちの命にもかかわる重大なこの事務移管から撤退すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員にお答えします。私からは、五点お答えをいたします。  まず、まちづくりに対する考えということですが、新潟県糸魚川市の大火などの例から、災害時における道路、公園を初めとした都市基盤施設、インフラの役割については、私としても必要性、重要性は十分認識しているところでございます。このことから、都市基盤整備に当たって、防災や減災を基軸にしながら、公共性、公益性、環境を重視し、安全で災害に強いまちづくりを着実に進めていく必要があると考えています。  お話しの外環道におけるシールドマシン発進式につきましては、東名ジャンクション予定地において二月十九日に開催され、当日、私はやむを得ない理由により出席できず、板垣副区長に代理で出席させたものでございます。外環道でこれから始まる工事の工程、そして規模、設備機器などをきちんと知っておくために、私自身も発進式の少し前に現地の視察を行い、地下七十メートルにあるシールドマシンも、外環事務所及び事業者の説明を逐一受けながら確認をするなど、工事の進捗並びに影響を受ける住民の声ともに常々関心を寄せているところでございます。  現在、関越道から東名高速までの区間についての工事が始まっておりますが、私としては、東名以南の区間について、一日も早い計画の具体化が必要だと考えていて、関東地方整備局に出向き、局長に直接要望書をお渡ししてまいりました。引き続き、この東名以南の区間については、国及び東京都に対しても働きかけを強めてまいりたいと思っております。  最後に、御指摘の、言われている覚書とそれぞれの場面の私の判断とは何の関係もございません。付言しておきます。  次に、行財政改革についてお答えをいたします。  私がこれまで持続可能な財政基盤の構築に向け、行財政運営に取り組んできたことで、二十八年度末には基金残高が過去最高となるなど、不要不急の歳出を抑制し、健全な財政運営に努めてきました。ただし、今後は、増大する社会保障関係経費や公共施設の更新対応など、区の財政需要は大きく増加することが見込まれており、一方、影響額が三十億円を超えたふるさと納税による区税収入減少の影響、景気の先行きなど、財政見通しは不透明な状況にあるとも考えております。さらに、人口増加に伴い、行政需要も拡大の一途をたどっており、今後も充実した行政サービスを維持していくために、最小の経費で最大の効果が上げられるよう、前例にとらわれない発想の転換により、事業手法の改善を行うなど、無駄のない経費の抑制削減に取り組みたいと考えています。  その上で、現在、次期新実施計画の策定に取り組んでいますが、重点政策の着実な推進を最優先に必要な施策を見定め、限りある財源を効果的、効率的に配分することを判断してまいりたいと思います。  次に、道づくりプラン、道路問題についてでございます。  区内の都市計画道路の整備率は五割ほどで、当区の道路整備の水準は極めて低い状況であると認識しております。このことによって、交通渋滞の発生や住宅街の通り抜け車両の進入などによる住環境の悪化、公共交通不便地域の存在など、道路整備のおくれにより、区民の日常生活にさまざまな影響が生じていると認識しています。  区長就任以降、私はこれらの諸課題の解消に加えて、東日本大震災を契機とした社会の転換に対応するため、防災、減災を基軸として区政全体を見直し、平成二十六年三月には、災害に強く安全な都市を目指したせたがや道づくりプランを策定いたしました。また、平成二十八年三月に策定された東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)では、九区間、三・七キロメートルを区施行の優先整備路線として選定し、このうち三区間についてせたがや道づくりプランの中で特に早期整備が望ましい路線として位置づけております。これらの路線について、区の財政状況や付近で進められている道路整備の進捗状況などを勘案しながら、どの路線から着手すべきか、さらなる優先度を検証いたしまして、優先度の高い路線の早期事業化を図ってまいります。  次に、災害対策の自治体間の連携についてでございます。  区は、二十三区間や城南五区間とは災害時協力協定を締結し、特別区長会等、さまざまな機会を通して共通課題を検討するなどの取り組みを進めています。また、狛江市との間では、砧総合支所と担当のまちづくりセンターが行政境界線を越えて互いに避難所運営訓練を行うなどの連携にも取り組んでいます。また、これまで首都直下地震等の大規模災害が発生した際、近隣自治体との協定だけでは、同時に被災し、必要な支援が互いに被災してしまうという可能性があるために、少し高速道路等で結ばれている、百キロから二百キロ距離のある群馬県川場村及び高崎市、埼玉県熊谷市、茨城県つくば市、新潟県十日町市、栃木県小山市、長野県松本市の七自治体と協定を締結しており、近県における一定の自治体間ネットワークを確保しているものと認識しておりますが、さらなる拡充をすべきではないかという提言も受けとめ、検討検証を進めてまいります。  これら川場村を初めとする七自治体とは、協定の実効性を高めるため、毎年連絡会を開催し、具体的な支援や受援に関して情報交換、意見交換を行い、顔の見える関係をつくるよう努めてきております。今後とも災害時の相互支援体制の強化を図れるよう、自治体間の連携に取り組んでまいります。  また、約四十の交流自治体との交流も深め、一昨年から世田谷区主催の交流自治体連携会議を続けており、災害時の連携や協力もこの議題にしているところでございます。  最後に、児童相談所移管の点についてお答えをいたします。  児童相談所の移管に向けては、世田谷区を含む三区が今月から設置計画案のモデル的確認作業を開始することになり、東京都との具体的な協議がようやく端緒についたと考えております。区が都の内部団体として長く不当に軽んじられてきた過去、先人たちの自治権拡充に向けた強い思いと努力があったことを振り返るとき、一歩も引くことはできないという強い決意で交渉に臨んでまいります。子どもの命にもかかわる重大な職務を担う専門性の高い技術やノウハウを有する人材の確保や育成を初め、個別ケースの引き継ぎなど、万全の体制を組むためには、東京都との連携協力は当然不可欠であると考えておりますが、現時点で職員派遣の拡充などの要請に東京都は具体的に我々の要求水準には応えておりません。  区といたしましては、移管に向けて区独自の取り組みを考えられるあらゆる手段を尽くして準備するために、子どもの最善の利益を目指すという目標を東京都と共有し、協力し合えるよう、強い決意のもと粘り強く協議に臨むことで、課題となっている人材、財源、あるいは施設、多岐にわたる課題について解決の方策を見出してまいります。  東京都は今後、特別区を対象に児童相談所運営についての勉強会を行うとしておりますが、広域調整の問題など、都の児童相談所も含めた仕組みづくりが不可欠であり、東京都には特別区全体と協議する場を設け、積極的に課題解決に向き合うよう強く求めてまいります。また、進捗状況につきましては、随時区議会に報告し、御意見をいただきながら前に進めてまいりたいと考えておりますので、ぜひ御理解と御協力をお願いいたします。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私からは、二点についてお答えさせていただきます。  まず最初に、次期新実施計画につきましてお答えいたします。  現在の新実施計画は、年次別の計画と目標を設定して進行管理を行うとともに、四年間の計画目標により施策の成果を把握しております。議員御指摘のとおり、定性的な目標を設定しているものも多く、達成度や費用対効果の評価が難しいことが課題の一つとなっております。現在、次期新実施計画の策定に取り組んでおりますが、限られた財源の中で確実に効果を上げるためには、施策の具体的な目標をより明確に定める必要があると認識しております。現在の区民ニーズや政策課題を踏まえ、庁内で十分に議論を積み上げるとともに、パブリックコメントなど、区民からの意見をいただきながら、実効性のある計画としていきたいと考えております。  次期新実施計画の策定に向けました基本的な考え方では、成果を重視した政策選択を掲げております。適切な成果目標を設定し、年次ごとの達成度の評価をすることで、事業の進行管理を着実に行い、施策の機動的な修正ができるようにしてまいります。  次に、入札制度改革についてお答え申し上げます。  区では、区内産業の振興及び地域経済活性化のためには、契約・入札制度の改善を図り、区内事業者の安定した経営基盤を築くことが重要であると認識しております。こうしたことから、区では、平成二十七年四月の公契約条例施行以降、公共工事前払い金の支払い限度額の引き上げや工事請負契約における現場代理人の常駐義務の緩和、総合評価方式入札制度における地域貢献点等の見直しなど、十一項目にわたり、着実に入札制度改革に取り組んでまいりました。さらに、この四月からは総合評価方式入札制度における施工能力の評価として、優良工事実績点を加えるとともに、区内に本店のある事業者へ地域貢献点の加算を行うことにしております。また、お話にもございましたが、設計積算の検証につきましても、営繕所管において試行実施に向けた準備を進めているところでございます。  今後とも区議会を初め、関係団体の御意見をいただきながら、区内産業、区内事業者がさらに元気に、そして安定した経営基盤を築くため、より実効性のある契約・入札制度の改革に取り組んでまいります。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、大きく三点について御答弁申し上げます。  最初に、サービスつき高齢者住宅についてでございます。  区民の誰もが住みなれた地域で安心した生活を継続できるよう、地域包括ケアシステムを構築する上で、多様な住まいを確保することは大変重要であると認識しております。サービスつき高齢者住宅は、安否確認、生活相談等が受けられるバリアフリーの住まいで、介護が必要な方の生活を支援できる住宅となっております。国、都は整備費補助により供給を促進しておりまして、整備に当たりましては、地元自治体は意見書を提出しております。区では、高齢者が安心して暮らせる住まいの実現と質の向上の点から、福祉所管と住宅所管とともに、整備、運営等に関する区の基準を策定し、事業者に周知しています。  また、本年三月、高齢者などの住宅確保要配慮者に対する民間賃貸住宅の入居促進を図ることを目的といたしまして、福祉所管や不動産関係団体、居住支援団体等の参加のもと、世田谷区居住支援協議会を設立いたしました。協議会では、民間賃貸住宅のオーナーや入居者が安心できる環境づくりに向け、支援策について検討を進めてまいります。  今後も福祉と住宅の所管が連携いたしまして、質の高い住まいが確保され、区民が安心して地域での生活が送れるよう取り組んでまいります。  次に、生産緑地について御答弁申し上げます。  区では、平成十二年度から生産緑地地区の指定を再開する等、生産緑地地区の減少を抑えるよう努めてきたところですが、相続等により農地の減少はとまらず、現在では九十ヘクタールを下回り、十年前と比べ約二〇%減少しております。一方、国におきまして、昨年五月に策定されました都市農業振興基本計画におきましては、都市農地の位置づけを宅地化すべきものから都市にあるべきものへと大きく転換されまして、農地を計画的に保全することが定められました。また、東京都におきましても、東京農業振興プランが先月策定されまして、各種支援策により、積極的に農地保全に向けての取り組みを推進していくこととしております。  こうした流れを受けまして、区におきましても、せたがや農業塾等による後継者育成、次大夫堀自然体験農園等での農作業の場の確保、農業イベントでの都市農業PR等の各種農業振興施策を掲げ、農地保全に取り組んできております。今後も区長が副会長を務めます都市農地保全推進自治体協議会を通じまして、国に積極的な財政支援等の要請活動を行うとともに、お話がございました生産緑地の取得を目的とした基金も含めまして、さまざまな方策を検討してまいります。また、農業公園整備等によります農地保全の拡大策を視野に、平成三十一年度からの世田谷区農業振興計画の策定に取り組んでまいります。  次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの関係で二つに分けまして御答弁申し上げます。  最初に、陸上競技場改築にバリアフリー対策検討、体育館等が工事となる場合の区民周知についてでございます。  大蔵運動場陸上競技場スタンドの改築工事でございますが、現在、基本設計が完了いたしまして、東京二〇二〇大会の前年の平成三十一年五月ごろの完成を目途に実施設計の作業を進めているところでございます。御質問にございましたバリアフリー対策でございますが、車椅子でも使用可能な更衣室、シャワールーム、トイレ、観覧席などを設置するとともに、雨天時や熱中症対策も考慮の上、観覧席に屋根を設けまして、アメリカ選手団のキャンプ終了後も区民の皆様に陸上競技場を快適に御利用いただけるよう計画し、作業を進めております。  こうした計画の中で、今年度末には、現在のスタンド解体工事に着手し、来年度には建設工事を進めてまいりますので、工事がおくれることのないよう、関係所管と連携を密にいたしまして取り組んでまいります。  また、体育館やプールなどの既存の施設につきましては、アメリカ選手団のキャンプ受け入れに伴う大規模な施設改修は現時点では予定しておりません。今後、USOCとの協議が進む中で、万が一、新たな工事が必要となるなど、区民利用に影響が生じる場合には、なるべく早い段階で区民の皆様への周知を図ってまいります。  最後に、アメリカ選手団のキャンプに向けた対応の中でのセキュリティー対策の強化についてでございます。  昨今の世界情勢を考えますと、テロ対策への視点は欠かせないという認識に立っております。区は、区内の警察署とパートナーシップという枠組みで情報交換、訓練等を行っているところでございます。四月十日に世田谷線三軒茶屋駅で実施しましたテロ対処訓練、五月十九日に馬事公苑で実施しました爆発物対処訓練、その他の研修会などに区職員も出席しておりまして、今後も区内で行われます訓練等に参加し、セキュリティー対策に努めてまいります。  これらのテロの対象はソフトターゲットと言われていますことから、東京二〇二〇大会会場の周辺駅や施設におきます各種訓練等も実施し、セキュリティー対策を強化していくよう、警察、消防、鉄道事業者などの関係機関と連携して取り組んでまいります。  以上でございます。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 災害対策について、復旧が長期に及ぶ際の学童疎開について御質問いただきました。  災害時において区民の皆さんが通常の生活を営むことが困難となるなど、被害の程度によっては、一時的に他の自治体に避難することが必要な場合も考えられます。実際、東日本大震災などの際には、幾つかの事例もございました。そのようなことも踏まえると、災害対策については、児童生徒の安全や生活環境、身体状態などを考慮して、一時的な退避措置等について検討することも必要であると考えております。  戦時下の学童疎開を機に交流が続いている例としては、お話にありました私ども中里小学校と長野県松本市立山辺小学校や、また私ども桜小学校と新潟県柏崎市立日吉小学校などがあります。七月に発行する教育委員会の広報紙「せたがやの教育」では、これらさまざまな学校間の交流事例を取り上げる予定としております。  教育委員会では、御指摘いただいた点も含め、貴重なえにしを大切にして、日ごろより交流自治体との間でさまざまな面において協力連携していける関係を今後もしっかりと築いてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 政策経営部長 私からは、官民連携を踏まえた公共施設の整備について、どのような検討を始めるのかについて御答弁申し上げます。  ことし三月に策定いたしました公共施設整備における官民連携指針において、公共施設の整備に当たっては、民間のノウハウや発想力を活用し、財政負担の軽減や施設機能、サービスの向上を図ることなどを定めております。区は、これまでも保育施設や高齢者施設などについて、区有地などの貸し付けにより、民間事業者を誘致し、民間による整備を基本としてまいりました。  今後、指針でお示ししたとおり、事業費総額が十億円以上の大規模な事業等において、基本構想など、施設整備の検討に着手する際に、整備する施設の特性や用途、使用期間、規模、経費などを踏まえつつ、地域経済への配慮も含めて、官民連携手法の選択や導入の可否を総合的に判断することとなります。国や他自治体での事例、民間事業者からの提案なども踏まえて研究を重ね、官民連携による効果的な公共施設整備を進めてまいります。  以上でございます。 ◎松村 施設営繕担当部長 私からは、官民連携を踏まえた公共施設整備について、二点の質問にお答えをいたします。  まず、区内事業者とも協議しながら手法を研究するとの答弁があったが、進捗状況はどうかとの質問です。  公共施設整備に当たりまして、PPP、PFIなどの民間活力を導入する手法は、PFI方式を初め、設計施工一括発注や条件つき貸し付け、リース方式など、多種多様な手法があり、整備する施設の特性、用途、使用期間、規模、経費などを踏まえ、適している事業、リスクや適正対価の見きわめなどが必要で高度で専門的なノウハウが求められるところです。  現在、区では、他自治体での民間活力導入の際の対象事業の検討手法や地域の民間事業者参入に向けた取り組み事例などの調査、またPPP・PFI事業の豊富な経験、ノウハウを持つコンサルタント事業者からの専門的知識や具体的な事例を聴取していくなど、まずは庁内で研究を深める取り組みを進めているところでございます。その上で新しい制度や手法などに対応できるよう、区内事業者との情報交換等を行いながら、庁内で連携をして検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、公共施設整備における官民連携指針で整理させていただいたとおり、民間活力の導入の検討に際しましては、整備する施設の特性などを踏まえつつ、地域経済への配慮などの観点から、総合的に判断する必要があり、この考え方のもとに、引き続き研究検討してまいります。  次に、区公共施設の容積率の活用割合と有効な建物整備についてでございます。  区所有の公共施設の容積率の利用割合でございますが、用途の制限があることや高度利用の難しい中低層の住居専用地域以外の地域で一定の空地が求められる学校、団地や小規模な施設を除き、指定容積率に対する利用率を確認しましたところ、約六割でございましたが、実際には個々の施設において、斜線制限や日影規制など、建築物の高さの制限もあることから、その割合はこれを上回るものと想定され、個々の検証が必要となります。しかし、それらの要因を踏まえましても、議員御指摘のとおり、改築の際には現在よりもある程度整備可能面積がふえるものと考えております。  近年、整備、計画している公共施設におきましては、複合化、建物の配置工夫により、できるだけ容積率を有効に利用するとともに、複合化により生ずる跡地を民間事業者に貸し付けるなどの方針も掲げ、取り組んでいるところでございます。一方で、既存施設よりボリュームや高さが大きくなることで周辺にお住まいの方へ与える環境変化の影響もあることから、御理解をいただけるよう、丁寧な説明を行いながら整備を進めているところです。  今後の公共施設の改築等の際におきましても、さらなる複合化を推進するとともに、お話しの民間事業の貸し付けなどを行うことで、官民連携による相乗効果が期待できる事例もあることから、敷地の特性も踏まえながら、総合的に検証を行い、有効な敷地活用を検討してまいります。  以上です。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、子育て支援について三点御答弁いたします。  初めに、保育園の入園選考における育児休業取得者へのポイント付与についてです。  平成二十九年四月の待機児童数は六年ぶりに減少に転じたところではございますが、いまだ一歳児の待機児童数が五百十六人となっており、待機児童数全体の約六〇%を占めております。育児休業を早期に切り上げ、ゼロ歳児クラスから申し込まないと保育園に入園できないのではないかという子育て家庭の御不安があることは重く受けとめております。区では、少しでも安心して必要な育児休業を取得していただけるよう、平成二十七年十月の入園選考からゼロ歳児クラスの申し込みについては、育児休業から復帰する場合と認可外保育施設に預けている場合のポイントを同様にする利用調整基準の見直しを行ったところです。  今月国が示した子育て安心プランでは、保育の受け皿拡大や保育人材確保等に加え、育児休業期間の延長や育児休業制度のあり方を検討する研究会の開催など、保育と連携した働き方改革について明記されております。育児休業明けの利用調整基準については、育児休業制度が適用されていない自営業などの就労状況との均衡に配慮しつつ、区議会を初めとした区民や子ども・子育て会議の意見を聞きながら、育児休業制度の利用を促進する保育と連携した働き方改革の趣旨等を踏まえ、取り組んでまいります。  次に、認可保育施設と認可外保育施設の保育料についてです。  待機児童の解消が道半ばの状況において、子育て家庭が所得にかかわらず、多様な保育施設を選択することができるよう、認可外保育施設の利用者の負担軽減を実施することは必要であると考えております。区では、保育室、保育ママ利用者へは認可保育園の保育料との差額を補助し、認証保育所利用者へは所得に応じた補助を行うなど、子育て世帯の保育料の負担軽減を図ってまいりました。平成二十八年四月には一定の要件を満たす無認可保育施設利用者に対する新たな補助制度を創設し、十月には認証保育所と無認可保育施設利用者への補助額を月額最大二万円から最大四万円に増額するとともに、補助を受ける対象者も認証保育所に預けている世帯の約四割から約八割に拡大するなど、さらなる負担軽減を図ったところです。  一方で、認可保育園については、より適正な負担を求めることで、持続可能で安定的な事業運営を図る観点から、低所得者層へ配慮した上で、最大約一七%の保育料の増額改定を平成二十九年九月に予定をしております。  区といたしましては、認可外保育施設の認可施設への移行支援を継続するとともに、認可外保育施設の利用負担については、国や都の補助制度や区の財政負担、他の自治体の動向も見据え、引き続き検討してまいります。  次に、私立幼稚園の預かり保育についてです。  区では、保育待機児童の解消と私立幼稚園の教育の振興を図ることを目的とした区独自の補助制度により、私立幼稚園等の預かり保育を実施しております。現在、保育園と同様の保育時間で預かる標準型が八園、保育時間が比較的短い準標準型が一園の計九園で実施をしております。そのほかにも二十六園の私立幼稚園において独自の預かり保育を行っておりますが、預かりの時間が短いことや実施しない曜日があること、また、三季休業中は実施していないなど、フルタイムで働く御家庭には利用が難しいといった実態がございます。
     区は、平成二十八年九月に私立幼稚園に対して、区独自の補助制度による預かり保育の内容を周知し、実施を働きかけるとともに、各園の意向を調査しましたが、実施を検討している園は一園にとどまっているのが現状です。  区といたしましては、今月示された国の子育て安心プランにおいて、幼稚園における預かり保育の推進等が明記されていることも踏まえ、多くの私立幼稚園が活用できる実効性ある支援策を国に要請するとともに、私立幼稚園の個別の実態をお聞きしながら、保護者の多様なニーズに対応した預かり保育の拡充に向け、丁寧な協議を進めてまいります。  私からは以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、特養のオーナー型整備を有効な整備手法とするための区の支援策についてお答えいたします。  オーナー型特養ホームは、昨年七月に都市部における特養ホームの整備を推進するため、国が社会福祉法人の資産要件を緩和することで可能となった新たな整備手法でございます。しかし、オーナー型特養ホームの整備では、御指摘のとおり、社会福祉法人が整備する場合は、非課税となる固定資産税、不動産取得税、法人税等に関する優遇措置がないほか、福祉医療機構の融資が利用できず、それを条件とする都の利子補給制度も利用できない状況でございます。これらのことから、事業の収支計画が成り立たず、結果的に昨年度提案のあったオーナー型整備の計画は残念ながら実現に至りませんでした。オーナー型特養ホームを実現するために、都と区では特養ホームを整備するオーナーを新たに補助金の対象としておりますが、オーナーの長期的な収支計画が成り立つためには、さらに税制面の優遇措置と福祉医療機構の融資が必要と考えており、引き続き、国や都に対して働きかけを継続してまいります。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、地区の特性に応じた土地利用の誘導について御答弁申し上げます。  議員のお話にありました北沢三・四丁目地区地区計画では、住宅地区と商業地区に区分し、快適な居住環境や災害に強い住宅市街地の形成を目的に策定しており、地区計画区域南側の商業地区では、下北沢一番街商店街を含み、下北沢駅周辺地区地区計画区域と接しております。このため、商店街通りの両側におきまして、建築に関する地区計画のルールが異なる状況となっていたことから、地元商店街では、一体的な町並みの形成や買い物空間の確保などを目指し、勉強会などのまちづくり活動に取り組み、区は専門家派遣などにより取り組みを支援しまして、このたび北沢三・四丁目地区地区計画の変更に至ったものでございます。  区では、住宅地や商業地を初め、地域の特性を生かした身近なまちづくりを推進するため、地区計画や地区街づくり計画等の誘導に努め、これまでに区内八十七地区におきまして地区計画を策定してまいりました。区といたしましては、都市整備方針を踏まえ、地区計画や地区街づくり計画の制度の活用を積極的に図りまして、商店街の店舗の連続性や買い物空間の確保など、町の魅力づくりやにぎわいの創出などを目指し、区民、事業者とともに、地区特性に応じたまちづくりの推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎久末 産業政策部長 私からは、「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」といった世田谷ブランドの普及に向けた取り組みについて御答弁申し上げます。  世田谷区ならではの商品である「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」を世田谷ブランドとして確立し、普及させていくことは、産業の活性化を図る上で重要であるとともに、東京二〇二〇大会に向けて区内への来訪者の増加が見込まれる中、世田谷の魅力を広く区内外に発信することができると捉えております。  「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」のPRにつきましては、区のホームページや産業振興公社の観光アプリにおける情報発信、世田谷まちなか観光メッセやふるさと区民まつりなどのイベントでの販売など、区民を初め多くの方々に認知していただける取り組みを推進しております。また、区内の自然や歴史的建造物、文化施設等の観光資源をつなぐまち歩きの魅力の一つとしても紹介するなど、PRを図ってきております。  さらに、今年度は新たに製作を予定しております観光ホームページやプロモーションビデオ、外国語版観光情報冊子を活用しながら、区民を初め多くの人々への情報発信を強化してまいります。また、関係所管と連携しながら、ふるさと納税の記念品に「世田谷みやげ」を活用するなど、多様な機会を捉えて世田谷ブランドとしての普及に取り組んでまいります。  以上です。 ◎男鹿 北沢総合支所長 私からは、小田急線立体交差事業における上部利用の整備の進捗状況についてお答えいたします。  小田急線の上部利用につきましては、小田急電鉄とのゾーニング合意を経て、平成二十七年度に策定した世田谷区小田急線上部利用計画をもとに、連続立体交差事業の進捗に合わせて、順次施設整備を行っております。これまでに上部の一番梅ヶ丘駅側となります代田富士356広場やこの広場から環状七号線にかかる代田富士見橋までの上部通路、東北沢駅周辺における北沢さんきゅう広場などを整備してまいりました。今年度は茶沢通りとの交差部から東北沢駅側への上部通路等の工事を行い、茶沢通りから東北沢駅までが通路でつながるとともに、下北沢駅西側の立体緑地につきましても工事を進めてまいります。また、これらの施設整備に合わせ、町の魅力をさらに高めるため、昨年度から区民参加による北沢PR戦略会議を実施するなど、ハード、ソフトの両面におけるバランスのとれたまちづくりにも取り組んでおります。  いずれにいたしましても、平成三十年度に予定されている連続立体交差事業の完了を見据え、引き続き、東京都や小田急電鉄などと連携しつつ、鋭意進めてまいります。  以上でございます。 ◎小山 道路・交通政策部長 私からは、三点について御答弁申し上げます。  まず、京王線連続立体交差事業の進捗状況と完了見込み時期についてです。  京王線連続立体交差事業は、平成二十六年二月に事業認可され、事業着手から三年余り経過しました。沿線には、更地となった事業用地も多く確認できるようになってきたところでございます。現在の用地取得状況につきましては、平成二十九年三月末時点で、京王電鉄株式会社の所有地も含めて、事業に必要な用地全体の半分弱を取得しているとの報告を受けております。世田谷区もこの事業における側道の設計施工業務を受託実施しており、昨年度は工事着手に向け、設計業務に必要な地質調査を二路線で行っております。当該事業の事業認可期間は平成三十四年度までとなっておりますが、一日も早い事業の完成のため、関係機関が一丸となって全力で取り組んでまいります。  次に、連立事業以外の箇所の開かずの踏切解消についてです。  議員御指摘のとおり、開かずの踏切を解消するためには、多くの場合、連続立体交差事業が最も有効な手法である一方、事業化するまでには関係者間の調整等に相当な時間と労力を要し、また大きな財政負担が必要となります。昨年公表された緊急に対策の検討が必要な区内四十六カ所の踏切のうち、京王線の二十三カ所については、抜本対策として、連続立体交差事業により、踏切解消に向けて取り組んでおりますが、これら踏切を含めた区内の踏切については、これまで鉄道事業者と連携し、踏切道内の歩道拡幅やカラー舗装等の安全対策や踏切遮断時間短縮に向けたシステムの導入等に取り組んでまいりました。  一方、御指摘の踏切と交差する区道を単独で鉄道と立体化する道路改良を施すには、本線の両側の地表に副道の整備が必要となるほか、縦断勾配や建築限界等の法令等の基準を満たすため、接続先の区道を大きく拡幅する必要が生じるなど、制約がございます。  このように多くの課題はあるものの、他の事例の研究を行うなど、引き続き踏切の安全対策を行うとともに、開かずの踏切解消に向け、取り組んでまいります。  三点目に、移管財産を活用した通学路等の整備についてでございます。  区内には計画的な基盤整備が行われないまま市街化された地域が多く、特に砧地域や烏山地域など、区の北部、西部には、土地区画整理事業を施行すべき区域が指定されているなど、道路基盤が脆弱な地区が存在します。区におきましては、これらの地区における通学路を含めた生活道路の整備につきまして、これまでも土地区画整理事業、地先道路整備事業を初め、地区計画や開発許可制度などで取り組んでおります。また、区では、道路整備方針と地先道路整備方針を統合したせたがや道づくりプランを平成二十六年三月に策定したところですが、このプランの中では、適切な間隔で六メートル以上の地先道路を配置する必要性を示しております。  区といたしましては、引き続き関係所管と緊密に連携し、通学路の安全対策につながるよう、移管財産を有効に活用し、歩行者空間の確保などを図りながら、安全で災害に強いまちづくりを進めてまいります。  以上です。 ◎岡田 総務部長 私からは、災害対策に関連しまして、区内在住職員をふやすべきとの御質問にお答え申し上げます。  昨年の熊本地震では、二度の震度七もの揺れがいずれも役所の閉庁時間に発生しており、仮に区内で発生した場合を想定しますと、職員が速やかに指定の参集場所に駆けつけられるよう、区内など徒歩で参集できる範囲に居住する職員が一人でも多くいることが望ましいと考えます。現在、区職員の区内在住率は約四割となっており、ここ数年同様の状況が続いておりますが、世田谷区に隣接する自治体に居住する職員を加えますと七割近くになり、発災時にはこれらの職員についても速やかな参集を期待しているところでございます。  一方で、区内の居住には地価や賃料の問題もあり、そのため、例えば職員の区内居住率を上げるために職員住宅をふやすことや区内居住者に対し何らかのインセンティブを与えることなども考えられますが、財源や公平性の面から課題が大きいものと考えております。職員一人一人が世田谷に愛着を持つことが結果として職員の区内居住率の向上にもつながるものと考えます。今後とも、住む場所としても、働く場所としても、魅力ある世田谷の実現に向け、区政課題に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎平澤 スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇大会に向けた取り組みのうち、二点答弁申し上げます。  まず、二子玉川緑地周辺の他区のスポーツ施設の有効活用についてでございます。  二子玉川緑地運動場は、現在、大人用、少年用を含め、野球場が九面、サッカー場五面、球技場一面のほか児童遊園などがございます。お話にございました二子玉川緑地周辺にある他区のスポーツ施設といたしましては、渋谷区が整備した野球場五面、運動場一面、テニスコート五面がございます。また、多摩川沿い少し上流の喜多見には、目黒区が整備した野球場が六面、サッカー場が二面ございます。この二区のうち、区外住民の団体であっても利用が可能と確認しておりますのは目黒区の施設で、目黒区民を優先に抽せんした後、あきがあれば世田谷区民の団体も利用できるとのことでございますので、今後、目黒区と相談しながら、目黒区の施設利用が可能なことについて区民周知に努め、利用を促してまいります。  一方、渋谷区の施設につきましては、世田谷区と同様に、区内在住・在勤・在学者を施設利用対象者として条例により定めており、あわせて利用率も高いと伺っております。今後、両区と世田谷区にとって有益な方策が見出せれば、相互利用による区民の施設利用機会の拡大等について検討を進めてまいります。  二点目は、基金も活用した障害者スポーツの施策についてでございます。  世田谷区スポーツ推進基金条例につきましては、ことしの第一回区議会定例会において可決され、三月七日に公布、施行されたところでございます。本基金の使い道、活用につきましては、スポーツ施設の建設や改修等の施設整備のハード面と区民等が行うスポーツの推進に関する活動やスポーツの機会をつくってもらうようにするための支援などのソフト面の両面に充てていくこととしております。  お話にありました障害者スポーツへの活用方法等につきましては、例えば区外の福祉施設にボッチャなどのスポーツ・レクリエーション物品を支援することや、総合型地域スポーツクラブやNPO法人が広く区民に対し実施するスポーツ・レクリエーション活動や事業へ支援することなどを検討しているところでございます。  東京二〇二〇大会まで三年となる中で、今後、ますます障害者スポーツの区民の関心が高まると考えております。障害者スポーツのさらなる推進に向けて、本基金の具体的な活用策や障害者スポーツを支える人材育成などにつきまして、速やかに検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、上用賀公園拡張予定地での暫定的な広場の活用についてです。  上用賀公園の拡張事業は、既存の上用賀公園の隣接地約三・一ヘクタールを拡張する計画で、今年度に既存建物の解体を行い、平成三十三年度から整備工事を行う予定となってございます。今後は、スポーツ、緑、防災をキーワードに具対的な整備の内容を検討していくこととしております。  お話しの上用賀公園拡張予定地での暫定的な広場の活用に際しましては、既存建物の解体後に広場としての空間を確保できるか、またこれから具体化していく本整備の内容との整合を図り、二重投資を避けるなど、経費の面からの検討、加えて地域の理解が必要と考えます。これらの課題はございますが、区といたしましては、地域の方々の御意見もいただきながら、暫定的に開放できる広場の確保や活用の可能性について検討していきたいと考えております。  次に、大規模開発に伴い提供される公園緑地での球技施設の整備を誘導できないかについてでございます。  都市計画法に基づく開発許可で帰属された公園は過去十年間で二十五カ所ありますが、その面積の平均は四百平方メートル程度で、そのほとんどが小規模なぽけっと公園となっております。球技広場を整備するには、広場以外に公園利用者などの安全性を確保するために必要となるフェンスや緩衝となる緑地などの施設を合わせると、最低でも公園全体で千平方メートルを超える敷地面積が必要であり、開発行為の基準によりますと、大規模な開発行為が行われることが前提となります。  また、国土交通省が示します開発許可等運用指針によりますと、開発行為に伴い必要とされる公園、緑地は開発区域内の利用者のために必要なものとなっていることから、整備内容を協議する上でも開発業者の意向を踏まえる必要がございます。  今後、球技広場を有する区立公園が十カ所しかない現状を考慮いたしまして、大規模な開発行為が行われる際には、近隣住民や開発事業者の意向も踏まえ、球技広場の整備を実現できるよう開発事業者と協議してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、東京二〇二〇大会に向けたたばこ対策について二点、まずは、子どもの受動喫煙防止に向けた取り組みについてお答えいたします。  子どもの受動喫煙による健康への悪影響につきましては、WHOや厚生労働省等により、乳幼児突然死症候群、また呼吸器感染症やぜんそく発作の誘発など、呼吸器疾患の原因となり、特に親の喫煙によってせき、たんなどの呼吸器症状や呼吸機能の発達に悪影響が及ぶなど、さまざまな報告がなされています。  区におきましては、世田谷区健康づくり推進条例に基づき、子どもの利用が想定される施設や公園、広場の遊具の周辺では、子どもに配慮して禁煙とするなどの受動喫煙防止に取り組んでいるところですが、近年、子どもへの受動喫煙の関心がより一層高まっております。国においては、本年三月に受動喫煙防止対策の強化について、施設の用途等を勘案して、敷地内禁煙、屋内禁煙、原則屋内禁煙としつつ、喫煙専用室の設置を可とするなどの基本的な考え方の案を示しており、現在は、受動喫煙の防止策を強化する健康増進法改正について議論が進められております。子どもの受動喫煙防止対策につきましては、国や東京都とも密に連携をする必要があるため、その動向に注視してまいります。  また、受動喫煙による健康影響の普及啓発に取り組むとともに、関係所管と連携して、子どもを受動喫煙から守るための対策について検討してまいります。  続いて、禁煙教育施策を一歩進めて積極的な禁煙勧奨を進めるべきとの御質問にお答えいたします。  平成二十七年に実施した世田谷区民の健康づくりに関する調査によりますと、たばこを吸っている方の割合は平成十七年度から平成二十七年度にかけて約一五%で推移しています。また、どうしたら禁煙につながるかという問いに対しては、たばこの害を正確に理解することが一番に挙げられています。現在、区では、区民の健康を守る観点から、喫煙の健康への影響についての普及啓発や禁煙を希望する人への支援等に取り組むほか、区立小学校、中学校の保健体育の授業において禁煙教育を行っております。  禁煙は喫煙者一人の意志の力だけでは難しく、禁煙のための適切な環境や治療が必要であると言われております。二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、喫煙の健康影響に対する区民の関心はより一層高まることが予想されます。こうした機会を捉え、関係所管と連携して、積極的に喫煙に関する正しい情報を周知し、禁煙を希望する区民への支援を進めてまいります。さらに、禁煙にチャレンジする方とその周りの方々や地域、職場などが協力して禁煙に取り組めるような環境づくりをすることにつきましても研究してまいります。  以上です。 ◎松下 環境政策部長 たばこ、またポイ捨てに関して二点にお答えをいたします。  まず、喫煙所設置など分煙徹底の取り組みについてでございます。  区は、屋外の公共空間における環境美化及び迷惑喫煙の防止を図るため、仮称世田谷区たばこルールの策定に向けて現在検討を進めているところでございます。区民の健康で安全、快適な生活環境を実現するためには、たばこを吸わない方も、吸う方も相互に理解を深められるバランスのとれたルールにしていく必要がある、このように考えております。そのためには、公共空間での喫煙を制限するだけでなく、一定の条件のもとに喫煙場所の整備を進めていくことが重要だと考えております。ルール策定の検討の中で、御指摘の喫煙場所を区が設置する場合の考え方、また民間が設置する場合の指針、支援等の仕組みづくりにつきまして、幅広く意見をいただきながら検討してまいりたいと存じます。  次に、吸い殻のポイ捨てゼロに向けた取り組みについてでございます。  区は、平成九年にポイ捨て防止条例を制定いたしまして、ポイ捨てと歩きたばこを区内全域で禁止、また、地域の皆様や事業者の方々、庁内関係所管の協力による清掃活動、キャンペーンとともに、環境美化指導員による声かけ等の啓発活動を行ってまいりました。この間の取り組みもございまして、区民意識調査の地域における日常生活での困りごとという項目におきまして、空き缶・たばこ等のポイ捨てを指摘される方の割合が、条例制定時の平成九年には一三・五%ございましたけれども、直近の平成二十八年度調査では約七%に低下するなど、徐々に改善が図られているものと認識をしております。  さらに、二〇二〇年大会も視野に策定することとしております、先ほど触れました仮称世田谷区たばこルールにおきましても、地域の環境美化やたばこマナーの向上につながる取り組みを支援する内容を盛り込む方向で現在検討を進めております。  たばこルール策定を契機といたしまして、世田谷を訪れる人々に清潔できれいな町と感じていただけるよう、区民の皆様との協力により、ポイ捨てをなくす取り組みをより一層進めてまいります。  以上でございます。 ◆二十九番(真鍋よしゆき 議員) いろいろ御答弁をいただきまして、きょう御答弁いただいた中で、具体的な数字としては、区の建物が、斜線の規制等が、まだそれがあるよといっても使われているのが大体六割ということは、まだまだ余裕がある。ですから、官民連携等々、その辺を活用すれば、いろんな方策が立てられるということがより具体的にわかりました。  また、京王線の開かずの踏切解消も、この短期間の間に京王の所有地まで含めて五割弱という具体的な、きょう数字も伺いました。このペースで工期を守ってもらいたい。また、できれば工期を前倒しにしても、開かずの踏切を一日も早く解消してもらいたいと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。  それから、道づくりプランなんですけれども、毎回取り上げているのは、その道づくりプランに載っている方の身になったことが皆さんあるかということなんです。都市計画道路の計画が昭和四十年代を中心に網がかけられました。でも、いつやるかわからないということで、まだまだだろうと思っていたんですね。そこで、前期、一次、二次、三次、今ここで四次ですけれども、十年で切った事業計画が発表されたと。そうすると、いよいよこの十年間の間に来るのかなと思うんですね。世田谷区の道づくりプランというのは、それにも増して、特に早期整備が望ましいなんてのんきなことを言っちゃっているんですね。  今言われたとおり、三カ所なんですね。私は少なくとも二カ所の方とはお話ししたんですが、二十六年にプランに載って、特に早期整備が望ましいと書かれて、二十六年も二十七年も二十八年も全く区の方は来ないし、測量もないし、二十九年度予算も計上されていないんですよ。では、特に早期整備が望ましいなんて言葉を書かないほうがいいんじゃないですか。書かれたほうはどう思います。いよいよかと思っていたら、ことしも来ない、来年も来ない、次の予算も立っていない。だから、相手の身にもなってみましょうよ。それならば、何ができるのかとおのずから見えるでしょう。計画性、財源を見て、判断します。それは余りにも血が通っていないと私は思いますよ。もっともっと区民と寄り添って、行政と地域の方々が一緒になってやらないとまちづくりは進みませんよ。  そんなことで、私はこれを毎回取り上げていますけれども、それこそ事業のめどが見えるまで、やっぱりこれは何とかしなければならないと思いますので、触れたいと思います。  あともう一点だけ。オーナー整備型の特養ホーム、三十床以上、土地所有者ができるということになっても、結局は社会福祉法人等に認められた税の優遇措置等がないということで、そういう制度をせっかく認めても活用されないという実例があるわけですね。前にもこれは議会でも取り上げた建物をつくった、完了した、検査済証をとっていない。そうすると保育園にできない。この問題を議会と区長と連携してやっと東京都も変えるということになった。  こういうふうにせっかく制度ができても活用されないものはたくさんあります。特に一番この身近な自治体が、その現場で区民と対応し、実行していく、ここが舞台なんですね。ですから、せっかく制度があっても活用できないこの問題点をどんどん取り上げて解決していくというのが私たちの仕事だと思います。議会と行政が本当にこれこそ両輪となって仕事をしなきゃならない、痛感しています。オーナー整備型の特養、何せ世田谷で第一号をつくりたいと思いますし、また行政と議会、一緒になって頑張っていきたいなと思います。  いろんな課題がありましたけれども、いろいろな形でまだまだやるチャンスはあるということがきょうの質問、また答弁を聞いてよくわかりました。そのことを申し上げ、また今後に向けてしっかり取り組んでいくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○上島よしもり 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十四日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十九分散会...