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平成29年  3月 予算特別委員会-03月23日-08号

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  1. 世田谷区議会 2017-03-23
    平成29年  3月 予算特別委員会-03月23日-08号


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    平成29年  3月 予算特別委員会-03月23日-08号平成29年 3月 予算特別委員会 平成二十九年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第八号 日 時  平成二十九年三月二十三日(木曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  和田ひでとし 副委員長 河村みどり 副委員長 桜井 稔      安部ひろゆき      石川ナオミ      石川征男      おぎのけんじ      加藤たいき      上山なおのり      河野俊弘      菅沼つとむ      畠山晋一      真鍋よしゆき      三井みほこ
         山口ひろひさ      山内 彰      ゆさ吉宏      板井 斎      岡本のぶ子      佐藤弘人      高久則男      高橋昭彦      津上仁志      平塚敬二      福田妙美      諸星養一      風間ゆたか      そのべせいや      中塚さちよ      中村公太朗      羽田圭二      藤井まな      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      村田義則      大庭正明      田中優子      桃野よしふみ      阿久津 皇      小泉たま子      佐藤美樹      高岡じゅん子      田中みち子      あべ力也      上川あや      すがややすこ      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 長谷川桂一  出席説明員   区長            保坂展人   副区長           板垣正幸   副区長           宮崎健二   世田谷総合支所 総合支所長 内田政夫   北沢総合支所  総合支所長 男鹿芳則   玉川総合支所  総合支所長 小堀由祈子   砧総合支所   総合支所長 寺林敏彦   烏山総合支所  総合支所長 進藤達夫   政策経営部   部長    板谷雅光           財政課長  加賀谷 実   地域行政部   部長    萩原賢一   総務部     部長    岡田 篤           総務課長  星 正彦   危機管理室   室長    澤谷 昇   財務部     部長    本橋安行   施設営繕担当部 部長    松村浩之   生活文化部   部長    田中文子           総合調整担当参事                 原田茂実   スポーツ推進担当部           部長    五十嵐慎一   環境総合対策室 室長    菊池弘明   産業政策部   部長    花房千里   清掃・リサイクル部           部長    松下洋章   保健福祉部   部長    金澤弘道           地域包括ケア担当参事                 久末佳枝   障害福祉担当部 部長    松本公平   梅ヶ丘拠点整備担当部           部長(保健福祉部長兼務)                 金澤弘道   高齢福祉部   部長    瓜生律子   子ども・若者部 部長    中村哲也   世田谷保健所  所長    辻 佳織   都市整備政策部 部長    渡辺正男   防災街づくり担当部           部長    関根義和   みどりとみず政策担当部           部長    髙木加津子   道路・交通政策部           部長    青山雅夫   土木部     部長    小山英俊   会計室     会計管理者 金澤眞二   教育長           堀 恵子   教育委員会事務局           教育次長  岩本 康   教育環境推進担当部           部長    志賀毅一   教育政策部   部長    工藤郁淳   選挙管理委員会事務局           局長    鈴木孝之   監査事務局   局長    山本茂孝     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十九年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成二十九年度世田谷区学校給食費会計予算 (補充質疑、採決)     ────────────────────
        午前十時開議 ○和田ひでとし 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 本日は、これまで審査してまいりました平成二十九年度予算五件の補充質疑を行います。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ ◆田中みち子 委員 おはようございます。報道によりますと、ロンドンでテロがあり、二十数人の死傷者が出ました。心からお悔やみを申し上げますとともに、改めて平和な社会を守っていくことの大切さを実感しております。  それでは、生活者ネットワークの補充質疑を始めます。  まず、文教所管に引き続き、区内施設の化学物質問題について質問をします。  建材や室内で使われる家具から発生する化学物質が化学物質過敏症発症の原因となることを繰り返し申し上げます。特に乳児や成長期の子どもには影響を受けやすいことから、安全性のチェックなど、予防原則に基づいた対策が大変重要と考えています。  平成二十七年六月に開園が予定されていた大蔵地域の保育園では、開園前の最終検査で有害な化学物質が多量に検出されました。厳しい基準を遵守し、整備に当たっているはずが、こうしたことも実際に起きていたということです。この保育施設は、安全性が確認できたため、開園しています。その後、継続して施設の安全を確認するための検査を行っているのか伺います。また、保護者や周辺住民への説明はどのように行ったのかもあわせて答弁願います。 ◎中村 子ども・若者部長 お話しのありました大蔵五丁目保育施設につきましては、平成二十七年六月一日の開園準備のため、同年五月十四日に室内空気中の化学物質の濃度測定を行ったところ、アセトアルデヒドについて、厚生労働省の定める室内濃度の指針値を超えていると運営法人から報告がありました。その後、換気等の対策を講じるとともに、アセトアルデヒドを吸収させて分解し、無害なものにする吸着剤を天井や壁に塗布するなどして、化学物質濃度の再測定を実施した結果、指針値を下回る結果を得まして、安全性が確認されたため、東京都の児童福祉審議会の審議を経て、同年七月一日に開園いたしました。  開園後につきましては、保育運営事業者において化学物質の濃度測定は行っていないものと把握をしております。また、入園が内定されていた保護者の方々へは、区から個別にお電話で御連絡をしまして、化学物質の測定結果と開園の延期について説明を重ねるとともに、周辺住民の方々へも区と事業者で個別に訪問して御説明するなど、丁寧な対応に努め、御理解をいただいたところです。 ◆田中みち子 委員 引き渡し時のみの検査ということでは不十分です。子どもの環境暴露の影響は大人の何倍にもなります。保育施設は子どもが長時間過ごす場所です。近年増加傾向にあるアトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなど、アレルギー疾患の発症理由の一つとして化学物質が挙げられているのです。  化学物質過敏症の発生原因の半数以上が室内空気汚染です。学校では毎年検査を行っていますが、基準値を超えて有害物質が検出されている教室もあり、継続的な監視が必要です。また、子どもの声がうるさいなど、周辺住民の声も問題視される中、窓をあける換気はほとんど行われず、換気扇だけの換気では不十分になることも懸念されます。  保育施設でも、年に一回の検査を行うなど、安心安全対策の充実を求めます。見解を伺います。 ◎中村 子ども・若者部長 区立保育園では、世田谷保健所が平成二十一年三月に策定しました区施設シックハウス対策ガイドラインに基づき、建物の改築や大規模改修後の夏の時期に化学物質の室内濃度の調査を実施しております。調査結果が厚生労働省の指針値を超えた場合、保健所の指導に基づき、原因調査や施設の状況に応じた低減化対策などの対応をしているところです。  私立の保育園などでも、先ほど御答弁しました新築時の検査のほかには、建物の大規模改修時に東京都の定める保育所における室内化学物質対策実施基準に基づきまして検査をしております。また、日々の運営において、保育園などではできる限り定期的な換気を行い、化学物質の低減に努めております。  今後は、新築や大規模改修時の対応に加えまして、保育園など、運営事業者に定期的に化学物質への対応策について注意喚起を行うとともに、室内の化学物質の測定を含めて、子どもたちがより安心して安全に過ごすことができる環境の整備に向けて検討をしてまいります。 ◆田中みち子 委員 そのほかの区施設の実態調査はどうなっているのでしょうか。ここ数年の測定結果と現在の取り組みを伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 平成二十二年度以降は学校環境衛生基準の対象となる施設を除いて、新築、増築、大規模改修工事等を行った施設につきましては、工事後、最初の夏の期間に、日常の施設管理の状態で、室内空気環境検査を施設の所管が実施をしております。その結果、厚生労働省の指針値を超えたのは、二十六年度は六施設七カ所、二十七年度は一施設二カ所、二十八年度は一施設一カ所となってございます。うち、子ども施設は計五施設七カ所となってございます。  検査結果が指針値を上回った場合には、必要に応じて保健所が対策の指導を行い、対策実施後、再検査により値を確認しております。また、継続的に検査が必要と判断される施設につきましては、再度検査を実施し、状況把握を行っております。 ◆田中みち子 委員 五施設が乳児と子どもが多く使用する施設ということで、既に基準値を下回り、科学的に安全だということですが、このままの対策で安心安全が担保されているとお考えでしょうか。副区長の見解をお聞かせください。 ◎宮崎 副区長 このシックハウス対策の関係でございますけれども、この課題になったときに、さまざまな関係所管が集まりまして、対策を練ったわけでございます。今、両部長のほうから御説明しましたように、ライドラインの策定や、それから日々の検査を定期的にやっているという状況があるわけですが、御質問の中で出ましたように、特に子どもの施設については細心の注意を払うべきというのは、当時からもそういう課題を抱えているわけでございます。そういう意味では、今後とも工事におきまして使用する材料の種類、それから仕上げの方法等の仕様書の遵守を徹底しまして、ガイドラインに基づきます室内空気環境検査、さらに施設に必要な換気を正しく行うなど、施設の使用方法の徹底などでシックハウス対策を進めてまいりたいと考えております。  今申しましたように、対策を進めるということについての重要性は十分認識しておりまして、保育園を含めまして安心して利用できる施設づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 濃度の多少はあっても、室内には化学物質があるということを前提に、安心安全な環境を提供できるように努めてください。  次に、子ども食堂のアレルギー対策について質問します。  気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎食物アレルギーなど、現代社会は三人に一人が何らかのアレルギーを持っていると言われており、その数は増加傾向にあります。中でも食物アレルギーは、特定の食べ物を食べたり、触れたりした後でアレルギー反応を起こし、症状が進行すると死に至る場合もあります。  平成二十四年、都内の小学校で給食が原因で死亡するというあってはならない事故も起きました。世田谷区では、この事故を教訓として実用的に対応できるよう、手引の改訂を行っています。  最近、区内には子ども食堂がふえています。食べ物を提供する子ども食堂においても、アレルギー事故を防ぐ取り組みを急ぐ必要があります。事前に使用食材の情報を提供したり、聞き取りを行うなど、予防対策を図っていますが、一人で来る子どもの中には、アレルギーについて十分理解していない場合もあります。また、アレルギーのある食べ物を摂取し、アナフィラキシーショック症状が出た場合の対応などが必要です。子ども食堂に対して区ができる取り組みを伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 子ども食堂に関しましては、保健所では、営利を目的としない区民の方の事業であることから、一般的な飲食店営業等の営業許可や集団給食としての届け出については、現時点では不要であると判断をしております。しかしながら、食物アレルギーを防止するために必要な対応については、一般の食品事業者の方と同様、御理解いただくことが必要であると考えております。  そのため、利用者の方のアレルギーを確認するポイントやほかの食品へのアレルゲンの混入を防止するための調理時における注意点等をお伝えできるパンフレット等を作成し、お配りしたいと考えております。また、アレルギー発症時の緊急対応につきましても、日ごろから利用者の方との間で対応方法や医療機関等の連絡先を共有していただくことなどをお勧めしてまいります。運営者の方が安心して子ども食堂事業に取り組んでいただけるよう、必要な情報をお伝えしてまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 ちょうどこの間、教育委員会からもこの食物アレルギー緊急対応マニュアルというのをいただいたんですね。これなども参考になると思いますので、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、昨年度の一般質問や決算特別委員会で、担当する全所管においてリプロダクティブ・ヘルス・ライツに関する質問を取り上げました。望まない妊娠など、困難を抱えた若者の支援強化とともに、義務教育の段階から男女ともにお互いの性の違いを認め合うリプロダクティブ・ヘルス・ライツの観点で、人権理解教育をしっかりと行うことは大変重要なことです。しかし、教育委員会として一斉に指導できず、それぞれの判断は学校長が決めている現状です。  先日、奥沢中学校三年生を対象にした授業を見学しました。保健所が産婦人科医に依頼し実施する命の大切さや性感染症予防について学ぶことができる命と性の健康教育です。当日は、教育委員会の総括指導主事も同行しました。まず、この授業を見てどう評価したのか伺います。 ◎工藤 教育政策部長 いのちの授業は、区内中学校三年生を対象にして、東京都助産師会の助産師を招いて授業を行うものとなっております。授業は、これまで学習してきた二次性徴に伴う心と体の変化や性感染症についての正しい知識をより深め、自分を大切にするとともに、他者を尊重することの重要性を認識し、責任ある行動をとれるようにすることなどを狙いとして展開しております。  講師の助産師が、御自身の経験なども交えながら、生徒の心情に寄り添いつつ、スライドを用いて中学生にとっては大変わかりやすいお話をされていたとのことでございます。 ◆田中みち子 委員 命と性の健康教育は、命が生まれるとはどういうことなのか正しい知識が身につく内容になっているだけでなく、性的マイノリティーに対する内容も包括され、大変有効な授業でした。生徒からのアンケートでも、大人になるにつれ、このような病気があることを理解し、今後の行動につなげたい、助産師の実体験を交えた話はとてもわかりやすかった、中絶の恐ろしさを知り、もっと生徒たちに伝えたほうがむやみな性行為をしなくなると思うなど、多くの生徒がこの授業が大変役に立ったと答えています。  助産師との命と性の授業では、二十七年度は区内中学校二十九校中四校しか実施されず、大変残念です。世田谷区の平成二十七年度保健福祉総合事業概要によれば、十代の望まぬ妊娠による人工妊娠中絶は四十八件です。性教育をタブー視する日本において、性の悩みや被害に遭っても相談できる環境ではありません。  この授業では、助産師会や養護の先生などへいつでも相談することができ、親身になってくれる大人がそばにいることをしっかり伝えていました。学習指導要領の範囲にとどまっていたら、ここまで教えられない内容でした。保健所と連携し、専門家の活用を進め、義務教育での性教育を充実すべきです。見解を伺います。 ◎工藤 教育政策部長 学校の教育活動において、地域や関係機関から専門的な知識や経験のある方を講師として招き、子どもたちに専門家ならではの貴重な話をしていただいたり、実物などの教材に触れさせたりすることは有効な学習活動であると考えております。先ほどのいのちの授業では、生徒が性感染症についてのより具体的な内容を聞いたり、新生児の大きさや重さを模した人形を抱いたりする場面があり、生徒は大変興味深く活動していたと聞いております。  専門家と連携した授業を充実させるためには、学校の担当者が管理職と相談しながら、学習指導要領や年間指導計画を踏まえ、自校の子どもたちの実態や指導状況に応じた学習内容になるよう、講師と十分に打ち合わせを図ることが大切と考えており、効果的な授業手法については、情報共有するなどして、今後とも授業の充実に努めてまいります。  また、教育委員会では、現在、世田谷保健所と連携して、来年度の夏季教科等及び夏季教育課題研修の行われる時期に合わせて、保健体育科の教員や養護教諭を対象とした世田谷保健所主催の講習会を実施する予定でございます。この講習会は、いのちの授業の内容を知るとともに、学習指導要領で示された指導内容との関係などを学ぶ予定としております。 ◆田中みち子 委員 保健所と連携して、保健所主催でいのちの授業を実施すると答弁いただき、一歩前進と評価します。  奥沢中学校では、中学二年、三年を対象として総合授業で行っています。そして、校長先生が義務教育のうちにこうした授業を行うことが必要だと話されています。やはり全校で実施すべきと考えます。見解を伺います。 ◎工藤 教育政策部長 教育活動の計画である教育課程の編成は、校長が判断し、行います。その際、学習指導要領に沿った各教科などの学習内容と授業時数に基づくとともに、自校の生徒の実態に応じた学習活動の設定などの授業づくりが重要となります。  いずれの教科の学習でも、全ての子どもたちに学ばせる内容と個別に対応すべき内容を十分に検討して、計画実践しております。特に心と体の性や健康の指導については、子どもの発育、発達や心理面の個人差が大きく、実態の見きわめと保護者や地域の理解、協力も重要でございます。  今回の授業のように、外部講師を招く場合には、いわゆる世中研、世田谷区立中学校教育研究会でございますけれども、その保健部会と連携しまして、指導事項を吟味するとともに、各校の校長が事前に自校の実態などを打ち合わせを行うなどにより、教科などの狙いと一致した内容とすることが大切でございます。  教育委員会としましては、適切な教育課程の編成及び管理を確保しながら、関係機関との連携を図り、健康教育を充実させていきます。 ◆田中みち子 委員 最後に、福島の避難指示区域外からの避難者の住宅支援が今月三月末をもって打ち切られます。この対応を聞かせてください。 ◎渡辺 都市整備政策部長 いわゆる自主避難者につきましては、福島県と連携しまして、個別ヒアリングの実施ですとか、公営住宅の募集案内、また区内の不動産団体とも連携をしまして、民間賃貸住宅の情報提供など、さまざまな支援を行ってまいりました。こうした中で、四世帯の方につきましては特別に配慮が必要ということで……。 ○和田ひでとし 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいります。  最近の報道で、宅配便の問題が社会問題化しているということがございましたので、この問題について質問してまいりたいと思いますが、宅配事業は、もともと過酷な労働環境ということに加えて、労働人口の減少などによる人手不足、ひとり暮らし世帯や共働き世帯の増加により、留守がちな世帯がふえたという環境の変化等も伴って、何度も再配達を繰り返すという非効率な状態が限界に達し、宅配サービスの内容や料金の見直しを迫られるといった、宅配事業に関する社会問題化が指摘をされています。  一方、ネット通販などの消費に占める割合がふえ、宅配などの物流産業が豊かな社会を支えている側面もあります。ほとんどの区民も利用していると思われ、なくてはならない産業でもあるわけです。  このような状況の中で、JRでは新たな手法として、駅への宅配ボックスの設置を進めております。区としても、社会貢献と区民生活の利便性の向上の視点から、区所有の公共施設への宅配ボックスの設置に協力すべきと思いますが、いかがでしょうか。  また、区内を通る私鉄各線の各駅にも設置を促したり、民間の商店街の空き地、または空き店舗等に宅配ボックスの設置協力を要請するなど、宅配事業者、スペースを提供する提供者、利用区民、三者がウイン・ウインの関係を構築可能な支援をすべきと考えますが、区の見解を求めたいと思います。 ◎板谷 政策経営部長 宅配サービスにおきます再配達の問題ですが、ニーズの多様化に応える一方で、事業者の過密労働につながっていることから、社会問題とされております。JRなど駅への宅配ロッカーの設置が進められておることは、報道もされており、承知もしているところでございます。  区では、この四月から官民連携の取り組みをスタートさせます。その中で、ある宅配事業者の方から、公共施設に宅配のロッカーを設置できないか事前の御相談も受けているところでございます。宅配ロッカーの設置は、受け取る方の利便性の向上や再配達の減少によるCO2の削減などが考えられます。また、行政とのタイアップ例としましては、防犯カメラの設置、宅配ロッカーの一区画に非常用備品を保管する等も考えられます。  区といたしましては、区民の利便性の向上と行政需要の観点から、公共施設における宅配ロッカーの設置の可能性について検討をしてまいります。  また、お話にありました駅や商店街の空き店舗など、民民の取り組みにつきましては、事業者との対話を通じ、情報提供や助言などの協力に努めたいと考えております。 ◆あべ力也 委員 ぜひしっかり検討していただいて、支援が結局は区民の支援につながることだと思いますので、検討していただきたいと要望しておきたいと思います。  次に、区民の方も、今世田谷の区議会は予算委員会をやっているということを重々承知している方がたくさんいらっしゃるみたいで、この間、いろいろメールをたくさんいただくんですね。その中で、きのういただいたものは、世田谷区の提供しているオープンデータについての御意見をいただきました。これは世田谷区役所のITリテラシーの低さはどうにかならないでしょうかと、世田谷区のオープンデータは、余りにもひどいできで頭にきましたというような内容なんですね。  それで、その内容をよく読んでみますと、オープンデータのいろいろ提供の仕方はあるようですけれども、そのオープンデータのガイドライン、その段階がいろいろあるみたいですけれども、世田谷区の場合には、加工を加えないとどうも使えないようなデータを提供していると、この方はこうおっしゃっているんですね。使いたいデータ、欲しかったデータというのはインフォグラフィックスというのが欲しかったんだけれども、世田谷はそういう提供の仕方をしていないと。それと、エクセルとCSVとTNG、パワポ、あとPDFとか、いろんなダウンロードできるファイル形式を提供すべきなんじゃないかという御意見もいただいております。  いずれにしても、二次的、三次的に加工するということを前提に世田谷区は今情報提供しているようですけれども、出てきたデータがすぐ使えるような情報提供のあり方というのも考えなくちゃならないと思います。その上で、またもう一つ指摘されているのは、年号とか、西暦の問題と元号の問題です。世田谷区はどうも元号の年代の情報提供をされているということで、連続性からいうと西暦のほうが使いやすいから、その点は配慮してほしいというような御意見もいただいております。  この問題については、世田谷区の西暦の扱いと元号の問題ということも関係してくる話だと思いますけれども、いずれにしても、情報提供のあり方として、どういうふうに今後していくのか、オープンデータの問題、また西暦と元号の問題も含めて世田谷区のお考えを伺いたいと思います。 ◎萩原 地域行政部長 区では、世田谷区オープンデータ推進指針を策定し、平成二十七年九月よりオープンデータポータルページを開設し、三百項目以上のデータを公開しております。また、これまで区民からの要望が寄せられた施設等の所在地の位置情報、これは緯度経度などの電子地理情報でございますが、このオープンデータ化をこの三月十五日より開始し、区民に利用しやすいよう改善したところでございます。  ただいま厳しいいろいろな御意見をいただきましたけれども、今後も、先進自治体の例も参考に、レベル向上ですとか、西暦とか元号を含めまして、区民により利用しやすいオープンデータを目指して、庁内連携して充実に取り組んでまいります。 ◆あべ力也 委員 ぜひしっかり検討していただきたいと思います。  それと、ちょっと申し上げた西暦の問題と元号の問題ですけれども、世田谷区が公文書として提供している、また保存している文書は、今までの指針の中では、元号であったり、西暦であったりというふうな使い方をされていると思うんですけれども、私は別に元号を否定するわけでもありませんし、西暦を否定するわけでもありませんから、使い勝手から言えば、両方併記をしたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、これは条例改正をしたりとか、そういうことも必要になると思うんですが、区長はこの点についてはどうお考えですか。 ◎保坂 区長 現在、退位ということで国会でも議論があります。また、平成という元号が間もなく変わるということを考えますと、おっしゃるような連続性ということと元号について整理して、区民に示す必要があると考えております。 ◆あべ力也 委員 ぜひその点も検討していただきたいと要望して、私の質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 学芸員の採用についてお伺いいたします。  二〇一四年六月の定例会で、あと数年で区の学芸員が全員定年退職を迎えることについて伺いました。その当時、区に残されていた正規の学芸員は五人です。しかし、その年度末に一人、翌年度末に一人、翌々度末に二人、最後の一人も三年後には定年退職をするということで、長年個々人が蓄積をしてきた知識、経験、人脈等をどう次の世代につなぐのかは大変重要な課題であるというふうに問いました。その結果、今年度、区は正規の学芸員の採用を数十年ぶりに復活をさせました。そのこと自体は大変評価をしております。  今回の募集分野は、歴史学ということです。区に伺うと、実に百五十一人の方から応募があったそうです。この中からたった一人だけを採用、またその専門領域は、歴史学の中でも限られた古文書だということです。これはどういう御判断なのでしょうか。たった一人の採用ということの内容も含めて御説明いただければと思います。 ◎工藤 教育政策部長 ただいま策定を進めております仮称世田谷区文化財保存活用基本方針で文化財保存活用の体制整備を掲げており、区の文化財行政を推進する上で核となるのが学芸員を初めとした専門職員であり、その知識や経験を生かして体制の基礎づくりを進めることとしております。そのため、郷土資料館などにおける人材の確保が課題であると強く認識しておりまして、新たな区史編さんに着手するに当たり、来年度以降、郷土資料館の調査研究成果を区史に反映していくためにも専門職員が必要となります。  区の歴史、文化を研究するためには、さまざまな分野の知見が必要でありますが、とりわけ区の歴史についての理解を深めることが不可欠であり、古文書などの膨大な資料に関する郷土資料館などの調査研究の蓄積について、世田谷の地域の特性を十分に理解し、引き継いでいくためには一定の期間を確保することも必要であります。特に世田谷に残されている歴史の多くが近世の古文書であり、これらを理解することが世田谷の郷土史研究には特に必要とされることから、まずは歴史学を専門とする職員を採用する必要があると判断し、一名を採用いたしました。 ◆上川あや 委員 今回、区の学芸員全体について、専門領域の別と正規、非正規の別、またそれぞれの配属について調べてみました。すると、わかるのは、文化財保存活用方針という大きなプランを出したんですけれども、それを支える人材というものがいまだに極めて脆弱でがたがたなんです。  区が業務として持っている専門分野には大きく分けて、歴史学、考古学、民俗学、建築学の四分野があるそうなんですが、歴史学では正規の職員はたった一名、あとの三名は非常勤、考古学では正規の職員が四人いるんですが、その全員が今年度末で定年退職だそうです。民俗学は正規職員が一人いますが、正規とはいっても、これは退職後の再任用で、あと二年しか延長ができません。残る二人は非常勤です。残る建築ですが、三人全員が非常勤、どういうことかというと、定年退職後ではない正規職員は来月にはたった一人なんです。あと十日でたった一人です。  ことし区が再開させた学芸員の正規職員の募集にも、区の非常勤の職員が二人応募したそうです。つまり不安定雇用なので、他区、他市で募集があると、区の職員がほかの自治体に応募しているんだそうです。せっかく世田谷区で身につけていただいたこの町の歴史、知識、人脈というものをみすみすほかの区に、市に流出をさせてどうするんでしょうか。全く落ちついて研究していただけない人的な環境だというふうに思います。  四つの分野それぞれで柱となる正規職員は必ず必要だと考えますし、安定雇用というものを目指すべきだと思いますけれども、いかがでしょう。 ◎工藤 教育政策部長 教育委員会といたしましても、区の文化財の特性を踏まえた上で人材を確保することが重要だと考えております。専門職員については、それぞれの分野においても研究している分野が異なり、それらの特性を考慮し、採用することが望ましいと考えております。そのため、区の文化財の特性を踏まえ、各分野での専門性を維持できる組織、職員体制を確保できるよう、正規の学芸員を採用する方向で検討してまいります。 ◆上川あや 委員 結局のところ、今回採用された方を除くと、定年退職後の再任用と非常勤に支えられているのが現在の文化財政策です。定年後の再任用は五年が限度というふうに伺っております。このような採用のペース、たった一人の採用で万全な引き継ぎができるとはとても思えないんです。人の手当てを急ぐ必要を考えるんですけれども、いかがでしょうか。 ◎工藤 教育政策部長 現在の学芸員につきましては、再任用職員も多く、新たな人材確保が必要であることから、今後も必要な職員の採用に取り組む方針でございます。今後は、現在の職員の退職の状況を勘案しつつ、非常勤職員の活用状況、事務事業の推進の状況、組織体制なども踏まえまして、これまで専門職員が培ってきた知見を引き継げるよう、必要な時期に採用を行う予定です。  教育委員会としましては、職員定数の適正な管理につきましても考慮し、今後計画的に採用を進めるよう、人事担当とも調整してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、具体的な案件を一つ伺いたいと思います。  私が議会で指摘をした結果、区には、今、区立大蔵運動公園の中にある巨大な、大きな防空壕の調査を行っていただいております。その目的の第一は、将来的な陥没などの予防ということなんですけれども、国の補助費があるうちにぜひこれを対策をとってもらいたいということです。  一方で近年、こうした遺構が戦争遺跡として注目を集めまして、積極的に守る自治体が出てまいりました。区教委からも、今回の調査の後、その所在が改めて確認をされた防空壕については、学術面での点検を予定しているということなんですけれども、この町の戦争の記憶をどのように後世に残すのか、子どもたちに伝えていくのかということも非常に重要な大きな課題だと思います。埋め戻して失われてしまうというだけでは困りますので、平和のための事業の取り組みも今ふえておりますので、ただ埋め戻すだけではない、評価、点検と、できれば子どもたちに伝えていく方策というものも考えていただきたいというふうに考えているんですけれども、区の考え方を伺いたいと思います。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 大蔵運動公園内にあります特殊地下壕につきましては、今年度分の延長約百九十メートルの調査が終わったところでございまして、来年度につきましては、引き続きの調査と今年度調査した箇所の内部の空洞を埋め戻す工事を予定しております。また、空洞を埋め戻す工事の前に、教育委員会において学術的な見地からの調査を行うと聞いてございます。  この特殊地下壕の存在につきましては、教育的、文化財的な視点やこの地域の歴史を知るという意味などから、後世に伝えていくことは大変大切なものと認識してございます。今後、関連部署と連携しまして、この特殊地下壕の歴史的な意味などにつきまして、何らかの形で後世に残し、伝えていくことについて検討してまいります。 ◆上川あや 委員 ぜひ積極的によろしくお願いいたします。  以上で私の質疑を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ────────────────────
    ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 初めに、世田谷区保育室の質問をしたいと思います。  世田谷区保育室新制度移行支援というのが、昨年、世田谷区のほうから計画として出されています。それで保育室なんですけれども、世田谷区は当時、まだ産休明け保育を行っていなかった区立認可保育園を補完する形で、昭和四十三年から東京都の補助、その後、世田谷区独自の制度として世田谷区の保育を担ってきた保育室制度があります。その保育室なんですけれども、それぞれ独自の保育、教育のもと、これまで少ない補助金ながらも運営を行ってまいりました。  この保育室に対して、昨年、世田谷区が国の子ども・子育て支援新制度の特定教育・保育施設、あるいは特定地域型保育事業に移行することを支援するということで方針を出したわけですね。これによって安定的な運営が図れるとともに、保育の質の確保と向上を図るということのようです。各保育室には、当面五カ年の個別計画を策定することを求めておりまして、各保育室も新制度への移行支援に向け、区立保育園跡を活用するなどの世田谷区としての配慮があるといったことも重々理解しております。  ところが、一方で、その保育室の中では、新制度に移行することによって、例えば独自の入園制度が採用できないなどの、これまでの運営方針と違う方向性になってしまうこともありまして、そういった意味でも、移行することができないよという保育室もあるわけですね。こういったところもある中で、改めて、その保育室新制度移行支援に関して、その移行支援の中でも、保育に貢献してきた全ての保育室に対して支援をしていく必要があるというふうに思いますけれども、世田谷区の見解をお聞かせください。 ◎中村 子ども・若者部長 お話がありましたとおり、区は、昨年十二月に保育室を新制度の認可保育園や小規模保育事業への移行を支援するという方針を定めました。この方針に基づきまして、移行を予定する保育室から個別の移行計画を提出していただいて、昨年四月にさかのぼって運営費補助の引き上げや利用者の保育料軽減を行っているところです。また、再整備に伴う四つの区立保育園、それと奥沢地区会館の跡利用について、現在、保育室事業者を対象として活用意向の確認を行っているところです。  区としましては、引き続き、保育室の個別の事情や課題も丁寧にお伺いしながら、地域に根差した保育室が円滑に新制度に移行できるように支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 その新制度に対する移行支援ということで、世田谷区としてはしっかりと取り組んでいくということでしたけれども、そこに移行しない、あるいはするのを今ちょっと考えているといったところもあると思います。補助金が大幅にふえたということもありまして、そういう意味では保育室にとってもすごく運営しやすくなっている部分もありますけれども、引き続き、そういった全ての保育室に対して支援をしっかりと行っていただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、昨年も質問させていただきましたマンション建設の際の協力金についてお聞きしたいと思います。  この件なんですけれども、世田谷区では、お子さんの数、特に就学前のお子さんですと、毎年千人規模でふえているということで、それが保育園待機児童の原因にもなっているというのが、今世田谷区の現状です。保育園は世田谷区としてもつくっていくということですけれども、例えば小学校とか中学校ですと、大きなマンションが一つ建てられてしまうと、その学校が、増築しなければならなくなったり、あとはその増築によってグラウンドが狭くなってしまったりといったような現状もこれまであったということは指摘してまいりました。そういった状況に対して、世田谷区としても、もちろん大規模校化ということに対してはしっかりと取り組んでいるということを、昨年の一般質問でも答弁はいただいていますけれども、その学校の増改築費、こういったことも世田谷区にとっては今後、負担になってくることも予想されます。  中央区ですとか、江東区では、マンション建設の際に協力金というのを事業者に求めておりまして、一定数の戸数があれば、ファミリー世帯向けのマンション建設の際には、協力金を求めているということなんですね。この件、昨年も質問させていただいたんですけれども、実際に地方財政法では、そういった要は税金以外のものを求めてはいけないということがありますので、世田谷区としては、なかなか難しいのではないかという見解を政策経営部からはいただいているんですけれども、そうはいっても、実際に中央区ですとか、江東区は取り入れているわけです。特に中央区は、寄附金の目的として、子育て世代の増加に伴い、園児とか児童数が急速に増加しているということに対して、小学校の教室数不足もあるので、それに対して、マンション事業者には協力金をお願いしたいということで、そういった制度をつくっています。  これに関しまして、ぜひ世田谷区の見解を教育委員会と子ども・若者部のほうからいただきたいわけです。両者から御答弁をお願いいたします。 ◎中村 子ども・若者部長 区といたしましては、お話のありましたマンション建設に際して、保育施設整備のための協力金を要請するという仕組みについては、他自治体でも行われているもので、これにつきましては、こういった手法を含めて関係所管の協力を得ながら、あらゆる手法の中で検討したいと思っているところです。 ◎志賀 教育環境推進担当部長 マンション建設の際の協力金ということでございますが、今お話にありましたとおり、地方財政法及び同施行令におきまして、公立小中学校の建物維持及び修繕に関する経費については、住民に対し、その負担を転嫁してはならないと規定されていることから、慎重な検討が必要であるとは考えてございますが、寄附文化の醸成という視点も踏まえまして、区長部局とも連携して研究してまいりたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 保育課のほうからはあらゆる手法を含めて検討したいと思いますという答弁で、教育委員会のほうからは研究してまいりますという御答弁だったんですけれども、同じことですので、ぜひ両者一緒になって取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上でせたがやすこやかプロジェクトの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は、基幹システムの体制強化について伺います。  二〇一四年八月に区の基幹システムが丸一日停止して以来、私はこの基幹システムの再発防止策をテーマに取り上げてまいりました。その後、負荷分散装置を世田谷区独自の新たな機器に置きかえたことなど、多くの問題が解決し、特に昨年九月の決算委員会では、継続的な人材育成として、情報政策課の職員の方を情報セキュリティーの専門研修やサイバー防御演習に派遣をし、知識習得につなげているとの御答弁をいただきました。  今までの質問の中で、まだ解決していなかったバックアップ二重化と遠隔地保管の件ですが、現在、データセンターに移管していないシステムについてはどうするのでしょうか。また、既に外部データセンターに移管をしているシステムについてはどうするのか、この二点、御答弁をいただきたいと思います。 ◎萩原 地域行政部長 住民記録、税、国保など基幹システムにつきましては、平成二十六年一月に都外のデータセンターに移行し、区の事務センターにバックアップシステム、ダウン時対応システムでございますが、これを設置することにより、データの安全性を確保しております。また、現在は、事務センターに設置の後期高齢者医療、生活保護、介護認定支援など三十七システムにつきましては、今年度中を含め本年六月までに基幹システムとは別のクラウド事業者の東日本に所在するデータセンターに順次移行してまいります。  このデータセンターは、さらに西日本に所在のもう一つのデータセンターに毎日バックアップすることとなっており、高い安全性が確保されます。先ほどの事務センターに設置の基幹システムのバックアップシステムにつきましても、近々にこのクラウド事業者の東日本所在のデータセンターに移行し、さらに西日本にもバックアップを確保することによって、安全性を一層高めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 東日本、また西日本にバックアップを確保していただけるということで、かなり前進したと思っております。これからもよろしくお願いします。  次に、四月から導入される情報処理試験関係初の排他的資格である情報処理安全確保支援士の確保はできているのでしょうか。フリーWi―Fiのセキュリティー問題が指摘されておりますが、この観点からも情報処理安全確保支援士の確保は急務であると考えます。また、システム監査技術者、公認システム監査人など、システム監査の専門家の人材確保や職員の方への資格取得の推進はその後どうなっているのでしょうか、見解を伺います。 ◎萩原 地域行政部長 区では、継続的な人材育成として、職員を情報セキュリティー等に関する専門研修に派遣し、実務上必要な知識を習得させているところです。資格取得につきましては、若手職員を中心に情報セキュリティーマネジメント試験の受験などの自己啓発に取り組み、合格者も出ております。専門家の活用については、システム監査技術者の資格を持つ法律家に、マイナンバー制度や住基ネットのセキュリティー監査をお願いしているほか、区の最高情報統括責任者、これはCIOと言い、副区長が担っておりますが、これらに対して同様の資格や知識を持つ有識者のアドバイザーから継続して御指導いただいております。  委員お話しの情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティーに関する新たな資格であり、初回は経過措置として、所定の有資格者による登録申請が既に締め切られ、現在、登録に向けて審査中と聞いておりますので、その状況を注視してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ今後も、専門業者の方に委託するなど、セキュリティーの維持に努めていただきたいと思います。  次に、図書館のICタグ導入について、昨年に引き続き、質問してまいります。  以前に視察をしました千葉県八千代市の中央図書館では、ICタグをフル活用し、セルフ貸し出し、セルフ返却、また予約した本のセルフ貸し出しまででき、ICタグの利便性を実感いたしました。利便性向上だけでなく、経費削減にもつながると考え、その後、ICタグの必要性について議会で質問をし、その際の答弁では、図書館ビジョン第一期行動計画でも、平成二十九年度を目指して導入を検討することとしており、二十九年度は一部導入を視野に入れながら、システム側の対応など、具体的な検討を行っていくとのことでした。その後の進捗状況についてお伺いいたします。 ◎工藤 教育政策部長 図書館のICタグ導入につきましては、図書館ネットワークの整備推進の一つとして、第二次世田谷区立図書館ビジョン第一期行動計画の中で、平成二十九年度導入検討するとしております。平成二十九年度は、経堂図書館と世田谷図書館の二館にICタグを導入することを念頭に約一千万円の予算を計上させていただいております。  ICタグ導入は、図書貸し出し、返却時の時間短縮による区民の利便性の向上、セキュリティーゲート設置による図書資料の盗難防止や自由なレイアウト構成、自動貸出機、自動返却機設置と組み合わせることによる経費削減などの効果があるものと考えております。  経堂図書館と世田谷図書館にICタグを導入するに当たりましては、一時的に従前のバーコードと双方を管理する必要がございます。運用方法を確立し、技術的な課題を確認しながら、スムーズなICタグ導入を実施してまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 二つの図書館に導入予定とのことでして、前進したと思っております。  このICタグの効果を最大にするには、世田谷区十六の図書館、五つの地域図書室の全館全てにICタグを導入し、一体的に管理すべきです。またICタグの種類については、ISOで定められた標準化があることを認識し、市場状況を見ながら、まずは図書館のハブである中央図書館から、そしてその後、全図書館へICタグを導入すべきと考えます。見解をお伺いいたします。 ◎工藤 教育政策部長 御案内いただきましたように、図書館のICタグ導入で最大限の効果を上げるためには、最終的には図書館の全ての蔵書にICタグを貼付しまして、一体的管理をしていく必要がございます。こうしたことから、平成二十九年度は、手始めに経堂図書館と世田谷図書館の二館に導入し、その後、中央図書館におきましても、現在検討中の中央図書館機能拡充基本構想策定の状況なども踏まえまして、なるべく早い時期にICタグ導入を実施してまいりたいと考えております。  導入に当たりましては、御案内いただきました国際規格、ISOなどの技術動向などにも十分注意しながら進めてまいりたいと考えております。  また、ICタグ導入の全体スケジュールにつきましては、第二次図書館ビジョン第二期行動計画の中で明らかにしてまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ全図書館にICタグの導入を目指して、今後も進めていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 世田谷区では、青少年の不良防止のために青少年補導連絡会を設けています。私は保護司の立場から、北沢地域の活動に参加しております。  昨年十一月十六日に、東村山市にある萩山実務学校は、不良行為を行うなど生活指導が必要な児童を入所させ、生活や学科の指導、職業指導を通じて自立を支援することを目的とした都立の児童自立支援施設です。敷地面積は東京ドーム三個分の広さ、緑あふれる環境の中で、六十名の男女中学生と職員が寮で暮らしています。  施設見学では、学校生活の写真をスライドで見ました。体験することを大切にしていて、川遊びやハイキングなど多くのイベントが開催され、どの写真に写った子どもたちもみんな笑顔で楽しそうでした。敷地内には実習農場もあり、果樹園もあって、授業の中で畑作業などを行うことで、子どもたちの心も落ちつくそうです。  子どもたち児童の入所の理由は、窃盗、傷害など、最近では家庭内暴力や発達障害のために社会に適応できずに入所してくる子どもたちが多いそうです。先生は、子どもの自己肯定感を向上させるためにできるだけ競争をさせずに、何かにすぐれている子を褒めるのではなく、努力している子どもを褒めるよう気をつけているそうです。また、学校生活の中でうまくいかずに泣きながら、僕は生きていていいのかなという児童に対しては、先生は、子どもたち自身に存在価値を感じてもらうために、常に役割を与えるようにしているそうです。しかし、児童が学校を退所した後は、約七割が家庭に帰りますが、うまくいかない場合も多いということで、係の方は残念がっているそうです。  このような学校や少年院を退所した青少年、児童を地域ではどのように支えていけばいいと区では考えているでしょうか、お伺いします。 ◎男鹿 北沢総合支所長 委員が御紹介のような施設を退所した青少年や児童は、施設で過ごす過程において大きく変化しますが、家庭で待つ親のほうは変わることが難しく、結果的に入所前の家庭環境に戻ってしまうことが多いと聞いております。  そのため、地域においては、単にその対象の青少年や児童だけではなく、本人を含めた家族を全体的に支援していくことが求められており、要保護児童支援地域協議会などにおいて、関係機関と連携し、青少年や児童及び保護者の支援に結びつけております。さらに、委員が活動する青少年補導連絡会や青少年地区委員会が行っている梅まつりなどのイベントでの活動紹介などの予防啓発活動、地区担当保護司や民生児童委員等による意見交換会、また刑務所、裁判所などへの施設見学会等を通じて個々の意識を向上させる活動など、地域ぐるみで家族を支えていく取り組みも行っております。  いずれにいたしましても、総合支所はさまざまな機会を通じて、対象の児童を含めた家族が主体的に問題解決を図られるような環境づくりに取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 今後も、私自身、保護司として、補導員として、このような児童や家族の支援に努めていきたいと思っていますので、引き続き、地域の支所ではバックアップをよろしくお願いしたいと思います。  続きましては、保護観察対象者の雇用の支援についてお伺いします。  国の統計では、刑務所など出所者のうち仕事についていない人の再犯率は、仕事についている人に比べて約四倍です。また、刑務所再入所者の約七割は再犯時に無職だったそうです。仕事につくことがいかに大切かであって、国は再犯を防止し、立ち直りを図るために、仕事があるということが重要であるため、刑務所など出所者を雇用してくれる協力雇用主制度の充実を図るために、就労支援に取り組んでいます。  私は、平成二十六年の予算特別委員会で、既に実施しています京都府の事例を出しながら、世田谷区としても、少年院などを仮退院した保護観察対象者を臨時職員として雇うことはできないかという質問をしてきました。こうしたところ、区では今回、保護司会と東京保護観察所と協定を組んでくれて、来年度から保護観察になっている少年を世田谷区の臨時職員として採用してくれることになったそうです。うれしい報告がありました。  保護観察対象者は、家庭裁判所の保護観察処分となった少年や少年院の仮退院者ほか刑務所からの仮釈放の方や保護観察つき執行猶予を受けた方がいますが、今回は十八歳から二十三歳までの少年を対象とすると聞いていますが、社会と触れ合う機会がなかなかなかった少年を区の臨時職員として雇ってくれることは、大変大きな意義があると思います。  そこでお伺いしますが、区役所としてはさまざまな仕事があると思いますが、保護観察を受けた少年にも向きも不向きもあると思います。そういった関係で、受け入れについてどのように検討していくのか、どのような受け入れ体制とするのかお伺いします。 ◎金澤 保健福祉部長 区はこれまでも保護司会や青少年地区委員会等と連携し、法務省が提唱する社会を明るくする運動を推進し、駅頭広報活動やふるさと区民まつりなどにおける啓発活動など、犯罪をした人の社会復帰や少年の非行防止に取り組んでまいりました。  こうした中、委員からも御提案いただいておりますが、保護司会からも保護観察中の少年を本格就労の第一歩として区の臨時職員として雇用することを検討してほしいとの御要望がございました。その後、先行自治体の状況の視察やアンケート調査を行うなど、受け入れ体制について庁内で検討を進め、このたび保護観察中の少年の就労支援について、東京保護観察所と世田谷区保護司会と連携して取り組む協定を締結いたしました。  区における受け入れ職場につきましては、職場のニーズとともに、本人の意向や適性を踏まえ、面接を実施した上で決定してまいります。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  また、保護観察の子どもたち、十八歳から二十三歳、区の臨時職員は一年のうち約六カ月しか勤務することができません。子どもたちは将来的にはきちんとした就労となってほしいと思うんですが、そのほかの考えがあるのかお伺いします。 ◎金澤 保健福祉部長 区では、臨時職員としての雇用は本格就労に向けたステップアップの場として位置づけてございます。受け入れ中は、担当保護司、保護観察官、受け入れ職場など、関係者による情報共有や定期的な状況確認等を行い、社会人としての自信やスキルアップにつながるよう進めてまいります。また、在職中から次の就労に向け、本人の状況に応じて、ぷらっとホーム世田谷、若者サポートステーションやヤングワークせたがやなど、区の就労支援機関とも連携を図り、本格就労と社会復帰に向け、協力してまいります。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆菅沼つとむ 委員 自民党の質疑をさせていただきます。  最初に、業務委託契約の仕様書についてお聞きします。  前回の質問で、清掃・リサイクル部のエコプラザ用賀と、リサイクル千歳台を株式会社キャリアライズに事業委託して大丈夫かと具体的にお聞きしました。プロポーザルの決定者は松下部長です。また、世田谷区の情報公開条例第七条第三号に該当するから非公開とのお話がありました。条例は、法人、事業者、生産技術上または販売上、情報であって、公表することにより、法人、事業者活動が損なわれると認められたとき非公開となっていますが、間違いないかお聞きします。 ◎岡田 総務部長 今、委員おっしゃるとおり、区の情報公開条例の中でそのような定めをしております。 ◆菅沼つとむ 委員 では、リサイクル千歳台、エコプラザ用賀の毎日の入場者数、また講座、講習の日、入場者数は公表はできるのかお聞きします。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 来場者数、講座参加者数等については、現在月ごとの数字の集計は手元にありますが、詳細は手元にはございませんが、公表は可能でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 確認ですけれども、毎日の入場者数は大丈夫でしょうか、お聞きします。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 例えばということで申し上げますが、直近のデータで申しますと、エコプラザ用賀の本年二月の来場者数は二千四百名強、リサイクル千歳台は同じく一千名強、合わせて三千五百名強というのが二月の来場者数でございました。 ◆菅沼つとむ 委員 私が聞いているのは、年間で入場者数だとか、ああいうのは知っております。そうじゃなくて、毎日のものは公表できますかというお話です。聞きます。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 公表は可能でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それでは、どこまで公表できるのかお聞きします。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 どこまでといいますのは、例えば施設ごとの日々の来場者でありますとか、例えば講座、講習会などを開催しておりますので、その際にどの程度の申し込み、また参加があったのか、またリユース品の頒布などを行っておりますので、こういったもののお申し込みのデータなどは公表可能なものというふうに考えます。 ◆菅沼つとむ 委員 仕様書にはさまざま細かいことがたくさん書いてあると思いますけれども、その中で、事業者、法人などさまざまなオープンにされちゃ困るというところは当然聞けないというふうに思いますけれども、それ以外はオープンにできるんじゃないかというふうに思いますけれども、できましたら、ペーパーでお願いしたいというふうに思います。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 ただいまお話のありました内容は、仕様書に基づいて区が事業者に委託して行っている、結果としてこういうことを行っているというふうなものは、清掃・リサイクル事業概要という年次の報告を冊子にまとめている中にも既に掲載をさせていただいておりますので、こういった中で明らかにしてまいりたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 次に、契約当事者の見積書が仕様書に示されています。当然契約書は清掃・リサイクル部でございますが、それが契約のときの仕様書と合致しているか、それを部の中で具体的に誰がチェックしているんですか、お聞きします。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 契約に伴って、仕様書どおりの内容が履行されているかということについては、私ども清掃・リサイクル部が、事業者から提出をされる日報、月報等によりまして、また必要に応じて現地の状況確認、聞きとり等を含めた形で、所管部としての検査を行っております。 ◆菅沼つとむ 委員 それは当然していると思いますけれども、実際には、例えば小型家具の小さいものを傷を直してきちんとやりなさいよとか、おトイレの話ですとか、それから植木の敷地内のものをきちんとやりなさい、そういう仕様書だとかが、御存じのようにたくさんあるわけですよ。それで、部長がみずから行ってあれをチェックするというのは、大変お忙しいから難しいだろう。では、所管で誰がやっているんですかというのをお聞きしているんです。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 各施設の状況については、清掃・リサイクル部事業課の中に普及啓発に関する担当がおりますので、こちらの部門のほうで定例の打ち合わせなどを現地で行っていくようなことも含めて、確認をさせていただいております。 ◆菅沼つとむ 委員 担当者がいるということで、またお聞きしたいというふうに思います。  また、二十八年度監査報告書にあります各部署所管が締結している契約において、仕様書の内容が明瞭でない事例が見られると監査指摘がされています。なぜさっきから情報公開しろと言っているのかというと、部でやっているのは区長は知らない。副区長も知らない。最終的には部で決算しているわけです。そうすると、議員もチェックする義務があるのに、じゃ、誰がチェックできるんですか。それが部長は二年か三年でころころかわっちゃう。そうすると、次の人はわからない。情報が出てこない。具体的に所管以外に誰がこれをチェックできるの。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 本件、清掃・リサイクルの普及啓発施設に関しましては、一義的にはもちろん私どもが担当所管でございますけれども、その中で、利用団体などと、また運営事業者も交えた形で連絡会を定期的に開催しております。その中での相互の連絡調整などを図る中で、利用団体サイドからの御意見、また御指摘なども把握をした上で、契約内容に生かしていくというようなことは、現在の当該施設においては行っているところであります。 ◆菅沼つとむ 委員 よく聞いておいてほしいんですけれども、区長も知らず、副区長も知らず、議会も知らず、それで担当部署だけは二年か三年で部長がかわっていっちゃう。中身は誰がチェックするんですか。部以外ですよ。部の人たちはチェックするのが当たり前ですけれども、じゃ、その部以外で誰がチェックできますかというのを聞いているんです。 ◎岡田 総務部長 今お話しの件ですけれども、ある事業をやっていて、各部がその事業の仕様書どおりの事業実施がされているかというのを確認し、その部の検査員が確認をした上で支出をするというふうな流れになるわけですけれども、支出の際には、会計管理者のところで、実際に概計上、請求と支出が正しく合致しているかというチェックは入っております。また、先ほど委員からお話がありましたように、定期監査というようなことでのチェックということもしているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 先ほどから繰り返して言っているのは、各部、監査も言っているように、チェック体制が本当にきちんとできているのか、やっぱり議会としてチェックはきちんとしなくちゃいけない。区長のほうも前回の答弁でよく説明をしながらやっていきますよということ、それが要するに各部署でやったチェック体制がきちんとしていて、初めていろんな不祥事が起きないとか、さまざまなものが出てくるというふうに思いますので、情報公開はきちんとしていただきたい。できましたら、ペーパーでお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。自転車レーン、ナビマークの安全対策について聞きます。  前回の用賀中町通りの自転車ナビマークで、小山部長の答弁では、車道の幅は狭く、七メートルで、一車線三・五メートルで狭い車道ですと。歩道のほうも自転車ですれ違うのが厳しいほどです。小山部長は、自転車レーンの検証を前にしたことがあるという答弁がありましたが、具体的にどのような、何回ぐらいしたのかお聞きします。 ◎小山 土木部長 検証ということでございますが、まず平成二十四年度に国土交通省と警察庁において国土技術政策総合研究所の調査研究、検証も踏まえまして、安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインというものが策定されております。この内容を受けまして、区では、平成二十六年度に世田谷区自転車ネットワーク計画を策定し、区内全域にわたり、自転車の通行空間を整備する路線を選定いたしました。  全体的な、全国にかけてのこういったような検証内容を踏まえて策定されたガイドラインを受けて区のほうも計画をつくっておりますので、個別の路線ごとに特に検証という形ではやってはございません。ただし、計画策定以前に、平成十九年度の段階でございますが、社会実験として区が実施したものがございまして、その中では、自転車の通行方向を示した自転車ナビマークを設置することで、自転車の逆走等を防げるというようなことがわかってきております。こういったことに基づきまして、現在、整備を進めている状況でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 部長の答弁では、二十四年でガイドラインをつくる、それから十九年にやりましたよという話は聞きましたけれども、個別のほうはやっていませんということです。また、自転車の交通安全ということで、前回の都市整備所管で公明党の河村委員への答弁で、交通安全対策は小学校で交通安全の啓発、また二十歳から四十歳までの交通安全対策では、土曜日なので、PTAにも声をかけて行うとあります。具体的にこういうことは何回ぐらいやっているのか、参加人数がわかれば教えてください。 ◎小山 土木部長 具体的に交通安全教室等に関しましては、小中学校を含め各地でいろいろ実施しているところでございます。人数といいますか、実施校といたしましては、区立小学校等では六十三校において毎年実施しているというような状況でございます。現在、人数等におきましては、個別の分はちょっと手元にございませんが、ある程度、こういったような定期的な実施を行っているということでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 部長、無理に答弁しなくても、わからないなら、後でペーパーでと、それで結構ですので、よろしくお願いいたします。
     また、二十七年度自転車ネットワーク計画をつくって、安全対策ということで世田谷区も自転車事故を減らすように努力してきたというのは承知しています。しかし、実際に、これは現実に減っているのかお聞きします。 ◎小山 土木部長 事故件数、自転車に関する関与事故といたしまして、これは警視庁のほうの発表資料でございますが、それによりますと、ほぼ三年の平均件数におきましても、約半減近くしてきているというような状況でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 確かに交通事故は減っているんです。たしか世田谷は、全国の自転車事故の平均の倍だと思います。多分二十三区では一番だったというふうに思っています。  その中で、ちょっと事例を紹介します。羽根木交差点、左へ行くと高円寺、右へ行くと新代田、そこに一方通行があります。近くには下北沢小学校の通学路があります。もちろん一方通行です。一方通行で、両サイドにナビマークがあります。ナビマーク、それから一方通行ですから車が入ってきます。そのときに、ナビマークどおりにやると車とぶつかるんです。いつも近くの人たちが一一〇番で、車と要するに自転車のトラブルで警察が来て、事情聴取をして、いけないと。だけれども、区民とすれば、自転車ナビマークのとおり通っているんだから、何でいけないんだと。車は真っすぐ行って、真ん中を通って、何でいけないんだということがあるんですけれども、こういうことが実際に起きているんです。  用賀中町通りも、ナビマークを今度つくればわかりますけれども、そのとおりですと、ママチャリなんて幅が広いんです。普通の自転車だって三十なんです。あそこでナビマークをやって、そのままずっとやったときに、自動車事故が起きたときに、これは裁判をやったら世田谷区は負けるんじゃないですか。 ◎小山 土木部長 今の羽根木の件に関しましては、北沢警察のほうにも確認いたしましたが、事故としての事案としての報告は来ていないというような状況でございます。ただ、指導等で警察官が置かれているような事情もあろうかと思います。  委員御指摘のように、まだ自転車ナビマークをつくって二十六年から三年程度でございますが、それ以降、どうしてもドライバー側、さらに自転車利用者の方の認識がまだ足りないなということは、実際のところ認識しているところでございます。特に自転車専用帯として幅が一・五メートルあるようなところと、さらに一メートル程度で通常ブルーゾーンという形で整備したところ、さらに、今お話がありましたような自転車走行位置表示、通称ナビマークと言っていますが、路面にペイントしたものの三種類ございます。こういった違いも含め、さらに、自転車のナビマーク、この場所の上に完全に走らなきゃいけないというような意識とか、そうじゃなく、あくまで自動車と自転車が混在するような場所に関しては、お互いがそれぞれ認識して安全に走るためにこのナビマークを実施している、そういった注意喚起も含め、こういった理解を今後もさらに深めるようなことを区としても十分やっていきたいと考えているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 議員の皆さん、それから区の人たちは当然そういうことはわかっているけれども、一般区民が自転車レーン、ナビマーク、それは世田谷区が決めたんだから、普通の人はこのとおりやれば安全で走れますよというのが当たり前じゃないですか。それがナビマーク、あのとおり走らなくていいと言ったら、何のためにやっているんだ。  ナビマークが、ずっとそのとおりやると車とぶつかりますよというのを言っているわけですよ。それで、安全対策もやる。説明もしていく。では、例えば用賀中町通りのナビマークをつけるということになっていますけれども、つけるに当たって町会・自治会、商店街なんかにこれは説明会か何かをやったことがあるんですか、お聞きします。 ◎小山 土木部長 今後の整備予定ですので、そういったことはまだやっていないという状況でございます。ただし、現在、何もない中でドライバーの方が自転車を、言い方はあれですけれども、邪魔みたいなような意識があったりとか、さらに自転車のほうもいろんな位置を走行する、自由自在に走るような、そういったことをこのナビマークをつくることによって、進行方向と車道の左側を通るということの原則をもう一回はっきり認識していただいて、お互いがそれぞれ認め合うような形で車道の中でうまく走行するような混在状態をうまくしていけたらなというふうに感じているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 進行方向とか、それはよくわかります。しかし、ナビマークがあって、そのまま走って事故になるというのはどういうことか、区の責任は本当にあるんじゃないですかという話。それで、前回の答弁では、用賀中町通りにナビマークをやっていきますよと部長は答弁しているわけです。答弁しているということは、そのうちやりますよという話になるわけです。そうすると、町会・自治会、商店街の話を聞いて、その人たちはいつもそこで生活をしているわけですよね。そのときに、こういうことをやって、こういう安全対策をやるんですけれども、地域の人たち、協力してくれませんか、安全対策もこういうふうにやっていきます、それは説明をして地域の一番わかっている人たちに聞くのが当たり前じゃないですか。  区長はいつも事業をやるときには、当然地域の人たちに意見を聞いて、それで事業決定をしているわけでしょう。では、世田谷中、何十キロ、何百キロとマークを引いたらもうそれでいいという話にはならないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。御答弁お願いします。 ◎小山 土木部長 今後、実際に整備に当たりましては工事として実施いたしますので、当然、沿道等にはお知らせ等もしていきますし、そのような形で円滑に実施はしていきたいと考えているところでございます。  ただし、区内全域の自転車のあくまで交通の一つという位置づけのもとに、全体的なネットワーク計画で路線を選定してございますので、それによって区内の交通環境を改善するということが目的で、全域を今後も着実に整備はしていきたいと考えているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 私は、大きな事故が起きる前に、子どもたちの事故を含めて、そういう問題を検証しなくちゃいけないというふうに思っているんですよ。車両事故ですから、子どもが歩道で、高齢者か何かで事故があって、あっちゃいけませんけれども、亡くなった場合には、十、ゼロで九千万円から一億円ぐらいの賠償金が今出ていますよね。だから、ナビマークを走っていてそういうことがあり得る。それで世田谷の道路というのは、交通量も幅もみんな違うわけですよ。だから、やるときにはそれぞれを私は検証するべきだと。やる前とやる後にそれぞれに検証していただけますか、お聞きします。 ◎小山 土木部長 先ほどから検証ということであれですが、このナビマークが専用帯を含め、自転車の走行環境をどのようにしていくべきかということで、過去より多くの調査研究を含め、検証が行われてきたということです。それをもとに全国的にこのガイドラインが定められて、それに従って、区のほうも実施をしてきているということでございますので、個別の路線の箇所の実態は当然よく見ながら、整備は進めていきたいと考えているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 大変残念です。やっぱりこのままだと事故が起きるなというふうに思います。実際にナビマークをやって、そのとおりに走って事故が起きたらどうするんですかと。道はそれぞれ違うわけですよ。その道に対してやる前とやる後に検証して、これだけナビマーク、自転車レーンができたからよくなる。そういうものをやらなくちゃいけないのに、ただ、線を引いてペンキを塗ればいいということは、それでいいのか。一番大事なのは、自転車を、環境にいいものをやるのも大事なんですけれども、世田谷区民の命です。命がやっぱりなくなったら、一番損失が大きいわけですから、それも区が絡んでいる話ですから、その辺をきっちりやっていただきたいというふうに思います。また質問します。  次に、けやきネットの検証についてお伺いします。  平成九年からけやきネット事業ができて二十年たちました。この二十年で使った税金は二十億円以上です。新たに平成三十年にけやきネットの再構築の経費が一億五千万円以上かかります。この十年間でけやきネットの団体登録はふえていません。ただ、ふえているのはテニス登録です。この二十年間で二十億円使って、利用率はふえているのかお聞きします。 ◎萩原 地域行政部長 けやきネットシステムの導入の平成九年より以前の対象施設の全体の利用率は、大体六〇%弱と認識しておりますが、システム導入後は、向上が見られ、おおむね六五%で推移しているというふうに認識しております。 ◆菅沼つとむ 委員 最初に導入するときには七十何%まで引き上げたいという答弁があったというふうに思います。今、ちょっと手元にそれがないので、十年間で五%しか上がっていない。二十億円かけて本当によかったのかということが出てくると思います。  それからまた、けやきネットの団体登録のよくいう幽霊団体ですよね。御存じのように、在住在勤で五人以上いれば、団体登録をして、会計者の名前があると幾つでもつくれる。そういうことや何かを今までもチェックしていますかというお話をしたんですけれども、余りきちんとした答弁がないので、もう一度聞きます。 ◎萩原 地域行政部長 お話しの幽霊団体は、当選率を上げるため等の理由で重複登録している団体が考えられます。重複登録の防止につきましては、登録時に代表者の身分証明書で本人の確認を行う、それから代表者と連絡者の二名をシステムでチェックする。それから、当選後、特定の団体に譲渡を繰り返すなど、不自然な動きをシステム上で抽出するなどにより、重複登録の確認をしております。その結果、平成二十二年度より昨年度末までに、譲渡を繰り返すなどしていた約四百七十団体の改善に取り組みました。  ただし、依然として重複した団体が利用しているとの苦情が寄せられているため、平成三十年五月予定のけやきネットの改修時に、現在の登録の自動更新はやめまして、定期的に更新手続を行い、チェックの機会をふやすとか、他自治体でも例のある登録時や更新時に団体登録料、更新料を徴収し、団体のコスト面からも重複登録を防止する仕組み等の導入について検討しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、登録だとか、二年間の切り返しをやったんじゃないんですけれども、それじゃ、やっぱりチェックできないんですよ。ちゃんとした登録を、その中で名簿が出てきているわけですから。電話も全部書かせて、それでたまにやらないと、それは無理ですよ。最初が、けやきネットが入るとき、多分千二百団体ぐらいか千三百団体ぐらいかというふうに記憶していますけれども、けやきネットが出てぼんと倍になった。なぜかって、施設が変わらないのに、倍になったということは、みんながとれなくなって、今まで同じ人が、ここでずっと使っていた人がとれていたのに、いろんな人が区外から、特に区外は二十三区、世田谷以外は結構チェックが厳しいですから、だから、世田谷区は使いいいよとなって、大分入ってきたんです。だから、急に倍にもなっている。施設が倍あるわけじゃないですから、その辺をきちんとチェックしていただきたい。  そのときに、区が導入したときに、地区会館、それからセンター、ああいうものは地域の核としてやっていきますよということで導入したんです。よりよくなってとりやすくなる。ところが、けやきネットが入ってきたら、高齢者の団体が同じ日にちにいつもとっていたのがとれなくなって、今ならメールか何かでできればいいですが、あのときは一々連絡しなくちゃいけない。そういう地域の活性化するというのが大分落ちているわけ。だから、その辺はきちっとやっていただきたい。  今度は生活文化部に動くそうですから、その現場をよく見て、判断していただきたい。どうでしょうか。 ◎萩原 地域行政部長 団体数で見ますと、今、おっしゃったように、けやきネット導入時の平成九年度末は約一万二千団体弱だったものが、二十七年度末には二万八千余りまで伸びております。それで、ある意味、活動の活発化が見られたということもございます。また、区民優先、地元優先の考えに立って、区民優先申し込み期間の設定ですとか、主な活動施設、いわゆるホームグラウンド制の導入などに取り組んだ結果、地域の活性化に一定の成果はあったものと考えております。ただし、委員も御指摘のように、まだまだ不十分な点もあると思いますので、これについては、改修時に、システムだけではなくて、ソフト的ないろいろなチェックの仕方についても考えていきたいと思います。  なお、地域行政部は、区民生活領域に四月から移りますけれども、この所管は生活文化部ではなくて、引き続き地域行政部で担当してまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 生活文化部の田中さんのほうに吸収されるのかと思ったら、そのまま動くわけですね。それは失礼いたしました。だけれども、行ったときに、本当に現場、これから高齢者が元気で集会して、好きなことをやって、医者にかからずぽっくり死ぬというのが理想なんですから、そういう場を潰していたら、高齢化社会にもたないというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に行きます。建築物の高さ制限、既存不適格についてお聞きします。  私の持ち時間がないので、全部言います。実際には、既存不適格のほうが四百三十一棟、それで逆に言うと、その戸数というのは大体二万五千、それで高さを低くしてやる、本当はそれがいいのか。やっぱり高くして、空地をあけて、緑をたくさん植えて、隣と隣の間隔をやったほうがいいんじゃないか。当然、これだけの人なんですから、勝手に自分の財産だとか、そういうのを減らされたときに、資産価値も減るということになって、それは裁判になったら負けるでしょうというふうに思っている。この計画が本当に緑が多く、よくなるのかというのが疑問です。  私の時間は終わりましたので、やめさせていただきます。 ◆真鍋よしゆき 委員 それでは、まず最初に、住宅管理条例の一部の改正について申し上げたいと思います。  昨日の都市整備常任委員会で、区より区民周知、区長の諮問機関である住宅委員会への報告、意見聴取などを今後行っていくとの説明がありました。今回の条例改正の提案は、四月の募集に間に合うようにとのお考えのものであったでしょうが、委員会での指摘、提案を受け、世田谷区も必要と判断して、さきの説明になったと思います。私ども自由民主党としましても、区の説明にあった内容をしっかり注視し、今後の区の報告をしっかり受けとめ、住宅管理条例の改正に真摯に、真剣に対応させていただきたいと申し上げておきたいと思います。  それでは、質問に入りたいと思います。  先日、区議会の特別委員会で、区の後援する団体の講師について質疑があったと伺いましたけれども、私も前から確認したかったことがありますので、伺いたいと思います。  まず、区の広報板に掲示できるのはどのような行事なのか教えてください。 ◎萩原 地域行政部長 区の広報板は、区民の区政に対する理解を増進するとともに、地域コミュニティー活動を促進し、区民福祉の向上を図ることを目的に、現在、区内約七百カ所に設置しているものでございます。  掲示面は二分の一ずつを行政コーナーと地域コーナーに分けております。行政コーナーでは、区が主催する事業、区と国や東京都等が共催する事業、国等が主催する事業、区が後援する事業などに関するものを掲示する内容とし、所管課からの申請を地域行政課長が承認する旨、広報板管理要綱で定めております。  一方、地域コーナーは、同じ要綱で、地域活動団体が地域コミュニティー活動に関する掲示物を掲示することを目的としております。その掲示物の内容は、区が後援するもの、そのほか後援がない場合は、使用の条件として、営利を目的としない、特定の政治活動または宗教活動を援助、助長、圧迫、干渉等をするものではない、活動場所が原則区内である、公序良俗に反しないことなどを満たすものと定め、団体が申請し、各総合支所地域振興課長がその使用を許可できることとしております。 ◆真鍋よしゆき 委員 前からちょっと気になっていたので、確認したいんですけれども、平成二十四年十一月二十二日に行われた参議院議員、川田龍平氏の「いのちの対談」企画の「チョットここだけの話!!」というのが、こういうポスターだったんですけれども、これが区の広報板に掲示されていたんですけれども、これはどのような基準で掲示されたのか教えてください。 ◎進藤 烏山総合支所長 御質問の件につきましては、広報板掲示に関する書類の保存年限を経過しており、関連文書が保存されておりませんので、具体的な内容を確認することはできませんでした。当時、申請を受け、広報板管理要綱等に基づき掲示されたものと理解しております。  今後とも、区施策等を広く区民に周知することや地域住民にコミュニティー活動を紹介するという区の広報板の設置趣旨を踏まえ、区民の誤解を受けることがないよう、適切に広報板の活用を進めてまいります。 ◆真鍋よしゆき 委員 先ほどのいろいろなルールがあるという中でお答えをいただいたんですけれども、一見政治活動用ポスターみたいなお知らせが区の広報板にあったので、私も各広報板で見てちょっとびっくりしたんですけれども、一つのきちっとしたルールがあり、やっているんでしょうから、今後もそれに照らしてしっかりやってもらいたいと思うんですが、そこでお尋ねしたいんですけれども、世田谷区が後援をしている団体で講師を呼ぶ場合というのは、やはり何かルールがあるんですか。 ◎岡田 総務部長 区が後援する場合の取り扱いにつきましては、世田谷区名義使用承認事務取扱要綱というものがございまして、こちらに定めております。例えば区の名義を使用ができる団体につきましては、地域団体や文化活動団体等で、特に公益性の高い事業を行う団体など六つの要件、また、事業につきましては、区民の教養や文化の向上、普及、あるいは福祉の増進に寄与するもので公益性が高いものであることなど、五つの要件を要綱上定めております。  各所管では、団体から区の後援名義の使用について申請を受けた際には、その団体や事業内容について、要綱に規定されている承認基準に照らしまして、まず所管課としてその可否を決定した上で、承認できる場合については、総務課長、総務係長の協議を経て、部長が決定するという流れになっております。  お尋ねの区が後援する団体が講師を招く際のルールにつきましては、後援できる事業の定めの中で、要件としてその講師が事業の目的に照らして適当な者であることというふうに設定しているところでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、御説明の中で、その講師が事業の目的に照らし、適当な者であるということが大きな要素だということがよくわかりました。何か講師を呼ぶときに、その方の御商売が何だとか、どういう立場にいるとか、そういうこともあるんでしょうけれども、この事業の目的に照らして適当な者であるということを判断、区も判断するし、そこへ呼ぶ主催団体もそうなんでしょうけれども、そこで行われるということを改めてここで確認をさせてもらいたいと思います。 ◎岡田 総務部長 後援名義をする際には、区のほうでも判断をさせていただきます。あくまでも団体がその御判断で呼ぶことになると思いますが、後援名義を使用する際には、そのようなことになります。 ◆真鍋よしゆき 委員 いろいろな団体がいろんな活動をしているわけですけれども、例えば議会で質疑があったとか、区のほうの幹部の方の耳に聞こえたとか、それでどうこうということじゃなくて、今のルールのように、やっぱりそれに適合しているかどうかというのが判断の材料だということをよく確認できましたので、そのルールにちゃんと従って、今後ともやっていってもらいたいと思いますし、私も地域に帰りましたら、これがルールだよということを説明しておきたいと思います。  続きまして、都区財政調整制度についてお尋ねをしたいと思います。  それで、よくいろいろな区の事業の中で、これは財調に算定されていますということで、財調に算定されたら、これはもうみんな東京都からお金が来るんじゃないかなんていう誤解があるやなしやということですが、改めて申すまでもなく、本来の市町村民税であります固定資産税、法人住民税、特別土地保有税は東京二十三区だけ東京都が徴収して、四五%を東京都が使い、残りの五五%を二十三区に都区財政調整交付金として配っていると。ですから、算定になったからといってどうこうと、それが全て保障されるわけじゃないと、こういうことだと思いますが、改めてこの財調に算定された事業は全て交付金として区が受け取れるのか、確認で質問したいと思います。 ◎板谷 政策経営部長 都区財政調整交付金の普通交付金のほうですが、特別区が行う事務に必要な額を積み上げ、基準財政需要額をまず算定します。委員お話しの財調に算定された事業というのは、この基準財政の需要額として算定されている事業ということになるかと思います。  実際の普通交付金の額の算定方法ですが、歳出である基準財政需要額と歳入である基準財政収入額のほうを算定し、需要額が収入額を上回っている場合、その差額が交付されることとなります。したがいまして、基準財政需要額に算定されたからといって、需要額としての算定額をそのまま交付金として受け取れるというわけではございません。  なお、普通交付金の基準財政需要額に算定されなかった事業で、区ごとに特別の需要があると認められる場合には、特別交付金として交付されるものもございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 今御説明があったとおり、基準財政需要額と収入額、差額という部分で、不交付の区もかつてあったと記憶していますし、もともと全体の中で四五%を東京都が使って、残りの五五%と限られているわけですから、算定になっているからこれが来るということじゃないと。非常にこれは都区制度改革の本質的な議論のテーマですけれども、こういう状況に二十三区はあるんだということです。  それで、具体的なテーマとして、今議会でもテーマとなっております国民健康保険のシステムの改修、これが財調に算定されるということを何度か聞いたんですけれども、これは全額都から補填されるんですか。 ◎板谷 政策経営部長 お話しの国民健康保険を含む電算システムなんですけれども、いわゆる運用経費につきましては、財調の普通交付金で算定をされております。一方、システムの改修費につきましては、普通交付金の基準財政需要額に算定されていません。このような経費につきましては、財調の特別交付金として申請をし、交付金を受け取れる場合がございます。法改正などによる電算システムの改修経費につきましては、ここ数年、特別な需要として、特別交付金の対象として算定をされておりますけれども、全額交付されるわけではなく、申請額の二分の一の交付となっております。 ◆真鍋よしゆき 委員 運用経費と改修ですよね。それで改修に三億円でしたっけ、聞いていますけれども、ということは、今のお答えで、これを変える場合には、申請額の二分の一の交付と区は見込んでいると。だから、ちょっと数字をまた教えてほしい。三億円だと一億五千万円で、一億五千万円はそのまま区の支出となるという理解でいいんですか。 ◎板谷 政策経営部長 そのとおりでございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 こういうことで、市町村に認められている財源でありながら、二十三区特別区だけはこのような形で東京都に納められて、基準財政需要額とか、これもすごい難しい厚い本ですよね。東京都が自分たち、余り二十三区にあげたくないからつくったんじゃないかななんて、私はうがった見方なんかもすることがあるんですが、よくわからないもので、そういうところで調整されて、計算したら、あなたはこれだよなんていうことを、二十三区に交付されるというこの状況は本当にいかがかなと思います。後ほどこれはまた尋ねていきたいと思うんです。  これのまた具体的な例で都市計画道路、都市計画道路というのは本来東京都が整備する事業だと私は思っているんですが、区施行ということで、世田谷区が乗り出して施行している部分が結構な数あります。これは当然、固定資産税であるとか、都市計画税もそうかな、いろいろな税金が都に行っていて、その都市計画決定権者もそうですよね。用途地域の話もよく出ますけれども、そんな中で、じゃ、区が施行する場合は当然東京都から全額払われる――国の補助金があってもいいんですが、交付金があってもいいんですが――と思うんですが、これは中身はどうなっていますか。 ◎板谷 政策経営部長 お尋ねの都市計画道路の整備に係る事業費の財源構成なんですけれども、まず事業費のおおむね二分の一につきまして国庫補助金が入ってまいります。次に、都市計画道路整備などの都市計画事業に対しましては、東京都より都市計画交付金という補助金が入ってまいります。この都市計画交付金は、事業費から国庫補助金を差し引いた残りの額の二五%を基本として交付をされます。さらに、都市計画交付金の対象経費の残りの七五%の部分につきまして、四分割をして、翌年度以降の四年間、財調の普通交付金の基準財政需要額に上乗せをすると、そういった仕組みになってございます。 ◆真鍋よしゆき 委員 具体的な例を取り上げてきましたけれども、これは本当にずっと二十三区の課題、懸案事項であるんですが、これまでも区長にこの点については何度か質問をさせていただきましたが、今、具体的なこのやりとりの中で、やはりどう考えても、本来市町村民税である固定資産税、法人住民税等が徴税権が世田谷区にないと、東京都から交付金をもらっているという状況を保坂区長はどう考えているのか、改めてお尋ねしたいと思います。 ◎保坂 区長 大変理不尽なものと感じております。戦時下で東京市の解体と特別区の設置ということで、都区制度がスタートしているわけですが、既に時代の変化に対応できていない、改革が必須であるというふうに考えております。  平成十二年に都区制度改革によって、法的にも基礎的自治体という位置づけがされたわけですが、今、委員御指摘のとおり、例えば都市計画決定権限など、地方分権改革で市町村に認められた権限が「(特別区を除く)」ということで、村以下の権限だということであります。とりわけ九十万都市クラスで課税自主権がこれだけ制約されているというのは極めておかしいと思っておりますし、他の自治体の政令市から小規模な市町村長まで、お話しする機会が最近は非常に多いんですけれども、二子玉川にグローバルな大手企業が入りましたよねと、ニュースで見ていて、随分税収がふえたでしょうと言われたときに、いえ、変わりございませんといって、このいわゆる財調を説明するわけです。そうすると、皆さん本当に驚いた表情をされます。  固定資産税については、いわゆる住民税、あるいは法人住民税と違って景気の変動を比較的受けない、いわゆる定額ベースで収入が見込める財源でございます。大体他の自治体は、例えば産業振興だとか、あるいは保育の推進だとか、環境、緑だとかいうことに、この固定資産税を使ってインセンティブをきかせて政策誘導します。例えば劇場をつくったら固定資産税十年間減免とか、そういうことで、これが全く使えないというのも都市経営にとって非常に欠落でございます。  長期的なビジョンに立てば、やはり課税自主権をしっかり確保していくということを目指していかなければならないというふうに思っておりますし、九十万に近い区民が福祉、子育てと、さまざまなニーズが広がってございます。この税源の確保、課税自主権の獲得も含めた都区制度改革、これはまた区と、区長会としても意思疎通をして、今児童相談所を全力を挙げておりますけれども、改革を進めてまいりたいと思います。 ◆真鍋よしゆき 委員 今、お話がありましたとおり、市町村ですと、まちづくりを行って、どれだけ新しい住民に来てもらって、住民税だけではなく、固定資産税も確保するか、また企業を誘致して、法人住民税を確保するか、そういう産業であるとか、まちづくりというものと、そのやった成果が直結するわけですね。  富山の話はよく出ますけれども、富山のコンパクトシティーというのは、富山がどんどん拡大をしていった。ところが、人口が減ってきた。もうそれこそ限界集落がふえてきた。その方々にもう一度、LRTを初めとした新交通システムを充実し、まちづくりもやり、病院や店舗やいろんなものを集中させる上で、みんなこっちへ移り住んでくださいよ、そうすると、その人たちにはという制度にしたわけですね。それでいろんな補助をした。最初は反対が物すごかったらしいですね。そんな人が住むところに補助するなんてとんでもないと。そのときの副市長さんだったと思いますが、国からの出向の国土交通省の方じゃなかったかなと思うんですが、その方が言っておられましたけれども、最初は物すごく反対があったけれども、やってみたら、どんどん新しい人たちが富山の整備した中心にふえて、固定資産税がどんと上がって、富山市が使った支出よりも固定資産税の額のほうがうんと上で、もう誰も文句を言わなくなったと、こういう話を私は聞いたことがありますよ。  というふうに、固定資産税がこの世田谷区の税金だったら、それから法人住民税が税金だったら、私は違う世田谷区の姿になっていると本当に思えるんですね、まちづくりにしても。それから、よく出てくる準工業地域のこともそうですね。準工業地域であっても住宅ができる。どんどんどんどんできて、従来あった工場がどんどんどんどん追い出されていく。本来これが世田谷区の税源であったならば、その産業振興、法人住民税というものをしっかり受けとめたなら、今の姿があったのかといつも思います。  そういうことで、これは本当に大事なことだと思うんですが、今ふるさと納税の話がよく出ます。ふるさと納税が、結局はもう地域の中の産業の一つの仕組みに組み入れられていますから、これがなくなるということは私はないと思います。いろんな形は変えていくんだろうし、いろいろ要望もされていると聞いていますけれども。そもそもこれはほかの市町村は、今言ったそれぞれの徴税権があるわけですけれども、二十三区はもともとないわけですから、もともと土俵が違うわけですよね。土俵が違って、その税金が納められない上に、ふるさと納税はそのままダイレクトで来ちゃう。  二十三区の区長さんの話がさっき出ましたけれども、多分、都区財政調整交付金が結構たくさん入る区は、今のままのほうがいいなんて思っているかもしれないけれども、例えばもう二十三区同士で清掃工場がないところ、あるところがあるわけですね。ないところは、あるところにちゃんとお金を支払う仕組みができているわけですよ。同じ二十三区の中でも、それぞれがバックアップしながらそれぞれがカバーするというのはできるわけですから、何も東京都を介して、東京都から交付金をもらうなんていうことじゃなくても、これは自主財源にして、二十三区できちっと話し合えば、私はできると思うんです。  だから、ふるさと納税の問題を契機に、もう一歩踏み込んで、ただ、国に対して、ふるさと納税の今のことについていろいろと意見を言われているというのは、私も伺っていますけれども、もう一歩踏み込んで、もともと二十三区は土俵が違うじゃないかと、区長会でもこのことを真剣に議論して、国に要望して、自主財源を取り戻そうよって、そこまでの議論を私はすべきだと思うんですが、区長はどうお考えですか。 ◎保坂 区長 おっしゃるように、固定資産税、また法人住民税というところが財調ということで制約されている上に、唯一の大きな柱の住民税も直撃を受けているのがふるさと納税、しかも全国の自治体、例えば函館市とか、富良野市などでもやはりマイナスだそうですが、マイナスに関しては、交付金で四分の三手当てされるというところが、二十三区は全くないので、全く純減で直撃を今受けているということであります。  二つあると思うんですが、一つはやはり区民に対して住民税がどれだけ重要な働きをしているのかということについて、意外とその関係が、ふるさと納税が住民税を減じていくという関係が、言われてみればそうだったのかというような方もいらっしゃいます。我々は反省しておりまして、もっとそれは宣伝、事実はこうだというのを出していかなければいけない。同時に、今おっしゃったように、二十三区自体が歴史的にもう機能不全に陥っている都区の関係の中でこういった問題を受けているわけで、この議論を契機として都区制度改革、とりわけ今回の問題については、東京都も相当影響を受けているんですね。これに関して、法人住民税の国税化の問題、そしてプラスふるさと納税、なかなかまだ発信がないのはおかしいということも、都にも申し上げていきたいと思っておりますし、区長会を通して、今おっしゃった趣旨の提言を進めていきたいと、大変賛同いたします。 ◆真鍋よしゆき 委員 ぜひとも積極的に活動してもらいたいと思います。  それから、この定例会、議会でもいろいろ話題になっておりますけれども、区の施設整備です。それで、財政状況を考えると、今後大変なことになるよという他会派からのきめ細やかな説明もいただいて、皆さん、理事者側も、議会の側もこれは大変だなと思っている今だと思うんですよ。もちろんPFI法ができて十数年と、前回の決算委員会でお話ししました。あの当時は、全て区が何か建物を建てるとき、何かつくるときに、全てPFIのフィルターにかけて、それでもそれにかからないものは区がやるんだという議論を私は平成八年ぐらいかな、やったことがあるんですね。その当時、世田谷区にはPFIの専門のプロジェクトというか、検討チームがあったと思うんですよ。それから十数年たって、その辺ちゃんとやれているのかなと本当に疑問、それで今新公会計制度等々で、区もやっとこれから動き出すみたいな感じなんですけれども、もうやっぱり発想の転換をしていく時期だと思うんです。  それで、いろいろなやり方があるわけですけれども、一番極端な話は、区が建物を持っていても、固定資産税も払わないと、さっきの話じゃないですけれども。これを例えばやる方法として、区が必要なものを、区の土地を売ります。お金をもらいます。その方に建ててもらいます。区がそこを借ります。その方は固定資産税を払います。でも、区が借り主ですから、安定した借り主だと、こういう発想までみんなあるわけですよね。だから、これはもう煎じ詰めれば、行政、区というものが含み資産を持つ必要があるのかと、ここの議論になるわけですね。ここまで踏み込んで研究してもいいと私は思いますし、ぜひとも世田谷区はこういうことを検討すべきだと思いますが、区のお考えはいかがですか。 ◎板谷 政策経営部長 区では、今般、公共施設等総合管理計画の案でもお示しをしたとおり、公共施設整備における官民連携を積極的に研究、推進をしてまいります。その中で、PFIなど、民間の資金を活用した施設整備の手法も一つとして考えられます。  委員のお話もありましたけれども、民間では、当面の資金を調達するため、自己所有の物件を売却したりだとか、あるいは借り上げに切りかえ、また資力が回復した場合には買い戻すと、セールス・アンド・リースバックという手法を使ったりすることもございます。  区におきましても、例えば当面の資金が必要な場合や一定期間経過後には需要がなくなり、施設の廃止が見込まれる場合には、先行して売却し、借り上げに切りかえることが優位であることも考えられます。一方、施設のライフサイクルコストで考えますと、長期に保有管理することが明らかで、当該エリアにおいて不可欠な庁舎や学校等の基幹施設では、耐用年数の全期間を借り上げるよりも、自己所有のほうが安価であるため、借り上げのメリットが見出せないと考えます。  いずれにいたしましても、新公会計制度による資産情報や起債の情報も踏まえながら、どのようなケースで活用することが適当であるのか、民間の事例等も参考にして研究をしてまいりたいと考えております。 ◆真鍋よしゆき 委員 ぜひともここはしっかり踏み込んで、研究をし、実行していくテーマだと思います。  それで、肝心なこと、もう一つ本当に大事なテーマで、区内産業育成があります。先ほど言いましたけれども、PFI法案ができて十数年、それと同時に、そのPFIをやっていくと区内産業はどうなるんだという議論がいつもあるわけですね。あの当時も、それはもう同時に研究をしていって、区内産業にもその新しい制度がちゃんと活用されて、自分たちのところの仕事が継続できるということをやっていこうというのが肝心であるということを話し合っていた記憶があります。これからも今の答弁で、この新しい新公会計制度であるとか、いろんな手法をやっていく中で、これは区内産業だけが取り残されてしまっては困るわけです。ですから、一緒になってこれを研究していくということが必要だと思うんですが、区のお考えはいかがでしょうか。 ◎板谷 政策経営部長 PPPとかPFIなどの民間活力を生かした公共施設の整備手法の導入は、適している事業、リスクや適正対価の見きわめなどが必要でございます。高度なノウハウが求められると同時に、地域経済の配慮も含めて総合的に判断していくと、公共施設等総合管理計画で整理をさせていただきました。  お話しの区内事業者の活用などにつきましては、民間でPPP/PFI事業の経験がある職員などもおりますので、メンバーに入れながら、各手法の課題や方向性を整理した上で、新しい制度、手法に対応できるよう区内事業者の方々とも協議や働きかけをしながら、ともにさまざまな手法を研究してまいりたいと存じます。 ◆真鍋よしゆき 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  以上で午前中の自民党の質疑を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午前十一時五十七分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○和田ひでとし 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆畠山晋一 委員 では、午後の自由民主党世田谷区議団の質問をさせていただきます。  けさもロンドンでテロ事件が発生して、昨年は熊本の地震が発生して、この間、危機管理というところの質問を企総の領域の中で質問させていただきましたけれども、今回は補充の質疑で、危機管理というところの対応に関して、世田谷区としての体制について伺いたいということで質問をさせていただきます。  危機管理の体制について、現況の世田谷区の危機管理の専門職の設置というところで、警察官の方は既に配置されているわけですが、専門職の設置の進捗と具体の役割と位置づけはどのようになっていますでしょうか。
    ◎板垣 副区長 専門職につきまして、その配置につきまして、関係機関に人材の推薦をお願いしていましたところ、消防庁よりOB職員の推薦をいただきましたので、この四月に非常勤職員として配置をしていきたいというふうに考えております。  職務につきましては、平時につきましては、災害対策、危機管理に係る調査研究、助言、普及啓発及び関係機関との連絡調整や地域防災計画等関連計画策定に係る助言、区及び区民が実施します各種訓練等における助言などを行っていただきたいと思います。また、有事の際は、情報収集、分析、対応策の助言、関係機関との連携、調整等を担う、そういう役割で配置をしていきたいというふうに考えております。 ◆畠山晋一 委員 そうしますと、有事、仮に次の瞬間に地震が発生してもおかしくない、もう七割の確率と言われて、平成十六年の、あれはたしか文科省の勉強会の地震調査研究の中で、平成十六年から三十年の間で七割の確率で関東を直下する地震が発生すると。それがまた平成二十六年に再度調整、審査されたところ、今なお、その七〇%の確率は変わらない。また、京都の大学の先生の研究によれば、これも八〇%、一〇〇%に近い確率で八年以内に発生するんではないかというぐらいに、いつ来てもおかしくないというのは誰もが御存じの状況のはずです。それは、我々区民もそうですし、行政側の執行部の皆さんもそういうお気持ちでいられるはずです。  その中で、危機管理担当の専門家をそのようにして、平時は、そういった情報連携とか、研究のために来ていただくということになるわけですが、実際に地震が起きました。そのときの災害対策本部の長はどなたになるわけですか。 ◎板垣 副区長 災害時の災害対策本部の本部長は区長となります。 ◆畠山晋一 委員 災害対策の本部長は区長になって、副本部長は、きょう見えている板垣副区長と宮崎副区長と堀教育長ということですよね。その下に、また災害対策の本部の部員としてそれぞれが配置されるというところですが、今回伺いたいのは、区長もしかり、副区長もしかり、教育長もしかり、それぞれにさまざまな経験と知識をお持ちであることは、もうこの間は我々も重々承知しているところではございますが、でも、平時と違って有事、地震が発生したときの判断、決断をするということは、さまざまな経験、知識を持ってしても、どうしたらいいんだろうかという状況になる可能性があるわけですね。  この間も、東北大震災のときも自治体の首長にさまざまな判断を委ねられる状況があった。そのときに的確な判断または決断ができなかったがために、本来、失われべからざる命が失われてしまったという事態が発生している。そうなると、これが現実としてそういうことが起きたわけですから、そうすると、私の考えとすると、もちろん皆さんの能力があるのはわかっておりますが、危機管理のスペシャリスト、本部長は区長、その下に副区長と教育長はいるけれども、もう一人、危機管理というところでのスペシャリストをきちっと名義づけして、その連携をとるべき体制にもう既にあるべきだというふうに考えるわけですけれども、どうでしょうか。 ◎板垣 副区長 今おっしゃっていただいたように、災害対策本部は区長が本部長でございますし、副本部長は我々副区長、教育長が副本部長となります。その本部員といたしましては、災対地域本部の支所長ですとか、各部長で構成されます。区長の指揮、監督のもとに、警察、消防、自衛隊、電気、ガス、鉄道、通信などの指定公共機関と連携しながら、その応急対策に当たるということになりますので、もちろん今回危機管理の専門職を配置させていただきますけれども、その区長がさまざまな判断をされる、あるいは指揮をされるときの、当然そういう有事の際のアドバイス、助言はしっかりしていただくために、そのサポート役としてはその役割を担っていただきたいというふうに考えております。 ◆畠山晋一 委員 僕が言っているのは、サポート役はわかりましたと。何名になるか、警察官、消防官、自衛官、どういった方になるか、いろんな形での危機管理の対策をすることは伺っておりますけれども、そうじゃなくて、その人たちは情報連携でいろんな経験と知識をいただくけれども、もっと危機管理というところでのスペシャリスト、要するに副区長レベルに並んできちっと判断できるようなスペシャリストを専門家として配置する必要性があるのではないですかというところなんですけれども、そういったお考えはありませんか。 ◎板垣 副区長 そういう意味で、今回東京消防庁のほうからOBの御推薦をいただいておりますけれども、その方もいわゆる消防署長等の経験もおありの方を御推薦いただきましたし、そういう面では、スペシャリストとしての、いわゆる東京消防庁の中でもスペシャリストの方を御推薦いただきましたので、今おっしゃったような役割も果たしていただけるというふうには思っております。 ◆畠山晋一 委員 消防官のスペシャリストはわかります。これは消火活動をやる救急救命です。警察官は防犯の対応で、自衛官は有事のときのテロ対策とかの専門家をされているわけですね。これの専門家は要はいないわけじゃないですか。その人は消防の専門家であって、こっちは警察の専門家であって、でも、テロなどの有事の対応のその専門家といいますか、決断、判断するための、または決断、判断できるようなスペシャリストはいないわけじゃないですか。地震が発生したらどうするべきかというところへの判断がいないわけですよ。それはいなくていいんですかということを聞いている。そのスペシャリストを危機管理監なるものできちっと配置するべきであると考えるわけですけれども、それは要らないんですかということです。 ◎板垣 副区長 繰り返しにはなりますけれども、今回もそういうような立場で、いろいろアドバイスを日ごろからもしていただく。我々の計画もいろいろつくっておりますけれども、そういうもののチェックも平常時にはしていただいた上で、そういう災害時の際には、またサポートもいただくということ、それから、どんな関係機関からの方をお願いするかについては、引き続き調整をしていきたいというふうに考えております。 ◆畠山晋一 委員 そうすると、じゃ、危機管理監なる、今副区長がおっしゃっているのは、いろんなフィールドワークをしてきた方たちの専門のノウハウをいただくということであって、決断、判断するためのスペシャリストではないというふうに私は考えるわけですけれども、そういったスペシャリストは、今はまだ世田谷区としては要らないと、つくらないということでいいんですね。 ◎板垣 副区長 例えば有事の際に、各関係機関、消防も、あるいは自衛隊にも出動していただくというようなこともあろうかと思います。ただ、その組織、組織において、当然有事の際には、その組織の中での指揮官がいて、区としては、区のほうの区長が本部長として、当然区のやるべきことの指揮をやるわけですけれども、例えば消防は消防としての指揮官がいてやる。その連絡調整は当然十分にやらないといけないわけですので、そういうことの中で、災害時に全体に当たっていくということを考えておりますので、別途に危機管理監という別な指揮官を置くという意味ではないんではないかというふうには思っております。 ◆畠山晋一 委員 わかりました。僕が言っているのは、危機管理監なるスペシャリストをきちっと配置する必要性があるよと。何がどう起きるかわからない。消防官でも、警察官でも、自衛官でも、いろんな方でも総合的な判断をしなきゃいけない状況になってくるというのが、もう火を見るより明らかなわけですから、その専門家の必要性があるというふうに考えているわけだけれども、そういう人は設置しないということで、今はそういう状況ですということの判断はお聞きしましたので、この先、このことについても質疑を続けてまいります。 ◆石川征男 委員 自民党二番バッターとして質問をさせていただきます。  続いて、災害対策、今、質問したんです。  実はこの災害対策、今まで皆さん、たくさんの方がこの質問をしてきました。きょう質問したのは、実は私、町会の防災講演会に出てシミュレーションを見たときに非常に怖いなと思いまして、あえてきょうは内容じゃなくて、どうやって区民にその危険なところを知らせるかというところから質問させていただきますので、よろしくお願いします。  平成七年一月十七日阪神・淡路大震災が起きて二十二年が経過しました。平成二十三年三月十一日東日本大震災から六年が経過しました。平成二十八年四月十四日熊本地震が起きて、間もなく一年がたとうとしております。  三十年以内に七〇%の確率で発生すると予測される首都直下地震、このような状況の中、先日、祖師谷地区町会連合会の防災講演会が開催され、出席してまいりました。成城消防署の担当がプロジェクターを使用し、震災時に火災場所が一カ所、三カ所、五カ所等の時間経過のシミュレーションを見せていただきました。出火場所が一カ所で無風状態だと三時間後の焼失棟数は三十五棟、出火場所が同じようにして一カ所で風速十五メートルの状態だと、同じ三時間後の焼失棟数は百六十七棟と四・七倍にも広がるそうです。説明の中で、いかに初期消火が大切であるかを力説しておりました。震災時、家が倒れる状況では、道路にも障害物が散乱しており、消防自動車もなかなか到着しにくい状況だと消防官が話しておりました。  震災時、火災による被害を防ぐには初期消火が大切ですが、何より火を出さなければ被害を少なくすることができます。同じように、家の倒壊や建物の中の家具の転倒を防ぐことで区民の皆さんの生命を守ることができるのです。特に費用対効果の高い家具転倒防止器具の取りつけは、震災時の人の被害の軽減に有効だと考えております。  まず、熊本地震から一年、東日本大震災から六年という節目を捉え、今すぐにでも行うべき震災時の出火、人的被害軽減のために、建物の耐震化、感震ブレーカーや家具転倒防止器具の普及啓発に区として積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎関根 防災街づくり担当部長 熊本地震などの大震災の教訓から、人命を守り、建物からの出火を抑制するためには、建物の耐震化とともに、家具転倒防止器具や感震ブレーカーを普及させることが大変重要であると認識しております。  住宅の耐震化や家具転倒防止器具の取りつけは、住宅の所有者がみずから取り組む必要があるため、区では、各種支援制度を用意するとともに、建物所有者への啓発として、区内二十七カ所のまちづくりセンターでの耐震相談会の開催や地区防災訓練や避難所運営訓練において、建物倒壊実験模型を用いた実演を行うなど、さまざまな機会を捉え、働きかけを行っております。また、感震ブレーカーにつきましては、区のホームページや区報などにおいて、防災用品のあっせんとして区民に御紹介しているほか、不燃化特区エリアなどにおいて設置、購入に係る補助を行っております。  区といたしましては、今後ともこれらの支援策を拡充するとともに、家具転倒防止器具につきましては、委員御指摘のとおり、費用対効果も高いと考えられるため、一般区民への啓発をさらに進めながら、高齢者や障害者などの災害弱者を所管する福祉部門などと連携協力し、普及啓発に努め、万が一の震災時に、区民の生命を守る取り組みを推進してまいります。 ◆石川征男 委員 こうした減災への取り組みをよろしくお願いします。  そして、いざ地震が起きた場合には、揺れがとまり、助かっていたら、家族、そして隣人の安否確認です。次に、隣近所で初期消火活動でございます。  近年、災害時の初期消火対策として、町会・自治会、商店街等でもスタンドパイプを購入しているところが多いと聞いています。発火時にスタンドパイプを使用した消火訓練を行い、その習得を図ることが重要であると考えますが、見解をお伺いします。 ◎寺林 砧総合支所長 震災時の減災には、御指摘のとおり、初期消火は極めて重要であり、そのためには、スタンドパイプやD級可搬ポンプなどの配備とともに、日ごろの訓練等によりまして、発災時により多くの地区の方々が使いこなせることが大切です。  実際に道路上の消火栓とスタンドパイプを接続して消火訓練を行うためには、事前に東京都水道局による消火栓の使用許可、それから警察によります道路使用許可、これに加えまして、消防署員の立ち会いも必要となります。  砧総合支所では、こうした関係機関との調整を図りまして、地区の方々によります訓練実施への支援を行うとともに、管轄の消防署の御協力によりまして、D級可搬ポンプ並びにスタンドパイプ操作説明DVDを制作しまして、町会・自治会など、防災区民組織に配付することによりまして、地区の方々の操作方法習得や訓練での活用に努めているところでございます。  今後とも関係機関と連携いたしまして、地区地域の減災に向けまして、より多くの地区の方々がスタンドパイプを使用し、初期消火を行うことができるよう、訓練実施への支援に継続して取り組んでまいります。 ◆石川征男 委員 引き続き、訓練への支援をお願いいたします。  町会・自治会の役員さんは、学校での避難所運営訓練やスタンドパイプを使用した防災訓練によく出席していただき、頭の下がる思いですが、それに反し、若い人が町会・自治会に加入していません。町会・自治会の役員さんも高齢化で数年先にはマンホールのふたもあかなくなります。そうなると、スタンドパイプを使用した防災訓練も行われなくなります。  そこで提案ですが、船橋希望中学校では、中学三年生が授業の一環として、普通救命講習を受講し、普通救命の資格を取得しています。これと同じように、中学校の一、二年生生徒の全員にスタンドパイプを使用した防災訓練を授業として受けてもらい、自分の住んでいる町会・自治会の防災訓練に参加してもらうというのはいかがなものでしょうか。教育委員会の見解をお伺いします。 ◎工藤 教育政策部長 委員お話しのとおり、中学生が自分の住んでいる地域において、保護者や地域の方々と協力しながら、防災訓練などに主体的に参加し、将来の地域防災の担い手となる素地を養うことは意義があると認識しております。  現在、各学校では、地域と連携した避難訓練や消火訓練を行い、安全に関してみずから的確に対応でき、判断力や行動力を身につけるよう取り組んでおります。例えばスタンドパイプを使用した消火訓練では、本年度は八校で実施しております。その他各学校では、マンホールトイレの設置や煙中体験、防災倉庫の確認、消火器体験など、近隣の消防署や地域の消防団などと連携を図りながら、各学校の実態に応じて授業や地域の避難所運営訓練を実施しており、実体験によって防災意識の向上が期待できると聞いております。  首都直下型地震の発生について、さまざま報道もされており、教育委員会といたしましても、児童生徒が安全に関してみずから的確に対応できる判断力や行動力を身につけるとともに、まちづくりセンターなどの区長部局が進める防災塾や地区防災計画などとも連動しながら、災害時に地域の人々や地域の安全に役立つ行動を主体的にできるよう、防災教育の充実を図ってまいります。 ◆石川征男 委員 震災対策について、中学生時代から触れ、体験することで、将来、子どもたちが地域の防災の一翼を担っていただくことを願ってやまないところです。  次に移ります。教科「日本語」の見直しについてお伺いします。  子どもたちが人間性豊かに、日本人としての誇りを持って、日本の文化、伝統を継承し、世界の人々とともに生きることができるよう育つためには、我が国や郷土の伝統文化に触れ、学び、理解することが大切である。教育委員会では、教育ビジョンの目指す子ども像の一つとして、日本の美しい風土によって育まれ、伝えられてきた日本の情操や文化伝統を大切にし、継承する子どもを掲げており、国際社会を生きる上で、自国の伝統文化を理解し、尊重することは、異なる文化背景を持つ人々と相互理解を深め、主体的に行動していくための基盤となるものと考える。  さらに、世田谷区独自の教科である教科「日本語」には、学習の狙いの一つに、日本文化の理解と継承を掲げており、子ども像を具現化する重要な取り組みである。特に実際に狂言や歌舞伎を鑑賞したり、茶道や華道などを体験したりしていると聞いているが、教科書に載っている文章を声に出して読んだり、写真を見たり、学習することとあわせて、実際に日本の伝統文化のすばらしさを体験することは、子どもたちの心に残る大変有意義な取り組みである。体験的な活動もあわせ、教科「日本語」の取り組みを今後も継続して取り組んでいただきたいと思います。  さて、今年度から教育委員会が教科「日本語」の検証、検討を始めると聞いたとき、どのような検討をするのかよくわかりませんでした。二月の文教委員会の報告では、教科「日本語」のよい面は継続していきながら、さらによりよいものとして改訂していくとお聞きしました。  そこでお聞きします。成果や課題について報告は受けたが、改めて今年度一年間の検討、検証で見えてきた課題は何かお尋ねいたします。 ◎工藤 教育政策部長 教科「日本語」については、今年度委員会を設置し、検証、検討を行ってきたところです。委員会では、意識調査や学習指導要領との関係、実際に実施している授業などの現状から議論を進めてまいりました。  委員会での議論を通して、主に学習内容やカリキュラム編成、題材の選定、教員の指導体制などが課題として挙げられました。例えば小学校での学習の中心を占めている朗唱については、学年が上がるに従って肯定的評価が低くなっていることなどから、小学校高学年において、深く考える内容や表現活動をさらに取り入れること、そのことにより、中学校との学習内容の難易度の差を減らしていくことなど、教員が指導面で感じている課題や他教科との横断性を持たせたカリキュラムに改訂していくことが必要と考えております。  また、教員の指導についても、研修の充実や教材研究などについての負担感の軽減なども含め、組織的な体制の見直しが必要であると認識しております。 ◆石川征男 委員 予算特別委員会文教委員会所管においても、他の会派への答弁で、今後の大まかな方向性や次年度以降の計画について話してもらったが、改めて、特に日本文化についてはどのような考えでいるのかお聞かせ願います。 ◎工藤 教育政策部長 委員お話しのとおり、教科「日本語」では、狙いの一つとして、日本文化を理解し、継承していくことを掲げており、言葉の力を中心とした伝統的な言語文化だけではなく、さまざまな文化を体験的、実感的に理解して学習していくことは大切であると認識しております。  我が国の文化や伝統に関する教育は、学習指導要領の中でも、国語や社会などの教科学習で取り上げられるようになり、これらの学習と関連させながら進めております。さらに、オリンピック・パラリンピック教育のテーマの一つに文化が挙げられております。具体的には、日本の伝統文化や異文化に対する理解を深め、認め合う学習を進めることとされており、カリキュラムマネジメントの視点からも、教科「日本語」での学習と関連を図りながら進めていくことが効果的であると考えております。  今回の委員会において、教員からもカリキュラムについての課題が挙げられておりますが、現在の教科「日本語」では、中学三年生においてまとめて日本文化の領域を学習しています。例えばこの日本文化の領域を中学三年間に毎年少しずつ学習できるようにすることで、さらに効果的になるのではないかと考えております。  また、小学校においても、世田谷区や日本の文化に係る内容を題材としていくなど、今後、さらに子どもたちの力を高める学習になるよう検討してまいります。 ◆石川征男 委員 教科「日本語」の取り組みはこれまで小中学校の取り組みであったが、報告書には、幼児教育についても触れられている。幼児教育について、具体的にどのように取り組んでいくのかお聞かせ願います。 ◎工藤 教育政策部長 幼児教育については、幼稚園教育要領の改訂に向けて、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が明確化されました。健康的な心と体や自立心など、十のイメージが示されている中に、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現が挙げられております。具体的な指導内容としては、教科「日本語」の日本語の響きやリズムに関する内容や、身体表現を通した表現活動などにおいて関連する部分が大きいと考えております。  幼稚園では、現在も絵本の読み聞かせや紙芝居を聞いて感想を伝え合ったり、なぞなぞやかるたなどの言葉を用いた遊びを楽しんだりする活動が行われております。これらの取り組みの際に、幼児教育の指導者が小学校低学年での内容を見据えた指導支援ができるよう関連を図っていきたいと考えております。  教育委員会といたしましては、今後、世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンの検討の中で、世田谷区の幼児教育と小学校教育が円滑に接続されるよう取り組んでまいります。 ◆石川征男 委員 次の質問に移ります。教員が子どもとかかわる時間の充実についてお尋ねいたします。  以前より教員の多忙については話題になってきたが、教員が質の高い授業や教育活動を実践するためには、子どもと向き合い、コミュニケーションをとる時間や指導計画の作成と教材研究の充実など、授業準備、授業力向上のための研修時間などの確保が必要と捉えております。  一方では、いじめや不登校の問題、また、保護者対応を含めた解決が困難な問題が発生しており、教員の負担がふえているという現状についてよく耳にします。学校が保護者の要望などを受けとめることが難しく、信頼関係が築けないような状況が生じ、その対応に膨大な時間がかかることも聞いており、解決までに大変な労苦が必要とされている。  今年度より設置されている教育支援チームの有効活用については、こうした教員や学校が抱える問題を解決へと導き、教員が子どもとかかわる時間を充実させることにつながると考えております。  そこで、教育支援チームについて幾つかお尋ねいたします。教育支援チームの機能や取り組みについてお伺いいたします。 ◎工藤 教育政策部長 近年、児童生徒に対するさまざまな指導や学級経営などに関する学校の対応への不満や情報共有への難しさなどから、学校と保護者の関係が深刻になったり、さらに、他の機関につなげる必要が生じたりするケースがふえております。その対応には非常に多くの時間がかかり、解決までに大変な労苦を要する場合もございます。  教育委員会では、昨年度、教育支援チームを発足し、学校や園だけでは対応が難しい課題について、心理、社会福祉、法律、精神医療などの専門的な立場から指導助言を行い、問題の深刻化の未然防止、早期解決を図っております。  教育支援チームでは、学校や保護者などの相談による不登校、いじめ、ネグレクトなどの家庭問題、発達の特性に係る事案や子ども家庭支援センターや児童相談所などの関係機関や、他課との連携を要する事案、訴訟事案などについて毎週一回の定例会を行い、チームとして確認、検討し、対応しているところです。発足して二年目となり、学校や園からの相談も増加傾向にあり、今年度前半期の取り扱った事案は七十八件で、昨年度同時期と比較して二倍強となっております。 ◆石川征男 委員 予算説明書に教育支援チームの取り組み強化とあるが、どのように強化していくかお聞きします。 ◎工藤 教育政策部長 教育支援チームの対応においては、教育委員会内での定例会による情報共有、対応の検討に加え、学校を訪問し、当該の児童生徒を観察したり、管理職と協議を行ったりしています。また、保護者対応に関する管理職対象の研修会、生活指導担当、教育相談担当、若手教員を対象とした教員研修の講師なども努めております。  次年度からの教育支援チームの取り組み強化につきましては、学校を訪問し、関係機関との連携を調整するスクールソーシャルワーカーの対応について、対応件数の数的、質的向上を目指し取り組むとともに、チームの心理士、医師、弁護士を講師とする教員研修の充実を図ってまいります。  今後、教育支援チームの機能を一層充実し、学校や園とともに、問題の未然防止や早期解決に取り組み、教員がよりよい授業に向けた教材研究や子どもとかかわる時間が確保できるよう努めてまいります。 ◆石川征男 委員 年末からことしにかけて、新聞等で次期学習指導要領についての内容が報じられることが頻繁にありました。その内容には、学習により何ができるようになるのか、何を学ぶか、どのように学ぶかといった具体的な方向性が示されていた。主体的、対話的で深い学びの実現に向けた各教科での取り組み等についても、詳細に示されたところである。  現行の学習指導要領と比較して、特別な教科、道徳への対応や小学校における英語教育の取り扱いに伴う授業時間の増加などが報道されている。  グローバル化が進む社会において、国際共通語である英語の重要性がますます高まっており、次期学習指導要領では、小学校三、四年生が外国語活動を、五、六年生が教科として英語を実施すると理解しているが、同時にこれまで以上に学校現場での教員負担が増すことになるのではないかと懸念しております。  そこで、小学校の英語教育の取り組みについて幾つかお尋ねしたいと思います。どのように授業時間を確保するのかお聞きします。 ◎工藤 教育政策部長 グローバル化が進む社会において、国際共通語である英語力の向上は将来において一層重要であると考えられており、委員御指摘のとおり、次期学習指導要領においても内容の充実が図られたものの一つでございます。具体的には、小学校三、四年生から外国語活動が始まり、年間三十五時間の授業を行うこと、五、六年生で行われている外国語活動が教科化され、授業時数が年間三十五時間から七十時間に変更することでございます。これにより、三年生から六年生まで週当たり一時間の授業時数が増加することになります。  このような授業時数の増加への対応は国の先行事例があり、長期休業中や土曜日の授業設定、一時間分の授業を分割し、十五分の短時間学習として、始業前などに設定することが報告されています。  教育委員会といたしましては、児童の負担や学習効果などを考慮し、校長会との連携や区内小学校でのモデル実施とその検証などを踏まえて、協議を重ね、対応してまいります。目途といたしましては、次年度十二月までに区としての方針を示す予定です。 ◆石川征男 委員 そうすると、教員の負担をどのように支援するのかお聞きします。 ◎工藤 教育政策部長 本区では、次期学習指導要領における小学校英語への対応について、平成三十年度の先行実施を見越して、関係の学年において、今年度より段階的に外国語活動の授業を設定しているところでございます。三、四年生においては、今年度は年間十時間、次年度は年間十五時間の実施予定です。一、二年生においては、今年度は年間五時間、次年度は年間七時間の実施予定です。  この授業時数に合わせて、区として用意した指導計画や授業案、教材を各学校に提供しています。学校ではこれらを活用することで、授業準備に費やす負担を軽減することができると捉えております。実際の外国語活動の授業においては、一年生から四年生の授業時間全てにALTを配置して、担任と連携した指導を進められるようにしております。  同様に五、六年生の授業においては、英語に堪能な地域人材を英語活動支援員として任用し、全ての時間において授業支援に当たっております。 ◆石川征男 委員 私の持ち時間が来ましたので、これで質問を終わりにさせていただきます。 ◆山口ひろひさ 委員 二〇二〇年にオリンピックが東京で開かれるわけですけれども、やっぱりオリンピックというのはすごいなと思うのは、いろいろオリンピックを目標に国の法整備だとかをやっていかなくちゃいけないというところがいろいろあるわけで、それに伴ってこの世田谷でもルールづくりやそういうものを二〇二〇年目指して整えていこうということが幾つかありますけれども、その一つとして、うちの会派でも河野委員と、そして安部委員が所管をまたいで質問させていただいた喫煙についてちょっとやりたいと思うんです。  今八割から二割に減ってきたということですけれども、うちの会派を見ますと、一時一人だけになったときがあって、僕は心の中で、あと一人、あと一人と思っていたんですけれども、だんだんここに来まして、喫煙する方の勢力が増してきて、今五人か六人ぐらいにふえてきているんじゃないかな。その喫煙者の姿を見ていると、一人のときは、本当に申しわけないなという吸い方だったんですけれども、今はもう吸う方も堂々たる吸い方ですよね。どんなもんだという感じで、それはそれで別に構わないんですけれども。  この税収というのが四十億円から四十四億円入ってくるわけですよね。僕なんか思い起こすと、学生のころは、初めて試したたばこがショートピースですよね。おやじのまねして気取ってちょっとポーズなんて言いながら、学生服のポケットにちょっと隠して、弁当が済んだらトイレでちょっと吹かすなんて歌いながら育ったんですよ。だから、目覚めの一服、食後の一服、授業をサボって喫茶店で一服、風呂入って一服、もう一つあって、最後、ベッドで一服という、朝から晩までスモーキングブギということで育ってきた世代ですから、別にたばこが悪だという感覚が全くなくて、こういう時代が来ちゃったなというのは、そのときは全く想像していなかったです。  よく家の応接間なんかにもお客様用のたばこが置いてありまして、よろしかったらどうぞなんて勧めていた時代なんですよね。  たまたま僕は家でビデオの整理をしていたら、「刑事コロンボ」って、知らない方もいるかもしれないですけれども、そのビデオが(「いないよ」と呼ぶ者あり)ごめん、若い方は知らないかもしれないけれども、NHKでやっていたなかなか人気のあったアメリカの刑事ドラマなんですけれども、あのコロンボは大体いつも葉巻なんですよね。葉巻を煙をぷかぷか出しながら、ちょっと奥さん、聞きたいことがあるんですけれどもなんて言って、奥さんの前でこうやっているわけですよね。煙ぷかぷかやりながら、言うわけないんですけれども、そのビデオを見ていると、その奥さんが、警部さん、ちょっと葉巻やめていただけますなんて言うんじゃないかなとちょっとどきどきしちゃったりする感覚が、やっぱりそれだけたばこというのが、その当時から比べると、迷惑というんじゃないですけれども、なってきているのかなという感覚がします。  でも、そういっても、二割やっぱり吸われる方がいて、これだけ税収が入っているというところで、河野委員もマナーとルールと、そしてしっかりと予算をつくって環境を整えろという質問をされていましたけれども、私も本当にそのとおりだと思うんです。なかなか予算を見ていると、一般財源に入って、いろんなことに使っていますよということでありましたけれども、これはある意味、オリンピックという目標があるわけですので、計画的に、四十四億円入ってきているわけですから、多少、一割だって四億四千万円、二割で八億円、そのぐらい、例えば二カ年計画でしっかり予算をつけて、企業と役割分担してなんて言っていないで、しっかりとまずつくるということが大事なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎菊池 環境総合対策室長 現在検討を進めております仮称世田谷区たばこルールの策定に当たりましては、喫煙設備を整備し、決められた場所以外での喫煙をしないよう、喫煙者のマナー向上を図ることが重要と考えております。  喫煙設備の整備には、乗降客の多い主要駅等を中心に整備を図る必要があると考えていますが、なかなか適地を探すことが難しい状況にございます。今後も区有地のみならず、国や都、鉄道事業者等への要請も必要と考えておりまして、精力的に喫煙設備の整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 今、答弁で、適地を見出すのがなかなか難しいという話でありましたけれども、多少条件が悪いところだって、吸えるだけ幸せだと思いなさいということで、少しスピードを上げて僕は整備をするということが大事だと思うんですよね。それで今、国のほうでも屋内の、いわゆる全面禁煙をやっていて、いろいろとごたごたしていますよね。日本の受動喫煙防止のランクというのは、世界で最低レベルだそうなんですね。ただ、世界で最低レベルなんだけれども、長寿国だというのがどういうことなのかなと僕自身は思うんです。  分煙の意識がはっきりしているというのを、ちょっとそれをおくらせているというようなことがあるんですけれども、国会のほうでも受動喫煙防止を進める議連と、たばこ議連と吸うほうの議連があって、真っ二つにいろいろ割れている中で、なかなか整った法をつくるのが苦労しているというところなんですよね。そういうことを考えると、両極端あるわけですよね。今まで八割ぐらいいた喫煙者が今二割を切るような状況になってきていると。そう考えると、たばこのない社会をつくってしまえば、こういう議論もなくなるわけですよね。  僕が一番注目したのは、安部委員が文教のときに質問されました禁煙教育、やっぱりここは世田谷の教育の出番なのかなというふうに思います。この禁煙教育を徹底することによって、その世代がどんどん大人になっていけば、たばこを吸う人はいなくなっちゃうわけですから。こういうことで、僕はこれから徹底して世田谷の教育の中で、禁煙教育というのを行っていくことが非常に大事なんじゃないかな。やはり煙のない世田谷の町をつくるという教育目標を掲げて、ぜひこの禁煙教育を徹底していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎工藤 教育政策部長 現在、小学校六年生の体育科の保健学習や中学校三年生の保健体育科の保健領域において、病気の予防として喫煙、飲酒、薬物乱用などの行為は、心身にさまざまな影響を与え、健康を損なうことを学習しております。喫煙については、依存性があり、肺がんなどの発病に影響を与えることや受動喫煙の害などについて理解を深めております。  喫煙防止教育の充実に向けて取り組みを検討し、来年度、世田谷区の医師会と連携した事業をモデル的に数校が実施する予定としております。  講師として医師の方が、喫煙の害について、専門的な見地から、具体的な説明やデータ提示を行うことで、子どもたちの心に残る学習となることが期待できます。  こうした専門家などを活用した取り組みを所管課や関係機関と連携して進め、健康に関する正しい理解を通して、生涯を通じてみずからの健康を適切に管理し、改善していく態度を育成してまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 私もこういう社会が来るんじゃないかなというふうに思って、八年前にたばこをきっぱりとやめさせていただきましたので、何年かちょっと苦労しましたけれども、意外とやめてみると、たばこを持っているかな持っていないかなという精神的な負担もなくなりますし、結構気楽な気持ちになりますし、皆さん、吸っている方がいましたら、ちょっと一年か二年頑張れば、夢を五回ぐらい見れば終わっちゃいますので、何とか頑張って、煙のない世田谷をつくってもらいたいと思います。  ただ、実際に吸われる方がいて、屋内の禁煙というのも、これは法整備をされて、厳しくなってくると思うんですよ。そうなると、やっぱり屋外のどこかで吸える場所を確保するというのが大事なことだと思います。これからどんどん減っていくので、お金をかけろと言いましたけれども、余りお金をかけても、そういう社会が来るんだったら税金の無駄遣いになるんじゃないかなというふうに思ったりもするんです。  これは可能かどうかわからないですけれども、結局副流煙といって、吸ったタバコの煙を吸うのが悪いわけですよね。その煙が高いところで出ればいいわけですから、例えば民間のビルの屋上をお借りするとか、そこに喫煙所を設ける。喫煙される方は階段を御利用くださいと。三階ぐらいだったらまだいいですけれども、六階、七階になってみますと、上るだけで非常に息が切れちゃって、もうたばこを吸うどころじゃなくなっちゃうわけですよ。こんな苦しい思いをするんだったら、たばこをやめちゃおうかなと。禁煙効果にもなってくるんじゃないかなということで、いろいろとそういう手法もあるんじゃないか。  僕が思ったのは、よくマラソンとかがあると、トイレがないので、簡易トイレってつくるじゃないですか。あれをちょっと改造して、天井に、焼肉屋さんの換気扇じゃないですけれども、あれをつけて、もう天井にずっと煙が行くように、空のほうに、そういうのをつくってどこかに設置するというのも、移動もそんなに金がかからないだろうし、設置するのもいいんじゃないか、そういうアイデアも出したらどうかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。 ◎菊池 環境総合対策室長 委員お話しのとおり、そういった個別の電話ボックス型のようなものも実際市販され始めておりますので、そういったものもちょっと検討していきたいと思いますが、一つは、港区などでやっているルールがありまして、一般のビルのスペースを活用して、そこに分煙ルームをつくる。それは一般開放することを条件に助成金を出すと、そういった制度もございますので、そういった仕組みも含めて、今回のルールの中で検討してまいりたいと思います。
    ◆山口ひろひさ 委員 やはりたばこを吸われる方がいる以上は、やはりお互い、吸わない人も気持ちよく過ごせる、こういう環境を整えるということが大事だと思いますので、これだけの税収が入ってきているわけですから、その喫煙者にも還元されているなというのがわかるような使い方をぜひしていただきたいと思います。  それともう一つ、うちの会派で、オリンピックに向けてまたいろいろ整備していかなきゃならないということで、触れていなかった部分で、民泊についてお聞きしたいと思います。海外からのいわゆる観光客がふえているということと、また、二〇二〇年のオリンピックに向けて、世田谷も馬事公苑がオリンピックの会場になっておりますので、大勢の外国の方が来られるということは想定されるわけであります。  ゆさ議員なんかは経営感覚に基づいて、ホテルをつくったらどうだというような質疑もしておりましたけれども、こういう宿泊施設が絶対数が足りないわけですから、そこでやっぱり注目されるというのは民泊ビジネスになってくるわけですね。特区でやっているところがありますが、僕も大阪府にちょっと視察したときに、民泊のことをちょっと聞かせていただいたんですけれども、やはりいろいろトラブルというのはあったということを耳にしております。  また、世田谷でこれを例えばやるということになると、世田谷というのは、これからまちなか観光ということもうたっておりますけれども、住宅街でありますので、普通、区民が日常生活を営んでいるのが中心の町でありますので、そこに習慣の違う外国人の方が来たり、見ず知らずの方が来るということで、例えば旅館感覚でいろいろ大声を出したり、またごみ捨てのルールが全然違うものですから、そういう中のマナーが崩れていったりということで、やはりこれから始める前に、しっかりとしたルールづくりというのは僕は必要だと思います。  そして、民泊をやろうとしている側のしっかりとしたルールと、そしてそれを利用する方へのルールの周知徹底というんですか、そういうことがしっかりしたものをつくらなくちゃいけないと思います。特に家主がいる場合といないマンションの一室を貸したりする場合があると思うんですけれども、そのいない場合は、管理者というんですか、それを設置することによって民泊の事業が行えるというような、まだはっきりとした法整備ができていない中でありますが、そんなような話になっていますよね。  そうなると、その管理者という方の質と言ってはおかしいですけれども、どういう方がどういういわゆる知識というか、そういうのを持った方がやるかということによって、またこの民泊の周りとのトラブルですとか、そういったことの発生率ってまた変わってくるんじゃないかなというふうに思いますけれども、まずやはりルールとして、お互いが本当に気持ちよく泊まれる、そして泊まらせてあげる、周りの方もそれを受けとめられるというようなルールをつくっていかなければいけないと思うんですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。 ◎辻 世田谷保健所長 住宅宿泊事業法案は、いわゆる民泊について、公衆衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルールをつくることで、良好な住環境を確保することも大きな目的の一つであると聞いております。法案で民泊は、家主居住型と家主不在型に区別され、家主居住型には家主に、家主不在型には管理者に適切な管理や安全面、衛生面を確保する規制を課しております。具体的な規制内容などはまだ国から提示されておりませんが、地域の環境を悪化させないための家主及び管理者の責務は明記されておりますので、それらをきちんとルールとして周知していくことは重要なことと考えております。  今後、政省令等が明らかになりますと、区としてのルールづくりの範疇等も明確になると存じます。議会や予定している外部の方を含めた検討会での御意見も参考にしながら、世田谷区としてのルールを策定してまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 オリンピックに向けて、おもてなしというふうに言っていますけれども、やはりそういうことであれば、世田谷の民泊を利用した方が、世田谷で泊まってよかったなというふうに思えるように、また地域の住民の方も、ひょっとしたら、異国の方と触れ合う機会も出てくるという可能性もあります。特に外国の観光の旅行者というのは、日本人は観光地をめぐっていくというのが主だと思うんですけれども、意外と日本人の生活文化というんですか、そういうのを体験したいということで来られて、いろんなところを歩きながら体験していくという方も多いようですので、そういう中では、地域との触れ合いというのも出てくる可能性はありますし、お互いが本当に気持ちよく交流できるような、そんな世田谷の民泊ができるように、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。  次に、ふるさと納税でいろいろ三十億円の影響がある、新聞でも二十三区でもいろいろ悲鳴を上げているよということで新聞記事にもなったりしておりますけれども、ふるさと納税ではなくて、僕は地方の自治体との連携ということで、世田谷区も自治体との連携、川場村の縁組協定から、あとふるさと区民まつりの自治体との交流というのもやっていますし、最近では、川崎市との地域包括協定というのを結ばれておりますけれども、そのほかにこの地域との交流というのは、何か取り組んでいるところはあるんでしょうか。 ◎板谷 政策経営部長 区では、世田谷区総合戦略の基本目標に掲げました心豊かな暮らしを実現するための地方、都市との連携、交流の実現に向け、これまで区と交流がございました自治体に声をかけ、昨年度は首長会談、今年度は自治体間連携フォーラムを開催いたしました。首長同士で自治体間における連携のあり方、また広域での課題解決について意見交換を行い、フォーラムの最後の取りまとめでは、地域の課題解決に向け、参加自治体の特徴や強みを生かし、住民参加と協働による取り組みを目指し、進めていくことといたしました。  また、二十六年九月より、特別区長会が開始いたしました特別区全国連携プロジェクトでは、ホームページを活用した新たな連携関係の創出を初め、全国各地域と特別区の信頼関係、きずなをさらに強化し、双方が発展していくためのさまざまな取り組みを行っておるところでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 二十三区の特別区でもこの地方との交流を始めたということで、僕も新聞をちょっと見させていただきました。また、別の新聞記事で、いわゆる特養ホーム、世田谷では待機者が二千人を超えるというような状況です。地方では、定員に満たないところがあると。なぜ定員に満たないかというと、いわゆる職員が足りずに、受け入れることができないというような状況もあるわけですよね。  僕は、区長は首長会談をやられて、地方の方と何度かやられていますけれども、特にエネルギー問題については非常に力を入れてやっていただいておりますけれども、僕は、もう少し幅広く、例えば福祉のこともそうですし、こういうところでお互いの自治体で足りない部分を情報交換しながら、もちろん最後は区民の選択になるわけですけれども、そうした連携をとりながら、やはり区民にも選択肢をいろいろ多くつくっていく。これを組み立てるのは大変なことだと思うんですけれども、僕はふるさと納税ということじゃなくて、これが本来の自治体同士での、そして東京から地方に応援できる可能性のあることじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。 ◎保坂 区長 ふるさと納税問題も、地方VS東京ということにならないように、地方との連携は大変大事だと思います。  先日も西目屋村の村長さん、人口千四百人台だということで、ただ一方で、いろんな新しい企業も、山の木材資源などに着目して入ってきていると。住宅、あるいは仕事というところでそろう可能性があるので、例えば世田谷区でも若者支援をやっていますけれども、ある時期に、ある期間、そういう仕事をしてみようと、あるいは農業をやってみたい、こういった区民も多い。なるべくそういった情報を出して、東京だけに集中するんじゃなくて、お互いがウイン・ウインになる、そしてその福祉の関係の仕事も含めて、何が足りなくて、どんな事情があってということを、我々の行政同士が知っているだけではなくて、区民に広く知っていただいて、その上で必要なマッチング、新しい機会の提供を加速させていきたいと思っております。 ◆山口ひろひさ 委員 そういうことが、僕はふるさと納税の趣旨も地方の応援だと思うんですけれども、今ちょっと返礼品のことであれですけれども、それを行うことが、大変だと思いますけれども、東京から地方に元気を与えることにもなるし、また地方も足りない部分をいただくことになると思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。  以上で自由民主党の質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆諸星養一 委員 きょうは、生ネの田中みち子委員もおっしゃっていましたけれども、ロンドンでテロが起きて、非常に悲惨な事件が起こって、というのは、私ども、去年、ロンドンに行ったものですから、それだけ思い入れも強いんですけれども、非常に残念な事件です。改めて衷心よりお悔やみ申し上げたいと思います。  文教領域で中村委員が、諸星はアジアと、本当のことを言うと、ロンドンもいいなとは思っているんですけれども、一応公式はアジアで(「ちょっと、ぶれちゃだめ」と呼ぶ者あり)アジアでと、ぶれないようにしたいと思います。  本題に入ります。余計なことを言うと、また後ろから矢が飛んでまいりますので。私のほうからの第一のテーマは、三層構造、特にその中の地区と地域包括の課題です。これについてまずお伺いをしていきたいと思っています。  世田谷は、もちろん言うまでもなく、政令指定都市に匹敵する人口を抱えていますし、区長も例に出されるように、七つの県よりも人口が多い、そういう世田谷区です。平成三年に地域行政制度が発足してからことしで二十六年が経過しようとしておりますけれども、この政策的課題を実現するためには、改めて三層構造のそれぞれの意味を問い直す時期に来ているのではないかというふうに私どもは考えております。  これまで小泉委員が常々地区重視というか、地区が基本であるということをずっと言い続けておられて、私はそれを聞いていながら、そうかなというふうに思っておりました。しかし、私自身、猛省しなくてはいけないんですけれども、どうしてもやっぱり三層の中で本庁、支所重点の傾向に流されてしまったのかなと。やっぱり地区について最前線であることの意味を問い直すこと、これが今最も重要なものになっているんではないかなというふうに思っております。  二十七地区の人口というのは、少ないところで一万七千人、多いところでは六万三千人もおられるんですね。既にこれだけで一般の市並みの人口を有しています。それを前提として、区が地域包括ケアシステムを地区展開すると決断したこと、対象は高齢者のみならず、障害者、子育て家庭まで広げた段階で、三層の中の地区のあるべき姿を議論しなくてはいけないんだと。そこを真正面から向き合うことから、地区のあるべき姿を、そしてその地区をフォローアップするための支所、本所の役割も見えてくるんではないかなというふうに私どもは考えております。  さらに、国、厚生労働省が昨年夏に発表し、今国会で審議中の社会福祉法改正案には、従来の発想を改めて、住民が互いに助け合って暮らす地域共生社会、その概念が初めて盛り込まれております。その概念は、制度、分野ごとの縦割りを超えた包括的な支援体制を構築することが求められており、高齢者、障害者、さらには子育てを対象とした包括的な丸ごとの支援が求められていると。  この国が目指そうとする地域共生社会は、まさに世田谷区が今取り組んでいる二十七地区での地域包括ケアシステムにほかならないと私は考えております。まさにそういう意味では、一歩も二歩も国に先んじて我が世田谷区が先駆的な事業として取り組んでいると私は考えております。  そこでお尋ねしますけれども、この地域包括ケアシステムから見えてくる三層構造における地区のありよう、これについて、区の認識をまずお伺いしたいと思います。どなたかお答えいただけますか。 ◎保坂 区長 国が「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部というのをつくって、ちょうど招集挨拶とほぼ同時ぐらいに出た文章があるんですけれども、大変今までの厚生労働省とはがらりと変わって、地区住民の主体性に基づいて他人事ではなく、我が事として行われ、参加する人の暮らしの豊かさを高める、そういった地域を持続していこうという視点が出てきているわけであります。  私は、この二十六年から基本計画にまず書き込みまして、まちづくりセンターの中にあんしんすこやかセンターと社会福祉協議会を入れての福祉の窓口一元化、そこでまず、入り口での相談を受けるという体制を始めたばかりなんですね。世田谷区として一歩先んじたといっても、まだ本格的に全面展開には行っていないわけで、ようやく形ができてスタートしたと。しかし、ようやくできてきたその昨年の段階で、厚生労働大臣経験者であった尾辻参議院議員、あるいは橋本岳厚労副大臣など、次々とお見えになり、世田谷区で試行、トライしていることも含めて、共有していこうと、こういったお話もいただいて、大変責任は重いなというふうに思っているところであります。また、他機関の連携モデルということで位置づけていただくというようなこともありました。  その責任は重いと申し上げましたけれども、八十九万区民のニーズに応えて地区展開といって体制をつくることはスタートしましたが、本当に中身を持ってここに応えていける内容を構築すると。そこにはまだまだ越えなければならないハードルがあると思っておりますし、また、国が着目したということは、ある意味、日本社会全体の高齢化、少子化をどこかで変えていく可能性を我が世田谷区でぜひお知恵をおかりしながら、一緒に議論して、つくり上げていきたいというふうに思っています。 ◆諸星養一 委員 区長にお答えいただけて大変ありがたいんですけれども、平成三年に地域行政制度が発足したわけですけれども、その当時、まちづくりは世田谷が非常に先駆的であると、いつも私は言うんですけれども、西の神戸、東の世田谷と、そういう先駆的な行政というのが、私はこの地域包括の中で、世田谷が目指すべきものというふうに見えてくるのかなと。そのためにも、その三層の中の地区をどう見ていくかということがますます重要になってくるのかなというふうに思っております。  国がモデル事業をいろいろ施策展開していただいているということを聞いておりますけれども、それはちょっと飛ばします。ごめんなさいね、ちょっと時間がないので。  要は、では、その地区をどうするんだということの中で、二十七年の九月に報告がありました。地域包括ケアの地区展開とまちづくりセンターの充実について(骨子)ということで、そこでは、その三層のあり方、とりわけまちづくりセンターの方向性、さらには地域包括ケアシステムの地区展開が示されていて、その二つの観点を中心にして人員体制の見直しを図って、平成三十二年四月、三年後ですよね。新体制で出発するとあります。  そこで、私どもは、この新体制に出発する際に、二点注文をしておきたいんです。その第一は、まちづくりセンター所長への若手管理職の登用、第二は、人口規模に応じての職員の加配ということであります。  まず、若手管理職についてですが、一つには、区の最前線にあって、区民の一番身近な相談場所であり、いざというときに頼りになる存在となり得るためにも、そのリーダー、世田谷区の将来を担うに足る人材を登用しなくてはならないんではないかなと私は思っております。常々我が党が主張するように、その立ち位置には、やっぱり最終的には若手の管理職を据えるべきなんだと。やっぱり包括ケアのみならず、防災の視点もそうですし、区長がおっしゃっている世田谷版ネウボラについても、恐らく、それは最前である地区が担わざるを得ない状況がいずれ来ると私どもも思っておりますので、そうした意味で、区の最前線に当たって、区民お一人お一人と向き合って、同苦することから、将来のあるべき世田谷区を牽引していただける、そこに私は今回の地区のリーダーとしてのありようがあるというふうに考えております。  あわせて、地区の人口を先ほど言いました。一万七千から六万三千という規模になっているわけですけれども、当然その人口規模に応じて職員加配が必要なのではないかなというふうに考えておりますけれども、区の見解についてお尋ねいたします。 ◎萩原 地域行政部長 地域行政につきましては、この間、東日本大震災もございまして、地域コミュニティーの重要性を改めて認識し、地区力の向上を主眼に、全庁を挙げて取り組みを進めているところでございます。  地区の人口が、今お話がございましたように、約二万から六万人を抱えるまちづくりセンターは、区民に一番身近な相談の窓口として、三者連携の核となり、相談支援等に的確に対応するため、リーダーシップを発揮していく必要があるというふうに認識しております。  一方で、限られた人員、人材のもとで、各地区のまちづくり、防災等のさまざまな課題にも積極的に取り組む必要がございます。また、地区の特性に応じた幅広い課題に対応できる人材を着実に育成するとともに、その環境を支えるハード、ソフトの整備が急務であると考えております。  そのためにも、総合支所の専門的なバックアップ体制をより充実させるなど、地域包括ケアの責任体制も含め、見直しを早急に進めるとともに、今、若手というお話がございましたけれども、御指摘も受けとめ、実施状況を検証しながら、可能なところから順次まちづくりセンター等の人員、体制の一部見直し、できる限り効果的な配置を図ってまいりたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 誤解しないでいただきたいんです。今が悪いと言っているわけじゃないですよ。今のOBの方々の本当に御努力というのは、それこそ頭が下がる、そういう思いで見させていただいておりますけれども、将来的な世田谷のあり得べき姿ということから見れば、やっぱりそういうところに資源を投入するということは非常に私は世田谷のあり得べき姿を構築するに、最善の方法であるというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  三点目ですけれども、社協の役割ということについてお伺いをいたします。  三層構造における地区が主役ということを目指していくんですけれども、その意味で、社会福祉協議会の役割って大変大きくなってくるなと思っております。この予算委員会でも議題になっておりますけれども、現実にやっぱり社協というのは、その歴史的背景というか伝統から、地区住民にとってみれば大変近しい存在であることは間違いないわけですね。そういう意味では、三者連携の一翼を担ってもらわなくてはいけないというふうに私自身は見ておりますので、その基盤強化にしっかり取り組めという立場から、きょうは質疑をさせていただきます。  それは社協本体の問題ですが、まず何より命題として、赤字体質、その原因は言うまでもなく、人件費の占める割合が高過ぎる、そうした構造にあるわけですけれども、それをどう脱却していくのか。それなくして社協の将来はないと私は思っておりますけれども、体質改善のために、数年前ですか、本体の財政構造の健全化に取り組まれたようですが、残念ながら、それは実現できなかったとも聞いております。  そうした体質を抜本的に改革しない限り、地区社協における職員配置の課題というものは、今現にあるわけですよね。現在は、社協の地区における配置、正規職員が週三日、非常勤職員が週二日の配置で、どこの地区も日当たり一人の配属になっていますけれども、先ほどもあんすこの職員の加配ということを言いましたけれども、当然社協でもそういう問題が起きるわけですよ。そのためにも、この社協本体の改革なくして、議論すら進まないというように私どもは思っておりますけれども、区としての考え、指導性についてまずお伺いいたします。 ◎金澤 保健福祉部長 委員御指摘のとおり、今後、地域包括ケアの地区展開の着実な推進に向けては、三者連携の一翼を担う社会福祉協議会が安定した経営基盤のもと、事業展開を図れるよう、財政構造の健全化に取り組む必要があると認識しております。  社会福祉協議会では、現在、財政構造の健全化に向けた経営改善計画の策定作業を進めており、早期にまとめて実施していく予定でございます。さらに、新年度早々には、理事会の諮問機関として、組織や事業の面について、外部から専門家を招いて検討する経営企画専門員会を立ち上げます。  区といたしましては、今後、地区の強化を図る上で、地域包括ケアの地区展開において、社会福祉協議会が担う公益性と専門性を生かした役割をしっかり果たせるよう、法人の効率的、効果的な経営体制の確立に向けて指導助言を適宜行ってまいります。 ◆諸星養一 委員 副区長にお聞きしたいんですけれども、宮崎さん、担当だよね。要は、豊中市、福祉の委員会でも視察に行かれたようですけれども、福祉の中心として信頼を豊中市の社協はいただいていると。個性豊かなリーダーの方がおられるということもありますけれども、やっぱり地域に根差した成果のあらわれではないかなと思っているんですよ。  申しわけないですけれども、金澤さんのお話だけでは一体社協がどういう方向、どういうふうに向いているのかというのが全然見えてこないんです。それは、社協本体の問題なのか、それとも世田谷区の指導性の問題なのか、申しわけないけれども、そこまで私どもは言いたくなってしまうわけですよ。  しかも、先ほど言ったように、地域の包括ケアシステムの本来的な出発と見直しをした上で、三年後にもう迫っているわけです。それは本当に社協に伝わっているのかどうかということについて、それは私は区の事務方のトップとしての副区長の責任も大変大きいと思っていますよ。その点についてはいかがですか。 ◎宮崎 副区長 この三層構造を使いながら、地域包括ケアシステムを使うというところで、この間も答弁を申し上げてきましたが、まずは世田谷区としては、先ほど委員からもお話があったように、地域行政制度、この世田谷区で取り組んできたこと、これを生かさない手はないということで申し上げてきました。  その中の一翼を担う社会福祉協議会でございますけれども、本来の社会福祉法で定めております地域福祉の推進を図る団体ということはもとよりですけれども、この間、社会福祉協議会のほうにお願いといいますか、ぜひこういう形でやってほしいということを言ってきているのは、やはりこの間の社会福祉協議会の活動が、ややもすると、本体の中を中心に、どちらかというと、地域に出てこない。一言でいうと、イベントとか、そういうときにはかなり社会福祉協議会の活動としては活発にやっているわけですけれども、こういう区との実務の中でのスタンスという部分のところが一緒にされてきていない。ややもすると、社会福祉協議会は独自で動いてきたというところがあったと思うんです。  これを今回の地域包括ケアの地区展開を図る際に、あんしんすこやかセンターも同じですけれども、このまちづくりセンターという中に入っていただくことによって、一緒にいわゆる福祉の、先ほど言った丸ごとということになるわけですけれども、そこについての取り組みをはっきり示したわけでございます。  今後、そういう意味での、他の自治体の中で今、豊中の例がありましたけれども、先進都市もあることで、そういうところをやはり見習うところは見習って、また、世田谷区の特色である地域行政制度も使いながら、はっきりしたスタンスを示していく必要性がある。  また、先ほどの人件費の問題につきましては、先ほど保健福祉部長が答えましたように、やはりここについてはさらに加速しなきゃいけないということが、社会福祉協議会のほうにも危機感が出てきているとは思っております。そこを何とか区としても後押ししていきたいと。  その中で、先ほど今後の展開として、三十二年四月というのは、この間示してきていますが、二回ぐらいの節目をつくっていきたいと。一つは、来年度の部分と、さらには三十二年四月という、この辺のところについてのものもしっかりお示しをする中で、具体的な部分の取り組みを進めるのと、来年度の前半には、これはまちづくりセンターを中心に、地区アセスメントをつくるということ、これは申し上げているとおりでして、その中でもやはり社会福祉協議会の立ち位置というのははっきりしてこなければできないわけでございますから、そういうところも組み合わせて、しっかり進行管理をしていきたいと、このように思っております。 ◆諸星養一 委員 今、副区長がおっしゃっていただいたことを私どももしっかり注視していきたいと。それができないようであれば、地域包括ケアシステムの三者連携のその一翼を担わせるということはできないと、させられないということぐらいは我々は強く思っておりますので、その点もあわせてお考えいただきたいと思います。  次のテーマに移ります。  外郭団体の統廃合ということで、昨年の予算で私が企総領域の中で質疑をさせていただいて、サービス公社、それから産業振興公社の事業統合ということが推進計画の中で明確に記されていたわけです。ところが、今回、二月の企総委員会での報告の中で修正がされていると。他団体との事業移管から公社事業の展開というふうに変わっているわけです。私は見させていただいて、これはどうなっているの、区は本気になってやる気があるのかというぐらい私としては非常に不満であります。その点について、まずお伺いします。 ◎板谷 政策経営部長 区は、これまで外郭団体改革基本方針に基づき、区民サービスの拡充と外郭団体の自主自立に向けて、外郭団体の統廃合を含む改革を進めてまいりました。お話しの新実施計画の記載内容につきましては、産業政策部と産業振興公社が法人のあり方検討で公社事業の見直し等の検討をした結果、まちなか観光や雇用の取り組みを引き続き展開していく上で、公社が培ってきたネットワーク機能や専門性のさらなる活用の観点から、二十九年度計画を見直したところでございます。  区といたしましては、時代の流れに応じた団体の事業統合や再編が必要であることは認識をしており、次期新実施計画の策定の中で課題を整理し、お示しできるよう、引き続き外郭団体の見直しの取り組みを進めてまいります。 ◆諸星養一 委員 これも副区長、板垣さんにお聞きしたいんですけれども、外郭団体の統廃合は、単純にそれで済む話じゃなくて、やっぱり行財政改革という大きな視点があるわけですよ。今回の予算委員会でもそれぞれの委員の方々からお話があったように、世田谷区の将来構造、特に財政の基盤をどう構築していけるかということが本当に問題になっているわけでしょう。そういう中での外郭団体の統廃合だというふうに私は認識しているわけですよ。そういうことが世田谷区として世田谷区の将来における行財政を見据えた上で進めなくてはいけないと私どもも思っていますけれども、その点についての副区長のお考えをお示しください。 ◎板垣 副区長 外郭団体につきましては、時代の流れ、あるいは社会の変化に応じて事業の統合あるいは再編が必要であるということは十分認識をしております。今おっしゃったように、行財政改革の視点ということももちろんありますし、外郭団体がそれぞれの役割を最大限に発揮できるように、引き続き外郭団体の改善には全力を挙げて取り組みをしていきたいというふうに思っております。 ◆諸星養一 委員 次のテーマは区長にお願いなんですけれども、国交省がナンバープレートにキャラクターを公募と言っています。私たちとしては、例えばゴジラ、ウルトラマン、サザエさん、そうしたキャラクターをぜひ使えないかと、公募になる前から私どもの党としての率直な思いだったんですけれども、残念ながら国交省は公募ということになっているんですが、まだそういうキャラクターを使える素地というのは残っているんじゃないかなと思うんですけれども、それについてぜひ区長からも、何とかそういうことができないものかお願いしたいと思うんですが、一言。 ◎保坂 区長 世田谷ナンバーが九万台を超えて、デザインナンバー、特にカリフォルニアですか、幾つかの州で国立公園なんかの保持のためにナンバープレートの収益で随分財源を得ているというお話を知って、たまたま国土交通省のほうでナンバープレートに対する検討会が立ち上がっていたということで国土交通省にもお願いをして、現実にデザインナンバーが始まるということでございます。ゴジラやサザエさん、あるいはウルトラマン、世田谷になじみのあるキャラクターについて御提案をいただいているわけですけれども、国土交通省の指針みたいなものがありまして、今回公募ということで呼びかけております。  今後、スーパーヒーロー、こういったキャラクターについて、お金の問題、コピーライトの問題がありますけれども、どうやって地域を活性化するために生かしていけるのかと私も大変強く関心を持っておりますので、一緒に議論を積み上げてまいりたいと思います。 ◆諸星養一 委員 よろしくお願いいたします。  それでは、佐藤弘人委員に交代いたします。 ◆佐藤弘人 委員 私から初めに、児童館の民間活力導入についてお話をしたいと思います。  先日、区立千歳中学校ですけれども、卒業式へ行かせていただきました。そこで千歳中学校の来年度の入学者数が前年度に比べて八十人増という話を聞いてびっくりしました。たまたまそこのすぐ近くにいた芦花小学校の先生が、いやいや、うちは前年度比百人増ですと言われて、そのまま椅子からひっくり返りそうになってしまいましたけれども、それだけこれは区内の局所的な話なのかもわからないんですが、児童数がふえていると。  本来であれば、世田谷区は人口がふえていて、子どもたちの数もふえている。本当に喜ばしいことなんですが、さっき保坂区長が他会派の質問の答弁をされていたように、人口はこれだけの規模があるにもかかわらず、それに伴う権限や財源が脆弱であると。そうすると、それに対する人口増とか子どもさんの数がふえることに対する準備だとか、整えることだとか、そこが何か思うようにできるのかどうか、やっぱりどうしてもジレンマに陥ってしまうのは皆さんもそうだと思います。  このまま一体どうなってしまうのかということを考えれば、まずは私どもはもともと児童館の民間活力という話を提案させていただいていますが、具体的に聞いていきたいと思うんですけれども、一昨日の文教委員会所管でも我が党の平塚委員から、子どもたちの数が増加する、それに比例して学童クラブの登録者数も激増していると。全国的にもかなりふえているということで、全国学童保育連絡協議会の二〇一六年の調査でもこれは明らかになっています。  まず、世田谷区において、この現状をどう捉えているか、その認識をお伺いしたいと思います。 ◎中村 子ども・若者部長 新BOP学童クラブの登録人数ですけれども、全小学校に新BOPが導入された平成十七年四月一日時点では三千四百十四人でしたが、平成二十八年には五千二百六十四人と約一・五倍にふえております。平成二十九年度におきましては現在集計中ではありますが、登録児童数が百人以上の大規模の新BOP学童クラブが二十四校ある一方で、登録児童数が六十人以下のクラブが十四校と、地域によって差が生じている現状です。  現在、特に大規模BOPにつきましては、専用室に加えて、校庭、体育館、多目的ルーム、特別教室などの学校施設を有効活用するとともに、司書が配置されている学校図書館とも協力しながら、児童が放課後に多様な過ごし方の機会を持てるよう取り組んでいるところです。 ◆佐藤弘人 委員 部長に答弁してもらいましたけれども、ただ、ふえ方がやはり尋常ではないので、私たちも児童館については、これまでの公設公営から民間活力を入れて民営化、民間委託を目指すべきだと訴えてきました。それは、ある意味子どもたちの放課後の過ごし方の充実、その背景には、どうしても共稼ぎになってしまって子どもたちの預け先を探している家庭がふえているとか、また、自治体の財政的なメリットもあるし、さらには、学校以外の子どもたちが遊べる場が減少しているということもあります。  学校は今、新BOPということで、BOPと学童クラブがあります。BOPは六年生まで全ての方が対象で、学童クラブは基本三年生まで。一方、児童館は十八歳までということで夜は六時まで、中高生支援館に指定されているところは七時までになっていますが、やはり限られたスペースの確保というのは、それ以上のところになかなか見出せないのが現状であるというふうに思っています。  これまでの議論の中で今の児童館をすぐに民営化、民間委託するにはさまざまな課題があるということも我が党も認識はしていますが、今お話ししたように、現実、この現状をどうやって対応すべきなのかどうかという答えは、何らかの方向性を見出していかなければいけないというふうに思っていますし、全国的には児童館的な役割というのは民間の流れのほうへ加速していることも事実です。世田谷区において今の公設公営の児童館は、それはそれとして、プラス民間企業に放課後クラブとか学童クラブ的な事業に参入してもらうということも考えていかなくてはいけない。それは、預けられる御家庭の選択肢がふえるといったメリットもあります。  この間、企業からのそういう問い合わせがあるのかどうか、また、調べてみたら、そういう事業の助成制度が都にはあるんですね。ただ、余り活用されていないようですけれども、その実態についてどうなのか教えてください。 ◎中村 子ども・若者部長 現在、区内には放課後児童健全育成事業という形では該当しないものの、民間事業者で宿題のサポートなどの学習支援ですとか、新BOP学童クラブ終了後の預かりで、小学校まで迎えに来て、自宅に送り届けるような多様なサービスを有料で実施している事業者はございます。現在、新BOP学童クラブの児童が併用している事業所で約二十カ所把握しております。  ただ、一方、委員お話しありました民間学童クラブに対する都区の補助制度はありますが、これは保護者の就労を要件とするほか、専有区画の面積ですとか資格を要する職員の配置、あと開所時間ですとか日数の基準を満たす必要があることから、現在この補助の対象となっている事業者はありません。年間数件ほど民間事業者から区に相談はございますけれども、この補助制度を使った親の就労を要件とする民間学童は広がっていないという状況にはあります。 ◆佐藤弘人 委員 そうすると、保護者の方がともに就労している条件で預かる学童クラブという事業が民間のビジネスモデルに合わないという認識でいいんですかね、中村部長。 ◎中村 子ども・若者部長 親の就労を要件とする補助制度には該当せずに、民間事業者としては、より多様なサービスのほうに参入しているという認識は持っています。 ◆佐藤弘人 委員 隣の川崎市は、実は学童保育を全部廃止して、親の方の就労の形態を問わず、全ての子どもたちを受け入れる放課後子ども教室というのを展開していると。その中で、御存じのように、例えば学習塾系とか、スポーツクラブ系とか、鉄道系等の企業がそこに新規参入をして、さまざまなオリジナリティーのある放課後子ども教室的な事業を展開されていて、そこに有料で預けられている。そういう公的学童ではできないような全ての子どもたちを対象にした柔軟な事業を展開しているという自治体もあります。  ただ一方で、公的な施設のメリットがあることも事実だと思いますが、今、世田谷区内における公設と民設の割合はどうなっているんですか。 ◎中村 子ども・若者部長 学童クラブにつきましては、今把握しているのが先ほど御答弁しました約二十カ所程度ということで、割合としては、民間事業者のほうはかなり少ないという認識を持っています。 ◆佐藤弘人 委員 民間が少ないということは、少しはあるということですね。わかりました。  ですから、今、川崎市のお話をしましたけれども、これは千葉市とか北九州市でも同じような事業を展開して、今モデル事業で試行しているという例があります。ですから、少し繰り返しになりますけれども、今の公設公営の児童館をすぐに民営化、民間委託するにはさまざまな課題が生じてくるのは理解をしております。ただ、直面している課題に対して、局所的にでもやはり民間事業者を放課後クラブという学童クラブに特化せずに、親の就労形態を問わず、全ての子どもたちを対象にした事業を地域に誘導するなり、誘致するということをしっかりと検討していくべきではないかと思いますが、この点、いかがですか。 ◎中村 子ども・若者部長 委員お話しのありました学童クラブは、親の就労を要件とする施設です。一方で、新BOPのほうは、そういう親の就労等に限らず、小学校と地域の子は誰でも遊べるような受け皿になっているということはありまして、そこは他の自治体の先駆的な取り組みと同じような位置づけになっているとも考えております。  また、区では全ての小学校に学童クラブと新BOPというのを置くのに加えて、二十五の児童館ですとか、現在二つの青少年交流センター、それとプレーパークや公園や図書館などを子どもたちがそれぞれの状況や成長に応じて安心して遊ぶことのできる多様な場所を重層的に整備しているというところです。  一方で、お話しありましたとおり、さまざまなニーズに対応した民間学童も選択している保護者がいまして、現に児童の放課後の活動場所として活用されることもございます。  区といたしましては、親の就労を要件としない民間学童の参入については、基本的には事業者の自発的な活動とは考えておりますが、まずできると考えられるのは、例えば区が保有する公共データを公表することで新たなサービスの創出につなげたり、地域課題を解決し、区民生活の向上を図ることが期待できることから、オープンデータの推進の方策などを検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 この問題の最後に保坂区長にお伺いしたいんですが、やはりこれだけ子どもたちの数がふえていて、芦花小なんかは四年か五年前に改築したばかりなのにまた増築しなきゃいけないのかとか、塚戸小学校もそうですし、船橋小学校もそうです。  もちろん、これは学校をそれに合わせて、箱も含めてハード的な整備を進めていくことも大事なんですが、それだけで対応できるようなふえ方ではないというふうに私個人としては考えているんですね。とはいえ、子どもたちの放課後の行き場というのもしっかりと確保していくことも重要だと思いますので、これはもう世田谷区だけで対応するということではなくて、まさにここは民間活力を新たに導入していきながら、協働的なネットワークとして展開していくという方法をまずは考えていくべきだと思いますが、この件について、区長としてどのようにお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 十年前に六千人台の出生が、ここのところ八千人台ですので、地域的な偏在はありますけれども、これからさらに小学生はふえていくだろうと思います。学童あるいは新BOPを見に行きますと、確かにそれぞれの企業の大きな札を持ったお兄さん、お姉さんが迎えに来て、車で民間学童へということで、そこの学校は、割と短時間に行く子どもたちもかなり多いなというふうにも思います。  ただ、いろいろお話を聞いてみると、やはり保護者負担が非常に大きい。七万円だったり、八万円に近いようなお金を払わなければいけない。一方で、民間活力という場合に、そういった企業系だけではなくて、非営利系もある。例えば住民運営型ということで言えばプレーパーク。数は限定されているが、これも放課後の遊び場になっていて、相当の子どもたちが来ているということもあります。
     ですから、今おっしゃっていたように、例えば野毛青少年交流センターは、非営利の民間団体に委託して運営をしてもらい、あの近くに児童館等はそうないものですから、行ってみると、土日も小学生が相当来ています。そういう意味で、児童館二十五カ所は公設公営でフル回転でよくやってくれていると思いますけれども、しかし、それでもまだ基盤的に足りない。あるいは、もう少し特色や活力というんですか、子育て基盤、放課後の支援を局所的にという御提案については受けとめさせていただいて、できる限り世田谷区――子どもがふえているのは本当に日本でほとんどないぐらいのお話なので、その可能性をしっかり伸ばしていけるように、民間の企業型のみならず、非営利型にも目配りをしながら、力をどうおかりできるのか考えてみたいと思います。 ◆佐藤弘人 委員 よろしくお願いします。  次に移ります。世田谷区の保健センターの役割についてお話ししたいと思います。  ちょうど平成二十七年十二月に、保健センターとしてこれからのあるべき姿というのが示されていて、四つの拠点機能ということをベースに五つの目標を掲げているんですね。設立が昭和五十一年ということで、これまで一定の役割を担ってきましたけれども、平成二十三年の公益財団法人の移行を契機に、より一層公益的な役割を担っていきたいみたいな内容になっています。  その五つの目標の中で、今回二つに絞ってお伺いをしたいと思うんですけれども、一つ目が、健康増進・教育、健康情報発信及び健康診断の専門拠点機能の拡充ということになっているんですね。これは非常に重要なことであって、健康増進イコール疾病予防にどうやってつなげていけるのか、その自治体の取り組みが求められていて、健康の「康」は、家康の「康」ですけれども、こちらは、健康の「康」は、幸福の「幸」と書いて、そういうふうなフレーズで取り組んでいるんですね。  この実現のためのアプローチとして、世田谷区の保健センターの設立当初から比べて、これからの現代社会における変化についてどう捉えて、今の健康長寿社会の実現に向けてどのようにアプローチをしようとしているのか、その方向性だけまず教えてください。 ◎辻 世田谷保健所長 昭和五十一年に開設いたしました区立保健センターでは、当時男女ともがんの中では死因第一位の胃がんを予防するために、翌五十二年から胃がん検診を開始いたしました。また、高齢化の進展とともに、昭和五十六年を境にがんが死因の第一位となったことを受けまして、その後、ほかのがん検診にも着手をしております。  また、国の第一次健康づくり構想に沿って、昭和五十三年には都内ではいち早く健康増進事業を開始し、五十七年からは地域の健康づくり支援として運動指導員の派遣事業にも取り組んでおります。昭和六十年にはCTやMRIなどを活用した医療事業を開始するほか、平成以降は地域で健康づくりを支援するボランティアの養成、生活習慣病の重症化予防やがん相談窓口の開設など、区民の健康保持増進の拠点の役割を常に担い、現在もその推進に努めております。  平成三十二年度に梅丘に移転する区立保健センターには、健康を守り、創造する機能として、がん患者や家族等を支える中核的機能の確立や地域医療の後方支援機能の強化が、また、相談支援機能として、心の健康等に関する相談窓口の整備が求められております。  今後とも、区民や時代の要請に応えられるよう既存事業を見直しつつ、機能の強化や拡充に取り組んでまいります。 ◆佐藤弘人 委員 では、それを踏まえて改めて考えると、これまで地方自治体が行っている保健事業というのは、今答弁があったように、例えば定期健診の受診者数がふえたのか減ったのかみたいな、そんなことが一つの指標だったんですけれども、実際、今、区民の方、いわゆる住民の方の健康状態がそこからどう改善されたのかどうかなんていうことがなかなか把握できていなかったし、できなかったと言ったほうが正しいのかもわかりませんね。それはどうしても保険制度の仕組みで、例えば自治体が直接取り扱うことができるのは国民健康保険の加入者の健康診断のみになってしまっていますよね。そうすると、そこに加入をされている方自体が偏っているかもしれないのに、よりそこで分析をしていくと、本当にそれが広く区民全体、住民全体のデータなのかということも疑問が起きてしまう部分もあるかもしれません。  例えば今、全国的に協会けんぽのデータと自治体クラウドで一元化をさせて、相互の健康診断のデータをもとに、そこにお住まいの方のさまざまな健康状態をしっかりと把握するような、イコール健康状態の見える化という取り組みが盛んになっているんですね。  例えば新潟県の見附市なんかは自治体のクラウドで総合特区をとった七つの市ぐらいが連携をしていて、より細かい分析のもと、より具体的な政策をそこに展開していけるように今は取り組んでいるそうですが、たしか世田谷区もこのデータのやりとりは始まったんですよね。その辺、いかがでしたか。 ◎辻 世田谷保健所長 御指摘のとおり、区は平成二十四年度に協会けんぽとの相互協力に関する協定を結び、協会けんぽから区民等の健康に関するデータの提供も受け作成した「データでみるせたがやの健康」などを通じ、区民の健康状況を明らかにするように取り組んでまいりました。  その結果、明らかとなった区民の健康課題の解決に向けて、平成二十九年度からは健康せたがやプラン(第二次)後期では、地域保健と職域保健の連携、若い世代への働きかけなどを今後の施策として掲げております。  また、平成三十年度からの国民健康保険第二期データヘルス計画では、区が保有するレセプトデータ等に加え、国保データベースシステムを活用し、全国及び他地域との比較等も行うものと聞いております。今後も国保・年金課や協会けんぽとも連携協力して、区民の健康状態の見える化に取り組んでまいります。  一方、区立保健センターでは健康増進事業参加者のデータを集積しておりまして、これら保健センターで健康づくりに積極的に取り組む区民のデータと区民全般のデータの比較分析などを通じ、区民にわかりやすく健康に関する情報を提供するとともに、区民がみずからの健康に関心を持ち、自分に合った健康像の実現に取り組めるよう、区民の健康づくりを支援してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 そうすると、そうした健康状態の見える化が進んでいけば、そこを地域包括ケアの中に生かしていくことがこれから恐らく求められてくると思います。この地域包括ケアの展開の中で、保健センターの役割と、もう一方、社会福祉事業団という外郭団体がありますね。私個人的に思うのは、今の生活現場では介護と看護、いわゆる医療と介護の境目はなくなってきていると思うんですね。今後、それぞれ社会福祉事業団、区立保健センターの役割と連携みたいなことをどう考えているかお答えいただけますか。 ◎瓜生 高齢福祉部長 誰もが住みなれた地域で安心して住み続けることができるよう、区では住まいを初め、医療、介護、介護予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めております。  社会福祉事業団は、主に高齢者の住まいである施設や介護、介護予防などの役割を担っており、区立特養ホームを初め、あんしんすこやかセンターや訪問介護、通所介護、訪問看護、居宅介護支援事業など、多様なサービスを提供しております。事業団では、高齢者、障害者児、医療依存度の高い方などが尊厳を持って可能な限り自立した生活が継続できるよう、多様化、重度化するニーズに応えるために、介護と医療の連携強化、また、若年性認知症ケアや失語症の対応、口腔機能向上や終末期ケアなどに取り組み、民間事業者で対応の難しい先駆的な事業などを実施してまいりました。  区は地域包括ケアシステムの推進に向けまして、事業団がその有する資源やノウハウを活用し、区の福祉の先進的な取り組みや必要な人へ必要なサービスを迅速、適切に提供する役割を担っていると認識しております。 ◎金澤 保健福祉部長 区立保健センターは、地域包括ケアシステムの推進における医療と介護予防、健康づくりの役割を担ってございます。保健センターでは、CTやMRIなど高度医療機器を使用し、区民の皆様が身近なかかりつけ医を通じ、区内で安心して検査を受けられるよう、各種精密検査を実施しております。また、介護予防や健康づくりにつきましては、長年にわたり、健康づくり教室、壮年期世代の健康づくり講座、生活習慣病重症化予防事業など、健康増進事業を実施しております。  社会福祉事業団と保健センターの地域包括ケアシステムにおける連携ということでございますが、地域包括ケアシステムにおいて、医療と介護、福祉サービス等が一体的に提供されるためには、今後はそれぞれの役割において専門性を生かしながら、互いに連携することが求められてまいります。  区では、保健センターと社会福祉事業団につきましても、両団体が先駆的に取り組んできた事業の蓄積やノウハウを生かした連携の仕方について検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 最後になりますけれども、一番大事な目標として、がん患者や家族などを支える中核的機能の確立についてということで、我が党はこれまでがん検診の充実等を訴えてまいりましたが、京都府のがん総合相談支援センターの取り組みを引用させてもらいました。医療機関ではできない、例えば小さなことだけれども気になって、誰かに聞いてほしいとか、家族ががんになって不安でしようがないみたいな医療機関ではできないことを担うのが保健センターの役割だと思っています。できれば世田谷区から単に事業だけ委託するのではなくて、その事業のプロセスから一緒に、協働でつくり上げていただきたいと思っていますが、その点、最後にお答えいただきたいと思います。 ◎辻 世田谷保健所長 区では平成二十六年度からのがん相談窓口の開設に先立ちまして、委託先の公益財団法人世田谷区保健センターと協働により準備会を立ち上げ、この間、相談事業の充実に向け、一体となって取り組んでおります。また、平成二十六年度からは、胃内視鏡の胃がん検診導入に向けて、平成二十七年度から財団関係者を含めて胃がん検診のあり方に対する検討会も設置しております。今後とも、財団とより一層連携を図り、協力を求めつつ、協議してまいります。 ◆佐藤弘人 委員 以上で公明党の前半の質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、公明党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午後二時四十四分休憩    ──────────────────     午後三時十五分開議 ○和田ひでとし 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆板井斎 委員 質疑を続けます。  最初に、LGBTの問題についてお伺いします。  この問題については、公明党では私がずっと担当して話をしていて、都市整備常任委員会に出された成り行きもあって、ただ、大変重要な課題でありますので、できれば区長と議論していきたいというふうに思っております。  我が党は、性的マイノリティーの方が置かれている現状を鑑み、また、第二次男女共同参画プラン案に示されたさまざまな課題に対し、男女の別を超え、多様な個人を尊重し合う社会を推進するためには、区、区民及び事業者がそれぞれの責務を果たし、協働して多様な個人を尊重し合う社会の実現を図る必要があると考えております。そのためには今予算委員会などで訴えてまいりましたが、区と議会がともに議論を積み上げながら、男女平等や多様性を尊重する社会を推進するための条例を制定し、世田谷区全体の総意を示すことが重要と考えております。それは、偏見や差別を払拭する大きな力になると考えるからであります。その条例のもとで教育分野など関連所管ごとの施策を推進すべきと我が党は考えております。もちろん、パートナーシップ宣誓の扱いも住宅への入居資格も条例の中に盛り込むことも必要だというふうに考えております。  そこで区長に伺いますが、区営住宅への入居のみならず、性的マイノリティーの方が置かれている現状と、今後を鑑みるならば、条例制定も目指すべきと考えますが、こうした考えに御賛同いただけるのかどうか伺います。 ◎保坂 区長 まず、住宅条例について申し上げ、その後に今のご提案について申し上げたいと思います。  第一に、住宅条例の改正は、これまで、一年半前に区がパートナーシップ宣誓とその受領証発行という施策を開始したときに、不動産関係団体にお願いをして、御理解をいただきたいということで協力してきたことを踏まえて、また、アンケート等からも住まいの問題は大変大きいということで、具体的にこれを解消するために提案に至ったものであります。  今回、もう少しその議論を深めるべきではないかということで継続の扱いになったことにつきましては真摯に受けとめ、さらに掘り下げた議論をお願いしていきたいというふうに考えております。  そして、この住宅条例とは別に、今、恐らく多様性や男女、あるいはそれぞれ個人の特性の尊重というようなお話もありました。そういった条例制定を目指すべきという御発言の趣旨につきましては、よく理解をいたしました。この住宅というところにとどまらず、これはこれでさらに広く全体を議論するべきだというお話だと思います。住宅に限らず、LGBTの当事者からは多くの課題が出されていることや、この間の先駆的な取り組みを踏まえた上で、つまり世田谷区の取り組みをしっかり生かしながら、また、それぞれの自治体も試行錯誤しながら開始をしております。また議会で十分よく練った議論をしていただいて、その検討を図っていきたいと思います。 ◆板井斎 委員 これまで何回か区長と質疑をしてきましたけれども、最近になく納得するような答弁だったと思いますけれども、できればこの住宅条例の改正案の前にそういうような真摯な発言があれば、なおよかったなと私は思っております。  ある意味では、区長はパートナーシップ宣誓書など非常にインパクトのある施策はやってきておりますけれども、あくまでもこれは議会とともどもにやっていくというところに私どもは大きな価値があるし、それをしっかりとバックボーンに行政として進めるということにも、やはりそれを施行する職員の方、またそれを区民の方も大勢見ていますので、そういう立場からしっかり進めていきたいと思うんです。  私どもは今回の条例改正について先延ばしをするという考えは毛頭ございません。その意味で、今回の議論を契機として、区民とともに条例を制定する、そういう議論を一刻も早くやっていただきたいと思っております。  そこで、渋谷区では、この条例の制定でさまざまな意見や運動、ある意味では区を二分するような議論もあったかと思います。そういう意味では、強い決意なくして性的マイノリティーの理解促進はないと私は思っております。確かに条例改正をするということについては、マスコミも取り上げているように、インパクトは強いと思います。それだけお困りだということもその裏返しだというふうに理解しておりますけれども、しかし、それで終わらせてはならないというのが私たち公明党の考え方でございます。  そういう意味で、今後どういった議論になるのか、掘り下げた議論だとか、議会との十分な議論だとか、今、区長答弁いただきましたけれども、そうした困難な議論ということも踏まえてやっていく決意があるのか最後に確認したいと思います。 ◎保坂 区長 今のお話で住宅条例の提出の理由なり客観的な必要性については御認識いただいているというふうに受けとめました。しかし、そこにとどまらず、それはそれとして、さらにさまざま大きな問題が存在する。そのことについてしっかり取り組んで、パートナーシップ宣誓についても全国的に波紋を広げました。また、政令市の札幌市などでも取り組みに向けた動きが今始まっているとも伝えられています。責任感を持ってしっかりした土台を持った内容で、今後の歴史、風雪に耐えられるような人権擁護、多様性の尊重というところで議会の皆さんとしっかり議論しながら組み立てをつくっていきたいと思います。 ◆板井斎 委員 区民の皆さん、特に当事者の皆さんが今回の住宅条例の改正については大変大きな関心を持っておりますし、我が党にも多くの意見をいただきました。単に住宅条例に賛成か反対かという議論は、確かに当事者にとってみればあると思います。また、それを継続審査ということで先延ばししたかのようにも私たちは捉えられているところがございます。決してそういうことではないと何回もお話をしても、住宅条例の改正ということがインパクトが強いし、またそれが一つの突破口になるだろうという当事者の期待感も大きい。それは私たちも重々肌で感じております。  通すのは簡単でありますけれども、その先にしっかりとした議論と、それから世田谷区がダイバーシティーとして名をはせていくということにおいては、私たちもある意味では区長と議論をしながら、協力するところは協力していきたいと思っておりますので、大いに議論していただくことを期待して、次の質問に移ります。  次は補助五四号のことについて議論したいと思うんですけれども、去年の予算委員会では、この補助五四号、それから庁舎問題は大変大きな議論になっていました。区長は選挙中に五四号の見直しを公約に掲げたということで、その後の議会で各会派からこの真意についてたびたび問われましたけれども、区長は総合的に判断するという答弁を続けられて、一昨年の十二月に優先整備路線から外すという決断をしたと。  今回もそうなんですけれども、やはり何のためとか、区長の思いというのが私たちにはなかなか伝わりにくいというのが補助五四号であり、住宅管理条例の改正だというふうに思っています。議会と区長というのは車の両輪だと言われておりますけれども、それは議会でしっかり議論をするところに意味があるというふうにも思っております。  ただ、区長は、Ⅰ期は三十三年度末の事業完了を目指すと。Ⅱ期、Ⅲ期は推進状況を見ながら判断するし、事業化を前提とした調査を行うとも言われております。ある意味で、この一年間で区長の本気度がどれだけ進んだのかということにもなるわけですけれども、この期間中の用地取得がどこまで進んでいるのか、まず確認します。 ◎青山 道路・交通政策部長 区は、下北沢駅周辺の都市計画道路も含め全力で道路事業を推進するため、昨年四月に組織改正し、体制を強化いたしました。新たな体制におきましては、下北沢専任の担当係長を配置するとともに、外部委託を活用し、今権利が複雑な困難物件や大型物件の用地取得の調整に積極的に取り組みました。さらに、土地収用法の事務手続等にこれまで以上に注力したことによりまして、さまざまな交渉、調整の局面で動きが活発化し、事業が進展しているところでございます。  一方で、地権者と用地取得の契約に至るには、土地価格や補償金額の合意だけではなく、土地境界の確定、テナントの移転など、さまざまな要件についての合意が全て整う必要がございます。  お尋ねの今年度の当該事業における用地取得の実績といたしましては、取得面積約二百平方メートル、取得率にして約二%の微増にとどまり、全体の用地取得率は約二一%となる見込みでございますが、総じて用地取得に必要なさまざまな調整は着実に進展しており、来年度以降、その成果があらわれてくるものと考えております。  区といたしましては、引き続き下北沢駅周辺の都市計画道路事業を全力で進めてまいります。 ◆板井斎 委員 事業認可を受けて十年で二一%、決して数字でどうのこうの言うつもりはありませんけれども、やはり困難な事業だということだと思います。  また、このⅡ期、Ⅲ期を優先整備路線にするタイミングとして区長の発言を私なりにおもんぱかると、Ⅰ期の事業が完了する三十三年度に認可申請をする必要があるというふうに私自身は考えておるんですが、このⅡ期、Ⅲ期区間について優先整備路線から外した。そして先ほど言ったように、道路の勾配や既存道路との接続など、道路の構造について検討する必要があるとし、今年度は基礎的な予算を計上しておりますけれども、その結果がどうなったのか。そして、その三十三年度に事業認可を申請するとするならば、今後どのような手順でそこに向けて進めていかなければならないのかを確認します。 ◎青山 道路・交通政策部長 補助第五四号線のⅡ期及びⅢ期区間は、高低差の大きい複雑な地形の上に計画されておりますので、事業化に向けましては、道路の勾配や沿道敷地の取りつけ等の課題を整理する必要がございました。このため、今年度は周辺の地形と都市計画道路の計画線との関係を調べ、道路構造に関する法令等との適合状況を確認するなどの調査を行ってまいりました。検討の結果、道路の勾配につきましては、法令等の基準値内で整備可能なことがわかりました。一方、交差する地先道路や沿道の宅地の一部には、現況の地盤と計画道路の高さに大きく差が生じる箇所があり、高低差の処理の検討が必要となることなどが明らかになりました。  平成二十九年度につきましては、引き続き既存の資料から都市計画道路内及びその周辺の土地や建物の権利関係の調査並びにガスや上下水道等、道路占用物件の埋設状況の把握などを行う予定としております。その後は事業化に必要な検討をさらに進め、Ⅰ期区間の事業進捗状況を踏まえ、地元説明会、現況測量調査、用地測量調査等を実施し、東京都へ事業認可を申請するといったしかるべき手順を経まして進めていくこととなります。 ◆板井斎 委員 今のお話だと、都市計画道路そのものの高低差については道路構造令とか、そういうものに照らして何とかクリアするだろうと。ただ、高低差があって交差する地先道路については、一部高低差で取りつけが課題であるというようなお話でした。二十九年度については権利関係の調査、そして今お話がありましたように、三十年から三十三年度中に事業認可申請をするとなると、その四年間で地元説明会、現地測量調査、用地測量調査等を行う。要するに、それまでに事業認可していないとその先がないよというお話だと思うんですけれども、この中で私が一番大事なものは、地元の説明会だというふうに思います。地権者の御理解と御協力を得ることなくして、この事業の進展はないというふうに考えます。  ところが、区長は、この五四号のⅡ期、Ⅲ期を優先整備路線から外し、先ほど言いましたように、形状だとか幅員だとか高低差をクリアしなければならないということに加えて、Ⅰ期のときもそうでしたけれども、区民参加に大きな価値があると。区民が参加して、私はイメージはわかりませんが、将来の下北沢を考えるのかもしれませんし、また道路の幅だとか、高低差があるからどうしようかとかいうようなこともあるかもしれませんが、一年前の予算委員会で申し上げたとおり、都市計画道路である以上は、幅員や線形が決定されており、道路の幅員を縮小するようなものについては、合理的な理由がなければ都市計画の変更はあり得ないということなんですね。  区長が議論する、話し合うことに大きな価値があるというふうに私に一年前おっしゃっているんですけれども、そのことは別に否定をするつもりはないんです。ただ、普通の道路工事であれば相手があることですから、いつまで何をしなさいと、私どももそんなことは決して言わないんですけれども、裏を返せば、区長みずからがそういう高いハードルをみずからに課していると。逆に言えば、三十三年度までにⅠ期工事を完了して、そして三十四年度からⅡ期、Ⅲ期の事業進捗を始めることができれば本当にすばらしいなと、さすが保坂区長だなとなるわけであります。  改めて今、私の頭の中で三十三年度中に事業化の認可申請をするというスケジュール感で質問してきましたけれども、区長の頭の中のスケジュール感というものは一体何なのかということと、それと五十四号のⅡ期、Ⅲ期の道路の幅員や高低差を調べたことと、それから今のⅠ期事業の進捗状況を考えて、区長の事業推進のスケジュール感について、もしあればお伺いします。 ◎保坂 区長 昨年も申し上げたように、上部利用については北沢デザイン会議というのがたびたび開かれてきました。まずⅡ期、Ⅲ期工事を優先整備路線から一旦おろした際に、Ⅰ期工事に丁寧に集中をして、まちづくりを組み立てたいというふうに申し上げましたけれども、現在、北沢PR戦略会議という会議が開かれておりまして、七つの部会がそれぞれ広場をどうつくる、あるいは緑化、緑をどういうふうに取り入れる、これは線路跡地ということではなくて、下北沢を中心としたエリア全域に展開をしていこうという議論が行われ、まさに住民参加のまちづくりの萌芽といいますか、現在進行形で行われていると思います。  五四号線の今おっしゃるところのⅡ期、Ⅲ期については、Ⅰ期工事を丁寧に、そしてそういった参加を求めながら積み上げていき、Ⅰ期に関しては進捗に全力を挙げているわけですけれども、Ⅱ期、Ⅲ期工事については、Ⅰ期区間の進捗を見定めながら事業化に向けた検討を進めていきたいと思っています。その際のⅡ期、Ⅲ期における住民の理解や参加というものももちろん必要になってくるというふうに思います。 ◆板井斎 委員 別に私は住民参加を否定しているわけじゃないし、小田急線の上部利用についても別に否定しているわけではないんですけれども、ある意味では、それを含めてスケジュール感を持ってきっちりとやっていただくことが必要だということで質問しております。地権者ファーストでぜひ進めていただきたいというふうに思います。  次に、まちなか観光交流協会について伺います。  まちなか観光というイメージがなかなか湧かないので、区長がたびたびいろんなところで講演されているものも読ませていただいて、それなりに勉強しているということで御理解いただくんですけれども、言い方がちょっとそうじゃないかもしれませんが、時間がないので区長に結論の部分だけ聞きたいんですけれども、一年前のシンポジウムでポートランドに視察したことを冒頭述べて、結論として、まちなか観光における行政の役割とは、点在する町と町をつなげて、若い世代や女性のチャンスを開いていくことだと思っている――ちょっと中略させていただいて、それがこれからの町の活力になり、そういう町に行ってみたい、そういう町なら住みたいと思うだろうと発言されています。その後具体的な例を挙げてお話をされておりますけれども、そうすると、これが区長が思っているまちなか観光だというと、私は、最後に区長がまちなか観光はまちづくりそのものだというふうに述べていたところが非常に印象に残っておりますし、私どももそう思っております。  ただ、このまちなか観光と若い女性のチャンスをつくったり、若い世代の方にというところは、まちなか観光だけでやるのではないだろうというふうに思いますけれども、産業振興、福祉分野、それから都市整備分野、あらゆるものを総動員しないと、これはできないんですね。その中でこのまちなか観光というものが、ポートランドの町の発展もある程度制限をされた上でコンパクトなまちづくりをしていたという区長の見聞が書いてありましたけれども、区長が思うまちなか観光と、若い世代や女性のチャンスを切り開いていくというのは、どうも私の中ではぴんとこないものですから、まちなか観光とは産業振興、商店街振興というふうにもとれるんですけれども、改めて区長のまちなか観光というものと、この発言の真意について、あわせてお答えいただければと思います。 ◎保坂 区長 昨年、ポートランド市長とお会いしたときに、やはり魅力は何だと思いますかと聞きますと、住み心地のよさ、あるいは暮らしやすさなどの言葉が返ってきました。なるほどもっともだなと思いますのは、やはり我々も旅行者として他の国や町に行くときに、そこに住んでいる人たちが非常に楽しそうで、また生き生きと活動されている、あるいはお祭りをやっている、あるいは市が立っている、そういうところに引かれるわけでございます。  まちなか観光の中には、例えば長崎さるくがありますけれども、長崎も人口減で非常に苦しんでいるんですけれども、ちゃんと語り部を配置して、さまざまな史跡、文化的な史跡、あるいは食なら食でつないでいったり、そういう市民がボランティアになりながら町を歩いていくということで随分効果を上げているということを聞いてございます。  このまちなか観光は、今、世田谷区にあるものはたくさんあるんだと。ただ、それがなかなか見えない。それを掘り起こしてつないで、そこに若者にも参加をしてもらい、そして、これからふえてくる海外からの訪問者、もう既に下北沢も二子玉川もたくさんいます。そういう人たちを迎え入れ、区内に在住する海外の人を含めた国際交流も、そして世田谷区に住んでいてよかったという区民の幸福感も、また在来者、日本中の人たちが気持ちよく、また来てみたいと思えるようなソフトの部分を構築していくというのがまちなか観光交流協会の役割だと思っております。 ◆板井斎 委員 それはわかるんですけれども、ソフトというのは、ある意味では、世田谷でまちなか観光とは一体何をするのかと。ソフトのことはいいんですけれども、オール世田谷でどういう戦略のもとに、どのように柱立てをしていくのかがあって私はソフトだというふうに申し上げて、最初からソフトの議論だと、どうも私どもには見えにくい。ですから、まちなか観光と言うならば、今回マーケティングもしますけれども、そういう結果をしっかりと議会に報告していただいて、また議論を深めていきたいと思っております。  以上で公明党の補充質疑を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、世田谷民進党・社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 それでは、世田谷民進党・社民党区議団から補充質疑に入ります。  補充質疑ですから、この間のやりとりの中で、私なりに疑問に思った点も含めて最初に触れておきたいかと思います。  最初に、先日の我が会派のそのべ委員の質疑から振り返ってみたいと思います。そのべ委員からは、かなりきめ細やかな質疑が繰り返されたわけですが、その中の一つに、こういう表現がありました。三年も前に発生した組み体操練習中の事故がなぜ訴訟事件に発展したのか。それからもう一つは、誠意ある対応があれば訴訟事件に発展することはなかったのではないかという点です。それに対して区は、正確ではないかもしれませんが、ほぼこのようなことを言いました。調停では双方の意見が調わず、不調に終わったこと。そういう意味では調停の努力をしたと。それから、法的裏づけがなければ損害賠償額の算定ができないということで、ある意味では裁判をやらざるを得ないというようなことも言ったわけです。訴訟事件に発展させないための努力が私は十分ではなかったと思っています。言いかえれば、訴訟を起こせばいいということではないはずなんです。  これも私は再三、そのたびに申し上げてきましたが、事故の責任追及ではなくて、二度と事故を起こさせないために事故原因を多面的に捉えるというふうに言ったんですね。つまり、多面的に分析をした事故調査報告書をまとめることを求めたわけです。誰かの責任だとか、誰がやったとか、誰の不注意だったとか、そういうことではないということを、それを明らかにすることではないということを言ったわけです。  学校側が区教委に提出をいたしました事故発生報告書、これもこの場でも申し上げましたが、一つは提出がおくれたこと、それから、当事者からすると虚偽とも受け取られるような記載がなされたこと、それは後ほど修正を図ったということも明らかになっておりますが、その意味では、そのようなことがなぜ起こるのかということについて、ぜひ教育委員会としても明らかにして、その上でそのことに対する一定の謝罪も必要なのではないかということを裁判が、言いかえれば訴訟事件発生に発展する前に、そのようにお話をしてきたかと思います。これらは今からでも遅くないから着手すべきだというふうに私は考えているんですが、その点はいかがでしょうか。 ◎堀 教育長 今、委員のお話を伺いまして、私どもも文教でのそのべ委員に対して十分な答弁ができなかったと反省しております。私どもは羽田委員からお話を伺いまして、何らかの対応を検討させていただきたいということはお話し申し上げてまいりました。  この間、改めて事故発生当時から内部で検討してまいりまして、その振り返りを行っております。二十六年四月に事故が起きておりますが、そのときの年末には既に保護者、それと保護者がお連れになった弁護士の方、本人、それから担任、学校長、副校長が立ち会いまして、事故現場の確認、写真等を撮りまして、その原因とその後の対応についても振り返りをしております。  ですので、私どもはそれが既に行われているといったことも踏まえまして、その後、組み体操のガイドラインをつくらせていただきましたので、それのさらなる検証を進めようということ。また、この病名は御案内のように、大変難しい症状が出ますので、普通の医療機関では判明が難しいと聞いております。このときもたしか二つの医療機関で子どもは受診しておりますが、この病名についてはついておりませんでした。そういうことも踏まえまして、今お話ししたことにさらに加えて、養護教諭はもちろん、学校長会、副校長会にはこの病名の症状等について、その後の対応については説明しております。  私どもはこのような振り返りを行っているときに、二月末でしょうか、ニュース等で裁判の話をお聞きしました。大変重く受けとめておりますが、区長からは、この四月からこの子どもは三年生になります。ですので、早目に解決するように指示を受けております。いずれにしても、学校の授業で受けた事故でございますので、私どもとしても、できるだけ早目に解決していきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 いろいろお話があったんですけれども、論点をそらさないでいただきたいんですよね。論点はあくまでも事故調査報告というのを多面的に分析して打ち出すべきだということを言っているのと、それから学校側が、残念ながら本人に実際に起きた事故と違った内容で事故発生報告書を最初に書いたわけですよね。そのこと自体が問題だということを言っているわけで、それに対しては、なぜそういうことが起きたのかということを教育委員会としてしっかりと明らかにしろということを言っているわけですね。ですから、その点はぜひ踏まえていただきたいかと思います。  それと、これは直接この問題とは少し離れますけれども、先日、他の会派から指摘された北沢小学校の統廃合問題です。  この賛否は全く別な話です。この条例の賛否については別ですけれども、十分な対話がなされていなかったのではないかというふうに私は思っているんですね。つまり、この北沢小学校の問題もそうなんですけれども、教育長としてもっと事実と、それから当事者と向き合っていく、その姿勢が私は大変希薄になっているのではないかというふうに思っているんですよ。ですから、この北沢小学校だけではない、それから先ほど申し上げた組み体操の事故の問題、もう少し当事者、実際にけがをされた御本人、家族と向き合っていくということを今後しっかり行っていただきたい。その点はいかがですか。 ◎堀 教育長 先ほどの文教の訴訟の件に関しましては、私どもは十分に対応してきたと思っておりますが、今の委員のお話のように、いろんなことを本人、それから保護者に対しても負担にならないような対応を私たちは考えてきたと思っております。ただ、現在の制度ではそれが十分に対応できないということで今日訴訟に至ったのかなというふうに思っております。ですので、今の委員のお話も踏まえ、裁判の結果も待ちながら、今後事故が起きないよう、十分な対応、検討は改めてしていきたいと思っております。  また、北沢の件につきましては、私は当事者として最前線に立って進めてまいりました。もちろんまだ十分とは思っておりませんが、この四月からは、また通学路等、いろんな場面で話し合いが出てまいりますので、今の御指摘を踏まえまして、三十年四月の移行に向けて対応していきたいと思っております。 ◆羽田圭二 委員 ちょっとこれをずっとやっていますと、もともと予定していた質問ができなくなりますのでこれで終わりますが、ぜひこれまでの対応について不十分さがあったということについては反省をしていただきたいかと思います。その点は改めて申し上げておきたいと思います。  次の質問に入りますけれども、三・一一から六年目ということはよく言われます。問題なのは、やはり原発事故から同時に六年目を迎えているということを改めて認識したいと思います。特に原発事故による被害は、長年住みなれた土地や家から離れなくてはならなかった福島県民にとっては、現在もなお多くの課題を残しているというふうに思います。  その一つに、国はことし三月をもって東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示区域外からの避難者について、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与を打ち切るということを決めました。そのため、区は、さまざまな取り組み、ヒアリング等を行って、個別の事情を把握しながら区営住宅の継続入居等、そうした努力も重ねてきたということは、この間、よく報告がされております。  最近の報道にもありますように、原発事故は収束どころかメルトダウンを起こしている、それ以上の状況にあるということも言われております。六年の歳月は、当時産まれたお子さんが小学校に上がるという年齢にも達しておりまして、家族を含めて生活の軸は東京に移っているという方がほとんどだと思います。これまでどおり東京での生活を希望した方も多いということも伺っております。  今後の対応を含めて伺うわけですが、一つは、子どもたちが安心して学校に通い続けるための教育現場での対応にあります。区は、福島からの避難者についてこの事実をどれほど顕在化してきたのでしょうか。偏見や差別、この間、いじめの問題も明らかになりましたが、誤った知識が広がらぬよう、その対応も含めて必要だったわけですが、その点についての区の対応を伺います。 ◎工藤 教育政策部長 教育委員会では、今回の東日本大震災と原子力発電所事故の影響で避難してきた児童生徒がいじめを受けているという報道を目にしまして大変心を痛め、絶対にあってはならないことというふうに捉えております。本区にも避難されている御家庭がございますので、当該学校での現状を把握するとともに、継続して対象児童生徒の様子を丁寧に見るよう指導をしているところでございます。
     差別や偏見を解消するためには、放射線や災害被害に関する科学的な知識を持つことも大変重要と考えております。教育委員会では、毎年春に校長を対象とした研修会におきまして放射線に関する理解を深めるため、この分野の専門家でございます東京大学の小豆川勝見先生を講師としてお招きしまして、講義をいただいております。  また、子どもたちは理科や社会科での学習に加え、東京都教育委員会が作成した副読本である「三・一一を忘れない」や文部科学省作成のリーフレットなどを活用し、東日本大震災による津波や災害の被害状況、放射線、風評被害などについても学んでおります。  教育委員会といたしましては、全ての教育活動を通して子どもたちにいじめは決して許されないということを理解させるとともに、正しい科学的知識を学ぶことで差別、偏見をなくし、全ての子どもが安心して楽しく生活できる学校や学級づくりを進めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 顕在化するかしないかという問題は個人の情報、個人のプライバシーもありますから、その点は非常に難しいわけですが、要するに、顕在化できる状況にあるのかどうかということが重要だと思うんですよね。つまり、顕在化すればいじめや差別のリスクというのを負うかもしれませんけれども、それを負わないようにすると今説明はあったかと思いますけれども、正しい情報と知識をしっかり得ることで、そういう差別だとか偏見を解消できる。そのことはしっかり押さえていただきたいかと思います。  もう一つは、避難指示区域内の避難者を含めた今後の生活保障もあるわけですが、この間、区が言われていますように、個々の状況を把握することが必要だということだと思います。東京都のほうは三百戸の都営住宅を優先枠として提供するということが言われましたが、世帯要件だとか所得要件があるために、実際の応募者は百九十三件、一定の時期にはそういうふうにとどまっていたということが言われております。他の自治体では収入要件だとか同居要件を撤廃しているところもありまして、その意味では、細かな要件を東京都が撤廃するよう働きかけるべきだというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。 ◎保坂 区長 この件に関しましては、世田谷区にも民間の住宅提供者も大変多くありましたので、福島を中心にまだたくさんの方がお住まいでございます。先般も三月十一日を振り返って六年目ということで避難者の方とお話をする機会がありました。私としては、現在、世田谷区の公的住宅に住んでいる方たちが仮にも路頭に迷ったり、行くところがなくて途方に暮れるようなことが絶対ないようにということで個々の対応をしてきたつもりですが、今おっしゃるように、都営住宅の活用について東京都のほうに、余っているような状況では困りますので、これをしっかり拡大するように要請をしていきたいと思います。 ◆羽田圭二 委員 その点は引き続き努めていただきたいかと思います。  もう一つは、エネルギー転換の課題、これも六年間、とりわけ世田谷区保坂区長が力を入れてきた中身でもあるかと思います。残念ながら、住宅用の太陽光発電の普及については、件数そのものは大変進んできたと思いますが、区が取り組んだ内容については余り進まなかったという状況があったかと思います。それは、さまざま構造上の問題や実際の電気の買い取り価格の引き下げだとか、そうした問題もあったかと思いますが、そういう中で、自分のうちの屋根に太陽光発電がつけられない方々が、実際に電気を買うために時間がかかったのも事実かと思います。  実際には、二〇一六年の四月からようやく低圧電力、家庭用も含めて電力の全面自由化ということが進んだかと思うんですが、これによって電力事業者を選ぶ時代がやってきたということも言えるわけです。区民が実際に食べる野菜や肉など食材の購入を生産地や生産者を見て判断するように、電力購入についても発電の際に環境負荷の少ない電気を購入するということが可能になったかと思います。  一つは、区外の自治体が使った電力を区民が購入する機会の拡大にあるわけですが、その点で改めて川場村との自治体間連携を進めているということですが、その意義と今後の展開について伺っておきます。 ◎菊池 環境総合対策室長 川場村との連携につきましては、区民が川場村産電気を購入できる仕組みを構築しまして五月から四十世帯に電気が供給され、この秋にはバイオマス発電所の見学ツアーの実施を予定するなど、より一層の相互交流につながるものと考えております。  川場村との連携は、都市と地方が連携した新たなシステムとして環境省にも注目され、地域創生のためのモデル地域として選定されました。区が本調査に協力した結果、川場村の次の連携候補として青森県弘前市、新潟県十日町市、岩手県八幡平市がかかわる発電事業について連携の可能性が高いことがわかってまいりました。  連携の意義ということでございますが、区民の自然エネルギーの利用率が高まること、また関心が高まること、低炭素地域づくりに寄与する。また一方で、各自治体もこの連携をきっかけとした区民の来訪による活性化に期待を寄せておりまして、今後、関係所管課とともに、各自治体との協議、調整を進めてまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 これから電源構成を見てどの会社から電力を購入するかという判断を下すことが大切になっていくと思いますけれども、この点についてはぜひ今後啓発を進めていただきたいと思います。  本来ならもう少し質問がありましたが、最後の質問です。社会保障の今後について一点だけ伺っておきます。  コミュニティーの希薄化、あるいは家族支援の希薄化ということが言われておりますが、この点では地域社会の中でどのような参加と協働ということが言われてまいりましたけれども、それを保障していくのかということが問われているかと思います。  そこで最後の質問ですが、参加と対話の保障について、地域コミュニティーの再強化では、住民間の対話の保障と交流機会の保障を強めることが必要と考えておりますが、この点についての区の見解を伺います。 ◎保坂 区長 他会派の答弁でも申し上げましたけれども、新しい福祉モデルということで国のほうの政策もリンクしてきた現在、世田谷区もひとり暮らしの方は大変多くて孤立している方もいらっしゃいます。高齢の方だけじゃなくて、中年、若者にもそういった方はいらっしゃる。コミュニティーの中で住民同士が向き合い、支えあう、例えばコミュニティーカフェだとか、あるいはSNSやホームページ、あるいは無作為抽出型などの機会づくり、これは行政のほうでもしっかり提供していきながら、住民の方自身がみずからの地域をよりよいものにしていくというイニシアチブをとっていただいて、そういった活動を区のほうで支えていくという地域社会づくりを目指してまいりたいと思います。 ◆羽田圭二 委員 もう少し時間があるので、あと一問だけにします。その続きなんですが、サービスの担い手のことを最後に質問しておきたいと思います。  区内のNPO団体の活動を生かしていくということや、それから団塊の世代が退職した後は支援される側にもなりますが、支援する側にもなるわけでありまして、そうした方々の地域での活躍、NPO団体と個人、ボランティアの活躍を今後どのように生かしていくのか、この点について最後に質問しておきます。 ◎金澤 保健福祉部長 身近な福祉の相談窓口とともに、地域包括ケアの地区展開の柱である地域づくりに当たりましては、支える側と支えられる側に分かれるのではなく、住民相互の支えあいによる地域づくりを進めていくことが重要であると考えております。  社会福祉協議会では、地域福祉アカデミーなどみずからの講座の修了生を地区サポーターとして登録し、地域の行事や施設運営の支援にボランティアとして派遣するとともに、地区においては地域活動団体や事業所、NPOなどが参加する協議体を立ち上げ、今後、地区における課題解決に向けた取り組みを進めてまいります。  区といたしましては、社会福祉協議会とも連携しながら、地域で活動したいと考えている区民や団体等の担い手をふやし、支えあいの地域づくりを推進していきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 それでは私の質問を終わり、中村委員にかわります。 ◆中村公太朗 委員 区の工事案件契約の最近の風潮というか、話の流れという中で積算単価が低いんじゃないかと、もっと上げろ上げろというような、いわくオリンピックがあって人手も資材もとられていて、価格が高騰しているから区内の事業者はみんな悲鳴を上げているんだと、今の区の見積もりでは入札に参加できないんだと、そんな声が議会からもこの予算委員会で聞こえてきましたし、それに乗っている役所の動きというものも感じられるわけです。  ダンピングがあるんじゃないかということも含めて、こうした価格を上げていこうという流れが来ているわけですし、入札制度改革の点検項目についても、どうやらおかしな方向に流れているなと実感をしているわけですけれども、果たしてそれは実態に即しているんだろうかということを検証を含めて真っ向から反論したいと思います。  ここに一つ、入札経過調書があります。平成二十八年十二月十三日の世田谷区立総合運動場温水プールプールサイドの改修工事。予定価格は一千七百三十九万百六十円です。行われました。六社が応募してきましたけれども、結果、有効な札を入れたのは五社、数字を入れた五社全てが最低制限価格未満でした。完全不調になってやり直しをされるわけです。  最低制限価格というのは、区が決めた一千七百何がしの予定価格に一定程度の係数を掛けて、そこに最低制限ラインを引きます。一円でも下回ったら、どんな理由があろうが失格ですということです。区は、これまでここの最低制限ラインというのは過度なダンピングのおそれがあるんだろうと、このライン以下は恐らくできないだろうということでラインを引いてきたわけです。つまり、この五社全てがダンピングの可能性があるということで切られてしまったわけです。これが今の区のやっている制度です。果たして世田谷の入札にそんなダンピング会社ばかりが応札してくるんでしょうかということです。  ごめんなさい、もう一枚つくっていないんですが、これは一カ月後にやり直しで第二回の入札が行われました。結果として九社が札を入れましたけれども、九社中六社がまた最低制限価格未満だったんです。ちなみに、この五社のうち四社が再度やり直しをしても最低制限価格未満でした。これは一体どういうことでしょうかということになるわけです。  おかしいので、営繕に対して、これは明らかに、こんな悪質なダンピング会社が多いならそれはそれで問題だし、もしそうでないのだとしたら、区の積算自体がそもそも間違っているんじゃないのと疑問に思いましてその話をしましたところ、区が内々にこの五社に対して、済みません、余りにもかけ離れているので見積書を下さいとお願いをしてもらいました。もしこれを出さなければ怪しい会社だなと思っていましたけれども、全者見積もりを提出していただきました。それで区の積算と照らし合わせていただいて、果たして本当に最低制限未満で工事はできなかったのかどうかを確認していただきました。その結果を教えてください。 ◎松村 施設営繕担当部長 今お話しの二回目の入札で落札事業者が税込み一千五百万円程度で落札していますけれども、その金額で適正な工事を行っているということでございます。 ◆中村公太朗 委員 いえ、違います。聞いているのは、この五社から取り寄せた見積もりは区の積算と照らし合わせて、極端に差が開いているわけですけれども、その積算でこの工事はそもそもできなかったんですか、ダンピングだったんですかと聞いているんです。 ◎松村 施設営繕担当部長 詳細なところは私も把握し切れていませんけれども、出している見積もりについては、当然区が発注している仕様内容を履行することを前提に見積もりが提出されているというふうに認識をおります。 ◆中村公太朗 委員 ごめんなさい、ちょっとわかりづらいんですが、区の出している見積もりに適している、つまり実行可能だという認識でいいですか。 ◎松村 施設営繕担当部長 区が求めている契約内容、つまりどういう工事をしていただきたいという仕様に対して、この金額でやりますという見積もりだということで認識をしております。 ◆中村公太朗 委員 歯切れが非常に悪いのでよくわからないと思うんですけれども、要はできたんですよ、結果として。所管から聞いたら工事できたんですよ。全社というか、そのうちの四社かな。  そもそも数字は出さないですけれども、区がここの工事にかかわる見積もりを出した単価の係数、市販されている必要な資材に掛ける係数と、この入札に参加をしてくれた同業他社、この業種、業態が一般に市場動向としている掛ける係数に余りにも差があった。つまり、ここはもうこの金額で争っているわけですよ。しかも、それが民間の中で言えば当たり前の数字に対して区の積算の係数が高過ぎた結果、この人たちは自分たちが利益も含めて、人件費も含めて計算をして積算して応募してきたにもかかわらず、足を切られちゃっているわけですよ。仕事ができなかったんですよ。  結果として、次の二回目に行われた入札において一千五百万円で落札というか、決まったわけですけれども、ここの中の一番最初にできると言いましたが、最初に入れた一番下札と、二回目に応札された金額の差は約五百万円以上あるわけです。これは一千五百万円の仕事で、本来できる工事を三三%以上上乗せして、五百万円以上余計に金を積んでやらせているんですよ。これはどうしてこういう積算になったのか、もう一回聞きます。 ◎松村 施設営繕担当部長 区の発注する工事については、品質や施工の確保とか安全性の確保を踏まえて契約する内容に適合した履行が確保できるようにということを踏まえまして、区の積算基準に基づいて積算をしています。  まず第一には標準単価表、あるいは標準歩掛かりがあるものについてはそれに倣ってやりますが、そういうものがない建築資材についての単価は、これも積算基準に基づきまして、建築資材の定期刊行物の単価、あるいは公表価格、いわゆるカタログ価格というものですけれども、これに基づくもの、それから三番目に見積もりということで、その順位で採用していくというルールにしております。今お話しの案件というのは、まさに単価のない建設資材の構成比率が非常に大きい工事だったということで、カタログ価格を参考に取引実態等を考慮の上、単価を設定したところでございますけれども、落札の結果としてそういうような差額があったということでございます。 ◆中村公太朗 委員 だって、これは改めて取り寄せて見てもらったら、はっきりとしたことは言いませんけれども、区の仕様したところに適しているものだということを言ったわけですよね。これは一カ月後に二回目をやっているわけですよ。そのときに区は予定価格を下げたのが三十万円なんですよ。だけれども、区はその時点でここに約数百万円の差があることがわかっているわけじゃないですか。区は五社の数字を開札しているんだから。次のときにこれはおかしいぞと、最悪これは一回流れてもいいんですけれども、もう一回やるときにこの理由を確かめて――どこかが別に上を入れていればいいですよ。軒並み大分差があるんですよ。これは自分たちがちょっとおかしいんじゃないか、もう一回再入札をするんだったら確認しようといって――今回はすぐわかったわけですから、その常識を踏まえた上で二回目の入札すべきだったんじゃないんですか。何で三十万円しか下がらないまま二回目を行ったんですか。伺います。 ◎松村 施設営繕担当部長 一回目の後に内容の精査とか、まさに今お話にあった業者等のヒアリング等も行った上で、区としては、先ほど言った公共工事としてはこの金額というか、二回目の入札価格ですけれども、それを設定するのが適正な価格であるということで二回目の計画を設定したものでございます。 ◆中村公太朗 委員 先に行きますけれども、聞いてもらいたいのは、一体どういうことが起きているか――済みません、今、区は予定価格を公表しているものとしていないものに入札を分けています。この場合は予定価格が公表されていないんですよ。なので、むしろこの人たちは仕様書に基づいて、別に上限も下限もわかっていないわけで純粋に積算をしているわけですね。競争性に基づいて自分たちの会社の能力と積算能力と利益も含めた上で出してきている数字なんです。  これが横行してくると、ここがわからないですから、この人たちが次にどうするかということになると、仮に区が二百万円で積算をして、下限百五十万円ですよという案件があったとするじゃないですか。自分たちは本当は利益も出して百万円でできるんだけれども、これでははじかれてしまうかもしれないから、それ以上の暗闇に向かって当てずっぽうでボールを投げていくということにしかならないわけですよ。それがたまたま百五十万円で入ればいいですけれども、百二十万円じゃ低過ぎてだめだし、百六十万円だったら高過ぎてだめですよと。本当は百万円で正しく履行できるんですよ。入札に参加してくる会社がこんな当たるも八卦なことをやっていたら、積算能力なんか何の関係もないじゃないですか。入札はこれでいいんですか。 ◎本橋 財務部長 今お話にございます最低制限価格制度につきましては、一般競争入札または指名競争入札により工事請負等の契約を締結しようとする際に設けているということでございまして、建築工事の請負契約で申し上げますと、五百万円以上一億八千万円未満の案件を対象に、予定価格の十分の七から十分の九の範囲で直接工事費、それから共通仮設費、現場管理費、一般管理費、こういった各項目に一定の比率を乗じて設定している。これを仮に導入しなかった場合、当然のことながら価格競争が過熱してダンピング受注につながり、ひいては適正な契約の履行が確保されない、こういったおそれがある。また、公共工事あるいは公共サービスの質の低下、こういったことが懸念されているところでございます。また、受注者の側の下請へのしわ寄せですとか、労働条件の悪化等の問題、こういったおそれもあることから、これらを未然に防止するために最低制限価格を導入しているところでございます。  今、委員からお話しございました公契約条例の対象となる三千万円以上、それと三千万円未満につきましては、価格の公表と非公表がございますので、業者によってはそこら辺で積算の能力によってかなり違う数字が出てくるものというふうに思われますが、やはり公契約条例の趣旨にのっとり、公共工事の品質の確保は最大限達成しなければいけないことでございますので、特にこの非公表の部分につきましては、こうした最低制限価格を設けることで過度の価格競争を防止するという意味合いで設けているところでございます。 ◆中村公太朗 委員 今おっしゃったダンピングのおそれがある、よく言われている話ですよ。それはいいです。後でクリアしますから置いておきます。あとは下請への何ちゃらとか、今言われている公契約条例の労務者、現場で働かれる方の労務者の賃金に影響が出る、これもクリアしていきますので、今言ったことは全部論破できる話なので、話を戻します。  こういう状況なので、ここが高ければ高いほど市場価格とどんどんかけ離れていくわけですし、適正な金額でもし入れたところがそれ以上の金額、今回の場合で五百万円以上の話は、先に言っておきますけれども、これは区民の税金ですから、本来できる工事が五百万円安くできたにもかかわらず、最低制限により区の一千七百万円という試算が市場動向から外れたことにより、五百万円が余計にかかってしまったということになるわけです。  そうなると、最低制限価格の設定、予定価格があって最低制限ですけれども、最低制限自体が果たして本当にラインとして正しいのかどうかということになってくるわけですけれども、今、年間大体四十件ぐらい、約一五%が最低制限未満に入ってくる工事案件として出てくるわけですよ。もしこんなことが毎回起きていたら、一体区民の税金はどれだけ余計に浪費しているんですか。 ◎本橋 財務部長 今、委員からお話がございました最低制限価格以下の案件、私どもも調べましたところ、平成二十八年度につきましては二百六十三件の入札案件のうち、三十七件がその対象となってございます。これを受けまして、一番割合の多い建築工事が二十件ほどございますが、現在、私どもはこの建築工事につきまして全件調査を行って分析をかけているところでございます。特にこの予定価格帯、どの価格帯が一番こういう事象が起きているのか、あるいは工事の種別によって傾向があるのかどうか、あるいは工事の特殊性、それから低価格のあり方というんでしょうか、そういった分布について今調査をかけているところでございます。これにつきまして一定の傾向なり状況がわかりましたら、何らかの形で対応をとってまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 ちなみに、区は毎回区内事業者育成の観点で守っていかなきゃいけないんだと言っていますよね。今回の五社のうち、区内事業者は何件ですか。答えてください。 ◎本橋 財務部長 申しわけございません、ちょっと手元に資料がないものですから、わかりません。 ◆中村公太朗 委員 全社区内事業者です。区内事業者で正しい市場動向のもとに積算をし、利益も含めてやった会社が仕事を落とせなかったんです。区がこれまで言っていることと違うんじゃないですか。  次に行きます。今後積算を外部に云々という話をしていますけれども、外部にしたときに、さっきも言いましたけれども、これまでのものだととにかく上げろ上げろみたいな話ですが、正しく積算をして、場合によっては区の積算よりも下がるということがあり得るのかどうかだけ確認します。 ◎松村 施設営繕担当部長 来年度行う積算の検証については、積算に一番大きく影響を与えるものが、単価というよりは図面から数量をどう拾ってくるかというところに誤差があるという懸念があるので、そこを検証するということですけれども、単価につきましても、この案件のように、やっぱり標準単価がないものについて市場動向で価格変動がかなり大きいような材料もありますので、そういった市場動向をタイムリーにどう把握するかといったことについても検証して、より適正な価格設定ができるように努めていきたいというふうに考えております。 ◆中村公太朗 委員 ここまでるる述べてきましたけれども、本来、根本的な問題は積算じゃないんです。  次に行きます。一億八千万円以上の工事案件については議会承認が必要な案件ですが、これまで区は、こちらについては低入札価格制度を導入していました。つまり、区の積算があった上で係数を掛けたもののラインがあって、それを下回ったもの、最低制限の場合は一発アウトですけれども、そこについては本当にできるかどうか調査をしてきた。確認をしてきたわけです。  伺いますが、これまで調査をしてきたものでダンピングだったと認められるものがあったんでしょうか。端的に答えてください。 ◎本橋 財務部長 調査をした結果、ございません。 ◆中村公太朗 委員 区はこれまでダンピングのおそれがある、何ちゃらのおそれがある、おそれがあるといって実態とは違うことをやっているわけですよ。  結局、それで今、区は低入札もやめちゃったわけです。平成二十七年から最低制限と同じ失格基準というものを設けて、実態がなかったにもかかわらず、一円でも下回ったらもうだめよというルールにしてしまったんです。真逆の方向に行っているわけです。ちなみに、最低制限は、失格基準をかけなければいないではなくて、かけることができる規定です。ちなみに、このかけるための理由なんですけれども、区が請負に関する契約を締結する場合において、不正な低価格入札を防止するためなんですよ。  もう一回聞きます。これは不正な低価格入札だったんでしょうか。伺います。 ◎本橋 財務部長 最低価格以外の者を落札する場合につきましては、当該契約内容に適合し、履行されないおそれがある者ということで、そういった条文もございますので、それを適用してございます。 ◆中村公太朗 委員 いずれにしても、今、一億八千万円も失格基準がつくられてしまったので、全ての入札において最低制限、失格基準のラインを調査基準価格に変えることでちゃんと調査をする。できる可能性があるんですから、実際こういうことができるんですから。もし下回った場合、確かにダンピングが出たら厳しい処罰をしたらいいと思います。だけれども、調査をしてできるんだったら、その分やらせたらいいじゃないですか。多く出ているのは区民の税金ですよ。この年間四十件の間に幾らかかっているか知りませんけれども、少なくとも今回、本当は必要のない五百万円の区民の税金がかかったわけです。これは一度、最低制限、失格基準はなしに戻して、これはできる規定なのでやらなくてもいいわけですから、全て低入札調査をかけるラインにしてやるべきだと思いますが、ちなみに、要綱には区の長が認めることができると書いてあります。区長、ここまでの議論を聞いていかがですか。 ◎保坂 区長 今、委員がお示しになった二度にわたって入札があったと。最低制限価格を大幅に下回る入札を各社が入れてきた。ポイントは、区の積算が市場価格を大きく上回っていたかどうか。もう一つは、最低制限価格が上回っていた場合に、おっしゃるように各社が常識的な線を出してきていたのかどうか、客観的にどうだったのかというのをきちんと調べてみたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 そうなんですよ。だから、今の制度だとその調査すら行われずに、もう検証もできないですよ。だから、それはもうラインに戻して、もし下回ったらちゃんと調査する。おかしいところがあったら厳しく処罰して、数カ月でも何年でもいいですよ、そんなおかしいところは入札をやめさせればいい話で、できたらめっけものじゃないですか。  さっき言ったように、労務単価とかの部分というのも含めた上でちゃんとラインを引けばいい話であって、そこが守られているかどうかをチェックすればいいんですよ。そうすれば公契約条例とも反しないと思いますし、これによって、今、最低制限を下回っているのが四十件ありますけれども、四十件の調査が出ますけれども、現状外部委託もしていないわけです。お金もかかりません。実際に今回の五社のケースは、一週間程度で営繕はやっていただきました。できる範囲だと思います。これは制度を大幅に変えるべきだと思います。  以上で終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で世田谷民進党・社民党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 それでは、日本共産党の補充質疑を行います。私はもう少し牧歌的な話をさせていただきます。  多摩川の土手の堤防の話でございます。地域の高齢者の方から、河川敷に散歩に行っていたけれども、年もとって階段の上りおりが大変つらい、その堤防を越える階段に手すりをつけてもらえないだろうか、こんな相談をいただきました。多分、昔からそういう話はあったんだろうと思うんですよね。それで、区のほうに、具体的な場所もありましたので、国へ要請をしてほしいという話をして、交渉もしてもらいました。  その中で、隣の大田区では土手の階段に手すりを設置しているところがあるらしいというふうに伺いまして、現地に行ってみました。大変びっくりしました。すばらしい手すりやスロープが堤防にみんなついているわけです。大田区の担当の方に伺ったら、堤防の全ての階段にこの先設置したいというふうにも言っておりました。  そこで伺いますが、多摩川の堤防の階段に手すりやスロープの設置が必要なんだろうと思います。区から国に要望を上げていただいたわけですが、経過と国の対応について、それからまた、大田区の堤防の手すりの整備についても調べていただきました。その結果どうだったのか、まず伺います。 ◎小堀 玉川総合支所長 ただいま委員からお話がありました多摩川の土手、堤防階段につきましてでございますが、堤防を管理しております国土交通省からは、平常時の河川利用や災害時の避難の場として、そのアクセス上、堤防階段などを設置してきた経緯はあるが、現在、堤防階段の手すりの整備計画はないというふうに伺いました。  一方、大田区の担当課長から伺ったところによりますと、大田区での手すりの設置事例でございますが、大田区に対して住民等からの強い要望があり、大田区が国と協議した結果、手すりは国が整備し、管理については大田区が国から占用して行っているというふうに伺いました。  一方、世田谷区におきましても、暫定堤防の整備、そして区立二子玉川公園の整備におきまして、区民等から手すりと階段等の強い要望もございました。そこで、区立二子玉川公園と多摩川河川敷とを結ぶ堤防付近におきまして、公園利用者の利便性等を考慮し、国と協議いたしまして、二子玉川公園側の上部の半分の階段と手すりの整備は区が整備いたしまして、多摩川におりる下部の半分の階段と手すりにつきましては、国が整備いたしまして、管理につきましては区が国から占用して公園施設として一体で行っている事例がございます。  区内では、委員お話しの箇所を含め、国により現時点で七十二カ所の堤防階段が整備されております。区といたしましては、区民が快適に憩える河川空間の活用を促進し、災害時の円滑な避難経路も確保していくためにも、またユニバーサルデザインの見地からも既存の堤防階段への手すりの設置につきましては、管理者である国に対し今までも要望してまいりましたが、区民のお声や区議会での御意見も、今後も引き続き粘り強く要望してまいりたいと考えております。 ◆村田義則 委員 この写真が大田区の堤防の風景の一枚ですが、行って写真を撮ってきました。真ん中が堤防です。こちらが道路、車が通っていますから、河川と反対側、住宅側で、階段の真ん中に手すりがついています。手すりだけじゃなくて、その横にスロープ、(「それはスロープか」と呼ぶ者あり)ええ。階段とスロープの両方がつけられておりました。これは堤防の外側です。  これは堤防の内側です。結構高い堤防なんですが、真ん中に手すりがつけられております。  そして、その脇にあるスロープです。これは、実は高さが結構ありますので、八%勾配なんだと思いますけれども、スロープが大変長いんですね。車椅子が通るのに使えるように設置されているものだと推測されます。  これは、私が最初に伺ったときに何カ所かあるらしいということだったんですが、大田区から世田谷区まで堤防の周りを車で走れるところはずっと走ってきました。そうしたらかなりの数、少なくとも半分以上のところでみんな整備されているんですね。これはすごいなと思って調べていただいたら、今、区の答弁にあったように、大田区が国と協議した結果、手すりは国が整備し、管理については大田区が国から占用して行っている。つまり、これはみんな国がつくってくれたということです。  世田谷区はつくってもらったところがあるというのが今の答弁で、二子玉川の公園と一カ所か二カ所です。階段は今答弁にあったように、全部で七十二カ所あるわけです。私が相談をいただいた場所は玉堤で、かなり遠いわけですよね。多摩川自身は大変長いわけですから、河川敷公園も全部で約五カ所あるというふうに伺っております。  国に要望を出してもらったわけですが、今後、多摩川の堤防全体の階段に手すりを世田谷区でも設置するようにすべきだと思いますが、今後、国とどうやってこの課題を進めていこうと思っていますか。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 世田谷区におきましては、公園の河川敷を占用いたしまして、今お話にございました五カ所を公園やスポーツ施設として区民利用に供してございます。こちらは国土交通省の河川管理計画の中で、多摩川の河川敷を身近な自然の恵みを享受できる場所やレクリエーション空間などとして提供していく考えに基づくものでございます。  河川敷の公園へアクセスする階段に手すりをつけるというような点につきましては、さまざまな利用者が安全に河川敷を利用するという観点からも、区といたしましても必要なことであると考えます。  また、国土交通省が多摩川河川維持管理計画の中で河川へのアクセス路として河川が適正に利用されるよう、地元自治体の協力を得てバリアフリー化にも努めるとしてございます。先ほど答弁がございましたけれども、二子玉川付近で国が設置した手すりを区が管理するという事例も今ございます。  区といたしましては、堤防につきましては、水害から広域的に町を守る重要な施設であることを踏まえまして、国や区でも考えている快適な河川空間の活用を促進し、また、災害時の円滑な避難路を確保していくためにも、現在の堤防階段の管理者であります区に対しまして、区民の方々や今の区議会での御意見をお伝えしながら、この間の事例も踏まえまして、関係機関と連携しまして、手すりの設置について要望、協議してまいります。 ◆村田義則 委員 もう時間がありませんのでやめますけれども、それで進むんですか。世田谷区は進んでこなかったわけです。繰り返しずっとやってきたわけですよね。議会でも取り上げられましたし、これからどうやって進めたら大田のようになるのかということについては、やっぱり世田谷区としてしっかり検討して具体的に進めていただきたい。隣の大田区から車で走ってくると本当に衝撃ですよ。みんな階段がついているのに、世田谷の玉堤に行った途端、どこか田舎に行ったみたいになっているわけですよね。どうしてこう違うのかということについては、区としても自分たちのこの間の行動をよく分析していただいて、ぜひ区長に国との交渉の先頭に立っていただいて、実現させていただきたいと思います。  次に、広域生活・文化拠点、三軒茶屋周辺のまちづくりと三茶公共施設整備について伺います。  NTTの敷地を活用した公共施設整備について、区は当初、太子堂出張所の拡充、集会施設などが入る御幸ビルの老朽化対策として、二・八億円の賃料で五十年契約という提案を行ってきました。その後、議会での議論を経て、今回は出張所などに加えて産業プラザ、就労関連施設、そしてらぷらすなどを入れて年間四・四億円、約二十年契約でと再提案し、二十九年度中に検討し、結論を得るとしています。  我が党はこれに対して、当面は太子堂出張所と御幸ビル対策に限定し、中長期的な公共施設のあり方は、三軒茶屋の広域生活拠点整備と一体に検討すべき、具体的には、既に地元で動き出している再開発の第四工区の整備方針とあわせて検討すべきと主張をしてまいりました。  広域生活・文化拠点としての三軒茶屋のまちづくり構想では、商業、業務、文化の集積を図るとしています。今回、三茶の公共施設に産業プラザや就労関連施設の集約化を図るとされている提案はこれに沿ったようなもののようですけれども、いかにも中途半端感が拭えません。我が党としては現状の整備計画をよしとはできません。  三茶公共施設整備の検討、第四工区の整備方針の検討は、それぞれ二十九年度に行うことになっています。それらはばらばらに行うのではなく、総合的に検討し、その結果をもって議会や地元と協議し、結論を得るべきです。今後の進め方について見解を伺います。 ◎板垣 副区長 区におきまして、三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺の三地区につきまして広域生活・文化拠点に位置づけ、主として商業・業務機能と文化・情報発信機能が集積し、全区的な核であると同時に、区外からの広域的な交流の場となる拠点づくりを進めております。三軒茶屋駅周辺地区は、交通の要衝として発展しながら、キャロットタワー等による文化や観光の発信地となりますとともに、商業、サービス、業務、文化などの機能が充実し、多くの人でにぎわっておりますが、一方で、老朽木造店舗等が多く存在する区域があるなど、防災性の脆弱性といった課題もございます。  したがいまして、今後とも三軒茶屋の特性を生かしながら、広域生活・文化拠点にふさわしいにぎわいと活気に満ちた魅力ある拠点づくり、さらに三軒茶屋のポテンシャルを高めていくまちづくりを進めますとともに、防災性の向上を図るまちづくりも進めていく必要がございます。お尋ねの公共機能につきましても、こうした視点に立つとともに、公共施設整備方針や公共施設等総合管理計画を踏まえまして、民間との連携等、さまざまな機会を捉えて総合的に検討しまして、広域生活・文化拠点として必要な機能を見きわめながら整備に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆村田義則 委員 よろしくお願いします。  それでは次に、指定管理者制度の活用方針について伺います。  自治法の改正による指定管理者制度導入から十五年余りが過ぎ、制度の積極面も、また問題点も明らかになりつつあります。
     当区においても集会施設、文化・スポーツ施設、駐輪場、区営住宅など、数多くの公共施設の管理に活用されており、提供されるサービスの内容や質が区民生活に一定の影響を与えるまでになってきています。区は、これまで指定管理者制度運用指針に基づき運用を図ってきましたが、ますます広がる制度の活用に対して、区として指定管理者制度活用の目的、基本的方針、運用に当たっての原則などを定め、明らかにするガイドラインなどの作成が急務になっていると提案をしたいと思います。  そのガイドラインの内容ですが、第一に、効率性の確保と区民サービス向上という一般論にとどまらず、制度活用に当たっての区としての目標や基本方針の確立と、事業者、区民への明示が大事だと思います。第二に、選定に当たっての公平性、透明性の確保。特に選定過程、選定委員会の会議と議事録の公開などについての原則を定めること。第三に、運営の実態に対する情報公開と利用者の声を反映する仕組み、客観的な評価とその公表方法。第四に、指定管理を担う団体、法人の持続可能な経営条件の確保。他方、サービス水準を落とすなど協定に反する不当、不正な運営を排除する対策などが必要だと思います。  区が運用指針をつくった趣旨はどこにあるのか、また、横浜市などでは活用に当たってのガイドラインを作成しているが、区の運用指針とどう違うのか区の認識について伺います。 ◎板谷 政策経営部長 区では、平成十七年度より指定管理者制度の導入を進め、現在百八十七の施設で導入をしております。今回の指針の改正につきましては、指定管理者制度導入対象をより明確にするとともに、制度のメリットを生かすため、透明で公平な評価手法を取り入れるなど、制度の効果的活用を図るため改正をしたところです。  お話にありました横浜市の取り組みは、各施設固有の設置目的を明確にし、その目的に基づいた指標に対して指定管理者が達成するべき目標値の設定を市と指定管理者が協議を行い、明確かつ具体的に設定することとされており、毎年度の事業報告では目標の達成状況を市に報告し、管理運営状況の評価を行うとガイドラインで規定されてございます。  当区では、施設の設置目的等の認識を図った上で、年間事業計画には事業方針、事業目標、個別の取り組みを具体的に計画させており、施設所管課では指定事業者の能力や創意工夫を生かせるよう協議、調整を行い、事業計画等に沿った適切な運営が図れるよう取り組んでおりますが、横浜市のような指標の設定まではできていない現状です。  今後は指定管理施設における目標達成の状況認識や評価、日々の活動の有効性などを測定できる指標について、横浜市の取り組みなどを参考に住民サービスの向上が図れるよう、指定管理者制度の運用に取り組んでまいりたいと思っています。 ◆村田義則 委員 具体的に聞きます。区営住宅、高齢者住宅などの管理について、区の外郭団体、トラストまちづくりから株式会社東急コミュニティーに指定管理者が四月から移ります。株式会社の指定管理者に区営住宅の入居者選定、入居者管理を含めていますが、これは適当かという問題です。例えば入居者選定は、東急が区の基準に照らして選定作業を行い、結果を区に報告し、区が決定をします。この作業に区民サービスの向上や効率性という指定管理者制度の目的を実現する余地がどれだけあるんでしょうか。  一方、この作業のためには、入居申請者、入居者、さらに保証人などの膨大な個人情報が集められます。その中には家族の状況、生活保護受給状況、現在、議会で審議中の同性パートナーの認定のための情報、さらにはマイナンバーなど、重要、センシティブな情報が含まれております。民間企業にこれだけの個人情報の集積と管理を委ねることの危険性というデメリットは非常に大きなものがあると思います。  ですから、他の自治体では、公営住宅の指定管理に当たっては、施設の補修などに限定し、入居者選定などについては指定管理の項目に入れていないというところが少なくありません。  そもそも、入居者選定において区民サービスの向上がどう図られるのか、今回の指定管理者の公募に当たって、入居者選定などについては項目から除外するなど検討の余地があったはずです。検討したのでしょうか。伺います。 ◎渡辺 都市整備政策部長 今回の区営住宅の指定管理においてですが、区といたしましては、区営住宅等の入居者の管理委託をどうするかとの検討におきまして、今回の指定管理の公募に際しまして検討した経緯がございます。  指定管理の導入におきましては、入居者の募集、入居者の管理業務を加えることによりまして、一体的、効率的に管理業務を行うことによるスケールメリット、コストの縮減が期待されまして、居住者の皆様へのサービスの総合的な向上が図られるものと判断をしているところでございます。  また、個人情報の管理についても御指摘がございましたが、これにつきましては、区の個人情報保護条例に基づきまして、定期的な指定管理者の個人情報管理体制の確認等を行いながら、引き続き適切な管理を指導してまいります。 ◆村田義則 委員 検討したというのはいつの話ですか。 ◎渡辺 都市整備政策部長 指定管理の募集の際に要綱等もつくりますが、その際に他の地区、先進地区、二十三区を含めて検討しました。(「いつの話ですか」と呼ぶ者あり)昨年の夏前の募集要項を出すあたりに、その点について検討してございます。 ◆村田義則 委員 では、後で調べてみます。  さらに、議会での議案審議の際、選定委員会でどのような議論が行われたのか情報の公開を求めました。議論もあった末に板垣副区長が、基本的に公開ということで考えておりますと答弁をいたしました。その後、情報公開を求めてきましたが、一切情報公開なされておりません。いわゆるのり弁すら届いておりません。  指定管理者選定に当たっての情報公開は、企業のノウハウや委員会の討議に影響するなどの理由で、実際には実行されていません。これでは指定管理者制度の公平性、透明性について信頼は得られないのではないかと思います。  今回、運営指針の改定案が示されましたが、実態に即した具体的な情報公開の規定はありません。きちんと規定をすべきです。見解はいかがでしょうか。 ◎板谷 政策経営部長 指定管理者の選定経過や事業者がどのような事業計画、収支計画を策定し、選定されたか、また、指定後は提案どおりに施設管理運営がなされているかなど、事業者の選定や施設の運営状況について透明性を図ることは大切であると認識してございます。  一方、選定委員会の議事録や事業者からの提案書などを公表することにより、委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれもあり、また、事業者においては、これまで蓄積してきた経験やノウハウ、アイデアなどが他の事業者にわかることにより、事業者の権利利益や競争上の地位を害するおそれがあることから、現在は選定結果の資料を改めて作成し、公表しております。  いずれにいたしましても、選定委員会の議事録などを公表している自治体もございますので、今後は制度の透明性を図る視点と、個人や事業者の権利や利害を害することを防止する視点の両面から、先行自治体の取り組みを参考にするなど検討を進めてまいります。 ◆村田義則 委員 ところで、都市整備委員会でお約束していただいた選定委員会の情報公開は、今後どうするんですか。 ◎渡辺 都市整備政策部長 今回の区営住宅の指定管理者選定委員会の審議につきましては、事業者としてのノウハウやアイデア等について、次期の指定管理者選定委員会に向けて事業者に有意な情報をあらかじめ与える可能性があるものと総合的に判断したことから、選定審議の内容についても非公開とさせていただいたものでございます。 ◆村田義則 委員 つまり、そういう理由でずっと出てこないわけです。そういうふうに言っていたら、今後もほとんどブラックボックスのままになってしまうんじゃないかということを危惧します。  さらに、がやがや館の指定管理料ゼロ円の問題もあります。これも議会での審議の際に、ゼロ円で大丈夫かという質疑が繰り返し行われました。選定委員会での議論や三年で黒字になるというサービス公社の提案の内容や根拠がただされましたが、この点でも区は公表できないとして一切明らかにしませんでした。  今現状どうでしょうか。毎年一億円から六千万円もの赤字を垂れ流し、常勤職員は大幅に減らし、運動室はコナミという企業に全面委託してしまいました。区民サービスはスタート時点と比べて明らかに低下していると言わざるを得ません。サービス公社の提案は現実的ではなかったということは事実で証明されています。  指定管理者指定は議会の議決事項です。しかし、選定委員会の結論だけ示されて、実質審議ができる情報がないまま議決するというのは、私たちが区民に対して議会の責任を果たしたことにならないんじゃないかというふうに思わざるを得ません。指定管理者制度活用の範囲も施設数も大きくなり、区民生活に影響を与える段階にある中で、区民に信頼を得られる運用を行うためのガイドラインの作成は不可欠と考えます。この中で改めて情報公開についてもきちっと精査をすべきです。早急な検討を強く求めます。見解を伺います。 ◎板谷 政策経営部長 先ほど横浜市の事例がありましたけれども、例えば横浜市では、民間と行政がお互いの認識について理解を深め、共創の目標を共有化するため、民間と行政で共有する共創推進の指針が設けられ、そのもとで指定管理者制度運用ガイドラインが策定をされております。  ガイドラインでは、市の指定管理者制度に関する基本的な考え方を初め、各種施設の所管課において指定管理者導入の是非の検討からモニタリング、評価、評価結果等の反映までの一連の過程における考え方などや制度運用に携わる関係所管課での役割にとどまらず、事業者へ求める事項なども広く定めているなど、行政内部のガイドラインでなく、事業者へ向けたガイドラインの内容にもなっております。  指定管理者制度は、多様化する住民ニーズに効果的、効率的に対応するため、民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的とした制度でございますので、行政、事業者が共通認識を持ち、あわせて区民も指定管理者制度の取り組みを図るような制度運用に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆村田義則 委員 その横浜もそうですし、今回質問するに当たって、改めて指定管理者制度――ちょうど十年過ぎあたりから全国の自治体でさまざまな総括やガイドラインの作成が行われておりまして、いろいろなところのガイドラインを読ませていただきましたけれども、その中でやっぱり一つ大きなポイントになっているのは公平性、透明性の確保という問題がありました。そしてその結論は、ノウハウだとか、そういう話をすると、やっぱりもう公開が事実上できなくなるということで、そこのノウハウ部分については、指定管理者の応募してくる段階できちっと行政と話をして、最低限に絞り込むんだということまでガイドラインには、例えば横浜にもそういうことが規定されております。  世田谷区でも、ぜひこれからの指定管理者制度、区民生活に本当に間近なところで公共施設の管理を担うことになるわけですから、それが本当に適正に行われる仕組みをしっかりとつくっていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、政策議論の場としての各種の審議会について伺います。  これは、実は一昨年の決算委員会で審議会への議員の参加をということを問題提示しましたが、その後、私の入院などでそのままになってしまいましたので、きょうは続きをやります。  まず、区長の諮問機関としての審議会は三十六あるそうです。そのうち、かつては十七の審議会に議員が入っていました。現在は法律などで定められた六つの審議会で議員が構成員となっています。  そこでまず、区に審議会をどのように位置づけ、また審議会に何を期待しているのかということについて伺います。 ◎岡田 総務部長 審議会は執行機関が行政を運営するために、その諮問に基づき審議を行い、答申等をまとめ、提言していただくことで、行政執行を助けることを目的とするものでございます。  執行機関として審議会に期待することは大きく三点ございます。一点目は、複雑高度化する行政需要に対応するため、常に最新の専門知識を導入すること。二点目は、行政の民主化の観点から、行政に住民の意思を反映させること。三点目が、公正な行政執行を図ることと考えております。  行政が専門分野についても多様な意見を吸収し、民主的に公正な判断をしていく上で、審議会の果たす役割は大きいと考えております。 ◆村田義則 委員 各分野の政策などについて専門家も交えて議論をし、区政に反映していくという意味で大変重要な場だと思います。この問題でもちょっと具体的に聞いてまいります。  住宅委員会、一つの例で議論してみたいと思います。今回の同性パートナーにかかわる区営住宅管理条例等の改正に至る検討の中で、住宅委員会は、住宅確保要配慮者支援ということについてどのような検討が行われたのか伺います。 ◎渡辺 都市整備政策部長 今般の提案させていただきました区営住宅管理条例等の一部改正におきます住宅委員会での取り扱いについては、平成二十八年九月に開催の第百十回の住宅委員会に際しまして、審議事項の概要案の中で、重点プロジェクトの一つであります居住支援プロジェクトの中で住宅確保要配慮者やLGBT等を含めた多様な住まい方についてという提示をいたしました。  しかしながら、検討の焦点が平成二十八年度設立をさせていただきました居住支援協議会での審議事項等の方向性を想定して、広く居住支援協議会のあり方ですとか、取り入れるべき視点についての検討に集中することとなりました。したがいまして、LGBTや同性パートナーといったことにまつわる支援の課題につきましては、直接的に審議はしてございません。 ◆村田義則 委員 今、御答弁にありましたように、現在、住宅委員会では、住宅確保要配慮者への支援について中間まとめ、中間提言を目指して審議を続けております。その際、最初の第百十回の住宅委員会に、区は資料としてLGBT問題について提示を確かにしております。しかし、具体的な審議が住宅委員会では残念ながら行われませんでした。  しかし、一方、全く同時期、実は、住宅委員会に最初に区が資料を提出したのは、たしか九月六日です。ちょうど九月、つまり三定が行われているとき、議会では区政の重要課題としてLGBTの方々の住宅確保の困難さ、区営住宅などへの入居について議論が行われていました。区はこの中で区営住宅の管理条例の変更も視野に入れた対応をするという趣旨の答弁を行っていた時期、ちょうど並行して住宅委員会でも同じ問題が大枠では議論されていたわけです。  先ほどの答弁で、審議会の役割として住民の意思の反映、公正な行政執行を図るなどが挙げられていましたが、区政と区民の今日的な大きな課題について住宅委員会での議論が結局行われなかったということについては大変残念です。  他方、住宅委員会の議事録を見ると、空き家対策や区営住宅の集会室の地域解放の問題など、さまざまな有益な議論と提言が行われておりました。私は議事録を読み、議員として住宅政策の専門家との議論の重要性を感じました。  実は、かつては私も住宅委員会に所属していたことがありまして、専門家の皆さんとの議論で大変触発され、勉強になったことを覚えています。さらに、個人情報保護審議会、地域保健福祉審議会、環境審議会など、さまざまな審議会で専門家や事業者、あるいはそこにかかわる区民の皆さんとの議論の場は、今でも私の議員の活動の糧にもなっているというふうに思っています。  審議会から議員が抜けてちょうど十年がたちます。審議会への議員の参加について、審議会の様子をつぶさに見ている区としてどのように考えておられるのか伺います。 ◎岡田 総務部長 附属機関である審議会等への区議会議員の参加につきましては、区民の代表という立場から御意見等を伺うことで議論が深まるという観点から、平成十五年度以前におきましては、十八の附属機関において区議会議員に御参加をいただいておりました。  こうした中、平成十四年当時、区議会においては区長の附属機関に構成員として区議会議員が参加することの是非についての議論が行われてきました。区では、こうした区議会の動きや行政実例において執行機関と議決機関との関係から、附属機関の構成員に議員が加わることについては、違法ではないが適当ではないというような考え方が示されていたことも踏まえまして、平成十五年の改選を機に、区議会議員を委員から除く方向で見直しを図りまして、必要となる条例の改正等を行ったところでございます。ただし、法律や都の条例で議員を構成員とすることが規定されているものについては、議員を構成員として残しております。  区といたしましては、区民の代表、また、行政のチェック機関という立場から、区議会議員が審議会等へ参加いただき、御意見等を伺うことにつきましては、議論が深まる意義もあるものと認識しているところでございます。審議会の構成員として区議会議員の皆様に御参加いただくことにつきましては、これまでの経緯を踏まえるとともに、区議会での御議論も参考としつつ、審議会での活発な活動に資する体制の構築に努力してまいりたいと考えております。 ◆村田義則 委員 各種の審議会にはさまざまな分野の専門家の方、現場で活躍されている方、広く区民の方々がそれぞれの分野ごとに議論を積み上げ、区政の政策立案に携わっております。議会での議論の経過はありますけれども、改めて審議会への議員の参加について、議会としても検討することを提案したいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、民泊について伺います。  政府は、アベノミクスの柱の一つとして民泊を広げる法整備を進めようとしています。民泊新法では、住居専用地域でも民泊を認める方向へ大幅に規制を緩和しようとしています。  一方で、大都市において無許可、無届けの違法民泊が東京、大阪などを中心に急増していることが報道されています。世田谷区内でも苦情が寄せられていると聞いておりますが、件数や内容について伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 保健所に寄せられた苦情は、平成二十八年四月一日から二十九年二月三日までの間では四十六件でございます。二十七年度は一年間で十七件でしたので、二・五倍以上に増加しております。  主な苦情内容といたしましては、夜中に騒いでいる、夜中に出入りしているといった騒音に関することが一番多く、二番目は、安全面が不安、オートロックが解除されるといった不安感に関することなど、三番目は、ごみ出しのルールが守られていない、たばこやごみが散乱しているといったごみの問題。四番目といたしましては、部屋を間違えて尋ねてくる、部屋を間違えて入るなどの居住者とのトラブルに関してのことなどが苦情として寄せられております。 ◆村田義則 委員 世田谷は住宅都市であります。ぜひこれをしっかり守るという立場を堅持した対応を求めたいと思っております。  外国人旅行者の急増を背景に、宿泊先の確保が困難な状況にあることは事実です。しかし、安全、衛生、防災設備が十分整わないまま民泊を認めることは、近隣トラブルの増加、住環境の悪化にとどまらず、民泊者の安全も保障できません。区として住居専用地域での民泊は原則認めないよう国に働きかけるべきということを主張しまして、質問は全部終わりましたので、以上で終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時七分休憩    ──────────────────     午後五時二十五分開議 ○和田ひでとし 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 総括の続き、世田谷区の財政事情ということで、先ほど他会派から建築費が三〇%ぐらい多く払っているんじゃないかというような指摘がありました。そうなると、私もそういうこともあろうかと思って、実はこの表から建築費を三七%引いた表というのもつくっております。  これは、最初のここで書いたのが、年間にして八十九億円の歳入不足ということだったんですけれども、年間八十九億円の歳入不足を六十五億円に縮めた場合のグラフです。実は、これは素案に載っていたグラフです。素案のグラフというのは、今後年間で六十五億円の歳入不足があるというふうになっていました。  しかし、今度、素案から案になったときというか、計画が出たときには、年間で八十九億円の歳入不足が出るという形で、総括のときには、その計画の成案のほうを用いました。今回三〇%以上をかさ上げしているんじゃないかという指摘が正しいとすれば、三七%引きでもほとんど結果は同じで、借金の総額が五年ほどこっち側にシフトするという形になりますので、相変わらず世田谷区の財政事情は変わらないということなんですね。そこの部分をしっかりしないと、いいかげんな議論をしているんじゃないのかと思われるのも不信ですから、要するに、トレンドとしては変わらないということなんです。  そこで、財政とも一応相談して、今の状況の八十九億円が不足だとか、六十五億円が不足だとかということはどういう状況なのかということを一分間で区民の皆さんにわかるような話にしてみようと思って、ちょっと財政にも確認したんです。  世田谷区の収入は約三千億円。正確に言うと、予算案は二千九百八十七億円ですけれども、丸めて言えば三千億円の収入があるというふうに考えられます。そのうち、区の裁量で使えるのは二千億円。残りの一千億円というのは、国や都からの補助金であらかじめ使い道が決められています。ですから、三千億円のうち、残り二千億円がある程度区の裁量で使えるという金額になります。今度はこの二千億円のうち、人件費と施設維持費を合わせると約一千億円になります。そうすると、残りの一千億円が純粋に世田谷区の事業として使えるお金ということになります。  しかし、この一千億円のうちから国民年金等の不足分の穴埋めとして充当している金額を合わせると約三百億円あります。そうすると、残りが七百億円なんです。七百億円で世田谷区の事業を行っているということになるわけです。それに対して毎年安く見積もっても六十五億円、かさ上げしたとしても八十九億円、約一割以上の歳入欠陥が生じるということを私は言っているんです。  そうなると、例えば五百億円ぐらいの貯金があっても、毎年六十五億円から八十九億円ぐらいの貯金を取り崩しても、五、六年で底をついてしまいますよということを、前回のことは前回で言っても同じことなんですけれども、この図は正確に示しているんです。では、貯金が底をついて、しかも高齢化社会の中でさっき言った三百億円が多分膨らんでいくだろうということもあるだろうし、それから歳入の増も見込めないという中でどうやっていくかというと、結局方法は三つしかないんですよ。  要するに、一千億円の施設維持費プラス人件費を縮めるか、それとも三百億円のいわゆる社会保障費の穴埋めを縮めるか、もしくは残りの七百億円の区の何らかの事業を縮小するか、この三つしかないんですよ。もしくは老朽化をそのまま放置しておくということです。老朽化を放置しておくと施設は使えなくなりますから、いずれにしても事業をやめざるを得なくなるということなんです。これが前回言った話の全体像なんです。要するに、実際七百億円ぐらいの人件費を除いた事業費の中で一割以上足りない、六十五億円から八十九億円が足りませんよという中で、それをどうやって補填していくのかという話なんです。それに対する対応策というのが何ら打てていないということを指摘したわけです。  庁舎等の長寿命化だか云々かんぬんとか言っていますけれども、それは実際実現されたわけじゃないんです。これから検証すると言っているだけの話であって、全然実現性がある話じゃないということなんです。  ここから先の話は特に教育長に聞いてほしいんですけれども、実は建設費の六割が大体学校施設関係の建てかえの費用なんですよ。わかりますか。我々が北沢小の件を言っているのは、要するに、過小規模の小学校が十校ある。それから中学校が二校ある。それから過大と言われているところが小学校で七つもあります。これに対して一年に二校の改築はできないと総合管理計画で言っているんです。どうするかというと、今度は校舎の棟単位だけで改修、改築を行いますよと、大きいところを小さくして、小さいところをなくして統合していくみたいなことをさんざん書いてあるんです。それでもできない場合は、学校区を全部変えていくということを言っているわけです。  そうなると、今後何が想定されるかというと、例えば単純に言うと、小学校三年生の上のお兄ちゃんはA小学校に行っているけれども、下の新一年生はB小学校に行っちゃうというようなことにも当然なり得るわけです。そういうことを想定していくと大混乱を来しますよ。北沢小の件だけでもあれだけ騒動が起きているのに、学校の統廃合は進めます、そこに学校があったものを違う複合施設に変えます、しかも学校がなくなった後、統合して学区を変更しますというようなことがこのやりくりの中でできる、それをやります、またはやれますみたいなことが書いてあるんです。これがこの真ん中の公共施設の経費抑制に成功したらということです。  そんなことができるわけがないんですよ。仮に検証したとしても、学校の長寿命化というのは物理的に可能かもしれません。でも、学区を変えるのに学校の統廃合またはそこの学校をなくして、そこに複合施設を入れるみたいなここ数年のやり方が全区的にできるかといったときに、やり終えた途端に今度は人口が変化してくる可能性がある。今度はなくなった小学校に小学生が多くなるかもしれない。そういう全体の調整をやっていなければ、世田谷区の教育行政はぐちゃぐちゃになっちゃいますよ。要するに、統合の時期を六年ぐらい早める、十年以内と言ったり、それを決めなかったり決断しなかったり、そういう総合的なこれが何を意味するのか、身近な生活の中で何を意味するのかということを区民に示さず、その都度言っていったって区民は大混乱しますよ。  つまり、お金の問題だけじゃないんですよ。(「学校の財源は」と呼ぶ者あり)学校の財源はもちろん、学校の財源も含めて、それをやるためには、人の心だとか、そこの学校に対する愛着だとか公共施設に対する愛着、そういうものがあるわけですよ。例えばこの本庁舎だって区長よりも僕のほうが愛着はありますよ。昔からいますからね。でも、やはり首都直下地震とかそういうもののためには災害対策中枢機能というのは備えなくちゃいけないということを言っているんですけれども、そんな中で教育センターをつくることばかりに夢中とは言いませんけれども、それは一つの子どもビジョンの一環かもしれない。でも、全体からすると、大もとがぐらぐら揺らいでいるわけですよ。  その中で一番被害に遭っているのは教育長のセクションなんですよ。被害というかね。それをわかっていて何も意見しないで、しかも北沢であったようなことというのは、これから全区展開する可能性があるわけですよ。そのことを含めてうちの会派は申し上げているわけですよ。全体を見なさいと、世田谷区の社会の中で何が起きるかということを申し上げているんですけれども、何かあったら一言言ってください。 ◎堀 教育長 今回の公共施設総合管理計画を決める際には、今、委員がおっしゃったように、二校改築が棟別改築になるというような話も踏まえて、五十年計画の十年ということで議論させていただきました。私どもは統廃合もそうですが、学区域変更も――今現在子どももふえていますので、おっしゃるような、ただでは行政サービスはできませんので、それは視野に入れて検討していただいていると思っていますし、私もそれに参加してお話はさせていただいております。 ◆大庭正明 委員 それで補充なので、私が随分削れ削れと言っているようにも聞こえるのも困るので、私は何で行革をしろというふうに言っているかというと、実は、これは絶対に残していき――風潮の中で手をつけては困るものというのがあって、それは子ども医療費無料化です。これだけには手を触れないでほしい。これは世田谷区の財産だと僕は思っております。  これは平成十八年ですから、もう十一年前の福祉保健常任委員会の九月二十六日のことです。ここで初めて中学三年生まで医療費無料化の議案が出ました。私は、これをどういうふうに理解したかというと、(「行革の成果なんです」と呼ぶ者あり)そうです。読みますけれども、私のほうの会派としては、二〇〇二年ぐらいからの熊本区政における行政改革の成果だというふうに考えているんですけれども、これは別に借金でするわけではありませんよね。内部的な行革の成果として生み出されたお金がここに充当されるという理解でよろしいんですよねということに、当時の田中子ども部長が、その件につきましては、そのとおりだというふうに認識しております。それで、私は最後にこういうふうに述べています。当時所属していたのがせたがや政策会議ですけれども、せたがや政策会議としましては、現行の日本の社会保障全体の総額予算が年間八十四兆円と言われる中で、その七割が高齢者に使われている。その反面、子ども向けにはわずか四%にも満たないという状況の中で、また、先進国では一〇%から二〇%を子ども向けに充当している国があると言われる中で、この部分に、世田谷から行政改革の果実として光を与えることは非常に評価できると考えております。ただし、前回の拡大の際にも、子どものいる家庭での禁煙指導の徹底、それからまた今回においても、義務教育における食育の実践等を代表質問等で申し上げてきたところであります。世田谷の子どもたちの健康との関係を常に検証することを要望しまして、今回の条例に賛成いたしますと、これは私の発言録からとりました。  やはり人間、ある程度生きてくると健康が一番なんですよ。それで子ども医療費はふえています。中三を始めた平成二十年度決算額でいくと約三十二億円、それから直近の平成二十八年度の決算額で三十九億円とふえているんですけれども、ただ、これは無料だからほかの人の分までとっているんじゃないかとか、無駄に医療費が払われているんじゃないかというふうな都市伝説があるんですけれども、実際、検証してみると、例えば三十二億円から三十九億円の増額というのは、乳幼児が一番ふえているんです。乳幼児は医療費がなぜ大切かというと、乳幼児ですから自分の病状をうまく説明できないんですよね。だから親が見落としがちになる。これは精神も心身も含めて全体の健康という面から見ても、僕はそうだと思うんです。  それで、片方で所得制限をすべきだというような意見もありますけれども、所得制限をすると窓口差別につながる。では、一回につき百円とか二百円とかを取ろうとすると、やっぱり所得の低い人というのは、日々百円、二百円安いもので買い物をしようと努力している中で、子どもがぐずぐずしてぐあいが悪いのに、行けばそこで二百円でも五百円でも取られるということになっていると、あんたそのぐらいは我慢しなさいと医療控えにつながるわけですよ。それが最近の医療に出会わないということになってくると、せっかく日本という医療がある中で、それの恩恵にあずかれないで少年期、十五歳までを過ごすというのは、やはり社会正義にかなっていないということだと思うんです。  私が言っているのは、そういうことの経緯も含めて、やっぱりいろいろなことを縮小していかないと社会保障費に手をつけざるを得なくなるという議論が出てくるんですよ。そのためには早目早目から世田谷の大人全体でいろいろな我慢をすることにして、子どもたちの未来、少なくとも体だけは健康に十五歳を迎えて、あとは自己責任と言ったら変ですけれども、そこから先は税金の限界ですから、少なくても十五歳までの義務教育の間は、健全な体で世田谷区で過ごしてもらいたいということの裏側として行革に向かえというふうに言っているんですけれども、(「全然やってないな」と呼ぶ者あり)全然やっていないんですよ。  区長、どうですか。私の言っていることはおかしいですかね。僕は区長とかなり似通った考え方を持っているんですけれども、ただ、言っている以上は、その裏打ちとなることを実行せよということなんです。あれも言ってこれも言ってというわけにはいかないわけです。そこのところはどうですか。 ◎保坂 区長 今、子ども医療費無料化導入時の大庭委員の意見表明、また、述べられました考え方、子どもの健康、これらは本当に大事だと、所得制限やワンコインも含めて大変共感できる考え方だと思います。  一方で、そちらの膨れ上がっていく財政需要、それが素案なのか、案なのかという問題はありますけれども、それは我々としては、さまざまな手法を駆使して黒い線のほうに抑え込んでいきたいというふうに思っております。そのためにその手法の改革とともに、今おっしゃった考え方、つまり、全てのサービスは当然拡大したいという力学が働くわけですけれども、しかし、全体の持続可能性のためにコントロールして、持続可能な財政を何としてもつくっていかなければならないと思います。 ◆大庭正明 委員 だから、言葉だけじゃだめなんですよ。具体的に一つ削減するなり縮小するなりということに対すると、やっぱり反対は出てくるんです。反対と向き合っていかなくちゃいけない。我々はその対価として何を残すのかということを説明する義務もあるし、行政側もそれを説明していくべきだと僕は思うんですよ。それを避けて――前々から言っていると、何か言葉だけであれもやれます、これもやれますみたいな形で。  子ども医療費というのは、一番ダイレクトな形で公平性が高いんですよ。富める人も富めない人の家の子どもに生まれても、平等に全員がかかれる。保育園というのは入れる人と入れない人がいるわけです。そこに不平等性があるわけですよ。やっぱりそこは不平等感があると思うんですよ。何で入れる人がいて、何で私は働きたいのに入れないんだというのもある。遠い近いもある。だけれども、子ども医療費というのはダイレクトな交付ですから、サービスとしては、どの家庭にあっても平等に受けられるという意味では、さっき言った社会正義にかなった制度だと僕は思うんです。  これを賛成するに当たっては、会派内でも相当議論したんですよ。これは大変なことになるかもしれないと。でも、これは一度賛成した以上、やっぱり行革ができないからやめましょうなんていう議論は、僕は絶対やめようと、一度賛成したら徹底的に行革はやって、大人に我慢してもらって子どもに未来を託そうというようなことを十一年前にも我々は考えたんですよ。当時の会派には現在の議長もいらっしゃって、いろいろ議論も含めてやったんですよ。  そういうことも含めまして、やはり具体的なメニューが今回の予算案には示されていないし、今回のこの赤い上のラインというのは予算説明書に載っかっていなくて、行革をした場合の二、三年後のところまでしか載っていないんですよ。だから、現実、これは多少こっち側にシフトするかもしれないけれども、財政状況自体は数年おくれるか早まるかだけの違いであって、やっぱり今出ている症状を改善する手だての処方箋を出していく。半分はできているけれども、さっき言ったように、学校の改築だとか学校区の改変だとかという、実際計画どおりにやったら大変な反動が起きてくるということを考えていない。ペーパーの、机上の空論ですから。僕はそこのところを言っているんですよ。それは大変な作業ですよ。  前々から言っていますけれども、区長がことしももう六十回ですか、四十回ぐらいは区の講演でも何でもない講演会に行ってらっしゃる。そういう暇があるんだったら、膝を突き合わせてもっと具体論を出していかないと、子ども医療費が結局子どもたちの将来を奪うことになりかねないんですよ。  多分それでもいろいろ可能性はありますよ。二十年後とか三十年後までの間には首都直下が起こるかもしれない。果たして避難所の学校がぼろぼろでいいのかどうかという問題もあったり、いろいろ複合的にするんです。ですけれども、やはり具体的なものを出していただきたい。両副区長、実務方のトップとしてお答えいただきたい。現実に出してくださいよ。いつまでに出すんですか。今年度予算には出ませんでした。補正予算まで出すんですか。補正予算まで出すんだったら、補正予算に賛成してもいいですよ。 ◎板垣 副区長 具体的にということでございますけれども、まさにこの公共施設等管理計画の中に総額をどうやって抑えていくかという対策をお示しし、先ほど区長が申しましたように、黒い線にできるだけ近づけていく。そのためにはこの間も言っておりますけれども、長寿命化、改築時の面積抑制、仕様の簡素化、あるいは仮設建築物の抑制、あるいは民間活用等々をこの中にもお示ししていますし、先ほどありました学校に対しても、それこそ棟別改修をしないといけないという、その具体策も向き合っていくつもりでおります。 ◎宮崎 副区長 私のほうの今経費が伸びているのはやっぱり保育ですので、保育は前から議会からもお示しいただいていますように、何とかソフトランディングをしていかなきゃいけないということは念頭に置いていますし、また、来年度は国保の広域化の問題も出ています。この辺は世田谷の実情もよく考えて判断していきたいと思っています。
    ◆大庭正明 委員 以上で質問を終わりますけれども、計画だけと計画を実施するという段階での摩擦熱、そのことを全然考慮に入れずにいるということを指摘して、私の会派の質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 引き続きまして、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 先ほどの諸星委員のお話を伺って、深く感じ入るところがありました。改めて三層構造は常に進化していかなければいけないと思いました。  それはそれとして、せたがや希望の会の補充質疑を始めます。  行政の役割の一つは、物事を公平に取り扱うことです。同性カップルを差別すべきではない、当然のことです。では、どのように公平に扱うかということに行政は全力を尽くさなければなりません。しかし、今の区役所には、そのことが圧倒的に不足しています。  出張所設置条例の改正について反対し、企画総務で質問しましたが、適切な答弁がありません。担当課長の答弁では、出張所は区内全域に設置しなければならないということではないと言われました。私が申し上げたのは、出張所設置条例第一条で、区長の権限に属する事務を分掌させるため、出張所を設置するとされていることなのです。区長が出張所に事務を任せているのです。  しかし、今回、特定の地域で出張所としての所管区域が消えるのです。そのことについて、どこが担うのかと伺うと、担当は、それは支所の区民係が担うと言われました。どこに書いてあるのかと伺うと、どこにも書いていないと言われました。しかし、先日の企画総務での答弁では、総合支所に開設するくみん窓口では、これまでと同様に区内全域についての住民サービスを行うとされたのです。区内全域です。これでは今回消えた出張所所管管轄への対応がなくなるのではないですか。担当部門は、実際には支障がないと言われますが、今支障がないから考えなくてよいというのは余りにも荒っぽい検討ではないですか。  これまでの区の取り組みは、何か変更しようとするときにはあらゆる場面から考え、区民にとってどれだけ公平かということを検討していたように思います。質問すると、区はそんなところまで細かく検討していたのかと驚くとともに、安心したこともありました。  ところが、このところ区営住宅の問題もありますが、区の検討が余りにもおざなりで、全く信用できない、信頼に足る組織ではないように感じられます。出張所レベルで宙ぶらりんになった区民に対しても、きちんとその位置づけを明確にすべきと思いますが、お考えを伺います。 ◎萩原 地域行政部長 これまでの七つの出張所では所管区域は定めておりますが、来所された方は、区内どちらにお住まいの方にも転入・転出手続等を初めとした窓口サービスを公平に提供してきたところでございます。今後は総合支所内に設置された出張所等を七月にくみん窓口に移行し、五つの総合支所のくみん窓口と支所内にあります四つの出張所とで引き続き区民の皆様に窓口サービスを提供してまいります。くみん窓口と出張所での窓口サービスについて、区民の皆様にわかりやすいよう、今後さまざまな形で区民周知に努めてまいります。 ◆小泉たま子 委員 総合窓口について伺います。  区の総合窓口構想に反対いたします。区は、当初から名称について、総合窓口、総合窓口(申請窓口の総合化)、そしてまた総合窓口と言われ、先ほどの出張所設置条例の改正の趣旨において、総合窓口を設置することから出張所を廃止するとされたのに、条例が可決されると、その瞬間に名称をくみん窓口へと変更したのです。誰が決めたのですか。全く区民不在です。理解できません。  さらに区は、当初から総合窓口整備については人員をふやさないと言われていましたが、今回のお話では一日当たり三十名弱の人員が増加する。これは一体全体どういうことなのでしょうか。毎日毎日三十名弱の職員が新たに配属されるのです。これに対してどのような経済効果があるかという質問にはお答えがありません。さらに、三十名弱の人員の内容は非常勤職員が多いのですが、繁忙期、通常期など業務量が大幅に変化するときに、この非常勤体制を活用してどのように柔軟な対応をしていくのか。また、先日質問してお答えがなかったのですが、今回整備しようとしている集中入力センターをなぜ地区レベルに接続しないのか。本当に区民のことを考えれば当然接続されるものと考えます。  企画総務での論議で出張所とまちづくりセンターの分離についてその趣旨を伺ったところ、答弁として、区民の期待に応えるためには、このような機能の切り分けが必要と認識していると言われました。全く区民生活を理解していません。相談と申請は分離すべきではないのです。なぜそれがわからないのですか。多くの区民は、自分が困っている内容が区の言う福祉部門の課題なのか、区民生活領域の課題なのかわからないのです。ですから、何でも相談できる窓口に行ってじっくりとお話を聞いてもらい、それが区の何らかの支援に結びつくのであれば、その場で申請もできる、これが望むべき窓口の姿です。  しかし、今の区政は全く逆の方向に進んでいる。集中処理をするために窓口を集約し、区民にも負担をかける。それでトータルの経費が減少するならばまだしも、逆に事務経費も人件費も膨大にかかってしまう。これはおかしくないですか。これが打てば響くまちづくりを標榜していた世田谷区の行うことですか。お考えを伺います。 ◎萩原 地域行政部長 総合支所のくみん窓口、これは呼称でございますが、ここでは転入や戸籍の届け出などライフイベントに伴う申請や、これまで本庁の各窓口で受け付けていた関連する手続の一部も取り扱い、手続面での行政サービスの向上を図るとともに、個々の区民ニーズに応じて同じ支所施設内や本庁の専門所管へ適切につなげるコンシェルジュ的な役割を果たすことも目指しております。各種制度や法令の改正などにより複雑化、高度化している窓口業務への対応が求められている中で、くみん窓口は職員による業務知識の向上を図りながら、的確に区民の期待に応えることが大切であり、その必要性があると認識しております。その役割をしっかり果たしてまいりたいと存じます。 ◆小泉たま子 委員 三軒茶屋新施設整備について伺います。  アメリカファーストであれ、都民ファーストであれ、それ自身は大事なことでしょうが、問題はアメリカをファーストと言い、都民をファーストと言った以上、ファーストでないものをどのように取り扱うかということなのです。人、物、財源が圧倒的に不足してくることがわかっているときに、これが大事だ、あれが大事だと言うことは自由ですが、では全体をどうするかという考えなしに組織経営はできないはずです。  私たちは、既に玉川支所改修で六億円をかけたその三年後に、同じ建物を改築に着手するという事態を経験しました。なぜこのようなことになったのか、誰に聞いても満足な答えが得られません。私は、議会での当時の議論が果たして十分であったかと反省します。  その経験を踏まえ、区内にはさまざまな課題がありますが、では、今なぜ三茶ファーストなのですか。そのことを質問してもお答えがありません。さらに、三茶整備を重視しなくてはならないとして、なぜ特定の物件だけを相手にしなければならないのか。なぜ相手の方の言うままに早く覚書を交わさなければならないのですか。  区役所の方にこの三茶整備のことを伺うと、おかしいのではないかと言われる方も多いのです。では、これがおかしいのではないかという議論が庁内ではないのかと聞きますと、恐ろしくてとてもそんなことは言えないと言われるのです。(「誰だ恐ろしいのは」と呼ぶ者あり)誰が恐ろしいのかは聞けませんでしたが、先日の企画総務でこの借り上げ新施設について、区の基本姿勢として、積極的にまずは借り上げ施設を解消していくべきと質問したところ、担当課長が、公共施設等総合管理計画の中で区民ニーズに柔軟に対応する場合には、借り上げも区として有効であるという考え方を出していると答弁されました。  私は、先月発表された区の公共施設等総合管理計画案を調べました。担当の言われたことは載っていません。載っているのは、まず、借り上げ施設については、長期的な借り上げによるトータルコストを踏まえ、計画的に返還を進めるとされ、ただし、短期的な活用などで借り上げの優位性を確保できる場合は検討するとされています。まず返還を進める。ただし、短期的な活用などで借り上げの優位性が確保できる場合は考えると書いてあるのです。担当課長の答弁とは違うではないですか。五十年が二十年に短くなったといって、二十年が果たして短期ですか。さらに、区が整備すれば七十八億円、借りると二十年で八十八億円で、かつ手元に何も残らない。これで借り上げの優位性が確保できていると言うのですか。  私は、この総合管理計画の全てを読みました。施設類型ごとの方針として、庁舎から区民集会施設、福祉施設、学校施設に至るまでの数多くの具体的施設について、課題や施設整備方針、年度別計画まで立てられていました。しかし、三軒茶屋の分庁舎のことは、ただの一言も載っていません。載っていないのが悪いというのではなく、三軒茶屋分庁舎の見直しの前に、これほど多くの施設の改修などが迫られているということです。そのための計画でしょう。それが策定されたのが先月二月です。一カ月もたたないうちに、全く計画に挙げられていない施設整備がなぜ出てくるのですか。区の言う計画行政とは一体何ですか。  担当課長は、このように答弁されました。どんな施設を整備するか、そのときの財政状況に応じて適切な手法を選択する。この言い方が現在の世田谷区をあらわしています。その時々の財政状況に応じてです。長期的な視点がないのです。ですから、七十八億円かかる自前整備よりも、八十八億円かかる借り上げのほうが当面楽であると考えるのです。  今の区は、将来を見据えた計画性がありません。目の前の課題だけを解決しようとしている。それも職員全体が理解、納得しているのではなく、どこで誰がなぜ決めたのかわからない状況です。この典型が総合窓口と三軒茶屋施設整備です。  実務としてさらに問題があります。担当課長は、常任委員会の質疑で、相手方とこれまで正式な決定がないので、図面一つつくるについても、これまでお金をかけずにつくってきたが、これから精緻な検討をするためには場合によって金がかかるかもしれないから、検討するための覚書を取り交わす。さらに、覚書の内容については、ビルの建て方、契約の枠組み、利用の条件、費用負担があるとされ、担当部長は総括質疑で、区が二十九年度中に整備の可否判断するに当たり、検討に当たって費用が発生する場合、図面の作成などについて今後の費用負担の方法を協議することを覚書とすると言われました。これはおかしくないですか。区が整備の可否判断をするに当たり、なぜ交渉の相手方と費用を分担しなければならないのか全く理解できません。区が決断するためには、客観的な状況の中でみずからの責任において検討し、決めるべきことです。それをなぜ相手方の協力を得ることとなるのか。  民間事業者は、収益を上げるためにみずからの責任で行動いたします。株主もいるから当然のことです。一方、区は、区の立場で検討する。そして区民に責任を持ちます。であるのに、決まっていないのに、交渉、契約の相手方と具体的作業の役割分担、費用の分担を決めるというのは、これは何か水面下であるのではないかと思われても当然ではないですか。  整備の可否判断が出るまでには区が主体的になり、当然経費も負担し、専門知識が必要な場合には第三者機関を使い、検討の際に不明な点は、相手方に事情を明らかにして協力をいただく、これらの検討過程を公開していく、このようにすべきですが、区のお考えを伺います。 ◎板谷 政策経営部長 現在お示ししております公共施設等総合管理計画の案では、限られた財源の中で確実に整備更新を進めるため、長寿命化、複合化、多機能化や民間活用など、さまざまな手法の創意工夫を掲げ、総量と財政目標を示してございます。  こうした中、三軒茶屋駅周辺におけます再整備を検討する各施設は、事務所の狭隘化やユニバーサルデザイン化ができないこと、築四十五年となる御幸ビルを初め、今後確実に老朽化が進むことなどの課題に直面してございます。これらの課題の解決とともに、点在する施設の集約化、複合化等による相乗効果の創造、経費抑制、利便性の向上などを図るため、今後さらに精査検討する必要があると考えております。  また、交通利便性の高い三茶付近では、ほかに整備に適し、確実に活用できる用地がなかったこと、また、既存の区施設には今回の対象施設を寄せられる十分なスペースがないこと、また、整備検討の対象としている施設の中には、社会情勢の変化や国の制度改正等によって需要の変化に対応する必要があること、さらには、今後のまちづくりの動向なども踏まえ、引き続き詳細な検討を行う判断をしたものでございます。  覚書なんですが、覚書の内容としては、検討を進めるための協議に関する内容であり、二十九年度当初から十分な時間をかけて本格的な検討を進めるため、年度内の覚書の取り交わしを目指しているものです。引き続き二十九年度に集約化、複合化等による相乗効果の創造や重複する機能の整理など、より具体的に精査検討してまいりたいと考えております。 ◆小泉たま子 委員 以上で私の質問を終わり、阿久津委員と交代いたします。 ◆阿久津皇 委員 最後の質問者となります。あと八分、七分ちょっとですけれども、最後までよろしくお願いします。  私からは、改めて住宅管理条例について伺ってまいります。  二月七日に議案が示されましてから昨日の都市整備委員会まで予算委員会を通じた議論なんかも深めてまいりましたが、残念ながら、会期中には委員会として結論を出すことはできませんでした。この議案の継続審査というのは三十七年ぶりということで、改めてこの本議案の抱える背景の大きさですとか、また難しさというものが示されたのかなというふうに考えています。  本議案は都市整備領域だけではなくて、人権を扱う生活文化部を初め、教育ですとか福祉ですとか、さらには法律や憲法との整合性、かかわり方、それからあとは家族制度ですとか、社会の継続性といった国のあり方まで考えた上で議論していく必要があるのかなというふうに考えています。  そのあたりも踏まえた上で、今回この住宅条例の改正理由にも挙げられているパートナーシップ宣誓、同性カップルの方々の存在ですとか権利を認める根幹となるパートナーシップ宣誓というものが、条例ではなくて、要綱となった理由を改めて教えてください。 ◎田中 生活文化部長 当事者の方々が区役所に御要望においでになったときに、自分たちの思いを受けとめてほしい、パートナーとして認めてほしいという思いが語られて、それを受けとめる形で、区として裁量の範囲でできることということで、要綱で実施したということでございます。 ◆阿久津皇 委員 今回要綱ということで、またいろいろとお伺いしている限りでは、条例ではなくて要綱としたということの理由の一つに、根拠となる法令がないということも挙げられておりました。  渋谷区では条例が制定されたんですけれども、その後、幾つかの自治体でパートナーシップ宣誓と同様のものが決められておりますけれども、それらが全て要綱であることですとか、その後、ほかの自治体への波及がなかなか進んでこないということも考えますと、根拠法というものがないことに原因が一つあるのかなというふうに考えています。  国ではLGBT差別禁止法が議論されておりますが、法制化にはなかなか至っていないという状況で、この法律で定めようとしている性的マイノリティーに対する理解の促進と差別の禁止という内容は、まさに渋谷で定められている条例と同様の内容であって、ほかの先進各国でも既に法制化されており、また、五輪憲章でも定められているということで、国で議論がまとまらないのであれば、区が先んじてそういった包括的な条例を定めていくことも必要なのではないかというふうに考えています。  また、この包括的な条例を制定していく上では、先ほど申し上げたような法律や憲法との整合性ですとか、婚姻とか家族というものに対する考え方も問われてくることがありますので、時間もなかなかかかるのかなと。その間、性的マイノリティーの方々が置かれている差別的な状況を放置するということは好ましくないということは言うまでもありませんので、それはそれとして、一つ一つ解消していく必要があるのかなというふうに考えています。  またお伺いしたいんですけれども、その性的マイノリティーの方々が差別的な扱いにある、そういった権利というか、そういった状況というのは、この住宅以外でどういったものがあるのか教えてください。 ◎田中 生活文化部長 当事者へのアンケートを実施した結果によりますと、やはり医療や福祉のサービスを受ける際に、法律上の家族や婚姻関係と同等の扱いを受けられるようにしてほしいということを挙げた方が六七・四%となっておりまして、教育、就労、住宅、災害時の対応などとともに、市区町村への要望が多い結果となってございます。また、同性のパートナーであっても、法律上のパートナー、家族として認めてほしいという回答も多く、課題であると認識しております。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃった教育、就労、住宅、あるいは法律上の婚姻関係というところも含めて、それらのうち、区独自の裁量で解決できるものというのがどのぐらいあるのか改めて教えてください。 ◎田中 生活文化部長 性的マイノリティーの方々から寄せられた困り事については、第二次男女共同参画プラン策定の中で、当事者の意見も伺いながら検討してまいりました。今後、プランを実施していく中で新たに実施する相談事業等の場で個別のニーズをしっかり把握するなど、一人一人の課題の解決に取り組む必要があると考えております。  区営住宅条例は、パートナーの定義として、民法等の現行法規の規定を前提としているため、区独自で異なる解釈をすることは困難であるとの認識のもと条例改正の提案をさせていただいたものですが、個々の課題の解決に向けては啓発や研修を実施するもの、また災害時の対応のように、地域防災計画に位置づけるものなど、さまざまな手法が想定されます。  今後はそれぞれの課題の解決に向け、どのような手法をとることが有効かということについて当事者の意見を伺い、区議会とも相談させていただきながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆阿久津皇 委員 その市区町村、自治体レベルで改善できる問題と法律が絡んでくる問題と、とりわけ戸籍だったりとか、配偶者控除とか、あるいは財産分与なんか区だけではできない問題もたくさんあると思うんですね。性的マイノリティーの方も、とりわけ同性パートナーという方々の抱えるさまざまな不利益を解消していくに当たって、先ほど申し上げたような社会ですとか、国家の継続性というものですとか、家族制度、あるいは憲法や法律との整合性というところまで、区としてまずはしっかりと統一した見解を持つ必要があるのかなというふうに考えています。  それを踏まえた上で、今現実にどういう問題があるのかということをまた分析して、また男女のパートナーと比較してどこまで権利を認める必要があるのかということも考える必要があると思います。そういった統一的な見解を持つことで、ようやく施策の優先順位ですとか、長期的にやらなきゃいけないこと、短期的にやらなきゃいけないことがあると思いますので、そういった議論を私たち議会も含めて今後しっかりと進めていきたいと思いますということを申し上げまして、希望の会の質問を終わります。 ○和田ひでとし 委員長 以上でせたがや希望の会の質疑は終わりました。  これで平成二十九年度予算五件に係る質疑は全て終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後六時十三分休憩    ──────────────────     午後六時二十九分開議 ○和田ひでとし 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  引き続き、議案第一号から議案第五号に至る五件に対する各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は自席よりお願いいたします。  最初に、自由民主党、どうぞ。 ◆山口ひろひさ 委員 自由民主党世田谷区議団は、平成二十九年度一般会計予算外四件に対しまして全て賛成をいたします。  意見は本会議場にて述べさせていただきます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、公明党、どうぞ。 ◆高橋昭彦 委員 公明党世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、世田谷民進党・社民党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 世田谷民進党・社民党区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件について賛成をいたします。  なお、意見は本会議場にて行います。 ○和田ひでとし 委員長 次に、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 日本共産党世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計、介護保険事業会計及び学校給食費会計予算に賛成し、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の各予算に反対をいたします。  なお、意見については本会議場で申し述べます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 無所属・世田谷行革一一〇番は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算に反対、その他四件については賛成します。  なお、意見等は本会議場にて述べます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、せたがや希望の会、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 せたがや希望の会は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 生活者ネットワーク世田谷区議団は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 減税せたがやは、平成二十九年度予算全てに賛成をいたします。  なお、意見につきましては本会議場で述べさせていただきます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 レインボー世田谷は、平成二十九年度世田谷区各会計予算五件全てに賛成いたします。  意見については本会議場で申し上げます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、せたがやすこやかプロジェクト、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 せたがやすこやかプロジェクトは、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成いたします。  なお、意見につきましては本会議場で申し上げます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 世田谷無所属は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成いたします。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○和田ひでとし 委員長 次に、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 無所属は、平成二十九年度世田谷区一般会計予算外四件全てに賛成します。  意見につきましては本会議場で述べます。 ○和田ひでとし 委員長 以上で各会派の態度表明は終わりました。     ────────────────────
    ○和田ひでとし 委員長 引き続き採決に入ります。採決は三回に分けて行います。  まず、議案第一号「平成二十九年度世田谷区一般会計予算」についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○和田ひでとし 委員長 起立多数と認めます。よって議案第一号は原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第二号「平成二十九年度世田谷区国民健康保険事業会計予算」及び議案第三号「平成二十九年度世田谷区後期高齢者医療会計予算」の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○和田ひでとし 委員長 起立多数と認めます。よって議案第二号及び第三号の二件は原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第四号「平成二十九年度世田谷区介護保険事業会計予算」及び議案第五号「平成二十九年度世田谷区学校給食費会計予算」の二件についてお諮りいたします。  本二件を原案どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○和田ひでとし 委員長 御異議なしと認めます。  よって、議案第四号及び第五号の二件は原案どおり可決と決定いたしました。  以上で当委員会に付託されました予算審査は全て終了いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 この際、区長より発言の申し出があります。 ◎保坂 区長 予算特別委員会の終了に当たり、一言御挨拶を申し上げます。  ただいま採決の結果、平成二十九年度各会計予算につきまして、原案のとおり可決をいただき、まことにありがとうございます。  委員の皆様には、長期間にわたりまして御審議をいただきました。審議の中でいただいた御提案、御意見、御指摘については、今後の区政運営に生かしてまいりたいと考えております。  今後とも、区民要望を的確に捉え、サービスを安定的に継続するとともに、将来を見据えて財政運営に取り組んでいかなければならないと考えております。引き続き委員の皆様には御理解、御協力をいただきますようお願いを申し上げます。  最後に、委員長を初め運営委員の皆様には、委員会の円滑な運営に特段の御配慮をいただきましたことを改めて御礼申し上げます。  以上、簡単でございますが、挨拶とさせていただきます。大変ありがとうございました。 ○和田ひでとし 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  ここで正副委員長を代表いたしまして、一言御挨拶を申し上げます。  委員の皆様には、七日間にわたり、熱心に御審査いただき、充実した委員会となりましたことを心より御礼申し上げます。  また、理事者の皆様におかれましては、この委員会を通じて出されました各委員からの意見や提言などを十分に御理解いただき、今後の区政に反映させていただくとともに、世田谷区のさらなる発展に向けて一層の御尽力をお願い申し上げる次第でございます。  委員会運営において、運営委員を初め委員の皆様、そして理事者の皆様の御協力に感謝を申し上げ、簡単ではございますが、正副委員長を代表いたしましての挨拶とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     ──────────────────── ○和田ひでとし 委員長 以上をもちまして予算特別委員会を散会いたします。     午後六時三十七分散会...