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平成29年  3月 定例会-02月23日-02号

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  1. 世田谷区議会 2017-02-23
    平成29年  3月 定例会-02月23日-02号


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    平成29年  3月 定例会-02月23日-02号平成29年 3月 定例会 平成二十九年第一回定例会 世田谷区議会会議録第二号  二月二十三日(木曜日)  出席議員(五十名) 一番   おぎのけんじ 二番   加藤たいき 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   和田ひでとし 十番   上山なおのり 十一番  石川ナオミ 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  畠山晋一 二十一番 真鍋よしゆき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 安部ひろゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 ゆさ吉宏 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  山口ひろひさ 四十一番 石川征男 四十二番 菅沼つとむ 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     望月敬行 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 井上徳広 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 佐々木 崇 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 月岡弘志 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    板垣正幸 副区長    宮崎健二 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 板谷雅光 地域行政部長 萩原賢一 総務部長   岡田 篤 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   本橋安行 施設営繕担当部長        松村浩之 生活文化部長 田中文子 スポーツ推進担当部長        五十嵐慎一 環境総合対策室長        菊池弘明 産業政策部長 花房千里 清掃・リサイクル部長        松下洋章 保健福祉部長 金澤弘道 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        中村哲也 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 防災街づくり担当部長        関根義和 みどりとみず政策担当部長        髙木加津子 道路・交通政策部長        青山雅夫 土木部長   小山英俊 教育長    堀 恵子 教育次長   岩本 康 教育環境推進担当部長        志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 総務課長   星 正彦     ──────────────────── 議事日程(平成二十九年二月二十三日(木)午前十時開議)  第 一 一般質問
        ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○上島よしもり 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○上島よしもり 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  二十六番そのべせいや議員。    〔二十六番そのべせいや議員登壇〕(拍手) ◆二十六番(そのべせいや 議員) おはようございます。通告に基づき質問します。  初めに、多様性のある社会、育ちの環境の観点から、男性保育士について伺います。  近年、世田谷区では、保育待機児童数の増加が区政の最大の課題の一つでもありますが、昨年初旬の保育園に落ちたという匿名のブログから日本全国にも問題意識が浸透し、保育の問題に社会からの注目も集まるようになりました。その保育を担うのが主に保育士という国家資格の有資格者です。  一九九九年の児童福祉法改正により、それまで保母と呼ばれていた資格は保育士という名称に改正され、さらに歴史をさかのぼると、一九七七年の児童福祉法改正以前は女性に限られていた仕事でもあります。  そして最近、千葉市長の発言を発端に、男性保育士について話題が上がっています。男性が中心だった職場へ女性の活躍を推進する一方、本来のダイバーシティーの観点で、女性中心の職場へも男性の活躍を同じく推進していこうという趣旨でつくられた千葉市立保育所男性保育士活躍推進プランを策定した際の発言でした。この旗振りの背景には、設備面、そして心理面で男性保育士が受け入れられていないといったことがあります。  まずは、そもそも世田谷区ではこの点の多様性がどの程度であるのかという点で、現在の区内保育施設での保育士及び管理職の男女数について、そしてあわせて、就学年齢以上の教育機関である区立小中学校教諭の男女数、また参考に、性別の問わない共同参画が進んでいる職場の例として、区役所の男女比をお聞かせください。  男性保育士に関しての議論が巻き起こる中で、否定派からは主に心理面での拒否感が強く顕在化し、女性と比較した男性の性犯罪率の高さや、ごく一部の男性保育士による不祥事などを理由に、男性保育士による女児の着がえや排せつといった部分にフォーカスをされていくことになりました。しかしながら、保育士の仕事は、学校教育の教育指導要領に当たる保育所保育指針には、子どもの状況や発達過程を踏まえ、養護及び教育を一体的に行うこと、また保護者や地域の子育てに対する支援を行うこととあり、内容は多岐にわたります。話題になった着がえやおむつがえに関しても、体調変化や内的、外的な身体異常の発見、信頼関係の形成など職務の一環です。  もし職務の一環の行為に対して、女性に○○は任せられないといった発言であれば昨今問題になりますが、保育士の専門職としての職能が社会からきちんと理解されていないことも一因となり、個人への区別ではなく、男性だからという理由の差別に関して、保育を取り巻く世界では大きく問題視されていないのが現状です。これは昨年末、保育士試験に合格し、短期間ではありますが、働いてきての実感です。  また、鶏が先か卵が先かの議論かもしれませんが、設備面に関しておくれをとっていることによって、男性であるということが雇用へのハードルになってしまい、結果として男性が保育の現場にいる機会が減ってしまうのであれば、少数者をふやそうという以前に、少数者を受け入れる体制を整えることが必要ではないでしょうか。  これらの環境を適正化することが今後の男性保育士増には不可欠であると考えますが、今後の改善についての見解を伺います。  地域で出会う大人が減り、ひとり親家庭がふえている今の時代だからこそ、零から五歳という人格形成に大きな影響を与える時期に、保育園で特定の性別や年齢層、価値観に偏らず、多様な大人に触れ合う環境は重要なものではないでしょうか。  また、男女共同参画社会基本法の第二条第二号における積極的是正措置、アファーマティブ・アクションの考え方についてどのようにお考えでしょうか。  世田谷区男女共同参画プランを見ると、目標二、あらゆる分野への男女共同参画の促進の中には、課題六、女性が少ない分野への女性の進出を図る、課題七、政策・方針決定過程への女性の参画を推進する、課題八には行政のポジティブ・アクションとの記載もありますが、少なくともこれまでは、理由なく女性であるというだけで不利な状態にあった人へ門戸を広げる、活躍の場をふやしていくという意味であったかと思いますが、多様性をリードすることを大きく掲げている自治体、世田谷区として、男性保育士の点において、一方の性が圧倒的多数を占める仕事へのもう一方の性の活躍推進についてどのようにお考えでしょうか。  続いて、プレミアムフライデーについて伺います。  あす二月二十四日金曜日は初めてのプレミアムフライデーです。プレミアムフライデーとは、アメリカの年末商戦、ブラックフライデーを参考に、日本再興戦略二〇一六に基づく、官民戦略プロジェクト10の一つとして実施される、月末の金曜日の退社時間を午後三時に繰り上げることで、買い物や観光などに使える余暇の時間を創出し、働き方の改革と消費の拡大の実現を目指す取り組みのことです。  主に小売・サービス業を中心に三千社以上の企業が既にこの取り組みに賛同を表明していますが、一方で月末金曜日は、月内の目標達成の追い込み、月末の締め作業などにより仕事が最も忙しい時期であるという批判もあり、社会全体での賛同、導入はいまだ限定的です。  この取り組みについて世田谷区の見解を伺います。まずは民間企業と異なり、利潤の追求というわかりやすい指標を持てない公務員において、どのようにこうした取り組みについて考えるのでしょうか。  あすの世田谷区議会は、予定では十五時時点で三名の一般質問を残しておりますので、もちろん全庁として退庁はないと認識はしておりますが、国家公務員を見てみると、内閣人事局は一月、全省庁に職員が早期退庁できるように求める文書を送っており、首相も今月十五日の経済財政諮問会議で国家公務員にも早帰りを促す方針を示し、加えて、当初はあす二十四日に通過される予定であった衆議院の予算案提出もプレミアムフライデーに配慮して見送られるようです。  しかしながら、実際の現場、窓口を持っている基礎自治体である世田谷区としては、区民サービスが円滑に行われる観点から、まず優先されるべきは区民への対応がこれまでどおりなされることだと考えます。  翻って、プレミアムフライデーの取り組みに賛同する企業の中には、午後半日の有給休暇として取り扱う企業もあるとのことで、今回の取り組みの趣旨の一つには、現状取得ができていない有給休暇の定期的な利用策としての面もあると考えますが、世田谷区職員の有給休暇取得状況についてお聞かせください。  また、類似の取り組みとして、一昨年の夏には、就業前の時間を利用した朝活に対して、就業時間を前倒ししてあいた終業後の時間にゆう活と称した、今回同様にアクティビティーを啓発する取り組みもございましたが、そちらに関しても世田谷区での実績などがあればお答えください。  一方で、役所の中の働き方の問題だけではなく、区内にも多数の事業所は存在しますし、プレミアムフライデーの時間の使い方の例としては、アーリーディナー、夕飲み、アフタヌーン町歩き、午後ホームパーティーなどの提案もあり、今回まだ大きく盛り上がっているとは言えないものの、こうした消費の拡大も見込まれます。  世田谷区においても、早く帰ってきたからこそ、家族で、地元で過ごす可能性があることを考えると、都心部や観光地にも負けない飲食店など余暇が過ごせる場所がある中で、現在の区内での取り組みがあればお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 私からは、男性保育士についてお答えいたします。  まず、区内での現状についてです。  保育士はかつて保母という名称で女性の仕事と考えられていた時期もありましたが、男女雇用機会均等法の改正などの流れを受け、平成十一年より保育士という名称となりました。  現在は、全国の保育現場で働いている男性保育士は、平成十二年の全国で約四千七百人から平成二十二年には約一万三千人になるなど、増加の傾向にあります。区内の認可保育施設における男性保育士の割合は、保育士約二千八百人のうち約二百二十人で、全体の七・八%と、全国平均の五・三%よりは高い割合となっております。  一方、区役所職員を全体で見ますと、四八・二%が男性職員、区立小中学校教員は三九・四%が男性であることと比べますと、保育施設は女性の多い職場であるのが現状です。保育施設の男性園長は百三十四施設中十九人、一四%の割合であり、現場の保育士よりは高い割合となっております。  次に、受け入れる側の環境整備と男性保育士へのポジティブ・アクションについてお答えいたします。  男性保育士を受け入れる保育園の環境は、これまで女性が多い職場であったために、男性用の設備が整備されていないといった職場環境にあることも課題であると認識しておりますので、今後、男女問わず働きやすい環境の整備に努めてまいります。  次に、男性保育士のポジティブ・アクションについてですが、乳幼児期は人格の基礎が形成される大切な時期であり、園庭で遊ぶ、一緒に御飯を食べる、一緒に散歩に行くなどの保育園生活で、地域社会と同様に、子どもとともに男女の保育者がいることは自然な環境であると考えております。  世田谷区立保育園では、昭和五十四年より、男性保育士いわゆる保父の採用を行ってまいりました。また、区がインターネット上に開設した保育人材情報サイトのせたがやHoiku Workでは、保育の仕事の魅力を発信するために保育士のインタビューを掲載していますが、男性保育士、男性園長も登場しております。  今般、東京都の保育士の有効求人倍率は、昨年十月に五倍を超えており、区としては男女問わず保育士として保育施設で働くことを目指す人材が増加することが重要であると考えております。  以上です。 ◎岡田 総務部長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、区職員の年次有給休暇の取得状況でございます。  年次有給休暇は、職員の心身の疲労を回復し、労働力の維持等を図ることを目的として与えられる休暇で、区の常勤職員の場合では、毎年四月に年間二十日を限度として付与され、その使用については職員が請求する時季に与えることが原則となってございます。  平成二十七年度の常勤職員の年次有給休暇の平均取得状況につきましては、一般職員が年間一五・四日、管理職が年間九・九日となっており、ここ数年同様の状況となってございます。  次に、いわゆるゆう活の実施状況とその状況を踏まえ、プレミアムフライデーへの対応について区の考え方を御答弁申し上げます。  ゆう活は、厚生労働省が中心となり、昼が長い夏の時期に、早朝から働き、夕方からは家族や友人との時間を楽しむといった夏の生活スタイル変革として、平成二十七年度より国家公務員が率先して取り組み、地方公務員や民間企業等に対しても可能な範囲での実施を呼びかけているものです。また、プレミアムフライデーは、経済産業省が中心となり、月末の金曜日は仕事を早く終えて消費を喚起することなどを目的としており、就業時間を午後三時までとする早期退勤なども推奨されております。  いずれも長時間労働を見直し、働き方を含めて生活スタイルの変革を目指すことも目的の一つと認識しておりますが、世田谷区を初め窓口業務など、直接住民と接する業務が中心の地方自治体においては、朝方勤務や午後三時の一斉退庁の実施などは、住民サービス維持の観点から制度として導入するには課題が多いものと考えております。職員のワークライフバランスの推進、長時間労働など、働き方の見直しなどの観点からはプレミアムフライデーなどを楽しむことも選択肢の一つと捉え、まずは定時退庁や計画的な年次有給休暇の取得促進など、引き続き働きやすい職場環境づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎花房 産業政策部長 私からは、プレミアムフライデーの区内での取り組みについて御答弁申し上げます。  プレミアムフライデーの対応でございますが、企業などの対応といたしましては、報道等によりますと、大企業の一部が対応に乗り出す一方、中小企業は人手の問題等で対応がなかなか難しいということでございます。区内での対応につきましては、東京商工会議所世田谷支部の役員会、評議員会におきまして情報提供がございましたが、各企業、事業所等の対応につきましては、それぞれの御判断によるものとなります。  一方、受け手となります小売業、サービス業等の対応につきましても、区としてつぶさに把握はしてございませんけれども、大手チェーン等の対応のほか、例えば千歳船橋商店街振興組合プレミアムフライデーに賛同する企業、団体に登録し、まさに第一回目のプレミアムフライデー実施日となる二月二十四日金曜日に、千歳船橋参商会商店街振興組合と合同で行います街バルのパンフレットなどにプレミアムフライデーのロゴマークを掲載いたしまして、プレミアムフライデーの普及啓発の一端を担っております。  今後につきましては、そうした個別の取り組みとともに国の動向を注視し、区として適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十六番(そのべせいや 議員) まず、プレミアムフライデーについて、何か予算をかけるということではなく、区内での消費が喚起をされる可能性がある取り組みに関しては、産業振興としても価値があることと考えますので、今後も状況を見て対応いただければと思います。  答弁の中の世田谷区の有給休暇の付与状況は、昨年発表された二〇一六年版CSR企業総覧有給休暇取得率ランキングと比較をすると、名だたる大企業千八十三社の中で大体八十位程度、この点に関しては、少なくとも大企業と比較をしても上位一割以上の好環境で業務に臨めていることがわかります。休暇のとり方についても引き続き区民サービスに最大限パフォーマンスを発揮するためのワークライフバランスの向上に努めていただければと思います。  保育について。区内の男性保育士の数約二百二十名、全体の七・八%とのことでしたが、先ほどは区立小中学校、区役所との比較を伺いましたが、改善をされている七・八%という数字でも二〇一〇年の女性、国勢調査、最新のデータと置きかえると、自衛官の六・〇%、警察官の七・五%と匹敵をしている数値です。また、百三十四施設で比較をすると約一・六人ということがわかりました。  第二次男女共同参画プランが策定されようとしている今、まずは性別ではないとの答弁でしたが、今後この数字の改善について、区長、どのようにお考えでしょうか、伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 そのべ議員の再質問にお答えいたします。  お話しになった男性保育士が乳幼児の女児のおむつ交換、着がえ等について保護者から避けてほしいなどの声があって、千葉市長の熊谷さんの問題提起が大きな反響を呼んできたということは私も注目しておりました。  男性が少ない職場である保育園でこうした声が起きてくることは、保育の専門性がまだ評価が定着をしていないということに起因しているものと考えております。保護者の不安について理解しないわけではありませんけれども、保育専門職として男女ともに等しく力を合わせ、子どもにとって大切な役割を果たしていく、それが保育なんだという理解をさらに深めていく努力が必要だと考えています。  子どもの成長、発達のために男性保育士が大きな役割を果たし、子どもとのかかわりや、例えば遊びを通した保育の中で、女性保育士とは違う特性をきちっと果たしているということから、男性保育士がさらに生き生きと働ける、ハード面の整備も含めて、職場環境づくりを目指していきたいというふうに考えています。  以上です。 ◆二十六番(そのべせいや 議員) 男性保育士をふやしたところで、例えば男らしさを求められる体を使うこと、外遊び、機械いじり、ごみ、どぶさらいみたいなことがふえていったとしても、それはやっぱり男女共同の観点には外れてしまっていると思いますので、ぜひ同じ仕事を男女ともにやっていくという形で進めていただければと思います。 ○上島よしもり 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十番上山なおのり議員。    〔十番上山なおのり議員登壇〕(拍手) ◆十番(上山なおのり 議員) 質問通告に基づき、順次質問をしてまいります。  まず、災害時における自宅避難について伺います。  二月四日に行われました世田谷総合支所、北沢総合支所の第二回街づくりフォーラムに参加いたしました。その中で、江戸川大学の隈本邦彦教授による「二つの大震災の教訓~耐震・不燃化のすすめ~」の講演が行われました。二つの大震災とは、阪神・淡路大震災と関東大震災のことについてでした。  阪神・淡路大震災の真のデータとして、推定死亡時刻が、八〇%以上の人は地震発生から十五分以内に建物の倒壊や家具の下敷きなどになり死亡した。また、推定死因はほとんどが建物の倒壊による死亡。火災による死者は一二%、しかもそのうちかなりの人は倒壊家屋の下敷きになり逃げおくれたもの。さらに、死者の年齢分布を見ると、若い人とお年寄りが亡くなっている。古くて耐震性の低い家に住んでいながらその危険性に気づかないのか、耐震補強に踏み切れない低所得者層が多く犠牲になった。  阪神・淡路大震災建築震災調査委員会中間報告より、被害を受けたのは昭和五十六年、一九八一年以前の基準で建てられた古い木造建築、特に昭和四十七年以前に被害が顕著、昭和五十七年以降の建物は軽微な被害か無被害が多かった。神話の崩壊でも何でもなく、耐震基準の重要性が再確認された。  建物が倒壊しなければ火災は少ない。地震直後の人口十万人当たりの出火件数と建物の倒壊率を兵庫県内の区、市ごとにプロットしてみると明らかに、灘区、長田区は建物全壊率が二五%、直後出火率も二五%、北区では建物全壊率が三%、直後出火率はゼロ%。  自治体の災害時消防力を高める努力も大切だが、それよりも火を出さない対策が重要である。まず、建物の耐震性で生死がかなり決まる。事前の対策をすることで倒壊家屋の下敷きになる人、倒壊家屋に阻まれて避難できない人は減らせる。火災から逃げられず死亡する人も減らせると、耐震性について大変意義深い講演を伺いました。  三十年以内に七〇%の確率で起こるかもしれない首都直下型地震に対応していかなければなりません。東京都の被害想定では、揺れ等による全壊が六千七十四棟、火災による全焼が二万二千四百五十五棟、避難人口が二十四万二千三百九十人、避難生活者数は十五万七千五百五十三人、区の避難所対応人数は約十七万人です。この数は想定であり、被害が大きくなることも考えられます。  南海トラフや首都直下型の地震では、広い範囲で甚大な被害が出ると予想され、避難所に入りたくても入れない人が大勢出る可能性があり、最近では自宅避難への備えがとても重要になってきております。その場合、避難所に入れるのは、倒壊や火災で自宅を失った人が優先され、建物に被害がない人は入れない可能性があるのです。実際、東日本大震災のとき、仙台市ではマンションの住民が避難所に行っても満員で入れなかったことがあったと伺います。  自宅が無事でもそう簡単にはいかないと考えられます。電気は一週間程度、ガスや水道は数週間とまるおそれがあり、エレベーターも停電や故障でとまってしまいます。階段で上りおりするのは大変です。それどころか、命にかかわる深刻な状況にもなりかねません。けがをしたら自力ではおりられません。足の骨が折れたり、頭を打って意識がなかったりしても、救急隊はしばらく来ないと予想されます。また、家具の下敷きになっても、防音がしっかりしている分気づいてもらえない可能性もあるかもしれません。  さらに、生活面でも問題があります。第四回定例会で質問したトイレの問題です。断水したり、排水管が壊れたりしてトイレが使えなくなると予想されます。その場合、外の仮設トイレに行くために階段を行き来することになり、特に高齢者には大きな負担となります。  備蓄食料などは多く広報されているので認識はあると思いますが、自宅での避難の仕方マニュアルなどが必要ではないでしょうか。耐震補強、自宅避難マニュアル、広報など、区の現状と今後の展開について伺います。  次に、保育園周辺の交通安全対策について伺います。  今年度中に千九百七十六名の定員増、認可保育園、こども園などを含めて二十五施設が新設と福祉保健常任委員会で報告がありました。新設するにしても、以前は国、都、区の公有地や広い民有地につくられておりましたが、現状では住宅地などに小規模の建物が多くなっております。世田谷区だけではなく全国的な広がりです。騒音、自転車交通対策問題など、多くの問題が出ております。  その中に、日本大学が認定こども園をことしの四月から開園し、百二十九名の園児が入園すると聞いております。建物に面する道路は一方通行です。建物はセットバックしており、敷地に接している道は広がりましたが、その前後の道は狭いままです。また、路地が多い道で、地元町会からも交通安全対策が必要という声があります。  交通事故総合分析センターの年齢階層別、歩行者の違反別交通事件数二〇一四年のデータで、子どもが歩行中に起こした交通事故のうち、六歳以下の事故件数の六五%が飛び出しで百三十三件であったとのことです。しかしながら、この件数は事故として取り扱われた件数なので、事故にならなくてもヒヤリハットした事例は含まれません。子どもがいる世帯、あるいは自動車運転で実体験をしている人なら理解できると思いますが、子どもは大人には想像もつかない突拍子もない行動を不意に行うことがあります。園児、保護者だけではなく、近隣住民の理解、協力も必要であると考えます。  住宅地に新設される保育園周辺における園児、保護者、近隣住民それぞれの事故を防ぐための交通安全対策の現状と今後の展開についてお伺いいたします。  最後に、夜道の安全対策について伺います。  街路灯は、夜間における歩行者の安全確保や犯罪発生の防止を図るため、一定以上の明るさを保つことが重要です。人が歩くための最低限の照度を確保するよう設置するのはもちろんのこと、深夜は犯罪発生率が高くなる時間帯ですから、暗がりを発生させない間隔での設置が望まれます。  街路灯を管理する団体として、公共団体や商店街が挙げられます。しかしながら、商店街は事情により街路灯が撤去されている現実があります。街路灯があり、明るかった場所が、街路灯が撤去されてしまうと、設置されていなかった場所より暗くなってしまったのではないかと錯覚さえ生まれてしまいます。  商店街の街路灯が撤去された場所等の街路灯政策の現状と今後の展開についてお伺いし、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澤谷 危機管理室長 私からは、災害時における在宅避難について、現状と今後の展開との御質問に御答弁申し上げます。
     災害時に自宅での居住が困難なときや、二次災害を受ける可能性があるときは、避難所で生活をしていただくことになりますが、避難所は一時的な生活の場所であることから、日常の生活環境とは大きく異なり、熊本地震でも精神的な負担が生じ、体調に影響を来す事例がございました。このため、災害時においても自宅で生活することができるよう、区では建築物の耐震診断や耐震改修工事の助成、耐震シェルター、ベッド、家具類転倒防止器具取りつけなどの耐震支援制度の普及に努めてまいりました。また、災害時区民行動マニュアルの冊子版やマップ版などによりまして、日ごろから備えや災害時の行動の留意事項を周知しております。このマニュアルのマップ版については、英語、中国語、ハングル版もございます。  今後も、さらに区民の方に耐震補強などに加え、食料、水、生活必需品などの備蓄を勧めるとともに、まず、みずからと家族の命を守ることの重要性を踏まえ、災害を知り、理解し、適切な行動がとれるよう啓発に努めてまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、保育園周辺の交通安全対策についての現状と今後の展開についてお答えいたします。  保育園の整備については、早期の開設を望む切実な御意見がある一方で、住宅地における整備に当たっては、町会・自治会及び近隣の住民の方からは、保育園周辺での交通事故を心配する御意見もいただいているところです。  区では、現在、保育園の整備に当たり、周辺道路において路側帯や交差点のカラー舗装、電柱への保育園ありの注意喚起表示の設置、カーブミラーや警戒標識の設置など、状況に応じた交通安全対策を講じております。  また、保育園の事業者においても、交通誘導員の配置や、所轄の警察署と連携した保護者への交通安全講習会などを実施しております。  今後とも町会・自治会及び近隣住民の方々の御意見などをしっかり把握し、関係所管や事業者と連携を図りながら交通安全対策を実施することで、円滑な開設を実施するとともに、開設後も通園の状況を踏まえた対策を検討することで、園児、保護者、近隣住民の方々、それぞれの交通安全確保に取り組んでまいります。  以上です。 ◎小山 土木部長 私からは、夜道の安全対策につきまして御答弁申し上げます。  区の街路灯は、道路照明灯として、歩行者や車両の交通における安全確保や防犯を目的として整備しております。一方、商店街の街路灯は、商店街が整備主体となり、商店街の活性化や発展に寄与することを目的に、各商店街が工夫を凝らし整備されているものです。  現在、区の街路灯につきましては、特殊なものを除き、LED化をおおむね十五年程度で完了することを目標に順次進めているところです。こうした中、商店街の街路灯が撤去された際は、夜間の照度確保、通行者の安全や防犯などの観点から、地域の方々の御理解を得ながら街路灯を新たに整備しております。  今後につきましても、街路灯の設置状況や地域の特性なども考慮し、夜間でも安心して歩くことができる道路づくりを目指してまいります。  以上です。 ◆十番(上山なおのり 議員) 答弁をいただきました保育園周辺の交通安全対策でございますが、人の命を最優先で考えなければなりませんが、事故が起こってしまいますと、保育所建設の計画にも大きく影響していくところだと思います。保育園の事業所はもちろんですが、警察を初めとする関係所管と連携をとりながら、やはり事故のない安全対策をしっかりとしていただきたい、そのように思います。  街路灯でございますが、区内の街路灯は四万八千灯と聞いております。やはりLEDに変えるだけでも明るくなったという声も聞きますので、計画的に、十五年かかるということですので、しっかりとしていただきたい、そのように思います。  自宅避難についてです。東日本大震災や熊本地震などの報道などを見ても、避難所での避難生活が多く報道されています。しかしながら、自宅避難についてはプライバシーなどがあり、報道されていませんので、実際に何が困ったかなど、多くのことがわからないような現状があると思います。  自宅避難で一番先に行うことは、室内の散乱したものの片づけになるそうです。必要になるものは電気を使わない掃除道具で、ほうき、ちり取り、ガムテープ、そしてブルーシートなどということで、やはり一度聞けばなるほどと思っても、被災してからではおそいわけでありますので、自宅避難の仕方をぜひ広げていただきたいと思いますし、世田谷区の地域防災計画の改定の中でも、在宅避難者への対応ということで記載されているわけですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で上山なおのり議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十四番たかじょう訓子議員。    〔三十四番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 通告に従い質問いたします。  まず、子どもの貧困対策について質問します。  保坂区長は、招集挨拶の中で、格差の拡大により子どもの貧困の問題が顕在化しており、子育て支援政策はなくてはならないものだと述べました。また、我が党の代表質問に、子どもの貧困への認識について、看過できない問題だと認識しており、世代間の連鎖を何としても断ち切るべき、次期新実施計画の検討において、子どもの貧困を強化すべき視点に加え、総合的な対策を講じるよう指示したと答弁しました。大変積極的です。  今までも区は、就学援助の範囲の拡充、養護施設退所者への給付型奨学金、ひとり親家庭の子どもを対象とした学習支援など、部を超えて取り組んできました。子どもの貧困の世代間の連鎖をとめるためには、区長が示した子どもの貧困の総合的な対策を進めることがまさに求められていることではないでしょうか。  この間、全国で子どもの貧困対策を進めるための総合計画を策定するために、子どもの貧困の生活実態調査が行われています。大田区の調査では、経済的困難に加え独自の指標を使って調査し、二一%が生活困難層だとしました。保護者が学校の行事に参加できない、一年に一回程度の家族旅行に行けないなど、大半の子どもたちができる経験や機会についてできない状態、これも生活困難層と定義しています。学校の授業がわかるかの問いに対し、ほとんどわからないと答えたのは、非生活困難層では〇・三%、生活困難層では二%で六・六倍になっています。子どもにどの段階までの教育を受けさせたいかの問いに対して、高校までと答えたのが、非生活困難層では二・三%であるのに対し、生活困難層では一三%で五・六倍になりました。  生活困難層にある子どもたちが、そうでない層の子どもたちと比べてより困難な状況に置かれているということが明らかになりました。各自治体ごとにさまざまな工夫を凝らして、その社会において見えにくいと言われる子どもの相対的貧困を見える化する努力をしています。  子どもの貧困のあらわれ方はその社会によって変わってきます。子どもの貧困の指標の一つでもあります就学援助を受けている子どもの割合が高い自治体と低い自治体では、貧困のあらわれ方が違うのではないでしょうか。世田谷でも子どもの実情に合った対策が必要です。  他自治体での取り組みを研究し、子どもの実態調査を行い、子どもの貧困総合計画を策定する。こういったことを提案いたします。区の見解を伺います。  また、調査、計画策定に際しては、庁内だけで検討するのではなく、区内で子どもたちの支援に当たる地域の活動団体、青少年センター、子ども食堂、かるがもスタディールームなど、現場を知る方、学識者などを含む検討委員会で進めることを提案いたします。区の見解を伺います。  次に、高齢者や障害者などの避難行動要支援者への支援について伺います。  区は、地域防災計画の修正を行いました。それにあわせて避難行動要支援者避難支援プランの策定を進めています。このプランは、災害時における避難行動要支援者への支援の実効性を高めることを目的としています。今回、私は、このプランに書き加えるべき観点を提案いたします。  現在の避難行動要支援者は八千六百人とされており、高齢者や障害者などの中で、一人で避難が難しい方が対象です。さらに、精神障害や難病の方のうち、特に必要と認められた方が新たに加わることになっており、今後、避難行動要支援者はふえる見込みです。  計画では、発災時の要支援者への安否確認を区と町会・自治会などとの連携で当たることになっています。そのために、町会・自治会との協定を進めており、現在は半分にとどまっています。  今後、安否確認体制を強化するとして、まちづくりセンターやあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会との三者連携による安否確認体制の強化を図り、実際に安否確認を行うボランティアの災害福祉サポーターを組織することになっています。  議会でも、安否確認の体制ができるのかなど繰り返し指摘されてきました。町会・自治会との協定の締結がなかなか進まない現状と、協定を締結した町会・自治会でも、高齢化により発災時にどれだけ動けるのかが不安という声も上がっています。これを解決するためには、町会・自治会が協力しやすい仕組みをつくることが大切ではないでしょうか。  この取り組みの中で、ふだんから町会・自治会と避難行動要支援者が交流を図れる機会をつくってはどうでしょうか。この計画は発災後の避難についての計画となっています。命を守るためには事前の対策も必要ではないでしょうか。  発災時に避難行動要支援者は、倒れた家具の下敷きになっても、火事が起きても一人で逃げることはできません。要支援者の命を守るためには、家具転倒防止器具や感震ブレーカーの設置や耐震シェルターや耐震ベッドなどの普及を進める必要があると考えます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 私からは、子どもの貧困対策について二点お答えいたします。  まず、計画策定のための調査の実施についてです。  子どもの生活実態につきましては、現在は、子ども計画策定時に実施したひとり親家庭や小学生から高校生世代を対象としたアンケート調査に加え、ひとり親家庭や生活困窮家庭の学習支援事業であるかるがもスタディールームに参加するお子さんに生活に関する調査を定期的に実施し、その把握に努めているところです。  子どもの貧困対策は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、国の施策とも連動しながら総合的に取り組む必要があります。平成三十二年度からの子ども計画後期計画の策定に向けては、その前々年度である三十年度に改めて生活実態を把握するためのアンケート調査を行う必要があります。実施に当たっては、今年度に東京都と首都大学東京が共同で取り組んだ子供の生活実態調査や、お話しの大田区の調査の項目などを参考に、実態把握の方法を検討してまいります。  次に、外部有識者や現場の意見を踏まえた検討という点についてです。  子どもの貧困対策につきましては、次期新実施計画の検討において強化すべき視点に加えるとともに、平成三十二年度からの子ども計画後期計画にて、総合的な取り組みを位置づけていく予定でございます。  お話しのように、後期計画に位置づける子どもの貧困対策の検討に当たっては、庁内における横断的な体制に加え、子ども・子育て支援に関する施策の推進に関し、必要な事項等を審議する機関である子ども・子育て会議において、外部有識者等からさまざまな御意見をいただくとともに、必要に応じ現場の意見を伺う場を設けるなど、総合的な計画の検討を進めてまいります。  以上です。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、避難行動要支援者の減災対策として、家具転倒防止器具や感震ブレーカー、耐震シェルターなどの普及を進めるべきという御質問にお答えいたします。  区では、今年度、避難行動要支援者対策を一層強化するため、地域防災計画の修正とあわせて避難行動要支援者避難支援プランの改定を進めております。  プランでは、避難行動要支援者の安否確認、避難支援対策について、基本的な考え方や進め方を取りまとめたところですが、災害時の安否確認、避難支援が円滑に行われるためには、避難行動要支援者の方々の被害を最小限にとどめることが必要です。区といたしましても御指摘のように、避難行動要支援者の方々に対し、日ごろから災害時に備えた準備をいただけるよう、防災意識、防災知識の普及啓発に努めてまいります。  区では、来年度、避難行動要支援者を対象に、災害時の支援に必要なケアプランやお薬手帳を入れておく、災害時持ち出し用バッグの配布を予定しておりますので、災害に備え、転倒防止器具や耐震シェルター、感震ブレーカー設置等の補助制度につきましてもお知らせしてまいります。  以上でございます。 ◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 避難行動要支援者の支援についてですけれども、今、質問の中でも言いましたけれども、安否確認の体制についてなかなか進まないといった状況があります。大事だと私たちが思っているのは、災害時だけでなく、ふだんからの避難行動要支援者とそして町会・自治会と顔が見える関係になっていく。そうすれば、こういった災害時にもスムーズな避難行動につながるというふうに思っています。  避難行動要支援者と町会・自治会の交流できる場、こういったことを設けていく、考えていく、そういった仕組みをつくっていくということが大事ではないかというふうに思っています。ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四十六番風間ゆたか議員。    〔四十六番風間ゆたか議員登壇〕(拍手) ◆四十六番(風間ゆたか 議員) 二月のこの時期、毎年保育園の入園選考結果、四月入園の一次の結果が出て、二次を待っている方が多い時期かと思います。一次で内定が出た方にとってはほぼ保活終了という時期でありますけれども、まだまだ預け先が決まらないで困っている区民の方はたくさんいるという状況かと思います。  私のところにも、毎年この時期、入れなかった方々からさまざまな苦情や相談が寄せられますけれども、きょうは保育園入園という観点から、深刻だなと思うトラブル、これは解消に努めていくべきだという観点からまずは質問をしてまいります。  そもそも預け先を確保するというのは自治体の義務でありますから、この保育園待機児童を解消するというのが区としては最優先で取り組んでいかなければならないことでありますけれども、入園トラブルの一つとしては窓口対応の問題があります。  保育園の入園申請をする際に、窓口で丁寧に説明してくれるのはいいのですが、ここで間違ったアドバイスをしてしまうケースがある。そのために指数が低くなってしまったという、こういった苦情は毎年寄せられることであります。実際に選考する人と窓口でアドバイスをする人が違うわけでありますから、ここに認識の違いが出てしまうということで内定がもらえなかった、これは行政に責任があるだろうということで、毎年寄せられるトラブルであります。こういったことをなくすように、まずは区として取り組んでいかなければなりません。区の見解を求めます。  二つ目は、まだ決まっていない方々がどうするかといえば、高額な認可外の保育所にまず預け先を確保しようと申し込みをする、よく聞く話であります。最近では、この高額な認可外保育所、手付金を払ってくれということで、二万というような話はよく聞きますけれども、最近聞いた中では、月額の三カ月分を支払う、キャンセルする際にはそれを求めますということが契約書に書いてあるだろうということで、二十六万円ものお金を払って辞退をしたという相談がありました。  その方いわくは、その認可外の保育所も行く行くは認可保育園になることを目指しているという話を聞いたがために抵抗することはできず、諦めて二十六万円払ったという話でありましたけれども、こういった事業者が本当に認可保育園になるということが望ましいのかどうか。預け先を確保するために困っている方にもっと寄り添って保育をしていく、そんな事業者が世田谷区の認可保育園になっていくべきだと私は考えます。  こういった悪質な事業者が世田谷区で保育所運営をしているということに私は問題を感じますけれども、そもそも認可保育園をきちんと整備していればこういうトラブルはなくなるわけでありますから、こういった悪質な保育事業者がなくなるように区は取り組んでいく必要があると思います。区の見解を求めます。  そして、何度も申し上げているように、認可保育園をきちんと整備していくこと、保育待機児解消のめどが立ったというような報告もありましたけれども、今まで保育所整備に関して目標どおりにいったということは私の記憶の中にはありません。まだまだ半数近くの申し込み者が内定をとれていないという状況が続いていますから、きちんとこれは整備をしていく必要があるという観点から一つ提言をしたいと思います。  私の住むエリア、三軒茶屋近辺でも、北側、三軒茶屋二丁目あたりには認可保育園がありませんし、まだまだ待機児童も多いエリアであります。区は必死になって保育施設を整備する土地を探していますけれども、ここに区有地があるではないですか。保健センター跡地、保健センターが梅ヶ丘に移るという話を聞いて、どうするのかと聞いたら、売却も含めて検討しているという話でありました。あれだけ大きな土地に待機児童が多いというエリアでありますから、今後そこに保育園整備をしていくということもぜひ検討していくべきと考えます。区の見解を求めます。  続いて、子どもの学ぶ環境という観点から質問を行っていきます。全ての子どもたちが安心して学べる環境が今の世田谷区にあるのかということ。これもさまざまな相談が私のところに寄せられますが、例えば小学校一年生、保育園から上がってきてなかなか環境になれず落ちつかない子どもたちもまだまだたくさんいる。そこに、先生が怖いとか、押しつけられるということで、違和感を感じて学校に行けなくなった子どもがいる。そういった子どもはどこで学べばいいのか。  世田谷区にほっとスクールがあるということでほっとスクールに行ってみたところ、月に一遍ぐらい学校に行けているのであればほっとスクールには来ないほうがいいと拒否されたそうであります。実際に低学年の子どもはほっとスクールをほとんど利用していないという状況で、その方はいろいろ探した結果、川崎市にある子ども夢パークの中にあるフリースペースに通っているという話でありました。こんなことがあっていいのでしょうか。  世田谷区のほっとスクールの制度はそろそろさまざまな問題があるのではないかという観点から、私はそのフリースペースを視察してまいりましたところ、川崎の子どもだけじゃなくて、世田谷の子どもも何人か来ている。低学年から大人まで利用しているということでありました。学びたいという人たちをサポートするそんな場所にしていく必要があるのではないかと思います。  希望丘に第三のほっとスクールをつくるという話もありますし、新教育センターにはほっとスクール移転という話もあります。こういった新しくほっとスクールを整備していく際には、川崎市のように公設民営のような新しい形式の不登校の対象児童を受け入れる場所を整備していく、こんな観点も必要ではないかと思います。区の見解を求めます。  また、学校教育現場という意味では、教員の指導力向上ということを私たちはずっと言ってきました。そのために指導主事をもっと配備するべきだという話もしてきました。この状況についても伺います。  続いて、世田谷区の危機管理という観点から、まだまだ課題があると思いますので指摘をしておきます。  先日、世田谷区の庁舎と区内の私立中学校に爆破予告メールが来たという話、議員の皆さんも御存じでしょうか。これ、実は議会には報告をされていない案件でありまして、私は区からのメールを見たという方から初めて聞いた内容でありました。保育園保護者に送られたメールであります。  しかし、区に問い合わせてみると、これは区民に対して公表しないという方針を決定したということでありました。二年前にも似たようなケースがありました。こういったことを改善すべきだと再三申し上げてきましたけれども、どうしてこのようなことが起こったのか、危機管理の課長に聞いたら当事者意識は全くなく、そんなことがあったんですねというような対応でした。とんでもないことであります。  庁内の情報共有化、これもきちんとできていないということで、一部の部署からメールが送られてしまったということでありますから、大きな問題と考えます。これに対して区は、何が問題であったのか、今後どう対策をとっていくのかということについて、明確にお答えください。  そして、最後に世田谷区の子育て環境。これについては昨日の他の会派の代表質問でありましたけれども、子どもが命を落とすということがありました。もっと網羅的にサポートしていく体制が必要だと考えます。実際に相談、妊娠出産して相談をするという体制が整っているかという観点で言えば、まだ相談をしに来ていない人たちもいるということでありますから、こういった方々とどのように接点を持っていくのかということも重要であります。  世田谷保健所と子ども・若者部、もっともっと連携を深めていく必要があると思いますので、どのように区が取り組んでいくのかお答ください。  そして、その子どもを産んだばかりの親御さん、いろいろなところと接点を持つ重要な機会として子育てメッセがあります。これは私も世田谷区でかなり優良なイベントだということで以前も取り上げましたけれども、ほかの区も参考にするようなことしも多くの方々が集まったイベントであります。これはもっともっと区民との接点を持つような形で広げていく必要があると考えますけれども、今後区はどのようにしていこうと考えているのかお答えいただければと思います。  以上で壇上からの質問を終わりにします。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 私からは、保育、子育て支援に関連して五点お答えいたします。  まず、保健センター跡地における保育施設の整備についてです。  保健センターの跡地につきましては、現在、公共施設整備方針に基づき、世田谷区医師会と協議を進め売却等について検討をしているところです。ただいま御提案のありました保健センター跡地の保育施設整備につきましては受けとめさせていただきます。  区は、この間の就学前人口や保育需要の増加を踏まえ、平成二十七年度から平成三十一年度を最終年度とする現在の保育施設整備計画の見直しを行い、平成三十二年四月時点の目標総定員数を一千六百七十三人上方修正し、二万一千五百八十四人分の定員を確保することで待機児童の解消を目指しております。  保健センターの解体は平成三十二年度以降であり、保育施設を整備する場合は、開設が平成三十四年度以降となることが見込まれるため、保育施設の整備は、待機児童の解消を目指す現行の保育施設整備計画の計画期間外となります。  区では今後、平成三十二年度以降の保健センターを含む三軒茶屋を中心とするエリアの保育施設の充足状況や保育需要等を見定め、関係機関とも協議した上で判断をしてまいりたいと考えております。  次に、入園申し込みの受付窓口での対応についてです。  認可保育園等の入園申し込みについては、各総合支所の子ども家庭支援センターが受け付け窓口となっており、例月の受け付けのほか、四月入園については十月末の土曜日、日曜日にも窓口を設けるとともに、選考の仕組みの説明や申請書類の記載内容、添付書類等に間違いがないかどうかの点検など、お一人お一人に丁寧な対応を行っております。  お話しのように、利用調整を行うために、保育の実施指数や調整指数を判断するのは保育認定・調整課であることから、総合支所の窓口で指数に関して確定的な対応を行うことはその後の選考に影響を与えかねないことになりますので、十分に留意して窓口対応を行っております。しかしながら、窓口や電話の対応において、区民の方が受けとめた内容と職員の意図したものとが異なってしまい、選考結果に対する苦情となった事例も一部発生しております。  今後とも総合支所と連携を密にして、こうした事例が発生しないよう注意喚起を行うとともに、不要なトラブル防止など改善を図りながら、正確で公平公正な利用調整に努めてまいります。  いずれにいたしましても、一人でも多くの方が希望する認可保育園等に入園できるよう、待機児対策に全力で取り組んでまいります。  次に、法外な要求をする認可外施設への対応についてです。  ベビーホテルなどの認可外保育施設は、事業開始後一カ月以内に東京都に届け出をすることで自由に設置ができ、また、保育料や入園金などの保護者負担は、保育運営事業者において任意に設定し徴収できることとなっております。  区としては、お話しのあったような実態があることも認識しており、ベビーホテルなどの利用に関する苦情が寄せられた場合には指導監督権限のある東京都に直ちに連絡し、改善に向けた取り組みを要請するとともに、事例によっては消費生活相談につなぐなどの対応を行っております。現制度下ではこうした対応を続けざるを得ないと考えており、課題として受けとめてまいります。  また、認可外保育施設の運営事業者からの認可保育園の新設や認可移行の提案はこれまで複数ありました。認可保育園の整備・運営事業者の審査、選定に当たっては、保育を専門とする学識経験者とともに、書類審査や現地調査による既存園の運営状況の確認、事業者の代表者や施設長候補者とのヒアリング審査を行い、三百五十の評価項目にわたる丁寧な審査を行っております。加えて、公認会計士による過去三年間の財務審査を行うなど、適切に審査、選定をしてきたところでございます。  引き続き、保育内容はもちろんのこと、児童福祉の理念、公共性、公益性を持ち、社会的使命を担っている事業者であるか、児童福祉施設としての運営をどのように考えているかも十分確認を行い、お話のありました点も念頭に優良な事業者の選定に一層努めてまいります。  次に、子育てメッセについてです。
     子育てメッセは、区内で子ども・子育ての支援活動を行っている団体が、活動内容を地域に発信する団体の見本市で、団体や子育て家庭との相互の交流を通じて地域全体で子どもを育て見守ることを目指し、平成十三年より開催しております。  第十五回目となる今年度は、一月二十八日に開催し、参加団体は四十八、来場者数は約千八百人を数えました。来場者からは、さまざまな活動を知ることができた、孤独を感じて子育てしているので気が楽になったなどの御意見をいただいており、「みんなで子育てつながる地域」というコンセプトどおりの効果を上げている重要な事業であると認識しております。  今年度は、子育てメッセの役割などについて、来場者の声も参考に、発足時に立ち返った検討を重ねてまいりました。その結果、子育てメッセは、子育て家庭が情報を得、地域の団体とつながるための大事な場であることを活動団体とともに改めて確認したところです。  活動団体や支援者は、子育て家庭を身近な地域で寄り添い支える世田谷版ネウボラの重要な担い手でもあります。区は今後とも、地域の主体的な子育て活動のさらなる広がりと発展を支えるとともに、全ての子育て家庭が孤立することなく、地域の活動団体や支援者とつながる機会の充実に努めてまいります。  次に、世田谷版ネウボラにおいて広く支援につなげる取り組みについて、子ども・若者部の立場からお答えいたします。  世田谷版ネウボラの妊娠期面接は、妊婦が安心して相談でき必要な支援につながる機会であり、母子保健や子育て支援の専門職等と顔の見える信頼関係を築く大切な場となっております。妊婦全員が面接につながるために、まずはその面接の窓口を知ってもらうことが重要であると認識しております。また、妊娠期面接の際には、子育ての不安感や負担感を軽減し、子育て家庭の孤立の予防を図るために行っていますさんさんサポート事業について説明を行うなど、支援事業の周知の強化を図っているところです。  また、地域の子育て家庭が気軽に相談や交流ができるおでかけひろばや児童館は、世田谷版ネウボラの担い手の一員として日ごろから妊婦や子育て家庭にきめ細かく寄り添う中で、妊娠期面接や必要な支援につながっていないことを気づいたときには、積極的に勧奨を行うなど、網の目を細かくかつ広く支援につなげる体制の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、保健所の立場から全ての子育て家庭へ世田谷版ネウボラとして支援をすることについてお答えいたします。  区では、子どもを生み育てやすい町を目指し、フィンランドの取り組みを参考といたしまして、妊娠期から就学前までの子育て家庭を支える切れ目ないサポート体制の充実に向けて、世田谷版ネウボラを開始いたしました。  お話しにありましたとおり、区は、妊産婦等の孤立を防止し、出産、子育てに関する不安を軽減するために、各総合支所に設置したネウボラチームによる妊娠期の面接相談を行い、その全員実施を目指しております。  その取り組みといたしまして、平成二十九年度には、総合支所の地区担当保健師の必要数を確保することに加え、母子保健コーディネーターを初め、子育て応援相談員を三名増員いたします。平日の妊娠期面接受け入れ枠の稼働率をアップし、妊娠期面接の実施数をふやすとともに、就労により平日に面接に来られない妊婦への面接機会として、各総合支所で土曜日の妊娠期面接を試行いたします。また、休日や夜間でも気軽に予約できるシステムを導入する予定でございます。  また、福祉の相談窓口で子ども関連の相談にスムーズに応じられるよう、職員を対象とした母子保健及び子育て支援に関する基礎研修の実施に向け、関係所管と協議を進めてまいります。  さらに、子ども関連の相談に職員相互がサポートし合える関係性を育むため、母子保健コーディネーターが福祉の相談窓口に定期巡回するなど連携を強化してまいります。  今後も引き続き、子ども・若者部と密に連携して体制整備をしてまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、全ての児童が安心して学べる環境づくりについて二点御質問をいただきました。  まず一点目、教員の指導改善に向けた指導主事体制について御答弁をいたします。  教員が質の高い授業を行うためには各教科の専門的な知識はもとより、児童生徒の主体性を引き出す力や表現力、人間的な魅力など、多岐にわたる資質、能力が求められます。また、次期学習指導要領では、主体的、対話的で深い学びの充実など、より工夫した授業づくりの力が必要です。  教育委員会では、昨年度作成した世田谷マネジメントスタンダードに人材育成を位置づけ、各学校が組織的にOJTを進めるとともに、学校担当の指導主事が訪問し指導しております。  議員お話しの指導主事の体制につきましては、平成二十七年度から統括指導主事を、平成二十八年度から指導主事を、それぞれ一名ずつ増員して訪問指導などを充実させております。いずれも区費での増員ですが、人事につきましては引き続き東京都に要望をしてまいります。  また、教員の指導力向上を目的とし、退職校長による巡回指導も行っております。採用から二年目、三年目の全教員に対して一人一人の授業や学級経営の状況に合わせた指導を年間二回以上行い、各学校のOJTと関連させて継続して指導をしております。指導を行う退職校長は区費で区立教育センターに配置しており、本区独自の研修体系として実施をしているものでございます。  教育委員会では、現在、(仮称)世田谷区教育総合センター構想について検討しており、先駆的、実践的な研修環境づくりや校内研修、自主研修の推進支援など、教員の指導力向上に向けたサポート体制の整備を図っているところです。  こうした新しい体系づくりも含めまして、今後も教員の指導力などをより充実させ、児童生徒が安心して学べる学校づくりに取り組んでまいります。  引き続きまして、二点目、ほっとスクールについて御答弁をいたします。  ほっとスクールは心理的理由などにより不登校状態にある児童生徒の心の居場所として自主性を養い、社会性を育み、学校復帰を支援する目的で教育委員会が設置しております。現在、城山と尾山台の二カ所に児童生徒が通っており、日常の活動のほか、年間を通じてさまざまな体験の機会を設けて、児童生徒に寄り添った支援をしております。  今般成立しました教育機会確保法や国や都の報告書の中で、ほっとスクールのような公立の学校外の学びの場の整備やそこでの指導、支援の充実が盛り込まれております。区でもより充実を図ることが必要であると認識しておりまして、現在、(仮称)希望丘複合施設に三カ所目のほっとスクールの整備を進め、三十年度末の開設を予定しております。  また、指導、支援の面では、自立を見据え、基礎的学力指導のほか、児童生徒の興味、関心を広げる体験的なプログラムや個性に応じた支援プログラムの充実が必要と考えております。  現在実施しております才能の芽を育てる体験学習事業との連携を予定しておりますけれども、さらに民間手法の活用などの検討が必要であると考えており、議員のお話のございました川崎市の子ども夢パークなども視察をしておりますので、そういったことも参考にさせていただきながら、今後策定予定の(仮称)不登校対策アクションプランや、(仮称)世田谷区教育総合センターの教育相談・不登校対策機能の整備の中で具体を検討してまいりたいと考えております。  引き続き、児童生徒の心の居場所として安心して過ごし学べる環境の確保を念頭に取り組んでまいります。  以上です。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、庁内危機管理体制について二点御答弁申し上げます。  初めに、二月六日の爆破予告対応が庁内で統一されず、注意喚起のメールが一部の区民のみに配信されることになったのかについて御答弁申し上げます。  今回の爆破予告を認知したとき、危機管理基本マニュアルに基づきまして、危機連絡会議を招集いたしました。午前九時三十分同会議を開催し、その席上で総務部と危機管理室連名で午前十一時四十五分に区民への情報提供を行う予定である旨の文書を配付、庁内各部に伝達いたしました。その後、警察との協議などを経て、犯行予告は愉快犯であり、実行行為に発展する危険性が極めて低いばかりか、各広報媒体で流すことによっていたずらに区民等の不安をあおり、犯人の思うつぼになるとの判断から、午前十一時四十五分間際になって情報提供が妥当ではないという判断に至りました。しかしながら、この判断を庁内各部にメール配信したものの、伝達が間に合わず、一部の所管課から注意喚起のメールが配信されてしまいました。二年前に発生した同種の事案への対応についての反省から、危機連絡会議の席上で情報提供の可否、情報提供する場合は、情報提供の内容、範囲、タイミングなどを決定し、庁内の意思統一を行い対応してまいりました。  今回、こうした事態になってしまったことは、区民への情報提供を行うことは予定という表現で明確でなかった点や方針転換がうまく伝達されなかった点、情報提供の最終確認を怠った点などが原因であると認識しており、今後再び同じ事態を招かぬよう、危機管理室として常に緊張感を持ちしっかりと対応していくことが肝要であると考えております。  次に、爆破予告メールへの対応についての改善策についてです。今回の事案を踏まえて検討した改善策は四点ございます。  一点目は、指示表現の明確化であります。曖昧な指示、どちらともとれるような表現は避け、方向性を明確にしてまいります。  二点目は、伝達方法の変更であります。今回の件では情報提供の中止を庁内各部にメールで知らせていたため、メール閲覧までのタイムラグが生じてしまったことも一要因であると認識しております。今後は、方針転換する場合などの伝達はメールに加えて電話で口頭伝達することで、そごを生じさせないよう確実に行ってまいります。  三点目は、使用する広報媒体等の報告であります。各部署で関連施設や管轄する広報媒体で情報提供を行う場合には、危機連絡会議の席上でどの広報媒体を使うのかを報告させて、危機管理室がそれを把握するようにし、また、以後、広報媒体に変更が生じた場合も、危機管理室に電話で口頭報告させるようにしてまいります。  四点目は、情報提供の最終確認であります。各部署において情報提供する場合は、実施する直前に電話連絡を危機管理室にさせるようしてまいります。  以上の対策を講じまして、複数の確認を行うことで今回のような事態を未然に防ぎ、改善を図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆四十六番(風間ゆたか 議員) ほっとスクールの件は大変な問題だと思っています。全ての子どもの居場所という観点からも、学びの確保という観点からも、教育委員会だけでやっていくことに限界があるのではないかと考えます。子ども・若者部との連携が必要だと思いますけれども、区長はどうお考えでしょうか、お答えください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 現在、学校教育におきましても、これまでの教育観、学びについての大きな根本的な転換の時代を迎えている中で、ほっとスクールが従前持ってきた役割、これは、多分間口が広がってさまざまな子ども、第一の子どもにとって何が利益になるかという観点に立った教育の充実、機会の提供ということが必要だろうということを教育委員会ともよく話し合って改善に努めていきたいと思います。 ◆四十六番(風間ゆたか 議員) 終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で風間ゆたか議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四十四番村田義則議員。    〔四十四番村田義則議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(村田義則 議員) 通告に従い質問します。  まず、平成二十九年度の国民健康保険料について伺います。  区長会で合意された保険料改定案では、一人当たりの保険料が十一万八千四百四十一円、前年度比約七千二百五十円の大幅値上げになると報道されています。この五年間で二万三千円以上もの大幅値上げです。低所得者にとって支払い能力の限界を超えるものとなっています。国保の被保険者は、高齢者が多く一人当たりの医療費が高い一方で、低所得者が多く負担能力が低いという構造になっています。近年は非正規労働者が増加するなどによって、この傾向は一層顕著になっています。  保険料を負担能力に見合ったものとするための措置が緊急に求められています。区長会は国保事業への国庫負担の増額、低所得者へ一層の負担軽減、子育て世代への負担軽減などについて国に緊急要望を行いました。  今回の国保料値上げについて二点伺います。  第一に、十七年度の国保料とその区の受けとめについて。  第二に、この問題での区長会の議論の経過について御報告ください。  次に、国保の広域化に向けた準備状況について伺います。  制度改正によって、平成三十年度から国保財政の運営主体が区から東京都に移行し、都と区がともに保険者となります。福祉保健常任委員会への報告によりますと、二十九年度前半には、制度運営の基本となる国保運営方針案などが都から示されるとされています。運営方針は、保険料の算定方法、保険給付や保険料徴収事務などについて定めるもので、広域化後の各区の国保運営に大きな影響を与えます。都の運営方針に長年国保の運営主体として培ってきた区の意見を反映することが極めて重要です。  区市町村は制度創設以来、半世紀以上にわたって国保事業の最前線を担ってきました。こうした中で、生命尊重の村づくりを掲げ、五十年も前に乳幼児と高齢者の医療費無料化を実現した岩手県の沢内村、介護と在宅医療の連携で医療費の節減を実現している長野県の泰阜村など、独自の創意的な運営が各地で行われてきました。  世田谷区でも特定健診などの受診率向上のための施策、保険料徴収に当たってのさまざまな工夫、また、かつては低所得の高齢者や障害者の保険料均等割の減免など、区民の生活と健康に配慮したさまざまな施策を行ってきました。広域化後もこうした自治体独自の取り組みが尊重され、生かされてこそ、住民の健康を守るための社会保障制度足り得ると確信します。  都の国保運営方針の準備状況、策定に当たっての区の基本的立場について伺います。自治体独自の取り組みは、行政とともに議会、そして何より住民の理解と努力によって進められてきたものです。議会や国保運協での議論、住民の声を踏まえて積極的に都に意見を上げるべきです。そのためにも、各機関、住民への十分な説明と議論の場を確保すべきです。見解を伺います。  次に、国保料、介護保険料など、保険料の延滞金徴収事務について伺います。  区は、新年度予算に、国保料、介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料滞納者に対する延滞金徴収のためのシステム改修費として、合わせて三億円余りを計上しています。滞納者への延滞金加算という今回の対応に至った理由として、区は、みずからの条例に反するとの都からの指導及び二十三区の動向を挙げています。  そもそも延滞金については、当区を含め多くの区で徴収してきませんでした。それは国保が社会保障制度であり、また被保険者の多くが低所得者であることなどによるものです。もちろん十分な所得や財産がありながら保険料を滞納している世帯には、延滞金の加算など相応の対応は必要です。しかし、高額な経費をかけ、滞納者全世帯の延滞金を計算するためのシステムがわざわざ必要でしょうか。  第一に、国保では、被保険者の多くが低所得者であり、区の報告でも、旧ただし書き所得が百万円未満の世帯が六割に及んでいます。保険料徴収の執行停止や、分割納付をせざるを得ない生活困難な世帯の方々から延滞金を徴収することはできないことですし、すべきでもありません。介護保険では、保険料は原則として年金からの天引きとなっています。保険料の普通徴収の世帯は年金額が年間十八万未満の方々です。滞納が発生しているのは普通徴収の方々で、低所得者がほとんどです。  第二に、延滞金徴収の根拠法である地方自治法では、条例の定めるところにより手数料及び延滞金を徴収することができるとされています。徴収の可否、対象などは区の判断において定めることになっています。  第三に、機械的に全ての滞納者の延滞金を計算することを想定しているために、システム改修費が極めて高額になっていることです。国保では、一億五千七百万円、介護保険では一億一千八百万円、しかも介護保険ではこれだけの費用をかけて徴収予定件数は四百四十件、年間五十万とされています。これでは納税者、区民の納得は得られません。  今回の延滞金徴収のためのシステム改修は再検討すべきです。また、国保などの各条例の延滞金の徴収規定は見直しを含め検討すべきです。見解を伺います。  次に、性的マイノリティーなどの方々への住まいの確保の支援について伺います。  区は、今議会に、同性パートナーの方々が、区営住宅やファミリー住宅などに入居することを可能とする条例改正案を提出しています。長年にわたる当事者の皆さんの要望、区議会での議論を踏まえたものであり、区の対応を評価します。  区の住宅条例では、全ての区民が良好な住生活を主体的に営むことができる権利を有することを確認し、そのための住宅政策を推進すると定めています。この住宅条例に照らしても今回の改正は当然であり、さらに支援を強める必要があります。都営住宅を含む全ての公共住宅への入居の保証、賃貸住宅などへの入居に当たっての不当な差別の解消など、総合的な対策に取り組むべきです。また、区の住宅政策の確立のために設置された住宅委員会に議論と提言も求めるべきです。見解を伺います。  最後に、等々力~梅ヶ丘間のバス運行について伺います。  既に一月二十七日から運行が開始され、地域住民の皆さんから、区役所に行くのが便利になるなどたくさんの歓迎の声が寄せられています。この路線は、区の南北交通の改善にも大きく寄与するものです。事業者に粘り強く働きかけ、実現に結びつけた区の努力に感謝をしたいと思います。  住民からは早速、もっと運行本数をふやしてほしいなどの要望を聞いていますが、今後の対応について伺います。  以上で壇上から質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、国民健康保険に係りまして、十七年度の国保料の見通しと区の対応について御答弁申し上げます。  昨日の代表質疑の中でも国保の関係について述べたところですが、国保の関係につきましては、まず構造的な課題があるという認識に立っております。その上で、特別区では、同一所得、同一世帯であれば、同一の保険料となる統一保険料方式をとっておりまして、毎年度、特別区長会におきまして、特別区国民健康保険基準保険料率を検討し、申し合わせをしてきております。  二十九年度の基準保険料率は、稼働層の社会保険への加入増等により被保険者が減少する一方で、療養給付費は、高齢化の進展や高額調剤の影響等により上昇したため、一人当たりの平均保険料は年額で十一万八千四百四十一円となり、前年度と比べまして七千二百五十二円の増となります。  保険料を大幅に値上げせざるを得ないことにつきまして、区といたしましては大変重く受けとめておりまして、さまざまな機会を捉えまして、国や都に対しまして低所得者層へのより一層の保険料負担軽減を図るため、また、子育て世帯の経済的負担を軽減するための財政措置について要望しているところでございます。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、国民健康保険に関する御質問に順次御答弁いたします。  まず、国民健康保険料改定について区長会での議論はどうだったかという御質問です。  特別区では、国保制度改革における広域化を見据え、政令で保険料に算定すべきとされている高額療養費について段階的に保険料算定の基礎となる賦課総額への算入を進めており、平成二十九年度には、高額療養費の百分の八十四を賦課総額に算入することを予定しておりました。しかし、二十九年度の基準保険料率の検討に当たり、療養給付費が大幅に増加する見通しとなったことから、区長会では高額療養費の算入割合について、百分の八十四とするか、弾力的な運用とする当区も支持した百分の七十五とするか、さまざまな面から議論が行われました。その結果、算入割合を百分の七十五にとどめることといたしました。  また、区長会では、国民健康保険制度を取り巻く厳しい状況を踏まえ、十二月末に国に対して国保制度の諸課題の改善に向けた国民健康保険制度に関する特別区緊急要望を行ったところでございます。  次に、広域化に向けた都の国保運営方針の準備状況と区の基本的な立場、また、国保運営方針に対して、議会や国保運協での議論を踏まえて意見を上げるべきという御質問です。  平成二十七年に成立した改正国保法において、都道府県内の統一的な運営方針として、国保運営方針を策定することが定められており、策定に当たっては、区市町村の意見を聞くこととされております。  平成三十年度から広域化が開始するため、平成二十九年度前半には、都から区に対して、国保運営方針(案)の意見照会が行われるものと思いますが、これまでも都の担当者と意見交換をする機会を通して、国保運営方針(案)に都独自の財政支援や保険料軽減策を盛り込むことなどの意見を上げているところでございます。  今後予定されている国保運営方針(案)への意見照会につきましては、広域化を初めとする国保制度改革に関する情報を議会等へ御報告して意見を伺いながら、国、都に対して意見を上げてまいります。  次に、国民健康保険料等の延滞金の徴収に関する規定の見直しとシステム改修について御答弁いたします。  区では、延滞金の徴収に当たり免除事由や手続方法など、具体的な規定について検討し整備してまいります。地方自治法上、条例に対象者の範囲を定めておくことは可能であると認識しておりますが、慎重に検討する必要があるものと考えております。  また、システム改修につきましては、現在、想定する対象者や作業の工程数等をもとに予算案を提案させていただいておりますが、今後、運用方法の詳細を検討する中で作業の工程数の削減を図るとともに、手作業とシステム処理を組み合わせた対応を検討するなど、さまざまな方策を模索してまいります。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、同性パートナーなどの方々の住まいの確保の支援について、二点に御答弁申し上げます。  まず、住宅条例の理念に基づき、差別解消などに取り組むべきについてでございます。  世田谷区住宅条例では、議員からお話がございましたように、全ての区民が地域の個性を生かした魅力的なまちづくりを進めつつ、良好な住生活を主体的に営むことができる権利を有することを確認し、その充実を図ることを住宅及び住環境の維持及び向上について基本理念としております。  区では、これまでもこの基本理念に基づき、例えば区営住宅等の入居者のうち、所得税法上の寡婦控除に該当しないが寡婦とみなせる世帯への負担軽減の適応や、性的マイノリティーの方々への住まいの確保の支援策として、不動産関連団体への理解促進のための啓発等を行ってまいりました。今回、さらに区としても、住まいの確保の支援策を具体的に示すために、同性パートナーを区営住宅等の申し込み資格対象者とするよう、世田谷区営住宅管理条例等の一部改正を御提案させていただいております。  区といたしましては、議員御指摘のとおり、世田谷区住宅条例の基本理念を踏まえながら、良好な住生活を主体的に営み、その充実が図れるよう、第三次住宅整備後期方針を踏まえまして、区民の住まいの確保の支援に取り組んでまいります。  次に、住宅委員会に議論と提言を求めるべきでございます。
     世田谷区住宅委員会は、世田谷区住宅条例に基づきまして、住宅政策に区民の意見を反映させるために設置されております。また、住宅政策に関する区長の諮問に応じるとともに、区長に対して適切な住宅政策を提案することとしてございます。  平成二十七年度には、住宅委員会におきまして、社会動向や法改正などを踏まえながら、区として今後五年間の住宅政策の方向先について御審議をいただき、答申を受けまして、第三次住宅整備後期方針を作成したところでございます。この後期方針の基本理念の一つに、年齢や障害の有無、国籍等にかかわらず、全ての区民が地域に安心して暮らし続けることができる住まい、町の実現がございます。同性のパートナーなどの方々の住まいの確保につきましても、この基本理念に基づくものと考えております。  現在、住宅委員会では、後期方針の重点プロジェクトのうち、主に居住支援に関するテーマについて、具体的に実行していくための検討を始めていただいております。引き続き、区といたしましても、区民及び事業者との連携を図りながら区民が地域に安心して暮らし続けることができる住まい、町の実現に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、等々力~梅ヶ丘駅間のバス増便に向けての取り組みについて御答弁申し上げます。  お話しのとおり、等々力操車所~梅ヶ丘駅間のコミュニティバスが本年一月二十七日に本格運行を開始いたしました。区は、昨年度の実験運行実施以降、本格運行に向けてバス事業者と調整してまいりました。その結果、実験運行時よりも運行本数は少なくなりましたが、運行日を土日、祝日に広げ、本格運行に結びつけることができました。  沿道の皆様からは、本格運行に至ったことへの感謝のお言葉もいただいておりますが、一方で、通勤時間帯等への運行時間帯の拡充や本数増等の御要望もいただいております。  これまで、区は、本格運行の開始に合わせて、沿線の町会・自治会への回覧による周知、「区のおしらせせたがや」や、出張所などでのデジタルサイネージなどによる広報、路線沿道への立て看板の設置等、バス利用の需要を喚起し、利用促進に向けた取り組みを行ってまいりました。  区といたしましては、バス増便につなげるため、引き続きバス需要を喚起するためのPR等を工夫するとともに、地域の御要望をバス事業者へ強く伝えてまいります。  以上でございます。 ◆四十四番(村田義則 議員) 以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で村田義則議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、九番和田ひでとし議員。    〔九番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◆九番(和田ひでとし 議員) 通告に従い順次質問してまいります。  都市整備領域の大幅な改編を中心とした二十八年度の組織改正に続いて、二十九年度においても組織改正が行われると聞きました。今回は教育委員会などを中心に改正が行われるわけですが、二〇二〇東京大会まであと三年余りとなり、九十万都市世田谷区もさまざまな取り組みが計画され、大きく変わろうとしています。  そこでまず、二十八年度の組織改正から一年近く経過し、とりわけ都市整備領域の改編、道路・交通政策部、道路事業推進課の体制について検証しているものとは思いますが、その検証結果をどのように捉えているのか区の見解を伺います。  我が会派が昨年の第一回定例会において、区長に対し、議会の存在を軽視する言動を改めるよう求めた決議を提出するに至った要因の一つは、補助五四号線のⅡ期・Ⅲ期区間を第四次事業化計画の優先整備路線から外したことが挙げられます。  そのことを踏まえ、このたびの二十九年度予算案を見てみますと、土木費全体は微増となっているものの、都市計画道路用地取得や路面改良などの道路橋梁費は大幅な減額となっている状況であり、より一層の道路事業推進を図るための組織改正であると、一年前、力強く答弁された言葉は一体何だったのだろうかと疑問に感じているところであります。  そこで、道路事業、とりわけ下北沢の道路事業推進について、新体制でどのような効果があったのか、また、二十九年度の取り組みについてもあわせて具体的に伺います。  冒頭に申し上げたとおり、二十九年度の組織改正は教育委員会の改編が大きな特徴だと言えるのではないでしょうか。その中で、教育環境推進担当部が廃止され、現在の教育環境計画課と教育施設課を教育次長所管に移譲する狙い、また見込まれる効果についてどのようにお考えなのか見解を伺います。  組織改正の質問の最後に、今回の改正によって課長級の管理職が増員されると聞きました。確かに、昨今の時代の変化に合わせて、区民ニーズに的確に応えていくためには必要であると思います。しかし、今定例会の我が会派の山口幹事長の代表質問で申し上げましたが、首長の姿勢は予算と組織にあらわれるものであり、予算同様、区の組織が肥大化する傾向にあると言えます。  そこで、今回の管理職の増員について区の見解を伺っておきます。  次に、世田谷区制施行八十五周年記念事業について伺います。  世田谷区は昭和七年十月、東京市の区域が拡張された際に誕生したと聞いております。したがって、ことしの十月一日で八十五周年を迎えることになります。この間、我々の先輩方はさまざまな苦難を乗り越え、今日では九十万都市にもなろうとする世田谷区の地域社会を築いてこられました。より多くの区民の皆様が、こうした先輩方の足跡を振り返り、世田谷区への思いをさらに深めていくことはとても大切なことであり、そのための絶好の機会となる周年行事を五年ごとに実施していることは大変意味のあることだと考えています。  とりわけ功労表彰は、町会・自治会を初め、産業、福祉、教育、文化など、各分野で日々陰になりひなたになり区を支えていただいている区民の方々や団体の方々の御労苦に報い、感謝する意味で行われていると思いますが、こうしたことは表彰される方々にとっては大きな励みとなり、今後の活動への糧になると考えています。  私は表彰されることには縁遠く、表彰されることの重みはひしひしと感じる一人でありますが、区民の方々には、日ごろの活動が認められ、功績として評価されることを大変楽しみにされている方も多いのではないかと思います。  そこでお聞きしますが、先般の企画総務委員会の報告では、功労表彰の対象者を千三百人程度と見込んでいるとの報告がありましたが、功労表彰の候補者を選出するに当たっての手順や方法について改めてお尋ねいたします。  また、今回もロゴマークやポスターの公募を行うとの報告を受けました。八十周年記念事業の際にはロゴマークやポスターの公募が行われていたことを記憶していますが、特にロゴマークが具体的にどのように活用されていたのかは全く印象に残っておらず、ロゴマーク自体も思い出せませんでした。先日、所管課長からロゴマークのデザインを見せていただきましたが、それでも当時の記憶はよみがえりませんでした。  今回についても、八十五周年のシンボルマークとして公募するならば、八十五周年記念事業のチラシに掲載するだけではなく、例えば職員の名刺などにロゴマークのシールを張ってアピールすることなども考えられるのではないでしょうか。  そこで伺います。ロゴマークについては世田谷区が区制八十五周年を迎えることを広く区民に周知し、その機運を高めるシンボルとして、全庁を挙げて積極的に有効活用していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、記念式典において予定されているキャッチフレーズの表彰について伺います。  今回の区制八十五周年記念事業の記念式典の中にキャッチフレーズの表彰とあります。これまでも区の基本計画の副題には、「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」、区のキャッチコピーとしては、「いつまでも住み続けたい『魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷』」というのがあります。それぞれどれだけ区民の中に浸透しているのかとも思うのですが、今回は、キャッチフレーズを広く区民から募集して表彰されるということです。その必要性について、改めて区の見解を伺います。  最後に、通学路の安全対策について伺います。  通学路の安全対策については、各地で痛ましい交通事故のニュースを聞くたびに、またかとつらい思いになるのは私だけではないと思います。世田谷区においては、平成二十六年の池之上小学校通学路での痛ましい事故を契機として、緊急に合同点検が実施され、何らかの対策が必要とされた二百二十八カ所の対策については順次進んでいるものと思いますが、まずは、現在の通学路安全点検の検証状況について伺います。  また、検証により明らかになった課題は地域ごとにさまざまだと思いますが、具体的にどのような点が改善されたのか伺います。  このような通学路の安全対策においては、周辺環境の変化についても常に状況を捉えておく必要があります。大きな一軒の住宅が相続のために何軒かの新しい建て売り住宅に建てかわったり、社宅であったところがアパートやマンションに変わったり、場合によっては見通しが悪くなってしまったりする箇所も見受けられます。つまり、事故が起きてから点検をするのではなく、日常的に町の状況をしっかり捉え、事故を未然に防ぐことが大切です。  そこで、通学路の安全点検を今後も継続的にしっかりと行っていくべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 組織改正に関しまして三点について私から答弁させていただきます。  まず、二十八年度の組織改正につきまして、その後の検証、効果等についての御質問でございました。  平成二十八年度の組織改正は、基本計画に掲げました重点政策や新実施計画を初め、各分野の行政計画を着実に進めますとともに、多様な課題にも的確かつ柔軟に対応できる簡素で効率的な組織体制を基本に組織改正を行いました。  こうした組織改正によりまして、各担当所管が適切な役割分担と連携のもと、効果的、効率的で機動性をもって施策の遂行に取り組んでおり、事業の性質によって違いはあるものの、着実に区民サービスの向上や事業のスピードアップなどにつながっているものと考えております。  都市整備領域では、安全で災害に強いまちづくりを推進するため、木造住宅密集地域の解消などに取り組む防災街づくり担当部の新設や、道路と交通にかかわる政策を総合的に進めるため、道路・交通政策部の再編など、大きく組織改正をしております。  お話しの道路事業推進課につきましても、集約と再編による柔軟で効率的な体制づくりやノウハウの共有を図るなど、下北沢の道路整備事業につきましても一層推進するよう組織改正しており、事業進展に向けまして、例えば収用の手続など、さまざまな調整が確実に進んでいるものと認識しております。  次に、今回の二十九年度に向けての組織改正の狙いについて御答弁申し上げます。  お話しの教育環境推進担当部の組織改正につきましては、公共施設等総合管理計画の策定を機に、全庁の公共施設マネジメント強化のもと、学校施設を含め、公共施設全体の計画的かつ効率的な改築、大規模改修の推進体制を構築するものでございます。そのため、日常的な学校への連絡調整や小規模の修繕など、その業務の一部を残して施設営繕担当部に移行するものでございます。  あわせて、教育環境計画及び教育施設の整備、維持を教育次長ラインのもと一体として行うことで、より効率的かつ機動的な組織運営ができるものと考えております。  次に、管理職が増員となったが、その理由をとのことでございます。  管理職のポスト数の増減でございますが、部長職につきましては、庁舎整備担当部、生涯学習部を新たに設置し、総合調整担当参事、教育環境推進担当部の廃止により、全体といたしましてはプラス・マイナス・ゼロとなっております。課長職につきましては、改組も含めまして、十ポストの新設、五ポストの廃止となっており、全体でプラス五となっております。これは、次期新実施計画の策定や区史編さん事業への取り組み、児童相談所開設推進や第二次教育ビジョンの推進を図るため、副参事を新たに設置しており、また、オリンピック・パラリンピックへの取り組み強化に伴いますスポーツ推進部調整担当課の新設によるものでございます。  いずれの組織改正につきましても、特定課題を集中的に期限を限り、効率的かつ機動性のある組織体制をもって事業推進に当たるものでございます。  今後も限られた資源のもと、区民ニーズの変容に的確に応えるとともに、組織の肥大化を避け、管理職のスリム化も図るよう、合理的な体制に努めてまいります。  以上でございます。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、下北沢の道路事業推進について、新体制での効果や今後の取り組みについて御答弁申し上げます。  区では、昨年四月の組織改正により、道路事業の推進体制を強化いたしました。新たな体制におきましては、下北沢に限らず、外部委託を活用して権利が複雑な困難物件や大型物件の用地取得調整を軌道に乗せるなど、成果も上がっているところでございます。下北沢の道路事業につきましては、今年度の用地取得率は微増にとどまるものの、用地取得に必要なさまざまな調整は着実に進展し、次年度以降、その成果が目に見えてあらわれてくるものと考えております。  一方、道路整備に関する予算は、権利者との交渉の熟度、関連する事業の進捗、大型物件の契約のタイミング、土地開発公社の活用状況等により変動いたします。来年度予算案につきましては、土地開発公社予算も合わせますと、平成二十八年度以上の額を計上しております。区といたしましては、せたがや道づくりプランに基づき、今後も道路ネットワークの早期整備に向けて、新体制のもと、計画的かつ効率的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎岡田 総務部長 私からは、区制八十五周年記念事業につきまして二点の御質問にお答え申し上げます。  まず、功労表彰の手順についてでございます。  功労表彰は、区政への功績が顕著な方を対象に周年を記念して実施するものでございます。その表彰の内容は、一般功労表彰、団体功労表彰、特別功労表彰、特別文化功労表彰に分類しております。表彰候補者は、表彰の分類ごとに定められた推薦基準に基づき、地方自治、福祉、教育、文化・芸術、産業などさまざまな分野から、庁内各部や区政協力団体の推薦、さらには公募を通じて推薦していただくこととしております。  その後、御推薦をいただいた表彰候補者の方々につきましては、庁内に設ける記念表彰審査会での審査を経て、最終的に区長が表彰の対象とする方を決定し、十月八日に実施予定の記念式典において表彰することとしております。  功労表彰は、地域におけるさまざまな活動を通じ、区政の発展に貢献された方々の功績をたたえる重要な機会であると捉えており、表彰された方々にとって今後のさらなる活動への大きな励みにしていただけるよう、式典にしていきたいと考えております。  次に、機運醸成に向けたロゴマークの活用についてでございます。  八十五周年記念事業は、区の歩みを振り返り、区の魅力を再認識するとともに、より一層区に愛着を持っていただく好機であると考えております。この八十五周年記念事業をより多くの区民に効果的に周知し、各種記念事業に対する関心を高めるために、区民参加型によるロゴマークを公募することといたしました。このロゴマークにつきましては、記念事業全体のシンボルとして機運醸成を図るために、わかりやすく親しみやすいデザインであることはもちろん、広く区の内外に区の魅力を発信するものであることが重要であると認識しております。その活用方法につきましては、記念事業や既存の事業に区制八十五周年の冠を付して実施する冠事業などのポスターやチラシへ掲載するほか、ホームページを初めとする各種媒体への掲載を予定しております。  ロゴマークがより多くの方々の目に触れる機会を多く創出し、八十五周年記念事業の機運醸成に向け、全庁を挙げて最大限に活用してまいります。  以上でございます。 ◎萩原 地域行政部長 私からは、区制八十五周年に伴うキャッチフレーズの表彰についてお答えいたします。  記念事業で表彰するキャッチフレーズは、区制八十五周年を契機に、自分の暮らす町の未来に向けて町に愛着を感じ、町の特色、魅力を広く発信できるよう、区民の参加と協働を得ながら広報板の外枠に掲載することを予定しているものです。この間、区は、地区の強化を念頭に地域行政に取り組んでおり、身近な街角に設置している広報板は地域活動団体のコミュニティー活動にも活用されております。しかし、老朽化が進んでいることから、安全や町の美観を確保するため、三年間で約五百基の建てかえを計画しております。新しい広報板には、公募の上、外部の方の参加を得た審査会で選定していただくキャッチフレーズとともに、広域避難場所などの防災情報やまちなか観光情報も新たに掲載していく予定でございます。  今後、このキャッチフレーズは広報板のほか、その他の媒体でも広く区民の目に触れるよう普及に努め、世田谷区の地域コミュニティーの未来につながるよう、八十五周年以降も効果的に活用してまいります。  以上でございます。 ◎岩本 教育次長 私からは、通学路の安全対策について三点御答弁申し上げます。  最初に、安全点検の検証状況についてでございます。  平成二十六年度通学路合同点検につきましては、区内において発生した痛ましい事故を受け、学校、PTA、道路管理者、警察署、教育委員会などが連携し実施したものでございます。合同点検の実施結果でございますが、通学路において点検を実施した箇所数は二百九十一カ所で、そのうち安全対策の向上や改善が必要とされた対策必要箇所数が二百二十八カ所であり、平成二十六年度中に七十九カ所の対策を実施した状況でございました。平成二十七年度以降に実施予定となっていた箇所につきましては、警察、道路管理者、小学校代表、PTA代表などで構成する通学路安全対策連絡会などを通じて、各関係機関の方々に取り組みを進めていただくよう継続的にお願いをしてきたところです。  本年一月開催の通学路安全対策連絡会におきまして、改めて全体の進捗状況の確認を関係各機関に依頼をいたしました。現在集計の作業を行っており、今後、対策の進捗状況について、ホームページなどで公表する予定としております。  次に、具体的な改善内容について御答弁申し上げます。  合同点検後の改善結果につきましては、警察や道路管理者など、安全対策の実施主体により異なりますが、例えば警察では、交通規制の観点から、道路上のとまれ標示の塗り直しや横断歩道の設置などを進めていただきました。また、区道につきましては、外側線の塗りかえ、交差点のカラー舗装や注意喚起標示板、標示幕の設置などの対応を行ってきているところでございます。  このようなハード面の対策のほか、学校でも道路状況の変更に伴う通学路そのものの見直しや、生活科の授業や交通安全教室で安全指導を行うなど、安全教育の充実に努めてきたところでございます。  また、学校ではPTA、地域の方々と毎年度、通学路の安全点検を行っておりますが、安全マップの作成や通学路安全運転呼びかけ隊の結成が行われるなど、地域ぐるみで安全確保に取り組んでいただいている状況がございます。  最後に、継続的に点検を行うべきという御指摘についてです。  通学路安全対策を向上させていくためには、点検の実施、対策の検討、実施、その効果の把握など、PDCAサイクルとして、御指摘いただきましたとおり、継続的に取り組んでいくことが大切であると認識しております。  こうした認識のもと、このたび教育委員会と通学路安全対策連絡会が連携し、通学路点検の計画的な取り組みなど、通学路の安全確保の基本的方針を定めた世田谷区通学路交通安全プログラムを取りまとめました。平成二十九年度からはこのプログラムに基づき、各学校で年一回の通学路安全点検を行うとともに、あわせて道路管理者、警察等も参加する合同点検も各校で順次実施し、四年間で全校が一巡する取り組みを基本とし、安全対策の実施とその後の効果の把握、さらなる改善充実を定期的かつ継続的に実施してまいります。  教育委員会としましては、本プログラムの運用に加えまして警察との連携を一層強めるとともに、今後も学校、PTA、道路管理者などと連携を図り、引き続き通学路の安全対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆九番(和田ひでとし 議員) 教育委員会の組織改正についてでありますが、現在の教育政策部が所管している事務を新たな教育政策部と生涯学習部に振り分ける内容となっております。私も現在の教育政策部は大き過ぎて機動性に欠けると常々思っておりましたので、今回の改編について否定するものではありません。  これまでは腰が重くなかなか前に進まなかった図書館の民営化についても、身軽となる生涯学習部において積極的に検討していくものと認識しておりますが、ここで見解を伺います。 ◎工藤 教育政策部長 生涯学習部を独立させることで図書館への民間活力導入が進むのかという和田議員の再質問にお答えいたします。  今回の教育政策部に係る組織改正につきましては、(仮称)世田谷区教育総合センターの実現に向けて、教育政策部がその調整・推進業務を所管するとともに、生涯学習施策の総合的な推進を図るため、教育政策部から生涯学習分野を独立させ、義務教育とは違った観点からの取り組みにも注力しようという狙いがございます。  新たな生涯学習・地域学校連携課におきましては、オリンピック・パラリンピックも見据えて、総合型地域スポーツクラブに係る業務を教育領域として掌握するなど、より地域との連携を強化しながら事業に取り組むとともに、現在策定準備を進めております文化財保存活用基本方針に基づき、文化財行政の新たな展開を図ります。  こうした中で、御質問の図書館における民間活力導入につきましても、第二次世田谷区立図書館ビジョンに基づき、中央図書館を中心とした図書館ネットワークを構築するとともに、魅力ある図書館づくりを推進する上で必要となる多様な手法による民間活力導入につきましても積極的に取り組んでまいります。  以上です。 ◆九番(和田ひでとし 議員) 先ほどの八十五周年記念事業にかかわる予算は、前回の八十周年当時と比べると、やや増額をされていると思います。当然五年前と比較すれば、物価等の高騰の影響もあるかと思いますが、記念イベント等に予算をかけ過ぎているのではないかとの見え方もします。できるだけ経費を抑えるために工夫と努力をし、必要な内容に絞って、より多くの区民の皆さんが八十五周年をお祝いできる記念事業として展開していくべきであると申し上げて、私の質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で和田ひでとし議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時休憩    ――――――――――――――――――     午後零時五十分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ────────────────────
    ○上島よしもり 議長 一般質問を続けます。  三十七番岡本のぶ子議員。    〔三十七番岡本のぶ子議員登壇〕(拍手) ◆三十七番(岡本のぶ子 議員) 質問通告に従い順次質問いたします。  まず、世田谷型インクルーシブ教育システムを支える体制のさらなる充実について伺います。  本区では、配慮が必要な児童生徒に対し、通常学級で支援要員、特別支援学級で介添員を臨時職員として採用していますが、臨時職員は非常勤職員に比べて勤務時間数に制約があるため、児童生徒の障害の特性上、同じ支援要員、介添員の継続支援の要望があるにもかかわらず、それに応えることができておりません。また、その人員の手配は原則学校が行うことになっており、その求人確保は容易ではなく、学校として相当な時間と労力を要するなどの課題が生じております。  さらに本区では、教員以外の非常勤職員である通常学級の学校包括支援員の配置は一校に一人であり、特別支援学級の支援員の配置は、学級数が一学級であっても三学級であっても各学校に一名とされ、大規模校に在籍する要配慮児童生徒ほど支援が薄くなってしまう課題を抱えています。  先日、このような課題を解決し、学校、子どもたち、保護者の皆さんを重層的にサポートしている品川区教育総合支援センターを視察させていただきました。品川区では、区立学校に在籍する要配慮児童生徒、その数に応じて、介助員及び学習支援員の手配、養成を九年以上前からNPO法人に業務委託し、学校、教育委員会、NPO法人の間で人員を手配する電子システムを構築するなど、求人、養成に係る労力を大幅に軽減しておりました。  ここで二点質問いたします。  一点目に、本区における要配慮児童生徒への支援要員、介添員の時間数の不足や求人募集の不成立等を改善するために雇用形態を見直すとともに、その手配、養成を外部委託し、学校の負担軽減を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  二点目に、現行の学校包括支援員、特別支援学級支援員の配置基準を要配慮児童生徒数に即した人員配置に見直すべきと考えます。区の見解を伺います。  また、区は計画の中で、途切れない支援体制の推進を掲げ、要配慮児童生徒に適切な教育や支援を行う目的で、スクールカウンセラーを平成二十五年度に全中学校に配置し、同時に、原則小学校二校を担当配置させていると伺っておりますが、調べてみると、九年教育の枠組みである学び舎二十九カ所のうち、わずか二カ所のみが同じカウンセラーの配置であり、学び舎内の中学校に進学したにもかかわらず、継続的な支援を享受できない児童が在籍する小学校が約五十校に及んでいる実態があることは、区はどのように認識しているのでしょうか。  今後、区のスクールカウンセラーの配置を学び舎単位に再編成し、九年教育の中で、心理の専門家による途切れない支援体制の推進を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、母子健康情報のシステム構築による子育て支援の強化について伺います。  昨年十一月十五日、全国初の母子健康情報サービスを静岡県焼津市でスタートいたしました。これは妊娠中や子育て中の方が自宅のパソコンや自身のスマートフォンを使用して、市で実施した乳幼児健診、予防接種の記録、さらに市の子育て支援の情報などをマイナンバーカードの個人認証機能を活用して確実に受け取ることができるサービスです。このサービスは、焼津市に続き、現在までに十二市で導入が進められており、各自治体の迅速な対応には目をみはるものがあります。  なぜこのように迅速な対応ができるのか。調べてみると、各自治体でシステムを開発する必要がないことから、導入の初期費用や毎年のランニングコストなどが低額に抑えられること、さらに各自治体の母子健康情報の記録が電子化されていることから、実施までの準備期間が半年から一年弱で可能であることがわかりました。  本区では、毎年七千人から八千人の新生児が誕生しておりますが、驚いたことに、三、四カ月健診、一歳六カ月健診、三歳児健診などの区が実施する乳幼児健診に係る母子健康情報の記録は電子化されておらず、全て紙媒体で保管しておりました。  本区と同様に、就学前人口の多い足立区や江戸川区では、既に約十年以上前から母子健康情報の記録を電子化し、乳幼児健診未受診者への勧奨や子育て支援のフォローアップにその情報を役立てております。  本区の母子健康情報管理の状態では、迅速、適切な切れ目のない子育て支援に支障を生じているばかりか、母子保健に係る統計資料の作成も、その都度職員の方々が手作業で集計しているというありさまでは、事務効率の観点からも業務改善が求められます。  さらに、災害対策の観点からも、母子健康情報の記録が紙媒体の保管では情報の消失の危険が高いばかりか、その後の業務継続に支障を来すおそれがあり、区の現行の管理には問題があると考えます。  ここで二点伺います。  一点目に、本区における母子健康情報の記録を早急に電子化し、母子保健サービスの精度の向上と、職員の労力の軽減、防災への備えの改善を図るべきです。区の見解を伺います。  二点目に、マイナンバーカードの個人認証機能を活用した母子健康情報サービスの導入を図り、切れ目のない子育て支援の充実に役立てるべきです。区の見解を伺います。  昨年、国は、社会全体で子育て世帯を応援するために、子育て支援パスポート事業を全国展開しました。東京都も本事業を昨年十月より実施しましたが、本区での子育て世帯への周知状況を確認すると、ホームページ上に掲示しているのみで、区の子育て世帯が多く利用する子育て応援アプリ上での情報提供もなく、区は、この事業の目的である社会全体で子育て世帯を応援するという機運の醸成に寄与しているとは到底言えません。  今後、区として、区内商店街連合会などに働きかけ、子育て支援パスポート事業を通じて、子育て世帯が子育ての不安を抱えながら孤立することがないよう、自治体としての責務を果たすべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、女性の視点を取り入れた災害に強いまちづくりについて伺います。  東京都は、平成二十九年度予算に、公明党の強い主張を受け、都民の自助、共助の意識をさらに高めるために、女性ならではのきめ細やかな目線で防災のノウハウをまとめた、女性版東京防災を作成することを盛り込みました。  東日本大震災や熊本地震などでは、避難所運営で女性や子どもへの配慮が後回しにされ、課題となったことは周知のことですが、本区として、避難所運営の意思決定の場により多くの女性が参画できるよう、今後具体的な取り組みが求められます。区の見解を伺います。  昨日の会派の代表質問で、甚大な災害に備えて危機管理部門に退役自衛官を危機管理監として起用する必要性を訴えましたが、特に人口が密集し、ひとり暮らしの女性が多い本区において、女性ならではの目線で被災状況を捉え、トップマネジメント力の発揮が期待される女性自衛官の起用を視野に入れて検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  最後に、東京二〇二〇大会に向けて、特に馬術競技会場となる馬事公苑周辺の災害情報のバリアフリー対策の構築が求められます。多数の来訪者が予想される中、外国人観光客や視覚障害者等の方々を安全に避難所等へ誘導するために、当事者の参画をいただきながら、スマートフォンで多言語、音声誘導のアプリ活用などを視野に、災害時の情報提供ツール等を作成すべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 教育政策部長 私からは、世田谷型インクルーシブ教育システムを支える体制のさらなる充実について三点御質問をいただきました。順次御答弁いたします。  まず一点目、支援要員、介添員の手配、養成については、外部委託をせよという御質問についての御答弁です。  教育委員会では、第二次教育ビジョンにおいて、ニーズに応じた特別支援教育の推進を重点事業に位置づけ取り組んでおります。障害のある子どもと障害のない子どもがともに学ぶ仕組みなどのインクルーシブ教育システム構築に向け、人的支援体制の強化は重要課題であると考えまして、学校包括支援員制度の全校配置や支援要員、介添員の配置時数増加など、大幅な充実を図っております。  御質問の支援要員と介添員は、臨時職員という身分であり、勤務時間数や年間労働日数などの制約もあることから、人材確保については一部困難な状況が見受けられます。学校運営支援のあり方については、新たな教育センターの機能拡充の中でも鋭意検討を進めているところとなっております。  御質問の外部委託でございますが、教員の負担軽減が図られ、教員が子どもたちに寄り添える時間をふやすことができるような仕組みづくりは大変重要なことであると認識しておりますので、御質問の趣旨なども踏まえまして、引き続き、幅広く研究検討してまいりたいと考えております。  引き続きまして二点目でございます。学校包括支援員、特別支援学級支援員の配置を児童生徒数に対応した配置となるよう再検討すべきとの御質問でございます。  通常の学級における人的支援体制の基盤となる学校包括支援員については、当初の実施計画を前倒しし、本年度から一校に一人、合計九十二人に大幅に拡充をしています。  特別支援学級支援員につきましても、平成二十六年度より勤務時間数を一日六時間から七時間に拡充いたしました。第二次教育ビジョンにおいて、特別支援教育の推進を重点事業に位置づけてからのこうした人的支援の大幅な拡充については、保護者や学校関係者などより、安心して子どもを預けられる、安全が確保され学校経営が安定したなどのお声も多数いただいているところです。しかし、区立小中学校で学ぶ配慮を要する児童生徒の人数は増加傾向にあり、教育的なニーズの高まりなどにより多くの支援が必要なお子さんも増加しております。  こうした状況に鑑み、今後の人的支援の充実に向けた基本的な考え方としましては、児童生徒数のみならず、障害の状態に応じた配置をしていく必要があると考えます。  教育委員会では、引き続き学校現場の状況をきちんと把握し、子どもたちが安心して学べる環境づくりに向け、人的支援体制の検討を進めてまいります。  引き続きまして三点目でございます。スクールカウンセラーを学び舎単位で再配置せよとの御質問でございます。  学校内における教育相談機能を担うスクールカウンセラーは平成九年四月に区が配置して以降、都、国の制度も活用して全国の中でも先んじて拡充を進め、現在、全区立小中学校でスクールカウンセラーを配置する体制となっております。  スクールカウンセラーの配置につきましては、平成二十五年度に区任用スクールカウンセラーを全小中学校に拡大配置した際、世田谷九年教育の推進状況を踏まえ、学び舎についても意識したものといたしました。  お話しの学び舎単位の配置状況は課題として認識しつつ、学び舎内の学校の数や規模との兼ね合い、これまでの子どもとスクールカウンセラーとの間の強い関係性を重視するとともに、学校現場の状況なども踏まえた人事配置上の観点などから、御質問の視点を基本としつつも総合的に判断をさせていただいております。  なお、小学校から中学校への途切れない支援については重要であると認識しており、学校においては配慮が必要な児童生徒に関する個別指導計画などで引き継ぎを行っており、スクールカウンセラー間においても随時引き継ぎに努めているところでございます。  さらに、毎月二回ブロック別に実施しているスクールカウンセラーによる検討会や、年二回の全体会においても学び舎単位での打ち合わせを行うなど、今後ともさらなる連携を図ってまいります。  いずれにしましても、スクールカウンセラーの学び舎単位の配置という視点も大切にしながら、引き続き人事配置に努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、母子健康情報のシステム構築について二点、まず、紙から電子化への見直しについてお答えをいたします。  区の母子保健事業では、三歳児までの乳幼児健康診査等の結果を個人別の紙媒体、母子健康管理カードに記録し管理しており、必要に応じ個別支援等にも活用しておりますが、御指摘のとおり、問い合わせや内容検証に時間を要するなど、さまざまな課題を抱えております。  区といたしましても、母子保健事業の業務量増加に伴うヒューマンリソースの不足を補い、保健師等の専門職の支援を促進させることが最重要課題と認識しており、その改善の一環として、平成二十五年度には、既存の区民健康情報システムを改修し、乳幼児等の定期予防接種事業をシステム化いたしました。  平成二十六年度からは、子育て中の母親等がスマートフォンから出産予定日や子どもの生年月日を登録することで、保育や子育て支援などの情報を提供するせたがや子育て応援アプリを公開しております。また、新たなシステムとして、本年七月より、妊娠期面接を休日や夜間でも気軽に予約できるシステムを導入する予定でございます。今後、母子健康情報のシステム構築に向け、データの適正管理や個人情報の保護にも十分留意しつつ、関係所管とも連携を図り検討してまいります。  そのことに先駆け、近隣で先駆的に取り組む自治体の状況把握と検証、事務改善の費用対効果や、職員の作業負荷軽減等を踏まえた分析など、母子健康情報の電子化に向けた準備に取り組み、母子の切れ目ない支援につなげてまいりたいと考えております。  続いて、マイナンバーカードの個人認証を活用した母子健康情報サービスについてお答えいたします。  区では、現在、スマートフォンから保育や子育て支援等の情報を提供するせたがや子育て応援アプリを公開しております。しかし、お話にありました他自治体の事例とは異なり、個人認証を介して個別の子どもの母子保健に関する履歴を照会し、回答できる仕組みがございません。  マイナンバーカードの個人認証機能を活用して母子健康情報サービスの導入の御提案ですが、これまでの行政から一方向で情報提供するシステムに比べまして、子育て中の母親等にとってお子さんの成長記録等をいつでも照会できる安心感と、行政との距離感が縮まることが大いに期待できるのではと考えてございます。  今後の検討の中で、母子保健の範囲にとどまらず、区民の健康情報を一元管理できるシステムの構築などを目指してまいります。  一方、現段階での区のマイナンバーカードの申請者は約十二万人で、発行数は八万枚弱という現状もございます。区といたしましては、今後、マイナンバー制度を活用した子育て行政サービスの変革として、国が進める子育てワンストップサービスの動向に注目をしつつ、御提案のマイナンバーカードの個人認証を活用した母子健康情報サービスに関しましても課題として認識しつつ、事業のあり方を検討してまいります。  以上です。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、子育て応援パスポート事業の周知を図り、地域社会で子育てをサポートする機運を醸成せよという御質問についてお答えいたします。  子育て応援パスポート事業は、協賛を得た企業、店舗、施設等において、子育て世帯に対し、例えば商品の割引や粉ミルクのお湯の提供など、さまざまなサービスを提供する仕組みであり、子育てを応援しようとする社会的機運の醸成を目的として国が主導となって全国展開を図っている事業です。  実施主体は都道府県で、東京都では子育て応援とうきょうパスポート事業として平成二十八年十月より実施しております。全国共通の事業であることから、東京都のパスポートを示すことで他県の店舗のサービスを受けることも可能です。子ども・子育て応援都市宣言を行っている区といたしましても、このような取り組みを活用しながら区全体で子育てを応援する機運を高めていくことが大事であると認識しております。  子育て応援とうきょうパスポート事業は開始から日が浅いこともあり、まだ協賛店等も少なく、区民の認知も進んでおりませんが、今後、産業振興部門と連携した登録事業者拡大や子育て応援アプリの活用等、さまざまな媒体による周知を行い、事業の浸透を図ることにより、子育てに優しい町の推進に努めてまいります。  以上です。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、女性の視点を取り入れた災害に強いまちづくりについて三点御答弁申し上げます。  初めに、危機管理監に退役女性自衛官を起用し災害時の体制整備を進めよについてです。  東日本大震災等の実災害の教訓を踏まえ、男女共同参画の視点からさまざまな防災・減災対策の必要性が指摘されており、内閣府では、男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針がまとめられております。  こうした背景も踏まえ、今般修正を決定しました世田谷区地域防災計画にも女性の視点部会の提言を取り入れたところでございます。専門的見識を有する危機管理の専門職の起用につきましては、代表質問で区長から御答弁申し上げたとおりですが、女性の起用という点につきましては真摯に受けとめさせていただき、人材の確保に向けて具体的な取り組みを進めてまいります。  次に、女性の防災活動への参画を促し、避難所運営へのさらなる参画についてでございます。  防災活動への女性の参画と女性の視点を踏まえた防災対策につきましては、平成二十三年十二月の防災基本計画の修正や、内閣府の男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針が策定されていることから、区としましても重要な課題であると認識しております。  区では、地域防災計画平成二十九年修正の検討の際に、世田谷区防災会議の専門部会として女性の視点部会を設置し、合計四回にわたり検討して提言書をまとめております。提言書では、部会で議論した応急、復旧復興、予防の三場面ごとの避難者対策や、生活再建支援、平常時における男女共同参画の視点の強化を盛り込みました。また、具体的な取り組みとして、地域防災計画への反映、マニュアルの整備、男女共同参画の視点の普及や推進をするための人材育成などの事業の実施についても提言書に盛り込まれたところです。  今後も区としましては、女性の視点を取り入れた避難所運営体制の充実強化を図る必要があります。そのために、避難所運営マニュアル(標準版)への反映を着実に進め、男女共同参画センターらぷらすとの連携した研修の実施や、NPO、避難所運営組織などを対象とした研修や訓練などを実施することで、避難所運営の女性の参画を促進してまいります。  最後に、二〇二〇東京大会を見据えた会場周辺の災害情報バリアフリーについてです。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の大会期間中に災害が発生した場合を想定し、外国からの来場者などへの情報提供手段について準備していくことは重要と考えております。現在、平常時からの災害情報の提供の手段としまして、区ホームページ上に外国人の方へというページを設けて、Life ⅰn Setagayaの中で災害時の行動について英語、中国語、ハングルで掲載しております。また、平成二十九年度には、災害時区民行動マニュアルのマップ版の英語、中国語、ハングル版の更新を予定しております。  一方で、災害時区民行動マニュアルマップ版をスマートフォン用等にアプリ化した防災マップアプリや、緊急時にプッシュ方式で携帯端末に通知する災害・防犯情報メールや、ツイッターでは日本語のみで情報提供している状況でございます。  今後、他自治体や民間事業者等の取り組みなども参考に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、多言語や音声での災害情報の提供方法について、当事者の意見も聞きながら検討してまいります。  以上でございます。 ◆三十七番(岡本のぶ子 議員) るる答弁いただきました。それぞれの課題の中で今回私が非常に感じているのが、世田谷型インクルーシブ教育ですとか、子育て、切れ目のないという点では世田谷版ネウボラですとか、世田谷型、世田谷版、そのような名称をつけながら区長のもとでさまざまな施策は打たれてきているんですけれども、実態のところが、根っこのところがきちんとできていないということが今回の一部の紹介でも区長も認識していただいたと思います。そういう意味では、まず学校現場で教職員が子どもたちの支援員を自分たちで探している、どれだけの労力をかけているか。本来子どもに向ける時間が、支援員さんを探すという時間に費やされている事実。  あと、母子保健の関係では、母子保健の職員の人たちがゼロ歳から三歳までの健診の量だけでも約二万四千人とかそういう人数のカードを見ているということを考えても非常に無駄だと思います。そこも含めて、そこを全部簡略化して、子どもたちに向けるようにしていただきたいと思いますが、区長に最後、決意を伺います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 岡本議員の再質問にお答えします。  インクルーシブ教育にしても、母子保健にしても、掲げた世田谷型あるいは世田谷版というところで、掲げているところとその実態、それがまだ大きく乖離があるんではないかという御指摘を重く受けとめたいと思います。速やかに、一人一人の子どもの支援に区の仕事が届くように業務改善、システムの変更、あるいは人員的な手当て、考えて取り組んでいきたいと思います。 ○上島よしもり 議長 以上で岡本のぶ子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十二番高岡じゅん子議員。    〔十二番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い順次質問します。  初めに、全ての差別解消に向けたヘイトクライム、ヘイトスピーチへの対応について質問します。  昨年は障害者差別解消法が施行され、ヘイトスピーチ規制法が成立するなど、個人の尊厳を損なう差別に対する法整備が前進しました。しかし、それとはうらはらにやまゆり園での悲惨な事件が起こり、女子生徒がチマチョゴリを着て通学できない状況も変わっていません。偏見から差別に、差別から社会的排除への根強い動きがむしろ顕在化していることに危機感を覚えます。日本には、自分の意思で容易に変えられない性別、出身、年齢や障害などを理由に他者を傷つけるレイシズムによるヘイトクライムから人権を守るための法的罰則規定はいまだありません。しかし、日本は国連における人種差別、女性差別、障害者差別の各撤廃条約を批准しており、改善の必要性をたびたび指摘されています。  このような中、世田谷区は基本構想に個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築くという目標を掲げました。区長が招集挨拶でも触れられた性的マイノリティーへの政策など、当事者の声を生かし、マイノリティーに対する人権保障が一歩ずつ前進していることを評価しています。今後も区として、個人の尊厳と多様性の尊重という人権の立場から、マイノリティーへの偏見を是正し、レイシズムによるヘイトスピーチやヘイトクライムを起こさせないため、積極的に取り組んでいくことが必要と考えますが、区長の見解を伺います。  次に、下北沢小学校の新校舎利用開始に向けた今後取り組みについて質問します。  世田谷区教育委員会は、平成二十五年九月、学校適正配置に向けた第二ステップを発表、その中で、北沢小学校、東大原小学校、守山小学校の三校が統合され、新しい学校に生まれ変わることが決定されました。その時点では、北沢小学校に関しては具体的な統合時期は未決定でした。それから三年たった昨年十一月、堀教育長は、北沢小学校に関する具体的なスケジュールを決定、発表されました。  第二ステップ発表後に、北沢小学校への入学を決めた現一、二年生保護者や、地域の未就学児の家族を中心にさまざまな影響が地域を揺さぶっています。  生活者ネットワークは、学校は何よりもそこで学ぶ子どもたちが主役であり、子どもの最善の利益を守ることが学校運営の最大の目的であると主張し続けてまいりました。新たな校舎でスタートを切る下北沢小学校が、今後子どもたちの学びの場としてどのような歴史を刻んでいくのか。決断を下された教育長に、新校舎における下北沢小学校についてのビジョンを伺います。  三校統合は決定事項です。統合後は、渋谷区、杉並区と区境を接する今までにない大きな通学区域が生まれます。通学区域は、子どもたちにとっては、放課後や友達づき合いなどを含めた生活圏域であり、ひとり歩きの範囲となります。通学路を中心とした登下校の安全対策はもちろんのこと、地域ぐるみで子どもの安全を守る取り組みがこれを機会に一層進む必要があります。ゾーン30や子ども安全見守り隊など、区内の幾つかの事例は地域が一体となった取り組みの参考になります。防犯などについては、近隣区での不審者情報などを共有するための区境を越えた連携も必要です。  通学路の安全確保は絶対の条件です。特に子どもの登下校時間帯など、子どもの動きを想定し、子どもの目線に立った安全点検が必要です。できるだけ多くの保護者や児童から、実際歩いて感じたヒヤリハットの事例を聞き取るなど、子どもや保護者が主体的に参加できる継続的な安全向上の取り組みを求めます。広がる学区域に対応した通学路の安全に向けた取り組みの現状と今後の対策について伺います。  学校は地域コミュニティーの核です。学校適正配置をめぐっては、災害時の避難所として指定されている場は、学校ではなくなっても避難所として機能し続けるという前提があります。新しい学区域には木造密集地域や避難困難度の高い区域があり、三つの避難所が使えることで地域の安全を高める必要があります。現在、元東大原小が工事中のため、避難所として使えるのは二カ所です。新しい校舎が竣工し、学校機能が移転すると同時に、元守山小跡地では改修工事が始まり、避難所としては使えなくなります。現在の北沢小の場所は避難所として貴重です。希望丘中学校の跡地では閉鎖期間が長引き、不審火が起こるなど不本意な事態も招きました。北沢小においてはそのような事態を招かないように、地域のために維持しなければならない避難所や子どもたちの放課後の居場所など必要不可欠な機能について、地域との合意形成を急ぐべきです。  中長期の利活用については、腰を据えて地域との対話を続けることが必要ですが、まずは避難所など、暫定利用として必要な機能について具体的に合意を図るべく地域に呼びかけ、早急に対話と検討の場を設ける必要があると考えます。区の見解を伺います。  最後に、災害時の受援力の強化に向けて質問します。
     平成二十九年の世田谷区地域防災計画修正では、女性の視点を生かすことと並び、ボランティアなど区外からの支援をいかに災害時の緊急対応や復興に役立てるかということが大きな課題とされ、計画に盛り込まれました。  熊本大震災では、他自治体から派遣された専門職員を適材適所に配置する受援の仕組みを整えておくことが、せっかくの応援職員の力を生かすためのかなめであるということが明確になりました。地域の住民の安否確認から福祉的な支援、住宅の応急危険度判定など最前線の現場を担当する災対地域本部と各専門職員の受け入れをする本庁の各部局が緊密な連携を持ち、適時適切な人員配置ができるため、双方向での調整や受け入れ手順などを明確にしていくことが必要です。現状と今後の取り組みについて伺います。  約九十万人という人口を抱える世田谷区は、大地震などの災害時、避難所の収容人数の限界という問題を抱えています。災害時要援護者に対応した福祉避難所については、状況はより深刻です。例えば高齢者向けの福祉避難所に指定されている区内の滞在型の事業所ですが、平常時から常に定員満杯の状態です。災害時には定員外で一時滞在者を受け入れてもらう協定を確実に結んでいくことがまず重要です。  とはいえ、区内の特養の入所待ちだけでも人数は千九百人、この一割が被災後、福祉避難所を必要とするとしても、事業所自体も被災していることも考えれば、区内事業所だけでは限界があります。被災区域外への避難の可能性を具体的に検討する必要があります。  東日本大震災の福島では、放射能汚染のため着の身着のまま逃げ出した高齢者が避難区域の拡大に伴い目的地が変更され、長時間の移動の中に亡くなられた方も出たと報じられています。被災地外への広域避難は、受け入れ先との密な連携が鍵になります。今後も区内事業者との協定の充実に努めるのはもちろんですが、被災区域外への福祉的避難もできるように、災害時協力協定を結んでいる自治体などと、災害時要援護者対策を担う福祉所管と災害対策課が連携し、事前に交渉しておくことが必要と考えます。区の見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高岡議員にお答えをいたします。  ヘイトクライム、ヘイトスピーチについてであります。  世田谷区は、基本構想のもとに基本計画の中で多様性の尊重を掲げ、女性や子ども、高齢者、障害者、外国人、性的マイノリティーなどを理由に差別されることなく多様性を認め合い、人権への理解を深めるため、人権意識の理解や啓発を促進していくと定めておりまして、人権意識の醸成や多文化共生の推進など取り組んできました。ヘイトスピーチは人格の尊厳を傷つけ、生きること全てを否定するような差別と偏見に満ちた言葉による攻撃であり、決して許されるものではないというふうに考えています。  国は昨年六月、いわゆるヘイトスピーチ対策法を制定し、地方公共団体の責務として、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に関し、当該地域の実情に応じた施策を講ずるように努めるなどを規定しているところです。ヘイトスピーチが野放しになり、町の中に落書き等で差別的言辞があふれていくような状況になれば、マイノリティーを対象とした暴力や襲撃、いわゆるヘイトクライムが起こりやすい状況となります。このような観点から、ヘイトスピーチの規制は必要なものと考えております。  また昨年、不幸にも起こりました相模原市のやまゆり園の事件ですけれども、この事件に関し多数の障害者を殺傷した陰惨な、あってはならない事件ですが、この事件を繰り返さないために何をするべきなのかということを、私もこの事件に向き合い考えてみました。  結論は、まさに障害者差別解消法を生み出した国連障害者権利条約、これは多くの国の障害当事者が議論し合い、知恵を出し合ってつくり上げたもので、日本でも障害をお持ちの当事者の方たちも多数参画しながら法体系がつくられてきたわけですけれども、こういう時代を開いていこうというそのときにこういった許されざる事件が起きたわけですけれども、この事件を乗り越えていくためにも、ますます障害者権利条約や差別解消法を初めとした差別の障壁を乗り越えていく、その区としての姿勢を一層強め、キャンペーンも含めて区民に向けて発信をしていきたいというふうに考えております。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 下北沢小学校の新校舎利用開始に向けた今後の取り組みについて御質問いただきました。今日に至るまでの経緯も踏まえ御答弁申し上げます。  教育委員会では、平成二十五年九月に、世田谷区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する具体的な方策(第二ステップ)を策定し、守山小学校と東大原小学校、北沢小学校の三校を統合することとしました。  その後、北沢小を含む三校の学校やPTA、青少年委員や地域の方々から成る新校準備会を立ち上げ、新しい学校の名称や校歌、校章、教育目標や通学路等について、四つの部会から検討してまいりました。新校準備会は、平成二十五年十一月から平成二十八年一月まで、多くの方々の参加を得て進めてまいりました。  平成二十八年四月、まず守山小学校と東大原小学校が下北沢小学校としてスタートしました。下北沢小学校では、子どもたちが教室や校庭で新たにふえた友達と元気に遊び学ぶ姿が見られるなど、生き生きと学校生活を送っております。  平成二十五年九月の第二ステップの策定時から、子どもたちにとって一番望ましい統合時期を考えてまいりました。そして、三つの視点から統合時期を検討しました。一つは、北沢小学校保護者や未就学児の保護者の方々から、統合の時期が決定されていないことに対しての不安の声が上がっていたこと。二つ目には、子どもたちにとって新しく校舎が完成し、新校舎に入るタイミングが精神的な負担が一番軽く、円滑な学校運営に取り組めると考えたこと。この件については、北沢小学校、下北沢小学校の校長たちの意見や、北沢小学校の教職員からも話を聞いてまいりました。三つ目は、統合時期を明確にしないまま時間を費やす状況は、北沢小学校の学校運営に支障を来すことが懸念されることです。  以上三つの視点から、下北沢小学校の新校舎が完成する平成三十年四月一日を北沢小学校の統合時期と決めさせていただきました。  この間、一昨年、平成二十七年七月に、北沢小学校運営委員、PTA、同窓会の方々と、また、昨年の二十八年八月に三回、北沢小学校運営委員、PTA役員、北沢地区町会長とそれぞれに、また、九月から十一月には関係者が一堂に会した会議を、それぞれ話し合いを進めてまいりました。これらの話し合いには、いずれも私が必ず出席し、直接関係者の方々と話をお聞きしながら進めてまいりました。  この間、皆様からいただいたさまざまな御意見につきましては真摯に受けとめ、また皆様方との話し合いも引き続き行いながら、下北沢小学校の子どもたちの安全安心を最優先に学校経営に取り組んでまいります。  次期学習指導要領のまとめが年末に、そして先日、改訂案が出されました。今後、社会はグローバル化や情報化が一層進み、予測困難な時代が到来すると言われています。子どもたちは、今後の社会を担い、そこで生きることになります。平成三十年四月に新しくスタートする下北沢小学校の子どもたちが、多くの出会いやさまざまな体験を積み重ね、これからの社会を生き抜く力が育めるよう、今まで以上に学校、家庭、地域、そして私たち教育委員会が連携して、魅力ある学校運営に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎岩本 教育次長 私からは、広がる学区域に対する通学路の安全対策について御答弁申し上げます。  小学校の統合におきましては、通学路の変更や新たな指定を伴い、その安全対策が重要であると認識しております。昨年四月に統合しました東大原小学校と守山小学校における通学路の安全対策については、開校した以降も、PTA、学校、教育委員会が定期的に通学路の安全対策の状況確認や、さらなる強化に向けて打ち合わせを行い対応を図ってまいりました。  北沢小につきましては、昨年十月に北沢小学校通学区域から新校舎に向けての通学路の安全点検を、PTA、地域の方々、学校、道路管理者と二回実施し、そのうち一回は警察も参加し、新たな通学路について合同点検として実施してきたところでございます。さらに、通学路点検を今年三月上旬にも行う予定としておりますが、登下校時である朝と夕方の時間帯での点検をとの声を踏まえ、その時間帯において実施することとし、準備を進めているところでございます。  教育委員会としましては、学校の統合に伴う通学路の変更などや新入生に対する安全対策に対し、今後とも学校、PTA、地域、町会、商店街などの方々の理解と協力を得ながら、警察、道路管理者とも緊密な連携を図り、子どもたちの安全安心のためにハード、ソフ両面から丁寧に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、北沢小学校の跡地活用についてお答えをいたします。  この間、統合した守山小学校や、二十九年三月に閉校する花見堂小学校の跡地活用では、地域住民との跡地活用ミーティングを通じて、避難所等の確保、近隣の公共施設を複合化した施設整備など、跡地活用について地域の方々とともに検討を重ね進めてまいりました。お話しの北沢小学校についても、同様に丁寧な検討を進めてまいります。  学校が担ってきた避難所機能や地域コミュニティー形成の役割は地域にとって重要であり、学校跡地活用の共通方針でもこれらの機能の確保を図ることとしております。お話しの暫定期間も含め、避難所機能等が確保できるよう避難所運営体制の構築など関係課題の解決を図りながら、地域の方々と協議を行ってまいります。  以上でございます。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、災害時の受援力の強化につきまして御答弁申し上げます。  昨年四月に発生しました熊本地震におきましても、世田谷区はもとより、特別区や他自治体が職員を派遣し、被災自治体の業務に従事いたしました。そのため、発災からできるだけ早い時期に他の自治体の応援の受け入れをすることが重要であり、その後の円滑な復旧復興につながるものと認識しております。  区では、川場村を初めとした災害協定を締結している七自治体と協定の具体化について協議をしており、その自治体職員の受け入れも検討事項の一つとなっております。  地域防災計画〔平成二十九年修正〕の検討の際には、ボランティア部会を設置し、一般ボランティアの受け入れ体制に加えて、他の自治体職員等の応援受け入れ体制も検討してまいりました。その強化としまして、災対保健福祉部に応援受け入れ班を設置することや、災害時に応援を要する十六業務について、必要な職種や時期に応じた人数、災対地域本部を含めた情報収集、共有体制などを整理した受け入れシートを作成したところです。  国や都においても、地方公共団体の受け入れ体制に関する検討を実施しておりますので、そうした動きを注視しながら、来年度は職員行動マニュアル、業務継続計画等について、地域防災計画を踏まえた修正をすることで、さらなる災害時の応援受け入れ体制の整備に努めてまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 区内の福祉避難所は災害時不足するので、災害時協力協定を結んでいる他自治体等との事前の交渉が必要という御質問にお答えいたします。  福祉避難所は、自宅や指定避難所等での生活に支障のある要配慮者を一時的に受け入れる避難所で、現在区は、高齢者施設は特養ホームや有料老人ホームなど三十六カ所、障害者施設は通所施設、特別支援学校など三十八カ所と協定を結んでおります。区は、福祉避難所では定員以上の方を受け入れていただくため、福祉避難所の開設運営がスムーズにできるように、協定施設との間で発災直後における施設職員の対応や福祉避難所開設に向けた訓練及び研修などを行っております。  一方、大規模災害時には福祉避難所が不足すると認識しておりますので、協定施設の拡充に努めているところでございます。  区では、大規模災害時に区内だけでは必要なサービスが提供できない可能性があるため、三多摩地域で区民枠として確保している特養ホームとの連携や区内の運営法人が区外で運営している施設との連携なども検討する必要があると考えております。また、川場村を初め、災害協定を締結しております七自治体との間で、要配慮者の受け入れ協力に関する検討についても、福祉所管と災害対策所管とが連携して進めてまいります。  以上でございます。 ◆十二番(高岡じゅん子 議員) 人権を脅かすレイシズムに対抗する啓発に関しては、ぜひ具体的に進めていただくことを求めます。  また、教育長から子どもの最善の利益に向けて学校支援を行っていくというビジョンをお聞きいたしました。通学路の安全に関しては、全ての手段をとって確保することを求めます。  また、跡地の利用の話し合いに関しても、できるだけ早急に皆さんが一緒に話し合いが始められるような形で進めていただきたいと強く求めておきます。防災対策についてもよろしくお願いいたします。 ○上島よしもり 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十六番小泉たま子議員。    〔十六番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆十六番(小泉たま子 議員) 質問に先立ち一言申し上げます。  昨日の公明党の代表質問、外環道整備の南進ですが、それに対して区長は、私自身が先頭に立ち、近々外環所長へ強く申し入れると答弁されました。世田谷区は現実をわかっていません。  先日の日曜日にとても悲しい思いをいたしました。東名ジャンクション予定地において、トンネル工事シールドマシンの発進式が開催され、国土交通大臣、東京都知事、国会・都議会議員、周辺区長などが列席されました。国交大臣は、安全を最優先に工事を進めるとともに、地域の要望を踏まえ、東名以南の計画の具体化も進めていくとされ、都知事は、関係機関と連携し、東名以南について計画の具体化に取り組むと述べられました。しかし、そこに最も関係の深い地元である世田谷区長の姿が見えません。  地域の要望を踏まえと言われ、関係機関と連携しと呼びかけられたのに、その一番の当事者がその場にいないのです。練馬区長も、杉並区長も、式典で思うところを述べられているのです。外環道整備に当たり、あたかも世田谷区という存在がないような状況となっていることを区はどのように考えているのですか。本来であれば、自治体の長として、工事が順調に進むのはよいことではあるが、これまで四十年以上にわたりまちづくりが凍結され、生活設計が成り立たない区民がいたり、やむを得ず地元から離れる区民が多くおられたという事実をしっかりと受けとめていただきたいこと、さらには、立ち退いた区民の多くが南進を望んでいた、このことをはっきりと伝えるべきだったのです。  声なき声を代弁し、言うべきところでははっきり物を申す、それがトップに求められる資質です。その義務を放棄したのです。  さらには、首長がいないからといって地元自治体がないがしろにされていいのですか。一番の当事者でありながらその存在を示すことができないのでは、一人前の自治体とは言えません。今回は指摘だけをしておきますが、区の対応について大反省を求めます。  質問に入ります。いわゆる切れ目のない政策について伺います。  実際の区政は、切れ目どころかばらばらそのものです。区長は、「区のおしらせ」二月一日号のコラムにおいて、区長として二十七地区を回った車座集会で、介護等で困ったときにどこで相談したらいいのかわからないとの声が耳に残った、それで身近なまちづくりセンターに福祉の相談窓口を開設したと書かれています。  全くびっくりです。そんなことも車座集会で指摘されなければわからないのでしょうか。  どこに相談に行ったらよいかわからないというのは、区民共通の悩みです。誰もが思っていることです。区の地域行政制度は大都市における区民参加を制度的に保障するものです。ですから、この地域行政制度を存分に活用し、切れ目のない政策を実現していくべきなのです。  しかし、区長が車座集会で区民の声を聞き、新たな政策を思いつくということであれば、地域行政制度を廃止し、一人で車座集会行政を行えばよいのです。一体全体、区長以外の区の組織はどのように機能しているのか疑問です。どのように区民の実態を捉え、区長に報告し、政策に反映しているのか伺います。  さらに、切れ目のない政策を行うことから、まずは子ども政策について、日本で初めて子ども部をつくり出した経験を踏まえ、ネウボラも認定こども園の所管も子ども部門に置き、さらには、教育委員会と子ども部門を一体化する取り組みを進めるべきです。区のお考えを伺います。  地域包括ケアの地区展開について伺います。  報告によれば、ネウボラが浸透してきたことから、支所では妊娠届の申請がふえており、評価できるとのことです。間違いです。地域包括ケアの地区展開を理解していない典型です。  本来であれば、ネウボラサービスをわざわざ支所まで行かずに地区レベルで対処してもらえるということが包括ケアの真意のはず。それを総合支所に来た区民が多くなってよかったと報告するとは全く論外です。  基本的なビジョンが大切なのです。これからの超高齢社会、認知症対応社会を考え、歩いて行ける範囲で基本的な生活が営めるまちづくりであるべきです。そのためには、原則的に地区で全てのことができなくてはなりません。できるかどうかではなく、できなければならないのです。  他の会派から、地区に管理職を設置すべきであるとの提言も出されており、私も賛同いたします。地区レベルで区民生活を支える責任者が必要です。区のお考えを伺います。  社会福祉協議会とボランティア協会について伺います。  世田谷区災害時ボランティア受入体制整備事業について報告がありました。区は、五地域のボランティアマッチングセンター、区内大学、サテライト窓口など新たな仕組みを提案していますが、誰が責任を持って体制整備をするのか不明です。区は、地区レベルまで展開する政策については責任者を明らかにすること、先ほどと同じですが、ボランティア受け入れについても地区レベルでの責任者を明らかにするべきです。区のお考えを伺います。  さらに、災害時対応も含め、今後の地域社会の超高齢化を想定し、担い手不足を克服することからも、社会福祉協議会とボランティア協会の融合を検討していくべきと考えます。区のお考えを伺います。  児童相談所、ネウボラ、児童館について伺います。  今こそ、子育てに関して総合的な組織体制が必要です。切れ目のない政策を実現するためには、責任を持って全体を見渡す所管がなければなりません。児童相談所の移管、ネウボラの地区展開、そして児童館の地域移管を総合的に取り組む責任所管をつくるべきと考えますが、御意見を伺います。  総合窓口について伺います。  区長は、福祉の相談窓口を地区に設置したと言われます。では、福祉ではない相談はどこへ行けばよいのですか。区民は真面目なのです。ですから、福祉の相談窓口ができれば福祉の相談はそこへ行けばよいのだ、そして新たに総合支所に総合窓口ができたとなれば、福祉の相談以外は総合窓口へ行けばよいのだと考えます。  区民はこのように真面目に考えるのです。しかし、実際は、総合窓口へ行ってみれば、役所の一部の申請ができるだけ、これは一体どういうことですか。  区は総合窓口整備に当たり、以前に人員はふやさないと言われました。しかし、今回、二十九年度予算において、フロアの改修、窓口支援システム等整備で二億五千万かかり、さらに、総合窓口案内嘱託員に一日当たり十五人、集中入力センターに一日当たり十人必要とのことで、年間一億二千万以上の経費がかかるとのことです。さらには、集中入力センター開設に伴い正規職員を三名増員するとのこと。人員をふやさないと言っておきながら、実質一日当たり三十人近くの人員をふやそうとしています。  区長の車座集会で、誰が支所に総合窓口をつくってくださいと言ったのですか。車座集会でも、何とか地区に出張所を残してくださいという意見が幾つも出たのです。区は、総合窓口整備に当たり、人をふやさないという約束を反故にし、さらに総合窓口とは名ばかりの申請事務を受け付けるだけの窓口に膨大な経費をかけ、さらに、一番いけないことは、福祉の窓口と言ったり、総合窓口であったり、区政運営が全くばらばらで、区民が右往左往するばかり。区民に迷惑をかけ、また現場の職員も混乱する。  このような事態を引き起こしていることに、区長以下理事者は全く自覚がないのです。これだけの人員、経費をかけておきながら、実施の後、検証していくなど、全く考えられません。順序が逆です。この際、窓口のあり方を全て見直す、これが必要です。区のお考えを伺います。  さらに、今回入力作業等を行う集中入力センターと、窓口支援システム等を整備されるのですが、なぜこれを地区の拠点であるまちづくりセンターとつながないのでしょうか。これこそ地区の窓口で望むものです。区のお考えを伺います。  さらに、年間を通じて三十名弱を常時配置するという区の考えが理解できません。異動届等は毎年三、四、五月に集中し、それ以外の時期には明らかに取扱件数が減るのに、そのことについて何らの考えも持たない。これは税金の無駄遣いでしかありません。区のお考えを伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 小泉議員にお答えをいたします。  子ども・子育て支援について、切れ目のない政策のいわば取りまとめ役ということについてのお尋ねでした。  区の掲げております切れ目のない支援については、妊娠期から始まり、乳幼児期、また学齢期までの子どもや子育ての家庭、さらには中学生や高校生、若者も対象に、ライフステージに応じて必要な支援が行き届く仕組みをつくり、子育て家庭が子育てに喜びを実感できる環境や、子ども・若者が生き生きと活動し、成長に応じて社会に参画していく回路を地域の中につくっていくことが目的であります。  切れ目のない支援の実現に、議員御指摘のとおり、子どもや子育て家庭の支援を総合的に考える必要があります。子どもの成長段階などに応じた支援の専門性が求められる一方で、世田谷版ネウボラや子どもの貧困対策など、テーマは大変横断的になってきており、互いの役割を把握しながらそれぞれの所管がチームとなってどう機能していくかが大きな課題となっています。  現在の児童相談所の移管につきましては、招集挨拶で触れさせていただいたとおり、外部有識者を含めたアドバイザー会議がスタートしています。子ども・若者部を事務局にし、地域の児童館やおでかけひろば、総合支所の子ども家庭支援センター、世田谷版ネウボラなどの連携やあり方のほか、子どもの教育面も含め、子ども・子育て政策の全体を俯瞰した検討を行い、子どもの最善の利益を確保する観点から、総合的で最も効果的な児童相談行政をつくっていきたいと考えています。  また、子どもの成長や子育て家庭を見守る地域社会の構築に向けて総合支所の権限強化、その組織のあり方とともに、議員御指摘の子育て支援の中で大きな役割を果たしている児童館にかかわる総合支所、本庁舎のかかわりや位置づけについては、さらに児童館の役割が地域で発揮されるよう検討を進めてまいります。  区長部局から独立性を持って運営されております教育委員会については、組織的な一体化はできませんが、子ども・若者部との総合的な連携を強めるべきだと考えています。教育委員会とは総合教育会議などを通して、子ども施策や教育行政についてのあり方を区民やPTA、教員などにも開かれた場で議論し、共有しております。ここでの議論を生かし、教育委員会とともに世田谷の子どもたちの育ちについて共通の認識を持って取り組んでまいります。 ◎萩原 地域行政部長 私からは五点お答えします。  初めに、地区包括ケアの展開に関連して、区長への報告、それをどう反映させているのかについてです。  世田谷区は、平成三年から地域行政を展開しており、日ごろより地区での相談や課題を必要に応じて総合支所、本庁につなげ対応してまいりました。その上で、車座集会で寄せられた区民の切実な訴えをしっかりと受けとめ、区長のリーダーシップのもと、改めて地区において体制を強化して身近な福祉の相談に取り組み、平成二十八年七月に地域包括ケアの地区展開の全地区実施を行い、現在事例を蓄積しているところです。  地区では解決できない地域や全区にわたる課題を、区長のもと政策形成に結びつけるべく総合支所や本庁に上げていくこともまちづくりセンターの重要な役割と認識しています。今後もまちづくりセンターを中心に、区民の参加と協働を基本に、防災や福祉など身近な生活圏における地区、地域のさらなる強化に向けて全庁的に取り組みを進めてまいります。  次に、地区の責任者についてでございます。  各地区においては、まちづくりセンターが所長を中心としてあんしんすこやかセンターや社会福祉協議会とともに、地区住民への相談対応の充実や社会資源開発を進めながら地区課題を抽出し、対応を図るための地区アセスメントの作成を進めております。区民の福祉の困り事や地区の課題は複合的で縦割りでは解決できないものも多いことから、まちづくりセンターは課題を横断的に捉え、庁内所管を含む関係機関とそれぞれの責任を果たしつつ、連携して解決に向け取り組んでおります。  住民の参加と協働を基本に三者連携、支援のかなめとしてのまちづくりセンターの所長がトップとしての責任感を持ってその力を発揮できるよう、適材適所による人員の効果的な配置や総合支所のバックアップも含めて、引き続きまちづくりセンターのあり方を見直してまいります。  続いて、総合窓口の経費等についてでございます。  総合窓口は、手続等に関する窓口サービスの向上を図り区民満足度を高めることを目的として、五総合支所内に窓口運用の見直しと施設の環境整備の改善を実施するものです。レイアウト変更や非常勤職員の雇用等に要する経費として、合計約二億七千万円を予算案に計上し、また、システム導入経費も別途想定しております。  来庁者が最初に接するフロアマネジャーを五カ所の窓口に非常勤職員として二名から三名常時配置し、丁寧に手続等の御案内やサポートを行います。また、集中入力センターでは入力結果の点検、審査を行う正規職員のほか、非常勤職員を十名程度常時配置し、届け出書等の入力作業の迅速化や各窓口の混雑状況に応じて待ち時間の平準化を図ります。これらに伴い配置する職員数については通常時を想定しており、繁忙期につきましては臨時職員等による応援も検討してまいります。
     さらに、相談と申請の分離というお尋ねについてです。  区の窓口は区民の来庁目的を正確に捉え、それぞれの窓口の役割をしっかりと果たすことが求められております。身近な地区の行政拠点においては、地域包括ケアの地区展開を推進し、気軽に相談に応じ、その解決や個々の必要なサービスに結びつけていく取り組みを進めているところです。また、総合支所は地域の行政サービスの拠点であり、専門性の高い保健福祉サービスや地域振興などの相談窓口を置くとともに、地区へのバックアップ機能を担っております。  総合支所の総合窓口は、転入や戸籍の届けなどライフイベントに伴う申請手続面での行政サービスの向上を図るとともに、個々の区民ニーズに応じて同じ支所施設内や本庁の専門所管へ適切につなげるコンシェルジュ的な役割を果たすことも目指しております。窓口業務のあり方については、マイナンバー制度や総合窓口の実施状況を踏まえ、区民満足度のさらなる向上に努めてまいります。  最後に、まちづくりセンターにおける集中入力センターの利用についてです。  総合窓口の開設に伴い導入する集中入力センターは、総合支所等の窓口職員が受け付け、内容を確認した転入等の届け出書などの送信を受け、窓口支援システムにより再確認し、基幹システム等に入力する役割を担うものです。入力後、返信を受けた窓口側において、引き続いてマイナンバーカードの処理や印鑑登録カードの作成などが必要となる場合も多くございます。このような窓口職員と集中入力センター職員の役割分担のもとで処理を進めてまいりますが、仮にまちづくりセンターにおいて集中入力センターを活用する場合、記載台やこうした事務に必要となる情報システム機器の購入や配置スペースの確保、幅広い事務を処理する職員の増員が必要となるなどの課題がございます。今後、総合窓口開設による運用状況の検証等を踏まえて、まちづくりセンターの業務についても検討してまいります。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、社会福祉協議会とボランティア協会について、二点御答弁申し上げます。  まず、災害ボランティアの受け入れについて、地区レベルの責任者を明らかにせよという御質問でございます。  大規模な災害が起きたとき、被災地に多くのボランティアが駆けつけてくる一方で、十分な活用ができていないなどの課題が顕在化し、災害対策基本法の一部改正では、地域防災計画の策定に当たりボランティア等も含めて受け入れ体制を整備する方針が示され、区では、今般の地域防災計画の修正に合わせて、ボランティア受け入れ体制の整備を検討してまいりました。  区では、災害ボランティアの円滑な受け入れ体制の整備に向け、ボランティア協会に委託し、災害時に五地域のマッチングセンターと避難所ごとに地区を支援するサテライトを開設する体制を構築するとともに、運営リーダーやコーディネーターとなる人材を育成してまいります。災害時には、育成したリーダーを責任者として配置してまいりますが、この取り組みをしっかりと機能させていくには、地区の関係者の御理解と御協力が不可欠です。今後、ボランティア協会と区が連携して避難所運営組織等へ事業説明を丁寧に行うとともに、養成したリーダー等の人材が地域での防災訓練に参加するなど町会・自治会を初めとする地区の方々との関係を構築し、実効性のある取り組みになるよう進めてまいります。  次に、これからの超高齢社会を考え、社会福祉協議会とボランティア協会の融合を図るべきという御質問です。  社会福祉協議会は、社会福祉法に基づき設置されており、サロン・ミニデイを初め、住民主体の活動による地域福祉の推進に取り組んでおります。一方、ボランティア協会は、ボランティア活動支援に向けた有志により設立され、その後、社会福祉法人として障害福祉サービスや相談事業、ボランティアの紹介等に取り組んでおります。両者はこれまでも災害時の取り組みについて協定を締結するとともに、日常生活支援サービスの提供などに連携して取り組みを行ってまいりました。超高齢社会に向けては、それぞれの法人が主体的な取り組みを発展させることが必要であり、区としても二つの法人の取り組みが区民にとって効果的に進展できるよう連携を強化していくことが重要であると認識しております。  以上でございます。 ◆十六番(小泉たま子 議員) 残念ながら、答弁はほとんど意味がありません。区はいろいろなところで区民をないがしろにし、国からはないがしろにされ、これは正常な区政運営とは私は言えないと思います。しっかり区民の目線で区政運営を図っていただきたいと強く要望いたします。予算委員会で続きをやります。 ○上島よしもり 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十七番河村みどり議員。    〔十七番河村みどり議員登壇〕(拍手) ◆十七番(河村みどり 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。  まず初めに、リバース・エデュケーションの推進について質問します。  リバース・エデュケーションとは、子どもが父母や祖父母を教育することで、国際パラリンピック委員会では、教育現場での障害者スポーツ体験や交流会をリバース・エデュケーションと呼び推奨しています。子どもたちが選手と一緒に競技を行ったり対話することで、さまざまな気づきや感動など学んだことを家庭で話したり、親を誘って試合観戦に訪れるようになるなど、子どもが親を教育し、周囲の大人の意識が変わるとの考え方です。  日本パラリンピック委員会の山脇委員長も、大人は偏見もあり、固定観念から抜け出せない場合が多い。子どもは非常に素直なので、見ただけでダイレクトに理解でき、意識を変えることができると、リバース・エデュケーションを重要視しています。  以前、車椅子を使用している障害のある方から、日常の社会の中で障害理解が進んでいない悲しい場面に出くわすことがある、大人たちの教育を進めてほしいとの切なる声を伺いました。今、共生社会の実現のため、心の壁を取り除く心のバリアフリーの重要性が指摘されています。ある専門家は、現代の人たちは少し忙しくなり過ぎて、周囲の人や出来事に関心が薄らいでいる、周囲の人に感心を持ち、ちょっとした思いやりの心を持つこと、それが心のバリアフリーの第一歩になると話しています。そして、その心のバリアフリーを進めるために、小中学生への教育が大変重要で、簡単に変わらない大人の意識をリバース・エデュケーションで変革していけるというのです。  ここで三点質問します。  一点目は、区の特別支援教育計画による障害理解の推進において、平成二十九年度の交流及び共同学習の推進の狙いと効果について、まずお聞かせください。  二点目は、文部科学省は先週公表した小中学校の次期学習指導要領に初めてパラリンピックを位置づけ、オリンピック・パラリンピック教育の推進を明記しました。そのことから、現在オリンピック・パラリンピック教育は各学校単位で学習内容が決められていますが、区としてのパラリンピック教育の充実を推進していくことが大変重要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  三点目は、共生社会の実現のため、リバース・エデュケーションを障害者理解の一つの要素として位置づけ、東京二〇二〇大会を出発点と捉え、小中学校教育に取り入れることを求めます。区の見解を伺います。  次に、公共施設のトイレの洋式化について質問します。  東京都は、東京二〇二〇大会に向け、誰もが優しさを感じられるまちづくりの観点から、高齢者や障害者など誰もが利用しやすいトイレにするため、駅や公園、学校等の公共施設のトイレの洋式化の推進を位置づけ、二〇二〇年度までに都営地下鉄の駅九〇%、公立小中学校八〇%などの目標を掲げ、洋式化を加速させる来年度の予算案を示しています。  先日地域の方から、小学校の和式トイレを早く洋式トイレに改修してほしい、子どもたちがかわいそうだとの声をいただきました。日常生活で様式トイレしか使用したことのない子どもたちが、和式トイレの苦手意識から利用を我慢する傾向があり、児童生徒、保護者からの要望のほか、全国の公立小中学校の調査でも、教職員が求める学校施設の改善場所の問いにトイレの改善が断トツ第一位の五九%に上っています。さらに、学校のトイレは、災害時の避難所として高齢者などの利用も想定され、洋式化の推進は必須です。  しかし、区の区立小中学校九十二校の洋式化率は平成二十八年四月現在で五五・六%、洋式化への改修工事は年に五校程度としており、男女合わせて一校二十基ほどの計画にとどまっています。二〇二〇年までに洋式化率八〇%を実現するには、現状のままでは約千基ものトイレが間に合わない計算です。都の補助事業を絶好の機会と捉え、加速度を増す計画の見直しをすべきと考えます。  また、東京二〇二〇大会に向け、国内外から訪れる観光客へのおもてなしの観点からの推進とともに、和式トイレでは利用できず本当に困っている高齢者、障害者の方々が安心して外出できるように、区立公園や区民利用施設のトイレの洋式化についても、さらに進める必要があります。  ここで三点質問いたします。  一点目は、これまでも区は洋式化への取り組みを進めてきていますが、国内の住宅等においての洋式トイレの普及率が九〇%と言われている中で、使用する区民、特に高齢者、障害者の方々の立場にとっては決して十分とは言えません。東京二〇二〇大会の開催を契機にトイレの洋式化への機運が高まっているこのときに、区として加速度を上げて推進すべきと考えます。区全体の洋式化についての推進をどのように考えているか、副区長に答弁を求めます。  二点目は、子どもたちに目を向けた区立小中学校の洋式化整備について、区はどのような計画でいつまでに進めるのか、区の見解を伺います。  三点目は、今後、高齢化が進む中、高齢者等の外出を助けるためにも区立公園、地区会館など、区民利用施設の洋式化についてもさらなるスピードアップを求めます。各所管の見解をお聞かせください。  最後に、高齢者、買い物弱者のサポートについて質問します。  烏山地域のいわゆる公共交通不便地域にお住いの高齢者の方から、元気なときは自転車で商店街まで買い物に行っていたが、今は歩くこともままならないので、タクシーを利用して買い物をしているとの話を伺いました。毎日タクシーを使うわけにも行かず、外出もできず、大変に不自由を感じられていました。このことは、前任の杉田光信区議会議員も議会で取り上げており、いまだ解決ができていない地域の課題です。しかし、区の公共交通不便地域は烏山地域に限ったことではありません。高齢化が進んでいる中で買い物弱者になって困っている方が区内各地域におられることが容易に想像できます。まず、区の買い物弱者の現状と課題の認識をお尋ねします。  川崎市では、産業と福祉の融合によるプロジェクト、ウエルフェアイノベーションという事業を推進し、高齢者や障害者の方々のニーズを産業に生かし、だれもが安心して生活できる地域社会の基盤づくりを行っています。先日、その事業の補助金を活用して大手コンビニが、高齢者、買い物弱者をサポートするための移動販売の取り組みを視察してきました。サービスつき高齢者住宅前にコンビニ商品を積んだ移動販売車が到着すると、待ってましたとばかりに、居住している高齢者の方々が続々と出てこられ、買い物を楽しんでいました。  そこは、昨年十二月から運行を開始したばかりの地域でしたが、御近所の方々にも利用できるようにと周辺住民にも声をかけ、さらには地元商店街と連携しての販売や交流も既に始まっており、顔と顔が見えるコミュニティーの場として地域包括ケアシステムにつながる姿がありました。  現在、さまざまな宅配サービスが充実していますが、高齢者や買い物弱者にとって、自分の目で見て商品を選べること、外出して人との交流ができることはかけがえのない喜びです。買い物に不自由を感じている人は地域によって差があることや、区の産業政策の観点からの買い物弱者支援事業は採算が合わない現状であることも伺っています。しかし、今後ますます高齢化が進む中、高齢者の孤立を防ぎ、外出する機会を提供するためにも、区の高齢者、買い物弱者の方への支援は重要な課題ではないでしょうか。  川崎市の産業と福祉の融合による民間活力を生かしたこのような事業の手法を、地域性に基づいて、地域包括ケアの地区展開で実施する地区アセスメントの問題提起の一つとして推進していくべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 公共施設のトイレの洋式化について御答弁申し上げます。  議員のお話にありましたように、今や和式トイレの経験がない世代も多くなり、トイレの洋式化が普通のこととなっておりまして、また高齢者や障害者にとってもトイレの洋式化はニーズが高いものと認識しております。区といたしましても、公共施設の和式トイレの洋式化には順次取り組んでおり、最近では本庁舎の洋便器の数をふやしたところでございます。公園トイレや学校のトイレ洋式化も引き続き取り組んでまいります。  東京都では、来年度から東京二〇二〇大会に向けて区市町村に向けたトイレの洋式化に対する補助事業が始まると聞いており、これらを活用することにより改修整備が加速するものと考えております。東京二〇二〇大会期間中は、年齢、性別、国籍を越えた多様な方々が世田谷区に来られることになると思われます。おもてなしの心とともに、安全安心で快適に過ごしていただけるようにトイレの洋式化や、またサインの整備などさまざまな取り組みに努めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、リバース・エデュケーションの推進について三点御答弁いたします。  まず一点目、交流及び共同学習の推進についての狙いと効果について御答弁をさせていただきます。  教育委員会では、第二次教育ビジョンにおいて、ニーズに応じた特別支援教育の推進を重点事業に位置づけ、共生社会の実現のため人権教育や道徳教育などさまざまな学習の機会を捉え、障害理解教育を推進しております。  議員お話しのとおり、特別支援学級に在籍している児童生徒と通常学級との交流及び共同学習も重要な取り組みの一つであると考えております。給食交流や運動会、学芸発表会、クラブ活動、教科の学習など、日常における学校生活のさまざまな場面において、障害のある子とない子が活動をともにし、相互の触れ合いを通じて理解を深め、経験の広がりや多様性を尊重する心を育んでいく狙いが交流及び共同学習にはあります。区立学校だけではなく、特別支援学校に在籍している児童生徒が地域の学校に副次的に籍を置き、交流をする副籍制度の充実も重要でございます。  こうした考え方に基づきまして、平成二十九年度の交流及び共同学習につきましても、内容や実施方法などを教育課程に位置づけ、児童生徒の状況などに十分配慮しながら実施してまいります。今後も障害のある児童生徒と障害のない児童生徒、双方の教育的効果を上げられるよう、交流及び共同学習の実施について検討し、充実を図ってまいります。  引き続きまして、二点目でございます。東京大会がゴールではなく出発点と考え、パラリンピック教育の充実を区として推進せよとの御質問でございます。  議員のお話にもございましたように、先日発表されました次期学習指導要領の案の中に、オリンピック・パラリンピック教育が位置づけられ、心のバリアフリーのための交流などが示されております。  今年度、世田谷区スポーツ振興財団などの協力を得まして、車椅子テニスやボッチャ、ゴールボールなどのパラリンピアンなどとの交流が多くの学校で行われ、子どもたちは目標を達成するまで諦めない強さなどに感動し、これからのみずからの生き方を考えていたと伺っております。また、各学校ではパラリンピアンなどとの交流以外にも、国語科において点字など視覚障害についての学習や道徳の時間に相互理解、寛容といった道徳的価値を学ぶ学習を行うなど、子どもの発達段階において、全教育活動で心の教育を推進しております。  教育委員会では、二〇二〇年東京大会以降も継続して、障害の有無にかかわらず、ともに助け合い、支え合って生きていく共生社会の実現に向けて、子どもたちの心に残る交流活動の実践を含め、オリンピック・パラリンピック教育の充実に努めてまいります。  引き続きまして、三点目、リバース・エデュケーションを障害理解の一つの要素として位置づけ、小中学校教育に取り入れるようにとの御質問でございます。  国際パラリンピック委員会会長が、パラリンピックスポーツについて学んだ子どもが、父母や祖父母を教育するリバース・エデュケーションについて述べたというふうに認識しております。現在、全ての区立小中学校、幼稚園では全教育活動を通じまして、オリンピック・パラリンピック教育を展開しておりまして、重点的に育成すべき五つの資質の一つとして、障害者理解が位置づけられております。  具体的には、車椅子バスケットボールなどの選手の学校訪問により、障害者スポーツの体験やパラアスリートとの交流を行っております。その活動を通じまして、児童生徒が障害者について理解し、多様性を尊重する心のバリアフリーについて考えたことを、家に帰って親や家族に伝えることでパラリンピックスポーツについての関心が高まった家庭があるというふうに聞いております。  また、来年度より、各小中学校や幼稚園では、オリンピック・パラリンピック教育にかかわる授業を年間一回以上公開する予定としております。子どもたちがパラリンピアンなどと交流する様子や障害者とのかかわりについて考える姿などを直接参観できる機会を設定し、保護者や地域の方々の理解が深まるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎志賀 教育環境推進担当部長 私からは、区立小中学校のトイレ洋式化整備について御答弁申し上げます。  教育委員会では、児童生徒の快適な学習環境を確保するために、平成十一年度にトイレ改修マニュアルを策定し、その後、さらに標準化、省力化、迅速化、コスト縮減等を図るため、学校トイレ工事共通仕様書の改定を重ねながら、計画的にトイレ改修を進めてまいりました。その結果、平成十一年度以降の新たなトイレ改修におきまして、平成二十九年度には全ての区立小中学校で、少なくとも各階一カ所の改修が終了する見込みで、引き続き二カ所目の改修に入る予定でございます。  また、こういったトイレ改修や増改築、大規模改修等に合わせて便器の洋式化も進めており、来年度、トイレ改修五校、増改築三校で洋式化を進めることによりまして、平成二十九年度末時点の洋式化率は六〇%余りとなる見込みでございます。  お話にありましたように、東京都は東京二〇二〇大会が開催される平成三十二年度までに、公立学校トイレの洋式化率八〇%を目標にトイレ整備に対する補助事業を平成二十九年度より実施すると聞いております。教育委員会といたしましては、この機を捉えて、学校やPTAからも要望の高い学校トイレの洋式化を加速してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 区立公園のトイレの洋式化の推進について御答弁申し上げます。  区立公園のトイレは全部で二百三十棟あり、そのうち大便器は四百三十基ありますが、洋式化がおくれており、洋式便器の割合は全体の約四割弱にとどまっております。ライフスタイルの変化への対応やユニバーサルデザインという観点からも、公園トイレの現状には課題があると認識しております。  現在、公園施設を計画的に維持更新していくため、公園等長寿命化改修計画の策定に取り組んでおり、この中で、トイレの洋便器化につきましても、国内外から来訪者がふえることが予想される東京二〇二〇大会を目指し取り組みをスピードアップさせる計画としております。まずは便器の交換を集中的に行い、三年間で九十基の和式便器を洋式化していく予定でございます。また、その他の建てかえや改修などを要するトイレにつきましても、計画に基づき着実に洋式化していくことで、誰もが快適で使いやすいユニバーサルデザインのトイレ環境の早期実現に向けまして、都の補助事業の活用も検討し努めてまいります。  以上でございます。 ◎松村 施設営繕担当部長 私からは、区民利用施設のトイレの洋式化についてお答えをいたします。  区では、平成十八年度、区公共施設六百四施設をバリアフリーの観点から点検をし、改善が望まれる箇所をまとめ、区立施設バリアフリー整備方針を策定してございます。施設に視覚障害者誘導用ブロック、階段、廊下の手すりの設置や敷地内の段差解消を推進するとともに、オストメイト対応トイレや和式便器の洋式化の整備などを進める方針に基づきまして、平成十九年度から平成二十七年度まで計画的に改修工事を行ってまいりました。  不特定多数の方が利用する庁舎、区民利用施設、福祉施設など、二百七十七施設でトイレ改修を含むバリアフリー化工事を行ってきた結果、トイレの洋式化も進み、洋式トイレ便器の割合も全体の七割程度まで増加をしてございます。今後も区公共施設を利用する区民からの意見や施設所管課の要望なども把握し、お話しの都の補助事業の適用も含め検討し、トイレの洋式化を初め、さらに安全で利用しやすい公共施設の整備に努めてまいります。  以上です。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、高齢者の買い物弱者のサポートについて、二点御答弁いたします。  区の買い物弱者の現状と課題についてでございます。  区では、第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の基礎資料とするため、昨年末、世田谷区高齢者ニーズ調査、介護保険実態調査を実施いたしました。高齢者ニーズ調査は、六十五歳以上で介護保険の認定を受けていない方六千人を対象としており、四千人、七〇%を超える方に御回答いただきました。調査結果は現在分析中でございますが、居住環境で困っていることの項目では、買い物をする場所が近くにないと答えた方が七・五%、電車やバスの利用が不便と答えた方は四・五%で、高齢者が日常生活を送る上で買い物や公共交通機関が不便という調査結果が出ております。また、地域包括ケアの地区展開を進める中、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者連携会議で、数カ所の地区で高齢者の買い物不便地域の対応が課題として上がっていることから、区内で買い物不便地域の課題があると認識しております。  続きまして、民間活力を生かした事業手法を、地区アセスを進める中で推進していくべきという点についてでございます。  高齢者が自宅に閉じこもらず、買い物を初め、外出をすることは、日常生活の中で、人との交流もでき、心身の健康維持に大変重要と認識しております。これまでも地域の高齢者の声を受けまして、デイホームの送迎車両の空き時間を利用した買い物支援などが行われております。また、地域包括ケアの地区展開を進める中で、買い物が不便との声を受け、お買い物ツアーを実施した地区や、支援事業に取り組む準備を進めている地区もございます。  区では、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者が連携して、地区の社会資源や生活課題の把握、分析など、地区アセスメントの作成に着手し、地区の課題解決に向けた取り組みを進めております。高齢社会がますます進展する中、三者連携会議や地区アセスの作成等で把握した地区の課題について、それぞれの地区の実情に応じた手法により、地域の社会資源の活用や新たなサービスを創出してまいります。  課題検討の際は、川崎市の取り組みを初め、さまざまな先進的な取り組みも参考といたしまして、行政、区民、事業者、活動団体と連携し、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十七番(河村みどり 議員) 御答弁いただきまして、ありがとうございます。  買い物弱者のサポートについてなんですが、今回は高齢福祉部に御答弁をいただき、買い物不便地域の課題があるというふうに認識されているということです。本来であれば、川崎市のように、産業政策部門とともに行っていく、本当に敏感にキャッチして政策に生かしていくところだなと、そのように感じております。引き続き、産業政策部門とあわせて今後の議論を深めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で河村みどり議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三番河野俊弘議員。    〔三番河野俊弘議員登壇〕(拍手) ◆三番(河野俊弘 議員) 質問通告に基づき、順次、質問並び提案をしてまいります。  初めに、現在区が進めようとしている子育てと仕事の両立についてお聞きします。  今般、厚生労働省では、働き方改革の推進に向けて、平成二十九年度予算案に、テレワークの普及推進として子育てと仕事の両立の観点から、保育施設に隣接し、サテライトオフィスを活用したモデル事業を推進しています。この事業のターゲットとしては、郊外に在住し、都心に勤務する人としており、実際に郊外に住む友人で在宅勤務をしているが、テレワークのメリットとして、自宅近くの保育施設に預けられること、仕事の最中でも子どもの急な体調不良にも対応しやすいことだったり、会社までの長時間に及ぶ移動時間がなくなることで効率よくその時間を仕事に充てることができ、そして何よりも子どもと接する時間が多くなってよいと聞いています。  このようなモデル事業は都心ではマッチしない。そもそも現在世田谷区が抱える待機児童の問題やサテライトオフィスを活用したモデル事業とするためには、保育施設も併設したスペースを確保することなど難点が多く、条件的に厳しいと考えます。子育てと仕事の両立の観点から区が進めようとしている事業は、厚労省が打ち出しているテレワークの普及推進事業と方向性が違うのではないかと考えますが、区の見解をここでお聞きします。  区で進めようとしていた託児機能つきのコ・ワーキング・スペースは、補助制度も受けられず活用できない方策なので、待機児童対策も兼ねた世田谷区独自のやり方を検討すべきではないでしょうか。  その一つとして、事業所内保育をふやしていくというのもよいのではないかと思います。ただ、しかし、区内では、事業所内保育は現在ヤクルト保育園の一園のみで、まだまだ進んでいないように思われます。  そこで提案するのが、二〇一六年度より政府が補助制度を始めた企業主導型保育です。企業主導型保育の新制度が始まって以来、今月初めてとなる大型案件も展開され、全国的に動きを見せています。企業主導型事業は、企業が福利厚生の一環として、企業が主体となって保育所を設置することができ、施設が保育士の配置等の一定条件を満たせば、設置企業は認可保育園並みの補助金が受け取れます。この保育所について、自社の従業員の子どもが優先的に入ることができ、さらに、複数の企業による共同設置、利用定員、利用負担を契約することも可能であります。そして、その定員数の半数までは地域住民に開放することもできます。通常の認可施設とは違い、設備、面積、職員数など細かい規定もなく、設置に当たってハードルが低くなっています。世田谷区においてさらに支援していくべきではないでしょうか。  進めていく中で、恐らく懸念材料としているのは、企業主導であるために、自治体の関与が低いことで保育の質という面において不安点が残り、課題であると言えるが、認可外保育施設の指導監督権限は東京都にあるが、世田谷区の保育の質ガイドライン等を活用し、独自の指導監査を行えば、保育の質も担保できるのではないか、今まで積み重ねてきたノウハウを生かす大きなチャンスであると考えます。  この企業主導型保育について、区内企業へのアプローチを含めた周知徹底、ニーズ調査等を行うべきと考えますが、区の見解についてお聞かせください。  そして続いて、介護と仕事の両立についても伺います。
     介護のために仕事をやめる介護離職は、中高年を中心に全国で年間十万人にも上るとされており、介護をしながら働く離職予備軍も二百三十九万人いると言われています。実際に子育てや親の介護に直面する現役世代の経済的基盤は弱体化しています。終身雇用や年功賃金の慣行は時代とともに崩れつつあり、低賃金の非正規雇用者が働く人の四割を占めるようになっています。よって結婚や子育てに踏み切れない若年層がふえているのだと考えます。  さらには、人口も多く、近年上昇傾向にある合計特殊出生率も一倍を超えた世田谷区において、子育てと親の介護が重なるダブルケアの問題も、超高齢化時代に備えていかなければなりません。子育てと同様に、介護についても仕事との両立支援について調査を進めていくべきだと考えますが、区の見解を伺います。  関連して、ICTを活用した育児ネットワークの構築についてもお聞きします。  育児をする者同士がネットワークをつくることで育児に対する不安を取り除き、児童虐待防止につながると考えます。さらに、ICTを活用した育児ネットワークの構築や、今ある子育て応援アプリ等をより広く利用してもらうために、妊娠期面接の機会を利用したアプローチは、育児者同士をつなぐ絶好の機会であると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。  最後に、超高齢化時代に向けた成年後見制度について伺います。  認知症や精神障害などで判断能力が十分でない人の生活を支えるため、財産の管理や契約などを第三者がかわりに行う成年後見制度だが、その存在は少しずつ知られるようになってきているものの、世田谷区においても、これまでのところ十分に活用されているとは言いがたい現状であります。  高齢化が進み、潜在ニーズがふえていく一方、日々の自立した暮らしに困難を抱える人が増加していきます。制度が広く活用されることにより、超高齢化社会における成年後見人は多くの役割を果たすことができます。  その一例として、例えば振り込め詐欺、還付金詐欺など、年々巧妙化している特殊詐欺被害の削減にもつながるのではないでしょうか。平成二十五年以降、区内の特殊詐欺による被害件数は減少傾向であるものの、昨年一年で百三十九件、約三億三千二百八十万円もの被害が確認されております。また、区内の認知症の患者数は毎年千人ずつふえていることからも看過することができない問題であります。  超高齢化社会にあっても、権利侵害されることなく安心して暮らしていくためには、成年後見制度のさらなる活用を促進していくべきであります。昨年の五月に成年後見制度の利用促進に関する法律が施行されたが、まだまだ区内において活用し切れていません。成年後見の申し立ては、一般には四親等内の親族によって行われるが、身寄りがいなかったり、虐待等によって親族の申し立てが得られない場合、区長が申し立てできるようになっています。世田谷区における区長申し立ての件数を見ても、昨年度の実績で五十一件、八十九万区民が生活している中で少ないと思います。やはり潜在ニーズがありながらも対応できていないのではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。  後見人の担い手として、司法書士や弁護士、社会福祉士等の専門職以外にも区民後見人がいます。区民後見人は区民みずからの手で支える仕組みであり、積極的に養成すべきであります。区では、社会福祉協議会に委託して十二日間に及ぶ区民成年後見人養成研修を行っており、修了者は今年度百三十名ということであるが、現に後見人として受任している方が五十五名と半数以下と聞いています。養成したせっかくの人材をもっと積極的に活用するべきだと考えます。これからの超高齢化社会を見据えると、区民後見人をさらにふやしていく必要があるのではないでしょうか。  こうした人材養成講座は、自治体だけではなく、東京大学においても市民後見人養成講座を行っており、世田谷区民の修了者もいると伺っています。そうした方にも後見業務が受任できるようにしていくことができれば、格段に人材確保が進むと思います。世田谷区においては、社会福祉協議会指定の養成講座を受けなければ後見業務を受任することができません。せっかく知識があっても、十二日間に及ぶ研修を受け直さなければいけません。  そこで、現在の養成研修制度を見直し、例えば先ほど挙げた東大の修了者については、幾つかの科目受講を免除するなど負担軽減を図るべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎中村 子ども・若者部長 私からは、子育てと仕事の両立について、区が進めようとしている事業は国のモデル事業と方向性が違うのではないかという御質問にお答えいたします。  国は来年度、仕事と子育ての両立の観点からテレワークの普及を図るため、保育施設に隣接した郊外の駅近くのサテライトオフィスの有効な活用方法を検証するモデル事業を実施する予定です。このモデル事業は、子育て世代のニーズに応え、自宅から職場までの通勤時間を短縮させることにより、子育ての時間を捻出することを狙いとしていますが、保育施設の定員にあきがなく、活用が見込めない都市部においては実施することは難しい状況にあります。  しかしながら、勤務日数や勤務時間の縮小、仕事をしながら子どもとの時間をとることのできる就労形態を望む方は少なくないと考えており、区といたしましても、子育て家庭の希望に添った多様な働き方を実現できるよう後押ししたいと考えております。  こうしたことから、今般、区は国の御協力もいただきながら、コ・ワーキング・スペース事業など子育てと仕事の両立に関する環境整備に向けた調査研究を行うこととしたところです。  以上です。 ◎花房 産業政策部長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  最初に、企業主導型保育の支援についてでございます。  国は、仕事と子育ての両立に資することなどを目的として、企業が独自に保育園を設置運営するための費用を助成する企業主導型保育事業を実施しております。この企業主導型保育事業は、企業が従業員のための保育園を設置することで、出産後も働くことができる職場環境を整備することにより、労働力確保や女性の活躍推進につながるメリットがございます。また、従業員の多様な働き方への対応ができ、地域の企業が共同で保育園を設置することで、地域の労働力確保にもつながり、子育てに優しい企業として、地域の魅力向上にも寄与するものと考えられます。  しかしながら、この事業は行政の関与が低いため、保育の質の確保が課題となっておりまして、区は国に都道府県レベルでの指導監査の強化をお願いしているところでございます。その上で、企業のニーズに応じた柔軟な保育園の設置が期待できることから、中小企業が設置する場合の課題等を調査するとともに、引き続き産業団体とも連携しながら、区内中小企業への設置に取り組んでまいります。  次に、介護と仕事の両立支援についてでございます。  国は、子育て同様、家族の介護が必要な時期に働き続けることができるよう、育児・介護休業法を改正いたしまして、仕事と家庭の両立支援を進めていくこととしております。この改正によりまして、仕事と介護の両立を可能とするための制度が充実されるとともに、介護休業中における雇用管理上の必要な措置を事業主に義務づけることで、労働者の雇用環境が整備されていくものと認識しております。  議員お話しのとおり、介護につきましても、仕事との両立支援は重要でございまして、企業にとっても優秀な人材の確保、定着につながるメリットがあるものと考えております。  今後につきましては、来年度実施いたします働き方改革の推進等に向けた調査研究におきまして、企業に対して、子育てだけでなく介護と仕事の両立支援についての取り組みや課題につきましても、福祉所管と連携をとりながら調査することを検討してまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、ICTを活用した、また妊娠期面接の機会を活用した育児者同士のネットワーク構築についてお答えいたします。  区では、子育て中の母親等がスマートフォンから出産予定日や子どもの生年月日を登録することで、保育や子育て支援等の情報を提供するせたがや子育て応援アプリを平成二十六年度から公開しております。平成二十九年一月末現在のダウンロードの件数は一万七千七百九件で、広く区民に利用されております。  このアプリを御利用いただく際には、個人認証を不要としておりますので、区から登録者に一方向で情報提供をする仕組みです。そのため、御提案のICTを活用した育児ネットワークへの活用は、現段階では想定しておりません。  しかしながら、妊産婦等の孤立を防止し、出産、子育てに関する不安を軽減するためには、お話にありました育児者同士等のネットワークなど、地域におけるつながりの中で子どもを安心して産み育てることが大切だと区も思っております。今後区は、母子保健等を含む区民の健康情報を横断的に一元管理できるシステム等の検討を進める中で、安心して情報提供や共有できる仕組みについて、個人情報の保護も踏まえ、関係所管とも連携を図り検討してまいります。  また、子育て中の母親同士の交流の場でもあるおでかけひろばなど、地域の子育て支援につながるよう、妊娠期面接でのせたがや子育て利用券や母と子の保健バッグの御案内、せたがや子育て応援アプリのQRコードの紹介等、さまざまな機会を通じ、積極的に情報提供してまいります。  以上です。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、成年後見制度について二点御答弁いたします。  まず、成年後見制度の潜在ニーズへの対応についてです。  高齢化が進展し、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者がふえる中で、成年後見制度のニーズは高まっておりますが、制度を必要とする方に必ずしも結びついていない実態もあるものと認識しております。区では現在、地域包括ケアの地区展開を進めておりますが、社会福祉協議会では、まちづくりセンターに配置する地区担当職員に対して、改めて成年後見制度に関する対応力の向上を図っており、潜在化したニーズを早期に発見し、成年後見センターにつないでいくことが期待できると考えております。  また、成年後見センターでは、在宅介護支援を行うケアマネジャーや施設を運営する社会福祉法人とも連携し、ニーズを把握して成年後見制度につなげていく取り組みを検討しているところです。さらに、区民の皆様への成年後見制度の周知や理解促進を図り、成年後見制度を必要とする方が制度利用につながるよう取り組みを進めてまいります。  次に、区以外の養成研修を受けた方について、科目免除等ができないかという御質問です。  区民後見人養成研修は、十二日間、延べ五十五時間のカリキュラムを組んでおりますが、制度や関係法規の理解を深めるだけでなく、世田谷区において区民が区民を支える取り組みとして、区の施策や組織、関係機関等についても理解していただく内容としております。また、修了者は直ちに後見人として業務につくのではなく、まずは区民後見支援員として社会福祉協議会が法人として後見人を受任しているケースなどの身上監護や区民を対象とした申し立て手続説明会等で活動していただきます。成年後見センターでは、成年後見人は高い専門性や倫理性が求められることから、受任候補者の選定に当たってはこうした養成研修やその後の活動状況を参考にするなど慎重な対応を行っております。  こうしたことから、他の養成機関を修了された方についても、区の養成研修の受講を御案内しており、御提案の科目免除等の見直しにつきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。  以上でございます。 ◆三番(河野俊弘 議員) 御答弁の中で、介護についての両立というところで、企業に対して、子育てだけでなくというところで福祉所管と連携をして進めていただくというところ、本当にそこを結構強く私自身も望んでおりまして、産業政策部の花房部長が答えていただいた意味というのをしっかり捉えていただいて、福祉所管との連携をしっかりこれから組んでいただきたいと思います。  引き続き予算委員会で質疑したいと思います。 ○上島よしもり 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十三番桜井稔議員。    〔三十三番桜井稔議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(桜井稔 議員) 質問通告に基づき質問します。  三軒茶屋二丁目地区市街地再開発について伺います。  三軒茶屋二丁目まちづくりについて、地権者の皆さんが再開発準備組合をつくり、事業化に向けた話し合いを進めています。世田谷区は、三軒茶屋駅周辺を広域生活拠点と位置づけ、第一工区から第五工区をエリアとして定め取り組みを進めてきました。三軒茶屋二丁目は第四工区に当たります。これまでに第一工区、茶沢通りの西友ビル、第二工区、キャロットタワー、第五工区、二四六通りのサンタワーズが完成しましたが、区の広域生活拠点としてのまちづくりがどこまで進んだのでしょうか。  私は改めて、三軒茶屋地区市街地再開発事業の原点ともなる昭和五十九年三月の三軒茶屋地区市街地再開発事業第二次基本計画策定調査報告書を読み返しました。報告書では、三軒茶屋周辺地区は、基本計画で広域生活拠点と位置づけられていることを踏まえ、文化性、公共性を備えた商業、業務、文化中心の地区とすると位置づけています。  商業機能では、量より質の商業地区として、質の高い品ぞろえ、質の高い営業を行うことによってポテンシャルを高める、快適な歩行者空間を備えた回遊性の強い地区としてイメージするとしています。文化機能は、地元の特色を生かした文化性の強い地区、新たに広場や区民文化施設を設けて、公共性の強いオープンな新時代の拠点地区を形成するとしています。また、業務機能では、知的集約型の多様な事務所地区をつくり、地元商業に対して寄与し、平日、夜間のにぎわいを生み出すような事務所とするなどと書かれております。  これらを実現するべく、地区の中心である第二工区では、郵便局跡地の土地取得を初め、区が大型地権者となって事業をリードし、キャロットタワーを中心とする市街地再開発事業を実現させました。  第二工区のキャロットタワーが完成し二十年がたち、現在の三軒茶屋はどうでしょうか。調査報告書で示された文化性、公共性を備えた地区との方向性は、パブリックシアターやシアタートラム、生活工房など、文化の拠点としての役割を果たしています。商業では、第一工区西友ビルの一階に、現在は安売りの店が入っております。また、第五工区サンタワーズの一階の店舗には、衣料品のしまむらやジーンズショップなどが入っております。報告書でいう、量より質の商業地区とは距離があるように感じます。しかし、これが三軒茶屋の魅力となっております。  また、三軒茶屋は交通の結節点であり、大変便利な地区となっています。そのため、太子堂出張所、集会室などの公共施設はどこも大変な混雑をしています。この地区の公共施設の不足は明らかであり、この解決は今後の課題の一つではないでしょうか。  三軒茶屋のまちづくりは道半ばであります。三軒茶屋周辺地区の広域生活拠点としての到達点をどう見ているのか、区の認識を伺います。  三軒茶屋周辺地区再開発は、これまで第一工区、第二工区、第五工区が事業化されましたが、今後のまちづくりを進める上で、これまでの到達点、評価、課題など明らかにしていくことが求められます。  第四工区と位置づけられている三軒茶屋二丁目の地権者の皆さんが、事業化を目指している今こそ、これからの三軒茶屋のまちづくりのあり方を示していくことが必要です。そうしてこそ、三軒茶屋二丁目のまちづくりの課題やイメージが見えてくるのではないでしょうか。  区として、広域生活拠点としての三軒茶屋まちづくり計画を、つまり、未来像を示していくべきです。それに基づいて、三軒茶屋二丁目地区をどのように位置づけるのか明らかにすべきです。区として三軒茶屋のまちづくりをどう進めようとしているのか伺います。  三軒茶屋の町の人々からは、三軒茶屋は気軽に入れる店が多い、今のここの雰囲気が好ましいなど人気のある町です。また、二丁目地区準備組合での意見交換会でも、現状の小さな店の集積が魅力となって人を集めているので、開発後もその魅力を継続できるかが課題、高級感を出すより、庶民が気軽に立ち寄れる施設にしたい、他力本願ではない地元中心のまちづくりをすることが重要、住民と密着した商店の存在が重要、渋谷、二子玉川に挟まれ、強力な大型商業テナントが入るとは思えない立地条件の中、独自の魅力ある商業施設の検討が重要などの声が出されております。  これらの声を、区として三軒茶屋周辺地区のまちづくり計画や二丁目の計画に生かしていくべきです。見解を伺います。  地域の皆さん、地権者の皆さんの声を生かし、準備組合のまちづくりを支援していくことを求めます。  次に、地域密着型特養ホームの整備について伺います。  たとえ要介護状態となり、在宅での生活が困難になっても、住みなれた地域で生活したい、これが多くの住民の願いです。この声の実現のために、我が党は全ての地区に地域密着型の施設、特に地域密着型特養ホームを整備することを目指してきました。  現在、区内最初の地域密着型特養ホーム整備が成城、上北沢、下馬の地域で同時進行で進んでいます。これから最初の地域密着型特養ホームの施設や運営のあり方が今後の地域密着型特養ホームの方向に大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。区としてしっかりと方向性を示して取り組んでいただきたい。  私たちの提案は、第一に、利用に際して地元優先を取り入れることです。そうしてこそ、在宅での生活が困難になっても、住みなれた地域で暮らし続けたいという住民の願いが実現できます。第二に、家族や友人、子どもや孫たちといつでも会える、茶飲み話ができる施設と運営です。第三に、だからこそ、全ての地区、まちづくりセンターごとに整備する必要があります。区として、事業者に積極的に提案していくことを求めます。  現在、整備が進んでいる下馬地域密着型特養ホームの整備と運営について、区はどうしようとしているのか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋二丁目地区市街地再開発に関しまして、三点に順次御答弁申し上げます。  まず、広域生活文化拠点のその構想の到達点をどのように見ているのかでございます。  三軒茶屋駅周辺地区につきましては、区の基本計画におきまして、広域生活文化拠点として、商業業務機能及び文化情報発信機能が集積したにぎわいと、区を超えた交流の拠点として位置づけられております。  議員のお話にありましたように、これまで三軒茶屋駅を中心とした約四・七ヘクタールの区域におきまして、工区を五つに分け、さまざまな事業手法によりまして、第一工区と第二工区、第五工区の整備が行われてきました。また、お話しの構想が当時作成されておりますが、それぞれの事業に当たりましては、その時々の社会状況等に応じまして事業計画を作成し、取り組みを進めてきているものと認識しております。  区といたしましては、未整備の工区を含め、駅周辺のまちづくりに当たりまして、これまでの整備の成果を踏まえ、再開発事業などを活用し、広域生活拠点にふさわしい魅力ある三軒茶屋を目指してまいります。  次に、三軒茶屋二丁目地区再開発事業をどう位置づけているのか明らかにすべきであるとの御質問でございます。  先ほど御答弁申し上げました基本計画の位置づけに加えまして、東京都の再開発方針において、一体的かつ総合的に市街地再開発を促進すべき地区として位置づけられています。また、本区の都市整備方針におきましては、商業、業務、文化など多様な機能を備えた拠点とするため、再開発事業等を進めるとともに、駅周辺の小規模な木造商業地区を更新し、高度利用を図るとしております。  こうした位置づけのもと、三軒茶屋二丁目地区では、平成二十七年八月に二つの再開発準備組合が一つにまとまり、平成二十八年六月には施設基本計画素案を三軒茶屋二丁目地区市街地再開発準備組合として作成し、事業化に向け鋭意取り組んでいるところでございます。  区といたしましては、再開発準備組合の活動に対しより一層の支援を継続しつつ、近年の社会状況、これまでの整備の成果、現状等を踏まえ、まちづくり方針を整備し、取りまとめ、その中で二丁目地区のまちづくりの考え方を示してまいります。  最後に、三軒茶屋駅周辺のまちづくり計画や二丁目再開発計画に、地元の声や地権者の声を反映させるべきであるとの御質問でございます。  三軒茶屋二丁目地区再開発準備組合は、組合施行により再開発事業を検討しております。その検討におきましては、地権者で構成される理事会や総会等を通じて、事業計画、施設計画を作成し、説明会などにより意見等をいただく機会を設けております。また、準備組合に加入していない地権者なども参加できる勉強会を毎月実施しておりまして、地権者の声が計画に反映されるものと考えております。  区といたしましては、今後三軒茶屋駅周辺のまちづくりの方針策定に当たりまして、地元の声を聞きながら取りまとめてまいります。また、この方針の策定に合わせて、このような再開発準備組合の活動を通じて地権者の声を再開発事業計画に反映させるよう準備組合を指導してまいります。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、下馬の地域密着型特養ホームは地域に開かれたものにすべき、区の見解についてという御質問に御答弁いたします。  地域密着型特養ホームは、区民の方だけが入所できる施設で、下馬の施設は、区内三カ所目の地域密着型特養として平成三十年度の開設に向け整備が進められております。この施設は、区内特養のサテライト施設として、また認知症高齢者グループホームと、小規模多機能型居宅介護が併設されますので、それらの事業所と連携して運営されます。  この施設では、地域に開かれた施設として、多目的室を使い、認知症カフェや認知症サポーター養成講座の実施、外出の際、気軽に立ち寄り、トイレなどを利用できるお休み処の設置、隣接する保育園や近隣小学校との行事や日常的な相互訪問等を通じた世代間交流、災害時の福祉避難所の開設などを計画しております。  地域密着型サービスの運営に当たりましては、利用者、家族のほか、行政や地域住民の代表者等が参加する運営推進会議を設置し、施設の運営状況の報告や必要な助言、要望等をお聞きする機会を設けることとされておりますので、下馬の地域密着特養でも地域に開かれた施設運営がされることが期待されます。  また、社会福祉法人制度改革に伴い、運営法人は地域社会への貢献として地域における公益的な取り組みを実施することが求められておりますことから、区内特養施設長会でも、それぞれの取り組み状況など情報交換が行われております。  区といたしましては、この施設を初め、区内の特養ホームが入所者への適切なサービス提供はもとより、地域に開かれた運営が行われ、入所者が地域の中で暮らしているという実感が持ち続けられるよう、また、地域の福祉の拠点となるよう施設の取り組みを支援してまいります。  以上でございます。 ◆三十三番(桜井稔 議員) 三軒茶屋二丁目まちづくりについて、副区長に質問します。  昭和五十九年の三軒茶屋地区まちづくりの位置づけ以来、区では三軒茶屋地区まちづくりの到達点とその考えが示されておりません。これは一体なぜでしょうか、そのことをお答えください。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 今再質問いただきましたけれども、当時、三十年以上前ですか、構想がつくられて、第五工区までの三軒茶屋の全体のまちづくりを構想としてあらわれておりますが、この間、先ほどお話がありましたように、第一工区、第二工区、第五工区というところまでの整備が行われてきております。  第四工区につきましても、この間、長い間勉強会等地元ではされてきておりました。どのようなまちづくりをするかということで地元でも熱心に勉強会なども開かれてきておりまして、それで今再開発準備組合ができているというような状況でございますので、世田谷区といたしましても、三十年前の構想ということをそのまま踏襲ということではなくて、今の第四工区のまちづくりに向けて、どのようなまちづくりを進めていくかにつきましては、来年度にも、また引き続き区としてもまちづくりの調査を予定しておりますので、そういう中でどのような支援ができるかも検討していきたいと考えております。  以上です。 ◆三十三番(桜井稔 議員) ぜひ三軒茶屋周辺まちづくりについて、これまでの到達点や評価、課題などを明らかにしていただいて、今後の二丁目のまちづくりの方針に反映させていただきたいということをお願いしておきます。  以上です。 ○上島よしもり 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時五分休憩    ――――――――――――――――――
        午後三時二十五分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 一般質問を続けます。  十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 質問通告に従い順次質問をいたします。  ユニバーサルデザインデザインで誰もが暮らしやすいまちづくりの推進について質問します。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会開催を三年後に控え、国際交流、スポーツの振興などさまざまな取り組みが行われます。これを契機に、誰もが尊厳のある暮らしが守られ、利用しやすい環境をさらに進めることが求められます。  世田谷では、バリアをつくらない、どこでも誰でも自由に使いやすくというコンセプトのもと、平成十九年、ユニバーサルデザイン推進条例を制定し、生活環境の整備に取り組んでいます。その中の一つの施策として、ユニバーサルデザイン生活環境整備補助金を制定し、小規模店舗の出入り口やトイレ部分の改修に助成を行っています。こんないい制度があるのに、町を見回してみれば、トイレ周りの段差でつまずいてみたり、薬局のあるドラッグストアのトイレが和式トイレだったり、スロープのない店舗や施設もいまだに多い現状です。  伺いますと、平成十九年度からの利用実績が九件ということで、余りに少なく驚きました。これだけ使われていないのは問題です。課題をどう捉えているのでしょうか。しっかり周知を行い、誰もが自由に使いやすい環境にしていくことを求めます。見解を伺います。  オリンピック・パラリンピック大会を控え、多くの観光客の来訪も見込まれます。世田谷区産業振興公社では、観光課の設置による事務局の機能強化や産官学が連携して事業提案することを目的に、世田谷まちなか観光交流協会を組織強化し、観光情報やマップの多言語化、町歩きツアーなどを実施します。  京都市東山区では、京都産業大学のゼミ生が主体となり、既に障害の有無や国籍にかかわらず、誰もが快適に楽しめる観光のバリアフリー化に取り組んでいます。車椅子でも安心して観光が楽しめるルートを検証した車椅子観光散策マップの作成や、バリアフリーを進める店舗のサービス内容を明記したパンフレット、ホームページの作成など、地域に密着した活動を進めています。昨年度、国土交通省のバリアフリー化推進功労者表彰を受けています。障害者が参画し、当事者の視点を反映させた同様の取り組みを行うことで、障害者も高齢者も、誰もが生活しやすい環境が整い、多様な人々の交流が促進できると考えます。見解を伺います。  また、盲導犬を連れた視覚障害者や手話を話す聴覚障害者への入店拒否があると聞いています。障害者差別解消法が施行されているにもかかわらず、依然としてこうした事例が報告される現状を看過せず、早急に対策を立てて、心のバリアフリーを実現することが必要です。例えば視覚障害者団体や聴覚障害者団体と連携し、アイマスクをした体験町歩きや、世田谷美術館での対話型の鑑賞ツアー、商業施設や観光業などへの手話講習会なども有効な取り組みではないでしょうか。  都市整備政策部、産業政策部、障害福祉部など、関係所管がしっかりと連携し、心のバリアフリーを推進することを求めます。見解を伺います。  オリンピック・パラリンピック大会を契機に、二十一世紀の持続可能な社会へアピールするために、使用済み小型家電に含まれる資源を活用し、大会のシンボルとも言えるメダルをつくる取り組みが始まりました。愛知県大府市では、昨年十月から、多くのメダリストを輩出する女子レスリング部のある至学館大学と小型家電リサイクル法の認定事業者リネットジャパンが連携し、二〇二〇都市鉱山メダル連携促進委員会を発足させ、世論の喚起を行っていました。大会組織委員会も、携帯電話などの回収を行うことを決定しています。  区では既にリネットジャパンと連携した分別回収にも取り組んでいます。昨年度、不燃ごみとして出される携帯電話の台数は約五千件ということでしたが、依然として家庭に眠るパソコンや携帯電話が多くあります。家庭ごみがオリンピックのメダルになるとなれば、大会を支える当事者として参加したい区民も出てくると思われます。これを好機と捉えて、世田谷区内にもあるメダリストが多く輩出された大学とも連携することも視野に入れ、持続可能な社会に向けた回収のさらなる周知とスポーツ推進担当部とも連携し、循環型社会の機運醸成に積極的に取り組むことを求めます。見解を伺います。  手話を言語として位置づけるために質問します。  全ての人は多様な関係性の中から、その人らしい尊厳のある暮らしを営んでいます。しかし、多くの障害者にとってはコミュニケーション手段の選択の機会が制限されるなど困難な状況に置かれ、不安を抱えています。中でも、聴覚障害者は情報障害として非常に重いハンディキャップを背負っています。三重苦を乗り越えて福祉的な活動を展開したヘレンケラーが、一番つらい障害は何かと聞かれ、耳の聞こえないことと答えたことは有名です。  二〇一一年は障害者基本法が改正され、言語に手話を含むことが明記されましたが、実生活に生かされていません。聴覚に障害のある子どもが通う学校の義務教育の間は、口の動きだけで話す内容を理解する口話法の授業が行われ、手話そのものを学ぶ時間さえない現状です。手話は日本語習得の妨げになると排除された歴史の中で、手話によるコミュニケーションが認められていないのがその理由です。  世田谷区の身体障害者手帳を持っている聴覚障害者は約千五百人いらっしゃいます。聴覚障害にはレベルがあり、耳が聞こえない、聞きにくいなどさまざまな状況の中で、手話を使える人は二〇%程度にとどまっているそうです。誰もが平等に言語としての手話を学ぶ環境を整える必要があります。  世田谷区には、駒沢小学校と烏山北小学校、駒沢中学校に難聴学級がありますが、ここでの手話の扱いはどのようになっているのでしょうか。  手話を言語として認め、教育に手話を導入したり、手話での情報の保障など、実生活に生かされることを目指す手話言語法を求める機運は高まっています。全国手話言語市区長会の事務局長を担う泉市長の兵庫県明石市では、全小学校四年生を対象に手話の授業を実施しています。この取り組みが子どもたちの心のバリアフリーを進めるだけでなく、誰もが手話で簡単な挨拶や自己紹介ができる社会が実現できると考えます。それには、子どもたちと聴覚障害者が接する機会を設けることにとどまらず、手話を知り、学ぶことが重要です。聴覚障害者協会と連携し、全小学校で手話講座を実施することを求めます。区の見解を伺います。  また、二〇一三年から展開された手話言語法制定を求める意見書自治体議会請願運動は、昨年の三月三日、栃木県芳賀町議会で採択されたことで、全ての自治体が採択しました。手話が権利として認められることを求めたこの運動は賞賛に値します。また、七十を超える自治体で手話言語条例が制定されています。昨年の第三回定例会では、明石市の取り組みなどを例に挙げ、条例制定を求めました。その後、担当所管では、明石市などを含め視察し調査を行っています。早期条例制定を望むと同時に、耳が聞こえない、聞こえにくい人も、生まれたときから手話を学び、それから日本語を学ぶために、国会での手話言語法の承認が必要です。  世田谷区では、法律が承認されるのを待つ姿勢ではなく、実生活に生かされない障壁を積極的に取り除き、手話が当たり前のように使える環境を整えることを求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、ユニバーサルデザインの推進に関しまして御答弁申し上げます。  区では、平成七年に福祉のいえ・まち推進条例を制定して以降、一定規模以上の建物の届け出義務化により、ユニバーサルデザインの指導、誘導を行ってきております。また、平成二十一年度には規則を改正し、百平米以下の小規模店舗等についても届け出の対象とすることで、より一層の推進を図ってきております。しかしながら、それ以前の小規模店舗等では、議員のお話にもありましたように、和式トイレや段差が見受けられ、いまだ解消に至らない状況にあります。  議員御指摘のユニバーサルデザイン生活環境整備補助金の実績につきましては、小規模店舗等が行うトイレや自動ドア、手すりの設置等に対して助成しておりますが、希望者が少なかったことから、部分的なバリアの改修に対しても助成できるように条件のハードルを下げ、活用しやすいものに変更してきております。  また、周知方法ですが、都市デザイン課、各総合支所の窓口におきますパンフレット配布や区のホームページ掲載に加え、商店街連合会理事会や東京都宅地建物取引業協会世田谷支部などに伺い直接周知を図ってきております。今後におきましても、ユニバーサルデザインの推進の観点から、補助金制度の活用を広げるため、医療、物販等の組合や団体に対しまして一層の周知を図ってまいります。  以上でございます。 ◎花房 産業政策部長 私からは、産学官が連携したユニバーサルデザインの観光の取り組みについて御答弁申し上げます。  二〇二〇年に向けて、区内には国内外から多くの観光客が訪れることが期待されておりますが、障害者や高齢者、外国人など、誰もが世田谷を楽しんでいただくためさまざまな工夫をする必要があると考えております。こうした観点から、お話しのありました京都市の産学官連携の取り組みは大変参考になる事例であると考えております。  本区におきましても、まちなか観光交流協会の会員として七つの大学が参画され、これまでも商店街等と連携して、世田谷の魅力の検証や外国人留学生が楽しめるミニツアーなどの活動に取り組んでいただいております。また、まちなか観光交流協会が一月に開催いたしました観光メッセの中のまち歩きコースコンテストでは、区民の方から車椅子利用者の目線で散歩道を楽しむ御提案もいただいたところでございます。  区といたしましては、今後も大学生や区民、商店街等からさまざまなアイデアを募るとともに、関係所管とも連携いたしまして、優しい町世田谷の魅力が東京二〇二〇大会のレガシーとなるように取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者施策について二点御答弁申し上げます。  まず、障害者差別の解消についてでございます。  昨年四月の障害者差別解消法施行以降、区には昨年末までに七十九件の相談やお問い合わせをいただいております。この中には、盲導犬を連れた視覚障害者が入店を拒否されたとの御相談もあり、区から店舗への働きかけについて伺ったところ、今後利用しにくくなることを心配され、働きかけを望まれなかった、こういった事例もございました。  また、聴覚障害者についても、法施行後間もない時期に、区のサービスにおきまして、ファクスによる申し込み案内が速やかに行われなかった事例や、窓口で筆談の準備が整っていなかったという例もございまして、改善を行っております。  障害理解の促進に向けては、区は平成二十七年度より区内商店街と障害者の交流事例報告会として、せたがや障害者・まち!交流塾を開催し、商店街における手話講座の開催や点字メニューの作成、イベントへの出店参加などの事例を共有するほか、今年度はワークショップを通じて障害のある方も利用しやすい商店街についてともに考えてまいりました。  今後、ワークショップで出された意見や提案、また先ほど議員より御提案のありました点も含めまして、庁内関係所管はもとより、商店街や障害者団体とも連携しながら具体化の取り組みを進め、暮らしの中での障害理解や心のバリアフリーのさらなる向上に努めてまいります。  次に、手話が実生活に生かされる環境づくりについてお答えをいたします。  手話につきましては、平成二十六年に区議会から、手話言語法制定を求める意見書を国に対し提出していただいているところでございます。他方、区の取り組みといたしましては、平成二十八年六月に、石狩市や明石市の市長などが呼びかけ人となり、全国手話言語市区長会が設立され、世田谷区長も参加しております。昨年十二月時点で約二百七十の首長が会員となっており、施策展開の情報交換や当事者団体との意見交換などを行っております。  区では、これまでも当事者団体の御協力のもと、手話講習会やふれあいフェスタでの手話教室を開催するほか、手話通訳者の派遣、タブレット端末を活用した遠隔手話通訳などを実施し、手話の普及や意思疎通支援の充実に努めております。また、今年度は手話言語条例を制定している他都市の調査を行い、条例の内容や具体的取り組みを把握したところでございます。  さらに、本年四月より、「区のおしらせ」の内容を手話の映像つきでホームページに掲載する取り組みを施行いたします。国の法制定の動向にも注視しつつ、今後も手話が区民の実生活に生かされるよう、他自治体の取り組みも参考にしながら、さらに施策の充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 小型家電のリサイクルを契機とした循環型社会の機運醸成についてお答えを申し上げます。  区では現在、小型家電を総合支所などに設置をしたボックス、また収集した不燃ごみから回収をいたしまして、金属分をリサイクルして区の歳入としております。こうした中、東京二〇二〇大会のメダル制作に、小型家電に含まれる希少金属を活用するというプロジェクトが発表され、議員も触れられたところであります。  具体の内容はまだ現在検討中ということでございますが、その趣旨には大いに賛同できるものでありまして、区の取り組みの状況を都にお伝えするとともに、できるだけ早くの情報提供を要請いたしました。今後、詳細が明らかになり次第、東京都や関係所管とも連携いたしまして、区民の皆さんに広く周知をして、回収に協力することで持続可能な社会に向け、また資源循環の観点からも、大会の機運醸成に寄与すべく努めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、手話を言語として位置づけるためにという御質問を二点いただきました。  まず、一点目の区内の難聴教室などでの手話の扱いはどのようになっているのかについて御答弁をいたします。  区内小中学校では、御質問にもございましたように、駒沢小学校と烏山北小学校、駒沢中学校に特別支援学級の難聴学級が設置されております。難聴学級においては、聴覚を通して情報を得ることに困難さがあることから、補聴器の使い方や使ったときの聞こえ方の違いなどを学ぶ学習や、指文字を使って音の違いをより正確に理解するための学習を行うことが多くございます。  手話の扱いについては、小学校では、音楽会や児童集会など学校行事で合唱を発表する際に歌詞を手話であらわす取り組みや、中学校では、部活動で手話部が自校の合唱コンクールや学び舎内の小学校の音楽会において合唱と手話を披露するなど取り組みの中で指導を行っております。  引き続きまして、二点目、聴覚障害者協会と連携し、全小学校で手話講座を実施することを求めるとの御質問でございます。  障害の有無にかかわらず、さまざまな人と協力して生きていく力を子どもたちが育むためには、障害者理解を進めることは大変重要であり、コミュニケーションツールとして手話を学ぶことは、実際に障害者と交流したり、かかわったりする場面に役立つものと考えております。  小学校の通常の学級においては、障害者理解を深める学習として手話を学ぶ機会を設けることや、点字ブロックや盲導犬について学んだり、身の回りのユニバーサルデザインの建物や物について調べたりする学習する活動から、児童に選択させ主体的に学ぶことができるよう工夫している学校もございます。  教育委員会といたしましては、各学校が他機関との協力体制や児童生徒の関心に応じて手話を学ぶことを含め、さまざまな障害にかかわる内容について学び、共生社会を築いていく力を育成するよう取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◆十三番(田中みち子 議員) 東京二〇二〇のオリンピック大会は三年後です。そこでユニバーサルデザインを進める上でやっぱり重要だと思うのが、障害のある方の視点をどう反映させていくことだと思っているんです。そして、障害のある方にぜひとも積極的に参画いただくということが大変重要だと思っています。さまざまに取り組みを行うときに、ぜひとも障害のある方に参画いただいて、その方々の御意見を反映していくということをぜひとも要望したいと思います。  あと、手話の言語というところでも、やはり兵庫県明石市が本当に実効性のある取り組みだと思っています。手話を言語として認めるだけにとどまらないコミュニケーション条例ということですので、ぜひそのあたりを参考に、早期の実現を改めて求めて、あとは予算のほうで質問したいと思います。  終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十四番阿久津皇議員。    〔十四番阿久津皇議員登壇〕(拍手) ◆十四番(阿久津皇 議員) 通告に従って順次質問してまいります。  初めに、大きな火災から区民の生命財産を守るまちづくりについて伺います。  昨年暮れに、新潟県糸魚川市で、およそ四万平方メートル、百四十七棟を焼失する大きな火災が発生しました。私も一月二十八日に現地を視察してまいりました。現場は、糸魚川駅北側の木造家屋が密集する地域であり、出火元である中華料理店の裏側は、幅員四メートル以下のいわゆる狭隘道路で、消防による消火活動に支障を来し、近隣への延焼も早かったということです。  さらに、当日は姫川おろしと言われる風速二十メートルを超える強い南風が吹いており、町の北側に延焼していくわけですけれども、出火元から百メートルほど北側にある幅員十一メートルほどの本町通りにおいて、延焼を食いとめるべく消火活動が行われました。しかしながら、折からの強風にあおられ、飛び火もあり、残念ながら十一メートルの道路を越えてさらに北側に向かって延焼し、日本海に達するまで被害が広がりました。  このような大火の中、焼損地域の北側中央部に、一軒だけ焼失を免れた家屋がありました。この家屋の家主の方は、二〇〇七年の中越沖地震の後、丈夫な家をと設計建築され、その家屋は雨どいやエアコンの室外機は熱で溶けて変形するほどにもかかわらず、家屋そのものは無傷に近く、鎮火後すぐに家に戻って生活を再開されているということでありました。災害時には、耐震性や耐火性の高い家屋が我々区民の生命財産を守り、そして生活の再建を早めることを示した事例となりました。  一方、区内においても、木密地域、狭隘道路、さらには延焼遮断帯となる都市計画道路が完成していない地域が多数存在します。火災の発生状況や風向きによって、糸魚川と同様の大火災が発生する可能性は十分にあると考えます。また、首都直下型地震の区内の被害想定によりますと、六十二件の出火件数に対して、家屋の焼失棟数は二万二千余り、つまり、一件の火災で平均して三百五十棟以上の建物が焼失する、そういった計算になります。  震災時には、世田谷区内で糸魚川よりも大きな火災が至るところで発生することが想定されています。消防による消火活動は、風下の幅員の大きな道路で延焼する火を待ち構え、そこから先への延焼を食いとめる、そういったことしかできません。  狭隘道路の解消に加え、延焼遮断帯となる都市計画道路を整備し、さらには建物の不燃化を進めることが、大規模災害時の被害を減少させ、区民の生命財産を守ることに直結します。今後、社会保障費や公共施設の更新費用の増大が見込まれる中、今こそ火災に強いまちづくりを進めなくてはなりません。  しかしながら、平成二十九年度予算では、都市計画道路用地取得費が十四億一千万の減、主要な生活道路築造予算が一億九千万の減、建築物耐震診断補強工事が一億六千五百万の減と、道路関係土木費の予算が減額されています。区は、道路整備を先送りすることは区民の生命財産を危険にさらすことになると認識していただきたいと考えます。  延焼遮断帯としての都市計画道路の整備に対する取り組み並びに狭隘道路の解消に向けた取り組みについて、区の見解を伺います。  また、糸魚川の大火では飛び火で火点が分散し、近隣自治体からの応援も含め、多数のポンプ車による放水がなされ、消火用水が不足したこと、これが延焼を広げ、鎮火まで三十時間という長い時間を要した原因であったと言われています。糸魚川消防では、出火からおよそ二時間後、国土交通省北陸地方整備局や地元のコンクリート会社にポンプ車やミキサー車による水の搬送を要請しました。さらには、市の水道局や地元の建設会社が保有するポンプ車も協力し、徹夜で水を搬送したとのことです。糸魚川市の消防によると、ミキサー車がなければどうなっていたかわからないとのことで、こういった大きな火災の際には、消防水利の確保が重要であることを示しています。  現在の区内の防火水槽の整備状況、これで震災時にも対応できるのか、また、消火活動における民間事業者との消防水利に関する協力体制について伺います。  次に、糸魚川の大火における負傷者十七名のうち、十五名が消防団員であり、二日間の消火活動で出動した人員延べ千九百五十四名のうち、七五%に当たる千四百七十六名が消防団員でありました。特に震災時など、消防による消火活動が期待できないといった非常時には、消防団や町会・自治会を中心とした共助の力で対応しなくてはなりません。初期消火の対応、一時集合所での情報収集や誘導など、防災リーダーとしての役割、要援護者の避難支援、さらには発災後の避難所の運営やボランティアの受け入れなど、地区の住民が担う共助の役割は多く、高度な知識や経験を必要とする役割も少なくありません。  一方、町会・自治会、消防団など、地域防災の担い手は限られており、高齢化も進んでいます。この限られたマンパワーに対して、地区防災として期待される役割は大きく、そしてまたその仕組みは複雑化しています。今、二十七の各地区で地区防災計画の策定が進んでいます。しかしながら、町会・自治会の方々も非常時に自分が何をしたらよいのか役割が明確であるとは言えず、いざというときに、地域防災が組織的、機能的に働くことができるのか疑問があると言わざるを得ません。災害時ボランティアの受け入れ体制も含め、地域防災における組織、役割の明確化、共助の体制を強化する必要があると考えます。見解を伺います。  次に、児童虐待の防止と児童を保護する施策について伺います。  年明けに、烏山で痛ましい児童虐待死の事件がありました。加害者である母親は、ネウボラチームによる妊娠時面接を受けていましたが、特に兆候は見られなかったとのことで、虐待の防止や発見、さらには虐待されている児童の保護の難しさを痛感した事例でありました。  区では、平成三十二年度にも児童相談所を設置する予定です。より住民に近い存在である基礎自治体に移管されるわけですから、幼稚園や小中学校、児童館などと連携し、基礎自治体ならではのきめ細やかな見守りと、日常からの情報共有で虐待を未然に防ぎ、虐待されている児童をいち早く発見、保護できるような取り組みが必要と考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、都市計画道路等の整備の取り組みについて御答弁申し上げます。  区内の都市計画道路の整備率は、区部平均の約六四%に対しまして約五〇%となっており、当区の道路整備の水準は大変低い状況となっております。そのため、交通渋滞の発生や通り抜け車両による住環境の悪化、公共交通不便地域の存在など、区民の日常生活にさまざまな影響が生じております。  災害対策の面では、都市計画道路は市街地大火を防ぐ延焼遮断帯、さらには消防活動を行う空間、支援物資の輸送路など、その役割は多岐にわたっており、道路整備のおくれは防災上極めて重要な問題であると認識しております。  こうしたことから、平成二十六年三月に策定しましたせたがや道づくりプランでは、都市の防災性向上に大きく寄与する都市の骨格となる道路ネットワークの整備や防災対策に資する道路整備などを重点化すべき事項として掲げ、これまで整備を進めてまいりました。  お話にありました都市計画道路等の整備に関する来年度の当初予算案につきましては、土地開発公社予算も合わせますと、平成二十八年度以上の額を計上しております。区といたしましては、道路ネットワークの早期整備に向けまして、せたがや道づくりプランに基づき、今後も計画的かつ効率的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎関根 防災街づくり担当部長 私からは、狭隘道路の解消に向けた取り組みについて御答弁申し上げます。  災害時に幅員四メートル未満の狭隘道路の多い住宅密集地域などにおいて、迅速な避難や緊急車両の通行を可能とするため、狭隘道路の拡幅整備は大変重要な課題であると認識しております。区では、平成九年度に世田谷区狭あい道路拡幅整備条例を制定し、道路後退に伴う擁壁の移転や撤去工事を対象にした助成制度等を活用しながら、近年では毎年五キロメートル以上の狭隘道路の拡幅整備を進めてまいりました。  平成二十九年度からは拡幅整備をさらに促進していくため、新たに二つの土地所有者等の負担軽減策を開始する予定でございます。  一つは、建てかえ計画のない敷地において、拡幅整備に御協力いただける場合、これまで土地所有者等の御負担となっていた拡幅用地内の地下埋設管の切り回しや隣地境界に沿った塀等の撤去に係る工事費用について、それぞれ金額の上限はございますが、助成制度を新設いたします。もう一つは、区道への編入のために拡幅部分の土地を御寄附いただける場合、現在は土地所有者等が行っている測量や境界確定、また拡幅用地の分筆登記のうち、拡幅用地の分筆登記について区が行うというものでございます。  区といたしましては、これらの新たな負担軽減策も活用しながら、狭隘道路の拡幅整備をより一層効果的、効率的に促進し、地域の防災力の向上に努めてまいります。  以上です。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、二点御答弁申し上げます。
     初めに、震災時区民が担う共助の役割は多い、災害時ボランティアの受け入れ体制も含め、共助の体制を強化する必要があるが区の見解についての御質問でございます。  御指摘のとおり、共助の推進を図る上ではさまざま想定される課題の発見、対応策の検討、役割の整理などを通じて地域防災力の強化を図る必要があると認識しております。地域防災計画平成二十九年修正では、さらなる防災訓練の実施や区民の備蓄、関係団体との連携強化などによるボランティアの受け入れ体制の整備、地区防災計画の策定などを盛り込んでおります。  地区防災計画につきましては、防災塾を通じて地区の特性、各団体の防災備蓄状況の調査結果、地区の課題や対応策と今後の方向性を地区の防災塾参加団体を中心にまとめたところです。  来年度以降は、関係団体との連携による災害時のボランティアの受け入れ体制の整備や避難所運営マニュアル標準版の修正に着手し、避難所運営においてボランティアなどの新しい要素を入れ込むとともに、防災塾を通じて地区防災計画の検証を行い、計画に記載した初期消火や避難行動要支援者の安否確認などに関する今後の取り組みの方向性を検討していく予定です。  あわせて、防災に関する人材を確保する必要がございますので、消防署と連携したまちかど防災訓練などの活用や総合支所とも連携して、ふだん防災にかかわっていない方々の地域の防災訓練への参加を促すなど、各施策を連携させながら、さらなる共助の推進を図り、地域の防災力の向上を図ってまいります。  次に、防火水槽の整備状況及び消火活動における民間事業者との協力体制など取り組みはいかがかとの御質問です。  消防隊によります消火活動では、主に消火栓を使用しますが、震災時などに断水で消火栓が使用できない場合に備え、東京消防庁の計画に基づき、区内を二百五十メートル四方のメッシュ単位に分け、それぞれ必要水量を確保するための防火水槽を設置しております。気象状況などによりまして延焼範囲が広がった場合には、周囲のメッシュの水防水利も随時活用し、継続して消火に当たることになります。  糸魚川の火災では、消火用水の確保にミキサー車を使用したと聞いております。東京消防庁が消火活動を担う東京都は、体制、状況等は異なりますが、より確実に消火用水を確保できるよう、区といたしましても、鉄道路線の地下化、高架化の機会や民間事業者等との協力を得まして、防火水槽の設置場所の確保に努めるなど、消防署と連携して引き続き消防水利の整備を進めてまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、児童相談所を設置するに当たって、基礎的自治体ならではの地域と密着した取り組みを進めようという御質問にお答えいたします。  児童相談所の移管については、さきの特別区長会において、開設予定時期が最も早い世田谷区は、荒川区、江戸川区とともに、速やかに東京都と計画案のモデル的確認作業を確認することとされました。お話にありましたとおり、区は小中学校、幼稚園、保育園、児童館やおでかけひろば、民生委員児童委員や地域の子育て支援団体などと顔の見えるネットワークを構築しております。  こうした基礎的自治体ならではの強みを生かし、児童虐待の予防から早期発見、調査、保護、その後の見守りなどについてきめ細かく一貫した取り組みを進めてまいります。  今後も地域の人材や関係機関との連携協力をより強固なものとし、地域全体で子どもを見守り、子育て家庭を孤立させない仕組みづくりを進めながら、地域と子ども家庭支援センター、児童相談所が一連となった総合的で効果的な児童相談行政の実現を目指してまいります。  以上です。 ◆十四番(阿久津皇 議員) 児童相談所に関してなんですけれども、特に先日のケースもそうだと思うんですが、虐待が疑われる家庭への介入にためらい、結果として手おくれになる、そういったケースが多く見られます。世田谷で今後運用していく際には、弁護士ですとか、あるいは警察、裁判所なんかとも連携しながら、より積極的な介入をして未然に防ぐことをぜひ要望いたします。  それからあと、防火水槽につきまして、私もふだん消防団で訓練なんかをしているんですけれども、公園地下に埋設されている防火水槽なんですが、ふだんやっぱりなかなか使われていないということもあったりして、ふたが経年劣化であかなくなったり、ほこりや砂が詰まっていて開かないといったことも実際にあったりするので、ふだんから地域の防災、消防団なんかで訓練で使うように要請しながら確認をして、ふだんから使えるようになっているのか確認をする必要があるのかなというふうに思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、七番上川あや議員。    〔七番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆七番(上川あや 議員) パートナーが異性なら入居可、同性なら入居不可の区営住宅条例の差別解消について伺います。  住まいは、人の人らしい生活の根底をなすものです。ところがそのセーフティーネットを担う区の住宅関連条例は、ともに暮らすパートナーの性別が異性か同性かで事実上差別をし、同性をパートナーとする区民の利用を妨げています。  例えば世田谷区営住宅管理条例は、入居要件を定めた第五条の中で、「現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予定者を含む)」があるという、いわゆる同居親族要件を定めています。婚姻届を提出している男女はもちろん、事実婚の男女や婚姻予定者をも保護する規定でありますが、同性カップルは数十年添い遂げようが排除をされております。これは、性的指向に基づく構造的差別にほかならないのではないでしょうか。  この要件規定には、公営住宅法の二十三条一号に同様の規定があったことが影響しております。しかし、同規定は二〇〇八年、国連人権機関の是正勧告を受けた後、二〇一二年四月施行のいわゆる地方分権一括法で削除されています。  この間の経緯を整理いたします。二〇〇八年十月、国連の人権規約委員会が日本の人権状況について審査を行いました。これは一九六六年に国連総会で採択された人権保障に関する多国間条約である市民的及び政治的権利に関する国際規約、いわゆる自由権規約を批准する国が定期的に受け入れなければならない審査です。  審査の結果、日本政府は次のような勧告を受けました。委員会は、婚姻したあるいは婚姻していない異性カップルに対してのみ適用され、婚姻していない同性カップルが公営住宅を賃借することを確実に妨げている公営住宅法二十三条一号のように、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル及び性同一性障害の人々に対する差別があることを懸念する、つまり、公営住宅からの同性カップルの排除は平等を定めた国際人権規約に明らかに反する差別だと名言をしたわけです。  これを受け、日本政府は報告書で次のように述べています。現行の公営住宅法二十三条一号については、公営住宅の入居者資格として同居親族を有することを規定しているものであるが、同号の規定は、今般の地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関連法律の整備に関する法律、これはいわゆる公営住宅法のことでありますが、この改正によって削除されている。したがって、上記の公営住宅法の改正に従い、親族関係にない同性の同居も含め同居親族による入居者資格の制限はなくなっている。つまり政府としては、同性カップルを排除する法の規定はなくしたと報告しているわけです。  ところがどうでしょうか。当区の住宅条例は、なお同性パートナーの平等な取り扱いさえ阻んでおります。つまり、ここにあるのは差別です。  今回、区がその改善を目指し、関連条例を上程したことを高く評価いたします。ところが、今定例会の提出予定案件について、三条例が報告された二月七日の都市整備常任委員会の質疑では、なお幾つもの誤解が解かれぬまま残されてしまったと感じました。  そこで以下、誤解の払拭を目指して質問いたします。  まず、区は今回の条例改正の前段に、多様性の尊重を掲げた区の最上位計画、世田谷区基本計画の策定があることを述べ、また性的マイノリティー当事者を対象に実施した昨年のアンケート調査で、公営住宅に住めるようにしてほしいとの要望が五六%と高かったこと等を述べましたが、説明が簡素にされ過ぎていると感じました。当区で性的マイノリティーへの差別を排していく議論には長い蓄積があります。支援施策も十数年来広がり続けております。それらを無視した説明は誤解を招くものと危惧いたします。また、先行するパートナーシップ宣誓の取り組みについても、終始一貫、昨年より実施と誤認されたまま議論が続けられました。このためか、委員会では先行するパートナーシップについても議会で十分議論されてこなかったのではとその提言に疑念が示され、この誤認は、昨日の他会派の意見表明にまで引き継がれてしまいました。  実際にはどうでしょうか。当区でパートナーシップ制度の必要性が論じ始められてから二年半が経過いたしました。パートナーシップ宣誓もその開始から一年と四カ月が過ぎました。今回議論されている区営住宅の開放も二年前から複数回議会で論じられ、昨年九月には、条例改正も視野に早々に具体策の検討を深めると答弁もされており、今回の動きも予期されるものでした。  この間、私も同性パートナーをテーマに十二回もの質疑ができております。議論の時間は十分あったはずだと考えます。しかし、区の説明はここでも簡略に過ぎております。これまでの経緯について、いま一度整理した上での説明を求めます。  次に、委員会では、高齢者、障害者、母子等の住宅確保が総量的に追いついていない中で、公営住宅の必要性はますます高まっている。そういう中で、今回条例改正に踏み切るのは大きな政策転換ではないか、高齢者、母子など必要な方々はまだいるのに、区営住宅がふえる見込みもない中で、なぜ優先順位として対処しなければならないのか等の議論がありました。  しかし、今回の条例改正は、同性カップルを高齢者、障害者、ひとり親家庭と並ぶ優遇対象とするものではないと理解しております。現に住宅に困窮し、また低所得で、本来なら当然入居資格が与えられるべき区民に対し、パートナーの性別が同性であるというだけの理由で排除している、その差別を単にやめるものだと理解しています。  この点、十分な説明がなかったことが大変に残念です。改めての説明を求めます。  次に、委員会では同性カップルの公営住宅入居を認めている前例があるのか問われたのに対し、区は、渋谷区、那覇市、伊賀市、宝塚市が検討している状況かと理解していると極めて曖昧に答弁を返しています。実際には、世田谷区と同様、同性パートナーシップを認めている渋谷区、那覇市、伊賀市で既に公営住宅入居への道は開かれております。また、宝塚市も検討しております。つまり、同性パートナーシップを認める自治体の中では、実は世田谷区は後発組であるのに、他の自治体もなお検討中であるかのような答弁は誤りです。  その後の議論の中では、副区長より、前例がほかにあるとの説明が加えられはしましたが、いま一度の整理を求めます。既に同性カップルに門戸を開いている全ての自治体とその改正時期、根拠規定のそれぞれについて説明を求めます。  次に、区が区内の不動産関係団体に同性カップルへの入居理解を求めていることに関連し、同性カップルが差別的な扱いをされた等の直接な把握は当区にないかのような説明がありましたが、これも事実に反しております。  おととし三月五日、十六人の同性カップルを中心とした方々が区に提出した要望書には、不動産会社から、男同士には貸せないと言われ、倍額の管理費を六年間払わされ続けた等の理不尽な証言が複数含まれておりました。また、昨年区が実施をした性的マイノリティーの調査でも、九百六十五人の有効回答を得て、二百十六人から、同性パートナーと暮らす上で困ったこととして、民間の賃貸住宅や公営住宅に家族と住む際の困難が挙げられてもおりました。つまり、区は差別的事案の存在を、具体例、統計の両面で既に把握をしております。この点も再度説明を求めます。  最後に、委員会で問われたなりすまし等への対処についてです。  区からは、パートナーシップの宣誓の有無にかかわらず、他の入居要件に合致すれば同性カップルもお申し込みいただける、この三条例の中で全体が完結するものと考えている、申述書や戸籍関係の書類等々でチェックし、ルームシェアと峻別する等との説明がありましたが、いま一つ安心に足る説明とはなっていないと感じました。  例えば従前からの事実婚の男女への審査と比べるとどうなるのか、むしろ同性カップルのほうが慎重かつ綿密な審査になるようにも伺っておりますが、いかがか。十分に信頼に足る説明をするべきです。審査の提出書類と手順、入居後の継続的なチェック、さらに不適合が発覚した際の除斥の方法も含めて説明を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 さきの都市整備常任委員会におきまして、パートナーに相当する同性者を入居資格要件の対象に加える世田谷区営住宅管理条例等の三条例の改正につきまして御説明させていただきました。その際、条例改正の根底にある理念や議論の経過について述べましたが、改めて説明を求めるとのことでございますので、御答弁申し上げます。  これまでも、区では性的マイノリティーの方々の人権尊重という観点から、例えば平成十五年度には申請書類の性別記載事項の削除に関する事務改善、また、平成十九年策定の、男女共同参画プランにおいても、性的少数者への理解促進を施策の一つとして位置づけ、職員研修を初め、区民への啓発等に取り組み、ほぼ十年にわたりまして多様性を認め合い、人権意識の啓発や理解の促進に努めてまいりました。  また、基本構想・基本計画の策定過程におきましても、性的マイノリティーへの配慮という視点を御提起いただきました。これらを踏まえまして、平成二十六年三月に策定いたしました区の基本計画におきましては、多様性の尊重を分野別政策の一つとして掲げ、女性や高齢者、障害者、外国人、性的マイノリティーなどを理由に差別されることのない地域社会づくりを進めることといたしました。  こうした経緯の中で、平成二十七年三月には、同性をパートナーとする区民の方々が区役所にお見えになり、住まいを探す上での困難、医療機関等でも家族としての処遇が受けられない等の御不便を訴えられ、区としてパートナーシップを認めるよう求める要望書をいただきました。これらを検討してまいりました結果として、平成二十七年十一月に、同性パートナーシップの宣誓の取り組みが実施される運びとなった次第でございます。  事業実施以降の実績といたしましては、この二月時点で四十五組九十名の皆さんから宣誓の手続をいただいております。また、同性をパートナーとする区民の方々の区営住宅等への入居の道を開くことにつきましては、平成二十六年九月議会を初めとし、善処を求める御質疑を複数回いただいておりました。平成二十八年九月議会では、区営住宅管理条例等の改正を視野に具体策の検討を深めていくと答弁をさせていただいております。  区の性的マイノリティー支援につきましては、現在策定中の第二次男女共同参画プラン案の中で、十二ある課題の一つとして性的マイノリティー等多様な性への理解促進と支援としてお示ししておりますが、同性パートナーシップに関する取り組みの一つとして、住まい確保の支援を位置づけているところでございます。  このような取り組みとこれまでの議論の経緯を踏まえまして、今回の条例提案に至った次第でございます。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 区営住宅条例の差別解消につきまして、さきの都市整備常任委員会の質疑を受けまして、四点に順次御答弁申し上げます。  まず、今定例会で御提案しております区営住宅管理条例等の改正内容についてでございます。  議員お話しのように、本条例の改正趣旨は、いわゆる性的マイノリティーの方々を優遇対象とするものではなく、あくまでも、従前、区営住宅への応募資格要件から外れておりました同性パートナーを同居予定者と位置づけ、他の親族等と同様に応募申し込みができるようにするという御提案でございます。  公営住宅は、憲法二十五条に定める生存権を保障するため、住宅に困窮する低額所得者に、低廉な家賃で住宅を提供するもので、昭和二十六年に制定された公営住宅法にその根拠を置いています。  当時、民間賃貸住宅市場では、単身者向け住宅供給が比較的多く、一方で、家族向け住宅供給が十分とは言えない状況にあったことから、より必要性の高い同居親族向けに振り向ける趣旨から、公営住宅法に同居親族要件が規定された経緯がございます。  その後、昭和五十五年に単身高齢者、障害者について、その居住に適した設備、バリアフリー等でございますが、民間賃貸住宅が十分供給されておらず、また、他の住宅困窮世帯と比べても居住の安定を図る必要が高いことから、高齢者や身体障害者、生活保護受給者等につきましては、単身者でも入居資格を有する者とする公営住宅法の一部改正が行われました。  これを受けまして、区の住宅管理条例でも、親族要件を入居の前提としながらも、高齢者、障害者、戦傷病者、原爆被爆者、中国残留邦人、ハンセン病療養所入所者、DV被害者につきましては、親族要件を要しないとの配慮をしております。  今回の条例の改正の趣旨におきましては、この単身入居の要件にかかわるものではなく、親族やいわゆる事実婚にも認められてきた区営住宅等への応募要件を同性パートナーとする区民等にも認めるものでございます。  次に、自治体で同性カップルに公営住宅の門戸を広げている現状についてでございます。  議員御指摘のように、渋谷区、伊賀市、那覇市の三自治体で既に実施をしております。また、宝塚市でも現在検討中と認識しております。  具体的には、渋谷区ではパートナーシップ証明書の発行と同時に、平成二十七年十一月より同性カップルから申請を受け付けております。根拠としましては、渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例の十六条で、渋谷区住宅条例及び渋谷区区民住宅条例その他区条例の規定の適用に当たっては、この条例の趣旨を尊重しなければならないとし、パートナーシップの証明書の交付を受けた者を区営住宅の使用資格と見なしており、審査要綱を設定し、適用しています。  次に、伊賀市でございますが、同じく開始時期につきましては、平成二十八年四月の要綱制定時に、伊賀市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱によりまして、事実婚と同様に扱うこととし、現行の規定での運用をしているとのことです。  さらに、那覇市でございますが、同じく開始時期は平成二十八年七月の那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱を根拠として、取り扱いの規定につきましては、那覇市営住宅同居承認取り扱い要領、同入居承継取り扱い要領の規定改正により、事実婚同様に扱うことによって運用しているとのことでございます。  したがいまして、今回の提案の同性パートナーを区営住宅等の入居資格条件の対象とする取り組みにつきましては、全国では四自治体目というところでございます。  続いて、議員御指摘の同性パートナーと暮らそうとなさる方々が、住まいを探した際の差別的事象等の認識についてでございます。  まず、平成二十七年三月に、区内の同性カップルの方々が要望書を持って区役所にお越しになった際のお話として、不動産会社から男同士には貸せないからと言われ、入居するために管理費を倍払うこととなった男性カップルの事例、また女性同士の部屋探しでも、将来片方が異性と結婚して出ていってしまったら部屋代を支払えなくなるのではないかとよく思われずに断られていることがあるなどの困難について訴えがあったと聞いております。  また、昨年十一月に生活文化部から発行されました性的マイノリティー支援のための暮らしと意識に関する実態調査報告書では、有効回答数九百六十五票のうち、あなたが同性パートナーと暮らす上で困ったことを教えてくださいとの設問に対し、民間の賃貸住宅や公営住宅に家族と住む際の困難について、御指摘のように、二百十六名、二二・四%の方々が回答されておりました。  こうした困難への対応ということにつきましても、区の住まいの確保支援ということで課題であると認識しております。  最後に、なりすまし等への対処でございます。同性カップルを区営住宅等に受け入れるに当たりましての提出書類、審査の手順、入居後のチェック等について御答弁申し上げます。  区営住宅等の入居に当たりましては、今回御提案の同性カップルを含め、いずれの家族等におきましても、抽せんに当選した後、住民票、納税証明書、所得が確認できるもの、現在の賃貸借契約書及び家賃領収書等の御提出をいただき、対面で審査を行うという流れになっております。男女の事実婚につきましては、婚姻と同様の事情にあることを住民票の続柄欄の夫または妻の記載により確認をしてございます。  これにかわる同性のパートナーの審査につきましては、提出書類として、戸籍謄本または独身証明書、申述書なども提出いただきます。この戸籍謄本などによって、申込者に配偶者がいないこと、また申述書によって、申込者と同居者の双方がパートナーと認め合っていること、当該同性者の双方が継続的に共同生活を営んでいることなどを確認してまいります。  入居後は、いずれの場合でも毎年各入居者により収入報告書を提出していただき、住民票や課税証明書などに基づき、同居者などの世帯に変化がないかなどを審査しております。例えば世帯員の一部転出がわかった世帯については、御事情等を伺い、届け出を指導するなど厳格に審査を行っており、同性パートナーについても同様と考えております。  この収入報告書を初め、各住宅の定期巡回や居住者からの連絡などによりまして、不正な行為による入居が判明した場合は、公営住宅法に基づき住宅の明け渡しの請求を行っており、同性カップルについても他の入居者と同様、引き続き厳格な管理に努めてまいります。  以上でございます。 ◆七番(上川あや 議員) 今の答弁に誤りがあったと思うんですけれども、事実婚カップルの確認は住民票続柄欄の夫(未届)、妻(未届)のどちらかだろうと思います。  公営住宅からの同性カップルの排除は、区民の平等に明らかに反しており、私は差別だと考えております。差別に気がついたときに、これを速やかに改善することは議会に求められている我々議員の当然の責務でありまして、いたずらに時間を過ごすことなく、平等にという当然のことでありますので、議員の皆様方の賢明な御判断をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十九番板井斎議員。    〔三十九番板井斎議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(板井斎 議員) 初めに、混合介護の導入について伺います。  豊島区は今月、国家戦略特区を活用した混合介護のモデル事業を二〇一八年度から始めると発表しました。来年度は有識者会議や介護施設の利用者及び家族を対象としたニーズ調査を行い、サービスの内容や規模、価格設定を検討するとしています。こうした動向の背景には、今の介護保険制度が限界に近づいているとの危機感があります。二〇二五年には大介護時代を迎え、介護保険会計が今の倍に膨らみ、保険料も全国平均九千円台になり、介護人材不足もより深刻になると想定されているからであります。  混合介護は、現行制度においても禁止されてはいませんが、介護保険外のサービスを同時、一体的に提供することはできません。しかし、混合介護が実現すれば、利用者の利便性が向上するほか、事業者のビジネスチャンスも広がり、結果として事業者の収益が見込まれ、介護職員の処遇改善に大いに寄与するものと認識しております。  もちろん混合介護にはさまざまな懸念があることも事実です。私は導入する条件として、働く人の労働強化にならないこと、処遇改善につながること、利用者保護の仕組みをつくること、何より行ってはならないサービスを明確にすることが最も重要と考えます。加えて、職員をふやさず利益を上げること、労働生産性を高めることも課題であります。  その鍵となるのが、私が参加している混合介護を研究する会で実践したある特養での調査、取り組みであります。全介護職員の一週間の職務分析をした結果、介護職が現場を離れ介護記録などに従事する非介護時間が二八%を占めることがわかりました。  そこで、通信機器メーカーとタイアップして、タブレット端末を使った音声記録を実施したところ、仕事をしながら入力ができ、業務が大幅に改善しました。さらに、熱線センサーを活用した見守りシステムも導入したことで、緊急時の早期対応が可能となり、結果、余剰人員を他のサービスに振り向けることができ、入居者の処遇を大幅に改善することができました。世田谷区としても、新たな視点を加味したモデル事業を都と連携しながら導入すべきと考えますが、見解を求めます。  関連して、地域包括ケアについても伺います。  言うまでもなく、地域包括ケアの最大の目的は、高齢者が住みなれた地域で医療や介護、生活支援が受けられるように、住まい、医療、介護、生活支援、介護予防を包括的に整備提供することにあります。言いかえれば、住みなれた地域で暮らすということは、施設から在宅へケアの場を移すことであり、あらゆる資源を導入し、その仕組みを構築することが重要であります。  しかし、区の地域包括ケアの進め方を見ると何を柱立てに、何を推進しようとしているのか、区全体の戦略が全く見えません。明確な指針があってこそ、二十七地域の特徴を生かせるのではないでしょうか。  そこで提案しますが、私は地域包括ケアの推進には、人材の確保と継続性が大前提と考えます。その可能性があるのが社会福祉法人と考えます。区内には約四十五の法人があり、昨年の社会福祉法の改正で法人は地域貢献が求められております。私は、法人と連携を深め、地域包括ケアの担い手となっていただきたいと考え、昨年末から区内五団体と意見交換をしてまいりました。  結果、意欲がありながらもどう行動してよいかわからない、行政の支援も必要との声がありました。特に意識の共有に加え、行政の支援は必要不可欠であります。例えば先ほど述べたように、効率化と収益増のためにタブレット端末や熱線センサーの導入助成や、混合介護として寝たままや座ったままで入浴できる介護入浴装置を特養入居者以外でも利用が可能となれば収益が見込め、意欲のある法人が担い手として協働していただけると確信いたします。利用者、法人、地域の三方よしの政策を進めるべきであります。区の見解をお伺いいたします。  次に、奥沢駅の開かずの踏切対策について伺います。  奥沢駅は、上り線下り線が別々のホームに分かれた相対式で、駅構内に連絡通路がありません。また、朝のピーク時には、九割以上の方が踏切を渡り上りの改札口を利用しますが、急行の乗り入れで踏切の遮断時間が長く、狭い道路、歩道には踏切待ちの列が数十メートルも続き、歩道にもあふれ、遮断機をくぐり抜ける人が後を絶ちません。  奥沢駅は、南北線や三田線の乗り入れで乗客数が年々ふえ続けており、地元からは一日も早い安全対策を求める声がある一方で、三十一年には横浜羽沢駅付近と目黒線日吉駅間に連絡線を新設して、相鉄線と相互直通運転を行う計画があります。その場合、車両増に対応するため駅舎を改築しなければならず、安全対策がこれによって進むのではないかと期待が持たれていましたが、昨年八月、三十四年まで延期が発表されました。  しかし、用地の買収や新綱島駅、日吉駅付近の工事が大幅におくれており、先が見通せない状況にあります。鉄道事業者はこれまで整備に伴う用地確保が難しいとの理由で連絡通路の設置に難色を示してきましたが、こうした状況を考えると、踏切道を管轄する東京都、世田谷区、鉄道事業者で改めて技術的な検証を行う実務者会議を立ち上げ、解決を早急に図るべきと考えますが、見解を求めます。  最後に、特別支援学級の現状について伺います。
     昨年の秋、特別支援学級に在籍する中学一年生の保護者より相談を受けました。子どもには軽度の知的障害がありますが、就学相談において、少人数できめ細やかな授業が受けられるからと勧められ、悩みながらも入学したそうです。しかし、入学後、現実との乖離が余りにも大きく、担任に何度も相談しましたが変わらなかったそうです。相談は多岐にわたりますが、その中から三点質問します。  一点目は部活動です。この中学校の特別支援学級の生徒は、フライングディスク部以外の部活が認められていません。そもそも部活は、教育活動の延長であり、生徒の自主性と個性を伸ばし、青少年の健全育成に役立つほか、所属感や連帯感が身につくなど欠かせない活動であります。にもかかわらず、陸上部に入ろうとした生徒に対して、危険だという理由以外に何の説明もなく断ったそうです。他の部活も同様であります。走ることが好きな生徒の失意ははかり知れません。生徒のアイデンティティを損ねるもので問題です。全ての特別支援学級の実態を調べ、早急に改善すべきであります。  二番目は授業のあり方です。生徒や保護者が特別支援学級に決めた理由は、高校に進学する際に、軽度の知的障害に応じた丁寧な授業が受けられると期待したからであります。しかし、担任からは、特別支援学校以外の進路は考えていないので、普通高校を希望するなら、家庭で責任を持って勉強を教えなさいと言われたそうです。  確かに当該校のホームページを見ると、特別支援学校進学を前提として生活指導こそ進路指導だと明らかに表記されております。これは時代錯誤であり、教育の原点である学校が学びの保障を放棄したとしか言いようがありません。教材も使い古しで物足りないと授業の改善を担任に訴えましたが全くだめでした。しかも、校長先生と話し合いたいと要望したにもかかわらず、担任の先生が伝えていないこともわかりました。  軽度の生徒に対してはもちろん、教育ニーズに的確に応える学習を保障すべきであります。区の見解を求めます。  三番目は、達成感や生きる力を育む教育についてです。  この中学校の運動会のメーン競技に、紅白に分かれた全員リレーがあります。しかし、特別支援学級が走り終えたところで一旦競技は終了し、普通級の生徒が再び走り出すのです。同じ学校に在籍しながらなぜリスタートになるのか、当日まで練習もしてもらえなかったのは、自分に障害があるからだと疎外感を持つ生徒がいます。  学校の説明は、特別支援学級の生徒が原因でリレーに負けたら達成感を得られないばかりか、いじめの対象になる、守っているのだという答えが返ってきたそうです。インクルーシブ教育を目指す当区において、達成感や生きる力を育む視点に欠けています。多様性を尊重し、一人一人が輝く場を提供すべきであります。  改善を求めて壇上からの質問といたします。(拍手) ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、混合介護のモデル事業の導入の御質問について御答弁いたします。  豊島区では、国家戦略特区の制度を活用し、混合介護のモデル事業を平成三十年度に開始することを目指し、東京都と協議を進めていると聞いております。現行の介護保険制度では、介護保険サービスと、保険外サービスは明確に分けて提供するなどの制約がございます。一方、混合介護は、同居家族への家事援助を一緒に実施するなど、介護保険サービスと介護保険外サービスの同時、一体的な提供や特別な技能を持つヘルパーの指名料など、介護保険サービスに付加価値をつけた料金設定などがございます。介護保険外の部分はいずれも全額自己負担となります。  こうした混合介護は、利用者の利便性向上や家族の介護負担軽減、事業者の収益性の拡大につながると期待される一方で、利用者が過度にサービスに依存して介護保険の基本理念でございます自立支援を妨げる可能性や、事業者による過剰なサービスの提供等の懸念もあると言われております。  区としましては、御本人が適切なサービスを利用し、重度化を予防して自立した生活が送れることは重要と認識しております。モデル事業の実施状況や先進的な取り組みなど情報収集に努めるとともに、区民や事業者からの御意見をお聞きした上で、混合介護について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、地域包括ケアシステムを進めるために、戦略的に社会福祉法人との連携を図るべきという御質問にお答えいたします。  平成二十六年度から三十五年度までを計画期間とする地域保健医療福祉総合計画では、社会福祉法人は、福祉サービスを提供するだけでなく、社会貢献の観点から関係機関や地域の活動団体と連携し、地域資源や社会資源を開発し、地域の課題解決に取り組むことが重要であるという考え方を示しております。  これまでも社会福祉法人にはそれぞれの事業を行うほか、法人が持つノウハウや人材、資源を活用し、あんしんすこやかセンターの運営や、介護予防事業等を実施していただいており、区の地域包括ケアシステムの推進に貢献していただいております。  また、昨年の社会福祉法等の改正によって、社会福祉法人が創意工夫を凝らした多様な地域における公益的な取り組み、いわゆる地域社会への貢献が求められており、地域福祉を推進する上で、社会福祉法人の役割が重要であるとされております。  区といたしましては、こうした状況を踏まえ、区が進めている区民の参加と協働という地域包括ケアシステムの考え方を社会福祉法人に改めてお示しするとともに、法人からの御意見や新たな取り組みの考え方を御提案いただきながら、連携協力して地域包括ケアシステムの推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、奥沢駅の開かずの踏切対策について御答弁申し上げます。  東急目黒線奥沢駅は、議員御指摘のとおり、駅構内に上り線ホームと下り線ホームとを結ぶ連絡通路等がないことから、特に朝の通勤時間帯は線路南側にお住いの方々が上り線の改札口に向かうため、車道にもあふれて踏切待ちをしているなど、開かずの踏切対策については区も認識しております。  しかしながら、新たに駅構内に連絡通路を整備するには、スペースの確保やホーム幅等に課題があり、また、駅構外に連絡通路を整備するためには、道路を含め踏み切り周辺にスペースがないことから、現状での連絡通路の整備は難しい状況であると東急電鉄より聞いております。  一方、相鉄線と目黒線の相互直通運転を契機とした課題解決を地域の方々も期待しておりましたが、相互直通運転につきましては、平成三十一年四月の開業を平成三十四年度下期に変更することが昨年八月に公表されたところでございます。こうした中、東急電鉄は奥沢駅前の踏切において、踏切内に取り残された自動車等を検知し、接近する列車の運転手に異常を知らせる装置を、これまでの線的な検知装置から、より精度が高く踏切全体を立体的に検知する装置に変更し、間もなく使用を開始するなど、さらなる安全対策に取り組んでおります。  区といたしましては、引き続き東急電鉄に一層の安全対策を求めるとともに、相互直通運転の進捗状況を注視しつつ、時機を逸することなく、関係者間で連携し、御提案の技術的検証も含め問題解決に向け取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、特別支援学級の現状について三点御質問、順次御答弁させていただきます。  一点目、ある中学校では、特別支援学級の生徒は専用のクラブ活動しか参加できない、改善すべきとの御質問です。  部活動は、生徒の自発的、自主的な活動として、スポーツや文化及び科学などに親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感を育むなどを目的とした教育活動として、各校の実態に応じて設置しています。現在、知的障害の特別支援学級がある中学校七校全てにおいて、特別支援学級の生徒が部活動への参加をしておりますが、そのうちの一校は参加できる部活動を限定しております。  特別支援学級の生徒については、生徒の状況に応じて担任や顧問などと相談しながら、安全面から一部の活動に制限を加える場合や、生徒が安心して活動できるように特別支援学級の生徒のみで構成された部活動への参加を希望している場合などもございます。さまざまな場合がございますが、障害者差別解消法の趣旨などを踏まえますと、合理的配慮をしながら、どの部活へも入部を希望できるようにすべきであると考えております。  教育委員会といたしましては、全ての生徒が参加したい部活動を選択できるように、担任や顧問などと相談していくことを特別支援学級が設置されている校長に改めて確認をいたしました。今後とも、学校で生徒が意欲的に部活動に取り組める環境をつくることができるよう進めてまいります。  二点目でございます。特別支援学級の軽度の生徒に関しては、個々の意向を尊重した学習を支援すべきとの御質問でございます。  特別支援学級の授業においては、各学校が個別指導計画などを作成し、できる限り生徒一人一人の実態に応じた学習指導をしていくことを原則としております。学校では、教科及び学習内容の特性や指導者の人数などの条件の範囲内で、学級全体で指導したり、小集団で指導したりしております。その中で個に応じた指導ができるよう、教材やプリントを工夫しながら学習を進めております。  また、生徒一人一人の将来の進路などの願いを実現するため、各学校では生徒や保護者とともに進路を考え、充実した学校生活となるようキャリア教育を進めております。生徒の進路選択に向けては、特別支援学級の担任だけでなく、可能な範囲で通常の学級の担任とも連携しております。特別支援学級の教育課程の編成に当たっては、可能な限り個に応じた指導を取り入れ、学習形態や教材の工夫を図るよう改めて特別支援学級設置校長に周知を図り、一人一人の生徒が学ぶ喜びや楽しさ、実感を感じることができるよう指導してまいります。  三点目でございます。運動会における全員リレーで、特別支援学級の生徒で一旦リスタートになる、インクルーシブ教育の観点から改善すべきとの御質問でございます。  運動会は、生徒がスポーツや運動に親しみながら、競争や協同の経験を通して、規則を学んで守ることや協力して責任を果たすことなど社会生活に必要な態度を養う学校行事として、各学校が計画を立てて実施しております。各学校は、運動会の競技種目や取り組み方法などについて、生徒の実態などを考慮しながら決定しております。当該校のリレー競技につきましても、もともとは特別支援学級の生徒に対する配慮方法の一つとして工夫したものでございますが、そのことでかえって疎外感を感じてしまう可能性もございます。  教育委員会といたしましては、各学校の運動会などの学校行事において、特別支援学級の生徒を含めた全ての生徒が達成感を味わうことができるよう、一人一人の実態や希望を把握して、事前の練習や当日の活動を工夫してくよう指導してまいります。  議員のお話にありました学校の状況につきましては、いずれも合理的配慮の視点から反省すべき点がございました。今後、より一層生徒の思いや願いを大切にする特別支援教育の充実を図り、共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆三十九番(板井斎 議員) 地域包括ケアは、全体の戦略を描きながら地域の事情に応じて進める必要があると思います。戦略を描き進める部署はどこなのか、改めて質問します。  それから、特別支援学級については、インクルーシブ教育の構築に当たりまして、教育長の決意を再度お伺いします。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 再質問にお答えします。  先ほど議員のほうからお話がありまして、年末にその概略をお聞きしました。我が耳を疑う内容で、担当課長にその学校の現状を調べるように調査をさせました。調査の結果、今部長から答弁があったような内容でして、大変残念に思っております。と同時に、希望に胸を膨らませて中学校に入った子どもが、部活を選ぶときも含めてそういうつらい思いをさせたということは、本当に残念に思っております。  私ども、第二次教育ビジョンでは、ニーズに応じた特別支援教育ということで、重点事業に掲げて取り組んでまいりました。また、今年度は障害者差別解消法も施行され、東京の中でも大きい区の中で、特別支援教室をいち早く導入してまいりました。その過程で、いろいろ議員のお話もありましたような話もありましたので、三学期に入る前に、小中合同校長会議、障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、適切な対応をするように周知しました。  本日の議員のお話も踏まえまして、改めまして、議場のやりとりも踏まえまして、小中校長会のほうに徹底してまいりたいと思っております。  大変御指摘ありがとうございました。 ◎金澤 保健福祉部長 板井議員の再質問にお答えいたします。  地域包括ケアの地区展開を進めるに当たりまして、区では全庁的な課題と捉え、本庁と総合支所、まちづくりセンターが連携して取り組んでおります。具体的には、総合支所が主体となって進めている地区アセスメントの取り組みや、地域行政部が調整したまちづくりセンターの相談環境等の整備、福祉領域で取り組んだ地区連携制度の導入など、それぞれの所管が検討し、責任を持って取り組んできております。これらの各所管が検討、立案した取り組みを実施するに当たっては、副区長をトップとした関係所管で構成する地域包括ケア地区展開推進会議で方向性や内容等について議論した上で進めてきているところでございます。  以上でございます。 ◆三十九番(板井斎 議員) 以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で板井斎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  世田谷区民会館において、第十一回十四歳の成人式が一月二十八日実施されました。十四歳の成人式は、世田谷区立中学校二十九校の生徒会代表の中学校二年生が、月に一回程度集まって生徒会サミット活動を行って、各学校の生徒会の取り組みなどについて発表し、そして、どうすれば中学生活がより豊かなものになるか、自分たちが実践すべきことは何か、そして何ができるのかなどを話し合い、その取り組みの成果を発表する会です。毎年趣向を凝らした中学生らしい発表となっていて、いつも楽しみにしています。  ことしの全体のテーマは、「社会とのつながり~十四歳 今、私たちにできること~」というもので、各学校の生徒会のメンバーが日ごろ取り組んでいる活動の紹介をしながら、その意義などを後輩たちに訴えていました。  区内の中学校、四つのブロックがそれぞれに挨拶の大切さや人と人のつながり、支え合い、優しさの循環などといったキーワードを使いながら、中学生らしい表現で発表していました。また、演劇形式での発表もあれば、テレビのバラエティー番組を参考にした形式の発表もありました。自分たちで撮影したビデオ映像を使ったり、パソコンのプレゼンテーションで伝えたりと、最近の子どもたちらしい表現方法に感心させられました。会場にいる一年生も先輩たちの発表に、真面目に耳を傾けたり、三択クイズに参加したりしながら、先輩たちからのメッセージをしっかりと受けとめていた様子で、頼もしく思いました。  四つのブロックの発表の後には、中学生からのまとめとして、社会とのつながりを深めるためには、まず挨拶を大切にすることから始まることや、人は一人ではなく多くの人に支えられていることに感謝し、思いやりのある十四歳になりたいといったことなどが伝えられ、最後は、中学生であっても社会のためにできることがたくさんあることに気づいたので、皆さんとともに挑戦していきたいと締めくくっていました。  中学生の立派な主張を聞き、参観に来ていた保護者や地域の方々も、背筋がぴんと伸びるような感じでした。最後の合唱では、生徒会のメンバーと会場が一体となり感動しました。  終了後には、メンバーが会場の一年生や大人たちが退場する前にロビーに向かい、出口まで整列し、アンケートを受け取り、感謝の言葉を投げかけて見送ってもらいました。どの生徒も笑顔で充実感に満ちあふれていました。私もたくさんの生徒さんに声をかけられ、また来年も来たいという気分になりました。  私は、毎年十四歳の成人式に参加しています。中学生の熱心な姿を拝見し、二十歳の大人の成人式よりも素晴らしいのではないかと感じるほどです。この取り組みが今後も一層充実し、より多くの生徒、保護者の方々が参加し、子どもたちが大きく成長することを願っています。  そこで、十四歳の成人式の取り組みをよりよいものにするために、ことしはどのような工夫をしたのか、また今後どのように充実させていくのか、区の教育委員会の考えをお伺いします。  ことしの一月、大相撲で十九年ぶりとなる日本出身の横綱稀勢の里が誕生し、多くの人たちが長年待ち望んでいたこともあり、明治神宮の土俵入りには大観衆が集まり盛り上がりを見せていました。そして、三月場所の大相撲のチケットもすぐに完売するなど、その活躍に大きな期待が寄せられていました。日本人横綱の誕生により、日本国技の相撲を通じ、日本文化に改めて光の当たる明るい話題でした。  その一方で、昨年末からノロウイルスなど感染性胃腸炎の大流行により、区内のいろいろなところで餅つきが中止になるなど深刻な影響が出ていることに心配をしていました。このような状況の中、運営にかかわる役員さんの努力もあり予定どおり実施された一月二十一日、区内三カ所のお餅つきの会場を訪れました。  まず、喜多見児童館、そして代田南児童館、そして桜小学校と伺いました。中でも桜小学校の餅つきでは、小学校全員の教員が参加し、そして、卒業生、御近所の人、さらには親父の会が全員集まっていました。そのような学校と地域が一体となった餅つきに、ことしは東京農大の相撲部全員が餅つきに来てくれて、力強くお餅をつき、あっと言う間に餅ができ上がり、みんな大喜びの笑顔あふれる楽しいイベントとなっていました。  餅と言えば食、食べるものは本当に大切なので、区では、太子堂調理場が施設の老朽化によって平成三十一年度の夏から大規模な改修工事に入り、二学期と三学期に給食の提供ができなくなるとのことで、家庭からお弁当持参を基本としつつ、仕出し弁当なども選択できるようにするという話を昨年伺いました。今月六日の文教委員会では、太子堂調理場の工事期間中に調理場から給食を運ぶことができなくなる中学校に対し、弁当方式給食を提供することを検討しているとのことでした。  私は、世田谷区の教育関係に長年携わっていましたが、世田谷区で弁当方式給食を実施したことはこれまで聞いたことがありません。今回の弁当方式給食は、民間事業に委託して行うと聞きましたが、改めてその弁当方式給食の内容と今後事業者選定など、どのように行っていくのかお伺いします。また、育ち盛りの中学生に提供することになるのですから、弁当給食の献立メニューには、区が積極的にかかわって、例えば子どもたちが大好きなリクエスト給食弁当などもぜひ実施してほしいと思います。区の見解をお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎工藤 教育政策部長 私からは、十四歳の成人式の充実に向けて、今後どのような工夫を行っていくのか、今後の展望についてとの御質問に御答弁いたします。  十四歳の成人式は、生徒会サミットとして七月から毎月一回程度、中学校全校の生徒会代表者が集まり、自校の活動について情報交換したり、テーマに基づく新たな取り組みを実践したりした成果について発表をしています。今年度の工夫としましては、ここ数年のテーマは、いじめの防止やインターネットの適切な利用など今日的な課題でしたが、今回は生徒の話し合いの中で、社会とのつながりというみずからが社会に働きかけるものになりました。また、式の最後に会場の一年生と歌う曲を、教科書にも掲載され、親しみやすくテーマに合った合唱曲とし、一体感をさらに高めるようにいたしました。  メッセージを受けとめた一年生からは、発表を楽しむと同時に、学校で行っていた生徒会活動が改めて理解できた、地域の人たちと交流して人の役に立ちたいといった決意などが聞かれました。また、参観をされた保護者や地域の方からは、中学生も地域の一員として一生懸命考え、行動しているということがわかったなどの感想をいただいております。  教育委員会といたしましては、区立中学校の生徒が中心となり実践した活動を広く発信していくことは大変重要であると考えておりまして、今後とも中学生が主体的に取り組む活動がさらに充実するよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 教育次長 私からは、太子堂調理場改修期間中の対応について、三点御答弁申し上げます。  最初に、弁当方式給食の概要についてでございます。  太子堂調理場の改修期間中の給食提供につきましては、この間、その対応の検討を行ってまいりましたが、改修期間が七カ月と長期にわたることや、保護者や学校の負担を考慮し、改めて弁当方式給食として実施することで検討を進めております。  弁当方式給食とは、太子堂調理場の搬送校七校を対象に、区の栄養士が作成した献立に基づき、民間事業者が業者の施設で調理した給食を弁当箱に盛りつけて届けるという方式となります。太子堂調理場の搬送校には、給食を受け入れる配膳室がございますので、ここに弁当を搬入し、牛乳とあわせて配膳車で各クラスに提供する流れを考えております。献立の作成や食材の発注のあり方など、弁当方式給食の具体的な内容につきましては、今後業者や関係所管などと調整を図り、生徒にとってよりよい給食内容となるよう検討を進めてまいります。  次に、委託業者の選定に関してです。  事業者選定に当たりましては、まず国が基準としている学校給食摂取基準に沿った栄養バランスの取れた献立内容を提供できることを必須の条件とし、さらに、衛生管理についても学校給食の衛生管理基準などに基づき、適切に管理運営している事業者より選定していくことを基本としております。  現在学校給食として弁当方式給食を実施している他自治体や事業者の調査を行い、事業者選定のあり方について検討を進めておりますが、学校給食として実績があることを考慮し、生徒の安全を第一に考えた給食提供ができる事業者を選定してまいります。  最後に、リクエスト給食などの実施についてでございます。  学校給食では、児童生徒が好ましい食習慣を身につけ、社会性や人間性を育てることを目的に特色ある給食活動を推進しております。特色ある給食活動の一つに、児童生徒の給食への関心を高めるため、事前に希望メニューのアンケートをとり、献立作成に取り入れるリクエスト給食があり、多くの学校で好評をいただいております。弁当方式給食実施に当たりましては事業者との調整が必要となりますが、献立メニューについて区がかかわり、栄養バランスのとれた献立内容であることはもちろんですが、生徒に人気のあるメニューを取り入れることができるリクエスト給食なども行いながら、給食の時間が引き続き生徒にとって楽しみな時間となるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございます。  今般、立川のほうですけれども、調理場でつくった給食が、今あんな感じで食中毒があったりしているもので、調理場というのは老朽化して、今回子どもたちもちょっと弁当給食になるけれども、大変おいしいお弁当ができると子どもたちは期待しております。  そして、小学校にはランチルームがあるんだけれども、中学校には結構ランチルームがないもので、新しい学校をつくるときには、ぜひ中学校にもランチルームをつくっていただければいいんじゃないかなと要望して質問を終わります。  ありがとうございました。 ○上島よしもり 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、五番あべ力也議員。    〔五番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆五番(あべ力也 議員) まず、ふるさと納税について伺います。  一月十日付のブルームバーグの報道で、政策経営部の課長がその取材に答えて、高所得者が生活用品を受け取って節税に当てる可能性もあると、納税者を悪者にし、責任転嫁するがごとき発言をしていますが看過できません。部長も了解の上での回答だったと聞きましたが、この部分の撤回と区民の納税者に謝罪すべきと思いますが、まず見解を求めます。  区長も、役人の皆さんも、ふるさと納税の影響を矮小化して十七億円、三十億円という区民税減収額だけを問題視していますが、その視点を変えるべきです。ほとんど対策を講じなかった二年間で世田谷区民が全国の自治体に約百二十三億円を超える寄附をしているということは、約百二十三億円の市場があるということです。また、世田谷区経済全体への乗数効果は、産業政策部が世田谷プレミアム商品券発行金額に対する経済効果を一・八五倍と算出していますから、これをもとに試算すると約二百二十八億円のマイナスの経済効果となります。  返礼品事業は世田谷からの寄附金流失を食いとめる対策の一つと考えられますが、たとえ、そのための経費が五割、約六十億円、またそれ以上かかっても、投資効果という観点では、区の消費・経済活動に転換され、効果を最大化すると捉えて事業に取り組むべきと考えますが区の見解を求めます。  また、一貫して消極的だった返礼品を記念品という形で始めるということですが、既存の物品を並べるだけでは全く不十分です。ふるさと納税にふさわしい品を創出すべきです。この間、私は体験型の返礼品などあらゆる提案を繰り返してまいりましたが、今後は、この問題解決に、適切、スピーディーな状況判断できず寝ぼけたような言いわけを繰り返す区長や、スキルもノウハウもやる気も危機感もない役人の皆さんの中だけで議論するのではなく、産業界との連携やコンサルに案を出してもらうなど、これなら世田谷区に寄附しようという返礼品の工夫をすべきです。見解を伺います。  私が、ふるさと納税による区民税の流出を懸念し、さまざまな提案をするたびに、区長は過度の返礼品競争には加わらず、世田谷らしい寄附文化の醸成に取り組むとの回答を呪文のように繰り返してまいりました。また、一方で、国の制度が悪い、改正に向けて要望すると当てのない言いわけに終始してきました。その結果、約百二十三億円の流出を許した責任が区長にあることは厳然たる事実です。この責任をどのように受けとめて取り組みを進めるのか、区長の決意と対策を伺います。  また、その対策等について他会派への答弁では、区民への周知により理解を得る、財源流失をとどめる取り組みを進めるなど具体性を欠くものでしたが、具体的に何をどう周知し、何に取り組むということですか。議場では極めて歯切れの悪い答弁ですが、区長はブログなどでは極めて雄弁に語られていますので、詳しくはウエブでということでしょうか。それとも、寄附文化醸成区長は流失した約百二十三億円をどうして取り返したかとかいう題名の著書の出版を待たなければならないのでしょうか。具体策をわかりやすくお答えください。
     次に、学校給食無償化について伺います。  義務教育ばかりでなく、高校での授業料無償化など教育の機会均等に向けた取り組みはこの国の将来への投資です。昨今、子どもの貧困や教育格差が社会問題になる中、子ども食堂などの活動に象徴される格差を穴埋めする公共や民間の取り組みが注目されています。学びの場でのさらなる環境整備も必要です。  そこで、小中学校での給食費の無償化を提案いたします。財源でありますが、給食費の保護者負担分はおよそ二十五億円です。実施となれば恒常的な支出になりますので安定財源を確保しなければなりませんが、ふるさと納税で失われた約三十億円を取り返せば給食費無償化してもおつりがきます。世田谷区の給食費無償化に向けたクラウドファンディングの検討や、区財政の無駄を洗い出し財源を捻出するなど目標を掲げてみてはどうかと思いますがいかがでしょうか。  もう既に給食費の無償化を実施している自治体は、日本全国に多数存在します。また、葛飾区などは、多子世帯の第三子以降の給食費を全額補助しています。まずは、第三子以降の無償化、続いて、最終的には完全無償化を目指すべきと思いますが、教育長の見解を求めます。  次に、下北沢まちづくりについてです。  下北沢代表訴訟の終了に当たって、世田谷区が示した世田谷区の意思表明における協働の場の設置についてです。区としてそのあり方をどのように検討したのか伺います。  もし北沢PR戦略会議が協働の場であるとするならば、世田谷区行政の中での位置づけと効果はどのように考えるのか。つまり、世田谷区の意思表明に言う区民と行政の協働の場であるという認識の意思表明は、地域住民や原告団に何を保障し、どのような権限を付与した会議であると理解すればよいのか。また、北沢PR戦略会議から出された提案はどのように処理されるのか。区の見解を求めます。  次に、オリンピック・パラリンピックについてです。  今般、新たにスポーツ施設整備に関する基金を創設するなど、世田谷区が計上するオリンピック・パラリンピック経費は膨らんできています。しかしながら、世田谷区の施策の優先順位は、本来、区民の切実な要望に応えるものでなければなりません。オリンピックというお祭りで浮かれた気分で、全体経費がはっきり見えず次から次にふえていくというのでは賛同するわけにはいきません。二〇二〇年までにオリンピック・パラリンピックに費やす世田谷区の積算金額は幾らになるのか、明確な上限額をお示しいただきたいと思います。  次に、土地開発公社廃止についての提案です。  世田谷区では、道路用地や公園用地などを取得するに当たり、土地開発公社を経由して購入することが多く、区が国庫補助金を効率よく得る仕組みとしては有効ですが、土地開発公社が土地を購入する際の銀行からの借入利息に、毎年二億円近くを区の予算の中から支出していることには疑問を感じます。  江戸川区は、土地開発公社を経由せず用地取得基金を活用し、区が直接用地買収をしていると聞いています。世田谷区は十数年前に財政が逼迫し基金を取り崩した結果、基金存続が困難となり基金を廃止し、土地開発公社の借り入れに依存する結果となったわけですが、現在財政状況が好転し、子ども基金やスポーツ推進基金などの新設が活発化しています。世田谷区でも一旦縮減に向かった基金ですが、用地取得基金を再開設し利息負担をなくす取り組みをすべきと思いますが、区の見解を求めます。  最後に、原付のデザインナンバーについての提案です。  自動車の地方版図柄入りナンバープレートが実施決定していますが、一方で、世田谷区が発行しているナンバープレートに原付ナンバーがあります。自動車ナンバーと同じように寄附金を募ることは困難とのことですが、区民の区への愛着醸成、観光面からのPRには、原付ナンバーのデザイン化の効果は有効と考えます。自動車の地方版図柄入りナンバープレートの導入スケジュールも踏まえて検討すべきと考えますが、区の見解を求めて、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員にお答えをします。  ふるさと納税について、その責任についてというお尋ねでございます。  ふるさと納税の影響については、平成二十七年度の特例控除額の上限の引き上げ及びワンストップ特例制度の導入によって、一挙にその規模が拡大しました。区の場合、寄附額で七億六千万円から四十三億六千万円、区民税の影響額で二億六千万円から十六億五千万円へと急増いたしております。  この急上昇は、国の制度改正により全国的な返礼品の競争が過熱をしたこと、また、ワンストップ特例制度では所得税分まで控除されるにもかかわらず、東京二十三区など一部の自治体のみが不交付団体ということで減収分を補填されないなどの不公平もあります。  住民サービスの根幹をなす住民税に余りにも大きな影響を与えていることから、招集挨拶でも述べたとおり、ふるさと納税の見直しは絶対に必要であると国に要望し、現にその準備をしているところであります。  ただ、私自身の反省といたしましては、ふるさと納税制度が区財政にこうして影響を与えていることについて、区民にわかりやすく、目につきやすい周知、宣伝が不足をしていたという点にございます。この間、産業団体や税関連団体の会合等で、この影響額のお話をすると、それほど深刻なのか、あるいは制度の見直しは必要だ、それについて協力をする、こんな声もいただいております。昨年も「区のおしらせ」特集号で、七つの基金を紹介し寄附を呼びかけました。今後もこの基金については訴えを続けるとともに、また、改善、工夫も進めてまいります。  今回、ふるさと納税等対策本部を設置し、速やかに区民周知のため、例えばチラシ、リーフレット等印刷物を準備するとともに、これ以上の税源流出の歯どめをかけるために、世田谷区としてふるさと納税のスキームにどのような工夫を凝らしていくのか、効果的な対策に取り組んでいく所存です。  二点目、下北沢まちづくりについてであります。  小田急線上部利用計画、都市計画事業及び地区計画など各事業につきましては、これまでも区民参加のもと、区民の皆様と参加と協働でつくり上げてきたものであり、今後もこれらを前提にしながら、継続して区民との協働のまちづくりに取り組んでいきます。  具体的には町会、商店街、あるいは地域で活動するさまざまな団体を初めとし、また、団体に属さない個人の方も含めて、まちづくりの過程で区民の御意見を幅広くいただくことであり、北沢PR戦略会議はそのための協働の場の一つとして、参加資格を問わない、参加の垣根のない仕組みで構成していると考えています。  現在、北沢PR戦略会議では、駅前広場、みどり、イベントなどのそれぞれの部会に分かれて、事業や空間のあり方、この点についての検討を進めています。北沢PR戦略会議から出された提案は、区としてもきちんと受けとめてまいります。区の事業は、最終的に区が決定するに当たり、住民の参加は大変重要なことであると認識しています。ともに知恵を出し合う協働は、まちづくりに欠かせないものと認識しています。  まちづくりは、ハードの完成で終わるものではなく、長い期間にわたって住民に理解され、改善を積み上げていくソフトの面、この両面からしっかり取り組むことが大切であり、町のさらなる発展を目指して、区民との協働のまちづくりを実践してまいります。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 学校給食費の無償化について御質問いただきました。  学校給食費に要する経費負担につきましては、学校給食法等の規定に基づき、食材費は保護者の方に負担していただくことになっており、それ以外の光熱費や人件費等の費用につきましては、公費で負担しているところでございます。しかしながら、少子化や過疎化を背景に、子育て世代の流出を防ぐことなどを目的に給食費の無償化を図る動きが小規模な自治体を中心に徐々に広まっていることにつきましては認識しております。  子どもの貧困や教育の格差、教育の機会均等に向けた取り組みについて、国においても対策が進められているところですが、世田谷区においては、全児童生徒約四万五千人の保護者に毎年度二十五億円の負担をいただいており、給食費負担のあり方の整理や安定的財源の確保などの課題があると考えております。  葛飾区のお話も交え御提案をいただきましたが、大きな課題となりますので、次世代を担う子どもたちのためという総合的な視点を持って区長部局と連携して考えてまいります。  以上でございます。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、ふるさと納税についてネット報道における発言について、また投資効果という観点から寄附金をとどめる事業に取り組むべきというお尋ねにまとめてお答えいたします。  ネット報道に関する取材対応の経過といたしましては、昨年十二月に記者の方から電話による取材を受け、制度の説明に加えて、区としての呼びかけや記念品などの充実に向けて努力をしているなどの内容のほか、区歳入が減ることへの対応や課題等についてお答えした旨の報告を受けております。取材に対しては事実と認識を述べたもので問題はないものと考えております。  ふるさと納税の影響につきましては、寄附金額に注目をしますと、二十八年度では四十三億円、二十九年度当初予算では、区民税の影響額三十億円としております。それに対する寄附見込みとして八十億円、合わせると、ここ二年で他の自治体に約百二十億円を超える寄附となるわけですが、これは二十九年度当初予算の中で、小中学校の改築改修経費に相当する極めて大きな規模となります。  また、返礼品に関しては、みずからの地域の生産品を取り扱うことで、事業者の収益、従事者の所得の増加を初め、自治体の税収増加にもつながることから、一定の投資に伴い自治体のPRや産業の活性化に寄与する面があるものと認識はしてございます。 ◎岡田 総務部長 私からは、ふるさと納税に関連しまして返礼品の工夫について御答弁申し上げます。  区では、ふるさと納税による影響が看過できない状況にあることから、いわゆる返礼品合戦とは一線を画した上で、来年度より産業振興を初め、福祉施策の推進、文化芸術振興などへの取り組みをさらに応援していただく観点から、一定額以上の寄附をいただいた方々に、世田谷みやげや区内の障害者施設の自主生産品、世田谷美術館などで販売している商品を記念品として贈呈するための準備を進めているところでございます。  今後は、区長を本部長として立ち上げました世田谷区ふるさと納税等対策本部のもと、体験型と言われる区事業等への参加機会の提供や、使い道と目標額を明確にしたクラウドファンディングの活用、さらには、お話にあったことも視野に入れながら、幅広い観点から世田谷の魅力を発信し、寄附文化の醸成を図るとともに、財源流出を抑制するため、全庁挙げて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎五十嵐 スポーツ推進担当部長 私からは、オリンピック・パラリンピック関連予算についてお答えいたします。  オリンピック・パラリンピックに関する経費といたしましては、平成二十九年度予算説明書別冊に記載のとおり、東京二〇二〇大会に向けて世田谷区全体の機運醸成、また障害スポーツの振興、国際交流の推進、まちなか観光の推進、まちづくり、そしてオリンピック・パラリンピック教育の推進など、全体で五億四千五百五万円の予算を計上しております。  中でも、東京二〇二〇大会に向けた機運醸成につきましては、区制八十五周年記念事業と合わせて行うイベントや、区立小学校へサラブレットを派遣する触れ合い出張事業、啓発物品の制作、USOCとの協定締結に向けた準備などで二千八百十十七万九千円となっております。  東京二〇二〇大会をきっかけに、世田谷の魅力を高め、区民の皆さんに多くのレガシーを残していくためには、限られた時間や財源の中で区を挙げてさまざまな事業に取り組む必要があると認識しております。  こうした点を踏まえ、オリンピック・パラリンピックに関する事業につきましては、費用対効果や実施のタイミングを見きわめるとともに、事業執行に当たっては効率的な運営に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎本橋 財務部長 私からは二点御答弁いたします。  まず、土地開発公社の自主負担をなくし、用地取得基金を再開設すべきとの御質問でございます。  世田谷区土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、区が設立した公法人です。区は、道路や公園用地、また施設用地等の公有地を取得するに当たり、各事業計画に基づき、補助金等の確実な導入など年度間予算の平準化の観点から、財源調整した物件について土地開発公社へ公有地の先行取得と買い戻し処分を依頼しております。  お話にございました区の用地買収基金につきましては、平成三年度のピーク時には十億円ございましたが、その後段階的に取り崩し、土地開発公社の活用で公有地先行取得の目的が達成できることから、平成十三年度には基金条例を廃止している経緯がございます。公有地の取得に必要な財源の確保につきましては、今後も社会経済情勢や財政状況を見据えるとともに、費用負担を縮減した他区の取り組みを参考に、効率的な用地取得に努めてまいります。  次に、原動機付自転車のデザインナンバーにつきまして御答弁いたします。  現在区で登録の手続を行い、ナンバープレートを交付している原動機付自転車等は、五十CC以下、九十CC以下、百二十五CC以下、小型特殊自動車、ミニカーの五種類あり、区における合計登録台数は平成二十八年四月現在で約三万台、毎年の新規登録台数は約四千台でございます。  議員お話しの原付自転車等のデザインナンバーは、全国で四百を超える自治体で導入され、二十三区では練馬区、墨田区、大田区など七区が取り組んでおります。ナンバープレートの図柄には、ご当地の特産品や観光資源、ゆかりの動植物やキャラクター等がデザインされるなどさまざまな工夫が凝らされているところでございます。区の独自デザインによる原付ナンバーにつきましては、区民の区への愛着醸成や町のPRなど、観光振興の観点からも有効なツールの一つと認識しております。  今後は、自動車における地方版図柄入りナンバープレート導入も踏まえて課題を整理し、先行自治体の事例も参考に検討してまいります。 ◆五番(あべ力也 議員) まず、ブルームバーグの取材に対する回答ですが、評論家が論じているならまだしも、税金で食べている役人の発言としては、極めて私は不適切だと思いますので、反省していただきたいと思います。  また、ふるさと納税に関してですけれども、区長から回答いただきましたけれども、今般の目標額とかそういうものに対しては全くお答えになっていないんですけれども、これはどういうふうに設定をするのかということを、まずお答えをいただきたいと思います。  また、パラリンピック・オリンピックに関する上限の目標ですけれども、これはいつになったらこの金額が出せるのかお答えをいただきたいと思います。  また、北沢のPR戦略会議は、協働の場の一つとしてと区長はお答えになっていますけれども、では、協働の場というのはほかにもあるという認識でいいですね。  それと、給食の無償化の問題ですけれども、特に第三子に関しては、これは世田谷区でも早急に実施していけるんじゃないかと思いますけれども、教育長からお答えをいただきましたけれども、区長のお考えもお聞きしておきたいと思います。よろしくお願いします。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えをいたします。  まず、ふるさと納税ですけれども、今年度、一月末までに約二千三百四十万ですか、世田谷区に入った金額。そのうち、十二月にふるさとチョイスを導入しまして百五十万円。これは特に返礼品等ないわけですけれども、しかしながら、ここでやはり児童養護施設の基金に対する割合が非常に大きかったんですね。ほとんどと言っていいくらい。ですから、やはり寄附も具体的な使途を示して呼びかけていくべきだと思っています。  ふるさと納税を利用した目標額を示せということなんですが、その点も含めて現在対策本部で検討を重ねて、どのようなアプローチで、また記念品という言い方をしていますけれども、これまでの扱いと変えて、さらに税源流出を阻んでいこうというプロジェクトを立てていきますので、少しそこはお待ちいただきましと思います。  ただ、寄附全体については、今年度は約一億円と、これは遺贈という金額が多い寄附が入ってくると億を超えるわけですけれども、例年数件遺贈がある場合、またない場合は数千万円の寄附ということでこれまで推移してきました。寄附全体については、区民や区にゆかりのお気持ちということで、これはちょっと目標額はなかなか設定しづらいなというふうに考えています。  北沢PR戦略会議、これは協働の場の一つと申し上げたわけですけれども、これは本当に重要な大きな協働の場であるとお答えをしておきたいと思います。  給食費の無料化について全国の自治体で広がっています。このことについて、世田谷区は、まさに今公会計化の導入をしているところであって、この実情を見ながら判断をしていきたいと思っています。  以上です。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、オリンピック・パラリンピックにかかります経費につきましての再質問に御答弁申し上げます。  この間、国や東京都、組織委員会のほうと交渉に当たってきた立場で御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会時に、馬事公苑周辺の警備体制やボランティアの仕組み、さらには立候補ファイルにある駒沢オリンピック公園が公式練習会場として決まっていないことから、会場周辺の整備等の必要性について、区と組織委員会との役割分担が明確になっておりません。  昨日ですが、東京都知事の施政方針におきましては、五輪にかかります経費の関係について触れられたようですけれども、まだ私どものほうに明確にその辺の具体的な内容は届いていないという状況でございます。  現在、国や組織委員会、東京都に対しても、費用負担を含めた役割分担の明確化について、早急に示してほしいということで働きかけを行っているところでございます。また、現時点におきまして負担金として拠出を求められているわけではございませんが、仮に国や東京都が負担すべき費用の一部について区へ負担を求められた場合におきましても、基本的に区で費用の負担をするということを考えているわけではございません。一方で、区のレガシーとして必要な事業、例えばUSOCのキャンプの受け入れ、先般御案内いたしました陸上競技場の改築などは、これは区の費用で実施したいと考えております。  ただし、今後ともハード、ソフトいずれもですけれども、国や東京都のほうに、こちらにつきましても、財政支援については引き続き求めていきたいと考えています。  こういう状況の中で、さまざまな条件などが明らかになりまして、区と組織委員会の役割やスケジュール、事業規模が判明した段階で目標値を示したいと考えています。また、タイミング的にはUSOCとの契約交渉が、今目標としてはことしの九月ということで、そちらのほうで具体的な内容を詰めたいと考えておりますので、そういう意味では、夏前ぐらいをめどに一回は具体的その状況について議会のほうにお示ししたい、このように考えております。  以上です。 ◆五番(あべ力也 議員) 区長の答弁で、北沢の協働の場というのは、ほかにもつくるという認識でよろしいんでしょうか。  それと給食の関係ですけれども、教育長は保護者に負担をいただくということになっているということですけれども、これは通達で負担をさせることができるという通達だと思うんですけれども、その辺を確認させてください。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 先ほど区長のほうから、北沢PR戦略会議につきましては重要な協働の場ということでお答えさせていただきました。一つという言い方をされましたけれども、個々の事業におきましては、小田急上部利用につきまして、公園の実際の事業ですとか、さまざまな事業が出てきますので、その際には、その都度ごとにまた個別のワークショップ等も開催していきますので、そういう意味では、一つの重要な協働の場ということでお答えさせていただいたところです。  以上です。 ◎岩本 教育次長 給食費の保護者負担について再質問いただきました。  御指摘、お話しいただきましたとおり、原則を定めただけであって、学校給食法施行のときに、自治体からの補助を禁ずるものではないという通知もあわせて出されているものでございます。  以上でございます。 ○上島よしもり 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十四日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十七分散会...