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  1. 世田谷区議会 2016-11-30
    平成28年 12月 定例会-11月30日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成28年 12月 定例会-11月30日-03号平成28年 12月 定例会 平成二十八年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十九号  十一月三十日(水曜日)  出席議員(五十名) 一番   おぎのけんじ 二番   加藤たいき 三番   河野俊弘 四番   青空こうじ 五番   あべ力也 六番   ひうち優子 七番   上川あや 八番   すがややすこ 九番   和田ひでとし 十番   上山なおのり 十一番  石川ナオミ 十二番  高岡じゅん子 十三番  田中みち子 十四番  阿久津 皇 十五番  佐藤美樹
    十六番  小泉たま子 十七番  河村みどり 十八番  津上仁志 十九番  山内 彰 二十番  畠山晋一 二十一番 真鍋よしゆき 二十二番 上島よしもり 二十三番 大庭正明 二十四番 田中優子 二十五番 桃野よしふみ 二十六番 そのべせいや 二十七番 福田妙美 二十八番 高久則男 二十九番 安部ひろゆき 三十番  三井みほこ 三十一番 ゆさ吉宏 三十二番 江口じゅん子 三十三番 桜井 稔 三十四番 たかじょう訓子 三十五番 中村公太朗 三十六番 藤井まな 三十七番 岡本のぶ子 三十八番 平塚敬二 三十九番 板井 斎 四十番  山口ひろひさ 四十一番 石川征男 四十二番 菅沼つとむ 四十三番 中里光夫 四十四番 村田義則 四十五番 羽田圭二 四十六番 風間ゆたか 四十七番 中塚さちよ 四十八番 諸星養一 四十九番 佐藤弘人 五十番  高橋昭彦  出席事務局職員 局長     小田桐庸文 次長     望月敬行 庶務係長   小池 篤 議事担当係長 井上徳広 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 佐々木 崇 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 月岡弘志 調査係長   谷澤真一郎  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    板垣正幸 副区長    宮崎健二 世田谷総合支所長        内田政夫 北沢総合支所長        男鹿芳則 玉川総合支所長        小堀由祈子 砧総合支所長 寺林敏彦 烏山総合支所長        進藤達夫 政策経営部長 板谷雅光 地域行政部長 萩原賢一 総務部長   岡田 篤 危機管理室長 澤谷 昇 財務部長   本橋安行 生活文化部長 田中文子 環境総合対策室長        菊池弘明 産業政策部長 花房千里 清掃・リサイクル部長        松下洋章 保健福祉部長 金澤弘道 障害福祉担当部長        松本公平 高齢福祉部長 瓜生律子 子ども・若者部長        中村哲也 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        渡辺正男 みどりとみず政策担当部長        髙木加津子 道路・交通政策部長        青山雅夫 土木部長   小山英俊 教育長    堀 恵子 教育次長   岩本 康 教育環境推進担当部長        志賀毅一 教育政策部長 工藤郁淳 総務課長   星 正彦     ──────────────────── 議事日程(平成二十八年十一月三十日(水)午前十時開議)  第 一 一般質問  第 二 議案第九十八号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例  第 三 議案第九十九号 世田谷区特別区税条例等の一部を改正する条例  第 四 議案第 百 号 旧世田谷区立若林中学校解体工事請負契約  第 五 議案第 百一 号 世田谷区立代沢小学校解体工事請負契約  第 六 議案第 百二 号 世田谷区立スカイキャロット展望ロビー条例  第 七 議案第 百三 号 世田谷区立敬老会館条例の一部を改正する条例
     第 八 議案第 百四 号 世田谷区農業委員会委員定数条例の一部を改正する条例  第 九 議案第 百五 号 世田谷区農業委員会の求めに応じて出頭した関係人に対する費用弁償条例の一部を改正する条例  第 十 諮問第 二 号 人権擁護委員候補者推薦の諮問  第十一 議案第 百六 号 世田谷区指定地域密着型サービスの事業の人員等の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第十二 議案第 百七 号 世田谷区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員等の基準等に関する条例の一部を改正する条例  第十三 議案第 百八 号 世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金条例の一部を改正する条例  第十四 議案第 百九 号 世田谷区保育料条例の一部を改正する条例  第十五 議案第 百十 号 世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例  第十六 議案第百十一号 世田谷区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例  第十七 議案第百十二号 世田谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例  第十八 議案第百十三号 世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者の指定  第十九 議案第百十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第二十 議案第百十五号 特別区道路線の認定  第二十一 議案第百十六号 特別区道路線の認定  第二十二 議案第百十七号 世田谷区中学校給食費会計条例の一部を改正する条例  第二十三 議案第百十八号 世田谷区立学校設置条例の一部を改正する条例  第二十四 同意第 二 号 世田谷区教育委員会教育長任命の同意  第二十五 同意第 三 号 世田谷区教育委員会委員任命の同意  第二十六 同意第 四 号 世田谷区監査委員選任の同意  第二十七 請願の付託     ──────────────────── 追加議事日程  第 一 議案第百十九号 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例  第 二 議案第百二十号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 三 議案第百二十一号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 四 議案第百二十二号 世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例  第 五 議案第百二十三号 世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例  第 六 議案第百二十四号 世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例  第 七 議案第百二十五号 世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、追加日程第一から第七 企画総務委員長報告、表決  三、日程第二から第五 企画総務委員会付託  四、日程第六から第九 区民生活委員会付託  五、日程第十 委員会付託省略、表決  六、日程第十一から第十八 福祉保健委員会付託  七、日程第十九から第二十一 都市整備委員会付託  八、日程第二十二及び第二十三 文教委員会付託  九、日程第二十四 委員会付託省略、表決  十、日程第二十五 委員会付託省略、表決  十一、日程第二十六 委員会付託省略、表決  十二、日程第二十七 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○上島よしもり 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○上島よしもり 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。  一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  一番おぎのけんじ議員。    〔一番おぎのけんじ議員登壇〕(拍手) ◆一番(おぎのけんじ 議員) おはようございます。通告に従い順次質問してまいります。  まず、公共交通不便地域の解消について伺います。  区では、今年度、世田谷区交通まちづくり行動計画に基づき、公共交通不便地域対策調査・検討委員会を設置しました。取り組み内容として、具体的検討に向けた調査分析等となっており、九月に顔合わせ的な第一回が開催されたと聞いています。また、不便地域解消にかかる予算ですが、昨年度は、等々力~梅ヶ丘間の実験運行委託費等で約七百万円、今年度も調査費用として約六百万円が計上されているだけです。私自身、不便地域に住んでいた者として、また、地域の方からの声も多々寄せられている立場として、今なお区の取り組みに対し本気度を感じることができていません。不便地域解消は、過去、議会でも幾度となく取り上げられてきた問題であり、もはや調査分析の段階ではなく、相応の予算措置をとり、解消策の実行フェーズに移行すべきと考えます。  この期に及んで検討委員会を設け、調査、分析、議論することの意義、期待する成果は何だと考えているのか、あわせて、不便地域解消の進捗度合いに対する区の認識をまずお聞かせ願います。  続いて、不便地域解消策としてのコミュニティバス運行について伺います。  平成十年のタマリバーバスから、来年から運行が始まる等々力~梅ヶ丘間まで、十八年間で十路線が導入されています。区が実験運行委託費を捻出し、バス事業者との粘り強い交渉の末、導入までこぎつけたことに対しては一定の評価をするところでありますが、事業者の採算性に対する見方は厳しくなる一方、区側も初期及びランニングコストを助成するだけの余裕がなく、結果、区民、事業者、行政、誰もが満足できない運行形態に着地してしまうということになりかねないという現状から察するに、コミュニティバスモデルをメーンの解消策とするのは、もはや限界であると考えます。解消に向けたアクションとして、そろそろ所管の垣根を取っ払い、高齢者対策などの福祉的観点、買い物弱者対策、及び商店街振興等の産業振興的観点を織り交ぜて、課題ばかりに目を向けるのではなく、多角的に知恵を絞り出す時期ではないかと考えます。区長の言うマッチングは、こういう事業にこそ適用すべきであり、区として総合的かつ重みのある政策の位置づけをとるべきです。見解を伺います。  その上で、長年未解決のこうした問題に当たっては、民間の活力、英知に頼ることも考えるべきです。例えば福祉施設の送迎バス、幼稚園、私立学校などのスクールバス、自動車教習所の送迎バスなどの空き時間を活用した解消策の事例は、全国的に枚挙にいとまがありません。また、地元の企業、店舗、個人の会費により完全民間運営されている自由が丘のサンクスネイチャーバス、川崎フロンターレほか地元のスーパー、農協が協賛する川崎市宮前区の団地自治会運営のバス、複数の葬儀会社がプロモーションとバーターでマイクロバスの空き時間を使って地域とかスーパーなどを回る福岡市のサービスなど、都市部での事例もどんどんふえてきています。  今後、世田谷において、そうした区や民間の遊休資産を使った解決策を講じる、あるいは民間主導の解消策をバックアップするというような可能性はあるのかどうかを含め、区の意気込みと今後の展望をお聞かせください。  次に、区が取得する国公有地の安全対策について伺います。  国家公務員宿舎の削減計画に伴う宿舎跡地活用について、区から国へ要望した区内十四カ所のうち、既に処分方針が決定されたところが幾つかありますが、今回は、野毛の国交省、上用賀の財務省公務員宿舎跡地を例に伺います。いずれも約三ヘクタールの広大な敷地を都市公園用地として、今年度から三十年度にかけて買収を予定しており、上用賀は三十四年度、野毛は三十五年度に整備が完了するスケジュールとなっています。  しかしながら、区による取得が決まってからこれまでの間、十分な安全対策がとられておらず、地域住民から不安の声が相次いでいます。野毛においては、宿舎跡地が閉鎖されて以降、周囲において痴漢、露出狂が数件発生し、ゴキブリ、蚊の大量発生なども報告されています。上用賀においても、不審者の報告、建物への落書き、ごみの投げ入れなど、物騒な情報を幾つか聞いています。特に野毛は、公園先の都営アパートの改築も間もなく始まるため、通りの暗さ、通行への不安は今後さらに増すものと思われます。  地元の議員として、私もこれまで区に何度か相談を持ちかけましたが、主たる所管がなく、どこからも明確な回答をいただけませんでした。そうこうしているうちに、野毛を初めとする地元町会連合会が跡地周辺に防犯カメラの導入を決定するに至りました。しかし、区の意向で取得した土地の周辺の安全対策として、町会が防犯カメラを導入し、費用を負担する点は幾分筋が違う話だろうと思います。  今後も区内で国公有地の取得が予定されていますが、規模の大小に限らず、取得が決まった後はほったらかしにしておくのではなく、周辺状況を勘案して、整備が完了するまでの暫定的な措置としてでも、区が主導して速やかな安全対策を講じていくべきと考えます。  野毛と上用賀については、今後、地元住民の方々の御意見を伺いながら、都市公園としての整備計画を作成していくことになると思いますが、並行して、整備が完了するまでの安全対策をどうするのか、その内容とスケジュールをできるだけ早い段階で具体的に示していくべきと考えます。現時点での対応の見通しを含め、区の見解を伺います。  また、野毛の最も環八寄りの土地は、保育園用地として区が国から借り受け、都市公園部分より先行して整備する予定になっています。スケジュールどおりに進めば、保育園が開園する平成三十一年四月から残りの公園部分の工事が始まります。ただでさえ環八からの進入車が多く、一方通行でもない細い通りに工事車両も入ってきて、保育園の前を通り抜けていくという状況が想定されます。来年度には、住民説明会を開くことになると思いますが、現地の安全性の確保、また、工事現場がほど近いところにおいて子どもが伸び伸びと過ごせる環境の担保など、今から課題を整理し、対応をシミュレーションした上で説明会に臨んでいただきたいと思います。現時点での区の課題認識を伺います。  続いて、教育現場におけるICT機器の活用について伺います。  昨年からことしにかけ、区立小中学校九十三校に四千百台のタブレットが導入されました。周辺機器を含め、総額で七億三千万円以上かかっている大型案件であり、タブレットの耐用年数から四、五年でまた入れかえということになることを考えれば、一度導入した以上、どんどん使い倒さなければならないと考えますが、まずタブレットを導入した狙いを改めてお聞きします。また、その狙いは現状どの程度達成されていると考えているのか、区の見解を伺います。  また、小学校にタブレットが導入されてから一年がたちます。この間、現場の先生方から、余り使われていない、使う先生が限られている、セッティングで手間取る、実物投影機はいいがタブレットは……。など、残念な話を数多く聞いてきました。私自身、小学生の保護者の一人として利用実態がどうなっているか気になり、教育委員会に利用調査結果の開示を求めたところ、そのような調査は行っていない、その予定もないという驚くべき回答をいただきました。その一方で、学校規模に応じたタブレットの追加導入を検討しているとのことでした。学校ごと、また、一つの学校内での利用度合いの比較、どんな授業、活動にどのように使われているのか、また、現場の教員が抱えている課題感、教えられている児童の感想など、定量、定性、どちらの情報もない中で、なぜふやすという判断ができるのか、甚だ理解に苦しみます。  今からでも、定期的な利用実態調査をし、導入効果の検証、現場が抱える課題を明確にし、教育現場におけるICT戦略を練り直すべきです。また、そうした調査を通じて、単なる授業の補助ツールとしてだけではなく、英語教育の促進、ソーシャルリーディング、オリパラ教育への活用など、新たな使い方が見出される可能性もあります。他の自治体と比較するまでもなく、今は余りに無策と映ります。この点に関し、区の見解を伺います。  最後に、ICTを活用した校務事務の効率化について伺います。  ことしの六月、文科省内のタスクフォースが、学校現場における業務の適正化に向けてという報告書をまとめました。学校現場の多忙化や長時間労働の実態を踏まえた具体的な改革の考え方や改善策が示されており、従来の方針からの転換を迫る内容も盛り込まれています。報告書では、教員が担うべき業務に専念するための具体的なテーマとして、統合型校務支援システム等を整備し、校務を効率化、高度化することが挙げられています。  本区においても情報化推進計画第一期行動計画という資料において、学校における校務の情報化の推進という項目に各種施策が掲げられていますが、これらの進捗度合いと実際に教員の業務負荷軽減効果は今どの程度出ているのかお示し願います。  あわせて、文科省の報告書を受けて、さきの行動計画をどうアップデートしていくのか、現時点での区の考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 私から、公共交通不便地域の解消につきまして、所管をまたいだ政策課題と位置づけるべきとの点につきましてお答えさせていただきます。  昨年度改定いたしました世田谷区交通まちづくり基本計画におきましては、通勤、通学、買い物、通院等に不便な区内五地域それぞれに広がる公共交通不便地域の解消のため、さまざまな移動手段の確保に向けた取り組みを検討することとしております。区といたしましても、今年度より二カ年にわたる調査検討を行っておりますが、現在の公共交通不便地域が駅やバス停からの距離のみにより設定されていることから、具体的な対策等を検討していく上で、議員御指摘の高齢者の移動対策等の福祉的視点、また、買い物弱者や商店街振興などの産業振興的視点等は非常に重要であり、領域を超えて横断的な取り組みが必要であると認識しております。  そのため、本年九月に庁内に設置いたしました公共交通不便地域対策調査・検討委員会におきましては、都市整備部門だけでなく、福祉部門、産業政策部門等、庁内を横断する部長級の職員構成により検討を進めております。この検討委員会の中で、経費等を考慮した実現可能性や継続性を踏まえた対策、手法の調査検討を進め、全庁的な課題として公共交通不便地域の解消を目指しまして、また、御提案の民間活用など、多角的な視点で庁内一丸となって全力で取り組んでまいります。  調査検討の内容等につきましては、担当部長から答弁をさせていただきます。  以上です。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、公共交通不便地域の解消について、二点御答弁申し上げます。  まず、今このタイミングで検討委員会を設けることの意義等についてでございます。  公共交通不便地域対策は、平成二十九年度末までの二カ年で調査検討を進めることを予定しております。この調査検討におきましては、現状を把握し、施策の方向性を見定めていくための課題整理を進めるとともに、一方で、対策の実施に向けて区民や事業者などとの対外的な調整も含め、必要なプロセスも検討してまいります。例えば、乗り合いタクシーなどを運行する場合には、実施主体を定めることや、現在区内を運行しているバス事業者やタクシー事業者との法令に基づく協議などの課題がございます。段階的かつ着実に調整を進めていかなければならないと考えております。区といたしましては、後戻りがないように、まずは課題を整理し、その後、スピード感を持って具体的な手法などの調査検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、民間の遊休資産等、コミュニティバス以外の対策の検討についてでございます。  バス以外の小型の車両を用いた乗り合いタクシーなどを運行する場合は、他の自治体の事例からも、運行経費の採算性のほかに、事業開始当初の車両調達等、初期投資が課題の一つとして挙げられております。御指摘いただきましたように、例えばスクールバス等特定の時間を除き使用されていない民間の車両等の活用ができれば、初期投資を縮減することも期待できます。しかしながら、それらの活用に当たりましては、道路運送法における旅客自動車運送事業の種類が乗り合いバスとは異なるため、乗り合いバスとして必要な許可を受けていただくか、既に許可を受けている別な事業者へ変更する調整など、実際に公共交通での活用に向けては幾つかの課題がございます。区といたしましては、課題はございますが、新たな移動手段としての可能性も期待できることから、御指摘の点や御提案を踏まえまして、他の自治体の事例などを参考とするとともに、官民連携の手法等につきましても調査検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 私からは、区が公園として取得する国有地の管理について御答弁させていただきます。  公園用地として複数年かけて取得する予定の、お話にございました上用賀の用賀住宅約三・一ヘクタールと、野毛の等々力宿舎約二・八ヘクタール跡地につきましては、地域の安全性の向上のために、現在残されている建物について早期に除却することが望ましいと考えております。そのため、今年度末に上用賀については区が、野毛については土地開発公社がそれぞれ一部を買収した後、未買収部分について速やかに国と管理委託契約を交わし、区が全域を管理し、建物を除却する予定を立てております。  等々力宿舎跡地と玉川野毛町公園の間の道路につきましては、保育園の整備が予定されていることもありまして、地域の方々より歩行者の安全を確保してほしいなどの声をいただいており、建物除却工事から公園整備までの間、数年間を要することからも、歩行者の安全確保のために必要な空間を仮整備できるよう、関係所管と調整しているところでございます。建物除却後も、それぞれの地域の皆様と情報交換を行いながら、関係所管とともに必要な対策を検討し、実施してまいります。  以上でございます。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、野毛の国家公務員宿舎跡地における保育園整備について御答弁いたします。  野毛一丁目の国土交通省等々力宿舎跡地における私立認可保育園の整備につきましては、平成三十一年度の開設を予定しております。宿舎の除去工事が平成二十九年度から三十年度と保育園建設工事の期間と重なることや、開園後も隣接する公園の整備工事が平成三十三年度から三十四年度に予定されていることから、議員御指摘の保育園整備の際の工事、交通に関する安全確保や開園後の運営について、地域の方々より御意見が出ていることも承知しております。  今後、町会・自治会、近隣住民や保護者の方々などの御意見、御要望を伺い、建設工事の安全対策、通園時の交通安全対策や防音・防犯対策を初め、園舎の設計や配置、運営面での工夫など、子どもが伸び伸びと安心して育つ環境の整備を含め、整備運営事業者や関係所管等と連携して、可能な限り必要な対策等を検討し、実施してまいります。今後とも、近隣住民の方々の安全はもとより、子どもたちや保護者の方々が地域で安心して育ち、子育てができるよう、安全な環境の確保に取り組んでまいります。  以上です。
    ◎工藤 教育政策部長 私からは、二点御答弁申し上げます。  まず一点目は、教育現場におけるICT機器の活用について、その狙いはどの程度達成されているのかという御質問です。  ICT機器の効果的な活用には二つの狙いがあり、一つ目は、教員がわかりやすい授業づくりをするための視点です。例えばデジタル教科書などの資料を大型提示装置に映すことで細かい部分を拡大してみせたり、映像や動画、音声などを提示することで、子どもの理解を深めたり、意欲を高めたりする効果があります。この視点につきましては、多くの学校で日常的に活用しており、ICTの導入の効果が見られております。  二つ目は、子どもがみずからICT機器を操作し活用するという視点です。タブレット型パソコンが導入されたことで、さまざまな場所で使うことが可能になりました。例えば、自分の教室で図書資料と併用しながらインターネットを使って調べ学習をしたり、体育の授業でカメラ機能を活用し、跳び箱の運動など、自分の動きを確かめたり、友達と学び合ったりすることができます。子どもが自分のペースで学習を進めたり、主体的に学習するといったみずから学ぶ様子が見られておりますが、こちらについてはまだ活用状況に差があるというふうに認識しています。  現在、教育委員会では、研究校などの取り組みからタブレット型パソコンの活用がより有効な教科や単元の事例を収集しておりまして、その効果や留意点などを研修会や活用事例集の配布などを通じて周知するなど、活用の推進を図ってまいります。  引き続きまして、二点目でございます。タブレットの利用状況を把握すべきではないかという御質問です。  各学校におけるICT機器の活用状況について、教育委員会が把握をするといったようなことは大変重要であると認識しております。授業場面におけるICTの活用の効果は、使用時間の長短が指標ではなく、ICTの特性を効果的に活用し、授業の狙いを達成することと捉えております。児童生徒用のタブレット型パソコンは、昨年秋に小学校に導入し、中学校についてはことしの九月に配備をしたところでございますので、詳細な分析は今後の課題となりますけれども、各学校での活用状況については、指導主事が各学校を訪問した際に、実際の授業を参観したり、毎日の授業を参観している校長などから日々の活用状況の聞き取りを行ったりすることで把握しております。また、全国学力・学習状況調査においても、ICTの活用に関する設問がありますので、他の既存の資料ともあわせて経年比較していくなど、ICTの効果的な活用に関する資料として考えております。  教育委員会といたしましては、より有効なICT活用となるよう、各学校での活用実態の把握について、今後より適切な調査内容や方法などを検討してまいります。また、各学校の教員と共同して世田谷区独自のデジタル教材などを児童生徒や教員が共有し、授業で活用できるよう検討してまいります。  以上です。 ◎岩本 教育次長 私からは、教育の情報化推進計画に関して御答弁申し上げます。  お話しの世田谷区教育の情報化推進計画第一期行動計画の校務の情報化の取り組みは、第二次教育ビジョン・第一期行動計画におけるリーディング事業、教員が子どもとかかわる時間の拡充の推進に当たっての情報化面における取り組みを示したものです。  この進捗状況ですが、財務会計については本年七月から、学校における電子決済が本格稼働となりました。また、人事については来年一月から、文書については来年四月からのシステムを利用した事務処理を行うこととしております。さらに、給食費の公会計化につきましては、来年四月以降の実施に備えて、学校における食数管理等をシステムで行うための準備を現在行っております。  財務については、電子的な処理により決済のスピード化が図られました。人事、文書については、現時点では本格稼働前ですが、従来紙で行っていた事務処理、申請処理などを電子的に処理することができ、事務の効率化、適正化に寄与するものと考えております。  給食費の公会計化につきましては、学校における収納事務がなくなることによる負担軽減や、適正な会計事務処理という意義もあると考えてございます。  お話にありました本年六月の文科省通知、学校現場における業務の適正化に向けての四本の柱の一つに、「教員の担うべき業務に専念できる環境を確保する」があり、その内容に校務支援システムの整備がございます。今後、情報化推進計画・第二期行動計画を策定することとなりますが、現場における教職員の意見を聞きながら、効率的な校務システムの構築、運用や、その他の電算活用など、支援策の充実について検討してまいります。  以上です。 ◆一番(おぎのけんじ 議員) タブレットの件ですけれども、現場の先生方と話していても、今回質問するに当たって課長さんとやりとりしていても、やはり七億円突っ込んだ見返りが出てくる気配というのが余り感じられないんですよね。だったらやめてしまえという案件ではないことは、ICT化の流れとしてあるわけですから、やはり教育委員会が、ほかの自治体の先進事例もしっかり研究して、世田谷はこれだと、子どもとか先生方もわくわくするような、ぜひ野心的なビジョンを掲げて今後取り組んでいただきたいと思うんですけれども、教育長、この点、いかがでしょうか。    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 再質問にお答えします。  ICTにつきましては、今、二人の部長のほうから答弁させていただきましたように、ようやく緒についたかなというような感じの環境整備には取り組ませていただきました。ただ、この間でもお話ししていますように、情報化がかなり早いスピードで進むというふうに予測されておりますので、正直、フィンランドへ行ったときは、オランダでもそうでしたけれども、オランダでは、既に二〇〇〇年から国策として入れているということが話されましたし、フィンランドでは、もっと進んだ機器が教室に導入されておりまして、子どもたちも自由に使っておりました。日本は、世田谷だけではなく日本全体についても、この件についてはおくれているというふうに、幼児教育も踏まえて考えております。  それで、野心的ではないんですが、やはりそれなりの金額を投入していますし、教員にはこの技術を使ってほしいと思っていますし、子どもたちにこういう環境をやっぱり楽しく受け入れてほしいと思っておりますので、効果的、スピーディーに、例えばスカイプを全部で使うとかということも踏まえ、先ほど部長が答弁しましたように、デジタル教材というのもつくっていく考えでもおりますので、そういう考えを具体的につくって、取り組んでいきたいと思っております。また御指摘いただければと思っております。 ◆一番(おぎのけんじ 議員) ありがとうございます。今スカイプというようなお話も出ましたが、現場の先生方も、非常に明るい方はいらっしゃいますので、こういうことをやったらいいんじゃないかというようなアイデアをお持ちの方が結構いますので、ぜひともそういう現場の声もしっかり吸い上げて、今後積極的に取り組んでいただきたいと思います。 ○上島よしもり 議長 以上でおぎのけんじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、七番上川あや議員。    〔七番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆七番(上川あや 議員) 区の災害対策総点検からこぼれ落ちてきた課題、震災時、災害時のアスベスト飛散・暴露防止対策について伺います。  アスベストは、主に建材として広く用いられてきましたが、人が吸引すると中皮腫や肺がんなどを引き起こす強い毒性が明らかとなり、その新規使用は二〇〇六年より全面禁止されています。中皮腫の潜伏期間はアスベスト吸引から平均三十五年前後で、現在、年間千人もの方々が死亡しています。今後十五年で死亡者はさらにふえ、十万人以上に達するとの推測もあります。しかし既存の建物内には大量のアスベストが今なお残されています。国土交通省は、アスベストの残る可能性のある民間建物を二〇〇九年およそ二百八十万棟と推計。区内にも、なお多くの含有建築物が残ることは明らかです。  九五年の阪神・淡路大震災では、住宅だけで二十五万棟近くが全半壊しました。周辺住民、また、住宅の解体に当たった作業員が無防備にアスベストを吸い込んだ反省から、環境省は、二〇〇七年、災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルを策定、全地方自治体に配布し、その活用を促してまいりましたが、当区ではその反省が全く生かされてはおりません。  そこで伺います。まず、平時からのアスベスト含有建物のチェックについてです。国は二〇〇五年から二〇〇八年にかけ、三次にわたり、各自治体に延べ床面積おおむね千平米以上の民間建物について、吹きつけアスベストの有無とその状況の報告を求めています。四月現在、区内の対象建築物は千六百七十九棟、うち調査報告がされたものは千二百十八棟で、六十五棟でアスベストの露出が確認をされ、五十五棟が対応済み、十棟が未対応です。しかし、問題は未対応の十棟だけではありません。持ち主から返答のない調査漏れが、区内では四百六十一棟、二七・五%に上ります。国の調査指示から八年、区が追跡調査を行ったのはたった四十四棟だけで、四百棟以上が野放しの状態です。  大阪府では府内市町村と連携、調査漏れの追跡調査を毎年実施し、今では九割以上で調査を終えており、区の対応の甘さは明らかです。平時から災害時に飛散の可能性を持つ建物について追跡調査を徹底し、リストアップを済ませておくべきです。区の見解を問います。  第二に、災害時のアスベスト含有廃棄物の処理についてです。  災害時は被災建築物などの解体撤去で一時に大量のアスベスト含有廃棄物の発生が見込まれ、平時の体制ではその処理が難しくなります。このため、地域防災計画や震災・水害廃棄物処理計画などの中に大量発生する廃棄物対策の一つとしてアスベスト含有廃棄物を明確に位置づけておく必要があると国のマニュアルは指摘しておりますが、当区では地域防災計画の被災住宅等の応急危険度判定の中で「応急危険度判定の際には、石綿飛散の危険性も配慮する」とあるだけで、具体的な処理計画はありません。マニュアルが求める周辺自治体、事業組合、事業者等との連携についても、ゴールの見えない、なお検討中。それぞれ検討を急ぎ、関連計画等に明文化しておく必要があります。区の見解を問います。  この質問の最後に、被災建物の応急危険度判定についてです。  前出のマニュアルでは、災害本部は災害発生時の措置として、応急危険度判定時にアスベストの有無の確認を行い、その結果や住民等からの情報に基づき、建築物の持ち主等への飛散防止の必要性を伝え、対策を実施させるとしています。しかし、区の地域防災計画にも、応急危険度判定士の業務マニュアルにも、そのような記述はありません。明記するべきです。いかがでしょうか。  また、そもそも都内の応急危険度判定士の養成課程にアスベストの有無の判定に係る項目が含まれておりません。人材養成を見直し、危険を判定できる体制を早急に整えておく必要があると考えます。あわせて区の見解を問います。  続いて、制度のはざまに置かれている若年層末期がん患者の在宅療養についてです。  国内では、毎年二十歳から三十九歳の若年成人の二万人弱ががんに罹患し、三千人以上が死亡しているとされます。この年齢層は、他と異なり生存率の改善がこの二十年ほとんど見られず、また、進学、就職、昇進とキャリア形成の途上にあり、収入や貯蓄が他の年齢層より少なく、学費や育児などへの出費もかさみ、医療費に割ける余裕も他の年齢層より少ないと指摘をされています。しかし、四十歳未満の末期がん患者では介護保険は使えません。二十歳未満の患者であれば適用される小児慢性特定疾病の補助対象にもなりません。まさに制度のはざまに置かれ、ないない尽くしの末期がん患者なのです。このため、同じ介護サービスを週三回受けた場合、自己負担額は介護保険利用者の七倍以上にも膨らむと積算をされております。  このため、兵庫県は、昨年度、この年代の末期がん患者を対象に、若年者の在宅ターミナルケア支援事業を立ち上げました。その適用が認められれば、介護保険同様、訪問介護サービスと福祉用具のレンタルが患者の一割負担で利用できます。助成負担は県と市町村の折半で四五%ずつです。質問通告の時点で神戸市や姫路市など県内十四市町で実施されており、患者、その御家族を支えております。また、ほぼ同様の事業が本年六月より横浜市でも市の単費でスタートいたしました。  本年三月、がん対策推進計画を策定した本区でも、同様の支援策導入をぜひ検討し、御自宅で家族と最後まで安心して生活できる体制整備を図っていただきたいと考えます。区の見解を伺います。  最後に、同性をパートナーとする区職員の処遇の平等についてです。  今月十日、千葉市は市職員が同性パートナーと同居している場合、法律上の結婚や事実婚のカップルに認めているのと同じ休暇制度を利用できるよう就業規則を改正すると発表。新聞やテレビのニュースでも大きく取り上げられました。市は、結婚休暇に当たるパートナー休暇のほか、パートナーやその親族の介護のための休暇を最長六カ月与える方針で、来年一月から導入を予定。実現すれば全国初の取り組みになるとしております。  当区でも、昨年二月の議会で、私より区職員の処遇、福利厚生は当人のセクシュアリティーにかかわらず平等であるべきだと、休日制度を含む処遇の改善、平等を求めてまいりました。これに区長は、職員の福利厚生面における例えば同性愛の方々に不利益な扱い、あるいは差別などがあってはならないとの認識を示され、区長として判断できることから始めると御答弁をなさいましたが、以後一年半、改善できたものといえば結婚等祝い金の給付等、区長判断ではなく、職員互助会の自主的判断で改善したもののみとなっています。  区の職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例十五条は、慶弔休暇や介護休暇を特別休暇と定義し、十五条の二は「特別休暇に関しその内容、期間その他の必要な事項は、人事委員会の承認を得て、規則で定める」としています。つまり、規則ですので区長判断で、そもそも改善は可能です。職員の休暇制度は特別区の共通基準からも外れており、区独自で判断できることも確認をしております。担当部は、特別区人事委員会の承認がハードルになるとおっしゃるのかもしれませんが、現に、調べたところ、二十三区中十四区は当区にはない休暇制度を持っております。当然、各区とも人事委員会の承認を得て、独自に休暇制度を変えているのです。加えて、当区が手を打たない間に、岐阜県関市も沖縄県の那覇市も、さらに、お隣渋谷区も、同性をパートナーとする職員への休暇制度の改善を既に検討し始めたと聞いております。当区は、何度、他市、他区に追い越されれば改善をなさるのでしょうか。  休暇制度の改善に区長のリーダーシップを改めて期待いたしますが、いかがでしょうか。休暇制度以外の福利厚生についても、現段階での検討状況とあわせ、区長の展望をお聞かせいただくよう求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 上川議員にお答えをいたします。千葉市で発表された職員の同性パートナーの休暇制度についてでございます。  昨年十一月から、世田谷区におきまして、渋谷区と同時スタートでしたけれども、同性パートナーシップ宣誓をしていただき、多くの方々に受領証を受け取っていただいております。基本構想で掲げた多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築き、差別、偏見のない社会を実現するという観点から、性的マイノリティーの方々の人権尊重に向けて積極的に取り組みを進めていく考えです。以前も質問ございましたけれども、職員の福利厚生面における同性愛等性的マイノリティーの皆さんに対して、差別等があってはならないというのは答弁のとおりでございます。そして、判断できることから改善に着手すると申し上げました。  こうしたいわば世田谷区の十一月からのスタートということに応じる形で、職員互助会では結婚等祝い金として四月から同性パートナーを対象としたことに加えて、弔慰金についても来年度からの適用に向けて準備を進めるなど、可能なところから改善が図られているものと認識しています。もちろん互助会の判断ということでありますけれども、区の取り組みの趣旨を積極的に生かしてくれたというふうに考えております。  一方、この間、第二次男女共同参画プランの検討の中で、性的マイノリティー当事者の方を対象としたインターネットを使ったアンケート、これは性的マイノリティー支援のための暮らしと意識に関する実態調査報告書といいますけれども、約千人から回答を得ているということで、これは世田谷区に限らずインターネットですから幅広く求めたものですが、大変貴重な回答が寄せられていると思いまして、これをしっかり分析して、今後の政策立案に生かしていきたいと思っております。  また、宣誓受領証を受け取った当事者の方々にアンケートを行いました。そして、現在どんなことに不便やお困りを感じていますかというところで、例えば、医療現場での不安だとか、住宅入居に関するまだ壁があるとか、あるいは、よかったこととして、会社にこのことで伝える機会になったということで、会社からも認められたなどの生の声も寄せられておりました。  区といたしましては、第二次男女共同参画プランの策定時に、昨年の十一月に開始したこの受領証を発行するという制度ですが、それ以外にやはり権利保障のために多々懸案、取り組まなければいけない課題はあるだろうという認識であります。この認識を持って、課題を整理しまして、職員の休暇制度に関しても区民の理解を得ながら進める必要があると思いまして、これら課題を一括して検討いたしまして、なるべく速やかにそういう権利保障の実現という視点でバランスよく実現を図ってまいりたい。つまり、御質問の趣旨に対して、他の課題とあわせて、人権保障の観点から推進に努めてまいりたいというふうに思います。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、災害時のアスベスト対策について、二点に御答弁申し上げます。  まず、平時から災害時にアスベストの飛散の可能性を持つ建築物につきまして、調査の徹底、リストアップについてでございます。  区では、民間建築物における吹きつけアスベストに関する調査について、議員からお話がございましたように、平成十七年に二回、平成二十年に一回、計三回、国からの調査依頼を受けまして、延べ面積千平米以上の建築物の所有者等に対しまして、吹きつけアスベストの調査報告の依頼文書を送付し、また、フォロー調査等も行うなど、対応に努めてきたところでございます。御指摘の調査報告を求めているものの報告がない物件におきましては、これまで管理会社や所有者の変更などにより宛先が不明になっている物件の再調査や、解体に至った物件の追跡、建築基準法によります建築物の定期報告書によるアスベスト有無の記載内容の確認などを行ってまいりました。  しかしながら、御指摘のように、調査対象としている建築物について、現在、所有者等からのアスベスト調査報告がないものが四百六十一棟ございます。今年度の取り組みとしまして、七月に吹きつけアスベスト使用の可能性の高い鉄骨造におきまして、調査報告がない所有者に改めて調査報告の依頼文書を送付し、求めているところでございます。アスベストにおける健康被害は問題であると捉えてございまして、議員御指摘の点を踏まえまして、関係所管と連携を図りまして、さまざまな機会を捉えて民間建築物のアスベスト使用の把握に、より一層努めてまいります。  次に、応急危険度判定におきますアスベスト対応に関しましてでございます。  被災建築物応急危険度判定員につきましては、東京都防災ボランティア制度に基づきまして、建築士、行政職員として、三年以上の建築技術に関する実務経験を有する者が、講習会を受けた後に災害時のボランティア判定員として東京都が登録をし、広域災害を想定した被災時の活動支援をする制度でございます。このため、判定員の養成講習会の開催等は、東京都におきましてこれまで実施してきております。区といたしましては、お話にあります応急危険度判定に当たってのアスベスト対応について、東京都全体で対応すべき課題であるという認識のもと、こういった中、先般行われました東京都被災建築物応急危険度判定行政連絡協議会におきまして、当区から、アスベスト対応に関する問題提起をさせていただいたところでございます。その後、東京都からは、今後、アスベストについてどう対応していくのか、全国被災建築物応急危険度判定協議会の事務局でございます日本建築防災協会と検討していると伺っております。  なお、区におきましては、今年度、東京都に登録している区内在住在勤のいわゆる地元判定員の緊急連絡網の体制整備に取り組んでいるところでございまして、こういった取り組みや建築士会世田谷支部が主催しております応急危険度判定員スキルアップセミナーというものがございまして、そういった機会を捉えまして、東京都とも連携、調整を図りながら、応急危険度判定に当たってのアスベスト対応に関する情報提供、連携等に努めてまいります。  以上でございます。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 災害時のアスベスト対策につきまして、廃棄物処理の観点からお答えをいたします。  地震などにより損壊した家屋等は、災害廃棄物として自治体が適切に処理することとされております。想定されます直下型地震による瓦れきの発生量は、東日本大震災をも上回るという都の試算も出ておりまして、世田谷区においても、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみの合計排出量の十四年分以上の瓦れきが発生するものと推測しております。こうした膨大な瓦れきの処理をどのように進めていくかは、当区のみならず二十三区共通の大きな課題でありますことから、二十三区と清掃一部事務組合で災害廃棄物処理対策に関する検討会を平成二十六年度に設置いたしまして、し尿や瓦れきの処理に係る課題検討や対策に、相互連携により取り組んでいるところでございます。  中でも、御指摘のアスベストなど、有害物質、危険物質の分別や処理、処分は重要な課題であると考えております。区ごとの対応には限界がございますことから、建設や産業廃棄物処理等の業界団体と二十三区との協力協定締結に向けた準備を現在進めているところでございます。瓦れき仮置き場の確保や分別体制など、課題も多くございますが、国による災害廃棄物対策指針、都が検討しております災害廃棄物処理基本計画等を踏まえまして、区といたしましても、アスベストなど有害物質の処理につきまして、二十三区、業界団体と連携して取り組みを進めるとともに、その旨を地域防災計画に位置づけてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、若年層の末期がん患者への支援策導入についてお答えをいたします。  区の人口動態統計によれば、平成二十七年にがんで亡くなった二十歳から三十九歳の区民は十一名ですが、国の統計等を参考に区の人口と比較してみますと、死亡者の数倍程度新規患者がいるものと推測ができます。平成二十七年十二月に国が策定したがん対策加速化プランでは、思春期及び若年成人世代、いわゆるAYA世代のがん患者につきましては、世代特有の課題等を整理し、対策を検討していく必要があると記しております。末期がん患者さんとその御家族の苦しみは耐えがたく、また、在宅療養を選択した場合の経済的負担は、若年層の患者にはさらに重いものとなっていると思われます。  区は、ことし三月に策定した世田谷区がん対策推進計画におきまして、がん患者や家族が、理解や必要な支援を受けながら安心して生活している地域の実現を基本目標の一つと掲げ、がんの予防を基本とする総合的ながん対策に取り組んでいるところでございます。区は、現在策定中の国の次期がん対策推進基本計画の方向性や動向等を注視し、先進自治体の実績等も参考にしながら、若年世代のがん患者が住みなれた場所で安心して過ごすためのターミナルケア支援への方策の検討を重要課題と受けとめまして、現在策定中の健康せたがやプラン(第二次)後期計画に記し、検討を継続してまいります。  以上です。 ◆七番(上川あや 議員) アスベスト対策について、二点再質問いたします。  まず一点目、危機管理室長に伺います。本日、私からは三点課題を取り上げましたけれども、それ以外にも、マニュアルには、自治体の対処の必要性を書いてございます。そもそも危機管理室に問題認識がないかわかる。これだけ抜け穴だらけだと私は考えているんですね。庁内全体の役割分担をしっかり定めていただかないと困ります。全体の調整をどう果たしていただけるのか、その点、お答えください。  あと、清掃・リサイクルについても伺います。業界団体との協定締結の準備を進めているということなんですけれども、なお検討中ということです。どのような団体と、どのような内容で、一体いつになったら締結が終わるのかお示しください。 ◎澤谷 危機管理室長 再質問にお答え申し上げます。  災害時におけますアスベスト飛散防止に係る工程におきましては、平常時における準備から、応急危険度判定等による応急措置、解体、収集、運搬、一時保管、中間処理、最終処分と、複数の所管が関係機関と連携して対応することになります。災対統括部であります危機管理室としましては、応急危険度判定の対応や瓦れき処理においては、それぞれの所管から答弁をさせていただいたとおり、関係機関との調整など課題があるものと認識しております。  現在作業を進めております世田谷区地域防災計画の修正においては、応急危険度判定の際には、災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルを参考にして、アスベスト飛散の防止に配慮すること、また、瓦れき処理においては、二十三区清掃一部事務組合とともに、都や業界団体と連携して処理に取り組むことなど、新たに記載する予定です。今後も、御指摘いただいた課題を初めとしました災害時のアスベスト飛散防止対策の検討状況に応じて、庁内で役割分担や横断的な課題に対する調整をしまして、検討内容を地域防災計画や震災時初動期職員行動マニュアル等に反映してまいります。  以上です。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 協力協定の締結準備状況についてのお尋ねをいただきました。現在、し尿や瓦れきに関しての収集運搬処理に関して複数の準備を進めておりますが、そのうち瓦れきに関しまして、収集運搬について、現在、都内の三つの団体、具体には建設業、一般廃棄物、産業廃棄物処理業の団体でございますが、こうしたところとの準備を進めております。また、災害廃棄物の撤去、処理、処分に関しましては、都内の産業廃棄物処理業の団体との協定締結に向けた準備を進めております。  現在の状況でございますが、昨年度にこれらの団体との協議を行い、協定書案文の提示などを行っておりまして、今年度に入りましてから、二十三区に対して協定書の案文の内容確認をいただいているところでございますが、今後、二十三区の対応窓口、また、費用の支払い方法等、詳細にわたっての課題整理が必要でございます。こういった作業を協定締結に向けて早急に進めまして、できるだけ早い時期に協定締結を行いたいと考えております。  以上でございます。 ◆七番(上川あや 議員) それぞれ速やかな改善を求めます。終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、五十番高橋昭彦議員。    〔五十番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆五十番(高橋昭彦 議員) 順次質問をいたします。  初めに、子どもの科学体験の機会創出についてです。  二〇一六年、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さんは、受賞会見で、少しでも社会がゆとりを持って基礎科学を見守ってくれる社会になってほしいと繰り返しました。しかし、そういうことがなかなか難しい世の中になっている、私は大変憂いているとも語られました。二〇一一年の国際比較で、日本の初等教育において、理科や数学がおもしろいと思う生徒の割合が、国際的に見て大変低いという調査結果から数年経過し、いわゆる理科離れと言われて久しく、将来の科学技術人材、ものづくりの基盤に対する危機感がそこにはあります。  まず、子どもたちの理科離れについて区の見解をお聞きしたいと思います。  地元で、小学校や中学校の児童生徒の好奇心と興味を引き出すものづくりボランティアの活動を私も一緒に行っています。何で、どうしてと、子どもたちの驚きと笑顔があります。  世田谷区にはないけれども、渋谷区には多くの子どもたちが集まって目を輝かせている科学館があるよと言われて、見てきました。そこは、渋谷区こども科学センター・ハチラボ、見て、さわって、考える体験型の科学館、おもしろい常設展や、企業やNPOなどと連携した企画展、授業では体験できない実験やものづくりを行う講座やワークショップ、子どもたちが楽しみながら科学や数学、ものづくりが好きになる施設です。「渋谷の街からノーベル賞を!」とスローガンに掲げて、何より、スタッフも若く、子どもたちが楽しんでいました。  世田谷区では、小学校科学センターとして、五、六年生を対象に定員制で講座を開催しています。意欲ある子どもたちが参加しているようですが、低学年や就学前から好奇心を育むため、いつでも行ける体験型科学館が必要と感じています。今後、教育センターの整備や図書館整備にあわせて検討すべきと考えます。見解をお聞きいたします。  次に、子どもの心の発達を支えるについてお聞きします。  先月、教育長も視察に行かれたフィンランドに私どもも議連で小中学校に訪問いたしました。私が強く感じたことは、発達障害などに対しても、椅子の形や授業のあり方など、柔軟に対応して、子どもたちの隠れ家なども工夫している。また、教員自身が明るく、全く難しい顔をしていないこと。一人一人に余裕があって、教員同士の懇談が常に行われていた。時間が多く持たれていること。みずからの研修、研さんに時間を費やすことが多いこと。先生の自信が子どもたちの成長に強く影響すると改めて実感をいたしました。  さて、発達障害については、さきの決算特別委員会で、浜松市教育センターによる教員への研修を紹介し、質疑、提案を行いましたが、浜松市が委託している子どもの発達科学研究所のセミナーに先日参加してまいりました。そこでは、心の発達と脳の発達について、例えば、大人の言葉に子どもたちはどのように感じて、どのように考えているのか。脳の神経細胞は六歳までに八〇%発達してしまう。よって、幼児期の支援の影響は大変大きいのだと。脳がどのような働きをして、どういう発達の筋道をとるかを知ると、子どもの発達が理解しやすくなる。また、子どもの健全な発達を妨げる因子を危険因子、それは、個人の知的発達や低体重出産などの要因や、保護者家庭問題の要因、いじめや体罰など子どもの発達を障害する危険因子について、大人が教育などあらゆる保護因子で包むことは可能であり、その保護因子とは等々、科学的な観点から子どもの発達を知ることの重要性を感じました。  さて、まずは顕在化している発達障害などに対する支援をどのように進め、世田谷の公教育をどのように進めるおつもりか、教育長の方針をお伺いしたいと思います。  また、教育センターの存在が最も重要になります。教員や就学前の子どもたちにかかわる幼稚園や保育園の職員への研修をどのように位置づけ、実践していくおつもりか、答弁を求めます。  次に、認知症SOSネットワークの充実について質問します。  二〇〇七年、日本は超高齢社会に入り、二〇二五年、大介護時代は目前に迫っています。認知症高齢者の増加により、このところ徘回による鉄道事故や自動車運転による事故が注目されています。認知症が原因で行方不明になったのは、二〇一二年は九千六百七人、二〇一三年は一万三百三十二人、二〇一四年は一万七百八十三人と確実に増加をしています。孤立、孤独を防ぐ見守りの重要性から、私どもは地区高齢者見守りネットワークを提案し、実現してまいりました。日常生活の維持のため、声かけや自宅訪問などの見守りとあわせて、万が一の事態に対応するSOSネットワークで速やかに捜索できる仕組みづくりを行うときであると実感をしています。  私どもは、これまで大牟田市の認知症対策、安心して徘回できる町を学び、提案してまいりました。さらに、二十四時間安心コールの活用も訴えてまいりました。  そんな中、社会福祉協議会でことし一月にはいかいSOSネットワークを区に先行して開始しました。発見協力登録者四百五十六名、商店街連合会とも協定を結び、情報提供のシステムを形成しています。認知症のその家族にとっては、片時も目を離せない、周りに迷惑をかけてはいけない、いついなくなるかという恐怖感、気の抜けない心配の毎日の中、SOSネットワークは何よりも安心の存在であります。しかし、一方で、商店街の方からは、見守りは、あんしんすこやかセンターへ連絡をと区は言っており、社協については知らされていない。どこにすればいいのかと意見が出ています。
     大牟田市では、市が中心となり、警察、消防、郵便局、鉄道、バス、タクシー会社、そのほか多くの企業、団体とネットワークを形成し、予防や啓蒙、人材育成、SOSを認知症総合政策として進めています。社協任せでは限界があります。世田谷区が本腰を入れて高齢者見守りとSOSネットワークを合わせた施策の再構築をすべきです。決意を伺います。  次に、公園の改修とバリアフリーについてお聞きします。  先日、私の近所にある赤松公園について話を聞きました。子どもから高齢者まで多くの方が楽しむ公園ですが、車椅子を利用するようになって、初めて不便さを感じたと。公園には入り口が幾つもあるのだが、どこからもスムーズに入れるところがない。公園内もがたがたであり、ベンチや金網など設備も老朽化していると。区からの話によると、平成七年に福祉のいえ・まち推進条例が施行された際に区内公園の調査をして、約八百カ所の段差を数年かけて解消し、その後、平成十九年に世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施行により整備マニュアルができて、それ以降は条例に基づき整備が行われていますという。  先ほどの赤松公園は、昭和二十五年に東京都から移管を受けて、昭和五十年代に一度大規模改修を行い、平成七年の調査では、その後、入り口の段差は解消したと聞きました。でも、そこから二十年経過しています。新しくつくる公園は、ユニバーサルデザインの観点から整備が行われるため、しばらくは大丈夫でしょうが、数年たつと、入り口に限らず、公園の園路なども土が雨に流されたり、樹木の根上がりで舗装がでこぼこになり、ふぐあいが出てきています。これは当然ですが、古い公園となればなおさらです。区内には、約五百九十カ所の公園がありますから、大変とはいえ、区は適切に管理する責務があります。  そこでですが、全面的に改修を行うような大規模な公園改修など、計画についてどのように考え、どのように行っていくのか、老朽化の順位もあると思いますが、予算の平準化を図るなど、改修計画は重要になってくると思いますが、区の考えをお聞かせください。  また、改修計画が立てられたとしても、その公園が数年後でなければ改修されないとなれば、段差など不便なまま利用しなければなりません。利便性向上のため、公園の状況や利用実態を踏まえた対応が必要ではないかと考えますが、考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔堀教育長登壇〕 ◎堀 教育長 学校での発達障害の支援、教育長の決意という御質問をいただきました。  平成十九年の学校教育法の一部改正により、個に応じた適切な教育的支援を行う特別支援教育への転換が図られるとともに、特別支援教育の対象が、自閉症や学習障害など発達障害等の児童生徒にも拡大されました。平成二十四年に文科省が実施した調査によると、知的発達のおくれはないものの、学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒の割合は六・五%という結果が出ております。  こうした状況を踏まえ、教育委員会では、第二次教育ビジョンにおいて、ニーズに応じた特別支援教育の推進を重点事業に位置づけて取り組んでおります。具体的には、今年度より、学校包括支援員を全校実施しております。また、特別な支援が必要な子どもたちが在籍校で支援を受けられるようにするため、今年度から、全小学校で特別支援教室をいち早く導入してまいりました。この実現は、設置校の校長、教職員等、五十数回に及ぶ会議の成果だと思っております。今後、教職員の発達障害に関する専門性のさらなる向上、幼稚園、保育園などの就学前機関との連携強化による早期支援なども、現在取り組んでおる幼児教育・保育推進ビジョンの中で検討しております。  さらに、発達障害のある子どもの支援のみならず、周りの子どもたちやPTAなどの障害理解促進にも取り組んでまいります。このような取り組みを総合的、体系的に行いながら、また、一つ一つの学校には、当然ですが、教育委員会が全面的に支援してまいります。発達障害のある子どもへの支援を着実に進め、子どもたち一人一人がそれぞれの個性やよさを生かし、充実した学校生活を送ることができるよう、引き続き特別支援教育の充実に取り組んでまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、三点について順次御答弁申し上げます。  まず初めに、子どもの理科離れについてです。  天然資源が乏しく、労働人口が減少傾向にある中で、我が国が科学技術や学術研究の先進国として将来にわたり役割を果たしていくことは、大変重要であると認識しております。こうした観点を背景として、本年八月に文部科学省より示された次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめにおいても、知的好奇心や探求心を持って、自然に親しみ、目的意識を持った観察、実験を行うことが重要であると指摘されております。  一般に、抽象的な講義形式の理科の授業は理科離れにつながるものと危惧する声もございます。また、観察や実験などの体験的な活動を行うことで、子どもたちの理科に対する興味、関心が高まり、意欲的に取り組むことが期待されます。情報化社会が進展し、ICTの活用による疑似体験が容易になる中にあっても、今後とも、できる限り実験や観察を大切にしていくことが重要であると考えております。  次に、子ども科学センターについての御質問がございました。児童生徒の創造的な能力、科学的態度の育成を図ることを目的として、土曜日及び夏季休業中に小・中科学センターを設置して、児童生徒に科学体験の場を現在区では提供しております。二十七年度の取り組みとしましては、延べ千三百二十名ほどの参加がございまして、研究発表会では、児童生徒がみずから研究テーマを考え、計画し、実験、観察を行い、その成果をまとめ、発表や研究の手順などを学習しています。さらに、全区民を対象とした親子科学教室も開催しており、年間百十二名の参加がございました。  教育委員会といたしましては、大学や教育機関などの協力を得ながら、毎年事業の見直しを図り、自然の事象、現象への理解を深め、科学的な見方や考え方を育てるとともに、科学を探求する能力や問題を解決する力の育成を目指し、より興味関心の高まる事業となるよう、今後も努めてまいります。  また、現在検討を進めています仮称新教育センターにおいても、小・中科学センターの事業を想定しておりますが、その機能として、民間との連携や地域人材の活用なども視野に入れておりまして、その中であわせて検討をしてまいりたいと考えております。  次に、三点目になります。教育センターとして教員への研修実施という観点でございます。  医学や心理学などの目覚ましい発展により、発達障害の子どもの状況や、より適切な対応方法などが明らかになってきており、教員がそれらの最新情報を身につけ、指導力を向上していくことは大変重要であると認識しております。教育委員会では、発達障害を含めた全ての子どもたちが、楽しく学んだり、学ぶ喜びを味わえたりできる環境や授業を実現していくというように、大学などの専門家から最新の特別支援教育に関する知見を教えていただいたり、発達障害の子どもが授業に集中しやすくなるよう、ユニバーサルデザインの考え方に基づく教室環境の整え方を写真なども交えて紹介していただいたりするなど、実践的でニーズに合う教員研修の充実に努めております。現在、新たな教育センターのあり方などを検討しておりますが、そこでは多様な研修内容や方法などを企画運営する機能や、特別支援教育などの教育課題に関する研究機能、教育情報の提供機能などの充実を図れるよう、専門スタッフを強化させるとともに、教員が互いに学び合い高め合うことができるよう、教員を支えるサポート機能の実現などに向けて検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎岩本 教育次長 私からは、発達障害に関して、幼児期に係る研修等について御答弁申し上げます。  子どもたちの多くは、保育園、幼稚園で初めて集団生活を送ることとなりますが、園生活に大きな不安を感じないよう、幼児期においても子どもの特性を踏まえたかかわり方が重要であると認識しております。幼児教育・保育推進ビジョンの策定に向けまして、区内の幼稚園教諭、保育士、約九百名にアンケート調査を実施しておりますが、資質向上のために必要と思う研修内容を聞いたところ、子どもの発達障害の特性の理解や、特別な支援を必要とする子どもの指導との回答が上位を占めており、発達障害などに関する理解を深め、対応力を高める取り組みが一層求められていると認識しております。  現在検討を進めている新教育センターにおいては、区内の幼稚園教諭や保育士の人材育成を重点とし、配慮を必要とする子どもの対応についても、専門研修や合同研修を企画、実施し、幼児教育にかかわる保育者の力量の向上に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、認知症SOSネットワークの区主導の実施体制の展開について御答弁いたします。  区では、認知症サポーター養成講座を通して認知症への理解や心配な高齢者への声かけの方法等についての普及啓発を進めており、認知症の方も住みやすい地域づくりに取り組み、これまでに約二万一千人の方に受講いただいております。また、二十七の全地区で取り組んでいる見守りネットワークや、高齢者の見守り協定を結んでいる公衆浴場、生活協同組合、宅配事業者等の十五の事業者により、地域の中で高齢者の異変に気づいた際にあんしんすこやかセンターに御連絡いただくこととしております。休日、夜間には、二十四時間対応の高齢者安心コールも活用していただいております。  社会福祉協議会でも、平成二十八年一月より、せたがやはいかいSOSネットワーク事業を開始し、商店街や民生委員等の区民ボランティアが、行方不明になった高齢者をできるだけ早く発見するための取り組みを進めております。認知症があり、行方不明になる高齢者の方が、できるだけ早く安全に御自宅等に戻られるようにするためには、区民や事業者のほか、さまざまな団体が協力し合って、地域ぐるみで認知症の方の安全を守り、支援する仕組みづくりが必要となります。区では、社会福祉協議会の事業との連携をさらに進めるとともに、警察や区内の事業者等との協力関係をさらに深め、行方不明になった高齢者が安全に早く帰れるよう、わかりやすい実効性がある取り組みを構築してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 私からは、バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点から、まずは公園の大規模改修について御答弁申し上げます。  これまで区立公園の改修は、職員による点検結果によりまして、施設の老朽度合いや利用状況などを判断材料とし、進めてまいりましたが、年度により改修を必要とする件数にばらつきがあるなど、対症療法的な改修となっておりました。このような中、ユニバーサルデザインによる公園整備につきましては、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例が平成十九年四月に施行されて以降、新設してきた公園などはもちろんのこと、改修を行う際にもユニバーサルデザイン化に取り組んできたところでございます。  しかしながら、条例制定前の公園の中には、道路との高低差の処理や、既存の施設の再配置などを含めた大規模な改修工事でなければ解消が難しいケースもございます。現在、区では、専用業者による点検結果に基づきまして、計画的かつ優先度を設定した改修を実施するため、財政負担の平準化や施設の長寿命化などを含む予防保全型の改修計画の策定に取り組んでいるところでございます。今後は、この計画を着実に推進していくことで、老朽化する公園をユニバーサルデザインの考えに基づいて更新し、誰もが快適で安全に利用できる公園を実現してまいります。  次に、部分的な改修や補修の必要性についてです。  区立公園のバリアフリー化につきましては、平成七年の福祉のいえ・まち推進条例の制定を契機に、公園の入り口部分の段差解消につきましては、部分改修や維持工事の中で順次解消に取り組んでまいりました。しかしながら、入り口の段差解消以外の部分においては、階段を設置している箇所にスロープや手すりが併設されていないなど、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例の施行前の公園において、ユニバーサルデザイン対応が十分と言えない箇所があるのも事実でございます。また、お話にございましたとおり、かつて段差解消した箇所であっても、樹木の根が地上に出てきたり、雨による土砂の流出が原因で段差などが生じることもございます。  区といたしましては、公園利用者の安全性と快適性を確保するため、改修実施までに時間を要する公園につきましては、利用状況を踏まえつつ、優先順位をつけながら、主要な施設にアプローチしやすい動線の確保や園路の拡幅などの部分的な改修に取り組んでまいります。また、特に経年変化により生じてしまった段差につきましては、日常点検により早期発見し、補修を行うなど、スピード感を持って対応してまいります。  以上でございます。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) 前向きな答弁をいただいたと思っております。少し時間があるのでお聞きしますけれども、SOSネットワーク、世田谷区から認知症による事故は絶対起こさせないという強い決意を持って、きちっと認知症の総合施策をつくってもらいたい、早急にやっていただきたいと思いますが、瓜生部長の決意をお聞きしたいと思います。  もう一つ、公園は、私が取り上げた赤松公園はどのようになっていくのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 再質問に御答弁いたします。  SOSネットワークにつきまして、認知症の方を地域全体で見守る、そのような取り組みをぜひ区として、あらゆる関係機関と連携をさらに強化して取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎髙木 みどりとみず政策担当部長 赤松公園の改修ということでございますが、できてから、また、改修してから、古い公園ということでございまして、世田谷区内でもかなり老朽化しているという部類に入っていると考えております。なるべく早い時期に、まずは設計ということで考えていきたいと思っておりますので、近年、早い時期には手がけていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) ありがとうございます。以上で終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、二番加藤たいき議員。    〔二番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆二番(加藤たいき 議員) 質問通告に基づき、英語教育についてから聞きます。  グローバル化が進む中で、将来、世界でも通用する人材育成を公立学校でも推し進めないといけません。文科省でも、小学校五、六年生における英語の教科化が平成三十二年度から始まります。世田谷区では、今年度より、小学一から四年生の英語活動の授業を開始していると聞いています。  先日、世田谷区内の私立小学校に英語教育について学びに行ってきました。小学校だけではなく幼稚園から、外国人を招き、ネイティブな英語のリスニングから歌といった本物の英語に触れる機会を設けており、楽しんで自然に覚える英語を理念に教えているそうです。教科化してしまう懸念が、いわゆる文法的なグラマーの授業になり、言葉のおもしろさが伝わるか心配しています。特に言葉というものは、教科書で学ぶことが全てではありません。  公立学校でも、小学校と中学校では教え方が違います。小学校では、担任によって学習の進め方の違いや得意分野があります。英語では、発音がペーパーテストでは余り推しはかれない部分が非常に大きくウエートを占め、スポンジのようにしみ込む大切な子どもたちの時期にしっかりと教えることができるのでしょうか。世田谷区では、教員の資質で変わることのないよう、英語教育をどのように進めていくか伺います。  ある私立中学校に進学した子どもを持つ親に聞きました。今の公立小学校では、中学校に上がった際に、エスカレーターで上がった私立中学校の子どもたちと比べ、英語の教育の差が生まれているとのこと。これは受験において英語科目がないために、私立小学校から私立中学校に上がる子どもに比べ、公立小学校から私立中学校に進学を望む子どもは、英語が受験に必要ないため、なかなか本腰を据えて学習していないために生じると考えられます。  また、前述しましたが、私立小学校では独自に英語の教育を積み重ねてきておりますが、数年前よりノウハウを蓄積し始めた公立小学校が負けてよい理由にはなりません。そして、教員の資質の差で子どもたちの学習が滞ることがあってもなりません。公立学校のよさ、私立学校に決して劣っていないと強くアピールしなくてはいけません。小学校のなるべく早い時期から発音や会話を中心とした英語の授業を進めていくべきと考えることも必要ではないでしょうか。ひいては、公立中学校の進学率減少に歯どめがかかるはずです。  また、新学習指導要領でも三歳からの幼児教育の大切さを説いていることから、区内幼稚園等でも英語教育の推進を図る必要があります。幼稚園等に外国人教諭の派遣などを進めることはできないか、また、教員に対して英語教育、特に発音を重視すべきと思いますが、あわせて区の見解を伺います。  次に、英語検定や漢字検定等を活用した公教育の推進について聞いていきます。  小中学校で任意で各検定を行っていると聞いています。世田谷区内の小学校だと約三割強が任意で漢字検定を使い、学習の進行の確認や意識向上に一役買っています。また、中学校だと約七割の学校が英語検定を実施しています。私が小中学校時代、非常に教師が検定を推進しており、小学校のときからクラスで英語検定をそれぞれのレベルに合わせ、受け、友人たちと競い合ったのがよい思い出です。上の級を受ける友人には羨望のまなざしで追いつきたいと思い、学習の意欲が高まりました。履歴書に書けるものと知っていたら、もっと受けていたかもしれません。子どもたちにとって、勉学ではなかなか気持ちが乗らないケースでも、目標値を与える、友人と競い合うなどにより、活字離れが多い中で、自然と身になるのではないでしょうか。  TOEICが主催するETSが出している公式レポートだと、小学生が受けたTOEICの平均点が六百三十九点と出ており、どの学年よりも平均点が高く、大学院生の六百二点よりも高い水準だと記載されています。しかしながら、よほど自信がないと小学生では受けないと思いますので、あくまで統計上での数字の上に小学生の受講者は絶対値として少ないので、うのみにしてはいけません。  しかしながら、今の日本の英語教育では、大学院まで勉強しても、平均点の三分の二程度しかとれない中で、幼少期という頭のやわらかい間に英語教育を推進していくことが非常に大切なことだとわかります。漢字もしかりだと思います。あくまでも受講は任意ですが、各学校それぞれ検定を受けているようです。今以上に推進し、子どもたちの学習意欲向上に努めるべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、区内の公有地の取り扱いについて聞きます。  区有地が少ない中で、上用賀の公務員宿舎を区は購入を予定しています。まず初めに、区内の国有地や都有地を積極的に買っていくのか伺います。  世田谷区内では、国有地や都有地の上に施設を建設しているところが多々あります。教育施設、いわゆる小学校などを国有地に建設する場合には、国有財産特別措置法により、比較的安価、相場の約半額の年間借地料で借りることができ、費用対効果で考えても非常に効率的だと言えます。しかし、それ以外の建物はどうでしょうか。例えば若林小学校、面積は七千三百五十平米、内訳は約六千百平米が区有地、約千二百五十平米が国有地です。この敷地は、淡島通り側から区有地、国有地、また、小さいですが、分割されている区有地があります。昨年出された若林小学校跡地活用方針を見ますと、この場所に新教育センターと高齢者施設が建設予定と記載されておりますが、話に聞きますと、この国有地を国に返還し、要望として、国有地のスペースに高齢者施設を建てたいと出したそうです。  前述しましたが、この場合は学校ではなくなるため、年間借地料が今までの年間約二百三十五万円から約四百七十万円に変わります。また、高齢者施設にした場合には、数十年借りることを想定すると、費用対効果の検証が必要です。また、この場所は、国有地の先に約二百平米、約三十三平米等、区有地があり、死に地になる可能性があります。国との議論が必要なのではないでしょうか。  例えば、国有地と区有地の部分的交換など、これは若林小学校の跡地を例にしてはいますが、区内の公有地にもいろいろとあるはずなので、全区的に考える必要があります。こういったケースだけではなく、民有地も適正相場で買い、区有地を積極的にふやす方策も必要なのではないでしょうか。そもそも、区有地として買い取り、区の財産として民間に、社会福祉法人等に貸すなどにより、収入とする考えはないのでしょうか。あわせて区の見解を伺います。  また、年金事務所や法務局の跡地がいまだ手つかずです。本庁舎近隣の空き地を上手に使い、庁舎建てかえ時に、いろいろと活用を含め、国有地を有効に活用すべきと考えますが、伺います。  最後に、梅ヶ丘~等々力操車所間のバスについて聞きます。  第三回定例会にて最後の質問になってほしいと発言しましたが、早々にその願望が崩れました。さきの公共交通機関対策等特別委員会で報告された内容は、看過できません。来年の一月二十七日にようやく本格運行されるものの、本数が平日片道六便、土日祝日五便、運行時間は十一時から十五時まで。そもそも世田谷区内は鉄道が東西方向に発達しており、これを補完するためにバス交通による南北方向の強化は長年の課題であったはずです。そして、ようやく補助一五四号線が整備され、そこにバスを通す今回のバス路線は、南北方向の公共交通の強化だけではなく、交通不便地域を解消する大変重要な路線なのではないでしょうか。  昨年行われた実験運行時にはなかった土日祝日の運行が行われるものの、平日の運行本数は削られ、一番需要の見込まれる通勤通学時間帯には運行せず、日中の本当に限られた時間の運行だけで、果たして交通不便地域解消を宣言できるものなのでしょうか。今後、梅ヶ丘は福祉の町、つまり世田谷区内の医療機関の中心になる梅ヶ丘拠点整備が控えております。バス事業者にとっても採算が見込める路線になるはずです。バス事業者側の気持ちも多少はわかりますが、これまで議場から再三申し上げたため、とりあえず本格運行しますと考えたとしか思えないのは私だけでしょうか。誰が聞いても納得しにくい話を世田谷区はどう考え、この路線間にある交通不便地域の解消に至っていない現状を打破すべく、今後どのように動いていくのか伺います。  以上で壇上からの質問を終えます。(拍手) ◎工藤 教育政策部長 私からは、二点御答弁いたします。  幼少期から英語に触れさせる環境づくりや教員の資質を高めよという御質問でございます。  平成三十二年度より全面実施されます小学校新学習指導要領では、英語科及び外国語活動について、平成三十年度からの先行実施が可能であり、実施学年が三、四年生からとなるなど、小学校の英語学習の開始時期が早まってきております。世田谷区では、平成二十六年度から検討委員会を設置し、国の動きに先んじて平成二十八年度より区独自の取り組みとして、一年生から四年生までの外国語活動においてALTを配置し、全校で実施しております。五、六年生については、世田谷区の豊かな地域人材として英語活動支援員を配置し授業を支援しており、子どもたちは小学校入学時から生きた英語になれ親しむことができております。  また、子どもたちが英語による外国人とのコミュニケーションを楽しみながら生きた英語でやりとりする体験ができる施設についても検討を進めておりまして、幼児を含めた一般区民にとっても英語に触れる機会とすることができないか、関係所管とも連携を図りながら取り組んでまいります。  なお、今年度、東京都から英語教育推進地域の指定を受けておりまして、小学校教員二名が英語教育推進リーダーとして配置されております。二名は、約一カ月間の海外派遣研修で英語指導について学んでおりまして、今後、区内全ての小学校を巡回し、英語活動について、より充実するよう助言を行ってまいります。教育委員会としましては、実践的な指導方法などに関する研修を実施し、子どもたちに英語に親しみながら積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成できるよう努めてまいります。  二点目でございます。英語検定、漢字検定などを活用して互いに競い合ったりということで、学問は楽しいものだというふうに感じてもらうような環境づくりをという御質問でございます。  子どもたちが学習した成果を検定などによりはかることは、具体的な目標や強い動機づけとなるとともに、合格、不合格と結果がはっきり示されるので、大きな達成感や再挑戦の意欲につながるものと捉えております。各検定は、PTAなどとの連携により、学校の教育課程外で実施しておりますが、多くの子どもたちが興味関心に応じて申し込み、受検をしております。一方、財団法人などが主催する検定だけではなく、教員が独自の漢字検定や英語のスペリングコンテストなどを作成して授業内で実施するなど、子どもの意欲を高めながら、自分の達成度をはっきりと自覚できるような取り組みも行っております。  今後は、検定を含めまして、子どもたちの学習が単なる知識にとどまらず、内容を理解する力や自分らしい表現をする力につなげ、豊かな知力が育成されるよう努めてまいります。  以上です。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、公有地の取り扱いについて四点のお尋ねに順次答えてまいります。  初めに、若林小学校敷地内の国有地についてです。若林小学校の跡地は、新教育センターの整備を予定しておりますが、区有地部分の約六千平米で必要な面積は確保できる見込みです。敷地内の千二百五十一平米の国有地は、国に返還し、住民福祉の向上に向けた活用を働きかけてまいります。例えば社会福祉法人が特別養護老人ホームや認知症グループホームなどを整備運営する用途に対しては、平成三十二年度末までの新規契約であれば、国有財産特別措置法による減免貸し付けの制度がございますので、このような活用について国に要望をしているところでございます。そのためには、用途に合わせた面積を確保することが望ましいことから、御指摘のありました区有地の飛び地について、国有地と合わせて民間に貸し付けを行うなど、国にも御協力をいただきながら、より合理的で有効な活用方法を検討、協議してまいりたいと考えております。  次に、法務局の跡地等についてのお尋ねです。国は、未利用国有地について売却等の処分を行っておりますが、処分に当たりましては、公用、公共用の利用を優先する考え方を基本とし、一般競争入札に先んじて、地方公共団体等から取得要望等の受け付けを行っています。御指摘の国有地について、具体的に国より処分に関する情報はございませんが、未利用国有地として処分される場合には、区に対して情報提供があるものと考えております。区役所本庁舎周辺も含め、国有地の処分に際しては、その有効活用について十分検討した上で、必要な対応をしてまいります。  次に、区内の国有地や都有地を積極的に買っていくのかとのお尋ねです。区内の国有地等が未利用となり、売却等の処分が行われる場合には、その土地の有効活用について庁内で検討し、その時々の必要に応じて取得等に向けた対応を行っております。これまでも衆議院速記者養成所跡地や放送大学跡地、都立梅ヶ丘病院跡地といった国有地、都有地を、その必要性に基づき取得等を行った事例がございます。今後とも、区内の国有地等の処分に際しては、その立地や規模、土地の特性や処分時期などと、区として活用する用途やコスト等を総合的に検討し、対応してまいります。  最後に、民有地も適正相場で買い取り、民間に貸し付けし、収入を得たらどうかというお尋ねです。民間による公共施設整備を誘導するために、民有地を購入して民間事業者に貸し付けするという手法も考えられますが、用地買収には多額の経費がかかります。公共施設等総合管理計画の素案でもお示ししているとおり、今後三十年間で施設更新、保全にかかる経費が莫大な額となることから、まず施設整備、保全への投資を優先すべきであると考えます。民間施設の整備誘導は、直接民有地を借用、購入していただくことが基本と考えます。  なお、公有財産の有効活用という観点から、公共施設移転後の区有地の貸し付け等は、将来の施設整備に備えた用地を確保しながら税外収入を得る方策として、用途地域や敷地の形状、接道などの条件が整えば、積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎青山 道路・交通政策部長 私からは、等々力操車所~梅ヶ丘駅間のバスの本格運行について御答弁申し上げます。  等々力操車所~梅ヶ丘駅間の本格運行につきましては、議員御指摘のとおり、平日は実験運行時の十六便から十二便に減便となります。この間、区では昨年度の実験運行時のアンケート調査等を踏まえまして、主に通勤時間帯の運行、ダイヤの増便及び土日祝日の運行の三つの要望事項につきまして、バス事業者と協議、調整を進めてまいりました。しかしながら、需要見通しが厳しいことから、現時点では土日祝日の運行は行いますが、それ以外の要望事項への対応は困難であるとのバス事業者の判断により、今回の運行計画となっております。  区といたしましては、公共交通不便地域の解消とともに、南北公共交通の強化は重要な課題であると認識しておりますが、まずは本路線の本格運行を最優先いたしました。また、今後のPR等により乗車需要を喚起し、ダイヤの増便等につなげていくことが重要であると考え、今月中旬より、路線沿道の町会・自治会等への情報提供とともに、バス利用の御協力依頼を行っているところでございます。来年度には小田急線の複々線化が完了し、平成三十一年度には梅ヶ丘拠点整備も完了する予定でございます。これらの機会を捉えながら、引き続き区民の理解と御協力を得て、バス交通の充実に取り組んでまいります。  以上です。 ◆二番(加藤たいき 議員) 東京二〇二〇大会では、せっかく英語圏のアメリカが来ることですし、公立学校から英語ボランティアを募るなど考えていただきたいなというふうに思っております。  それと、高齢者が事故を起こすニュースが連日流れております。免許返納を呼びかける一方で、日常の足等の代替案が行政から示されていません。そういったことを考えると、この南北交通の強化を含めた公共交通機関のあり方というのは一考の余地があるのではないかなというふうに思っております。真剣に考えていただきたいというふうに思っております。  公有地の件ですが、私個人は区有地をふやす方策をとったほうがよいと思っています。百年後の世田谷区を考え、高齢者施設が必要なくなったときにフレキシブルに活用できる土地をつくるのも、次の時代に必要ではないのかなというふうに思っております。区民まつりも本庁舎に来ますし、法務局の跡地の活用も考えていただきたいと思います。 ○上島よしもり 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 望まない妊娠や虐待を受けた子どもたちへの支援について質問します。  二〇一四年度に虐待を受けて死亡した十八歳未満の子どもの数が、無理心中を除いて前年度比で八人増の四十四人だったと厚労省が発表しました。一歳未満が過去最高となる六割を超え、妊娠期の問題として、約半数が望まない妊娠と答えています。妊婦健診未受診が十八人、二十四時間以内に死亡した乳児十五人のうち十四人の母親は、助産師らの立ち合いなしに自宅出産しており、最悪の事態につながってしまう状況が増加しています。
     十七歳の高校二年の女子生徒は、妊娠後、家族や学校関係者にも言い出せず、大きめの服でおなかを隠し、出産前日まで高校に通っていました。自宅のトイレで女児を出産しましたが、乳児はそのまま窒息死。また、先月、十月十六日は、栃木県矢板市でへその緒がついた嬰児を遺棄、死亡させたとして高校一年生が逮捕されています。健診を受けていれば、また、誰かに相談などができたら、こんな悲惨な事態にならずに済んだのではないでしょうか。望まぬ妊娠による虐待死を防ぐためには、早急な取り組みが必要です。そこで、以下、三点について質問をします。  平成二十三年の周産期母子医療センター等における妊婦健康診査未受診妊婦の状況によれば、周産期搬送コーディネーターによる一一九番通報のうち、妊婦健診が未受診である妊婦の事例が四割を占めていました。未受診の出産は、胎児と母体双方に大変リスクが高いことを妊婦本人に認識してもらうことが大切です。医療機関と連携した指導、支援体制を早急に整備すべきです。見解を伺います。  妊婦健診の未受診者など、行政の支援の届かないところにいる妊婦へのアプローチとして有効な取り組みを進める、熊本県、慈恵病院が始めた二十四時間フリーダイヤルのSOS赤ちゃんとお母さんの相談窓口があります。昨年度の電話相談が五千四百六十六件となり、開設時の十倍以上に達しました。十代の相談が二割近くあり、妊娠したかも、妊娠してしまったといった悩みが最も多く、行政の手の届かないところに置き去りにされている姿が見えてきます。  若い相談者に子どもを養育する経済力や知識がないのは当然のことです。だからこそ、全国でもここにしかない二十四時間体制の電話相談が急増しており、いつでも悩みに耳を傾け、救いの手を差し伸べられる電話相談の役割は大変重要です。不安を抱えたまま出産し、育児に行き詰まると虐待のリスクも高まります。こうした負の連鎖を断ち切るには、早い段階から妊娠や出産に関する相談を受けとめられる仕組みが必要です。  世田谷区のネウボラ事業は、さまざまな理由で妊娠届を出せないでいる妊婦などへ支援できる仕組みではありません。また、虐待件数も年々増加し続け、児童相談所では対応し切れない現状です。思いがけない妊娠について、東京都の電話相談窓口は、二十四時間対応ではありませんが、妊娠相談ほっとラインがあります。それを補うように、一般社団法人にんしんSOS東京が始めた相談は、年中無休で十六時から二十四時まで受け付けています。今後、世田谷区でも取り組む必要があると考えますが、まずは既存の相談窓口の周知の徹底が重要です。二子玉川や下北沢など、若年層が集まる商業施設へ周知、協力を図るなど、具体的な取り組みを求めます。見解を伺います。  さらに、婚姻関係にある夫婦間の望まぬ妊娠を避けるためには、男女ともにお互いを尊重して、よりよく生きる権利であるリプロダクティブ・ヘルス・ライツの観点で、家族計画について話し合うことが重要です。婚姻届の受理の際に、理解が進むよう情報を提供することを求めます。見解を伺います。  暴力や育児放棄などの虐待を受け、治療が終わった後も受け入れ先がないなどの理由で入院が続く社会的入院状態の子どもが、大阪府内で三年間に百六十八人に上ったことが小児科の医師たちの調査でわかりました。受け入れ先の乳児院や児童養護施設にあきがなかったケースのほか、虐待かどうか判断する調査に時間がかかったケース、病院が家庭に帰すと再び虐待されると判断し退院させるのを拒否したケースが多かったということです。また、健康状態に問題がないのに、児童相談所などからの依頼で入院させていた事例もありました。  大阪府は、政令指定都市の大阪市と堺市を除き、府が所管する児童相談所を通して、こうした事例がどれくらいあるのか実態を調査したところ、昨年三月までの一年間に一週間以上社会的入院状態にあった子どもが三十三人いました。多くは、親などから虐待された乳児です。半数以上が一カ月程度、長い場合は一年近く入院が続いていたそうです。都道府県が独自に調査して明らかにしたのは初めてです。  家庭にも帰れず、施設にもあきがなく、やむを得ず病院に居続ける子どもたちを救うことが必要です。東京都でも社会的入院をしている子どもが一定数いると聞いています。社会的入院をさせないため、区としての取り組みを求めます。  次に、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。  介護保険制度の改正に伴い、二〇一六年四月から新しい総合事業が始まりました。インフォーマルなサービスとして、住民による多様な支えあい活動やNPOなどによる支援の活性化が求められます。先日、住民主体の通所型地域デイサービスに参加してきました。要支援の認定を受けている方などの利用者九名を地域のボランティアスタッフ七名で支えています。スタッフの中に子育て中のお母さんが二歳未満のお子さんと参加されていて、多世代交流の場にもなっており、利用者さんも楽しそうでした。サービスの利用者は、歩いて通えるのが一番よと話されていることからも、住民主体の地域デイサービスは徒歩範囲に拡充することが重要です。  区では、現在十二カ所の地域デイサービスを二十七地区で三カ所程度整備することを予定していますが、そのためには会食のできる場の確保が必要です。ところがけやきネット予約システムは十二時から十三時まで予約ができない、飲食が禁止、調理できる施設が少ないなど、課題があります。地域デイサービスを初め、区民による多様な支えあい活動を活発にするために、区の施設を利用しやすいよう環境を整備していくことが重要です。見解を伺います。  住民が主体となって活動できる生活支援サービスなどの提供体制を整備するためには、地区の生活支援コーディネーターがかなめとなり、しっかりと機能することで地域資源の開発やネットワーク化、新たなサービスの創出が進むことになります。高齢者や子育てなどを地域で支援するには、生活支援コーディネーターの役割が大変重要です。その資質の向上に向けて研修をするなど、育成することが求められます。見解を伺います。  最後に、障害のある子どものグループホーム立ち上げ支援について伺います。  世田谷区では、障害者が住みなれた地域で自分らしく安心して住み続けられるよう、グループホームの整備を進めています。平成二十六年度整備計画数は四十七人に対して三十二人しか確保できず、平成二十七年度は都有地整備が進み、二十八人の計画数は達成したものの、依然として足りない状況が続いています。  砧地域は国立成育医療センターがあり、医療的ケアが必要な子どもと御家族が比較的多く暮らす地域でもあります。医療的ケアが必要な重度の肢体不自由や重複した障害のある子どもも自宅で暮らしています。日中五時間程度のデイサービスを週に数回利用する以外は、昼夜休みのない介護のほとんどを親が担っています。このような障害のある子どもの親亡き後は深刻な状況です。  生涯安心して地域で暮らし続けられるように、当事者の御家族が協力し、グループホームをつくろうとNPO団体を立ち上げましたが、世田谷区障害者グループホーム整備運営事業者の応募資格に、直近三年間の事業者の決算状況において事業活動に基づく損失が計上されないことが要件となり、新規に立ち上がる市民団体は応募することができません。また、経営基盤強化、場所の確保など、支援が必要になります。新たに始める市民団体であってもグループホームの整備ができるように、関係機関と連携し、区民の自主活動への支援体制を構築すべきと考えます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、望まない妊娠や虐待を受けた子どもたちへの支援について三点、まずは医療機関と連携した指導、支援についてお答えをいたします。  国は、九月の子ども虐待死亡事例等の検証結果等について(第十二次報告)で、虐待による死亡の六割が望まない妊娠の結果であると報告しています。区におきましても、全国的な傾向を学び、対応策を講じる必要性は痛感しております。また、望まない妊娠の妊婦、妊娠届が未届けの妊産婦、乳幼児健診等の未受診の産婦は、ハイリスク要因を抱えた養育者と認識もしております。本年七月から開始した妊娠期面接を通じ、体調不良や家族の健康状態の不安を初め、収入の心配、流産やSIDSなどの体験により、今回の妊娠を素直に喜べない気持ちなど、妊婦のさまざまな悩みや不安をお聞きしており、必要に応じて継続的な支援につなげた場合もございます。また、本年十月に施行された改正児童福祉法では、医療機関に対して支援を要する妊婦等に関する情報提供が努力義務として課せられました。  区は、要保護児童支援対策協議会の周産期部会を中心に作成しました妊婦の気づきを窓口に伝えてもらうための母と子のチェックシートの運用を本年度から開始するなど、医療機関等との情報連携の強化を図り、事前にリスクの高い妊産婦等の把握に努めてまいります。一方、妊娠届の未提出者や妊婦健診未受診者等、行政サービスとの接点のない妊産婦へのアプローチの方法は大きな課題であり、引き続き検討してまいります。  次に、妊娠SOS電話相談についてお答えをいたします。  東京都が実施する妊娠相談ほっとラインは、望まない妊娠や出産するかどうか迷っているなどの妊娠や出産に関するさまざまな悩みについて、看護師などの専門職が匿名で相談に応じる窓口で、電話の場合は月曜日から土曜日の朝十時から夜十時まで、また、メールで対応もしており、適切な関係機関の紹介等も行っております。区では、既に妊娠相談ほっとラインのPR用チラシを母と子の保健バッグの中に同封し、妊娠の届出をした全ての妊婦に交付するなど周知をしております。また、各総合支所健康づくり課の窓口においては、ネウボラチームの相談の一環として、保健師等が虐待、暴力などの被害による妊娠、妊娠がわかったけれども素直に喜べない妊婦、出産しても育てられるか不安があるなど、妊娠や出産に関するさまざまな不安や悩みの相談に対応しております。  御指摘の一般社団法人にんしんSOS東京も含めた既存の相談窓口の周知方法や配布先の創意工夫につきましては、御意見を参考に今後検討してまいります。  最後に、婚姻届の際の情報提供についてお答えをいたします。  御指摘のとおり、リプロダクティブ・ヘルス・ライツの考え方を現在の事業を通じて普及啓発することは重要であると考えております。現在作成中の世田谷区第二次男女共同参画プラン(素案)の中でも、体と性に関する女性の健康と権利に関する項目を盛り込んで検討しております。お話しの婚姻届は、世田谷区在住の区民の方々以外でも世田谷区の窓口に提出が可能ですので、区民以外の方も含め、女性の健康と権利が守られるような家族計画の情報を御案内できるよう、関係所管と協議し、研究してまいります。  以上です。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、子どもの社会的入院について御答弁いたします。  議員お話しのありました子どもの社会的入院の実態調査について、東京都では行われておりませんが、医療の必要がなくなったお子さんをできるだけ早く家庭的な環境に戻して社会的入院を少なくすることは、子どもの養育にとって大切なことだと認識しております。社会的入院にさせないためのお子さんの受け入れ先として、乳児院や児童養護施設のほかに里親などの養育家庭という選択肢もあります。  区では、多くの方に里親制度を周知し、里親になっていただくために児童相談所と区の共催で、区内主要駅などでの宣伝や、里親と学生のミニ交流会、養育家庭体験発表会を実施しています。里親は、家庭的な環境で養育できることから、国は社会的養護に占める割合をふやすことを目指しています。区としても、来年度、児童相談所との連携をより強化し、養育家庭体験発表会の回数をふやすなど、普及啓発の充実に取り組んでまいります。  以上です。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者グループホーム整備に伴います団体支援についてお答えを申し上げます。  区では、障害者が住みなれた地域で自分らしい生活を安心して継続できるよう、公有地の活用や民間事業者の誘導により障害者グループホームの整備に努めております。グループホームの整備には、土地や建物の確保とともに、運営のための体制整備なども重要な課題となってまいります。そのため、新たにグループホームの整備を行おうとするNPO法人等からの相談に当たりましては、施設整備の基準や運営体制などについて、都の指針などをもとに丁寧な説明に努めているところでございます。  同時に、長期にわたる施設運営に向けては、経営基盤の確立も必要となってまいりますが、この点については、障害福祉所管だけでの対応ではなく、世田谷ボランティア協会で本年五月から開始したNPO市民活動相談なども御案内することとしております。あわせて、住宅部門による「住まい・まち学習」セミナーや来年二月に発足する居住支援協議会などを通じ、不動産事業者やオーナーへのグループホーム整備のPR、障害理解の啓発、オーナーからの相談対応などを積極的に行い、NPO法人等の施設整備につながるよう連携して取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎萩原 地域行政部長 私からは、地域デイサービスなどを行える環境整備について、区民集会施設等を所管する立場からお答えいたします。  地域包括ケアの地区展開の全地区実施や新しい介護予防・日常生活支援総合事業等を進めていく上で、地域活動団体などによる公共的なサービス提供の場の確保が求められており、施設の効率的、効果的な活用や、開かれた使いやすい施設としていく必要があるとの認識のもと、区民集会施設の利用拡充やその他の公共施設の空き時間の活用等を研究しているところでございます。地区・地域の強化に向けた取り組みについて、議会に御報告させていただいた骨子案では、通常のけやきネット登録団体に先駆けて申し込みを受け付けるなどの配慮も行うこととしておりますが、優先的な対応を図る以上、地区の強化や課題解決につながるよう、公共的な視点に立って、主に介護予防、子育て支援、青少年支援、障害者、防災等に資する地元に開かれた活動等を行っている団体を対象として想定しております。  お話しの会食を含め、公共的サービスの提供という目的にかなう活動にはさまざまなものがあると考えられますので、今後、区民の皆様や議会の御意見も伺いながら丁寧に検討してまいります。  以上でございます。 ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、新たな介護予防・日常生活支援総合事業について、地域資源のネットワーク化やマネジメントが機能するように地区コーディネーターの育成や研修について御答弁いたします。  新しい総合事業では、要支援者等への多様な生活支援サービスを充実させるとともに、生活支援コーディネーターを配置し、地域資源の開発やネットワーク化を図り、生活支援等のサービスの提供体制の整備に向けた取り組みを進めていくとされております。区では、その業務を社会福祉協議会に委託し、全区的な役割を社会福祉協議会本部の職員、地区におきましては地区担当職員が担っております。  御指摘のとおり、その役割をしっかり果たすことが、地域デイサービス事業のような住民主体の活動の充実やインフォーマルサービスの創出につながるものと認識しております。そのため、社会福祉協議会職員の東京都の研修への参加や内部での伝達研修などによりまして、担当職員の人材育成に努めております。社会福祉協議会と区と、定期的な意見交換を行い、生活支援コーディネーター業務や協議会の取り組み状況などを確認するとともに、今後、地区担当職員の声を直接聞く機会も設けてまいります。さらに、地区アセスを進め、地区の課題や各地区のよい取り組み事例を地区担当職員で共有を図ることや、広く先駆的な取り組みについても学び、お互いに高め合えるよう研修等の工夫を行い、質の向上、機能向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◆十三番(田中みち子 議員) 障害のある子どもの親亡き後は本当に深刻なので、ぜひともしっかりと支援していただくことを強く求めて、質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、四十五番羽田圭二議員。    〔四十五番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆四十五番(羽田圭二 議員) 最初に、きょうの質問の趣旨について触れておきたいと思います。  区民の福祉・社会保障の範囲はますます広がる傾向にあります。家族の介護、ひきこもりや飲酒、児童虐待やDVなど、これまで家庭における私的領域とされてきた課題に社会的包摂の視点に立った公共の支援が求められてきたように、今後ますます多様なニーズや課題に公共政策としての具体の対応とその役割が求められることになります。一方で、公共政策の広がりが行政の肥大化を生み、自治体の財政に影響を与えるという財源問題の議論とともに、経費削減に向けた他の施策展開の見直しへと発展していくことは明らかだと考えます。そこで、超党派議員団によって編成されたフィンランド訪問、視察を踏まえて、幾つかの区政の課題について触れてみたいと思います。区民のライフスタイルの多様化から生じている多様な生き方を許容し、とりわけ個人の選択可能性の拡充など、公共サービスに求められる普遍性や多様性の視点からの区政の課題について考えたいと思います。  最初に、区民参加による区政の一層の推進について質問をいたします。  米大統領選挙の結果の背景には、グローバル経済のもとで進んだ貧困と格差の拡大による低所得者層の増加があり、それに対する現政権下における経済政策の不十分性と国家や政治への信頼の低下、不信が今回の選挙結果にあらわれているという見解が大方の見方となっています。区政に置きかえれば、区民ニーズや区民の自発性や決定権を尊重する区政運営が、区民の区政への信頼につながると考えます。どこで決めたかわからない、住民の意思と違った決定がなされることが、政治不信や行政の信頼を失うことになります。日本の国会では、TPP承認案に次いで、年金抑制法案が自公など数で押し切る方法によって強行採決されました。  保坂区政での区民参加による区政運営は、広く声を聞き、今後の施策展開に生かしていくことにほかなりません。民主主義の劣化が指摘される中で、区民を初めとする参加と対話の保障は、今後、より重要になると考えます。区長の考えをお聞きします。  地域コミュニティーの希薄化ということが指摘されてから久しいのですが、行政が多様な意見を酌み入れていくことがその改善につながっていくことは明らかです。今回のフィンランド訪問でどうしても聞いておかなければならないことの一つに、労働組合の組織率がありました。フィンランドの労働組合組織率は、他の国同様、減少傾向にあるものの、六九・〇三%、世界で第二位の位置を占めています。とはいえ、ILOの調査では、二〇〇四年までは雇用者数を上回る一〇五%という数字がありますから、フィンランドにおいても、グローバル化のもとで労働組合の組織率の減少が進んでいる事実が見受けられます。多様な意見を政治や社会に反映するには、よりさまざまな仕組みや工夫が必要と言えます。  区のこの間の取り組みの中でも、住民みずからが課題解決に向けて意見を述べる機会が求められたと言えます。多様な意見や専門的な知識を持った人々の参加を一層促進することが必要と考えます。区の見解を伺います。  次に、障害者の生活支援についてお聞きします。  フィンランドでは、一つの学校の中に重度身体障害者のお子さんの教室がありました。この教室を含めて、全ての教室の廊下側はガラス張りとなっており、来校者や児童生徒からも目に入る場所に置かれています。障害者の生活、生きる権利を社会全体と隔たりなく保障していく姿勢がうかがえた一面です。  さて、今般、区では重度身体障害者の生活介助時間の延長を実施しました。二十四時間の生活介助が必要な重度身体障害者にとって、介助がなければ生き続けることができない現状だけに、介助時間の延長は大きな意味があると言えます。今回の生活介助時間の延長を評価するとともに、区の基本的な考え方と今後の対応について伺います。  住みなれた地域で暮らし続けることのできる居住支援の課題についても触れておきます。一人または高齢者のみでお住まいの、高齢者や障害者世帯の住宅支援の課題は、貸し主との対応など居住者のみでは依然解決できない状況があります。今般、これら課題に取り組む居住支援の仕組みを確立するための検討会の立ち上げが提案されています。今後、検討会には関係事業者とともに高齢者や障害者など当事者を入れるとともに、福祉分野との連携によって実態を把握することが必要と考えます。区の見解と今後の対応について伺っておきます。  次に、インクルーシブ教育の現状と課題について質問いたします。  フィンランドの中学校での生徒自治の保障では、サポートスチューデント制度と生徒会活動が印象的でした。中学二・三年生が一年生の日常生活を支援し、学校生活になじめない生徒の手助けをします。また、生徒会では、生徒会役員が年に五、六回、生徒から学校生活の要望など直接話を聞き、それを学校長と直接面談して改善を図るというものです。  区は、特別支援学級の拡充や支援員の配置などを通じて、障害があっても、ともに学び、遊べる学校づくりを目指してきました。しかし、学校によっては受け入れ体制が万全ではなく、改善しなくてはならない課題も多々あります。夏のプール指導の際の支援員の性別の課題など、配慮すべき課題もその一つです。当事者やその家族の要望を伺いながら進めていくことは当然ですが、世田谷区全体として普遍的な対応を行うことが問われています。教育委員会としての対応を伺います。  フィンランドでは、スウェーデン語とフィンランド語を公用語としており、全ての学校がその二つの公用語教育を保障しています。フィンランド語を公用語としている国民は九〇%と言われ、スウェーデン語においては国民の六%にすぎないとされながらも、その権利を保障しております。多様性を認め合う社会形成への対応、マイノリティーの言語や生活を認め合う、その姿勢があらわれていると言えます。  子どもの最善の利益を最優先にし、そうした対応が求められております。障害のある子ども一人一人のニーズに応え、子どもが運動会や体育の授業において疎外感を感じさせないスポーツ参加のあり方が問われていないでしょうか。教育委員会としての対応を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 羽田議員にお答えをいたします。  住民の参加と協働という視点でアメリカ大統領選挙にも触れていただきました。私にとっても、ドナルド・トランプ氏の当選は大変衝撃でございました。イギリスのEU離脱国民投票で賛成が上回ったというときに、まさかと予感したことが本当に現実になったことに大変衝撃を受けたわけです。というのは、トランプ氏は、御存じのように、選挙戦の序盤から差別や排外主義的な、いわば暴言と言われることをその都度出してはそれが大きなニュースになって、膨れ上がっていった、余りに多い問題発言で有名になったということであります。日本も含めて世界共通の傾向は、激しい言葉でマイノリティーを攻撃したり、排除をあおり立てるような言動がグローバリズムの中で競争社会にさらされて、賃金の低下、生活の悪化、また、中間層の中でもかつて見えていた未来の展望が見出せなくなっているというところの不満と結びついているというふうに言えるかと思います。  一方、アメリカでも、オレゴン州ポートランドでは、ネイバーフット・アソシエーションといって、住民自治団体ですが、これが基礎単位となってまちづくりのあらゆることについて、参加以上に参画と協働ということで、住民自治が徹底して行われているという姿もございます。上意下達はスピーディーに見えますが、行政への依存、期待、これと注文、あるいは不満を生み出していきます。住民が行政と知恵を出し合い、プランを作成して、これを実現していくことで、問題が発生したときに、ともに、一緒に解決をしていこうという関係ができ上がるかと思います。参加と協働を地域で進め、全区的課題については無作為抽出型ワークショップなども活用、さまざまな形で区民の意見を聞きながら情報共有することで、おっしゃるところの自発性と決定権を尊重して、まちづくりを進めてまいります。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、区民参加による区政の一層の推進について、多様な意見や専門的な知識を持った人々の参加を一層推進することが必要とのお尋ねにお答えをいたします。  区政運営に当たりましては、区民の声を反映していくことが重要であると考え、これまでも区政情報のオープン化に加え、意見交換会やワークショップ、パブリックコメントなど、さまざまな手法による区民参加を展開しています。企業や地域活動等で蓄積したさまざまな経験や知識を持つ区民の皆さんの多様な意見を伺うことで、区政について、より多くの視点から検討を行うことができております。一方、昨今の行政課題は一層複雑化、かつ高度化しており、そうした課題の解決に向けて専門家の活用は有効であると考えております。最近では、本庁舎の基本構想策定に当たりまして、行政経営や災害対策、建築、環境など、各分野の専門家に御参加いただくことで議論を深めることにつながりました。引き続き、区の計画や施策の策定を開かれたものとし、より多くの区民が参加できる機会を充実させ、多様な意見を尊重した透明性のある区政運営を行ってまいります。  以上でございます。 ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、重度障害者の生活介助についてお答えいたします。  重度の脳性麻痺や重度肢体不自由などの障害者への日常生活の支援については、障害者総合支援法の重度訪問介護により、事業者から派遣されたヘルパーが食事や排せつ等の身体介護、調理や洗濯等の家事援助などのサービスを提供しております。重度障害者の介護サービスについて、区では一日十七時間を上限にサービス提供を行うことを基本としておりますが、個々の身体状況や介護者の状況などを踏まえ、専門医などで構成する世田谷区障害認定審査会の意見を伺い、上限時間を超えるサービス提供を行っているケースもございます。  今般、二十四時間の重度訪問介護を提供することになった方は、重度の脳性麻痺で、かつ高齢であること、就寝中も常に介護が必要であることから支給決定に至ったもので、二十四時間のホームヘルプを提供することとなった区内初のケースでございます。障害者の日常生活を支援する訪問介護等のサービスは、ニーズに応じたサービス提供が望まれますが、国による十分な財政支援がなされていない状況があり、区としてできる限りの対応を図っているところでございます。こうした事業環境にございますが、区といたしましては、今後もノーマライゼーションプランの基本理念や障害者総合支援法の趣旨を踏まえ、障害者個々の生活実態等を踏まえた判断を適切に行いながら、生活支援を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、居住支援の取り組みにつきまして御答弁申し上げます。  区では、世田谷区第三次住宅整備後期方針におきまして、地域で安心して暮らし続けることができるよう、住まいの確保の支援に取り組むこととしております。特に高齢者、障害者、ひとり親の子育て世帯など、いわゆる住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居を促進するため、住宅セーフティネット法では、不動産関係団体、社会福祉法人、NPO等多様な主体との協働、連携によりまして、居住支援協議会の設置ができることとしております。住宅部門、福祉部門の連携をさらに強化し、これらの方々の入居促進を図るため、平成二十九年二月を目途に居住支援協議会の設立を目指し、準備しているところでございます。  居住支援協議会の当面の協議事項につきましては、高齢者の方々などの入居促進への支援を中心の議題と想定してございまして、その入居促進には、御質問の実態の把握や障害者の方々の実情を反映させることは大変重要であると認識しております。御提案をいただきました点につきましては、今後の居住支援協議会の運営とあわせまして、関係所管とも相談、連携のもと検討し、居住支援の取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、二点御答弁をいたします。  まず初めに、インクルーシブ教育の現状と課題について、区としての対応を問うという御質問です。  教育委員会では、障害者差別解消法の施行など、特別支援教育を取り巻く環境の変化に対応していくため、第二次教育ビジョンにおいて、ニーズに応じた特別支援教育の推進を重点事業に位置づけ、特別支援教育の充実に向け、取り組んでおります。インクルーシブ教育システムの構築に向けては、通常の学級における人的支援の充実とあわせ、学校長のみならず、教員一人一人が障害の理解を深め、学校と教育委員会が情報を共有していく必要があると考えております。そのため、学校生活における授業や行事の際の個別具体の配慮については学校現場で本人、保護者の気持ちに寄り添いながら要望を伺い、安全面などを考慮しながら、本人、保護者にとって有意義な授業や行事となるよう、また、できるだけ御希望に沿った対応ができるよう、丁寧に時間をかけて合意形成していくことが重要です。このような状況を踏まえ、教育委員会では、管理職や特別支援教育コーディネーターを対象とした研修や連絡会の場を活用するなど、支援のあり方について教職員の理解、啓発を図り、きめ細かな対応に努めてまいります。  次に、運動会や体育の授業において疎外感を感じさせないスポーツ参加のあり方が問われているのではないかという御質問です。  議員お話しにもございましたように、障害の有無にかかわらず、全ての子どもが学習に参加している実感や、わかった、できたという達成感を持つことができることが、授業づくりにおいて大変重要であると認識しております。各学校の運動会では、例えば特別支援学級の子どもが当該学年の子どもとともに演技や競技をしたり、通常の学級に在籍している車椅子を利用している子どもが、友達に車椅子を押してもらい、リレーに参加したりしております。また、体育の授業では、子どもの特性に応じてチーム編成やルールを工夫して子どもが支えあい、意欲を持って取り組むことができるようにしております。  そして、オリンピック・パラリンピック教育の一つとして、通常の学級に在籍している子どもが車椅子バスケットボールやボッチャなどの障害者スポーツを体験し、障害のある人たちとスポーツをともに楽しんでおります。  教育委員会としましては、今後も、体育の授業だけではなく全ての教育活動において、特別な支援が必要な子どもへの合理的配慮がなされ、子どもたちに共生社会を築くための基礎を育んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◆四十五番(羽田圭二 議員) 一つ、障害者の生活支援の拡充については、国の基準に捉われることなく、個人の生活状況に応じた対応を求めておきたいと思います。  居住支援の課題なんですが、高齢者や障害者の住宅問題は依然厳しいものがある、そういう認識に立った対応を今後求めておきたいと思います。  最後、質問ですが、インクルーシブ教育の課題では、きょうの質問では、御存じのとおり、個別事案があることは避けております。そうした認識をしっかり教育委員会が持って、今後対応を行っていくことが必要だと思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎工藤 教育政策部長 ただいまの再質問にお答えいたします。  先ほどの御答弁でも触れさせていただきましたように、まずは学校現場の教職員が障害のある子どもや保護者の願いといったことを十分に理解し、教職員と保護者の信頼関係をしっかり築いていくということが肝要であるというふうに考えております。  例えば御質問にもございましたプール指導の対応についても、毎年あらかじめ合理的配慮の提供が必要であることがわかっている場合には、保護者から毎回要望を伝えるのではなく、学校側から保護者に積極的に働きかけて、必要な支援について体制を整えるといったようなことが重要であると考えております。また、初めて経験する授業や行事が予定されている場合につきましては、これまで学校と保護者の間で蓄積した合理的配慮のノウハウを踏まえまして、早い段階から十分話し合うことによって、時間的に余裕を持って合意形成を図り、保護者の気持ちや負担を少しでも軽減するといったことが大事だと思っています。  これまで、学校においては障害のある児童生徒などへの配慮が行われてきたものの、合理的配慮はそういった意味では新しい概念で、区全体として普遍的にきめ細かな対応をしていくためには、教育委員会、教職員、保護者が共通理解を持つということが必要でございます。繰り返しになりますけれども、教育委員会としましては、学校に対して保護者対応や必要な体制について、学校長、特別支援教育コーディネーターなどに周知を努めるとともに、必要に応じて調整を行うなど、インクルーシブ教育システムの構築に向けて学校と連携して取り組んでまいります。  以上です。 ◆四十五番(羽田圭二 議員) 最初のところでも述べましたが、今回の質問では、公共政策について今後さらに普遍性や多様性が求められている、この視点に立ってぜひ進めていただきたいかと思います。質問を終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十九分休憩
       ――――――――――――――――――     午後一時十分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十八番津上仁志議員。    〔十八番津上仁志議員登壇〕(拍手) ◆十八番(津上仁志 議員) 質問通告に従い、順次質問をしてまいります。  まず初めに、昨年の第四回定例会でも質問した医療的ケアの必要な障害者への支援について伺います。  これまで医療的ケアが必要な方の多くが重症心身障害と言われる重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した方で、寝たきりやそれに近い状態の方でしたが、近年は医療的ケアが必要な方であっても、歩くことやしゃべることができる方もふえております。そのため、既存の障害類型に当てはまらず、制度と制度のはざまにある医療的ケアが必要な方々を支援する受け皿が極端に少ない状況にあります。  例えば特別支援学校などを卒業するまでは、医療的ケアが必要であっても十分な活動量を確保することができますが、卒業すると、区が整備した生活介護施設はイタール成城、三宿つくしんぼホームの二カ所のみです。イタール成城は開所してから一年ほどのため、対応できる医療的ケアは、胃瘻、たんの吸引などに限られ、導尿などには対応できておりません。三宿つくしんぼホームは、利用者の増加などで週四日と限定された利用となっており、また、寝たきりの状態の方が多く、動ける方にとっては、活動量の減少による障害の悪化などが危惧され、施設側にとっても動ける方への対応が必要となるため、負担は両者にとって非常に大きいものとなっております。  そのため、昨年第四回定例会一般質問において、生活介護施設、ショートステイなど、医療的ケアに対応できていない施設に保護者が依頼した看護師を代理と認め、施設利用を可能とすべきと提案したのに対し、区は、施設の管理下にない看護師が実施することに、また、医療器具の整備がない施設では安全性を確保できないため認められないとの答弁でした。しかし、医療的ケアに対応できる施設整備を待っている間に、対象となる方はふえ続けております。医療的ケアが必要な方であっても、その障害特性に合わせ、知的、肢体などの生活介護施設の選択も可能とすべきと考えております。そこで二点質問いたします。  一点目に、訪問する看護師の技能を確保する意味で、社会福祉事業団や区内の訪問看護ステーションなどと協力し、区が指定した訪問看護事業者から派遣を認めるなど検討もすべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、既存施設でも医療的ケアに対応できるよう新たな看護師の配置や医療器具などの整備費について助成を行うなどの検討を始めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、障害者の移動支援について伺います。  これまで移動支援事業の拡充について会派として求めてまいりました。私も、昨年の決算特別委員会において、生活介護施設への移動支援を利用していない方が、介護者が病気やレスパイトのためにショートステイを利用する際、生活介護施設からショートステイ先へは移動支援制度を利用することができますが、翌日はショートステイ先から自宅への利用に限定されているため、利用がしづらいとの介護者からの声に基づき、ショートステイ先から生活介護施設への移動支援を可能とするよう改善を求めたのに対し、区は、必要に応じ検討していくとの答弁でした。現運用では、病気であっても翌朝には生活介護施設やバス停まで介護者の送迎が必要となり、介護者のニーズに合っていない現状を変更すべきだと考えております。  そこで質問いたします。現状一方通行となっている通所施設とショートステイ先との移動支援を、自宅を経由することなく直接通所施設へ移動できるよう改善すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、区立小中学校での平和教育、特に平和資料館の活用について伺います。  平和教育の充実のために、まずは平和資料館を区立小中学生が訪れることができるよう取り組むべきと、平成二十五年第三回定例会から求めてまいりましたが、これまで区教育委員会からは、検討するとの答弁が繰り返されるだけでした。実施できない理由として、カリキュラム上授業の中では難しい、来館するには駐車スペース、施設が小さいなどが挙げられましたので、昨年第四回定例会において、夏季休暇を利用し、美術館で実施している課題テキストを配布するような取り組みも提案をいたしましたが、区は、平和資料館を活用するよう校長会、教員研修で周知するとだけ答弁をしました。  玉川小学校に設置されていた平和資料室が移設することが決まってから四年が経過しましたが、この間、区教委が新たに始めたことは、今年度、社会の副読本の二ページに平和資料館について記載したことだけです。その中身については、平和教育としてではなく、世田谷にある施設の紹介となっています。また、校長会や研修会で活用が進むよう周知するとしたはずが、平和資料館がプレオープンして一年以上が経過しましたが、施設を利用している学校は池尻小学校のみであり、活用実態は学校または教職員ごとに異なっています。近隣には池尻小学校以外にも小中学校は数校あり、なぜ区教委は、こうした学校と協力し、実施するに当たっての課題抽出などを行わないのか。これは教育委員会が平和教育を充実させる以前に、その重要性を全く理解しようとしない結果ではないでしょうか。平和資料館を訪れ、今住んでいるこの世田谷という場所に昔暮らしていた方々が、戦争中どんな体験をしたのか、どんな思いだったのか、机上での学習ではなく、実際に見て、触れて、聞いてという体験ができる場所が平和資料館であり、その体験が平和教育の原点となるのではないでしょうか。  そこで伺います。これまで検討すると答弁を続けた平和資料館の活用について、全児童生徒が訪れ、研さんできる機会をどのようにつくっていくつもりなのか、これまでさまざまな提案を行ってまいりましたが、それらを踏まえ、内容や時期について具体的にお示しください。  最後に、三軒茶屋駅周辺の駐輪対策について伺います。  第二回定例会では、駐輪場が全く整備されていない南口への駐輪場整備について質問し、区は、民間商業施設建てかえ時に民間駐輪場の整備協力を要請していくとの答弁でしたが、区で管理できる土地が発生した場合は、小規模の駐輪場についても積極的に確保できるよう検討していただきたいと要望しておきます。  今回は、定期利用枠の改善などについて伺います。駅周辺の定期利用ができる駐輪場は四カ所ありますが、あきはなく、多くの方が待機をしております。待機をしている高校生から、三年間待っているが、いまだに順番が回ってこない、結局利用することなく学校を卒業してしまいそうですと諦めの声をいただきました。このような方がどのくらいいらっしゃるのか、区に待機状況を聞くと、待っている期間は不明ですが、延べ四百名を超える方が現在待機状態ということでした。  また、日中、自転車がほとんど置いてあるレンタサイクルの駐輪場を見て、レンタサイクル事業から定期利用や時間貸しへと変更してほしいとのお声もいただきました。こちらも稼働状況を確認したところ、高架下に整備された三軒茶屋中央レンタサイクルポートは、日中利用は少ないものの、通勤通学のために自宅と駅との間での利用はほぼ一〇〇%の状態でした。しかし、三軒茶屋北レンタサイクルポートは、駅から徒歩二分という好立地であるにもかかわらず、稼働率六五%と、通勤通学にも、日中利用にも余裕のある状態でした。  先ほどの、御相談いただいた高校生などに北レンタサイクルを御案内すると、初めて聞いたとおっしゃる方が多くいらっしゃいました。認知されていないと感じました。現在、定期利用申し込みは各駐輪場で毎月決められた時期に実施されておりますが、その際に比較的待機者の少ない駐輪場やレンタサイクルを御案内するなど、運用方法の改善が必要だと考えます。  また、昨年中間見直しを行った世田谷区自転車等の利用に関する総合計画によると、三軒茶屋駅周辺の駐輪不足台数は八百十台となっており、不足する駐輪場整備も進める必要があると考えます。そこで二点伺います。  一点目は、待機者が多い定期利用枠の拡大とあわせ、利用が進んでいないレンタサイクルの周知を申し込み時に行い、効率的な運用にすべきと考えますが、区の見解を伺います。  二点目に、まだまだ不足している三軒茶屋駅周辺での駐輪場整備について、新たに土地を取得し、整備することは非常に厳しい状況です。現在議論、検討されている三軒茶屋分庁舎が移転する場合は、その移転地において、また、利用が少なく施設の老朽化が進んでいる三軒茶屋駅北レンタサイクルポートを機械式立体駐輪場に変更、整備することにより、不足する駐輪台数を確保すべきと考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎松本 障害福祉担当部長 私からは、障害者施策について御答弁申し上げます。  まず、通所施設への医療的ケアが必要な障害者への対応について、二点の御質問に一括してお答えをいたします。  障害者の通所施設でございます生活介護施設での受け入れは、特別支援学校からの卒業生を受け入れることが多く、特別支援学校との間で進路の確認を行いながら、利用調整を図っております。このうち医療的ケアが必要な障害者については、お話にもございましたが、区立三宿つくしんぼホームや昨年開設したイタール成城を中心に受け入れておりますが、医療的ケアが必要な障害者がふえておりまして、その状況もさまざまとなっております。そのため、これらの施設だけでは十分な対応ができず、利用日数の調整などにより対応せざるを得ないケースも出ております。  昨年の第四回定例会におきまして、施設の管理下にない看護師が医療的ケアを実施することについて、施設が責任を持って支援に当たることへの課題があるとの御答弁をしておりますが、訪問看護ステーションに所属する看護師の派遣についても、施設における指示、命令と責任の所在などの課題があると考えております。  一方、区では、新たな施設整備の中で医療的ケアの充実を図ることとしておりますが、新たな施設整備には一定の時間を要することも事実でございます。御指摘のように、既存施設での対応についても念頭に置く必要があると考えておりますが、医療的ケアの対応を図るためには、看護師の確保や医療設備の整備、緊急時の対応体制の確保、ケースによる対応の違いへの習熟などの課題もございます。区といたしましては、今後の特別支援学校等の卒業生の見込みや、新たな施設整備のスケジュール等を勘案しながら、既存の障害者通所施設での受け入れの可能性について、御提案の点も含め、施設長会等の場で意見交換を行うなどの取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次に、障害者の移動支援についてお答えを申し上げます。  障害者の移動支援事業は、平成十八年に施行された障害者自立支援法及び平成二十五年の障害者総合支援法に基づき、社会参加に必要な外出支援を行うことを目的としており、全身性の肢体不自由者や知的障害者などを対象に実施しております。移動支援事業については、この間、生活状況に応じ、さまざまな御要望をいただいており、事業開始当時は認めていなかった通学先や通所施設への移動についても、一定の条件を満たす場合には利用を認めるなどの改善に努めてきたところでございます。  その一つとして、昨年四月からは、利用者の御家族からの要望に基づき、生活介護などの通所施設から短期入所先への移動について利用可能といたしました。その後、短期入所先から生活介護施設などの通所施設への移動についても御要望をいただいたことから、その必要性を確認し、来年四月から運用改善を図る方向で検討を進めております。移動支援事業は、財政面で厳しい状況にある地域生活支援事業の一つでございますけれども、引き続き障害者の日常生活を支援するという基本点的な考えに基づきまして、柔軟な運用に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎工藤 教育政策部長 私からは、区立小中学校での平和資料館の活用のさらなる推進についてという趣旨での御質問にお答えします。  平和資料館への訪問について、区内全校が授業として訪問するには、施設や時間などの面から難しい課題もございますが、近隣の学校においては、教員が引率して訪問したり、長期休業中に子どもが訪れたりするなど、徐々に活用が進んでおります。例えば中里小学校では、六年生の社会科の授業で平和資料館を訪れ、戦時下の世田谷区民の暮らしや世田谷区の平和に関するモニュメントなどの資料を調べ学習に活用するなどの学習を予定しております。  平和資料館の役割や意味合いは大変に重要なものと考えております。教育委員会としましては、このような平和資料館を効果的に活用している事例を収集するとともに、近隣小中学校の来年度の年間指導計画に位置づけるなどして、実際に授業で訪問し、さらに活用が進むよう取り組んでまいります。こうした取り組みを実施する中で、より多くの子どもたちが訪れるよう、来年度、子ども向けのワークシートの作成などを検討し、長期休業中の課題として子どもたちが資料館を訪問し、見学したことをまとめるなどといった活用をより積極的に働きかけてまいります。また、開催されている企画展などの情報も、校長会や研修会などを通じて周知するなど、今後も、関係所管と連携し、平和資料館を活用した平和教育の充実に取り組んでまいります。  以上です。 ◎小山 土木部長 私からは、三軒茶屋駅周辺の駐輪対策について、順次御答弁申し上げます。  まず、定期利用の改善についてです。区では、これまで三軒茶屋駅周辺におきまして六カ所、自転車収容台数合計約二千台の区立駐輪場、及び二カ所のレンタサイクルポートを開設してきております。そのうち駐輪場の定期利用につきましては、四カ所で実施しており、利用台数は約一千台、利用率は各駐輪場とも常に一〇〇%に近い状況でございます。このため、各駐輪場において定期利用のあき待ちが発生しており、対応として、駐輪場ごとに予約を受け付け、月末に定期のあきが生じた場合に駐輪場から予約者に連絡し、御契約をいただいております。  今後の対応でございますが、日決め、時間決め駐輪場も、ある一定量は必要であることから、定期利用枠の拡大はなかなか難しい状況でございますが、お話しのように、二カ所のレンタサイクルポートは常時利用可能であるため、駐輪場の利用者や待機者に対しまして、レンタサイクルの利用をさらにPRし、駐輪場の利用からレンタサイクルの利用へと転換を図られるよう案内を強化してまいりたいと考えております。  次に、三軒茶屋駅周辺、さらに三軒茶屋北自転車等駐車場の改善と機械式の駐輪場の整備につきまして、あわせて御答弁申し上げます。  三軒茶屋北自転車等駐車場についてですが、平成八年に都市計画施設として整備したもので、定期利用の駐輪施設とレンタサイクルポートの入った複合型の駐輪場となっております。建物は築二十年で耐用年数には達していないものの、機器類が老朽化していることから、今後、施設の更新について検討してまいりたいと考えております。議員お話しの機械式駐輪場は、比較的小規模な土地で多くの自転車収容が可能なこと、町の景観に配慮ができるというメリットがございます。一方で、多種多様な自転車モデルへの対応が難しいこと、また、施設の建築費や維持費といったコストが高いなどデメリットもございます。区といたしましては、三軒茶屋駅周辺の駐輪対策といたしまして、施設用地の有効活用という面から、機械式駐輪場の整備もその手法の一つとして考えてまいりたいと思います。  また、議員お話しの三軒茶屋駅周辺での新たな公共施設の整備に当たりましても、周辺の駐輪場の状況を踏まえまして、関係所管とも連携し、検討してまいります。  以上です。 ◆十八番(津上仁志 議員) 答弁ありがとうございました。  要望を幾つかさせていただきたいんですけれども、まず、医療的ケアに対することなんですけれども、これは区だけではなかなか難しい課題もあると思いますので、都なりまた国なりにしっかり要請もしていただきたいというふうに思いますので、お願いをいたします。  また、平和教育についてですけれども、先ほども言いましたけれども、私としては、全児童生徒が訪れられるようなものにしていただきたいということを求めています。今回も御答弁いただけませんでしたが、少し一歩進んだかなと思いますので、今後もしっかり注視していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で津上仁志議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十九番山内彰議員。    〔十九番山内 彰議員登壇〕(拍手) ◆十九番(山内彰 議員) それでは、質問通告に従いまして順次質問をしてまいります。  先日、東京消防庁総合震災消防訓練が実施されました。これは東京消防庁が毎年実施するもので、世田谷消防署では消防団、災害時支援ボランティアなどが参加し、実施されました。東京の九十八消防団も全部活動をいたします。想定は、十一月十九日六時に東京湾北部を震源とする首都直下地震が発生し、東京消防庁管内で震度六弱を観測する、その後、発生する本震や余震により被害が拡大をしましたと。我々も途中で、そういう被害想定が入ってきますから、身を守る姿勢をとりなさいということで、作業を中止して机の下に潜ったりしながら訓練をやっていました。訓練では、陸上自衛隊及び東京都建設局、災害救助犬団体との連携訓練も行われました。  震災発生後、分団員は自宅の様子、家族の安全を見ながら、周囲の状況を注視しながら、分団本部に参集をする。各分団では、団員の参集状況を確認し、積載車、手引きポンプの出動、救助などができる班編成。団本部では、これは世田谷消防署内ですが、MCA無線を利用して各分団からの参集状況、部隊編成などの報告を受け、火災、救助などの発生に対し、出動命令を出す態勢を整えます。刻々と入る被害情報を確認し、現場に直近の分団に出動命令を出し、状況によっては他分団の応援を出すなど、消防と協力して対処していきます。  今回も多くの情報が錯綜いたしまして、かなりの混乱をしましたが、以前よりは大分改善されたような気もしますが、今後はほかの団体との協働が課題となってくるのではないかと思います。他に、遠距離送水とか、ろ過器の取り扱いなど、四個分団を別に抽出して実践的な訓練を行いました。こんな中、危機管理監の話があり、特に実践的な経験豊富な方が世田谷区の危機管理監として、震災、防犯に対処していくことが提案されました。  地域防災計画によると、この計画は世田谷区防災会議が作成する計画であって、区及び関係防災機関が、その全機能を有効に発揮して災害予防を初め災害応急対策及び災害復旧等、一連の災害対策を実施することにより、世田谷区の地域並びに区民の生命、身体及び財産を被害から守ることを目的とするとあります。  世田谷区においての危機管理監とはどのように考えているか、直接区長室なのか、または危機管理室なのか、また、ほかの自治体においても、大分考えが違っていますが、世田谷区の規模から考えると独特なものになるのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。  現在、危機管理室では、警視庁、消防庁から署員が出向してきていますが、自衛隊員などに来ていただくことは大変重要なことです。このことについても再度お聞きをいたします。  また、世田谷区地域防災計画では、震災、風水害、富士山噴火降灰等対策、大規模事故対策となっており、防災、防犯、事故などの専門官をバランスよく配置することも課題だと考えますが、いかがでしょうか。  先日、熊本県益城町、それから宇土市周辺の復旧状況などを見てきました。以前、まだ地震の続いている時期にも一度被災地に入ったのですが、半年がたち、再度訪問してみました。今回は、上山議員、河野議員、皆さん消防団員で、特に被災地の様子を消防団員の目で見てまいりました。今回の目的は、佐賀県鹿島市の鹿島新世紀センター、第二庁舎内に消防団の本部が設置されたことを新聞報道で知り、見学をさせていただきました。防災機能を集約した耐震性の高い庁舎で、一階に市水道課と環境下水道課、二階に防災無線室、災害対策連絡室、そして消防団本部が入り、三・四階は県の施設となっています。その他、防災備蓄倉庫もかなりの広さを持って設置されていました。消防団本部は消防署内に設置されているのが普通だと考えていました。今回、鹿島市はどのような考えで市庁舎内に設置したのか、この目的について疑問に感じたのと、消防団も、地域によっては活動範囲など多少の違いがあるので、市としての防災の基本となるべく、その施設を見せてもらいました。  私のイメージでは、消防団本部は会議室に通信施設があり、モニターとかいろんなボードがあり、団本部員が使用する防火衣などの装備、備品が整備されて、かなり高機能なものではないかと考えたんです。しかし、実際は、かなり広い畳の座敷で、机が置かれ、その他に会議室、消防車両の格納庫などでした。これから団としての使い方を考えていくようですが、これだけの空間を確保できたことはすごいことだと思います。  世田谷区においても、本庁舎改築に当たり、災害対策本部などが入ってくると思いますが、現在はどのような規模で、具体的にはまだだと思いますが、方向的にはどう考えているのでしょうか。  私たちは、鹿島市としての防災に対する意気込みはすごいと感じました。本庁舎の敷地内に消防団の格納庫、団小屋なども必要だとは思っています。しかし、地方の自治体とは大分環境が違うので、現実はかなり難しいのではないかと思います。現在、消防団格納庫はかなり整備されてきていますが、まだまだ不十分です。国、都、区有地などでの活用を今後強力にバックアップしてほしいものです。  それとともに、現在防火水槽が不足している地域を計画的に設置しつつありますが、なかなか難しいようです。地元の理解、協力を得て、早期に解決することを期待するとともに、少し欲張るのであれば、消防団格納庫付近にも設置できれば大変有効ではないでしょうか。  消防団員は、残念ながら全国的にピーク時の四割程度となっています。高齢化もあり、世田谷消防団においても、定員七百人ですが、現在は五百十八人となっています。最近は、サラリーマンの分団員もふえ、このことはありがたいことですが、昼間、地元で仕事をなさる方は逆に減っています。ふだんは地元にいることの多い女性団員が世田谷では何と百人になり、女性の活躍が大きく期待されています。今、軽量で扱いやすい機材、装備などとともに、消防団そのものも現状に合わせて変わっていくことが大事だと考えています。  しかし、基本は団員の募集です。防災計画には、消防団活動体制の充実とありますが、とにかく消防団員の募集については力を入れてやっていかなければならないと考えます。区としては、今までいろいろやっていただいたんですが、さらに力を入れていただきたいところです。いかがお考えでしょうか。  以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手) ◎澤谷 危機管理室長 私からは、危機管理監の設置と防犯・防災組織のあり方について御答弁申し上げます。  修正の取り組みを進めております世田谷区地域防災計画は、素案についてパブリックコメントや説明会によります区民からの意見、各関係機関からの意見等を踏まえまして、現在、案を調整しているところです。修正後の計画を実効性のあるものにし、区民の生命、身体及び財産を災害から守るためには、区及び関係防災機関が各機関の事務、業務を有機的にバランスよく結合する体制を整えることが必要と考えております。  また、お話にありました危機管理の専門職の配置につきましては、先般の決算特別委員会におきまして区長からも御答弁申し上げたとおり、現在その位置づけや職責、役割、災害時の指揮系統、任務、権限等も含め、地震や水害などの大規模災害において、緊急時に専門的かつ的確に対応できるよう、幅広い分野、観点からの人材の確保に向け、検討を進めているところです。  以上でございます。 ◎岡田 総務部長 私からは、本庁舎整備と災害対策本部機能等の整備の方向性について御答弁申し上げます。  本年九月に落成した佐賀県鹿島市の新世紀センターは、耐震性にすぐれ、緊急情報を市民に伝える防災無線室や、災害対策の指揮に当たる災害対策連絡室、また、水道などのライフラインを担う部署や、消防団本部なども集約して配置し、大規模災害時の対策拠点となるよう整備した事例であると認識しております。  世田谷区の本庁舎等整備に当たっても、災害対策本部機能の強化は大きな整備の目的の一つであり、災害対策本部は、免震構造を基本とし、無線室や防災備蓄倉庫などの災害対策機能として専用で想定している約九百五十平米のほか、地域防災計画との整合性、必要な規模、財政面などを考慮し、その他必要な諸室として、警察、消防、自衛隊など、防災関係機関の活動待機場所も想定しております。  今後、ほかの災害対策活動に必要な諸室等も含め、専用の部屋を設けるのではなく、平時には会議室などとしてフレキシブルに活用することを前提として、平時のみならず発災時に諸室がどのように機能するか想定し、具体的に平面図を描くなどしながら、災害時に迅速かつ的確な意思決定ができるよう、諸室のフロア配置などについても検討してまいります。  以上です。 ◎内田 世田谷総合支所長 私からは、消防団員の募集につきまして御答弁申し上げます。  地域の防災力を担う消防団は、災害時のみならず平常時の防災訓練指導や、防災の普及啓発など、地域防災のかなめとして大きな役割を果たしているものと認識をしております。これまで、区は地域の防災教室や避難所運営訓練など、さまざまな機会を通じ、ポスターやチラシなども活用し、消防団員の入団促進に努力をしてまいりました。御指摘にもありましたように、区内の三つの消防団、世田谷、玉川、成城消防団の定数の合計は千二百五十人、消防団員数は、平成二十三年が約千百七十人、平成二十八年には約千十人となり減少しております。  世田谷区消防団運営委員会では、都知事の諮問に対する答申の中で、有効な募集広報、事業所や大学生からの団員確保方策など、さまざまな対策を提言として盛り込んでおります。区といたしましては、この提言も踏まえ、消防団活動への区民の理解を深めるため、消防署とも調整し、広報「せたがや」地域版二十五日号のトップページに消防団の消火活動や防火・防災指導、加えて消防団員募集の掲載を検討するなど、広報に力を入れてまいります。あわせて、災害時協力協定を結ぶ大学等にも学生団員の入団促進を働きかけ、消防団の強化に一層取り組んでまいります。  以上です。 ◆十九番(山内彰 議員) 消防団としては直接区にかかわるということは、言い方としては、関係はないところですが、団長は区長より任命されていますし、現在もいろんな面で協力、援助をいただいていると思います。また、各分団では、やっぱり支所とかセンターともつながりが強く、肝心かなめの団本部が世田谷区とどうつながっていくかというと、なかなかその連絡その他が希薄になっているような気がしているんです。ということは、やっぱり統一のとれた防災体制をうまくとれない。先ほど申し上げた、ほかの団体ともきちっと共同していくということが消防団としても大変必要なところではないかなと考えています。そのこと自体は、東京消防庁のほうとも相談しなければならないし、区のほうの体制も考えなければならないことだと思っていますので、今後ともよろしくお願いをいたします。 ○上島よしもり 議長 以上で山内彰議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十六番藤井まな議員。    〔三十六番藤井まな議員登壇〕(拍手) ◆三十六番(藤井まな 議員) 質問を始めます。まず、障害者雇用についてお伺いをさせていただきます。  世田谷区の教育委員会は、障害者の法定雇用率を達成していますでしょうか、まずお伺いします。私、この質問を、平成二十二年に全く同じ質問をしているんですけれども、そのときは教育委員会は障害者の法定雇用率に達していなかったということで、聞かせていただければと思います。  また、世田谷区の外郭団体の中に三つ法定雇用率を達成していない外郭団体があります。一つは文化財団、もう一つは世田谷区保健センター、そして三つ目がスポーツ振興財団です。この三つの外郭団体に対して世田谷区はどういった指導をしていくのか、お伺いをいたします。特にスポーツ振興財団は、二〇二〇年に世田谷区にも東京にもパラリンピックがやってきます。しっかりと対応する必要があるんじゃないかと思いますけれども、世田谷区がどう考えているのかお伺いをさせていただきます。  続きまして、適正な雇用の取り組みについてお伺いをさせていただきます。  近年、ブラック企業という言葉が一般的になりました。先日、労働基準監督署が労働災害と認定された電通での月百時間を超える残業で若者が自殺した事件が大きく報道をされました。  まず、質問します。電通と世田谷区は、現在仕事のやりとりはあるのでしょうか。また、なければ、過去取引を行ったことはあるのかお伺いをいたします。  今回の電通社員の自殺に関する労災認定事件は、過労死を防ぐために行政は何をしなければならないのか、改めて課題として与えられた事件ではなかったでしょうか。いま一度若者の労働環境を守ることを考え、区内業者はもちろん、区内中に周知徹底する必要があると思いますが、区はどのように考えているのでしょうか、お伺いをいたします。  また、適正な雇用環境を守らせるためには、こういった事件に行政は厳しい態度を示さなければいけないと思います。現在のルールでは、こういった事件を起こした業者も区の入札を行うことができます。契約中の業者も含めて、こういった案件の場合、区はどのような対応を行う必要があるのか、区の今後の捉え方、考え方をお聞かせいただければと思います。  続きまして、震災時の車中泊対策についてお伺いをいたします。
     他会派からの代表質問にもありましたけれども、災害時の車中泊を取り上げるマスコミがふえてまいりました。二十三区の他議会でも、この問題が議論をされています。どの区も前向きな答弁が多く、この問題に取り組む姿勢はどの区も同じなのだなと感じました。熊本地震では、十一万二千五十五人の方が車中泊をされたそうです。車中泊の経験があった方が十一万人を超えたそうです。また、その中でエコノミー症候群で入院が必要となった方が四十二名いらっしゃいました。そして、その中にエコノミー症候群でお亡くなりになられた方が一人いらっしゃったということです。  今までの防災計画の中には、車中避難者や車中泊に対する措置は直接的には明記をされてきませんでした。政府は、井坂信彦衆議院議員の質問趣意書に答える形で公式見解を発表しています。その答弁書の中では、災害時に自動車内に避難をした被災者に対しても必要な措置を講ずるように努めるべきだというふうに書かれています。さらには、車中避難に対して必要な生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供、そして、正確な情報の伝達等により生活環境の確保が図れるように努めることとするというふうに書かれています。地方自治体に対応が求められていることがわかります。  まず一つ、防災計画に車中避難者と車中泊に関して明記をすることが必要なのではないでしょうか。区に見解を求めます。  二つ目には、一部の自治体では、早くも車中泊の項目を入れ、民間との連携を行ったり、民間が独自に災害対策として取り組んでいる先進事例があります。研究することを求めます。  三つ目に、車中泊が起こった場合、状況の把握をどのようにしていくのか、考えがあればお聞かせください。一部の専門家は、車中泊の把握、そして名簿の作成などを行い、健診や医療行為につなげていけるようにすべきだと提言をしていますが、こういったことに関して区はどのように考えているか、お聞かせをいただければと思います。  続きまして、白血病に関して質問をさせていただきます。  今月の三日、名古屋のある市議会議員の方が白血病で亡くなられました。一九八〇年十一月生まれ、二〇〇七年の初当選、私と全く同じ経歴でありまして、私は先日日曜日に誕生日を迎えましたから三十六歳になりましたけれども、彼は三十六歳を迎えることなく、お亡くなりになられてしまいました。  この白血病の問題というものを私も今回のことですごく真剣にいろいろと調べてみたのですけれども、なかなか治ることが難しい病気であるということが本当によくわかりました。骨髄移植という方法があるんですけれども、近年は新規でドナー登録する方が大変少なくて、また、仮にドナー登録で白血球の型が白血病の方との型が合っても、なかなか手術には至らない現状があることがよくわかりました。  私と全く同い年の名古屋の市議会議員の方も、四人のドナーの方と白血球の型が合ったそうでございますけれども、残念ながら手術まではたどり着かなかったそうでございます。これはドナー側の理由で打ち切られることが本当に多いです。なぜならば、骨髄移植は一日仕事を休めばどうにかなるという問題ではなくて、骨髄移植をするには、前後検査入院をしたりとか、手術をした後にも仕事を休まなければいけないというふうな現状があります。  この話を聞いてから、世田谷区の方とも話をさせていただいて、世田谷区には、区の中にも、こういった状況においたら休むことを推奨している制度もありますし、また、世田谷区の業者に対しても休業補償するという制度があるということがわかりました。世田谷区、東京都全体が大変に進んでいるんだなということが本当によくわかって、私、うれしかったんですけれども、それでもこの助成金の制度をほとんどまだ利用されていないということもわかりました。せっかくいい制度があるのに、実際にこの制度が利用されていないということは大変残念なことでございますから、ぜひともこの骨髄移植に関する助成制度をもっと周知徹底していただきたいというふうに思います。  ドナー登録やドナーの休暇制度の普及に対する一層の取り組みを求めますし、今、世田谷区の制度は本当にいいと思いますけれども、ひとつ意見を言わせていただくならば、今、保健所が担当をされております。一般の企業の方にこれは理解をしていただかなければいけないので、工業・雇用促進課が保健所と連携する必要があると思います。産業政策部のほうでしっかりとこの制度を理解していただいて、区内業者に周知徹底を図っていただきたいと思います。ぜひともこの問題をここにいる全ての皆さんにも御理解いただいて、白血病の問題、骨髄ドナーの問題に対して広く理解が進むことを申し述べまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、骨髄ドナー制度についてお答えをいたします。  区は、世田谷区骨髄移植ドナー支援事業を多くの骨髄、末梢血幹細胞移植の実現及び骨髄移植ドナーの登録者の増加を図る目的で、区民である骨髄等の提供者及びその提供者を雇用する国内の事業者にそれぞれ助成金を交付するという制度を平成二十八年四月より開始いたしました。本事業の普及啓発につきましては、本年四月一日号の区の広報及びホームページへの掲載、さらに、区施設において事業案内チラシ配布等を実施し、PRを行っており、骨髄移植を説明するコーディネーターから支援事業の情報を提供され、交付に至ったケースもあると聞いております。その結果、先月十月までの七カ月間における交付実績は、提供者四名と事業者一社となっております。ドナーが快く安心して提供が可能となるためには、雇用主である事業者における理解が大変重要であります。特別区におきましては、骨髄等提供を職務専念義務免除事由と位置づけており、世田谷区におきましては、職員の実績が平成二十五年から三年間で六名ございます。また、区内事業者に対しましては、産業政策部とも連携を深め、世田谷区地域・職域連携推進連絡会等の会合なども通じ、区の骨髄移植ドナー支援事業の周知を図るとともに、事業者としてのドナー休暇制度の制定等に御理解、御協力をいただけるよう、さらなる普及啓発に取り組んでまいります。  以上です。 ◎澤谷 危機管理室長 私からは、震災時の車中泊対策について御答弁申し上げます。  車中泊は、災害のたびに課題になっておりまして、新聞報道によりますと、熊本地震では、約五十名の方がエコノミークラス症候群を発症して入院し、うち一名が死亡したとされております。鳥取県中部地震でも、避難所の校庭に車中泊の車が並んだのは記憶に新しいところで、区としましても、災害対策上の課題と認識しており、現在修正中の地域防災計画に車中泊の観点も含め、対応をしてまいります。  議員お話しの民間との連携や状況の把握などにつきましては、他の都市部の自治体の事例も参考にしながら、今後の課題とさせていただきます。  なお、これまでも災害時の避難生活における心身の健康障害対策につきましては、エコノミークラス症候群や心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDなどに対し、災対医療衛生部による保健師による巡回指導や、避難生活における健康対策などの情報提供を行うこととしておりますが、車中泊の観点も含め、今後も引き続き対応をしてまいります。  以上です。 ◎本橋 財務部長 私からは、適正な雇用への取り組みについて、二点御答弁をいたします。  まず、電通との取引状況でございます。  株式会社電通を相手方とした契約は、平成二十六年度に一件ございました。件名は、健康講演会企画運営業務委託、委託内容は、特定健診の受診勧奨を目的に、健康講演会の企画及び運営を行うものでございます。講演内容は、区民を対象とした著名人による健康維持の先にある前向きに生きることと必要な健康管理についてなどでございます。なお、契約金額は税込み八十万円でございます。  本契約は、厚生労働省の実施するスマート・ライフ・プロジェクトの事務局を当該事業者が務めていたことから、特命随意契約により契約を締結しております。なお、これ以後、現在までの株式会社電通との契約実績はございません。  次に、区と契約中の事業者にこのようなことが起きた場合の区の対応についてお答えいたします。  区は、区の入札参加資格を有する者が過失による粗雑工事等や契約違反、独占禁止法違反行為、不正または不誠実な行為などを行ったと認めるときは、世田谷区指名停止基準に基づき、契約の相手方としてふさわしくないとして、情状に応じて一定の期間を定め、指名停止を行うものとしております。仮に区と契約中の事業者に今回のようなことが起きた場合は、労働基準監督署の立入調査の結果や社会に与えた影響の大きさ等を見きわめながら、指名停止基準に照らし、対応を検討していくものと考えております。  以上でございます。 ◎花房 産業政策部長 私からは、過労死を防ぐための取り組みにつきまして御答弁申し上げます。  健康で充実して働き続けることができる社会の実現に向けまして、一人一人が過労死防止について関心と理解を深めていくことは大変重要であると考えております。平成二十六年十一月に施行された過労死等防止対策推進法に基づきまして、国はその対策月間である十一月にシンポジウムや過重労働解消キャンペーン等の取り組みを進めております。  区では、労働環境に関する企業に向けた普及啓発の一環としまして、三茶おしごとカフェにおいて、社会保険労務士を講師とした過重労働対策セミナーや、ストレスチェック制度に関するセミナー等を実施してまいりました。今後につきましても、三茶おしごとカフェにおきまして、長時間労働の削減や過重労働の解消に向けましたセミナーを充実させるとともに、過労死等の防止に向けて、産業団体とも連携しながら、区内中小企業等への周知啓発に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎板谷 政策経営部長 私からは外郭団体の障害者雇用についてお答えをいたします。  地方公共団体、民間企業などが労働者を雇い入れる場合には、障害者雇用促進法に定める法定雇用率を上回る障害者を雇用しなければならないこととされております。外郭団体における障害者の雇用につきましては、自主事業における雇用や施設の受付、清掃などにより、法定雇用率を大幅に上回る障害者を雇用している団体がある一方で、お話にありましたとおり、法定雇用率を満たしていない団体もございます。団体の主業務や規模等により、障害者個々人の能力に応じた適職の有無など、難しい状況もあるとは伺っておりますが、区の外郭団体として率先垂範し、障害者雇用に努めることは、大変重要なことと考えております。今後とも、外郭団体連絡協議会等を通じ、継続的に指導調整を行ってまいります。  以上でございます。 ◎岡田 総務部長 法定雇用率の中で教育委員会の障害者雇用率という御質問がございました。世田谷区におきましては、毎年度、障害者雇用率を出しております。今現在、公務部門に法定雇用率としては二・三〇と定められておりますが、現在二・四二%ということで、辛うじて法定雇用率を守っているというような状況でございます。  その内容につきましては、世田谷区としての雇用率で毎回出しておりまして、所属ごと、所管ごとというような雇用率の出し方をしておりませんので、これで公表をさせていただいているところです。  以上です。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 電通さんと過去の取引が一回あって、それが健康維持の先にある前向きに生きることということを区民の方に教える講演会だったというのは、本当に皮肉なことでありますけれども、別に一社を取り上げてどうこうというわけじゃないですけれども、こういったいわゆるブラック企業と呼ばれるようなところが普通に入札をするような環境は、しっかりと是正していかなければいけないと思いますので、ルールづくりがもしもできるのであれば、ぜひともやっていただきたいと思います。  白血病のことに関して答えていただいて、本当にありがたいんですけれども、ぜひとも花房部長にも意気込みを、保健所だけじゃなくて、工業・雇用促進課を抱える部長さんにも、一緒になって区内の業者にアピールをしていただきたいと思うので、意気込みを、ありましたら聞かせていただきたいと思います。 ◎花房 産業政策部長 再質問にお答えいたします。  保健所と連携いたしまして、区内中小企業等に向けまして、ドナーの休暇制度等、周知徹底をしっかり図ってまいりたいと思います。  以上でございます。 ◆三十六番(藤井まな 議員) 以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で藤井まな議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、八番すがややすこ議員。    〔八番すがややすこ議員登壇〕(拍手) ◆八番(すがややすこ 議員) 初めに、通告いたしました一、特別養護老人ホーム入所後の医療対応について、二、高齢者の医療と住まいについて、順次質問いたします。  区内には現在、十九の特別養護老人ホームがあります。改めて説明いたしますが、特養ホームに入所するには、要介護度や介護期間の長さ、家族状況、介護環境等によってそれぞれポイントが付与されており、ポイントの指数が高い方を優先に入所できるようになっています。  特養ホームを希望されていながら入所できない特養ホーム待機者は、平成二十八年十一月、今月現在で千九百十名いらっしゃいます。介護度が高く、自宅介護も難しい方であっても簡単に入所できる状況でないことは、保育待機児童問題同様、大変大きな区政の課題です。  また、特養ホームは介護保険制度における施設サービスの一つとして定められているため、入所されている方は、原則として医療行為を受けることはできません。ただし、施設によっては胃瘻、吸引等医療的対応が可能な施設もあるようです。  そこで一点目、医療対応が可能な施設、また、どのような医療対応が可能なのかという点をお答えください。  区内特養ホームのうち、医療対応ができない施設に入所されている方、あるいは医療対応外の医療が必要となった方は、外部の医療機関を受診することになります。入院等が必要となる場合もありますが、その際、特養ホームに三カ月以内に戻ってこないと、せっかく区内特養ホームに入れたとしても、多くの待機者もいらっしゃるため、退所扱いとなってしまいます。  特養ホームに一度入所したが、長期入院等によって退所せざるを得なくなった方に対し、世田谷区はどのようなサポートを行っているのでしょうか、お答えください。  また、このようなケースは特養ホームに限ったことではなく、有料老人ホームなど一般的な介護サービス施設は医療対応が可能な施設が少ないのが現状です。御承知のとおり、病院での入院は三カ月までですが、病院退院後、介護施設にも戻ることができない方の行き先が少ないという現状もあります。  この件に関し、世田谷区としてはどのように考えているのでしょうか。また、サポート体制についてもお答えください。  他自治体では、訪問医療と連携した、医療対応が必要な方も利用できる民間グループ、法人が運営を行う高齢者シェアハウス等の取り組みも見られます。特養や有料老人ホームで医療が必要になり、退所せざるを得ない場合や、特養ホーム待機者など、現状、世田谷区が対応し切れていないサービスを、民間活動団体と連携し行っていってはいかがでしょうか。来年度立ち上げの居住支援協議会の仕組み等を使い、これらの団体をマッチングさせていくこともできるかと考えます。こういった可能性について見解をお聞かせください。  次に、改正社会福祉法の施行に伴う区内社会福祉法人への対応について質問いたします。  この件に関しては、先月の決算特別委員会の補充質疑でも取り上げましたが、その後、厚生労働省から政省令も出ていることから、指導監督官庁である世田谷区の具体的な法人への対応について質問していきたいと思います。  改めて経緯を申し上げます。  本年三月、社会福祉法等の一部を改正する法律が可決されました。この制度改革がなされた背景に、他自治体の保育園を運営する社会福祉法人において内部留保のため込みや、理事長の逸脱したお金の使い方が問題とされたことが挙げられるようです。  法改正の趣旨として、社会福祉法人について経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上等の改革を進めるものであります。この改革を進めるために、社会福祉法人が行わなければならないのが法人の定款変更となります。  本年七月に行われた厚生労働省の説明会では、定款変更例と具体的な例示があり、それが法人の自主的な活動を阻害することにつながるのではないかとの問題意識を世田谷区には問いかけさせていただきました。  世田谷区内に主たる事務所がある社会福祉法人は四十六法人ですが、そのうち十二法人は二つ以上の自治体で事業を運営しておりますので、残り三十四法人が、世田谷区の指導監督のもと、具体的に定款変更等を行っていくことになります。今回、社会福祉法人が行わなければならない定款変更に際し、法改正後、国の政省令が発令されるまでの間の事前準備作業の参考として、本年六月二十日付で定款作成例が具体的に例示されました。  その際、厚生労働省が具体的に示しておりましたのが経営の原則等の項目部分で、「この法人は、地域社会に貢献する取組として、(地域の独居高齢者、子育て世帯、経済的に困窮する者 等)を支援するため、無料又は低額な料金で福祉サービスを積極的に提供するものとする」と例示されておりました。  もちろんこの点は法律で規定されていることであり、それぞれの社会福祉法人は、当然にこの趣旨に沿ってそれぞれの独自サービスを行っていきますので、過度な行政による指導は、法人の自主的な活動を阻害することにもつながりかねません。  だからこそ、この法改正の際の衆参両院による附帯決議でも、「地域公益活動の責務化については、待機児童、待機老人への対応など本体事業を優先すべきであり、社会福祉法人の役割と福祉の公的責任の後退を招くことのないようにすること。社会福祉法人設立の主旨である自主性と社会福祉事業の適切な実施に支障を及ぼすような過度の負担を求めるものではないことを周知徹底すること」との一文があったのです。  世田谷区は所轄する三十四法人からの相談に応じながら、事前準備作業をサポートしてきたと聞いておりますが、先般、十一月十一日には国の政省令等が発令され、その中で社会福祉法人定款準則が示されたとのことです。  今回、社会福祉法人が行わなければならない定款変更について、以前厚生労働省が示した定款作成例では、地域における公益的な取り組みについて定款に記載するよう、半ば強制的とも言える例が示されておりましたが、十一月十一日に発令された政省令ではどのような取り扱いになったのでしょうか、お答えください。  また、改正法では、社会福祉法人の経営組織のあり方として、一般財団法人、公益財団法人と同等以上の公益性を担保できる経営組織とするため、例えば、これまで理事、理事長の役割や権限の範囲が明確でなかったものを法上で規定することや、一定規模以上の法人への会計監査による監査の義務づけをすること、また、これまで任意設置の諮問機関であった評議員会を必置の議決機関とするなど、法人運営の基本ルール、体制の決定と事後的な監督を行う機関として位置づけられることになりました。これらは法人の公益性、透明性を担保するために必要な規定ではありますが、平成二十九年四月施行に向け残り四カ月しかない中、法人には膨大な事務作業が課せられることになります。  区内で活動する社会福祉法人で仕事をされている方々は、高齢者介護、障害者のサポート、子どもの保育など、とてもとうとい繊細な仕事を担っておられる中、このような事務作業が課せられることになりますので、世田谷区としては社会福祉法人に対して全力でサポートしていただきたいというふうに考えています。  今後、評議員の選任等に関する相談があった場合の世田谷区の対応について御答弁をお願いいたします。  以上、壇上からの質問といたします。(拍手) ◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、特別養護老人ホーム入所後の医療対応について、三点御答弁いたします。  医療対応している施設等の状況についてです。  特別養護老人ホームは、在宅では生活が難しい要介護三から五の常時介護を必要とする方が入所する施設で、国の設備及び運営に関する基準におきまして医師と看護師の配置が義務づけられ、入所者の健康管理や療養上の指導を行っております。  一方、特養では医師の常駐は義務づけられておらず、看護師は、入所者定員に応じて配置基準はありますが、夜勤配置は義務づけられておりません。病院からの早期の退院が進められている中、介護や日常生活上の世話、また、機能訓練などを提供する特養でも、胃瘻などの経管栄養や尿管カテーテル、たんの吸引、在宅酸素等の医療的ケアを必要とする方を受け入れる特養や、みとりを行う特養もふえてきております。  入所者の状態や医療的ケアの必要な方の受け入れ人数等により、特養ごとに対応は異なりますが、新規に入所する際には、尿管カテーテルは十五施設、人工肛門は十四施設、たんの吸引と在宅酸素は十一施設、胃瘻等の経管栄養とインシュリン注射は六施設が対応を可としております。  入所後に医療的ケアが必要となった場合、経管栄養は十二施設で対応可能となり、その他の医療的ケアも対応できる施設は若干増加する状況にございます。また、みとり介護加算をとっている区内特養は十五施設で、加算をとっていない特養でも、本人、御家族の希望により施設でみとるなど対応している状況でございます。  続きまして、医療が必要となり、三カ月以上たって退院される方への対応についてでございます。  特別養護老人ホームでは、入所者が入院後おおむね三カ月以内に退院することが明らかに見込まれるときは、厚生労働省令に基づき、御本人や御家族の希望を勘案し、退院後、再びもとの施設に円滑に入所できるようにと定められております。三カ月以上経過後に退院する場合は、御指摘のとおり、すぐに戻れる状況にないのですが、病院のソーシャルワーカー等が御本人や御家族と相談し、退院後の方針について検討をします。もとの特養ホームの再入所等、特養を希望する場合は、区に入所の申し込みを行っていただきます。その際、医療的ケアの対応ができない等で特養の入所が難しい場合は、介護療養型医療施設や老人保健施設などについての御相談に乗っております。また、区では在宅医療電話相談センターで転院や施設の相談を受けており、在宅療養に関する相談も行っております。  最後に、医療対応が必要な方の退院後の行き先についてでございます。  医療的ケアが必要な方が退院する場合、特養のほか、介護療養型医療施設や老人保健施設を利用していただいており、区外の施設を含め、両施設で四月の利用実績は合計約千五百二十人の方となっております。一方、退院後、在宅での生活を送られるよう、日中、夜間を通じて定期訪問と随時訪問を介護と看護が連携し、必要なときに必要なサービスを柔軟に提供できる定期巡回・随時対応型訪問介護看護などのサービスを利用していただくことが有効と考えております。  現在、区内で六事業所で区内全域にサービス提供をしております。また、医療ニーズが高い要介護者の地域生活を支え、退院後の在宅サービスへのスムーズな移行ができるよう、看護小規模多機能型居宅介護施設が有効なことから、区では整備に努めており、二十九年度に二カ所開設予定となっております。  今後とも医療と介護の連携を強化し、医療的ケアが必要な方も安心して住みなれた地域で住み続けられるよう支援してまいります。  以上でございます。 ◎渡辺 都市整備政策部長 私からは、高齢者の医療と住まいについて、設立の準備をしております居住支援協議会との関連について御答弁申し上げます。  区では、高齢者、障害者、ひとり親の子育て世帯など、住宅確保要配慮者への民間賃貸住宅の入居のさらなる促進を図るため、世田谷区居住支援協議会の設立を準備しているところでございます。この居住支援協議会におきましては、高齢者の方々などの入居支援という課題につきまして、入居後の見守りなどの生活支援といった観点からも情報共有による連携が必要であることから、住宅部門と福祉部門との連携をさらに深めていくものでございます。  御質問の医療的ケアが必要な高齢者への対応という課題につきましては、この課題に対する環境整備の取り組みなどを見ながら、居住支援協議会の協議事項と捉えております。  今後、協議会の場で情報共有のもと意見交換し、お話しのマッチングも視野に入れまして、民間賃貸住宅の入居の促進、連携に努めてまいります。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、社会福祉法の改正に伴う区内社会福祉法人への対応について、二点御答弁申し上げます。  まず、社会福祉法人の定款変更における、地域における公益的な取り組みの取り扱いについてでございます。  今回の社会福祉法改正に伴う国の政省令等が十一月十一日に発出されました。今後、社会福祉法人はこの政省令に基づいて定款変更を行うことになりますが、定款は、基本的には評議員の選任や評議員会の設置のように必ず記載しなければならない必要的記載事項と法人が法令に違反しない範囲で任意に記載することができる任意的記載事項がございます。  議員よりお話しがございました地域における公益的な取り組みにつきましては、任意的記載事項として定款への記載が義務づけられるものではなく、各法人が自主的に検討し、定款に記載するかどうかを判断できるものとして、国の定款変更にかかわる事務の取り扱いに示されております。  今後、区では区所轄の三十四法人に対して、国から発出された政省令の内容を丁寧に説明し、定款変更申請等がスムーズに行えるよう支援するとともに、所轄庁として適切に定款変更の認可審査を行ってまいります。  次に、評議員の選任に関する相談への対応についてでございます。  今回の社会福祉法改正に伴う手続等につきまして、これまで所轄法人には来年度に向けてのスケジュールの案内や各種相談に対応するなど、事前の準備作業への支援を行ってまいりました。その中で、現在、評議員会が未設置のため、評議員の人材確保に苦慮しているという法人からの相談もございました。  区では、民生委員児童委員に今回の法改正の趣旨等を説明するとともに人材確保への協力をお願いし、現在、具体的な案件の相談もさせていただいているところです。また、他の団体にも各法人から相談があった場合に対応いただけるよう協力依頼を進めているところでございます。  今後も所轄法人からの相談には丁寧に対応し、来年四月に向けて各法人がスムーズに手続を進められるよう支援してまいります。  以上でございます。
    ◆八番(すがややすこ 議員) まず、社会福祉法人の対応という点につきましては、今、部長から御答弁がありましたとおり、地域における公益的な取り組みということについては任意的記載項目ということで、そのように区内の三十四法人さんに対してはしっかりと説明とか相談とかを受けていっていただきたいというふうに重ねて要望しておきます。  そして、高齢者の医療対応なんですけれども、質問の中では高齢者シェアハウスということも申し上げましたが、これはちょっと高齢福祉部のほうに再度質問させていただきたいんですけれども、例えば高齢者シェアハウスを整備する際にいろいろ条件等があるかと思うんですね。その点について再度御答弁をお願いしたいと思います。 ◎瓜生 高齢福祉部長 再質問に御答弁いたします。  高齢者がシェアハウス等に複数で住む場合は、東京都のUD条例、ユニバーサルデザイン条例や東京都の安全条例などによりまして、廊下幅が一・四メートル以上、また、段差解消でエレベーターを設置する。また、一定の窓先空地を必要とします。また、消防法でスプリンクラーの設置が義務づけられるなどさまざまな規制がありまして、既存住宅での活用というのがなかなか難しい状況にございます。これらの課題も踏まえまして、高齢者の安全を確保し、安心に暮らしていただけるためにも、さらに検討が必要というふうに考えております。  以上でございます。 ◆八番(すがややすこ 議員) 今、再答弁の中にもありましたとおり、やはり高齢者シェアハウス等を整備していくにはまだかなりの課題があるかということがわかりました。今後、居住支援協議会が設立されて、その中でいろいろ高齢者の課題等についても議論されていくことになるかと思いますけれども、ぜひこういった課題とか設置条件ということについても議論を進めていっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上ですがややすこ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、十二番高岡じゅん子議員。    〔十二番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い、順次質問します。  まず、安全と予防原則に立った世田谷清掃工場問題の解決に向けて質問します。  十一月十六日、世田谷清掃工場対策検討委員会最終報告についての東京二十三区清掃一部事務組合による区民との意見交換会に参加しました。安全安心を第一に求める区民の活発な発言があり、安定稼働を使命とする清掃一組の姿勢とは溝があることを再認識しました。  現場では強化アクリル板一枚の囲いの中でダイオキシンを含む粉じんにまみれた鉄屑の詰まりを取り出す作業など、リスクを抱えた操業が続いています。ダイオキシン漏れの危険から作業員の安全を確保するために、毎日粉じんを測定する取り組みも始まりました。このような状況下で、世田谷清掃工場は主に世田谷区民が出す可燃ごみの処理を続けているわけですから、区と区民は安全安心のために、自分たちの問題としてこの工場の安全を監視し続けるべきです。対策として新たに実施されたさまざまな計測によるデータは、ダイオキシンの飛散防止のため、危険を察知し、炉を素早くとめることに生かされなくては意味がありません。  世田谷区は、区民とともに操業の安全を監視し、清掃一組に対し安全確認のためのデータの公開と、安全安心のため、炉を適宜停止できる体制とすることを強く求めるべきです。区の見解を伺います。  工場竣工時には想定していなかった消耗部品の早期交換、安全確保のためのデータの計測追加、保守点検の頻度増加などにより、少なくとも二億八千万円の追加費用が発生することが報告書資料に載っています。報告の中では、プラントメーカーから安定稼働に向け、さらに幾つかの工事が必要だとの提案がなされていますが、これらの改良工事費用はこの二億八千万円には含まれていません。  竣工以来、平成二十七年の応急囲い込み工事まで七年間にわたり、プラントメーカーが修理費用を負担してきました。今後の修理費は清掃一組の負担になると言われています。無理な設備延命のために過剰な税金が投じられることがないよう、将来の修理費用なども含めた経費や処理量当たりのコストなど、前提とされるデータを公開し、世田谷清掃工場を運営継続すべきか、議論を深めていく必要があると考えます。区の見解を伺います。  今後、将来の整備手法について、ガス化溶融炉の廃止や工場の全面建てかえも視野に入れた検討がなされ、平成三十二年度からの清掃一組の一般廃棄物処理基本計画に反映していくと報告書は結ばれています。しかし、地元区民は工場建設時の夢の焼却炉と言われたのにかけ離れた現状に強い不安と不信感を感じています。今後の整備手法の検討過程においては、公開のデータに基づく開かれた検討の場が必要です。区民の声を反映できるよう、検討組織に公募区民を含む複数の区民を参加させるなど、区民参加を求めていく必要もあります。  既に区長が区長会など機会を捉え、世田谷清掃工場問題について区民の声を伝えていることを評価します。今後の行われる整備手法についての議論においても、さらに地元区として議論をリードしていく必要があります。世田谷清掃工場の休止や建てかえを求める区民の声をきちんと代弁すると同時に、検討の場の公開と区民参加を強く求めるべきです。区長の見解を伺います。  続いて、災害関連死ゼロを目指す、避難行動要支援者への支援について質問します。  大地震などの災害時、障害や高齢に加えて持病も抱え、医療的ケアが日常的に必要な方々が真っ先に命の危険に直面することは、東日本大震災や熊本地震の事例からも明らかです。現在示されている世田谷区避難行動要支援者避難支援プラン改定素案は、このような方々を確実に安否確認し、適切な支援に結びつけるために策定されています。  要支援者の現状を事前に把握し、適切な支援に結びつけるためのツールとして、災害時個別支援計画作成シートがあります。医療機器の電源が失われるとともに命にかかわる、医療ケア利用者には特に事前の情報共有が必要になります。  三・一一直後、計画停電が予想される中、人工呼吸器使用者向けの個別支援計画は、在宅で人工呼吸器を使う方々に限り、東京都主導で作成され、在宅が確認でき、御本人の承諾を得られた区内の全対象者について既に作成されています。  しかし、医療制度の変化に伴い、人工呼吸器以外にも日常的に医療機器を使い、訪問医療や訪問看護に支えられ、在宅で暮らす区民はふえています。たん吸引器や酸素吸入器などの利用者についても、今後、災害時の安否確認の一端を担う訪問看護事業者などと連携し、当事者の実態に即し、人工呼吸器使用者に準じた個別支援計画づくりを進めていくべきではないかと考えます。区の見解を伺います。  医療的ケアを必要とする方に代表される移動が体への負担となる方や、体育館や学校のような避難所で過ごすことが困難な方々、そういう方は、そもそも一次避難所に来ることができない、最初から行くことを諦める例が多いということも明らかになっています。そういった方たちは二次避難所を利用する手順からも外れ、リスクの高いまま、被災地に取り残されてしまいがちです。  プラン素案では、まず第一次避難所に来られた方への聞き取りから始めて、二次避難所への移送を検討することが示されています。それでは一次避難所に行くこともできず、在宅避難している方々を二次避難所につなげるにはどのような手順が考えられているのでしょうか。福祉的ニーズの大きい方ほど在宅から直接二次避難所に移動したほうが体への負担が少なく、災害関連死を減らすことにつながります。在宅避難している福祉的ニーズのある区民も二次避難所を利用できるため、どこに誰が在宅避難し、どのようなニーズを抱えているのかの情報収集や支援の手法を工夫していく必要があると考えます。区の見解を伺います。  最後に、食育の推進について伺います。  健康せたがやプラン第二次の後期計画策定に向け、区民と進める健康せたがやプラス1のテーマの一つとして、食習慣に着目し、賢くおいしく食べようが提案されています。食は生きる基本です。都会で暮らす世田谷区民は、ほとんどの食材を消費者として購入し、自分たちの食を賄っています。賢く食べるためには賢い消費者となることが必須です。幅広い世代に向けた食育には消費生活センターとの連携が欠かせませんが、プラン素案には関連部署としての記述がありません。  世田谷区内に残る貴重な都市農地もまた食育の重要な舞台となっています。既に多くの小中学校が「せたがやそだち」を使った給食や農家の協力による体験学習にも取り組んでいます。  ことしの夏、食育推進条例を持つ小金井市に、江戸東京野菜普及の取り組みを視察に行きました。食べず嫌いを減らす親子体験学習会を、農家、児童館、江戸東京野菜の普及専門家が連携し実施していました。よい食習慣づくりという目標を共有し、世田谷区でいえば子ども・若者部と産業政策部が連携し、市民の専門家を活用しての活動に感銘を受けました。  区内でも食育を視点に加えた子ども食堂での学習支援など、区民主体のさまざまな取り組みも始められています。世田谷区においても、より幅広い所管が連携し、区民を巻き込んだ食育の一層の推進を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高岡議員にお答えいたします。  世田谷清掃工場の再整備に対して、区民参加、そして同工場の休止、建てかえの声について、区長の見解ということでいただきました。  世田谷清掃工場については、これまでも特別区長会や清掃一部事務組合評議会等の場で、私はそもそも世田谷工場のガス化溶融炉の不安定性と頻発する事故、そして運転停止の現状から構造的欠陥を有しているものと疑われる。したがって、思い切った評価、判断が必要だと申し上げてまいりました。このような事態に当たっては、炉の取りかえも含めた抜本的対策の早急な立案、また、安定的な中間処理体制の確保、清掃工場周辺住民を含めた区民の理解を得ることが必要と求めてまいりました。  その一環として、今後の整備手法検討に当たっては、ガス化溶融炉から他方式への換装、すなわち取りかえを前向きに検討するべきだという発言も行ってまいりました。  先般まとめられました対策検討委員会の最終報告書でも、区の意見が反映された点が相当部分あり、整備工事の具体的な内容は、清掃一組の計画に盛り込んでいくことも明記されました。  今後、清掃一組で新たな検討組織を設置する際に、区民の方々の不安解消と、今申し上げた地元区としての立場から、世田谷区の住民及び世田谷区の意見の反映を清掃一組に求めてまいります。また、御指摘の検討の場の公開と区民参加につきましても清掃一組に申し入れてまいります。 ◎松下 清掃・リサイクル部長 世田谷清掃工場に係るデータの公開等に関する二点の質問に、私からお答えを申し上げます。  まず、操業の安全性の監視についてであります。  清掃一部事務組合では、今般取りまとめた世田谷清掃工場対策検討委員会最終報告に基づきまして、炉室内の作業環境を把握していくためのデータ収集と故障低減に向けた対策を講じていくこととしています。その一環といたしまして定期測定の項目と頻度を充実することとしておりまして、毎日測定する項目といたしましてVOC(揮発性有機化合物)と粉じん、また、毎週測定する項目としまして、コプラナーPCB、これはダイオキシン類の一種でございますが、また、毎月測定する項目として機器の接続部分のCO(一酸化炭素)、これらを現在測定しております。さらに平成二十九年度からはCO2(二酸化炭素)の測定も行う予定としています。これら測定データは、世田谷清掃工場の三階の一角に現在既に設けております閲覧コーナーでごらんいただけるということになっております。  世田谷清掃工場の円滑な運営に当たりましては、安定稼働はもちろんのことですが、地域住民の方々の理解が必要不可欠でございます。再稼働後の測定データは、再稼働前と比べますと大幅に改善されてはおりますが、今後も継続的に注視していくことが重要と考えておりまして、議員お話しのデータの公開等につきましても、清掃一組のホームページへの掲載など、区民の皆様により一層の情報提供を、区としても働きかけてまいります。  次に、世田谷清掃工場の運営に要する経費を含め、また、将来に向けた検証に関しての御質問についてでございます。  清掃一組では、清掃工場ごとの各種のデータをホームページに年度別に掲載しておりまして、ごみの搬入量、また、人件費や定期点検補修、整備工事等に要した経費、その結果としての一トン当たりの処理経費等が公表されております。  世田谷清掃工場の場合、特に大きなトラブルなく運営された平成二十四年度の処理経費は一トン当たり一万八千円程度でございましたが、トラブルのあった平成二十六年度は二万円余りとなりました。今般取りまとめられた対策検討委員会の報告書におきましては、ガス化溶融炉の今後のランニングコストを一トン当たり一万八千五百円と試算しております。  今後、対策検討委員会の報告を踏まえまして、作業環境改善に向けた対策の効果を検証して、整備工事等の具体的な内容の検討を行っていくものと考えますが、区といたしましても、収集運搬を担う清掃工場の地元区としての立場のみならず、二十三区全体の安定的な中間処理の観点からも検証過程を注視していくとともに、清掃一組に対して、さらなる情報の公開を求めてまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは二点、まず、たん吸引器や酸素吸入器などの利用者についての災害時の個別支援計画についてお答えいたします。  区は、在宅医療機器使用者の安否確認、安全確保を行うための基礎資料とするため、かかりつけ医、訪問看護ステーション等の協力のもと、在宅人工呼吸器使用者の災害時個別支援計画を作成しております。区内には、在宅酸素や吸引器など、在宅で人工呼吸器以外の医療機器を使用している区民も多くいらっしゃいます。災害時に必要な支援はそれぞれの状況に応じて異なっており、平時より災害時を想定しての非常用電源の確保や受け入れができる医療機関を、主治医と御相談していただくことが大切と考えております。  区といたしましても、災害発生時に診療が可能な医療機関の情報など必要な情報を適宜提供していくこと、また、停電が続くことを想定した非常用電源の確保に努めることが重要と考え、その体制整備を図っております。  たん吸引器や酸素吸入器などの利用者の個別支援計画につきましては、当事者や支援者それぞれができることを確認し、積み上げていくことが望ましく、今後も引き続き区民や関係機関の御意見を伺いながら、関係所管と連携し検討を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、食育の推進についてお答えをいたします。  食育の推進につきましては、現在、健康せたがやプラン第二次の前期計画に基づき、区内の関係機関、関係者による世田谷区食育推進会議を設置し、「せたがやそだち」等の区内農産物などを取り入れたせたがや食育メニューの開発と、それを活用した児童館や小学校、地域と連携した異世代交流による共食事業の実施、食育を広く区民に啓発するための講座の開催などに取り組んでおります。  前期計画では、食育施策にかかわる担当所管として、世田谷保健所に加え、総合支所、子ども部及び教育委員会事務局しかお示ししておりませんが、それ以降の食育施策を進めるに当たりましては、産業政策部、保健福祉部や高齢福祉部とも連携を図り、区内農産物などを取り入れたせたがや食育メニューの開発や、高齢者の低栄養予防などに取り組んでまいりました。  現在策定中の健康せたがやプラン第二次後期計画では、連携する関係所管も担当所管としてお示しするとともに、引き続き庁内を初め地域や食育の関係機関との連携を大切にしながら、異世代交流会等による会食機会の拡充や、区内農産物を活用した食育の機会の増加など、幅広い食育事業の実施等を通して、区民を巻き込み、食育の推進に努めてまいります。  以上です。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、在宅避難者の二次避難所の利用について御答弁いたします。  二次避難所は、自宅や避難所での生活に支障のある高齢者や障害者等の災害時に特別な配慮が必要となる要配慮者を一時的に受け入れ、保護するための避難所で、現在、七十三の施設と協定を結んでおります。  災害発生からおおむね七十二時間は施設では業務の継続に向けた対応に専念することから、二次避難所の開設は七十二時間経過後を原則としております。この間、災対保健福祉部では二次避難所となる施設の被災状況や職員の参集状況などを把握し、二次避難所開設の可否を決定いたします。  こうした開設準備と並行して、自宅や避難所での生活に支障を来している要配慮者の情報を集約し、二次避難所を必要とする方が適切に利用できるよう可否判断を行います。  なお、現在改定に向けて検討を進めている避難行動要支援者避難支援プランでは、一次避難所での生活が困難な方が自宅から直接二次避難所に避難されてきた場合も想定し、施設側でも緊急的な受け入れの可否を判断できることとしております。  また、自宅で避難している要配慮者に対しては、民生委員児童委員や社会福祉協議会、介護事業者等と連携協力して訪問等を行い、健康状態や福祉ニーズを把握する体制を整備するなど、要配慮者が二次避難所を適切に利用できるよう取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 ◆十二番(高岡じゅん子 議員) 災害関連死ゼロに向けて一歩一歩進んでいっていただきたいと思います。  世田谷清掃工場に関してですが、一番長くとまっていた二十七年度のトン当たりのコストがまだ公表されていません。また、十六日の意見交換会でダイオキシンの再生成を抑えるための装置と思われる水冷ジャケットに明らかに劣化が見られるというスポットがある写真が示され、早急に修繕工事を行う予定と聞いています。この安全のための補修が必要です。しかし、今までと違い、税金を投入して追加工事となるのであれば、支出に至る経緯も含め、情報の公開が必要です。工事終了後に請求書だけが区民に回ってくるようなことは許されないと考えます。今後の発表を注視していきたいと思います。  区民に対しても、清掃一組の情報が適宜適切に速やかに公開される必要があります。区民が世田谷区のごみ搬入……。 ○上島よしもり 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、六番ひうち優子議員。    〔六番ひうち優子議員登壇〕(拍手) ◆六番(ひうち優子 議員) 本日は、まず初めに、小学生への自転車安全教室の充実について伺います。  自転車が交通事故全体の約三五%を占めている現在、小学生からの自転車安全教育が必要なことは以前から申し上げてまいりました。特にスケアードストレート方式の事故再現型自転車安全教室の実施は有効であると考えます。現在、中学校三年間で一回は必ずこのスケアードストレート方式の事故再現型自転車安全教室を体験しておりますが、これを小学生へ拡充すべきと考えます。  通学中の小学生が交通事故に巻き込まれるケースもありますし、子どもが自分を守る力をさらに育てるとともに、保護者の方への自転車のルール、マナーの周知徹底のためにも、小学生への交通安全教室を拡充し、スケアードストレート方式の事故再現型自転車安全教室を実施すべきです。  そこで質問いたします。  一点目、まず小学校では現在どのように交通安全教室を実施しているのか。二点目、小学生にもスケアードストレート方式の事故再現型自転車安全教室を取り入れるべきと考えます。例えば小学生の保護者にも小学生と一緒にスケアードストレート方式のこの事故再現型自転車の安全教室を体験するなどして、ルール、マナーの周知徹底を図るべきと思いますが、この二点、見解を伺います。  次に、コミュニケーション能力を培う教育について伺います。  現代の国際社会において、子どものころからコミュニケーション能力を伸ばすことの必要性は言うまでもありません。ビジネストレーニングで活用される手法でありますディベートやコーチングなどの実践的な体験を通じて、個々人のコミュニケーション能力を向上させたり、相手を説得するための方法を学ぶことが大切です。また、公開の場でプレゼンテーションを実際に行うことで、情報収集の能力や資料の使い方、また、企画力や表現力を学ぶことができると考えます。より実学的でビジネススキルにもつながった内容を、多くの子どもたちに学習させる必要があると考えますが、現状と今後について見解を伺います。  次に、実学的な教育について、現代社会において最も必要なものの一つはお金に関する教育だと思います。私たちは生まれてから死ぬまでお金というものと縁を切って生活することはできません。しかし、今まで教育現場においては、このお金に関する教育がタブー視されてきたように思われます。  現在、中学校などで行われている、悪徳商法にだまされてはいけない、クレジットカードの乱用は危険といった消費者教育に加えて、お金に関する総合的な知識を得るような教育があってもいいのではないでしょうか。例えば通貨とはどういうものか、預金とは、借金とは、また金利とは、抵当とは、保証人とは、そして資産と負債の意味、投資や資産運用、債券と証券の違い、手形と小切手の仕組み、税金の仕組み、また、貿易、保険、為替の仕組みなどをわかりやすく学ぶことで、自然にお金に関する感覚が身についてくると思います。  全世界で二千万部にも上る大ベストセラーとなった「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者であるハワイの日系人ロバート・キヨサキ氏も、大人になってからの金銭に関する知識がいかに大切かを力説しております。  その中のトピックスの一つ、史上最高の買い物について紹介したいと思います。  ニューヨークのマンハッタン島は、その昔、たった二十四ドル相当の安価なアクセサリーやビーズ玉と引きかえに、オランダ西インド会社に売り渡されました。かたい岩盤であったこのマンハッタン島は、耕作には不向きであったため、二束三文で取引されていました。しかし、かたい岩盤は高層建築には最適な土壌であったため、現在のように数多くのビルが立ち並ぶようになりました。このことを通して投資とはどういうものかを考えるわけです。  この話にはさらなる落ちがあります。マンハッタン島をわずか二十四ドルで買った者は得をして、売ったインディアンは損をした、誰でもそう考えますが、本当に売ったインディアンは損をしたのでしょうか。この代金二十四ドルを現在までの期間、アメリカにおける平均的な投資率年八%の複利で他の金融商品に投資しているならば、現時点で既に五十兆ドルになっています。何と二十四ドルが五十兆ドル以上にも膨れ上がり、ニューヨーク全部とロスアンゼルス全部を買っても十分なおつりが出るほどなのです。このことを通して、複利とはどういうものかをさらに考えることもできます。  以上を踏まえ、早い時期からお金に関する教育をすることが必要と思いますが、区の見解を伺います。  次に、以前にも質問した法教育についてです。  法律とは元来なぜ必要なのかといった法やルールの背景にある原則、また、法的な物の考え方が小さいころから身についていない現状があります。日常生活の中で法律を意識する機会が少なく、町の身近な法律家を講師に迎え、法教育を行う必要があると考えます。  法教育の意義は、元来法律はどうして必要なのか。それぞれ個人として自由だが、社会で共同して生きていく上で、お互いに一定のルールに従い生活しなければ秩序が保てない。個人は自由だが、公共の福祉によって自由が制限されるといった法やルールの背景にある原則、法的な物の考え方を学校教育の中で教えることにあります。  また、日常生活の中での何げない行動であっても、実は法律がかかわっていることを意識させることにより、社会で生き抜く力を身につけることができます。  例えば買い物は契約である。口約束でも契約が成立するといったことを意識するようになります。また、憲法教育も重要で、憲法は国家権力から国民を守るためにある。国家権力が暴走しないよう、憲法で国家権力を縛る、法律は憲法の範囲内で国民を縛るといったことを教えることも必要です。  他自治体では町の身近な法律家がインターネットでのワンクリック詐欺と題し、インターネットの世界は便利な反面、注意が必要な面もあることや、SNS普及に伴い、プライバシー権、肖像権という権利があることを説明しています。また、日常生活の中にある法律を考える、買い物と契約と題した法教育では、買い物は売買契約であるということを知り、買い物をする際には各種の条件に気をつけながらお金を使い、買い物、売買契約を結ぶようにするなどを教え、児童自身の消費行動と法律がどのようにかかわっているのかを知る機会となっております。  今後も町の身近な法律家を活用した法教育が重要と考えますが、見解を伺います。  最後に、芸術教育について伺います。  小中学生のころからの芸術教育は、感性を養う意味で重要なことは言うまでもありません。芸術作品に触れることで感性を培うことができ、ひいてはそのことがその人間自身の教養の高さにもつながります。  現在、芸術教育は、楽器演奏、唱歌、写生、工作などの実技とさまざまな作品鑑賞が行われておりますが、実技より作品鑑賞が少なくなっている現状があり、バランスよく学ぶことが大切と考えます。私たちの日常の中で芸術作品として鑑賞の対象となるものは多く存在します。音楽、また美術、そして映画、オペラ、能、狂言、歌舞伎など、両者を融合した総合芸術もあります。また、地域の演奏家の方をお招きし鑑賞することも有効と考えます。  以上を踏まえ、芸術教育について、現状と今後について見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小山 土木部長 私からは、小学生への自転車安全教室の充実について、二点御答弁申し上げます。  まず、現在の交通安全教室の実施についてですが、区立小学校につきましては、PTAへの委託により、交通安全教室を実施しております。一般的には、一年生で歩き方教室、三年生で自転車教室を行っており、所轄警察署のほか、社会貢献として交通安全事業を行っている宅配事業者、自動車教習所等にも依頼して実施しております。  三年生では、自転車教室を受ければ自転車を一人で乗ってもよいと指導している小学校が多く、保護者からは、三年生で自転車教室を受けてからのほうが危ないというような声もございます。
     これを受けまして、今年度より、従来の三年生での実施に加え、ぜひ五年生などの高学年でも自転車教室を実施していただくよう、各校PTAにお願いしておるところでございます。  次に、小学生にも交通事故再現型の交通安全教室を取り入れ、ルールやマナーの周知徹底を図るべきとのお尋ねについてでございます。  小学校PTAからの御要望により、スタントマンが目の前で交通事故の様子を再現する交通事故再現型交通安全教室を小学校で実施するケースがふえてきております。これまで小学生には刺激が強いのではないかという心配から実施例が少なかったところですが、PTAや学校協議会の主催により、授業時間以外で、児童、保護者、地域の自主参加で行う、高学年のみの参加とする、保護者同伴を原則にするなど、さまざまな工夫をしながら実施することが多くなってまいりました。  小学生の場合、交通事故再現を見た経験をみずからが消化し定着させる必要があり、その日あった交通安全教室の内容について、親子で話し合ってもらうなど家庭での取り組みが重要となります。  区といたしましては、今後も各小学校PTAなどからの御要望に基づき、児童、保護者、地域がともに参加するなど望ましい形で交通安全の大切さを知ってもらえるよう、交通事故再現型交通安全教室を実施してまいります。  以上です。 ◎工藤 教育政策部長 私からは四点、順次御答弁を申し上げます。  初めに、コミュニケーション能力を培う教育についてです。  グローバル化が進む社会において、自分の考えを相手に適切に伝えるなどのコミュニケーション能力を育成することは不可欠であり、世田谷区教育要領では全ての教科などで言葉の力を高めるための言語活動の充実を図っております。  例えば国語科の話すこと、聞くことに関する領域では、ディベートやパネルディスカッションなどの方法や手順を学んだり、友達のプレゼンテーションを聞いて、自分の考えや感想などを伝えたりする活動などを行っています。  さらに、世田谷区独自の教科である教科「日本語」では、中学校二年生で学ぶ表現領域において、自分で決めたテーマについて考えや思いを文章で表現して発信することや、自分の思いや考えを豊かに論理的に表現するなど、まさにコミュニケーション能力を高めていくことを大事にしています。文部科学省による、次期学習指導要領などに向けたこれまでの審議のまとめでは、主体的、対話的で深い学びの実現が求められております。  教育委員会といたしましては、今後もコミュニケーション能力を培う教育が進められるよう、授業改善を進めてまいります。  次に、お金に関する教育についてでございます。  現在、小学校では家庭科において収入と支出のバランスが大切なことであるということ、お小遣いを計画的に使ったり貯蓄したりするといった、無駄のない使い方について考える学習を行っています。  中学校では社会科の公民的分野において、資本主義経済や株価の変動、市場経済の仕組みについて学んでいます。また、技術・家庭科の家庭分野では二者間の契約を取り上げ、販売方法や支払い方法について学ぶなど、目的や状況に合った適切な選択や購入について学習をしております。  さらに、消費生活課と連携し、消費者教育に関する教員向けの研修会を開催したり、児童生徒用パンフレットを配付し、授業で活用するなどしております。  教育委員会といたしましては、日常生活に欠かせないお金にかかわる教育は発達段階に応じて的確に学習すべきと考えており、今後も関係所管と連携しながら取り組んでまいります。  次に、法教育についてでございます。  子どもたちが法や決まり、ルール及び手法について学び、自由で公正な社会の担い手としての資質、能力を身につけるということができるよう、法に関する教育の充実を図ることは大変重要であると認識しております。  小学校では、生活科で公共施設などの安全で正しい使い方を学んだり、社会科で地域の社会生活を営む上で大切な法や決まりについて学習したりしています。  中学校では、社会科の公民的分野で憲法と立憲主義や公正な裁判の保障などについて学んでおりますが、選挙権年齢の引き下げや裁判員制度などの新たな内容についても充実させていく必要がございます。  また、道徳の時間には法や決まりの意義を理解し遵守するとともに、自他の権利を重んじ、義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めることなどを学習しています。  教育委員会といたしましては、引き続き町の身近な法律の専門家を外部人材として活用するなど、法に関する教育に取り組んでまいります。  最後になります。芸術教育の現状と今後についてでございます。  議員のお話にもございましたように、すぐれた作品を鑑賞するなど、芸術教育を通じて豊かな情操を養うことは、子どもたちが豊かに生活するために欠かせないものであると捉えております。  現在、区内全小学校の四年生には小学校美術鑑賞教室として、世田谷美術館の豊富な作品を鑑賞する機会を設けております。鑑賞の力は、自分が感じたことや思ったことを友達と話し合う活動を充実させることでさらに高まることから、グループで館内を周りながら作品について語り合う活動を設定しております。  また、五年生を対象に小学校音楽鑑賞教室を実施しており、オーケストラの生演奏を鑑賞することで、感性豊かな児童を育成することを目指しております。  一方で芸術教育を充実させるための要素として、自分で歌ったり、楽器を演奏したり、絵を描いたりといった表現活動も重要です。表現と鑑賞はそれぞれが独立したものではなく、相互に関連させながら指導していくことで、子どもの豊かな情操を養うことができます。  教育委員会といたしましては、今後も豊かな芸術教育を推進していくため、地域人材の活用や表現と鑑賞の活動を年間指導計画にバランスよく配置することで、子どもが持っている能力を一層伸ばしてまいります。  以上です。 ◆六番(ひうち優子 議員) 小学生へのスケアードストレート方式の事故再現型教室ですが、小学生はもちろんのこと、社会人向けのスケアードストレートも安全教室にもつながると思います。やはり働く世代の方々のルール、マナーの周知徹底というところが課題と考えていますので、今後も親子で参加できるように、よろしくお願いします。  以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でひうち優子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時四分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時三十五分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 一般質問を続けます。  二十七番福田妙美議員。    〔二十七番福田妙美議員登壇〕(拍手) ◆二十七番(福田妙美 議員) 質問通告に従い、順次質問していきます。  水害対策について伺います。  近年、集中豪雨による水害が頻発をしており、広域にわたる都市部での浸水や地下空間の浸水など、甚大な被害が発生しています。  堤防や護岸整備などの治水施設整備のハード対策が推進される一方で、その治水施設の計画規模を超える降雨や整備途中における洪水が発生した場合に、甚大な被害を受ける危険性をはらんでいます。  昨年の鬼怒川の決壊は、計画規模を超えた降雨により甚大な被害をもたらしました。想定外の洪水の被害を軽減するためにはハード対策だけでは不十分で、不測の事態に備えるには、災害情報の伝達体制や避難誘導体制の充実など、ソフト対策の重要性が改めてクローズアップされました。  区内において、平成十七年の洪水被害を機に、野川、仙川に対しては具体的なハード並びにソフト対策が進められていますが、多摩川の洪水に関しては、住民参加の水害訓練や避難訓練など具体的な実施がなされていません。  本年、国土交通省は想定雨量を引き上げ、多摩川流域の四十八時間総雨量を五百八十八ミリという激しい雨での浸水想定を発表しました。近年、東京においても災害が想定される時間五十ミリを超える豪雨が増加しており、地球温暖化やヒートアイランド現象などが影響していることを考えると、今後も増加傾向が予測されます。降雨発生回数の増加に伴い、崖、擁壁への被害、崩落が増加しています。  国土交通省は、複数災害の情報を重ねて表示し、同時に発生する災害に対して現実的な避難行動の重要性を示しています。特に土砂災害について、一連の降雨により洪水、内水、もしくは地震により同時に発生する可能性が高いことが指摘されています。  区内では、多摩川と並行してある国分寺崖線は多摩川氾濫時には避難する方向になっていますが、そこには土砂災害警戒区域が集中し、さらに降雨被害の割合の高い石積み擁壁が半数以上である実態もあります。  このような別の危険性を十分に把握した避難行動は大変重要です。例えば仙台市では本年三月、水害と土砂災害の二つの情報をあわせたハザードマップを作成し、全戸配布後に住民説明会を開催しています。水害時に注意すべき情報を一元化することで、みずからの避難行動のルート検討に活用してもらう目的で、都内の多摩川流域のほかの自治体、羽村市などでも気象環境が類似している関係から、水害と土砂災害を同一マップに記載しております。  先月、裁判の結果が出た、多くの子どもの被害を出した石巻市の大川小学校の出来事は、災害への備えの大切さを学ばせていただきました。ハザードマップを作成することが第一義の目的ではなく、そのマップを活用して災害から命を守る行動をとれるかが最大の目標であり、改めてハザードマップの十分な理解と、災害別の避難行動の違いや、避難所や避難先を明確に伝えることの重要性を実感します。  そこで、世田谷における地震災害と水害の避難所が違う多摩川流域の保育園、児童館、幼稚園等の児童福祉施設等への区からの非常災害時の体制について、また、アドバイスや情報提供体制はどうなっているのでしょうか。これらの施設は限られた数の職員で子どもたち一人一人の命を守らなければならず、地域の方々の協力が大変大きな力となります。  これらの施設が、地域行政、地域とのつながりが地域特性を知る機会となり、また、地域の方々と顔の見える関係を築くことで、災害対策、特に水害などの地域傾向と避難行動が重要である、こういった災害の場合にはこの共助体制の構築が命を守る行動に大きな役割を果たします。さらに、地域住民との連携による避難訓練は実効性を高めていくと考えます。  ここで質問をいたします。  多摩川の新たな浸水想定のもと、区は新たなハザードマップを策定することになっていますが、類似した気象環境における水害と土砂災害から区民が安全に避難する経路を確認するためには、情報を一元化したハザードマップの作成が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  二つ目に、新たなハザードマップを区民に配布した後、地域ごとの特性も踏まえた内容で、住民、地域、また事業者などへの説明会を行うべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  三点目に、大川小学校の事例からも、児童生徒を預かる学校が地域の特性を理解した避難行動をとるために、地域と連携した水害の訓練が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  四点目に、多摩川に近い地域の児童福祉施設等が、非常災害時の体制整備について、対象になる施設のまず把握と現在どのように対応しているのか。また、地域防災計画に示されていますが、日ごろから近隣とのつながりを持つべきと考えますが、区としてどのように考えていらっしゃるか、見解をお聞かせください。  続きまして、若年がん患者の支援について伺います。  区は重要な課題として受けとめていただきたいと思います。我が会派は一貫して区のがん対策を進めることを求めてまいりました。私も議会で何度となくがん対策について取り上げてきました。今回も命と向き合うがん患者さんの代弁者として質問をしてまいります。  国は、平成二十七年のがんサミットを受け、がん対策推進基本計画を見直し、短期集中的に加速させる内容を明記した、がん対策加速化プランを平成二十七年に策定いたしました。将来にわたって持続可能ながん対策の実現をテーマとし、世代別に抱える課題の違いを踏まえて、ライフステージに応じたがん対策の検討に乗り出しました。  特にAYA世代と言われる十五歳から三十歳前後までの若年がん患者さんへの対策です。がんの種類によっては、罹患年齢の低年齢化が進んでいるにもかかわらず、この世代のがんの専門医が少ないこともあり、効果的な治療を受けにくい背景から、生存率が低い現状です。小児期と成人期の狭間の世代は、学業、就職活動、結婚と、人生のさまざまなスタートをする世代でもあります。だからこそ、この世代特有な悩みを抱えます。  病気の治療が生殖機能に及ぼす影響、晩期合併症、通勤通学に及ぼす影響、思春期という多感な時期の病気は、さまざまな精神的ストレス、将来への不安が増大します。この世代は公的支援が薄く、本人、家族が孤立した状態になりがちです。  区は、我が党が提案し実現したがん対策推進条例に基づき、本年三月にがん対策推進計画を策定いたしました。がんを知り、がんと上手に向き合い、がんになっても自分らしく暮らせる地域社会の実現との基本方針を掲げ、四つの分野別施策の一つに、がん患者や家族への支援の充実を盛り込みました。  近年のがん医療の進歩で長期生存者が多くなった反面、がんの治療、再発の不安に重ね、治療費などの経済的な負担が大きくのしかかってきます。特に若年がん患者と言われる二十歳前後から三十九歳の患者は生命保険加入率も低く、公的支援も限られ、医療費助成制度のみの利用となります。よって経済的な負担感は、ほかの世代よりもさらに大きく感じます。特に低所得の若年がん患者にとって治療以外の負担、入院費の差額、交通費、抗がん剤使用による脱毛に伴うウイッグの購入などの支出に対する負担感は絶大なものとなります。また、がん患者には肉体的苦痛、精神的苦痛、スピリチュアルな苦痛、社会的苦痛、これら全て含めて全人的苦痛がのしかかります。  国立がんセンターの研究では、四十歳未満で死亡したがん患者のうち、がんの種類に関係なく在宅での死亡は、ほかの世代に比較し低く、約一〇%にとどまっており、若年がん患者への在宅支援が欠如しており、若年がん患者では四十歳以上で利用できる介護保険による在宅介護支援のない状況が、経済的負担が在宅療養を妨げる要因になっています。  介護保険に該当しない若者の末期がん患者に対し在宅生活を支援し、患者、家族の精神的、経済的、身体的負担を軽減する必要は明らかです。  ここで二点質問いたします。  一点目に、若年がん患者への区の支援の状況をお聞かせください。  二点目に、神戸市、横浜市では若年がん患者への経済的負担の軽減となる支援を行っていますが、我が区も若年がん患者のウイッグ購入の補助並びに末期がん患者への在宅ターミナルケアへの訪問看護等の一部助成を進めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澤谷 危機管理室長 二点御答弁申し上げます。  水害対策についてでございますが、水害と土砂災害の情報を一元化したハザードマップの作成についてです。  近年多発する集中豪雨や台風等の大雨により、水害や土砂災害が全国で発生し、甚大な被害をもたらしています。八月の台風九号の際には、区として初めて土砂災害に関する避難準備情報を対象地域に発令いたしました。区民がこうした災害から身の安全を確保するためには、災害発生前から浸水想定区域や、土砂災害警戒区域等災害発生のおそれのある箇所や、避難場所等について把握するとともに、避難勧告等の避難情報が発令された場合にとるべき適切な避難行動についても、日ごろから認識を深めていただけるよう、ハザードマップの配布や活用を通して周知徹底を図ることが大変重要です。  今年度、国より新たに多摩川の洪水浸水想定区域や家屋倒壊等氾濫想定区域が示されたことから、平成二十九年度に洪水ハザードマップ多摩川版の更新を予定しております。新たな洪水ハザードマップ多摩川版には、本年十月に作成した土砂災害ハザードマップの案内を記載するとともに、町会・自治会を含め地元の声をよく聞きながら、浸水区域からの避難の際に土砂災害にも意識をしていただけるよう、避難をする区民の視点に立った、わかりやすいハザードマップの作成に努めてまいります。  次に、作成後の住民への説明会の開催についてです。平成二十九年度に予定しております洪水ハザードマップ多摩川版の更新につきましては作成段階から、日ごろ防災活動に携わる町会・自治会等対象地域の住民に新たな多摩川の洪水浸水想定区域や家屋倒壊等氾濫想定区域の説明を行うとともに、ハザードマップに対する御意見をいただきながら作成を進めてまいります。  洪水ハザードマップの作成後は、洪水浸水想定区域にかかる地域住民に戸別配布を行い周知を図るほか、地域の防災訓練等の取り組みやさまざまな機会を捉えて、洪水ハザードマップを活用し、とるべき避難行動の説明を行うなど、水害への意識を高めて備えていただくよう、総合支所と連携し取り組みを進めてまいります。  また、浸水想定区域にかかる高齢者、障害者、子ども等福祉施設につきましても洪水ハザードマップを配布し、福祉所管や総合支所と連携して、利用者等が適切な避難行動がとれますよう指導助言を行ってまいります。  以上です。 ◎寺林 砧総合支所長 引き続き学校と地域とが連携した水害の訓練が必要ではないかという御質問に御答弁申し上げます。  区では、平成十七年の野川、仙川周辺の水害を踏まえて、この間、水防対策の強化に取り組んできております。具体的に、砧総合支所では平成二十三年度と平成二十六年度に地域住民の方々とともに地域を実際に歩き、避難路や避難場所の確認などの水害時避難行動訓練を行いました。また、平成二十五年度には鎌田一丁目・二丁目地区を、平成二十七年度には鎌田四丁目・大蔵六丁目地区をそれぞれ対象として、地元住民参加によるワークショップを行い、野川、仙川の水害に備えたハザードマップを作成し、対象地区に全戸配布いたしました。  災害発生時に実際に命を守る避難行動をとれることが最重要であることは御指摘のとおりでございます。今回の国土交通省による多摩川の洪水浸水想定区域の改定を踏まえ、ハザードマップの地域住民へのさらなる周知に努めるとともに、地域住民の皆様や学校の協力を得ながら、水害時避難行動訓練の実施などにつきまして検討してまいります。  以上です。 ◎中村 子ども・若者部長 私からは、児童福祉施設等における水害対策について御答弁いたします。  乳幼児や児童をお預かりする児童福祉施設等においては、災害時にも万全の安全対策を講じることができるよう、気象情報等の把握に努めるとともに、区が発令する避難準備情報や避難勧告などの情報を確実に把握し、子どもの安全を確保するための行動を起こすことが必要です。特に近年、想定外の大規模災害が多く発生していることから、過去の経験のみに頼ることなく、各施設における早目早目の対応が肝要であると認識しております。  多摩川において堤防等が決壊した場合の浸水想定区域内には、児童館や保育園など合わせて二十一の子ども施設があります。子ども・若者部では、これらの施設を含め、所管する全ての施設に対し、水害や土砂災害を含む非常災害対策計画の策定と避難訓練の実施を指導助言するとともに、停電時でも情報を入手できる区の災害・防犯情報メール配信サービスや防災マップアプリなどの使用方法等の周知を行っております。  児童福祉施設等で子どもの避難を行う場合、天候の状況により、施設職員だけでは迅速な移動が困難な場合も想定され、近隣住民等の支援は不可欠と考えます。危機管理室や総合支所とも連携し、新たな洪水ハザードマップの周知だけでなく、いざというときに各施設が近隣との協力体制を確実に構築できるよう支援に努めてまいります。  以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、若年がん患者への支援について二点、まず、区が行っている支援の現状についてのお答えをいたします。  二十歳代、三十歳代を中心とした若年層のがん患者では、子宮頸がん、悪性リンパ腫や甲状腺がんのほか、希少がんを発症する患者がほかの世代に比べて多いなど、がんの種類の特徴を抱えております。また、教育を受けている時期や初めての就職時期と重なるなど、その世代固有のニーズがあり、個別性が高いとも言われております。  世田谷区保健センターのがん相談窓口では、看護師やがん経験患者などの相談員によるがん相談を行っております。今年度からは、医療技術等の進歩により、がんを罹患しつつも就労を希望する方などを対象に、看護師と社会保険労務士が同席して対面相談をする就労相談を試行するなど、支援内容を徐々に拡大しております。しかしながら、区では若年がん患者に特化した支援は現在行っておりません。  次に、若年の末期がん患者への一部助成についてのお答えをいたします。  四十歳以上の末期がん患者への訪問介護等につきましては、御指摘のとおり、介護保険制度が適用され、要介護認定の判定のもとに、介護保険サービスを御利用いただけます。また、原則として十八歳未満のがん患者に対しましては、小児慢性疾患医療費助成により、医療費自己負担の全部または一部の助成が適用されます。  区では、二十歳・三十歳代を中心とする若年がん患者に特化した固有の支援は現在行っておりませんが、その世代の若者は、精神的、社会的に自立し始め、社会の中心となって、これからの地域社会を支える役割を担う重要な世代であると認識をしております。  また、国の研究では、御指摘のとおり、低所得の若年がん患者の治療以外の交通費やウイッグ等にかかる経済的負担感が大きいことが指摘され、経費助成の拡大を検討するように政策提言を行っております。  区は、ことし三月に策定した世田谷区がん対策推進計画におきまして、がん患者や家族が理解や必要な支援を受けながら安心して生活している地域の実現を基本目標の一つとして掲げております。低所得の若年がん患者の経済的負担を軽減して、活発な社会活動を促すように働きかけることは課題であると認識しております。現在策定中の国の次期がん対策推進基本計画の方向性や動向等を注視いたしまして、若年世代のがん患者のターミナルケア支援とともに包括的に検討してまいります。
     以上です。 ◆二十七番(福田妙美 議員) 以上で終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で福田妙美議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、三十一番ゆさ吉宏議員。    〔三十一番ゆさ吉宏議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(ゆさ吉宏 議員) 次のアメリカ大統領は共和党のドナルド・トランプ氏に決まりました。日本でも二人のうちどちらのほうがいいと思うという話になると、私がトランプって答えると、あなたはIQが低いんじゃないのという目で見られ、日本ではその程度で済むかもしれませんが、アメリカでトランプと答えると、選挙前、暴力事件が起きました。クリントン支持者、ふだんは平和を口にする人が、トランプ支持者に暴力を振るったんです。実際、アメリカ南部で白人男性が襲われ、カージャックされる映像がテレビでも放送されました。彼らは自分をとても平和で心が広いと思っているけれども、思いどおりにならないと暴動を起こし、人を侮辱し、アメリカの国旗を燃やす、これが応援していても公言できない隠れトランプを生み、いまだにその禍根は残っています。とはいうものの、アメリカ国民が自分たちが言いたくても言えないことを代弁してくれたトランプ氏が間もなく大統領に就任します。  私が知り合いに、ゆさはどうしてトランプを推すのかと問われると、彼はビジネスの世界で大成功をおさめてきた。本当におかしな人なら成功できるはずがない。また、彼は物の売り方をよく知っている。特に自分の売り込み方を非常によく知っているからと私は答えてきました。  トランプ氏の戦略に悪名は無名にまさるという考えがあり、わざと物議を醸すような発言をしては、マスコミの注目を集め、知名度が上がり、ただの泡沫候補から大統領に上り詰めました。実際、彼の選挙費用はクリントン氏の四分の一以下です。トランプ氏は自分の息子にわざわざ最低賃金の仕事を経験させています。また、一見豪華に見えるトランプジェットも、実は二十五年前の中古機を安く譲り受けたものです。見た目に反して、意外と彼は堅実なのです。  いずれにしても、今回の選挙戦を通じて、アメリカ大統領選挙の制度、そして実は自由と平等とはほど遠く、本音と建前の多いアメリカ合衆国というものについて再認識させられた部分が私自身多かったなと思います。  私は小さいころから大の巨人ファンですが、大統領選挙とプロ野球のペナントレースは似ているなと思ったのは、巨人が優勝する年は決まって競りがち、ばか負けが多いということです。勝つときは二対一とか三対二など一点差で勝つけれども、負けるときは十対一でばか負けをする。年間のトータルの得失点差では、実は失点のほうが多いかもしれない。つまり、戦略的に捨てる試合をつくるということです。  大統領選挙でも、ミシガンとかフロリダ、ペンシルベニアでは僅差で勝つけれども、カリフォルニアやニューヨークでは大差で負ける。ただ、トランプ氏が最終日に遊説した、選挙人の多い接戦州では全て勝っています。このことからも、彼が見かけによらず緻密に計算しているという点で、私も信頼に足る方だと思うのであります。  さて、そのトランプ氏の選挙スローガンがメーク・アメリカ・グレート・アゲイン、アメリカを再び偉大にしようというもので、そこに彼の経済政策、トランプノミクスがぶら下がっている。ここ世田谷においても、再び偉大にしようというわけではありませんが、すばらしい町にしよう、それがメーク・セタガヤ・グレート戦略です。これに上げ潮政策であるせたがやノミクスがぶら下がるものだと私は考えております。  世田谷をいい町にしようという思いは、ここにいらっしゃる皆さんはもちろんのこと、区民の皆さんも異論はないはずです。世田谷の持つ町としての魅力、例えば交通の利便性、あるいは政策努力による緑豊かな住環境、そして子育て支援や高齢者福祉など、住みたいと思う都市の魅力を磨き続けることが大切です。世田谷の持つ都市の魅力について、今後どのように高めていくのか、区の見解を伺います。  一方、世田谷区内の産業においては魅力あるブランドとしての価値を高めることが大事です。世田谷ブランドという観点から見たときにどうなっているのか。まちなか観光が叫ばれて久しいですが、果たしてどれだけ推進できているのか。世田谷ならではの観光地、お土産、いずれもこれといったものが少ないのが現状です。浅草とか東京タワーとは違いますから仕方ない部分も多々ありますが、それでも世田谷に多くの方に来ていただきたい、そのためには何をすればいいのか。「世田谷みやげ」についても、注目度を上げるために、例えば「世田谷みやげ」総選挙をやってみる。今まで関心のなかった方に、いかに興味を持っていただくか、さまざまなアプローチを考えるべきです。  先日、川場村に初めて行きましたけれども、川場ではお米もリンゴもつくり始める段階からお客さんが決まっている。だから、川場村で農業をやっている方は安心してつくることができる。お客さんというのは世田谷区のことですよ、世田谷区には感謝しているとおっしゃっていただきました。  これを世田谷区でもやる。例えば世田谷の農地でつくった野菜でも果物でもつくる段階から売り先が決まっていれば高値で安定する。売り先は国内でも海外でも、区が販路開拓の支援をする。以前にも申し上げたとおり、地産地消だけじゃない発想の大転換を行って、攻めの農政に転じることが必要だと思います。商業でも、工業でも、農業でも一番大事なのは、区内事業者の所得を上げるということです。折しも今区が策定中の産業振興ビジョン、産業振興計画について伺います。  次に、今進めている本庁舎整備。吉野家じゃないですけれども、安くて早くていいものをつくりたい、これは共通の思いです。今のお話ですと、五年で最低四百億かかると聞いています。いかにコストと工期を圧縮させるか、コストを抑えるだけ抑えた後は、今度は本庁舎、特に区民会館については資産を生むような建築物にする必要があります。区の財源を確実にするためにも税外収入を得られる建物にすべきと考えますが、区の見解を伺います。  最後に、二子玉川エリアマネジメンツについて。ことし春以降、特にこの十月から十一月にかけて、二子玉川を舞台にさまざまなイベントが行われ、二子玉川エリアマネジメンツも後援、協賛するなどして、イベントの活性化のために積極的に支援していると聞いています。これら直近の動向と今後の展開について伺います。また、こうした中、安定した収益事業の確立と公益還元の好循環がしっかり描けているか、それらに対する区の支援は十分に行っているか、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎板谷 政策経営部長 私からは、メーク・セタガヤ・グレート戦略に関連して、世田谷の都市の魅力についてどう高めるかのお尋ねにお答えをいたします。  本年三月にまとめた世田谷区総合戦略では、持続可能な自治体経営の実現に向け、その基本的考え方を「『住みたいまち』『住み続けたいまち』を目指し、魅力あるまち世田谷を創出する」としております。  魅力あるまちには活力にあふれる住民や町のにぎわいがあり、安全安心で快適な暮らしにつながる取り組みが活発に行われることが不可欠です。区民、事業者等地域を構成する全ての方々と協働し、世田谷の地域力を維持向上させることが重要と考えます。総合戦略の基本目標である、多くの世代の希望の実現、地域人材と社会資源を活用した活力ある地域社会の構築、心豊かな暮らしを実現するための地方・都市との連携・交流の三つを見据え、区民、事業者等とさらなる連携を図り、八十九万人を超える区民の方々が将来にわたって誇れる、世田谷の魅力向上に努めてまいります。  以上でございます。 ◎花房 産業政策部長 私からは、世田谷の産業のブランド価値を高める産業ビジョン等について御答弁申し上げます。  世田谷の産業のブランド価値を高めることは、区内消費の増加と地域経済の活性化につながることから、現行の産業振興計画におきましても、地域のブランドイメージを高める観光産業の促進を重点事業に位置づけまして、積極的に取り組んでいるところでございます。  具体的には、まちなか観光メッセ等の世田谷の観光をPRするイベントを開催しているほか、「世田谷みやげ」及び「せたがやそだち」といった世田谷ならではの商品を、区のホームページや産業振興公社の観光アプリに掲載するとともに、ふるさと区民まつりや産業フェスタなどのイベントで販売するといった事業を通じまして、世田谷の産業の魅力の発信とブランド価値の向上に取り組んでおります。  今後、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けまして、国内外からの人の流れが活発化することが想定されることから、「世田谷みやげ」や「せたがやそだち」はもとより、区内産業の多様な魅力をより効果的に発信することで、来訪者の消費を促し、地域経済の活性化につなげることが可能となると捉えております。この機会を生かすためにも、産業ビジョン懇話会の御意見をいただくほか、区民ニーズなども把握しながら、区内の産業の育成とブランド価値の向上を図り、事業者の所得の増加につながることができるような、効果的な産業ビジョン及び産業振興計画の策定に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎岡田 総務部長 私からは、本庁舎整備に関連しまして、コストと工期の圧縮、また、税外収入確保のための方策について御答弁申し上げます。  本庁舎の整備は、多額の財政負担を伴う事業であることから、建設コストの推移を注視しながら、総事業費を適切に管理するとともに、工期についても、来庁される区民や近隣住民などへの影響を最小限に抑えるため、可能な限り二期工事、五年程度での完了を目指し、民間の技術も活用しながら、工期短縮ができるよう取り組んでいく必要があると考えております。  また、本庁舎等に整備を予定しているレストランやカフェ、売店、駐車場など、民間のノウハウを活用することが可能な施設等については、さらなる区民サービスの向上を図るとともに、御指摘の税外収入など、区の収入確保が可能な仕組みを導入することにつきまして、民間の事例なども参考にしながら積極的に検討してまいります。  以上です。 ◎小堀 玉川総合支所長 私からは、二子玉川エリアマネジメンツにつきまして、二点御答弁申し上げます。  直近の動向と今後の展開についてお答えいたします。  エリアマネジメントは、公共施設を含む地域資源等を活用いたしまして地域の価値を向上させる事業を実施し、その収益を地域の公益に還元していく、民間事業者が主体の地域活動でございます。  二子玉川におきましては、地域に根差した自主的なまちづくり活動を反映し、地元の玉川町会と複数の企業が連携し、昨年四月に二子玉川エリアマネジメンツが設立され、区もアドバイザーという立場で参加しております。  本年四月に開催されました花みず木フェスティバルや、七月に開催されましたTOKYO ART FLOW00、また、十一月初旬に開催されましたキネコ国際映画祭や、リバーフェスタ二子玉川二〇一六などのイベントに続きまして、この十一月から十二月の週末には兵庫島公園におきまして移動販売車の社会実験を実施し、河川敷空間を活用したオープンカフェによる収益事業を進めております。  また、二子玉川エリアマネジメンツとしての公益還元事業といたしまして、これまで多摩川及び河川敷空間におきまして三回にわたる水辺の環境保全活動を実施することにより、収益事業と公益還元事業の両輪の展開による好循環の仕組みづくりが軌道に乗りつつございます。  今後の二子玉川エリアマネジメンツによる事業展開につきましては、昨年十一月に作成されたおおむね三年程度を見据えた中期事業計画に基づきまして、既に実施している河川敷を活用したカフェ事業や水辺の環境保全の取り組みに加え、セグウェイを活用した交通マナー啓発事業に関する取り組みを予定しております。  次に、安定した収益事業の確立と公益還元の好循環について、そして、それに対する区の支援について御答弁申し上げます。  今後のエリアマネジメント活動をさらに活発に展開していくためには、安定した収益事業と計画的な公益還元事業のバランスのとれた好循環の確立が重要であると認識してございます。これまでも区といたしましては、都心部等で進められておりますエリアマネジメントに関する先進事例等の提供、また、多摩川など二子玉川の地域特性を反映させました自然保護や自然活用などのアイデアの助言等を行ってきているところでございます。また、兵庫島公園における移動販売車の社会実験も進んでいるところですが、今後はさらなる安定収益に向けた事業展開ができるように調査等に取り組んでいく予定でございます。  区といたしましては、設立以来二年目の二子玉川エリアマネジメンツの活動をさらに活性化し、収益事業と公益還元事業の好循環の仕組みづくりがしっかりと確立できるよう、これまで以上に、引き続きアドバイザー機能を発揮してまいります。  以上でございます。 ◆三十一番(ゆさ吉宏 議員) 御答弁いただきありがとうございました。世田谷をいい町にしよう、世田谷ブランドを確立しよう、区内事業者の所得を上げよう、そして税収も確実にしよう、これは皆さん共通の思いですから、我々議員も頑張ります。役所の皆さんもしっかり取り組んでいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上でゆさ吉宏議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、二十一番真鍋よしゆき議員。    〔二十一番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(真鍋よしゆき 議員) 都と区の問題について取り上げたいと思います。  昨日、保坂区長は、我が会派の議員の質問に対しての答弁で、検査済証についての問題提起を、小池東京都知事に行われたという答弁をされました。確かに認証保育所は東京都独自のものでありまして、建築完了検査済証がなければこの設置ができないというのは大変な問題でありまして、そのことを小池知事に直接伝えてもらったということは大変意義深いものだと思います。  しかし、ちょっと待ってください。これは議会から区長に、そして区当局に、検査済証がないから保育園がなかなかできない、空き家対策が大事だ、保育園待機児もたくさんいる、だから、これをやりましょうという指摘をみんなでしたものであります。そして、最初の指摘を受けても、なかなか世田谷区当局の動きは鈍くて、そしていろんな議員が、例えば福祉領域だけで抱えないで、都市整備領域と連携をして、そして具体的な対応策をしよう、こんなことを話し合ったわけです。  検査済証については、そのとき、タイムマシンに乗って戻って取りに行くことはできないから、今の安全基準、今の専門家で安全が確保されたら保育園にしましょう、これはまさに議会が区長に提案をした中身でありまして、ともすれば、区長はそれに対して例えば答弁されたという記憶も私はございませんし、どうしてきのうの我が会派の議員の答弁にあのような、こんな経緯がありながら答弁をされたのか、私は不思議でなりません。  これは私であるならば、例えば、この問題は議会から指摘をされ、提言を受け、そして私もそう思い、議会と一緒にこの保育園問題に対応してきました。これが私の待機児童に向かっての本気度ですとなぜ言わないのかと思いました。  こういう形で、区長の議会軽視という言葉がたまに出ますし、我が会派も活字にして出したこともあります。ほかの会派からもそういう指摘がありました。何かそういう経緯はどこかに飛んじゃいまして、さも何か御自分でみんなやったような形で、きのうの答弁もあったと思います。行政と議会は車の両輪と言われておりますけれども、そんな形では、とても議会と区長との信頼関係は築けない、こういうふうに申し上げたいと思います。  そこで、都と区の関係でありますけれども、東京都と区の都区制度改革については、平成十二年、清掃事業の事務移管ということで、それ以降、余り大きな動きになっていないわけです。世田谷区は八十九万人以上の人口を抱えているといっても、狛江や調布や三鷹市とは違って、この二十三区だけが固定資産税、法人住民税等、東京都が徴収して、そして東京都が四五%を使い、残り五五%を都区財政調整交付金として二十三区に配られています。  平成十一年、石原慎太郎知事が就任をされまして、そしてこの都区制度改革のちょうど議論の時期です。大田区民でもある石原知事、大変この都区制度改革に積極的だったと、私は都議会におりまして感じました。  しかし、東京都の中でもなかなか知恵者がおりまして、人口数万人の区から人口八十万人を超えた世田谷区も含めて、それぞれが今の二十三のままで独立をしてしまっていいんだろうか。まず二十三区再編があって、そして区の自立があって、市になってしかるべきじゃないか、こういうことを時の石原知事に耳打ちした方がいたようでございます。それ以来、石原都知事のトーンは下がりまして、まずは二十三区の再編あっての議論というふうにすりかえられてしまったような気がしてなりません。  その後、二十三区の区長会、そして東京都の副知事等の検討委員会も開かれたといいますが、結局、この十六年間、大きな進捗も見せないまま、東京都と区の関係は変わっていないと思います。この都区制度改革、根本的に変えていかなければ、児童相談所等々の問題も解決しない、私はそう思います。  まず、これでお尋ねしたいんですけれども、二十三区の再編ということについて、区長会はどう捉えて、どう対応しているのかお尋ねしたいと思います。多分二十三の区長さんが十何人になっちゃうという話ですから、なかなかこれはうまくいかずに、多分突っ張っているものだと思いますけれども、このハードルを越えないために、十六年間無駄にしたとも言えます。  さあ、どうすればこのハードルを越えられるのか、いろいろと知恵を絞らなければなりませんが、保坂区長はこの点に関してどうお考えであるのかお尋ねしたいと思います。  次に、東京都の取り分の四五%、これは二十八年度で約八千億円というふうに伺っておりますけれども、消防と、そして上下水道、これが主な、区にかわって、区の仕事を東京都がやっているわけですけれども、下水道料金、そして水道料金等々を徴収している中で八千億円かかっているわけじゃありません。この四五%の内訳、これまで東京都はなかなか示してきませんでしたが、都民ファースト、情報公開と言っている小池知事が誕生したのですから、ぜひともこの四五%の内訳の情報公開を求めてもらいたいと思います。区のお考えをお尋ねします。  次に、二十三区の中でもなかなか足並みがそろわない問題もあります。清掃工場のあるところ、ないところ、また、都営住宅、公営住宅をたくさん抱えているところもあります。ですから、都区財政調整交付金が多い、確保されているところは、なかなかこの二十三区の自立に対して積極的になれないということも考えられます。  今行っている財政調整制度が都から区への垂直の調整であるならば、区同士はそれぞれ事情があるわけですから、水平的にそれぞれの区が成り立つよう水平調整をやるべきだと私は考えます。この検討はなされているのか。そして、このことの議論を深めて、二十三区の足並みをそろえてもらいたいと思います。  次に、世田谷区が関係するイベントについてお尋ねをしたいと思います。きょうは総論的にお尋ねしますが、世田谷区のかかわるイベントは、主催、共催、後援と多くあると思いますけれども、一体どれぐらいあるのか世田谷区は把握しているのか、また、それはどれぐらいの数があるのかお尋ねしたいと思います。  次に、世田谷区のかかわるイベントに、区はどれぐらいの財政支援を行っているのか、また、人的支援を行っているのかお尋ねしたいと思います。  世田谷区のかかわるイベントはたくさんあると思うんですけれども、それぞれに目的があります。そして、その目的を達成したのか、まだまだこれはやっていかなきゃならないのか等々検証が必要です。世田谷区はこの世田谷区がかかわるイベントの検証を行っているのか。そして、そのことによって再編、拡大、廃止もあってしかるべきだと思いますけれども、この辺の検討はどうなされているのかお尋ねをいたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 真鍋議員にお答えをいたします。  私は二十三区特別区長会でこの再編問題についてどのような立場をとっているかというお尋ねでございました。  区長会のメンバーといたしまして特別区共通の諸課題の検討に参加してまいりましたが、都区制度改革については、現在、御案内のように入り口の児童相談所の問題にこのところ特化しております。区域再編のみならず、事務配分や税財政制度について、残念ながら本格的な議論には至っていないというのが現状でございます。  過去の都区協議では事務配分の検討の中で、基本的に特別区が担う自治権拡充の主張に対して、都側が二十三区再編の議論を提示したことから、区長会としていわゆる交換条件ということで態度が硬化したというふうに聞いております。その後、学識経験者を交えた東京の自治のあり方研究会が設置されて、都区制度についての議論、研究、提言もされましたが、その提言、いわば都の市にするという提言があるわけですけれども、児童相談所をめぐって平行線が続きましたので、議論としては進んでいないというのが現状です。  先日、小池知事が各自治体の待機児童対策を聞こうということで、都庁で会議が開催されました。厚生労働省ではことしに入って四月と九月に行われているところなんですが、まだ都の内部団体として区があった時代の多少残影といいますか、そういったところはあったのか、これまでそういった都庁で知事が待機問題について現状を聞くというような会議は行われてきませんでした。その意味からいって一歩前進だというふうに思っています。  大都市経営上、制度変更の議論をする前に、まずは対等なフラットな関係ですね。いわゆる上意下達、都の内部団体ではないわけですから、そこからお互いの立場を理解した議論が始められると思っています。その上で児童相談所の設置、これについては、当然都との緻密な打ち合わせ、協力、そして共同運営、二十三区の中で児童相談所を早期に設置する意向を示している区は三区ですので、当然これは無関係には全く始めることもできない、そこのところはきっちり議論をさせていただきたいと思いますし、用途地域、これを決める権限がないということは、まことにこれは都市運営、まちづくりとして極めて不十分ですので、こういった児相以外の課題に早く議論のテーマを拡大していきたいと思っております。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 区間の水平調整の検討という御質問でございました。  平成十二年の都区制度改革では、区へ清掃事業が移管され、各区の役割分担に応じた経費負担が整理されたことで、清掃事業に関する経費が都区財政調整の区側の配分に反映されたという経緯がございます。  その後、都区の事務配分につきまして、平成十八年度に開始された都区のあり方検討委員会におきまして、都から特別区への事務移管の検討対象となる事務四百四十四項目をリストアップ対象として議論がされております。その項目一つ一つの検討において、例えば大都市事務とされている上水道や下水道の事務などにつきまして幾つかの事務を分割し、例えば複数区で共同処理することを行えば、区で担える事務であるなどの具体的な提案もしたところでございます。しかしながら、その結果、平成二十二年度に区に移管する方向で検討する事務としては五十三項目が整理されたにとどまりましたが、一定の方向性は示されたところでございます。  特別区がさらなる自主的、自立的な行政運営を目指す上では、都区の役割分担を明確にし、それに見合った財源を確保することが重要です。そのためには、都区のあり方検討委員会において整理された内容をベースとして、区側として事務移管に向けて各区の役割分担や財政負担を整理するなど、議論を深めていくことは有効だと考えております。  現在、法改正を契機に、二十三区間で児童相談所の設置に向けた議論が進んでおりますが、今後、区が担う役割とその財源を整理していくこととなります。まずはこの取り組みを足がかりに、次なる展開に向けて、二十三区間での議論を深めていく必要があると考えております。  以上です。 ◎板谷 政策経営部長 私からは、初めに都区制度改革について、二点お答えをいたします。  初めに、都の定義している二十三区再編について、区長会での議論についてです。  今日の都区制度は、長年にわたる特別区の自治権拡充の取り組みを経まして、平成十二年の自治法の改正により実現をしたものですが、大都市としての諸問題を能率的に解決できる一方で、地方分権から見た場合、基礎的自治体としての権限が限定され、課題があるものと認識をしております。  都区双方の大都市事務の役割分担を踏まえた、財源配分のあり方を初めとする主要五課題の解決に向けた都区の協議の場では、事務配分は区域再編を前提とする東京都と役割の整理を前提とする区の見解の相違により議論が中断をされている状況にございます。  区域再編の問題について、区長会としては、それぞれの区や地域のあり方にかかわるものであり、二十三区が統一的な見解を持ち得る性格の問題ではなく、都区のあり方検討を通じ、都区の役割分担のあり方を整理した上で、それぞれの区が基礎的自治体としてのみずからのあり方を構築する中で、主体的に判断するものとして方向性を示しております。  次に、都区財調の都の四五%分の内訳についてです。  都が行う市町村の事務のうち、消防や上下水道などの事務に加えて、大都市地域における行政の一体性、統一性確保の観点から、都が一体的に処理することが必要であると認められる事務につきましては、過去に平成十二年の都区制度改革やその後の主要五課題の検討の中で議論をしてきておりますが、その範囲や事業費については、都区双方の考え方が一致をしてございません。  このような中、毎年の財調協議の場においては、区側から大規模な税制改正や都区の役割分担の変更が行われる場合には、その影響額を見きわめ、配分見直しを協議すると提案しておりますが、都側は現時点では具体的な議論の段階にないとの回答で、議論がとまった状態でございます。  区側としましても、都が特別区の区域において行う市町村事務の内容の公開を求め、配分割合が適正かどうかなどについて検証を行うことは非常に重要であると考えております。東京都との協議に当たっては、二十三区一体となって取り組む必要があり、まずは特別区長会において財調協議等について取り扱う税財政部会などで、区側の議論を深めた上で都に求めていくことが重要であると認識をしております。  次に、区がかかわるイベントについて順次お答えをしてまいります。  初めに、主催、共催、後援等どれくらいあるかとのお尋ねです。  区では、基本計画において区民の参加と協働のまち世田谷を目指し、区民や団体、事業者と連携しながら、多様な参加と協働によるまちづくりを進めており、その中で地域の活性化、参加と交流の場として、各種イベントを地域とともに企画運営してまいりました。イベントの実施に際しましては、事業目的が効率的、効果的に達成できるよう、限られた予算の中で、さまざまな手法や取り組み方により実施や支援をしてきております。  平成二十七年度の把握している区の主催イベントは約二百三十件、共催は約二百十件、後援名義使用行事は約四百八十件、その他何らかの形で所管課が関係しているイベントは約八百六十件でございました。  次に、区がかかわるイベントの区の人員、財政負担についてです。  区がかかわる多くのイベントは、区民や団体、事業者などさまざまな方々がかかわっており、多くの方々に支えられて運営がされております。区の主催以外で、職員が準備や運営などに携わるイベントは約七百五十件程度あり、地域や団体等との協力や協働により運営しておりますが、区でも労力やコストがかかっております。イベントによっては低予算でも多くの参加や反響の大きいイベントもある一方、区の協力や支援などがないと実施が難しくなるイベントもあると聞いており、イベントにかかわる費用としましては、運営費などを含むものもありますが、約五億円程度ではないかと思います。  次に、各イベントの検証についてのお尋ねです。  区では、新実施計画の中で行政経営改革の取り組みとして、区民ニーズと区の役割を見定めながら効果的に事業を進めていくとともに、手法や政策そのものの改廃も含めた見直しを行っております。  イベントにおきましても、これまで別々なイベントを同一時期に行うことによる経費の削減や、役割の見直しによる団体の主体的な運営への移行、協賛金や参加費の徴収による財源の確保など、事業点検により運営内容の見直しや統合整理などをしております。現在行っているイベントにおきましても、当初の目的が果たされているか、適切な手法となっているかなど、参加者の状況やアンケート結果、連携する団体等との調整などを踏まえ内容等の見直しを図り、区民ニーズに合った運営に努めているところですが、支援のあり方や地域の自主的な活動につながる見直しは常に必要なものと考えています。
     今後も各イベントにおいて区民の参加と協働のまちづくりを進めていくとともに、地域の活性化や区の施策の推進につながるよう効果的な手法やコスト意識を持ち、一層定期的な検証と必要な見直しを続けてまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(真鍋よしゆき 議員) 世田谷区がかかわるイベントについて質問をさせていただいて、この答弁をするに当たって大変な御苦労があったと伺っております。世田谷区が関係するイベントはたくさんあると思いますけれども、今答弁で言われたとおりに、やはり検証した上で実行してもらいたいと思います。きょうは総論的にお尋ねしましたが、以降、各論で入っていくかもしれません。  それから、都区制度改革についてですが、先ほど、保坂区長から、小池都知事が就任されて、今までなかったことがこういう形で話し合いがあったと。これは一つのチャンスであるというのは、本当に私も感じるものがあります。これまで十六年間、本当にある意味暗礁に乗り上げてとまったままになっていますけれども、ここが一つの勝負どころだと思います。  今、世田谷区の課題も、まちづくりをやって固定資産税を上げていく、産業振興をやって法人住民税を上げていく、そうやってきちっとした形で自治体経営をしていくというところが、どうしても権限がないものですから弱くなっていくわけです。その辺のところを二十三区の本当に区長さん同士でよく話し合っていただいて、足並みをそろえてこの都区制度改革を実行してもらいたいと思います。また機会があったら質問させてもらいたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、二十三番大庭正明議員。    〔二十三番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(大庭正明 議員) 公共施設の整備と必要性と議会との関係という観点から新教育センターを取り上げ、具体的に伺ってまいります。  この質問の背景には、今後来るであろう世田谷区の財政悪化という前提があります。その根拠として、詳しくは述べませんが、項目だけ三つ挙げておきますと、一つは、日銀の異次元緩和の失敗、今月当初に発表された法人税収の半減という記事、そして米国の大統領選挙の結果からです。  さて、一方で本庁舎整備は災害対策の中枢機能のかなめとして、また、首都直下地震への備えとして外せない事業であります。以上の文脈から、多額の費用を伴う新教育センター施設って今必要と問うているのであります。  そこで、正確を期するために、平成二十七年六月から開かれている新教育センター基本構想検討委員会の議事要旨を手元に、その経過をたどってみました。議事要旨といっても議事録とほぼ同じで、昨年六月からことしの五月までの五回で約十万字、原稿用紙二百五十枚以上の分量となる議事要旨であります。  そこで話を戻しますが、なぜ今新教育センターが必要なのかということです。皆さん御案内のとおり、教育センターは弦巻に開館して二十八年を経過しております。現在、既に施設があり、機能を果たしているのです。にもかかわらず、なぜ新たな新教育センターが必要だというのでしょうか。逆にいえば、現在の教育センターではどうしてだめなのでしょうか、そこをまず明らかにしなければ、この問題は始まらないと考えます。  しかしながら、教育委員会の答えは、平成二十四年三月の世田谷区教育ビジョンの第三期行動計画に載っていたから云々と繰り返すばかりです。結果として、だから、第二次教育ビジョンに引き継ぎ、実現しなければならないと、教育委員会の説明がどうしてもわかりません。  そこで、さきに述べましたように、新教育センター基本構想検討委員会の議事要旨を一枚一枚たどっていくことで、専門家や当事者を含めた議論がどう進んできたのか検証してみました。  すると、どうでしょう。どうも教育委員会が議会に説明しているそもそもの前提が、いわゆる現場の感じと相当違っているようなのです。これは昨年六月四日に行われた第一回の検討委員会からの引用ですが、出席の方々の発言です。出席者は匿名になっております。  発言は、今の教育センターは行って帰って研修するだけの場所になっている。別の委員は、教員にとって各教科のスキルアップの場所とはなっていないのではないか。さらに別の委員は、今の教育センターが余り使われていない現状がある。きわめつけは、今の先生方は忙しくて、学校の現場で手いっぱいである。先生方にとって教育センターを充実していくことが重荷にならなければと思う。基本構想検討委員会の第一回からこういう発言がなされていたのです。特に最後の、教育センターの充実が先生にとって重荷にならないようにしてくれという意味の発言はどういうことでしょうか。教育委員会ではこのような現場の実態を把握していないのでしょうか。また、検討委員会の状況を正確に議会に報告してきたのか、まず伺いたい。  例えばそういうことをちゃんと踏まえた上で、議会に対し、どうも教育センターの評判がいまいちなんですよね、今のやり方が先生にとって負担になっているんですよ、ここで思い切ってつくり変えようと思うんですよ、そういう方向性から議会に入るならまだ理解できます。しかし、教育委員会及び区の対応は、保坂区長の、決算でもやりましたが、例のカーテンマジックと同じで、現在の教育センターがまるで存在しないかのような素振りで新教育センター、新教育センターと前に前に押し出し、新教育センターで理想を追求しましょうみたいになって、検討委員会を引っ張っているのであります。議事要旨からはそう読み取れます。箱物ありきの姿勢が第一回から見えているんです。  次に、昨年七月二十二日に行われた第二回検討委員会でも、先生が使ってくれる施設でありたいと考えているという発言がなされています。使ってくれていないんですね。結局、教職員の多忙問題は棚上げされ、施設建設の段取りだけは進んでいくというのが二回目です。  第三回目は昨年十月二十七日に行われました。この日は主に幼児教育がテーマになっていましたが、そこでわかったのは、教育委員会はしょせん区立幼稚園もしくは幼稚園しか見ていないという事実です。仮に幼児教育センターなるものができたとしても、現在の幼稚園は教育委員会、保育園は子ども・若者部という縦割り構造がそのまま引き継がれ、拡張されるだけということです。これではどうやって小学校との円滑な接続問題にオール世田谷として取り組めるのでしょうか。  まずは世田谷区における広い意味での幼児教育の定義がなければなりません。そのためには、縦割り構造を乗り越えなくてはならないのです。施設建設の前に解決しなければならない問題が山積みだということがわかります。  要は就学前の子どもたち全部に通用する新たな幼児教育の概念を、教育委員会だけではなく、オール世田谷でつくることが最初の仕事であり、これこそが大変な作業ですが、しかし、そこから世田谷の幼児教育の定義が確立し、初めて虐待やいじめ、発達障害の問題、不登校等の問題とつながり、その前後に児童相談所がつながるという体系ができ上がるのではないでしょうか。  このオール世田谷の幼児教育の部分についても、委員の皆さんは深い問題提起をしているのです。にもかかわらず、教育委員会は、単に地理的に一カ所に集めればいい、集める場所が必要だ、だから、施設が必要だという考え一辺倒なんです。肝心なことは、施設ができたらそこで考えましょうねみたいな態度です。順序が逆です。それでは二十八年前に開設された現教育センターと同じではないですか。当時も教員を集める施設が必要だ、とにかく箱物をつくらないことには始まらない、研修をやらなければ世田谷の教育は上がらない、そういうことでした。その結果がさきに述べてきたことにつながっているのです。重荷ですよ。先生方にとっては今や重荷なんです。教育委員会は自分の領域にこだわっているのではなく、オール世田谷の幼児教育の定義を、まさに音頭をとってつくっていく考えはないのでしょうか、伺います。  さて、続く昨年十二月十六日の四回目の基本構想検討委員会では、教員は多忙なんだという事実が爆発します。具体的な実例として東京学芸大の追跡調査が紹介されております。その部分の発言を引用しますと、中学校では六月、九月、十月、十一月、二月、三月には残業が月百時間を超えている。これは企業に例えれば、企業でいえば、まさしくブラックである。OECDの調査では、三十四カ国中、日本の中学校の教員の働く時間が一番多いという結果が出ている。これはもう電通事件もびっくりの事実ではないでしょうか。  そして、残業がふえた理由についても述べています。一つは、授業よりも事務的な業務がふえていること。それよりも何よりもふえているのは生活指導である。児童生徒の生活指導に関する対応が非常にふえている状況である。  さらにこの構想の現場の生の声として、新教育センター構想そのものについて聞いてみたところ、次のような回答があったそうです。  新教育センターをつくっても、研修がふえて忙しくなるだけだ。校外研修より校内研修を重視すべきだ。上意下達の研修はもうたくさんだ、やらされ感がある。箱もいいけれども、中身を優先すべき。これ以上引用は省きますが、一貫して感じるのは、世田谷区の教育の現場で求められているのは、新教育センターをつくることではなく、それより先にやることがあるのではないか、そういうことが基本構想検討委員会を通じてわかってきたということではないでしょうか。それとも、最初に箱物ありきで、形式だけで検討委員会を運営してきたのでしょうか、伺います。  最後に、福祉領域の事業選定について、さきの福祉保健委員会で選定基準が部門ごとにばらつきがあることが明らかになりました。その経緯について伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎岩本 教育次長 教育センターに関して御答弁申し上げます。  まず初めに、お触れいただいた基本構想検討委員会のメンバーについて御答弁申し上げます。  この検討委員会につきましては、平成二十七年六月に設置いたしました。委員会の構成ですが、国立教育政策研究所の総括研究官など、学校教育、幼児教育を専門とする学識経験者三名、区立幼稚園園長及び副園長、区立小中学校長の代表、区立幼稚園、小中学校のPTA協議会の代表、世田谷区私立幼稚園協会の代表、世田谷区民間保育園連盟代表、また、地域の学校関係者代表二名のほか、政策経営部長、子ども・若者部長、教育長、その他教育委員会の幹部職員、全二十名で構成をしているものでございます。  次に、教育センターに行くことが重荷だといった意見を踏まえ、教育委員会として現場の実態を把握しているのか、また、議会に報告しているのかといった点について御答弁申し上げます。  教員は授業をすることが主たる業務であり、学校を離れて研修することについては負担感を感じていることがあるという実態は認識をしております。そのため、これまでも現場の声を聞き、例えば初任者研修では研修回数を精査したり、一年間で集中して実施するものから、若手教員研修として三年間にわたって平準化するなど変更するなどの工夫をしてまいりました。  一方で、議会からさまざま御提案もいただいておりますが、教員は、最新の教育課題を学んだり、よりわかりやすい授業となるよう指導力を高めるために、その職責使命から絶えず学び続けていくことが必要であり、法的にも義務づけをされております。また一方で自主的な研修も活発に行われているところです。  新教育センターの整備に当たりまして、研修が一層効果的なものとなるよう、教育センターでの講義とワークショップ型研修をあわせて実施するなど、現場教員のニーズを踏まえ、より実践的に研修内容を充実するとともに、自主的な研究、研修に活用しやすい、先進的な環境整備をしていきたいと考えております。  検討委員会での検討状況を踏まえ、施設面での構想を加えた基本構想のバージョンツーとなりますが、これにつきましては来年二月、議会に報告する予定でございます。  次に、世田谷区として幼児教育の定義をオール世田谷でつくっていく必要があるのではないかという御質問です。  本年二月の仮称世田谷区新教育センター構想素案において、幼児教育センター機能について、保幼小の連携や、保育士、幼稚園教諭の相談支援、研修支援など、事業展開の方向をお示しさせていただきました。今後、こうした事業を進めるためには、改めて世田谷区全体の幼児教育のあり方について幅広い検討を進める必要があるとの認識のもと、私立幼稚園や公私立保育園の方々にも参加いただき、ことし六月より検討委員会を立ち上げました。世田谷区の特色を踏まえ、子ども・若者部と教育委員会とが連携し、また、区内幼稚園、保育園と小学校が連携して幼児教育の充実に取り組むために、世田谷区全体における幼児教育の理念や目標、施策の方向性などを定めることとし、仮称世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンとして、来年五月を目途に取りまとめる予定としております。  また、今後、区立幼稚園の用途転換を進めるに当たり、私立認定こども園においても教育委員会が所管することで検討を進めており、区を挙げて幼児教育の充実に取り組んでまいります。  最後に、教員の多忙感等を放置し、箱物より先にやることがあるのではないか、新教育センターの整備の必要性について御答弁申し上げます。  現在、若林小学校の跡地を活用した新教育センターの整備に向けて基本構想の策定に取り組んでおります。機能面については、二十七年度から二十八年度までの二カ年をかけて検討を進めるとともに、ことし七月から施設面の検討を始めたところです。本年二月の素案で六つの機能を示しておりますが、新教育センターでは、今後の社会状況を見通した学びの再構築、教育相談を含む学校支援、そして幼児教育の充実の三つが大きなテーマであると考えております。これらは子どもたちの生きる将来の社会を見通し、新たな学習指導要領の内容を踏まえた学びの再構築を図ること、学校運営にかかわる専門的な指導助言、人材の派遣等の事業の一元化を図るなど、総合的な学校支援の充実、私立幼稚園、保育所と小学校との連携促進や研修の充実など、幼児教育、保育の充実を内容とし、新たな教育センターの柱となるものと考えております。  教員の多忙の御指摘をいただきましたが、教育委員会では、教員の子どもにかかわる時間の拡充をリーディング事業とし、文部科学省が学校の実態調査を踏まえ重点的取り組みとしている、学校給食の公会計化に取り組むほか、人事システムの導入など、業務の効率化にも取り組んでおります。  また、学校が抱える困難な課題に対して、教育支援チームとしてスクールソーシャルワーカーや精神科医、専門性の高いチームによる支援を行い、特別支援教育の充実を図るため、学校包括支援員の計画前倒しによる全校配置や、心理教育相談員の増員による就学相談体制の強化を図ってまいりました。英語活動支援員、理科支援員の配置による英語・理科教育の充実、学校図書館司書の配置など、学校への人的支援を通したさまざまな学校教育の充実を図っております。  今後、こうした取り組みを一層充実、発展させるため、新たな教育センターにおいて総合的かつ専門的、学究的活動に裏づけられた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  さらに来年度より教育支援チームの体制強化や、校長、副校長を支援する仕組みの強化など、学校・教員の負担軽減を図るとともに、幼児教育においては世田谷版アプローチスタートカリキュラムのモデル実施や幼児教育アドバイザー制度の実施など、先行して取り組んでまいります。  また、新教育センターの開設を視野に、来年度に向けて研究体制の強化など、教育委員会事務局の組織改正の検討も進めているところでございます。  教育センターの整備は区の実施計画にも位置づけられ、若林小学校跡地活用方針として整備の内容を報告させていただいたものですが、三十三年度の開設に向け、今後とも逐次議会に御報告させていただきながら計画的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎金澤 保健福祉部長 私からは、福祉領域の事業者選定について御答弁申し上げます。  先日の福祉保健常任委員会において指定管理者制度を導入した施設や保育施設の事業者選定結果を御報告した際に、選定の可否判断の基準が異なることについて御指摘をいただきました。  これまで保健福祉領域では、指定管理者施設を含めさまざまな施設や事業等についてプロポーザル方式による選定を行っております。選定に当たっては、施設や事業によって評価すべき視点や項目、可否判断の基準等を、それぞれの選定委員会で議論し定めてまいりました。  今年度、保健福祉領域では、事業者選定の可否判断の基準や財務審査、委員会の構成等を検討し、指定管理施設については統一的な取り扱いを整理したところでございます。  事業者選定につきましては、指定管理施設のほか、介護保険施設や障害者のグループホーム、保育施設等さまざまな種別がございます。現在、可否判断の基準等の考え方について議論を行っているところであり、案がまとまり次第お示ししてまいります。  以上でございます。 ◆二十三番(大庭正明 議員) 区長は招集挨拶の中で、中学校の給食会計について、現場での多忙ではなくて、多忙感を少なくするという言葉を使って、多忙感という言葉を使っているんですよ。現実は多忙感ではなくて多忙なんですよ。多忙感なんか使っていたら電通と同じですよ。それは多忙じゃなくて、多忙感は、おまえの問題だ、おまえの感じ方の問題だと、もっと働けというような問題につながりかねない問題なんですよ。区長の認識としては多忙感なんですか、それともやっぱり教育現場は多忙だと思っているんですか。区長と教育委員会、両方とも、多忙感なのか多忙という事実があるのか、そのことについて明確に答えてください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 再質問にお答えします。  教員が子どもとしっかりかかわる時間がなかなか持ちづらい、まさに多忙であります。多忙であるがゆえに、多忙感というふうに申し上げました。 ◎岩本 教育次長 私も学校を見ていて、特に多忙だと思っています。ただ、一昨年ですが、文部科学省が学校の実態調査をしたときに、忙しさと多忙感は別であるという分析をしています。いわゆる子どもたちと向き合ったり教材研究をするというのは、教員は本来職務なので、多忙感、負担感は少ない。一方で、いわゆる調査物であったり、先ほど我々が取り組んでいる給食費の滞納整理といったような業務については多忙感、負担感が多いというようなアンケート調査結果になっています。現実的には非常に時間的にも多忙だという認識を持っています。  以上です。 ◆二十三番(大庭正明 議員) 以前私たちが取り上げたがやがや館のような感じがだんだんしております。あのときもこういうふうに長く答弁しましたけれども、次やります。 ○上島よしもり 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十七分休憩    ――――――――――――――――――     午後五時十分開議 ○上島よしもり 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  ここで、日程の追加についてお諮りいたします。  お手元に配付してあります追加日程第一から第七に至る七件を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本七件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより △追加日程第一から △第七に至る七件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  追加日程第一 議案第百十九号 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例外議案六件 ○上島よしもり 議長 本七件に関し、企画総務委員長の報告を求めます。    〔九番和田ひでとし議員登壇〕(拍手) ◎企画総務委員長(和田ひでとし 議員) ただいま上程になりました議案第百十九号から議案第百二十五号に至る七件につきまして、企画総務委員会における審査の経過とその結果について御報告いたします。  初めに、議案第百十九号「職員の分限に関する条例の一部を改正する条例」について申し上げます。  本件は、職員の降給に関する規定を定め、あわせて規定の整備を図るため提案されたものであります。  委員会では、今回新たに規定される降給処分の給与への影響額が問われたのに対し、理事者より、給料月額の号給により異なるが、おおむね月額給料で六千円、年収では十万円強の影響が見込まれるとの答弁がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第百十九号は全員異議なく原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第百二十号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第百二十一号「幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」の二件について一括して申し上げます。  本二件は、職員の給与を改定するとともに、職員の分限に関する条例の改正に伴い、降給させる場合における職員の号給の取り扱いについて定めるため、それぞれ提案されたものであります。  委員会では、今回の条例改正による年間の職員費の増加額が問われたのに対し、理事者より、今回の給与改定により、年間の職員費は二億六千万円程度の増額となる見込みであるとの答弁がありました。  その後、意見に入りましたところ、無所属・世田谷行革一一〇番より「景気の好転が見込めない中、庁舎建設等多額の財政需要が控える区の財政状況は、今後さらに厳しさを増していくことは明白である。このような状況で職員の給与を年間二億六千万円も引き上げることは到底認められるものではないことから、反対する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第百二十号及び議案第百二十一号の二件は賛成多数で、それぞれ原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第百二十二号「世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百二十三号「世田谷区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百二十四号「世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第百二十五号「世田谷区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」の四件について一括して申し上げます。  本四件は、区長、副区長、常勤の監査委員、教育長の給料の額及び期末手当、また、区議会議員の議員報酬の額及び期末手当を改定するため、それぞれ提案されたものであります。  委員会では、理事者の説明の後、意見に入りましたところ、日本共産党より「我が党は、職員給与及び民間給与のさらなる引き上げを求めているが、現在の厳しい経済状況では、区議会議員の報酬まで引き上げるべきではなく、議案第百二十五号には反対する」、無所属・世田谷行革一一〇番より「さきの職員及び幼稚園教育職員の給与に関する条例と同様の理由から、本四件全てに反対する」との表明がありました。  引き続き採決に入りましたところ、議案第百二十二号から議案第百二十五号までの四件は賛成多数で、それぞれ原案どおり可決と決定いたしました。  以上で企画総務委員会の報告を終わります。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で企画総務委員長の報告は終わりました。  これより採決に入ります。
     本七件を四回に分けて決したいと思います。  まず、議案第百十九号についてお諮りいたします。  本件を委員長報告どおり可決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって議案第百十九号は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第百二十号及び第百二十一号の二件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本二件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第百二十号及び第百二十一号の二件は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第百二十二号から第百二十四号に至る三件についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本三件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第百二十二号から第百二十四号に至る三件は委員長報告どおり可決いたしました。  次に、議案第百二十五号についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。  本件を委員長報告どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって議案第百二十五号は委員長報告どおり可決いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二から △第五に至る四件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二 議案第九十八号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例外議案三件 ○上島よしもり 議長 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。板垣副区長。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 ただいま上程になりました議案第九十八号より議案第百一号に至る四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第九十八号「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、雇用保険法の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第九十九号「世田谷区特別区税条例等の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、地方税法等の改正に伴い、修正申告または更正決定に係る延滞金の算定方法に関する規定、医療費控除の特例並びに特例適用利子等及び特例適用配当等に係る区民税の課税の特例を定めるとともに規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百号「旧世田谷区立若林中学校解体工事請負契約」につきまして御説明いたします。  本件は、旧若林中学校跡地活用方針(Ⅱ期)に基づき、学校施設の改築工事に先立ち、既存施設の解体工事を行うものであります。  本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施いたしました。  その結果、株式会社内村工業が落札し、同社と二億八千六百八十四万八千円で契約しようとするものであります。  次に、議案第百一号「世田谷区立代沢小学校解体工事請負契約」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立小・中学校の適正規模化・適正配置に関する具体的な方策(第二ステップ)に基づき、学校施設の改築工事に先立ち、既存施設の解体工事を行うものであります。  本件の契約の締結に当たりましては、地方自治法施行令第百六十七条の五の二の規定に基づきまして、一般競争入札により実施いたしました。  その結果、初谷建設株式会社東京支店が落札し、同社と二億三千四百九万二千七百十円で契約しようとするものであります。  以上二件の契約の締結につきまして、地方自治法第九十六条第一項第五号及び「世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第二条の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第九十八号より議案第百一号に至る四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本四件中、議案第九十八号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しております。お手元に配付の資料のとおりであります。  本四件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第六から △第九に至る四件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第六 議案第百二号 世田谷区立スカイキャロット展望ロビー条例外議案三件 ○上島よしもり 議長 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第百二号より議案第百五号に至る四件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第百二号「世田谷区立スカイキャロット展望ロビー条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立スカイキャロット展望ロビーを設置するため、新たに条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百三号「世田谷区立敬老会館条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立北烏山東敬老会館の施設を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百四号「世田谷区農業委員会委員定数条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、農業委員会等に関する法律の改正に伴い、農業委員の定数を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百五号「世田谷区農業委員会の求めに応じて出頭した関係人に対する費用弁償条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、農業委員会等に関する法律の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第百二号より議案第百五号に至る四件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第十を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第十 諮問第二号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○上島よしもり 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 諮問第二号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明いたします。  本件は、平成二十八年七月三十一日をもって辞任届が提出されました委員一名の後任候補者を、また、平成二十九年三月三十一日をもって任期満了となります委員四名の後任候補者を、法務大臣に対し推薦する必要があるので、御提案申し上げた次第です。  候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区法曹会、世田谷区社会福祉協議会、世田谷区保護司会から、それぞれ御推薦いただいたものであります。  慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。  よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第二号は諮問どおり答申することに決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第十一から △第十八に至る八件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第十一 議案第百六号 世田谷区指定地域密着型サービスの事業の人員等の基準等に関する条例の一部を改正する条例外議案七件 ○上島よしもり 議長 本八件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第百六号より議案第百十三号に至る八件につきまして御説明申し上げます。  まず議案第百六号「世田谷区指定地域密着型サービスの事業の人員等の基準等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、厚生労働省令の改正に伴い、小規模多機能型居宅介護従業者のうち、看護師または准看護師が兼務することができる事業所を追加する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百七号「世田谷区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員等の基準等に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、厚生労働省令の改正に伴い、介護予防小規模多機能型居宅介護従業者のうち、看護師または准看護師が兼務することができる事業所を追加するとともに規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百八号「世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、児童福祉法の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
     次に、議案第百九号「世田谷区保育料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、保育料の額等を改定するとともに規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百十号「世田谷区学童クラブ条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、代沢小新BOP学童クラブ及び城山小新BOP学童クラブの活動場所を変更し、並びに花見堂小新BOP学童クラブの事業を廃止する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百十一号「世田谷区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」及び議案第百十二号「世田谷区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」の二件につきまして御説明します。  本二件は、いずれも児童福祉法の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百十三号「世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者の指定」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立障害者福祉施設の指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案を申し上げた次第でございます。  以上、議案第百六号より議案第百十三号に至る八件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本八件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第十九から △第二十一に至る三件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第十九 議案第百十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例外議案二件 ○上島よしもり 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。板垣副区長。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 ただいま上程になりました議案第百十四号より議案第百十六号に至る三件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第百十四号「世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立桜上水一丁目東公園を設置する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百十五号及び第百十六号の二件につきまして御説明いたします。  本二件は、いずれも新たな特別区道の路線の認定に関するものでありまして、道路法第八条第二項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第百十四号より議案第百十六号に至る三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本三件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二十二及び △第二十三の二件を一括上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二十二 議案第百十七号 世田谷区中学校給食費会計条例の一部を改正する条例外議案一件 ○上島よしもり 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。板垣副区長。    〔板垣副区長登壇〕 ◎板垣 副区長 ただいま上程になりました議案第百十七号及び議案第百十八号の二件につきまして御説明申し上げます。  まず、議案第百十七号「世田谷区中学校給食費会計条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立小学校及び世田谷区立中学校において実施する学校給食に係る学校給食費に関する収入及び支出を特別会計の歳入歳出予算として管理する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第百十八号「世田谷区立学校設置条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区立城山小学校の位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第百十七号及び議案第百十八号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を文教委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二十四を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二十四 同意第二号 世田谷区教育委員会教育長任命の同意 ○上島よしもり 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ただいま上程になりました同意第二号「世田谷区教育委員会教育長任命の同意」について御説明をいたします。  本件は、教育長である世田谷区教育委員会委員の堀恵子委員の任期が、平成二十八年十一月三十日をもって満了となるため、改正後の地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく教育長に堀恵子さんを任命いたしたく、同法第四条第一項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。  御承知のとおり、堀恵子さんは、昭和五十年世田谷区役所入所以来区政に携わり、産業振興部長、区長室長、生活文化部長、総務部長、会計管理者を歴任し、区政の発展に寄与してまいりました。また、平成二十四年からは教育長として教育の現場の第一線で指揮をとられ、この間、第二次世田谷区教育ビジョンを策定し、世田谷九年教育の推進等に取り組み、特別支援教育の充実や教員が子どもとかかわる時間の拡充など、世田谷区の教育行政を計画的に進め、その発展向上に貢献されています。  このように多年にわたる豊富な行政経験と知識、そして力量は、世田谷区の教育長として任命するにふさわしいと考え、任命の同意を求める次第でございます。  何とぞ御同意くださいますようにお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  これより提案理由の説明に対する質疑に入ります。  なお、質疑についての発言時間は、議事の都合により、答弁も含めて十分以内といたします。  発言通告に基づき発言を許します。  五十番高橋昭彦議員。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) それでは、教育長の同意案件について質疑をさせていただきます。  改正された法律で、首長による大綱の策定、総合教育会議の設置、教育長と教育委員長の一本化した新たな責任者、新教育長の設置、教育委員会のチェック機能の強化が新たに盛り込まれました。今までとは違った重責ある新教育長であります。  さきの我が党の代表質問で、堀教育長の今後三年間のビジョンをお聞きしたところですが、教育長を任命する首長、区長はどのような覚悟で教育政策を新教育長に委ね進めるおつもりか、お聞かせいただいた上で、我が党として判断をさせていただきたいと思います。  一点目は、図書館改革です。  我が党は、図書館民営化をなぜ進めなければならないのか、これからの行政需要を鑑みて、スピード感を持って改革すべきであると再三再四、何度も説明をしてきました。代表質問では、民営化をどのように推進するのか、そのロードマップを示すべきとお聞きしましたが、明確な答弁はありませんでした。区長としてのお考えと覚悟をお聞かせいただきたいと思います。  二点目は、幼児教育です。  フィンランドの小中学校を訪れて、子どもたちに施す教育レベルの高さには大変衝撃を受けました。中でも、就学前の一年間の教育を義務化するなど、幼児教育に重点を置き、子どもの健全な成長を育んでいます。  代表質問の答弁では、幼児教育は人間形成の基礎を培う大切な教育であり、世界からも取り組みのおくれが指摘されている分野であるとの区の認識が示されましたが、教育立区世田谷の区長として、このことをどのように捉え、どこよりも先駆けてどのように進めるべきとお考えか、見解をお聞かせください。  三点目は、世田谷区の公教育の現在の課題は何であるとお考えか。さらに魅力ある世田谷の教育への区長の決意、いわゆる本気度、また、何を新教育長に期待されているのか、区長の見解をお伺いしたいと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 高橋議員の御質問にお答えいたします。  まず一点目は、図書館の民間活力導入についてでございます。  図書館行政について、基本計画の重点政策の一つの柱であります世田谷の文化の創造と知のネットワークづくりで図書館の役割を重要視して、新たな図書館機能の創造を目指すことにしています。区民にとって身近な図書館が、課題解決や学び、交流の機会を充実させ、文化施設や区内大学などと連携を図ること、このような目標をしっかり捉えてリードすることが行政の役割だと考えております。  教育委員会では、図書館の民間活力の活用について、平成二十七年度に二つの図書館カウンターで、そして平成二十八年度からは世田谷図書館で業務委託を開始、二十九年四月から経堂図書館への指定管理導入に向け準備を進めており、学校図書館司書業務においても、平成二十七年から段階的に委託を開始しているところであります。  第二次図書館ビジョンでは専門性と効率性を担保できる運営体制を検討しております。民間の力を活用しながら公共性を担保していくためにも、的確なレファレンスやマネジメントができる職員の育成もあわせて行ってまいります。  今後に向けましては、教育委員会で平成三十年度からスタートする第二次図書館ビジョン第二期行動計画を策定すると聞いております。図書館が本を読み、借りるだけのところではなく、まさに幼児が初めての絵本に接し、子育て支援の場でもある、また、高齢者を中心に豊富な経験を次の世代に語り渡す、そういったコミュニティーの機能も重視してまいりたいと思います。そういった魅力ある図書館を、民間活力も活用しながらつくってまいりたいと思います。  二点目に、幼児教育。議員のお話でもフィンランドの幼児教育のお話がありました。私もデンマークやオランダでプレスクール、オランダの場合は四歳からでしたが、見てまいりました。大変高い水準の幼児教育がしっかりされているということを感じ、また、これこそ、幼稚園に行こうが、保育園に行こうが重要だという認識をしております。  国は、幼稚園教育要領や保育所保育指針の改定に向けた中間取りまとめにおいて、忍耐力や自己制御、自尊心といった社会情動的スキルや、いわゆる非認知的能力といったものを幼児期に身につけることが、大人になってからの生活に大きな差を生じさせるということを示しており、次期学習指導要領の改訂においても、幼児教育から高等学校までの見通しを持って育成すべき資質能力として、こうした非認知的能力が捉えられているというふうに聞いております。  この間、総合教育会議等でも、やはりいわゆる点数化できる学力と違って、人とつながる力、また、人の気持ちを相手の立場に立ってしっかりつかむ力、チームワークを組んで物事にぶつかっていく力など、そういう新たな基盤がとても必要だ。時代に即したそういった子どもの生きる土台、基盤をつくる、そういった教育をつくり上げていくために、現在、教育委員会と子ども・若者部で世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンの策定を進めているところであり、これはまさに教育委員会とともに、しっかりした世田谷の教育をつくり上げてまいりたいというふうに思っております。  その世田谷の教育への決意ということですけれども、総合教育会議で、まさに教育委員のそれぞれの方の知見を披瀝していただきながら、こういった中で、さきの答弁と重なりますが、いわゆる自己肯定感とか自己有用感、そしてコミュニティーの中のおのれの役割、あるいは高齢者に対して敬いを持ってその経験を引き継ぐ力などは、やはりこれまでどちらかというと軽視されてきた、そういう部分をしっかり取り戻していく、押さえていかないと、世田谷の教育は成果が出てこないというような極めて大事な指摘などをいただいておりまして、これから先が見えない時代が始まる。  もう既に十年先、二十年先の職業というのは、小学生が大人になるころ、もう半分も現在の職業はないんじゃないか、こういうふうに言われているところであって、にもかかわらず、みずからの強みや、そして長所、このことをしっかり押さえながら、他者としっかりつながることができ、力を合わせることができる、そういった力、これは一言で言えば自立性と共同性だというふうに思っています。みずからの足で立って、そして、ともに力を合わせてつくる力、これを育てていきたいというふうに思っております。  今後も教育委員会とともに、この迫り来る新しい時代にふさわしい学び、学力、今までの学力とは違う学びの広がりですね、これをしっかりとつくり上げていくために、教育委員会と連携して、ともにつくり上げていきたいと思っております。  以上です。 ◆五十番(高橋昭彦 議員) いろいろ御答弁をいただきました。何かやるのかやらないのか、よくわからないような答弁がずっと続いていたような気がします。そういう意味では、きちっとこういう方向を指し示すんだというような、やっぱりそういう答弁を、これからも大事な議場での議論ですから続けていきたいというふうに思いますし、これからの教育ということは非常に重要な部分があります。区長が今回は任命するという意味は、今までの教育長とは違う、区長の任命の責任というのは余りにも大きいということを自覚していただいた上での答弁だというふうに受けとめました。  以上で質疑を終わります。 ○上島よしもり 議長 以上で高橋昭彦議員の質疑は終わりました。  これで提案理由の説明に対する質疑を終わります。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 これより意見に入ります。  発言通告に基づき発言を許します。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により八分以内といたします。  二十三番大庭正明議員。    〔二十三番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆二十三番(大庭正明 議員) 同意第二号「世田谷区教育委員会教育長任命の同意」に反対の立場から意見を述べます。  本日の一般質問でも明らかにしたように、私たちの会派では今、新教育センター建設より先にやるべきことが山ほどあると考えております。そのやるべきことを差しおいて、何が何でも施設建設だと引っ張っているのが、本人がいらっしゃいますけれども、先ほどの基本構想検討委員会の委員長を務めている堀教育長です。  確かに一般質問での答弁にあるように、検討委員会の中では、堀教育長はできるだけ教員には子どもにかかわってもらえるような体制づくりに着手していると述べております。また、基本構想検討委員会の二回目、昨年の七月二十二日でも、堀教育長は、今の教員は多忙を超える状況であり、そうした教員を支えることができればと考えていると答えております。しかし、それは言っただけで、正面から取り合おうとはしていません。いわゆるお役所答弁でその場を繕っているにすぎません。上辺だけとは申しませんが、オランダやフィンランドについても、どれほどの興味があったかは疑問です。
     その答えが例の第四回の検討委員会の議事要旨に載っています。これは昨年の十二月十六日に行われましたが、そのときにオランダやフィンランドの教育や研修システムについて、堀教育長はこのように答えています。いわく、事情が違い過ぎるので、この日本で何ができるのかと述べ、簡単にパスしています。そんなことは行く前からわかっていたことで、そんなことのために税金を使って行ったとは残念でなりません。  さらに、堀教育長はフィンランド視察で一番印象に残ったことを挙げています。一番ですよ。フィンランドで一番印象に残ったのは学校の職員室だった。日本の学校の職員室は狭い部屋に机が並んでいるが、カラフルなソファやコーヒーメーカーなどもあり、まるでリビングのようだった。そこっと、思わず読んでいて突っ込みを入れたくなるくだりでした。そういう関心事で行かれるとしたら、別にフィンランドでなくても、東京にもイケヤはあるし、大塚家具も、お値段以上のニトリもあります。もちろん堀教育長は象徴的な意味合いで発言されたのかもしれません。先生方がもっと気軽に話せる環境というか、フランクに話せたら、先生方の悩みも解消できるのではないかと、イの一番に感じたのでしょう。  しかし、この回では、別の委員がこうも発言して指摘しております。私もオランダの教員の話や、実際にハンガリーに行って学んできたが、そこでは、子どもが見えなくなることが一番問題ではないかと言われた。子どもが見えない、子どもの言うことが聞けないことが一番教育を難しくてしているということだった。先ほど、教育をコーディネートする話があったが、相手が見えない中で何をコーディネートするのか、学校の先生の負荷がすごいと感じた、このように言っております。  これは堀教育長への痛烈な批判になると思います。繰り返しますが、堀教育長はこう述べているんですよ。今の教員は多忙を超える状況であり、そうした教員を支えることができればと考えている。このことは別に検討委員会だけではなく、いろいろな場面で発言されているのでしょう。  先ほどの委員は、それに対してもこう指摘しているのです。先生が多忙ということは、児童がよく見えていないということではないか。児童生徒がよく見えていない先生を教育委員会がどうやってコーディネートできるのか、サポートできるのか、そういうレベルの発言だと思います。片やコーヒーを片手に気軽に話せる雰囲気っていいなというのはどうなんでしょう。それはそれで否定はしませんが、そんな悠長なときなのでしょうか。  今回の同意はあくまでも教育長であります。これまでの教育委員の同意案件ではなく、制度も異なり、責任の重さも格段に異なります。そして、教育長としての仕事ぶりについては、今回挙げました新教育センターの議論を通じて明らかになったところです。  まず、幼児教育を相変わらず教育委員会所管の領域のみでしか考えられていない視野狭窄的態度。子ども・若者部との壁を突き破る突破力不足。発生した問題への先送り傾向が見られること。このことは既に過去に指摘していたにもかかわらず、新校舎建設の段となってこじれている北沢小の問題。また、昨日、太子堂の給食調理場が使えないことから生じる生活保護家庭等の新たな負担の問題も直前になるまで向き合おうとしない対応。これらの諸問題も突き詰めると、教育委員会自体が多忙過ぎるのではないかと考えざるを得ません。  その理由のトップが、しなくていいことばかりしている、本来すべきことをしていないからです。オランダ、フィンランドに行く価値は否定しませんが、帰ってきて、国情が違い過ぎるでは、これにつき合わされた職員や学校関係者の事務量がどれほどふえたでしょうか。  このことは任命案を出した保坂区長も同じです。予算も人員も考えずにマスコミ受けのよい政策を打ち出し、その結果、行政は混乱し、余計な仕事は増大し、あげくの果てにはなんちゃってサービスや本物もどき事業がふえていき、一方、区民はそのサービスを実感できないことが起きております。  本件は同意案件であり、前回、我々も教育委員には同意しました。それは何事においても一言ある堀氏本人のキャラクターそのものが、多様性ある世田谷教育委員会の委員としてあってもよろしいのではないかということで、前回は同意しました。さらに教育委員としては、今回の同意をためらうものではありません。しかし、今回の教育長という職務はやはり荷が重いのではないかと懸念する次第です。  以上で反対意見を終了します。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で大庭正明議員の意見は終わりました。  これで意見を終わります。  これより採決に入ります。採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立多数と認めます。よって同意第二号は同意と決定いたしました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二十五を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二十五 同意第三号 世田谷区教育委員会委員任命の同意 ○上島よしもり 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ただいま上程になりました同意第三号「世田谷区教育委員会委員任命の同意」について御説明をいたします。  本件は、世田谷区教育委員会委員のうち、榊原博子委員の任期が平成二十八年十一月三十日をもって満了となるため、その後任として、松平昭二さんを委員に任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第二項の規定に基づき御提案を申し上げた次第でございます。  松平昭二さんは、昭和五十七年に教職につかれて以来、本区を初め教育の現場の第一線で活躍され、現在は日本体育大学体育学部准教授として教育の向上に貢献をされております。  松平さんが多年にわたって蓄積された教育に関する豊富な知識と経験に加え、そのすぐれた識見と誠実なお人柄は、教育委員として任命するにふさわしいと考え、任命の同意を求める次第でございます。  何とぞ御同意くださいますようにお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立全員と認めます。よって同意第三号は同意と決定いたしました。  ただいまの同意二件に伴い、新教育長並びに新旧教育委員から挨拶があります。 ◎堀 新教育長 まず最初、私から感謝の言葉を述べさせていただきます。  本日は、新しい教育委員会制度の教育長として、保坂区長より御推挙をいただき、また、議会の皆様から御同意いただきました。ありがとうございます。  教育長という職名は今後も変わりませんが、今の教育委員長と教育長が一本化されるものでございます。先ほどのお話にもありましたように大変重い責任が生じてきます。今、改めてその責任の重さをかみしめております。  社会は大きく変化していくと予測されております。しかしながら、どんな社会が来ようとも、子どもたちには、子どもたちの未来に夢を、そして社会をたくましく生き抜く力を、そして教職員には、子どもと多くかかわり、伸びやかな指導ができるような、そんな教育環境の整備に努めていきたいと思っております。  さまざまな課題がありますが、微力ながら引き続き取り組んでまいりますので、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いします。  ありがとうございました。(拍手) ◎榊原 旧教育委員 世田谷区議会の皆様には貴重なお時間を頂戴し、退任の御挨拶の機会をいただきありがとうございます。  私は中学校理科の教員として三十数年間勤務いたしました。教育という大切な、そしてやりがいのある仕事を全うできましたことは大変大きな喜びであり、また生まれ変わっても再び中学校の教員になりたいと願っているところです。  その教員人生の約四分の三の二十六年間をこの世田谷区の学校で勤めることができましたことは、私にとって誇りであり、多くの皆様のおかげ、大変恵まれて幸せなことだったと感謝しているところでございます。  退職後は、その延長線上とも言える教育委員として、子どもたちや学校とかかわりながら働くことができましたことは、本当にたくさんの皆様のおかげと深く感謝しています。この教育委員としての四年間の間に、第二次教育ビジョンの策定、小学校、中学校の教科書の採択、総合教育会議の開始等々があって、これまでの経験を生かしながら全力で取り組んでまいりました。  今後は一区民として、これまで同様、世田谷の子どもたちのために微力ながらできることを精いっぱいしていきたい、こんなふうに思っております。  本当に世田谷区議会の皆様には大変お世話になりました。深く感謝の言葉を差し上げて、退任の御挨拶といたします。  本当にお世話になりました。ありがとうございました。(拍手) ◎松平 新教育委員 松平昭二でございます。ただいま保坂区長の御推挙により、世田谷区教育委員会委員の任命に際して、皆さん御同意いただきまして、まことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。  私は、中学校で保健体育科の教員として、どの子も伸びる、できる、わかるを信条に三十四年間勤めてまいりました。この世田谷区では昭和六十三年から教諭、教頭、校長と、五校の中学校で二十八年間お世話になりました。その間、生徒はもちろんですけれども、保護者、地域の方々からたくさんの御支援、御協力をいただき、本当に今もって私にとっては宝物となっております。  今は日本体育大学で勤務し、子どもたちの体力向上を図るために、世田谷の小中学校との連携を進めているところであります。  微力ではありますが、これまでの経験を生かしまして、世田谷区の子どもたちのために精いっぱいの努力をしていきたいと思っております。  何とぞ、今後とも皆様の温かい御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。  本日は、まことにありがとうございました。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二十六を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二十六 同意第四号 世田谷区監査委員選任の同意 ○上島よしもり 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 ただいま上程になりました同意第四号「世田谷区監査委員選任の同意」につきまして御説明いたします。  本件は、世田谷区監査委員のうち、識見を有する者のうちから選任された、宮﨑孝委員の任期が平成二十八年十一月三十日をもって満了となるため、その後任として阿部能章さんを委員に選任いたしたく、地方自治法第百九十六条第一項の規定に基づき御提案を申し上げた次第でございます。  阿部能章さんは、昭和六十一年に弁護士登録をされて以来、東京弁護士会人権擁護委員会委員、東京地方裁判所鑑定委員会委員、日本弁護士連合会財務委員会委員を歴任されるなど、多年にわたり法秩序の維持に貢献をされてまいりました。また、本区におきましては、平成十七年より世田谷区弁護士相談の相談員を務められております。  このように長年に及ぶ豊富な知識と経験に加えて、すぐれた識見と誠実なお人柄は監査委員として適任であると考え、選任の同意を求める次第でございます。  何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○上島よしもり 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○上島よしもり 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより採決に入ります。採決は起立によって行います。  お諮りいたします。  本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○上島よしもり 議長 起立全員と認めます。よって同意第四号は同意と決定いたしました。  ただいまの同意に伴い、新監査委員から挨拶があります。 ◎阿部 新監査委員 ただいま御紹介をいただきました阿部でございます。  このたびは、保坂世田谷区長の御推薦を賜り、また、世田谷区民の代表でいらっしゃいます議員の皆様方の御同意をいただきましたことを深く心にとめ置いて、これからの職務に励んでまいりたいと思います。  このたび、地方自治法百九十九条を改めて精読してまいりました。監査委員は、普通地方公共団体の職務に関する事務の執行を監査すると規定されております。監査とは、主義主張に偏ることなく、公平公正な基準にて、中庸の精神にてとり行わなければならないと認識しております。とはいいましても、何分浅学非才でございます。今後ともに区民代表でいらっしゃいます皆様方の御指導のもとに職務に励んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  簡単ではございますが、これをもちまして私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○上島よしもり 議長 以上で挨拶は終わりました。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 次に、 △日程第二十七を上程いたします。  〔望月次長朗読〕  日程第二十七 請願の付託 ○上島よしもり 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○上島よしもり 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時七分散会...