世田谷区議会 2013-10-09
平成25年 9月 決算特別委員会-10月09日-06号
平成25年 9月
決算特別委員会-10月09日-06号平成25年 9月
決算特別委員会
平成二十五年
決算特別委員会
決算特別委員会会議録第六号
日 時 平成二十五年十月九日(水曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十名)
委員長 石川征男
副委員長 福田妙美
副委員長 桃野よしふみ
あべ弘幸
上島よしもり
上山なおのり
下山芳男
新川勝二
畠山晋一
三井みほこ
山内 彰
和田秀壽
板井 斎
佐藤弘人
高久則男
高橋昭彦
津上仁志
平塚敬二
諸星養一
植田靖子
唐沢としみ
桜井純子
高岡じゅん子
てるや里美
桜井 稔
中里光夫
村田義則
風間ゆたか
中塚さちよ
中村公太朗
大庭正明
田中優子
木下泰之
小泉たま子
あべ力也
上川あや
ひうち優子
佐藤美樹
すえおか雅之
青空こうじ
出席事務局職員
議事担当係長 水谷 敦
出席説明員
副区長 板垣正幸
世田谷総合支所 副支所長 岩本 康
街づくり課長 木下あかね
北沢総合支所 副支所長 吉原清治
街づくり課長 小柴直樹
玉川総合支所 副支所長 阿竹 恵
街づくり課長 並木正志
砧総合支所 副支所長 北川秀雄
街づくり課長 佐々木康史
烏山総合支所 副支所長 池田恒彦
街づくり課長 千葉正人
都市整備部 部長 佐藤健二
都市計画課長 松村浩之
都市デザイン課長
髙木加津子
地域整備課長 伊東友忠
建築調整課長 佐々木 洋
建築審査課長 髙橋 毅
住宅課長 皆川健一
生活拠点整備担当部
部長 霜村 亮
拠点整備第一課長
大橋 聡
拠点整備第二課長
佐藤 尚
みどりとみず政策担当部
部長 男鹿芳則
みどり政策課長
直井基次
公園緑地課長 笠原 聡
道路整備部 部長 吉田 博
道路管理課長 小山英俊
道路計画・外環調整課長
筒井英樹
道路事業推進担当課長
田中瑞穂
交通広場整備担当課長
田中太樹
交通政策担当部 部長 五十嵐慎一
交通政策課長 工藤 誠
交通安全自転車課長
岩渕博英
鉄道立体・
街づくり調整担当課長
畝目晴彦
土木事業担当部 部長 青山雅夫
土木計画課長 関根義和
工事第一課長 村田義人
工事第二課長 青木 誠
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本日の会議に付した事件
認定第一号 平成二十四年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 平成二十四年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 平成二十四年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 平成二十四年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 平成二十四年度世田谷区
中学校給食費会計歳入歳出決算認定
(
都市整備委員会所管分に対する質疑)
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午前十時開議
○石川征男 委員長 ただいまから
決算特別委員会を開会いたします。
────────────────────
○石川征男 委員長 本日は、
都市整備委員会所管分の決算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
世田谷民主党、どうぞ。
◆中塚さちよ 委員 世田谷民主党の質疑を始めます。
最初に、不
燃化等耐震改修についてお尋ねいたします。
先日、古い木造の家ですけれども、建てかえをしようと考えましたらば、家が環七の沿道だったため、
防災都市づくり推進計画整備地域に指定されている場所にありまして、ここですと、建てかえをするのにコンクリートで高さがある建物でないと助成を使って建てかえられないといった地域であったそうです。この家のオーナーさんは御高齢の方でありまして、助成があったとしても、非常に立派な建てかえをしなくてはいけないということで、高額の借金をして持ち出しをしなければ建てかえられないということなので、結局この制度を使うのは断念したということでした。
耐震改修についても助成のための要件がありまして、
上部構造評点が一・〇以上にならないと助成の対象にならない。不燃化の場合ですと、耐火とか準耐火建築物にしなければいけないとか、この助成を使うにもハードルが高くて、不燃化については実績も上がっていないとも聞いております。この
上部構造評点の一・〇というのは、現行の
建築基準法構造規定の定める最低限の耐震強度を有するという意味なんだそうですけれども、例えばこの評点が〇・七以上一・〇未満であれば、倒壊の可能性はあるとされているけれども、一九八一年の六月から二〇〇〇年五月に着工された新耐震基準の木造住宅の七五%ぐらいは〇・七以上一・〇未満という評点であるそうなんです。ですから、現状よりも耐震性を向上させるために、今〇・七以上ない木造建築物を
上部構造評点一・〇にこだわらなくても、〇・七以上に改善するのであれば助成をするということで、より使いやすい助成制度にしている自治体もあるようです。練馬区などもそのようにしているようです。
環七沿いにありましたこの木造の家は、結局、非常に持ち出しが高くなってしまうということで、助成制度は使わなかったけれども、そのままでは倒壊などの心配があるということから、持ち主の知人の建築士の方が壁を剥がして構造用パネルを張るなど、正式な耐震補強にはならないけれども、現状よりも倒壊しにくい建物に
セルフリノベーションをしてつくりかえたということでした。そうすると、十万円ぐらいから費用もかからずにできるということです。
今の区の助成制度ですけれども、今ある建物を壊して、高いもの、高額なものをつくらなければいけないとか、評点一・〇というのを厳密に達成しなくても、木造住宅の強度や防火性が高まるということであれば、そこに助成をしていくというふうに要件を緩和していけば、例えば御高齢の方で、家を継ぐ、次に使う人もいなくて、もう自分が生きている間もてばいいかなという方であったり、経済的にもちょっと厳しくて、高額の持ち出しをしてまで建てかえとか改修はできないという方でも、今より安全な家に住むことができるんじゃないかと思うんですが、この制度の緩和についてどうお考えですか。
◎佐々木
建築調整課長 首都直下地震の切迫性が指摘されている中、防災、減災の観点から、住宅等の耐震化をより一層進めていく必要があると認識しております。区ではこれまで、さまざまな機会を捉えて耐震化の普及啓発に努めるとともに、とりわけ木造住宅につきましては、平成十七年度以降、耐震診断士の派遣や改修工事助成を初め、建築士による無料の訪問相談事業、簡易改修助成など所有者に対する技術的、財政的な支援制度の創設、拡充を継続的に行ってまいりました。その結果、住宅の耐震化は年々着実にふえておりますが、今年度は国の
緊急支援事業活用の効果もあり、二度にわたる増額補正予算を計上させていただいております。
委員お話しの環七沿道の件ですが、整備地域による制限ではなく、恐らく沿道地区計画による制限かと思われます。また、評点の件でございますが、旧耐震基準で建てられた住宅を震度六強以上の地震でも倒壊しないようにする強度、つまり昭和五十六年の新耐震基準である評点一・〇以上にするというのが耐震化の基本的な考え方でございます。そのため、国や都を初めほとんどの自治体は評点一・〇以上とする補強工事を助成の条件としており、世田谷区としましても、現時点でこの方針を変える考えはありません。
なお、先ほど申し上げました簡易改修助成は一階のみを評点一・〇以上とする補強工事で、これまで五件の申請をいただいております。
◆中塚さちよ 委員 区では一・〇以上というのを今のところ変える考えはないということですけれども、そうすると、〇・七以上一・〇未満というのは、二〇〇〇年五月、新しいところだと着工のものが大体七五%ぐらいこのあたりに該当しているそうなので、築十三年の家だとまだ住んでいらっしゃる人も多いと思うので、そんなに危険だというふうには余り感じない部分でありますが、そうした補正予算で増額したというのは建てかえのことかと思うんですけれども、何でも古いものを全部新しく建てかえちゃって、その予算をつけるというだけでなく、そうすると、持ち出しが高いという問題もありますけれども、予算の問題で、例えばリフォームのほうが安くできるですとか、もともとその家に非常に思い入れがあるとか、そのよさを残したいだとか、そういった理由から、やはりリフォームとか
リノベーションを希望する方も少なくないと思います。
テレビでも「大改造!!
劇的ビフォーアフター」という人気の番組があったと思います。私も大好きな番組なんですけれども、ぜひこうしたリフォーム、
リノベーションといったところも検討に入れて、耐震化を普及していけるように、区内の
建築関係団体とか、そういった活動団体の方々とさらに意見交換をしていってはいかがかと思うんですけれども。
◎佐々木
建築調整課長 お話しの
区内建築関係団体との意見交換でございますが、平成二十年に安全安心で快適な住まい、まちづくりを推進していくことを目的として、世田谷区
建築物安全安心推進協議会が発足しております。本協議会には、区の関係所管や警察署、消防署のほか、
区内建築関係団体も参加しており、これまで耐震化に関する御意見も伺ってまいりましたが、委員御提案の趣旨も踏まえ、改めて耐震化の普及啓発のための意見交換をしてまいりたいと思います。
◆中塚さちよ 委員 次の質問に参りますが、環七の家の件なんですけれども、ここは
セルフリノベーションをした後、新装オープンのイベントを行いまして、そのイベントでは
NPO尾道空き家再生プロジェクトの理事の方による講演がありました。私も尾道の空き家再生についてはテレビとかで見て注目していたところなんですけれども、これは老朽化したオーナーさんももてあましているような空き物件ですとか、そもそもオーナーがどこにいるのかわからないような迷惑空き家のようなものも
セルフリノベーションで住めるようにして、そして尾道に移住したいとかアトリエが欲しいといった方とマッチングをさせて、そしてNPOも中に入りまして、建てかえ、改修するのに必要な道具だとか、人とかを手配して引き渡すという取り組みのことです。このやり方で六十件の、もう本当に見てびっくりというような物件も含めて再生させているということです。今まだ再生中の物件もあるけれども、移住希望者が順番待ちしているということです。
区とトラまちでも世田谷らしい
空き家等地域貢献活用モデル募集というのをやって、空き家の活用をやっていますけれども、十月一日が募集の締め切りだったようですが、応募状況について教えてください。
◎皆川 住宅課長 区では地域資源である空き家等の公益的な活用を進めるために、世田谷区
空き家等地域貢献活用相談窓口をことしの七月に開設いたしました。現在問い合わせや相談が延べ百六十五件となってございます。問い合わせの中には、地域貢献のために物件を提供したいという思いから、検討段階として、まずはお話を聞きたいという相談が多くございまして、オーナーさんの掘り起こしですとか相談の受け皿としての窓口の役割機能を果たしていると考えております。
今お話しのありましたモデル事業でございますが、オーナーにもわかりやすい今後のモデルをつくることを目的としてモデル事業を実施してございます。現在の応募状況ですが、区が指定した物件で団体等が活用を行う活用企画部門で二件、団体等がみずから物件を発掘し、そこで活用を行う
活用物件発掘部門で五件、合わせて七件の応募となってございます。これにつきましては、今月二十七日の公開審査会において世田谷らしいモデル三件を選定していく予定でございます。
◆中塚さちよ 委員 オーナーの掘り起こしの効果があったということですが、モデル事業の企画対象物件のほう、最初から物件が決まっているほうは一件ありまして、ホームページで見る限り、築十年のすごくきれいなマンションでした。尾道の事例を参考に、改修しないとちょっと使えないような物件まで幅を広げていけば、借りる人のほうで自費で改修してくれるならということで、喜んで貸してくださるオーナーさんというのももっといるんじゃないかなと考えます。NPOなどを活用して借り手に
建築関係団体とか建築士さんなどを紹介したり、物を貸したりなんかする形でやれば、区や
トラストまちづくりで持つ費用は少なくても、より多くの地域貢献活用が進むと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎皆川 住宅課長 区では、昨年十一月に空き家・
空き室活用フォーラムを開催いたしまして、今お話しのありました
NPO法人尾道空き家再生プロジェクトの代表理事をパネリストとしてお招きいたしまして、空き家等の活用事例とか活動内容、取り組みなどを御紹介していただいたんですね。今回、区で設置した
空き家等地域貢献活用相談窓口では違反建築物や耐震化未対応の建築物については、オーナー様やその活用主体がしかるべき措置を行っていただき、また、廃屋になってしまっているような空き家などにつきましては、建物の除却ですとか保全措置を進めてもらうこととしまして、活用の対象とはしておりません。
区といたしましては、今回実施しているモデル事業や来年三月に予定している実績報告会などでさまざまな活用事例や取り組み事例を紹介し、区民やオーナーに関心を持っていただきまして、適切な空き家等の有効活用を進めていきたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 時間がないので、風間委員と交代します。
◆風間ゆたか 委員 私が議員になってから六年過ぎていますけれども、一番最初に議場で質問した三つのうちの一つ、駒沢大学駅近辺の駐輪場がないですよねというお話をさせていただきました。あれから六年たっても全く状況が変わっていないということはとても残念なことで、土地がないとかいろいろありますし、計画していてもなかなか進んでいないという状況があるとは思うんですけれども、乗降客数に対する世田谷区が整備している駐輪場の駐輪の数という意味では、私が計算した中では恐らく世田谷区内で最も整備率が低いのではないかなと思います。この状況を簡潔に教えてください。
◎岩渕
交通安全自転車課長 駒沢大学駅周辺の駐輪場の件につきましては、委員お話しのように必要性というものにつきましては区として十分認識している次第でございます。駐輪場につきましてはお話しのとおり、土地を探すなど、あるいは民営駐輪場に対する補助制度を活用しながら取り組みを行ってまいりました。
例えば今年度につきましても、国道二四六号線の歩道を活用しました駐輪場整備につきまして、国土交通省からもお話がございまして、調査研究いたしましたが、歩道の有効幅員が足りなくなるということで断念し、実現しなかったというような経緯がございます。こういうことでございますので、今後につきましては、以前もお話ししたとおり、上馬地区会館の跡地を活用した整備等々、また、これまでの取り組みを一層強化するなど取り組んでまいりたいと考えております。
◆風間ゆたか 委員 もう少し簡潔にお願いします。(「はい」と呼ぶ者あり)上馬の話というのはもう随分前からある話ですけれども、それは整備に合わせてということでしょうから、やはりほかの対策をやっていかないと少しもふえていかない状況だと思いますので、ほかの策も考えて進めていってください。
そのときに質問しましたもう一つ、三軒茶屋駅近辺の対策ということは随分進めてきていたようですけれども、やはり土日の買い物客等の放置自転車というんでしょうか。買い物客がとめている自転車が道を塞いでいるなんていうことは西友の横あたりではもう毎週のことですけれども、先日吉祥寺を視察したときに、土日は使っていない銀行の駐車場を無料で自転車駐輪場として整備員を置いて、買い物客がずっとあくのを並んで待っているみたいな光景を見てきました。うまいやり方をすれば、これは三軒茶屋もしくは今後の下北沢なんかでも使える事例なのではないかと思いますけれども、区はこのあたりの研究は進めているんでしょうか。
◎岩渕
交通安全自転車課長 今お話しの件は武蔵野市の吉祥寺駅周辺の話だと存じますが、銀行の駐輪場を土日、祝日、無料開放して、自転車の整理員等につきましては商店街と市が折半して運営しているという話でございます。お話しのように土曜日や日曜日は買い物客も多くなりますので、このような手法は有効であると考えております。区では新しい総合計画に基づきまして、区立駐輪場において通勤通学目的の少ない日曜日、祝日の定期利用枠を活用して、あいたスペースやラックを買い物客等に開放することを検討しております。委員指摘の手法なども含めて研究検討を進めてまいりたいと考えております。
◆風間ゆたか 委員 ぜひ検討してみてください。
続いて、公園の状況についてもこれまで何度か質問してきました。特に子どもの安全対策という意味では、地面にコンクリートがむき出しになっていて重体となってしまった、それで訴訟を抱えている自治体があるなんていうことは頻繁に報道でも目にするところですけれども、何年か前に、世田谷区は早急に対策をしているんだという答弁でした。そろそろそういったコンクリートが地面から出てくるようなところも、最近では見かけなくなったなと感じているところですが、整備状況を教えてください。
◎笠原
公園緑地課長 委員お話しのとおり、公園を安心して利用していただく上で、遊具の安全性の確保は大変重要な項目でございます。御質問の遊具の
基礎コンクリートにつきましては、これまで地面より露出をした部分をゴムで覆う、また、コンクリートの角を除去する、また、土を盛ってそれを覆うなど緊急性の高い施設から順次現地の状況等に合わせた補修を行ってまいりました。現時点ではほとんどの施設で対応がなされている状況でございます。あわせて、年月の経過によりその土が取れて、あるいはまた、カバーが外れることによって危ない状況になるものについては、日々のパトロールなどで発見した場合、速やかに緊急対応を含めた補修も行ってきております。
今後とも日常的なパトロール、また、年に一回の遊具の安全点検により劣化状況等を確認、修理を行いながら、安全な状態を保ち、公園を安心して御利用いただくための努力を続けてまいります。
◆風間ゆたか 委員 子どもを外で遊ばせる、公園で遊ばせること、特にコンクリートやゴムだけではなくて、土を感じながら育むということは脳の発達にも効果があるということなどが言われておりますし、そういう意味で世田谷区が公園の整備に力を入れてきたことは評価しています。最近ではベンチに禁煙といいますか、たばこを吸わないようにというようなステッカーが張られているベンチなんかがあったりして、以前は子どもを連れてきている保護者の人でも、ベンチに座ってたばこを吸っているなんていう光景がありましたけれども、やっぱり副流煙の問題からよくないななんて思っていました。この点の進捗状況は今どのような感じでしょうか。
◎笠原
公園緑地課長 委員お話しの受動喫煙の防止プレートにつきましては、来園者、特に小さなお子様が受動喫煙により健康を損なうことがないように、喫煙者への啓発を目的として、平成二十二年度より設置しているものでございます。現時点の設置状況ですが、全百八十カ所ほどの公園、身近な広場のベンチ、あわせて制札版等にも張りつけて、合計五百枚ほど取りつけている状況でございます。
◆風間ゆたか 委員 まだついていないベンチなんかもあると思うんですけれども、特に子どもが遊ぶ公園ではなるべくたばこの煙が上がらないように、これを進めていくように要望しておきます。
最後に、公園という意味では、私は下馬の人間ですけれども、下馬に住んでいる人たちにはかなり愛されてきた駒繋公園というのがありますけれども、ここには恐らく区内で唯一なんでしょうか。長い立派な
ローラー滑り台があって、地域の子どもたちは、大人もそうでしょうけれども、あれで育ってきたという人は結構いると思うんです。これが知らないうちになくなってしまうとか、かわってしまうんだという話を地域の人から耳にしましたけれども、私は議会人として聞いたことはなくて、地域の人にはお話をしているとか、アンケートをとっているという話でしたけれども、なぜ議会ではこういった……。
議員の中でもこれで育った方はいると思うんですけれども、そういう情報提供なり、区民の意見を聞くのであれば議会の、特に地元の人たちとかに情報提供がなかったのか、教えてください。
◎笠原
公園緑地課長 お話しの駒繋公園の遊具改修につきましては、既存の
ローラー滑り台、また、その他の
アスレチック系の遊具は大分老朽したというところでまず、改修を考えております。その上で、委員お話しのとおり、地域の方々に大変愛されてきた施設であるということですので、改修に当たっては、実際の利用者のお声を聞こうということで現地でのヒアリングを行ったり、また、地域の町会等にもいろいろな御意見をいただくような対応を行ってまいりました。こちらは施設の規模といたしまして、例えば大規模、全区的な御利用が見込めるような施設、公園等の改修におきましては広く議員の皆様にお話を聞かせていただく、あるいは情報を提供するということもあるんですが、個別の公園となりますと、これまでそういったことはやってきていなかったのは事実でございます。今後地域の議員の皆様も含めて、なるべくさまざまな情報を出すように周知に工夫をしてまいります。
◆風間ゆたか 委員 駒繋公園は下馬の人間だったらみんな知っているし、遊んだことがあるところで、私も下馬に住んでいるんですけれども、町会経由でこういった話を聞いたことがなかったですし、じゃ、どれだけ情報提供したのかということも甚だ疑問があるわけです。やっぱり住民の合意形成ということは非常に重要だと思いますので、地域の方々ももちろんですけれども、我々議会への情報提供も今後しっかりと行っていくよう要望します。
終わります。
○石川征男 委員長 以上で世田谷民主党の質疑は終わりました。
────────────────────
○石川征男 委員長 引き続きまして、みんなの党・世田谷行革一一〇番、どうぞ。
◆大庭正明 委員 小田急電鉄小田原線(代々木上原駅~梅ヶ丘駅間)上部利用計画(施設配置)(区案)が示されて、こういうA3の紙で配られているわけですけれども、これだと全体の配置というか、どういうロケーションにあるのかということがわからなかったので、どういう形になっているのか、こちらのほうで普通の地図と位置を合わせてみたんです。例えばここでのピンクは北沢タウンホールの位置になっているとか、そういうロケーションがわからないとこの問題は簡単に理解できないということでつくったんですけれども、余り遠くからは見えないので、自画自賛みたいな形になってしまったかなと思っているんです。
まず、このことについて最初に伺いたいのは、私たちもかなり追及したんですけれども、保坂区長が昨年の七月に一方的に区案なるものを発表してしまって、小田急または東京都との信頼関係がなくなってしまった。そこから今回、こういう形の区案が出てくるまでの経緯について、どういう形で信頼関係が……。要するに信頼関係が一回壊れたわけですよ。これはもう新聞等でも言われているわけですから。信頼関係が壊れて、その後、区長がわび状というんですか。そういうものを課長に持たせて、協議会の中で披瀝したというような話までは伺っているんですけれども、その後、どうなったのか。
つまりこれは、小田急と世田谷区にとっては非常に対立する利害関係があるわけですよ。小田急としては、必要以上に譲ると株主に対して不利益な行為だとなるし、区長としても、じゃ、小田急さん、いいですよ、どんどんどんどんとなれば、それは税金とか区の資産を民間企業に与えてしまうということで、この交渉というのは非常に対立的な要素がある。もちろん協力しなくてはいけない部分もあるんですけれども、ある部分については、やはり両方とも譲れないような部分があるというのが交渉の前提だと思うんです。
その最初の段階で、まず、区と小田急と東京都の関係で信頼関係が崩れたということから始まったわけですけれども、そこから今までどういう形になってこういう案がまとまったのかということをまずお聞かせ願いたいと思います。
◎大橋 拠点整備第一課長 昨年の七月の東京都、小田急電鉄からの指摘事項につきましては、委員御指摘のとおり区も真摯に受けとめており、公表に当たっては十分関係機関と協議等を行っていくことで御了解を得ていると考えてございます。区では、これまでも議会への御報告も含め、関係機関と段階を踏みながら丁寧な対応をさせていただいてきており、小田急電鉄との協議調整においても対等の立場で協議を進めてまいりました。今般、一つの施設整備計画案、施設配置ということで区案の決定に至ったと考えてございます。
◆大庭正明 委員 結局、昨年の信頼関係というか、要するに信頼関係が壊れた原因というのは、小田急側にすれば手続だけの問題だということなんですか。つまり丁寧な対応を欠いたから、小田急としては怒らざるを得なかったというのか。それとも、計画案の内容まで踏み込んで、要するにこの内容が気に食わない、あえて一方的に発表したということも気に食わないということのどちらなんですか。手続論だけというのであれば、そう言ってくださいよ。
◎大橋 拠点整備第一課長 昨年七月の追加申請の公表に当たっては、東京都から協議が調わない段階で素案を公表したという手順について不適切であると強く指摘されております。
◆大庭正明 委員 そうであるならば、追加修正した去年、区長が一方的に提案した、公表したという案と今回の案というのはどこが違うんですか。もし手続論だけであれば手続を間違った、昨年七月に公表したものについての内容については了としてもらいたいというような話にはなるんだろうと思うんですけれども、昨年七月の案と今回の出した案というのは何が変わっているんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 昨年七月の案につきましては、いわゆる緑と防災を機軸にするというコンセプト、考え方を示させていただきました。今回の計画に当たりましてはこのコンセプトを生かし、より具体化した通路の位置、あるいは緑地・小広場の位置を計画したということでございます。コンセプトから図面上の位置を確定したということでございます。
◆大庭正明 委員 今回出されたものは平面図ですけれども、去年出したものは平面図ではなくて、パースに近いような、斜め上から見おろしたような形の図になっているんですけれども、その図でいくと、例えば屋外劇場、子育て施設、太陽光パネルが配置されているもの、段差のある広場、こういうものが載っかっているんですけれども、これは今回、配置予定の中には予定できているものなんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 具体的な段差のある広場等々につきましては、今回の施設配置計画図をもとに計画していくというステップを踏んでまいります。現段階で具体的な整備、逆に言いますと整備イメージの話だと思うんですが、その整備イメージにつきましてはまだこれからの作業になってございます。
◆大庭正明 委員 じゃ、その階段状の劇場というのが二つあるわけですよ、要するに下北沢を挟んで。それから、子育て施設というのも描いてあるんですけれども、こういう子育て施設というのはイメージだけじゃないと思うんですよ。具体的に何かを考えているんだというふうにイメージ図には載っているんですけれども、これも今後の問題なんですか。それは所管が違う、福祉関係の所管。子育て施設って、文教なのか、福祉保健なのか、何かわかりませんけれども、少なくとも所管が違うところとの協議が必要ですよね。そういうところとの協議は調っているんですか。ということがあれば、イメージだけでは済まないですよね。つくる予定になっているんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 委員御指摘の子育て施設等々福祉施設につきましての考えについては、私のほうも過去の資料の調べが足りないところがあって、この場ではちょっとお答えできません。よろしいでしょうか。
◎霜村
生活拠点整備担当部長 委員御指摘の環状七号線西側に表記されているイメージ図の中に載っている子育て施設だったり、あるいは段差のある広場というイメージが確かに示されておりますけれども……。(「七月のね。去年の七月」と呼ぶ者あり)去年の七月、区が合意を得る前に出した素案というイメージ図の中にそういったものが載っておりますが、こちらの施設というのは、今回きちんと具体化してお示しした現在のものの中では白地になっている、つまり小田急電鉄が利用する部分が主でございます。したがいまして、去年、このイメージ図というものの、例えば子育て施設の設置主体といったものを明確に示しているわけではありませんけれども、今から思えば小田急電鉄が使う土地の中で子育て施設のようなものも組み込んでいくようなイメージ案を区の願望としてお示ししたのかなというふうには捉えられますが、今回お示ししたものは区が使う部分を、ゾーニングをお示しして、その中に緑地・小広場等を使うという計画案がまとまったということで御報告させていただいたものという関係性でございます。
◆大庭正明 委員 去年の七月の段階では、ゾーニングはまだ決まっていなかったわけですよ。ですから、今回ゾーニングが一応区案として出されたので、去年の七月に、子育て施設とか階段状の劇場をつくるという場所が今回初めて、区案であれば小田急のつくる部分に当てはまるということになったので、区としてはわからないというお話ですよね。でも、例えばそこの部分を区が買うとかということだって、ゾーニングの場合、あり得たわけです。今回は、今言っているのは、最初から子育て施設の場所とか劇場の部分というのは世田谷区のものではなかったというわけでないんですね。今回のゾーニングで区側として初めて、ここは世田谷区は使わない、小田急さんの土地ですよと決めたからこそ、去年との話の流れでいくと小田急の施設ですよということになるわけです。その辺で、要するに今回僕が聞きたかったのは、世田谷区は何を譲歩したのか、譲歩しなかったのか、何を主張したのか、しなかったのかということが知りたかったんですよ。
次、伺いますけれども、今回出されたここに出ているのは区案ですよね、区案。そうすると、当然相手方の小田急案というのは出てくるんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 今月、十月十六日に開催予定でございます東京都が事務局でございます上部利用検討会の会議に小田急案も提出されると聞いてございます。
◆大庭正明 委員 今回の区案というのはゾーニング案なんだけれども、ゾーニング案についてはもう既に小田急と了解ができているということじゃないんですか。ゾーニングについては。つまり、そうでなければ去年の七月の轍を踏むことになるわけですよ。世田谷区が勝手にこのゾーニングを主張するとなると、いやいや、このゾーニングは違うよ、小田急はもっと違うゾーニングを考えているんだという形で、それはまとまっていないんだから、一方的に発表するなよというのが去年の教訓ですね。
とすれば、ここ出ているゾーニングというのはもう既に小田急と世田谷区はもうこれで決まっている、了解事項だというようなことであって、十六日に、ここで決まっている小田急案のゾーニングの位置に小田急が何をつくるかを発表するというか、公表するというような段取りでないと、去年の七月の教訓は生きてこないと思うんですよ。区側がこういうゾーニング案を出して、じゃ、小田急側も違うゾーニング案を出してくるなんていうことはあり得ないでしょう。それはどうですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 委員御指摘のとおり、昨年七月からの不適切な対応があった後、小田急電鉄との協議を丁寧な対応のもと行ってまいりました。その経過を踏まえますと、今回の案につきましてはおおむね合意が得られるということで協議を進めてまいりました。
◆大庭正明 委員 だから、結局、もうゾーニングについては決まっていると。ゾーニングについて決まっているということは、世田谷区がどこの土地を公租公課に充てて、どこの土地を購入する、またはどこの土地を借りるかということは決まっちゃった、ほぼ決まっちゃったということでいいんですね。
◎大橋 拠点整備第一課長 用地の取得、用地の処理につきましては、今回お示ししました区案では三駅にございますが、駅前広場につきましては用地取得の方向で今後協議をしていきたい。通路につきましては千九百平米の公租公課分、それ以外の敷地につきましては賃貸借契約、残りの小広場の三千平米につきましても賃貸借契約の方向で調整をしていくという方向で決めさせていただいております。
◆大庭正明 委員 通常でいくと、他会派の議員の方も以前質問されていましたけれども、駅前、駅広のところが一番地価が高い。通常、一番高いところを公租公課に充てるというのが常套だというふうな話がありました。じゃ、なぜ駅広を購入して、ほかの通路のところを公租公課に充てるのかというような形で聞いたら、駅前広場というのはいろいろ補助金が出てくると。だから、公租公課で使っちゃうとほかのところが、例えば通路を購入するとなると補助金がつかない。総体的は形の中で補助金がつく分、要するに駅前広場のほうを購入したほうが世田谷区の負担としては少なくなるというお話を伺っているんですけれども、それのあらあらの数字を出してくださいと言っているんですけれども、出せないですか。ずっと出してこないんですよ。我々は予算審議を伴っているわけですから、値段というか、価格というか、総額みたいなものである種判断、一つの要素として判断することが必要なわけですけれども、一体それがいいのか、どうなのかということがわからないんですよ。駅広を公租公課で充てるのか、それとも時価で買っちゃったほうが本当に負担が少なくて済むのかという比較ができないので、それは出せないんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 駅前広場につきましては、都市計画施設に位置づけられております。既に都市計画事業として、下北沢につきましては着手してございます。用地取得に関しましては国庫補助金や交付金。国庫補助金につきましては用地費の五五%、都市計画交付金につきましては残りの区負担四五%のうち二五%が補助金で賄われるという仕組みでございます。そういった仕組みもございまして、最終的な区の負担は用地買収したほうが少なくなると判断してございます。
◆大庭正明 委員 いや、だから、数字を出してください。あなた方の判断はわかりましたよ。だから、その判断に基づく根拠の数字を出さないと我々は……。言葉だけでこっちのほうが安くなると思いますとか、安くなりますなんて言われても、その根拠を出さなくちゃわからないでしょうということだよ。根拠である数字を出してください、出せますか。
◎大橋 拠点整備第一課長 現在小田急連立事業につきましては、御存じのとおり五年延伸したということで、今後用地買収については数年後に交渉になるという予定でございます。そういったことから、現段階で土地の価格の算定はまだしてございません。価格の算定はしてございませんので、その総事業費についての算定は今できていないということです。
◆大庭正明 委員 部長、それでいいの。それでは判断の材料がないじゃないですか。そちらの計算でこっちのほうが安くなりますと言って、こっちだって数字を見てある程度判断しなくちゃいけないということでしょう。部長は前に梅ヶ丘をやりましたよね。梅ヶ丘だって予測のつかない中であらあらな数字を出したじゃないですか。正確な数字かどうかは別として。それで我々は判断しているわけですよ。そちらの数字を全然、一切数字を出さないで、これがベストだみたいな。ベストなのか、ベターなのか、わからないじゃないですか。
◎霜村
生活拠点整備担当部長 今、正確なものかどうかは別にしてというお言葉をいただきましたが、確かに客観的に御判断いただくために、わかりやすい資料をお示しするということは当然必要なことだと思いますので、本当に責任を持てる数字かと言われると大変心もとないことは御了解いただいた上で、試算などを示してまいりたいと思います。
◆大庭正明 委員 あと、緑地とか、広場とか、描いてありますね。東北沢寄りのところの上、北側の緑地・小広場。上下ありますけれども、三角の非常に地形が悪いところは買うんじゃなくて、これは賃貸ということなんですか。上部じゃないですね、上部から外れている土地ですよね。
◎大橋 拠点整備第一課長 今御指摘がございました三角の形の広場につきましては現在小田急用地でございますので、ここを賃借する予定ではございますが、また今後、いわゆる補助金、上部利用に関する補助金の利用などの検討も今してございますので、用地買収等が可能であれば交渉してまいりたいという考えでございます。
◆大庭正明 委員 三角の土地って、全部緑地になっているんですけれども、いろいろと。こういうところとか、こういうところとか、こういうところとかという形で。現状では全部の、今の小田急線の工事車両のとめ場所とか資材置き場という形で、大して余りいい土地でもないのですよ。要するに小田急としても別に利用する価値のないような土地なんだけれども、それを無理やり緑みたいな形にされているんですけれども、それも買っちゃうということなんですね。その辺の判断がよくわからないし、そういうのは小田急としては非常に都合がいい、よくやってくれるねという話だと思うんですけれども、自転車の駐車場と立体小広場というところで、立体緑地でもあります。立体緑地というところが、ここに立体緑地というのがあるわけですね、立体緑地が。この立体緑地と駐輪場の関係というのはどういう関係になっているんですか。これは駐輪場と立体緑地を小田急が整備するんですか、別々で整備するんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 立体緑地につきましては、歩行者の回遊性を増し、景観、環境にもプラスになるとの考えのもと、自転車等駐車場や自動車駐車場などの上部を小田急電鉄から借用して整備する公共施設でございます。したがって、区が整備主体で考えてございます。
◆大庭正明 委員 要するに駐輪場をつくって、駐輪場の屋根の上に人工地盤みたいな形でつくって、そこに土を埋めて、植林みたいな形をやって緑をつくるという構造だと聞いていますけれども、それは別々なんですか。下の駐輪場の屋根の部分というか、構造物は小田急がつくって、その上を賃借して、そこに土を盛って、人工地盤みたいな形に世田谷区がするということなんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 土地を賃借するかどうかについてはまだ協議はしてございませんので、今後でございますが、整備につきましては委員おっしゃるとおり、下側の一階部分につきましては、平面部分につきましては駐輪場整備を小田急が行う。上の二階部分でございます立体部分の緑地については区が行うということでございます。
◆大庭正明 委員 ここの部分については小田急のほうは、要するに構造物ですから、その下の下、駐輪場の下には鉄道が走っているわけですよ。鉄道が走っているので、要するに鉄道の上に駐輪場をつくる、さらにそこに人工地盤をつくるとかなり荷重がかかるので、小田急からそれはやめてくれみたいな話が来ていますよね。その辺はどうなんですか。
◎大橋 拠点整備第一課長 委員御指摘のとおり、地下構造物への影響というものは避けて通れないところでございます。現在、基礎的な調査の中で簡易な計算を行って、ある程度構造物が築造可能か否かというところのチェックまではしてございますが、今後詳細は設計をして、小田急電鉄との協議のもと、どういったものが現地に築造できるかどうか、協議をしてまいりたいと考えてございます。
◆大庭正明 委員 人工地盤をつくって、緑地をつくって、緑がふえるのはいいことですけれども、鉄道自体に非常に不安定なものを与えるようであれば、これは無理なことをするべきではないと思います。
時間がないので、質問はここで終わりにします。
○石川征男 委員長 以上でみんなの党・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、緑の党グリーンズジャパン世田谷、どうぞ。
◆木下泰之 委員 他会派が詳しく、私が前からやっていたテーマをやっていただいたのはありがたいんですけれども、そもそも小田急線の下北沢の上部利用というのは二〇〇〇年に調査報告書が東京都から出ているんです。そこには、例えば下北沢の近くには創作自由広場をつくるなんていうのも書いてあったわけですよ。上部利用については、要するに使う自治体側が申し出れば、電鉄側が鉄道運行上支障のない限りは協議に応じなければならないと出ているわけですから、本来だったら二〇〇〇年にこの辺の議論はきちんとしておくべきだったということをあらかじめ申し上げておきます。
それでは、本題に入りますけれども、私は基本構想の今回の議決の問題で、ずっと基本構想について調べていったんですよ。そうしたら、基本構想の前身。つまり世田谷区がまだ東京都の内部組織であったころ、一九七〇年に世田谷区総合計画、緑と太陽の文化都市をめざしてという基本文書が出ているんですが、これは当時の世田谷区の憲法なわけです。これを読んでびっくりしたんですけれども、下北沢の開発予想図というのが出ているんですよ。ここに出ているんですが、これは高架計画で出ているんですね。
ところが、これは確認しておきますけれども、昭和三十九年は下北沢は平面決定だったとおっしゃっていますけれども、そのとおりなんですか。
◎工藤 交通政策課長 委員おっしゃるとおり、昭和三十九年の都市計画決定としては地表ということで決定しております。
◆木下泰之 委員 地上であるということで、これはいろいろ疑義もありますけれども、区はそういう認識でいたということなんですが、この総合計画にはこういうことが書いてあるわけですよ。「現状と問題点。しかし、現状のまま放置すれば、小田急線の高架化が実現することにより、南北商店街が分断され、顧客の吸引にマイナス面がでることが予想される。」そして、「将来計画。この地域は、新宿、渋谷の副都心に近く、急速に発展、成長を見せる両副都心の影響を敏感に受ける地域である。加えて、都市計画幹線道路の計画、小田急線の高架計画など、この地域を一変させる要因が多々ある。これらの条件をふまえた上で土地の有効利用、環境の整備、街路などの都市整備施設の整備、商業機能の高度化と施設の近代化を基本に地域再開発計画を立てなければならない。」そして、「具体的な商業地域開発計画としては」という中に、「駅前広場の新設にともない、広場にあたる商店は小田急高架下に収容する」と書いてあるんです。
都市計画決定が平面でありながら、区の基本計画がなぜ高架で計画されていたのか、教えてください。
◎工藤 交通政策課長 まず、今委員おっしゃった昭和四十五年の総合計画でございますが、当時の区の詳細な現状分析と社会経済情勢の発展状況の予測の上、目標年度としましては昭和六十年ということで作成した基本計画であると認識しております。今お話しありましたように、計画は私も読ませていただきましたが、小田急線高架化が実現する云々との記載は確認しておりますが、繰り返しでございますが、当時の都市計画決定では、小田急線下北沢駅周辺につきましては地表式として決定されております。
これは推測で恐縮でございますけれども、地表式のままですと、踏切が残り、交通渋滞などさまざまな問題が生じることから、高架式による立体化案の検討もされたのではないかと。(「もう結構です」と呼ぶ者あり)
いずれにしましても、このような記述をされた理由についてはわかりかねます。
◆木下泰之 委員 区の憲法と言われるようなものにこういう計画が書いてあったことについて、当事者もわからない。いろいろ資料も要求したんだけれども、そもそも当時の基本的な調査報告書もないんです。世田谷区総合計画報告書、昭和四十二年三月にやったやつが出ていない。
ところが、それの概要版が手に入りました。これは昭和四十二年の十月に世田谷区の将来というのが出ています。ここにはこういうふうに書いてあるんですよ。「小田急電鉄。線路増設に関しては、代々木上原付近~喜多見間の張り付け線路増設を前提として路線決定された東京都市計画高速鉄道九号線の事業実施計画」があり、「早急に検討しなければならない路線としてすでに運輸省の諮問機関である都市交通審議会において答申されている京王線芦花公園~調布(一の橋)の路線の九号線と同様に新宿付近までは京王線の張り付け路線増という形をとるものと思われる」。つまり、このときは平面決定ということでなくて、単に地下鉄を張りつけるということしか書いていないんですよ。それを見るとよくわかるんですが、つまり四十五年、一九七〇年当時は、高架、地下という明示的なものが実際には存在していない。そこで高架計画という形で出てきたんでしょうけれども、担当にその証拠となる文書を見せてほしいと再三言っているにもかかわらず、いまだに、きょうに至るまで出てこないんですが、これはなぜですか。
◎工藤 交通政策課長 今、委員おっしゃった図書としましては、昭和三十九年の図書かと思います。事前に委員からも申し入れはございます。今現在、東京都に確認をしているところです。
◆木下泰之 委員 これはもう私は再三、もう十年ぐらい前から申し入れていることなんですよ。一切出てこない。このこと自体が問題だし、そもそも世田谷区の総合計画の中に当時平面決定であったとするのならば、高架で平然と計画をして、それがずっと改められていない。
世田谷区の議事録を確かめてもらったら、一九七五年の十一月七日に交通対策特別委員会に東京都交通企画課長の岡本堯生さんが出ていますよ。ここでやっと平面だということが語られているんですけれども、それだけ長い間、そういったことについて語っていない。私の質問に対しても、京王線の上を通るので、あそこは高架にはできなかったんだというようなことを言っているんですよ。ところが、東京都も一九七五年の時点では高架推進の計画でしたよ。そういったことについて把握しないで答弁している担当者、それから、今の下北沢の計画も過去の歴史を調べた上できちんとやらないと、とんでもないことになるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○石川征男 委員長 以上で緑の党グリーンズジャパン世田谷の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、新風21、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 外環道についてですが、東名以南整備についての区の姿勢が見えません。整備に伴って立ち退くこととなる区民もいらっしゃるのですが、特にその方々の理解、納得をいただく上でも、東名以南についてその実現に向けて、区としての最善の努力をしていくということを明らかにするべきです。さらに今、立ち退かざるを得ない区民と言いましたが、この方々に対する区の対応が疑問です。一般的な区の道路整備においては、立ち退きに当たって代替地のあっせんのお話があるわけですが、外環道整備については、国の事業だから一切そのようなお話がない、区は関与しないという姿勢です。当事者の区民は追い出されるばかりです。これは祖師谷公園の整備についても同様ですが、このような区内の大規模開発の際に立ち退かざるを得ない区民の方々に対して、何とか引き続き区内に住んでいただくというメッセージがあるべきだと思います。
日本全体として人口減少社会となってはいるものの、当面、世田谷は人口が増加していく。さらには、マスコミなどが調査する住んでみたい街では二子玉川などが常に上位に位置づけられています。これは全て区役所の政策の評価とは思えませんが、これまでの区民、事業者、区のまちづくりに対する努力の成果とも感じられます。このような状況であるのに、大規模な国や都の事業については、そこに該当した区民には出ていってもらうしかないというのはまことに残念なことです。
一方で、新たな開発、明大八幡山グラウンド跡地などについては大規模な住宅群がつくられようとしています。出ていく人には出てもらい、また別に、入ってくる人は別に迎えるというのは余りにも情けないことです。いつまでも住み続けられるということは、大都市世田谷にとってとても大切な政策、住宅政策のはずです。区として何らかの姿勢を見せていくべきと思いますが、副区長の感想を伺います。
◎板垣 副区長 今おっしゃられましたいろんな事業をやる中で、道路事業だったり、あるいは公園の事業であったり、その中でどうしても用地買収等で動いていただくということになるわけですけれども、今おっしゃられましたように区内で住み続けたいという区民の方にはぜひ応えられるように、私どもも最善を尽くしていきたいと思います。また、東京都や国が事業主体になっているものもございますので、それにつきましてはそういう事業者のほうにもその旨きちんとお伝えしながら、そういう形で進めていきたいと思います。
◆小泉たま子 委員 私は、歩いて暮らせるまちづくりをビジョンとして掲げています。歩いて暮らすということは、区民個人の自立を支え、生き方、楽しみを確保するとともに、寝たきり予防など福祉政策でもあるのです。道路づくりは福祉政策でもあると言われた管理職もおられます。私はさらに、お元気高齢者を福祉領域ではなく、区民生活領域で担当すべきと言っています。お元気高齢者がいつまでもお元気でいられるための基盤は、自由に歩き回れること、そのためにまちづくりがしっかりとしていることが重要です。しかし、このところ、この姿勢が見えません。以前では、町なかのトイレや休憩スペース、ベンチなどをどのように配置、整備していくかということが話題となったこともありましたが、そのようなお話は聞こえてきません。支所の
街づくり課長として、この歩いて暮らせるまちづくりについてどのようにお考えか、伺います。
◎佐々木 砧総合支所
街づくり課長 委員お話しの歩いて暮らせるまちづくりという視点ですが、現在改定中の都市整備方針では、区民の生活像を重視する観点からテーマ別方針を掲げております。こういった改定状況も踏まえ、今後検討いたします地域の整備方針の中では、地域にお住まいの方の生活像の重視とともに、支所の区域を生活圏域とする市街地特性も考慮しながら、街づくり方針を示していくことが必要と考えております。
◆小泉たま子 委員 ぜひお願いいたします。
次に、町会・自治会加入促進問題とマンションなど集合住宅問題について伺います。
この間、担当の方々とお話をしましたが、やはり集合住宅において、自治会組織と管理組合組織をどのように扱っていくかということが問題と思えます。この両者を同じように考えていると、マンション管理組合が町会連合会に加盟すれば問題は解決するなどと言われるのです。今回、区民生活領域で考えている町会・自治会加入促進の条例検討と時期を同じくして、集合住宅についても町会・自治会への加入促進、連合会への加入が課題とされるのですが、問題はマンション等集合住宅において自治組織が必要であるということを区として明確にすることが求められるのです。
自治組織をつくり出すことは、考えてみればとても面倒なことです。ですから、このごろの大規模マンションは雑用をお金で処理する管理組合方式を採用しているところが目立ちます。しかし、この管理組合方式では、いざというときに住民同士の助け合いなどができません。災害時にも、区の効果的な支援の仕組みが届きません。災害時においては、区の支援は、まず、区民の自主的な活動が前提となっているからです。
マンション等集合住宅においては、まず、住民自身による自治会組織を立ち上げること、さらに、その組織が町会連合会等に参加し、地域の町会活動、区の災害対策活動と連携をとることを都市整備部門で条例化に当たって強く打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えを伺います。
◎皆川 住宅課長 マンションの中には、管理組合とは別に自治会を設けているマンションもございます。世田谷区マンション交流会においても、現在、地域とのコミュニティー形成や地元町会との連携などについて議論されておりまして、マンションの課題の一つとして認識され始めております。区といたしましては、マンションの地域参加について、マンション交流会とも連携し、取り組んでまいります。今お話しのありました条例化につきましては、今後関係所管とも連携しながら研究させていただきたいと存じます。
◆小泉たま子 委員 町会・自治会加入促進の条例がこのところで提出されますけれども、それと整合性を持たせるためにもしっかりと早目に、きちんとそれに間に合うように研究検討していただきたいと思います。
以上で終わります。
○石川征男 委員長 以上で新風21の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、減税世田谷、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは質問してまいります。
まず、放置自転車対策について伺いたいと思います。
質問するきっかけは、東京都が毎年実施をしております駅前放置自転車実態調査によりますと、都内の放置自転車台数は平成二年の約二十四万三千台をピークに年々減少して、昨年度は三万四千七百台とピーク時の七分の一になったということです。所管に世田谷区の現状を伺いましたら、世田谷区の場合はピーク時の十四分の一ということです。ということは、今までの放置自転車に対する対策がそれなりの功を奏したということで、一定の評価をしたいと思いますけれども、予算的な措置の面で考えれば、これだけ減ったんだから、それに対する対策予算というのもそれに合わせて減らして当然なのかなと感じた次第であります。
ただ、また放置自転車そのものが増加をするというようなぶり返しがあってはならないわけですから、現状を維持しながら、さらに放置自転車を減らしていくような努力も必要だと思います。そういうことも含めて、今後放置自転車は大分減ったというような状況に鑑みて、世田谷区は今後の自転車対策についてどのような考え方を持っているのか。また、予算的な措置も含めてどのように考えていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。
◎岩渕
交通安全自転車課長 委員お話がございました放置自転車対策費につきましては、この減少に伴いまして、平成二十年度を鑑みますと四億五千六百万円でございました。それが昨年度、平成二十四年度につきましては二億九千七百万円と約三五%の減少になっておりまして、一方では、引き取り手のない自転車の売却などを進めておりますので、放置自転車対策の数字を下げないように、また、効率的な事業運営にも努めてまいりたいと考えております。
◆あべ力也 委員 五年前と比較をされたんですけれども、放置自転車に一番予算を投入したときと比べるとどれぐらい世田谷区は……。予算的な部分では……。
◎岩渕
交通安全自転車課長 私どもも最大、ピーク時と比較したんですが、ちょっと項目が違いまして、数字的に一番圧縮したのが三六%というふうに考えております。
◆あべ力也 委員 いずれにしても、放置自転車対策は全て整っているわけではなくて、いまだに放置自転車というのはあるわけで、それを今後減少させながら効率的な対策をしていくということをぜひ今後とも継続して検討していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。幾つか質問したいので、放置自転車に関してはこの辺にしておきます。
次に、世田谷区も公共的な資産をいろいろ管理という面で民間委託をいろいろ進めてきているということでありますけれども、せんだって府中市が市道を民間に一括管理させるというようなことが報道されておりました。これは東京都の中では初めてでありますけれども、公共資産をどこかに委託して管理することは技術的には道路も可能だということでありまして、世田谷も道路の管理に関して民間委託ということも可能性としてはあるということでありますので、この考え方については世田谷区としてはどういう考えを持っているのか。私は民間に委託をするということも検討すべきではないかと思っておりますけれども、この点について世田谷区の考えを伺いたいと思います。
◎青木 工事第二課長 今委員からお話がありました府中市ですけれども、来年度から京王線府中駅を中心といたしました南北三百メートル、東西六百メートルのエリアで府中市が管理する道路や街路灯、街路樹の維持管理や補修等を対象とした包括的な民間委託を三年間試行するというふうに聞いております。試行に当たっては、プロポーザル方式で、委託の途中で仕様を見直しながら、対象区域の拡大や本格実施を検討すると聞いております。区民に身近なインフラである道路ですとか、適切な道路の維持管理、更新につきましては行政の責務であり、包括的な民間委託に当たっては受託事業者の業務範囲の明確化や履行内容の確認、検査の方法、緊急時の対応など委託内容を詳細に規定し、実施する必要があると考えております。
一方、区におきましては、これまで道路の清掃、カーブミラーの向きの調整、街路灯の補修、放置自転車の撤去作業等の業務におきまして、コスト縮減ですとか、区民サービスの向上などの視点から精査をいたしまして、順次民間の委託を実施してまいりました。区といたしましては、府中市の試行の状況や国、他の自治体の動向等も注視しつつ、包括的な民間委託につきましても今後研究をしてまいりたいと考えております。
◆あべ力也 委員 丁寧な御回答ありがとうございました。
いずれにしても、メリット、デメリットがあるのでしょうから、そのことをいろいろ精査していただいて、世田谷区として導入可能なのかどうかも含めて検討していただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、災害時とかには信号が要らない丸い交差点というのが国で各地方で設置できることになったようですけれども、災害時には交通整理上、信号がないわけですから、私は本当にいいインフラだと思いますけれども、これについて世田谷区は導入は可能だと思いますか。
◎田中
交通広場整備担当課長 委員お話しの丸い交差点、ラウンドアバウトについてお答えいたします。このラウンドアバウトは、お話しのように信号の要らない一方通行の交差点形式で、特に欧米で普及している交差点でございます。ラウンドアバウトの特性としまして、信号機設置が不要なことによる災害時での効果や経済性など、さまざまなメリットがございます。現在国土交通省では、ラウンドアバウトについての導入効果、整備の課題の検討が開始されており、今後有識者会議で議論し、ラウンドアバウトの整備に対する考え方の取りまとめがされると聞いております。区としましても、こうした国の動向や歩行者や自転車が多いという区特有の課題を踏まえ、区内設置の可能性について研究を進めてまいります。
◆あべ力也 委員 ぜひしっかり検討していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○石川征男 委員長 以上で減税世田谷の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 私からは、二〇一〇年三月の予算審議でも取り上げました立体都市公園制度について取り上げたいと思います。本日は、具体的な活用例を御紹介しまして、話を進めてまいりたいと思います。
まず、お示しします一枚目は、昨年の四月に全面オープンした横浜市立アメリカ山公園というもので、全国初の立体都市公園ということです。奥側に見える緑の部分と手前の広場部分、合わせて全体が立体都市公園の用地内ですけれども、緑の奥側は横浜山手の台地の上になっています。一方で手前の広場側、この下はブランドステートメントの元町商店街なんですが、商店街に面した四階建てビルの屋上部分にあるということで、これは合築複合化で公園と合わせているというところに特徴があります。これによって公共用地の重層的な活用と、また、緑の区域の創出、そして、これまで上りおりが大変だった台地の上と下とをここにあるエスカレーター、そしてエレベーターで結ぶということで交通の利便性も一緒に図ることができて、高齢者も上れる公園になっております。
手前の建物に何があるかというのが二枚目のパネルになります。
三枚目は、集会施設、そして、何と認可保育園が入っております。四階部分には結婚式場が入っていまして、チャペルですとか宴会場が用意されているということで、規制緩和によりまして認可保育園。近くに公園があれば設置が可能ということですけれども、今回の部分ですと、屋上にある芝生の広い公園が園庭がわり。また、結婚式場も屋上部分を結婚式、ガーデンウエディングの会場として市として活用するということで、一石何鳥にもなるというのがこの計画の完成によって実現されました。
この公園の完成で、緑の創出と山手への足の確保、また、横浜でも懸案とされてきた保育園の整備、さらに、町のブランドアップ戦略として市がとても力を入れている横浜ウエディング、人生の記念の地にしてくださいという、この全てを同時に手に入れるということになりました。複数のニーズを一度に満たすこうした傾斜地の活用例、都市デザインの観点から見ても関心が高いのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
◎髙木
都市デザイン課長 横浜市アメリカ山公園は立体都市公園制度を活用してございまして、委員お話しのとおり、傾斜地における公園施設と建物を合わせた一体整備につきましては垂直に移動できる手段の確保が比較的用意であることから、利用者のそれぞれの施設利用の魅力を増すことにつながっているものと推測しております。柔軟な発想で土地の有効利用活用によりまして施設を集積しまして、魅力ある施設づくりを目指すということは大変有意義であると考えてございます。今後お話しのような施設建設のケースがある場合には、誰にでも優しい魅力ある施設づくりのために、ユニバーサルデザインの考え方や世田谷らしい都市デザインの実現に向けまして、公園所管とともに研究検討してまいります。
◆上川あや 委員 今回私が考えましたのは、これに似た環境整備というものは、世田谷区では可能ではないのだろうかと思っています。例えば昨年、本会議で区からも答弁がありました築四十六年が経過した梅丘図書館の建てかえにあわせて、屋上を公園として一体化する。背後が羽根木公園の森ですので、これと一体化するということはどうでしょうか。図書館のエレベーターを使うことで梅林のある上部に上がることが容易になります。緑の中の図書館では快適性が増しますし、公園での読書も考えられると思います。
あわせて、公園に直接出入りできる保育園をつくることも可能ですし、また、便益施設としてカフェを中に誘致することで公園の魅力はさらに増すことでしょう。こうした合築複合化で緑地面積をアップさせることもできますので、いささか唐突な提案ではあるんですけれども、
公園緑地課長としてはどのようにお感じになられるでしょうか。
◎笠原
公園緑地課長 委員お話しのように、斜面地などにある公園で地盤と施設とを一体的に整備するケースでは、例えば、この春、開園いたしました二子玉川公園のビジターセンターが公園の低いところ、また、高いところを建物のエレベーターによってつないで利便性を高めるような整備が可能となるケースもございます。
御提案についての感想ですけれども、当該施設は確かに公園の南側斜面の下に位置していることでもありますので、もし将来、現地で建てかえなどあれば、公園と建物を一体的に整備することで、アクセス性、また、利便性の向上や、屋上の緑化なども幾らか見込めるということもありますので、とても興味深いアイデアであると思っております。
◆上川あや 委員 ありがとうございます。
最後に、所管横断的な考え方でもありますので、副区長にもお伺いをしたいと思います。
板垣副区長は、かつて都市デザイン室の中核にいらしたお一人だと私は伺っております。議員になってこの方、十年たちますが、かつての都市デザイン室の武勇伝は幾度となく聞いてまいりました。まだ景観という考え方が日本では定着していなかった時代に、世田谷美術館から見える世田谷清掃工場の煙突が赤白では無粋だということで、コンペにかけて雲や空を描いてみせたり、また、馬事公苑前のけやき広場を車の通れない緑いっぱいの広場にして、しかし、法的には道路と位置づけて整備を行ったり、全国的にも前例のないアイデアが次々と生まれて、また実践されてきたと伺いました。この都市デザイン室で実際事業に携わられた副区長の目に、こういった制度の援用というものはどのように映るんでしょうか。今後、公共施設の合築複合化を区は進めるとしていますし、保育園、特養等、適地を探さなければならないものも多いですし、バリアフリーの観点からも合築複合化に公園を含めることは有効だと思いますが、いかがでしょう。
◎板垣 副区長 昭和五十七年当時、都市デザイン室が発足しまして、私も平成三年度、四年度の二年間ほど在籍しましたが、その在籍前からいろんなプロジェクトに都市デザイン室と絡みながらやっていました。今、御指摘いただいた馬事公苑内のけやき広場はまさに私が工事の担当もしまして、いろいろ苦労したことでもございます。あの整備をしたことによって、馬事公苑そのものが、万年塀がきれいになったりとか、あるいは農大の「食と農」の博物館が後でできたりとかということで、馬事公苑の整備を契機として、周辺の環境あるいは景観もよくなるようなことを経験しまして、大変いい経験をしたと思っております。
今後につきましては、さらに魅力ある世田谷のまちづくりに取り組むように、都市デザインでの経験を若い職員にも伝えながら、お話のような制度の活用や施設づくりの創意工夫によりまして、都市デザインを具現化していきたいと考えております。
○石川征男 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 まず、駐輪場の平置きスペースの拡充について伺います。
平成二十二年第四回定例会で、高齢者、障害者のための駐輪場の平置きスペースの拡充について、桜新町にお住まいの方の、電動アシストつき自転車が重くて、私たち高齢者にとってラックに入れるには一苦労である。ラックではなく、高齢者用の平置きスペースをつくってほしいとの御意見を取り上げ、今はさまざまな種類の自転車があり、特に電動自転車やチャイルドシートつき自転車といった大型で重い自転車も普及していることから、ラックではなく、平置きの駐輪スペースを一定台数確保していただきたいとの質問をいたしました。その後、平成二十三年の第三回定例会で進捗状況を伺ったところ、この時点では、桜新町ほか二カ所において百十三台分の平置き駐輪スペースを確保した、本年度は尾山台駐輪場ほか五カ所において三百八十七台分の平置きスペースを整備しているとの答弁をいただきました。あれから二年たちましたが、現在の台数など進捗状況について伺います。
◎岩渕
交通安全自転車課長 委員お話しのような大型自転車が占める割合は現在二割、二十二年度から比較しても多くなっており、整備の声も上がっております。現在では全体の四十五カ所の区立駐輪場のうち、三十三カ所、台数につきましては約三千四百五十台の拡充となってございます。
◆ひうち優子 委員 現在、ラックとは別に三十三カ所、約三千四百五十台分の平置きの駐輪スペースを設けていただいたということで、大変ありがたいことだと思います。やはり現在、多種多様な自転車があり、重くてラックに入れられない、また、タイヤが太くてラックに入らないものもあります。これからも区民目線に立った施策を展開していただきたいと要望しておきます。
次に、自転車安全利用推進員について伺います。
今定例会の他会派への答弁で、自転車安全利用の啓発のための施策として、自転車安全利用推進員を育成するとの答弁がありました。私は先日の総括で東京都の条例を取り上げ、自転車のルール、マナーの周知には行政だけでは限界があり、事業者、マスコミ、電車やバスなどの公共交通機関に協力をしていただき、さまざまなところからのアプローチが必要で、それにより全体的にボトムアップを図ることができるとの趣旨で質問をさせていただきました。この方法の一つとして、今回の自転車安全利用推進員への育成、支援は新たな視点であり、よいと考えます。
この自転車安全利用推進員は、区民の方が自主的に自転車の安全利用について、ルール、マナーの周知に取り組むよう区がルール、マナー啓発の核となる方々を推進員として育成、支援するとのことですが、まず、この取り組みはどのようなものなのか、どの年代をターゲットにしているのかなど、概要と今後の取り組みについてお聞かせ願います。
◎岩渕
交通安全自転車課長 自転車安全利用推進員は、区民が自主的に利用につきまして啓発に取り組み、区がこれを支援する仕組みでございます。例えば担い手を公募いたしまして、講演会受講の上、活動プランを練っていただきまして、みずからこのような交通安全教室を行うようなことでございます。それに対して区が区民の主体的な活動を支援して、展開してまいるものでございます。
今年度につきましてはテストケースでございますが、例えば区では玉川地域ではなみず木通りと言われるところで自転車ルールづくりに関する世田谷総合高校のワークショップを支援したり、モデル実施を進めております。これにつきましては、区内の事業者、大学、子育て世帯等を通じて、自転車事故の多い二十代、三十代に計画的に働きかけてまいりたいと考えております。これらの取り組みによって区民の主体的参画の機運を醸成し、来年度の公募による本格実施につなげてまいりたいと考えております。
◆ひうち優子 委員 二十代から四十代の方々に働きかけていくということは、働く世代の方々への自転車事故の件数が顕著であることからも必要であり、この世代の方々が自転車安全利用に関心を持ち、自主的に取り組むこと、その核となる推進員を育成することは効果的であると思います。今後は区主導ではなく、常識にとらわれず、区民の方々の自由な発想を重視して、それらよいアイデアが広がるように進めていただきたいと思います。
例えば時間がなくて自転車安全教室に参加できない方々のために、核となる自転車安全利用推進員がみずから自転車のルール、マナーの役立ち情報をまとめたコンテンツを作成したり、わかりやすく動画を作成し、ユーチューブに投稿できるよう、区がルールに関する情報提供をするなどの取り組みが考えられます。そうすれば、核となる推進員を中心に、皆それぞれがフェイスブックなどのSNSを使って「いいね!」を押してもらうなどして、安全教室に足を運ぶ時間がない方々にも、自転車のルール、マナーが自然に広がっていくと考えます。そうすることで、自転車が歩行者ではなく、軽車両だという意識改革にもつながります。区はさまざまなメニューを用意して活動の門戸を広げ、その活動を丁寧に支援することが大切と考えますが、見解を伺います。
◎岩渕
交通安全自転車課長 推進員の育成につきましては、御指摘のように区民の意欲とか能力を活用し、いかに引き出すかが鍵と考えております。御提案のようなインターネットの活用につきましては、区民の自由な発想等いろんなスキルを持っている方がございますので、そういう方々の能力を御支援いただきながら活用していくことが重要だと考えております。先ほどの高校生のプロジェクトといいますか、ワークショップでも、例えば人形の駒を使ったアニメをつくって交通安全の啓発をしておりましたが、そのようなものは大変すばらしいと思います。区としてもそのような活用を、丁寧に相談に乗り、支援したいと考えております。
◆ひうち優子 委員 ぜひ自由な発想を取り入れて、支援をしていただきたいと思います。そうすれば、その発想はフェイスブックなどを通して広がっていくと思います。よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
○石川征男 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、未来あらた世田谷、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 きょうは、京王線連続立体化に伴う駅周辺地区街づくり計画案関連でお聞きしていきたいと思います。
まず、桜上水駅周辺地区街づくり計画についてお伺いします。
桜上水駅の周辺は、駅に交差している主な道路が水道道路しかなく、踏切近辺の交差点が今でも非常に、朝は特に混雑している状況なんですけれども、今回、二十七年に新しく桜上水団地の建てかえが完了して四百四十世帯ほど増加するということで、人口にして大体千人から千二百人ぐらい、駐車場台数もふえますので、車も増加してくるということで、地元からは駅前の交差点付近の混雑悪化への懸念の声が上がっている状況です。今回、街づくり計画案では駅周辺の踏切のあたりに交差点改良というマークを押していただいているんですけれども、実際水道道路の拡張ができないという制約がある中でなかなか難しいと思うんですけれども、どのような策を想定されているか、お伺いしたいと思います。また昨年度、八幡山~経堂間のバスの試運転が実施されたことで、桜上水~経堂間のバスの案というのが遠のいてしまったのではないかというような懸念の声もあります。桜上水~経堂間のバスについての区の見解もあわせてお伺いしたいと思います。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 現在鉄道と道路が複雑に交差する桜上水駅前は、まちづくりを行う上でも課題を抱えており、踏切が開く時間が短く、駅利用者や商店街の買い物客などの歩行者と車が交差し、安全上、支障がないとは言い切れない状況にございます。京王線沿線各駅では京王線の連続立体交差事業にあわせたまちづくりを検討しておりますが、桜上水駅周辺地区におきましては今年度地区街づくり計画を策定する予定でおり、現在地区街づくり計画案の縦覧中でございます。この計画の中では、以前から区民の方々に危険だと指摘されております駅前の交差点について、安全対策の一つとして交差点改良を位置づけており、地区の重要な課題であることを示しております。今後、歩行者の安全確保と交通処理を両立するための交差点の整備については、京王線連続立体交差事業の進捗に合わせて検討してまいりたいと思います。
◎工藤 交通政策課長 お話のバスの検討状況でございます。経堂駅~八幡山駅間のバス路線の検討状況でございますが、南北交通の強化、鉄道間の乗り継ぎ、利便性の向上を図るため、昨年度でございますが、平成二十四年度一月から三月にかけまして実験運行を実施しております。現在本格運行に向けましてバス事業者と調整を進めているところでございます。
御質問の桜上水~経堂駅間のバス路線につきましてです。こちらにつきましては、地元等からの要望もあり、過去、区においても調査検討を行っております。検討の結果でございますが、道路幅員の不足、バスの転回場所の確保等の物理的要因により、次のステップでございます実験運行に至っていない状況でございます。区といたしましては、交通不便地域の解消、南部交通の強化につながる区間として認識しております。今後も、中長期ではございますが、取り組みを進めてまいりたいと思っております。
◆佐藤美樹 委員 それぞれ御答弁ありがとうございます。実際駅周辺地区街づくりの交差点の部分も、御答弁をお伺いしていると、今の時点で具体の策がないというような状況だと思うんですけれども、この状況の中でなぜこういう質問をしているかというと、やはり地域の方々の中では、人口動態、人口増加という変化と駅周辺の交通量が自然とふえてきますので、道路による制限がある中、どうしたらいいかというそこの課題をやはり区と共有したいという思いもあるので、あえて質問をしたような経緯です。
バスについては、この駅周辺地区街づくり協議会でもバスルートを考えたりですとか、実は皆さん、非常にバスについてはずっと思いを持っているという状況ですので、駅周辺のことも、バスのことも、ぜひ地域の方とコミュニケーションをとっていただいて、今後変化していく中で、密にこの辺のコミュニケーションをとっていただきたいなと思います。
続いて、京王線関連では八幡山のほうも質問したいんですけれども、八幡山に関しては今回、連続立体化に伴う高架化の予定がないので、駅周辺街づくり協議会もなければ、当然その街づくり計画というのもないんですけれども、そもそも街づくり協議会がなかったり、計画がないという地域については区としては何も関与していないのかというのがちょっと疑問なので、現状何か進展している取り組みがあればお伺いしたいと思います。
◎千葉 烏山総合支所
街づくり課長 御指摘のように、八幡山駅につきましては既に高架化が済んでおりまして、確かに街づくり協議会は設立してございません。しかし、ここの地域には南東部に松沢病院がございまして、その松沢病院の改修に伴って地元の町会・自治会、さらには世田谷区と東京都が連携してまちづくりを進めておりまして、具体的には周辺の道路、公園の整備、これらについて進めているところでございます。
例えば今年度は、東京都が松沢病院の敷地の南側に東西を通り抜ける道路の整備を予定していますとともに、区としては赤堤通りに面している西側の歩道拡幅整備を一部実施する予定となっております。また、来年度以降も引き続き松沢病院西側歩道の拡幅整備を予定していることと、京王線連立事業の進捗に伴いまして、松沢病院の北側の道路整備が予定されているということもございます。今後も八幡山駅周辺街づくりについては、松沢病院の改修や連立事業の進捗を契機として東京都や八幡山駅が立地します杉並区、関係機関と協議しながら進めてまいりたいと考えてございます。
◆佐藤美樹 委員 ありがとうございます。去年将軍池広場がオープンしたりですとか、松沢病院を周辺とする八幡山駅周辺も大分きれいに整備されてきたなというのも実感しているところですけれども、区民の方にも知っていただく機会はなかなかないと思うので、引き続き何かの際にアピールをしていってもいいのかなと思います。
○石川征男 委員長 以上で未来あらた世田谷の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、みんなの党、どうぞ。
◆すえおか雅之 委員 今回は最後に副区長に質問したいと思いますので、理事者の方もコンパクトに御答弁をお願いいたします。
今回のテーマは、突然降って湧いた成城四丁目の長屋建設問題と成城のまちづくりルールにある
成城憲章の強化についてです。
成城四丁目に神明の森みつ池特別保護区約六千平方メートルが設置されています。この保護区はこれまでこんこんと湧水が流れ、ゲンジボタル等の生き物にとりかけがえのない生息地です。この国分寺崖線の自然が持つ価値は、私たちにとってもかけがえのないものです。ところが、近隣住民の方から聞くところによると、みつ池の湧水の量がだんだん減っていると。
そこで質問します。みつ池の湧水の保全事業はどのようになっていますか、過去十年間の推移状況を教えてください。
◎直井
みどり政策課長 神明の森みつ池につきましては、国分寺崖線沿いに残る樹林地と湧水が一体となった貴重な自然環境ということで、特別保護区に指定し、保全に努めているところでございます。みつ池の湧水につきましては特別保護区の重要な構成要素でありますので、複数の湧水点につきまして通年で湧水量調査を実施しております。
湧水の保全状況でございますが、湧水量の平均値で見ますと、長期的には減少しているという傾向が見られますけれども、最近の十年間では目立った減少傾向は見られておりません。その年の降水量に応じて湧水量が増減しているという状況でございます。成城地区の宅地は比較的自然面が多いということで、地域ぐるみの雨水浸透も行っておりますことから湧水量の維持につながっていると考えております。
◆すえおか雅之 委員 今の答弁では、湧水量の平均値は長期的には減少傾向が見られる。地域ぐるみで雨水浸透の取り組み、雨水量を維持しているということでした。
ところで、ことしの八月三日に成城四丁目五番地近辺にマンション建設の標識が設置されました。計画によれば、ことしの十一月一日着工で、翌年の十一月三十日完了の予定です。敷地面積は約一千二百平方メートルに、地上三階、地下一階の住戸十二、十五世帯の長屋形式集合住宅が建設されていると表示されています。この建設予定地の数十メートル先に、先ほどの神明の森みつ池特別保護区約六千平方メートルが設置されています。あの湧水が湧き上がるゲンジボタルの里です。
ところが、この建設予定地の地下にはみつ池に通じる水脈が走っている可能性高いと思われます。仮に地下水脈を断裂する事態となれば、一体、だれがどのような責任をとることができるのでしょうか。
そこで質問します。今回の建設許可がおりることの前提として、地下水脈の断裂可能性調査はなされるのでしょうか。また、調査結果は近隣住民に公開されるのでしょうか。
◎直井
みどり政策課長 建築基準法及び区の諸条例に基づく事前手続で湧水の保全のための規制や届け出の制度はございません。それで、建築行為の事前段階で計画と地下水脈との関係を区として調査し公開することもございません。しかしながら、みつ池の湧水につきましては、特別保護区の重要な構成要素でありますので、また、地元からも保全に対する懸念という意見が寄せられておりますことから、区ではできる限り情報収集に努め、湧水への影響が最小限になるように努めてまいります。
◆すえおか雅之 委員 では、湧水への影響を最小限にするために、区はどのような関与をどの程度するんでしょうか。
◎直井
みどり政策課長 今回の建築計画では、住環境条例の適用外という規模のものでございますが、みつ池に近くて、湧水保全重点地区に該当することでございますので、砧総合支所街づくり課と連携しまして、事業者から地下の掘削計画について情報提供を求め、対応しているところでございます。今回の計画では、地下掘削は武蔵野れき層という地下水脈と言われているところですけれども、そこまで到達する規模のものではないということで、直接地下水脈を傷つけるものではないと考えております。雨水浸透面の減少に伴う湧水量への影響を最小限にとどめることが大切だということで、敷地内において積極的な雨水浸透に努めていただくようお願いしているところでございます。今後とも街づくり課を初め、関係各課と連携して、事業者の理解と協力が得られるよう努めてまいります。
◆すえおか雅之 委員 湧水への影響を最小限にするように、最大限の努力をしてください。
ところで、九月十四日、成城自治会館にて、事業者が成城自治会及び近隣住民に対して説明会を開きました。その際、私たちは九つの要望事項を出しました。特に
成城憲章におけるミニ開発の制限と敷地規模の確保を守るよう強く要望しました。ところが、何と事業者の回答はゼロ回答です。
成城憲章は自治会でつくり、そして、長い間守ってきた、まさに成城における公共的指針です。長い間住民が守ってきた良好な環境の価値を享受するために、その守ってきた価値を破壊する方法で事業者がそこに長屋を建築する。建築基準法に反していなければよいというのでしょうか。私も成城の皆さんとともに、成城自治会の名で
成城憲章を守るための署名活動をさせていただきました。その際の実感は、九九%の住民が今回の長屋建設に反対だということです。これは成城住民の総意だということです。この住民の総意を何とか四丁目の建設に反映したいと考えています。この点につき、世田谷区ができることは何か、質問します。
◎佐々木 砧総合支所
街づくり課長 区は法令等に適合した計画であれば、各種手続をその規定に沿って行わなくてはなりません。当該計画につきましては、中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例による届け出の対象物件となっております。このことから、区といたしましては、事業者、住民双方で話し合い、調整を促し、良好な近隣関係が築けるよう努めてまいります。
なお、地域の特性に応じた住環境保全に向けた手法といたしましては、建築基準法に基づく建築協定の締結や、より実効性を高めるための地区計画の導入などが考えられます。
◆すえおか雅之 委員 将来的には
成城憲章の法的拘束力の強化が大きなテーマになっていくと思います。区と区民の協働で進めていきたいと思いますが、副区長、この点に関して御意見を下さい。
◎板垣 副区長 地元の
成城憲章がまちづくりの方向性、あるいは環境を守るという意味でそういうことをつくられているということはよく存じ上げております。ただ、法的拘束という意味では、残念ながら拘束力はないんですが、その憲章をできるだけ守るような指導といいますか、事業者の協力もいただきたいと思っています。
○石川征男 委員長 以上でみんなの党の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 ことしの三月に小田急線が地下にされて、開かずの踏切が解消されました。これまで続いた交通渋滞もなくなり、人や車が自由に往来できる環境が整いました。小田急線の騒音もなくなって、静かな環境となった反面、踏切待ちのときにあった、隣の人と話をしたり、そういう人との会話がなくなりました。寂しさを感じることも時々あります。
ところで、小田急線を利用していると、どこの駅も同じようなつくりで、何となく個性がなくなったと感じます。今後も小田急沿線のまちづくりを進めるに当たっては、地元の町会など地域住民の参加のもとで、ぜひ先々に残るような特色のある町並みをつくり上げていただきたいと思います。また、小田急線の上部利用を含めて今後の小田急線の沿線上部利用を含め、今後の小田急沿線のまちづくりの推進について区の見解をお伺いします。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 今後、駅舎につきましては小田急電鉄の整備となり、イメージ図などが既に発表されておりますが、駅前広場及び小田急線上部の通路や緑地につきましては区が整備することになりますので、基本的には住民参加のもと整備を進めていきたいと考えております。
東北沢駅と世田谷代田駅の駅前広場ですが、この整備につきまして、昨年度ワークショップを開催して、地域の方々からさまざまな御意見をいただいております。こうした中で世田谷代田駅では、地域の方々の御要望で地区の伝承の巨人だいたらぼっちの大きな足跡を駅前広場の中央に描くことになっています。今後、下北沢駅の駅前広場と小田急線の上部利用につきましても、具体的な整備に当たってのワークショップ等の住民参加の手法をこれから検討してまいります。
いずれにしましても、駅舎、駅前広場、上部利用施設などの整備が進む中で、駅周辺のまちづくりは一体に進める必要があると認識しております。今後も多くの地域の方々の御意見をいただきながら、まちづくりを推進してまいります。
◆青空こうじ 委員 放置自転車の撤去のあり方について伺います。
自転車は誰もが手軽に乗れ、サイクリングを楽しんでいる方も多いようです。一方、自由過ぎて、自転車に乗る方の責任、ルール、マナーを守らない人も見かけ、これは問題だと思います。お子さんが自転車で御婦人に障害が残るような大けがをさせて、多額の賠償金を命じられた事例もあります。事故は絶対にあってはならないものですが、ぜひ自転車も保険に加入していただくことが必要だと思います。
昔は、自分の自転車は自分で修理したり、磨いたりしたものです。その愛着があってこそ、自分の自転車を大切にし、また、歩いている人にも気を配って乗っていたものです。今は、手軽に、安い値段で手に入る自転車だからでしょうか、放置自転車がまだまだ多く駅前周辺中心に撤去を行っていると思います。
先日も福祉に携わるヘルパーさんが一戸建ての家の前に駐輪していたところ、持っていかれたそうです。その後、介護の仕事が二カ所あったので、タクシーを使ったので大変な出費です。持っていかれた時点では、撤去と知らずに警察に盗難届を出したところ、撤去だったことがわかったそうです。大変憤慨していました。何年もその家で介護の仕事をして、一度も持っていかれたことがなかったそうです。撤去の必要性はその方も理解しているそうですが、自転車の撤去はどのような手順でするのか、お伺いします。
◎岩渕
交通安全自転車課長 撤去につきましては、まず、放置禁止区域内に放置している自転車に対しまして警告の札づけを行います。その後、札のついている自転車をトラックに積載し、駅ごとに指定した放置自転車保管所に移送いたします。撤去後には看板に撤去した日にちを記載し、撤去を行った旨、お知らせしております。
◆青空こうじ 委員 車を持っていく場合、地面に書きますよね。自転車の場合も持っていったときに何か書いてくれないと、その方はわからないそうです。よろしくお願いします。
自転車を放置する方も、さまざまな事情があると思います。わざわざ撤去されることを知って置いていく方もいないでしょうが、粗大ごみのように、出すかわりに放置することもないとも言えないのか、保管所に引き取りに来ない方が多いそうです。保管所が北沢方面の方はすごく場所が遠過ぎます。北沢からわざわざとりに行くのに、希望丘小学校の隣にあるのです。これは行けない方がいっぱいいると思うので、どのぐらい引き取り手が来ないのか、お伺いします。
◎岩渕
交通安全自転車課長 引き取り手がない方につきましては、昨年度の例では全体の三割強、五万一千人に対して一万七千人の方が引き取りに来ておらないような状況でございます。
◆青空こうじ 委員 自転車を放置して撤去された方は、びっくりされ、また、興奮している方もいっぱいいますが、このヘルパーさんも驚かれたそうです。受け取りに行かれて憤慨したのは、保管所の職員の対応が非常に悪かったことだと。もちろん自転車を放置することは悪いかもしれませんが、せっかく受け取りに来られる区民に対しての対応はどうなっているのか、お伺いします。
◎岩渕
交通安全自転車課長 今回、今お話しの件につきまして調査したところ、保管所職員、委託の職員でございますが、説明が至らなかったことがあったと認識しております。委託業者に対しまして、指導の徹底、接遇の向上に向けた研修を行うよう指示しております。区としましても、定期的な打ち合わせがございますので、そういう中で接遇の向上に向けた資料提供だとか、アドバイスなど支援をしてまいりたいと考えております。
◆青空こうじ 委員 保管所に自転車をとりに行くのに自転車がないわけですから、行くだけでも本当に大変です。保管所には自転車が放置してあって、そこは野ざらしなんです。とりに行っても、係の方は態度が悪くて、そのヘルパーさんは写真を撮ったそうです。そうしたら、向こうの保管所の人も反対に写真を撮ったそうです。やっぱり自転車をとりに行ったとき自転車が汚れているんだから、せめて雑巾が置いてあって、拭いてくれるとか、もしあれだったら、雑巾を貸してくれるというふうな用意があればいいんですが、そういう用意はないのでしょうか、お伺いします。
◎岩渕
交通安全自転車課長 御指摘の雑巾などを置いてあるところもございますので、常時区民の方に自由に使っていただけるようにしておりますが、全体に広げたいと考えております。また、空気入れだとか、そのようなものも用意しておりますので、今後ともサービスの向上に向けた取り組みを図っていきたいと考えております。
○石川征男 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
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午後零時四十五分開議
○石川征男 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆三井みほこ 委員 それでは、自民党の質疑を始めます。
まず初めに、利用者や地域住民の安全という観点から、都市計画道路補助二一六号線と二一七号線の整備状況についてお聞きいたします。
まずは、大蔵地区を通る補助二一六号線についてです。
現在、事業を進めているこの補助二一六号線については、大蔵地区の地区計画も含め、時間をかけて十分に議論を行いながら、地区住民合意のもとに進めている事業です。この地区は国分寺崖線に囲まれた緑豊な住宅街ですが、道路の整備が極端におくれており、補助二一六号線と地区計画による区画道路の整備が大変に期待されているところです。現在、少しずつ用地の取得はしているようですが、現地では整備の形が見えてこないというのが実情です。この補助二一六号線と並行している砧小学校東側の通学路は世田谷通りへの抜け道となっているので、大変に危険な状況になっております。できるだけ早い整備を望みますが、補助二一六号線の現在の進捗状況と今後の区の取り組み姿勢をお聞かせください。
◎田中
道路事業推進担当課長 補助二一六号線でございますけれども、大蔵地区の地区計画の区域を通る幅員十六メートルの都市計画道路で、平成十九年十二月から事業に着手してございます。現在の進捗状況でございますけれども、路線全体で約五〇%の用地の取得率となってございまして、おおむね大規模な用地の取得は完了してございます。しかしながら、委員が御指摘のとおり、現状では用地の取得箇所は点在する状況になってございまして、道路としての形態がなかなか目に見えてこないという状況になってございます。
そこで、限られた財源を有効に活用し、効果を上げるためにも優先区間を今定めてございまして、一部区間の交通開放も視野に入れながら歩行者及び自転車等の安全の確保が図れるように事業を進めたいと考えてございます。
今後は、比較的小規模の宅地の取得が主になります。用地を提供してくださる方々の生活再建を踏まえまして、地区内の区画道路の整備と隣接する区画、いわゆる道路代替地の活用を図りながら、引き続いて道路事業の推進に努めてまいります。
◆三井みほこ 委員 この道路の整備が進めば、先ほど申し上げたように通学路への車の流入も減っていくのではないかと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、補助二一七号線についてお聞きいたします。
地元で病院坂と呼ばれている砧中学校脇の坂道のところなんですけれども、この急な坂道、片側に狭い歩道があるだけという状況になっていますので、自転車に載っている方たちは危険な状況でここを通っているということになります。私もこの坂を自転車で利用しているときには、世田谷通り喜多見方面から上ってくる場合には、左側にある歩道の部分を歩行者と一緒に自転車を押して上がっていっているんですけれども、上りはそういう状況。成城方面から下っていくときは左側には歩道がないので、車道も狭くて、車の左側に余裕がありませんから、左を通って自転車に乗っていくというのは難しい状況で、自動車がとまっている間を挟まれながら、排気ガスを吸いながらというか、そういう状態で渋滞しながらおりていくという状況になっています。ですので、自転車に乗っている多くの方は車の間を縫いながら下っていく、または上り下りの歩行者が一緒に利用している成城側から行くと、右側になる歩道の部分を自転車に乗って歩行者と一緒に下っていくような、現状とても危険な道路になっております。この路線についても、地元の住民から早期の整備を求める声が強く聞こえているところです。ぜひとも早期の整備に向け、力を注いでほしいと思っております。現在の進捗状況、そして今後の区の取り組み姿勢をお聞きかせください。
◎筒井 道路計画・外環調整課長 補助二一七号線、いわゆる病院坂でございますが、今年度中の事業認可取得に向けまして、現在作業を進めているところでございます。この区間につきましては、御指摘のとおり、朝夕の混雑時など、車両交通量が多いにもかかわらず、歩道が一部にしかなく、歩行者、自転車等が安全かつ安心して通行できる状況にないことから、以前から地元の皆様より、早期の整備が強く求められてきたところでございます。道路整備に当たりましては、歩行者、自転車等の安全性の向上を図ることを最優先といたしまして、また一方では、国分寺崖線や地下水などの自然環境にも十分配慮していきたいと考えてございます。
この補助二一七号線ですが、歩行者の安全確保の観点からも、一刻も早い整備が必要な重要な路線でございます。今後事業を進めるに当たりましては、より一層丁寧な対応に努めまして、早期実現に向け、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
◆三井みほこ 委員 では続きまして、東京外かく環状道路について質問いたします。
昨年九月の着工式以降、ことし五月には立て坑工事にかかわる説明会が実施されました。また先月には、道路の立体的区域の決定及び区分地上権設定に関する説明の場、大深度地下使用認可申請に向けた説明会も開催され、オープンハウスでは機能補償道路案が示されるなどしておりますけれども、現在の外環の進捗状況をお聞かせください。
◎筒井 道路計画・外環調整課長 外環道東名ジャンクション事業につきましては、昨年九月に着工式がございまして、本年五月にはシールドマシンを地下に設置するための立て坑工事が始まるなど、着々と事業が進められているところでございます。現在の進捗状況でございますが、工事につきましては既に本線トンネルの掘削の立て坑の工事に着手してございまして、今は主に仮囲いの設置や工事ヤードの整備等の準備を行っているところでございます。
一方、開閉部のほうの用地の取得でございますが、土地の買収が必要な地上部におきまして約三割となってございます。今後につきましてですが、地上の改変部では用地買収をさらに進めることとともに、土地の使用に伴う区分地上権の設定につきましても手続を進めていくというふうに聞いてございます。
◆三井みほこ 委員 では、外環事業本体が今お聞きしたように進行している中で、東名ジャンクション周辺地区街づくりについても、この機会を捉えて、しっかりと進めていかなければいけないと思っておりますが、区の考えをお聞きいたします。
◎佐々木 砧総合支所
街づくり課長 東名ジャンクション周辺のまちづくりについては、平成二十二年度に策定いたしました東名ジャンクション周辺地区街づくり方針でもお示ししたとおり、外環の整備に伴い大きく影響を受ける範囲を含む区域については、こういった機会を捉えて、具体的なまちづくりに取り組む必要があると考えております。具体的なまちづくりを進めるに当たり、先月、地区にお住まいの方々に「街づくりニュース」を配布し、あわせて「区のおしらせ」やホームページにも掲載し、今後のまちづくりの進め方についてお知らせしたところでございます。明日十日には説明会を開催いたしまして、先行的にまちづくりを進めるエリアなど、現在区の考えるまちづくりの進め方などを地区の皆様方に説明し、御意見をいただきながら進めていく予定でございます。
◆三井みほこ 委員 平成二十二年度策定の東名ジャンクション周辺地区街づくり方針では、住民の参加による地区街づくりの会というのを設置して住民参加で策定していますけれども、今回はどのように住民の意見を反映するのでしょうか、お聞きいたします。
◎佐々木 砧総合支所
街づくり課長 先ほどもお話しいたしましたが、あす開催いたします説明会で今後の進め方について御説明した上で、まちづくり検討会を設置し、地区にお住まいの方々の御意見を伺いながら具体的なまちづくりを進めていく予定です。
なお、検討会につきましては、十一月下旬ごろから参加者を募集する予定でおります。
◆三井みほこ 委員 わかりました。先ほどほかの委員からも出ておりましたけれども、地域住民の方の立場をしっかり考えて、気持ちになって、区としても周辺まちづくりを進めていっていただきたいと思います。外環のいわゆる南進ですね。予定路線に位置づけられている東名高速から湾岸道路までの約二十キロの計画の具体化についても、東京都や国へしっかりと働きかけていただきたいと要望いたします。
続きまして、電線類地中化の今後の展開について質問いたします。
電線類の地中化は、台風や地震などの発生時に電柱が倒れたり、垂れ下がった電線類が消防車などの緊急車両の邪魔をする危険がなくなるなど防災性が向上します。また、災害時の情報通信回線の被害が軽減し、ネットワークの信頼性も向上するということです。もちろん通りの景観が向上いたしますので、大変効果のある道路づくりの手法と認識しています。
現在の世田谷区電線類地中化整備五カ年計画は、平成二十一年度から今年度までの計画です。私の住んでいる近くでも地中化されて、本当にすっきりした通りもあります。これまでの電線類地中化の整備はどのようになっているのでしょうか。
◎関根 土木計画課長 道路にある電線類を地中化することは、安全で快適な歩行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止、また、情報通信ネットワークの信頼性向上など多くの効果がありまして、安全で安心な道づくりに必要不可欠な整備でございます。区では平成八年から電線類地中化整備の計画を策定し、これまで計画に基づき都市計画道路や主要生活道路の新設、拡幅などに合わせて整備を進めてきておりまして、現在は平成二十一年度に策定した世田谷区電線類地中化整備五カ年計画に基づき整備をしております。
平成二十四年度末までの整備実績でございますが、道路延長で約十キロメートルでございます。今後とも都市計画道路や主要生活道路などの整備に合わせて優先度の高い路線を選定し、計画的に電線類の地中化整備を進めてまいります。
◆三井みほこ 委員 これまでの整備では主に歩車道が分離された道路において整備を進めてきたように思っていますけれども、一方で、観光地とか駅周辺の一帯で、歩車道が分離されていない道路でも電線類をなくすという取り組みが行われているところもあります。来年度からの新たな計画では、歩道が整備されていない駅周辺や商店街など、人が集まる場所においては電線類地中化など無電柱化を進めるべきと私は考えておりますけれども、区の考えをお聞きします。
◎関根 土木計画課長 駅周辺や商店街など、人が多く集まる場所においては、防災性の向上、快適性や景観の向上などを図るため、電線類の地中化を進めていくべきものと考えております。現在、来年度からの新たな電線類地中化整備五カ年計画を検討する中で、都市計画道路、主要生活道路の新設、拡幅のほか、京王線の連続立体事業に伴う駅前整備が予定されている箇所なども整備対象路線とする考えでございます。
その一方、駅周辺や商店街などで人が多く集まるものの、歩道が整備されていない箇所につきましては地上機器を設置する場所の確保が課題となっております。
◆三井みほこ 委員 電線類を地中化する際の課題として、地上機器を道路に設置するスペースということは私も以前から聞いておりますけれども、そのような場合には、無電柱化ということで考えれば、並行に走る一本裏側の道路から電線を引き込む裏配線と呼ばれる手法や、神楽坂とか宇治平等院参道などで見られるように街路灯と電柱を併用して工夫しているような手法もあります。電線類、電柱が道幅を狭めるということがなくなりますので、ベビーカーや車いすも通りやすくなる、安全に安心して外出できるようになると考えますが、区の見解をお聞きいたします。
◎関根 土木計画課長 電線類を地中化することは、先ほど答弁いたしましたようにさまざまな効果がありますことから、歩道が設置されていないなど一般的な整備手法が困難な場所におきましても、委員御指摘のさまざまな手法を含め、調査や最新の技術を注視するなど無電柱化の方法について研究してまいります。
いずれにいたしましても、今度とも電線類の地中化を推進することにより、安全で快適な道路空間の整備を進めてまいります。
◆三井みほこ 委員 今申し上げたいろいろな手法について、可能性をぜひ調査していただきたいと思います。
最後に、遮熱性舗装の今後の展開についてお聞きいたします。
ことしの夏も本当に猛暑で、日中は道路もとても暑くなっていますので、外出するのが大変でした。昨年の第四回定例会で遮熱性舗装の進め方について質問しましたが、そのとき、主に歩車道が分離された道路の車道で進めていくという答弁をいただきましたが、それでも歩行者のことを考えると、歩道にもできないかと私は思うんですけれども、これまで遮熱性舗装を主に歩車道が分離された車道に施しているというのはどのような理由からでしょうか。
◎関根 土木計画課長 遮熱性舗装でございますが、太陽光を反射することによって、昼間はアスファルト舗装の路面温度の上昇を抑制し、さらに、夜間における舗装からの放熱量を減らすことで道路におけるヒートアイランド対策として効果のある舗装でございます。区では遮熱性舗装を平成十六年度から主に車道に施工しており、これまでに面積で約四万平方メートルを整備してまいりました。遮熱性舗装の施工につきましては、委員御指摘のとおり、これまでは主に車道において施工しておりまして、その理由といたしましては、車道のほうが歩道よりも面積が広いこと、また、車道は歩道に比べ水道やガス工事などで掘り返されることが少ないことなどによります。
◆三井みほこ 委員 今の答弁を聞きますと、車道にしてきたのはそれなりの理由があるというのは理解をいたしますが、車道ということですと、車、交通量がそれなりにある道路ですと、やはり数年で摩耗してくる場合もあるように思います。地球温暖化の中、環境のことをいろいろ考えますと、今後もこのような暑さが続いていくということであれば、遮熱性舗装を車道だけでなく、人の集まる駅前の広場とか商店街などの歩道のほうにもぜひ施工するべきと考えます。区の考えをお聞きいたします。
◎関根 土木計画課長 当区において遮熱性舗装の温度低減効果を調査しましたところ、舗装面で温度をはかりますと、遮熱性舗装を施していない場所に比べ、最大で約十度ほど温度の低減効果があるとの結果も出ております。ことしの夏のような猛暑の中、人が少しでも快適に道路を歩けるようにするためには、委員御指摘のとおり、人の多く集まる駅前広場や商店街などの歩道にも整備していくことが望ましいものと考えます。これまでも歩車道が分離されていない商店街の道路に遮熱性舗装を整備した実績もございますが、今後につきましては、車道だけでなく、駅周辺や商店街など多くの人が利用する歩道におきましても、地域の特性を踏まえながら遮熱性舗装などの整備について検討してまいります。
◆三井みほこ 委員 実際、例えば烏山などで遮熱性舗装をされているところを通ると、実感としてちょっと違うなというのも感じるぐらい低減効果があると思いますので、いろいろな形で考えていっていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
◆上山なおのり 委員 まず、自転車走行環境ネットワークについてお伺いをいたします。
自転車は、人々の身近で有効な交通手段として活躍しております。特に都市部においては、時には自動車やバス、電車等の公共の交通機関を利用するよりも目的地に早く到達することができるなど、有効であります。近年問題となっているこうした都市部における交通渋滞の緩和、環境問題への取り組みの一環、運動不足の解消のための自転車通勤等、その活用が認められるようになってまいりました。
世田谷区内は南北の公共交通機関が少なく、環境にも優しい自転車を利用している区民がふえております。区でもレンタサイクルやIHIコミュニティーサイクルポートの設置など、自転車の活用を促進する取り組みも行っております。
自転車は通勤や通学のほか、最寄り駅までの交通手段、休日の町なか観光などにも有効に活用が可能であります。自転車は区内の移動手段としてさまざまな活用が期待される一方、その通行空間が曖昧で、明確ではありません。さらには、日本の道路はもとより自動車を中心につくられており、自転車交通のことはほとんど考慮に入れられておりません。そのため、その交通状況に目を向けますと、自動車からも、歩行者からも、邪魔者扱いされております。道路上特異な存在であり、その安全性に多くの問題点があります。特に欧米の先進諸国と比較すると劣悪な環境にあるように感じられます。
この自転車はその通行空間が明確に獲得されていないということが、都市部における歩行者、自転車、ひいては自動車交通に多くの危険性と弊害をもたらしております。日本の都市部の道路のほとんどは、自転車と歩行者の通行レーンは区別されておらず、また、自転車専用の通行スペースもほとんど確保されていない。この状況のもとで、本来道路交通法では車両に分類される自転車が歩道を通行しているという、世界でも異常な事態が生じております。そのため、歩道内での歩行者と自転車による衝突・接触事故、自転車同士の衝突・接触事故が発生しやすい危険な状況が生み出されております。さらには、多くの区民はこの状況そのものに問題性を感じておらず、自転車は歩道を走るものという意識と自転車の交通マナーに対する理解が不足しているという背景もあるのではないでしょうか。放置自転車や自転車が加害者となる重大事故の発生など、使用者の運転技術やモラルが課題となっております。区では、自転車運転のマナー向上などに取り組んではおりますが、それだけではなく、自転車専用レーンの設置など、ハード面での早急な整備が必要であり、警察などとの連携した取り組みも必要であると考えます。
自転車はエコ社会における重要な移動手段であり、買い物や通勤通学、また、区内の町なか観光など自転車が安全に走行できる環境を整える必要があると考えます。区内の自転車専用レーン、また、ブルーゾーンやスリム街等の自転車走行環境整備路線の整備はまだまだであります。全ての道路に整備することはないと考えますが、区内主要生活道路六メートル以上の交通量が多い路線は整備を積極的に進めるとともに、現在は路線、路線の点であり、つなげていくことが大切だと考えます。
そこで、お伺いいたします。自転車走行環境ネットワークの整備の現状と今後について区の見解をお伺いいたします。
◎関根 土木計画課長 現在の自転車走行環境の整備状況でございますが、区が管理する道路につきましては、歩車道が分離されている道路を中心に、ブルーゾーンや車道排水施設のスリム化を合計約十五・九キロメートル整備している状況でございまして、ネットワーク化としてはまだまだ部分的な整備にとどまっております。自転車のほか、歩行者、また自動車がともに安全で快適に道路を通行するためには、自転車走行環境の整備を、国道や都道などを含め相互に接続し、ネットワーク化していくことが重要と考えております。
区では、自転車走行環境の整備を進めるため、自転車走行環境整備のネットワーク計画策定をめざし、平成二十六年度中の計画策定を目標に現在検討を進めているところでございます。計画の検討は、学識経験者のほか、国道を管理しております国土交通省東京国道事務所や都道を管理しております東京都第二建設事務所、また、交通管理者として区内の四つの所轄警察署の職員などを委員とした庁内の検討委員会を中心に検討を進めているところです。計画策定後につきましては、国や東京都、また、交通管理者とも連携、協力を図りながら、計画に基づき、世田谷区にふさわしい自転車走行環境のネットワーク整備を進めてまいります。
◆上山なおのり 委員 ぜひともネットワークの整備を早急に推し進めていただきますようお願いいたします。
次に、歩道の整備についてお伺いいたします。
平成二十四年の道路交通事故死者数は四千四百十一人となりましたが、死者数全体に占める歩行中の死者の割合は欧米と比べて高い割合となっており、自動車と比較して弱い立場にある歩行者の安全の確保を図っていくことが今後の交通安全対策上重要な課題の一つであると言えます。
これまで一定の成果を上げてきた交通安全対策は、主として車中心の対策であり、歩行者の視点からの道路整備や交通安全対策は依然として十分とは言えない状況にあります。また、幹線道路の渋滞を避けて身近な生活道路に入り込む通過交通が通学児童の安全を脅かす等の問題も依然として深刻であります。今後さらに少子・高齢化が進む我が国においては、全体の四割を占めている高齢者の死者数を減少させていくと同時に、未来を生きる子どもたちを交通事故から守っていく必要があります。こうした状況を十分に踏まえまして、人優先の考えのもと、地域の協力を得ながら、通学路、生活道路、市街地の幹線道路等において、歩道を積極的に整備するなど、安全安心な歩行空間の確保のための交通安全対策をさらに推進していくことが必要であると言えます。
そこで、お伺いいたします。歩車道の差異、段差改修の経過と整備手法について区の考え方をお伺いいたします。
◎関根 土木計画課長 歩道との段差の質問ということでございますが、この段差につきましては、車椅子などが横断歩道から歩道に乗り上げる際に障壁となる一方で、視覚障害者にとっては歩道と車道の境を認識するために必要なものでございます。現在区では、これらの状況を踏まえ、横断歩道などにおける歩道と車道の段差は二センチメートルを標準として整備を進めているところでございます。この歩車道の段差につきましては、区では平成十六年度に実態調査を実施し、改善が必要な区内二百三十三カ所の段差を特定の上、平成十七年度から十九年度にかけて、全ての段差改修を実施した経緯がございます。また区では、平成十八年度に車椅子利用者や視覚障害者などさまざまな立場の方々の意見を聞きながら、ユニバーサルデザインの歩車道段差ブロックであるスムーズ段差世田谷型ブロックを独自に開発し、現在主要な生活道路の新設や歩道改修などに合わせて設置を進めているところです。
◆上山なおのり 委員 歩車道の段差の改修とセットになります視覚障害者誘導ブロックがございます。この設置経過と今後の整備についても、あわせてお伺いいたします。
◎関根 土木計画課長 視覚障害者誘導用ブロックの道路への設置は、歩車道の段差改善などとともに、道路におけますユニバーサルデザインの基本となっているものでございます。視覚障害者誘導用ブロックにつきましては平成十六年当時、劣化や破損、また、障害のある方が進行方向を認識しにくい箇所などもあったことから、区では視覚障害者誘導用ブロックの実態調査を実施し、設置方法や劣化状況などから改善が必要な箇所として六百九十四カ所を選定した経緯がございます。その後、平成十七年度から順次改修を進めており、平成二十六年度末には全ての箇所について対応が完了する予定でございます。
現在、視覚障害者誘導用ブロックの新設や改修に際しましては、国土交通省の視覚障害者誘導用ブロック設置指針や世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施設整備マニュアルなど統一的な基準に基づき設置しております。区といたしましては、今後とも世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例などに基づき、全ての人が利用しやすい歩道づくりに努めてまいります。
◆上山なおのり 委員 また、商店街など多くの人が歩く歩道において、今まで店舗だったところが駐車場に変わり、インターロッキングブロックががたついてしまっているのを目にいたします。区としてはどのような対策をとっているのか、お伺いをいたします。
◎村田 工事第一課長 歩道の整備改修に当たっては、ユニバーサルデザインの基本となる歩車道の段差改善や視覚障害者誘導用ブロックの設置及び地域の景観に配慮したインターロッキングブロックなどを使用した歩道のカラー舗装化に取り組んでおります。
こうした中、車乗り入れ箇所については、歩道整備工事の設計段階において駐車場等の箇所が事前に確認できる場合にはインターロッキングブロックの基礎をコンクリートとするなど道路の利用状況に応じた耐久性の高い道路構造としているところです。また、歩道整備後に沿道の建物の建てかえや土地利用の変更等に伴い、建築主等が車乗り入れ箇所を新設する場合には耐久性の高い道路構造に改良するなど、建築主等へ指導しております。
いずれにいたしましても、区といたしましては、歩道のインターロッキングブロック部のがたつきによる事故を防止するため、今御答弁させていただきました対策に加えまして、日常の道路パトロールによる早期発見、補修に努めてまいります。
◆上山なおのり 委員 安全安心な歩行空間の確保のため、積極的に整備を進めていただきますようお願いいたします。
最後に、雨水浸透施設についてお伺いをいたします。
我が国で雨水浸透施設を最初に設置したのは住宅・都市整備公団で、昭和四十五年からの東京都立川市周辺での井戸法によるものと言われております。雨水浸透の目的も時代とともに変わってきております。当初は植生への配慮から地表付近の雨水浸透を確保しようとする試みでありました。東京都でも品川方式と呼ばれる街路樹の周辺部分の舗装をやめる方法によって土壌水分を確保しようとしたそうです。その後、急激な都市化によって、森林帯や原野、さらには農用地の減少、舗装面の増加により雨水の地下浸透が減少し、以前は地下に浸透していた雨水が短時間に多量に流出するようになってまいりました。さらに近年は、施設の計画規模を上回る局地的集中豪雨が多発し、都市部では地下空間の高度利用が進み、都市水害の際に地下街等の地下施設は水没の危険性をはらんでおります。
こうしたことから、都市部における内水氾濫の被害リスクが増大しており、被害も深刻化する傾向にあり、緊急に対応する必要があります。都市部においては、下水道より対応すべき雨水量が増加する一方で、新たな雨水管の整備は困難になっており、従来の雨水排除を目指した施設対応は限界であると言えます。雨水を速やかに排除することを目的とした従来の下水道による雨水対策は、都市化の進展による不浸透域の増大も相まって、地下水位低下や平常時の河川流量の低下などをもたらし、都市の水循環系にも悪影響を及ぼしております。雨水を排除することしか考えておらず、雨水を地域で活用するという視点が欠如しております。降雨初期の路面排水等、水質面の対策が十分にとられてもおりません。雨水を速やかに排除すべき対象として捉えるのではなく、活用すべき都市の貴重な水源として、地域にとって最も望ましい形で管理するという視点から雨水の貯留浸透を考えることが重要ではないかと考えます。
都市の雨水対策はまちづくり全体の観点から取り組むべきであり、道路、公園、学校といった公共施設や個人、企業等の民間施設を含めて、雨水の貯留浸透を進める雨水が流出しにくいまちづくりを目指すべきであります。雨水の貯留浸透は浸水の解消だけでなく、地下水涵養や合流式下水道の改善、ノンポイント対策、平常時の雨水利用にも資することから、これらの多面的な機能を総合的に評価した上で地域の実情に応じた計画を策定し、効果的に進めていく必要があると考えます。雨水浸透施設の現状と今後について区の見解をお伺いいたします。
◎関根 土木計画課長 雨水浸透施設でございますが、雨水浸透枡や雨水浸透管、また、透水性舗装など豪雨対策における流域対策の一つとして、また、地下水を涵養することで湧水を保全する施策の一つとして大変有効な施設でございます。世田谷区では、昭和五十九年に世田谷区総合治水対策計画を策定し、まずは豪雨対策として雨水浸透施設の整備に着手し、同じく雨水流出抑制施設であります雨水貯留施設とあわせて、区内での普及を積極的に進めてまいりました。現在は道路や公園など公共施設に設置を進めているほか、マンションなどの大規模施設の建築に際しましては、建築主に設置を指導し、個人住宅には設置の助成制度を設けるなど、普及促進を総合的に進めております。
これまでの雨水浸透施設の整備実績でございますが、平成二十四年度末までに世田谷区全体では官民合わせて一時間当たり約二十万九千立方メートルの浸透量を確保してございます。また平成二十四年度には、成城地区において市民団体と区が協定を提携することによりまして、市民団体が個人住宅を対象に雨水浸透施設のほか、雨水タンクの普及啓発に取り組んでいただいております。今後とも豪雨時におけます浸水被害軽減など安全安心のまちづくりを進めるため、また、自然環境の一助として雨水浸透施設の設置に積極的に取り組んでまいります。
◆上山なおのり 委員 豪雨対策、また、地下水保全の施策の一つであります。積極的に取り組んでいただきますようお願いをいたしまして、新川委員と交代いたします。
◆新川勝二 委員 九月に公表になりました地域危険度測定結果について質問いたします。
東京都都市整備局が九月に地震に関する地域危険度測定結果を、七回目ございますが、公表しました。今回の調査では、新たに災害時活動困難度を考慮した危険度も公表されております。これは、地震での危険度を測定して、調査結果を取りまとめ、都内全町といいましょうか、丁目を網羅した五千百三十三地点の危険度ランキングと地図を発表したものであります。調査結果は、昭和五十年以降、ほぼ五年ごとに公表しております。これまで建物倒壊や火災・消火活動の困難さなど、それらの総合的な危険性を示してきましたが、今回は新たに道路の狭さなど、災害時の消火・救助活動の難しさを反映した評価も加えております。
都が昨年公表しました首都直下地震等による東京の被害想定は特定の地震を想定していることから、想定した震源地から離れると揺れが少なくなるなど、影響を受ける地域やその程度が限定的なものとなっているのではなくて、特定の震源を設定せずに、それぞれの直下で同じ強さの地震が起きたと仮定しております。この危険度調査は、都内の市街化区域の町丁目ごとに五段階に分かれておりまして、一番危険度の高い箇所が五で、危険度の最も少ないのは一というようにあらわされております。世田谷区内にはランク五の箇所はありませんが、ランク四は区北東部の世田谷、北沢地域に散見されるわけであります。また、ランク三は区中央部から北東部にかけて見られる状況であります。
そこで伺いたいのは、都市整備領域としてこの結果についてどのように受けとめ、今策定中の都市整備方針の都市整備に何らかの方向性を示すのか、伺います。
◎松村 都市計画課長 今回の第七回の調査から、委員お話しのありましたとおり、災害時の避難や消火・救助活動のしやすさを加味するため、災害時活動困難度を考慮した危険度の測定が追加されたものでございます。調査結果について詳細な分析はまだできておりませんけれども、この道路の整備状況による災害時の活動困難度を考慮した危険度では、これまでの危険度が一ランク高く判定されるといった傾向が認められます。この災害時活動困難度は、危険地域から避難や消火、救助活動のしやすさを地域の道路網の稠密さや幅員が広い道路の多さなどを道路基盤の整備状況から評価したものでございます。世田谷区内には、委員のお話にもありましたとおり、災害活動困難度を考慮した危険度五の区域はないものの、四の区域はございまして、これらの区域では道路などの基盤整備が不十分であるというふうに受けとめているところでございます。
お話しの都市整備方針は現在改定作業を進めておりますけれども、首都圏直下型大地震の発生が危惧されることから、まず第一に、区民が安全安心に暮らせるまちを目指すことを目標に掲げております。そして、将来目標を実現するためのテーマ別方針の一つである安全で災害に強いまちをつくるの中に主要な施策として、震災に強い町とするを位置づけ、防災生活圏を形成するための延焼遮断帯、延焼遅延滞となります都市計画道路や主要生活道路の整備、また、防災生活圏内部の建物の耐震性、不燃化などによる地域の安全性の向上を位置づけていく考えでございます。
◆新川勝二 委員 ランク四の地区はこれまで何らかの防災街づくりが行われているエリアがほとんどでありますが、経堂二丁目は災害時活動困難度を考慮した危険度では火災危険度がランク四に、また羽根木二丁目では、火災危険度、総合危険度ともにランク四とされております。この二地区は防災街づくりが行われておりませんので、今後何らかの取り組みが必要かと思いますが、現時点でのお考えがあれば伺いたいと思います。
◎木下
世田谷総合支所街づくり課長 私からは、経堂二丁目の今後の取り組みについて御答弁させていただきます。
ただいま委員から御指摘をいただきましたとおり、今回の地域危険度調査におきまして、経堂二丁目は災害時活動困難度を考慮した火災危険度ランクが四とされています。この危険度ランクの数値は、先ほど委員からも御紹介がありましたが、地震による出火の危険性と延焼の危険性から算出した火災危険度に道路幅員及び配置などから算出した災害時活動困難度を配慮した数値を東京都内の全町丁目を順位づけして、総体的に算出したものでございます。今回経堂二丁目は、火災危険度は三でございましたが、幅員四メートル未満の狭い道路が多いことなどから、災害時活動困難度を考慮した火災危険度ランクが高く算出されたものと思われます。経堂二丁目地区につきましては、昨年二月に取りまとめた土地利用現況調査のデータに基づきまして、今年度検証作業を進めているところでございます。今後防災街づくりの取り組みについての検討を進め、取り組みの方針を定めてまいりたいと考えております。今回の都の調査結果も踏まえまして、引き続き地区の防災性の向上を図ってまいります。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 私からは、羽根木二丁目のことについてお話を差し上げます。
東京都の発表では、羽根木二丁目の危険度は、火災危険度が四、また、災害時活動困難度を考慮した火災危険度も四、あわせて総合危険度が四となっております。この火災危険度というものは地震の揺れで発生した火災の延焼の危険性の度合いでございまして、広幅員道路や公園等が少なく、木造建物などが密集している地域で高くなる傾向にございます。羽根木二丁目地区は木造建物が多く点在しておりまして、幅員六メートル以上の道路がほとんどなく、公園が少ない地域となっています。また、地区の周囲には延焼遮断帯となる完成された都市計画道路が整備されていない状況にございます。地区の北側には東京都の第三次事業化計画の優先整備路線である都市計画道路放射二三号線が計画されておりますが、あわせて地区内の南北、東西には区が計画する主要生活道路二路線が位置づけられております。ところが、これがまだ整備されておりませんので、これらの道路が整備されると延焼の危険性や災害時の活動性は大きく改善されると考えられます。
地区内の一部、北側のところですが、現在京王線沿線でまちづくりを進めている中で、代田橋駅周辺地区のまちづくりに含まれているエリアでございます。現在密集事業の活用などによる道路、公園の整備を含めて、まちづくりの検討を進める中で地区街づくり計画の策定を目指しております。
◆新川勝二 委員 この公表の結果を見ますと、やはり区画整理が行われているエリアについてはほとんどがランク一で、わずかにランク二が見られる程度でございますが、ランク三になりますと、やはりもう狭隘道路が多い地区になっていると思います。こうして見ますと、やはり道路というのは改めて防災に極めて効果があると思います。また、災害活動困難度を考えますと、都市計画道路、主要生活道路があれば、それらを整備するとランクは下がっていくのではないかと考えられます。この点を考えても、世田谷区の道路事情が地域の安全度を下げていると考えられるわけであります。道路整備の事業化についての優先順位の考え方というものは、この公表だけで判断されるものではないと思いますが、今年度策定予定の道づくりプランでは、この公表結果をどのように考えているのか、まず伺います。
◎筒井 道路計画・外環調整課長 先ほどからお話しにありますように、危険性の高さは道路の整備状況によるものですので、委員御指摘のとおり、道路整備の水準が低い丁目は災害活動困難度が高く、地域危険度の測定結果に影響していると考えられます。
現在策定作業中の道づくりプランでは、優先的に整備すべき路線の選定を進めているところでございますが、防災・減災対策を重点化するという考え方に基づきまして、延焼遮断帯の指定状況、避難困難区域の解消、避難所までのアクセス、消火活動困難区域の解消、緊急輸送道路の代替機能など、複数の項目により総合的に判断することを行ってございます。このうち、避難困難区域や消火活動困難区域に関する評価指標などにより、災害活動が困難とされている区域の解消が図られるものと考えているところでございますが、今後、道づくりプランの素案作成に向けて作業を進めていく中で、今回公表されました地震に関する地域危険度の測定結果も参考にしながら、より防災性の向上に資する道路整備について、さらなる検証を深めてまいりたいと考えてございます。
◆新川勝二 委員 防災が機軸という言葉を区長はお使いになりますが、この所管としては、ハードなまちづくりが町の安全を大きく担っているということをしっかり意識して、予算措置を含めて、道路整備、防災街づくりに取り組んでいただきたいとお願いします。特に、狭隘道路の解消というのは、防災街づくりとしましては極めて大切でございますので、予算措置のほうをよろしくお願いしておきます。
次に、水害対策について伺いたいと思います。
ことしの夏は、都内でも隅田川の花火大会が中止になるくらいのゲリラ豪雨に見舞われました。世田谷区内でも、弦巻地区では七月二十三日の集中豪雨により、小泉公園の地下にある下水道の貯留施設が満杯になり、家屋などの浸水のほかに、路面が持ち上がるなどの被害も起きております。
また、河川整備の進んでいない谷沢川の等々力渓谷公園付近では、河川水が公園内の道路まであふれ出したということもあります。世田谷区では、平成十七年九月の集中豪雨を教訓に、雨量・水位観測システムの機能強化として、平成十七年度に河川のライブカメラ設置とか水位計の増設を行ったほか、平成二十一年度には二十三区でいち早く豪雨対策基本方針と行動計画をつくられたことは大変に評価するものであります。しかし、このところの雨の降り方を見ますと、さらなる対策を行う必要があると感じるわけでございます。そこでまず、区としてやらなければいけない流域対策の水準をさらに高めていくことが重要であると思います。
区は現在、用賀三・四丁目上用賀地区、鎌田一・二丁目地区の二地区をモデル地区と定めて、流域対策の強化に努めているところでありますが、今回の水害の状況を見ますと、被害の大きかった上馬地区や弦巻地区を含め、蛇崩川流域にもモデル地区並みの対策が必要なのではないかと思うところであります。
そこで伺いますが、この夏の豪雨状況を踏まえて、今推し進められている豪雨対策行動計画の中間の見直しに対して、モデル地区の追加なども含めてどのようにお考えなのか、伺います。
◎関根 土木計画課長 現在の世田谷区豪雨対策行動計画におきましては、過去の浸水状況などを踏まえまして、委員お話しの二地区を豪雨対策モデル地区として選定し、これまで流域対策の整備基準を強化するなど、重点的な取り組みを実施してまいりました。現在検討を進めております世田谷区豪雨対策行動計画の中間見直しでは、これまでの豪雨対策の取り組み内容を整理、分析、評価するとともに、この夏の浸水状況などを考慮し、見直し内容の検討を進めてまいる所存です。御質問の豪雨対策モデル地区につきましては、現在の二地区に加えまして、七月二十三日の集中豪雨で被害が発生しました浸水地区の状況なども考慮し、また、地元の皆様の御意見も伺いながら、豪雨対策モデル地区の追加を検討してまいります。
区といたしましては、今後とも、区民や事業者の協力を得ながら、また、東京都などの関係機関とも連携、協力しながら豪雨対策を進めてまいります。
◆新川勝二 委員 私の地区の小泉公園の地下では、安全だと思っていたのが安全でなかったと。それを超える大雨といいましょうか、そういうものが発生してしまったということでございますので、大変な事態になるということでございます。現在、台風十八号が発生しているわけでございますが、十分注意して行われたいと思っております。
次に、都市整備方針の町の姿に関して伺います。
新たな都市整備方針骨子に記載されておりますまちの姿の一つに、安全で、災害に強く復元力のあるまちがあります。復元力のあるまちという姿を現実に想定しますと、地籍調査も重要なポイントであると思います。私は、これまでも地籍調査については機会あるごとに質問して、昨年の決算委員会でも、東日本大震災からの復興の中で、地籍調査が済んでいる地区とそうでない地区では復興のスピードに大きな差が出ると述べてまいりました。都市整備方針に復元力のあるまちを挙げるからには、しっかりとした地籍調査の記述が必要であり、地籍調査を進めていくスピードもさらに実施していく必要があると思います。
そこで、都市整備方針を策定するに際し、地籍調査についてどのような考え方を持って記述するのか、それともしないのか、お答えをいただきたいと思います。
◎松村 都市計画課長 先ほども答弁をいたしましたけれども、改定を進めている都市整備方針におきましては、区民が安全安心に暮らせる町を目指すことを目標に掲げており、これを実現するためのテーマ別方針の一つである安全で災害に強い町をつくる、こちらの中に主要施策として、震災に強い町とする、また、先ほど御質問いただいた水害や土砂災害を抑制する、これらに加えまして、震災後の速やかな復旧復興を位置づけているところでございます。震災発生後、復旧復興を迅速に行うためには、土地の権利関係を明確にした現地復元性のある地図を整備することは必要不可欠でございまして、委員御指摘のとおり、地籍調査は復旧復興に当たりまして大変有効なものと認識しております。そのため、新たな都市整備方針におきましても、震災後の速やかな復旧復興に資する地籍調査を進めるということをしっかりと位置づけていくということで考えてございます。
◆新川勝二 委員 地籍調査のスピードは、極めて遅いと私は思うんです。二、三%ぐらいですか、定期調査に取り組んでからもう八年ぐらいたつんですか。それも三%というような数字なので、これをぜひとも早く実現してほしいと思うんです。区では、予算的には世田谷区は四分の一の予算で済むわけでございますので、その予算的な措置も含めて、ぜひともお願いしたいと思っております。ぜひともよろしくお願いします。
次に、世田谷三丁目の交差点から世田谷通りまでの整備の進捗状況についてお聞きします。
秋晴れの先月十一日の午前十時ちょうど、近隣の民さんに温かく見守られながらミニパトカー先導で信号機が次々と点灯され、都市計画道路補助第一五四線のうち、世田谷区役所西交差点まで約五百四十五メートルまでの区間でめでたく全面開通になったわけでございます。開通から早一カ月近くがたって、利用される方々の声や道路の利用状況などを見ても、この補助一五四号線の整備が世田谷区の交通課題となっております南北交通の問題解消に大きく貢献する道路であるということは明らかでございます。
一方、現在も事業中の区間も含めて、世田谷三丁目交差点から世田谷通りまでの約二百七十メートルの区間において、一昨年の段階では既に北側の一部で整備は完了しておりますが、残された南側の区間については、今後世田谷駅舎の移転、踏切拡幅工事に加えて、ライフライン工事や道路築造工事を行って、開通は平成二十八年度を目指していると伺っております。その後、一日も早く全面開通を目指して取り組まれていると思います。
そこで、一五四号線の世田谷三丁目交差点から、世田谷通りまでの区間の整備について、現在の進捗状況と開通の見通しを伺いたいと思います。
◎村田 工事第一課長 御質問の都市計画道路補助第一五四号線の一部未開通区間の整備のうち、東急世田谷線の工事につきましては、東急電鉄による踏切部の拡幅工事が本年七月に完了し、残る世田谷駅の改良工事が来年三月下旬に完了する予定となっております。
道路工事につきましては、世田谷線より北側の道路延長約百メートルの区間において、電線共同溝整備工事を今月中に完了させ、引き続き、東京電力、NTTなど、電線管理者による電線類の共同溝及び民地等への引き込み工事を来年六月ごろまで行い、その後、歩道整備工事に着手する予定でおります。また、世田谷線より南側の道路延長約百メートルの区間におきましては、世田谷通りとの交差点部を除き、北側の区間に先行して来年一月中に歩道整備工事を完了させる予定でございます。
区といたしましては、これまで工期短縮のため、電線管理者による工事に債務負担行為を設定し、年度末から年度初めにかけて生じる工事の空白期間をなくすとともに、東京電力やNTT、上下水道、ガスなどの占用企業者との綿密な工程調整、さらには、交通管理者等関係機関との精力的な協議などを積み重ねてまいりました。また、地元商店街や沿道の皆様の御理解、御協力もあり、その結果、当初予定より約一年ほど全体の工事期間を短縮できる見込みとなりました。したがいまして、現時点では世田谷三丁目交差点から世田谷通りまでの約二百七十メートルの区間の全面開通は、平成二十六年度末を予定しております。
◆新川勝二 委員 一年も早く竣工することになりまして、地域の区民としましても大変喜んでいることだと思います。いろいろな問題が出てくると思いますが、よろしくお願いして私の質問を終わります。
畠山委員にかわります。
◆畠山晋一 委員 今の一五四号線、新川委員の話にもあったとおりですけれども、山崎小学校は子どもたちの通学路の安全面が確保できて非常によかったということを、子どもたちからも、やっぱりあそこに大きな道路、狭いところにトラックが入ってくるので怖かったという声も聞いていますので、一刻も早く、全線開通をしっかり行っていただきたいと思います。
私からは、初めに、小田急線の連続立体交差事業にあわせての上部利用の話を一点だけ副区長に聞きたいと思います。
小田急線連続立体交差事業は、世田谷代田、下北沢、東北沢と上部利用の施設の配置計画がようやくまとまった。ようやくですね。昨年度の混乱がなければ、もっともっと早くまとまったのではないか。ただし、覆水盆に返らずですから、このことについてはしっかりと信頼度を東京都と高めていただいたということを、小田急との信頼関係もしっかりと戻していただいたということで、ゼロに戻ってしっかり取り組んでいただくこともあわせてお願いしなければいけませんけれども、まとまった以上は、着実な整備に取り組んでいただくことを、決意と覚悟を持って臨んでいただきたいんです。
区はそれまでの小田急線の連立事業にあわせて、駅前広場の整備に積極的に取り組んできました。喜多見駅の駅前広場、成城学園前駅前のバスターミナル、経堂駅のタクシーベイや図書館、また、梅ヶ丘駅の高架橋による南北の解消等、小田急電鉄の商業施設ともあわせて、いずれも新しい町のシンボルとなっていて、どの町もいろんなイベントにあわせて、多くの人が集まってにぎわっているということは、もう周知のとおりだと思います。
私は、連立事業が単なる踏切の解消だけではなくて、まちづくりの大きな推進力となることをそれぞれの部分で実感しております。改めて、残りの三駅、世田谷代田、下北沢、東北沢を考えると、有史以来世田谷区では初めての、これまで連立区間にはなかった根本的に異質なものになってくるわけですけれども、これは今までの高架下の利用と異なって、約二・二キロにわたって広大なる地上が出現してくるわけです。ようやく、この新しい土地が町に及ぼす影響が、これまでの高架下利用とは比べ物にならないということも、皆さんも感じているところと思います。したがいまして、上部利用には単なる線路の跡地利用といった限られた視点ではなくて、新しい都市を形成するといった、都市計画的な観点から総合的に検討する必要があります。
今回の区の案、拝見いたしましたけれども、区が交通や交流を支える広場、防災や緑を受け持つ通路や小さな緑地、いわゆる都市基盤整備に当たる部分を区がしっかりと受け持って、小田急電鉄は民間事業者の立場から、魅力ある集客施設、緑に恵まれた住宅を供給するといった、まさに都市計画的に見ても整合性のある計画となってきつつあります。これは、ある程度の一定の評価を与えるものでありますが、実現に向けてまだまだ課題が積み残されております。他会派からもこのことについての追及もあったわけですし、実際、先日も地元の皆様からも、熊本区長時代にも要望していたわけですが、新しい区長となっても改めて要望をしてきたわけです。
下北沢にも新しい魅力を生み出す立体緑地の整備を初め、三駅の駐輪台数の確保などの問題をしっかりと解決していかなければならないわけですが、広域生活拠点に位置づけられた下北沢をさらに安全安心で、かつ魅力ある町にしていく最大のチャンスが訪れているわけですから、区はあらゆる困難に立ち向かって、臆することなく、全国に日本一の町と誇れるまちづくりに向けて、全力で取り組んでいただきたい。そのことに向けて、この問題には随分と長年携わってらっしゃる、まずは副区長の決意を伺います。
◎板垣 副区長 小田急線の連続立体交差事業は、さかのぼりますと昭和六十年に喜多見工区が事業認可を得まして、既に二十九年が経過しているということで、ようやく事業の全体像も見えてまいりまして、最後の段階になってまいりました。特にこの三月には、下北沢区間の地下切りかえによって九カ所の踏切が除却され、区内の小田急線の踏切二十八カ所が全て除却されました。改めて、連立事業の事業効果ということについて、認識をしているところでございます。
区はこの間、連立事業とあわせまして駅前広場の整備あるいは駅周辺街づくりを初めとします数多くのまちづくりに取り組んでまいりましたが、お話しのように、こうした事業でつくられた駅前広場や道路、駐輪場などは、今では区民生活にはなくてはならない都市基盤となると同時に、駅前にふさわしいにぎわいと交流のかいわいを形成してきております。お話しの下北沢工区につきましては、先ほど申しましたように、在来線の地下化が完了して平成三十年度の事業完了という予定になっております。今後は、新たに生まれます約二・二キロにわたる上部をいかに安全安心で、かつほかにない魅力を持つ地域の新しいシンボルとしていくのかが問われていると考えております。
お話にありましたように、駐輪台数の確保、新たな緑地の整備、防災対策、さらには京王線の盛り土部分の活用など、まだまだ多くの課題が残されておりますが、地元の皆様、東京都、鉄道事業者と力を合わせまして、世田谷区の拠点にふさわしい町を目指して、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
◆畠山晋一 委員 今お話しいただいたように、全力で取り組んでいただくと、京王線の盛り土の話もありましたし、あわせて、下北沢のみならず、世田谷代田、東北沢、それぞれに新しい交通整備の課題が出てきております。このことについては細かいんですが、また改めて伺っていきますけれども、新しい町の形成には新しい取り組み方があるので、ぜひ既存のものにとらわれないで取り組んでいただきたい。下北沢は確かに地下に潜ったかもしれないけれども、それで人が見えないとか聞こえないとか言う人もいますけれども、そうじゃないですね。現に小田急と連絡調整をとりながら、デジタルサイネージという手法をとりながら、下北沢がどんな町かということを可視化したものを駅も協力しながらやっているところでありますから、下に潜った人が上に上がってきやすいように、上に上がってきたくなるようなまちづくりを地元の人たちはしっかりと要望を踏まえてやっていますから、その辺の連携をしっかりとって、全力で取り組んでください。
続きまして、観点は全く変わりますけれども、公園の名称について伺っていきたいと思います。
公共施設の名称について、公園を例に幾つかとると、例えば羽根木公園は、自分の地元では子どもたちに羽根木公園と言えばわかるんですけれども、お年寄りには根津山公園と言わなきゃわからないんです。もう羽根木公園が周知の事実、正式な名称とはなっているんですけれども、古くからの名称とか愛称で公園を呼ばれている地域もあるわけです。世田谷区内にはUFO公園ですとか、いろいろな新しい名称で呼ばれて、愛称のある公園等もあるわけですけれども、区内の公園、広場、緑道では、こういったケースはどのようになっておりますでしょうか。
◎笠原
公園緑地課長 公園の愛称、通称ということでございます。実数につきましては把握できてはおりませんが、委員お話しのような根津山のように旧地名で呼ばれているケース、また、園内に古タイヤの遊具が多いからタイヤ公園、パンダの人形があるからパンダ公園や、同じように豚公園、坂の下にあるから坂の下公園など、やはり地域の方々から保育園、また、学校などで通称や愛称で呼ばれているケースは多数耳にしております。
◆畠山晋一 委員 現に通称や愛称で非常に愛されている公園、住民のそれぞれの思いから、また、地域の中で、あるいは個人的にそういう通称とか愛称が使われることは、個人的に地域の個人の中では構わないんですけれども、ただやはり、これは世田谷区の公園で、公の施設であるわけですから、公の施設として、公園、広場、緑道にはそれぞれきちっと正式な名称は定められているのでしょうか。また、愛称は愛称でもちろんいいんですけれども、行政としてはこれが混同してしまうことのないように気を配る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
◎笠原
公園緑地課長 公園等の名称でございますが、公園または身近な広場については、条例等で定めてある正式な名称というのはまずございます。その上で、地域にお住まいの方々、先ほどの保育園とかも含めまして、愛着を持って呼んでいただく分には結構なことと思っております。ただ、やはり私どものほうの相談についても、本当の名前はどちらなんだといったようなやや迷われるようなケースもございます。ですから、我々行政といたしましても、そういう近隣の方々、また、利用される方々の混乱を招かないようにする、これは大変必要なことだと認識しております。
それから、区といたしましても、現地における園名の表示、また、広報やホームページなど公的な発信を行うときはもとより、マスコミ等の取材においても愛称が書かれることが多いんですけれども、愛称は愛称として、ただ、正式名称はこれこれですよと、きちんと区分けをして表記なされるよう、今後とも注意してまいりたいと思います。
◆畠山晋一 委員 愛称、名称、この辺が誤解のないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。同時に、愛称、名称と言えば、公園に限らず、公的な施設の名称については、世田谷区では二年ほど前のレンタサイクルポートで導入したネーミングライツがあるわけですけれども、今後、公園等も含めて税外収入等の観点からも考えて、こういったものを拡大していく可能性、またはチャンスではないのかと思うわけです。ただ、ほかの自治体の先行事例を見ていると契約更新がされずに事業者が撤退するなどいろいろ課題はあるんですが、民間の景気もようやく回復の兆しが見えてきたところであるわけですから、その状況を見据えながら、将来的には改めてネーミングライツ等を上手に検討するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎笠原
公園緑地課長 委員お話しのとおり、公園へのネーミングライツ導入の先例といたしましては、渋谷区等でスポーツ用品会社が命名権を契約したケースがございます。ただ、その後、さまざまな課題により、なかなか命名権行使ができていないなど、やはり公園への導入につきましては、より慎重な判断は必要かとは考えております。しかしながら、委員お話しのとおり、区といたしましても税外収入確保の手段の一つといたしまして、ネーミングライツについては将来的にも検討を続けていくべき課題だと考えております。
◆畠山晋一 委員 ネーミングライツを上手に利用して、確かに今、世田谷区内の公園でもおもしろい名前の公園も多くございますので、ひとつ世田谷区のブランドとして捉えて、上手に公的な名称と愛称を使い分けて対応していただくことをお願い申し上げます。
最後に、債権管理重点プランの推進状況のところから、都市整備領域に絡むところ。これは、区営住宅の使用料です。債権回収はどのように進んでいているのか。長期滞納者についてもいろいろと取り組まれて、係争を起こしたりということで、着実に区営住宅の債権管理の徴収が進んでいると。この数字を見ている限りは滞納者が平成二十年度では九十六名いたのが、少しは、伸びてはいるんですけれども、ここのところ横ばいになっている。なおかつ、細かい数字をいろいろと伺いますと、長期滞納者は少しずつであるけれども、確実に対応し切れているという状況にある。ただし、まだほとんどの九八・八%の方が収納されていて、残りの方は滞納していると。これはゆゆしき事態でありますから、この点についての強い覚悟と取り組みを伺います。
◎皆川 住宅課長 平成二十四年度の区営住宅使用料の収納率でございますが、二十三年度に比べて、現年度分で〇・八%、滞納繰越分で一〇・四%の収納率向上を達成してございます。今年度は、これまでの取り組みに加えまして新たに電話催告センターを活用し、現在成果を上げているところでございます。今後も、債権の適切な管理と債権回収に向けた取り組みを強化いたしまして、負担の公平性を確保するため、全力を尽くしてまいります。
◆畠山晋一 委員 しっかりと取り組んでください。
以上で自由民主党の
都市整備委員会所管分の質問を終わります。
○石川征男 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時五分休憩
──────────────────
午後二時三十五分開議
○石川征男 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆福田妙美 委員 これより公明党の都市整備所管の質問をしてまいります。
命を守る、安全で安心な自転車対策について伺ってまいります。この自転車対策については他会派からも多くの方が質問をされておりましたが、私もこのことを取り上げるのは、実は自転車と自転車がちょうど事故に遭っている場に遭遇をしたこと、また、自転車と高齢者、歩行者がぶつかったということで、何人かの方からお問い合わせをいただいたなどのことが続きまして、このことを改めて取り上げさせていただきます。
自転車は幼児から高齢者まで幅広い層に利用されており、特に最近では、東日本大震災による交通の混乱などを機に、通勤手段などとしても注目を集めており、引き続きその利用の進展が見込まれる状況です。
その一方で、自転車関連事故の全交通事故に占める割合は横ばい傾向にあり、また、その交通ルール・マナー違反に対する区民の批判の声は後を絶たず、走行環境の整備も不十分な状況です。こうした状況を踏まえ、今後自転車に関する対策を進めるに当たっては、自転車は車両であるという考え方を交通社会を構成する全ての人に理解していただき、自転車運転者、自動車運転者、歩行者の三者の安全を確保していかなくてはなりません。
道路交通法第六十三条の四第一項において、自転車が歩道を通行できるのは、道路標識などにより歩道を通行することができるとされている場合、運転者が子どもや高齢者などである場合、車道または交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ない場合には、歩道を通行することができることとされています。法令の範囲内で歩道を通行することができますが、歩道を通行する場合には、どのような方であっても歩行者優先というルールは守ることになっております。しかし、実際は、区内の道路では自動車などの交通量が多く、かつ、車道の幅員が狭いなどのために、自動車などとの接触の危険を回避するために歩道を通行せざるを得ない状況で、法令では範囲内としていますが、車道と同じ速度で走ることが歩行者にとって危険な印象を与えています。
警察庁での自転車に係る法令遵守意識等に関するアンケート調査の実施結果を見てみますと、自転車に係る主な交通ルールに関する知識の有無及びその遵守状況について聞いたところ、対象とした交通ルールのほとんどについて、知っていると答えた者が八割以上、しかし、交通ルールを知っているが「守らないこともある」または「あまり守らない」と答えた割合の多いルールは「車道通行の原則」がトップで四六%となっております。交通ルールを知っていても守れない理由のトップは「通行環境が不十分」五八%でありました。自転車の交通秩序をよくしていくために、最も優先すべき対策のトップは、やはり「自転車の通行環境整備」となっております。
先日、区から報告がありました外出時の利便性に関するアンケート結果においても、お住まいの地域の交通にかかわる取り組みの中でやはり自転車走行をする空間の整備が、重要度が高く、満足度が低い、また、今後区に求める取り組みなどは、自由意見で最も多かったのが自転車マナーの向上でした。これらのアンケートの結果を見ていきますと、自転車の交通秩序をよくしていくために最も優先すべき対策は自転車の走行環境整備であります。
そこで、区内の自転車走行環境整備について伺っていきたいと思います。
車道での自転車走行が義務づけられても、車道での自転車走行の安全性の確保が追いついていないのが現状です。区が管理している道路に関しては、平成十九年度からブルーゾーンなどの自転車走行環境の整備を進めていますが、千九十キロメートルの区道のうち、整備距離、整備率はどの程度まで進んでいるのでしょうか。また、今後はどのような整備を進めていかれるのか、お聞かせください。
◎関根 土木計画課長 自転車走行環境の整備につきましては、これまで、主要な生活道路などの新設や既存道路の歩道改修の機会などを捉え、ブルーゾーンを明薬通りや補助五四号線などの五路線で延長約二・三キロメートル、街渠などの車道排水施設のスリム化を約十三・六キロメートルの合計約十五・九キロメートルを整備してまいりました。
自転車走行環境の整備の割合でございますが、区道の全延長約千九十キロメートルのうち、ブルーゾーンと車道排水施設のスリム化の整備率は約一・五%となっております。自転車走行環境を効果的に整備するためには、現在、部分的な整備にとどまっておりますブルーゾーンなどの整備を区道のほか国道や都道などを含め計画的にネットワーク化していくことが重要であると考えております。そのため、現在、自転車走行環境のネットワーク計画策定を目指し、庁内に学識経験者、国や都、また、交通管理者などを委員とした検討委員会を設置し、平成二十六年度中の計画策定を目標に検討を進めているところでございます。
今後とも、国や東京都、また、交通管理者とも、より一層連携を図りながら、安全で快適な自転車走行環境の整備を進めてまいります。
◆福田妙美 委員 御答弁ありがとうございます。今の御答弁の中には、やはり走行環境の整備が約一・五%ということで、平成十九年度から始められてこの割合だということですが、今後も、道路の新設や歩道改修の機会にあわせて整備をするということですので、やはり区内で十分な走行環境が整うまでには時間がかかると考えられます。ですので、今後やはり既存の道路でいかに安心して走れる走行環境を整備していけるかというところが非常に課題になってくるかとも思いますので、これに関しては本当に真剣に、また、スピードアップができるような方法でぜひとも進めていただきたいと思います。
自転車が車道での走行に安全が確保できないと判断したときには、歩行者優先のルールを守りながら歩道を通行することが交通法でも許されていますが、しかし、歩道を通行する自転車のスピードなどが歩行者には危険と感じます。これは、自転車の利便性は歩行速度より早いということで、道路の走行整備が不十分のために、やむなく歩道を走行するときにも自転車の利便性を欠きたくないということでも、速度を落とさずに走ってしまっているというのが現状であります。この道路整備とともに、ルール、マナーの徹底が重要と考えます。
世田谷区では平成二十四年四月一日に、世田谷区民自転車利用憲章を制定しました。立派な憲章が制定されましたが、区民の意識調査の中では、世田谷区民自転車憲章の認知度は一一%にとどまっておりました。自転車交通事故の状況も調べてみますと、交通事故全体の自転車事故の割合が、全国平均は二〇%前後で推移しているのに対し、都内ではおおむね三六%前後と高い傾向が続いております。また世田谷区は、さらに都内の平均よりも高い傾向を示しています。
都内自転車事故を年齢別に見ていきますと、全国の七歳から十九歳の事故の割合が高いのに比べ、都内では二十歳代から四十歳代で五割を超える特徴が見受けられます。区では、区立小学校、中学校で計画的に交通安全教室を開催され、そこで世田谷区民自転車利用憲章の周知を初め、自転車の安全利用の啓発を進めていることは大変評価いたします。しかし一方で、自転車利用憲章の認知度が低く、自転車事故の多い二十歳代から四十歳代の人にどのように自転車安全利用の啓発を進めていかれるのでしょうか。大学入学などで上京してくる人にとって、特に都内の交通状況の変化もあります。大学新入生などへの交通安全対策も検討していく必要があると考えますが、区としての見解をお聞かせください。
◎岩渕
交通安全自転車課長 自転車安全利用啓発につきましては、御指摘のように小中学校での交通安全教室、そのほか、交通安全運動の機会を初め、各警察署と連携して取り組みを進めてきているところでございます。しかし、御指摘のように区民自転車利用憲章の認知度の低さ、このことにつきましては、さらに自転車安全利用啓発を進める必要があると痛感しております。
特に、自転車事故の件数の多い二十代から四十代の層にいかに取り組むかが今後の鍵となってまいります。この年齢層につきましては、お子様が小中学校のような情報提供の場や機会を区として確立できていない層でございまして、今後区では、このような二十代から四十歳代に対し、区内事業者、大学、子育て世帯への重点取り組みを柱といたしまして、自転車の安全な利用啓発を積極的に進めてまいります。このうち、大学につきましては御提案のように都内の交通環境にふなれな新入生に重点を置き、新入生のオリエンテーションでの啓発を初め、大学での交通安全教室の開催や学生ボランティアとの協働等、さまざまな可能性を探ってまいりたいと考えております。
◆福田妙美 委員 ぜひとも、成人または大学生などを対象とした自転車安全利用の計画を積極的に進めていただき、具体的に事故が削減したというような結果につながるようにしていただきたいと思います。
先ほども触れました警察庁のアンケートにもありましたけれども、交通ルールを知っていても守らないという割合が半数近くいるとの結果でしたけれども、警察庁のアンケートの中にほかにもありまして、これは自動車等の運転者として危険に感じる自転車の行動を聞きましたら「信号無視」がトップで六五%、「無灯火」が四九%、「歩道からの飛び出し」が四九%、「携帯電話の使用等」が四二%となっております。
今度は、歩行者から見て危険だと思う自転車の行動は「歩道上での速いスピード」がトップで五七%、次が「歩道上でのすぐ脇のすり抜け」が四七%、続いて「携帯電話の使用等」が四五%、そして「無灯火」四一%ということで、大体ルールとして守っていただきたいけれども、それができていないというのが現状で、やはり角度を変えてみても同じようにルールが守られていないことが皆さんにとっては怖いという、危険だというイメージがあります。ルールは知っているけれども、守られていない現状が浮き彫りとなっております。ルールはわかっているんだけれども、実行に移そうとする意識づけが必要ではないかと感じます。こうした自覚を促すためにはどうすべきなのでしょうか。区内の地域ごとに交通安全対策はさまざまな工夫がされているかと思いますが、玉川町会での取り組みについて御紹介をしたいと思います。
玉川町会では、二子玉川地区交通環境浄化推進協議会が中心となり、交通環境をよくする取り組みがなされています。違法駐輪自転車の撤去活動や、自転車通行マナー呼びかけなどを実施していますが、その活動の中でゾーン30の導入に当たり、新たに二子玉川小学校近辺の生活道路の交通安全に関して話し合い、調査が開始されました。調査の結果、歩行者が危険と感じる交通環境の中で、車のみならず、スピードを出す自転車が危険との声が多く寄せられました。このことを受けて、地元の高校と自転車のワークショップを開催されたり、地域ルールの検討の声も上がっているということです。実際に話し合いをされた内容が、いつもこのように地域のポストに入っております。ふたこたまご通信ということで、皆さんが地域の子どもや高齢者が話し合って、どこが怖かったかということを書き出しております。そして、具体的に地域の課題にみんなで取り組んでいこうという、これは地域の自主的な取り組みであります。地域の課題解決、また、多くの方の意識改革にもつながる大切な活動と感じております。このような活動に関して、区はどのようなお考えでしょうか、お聞かせください。
◎岩渕
交通安全自転車課長 御指摘の地域の自主的な取り組みは非常に重要なことであると考えております。自転車利用につきましては、身近な商店街での買い物、保育園へのお子様の送り迎えなど、さまざまな局面で利用されておりまして、身近な地域における区民の生活と深く結びついております。二子玉川での取り組みは、もともとゾーン30の導入に向けましたアンケートの中で自転車の危ない走行が問題として挙げられまして、その後の地域でのワークショップの中で自転車安全利用のための地域のルールとして、例えば玉チャリルールといったようなことをつくるべきとの意見があったとのことで、こういう賛同を得たことが契機となっておるようです。自転車が特に危ないとされたこの地域のはなみず木通りを対象といたしまして、この通りを通学に利用している世田谷総合高校でのワークショップを開催いたしまして、高校生たちがこのワークショップを通じて自転車の利用について考えたこと、感じたことを地域の皆様に向けて発表、あるいは発信していく予定になっているということでございます。このワークショップには区も参加させていただいておりまして、交通安全自転車課のほうも参加しておりまして、活動を支援しつつ、同時に、地域活動でのプログラムづくりについては、私どもも学ぶところが多いと考えております。
◆福田妙美 委員 このように、玉川町会のように地域で交通安全の取り組みをしている地域もあるかと思いますが、ぜひとも安心して歩けるまちづくりのために、区の御支援をいただきたいと思います。
交通ルールを守るのは、とにかく事故を避けることが大前提ですが、区民の方から聞く多くの声は、ルール違反よりもマナーが悪いとの声が多いです。マナーは相手が不快な気持ちにならないように気遣う行為です。交通ルールは決まった事項がありますが、マナーは人によって認識のずれが生じやすいと考えます。この気づきのヒントが必要かと思っています。区長も、セーフティドライブのためのマナー集ということをおっしゃっていましたが、こうした気づきのヒントとなるマナー集の作成について区はどのようなお考えでしょうか、見解をお聞かせください。
◎岩渕
交通安全自転車課長 区では、世田谷区民自転車利用研修を制定いたしまして、この中で、マナーを守り、優しく自転車に乗るということを掲げております。そこで、想定しているマナーということでございますが、例えば、あたりが暗くなったら早目にライトをつけましょうだとか、自転車に乗る場合は必ず点検整備を行う、あるいは自転車保険に加入するなど、こういったルールに付随するものを考えております。このようなものの普及、啓発を進めるために、自転車、あるいは自動車、歩行者も含めた、誰もが安全に移動するためのマナー集というものにつきまして考えていきたいと。例えば携帯電話等のながら運転だとかはやめましょうだとか、そういう具体的な事例をとって、区民にとってよりわかりやすく、気づきを促すような内容を精査しながら、こういうものの作成に向け検討を進めてまいりたいと考えております。
◆福田妙美 委員 ここまでは予防対策について伺ってきましたが、最後に、万が一の事故に対する自転車保険について伺いたいと思います。
皆様も記憶に新しいかと思いますが、ことしの夏、自転車事故に対して約九千五百万円の損害賠償を命じた裁判結果は大きな衝撃を与え、直後の自転車保険加入が急増したとのことです。事故を未然に防げることが一番よいことですが、万が一の事故に多額な損害賠償が請求されたときには、個人での支払いが不可能となります。
区内の自転車を販売しているお店で伺ったんですけれども、自転車を購入したときに皆さんに必ずこのTS保険、自転車の保険の加入の促進もしていただいていますし、そして、一年後に更新に来てくださいねということもつけ加えてお伝えしているらしいんですけれども、やはり更新の時期を忘れていたり、もしくは更新の認識が薄いこともあるのか、保険の更新者は少ないということを現場ではおっしゃっておりました。また、秋の交通安全週間に活動されている幾つかのテントを訪問して歩いた際に、この自転車保険についてどれぐらい御存じかということで伺って歩いてみましたら、皆さん、余り知らないので、こういった情報を提供してほしいですという声がたくさんありました。
ことし七月に施行された東京都の自転車安全条例でも、保険加入を自転車利用者の努力義務と位置づけられました。区民調査によりますと、区内の保険加入率は一六・六%、自転車保険の加入については、他会派もですけれども、我が会派でも何度となく質問していますが、区としてはどのような対応をお考えでしょうか、お聞かせください。
◎岩渕
交通安全自転車課長 歩行者と自転車の事故等、残念ながら自転車が加害者となるケースが増加しておりまして、自転車保険への加入は転ばぬ先のつえとして重要性が増してきております。また、委員御指摘の自転車安全整備士が点検整備をしたマークであるTSマークといったものと連動した点検と整備がセットになりましたTS保険というものもございまして、一年間有効であるということもございますが、こういう保険がございます。さらに、損害保険会社によれば、自動車保険の特約として、家族を対象に含む損害保険に加入できる場合が多うございまして、このような簡便な自転車保険の加入方法もあるということでございました。
今後、こういう課題を踏まえて、こうした情報の提供も含め、損保会社あるいは自転車販売店等関係事業者等とも連携しながら、自転車保険の加入促進を進めてまいりたいと考えております。
◆福田妙美 委員 自転車の安全対策は、さまざまな所管との連携が必要かと思いますけれども、この世田谷区の自転車憲章の具現化に向けて、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
ここで済みませんが、板垣副区長に突然ですけれども、ちょっと質問させていただきたいんですけれども、私がこの世田谷区の自転車条例をずっと読んでおりましたら、東京都の自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例というのが制定されて、これも読んでみました。そうしましたら、世田谷区の条例は、主に駐輪とかそういったものへの対策というような部分が強く出ておりまして、今回の東京都のほうは、ルールに違反する危険な運転が社会的な問題だということで、交通ルールの習得や点検整備といったものが盛り込まれた内容になってきておりますけれども、今後なんですが、世田谷区の自転車条例の見直しなどというのも視野に入ってくるのでしょうか。
◎板垣 副区長 東京都の条例が制定されたことは存じておりますけれども、中身を対比して詳細に見ているわけではありませんでしたので、今御紹介いただいた件につきまして、詳細を検討しながら、そういうことも視野に入れながら検討させていただきたいと思います。
◆福田妙美 委員 板垣副区長、どうもありがとうございました。
以上をもちまして、私からの質問を終わりまして、平塚委員に交代いたします。
◆平塚敬二 委員 私からは、明大前駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。
平成二十四年十月に、連立立体交差事業及び駅前広場が都市計画変更及び決定されました。このことは、明大前駅周辺の町を大きく変えることができるチャンスであると私は考えております。現在の明大前駅周辺の状況を見ますと、道路は狭く、開かずの踏切は地域を分断しています。これらの問題を解消して、地域住民の皆さんや駅を利用される方々にとって、今よりも安全で快適なユニバーサルデザインを取り入れたにぎわいのある町になるように、強く望むものであります。
明大前駅は、名前のとおり、駅の北側には明治大学があり、南側には日本女子体育大学附属二階堂高等学校、日本学園中学校・高等学校、区立の松原小学校があり、児童生徒、学生さんが多い若者の町であります。
また、鉄道は京王線と京王井の頭線が交差する乗りかえ駅であり、一日の乗降客は八万四千人と、京王線の区内駅では下北沢に次いでの多い駅ですし、小田急線の経堂駅が七万一千人ですから、これと比べても乗降客は非常に多い駅です。道路は北側に国道二〇号線が通り、その上には高速四号新宿線が通っています。永福の出入り口もありますし、変更された都市計画では区道一五四号線が整備されて、南側に駅前広場が整備される予定です。この一五四号線は、先ほどもちょっと御紹介ありましたけれども、九月十一日に梅丘二丁目の信号から区役所の西側までの相互通行で開通した道路の延長であり、この通りが国道二〇号線までつながれば、環状七号線と八号線の間では貴重な区内を南北につなぐ道路となります。さらに、駅前広場が整備され、バスの運行が始まれば、京王線、小田急線、東急線と、区内を東西に走る私鉄三線を南北につなぐ貴重なバスの路線が考えられ、区民の利便性の向上が大いに期待されております。
このように、明大前駅は今後区内でも有数な交通の利便性にすぐれた、若者が多いにぎわいのある町になる可能性が十分考えられます。そして、今年度、シンポジウム「私たちの街 明大前の未来を考える」を開催して、まちづくりに対する議論をスタートさせ、また今後は、明大前街づくり学校を開校して、議論をさらに深めていく予定と聞いております。
今後のスケジュールとしては、来年の三月の合同報告会に向けて、この学校においてはまちづくりを進めていくための情報共有と意見交換の場として、また、さまざまな立場の方が集い、自由に考えることができる場となるとも聞いております。そして、この学校の成果をもとに、明大前の地区街づくり計画の方針を区は策定する予定とも聞いております。また先日の十月六日の日曜日には、交通計画のゼミが開催された、いよいよ議論がスタートしたと聞いております。
そこで伺いますが、十月六日のゼミの状況と、今までもより多くの方の意見を集約するために、地域住民の方や商店街の方、大学関係者の方との周知に努めてこられたと聞いていますが、毎回の議論をどのように地域の方に周知していくのか、また、途中からの参加は許されるのか、区の見解をお聞きします。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 今お話がありました明大前駅前周辺地区のまちづくりにつきましては、連続立体交差事業やそれにあわせた道路駅前の広場の整備に向け、より魅力的な将来像を考える場として、委員御指摘のシンポジウム「私たちの街 明大前の未来を考える」を約百二十名の方の参加のもと、六月三十日に明治大学の和泉キャンパス図書館ホールにて開催しました。さらに、このシンポジウムの参加者からいただいた御意見を含めて、町の課題をテーマ別に議論を深めるために、今お話があった専門家を招いての明大前街づくり学校を九月八日に開校いたしました。街づくり学校は、交通計画、商業計画、地区街づくり計画の三つのゼミで構成され、今お話があった十月六日、先日日曜日に交通計画のゼミがスタートしております。この十月六日の交通ゼミの内容ですが、今後都市計画道路が整備された折、どんな交通課題が出てくるのかということで活発な議論がなされております。次回は、この参加者による交通量調査も予定されております。
現在、街づくり学校、三つのゼミがございますが、一つのゼミに約二十名の方が参加されておりまして、まだ定員に余裕もございます。参加希望者があれば、受け入れ可能でございます。この三つのゼミは、それぞれ年度内四回予定されておりまして、来年三月二日の合同報告会に向けて活動を進めています。この活動については、ニュースの発行、ホームページへの掲載などを通じて、学校に参加していない方も含めて、広く経過を知らせてまいる所存です。さらに、三月二日の合同報告会では、ゼミに参加されなかった方々にもニュースなどでお声をかけ、今回のまちづくりについての検討の成果を発表し、多くの方々と町の課題を共有してまいりたいと考えております。街づくり学校の成果を踏まえて、明大前の地区街づくり計画を策定するための方針を今後まとめていきたいと考えております。
◆平塚敬二 委員 この学校は、交通計画、商業計画、地区街づくり計画と三つのゼミで構成されて、今回は活発な議論があり、次の交通計画においては交通量調査もやる、それくらい踏み込んだところまでやっていくという話ですね。あと、参加者の受け入れは今後も可能であるということを聞きました。また、この結果をもっと広く参加されていない方にも周知するために、ニュースとかホームページを使って発信していくということも確認しました。ぜひ進めていただきたいと思います。
次に、変更された都市計画では、駅の南側に区道一五四号線が通り、道路と合わせれば約三千平米の広場ができる予定です。しかし、現状の駅の状態を見ますと、この道路は車一台が通るのがやっとの生活道路でありまして、それを車道二車線と歩道とを合わせて幅員十五メートルの道路を整備すると。また、現在お住まいの方には多くの地権者の方の御協力が必要ですし、広場の予定地はほとんどが住宅地です。ここも、多くの地権者の御理解と御協力がなければできない大前提となるわけですけれども、また、駅前広場が整備されれば、またその周辺の地域の住宅地も、まさに今住宅地ですから、このままではなくて、やっぱり商業地域に用途変更も必要なんじゃないかと考えるんですけれども。今後この地区街づくり計画とともに都市計画を具体的に進めるためには、現在地元で商店をされている方が立ち退きになったり、そのことによって商売が続けられないとか、広場周辺の住宅地の方は商業地域に用途変更されることになって、静かな住環境が確保できなくなるというような問題も起きてくると思うんです。
そこでお聞きしますが、区はこの商業地域と住宅地域のゾーニングをどう考えているのか、また、どのように取り組みを進めていくのか、見解をお聞きします。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 京王線の連続立体交差事業、明大前駅の駅前広場、都市計画道路補助第一五四号線の都市計画事業区域内にある土地をお持ちの事業協力者の中には、今後土地をお譲りいただくに当たって、周辺に商業代替地を求めている方もいらっしゃいます。明大前駅駅前広場が整備され、これまでの住宅地が商業地へと土地利用転換がなされると、駅前広場などの都市計画区域内ではないものの、静かな住宅地へ居住を希望される方が出ることも予想されます。
こうした中で区は、駅前広場補助一五四号線及びその周辺の土地及び建物の権利者の方々約百二十名、この百二十名の方を対象に、今後のまちづくりを推進するために九月より街づくり懇談会を開催しております。また一昨日より、この百二十名の地権者に対して、建てかえや代替地の希望など、今後の生活プランの移行を把握するために個別の意向調査、ヒアリング調査を開始いたしております。この意向調査をまとめる中で、街づくり懇談会を通してこの地区のゾーニングを皆さんと一緒に検討してまいりたいと考えております。さらに、まちづくりを検討する中で、その将来像に応じて用途地域の変更も予想されますので、地区計画の策定を検討してまいりたいと考えております。
◆平塚敬二 委員 地権者の方が約百二十名いらっしゃる、その中で九月より懇談会を開催していると。また、この百二十名に関しては個別の意向調査も始めたということを聞きました。こういう形で、本当にきめ細かく話をしていただきたいと思いますし、いずれにしましても、来年の連続立体交差事業及び関連する側道の整備の事業の認可までには、質問の冒頭で申し上げました、地域の住民の皆さんや、駅を利用される方々にとって今よりも安全で快適なユニバーサルデザインを取り入れたにぎわいのある町というものを考えて、より多くの方々の意見を集めるとともに、町の将来像を地域の方々と確認しながら、地区街づくり計画を策定して、都市計画を着実に実現していただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、耐震改修の促進についてお伺いします。
私は、三月の予算委員会でも申し上げましたが、阪神・淡路大震災の教訓として、東京大学の目黒教授の話を通して、犠牲になった方の九五・五%は何らかの形で建物や家具が原因で亡くなったという調査結果、またさらには、死亡推定時刻に関しましては、犠牲者の九二%は十四分以内に亡くなっているということを聞きまして、首都直下地震を考えたときには、命を守るために最も準備が必要なのは家具の転倒防止であり、住宅の耐震化であると申し上げました。そして、区民の方にももっと周知しなければ、これは厳しいということを話させていただきました。その後、区ではチラシを作成していただきまして、これなんですけれども、「必ず起きる大地震! あなたの家は、大丈夫ですか?」というチラシをつくっていただきました。これも、かなりの場所であらゆる機会で配布と周知に努めていただいていることは、その取り組みを評価させていただきます。
また今年度は、住宅の耐震化を促進するために、耐震改修工事について、従来の助成に加えて、一棟当たり三十万円上乗せしています。非木造住宅で共同住宅の場合は、住戸数掛ける三十万円という上乗せをされています。
そこでお聞きしますが、この取り組みでことしの耐震改修はどのぐらい進んだのか、現状の数値をお聞かせください。
◎佐々木
建築調整課長 首都直下地震の切迫性が指摘されている中、委員お話しのとおり、国においては緊急支援として耐震化の助成制度を拡充しており、区としましても、本制度を活用し、住宅の耐震化を一層進めていく必要があると認識しております。そのため、木造住宅に対しては、御案内のチラシを郵送するとともに、木造住宅密集地域には職員がチラシの戸別配布を行いました。また、分譲マンション等には個別に電話で御案内をし、きめ細かなPRに努めてまいりました。
こうした取り組みによりまして、このたび、二度にわたる増額補正予算を計上させていただきましたが、今年度の実績につきましては、九月末現在で既に木造住宅については三十八戸、マンションについては四棟九十七戸、合わせて百三十五戸の申請をいただいております。昨年度の実績が木造のみ八十八戸でしたので、住宅全体で見ますとかなり進んでいるものと考えております。
◆平塚敬二 委員 三十万円の加算によって、マンションがまず四棟九十七戸、一部屋一部屋が一戸になるわけですね。木造住宅は三十八戸の申請をいただいていると。去年が木造のみで八十八戸だけでしたから、少しマンションが進んだのかなというふうに考えていますけれども、しかし、その一方で、この加算は今年度限りの時限措置とも聞いております。私は今回、平成二十四年、昨年の六月に無料耐震診断を行った方を対象に行ったアンケート結果を拝見させていただきました。その中で、補強工事に踏み切れない、また、考えていない理由は何ですかという問いに対して、一番は「多額の工事費がかかるから」、二番は「工事中の生活が大変」とありました。やはり、工事費の問題が耐震改修をしたくてもできない理由のトップであり、ことしの三十万円の上乗せをしても、まだまだ全部には至っていないという厳しい現状があるのではないでしょうか。
そこで、二十三区の耐震補強助成の状況を調べてみましたところ、多くの区で一定の加算をしていることがわかりました。お隣の大田区や渋谷区では、高齢者の方や障害をお持ちの方への加算、新宿区では、住民税非課税世帯の場合、または対象物件が重点地区にある場合は、工事費の四分の三までですが、二百万円の加算などです。
そこでお聞きしますが、私は、世田谷区においても工事費の問題が耐震改修をしたくてもできない理由のトップであるならば、非課税世帯など現在の生活が大変な区民の命を守るために少しでも改修が進むための取り組みとして改修助成の加算が必要と考えますが、区は今後どのように取り組むのか、見解をお聞かせください。
◎佐々木
建築調整課長 委員お話しのように、アンケートの結果では補強工事に踏み切れない理由として、工事費の問題のほか、業者を知らない、建築の知識がないなど、耐震化に対する情報不足があると認識しております。そのため、先ほど申し上げましたとおり、PRを強化するとともに、二十四年度から簡易改修にも上限八十万円を助成するほか、助成金の委任払い制度の導入や、耐震シェルター等設置助成を始めるなど、申請者の費用負担の軽減を図っております。また、都の防災都市づくり推進計画の整備地域において、今年度からは不燃化建てかえや不燃化耐震補強工事の助成も開始し、木造住宅の耐震化に向けて区民の方々からさまざまなメニューを選ぶことができるよう、支援制度を拡充しました。
こうした支援制度の拡充により、実績等も着実にふえておりますので、その状況を見ながら、委員お話しの非課税世帯などにつきましては、今後の課題として検討していきたいと考えます。
◆平塚敬二 委員 これまでも、さまざまなメニューで助成制度の拡充をしていただいていることも私は確認しておりますが、まだ厳しい方がいらっしゃるので、ぜひこの非課税世帯などの改修助成の加算を、区民の命を守るという観点での取り組みとして検討していくことを強く要望して、次に移りたいと思います。
次に、道路のストックの総点検についてお伺いします。
第二回定例会での我が党の代表質問でも申し上げましたが、マイクロ波の活用による道路の路面下の空洞調査についてですが、優先順位をつけて緊急輸送道路やバス路線を先行して点検すべきとの問いに対して、答弁では、来年度早期に道路ストック総点検の一環として実施すること、またその際には、バス通りや緊急輸送道路など区道百五十キロを考えているとの答弁でした。
そこで確認ですが、区が管理する道路約千九十キロメートルのうち、緊急輸送道路やバス路線、また、交通量が多い路線など、百五十キロを対象としているとのことですが、それは二車線道路の場合はその両側を測定するものなのか、緊急輸送道路のうち、どの程度が対象なのか、現実問題として、大震災が発生したときには物資や被害者の搬送は確保されるものなのか、まずは区の計画をお聞かせください。
◎関根 土木計画課長 世田谷区では、道路の舗装や橋梁、また、街路灯などの道路施設を対象に、今年度から来年度までの二カ年をかけ、国の補助金を活用し、道路ストック総点検として、道路施設の調査、点検と危険箇所の補修を実施する所存でございます。委員お話しの路面下の空洞調査につきましては、路面陥没危険箇所調査として、緊急輸送道路やバス路線、また、交通量の多い路線道約百五十キロメートルを対象に、来年度に調査を予定しております。
緊急輸送道路につきましては、都道である環七通りなどの幹線道路のほか、区道では駒沢公園通りや茶沢通りなどの路線に指定されておりますが、今回の路面陥没危険調査では、区道で緊急輸送道路に指定されている延長約六十キロメートルの全てを調査対象路線としております。また、調査対象のほとんどが二車線道路で、調査は車線ごとに必要なことから、調査の延べ延長は約百二十キロメートルになるものと見込んでおります。
区といたしましては、路面陥没危険調査箇所で補修が必要と判断した箇所は、速やかに補修することにより、道路陥没が原因となり救援活動や物資輸送に支障が出ることがないよう努めてまいります。
◆平塚敬二 委員 緊急輸送道路の六十キロ全て往復でやるというのを確認させていただきました。また、必要とあらばすぐに補修をしていただけるということですので、本当に絶対にやっていただきたいと思います。
また、この緊急輸送道路に指定されている区道は約六十キロメートルと聞いておるんですけれども、その中に橋があると思うんです。橋梁が問題だと思うんです。都道府県や政令市が管理している国道などの橋について、耐震補強が不十分な橋梁は全国で約千三百橋あるようです。道路ストック総点検は老朽化などに伴う事故の発生防止であり、大震災が発生したときには特に緊急輸送道路にかかる橋というのは、耐震化をしていなければすごい大事故につながるおそれがありますので、しっかりやっていただきたいと思います。
そこでお聞きしますが、区の管理する道路のうち緊急輸送道路に橋梁が何橋あるのか、このうち耐震補強が済んでいるのは何橋あるのか、お答えください。
◎関根 土木計画課長 区が管理する道路のうち緊急輸送道路にかかる橋梁は十四橋ございまして、このうち十三橋につきましては、平成十年度に橋長十メートル以上の橋梁を対象に策定した橋梁耐震対策年度計画により、既に落橋防止装置を設置してございます。残る一橋につきましては旧野川にかかる旧天神森橋でございまして、橋長が十メートル未満であり、橋梁耐震対策年度計画の対象にならなかったことから、落橋防止対策は実施していない状況でございます。旧天神森橋につきましては、区といたしましては大震災発生時における緊急輸送道路の重要性を踏まえ、また、下水道の雨水管整備による旧野川の埋め戻しの計画などを考慮の上、適切に対応してまいります。
◆平塚敬二 委員 一橋だけ旧野川にかかる旧天神森橋が残っているということなので、まずはしっかり、早く検討していただいて、対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わって、高久委員にかわります。
◆高久則男 委員 私からも、最初に耐震化について質問します。耐震化といっても、マンションの耐震化と建てかえ推進についてお聞きしたいと思います。
首都直下型地震や、南海トラフ地震が予想される中、倒壊する危険性の高い老朽化マンションの耐震化及び建てかえは急務であると思います。平成二十三年八月現在の東京都都市整備局のマンション実態調査によりますと、都内でのマンションは十三万三千百八十八棟、そのうち、分譲マンションは五万三千二百十三棟、賃貸マンションが七万九千九百七十五棟となっております。世田谷区内でも分譲マンションが四千三百八十四棟あるということで、その四千三百八十四棟のうちで、旧耐震基準、いわゆる五十六年五月前のマンションは九百七十六棟あるということで、約二二%と出ておりました。
まず最初に聞きたいんですけれども、世田谷区でこの旧耐震基準、分譲マンションの耐震診断実施率はどのぐらいで、また、耐震診断実施後、改修した分譲マンション数はどのぐらいあるのか、お聞きいたします。
◎佐々木
建築調整課長 分譲マンションの耐震診断につきましては、ことし九月末現在における助成申請件数で申し上げますと、平成十七年度からの累計で百五十七件でございます。区内の旧耐震基準の分譲マンション九百七十六棟でございますので、耐震診断実施率は約一六%となります。一方、補強設計と改修工事の助成は平成二十年度に開始をしておりますが、申請件数の累計は、補強設計十四件、改修工事三件でございます。
◆高久則男 委員 今のお話ですと、百五十七棟、その後、改修までに三棟ということで、耐震診断実施率にすると一六・一%というようなことで出ておりました。
東京都においては、今、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断というのを二十六年末までにやるようにということで、それによって、今区内に百十棟ある旧耐震基準分譲マンションの耐震診断実施率も大きく進んでいるのではないかと思いますが、特定緊急輸送道路沿道建築物のうち、旧耐震基準の分譲マンションの耐震診断、耐震改修は現在どのぐらいできているか、あわせてお聞きいたします。
◎佐々木
建築調整課長 お話しのとおり、特定緊急輸送道路沿道建築物二百六十棟のうち、四割強の百十棟が旧耐震基準の分譲マンションで、区内の旧耐震基準の分譲マンションの一割強が特定緊急輸送道路に立地していることになります。特定緊急輸送道路沿道につきましては、さきの本会議で第二次補正予算を可決していただき、補強設計十五件、改修工事三件の増額をしたところでございます。
御質問の耐震化の状況でございますが、ことし九月末現在における助成申請件数の累計で、耐震診断九十四件、改修工事三件でございます。
◆高久則男 委員 先日、ちょっと知り合いの方から相談をいただいたんですが、自分の住んでいるマンションも耐震診断をしたいが、実際耐震診断した後、耐震改修が必要になった場合に、お金がなくて改修費用を捻出するのが難しい、そうすると、耐震診断すること自体もマンション管理組合で合意ができていない、どうしたらいいかという相談をいただきました。私がいただいたこういった相談は決して特別なことではなくて、旧耐震基準マンションで耐震診断未実施の理由について、さきに挙げました東京都の実態調査でも「改修工事をする費用がない」が最も多く出ておりましたし、「耐震診断費用がない」というのも二番目に出ていたということで、やはりお金の問題がかなり大きいというふうに出ておりました。逆に実態調査なんかではマンションの耐震化の成功例も出ておりまして、その成功例の一つに、マンションの専門家のアドバイザー制度を活用して、住民の合意を取りつけ、耐震診断、耐震改修工事に取りつけることができたという報告も出ておりました。
世田谷区内でも耐震改修のアドバイザーを派遣して、二十二年度以前は一件ということだったのですが、診断前派遣制度を開始するというようなことで制度充実を図ったところ、二十三、二十四年度は二十件以上と、大幅に件数が増加しているということも聞いております。
私は今後、この耐震化を進めるに当たって、まずはこういった専門的な知識、ノウハウを持った耐震改修アドバイザーの派遣制度の回数をふやしたり、また、内容を充実させていくことが重要なことだと思いますが、区の見解を伺います。
◎佐々木
建築調整課長 分譲マンションには一棟に多くの人々が暮らしており、大震災被害の影響が大きく、再建には一般住宅と比べて多くの困難が伴うことから、平成十七年度より耐震化の検討が必要な管理組合等に対して、耐震診断後、改修に関してさまざまなアドバイスを行う、無料のアドバイザー派遣を開始しました。平成二十三年度には、耐震改修促進計画で分譲マンションを重要建築物と位置づけるとともに、初期段階の支援強化策として、その実効性を高めるため、耐震診断後の派遣に加えて、耐震診断前の派遣を開始するなど、制度の充実を図っております。
その結果、委員お話しのとおり、制度拡充後は派遣件数もふえ、耐震診断実施につながるなど、一定の成果は上がっているところでございます。委員御提案の点につきましては、もう少し派遣実績が積み上がった段階で制度の評価、検証を行い、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
◆高久則男 委員 こういったアドバイザー派遣制度の充実とともに、今は銀行から改修資金の融資を受けるという方法なんかも検討できると思いますので、その辺しっかり進めていただきたいと思います。
また、これは行政側のアプローチということですが、まずはマンション管理組合の役員であるとか、居住者、管理会社含めしっかりと協議し、老朽化したマンションの改修建てかえに向けたコンセンサスをとれるように、身内でするのが必要じゃないかと思います。
昨年三月になりますが、世田谷区ではマンション交流会が発足しました。私も最初の設立総会に参加させていただきました。この交流会が世田谷区のマンションの耐震改修とか、また、建てかえなどの起爆剤になってほしいと当初から思っていましたところでありますが、交流会の今の状況、そして、マンションの耐震化に向けた交流会での動きは今どの程度進んでいるか、お聞きいたします。
◎皆川 住宅課長 世田谷区マンション交流会は昨年三月に発足いたしまして、昨年度、全体会を四回、また、各地域ごとに一回ずつ開催をされました。その中で、第二回の交流会では耐震セミナーと題した交流会が開催されているんですけれども、区の耐震の取り組みの紹介ですとか、建築士による講演、それから、実際に耐震改修工事を行った管理組合の体験談などの披露がございまして、耐震の重要性を認識するいい学習の機会となりました。その結果、交流会の会員のマンションで、耐震診断ですとか改修工事に取り組み始めた事例も出てまいりました。
現在のマンション交流会の会員は百二十四件となっておりまして、今年度も九月に交流会が開催されたんですけれども、そこでは大規模修繕計画ですとか管理組合の運営問題など、四つの課題についてそれぞれ分科会を設けて、マンション管理会社などの事業者ですとか、それから、マンション管理士などの専門家も交えて意見交換が行われております。ここでは耐震化に関するテーブルも設けて、区の耐震担当者も加わって、それぞれのマンションの取り組み状況や課題、問題点を出し合いました。どうすれば合意形成ができるのかなど、マンション管理組合が耐震改修を進めるために乗り越える課題が数多くあるというようなことも確認したところでございます。
区といたしましては、こうした活動を通じてマンションの耐震改修が促進できるよう支援してまいります。
◆高久則男 委員 豊島区の話なんですけれども、豊島区ではことし七月一日にマンション管理推進条例というのを制定しました。これは、マンション管理組合に管理状況の届け出を義務づけし、届け出をしない、または条例に適合しないマンションについては、マンション名も公表するというものでございます。修繕費もかけない、計画修繕もしない、修繕積み立てもしない、こういったマンションがふえてくると、マンションはどんどん劣化し、建てかえもできなくなると思います。そういうことを未然に防ごうというのが豊島区で始まった条例であります。この条例化によって、マンションの適正管理、円滑な合意形成、長期修繕計画に基づく適切な修繕、安全安心、快適な住環境、生活環境の形成も図ることができると書いてありました。
実際に、マンションの実態調査なんかでも、マンションの管理組合のあるマンションでは耐震診断の実施率が今一八%、管理組合のないマンションでの耐震診断実施率は三%です。また、長期修繕計画を作成しているマンションでは耐震診断実施率が二〇%であるのに対し、長期修繕計画を作成していないマンションの耐震診断の実施率は七・五%にとどまっているという現状から見ても、こういった条例の必要性が考えられます。
世田谷区においても、今後、新築されるマンションには豊島区のように当初から管理を徹底して、将来、マンションの適正管理ができるような対策というのを考えるべきであるということを思うわけでありますが、区の見解を伺います。
◎皆川 住宅課長 先ほどお話ししました世田谷区マンション交流会でも、大規模修繕計画などの適正管理について議論がされております。マンションの問題は、大規模改修工事を迎える十年目以降に多く発生するんですね。そのため、快適で安全なマンション生活を送るためには、委員の御指摘のとおり、建築当初より適切なマンション管理が重要であると考えております。マンションの適正管理の対策につきましては、豊島区の条例の実施状況ですとか、他の自治体の事例を参考にし、また、マンション交流会とも意見交換しながら、世田谷にふさわしい方策を研究してまいります。
◆高久則男 委員 しっかり研究していただきたいと思います。
次に、小田急線の上部利用について、きょうも他会派から多くの課題について触れられておりますが、私からも、重複するところはありますが、触れさせていただきます。
先日の都市整備委員会で、小田急電鉄小田原線(代々木上原~梅ヶ丘駅間)上部利用計画(施設配置)(区案)が提出されました。その中で、公租公課相当分約千九百平米を通路部分、三つの駅の駅前広場については補助金や交付金を活用して用地を取得する方法、その他の通路、緑地、小広場を賃貸借の方向で小田急側と協議すると報告をいただきました。駅前広場については、補助金や交付金を活用すれば区の負担が大幅に軽減されることから、用地取得の方向性は理解できますが、その他の公租公課相当分以外の通路、緑地、小広場を賃貸借するとなると、区が小田急側に賃借料を払い続けるということになって、かなり区の財政負担が強いられると思いますが、そのあたりの検討はしっかりされていらっしゃるのかどうか、お聞きいたします。
◎大橋 拠点整備第一課長 今回の上部利用で、当時の建運協定に基づきまして、区が公租公課相当額で利用できる面積は約千九百平米であると、東京都より聞いてございます。このたび、区案としてお示ししました鉄道上部で利用する区の面積は約一万百平米としており、公租公課相当分を大きく上回っております。建運協定では、利用面積が公租公課相当分を超過した場合、鉄道事業者の貸付規則により使用料を算定するというルールになっており、これが原則となるものでございます。
とはいえ、区といたしましては、できる限り区の財政負担を軽減できるよう努力してまいります。一例といたしまして、駅前広場部分では用地取得をする方向で小田急電鉄と協議を続けており、その際、国の補助金を活用することを想定しております。また、賃借する場合であっても、できる限り低廉な使用料となるよう、引き続き小田急電鉄と協議を進めてまいります。
なお、事業費につきましては、今後の協議や各施設の予備設計を進めていく過程の中で、適宜議会にお示ししてまいりたいと考えてございます。
◆高久則男 委員 先ほども、いわゆる金額のことについては明確には出ておりませんでしたけれども、小田急との賃借料ですか、しっかりコストが削減できるように、強い交渉というのをしていただきたいということを要望いたします。
それから、駐輪場についてちょっと質問したいんですけれども、下北沢西口に駐輪場の計画案が出されました。自転車駐輪場が約九百五十平米、約七百台整備されるということで報告をいただきました。平成二十三年に出された世田谷区での自転車整備目標としている下北沢駅周辺の予定の千四百台の半分にしかなっておりません。当然、井の頭の盛り土での駐輪場の整備とか、小田急が整備する店舗等に付随して、駐輪場の整備というのもこれから小田急や京王線に強く働きかけていくと思うわけでありますが、それだけでは多分不足するのではないかと思います。例えば、地元の商店街さんなんかでは、地下駐輪場なんかの整備も検討に入れてほしいということもおっしゃっておりますが、下北沢駅周辺の駐輪場計画について、区の見解をお聞きいたします。
◎岩渕
交通安全自転車課長 小田急線上部利用計画の策定時におけます下北沢駅周辺の駐輪場整備台数は、平成九年策定の世田谷区自転車等の駐車対策に関する総合計画により二千六百台でございましたが、委員御指摘のように、二十三年七月に策定した世田谷区自転車等の利用に関する総合計画で千四百台となってございます。こういう数値はございますが、しかしながら、新たな総合計画策定後に起こった東日本大震災、あるいは下北沢駅の地下化によりまして町自体が大きく変わることから、自転車需要についても変動することが考えられますので、駅周辺の整備台数につきましては、今後、精査、再検証してまいりたいと考えてございます。
区といたしましては、検証したデータ等に基づき、整備手法なども含めまして検討を進めるとともに、お話にもございましたように、現在工事が行われております井の頭線高架下の敷地利用の中での駐輪機能の確保も含めまして、引き続き協議、調整し、関係機関とともに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆高久則男 委員 こういった駐輪場の問題というのは下北沢でも長年の課題となっておりまして、本当にしっかりとした駐輪場ができることを住民の方は望んでおりますので、しっかり取り組んでいただきたいことをお願いしたいと思います。
それからあと、交番の件なんですけれども、下北沢にある交番、現在タウンホールの近くの一番街入り口にありますが、地元では駅構内で発生した場合の事件の処理や、来街者の道案内等々の利便性と治安の向上を図る上では、現在の交番を新しくできる駅舎近くに移設してほしいという希望が多く寄せられております。交番については東京都の所管であると思いますが、東京都と協議して駅近辺への移設を検討ということも考えられないかと思いますが、その辺の検討についてお聞きいたします。
◎小柴 北沢総合支所
街づくり課長 今御指摘があったタウンホール並びの交番ですが、地元下北沢街づくり懇談会などの団体から、駅が整備された折に駅前の近くに移設してほしいという要望が出されております。区ではこれまでも、北沢警察署に対して地域の要望を伝えております。その結果、この七月に北沢警察署、警視庁、世田谷区により打ち合わせを行っておりまして、今後引き続き、下北沢駅近くへの移設に向けた打ち合わせをすることを確認しています。移設先の選定などにつきましては、警察の要望等もございますので、情報交換をする中で検討してまいります。
◆高久則男 委員 もう一つ質問しようと思ったんですが、ちょっと時間がないんですが、上部での防災倉庫であるとか水源、水利の確保、これも本当に下北沢は一日十……。
○石川征男 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク・社会民主党、どうぞ。
◆てるや里美 委員 生活者ネットワーク・社会民主党世田谷区議団の都市整備所管の質問を始めます。
まず初めに、魅力あるまちづくりについて伺います。
豊かで魅力ある人に優しい町をつくっていくために、ことし四月より、これまでの区民参加による風景づくりやユニバーサルデザインを推進する都市デザイン課が設置されました。都市デザイン課には、まちづくりにおいて、環境、防災、福祉、産業、教育などさまざまな所管を横につなぎ、区民や区内事業者との協働を進める総合調整機能が求められます。
都市整備方針の都市整備の基本方針骨子に、将来都市像として、安全で快適な暮らしをともにつくる都市世田谷が示されました。この「ともにつくる」に都市デザイン課がどのようにかかわっていくのか、伺います。
◎髙木
都市デザイン課長 区では、これまでユニバーサルデザインや風景づくりなどを通しまして、優しいまちづくり、誰にでも利用しやすい生活環境の整備、世田谷らしい風景づくりに、区民とともに取り組んでまいりました。
都市整備方針に示しております将来像、安全で快適な暮らしをともにつくる都市世田谷を実現するには、多様な区民の参加により進めていくことはもちろんですが、さまざまな関係所管との連携など、区民、事業者、区がともにつくることが欠かせません。
また、都市デザイン課といたしまして、ユニバーサルデザインや地域の風景づくりなどを通しまして、暮らしや生活環境の質の向上のために区民参加や関係所管の調整を進めまして、ともに魅力あるまちづくりを進めてまいります。
◆てるや里美 委員 以前あった都市デザイン室では、先ほど他の委員からも指摘がありましたけれども、用賀プロムナードや世田谷清掃工場の煙突の絵など、区民と区の協働により独創的な取り組みが行われました。今回新しく設置された都市デザイン課にも、市民との協働により、世田谷の魅力アップのために、例えば小田急線上部利用などで新しい取り組みを期待しています。
現在、世田谷区では農地や大学跡地などが宅地化され、大規模マンションなど集合住宅の建設が進んでいます。また、土地の細分化が進み、宅地が小規模化し、屋敷林や大規模な敷地がなくなることにより、緑が減少し、住環境の悪化や世田谷らしさの喪失が危惧されています。九月に策定された基本構想の中で「歴史ある世田谷の風景、街並みは守りつつ、秩序ある開発を誘導し、新しい魅力も感じられるよう都市をデザインします」と示されています。新しい建物を建築する際には、その地域の町並みにあった形態や色彩、緑の配置など、地域と調和した景観を誘導することが大切です。都市デザイン課として、世田谷らしい秩序ある景観のそろった町並みをつくっていくために、どのように取り組んでいくのか、伺います。
◎髙木
都市デザイン課長 区では平成二十年から、世田谷区風景づくり条例及び風景づくり計画によりまして「地域の個性あふれる世田谷らしい風景を守り、育て、そしてつくる」風景づくりを推進しております。一定規模の建築行為などをする場合には、この風景づくり計画の基準に沿った計画となるよう届け出を義務づけまして、地域住民に対しても風景づくりに関する情報提供をお願いしております。
また、その手続に際しましては、事業者と計画内容の調整を図るために事前調整会議を開催しております。この会議では、技術的助言、指導に関する業務を行います都市計画やランドスケープ、色彩の専門家でありますせたがや風景デザイナー三名によりまして、その建築行為などが風景づくり計画の基準に沿うものなのか、地域の風景と調和した計画になっているかなどについて、事業者と調整を図りまして、よりよい風景づくりの推進に努めてございます。
今後の取り組みについてという点でございますけれども、現在改定中の都市整備方針におきまして、テーマ別方針の一つとして地域資源の魅力を高めるまちをつくるを掲げまして、その中で、世田谷区が誇る自然資源の魅力を高める、風景の魅力を高めることをお示ししております。今後も、世田谷らしい風景や魅力あるまちづくりのために、区民、事業者との協働により取り組んでまいります。
◆てるや里美 委員 現在、風景づくり計画の見直しが進められています。本計画は、区、区民、事業者が協働して個性あふれる世田谷らしい風景を守り、育て、つくっていくために、区民の風景づくりの活動を促し、町の魅力を高める建設行為の基準などが定められました。世田谷区は各地域それぞれに特性があり、地域らしさを踏まえた建設行為の誘導を進めていくことが必要です。また、計画づくりの段階で風景づくりには欠かせない区民の参加が大切です。
現在の風景づくり計画の課題と、計画づくりにおける区民参加など、今後どのように見直しを進めていくのか、伺います。
◎髙木
都市デザイン課長 まずは、風景づくり計画の課題についてお話し申し上げます。
現行の計画では、世田谷区全域を景観計画区域と定めまして、その中を一般地域と国分寺崖線を中心とする水と緑の風景軸の二種類に大きく分類してございます。その中で、建築行為などにつきまして風景づくり計画の基準に沿った計画となるよう指導、誘導を行っておりますけれども、この広い世田谷区のほとんどが一般地域というふうになってございまして、よりきめ細やかな地域特性による区域区分、また、基準が必要と考えてございます。
委員の御指摘にございますように、世田谷らしさを踏まえた建築行為の誘導は、個性ある地域の魅力を継承し、調和のとれた風景づくりを推進していく上で重要なことと認識してございます。今年度から行います風景づくり計画の見直しにおきましては、これまで取り組んでまいりました風景づくりの点検評価、地域の景観特性や課題の分析を行いまして、また、新たな上位計画の内容を踏まえた上できめ細かな景観誘導を進めるよう、風景づくりの計画の見直し作業を行ってまいります。
また、区民参加の点でございますけれども、区政モニター調査やパブリックコメント、風景づくりフォーラム、意見交換会などを実施いたしまして、区民の方々の御意見もいただきながら、計画をまとめてまいります。
◆てるや里美 委員 世田谷の良好な住環境を維持していくためには、さらに都市計画などで宅地の細分化や高層住宅の建設を防ぐ新たな規制の導入が必要です。見解を伺います。
◎松村 都市計画課長 まず、土地の細分化に対する対策としましては、区では、平成十六年度に低層住居専用地域に敷地面積の最低限度を定めております。また、そのほか開発許可の基準に関する条例、また、地区計画などで敷地面積の最低限度を定め、良好な住環境の維持に努めてまいりました。
平成二十三年度の土地利用現況調査の結果からは、低層住居専用地域における土地の狭小化に一定の歯どめはかかりましたが、その他の地域では土地の狭小化が進行している状況がございます。また、建物の高層化に対する対応につきましても、平成十六年度に一部の住居系の用途地域並びに準工業地域に三十メートルまたは四十五メートルの高さ制限を指定いたしました。
さらに、この区内一律の制限に加えまして、区では地区計画などを活用して、地域の特性に応じた高さ制限を指定していくことを基本的な考え方としまして取り組んできております。この高さ制限の指定につきましても一定の成果を上げてきていると考えておりますけれども、住環境の悪化を防止し、魅力ある町並みを形成するという点で、まだ課題も残っていると考えてございます。このような背景から、高さや敷地面積などの新たな規制を導入していくという考え方を、今般九月に公表いたしました都市整備の基本方針骨子の中でお示しをしたところでございます。
今後、策定します都市整備方針を踏まえまして、さまざまな課題も視野に入れつつ、規制のあり方につきましてさらに検証し、都市計画の手続へ向けた検討をしてまいります。
◆てるや里美 委員 次に、緑の保全、創出について伺います。
昨年の区制八十周年の記念行事で寄せられた子どもたちの絵や作文には、緑豊かな世田谷の姿が描かれていました。東京二十三区の中でも世田谷区は、公園や緑地、寺や神社、農地、国分寺崖線など、多様で豊かな緑や水が存在し、それが世田谷の魅力となっています。
しかし、平成二十三年度の緑被率は二二・八九%で、五年間で一・一二%減少し、特に農地面積の減少は著しく、この二十年間で二百五十二ヘクタールあった農地が百十三ヘクタールと五〇%以上減り、農家戸数も半減しています。都市農地は新鮮で安心な野菜の供給だけでなく、貴重な緑として、潤いのある景観、子どもの自然体験や食育の場、災害時の防災拠点など、多面的な役割があります。農地を守っていくためには、農家だけに責任を負わせるのでなく、区民と連携し、区民参加で取り組んでいくことが必要です。世田谷の魅力である都市農地を保全するために、どのように取り組んでいくのか、伺います。
◎直井
みどり政策課長 農地は産業という面だけでなく、災害時のオープンスペース、身近な食料供給の場、さらに、緑のある質の高い環境を保持するなどの、委員にも御指摘いただきましたけれども、多面的な機能を有しております。農地の価値を見直し、都市の中で農地を必要な空間と位置づけ、区民と連携して農地を守っていく必要があると考えております。
都市農地の保全策につきましては、平成二十一年十月に世田谷区農地保全方針を策定し、これまで四地区の農業公園を都市計画決定してまいりました。引き続き、残された四地区の農業公園の都市計画決定を進めてまいります。平成二十五年五月には、東京都で第一号となる農の風景育成地区に喜多見四・五丁目を指定しました。農の風景育成地区におきましては、今後、農業公園の整備、農地の歴史的な資産を回遊して楽しく学べるフィールドミュージアムの整備、これらのことに取り組んでまいります。
また、農地保全のためには農業振興施策の展開が必要でございまして、都市農業課におきまして、農家への営農支援、区民が農業農地保全に関心を持ち、理解を深めることを目的としたイベントやシンポジウムの開催、区民農園や体験農園の開設、さらには、農地のある都内自治体とも連携し、国や都へ都市農地保全のための制度改善の要請等を実施しているところでございます。今後も、区民、農家、区関係所管と連携、協力して、都市農地の保全に取り組んでまいります。
◆てるや里美 委員 世田谷みどり33の実現を踏まえ、平成二十年に世田谷区みどりとみずの基本計画を策定し、平成二十九年までにみどり率を二七・五%引き上げるとしています。そのためには、百十二ヘクタールの緑をふやす必要があるとしていますが、この五年間で緑被面積は六十五ヘクタール減少し、特に民有地の緑は七十九ヘクタールも減少しています。そのために、今後四年間で百七十七ヘクタールの緑をふやさなければなりません。そのためには、緑の創出に向けてより積極的な新たな取り組みが必要です。
昨年の予算特別委員会では、豊島区での公共施設における植樹活動について質問いたしました。豊島区では、二〇〇八年に人口密度日本一の都市となり、世界的な植樹活動で知られる横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生の指導のもと、公園や小中学校、図書館など、公共施設に区民参加で植樹をし、この三年間で百施設に約三万一千五百本の木を植えています。宮脇式の植樹は、ドングリなどの種を拾って苗を育て、混植、密植することにより、競争効果で成長が早く短期間で森をつくることができます。世田谷区でも、昨年の九月に二子玉川公園で、宮脇先生の指導により、区制八十周年記念の世田谷いのちの森づくり植樹祭を行い、当日は小さな子どもを含め七百五十人の方が集まり、千四百本の苗木を植えました。
こうした区民参加の植樹は、緑への関心を高め、地域のコミュニティーづくりにも有効です。また、こうした森は、災害時には命を守る森となります。今後も、公園や小中学校などの公共施設、また、これからできる上用賀四丁目の公園や小田急線上部などでこうした植樹を継続していくべきです。見解を伺います。
◎直井
みどり政策課長 委員お話しのとおり、昨年九月に二子玉川公園で多くの区民の参加を得て実施した植樹祭を通じまして、区民参加の植樹ということで、命の大切さを学び、みずから緑を守り育てる意識を向上する効果が期待でき、世田谷みどり33を後押しする事業となるものと考えております。その一方で、新たに植栽する場所が少ないことや、見通しの確保など住宅地としての防犯上や安全の配慮が必要な場所が多いいことから、周辺を含めた十分な敷地の確保、樹種や植えつけ間隔の調整などを考慮した植樹の取り組みが必要だと考えております。
今後は、新たな公園や学校などの公共用地における植栽場所の確保や方法等の課題を解決しながら、区民参加による新たな植樹に向けた取り組みの検討を進めてまいります。
◆てるや里美 委員 ぜひ実現に向けて検討をお願いいたします。今年度実施された世田谷区民意識調査では、世田谷みどり33に向けた取り組みについて、まだ六六・八%の方が知らないと答えています。緑を保全、創出していくためには区民の理解が必要で、さらなる啓発を進めていくとともに、豊島区のように区としての積極的な取り組みが必要です。
現在、平成二十六年度に向け、新たに第三期みどりとみずの行動計画を策定中です。これまでの取り組みをどのように評価し、緑をふやすために新たにどのような取り組みを進めていくのか、伺います。
◎直井
みどり政策課長 世田谷区みどりとみずの行動計画は、みどりとみずの基本計画を推進するために策定し、平成二十四年度から二カ年を第二期として現在各種事業を進めております。現時点での第二期行動計画の評価としましては、公園整備や学校校庭の芝生化等、公共用地の緑被面積はおおむね計画どおり増加しているということでございます。また、世田谷の緑の三分の二を占めます民有地の緑被につきましては、緑化地域制度の運用による建築時の緑化面積の確保などとともに、ガーデニングフェアの開催や緑化講習会の開催など、緑化の啓発などを計画的に進めているというところでございます。
しかしながら、平成二十三年度の資源調査を見ますと、五年前に比べまして公共の緑被は増加したものの、農地など民有地の緑被の減少が大きく、全体では七十九ヘクタールの減少ということになっております。
このことを踏まえまして、平成二十六年度からの四カ年、第三期行動計画では、これまで進めております公園用地の取得整備などの公共の緑地を着実にふやすとともに、民有地の緑化を進めるため、みどりの計画書の届け出対象の拡大や、規定以上の緑化を進めるための生け垣やシンボルツリーなどの緑化助成の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
また、イベントの開催や落ち葉掃きボランティア活動の推進などを通じ、区民の緑に親しみ、緑を育てる気持ちを醸成させ、世田谷の緑が大きく育っていくよう、世田谷
トラストまちづくりとも連携して、新たな区民啓発事業を進めてまいりたいと考えております。
◆てるや里美 委員 区民への啓発については、区民参加の植樹は大変有効と考えます。ぜひ宮脇式の植樹を区内で進めていくとともに、フィールドミュージアムについては成城に続いて喜多見も決まったと聞いていますが、さらに二子玉川につなげ、国分寺崖線全体がフィールドミュージアムとして守られるよう要望します。
次に、地域風景資産について伺います。
私たちの生活の中には、緑や川、歴史的建造物、町並み、見晴らしなど誇りと愛着を持つ大切にしたい風景があります。世田谷区では多くの区民が大切だと共感できる身近な風景、区民の活動により、守り、育てていく地域の風景を地域風景資産として選定しています。今年度は第三回の選定が行われます。これまで六十六件の地域風景資産が選定されました。地域風景資産は、せたがや百景などとは異なり、世田谷らしい風景づくりを区民の自主的な活動で進めていくもので、地域コミュニティーをつくるきっかけにもなります。しかし中には、担い手の高齢化や不足などの理由で、活動が滞ってしまっているところもあると聞いております。活動を活性化し、継続していくために、区としてどのような支援をしているのか、伺います。
◎髙木
都市デザイン課長 委員の御指摘にございましたとおり、風景づくり活動では担い手の高齢化や不足による活動の停滞が課題となってございます。そうした課題解決のために、平成二十四年度から、風景づくり活動をされている団体、区民そして区が一堂に会しまして風景づくり検討会を開催いたしまして、地域風景資産に関する風景づくり活動の支援、フォローアップについて検討してございます。
区ではこれまで、活動団体や風景づくりに関心のある区民を対象にいたしました風景づくりに関する講座やイベントを開催してきてございますが、今後は、より広く区民に風景づくりについて知り、関心を持っていただくことや、活動団体同士の結びつきを深めることなど、継続的な活動が可能となるような支援のあり方や、新たな風景づくり活動の担い手を育成していく工夫につきまして、この検討会を通じて区民とともに考えてまいります。
また区では、風景づくりに関する自主的な活動を行う団体が風景づくり活動団体として登録した場合には、専門的な知識を有する風景づくりアドバイザーを派遣しております。この制度につきましても、各団体に登録していただき、積極的に活用していただけるよう周知を積極的にしてまいります。
◆てるや里美 委員 現在、こうして選定された地域風景資産は区内観光にも生かしていくべきです。現在、現地での標示がされていません。地域風景資産がそこにあることを知らせることは、何げなく通り過ぎてしまいそうな風景や地域に新たな魅力を発見し、愛着を生じさせます。また、活動を広げ、活動を継続するために新たな担い手をふやしていくためにも有効です。せっかく選定した地域風景資産が大切なものとして多くの人に共有され、保全するために、わかりやすい標示やマップ制作などのPRを進めることが必要です。見解を伺います。
◎髙木
都市デザイン課長 地域風景資産のPRにつきましては、マップの製作やパンフレットをホームページの掲載などで広く区民に情報提供してまいります。
一方で、委員に御指摘いただきましたとおり、現在地域風景資産では現地での標示がございませんで、誰もがそこの場で容易に資産を確認できるという環境になってございません。多くの区民が地域風景資産を訪れ、地域の魅力的な風景を共有できるようにするためにも、現地での標示も含めましたPRの工夫に取り組んでまいります。
◆てるや里美 委員 区民との協働により、緑が多く世田谷らしい魅力ある町をつくっていくために、区の取り組みを要望して、高岡委員に交代いたします。
◆高岡じゅん子 委員 私からは初めに、防災街づくりの推進について質問いたします。
昨年改定された世田谷区地区防災計画において、首都直下型地震発生時の減災目標は、冬の夕方の被害想定で家屋倒壊と火災による避難者二十五万人を四割減などとしています。そのためにも、木造住宅が密集している地区の不燃化率を高めるための防災街づくりが重要です。区では、都の不燃化十年プロジェクトの不燃化特区制度の活用を申請し、さらなる防災街づくりの推進を図ると聞いています。不燃化特区制度の今までの木造密集対策事業との違いはどのようなものであるか、質問いたします。
◎伊東 地域整備課長 区では、首都直下型地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、区民の命と地域を守るため、木造住宅密集地域の解消へ向けた取り組みを加速することが重要と認識しております。都の不燃化十年プロジェクトにおける不燃化特区制度が区民の行う不燃化建てかえの負担軽減など、従来の密集事業による支援をさらに充実させ、不燃化建てかえを促進することから、九月末に東京都に対して、太子堂・三宿地区、区役所周辺地区、北沢三・四丁目地区の三地区の不燃化特区制度の申請をいたしました。来年平成二十六年三月ごろに東京都の認定が予定されております。
不燃化特区制度では、平成三十二年度までの期間を定め、改善を必要とする地区について従来よりも踏み込んだ特別の支援を行うことが特徴となっております。具体的には、従来の密集事業では戸建てから共同化された住宅への建てかえが助成対象だったものが、不燃化特区制度では、戸建てから戸建てへの不燃化建てかえも助成対象となり、老朽建築物の除却支援や建てかえ建物の設計費助成が受けられます。また、都市計画税及び固定資産税の五年間の減免が受けられるようになるなど、不燃化建てかえを積極的に促進する内容になっております。
◆高岡じゅん子 委員 今回の特区事業の中に、区役所周辺地区における延焼遮断帯の形成があると聞いています。区の事業としては、どのように進めていくのでしょうか。
◎伊東 地域整備課長 延焼遮断帯とは、道路、河川などの都市施設を骨格として活用し、必要によっては沿線建築物の不燃化を行うことにより、火災の延焼を防止するものでございます。
区役所周辺地区では、東京都が地区内で都市計画決定されている補助五二号線を木密地域不燃化十年プロジェクトの一環として特定整備路線に定め、道路事業を計画しております。区では、不燃化特区制度で、この路線の両側の沿道、おおむね三十メートルの範囲を不燃化による延焼遮断帯の形成というコア事業に位置づけし、不燃化建てかえを促進してまいります。不燃化建てかえに関連する助成や税の減免のほか、建てかえに対する意識啓発として全戸訪問型の派遣支援を実施し、専門家の関与により、住民の建てかえに対する不安を解消する取り組みなどを考えております。
◆高岡じゅん子 委員 延焼遮断帯を形成しようとするコア事業では、全戸訪問をして建てかえに対する意識啓発を進めるということですが、この不燃化特区の中では、木造住宅は全て建てかえなければならないのではないか、愛着のある建物や世田谷らしい町並みが建てかえによって失われてしまうのではないかという不安を感じる方もあると考えます。区ではどのようにお考えでしょうか。
◎伊東 地域整備課長 不燃化特区制度では、不燃領域率七〇%を要件としています。不燃化特区制度に基づく不燃化建てかえの助成は、建てかえを行う方からの申請に基づくものになると考えております。全ての建物の不燃化建てかえを強制するような制度にはなっておりません。また、建てかえ促進は地区のまちづくりや風景づくりの計画と整合した町並みへの修景や、新たな魅力ある風景の創出につなげていくことにも期待できるのではないかと考えております。
◆高岡じゅん子 委員 現在、不燃化特区の取り組み予定地域での建物の不燃化率は大体六〇%を少し超える程度だと聞いています。ただいまお聞きしました目標七〇%ということですので、計算上は十軒に一軒が建てかえを実施すれば、建てかえた家に住む方だけではなく、地域全体が格段に安全になるという計算になります。先ほどてるや委員の質問に対し、世田谷らしい町並みについて、都市デザインの考え方からも誘導していくというようなお答えがありました。木造密集地域の建てかえ促進に当たっても、こういった視点が生かされることが世田谷らしい防災街づくりになるのではと考えます。
また九月に、都から震災時の地域危険度測定調査結果という新たな危険度マップが発表されました。他会派からも指摘がありましたが、このような報道がたびたびあり、東日本大震災以来、地震対策の必要性はどの家庭でもより切実に感じられるものになっています。今回の特区制度も、建物のオーナー自身が災害時の危険を減らそうと意識し、建てかえに踏み切ることで助成が活用されます。例えば、この特区制度の先行実施をしている荒川区では、特区の近くに相談窓口をつくり、地域に近い場所での相談対応を始めています。さまざまな情報を生かし、区民に対し身近な場所で災害時の危険を減らす啓発活動を行っていくことが重要と考えます。防災街づくりの周知や、区民に対する啓発について見解を伺います。
◎伊東
地域整備課長 東日本大震災は、生活環境や都市づくりに影響を与え、区民の日ごろからの災害に対する意識を大きく変えたと認識しております。先日発表されました地域危険度調査など、防災に関する情報は地域に近いところで地域とともに事業に取り組んでいる総合支所街づくり課など、防災街づくりを推進する部署と情報共有し、区民への防災街づくりの啓発、周知等のさまざまな場面で生かしてまいりたいと思います。密集事業や不燃化特区制度などを活用し、木造住宅密集地域の解消へ向けて、周知、啓発に力を入れながら、今後も防災街づくりを推進してまいります。
◆高岡じゅん子 委員 今回、特区の申請がされた地区は長年防災街づくりを続けてきた地区です。今までの制度と新たな制度の違いをできるだけ早い時点で地域に周知し、新たに一戸建ての住宅も助成対象となることなどを知らせていくことが必要です。あと七年間という期間に定めのある都の特区制度が区民に有効に活用されるように、総合支所街づくり課と連携し、進めていってください。
次に、現在素案が示されている平成二十六年度から三十五年度を対象とするせたがや道づくりプランについて質問いたします。
今回の素案には、区民のアンケート結果などが生かされ、道路整備の目標、道づくりの方向性として、すべての人にやさしい道づくりが、防災・減災に寄与する道づくりと並んで掲げられています。すべての人にやさしい道づくりとは、まず歩行者優先、そして自転車、自動車などが共存し、安全に使える道を目指すということです。
そこで、今回の道づくりプランにおいては、歩行者、自転車、自動車の共存が特に困難な路線について整備の優先度を上げることが考えられます。具体的には、現行の平成二十一年度からの整備路線図において、検討を要する路線となっている幾つかの路線について新たな対応の方針が示されることを期待します。
今回は一例として、世田谷区と杉並区の区境の下本宿通りの現況を写真でお見せいたします。この道は二車線、そしてここにガードレールがありますが、一部にガードレールがある道です。そして、都立の久我山青光学園――盲学校ですが――の通学路にもなっており、この白いつえを使った生徒さんの通る通学路になっています。朝の通勤通学の時間帯には、ごらんいただけばわかるように、車がこういうふうに慢性的に渋滞しておりまして、そして、ここの自転車が通るガードレールと車の間には自転車が通る余地が全くないために、通学の自転車がたくさんこの細い車道を通り抜けているような状況になっています。これが現行の整備路線図において検討を要する路線となっている道の典型的な姿です。
このような状況を踏まえ、世田谷区の道づくりの優先度を示す道づくりプラン策定に当たって、これらの検討を要する路線についてどのように扱っていくのでしょうか、区の見解を伺います。
◎筒井 道路計画・外環調整課長 平成十六年に中間見直しを行いました道路整備方針におきまして検討を要する路線ということで、委員お話しの下本宿通りのほかに、砧地域の水道道路の計画がある主要生活道路三三五号線など約十一路線の道路が主要生活道路の位置づけ、あるいは道路線形などの検討を行う路線として指定されており、検討結果につきましては現在策定作業中の道づくりプランに反映する予定となっているところでございます。
一例としてお話にございました下本宿通りでございますが、区の北西で杉並区と三鷹市との境にある道路でございまして、主要生活道路の位置づけはされておりませんが、交通渋滞が激しく、歩行環境に問題があるなど改善が望まれている状況がございます。また、主要生活道路として位置づけ、整備していくかどうか検討することとされている路線でございます。現在、必要な検討を行っているところでございますが、付近では東京都の施行による下本宿通りに並行し、東八道路に接続する放射五号線の事業が進んできてございまして、この道路の開通によりまして、下本宿通りの交通環境の大幅な改善が期待されること、また、既に地先道路整備事業によりまして、土地の所有者から寄附をいただきました土地を歩道として整備している区間もございますので、これらの事業の進捗や事業効果を見きわめながら、今後、結論を出してまいりたいと考えているところでございます。
◆高岡じゅん子 委員 この道以外にも、検討対象となっている道が幾つかあります。今回のプランの中で安全を向上させるための方策が検討され、見直しが進むことを期待いたします。
せたがや道づくりプランでは、世田谷区の交通道路網の全体像を描き、都市計画決定された路線の中で優先路線の選定見直しを今後行っていくと聞いています。優先路線の選定に当たっては、道づくりプランの道づくり方針に示されたような何らかの必然性というのがあるはずです。今回のようなプランづくりの機会を捉え、それぞれの路線の優先整備の必要性について区民と意見交換をし、合意形成を図ることで、都市づくりビジョン案の将来像、安全で快適な暮らしをともにつくる都市世田谷に一歩近づくことになると考えます。せたがや道づくりプランを進めるに当たっては、例えば優先整備路線の見直しなど、道路網整備の重要な決定の時点で区民参加の機会を保障していくべきではないかと考えます。区の見解を伺います。
◎筒井 道路計画・外環調整課長 現在、道づくりプランにつきましては、道路整備の現状や課題等を整理した上で進むべき道路整備の方向性を示し、さらに、防災対策あるいは交通安全対策、高齢社会の対応など、課題解決のために特に重きを置いて取り組むべき事項を定め、これらの視点に基づき優先的に整備する路線の選定を進めているところでございます。この道路整備の方向性や重点化事項につきましては、区民アンケートの調査の結果を初めといたしまして、区民意識調査、区民モニターなどに寄せられました御意見などを踏まえまして検討してきたものでございまして、広く区民の皆様のお考えを反映して取りまとめてございます。今後は、優先路線の選定結果につきまして、素案といたしまして区民の皆様に公表し、意見を伺うことを予定してございます。
なお、今後実際の事業着手に向けました取り組みの中で、事業概要及び現況測量の説明会、用地測量の説明会など節目ごとに説明会を開催するほか、各地権者への個別説明など丁寧な説明によって、関係する区民の皆様へ事業の不安を払拭し、御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。
◆高岡じゅん子 委員 計画決定から事業化の間、場合によっては数十年かかります。政策決定のプロセスを含む情報公開により、住民との信頼関係を担当者がかわってもつなぎ続けられる何らかの仕組みが必要なのではないかと考えます。基本構想にある区民との信頼関係に基づく区政運営、そのための都市計画決定にかかわる情報提供のあり方に大きな課題があるということを指摘させていただき、次の質問に移ります。
最後に、歩行者にとってより安全な地域を目指すゾーン30の取り組みについて質問します。
この制度については昨年度の会派の代表質問でも一度取り上げさせていただきましたが、自動車の走行速度が時速三十キロ以下では歩行者との交通事故での死亡率が一%以下になるというデータから、地域の住民の合意に基づき、地域内の全ての生活道路の速度規制を一律三十キロメートルにすることによって、安全な地域づくりを目指す新しい交通安全の手法です。地域を一括的に指定することから、地域住民、道路管理者、警察の合意形成がこの制度の実施の鍵となります。現在、玉川三・四丁目において、この制度導入に向けて合意形成が進んでいると聞いています。経緯と現況について御説明ください。
◎並木 玉川総合支所
街づくり課長 委員御指摘のありました玉川三・四丁目は、地域の交通問題の解決に向けまして、平成二十三年度に地元町会が主体となりまして交通量調査が開始されまして、改善に向けての検討が始まっております。平成二十四年度には、町会から世田谷区や玉川警察など関係機関に対して安全対策の必要性についての働きかけがございました。また、地元住民に対しても、アンケートや啓発チラシを発行するなど、区民主体のさまざまな取り組みが進められてきているものでございます。
世田谷区では、こうした地元住民の動きに合わせまして、平成二十四年度に区域内道路の路面標示や交通標識など、状況の調査を行いました。本年度は、その調査結果を生かしながら、区が主体となりまして地元住民と行政等関係機関、また、大学生や大学の先生も参加したワークショップを三回実施するなど、地元の合意形成に努めてきたところでございます。
◆高岡じゅん子 委員 総合支所街づくり課と地域の区民の皆さんの協力により、世田谷区で初めてのゾーン30の指定も間近ではないのかと感じております。
それでは、ゾーン30の実施に向けて、区のこれからの取り組みについて伺います。
◎岩渕
交通安全自転車課長 お話にございましたゾーン30につきましては警視庁が実施しておりますものですが、交通安全に対する地域の皆様の熱意、それに地道な啓発活動の積み重ねによって、その取り組みが根づき、結実するものでございまして、そのような区民の主体的な取り組みへの支援は重要でございます。
したがいまして、区民への本制度の周知、現地でのわかりやすい標示等の施設整備などにつきましては、警察、区、道路管理者など、関係部署の横断的な取り組みによる連携が不可欠であると認識してございます。区といたしましては、交通安全の取り組み方策の一つとしてゾーン30も視野に入れながら、区民の皆様とともに地域のまちづくりを進め、各地域の特性も踏まえた総合的な交通安全対策を強化してまいります。
◆高岡じゅん子 委員 こうしたゾーン30の取り組みはもっと広く区内全域で行われるために、まず、この玉川三・四丁目での円滑な実施を期待いたします。
これで質問を終わります。
○石川征男 委員長 以上で生活者ネットワーク・社会民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時二十分休憩
──────────────────
午後四時三十五分開議
○石川征男 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日本共産党、どうぞ。
◆桜井稔 委員 私からは、まず、二子玉川東地区の風問題について質問いたします。
風調査検討プロジェクト専門家会議がことし一月に設置されて取り組みを開始。専門家会議の目的では、設置要綱で「二子玉川東地区のビル風の発生に関して、歩行者等の安全確保のために、より効果的・効率的に対策を実施することを目的とし」云々かんぬんということが書かれております。
専門家会議では六月に住民ヒアリングを行っておりまして、その中では風の被害の状況が生々しく出されておりまして、ビデオ上映もされております。私もこれを見ました。
住民からは「橋のほうを通れば風は少ないが、交通としては不便です。建物が出来たために、陸閘のところはものすごく風が強い。風のために出かけられないという人は百人中百人だと思う。お年寄りが風で倒れて救急車で運ばれたことがあった。年寄りは風が強い日には出かけないし、買い物には本当に不便をしている。本当に対策を取ってもらえば、玉川の発展のために建物が建っているのでやむを得ないと思っている。我々は地下道と言うが、地下道が無理なのであれば、何か対策を、木を植えるだけではだめだと思う」。
また、ほかの住民からは、この方は玉川に長く住んでいる方でありまして「多摩川の少し上流の川沿いのところで生まれ育ったので、風の強さというのは知って育った者です。多摩川からの風は常時受けていて、昔の建物は、風で飛ばされたこともあるという地域であることは間違いない。二子橋のエリアと東陸閘のところでは、自転車は、かなり危険。横風が当たったら自転車がひっくり返る。お年寄りだって、歩いていて心もとない人だったら倒れる。ずっと住んでいて風が強いのはわかっているが、特定のエリアだけが加速されている。今はアセスで風の予測ということはできると思うが、もう一度チェックしてもらわないと。新しいビルができるとまた風の向きなんかもかなり変化を受けると思う。風の向きによってどこか加速していると思う。その加速部分を緩和する措置をとらないと、住民の人たちが買い物をしたり、生活領域で動いたりすることがとても危険になる」ということであります。
ほかにもまだ、たくさんのそういう被害の状況がヒアリングで出されているんですが、この二子玉川再開発というのは莫大な税金を使ってまいりまして、それが今、住民が生活する上で大変危険なものになっていると。このような状況を区はどう認識しているのか、まず伺います。
◎佐藤 拠点整備第二課長 市街地再開発事業には、街区の不燃化などによる防災性の向上や、道路等の都市基盤の整備などさまざまな効果がありますが、一方で二子玉川では、風向きと風の強さによってはとても強いビル風が発生して、地域の困り事になっております。区といたしましては、風をなくすことは不可能だとしても、できる限り抑制するなど何らかの措置が必要な状況と考えており、既に事業者により暴風パネル等も設置されておる状況でございますが、現在、風の専門家のお力をかりまして、分析、検討を進めているところでございます。
◆桜井稔 委員 その専門家会議の委員からも、意見としては、基本的にああいう大きなものが建てば、必ずどこかで風は強くなる。これは避けられないので、どこまで低減でき、許容できるかということになる。生活上危険なところがあるのであれば、そういったことは絶対に避けなければならない。ビデオでも子どもを乗せた自転車が転倒しそうになっているところがあったが、大事故にもつながるので、何とか避ける方法を考えないといけない。細かい対策は多々あるが、一つ対策をとればそれで一挙に解決するものではない。積み上げていくのが現実的な方法だと思われると、これは専門家の意見です。
もう一つ専門家の意見で、こういうのもあります。私が思うに、アセスの評価基準というのは年平均的な状況を対象としている。弱いときがたくさんあれば薄まってしまう。こういう風が悪さをしている状況を評価するには、今のアセスは必ずしも適切でない。その情報だけに頼って物を解決できるとは思わない。だから、それなりに評価の方法を考えないといけない。法令を守れば、全て設計ができるという考えは適切ではない。特にこういう問題が発生しているわけですから、Ⅱ街区の計画のときは慎重に考えて、従来のアセスのやり方で全部が解決できるとするのは適切でないと思うというのがこの専門家会議に参加している人の意見であります。
この専門家会議では、一月から三月の取り組みとして平成二十四年度報告書というのが出されました。この報告書の中では、今の風の実施済み対策及び二期先行対策への見解ということで言われているんですが、今の実施済み対策については「総じて効果が認められるが、現地での設置に関する制約等により設置の困難な箇所もあり、必ずしも十分とは言えない状況にある」ということで、対策別の評価をそれぞれしております。
さらに私が注目したのは、その報告書の中で特に厳しい風環境ということで二カ所言っているんです。オフィス棟の南西側、多摩堤通りの側と、今度二期工事でできる高層棟のやっぱり多摩通りの側、ここが特に厳しい風環境だということを指摘しているんですね。一つだけ紹介しますと、このオフィス棟南西側の部分、これは「オフィス棟に吹き付けた風が風上側に大きな縦渦を形成し、土手の影響も加わって、前面道路の中央から対岸側で強い逆流となる。一方、オフィス棟西寄りの部分では壁面に沿った強い東寄りの風が生じていると想定される。よって、この付近の風は、玉川一丁目の西陸閘から歩行者にとっては、オフィス棟に向かい横断歩道付近に差し掛かると強い向かい風を受け、横断歩道を渡り切ろうとする付近から横風、そして駅に向かうと背からの風を受けることとなる。このように」「歩行者の移動とともに風向風速が変化するため、強風による単純な影響のみならず風向風速の変化により身体のバランスを壊しやすい等の影響を受けることとなる。横断歩道に樹木などの障害物を置くことはできず、歩行者動線を塞ぐこともできないので、この部分の風速を低下させることは難しいと考えられる。このような場合には、強風時にはその付近を避けることが出来るように、別ルートを確保する方法がある。迂回ルート、あるいは防風壁や屋根つきのデッキ等による方法が考えられる」ということまで示しております。ですから、この横断歩道を渡らないで、別ルートで動いてくださいよということを専門家の方は指摘しているわけです。もし通るなら、ここの部分は防風壁や屋根つきのデッキが必要だということまで、今の対策でも不十分で、こういうことが考えられるのではないかということを言っております。
問題は今後の二期の先行対策の問題で、専門家がいろいろ考えて、先ほど言ったように住民などのヒアリングを受けて意見を聞きながら、具体的にその箇所、箇所でどういう対策ができるかということで、これが実現できるかどうかがすごく大切なことでありまして、七月の専門家会議では専門家の方がこう言っているんです。六月の住民の意見を聞いて「実際何が起きているのか、住んでいる人の困り具合が分からなかったから、そういう状況が知りたかった。それは得られたと思う。一番大切なのは事業者がどう対応してくれるかということ。我々が工事と無関係にいろんなことが出来るというわけではない。事業者がどれだけ納得して対応してくれるのかは非常に重要。実現性のある提案とするため、事業者の意見聴収の場を再度、設けることも検討する必要がある」ということまで踏み込んでおります。ですから、ここでちょっと伺いたいんですけれども、そういう専門家会議にこれまで取り組んできました。さまざまな今の実施済み対策に対しても評価をしておりますし、さらに今後、幾つもの対策をとる必要があるということまで言っております。それを歩行者の安全のためにどう実現していくか、これがすごく大事だと思うんですが、その辺は区はどういう認識でしょうか、伺います。
◎佐藤 拠点整備第二課長 今年度専門家会議では、五月から現地の風を実際に観測しておりまして、それを反映しながらコンピューターシュミレーションを行っているところでございます。現在は二期工事が完成した状況の予測解析をすると同時に、専門家の考える対策提案の検討に進んでいく段階です。分析作業も膨大で時間がかかる面もあるんですが、年内から年明けを目途に、先生方には一定の結論をいただけるように進めていただいておるところでございます。
検討の結果、大から小までさまざまな御提案をいただく可能性もあるわけですが、区といたしましては、専門家の御意見を尊重いたしまして、科学的根拠を示しながら、その実現を事業者に要請していくという考えでございます。
◆桜井稔 委員 事業者に要請していくという姿勢なんですけれども、これは本当に実現しなくては――専門家自身も、事業者から再度意見聴収の場を設けることなどもやらなくちゃならないということも言っていたり、さらにほかのところでこういうことも言っているんです。このシュミレーションを進めて、対策案が出たところで住民の意見を聞く場が必要があるということや、最終案を取りまとめる前に住民の意見を聞く場を設けることが望ましいということまで専門家は言っております。やはり、住民がそういう実際に具体的に被害を受ける中で、これでいいのかどうかというのを専門家はすごく慎重にやっているんですよね、これ自身は。それを本当に実現するために、事業者に対してどう働きかけていくかということを専門家自身も考えているわけですよ。これが単なる要請で終わってしまうと、何のために専門家会議でやって、住民のヒアリングをしながら、実際その被害をどう食いとめるかとやってきたということなので、この辺は区の姿勢としても断固事業者にそういう提案についてちゃんと議論する、一緒に協議する場を設けたり、それを検討してもらうということを強くしてもらう必要があると思うんですが、その辺を再度伺いたいんですが、いかがでしょう。
◎佐藤 拠点整備第二課長 法令等の根拠に、例えば風対策をこうせよみたいなものがまだ決まっていない中で対策を要請していくという背景もございまして、その点で科学的根拠を持ちまして要請をしていくという取り組みになっているわけでございます。改めてお話しすることになるんですが、しっかりした根拠を持って事業者に要請していく。必要な話し合い等については、もちろんこれも要請していくということで取り組んでいきたいと考えてございます。
◆桜井稔 委員 ぜひしっかりとお願いします。
それで、この二期工事自身の建物がもう来年の春ぐらいにだんだん建ってきますから、建物を建てて実際に起こる風、新たな風が生ずると思います。引き続き、専門家会議の調査検討や、また、そのことでの住民の意見を聞くということは本当に求められると思いますが、この風対策のプロジェクト専門家会議はいつごろまで続けていくという計画ですか。その辺をお答えください。
◎佐藤 拠点整備第二課長 専門家の先生方には、風の計測が来年の五月ごろまで一年間行われますので、その風の観測結果を見てまとめてもらうという予定がまずございます。その後については現段階では未定ということなんですが、建築工事も進みますので、いわゆる予測ではなく現実、現実の風に対して区として御相談していくことも考えられますし、今後の取り組みで対策の追加がされた場合に、その評価ということもあるのかと考えております。その場合、検討の進め方、期間についてもまた、ちょっと私どもの単独の能力で判断するというよりか、専門家の御意見等を伺いながら考えてまいりたいと考えてございます。
◆桜井稔 委員 再開発によって風の被害が起こっているという中で、実際そういう居住者や周辺住民の生活の安全を確保するということで取り組んでいるわけですから、本当に確保されるまでやっぱりこれは続けるべきであります。
先ほど住民の意見でも言いましたけれども、「本当に対策を取ってもらえば、玉川の発展のために建物が建っているのでやむを得ないと思っている」という意見も一応出ているわけですよね。だから、やっぱり玉川の発展は必要だと。しかし、今のこの危険な状況は何とかしてくれなくちゃならないというのが率直な気持ちなわけですよ。
我が党は、二子玉川再開発が、さっき言ったように莫大な税金投入や環境破壊、さらに住民追い出しなどということで、再開発に反対してまいりました。しかし、今、一期、二期の計画が進んで、多くの居住や商業やオフィスなどが展開されている。そして、地域に大きな影響を与えております。この開発が、一方で住民の生活に大変危険なものになっているというこの解決そのものは、今の開発を進めてきたことに対する区政の大きな課題になっていると思うんです。だから、この安全対策が確保されるまで、結局開発をやったら危険な状況、ただそれだけ残ってしまうというのではなくて、本当に安全を確保するまで、この取り組みは進めていただきたいということを強く申し述べておきます。
次に話を進めます。次に、先ほどもありましたけれども、木密地域不燃化十年プロジェクトについて伺います。
この十年プロジェクトの中身は、ここに東京都の実施方針というのがあるんですが、そこでは、東京で大地震が発生した場合、木密地域において、建物の倒壊や同時多発的な火災で多くの都民の生命と安全が脅かされるばかりか、緊急活動や物流などに大きな支障を与えかねないと言っておりますし、特に東京の最大の弱点である木密地域の改善を一段と加速しなければならないと言われております。
このプロジェクトの目標として二つ言われておりまして、一つが、整備地域における不燃化領域率を二〇二〇年度までに七〇%に引き上げるということと、二つ目に、整備地域における主要な都市計画道路の整備を二〇二〇年度までに一〇〇%達成するとなっております。先ほど他会派からも、この整備地域における不燃化のための建てかえ助成というのが言われました。専門家派遣もそうですし、固定資産税の五年間減免もそうですし、老朽建物の除却費を助成するということや、建てかえの際の設計費を出すということで、個々の建物に対する支援をしているということで、これ自身は大変な支援であります。
聞きたいのは、今、区内で防災街づくりがたくさんやられております。太子堂二・三丁目も三宿一丁目も、また、上馬・野沢地区もそうです。こういうところの防災街づくりに対して、どのような支援策があるんでしょうか。
◎伊東 地域整備課長 不燃化促進に関する従来の防災街づくりの支援策といたしましては、国や都の補助事業を活用した密集事業、都市防災不燃化促進事業がございます。密集事業は、区内十二地区で事業を行っているところでございます。整備の内容は、それぞれの地区の状況に応じまして、道路や公園の整備など地区の防災性向上に資する計画を定めて推進しております。住民の方への直接の支援策といたしましては、共同化された住宅への建てかえ助成などがございます。また、国士舘大学一体広域避難場所外周百二十メートルの区域には、都市防災不燃化促進事業として不燃化建てかえを行う方に対する助成を行っております。
◆桜井稔 委員 今言われたように、住宅の共同化に対する補助とか、あともう一つは細街路、狭い道路の拡幅のための補助とか面的な問題が多くて、戸建ての問題ではさっきありました国士舘周辺のところの不燃化のための補助はありますと。しかし、今回東京都が示したような固定資産税の五年間減免とか、除却費を全額出すとか、設計費を出すというようなことは今はないわけですよね。ですから、これ自身は大変よい中身でありますが、問題は、不燃化のための支援策とあわせながら、先ほど最初に言いましたように、都市計画道路の整備を二〇二〇年までに一〇〇%終えるということがもう一つあるわけです。
これで見ますと、例えば、私はこの間、繰り返しよく言いましたけれども、上馬・野沢地区は、今回の整備地域に入っていますかというと入っていません。これはなぜ入っていないんでしょうか。上馬・野沢地区は防災街づくりをずっともう二十年間続けているわけでありますが、しかし、東京都のこれには適用されません。これはなぜでしょう、言ってください。
◎伊東
地域整備課長 東京都では地域危険度が高く、かつ、特に老朽化した木造建築物が集積するなど、震災時の大きな被害が想定される地域を都の防災都市づくり推進計画において、整備地域として平成十五年度に指定しております。不燃化特区制度では、この都が定めた整備地域内にあることが要件の一つになっております。
当時の指定の基準でございますが、地域危険度のうち、建物倒壊危険度五及び火災危険度五に相当し、老朽木造建物棟数が一ヘクタール当たり三十棟以上の町丁目を含み、平均不燃領域率が六〇%未満である区域及び連担する区域であることとなっております。区内では、区役所周辺、三宿、太子堂地域と北沢地域の二つの地域が都により整備地域に指定されました。平成二十一年度には都により選定基準の見直しが行われましたが、上馬・野沢地区については、ここでも都の定めた条件から整備地域の指定に至らなかったものということでございます。
◆桜井稔 委員 今言われた東京都の防災都市づくり推進計画があるんですが、そこではこう言っているんですよね。延焼遮断帯となる道路の整備と建物の不燃化、耐震化の促進地域を整備地域と指定すると、このときにちゃんともうここに書いているんですよね。整備地域には、延焼遮断帯となる道路の整備が必要だということです。これが防災都市づくり推進計画に書かれております。結局、上馬、野沢のところは、あそこは都市計画道路整備がないんです。住民のまちづくりをやっていますけれども、一三〇号線という延焼遅延帯の部分がありますが、東京都の都市計画道路がない中でやられているわけです。というのが一つあります。
もう一つ、もう時間がありませんけれども、区役所周辺地区のところも、区役所周辺地区や豪徳寺駅周辺のまちづくりとか、若林二・三丁目の防災街づくりもありますが、区が指定したのは若林二・三丁目は外しているんです。結局、区役所周辺地区と豪徳寺駅前周辺ということで、五二号線にかかるところを中心に申請しているというのが実態でありまして、結局若林など住民の防災街づくりをやっているところは除かれてしまっているというのが実態ではないかと思います。
ですから、私は、もう時間がありませんので、今の区役所周辺地区は、特に五二号線の問題では反対運動が十七年間も続いております。こういう中で、この申請そのものを改めて取り下げるということを……。
○石川征男 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
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○石川征男 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時散会...