世田谷区議会 2010-09-15
平成22年 9月 定例会-09月15日-01号
平成22年 9月 定例会-09月15日-01号平成22年 9月 定例会
平成二十二年第三回定例会
世田谷区議会会議録第十三号
九月十五日(水曜日)
出席議員(五十一名)
一番 大庭正明
二番 田中優子
三番 小泉たま子
四番 岸 武志
五番 桜井 稔
六番 中里光夫
八番 川上和彦
九番 高久則男
十番 稲垣まさよし
十一番 青空こうじ
十二番 ひうち優子
十三番 村田義則
十四番 里吉ゆみ
十五番 藤井まな
十六番 中村公太朗
十七番 石川征男
十八番 畠山晋一
十九番 新川勝二
二十番 杉田光信
二十一番 平塚敬二
二十二番 岡本のぶ子
二十三番 木下泰之
二十四番 上川あや
二十五番 あべ力也
二十六番 中 塚 さちよ
二十七番 上杉裕之
二十八番 山内 彰
二十九番 大場やすのぶ
三十番 山口ひろひさ
三十一番 飯塚和道
三十二番 板井 斎
三十三番 高橋昭彦
三十四番 山木きょう子
三十五番 羽田圭二
三十六番 唐沢としみ
三十七番 重政はるゆき
三十八番 西村じゅんや
三十九番 小畑敏雄
四十番 宍戸のりお
四十一番 鈴木昌二
四十二番 諸星養一
四十三番 佐藤弘人
四十四番 市川康憲
四十五番 吉田恵子
四十六番 竹村津絵
四十七番 桜井純子
四十八番 風間ゆたか
四十九番 すがややすこ
五十番 菅沼つとむ
五十一番 下山芳男
五十二番 上島よしもり
欠員(一名)
七番
出席事務局職員
局長 河上二郎
次長 星 正彦
庶務係長 長谷川哲二
議事担当係長 岡本守広
議事担当係長 林 勝久
議事担当係長 小池 篤
議事担当係長 渡部弘行
議事担当係長 井上徳広
議事担当係長 中潟信彦
調査係長 戸塚 匡
出席説明員
区長 熊本哲之
副区長 平谷憲明
副区長 森下尚治
世田谷総合支所長
千葉信哉
北沢総合支所長
安水實好
玉川総合支所長
西澤和夫
砧総合支所長 須田成子
烏山総合支所長
河合岳夫
政策経営部長 金澤博志
総務部長 堀 恵子
危機管理室長 内田政夫
財務部長 霧生秋夫
生活文化部長 城倉 茂
スポーツ振興担当部長
山﨑廣孝
環境総合対策室長
田中 茂
産業政策部長 杉本 亨
清掃・
リサイクル部長
板谷雅光
保健福祉部長 藤野智子
梅ヶ丘整備担当部長
真野源吾
地域福祉部長 堀川雄人
子ども部長 堀川能男
世田谷保健所長
西田みちよ
都市整備部長 板垣正幸
生活拠点整備担当部長
春日敏男
みどりとみず
政策担当部長
吉村靖子
道路整備部長 山口浩三
教育長 若井田正文
教育次長 佐藤健二
教育環境推進担当部長
古閑 学
教育政策部長 萩原賢一
総務課長 宮内孝男
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議事日程(平成二十二年九月十五日(水)午後一時開議)
第 一 議席の一部変更
第 二 代表質問
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本日の会議に付した事件
一、
会議録署名議員の指名
二、会期の決定
三、日程第一 議席の一部変更、表決
四、閉会中の
常任委員変更の報告
五、閉会中の
特別委員補欠委員選任の報告
六、諸般の報告
七、日程第二 代表質問
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午後一時開会
○川上和彦 議長 ただいまから平成二十二年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。
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○川上和彦 議長 これより本日の会議を開きます。
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○川上和彦 議長 本日の日程は、お手元に配付の議事日程のとおりであります。
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○川上和彦 議長 まず、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、
二十四番 上川 あや議員
三十 番
山口ひろひさ議員
を指名いたします。
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○川上和彦 議長 次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は本日から十月二十日までの三十六日間とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川上和彦 議長 ご異議なしと認めます。よって会期は三十六日間と決定いたしました。
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○川上和彦 議長 これより日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔星次長朗読〕
日程第一 議席の一部変更
○川上和彦 議長 お手元に配付してあります議席変更表のとおり、議席の一部を変更したい旨の申し出があります。
お諮りいたします。
議席変更表のとおり、議席の一部を変更することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川上和彦 議長 ご異議なしと認めます。よって議席変更表のとおり、議席の一部を変更することに決定いたしました。
ただいま決定いたしました議席に氏名標を持参の上、ご着席願います。
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○川上和彦 議長 この際、ご報告いたします。
六月三十日付で
飯塚和道議員及び
岡本のぶ子議員から、八月二十三日付で岸武志議員及び
中里光夫議員から
委員会所属変更の届け出がありました。委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、六月三十日付で、
飯塚和道議員を
福祉保健常任委員会に、
岡本のぶ子議員を
区民生活常任委員会に、九月二日付で、岸武志議員を
文教常任委員会に、
中里光夫議員を
都市整備常任委員会に、それぞれ変更を許可いたしました。
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○川上和彦 議長 次に、
特別委員会委員の辞任及び指名についてご報告いたします。
六月二十三日付で、稲垣まさよし議員及び西村じゅんや議員から
特別委員会委員の辞任の届け出があり、委員会条例第十一条の規定に基づき、六月二十八日付でこれを許可いたしました。
これに伴い、
特別委員会委員の補欠委員の届け出があり、欠員を補充するため、委員会条例第五条第一項ただし書きの規定により、六月二十八日付で、稲垣まさよし議員を
公共交通機関対策等特別委員に、西村じゅんや議員をオウム問題・災害・
防犯等対策特別委員に、それぞれ指名いたしました。
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○川上和彦 議長 次に、
議会運営委員の辞任についてご報告いたします。
六月十八日付で
中塚さちよ議員から
議会運営委員を辞任したい旨の願い出がありました。委員会条例第十一条の規定により、同日付でこれを許可いたしました。
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○川上和彦 議長 次に、六月三十日に行われました
区民生活常任委員会、七月一日に行われました
福祉保健常任委員会、九月二日に行われました
都市整備常任委員会における正副委員長の互選の結果を事務局長に報告させます。
◎河上
区議会事務局長 ご報告いたします。
区民生活常任委員会委員長 重政はるゆき議員
同 副委員長 鈴木 昌二議員
福祉保健常任委員会委員長 飯塚 和道議員
都市整備常任委員会副委員長 中里 光夫議員
以上でございます。
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○川上和彦 議長 次に、区長から招集のあいさつの申し出があります。熊本区長。
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 平成二十二年第三回世田谷区議会定例会の開催に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。
一昨年の
世界的金融危機から、日本の景気は依然として厳しい状況が続いております。八月十六日に国が発表した平成二十二年四月から六月の国内総生産、GDPの速報値は年率換算で〇・四%増、3・四半期連続のプラス成長だった前期一月から三月の年率四・四%増から急激に減速しております。さらに、この間の円高や株安など、日本経済を取り巻く環境は先の見えない不透明な状況にあり、景気の中折れも懸念される非常に厳しい状況にあります。こうしたことから、国では、追加の経済対策を取りまとめられたところでございます。また、昨日、民主党の代表に菅総理が再選されたところでありますが、現在の日本経済の厳しい状況への対応は待ったなしです。速やかに経済対策を実施され、一日も早い景気回復を期待するものでございます。
こうした状況の中で、平成二十三年度における世田谷区の財政見通しは、二十一年度以降大幅に落ち込んだ状況にある特別区税が一層の減収となる見込みであり、区の財政は引き続き非常に厳しい環境となっております。
そこで、平成二十三年度の予算編成、または区政の中長期的な課題の解決に向けて、一層徹底した行財政改革に取り組んでいくため、外部委員で構成する
政策検証委員会を設置し、外部の視点から区の施策、事業について検証し、ご提言をいただいたところでございます。
私は、この
政策検証委員会の提言を踏まえ、
政策点検方針を策定し、すべての事務事業の聖域なき点検を行うよう全庁に指示いたしました。この点検により、平成二十三年度予算編成に向けて検討するもの、平成二十四年度以降の中長期の課題とするものに整理し、「政策点検に基づく今後の取組み(政策原案)」として取りまとめ、施策、事業の再構築を図ってまいります。
また、これまで
行政経営改革計画を中心に、事務事業の効率化や定員の適正化など、計画的に行財政改善に取り組んできたところでありますが、より一層の安定した財政運営を実現するため、全庁横断的に税外収入の確保に関する取り組みを強化し、財源確保に努めてまいります。具体的には、区有財産の貸し付けなどによる有効活用、区のホームページを初めとした広告事業の拡大、区有施設及び
イベント事業等におけるネーミングライツの導入、利用者負担の適正化に向けた事業の見直し、区有駐車場の有料化などについて、具体化に向けた検討を進めてまいります。
引き続き限られた財源を有効かつ効果的に配分し、区民の目線に立った早目早目に手を打つ予防型行政をさらに推進して、常に緊張感を持って、八十四万区民のための区政運営に全力で取り組んでまいる所存でございます。
まず、
緊急総合経済対策について申し上げます。
日本経済が低迷している中、区民生活や地域産業を取り巻く環境も大変厳しい状況が続いております。私は、こうした中で、いち早く区としての
緊急総合経済対策に取り組んでまいりましたが、この間の景気状況や今後の経済動向を見据えて、引き続いての景気対策が必要であるとの判断から、追加の経済対策を実施することといたしました。
区民生活の支援や地域経済の活性化の視点から、
プレミアム付区内共通商品券の発行支援を行ってまいります。この事業は、これまでの販売実績や検証結果などから、地域経済の活性化に一定の下支えの役割を果たしているものと認識しており、本年六月も即日完売するなどの販売結果を踏まえ実施するものでございます。
また、
区内中小企業の経営安定のための支援策としては、新たに
融資あっせん制度を創設いたします。平成二十年十二月以降、
小規模企業者を中心とした緊急融資などの経営支援を行ってまいりましたが、十月からは中小企業者に対象を拡大し、新たな
融資あっせん制度を創設し、中小企業の経営安定化に向けた支援を実施してまいります。
さらに雇用対策では、現在、国と都の補助金を活用して、平成二十一年度から二十三年度までの三カ年で約千四百人の雇用を創出する事業を推進してまいりますが、今般、新たに三事業を追加し、さらなる雇用創出を図ってまいります。
次に、区政運営の基本となります安全安心のまちづくりについて申し上げます。
阪神・淡路大震災から十五年が経過しましたが、ことしに入り、ハイチやチリ、中国などで大地震が発生し、震災の恐ろしさを改めて認識したところです。また、首都圏においても直下型の大地震の発生の可能性が指摘されております。
区においても、大地震の被災時に、区民生活に必要不可欠な業務を早期に再開するための
業務継続計画震災編をこの秋をめどに策定してまいります。今後とも災害に強いまちづくりをさらに進めてまいります。
また、昨年、世界的に大流行した
新型インフルエンザについては、世界保健機構、WHOが八月十日に世界的な大流行は終息したことを宣言いたしました。日本では、
新型インフルエンザの再流行などを予防するため、全国民を対象とする予防接種の準備が進められております。区といたしましては、十月から開始される新たな
インフルエンザ予防接種の円滑な実施に向け取り組みを進めますとともに、強毒性の
新型インフルエンザに備えて、十一月一日に事業継続の庁内対応訓練を実施いたします。
自殺対策につきましては、全国で自殺者が毎年三万人を超え、世田谷区内でも毎年百五十名前後の方がとうとい命をみずから絶たれていることから、本年三月には「自殺予防の手引き」を作成するとともに、気づく、つなぐ、支えるを合い言葉に、相談窓口において自殺のリスクを抱える区民の方のサインに気づき、専門機関等々につなぎ、必要な支援を行う取り組みを進めてまいりました。
自殺を減らしていくためには、町や地域を挙げて自殺予防を呼びかけることが大切であることから、私は区内の関係機関等の協議の場を立ち上げるよう指示してまいりました。この十月から、医療機関を初め、警察、消防等の関係機関、事業者、区民の関係団体から成る世田谷区
自殺対策協議会を発足いたします。今後、協議会での取り組みを踏まえながら、自殺者を一人でも減らすため、
自殺予防対策を進めてまいります。
次に、
高齢者福祉施策について申し上げます。
今般、高齢者の所在不明問題が報道等で大きく取り上げられました。区では、早急に百歳以上の方の調査を行い、所在不明の方がいないことを確認いたしましたが、改めて家庭や地域におけるきずなの重要性を認識した次第でございます。
区では、昨年実施した全
高齢者実態把握調査の結果を踏まえ、支援が必要とされる高齢者の方に対して、
あんしんすこやかセンターによる訪問を開始しております。十一月からは区内十カ所の
あんしんすこやかセンターに見守りコーディネーターを配置し、新たに高齢者の安否確認を行う事業に取り組んでまいります。
また、高齢者の皆さんが住みなれた地域で安心して暮らしていただけるよう、これまでも
特別養護老人ホームや
認知症高齢者グループホームなどの介護保険施設の基盤整備に努めてまいりました。このたび、ひとり暮らしの高齢者などを対象に、低廉な料金で食事や日常生活上必要な支援を提供する住まいを確保するため、
都市型軽費老人ホームの整備費補助の補正予算を本定例会にご提案いたします。今後とも高齢者施策の充実に取り組んでまいります。
次に、
用賀複合施設について申し上げます。
このたび、九月二十一日に用賀二丁目に
用賀複合施設を開設いたします。この施設には、昭和四十年に建設され老朽化している用賀保育園と用賀出張所を移転し、あわせて
用賀あんしんすこやかセンターを併設いたします。この複合施設では、さまざまな省エネ手法の導入による
CO2排出削減に取り組むとともに、出張所と
あんしんすこやかセンターの一体化により相互の連携を図り、相談事業の充実や
まちづくり事業の推進に取り組んでまいります。また、本年度は千五百人を超える
保育サービス定員枠の拡大に取り組んでいるところです。この一環として、用賀保育園においては、今回の移転を機に、現在の定員九十二名から百四十八名に拡大いたします。引き続き
保育サービス待機児の解消に全力で取り組んでまいります。
次に、都市整備について申し上げます。
世田谷区
街づくり条例につきましては、平成二十年度から
街づくり条例がどのようにあるべきかの検討を進めてきたところです。このたび、区民が自主的にまちづくりを進める
区民街づくり協定制度を初め、大規模土地取引の事前届け出や、建築構想段階での周辺住民との合意形成に向けた説明会、意見交換会の開催などの手続を行う、建築構想の事前調整制度を創設する条例改正案を本定例会にご提案させていただきます。
こうした取り組みにより、区民の皆さんがまちづくりに参画する機会をさらに拡大するとともに、良好な建築計画の誘導を図り、安全で住みやすい町の実現に取り組んでまいります。
区では、CO2の排出をしない、環境に優しい自転車の利用促進に取り組んでおります。自転車につきましては、放置自転車がピークであった昭和六十年代に比べ激減しておりますが、交通事故全体の件数が減少する中で自転車が関連する交通事故の件数が減らないなど、自転車の走行に関するルールの徹底やマナーの向上が重要な課題となっております。
このたび、平成二十二年度をもって世田谷区自転車等の利用に関する総合計画が終了することに伴い、
自転車等駐車対策協議会から答申をいただき、自転車の駐車対策にとどまらず、自転車を安全で安心して利用できる環境の整備を行うため、新たな計画の素案を取りまとめました。今後、区議会でのご議論、
パブリックコメントを初め、区民の皆さんからのご意見を広くいただき、今年度中に計画を策定してまいります。
昨年五月に事業化された外かく環状道路につきましては、道路区域の一部決定がなされ、去る八月二十五日には、事業の着実な実施について、沿線六区市の区市長とともに、直接
前原国土交通大臣に会い、要望書を手渡してまいりました。さらに、東名以南の計画の早期具体化を強く要請いたしました。今後も引き続き事業の完成に向け、国と東京都と連携をとり進めてまいります。
また、畦畔の問題につきましては、平成十六年に
地方分権一括法等に基づき国から譲与を受けた土地のうち畦畔について、時効取得に係る裁判結果等を踏まえまして、訴訟に至らない段階で問題の解決を図る方策を検討してまいりました。このたび、時効取得の成立が見込めるなど一定の要件を満たす畦畔については、訴訟によらずに占有者に譲与できる仕組みを設けるため、本定例会に関連する条例の改正案をご提案する次第でございます。
次に、教育について申し上げます。
八月六日、七日に開催した第五回世田谷区
教育フォーラムには二千百名もの皆さんがお越しになりました。
教育フォーラムは、今年度から三カ年にわたり、世田谷九年教育で育てたい豊かな人間性、豊かな知力、健やかな身体をテーマに実施してまいりますが、初年度のことしは、豊かな人間性をはぐくむ
区立小中学校による教科「日本語」の実践例や、世田谷九年教育を推進する小中学校のグループによる学校運営などについて発表を行ったところです。引き続き
教育フォーラムなどの機会を活用して、区民の皆さんのご理解とご協力をいただき、地域とともに子どもを育てる世田谷の教育の実現を目指してまいります。
また、
区立小中学校の適正規模化、適正配置の取り組みにつきましては、若林中学校と山崎中学校を平成二十三年四月に統合し、新校として開校いたします。このため、両校の保護者や地域の皆さんのご提案も踏まえ、本定例会に新校の名称を
世田谷区立世田谷中学校とする条例改正案をご提案いたします。
世田谷中学校という校名につきましては、伝統ある両校を統合する新校が世田谷区を代表する中学校になるようにという、生徒、保護者を初め学校を支える地域の皆さんの願いが込められております。引き続き、平成二十三年四月の開校に向けまして準備を進めてまいります。
次に、「世田谷246
ハーフマラソン」について申し上げます。
「第五回世田谷246
ハーフマラソン」は、この十一月二十一日に開催いたします。平成十八年に始まりましたこの大会も、警察、消防を初めとする関係機関のご指導のもと、安全で快適な大会運営に努めております。昨年の第四回大会では定員千名に対しまして六千名を超える皆さんからのご応募をいただき、スポーツの世田谷を代表するイベントとしてすっかり定着してきたものと感じております。
こうしたことから、関係機関と協議を行い、ことしは募集定員を五百名ふやしまして、定員を千五百名に拡大して実施することといたします。引き続き参加される皆さんがより安全で快適に走ることができる充実した大会となるよう準備を進めてまいります。
次に、ウィニペグ市との
姉妹都市提携四十周年について申し上げます。
私は、八月四日から、区議会議長、議員訪問団の皆さんとともに、カナダ・ウィニペグ市を訪問し、
姉妹都市提携四十周年の再確認書を取り交わしてまいりました。八月六日、
ウィニペグ市役所での調印式の署名に先駆けて、ウィニペグ市から広島の原爆犠牲者に対する黙祷をしたいとの申し出を受け、参列者一同で黙祷をいたしました。世界の人々が核兵器のない世界平和を願っている姿をかいま見て大変感動いたしました。この願いは、伝えれば伝わる、伝えなければ伝わらないということであり、次の世代に語り伝えていくことが大切だと思います。この
姉妹都市提携四十周年を契機に、中学生を初め、市民、区民の交流をさらに発展させるとともに、世界平和の実現を目指してまいります。
さて、世田谷の夏の風物詩である
ふるさと区民まつりには約三十九万人、世田谷区たまがわ花火大会には約三十八万人の来場者がありました。実行委員会を初め区民の皆さんのご協力をいただき、成功裏に実施することができました。こうした区民主体のお祭りは、地域が育ててきた文化であり、
地域コミュニティーそのものであります。私は、今後とも区民の皆さんのきずながさらに深まるよう、地域の活性化に取り組んでまいります。
次に、財政状況について申し上げます。
本定例会におきましては、平成二十一年度の各
会計歳入歳出決算についてご審議をいただくわけでありますが、まずその概要について申し上げます。
一般会計の決算ですが、歳入は、平成二十年秋の世界金融危機に端を発する急激な景気後退の影響により、特別区税が前年度比で減収に転じ、特別区交付金は前年度比マイナス百億四千八百万円と、二年連続で大幅な減収となりました。一方、
定額給付金給付事業の関係による繰越金の増や特別区債の増などにより、歳入総額では二千五百五億三千三百七十二万六千円、前年度と比較して〇・二%の増となりました。歳出は、
定額給付金給付事業、
保育施設整備、道路・公園用地買収、景気対策などの経費の増により、歳出総額は二千四百七十三億一千百四十一万円、前年度と比較して六・七%の増となりました。この結果、平成二十一年度決算の実質収支は二十一億五十一万八千円となっております。
また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく
健全化判断比率につきましては、平成二十一年度におきましても
実質公債費比率がさらに改善するなど、引き続き健全な状況を維持いたしております。
次に、一般会計の補正予算案について申し上げます。
このたびの補正は、女性特有のがん無料検診、
ケアハウス整備、
区内共通商品券の発行支援、その他の状況変化などに対応するための経費を計上するものであります。あわせまして、
国民健康保険事業会計や
後期高齢者医療会計などの五つの特別会計につきましては、前年度繰越金の確定などに伴う補正を行っております。すべての会計を合わせますと七億一千七百万円の増額補正となっております。
今後とも経済動向を十分注視するとともに、財政の健全性を維持しながら、将来を見通した計画的で柔軟な財政運営に努め、八十四万区民の目線に立った安全安心のまちづくりに取り組んでまいります。引き続き区議会を初め区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
最後に、本定例会にご提案申し上げます案件は、平成二十二年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)など、議案三十件、認定六件、報告二十八件でございます。どうぞ慎重にご審議の上、速やかにご議決賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。
ありがとうございました。
○川上和彦 議長 以上で区長のあいさつは終わりました。
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○川上和彦 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。
〔星次長朗読〕
報告第二十七号 平成二十一年度世田谷区財政
健全化判断比率の報告外報告二十七件
○川上和彦 議長 以上で諸般の報告を終わります。
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○川上和彦 議長 次に、
△日程第二を上程いたします。
〔星次長朗読〕
日程第二 代表質問
○川上和彦 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。
まず、日本共産党を代表して、六番
中里光夫議員。
〔六番
中里光夫議員登壇〕(拍手)
◆六番(中里光夫 議員) 日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。
初めに、核兵器廃絶の問題について質問します。
核兵器廃絶に向けて世界が大きく動いています。その中で、世田谷区が核兵器のない世界を実現するための運動に貢献していることを評価します。
五月に開かれたNPT再検討会議は、核保有国を含むすべての参加国が核兵器のない世界を目指す合意文書を採択し、前進しました。核兵器廃絶を掲げてきた被爆者や市民社会の運動が注目され、採択文書にも取り上げられました。世田谷区民の四万筆の署名や世田谷区の平和市長会議への加盟は、こうした運動の一翼を担いました。また、区は八月に世田谷区平和都市宣言二十五周年事業と式典を行い、ことしは区長みずからあいさつされました。平和問題に取り組む区の姿勢が改めて区民に示されたと思います。
日本共産党区議団は、区民とともに署名運動など草の根の平和活動に取り組んできました。同時に、NPT再検討会議や原水爆禁止世界大会などに直接代表を送り、その時々の平和をめぐる情勢や課題を議会に報告し、区政へ反映させる努力をしてきました。
私はこの夏、広島で開かれた平和記念式典と原水爆禁止世界大会に参加してきました。ことしの平和記念式典は、史上初めて国連事務総長や核保有国の米英仏の代表が出席し、世界が注目しました。潘基文国連事務総長は、自分たちが生きている間、被爆者が生きている間に核兵器のない世界を力を合わせて実現しようと訴えました。世界が大きく動いていると実感しました。
被爆者が被爆の実相を伝え、核兵器廃絶を求め声を上げてきた。そして、世界の市民が草の根で平和を訴えてきた。そのことが世界を動かしてきたのだと思います。私は核廃絶を求める世論と運動をさらに広げていこうと決意を新たにしました。核兵器廃絶を求める動きが世界じゅうに広がっています。こうした動きをどうとらえているのか、区長の認識を伺います。
平和市長会議は、被爆者が存命のうちに核兵器のない世界を実現しようと、二〇二〇年までの核兵器廃絶を目指す緊急行動の指針を示しています。この呼びかけに世田谷区としてどうこたえるのか伺います。
平和市長会議は、被爆者のメッセージを人類の最も貴重な知的財産の一つとして世界に伝えていくと呼びかけています。世田谷区にも多くの被爆者がいます。被爆体験を聞く会、区民のつくった被爆証言集の普及、支援を位置づけて取り組むべきです。見解を伺います。
次に、区政運営の基本方向の転換を求め、質問します。
この夏は異常な猛暑でした。東京都監察医務院によると、二十三区における熱中症の死亡者数は百二十五人、命まで奪う猛暑でした。死亡者のほとんどはひとり暮らし高齢者、半数はクーラーが設置されていませんでした。社会的弱者に被害は集中しました。クーラーの電気代を節約するために、昼間は冷房のきいた公共施設で過ごすという人も多く、世田谷区内でも図書館などの施設はそのような人たちであふれていました。
日本共産党区議団は、五月から八月にかけて区民アンケートを実施しました。約二千通の回答が寄せられました。回答の五五%がこの一年暮らしが苦しくなったと答えています。五十代の六六・五%が収入が減った。理由は、ボーナスカットや残業代がなくなった、仕事が減ったなど、給料が出ない月があったとか、失業したという人もいました。三十代の五七・二%が支出がふえていると答えています。理由は、医療費と子育てや教育の費用がふえたというのが多数でした。派遣社員でひとり暮らしのため貯金ができない、親の病気と介護のため負担がふえたなどの声が寄せられました。中でも、七十代の女性の着ない、食べない、じっとしているという言葉は、節約をし、厳しい生活に耐えている姿が浮かんできました。
アンケートの設問では、区議団が提案してきた問題についての意見を求めました。国保料や介護保険料、住民税などの負担軽減について、回答者の六二%、七十代以上の高齢者では七〇%以上の多数の方が賛同を表明してくださいました。
区民生活が苦しいもとで、区政の基本としてやるべきことは、暮らしを守ることを中心とする区政運営を行うことではないでしょうか。区民生活の現状と今後の区政運営の基本について、区長の見解を伺います。
ところが、区は、暮らしを守るどころか、全事業を点検する政策点検方針を策定したと発表しました。区民にさらなる負担増、切り捨てを押しつけようというのでしょうか。
政策点検方針から、幾つか具体的な問題について質問します。
政策点検方針の点検対象事業に、各点検項目に該当する典型的な施策事業の例示というものがあります。利用者負担の見直しの項目に、子どもの
インフルエンザ予防接種、子ども医療費助成が挙げられています。一体何を検討するのですか。利用者負担の見直しとは値上げ、有料化ではないのですか、伺います。
今、子どもの貧困が社会問題となっています。子どもの貧困は、子どもの成長に影響し、貧困の再生産につながります。おくれている対策をどうするのかが問われているときに負担増ではやることがあべこべです。子どもの貧困についての区の認識をお示しください。
利用者負担の見直しの項目には、さらにがん検診や特定健康診査など、各種健診事業が挙げられています。早期発見、早期治療が大切だと言われ、健診受診率をいかに上げるかが問題とされているのに、値上げ、有料化では逆行です。ますます受診しづらくなり、病気の発見のおくれ、重症化につながるのではないでしょうか。
国民健康保険加入者は、中小業者、年金生活者、さらに失業者など社会的弱者が多く、生活も苦しい人が多くいます。国民健康保険の特定健診やがん検診など、各種健診事業の有料化、値上げはやめるべきです。区の見解を伺います。
点検項目には、必要性、有効性、優先度、民間への転換、実施手法の効率化、利用者負担の見直しなどが並んでいます。区民の命や暮らし、教育にかかわる施策の廃止、縮小、値上げ、有料化、民営化などがまたしても行われるのではないでしょうか。
全事業点検といいますが、
政策検証委員会で取り上げられたテーマや
政策点検方針に例示されている項目は、区民の命と健康にかかわる分野や社会教育分野ばかりが目立ち、今回も道路・開発分野は聖域とされ、点検項目の例には全く挙がってきません。削るなら不要不急の道路、開発です。
二子玉川再開発は、ホテル、オフィス、マンションなどを建設します。ホームページを見ると、マンションの予定販売価格は四千九百万円から二億円以上、最も多い価格帯は一億二百万円台となっています。このような高級マンションの建設と関連工事に毎年数十億円もの補助金を投入し、今後も続けようとしているのです。二子玉川再開発事業への補助金は削減すべきです。区の見解を伺います。
平成二十年度決算で土木費の割合を他区と比較すると、二十三区平均は一二・五%に対し、世田谷区は一八・五%で最高水準です。熊本区政は道路や大型開発優先の区政運営を突き進んでいます。二百三十四億円以上の税金が投入される区役所本庁舎建てかえも改築の方向で検討するという姿勢を変えていません。区政の方向を、開発優先から区民の暮らし、福祉優先に切りかえて、税金の使い方を変えるべきです。
日本共産党は、公共事業のあり方も、大型事業から小規模、生活密着、福祉型の公共事業に変えていくよう提案してきました。日本共産党が繰り返し求めてきた認可保育園の増設ですが、区はようやく昨年から増設を再開し、今年度は二十園の建設を進めています。保育園の建設は、保育待機児の解消に貢献すると同時に、地域経済に貢献します。二十園の建設費用は約三十億円です。建設工事が地元業者に発注されれば、地元にお金が回ります。
日本共産党は地元業者の活用を求めてきました。保育園の物品購入で地元商店街にもお金が回ります。保育園は雇用も生み出します。二十園で保育士などの職員は数百人になります。今回の保育園増設が地域経済の活性化と雇用創出に結びつきます。特養ホームも同じです。待機者は二千五百人と深刻な状況です。待機者解消のためにも特養ホームなどの介護施設の増設が必要です。これにこたえた公共事業が地域経済に貢献するという点では、保育園と全く同じです。
地域経済活性化、雇用創出につながる特養ホームや住宅など、区民生活に密着した公共事業を進めるべきです。区の見解を伺います。
日本共産党が提案してきた生保受給者など低所得で介護が必要な人の施設の整備も地域経済活性化や雇用と結びつく公共事業です。今回、補正予算も組んで
都市型軽費老人ホームの整備方針を打ち出したことは評価します。
しかし、課題もあります。以下、三点について提案します。第一は、居室の広さを広げるために区独自の補助を検討することです。第二は、百二十人分の計画から、さらに建設戸数をふやすことです。第三に、もうけ本位の貧困ビジネスにならないよう、株式会社ではなく、社会福祉法人など非営利の団体に運営は任せ、利用者の人権が守られるよう、しっかりとした指導をすることです。以上、答弁を求めます。
厳しい経済情勢のもと、政府も新たな経済対策を行うことを決めました。日本共産党区議団も仕事や雇用を生み出す新たな対策が必要だとさまざま提案してきました。世田谷区が緊急経済対策としてゼロ金利融資の拡充とプレミアム付商品券の発行支援を発表したことは評価しますが、新たな対策が必要です。区としても仕事おこしなど新たな対策が必要な状況です。
我が党は六月議会でも、秋田県に視察に行ってきたことを紹介して、経済対策、区内業者のための仕事おこしとして、世田谷区での住宅リフォーム助成の実施を求めてきました。住宅リフォームに助成金を出すことが個人の資産形成につながるのではないかという議論がありますが、これは小規模の助成であり、資産形成というよりも、あくまで景気対策です。耐震やバリアフリーなど他のリフォーム助成が既にあるという議論がありますが、区が行っている耐震補強助成は要件が厳しいため、実績件数は毎年四十五件程度と少なく、二十一年度決算では予算執行率はわずか三四・五%です。経済対策としての効果は望めません。
秋田県では条件はほぼ工事の規模と地元業者に発注するということだけです。使い勝手のよい制度で、実績件数もどんどん伸びています。人口十万人、三万四千世帯の横手市で、年間六百三十件、二百七十六社が直接受注しました。市の担当者も町が元気になってきたと述べていました。経済対策として、世田谷でも住宅リフォーム助成の実施を求めます。見解を伺います。
区内の働く人々や中小業者の暮らしと営業を守るために公契約条例が必要です。日本共産党はこの間、世田谷区でも公契約条例を検討すべきだと求めてきました。区内の団体が行った実態調査から、世田谷区が発注した公共工事の現場で、区内在住の現場従事者が極端に少ないことが明らかになりました。昨年の調査に続いて、ことしも区内在住者は百二十九人中六人、四・七%でした。地域内の資金循環、地域経済の観点から問題ではないでしょうか。
区内事業所に仕事が回るようにする仕組みが必要です。総合評価の項目に区内事業所への発注割合を加えるなど工夫、検討すべきではないでしょうか、見解を伺います。
世田谷区も一定前向きな対応をしてきました。公共工事に最低制限価格制度を導入することや、施工能力評価型の総合評価制度を取り入れたことです。しかし、現場の労働者の賃金水準を確保し、工事の質を保つという点では不十分です。賃金水準を確保する仕組みを検討するべきです。見解を求めます。
次に、梅ヶ丘病院の跡地利用について質問します。
石原都知事は、都民の大きな反対の中、都立の三つの小児病院を強引に廃止しました。病院の存続を求め、都民は五十万の署名、八回にわたる都庁を包囲する座り込みなど大きな運動が広がりました。八王子市や清瀬市など地元自治体も病院の廃止に反対を表明してきました。昨年行われた都議会議員選挙の結果、都立三小児病院の廃止に反対した会派が都議会の多数を占めました。しかし、民主党が都民との公約に反し病院の廃止を容認した結果、廃止が確定してしまいました。
梅ヶ丘病院は小児精神医療の専門病院として全国をリードしてきました。地域との協力関係もよく、患者は地域の中で温かく迎えられてきました。ところが、世田谷区は、廃止が決まる前から跡地利用調査を行い、さらに廃止直前の二月に跡地全体を取得する方向で検討とマスコミ発表を行いました。跡地利用の構想もなく、病院が廃止される前のこの時期に跡地の取得表明を行うことに道理はありません。世田谷区は、石原都知事が進めた三小児病院の廃止に手をかしたということです。
梅ヶ丘病院が廃止され、多くの患者が行き場を失っています。患者家族会が行ったアンケートには、どこへ行けばいいのか、これからどうすればよいかわからない、府中は遠くて困っているなどの声が寄せられています。梅ヶ丘での医療やリハビリの継続は、患者や家族の切実な願いです。
ところが、世田谷区は跡地利用検討から小児精神医療を除外する方針を明らかにしました。世田谷区は跡地利用で区民の声を聞くと言っているのに、梅ヶ丘病院の患者や家族の声はなぜ取り上げないのでしょうか。世田谷区は、こうした態度を改め、東京都に強く要請もして、梅ヶ丘病院の患者、家族の願いにこたえるべきです。跡地には小児精神医療の機能が必要です。小児精神医療は検討しないという方針を撤回すべきです。答弁を求めます。
梅ヶ丘病院跡地利用基本構想検討委員会に出された資料から、区の構想案が読み取れます。
第一は、区内の施設をここに集めるということです。社会福祉事業団の研修施設、保健福祉センターなどを移転する方針です。老朽化している公共施設を移転、統合させるとして、北沢保健福祉センターや梅丘図書館の名前も挙がっています。新たに保健、福祉、医療の拠点をつくるというのに既存の施設の寄せ集めでいいのでしょうか。
第二は、高齢者福祉分野の施設として特養ホームは考えておらず、老健施設の整備を検討しているということです。
第三は、敷地の三分の一以上はあろうかと思われる大きな部分を民間施設とし、その内容は子育て支援住宅などとしていることです。単刀直入に言えば民間マンションです。梅ヶ丘病院の患者の受け皿もない、特養ホームもない、既存の公共施設を寄せ集める、その一方で民間マンションが多くのスペースを占めてしまう、これで区民のさまざまな要求にこたえた跡地利用ができるでしょうか。
跡地利用の構想、計画は、区民の声を取り入れたものにするべきです。区の基本的な立場をお示しください。
区内の特養ホーム待機者は二千五百人にも上っています。特養ホームの整備率は、世田谷区は都内でも最低水準の〇・八%です。在宅での介護が限界を超えてしまった場合の受け皿として、特養ホームはどうしても必要な施設です。世田谷区はその整備がおくれています。区は、これまで土地がないから困難だと言ってきましたが、福祉のための拠点にするという話になぜ特養ホームが入っていないのでしょうか、理解できません。福祉の拠点というなら特養ホームは不可欠です。見解を伺います。
区内の各障害者団体が要望を提出していますが、それを実現していくことが大事です。例えば手をつなぐ親の会は、梅ヶ丘病院の機能拡大と子ども療養の専門的機能充実、障害者の総合的な地域生活支援拠点機能、ユニット型個室対応の居住の場、短期入所、日中一時支援及び緊急一時保護施設、年齢、内容を問わずケアマネジメント可能な相談窓口などの要求が出されています。
障害者の親亡きあと対策、医療を伴ったケアができる施設、ショートステイやグループホームなどがさまざまな団体から共通して出されています。障害者団体などが要求するこれらの施設を実現できるのか、見解を伺います。
区の構想では、子育て支援住宅など民間で行う住宅施設が大きなスペースを占めています。拠点として整備する施設の運営形態も明らかではありません。跡地のすべてを区が取得する必要性は明らかとなっていません。百四十五から百七十五億円という莫大な費用のかかる跡地の取得については慎重に検討することを求めます。
次に、
街づくり条例の改正について質問します。
今回の
街づくり条例の改正には大きな問題があります。一つは議論が不十分だという点です。区は、二年間かけて準備もしてきたし、大規模開発に対する対策を早く行いたいと説明していますが、今議会に慌てて提案するべきものでしょうか。地区計画の申し出制度や大規模開発の事前届け出制度など、住民が要求してきたことを取り入れたかに見えますが、住民提案のハードルが高いことや、大規模開発対策も実効ある基準や内容になっているかなどの内容が不十分であることが指摘され、その修正を求める議論が活発に行われています。
条例改正の検討過程で、区は広い区民に呼びかけ街づくりフォーラムを開きました。五カ月間に八回が開催され、区民と考える街づくりフォーラムからの見直し提案としてまとめられました。しかし、この提案が条例案に反映されていないとして、フォーラム参加者の有志が改正内容と進め方の見直しを求める要望書を提出しています。
条例改正は二年前から進められてきたと言いますが、具体的な改正内容が素案として示されたのが六月、さらに修正がたくさん入った改正案が示されたのが八月、制度の内容にかかわる変更も複数含まれています。素案発表後、
パブリックコメントや街づくりフォーラム開催など、区民の意見を聞く場は設定されてきませんでした。十分な議論と検討がまだ行われていないのです。改正案づくりの過程でふさわしい住民参加がなされませんでした。なぜこのような段階で議会に提案するのか、答弁を求めます。
条例改正のもう一つの問題は、区が示した改正の方向が、世田谷区と区民が積み上げてきた住民参加のまちづくりと正反対のものとなっていることです。世田谷区の
街づくり条例は、太子堂などのまちづくり運動を背景に、昭和五十七年、一九八二年に、神戸と並んで全国で最も早く制定されました。街づくり協議会を通じたまちづくりへの住民参加と街づくり計画の住民提案制度が特徴です。太子堂、北沢の木造密集地のポケットパークや路地の通り抜けや隅切りなど、修復型まちづくりで成果を上げてきました。みずからまちづくりのルールをつくるという経験も積んできました。
ところが、区が提案した条例改正は、大型道路や再開発などの公共事業を進めやすくするために、
街づくり条例を住民の参加と提案の条例から、行政の計画を着実に実行するための条例に変質させようとするものです。
街づくり条例のあり方検討会の資料にも、
街づくり条例見直しの基本的スタンスとして、都市整備方針を基本的なポリシーとして、その実現を着実に進めるための仕組みをつくるため検討すると示されています。これは都市整備方針の規範性の向上という言葉であらわされてきました。そして、行政が独自に決定する行政計画である都市整備方針を、決め方はこれまでと変わらないまま、守るべきものとして条例に位置づけようとしています。
基本理念から住民の参加と提案がまちづくりの大切な要素であることがうたわれた部分が削除される一方、前文で住民に対し責任ある議論、合意形成と信頼関係の構築などの努力義務が殊さら強調されています。住民の参加と提案の条例という性格を改悪してはなりません。住民が主人公、住民自治の観点から改正案づくりをやり直すべきです。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいまの共産党、中里議員の代表質問にお答えしてまいります。
私は、核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界の実現を強く願い、また、平和のとうとさを後世に伝えたいとの思いから、本年四月一日、平和市長会議に参加いたしました。私も核兵器のない平和な世界の実現を願う動きが広がりつつあることを感じております。こうした動きが一層広がり、世界平和の実現に向けて進んでいくことを切に願っているところです。
平和市長会議は、「二〇二〇ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を策定し、核兵器廃絶に向けて取り組んでいますが、私としても、区議会や区民の皆さんとともに、核兵器のない、また、戦争のない平和な世界の実現に向けて、さらに取り組んでまいりたいと思っております。
その他につきましては、所管よりお答えいたします。
以上です。
◎金澤
政策経営部長 私からは、七点ご答弁をさせていただこうと思います。
平和市長会議の区長の加盟に関連して、被爆者のメッセージを世界や後世に伝える取り組みの支援というご質問にお答えします。
ご案内のとおり、世田谷区は、区議会の採択を受けまして、昭和六十年に平和都市宣言を行っております。以来毎年、平和映画祭などの記念事業を実施してきております。ことしはこの平和都市宣言から二十五周年に当たることから、教育委員会との共催で、世田谷区民会館において語り部による「戦時下の暮らしを聴く会」や平和を訴える映画上映などを行いました。この映画は過去と現代における広島原爆の影響を描いた作品でございます。六百名を超える方々の参加があり、マスコミでも報道され、評価をいただいたところです。
また、核兵器廃絶に向けた取り組みに加え、平和資料室による展示や巡回展示、民間団体等の平和事業に対する区の後援、戦争体験記録集や学童疎開の記録の発行など、平和について考える機会の提供や戦争の悲惨さを後世に伝える取り組みも行ってきております。これらの成果を踏まえ、今後とも世田谷らしい平和事業の充実に取り組み、核兵器廃絶や平和のとうとさを訴えてまいります。
続きまして、区民生活が厳しくなっている現状についての認識、それから、国保加入者に関連するご質問にお答えを申し上げます。
一昨年の世界的な金融危機に端を発した景気の悪化、この間の急速な円高などにより、日本経済は依然として厳しい状況に置かれております。家族や地域におけるきずなの希薄化や少子・高齢社会が進む中で、地域経済や雇用状況の低迷など、区民生活を取り巻く環境も厳しい状況にあると認識しております。
国保につきましても、他の保険と比較すれば加入者はより厳しい状況にある方が多いものと認識しております。ご案内のとおり、区の財政状況も大変厳しい状況が続いておりますが、区は、こうした区民生活の実態を踏まえ、介護保険料などの負担軽減や就学援助などの低所得者対策、プレミアム商品券の発行、中小企業への融資制度の拡充などの
緊急総合経済対策、高齢者、障害者への安全施策などに取り組んできております。
国保加入者に対しても、低所得者対策として、保険料の均等割額について所得に応じて三段階の軽減措置を実施しております。さらに、二十二年度より、リストラなどで離職した方の保険料軽減措置も講じているところでございます。
続きまして、子どもの貧困についての区の認識、それから、
インフルエンザ予防接種、子ども医療費助成の縮小、それから、国保の特定健診やがん検診などの健診事業の有料化、値上げについて考え直すべきだというところについてご答弁申し上げます。
安心して子どもが育つことができる環境づくりは、区としても重要な課題と認識しております。区では、認可保育園の増設などによる
保育サービス待機児対策、子育てステーションの整備、配慮を要する児童への支援、新BOPの充実、世田谷九年教育の実現に向けた取り組みなど、子どものための施策を重点課題としてきております。引き続き区の重要な施策として位置づけ、取り組んでまいります。
また、子どもの
インフルエンザ予防接種への助成や子ども医療費助成、各種健診事業と
政策点検方針についてのご質問でございますが、これらの事業については、点検方針の適正な利用者負担等の導入の観点から、サービスの質と利用者負担とのバランスが適正かどうかという点について点検するものであり、その点検結果につきましては、政策点検に基づく今後の取り組みの中で議会にご報告してまいります。
続きまして、地域経済活性化、雇用促進につながる福祉型の公共事業をというご質問でございます。
区では、
保育サービス待機児の増加に対応し、昨年度より二カ年で約二千人分の保育サービス定員拡大を達成するため、本園三カ所、分園十五カ所などの整備に取り組んでおります。
特別養護老人ホームにつきましても、昨年度までに区内十七カ所を整備し、ことし五月にも一施設が新規に開設され、在宅生活が困難な要介護者を受け入れてきております。また、障害者のグループホームについては、昨年度までに累計百五十四人分の整備を行っております。今年度については二カ所、十人増の計画を進め、障害者の居住の場の確保に努めているところです。
こうした区民生活に直結する公共施設の整備については、財政状況を踏まえつつ、今後も子ども計画後期計画や高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、障害福祉計画などに基づき、引き続き計画的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎春日
生活拠点整備担当部長 それでは、私からは二子玉川再開発事業への補助金を削減すべきとのご質問にお答えいたします。
二子玉川再開発事業は、広域生活拠点として多様なにぎわいを創出する商業・業務施設の整備や居住空間の整備とあわせまして、交通広場、道路、公園などの基盤整備を図りつつ、にぎわいの拠点にふさわしい市街地形成を図る事業でございます。この事業によりまして、消費需要や雇用の拡大、区民生活の利便性の向上など大きな効果が期待されております。
二期事業につきましては、再開発区域の中央に位置し、文化・余暇機能や宿泊機能を集積し、歩行者ネットワークや緑豊かなオープンスペースの形成など、重要な役割を担っております。
補助金につきましては、現在、平成二十三年度予算編成に向けまして、
政策点検方針に基づき、本事業につきましても点検を実施しているところです。
厳しい財政状況を踏まえ、国庫補助金や都市計画交付金等の財源をしっかり確保し、また、事業を精査し適正に進めるとともに着実に推進できるよう、今後とも計画的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎板垣
都市整備部長 私からは、二点についてご答弁させていただきます。
最初に、住宅リフォーム助成についてお答えします。
住宅リフォームにつきましては、増築、改築、改装あるいは修理等の一般的なリフォームと、特定の目的を持った耐震改修やバリアフリー化などのリフォームがございます。
現在、区としましては、特定目的の住宅リフォームに対する助成制度としまして、建物の耐震改修工事費用の一部助成や、高齢者・障害者世帯のバリアフリー改修助成を行っております。特に耐震改修工事の助成につきましては上限百万円の補助となっており、充実した制度となってございます。一方、増築、改築、修繕等の一般的なリフォームに対する助成につきましては、厳しい財政状況や個人資産に対する財政的援助となりますことから、困難であると考えております。
区としましては、区民の皆さんが耐震改修やバリアフリー改修の助成制度を活用されまして、安全で安心な住宅リフォームが一層進展することを期待しているところでございます。
次に、
街づくり条例の改正について、区民の意見を取り入れず議論が不十分である、区の認識を問うということでございました。
今回の
街づくり条例の改正の経緯につきましては、まず、平成二十年度に学識経験者を交えた
街づくり条例のあり方検討委員会を開催し、世田谷区の
街づくり条例の成果と課題について多角的な検証を行いまして、
街づくり条例のあり方、いわゆるたたき台として整理いたしました。
平成二十一年度には区民と考える
街づくり条例フォーラムを八回開催しましたところ、延べ三百名を超える区民が参加され、たたき台をもとに、区の職員と一緒に議論を重ね、フォーラムからの見直し提案をまとめていただいたところでございます。
このフォーラムからの見直し提案と、その後の
街づくり条例のあり方検討委員会での検討を踏まえ、区では、平成二十二年一月に条例改正の考え方をまとめまして、
パブリックコメントを実施いたしたところでございます。
今回の条例改正案は、この間、三年にわたり議論や検討を重ね、また、区民の皆様からご提案いただいた、例えば前文を追加するなど、可能な限りご意見を取り入れながら取りまとめてまいりました。区としましては、建築構想の事前調整など新たな制度も提案しておりますので、できるだけ早期の改正をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
◎霧生 財務部長 私からは、二点のお尋ねです。
まず、公契約条例に関して、賃金水準の確保についてお答え申し上げます。
区が発注する公共工事や委託事業に従事する労働者の雇用や労働条件が適正に確保され、品質が確保されることは、契約の履行にとって大切なことであると認識しております。このため、区では最低制限価格制度など契約制度の運用の中で適正な競争環境の確保に努めてきたところであります。
他団体で取り組まれた公契約条例の趣旨は、発注者である自治体がその請負者またはその下請者に対して労働者に支払う賃金の水準等を条例で規定するものであります。この条例の効果につきましては、評価をする声が上がる一方で、その実効性の有無など幾つかの課題を指摘する動きもございます。区としましては、これまで二十三区の契約担当者と意見交換をするなど情報収集に努めてまいりましたが、引き続き調査検討を進めてまいります。
次に、総合評価競争入札の項目に区内事業者への発注割合についてお答え申し上げます。
区が実施しております施工能力審査型総合評価入札につきましては、価格に加え、工事成績評価点、技術者資格点及び資格者実績点等の施工能力評価の要素を含めて総合的に評価し、最も評価値の高いものを落札する方式で、不良不適格業者の排除や工事の品質の確保に有効であると考えております。
お話しの総合評価に区内事業者への発注割合を加えるなど新たな評価項目を設定することにつきましては、評価、あるいはその比重はどのような点に置くのかということにつきまして客観性、納得性等が重要であり、入札の公正性が確保されるよう十分考慮する必要があると考えます。
総合評価入札制度につきましては、平成二十年度より三年間を目途に試行を重ねており、今後も試行結果を検証し、入札制度、契約のあり方を構築してまいります。
以上です。
◎堀川
地域福祉部長 都市型軽費老人ホームについてご答弁申し上げます。
都市型軽費老人ホームの設置基準につきましては、厚生労働省令である軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準により規定されており、従来からの軽費老人ホームに比べて、居室面積等の設備基準や職員配置等の基準が緩和されております。なお、居室面積につきましては、
認知症高齢者グループホームの基準である七・四三平米を参考とし、それと同じとしたと伺っております。
このような制度創設の趣旨から、国の基準で整備を図ってまいりたいと考えております。また、来年度以降の補助金を活用した整備戸数につきましては、今後の応募状況等も勘案しながら検討してまいります。
運営法人につきましては、社会福祉法人、または都知事の許可を受けた法人となりますが、募集に際しましては、医療法人、NPO法人、株式会社等を含めて想定しておるところでございます。
事業者の選定に当たりましては、法人の経営理念、施設計画、また、職員配置等の事業計画を慎重に審査して、サービスの質の確保に努めてまいりたいと存じます。
続きまして、梅ヶ丘病院の跡地で
特別養護老人ホームをつくるべきであるという点についてご答弁申し上げます。
梅ヶ丘病院跡地の利用に関する論点の一つといたしまして、全区的な保健医療福祉拠点づくりがございます。ここで言う全区的な拠点については、一つは、各地域、地区で実施されるサービスをバックアップ、補完する機能、もう一つは、今後の取り組みをリードする先駆的な機能が求められるものと認識しております。一方で、今後、高齢者介護と医療の連携がますます重要となり、在宅復帰や在宅療養を支えられる環境を整備することが必要でございます。
このような認識のもと、現在、全区的な拠点の機能として、高齢者等の在宅復帰、在宅療養支援拠点の整備について検討を進めているところでございます。
特別養護老人ホームにつきましては、地域、地区での整備促進に鋭意努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◎真野
梅ヶ丘整備担当部長 私からは、梅ヶ丘病院跡地利用の構想、計画について区民の声を取り入れるべきというご質問にご答弁申し上げます。
梅ヶ丘病院跡地に整備を検討しております保健福祉医療の拠点のあり方につきましては、区民の皆様の関心が非常に高いものと認識しております。これまでも先行して実施してまいりました調査研究の成果などについて、区議会や世田谷区地域保健福祉審議会、関係団体等からのご意見をいただいてまいりました。
基本構想の検討に当たりましても、学識経験者による梅ヶ丘病院跡地利用基本構想検討委員会でのご議論の経過に伴いまして、適時審議会等にご報告し、ご意見をいただいております。また、基本構想検討委員会につきましても開かれた場とするなど積極的な情報提供に努めており、今後も区議会を初め区民の皆様のご意見を広くお伺いしながら基本構想策定に取り組んでまいります。
以上です。
◎藤野
保健福祉部長 初めに、梅ヶ丘病院廃止後の小児精神医療の機能についてご答弁申し上げます。
東京都は都立病院改革の一環として、梅ヶ丘病院を心と体に関する高度で総合的な医療を提供する小児総合医療センターに統合するとともに、都立大塚病院に児童精神科外来を開設し、診療を行っているところでございます。
小児総合医療センターでは、十月に精神病棟を一棟開設し、初診枠を拡大するとともに、年度内を目途にもう一棟の開設準備を進めていると聞いております。また、大塚病院の外来診療につきましても、本年四月より常勤医師を一名増員し、初診枠が大幅に拡大されていると伺っております。
小児精神医療につきましては、専門性の高い医療であり、今後も東京都の責任の範囲において行われるべきものと認識しております。区といたしましては、相談窓口や療育施設において専門医療との連携を図り、子どもの心の健康に関する支援の充実を図ってまいります。
次に、梅ヶ丘病院跡地利用に関して、障害者に関する施設の整備についてご答弁申し上げます。
区は、障害のある方々が住みなれた世田谷で安心して暮らし続けることができるよう、せたがやノーマライゼーションプランに基づき、障害サービスの基盤確保と充実に努めております。
現在進めております梅ヶ丘病院跡地を活用した全区的な保健医療福祉拠点づくりの検討において、障害者の地域生活支援拠点として、地域生活支援型入所施設の整備について検討しているところでございます。地域生活支援型入所施設は、障害者の地域生活への移行と継続を支援するため、施設入所支援に加え、自立訓練、生活介護、生活体験の場、短期入所や緊急一時保護などの機能を考えております。
地域生活支援型入所施設がその機能を十分果たすには、区内の各地域にあるグループホーム、ケアホームと連携することが必要でございます。グループホームなどにつきましては、社会福祉法人やNPO法人などと連携協力しながら、引き続き区内の各地域に整備を進めてまいります。
以上でございます。
◆六番(中里光夫 議員) 区長、答弁ありがとうございます。
平和の問題ですけれども、私たちは、政治的な立場は違っても、やっぱり平和の問題とか、一致できるところは一緒に進んでいきたいというふうに思っています。
区長も二〇二〇ビジョンに触れておられましたけれども、でも、政経部の答弁ですと、今までやってきたことをたくさん、これも大変評価できる話ですけれども、こういう世界の情勢ですから、もう一歩前に進めるということが今求められているんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、ぜひ区長の見解を述べていただきたい。
それから、景気対策の問題なんですけれども、招集あいさつの中でも、大変な状況の中で緊急経済対策を行ってきたというのはありますけれども、私たちは今、新たに仕事おこしであるとか、雇用をつくり出すとか、そういうことが必要だろう、新しいことに踏み出していくことが必要だろうというふうに考えています。そのことについて、区長の考えをお聞かせください。
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 核兵器廃絶、平和の構築について、いま一歩踏み出すべきだというお話です。
どの一歩を出せばいいんだろうな。前向きに取り組んでまいりますと申し上げたらいいのか。市長会議に加入したんですから、ですから、その方向で行くということで、ひとつこれからも守っていってあげたいと思っております。
景気対策のことについて、雇用とか政策を打っております。いろいろありますけれども、昨日、菅政権がまた誕生したわけですから、その行き先をやっぱり見守りながら、区としての役割分担を担っていくものはちゃんと担っていかなきゃならないという考えでおりますので、いずれにしましても、新しくできた菅内閣の方針を見守って取り組んでいく所存でございます。
以上です。
◆六番(中里光夫 議員) 平和の問題については、ぜひ期待しています。
それから、仕事おこしのことについて、政府がやることを見守るということももちろんですけれども、やはり区として行えること、仕事おこしということで、私たちは住宅リフォーム助成というのを提案しています。全国でも広がっていますし、大変評判もいいということですので、ぜひ検討していただきたいと思います。
○川上和彦 議長 以上で
中里光夫議員の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時二十八分休憩
――――――――――――――――――
午後二時五十分開議
○川上和彦 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
代表質問を続けます。
生活者ネットワークを代表して、四十六番竹村津絵議員。
〔四十六番竹村津絵議員登壇〕(拍手)
◆四十六番(竹村津絵 議員) 生活者ネットワークを代表し、通告に従い、順次質問してまいります。
民主党の代表選挙が終わり、歴史的政権交代からわずか一年で三番目の内閣が立ち上がろうとしています。選挙戦は国民不在、政治家の派閥闘争としか見えないものでしたが、今度こそ有権者の負託にこたえ、国民が政権を交代させたことを真摯にとらえ、国民が主役の政治を実現するべきです。
では、初めに、平成二十三年度の予算編成とこれからの区政運営について伺います。
経済情勢は依然厳しく、社会全体がストレスをはらみ、うつや自殺、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、子どもの暴力の増加、高齢者の所在不明などの問題が増幅している現状です。二十三年度の区財政は、基金を取り崩しても財源が五十四億円不足すると年度当初から示されていましたが、長引く景気の低迷から、さらに社会保障費の増額が見込まれます。
区政運営をスリムにするために聖域なき見直しを行う
政策点検方針が示されました。対象を全事業としながらも、例示として挙げられた事業には、子ども・青少年や生涯学習関連が目立っています。厳しい予算削減が必要なために、反対の声が届かない子どもや若者から予算を削ろうという姿勢ではないかと感じます。しかし、このような時代だからこそ、未来を担う子ども・青少年の育成、教育には十分な予算配分を行うべきと考えます。見解を伺います。
また、区長は、点検方針の五項目の一つに民間への移行を挙げていますが、この間、委託がふえていることで職員が現場から遠くなり、区民が見えなくなっているのではないかと感じることが多くなりました。事業の効率性を図るために、民間へ委託できるものを移行させていくことは必要ですが、職員が現場に出て区民としっかりと向き合い、課題に対処するという観点から、直営を重んじることも重要だと考えます。区長はこの点をどうお考えなのか伺います。
政策点検方針五項目には効率化と質の向上も掲げられています。その具体的手法として、事業費削減などとともに、区民、民間との協働の促進が挙げられています。しかし、平成十四年度以来、実現を目指しながら、いまだNPOなどとの真の協働には至っていないという感が否めません。NPOからは、自分たちは安い下請ではないという声が聞こえています。山積する地域課題の受け皿となっている町会からも、最近では不満が寄せられるようになりました。
政策検証委員会から出された提言も、協働を強化し、自治を推進していくために、行政と住民等との関係の再構築を図る必要性を指摘しています。
区民やNPO、町会などと協働とは何かを再確認し、共通認識を持って、実践のためのプロセスと役割分担を明確にすることで、協働を実現させる仕組みを確立するべきです。また、協働を実践する人の育成が喫緊の課題です。区の見解をお聞きします。
次に、介護保険制度の改正に向けて質問をいたします。
国では、平成二十四年度の介護保険制度見直しの議論が始まりました。制度の施行から十年、前回、平成十七年度の見直しでは、高齢化の加速によりウナギ登りとなる給付費を抑えるため、予防を重視し、お金のかかる施設サービスから在宅サービスへ重点を移す大幅な改正が行われました。それでも保険給付費は、この十年間で三・二兆円から七・三兆円と二倍以上に増加しています。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年の高齢者人口は、二〇〇九年より二五%増加し、介護認定者は六一%もふえると試算され、現在のサービスを前提とすれば、給付費は十九兆円にまで膨れ上がると推計されています。
こうした状況から、さらに在宅での介護を充実させるよう二十四時間在宅サービスを本格導入し、地域包括ケアを確立させることが改正の方向性として見えてまいりました。しかし、そのための財源と人材を十分確保できなければ、介護の負担を家族だけではなく社会全体で分かち合うという、制度発足当初の理念が崩壊してしまうことも懸念されます。
前回の改正以降、家族が介護を必要としている多くの方から、在宅ではとても支え切れないというお声を聞きました。高齢者のみ世帯や独身で親を介護する人など、在宅介護は大きな負担を強いるものです。要支援、要介護一の人や、家事援助を保険対象外にという議論も聞こえてきます。
区は、新たな制度のもとで第五期介護保険事業計画を策定するに当たり介護保険実態調査を実施するとのことですが、介護の現場が直面している課題とニーズをしっかりととらえ、支援を必要とする人を決して切り捨てにしない福祉を求めます。お考えを伺います。
次に、障害者福祉の推進について伺います。
国は、昨年十二月に障がい者制度改革推進本部を設置し、障害者自立支援法を廃止して障害者総合福祉法を制定することや、障害者の差別を禁じた国連の障害者権利条約を批准するための法整備など、抜本的な制度改革へ向けて動き始めています。
障害者権利条約は、障害者は保護すべき弱者ではなく権利主体であるとし、福祉を援助ではなく権利保障とする世界的な潮流のいわば集大成として二〇〇六年に採択されました。日本は二〇〇七年に署名しています。今後、人権保障という観点から制度改革が行われることで、自治体の障害者施策も大きく転換されることとなるでしょう。
日本では、バリアフリーなどハード面での理解は進んできましたが、ノーマライゼーションへの理解などソフト面はまだまだ諸外国に立ちおくれていると言われています。障害がある人の人権を保障するために、区として、まずは権利条約の内容を広く区民、事業者へ周知徹底することが重要だと考えます。見解を伺います。
次に、区民の暮らしの安全安心についてお聞きします。
二十三区の清掃工場排ガスから規制値を超える水銀が排出された問題で、メディアでたびたび報道され、区民は大きな不安を抱いています。千歳清掃工場もその一つだったために、区内外のたくさんの人から区民の暮らしは大丈夫なのかと尋ねられました。清掃工場の運営責任は清掃一部事務組合にあるとはいえ、区としてどう対処しているのかが見えず、区報での広報も発生から二カ月もたったきょうまで皆無でした。
また、アスベスト飛散問題については、吹きつけアスベストの規制に関する関連法が次々と改正、整備され、対策がとられていますが、ここへ来て、飛散性が低いとされてきた成形板アスベストの問題がクローズアップされています。屋根のスレート材などボード状の成形板アスベストは解体時の届け出義務がなく、チェック体制もないことから、重機によるずさんな解体がなされ、一般の建築殻のリサイクルルートに乗って建築現場に再び運び込まれている事実が明らかになったのです。アスベスト飛散防止対策は、所管が都市整備領域、清掃・リサイクル領域、環境領域と複数にまたがるため、どの所管も責任を持って課題解決に当たる姿勢が見えません。
安全安心を施策の第一に据え、予防型行政に取り組む区長としては、区民の暮らしの現場で発生しているこうした環境問題についていち早く対策を講じるべきです。所管や行政組織が複数にまたがる問題にも、縦割りで責任を分散してしまうのではなく、連携して横断的に取り組むことが不可欠です。区長のお考えを伺います。
さて、区民の皆さんから寄せられている相談で最近急増しているのが、歩きたばこ、路上喫煙をやめさせてほしいというものです。世田谷区ポイ捨て防止等に関する条例には、平成十六年の改正で、区内全域での歩きたばこ規制が織り込まれています。しかし、区民には周知徹底されず、駅やお店での禁煙が進むことから、路上が喫煙場所になってしまっているということです。
区は厚生労働省からの通知を受けて当面のたばこ対策を示していますが、まずは条例によって区内全域で歩きたばこが規制されていることを区民に広く周知徹底させることを求めます。見解をお聞きします。
区は、実施計画の安全安心施策にDVの根絶を掲げ、男女共同参画プランの重点取り組みの第一番目にDV防止を挙げています。生活者ネットワークは、この間、DV、ドメスティック・バイオレンスを根絶させるためには、新たな被害者、加害者を生まないための子どものころからの人権教育の重要性と、一つの具体策としてデートDV防止プログラムの有効性を訴えてまいりました。今年度はデートDV防止のための学校出前講座が実施されると聞いていますが、取り組みの状況と今後の展開についてお聞きします。
この夏は会派視察で沖縄県を視察してまいりました。沖縄は、DVの被害者支援だけではなく、加害者対策事業を実施しています。平成十六年度から調査研究を行い、加害者対策は被害者支援の一環であるという前提のもと、加害者を対象とする講座や研究会を開催し、さらに更生相談窓口を設置しています。現場の臨床心理士の方からもお話を伺い、DV根絶のためには加害者の更生を図る加害者対策が不可欠であると実感してまいりました。世田谷区においても加害者対策を視野に入れ、DV防止の施策を展開することを求めますが、お考えをお聞きします。
次に、地球温暖化、ヒートアイランド対策についてお聞きします。
この夏は、だれもが酷暑に悲鳴を上げました。八月末までに全国で五百人近い方が熱中症で亡くなって、地球温暖化の危機を感じた夏でした。地球温暖化を世界じゅうに否定できない事実と認めさせたのは、二〇〇七年のIPCC、気候変動に関する政府間パネルの第四次報告書でした。二十世紀半ば以降の気温上昇は人為的な温室効果ガスによるもので、その排出を抑制し、気温上昇を二度までに抑えなければ、世界的気候変動が起こり、人類の存続が危ぶまれると警鐘を鳴らした報告書です。ことし、日本の夏の平気気温は一・六四度も上昇しました。もう待ったなしの対策が迫られているのです。
地球規模の問題であっても、それぞれの足元からの取り組みが重要であることを述べてまいりましたが、世田谷区は民生部門からの温室効果ガス排出が四割以上を占めているという特徴があります。区が区民に呼びかけてきたCO2ダイエット宣言は、区民の自発的な省エネ活動を後押しする上で重要ですが、大きく二酸化炭素排出を抑えるためには、区内に環境配慮型のエコ住宅をふやしていくことが有効だと考えます。
二十三年度には、太陽光発電とあわせ、エネルギー効率が高い太陽熱利用の温水システムにも補助制度を設け、設置を進めるべきです。また、区民が選択しやすいよう、区の助成制度とあわせ、国のエコ住宅についての税の減免や、エコポイント制度なども併記したエコ住宅のメニューをわかりやすくPRすることを求めます。
区が行ったアンケート調査では、省エネを進める上で行政に期待することの第一位が省エネに関する情報提供でした。次いで、省エネ機器、設備の購入に補助が必要という回答が多くなっています。取り組みに向けての見解をお聞かせください。
この夏の猛暑は、都会に住む人たちにヒートアイランドの過酷さをも知らしめました。視察に行った沖縄は、南国でありながら日陰に入れば涼しさを感じられ、東京よりもしのぎやすく、アスファルトやコンクリートで町を覆い尽くしたことで、夜になっても暑さから逃れられないのだと改めて実感いたしました。
新たな環境基本計画は、ヒートアイランド対策として、都市構造の再編、誘導にあわせ、水と緑のネットワークを構築し、都市の風通しをよくすることを挙げています。大いに期待いたしますが、どのように進めるのかを伺います。
次に、リデュース、リユースの推進とリサイクルシステムの構築についてお聞きします。
容器包装リサイクル法の二度目の改正を視野に入れ、2R――リデュース、リユースを進めることを求め、市民が動き始めました。ごみを減らし循環型社会をつくるための三つのRのうち三番目のリサイクルは進んでいるものの、ごみの排出量そのものが減らないという現状に着目し、リサイクルだけに焦点を当てている容器包装リサイクル法を、より優先順位が高いリデュース、リユースを促進させる法律につくり変えようという動きです。
世田谷でも一日当たり二十トンもごみに出されている衣類などの再利用を進めたり、レジ袋の無料配布の禁止、イベントでのリユース容器の使用、会議で使い捨て容器飲料を出さないなど、区として取り組んだり、区民に呼びかけるべきことはまだまだたくさんあります。リデュース、まず減らす、リユース、繰り返し使う、この2R促進のためにさらなる取り組みを求めますが、見解をお聞きします。
透明な食品容器包装プラスチックの材料リサイクルを二十七カ所の拠点で回収員を置いて進めていますが、そのコストが一キロ九百七十五円もかかっていることが明らかになっています。高いと言われてきたペットボトルの店頭回収が百七十九円、集積所回収二百三十円と比べても突出して高くなっています。また、ペットボトルのリサイクルは、足立区や府中市が先行しているように、大手スーパーや公共施設に自動破砕機を導入することで運搬費用を大幅に削減することが可能です。
プラスチックの資源回収について、今後もさまざまな手法の情報収集を進め、検証を行って、より効率的で、区民が参加しやすいシステムを構築することを強く求めます。見解を伺います。
最後に、
街づくり条例の改正についてお聞きします。
今定例会には条例改正が提案されます。生活者ネットワークは、この間、まちづくりへの区民参加の保障を求めてまいりました。地区計画の素案の申し出や都市計画の提案について条例で規定すること、より簡易な地域のまちづくりルールを規定することで、区民参加の選択肢がふえたことは一歩前進です。また、大規模な開発に対し事前の届け出と調整制度を創設することも、新たな一歩を踏み出したととらえています。
しかしながら、対象が敷地面積三千平方メートル以上ではほとんどの開発行為に網がかかりません。加えて、都市計画を条例の対象外としていますが、世田谷の区民参加のまちづくりを揺るがした下北沢問題、多摩川を臨む水と緑の町の様子を大きく変貌させる二子玉川東地区再開発など、この間、区内の都市計画は、いずれも訴訟問題へと発展しています。ここには重篤な課題が残ります。さらに、都市整備方針を法定の都市計画マスタープランとして規定しているにもかかわらず、その策定への区民参加の規定は現行条例のままとなっています。これでは禍根を残している都市整備方針の策定、見直しへの区民参加についても改善が期待できません。
以上のことから、
街づくり条例改正案は、区民参加の保障という点でまだまだ不十分であると考えます。全国からトップランナーと目されてきた世田谷区の区民参加のまちづくりをこの条例をもってどう再構築しようとしているのでしょうか、お聞きいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいまの生活者ネットワーク、竹村議員の代表質問にお答えしてまいります。
私は、区政の中長期的に見据えた社会経済状況の変化に対応できる強固な財政基盤の確立が必要だと考えております。
政策検証委員会の提言を踏まえて
政策点検方針を策定し、すべての事務事業の聖域なき点検を行うよう全庁に指示したところでございます。
平成二十三年度の当初予算の編成に当たっては、この点検結果に基づき必要な改善に取り組むとともに、私がこれまで基本としておりました安全安心の施策を初め、子育て支援や教育の充実など、区民の目線からの優先課題に着実に取り組んでまいる考えでおります。現場の係長級職員の方々と直接話をする機会を持っております。
保健福祉やまちづくりなど、区民の方々と直接向き合う窓口を初め、区政の基礎は専門性のある個々の職員に支えられていると考えております。こうした考えのもとに、適宜適切な手法、職員の専門性ということも十分配慮しながら、区政運営に取り組んでいく所存でございます。
その他につきましては、所管よりお答えします。
以上です。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 ご質問は、国の介護保険制度改革の方向性が見えてきたが、区は支援を必要とする人を切り捨てにしない福祉を実現する計画の策定を求める、こういうことでございます。ご答弁申し上げます。
平成十二年、二〇〇〇年度にスタートいたしました我が国の介護保険制度は、ご指摘にもありましたように、二十四年改正に向け、この十一月にも改革案をまとめるべく、七月下旬には社会保障審議会に論点が示され、その目玉は、お話にもありましたように、二十四時間地域巡回型訪問サービスと目されております。
こうした事業は、世田谷区が昨年度より独自に実施しているものであり、これに着目した国が、このたび改めてモデル事業として世田谷区を指定したこと、また、国の検討委員会に委員として要請を受けた
地域福祉部長が、現に実施している自治体として意見、提案等を行っていることなど、さきの常任委員会にご報告してまいりました。ご案内の十八年度改正の際にも、世田谷区独自に先行実施しておりました夜間対応型訪問介護が制度化された状況と同様の動きとなっております。
このたびの制度改正におきますもう一つの論点でございますが、地域包括支援センターの機能強化につきましても、区では今年度より
あんしんすこやかセンターに新たに見守りコーディネーターを配置し、高齢者の安否確認を行う事業を試行実施することとしておりまして、国の議論に先駆けた取り組みとなっております。
第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たりましては、こうした国の動向、ご指摘の実態調査を通しました現場の声、課題、ニーズをしっかりとらえまして、議会のご意見、ご提案などを賜りながら、世田谷型福祉のより一層の発展を目指しまして積極的に検討してまいります。
〔森下副区長登壇〕
◎森下 副区長 環境対策は予防型でいち早く、また横断的に取り組むべきだとのお話にお答えいたします。
環境施策を進めるに当たっては、お話しのように予防的な対策こそが重要であると認識しております。そのため、各所管がみずからの分野において予防型施策を組み立て、責任ある対応を行うとともに、ISOなどの全庁的課題においては、関係所管が連携協力して取り組みを進めているところでございます。
ご指摘のありました二つの環境問題につきましては、日常より関係する組織間で情報の共有化を図っておりますが、緊急時においても連携して、迅速かつ的確に対応できるよう体制の整備を図るなど、より予防型の姿勢で対応してまいりたいと考えております。
また、環境に関する諸課題につきましては、その多くが区を超える大きなテーマであるため、国や東京都などとも連携協力し、必要な情報の提供などを求めるとともに、予防型施策が講じられるよう適宜要請しております。
今後とも、区民生活の安全安心で、かつ良好な環境確保のため、常に区民の目線に立った姿勢で、緊張感を持って課題に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎城倉
生活文化部長 私からはまず、区政運営に当たりまして、地域活動団体との協働を進めるため、実践のプログラムなどを明らかにしてその仕組みを確立すべき、また、人の育成をすべきとのご質問にお答えいたします。
区は、地域の課題解決に向け、町会・自治会やNPO等地域活動団体を対等なパートナーとして位置づけ、団体の自主性を尊重し、さまざまな工夫を凝らしながら協力連携を進めてきております。
NPOとの協働の推進は地域の活性化のかぎとなるものであり、今後ともさらなる取り組みが必要です。その一つとして、協働する者同士が協働の意義を理解し、相手方の選定、事業の実施、また、事業の評価とその成果のフィードバックという、一連の協働事業推進の仕組みについて共通認識を持ち実践していくことが重要であり、この仕組みに関する情報の共有化に努め、各事業の展開の中で構築していくよう取り組んでまいります。
また、職員の協働に対する意識の醸成や実践力の向上を図ることが重要と考えます。区では、NPO研修やまちづくり研修を実施するほか、NPOとの協働マニュアルを活用し、協働の意義や手法に対する職員の理解を深めてまいりました。今後ともこうした取り組みを進め、町会・自治会、NPOとの協働を一層促進してまいります。
次に、DV防止に関連しまして二点のご質問がございました。
まず、本年度新たに始めたデートDV防止講座について、その取り組みの現状と今後の展開についてお答えいたします。
デートDV、これは婚姻していない恋人同士の間で起こる暴力をいいますが、このデートDV防止講座は、男女共同参画センターらぷらすの事業として、学校への出前形式で行っております。講座は、デートDVについての知識を含め、一人一人がかけがえのない存在として尊重されるように、だれもがお互いを思いやる環境を築くためのコミュニケーションを学ぶといった内容でございます。
これまでの実施状況ですが、既に高等学校で二校実施しており、十月にももう一校で実施の予定でございます。実施した学校からは、生徒の関心も非常に高く、今後も広くこうした企画を行ってほしいなど多数の意見をいただいております。
DV根絶に向けましては、小さいころからの人権教育により相手方を思いやる気持ちを醸成していくことが必要だと考えており、教育委員会や関係所管とも連携して、こうした取り組みを一層進めてまいります。
それから次に、DV防止の施策を展開するに当たり、加害者対策を視野に入れて行うことを求めるが、どのように考えるかというご質問にお答えいたします。
区は、DV防止の取り組みとして、電話相談、生活支援、被害者保護、また、情報誌「らぷらす」などでの啓発や、職員にはDV被害への適切な対応を行うための研修を実施し、あわせまして、DV防止は関係機関の連携が重要であることから、DV被害者支援団体や、警察、区の関係所管等で構成する支援団体連絡会を設置し、さまざまな情報交換を行い、それぞれの取り組みが円滑に進められるように取り組んでおります。
議員のお話にございましたDV加害者対策につきましてはDV防止のために意義あることと考えておりますが、平成十八年六月の内閣府の報告では、加害者更生プログラム実施上の課題についての指摘もあり、また、本年七月に国が示しました第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方の中では、加害者更生プログラムについて、その効果的な実施方法を含めた調査研究を実施するとされている状況でもあります。
今後、こうした国の動向を注視しつつ、相談事業、それから、出前講座などの啓発事業、また、広報活動といったDV防止の取り組みについては、DV加害者をなくすこと、DVを許さない社会をつくることが、DV被害者への支援の最も重要なことであるという認識を持って進めてまいります。
以上でございます。
◎藤野
保健福祉部長 障害者福祉の推進についてご答弁申し上げます。
国は、平成二十一年十二月、障害者の権利に関する条約の締結に必要な国内法の整備を初めとする、障害者に係る制度の集中的な改革を行うため、障害者制度改革推進本部を設置し、当面五カ年を障害者の制度に係る改革の集中期間と位置づけ、検討を開始したところでございます。
この六月には、障害者制度改革の推進のための基本的な方向を閣議決定し、あらゆる障害者が障害のない人とひとしく、みずからの決定、選択に基づき社会のあらゆる分野の活動に参加、参画し、地域において自立した生活を営む主体であることを改めて確認し、障害を理由とする差別のない社会づくりを目指すとしております。
区といたしましても、障害者福祉推進におきましては、広く社会全体で障害理解が進むことが何より重要なことと考え、せたがやノーマライゼーションプランに基づいた取り組みを進めてきたところでございます。今後も、国において平成二十三年に予定されております障害者基本法改正の内容なども踏まえ、障害者への理解が一層進むよう、引き続き具体的取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◎田中
環境総合対策室長 当面のたばこ対策と区内全域での歩きたばこ防止のルールの周知徹底についてご答弁申し上げます。
今回お示しいたしました当面のたばこ対策につきましては、厚生労働省からの通知を受け、一方で無煙たばこなど新たな要素が出てきた中で、健康づくり推進や町の環境美化の観点から、区としての当面のたばこ対策を明らかにしたものです。この中で、区内全域での歩きたばこ防止のルールについては、従来と同様の対応をとらせていただいております。
歩きたばこにつきましては、特に安全や不快防止の観点より禁止などによる対応を行っているところですが、これまでも、区が主催、参加する各種イベントや区の広報などによる周知や、周知用プレートの配布、さらに路面表示シートを張ることなどにより周知してまいっており、引き続き周知徹底してまいります。
さらに区は、歩きたばこや吸い殻のポイ捨てなどの迷惑喫煙を防止するためには、何よりも喫煙者のマナーアップが重要であると考えております。地元町会・自治会などの方とも連携し、路上での喫煙ルールの周知徹底を図るとともに、路上美化指導員の重点配置などの対応をさらに積極的に進めてまいります。
次に、地球温暖化、ヒートアイランド対策について、補助制度の充実、また、制度のPRを充実せよというお話でございます。
ご指摘のとおり、世田谷区の特徴として、家庭から排出される温室効果ガスが全体の四割を超え、自家用自動車を含めれば、家庭部門からの排出割合はさらに大きなものとなります。家庭での排出をいかに削減するかが世田谷区にとって大きな課題です。
昨年度からは、啓発事業に加え、国や都とも連携し、再生可能エネルギーの一層の普及促進につなげるため、家庭向けの太陽光発電設備設置補助制度も設け、区民の皆さんからも高い関心をいただいているところですが、今後のあり方については、国などの動きも見据えた対応を考えたいと思います。国や都も地球温暖化対策として次々に新たな支援制度を打ち出しており、どのような制度があり、どのような利用条件となっているかなど、区民の方々にとっては多様な情報を把握することが難しいとも思えます。
区は、これまでもホームページにそれぞれの問い合わせ窓口などの情報を掲載しておりますが、今後はこれをさらに一層充実させ、より的確な情報提供に努めてまいります。
次に、新たな環境基本計画においてヒートアイランド対策として都市の風通しをよくする区と挙げているが、どのように進めるのかというご質問でございます。
環境基本計画の調整計画ではヒートアイランド対策として、生活や産業より発する熱の抑制で熱を出さないこと、舗装道路を初め地表面の改善により熱をためないこと、さらに都市の風通しをよくすることの三つを掲げ、それぞれについて取り組みの方向性を示しております。
ご指摘の都市の風通しをよくすることにつきましては、樹林地や農地の保全など緑をふやす取り組みを基本に、水と緑のネットワークを構築する取り組みが最も効果的であると考えております。そのためにも、環境基本計画に関連するみどりとみずの基本計画などの着実な実現や緑化の義務づけを踏まえて、区民、事業者の方々のさらなる協力による空間的にゆとりのあるまちづくりの展開など、都市計画関連法令や
街づくり条例などの適切な運用を通じて、区民、事業者にご理解をいただきながら、ヒートアイランド現象の一層の緩和に努めてまいります。
以上です。
◎板谷 清掃・
リサイクル部長 リデュース、リユースの推進とリサイクルシステムの構築について、二点ご質問をいただきました。
初めに、リデュース、リユースの今後の取り組みについてお答えいたします。
循環型社会の構築には、ご指摘のとおり、ごみそのものを減らす取り組みが重要であると認識しております。一般廃棄物処理基本計画でも拡大生産者責任の考え方に基づく発生・排出抑制を推進することを基本方針の一つとしているところです。
これまでも、お話のあったレジ袋の減量を初め、リデュース、リユースの大切さを広報媒体や環境学習、普及啓発施設での講座、講習会、各種イベントなどを通じて普及啓発してまいりました。また、区みずからも区内最大の事業所として、環境マネジメントシステムに基づき、廃棄物、紙使用の排出抑制など、庁内各課が行動計画、目標を掲げ、廃棄物の排出抑制に向けた取り組みを進めてまいりました。
今後もごみ減量・リサイクル推進委員や区内大学、NPO、事業者の方々などさまざまな主体と連携し、知恵を出し合いながら、日常生活の中でリデュース、リユースを実践するきっかけとなるような効果的な普及啓発を図る等、二つのRに力を入れた取り組みを進めてまいります。
次に、プラスチックの資源回収についてお答えします。
透明プラスチック容器は、平成二十一年十月から二十七カ所の拠点で回収を始めましたが、現段階では異物や汚れが付着していると良質な材料リサイクルができないため、回収員が立ち会い、排出ルールについて普及啓発を行っております。
容積がかさむことによる運搬経費の増や普及啓発のための人件費など重量当たりの処理原価が高くなっており、現在、運搬効率の検討や、お話にありましたペットボトルの自動破砕機の設置など、より効率的な方法の情報を収集し、コストの比較等分析をしているところでございます。
今後、プラスチックリサイクルに関する技術の進展や容器包装リサイクル法改正の動向などを踏まえ、より効率的で、区民が参加しやすい回収方法を構築してまいります。
以上です。
◎板垣
都市整備部長 街づくり条例の改正につきまして、区民参加のまちづくりをどう再構築しようとしているのかとのことでございました。
世田谷区では全国に先駆けまして、昭和五十七年に
街づくり条例を制定し、区民参加のまちづくりを推進してまいりました。特に地区街づくり計画の原案の提案制度や総合基本方針の策定、いわゆる都市整備方針の策定でございますが、これらにつきましては、都市計画法の地区計画の提案制度や市町村マスタープランの策定の法定化に先立ち、区で条例化したものでございます。その結果、現在、区内の八十八地区で
街づくり条例に基づく地区街づくり計画を策定し、また、八十地区で地区計画を都市計画決定するなど、区民と協働したまちづくりを進めてきてございます。
今回の
街づくり条例の改正では、地区計画の素案の申し出制度や都市計画を提案できる対象者の拡充、また、住民の自主的な取り決めを区が登録する街づくり協定制度の創設など、区民のまちづくりへの参加の機会拡充を図っております。
さらに、土地取引の事前届け出制度や建築構想の事前調整制度によりまして、住民の合意形成を早期に図るなど、今回の条例改正で区民のまちづくりへの参画や区民と協働したまちづくりを一層推進したいと考えております。
以上でございます。
◆四十六番(竹村津絵 議員) それぞれご答弁いただきました。二点再質問させていただきたいと思います。
まず、学校でのデートDV防止講座なんですが、今年度、三校で実施したというご答弁で、子どものころからの相手を思いやる気持ちをはぐくむことが必要とお答えをいただきました。ぜひ区立中学校でもこの講座を人権教育として実施してほしいと考えておりますが、教育長、いかがでしょうか。
もう一点、風の通るまちづくりという視点が新たに環境基本計画に織り込まれたことから、どのように進めていくのかということを伺いました。この夏は本当に暑く、風が通る町、これがどんなにありがたいか、多くの方が実感したと思います。
環境総合対策室長からお答えをいただきましたけれども、ぜひ実戦部隊となっていく都市整備領域からお答えをいただきたいと思います。
以上です。
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 デートDV防止に関しましては、学校教育において二点が重要であると思っております。
一つは、やはり人権教育の推進でございます。さまざまな人権課題がございますけれども、例えば、女性と男性が互いに人権を尊重し、責任を分かち合い、お互いにそれぞれの能力や個性を十分に伸ばすことのできる社会の重要性について子どもたちに理解をさせていく、そのような男女平等教育を初めとする人権教育、もちろん暴力が人権侵害であるということもその中に入るわけでございます。
もう一点は、やはり教員の研修であると考えております。本年は研修事業案内に、デートDV防止に向けた学校の役割というテーマで事業案内に位置づけまして、男女共同参画担当課の職員を講師に迎えて、管理職対象に研修を行っております。今お話しのありました学校の出前講座につきましては、本年度、三校で実施、またはこれから実施予定ということでございますが、すべて高等学校が対象でございますので、中学生の発達段階を踏まえまして、校長会などで紹介するなどしていきたいと考えております。
以上でございます。
◎板垣
都市整備部長 お話しのありましたヒートアイランド対策の一つとして、都市の風通しをよくするまちづくりというのは大変大事な視点であるというふうに認識しております。
都市整備部門としましては、例えば、今後、区内におきましては大規模団地の建てかえなどが想定されますので、そういう建てかえに際しましては、緑化や通風、あるいは採光等環境の維持空間を確保すること、また、道路の遮熱性舗装の整備などを推進するなどを、事業者のほうに指導していきたいというふうに考えております。あわせて、担当所管や関係機関とも連携しましてヒートアイランド現象の緩和に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
◆四十六番(竹村津絵 議員) 以上で生活者ネットワークの代表質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で竹村津絵議員の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、せたがや政策会議を代表して、一番大庭正明議員。
〔一番大庭正明議員登壇〕(拍手)
◆一番(大庭正明 議員) せたがや政策会議の代表質問を始めます。
最初に、新たな基本構想について伺います。
先般、今定例会に提出予定の
街づくり条例の改正について、ある区民の方々と話し合いを持つ機会がありました。そこで気づいたのですが、ご主張はもっともなことなのですが、それは、どうも
街づくり条例の範疇だけでは足りないのではないかと感じました。つまり、世田谷区の計画行政の最上位に位置する基本構想からつくり直さなくてはうまくいかないのではないか、そういう素朴な疑問であります。
そもそも現在の世田谷区の基本構想は平成六年に制定されたもので、これは二十三区の中でも古く、世田谷区より古い基本構想を掲げている区は、現在ではたった一区、葛飾区だけとなっております。多くの区では、やはり平成十二年の自治法の改正で、二十三区が基礎的な地方公共団体として再出発したことを機に、つくり直しに着手しております。
さらに、昨今の社会変化には著しいものがありますし、区民の意識も大きく変わっております。例えば平成六年当時は、まだウインドウズ95すらも登場しておらず、携帯メールもありませんでした。区役所の文書はまだワープロ全盛のころで、阪神大震災もまだ起こっておらず、都市の安全性への意識も高くありませんでした。さらに、地球温暖化やエコロジーへの意識や配慮もまだまだあいまいだったと思われます。
このような時期にできた世田谷区の基本構想は、今の社会や意識の変化に対応できていないのではないか、そういうことであります。特に近年意識の高まりが強まっている区民参加についても、現在の基本構想ではこのように書かれております。「区民参加 一 区政において、計画・実施の過程が区民に広く開かれたしくみを拡充します。 二 地域情報の収集・提供のしくみを充実し、区民参加のまちづくりに役だてます。 三 地域社会への貢献をめざす、自発的で創造的な活動に対して適切な支援に努めます」。
これでは、時代変化以前に、余りにもお役所言葉が散りばめられていて、現在の我々からしてもぴんときません。区の計画体系の最上位に位置する基本構想がこうであっては、もはや時代おくれと言えるのではないでしょうか。
ちなみに、今回、二十二区の基本構想を全部読んでみたのですが、やはり新しくできたものほどわかりやすいつくりになっているようです。そこに述べられているキーワードだけをご紹介すると、省資源、省エネルギー、資源リサイクル、観光資源、都市ルールの確立、ベンチャー、コミュニティービジネス、行政の説明責任、未来への責任、持続可能な都市、みんなが集うおせっかいの町、小さな区役所で質の高い行政を実現する町、区民が発想し区民が選択する新しい自治、新しい事業が起きる町、感染症対策の充実、こういう言葉が登場しているわけであります。これらのキーワードは、残念ながら、現在の世田谷区の基本構想にはどこにも見当たりません。これだけをもってしても、古くなってしまったと感じざるを得ません。
ここはぜひ区民参加、区民主導で基本構想をつくるべきだと考えます。そういう準備に入る時期ではないでしょうか。要するに、区長がどなたであれ、基本構想は区長がつくるんだという時代ではありません。世田谷区の未来像に向けての方向性は区民が自治するということだと考えます。
となれば、区民意識の高まりを都市整備の中にある
街づくり条例の中で何とかしようということではなく、基本構想作成に結びつけてこそ、区民参加の実践と言えるのでないでしょうか。新たな基本構想について考えを伺います。
次に、
政策点検方針について伺います。
この問題については、六月議会での代表質問の続きとなります。その後、景気はよくなっておりません。また、区民税は、さらに税収が下がるだろうとの報告がありました。つまり、世田谷区は、このままでは平成二十五年度に基金がマイナスになるという状況は依然として変わっていないのであります。ですから、六月議会からの続きとなるわけですが、世田谷区が取り組まなくてはならない一番の問題は五十四億円の予算圧縮ということであります。それができなければ、基金を取り崩すしかないということになり、そうなれば、ますますデッドラインの平成二十五年に基金が底をつく、最悪の状態が早まるだけであります。要するに基金、つまり貯金を先に食べてしまうか、それとも少しでも残して時間を稼ぐか、どちらかの選択なのであります。
そういう中で、今回、
政策点検方針が示されたわけです。しかしながら、そこには中身が示されているのではなく、まさに方針だけが示されているだけで、具体的にどういう形で五十四億円を圧縮、平たく言えば五十四億円の予算削減をするのか、何も書かれておりません。それどころか、驚いたことに五十四億円という数値目標すら載っていないのであります。
そもそもこの五十四億円という数字は区側が示した数字であります。区側が自分たちで五十四億円削減しなければ貯金をさらに多く取り崩すことになり、後がないと言っておきながら、実際削る段になって、幾ら削ればいいんでしょうねって、人ごとのような態度で出てこられたようで、議会としても面食らっているところであります。
既に常任委員会で副区長が答弁されておりますが、本定例会で議会の意見を聞いて、具体的な、つまり削減事業ということなのでしょう、それを示すのは十二月上旬の常任委員会ということであります。そんなことで大丈夫なのでしょうか。いわゆるこれまでの足し算型の予算編成ならいざ知らず、昨年の予算編成においても、結果として基金の取り崩しに頼らざるを得ない予算編成となってしまったわけですが、こんなスケジュールで五十四億円の圧縮、削減ができるのでしょうか。
まず確認したいことですが、十二月までに本当に五十四億円圧縮した具体的なものが出てくるのでしょうか。
二つ目は、何を圧縮するのか、削減するのか、区民の皆さんへの説明はどのようにするかということです。減らすにしても、それは区民の皆さんの生活に直結する予算でもありますし、ご理解をいただく時間は必要であります。
特に申し上げたいのは、さきの
政策検証委員会の最終提言では抽象的にぼかされてしまいましたが、実際の
政策検証委員会での各委員の発言では、がん検診と子ども医療費助成では、ほぼ全員が命にかかわるものについて公費助成をなくしてほしくないということで一致していたはずです。しかしながら、最終提言には全く反映されず、また、
政策点検方針では無視されております。
ですから、十二月まで待つにせよ、そのときは確実に五十四億円をまず削るんでしょうかということと、仮に削ったとしても、削る事業によっては、既に検証委員会でもあったように、区民の皆さんにご理解または納得していただくには相当の時間を要することも想定されるわけです。そういう時間的な余裕は大丈夫でしょうかということをお尋ねいたします。
次に、世田谷サービス公社について伺います。
八月十六日の日本経済新聞によりますと、自治体が外郭団体の持つ積立金や基金などを返還させ始めているとの報道がありました。やはりどの自治体も財政難であり、財源不足を幾らかでも補おうと必死なのであります。記事では、税収の減少に苦しむ自治体でも埋蔵金の発掘が本格化してきたとあり、続いて、東京都は七月、都支援事業団が持つ百億円の積立金のうち六十六億円を寄附の形で返還させた。これまで都道府県が外郭団体に基金などの返還を求めるケースはわずかしかなかったが、財政悪化に伴い、返還を求める動きがふえてきたとあります。
さて、世田谷サービス公社にはその埋蔵金が二十一億円あることがわかっております。今月になって、議会の常任委員会に初めて株式会社サービス公社の社長以下の経営陣が参考人招致として呼ばれまして、さらにいろいろなことがわかってまいりました。
それによれば、サービス公社としても二十一億円について具体的な計画が今あるわけではないということです。また、過去にサービス公社は、世田谷区に配当とは別に寄附という形で一億円を返還している実績もあります。そのころに比べても、世田谷区の財政は苦しいわけですから、なおさらのこと、この基金を返還してもらうようにすべきではないでしょうか。既に全国の自治体でも行われていることです。また、サービス公社としても、最大の契約先である世田谷区が困っているときに助けることは当然のことだと思いますし、現に東京都もやっていることであります。どうなのでしょうか、お答えください。
なお、せっかくためた事業資金を世田谷区に持っていかれたら、サービス公社の事業展開ができなくなるという指摘もありますが、そのときは世田谷区がサービス公社の増資を引き受ければよいわけです。世田谷区が財政的に安定した段階で寄附に相当する分を出資すれば、何ら支障はないと考えられます。
次に、三軒茶屋のキャロットタワーの二十六階のレストランについて伺います。
このレストランはキャロットサービスという会社が実質的に経営しております。この会社は、キャロットタワーが平成八年にオープンするに当たり、森永製菓系列のレストラン会社と世田谷サービス公社との合弁でつくられた会社で、資本金二千万円で設立しました。二千万円の出資比率は、森永側が九百万円、世田谷サービス公社側が一千百万円ということです。このことは、当時の世田谷区としても、またサービス公社としても、森永グループとのつながりがあることで、二十六階のレストラン経営がスムーズにいくものと考えていたと思われます。
しかしながら、一昨年の平成二十年、森永側からこのレストランから手を引きたいという申し出があったわけです。既にこのレストランはその二年前から世田谷区と指定管理の契約が結ばれていたにもかかわらずです。実際には指定管理はサービス公社と結ばれていたのですが、孫請としてこのキャロットサービスがレストラン経営を続けていたのです。そのキャロットサービスから森永グループが手を引くというのであります。
結果として、森永グループが持っているキャロットサービスの株をサービス公社が買い取るという事態になりました。買い取る株というのは、さきにも述べましたように、森永グループが九百万円を出して手にした株のことであります。
そこで問題となるのは、サービス公社がこの九百万円の森永グループが持っている株を幾らで買い取ったかということであります。この問題は、キャロットサービスという会社をどう見るかで価格は大きく変わってくる問題であります。
この二十六階のレストランについては、これまで何度も、家賃ただという条件でどうしてまともな利益が出せない会社なのだということを申し上げてまいりました。現にこの株式買い取りの話があった平成二十年度、そして平成十九年度のキャロットサービスの業績は無配当の会社ですし、純利益は四万円と五万円で、レストラン部門は創業以来初めて二期連続赤字だった会社です。家賃ただという条件でこのありさまなのです。
そこで、先ほどから家賃ただと申し上げておりますが、二十六階のレストラン部分、これは約百五十坪相当ですが、どれくらいの家賃になるのでしょうか。こちらのほうで調べましたところ、大体坪二万円前後というのが相場らしいということであります。となれば、百五十坪ですから、月額三百万円、年間で三千六百万円の家賃ということになります。この点も、そちらの区側で確認したいと思います。
それくらいの家賃がただになっているのにお店がもうかっていない。そうであるならば、お客さんが随分と得をして、区民に利益還元されているのかといえば、そうではありません。今回、情報公開等で詳細なデータを取り寄せてみたのですが、このレストランの利用者数は、年度ベースで見た場合、開業二年目の平成九年度に十二万六千人がピークで、直近の平成二十一年度においてはその半分以下の五万九千人に利用者が激減しております。家賃ただ、そしてお店のもうけもないのに、お客さんは全くお得感を感じていないという何よりの証拠であります。もっと言えば、また来てみたいというリピーターがあるようなお店ではないということであります。これだけ見ても、森永グループが手を引こうとしているのもわかるような気がいたします。
しかし、実は森永グループはこのレストラン経営の当事者であったはずです。こんなお店になってしまったのは森永グループの責任ではないのか、議会側からすればそのようにも見えるわけであります。レストランが実質このような状態で、その上無配当となり、赤字続出の会社となっている、その株式を買い取れと言われても、それはどんなに割り引いて考えても、森永グループが出資したのは九百万円なのですから、よくてもそのあたりで引き取るのが常識ではないでしょうか。
しかし、このことを先日の企画総務常任委員会で行われたサービス公社の経営陣をお呼びしての質疑の中で確認したところ、森永グループの株を世田谷サービス公社は四千三百万円で買い取ったということであります。この点を改めて確認したいと思います。これは常識外れではないでしょうか。森永側にすれば九百万円が十二年間で四・八倍になって戻ってきたということになります。大もうけであります。会社がこんなに赤字なのに、手を引いた側がこんなにもうけていいのでしょうか。
大体四千三百万円もの大金をサービス公社がぽんと払えるのも不思議なことであります。これもサービス公社に二十一億円もの基金があるから、気前よくぽんと四千三百万円も払えたのではないでしょうか。巨額の基金があるからやれるんだということではたまったものではありません。そもそも二十一億円の基金も、それを持っているサービス公社も、世田谷区民の財産なのです。それを議会の目の届かないところで、役人や役人OBだけで勝手にやるということは許されないことだと思います。
以上、これまでるる説明してきたわけですが、この森永グループの株を買い取った経緯について、区側はどのように理解しているのか。それから、ここで述べた二十六階のレストランの経営状況についてどう考えているのか伺いたいと思います。
さらに、このキャロットサービスは、今も述べたとおり、森永グループが平成二十年十二月に撤退しているわけです。このことは指定管理を実質的に受けている会社としては重大な経営変更であり、そもそも指定管理の会社としてふさわしくないのではないかということも考えられます。このことにあわせて見解をお聞きしたいと思いますし、さらに、今後どうするつもりなのか、これについてもお答えください。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいまのせたがや政策会議、大庭正明議員の代表質問にお答えしてまいります。
世界的な金融危機に端を発した景気後退の影響により、区の歳入が大幅に減少する一方で、社会保障費を初めとする行政需要は拡大を続けておりまして、持続可能な区政運営のためには、一定額の基金の確保など、中長期の視点に立った強固な財政基盤の構築が不可欠であると認識しております。
私は、こういった状況を踏まえて、行財政経営の体質強化に取り組むことがまずは最重要課題であると考え、
政策検証委員会を設置し、今後の区政の方向性について検証をお願いし、その提言を受けて、新たに
政策点検方針を策定し、すべての施策事業について聖域なき点検を行うよう、全庁に指示したところでございます。
行財政の執行権者、予算編成権者として、私はこの点検の結果に基づき、責任を持って区が取り組むべき施策を再構築し、中長期の視点からの問題も整理し、適宜区議会に報告しながら、十二月には二十三年度当初予算編成状況と政策点検に基づく今後の取り組み、政策原案を、そして一月以降には、二十三年度予算案と政策点検に基づく今後の取り組みを報告し、区議会にお示ししてまいりたいと考えてございますので、ご理解いただきたいと思います。
その他につきましては、所管よりお答えいたします。
以上です。
◎金澤
政策経営部長 四点お答えを申し上げます。
まず基本構想の改定でございます。お話しのとおり、世田谷区の現在の基本構想は、平成六年九月に区議会の議決を経て策定されました。その際の考え方としては、おおむね区政の二十年を展望し、世田谷区の望ましい将来像の実現に向けて、区民主体のまちづくりを進め、自治の発展を目指す、区政の基本的な指針としているものでございます。
現基本構想には、広範な区民の参加のもとに、生活者の視点に立った、平和で豊かな生活文化都市の実現を図ることなども記載されており、区政運営の根幹をなしております。
区は、この基本構想のもとに、平成七年度から十六年度までの基本計画に続き、平成十七年度から平成二十六年度までの現基本計画を定めており、そのもとに、中期的展望に基づいて具体的な事業を推進する世田谷区実施計画等を策定して、社会状況の変化にも対応した、計画的、総合的な行政を推進しているところです。
現在の基本構想は策定から十六年が経過していること、あわせて、昨今の著しい社会状況の変化があることから、世田谷区の新たな検討課題となってくるものと考えております。
続きまして、二十三年度当初予算において財源不足五十四億円を圧縮できるのかというご質問でございます。
区長も申し上げましたとおり、区の財政状況は引き続き予断を許さない厳しい状況が続くものと認識しております。平成二十三年度の当初予算編成作業の状況を申し上げますと、この八月に、平成二十二年度予算編成の時点で見込んだ五十四億円の財源不足につきまして、特別区税がさらに落ち込む見通しとなったことや、今後の基金残高を確保する意味から、財源不足を上回る規模の予算圧縮が必要であるとの観点に立ち、予算フレームを作成いたしました。これにつきましては、さきの企画総務常任委員会において、予算編成の基本方針とあわせ、対前年比マイナス二・五%、約六十三億円のマイナスの予算規模であるとご報告したところでございます。
この予算フレームをもとに、
政策点検方針に基づく施策事業の見直し、広告事業を初めとする新たな財源確保の取り組み、マイナスシーリングの手法による経費削減など、全庁挙げて徹底した見直し作業を進め、財源不足を解消していかなければならないと考えております。
区長が申し上げましたとおり、十二月の常任委員会で政策点検結果の状況を、また、下旬には見直し項目の反映を含め、その時点での当初予算編成状況を議会にもお示しさせていただく予定でおります。その際の事業見直しなどの進捗状況、また、それを踏まえた起債や基金の活用については、政策課題への取り組みとともに、区長に最終的なご判断をいただくものと考えており、予算案の説明のときに、そのプロセスとあわせご説明させていただきたいと考えております。
続きまして、世田谷サービス公社がキャロットサービスの株式を買い取った経緯というご質問にお答え申し上げます。
平成八年に世田谷サービス公社が世田谷区民会館第二別館、これは二十六階のことでございますが、レストランスカイキャロットの管理委託、当時の法制度では管理委託、現在は指定管理者でございます。これを受託するに当たり、飲食事業のノウハウを持つ、当時の株式会社森永エンゼルと共同出資で株式会社キャロットサービスを設立いたしました。出資割合は、サービス公社が五五%、森永エンゼルが四五%で、その後、森永側の合併や譲渡を経て、平成十六年に森永フードサービス株式会社に株式が譲渡された経緯がございます。
その後、平成二十年度になり、森永フードサービスの親会社である森永製菓がグループ関連会社の経営再編を行う中で、子会社である森永フードサービスの事業を再編する方針を立て、サービス公社に対しまして森永フードサービスが所有するキャロットサービスの株式の譲渡の申し出をし、これをサービス公社が一株当たり約二十四万円、額面は五万円でございますが、総額約四千三百二十万円で買い取ったもので、お話しのとおり、キャロットサービスは、現在はサービス公社の一〇〇%子会社となっております。
当時の森永側の意向といたしましては、森永フードサービスに係る事業再編の話があり、キャロットサービスの株式が森永グループの外に行くことも想定されることから、株式の譲渡がキャロットサービスの取締役会の承認事項であることもあり、サービス公社にキャロットサービスの株式の売却を申し出たものであると概略お話があったと伺っております。
なお、買い取りの経緯につきましては、翌二十一年九月の企画総務常任委員会においてご報告をさせていただいております。
なお、森永フードサービスという会社をご紹介いたしますと、森永製菓の外食産業部分を担う会社でございまして、高速道路のサービスエリア、民間企業社員食堂、大学や国公立研修室のレストランなどを手広く手がける会社でございます。
サービス公社が森永フードサービスが持つキャロットサービスの株式を取得する際の価格でございますが、その算定につきましては、顧問公認会計士とも相談の上、直近の財務状況に照らし、企業価値を帳簿上の純資産価格で示す評価方法でございます簿価純資産法により算定した価格で取得したものと報告を受けております。
また、二十六階レストラン部分の家賃相場についてご質問いただきましたが、議員がお話しいただきました家賃相場は、この六月にキャロットタワーの十八階のオフィススペース五十二・七坪がテナント募集された際の月額賃料、坪単価二万二千円を土台に計算されたものと存じますが、物件の状態、用途、動線、利用方法等の諸条件により、賃料というものは変動するものと承知してございます。
なお、レストランのある二十六階は世田谷区民会館第二別館という区の公の施設でございまして、その管理を指定管理者であるサービス公社に任せているというものでございます。
続きまして、世田谷サービス公社の積立金を区に寄附させてはどうかというご質問にお答え申し上げます。
世田谷サービス公社は、平成二十一年度決算時点において、経営安定化積立金として十億円、社屋建設積立金として六億円、新規事業開発積立金として五億円、計二十一億円の積立金を保有してございます。
まず経営安定化積立金ですが、一般に企業は不動産を担保として事業の展開を図りますが、サービス公社は不動産を有しておらず、有力な担保資産がないことから、安定した経営や企業としての信用力の確保のため、一定程度預金等の資産を保有しておくことが必要であり、顧問公認会計士の指導も踏まえまして、年間の売上高の三カ月分程度を一つの目安とし、積立金として保有しているものです。
次に、社屋建設積立金でございますが、サービス公社は設立当初から社屋は賃借してございまして、昨年度に移転いたしまして、年間で約千二百万円の削減を図るなどの経営努力も行っているものの、中長期的な経費抑制の観点に立ち、自前の社屋を持つことが有効な手法の一つであるとの考えから、平成十七年度から社屋建設積立金として積み立てを始めているところです。
次に、新規事業開発積立金でございますが、外郭団体の幹部を参考人として招致されましたさきの企画総務常任委員会の中で、社内の検討段階ではあるが、区の政策の実現を支え、また地域貢献を進める観点から、障害のある方の就労の場を提供する事業を展開したいと社長がお話しされており、そうした形での積立金の活用の方策についても、今後検討されていくような状況だと認識しております。
サービス公社の積立金を区に寄附してもらってはどうかとのご提案でございますが、サービス公社は法的形態としては株式会社でございまして、財団法人などの公益法人ではなく、また、区も地方公共団体ではあるものの、サービス公社の株主という立場でございまして、それに対する税の問題等もあると伺っております。
なお、サービス公社につきましては、昭和六十年から平成六年度までは資本増強に充てた一部の時期を除き、寄附という形で利益を区に還元してございましたが、区以外の株主にご出資をしていただいた平成七年度からは株式配当を開始したところでございます。
サービス公社を含む外郭団体のあり方につきましては、区長が出された
政策点検方針に従いまして外郭団体についても点検する中で、サービス公社の意義、役割、今後の課題を再確認し、適切な指導調整を行いながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◎千葉
世田谷総合支所長 私からは、二つの質問にお答え申し上げます。
まずレストランスカイキャロットの経営状況についてでございます。
ご承知のように、キャロットタワーの二十六階フロアは、条例上、世田谷区民会館第二別館として位置づけられており、飲食が可能な大規模集会施設のレストラン部分と、だれもが気軽に世田谷の眺望を楽しみながらくつろげる展望ロビーから成っております。
そのうち東側レストラン部分をレストランスカイキャロットとして営業しており、オープンいたしました平成八年度から利用料金制により運営を株式会社世田谷サービス公社に委託、平成十八年度からは指定管理者制度を導入し、現在に至っております。
ご質問の経営状況でございますが、オープンから黒字を保ってまいりましたが、折からの不況の影響もあり、お話しがございましたように、平成十九、二十年度は赤字となりました。しかし、平成二十一年度は黒字を確保しております。
なお、本年度四月より、この間の議会からのご指摘、ご提案を受けまして、営業時間の延長などさまざまな改善に取り組んできており、その結果、本年四月から八月までの売上高は昨年度対比で伸びてきております。さらに年末年始の営業日の拡大に取り組む予定と聞いておりまして、私どもも引き続き努力してまいる所存でございます。
次に、森永グループの撤退は、実質的に指定管理を受けているキャロットサービスの重大な経営変更であり、指定管理の施設を運営する会社としてふさわしくないのではないか。さらに、今後どうするつもりなのかとのご質問にお答え申し上げます。
ご指摘のレストランにつきましては、指定管理者制度により株式会社世田谷サービス公社に委託しておりますが、基本協定書第六条に基づき、第三者である株式会社キャロットサービスに再委託をして運営しております。したがいまして、指定管理者である世田谷サービス公社は、現在もキャロットサービスの経営ノウハウを活用しながらの運営ということになります。
今後は、展望ロビーを含め二十六階の一体的な活用も視野に入れ、有効に活用される施設運営に向けた検討をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◆一番(大庭正明 議員) 基本構想は世田谷区の要するに憲法というような位置づけとなっておりますので、これを体系的に条例の位置づけをしていって、しかも区民参加がこれほど言われているわけですから、各条例ごとに区民参加の部分で衝突しないように、まず最上位の憲法の部分で区民参加のことで、先ほど述べた、現行の区民参加の部分というのは何を言っているかよくわからないということなので、それに一刻も早く取りかかるように準備をしていただきたいと思います。
それで、
政策点検方針なんですけれども、これは区長にお伺いしたいんですけれども、この中で、先ほど述べましたけれども、子ども医療費助成ということは、これは熊本区長がみずから掲げて、議会に諮って、それでかつ二十三区の中でも先進的な取り組みとして横に広がっていった、画期的な政策だったというふうに覚えているわけですよ。
それで今回、その
政策点検方針の中にも、要するに例示として子ども医療費助成という形で載っているんですよ。これはいわゆる政治家の節度としても、ご自分が一生懸命掲げた政策について、これを見れば点検の優先順位の上位のほうにあるんじゃないかというふうに思われるわけですけれども、これはそういう理解でよろしいんですか。これは区長がみずからまた手をつけるという方向でよろしいんですか。その辺、まず第一点で確認したいと思います。
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいま大庭議員がご指摘されました子ども医療費の件ですけれども、
政策検証委員会から全事業についての聖域なき検討ということで出されているその中の一つでございまして、出されて検討したものをすべてなくすものではなく、見直ししなきゃいけないもの、継続しなきゃいけないもの、それぞれがあろうと思っております。
私としては、現在のところは子ども医療費については中止する考えは持っておりませんけれども、これからいろいろと検討の中で答えが出されること等をしていきたいと思っております。
以上です。
◆一番(大庭正明 議員) あと、先ほど答弁の中で、政策の削減の中で六十三億円というマイナスフレームでやっていくということでお答えがあったわけですけれども、マイナス六十三億円というのと、予算規模が六十三億円減るということと、実質的に五十四億円、これまでの事業を圧縮するということは話が違うと思うんですよ。
私が確認したいのは、十二月の段階までにそちらのほうで考えるというわけですから、五十四億円分以上、もしくは五十四億円以上の政策経費の削減、事業経費の削減ということが出てくるんですかということをお尋ねしているんですけれども、そのことについて明確に、
政策経営部長、お答えください。副区長でも構いませんけれども、どっちでも。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 議員、ただいまおっしゃっていただいておりますように、二十二年度当初予算案の作成の時点で、向こう三カ年の中期の財政フレームというのをお出しいたしました。その際に、今議員ご指摘いただいておりますように、二十三年度当初予算の段階で、今ご指摘の五十四億円が不足するはずなんだということを議会にお示ししたのが、今年度の当初のお話だったと思います。
今回の予算フレーム作成に当たりましては、その後の状況、ここでは細かく言いませんが、税の動きですとか、あるいはその後の政策の進捗状況、あるいは来年度には計画的に事業をやめるものも中にはあるかもしれません。それら総体を整理したときに、来年度の当初のフレームとしてはマイナスの六十三億円でいいという仮のスタート、編成のスタートの時点の枠組みですね。ですから、ある種の目標、ガイドラインとしてお示しして、庁内で政策点検を含めて作業を進めていく。その際、ご指摘いただいております財源不足の部分に関しましても、そういったものを目標に取り組んでいくと。
ただいま熊本区長申し上げておりますように、予算編成の作業は、政策点検の結果を踏まえながら、なおかつ議会のご議論を踏まえて、最終的に総合的なご判断をいただくということでございますから、改めてご説明できる時期が来ようかと思います。何とぞご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
○川上和彦 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時十四分休憩
────────────────────
午後四時二十五分開議
○川上和彦 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
────────────────────
○川上和彦 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○川上和彦 議長 代表質問を続けます。
自由民主党を代表して、五十一番下山芳男議員。
〔五十一番下山芳男議員登壇〕(拍手)
◆五十一番(下山芳男 議員) 自由民主党世田谷区議団を代表して、質問通告に基づき質問をしてまいります。
世田谷区は、区民に最も身近な基礎的自治体として、今後ますます発展を遂げていかなければなりません。そのためには、国における地域主権改革や都区制度改革が早期に実現され、自治権を拡充していく必要があります。
省みれば、世田谷区を初めとする特別区は、昭和二十七年に東京都の内部団体とされ、区長の公選制も廃止されました。その後、都区制度を段階的に改正し、自治権を回復してきました。昭和四十九年には区長公選制が復活し、平成十二年四月の特別区制度改革の実現を経て、今日の世田谷区を形づくってきました。
こうした自治の流れの中で自主自律による自治体運営を推進していくためには、区民中心の互助互恵あるいは相互扶助の考え方が大切ではないでしょうか。行政として力を尽くすべきところには手厚い施策を、そして区民が自身でできることについては区民、そして民間の力を最大限に区政に生かしていくことが重要であると考えます。今回は互助互恵、そして持続可能な財政運営の二つを念頭に置いて質問いたします。
まず、熊本区長が描く世田谷区の全体構想についてお尋ねします。
熊本区長は本年、二期八年目を迎えています。区長への就任後、直ちにそれまでの大場区政における全事業の総点検、見直しを行った上で、新たに熊本区政をスタートさせました。それ以来、区長は区民の生命と財産を守ることを区政の最優先課題として、安全安心の世田谷、東京で一番子育てしやすい世田谷、そしていつまでも住み続けたい町世田谷の実現に向けて、福祉、教育、都市基盤の整備、緑と環境、震災対策、スポーツ・文化の振興などさまざまな課題に取り組まれてきました。区政のリーダーである区長は、区の将来像をしっかりと描いてこそ、区政運営の方向性を明確に示していけるものと考えます。
そこで伺いますが、熊本区長は、これまでの安全安心のまちづくりを基本とした区政運営の実績を踏まえた上で、今後の世田谷区の全体構想についてどのようにお考えなのかお聞かせください。
続いて、財政運営の基本姿勢についてお伺いします。
ことしの六月、国において閣議決定された財政運営戦略は、財政の持続可能性の確立が不可欠であるとするなど、税収よりも国債発行額が多い国の予算に対し危機感をにじませており、消費税率の引き上げも視野に、財政再建路線への傾斜をうかがわせる内容となっています。
その後、国政では参議院選挙の結果を受け、消費税論議が大きくトーンダウンしており、結局のところ、二十三年度予算の概算要求は、社会保障費を聖域とした結果、過去最大の九十六兆円になるとの報道もあり、国の借金は限界の域に近づいています。
財政運営の持続性の確保は、各地方自治体においても大きなテーマであります。平成二十年秋のリーマンショック以来、区財政も厳しい状況が続いていますが、二十二年度も都の二十三区への普通交付金が過去最大の六百九十六億円の減となり、二十三年度の歳入はさらに減少すると見込まれ、難しい区政運営が迫られています。
区が二十二年度予算編成時に示した三カ年の財政見通しでは、区税や財調交付金などの一般財源が落ち込むことから、基金を大幅に取り崩して対応せざるを得ず、ふえ続ける社会保障費を初めとする行政需要を踏まえると、どのように財政運営を持続させていくのか、今後の先行きが見通せない状況になっていると言えます。
大幅な円高や株安など、さらなる景気の下ぶれのリスクが指摘される中、区政における財政運営の基本姿勢が改めて問われていると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、
政策検証委員会による検証の結果としてまとめられた提言について伺います。
政策検証委員会は、本年五月から四回開催されました。そこでは、世田谷区が今後どのように区政に取り組むべきかを明らかにするため、行政と民間との役割分担、サービスの提供体制、受益と負担のあり方といった三つの視点に基づいて政策、施策事業が検証され、七月にはその検証の結果としてまとめられた提言が示されました。外部の目線による政策、施策の評価は大変重要なことではありますが、今後は政策等の決定に関与している区議会との役割分担も踏まえた上で、今回の
政策検証委員会を通じて実施した経験を生かして、より一層効果的かつ適切な評価検証の仕組みを検討していくべきではないでしょうか。
このような観点から、今回の
政策検証委員会における検証の視点や提言等について、区はどのように受けとめているか、お伺いをいたします。
区長は、この提言を受けて、すべての施策事業を対象として聖域なき点検を行っていくために
政策点検方針を策定されました。今後、この方針に基づく政策点検を経て、施策事業に関する具体的な考え方等が示されてくると思います。今回の
政策点検方針の策定を契機に、さらなる行財政改革に向けてどのように取り組んでいくのか、区長のご決意をお聞かせください。
区では、今後の施策事業の点検を通じて課題を明らかにし、二十三年度予算に反映させていくものと二十四年度以降の中長期の課題とするものに整理をしていくとのことでありますが、特に
政策検証委員会の中でも、一定の負担は必要である、命にかかわる事業より趣味的なものから負担をすべきであるなどさまざまな議論があった利用者負担のあり方や外郭団体などについては、さらに踏み込んで見直していく必要があると考えます。
そこで伺いますが、
政策検証委員会で議論されなかった
インフラ関係の施策事業等について、今後どのように評価検証の手法を考えているのか、また、今後どのように施策事業の見直しに取り組み、二十三年度予算に反映させようとしているのかお聞かせください。
次に、支えあいによる地域の安全安心の観点から、地域の活性化についてお伺いします。
全国各地で高齢者の所在不明が明らかになるなど、従来は当たり前のように行われてきた、地域の住民は地域で支え見守るといったことが、現代社会では通用しなくなってきています。去る七月二十七日に開催された東京の自治のあり方研究会で公表された想像される東京の将来の姿(素案)においても、高齢化のさらなる進行に伴い、各地の
地域コミュニティーそのものが崩壊しかねず、防犯や見守りを初め、かつて地域みずからで果たしていた機能が、行政需要として大きく増大するおそれがあると言及しています。
現在、世田谷区では高齢者見守り施策の充実を検討していると聞いていますが、当然のことながら、行政だけの力で十五万人を超える高齢者の方々を見守っていくことは不可能であり、地域の方々と連携協力したネットワークを構築していく必要があると考えます。
区では、これまでも地域の絆再生支援事業への取り組みや、町会・自治会への活動支援に加え、ことし四月には世田谷区地域活性化に向けた指針を策定するなどの取り組みを進めてきましたが、高齢者の見守りを初め区民の安全安心を確保していくためには、今後、中長期的な視点を持って、なお一層地域のきずなを強化していくことが必要と考えます。
そこでお聞きしますが、区は地域の活性化に向けて、今後どのような姿勢で取り組んでいくのか伺います。
続いて、災害時に備えた地域の防災力の向上についてお伺いします。
防災の観点からも地域の協力は不可欠であります。折しもことしは阪神・淡路大震災から十五年目に当たりますが、首都圏においては、今後三十年以内にマグニチュード七クラスの大地震が起きる確率が七〇%と言われています。これまでも再三申し上げてきましたが、地震の発生を防ぐことはできませんが、事前の備えにより被害を少なくする減災対策への取り組みは大変重要であります。
区は、これまでも防災まちづくりの観点から、建物の耐震化への促進を初め、道路拡幅やマンホールトイレの整備、災害用備蓄品の充実などさまざまな取り組みを進めてきました。しかし、先ほども触れましたが、高齢社会の進展や地域コミュニティーの希薄化など近年の地域社会の変化は、特に若い力を必要とする地域の防災対応力にも大きく影を落としています。
そこで、区内には多数の大学があり、多くの学生が在学しているということを踏まえ、災害時にはこうした学生たちの若い力を発揮していただくような仕組みを確立すれば、地域の防災対応力を高められるのではないかと考えますが、災害時における大学との連携に関する現状と、そして今後の取り組みについて、区の見解をお聞かせください。
次に、今後の地域産業の活性化についてお伺いします。
国では、ことし六月に中小企業憲章を制定し、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役であると位置づけ、中小企業政策に取り組むに当たっての基本原則や、政府として進める中小企業政策行動指針を示しました。しかし、現状は、ネット環境や情報端末機の急速な進歩などへの対応力の優劣や企業規模による格差など、ビジネスモデルは日々大きな変化を遂げています。さらに、リーマンショック以来続く経済不況は中小企業の経営を圧迫しており、実態と乖離した円高傾向などが日本経済を疲弊させている状況にあります。
今後、国においては、中小企業への支援に向けた実行力のある施策を構築し、早急に具体的な対策を展開することを強く求めるものであります。
先般、世田谷区中小商工業振興対策委員会から、地域と共存し、地域の活性化に貢献する区内産業の今後の取り組みに関する答申が出されました。まさにこの答申に盛り込まれた提言の一つ一つを着実に推進していくことが、不況にも負けない磐石な世田谷の産業をつくり上げていくのではないかと考えます。
そこで、区はこの答申を受けて、今後の産業政策のあり方についてどのように産業振興施策を展開していくのか、ご見解を伺います。
続いて、都市型産業の集積事業についてお聞きします。
今年度は、将来の区内産業の振興を見据えたデジタル映像コンテンツ産業という新たな都市型産業の誘致、集積事業の第一歩を記す年となります。区では、本事業の推進に当たり、民間主導という基本方針に基づき、コーディネート役となる区内のNPO法人を補助事業者として選定し、二子玉川地区において、今秋から具体的に事業を展開すると聞いています。
経済産業省は、二十二年四月に発表した「文化産業」大国に向けてや、その後、六月に示した産業構造ビジョンなどにおいて、日本における今後の戦略産業分野の一つとして文化産業を重点的支援の対象に位置づけています。コンテンツやファッション、さらには食、観光などを主体とする文化産業は、まさに世田谷区の地域特性に適合する産業分野であり、今回区が推進する映像コンテンツ産業の集積事業は時宜を得た取り組みであると考えます。
このような取り組みはある程度長期的な産業育成の視点が欠かせないものでありますが、その一方で、区内産業との連携や相互発展、経済波及や雇用創出などをもたらす具体的な効果、そして何よりも区民の理解を得ることが求められます。
そこで伺いますが、まず補助事業について、区は選定したNPO団体と協議し、三年間の計画を立てたと聞いていますが、具体的にはどのように事業を展開していこうとしているのかお聞かせください。
また、今後、関連中小企業も区内に移転してくるとのことですが、このことによる区内産業の産業振興に対する展望、さらに、こうした成長が見込める産業においては、次代を担う子どもや若者の夢や希望をはぐくむような取り組みも必要と考えますが、区のご見解を伺います。
次に、国体を通じたスポーツの世田谷の推進について伺います。
区長は、スポーツの世田谷を標榜し、これまでもスポーツ振興への取り組みを通じて世田谷の魅力増進を図られてきました。こうした折、平成二十五年において、東京国体・全国障害者スポーツ大会が開催されることになりました。東京都での国体の開催は、昭和三十四年以来五十四年ぶりの三回目、全国障害者スポーツ大会については初めての開催となるようであります。
本国体において、世田谷区はテニス競技とソフトテニス競技の会場地として大会運営を行い、全国障害者スポーツ大会においては、卓球とフライングディスクの大会運営に協力すると伺っております。
今回の国体並びに障害者スポーツ大会は、スポーツの世田谷を標榜し、生涯スポーツ社会の実現を目指している区にとって、区民のスポーツへの参加機運を大いに盛り上げていくことが期待できるとともに、これまでスポーツに関心がなかった方や障害のある方々にとっても、スポーツへの参加意欲を高めていくきっかけにもなるのではないでしょうか。
さらに加えて、地域におけるスポーツ活動の場となる総合型地域スポーツクラブへの参加者の増加も期待でき、区民の健康増進と体力の向上を図る上での大きなチャンスであり、区としても何か大きな目標を持って、国体・障害者スポーツ大会に取り組んでいただきたいと考えます。
そこで区は、今回の国体の開催に向け、今後どのように準備を進めていくのか、そして国体を通じ区民のスポーツ活動への機運をどのようにして高めていこうとしているのかお聞かせください。
また、国体の競技会場として、全国から多くのスポーツ関係者などが世田谷区を訪れることになります。ぜひこの機会を生かしてスポーツの世田谷を全国へ発信し、世田谷の魅力アップにつなげていくべきと考えますが、区の取り組みについてお聞かせください。
次に、みどり33の実現に向けた、さらなる取り組みについてお伺いします。
区内の緑の創出、保全は、環境保全の観点だけでなく、世田谷区の魅力を高める重要な要素の一つと言えます。先般、区では、区内における巨樹や歴史のある樹木を選んだ名木百選について、二十数年ぶりに再調査した上で、地図や写真をリメークし、区民に配布したところ、大変好評だと聞いています。この名木百選をめぐる散歩コースなどができると、より多くの方々に喜ばれるのではないでしょうか。
区では区内の樹木を保全するために保存樹林や保存樹の指定助成制度を行っていますが、現実的には樹林地などは減少傾向にあるようであります。
区民意識調査の結果によると、世田谷みどり33について、よく知っている、あるいは少し知っていると答えた方々を合わせても、二〇〇九年度で一八・二%、二〇一〇年度では一七%と減少している状況にあります。区内の緑の約六割を民有地が占めており、世田谷みどり33を実現していくには、より多くの区民に関心を持っていただき、民有地での緑の保全、創出に努めていただくことが大変重要であると考えます。
また、区では、静嘉堂緑地や瀬田四丁目緑地、成城三丁目緑地、成城みつ池緑地などで国分寺崖線の樹林地を保全していますが、東京都の海の森のような新たな森や樹林地の創出はほとんど検討されていないのではないでしょうか。公園や庭園などとは趣の違った里山のような世田谷の森づくりなども検討に値するのではないかと思います。
区は、みどりとみずの基本計画を作成し、さまざまな緑施策を展開していますが、今後、世田谷みどり33の実現に向けて、区民へのPRなども含め、さらなる施策の展開が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。
次に、子育て支援について伺ってまいります。
本年三月に策定された世田谷区子ども計画後期計画においても記載されていましたが、近年、世田谷区の人口増加に伴い、児童人口も増加傾向にあるようです。また、未就学児の子どもを持つ世帯を対象として実施したニーズ調査によると、祖父母と同居していない、もしくは三十分以内に祖父母が居住していない世帯は約六五%であり、子育ての手伝いや相談など、身内の支援を受けることなく子育てに当たっている世帯が多いということがうかがえます。
こうした中、世田谷区の特色ある取り組みとも言える子育てステーションにおける「おでかけひろば」は、特に子育てに不安を感じている世帯にとっては地域での頼りになるサービスとなっています。昨年度末時点の「おでかけひろば」の利用実績を見ると、区内四カ所で約三万八千組の親子が利用した状況になっております。また、本年四月には区内五番目となる施設が開設されたこともあり、四月から六月の三カ月間で既に昨年度の三分の一に相当する約一万三千組の親子が利用されているとのことであります。核家族化の進展や近隣関係の希薄化などを背景に孤立感を感じる中で、子育てに関する不安や悩みを抱えている方々が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、今後、「おでかけひろば」を初めとした子育て中の親子が交流する場を一層充実させていくべきと考えますが、区はどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
次に、保育待機児対策についてお伺いします。
去る六月、国は子ども・子育て新システムの基本制度要綱を策定し、二十五年度の本格施行に向けて段階的に実施すると発表しました。しかしながら、この要綱には子ども・子育て支援対策の再編成などが掲げられているものの、保育施策を実施する際の具体的な財源については示されていません。国は責任を持って財源を含めた実現可能な仕組みを示すべきであります。
一方、区では、この三月に子ども計画後期計画を策定し、今年度は待機児解消に向けて約千五百人分の定員拡大に取り組んでいますが、仮にこの新システムが実施された場合には、少なからず区の取り組みにも影響が生じてくるのではないでしょうか。
そこでお尋ねしますが、将来的な保育需要の見通しと適正な財政負担という観点も踏まえ、保育待機児解消に向けた、今後の区の保育施設の整備に対する考え方についてお聞かせください。
次に、児童の放課後対策である新BOP事業における中長期的課題について伺います。
区では、子どもたちがさまざまな遊びや体験を通じて健全育成を図ることを目的に、従来のBOPと学童クラブを統合した総合的な放課後対策として、新BOP事業を平成十七年度より全区立小学校で展開してきました。そして、今年度より新BOPの大規模化への対応や配慮を要する児童の学年延長に取り組んでいるところですが、あわせて事業内容そのものの充実を図っていただきたいと思います。
区では国の放課後子どもプランに基づき新BOP運営委員会を設置していますが、この委員会との緊密な連携のもとで、スポーツや文化活動を初め、地域との交流活動のさらなる拡充、さらには家庭や地域との連携による放課後の児童の健全育成に向けた取り組みの充実が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、児童虐待対策についてお伺いします。
我が党は、子育て家庭に対する支援を充実するとともに、子どもが育つ環境を整備していくことが、ひいては児童虐待の未然防止になると考えております。残念ながら、全国ではことしに入ってからも痛ましい児童虐待の報道が相次いでおります。また、世田谷区でもことしの六月、児童相談所と警察との連携により虐待した養父が逮捕され、子どもの安全が図られたという事件がありました。
区では、平成十九年度から重点施策、「児童虐待のないまち世田谷をめざして」を掲げ、各総合支所の子ども家庭支援センターをバックアップする児童虐待対策支援チームを子ども部に設置するとともに、さまざまな先駆的な取り組みを行ってきましたが、地域の宝である子どもたちの命と笑顔を守るためにも、深刻化し、増加し続ける児童虐待の防止に向け、関係機関との連携をさらに強化していくことが必要と考えます。世田谷区では児童虐待を決して見過ごしてはならないというかたい決意で取り組むことが求められています。
今後、特に児童相談所との連携が重要であると考えますが、区と児童相談所との連携に関する現状と課題、そしてその課題を解決するための方向性について、区の考え方をお聞かせください。
次に、だれもがいつまでも安全で安心して暮らせるまちづくりの観点から、まず高齢者の住まいについて伺います。
高齢者が地域で安心して暮らしていくには、在宅生活を支える訪問看護や通所介護などのサービスを充実させるとともに、ひとり暮らしの高齢者などに対しては食事や必要な支援を提供できる住まいを確保していくことが重要です。
区ではこのたび、ひとり暮らしの高齢者などが利用しやすい
都市型軽費老人ホームの整備に向けて補正予算案を組んでいますが、今後どのように整備を進めていくのかお聞かせください。
次に、障害者施策の観点から、まず制度改革に関する国での動向についてお伺いします。
障害者を取り巻く制度は、措置費から支援費、さらに障害者自立支援法、そして新たな法制度改革と目まぐるしく変化しており、私の周りでも、制度がわかりにくい、手続が大変であるとの声をよく耳にします。
国では現在、障害者に係る制度の集中的な改革を始めており、そこでは、現行の障害者自立支援法を廃止し、制度の谷間のない支援の提供や、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする、仮称障害者総合福祉法の制定へ向けた検討が進められていると聞いております。検討に当たっては、障害当事者を含めた制度改革推進会議を設置しているとのことであり、実態に即した改善が図られるものと聞いています。
そこで、障害者に係る制度の改革に向けた国での検討状況はどのような状況であるのかお伺いをいたします。
続いて、世田谷区における障害者施策の今後の展開についてお聞きします。
区では、これまでノーマライゼーションプランや世田谷区障害福祉計画に基づき、障害者が二十四時間地域で安心して生活が送れるよう、ハード、ソフトの両面にわたる障害施策を展開してきました。特に重度障害者に対する居宅介護サービスにおいては、二十三区トップクラスの支援をしてきたことは高く評価したいと思います。しかし、現実問題としては、障害者が地域で自立した社会生活を送る上で、高齢化に伴う二次障害等により、多様な支援や医療的な援助を必要とするケースが増加しているという実態があります。
先日、大田区において移動介護費の支給決定に関する判決がありましたが、障害者の地域における生活は多様化しており、その支援の決定に際しては、従来にも増して障害者個々の実態に配慮しなければならなくなっているのではないでしょうか。
今後とも国での制度改革の動向については注視していく必要がありますが、こういった現実を踏まえ、世田谷区としては、今後の障害者施策をどのように展開していくのか伺います。
続いて、精神保健対策についてお伺いします。
報道によれば、三年ごとに国が行う患者調査では、うつ病などの精神疾患で医療機関にかかる人が年間で三百万人を超えています。世田谷区においても障害者自立支援法に基づく精神科通院医療費助成の申請件数は年々増加しており、平成二十一年度は一万件を超えているとのことであります。
このような状況を踏まえ、国では、平成十六年九月に精神保健医療福祉の改革ビジョンを策定し、精神障害者の地域生活への移行、定着支援などの方向性を示しました。さらに、本年度にはこころの健康政策構想会議から抜本的な改革案が厚生労働大臣に提言されており、国では、医療の質の向上とともに、多職種から成るチームによる保健医療の提供や、積極的に保健医療サービスを届ける訪問支援、いわゆるアウトリーチなどの新たな試みが検討されており、今後、区市町村に対し新たな役割が求められてくると聞いております。
我が党は現在、大きな社会的問題となっている精神疾患による労働損失や医療福祉関連経費の問題などを解消していくためにも、行政の役割として、精神障害者への自立支援を初め、本人及び家族の負担軽減に向けた施策を推進し、地域での精神障害への理解を進めるべきと考えております。
そこで、精神保健対策に関する国等でのこうした動向を踏まえ、区としては今後どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、良好な住環境と都市基盤の整備に関連して、まず
街づくり条例の改正について伺います。
世田谷区は、昭和五十七年に全国に先駆けて
街づくり条例を制定し、区民等の参加と提案によりまちづくりに取り組んできました。具体的には太子堂二・三丁目や北沢三・四丁目などの密集市街地において地区街づくり協議会が設置され、安全で住みやすい快適な環境を備えた市街地の形成に向けて、行政と区民が協働して地区街づくり計画を策定したという事例もあります。
現在、八十八地区で、面積では約千六百六十ヘクタールとなりますが、世田谷区の全面積の約二八%に及ぶ地域において、この条例に基づく地区の街づくり計画が策定され、地域特性を踏まえたさまざまなまちづくりが進められてきました。
区では、今般の条例改正に向けて、平成十九年度での基礎調査を初め、二十年度では学識経験者を交えたあり方検討会を開催し、二十一年度には区民参加による改正の考え方を取りまとめました。そして、本年一月において
パブリックコメントを実施し、六月に改正条例の素案を公表したというのがこの間の経緯であります。
その主な改正点は、区民等の参加の機会の拡充を目指す区民街づくり協定や、都市計画法の改正に伴う住民提案、地区計画の申し出制度の創設、そして改正の柱とも言える大規模な土地取引行為の事前届け出や建築構想の事前調整制度の導入などであります。
そこでお尋ねしますが、区は改正
街づくり条例によって、今後どのようなまちづくりを目指しているのかお聞かせください。
安全で安心な町世田谷を次の世代に引き継いでいくことは我々の責務であり、その根幹をなす道路整備の推進は重要な課題であります。熊本区長のこれまでの道路整備への取り組み姿勢は、我が党も大いに評価をしているところであります。
この厳しい財政状況のもとでは、これまでの道路整備のスピード感を維持していくことは困難ではありますが、京王線の連立事業や外環関連道路など特に事業効率の高い路線については、限られた予算を有効に活用しながら集中的に取り組むべきであると思います。さらに、安全安心のまちづくりの観点から喫緊に整備が必要な路線も数多く残っており、今後とも道路整備の着実な推進が求められています。
そこで、この厳しい財政状況の中ではありますが、次の世代に「安全・安心のまち世田谷」を引き継いでいくためにも、少しでも多くの道路整備を行うために、新たな工夫を持って道路整備に取り組むべきと考えますが、区の考え方を伺います。
続いて、二子玉川東地区再開発事業の進捗状況についてお伺いします。
二子玉川地区は、多摩川や国分寺崖線などにより緑豊かな地域として、また、鉄道やバスなど交通の要衝でもあり、下北沢地区や三軒茶屋地区と並び広域生活拠点として発展してきました。現在、二子玉川駅東地区で進めている組合施行による再開発事業では、既に一部の商業施設が先行オープンするなど、駅東側においてもにぎわいの広がりが見えつつあります。
東地区での再開発事業の完成により、既存の西地区における地元商店街や大規模商業施設などとの相乗効果により、二子玉川地区全体のにぎわいがさらに創出されることを期待するものであります。
一期事業については、交通広場の運用も始まり、マンションへの入居も段階的に進み、十一月には建物も完成すると伺っており、来年三月のグランドオープンに向けて順調かつ確実に事業が進んでいるものと認識しております。
そこで伺いますが、この新しい町の誕生に大きな期待を寄せているところですが、新たなにぎわい、新たな魅力の創出に向けて、現在、事業者はどのように取り組んでいるのか伺います。
また、再開発事業地区の中心に位置する二期事業については、六月末に事業認可を取得し、事業主体となる組合も設立されています。これまで二期事業に対しては、議会、地元等からさまざまな公益的な施設、例えば郵便局、集会所などの整備について要望する声が上がっていました。
今後、区は事業者に対してこうした公益的な施設の設置に対する要望をどのように働きかけていくのか伺います。
次に、世田谷らしい質の高い教育の実現の観点から、まず新学習指導要領の実施に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
平成二十年三月に文部科学省から示された新学習指導要領については、平成二十一、二十二年度の移行措置期間を経て、来年度から小学校で、平成二十四年度からは中学校で完全実施されます。今回の学習指導要領は、授業時数の増加や小学校からの外国語活動の導入、算数、数学、理科教育の充実、中学校における武道の必修化など、児童生徒のみならず、保護者にとっても大きな改定となるのではないでしょうか。
いよいよ来年度から小学校の学習指導要領が完全実施されますが、完全実施に向けて、区ではどのような準備をされているのか、現状を伺います。
また、本年四月に策定された世田谷九年教育の推進に向けた基本方針では、新学習指導要領の小学校の完全実施にあわせ、世田谷九年教育のカリキュラムを区立小学校全校で試行するとしております。
私は、世田谷九年教育の取り組みの中でも、区立小中九年間を通したカリキュラムの作成が最も重要であると考えております。カリキュラムは子どもたちへの日々の教育に直接影響するものであり、新学習指導要領を踏まえながらも、世田谷区の子どもたちにふさわしい、世田谷らしい質の高い教育を展開するために、世田谷独自の特色を持たせていくことが重要であると考えます。
そこでお伺いいたしますが、世田谷九年教育のカリキュラムの方向性や特徴についてお聞かせください。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいまの自由民主党、下山議員の代表質問にお答えしてまいります。
まず初めに、今後の世田谷区の全体構想についてのお尋ねでございます。
私は区長就任以来、区民の生命と財産を守ることが区政の最重要課題として、対症療法型から予防型行政への転換を進め、区民の目線に立ち、「安全・安心のまち世田谷」づくりに心血を注いでおります。
現下の厳しい社会経済状況の中においても、区民の安全安心を基本にしながら、子育て支援、区民生活や地域経済の活性化、高齢者、障害者の安心施策、都市基盤整備、みどり33、文化、教育、スポーツなど総合的な政策を、全庁一丸となって取り組んでいるところでございます。こうした考えのもとで、より一層の行財政改善を進め、「いつまでも住み続けたい『魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷』」の実現に全力で取り組んでまいります。
続きまして、区政における財政運営の基本姿勢、区政運営についてのお尋ねでございます。
世界的な金融危機から端を発した大幅な景気の後退は、この間の急速な円高の進展などにより、今後も予断を許さない状況が続いております。地方自治体においても、今回の景気低迷により大きく歳入が減少する中、社会保障費を初めとする行政需要が拡大に拡大を続けており、持続可能な区政運営のためには一定額の基金の確保など、中長期の視点に立った強固な財政基盤の構築が不可欠であると考えております。
私は、そのためには行政内部の効率化を進め徹底的にコストの圧縮を図ること、区有地財産の活用など税外収入の確保にも積極的に取り組むなど、行政経営の体質強化に取り組むことがまずは重要課題であると考えております。
このたび、
政策検証委員会からの提言を受けて、新たに
政策点検方針を策定し、すべての施策事業について聖域なき点検を行うよう、全庁に指示したところでございますが、この点検により、区が責任を持って取り組むべき施策を見きわめるとともに、区民の皆さんの理解と協力によりサービスを充実させるものなど中長期の視点からの課題も整理し、無駄のない堅実な区政を目指していかなければならないと考えております。
次に、世田谷みどり33の実現に向けてのお尋ねでございます。
私は、「緑と水の環境共生都市せたがや」を目指し、世田谷みどり33を区政の最重要課題の一つとして積極的に取り組んでおります。特に区民に対しては、ガーデニングフェアや緑のカーテン講習会の開催、公募デザインによるピンバッジの制作販売など、さまざまな方法で普及啓発を図ってまいりました。来月からは、全国で三番目と言われる、都内では初めての都市緑地法に基づく緑化地域制度を導入し、確実に緑化を推進してまいります。
また、まとまりのある緑と水の拠点として仮称二子玉川公園を整備するなど公園整備にも力を入れております。今後とも育てよう緑の世田谷を合い言葉に、区民、事業者とともに緑の施策をさらに推進し、世田谷みどり33の実現に取り組んでまいりますので、議員の皆様方にもご協力のほど、よろしくお願いします。
以上です。その他につきましては、所管よりお答えいたします。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 ご質問は、障害者施策の推進について、一つに、障害者施策の国の動向、二つに、世田谷区の障害者施策の今後の展開についてということでございました。二つあわせましてご答弁申し上げます。
ご案内のとおり、障害者の権利に関する条約が、平成十八年、二〇〇六年に国連総会で採択され、翌年、我が国はこれに署名、平成二十年、条約の効力発生を見たわけでありますが、条約締結の前提となります国内法令の整備等が課題となっております。
国は、この点も視野に入れまして、昨年十二月に設置いたしました障害者制度改革推進本部による検討に着手し、障害者の方々も参加されておられます障害者制度改革推進会議から出された第一次提言を受け、この六月に障害者制度改革の推進のための基本的な方向を閣議決定しております。
そこでは、障害の有無にかかわらず、相互に個性の差異と多様性を尊重し、人格を認め合う共生社会の実現を目指しまして、我が国の障害者に係る制度の集中的な改革の推進を図ることとしております。
具体的には、平成二十三年には障害者基本法の改正、二十四年に次の障害者基本計画の策定、また、現行の障害者自立支援法廃止に伴う新たな障害者総合福祉法の制定、二十五年には障害を理由とする差別の禁止に関する法律の制定などへの取り組みを明らかにしておりまして、世田谷区の平成二十四年度以降の新たな障害福祉計画の策定に反映していく必要がございます。
こうした国の動向をしっかり見定めながら、ご指摘にありました現実を踏まえた施策の展開に当たりましては、障害者の生活の多様化、加齢によります二次障害、医療的対応を要する障害者の方がふえている現状等にかんがみまして、障害者の方々が地域で自立した生活が続けられますよう、個々の実態に配慮した障害福祉サービスの推進に努めてまいります。
〔森下副区長登壇〕
◎森下 副区長 改正
街づくり条例によってどのようなまちづくりを目指すのかというお尋ねでございます。
世田谷区では、全国に先駆けまして、昭和五十七年に
街づくり条例を制定し、区民と行政の協働により、現在、区内の八十八地区、面積で二八%において地区街づくり計画を策定するなど、地区街づくりを推進してまいりました。
区が目指しますまちづくりとしましては、世田谷区基本構想が示す区の将来像の実現を図るため、改正
街づくり条例で規定しました大規模な土地取引の事前届け出制度や建築構想の事前調整制度などによりまして、住民の合意形成を早期に図り、都市整備方針に沿った、よりよいまちづくりを総合的に進めていくということでございます。
また、
区民街づくり協定制度、あるいは地区計画の素案のお申し出制度などの創設によりまして、区民によるまちづくりの機会拡充を図るとともに、地区街づくり協議会の活動をさらに支援するなど、区民のまちづくり活動を最大限サポートしていきたいと考えております。今回の条例改正によりまして、さらに安全で快適な町世田谷を目指してまいります。
次に、二子玉川東地区再開発事業における新たなにぎわい、魅力の創出に向けた取り組みについてでございます。
二子玉川東地区再開発事業は、広域生活拠点としまして、にぎわいの核にふさわしい商業及び業務機能の充実、豊かな水と緑の自然環境と調和した快適な居住空間の創出、あるいは道路、公園など公共施設の整備を行っていく事業でございます。
再開発の施設としましては、業務・商業施設としてデジタル産業の集積を担う拠点施設、あるいはファッションやカルチャーセンターなどが入居する予定と聞いております。さらに、用賀出張所二子玉川分室の移転、あるいは民間保育所が開設されると伺っておりまして、新たなにぎわいの創出が図られるものと考えております。
また、事業者より、東京のしゃれた街並みづくり推進条例を活用しまして、駅前の大空間を利用したオープンカフェや地元と連携したイベント開催など、ソフト面からも地域の魅力を高めるまちづくりを展開していくと聞いております。これによりまして、二子玉川の東地区と西地区全体が魅力あふれるにぎわいの拠点として一体となって発展していくものと考えております。
以上でございます。
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 まず、新学習指導要領の実施に伴う取り組みにつきましてお答え申し上げます。
新しい学習指導要領では、基礎的な知識、技能の習得とともに、みずから考え、判断し、表現する力などをバランスよく伸ばしていくこととされています。
区教育委員会では、これまで校長会はもとより、教務主任研修会や、指導主事による教科等に関する研修会などにおいて、新学習指導要領の趣旨や各教科等の改訂のポイントについて周知徹底を図ってまいりました。
また、新しい学習指導要領では小学校も中学校も授業時数が増加することから、現在、校長会と土曜日の授業実施について検討を進めているところでございます。
来年度完全実施される小学校につきましては新たに英語活動が必修となるため、研修会の充実を図るとともに、英語活動支援員の拡充に向けて準備を進めております。また、理数教育の充実の観点から、理科支援員の拡充等に取り組んでいるところでございます。
さらに、平成二十四年度から始まる中学校における武道の必修化に向けて、今年度から学識経験者や区立中学校長、教員等から成る検討委員会を設置するなど、中学校の新学習指導要領完全実施への準備も進めているところでございます。各学校が新学習指導要領の完全実施を円滑に進めていくことができるよう、学校への指導支援をより一層充実させてまいります。
次に、世田谷九年教育のカリキュラムにつきましてお答え申し上げます。
世田谷九年教育のカリキュラムでは、義務教育九年間を通して、豊かな人間性、豊かな知力、健やかな身体をはぐくむことを目指しております。
そして、第一に新学習指導要領の改善事項である言語活動の充実を踏まえ、世田谷区がこれまで全国に先駆けて推進してまいりました言葉の力の育成を、各教科などの基盤として一層推進してまいります。
第二に、国語や算数、数学を初めとする各教科では、小中学校九年間を通した目標や内容を示し、特に豊かな人間性、豊かな知力、健やかな身体を育てていく観点から、特徴を明らかにしてまいります。
第三に、よく学ぶ世田谷区の児童生徒にふさわしい高い水準の発展的な内容や、小中学校などを円滑に接続するための指導の工夫、基礎的、基本的な内容を確実に身につけるための繰り返し学習や学習確認調査の実施など、質の高い教育内容となるよう鋭意検討しているところでございます。
また、カリキュラムを補助するものとして、補習の充実や朝学習を活用した学習の充実などについても検討、試行を進めており、より質の高い教育の実現を目指し、世田谷九年教育のカリキュラムの作成を進めてまいります。
以上でございます。
◎金澤
政策経営部長 三点お答えを申し上げます。
まず
政策検証委員会の関係でございますが、区議会との役割分担を踏まえ、より適切な評価検証の仕組みを検討する必要があるが、今後どうするのかというご質問でございます。
区長がお話しされましたとおり、
政策検証委員会は、景気低迷により大きく歳入が減少し、他方、社会保障費などの行政需要が増大する中、持続可能な区政運営に向けて、二十三年度予算編成と中長期の課題に対応し、強固な財政基盤の構築を図るため、今後の区政運営の方向性についてご議論いただくことを目指して設置したものです。委員会の提言を受け、区長が示した
政策点検方針により点検作業を進めているところですが、点検結果を取りまとめた後は、区としての取り組みの原案を区議会にお示ししご議論をいただきながら、施策事業の再構築を進めてまいります。
今後は、より一層効果的かつ適切な評価検証の仕組みを検討すべきとのお話でございますが、急速に変化する社会経済状況に的確に対応するためには、施策事業について不断の検証、評価の作業が必要であり、今後も行政評価などの中で継続していかなければならないと考えております。
今回の
政策検証委員会については、学識経験者や区民の委員により内部とは異なる視点からご提言をいただくことができたことから、区としては高く評価しており、この経験を踏まえまして、これからのより効果的、効率的な評価検証の仕組みを研究してまいりたいと考えております。
続きまして、
インフラ関係の施策事業の評価検証はどうするのかというご質問でございます。
政策検証委員会の視点と素材については、委員会が区政全体に共通する課題と典型的でわかりやすい事業に選定し、ご議論されたものです。提言につきましても、すべての施策事業に共通する考え方をお示しいただいたものです。提言を受け、区長が示された
政策点検方針におきましてもすべての施策事業を対象とした点検項目が掲げられており、インフラ整備に係る都市整備の施策等も含め、各部はすべての施策事業の点検に取り組んでいるところです。点検作業は予算編成作業と一体的に実施し、施策事業の必要性、有効性、優先度を再検証し、民間でできることは民間に移行し、区がやらなくてはならないことは効率化を図り、役割を終えた事業は廃止するなどの方針を立ててまいります。これらを二十三年度編成に反映していくもの、中長期の課題として取り組むものに整理して公表する予定です。
今後、各所管の点検作業と並行して、議会での議論もいただきながら、政策点検に基づく今後の取り組み、政策原案を取りまとめ、施策事業の再構築を図り、持続可能な区政運営に向けて強固な財政基盤の確立を図ってまいります。
続きまして、地域の活性化に向けて、今後どのような姿勢で取り組んでいくのかというご質問でございます。
ご指摘のとおり、少子・高齢化の進展、住まい方、働き方の多様化などにより、地域社会が大きく変容する中で、コミュニティーや人と人とのきずなといったものの希薄化が懸念されており、区としても区民主体のまちづくりをさらに活性化していくことが求められているものと認識をしております。
区では、これまでも地域の絆再生事業等によるネットワークの拡充や、災害時要援護者の支援に関する取り組みなどを推進するとともに、高齢者の見守りや支援活動をより効果的に進める観点から、出張所、まちづくりセンターと
あんしんすこやかセンターの一体整備などにも力を注いで、地域の活性化を推進してきております。
また、本年四月には世田谷区地域活性化に向けた指針を策定し、地域におけるさまざまな人々の参加や活動を促す取り組み、活動団体相互の交流連携の環境づくり、従来の枠にとらわれない発想や手法による事業の展開など、区民主体のまちづくりを活性化させるため、全庁挙げて一層の取り組みを図ることといたしました。
今後ともこうした取り組みなどを通じて、区民、町会・自治会、市民活動団体、事業者、学校などに主体的に地域とかかわっていただきながら、八十四万人を擁する世田谷の安全安心と中長期の展望を見据え、区民自治と協働を基調とした、「区民が創るまち」の実現に努めてまいります。
以上でございます。
◎内田 危機管理室長 地域の防災力の向上につきまして、災害時における大学との連携に関する現状、今後の取り組みにつきましてご答弁いたします。
区は、災害時における区民や在学・在勤者の安全確保を図るため、平成十八年より区内の大学と災害時の協力協定を順次締結しており、現在、八つの大学と協定を結んでおります。
協定の主な内容は、避難所や物資集積所となる大学施設の提供、学生・教職員ボランティアの派遣等となっております。大学には比較的広い敷地と校舎や体育館があることから、災害時にこれらの施設を利用できることは防災上有効であります。また、お話しのように、大学生や高校生、中学生の地域防災活動への参加は、高齢社会の進展に伴う防災の担い手不足の補完につながり、地域の防災力を高めるものと考えております。
一方、区と大学との協定とは別に、大学と町会が独自に震災時活動支援の覚書を結び、震災が発生した場合、町会が大学に協力を要請し、学生ボランティアが町会の指示に基づき活動するという新たな動きもございます。
区といたしましては、こうした区内大学と町会等との連携協力に当たって、地域の実情を踏まえた働きかけを行うとともに、区と災害時の協定を締結していない大学等との協議や、大学生を初め高校生、中学生の防災訓練への参加等も、さらに積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎杉本
産業政策部長 地域産業の活性化について二点のご質問をいただきました。
まず、今後の産業政策の展開についてでございます。
区民生活や地域産業を取り巻く環境が大変厳しい状況の中で、今後の区内産業は、地域と共存し、地域にいかに貢献しながら発展していくかが、区内産業振興の重要な課題であると認識しております。
こうした視点から、昨年十一月に区長より諮問を行い、先般、中小商工振興対策委員会からの答申をいただいたところでございます。答申には、労働や雇用、新たなビジネスの創出、ワンストップサービスの充実などハード、ソフトの両面から、区内産業の振興に向けた六つの提言が盛り込まれております。その提言の一つ一つがこれからの区内産業が取り組むべき将来をも展望した内容となっており、これら提言を着実に実行していくことが区内産業の振興発展につながっていくものと考えております。
このたびの答申を踏まえまして、区内産業が区民、地域、世田谷を支える担い手となり得るよう、区といたしましては、産業振興公社、商工業団体等区内産業を支える関係団体との緊密な連携を図り、区内産業の活性化に向けて取り組んでまいります。
次に、都市型産業の集積事業についてのご質問でございます。
区では、将来の地域産業の発展や地域活性化を視野に、今年度から具体的に世田谷らしい新たな都市型産業としまして、デジタル映像コンテンツ産業の集積事業を開始いたしました。コンテンツ産業は、国の産業構造ビジョンにおいても日本の産業を牽引する重要な支援分野に位置づけられ、
区内中小企業への経済波及効果、雇用創出効果などが期待できるものでございます。
事業の推進は民間主体で実施していくことになり、本年六月に区内の特定非営利活動法人を補助事業者に決定いたしました。この秋以降、具体的に事業展開いたしますが、十二月には二子玉川再開発のオフィスビルに映像制作や人材育成を行う拠点施設を構える予定でございます。三年間の補助事業期間で約二十社の集積を目指しておりまして、映像機器の共同利用、産学連携による映像制作や保存技術の研究、実証実験、年間百三十回程度の人材育成セミナーなどが企画されております。
事業展開に当たりましては、転入する関係企業が、区内工業団体への加入参画や、
区内中小企業との技術交流、受発注関係の構築を図るとともに、子どもや若者が区内産業に夢や希望を持てるよう、積極的な地域活動への協力、自主イベントの開催などにも取り組み、地域に根差し、地域とともに発展する産業集積になるよう努めてまいります。
以上でございます。
◎山﨑
スポーツ振興担当部長 国体を通じたスポーツの世田谷の推進についてお答えいたします。
初めに、今後の取り組みについてでございます。
国体・障害者スポーツ大会の開催に向けましては、この十月にスポーツ所管の副区長を長とし、部長会メンバーで構成する準備委員会を立ち上げるとともに、来年度早々には、警察や消防、町会、産業団体などから成る全区的な実行委員会を組織して、多角的に検討を進め、選手の皆さんが安全で快適に競技に打ち込め、来場される皆さんが安心して観戦できる環境を整備してまいります。
目標でございますけれども、現在、区ではスポーツ振興計画に数値目標を定めて、成人の週一回以上のスポーツ実施率を四〇%以上としているところですが、先日、文部科学省が発表したスポーツ立国戦略ではその目標数値を六五%としております。
昨年の区民意識調査によりますと、四八%の区民の方がスポーツに親しんでいるという結果が出ておりますので、例えば国体を契機に、その数値目標を国と同様に設定するなど、スポーツ人口のすそ野を広げるよう検討を進めてまいります。
引き続きスポーツの世田谷の実現に向けたスポーツ振興施策の充実を図るとともに、スポーツの普及、健康増進、体力向上はもとより、国民生活を明るく豊かにすることを目的に開催されております国体開催の趣旨などにつきましても広く区民にPRして、区民のスポーツへの機運を高めてまいります。
次に、スポーツを通した世田谷の魅力発信についてお答えいたします。
国体のテニス競技とソフトテニス競技は、多くの来場者が見込まれる人気の高い種目でございます。駒沢オリンピック公園で開催されます全国障害者スポーツ大会の卓球とフライングディスクとをあわせて、開催期間中、およそ十万人が世田谷区を訪れるものと推測しております。
この機会に、全国から世田谷を訪れる多くの皆様に、「世田谷246
ハーフマラソン」などを通して、スポーツの世田谷を広くアピールしてまいります。加えて、世田谷の魅力を全国に発信する絶好の機会であると考えておりますので、今後設置予定の実行委員会に観光PRに関する専門部会を設ける予定でございますので、これらの中でご意見を伺いながら、関係部署とも連携を密にして、国体・全国障害者スポーツ大会を通して、世田谷の魅力を全国に発信してまいります。
以上でございます。
◎堀川 子ども部長 子育て支援に関しまして三点のご質問にお答え申し上げます。
まず、子育て中の親子が交流する場の充実等についてでございます。
区では、核家族化の進行などにより、子育て世帯が身近なところで相談することができず、育児に対する孤立感や負担感が高まっていることから、子育て中の親子が身近な地域で交流の機会や相談相手が必要である、こういう認識のもと、在宅子育て支援に取り組んでまいりました。
育児不安や子育ての負担を保護者一人が抱え込まないよう、理由を問わない一時預かりや、子育て中の親子の交流や育児相談ができる場である「おでかけひろば」、児童館における子育てひろばを展開してまいりました。また、保育園におきましても、在宅子育て支援として地域交流、体験保育、子育て相談を行ってきたところでございます。
お話にございました親子で交流する場である「おでかけひろば」などの充実につきましては、スタッフ研修による子育て相談等のスキルアップや、リーダーを対象といたしました交流会による情報交換を通じました質の向上を図り、地域における子育て支援の充実に努めてまいります。
次に、保育待機児対策につきまして、今後の保育施設の整備に対する考え方についてでございます。
国が先般発表いたしました子ども・子育て新システムの基本制度案要綱では、現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度、財源、給付につきまして包括的、一元的な制度を構築するとしております。この要綱には保育所の入所要件から保育に欠ける要件の撤廃等が明示されており、今後の保育需要の予測に大きな影響が及ぶことが想定されております。
また、新システムにおけます新たな財源の確保の裏づけが示されておらず、現在の
保育施設整備における主な財源となっております安心こども基金の取り扱いにつきましても、国は二十三年度予算の編成過程で示すこととしていることから、来年度の保育サービス施設整備の準備につきましても見通しを立てることが難しい状況となっているところでございます。
区といたしましては、
保育施設整備に当たりましては、国や都の財政支援を得るなど、区の財政運営面からも将来的な過度の財政負担を生じることがないよう取り組む必要がありますので、今後の国の動向なども注視してまいりたいと考えております。
最後に、児童虐待への対応ということで、区と児童相談所の連携の現状と課題、解決の方向性についてのお尋ねでございます。
区は、児童福祉法の改正によりまして、平成十七年度より児童虐待の相談や通告の第一義的窓口を設置いたしまして、児童相談所と連携して児童虐待の対応を行っているところでございます。また、平成二十一年度には都から児童相談等の連絡調整に関する基本ルールが示され、児童相談所は専門的な知識や技術を必要とするケースへの対応や区市町村の後方支援を行い、区市町村はケースの情報収集や身近な子育て支援サービス等を活用したケースへの対応を行うと、役割分担と連携のあり方が明確にされました。
区と世田谷児童相談所では、このルールを踏まえまして、地域ごとに年三回の進行管理会議による双方のケースの情報を共有し、対応に漏れがないようにしております。また、対応困難ケースにつきましては個別ケア会議を開催し、対応につきまして、関係機関ネットワークの構築と援助方針の確認をいたしているところでございます。しかしながら、ケースの情報共有が必ずしも十分でない面もございますので、現在、ケースの情報共有を毎月行うための体制につきまして検討を進めているところでございます。児童相談所とのさらなる緊密な連携を図り、児童虐待への対応を進めてまいります。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 私からは、新BOPにおける家庭や地域との連携等による取り組みの充実についてお答えいたします。
区では、小学校の施設を利用した放課後の遊びと交流の場としてBOP事業を平成七年度から開始し、さらに世田谷の特色ある事業として学童クラブを統合した新BOP事業を区立小学校全六十四校で展開し、平成十九年度からは国の放課後子どもプランに位置づけて実施しております。この間、六十四新BOPごとに、地域団体、学校、保護者等をメンバーとする連絡協議会を設け、地域の方々との連携を図りながら事業を運営してまいりましたが、放課後子どもプランの位置づけにより、さらにお話しの世田谷区新BOP運営委員会を設置し、そこでのご意見もいただきながら、全区レベルで事業の充実に取り組んでおります。
本年度、新BOPの大規模化や配慮を要する児童の受け入れ拡大などへの対応を図ってきているところですが、中長期的な課題への対応についても、これまでの経緯を十分踏まえ、鋭意検討を進めていく必要があると認識しております。
学校協議会を初め、地域や家庭とも連携しながら、文化、スポーツなど多様な遊びを通した異年齢間の交流や、子どもたちの創造性、自主性、社会性等の育成を図る場として、世田谷らしい、また地域の特性を生かし、充実した新BOP事業を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎堀川
地域福祉部長 都市型軽費老人ホームについて、今後どのように整備を進めていくのかという点につきましてご答弁申し上げます。
平成二十一年三月の群馬県の高齢者施設たまゆらの火災事故を受けまして、区におきましては、特別区長会を通じて国及び東京都に対して在宅介護の困難な低所得者向け福祉施策の充実に関する緊急要望を行いまして、本年四月一日より厚生労働省令である軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準が改正され、
都市型軽費老人ホームの制度が創設されたところでございます。
この
都市型軽費老人ホームとは、ひとり暮らしが困難な高齢者を低額な料金で入所させ、食事の提供その他、日常生活上必要なサービスを提供する、都市部を対象とした定員二十人以下の小規模な老人ホームでございまして、低所得高齢者の居住の場の確保という観点から大変重要なものと認識しております。
今回の補正予算案では整備費補助といたしまして入所定員四十人分を見込んで計上させていただきました。これにつきましては、国や東京都より全額補助金が交付されるもので、また、運営費補助につきましては、東京都から運営事業者への直接補助となりますので、区の負担はございません。
区といたしましては、当該制度創設の趣旨を踏まえ、事業者に積極的に働きかけ、制度活用を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎西田
世田谷保健所長 私からは、地域における精神保健の抜本的な取り組みの強化についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、精神保健福祉につきましては、国は、平成十六年に向こう十カ年の精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて、入院医療中心から地域生活中心とする基本理念を打ち出し、区では、法令、計画等に基づく施策に取り組んでいるところです。
具体的には、専門医による心の健康相談の実施、地域生活支援として、保健師による随時相談、自殺対策、地域生活移行のためのネットワークとしての自立支援協議会による取り組み、家族支援相談活動、思春期保健にかかわる連絡会での検討、普及啓発等さまざまな施策を進めております。
国は、さきのビジョンの中間点をとらえ、昨年、精神保健医療福祉のさらなる改革を示し、精神保健医療体系の再構築、精神医療の質の向上、地域生活支援体制の強化、普及啓発の重点的実施の考え方を取りまとめたところです。民間によるこころの健康政策構想会議から、こうした国に対し、この五月にアウトリーチ等を含む提言が厚生労働大臣に出され、検討が進められておりますが、コストや担い手の確保等、課題も指摘されています。
区といたしましては、こうした国の動向を見定めながら、基礎的自治体の立場から、引き続き積極的に検討を進めていきたいと考えます。
私からは以上です。
◎山口
道路整備部長 厳しい財政状況のもとでも工夫を持って道路整備を推進すべきではとのご質問にお答えいたします。
区では、おくれていた道路整備に対応するため、熊本区長の指導のもと、これまでの倍のスピードで道路事業に取り組み、希望丘通りの開通や経堂駅前広場の完成など、平成十七年から五カ年で約二千五百メートルの道路を完成させるほか、約三千八百メートルの新規路線に着手するなど成果を上げてまいりました。しかしながら、現在の厳しい財政状況のもとでは、道路整備を推進していくため、これまでの整備手法に加えて、さまざまな整備手法を検討する必要があると考えております。
これまでも区では補助二〇九号線、明薬通りでございますが、ここを整備した際、現在のUR、都市再生機構を活用した手法を採用し、実績を上げたケースもございます。
今後は、これまでの整備手法に加えまして、例えば交差点改良によって渋滞解消や交通安全のレベルアップにつながる投資効果の高い局所的整備、あるいは移管財産のつけかえや交換による歩道の設置など、既存区有地を活用した道路整備などを含めさまざまな手法を検討し、また、柔軟な発想と工夫をもちまして、厳しい財政状況のもとではありますが、道路整備の推進に努力してまいります。
以上でございます。
◎春日
生活拠点整備担当部長 私からは、二子玉川東地区再開発の第二期事業におけます公的な施設の整備についてのご質問にお答えいたします。
二期事業につきましては、ホテル、映画館を含む業務・宿泊機能及び文化・余暇機能等を集積した複合施設として再開発事業区域の中央に位置し、再開発事業全体の重要な役割を担っております。七月には二期事業を進める第二地区再開発組合が設立され、現在、権利変換計画書の作成や実施設計に向けまして準備を進めているところでございます。
公益的な施設につきましては、民間事業者による子育て支援機能、高齢者支援機能、文化・教育機能及び新たな都市型産業を集積する機能の確保や、郵便局の誘致など公益的な施設の整備を計画し、多様な魅力を創出するよう、再開発組合に要望したところでございます。
今後も再開発組合が事業を進める中で公益的な施設の内容を順次かためていくよう協議してまいります。
区といたしましても、一期事業に引き続き、一体的に二期事業の推進を図り、広域生活拠点にふさわしい二子玉川のより一層の発展につながるよう努めてまいります。
以上でございます。
◆五十一番(下山芳男 議員) さまざまな観点からの質問をさせていただいたんですが、やはり現在の世田谷から、さらに世田谷がすばらしい世田谷になるという、そういった非常に希望の持てる世田谷にしなきゃいけないと思います。区民とまた行政側と協力して頑張っていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で下山芳男議員の質問は終わりました。
これで本日の代表質問は終了いたします。
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○川上和彦 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。
なお、明十六日は午前十時から本会議を開催いたしますので、ご参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時四十六分散会...