ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2010-03-15
    平成22年  3月 予算特別委員会-03月15日-05号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-04
    平成22年  3月 予算特別委員会-03月15日-05号平成22年 3月 予算特別委員会 平成二十二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第五号 日 時  平成二十二年三月十五日(月曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  山内 彰 副委員長 高久則男 副委員長 吉田恵子      石川征男      大場やすのぶ      上島よしもり      小畑敏雄      宍戸のりお      下山芳男      新川勝二      菅沼つとむ      鈴木昌二      畠山晋一      山口ひろひさ
         飯塚和道      板井 斎      市川康憲      岡本のぶ子      佐藤弘人      杉田光信      高橋昭彦      平塚敬二      諸星養一      稲垣まさよし      上杉裕之      風間ゆたか      重政はるゆき      すがややすこ      中塚さちよ      中村公太朗      西村じゅんや      藤井まな      岸 武志      桜井 稔      中里光夫      村田義則      桜井純子      竹村津絵      山木きょう子      大庭正明      小泉たま子      田中優子      唐沢としみ      羽田圭二      木下泰之      あべ力也      上川あや      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 堂馬孝之  出席説明員   副区長           平谷憲明   世田谷総合支所          副支所長   池田 洋          生活支援課長 兎澤幹雄          保健福祉課長 髙木景一          健康づくり課長                 上田仁志   北沢総合支所 副支所長   霜村 亮          生活支援課長 藤井栄次          保健福祉課長 加藤政信          健康づくり課長                 畠山明美   玉川総合支所 副支所長   根津典史          生活支援課長 平井信和          保健福祉課長 伊藤美和子          健康づくり課長                 松本加代   砧総合支所  副支所長   吉村靖子          生活支援課長 吉岡郁子          保健福祉課長 進藤達夫          健康づくり課長                 大和田俊夫   烏山総合支所 副支所長   齋藤洋子          生活支援課長 渡邊裕司          保健福祉課長 鈴木 勲          健康づくり課長                 池﨑 隆   政策経営部  財政課長   岩本 康   保健福祉部  部長     佐藤健二          計画調整課長 永井 努          指導担当課長 安永もと子          保健医療担当課長                 田中文子          障害施策推進課長                 山本登江子          障害者地域生活課長                 金澤弘道          国保・年金課長                 鶴見正子          保険料収納課長                 清水昭夫   地域福祉部  部長     堀川雄人          地域福祉課長 木谷哲三          高齢福祉課長 松本公平          介護保険課長 石橋久哉          介護予防・地域支援課長                 澁田景子          生涯現役推進課長                 新保 信   子ども部  部長      藤野智子          子ども家庭支援課長                 岡本逹二          児童課長   平澤道男          保育課長   工藤郁淳          要支援児童担当課長                 小堀由祈子          副参事    岩渕博英   世田谷保健所 所長     上間和子          副所長    松田隆夫          参事     木村博子          健康企画課長 幸田雅夫          健康推進課長 上村 隆
             生活保健課長 淺見一雄     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十二年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十二年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十二年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二十二年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第六号 平成二十二年度世田谷区中学校給食費会計予算福祉保健委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○山内彰 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 本日は、福祉保健委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日の欠席並びに遅参者等の届け出がありますので、ご報告いたします。  遅参者はすがや委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  日本共産党、どうぞ。 ◆岸武志 委員 おはようございます。高齢者が地域で安心して暮らすためには、介護保険や高齢者福祉の改善などがどうしても必要です。この点について何点か質問してまいります。  一つは、あんしんすこやかセンター地域包括支援センターの配置についてです。  あんしんすこやかセンターは、高齢者の権利擁護、要介護度軽度の方への見守り事業などが行われ、保健師、ケアマネ、社会福祉士などの専門職員によって構成されています。  かつて五カ所の総合支所には福祉の総合相談窓口がありました。地域包括支援センターは、自治体の直営事業と民間事業者への委託が当時選択できました。我が党区議団は、総合相談窓口の民間委託には反対しましたし、区民に直接の責任を負う立場で、現時点においては必要なものは、むしろ直営業務などに戻して、個人情報を適切に管理しながら、区民への責任を果たしていく必要があるとも考えています。  一方で、高齢者人口は増加し、現在、十五万人を超えるというところになりました。ひとり暮らしの高齢者も急増しています。昨年行われた高齢者実態調査からもそのことは浮き彫りになっています。地域包括支援センターの役割は増大する一方で、現実には地域の実情に応じて強化することが切実に求められていると思います。  現在、地域包括支援センターは、区内二十七出張所地区に対応して、二十七のセンターが置かれています。一例ではありますが、玉川の町のあんしんすこやかセンターは上用賀です。玉川と用賀は異なる町であるにもかかわらず、あんしんすこやかセンターが一つしか置かれておりません。  そこで一つ伺いますが、地域包括支援センターは生活圏域にあわせて設置されることになっていると思いますが、区ではこのことをどのように認識しているのか伺いたいと思います。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターは、高齢者が住みなれた地域で尊厳あるその人らしい生活を続けることができますように、介護予防や総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメントなどの四つの機能を担っておりまして、これらの事業を実施するために、市町村またはその委託を受けた社会福祉法人等が設置できることとされております。  あんしんすこやかセンターの設置区域につきましては、平成十八年に厚生労働省から出された通知により、市町村の人口規模、業務量、運営財源や専門職の人材確保の状況、地域における保健福祉圏域との整合性に配慮いたしまして、最も効果的、効率的に業務が行えるよう、市町村の判断により担当区域を設定するものとされております。  区におきましては、平成十八年度まで在宅介護支援センター出張所地区単位で設置しまして相談や支援事業等を展開してきたことや、この通知に示されました基準を勘案いたしまして、当時の出張所単位ごとに設置することといたしました。 ◆岸武志 委員 玉川から上用賀に行くには瀬田を通ることになりますが、国分寺崖線上の坂を上らなければいけません。二四六号線と環状八号線の交差点を通ろうものなら、歩道橋を延々と渡らなければなりません。生活圏域は明らかに異なると思いますし、高齢者をこうした条件に置くのは大変酷なことだと思います。  一出張所に一つのあんしんすこやかセンターの設置が基準としても、出張所の二子玉川分室には拠点出張所並みの利用者、対象とする人口規模という点でも増加しており、出張所が二つあると考えても何らおかしくありません。生活圏域ということを踏まえれば、玉川に、もしく二子玉川付近にあんしんすこやかセンターを設置すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターの業務内容につきましては、主に相談業務でございますが、来所相談よりも訪問や電話でのご相談が実際には多く、連絡後は速やかにご自宅に伺いまして、高齢者の方の健康状態や介護状況の確認、サービス提供などに結びつけていく活動を展開しております。  こうした状況を踏まえまして、ご質問のありましたあんしんすこやかセンターの設置箇所につきましては、この間、二十七カ所で考えており、来年度進める予定の出張所、まちづくりセンターとの一体化などにより、お互いの連携をさらに深めるとともに、区民ニーズに応じたサービスを提供できるよう取り組んでまいります。 ◆岸武志 委員 玉川に、二子玉川付近にあんしんすこやかセンターを新設することを強く求めます。  また、一年後とはいえ、喜多見東地区会館の合築によって、現在鎌田にあるあんしんすこやかセンターは移転予定となっています。出張所との連携の強化ということは歓迎したいと思いますが、鎌田にも何らかの機能を残して、高齢者への支援を強化するよう要望いたします。  次に、受領委任払い、償還払いというものを介護用品に適用することも求めて質問いたします。  現在、特養ホームへの入所希望者はおよそ二千五百人、潜在的にはもっといるものと思います。有料老人ホームに入所できる方もおりますが、入居金のかからない有料老人ホームでも、入居後の費用は特養ホームと大きな開きがあります。在宅での生活を強く希望する方がいること、家族関係や経済的な理由でぎりぎりのところまで在宅生活を続けなければならない高齢者がいることは事実です。一カ月の生活費が国民年金程度か、それ以下の高齢者が多いのも事実です。当区では住宅改修の工事をする際に、現金で費用の全額を立てかえなくても済む受領委任払いというものを選択できます。  そこで、まず伺いますが、この住宅改修の利用者が費用の全額を立てかえなくても済むこの受領委任払いの利用状況は、現在、この世田谷区でどのようになっているのか伺いたいと思います。 ◎石橋 介護保険課長 受領委任払い、住宅改修でどの程度かということでございますが、区のほう、保険者の立場で言うと代理受領というふうに言っております。年に数件、現金で直接ご本人にお支払いする額がありますが、それ以外はすべてこの代理受領の方式を使っております。 ◆岸武志 委員 現在は非常にふえているということだと思います。最近、このような話を聞きました。車いすやポータブルトイレ、またおふろの手すりなどの福祉用具の利用が以前とは違ってきている。数もふえているし、利用も金額も、以前に比べれば高い金額でも使う方がふえているというようなお話を伺いました。  そこで伺いますけれども、利用や需要は非常にふえてきているかと思いますが、こうした福祉用具にも利用者本人の立てかえの必要のない受領委任払いというものが実施できないものでしょうか、伺います。 ◎石橋 介護保険課長 福祉用具についての受領委任払い、いわゆる代理方式が使えないかという質問でございます。介護保険法の規定では、介護サービスを受けた被保険者が、サービス提供事業者に一たんはサービスに要した費用を全額支払った上で、後から保険者からその費用の払い戻しを受ける、償還払い方式というものを原則としております。実際には、大部分の介護保険サービス給付費は、保険者がサービスを受けた被保険者にかわりまして、サービス提供事業者に費用を支払うという方法をとっております。被保険者に給付を行ったものとみなす代理受領方式というものがとられております。  福祉用具につきましても、特定福祉用具を購入したときは、当該居宅要介護被保険者に対し居宅介護福祉用具購入費を支給すると、制度上は償還払いを前提とした構成になっております。しかし、代理受領方式の支払いが否定されているものではないというふうに考えております。  福祉用具につきましては、代理受領方式の導入に当たって、特定福祉用具の購入は他の介護サービスと異なりまして、ケアマネジャーによる居宅サービス計画が作成されていなくても、事業者の福祉用具専門相談員が必要な理由を確認するのみで購入ができることから、導入した場合の課題を検証してまいりたい、このように考えております。  区では、購入費用の全額負担が困難な方に対しまして、福祉用具購入費の無利子の貸付制度による支援策を実施しておりますので、こちらのほうもあわせてご利用いただきたいと思います。 ◆岸武志 委員 一部の自治体では、福祉用具の購入についてもこの方式を行っていると伺います。一カ月の収入などが国民年金程度、もしくはそれ以下という方も多いわけですから、貸付制度があるから、そちらを使ってくださいということではなくて、ぜひこうした需要にも区として積極的にこたえることを要望したいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  次に、住宅用火災警報機の普及事業について伺います。  消防署の方から、ひとり暮らし高齢者の出火というものをどうしても防がねばというようなお話を伺ったことがあります。この事業は、そうした防火対策という点でも、高齢者を優先しているという点でも、経済給付をしているという点でも評価できる側面があると考えています。  そこで伺いますが、ことしの四月から火災警報機の設置は義務化されていくわけですけれども、区としてこの警報機の普及事業を一年間続けてきた評価について伺いたいと思うんです。評価については、当初の予算策定時の予想を上回ったのかどうか。また、決算ベースで現在どのぐらいになっているのか、そうしたことを含めて、区としての実績と評価について伺いたいと思います。 ◎松本 高齢福祉課長 住宅用火災警報機の設置の評価ということでございますけれども、平成二十一年度限りの事業として実施させていただいておりますが、ひとり暮らしの高齢者、それから高齢者のみの世帯ですとか障害者世帯などを対象としまして、約八万三千四百世帯を対象に実施させていただきました。二月末の申請締め切りの段階では、対象世帯の五一%、約四万三千世帯からの申請をちょうだいしているところでございます。  予算編成の段階で他区の状況などを調べさせていただいた段階では、ほかの区では二割、あるいは高いところでも三割というような申請状況と聞いておりましたので、世田谷区の申請の状況というのは高いものがあった、このように考えてございます。  したがいまして、予算の上でも高齢、障害合わせまして三億円余りの予算を組んでおりますけれども、執行状況はほぼ一〇〇%に近い状態というふうに考えております。 ◆岸武志 委員 ところが、最近、このような話を伺いました。この事業は二月で打ち切りで、三月になったら受け付けそのものができないというお話なんです。そもそもこうしたさまざまな評価できる内容があるにもかかわらず、義務化される四月になってこうした事業が継続されないと。三月でどうして打ち切ってしまうのかという点では、大変ご不満に思っている方もいらっしゃるようなんですが、どうしてこのようになっているのか、このことについても、区としての見解を伺いたいと思います。 ◎松本 高齢福祉課長 住宅用火災警報機の設置は、消防法ですとか東京都の火災予防条例に基づきまして、ことしの四月からすべての住宅で設置が義務化をされるということがございます。  区が火災警報機の給付事業を、ひとり暮らしですとか、高齢者のみの世帯等に対して実施するという背景には、条例に基づいて義務化が図られても設置ができない方もおいでになるだろうというようなことから、高齢者、障害者の安全安心の観点で、平成二十一年度単年度の事業として、義務化を前に実施させていただいたということがございます。  それから、二月末を締め切りの期限とさせていただいた点につきましては、申請をちょうだいしてから設置が完了するのを今年度中に終わらせなければいけない、こういった観点から、二月末を締め切りにさせていただいて、給付事業を実施したということでございます。 ◆岸武志 委員 四月以降は義務化されるから、あとは自己責任だけでというふうにもちょっと聞こえるところがあるわけですね。義務化される以降は、本来の消防法の改正の趣旨にも立って、これをより促進する立場に立ってもよいのではないかなというふうにも感じるわけです。それで、三月で終わりという対応も、事務手続上必要なのだというご答弁ですけれども、三月で終わりというのは、せっかくやろうと思っていた高齢者からすると非常に納得のいかないところがあると思うんです。  区民の命や健康、財産を守ることを最優先だと言っている区の立場からしても、例えば新規事業を起こして補正予算を組んででも、こうしたことを継続、また改めて形を変えて発展させることもぜひ考えて実行していただきたいということも要望したいと思います。  それでは次に、産業政策や雇用ということと、福祉、介護の連携という立場に立って一点伺いたいと思います。  昨年だったかと思いますが、雇用のセクションで世田谷地域人財マッチングプロジェクトというものが出されております。トライアル雇用の奨励金の拡充や、この中には訪問介護員の養成研修その他もあって、この世田谷に介護や福祉ということを通じて産業や雇用を発展させていこうという、そういう趣旨でつくられているかと思います。  当然このことは区としてもご承知かと思いますけれども、具体的なことで一つなんですが、現在、成城八丁目の都営団地の建てかえに伴いまして複合施設の建設予定があるかと思います。事業内容と計画内容はいろいろ調整中かと存じますが、こうした区が抱えるさまざまな動きの中で、ぜひ区内のNPOさんですとか区内の介護や福祉の事業者が中小企業のような事業規模の小さいところでも参加できる条件を、具体的にこうした事業の中で整えていっていただきたいと思うんですけれども、その点について何かご所見はございませんでしょうか。 ◎永井 計画調整課長 今、雇用との関係で成城八丁目の事業に関してご質問があったわけですけれども、成城八丁目におきます都営アパートの建てかえ事業に関しましては、これまでもご答弁しておりますように、東京都のご理解を前提に、当該地の福祉的活用について庁内で多角的に検討しているところでございます。  ここにおきます施設整備につきましては、東京都への要望もこれからでございますし、その後、具体的な協議に入ることになるものと考えております。したがいまして、ご提案の運営事業者の選定方法等につきましては、当然今後の検討課題になるとは思われますが、現段階では具体的に申し上げる状況にはございません。ご理解を賜りたいと存じます。 ◆岸武志 委員 区内のそうした介護や福祉の事業所であったり、NPOさんだったりしますと、資金力という点では大手の企業とは全然違うわけですよね。ただ、そういうところに、雇用の場という点でも、また、区内事業を発展させるという点でも、実際に個別の事業で参加できる事業の枠組みというものをむしろ準備していく必要があると思うんです。そうした点にもぜひ配慮して、今後の調整を進めていただくよう要望したいと思います。  時間がもう少しありますので、最近あったことを申し上げたいと思います。  近所の知人の高齢者で、ひとり暮らしの方だったんですが、要介護度がだんだん悪くなりまして、ホームヘルプを初めとした福祉というか、介護保険は入っていたんですけれども、知らない間に病院に何度か入院されたり、いろんなことがありました。近所の方が心配して、どこにいるのかということをいろいろ調べたわけですけれども、あんしんすこやかセンターは事情をつかんでいるんですが、個人情報だから話せないというので、わからなかったわけです。区の地域の保健福祉課では元気でいるよということだけは確認できましたので、そこまでわかっているのであれば、知人に電話を一本下さいという伝言や何かをお願いして、本人から連絡をとってもらったりしたわけです。こういう地域の見守りですとか安否確認という点で、区としても配慮していただきたいことがたくさんあるかなというふうに思っているわけです。  今、世田谷では、緊急通報システムであったり、配食サービスであったり、福祉の電話相談であったり、いろんな事業が所管にあるわけですけれども、こういうものを区民が総合的に理解して、利用しやすい環境をつくっていくということは、ぜひとも必要な課題ではないかなというふうに思うんです。  例えば、区にかかわる見守りですとか安否確認の事業はこういうものがあって、こういうやり方で利用できますというものを、「区のおしらせ」やリーフレット、パンフレットとか何かをつくって普及啓発を図っていくぐらいのことはまずやってもいいんじゃないかなということを感じているところなんですけれども、所管やその他としてはどのようにお考えなのか、ご所見を伺えればと思います。 ◎松本 高齢福祉課長 ひとり暮らしの高齢者の方などを対象としております区の在宅福祉サービスにつきましては、毎年、利用できるサービスのリーフレットを作成しておりまして、保健福祉課ですとか、あんしんすこやかセンターなどに配布させていただいております。そういった中で、例えばひとり暮らしの方でしたらこういうサービスが利用できるということが一覧でごらんいただけるような状況になってございます。  加えまして、このリーフレットにつきましては、それぞれの地区の担当の民生委員さんのお名前が書き込めるような形態のものもご用意させていただいておりまして、民生委員の皆様が地区で活動される際にご活用いただける、こういうような工夫もさせていただいております。  それから、ことしの二月からになりますけれども、要介護認定の結果通知をお送りする際にも、介護保険のご案内と同時に、区の保健福祉サービスのご案内もあわせて同封させていただいておりまして、できるだけ区民の皆様が区のサービスをご利用いただけるような工夫に努めさせていただいたところでございます。 ◆岸武志 委員 一般的に利用しやすいようにしていくというお話ではあるかと思うんですが、高齢者の方ご本人が多少認知があったりとかいろんな方がいらっしゃいますから、かなりのフォローは必要、だれかがしなくちゃならないということはあると思うんです。  実はその知人の方は亡くなったんですけれども、最後のそういった連絡までは、近所の方や何かには当然入らなかったということもあって、非常に悲しい思いもしました。安否確認や見守りということは、できれば生前にご本人の同意を得て、いろんな方で協力関係をつくっていくような取り組みを促す立場で、地域のそういったネットワークを強めていく立場でさまざまな取り組みを展開していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ○山内彰 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆山木きょう子 委員 生活者ネットワークの福祉保健領域の質問をいたします。  まず最初に、保育サービスの質の確保について伺います。  平成二十二年度、区は千四百八十四人の保育サービス定員の拡大を図ります。保育サービスの充実に関連した予算は、認可保育園の本園、分園の整備、病児・病後児保育、保育ママなども含めると、総額百十億三千二百七十五万七千円といった予算化をしております。財政の厳しい状況において、子育て支援へ集中的に投資し、待機児解消を目指すことは評価いたします。  先日、保育施設の整備について、区有地や学校施設を活用した具体的なものが示されました。数が相当数ふえることで、多くの方の保育ニーズにこたえることができますけれども、同時に、子どもにとって良好な保育環境を確保する必要があります。  生活者ネットワークは、子どもの発達保障や子どもの育ちといった、子どもの権利の視点に立った保育サービスの充実を図ることが重要だと、代表質問でも総括でも申し述べてきました。子ども計画後期計画に子どもの視点に立った保育の質の確保と向上がしっかりと明記されています。具体的にどのような内容の取り組みをするのかお伺いいたします。 ◎工藤 保育課長 保育の質を確保するためには、子どもの健やかな成長を願い、保護者と保育士がともに子どもを育てていくとともに、各保育施設や関係機関が連携して子育てに取り組む環境づくりが大切であると考えております。  このため、後期子ども計画では、地域保育ネットワークの取り組みが保育の質の向上に重要であると考え、そのネットワークが充実するよう支援していくことを計画しております。  このネットワークは、地域のさまざまな保育施設や関係機関が情報と専門性を共有し、相互に協力し合うとともに、地域との連携協力を深め、区内保育施設が自主的、自発的に保育の質の向上を図ることを目的としております。  また、巡回指導相談事業を地域展開することにより、保育施設の身近な相談相手として、保育の内容や子育て相談、親支援への取り組みを側面から支えていこうとするものでございます。このほか、すべての区内保育施設に向けての研修の充実や継続的な第三者評価の受審など、これまでの取り組みを一層強化し、保育の質の確保に努めてまいります。 ◆山木きょう子 委員 今までも巡回指導などでいろいろ課題も見えてきていると思いますけれども、これまで第三者評価をしてきた結果、その質の向上に向けてはどういうふうに生かしているのかをお伺いいたします。 ◎工藤 保育課長 現在、区立保育園では第三者評価は三年に一回受審しているところでございます。各園は、受審結果と今後の改善に向けての取り組み内容につきまして保護者に公表しております。また、受審に該当しない年度におきましては、各保育園で保護者に向けてのアンケートを実施いたしまして、改善への取り組み状況や保育園への理解について確認をし、保育園と保護者とともに、子どもを育てる環境整備に取り組んでおります。  今後とも第三者評価の結果を一層活用いたしまして、さらなる保育の質の向上に取り組んでまいります。 ◆山木きょう子 委員 次に、区立保育園の担うべき役割について伺います。  現在、区立保育園は五十園、私立保育園は分園も含め三十七園です。区立保育園は、公共の立場から保育サービスを広く均等に提供することが求められており、一定の水準以上の質の確保と向上を図り、主導的な役割を果たしていく必要があると考えます。しかし、延長保育、一時保育、病後児保育にしても、現状では私立のほうが積極的に取り組んでいます。本来、区立保育園は公共の立場から、保育の実施だけでなく、地域における子育て支援の役割を担うことが求められており、児童福祉法においても規定されています。  新しい保育のニーズに対応し、拠点保育園として全体のスキルアップを図り、地域の子育て支援にも積極的に取り組んでいくことなどが求められますが、区は区立保育園の役割をどのようにとらえているのかお伺いいたします。 ◎工藤 保育課長 保育の質の向上には、公立保育園と民間の保育所がそれぞれの特性や長所を生かし連携していくことが大切であると考えております。公立保育園は現在五十園と、区内で最も多くの保育サービスを提供するとともに、区における保育の質を一定水準以上に維持向上させる役割を果たしております。  一例ではございますが、先ほどご説明させていただきました地域保育ネットワークは、区としての役割を発揮できる取り組みであり、公立保育園がリーダーシップをとり、ネットワークの展開に取り組んでいく必要があると考えております。  このように公立保育園は、行政の一つの機関として、区が責任を持って実施すべき事業の推進役として、保育の一翼を担っていくものと考えております。 ◆山木きょう子 委員 今示されているのは、認可保育園、私立がふえるようになっておりますけれども、しっかりと連携を密にとって、保育の質の向上に向けて取り組んでいただくようお願いいたします。  また、平成二十一年度八月に、区は「区民が知りたい認証保育所ガイド」というのを作成しました。これは従来の世田谷区の保育サービス施設の案内と違って、子どもの視点に立ってサービスの質に関する情報を掲載しています。こういうものですけれども、例えばこの中にはクラス編制、それから利用上のルール、行事の土曜日実施があるのか、屋外活動、それからアレルギー対応、職員の状況、非常勤、アルバイト、専任、兼任が何人で、何時間か、また、職員の退職の状況など詳しく書かれております。保護者も利便性だけの情報でなく、子ども自身の成長、発達に視点を置き保育園を選ぶように、保育サービスの質を向上させる保育情報誌として作成されました。  保育の質向上に向けた取り組みとして、認可保育園などもこのような情報を伝えるガイドブックの作成が必要だと考えますけれども、お伺いいたします。 ◎工藤 保育課長 「区民が知りたい世田谷区認証保育所ガイド」につきましては、保健福祉サービス向上委員会の調査研究の報告として作成しまして、現在、区のホームページに掲載するとともに、総合支所の生活支援課の子ども家庭支援担当ですとか図書館などで閲覧できるほか、認可保育所、認証保育所、保育室、保育ママ、子育てひろば、児童館など、区内の子育て支援施設に配布しまして、利用者への閲覧をお願いしているところでございます。また、このほかにも、地域ごとにまとめました世田谷区の保育サービス施設といった、施設ごとのご案内の冊子なども発行させていただいております。  区といたしましては、こうした区民向けの冊子をよりわかりやすく、内容も充実させていくとともに、認証保育所を初めとした保育施設に働きかけまして、利用者が必要としている情報を適切に提供してまいりたいと考えております。
    ◆山木きょう子 委員 これは非常に詳しく書かれておりますので、子どもたちの視点に立ってそういった判断ができるものだと思いますので、ぜひとも認可保育園などにも取り入れていただきたいと思います。  次に、児童虐待防止と子どもの相談・救済についてお伺いいたします。  昨年の江戸川区、それから奈良市、福岡市、蕨市と、相次ぎ虐待で死に至る痛ましい事件に本当に胸が痛みます。児童相談所の虐待相談件数は、総務省の調査によると、平成二十年度の虐待相談件数は四万二千六百六十四件で、平成十一年の虐待防止法施行前と比べ三・七倍に増加しています。また、虐待による死亡事例も後を絶たない状況です。  世田谷区は、平成十九年度から平成二十一年度の重点に「児童虐待のないまち世田谷をめざして」を掲げ、育児不安の進行予防から虐待再発防止策まで取り組んできました。親への支援策はかなり進んできていますが、いじめや自殺の問題など、学校でも家庭でも困難にある子ども自身の救済が今最も求められているのではないでしょうか。  私は、これまでも何よりも重要なのは、声を上げられない子どもへのアプローチとともに、子ども自身の声を聞く仕組みが必要だと訴えてきました。子ども計画後期計画の基本方針に、子どもの視点重視が掲げられたことは多いに評価するところです。子どもの視点に立った虐待防止策について、区はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 委員のお話にありましたように、区は子ども計画後期計画におきまして、子どもの視点の重視を基本方針に掲げ、子ども虐待への対応においても、子どもの視点を一層重視して取り組みます。虐待や不適切な養育を受けている子ども自身がSOSの声を上げることは非常に困難です。子どもに接する大人が虐待の兆候や、子ども自身が発する言葉によらないサインもいち早くとらえ、早期に相談窓口に連絡して、適切な支援に結びつける必要がございます。  要保護児童支援協議会の積極的な活用により、子どもにかかわる関係機関との連携強化や人材育成の支援を行うとともに、区民へ広く周知し、子どもの視点から地域ぐるみで虐待防止を推進してまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 いつも虐待が行われていたかなという周りの声がありながら、悲惨な状態に陥ってしまうということがありますので、ぜひともここのところはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  一月に東京生活者ネットワークで、子どもに寄り添い支える相談・救済事業について、市民と行政の協議会を行いました。東京都は二〇〇四年から子どもの権利擁護専門相談事業を実施しており、子どもからの電話相談、メッセージダイヤル、専門相談人による権利侵害事例の調査調整など、弁護士会が独立の第三者機関として、親、学校へ物申す、また、虐待のケースを児相につなぐといった活動をしております。専門相談に当たっている弁護士の方からの報告では、子ども自身からの電話が八〇%を超え、いじめなどの相談が最多数だそうです。半数は私立校の子どもからも問い合わせがありますけれども、今、国公立、私立とも、学校と連携を図り対処しているそうです。  先日もいじめを苦に、だれにも言えず自殺した女子中学生の痛ましい事件がありましたが、こういった電話相談につながっていたら救われたのではないかと、とても残念です。電話での対応は、子どもにとってアプローチしやすく、だれかに話すことで救われるケースが多くあります。当事者である子どもは自分自身では動けないことから、声を聞き、サポートする人が必要です。  世田谷でも電話相談を週二回行ってきましたが、さらなる拡充が求められます。平成二十二年度の予算には児童虐待防止対策の推進として総額約一億二千万円の予算が示されていますが、子ども自身からの電話相談の拡充についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 区は、平成十八年度から週二回、夜間、午後四時から九時まで、子ども自身からの電話相談、子ども・青少年相談を行ってまいりました。平成二十二年度からは名称も親しみやすく、子ども・青少年相談を子どもテレフォンとし、年末年始を除く毎日の夜間、午後五時から十時までと、土日、祝日は午前九時から午後十時まで相談時間を拡充し、子どもの声を聞く仕組みを充実いたします。  また、PRカードを小中学生に一斉配布するほか、子どもの関係機関やコンビニエンスストアに置くなど工夫を行っておりますが、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 いつでも、どこでも、何かがあったときにすぐ電話がかけられるような体制、ぜひともしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、精神障害者への支援についてお伺いいたします。  年間三万人を超える自殺者、日本は十万人に対して二十四・二人と、G8諸国の中で二番目に自殺者が多く、複雑な社会構造、救えない現状が続いています。私の知人も長くうつ病に苦しんでいて、昨年七月に三十一歳でみずから命を絶ってしまいました。一緒に過ごしてきた家族は、これまでもその後もつらい日々が続き、心労ははかり知れないものがあります。  先日、成城ホールにおいて精神障害についてシンポジウムが開催され、厚労省と家族会が行った早期支援・家族支援のニーズ調査が報告され、また、イギリスの早期支援・家族支援の進んでいる取り組みが紹介されました。イギリスでは精神保健の問題は国民全体にかかわる重大な問題として、国の最優先課題となっています。  日本では、平成五年に障害者自立支援法でやっと精神障害が障害と位置づけられ、その後、平成十六年には厚労省が精神保健福祉改革ビジョンを策定、入院から地域医療中心に移行しました。条件が整えば退院できることになり、世田谷区は平成十八年から退院促進事業というのを行ってきました。退院に関しての相談を受け、自立に向けて支援していきます。地域移行を支援する拠点として、区内には都立の中部総合精神保健福祉センター、ここで退院から自立する前の中間施設として生活訓練をするホステル、また、休息などで一時入院する病室、そのほかにもリハビリ、職員の研修、相談などを行ってきました。とても有効的な施設でしたが、しかし、東京都が平成二十三年三月でセンターの入院部分、ホステル部分を廃止することを決定いたしました。貴重な中間施設がなくなり、ここを利用していた家族は大変苦慮しています。  先日、会派で、都議とともにこのセンターを視察してまいりました。センターの入院部分が廃止されることから、今後はより一層区が行っている退院促進事業を強化し、地域移行への支援が求められますが、今後どのようにしていくのかお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 病院に入院されております精神障害者の退院促進につきましては、今委員のお話のように、世田谷区は他区に先駆けましてモデル事業に取り組みまして、平成十八年度、十九年度は区事業として取り組みました。また、平成二十年度からは東京都が民間のコーディネート事業所に委託して実施しております。  区といたしましては、退院促進に向けまして、障害者自立支援法に基づきます地域自立支援協議会、この中に地域移行部会を設置しておりますが、そこにおきまして、病院あるいはグループホーム、作業所、中部センター、コーディネート事業所、それから区の保健福祉担当などが集まりまして、情報の共有や課題の検討を行って、関係機関のネットワークの強化を図っております。  また、地域移行の実績でございますけれども、区の事業で行いました十八、十九年度は、五十三名の方のうち三十四名の方が退院されております。また、二十年度、二十一年度は四十二名の方の支援を行いまして、十八名の方が地域生活に移行されております。  ご質問の中部センターのホステルでございますけれども、このホステルは病院から地域生活に移行する際に生活訓練を行う施設でございますが、これまで支援した方のうち六名の方が中部センターのホステルを利用されているという実態がございます。  区といたしましては、この中部センターのホステル等の機能が廃止された場合でありましても、ただいま申し上げました地域移行部会における関係者のネットワークをより強化しまして、長期入院されている方が安心して地域生活に移ることができますよう、関係機関によります重層的な支援に取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆山木きょう子 委員 とても重要なところなので、ぜひともこのことについては、また周りでしっかりと支えていっていただきたいと思います。  そして、精神疾患は、どんな病気でも早期に発見され、適切な治療を受ければ重症化せず回復するように、精神疾患も同様です。この家族会が行った調査によれば、十代の発症が最も多いという結果が出ています。最初の異変に気がついてから治療に結びつくまで、三人に一人が一年以上たっている。こういった結果も出てきております。このことは、家族も精神疾患について適切な情報もなく、また学ぶ機会もなく、まして思春期のころだと、余計に社会の誤った偏見や差別を恐れ、病院に行くことをちゅうちょし、そして一年以上たって行ったときには重症化してしまっている、こういった事態が起こっております。  家族への情報提供、また、早期に対応することがとても重要なことです。思春期の精神保健にかかわる早期支援、家族支援についてお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 思春期からの精神保健対策につきましては、昨年八月に設置いたしました教育関係者及び保健福祉関係者、あるいは精神科の医師から成ります思春期精神保健対策連絡会におきまして、現在、具体的な支援の仕組み等につきまして検討を行っているところでございます。  連絡会におきましては、教育現場における子どもたちの心をめぐる現状や課題、さらには相談体制が十分かどうか、こういったことにつきまして、小中学校における具体の事例をもとに、多角的な視点から議論を行っているところでございます。その中では、精神科の医師や保健師、あるいは心理療法士などの専門職のチームによる学校への支援、その必要性につきましても課題となっているところでございます。  また、子どもたちを支援するに当たりましては、委員のお話のように、学校とあわせまして家庭や保護者への支援も不可欠になってまいりますので、今後、学校への支援とともに、家族支援のあり方につきましても検討してまいりたい、このように考えております。 ◆山木きょう子 委員 イギリスでは、こういった家族支援・早期支援の取り組みをしっかりと強化して行ったことで随分と改善されたということで、先日も、ぜひそういったイギリスの取り組みを世界的にも広めていきたいというお話を伺ってまいりました。これからのことだと思うんですけれども、本当に一人一人に寄り添って、しっかりと支援していただきたいと思います。  そしてまた、こういった支援にかかわるには、保健福祉医療の人材の確保がとても重要となってまいります。イギリスにおいては、専門性の高い人たちが多職種でチームを組んで、そして出向いていって、訪問サービスをしております。  また、家族に対しても一緒に相談、家族としては非常に心理的なケアを求めているところがありまして、そういったことにも取り組んでおります。受診したときに、家族には正しい説明もされず、そして家族がとても不安になり、薬のことについてもよくわからないといったことが、さきのシンポジウムでも報告をされていました。  特に発病して間もない時期が大事なのですけれども、子ども、中高年、こういったところの対応はこれまで少し進んできているようですが、今申し上げました思春期の若者への対応が最も欠落しているというふうに伺っております。適切に対応できる人材の確保、育成、これがとても重要だと考えております。  例えば、代表質問でも申し上げましたが、梅ヶ丘病院跡地に人材育成のための全区的な拠点となる場を設ける、こういったことも視野に入れて、人材育成については今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 精神保健につきましては、現在、保健所の健康推進課と総合支所の健康づくり課が担っておりますが、健康づくり課では、地区を担当する保健師が相談や訪問を行うとともに、デイケアや依存症講演会などの事業につきましては、事務職、保健師等が医師や心理療法士等の専門家の協力を得て、共同して実施しているところでございます。  また、保健師の地区活動におきましては、面接あるいは家庭訪問、あるいは福祉や医療などの関係機関への連絡等がございますけれども、地区活動の五割以上が精神保健に関するもので占められております。そして、またその内容も複雑で困難なものとなってきております。こうしたことから、担当職員の人材育成は大変重要なことであると認識しております。  現在、人材育成の取り組みといたしましては、助言者を招きました事例検討を職場内研修として進めるとともに、先ほど出ました中部センターや国立精神研、こういったところが実施する専門研修へ職員を派遣して実施しております。しかしながら、希望するすべての職員をこういったところに派遣するのは難しい状況もございます。委員ご指摘のように、人材育成に関する全区的な拠点機能につきましては、必要性も含めまして今後検討してまいりたい、このように考えております。 ◆山木きょう子 委員 先ほど行われましたシンポジウムも、本当に初めて精神障害について多くの方で共有するという場面でした。これからのことだと思うんですけれども、このことについては、また区としても取り組みを強化し、そして進めていっていただきたいと思います。  次に、高齢者住宅の促進についてお伺いいたします。  十三日の明け方に、札幌市でまたグループホームの火災がありました。こういったことは非常に心が痛むことですけれども、東京都は昨年十一月に「少子高齢社会にふさわしい新たな『すまい』の実現に向けて」をまとめました。平成二十二年度からの五カ年で九千四百人分の高齢者住居を整備していきます。東京の特性を踏まえた高齢者の安心安全を確保した住まいとして、全国に先駆けた東京モデルの実現に取り組みます。  住宅と施設を併用した中堅所得者向けケアつき住まい、また、未届け施設の受け皿として低所得者向け都型ケアハウス、団地や高齢者の多い地域に見守り機能や生活相談を行うシルバー交番などです。その中でも、例のたまゆらの事件から、東京都独自の施設基準を設けた、低所得者が入れる都型ケアハウスを二十三区に一カ所ずつ整備することを提案し、そして予算化をしております。  私は、これまでも高齢者の多様な住まいの確保についてたびたび議会で取り上げてきましたが、やっと東京都も動き始めました。東京都が提案している低所得者向け都型ケアハウスの整備に区は取り組んでいくのかお伺いいたします。 ◎松本 高齢福祉課長 今お話がございました、東京都の報告書にございます都型のケアハウスですけれども、低所得で身寄りがない方、あるいは一人で生活をすることが困難な高齢者の方の住まいとしまして、大都市の土地事情ということを踏まえまして、例えば一施設の定員を二十人以下にするだとか、現状より小さい居室面積での整備、あるいは必要な職員の配置の基準緩和、こういったことが盛り込まれている内容でございます。  国におきましては、東京都のこの提案を受けまして、東京二十三区、それから横浜、川崎など大都市部に限って整備が可能となるように、現在、関係省令の改正手続を進めているというふうに承知しております。あわせまして、東京都におきましても、お話しのとおり、整備費等の補助の予算案を盛り込んだというふうに聞いております。  区といたしましては、高齢者向けの住まいの整備ですとか認知症グループホームの整備、こういったことに取り組んでおりますけれども、低所得高齢者の住まいの確保ということは課題でございますので、今後、都型のケアハウスについても、関係省令等の改正、それから通知などを待ちまして、制度活用の検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆山木きょう子 委員 次々、また火災事件やいろいろなことが起こりまして、高齢者が悲惨な状況になっております。ぜひとも取り組みをしていっていただきたいと思います。  そしてまた、この提案にありますシルバー交番についてお伺いいたします。  きょうの区報にも全高齢者実態把握調査のことが出ておりましたけれども、これによりますと、ひとり暮らしとか高齢者のみ世帯、この方々が半数以上で、また、家族と暮らしていても昼間一人だったり、老老介護世帯がふえていて、将来への不安を感じている方が多くいらっしゃいます。  この調査によっても、見守りを希望する方が六六・二%という結果が出ています。世田谷区は、これまで見守りネットワークに取り組んできましたけれども、その後の進展が具体的な報告もないままです。また、今回の東京モデルにあるシルバー交番は、まさにこの見守りを行っていく新しい提案だというふうに思っております。団地や高齢化率の高い地域に見守り機能や生活相談などを行う拠点を設け、高齢者の地域生活を支えていこうとするこのシルバー交番、仮称でございますけれども、こういったものが必要だというふうに思っております。  例えば集合住宅の一室を位置づけるなど、家族や地域が担う機能が低下している都市部では、まさに必要な仕組みです。区内には大規模団地があり、いずれも高齢化が進んでいます。こうしたところに取り入れていくなど、お考えはいかがでしょうか。 ◎松本 高齢福祉課長 東京都のシルバー交番、仮称でございますけれども、この構想は、大規模団地などにおきまして、緊急時の対応ですとか訪問配食サービス、それから、医療、介護サービス提供のコーディネートなど、二十四時間三百六十五日にわたりまして高齢者の日常生活を支援するためのワンストップ機能を設けるものでございます。  本区におきましては、既に高齢者の安心コール事業ですとか配食サービス、あんしんすこやかセンターの訪問調査など、さまざまな見守り、あるいは高齢者向けの安心事業を実施しておりますけれども、こうした取り組みに加えまして、都営住宅などの大規模団地、これは高齢化率が二〇%、三〇%を超えるというような高い状況がございますので、建てかえ等によるハード面での環境整備も必要でございますが、高齢社会に対応したソフト面でのサービスの充実ということも考えてまいる必要があるんだろうと存じます。  今後、区の住宅部門、それから東京都などとも連携を図りまして、建てかえの際などを機会ととらえまして協議してまいりたい、このように考えております。 ◆山木きょう子 委員 ぜひとも住宅部門、福祉部門、領域を超えて取り組んでいっていただきたいと思います。  最後に、在宅医療についてお伺いいたします。  後期高齢者や独居高齢者、認知症などの増加に伴い、従来の病院中心の医療ではなく、生活密着型医療が強く期待されています。日本は今、九〇%の方が病院で亡くなっていて、住みなれた家で最期を迎えるためには在宅医療の充実がとても必要です  二月二十日に区民の視点で考える「在宅医療の今」というシンポジウムが行われました。在宅医療のニーズはとても高いのですが、二十四時間三百六十五日対応するには、一人の医師では限界もあり、医師のネットワーク化が必要だと、このシンポジウムでも新宿区医師会が行っている事例が報告されました。ここでは、医療連携システムの往診支援事業などが報告され、世田谷でも医療連携推進協議会というものをつくって取り組んでおりますけれども、今後の課題であります診療所のネットワーク化についてはどのように進めていくのかお伺いいたします。 ◎田中 保健医療担当課長 区民が夜間等の病状急変時の対応を不安に感じておりますことは、区としても認識しております。このため、医療連携推進協議会では、急変時には、まず訪問看護や夜間対応型訪問介護が相談や訪問を行った上で、必要に応じてかかりつけ医が往診する体制づくりを目指すものといたしまして、訪問看護師確保の取り組み等を進めております。  お話しのように、かかりつけ医が緊急往診に対応できない場合のバックアップが課題となっており、国では、医師のグループを形成し、相互連携する方式のイメージを示しておりますが、現在、これを推進するための制度や診療報酬がなく、また、情報の共有方法等の課題もあり、現在は個別の取り組みにとどまっていると認識しております。  今後とも医療連携推進協議会で医師会等と協議しながら、診療所のバックアップのあり方について検討してまいります。 ◆山木きょう子 委員 また、これにはヘルパーさん、看護師の力がとても必要なんですけれども、看護師が不足しております。ぜひとも世田谷区でも取り組んで、よろしくお願いします。 ○山内彰 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、せたがや政策会議、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 まず最初に、佐藤保健福祉部長に聞きたいと思って、まずいですか。今の福祉の状況というか、今の福祉の最大の問題というのは何だと思われますか。 ◎佐藤 保健福祉部長 大変突然で難しいご質問かと思いますけれども、こういう高齢社会、ますますそれが進んでいるという状況の中で、福祉に対する需要、要望、これは一方で非常にふえておりますし、今後ともこの勢いは続いていくでしょう。  ところが、一方で、これは国の問題でも言われているように、医療費の増大等を含めてその財源をどうするか。そうなりますと、結局、自助、共助、公助という言葉がありますけれども、官と民の役割分担をどうしていくか、そういうところが、今後非常に大きな課題になるんじゃないかと思います。 ◆大庭正明 委員 まさにそのとおりなんですね。今の福祉の問題というのは、最大の問題点は財源なんですよ。財源をどこから手当てしてくるかというところから解決していかないと、きょうもいろんな、部長が言われたように需要は増大しているんですよ。というのも、それは皆さんご案内のとおり、団塊の世代が高齢者に入っていくわけですね。これは年間二百万人ずつどんどん入っていく。一方で出生する子どもの数というのが百万人をちょっと超えるぐらいなんですよ。それだけ社会がどんどん高齢化して少子化になっていくという中で、この先どうしていくか。  例えば新年度の国の予算というのが、税収が三十七兆円に対して、借金を四十四兆円するというような国の規模なんですよ。それで、一方で、国と地方を合わせた借金というのが一千兆円に届くというふうに言われている。  それで、この三十七兆円の税収見込みというのも、実は国の当初予算で四十兆円割れというのはどれぐらいぶりかわかりますか、わかる人いますか。こっちのほうで答えますけれども、実は、今から二十五年前、四十兆円割れというのは、一九八五年以来なんですよ。それほど税収が低くなっているわけです。  一九八五年というと昭和六十年です。昭和六十年の税収というのが当初見込みで三十八兆円あったそうなんです。そのときの国の予算規模というのは五十兆円だったんですよ。現在は九十二兆円で三十七兆円。二十五年前の状況とすると、税収はそこまで落ち込んでいるのに、借金は相当膨らんでいるわけですよ。ですから、実感として豊かになっている、福祉も豊かになっているというんですけれども、実はこれはほとんど借金バブル、借金の上に今の福祉が成り立っているという言い方ができると僕は思うんですね。  ですから、私が言いたいのは、この世田谷区にあっても、いわゆる福祉というのは、ほとんど国から請け負ってくるというか、国のほうで決められた事業をただするという仕組みだったんですけれども、これから果たして国は政権がかわって、本当はこの政権は借金を少なくするためにということで国民の人は求めたんですが、借金をまたじゃぶじゃぶいろんな形でしているわけですよ。これは借金をとめなければ、この借金バブルの上での福祉というのは崩壊します。自民党は公共事業でじゃぶじゃぶ、今度いろいろやっていますけれども、私が言いたいのは、お上頼みの福祉というものはいずれ限界が来ますよということを一つ強く申し上げたいわけです。ですから、逆に言えば、現場で考えるような福祉、現場の思考の積み上げで考えていくことを我々はしていかなくちゃいけないんじゃないかということです。  これは常任委員会でも言ったんですけれども、例えばワクチンの問題、これはいろいろ取り上げられていますが、肺炎球菌ワクチンとか子宮頸がんワクチンというのは、これはぜひとも必要だと僕は思うんです。必要だと思うんですけれども、どうも思考回路が財政の問題で、要するにお金がないから、これはできないとか、これはもうちょっと考えさせてくれとかということに、どうもいっているような気がする。  そういうことじゃなくて、じゃ、肺炎球菌ワクチンをここで投入すれば、または補助を出せば、どれほどの人が肺炎にかからなくて済むか、それによって医療費がどれだけ縮まるのか、または子宮頸がんワクチンというものを投入することによって、どれほどの人が健康でいられるのかとか、そういうようなことのデータのもとにやるべきだと僕は思うんですけれども、実態はどうなんですか、その辺をお答え願いたいと思います。 ◎木村 世田谷保健所参事 現在、実態につきましては把握ができてはおりません。ただし、海外でのデータでございますけれども、インフルエンザと肺炎球菌の二つのワクチンの接種例を挙げますと、双方を接種した場合、インフルエンザ単独で接種した場合と比較いたしまして、双方とも接種した場合のほうが明らかに入院、死亡を含めまして費用対効果が高いという海外のデータがございます。 ◆大庭正明 委員 だから、そういうのを財政にバックできるような思考の中で、それである程度の中長期で財政問題も考えられるようにしないと、出口の部分で、ことし幾ら使うのは使えないとかそういうことであっては、結局、世田谷区の財政というのは健康である区民の皆様が一生懸命働いて、それで税金を払っていただいて成り立っているということからすれば、区民の健康を維持するのは一つの先行投資でもあるし、当然のことだと僕は思うんですね。  それを全体のある一定のスパンの中で何が効果的かどうかということを判断しなくて、出口部分だけで、今何億円突き出すとたまらないとか、もたないとかという議論というのはやめるべきだと僕は思うんですね。それは国のほうの通達とか、国のほうの指示でやっていればそうなるのかもしれません。しかし、国のほうがこれからなかなかやっていけなくなると、自治体独自で考えて、区民の健康を守って、ちゃんと働いて税金を納めていただくという環境を整えていかなければ、財政的には福祉はもたないというふうに僕は思います。  次は、ここに「『平穏死』のすすめ」、口から食べられなくなったらどうしますかという、先月発行された本があります。この著者というのがちょっと変わった名、石飛幸三先生というお医者さんがお書きになったんですけれども、この人はどういう人ですか。 ◎松本 高齢福祉課長 区立特別養護老人ホーム芦花ホームの常勤の医師でございます。 ◆大庭正明 委員 今言われたように、世田谷区の社事団が経営している芦花ホームの常駐のお医者さん、今七十四歳で、専門は血管外科手術の権威として、四十年以上手術の現場に立たれて活躍されてきた方なんですけれども、今から四年前に特養ホームの常勤医として勤めて、その中で見た驚くべき内容というか、そういうようなことを赤裸々につづられていて、私も読ませていただいて、非常に驚きました。  まず最初に聞きたいんですけれども、世田谷区内の特養ホームの実情について、入所者数と入所者の平均年齢、そして認知症の割合はどれぐらいでしょうか。 ◎松本 高齢福祉課長 区内の特別養護老人ホームは十七施設ございますが、定員は千二百名余りでございます。それから、平均的な年齢でございますけれども、八十九歳が平均と承知しております。それから、認知症の方の割合でございますが、特養ホーム全体については現在承知しておりませんが、例えば芦花ホームで申し上げると、九八%ぐらいが認知症の方、上北沢ホームで申し上げると八割弱の方が認知症、このように承知しております。 ◆大庭正明 委員 大体八十九歳、九十歳前後が平均年齢ですから、上の人はもう百歳を超える方もいらっしゃるだろうし、九割以上の人が認知症になられているということの中で、この先生が訴えられているのは、安らかなみとりを考える、延命治療の限界ということで述べられているんです。  結局、この先生が言いたいのは、寿命という言葉があります。この寿命という言葉を定義すると、簡単に言葉の定義だけで言うと生まれてから死ぬまでにかかる時間というふうになるんですけれども、この石飛先生が言われるのは、寿命というの病気なのかと。つまり、病気であれば治療する必然性があるんだけれども、この寿命というのは治療する意味があるのかということを全体で終始訴えられているわけです。  それで、私も昔、小さいころはよく新聞の死亡欄を見たときには、老衰で亡くなったというような記事を見た覚えがあるんですけれども、最近は老衰という言葉がそれこそ死語になっちゃって、いろんな病名が書いてあるということで、老衰という言い方はされないのかなと。  実はそういうことではなくて、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、病院で亡くなる方が八割以上いるということからすると、病院で亡くなると、要するに治療をするということがなければ病院の役割は果たせないので、当然治療名が死因として掲げられるというような構造的な仕組みになっているということなんですね。  それで、この先生がおっしゃるには、要するに高齢、しかも超高齢で認知症を発症している場合というのは、必ずというか、かなり嚥下障害、のみ込むことができないので、誤嚥といって、誤って気道のほうに食べ物が入ってしまって、それで肺炎を起こす。ですから、超高齢者と認知症、それから嚥下障害、それに伴う肺炎というのは一つのセットに今なっているということなんですよ。  それで、現場ではどういうことが行われているかというと、胃瘻ということが行われている。胃瘻というのはどういうことか、ちょっと説明しますと、これが胃瘻の手術ということで、「瘻」というのは非常に難しい漢字なんですけれども、意味するところは窓と。つまり、胃に窓を開けてチューブの出入り口を、腹膜のところと胃壁をつないで、そこのところに穴をあけて、そこにチューブが入れるようにして、外からチューブで液状の栄養物とかいろいろなもの、薬剤とかをそこに入れるというような手術をすることを胃瘻というふうに言って、年間で今二十万件ぐらい行われているということなんですね。  それで、胃瘻というのは、要するに介護の現場では、先ほど言ったように嚥下障害を起こすということで、この胃瘻を望む声が大きいわけですよ。病院も治療をしなくちゃいけませんから、要するに入院してきた患者についてはこの胃瘻の手術を勧めるわけです。それで、実は胃瘻をすると、いわゆる寿命と関係なく、栄養というか、そういうものがずうっと続いてしまって、結論から言うと、この石飛先生は自然な死が阻害されているということを言われているわけです。  そこで問題なのは、こういうようなことというのが、つまり、自然なみとりというものを防いでいるのは今の医療制度にあるわけですよ。病院も、本当はこういう望まない医療というものをわかっているんですけれども、制度上、お医者としては胃瘻の手術を勧めざるを得ない。でも、これは本当に望むような医療行為なのかなというのは現場にあると。その辺の情報というのは、こういう本に赤裸々に書いてあるわけですよ。  それで、この先生が言っているのは、特養ホームに常勤の医師を入れるべきだと。病院というのは構造的に延命治療をするような形になっている。延命治療ばっかりやっていれば、望まない医療というものがどんどんふえていきますよということを警告しているんですけれども、世田谷区の中で、特養ホームで常駐している医者がいるところは何カ所ぐらいありますか。 ◎松本 高齢福祉課長 私どもで把握しているところでは芦花ホーム一施設と承知しております。 ◆大庭正明 委員 これは制度的な欠陥で、常駐している医師というのは保険医になれないんですよね。例えば芦花ホーでも非常勤のお医者さんが別にいるんです。それで、これも制度上の問題なんですよ。そのお医者さんというのは、月に二回、二週間に一回ぐらいしか来ないんです。それで、二時間いて、大体カルテで処方をして帰っていく。一人一人の入所者と向き合うお医者さんというのは、特養ホームではほとんどいないということを述べています。実際にはそうなんですね。  これでは、病院と介護施設、病院と特養ホームを行ったり来たりという形で、病院では、それは医療機関ですから、望まなくても医療行為をせざるを得ないという状況になってくる。それで少し元気になったら介護施設に戻されるということの繰り返しで、本当に望まれない医療というものをどう判断するかというところを判断する場所が家族にもないということを言っているんですけれども、その辺はどう考えていますか。 ◎松本 高齢福祉課長 大変難しい、医療と介護現場の状況、あるいは終末期を迎えられた方のあり方というテーマかと存じますけれども、国においては、平成十八年度に介護保険法が改正になりまして、法的に介護の現場でみとり介護ができるようになったという状況が一つございます。  それまで芦花ホームでは、毎年平均しますと二十名のぐらいの方がお亡くなりになっていたんですが、大半の方は病院でお亡くなりになっておりました。十八年度以降になりますと、半数ぐらいの方がホームでお亡くなりになるということで、それだけのご希望があるんだろうというふうに考えております。  芦花ホームと社会福祉事業団では、二十年度からみとり介護の調査研究ということを今進めさせていただいております。そういった中の実践と研究を通じて、今のお話のような課題についても考えてまいれればというふうに考えております。 ◆大庭正明 委員 医者はいろいろ訴えられるということがあって、病院に担ぎ込まれた超高齢者、認知症の患者、それで肺炎になっているとか、それから嚥下障害みたいなものについては、これは何もしないということが選べないという状況。例えば刑法では保護者責任遺棄致死罪と刑法二百十九条に当たるおそれがあって、医者というのは、とにかく担ぎ込まれたら延命措置をとるというふうに現状ではなっているんですね。ですから、本当に終末期医療の実態に法制度も整っていないという部分があるわけです。  何よりもご家族の方は、延命だけを望んでいるご家族だけじゃないんですね。この中にアンケートも載っていますけれども、七〇%、七割の方というのは、安らかな死を家族として望んでいるということからすると、安らかな死を望んだ場合、だれに相談すればいいのかといった場合に、病院の医者に相談すると、それは延命治療ということになってしまうんですよ。
     ですから、この本で言われているように、介護施設の中にいらっしゃる常駐するお医者さん、つまり、みとりも含めた、さっき法制度でみとりの料金というか、みとり料も認められるようになったので、そういう部分のお医者さんというか、医療知識を持った人をこれからふやしていかないと、本当にこれから安らかな死、それから望まれない医療、そういうものを切り分けていくことがだんだんできなくなるんじゃないかなと思うので、ぜひともこういう問題を政治問題化というか、やっぱり声を上げる、現場を持っているところが声を上げていかなければ、国も気づかないということだと僕は思いますよ。  最後に、もう一件だけ別のことで申し上げます。  この辺のプライバシーの問題はいろいろ難しくて、なかなか難渋したんですけれども、区のある施設で、ある福祉団体が、この福祉団体は世田谷区と契約して、区民向けの事業を展開している福祉団体があるわけですね。その福祉団体の評判がどうもよろしくない。よろしくないというか、その団体の人がその事業に便乗してというか、その接点を利用して、利用する区民との間に人間としてはお金にかえてはならない契約をその団体の女性が結んでいるということなんですよ。  さらに、その同じ団体の理事がそういうことを唆している、いわゆるあっせんということですね。そういう訴えがあったわけです。これは施設名を挙げちゃうと一遍でわかっちゃうので、なかなか難しい問題なので、そっちが難しい難しいと言うから、こちらもそういうふうに配慮して言っているんですけれども、これは風紀上の問題なのか、またはこれは風営上の問題なのか。  その施設は区の施設ですから、少なくとも健全な施設管理に努める義務は世田谷区にあるだろうと思われるわけです。しかも、その福祉団体とは随意契約でやっているんですよ。その問題の女性というのはそこでまだ働いているんですか。 ◎堀川 地域福祉部長 ただいまのご質問の件につきましてはプライバシーにかかわる事柄でございますので、業務外のことかと存じますので、答弁は控えさせていただきます。 ◆大庭正明 委員 だから、その団体の女性はまだ働いているのかということですよ。働くのは区の契約でしょう。区の契約で働いているわけでしょう。 ◎堀川 地域福祉部長 特定のことについてのお答えでございませんので、お答えできないかと存じます。 ◆大庭正明 委員 この団体とは随意契約は結んでいるんでしょう。 ◎堀川 地域福祉部長 先ほど、ある区立施設において、ある事業を実施しておるということでございます。それについては特定のお言葉をいただかないと、私どもとしてもお答えできないかと思います。 ◆大庭正明 委員 じゃ、特定のことを言えば答えるんですね。 ◎堀川 地域福祉部長 お答えさせていただきます。 ◆大庭正明 委員 補充でやります。 ○山内彰 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、社会民主党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 社会民主党から質疑をいたします。  最初に、保育サービスについて伺いたいと思います。特に保育サービスの需要にこたえるための区の対応についてお聞きしておきたいと思います。  区は、年度内に保育サービスの定員を六百六十五名、そして来年度において千四百八十四名の拡大を図るとしているわけであります。その大きな柱は、認可保育園の分園、本園の整備にあるわけですが、それだけに、この間、幾つか述べておりますが、公共サービスを提供する際の区の役割、責任を明確にする必要があると考えるわけであります。  施設整備に向けた財政的支援の中身が一つあるかと思います。旧政権が進めた三位一体改革のもとで、公立保育運営費の一般財源化、ここは進められまして、また、今回の安心こども基金においては、運営費は区立保育園には適用されないという仕組みになっているかと思います。都市における保育需要の高まりという課題に、国や都が財政支援を強める、そういう必要性もあるわけでありますが、この点について、まず最初に区の見解を伺います。 ◎工藤 保育課長 認可保育園の運営経費と財源につきましては、平成十六年度の一般財源化によりまして、区立保育園に対する運営費補助はなくなっております。また、現在の保育施設整備の基本となっております安心こども基金におきましても、区立、私立を問わず、運営費を補助対象とはしていないため、定員拡大に伴う保育園の運営費の区の負担が増加している点につきましても、委員ご指摘のとおりでございます。  待機児問題は全国都市部におきまして共通の課題でありまして、国や都による、より一層の財政支援が必要であると考えております。 ◆羽田圭二 委員 この財政上の仕組みの改善というのは、今後も問われているかと思います。  保育サービスの需要にこたえることは急務なんですが、施設整備を急ぐために保育の質が低下することや、さらにサービスを提供する主体の負担だけが増すようなことは避けなければならない。それだけに区の支援の内容が問われているかと思います。  特に今回は分園整備ということなんですが、実際には本園並みの規模であり、しかも、短期間に本園並みの整備が求められているということだと思います。それだけに、提供主体の負担も大きくなることが考えられるわけですが、その一つに人材の確保の課題があるかと思います。  特に看護師等の確保等が問われているわけですが、区としてもこの点については具体の支援を強めるべきではないかと考えるわけですが、区の対応を伺います。 ◎工藤 保育課長 認可保育園の分園の整備によりまして、区内で認可保育園を運営されている法人では、多くの新たな人材が必要となっております。こうしたことから、区といたしましても、昨年、東京都と共催で保育の人材確保事業としまして、民間保育事業者の採用面接会を実施いたしまして支援をしてまいりました。  また、ご質問にございました看護師につきましても、各法人は人材確保に苦労されているというふうに聞いております。保育の実施に向けまして、人材確保は最も重要な要素の一つであるというふうに考えておりますので、今後とも運営法人の事業に支障が出ないよう、なるべく早い段階で事業決定をするなど、さまざま手法で、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 さらに、今回の施設整備は、公園用地を含め、区有地の活用などが挙げられているわけですが、周辺住民の理解が前提になると思います。待機児解消ということが前面に出過ぎて、住民への情報提供や説明責任がおろそかになることや、建設予定場所の本来の目的から大きく逸脱してしまうということがないように細心の注意が必要だと考えるわけです。土地利用や工事説明など、区がしっかり行っていく必要があるわけですが、この点についての対応を伺っておきます。 ◎岩渕 子ども部副参事 保育施設整備を進めるに当たりましては、町会・自治会を初め、学校施設であればPTAの皆さんや学校運営委員会の皆さん、また、日ごろから施設を利用されていらっしゃるご近隣の方々も含めまして、区が直面している待機児の現状等はもとより、整備に係る適切な情報提供につきまして、説明会の開催などにより丁寧にご説明をさせていただきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 さらに、保育の質の確保と向上に向けた区の役割についてですが、特に質の向上に向けて、今後どのような取り組みを考えているのか、この点を改めて伺っておきます。 ◎工藤 保育課長 区では、平成二十二年度の保育施設の整備目標を約千五百名規模といたしまして、保育施設の新設に取り組んでおりますけれども、新たな保育施設を設置するに当たりましては、各運営法人における新人職員の育成といったことが重要なポイントとなっております。  こうしたことから、区では、区内の保育事業者を対象としまして、実践研修、技術指導研修、さらには各種の講習会などさまざま研修メニューを用意いたしまして、保育の質を全体として高めていく取り組みを進めております。  また、区では、保育の質を高めるべく、保育ネットワークの取り組みといったものを支援しておりますけれども、こうした関係者による自主的な取り組みを支援することで、地域レベルでのきめ細かな研修なども実施していくことを予定しております。  いずれにしましても、保育の質の基本は人材にあると考えておりますので、今後とも人材育成が進むよう、区としての支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 研修等、その支援の中身も大変問われてくるかと思いますが、特に人材確保の前提には、保育士の処遇、賃金だとか労働条件など労働環境の改善も欠かせないと私は思うわけであります。  さきの質疑にもありましたように、形態は違うかもしれませんが、残業代ゼロというような、そういう実態が当たり前のように放置されているならば、今後安定した基盤を確保するということは言えないかと思います。そうした点も含めて、質の確保、そしてその向上に向けて取り組みを強めるよう要望しておきたいと思います。  次に、自殺対策についてです。  この自殺対策は、この間も、それぞれの会派からも出ているかと思いますが、数で言いますと、平成二十一年が三万二千七百五十三人、平成十年の三万二千八百六十三人、三万人を超えた以降、十二年間連続して三万人を超えていると。なかなか改善できない状況に来ているかと思います。  政府は、平成十八年に自殺対策基本法の制定によって、自殺対策を単なる個人的問題としてとらえるのではなく、背景にある社会的要因を踏まえて、社会的な取り組みとしていく、そういう必要性を強調してきたかと思います。  新しい政権においてもこの基本的視点が踏襲されまして、ことしの二月五日にいのちを守る自殺対策緊急プランが発表されました。さらに、この三月が最も年間で一番自殺者が多いということを考え、今月を自殺対策強化月間と位置づけまして、自治体や関係団体にこの取り組みについて推進を図るよう求めているかと思います。  区においても、自治体の役割として自殺予防指針の策定が進められてきたかと思いますが、こうした動き、そして、国や東京都や区のそうした動きもあわせて考えていきますと、自殺対策に関する幾つかの課題が出てくるかと思います。  そこで、このグラフを示しますが、今回は死因及び年齢別死亡者数というのをグラフにまとめています。これはもちろん他の疾病もあるわけですが、死因もあるわけでありますが、四本に絞ってグラフにしているわけであります。  このグラフの見方は、一番上が自殺になっております。この端っこのほうはよく見えませんが、要するに年齢別とあわせて見ますと、非常に若い方が自殺をされている。さらには、働き盛りといいますか、そういう方々の自殺が極めて特徴的であるということがわかるわけであります。一番下はがんとか悪性新生物ということですが、これは年齢が五十歳以上になると急激に増加をするということで、そういうふうに見ていただければいいかと思います。その上で、今後の対策として考えなくてはならないことがあるかと思います。  自殺者の多くがうつ病などの精神疾患に罹患していると。年齢では、今申し上げましたように、三十歳代から五十歳代までの働き盛りの世代に集中しているということ。その点では、自殺を防ぐ具体の対応として、自殺の原因となっている働き方、制度慣行の見直し、そして相談支援体制の整備など社会的な取り組みとあわせて、さらにうつ病などの精神疾患への適切な治療が大切であるということは、以前から指摘されているかと思います。  そこで、自殺予防対策は、うつ病など精神疾患の予防対策にあると考えるわけですが、この点は、今回打ち出されました手引の中でどのように考えられているのか、その対応について伺っておきます。 ◎上村 健康推進課長 自殺と精神疾患の関連は大変深いものがございまして、自殺で亡くなられる直前の心の健康状態を見ますと、多くの人は何らかの診断可能な精神疾患を発症している、そのように言われております。したがいまして、自殺を予防していくためには、こうしたうつ病の予防とあわせまして、自殺の引き金になると言われておりますアルコール依存症や薬物依存症などの相談支援も大変必要と考えております。  こうした観点に立ちまして、今回の手引におきましては、一つは、仕事、職場に関する問題を項目として取り上げまして、職場の周りの人の気づきから支援までの対応策を一つ示させていただいております。また、ご本人の症状に応じまして、いろんな相談機関等のリストも掲載しているところでございます。  区といたしましては、今回の手引を職場でのメンタルヘルスにも大いに役立ててもらいたい、このように考えております。 ◆羽田圭二 委員 精神疾患患者の自殺の多くは、発症から六年以内、しかも、発症から二、三年が最も多いと言われています。さらに日本の場合、うつ病や統合失調症などの早期発見、先ほど他の会派からも出ておりましたが、早期治療支援の取り組みは治療効果が高いとされながらも、なかなか先進諸国と比較してもおくれをとってきたということが言えるかと思います。政府の自殺総合対策要綱として盛り込まれたのが平成十九年六月ということで、そういう意味では、非常におくれてきた。  重要なことなんですが、うつ病など精神疾患に罹患した際の対応とともに、その以前に精神疾患の発症を防止するための対策も重要になっているかと思います。つまり、自殺者は精神疾患に罹患している人が多いことから、発症から初期治療までの期間が短期間であれば、それだけ病状悪化、回復も早いとされ、早期治療につなげていくことはその大切さが指摘されているかと思います。  精神疾患の予防対策、過密労働や時間外労働、仕事や事業のストレスなど、疲労の蓄積が精神疾患の引き金になっていること、この点を一方で伝えていくことも重要かと思います。  その点から、職場での対応が必要と考えるわけですが、自殺予防、精神疾患予防に向けた相談体制の拡充や啓発の中身の検討も大変重要だと思いますが、区の対応をお聞きします。 ◎上村 健康推進課長 委員お話しのように、世田谷区、毎年百五十人ほどの方が自殺で亡くなられておりますけれども、この状況を見ますと、確かに三十代から五十代の働き盛りの男性に多くて、また、原因を分析してみますと、職場での人事異動や長時間労働、解雇などの厳しい労働環境も影響していると認識しております。  区では、これまで産業振興公社が発行する「せら」、あるいはまた商店街連合会が発行する世田谷商連報に講演会等のご案内を掲載しまして、事業者への啓発に努めてきております。  今後も職域等において精神疾患を早期に発見して、早期治療につなげていただくために、産業政策部と協力連携いたしまして、今回作成しております自殺予防の手引、これを区内の中小の事業者へも配布するなどしていくとともに、また、心の健康相談や依存症相談、自殺予防セミナーなど広く周知して、自殺予防の普及啓発に取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆羽田圭二 委員 職場での対策が重要だということを私は強調しているわけですが、区の職員厚生課発行の「職員の心の健康づくりのための基本方針」というのがあるんですが、これを見せていただきましたら、心の健康対策には、作業環境、労働時間、仕事の量と質、職場の人間関係の影響などをきちんととらえ、これら職場環境の改善が必要だということを言っているかと思います。この点を、ぜひ今後の取り組みに生かしていただきたいと思います。 ○山内彰 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 松原小学校のノロウイルスの感染の件なんですけれども、あの感染が環境因子であるのか、給食からのものであるのかということについて、私や共産党の中里委員や、あるいは青空委員を含めて、松原小学校で、保健所や、あるいは教育委員会、校長を含めて議論をしたときに、灰色であることを認めるという発言をしたにもかかわらず、その後覆してしまったのはなぜですか。 ◎木村 世田谷保健所参事 学問的立場から、統計学の上でそのようにお話しいたしましたが、保健所が法に基づいて行いました調査の結果を再度検証いたしまして、一月十五日のご報告は変わらないという結論に達しました。 ◆木下泰之 委員 その報告をした後に、木村参事は、先ほど言った会合の席で、確かにそのとき、私たちの判断で食中毒ではないと判断したことがありましたが、今後の報告では食中毒ではないという断定的な言い方はしませんというふうに答えているんですよね。ですから、法的に一度報告書を出しちゃったので、それを覆すことはしませんということはいかがなものかと思うんですよ。  しかも、一月十五日の「松原小学校におけるノロウイルスによる急性胃腸炎の集団発生について」という保健所の文書ですが、これの疫学調査及び検査というところで、疫学調査の目的、集団発生の発生状況など全体像の把握と書いてあるわけですよ。ところが、全体像の把握なんかしていませんね。七十七名しか把握していなくて、これは有志の会、有志の会というのは地域の医療機関の方々が三名も含まれている団体です。そこが調査をして百二十七名ということになったわけですね。  だから、全体像の把握もしていない。それから、懇談会の中で一たんは認めた。にもかかわらず、法的に一たん出したものは撤回しない、そういうことなんですか。 ◎木村 世田谷保健所参事 患者数につきましては、調査方法や期間によって異なってまいります。このような中で、保健所は、先ほどお話しいたしましたけれども、法に基づいて行いました調査の結果を再度検証しました結果、一月十五日のご報告は変わらないという結論に達しました。 ◆木下泰之 委員 じゃ、うそをついたということですね。つまり、区議が三名もいる中で約束をされた、そのことによって、学校がもう一度説明会を開くというのを、感染防止対策委員会の中で同時に意見聴取をするということでおさまったんですよ。その結果が、先ほどの見直す、前のは間違いであったということを認めて、なおかつ、文書でそれについて報告するということだったんですが、文書での報告なんて一切ないじゃないですか、するつもりはあるんですか。 ◎木村 世田谷保健所参事 一月十五日のご報告の内容とは変わりません。 ◆木下泰之 委員 とんでもない話ですね。本当に詐偽みたいなものですね。うそをついた、そういうことが公然と行われているということです。  それから、保健所は学校に対して指導をしております。それで、環境因子であるか、あるいは食中毒であるかというのは灰色だとしても、少なくとも給食従業員の中に、去年の三月、十二月、また新たに二月、三度もノロウイルスの保菌者が出て、それで二次感染のおそれを及ぼしたわけですよね。そういうことがあるにもかかわらず、保健所は施設の改善のサジェスチョンなんかしていませんね。なぜ施設改善についてのサジェスチョンをしないんですか。 ◎淺見 生活保健課長 保健所では、大量調理施設衛生管理マニュアルに基づきまして監視指導を行ってございます。施設の内容につきましては、学校給食衛生管理基準にのっとっているところでございますが、保健所の役割としましては、要請を受けまして助言等をするという位置づけになってございます。 ◆木下泰之 委員 私はびっくりしたんですよ。きょう、実は松原小学校の校長室で感染症対策再発防止委員会の記録を見てきましたよ。これは議事録をとっていないというので、それで表には出さないというので、見に来いと言うから、見に行きましたよ。そこで校長と話して、校長に給食法について知っているかといったら、知らないというんですよ。改正についても、条文も知らなかった。それから、先ほどの木村参事も知らなかったんですよ。それで、大量調理施設衛生管理マニュアルというのは、これは大分前にできたものですよ。これも結構厳しいけれども、給食法の改正法のほうがより厳しいんですよ。それについて、先ほどお答えになった給食担当者の淺見課長も知らなかったんですよ。あなた、知っていたんですか、知らなかったんですか。 ◎淺見 生活保健課長 二十一年度から変更になった基準がございますということは聞いておりましたけれども、先ほど申しましたとおり、保健所としましては大量調理施設衛生管理マニュアルに基づきまして監視指導を行っているところでございます。 ◆木下泰之 委員 給食法の改正は、要するに部屋を非汚染地域と汚染地域について分けろと書いてあるんですよ。それだけじゃなくて、これは大量調理施設衛生管理マニュアルにも書いてあるけれども、入るところにはちゃんと手洗い施設をつくれと書いてあるんです。それもないんですよ。トイレの中にもないんですよ。そういったことについて、法律も知らないで対応していた。木村参事も知らなかった。校長まで知らないんですよ。そういったことで衛生管理できますか。これは法律にのっとって早急に対策をとる、そのことを指示しなきゃいけないけれども、その肝心の保健所自身が知らないんですよ。こんなことでいいんですか、所長、どうですか。 ◎上間 世田谷保健所長 これまで担当が食品、それから感染症はお答えしたとおりでございまして、今おっしゃった学校の給食施設については、学校が責任を持って対応なさるというふうに思います。 ◆木下泰之 委員 助言義務があるんですよ。それから、法律の遵守義務もある。つまり、学校での規則をちゃんと把握した上で、保健所としての指導をしなければ、これは職務を果たしたことになりませんよ。法律を知らないというのはもってのほかだ。 ○山内彰 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、区民の会、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、まずがん検診について伺ってまいります。  日本人の二人に一人ががんになって、三人に一人ががんで死亡するということでありますけれども、世田谷区民のがんの発症に関しては、現状はどういうふうになっているのか把握されていると思いますので、それをお聞きしたいということと、「げんき人」という保健センターで出しているガイドがございまして、これを見ていきますと、がん検診が書いてあるんですね。ここに、全国平均よりぐんと低い世田谷区民のがん検診受診率ということで、大変検診率が低いということを自覚されているようですけれども、どうして低いのかということも一緒にあわせてお答えをいただきたい。  それと、低いということですから、その執行率は年度末でどれぐらいで、執行残がどれぐらいあるのかということを続けてお聞かせください。 ◎上村 健康推進課長 今お話しいただきましたまず第一点、がんの発症率ということでございますけれども、正確な実態につきましては把握できていないところでございます。ただ、最後に人口統計をとっておりますので、そこで亡くなられる方の数については把握しているところでございます。  それから、受診率につきましては、委員お話しのように、「げんき人」の三月一日号に掲載されておりますのは十八年度の実績かと思いますけれども、ここにつきましては、全国平均に比べて世田谷区の受診率は、それぞれのがんにつきまして低い状況にある、このように認識しております。 ◆あべ力也 委員 質問に答えていない部分があるので、執行率と執行残はどれぐらいですか。 ◎上村 健康推進課長 二十年度の執行状況につきましては、ほぼ九八%から九九%の執行状況でございます。 ◆あべ力也 委員 そうすると、執行率が九八%から九九%ということは、受ける人数は対象人数よりも少なく見込んでいるということなんですか。だって、九九%の執行率で、受診率が低いということを言っているわけでしょう。それはどういうことなんですか。 ◎上村 健康推進課長 予算編成に当たりましては、それまでの過去の受診率の状況等を踏まえまして、新年度、その年度に見込みが立つ数字に基づきまして予算を確保させていただいているところなんですけれども、現実はいろんな健康増進事業の中の一つでございますので、その事業の中で調整も行わせていただいている、こういう状況でございます。 ◆あべ力也 委員 それで、受診率が低いということですから、今後受診率を高めるためにどういうことをされていくのかということと、豊島区なんかはがん対策の条例を制定するというようなこともされているようでありますけれども、世田谷ではどういうお考えなのか、端的にお答えをいただきたいと思います。 ◎上村 健康推進課長 区は、受診率向上に向けまして、例えば肺がんにつきましては、特定健診と同時に実施できるような体制をとっております。また、保健センターの胃がん検診用の検診車でございますけれども、二十一年度は一台増車しております。また、マンモグラフィーにつきまして、夜間、土曜日等の受診ができますように体制整備を図っているところでございます。 (「そんなことを聞いているんじゃない。低いと言っているんだから、高くするのにどうするの」と呼ぶ者あり)そういった体制整備をいたしまして、受診率の向上を目指しております。 ○山内彰 委員長 あべ委員、質問をするときにはちゃんと聞いてからにしてください。 ◆あべ力也 委員 受診率を高めるように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  次に、この「げんき人」の中で、健康診断を受けられた方とか、一般の方を対象に健康づくり教室をやられているという案内が出ているんですけれども、これは保健センターじゃないと受けられないということだと思うんですね。  世田谷は広くて五支所あるわけですから、その支所の地域で健康づくり教室を開いたらどうかというふうに思うんですが、そういう話をしましたら、地域でもやっていますよという回答が返ってきて、それはスポーツ振興財団が行っているコース型のスポーツ教室ということのようです。  このスポーツ振興財団がやっている教室と健康づくり教室は性質は違うと思うんで。縦割り行政上の問題で、健康のほうとスポーツのほうとあると思うんですけれども、事業仕分け的に言うと、これはダブりの事業だというふうに思うんですが、この辺は文教の所管との調整とか話し合いというのはされているんですか。 ◎上村 健康推進課長 健康増進事業で行っております健康体操とか健康づくりの教室でございますけれども、これはスポーツ施設におきましてスポーツに取り組まれている方たちと利用される方の重なりはほとんどないと考えております。保健センターで行っております健康教室につきましても、健康に不安のある区民や、運動等に関心があってもその方法がわからない方など、そういった方を対象にしまして、健康度測定、また健康増進指導を行いまして、一人一人の健康状態の検査、測定及びそれに基づきます運動や栄養、さらには休養、こういったものを総合的に指導し、相談に乗っております。 ◆あべ力也 委員 私が所管に地域で健康に関する健康づくり教室というのはないのかと言ったら、ありますという話だったんですね。それは結局、スポーツのほうの関係の教室だということなんですよね。それで、ダブりがないと言うけれども、先ほど申し上げたように、健康づくりのほうは保健センターで受けるしかないわけですよね。あと各地域ではスポーツ関係のものがあるということですから、それぞれの連携も必要なんでしょうけれども、文教所管とお話しされているのかということに関しては今回答をいただけませんでしたが、そういった整理をしながら、今後、健康づくり教室についても地域でやっていただきたいというふうに要望しまして、質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で区民の会の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。
        午後零時一分休憩    ――――――――――――――――――     午後零時五十分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 では、初めに、AEDに関して二点提案をいたします。  第一の提案ですが、区立施設のAED設置に関する情報提供の改善です。インターネットでAED、そして世田谷区で検索をしますと、すぐに区のサイトの「AEDの設置について」というページが出てまいります。緊急時、ここまでは区民もすばやく情報に近づくことができます。そのページにはこうあります。「心室細動が起こると数秒のうちに意識消失し、約五分後には不可逆的な脳障害が起こり間もなく死亡します」、一刻も早くAEDを取り寄せ対処する必要性が強調されているわけです。ところが、そこに掲載されている情報は、設置施設名とその住所の一覧のみです。これでは夜間、早朝に起こる心室細動に区民が素早く対応できないのではないでしょうか。  心室細動の主な原因の一つは急性の心筋梗塞とのことですが、心筋梗塞は寒い日の早朝や入浴の前後に起こりやすいとも言われます。また、近年の研究では、男性と六十五歳未満の場合、疲れのたまった夜間に発症しやすいという蓄積されたデータがあるようです。また、早朝、夜間にマラソンやテニスを楽しむ区民も少なくありません。現状の情報だけではどの施設が早朝、夜間に開いているのかわかりませんし、電話で問い合わせをしようにも、電話番号も載っていなければ、夜間の警備員の有無もわかりません。  こうした情報提供の不備が生死のリスクを争う一、二分のおくれにつながる可能性は否定できません。この点、掲載情報をもっと充実させていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎幸田 健康企画課長 AEDは設置施設の利用者に急変が生じた場合や地域でAEDの必要な事態が生じ、施設職員等その場に居合わせた者が対応する際に活用できるよう、現在、不特定多数の利用が行われる区立施設等に二百二十九台整備してまいりました。これまでにAEDを使用した事例は六件ございました。  AEDの設置場所等につきましては、区のホームページで各地域別で設置施設名と住所をご案内しているところでございますが、ご指摘の点につきましては、施設の開設時間や休業日などを追加掲載し、万が一の際に使用する区民の方にご自宅の近くの施設のAEDが利用できる時間等をお知らせして、一人でも多くの方のとうとい命を救う輪を広げてまいります。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  続いて、第二の提案ですが、導入コストの削減案です。区に確認しましたところ、区で配備しているAEDは貸出用の二台を含めて、現在二百三十一台に上るとのことです。その導入手法を確かめたところ、購入が十四台、寄贈が三十八台、リースが百七十九台と、圧倒的にリースが多いとのことでした。二十一年度のリースの代金の合計は三百五十一万千六百二十円、一台当たり年間に四万千八百五円が必要だそうです。  一方、昨今は民間から募った広告を収容するケースに表示して、AEDの設置とメンテナンスの費用を無料化するビジネスが普及しており、こうしたサービスを利用してAEDを設置するケースが、既に都立公園の四十カ所、板橋区、会津若松市などに広がりを見せているようです。  すべてのAEDをこの手法で代替することは難しいのかもしれませんけれども、財政危機の折、リース契約終了後の再設置コストの低減策として、こういったサービスの活用も検討に値するのではないでしょうか。区のご見解はいかがでしょうか。 ◎幸田 健康企画課長 AEDの設置に当たり、これまでに寄附や寄贈をいただいている事例もございまして、世田谷区におきましては、三十八台が寄贈によるものとなっております。お話しのメンテナンスまで含む設置、運用につきましては、他自治体においてAEDに広告等を表示することにより、企業の寄附等を集め、無料で設置している例があると聞いております。  お話しの二十三区でございますが、板橋区で、板橋区内にありますAED保管ケースを製造するメーカーがコーディネーター役となり、保管ケースに企業広告を入れて、板橋区立の施設三カ所に無料で設置している事例がございます。  お話しのような経費面でのメリットはございますが、実際の運用に当たって広告になじむ施設の状況か否か、日常点検など機器の管理等の役割分担、広告内容の適否など幾つか解決すべき課題があると考えております。リース期間が終了する際や新たな設置すべき施設が生じたときに、活用の可能性について今後検討してまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 検討をよろしくお願いいたします。  最後に、区立施設の空気質の管理について伺いたいと思います。  平成二十年六月の一般質問で私からは、シックハウス症候群、化学物質過敏症の課題を取り上げました。その際提案したことの一つは、文科省基準で検査を義務づけられている学校施設以外の区民利用施設についても、シックハウス原因物質のチェックをしっかりと行うべきであるというものでした。  区では早速、昨年度、百十五の区民利用施設について空気質のチェックを行い、その結果をさきの福祉保健委員会で報告しています。その結果によれば、保育園三施設、児童館六施設を含む十四施設から基準値を上回る化学物質を検出したとのことです。  そこで伺いますけれども、区のシックハウス原因物質に対するリスク認識を、ここでしっかりと改めていただく必要があるのではないかと考えています。  区では、シックスクールが関心を集めた平成十六年十月から、庁内各課がその必要に応じて管理施設の空気質を独自にチェックできるよう、デジタル測定器四台、測定用ポンプ四台から成る測定機器の貸出制度を整えていたはずでした。ところが、その貸出実績を確認しましたところ、今に至るまでゼロ件ということです。十四カ所もの基準値超過施設を抱えながら、各部の関心が低かったにもほどがあると私は思いました。のど元過ぎて熱さを忘れるとはこのことだろうと思います。  今回の基準値超過多発の教訓を今後の安全安心の施設運営に十分と反映させていただかなければならないと考えます。区は今後の施設管理をどのように展望しているのか、所管の考えをお聞かせください。 ◎淺見 生活保健課長 委員お話しのように、昨年夏季の空気環境検査の結果、指針値を超えた施設は百十五施設中十四施設ありました。指針値を超えた原因といたしましては、ホルムアルデヒドにつきましては日ごろの換気が不十分だったこと、トルエンは有機溶剤の使用、パラジクロロベンゼンはトイレの消臭ボールの使用が原因でした。  指針値を超えた施設につきましては、換気の励行などの低減化対策を実施し、再検査を行ったところ、指針値以下となり、安全性を確認いたしております。指針値を超えた保育園、児童館につきまして、二十二年夏季に検査して、安全性を再確認いたします。  区といたしましては、シックハウス対策を講じることが重要と認識しております。今後は空気中化学物質が夏季の気温上昇、備品の入れかえ、改修時に増加することがあるなどの留意事項や、ご指摘の測定器の貸出制度について、年度当初及びさまざまな機会をとらえて、積極的に庁内に周知してまいります。また、今後も区施設シックハウス対策ガイドラインに基づく施策を実施するとともに、関係部署と連携し、区施設の安全確保と利用者等の健康保持を図ってまいります。 ○山内彰 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、世田谷無所属の会、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 まず、保険料納付額が一通の通知書でわかるようにするサービスについてです。  本日は確定申告の最終日ということで、税務署には、いつにも増して多くの方が訪れていると思います。正しく納付するため、各種控除額も正しく申告する必要があります。  さて、新聞報道では、杉並区は、確定申告が二月に始まるのに合わせ、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険のそれぞれの保険料納付額を一目でわかるように、一通の通知で区民の方にお知らせするサービスを始めました。これは確定申告で控除を受ける際に、それぞれの正確な納付額がわからない人が多く、改めて調べる手間を省くと同時に、区役所への問い合わせを減らしたねらいがあるとのことです。  そこで、世田谷区での納付額の確認方法は現在どのようになっているのでしょうか、現状を伺います。 ◎清水 保険料収納課長 確定申告の際、社会保険料控除を受けるためには、自身で納付額を確認し申告する必要があります。国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各制度における保険料納付額の確認方法につきましては、公的年金からの天引き額は日本年金機構等から送付される源泉徴収票で、口座振替の金額は各所管課でお送りしております口座振替結果通知で、納付書でお支払いの場合は領収書でそれぞれ確認できます。また、領収書の紛失等により保険料の納付額が不明な方につきましては、口頭や書面で回答をさせていただいております。 ◆ひうち優子 委員 杉並区では、領収書をなくしたり、人によっては年金から引き落とす特別徴収と金融機関などに納める普通徴収とが混在し、納付額の正確な金額がわからなくなる人、また、還付金が発生して混乱する人も少なくなかった。このため、確定申告の時期になると、窓口に問い合わせが殺到し、一日中電話が鳴りっ放し、しかも、担当部署が三つの係に分かれていることから、それぞれに問い合わせる必要があったことなどを踏まえ、区民サービスの向上や業務の効率化につながることから、保険料の納付額を一括して通知するサービスを始めました。  一枚のはがきには、各保険料の普通徴収分、特別徴収分、その合計などが書かれ、社会保険料の控除額が一目でわかるようになっており、区民にとって便利なサービスであると思いますが、世田谷区での取り組みの可能性について伺います。 ◎清水 保険料収納課長 先ほどご答弁いたしましたように、納付額の確認できるものにつきましては既にご提供させていただいており、区民の皆様になるべくご負担をかけないよう、丁寧でスムーズなご案内に努めているところでございます。  委員ご提案の一括通知につきましては、各保険料の納付額を容易に確認できるなど、区民の皆様にとってわかりやすいサービスであると考えておりますが、後期高齢者医療の保険料については、現在、国において制度の廃止が議論されていることや、一括通知の実施に当たっては、システム改修等多額の経費を要するなどの課題もございます。  今後、このような課題を整理し検討してまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 制度の変更や財政的な事情などさまざまな課題があるようですが、区民の皆様の負担が軽減されるように検討していただきたいと思います。  次に、仕事をしながら介護をする人に対する支援体制について伺います。  昨年の第四回定例会の一般質問で、介護と仕事の両立が難しく、仕事をやめざるを得ない人がふえている。ワークライフバランスの観点から、介護休業をとれる環境をつくることが必要との質問をさせていただきました。本日は、働きながら介護をする人の支援体制について伺います。  以前、NHKの「クローズアップ現代」で、介護に悩む四十代、五十代の働き盛りの世代がふえている。総務省の調査では、家族介護のために仕事をやめたり転職した人は、平成十八年十月からの一年間でおよそ十四万五千人、前の年より四割ふえた。背景にあるのは、働く人々にとって利用しにくい介護保険制度や画一的な会社の介護休暇制度、多くが介護か仕事かの二者選択を迫られている。働き盛りの世代は家計を支えているだけに、介護離職の影響は深刻だ。今後、介護と仕事が両立できる社会をどのように構築していけばいいのか、現場の実態や先進的な取り組みから考えていくという内容の番組が放送されていました。  また、今は在宅で介護をする人が心身ともに疲れ果て、虐待に陥った事例も後を絶ちませんし、今後、超高齢化社会を迎えるに当たり、仕事と介護の両立は今以上に大きな問題になってくると思います。  そのような中、渋谷区では、二〇一〇年度に働きながら両親などの介護をする人向けのサービスを拡充し、介護の負担を軽減するとのことです。これは、今まで高齢者だけの世帯に限ってきた買い物、通院、近隣施設への外出介助などの介護保険対象外である渋谷区独自のサービスを、介護を支える勤労者世帯にも拡充するというものです。  渋谷区では、国の介護保険だけでは、共働きがふえている区民の介護の負担を軽減できないと見ており、今後も独自の支援策を強化する方向性ですが、働きながら介護をする人にとっては非常にありがたい制度だと思います。  ここで、世田谷区でもこのようなサービスを取り入れることはできないのでしょうか。世田谷区の現状とともに伺います。 ◎石橋 介護保険課長 世田谷区の生活援助サービスの現状でございますが、訪問介護サービスにおけるさまざまなサービスの内容につきましては、適切なケアマネジメントに基づくものであって、かつ保険者が個別具体的な判断により必要と認められるサービスにつきましては保険給付の対象となります。一方、渋谷区の在宅支援サービス事業はケアマネジメントに基づくものではなく、本来介護保険の対象とならないホームヘルプサービスや軽作業代行サービスを高齢者世帯や勤労者世帯に提供するものと伺っております。  介護保険制度の中でも規定のサービス以外には自治体が独自に条例で保険給付を定める、いわゆる横出しサービスがありますが、保険料を押し上げる要因となりますので、十分な議論と慎重な検討が必要と考えております。 ◆ひうち優子 委員 介護保険制度の横出しサービスとして実施すると保険料の上昇要因になるとのことでしたが、渋谷区のように一般財源を使う方法は考えられないのでしょうか。 ◎石橋 介護保険課長 一般財源を投入するものといたしましては、低所得者を対象とした事業、緊急対策、調査研究等の一定期間に終了するものが適切なものと考えております。普遍的、恒久的なサービスにつきましては、保険料と公費で支えあう保険制度の中で考えるべきものと考えております。あわせて、社会福祉協議会のふれあいサービスやシルバー人材センターの家事援助サービスなどもご利用いただきたいと思います。 ◆ひうち優子 委員 今の介護保険制度は高齢者を対象にサービスを考えられてきましたが、今後は働きながら介護をする人にもサービスを提供していただくよう要望させていただきます。  以上で質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で世田谷無所属の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 きょうは、児童虐待を事前に防止する点から質問します。  江戸川区で小学校一年生の男の子が親の虐待で亡くなるという痛ましい事件がありました。親が子どもを育てられない、もしくは虐待をしてしまう、その前に救える手だてはなかったのか。自分も保護司をしていろいろなケースを見てきましたが、親からの虐待を受け、そのことが後に荒れた人生のきっかけになったケースがたくさんあります。一般的に、そういう家庭では地域とのきずなもしていないように思います。  ところで、虐待に至る前に、特に出産前に、親が相談でき、出産後も子どもの生きる権利を守ろうというような趣旨で始まった取り組みが熊本にあります。産まれてくる赤ちゃんの誕生が、待ちに待って、家族のみんなに喜ばれて迎え入れられることもあれば、命を命とも思われないままに捨てられてしまうという、人の命についても考えさせる施設が「こうのとりゆりかご」でございます。  区では、この赤ちゃんポストの仕組みについてどのように認識しているのか、熊本市出身の方にお願いします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 赤ちゃんポストは、熊本市の私立総合病院に設置された、さまざまな事情で育てられない赤ちゃんを匿名で預かる施設で、現行の法体系では想定していない仕組みでございます。  平成十九年の開設当初、想定を上回る五十人以上の赤ちゃんが預けられ、赤ちゃんポストがなかったら、もっと悲惨になっていただろうという事例から、出産をなかったことにしたいという倫理観の崩壊した事例まであり、国全体の問題として検討する必要があると伺っております。  区といたしましては、子どもの命を守るという先駆的な取り組みだと受けとめておりますが、さまざまな課題がありますので、今後の経緯を注視してまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 この赤ちゃんポストには、単に親の養育責任を問う立場から反対の話もありますが、その反面、どの子どもも命を守るという意義もあると思います。  私は先日、熊本を訪れ、日本に一カ所しかない赤ちゃんポストを視察してきました。海外では、ドイツに何と八十カ所も赤ちゃんポストがあるそうです。現場でいろいろな話を聞きましたが、「こうのとりゆりかご」の検証委員会が昨年の十一月二十六日に出した最終報告の中では、二年五カ月の間に五十一人の子どもたちの預け入れがあったということです。そのうち、親がわかったのはたった三十八名、地元九州は十三名で、関東地方からも十一人の預け入れがあったということです。命の危険にさらされた子どもたちがいるというのが現実であるわけです。  一時、マスコミでも取り上げられた、社会現象にもなった赤ちゃんポストですが、ねらいは子どもを守ることです。検証委員会の報告からわかる実態はいろいろですが、思いがけない妊娠で、子どもが不幸にならない手だてが必要です。  世田谷区には、思いがけない、または望まない妊娠の相談体制はあるんでしょうか、お伺いします。 ◎上村 健康推進課長 世田谷区では年間八千件の妊娠届けがございますが、保健所のほか、総合支所の健康づくり課、出張所、まちづくりセンターの窓口で受け付けております。  妊産婦の方や乳幼児の健康相談、あるいは育児相談等につきましては、母子保健事業の一環として、総合支所健康づくり課のほうで実施しております。こうした相談体制の中で、望まない妊娠についての相談も受けることがあるというのが現状でございます。 ◆青空こうじ 委員 日本では、昔から戸籍を汚したくない、世間体を気にする、思いがけない妊娠を認めないようなゆがんだ身内意識がまだ根強く残っています。こういう話は医療現場だけではなく、行政も出産前の相談を行うだけで、その問題への対応ができる部分があると思います。区も児童相談所と連携して、児童虐待対策として一層取り組むべきと思いますが、対応は考えているのでしょうか、お伺いします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 生活支援課と健康づくり課から構成されます子ども家庭支援センターの子ども家庭総合相談や、夜間、休日の電話相談、子育てテレフォンの一環といたしまして、出産前からの相談も受けております。  児童相談所との連携ですが、兄や姉が虐待を受けて、児童相談所もかかわっております、さらに望まない妊娠で妊娠中から児童虐待を疑う場合などにつきましては、児童相談所とも連携して対応しております。 ◆青空こうじ 委員 熊本では相談窓口のほうで案内カードをつくり、デパート、薬局、女子トイレ、公共施設の窓口で配布したり、学校を通して相談カードを生徒たちに配ったり、公的な窓口の周知をしたりしているそうですが、そういう取り組みはしているのでしょうか。ちなみに、これが熊本でトイレとか薬局とかに置いている、女子校なんかにも置いているそうです。残念ながら赤ちゃんポストを使った人というのは熊本の県内にだれもいないそうです。九州の中でほかの県から来た方が十三名、こういう取り組みはしているんでしょうか、お伺いします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 世田谷区では、窓口の周知につきましては、パンフレットや、委員の今熊本でされているというカードと同じような名刺大のPRカードを配布いたしましたり、母子健康手帳交付の際に配布しております子育てガイドブック「せたがやこそだてコンパス」などでご案内してまいりましたが、二十二年度は内容を見直しまして、出産前からの相談窓口の案内につきまして、さらにわかりやすくしていきます。また、広報紙やエフエム世田谷等を活用して周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 ぜひお願いします。  赤ちゃんポストへ行ってみると、週刊誌なんかに白黒の記事なんかで出ているとすごく暗く見えるんですが、この赤ちゃんポストをやっているところは総合病院なんですよ。すぐ隣が幼稚園で、熊本市内からタクシーで千円ちょっとで行けるところで、その病院の裏には老人ホームがあったり、その隣には疾病の病院もあったりします。すごく明るいところで、その前方も今増築しています。お子さんは国の宝ですから、ぜひ赤ちゃんを大事にしてほしいと思います。  以上で質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆新川勝二 委員 それでは、自由民主党の質問を始めます。お聞き苦しい点がありましたらお許しいただきたいと思います。  介護予防の取り組みについて、最初にお伺いします。  少しさかのぼりますが、平成十八年度からの第三期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、介護予防の取り組みが非常に重要視され、施設から在宅、介護予防へと大きくかじを切る内容になっております。区でも介護予防担当部長を設けた経過があります。  介護予防は、病気や不活発な生活、これは閉じこもりを意味していると思いますが、そのために歩行が困難になったり、社会活動を行わないために社会機能が衰えた人に対して、軽度なうちに状態の改善や悪化予防を図ることを目的とするものであります。だれしも不健康な状態や歩行が困難になることを望んでいるわけではないのですから、介護予防の取り組みを否定する人はいないと思います。また、そうすることで、医療費の削減、介護保険の削減に結びつくとすれば、それは大変結構なことと言えます。しかし、介護予防の取り組みもやみくもにすればよいというのではなくて、他の施策同様に、支援を必要とする人に効率的に効果的に提供される必要があります。つまり、的確に実施されなければならないということであります。この点を中心に質問していきたいと思います。  区では昨年、高齢者の生活実態を把握するために、全高齢者実態把握調査を実施しました。これだけ大がかりな調査は例がなく、画期的なことと思います。  先日、その集計速報が出され、約十一万人の方からご回答があり、その回収率も七三%を上回ったと伺いました。また、三月にはその正式な報告書が公表されるとのことであります。  これに関連して、まず伺うのは、まずこの調査の目的というのは具体的にどのようなことでしょうか、同時に、どのような活用を想定しているのでしょうか、確認という意味でお答えください。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 昨年七月末に実施しました全高齢者実態把握調査につきましては、区内在住の六十五歳以上の高齢者を対象として実施したものでございます。お尋ねの調査目的と活用についてでございますが、区内に居住するすべての高齢者の生活実態や潜在している保健福祉ニーズ等を把握しまして、すべての高齢者の方が孤立せずに安心して生活していただけるよう、保健福祉施策の充実を図るための施策構築資料として活用してまいります。また、支援の必要な方を早期に把握し、早期に対応をしてまいります。  また、この調査の分析結果を区民の方々にもご報告いたしまして、今後もそのニーズに応じた保健福祉サービスの充実が図れるように取り組んでまいります。 ◆新川勝二 委員 調査結果によりますと、健康な方が七割、余り健康でない方が二五%程度となっております。その一方で、現在、治療が必要な高齢者が六七%となっており、病気はあるけれども、自分の意識としては健康という方がかなりの数に上ると思います。こうした方々は自分で健康に留意されているあかしでしょうから、余り心配は要らないと思います。  行政として考えなければならないのは残りの三割の方々であります。健康状態が悪い方々は重い病気を患っているかもしれませんが、回答された多くの方は、自宅にいながら、比較的健康ではあるけれども、健康状態が気がかりという方々ではないかと思うのであります。そう考えると、こうした方々がこれからもできるだけ元気に過ごしていただく、要介護状態にならないようにすることは大変重要なことではないかと思うんです。  つまり、介護予防が大事になると思うのですが、区としては、このデータから見て、介護予防の取り組みをどのように考えているのでしょうか、お聞きいたします。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 区では、高齢者の方が地域で自立した生活を送ることができるように、お元気なうちから参加していただける健康づくりや介護予防は大変重要な取り組みであると認識しております。  今回の調査によりますと、あんしんすこやかセンターでのご相談がなく、このまま放置すれば、要支援、要介護となる可能性が高い特定高齢者の数は区全体で約四千人、ひとり暮らしで孤立化している高齢者は約二千七百人、また、介護保険で認定を受けながらサービスを受けていらっしゃらない方は約三千五百人ということがわかってきております。  今後、区では予防的な取り組みといたしまして、これら把握された高齢者の方を優先的に実態把握訪問を進めるとともに、介護予防事業等につなげてまいります。また、地区ごとの健康状態や介護問題の現状につきまして、現在、あんしんすこやかセンターが主催しております地区包括ケア会議等で調査結果を報告しまして、民生委員や町会等の地域の方々のご意見もいただきながら、地域のきずなや地域づくりの取り組みに生かしてまいります。 ◆新川勝二 委員 介護予防の取り組みは、介護予防事業だけでなく、地域や地区において継続的に健康づくりの取り組みとともに連動するものと思います。  といいますのは、昨年の我が国の全体の介護保険の総費用は約七兆四千億円、要介護者は四百五十五万人という数字が出ております。この数字は、いずれも八年前と比べて二倍以上にふえております。こうした状況を放置すれば、高齢者の増加に合わせてますます介護保険の費用も膨らむことになり、国民生活全体に及ぼす影響も少なくないと考えられます。  先ほども申し上げましたが、だれしも要介護状態になりたいわけではないのですから、健康でいられるよう取り組むことは非常に重要なことであると思います。
     健康づくりとの連携について申し上げましたが、総合支所には健康づくり課があります。主に食生活などのことに取り組んでいると聞きますが、介護予防や高齢者の方が元気でいられるように総合的な健康づくりということについてはどうなんでしょうか。今回の調査結果を踏まえて、介護予防や高齢者の方が元気でいられるような総合的な健康づくりの取り組みを行うべきと思いますが、総合支所の見解をお伺いいたします。 ◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長 委員おっしゃるとおり、介護予防とともに健康づくりは非常に大切なことと考えております。総合支所健康づくり課では、「健康せたがやプラン」地域プランにより、幼児期から壮年期、高齢期まで、各世代にわたった健康づくりを進めております。この地域プランでは、健康な生活を送るためには、食生活、運動、そして心の健康が大切と考え、生活習慣病を防ぐ取り組みとして、各総合支所で進めてまいります。  各総合支所共通の取り組みとして、出張所、まちづくりセンターと連携し、健康教室を開催し、多くの高齢者の参加をいただいております。さらに栄養士が食生活相談を実施しております。高齢者の栄養相談も多くあると聞いております。  また、各総合支所では、それぞれ独自の取り組みをこの中で行っております。例えば世田谷総合支所では、高齢者を初め地域の方が楽しく運動を習慣としていただけるように、使いやすい食の情報も盛り込んだウオーキングマップを区民健康サポーターの方々と作成し、高齢者の集まりなどで直接手渡しするとともに、出張所やまちづくりセンター、生涯大学などで配布してまいりました。また、このマップを使用してウオーキングイベントも実施しております。  今後も今回の高齢者の実態調査の結果を踏まえ、取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 介護予防事業も健康づくり事業もそれぞれに必要であるということは、区民も行政も共通認識ではないかと思いますが、今回の調査を踏まえて考えなければならないのは、こうした事業を引き続き同じように実施するのではなくて、世田谷区の高齢者の実像に合わせて、事業を的確、効果的に行うように修正していくべきだと思います。  また、介護予防や健康づくりが必要な人に対して、受け身ではなくて積極的にアプローチして、参加の働きかけをすることも大事なことではないかと思うのです。  そこで、介護予防と健康づくりの連携について、区はどのように考えていかれるつもりなのか、健康づくりを担う総合支所の見解をお伺いいたします。 ◎上田 世田谷総合支所健康づくり課長 今回の調査を見ますと、六七%の方が病気の治療に通っているということです。このことから、病気の治療に通いながらも健康を保つため、適度な運動をしている高齢者の方が多いことがわかります。「健康せたがやプラン」の目標の一つでございますけれども、健康でないという三割の方たちも含め、地域の中で高齢者になっても健康で安心して過ごしていただくことでございます。  介護予防では、高齢による衰弱や骨折、転倒などの骨関節疾患、認知症の方たちへの取り組みが中心になると考えられます。  一方、健康づくりでは、高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病への取り組みを中心に行っております。生活習慣病による疾病のリスクを下げるためにも、調査結果を踏まえ、こういった方たちへのさらなる取り組みが必要と考えられます。  介護予防と健康づくりは、アプローチの仕方こそ違いますが、区民の皆様が高齢になっても地域の中で健やかに過ごせるという目的は同じでございます。委員のご指摘を受けとめ、介護予防と健康づくりが連携して効果的に進められるよう検討してまいります。 ◆新川勝二 委員 在宅で介護する場合に、同居家族の負担というのは周囲の想像する以上に大きい、厚生労働省の調査によりますと、要介護状態の介護は六〇%が同居家族が担っておりまして、そのうちの三二%は半日以上を介護の時間に当てていた。未婚化で、子世代が親の介護を一人で担うケースなどが目立っております。それがえてして虐待に走るケースが見られるといいます。  介護予防事業については効果が薄いという意見がありますが、介護予防に対する意識を啓発することも大切であろうと思います。その上で、介護予防の評価などを適切に行って、今後の高齢社会に備えていくことを要望して、次の質問に行きます。  次に、認知症対応について伺います。  これも国の調査ですけれども、六十五歳以上の日本人の約二百十万人の方々が認知症を発症しており、厚生労働省によれば、二〇一五年には二百五十万人、二〇二五年には三百二十三万人にその数はふえると予測されておるわけです。  NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」が、二〇〇四年以来、折に触れて認知症を取り上げて、介護の現実に向き合おうと、徘徊であるとか、妄想であるとか、排せつなどのいわゆる問題行動を取り上げてきました。反響は大きく、寄せられた声の大半が介護の厳しさを訴えるものだったといいます。しかし、今日では認知症になっても効果的な医療の手だては幾通りもあると言われております。  先ほどの世田谷区の実態調査でも物忘れに関する調査では、三つの調査項目すべてに該当した人が四千人余り、三つの調査項目のうち一つでも該当した人が二万三千六百人余りとなっているそうでございます。物忘れと認知症というのは異なる概念でありますが、区の調査によりますと、約二三%の方が、程度の差はあれど認知機能が低下している可能性があると言えるのかもしれません。  認知症は、他の疾患と異なりまして病気の始まりがはっきりしないために、年のせいであると見過ごされてしまいがちであります。また、最近物忘れがひどいなと思っても、どこの病院を受診したらいいかわからないまま、そのままにしてしまうこともしばしばではないでしょうか。認知症は、認知症と一言に言っても、原因となる病気はさまざまであります。最も有名な症例が多いアルツハイマー型認知症のほか、最近注目されるようになりましたレビー小体型認知症、比較的まれではあるものの、介護問題が生じやすいピック病と呼ばれる症状や、かつて日本で最も多いと言われた脳血管性認知症があります。  このように認知症の原因疾患はさまざまで、発症する方もふえているのですが、認知症を正しく診断できる病院は限られています。  病院では、認知症の専門医が診察に当たりまして、臨床心理士による詳細な心理検査やMRIで脳の萎縮の程度を調べたり、脳血流SPECT、これはガンマー線で血流を調べるなどの画像診断器を用いて、質の高い診断を行う必要があるということでございます。心理検査では脳の機能でどういった働きが苦手になっているかということを見つけ出します。  そういった意味で伺いますが、アルツハイマー病が心配になって、相談窓口を訪れる人が出てもいいように、区では昨年十月にすべてのあんしんすこやかセンターに「もの忘れ相談窓口」を設けたと聞いております。身近な場所で相談が受けられるようになったのは大変よかったと思いますが、どのような相談が多く、また相談件数はふえているのでしょうか、お聞かせください。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 昨年の十月から区内二十七カ所のあんしんすこやかセンターで開始いたしました「もの忘れ相談」では、今年度の一月末現在で千七百五十四件のご家族、ご本人、あるいは民生委員や町会・自治会、医療機関の方などがご利用されておりまして、少しずつではございますが、相談者は微増傾向が見られております。  主なご相談の内容としましては、同じ話を何度も繰り返す、物がなくなったなどの本人の訴えに対しどのようにご家族が接していけばよいのかというような適切なケアに関するご相談が約三割と最も多く、次いで、介護保険の申請やサービス内容についてのご相談が約二割、医療に関するご相談や、物忘れが始まり不安だというようなご本人からの相談がそれぞれ約一割の順となっております。 ◆新川勝二 委員 まだ少なくて残念でございますが、早目に専門医に見てもらうことが必要と思いますが、今後の充実、専門性の向上ということではどのような方向性を持っているのでしょうか、伺います。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 委員ご指摘のとおり、認知症対策では、早目の診断と適切なケアが重要であると認識しております。  区では、これまでも認知症対策に関しましては、認知症の予防や認知症のケアにかかわる人材の育成、二十七カ所のあんしんすこやかセンターに「もの忘れ相談窓口」も設置、拡充いたしまして、取り組みを進めてまいりました。  また、区内では平成二十年度より地区の医師会と地域の医療機関が連携しまして、認知症診断の病診連携に取り組んでおります。この仕組みを活用させていただき、専門相談にもつないでおります。今後とも二十七カ所のあんしんすこやかセンターがさまざまな事業を通しまして地域とのつながりが身近になることによって、本人、家族、近隣住民の方などから早い時期にご相談していただけるよう努めてまいります。また、引き続き認知症専門相談員の専門研修や情報交換を行うことで専門性の向上を図り、早期診断、早期治療につながるよう取り組んでまいります。 ◆新川勝二 委員 例えばアルツハイマー病で、臨床診断のみで正しく診断できる確率が約六五%あったのが、画像検査を加えると約八四%に上がったというデータもあります。認知症の方々はこれからもどんどんふえていくと思われますが、行政だけが対策を実施しても十分ではないでしょう。何でも行政がやるのではなくて、健康づくり同様に、地域ぐるみの見守りの機運を高めて、見守りネットワークを広げていく必要があります。  そこでお伺いしますが、地域の中で認知症に対してどのような取り組みを進めて連携を図っていくつもりなのかお答えください。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 地域における認知症対策につきましては、今年度、認知症専門相談員を中心に、地域ごとに連携のための会議や研修を開催しまして、介護保険事業者、訪問看護師、施設職員、また各保健福祉課の職員等との顔の見える関係づくりや相談の質の向上に努めてまいりました。二十二年度はまた新たに、認知症がある、あるいは疑われる場合で、適切なサービスにつながらない方に対しまして、看護師の見守り訪問事業を開始いたします。  その事業の実施に際しましては、専門医や看護職、福祉職など、専門家の意見を取り入れて適切な対応ができる仕組みとするとともに、認知症で見守りが必要な高齢者に対しましては、民生委員や町会・自治会など地域の関係団体や、介護保険事業者、訪問看護師等と連携を図りまして、対象に応じた見守りネットワークの構築に取り組んでまいります。 ◆新川勝二 委員 最近では、アミロイドたんぱくが認知症の原因の一つと言われまして、これはアルツハイマーでございますが、二十数カ国で検証されて、五年ぐらいのうちに研究成果が出されるといいます。医学の世界もどんどん進歩しているようであります。  そこで、認知症が進むことによりまして、日常生活上の支障が出る方に対する支援は具体的に何であるかということをお聞きしたいと思います。  ちまたでは、消費者被害に遭うお年寄りがふえています。気がついたら、高額な羽根布団が梱包も解かずに部屋に置いてある、やたらと通信販売の品物が段ボールに入ったまま放置してあるということです。また、銀行に毎日お金をおろしに来るなど、明らかに認知症の症状が進行して、日常生活を送る上で心配なお年寄りがいらっしゃいます。気がつけば不当な契約を結ばれていたなどがないように、あるいは詐偽や搾取に遭わないためにも、何らかの手助けが必要と思います。家庭では家族の方にも内緒にするケースもあると聞いております。そこで、何らかの手助けが必要と思いますが、どのような支援の手だてがあるか、お聞かせください。 ◎木谷 地域福祉課長 認知症や物忘れのある高齢者の方などの日常生活を支援するため、社会福祉協議会におきまして地域福祉権利擁護事業を実施しており、区としても支援をしております。事業内容としましては、本人の希望や状況などに応じて福祉サービスについての情報提供や利用手続の支援、預貯金の管理や公共料金などの支払い、年金の受領に必要な手続の支援、通帳や不動産の権利書などの大切な書類を預かるサービスがございます。  事業の利用に当たりましては、専門員が相談に応じ、サービス内容を定めた支援計画を立て、ご本人と社会福祉協議会が契約を結びます。契約が成立いたしますと、生活支援員が派遣され、支援計画に沿って援助を行っています。  なお、事業の利用につきましては、ご本人に一定の判断能力があり、本人との契約が前提となります。認知症の進行などによって判断能力がなくなってきた方については、家庭裁判所に申し立て、裁判所の審判により成年後見人を決定し、本人にかわって契約の取り消し権を持つ成年後見制度の利用を案内しているところでございます。 ◆新川勝二 委員 今お話にありました成年後見制度に対する区の取り組みについて、その状況を聞きたいと思います。認知症で判断能力がなくなって財産の管理ができない、自分で契約を結ぶことができない人への支援策として成年後見制度が平成十二年にできたわけであります。お聞きしますと、世田谷区は全国の中でも最も進んだ地域とお聞きしましたが、区としてどのような取り組みをしていくのでしょうか。また、これらの取り組みの成果と今後の方向性についてお聞かせください。 ◎木谷 地域福祉課長 区では、平成十七年十月に区市町村としては全国で初めてとなる成年後見支援センターを設立しました。成年後見制度にかかわる相談や申し立て手続などの支援を実施しています。平成十八年度からは一般区民を対象とした成年後見人養成講座を開始しました。現在までに二十名を超える方が、弁護士や司法書士、社会福祉士の専門職と並んで、区民成年後見人として活動しており、高く評価されているところです。  この間、先進自治体として区の取り組みが新聞やテレビなどにもたびたび取り上げられ、数多くの自治体から視察も受けてまいりました。しかし、必要性があるにもかかわらず、成年後見制度の利用に結びついている方はごく少数であるとの指摘もございます。成年後見制度の一層の普及促進が求められているところであると認識をしております。  今後、区としましては、これまでの成果を踏まえ、引き続き成年後見支援センターの体制の充実を図り、相談支援体制の強化を図るとともに、区民成年後見人の養成と活動の支援を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆新川勝二 委員 お話を伺っていると少しは安心できますけれども、制度があるのに成年後見制度を利用している区民の方々はごく一部だということもわかりました。せっかくあるこの制度を活用して、地域で安心して生活ができるように認知症対策を行っていただきたいと思います。  認知症の予防には軽い運動が必要であるということ、先ほどウオーキングマップということも出ておりましたが、家の近くを散歩することがより効果的であり、期待できることだと思います。地域で安心して生活ができるように、最新の専門教育を受けたプロが支える認知症コーディネーター制度など認知症対策を行っていただくことを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◆石川征男 委員 十三日土曜日未明、札幌市で認知症グループホームの火災があり、七名の死者が出たとのこと、非常に残念であり、悲しい出来事でありました。哀悼の意を持って質問に入らせていただきます。  私はこれまで、特養の整備、デイサービスでのショートステイの実施など、介護保険サービスの充実に関する質問をしてきましたが、きょうは認知症高齢者のグループホームなどの地域密着型サービス拠点の整備についてお伺いします。  というのは、先日、土地を活用したいという方からの相談がありました。その方は、土地はあるんだけれども、どう活用していいかわからないということでした。大都市東京の中で何ともうらやましい話と思いましたが、はたと思ったのは認知症の方のグループホームのことであります。  そこでまずお伺いします。地域密着型サービス拠点の整備状況と今後の整備目標はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎松本 高齢福祉課長 認知症高齢者向けのグループホームなどの地域密着型サービス拠点の整備状況でございますけれども、この一年間で開設いたしましたのは認知症高齢者グループホームが二カ所、それから認知症高齢者のデイサービス施設が五カ所ございます。これまでの累計での整備の状況で申し上げますと、認知症高齢者グループホームが十四カ所、それからデイサービス施設が二十七カ所、小規模多機能型の居宅介護事業所が二カ所、それと夜間対応型の訪問介護事業所が一カ所という状況がございます。  今後の整備の目標でございますけれども、区では、平成二十一年度から二十三年度までの高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の三カ年の中で、認知症高齢者グループホームが十カ所、それからデイサービス施設を七カ所、小規模多機能の居宅介護事業所については三カ所、それから夜間対応型の介護事業所を一カ所整備する、こういう目標を持たせていただいておりますので、未整備の部分について整備を促進してまいりたいと考えております。 ◆石川征男 委員 認知症の方のデイサービスなど非常に勢いが出てきたようですが、認知症の方のグループホームの整備に当たって一工夫してはどうかというのであります。先ほどの方の話を続けますと、三、四百坪の土地を持っておられ、これまではアパートを建てたり、駐車場にして資産運用してきたそうです。しかし、昨今は周りを見ればお年寄りばかりで、若い方向けのアパートを建てても部屋が埋まらないということが多いそうです。これからのことを考えれば、高齢者のための施設のほうが地域の方のためになるのではないかと考えたそうです。どのようにしたらよいのかわからないという話でした。  そこで、そうであるならば、土地をお持ちの方と事業者を結びつけてあげれば施設整備が進むと思うのであります。それができれば、せっかくの施設整備のチャンスを逃さずに済むのではないでしょうか。区としてこれをマッチングしていく仕組みを整えることができれば、土地所有者にも、事業者にとっても、区民にとってもメリットがあると思うのですが、区のお考えをお聞かせください。 ◎松本 高齢福祉課長 地域密着型のサービス拠点の整備に当たりまして、介護保険の事業者、それから土地、建物などをお持ちの方を結びつけるということは、一つの整備の促進策になるのではないかというふうに考えております。とりわけ土地、建物をお持ちの区民の方と介護保険事業者に賃貸する目的で整備をしております、いわゆるオーナー型と申しておりますけれども、この整備におきましては、東京都が独自に補助制度を設けております。本区におきましても、平成二十一年度よりこの活用を図って整備促進に取り組んでいるという状況がございます。  建物などを地域のために役立てたいという方の支援については、世田谷トラストまちづくりで地域共生のいえ支援事業、こういったものがございますので、こうした仕組みも参考にさせていただきながら、介護保険事業者の情報提供、こういったことを検討しながら、土地あるいは建物をお持ちの方と介護保険事業者を結びつける仕組みづくりに取り組んでいきたい、このように考えております。 ◆石川征男 委員 確かに区があそこの事業者、ここの事業者がよいというのは言えないでしょうけれども、その点は非常に難しいですが、検討するということなので、ぜひ事業者と土地所有者を結びつける方法を講じてほしいものと思います。  もう一つ考えていただきたいことがあります。それはこうした土地所有者の方の相続問題です。土地所有者の方に相続が発生すると、土地を切り売りして相続税を払わなければならず、相続は頭が痛い問題です。この点は福祉施設にも少なからず影を落とす問題だと思います。せっかく高齢者のグループホームに土地を貸したり建物を建てて協力しようと思っても、相続のことを考えると二の足を踏む人もおいでです。相続税は国ですから、区が勝手に免除したり減額するわけにいかないでしょうけれども、今後の高齢者施設の整備、これは高齢者施設に限ったことではありません。福祉施設の整備を図った場合には相続税の対象から除外するなどを国に要望することはできないものでしょうか、お聞きします。 ◎松本 高齢福祉課長 土地や建物を所有される方が、例えば認知症の高齢者グループホームなどの介護施設の整備を行う際に、その整備した後に相続税などの税負担が生じた場合の対応についてはご心配をされるという方もおいでになると存じます。整備促進に向けましては、こうしたご心配が払拭されるということが幸いと存じますけれども、相続税は、今お話しのとおり国税でございますので、福祉施設に限らず、税制全体の枠組みがあるものと存じます。ご指摘の点につきましては、地域密着型サービス拠点の整備状況を踏まえつつ、今後の促進策を検討する中で調査研究などをさせていただきたいと存じます。 ◆石川征男 委員 幾つか申し上げましたが、今後の高齢社会への対応を考えるとき、これまでの施策や考え方だけでは追いついていかないのが現実だと思います。私はこれまでも発想を柔軟に持ってほしいということをしばしば申し上げてきましたが、この点を踏まえて施策や取り組みを充実させてほしいものと思っております。  次に、在宅での要介護高齢者の支援についてお伺いします。在宅生活を続ける要介護高齢者の支援としましては、ショートステイやデイサービス、訪問入浴サービスなどがあります。ショートステイの充実などは、今後も引き続きの課題でありますが、区では高齢者の在宅生活を支援するために、紙おむつの支給や自宅を訪問しての理髪など、独自の取り組みも行っております。  これらの従来の取り組みに加えて、昨年度から夜間対応型訪問介護通報システムを使って、夜間の時間帯だけでなく、二十四時間を通しての随時の訪問サービスについての評価研究を行っていると聞いております。この評価研究事業の進捗状況はいかがになっているでしょうか、お聞かせください。 ◎石橋 介護保険課長 進捗状況についてお答えいたします。  二十四時間随時訪問サービスは、当区が全国に先駆けて実施し、平成十八年度の法改正で介護保険サービスとして位置づけられた夜間対応型訪問介護を、夜間だけでなく、二十四時間拡大したものでございます。利用者がケアコール端末を押すだけでオペレーションセンターにつながり、必要なときに、いつでもヘルパーの訪問を受けられるサービスでございます。  区では、高齢者が安心して在宅生活が送れるよう、平成二十年度に高齢者やケアマネジャー、事業所を対象としたニーズ調査を行い、居宅サービス利用者の九割以上の方ができる限り在宅で暮らしたいと願ってわれることや、在宅生活を続けるための最も重要な条件は、いつでも必要なときにヘルパーが来てくれることであることがわかりました。  この成果を踏まえまして、二十四時間の随時訪問サービスが介護保険サービスと同様に一割負担でご利用いただけるよう、平成二十一年四月から介護保険の対象とならない昼間の時間帯のサービスにつきまして、区独自にサービス利用料の助成を行っております。現在、二十四時間随時訪問サービスを一割負担したことの効果や、二十一年度から新たに創設されました緊急時訪問介護加算の利用状況等につきまして詳しい調査を進めているところでございます。 ◆石川征男 委員 緊急時訪問介護加算は、やはりその名前からして緊急対応ができるものと思います。いつまでも自宅で暮らしたいと考えていらっしゃる大勢の区民の方は、何かあったら、すぐにヘルパーさんが来てくれると助かるし、そうしたサービスがあることで、介護が必要になっても安心して在宅生活を送れますので、緊急時訪問介護加算でも二十四時間随時訪問サービスでもよいわけです。  介護保険の制度にこうした緊急時の訪問が位置づけられているのであれば、昼間の時間帯については、わざわざ区の一般会計から助成を行ってまで二十四時間随時訪問サービスを実施する必要もあるのかなと思いますが、それぞれのサービスに仕組みの違いがあるのだと思います。お聞かせください。 ◎石橋 介護保険課長 緊急時訪問介護加算と二十四時間随時訪問サービスの違いについてでございます。二十一年度の介護報酬改定により新設されました緊急時訪問介護加算は、訪問介護サービス事業者が突発的な事情でケアプランにない緊急対応を事業所に依頼してサービスが提供された場合に、一回につきまして千百五円の加算がされるものでございます。事業者に偶然ヘルパーがいて対応できた場合の加算ですので、緊急時に必ず訪問できるというものではございません。  一方、二十四時間随時訪問サービスは、いつでも必要なときにコールボタンを押せばオペレーションセンターにつながりまして、確実、迅速にサービスを受けることができる、利用者本位のサービスでございます。二十四時間随時訪問サービスの利用者の七割は要介護度の四、五の方でありまして、転倒や転落が同時に起こる可能性の高い重度の方が多く利用されております。  昨年の十一月に行いました二十四時間随時訪問サービスの利用者アンケートでは、介護力が弱くなった高齢の介護者にとっては、二十四時間随時訪問サービスは在宅で介護を続けるために不可欠であるというようなご意見もいただいております。 ◆石川征男 委員 これから高齢化や核家族化がどんどん進んでいくことを考えれば、ひとり暮らしの方や高齢者が高齢者を介護する、いわゆる老老介護のご家庭がふえていくことは確実です。在宅介護をあきらめず、自宅で介護を受けながら、なるべく在宅で暮らしを継続していこうという高齢者を支えていくために、今後、この二十四時間随時訪問サービスを区としてはどのように展開していくのかお聞かせください。 ◎石橋 介護保険課長 この事業の展開でございますけれども、利用者と介護者の安心安全を守り、高齢者の在宅生活を支える二十四時間随時訪問サービスの必要性につきましては、厚生労働省の老健局長や振興課長にも直接お会いいたしまして、評価研究事業の成果をもとに説明を行っているところでございます。夜間対応型訪問介護の対象となる随時訪問サービスの時間帯を昼間にも拡大し、二十四時間対応型の介護保険サービスとして緊急に制度改正を行うよう、今後とも国に強く要望してまいりたいと思います。 ◆石川征男 委員 高齢者の在宅生活を支えるために、ぜひとも介護保険制度に加えていただけるように期待しております。  この制度は在宅生活を継続するための効果的な手法であり、二十四時間随時訪問サービスが介護保険の制度として実施されれば、特養待機者の解消にも一役買うでしょうし、それが給付費の抑制にもつながります。大変すぐれた取り組みと思いますので、世田谷区からの積極的な発信ができるよう期待しております。  次に、保健医療福祉の拠点としての梅ヶ丘病院の跡地利用についてお伺いします。  区はこれまでの調査研究で、この拠点の基本的な性格を介護や医療が必要になっても地域で安心して暮らし続けられるよう支援する拠点として、在宅生活をバックアップする専門拠点としての性格を明確にしております。私としても、一部の方が利用する施設サービスより、専門性を持って在宅生活への支援を行う、多くの区民にメリットのあるような拠点を整備すべきと考えており、その基本的な考え方に賛同するところです。  そこで、区民が求める在宅生活への支援という観点から、幾つか質問と提案を行っていきたいと思います。  世田谷区で現在、特別養護老人ホームの入居待機者は、この二月現在で二千五百十六人ということです。この待機者の数について真摯に受けとめていかなければならないと考えますが、その方々に対して行ったアンケート調査結果を見ると、また違う面が見えてきます。この調査で今後希望する暮らし方について尋ねたところ、待機者のうち約半数の方が在宅の暮らしよりも施設に入所することを希望すると回答しているものの、できる限り在宅で暮らしたい、在宅での暮らしが望ましいが、条件が整わなければ施設への入所も考えるというのも四割を超えています。特に現在の生活場所別に見ると、現在自宅で生活している人では約六割が在宅生活を志向しております。  待機者の中で最重要とは言えない要介護三、四の方が五割を超えていること、また、在宅生活を志向している方が一定程度いらっしゃることを考え合わせますと、将来の生活に対する不安から申し込みをしているような様子がうかがわれます。  そこで、在宅で安心して暮らし続けるためのサービスや条件についての回答を見てみますと、約半数の方がデイサービスやショートステイを利用したいときに利用できることを挙げております。  このことからもわかるように、在宅生活の継続を可能にするためには、介護を担う家族の休養という観点からもショートステイやミドルステイ施設の確保が必要です。そうした体制が確保されて、初めて在宅療養を選択できるという方は多いと思います。またあわせて機能低下を防ぐためのリハビリを行うなどすれば、効果も区民の満足度も上がるのではないでしょうか。  そこでお伺いします。梅ヶ丘跡地においてショートステイ、ミドルステイ施設をできるだけ確保するとともに、リハビリを行っていくことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか、お聞かせください。 ◎田中 保健医療担当課長 都立梅ヶ丘病院跡地利用におけるこれまでの調査研究では、介護老人保健施設でのショートステイやリハビリ等を想定しております。ショートステイやミドルステイのような中間的な施設の整備により、より幅広いニーズに対応することが可能となるため、在宅生活の継続を支援する上で非常に重要な役割を果たすと考えております。  また、医療的ケアの必要な方にも配慮することで、現在、ショートステイ等のサービスを利用しにくい区民の方にもサービスの提供が可能となり、満足度も上がるものと考えております。ショートステイ等の確保やリハビリの実施につきましては、来年度に予定しております本構想の検討において、医療の採算性確保や民間事業者が参画意欲を持てる仕組みづくり等、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆石川征男 委員 また忘れてはならないのががんや難病患者への支援体制です。入院日数の短縮や医療技術の進歩などにより、医療的なケアが必要な方も、条件さえ整えば在宅療養を選択することが可能になりつつあります。こうした方々への支援のためには、例えば緩和ケアや家族への対応、みとりを可能にする体制づくりなど、医師、看護師、薬剤師など、多職種のスタッフが連携したチームケアが必要になります。従事者には経験を積む場所が必要ですから、体制の整備に向けて、人材の育成を含め長期的な取り組みが必要となります。  そこでお伺いします。がんや難病患者を含め、みとりまで可能にするような在宅医療体制を地域に根づかせるため、梅ヶ丘の拠点が専門性を蓄積し、バックアップしていく仕組みをつくるとともに、これからの地域医療のモデルになるような先駆的な取り組みを行っていくことを検討してはどうでしょうか、お考えをお聞かせください。 ◎田中 保健医療担当課長 在宅で療養するがんや難病の方はふえることが予想されますが、在宅医療体制が十分に整っているとは言えないため、これまでの調査研究では先駆的な取り組みとして訪問看護ステーションと療養通所介護を併設し、在宅における緩和ケア、みとりに一体的に対応できるモデル事業の可能性などを検討したものです。一方、中長期的な取り組みとして、訪問看護師等の育成や相談支援体制の整備も、今後の課題であると考えております。  ご提案の趣旨を踏まえまして、地域の取り組みをバックアップする、全区的な拠点にふさわしい取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆石川征男 委員 先日、駒込病院の緩和ケアチームが全国三十九の緩和ケアチームの中で最優秀賞であるベストチーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したという報道がありました。世田谷区も全国で一番と言われるような地域医療のモデルづくりを目指して頑張っていただきたいと思います。  先ほど世田谷区が他に先駆けて取り組んでいる二十四時間随時訪問サービスについて、利用者と介護者の安心安全を守り、在宅生活を支える上で重要であるとの評価研究結果の答弁がありました。この点をさらに進め、例えば梅ヶ丘に指令本部となるコールセンターを置き、地域にあるサテライト施設からの訪問等を行うというような仕組みも有効だと思います。  ここで提案しておきます。  財政状況が非常に厳しい中で、高齢化が今後急速に進むことが明らかな今日にあって、福祉施策を停滞させるわけにいきません。区民の安全安心な生活のために、保健医療福祉においては提供すべき必要なサービスをしっかりと見きわめていくことは必要不可欠です。梅ヶ丘病院跡地の基本構想検討に当たっては、ぜひそうした観点から、また、本日提案させていただいた視点も踏まえて積極的に検討を進め、議会も含め活発な議論を行う中で取り組まれるよう要望して、私の質問を終わります。 ◆菅沼つとむ 委員 最初に、あんしんすこやかセンターについてお聞きします。  区が示された出張所、まちづくりセンターあんしんすこやかセンターの一体整備について、公共施設整備方針に基づき取り組む方向性や、地区まちづくりの活性化に取り組む出張所の公共施設の改築等にあわせて一体整備を図るということになっております。  最初にお聞きします。出張所、まちづくりセンターに八カ所今度示されました。その八カ所をどのように選んだか、それをご報告願います。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターにつきましては、今までプライバシーに配慮された相談スペースや待合場所が狭く、施設が狭隘であることや、わかりにくい場所にあることなどの課題がございまして、区民利便性の向上や執務環境の改善について検討をしておりました。また、区では、出張所、まちづくりセンターあんしんすこやかセンターの一体整備につきましては、公共施設整備方針に基づく取り組みの方向性や地区まちづくり活性化取り組みの報告の中で、出張所等の公共施設の改築にあわせて一体整備を図ることというふうにしておりました。  今後は、民生委員や町会・自治会などが活動されている地区団体等の地域資源も同じであることから、その地区単位で両者が入る施設を地区の拠点としまして、より一層連携を図ることにより、地区のきずなを深め、災害時要援護者支援や一人一人に合った見守りネットワークの構築に取り組んでまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 今お話を聞きましたけれども、出張所、まちづくりセンター以外で例えば区の施設、そこも検討したんですか、お聞きします。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 ただいまご答弁させていただきましたように、区の方向性としまして、公共施設整備方針や、また地区まちづくりの活性化の取り組みの中で出張所との一体化という方向で検討させていただいておりましたので、その方向でまず取り組みを進めさせていただいております。 ◆菅沼つとむ 委員 質問の仕方が悪くて、もう一度聞きます。出張所、まちづくりセンター以外も区の施設を検討したのかしないのか、そこを聞いているんです。お願いします。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 今回の一体整備に当たりましては、出張所、まちづくりセンターのみ検討させていただいております。
    ◆菅沼つとむ 委員 この中に示されているように、エレベーターがあるところはいいです。ないところもありますよね。では、ほかに区の施設としてエレベーターがあるセンターだとか、そういうところは何で検討しなかったのか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 今回、一体化させていただきました八カ所のあんしんすこやかセンターにつきましては、エレベーターがある用賀を除き、いずれも一階にあんしんすこやかセンターは入る予定でございます。委員ご指摘のとおり、高齢者の障害がある方がご利用される場合は、あんしんすこやかセンターでは、来所されることが事前にわかりましたら、訪問させていただくこともしております。対応をさせていただくことができるということで、利用者の利便性を考慮して今後も対応させていただくということでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 深沢と上北沢と上祖師谷は、エレベーターはないんじゃないですか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 八カ所のうち、ご指摘のとおり、深沢と上北沢、上祖師谷についてはエレベーターはございません。 ◆菅沼つとむ 委員 基本的には、あんしんすこやかセンターというのは高齢者がほとんどですから、それに対して、例えば深沢だったら、区民センターだとか結構あるわけですよ。何でそちらを選ばなかったのか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 出張所との一体化によりましてメリットがございますので、区民にとってわかりやすい場所となりまして、相談がスムーズにできるとか、あるいは相談された内容で迅速なサービス対応ができるというようなこと、また、見守りネットワークの構築の強化になるというようなことがございまして、出張所との一体化の方向で検討させていただいております。 ◆菅沼つとむ 委員 同じことを何回も言っていますけれども、逆に深沢まちづくりセンターなんて畑の真ん中ですよ。全然目立ちませんよ。センターはきちんとした道路のところにありますよ。なぜかというと、初めからねらい撃ちに、出張所とあんしんすこやかセンターだけをねらったからですよ。全体の区の出張所の中で、どこが一番高齢者にいいかというものを検討しなかった。これが本来おかしな話です。その辺をもう一回検討し直してくれませんか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 今回の高齢者の実態把握調査の結果によりましても、特定高齢者数ですとか孤立化した高齢者の数というのは、現状で、各地域によってそれほど偏りがないという報告がされております。ですので、地域によりましては少し高齢者の方が行きにくい場所もあるかとは存じますが、出張所に入ることによりまして、あんしんすこやかセンターをより区民の方に周知させていただき、訪問もまたしやすくなる、活動もしやすくなるということがございますので、そちらの方向で検討はさせていただきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 それから、今まではまちづくりセンターは、期日前投票や何か、選挙をやっていたんですよ。一階にあるときには、車いすのだれでも行けたわけですよ。エレベーターがなくなると─当然二階になりますよね。そうしたら、今度、車いすの期日前投票はできないんじゃないですか。区のほうは、その中で、その使用に配慮すると書いてあるわけですよ。自分たちの言ったこと、これはどうなんでしょうか、お聞きします。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 委員お尋ねの期日前投票につきましては、障害のある方、あるいは高齢者の方がご利用される場合は、二階から一階に従事者と立会人が投票箱を運びましてご投票いただくなど、ご利用者の利便性を考慮して対応させていただくことと聞いております。 ◆菅沼つとむ 委員 それが配慮という意味ですか。  それから、「区のおしらせ」のほうで、開設時間が月曜日から土曜日、九時から五時半となっていますよね。出張所も含めてまちづくりセンターに入るということになると、セキュリティはどうなの。相手は民間会社ですよ、きちんとできるの。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターは、区の委託事業と自主事業というのを担っておりますが、個人情報の保護、あるいは事故が起こったときの対応とかは、契約に基づきまして、契約のほうに、世田谷区の個人情報保護条例、あるいは介護保険法に基づく事業所としての業務については個人情報保護法ということで、それぞれ適用がされております。また、契約の中でもそのような対応についてはうたっておりまして、個人情報保護と事故対応については規定がございます。それを遵守して、法人のほうでも、自身も定款において、個人情報保護や事故対応のところの規定を設けております。  一体化に際しましては、あんしんすこやかセンターの職員でありますとか出張所、まちづくりセンターの職員に対しまして、それぞれの業務あるいは個人情報の取り扱い、事故対応につきましても研修をさらに進めまして、お互いの業務を理解した上で対応してまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 一点だけ。基本的に民間会社が入るわけですよ。そこで事故だとか何かがあったときに、最終的には、区がお金を、税金を払うようになるんじゃないですか、その辺は大丈夫ですかということを聞いているの。大丈夫か大丈夫じゃないか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターの事故の対応につきましては、今まで事故の報告というのはございませんが、現状でも、利用者の方が事故に遭う、あるいは委託事業に支障を来す事態があった場合には、応急措置を行うとともに区に速やかに報告するということの規定がございます。また、受託法人も、委託事業に関しましては、その責めに帰すべき事由により発生した事故等により新たに生じた損害につきましては、受託者が責任を持って賠償するという規定も契約の中にございまして、法人みずからが保険に入るなど、その対応をとっております。  いずれにしましても、事故を未然に防ぐのは大変重要でございますが、起こってしまった場合に対しましては、区としても速やかな連絡、あるいは適切な対応を行えるよう、緊急マニュアル等を整備してまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 ということは、世田谷区は、事故があったとき一切税金を使わなくていいということですね。次へ行きます。  それから、出張所、まちづくりセンターあんしんすこやかセンターが入るようになりますよね、そうすると、レイアウトはどうするの。出張所の中でどういうふうに切るの。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 出張所の中のあんしんすこやかセンターのレイアウトにつきましては、個人情報保護を配慮する点からも、あんしんすこやかセンターは一固まりの島にいたしますとか、あるいは保護の観点から、パソコン画面が見えないように配置いたしましたり、フィルターを画面に張るなどの工夫をして配置いたします。また、カウンターは並列配置としますが、執務室の部分は分けて配置するということで、パーテーションで区切るなどのところを考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 今、お言葉で、パーテーションで区切るとありましたよね。出張所は、普通の一般の人まで来るわけですよ。さっき言っているところに、入り口にだれかが入ってきて、パーテーションの中へ入りますよね。パーテーションなら、隣まで声が聞こえるんじゃないの。パーテーションで個人情報保護になるの。声が全部出張所にいる人に聞こえますよ。それは大丈夫なの。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 個人的なご相談につきましては、特別に相談場所というのを設置しなければならないという定めになっておりまして、声が漏れない、あるいは顔が見えない相談室の配置をする予定でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 私の持ち時間が少なくなりました。次に行きます。  次に、保育サービスの施設の整備についてお聞きします。  世田谷区は、保育サービスの待機児に対して、平成二十一年四月の保育サービスの待機児数は四百六十三人となっています。この状況に対して、保育サービスの定員の拡大を挙げ、区有地、学校、公園を活用した保育施設サービスの取り組みにかかるとあります。  第一点、お聞きします。各保育園、敷地面積は決まっていますよね。その中で各保育園ごとの人数、それから本園はどこか教えてください。 ◎岩渕 子ども部副参事 まず、本園規模から申し上げますと、本園につきましては、現在、太子堂、北烏山を予定しております。  また、分園といたしましては、面積規模で申し上げますと、おおむね四百平米から五百平米程度を軸として選定してまいりまして、建ぺい容積によりますが、定員規模としましては四十名から七十名程度の定員の保育園を整備していくこととなるかと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 具体的に、いつごろになったら本園と各個別の人数は出せますか。何月ごろ。 ◎岩渕 子ども部副参事 このことにつきましては、今後、新年度に入りましておおむね事業者を選定させていただく運びになるかと考えておりますので、定員等々につきましても、個別の案件ごとにご報告させていただきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 保育園をつくること自体は反対しないんですけれども、今度の場合でも、どうも行き当たりばったりの感じがしますよね。前の深沢小学校の第二校庭だって、千四百平米あるのに六百平米しか使っていなくて、倉庫だとかそういうことをやれば、園庭もとれるし広くなるしと言っているのに、また同じことをやっているわけですよね。  例えば用賀中学校、二面あるうちの一面を保育園にするという話なんですけれども、実際に決めたときに、用賀中学校の中には京西小学校、用賀小学校、用賀中学校、三校で進めている地域スポーツもあります。実際には、その中の地域がみんな連携してやっているわけですよ。そういう中で、教育委員会がスポーツを進めるという中で、わかっていてこれをテニスコートのわきにしたのか、その辺をお聞きします。 ◎岩渕 子ども部副参事 今般の取り組みにおきましては、既存のこのような教育施設、公園も視野に入れて調整を行って、全庁を挙げて候補地とさせていただいたところでございます。このような地域の皆様に親しまれ利用されている大切な地域の資源でありますので、そこら辺の委員指摘のところも踏まえまして、地域の方々のご理解をいただきながら、全力で保育施設整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、これは全区で出してきたの、全区で決めてきたの。それとも、個別でそちらのほうが指定してきたの、その辺はどうなの。 ◎岩渕 子ども部副参事 今回、現段階では区有地の活用ということでございまして、その中で全庁を挙げて用地を選定し、候補地をお示しさせていただいたところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 学校用地でも、中心部というか、環七の内っ方というんですかね、都心部寄り、そっちのほうは、こういうテニスコートよりもいい場所がもっとたくさんあるじゃないですか。その辺はどうなの、検討しなかったの。 ◎岩渕 子ども部副参事 教育施設につきましては、そういう地域に親しまれるということもあり、断腸の思いだと思いますが、総合的に勘案して今回の候補地を示させていただいたところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、今、分園ですよね。その中で、基本的には本園があって分園なんですよ。その中で、今のペーパー上は認可保育園です。しかし、単独の分園だと認可外じゃないの。認可外みたいなものをつくって、本当に子どもたちのためになるの。 ◎岩渕 子ども部副参事 今回の保育施設整備につきましては、分園ではございますが、これは認可ということでございます。委員のご指摘のように、保育環境の確保ということは施設整備には欠くことができないものであると認識しております。一方では、待機児の取り組みということで、二十三年四月に向けて全力で取り組んでいるところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に用賀でも、二本目には公園があるんですよ。形もいいし、公園で余り木も生えてないんですよ。そこにつくれば、園庭はとれないですけれども、公園はつくれるわけですよ。もう一つは、用賀の橋がある─上用賀アートホール、あれは二階があるんですよ。あそこの二階は、もともと福祉のレストランが入っていたんですけれども、今は何も入っていないんです。あいているんですよ。だから、そういうところというのは、要するに建物があるんだから、お金を使わなくてもできるのに、周りや何かをよく検討したのかというのを聞きたいんですよ。 ◎岩渕 子ども部副参事 いろいろご意見をちょうだいいたしました。今回、現段階で区有地の活用という整理で全庁挙げて選定したものをお示ししているところでございますので、ぜひご理解賜りたいと存じます。 ◆菅沼つとむ 委員 実際には、今、保育で入れない人がたくさんいる。四月から仕事をやめなくちゃいけないご夫婦もいらっしゃいます。だから、なるべく早くつくりたい、これはわかります。これはわかります。だけれども、本当に子どもたちのことを考え─園庭もない、隣ではテニスの音がする、分園だからペーパー上オーケーだと、そんなのはないでしょう。もうちょっときちっとして物をつくらなくて、子どもたちに申しわけないと思わないの。  第一、実際にはつくれるんですよ。例えば、さっき石川さんが言ったように、民間でも三十年契約だってつくってもいいですよとか、いろんな方法があるの。来年の四月まで人数合わせをするから、去年もやっていたし、多分来年も同じようなことをやると思う。そうすると、その使われた土地というのは全部半端になる。だから、きちっとやれば、子どもたちがいなくなっても、それは福祉だとかああいう拠点になるんですよ。その辺を考えて、もう一度検討していただきたいと思います。  私の質問を終わります。 ◆鈴木昌二 委員 私は、障害者施策の推進についてまずお伺いいたします。  昨年の本委員会では、障害者施策に関して、第二期の世田谷区障害福祉計画の重点的な取り組みで相談支援体制の充実について質問いたしましたが、その後の進捗状況についてお伺いしていきたいと思います。  障害者が、地域で毎日、安全安心に暮らしていくことができるよう支援するためには、障害者の多様なニーズにきめ細かく対応することが必要です。そのためには、障害者やそのご家族からの相談に応じて、問題解決に向けてさまざまな助言や情報提供を行ったり、必要な保健福祉サービスへつないだり、そういったことのできる支援体制が不可欠であります。例えば、事故等で中途障害者となり、病院から家庭へ戻る場合、どんなサービスを受けられるのか、どういう手続をしたらいいのか全くわからない、これが現実だと思います。幸い、世田谷区には総合支所保健福祉課はもちろんのこと、五カ所の相談支援事業所があります。また、障害者施設や民間の事業所などでも障害者の相談に対応していただいております。  そこで、これらの関係機関がそれぞれの専門性を高めていくことはもちろんですが、地域のニーズを共有し、情報交換をするなどして社会資源を有効に活用して、障害者の支援をより充実させていくことが求められております。そのため、関係機関の連携の場として、平成十九年度に地域自立支援協議会を設置したと伺っております。また、第二期世田谷区障害福祉計画では、相談支援体制の充実を重点項目の一つとして掲げ、地域自立支援協議会を活用するとしております。協議会は、現状どのような取り組みを行い、また、障害者支援をより充実するために今後どのような役割を果たしていくのか、お答え願いたいと思います。 ◎山本 障害施策推進課長 地域自立支援協議会でございますが、障害者の方が安心して地域で自立した生活を継続することができる社会を実現するために、地域の関係機関が連携して障害者を支えるネットワークを構築する場でございます。今年度からは、協議会のもとに五地域ごとのエリア部会と、障害者の方の地域生活への円滑な移行を進めるための地域移行部会を設置しまして、関係団体が情報を共有化し、連携した支援ができるような関係づくりを進めております。三月末には、先進的に取り組んでおります滋賀県の地域自立支援協議会の事務局長を講師に招きまして講演会を開催し、これからの区の地域自立支援協議会あるいはエリア部会などの取り組みに生かしていきたいと考えております。  今後でございますが、地域自立支援協議会では、エリア部会などを実施してまいります中で直面しますさまざまな課題、これらについて解決する仕組みを協議いたしますとともに、ケアマネジメント研修を協議会に位置づけまして、実践的な知識や技術の習得と、地域で障害者を支援するリーダーの養成を行うなど、地域全体で障害者を支える役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 今年度から各総合支所ごとにエリア部会を開催しているとのことであります。確かに世田谷区は広く、事業者の数も多いので、より地域に密着したきめ細かいネットワークづくりというと、地域単位の連携が必要だと思います。  このエリア部会ですが、どのような方々が集まって、今年度どのような取り組みを行ったのか、今後どのように進めていかれるのか、お考えをお伺いいたします。 ◎伊藤 玉川総合支所保健福祉課長 地域自立支援協議会エリア部会は、平成二十一年四月の玉川地域を皮切りに、世田谷、北沢、烏山、砧の地域の順にそれぞれ立ち上がり、この三月までに二回から四回ほど部会を開催しております。エリア部会のメンバーは、各地域で若干異なりますが、障害者・児施設、介護事業所、社会福祉協議会、社会福祉事業団など各地域のサービス提供事業者や病院等の関係機関から構成され、各総合支所保健福祉課が事務局となっております。  今年度は、各事業所の現状と課題についての情報交換や困難ケースについての事例検討などを行っています。また、障害者の抱える諸問題について、解決に向けた支援を検討する個別支援会議を開催した地域もございます。  今後につきましては、地域内の障害福祉にかかわりますさまざまな事業者、支援者が連携し、障害者の方々が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、自立支援協議会エリア部会の活動を通して、ネットワークをより一層推進してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 今後も障害者の方々が地域で安心して暮らせるよう、身近なエリア部会での活動内容や、また地域自立支援協議会の取り組みに大いに期待し、これからも注目していきたいと思っております。  次に、要保護児童の対応についてお伺いしたいと思います。  昨年、全国の警察が摘発した児童虐待事件は、過去最多の三百三十五件で、ことしに入ってからも、痛ましい児童虐待による子どもの死亡の報道が相次いでおります。また、全国の児童相談所が対応した児童虐待件数も増加し続けており、平成二十年度には四万二千六百六十四件と、過去最多となっております。  国は、これを受けて児童福祉法や児童虐待防止法を改正し、区市町村に対して、通報や相談の窓口設置や、生後四カ月までに乳児のいる全家庭を訪問し、虐待の早期発見、早期対応をする制度、児童虐待防止のネットワークとして要保護児童対策地域協議会設置の努力義務を課しました。  世田谷区は、平成十七年度から子ども計画に、柱の一つとして児童虐待予防、早期発見、早期対応の仕組みを位置づけ、各総合支所に通報や相談の窓口や要保護児童支援協議会を設置いたしました。また、平成十九年度からは、重点施策「児童虐待のないまち世田谷をめざして」を掲げて、さまざまな先駆的な取り組みを行い、平成十九年には厚生労働省要保護児童対策模範事業表彰を、平成二十年にはベストマザー賞自治体部門特別賞を受賞しました。  今後、そうした施策を評価検証し、それを踏まえて、さらに取り組みを進めていくことが重要と考えますが、評価検証の結果はどうであったか伺いたいと思います。 ◎小堀 要支援児童担当課長 委員のお話にありました重点施策の評価検証につきましては、今年度に学識経験者や要保護児童支援協議会委員、区の関係課長により構成いたしました要保護児童支援あり方検討委員会で実施いたしました。区が通報・相談窓口を開設し、広く周知したことにより、関係機関からの相談が増加していること。また、潜在化しやすいネグレクト─これは育児放棄でございますが─それから、心理的虐待など早期発見による相談が増加していること。そして個別ケア会議が年間百九十一回に及ぶなど、相談支援と早期発見、早期対応のネットワークの仕組みが有効に機能されていることが評価されました。  その上で、虐待に対応する上での課題と支援体制の充実の課題が指摘されました。まず、虐待に対応する上での課題といたしましては、乳幼児の虐待の背景に孤立した子育てや育児不安があり、早期からの支援の充実が必要であること。保護者の養育力、生活技術が不足する場合には、不適切な養育環境が長期化する傾向にあること。学童期の集団・社会不適応の背景には、長期のネグレクトによる子どもの自尊感情や対人関係等に問題があることが指摘されました。  また、支援体制の充実の課題といたしましては、保育園から小学校、小学校から中学校など、支援機関が変化することで支援が途切れやすいこと。子どもにかかわるすべての機関に児童虐待防止についての知識と感度の向上が必要であること。最後に、地域住民への継続的な普及啓発が必要であることが指摘されました。 ◆鈴木昌二 委員 その評価検証を踏まえて、今後の課題について具体的にどう取り組んでいかれるのか、お聞きいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 重点施策の評価検証の結果につきましては、子ども計画後期計画の重点的取り組みの一つ、支援を必要とする家庭のサポートに反映いたしまして、課題に取り組んでまいります。  具体的な取り組みでございますが、虐待に対応する上での課題には、まず育児不安が強い乳児期の母子を対象に、産後ケア事業や乳児期家庭訪問事業を充実いたしまして、育児不安のアセスメント指標を作成し、関係機関が情報共有を図ることで、早期発見、早期対応を強化してまいります。また、不適切な養育環境の長期化が危惧される家庭に対しましては、養育困難家庭等ホームヘルプ等による家事指導、育児指導を充実し、保護者が養育力を向上できるよう支援してまいります。さらに、ネグレクト状態にある小学生を主な対象といたしまして、学生ボランティア派遣や登校支援などを充実してまいります。  支援体制の充実の課題に対しましては、まず関係機関の人材育成支援のために、講師派遣やテキストの提供、出前研修などに取り組みます。また、要保護児童支援協議会のさらなるネットワークの充実のために、情報誌の発行やマニュアル、普及啓発用のパンフレット等に更新を行います。さらに、子ども家庭支援センターのソーシャルワーク機能の強化のために、体系的な人材育成プログラムを開設いたしまして、支援体制の充実に取り組みます。 ◆鈴木昌二 委員 子どもは地域の宝であります。将来、未来を担う子どもたちの命と笑顔を守るために、今後も、より一層児童虐待防止、早期発見、早期対応の取り組みを推進していくことを要望して、次の質問に移ります。  次に、生涯現役の取り組みについて伺いたいと思います。  私は、今回の予算特別委員会におきましては、一貫してエフエム世田谷のさらなる利活用というテーマで、企画総務、区民生活の領域で質問をしてまいりました。本日は、福祉保健領域では、特に生涯現役の分野において活用を図ってみたらどうかという視点から質問してみたいと思います。  いわゆる団塊の世代と言われる方々が、この世田谷区においても、この三年間、毎年一万人以上の方が六十歳を迎えられております。生涯現役推進課では、そうした状況等を踏まえて、従来の生きがい推進施策に加えて、団塊の世代の地域リターンを契機として、だれもがみずからの知識や経験等を生かすことができる新しい地域社会の仕組みを創造するための手始めとして、生涯現役事業を展開されておられるところであります。  また、これまでも生涯現役をまさに実践され、地域においてさまざまなご活躍をされている高齢者の方々も大勢おられるわけで、そうした方々をいろいろな方面にご紹介することは、ご本人の生きがいや活動の励みにもなりますし、活動の広がりや活動の担い手を拡大するためのPRにもつながるのではないかと思っております。  そこでお伺いいたします。これまで、生涯現役で活躍されている方々をどのようにPRをされてきたのでしょうか、また、現状はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎新保 生涯現役推進課長 区はこれまで、中高年世代を初めとした区民の方々に、生涯現役の社会づくりを広く普及啓発をするため、さまざまなメディアを用いてPRを図ってきたところでございます。例えば、地域活動を紹介する生涯現役ハンドブックや、生涯大学の特別コース、実践セカンドライフ講座等において既に生涯現役で活躍されている方や、区の講座などを契機として地域で活躍を始められた方々を紹介してまいりました。  特に年四回、毎回五万部発行しております情報誌「GAYAGAYA」におきましては、ご自身の趣味や特技などを生かした活動を行っている方や、社会貢献活動に取り組まれている方、今も現役で働かれている方など、生涯現役で活躍されている方々を紹介し、PRに努めているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 ただいまお話がありました情報誌「GAYAGAYA」は、私も拝見しております。今お話ししたように、この情報誌は三カ月ごとに発行され、大変よい取り組みであると考えているところであります。そうした取り組みに加えて、エフエム世田谷の番組で、生涯現役でご活躍されている方々を紹介することも考えられますが、いかがでしょうか、所管の考え方をお聞きしたいと思います。 ◎新保 生涯現役推進課長 エフエム世田谷では、区民等から公募したエフエム世田谷特派員が町の話題や地域の活動を取材し、レポートするなど、地域に密着した区民参加型の番組制作を行っていると伺っております。  お話のございましたエフエム世田谷の活用は、PR手法として大変有効な一手法かと存じますので、地域で生涯現役を実践し、活躍なさっている方々をエフエム世田谷特派員の番組で紹介することなどについて、関係所管とも相談をしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 エフエム世田谷のさらなる利活用を今後ともご検討いただきますことを要望して、次の質問に移ります。  続いて、医療と福祉の連携についてであります。  世田谷区は、さきに実施した全高齢者実態把握調査の結果を踏まえた見守り事業の実施などに取り組もうとしております。こうした取り組みは評価するものですが、医療的なケアを必要とする在宅の高齢者が今後ますますふえることが予想される中、医療という専門的な観点からの支援を地域においてできるだけ多く確保していくということも課題になると考えております。こうした地域における専門職の一つに、薬局の薬剤師が挙げられます。平成二十一年三月現在、区内の調剤薬局は三百三十七カ所あったということで、高齢者を中心とする区民にとって身近な存在の一つだと思います。  そこで伺いますが、現在、例えば介護などの現場で、こうした薬剤師の方々はどのような役割を果たしているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎田中 保健医療担当課長 病気を患う方にとって薬の正しい服用が治療上重要であることは、申し上げるまでもありません。特に高齢者は、加齢により臓器の機能が低下していくため、年齢や体重、症状に応じて薬の量を調整する必要があり、適切な服薬管理が必要となっております。  薬剤師は、高齢者の状況に応じ、大きな薬を砕くなど服薬しやすいようにしたり、訪問して薬を届け、服薬の指導を行います。さらに、飲み忘れ等が心配される方には、カレンダー型の薬入れを導入するなど、確実な服用のため、工夫をします。その上で、患者の服用状況を確認するとともに、効き目や副作用の状況を確認し、必要に応じ医師へ相談するなどの役割を担っております。 ◆鈴木昌二 委員 お聞きしたところ、既にさまざまな取り組みは始まっているようですが、そのような取り組みもケアマネジャー等の支援担当者がよく理解し、支援を必要とする方に結びつける意識がないと、支援が届かない方も出てきてしまうと思います。介護保険を中心とする福祉の取り組みとうまく連携して高齢者を支え、住みなれた地域で暮らしていくことのできる環境を整えることが必要であります。  そこで伺いますが、医療、特に薬剤師と福祉の連携の強化のため、区では今後どのように取り組んでいかれるのか、お答え願います。 ◎田中 保健医療担当課長 服薬状況に不安のある高齢者を支援するためには、ホームヘルパーや訪問看護師が日常的に状況を把握し、その情報に基づき、ケアマネジャーが薬剤師と調整を行う必要があります。こうしたことを踏まえまして、今年度から医療連携推進協議会に薬剤師の参加を得て、連携強化に向けた検討を開始いたしました。まず、ケアマネジャーなどの介護従事者に薬剤師の役割や薬に関する知識などを理解してもらうため、二月にケアマネジャー向けの研修を行ったところです。また、顔の見える関係づくりのため、区内の医療福祉関係団体が参加する実務者連絡会へも薬剤師にご参加いただき、活発な情報交換が行われました。  今後も、引き続き、医療連携推進協議会で連携のあり方について検討を進めるとともに、実務者連絡会や介護従事者向けの研修などを通し、薬剤師と福祉の連携強化に取り組んでまいります。 ◆鈴木昌二 委員 医療との連携ということで、少し趣向を変えてお伺いいたします。  昨年は新型インフルエンザが発生し、公衆衛生への関心が高まりました。区や区議会においても、新型インフルエンザワクチン接種費用に関する臨時会を開くなど、区民の生命と健康を守るための取り組みを行ってきました。そうした中で、三月に退職される世田谷保健所健康企画課の幸田課長は、病院等の医療機関や医師会等との連携をとりながら、感染病などの健康危機の発生時に、被害を最小限に食いとめるために何をすべきかを考え、対応されたと思います。  そこで伺いますが、今後も区民の健康や生命を脅かす事態に対し、危機に立ち向かう強いリーダーシップによる連携が求められるのだと思います。今年度の取り組みを経て得た教訓と、後進に伝える思いについて、お答えがあればお聞きいたします。 ◎幸田 健康企画課長 新型インフルエンザ対策の基本的な考え方としまして、まず第一に、区民の生命と健康の安全を第一に考えること。それから、区民に適切な情報提供を速やかに行うこと。以上のようなことをまず心がけて、今回の新型インフルエンザ対策に区全体で取り組んでまいりました。  この間を振り返り、思いますことは、海外発生時の四月二十八日には、区長を本部長とする対策本部をいち早く設置し、各部が一丸となって取り組みを進め、当初、ゴーデンウイーク時にもかかわらず各部の応援を得て、休日、夜間の区民からの相談に対応してきたこと。一方では、医療機関や消防等の関係機関との連携が図られ、適切な医療の確保ができました。  また、議会の皆様には、感染防護用具、啓発用のパンフレットの全戸配布、ワクチン接種費用の助成等の補正予算をお認めいただき、素早く対応できました。本当にありがとうございます。  今回の経験から学んだことは、区民の健康や生命を脅かす危機に立ち向かうに当たり、区民のために何を優先してなすべきか、常に区全体を俯瞰する視点を持って、私たちが心を一つにして、区民の安全と安心のために邁進していくことだと感じております。 ◆鈴木昌二 委員 健康でいられることは、地域で生活する区民にとっては切実な願いであります。ぜひ幸田課長の思いを後進の理事者の皆様も受け継いでいただきたいと思います。  本日は多岐にわたりご質問をしましたが、それぞれ重要な課題ばかりと思っております。各部署での成果を上げていただきたいということを要望して、自民党の質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。
        午後二時五十一分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時二十分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆佐藤弘人 委員 公明党の質疑に入ります。  私のほうからは、身体障害者補助犬について、通称アシスタンスドッグと言われていますが、このことについてお伺いをしたいと思います。  平成十五年の十月から全面施行されました身体障害者補助犬法でございます。これまで、私も一般質問等で二、三回取り上げさせていただきましたし、上川議員も同様に質疑をされていたと記憶をしております。平成十九年十二月にこの身体障害者補助犬法が改正をされて、二十年四月からは、都道府県等に補助犬の同伴または使用に関して苦情の申し出を受ける窓口を設置することが義務づけになったということと、同じく二十年十月からは、民間事業所等における補助犬の使用の受け入れも義務化になっております。  現在、この補助犬というのは、ご存じのように、介助犬、聴導犬、盲導犬とこの三種類を総称して補助犬と呼称しておりますけれども、厚生労働省の調べによりますと、現在の補助犬の実働数が、盲導犬が千四十五組、聴導犬が十九組、介助犬が四十九組と、ここ二、三年で、かなり認定頭数、実働頭数がふえております。これは、補助犬の民間における訓練所とか指導所とかを含めて随分と整備をされてきた背景がございますし、あわせて、当然使用される障害の方がふえてくれば、例えば使用者の方、これから育成しようと考えられている事業者の方、なおかつ、民間でも受け入れなくてはいけない事業者の方からの問い合わせも随分と殺到しているというふうに聞いております。  このままでいくと、年間約千頭ぐらいは毎年認定、実働に向けてふえていくのではないかと考えておりますが、これからは、そういった意味では補助犬を使用される障害者の方の社会参加が円滑にどれだけ進められるか、また、迅速に、広く周辺の方々に理解をしてもらえるか。それとあわせて、行政としても、情報をいかに的確にまた提供できるようにしていくのか、そうした庁内的な横断も含めた下地づくりというのをしっかりやっていただかなくてはいけない。今が、そのより一層のタイミングなのではないかなと考えております。  最初にお伺いをいたしますが、公共施設、公共交通機関も含めて、今までの区としての補助犬利用の円滑化への取り組みをお話ししていただきたいと思います。 ◎山本 障害施策推進課長 身体障害者補助犬につきましては、お話しのように、平成十四年の十月に身体障害者補助犬法が施行されまして、公共施設や交通機関、また、スーパーやホテルなどの一般的な施設にも補助犬を同伴できるようになっております。  区では、補助犬への理解を進めるために、公共施設へのポスターの掲示を行ったり、また、平成十七年四月からは、シールつきのリーフレットを区民や事業者などへ配布したりしております。また、「区のおしらせ」に盲導犬の啓発記事を掲載しましたり、あと、NPO法人が運営しますインターネット版バリアフリーマップ、これに積極的に補助犬を受け入れる事業所の情報を反映していただくなど、補助犬が地域で理解されて円滑に受け入れられるよう、制度周知を図っております。また、平成二十二年二月から、区役所に補助犬用のトイレを設置しております。  今後の取り組みにつきましても、引き続き区民まつりでのリーフレットの配布や、あと、十二月に開催しております区民ふれあいフェスタ、ここでの盲導犬のデモンストレーションなどを行いまして、補助犬を利用する方の社会参加促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤弘人 委員 補助犬のステッカーを張っていただきたい。それからバリアフリーマップのことも含めて。それから、上川議員からも補助犬用のトイレを設置してくださいというお話もあって、それぞれ取り組んでいただいているとは思うんですが、問題は民間施設だと思います。民間施設につきましては、さまざま利用者の方々のニーズもあると思いますけれども、特に飲食店、デパート、スーパー、そういったところが、生活の一つのリズムの中で拠点として考えられるような施設だと思うんですが、そこについての区内における産業界、商業界における啓発というのは、これからどう普及をされていくおつもりか、その点もお伺いをしたいと思います。 ◎山本 障害施策推進課長 区では、シールつきリーフレットを五千部作成しておりまして、区内施設や区内のスーパー、飲食店など民間施設にも配布しておりますし、今後も配布していきたいと思っております。また、区民の方へ補助犬について理解していただくために、個人経営の飲食店、こういったところや民間施設に対しましては、区民の方々の目に触れる出入り口のところに補助犬のシールを張っていただくよう依頼しております。  また、世田谷区商店街連合会の協力を得まして、会員向けの広報誌にリーフレットについて掲載していただいたり、また、区主催の事業の機会をとらえてシールつきリーフレットを配布するなど、今後も積極的な啓発に努めてまいります。 ◆佐藤弘人 委員 今お話がありましたように、確かに民間の施設というのは、非常にこれからの課題であるんです。具体的に言うと、民間施設に限らず、衣食住に関しては、これから補助犬を同伴される、もしくは使用される方にとって、一つのハードルとも言われる部分があると思うんですね。  例えば、公的住宅の入居というのが考えられます。条例では、例えばペット等を飼育するというのは、禁止の条例はうたわれていないんですが、規約ではペット等はだめだというふうになっている。ただ、補助犬はペットではないというのを、同じ公的住宅に入居の方に理解をしてもらうということは、衛生面も含めて非常に難しい面があります。もう一つは、では、災害が起きたときの避難所で補助犬を同伴された方はどうするのか。  そうしたことを考えると、今これからふえつつある段階で、ぜひ福祉の領域のほうで、例えば公的住宅であれば都市整備所管、災害のことであれば危機管理室、区内の産業・商業界については産業政策部、そういった連携をまずとっていただいて、今のうちから準備、下地づくりを具体的にやっていただきたい。このことをぜひお願いしたいと思いますが、そこの意欲をぜひお聞かせいただきたい。 ◎山本 障害施策推進課長 まず、お話しの公的住宅への入居でございますが、区立住宅では補助犬の受け入れは可能となっておりますが、補助犬を伴う入居の際には、やはり近隣住民の方に理解していただくことが不可欠でございます。補助犬は、身体障害者補助犬法に基づいて特別な訓練を受けて認定された犬で、社会のマナー、あるいは手入れも行き届いて衛生的であるということなどを関係所管と連携して啓発してまいります。  また、お話しの災害時の避難所における補助犬の受け入れにつきましても、補助犬はペットと異なることなどを避難所運営組織の方々、あるいは避難所運営訓練に参加の周辺住民の方々に理解していただくことが重要と認識しておりますので、リーフレットの活用などで周知を行ってまいります。  いずれにいたしましても、委員おっしゃるとおり、日ごろから補助犬に関係する所管等との情報交換、緊密な連携が必要だと思いますので、連携に努めてまいりまして、区民の方々の理解促進を図ってまいりたい、このように考えております。 ◆佐藤弘人 委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。特に障害者の方にとっては、重度の方に限らず、経済的な自立だとか身辺の自立というのはなかなか容易ではないというのが現実です。でも、これから保障されていかなくてはいけないのは、ご自身が例えばスポーツをしたいとか外出をしたいと思われたときに、自分自身で自己決定をして自己完結に至るまでの間、さまざまな社会の中でのサポートも必要ですし、ボランティアの方のサポートも必要だと思いますが、障害者の方にとって、自分自身で何かを決定する、その決定したことを履行するための自立としては、補助犬というのは、障害者の方にとって一番のいいパートナーであるというふうに思うんですね。そのパートナーとして、同じ共存をしていく環境をぜひ福祉の領域から庁内に上げて、整備促進を図っていただきたい、このことを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆高橋昭彦 委員 とんとんと進めてまいりたいと思いますが、二十分間なので、五十一分までですかね。総括質疑でも高齢者の見守り施策、高齢者の見守りネットワークについてお伺いいたしました。本日は、もう少し幅を広げて、緩やかな見守りというふうに言われますけれども、このことについて少し話をしたいと思います。  区では、平成十六年七月から高齢者安心コールという事業を始めて、このサービスというのは、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみ世帯の方、また、あるいは昼間一人でいる高齢者の方を対象に、日常生活の困り事の相談を二十四時間、三百六十五日電話で受け付けるという、これ自体は非常にありがたいサービスだと思います。  しかし、このサービスを使うには事前に登録をしなきゃいけないというようなことになっていまして、コールセンターに電話をすれば登録はできるようですけれども、安心コールでありながら、事前登録がないと相談できないというのはどうなのかなというふうに以前からも申し上げてはいるんですけれども、困ったときに気軽に電話をして相談をする、情報を得たいというのが普通だと思いますけれども、住所や氏名、緊急連絡先など登録をしなきゃいけないというのは、どうなんだろうと思っている方も多いんじゃないかなと思っております。  同じ世田谷区が行っている「せたがやコール」というのがありますね。これは登録制度など何もないわけですけれども、目的は違うにしても、登録制度を見直して、高齢者に利用しやすいようにしてはどうかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。 ◎松本 高齢福祉課長 高齢者安心コールは、今お話しのとおり、六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者ですとか高齢者のみの世帯の方、日中独居の方などを対象とさせていただいておりまして、利用の際には、事前にご住所、お名前、緊急連絡先などを伺って登録をお願いしております。コールセンターにいただくお問い合わせは、基本的には日常生活の困り事ということがございますけれども、中には公的機関の電話番号を知りたいとか、石油販売店を教えてくれないかと、比較的簡易な内容もございます。こういった場合には、登録を求めずにお答えをするというようなケースも多々ございます  高齢者安心コールが利用しやすい環境としていくためには、条件の設定ですとか環境づくりといったことも重要と考えますので、利用の実態、こういったことを踏まえつつ、利用者登録の簡素化ですとか、登録をいただく場合の対象要件、こういったことの工夫をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆高橋昭彦 委員 今のご答弁で、登録制に意味はあるのかもしれませんが、もう少し簡便にするなど工夫をして、高齢者の「せたがやコール」のようにしていただきたいというふうに思います。高齢者の利用拡大になると思いますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。  高齢者の見守りということをずっと言わせていただいていますが、この見守りには多くの方の協力が必要になります。町会役員、事業者、ボランティアなど、また、かかわり方もさまざまだと思います。直接顔を合わせて話ができる人やできない人、近所の方や配達の人など、このごろ様子がおかしいなあとか、このごろ見ないけれども大丈夫なのかなあとか、そういったことというのも常に近隣では起こることですね。  そうしたことから、この高齢者安心コールは、高齢者が利用するだけでなくて、区民からも広く高齢者等に関する情報の窓口が必要なんじゃないかなと僕は思っているんですね。私はそういう意味で、この高齢者安心コールというのをもう少し拡大して、安心交番みたいな機能でこの高齢者安心コールが使われるようになって、そこからさまざまな専門的なところへつなげていけるような仕組みをつくれないかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。 ◎松本 高齢福祉課長 高齢者に関します身近な情報の受け皿、あるいは相談窓口としましては、あんしんすこやかセンターが地区の拠点として役割を担っております。昨年十二月から開始をいたしました新聞販売店でのご協力をいただいた見守りサービスでございますけれども、こちらにつきましても、あんしんすこやかセンターをその情報の窓口というふうにさせていただいております。そのほか、民生委員の皆様ですとか、配食サービスでの緊急情報などは、区の保健福祉課などへも情報やご相談をちょうだいしているというところはございます。  地域、地区での高齢者にかかわります情報、ご相談でございますけれども、さまざまな形であんしんすこやかセンターや区へちょうだいしておりますが、それらの情報、相談にどう対応していくかということが大変重要な課題というふうになってまいります。高齢者安心コールは、二十四時間、三百六十五日稼働するメリットがある反面、基本は電話でのご相談ということがございますので、その後の情報の伝達と対応ということをどのようにしていくかという課題が出てまいろうかと存じます。  そういう意味で、区民の皆様からのわかりやすい情報の受け皿、あるいは見守りの機能としての安心コールがどういう役割を果たせるかということにつきましては、ご提案の点を踏まえて、現在取り組んでおりますけれども、高齢者見守りPTの検討会の中で検討をさせていただければと思います。 ◆高橋昭彦 委員 ぜひ検討してください。きちっと、どこへ連絡したらいいか。あんしんすこやかセンターとは言いますけれども、一般区民はなかなか知らないというのがありますよね。そういう意味で、ここへ連絡ができるんですよということは、やっぱりきちっと明確にしておくということが大事だし、簡単でよくわかりやすいということは非常に大事だと思いますので、ともかく見守りの中で緩やかな見守りというのを挙げているわけですから、そういう意味では、そういうことをぜひお願いしたいと思います。  もう一つ伺います。この高齢者安心コールというのは、電話をかけて困り事に答えるというふうに今もあります。一方通行の仕組みだよということですね。一歩踏み込んで、これを有効活用できないかというふうに思うんです。このコールセンターのよさは、二十四時間、三百六十五日、今もお話があった。これはすごいことだとは思いますけれども、この利点を生かして、受け身の相談だけではなくて、安心コール側から定期的に電話を入れるなど、見守り施策に活用できるんではないかなと思うんですね。  民間の警備会社でも、電話訪問をするサービスなど今ありますけれども、非常に金額が高いというのが現状でもあります。それを考えると、高齢者の対応に習熟している高齢者安心コールを利用して、定期的な安心訪問を実施できないかと思うんですけれども、区のお考えを伺いたいと思います。 ◎松本 高齢福祉課長 安心コール側から電話等での訪問を行う双方向の機能を持つことにつきましては、ひとり暮らしの高齢者の方などにとって、より安心感が高まるサービスになるんではなかろうかというふうに考えております。既に老人会館では、民生委員の皆様などのご協力によりまして、週に一回電話をおかけする福祉電話訪問、こういうサービスを実施しているほか、お話しのとおり、民間事業者の取り組みというのもございます。  安心コールを利用して実施をするとなれば、訪問の頻度ですとか費用のご負担の問題、手法、システム的な対応が可能かどうか、こういったこともございますし、既存事業等の整理といった課題も考えられます。今後、そのご提案の点につきましては、民間事業の情報収集ということもさせていただきながら、先ほどの点などを含め、高齢者見守りPTの中であわせて検討させていただければと思います。 ◆高橋昭彦 委員 全部PTの中で検討ですけれども、ぜひ考えてくださいね。高齢者安心コールというのは、コールセンターは五三二九―一〇八九、もうちょっと簡単なものになりませんかね。これもあわせて検討してください。五四三二のだんだんだんだんというのがあるじゃないですか。そんなふうになったほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、PTの中で検討してください。  次に、あんしんすこやかセンターの出張所、まちづくりセンターへの移転について質問をしてまいりたいと思います。  先ほど菅沼委員からもさまざまお話がありましたけれども、推進する側から話をしたいと思いますが、先日、総括質疑でも、あんしんすこやかセンターの移転を受けとめる側の総合支所に考えを伺いました。出張所やまちづくりセンターあんしんすこやかセンターが入ることは評価しますが、それに対してソフト面の充実が不可欠であります。どう連携していくかが課題であります。  その前提となるのは情報だと思います。あんしんすこやかセンターが行政施設に同居しても、出張所、まちづくりセンターと地区区民の情報の共有化が図られなければいけないと思います。あんしんすこやかセンターあんしんすこやかセンターで実態調査をやって、そしてまた、情報を把握している。まちづくりセンターとか出張所もさまざまな情報を持っている。災害時の要援護者支援というのも、ここで情報を持っている。加えて民生委員や社協、ボランティアも個別の情報を持っているというのが現状だと思うんですね。  その意味からも、真にあんしんすこやかセンターと出張所、まちづくりセンターが一体となって地区の高齢者の見守りを行うためには、情報の共有化が不可欠ではないかと思うんですけれども、この点をどうしていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 ご案内のとおり、出張所、まちづくりセンターは、地区の活動団体と連携して、さまざまな地区まちづくりへの支援やコーディネート機能を担う一方で、あんしんすこやかセンターでは、地区の介護予防や地域福祉の拠点として、高齢者やご家族の相談支援等の役割を担っております。  一体化による機能強化、今回の情報の発信等もございますが、まず一つは、高齢者の方々のさまざまな相談に対しまして、身近な場所での相談や迅速な対応ができる相談機能の強化が図れること。それから、町会、民生委員、地元の事業者、社会福祉協議会等を初めとする地域の社会資源を共有、活用しまして、災害時の弱者支援や高齢者の孤立化防止などの見守りネットワークの機能を強化すること。それから、高齢者の地域生活を支えていくためのきめ細かな地域情報の収集と発信機能の強化ということを目指しております。 ◆高橋昭彦 委員 強化を図っていけるというふうに言うわけですけれども、先ほど話もありましたとおり、個人情報保護の問題とか、問題はさまざまあるんだと思うんですね。一体化をしていくという意味では、そこにはきちっとした何らかの具体的な連携方法が必要なわけで、この質問をするに当たっても、さまざまやりとりをしてきましたけれども、このあんしんすこやかセンターと出張所、まちづくりセンターが、きちっと、こういうことのための施策として計画はということは、まだまだこれからのような状況があります。  そういう意味では、きちっと一体化していくという中で、その連携はだれがするのかということになっていくと思います。この間の話では、総合支所も全面的に出張所がやるように頑張ってまいりますというようなご答弁もありましたけれども、ともかく連携をしていきますという話だけでは、連携という言葉だけでは、きちっと物事が進まないということはよくあります。そういう意味では、地区の中であんしんすこやかセンターと出張所、これがきちっと一体化できるような機能を持たすためには、この課題を整理する進行役が必要であるし、町とのコーディネート役が必要であるし、ネットワークの中心軸になるものが必要なんだということを、私はこの総括の中で申し上げました。  では、これをどこでつくるのか。地域福祉部の中に課をつくって地区を担当するのかとか、総合支所の保健福祉課が地区で係をつくって見るのかとか、さまざまなそういった組織の体制もつくってあげないと、この一体化がきちっとした計画として進まないんじゃないかというふうに思っています。そういう意味では、部長、しっかり検討を願いますね。次の質問までにということを総括でも申し上げましたので、PTの中でよく検討をしていただいて、よろしくお願いしたいと思います。余り時間がないので、次へ進みます。  総括に引き続いて、梅ヶ丘について伺います。  区では、跡地取得に向けた検討の表明に当たって、急激な社会情勢の変化に応じた新たなサービスや地域での着実なサービス提供を一層推進していくため、保健医療福祉の連携がますます重要になることに加えて、全区的な仕組みが必要であるという理由を説明されています。在宅生活を支えるための保健医療福祉の連携の重要性は言うまでもありませんが、拠点整備において高齢者、障害者の入所施設や健康づくり、初期救急診療所等の保健医療施設をただ同じ敷地内に整備するというだけでは、サービスを寄せ集めるだけにすぎないと思います。  そこでまず、人材育成の考え方を一つ伺っていきたいと思います。医療の進歩や入院日数の短縮により、高齢者や障害者の退院が促進されて、地域生活も、医学的な管理が必要な要援護者が地域に確実にふえてまいります。区が福祉施策の基本理念として掲げる、住みなれた地域で安心して暮らし続けることのできる地域社会の実現のためには、こうしたニーズに対応して、在宅生活を支えることのできる人材が必要であります。  そういう意味では、真の意味での連携の拠点とするためには、この人材育成の仕組み、人材確保やステップアップの取り組みは、今後も行政が関与していくべき重要な役割だというふうに思いますけれども、総括でも申し上げましたけれども、医療福祉系の大学の協力など、今後、大変重要になると考えておりますが、この人材育成策、伺いたいと思います。 ◎田中 保健医療担当課長 調査研究では、人材育成拠点を介護老人保健施設等の施設と一体的に整備することによる相乗効果として、現場の経験を踏まえた、より質の高い人材育成や調査研究結果の施設運営への反映が可能になること等が挙げられております。  ご指摘にもありますように、今後増加が予想される医学的管理が必要な方の在宅療養を支えるためにも、保健医療福祉にかかわる知識を持ち、真に区民に必要とされるサービスのコーディネートができる人材を育成することが必要となってまいります。基本構想の検討に当たりましては、拠点にふさわしい総合的な人材育成のあり方について、議会を初め広くご意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。  また、ご提案いただきました大学との連携につきましては、さまざまな連携手法の可能性についてあわせて検討してまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 最後に、相談支援のあり方について伺いたいと思います。  あんしんすこやかセンター、地区における身近な相談窓口の役割は、高齢化が一層進む中、ますます重要になります。こうした需要にこたえるために、二十七地区のあんしんすこやかセンターでは、医師やケアマネジャー、介護保険事業者などが集まるケア会議を開いて、情報交換や課題解決に取り組んでいます。しかし、例えば病状が悪化したときの入院先に関する情報とか、地区内の情報だけでは対応し切れないというものも出てきます。困難なケースに対応するため、相談事例を共有して、どの地区でも同じレベルの相談にこたえられるような、二十七地区を区全体としての質の向上を図っていく必要があるというふうに思うんですね。  あんしんすこやかセンターのような身近な相談機能をバックアップする拠点ということで、この梅ヶ丘というのは必要だなというふうに思うんですが、この拠点における専門相談や情報提供のあり方について、どのように考えているか伺いたいと思います。また、そうした専門性の情報収集、蓄積に、区はどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 ◎田中 保健医療担当課長 基本構想の検討に当たりましては、専門的な相談、情報提供機関として担うべき役割と、身近な相談機関で担うべき役割とを検証しながら、拠点での相談、情報提供機能のあり方や地域を支える全区的な仕組みづくりについて検討を深めてまいりたいと考えております。  また、専門性の蓄積に今後どう取り組んでいくのかという点でございますが、平成十九年に開設した在宅医療電話相談センターでは、区民の皆様からの退院後の在宅療養に関するご相談に応じたり、後方支援機能としての病院や施設の情報提供を行うとともに、蓄積した相談事例、病院、施設等の情報をあんしんすこやかセンターに提供し、共有化を図っております。今後とも、収集する情報の拡大を検討するなど、バックアップ機能を果たすための専門性の蓄積に努めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 私からは終わります。 ◆岡本のぶ子 委員 初めに、女性の健康週間についてお伺いします。  昨年の予算特別委員会で、私は、三月一日から三月八日の女性の健康週間を国が創設し、女性の健康づくりを国民運動として展開することを取り上げ、区に対し、平成二十一年度以降、しっかり取り組むよう要望いたしました。先週十三日の土曜日に、区がこの約束を果たし、このように女性の健康週間行事として子宮頸がんセミナーを開催したことを、まず評価させていただきます。私もこのセミナーに参加し、講演後の質疑応答の際、子宮頸がんワクチンの子どもへの接種や婦人科を選ぶ留意点等々、熱心に質問される聴講者の姿に触れ、セミナー開催の意義を感じるとともに、その一方で、先着五十名までの収容人員という会場の設定は、初の女性の健康週間行事として区が取り組むセミナーにしてはとても規模が小さく、波及効果への期待が余り持てないのではと感じました。  女性の健康週間が創設されて三年目の本年、女性の健康づくりを国民運動として展開するためにも、区がもっと積極的にあらゆる機会を通じて広報し、その推進を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎上村 健康推進課長 国におきましては、これは内閣府でございますけれども、平成十九年四月に策定いたしました新健康フロンティア戦略におきまして、女性の健康週間を創設し、女性の健康づくりを国民的な運動として展開するというふうにしております。  区では、女性の健康週間につきましては、こうした国のほうの趣旨を踏まえるとともに、委員のご指摘を踏まえまして、区が実施しております子宮がんや乳がんの検診のご案内に、毎年、三月一日から三月八日までは女性の健康週間ですと、こういったことを記載しまして、受診票と同封して普及啓発を図っているところでございます。  また、今お話がありましたおとといのセミナーでございますけれども、これを開催するに当たりましては、教育委員会と連携いたしまして区立中学校の養護の教諭のご協力もお願いしておりますし、また、二月の末には、文庫版の「がん検診のススメ」、これを区立中学校一年生全員に配付したところでございます。  今後とも、がん対策を初めといたしまして、生涯を通じた女性の健康づくりを支援していくために、今、委員からお話がございましたセミナーの持ち方等につきましても、創意工夫して啓発に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、女性特有のがんについて伺います。  平成二十一年度の国の緊急経済対策及び少子化対策として、公明党の推進により、女性特有のがん検診に対する支援事業が実施されました。これは、特定の年齢に達した女性に検診無料クーポン券と検診手帳を個別送付し、女性特有のがん検診の受診促進を図るとともに、クーポン券により、がん検診を受診するために必要な費用を全額補助するものです。  ことし二月に日本対がん協会が実施した調査によりますと、平成二十年度、二十一年度のそれぞれ四月から一月末の期間におけるがん検診受診者数を比較すると、無料クーポンを配付した乳がん検診では、平成二十一年度が前年度比一四%増、子宮がんは九%増となり、検診無料クーポンががん検診の受診者数アップに有効であることが判明いたしました。  ここで伺います。本区において、この検診無料クーポン券事業は昨年の十月から実施されております。受診率の状況をお知らせください。 ◎上村 健康推進課長 女性のがん、これは子宮頸がんと乳がんでございますけれども、こちらの無料クーポン事業の受診率でございます。区では十月から始めておりますので、昨年十月から十二月の三カ月間の受診状況を踏まえて推計いたしますと、恐らく年度内には、クーポンを送付した方のうち、子宮頸がんで約二〇%、乳がんで二五%の方が受診されるものと見込んでおります。  また、受診状況につきましては、区の行っております検診と比べてみますと、各年齢におきまして、子宮頸がんで約一・六倍から二倍、また、乳がんでは一・一倍から一・七倍の受診率となっております。これは全国的なキャンペーンのもとに、対象者の方に対しまして個別に検診の受診票をお送りしたことや、検診費用が無料であることなどが受診率の向上の要因になっておるものと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 本区においても、今の答弁にありますように、検診受診率向上の効果が上がっているこの事業ですが、しかしながら、政府は命を守る政治を目指すと言いながら、平成二十二年度予算で検診無料クーポン券の事業の予算を大幅に削減し、その負担を地方に求めました。  よって、本区の平成二十二年度予算には、残念ながらこの事業の予算計上はされておりません。せっかく女性特有のがん検診のきっかけとなり、受診率向上への効果があらわれてきているときに、この勢いをとめないよう、区として切れ目のない何らかの方策が必要と考えますが、区の見解を伺います。 ◎上村 健康推進課長 区が実施しております子宮がん、乳がんの検診でございますけれども、これにつきましては、今年度は二十歳、三十歳の方に加えまして、新たに四十歳の女性区民全員の方に個別の勧奨の通知をお送りいたしております。  また、新年度におきましては、こうした個人あてに受診票をお送りする取り組みをさらに強化する予定で、予算案に盛り込んでおるところでございます。具体的には、子宮がんの検診は二十歳の方全員と、三十歳から六十四歳までの偶数年齢の方全員、また乳がん検診のほうにつきましては、四十歳から六十四歳までの偶数年齢の方全員に個別勧奨を行いたいという予定でおります。これは、合わせまして約十二万人の女性区民に勧奨通知をお送りすることになるんですけれども、二十年度は約三万八千人、二十一年度はクーポン事業も含めまして約十万一千人の方にお送りしているんですけれども、これを上回る数値でございます。こうした取り組みによりまして、一人でも多くの女性の区民の方にがん検診を定期的に受けていただけるよう取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 次に、私立幼稚園の保育料補助金と就園奨励費の支給時期、入園料補助金の支給月の前倒しについて伺います。  本件に関して、私は、平成十九年六月の第二回定例会、平成二十年三月の予算委員会でも再三質問してまいりましたが、改善されないまま既に二年半が経過しております。もうそろそろ課題抽出は終わり、実施に向けた対応を期待しているわけですが、区の取り組み状況と今後の対応について伺います。 ◎岡本 子ども家庭支援課長 お尋ねの私立幼稚園等の保護者への補助金でございますが、大きく分けて保育料に対する補助と入園料に対する補助の二種類がございます。保育料に対する補助につきましては、保護者の方の住民税額によって補助金額が決まることから、税額の確定後、私立幼稚園へ在園期間を確認した上で、半年に一回、十月と三月に支給をしておるところでございます。  また、入園料補助金につきましては、これまでも保育料の補助金と合わせて十月末に支給しておりました。税額の確認が不要であることと幼稚園の負担をふやさずに前倒しが可能であるということから、来年度より、八月中旬に支給期を早めるということで予定しております。  また、保育料補助金の支給期間の短縮化につきましては、幼稚園における在園確認の負担がふえるということもございますので、入園料の実施状況を踏まえまして、今後、さらに私立幼稚園と調整を図ってまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今の入園費のほうが前倒しで来年度から実行されるということは、保護者にとっては大変朗報なんですけれども、ぜひ就園奨励費等の複数回の支給に関してはしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、脳脊髄液減少症の対応についてお伺いします。  この病気は、社会的にも認知度が低いため、最初にどんな病気なのか説明をしてから本題に入らせていただきます。この脳脊髄液減少症とは、交通事故を初め、しりもちをついたとか、ボールが頭に当たったというスポーツ外傷など、学校やごく普通の日常生活の中で、体に衝撃を受けたことなどが原因で脳精髄液が漏れ出し、脳の位置が下がることによって、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などの症状があらわれ、時には寝たきりになる場合もある病気です。脳と脊髄は髄膜に包まれており、髄膜の内側には無色透明な脳精髄液が循環して、外部からの衝撃を和らげるクッションの役目をしています。脳は、頭蓋骨の中で髄液に守られるように浮かんでいます。ちょうど器に入った豆腐が水に浮かんでいるようなイメージです。  そこで、先ほど申し上げたような衝撃を受けたことが原因で髄液が漏れると脳はどうなるかというと、頭蓋骨内の髄液が減るため、浮かんでいた大脳と小脳が下がってしまい、神経や血管が引っ張られたり圧迫され、脳の機能が低下し、神経系の症状が引き起こされる。詳細は省きますが、この病気をめぐる問題点としては、まず、一般的に認知度が低く、全国的にも診断や治療を行う医療機関が少なく、現時点で効果的な改善が見られると言われるブラッドパッチ治療法は保険適用になっておらず、患者は、一回の治療で入院費を含め約三十万円自己負担を強いられています。  また、脳神経学会では、現時点で統一された診断基準やガイドラインが示されていないことから、正しい知識を持っていない医師や医療機関で受診した場合、症状が似ている起立性調節障害や、ストレスから来るものとか、精神的なものなどと診断されたケースは枚挙にいとまがありません。さて、現在、患者は全国で三十万人と言われ、予備軍を含めると百万人と言われております。  ここで伺います。本区における患者数がわかるようでしたら、お知らせください。また、そのうち身体障害者の認定を受けられている方の人数もお知らせください。 ◎木村 世田谷保健所参事 区といたしましては、お話しのように診療ガイドラインが整備されていないため、区内の患者数の把握は困難ですが、三人の方から健康づくり課や保健福祉課にご相談を受けております。また、そのうちのお一人だけが身体障害者の認定を受けております。 ◆岡本のぶ子 委員 昨年十一月に、私は、区内に住む脳脊髄液減少症を抱える四十代の女性から、生活支援に対する相談を受けました。その方は、交通事故の後遺症でこの病気を発症しましたが、診断がつくまでの数年は病院を転々としながら、めまい、吐き気等に苦しみ、ついには電車通勤ができなくなり、退職を余儀なくされました。  やっと専門の医療機関である国際医療福祉大学熱海病院にたどり着き、そこで初めて脳脊髄液減少症との診断を受けたのですが、治療費に保険が適用されないため、継続しての入院治療も断念せざるを得ませんでした。私がお会いしたときは、既に座ることも立ち上がることもできず、ほとんど寝たきりの状態でした。二年前に身体障害者の認定申請をしましたが、症状が固定していないとの理由で却下されたとのことです。また、生活も困窮し、昨年、生活保護の申請をしましたが、年金暮らしのご両親と暮らしているので対象外となり、何の支援も受けられないまま寝たきりの生活を強いられています。  先ほど、区には脳脊髄液減少症の患者の方が三名おられ、そのうち一名は身体障害者として認定されているとの答弁がありました。区が、なぜその方々を掌握できたのか。それは、その方々が区に対し、これまでに何らかの支援の相談をしたという記録が残っていたからです。私がお会いした方のように、生活に不自由な状態のまま身体障害者としての認定も受けられず、年齢が六十五歳未満であり特定疾病でないことから、介護の認定も受けられない、制度と制度のはざまでつらい思いをされている方々が、本区には少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。  私は、地方行政は区民と直接つながる最前線の扉であると考えています。このような制度のはざまで支援を受けられない方々をどう支援すべきか、国や都の動向を待つだけでなく、積極的にその問題点を探し出し、国や都に申し入れる、さらには区独自の対応策が求められますが、区の見解をお伺いします。 ◎山本 障害施策推進課長 脳脊髄液減少症は、お話しのとおり、統一された診断基準の確立や診療ガイドラインの作成が示されていないため、まだまだこの病気への国の支援制度が整っていない状況でございます。脳脊髄液減少症による障害で身体障害者手帳を取得した場合には、障害者自立支援法のサービス等を受けていただくことができますが、お話しのように手帳の取得ができない場合につきましても、総合支所におきまして、ケースワーカー、保健師が引き続き医療機関のご紹介や生活支援などの相談に対応しております。さらに総合福祉センターでは、車いすの選び方、臥床での生活の仕方などについて、専門職による相談や訓練も行っております。  厚生労働省の担当官が診療ガイドラインの整備などを前提に保険適用を検討する考えを示したという報道もございましたので、区といたしましては、今後とも国の動向や対応を注視の上、機会を見て国や都への働きかけ、そして総合福祉センターや保健福祉課での相談内容等蓄積の上、脳脊髄液減少症の方にとって必要な支援を研究してまいりたいと考えております。
    ◆岡本のぶ子 委員 冒頭に申し上げましたように、この脳脊髄液減少症という病気は、まだ社会的認知度が低いことから、適切な診断、治療、支援につながらないことが問題です。まずは福祉部門の相談窓口の担当者や保健師、ケースワーカーへの周知を図り、申請主義の今までのお役所仕事を改め、出前型で適切な支援につなげていけるよう定期的に訪問するなど、その対応が求められますが、区の見解を伺います。 ◎山本 障害施策推進課長 まず、福祉部門の相談窓口の担当者等への周知とのことでございますが、区の相談窓口で職員が脳精髄液減少症という新たな病気の症状あるいは特性、支援方法を十分理解しまして、区民の方の相談に応ずるということが必要であると考えております。  今後、相談に当たります総合支所職員への研修などによりまして、お話しの、病気に関する知識あるいは援助技術が図れるものと考えておりますので、総合福祉センターとも連携を図りながら、職員の啓発を目的とした講演会や相談会などの開催を検討してまいりたい、このように考えております。 ◎髙木 世田谷総合支所保健福祉課長 総合支所の相談窓口というふうなことで、私のほうからお答えをいたします。  総合支所の窓口に福祉サービスのご利用を希望する区民の方が来られた場合には、区民の方の心身の状況や生活環境、本人やご家族の状況や利用の意向、こういったものをお聞きして、福祉サービスの要件に該当するかどうかを判断し、要件に該当する場合には、給付を受けるのに必要な手続をご案内しております。  また、いずれの制度にも該当しない方につきましては、該当しなかった理由を丁寧にご説明するとともに、状況に変化があればご相談いただくようにお話をしております。総合支所としましては、個別の状況変化に応じて、ニーズに合った福祉サービスにつながりますよう、適切なフォローに努めてまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 適切なフォローといいますか、先ほどの方は二年前から寝たきりです。今も寝たきりです。変わってないんですね。なのに、固定化されていないという理由で却下されたまま、総合支所のファイリングの中にはその方の記述が残っている。丁寧な定期的なフォローをしっかり今後やっていただきたいということを重ねて要望させていただきます。  次に、さきの一定で取り上げましたが、視覚障害者用音響式信号機の作動時間の制限緩和に関して、福祉保健領域での答弁もお願いしたいと思います。  区は、福祉のまちづくりを標榜され、さまざまな施策提案を検討されていることは評価いたします。ここで、まず、区が目指される福祉のまちとはどのようなまちをイメージされているのか、お知らせください。 ◎永井 計画調整課長 世田谷区では、世田谷区地域保健福祉推進条例におきまして、援助を必要とするすべての区民が適切な保健福祉サービス等を享受することができるまちづくりの推進等を基本理念として掲げてございます。この条例は、区、区民、事業者等がそれぞれ主体性を持ちながら、協働して地域保健福祉の推進に取り組む必要性を明確に示したものでございます。  また、基本計画におきましても、区、区民、事業者等の協働を推進することにより、だれもが安心して地域に住み続けられる町を目指しており、こうした取り組みができている町を福祉の町というふうに我々は認識しております。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁による福祉の町、だれもが安心して暮らせる町、それをつくっていくというその理念のもとで、私は視覚障害者の方々の移動の自由、安全の確保という点からも、音響式信号機の作動時間に制限があることは大変問題であると思い、一定でも取り上げさせていただきました。今まで、音響式信号機の作動時間の改善を求める要望を福祉所管として把握されていたのか伺います。 ◎山本 障害施策推進課長 視覚障害者の方が地域で安全安心に暮らすためには、音響式信号機の果たす役割は大変重要なものと認識しております。お尋ねの信号機の作動時間の制限緩和について、視覚障害者の方から直接のご要望は寄せられておりませんけれども、視覚障害者の方の夜間の安全確保、こういった点からもご意見、ご要望を把握することは必要と考えておりますので、今後、さまざまな機会をとらえて積極的に情報の収集に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 今後、区内全五十九カ所ある音響式信号機の作動時間の制限の緩和に向けて、しっかり視覚障害者の方々からその声を聞き上げていただき、都市整備所管と連携して一日も早く改善できるよう対応を求めますが、区の見解を伺います。 ◎山本 障害施策推進課長 福祉の障害施策を担当する所管といたしましては、視覚障害の方々、あるいは団体のご意見やご要望を適切に把握しまして、その声を関係所管等に伝えるなど、都市整備部門と連携しながらユニバーサルデザインのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、これもさきの一定で取り上げた犬の住民票発行に関して、区独自のものを検討するとの答弁が定例会ではございましたので、具体的な提案をさせていただきます。  一月の板橋区に続き、二月に入り文京区がドッグパスというものを発行し、飼い犬の登録及び狂犬病予防接種の推進に向けた取り組みを開始したと報じられました。やはりどの自治体も、飼い犬の現状の登録数が実態に合っていないということを認識しており、狂犬病予防の推進の責務を感じているあらわれと思います。  そこで、飼い主の方が犬の登録を進んで行い、狂犬病予防接種が促進されるよう、区としての取り組みが今求められているわけです。例えば、世田谷区独自の犬の住民票として、IDカードや保険証のようなカード型にし、何らかの特典を付与する。例えば、そのカードを所持している方は、年三回区が行っている愛犬のマナー講習を優先的に無料で受講できる、さらには、ペットの障害保険などが団体割引で格安に加入できる、また、カードを提示することで公共施設の一部に入室できる、病気の履歴や予防接種の履歴を記入できるなど、家族の一員として迎えた愛犬が、安心して地域と共生できるような創意工夫もあわせて考えることが必要ですが、区の見解をお伺いします。 ◎淺見 生活保健課長 区といたしましては、大きさに関しましては、飼い主が財布などに入れて持ち歩く上でカードサイズは便利と考えております。委員のご提案も踏まえ、来年度中に、多くの飼い主に魅力あるものと認めてもらえるような世田谷区独自の方法を検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 以上で私の質問を終わり、飯塚委員にかわります。 ◆飯塚和道 委員 初めに、がん対策について伺います。  世田谷区の場合、がんによる年間の死亡者数は何人に上っているでしょうか。 ◎上村 健康推進課長 世田谷区におきます、がんによる年間の死亡者数でございますけれども、平成二十年の人口動態統計におきます主要死因別分類を見ますと、年間で千八百七十七人でございます。全死亡者数五千七百三十九人に占める割合は三二・七%となっており、がんによる死亡者数は年々増加する傾向にございます。一方で、人口十万人に対する死亡率を見ますと、世田谷区では二百十七・八人となっており、東京都全体の二百四十九・四人よりは低い状況にございます。 ◆飯塚和道 委員 三二・七%と、ふえる一方ということで、本当にがんによる死亡者がふえているということで、がんを早期発見すれば、完治の可能性は格段に高いと。例えば早期の胃がんは、治癒率は九〇%以上と言われております。何よりも、定期的ながん検診が生命と健康を守る最重要策であることは言うまでもありません。  しかし日本は、OECD三十カ国中最低レベルであります。中でも健康意識が高いと言われているこの世田谷のがん検診率は、例えば胃がんは、全国平均では一二・一%に対し、世田谷区は四・七%、大腸がん一八・六%に対し六%、乳がん一八・八%に対して一〇・一%と、全国平均を大きく下回っております。この点について区はどのように分析をされているのでしょうか、お聞きいたします。 ◎上村 健康推進課長 区が実施しておりますがん検診の受診率でございますけれども、今、委員からお話がありました五大がんですけれども、お話しのとおり、全国平均に比べますと低い状況で推移しております。東京都の六十二の区市町村の中で比べますと、肺がんの受診率は平均を上回っているんですけれども、その他は中位以下となっている状況にございます。  こうした状況につきまして、それでは詳細な分析はどうかということでございますけれども、なかなか詳細な分析はできておりませんが、肺がんにつきましては、特定健診と同時に実施できることから受診率が高くなっていると考えており、また、エックス線撮影の日にちを予約する必要がございます胃がんだとか乳がんの検診なんですけれども、こちらのほうは約一割のキャンセルが当日にあるなど、当日の健康状態の問題もあるのではないかと考えております。  また、子宮がんにつきましては、区内の五十三の医療機関で受診できるように体制を整えております。また、大腸がんですけれども、こちらは保健センターと総合支所の健康づくり課、六カ所に検体を持ち込めるようにしているのでございますけれども、現状の数字にとどまっているのが現況でございます。 ◆飯塚和道 委員 区は、これまでに保健センターの検診車を、二十一年度から、一台から二台にふやし、より身近な場所での検診ができるように努力されていることは一定の評価をいたしますが、受診率の低い現状を考えたとき、新たな受診率向上に向けた取り組みが求められると思います。  例えば、世田谷区には多くの商店街、また中小企業がございます。そういう意味で受診率向上に向け、商店街、また中小企業等の理解、協力を得て取り組んではいかがかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 区ではこれまで、今お話のございました胃がん検診につきまして、保健センターと連携して、町会・自治会の皆様のご協力を得ながら、総合支所や区民センターなど、より区民の方に身近なところで受診できるように努めてまいっております。また、今年度は女性の検診、これは子宮がん、乳がん、それに骨粗鬆症の検診も含めてなんですけれども、チラシの回覧を町会・自治会にお願いしましたところ、大変数多くの申し込みをいただいているところでございます。  ご提案いただきました商店街や中小企業の理解と協力を得るということなのですけれども、今年度、産業振興公社の広報誌「せら」というのがございますけれども、こちらに乳がん、子宮がんの検診の記事を掲載し、啓発を行ってまいっております。  今後とも、受診率向上に向けまして、こうした啓発を初めといたしまして、例えばがん検診車の駐車スペース、あるいは受診者の待機場所の確保に大変苦渋をしておりますので、そういったことなどを商店街あるいは産業関係団体に働きかけまして、受診しやすい環境づくりを行ってまいりたい、このように考えております。 ◆飯塚和道 委員 東京都は、全国に先駆けまして、がん患者と家族の不安解消へ、昨年十月から順次、休日、夜間のがん相談モデル事業を実施していく方向を示しております。同事業は、働きながらがんを治療している患者やその家族への支援を強化するもので、都議会公明党が一貫して推進をしてきた事業であります。  現在、モデル事業を実施しているのは、日本医科大学附属病院、杏林大学医学部附属病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院の三カ所になっております。ここでは、日中は、内容に応じて医師や看護師、心理士などが相談を担当する体制をとっているほか、治療方針に対する相談にはセカンドオピニオン外来を案内し、夜間については、看護師とソーシャルワーカーによる電話相談等を実施しております。まずは、悩みの内容を一緒に整理することや情報提供などに努めていくとのことであります。  現在、都内にはがん診療拠点病院、都認定がん診療病院が二十四カ所ありますが、区内ではゼロであります。区内医療機関の協力を得、がん相談支援センターの区内への設置を求めますけれども、見解をお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 現在、都内には、今お話がございましたようにがん診療連携拠点病院─これは国の事業でございます─と、東京都の認定がん診療病院がございます。こちらの病院では、がん患者や家族、あるいは地域の医療機関等からの相談対応窓口として、お話のありました二十四カ所で相談支援センターが設置されております。この相談支援センターでございますけれども、世田谷区と渋谷区、目黒区の地域から成ります東京都の区西南部二次保健医療圏内におきましては、現在、渋谷区の日赤医療センター、それと目黒区の東京医療センターがございまして、世田谷区民も現在はこちらを利用しているというのが現状でございます。  目下、区内におきましても、東京都の認定がん診療病院の資格の取得を目指して準備を進めております医療機関もございますので、認定の暁には、区民が身近な地域で相談ができますよう、情報提供等に区としても努めてまいりたい、このように考えております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ区内の医療機関の設置に、区としても支援策を講じていただきたいことを要望しておきます。  次に、がん対策基本法が二〇〇七年四月に施行されました。その中で第一条では、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因となっており、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている、そういう現状にかんがみ基本理念を定めている。第一条では、このようにしたためられております。  また、地方公共団体の責務として、第四条では、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、実施する責務を有するとあります。がん対策は、より実効性のある取り組みが強く求められております。そのような視点から、区においても条例等を制定してはと思いますが、区のお考えをお聞きいたします。 ◎上村 健康推進課長 委員お話しいただきましたように、国におきましては、平成十九年四月にがん対策基本法を策定しております。これに基づきまして、東京都におきましては二十年三月にがん対策推進計画を策定し、総合的ながん対策を行っているところでございます。  区のがん対策につきましては、平成十八年四月に施行いたしました健康づくり推進条例に基づきまして、現在、「健康せたがやプラン」というのを策定しておりますけれども、この中で健康づくり支援策の一つといたしまして、子どものころからの生活習慣病予防対策の推進の中に位置づけて、がん検診の受診率向上などを目標として掲げております。こういうことで、区としてはがん検診事業を推進しているところでございます。 ◆飯塚和道 委員 確かに「健康せたがやプラン」の後期の中に一行、子どものころからの生活習慣病予防対策の推進としたためてありますけれども、がん対策については、残念ながら施策が大変低いレベルになっておりまして、これには具体策が示されておりません。がん対策条例につきましては、もう既に島根県、神奈川県等の六県、また出雲市などが制定しておりまして、先ほどあべ委員にもありましたけれども、豊島区が二十二年度第四回定例区議会へ提出を目指している、このように聞いております。その内容は、区の責務、都との連携、がん患者への支援、がん予防計画の制定、相談窓口の設置等、このようになっておると聞いております。ぜひ本区におきましても、がん対策条例制定を検討していただきたいと考えますけれども、重ねて区の見解をお伺いいたします。 ◎上村 健康推進課長 今、委員ご提案がございましたがん対策条例の件でございますけれども、死亡要因の一位を占めるがん対策ということにつきましては、区といたしましても健康施策の重要な柱であると考えております。二十三年度までの現行の「健康せたがやプラン」につきましては、二十二年度から改定に向けまして調査や検討を行う予定になっております。こうした健康施策の全般的な見直しを行う中で、ご提案いただきました総合的にがん対策を推進する観点も踏まえまして検討してまいりたい、このように考えております。 ◆飯塚和道 委員 先ほど、私も冒頭申し上げましたけれども、やはり世田谷区は全国的にも非常に受診率が低い。そういう意味で区民への啓発、また、行政の責務を明確にすることが受診率の向上にもつながると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいことを強く要望しておきます。  次に、児童虐待について伺います。  先日、私は、区内にある養護施設に行ってまいりました。その施設は、現在、二歳から十五歳までの子どもさんが四十五名入所しておりまして、かつては、両親が病気等で亡くなったりで、いわゆる面倒が見られなくてやむを得ず入所していた、そういうケースがほとんどでありますけれども、今は、全員が親等の虐待で子どもの命が危ない、そういう理由で入所をしております。  私も一昨年、長野県の白馬村から雪をその施設の庭に運んで、一緒に雪遊びをした思い出がありますけれども、確かに一人一人の職員の皆さんは一生懸命頑張っているんですけれども、大体施設に入りますと約十年間入っている。どんなに職員の方が面倒を見たり愛情を注いでも、小学校の五年、六年、中一になると、ほとんどの子どもがキレると。そしてまた、大きな問題を起こすと。これは、やはり小さいとき、いわゆる虐待されたということが子どもの命に入って、なかなかぬぐえないんじゃないかと、そのように思うんですね。  そういう意味で、本当に虐待に対しては、あってはならないんですけれども、児童虐待に関する事件が本当に相次いでおります。江戸川区立松本小学校の一年の岡本海渡君が一月、両親から暴行を受けた、死亡した事件は、大きなショックと虐待の深刻化を浮き彫りにしておりますけれども、もっと早く救いの手を差し伸べられなかったのか、大変残念であります。  児童虐待防止法の改正から五年が過ぎましたが、この間、保護者への出頭要求や裁判所の許可に基づく児童相談所の立入調査権などの行政の権限強化も行われてきましたが、事件は後を絶っておりません。区は、増加する児童虐待をどのように分析して取り組んでいるのか、お伺いをいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 区の状況から分析をいたしまして、二十年度の新規相談数は五百十四件、年度末の継続相談数は千二十三件でした。児童虐待の通報・相談窓口を開設した十七年度と比較いたしますと、新規相談で一・三六倍、継続相談で一・六八倍となっております。これは窓口の周知が進み、関係機関や区民が潜在しやすい相談等を早期発見し、窓口につなげているものと考えております。  二十年度中の全相談数は千六百二十二件で、そのうち虐待と判断いたしましたのは六百六十七件でございました。虐待の分類では、ネグレクトが三三・四%、心理的虐待が三〇・四%、身体的虐待が二五%でございました。主たる虐待者は、実母が六三・四%、実父が二〇・二四%で、主な原因は、虐待者の精神疾患、性格の隔たりが二一・九%、養育力の低さ、子どもの心身の発達上の問題など養育上の問題が一九・六%でございました。これらのことから、虐待の背景といたしまして、保護者の精神疾患や性格の隔たり、母の過重な育児負担、子どもの育てにくさ、養育力の低さなどの要素が複雑に絡み合っていることがわかりました。  この状況に対応するため、より早期に相談につながり、的確に対応できるよう、関係機関の人材育成支援や養育力向上の支援サービスについて現在も取り組んでおりますが、今後も、より一層取り組む必要があると考えております。 ◆飯塚和道 委員 先ほどの江戸川区の事件につきまして、区は、学校と児童虐待を担当する区子ども家庭支援センターについて、虐待の認識や対応が極めて甘かったとする検証結果を公表しました。また、昨年十月に海渡君がけがで長期入院や欠席した事実を、安全確保に必要な決定的な情報としてセンターへの連絡を怠った学校の対応を厳しく批判し、またセンターについても、専門機関の役割を発揮しなかったことを認めております。  また一方では、虐待のおそれのある子どもたちは、児童相談所で一時保護され、必要に応じて児童養護施設などに入所します。しかし、施設入所後も、親権を盾に強引に連れ去る、必要な医療を受けさせない、また、高校などへの入学を認めない等、子どもは虐待を受ける危険にさらされております。こうした事態は、民法上の親権と児童福祉法が規定する施設側の権限のどちらが優位か明確でないために起こると、いわゆる法律の不備を指摘する専門家もおりますが、区は、これらの課題に対しどのように認識をお持ちでしょうか、見解を伺います。 ◎小堀 要支援児童担当課長 児童虐待の対応は、単独機関のみでは難しく、子ども家庭支援センターや学校、児童相談所などの子どもにかかわる機関や地域で見守る主任児童委員や民生児童委員が、情報や虐待の認識、対応方針などを共有し、役割分担しながら重層的に継続的支援を行うものと認識しております。  区は、十七年度に要保護児童支援協議会を立ち上げまして、子どもにかかわる機関や関係者の虐待防止ネットワークの充実を図りました。協議会におけます各機関代表者の会議では、虐待防止の情報や地域の課題などを共有し、実務担当者間におきましては全ケースの進行管理やテーマ別勉強会などにより、対応の具体的な課題などの共有と協議を行っております。また、個別ケア会議におきましては、個別の情報や虐待の認識、対応方針、役割分担などを支援機関が集まって協議し、判断しております。今後も協議会の充実を図り、一層の機関連携と虐待防止対策の強化に努めてまいります。  また、親権につきましては、児童虐待防止法により子どもを養護施設などに入所させる場合、保護者に対する面会、通信等の制限などが定められておりますが、親権自体は親にあるために、施設とトラブルも多いというふうに聞いてございます。  国では、子どもを守るため、より柔軟な法的措置を検討していると伺っております。今後も国の動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆飯塚和道 委員 区は、児童虐待防止対策の推進としまして二十二年度予算に、いわゆる従来の取り組みに加えまして、新たな政策として約一億二千万円を計上しておりますけれども、この具体的な事業展開についてお伺いをいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 具体的な策でございますが、虐待に関する複数の専門職から成る児童虐待対策支援チームを平成十九年四月に設置し、五地域の子ども家庭支援センターのサポートと休日の緊急対応を実施しております。加えて、虐待防止ネットワークである要保護児童支援全区協議会の運営と要保護児童家庭への支援サービスの企画運営を行っております。支援サービスといたしましては、産後ケア事業や学生ボランティア派遣事業、親支援事業、休日、夜間の電話相談である子育てテレフォン、子ども・青少年相談などを行っております。 ◆飯塚和道 委員 実効性ある取り組みを期待いたしますけれども、一方、行政の現場で虐待に対し高い専門性を持ち合わせた人材が少ない、また責任の所在があいまいだ、そういう指摘する声もありますけれども、判断のおくれが大変な事態になりますので、区としては、この辺の専門性のある人材はどうなんでしょうか、確保しているんでしょうか、その辺をお伺いいたします。 ◎小堀 要支援児童担当課長 児童虐待対策支援チームでございますが、児童相談所経験者二名、臨床心理士四名のほか、保健師、保育士、児童指導員などの専門職十二名と事務三名の十五名で構成しております。専門性を生かしまして、行政の現場である五地域の子ども家庭支援センターの対応をサポートしております。具体的に、二十年度は子ども家庭支援センターの支援会議や個別ケア会議などに参加し、専門性の視点から支援いたしますほか、ケースワーカーなどと同行訪問を百四回、休日の緊急対応を四回行いました。また、月一回、子ども家庭支援センターの職員に対しまして、困難事例の相談、助言として、精神科医師による職員相談を実施しております。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ区としても、この児童虐待防止に全力で取り組んでいただきたいことをお願いいたします。  次に、音声コードについてお伺いをいたします。  視覚障害者は、中途失明の増加によりまして、点字利用は視覚障害者全体の約一〇%であり、活字文書への情報アクセスが非常に困難な状況にあります。特にプライバシーに関する情報、生活情報の入手については、自立した生活と社会参加を行うためには欠かせない情報源であります。  活字文書読み上げ装置は、生活情報を取得する機器として最適であると思います。国は、この秋より、携帯電話でも音声コードを読み取ることが可能との見解を示した。区は、これまで全国に先駆け取り組んでこられたことは大いに評価をいたしますけれども、さらなる拡充を求めますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◎山本 障害施策推進課長 区では、平成二十一年度から三年間を計画期間とします第二期世田谷区障害福祉計画の重点項目に情報提供の推進を位置づけまして、公用文書の音声化の普及を検討、実施しているところでございます。今後もこの計画に基づきまして、視覚障害者の情報格差の是正に向けまして新たな情報ツールの活用などを図りながら、情報提供の仕組みの整備や利用者の支援に努めてまいります。 ◆飯塚和道 委員 さらなる拡充をお願いいたします。  東京都は、今回、都民向けの印刷物を作成する都職員らを対象に、「音声コード」活用普及研修会を実施しております。いわゆる自治体における事務の効率と情報保障を両立させる情報基盤であるとの認識から、これがねらいと聞いております。区におきましても職員の研修会を検討していただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。 ◎山本 障害施策推進課長 国は、自治体が平成二十一年度から二十三年度の間で音声コード普及のための研修や広報を実施した場合に、補助を実施しております。この補助を活用しました職員の研修につきましては、新たな音声コードとそれを読み取ることができます携帯電話等についての実施状況、あと、情報ツールに対します障害者団体の方のご意見を踏まえ、検討してまいりたいと存じます。 ◆飯塚和道 委員 ぜひ国の補助等も活用しながら推進を図っていただくということをお願い申し上げまして、公明党の質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十分休憩    ――――――――――――――――――     午後四時五十五分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民主党、どうぞ。 ◆風間ゆたか 委員 民主党の質問を始めます。  福祉領域は、私、初めての担当になりますので、よろしくお願いします。  まず、一般質問に引き続き、学童保育の時間延長について質問を進めていきます。  議場での答弁でもありましたけれども、学童保育のニーズの多様化ということは周知の事実であるかと思いますし、他区では先進的に始めている事例も大分出てきているという状況ですが、改めて学童保育の時間延長について区はどのように考えているのか、お答えください。 ◎平澤 児童課長 学童クラブの時間延長につきましては、平成二十二年度から都も都型の学童クラブを創設して、一定の要件を満たした、例えば午後七時以降まで開所する等の都が定めた要件を満たす場合には、運営費を補助するというような動きも出ているようでございます。このような取り組みも含めました学童クラブの時間延長につきましては、私どもは、いわゆる学童クラブは新BOPでやっておりまして、全小学校で新BOPを展開しているという、世田谷区はかなり特色的な取り組みだというふうに思っています。  このような状況を踏まえまして、また、二十二年度から実施する新BOPでの大規模化への対応、入る児童の学年延長等ございますけれども、実施状況も見きわめて、引き続き検討課題としていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 学童保育を新BOPという形で進めていく、新BOPとして先進的に進めていったということは評価に値することだと思いますけれども、大分時も過ぎておりますし、保護者ニーズもさらに多様化してきているということだと思います。また、時代の変遷、社会状況の変化によって、今、新BOP自体の過密化というのは問題視しているところだと思いますけれども、現実問題として、公設公営である新BOP、学童保育を時間延長していくということ自体は可能なんでしょうかね。 ◎平澤 児童課長 現時点では、午後六時までという形で運営させていただいております。恐らく人員の問題、さまざま施設の問題等々、いろいろ研究の課題はあると思っております。全く不可能というふうには考えておりませんが、今、実際のところ、先ほども申しました新たな取り組みを検証する中、同じような形で研究していきたいというふうに考えております。 ◆風間ゆたか 委員 議場の答弁では、学童保育を時間延長すること自体に子どもの成育上問題があるかのような答弁もありましたけれども、そのあたりは、特に障壁になっているということはないんですか。 ◎平澤 児童課長 さまざまなご意見があることは事実でございます。例えば、一方で仕事の関係もあるので時間を延ばしてほしいというご要望もございます。また、学識等中心でございますけれども、やはり子どもの生活のリズムを考えたときに、一カ所、特に学校というところで朝から長時間いるということについて、本当に子どもの育成の中でいいのかどうかという、そういう疑問のご意見もあることも事実でございます。そういうことも踏まえまして、ありようについて検討、研究していきたいというふうに考えております。 ◆風間ゆたか 委員 私も、その東京の都型学童とはどういう形なのかということを都の担当の方に詳しく聞いたところなんですけれども、まさに公設公営がまだまだ市部を中心に多いという中で、公設公営ではなかなか六時以降の時間延長というのが進まないという現状がこの間あったようで、保育園同様に民主導でやっていくことによって、こういった多様なニーズに応じていけるんではないかというような考えから、この都型学童、民営の学童を支援していくというところで今計画をしているということを聞いたんですね。  現状、新BOP自体は先進的なすばらしい取り組みだったと思うんですが、さまざまな要望が現在出てきていると思いますし、それはおやつの問題に関してもしかりでありますし、時間内で何かやらせてほしいというようなことも含めてだと思うんですけれども、時間延長のニーズ、要望というのはかなり大きくなってきていると思うんですね。  そう考えますと、この都型学童保育に関して、導入するにはどうしたらいいかということを確認しましたところ、自治体が手を挙げないと、区が手を挙げないとどうにもならない。実際に、民営で学童保育という形で世田谷区にも幾つかあると思うんですけれども、こういったところに手を挙げていくという考えは、世田谷区はないんでしょうかね。 ◎平澤 児童課長 世田谷区の場合ですと、先ほど申しました新BOPという当時新しい形で、公設公営で一応全部のお子さん方の放課後の生活の場、遊びの場を確保していくという形で、全校で取り入れている形をとってきました。この間、そういう意味では民間の活用ということについては、それも念頭には置いてはいますけれども、基本的に新BOPのよさ、すばらしさを伸ばしていくという形で取り組んできたところでございます。  この間、さまざまそういう形でご意見をちょうだいしているところでございます。そういうことも含めて検討課題としていきたいというふうに思っています。 ◆風間ゆたか 委員 今回も、配慮を要する児童の学年延長など、さまざま取り組んできていることは評価に値すると思うんですが、それによって、より多くの子どもたちが学童を利用しているという状況で、施設のほうが追いつかないという状況も大分耳にしているところです。今後、さらに年々、学童保育、新一年生申し込み希望者がふえているというふうにも聞きますし、このあたりは併用していくということをぜひ検討していただいて、過密化の回避にもつながるんではないかと思っておりますし、そういったさまざまなニーズに対応していける新しい取り組みがあるのであれば、子育てしやすい町世田谷ということで、ぜひ検討を前向きにしていっていただければなと、これは要望しておきます。  続きまして、子どもが生まれる前後の、産前産後の支援というところについて質問をします。  半年前に、決算の議会中に私も子どもが生まれまして、大分こういったサポートは勉強しましたし、利用もさせていただきました中で、産後ケアセンターは非常に人気も高くて、よい取り組みだなというのは実感したところでありますけれども、これまた非常に高倍率といいますか人気が高いという状況で、なかなか利用したいときに利用できないということも体感したところでございます。  ただ、施設ですので、これをどうにかしろというわけにはなかなかいかないと思いますが、そのかわりにさんさんサポートというものが、かつてからあったと認識しております。しかし、私自身も申し込み、妻のかわりに携わったこともありますが、なかなか利用したいときに利用できないであるとか、産前と産後で合計何回というような枠組みがあって、本当に困っている期間に使えない状況だということも体感してきたところなわけですね。
     一方、お隣の杉並区の子育て応援券という制度がありますけれども、母親の多様なニーズに対応しているんではないかなと感じるところで、区境で提供されている子育てサービス、杉並区の方もこの応援券を使って利用しているというケースがよくあるようですが、片や無料で利用できて、世田谷区の方は、世田谷区の事業所がやっているサービスなのにお金を払っているというようなこともあったりすると聞いております。  このさんさんサポートも、期間の延長など改善を試みているようですけれども、ぜひこれは事業所なども含めて、より使い勝手のいいサービスに改善していってはどうかと思うのですが、区はどのように考えているんでしょうか。 ◎岡本 子ども家庭支援課長 さんさんサポートの改善ということでございます。区では今年度より、今お話にありましたように、派遣期間を産前一カ月から産後六カ月までだったものを、妊娠届後から産後一年までということで延長してございます。また、申し込みの手続も簡素化するなど、利便性を高めるなど、より利用しやすい制度への改善に努めてまいりました。  また、希望する日時に派遣できる事業者が見つからないというようなお声もあります。そういった声に対応するためにも、契約事業者の拡充ということも図ってまいったところです。また引き続き、区民の利便性というところでは支障がないよう、区内はもとより近隣の事業者さんにも参入を求めて、一層の契約事業者の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆風間ゆたか 委員 ぜひ、より使い勝手のいいものに変えていってもらいたいと思いますけれども、現在、利用率はどのぐらいなんでしょうかね。 ◎岡本 子ども家庭支援課長 現在、この利用期間を延長したというところで、なかなか利用を控えていらっしゃるのか、一年の間で使うというようなこともあって、昨年度から比べますと、大体六割ぐらいの利用ということで、今、推移しているということでございます。 ◆風間ゆたか 委員 こちらも、時代の変化に応じて使いたいサービスというのも変わってきているかと思いますので、ぜひ改善に努めてもらえればなと思います。  続きまして、関連になりますけれども、先日、せたがや健やか親子プランというものが各議員に配付されていたかと思います。これですね。案という状況でしたけれども、これを見ますと、主導でやっているのが子ども部ではないというようなところで、中をよくよく見ていきますと、大分子ども部の領域と重なる部分も多いのかなというふうに感じながら見させていただきました。詳しく話を伺っていると、これまでの事業の改善というものと、新しくこれから取り組んでいくものというのに分けられているということで、健やか親子プログラム2というところが、これから新たに取り組んでいくものだというふうに説明を聞きました。  これは、まさに私も常に申し上げておりますが、地域の力、NPOなどをうまく活用しながら地域のお母さん方をサポートしていく取り組みということで、これ自体は大変評価できるところだなと感じているわけですが、実際問題として、それをやっていく上で認知がされていないと、やっぱり利用されないということになりますし、実績のあるNPOなどがやっていかなければ、なかなか広がっていないというのもさまざまな地域を見てきて感じているところです。このあたりは、子ども部ではなく、こういったことを新たに取り組んでいこうとするのはどういう背景があるんでしょうかね。 ◎上村 健康推進課長 今、委員お話しございました、せたがや健やか親子プランの案でございますけれども、それにつきましては、子ども計画の後期と連携しているところではございますけれども、なかなか子ども計画には載せ切れない部分も含めまして、今お話しございましたように、プログラム2のほうにおきまして、親と家族等が協力して子育てなどに取り組む際に、親と子の健康づくりの観点、あるいは地域づくりの観点から新たな施策や事業を提案しているところでございます。そういう考え方でございます。 ◆風間ゆたか 委員 子ども部ではなかなかやり切れていないところをやっていくということですから、重複していないと思いますので、ぜひこれは実現に向けて取り組んでいってもらいたいなと思います。  一方で、これまでの事業の見直しというところで、我々の会派が常に言い続けてきました乳幼児の健診に関して、改善を試みるというように記載されてはいるんですけれども、常に主張してきております集合健診というんでしょうか、一カ所に集めてやるものが、まだ平日しかやっていないものが幾つかある。これは何度も申し上げているように、これだけ共働き世帯がふえてきている、保育の待機児というところを見ればわかりますけれども、こういう状況下において、例えば月に一回、一カ所でもいいですから、集合健診を土曜日に実施するというようなことを、ぜひとも完成版のところには入れていくべきだと思うところですけれども、区の見解はどんな感じでしょうか。 ◎上村 健康推進課長 今お話しございました区の乳幼児に対する集団健診でございますけれども、三カ月児健診、一歳六カ月児歯科健診、三歳児健診等を集団健診という形で実施しておりまして、高い受診率とはなっておるんですけれども、それでも健診に来られない方、あるいは無理して休みをとって健診に来られている方も事実でございますので、そういった方に対しては、保健師のほうが家庭にご訪問するとかの個別的なフォローを行っているところでございます。  今回の健やか親子プランの中に、具体的なそういった改善の方向まではなかなか書き切れてない状況がございますけれども、その背景といたしましては、お話しのように、確かに地域の構造や親の意識も変わってきているものがございますけれども、小児科医の確保だとか、あるいはコメディカルの人材、そういった者の確保が一つ難しいという問題があるのと、子育てをしていく場合に当たりましては、企業等も子育ての世代に対しまして応分の責務を果たしていただきたいと、こういった考え方もございますので、今後は、今、プランの中でお示ししておりますように、利用者の実態の把握にも努めながら、基本的な健診のあり方、こういったものを検証しつつ、委員のご提案の手法も含めまして検討してまいりたい、このように考えております。 ◆風間ゆたか 委員 私が提案しました両親学級、父親も産前に子育てについて学ぶというのを土曜日にやったら、かなり好評だったというようなことがここにも記載されていて、回数がふえていくということですから、父親が育児に参加するということにもつながるんじゃないかと思いますので、ぜひこのあたりは積極的に取り組んでいくように重ねて要望しておきます。  続きまして、保育に関して質問を幾つかいたします。  去年のこの時期は、保育待機児の問題でかなりの会派から質問が出てきたと思いますけれども、ことしは、もしかするとそれ以上に保育待機児数がふえるかもしれないという状況にもかかわらず、ほとんど今回出てこなかったので、最後の番となった民主党としても少々驚いているところですけれども、一般質問で私のほうから質問させていただきました続きのところから、二十二年度の整備が計画どおりに進んだら、世田谷区は本当に保育待機児が解消するという見込みなのかどうか、端的に答弁願います。 ◎工藤 保育課長 現在、区では、二カ年で約二千の保育施設の整備といったようなことで計画を掲げさせていただいております。来年度に向けましては、約千五百といったような施設を整備するということで取り組みを進めさせていただいております。  また、くしくも後期子ども計画ということで、来年度を初年度とする後期子ども計画を策定させていただいていますが、その中の目標事業量といったことで申し上げますと、平成二十六年度、ここの段階で、二千の部分を含めてなんですが約四千七百。このトータルがピークの時期かなといったようなことで考えております。 ◆風間ゆたか 委員 一般質問で質問して、今年度は目標未達だったということに関して、だれが、どう責任をとるんですかということに答弁がなかったような気がするんですね。私の住む地域、三軒茶屋近辺というのは、本当に保育の待機児も多かったように感じているんですけれども、フルタイム復帰、百九点あっても入れない人たちというのは、所得の結構高い人たちだったのかなというふうにも、私の知人なんかの情報を聞いていると感じるところであります。  こういったシビアなビジネスの世界で共働きで働いていて、一生懸命仕事をして税金も納めているという人たちが認可保育園に入れないということで、かなり区政に対しての不満を我々も耳にしているところでございますけれども、じゃ、だれがどう責任をとるのかということはやっぱり知りたいところかと思いますので、改めて伺います。教えてください。 ◎工藤 保育課長 保育につきましては、自治体が保育サービスを提供するといったことを基本としておりますので、区としても、待機児解消といったものに対しまして最大限努力をしていきたい、達成することで責任を果たしてまいりたい、そのように考えております。 ◆風間ゆたか 委員 部長にお伺いしたいんですけれども、例えば、担当課長の査定とかに引っかかってきたりするものなんでしょうかね。 ◎藤野 子ども部長 確かに本年度の計画数値九百に対して確保できましたところが、ご報告しているとおり、七百弱になっているという意味では、未達だということは私どもも承知をしております。ただ、この限られた期間の中で、限られた手法の中で、より質との両立を図った施設整備という意味では、一自治体としてはできる限りの施設整備を行ったというふうな自負も、一方ではございます。ただ、ご指摘のとおり、なかなか入れずにいらっしゃる区民の方がまだ多いということも含めますと、私どもとしては精いっぱいやりつつも、力不足は認識しております。ただ、今ご指摘の点については、特段、現時点で何らかの判断をしているということではございません。 ◆風間ゆたか 委員 待機児解消に向けて東京都もいろいろ取り組んでいるかと思いますけれども、一方で、世田谷区が一時保育枠として、ことしも来年も整備として三十を予定していると思うんですけれども、一時保育だと待機児解消につながらないんだと思うんです。その余裕があるんなら定員増にしてくれよという声も大分耳にしますが、このあたりは、なぜ一時保育なんでしょうか。 ◎岩渕 子ども部副参事 一つには、一時保育につきましても、保育待機児の解消の中の一つの重要な項目として挙げさせていただけるものかと認識しております。また、この辺につきましては、多様な就労の中で、例えば週に、そういう必要とされる区民の方々もおりますので、そういうものに対応するためのきめ細かな対応として、一時保育というものも整備を進めていくというふうに考えております。 ◆風間ゆたか 委員 東京都の「東京の福祉保健の新展開二〇一〇」によりますと、そういったパートタイムなどで待機児となってしまっているような人たち向けに、定期利用保育という制度を新たに設けるというふうに発表されておりますけれども、来年度、これは待機児の解消にもつなげるような形で計画しているという話を聞きましたが、世田谷区はこれを取り入れていく予定はあるんでしょうか。 ◎工藤 保育課長 待機児解消に向けましてはさまざまな努力が必要かとは思っておるんですが、ただいまご質問をいただきましたような定期利用保育といったような動きも私どもなりに認識はしております。ただ、現時点では、いわゆるフルタイムで就労されている方、特に産休明け、こういった方につきましても現実に入れてないといったような状況もありますことから、まずは基本的な、スタンダードな待機児解消、ここをまじめに取り組んでいくといったことがまず基本になるのかなというふうに考えております。ご質問いただきましたことも含めまして、今後の動きの中で検討の対象なんだろうと思っています。 ◆風間ゆたか 委員 フルタイム復帰じゃない方々の多くが、待機児として換算されつつ一向に入れない状況だということが、ここ二、三年続いてきていると思うんですけれども、東京都は施設のほうも大分支援していくということですが、この定期利用保育に関しては、事業者も、例えば保育室の方々とか認証保育所の方々とか、そういったところでも適用していくような考えを持っているというようなお話でした。なおかつ、これまでの一時保育の補助費に比べれば格段に増額。これまで八百円程度だったものが二千五百円ぐらい、一人一日当たり支援していくというような話も聞いております。ぜひともこういった新たな取り組みにもタイムリーに対応していきながら、さまざまな手法を使って待機児解消につなげていくことを要望しまして、私の質問を終え、西村委員に交代します。 ◆西村じゅんや 委員 まず、家庭福祉員事業、区の独自の保育ママ制度について何点かお伺いします。  今年度と来年度に引き続いて、区は二千人の保育園の定員枠の拡大を急ピッチに進めていますけれども、まだまだ深刻な局面から抜けているとは言えません。そのために保育サービスは、量、質とともに提供手段の拡大を図らなければならない。その一環として、本日取り上げる保育ママ制度は、待機児童問題の解消として一役買うだけでなく、行き届いた緊密な子育て支援なので、虐待等早期発見及び対処なども可能になる、そんなメリットもあります。  家庭的保育は子どもたちにとって第二の家庭であることは、皆さん恐らく周知の事実だと思いますけれども、ご存じのように、昨年の児童福祉法の改正によって、保育ママ制度が法制化しました。区の既存の制度と、新しい家庭的保育事業という二つの保育ママの制度が並立してこれからやっていくということなんですけれども、その単純な比較なんですが、まず設置主体が、これまでの既存の保育ママに関しては個人、新しい制度は実施保育所の運営法人。雇用契約という言葉がわかりやすいとは思うんですけれども。  そこで、定員が、既存の制度にとっては受け入れがゼロ歳から二歳、二人から五人。一方、新しい制度が、受け入れゼロ歳から三歳までで五人ということなんです。いろいろ制度の違いというのがちらほら散見されるんですけれども、保育ママの制度が違っていても、そこで保育をされる側、子どもたちは、同じ未来に羽ばたく世田谷っ子ということは言うまでもないので、何点か伺います。まず、この定員なんですが、現在の既存の保育ママの制度も、三名定員が五名に拡大はできないのかなとちょっと思うんですけれども。 ◎工藤 保育課長 現行の保育ママ制度におきましては、三人のお子さんをお預かりいただくといったことを基本としまして、保育専用室の最低床面積ですとか保育従事者の中に保育士などの資格を持った者がいるか、さらには補助者の人数といった要件を満たす場合に限って五人保育を認めております。  しかしながら、区では過去の事故を教訓といたしまして、要綱において受託児童が三人以下の場合には任意設置である補助者につきまして、三人以下でも設置するよう指導するなど、保育ママによる保育の質や安全性の向上に配慮しているところでございます。このような経緯を踏まえまして、今後の受託定員の取り扱いにつきましても適切に判断してまいりたいと考えているところでございます。 ◆西村じゅんや 委員 ありがとうございます。ほかに決定的な違いといったら、代替保育、いわゆるママさんが急病とか冠婚葬祭、その他講習などで仕事ができないときに、かわりに子どもたちを預けられる制度なんですけれども、その代替保育に関しても、新制度に関しては実施保育所で行うということで、これは制度的に割と想像もつきやすいと思うんです。ただ、個人宅で行う既存の現行ママ制度に関しても、代替保育の何らかの措置をしたほうがいいと思うんですね。ちょっとそこら辺の見解を教えていただけますか。 ◎工藤 保育課長 保育ママ制度は、保育ママお一人お一人が個人事業主となりまして、家庭的な環境の中で責任を持って保育を実施する、そういったことを特徴としておりまして、多様な保育サービスの提供といった観点からも、先ほどありましたように評価されているところでございます。その一方で、現行の保育ママ制度につきましては、密室性などの課題も指摘されていますことから、区では巡回指導の実施ですとか、バックアップ園による相談、支援、交流などにも力を入れてまいりました。  新たな家庭的保育事業につきましては、実施保育所がみずから行う保育所事業の一部として実施いたしますことから、通常の保育も代替保育も実施保育所の責任で行うこととなりますが、現行の保育ママ制度で代替保育を実施する場合、保育ママと受け入れ保育所との責任の所在の切り分けなど、課題も多いものと認識しております。  区といたしましては、現行の保育ママ制度が保育を必要とする保護者の皆さんが安心して預けられる仕組みであり続けるよう、引き続き、個人事業主である保育ママへの運営費の一部補助、巡回訪問による助言、保育ママ支援担当保育園との交流など、さまざまな支援を行ってまいります。 ◆西村じゅんや 委員 現行のママ制度が評判がいいというご答弁がございましたけれども、これも、一人一人のママさんが頑張っているからということだと思うんです。代替保育が厳しいという今の見解なんですが、他区、特に二十三区だと、例えば文京区の一時預かりの保育ママ、SOSコールとか、さまざま緊急的なサポート体制が整っております。また、実際に現場の保育士さんの話とかを聞くと、区内なんですけれども、欠席の子どももいるので、一時預かりなどがあってちょっと厳しいといっても、実質、年間二十日程度の代替保育は決して不可能ではないという意見もあります。  今、施設に対しての、保育園に対しての代替保育の提案だったんですけれども、自治体によっては、区に届けを出した補助者が、保育ママが年休をとるときに代替保育をできるようにするということも考えられます。実際、そのどちらかを実施しているという行政が多いんですけれども、そこら辺の見解をお願いいたします。 ◎工藤 保育課長 いわゆる保育ママに関しての代替保育に関しましては、先ほどご答弁申し上げたような課題があるわけですけれども、補助者につきましても、個人事業主である保育ママさんが雇用契約のもとで補助員を雇う、そういった仕組みとなっております。補助員が休暇等で欠けることも当然ございますので、事前に複数の補助員を確保して、補助員のローテーションといったような工夫で対応をしていることがあろうかと思います。 ◆西村じゅんや 委員 連携保育所制度の現状のママ制度に対しても、さらなる充実を目指し、拡充をお願いいたします。次の質問に入ります。  昨年の四月に発足した指導担当課なんですけれども、これまで区内の虐待とか認証保育所の不正受給問題などを経て、世田谷区全体の福祉サービスのボトムアップを図るという、事業者の指導に結構重きを置いた課だとは思うんですけれども、四月発足からこの間の取り組みについてちょっと伺います。 ◎安永 指導担当課長 委員ご質問の質の向上につきましては、検討状況につきましては、先般、議会に報告させていただいたところでございます。検討の成果をもちましてガイドラインを作成し、総合支所、本庁所管課、指導担当課が密接に連携をとり、高齢者、障害者、子どもサービスの質の向上に取り組んでまいります。  具体的には、指導、苦情・事故、評価によりますサービスの質の保証システムにつきましては、苦情・事故報告を幅広く収集し、これに基づいた対応のチェック、改善、指導、集計分析と成果のフィードバックを行い、サービスの質の向上を図ってまいります。  また、事業者指導に関しましては、東京都と区の役割分担のもと、柔軟に連携しながら、悪質な事例につきましては、事前通告なしを含む現地調査を行います。事業者育成の観点から、改善に関する助言や事業者全体に対する啓発、情報提供など、幅広く取り組みを進めてまいります。  指導担当課といたしましては、個々の事業に関しサービスの質の向上を主体的に進める主管課をバックアップし、全体をマネジメントしていく必要があると考えております。来年度は、このことに取り組んでまいりたいと思っております。 ◆西村じゅんや 委員 ありがとうございます。まだ設立されて間もない部署ですので、これからいろいろと細部細則を決めていくんだと思うんですけれども、そこの話は一回置いておいて、この「ベターケア」という雑誌があるんですけれども、これは季刊誌で、春夏秋冬それぞれ年四回発売されるんですけれども、この二〇〇九年秋号、ドキュメント百人百色の介護というところですね。埼玉県の深谷市と千葉県の佐倉市、あと我々の世田谷区、この三自治体の介護のケースが載っている記事がありまして、世田谷のところに「ケアマネジャーが怖い!」こういう記事がありました。  これは実際に世田谷区在住の、もちろん区民の方なんですけれども、実名で載っているんですが、その区民の方が経験した記事が載っております。ちょっと読ませていただきますけれども、二〇〇七年八月のある日、蒸し暑い室内にいたこの当事者の様子がおかしいのに、この方の夫が気がついた。熱が出ているようで、けいれんも起こり始めた。隣に住む娘さんは、海外に都合で行っておりまして、夫もあいにく外出中。つまり、一番近くに頼れる人がいなかったという状況の中で、かかりつけ医も休診の日で途方に暮れていた。  電話のそばに張ってある緊急時連絡先の三番目、ここがポイントなんですけれども、二番目が地域包括センターという、いわゆるあんすこ、あんしんすこやかセンターなんですけれども、そこに電話をせず、三番目、いつも来てくれている訪問介護ステーションに電話をした。電話を受けた訪問介護事業所長は、急いで担当である包括支援センターのケアマネジャーAさんに連絡をとり、ケアマネジャーの指示があれば、緊急訪問や救急車の同乗が可能ですがと訴えたが、わからない、私の判断では何とも言えないという緊急性を理解しない返事。  一方、そのころ、この方は声をかけても呼びかけに反応しなくなっていた。心配した夫は、自分の担当である民間事業者のケアマネジャーさん、Bさんに、だれも来てくれないと助けを呼ぶ電話をした。訪問介護事業所なんですけれども、早速Aさんに電話して、緊急のようなので見に行っていただけますか、包括支援センターからこの方のお宅は一分とかかりませんよねとやんわり要請したんですけれども、このとき既に、この方の異変に気づいてから一時間がたっておりまして、その後、Bさんは五分ごとに連絡を、容体が急変した方に電話を入れたんですけれども、あんすこの方から全く連絡がない。  危険を判断したBさんが、近くの訪問看護ステーションの所長に直接相談して、所長判断で訪問看護師がこの方のお宅に急行、状態を確認して救急車を要請した。そこで、結局脱水で一週間の入院となって、意識があったので助かったが、生命さえ危ぶまれるほどだったと書いております。  実際、包括支援センターのケアマネジャーさんに関して、日ごろから余りいい印象を持っていなかった。介護度が要介護一から要支援二となって、ケアマネジャーがかわった。要支援の人を担当する地域包括支援センターのAさんは強引な人だった。初回引き継ぎ時にデイサービスに行くべきです、でないと介護保険サービスは組めませんと強く主張、気の進まない節子さんが断っても、見学だけでも行ってくださいと押し切られた─言っちゃいましたね。  結局、デイには行かず、週一回の介護予防・訪問介護サービスだけを利用していたが、その後も三カ月に一度の訪問時には、玄関先で印だけ押させ、話も聞かず、ただただデイサービスに行くようにと怖い声で言って帰ってしまう。そういった日ごろの態度で、事件から、今もその方は、このAさんを怖いと思っている。  そういう記事が載っておるんですけれども、まず、ひとまずここで、区のこの記事に対しての見解を伺ってもよろしいですか。何か反響とかも、どういう感じだったのか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 今、委員お示しの事例につきましては、区のほうでも把握しております。あんしんすこやかセンターが対応でかかわっておりますが、区といたしましてもこの事例につきましては、実際にかかわった経過や、あるいは事業者から、ケアマネからも事情を聞いておりまして、記事に書かれた事実ではないというところを確認しております。あんしんすこやかセンターは、実際、ご家庭にも訪問しておりますし、救急車を呼びましたのも、あんすこの職員が対応しているという結果でございます。 ◆西村じゅんや 委員 私もこのBさんと実際にやりとりをさせていただいて、区のほうがいろいろと聴取されたというその経緯を聞いております。ただ、今のご答弁ですと、あちら側のAさんからも事情を伺ったということなんですが、実際、聴取をした。ただ、実際この当事者というのは実名で表記されていますので、行政なので情報はいとも簡単に手に入る。Aさん、Bさんというのは特定できるのも容易だとは思うんですけれども、ただ、これ、雑誌じゃないですか。なので、最初に当事者ではなくて、この発行元の出版社に問い合わせるべきだったと思うんですけれども、そこら辺の見解というか、問い合わせたんでしょうかね、ちょっと伺ってもよろしいですか。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 出版元に対しましては、問い合わせ等はしておりません。実際にかかわりました、支援しておりますあんしんすこやかセンター職員とケアマネジャーに対しては事情聴取をしております。 ◆西村じゅんや 委員 大体こういう出版物に対して、最初に苦情なりレスポンスは行うべきだったと私は思うんですね。そもそも取材源の秘匿という言葉もあるとおり、やっぱりいろいろと─この場合、世田谷区が当事者でなかった場合だとしたら、実際、すぐ出版社に問い合わせる。ただ、それが行政だったばっかりに、皆さん、Aさん、Bさんに問い合わせてしまったということなんですけれども、これはちょっと手順がおかしいと思うんです。実際にこのような、例えばマスコミに露出した場合に関しては、区はいつもこのようなリアクションをとっているのでしょうか、ちょっとそこを伺わせていただきたい。 ◎澁田 介護予防・地域支援課長 まず、区としましては、事実確認をさせていただくのが大切であるというふうに考えております。情報源のリソースがどうであるかということもありますが、実際に対応した職員がどのような対応をしたか、また、区民の方に最適な方法であったかというところを確認させていただいて、区のほうで、研修等これから指導していかなければいけないところはどこなのかというところで、情報をまず知るということが大事であると考えております。 ◆西村じゅんや 委員 最終的に事実確認の判断ということで、お招きするという形はうなずけるんですけれども、実際、聴取された側からしてみたら、目的も明示されないままいきなり区に呼びつけられたと。それで、入ってみたら、かなり多勢に無勢といいますか、行政側が四人も五人も並んだ中で、むしろすごく圧迫的な聴取をされたということをおっしゃっているんですね。  なので、実際にその業者さんがそういった感触を持ったということに対して、介護保険という制度はまだまだ未完成なところで、課題を抽出する、問題提起としてこういったところにいろいろなメッセージを発しているわけですね。なので、もうちょっとやり方というものがあると思うんですよ。何でもかんでも頭ごなしに、呼び出してあれこれ尋問するという形は、今後ちょっと遠慮していただきたいなと思っております。  実際にクレームというのは、企業にとってもやっぱり宝だと言われていますので、こういう態度を今後もとってしまうと、業界だけじゃなくて福祉サービス全体が萎縮してしまう、業者さんが萎縮してしまうということがありますので、ぜひともそこら辺を考慮していただきまして、今後の業者指導、あと、福祉サービスの向上全体を目指して頑張っていただきたいと思います。  以上です。 ◆中塚さちよ 委員 本日は、私で最後の質疑になります。最後までよろしくお願いいたします。  最初に、先週の総括質疑に続きまして指定管理者制度について、本日は、特に区立特別養護老人ホームの指定管理者の指定について質問をさせていただきます。  本区では、障害者の施設や特別養護老人ホームなどの福祉施設については、管理者を公募せずに、運営法人がかわるようなことになっては利用者に困難を来すという特別の事由により、区の外郭団体である社会福祉事業団に特命指定をしてきました。それを議会としても認めてきたところでございます。  しかし、他区を見ますと、港区、中央区、目黒区などで、指定管理者制度が導入された初回の平成十七年から、特別養護老人ホームの指定管理者を公募しています。また、台東区では、初回は台東区社会福祉事業団を特命指定しましたが、その際に、二回目の平成二十二年には、民間事業者を含め複数の事業者の中から一番よいところを選定するとしています。  本区では、現在、指定管理者制度運用に係る指針を策定中とのことですが、福祉施設、特に特別養護老人ホームにおける指定管理者の選定については、原則、公募ということを踏襲していくのか、あるいは直営、委託に戻すのか、それともまた、どっちつかずの非公募なのか、今後をどういうふうに考えているのでしょうか。 ◎松本 高齢福祉課長 特別養護老人ホームは、介護を要する高齢者の方が安心して生活できる環境を最優先にする必要があると考えております。そのため、本区ではこれまで、指定管理者制度導入に係る指針の特別の事情に基づきまして、適格性審査により指定管理者を選定してまいったという経過がございます。  世田谷区を除きます二十二区のうち、区立の特別養護老人ホームを持っておりますのは十三区ございますけれども、このうち、今お話がございました平成十八年度の導入時でございますが、指定管理者の公募を行った区は五区、非公募とした区が八区でございました。また、これらの十三区では、指定期間を五年としているところが多くございますけれども、次回の選定となります平成二十三年度からの指定管理者の選定に当たりましては、公募を予定しているのは二区という現段階での状況と把握しております。  本区におきましては、今後の指定管理者選定について、今般、指定管理者制度運用に係る指針をお示しさせていただいておりますけれども、外部の委員を半数以上入れました選定委員会によりまして、公募、非公募等の選定方法の審議を経た上で選定を進めるということにしておりますので、こういった手順を踏みながら、より透明性を高めて特養ホームの指定管理者の選定を進めてまいりたい、このように考えております。 ◆中塚さちよ 委員 今のご答弁の中では、公募をしていたところも二回目では減っている向きもあるということなので、本区のやり方にも一定の意味があるのかなとは思います。しかし、これまで公募をしないで外郭団体に特命指定を重ねてきた後に、ここの外郭団体に理事長も施設長も皆、区のOBが再就職、いわゆる天下りをしているのを見ると、もっと透明化を図っていく必要があると強く感じております。  この事業団の区立特養も、かつては天下りではなくて、こういった本を出された、本当に福祉の経験と思いのあった方が施設長をしておられて、区の特別養護老人ホームのサービスを牽引していっていたと思います。ぜひそういった観点で、今後しっかりと透明化を図っていただければと思います。  中央区の公募では、事業者選定委員会の選定の結果が詳細にインターネットで公開されていまして、そういうのを見ますと、三つ法人が応募していて、何点、何点と項目ごとに点数がついていまして、ちゃんと審査をして、よいホームができそうなところが選ばれたんだなというのが大変わかりやすいです。  今、特養ホームは、区内で二千五百人以上も待機者がいるとのことでした。社会福祉事業団には億単位の資産があって、そして、今回減らしましたけれども三億円近くの補助金が計上されています。そんなお金があるなら、その分、一床でも二床でもベッドをふやしてもらいたいというのが、待っている区民の方々の切実な思いです。公募をしないなら、最低限その補助金に見合うだけのサービスが提供されているのか、相対的な評価とその公表が不可欠ではないでしょうか。  横浜市では、指定管理者制度のモニタリングのために第三者評価委員会をつくっています。福祉なら福祉の専門チームが何カ所も同種の施設を見て回って、相対的に評価を行うとともに、評価だけではなく、施設にアドバイスを行えることとなっています。区では、こうしたモニタリングをどうやっていくのでしょうか。 ◎松本 高齢福祉課長 施設の管理運営状況の確認でございますけれども、指定管理者からの月次の定期報告ですとか事業報告書の提出を義務づけているということと同時に、現地調査なども実施をさせていただいております。また、区立の特養ホームでは、サービスの質を確認するといった点から、第三者評価機関によります福祉サービスの第三者評価、これを定期的に受審し、公表してございます。加えまして、芦花ホーム等の指定管理者となっております社会福祉事業団でございますが、民間の専門調査機関に委託をいたしまして、毎年、お客様サービスの評価アンケートを実施しているといった形で、客観的な評価をもとにしたサービスの提供と検証を実施しているといったところがございます。  区といたしましては、このたびの指針の改定とあわせまして、指定管理業務の実施状況に関する事項、あるいは事業実績の評価と改善の取り組みなどを、実績報告になりますけれども、議会にご報告をさせていただきながら、区のホームページなどへも公開をすることとしておりますので、こういったことを通じて透明性を高めながら、指定管理者制度を進めてまいる考えでございます。 ◆中塚さちよ 委員 今、サービスの質のことで、東京都の福祉サービス第三者評価のことがご答弁にありました。この結果はインターネットで公開されていますので、私も全部見させていただきました。確かに区立の特養は、おおむね高い評価を得ています。ただ、トップクラスではなくて二位集団です。より高い評価を得ているホームも幾つか見られて、私がこれまで幾つか実際に足を運んでみた中で、とても雰囲気がいいなと思った民間の社福法人のホームは、評価項目のすべてが満点、さらに満点以上のAプラスの評価が五つもあって、十七カ所の特養のうちのトップでした。  この第三者評価は、原則として三年に一回以上評価を受けることになっており、受審するのにお金もかかり大変な手間だと現場では言われていますが、このトップの事業者は、毎年、これまで計五回受審をしています。一方、うちの社事団の特養はどうかといいますと、最低限決められた回数の三年に一回、計二回しか受審していません。これだけでも、やる気や意識の違いが歴然だと思います。  ただし、都の第三者評価も万能ではなく、横浜市のようなアドバイスというのはありませんし、また、利用者の聞き取り調査の回答率を見ると二割台で、本日、他会派への答弁にもありましたように、利用している方が認知症八割から九八%ということでしたから、そういった方の意見を聞くということも大変難しく、万能ではないと思います。  今後も公募しないということであれば、毎年受けることはできないにしても、せめて、区が責任と自信を持って特命指定する特養ホームだと説明できるだけの材料をそろえていただきたいと要望申し上げます。  続いて、区立特養での雇用の問題についてお尋ねします。  社事団のホームページに求人情報が掲載されています。私は、このホームページを結構頻繁に見ていますが、特養ホームの介護職員は、正規職員は全然募集がない一方で、契約やパートなど非正規職員はいつも募集しています。看護師は、正規職員も含めていつも募集しています。つまり、常に人が足りていません。  看護師確保の話は後にしますけれども、これでは介護職員の待遇はどうなのかなと思いまして、ホームページの求人情報をご紹介いたしますと、契約職員は、夜勤を四回やって年収にして二百五十万円からぎりぎり三百万円といったところで、ボーナスはありません。パートは時給九百八十円です。これが、ちなみに正規職員だとどうでしょうか。平均年齢や勤続年数、平均の給与額などを教えてください。 ◎松本 高齢福祉課長 芦花ホームなどの特別養護老人ホームに勤務をしております正規職員の平均年齢などでございますが、年齢で申し上げますと三十五歳平均、勤続の年数で大体七・八年ほど。それから、平均の給与でございますが、月額二十七万四千円余りというふうに承知しております。 ◆中塚さちよ 委員 月額二十七万円が三十五歳ということで、係長クラスだと幾らぐらいになりますか。 ◎松本 高齢福祉課長 係長クラスの月額の数字というのは、今、資料を持ってございませんが、年収で申し上げると六百万円前後ではなかったかと承知しております。 ◆中塚さちよ 委員 正規職員だと公務員と一緒ということで、係長クラスだと年収六百万円というのは、なかなか悪くはないと思うんですけれども、ボーナスもない非正規職員とかなり開きが出ています。  民主党は、同一価値労働同一賃金という考え方です。正規職員は、契約、非常勤とは待遇に格差があるならば、その根拠を知りたく思います。どちらも介護の仕事だと思いますが、正規職員と非正規職員では仕事の中身がどう違うのでしょうか。 ◎松本 高齢福祉課長 社会福祉事業団の特別養護老人ホームに勤務する介護職員の雇用の形態と職務の内容でございますけれども、正規職員の場合は、介護サービス提供の全体にかかわる役割を担っておりまして、契約職員ですとか非常勤職員は、その業務の一部あるいは正規職員の補佐的な役割を担う、こういうようなことが全体の分担でございます。  具体的に申し上げれば、正規職員の場合ですと、日々の介護業務を行うということはもちろんですが、個々の利用者のニーズの把握、それから介護方針ですとか介護計画の原案の作成。また、これは一例でございますけれども、サービス向上委員会のリーダーですとか家族への状況説明など、介護の現場での中心的な役割を担っているということがございます。  契約職員は、正規職員の補佐的な役割、非常勤職員などは、同じく介護方針、介護計画に基づきまして直接利用者の介護に従事する、こういった仕事に従事しているというふうに把握しております。 ◆中塚さちよ 委員 いろいろと職務の内容にも違いがあるということでしたが、介護の仕事の場合は、例えば介護事故等が発生した場合、介護サービスを直接提供した介護職員が契約とか正規とかパートとかいった身分にかかわらず、個人として法的責任を負うことになる決まりです。直接介護をする以上、人の体や命にかかわることですから、その責任に重い軽いがあっては、本当はいけないと思います。働いておられる方も、そういった責任を負って日々お仕事をされていると思いますので、格差の改善ややる気のある優秀な方は正規職員に登用など、モチベーションが上がるように計らっていただきたく、要望を申し上げます。  次に、都立梅ヶ丘病院跡地利用調査研究報告書─以下報告書とします─について、幾つか質問をさせていただきます。  まず、報告書に書かれている看護専門学校整備についてお尋ねします。  看護師不足と言われている中で、看護師の育成は社会的には意味のあることのように思われるかもしれませんが、うちの区としてはどうなのか疑問です。と申しますのも、先日、私たち会派の有志で台東区立台東病院を視察してきました。ぴかぴかの病院で、都心にあり、給与も求人票で見る限り悪くないのですが、看護師がとにかく確保できず、開設まで大変だったそうです。  看護師さんは、特に都心で働きたいという人はキャリア志向なので、教育が充実している大学病院、高度医療に携われる専門看護師、認定看護師を育てている、そういった病院に人気が集まっているようです。そのような病院側でも、報酬上高く評価される七対一基準をとるために看護師を囲い込んでおりまして、前政権時のこの七対一基準が地域医療の崩壊にとどめを刺したとも言われています。そのしわ寄せか、本区の特養などでは、近年、深刻な看護師不足です。台東病院は、地元では老人病院という位置づけだそうで、看護師さんにとって余り魅力がなかったのかもしれません。
     ですから、幾ら梅ヶ丘で看護師を養成しても、卒業生がブランド力のある病院へと出ていってしまえば、老健や特養など、また訪問看護といった、また本日、保育園というご意見もありましたが、こうした本区で必要とされているところに看護人材が回っていかないのではないかということが容易に危惧されます。この看護専門学校の整備が本当に本区の看護師確保策のメリットになるのでしょうか、見解をお聞かせください。 ◎田中 保健医療担当課長 調査研究におきましては、看護人材育成という点で、同じ敷地内の施設で実践の場を確保できることから、医療と福祉の連携のために効果的であり、質の高い人材の育成につながることが期待できるとしたものでございます。しかし、地域福祉保健審議会からは、看護師の養成は四年制の大学が中心となってきているため、そのあり方についてさらに検討が必要であるとのご意見もいただいております。  このため、国の看護教育のあり方にかかわる検討状況や人材育成における大学との連携の可能性なども考慮し、議会等のご意見も伺いながら、さらに検討してまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 看護学校の整備は、そういった審議会の意見もあったということで、ぜひ本当に再検討していただきたいということで、再検討されるのであれば、区としては大変賢明な判断と思います。  看護師確保の問題については、以前にも予特で言わせていただいたんですけれども、まずは離職を防ぐこと、働きたいと思える、働き続けられる職場づくりがまず第一で、数だけふやしても、おふろの栓が抜けているのにお湯を入れ続けるようなもので、いつまでたってもお湯はたまらないし、水道代の無駄というものです。看護師さんを呼び込むために、施設の隣に保育所とかそういった魅力ある待遇を打ち出せるよう、区としてもできる取り組みを進めてください。  続きまして、この梅ヶ丘について、在宅療養支援の拠点という観点から、他会派からも本日、ショートステイ、ミドルステイ、リハビリの整備について質疑がございました。私からは、このリハビリについてさらに踏み込んで質問をさせていただきます。  リハビリ難民という言葉が前政権時に席巻をしました。これは平成十八年の診療報酬改定の際に、医療保険のリハビリテーションに算定日数の上限が設けられたことによるもので、翌十九年には我が世田谷区議会にも、リハビリテーション打ち切りの実態把握と改善のための政府への意見書等提出を求める陳情が出されて、このとき我が会派も趣旨採択を主張しましたが、力及ばず継続審査となってしまいました。  ときに、今、この梅ヶ丘の近くにある大きなリハビリの病院が、経営が立ち行かなくて、今月にも閉院になるかもしれないという話が耳に入っております。患者さんたちはほかの病院を自力で探すしかないと、私にもご相談をいただいていて、また新たなリハビリ難民がふえるのではと憂慮される状況です。  報告書では、老健、通所リハビリの整備を考えているようですが、こちらは介護保険の通所リハビリです。介護保険の通所リハビリは、比較的介護度の重い方のデイサービスの役割も兼ねていて、通常は入浴や食事なども含めて五、六時間は拘束されるスタイルですから、こうした医療のほうで打ち切られて移行してくる方、自立度が高く、第二号被保険者などの若い方や、集中してリハビリだけをやりたいという人の希望とミスマッチがあります。  平成二十一年度の介護報酬の改定で、短時間の介護保険のリハビリテーションが評価されるようになりましたが、理学療法士など専門スタッフの手厚い配置と個別リハビリの実施などが算定要件となっています。こういうニーズにこたえられる体制の通所リハビリ施設が整備できるのでしょうか。 ◎田中 保健医療担当課長 調査研究では、リハビリ機能といたしまして、老人保健施設での医療的ケアの必要な方にも配慮した、在宅ケア、在宅生活の継続を支援するためのリハビリ等を想定しております。今後、基本構想の検討段階においては、委員ご指摘のニーズも念頭に置きまして、医療機関における回復期、維持期のリハビリや通所リハビリ、訪問リハビリなどの地域資源の整備状況を勘案しながら、さらに検討してまいりたいと考えております。 ◆中塚さちよ 委員 この梅ヶ丘は、ぜひ区民の多様なニーズにこたえられる在宅支援の拠点として生かされるよう要望いたします。  最後に、本日、本当に多くの会派から質疑が出された在宅医療に関して質問をします。  近年、ますます介護の重度化が進んでおり、胃瘻やたんの吸引など、医療的ケアを必要とされる方がふえています。他会派から、胃瘻の現状についてるるお話がございましたが、胃瘻造設が、医師、医療側主導で進められること、医師は一分一秒延命させることが職務であり、できる治療を行わなかったら法律上罪に問われたりする、そういった医療側の現状認識について、全く正しいと思いました。  しかし、望まない医療という表現、これはだれにとってなのか、本人や家族がそう言うならまだしも、財政の立場とか赤の他人の議員が、胃瘻を望まない医療と片づけてしまうのは、今、やっと区内であちこちこういったテーマのシンポジウムが行われて、区民一人一人がこの問題に向き合っていこうと、そういった場ができたばかりなのに、いささか性急というか乱暴な話かなというふうに感じました。  そこで、この胃瘻やたんの吸引といった(「私が言ったんじゃないよ、医者が言ったんだよ」と呼ぶ者あり)誤解があったのかもしれません、失礼いたしました。今は、こうした医療やたんの吸引といった医療的ケアについては、在宅ではALSなど特定の難病の方を対象に、重度訪問介護、難病ヘルパーなど研修を受けて、家族の同意のもとで行われています。  しかし、胃瘻についてはまだカバーされていません。訪問看護があっても、訪問看護は一回三十分から一時間半までしか算定されないので、通常二時間以上かかるこの胃瘻からの食事介助には、時間が足りません。そしてヘルパーさんでは違法ということなので、結局、家族が張りつきになって介護するしかないのが現状です。現実問題としては、これは特定の疾患とかにかかわらず、介護職の方々がちゃんとした研修とそれに見合ったインセンティブが制度として担保された上で、こうした医療的ケアを行っていくようでないと、立ち行かないだろうと私は考えております。  医療法も絡んでくるので国政の話になりますが、区としては、この医療的ケアということについて、困っておられる区民のために当面何ができるのでしょうか。今後、この問題に区としてどう対応していくつもりですか、お聞かせください。 ◎石橋 介護保険課長 介護職の医療的ケアということでございますけれども、まず最初に、ちょっと定義をさせていただきたいと思うんですが、医療的な行為と言っていますが、医療行為につきましては、医師法等で、原則、介護職は禁止でございます。医療行為に当たらないものにつきましては、もちろん介護職でもできるという内容でお話をさせていただきたいと思います。  平成二十一年六月、厚生労働省は、特別養護老人ホームの介護職員が入所者のたんの吸引、経管栄養を行うことにつきまして、二十一年度中にモデル事業を行い、その結果を踏まえてガイドラインを作成し、平成二十二年度に、条件つきで介護職員による医療行為を認めることを検討しているというふうに伺っております。モデル事業は、百施設程度の全国の特別養護老人ホームで研修を受けた介護福祉士が医師や介護職員の指示を受け、口腔内のたんの吸引と経管栄養の実施に携わり、ガイドラインづくりの参考にするものと聞いております。  介護期間の長期化に伴い利用者の重度化が進んでおり、介護職員が吸引、経管栄養などの一部の医療行為を行わなければならない状況は、今後ますますふえてくるものと思われます。しかし、医療行為は確かな技術と知識を持って行わなければ人体に危害を及ぼす影響があることから、まずはモデル事業の実施状況を踏まえまして、ガイドラインや研修体系、利用者の安全を担保する仕組みを整えていくことだろうというふうに考えております。 ◆中塚さちよ 委員 医療行為に当たるということと、あと、人体に危険もというようなお話でしたけれども、私は、この問題はそういったこと以上に、政治の問題なのかなというふうに考えてもいるんですが、まずは施設でのそういった取り組みが始まるということで、第一歩ということなのかもしれませんけれども、施設のほうで検証していくということでは、在宅の老老介護ですとか今本当に深刻なところの介護の問題の助けにはならないと思います。  今、医療技術の進展と介護保険が制度化されたことで、現場では十年以上もこのことが問題になっていることを考えると、本当に一刻も早くこうした医療的ケアについての解決が見られないと、皆さんどんどん高齢化していって、お亡くなりになられたり、ますます介護も深刻になっていますので、私も全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、区としても先駆的な取り組みをぜひ進めていってください。  最後になりますけれども、札幌市のグループホームで火災の事故がございました。ちょうど昨年の予算特別委員会で私は無届け老人ホームの問題を取り上げたところ、まるで予言をするように三日後、たまゆらの火災の事件が起こりまして、今回は札幌のグループホームで七人亡くなったということです。札幌市は人口が百六十万程度だったと思いましたが、グループホームが百二十カ所以上もあるということで、足りない、足りないと言って整備ができないうちの区から見ると、ある意味うらやましいんですけれども、たくさんできて、中身がそうした把握が追いつかないというのは、非常にまずい状況だと思っています。  グループホームというのは、ワンユニット九人で、宿直は一人で行うことが結構多くて、この火事のときも、二十五歳の女性の職員が一人で泊まっていたということでした。九人の認知症の方々の命や健康をたった一人で一晩預かるということは、本当に急変があったらどうしようとか、災害があったらどうしようとか、大変不安な気持ちで職員の方も当たっていると思います。多分、経験した人でないとなかなかこういう気持ちというのはわからないのかなと思いますが、恐らくこういう事故が起こってしまいますと、そこの職員の方も、トラウマでもう現場にも復帰できないでしょうし、本当に亡くなられた方の命は取り返しがつきません。  我が区でもこういったことが起こらないように、ぜひ事業者には、何かあったときの防火安全対策の徹底というのを求めていただきたいと要望申し上げまして、民主党の質疑を終わりにさせていただきます。 ○山内彰 委員長 以上で民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時七分散会...