世田谷区議会 2009-11-26
平成２１年 １２月 定例会－11月26日-02号
平成２１年 １２月 定例会－11月26日-02号平成２１年 １２月 定例会
平成二十一年第四回定例会
世田谷区議会会議録第二十一号
十一月二十六日（木曜日）
出席議員（五十一名）
一番 大庭正明
二番 田中優子
三番 小泉たま子
四番 岸武志
五番 桜井稔
六番 中里光夫
七番 西村じゅんや
八番 川上和彦
九番 高久則男
十一番 青空こうじ
十二番 ひうち優子
十三番 村田義則
十四番 里吉ゆみ
十五番 藤井まな
十六番 中村公太朗
第 一 代表質問
第 二 一般質問
第 三 議案第 百八 号 世田谷区長等
の給料等に関する条例
の一部を改正する条例
第 四 議案第 百九 号 世田谷区監査委員
の給与等に関する条例
の一部を改正する条例
第 五 議案第 百十 号 世田谷区
教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例
の一部を改正する条例
第 六 議案第百十一号 世田谷区議会議員
の議員報酬及び費用弁償等に関する条例
の一部を改正する条例
第 七 議案第百十二号 職員
の給与に関する条例
の一部を改正する条例
第 八 議案第百十三号
幼稚園教育職員の給与に関する条例
の一部を改正する条例
第 九 議案第百十四号 職員
の特殊勤務手当に関する条例
の一部を改正する条例
────────────────────
本日
の会議に付した事件
一、日程第一 代表質問
二、日程第二 一般質問
三、日程第三から第九
企画総務委員会付託
────────────────────
午前十時開議
○川上和彦 議長 ただいまから本日
の会議を開きます。
────────────────────
○川上和彦 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔星次長朗読〕
日程第一 代表質問
○川上和彦 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。
質問通告に基づき発言を許します。
せたがや政策会議を代表して、一番
大庭正明議員。
〔一番
大庭正明議員登壇〕（拍手）
◆一番（大庭正明 議員） おはようございます。せたがや政策会議
の代表質問を始めます。
最初に、今後
の区財政について伺います。
昨日
の答弁で、実質百四十億円
の財政収入減が見込まれるということですが、ついこの前
の決算
のときには七十億円
の減ということでしたから、大変な落ち込みです。しかも、ことし後半に入って、経済は
デフレスパイラルに入っております。例えば、最近、ビジネス街では二百円割れ
の弁当が出現するという事態にもなっております。それほどサラリーマン
の財布
のひもは厳しく、値段を下げないと売れないということです。また、衣料品などでも、ことし三月に千円を割るジーンズが販売されて、これまた話題を呼びましたが、何と先月には、ドン・キホーテで六百九十円
のジーンズが出されました。要するに、資本力
のある大型量販店が生き残りをかけて消耗戦に入っているということです。消費者にはうれしいものの、経済は確実に縮小に向かっております。今、町
のあちこちで目にする
のは値下げ
の文字ばかりです。
さらにそこへ来て、政権交代という不確定要素が加わりました。事実上
の初めて
の政権交代ということもあって、実務になれる
のに時間がかかるということもあるでしょうが、そんなことを言っている場合ではありません。世田谷区においてさえ、予想だにしなかった百四十億円
のダウンです。これがよそ
の地方自治体においてどんなことになっているか、容易に想像ができるところであります。
確かに地方自治体
のあり方として、これまで
の中央依存
の体質や公共事業丸投げ
の税金
の使われ方は改めなくてはなりません。これは政権交代を望んだ多く
の国民
の声であり、期待でもあるでしょう。そして、長く続いた
自民党政権ではなし得ないことだったとも思います。
しかしながら、中央依存
の体質や公共事業丸投げ
の税金
の使われ方について、単に予算をカットするだけでは改まりません。具体的には、もっと踏み込んで、これまで
の国による地方を統制するさまざまな仕組み、これら
の中には補助金だの交付金だの、あるいは事業
の特殊な解釈
の仕方だの、さまざまな役人同士、役所同士
のルールや慣習があったわけで、それらをどう変えていくか。これら
のことに手をつけずに、単に予算のみをカットしただけで改められることではありません。その後
の処方せんなり、新たなルールを示さないと、地方行政は単にとまってしまうだけであります。
その意味では、政権交代が実現しても、民主党
のいわゆる野党体質は直っていないと思います。何でも廃止、ストップ、見直しと主張すれば事足りた野党時代とは立場と責任が違います。政権党となった今、廃止、ストップ、見直しを主張する
のはよいとしても、その後
の手当てまで十分に準備する義務が伴うということであり、地方
の現場からすれば、どうもそのあたり
の自覚が不十分だという気がいたします。
そういうこともあってか、今回
の区長招集あいさつにおいても、国においては、区
の予算編成に影響を及ぼすこと
のないよう、国
の予算を年内に編成するよう強く求めるものですという異例
の一文が加わっております。
そこで、ここまでるる述べてきました区財政に対する逆風、それも予想をはるかに超えた経済情勢
の悪化、昨日よりいろいろありましたが、改めて
の見解と
招集あいさつの部分、つまり、国
の予算編成が年内にできなかった場合、具体的にどういうことが想定される
のか伺います。
次に、財政状況がこうなると、既に触れましたが、政権交代も相まって、これまで
のような国
の事業や補助金
のシステムも変わっていく可能性が高いわけです。しかし、その処方せんはなかなか出てこない。財政難に加えて、さらなる不確定要素が立ちふさがっているわけです。
そこで先に、通告
の三番目になりますが、主要施策
の見直しについて伺います。
税収が落ちる。これは家庭においても収入が落ちたら、真っ先に考える
のが大きな買い物
の予定をどうするかということであります。世田谷区においても大きな予算を伴う課題として、庁舎問題と
梅ヶ丘病院跡地の問題があります。これは具体的なスケジュールには至っておりませんが、多く
の区民
の関心事であることは間違いありません。
特に庁舎問題については、既に新聞報道で、豊島区では財源確保が危ぶまれるとか、あるいは板橋区では庁舎改築を一時凍結とか伝えられております。
世田谷区
の庁舎問題については、築四十九年という本庁舎をどうするかという問題が進行中であります。私たち
の会派も、これまでさまざまな意見や提案をしてきたところです。それは大まかに二点に絞られます。すなわち、交通
の便
のよいところに移すことは考えられないか、現庁舎がまだ使えるうちに壊すことには反対ということです。
災害対策機能については後ほど触れさせていただきますが、もちろんこれらは財政と
の見合いを図りながら、私たち
の会派としても慎重に検討してきたところです。その根拠として基金
の積み立てがありました。本年度当初
の基金残高は七百二十二億円であります。過去を振り返れば、今からちょうど十年前
の平成十一年ごろが二百九十四億円だったことを思えば、順調な財政再建が熊本区政になって進んできたということが言えます。実際、ここ四年間でも年平均六十億円前後
の積み増しが進んできました。本年度当初が七百二十二億円ですから、庁舎問題が具体化するころまでには、つまり、このまま毎年六十億円前後で積み増しが続けば、何とか五、六年で一千億円近くになる
のではなかろうかという
のが大まかな見通しだったわけです。
ところが、昨年
のリーマン・ショック以降
の経済変動は、それまで
の財政見通しを一変させるものとなりました。七百二十二億円
の基金残高は、来年度当初で、ふえるどころか、逆に六十五億円も減るということであります。これには、今回明らかになった百四十億円
のダウンはまだ含まれておりません。さらに経済情勢が
デフレスパイラルに転じている経済状況では、基金も赤字補てんに回さざるを得ない事態も想定されます。少なくとも梅ヶ丘
の計画が先行している以上、庁舎問題については、本格的な改築も、また本格的な改修すらも一たん見送るべきだと考えます。
梅ヶ丘病院の跡地
の問題と庁舎改築についてどうする
のか伺います。さらに、このような財政状況、国
の状況を考えて、
区財政全般の見直しについてどのような方針を立てて臨む
のか伺います。
次に、厳しい財政状況
の中で、行政も議会も、みんなが査定大臣にならなければ、歳出だけが増大し、行き詰まることになります。こういうときこそ、どこを削り、どこを伸ばすかという議論が重要となります。それは、ひいては税金
の使い道ということになりますが、そういう情報をもっとオープンにすべき時期に来ている
のではと考えます。
そこで、通告にありますように「
予算編成公開の時代に」ということになる
のですが、これは先ごろ行われて話題にもなっております、国
の事業仕分けというものと相通じるものでもあります。
しかしながら、実はああいうことは、この世田谷区でも財政課と各所管が毎年夏を過ぎたころからやっているわけです。そこで、それをいきなり公開
の場でやれということではありません。というのも、国
の事業仕分けという
のも、報道にあるとおり、権限がどこにある
のか、
事業仕分けの結論が大臣によって否定されたり肯定されたりと混乱している部分もあったりで、つまるところ、決めたように見せて、実は決まっていないという非常に中途半端なものであります。国民
の関心を呼ぶという意味では大成功でしょうが、責任ある議論としてはまだ不十分であります。
地方議会では制度
の仕組みが国とは異なることもあり、現実的な提案とすれば、まず議会に予算案を提出する段階で、内部で
の議論というものをもっと公開すべきではないかということです。
こういうことを申し上げる
のも、我々は予算案というものをある意味完成されたものとして受け取るということを長らく続けてきました。それは一つには、役人
のつくり上げた予算というものには間違いがない、そういう前提があったわけです。しかしながら、昨今
の政治情勢は、また有権者
の意識
の高まりから、役人は確かに正確かもしれないが、時代おくれだとか、本当に求められているものやそうでないものを見分けることができている
のか、あるいは知らぬ間に役人に都合よくつくられていないか、前例踏襲で効果も考えず、ただ続けているだけではないか、こういうことに疑問が差し挟まれるようになってきました。
また一方で、行政内部だけで抱えている情報としてこんなこともあるわけです。今定例会に提出される
国民健康保険条例の一部改正
の条例、この改正内容は国保料
の延滞金
の利率を下げようというものです。しかし、この改正は別に利率を上げようが下げようが全く関係がない
のです。なぜなら、国保料
の延滞金を、世田谷区はこれまで一度も取ったことがないからであります。しかしながら、一方で国保料
の滞納問題は、世田谷区議会においても、決算、予算を通じて大きな問題となっております。特に払える
のに払おうとしない人たちが大問題であります。そういうことを考えると、延滞金を取るとか取らないとかということは、滞納問題における一つ
の有力なツールとして議論になるはずです。実際、何年か前に駐車違反
の罰金を上げたら、途端に減ったという実例もあるわけですから。
こういうことも含めて、本来なら議会で
の議論になるべき問題が行政内部で
の議論でとまっている
のです。しかも、そういう判断を行政だけでやっている、このことについても見解を求めます。
次に、
子ども政策について伺います。
世田谷区では東京で一番子育てしやすいまちを掲げておりますが、実は二十三区
の北区でも、「子育てするなら北区が一番」と掲げております。素朴な質問として、どっちが一番な
のでしょうか。そしてどのように違う
のでしょうか。また、共通する
のはどんなことでしょうか。特に子育て福袋というネーミングといい、また内容的にも、世田谷区としても参考になる
のではないかと思いますが、伺います。
次に、緑政策について、さらに関連して環境政策について伺います。
現在
の世田谷区
のみどり率は二五・五％ですが、地域で分けてみますと、世田谷・北沢地域だけ
の平均は一八％な
のに対し、玉川・砧・烏山地域
の平均は三〇％です。一八％
の地域と三〇％
の地域、倍近く
の開きがあるわけです。これを一くくりとしてみどり33としてとらえる
のはどうなんでしょうか。つまり、緑政策は同じ世田谷区でも地域によって異なる視点で政策を講じなければ、みどり33そのものがなし崩しになるように思えます。見解を伺います。
さらに、緑減少
の大きな要因となっている農地
の問題について触れます。
今回
の区長招集あいさつでも、農業振興、農地保全について述べられています。そこには、若い後継者が夢と希望を持てる都市農業
の実現など、新たな施策
の実施に向け着実に取り組みを進めているとあり、区長
の、何とか世田谷
の農業を支え、農地を残したいという思いは伝わってきます。ただ、それに加えて新しいアプローチも必要ではないかと考えます。
これから申し上げることは、担当課長から直接世田谷
の農業について確認したことですが、それによりますと、世田谷区
の農地面積はここ二十年で半分に、平成元年
の二百四十七ヘクタールから現在
の百二十ヘクタールに半減しております。また、農家
の戸数も、平成元年
の六百七十六戸から現在
の四百十一戸と約四割も減っている
のです。その四百十一戸
の農家といっても、現在では専業
の農家は一つもありません。すべて兼業農家であります。
さらに、兼業農家といっても、総所得に占める農業所得はわずかに一割程度が大半ということであります。では、その一割を占める農業所得はどうかといえば、ほとんど
のところで農業
の年間売り上げが二百万円未満ですから、そこから経費を引けば、月額一人手取りで五万円から十万円という計算になります。逆に言えば、世田谷
の農家
の収入源は九割近くが
不動産収入等によって支えられているということで、つまり、農業にかける思いは別にしても、現実
の世田谷
の農業という
のは不動産業
の方々が担っている。平たく言えば、大家さんたちによって世田谷
の農業が維持されているという言い方ができる
のです。
もう一つ
の問題は、先ほども申し上げましたが、兼業
の農家戸数は四百十一戸ですが、そこから
の農業従事者数という
のは約九百七十人いらっしゃいます。しかし、その六割
の方が現在六十歳以上
の方々であります。この方々にはぜひとも頑張っていただきたいと思いますが、冷静に考えれば、相続
の問題は、今後そう遠くない時期に集中して訪れるということです。そして調査によれば、後継者問題についても現状では六割が見つかっていないという
のが実態であります。
以上
のようなことから、もっと農家
の現実を直視した現実的な政策を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。農業を守るという視点は大切ではありますが、世田谷における農地を守る、緑を守る現実は時間と
の闘いであります。このことについて見解を求めます。
さらに、みどり33を実現するということからすれば、一度農地が宅地化してしまったら、公共用地として再び一体
の土地として購入することは、だれが考えても困難であると思います。そうすれば、どうしても先行取得
の問題、ひいては土地取得
の資金
の問題にたどり着きます。これは冒頭申し上げた財政難
の時代とは相反するかもしれませんが、そもそも区はみどり33
の資産価値をどう評価している
のかということです。緑
の環境を高めることへ
の資産価値へ
の影響、つまり、世田谷区
の住宅都市として
の価値が高くなるということですが、そのあたり
の検証ができていないから、いつまでも思うような買い取り
の決断ができない
のではないかと思います。このことについても見解を求めます。
さて、庁舎問題
の議論
の過程で、
災害対策本部機能が世田谷区は著しく劣っていることが明らかになりました。この問題については、庁舎問題と一体で解決を図ろうという動きもありましたが、現在
の経済情勢では庁舎問題
の具体的進展が難しいということは既に述べたところであります。
しかしながら、財政難だから直下型地震がやってこないということではありません。依然として
災害対策本部機能の問題は残されています。財政難であればそれなりに、例えば、せめて近隣
の公有地等を活用するなり、庁舎問題とは切り離して具体策を講じるべきだと考えますが、見解を伺います。
以上で壇上から
の質問を終わりますが、なお、広報について
の質問は、時間
の関係で次
の機会にいたします。（拍手）
〔
熊本区長登壇〕
◎熊本 区長 ただいま
の大庭議員
の代表質問にお答えさせていただきます。
経済悪化、政権交代に伴う諸事情
の変化に対して
の区財政について
のお尋ねでございます。
企業業績
の悪化や区民
の給与所得
の減少などによる区財政へ
の影響は大きく、来年度
の特別区税、特別区交付金
の減収は、最初
の七十億円程度
の予測から百四十億円程度に膨らむと予想しているということは昨日からも申し上げているわけでございますが、国では新たな政策方針に基づき、事業
の見直しや制度改正などさまざまな検討を進めておりますが、特に税制改正や国庫支出金
の見直しなど、区
の予算編成上大きな影響を及ぼす課題が多く示されております。これら
の動向は、現在見通しが明らかでなく、また、区としても当面厳しい財政状況が続くと想定されることから、国
の動向を注視するとともに、区民
の目線から政策目的と優先順位を一層明確にし、予算編成に取り組むことが求められていると考えております。
続きまして、財政状況や国
の状況を考慮した
区財政全般の見直しについて
のお尋ねでございます。
私は区長就任以来、区民
の生命と財産を守ることを区政
の最優先課題と位置づけ、安全安心
のまちづくりを基本に、予防型行政
の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。お話にもありましたように、急激な財政状況
の悪化は予測をはるかに上回るものであり、九月当初、実施計画・行政経営改革計画等
の緊急見直し方針により示したところでありますが、現下
の状況に照らした対応がさらに必要であると思っております。
具体的には、この間、施策
の優先順位を明確にし、各事業
の内容や手法を再点検するとともに、喫緊
の課題である保育サービス待機児対策など、重点施策をより効果的、効率的に進められるよう見直しを進めてきております。
しかし、来年度
の歳入は特別区税や特別区交付金など
の大幅な減額により一層深刻な状況になることが想定されておりますので、新たに歳出削減
の基本的考え方を定め、安全安心
の観点から検証を行った上で、新規・拡充事業を見送るなど、歳出削減を徹底するよう全庁に指示したところでございます。
その他につきましては、所管よりお答えさせていただきます。
以上です。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 一点目に、国
の予算を年内に編成するよう切望しているが、年内編成ができない場合、具体的に区財政はどうなるか、ご答弁申し上げます。
議員ご案内
のとおり、国と地方
の予算編成
の関係で申し上げますと、暫定税率
の廃止問題など税制改正等
の関連では、区
の歳入
の中心となる特別区税や各種交付金等
の収入見込みに影響し、子ども手当など新たな事業
の地方負担
のありようについても、区
の財源見通しに大きな影響を与えるものであります。
ちなみに子ども手当でありますが、昨日
の国会衆議院財務金融委員会で、藤井財務大臣答弁におきまして、マニフェストには国が全額払うとは一切書かれていないという趣旨
のお話があったということでありますし、今後
の予算編成過程で、地方・企業負担
の取り扱いについては検討する旨
の報道がございました。また、国
の予算案
の閣議決定を十二月三十日とする案が浮上している旨
の報道もございます。
いずれにせよ、国では年内に予算編成することを平成二十二年度予算編成方針として閣議決定しておりますが、十二月末まで
の年内編成がされたとしても、個々
の新たな制度等についてその詳細が明らかにならない場合などは、区
の予算編成
の日程と
の兼ね合いとなってまいりますが、種々
の状況を想定しておく必要がございます。こうした観点から予算編成作業を進めていきたいと考えておりまして、状況に応じて改めて区長
のご判断を仰ぎ、適切に対処してまいります。
次に、予算編成におけるプロセスを公開せよと、ご答弁申し上げます。
予算編成におきます透明性、公開性は、区民
の代表である区議会においてご議論、ご審議をいただく上でも重要であることは、議員ご指摘
のとおりと認識しております。
このため、これまでにおきましても、区では予算編成方針を九月
の常任委員会でご報告させていただき、区議会第三回定例会におきまして、前年度
の決算審議とあわせ、翌年度予算に係るご意見、ご提案をいただき、さらに各会派から
の予算に関するご要望を踏まえ、予算編成作業を進めてまいったところであります。その後、例年十二月
の下旬には、その時点で
の予算編成
の途中経過について議会にもお示しをさせていただき、予算案がまとまりました際には、正式な提案に先立ちまして、例年ですと一月下旬ごろにご日程をちょうだいいたしまして、予算
の概要を議会にご説明させていただいております。
今日
の状況は、ただいまご提案いただきましたように、より一層
の公開性が求められていると受けとめております。できる限り
の情報をご提供申し上げ、議会で
のご議論、ご審査に資するよう努めていきたいと考えております。
三点目に、
梅ヶ丘病院跡地、庁舎改築等に関して、今日
の財政状況を踏まえた今後
の対応についてご答弁申し上げます。
本庁舎
の整備につきましては、現在、地方分権・庁舎問題等対策特別委員会において答申結果等を踏まえたご議論をいただいております。ご案内
のとおり、答申
の中では、改築に当たっては現在地が望ましいとされております。しかしながら、その実現
のためには、引き続き一定
の用地取得を行う必要がございます。
二つ目に、より交通至便
の場所
の可能性について、区として検討すべきである、こういった幾つか
の課題
の指摘をちょうだいしておりまして、その解決自体、一定
の時間を要することを改めて認識しているところであります。加えて、今日
の世田谷区
の財政状況を十分念頭において、中長期
の財政計画を見定めた上で取り組むべき課題だと考えております。
一方、都立
梅ヶ丘病院跡地につきましては、この間取り組んでまいりました調査研究結果、これに対する議会
のご意見、ご提案等を踏まえまして、区として
の考え方を整理した上で、東京都
の動向を注視しつつ、中長期
の財政計画に照らしてどのような方法をとれば財源負担
の軽減を図れるかなど十分検討していく必要がございます。
今後、ご指摘にありましたこの大きな課題二つにつきましても、来年度予算編成
のプロセス
の中で、改めて区長
のご判断を仰いでまいります。
◎佐藤
保健福祉部長 私からは、国民健康保険料
の延滞金
の条例に係る議論や情報をあらかじめ公開すべきと
のご質問にお答えします。
国民健康保険料につきましては、昭和四十年に延滞金減免規定が設けられて以降、条例
の規定により免除してきております。その理由としまして、本保険料
の徴収を優先し、差し押さえ等滞納対策を一層強化すること、滞納対策
の一環として資格証明書や短期証
の発行を行っていること、そして滞納へ
の抑制効果も考えられますが、今日
の深刻な経済状況等を総合的に判断し、区としまして、当面減免措置を継続すると判断させていただいたところであります。
一方、二十三区課長会において、各区
の対応や考え方について
の情報交換を行ったところ、延滞金に対する考え方は、大半
の区が当区と同様
の考えとなっておりますが、延滞金に係る条項を設けていない区として中央区、現在滞納金を徴収している区として中野区、今後徴収に向けて検討している区として江戸川区があると聞いております。
区におきましては、この間、関係部課と延滞金に対する対応について協議検討を行い、先ほど
の理由から、当面は延滞金
の減免措置を継続するとともに、他
の保険料と
の均衡や今後
の区民
の利益を考慮し、規定整備を行う必要がある旨、区長
のご判断を仰ぎまして、条例改正について保健福祉常任委員会にご報告申し上げ、このたび提案させていただいたところであります。ご指摘にありました議論
のプロセスにつきましては、今後可能な限り情報提供に努めてまいります。
以上です。
◎藤野
子ども部長 東京で一番子育てしやすいまちを標榜する世田谷と「子育てするなら北区が一番」
の北区とどう違う
のかというご質問にお答え申し上げます。
世田谷区、北区ともに、子どもが健やかに育つ環境を地域社会全体で築くことを目指して、おおむね同様
の趣旨で取り組みを進めているものと認識しております。しかしながら、例えば児童人口や地域特性など
の違いもあり、実情に応じて、それぞれ特色ある取り組みが展開されているところでございます。
世田谷区では、出産直後
の育児不安
の軽減を図る産後ケア事業、発達障害という比較的新しい障害分野へ
の総合的な支援拠点として
の発達障害相談・療育センター、児童虐待
の緊急対応等を行う専門職による児童虐待対策支援チーム設置、子どもが自分
の責任で自由に遊ぶことをモットーとしたプレーパーク、子育て支援から子ども
の成長支援までを対象とした共助
の仕組みである子ども基金など、多様性と先進性を持った取り組みを進めてまいりました。お話にございました北区
の子育て福袋は世田谷区
の母と子
の保健バッグとほぼ同様
の内容
のものですが、子育てほっとタイム利用券など参考となる点もございます。
いずれにいたしましても、北区に限らず、他区
の施策で参考となる点は取り入れ、今後とも「東京一子育てしやすいまち世田谷」を目指してまいります。
以上でございます。
◎井伊 みどりとみず
政策担当部長 緑政策につきまして、緑政策は地域によって異なる視点で政策を考えよと
のご質問にお答えいたします。
みどりとみず
の基本計画では、みどり33を目指すため
の目標と地域別
のみどりとみず
のまちづくり方針を定めております。
みどり率
の低い地域として挙げられた北沢地域は公園
の少ない地域が多く、公園用地取得基準に公園不足地域として優先的取得を位置づけております。一方、玉川・砧地域では、国分寺崖線
の保全が重要であり、これまで国分寺崖線保全整備条例
の制定、みつ池など公園用地として
の取得、市民緑地など、さまざまな形で保全を図ってまいりましたが、今後もこのような保全に取り組んでまいります。また、烏山地域を初めとする農地
の多い地域では、新たに定めました農地保全方針に基づきまして農地
の保全に取り組んでまいります。さらに緑をふやすため
の取り組みは、緑化基準
の強化など、全区において行うものとして取り組んでまいります。
また、みどり33
の資産価値
の評価、それから住宅都市として
の価値を上げる検証をして、買い取りを決断すべきと
のご質問にお答えいたします。
毎年行っております区民意識調査では、世田谷区に住み続けたい理由についてお聞きしておりますけれども、自然や町並みなど生活環境がよいことが常に上位に挙げられておりまして、緑が住宅都市世田谷
の資産価値を高めることは十分認識しております。そのため、これまでも重点施策としてみどり33
の取り組みを推進してきており、その一環として公園緑地
の買い取りについては、公園緑地用地取得基準や農地保全方針を定めたところでございます。方針等に基づき財源を確保し、公園緑地あるいは農地
の買い取りを進めてまいります。
以上でございます。
◎田中
産業政策部長 農家
の現実を直視した現実的な政策を立てるべき、ご答弁申し上げます。
区内
の農家はそのほとんどが兼業農家です。生産緑地法
の施行により、多く
の農地が生産緑地と指定されたものの、相続時
の不安などから一部を宅地化農地にしている農家が多く、その固定資産税支払い
のためにも、駐車場、アパート経営など不動産業を営みながら農業を継続しておられます。
このような兼業
の形は都市農業においては多く見られ、専門家
の意見も伺いながら、区としてこの兼業
の形を基本に置いて都市農業
の振興を図ることといたしております。
さらに、お話し
のとおり、農業従事者
の高齢化も進んでおりますが、農家
の子ども世代が農作業に戻ってくる現象も見られ、そのため
の世田谷独自
の農業塾においても農家
の二世
の育成が進んでいる状況です。
これら
の状況を踏まえ、熊本区長より、若い後継者が夢と希望を持てる都市農業
の実現を目指すという指示を受けました。これは現在
の兼業農家
のあり方を前提に、いかに若い世代に世田谷
の農業を引き継いでいくか。そのために、区としてさまざまな努力をしていくべきと
のことです。
所管として、農業者、農協などとともにこの課題に真摯に取り組み、兼業部分
の生産性を高めるため
の認定農業者制度
の導入、農業塾
の充実、施設栽培支援強化、野菜畑へ
の転換支援、「せたがやそだち」
の流通促進など、さまざまな支援策を充実させ、今後とも全力を挙げて農業・農地保全に取り組んでまいります。
以上です。
◎河合
危機管理室長 厳しい財政状況
のもと、庁舎問題は当面動かない見込みが強い。現庁舎は防災拠点として
の課題がある中、
災害対策本部機能の確保に向け、庁舎問題と切り離して考えるべきというお考えにお答えをいたします。
現在
の庁舎等は災害対策
の面や区民サービス
の面等多く
の問題点を抱えており、その抜本的解決策として、改築
の際には
災害対策本部機能を有した一体的な建物とすることが望ましいと考えております。
なお、現在
の庁舎等につきましては、この間
の耐震補強工事により相当
の耐震性を有してございますが、万が一に備えるバックアップ施設として、まず第三庁舎を、次に砧総合支所庁舎等を想定してございます。これら
の施設には、情報通信設備を初め、バックアップ施設として最低限備えておかなければならない機能を整備してございます。
区としましては、今後とも国や都、警察、消防を初めとした防災関係機関、区民、事業者等と連携協力し、災害対策に万全を期してまいります。
以上でございます。
◆一番（大庭正明 議員） 基金
の問題ですけれども、現在、七百億円を割るぐらいになっているんですが、今後予想される大きな出費として、これは都市計画法ですから返ってくるという部分もあるんですけれども、二子玉川
の公園、これで二百億円ぐらい、それから梅ヶ丘
の土地でも、これは取得となると百数十億円、さらに、上物を建てれば数十億円ぐらいさらに加わるわけです。これを足しただけでも四百五十億ぐらい軽くなっちゃうんですね。ですから、七百億円基金があったとしても、梅ヶ丘はまだ決まっていないですけれども、梅ヶ丘を視野に入れると、もう既に四百五十億円ぐらいが使い道が決まっているわけです、返ってくる
のもあるんですけれどもね。
そういう中で、やはり厳しい財政状況
の中で、今後いろいろ、先ほども言われましたように、子ども手当
の部分が地方負担になれば、百億円ぐらいまた要るかもしれないというお話がきのうありました。ぜひ世田谷民主党
の方々には世田谷
のために頑張っていただきたいと思うんですけれども、そういう財政事情をよく考えて、庁舎問題という
のは、これはある意味、永遠
の課題だと思うんですね。つくっても、さらにまた次
のことを考えていかなくちゃいけない。
一番大事な
のは、区議会がリードするとか、または役所がリードする形で庁舎はつくられるべきではないという
のが我々
の考え方なんです。あくまでも区民に望まれるような庁舎をつくるべきだ、そういう形でやるべきだと。従来
のように、もうつくることが決まっているというような話ではないんです、現実には。要するに、つくるとかつくらないとかという
のは、区民
の皆さん
の意見を反映しながらやっていく。特に財政問題を勘案しながらやっていくという考え方で臨むべきだと思います。
私が申し上げたい
のは、例えば砧
の支所
のときでも、つくるつくらないということだけが最大
の政治的争点になっちゃって、結果としてできて見ると、青空議員が言われるように舞台が不十分だったと。中身
の検証に至らないような形で、本格的、本当
の議論をしないうちに、要するに庁舎問題というものがなってしまうということに私は疑問を感じているので、本当
の議論をやっぱりしていきたい。先ほど
の副区長
の答弁
の中でも、着工に至るまでにもさまざまな課題があり、それらを解決するには一定
の時間がかかるという形で、その辺は価値観を共有していると思いますので、じっくり時間をかけながらいいものをつくっていきたいというふうに我々は考えております。
それで、一点だけ再質問をしたいんですけれども、これはちょっと許せないと思う答弁だったんですが、危機管理室
の答弁
の中で、本庁舎はこれまで耐震補強工事をしてきたので相当
の耐震性がある。バックアップ体制についても、第三庁舎、さらには砧新庁舎を加えて、最低限置かなければならない機能は十分整備されているというような答弁があったんですけれども、この認識は、甚だ僕はそういうことで違うということでこの場で議論させていただいたのに、知らない間に、もうそれはできちゃっているんですか、その認識を確認したいです。認識はどうなんですか、そういうことなんですか。そういうことであれば、我々も考え方はいろいろありますよ。ちゃんと答えてください。
◎河合
危機管理室長 お答えします。
現庁舎
の耐震性ですが、直下地震に対しましても新耐震基準
のIs値を確保しているということでございまして、ただ、議員が以前からご指摘
のように、揺れ
の方向ですとか、いろんな場合においては設備的に損壊するというような可能性も認識してございますので、そういう場合に備えましてバックアップ設備を用意しているということでございます。
以上でございます。（「改築
の必要ないじゃないか」と呼ぶ声あり）
◆一番（大庭正明 議員） それは木下さん
の言うとおり。そうなってくると、改築
の必要性はあったとしても、緊急的な改築
の必要性という
のが問われてくるような答弁になるんじゃないですか。その辺は、区としてはちゃんと認識を明らかにしてくださいよ。どういうことなんですか。いいんですか、今
の危機管理室
の答弁で、議事録に残っちゃいますよ。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 この間、ご答弁をさせていただいておりますけれども、平成十五年に熊本区長がご就任された後に、幾つか
の課題
の中に庁舎問題というものがございました。その際
の熊本区長
のご判断といたしましては、これは議会でもご答弁申し上げておりますけれども、それまで
の長きにわたる間、基本的に安全安心
の拠点である災対本部機能が十分発揮できないような庁舎では困る。そのことから、そのあり方について、やはり議会
のご提案をいただきながら、審議会を立ち上げてご議論いただこうと。それが先ほど申し上げたような、たしか答申で四項目ぐらい
のご指摘があったと思います。
したがいまして、河合室長が申し上げている部分は、基本的にそのような認識でいることは間違いございません。ですから、（「バックアップ体制十分だって言ったじゃない」と呼ぶ者あり）ええ。そういう意味で、今後とも、議員おっしゃっていただいておりますように、区民
のためになるような庁舎整備というものを考えていきたい、このように思っております。
○川上和彦 議長 以上で
大庭正明議員の質問は終わりました。
これで各会派
の代表質問は終了いたしました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、日程第二を上程いたします。
〔星次長朗読〕
△日程第二 一般質問
○川上和彦 議長 一般質問について
の発言時間は一人十分以内といたします。
質問通告に基づき、順次発言を許します。
三十番宍戸のりお議員。
〔三十番宍戸のりお議員登壇〕（拍手）
◆三十番（宍戸のりお 議員） 質問通告に基づき質問してまいります。
これまで、地球温暖化対策については何度も質問してまいりました。具体策として、太陽光発電助成、ＬＥＤ照明装置
の利用促進や電気自動車
の導入など、さまざまな施策を提案してきました。このうち太陽光発電については、区は今年度から個人用住宅に設置する太陽光発電装置について設置助成を開始しました。ところが、上半期、下半期
の募集とも、あっという間に助成枠が埋まってしまったと聞いております。このことは、世田谷区民
の環境意識がいかに高いかを如実に示すものであります。もとより、地球温暖化を食いとめるためにはグローバルな協力が不可欠ですが、これを実践する一人一人
の個人
の意識と行動に裏打ちされなければ絵にかいたもちに終わってしまいます。
今回、太陽光発電
の導入を決意された区民
の方々は率先してＣＯ２削減に向けた取り組みを実践しようとされているわけであります。区は、環境意識
の高まっているこの機会を逃さず、あらゆる施策を通じて低炭素社会
の実現に向けて取り組んでいかなければなりません。
とりわけ、太陽光発電を初めとして、区民
の生活
の中で
のエネルギー消費について、さらなる取り組みを進めていく必要があります。区は、既に平成十八年三月に温暖化対策地域推進計画に相当する地域省エネルギービジョンを策定し、エネルギー消費
の少ない高効率機器
の普及促進や集合住宅
の省エネなどに向けて取り組むとしています。また、同じ十八年、家庭で
の省エネルギー対策
の一環として、単年度ではありましたが、区内
の住宅に高効率給湯器を導入する方へ費用
の一部を補助しております。そのときも区民
の方々
の環境意識は高く、二百七十八件という約五千万円
の助成枠が、今年度
の太陽光発電同様に短期間に埋まっております。
省エネ技術は日進月歩であり、大気熱を活用したＣＯ２冷媒ヒートポンプ給湯器も開発されていると聞いています。わずかな電気で空気中
の熱をくみ上げるヒートポンプは、投入するエネルギー
の三倍から六倍
の熱エネルギーが得られるそうであります。したがって、この機器はＣＯ２を効果的に削減することができ、経済的効果も見込まれる機器で、太陽光発電と組み合わせることで、二酸化炭素排出量が従来
の二分の一になることが見込まれるそうであります。このような機器を活用してはどうかと考えますし、しかも、このような高効率
の機器には都
の補助金を活用できるメリットもあります。
今年から三カ年、東京都では東京都地球温暖化対策推進
のため
の区市町村補助制度をスタートさせ、区民、事業者に向けた助成制度を開始していると聞いております。東京都
のこの制度などを使うことで、省エネ機器
の補助制度について、例えばＣＯ２冷媒ヒートポンプ給湯器
の場合は、区が五万円を補助すると、都からも上限
の五万円
の補助を受けることができます。
このＣＯ２削減に向けた都
の補助制度
の活用状況を含め、こうした省エネ機器
の活用ため
の助成制度について、区
の考えを伺います。
続いて、公共施設
の環境配慮
の取り組みについて質問いたします。
本年十一月より、国では温室効果ガス
の削減を目指す取り組み
の一環として、太陽光発電
の余剰電力
の買い取り制度を始めましたが、これによりまして、今後ますます太陽光発電を利用した住居がふえるものと考えられます。
最近、区内
の新築マンションあるいは戸建て住宅
の販売においては、太陽光発電を利用した省エネ型
の住宅などをセールスポイントとする物件が多く見られるようになりました。また、住宅メーカーでも、太陽光発電、高効率
の給湯器、ＬＥＤ照明、オール電化など、さまざまな環境対応機器を組み合わせたエコ住宅をこぞって販売しております。
太陽光発電と効率
のよい省エネ型機器を組み合わせることにより、さらにＣＯ２
の削減も図れ、光熱費コスト
の削減という効果も期待でき、余った太陽光発電
の電力を売却できることとなれば、まさに福利的な効果を生む
のではないでしょうか。隗より始めよではありませんが、世田谷区が率先してこれら
の取り組みを行う必要があります。
区では、公共施設
の新設・改築時において太陽光発電など
の省エネ型
の設備を採用し、ＣＯ２削減に取り組んでいると聞いておりますが、その取り組みも一部
の施設であり、国
の定める目標を達成するにはまだまだ努力が必要と考えます。
未来
の子どもたち
の地球環境
の観点から、環境都市世田谷に相応し、さらに新しい技術を取り入れ、踏み込んだ環境配慮型
の公共施設づくり
の工夫が求められますが、考えを伺います。
次に、
事業仕分けと区
の二十二年度予算編成について質問いたします。
政府
の行政刷新会議における
事業仕分けが今月十一日から進められております。行政刷新会議
の作業グループでは、国
の事業約二百二十項目、四百四十七事業について、それぞれ事業
の仕分けを行い、廃止や縮減、見直しや地方移管などと判定結果を示し、連日、新聞などマスコミでも大きく報道されているところであります。
この中には地方へ
の影響が大きい項目も含まれており、地方交付税については抜本的な見直し、道路事業については見直し、世田谷区でも活用しているまちづくり交付金については地方へ移管など
の判定が出されており、全国
の地方自治体はその行方に大きな関心を寄せているところであります。
しかし、これら
の結果はあくまでも作業グループによる仕分けであって、行政刷新会議には予算を削減する権限はなく、今後、国
の予算編成
の過程で政治判断を含みながら最終決着させるとされています。さらに、国
の省庁や大臣
の間でも仕分け
の判定に関して対立があると報じられており、この
事業仕分けの決着
の行方は不透明であると言わざるを得ません。
我が党でも、税金
の無駄遣いを徹底してなくすこと、社会状況に合わなくなった事業については廃止を含め思い切った見直しを行うことは当然であり、世田谷区として、しっかりと区民
の理解を得ながら、事業
の点検や検証を行うべきであることを主張してきたところであり、事業
の見直し自体を否定するものではありません。しかし、国
の予算編成にあっては、十月に概算要求
のやり直しを行い、税制改正議論も不十分なままで、年内編成が危ぶまれているところであり、この
事業仕分けにより、さらに地方自治体が混乱するようなことは避けなければなりません。
我が党
の代表質問で、来年度
の財政見通しは非常に厳しく、歳入見込み
の下方修正についても答弁がありましたが、区としては、来年度に向けどのような観点から歳出
の削減に取り組む
のか、さらに国
の事業仕分けに係る区へ
の影響をどのように見ている
のか伺います。
次に、債権管理について質問いたします。
平成二十二年度
の予算編成は大幅な歳入減を見込まざるを得ないと
のことでありますが、こうした事態
の中でも、区民にとって真に必要な行政課題には責任を持って対応していかなければなりません。この際、今申し上げましたように、まずは歳出削減に取り組むことが必要ですが、さらに、一方では歳入
の確保に向けた取り組みをこれまでに増して強化していかなければならないと考えます。
現在、景気回復
の兆しが出てきたという報道がありますが、区民
の生活感覚としては、まだまだ家計は厳しく、先行き不安な状態であることは間違いありません。しかし、こうした時期だからこそ、負担すべきものはしっかりと負担していただき、区民間
の公平性を確保する必要があると思います。苦しい中でもまじめに負担をしている方がある一方で、払える
のに払わない方がいる、払わなくても済むんだというような事態が明らかになれば、負担
の公平性や公正性が大きく揺らぐことになりかねません。区としては、こうしたことがないように、行政
の責任として最大限
の努力を尽くさなければならないと考えます。
我が会派は、かねてから債権
の適正管理を強く求めてきたところでありますが、これまで
の区
の答弁では、債権は特別区民税を初めとした公的な債権から貸付金など私法上
の債権まで多岐にわたっており、未収金額や滞納
の背景、内容もさまざまなようであります。
区は、これら多様な債権について、債権管理重点プランに基づき、全庁的な取り組みで債権管理
の適正化と収納率
の向上を図ることとされていますが、この間
の経済状況
の急速な変化、そして区
の財政状況
の変化を踏まえ、今後に向けてどのように考えておられる
のでしょうか。歳入
の根幹である特別区民税を初めとした税、保険料や保育料といった公債権、そして貸付金を初めとした私債権、それぞれについて、二十二年度以降、歳入確保と負担
の公平性
の確保に向けた取り組みをどのように進めようとされている
のか伺います。
以上で壇上より
の質問を終わります。（拍手）
◎水戸
環境総合対策室長 省エネ機器
の助成制度についてご答弁申し上げます。
地球温暖化は、局地的集中豪雨
の発生や地域固有
の生態系
の破壊など、私たち
の暮らしに既に影響を及ぼしつつあり、区としても積極的に取り組むべき課題と認識しております。区における温室効果ガスは、住宅都市という性格から家庭から
の排出が約四〇％を占め、商業施設や事務所を加えた民生部門全体で六〇％以上となっております。このことから、区では家庭や事業者に向けて重点的に啓発活動を行うとともに、事業者が省エネ診断や最新設備
の導入などを行う場合に助成や融資あっせんを行ってまいりました。また、今年度は新たに区民向けに太陽光発電装置設置費用助成を実施したところ、大変関心が高く、多数
のお問い合わせをいただいております。
区といたしましては、このように環境に対する区民
の皆様
の関心が高まっているこの機をとらえ、一層二酸化炭素削減につながるよう啓発活動に取り組むとともに、助成事業について、国や都
の制度を視野に入れ、より効果的な仕組みについて検討を進めてまいります。
◎福田
施設営繕担当部長 私からは、環境に配慮した公共施設
の今後
の取り組みについてお答えいたします。
ご質問にありましたように、確かにＣＯ２削減に向けた省エネ機器や太陽光発電など
の住宅分野
の広がりを考えますと、近年
の省エネシステム
の技術革新は目覚ましいものであると考えております。区におきましても、これまで学校など
の公共施設
の改築に当たりましては、太陽光発電や高効率型
の照明機器、また空調設備、また外壁
の断熱材
の見直し、自然通風や採光などを考慮した建築構造、そして屋上緑化など、さまざまな新たな技術
の導入に取り組んでまいりました。
お話し
のように、温暖化対策を一層進めるに当たりましては、公共施設
の整備においてもさらなる知恵と工夫が必要であり、設備
のオール電化や新たな高効率機器
の積極的活用、こうしたものもその取り組み課題であると考えてございます。
公共施設は世代を超えて利用するものでございます。今後とも地球的課題である環境へ
の配慮をより強く意識し、低コストで、なお質
の高い施設整備
の実現に向け、現在、見直しを進めてございます環境基本計画と
の整合を図りながら積極的に進めていきたいと考えてございます。
以上です。
◎板垣
政策経営部長 来年度
の歳入見込みが下方修正
の中、どのような観点から歳出
の削減に取り組む
のか、また、国
の事業仕分けに係る区
の影響はと
のことでございました。
平成二十二年度予算編成に当たりましては、実施計画・行政経営改革計画等
の緊急見直し方針を策定しますとともに、予算フレームにおいて基金や起債
の増額を組み込むなど、歳入減へ
の対応を図ってまいりましたが、お話し
のとおり、さらに厳しい見通しとなったことから、全庁挙げて一層
の歳出削減に取り組む必要が生じてございます。
安全安心
の観点から十分検証することを前提に、新規・拡充事業
の見送りや緊急度
の低い事業
の休止、内容
の見直しによる総事業費
の抑制など基本的な考え方を整理し、改めて歳出
の削減に取り組みますとともに、基金
の追加活用につきましては最小限に抑えるべく努めまして、財政
の健全性を確保してまいりたいと考えております。
国
の事業仕分けにつきましては、今後、政府
の責任において具体に判断されるものと考えておりますが、まちづくり交付金など地方財政に大きな影響がある課題も示されております。制度
の変更に伴う財源が明確になっていないなど、今後
の検討に任されている点が多いことから、国
の予算におきます補助金等
の動向を的確に
把握しまして、区
の予算に反映させてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎堀川 財務部長 債権管理に関連いたしまして、二十二年度以降
の歳入確保と負担
の公平に向けた取り組みについて
のお尋ねにお答え申し上げます。
区では、区政運営
の基盤となる財源を確保し、負担
の公平、公正性を確保するため、債権管理重点プランに基づき、現年度徴収
の徹底、滞納整理
の強化、職員
の専門性
の向上と債権管理体制
の強化等
の考え方によりまして、滞納
の予防や債権回収
の取り組みを着実に進めていくこととしております。
現下
の厳しい情勢を踏まえまして、本年四月から民間委託をいたしました電話催告センター
の取り組みにつきましては、現在
の特別区民税、国民健康保険料
の二債権に加えまして新たな債権も対象とすることを予定しており、さらなる滞納
の予防に努めてまいります。また、例えば特別区民税におきましては、財産調査に当たる体制を強化し、催告
の効果を的確に収納に結びつけてまいる考えでございます。
こうした公法上
の債権
の取り組みに加えまして、私法上
の債権につきましても、支払い能力があるにもかかわらず、再三
の催告にも応じないなど
のケースにつきまして、弁護士等を活用することにより司法手続による履行
の確保に本格的に着手してまいりたいと考えているところでございます。全庁的な取り組み
の中で、財源
の確保と負担
の公平
の確保に全力を尽くしてまいります。
以上でございます。
◆三十番（宍戸のりお 議員） ただいまそれぞれ答弁をいただきました。答弁にあるように、しっかり取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で宍戸のりお議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、二番田中優子議員。
〔二番田中優子議員登壇〕（拍手）
◆二番（田中優子 議員） 通告に従い、順次質問してまいります。
まず、キャロットタワー二十六階、レストラン・スカイキャロット
の運営改善についてですが、こちら
の問題は赤字決済であることであります。
このレストランがあるキャロットタワーは、三軒茶屋駅直結という利便性
の大変高い場所で、しかも二十六階という世田谷全土が見渡せるすばらしい眺望を持ち合わせています。面積は約五百平米ですから、もし家賃を払うとしたら、大体
の相場から考えますと、恐らく坪単価約二万円、一カ月約三百万円
の家賃がかかると考えられます。年間で言いますと約三千六百万円です。それが無償で提供されているにもかかわらず、赤字経営とは一体どういうことでしょうか。あのロケーションなら、ミシュランに載るレストランになることだって可能だと思います。
私は、平成十七年六月に同じような質問を、世田谷美術館にあるレストラン、ル・ジャルダンについてもしております。その質問をした後に、家賃がただで赤字経営とは何事だ、信じられない、全くもって腹立たしい、うちに任せてくれたら、必ずもっといいサービスができる等々、たくさん
のご意見をいただきました。当然
のことであると思います。優秀な民間事業者はたくさんいます。
例えば東京で最も成功したレストランオペレーター、グローバルダイニングは、東京都内を中心に約五十店
のレストランを展開していますが、旗艦店
の一つに西麻布
の権八があります。ここは小泉首相が米国ブッシュ大統領をもてなした場所として一躍有名になりました。創業者、長谷川耕造さんは、そこそこではだめです。お客様が感動できるレベルになってこそ売り上げにあらわれますと言っています。これだけ
の意気込みが今
のレストラン経営にあるでしょうか。また、一昨日
の朝日新聞には、グルメガイド「ザガット」が紹介されていましたが、おいしい店なら遠くでも行くとありました。移動時間に一時間以上かけるという人が六三％もいるということです。
スカイキャロットがオープンして既に十三年になりますが、いまだに三軒茶屋
の名店になり得てはいません。それどころか、昨年度、約二百六十万円
の経営赤字だったと聞いております。まず確認ですが、このことは事実かどうか、お答えください。
そして、同じ会派
の小泉議員も質問していますが、レストラン・スカイキャロットは夜九時がラストオーダーで、十時閉店であります。これでは、パブリックシアターでお芝居を見た人が食事をして帰りたいと思ってもできません。ちまたでは、映画を見たら、その半券を持っていけば、同じビルにあるレストランでドリンクサービスが受けられるとか、食事が一〇％オフとか、連携した取り組みをしているところがたくさんあります。民間事業者だったら赤字経営を改善するために、シアター
のお客様に来ていただけるよう時間延長する
のは当然
のこと、ほかにも割引サービスなどいろいろ考えることでしょう。
担当所管に聞いたところでは、パブリックシアター
の二十年度における年間
の開演日数は百九十三日で、ほとんど
の土日を網羅しています。であれば、毎日でなくとも、シアターで演劇やお芝居が開演されている土日に限定して時間延長を図るということも考えられる
のではないでしょうか。なぜそういう発想がこれまでなかった
のでしょうか。こうなると、あの二十六階
の場所は指定管理から外して、テナントとして貸したほうがよい
のではないかと思います。そのほうが区
の収入にもなり、他
の民間事業者が入れば、必ず今よりサービスが向上するものと考えます。
まず、さきに述べたように、高い家賃を払いながらも店舗を拡大している会社があり、一時間かけても人が集まるレストランがある
のです。区
の資産活用という点からしても、現在
のようにこの場所をサービス公社に指定管理させることは適切ではないと判断せざるを得ない状況であります。区
の見解を伺います。
次に、障害者、障害児
のショートステイ
の拡充について伺います。
障害を持つ方が日中活動を行う通所施設や暮らし
の場であるグループホームについて、区としても実施計画や障害福祉計画で数値目標を設け、基盤
の拡充に取り組んでいることは承知しております。しかし、障害を持つ方、そしてその家族が地域で安心して暮らしていくには、通所施設やグループホームだけでなく、介護する家族が病気になったときなどに、障害者、障害児を安心して預けられるショートステイがもっと必要であります。
障害を持つ方
のご家族から、区内にはショートステイが少なく、自分が病気になった場合や冠婚葬祭等で外出するときに、ショートステイがとれるかどうか、いつもいつも不安を感じているという切実な声が私
のもとにも寄せられています。お話を伺うと本当に大変な状況で、何とかならないものかと、担当所管とも何度も話をしてきた経緯がありました。
都立
梅ヶ丘病院跡地利用調査研究には障害者
のショートステイについて記載がありますが、これに関しては、整備について具体的な見通しが立っているわけではありません。介護する家族
の高齢化も問題となっていて、区としてショートステイ
の基盤拡充に早急に積極的に取り組むべきであると考えますが、見解、そして見通しについて伺います。
最後に、選挙における体
の不自由な方へ
の配慮について何点か伺います。
ことしは都議選、衆院選と選挙続きで、我々議員のみならず、選挙管理委員会事務局や職員
の皆さん方も大変だったことと思いますが、私
のところに区民
の方からクレームが届いているので、ぜひとも改善していただきたく、質問に取り上げます。
一つは、都議選
の際
の投票所
のことでした。車いす
の方が改築された学校
の投票所に向かっていたところ、投票して戻ってきた知り合いと道ですれ違ったそうです。そのときに、ああ、車いすは無理よ、階段だからと言われ、大変悲しい気持ちで、あきらめて引き返したという
のです。その方
のご家族から、今どき投票所がバリアフリーになっていないなんて、大切な投票権が奪われてしまうという
のは一体どういうことですかというお電話をいただきました。
まさかと思い、選挙管理委員会事務局に問い合わせましたら、投票所は百十四カ所すべてバリアフリーになっていますと
のこと。つまり、バリアフリーになっている、車いすでも大丈夫ですということが一目でわかるようになっていなかった、案内がわかりづらかったということだと思います。スロープ
の場所
の案内などが入り口ですぐにわかるように、衆院選
の際には全投票所をチェックしてくださいと私は申し上げましたが、選挙管理委員会事務局としてはそれはやっていただいたと思いますが、その際に気づいた
のですけれども、投票所に行くときに持っていく入場整理券、これに車いすでも大丈夫ということが記載されていればいい
のではないかと申し上げました。
期日前投票
のお知らせ
のほうには書いてありますというお答えでしたが、改めて選挙
のお知らせ
のセットを確認してみた
のですが、期日前投票
の案内
の紙にも、車いす
の方も大丈夫とわかる記載はありませんでした。また、もし仮にあったとしても、期日前に行こうと思わない人はその用紙は見ない可能性があります。ですから、やはり入場整理券にその情報を載せるべきだと思う
のですが、いかがでしょうか。
また別
のクレームですが、こちらは、衆院選
の際、期日前投票にいらっしゃったご夫妻から
のものでした。男性
の方は目が見えません。投票日だと込み合うと思い、車がとめやすい投票所を選んで期日前投票したそうです。そのとき、別
の車いす
の方も続けて来られたそうで、障害
のある方が複数、ほぼ同時に並びました。
一階はまちづくり出張所、先月からまちづくりセンターと名称が変わりましたが、その一階では通常業務をする職員が三名いて、投票所は二階です。障害
のある方をご案内する職員がなれないせいか、随分と待たされ、それだけでも閉口したけれども、一階にいる職員がだれも何もしない、そのことが非常に腹立たしく感じたという
のです。暇そうにしていて、あれこそ税金
の無駄遣いですね、そう言われても仕方
のないような状況だったそうです。
今回は、都議選、衆院選、どちらも投票率が上がり、初めて投票に出かけたという人もたくさんいたことでしょう。こうしたことから、投票所や期日前投票
の場所に来る人がふえて、対応がよくない状況が生じたということも考えられますが、中には障害
のある方もいらっしゃいます。そして障害
の状態もさまざまです。そういう方々へ
の対応は事前にきちんと学んでおく必要がある
のではないかと感じました。
また、出張所業務に携わっている職員
の方々も、何もしないで座っている
のではなく、声かけをするとか、担当者をちょっと手伝うとか、ほんの少し
の気遣いで区民
の気持ちは和むものです。その辺
の指導をしていただきたいと思いますが、区
の今後
の対応についてお聞かせください。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎千葉
世田谷総合支所長 キャロットタワー二十六階、レストラン・スカイキャロット
の運営改善に関するご質問二問にお答えを申し上げます。
まず、経営状況はどうなっている
のかと
のご質問でございます。レストラン・スカイキャロットは、平成八年に開設し、会食を伴う大規模集会施設として、区民
の要望にこたえてきたところです。現在、指定管理者
の株式会社世田谷サービス公社が子会社である株式会社キャロットサービスに事業
の一部を委託し、利用料金制により運営しております。
レストラン
の経営状況につきましては、景気
の低迷による利用者数
の減少、原油価格
の高騰による食材
の値上がりなど
の理由により、平成二十年度は、ご指摘
のように約二百六十万円
の営業赤字となっております。区から
の赤字補てんはございません。
なお、キャロットサービスは二階
の喫茶くりっくも経営しており、喫茶くりっく部門等を合わせたキャロットサービス
の経常利益は若干
の黒字となっております。また、平成二十一年度
の四月から九月まで
の二十六階レストラン等
の利用者は、経営改善
の努力が徐々にあらわれ、約五万八千七百人を数え、昨年度
の同時期に比べ、利用者数で四千六百人、比率で約九％
のアップとなっております。
続きまして、二十六階
の場所をテナントとして貸したほうがよい
のではないかというご質問にお答え申し上げます。
区民会館条例に定められております世田谷区民会館第二別館
のレストランを廃止し、その財産を貸し付けることは地方自治法上不可能ではないと考えております。しかし、レストラン・スカイキャロットは、飲食が可能な大規模集会施設
の位置づけで、利用料金制により比較的安価な価格設定することにより、幅広く多く
の区民
の皆様に気軽にご利用いただけるレストランとして営業しております。引き続き議会
のご意見等を踏まえ、指定管理者である世田谷サービス公社に対し、経営状況
の改善、サービス
の向上を指導してまいります。
以上でございます。
◎城倉
生活文化部長 私からは、スカイキャロット
の運営改善に関連しまして、レストランと文化財団と
の連携についてお答えいたします。
双方
の連携につきましては、レストランは集客という点で、また、文化財団にとりましては、パブリックシアターなど
の利用者が、同じキャロットタワーにあり、世田谷を一望できるスカイキャロットで食事や休憩をすることにより快適で豊かな時間を過ごすことができる点で、双方に有意義であることから、この間、さまざまな工夫をしてきたところでございます。
具体例としましては、パブリックシアター
のエントランスにスカイキャロット
のカードを置き、開演
の前後にレストランをご利用いただけるようＰＲを行っております。また、文化財団には利用者
の組織としまして友の会がございまして、会員
の特典としてスカイキャロット
のディナー割引を設定し、スカイキャロットにつきまして集客力
の向上と特典として
の活用を図っているところでございます。
さらに、文化財団
の音楽事業部では年に三回程度、二十六階
の展望ロビーにおいてコンサートを開催しており、その際には、スカイキャロット
の無料ドリンク券を配布し、また、来年
の三月になりますが、初めて
の試みとしまして、スカイキャロットと音楽事業部
の共催によるディナーコンサートを開催する予定で現在準備を進めております。
今後も相互に知恵を出し合い、スカイキャロット
の経営向上と、あわせましてパブリックシアター
の利用者
の満足度
の向上
のために、連携を深め、さまざまに工夫してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◎佐藤
保健福祉部長 私からは、障害者、障害児
の方
のショートステイ、短期入所
の拡充についてお答え申し上げます。
介護する人が病気
の場合などに、短期間、夜間も含め施設で入浴、排せつ、食事
の介護等を行うショートステイは、お話し
のように、障害者とその家族が安心して地域で暮らしていくために重要な基盤であると認識しております。現在、区では、六施設、十六床
のショートステイと介護者が急に入院した場合等に対応する緊急一時保護を二床確保するとともに、通所施設では、緊急時にショートステイがとれない場合、利用者を対象に一時的な保護事業も行っております。
今後
の障害者
のショートステイ
の拡充につきましては、来年度、社会福祉法人
の施設整備によりショートステイが増床される予定ですが、他
の社会福祉法人からもショートステイを併設したグループホーム整備
のご相談を受けております。区としましては、今後とも社会福祉法人等と連携しながら、障害者
のショートステイ
の基盤拡充に一層取り組んでまいります。
以上です。
◎杉野
選挙管理委員会事務局長 選挙における体
の不自由な方へ
の配慮についてご質問をいただきました。
まず、投票所に関しまして、スロープ
の案内掲示をわかりやすく、また、整理券に車いすでも投票が大丈夫であるというご案内をというご質問にお答えいたします。
選挙に際しましては、貴重な投票
の権利が行使できるよう、体
の不自由な方に十分な配慮を行う必要があると考えております。各投票所においては、体
の不自由な方
のためにスロープを設置して段差解消に努めておりますが、さきに行われた選挙では、ご指摘
のように設置したスロープ
の位置がわかりにくい投票所があり、案内掲示を見直したところがございました。引き続き投票所
の案内掲示につきましては、投票事務
の説明会や投票所へ
の連絡事項等で周知徹底を図っていきたいと考えております。
また、投票所における車いす
の使用につきましては、いずれ
の投票所でも可能となっておりますが、周知が十分でなく、投票をあきらめてお帰りになった方がいらしたことは、まことに申しわけなく思います。投票所入場整理券へ
の案内表示につきましては、整理券は投票に必要な情報を提供する有効な手段と考えられますので、体
の不自由な方にとって必要な情報は何かを改めて見直し、整理券
の記載内容等
の改善を図っていきたいと考えております。
続いて、期日前投票所で
の案内、声かけ
の徹底をにつきましてお答えいたします。
期日前投票所における案内、声かけにつきましては、これまでも高齢者や体
の不自由な方へ
の介添え等
の周知を行ってきたところでございますが、今回
の選挙において、投票所によっては行き届かない点もあった
のではないかと考えております。その原因といたしまして、期日前投票
の制度がかなり浸透し、都議選でも衆議院選でも期日前投票者
の数が前回を大幅に上回り、混雑する状況がございました。そのため、投票所における対応に余裕がなく、体
の不自由な方
の中で待たされて不安な思いをされた方もあったことと思います。
選挙管理委員会といたしましては、体
の不自由な方へ
の配慮をさらに徹底するとともに、今回
の選挙
の現状を分析し、必要な見直しを行っていきたいと考えております。
以上でございます。
◆二番（田中優子 議員） レストラン・スカイキャロット
の件なんですけれども、地方自治法上、貸し付けも可能であるというご答弁でした。しかしながら、区としては、これからも今
のままで努力するというようなことだったと思うんですけれども、では、いつまでに結論を出されるおつもりでしょうか。いつまで、こうやって区民が満足できないような状況でやる
のか、そのタイムスケジュールをどのようにお考えか、お答えください。
◎千葉
世田谷総合支所長 まずはレストラン
のサービス向上に向けましてさまざまな努力をしている。この五月より、メニュー
の改善を初め、テーブルへ
の装飾
の工夫、従業員
の接遇向上、そういったことに工夫を凝らしまして努力してきているところです。先ほど答弁したとおり、二十一年度
の上半期におけるレストラン
の利用者数は昨年度より向上しております。世田谷サービス公社は、当然今年度
の利用者数が昨年度より上回ることを目標に掲げております。関係所管である政策経営部とも連携して、できるだけ早期に、まずはレストラン
のサービス向上
の成果が出るように、世田谷サービス公社によるコンサルタント
の導入も含めて強く指導してまいりたい、このように考えております。
以上です。
◆二番（田中優子 議員） 利用者がふえても経営赤字であるということが問題であって、利用者数をふやせばいいということではないんですね。その辺をしっかりと踏まえていただいて、そして、二年も三年も変わらない状態だったら、本当に区民感覚としては許せないと思いますので、しっかりそこは指導した上で、その後
のまた展開を考えていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で田中優子議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、二十四番上川あや議員。
〔二十四番上川あや議員登壇〕（拍手）
◆二十四番（上川あや 議員） 初めに、少子化が進展する中で
の大学
の生き残り戦略と区
の対応について伺います。
この夏、私立大学
の入学者動向をめぐって衝撃的なニュースが流れました。ことし五月一日現在、全国
の四年制私立大学
の実に四六・五％、私立短大
の六九・一％が定員割れ
の状態にあり、四大、短大とも定員充足率は過去最悪
のレベル、大学
の集中する東京、京都
の定員充足率はなお一層低いという
のが報道
の要旨でした。
大学入学期
の十八歳人口は九二年をピークに減少
の一途、一方、大学
の数は規制緩和
の影響からふえ続け、この十年で、四年制大学だけで約百五十校もふえています。大学入学希望者が大学
の総定員を下回り、えり好みさえしなければ、すべて
の受験生が大学に入学できる大学全入時代を目前に、国内
の大学はどこも生き残りに必死、区内
の大学も例外ではありません。
他方、区政に目を転じると、大学は有用な資源です。地域経済
の振興、すぐれた人材
の確保、生涯学習
の推進、果ては災害対策等に至るまで、大学は今やまちづくりに欠かせないパートナーです。ところが、区内に立地する大学は減る一方という現実があります。八三年当時、区内に二十七カ所あった大学、短大は、現在二十カ所にまで減りました。十八歳人口が減少に転じた九〇年代以降も、区内からは国士舘大学体育学部
の多摩移転、明治薬科大学製薬学科
の清瀬移転、日大生物資源科学部
の藤沢移転、青学大理工学部
の相模原移転と流出
の動きがとまりません。
国士舘大
の移転では、松陰神社商店街
の飲食店がかなり減ったと伺っています。青学大キャンパス
の閉鎖時も、同大
の下宿生がこぞって引っ越した結果、一帯
の家賃相場が急落したと伺っています。このように大学
の移転、縮小が地域に与えるインパクトは決して小さくありませんが、区が大学流出に何らかの手を打ったという話は聞いたことがありません。去る者は追わず、大学減少はあくまでも民間
の判断であるという
のが、区
の従前
の判断だった
のではないでしょうか。
一方、市内に三十七
の大学、短大を擁する京都市は、早くから大学が市域にとどまること
の経済的効果に着目、その効果は市民総所得
の約一割にも達すると
の試算をまとめ、大学を市
の主要産業
の一つと位置づけて、その移転抑止に取り組んできたと言います。大学をなくなるに任せてきた当区と
の差は明らかです。
加えて、大学
の新増設、都心回帰
の流れに合わせ、大学誘致に乗り出す自治体がふえています。区部でも、足立、葛飾、板橋区等が区立校廃校跡地などを候補地に、積極的な誘致に乗り出しています。足立区は、廃校跡地と旧校舎を破格
の条件で提供するなど
の手を打って、この四年間だけで、医療、子育て、芸術、環境、工学系
の各分野、四大学、学生数約一万人
の誘致に成功しています。大学という小さくなる一方
のパイを多く
の自治体が奪い合う中で、大学立地に総体として
のビジョンを持ってこなかった区
の姿勢は改められるべきと考えます。
そこで伺います。
第一に、区はこの間
の大学移転、縮小をどのように受けとめ、どのように対処してきたでしょうか。大学移転に伴う地域経済へ
の影響、まちづくりへ
のインパクトも含めてお答えをいただければと思います。
第二に、区
の外部評価委員会
の指摘についてです。世田谷区外部評価委員会
の委員からは、区は大学という地域
の資源を十分生かしていないと、再三にわたり指摘を受けていると伺います。具体的提言はどのようなもので、区は、それらをどのように受けとめ、今後に生かそうとしている
のか、現状認識、今後
の課題とあわせてお答えください。
第三に、年々熾烈になる大学
の生き残り競争、行政
の大学誘致合戦に、区はどのように対処していくおつもりか、伺いたいと思います。
都心へ
の大学立地を規制してきた工業等規制法が〇二年に廃止され、大学
の新増設に必要な設置基準も大幅に緩和されました。こうした中、大学はリストラクチャリングを進め、都心回帰
の傾向を強めています。こうした流れを受けて積極的誘致に乗り出している自治体がふえていることは先ほど述べたとおりですが、区も地域
の将来を見据え、必要となる人材や資源、特に福祉・医療分野について、地域
の大学に求めていく姿勢が必要な
のではないでしょうか。
こうした点も踏まえ、区は大学が区内に立地することへ
のビジョン、スタンスをどのように描く
のか、見解をお聞かせください。
続いて、文化財的価値を持つ建築物
の部材保管と今後
の利活用について伺います。
教育委員会に確認したところ、現在、区で部材保管している歴史的、文化財的な建築物は旧清水揚之介邸離れと旧棚網家板倉
の二件あるということです。旧清水揚之介邸離れは、現在
の日産玉川病院
の場所に明治四十三、四年ごろ建てられたもので、明治期以降、瀬田、岡本
の国分寺崖線沿いに発達した別邸建築物群
の一つ、現在
の清水建設
の社長
の別邸内にあった総アカマツづくり
の建物です。旧棚網家板倉は、桜丘四丁目
の元農家に明治四十四年ごろ建てられたもので、区内でも数少ない明治時代
の穀倉と
のことです。いずれも将来再建して公開していくことを念頭に保管されてきたものですが、旧清水揚之介邸離れは、昭和五十三年
の解体から三十一年間、旧棚網家板倉も、平成二年
の解体から十九年間、再建
のめどもないまま寝かされてきたという
のが実態です。
質問
の第一は、これまで
の経緯です。それぞれ
の建築物
の価値を教育委員会はどうとらえ、保管を決めた
のでしょうか。また、今日まで建物
の復元、利活用がない
のはなぜでしょうか。さらに、それぞれ
の調査、解体、保管に、区はこれまでどれだけ
のコストを費やしてきたでしょうか、説明を求めます。
第二に、建築部材
の保管方法です。旧清水揚之介邸は、解体後、宇奈根にある区
の土木倉庫に、旧棚網家板倉は、民間倉庫を経て次大夫堀民家園に保管されてきたと伺っています。ところが、当初
の調査で良好と判断された旧清水邸離れ
の部材は、その後劣化が進み、はりは処分せざるを得なくなったと伺っています。区がこれらを保管してきた倉庫に、温度、湿度を管理できる空調設備
のたぐいはなかった
のだそうですが、文化財行政を預かる者
の責任としていかがなものかと考えます。このような施設に二十年、三十年と部材を寝かせてきた対応は適切であったと言える
のか、見解を伺います。
第三に、旧棚網家板倉
の映像記録についてです。所管からいただいた調査報告書によれば、区は調査
の一環として、同物件
の映像記録を世田谷を記録する会に委託したとなっています。同会は、映画「名主
の家」
の制作で納入期限を守らず、不適切な委託費
の支払いもあったことが発覚し、十六年九月
の議会でも大問題になったあの団体です。本件
の映像についてはどうでしょうか。成果物は納入されている
のか、支払い等は適切に行われた
のかお答えください。
最後に、これら
の保管部材を今後どのように生かすおつもりである
のか伺います。
区教委
の担当所管は、これまでにも庁内
の他
の部署に部材
の復元、活用を働きかけてきたと言います。しかし、公園を設置管理する土木部、現在
のみどりとみず政策担当部も、集会施設を管理する総合支所も、文化施設を設置管理する生活文化部も、二子玉川公園
の開設を予定している生活拠点整備担当部も何ら具体的な対応を図ってきてはおりません。世田谷
の歴史を物語る価値ある建築物
の保管であるという
のであれば、その資産を区民に還元するべきです。この点、庁内をまたがる課題でもありますので、政策経営部に解決
の音頭をとっていただきたいと考えますが、いかがでありましょうか、ご見解をお聞かせください。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎板垣
政策経営部長 私から、四点についてお答えさせていただきます。
最初に、大学
の生き残り戦略と区
の対応について、三点お答えさせていただきます。
まず、区内大学
の相次ぐ移転縮小を区はどう受けとめ対応してきた
のかと
のことでございました。
区内大学、短期大学
の状況でございますが、お話にもありましたように、昭和五十八年ころには学部等も含め区内に二十七カ所ありましたが、お話し
のとおり、この間、移転等により、現在では二十カ所となっております。しかしながら、他
の区と比較しますと、いまだに多く
の大学等が存在する文教都市
の側面を持ち続けていると認識しております。
大学等
の減少
の原因としましては、バブル期や少子化
の傾向が重なったことなどから、経営
の安定など
のために、二十三区内よりも広い敷地が確保でき、さらに固定資産税
の負担も軽減できることから、郊外へ
の移転が続いた
のではないかと考えられます。
地域へ
の影響という点につきましては、跡地
の多くが住宅地に変わり、緑を含め一体的な空地が減少するなど環境面で
の変化が大きい一方で、学生
の数は減少したものの、マンション建設などに伴いまして定住人口が増加したことによりまして、地域経済に与える影響は限定的であるというふうに認識してございます。
次に、外部評価委員会から
の大学を生かせと
の指摘を区はどのように受けとめているかと
のことでございました。
この間、外部評価委員会におきます議論
の中では、世田谷区は大学など
の地域資源に恵まれた自治体であり、生涯学習
の推進や図書館
の運営など、これら
の人材を生かしながら協働
のまちづくりを進めていくべきなど
のご意見をいただいてございます。
一方、現在、区では、教育活動や生涯学習など
の分野におきまして、大学と
の連携を図り、事業を展開しております。具体的には、区内大学生
の派遣による区立幼稚園、小中学校で
の教育活動支援や、大学
の施設等を活用した講座や研修
の実施、大学図書館
の区民利用などでございます。
今後とも協働や地域人材
の活用といった観点から、さまざまな分野で
の大学と
の連携を充実してまいりたいと考えております。
三点目は、大学
の生き残り戦略、自治体間
の大学誘致合戦に、区はどう対処する
のかと
のことでございました。
議員
のお話にもございましたが、足立区では地域経済
の活性化や地域産業と
の産官学連携
のために大学誘致を積極的に進めており、これまでに四大学
の誘致を行って来たことは承知してございます。当区にとりましても、大学誘致によりまして学生が世田谷区
の実情を知る機会がふえ、ひいては地域密着
の仕事についていただくことや、多様な専門分野を持った大学、短期大学と
の地域連携強化が図られることにより、地域活動がより一層活性化されることなど、さまざまな効果が期待できるものと認識しております。
一方、世田谷区
の現状にかんがみますと、一定
の規模
の土地
の確保が難しいことから、現実的に大学が積極的に進出してくる状況とは言いがたい面もありますが、大学側におきましても、地域貢献、地域連携が問われている今日
の状況を踏まえまして、今後とも地域と大学
の連携を推進してまいりたいと考えております。
最後に、文化的価値を持つ建築物
の部材保管と今後
の利活用についてということで、今後どう生かす
のかということにつきまして、庁内横断的な調整課題であるという立場からご答弁申し上げます。
世田谷区では、文化的・歴史的環境に恵まれ、多く
の古民家など歴史的建造物が残されておりまして、その建築部材
の保存や利活用につきましては、地域
の文化や歴史を後世に伝えるという意味から、大変大きな意味を持つものと認識しております。
建築部材
の保存や利活用につきましては、文化財保護という視点を初め、公園整備やまちづくり、文化事業
の推進など
の幅広い視点に立って、また、住民参加など
の手法も用いまして進めていくことが効果的であると考えます。
一方で、建築部材
の保存や移築や復元など
の利活用には、維持管理費や場所
の確保などさまざまな課題がございます。ただいまご指摘いただきました点も踏まえまして、地域
の貴重な財産を次
の世代に残していくという面を重視しまして、建築部材
の活用方法や全庁的な対応について研究させていただきたいと存じます。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 文化財的価値を持つ建築物
の部材保管について、三点お答えいたします。
まず、旧清水邸離れと旧棚網家板倉
の部材保管
の経緯についてでございます。
二件
の建築物につきましては、いずれも文化的な価値が高いと認識し、教育委員会で調査を行い、記録保存を行っております。今日まで
の部材
の保管
の経緯としましては、旧清水邸離れについては区
の倉庫等に保管し、公園、公共施設等
の建設
の際に活用
の働きかけを行ってきたものの、検討
の結果、利活用には至っていないものでございます。また、旧棚網家板倉は、民間倉庫を経て次大堀公園で保管し、同公園あるいは岡本公園で
の復元を検討したものの、他
の物件と
の兼ね合いで
の優先順位
の判断や予算面から、これまで実現に至っていないものでございます。
調査、解体、保管に要したコストは、資料
の保存年限五年を経過していることから、正確な
把握は困難な部分もございますが、旧清水邸離れについては、当初
の調査は区教育委員会が直接行っており、調査経費は発生しておりません。また、昭和五十三年
の解体経費は、所有者にご負担をいただいております。旧棚網家板倉については、調査に約百五十万円、平成二年
の解体に約二百万円でございます。なお、清水家と棚網家を含め、中途で倉庫
の場所を移す際
の経費として約百七十万円を要しております。以上合算して、概算で五百二十万円ほどでございます。保管経費については正確な算出が困難ですが、少なくとも平成十六年度以降は発生しておりません。
次に、部材
の保管方法についてお答えいたします。
建築物
の部材
の保管に当たり、あるべき姿として温度や湿度が管理できる倉庫へ
の保管が望ましいと考えております。これまで
の保管方法については、当初良好と確認された部材
の一部がその後劣化し、処分せざるを得なくなった点、十分とは言えなかったと認識しております。一方、良好な環境で
の保管に要する経費を勘案いたしますと、対応には一定
の限界もあったものと考えております。
今後とも保管については、専門家
のご助言もいただきながら、可能な限り配慮してまいります。
最後に、旧棚網家板倉
の映像記録についてお答えいたします。
旧棚網家板倉
の映像記録は、世田谷を記録する会に委託し、平成二年度に十六ミリフィルムとして納品されたものでございます。支払いにつきましては、平成二年度に完了しております。なお、成果物につきましては、現在も区施設に保管しております。
以上でございます。
◆二十四番（上川あや 議員） まず、大学について再質問させていただきたいと思います。
昨年度
のデータですけれども、区内
の大学に在籍する大学生数、あるいは教職員
の数
の合計ですけれども、七万四千人ということで、日々、こういった方々が区内にどんどん人が入ってくるという、このこと
の評価をいただきたいんですね。こうした大学
の集積は、京都市がそう考えているように、もはや一大産業と呼べるようなものであって、世田谷区が最も強みを発揮できる分野な
のではないかと私は考えています。
そこで、大学について、ぜひ区が設立したシンクタンク、せたがや自治政策研究所でも研究を深めていただきたいと考えるんですけれども、所管としてどのようにお考えか、お聞かせください。
◎板垣
政策経営部長 今お話がありましたけれども、七万四千人
の関係者ということでございますが、そういう面では、大学が誘致によりまして大変地域に与える影響という
のは相当あるというふうには我々も認識はしてございます。そういう中で、今、政策研究担当課、自治政策研究所でございますが、そこ
のテーマというお話
の提案をいただきましたけれども、せたがや自治政策研究所では、区政
の中長期的な課題につきまして、さまざまなテーマをとらえて研究を進めてございます。今ご提案いただきました大学等
のことに関しましても、今後
の検討課題とさせていただければと思います。
以上でございます。
◆二十四番（上川あや 議員） あともう一点です。文化財についてなんですけれども、旧清水揚之介邸があった二子玉川で、今二つ
の案件があります。二子玉川公園
の整備、もう一つは小坂邸
の、今閉鎖していて再整備を考えていますけれども、こういった機会を利用して、これも念頭に検討を深めていただきたいと思いますが、一言お願いいたします。
◎板垣
政策経営部長 二子玉川公園につきましては、現在ワークショップという形で、住民参加を含めて、公園
のあり方につきましていろいろ取り組んでございます。ご提案につきましては、教育委員会とも相談しながら検討させていただければというふうに思います。
以上でございます。
○川上和彦 議長 以上で上川あや議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、十一番青空こうじ議員。
〔十一番青空こうじ議員登壇〕（拍手）
◆十一番（青空こうじ 議員） 先日、大リーグでニューヨークヤンキースがワールドチャンピオンになりました。松井秀喜選手がＭＶＰに選ばれたことも、皆さん記憶に新しいことだと思います。また、イチロー選手も九年間連続二百本安打という大記録を打ち立て、ゴールドグラブ賞も九年間連続で受賞しました。松井選手やイチロー選手
のように世界
の頂点に立つことはすばらしいことですが、これは一日でできるものではありません。プロ
の選手に限らず、日々
の積み重ねが、いずれ花が咲き、実を結ぶものと思います。このような観点から、最近体験した事例をもとに、教育に関して質問します。
今月七日、私は代沢小学校
の創立百三十周年記念行事に出席しました。その際
の記念式典でも、その前に十月二十三日に見学した九品仏小学校
の音楽
の研究発表でも、さらに十一月六日、祖師谷小学校で
の国語
の研究発表でも感じた
のですが、いずれ
の学校でも、授業や行事が始まるとき
の子どもたち
の態度は実に立派なものでした。
ある学校では、始業
のとき
の起立というかけ声に合わせて一糸乱れず立ち上がりましたが、別
の学校では、かけ声がなくても子どもたち自身が整然と行動していました。研究授業では全部
の教室を見て回りますが、どのクラスでも始業時
のあいさつも授業中
の態度もきちんとしていました。
また、ある学校では、当日にインフルエンザで五年生がぐあいが悪くなって、楽しみにしていた発表が残念ながらできなかった分、ほか
の子どもたちが一生懸命カバーする光景も見られ、会場内がすがすがしい気分になりました。
時折、子ども
の授業態度が悪いとか、先生
の言うことを聞かない子どもがいるといった指摘を耳にしますが、私が今回見に行った学校では、すべてではないかもしれませんが、見た範囲ではそのような問題は全く感じられませんでした。常日ごろ、先生
の指導がいかに重要か、改めて感じた次第です。
また、祖師谷小学校では、保護者
の方が質問を一番最初にやり、教育委員会が掲げる地域とともに子どもたちを育てる教育を地域で実践する一つ
の姿も拝見して、学校だけで教育を進める
のではなく、保護者や地域と
の関係を築いていくこと
の大切さも実感いたしました。
一方で、依然として子どもたち
の授業態度に関する指摘があるということは、学校を挙げて一生懸命取り組んで成果を上げている学校がある一方で、残念ながら、そうではない学校もあるということではないかと考えます。
そこでお聞きしますが、子どもたちがしっかりした授業態度を身につけるためにどのような指導をしていこうとしている
のでしょうか、お伺いします。
さて、世田谷区
の教育ビジョンに基づく研究校などは、先生方
の負担も確かにあると思いますが、やりがいもあると、現場
の先生たちからは聞いております。研究発表に行きますと、研究校では、研究
のテーマに基づいて、先生方がさまざまな形
の指導
の工夫、改善を進められていることがわかります。また、そうした努力を、子どもたち
の姿を通して、当日参加された方々に見ていただきたいという熱い思いも伝わってきます。さらに、保護者も地域
の方々も多く参加されているようで、こうした発表
の機会を通して、学校へ
の信頼をより高めている
のではないかと思います。
私は、この研究発表など
の機会を通して、先生方がよりよいものを求めて教育活動を工夫したり充実させていこうとするやる気、前向きな姿勢がすぐさまわかります。講師
の方々
の助言や地域
の方々
の協力をいただきながら、さまざま創意工夫をしていこうという姿勢、やる気が学校
の活力となり、子どもたちはもとより、保護者や地域
の方々
の信頼につながっている
のではないかと私は思います。
教育は人であると言いますが、先生方
のみずから進んで取り組んでいこうとするやる気をいかに高めていくかが、世田谷区
の教育
の充実
のかぎになる
のではないかと感じます。
そこで伺いますが、積極的に研究校へ
の名乗りを上げている、さまざまな研究課題に次々と取り組む学校がある一方で、研究校になっていない学校もあるように思われます。なぜそのようなことが起きる
のか、教育委員会
の考えをお伺いします。
また、研究校に限ったことではなく、教育ビジョンに掲げる「せたがやで育てる世界にはばたく子どもたち」を目指して、子どもたち
の力を引き出し高めていくためには、何といっても、校長先生や副校長を初めとする先生方
の創意工夫を引き出し、学校全体
のやる気を高めて成果につなげていくことが必要ではないかと私は感じます。この点についてどのように取り組んでいく
のか、あわせて考えをお伺いします。
関連して、褒めるという点でお伺いします。
私は人は褒めて何ぼだと思います。それは人に認められるという心
の栄養が必要だからです。体に食べ物という栄養が必要なように、人
の心には、人から認められるという栄養が必要だと思います。俗におてんとうさまが見ていると言いますが、そういう陰ひなたなく頑張っている先生に褒める場面があってもいいと私は思います。
そこで伺いますが、学校で
の教員も含めた頑張っている教職員へ
の表彰などはどうしている
のかお伺いします。
ところで、十一月四日
の文科省
の発表によりますと、二〇〇八年度に指導力不足とされた公立学校
の教員は三百六人だったそうです。昨年より六十五人減ったそうですが、その指導力不足
の教員を年代別にまとめたところ、四十代が四四％、五十代が三六％、三十代が一五％、二十代が五％ということでした。実は八〇％が四、五十代
のベテラン教員だったということです。全国レベル
の話ですから、世田谷区ではどうな
のかはわかりませんが、いずれにしろ、この数字に驚きました。ベテラン
の先生だから安心という信頼が崩れてしまうからです。
一方で、四、五十代
の教員が多いという実際
の学校
の先生
の年齢構成から考えると、発生率という面から、その数字はある程度納得ができる感じも抱きます。ところで、私は団塊
の世代
の大量退職に当たり、そのノウハウやスキルがうまく引き継げるように、オリンピック
のリレーに例えて何度か質問をしてまいりました。しかし、指導力不足が引き継がれては困ります。
そこで伺いますが、教員間
のノウハウ
の引き継ぎは、特に児童や生徒
の指導や指導方法に関する引き継ぎはどのように行われている
のか、また、校長先生や副校長などが確認することになる
のでしょうか、これをお伺いします。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 学校
のやる気を高める取り組みについてお答え申し上げます。
教育は、一言で言えば、子どもたち
の心に灯をともすことであると考えますが、そのためには、校長は、一人一人
の教員
の心に灯をともし、そして学校
の組織全体に灯をともす理想と情熱を持つことが必要です。また、教育委員会も、個々
の校長を初めとする教職員
の心に灯をともすこと
のできる理想と情熱を持ち、施策を推進することが重要であると考えます。
各学校
の校長が、学校
の進むべき方向、目標を明らかにし、その実現に向けて教職員を組織し、保護者や地域
の方々
の参画を得て活力ある学校をつくることができるよう、教育委員会は全力で支援してまいります。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 私からは、四点
のご質問にお答えいたします。
まず、子どもたちが授業態度を身につけるため
の指導についてでございます。
子どもたちにしっかりとした授業態度を身につけさせていくためには、まず教師自身が一人一人
の子ども
の理解を深めるとともに、子どもたち
の興味関心を高め、子どもたちが主体的に取り組むような質
の高い授業、学ぶこと
の楽しさを実感できるような授業を展開していくことが大変重要であると考えます。
その上で、授業で話を聞くとき
の姿勢や発表するとき
の言葉遣いなど、子どもたちが授業に取り組む態度については、子どもたち
の発達段階に応じて、教師が適切に指導し、身につけさせていくことが大切です。また、各学校において、授業態度
の育成
の方針や具体的な取り組みなどについて校内で共通理解し、すべて
の教職員が一貫した指導を進めていくことも必要であると考えます。
区教育委員会では、区立小中学校において、子どもたちが意欲的に学ぶ授業が実現されるよう、引き続き学校に働きかけてまいります。
次に、研究校についてお答えいたします。
研究校等
の指定を受けた学校では、研究を進める中で、指導法
の改善や教員
の授業力向上等
の成果が見られ、区教育委員会では、各校が積極的に研究等に取り組み、各校
の教育活動を充実していくことが大切であると考えております。
区教育委員会では、教育ビジョンに関連する研究校
のほか、世田谷九年教育パイロット校や地域運営学校などさまざまな指定校を設置しております。また、文部科学省や東京都から、例えば中学校武道
の必修化に向けた実践研究校や人権教育推進校として指定されている学校もあります。研究校等
の指定に当たっては、各学校
の希望に基づいて指定することを基本としております。
区教育委員会では、研究校等
の指定などをきっかけに、教育活動や学校運営
の充実にさらに主体的に取り組むよう、引き続き働きかけてまいります。
続いて、教職員表彰についてお答えいたします。
現在、世田谷区教育委員会では、区立幼稚園及び小中学校に勤務する教職員を対象とした表彰制度として、教職員特別表彰、優秀教育実践表彰
の二つを設け、年二回表彰式を実施しております。教職員特別表彰は、教職員や学校医等
のうち、特に他
の模範となる実績や善行があった者を表彰しております。優秀教育実践表彰は、教員を対象とし、特別表彰に至らないまでも、教育活動に意欲的に取り組み、よい実践を重ねている者を表彰しております。
今後とも現場
の教職員
のやる気を高め、学校全体
のレベルアップにつなげるべく、表彰制度
の活用に取り組んでまいります。
最後に、ノウハウを含めた指導方法
の引き継ぎについてお答えいたします。
若手
の教員が大幅にふえている中、経験と力量
のある教員が持っている指導方法や技術などを引き継いでいくことは、学校
の教育力を維持向上させていく上で大変重要なことであると認識しております。例えば教員は、定期的に行われる同じ学年
の担任等による打ち合わせで授業
の準備や進め方などについて切磋琢磨したり、生活指導部会など
の話し合いを通して、一人一人
の児童生徒について理解を深めたりしております。また、校内研究会や教育研究会における公開授業に向けて検討を重ねる中で、効果的な指導方法や、それまで
のすぐれた実践などを学んでいます。
このように指導方法などは実際
の仕事を通して引き継がれていくことが多く、教員
の日々
の仕事を進める中で、それぞれに必要な能力や資質を高められるよう、校長や副校長は意識的、計画的に、教員に対して指導助言を行い育成しております。
区教育委員会では、一人一人
の教員が積み重ねてきた貴重な財産を、次
の世代
の教員がより一層充実発展させていくことができるよう、研修・研究体制
の充実や学校へ
の支援体制
の充実に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆十一番（青空こうじ 議員） 今お答えいただいた中で、研究校に基づかない学校もあるわけですよね。確かに研究校をやると大変だと思います。地域
の方も、ＰＴＡ
の方も、先生方も大変だと思うんだけれども、私が行く限りで、いまだかつて、ずっと文教をやっていますが、行っていない学校が結構あります。やっぱり研究校で一生懸命、大変だと思うけれども、やる気
のない学校
の先生、特に校長、副校長、どういう考えな
のか、もう一問だけお伺いします。
◎萩原
教育政策部長 学校それぞれ特色がある授業に心がけているところですけれども、今議員ご指摘
のとおり、さまざまな学校が研究校として取り組みを進める中で、学校全体
のレベルアップにつながっていくということは非常に重要なことだと思いますので、そういったご意見も踏まえて、今後、研究校
の指定については考えてまいりたいと思います。
以上でございます。
◆十一番（青空こうじ 議員） よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で青空こうじ議員
の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十一時五十四分休憩
――――――――――――――――――
午後零時五十分開議
○川上和彦 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
二十二番岡本のぶ子議員。
〔二十二番岡本のぶ子議員登壇〕（拍手）
◆二十二番（岡本のぶ子 議員） 質問通告に基づき、順次質問をさせていただきます。
初めに、世田谷就労支援センター、せたがや若者サポートステーション
の今後
の展開についてお伺いします。
今、日本は少子・高齢社会を迎え、大きな変革を迫られております。このような時代を迎えるに当たり、若者
の活力こそ、これから
の日本
の希望であり力であると
の思いから、私ども公明党は若者支援に全力で取り組んでまいりました。私も議会質問でたびたび若者へ
の支援
の充実を訴え、本年六月十六日に、全国で九十二番目、都内で五番目となるせたがや若者サポートステーションが開設され、本区における若者支援
の一歩を踏み出せたことを大変評価しております。
しかしながら、このせたがや若者サポートステーション、通称サポステは、厚生労働省から委託を受けたＮＰＯと世田谷区が協働で運営をしていくものであり、開設から五カ月がたった今、真に支援を必要とする若者にサポステ開設
の情報が届いている
のか、また、区はサポステ
の活動による若者へ
の支援
の成果をどこまで期待し、今後どのように協力をしていく
のかと
の思いに駆られ、先日、会派
の有志とともに、せたがや若者サポートステーションを訪問し、スタッフ
の方々と意見交換をさせていただきました。
その際、開設後五カ月間でサポステに来所された若者は二百七十五人、その多くは一足飛びにキャリア支援へつなげることが困難な若者であり、メンタル面
のサポートと自立支援
の両機能をどう提供すべきかを常に念頭に置く必要がある状況と
のことでした。
また先日、全国をリードする実績を誇る足立区
の全庁的な若者支援策
の取り組みを視察させていただいたところ、足立区では、平成十八年度にサポステを開設してより三年を経て、平成二十年度にはその利用者は年間五千六百人へと増加し、平成二十年度中にサポステを利用した若者
の就労実績は百五十七人に上っており、働きたいが、人と
のかかわりを持つことが不安であるといった若者
の声をしっかり受けとめ、スタッフが同行して職業体験をするなど、若者
の課題に沿ったメニューを多く用意してきたことが具体的な支援につながっていると
のことでした。
その一方で、
ひきこもりの未然防止
の観点から、サポステによる支援
の重要性も求められています。足立区では、サポステを通じた就労支援という制度を知ってもらうために、所管部
の課長とＮＰＯ
の担当者がペアで区内
の全中学校、高校を回り、校長と面談を重ねる中で、義務教育を終え、高校を中退し、その後、進学も就職もせず、行き場
のない若者が課題を抱えたまま、家庭で
ひきこもりがちになっている実態が浮き彫りになってきたそうです。
そうした中、若者を本格的な
ひきこもりにしないため
の対策
の必要性が高まり、東京都
の事業である
ひきこもりセーフティネットあだちを本年十一月より立ち上げ、一歩踏み込んだ出前型
の若者支援に取り組み始めていました。さらに、若者が社会から孤立しないように、所管部
の就労支援課とＮＰＯが中心となり、区内中学校、高校
の教員、ＰＴＡ、青少年委員、ケースワーカー、教育委員会指導主事などが毎月一回作業部会を開き意見交換する中で、若者を適切な支援につなげるために、サポステと関係者
の連携強化を図っていると
のことでした。
ここで三点質問いたします。
一点目に、本区
のサポステは開設して間がなく、若者へ
の支援
のあり方を分析するにはまだまだ乏しい情報量でありますが、まずはせたがや若者サポートステーション
の支援により多く
の若者がつながることができるよう、広く区民へ周知すべきと考えますが、区
の見解をお伺いします。
二点目に、本区には他
の地域にはない地域資源があります。ボランティア活動や都市農家における農業体験、さらには「おしごと相談コーナー」を通じて
の区内産業と連携した職場体験等さまざまなメニューを用意し、若者が抱える課題を一つ一つ解決する中で就労につながっていく
のではないかと思いますが、区
の見解をお伺いします。
三点目に、本区として、今後
ひきこもりの未然防止を進めていく上からも、サポステを軸とした区内関係者と
の情報交換
の場をしっかり設定し、サポステが持つ機能を一〇〇％発揮させるべきと考えますが、この点に対する区
の見解をお伺いします。
次に、熊本区長
の公約として取り組まれてきた「せたがや福祉１００人委員会」
の施策提案
の活用についてお伺いします。
私は、本年八月に開催された「せたがや福祉１００人委員会」
のシンポジウムに参加させていただき、その活動と施策提案に大変共感いたしました。という
のは、私が区民
の皆様から
の相談や要望を受ける中で、たびたび出てくる課題
の多くが、１００人委員会
の皆様が選定された五つ
のテーマに取り上げられていたからです。
例えばことし
の六月にお会いした六十代
の男性
の方は、妻が末期がんと宣告をされた際、区内に緩和ケアやホスピス等
の施設を探したが、全くなく、とても残念だったと
の声がありました。この方が発せられた言葉
の重さははかり知れませんが、その解決策をどこから見出せばよいかと思案していたところ、１００人委員会
のテーマ
の一つに緩和ケアに関することが取り上げられ、さまざまな角度から具体的な案を提示されていることを知り、大変に心強く思いました。
また、私は機会あるごとに、高齢者や障害者
の方々が安心して外出できる、思いやりあふれるまちづくり
の推進を訴えてまいりました。さき
の第三回定例会においても、商店街など
の協力によるベンチ設置
の事例を通し、行政のみならず、地域力を活用した設置
の推進を取り上げさせていただいたところです。
そうした中、同様な視点で１００人委員会
のテーマとして取り上げ、昨年、区内全商店街へベンチ等
の設置
の協力を募るアンケート調査をされていたことを知りました。早速、その部会
の方と連絡をとり意見交換をし、地道な活動
の裏で、発足当初百人弱いた委員会
の方々が二年間で約四十人弱に減ってしまい、せっかく施策提案をまとめたものの、今後どのようにこの活動を展開するべきか大変に不安であると
の声に、１００人委員会に参加された区民や事業者
の方々
の活動
のご苦労を実感いたしました。
そこで二点質問いたします。
一点目に、「せたがや福祉１００人委員会」が発足後二年間で調査・実践活動を経てまとめた施策提案は大変に示唆に富んだものと考えますが、その成果と今後
の展望について、区
の見解をお伺いします。
二点目に、区民と事業者と行政が協働で実施する観点から、提案
のすべて
の実施についてはさまざま課題があるとは思いますが、事業開始から三年目を迎える来年度は、ぜひ実現に向けた具体的な取り組みをすべきと考えます。区
の見解をお伺いします。
最後に、新たな家庭的保育事業、新保育ママ
の実施についてお伺いします。
本区では、保育サービス待機児
の解消を目指して、平成二十二年四月より新たな家庭的保育事業を開始することが発表されました。この新保育ママ事業は、従来
の制度では預かる施設が保育ママ
の居宅のみに限られていたものが、居宅以外
の施設でも基準が適合すれば可能となり、より多く
の保育ママに事業参加していただける機会がふえ、大変に評価するものです。
その上から、四月から
の事業が円滑に開始できるように、区として福祉部門のみならず関係所管とも連携し、例えば商店街等で活用できそうな空き店舗等
の情報提供を積極的に進めるべきと考えますが、区
の見解をお伺いします。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎田中
産業政策部長 せたがや若者サポートステーション
の利用実績
の分析と利用拡大に向けた広報
の充実ということについて、まずご答弁申し上げます。
若者就労支援センター、サポステは、幅広い若者を対象にしておりますが、主に
ひきこもりやニートなど
の働くことに悩む若者とその保護者
の方
の総合相談窓口として、就労へ結びつけるため
の個別相談や各種
のプログラムなどさまざまな支援を行っております。
本年六月に開設以来、毎月相談件数が増加しております。利用者へ
の相談指導
の結果として、進路イメージを持つ段階や方向性が見える段階、就職活動をする段階、さらには進路決定するなどステップアップした事例など効果
のある一方で、残念ながら、相談を行っても変化
のない事例もございます。
一方で、就労支援を必要とする多く
の若者に対して、若者就労支援センター
の取り組みについて知られていないこともあると思います。利用者拡大に向けて、支援を必要とする若者に確実に情報が届くよう、センターみずから周知徹底を図るよう指導していくとともに、区としても広報を初めさまざまな媒体を用い周知を強化してまいります。
さらに、働くことに悩むニートや
ひきこもりなど
の若者を支援する方々やハローワークや産業界など
の関係機関などにもさらに周知を図り、若者就労支援センター
の存在や目的をしっかりご理解していただけるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
続きまして、
ひきこもり未然防止を進めていくことからも、区内関係者と
の情報交換を進めるべきということについてご答弁申し上げます。
全国
のフリーターは約二百万人、ニートが約六十万人
の状況
の中で、若者がニート、
ひきこもりにならないように、みずから
の個性や適性を理解し、主体的に進路を選択する意欲や能力を育てられるよう、中高生など
の早い時期における取り組みは、若者就労支援
の大きな柱であると考えております。
このようなことから、関係行政機関、教育委員会、区内高校などにも課題を投げかけ、効果的な仕組みを積極的に検討してまいりたいと思います。さらに、お話し
のように、関係機関などと
のお話し合い、モデル的な取り組み
の中で、今後
の効果的な
ひきこもり未然防止へ
の支援
の方策についても考えていくことといたします。
最後に、若者就労支援策として、世田谷らしいメニュー
の拡充をということについてご答弁申し上げます。
若者就労支援センターが開設されて五カ月が経過し、行政と受託
の事業者と
の役割を再確認しながら、機能充実に向けた次
の展開を進めていく時期に来ていると考えております。若者に対する効果的な支援を進めるためには、若者就労支援センターと関係団体、機関などと幅広く、かつしっかりとしたネットワークを形づくり、若者就労に向けたさまざまな支援メニューが用意されることが必要です。そのためには、区内にあるさまざまな資源を最大限に活用することが重要となります。まずは、このセンターがものづくり学校
の中にあることから、ものづくり学校
の入居事業者と
の交流を図ること、さらには産業振興公社で展開している「おしごと相談コーナー」と
の連携による支援プログラム
の作成などが想定されます。そのほか、区内にあるさまざまな関連機関にも区として積極的に説明を行い、理解、協力を得ていくよう最大限
の努力をしてまいります。
以上です。
◎佐藤
保健福祉部長 私からは、「せたがや福祉１００人委員会」について、二点お答えいたします。
初めに、二年間
の成果と今後
の展望についてお答えします。
「せたがや福祉１００人委員会」は、区民、事業者、行政
の協働により、世田谷区における福祉
のまちづくりについて施策
の提案と実践を目指す会として、社会福祉事業団を事務局として、平成十九年十一月に発足しております。この間、五つ
のテーマごとに部会を設置し、これまで延べ百二十回を超える熱心な議論、検討が行われ、お話にありましたように、ことし八月にはシンポジウムを開催して、これまで
の活動報告と参加者と
の意見交換を行いました。
こうした取り組みを通じまして、例えばインターネットを活用した福祉
のマップづくりや商店街で
のベンチ
の設置に向けた取り組み、病院医師、看護師等
の参加による地域医療
の連携等について提案や実践活動が行われ、二年間
の成果として、福祉
のまちづくり
の推進や医療と福祉
の連携、地域ネットワーク
の拡大等、区
の福祉施策
の向上に寄与していると考えております。
「せたがや福祉１００人委員会」が今後ともこのような成果を区民に発信するとともに、区といたしましては、基本計画が示す協働
の推進による世田谷型福祉
のまちづくりを一層発展させるため、会
の活性化やＰＲ
の強化等、一層
の支援を行ってまいりたいと考えます。
次に、施策提案
の実現へ向けて
の具体的な取り組みについてお答えします。
施策提案につきましては、今年度、例えば今日的課題である医療と福祉
の連携を考える連続シンポジウム
の開催が提案され、第一回目
の企画として、医師、看護師、当事者家族等
の参加による緩和ケアと地域医療
の連携を考えるミニシンポジウムが開催され、地域における医療、福祉に関するさまざまな課題が議論、検討されております。また、世田谷福祉元気計画をテーマに、魅力ある介護
の仕事体験記を公募により作成する取り組みなどが提案されております。来年度はこうした提案が具体化される予定であり、今後、その成果を区
の主要施策である保健と医療と福祉
の連携や福祉人材
の育成
の推進に向け生かしていく考えでおります。
今後とも実践可能な提案につきましては、その実現に向け、より一層協働による取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◎藤野
子ども部長 新たな家庭的保育事業実施について
の区
の積極的取り組みについてご答弁申し上げます。
新たな家庭的保育事業につきましては、先ごろ国から実施基準並びにガイドラインが示されましたことから、平成二十二年四月事業開始に向け、現在、区
の要綱案
の作成を進めているところでございます。本事業
の実施に当たりましては、制度
の構築のみならず、事業主体となる実施保育所、保育ママとなる人材、保育
の実施場所
の三つ
の要素がそろうことが必要でございます。
区といたしましては、ご提案
の趣旨も踏まえましてさまざまな観点から工夫を行い、法に基づく新しい保育ママ制度を円滑にスタートさせるとともに、区民
の皆様が安心してご利用いただける仕組みとなるよう積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆二十二番（岡本のぶ子 議員） 答弁ありがとうございます。二点質問させていただきます。
一点は、サポステ
の件ですけれども、今、世田谷
のサポステはものづくり学校
の三階にあります。先日、二回ほど行かせていただいているんですが、交通
の便が余りよくないところなので、行けば落ちついてお話を聞いていただける雰囲気はあるんですが、人を呼び込むという点ではなかなか困難かなと思います。
足立区
の場合は駅ビル
の中にあり、そして、ハローワークがたまたま足立区にはあるものですから、連携しながら、ハローワークで対応できない若者たちがまずサポステに流れてくるという流れで、年間五千六百人が利用できているということでございますが、その点、今後、立地を含め、また連携を含めご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
もう一点は、先ほど子ども部
のほうからあった商店街
の空き店舗利用というところで、商店街活性化という観点から、産業政策部
のほうからちょっとご答弁いただければと思います。
◎田中
産業政策部長 まず一つ目
のサポステ
のことでございますけれども、議員お話し
のように、やはり若者相手となりますと、若者
の動線ということはしっかり考えていかなくちゃいけない。メリット、デメリットはありますけれども、今あるものづくり学校でじっくり相談を受けることと、それから、なるべく呼び込むという
のはおっしゃっていただきましたけれども、それにつきましては若者
の動線という
のをちょっと考えて、出前型になる
のかどうか、さまざまな工夫をしてみたいと思ってございます。
それからもう一点、商店街で
の子育て、これにつきましては、商店街が公共的役割を担うということ、その役割
の中には、子育てであったり、高齢者に対応するということは、当然商店街としてこれから取り組まなくちゃいけないことであると思いますから、そのような形は、私ども商店街と話し合って十分対応していきたいと思います。
以上です。
○川上和彦 議長 以上で岡本のぶ子議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、二十三番木下泰之議員。
〔二十三番木下泰之議員登壇〕
◆二十三番（木下泰之 議員） 質問通告に基づき一般質問を行います。
京王線連続立体交差事業素案
の説明会がありました。東京
の住宅密集地に高架鉄道を通そうという無謀かつ野蛮な計画です。素案
の成立過程
の情報、費用比較
の積算
の根拠を提示もしないで、結論だけ示すような説明会は不毛であります。区議会にも基礎情報はいまだに示しておりません。
今回
の素案では、地下四線方式を避け、在来線
の高架と線増線
の地下化を同時に行う併用式を採用するとしました。地形的条件、計画的条件、事業的条件で比較したとしていますが、構造形式による環境条件で
の比較はしておりません。高架構造を選択してから
の環境アセスでは、高架が前提となってしまいます。二十一世紀は環境
の世紀と言われております。環境的条件を構造選択
の条件としない
のはなぜか、伺います。
四線地下化で地上が更地になれば、都市空間に有用価値を生み出すことになります。みどり33を打ち出している区長は、地下化した際
の緑道など
の上部利用
の価値に魅力を感じない
のか否かをお伺いします。
鉄道
の地下化による整備は、都市空間
の有効利用につながり、その金銭的価値を加味すれば、都市計画上優位な計画となります。立体交換という不動産上
の手法があります。有価値を生み出す四線地下化整備
のほうが高架化を含む事業より絶対的に優位となるわけであります。このことについてどう考える
のかお伺いいたします。
逆を言えば、高架計画については、南側に環境側道をとらず、北側に六メートル以上
の環境側道をとるというだけで騒音対策をおざなりにしていることから、安上がりになると言えます。騒音対策をおざなりにしていると思わない
のか否か、お伺いいたします。
専門家
の意見では、環境実定法上では両側に十三メートル以上
の側道が必要と
の意見があります。側道を南北にとった場合、側道を広くとった際
の試算は一切しなかった
のかどうか、お伺いいたします。
さて、ところで、環境側道とつけかえ側道、まちづくり側道
の概念についてお伺いしておきます。環境側道とは何か、つけかえ側道とは何か、まちづくり側道とは何か。つけかえ側道はだれが整備する
のか、今回
の事業費に含まれている
のか否か。まちづくり側道はだれが整備する
のか、今回
の事業費に含まれている
のか否か。環境側道はなぜ世田谷区が都市計画決定権者となる
のか、その法的な根拠、制度的な根拠を示していただきたいと思います。
説明会では、環境側道について日照
の影響のみを説明しましたが、環境側道には騒音・振動対策が含まれている
のか否かをお伺いいたします。
喜多見駅～和泉多摩川駅間
の小田急線連続立体交差事業では南側にも環境側道をとっております。その際、南側に側道をとった理由、また今回、京王線
の事業で南側に環境側道をとらなかった理由について説明していただきたい。
区長は、京王沿線
の現在
の騒音、振動についてどのような認識を持っている
のか、実測データを持っている
のかお伺いいたします。鉄道騒音、振動について
の現在
の規制基準について
の認識を示していただきたい。道路騒音や新線基準、新幹線基準に比して、さらにはＷＨＯ
の環境騒音
のガイドラインに比して、極めて甘い現行基準を放置しておいてよい
のか否か、区長にお聞きいたします。
国から義務づけられている都
の連続立体交差事業調査報告書についてお伺いいたします。
報告書については、区は現時点について受け取っている
のかいない
のか。積算根拠、設計コンセプトなど基本情報を
把握している
のかいない
のかお伺いいたします。報告書を受け取っていないとしたら、環境側道
の都市計画決定をする資格がある
のかお伺いいたします。基本情報を得ていたとしたら、なぜ区議会にさえ報告しない
のか。基本情報を得ていないとしたら、なぜ基本情報さえ取得しない
のか。区民に責任を果たしていると考える
のか否か、お伺いいたします。
次に、小田急線連立事業駅舎イメージと跡地利用中間まとめ
の意見募集についてお伺いいたします。
小田急線
の下北沢駅周辺
の連立事業は地下化で行われ、その上部
の利用については、国が決めた連続立体交差事業調査要綱によれば、住民意見を反映した総合的な検討が事前に行われなければならなかったはずでありますが、駅前ロータリーであるところ
の区画街路一〇号線についても、都市計画を決定するに当たって、下北沢
の駅舎計画構想について世田谷区は全く知らず、また、周辺
の建物や跡地利用について、その総合的な検討は欠如して行われたと、行政はあえてこれまで言ってきたわけであります。何しろ小田急線においても、世田谷区は区画街路一〇号線
の都市計画を立案決定する際においても、調査報告書を東京都から見せてもらっていないと言い張ってきたわけであります。
さて、やっと小田急電鉄が駅舎イメージを区に示し、区は十月一日から区民に示して意見募集を行いました。と同時に、小田急線上部利用区民意見検討委員会は十月一日より中間まとめを区民に公表し、これも意見募集を行いました。
そこでお聞きしておきます。駅舎イメージは中間まとめに反映されている
のか、中間まとめは駅舎イメージに反映されている
のかお伺いいたします。
上部利用区民意見検討委員会は、駅舎について
の区民意見を検討するつもりはある
のか否か、昨年八月から十月にかけて
の跡地利用
の意見募集
の際、駅舎へ
の意見募集を除いてきた
のはなぜか、お伺いいたします。
ところで、連立事業
の際
の鉄道
の駅施設については、鉄道事業運営上
の必要最小限
の施設以外については公共
の利用が優先できると、国が定めた建運協定には書かれております。必要最小限
の駅舎施設について、区はどのように考えている
のか、必要最小限をめぐる協議はどのように行ってきた
のかお伺いいたします。
最後に、今回提示された駅舎イメージと避難路、緊急車両
の通行路と
の関係についてお聞きいたします。
区は、連続立体交差事業
の二〇〇一年四月
の都市計画素案、二〇〇二年二月
の計画案
の際に示した下北沢駅
の駅舎
の位置図と、その後、二〇〇五年二月
の小田急線代々木上原～梅ケ丘駅間
の上部利用についてで示した駅舎
の位置図、二〇〇八年八月に示した上部利用区案たたき台で示した駅舎
の位置図、それを比べてみますと、それぞれ違ってきております。
都市計画素案、都市計画案
の際には、下北沢駅舎
の位置は駅前ロータリー
の西
の端以西は描かれておりません。二〇〇五年二月
の図では、ロータリー
の西
の端から大分西に延び、駅舎面積はほぼ三倍と大きく拡大しておりますが、事業跡地南端に通路があり、その部分は欠けております。ところが、昨年
の八月に区民に示した図では南側通路は消え、その分、南端まで目いっぱい
の駅舎となっております。区が示した駅舎
の占める位置
の変遷
の理由を説明してください。
区は、小田急から駅舎情報について取得していないと言っていたが、取得していた
のではないですか。駅情報
の取得
の有無について明らかにしてください。経過についても明らかにしてください。
今回、小田急電鉄が示した駅舎イメージでは、下北沢駅舎
の南側に通路がなく、二階に通路をつくるとしておりますが、これでは緊急車両は東西に通れません。一方、跡地利用
の中間まとめでも、緊急車両は補助五四号線を経て、鎌倉通りを経て、跡地に迂回する図を描いておりますが、これでは補助五四号線
のまだ事業認可もおりていない三期工事を待たなくては緊急車両は通れないことになります。そもそも区画街路一〇号線を都市計画決定する際に、駅舎
のありようについては考慮しなかった
のか否か、その関係について説明してください。
今回、小田急電鉄はようかん
のような二階建て
の細長い駅舎しか示しておりませんが、隣接する再開発ビルや周辺
の再開発ビルと
の関係についてはどのようになっている
のか明らかにしてください。周辺計画や構想を知らないで、あるいは想定なしで駅前ロータリーである区画街路一〇号線を決めたという
のであれば、なぜそのようなことができる
のかお聞かせください。
以上、壇上から
の質問といたします。
◎工藤
交通政策担当部長 初めに、京王連立
の側道について、六点まとめてお答えします。
環境側道と
のお尋ねがございましたが、今回
の連続立体交差事業におきまして関連側道は、鉄道
の高架化に伴う日影
の影響等
の環境に与える影響を緩和するとともに、駅などへ
のアクセス
の向上や防災機能
の強化など、沿線地域
の利便性や安全性を高めることを目的とする道路で、都市計画決定権者は、都市計画法第十五条及び都市計画法施行令第九条第二項により市区町村となります。
つけかえ側道は、鉄道と並行する、または交差する道路
の機能が阻害される場合に設置するもの、まちづくり側道はその他地域
の生活交通ネットワーク
の確保など
のために設置する必要があるものでございます。つけかえ側道は東京都
の整備となり、事業費に含まれます。まちづくり側道は世田谷区が決定し、原則世田谷区
の整備となりますので、連続立体交差事業
の事業費には含まれておりません。
鉄道附属街路につきましては、騒音・振動対策を目的としておりません。ご指摘
の狛江工区では、その当時、関連側道、つけかえ側道などと側道を区別する概念はなく、南側へも側道を整備したと聞いております。一方、今回
の京王線につきましても南側
の側道計画につきましては、駅周辺
のまちづくりなど
の動向を踏まえ、必要に応じて今後検討してまいります。
次に、騒音問題について三点お答えします。
区内
の京王線に関する騒音と振動
の実測値につきましては、東京都環境局
の調査結果により承知しております。環境騒音について
の基準は、在来鉄道
の新設または大規模改良に際して
の騒音対策
の指針におきまして騒音レベル
の状況を改良前よりも改善することとなっており、区としましては、指針に従い適切に行うべきと考えております。本事業に伴う鉄道騒音、振動等
の環境影響調査については、東京都と京王電鉄が行う環境影響評価法に基づく手続
の中で、住民や地元自治体及び国
の意見を踏まえ、公正に行われたものと考えております。
次に、構造形式
の比較費用についてまとめてお答え等を申し上げます。
構造形式
の選定につきましては、踏切を除却するとともに、最も適切な構造形式を選定したものであり、環境へ
の影響につきましては、環境影響評価法
の定めるところにより、都市計画素案を対象に、環境に及ぼす影響について調査、予測、評価を行うと聞いております。都市計画素案説明
の際
の費用比較では、高架案、併用案が二千二百億円、地下案が三千億円で、地下式が最も経費を要する構造形式です。また、仮に全線を地下とすることを想定した場合、笹塚や八幡山駅付近など関連する工事でさらに数百億円
の経費がかかり、上部空間を緑地帯として公共利用したとした場合、なお一層
の経費が必要となります。
騒音
の影響については、今後行う環境影響評価手続
の中で検討し、適切な対応がとられるものと理解しております。
次に、報告書について三点をまとめてお答えします。
連立事業調査は、事業主体である東京都が構造形式を選定するために詳細な検討を行ったものであり、区はその技術的内容を判定する立場にはございません。したがって、調査報告書そのものは取得しておりませんが、区が検討に必要な情報につきましては、東京都より情報提供を受け、側道等
の計画を策定してきております。
次に、小田急連立に関しまして、駅舎に関する三点についてお答え申し上げます。
駅舎施設は、基本的に利用者
の安全性、利便性、サービス
の向上
の観点から適切に計画し、鉄道事業者
の責任と判断において決定されるものと考えております。平成十三年四月
の小田急線下北沢工区における道路及び駅前広場
の都市計画素案、平成十四年二月
の同計画案
のパンフレット
の図で駅前広場と
の位置関係が示されておりますが、これに基づき、今回
の整備イメージ図が提示されたものでございます。
なお、駅前広場を含む区画街路一〇号線計画を踏まえた駅舎計画となるよう小田急電鉄へ要請してきており、これを配慮したものとなっております。
以上でございます。
◎真野
生活拠点整備担当部長 私からは、跡地利用中間まとめ
の意見募集につきまして
の三点
のご質問にお答えします。
鉄道跡地を利用した公共施設計画
のアイデア募集では、駅舎は国
の基準に基づき設計された鉄道業務運営上必要な施設
のため、アイデア募集
の対象外とさせていただきました。そのため、駅舎計画そのものは区民意見検討委員会
の検討事項としておりませんが、上部利用と
の連続性を確保する視点から配慮が必要であるなど委員から
の意見があり、鉄道事業者にもその旨を伝えております。本年十月に公表いたしました同委員会における中間
のまとめには、同時期に公表されました駅舎イメージ
の内容は入っておりませんが、駅舎イメージでは、これまで
の委員会
の配慮要請した内容がある程度反映されているものと考えております。
次に、駅舎と通路と
の関係でございます。上部利用方針では、今後協議検討する施設として幅員四メートル
の通路を位置づけておりますが、通路
の機能を避難路、緊急車両
の通行路として示しているものではございません。
以上です。
◎安水
北沢総合支所長 私からは、駅舎以外
の小田急用地における建築計画についてご答弁申し上げます。
駅舎部分以外
の小田急電鉄所有地等における利用計画につきましては、小田急電鉄側から
の情報提供はございません。また、お話し
の下北沢駅舎等と隣接地を含めた計画についても計画相談も情報提供もいただいておりません。なお、駅舎等計画等につきましては、一般
の建築計画と同様、地区計画や住環境
の整備に関する条例により適切に指導、誘導してまいります。
以上でございます。
◆二十三番（木下泰之 議員） 騒音問題について何ら世田谷区は考慮していないということがよくわかりました。側道という
のは、当然環境騒音等にも配慮してつくらなければいけないとは思っているんですけれども、まず、ＷＨＯ
の環境騒音
のガイドラインについて、これは担当者
の方はちゃんと
把握しているんでしょうか。そのことについてまず答えてください、いかがですか。
◎工藤
交通政策担当部長 ＷＨＯについては詳しくございませんが、騒音に係る環境基準、環境省が告示しているもので、東京都告示もされていますが、この基準においては、鉄道騒音については適用しないというふうになっている、また、新幹線は別だと、このように承知しているところでございます。
◆二十三番（木下泰之 議員） 問題は、鉄道騒音について基準がないということ自身がおかしいんですよ。それで小田急線
の問題でも、責任裁定でそれなり
の規制については図られている。しかし、ＷＨＯでは、外
の騒音で昼間は五十五デシベル以下、それから夜間は四十五デシベル以下というふうに定められているんですよ。そういうことも考慮しない日本
の都市計画という
のは全くおかしい。それに従っている世田谷区
のやり方も全くおかしいということを申し上げておきます。
それから、駅舎
の変遷について答弁がありませんでした。明らかに都市計画案
のときには西端で切れていた、それが三倍にも膨れ上がっている。それについて説明してください。
◎工藤
交通政策担当部長 先ほどご答弁しました駅舎
の変遷につきましてですが、十三年四月に、下北沢工区における道路及び駅前広場等
の素案で説明があって、十四年二月に計画案
の説明がありまして、その中でパンフレットで駅前広場と駅舎について
の位置関係が示されております。
こういったものに基づいて、九月に今回
の整備イメージ図が提示されてきたものでございます。そういった変遷を持っております。（「南側はどうなる、次
のやつはどうなるんですか。南側があいてあった図があったというやつについてちゃんと答えていないぞ」と呼ぶ者あり）
○川上和彦 議長 ご静粛にお願いします。（「答えていないぞ、南側
の通路はどうなったんだ」と呼ぶ者あり）ご静粛にお願いします。
◎真野
生活拠点整備担当部長 上部利用方針
の十七年
の三月
の概要図におきます下北沢駅
の通路につきましては、今後、区と鉄道事業者と
の関係機関で協議するものとして位置づけてございます。鉄道事業者
の駅舎計画ではございません。
たたき台
の中で今回その線がないではないかというご質問だと思いますけれども、それにつきましては、二十年
の八月におきましてたたき台を出させていただいておりますが、地下駅
の火災対策基準
の改正等におきまして、鉄道業務運営上
の必要な施設
の配置を考えるということで、一階に通路部分を確保することは難しいということ
の報告を受けまして、昨年八月
の上部利用アイデア募集
の際に駅表示を変えたものでございます。
以上です。
○川上和彦 議長 以上で木下泰之議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、六番中里光夫議員。
〔六番中里光夫議員登壇〕（拍手）
◆六番（中里光夫 議員） 質問に先立ち申し述べます。
都立
梅ヶ丘病院を初めとする三つ
の都立小児病院
の存続をめぐる問題で、都議会民主党が廃止容認ともとれる態度に変わり、新聞各紙でも民主、容認へ転換などと報道されています。都議会民主党は、三月
の都議会で三小児病院
の廃止に反対し、その後も病院
の存続を掲げてきましたが、十一月十三日、東京都に対して多摩北部医療センター
の医師増員など
の要請を行い、その回答が及第点であるとして、病院存続条例
の提案を取りやめようとしている
のです。しかし、都
の回答は、とても八王子、清瀬両小児病院
の代替にならないものです。
梅ヶ丘病院に関しては触れられてもいません。
小児救急医療
の不足は深刻です。未熟児
の命を守るＮＩＣＵは必要数を大きく下回っています。小児病院
の廃止は子ども
の命に直結します。新型インフルエンザが大流行し、都内
の小児科は大混雑です。
梅ヶ丘病院は全国
の小児精神科医療をリードしてきました。この病院がなくなれば、毎日百五十人も詰めかける外来患者、ここでしか行えない思春期
の独自
のケアなど
の受け皿がありません。三つ
の都立小児病院はなくてはならない病院な
のです。
だからこそ、この問題が都議選
の大争点となった
のです。都立病院
の統廃合を進め、
梅ヶ丘病院については跡地利用ばかりを言ってきた自民、公明に対し、民主党はマニフェストで公的な病院を政策的に削減しませんとし、花輪都議は、三つ
の都立小児病院を条例に明記し、小児医療
の充実をするべきと、
梅ヶ丘病院廃止条例に反対したことを報告しています。山口都議も、新生児集中治療室を一・五倍にふやします、関口都議も、新銀行東京で一千四百億円も
の税金垂れ流しをしておきながら、医療予算は確保できないと言い放つ現状
の都政
のあり方を根本から変えますと、対決姿勢を打ち出しています。生活者ネット
の西崎都議も、都立小児病院
の拙速な廃止は認めないとはっきりと打ち出しています。当然、我が党も病院
の存続を訴えています。
選挙
の結果は、三つ
の都立小児病院廃止条例に反対した議員が過半数を占めました。都民が選択した
のは、都立病院統廃合ではなく、地域医療
の充実、病院
の存続です。日本共産党は、各都議会議員に選挙で示した都立三小児病院存続
の立場を貫くよう強く求めるとともに、存続を願う都民と協力して、病院存続に全力を挙げるものです。
それでは、質問通告に従い質問をします。
最初に、小田急線地下化に伴う下北沢駅周辺
のまちづくりについて質問します。
下北沢は歩いて楽しめる町です。路地を歩き回って新たな発見をする、そこが魅力です。街づくり懇談会や区
の街づくり計画でも、歩行者
の回遊性を大切にするということが繰り返し述べられてきました。ところが、さきに発表された駅舎計画などでは歩いて楽しめる町にふさわしくない問題点があります。今回は駅前広場と北口商店街と
の段差
の問題に絞って質問をします。
現在
の下北沢駅北口と南口は二メートル以上
の高低差があります。新しくできる駅
のイメージでは、出入り口は東口一カ所にまとめられ、その前は大きなバスロータリー
の駅前広場になり、現在
の北口と南口
の場所を広場で結ぶものとなります。駅前広場は低いほう
の南口に高さを合わせたので、広場と北口商店街と
の間に二メートルを超える段差ができてしまいます。区が示したイメージ図では、大きな段差とそれをつなぐ長いスロープがかかれています。一階から二階へ上がるほど
の段差で、まるで擁壁
のようです。これでは、駅から北口商店街へ向かう人にとって
の大きな障害になってしまいます。北口商店街で商店を経営する方は言葉もないと大変なショックを受けていました。
そもそも下北沢
のまちづくり計画が、まず道路ありき、駅前ロータリーありきで都市計画決定され、その計画を押しつけてきたために、このような無理が起こっている
のです。住民がさまざまな対案を示しているのに、区は道路整備に固執し、意見募集に下北沢
の駅前広場は含めないなど
の態度に終始しています。駅前広場
の都市計画
の見直しが必要です。あわせて五四号線は凍結、見直しをするべきです。駅前広場は巨大なバスロータリーでなく、人が歩いたり集ったりできるスペースとしてほしいという意見がたくさんあります。大胆な発想
の転換をして、この段差問題を解決すべきです。区
の見解を伺います。
次に、失業者など
の生活再建、負担軽減について質問します。
総務省によると、完全失業者数は、ことし十月まで十二カ月連続して前年同月比で増加となり、九月時点で三百六十三万人、年越し派遣村が出現した昨年暮れよりも九十万人以上増加しました。雇用情勢は最悪
の状態が続いています。
区内でも生活保護受給者がふえており、受給理由も、働きによる収入減少、喪失がトップとなりました。経済的理由で学業を続けられない子どももふえています。政府が初めて発表した相対的貧困率は一五・七％、子ども
の貧困率は一四・二％、ひとり親世帯
の貧困率は五四・三％と、先進国中最悪
の水準となっています。
ところが、現状では生活保護基準以下
の収入
の人からさえ税金を取っています。さらに失業者
の場合、前年度
の所得で課税され、それに基づき社会保険料なども課せられます。生活実態からするととても払えず、生活を圧迫している人がたくさんいます。失業者、低所得者
の負担軽減、生活保護に至る前
のセーフティーネットが必要です。失業者に働く場
の確保が必要です。区として
の対策はどのように考えている
のか伺います。
この間、日本共産党は、住民税減免
の拡充、就学援助
の拡充、介護保険や国保
の保険料軽減を提案してきました。失業者、低所得者
の負担軽減
の必要性について
の区
の認識を伺います。
次に、京王線連続立体交差・複々線化について質問します。
鉄道
の構造形式と関連側道
の素案が初めて示され、住民説明会が開かれました。開かず
の踏切解消は住民
の悲願です。連続立体交差事業は必要な事業です。同時に、高架か地下か、関連する道路や駅周辺
のまちづくりなどは、住民
の納得
の上、決めていく必要があります。説明会はわずか一時間半
の間に高架方式、地下方式、併用方式を比較検討して、併用方式を採用したこと、関連側道などができること、交差道路計画や駅前広場など
のまちづくり
の問題があること、都市計画
の手続
のことなどが矢継ぎ早にスライド上映され、質疑時間も不十分でした。専門的な用語も多く、多く
の住民が、なぜこのような計画になった
のか、自分たちにどのような影響がある
のかなどわからなかった
のではないでしょうか。議会に対しても、説明会まで内容は知らせられないと、詳しい報告はありません。私自身もまだまだわからないことがたくさんあります。
全部地下でと多く
の住民が求めています。なぜ高架・地下併用式になった
のか納得できません。八幡山駅は高架
のままにするなど、検討
の前提条件も納得ができません。複々線化事業は切り離し、財源は国と相談するなど、本当に複々線化を行う
のか不透明です。区民が計画を検討できるように、検討内容
の詳細情報を公開すべきです。区
の見解を伺います。
今回
の計画で立ち退きなど
の影響が出る住民は、鉄道部分、側道部分、つけかえ道路部分、それぞれ何件程度か、伺います。
鉄道
の構造形式について情報を明らかにし、住民
の意見を取り入れて再検討することを求めます。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎志村
道路整備部長 下北沢
の駅舎と駅前広場について、駅前広場と高低差について、それぞれ見直しをする必要があるというご質問にお答え申し上げます。
下北沢駅
の交通広場につきましては、小田急線
の連続立体交差事業とあわせ、鉄道とバスやタクシーなどと
の乗り継ぎにおける利便性
の向上、駅周辺
の防災機能
の向上や町
の活性化などを目的とし、補助五四号線を含め、平成十八年度から事業に着手しております。
交通結節機能
の改善を図る上では、現在進めているバス乗降場やタクシー乗車場等
の施設
の整備は必要不可欠なものであり、整備を進めていく必要がございます。また、下北沢駅は小田急線を境に南北
の地形に高低差がありますが、交通広場により駅
の南北を一体化させ、歩行者が円滑に移動できるように整備していくものでございます。整備に当たっては、地元商店街
の皆様などからご意見をいただきながら、駅南北
の高低差に配慮し、広域生活拠点にふさわしい広場となるよう事業を進めてまいります。
以上でございます。
◎工藤
交通政策担当部長 京王線連続立体交差・複々線事業について、二点ご答弁申し上げます。
まず、情報公開と説明責任についてお答え申し上げます。
京王線連続立体交差・複々線化
の都市計画素案につきましては、このたび
の素案
の説明会におきまして、できる限り区民
の理解を得られるよう努めてきたところでございます。素案説明会
のフォローアップとして、個別
の問い合わせ等につきましては、電話や窓口で
のお問い合わせにつきましては丁寧に対応していく体制を整えているところでございます。今後も区民が街づくり計画等を検討していくに当たり、必要な情報につきましては丁寧に対応してまいります。
次に、今回
の計画で立ち退きを迫られる住民はどの程度か、鉄道部分、側道部分とつけかえ側道、それぞれどの程度かと
の質問にお答え申し上げます。
今回
の京王線都市計画素案における立ち退き件数でございますが、まだ用地測量前であり、建物にどの程度かかるかはまだ明確になっておりません。そのため、立ち退きになる
のか、補償になる
のか、改修で済む
のか判断できない状況でございますので、都市計画素案
の図面で影響がある建物ということで推計してみたところ、鉄道部分で約二百七十件、側道部分で約六十件、つけかえ側道部分で約百五十件でございました。しかしながら、それぞれ
の区域にまたがっている建物も多く、両方に重なっている建物を除きますと、今回
の京王線連続立体交差事業で影響がある建物はおおむね三百五十件と推計されます。
以上でございます。
◎田中
産業政策部長 失業者に働く場
の確保ということで、区として
の対策はというご質問でございました。
全国失業率は、ことし七月に過去最高
の五・七％に達した後、九月には五・三％に低下いたしましたが、依然として厳しい状況にあり、今後、さらに雇用情勢は厳しさを増すことが予測され、雇用対策は地域としても喫緊
の課題でございます。
この状況
の中で、国では十月に、国民が抱える不安に対応し、政府を挙げて雇用
の確保に取り組む緊急雇用対策が打ち出されました。区においても、区民生活
の安全安心を守るべく、課題としてとらえなければなりません。
区としてさらなる雇用促進を図るため、民間事業者へ
の国
の緊急雇用創出事業
の活用による失業者雇用や、区内中小企業
の経営安定や活性化を図り、雇用創出となるため
の融資制度
の拡充など、ありとあらゆる施策を展開することといたします。また、国
の緊急雇用対策につきましては、失業者
の方々へきめ細かで迅速な情報提供できるかが課題でもあります。さらに工夫し、情報提供に努めることといたします。
以上です。
◎板垣
政策経営部長 住民税減免
の拡充と、失業者、低所得者
の負担軽減について
のお尋ねでございました。
区では、生活保護受給者、また当該年におきまして所得が皆無となったため生活が困窮した方々等につきまして、区民税
の減免を行ってございます。また、区在住で区立小中学校に通っている児童生徒
のいる生活保護受給世帯、または前年
の世帯
の合計所得金額が一定以下である世帯に対しまして就学援助を行うほか、世帯全員
の前年
の所得が一定以下
の場合に国保
の保険料
の均等割額を減額するなど、低所得者や失業者
の負担軽減等に取り組んできたところでございます。
今年度におきましても、介護保険利用料につきまして、従来、国や都
の制度
の区
の負担分に加えまして、区独自
の上乗せをして介護保険利用者
の負担を減らすなど、低所得者
の利用者負担
の軽減等に取り組んでございます。
今後とも、低所得者、失業者対策につきましては、国や都
の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆六番（中里光夫 議員） 再質問させていただきます。
下北沢
の駅前広場
のことですけれども、この間、鉄道
の上部利用であるとか駅舎であるとか、意見募集をやってきたわけですが、これまで駅前広場は別だと、これは意見募集
の対象外だという
のが繰り返されてきました。道路、都市計画絶対、バスロータリー絶対という立場が、こういった矛盾した二メートルも
の段差を残してしまうような計画になっているんじゃないかというふうに私は思うんです。なぜ駅前広場について住民
の意見を聞いたり、もっと総合的な案について住民
の意見を聞こう、そういう態度がない
のか、そのことを伺います。
それから、政策経営部ですけれども、税金
の減免
の話で、所得が皆無になった者に対して減免を行っているということですが、一昨年、私どもが住民税軽減
の提案を行ったときに実態を調べましたら、災害などに遭った人にだけ適用されているということでした。現在、失業者に対して住民税
の減免などを実際行っているんでしょうか、実績はあるんでしょうか、伺います。
◎志村
道路整備部長 今お話にありました下北沢
の駅前広場で二メートル
の高低差、そういったことがある、今回
の上部利用でそういった広場もなぜ意見を聞かないかというご質問でございますが、上部利用につきましては、地下化した上部
のご意見を聞いたということでございますので、駅前広場
の都市計画道路
の整備、駅前広場
の整備、そういったことについては、今後も住民
の皆様
のご意見を伺ってから整備を進めていきたいというふうに考えております。
都市計画決定をしている広場でございますので、事業認可を受けたとき
の形もございますので、そういったことを当然重視しながら、皆様方
のご意見を聞きながら、その中でどのような整備をしたらいいか。それから、二メートル
の段差があるという
のは、もう地形上明らかに二メートル余り
の段差が今もございます。そういったことを、どうやって快適に歩けるかとか、快適に移動できるかということは、当然段差が二メートルある上で考えなきゃいけない。東京
の中でもたくさん段差
のある広場はありますので、工夫している事例も参考にしながら、当然快適に移動できるようなことにしていかなきゃいけないということを考えておりますので、今後とも地元
の皆様を初め、ご意見を伺いながら整備を進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎板垣
政策経営部長 区民税
の減免につきまして、先ほど申しましたように、当該年において所得が皆無となったため、生活が困窮した方々について、区民税
の減免という形をとってございます。今ご質問にありました、その理由が失業者であったかどうかということだと思いますけれども、その理由が、その該当でなった方が、減免された方が何名いるかについては、申しわけありませんが、今数値は持ち合わせてございませんので、申しわけありません。
◆六番（中里光夫 議員） 減免
の問題については、後で調べて教えてください。
それから、駅前広場については、工夫した結果があの絵に小さく出ている長いスロープなんですか、そんな
のは納得できません。
○川上和彦 議長 以上で中里光夫議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、四十九番すがややすこ議員。
〔四十九番すがややすこ議員登壇〕（拍手）
◆四十九番（すがややすこ 議員） 質問通告に基づき質問いたします。
初めに、来年度
の保育施設整備について、特に株式会社
の認可保育園、認証保育園
の整備について質問いたします。
この件については、前回
の決算委員会でも取り上げておりまして、その際
の答弁では、来年度整備していく過程
の中で検討していくということでした。区
の各総合支所
の窓口
の担当者
の方々は日々、保育園に入園したくてもできない方々
の対応に追われていることと思いますが、それに対して、今
の時期は何もこたえることができていないでしょうし、この状況では、来年四月入園
の選考でも、入園できない待機児童が来年度も大勢出てしまう
のではないかと、かなり
の危機感を感じている
のは私も同じです。
このように、増大する保育需要に対し供給が全く追いついていない現状に対し、区は保育施設整備に関し、あらゆる手法で保育サービス
の拡充を目指すという、昨日来
の代表質問
の区
の答弁に対しては期待をしたいものですが、整備手法が私立認可保育園を中心とするものであることについては、これまでと大きな変更点はなく、本当に千二百三十六人以上
の枠を、平成二十三年四月までに確保できる
のかと疑ってしまう部分もあります。
そこで、改めて質問いたしますが、認証保育所を新設することについて
の考え、特に、これまでは駅近でなければ対象とならなかったものを、駅から遠くても認証保育園として認めていくべきであることについて
の区
の考え、そして株式会社
の認可保育園を世田谷区内に整備する考えについて、区
の見解をお聞かせください。
株式会社
の認可保育園について申し上げれば、確かに世田谷区では、区立保育園を民営化する際
のガイドラインに、民営化後
の運営法人として社会福祉法人が挙げられており、株式会社は認められておりません。しかし、実際には認証保育園
の運営主体は株式会社がほとんどであり、この中には、他
の二十三区において認可保育園事業を請け負っている事業者も存在します。
認可保育園と認証保育園を比べたときに、子どもを安全に質
のよい環境で預かるという第一義的な目的に全く差はないはずなのに、その基準が違うだけで、世田谷区では導入されない
のは理由として成り立たないと感じていますので、前向きな取り組みをお願いいたします。
次に、普通学級に通う配慮を要する児童へ
の支援について質問いたします。
平成十九年度から特別支援教育が導入され、特別支援教育という言葉は浸透されてきつつある
のでしょうが、実際
の学校現場では、その制度
の理解、導入レベルにかなり差があると感じ、今回は、特に通常学級における特別支援教育について取り上げさせていただきます。
特に発達障害児や肢体不自由児を持つ家庭
の中には、特別支援学級ではなく、通常学級でできる限り頑張っていきたいという方もいます。発達障害
の場合、性格な
のか、障害な
のか、はっきりしたことがわからない場合もあり、また、障害が肢体不自由だけ
の場合、学力的には通常学級でも問題がない場合もあります。このように、本人
の学力としては問題がないので、通常学級で学びたいという本人、そして保護者
の気持ちは当然だと思っています。
これに対し、世田谷区
の特別支援教育
の取り組みを見てみますと、通常学級に通う配慮を要する児童へ
の支援体制として、児童生徒や学級
の状況に応じて、児童生徒
の在籍する学級を支援する学校支援員を週一回を限度に派遣、車いすにより移動補助が必要な児童生徒を対象に、移動補助等を目的とした支援要員を週八時間程度派遣、また、配慮を要する児童生徒
のうち、学習面で
の支援が必要な児童生徒には非常勤講師を派遣するなど、さまざまな支援策が講じられております。
問題な
のは、この制度
の理解度が各学校によってまちまちなことであり、その結果、児童生徒やその保護者に必要以上に負担がかかり、通常学級に通うことをあきらめなければならないケースがあるということです。
学校ごとに特色を出すという世田谷区
の方向性には賛同している部分もありますが、一方で、このような制度
の理解、導入へ
の対応については、すべて
の学校が同じレベルであるべきです。見解を伺います。
三点目に、三宿つくしんぼホームとあけぼの学園における宿泊を伴うショートステイ
の実施について質問いたします。
区内には医療的ケアを必要とする重症心身障害者が利用できる通所施設として区立三宿つくしんぼホームと隣接するあけぼの学園があります。数カ月前にこの二つ
の施設を見学させていただきました。あけぼの学園は医師が常駐しており、医療行為ができる施設ですが、三宿つくしんぼホームは医師
の常駐はありませんが、そのかわり看護師を配置し、医療的ケアを行えるようになっています。この二つ
の医療的ケアにおける連携は図られていると
のことで、あけぼの学園
の園長先生は、全国でもこのような施設はなく、大変誇れる施設であるとお話しされていたことが印象に残っています。しかしながら、夜間
の医師
の常駐はないため、宿泊を伴うショートステイには対応しておらず、利用者からは、この二つ
の施設で実施をしてもらいたいと
の要望が以前より出ています。
この二つ
の施設
の連携を図り、あけぼの学園
の診療所を活用した、宿泊を伴うショートステイ
の実施について、区
の見解をお聞かせください。
最後に、学校建てかえに伴う地下室
の考え方について質問いたします。
現在、桜小学校
の建てかえが平成二十年度から二十三年度
のスケジュールで行われております。完成時には地下一階地上四階建て
の校舎となる予定で、地下
の教室には特別支援学級、ＢＯＰ室などが充てられています。桜小学校
の場合は斜面地に学校があり、今回
の建てかえにおける地下室は、この斜面地を利用した、いわゆる斜面地マンション
のような位置づけであると考えられますが、北側に向かって下り
の斜面になっているため、地下室へ
の自然採光は北側しか期待ができないと想定されます。
ＢＯＰ室については、世田谷区
の学校建てかえ
の際
の標準設計指針・標準仕様書において、ＢＯＰ室は校庭に面し、体育館、児童用昇降口
の動線に配慮することや一階に設置することが示されておりますが、建てかえ後
の桜小学校
の場合は、ＢＯＰ室が地下に設置されているため、ＢＯＰ室は校庭に面してはいません。
これらに対しては、保護者
の方々からは、ＢＯＰ室が地下室であることに対する子ども
の健康面へ
の不安、校庭とＢＯＰ室が離れてしまうことによる安全面へ
の不安
の声が上がっておりますので、まず、これら
の安全面、健康面について、区
の見解をお聞かせください。
また、保護者からは、現状においては設計変更が難しいことを理解した上で、安全面、健康面において環境がよくなるよう要望が出ております。これら
の要望内容に対し、区としては、今後どのように対応されていく
のでしょうか、お聞かせください。
学校は児童生徒が昼間
の大半を過ごす場所であることは言うまでもありませんが、学童を利用する児童にとっては、さらに長い時間を学校で過ごす場所でもあります。特に夏休みなど長期休暇
のことまで考えると、学童を利用する児童にとって、ＢＯＰ室
の住環境として
の配慮は重要な要素です。
一方で、学校改築においては、防災面へ
の配慮、特別支援学級やＢＯＰ室、ランチルーム
の設置など、さまざまな用途を入れ込まなければならず、狭い敷地に建設となると、地下を利用しなければならないケースが発生してしまうことがあることは理解はできます。しかし、そのような場合に、地下室を利用した教室は何がよい
のかということについては、再度議論する必要があると考えています。
例えば学校施設整備基本方針においては、今後、温水プールは建設しないとあるようですが、地下室を利用する
のであれば、プールが適しているかもしれませんし、災害時
の避難所ということが考慮されると、体育館は地下に適さない
のかもしれませんが、そのことと子どもが日々過ごす環境ではどちらが優先される
のか。また、防音効果ということでは、地下室を音楽室などに利用することも考えられます。既に地下室を利用している学校もあると聞いていますが、区内には何校あり、その地下室はどのような用途でしょうか。また、今後
の学校建てかえ
の際
の地下室
の考え方についてお聞かせください。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎藤野
子ども部長 保育施設整備に関しましてご答弁申し上げます。
規制緩和による公共サービス
の担い手
の多元化が進む中で、区といたしましても、さまざまな事業主体を活用し、サービス
の向上に努めているところでございます。
保育施設整備におきましても、これまで民間事業者を含めた多様な事業主体により事業を展開しており、既に区内には三十四
の認証保育所があり、待機児解消
の観点からもその役割は重要であると考えております。
認証保育所は、駅近く
の設置に加え、三百戸以上
の大規模集合住宅建設に際し、必要な保育機能を整備する場合も開設を想定しているところでございます。
一方、認可保育園につきましては、学識経験者や区民
の意見、区議会
の皆様方
のご議論などを踏まえまして策定いたしました区立認可保育園民営化
のガイドラインにおきまして、株式会社は民営化園
の運営主体
の対象としていないところでございます。
今後も保育サービス
の拡大につきましては民間事業者
の協力が必要となりますが、平成二十二年度には区立認可保育園
の民営化に関する評価検証を予定しております。その過程
の中で、今後検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 私からは、二点お答えいたします。
まず通常学級に通う要配慮児童へ
の対応についてでございます。
区立小中学校
の通常
の学級に在籍する配慮を要する児童生徒へ
の支援につきましては、学校における指導体制や個別指導計画等による指導内容
の充実とともに、心理職
の校外アドバイザーによる指導助言など、学校を支える体制
の充実に取り組んでおります。また、学校へ
の人的な支援策としましては、区独自に、児童生徒や在籍する学級
の状況に応じた学校支援員
の派遣、教科補充
の非常勤講師
の配置や、車いす
の移動補助
のため
の要員
の配置などを進めております。
こうした支援策においては、児童生徒
の支援ニーズ
の多様性や、学校規模
の大小による教職員
の体制や、特別支援学級
の併設等
の状況により、各学校で
の具体的な活用
の仕方は、結果として異なるところもございます。
区教育委員会としましては、児童生徒一人一人
の教育ニーズに応じた適切な教育的支援を推進するために、引き続き学校長等へ
の支援策
の適切な活用
の周知を一層図るとともに、学校へ
の支援
の充実にも取り組んでまいります。
次に、桜小学校建てかえに伴う、ＢＯＰ室に関する保護者から
の要望へ
の対応についてお答えいたします。
本年九月、桜小学校新ＢＯＰ学童クラブ父母会から、改築後
のＢＯＰ室
の配置等に関するご要望がございました。区といたしましては、要望書を受け取った際に、学校
の改築工事が既に始まっている段階で
の配置変更は困難であることをご説明し、その上で、改築後
の状況を区としてもしっかり
把握していく旨をお答えいたしました。
今後、改築後
の子どもたち
の活動場所へ
のスタッフ
の配置等を検討するとともに、その他
の項目についても、状況
把握の上で可能な対応を図りまして、保護者にもその旨をご説明してまいります。
以上でございます。
◎佐藤
保健福祉部長 私からは、区立三宿つくしんぼホームと都立あけぼの学園
の連携による、宿泊を伴うショートステイ
の実施についてお答えします。
区立三宿つくしんぼホームは、身体と知的
の重度障害
の方を対象に生活介護事業を実施しており、都立あけぼの学園は、東京都が社会福祉法人に重症心身障害児通園事業として委託しており、三宿診療所が併設されております。二つ
の施設はそれぞれ独立した施設として、世田谷区と東京都から事業を受託しているわけですが、施設が隣接し、また運営法人が同じことから、三宿つくしんぼホームでは、あけぼの学園
の設備を活用した入浴サービスや利用者
の交流事業を実施するとともに、緊急時には三宿診療所
の支援を受けるなど
の連携を行っております。
現在、区ではあけぼの学園
の施設内で
の日中ショートステイにつきましては法人に対して助成しておりますが、お尋ね
の宿泊を伴うショートステイにつきましては、あけぼの学園及び三宿つくしんぼホームには宿泊設備がないことや、三宿診療所も日中事業であることから、現状では実施することは困難な状況となっております。
ご提案
の点につきましては、国や都と
の役割分担も踏まえ、今後、東京都や法人と課題
の整理等も含めて検討してまいりたいと考えます。
以上です。
◎古閑
教育環境推進担当部長 私
のほうからは、学校建てかえに伴う地下室
の考え方について、二点お答えいたします。
まず最初に、桜小学校
の建てかえで、ＢＯＰ室、特別教室が地下室となり、校庭と離れているが、どのように検討されたか、お答えさせていただきます。
桜小学校
の改築におきましては、平成十八年度に、保護者、地域、学校等
の代表によって構成されます桜小学校改築基本構想検討委員会を設置いたしまして、基本的な改築
の考え方や施設配置等を検討し、基本構想を策定しました。
その後、保護者説明会、住民説明会等を開催し、ご意見、ご要望等も伺いながら、平成十九年度に基本設計、平成二十年度には実施設計を行い、敷地
の面積や形状等
の改築上
の条件を総合的に勘案しまして、現計画
の配置を決定したところでございます。
桜小学校
の学校敷地は南側が高く北側が低い勾配となっております。ご指摘
のＢＯＰ室、特別教室は北側に位置することから、南側
の校庭より低い位置にあり、法令上は地階という扱いになっておりますが、北側
の広い道路面からは地上階になっている形状でございます。
なお、ＢＯＰ室等がある建物中央には吹き抜け
の中庭を設けまして、自然通風、採光面を工夫しているところでございます。
二点目に、地下室
のある学校数は幾つある
のか、また、その活用はどのようになっている
のか、また、今後、学校
の建てかえについて地下室を設けることに対する区
の考え方はどうかというお尋ねにお答えさせていただきます。
敷地
の高低差があるなど、桜小学校と同様、敷地
の形状から、配置自体は地上に接しておりますが、法令上、地階
の扱いになる教室棟を配置している小学校は、桜小学校を含めて三校ございます。桜小学校を除く他
の学校で
の配置は、家庭科室、理科室等
の特別教室が中心でございます。一方、中学校は、地域開放施設として
の機能を担う温水プールを持つ四校と、そのほか、武道場を地下に配置している一校を含め五校ございます。
区教育委員会では、学校改築に当たりましては、今後も敷地
の高低差、形状、建物規模等
の与条件から限定的に地階に配置する場合を除き、地上で
の施設整備を基本として取り組んでまいります。
以上でございます。
◆四十九番（すがややすこ 議員） 普通学級に通う要配慮児童
の件なんですけれども、先ほどご答弁
の中で校長先生へ
の周知を徹底するというふうにおっしゃっていただいたので、まさにそれをやっていただくことで、それぞれ
の配慮を要する児童
の方たちにとって大分対応が変わってくるんじゃないかなというふうに思いますので、まずはそこ
の周知徹底をお願いしたいと要望して、質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上ですがややすこ議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、三十六番唐沢としみ議員。
〔三十六番唐沢としみ議員登壇〕（拍手）
◆三十六番（唐沢としみ 議員） 質問通告に基づき、順次質問をしていきます。
我が国
の経済情勢は、やや好転
の兆しが見え始めたと言われているものの、区
の財政状況は、地方財政
の取り組みなどからも、依然として深刻な状態が続くものと考えられます。したがって、今後、国と同様、不要不急と判断された事業は廃止や見送りといった困難な判断を迫られる場合も数多く出てくると思います。
そこで、私が重要と考える点は、こうした困難な判断を要するときこそ、区民
の力を最大限発揮するような工夫が大切だと思う
のであります。
私はこれまで、区民と行政が区
の将来像を共有し、目指すべき姿を明確にした上で区政を展開するべきであると繰り返し申し上げてまいりました。区民が区政
の現状を広く知るとともに、行政が区民
の暮らしや町
の現況、課題をしっかりと認識し、その共通理解
の上に立って、政策や施策
の優先順位、緊急性をともに判断していけば、厳しい状況
の中で、たとえ予算
の削減をしなければならない場合であっても、行政内部だけで決めるより、はるかに区民
の理解を得られやすく、そして区民ニーズに即した予算編成が実現すると思います。
こうした視点から、順次質問いたします。
まず、地域
の将来像についてお伺いいたします。
区は、実施計画に掲げる「区民が創るまち」を実現するために、地域
の活性化に向けた指針
の策定を検討しております。この一環として、十月三十一日に、昨年に引き続き二回目
の「地域活性化・地域
の絆シンポジウム」が開かれました。学識経験者や町会・自治会を初め、地域で活動を展開している区民
の方々も参加し、さまざまな意見交換が行われたと聞いております。
そこでまず、指針
の検討
の中で、このような活動を通し、地域
の将来像についてどのような方向を見込んでいるでしょうか。中間報告ではありますけれども、現段階で
のご認識をお伺いいたします。
次に、こうした活動から得られた成果をどのように区民
の中に広げ、そして実際
の政策に生かしていく
のでしょうか、伺います。
検討
の結果が区民と共有され、区政が発展する原動力となってこそ、時間と経費をかけた検討が生きてきます。特にこのような財政が厳しいときこそ、それぞれ
の事業
の中で、たとえ区に十分なお金がなくても、区民とともに何とかするという方向性を導き出すことも、区
の将来像を描く場合
の大切な要素であると思います。財政危機というピンチをチャンスに変える発想が必要であります。
そこで、地域
の活性化
の検討から導き出された結論を、一つでも二つでもいい
のですが、二十二年度
の予算編成に生かしてほしいと考える
のですが、区
の見解を求めます。
次に、ハード面
のまちづくり
の将来像についてお伺いいたします。
まず二子玉川再開発事業に関してですが、先日、これから事業着手というⅡ―ａ街区を中心テーマとした住民
のワークショップが開催されました。専門家を交えて、実際
の計画とは異なるプランについてもいろいろ議論されました。残念に思うことは、これだけ
の大きな事業であるにもかかわらず、事前に区民
の間に将来像が十分共有されていなかったという点であります。さまざまな意見が多い大規模な再開発事業ですから、すべて
の区民
の意見が一致することは難しいと思いますが、少なくとも工事
の直前になっても、どのような町にしていく
のか、その姿が区民
の間に共有されていないという状況は避けるべきだったでしょう。
大きな財政負担となる事業ですから、求められたら情報公開をすればいいという
のではなくて、積極的に区民に事業を周知し、区民
の共通理解を築いておくことが予算配分
の前提になると考えます。区
の見解をお伺いいたします。
一方、鉄道に関してですが、小田急線
の上部利用
の中間まとめ、あるいは駅前広場
の素案や駅舎デザイン案、さらには京王線に関しては、二線が高架で、二線が地下化
の都市計画
の変更案が発表となり、沿線住民を対象に順次説明会が開催されました。それぞれ今後議論が深まっていくと考えますが、特に駅周辺
のまちづくりに関しては、区民と十分共通理解を築きながら進めてほしいと思います。
現段階で一つ気になる点があります。それは、駅周辺
のまちづくり事業には国
のまちづくり交付金
の活用が多いと聞いておりますが、国
の事業仕分けで、このまちづくり交付金
の制度が変わると報じられております。将来
の財源措置
の変更が計画にどのような影響を及ぼす
のか大変気になります。現段階で
の区
の見解をお伺いいたします。
万一、区
の計画に影響を及ぼす場合には、単に国
の都合でという
のではなく、早目に区民に率直に情報を示し、一緒になって対応策を考えるよう求めておきます。
また、奥沢地域
のまちづくりについてです。
目蒲線
の急行運転に伴い、奥沢地域
の踏切は開かず
の踏切になっています。主要な道路は区道、都道に分かれ、整備も十分ではありません。災害時には消防車や救急車など
の活動にも支障を来すおそれがあります。小田急線や京王線と同様、この地域にも目を向け、拠点出張所へ
のアクセス、あるいはまた駅前南側広場
の整備を含め、まちづくりを促進してほしいことを強く要望しておきます。
次に、家庭教育について伺います。
昨今
の厳しい経済状況が家庭生活を圧迫しています。会社勤め
の方は、倒産やリストラなど職を失う恐怖を感じながら、厳しいノルマやサービス残業に追われ、事業主
の方は、売り上げ
の減少、資金繰りなど、気が休まることがないとこぼしていました。これまで専業主婦だった女性もパートに出なければ生活が成り立ちません。保育需要
の急増が、これら
の事実を何よりも物語っております。
困ったときに頼りになる身近な家族や親戚もなく、ご近所
のおつき合いもほとんどありません。これでは、高齢者
の介護、子ども
の教育、まして地域コミュニティーへ
の貢献など
の余裕があるはずはありません。しかし、家庭や地域と
のつながりは生きていく上でなくてはならないものであります。私は、今こそ家庭へ
の総合的な支援が必要と考えております。
教育委員会は昨年度、家庭教育支援推進区民会議を組織し、毎年夏に開催する教育フォーラムにあわせて区民大会を開催しております。私はすばらしい取り組みだと高く評価しますが、その後
の展開がいま一つ明らかになっていないような気がいたします。家庭が厳しい状況に置かれている中、家庭に対して単に教育
のあり方を指示する
のではなく、温かく家庭を支援するような取り組みを充実するべきと考えます。
私は単なる予算措置を求めている
のではありません。家庭という重要な問題こそ、区民とともに粘り強く知恵を出し合って解決策を探ってほしいと思います。
教育委員会
のご所見をお伺いし、そして、以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎板垣
政策経営部長 私から、三点についてお答えさせていただきます。
まず最初に、地域
の活性化に向けた指針について、現段階で
の認識を伺うと
のことでございました。
世田谷区におきましては、これまでも区民主体
のまちづくりや支えあい活動などが活発に行われ、地域
の身近な課題解決に大きな役割を果たしてきました。この流れを将来にわたりましてさらに高めていくことが、区政
の重要な課題と考えております。
また、急速な少子・高齢化
の進展など、地域社会が大きく変容する中で、高齢者や子育て支援、環境問題へ
の取り組みなど、さまざまな区民生活
の課題を解決するには、参加協働
のまちづくり
の推進が不可欠であると認識しております。
こうした観点
のもと、現在、町会・自治会や商店街等
の現況、各種活動団体
の広がりなどを改めてとらえ直しまして、その基盤である地域
のきずな
の重要性に着目しながら、仮称地域活性化に向けた指針を策定しているところでございます。
今後につきましては、この指針を一つ
の契機としまして、議会はもとより、広く区民と
の議論を積み重ねながら、世田谷区基本計画に掲げます将来目標
の一つであります「区民が創るまち」
の実現を目指し、区民自治と協働
のさらなる展開を図っていきたいと考えております。
次に、二十二年度予算編成に生かせと
のことでございました。
策定中
の仮称地域活性化に向けた指針につきましては、区民自治と協働を基調とした地域
の問題解決に向けまして、今後
の方向性につきまして、区民、活動団体、行政など、地域にかかわる各主体間で共有するために、区
の考え方をお示しするものでございます。
指針検討段階で
の論点を予算編成に生かしたらどうかと
のお話でございますが、特にまちづくり
の最前線でありますまちづくりセンターは地域活性化
の一翼を担う行政機関でございますので、所管課とも連携し、住民や各種団体と
の連携強化などにつきまして、指針
の中に反映すべく検討を進めているところでございます。
いずれにいたしましても、区職員が指針
の趣旨を理解し、既存
の事業にその趣旨である区民や活動団体と
の参加協働といった観点を盛り込むなど
の工夫を加えまして実施していくことが重要であると考えているところでございます。
最後に、まちづくりにつきまして、区民
の共通理解を築いておくことが予算配分
の前提になると考えるが、いかがかと
のことでございました。
区では、予算編成に臨むに当たりまして、区長
の指示
のもと、庁内に基本方針を示しており、二十二年度予算編成に当たりましても、区民
の目線から成果
の向上を図る旨、周知を行ってございます。
各部におきましては、この予算編成方針に加えまして、区
の基本計画を初めとする政策的方針
のもとに、各事業に対する区民ニーズや意見を踏まえ予算要求を行い、その上で必要な施策に財源を配分することが予算編成
の過程であると認識しております。
事業経費
の予算計上に当たりましては、実現に向けて
の環境が整うことが大切でございまして、そのため、ご指摘にある区民へ
の十分な周知や共通理解
の醸成を図ることが重要であると考えております。
以上でございます。
◎真野
生活拠点整備担当部長 今行われている国
の事業仕分けがまちづくりなど
の計画に悪影響を及ぼすことはないか、現段階で
の区
の見解をというご質問にお答えします。
現在、行政刷新会議ワーキンググループにおきまして国
の事業仕分けが行われております。先般行われました、まちづくり交付金など
の補助事業を含むまちづくり関連事業全般
の事業仕分けの評価につきましては、各自治体、民間
の判断に任せるとされております。評価自体は具体的な予算へ言及するものではございませんでしたが、評価者からは、地方自治体へ
の財源
の移譲や制度見直し
の必要性など
の意見が出されております。
区といたしましては、今後
のまちづくり事業に係る財源として
の補助金に何らかの影響がある
のではないかと思っております。
事業仕分けによりましてすべてが決まるものではないため、今後
の状況は不透明ではございますので、これから
の国
の動向を注視しながら、状況に応じて迅速に対応できるような課題整理などに努めてまいります。
以上です。
◎萩原
教育政策部長 家庭教育へ
の支援についてお答えいたします。
家庭は教育
の原点であり、子どもたちが多く
のことを学び成長する場として極めて重要なものと認識しております。お話し
の家庭教育支援推進区民会議は、子ども
の教育や健全育成にかかわる団体や、町会・自治会、ＰＴＡ、学校
の代表者、産業界等により組織されたもので、地域が一体となって家庭教育
の重要性を認識し、その支援を推進する基盤がつくられたものと考えております。
その後
の取り組みでございますが、昨年
の区民大会
の成果を踏まえ、まず区立小学校校長会とＰＴＡ
の連携により、家庭教育に関するリーフレットを作成していただき、各学校に配布するとともに、使い方や保護者
の感想も紹介して、各学校単位で開催される家庭教育学級等で活用いただいております。
また、区政モニターへ
のアンケート調査や、区民、事業者へ
の聞き取り調査により、家庭教育や学校へ
の支援に関するニーズ
の把握を行うとともに、担当職員を他自治体に派遣して、取り組み事例
の情報収集にも努めているところです。
今後、庁内関係所管で構成する連絡会を活用いたしまして、相互
の情報提供、意見交換を通じて、家庭教育支援
の視点から
の事業推進を図るとともに、家庭
の自主性を尊重しつつ、学校
の教育活動やＰＴＡ活動等により、家庭教育に関する情報や学習機会
の提供等
の支援が広く保護者に浸透し、家庭で
の行動
の促進につながるよう、今後とも継続的に取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◆三十六番（唐沢としみ 議員） それぞれ
のところから答弁をいただいたわけですが、なかなか行政
のほうで地域
の将来像とか世田谷
のあるべき姿という
のは見えないというところがあるわけです。大変厳しい財政状況ですので、これからは地域にいろいろなことで知ってもらう、それでみんなが力を出して、やっぱり持っている力や知恵を出しながら区政にかかわっていく、そういうまちづくりが、まさに私はチャンスが、これを契機にしていくという、そういう時代であると思います。
そういう意味からも、ぜひとも、できるだけ地域
の課題を出し合いながら、みんなでそれを論議しながら、自分たちで決めて計画を練っていく。そういうことをセンターなどに、今度はどんどんと環境づくりに努めていきたい。何か行政
のほうがちょっとおくれているような感じがいたしますので、その体制づくりをしてほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
家庭教育については、ぜひともリーフレットをさらに広めて、みんな
の運動としていただきたい。成果を期待いたします。
以上です。
○川上和彦 議長 以上で唐沢としみ議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、二十五番あべ力也議員。
〔二十五番あべ力也議員登壇〕（拍手）
◆二十五番（あべ力也 議員） それでは、質問してまいります。
まず初めに、児童虐待防止に向けた取り組みについて伺います。
全国
の児童相談所で受けた児童虐待相談数は、平成二十年度、四万二千六百六十二件で、これは児童虐待防止法施行前
の三・七倍となっております。全国
の中でも自治体別では東京都が最も多く、世田谷でも過去最高
の五百十四件です。
このように虐待相談件数が増加している
のは、児童虐待防止法
の施行から九年が経過し、関係機関
の連携が強化されるとともに、社会
の虐待に対する理解が深まったことが大きな要因ではないかと思われます。
また、平成十六年
の児童虐待防止法
の改正により、通告義務
の範囲が虐待を受けた児童から虐待を受けたと思われる児童に拡大されたことで、通報義務などについても徐々に周知されたことが影響しております。
都
の児童相談所における虐待相談
の内容を見ますと、最も多い
のが身体的虐待で、次いでネグレクトとなっております。ここ最近では身体的虐待は横ばいでありますが、ネグレクトや心理的虐待が増加しています。虐待相談
の主たる虐待者は実母が最も多く、次いで実父であります。これは男女
の役割分担意識が強く、子育ては母親に任せられていることが一般的であること、父親が長時間労働
の中で子育てにかかわる時間がないこと、核家族化、少子化、地域コミュニティー
の崩壊などによる、孤立化した子育てをせざるを得ない状況などが考えられます。さらに、最近では貧困
の問題も影響しております。
児童虐待防止に向けた取り組みは、世田谷区でも早い時期から取り組んでおりますが、東京全体では、児童相談所や区市町村が関与していながら、重大な虐待に至ってしまった事例も出てきております。
そこで、都では、児童虐待ケースが児童相談所と子ども家庭支援センター
の援助
のすき間に陥ったり、責任
の所在があいまいになることを防ぐため、児童相談所と子ども家庭支援センター
の援助活動におけるやりとりについて東京ルールを策定し、連携強化を図っています。
区では、この点についてどのように取り組んでいる
のか、まず伺いたいと思います。
次に、若年性認知症について伺います。
若年性認知症とは、六十五歳未満で発症した認知症を言います。厚生労働省
の調査では、全国における若年性認知症
の数は三万七千八百人で、三十歳以降では、五歳刻み
の人口階層において、認知症全体
の有症率は一階層上がるごとにほぼ倍増する傾向があります。
昨年都がまとめた若年性認知症
の生活実態調査では、認知症ではないかと気がついたころ
の本人
の年齢は五十歳代が最も多く、六八・一％で、次いで六十歳以上が二五・五％になっており、平均年齢は五十六・三歳であります。
また、本人
の様子や症状について、最初に相談、受診する直接
のきっかけとなった
のは、家族が気づいたからが最も多く、六〇・九％となっております。認知症
の方が記憶障害や認知症障害により不安や混乱に陥りやすいことから、周り
の人と
の関係が損なわれたり、家族が介護に疲れ果ててしまうことが少なくありません。
また、アルツハイマー病など
の多く
の認知症は、現在
のところ治療法が確立していないため、一度発病すると、生涯にわたりつき合うこととなる病気です。しかし、周囲
の理解があれば穏やかに生活していくことも可能であります。地域で
の医療、介護や、住民、事業者など
の連携により、地域全体で認知症
の方や家族を見守り支援していくことが求められております。
そこで、国や都ではさまざまな支援体制について検討を始めておりますが、区では今後どのような対応策を考えていく
のか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
次に、オリンピック招致費用について伺います。
二〇一六年
のオリンピック開催地はブラジル
のリオデジャネイロに決定し、東京
の二度目
のオリンピック招致は失敗に終わりました。
これまで東京都は招致
の費用に百五十億円も
の巨額
のお金を投入しており、その費用対効果については検証されておりません。特に区市町村が行ったムーブメント事業は、上限一千万円で、六十二自治体、六億二千万円
の費用が、平成二十年度、二十一年度
の二年間にわたって湯水
のごとく使われました。
東京都が直接支払ったとしても、その費用は税金で賄われております。区としてどのような認識
のもとでオリンピックムーブメント費用を使い、その効果をどのように考えている
のか、見解を求めます。
オリンピックは、次世代を担う子どもたちに大きな夢と希望を与えます。そして、日本を代表するトップアスリートと
の触れ合いは、スポーツ
のすばらしさを子どもたちに伝えていくと思います。そのために、学校
のスポーツ事業やクラブ活動に予算がつけられるなら理解ができますが、今回、区立、私学など
の小中高校に、オリンピック
のため
の副読本に八千万円がかけられ配布されました。しかし、これまで活用されていない学校があると聞いております。区内
の学校ではどのような活用をされた
のか伺いたいと思います。
石原知事は、二〇二〇年、東京で
のオリンピック開催に向けて再びチャレンジする意思を明らかにしました。しかし、まずは百五十億円とも、それ以外に隠れ支出があるとも言われるオリンピック招致活動経費について、都知事のみならず、それに追随した区長も説明責任を果たすべきであると考えます。
東京全体でも生活
の貧困が深刻化しており、医療、保育、教育、社会福祉、介護、雇用、住宅といった諸問題
の根底に生活
の貧困
の問題があります。その解決こそ最優先課題であり、オリンピックが優先されるべきではないと考えます。
世田谷区からも東京都に対してそのように意思表示をしていくべきと思いますが、区長
の見解を求めます。
次に、区
の美術館、文学館
の運営について伺います。
世田谷美術館や文学館は、世田谷にゆかり
の著名な画家、芸術家など
の多く
の作品を収蔵しており、常設展などで区民に紹介してきています。しかし、常設展を訪れる方は、区民と区民以外
の方を合わせても年間にしてわずかです。もっと多く
の区民に作品を見てもらうためにも、常設展で
の区民
の入場料
の無料化を図るべきではないでしょうか。
企画展へ
の依存度が高い状況であると
のことですが、現在
の年間収入
の常設展と企画展と
の入場者
の比率、収入金額など
の構成はどうなっている
のか、また、その中でも区民
の比率はどうなっている
のかを含め、区
の見解を伺います。
また、区民
の構成率について
把握していなければ、まず入場者
の構成について
把握すべきで、調査等を実施すべきと思われますが、あわせて伺います。
最後に、犬
の鑑札と狂犬病予防注射済票について伺います。
犬
の鑑札は狂犬病予防注射済票を張りつけるようになっており、ドッグランなど
の公共施設など、犬を同伴できる場所では、これがセットで提示を求められることがほとんどであります。犬
の首輪などに取りつけるようになっており、耐久性が求められますが、現在
の区
の鑑札、注射済票ともに問題があります。
鑑札は、小型化、軽量化されたアルミ製でありますが、半年ほどで登録番号が消えてしまい、認識できません。注射済票については紙製
のため、半年もたたずにはがれたり破れたりしております。次
の年に済票が交付されるまで、少なくとも一年は耐久性が必要で、改善が必要と思われますが、区
の見解を求めます。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎板垣
政策経営部長 オリンピック招致に関連しまして、二点ご質問をいただきました。
最初に、オリンピックムーブメントにおける区
の認識と効果についてでございます。
東京都では、東京オリンピック・パラリンピック
の招致に向けました機運を高めることを目的に、区市町村と連携しまして、東京都と区市町村によるオリンピックムーブメント共同推進事業を実施するため、各区市町村に事業を募集いたしました。
区といたしましても、スポーツ
の世田谷を目指し、「世田谷２４６ハーフマラソン」を初めとしまして、区民がスポーツに親しむさまざまな事業を実施しており、オリンピック招致活動を契機に、スポーツ
の振興につながることから、東京都と連携し、招致活動に向けた事業を実施したところでございます。
オリンピックムーブメント共同推進事業は、区が直接実施する事業と実行委員会が実施する事業をあわせまして、平成二十年度から、例えば世田谷公園で
のフラワーモニュメント
の設置、オリンピックと環境都市づくり
の講演会、あるいはたまがわ花火大会など七事業を実施してまいりました。これら
の事業には、オリンピアンと
の触れ合いやトークショー、たまがわ花火大会などに延べ約八十四万人が参加しており、オリンピック招致
の機運を高める効果があったものと認識してございます。
次に、都知事が招致
の立候補を表明したことについて、区
の考えを聞くと
のことでございました。
ご案内
のとおり、二〇一六年に開催予定
のオリンピック・パラリンピック
の開催都市はリオデジャネイロに決定いたしましたが、二〇二〇年に開催予定
のオリンピック・パラリンピック
の開催都市として、広島、長崎両市が共同開催で招致を検討しており、また、石原都知事は東京都も開催都市として立候補することを表明してございます。
区といたしましては、現時点におきまして報道されている情報を
把握している程度でございまして、東京都から正式な協力依頼を受けているわけではございませんので、今後
の東京都
の動向を注視してまいりたいと考えてございます。
なお、東京都にこの間
のことを踏まえて申し述べるべきと
のご意見でございましたけれども、区としましては、この間行ってきましたオリンピック招致活動につきましては、十分区民に効果があったというふうに受けとめているところでございます。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 学校で
のオリンピック
のため
の副読本
の活用についてお答えいたします。
オリンピック学習読本は、昨年十月、東京都及び東京都オリンピック・パラリンピック招致委員会が、子どもたちにオリンピックに対する正しい理解を広め、オリンピックムーブメントを推進することをねらいとして作成し、都内
の小学校五、六年生、中学生、高校生等を対象に配布したものでございます。
区立学校では、オリンピック学習読本については、例えば小学校六年
の社会科
の歴史
の学習で取り上げるオリンピック
の開催と関連させて活用したり、中学校
の保健体育において、オリンピックなどが国際親善や世界平和に大きな役割を果たしていることを学ぶ中で活用したりしているところでございます。
以上でございます。
◎藤野
子ども部長 児童虐待防止に向けた新東京ルールに関してご答弁申し上げます。
区
の虐待通告窓口である各総合支所子ども家庭支援センターでは、東京都が平成十九年三月に策定した東京ルールに基づき、児童相談所と連携した四十八時間以内
の子ども
の安全確認、ケース
の進行管理会議
の実施など、ケース
の管理と役割
の確認を重ねることにより、児童相談所と
の連携強化を着実に図ってきたところでございます。
本年九月に策定されました新東京ルールでは、児童相談所と区市町村
の連携がより適切に行われるよう、連絡調整は原則として文書等により行うことを定めております。特に施設に入所している子ども
の家庭復帰については、児童虐待を行った保護者
の援助
の視点を持ち、チェックリストなどを活用しながら、早い時期から
の情報共有と連絡調整、復帰後
の役割分担を行うこととされております。
施設から
の家庭復帰など、解決すべき課題
の多い相談が増加していることを踏まえ、区は児童相談所と新東京ルールに基づき、より一層効果的、効率的な連絡調整と明確な役割分担を行えるよう、具体的取り組みを進めているところでございます。
以上でございます。
◎堀川
地域福祉部長 認知症対策
の若年性認知症についてご答弁申し上げます。
本年三月発表
の国
の調査によりますと、ご紹介いただきましたように、全国では若年性認知症
の方は三万七千八百人と推計されておりまして、その推計表を用いて計算いたしますと、区内では約二百人と推計されるところでございます。
区におきましては、あんしんすこやかセンターで若年性認知症に関する相談も受け付けておりますが、五月から九月まで
の認知症に関する相談は全体で九百三十八件ございまして、そのうち若年性認知症に関する相談は六件でございました。内容は、四十代から六十代前半
の若年性認知症
の診断を受けた方
のご家族から
の相談で、日ごろ
の介護ケアに関する助言、また、介護保険サービスや家族会
の紹介を行うなど、訪問や面接によって継続的に支援しております。
区では、これまでも認知症対策に関しましては、認知症予防など全国的にも先駆的な取り組みを進めてまいりました。さらに認知症対策を一層強化するために、本年十月より「もの忘れ相談窓口」を設置し、ＰＲにも努めておりますので、今後とも施策
の充実に向けまして、お話
の趣旨も踏まえまして努力してまいりたいと存じます。
以上でございます。
◎城倉
生活文化部長 美術館、文学館等
の運営に関しまして、常設展
の現状と区民利用
の無料化についてお答えいたします。
世田谷美術館や世田谷文学館における展示は、現在開催しておりますオルセー美術館展や久世光彦展など、指定管理者である財団法人せたがや文化財団が行う企画展
のほかに、区
の美術品、文学資料等を展示する常設展があります。企画展
の観覧料は、実施主体であるせたがや文化財団が決定しておりますが、常設展は、世田谷区立世田谷美術館条例、世田谷区立世田谷文学館条例で規定されておりまして、一般
の観覧料は二百円となっております。
平成二十年度における世田谷美術館とその分館であります向井潤吉アトリエ館、清川泰次記念ギャラリー、宮本三郎記念美術館、それに世田谷美術館
の企画展と、それぞれ
の常設展のみ
の総観覧者数は約十九万人でございまして、このうち常設展のみ
の観覧者数は約一万九千人と、割合にして約一〇％、また、常設展のみ
の収入は約三百二十五万円となっておりまして、総事業収入、これは補助金等を除きますが、二・八％を占めております。
これら文化施設
の常設展
の区民無料化につきましては、区民である観覧者
の割合などを調査分析するとともに、全庁的な区民利用施設
の使用料
の状況や、それから税による負担と受益者による負担
の適正なバランスを確保する観点から、研究課題とさせていただきたいと思います。
以上でございます。
◎上間
世田谷保健所長 現在
の犬
の鑑札と狂犬病予防注射済票についてお答えいたします。
狂犬病予防法に基づきまして、生後九十一日以上
の犬
の所有者には、生涯一回
の犬
の登録と毎年一回
の狂犬病予防注射並びに交付された鑑札と注射済票を犬に装着することが義務づけられております。
従来、犬
の鑑札等は全国統一様式でございましたが、平成十九年四月に狂犬病予防法施行規則が一部改正され、一定
の条件下で、区市町村長がみずから定めることができることとなりました。
区におきましても、犬
の登録
の推進と鑑札等
の装着率
の向上を図るため、今年度、鑑札と注射済票
のデザインを変更いたしました。具体的には、鑑札は小型犬にも装着しやすいよう、従来
のものよりも小さくし、素材をアルミ製とし厚みを持たせることで、装着時
の犬へ
の安全性
の向上を図っております。また、注射済票は耐水加工したシール形式としまして、鑑札
の裏に張りつけることで鑑札と一体化し、一枚としたものでございます。
議員ご指摘
のようなご意見も一部にございますことから、鑑札
の登録番号
の刻印及び注射済票
の耐久性など
の改善を今後図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆二十五番（あべ力也 議員） 三点について、再質問をさせていただきたいと思います。
まず、オリンピック
のムーブメント事業でありますが、上限額について、これは上限をすべて使い切った
のかどうかということをお答えいただきたい。
二点が美術館等についてでありますが、教育、文化芸術、研究にかかわる施設で無料
の代表的なものは図書館でありますが、それと比較をして何がどう違う
のか。また、そもそも区民
の税金で購入した区民
の財産を区民が見るのに、受益とみなして対価を支払う
のが必要な
のかどうかという疑問が生じますけれども、区が言うところ
の受益者負担を求める施設
の基本的な考え方を伺いたいと思います。
最後に、犬
の鑑札
の番号が消えたものに関しては、今、「区
のおしらせ」などで交換等
の呼びかけをするのかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。
以上三点、よろしくお願いします。
◎板垣
政策経営部長 オリンピックムーブメント
の事業につきましては、各区市町村で年度で一千万円を上限ということでございましたけれども、世田谷区におきましては、二十年度、二十一年度を合わせて二千四百万円
の経費ということで、都
のほうから出てございます。したがいまして、一千万円程度ということでございましたので、それを超えてございますけれども、一応東京都
のほうに申請した結果、それがオリンピックムーブメントとして
の効果があるということで、二年で二千四百万
の補助が出ているということでございます。
以上でございます。
◎城倉
生活文化部長 常設展
の区民利用
の無料化ということにつきまして、先ほど税による負担と受益者による負担
の適正なバランスを図りながらということでお答えしました。
それで、この点につきましては、昨日
の他会派
の代表質問
の中で、
政策経営部長のほうからもお答えさせていただいたところでございますけれども、区民
の負担
の公平
の観点から必要であろうというふうに考えておりまして、これについては定期的な見直しが必要であるというふうに考えております。見直し
の際には、利用者である区民
の視点を踏まえた検討をしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎上間
世田谷保健所長 犬
の鑑札につきましては、かんだりして番号が消えたりとかいうお話等もございますので、そういう点につきましては、かまないような工夫をしていただくとか、そういうこともお伝えしながら、現在、「区
のおしらせ」等に載せるかどうかについても検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◆二十五番（あべ力也 議員） 今
の保健所長
のお答えでありますけれども、私が指摘している
のは、そもそも
の鑑札
の刻印が余り薄くできていまして消えてしまうということでありますから、今もらっている方も、そういうことで消えてしまっているという認識
のある方もいらっしゃると思いますので、ぜひ「区
のおしらせ」で交換を呼びかけていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上であべ力也議員
の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後二時四十七分休憩
――――――――――――――――――
午後三時十分開議
○川上和彦 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
────────────────────
○川上和彦 議長 この際、議事
の都合により、本日
の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○川上和彦 議長 一般質問を続けます。
三十七番
重政はるゆき議員。
〔三十七番
重政はるゆき議員登壇〕（拍手）
◆三十七番（
重政はるゆき 議員） 世田谷区スポーツ振興財団についてお伺いいたします。
当財団はさまざまな事業を行っておりますが、今回、特に区から受託する体育施設
の管理及び運営
の中
の千歳温水プール
の管理及び運営に絞っていきたいと思います。
千歳温水プール
の管理運営と申しましても、実際には、日々
の運営
のほとんど
の部分をある企業に委託しております。財団は、区から指定管理料として年間約一億五千八百万円、月に直すと約千三百万円を受け取っておりますが、日々
のプール
の運営は、委託企業に年約八千七百万円で丸投げしています。
財団は、全体
の管理、つまり、機械
の保守点検、清掃業務などを行っているということですが、区はそのために差し引きで年間約七千万円、月約五百八十万円を支払っているということになります。財団は、一応委託企業
の指導を含め全体を管理することになっており、職員
の常駐者も二名いますが、利用者
の声を聞くと、全く見事に管理されていないということがわかります。
ほんの一例ですが、プールでは営利を目的とした利用が禁止されていますが、現実には野放し状態であります。いわゆるフリースペース、つまり水中ウオーキングや親子連れが遊ぶことができるスペース、これは、そのほか団体貸し切りがほぼ毎日入っている現状では、ただでさえ大変狭く、そのフリースペースに営利を目的としたレッスンが入りますとますます狭くなり、一般利用者は大変迷惑することになります。フリースペースでレッスンを行っている団体はほぼ特定されており、財団にこのことを伝えると、一言で言いますと困っていますということでした。
そのほかも細かい問題点はたくさんありますが、この件について、随分前からこの実態を知っていながら、何ら有効な対策を講じることができず、これは怠けている
のか、あるいは言えない
のかわかりませんけれども、一般利用者に迷惑をかけ続けているこの財団は指定管理者として適格性が疑われますが、見解をお伺いします。
また、財団は、先ほど申し上げた区から
の指定管理料一億五千八百万円
のほかに利用料金が二千万円以上収入としてあり、結局、一億九千万、二億円近く
のお金で運営していることになります、千歳温水プール一つをですね。この状況を見て、区が財団に支払う指定管理料約一億五千八百万円、財団が再委託料として運営
の企業に支払っている八千七百万円、これは妥当な数字とお考えでしょうか、見解をお伺いします。
特別支援学級についてお伺いします。
現在、当学級は、小学校六十四校中二十五校、七十二学級、中学校は三十一校中十校、二十八学級あります。この設置数を見ると、特に中学校が余りにも少ない
のではないかと思われます。
少ないがゆえにどういうことが起きるかというと、一つは、生徒
の学校
の選択肢が狭まり、通学により時間がかかる子どもが出てきてしまいます。毎日
のことですので、本人には大変大きな負担となります。また、障害を抱える生徒は病気がちだったり体が弱かったりすることが少なくなく、何かあったら、保護者が迎えに行かなければなりません。保護者
の負担も大きくなるケースがあります。
もう一つは、少ないがゆえに、一つ
の中学に学級数が多くなるケースが出てきます。例えば砧中学校は知的障害
の学級が四つもあり、これでは、より静かな環境で
の学習ができなくなってしまいます。生徒
の中には、騒々しい状況に置かれると萎縮してしまう子や、中には混乱してしまう子もあり、指導がより難しくなってしまいます。せめて二学級にすべきと考えます。
以上、特別支援学級について述べてまいりましたが、受け入れ設備、人員
の問題はありますが、基本的にはすべて
の中学校に何らかの特別支援学級が設置されているくらい
の状態を目指していくべきと考えますが、見解をお伺いします。
学校
の施設整備計画についてお伺いします。
決算特別委員会で、ある中学校
の施設、特に主に特別支援学級
の生徒が使用されるトイレ等について、余りにも配慮が足りないと申し上げました。そのとき
の答弁で、施設改修計画に基づいて行っているということでしたが、その施設改修計画をまず教えていただきたいと思います。
また、改修には、もちろんトイレだけではなく、いろんなものがあると思いますが、教育委員会ではどのような基準で改修
の優先順位をつけている
のか、明確にお答えいただきたいと思います。
最後に、パソコンによる児童生徒
の成績管理についてお伺いします。
平成二十二年四月より、成績管理などがパソコンで処理されることになっているということです。今年度当初
の主要事務事業
の冊子にはそのことが簡単に記載されていますが、具体的にどのような内容で、どのように導入していくかなどが、文教委員会に報告されていないと聞いておりますが、このような、教師にも、児童生徒にも、また保護者にも大きくかかわることは、特に議会
の意見もしっかり聞くべきと考えます。なぜ文教委員会に報告しない
のかお聞かせいただきたいと思います。
また、このような大幅な変更については、いろいろな立場からさまざまな意見、要望が出てきていると思いますが、どのような意見が出て、どのように反映させ、また対処してきた
のかお聞かせください。
このデータベースは、児童生徒
の個人情報が数多く蓄積されていくことになりますが、セキュリティーは大丈夫なんでしょうか、その根拠を教えていただきたいと思います。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎山﨑
スポーツ振興担当部長 スポーツ振興財団に関しまして、二問ご答弁申し上げます。
初めに、指定管理者として
の適格性でございます。
お話し
の千歳温水プールにつきましては、平成十八年度より指定管理者制度を導入し、今年度から新たに五カ年
の指定管理者として、財団法人世田谷区スポーツ振興財団を決定いたしました。指定管理者
の選定に当たりましては、条例
の規定に基づき公募とし、書類審査及びヒアリング等を行う二段階
の公募型プロポーザル方式
の上、学識経験者などによる選定委員会で
の厳正な審査を経て、区として指定管理者を指定したものでございます。
スポーツ振興財団は、財団法人日本体育施設協会による指定管理者基礎評価で最高
の評価であるトリプルＡ
の認証を受けるとともに、「世田谷２４６ハーフマラソン」
の実施を初め、各種スポーツ教室
の展開など、スポーツ
の世田谷
の中心的な役割を担っているというふうに考えてございます。
指定管理者施設
の運営に関するただいま
のご指摘につきましては、まずは事実関係を調査し、ただすべき点はただしてまいりたいと考えております。
また、現在、区では指定管理者制度運用に係る指針を策定しているところでございますので、今後策定された指針に沿った対応を図ってまいります。
続きまして、委託料についてご答弁申し上げます。
利用料金収入
の見込みも含めました施設運営経費
の算定や、指定管理業務
の再委託も含めました施設
の運営方法につきましては、指定管理者選定時に提案された収支計画及び次期指定管理者として
の要求等に基づきまして、所管部として検討した上で予算計上したものでございます。
指定管理者である財団法人世田谷区スポーツ振興財団から要求されております経費は、財団
の評議員会及び理事会
の審議決定を経ており、例えば千歳温水プールでは、温水プール
の日常的な監視や受け付け業務、フィットネス教室
の運営など、安全安心はもとより、利用者
のニーズに沿ったさまざまな事業展開に充当していることから、必要な経費であるというふうに認識してございます。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 特別支援学級
の、特に中学校で
の適正な配置についてお答えいたします。
特別支援学級に入級する児童生徒
の中には、例えば言葉や聞こえなど
の障害では、小学校段階で
の通級指導
の結果、通常学級で中学校生活を送る子どももおります。また、知的障害や肢体不自由などでは、小中学校を通じて継続的な指導が必要な子どももおります。このため、小学校、中学校、それぞれ
の段階で、障害
の特性や当該学級で
の指導内容などを踏まえた、特別支援学級
の整備を図っていく必要があると認識しております。
区教育委員会では、特別支援学級に入級する児童生徒
の増加に対応し、かつ障害特性に配慮した教育
の推進
のために、平成十九年度から毎年二から三校ずつ学級を設置してきております。このうち、中学校は、本年四月に尾山台中学校に情緒障害学級を開設し、平成二十二年度には上祖師谷中学校に知的障害学級を、さらに二十三年度には中学校二校へ
の学級開設
の準備を進めております。
引き続き特別支援学級に入級する生徒
の状況や障害
の種別、地域的なバランス、あるいは既設学級
の規模なども勘案しながら、学校改築時や既存スペース
の転用による学級設置などにより、中学校へ
の特別支援学級
の計画的な整備に努めてまいります。
以上でございます。
◎古閑
教育環境推進担当部長 学校改修計画について、計画
の中身、優先順位
の考え方など
のお尋ねにお答えいたします。
区教育委員会では、学校施設
の建物躯体
の維持、延命や、児童生徒
の学習・生活環境
の充実を図るために、施設内部、外部等
の大規模改修や、トイレを初めとした設備改修などを行っているところでございます。
現在は、何よりも安全安心な学校施設を実現するために、耐震性能
の確保
のため
の耐震補強改修、改築、増築を最優先課題として取り組んでおります。耐震補強や仮設校舎建設により、児童生徒は平成二十一年度中には安全な校舎で生活できることになりますが、現在進めております耐震化に伴う改築校舎等
のすべて
の完成は、平成二十四年度まで
の期間を要する計画でございます。
耐震化とあわせまして、一方では、児童生徒
の学習・生活環境
の整備等
の多様な改修ニーズにも財源等を効果的に活用し、全体としても着実に対応するために、例えば内部、外部
の大規模改修を年四、五校程度、トイレ改修は一系統、年一、二校程度
の計画を持って行っております。また、小学校普通教室
のエアコン整備は、平成二十二年度完成を目途に取り組んでいるところでございます。
具体
の改修に当たりましては、学校
の施設設備等
の寿命、経年劣化等
の現状、各学校ごと
の毎年優先順位をつけて提出されます改修要望等も踏まえまして、安全安心、教育活動へ
の影響など、早期に対応が必要とされるものから、各学校と調整し実施しているところでございます。
校舎等耐震性能
の確保
の課題へ
の対応が終了した後は、学習・生活環境
の充実や環境に配慮した学校づくりを一層進めるため
の改修工事を推進したいと考えております。
以上でございます。
◎若林 教育次長 パソコンによる児童生徒
の成績管理について、議会へ
の報告、現場
の声
の反映、セキュリティーなどについてご質問をいただきました。
区教育委員会では、校務を効率化し、教員が児童生徒と向き合える時間を確保すること、さらに個人情報保護
の向上など
のため、成績処理や時数管理などを行う校務支援システム
の導入を進めております。
文教委員会には、教育情報化推進計画
の策定、あるいは校務用パソコン
の購入について報告をしてきたほか、十九年度からは毎年度、当初
の主要事務事業
の中で校務支援システム
の導入について報告をしてまいりました。
システム
の導入に当たっては、平成二十年度から
の小中六校
のモデル校で
の検証結果をもとに改善を進めております。また、この九月から
の六回
の研修
の中で、きめ細かい説明会
の実施
の要望や一律に導入することへ
の不安など
の声が出ていることから、学校ごと
の研修
の実施や試行期間
の設置など、現場
の意見、要望に配慮した準備を進めてまいります。
本システムは、指紋認証方式を採用するとともに、操作者によって扱える情報
の範囲を制限するなど、高いレベル
のセキュリティーを確保しております。さらに、教員あるいは学校ごと
の情報管理からサーバーによる一元管理に移行するため、個人情報
の安全管理は大きく向上いたします。
いずれにしても、小中学校にとっては校務
の進め方が大きく変わっていくことでもあり、今後とも現場
の意見をよく聞いていくとともに、議会に対しても適宜進捗状況を報告させていただきます。
以上です。
◆三十七番（
重政はるゆき 議員） まず、スポーツ振興財団についてですけれども、事実関係を調査してというご答弁がございました。これは財団にはもう何カ月も前から言っていますし、担当
の課長にも一週間か十日ぐらい前に言って、今
の部長
の回答は、事実関係を調査するって、初めて言われたような発言ですけれども、それは本当ですか、知らなかったんですか。
それと、特別支援学級について計画的に整備に努めてまいりたいということでございましたけれども、具体的にどのような計画な
のかお聞かせいただきたい。
それと、改修計画でございますけれども、お答えでございますと、耐震補強等
の対応が済まないと一、二校しかなかなか取りかかれないという
のはおかしいと思うんですね。それで手いっぱいで、他
の課題はもう施行停止になっちゃうんでしょうか。それとも、そんなに緊急性がないと判断しているんでしょうか、それをお伺いします。
それと、終了する
のは平成二十四年度ということでございますね、耐震化等
のね。それまで各学校に、繰り返しますけれども、一、二校しか対応しないということでございます。その辺
の各学校に対する、今こういう事情だからできないんだという説明をしていただきたいと思います。その辺
のご見解をお伺いしたい。
◎山﨑
スポーツ振興担当部長 当該
の団体について知らなかった
のかというご質問でございますけれども、他
の会派
の議員
のほうからも当該
の団体
の話は伺っておりますし、私ども
のところにも当該
の団体
の関係者を呼びまして、私及び課長とでいろいろやりとりをして、指導もしてまいりました。また、現場に行きまして状況も確認をしておりますが、なぜ事実関係を調査してと申し上げたかといいますと、当該
の団体
の方が行っている活動が明らかに営利となる
のか、あるいはボランティアとなる
のか、あるいは団体となる
のかという精査をかなりしなくてはならない。一律に簡単にはいかないような状況もございましたので、さらに調査するというふうに答弁をさせていただいたものでございます。
したがいまして、ちょっと不足しておりましたけれども、さまざまな点で、重政議員ご指摘
の見解も承っておりますので、継続して検討、調査をしております。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 特別支援学級
の設置につきましてでございますけれども、通学
の利便ですとか障害へ
の理解等を勘案しますと、広く設置を図る必要性は認識しておりますが、児童生徒
の状況、あるいは障害
の種別、地域的なバランス、それから、既設
の学級
の配置等も勘案しながら、先ほどご答弁申し上げましたように、改築時ですとか、あるいは既存スペース
の転用が可能な時期を効果的にとらえまして、段階的な整備を図っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎古閑
教育環境推進担当部長 トイレ改修について、一、二校程度ではちょっと推進
の仕方が生ぬるいんじゃないかというようなお話をいただきました。児童生徒が快適に学校で生活を過ごすために、そういう部分ではトイレ
の改修という
のは非常に重要なことだというふうに認識しているところでございます。
ただ、ご答弁で申し上げましたように、今、安全ということから耐震性能確保
のため
の取り組みをしているところでございますが、一、二校という形で今現実的には対応していますけれども、その取り組み
の仕方については、今後一層工夫しながら、できる限り早目に、迅速に対応できるように考えていきたいというふうに思っています。
また、学校に対して
の説明につきましては、その都度、学校と調整を図って、現場
のご意見等も踏まえながら対応していきたいというふうに思っております。
以上です。
◆三十七番（
重政はるゆき 議員） スポーツ振興財団、事実関係をさらに調査するということですが、何カ月かかる
のか、本当に不思議でたまらないですね。早目に対応していただきたいと思います。
それと、施設でございますけれども、これはもう耐震化があるからできないんだというようなことをおっしゃる
のはやめていただきたいし、緊急性があるものでございますので、ぜひ部長さんも現地に行って、実際にごらんになっていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
以上です。
○川上和彦 議長 以上で
重政はるゆき議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、二十八番鈴木昌二議員。
〔二十八番鈴木昌二議員登壇〕（拍手）
◆二十八番（鈴木昌二 議員） 私は、この十月二十七日から十一月一日まで、オーストリアドゥブリング区と
の姉妹都市提携二十五周年再確認書
の調印式に、議員団
の団長として出席してまいりました。
現地では、ティラー区長を初め、トリンクル副区長や多く
の方々
の熱烈な歓迎を受けました。調印式では、日本から交流に参加している小学生とドゥブリング区
の音楽学校
の教授らと
のアンサンブルで幕をあけ、まさに音楽
の都
の趣を呈し、大変感銘を受けました。
今回
の姉妹都市交流は、世田谷公園に隣接している年金者ホームや世田谷
の小学生が実際に学んでいる授業を視察するなど、大いに成果
のある交流でありました。今後も姉妹都市交流がますます盛んになるように望むとともに、関係者
の方々に感謝を申し上げ、質問に入ります。
初めに、環境都市世田谷
の実現に向けた、今後
の環境施策
の推進について伺います。
私が区議会にお世話になってから約三十年近く
の歳月がたちます。この間、当然
のことではありますが、社会経済情勢は大きく変化し、区民
の価値観
の多様化とそれに伴う生活様式もさま変わりしてまいりました。世田谷は自然環境に恵まれ、区民
の意識も大変に高い土地柄であることは言うまでもないことですが、環境に対する区民
の関心は、当時とは別
の意味で大きくなってきたと認識しているところであります。
今日、環境問題といえば、地球温暖化対策としてＣＯ２など
の温室効果ガス
の削減が大きな課題となっておりますが、三十年前においては、それ以前
の高度成長期に広く顕在化した公害が大きな問題となり、社会全体で対策に取り組んだ結果、一定
の成果が見られてきた時期でありました。また、石油など化石燃料
の枯渇が危惧され、それまで
の大量生産、大量消費
の生活スタイル
の転換を目指して、国を挙げて省エネルギー社会へとかじを切り始めたところでもありました。
さて、当時
の世田谷区
の状況を振り返りますと、下水道は区内全域で
の整備がまだ完了していなかったため、汚水処理に不安を残しており、多摩川やその支流に当たる河川等も、決して清流と言える状態ではありませんでした。大気につきましても、区内では直接的な汚染被害はなかったものの、依然として有害化学物質
の飛散による汚染が懸念されていたと記憶しております。
三十年後
の現在を見ますと、下水道
の整備は既に完成し、何より川を清流に戻そうという区民
の努力もあって、多摩川にもかつて生息していた魚が数多く戻ってきておりますし、区内を流れる丸子川など
の多摩川
の支流も随分と清流化されてきたと感じております。また、大気汚染
の大きな要因である自動車にしましても、その後
の公害防止技術
の進歩があり、最近ではハイブリッドカーなど
の低公害車が普及してきておりますので、状況についてもおおむね改善しているものと考えているところであります。
そこでまず、河川
の水質や大気
の状況が、当時と比べて現況はどのようになっている
のかお伺いいたします。また、これらについて、今後も引き続き留意すべき点等があれば、そのことも含めて、区
の考えをお聞きいたします。
次に、世田谷における緑についてお伺いいたします。
世田谷といえば、二十三区
の中でも緑豊かな住宅都市として知られ、三十年前も今も、緑はいわば世田谷
のブランドイメージであります。今日でも多く
の緑を残す国分寺崖線はもとより、当時は町
のあちらこちらにもまだ豊かな緑が残っており、樹木の間を通り抜けるさわやかで心地よい風に触れながら、花や木々
の色づきに季節
の移ろいが感じられる暮らしがありました。
このことは、当時、区民
の多くがごく普通に実感できたことであり、地域
の共通財産として
の緑を大切にする精神を自然に養うことができていたものと考えております。また、区においても、こうした点を踏まえ、当時から緑
の保全については重点を置いた施策を展開してきておりました。
しかし、全国有数
の良好な住宅都市として
の世田谷
の魅力が多く
の人々を引きつけ、マンションや宅地開発などが進んだため、さまざまな努力にもかかわらず、まとまった緑
の減少を招いてしまいました。今日でも神社やお寺などでは三十年前と変わらず豊かな緑を残しておりますが、屋敷林や農地については明らかに減少しております。
この間も、区では公共空間である公園などにおいては、今ある緑をできるだけ保全し、新たな緑を創設することなど、さまざまな取り組みが行われました。このことによって、緑被率が最も低下した平成十三年から見れば減少に歯どめがかかったことは一定
の評価をするところですが、一度大きく失った緑を取り戻す
のは容易なことではありません。
区は、世田谷みどり33として、区制百周年となる二〇三二年までに、新たに政策指標として設定したみどり率
の三三％達成を目指して、水と緑をふやすため、取り組みを行っております。
私は、世田谷区
の大半は民有地なわけですから、その中でも特に民有地である屋敷林や農地
の保全、新たな緑
の創出など
の取り組みに力を入れることが、今後
の重要なポイントになってくると考えます。
そこで伺いますが、計画策定後一年半が経過した現在、その取り組み
の状況と今後
の展開について、区
の見解をお聞かせ願います。
今、世田谷において良好な環境を保全し創出していくには、私たち現役世代が、よくも悪くも、これまで
の多く
の経験を踏まえながら知恵を出し合って、新しい工夫を重ねていくことが重要であります。と同時に、美しい緑に囲まれ、すがすがしい水が流れ、涼しげな風が通り抜ける町をいつまでも継承していくためには、それを守る次
の世代を育成していかなくてはなりません。
保育園や幼稚園、小中学校
のうちから、世田谷にある緑や水、区内に生息するさまざまな生き物に触れることで、地域
の自然を愛する心が生まれ、さらには地球全体
のために何ができるかを常に思い、行動する力を養うことができる
のではないでしょうか。
区では、これまでも世田谷区環境基本計画
の重点施策、区民と
の協働による環境啓発事業
の推進として、環境
の保護や自然と
の共生について、環境教育や環境学習を通じた次世代育成
の取り組みを進め、今回示されました環境基本計画
の見直し素案におきましても、引き続きこうした取り組みを進めていくとしております。
私は、世田谷
の環境
のよさを未来に伝えていくために、今後とも、さらに充実した効果的な施策を展開していただくことを期待しております。
そこで、次世代に世田谷
の環境
のよさを継承していくため、今後、具体的にどのような取り組みを進めていくおつもりな
のか、区
の見解をお伺いし、壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎水戸
環境総合対策室長 環境施策
の推進について、二点ご答弁申し上げます。
初めに、水と大気
の状況についてでございます。
多摩川や区内を流れる支流である河川
の水質につきまして、三十年前
の環境測定
の数値と
の比較を見ますと大きく改善しております。これは、お話にもありましたとおり、下水道
の普及が大きな要因となっているものと考えております。
また、大気汚染につきましても、現在、光化学オキシダント及び上馬交差点における二酸化窒素は環境基準を達成できない状況でございますが、それ以外は環境基準を大きく下回り、測定数値も改善されてきております。これら
の中には、一酸化炭素や二酸化硫黄
のように測定数値が大幅に改善されたため、測定地点を削減できたものもございます。これらは主に自動車等における公害防止技術
の進展が大きく寄与したものと考えております。
今後とも汚水流出防止やエコドライブ
の実践を区民、事業者
の皆さまに呼びかけるとともに、河川
の水質や大気汚染について
の調査、監視を継続し、区民
の皆様が安心して暮らせる環境
の保全に努めてまいります。
次に、世田谷
の環境
のよさを継承していくため
の取り組みについてでございます。
地球温暖化問題はもとより、私たちを取り巻く緑
の保全や創出は、長い年月にわたって継続的に取り組むことが大切であり、また、行政を初め区民、事業者等、区にかかわるすべて
の人が主体的に取り組むことも必要でございます。
そのため、現在見直しを進めております環境基本計画においても、環境学習、環境教育を柱
の一つに位置づけ、積極的な取り組みを展開することとしております。
具体的な取り組みにつきましても、これまでもイベント等による啓発
のほか、区立学校で進められている学校エコライフ活動
の支援など、教育委員会及び関係所管と
の連携した取り組み、また、ＮＰＯ団体と
の協働による事業展開などさまざまなものがございます。
区といたしましては、単に豊かさを追求するだけでなく、自然を大切にする心がはぐくまれるよう、子ども
のころから働きかけを行うことで、次
の世代に世田谷
の環境
のよさを継承してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎井伊 みどりとみず
政策担当部長 緑につきまして、世田谷みどり33
の計画策定後一年半が経過した現在
の民有地へ
の取り組み
の状況と、今後
の展開についてご答弁申し上げます。
みどりとみず
の基本計画策定以降、区では、民有地
の緑を守り、さらにふやしていく取り組みを着実に推進しております。
まず緑
の保全でございますけれども、屋敷林等
の保全
のため、保存樹林地、市民緑地などを新たに六カ所指定、また、保存樹木につきましては三十六本増加、樹木
の移植助成制度をスタートさせまして、十九本
の樹木移植助成をしております。
また、農地につきまして、このほど農地保全方針を策定し、農地
の取得も含む、多様な手法による保全
の取り組みに着手したところでございます。
緑をふやすため
の取り組みとしまして、みどり
の基本条例を改正し、建築に伴う緑化
の基準強化、建築確認と連動する緑化地域
の指定に向けた取り組み、駐車場緑化助成制度
の創設などを進めてまいりました。また、区民による花づくり活動制度を利用しやすく改正した結果、花づくり活動箇所は百七十二カ所から二百七カ所にふえました。さらに緑
のカーテン講習会など千人も参加する講習会を行いまして、多く
の区民
の緑づくりを進めております。
今後は、さらに区民主体
の緑化活動に向けた取り組みとして、庭木
の手入れ講習会開催や、財団法人
の世田谷トラストまちづくりと連携した市民緑地ボランティア
の養成などを進めてまいります。
以上でございます。
◆二十八番（鈴木昌二 議員） 世田谷
の緑は、これは宝だ、こう思うわけです。そういう意味からも、みどり率三三％に向けて、環境都市世田谷
の構築に向けて精いっぱい、行政としても、また区民としても、また議会としても、ぜひ連携を図りながら頑張って推進してまいりたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で私
の質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で鈴木昌二議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、三十五番羽田圭二議員。
〔三十五番羽田圭二議員登壇〕（拍手）
◆三十五番（羽田圭二 議員） 最初に、住民参加
の保障とまちづくりについて質問いたします。
さき
の議会においても触れましたが、地域
のことは地域住民がみずから決めていくという地域主権
の考え方が新しい政権
のもとで提案されています。世田谷区に置きかえた場合、住民参加型
のまちづくり
の課題が挙げられますが、ここに来て、住民参加
の仕組みをきちんと条例化していく必要性があると思います。
十九年四月から自治基本条例を施行した札幌市では、条例制定に向けて、広く市民
の声を集約することに力を注いできたと言います。この条例
の特徴は、市民参加
の保障とともに、議会が住民意見
の集約
の場を設けていくことなど、議会
の役割を盛り込んだことです。
区民
の区政へ
の関心
の高まりをいかに保障する
のか、早い時期から
の情報提供と政策決定へ
の住民
の意思決定を保障していくという観点から、区は自治基本条例
の制定に向けて動き出すべきだと考えます。区
の見解を伺います。
札幌市
の自治基本条例は、市民参加
の基本的考え方を提示していますが、民間事業者が進める集合住宅
の建設など、民間開発に関する住民参加
の保障については他
の条例で規定をしています。
そこで、世田谷区
の街づくり条例
の改定では、民間事業者
の土地利用転換における事前
の届け出と住民へ
の情報提供、計画そのものへ
の住民
の意見を反映する仕組みをどう保障していく
のかが問われていると思います。
用途を初め、高さやボリューム、景観、周辺環境などを考慮した建物
のあり方などを計画に反映する仕組みをどう保障していく
のか伺います。
さらに、条例
の対象範囲をどこに置く
のかという問題です。建物
の規模を初め、都市計画、公共事業などを含めた対応が求められていると思います。国公有地
の利用転換や都市計画など、この間投げかけられている課題からも言えることだと思います。
例えば二子玉川東地区再開発は、平成十二年に都市計画決定されたものですが、周辺住民
の意見が必ずしも反映できない現実
の問題があると思います。第二期工事
の事業認可申請が提出されましたが、公共施設
の配置や、建物
の高さや圧迫感
の解消など、住民
の意見をどう反映していく
のかが改めて課題となっています。
都市計画決定から十年目を迎える中で、今日
の経済状況をかんがみた開発
のあり方が問われています。わけても建物
の利用
のあり方など、住民協議
の場
の設置が期待されていることからも、区はその期待にこたえるべきと考えます。区
の見解を伺います。
次に、子育て支援
の環境改善に向けてお聞きします。
区はこの間、子育てステーションや認定こども園など
の子ども・子育て支援施策を広く進めてきました。この施策
の評価検証はもう少し時間がかかるとしても、他
の自治体に先駆けて進めてきた、多様なニーズにこたえたという面では評価できると思います。しかし、今日的な保育需要
の高まりを考えた場合、保育施設
の拡充を最優先にした対応が求められていることは言うまでもありません。地方分権改革推進委員会第三次勧告では、保育施設面積などを規定している国
の最低基準
の緩和を打ち出しています。
これを受けて、厚生労働大臣も、待機児童が解消するまで
の一定期間や東京など都市部に限定して、最低基準面積
の緩和を地方自治体
の判断でできるよう法改正を行うとしています。
国
の最低基準は戦後すぐに設けられたもので、諸外国
の基準と比較して極めて低い水準にあることがわかっています。また、認証保育所
のような面積が、発育盛り
の子どもたちにとって十分とは思えません。
今求められている
のは、その場しのぎ
の定員超過入所ではなく、国における保育所予算
の確保によって、子どもたちにとってふさわしい認可保育園
の増設、分園が求められていると考えます。区
の見解を伺います。
次に、すべて
の子育て家庭へ
の支援について伺います。
保育需要
の高まりに対して、保育所施設を拡充することとあわせ、さらに在宅子育て支援に求められている施策に取り組む必要性があると考えます。核家族化や地域コミュニティー
の低下などから、子育て中
の悩みや疲れが解消されないことも多く、相談体制や生活支援などが求められてきました。
子育てステーションや産後ケアセンターなど
の機能を、今後どのように地域に定着させていく
のか、区
の対応をお聞きします。
次に、人権教育
の現状と課題について質問をいたします。
男女共同参画社会基本法
の施行から十年が経過していますが、国においても、当面
の課題としてその施策
の推進が言われています。わけても女性に対する暴力
の根絶に向けて、予防啓発
のため
の教材
の作成がうたわれており、将来において暴力
の被害者にも加害者にもならないようにするため、若年層を対象として予防啓発教材を作成、試行していくことなどが挙げられています。
そこで、男女平等教育による差別や暴力
の防止、人を大切にする人権教育
の推進に向けて、児童生徒みずからが男女平等意識を
把握すること
のできる教材
の提供が求められていると考えますが、区
の見解を伺います。
ところで、来年度は国
の第二次
の男女共同参画基本計画
の見直し
の時期となっており、第三次基本計画
の策定に向けて、来年春には中間整理案が取りまとめられるということが言われております。平成十七年閣議決定された第二次基本計画で示された重点分野には、男女共同参画
の視点に立った社会制度
の慣行
の見直し、意識
の改革、女性に対するあらゆる暴力
の根絶、新たな取り組みを必要とする分野における男女共同参画
の推進など十二項目が示されていました。
第三次基本計画
の策定に向けて、現状
の課題が明らかにされていますが、とりわけ男女共同参画が進んでいない背景として、一、ワークライフバランス、二、女性
のキャリア形成と支援、三、意識改革などが十分進んでいないことが挙げられています。仕事と生活
の調和は、女性だけが家事や育児を担うという意識では実現しないし、その意識が放置されていれば、女性
のキャリア形成は進まないというように、三つが相互に関連しているというとらえ方です。
人権教育を担うべき教職員
の現場でこそ、これら
の実現が求められているという
のも一つ
の考え方ではないでしょうか。教職員
の勤務時間
の長さ、持ち帰り残業
の実態などを改善するためにも、教員
の増員を行い、一学級当たり
の児童生徒数を減らすことが必要です。
教員研修
の現状と人権意識
の形成、パワハラやデートＤＶなど具体
の事例に基づいた研修
の必要性と、学校現場における仕事と生活
の調和
の推進について
の区
の対応を伺います。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎板垣
政策経営部長 自治基本条例
の制定と地域主権
の確立に向けてと
のことでございました。
分権型社会
の構築に向けまして、国、地方を通じた議論がさまざまに行われておりますが、区では、豊かな地域社会
の形成には区民参加によります区政実現が欠かせないと
の見地から、この間、区民主体
のまちづくりを進めてまいりました。
このため、従来から各種審議会等へ
の区民委員
の登用や、パブリックコメント、また、外部評価などを通じまして、計画段階から事業執行、評価に至るまで、広く区民が区政に参画できるよう取り組んできたところでございます。
お話にありました自治基本条例につきましては、幾つか
の自治体
の事例がございますが、制定までに長期にわたり、多く
の住民や関係者と
の議論を積み重ねた上で成立したものと認識しております。
現在、区におきましては、区民
のまちづくりへ
の主体的参画や区民と行政
の協働
の推進により、地域を活性化し、住民自治
の充実を目指していくという観点から、仮称地域活性化に向けた指針
の策定を進めておりますが、これを一つ
の契機としまして、区民主体
のまちづくり
のさらなる展開を図ってまいります。
以上でございます。
◎金澤
都市整備部長 開発計画に対する住民
の意見を反映する仕組みについてお答えします。
良好なまちづくりを進めるためには、町に影響を及ぼす開発計画について、区民、事業者、行政が十分に意見交換、調整を行い、相互理解による早期
の合意形成を促進することが重要であると認識しております。
このたび
の街づくり条例
の改正においては、これまでにない早い時期、開発計画
の変更が可能な段階において、事業者に対して計画書提出を求め、建築物
の規模、周囲
の環境などについて協議を行う制度を提案しております。この制度
の中で、住民
の意見を反映する仕組みとしては、提出された計画を公表するとともに、基本的に住民説明会
の実施や区民
の意見提出、この意見に対する事業者
の見解を明らかにすることなどを考えております。
今後も区民、事業者、行政による協働
のまちづくりを推進し、安全で暮らしやすい町
の実現に努めてまいります。
以上です。
◎真野
生活拠点整備担当部長 私からは、二子玉川
の再開発につきまして
のご質問にお答えします。
二子玉川
の再開発事業につきましては、地域
の中心的な商業拠点として、多種多様な商業・業務サービス
の機能を充実させ、にぎわいを創出する商業施設、バス・タクシー乗り場など
の集約した交通広場、周辺
の道路、公園など
の基盤整備を進めてきてございます。
来年度早々には一部商業施設がオープンし、交通広場
の一部運用や、五月、七月にはマンション
の入居が予定されているものでございます。二十三年度
の三月
の竣工に向けまして、鋭意取り組んでいるところでございます。
今後事業化が予定されております二期事業につきましても、一期事業と同様に、法令、条例等に基づく意見書
の提出、説明会など、法的な手続により、区民
の皆様
の意見を聞く機会が予定されてございます。
区といたしましても、地元
の皆様方
の意見、要望に対しまして真摯に対応するとともに、都市計画
の内容を踏まえ、さらに魅力的なまちづくりを進める上で、地域
の皆様が喜んで楽しく使っていただけるような施設となるよう、事業者を指導してまいります。
以上でございます。
◎藤野
子ども部長 初めに、後期子ども計画に求められる課題について、子どもたちにとってふさわしい認可保育園
の増設、分園が求められていることについてご答弁を申し上げます。
認可保育園
の居室面積
の最低基準は、昭和二十三年に厚生省令によって定められておりますが、このたび地方分権改革推進委員会
の第三次勧告が出され、この対応について、総務省が関係各省庁と調整を行っている段階と認識しております。
待機児対策といたしまして、規制緩和が求められる一方で、質
の低下も懸念されていますことから、今後
の国や東京都
の動向なども注視しつつ、区としても研究してまいりたいと考えております。
待機児
の解消に向けましては、教育施設を含む区有地
の活用による私立認可保育園
の本園・分園整備に加え、認証保育所、新たな保育ママ制度、定員
の弾力化などさまざまな手法によって、全力で取り組んでまいります。
次に、すべて
の子育て家庭へ
の支援について、子育てステーション、産後ケアセンターなど
の機能
の今後についてご答弁申し上げます。
世田谷区では、すべて
の子育て家庭に対する支援
の充実を図るため、母子保健、保育サービス、教育、産業などさまざまな分野で、出産前から幅広い取り組みを進めているところでございます。
子育てステーション
のより身近な場所へ
の展開策といたしましては、後期子ども計画において、認可保育園に子育て世代
の親子が交流できる広場やすべて
の子どもを対象とした一時預かりを併設するなど、認可保育園として
の地域子育て支援策を充実していく方向で検討しているところでございます。
また、生後四カ月未満
の母子
の宿泊、または日帰りで
の母体ケア、育児相談などを行う産後ケア事業につきましては、産後
の育児不安
の深刻化を未然に防止する役割を果たしており、今後
の地域へ
の定着策につきましては、後期子ども計画策定
の中でまとめてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 人権教育
の現状と課題について、二点ご質問いただきました。
まず、児童生徒みずからが自分
の意識を
把握するため
の指導等に関してお答えいたします。
学校において、男女が互いにその違いを認めつつ、個人として尊重される男女平等
の理念を子どもたちに理解させ行動につなげていくために、男女平等教育を含む人権教育を推進することは重要なことであると認識しております。
各学校では道徳
の授業において、発達段階に応じて、男女仲よく助け合うこと
の大切さや相手
の人格を尊重すること、力による暴力はもとより、言葉などによっても相手を傷つけることはしてはいけないことなどを指導しております。また、特別活動では男女相互
の理解を一層深めるとともに、人間として互いに協力し合う態度をはぐくむようにしております。
児童生徒がみずから
の意識を振り返る授業としては、例えば中学校
の社会科公民的分野で、男女平等参画社会
の実現に向けて、生徒自身に自分でできそうなことを考えさせ、グループで話し合いをさせるなどして、自分自身
の言動などを振り返らせたり、家庭科で家族一人一人
の立場や役割などを考えさせる中で、自分自身
の意識を振り返らせたりするなど
の活動がございます。こうした具体的な実例を学校に紹介したり、教材を工夫するなどしながら、男女平等教育を含めた人権教育を推進してまいります。
次に、人権教育を担う教員
の研修、また、教員自身が仕事と生活
の調和を図る必要がある
のではないか等
のお尋ねにお答えいたします。
人権教育
の推進に当たっては、教職員自身が人権感覚を常に高めておくことが大切です。区教育委員会では、初任者、十年経験者、管理職など
のライフステージに応じた研修会
の実施や、指導主事による学校訪問などさまざまな機会を通して、教職員
の研修を進めております。研修会などでは、東京都教育委員会が作成した人権教育プログラムを活用して、教師自身
の人権感覚
のセルフチェックを実施したり、人権教育にかかわる授業に実際に参加して協議したりすることも行っていますが、さらに研修内容等
の工夫、充実を図っていきたいと考えます。
また、教職員
の仕事と生活
の調和についてですが、教職員自身も男女共同参画社会やワークライフバランスなどについて
の理解を深め、やりがいや充実感を感じながら働き、家庭や地域社会で
の豊かな生活を実現することなどについて十分認識していくことがまず大切であり、学校を指導、支援してまいります。
以上でございます。
◆三十五番（羽田圭二 議員） 保育については、質
の低下をもたらさない、質
の確保をきちんとしていくという点をぜひ押さえていただきたいと思います。
それから、二子玉川
の東地区
の再開発
の課題なんですが、きのうも大変この議場でもやりとりがありました。ただ、私が一言言っておきたい
のは、反対、賛成ということに、決してそこではくくれない課題になっているかと思うんですね。
それはどういうことかといいますと、これから第二期工事が始まっていく過程になるわけですが、その際、住民
の皆さんから出されている
のは、現在
の工事
の進行
の中で既に周辺環境が変化をしているだとか、あるいは現実
の建物を見て、今後
のあり方などについて意見が寄せられているということでありまして、この点については、区長はぜひその辺も押さえて、これから臨んでいただきたいと思います。
以上で終わります。
○川上和彦 議長 以上で羽田圭二議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、三十九番小畑敏雄議員。
〔三十九番小畑敏雄議員登壇〕（拍手）
◆三十九番（小畑敏雄 議員） 働く意欲と豊富な経験をお持ち
の高齢者
の方々が就労を通じて地域で生き生きと活躍されることが、地域
の活性化にとって望ましいことであります。そのため
の仕組みとしてシルバー人材センターがあり、約二千六百人
の方々が登録され、知識や経験、能力を活用されて、区内で活躍されている
のが現状であります。
シルバー人材センター
の決算報告などを見ますと、昨年度
の受託総数は約一万六千二百件、そのうち、区など
の公共部門から
の受託件数が約千七百件、企業や家庭など
の民間部門からが約一万四千五百件で、受託件数が全体的に減少する中で、特に公共部門が減少している傾向にあるそうです。
一方、平成十六年度に地方自治法が改正され、シルバー人材センターを含め一定
の配慮が必要な団体に対して、政策目的による随意契約が可能となりました。区
の事務事業
のうち、シルバー人材センターになじむ業務はこの制度を積極的に活用し、区民である高齢者
の活用を図るべきであると考えます。
これまで
の区
の対応と今後
の取り組みについて伺います。
シルバー人材センター
の仕事
のうち、区
の自転車駐輪場等
の管理
の仕事については、会員
の中でも人気が高く、会員
の約一割
の方々が従事されていると聞いております。また、事業収入
のうち約三割を占める重要な事業でもあります。
この駐輪場管理
の業務については、ご案内
のように指定管理者制度となっています。指定管理者については、最近、シルバー人材センター
のほかに民間事業者が応募をされており、四カ所
の駐輪場はその民間事業者が指定を受けております。
選定委員会
の公正な選定を経て指定されるわけでありますけれども、シルバー人材センター
の設立目的や、区民である高齢者
の就労
の場を確実に確保する点から、指定を受けることが望ましいと思います。
また、先ほど
の政策目的随意契約については、指定管理者
の選定に直接当てはめることはできないと思いますけれども、その考え方を応用することはできる
のではないかと思います。
駐輪場に関して、区
の指定管理者選定
の考え方と今後
の対応について伺います。
指定管理者制度は、区
の施設を区にかわって責任を持って管理運営し、区民
のサービス
の向上を図ることが期待されています。シルバー人材センターでは、会員
の研修などを通じてモラルアップなどに取り組まれ、問題発生に対して厳しく対応するなど、適切に処理をされているとも聞いていますが、苦情もあるようで、本当に残念な思いもしています。
地域
の活性化を担うシルバー人材センターは、高齢者がますます生きがいを持って地域で活躍できるように、もっと区民に愛され、頼られる存在となり、仕事
の発注がふえるよう努力をしていくことが必要であります。このためには、会員
の仕事
のスキルアップだけではなく、モラルとか意識
の改革をも図っていかなければなりません。
そのため、シルバー人材センター自身が主体的に改善に向かって努力をしているようでありますが、区も積極的に改善に対し支援を行うことが必要であると考えます。これまで
の区
の取り組みと今後
の対応について伺います。
次に、子育て支援について伺います。
都心部を中心に、ここ数年、保育園に入れない、いわゆる待機児童
の問題が新聞、テレビ、マスコミに大きく取り上げられており、今議会でも多く論じられているところであります。今や認可保育園に入れないだけでなく、保育室や保育ママ、あるいは認証保育所にも入れず、そのため、その他
のさまざまな無認可施設に、世田谷区
の多く
の子どもたちが預けられている状況にあります。
働きに出なければ職を失ってしまうといった事情を抱えている親御さんにしてみれば、無認可であっても、大変にありがたい施設であると言わざるを得ません。聞くところによりますと、認可
の保育施設に比べて、どうしても無認可
の保育施設
のほうが保育料が高くなってしまうケースが多いように聞いております。認可保育園に入れない家庭にしてみれば、経済的な負担も認可保育園以上に負わなくてはならない現状にあります。
こうした中で、二十三区内に目を向けますと、お隣
の杉並区では昨年から、無認可
の保育施設に通われる親御さんに、収入に応じて月額七千五百円から一万円
の助成金を支給していると伺いました。
そこで伺いますが、二十三区及び東京都
の市部
の現況はどうなっている
のでしょうか。
また、区は単に施設を建設して保育需要にこたえるという答弁をしておりますが、これでは大変費用がかかります。どれぐらい
の費用がかかる
のでしょうか。
認可保育施設などに入れず、無認可
の保育施設に通われている家庭に対する助成金を交付するなど、杉並区
のような新たな取り組みを進める必要がある
のではないかと思いますが、お考えを伺います。
次に、中学校で新しく教科――保健体育という
のでしょうか――に取り入れられる武道について伺います。
新しい中学校
の学習指導要領では、保健体育
の授業で武道が行われることになったと聞いています。武道を実際に中学生が体験するということは、単に運動
の機会が広がるということだけではなく、日本
の伝統的な文化について理解を深めることや、相手を尊重する態度を身につけていくことなど、さまざまな効果があるものと期待しております。
武道といっても種目はさまざまです。新学習指導要領では、柔道、剣道、相撲道
の三つから、学校で選択をしていくことが原則となっているようです。現実的には柔道か剣道を扱う中学校が多い
のではないかと思います。しかし、実際に柔道や剣道などを授業で行うとなると、授業をどこで行う
のか、道具をどういうふうに調整していく
のか、事前に考えておかなければならない課題が多くあると思います。
とりわけ心配な
のは指導者
の問題です。中学校
の体育
の教員
のすべてが柔道や剣道を専門に学んできたとは考えられません。一方で、世田谷区には幾つも
の大学があり、産学公
の会議も進められているという状況から、こうした大学と連携をしていく
のも一つ
の方法ではないでしょうか。
そこで伺います。平成二十四年度から中学校に取り入れられる武道について、区はその導入をどのように進めていくお考えな
のかお教えください。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎田中
産業政策部長 シルバー人材センターにつきまして、平成十六年
の地方自治法改正を活用したシルバー人材センター振興策についてご質問いただきました。
働く意欲と能力
のある多く
の高齢者
の方々がその知識と経験を生かし、生きがいを持って地域で活躍していただくことは大変重要なことです。シルバー人材センターにおいては、就労
の機会を拡大するために、民間企業などから
の仕事
の受注を開拓する一方で、区においてもシルバー人材センターになじむ仕事
の発注につきまして、お話し
のとおり、地方自治法に基づく一定
の配慮が必要な施設、団体に対する政策目的
の随意契約
の仕組みを活用して、高齢者
の仕事を拡大していくことが有効であると考えております。
本年度、区では、施設や公園
の管理、清掃、ポスター掲示など三十八件が政策目的
の随意契約となっております。シルバー
の担当所管部といたしましては、この制度をより一層活用するように、毎年、庁内各課に対して、制度
の理解を深め、仕事
の発注が促進されるよう周知を図っているところでございます。
今後も庁内
の周知を行い、活用が図れるように取り組んでまいります。
次に、運営管理につきまして、シルバー自体
の努力もあるようだが、区
の積極的な支援が必要だと思うがというご質問でございます。
シルバー人材センターにつきましては、区民から安心して仕事を任され、より一層信頼される存在になることが、高齢者へ
の仕事
の拡大につながっていくものと考えております。まずはシルバー
の会員
の方々
の仕事
の能力やモラル
の向上を図っていくことが重要です。
現在、シルバー人材センターでは、入会時
の会員全員に対する研修や、さまざまな業務に従事することを想定した接遇研修、業務ごと
の技能研修などに取り組んでおります。これに加えまして、会員をバックアップするシルバー人材センター
の体制充実を図ることが重要です。
これまでシルバー人材センターでは、事務局長
の固有職員から
の選任や事務局職員
の意識向上などに取り組んでおられますので、区では、事務局職員
の研修派遣
の受け入れなど、必要な支援を行っております。
シルバー人材センターでは、今年度中に第二次中期計画や事務局職員
の人材育成計画などを策定し、組織力
の強化、事務局体制
の充実を図る予定となっております。担当所管である産業政策部としては、これら
の取り組みなどを通じて、ご指摘
のようにしっかり指導、支援してまいります。
以上です。
◎工藤
交通政策担当部長 駐輪場に関して、区
の指定管理者選定について
のご質問をいただきました。
区では、自転車等駐車場とレンタサイクルポートについて、それぞれ条例を改正し、平成十七年度から指定管理者制度を導入しております。これまで高齢者就業
の拡大に重要な役割を果たし、約二百六十名
の高齢者が就労していることなどから、新規
の自転車等駐車場を除き、非公募による方法で社団法人シルバー人材センターを指定管理者としてまいりました。
制度導入後
の新規
の施設につきましては、公募方式により民間事業者が指定管理者となる場合がございますが、民間事業者も高齢者を優先的に就労募集するなど、シルバー人材センターと同様、高齢者
の就業実績がございます。
区といたしましては、指定管理者制度
の指定につきまして、自転車条例及びレンタサイクル条例に基づき、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎藤野
子ども部長 子育て支援について、三点ご答弁申し上げます。
初めに、認可外保育施設利用者へ
の助成金について、都内各区市
の状況についてでございます。
都内自治体ホームページを検索したところによりますと、行政から運営費等
の補助を受けていない認可外保育施設を利用する保護者に対し助成金を交付している自治体は杉並区のみでございました。
次に、認可分園等整備費用についてでございます。
認可保育園分園を新設した場合
の費用でございますが、五十人規模
の認可保育園分園を想定いたしますと、おおよそ一億三千万円程度
の経費がかかるものと想定しております。今回
の施設整備につきましては子ども基金を活用しておりますことから、区
の負担といたしましては八分の一相当、およそ一千六百万円程度となります。
最後に、やむなく無認可保育施設を利用している方に助成金をということについてご答弁申し上げます。
ご提案
の認可外保育施設につきましては、認可基準に比較して安全性
の課題などがあり、積極的に利用を勧める保育施設ではないと認識しております。
待機児対策につきましては、平成二十一、二十二年度
の二カ年における約二千人分
の受け入れ枠拡充策として、私立認可保育園本園、分園
の整備、認可保育所
の定員
の弾力化、新しい保育ママ制度などさまざまな手法を活用して、現在、全力で取り組んでいるところでございます。引き続く子ども計画後期計画におきましても、待機児童解消に向け取り組んでまいります。
以上でございます。
◎萩原
教育政策部長 教科として
の武道
の導入へ
の区
の対応についてお答えいたします。
武道については、平成二十四年度より、中学校一、二年生
の保健体育
の授業で必ず学習する内容となり、教員
の指導力
の向上など
の課題があると認識しております。
区教育委員会では、本年八月、区内大学
の先生や地域
の方を講師に、すべて
の区立中学校
の保健体育担当教諭を対象とした柔道と剣道
の実技研修会を実施し、武道に関する知識と理解を深め、技能
の向上を図りました。また、本年度、富士中学校と桜丘中学校が文部科学省
の研究指定を受け、区内大学や地域
の人材を活用した武道
の実践研究に取り組んでおります。研究校では、武道
の授業を区立中学校
の保健体育担当教員に公開し、学習内容や指導法などを紹介いたしました。
今後は、一年間
の研究
の成果や課題をまとめ、すべて
の区立中学校に配布するなど、教師
の指導力
の向上を図っていく予定でございます。
区教育委員会としましては、平成二十四年度
の武道
の必修化に向け、引き続き区内大学等と連携しながら実技研修会を実施したり、世田谷区立中学校教育研究会体育部と連携して実践的な授業研究を進めたりするなど、武道
の授業
の円滑な実施に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
◆三十九番（小畑敏雄 議員） 今答弁いただきました武道についてですけれども、特にオリンピックとか世界選手権とかで今行われているスポーツ柔道とは全く違います。いわゆる日本
の古武道から発生した講道館柔道が、昔は柔術から、心
の修行、心技体という意味から道というふうにその考え方を変えてきて、修練するということが人格を形成していく子どもたち
のために大変重要なことであるという認識からすると、大変これはいいことだというふうに私は思っております。どうかいいことを導入するのに、先ほども申し上げましたように、指導する教員がきちっとした修練を積んだ方でないと困るということでございますので、二年後、遺漏なきよう進めていただきたいと思います。
それから、もう一度区長さんにお願いをいたしますが、今、部長から子育て支援について、インターネットで見たらば杉並区だけだったということでございます。私はこの質問通告を二週間前から準備しております。隣
の杉並区にどれぐらい
の時間がかかるんでしょうか。行って調べてもらってもよかった
のではないでしょうか。私は独自に調べましたが、もう既にいろいろな市から視察に来て、多摩
のほうでは、来年からそれを実践に移すというようなこと
の市もあるようでございます。
加えて、世田谷区内には安心して預けられるような無認可
の保育所がないというような意味
の答弁がありましたが、とんでもない、よく調べていただければ、認可保育園よりもはるかに進んだ施設、教育内容を持っている無認可保育園が世田谷区にあります。親は、やはり自分
の子どもを預けるときに、そういうところがある
のであれば、認可保育園よりもそういうところ
のほうがいいかもしれないといって預ける場合もあるわけです。そういう方々が、就学前児童
の人口が三万八千百八十四人。ところが、そういう無認可に通っている子どもが五百人ぐらいです。どうか再考していただいて、杉並に……。
○川上和彦 議長 以上で小畑敏雄議員
の質問は終わりました。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、四十五番吉田恵子議員。
〔四十五番吉田恵子議員登壇〕（拍手）
◆四十五番（吉田恵子 議員） 通告に基づき、順次質問します。
初めに、教科「日本語」について質問します。
全区立小学校、中学校で新たに教科用図書を編集発行するところから始めた教科「日本語」も、取り組み始めてから三年目を迎えています。
先日、近く
の中学校
の公開週間にあわせ、全クラスを授業参観してきました。どのクラスも保護者
の参加が少なくなっている中、複数
の保護者が熱心に参観しているクラスがあり、教室内に入り、一緒に見せてもらいました。授業は教科「日本語」で、哲学
の時間でした。残念ながら、指導方法や生徒へ
の投げかけ
の言葉が不適切だったからか、子どもたちが先生
の揚げ足をとるような散漫な授業となっていました。
教育ビジョン第二期行動計画
の中で、教科「日本語」には十
の柱があり、この中に自分
の言葉で表現する力を身につけるとあります。ですが、輪読
の後、配付してあった紙
の設問で、教科書
の中から抜き書きをさせ、その上に、後で答え合わせをするという先生
の言葉がありました。即座に子どもたちからは、正解があるんですかと
の声や、感想を書くんじゃないんですかと
の声が上がりました。設問は全部で三問あります。最後で感想を書きますと
の先生
の発言が続きました。授業
のほんの一こまではありますが、教員
の指導力不足、資料
のふぐあいなど、さまざまな課題が見えてきました。
区教育委員会では、教科「日本語」
の現状
の課題をどうとらえている
のかお聞かせください。
引き続き教科「日本語」を充実させていくためには、しっかりと評価検証をし、改善していく必要があります。指導に当たった教員から
の気づきや反省を含め、校内で
の問題共有や授業研究、専門家から
のアドバイスも必要かと思いますが、何よりも当事者である児童生徒、保護者
の声を生かすべきと考えます。適宜、アンケート調査を実施することも考えていくべきです。区教育委員会
の見解を聞きます。
教科「日本語」は、全く新たな教科書から導入されたこと、専門的に指導する先生が配置されていないことなども支障を来す要因になっている
のかもしれません。しかし、始めたからには、ねらいや目的を明確にし、子どもたちにもっと魅力ある授業を展開していくべきです。そのためには、教員
の指導力向上が不可欠と考えます。
これまでも、特に教科「日本語」については、教員へ
の支援を厚くすることを求めてきましたが、今後
の取り組みについて
の考えを聞きます。
次に、豪雨対策基本方針にもある雨水利用
のトイレについて質問します。
今回示されたこの方針
の中に「雨水を活かすまちづくり」
の項があり、貯留槽や雨水タンクにためた雨水はトイレ
の洗浄水や植栽へ
の散水などに利用でき、災害時には消火用水や生活用水としても活用でき、水道水
の消費を抑えることができるとあります。
また、この方針に基づく行動計画が年度内に策定されようとしている今、この対策やその効果を大きくするためには、区行政みずから
の取り組みはもちろんですが、区民一人一人
の意識と、まさに行動が重要になってきます。雨水利用に関心を持ってもらうこと、そして実践してもらうことが肝心です。
手本を示すべき公共施設については、既に雨水利用環境に配慮されており、雨水利用
のトイレも多数設置されていると聞きましたが、どこにある
のか見えず、なかなかそれら
の取り組みが区民にわかりにくい現状があります。都庁
のトイレを利用した際、雨水を利用している旨
の張り紙があり、感心したことを記憶しています。また、この雨水利用
のトイレは、各学校にも順次導入されていると聞き、かなり以前から取り組まれていることを知りましたが、地域には周知されていませんでした。早い時期に導入されたものには張り紙さえなく、校内で知っている教職員がいなくなっている学校もあります。
これから
の環境をしっかりと受け継いでもらわなければならない子どもたちに、今
の地球規模
の環境問題を提示し、グローバルに考え、ローカルに取り組んでいく、グローカル
の行動
の一つとして雨水
の利用を進めていく必要があります。児童生徒、保護者、地域
の方々へも丁寧に周知し、環境教育につなげるべきと考えますが、区教育委員会
の見解をお聞きします。
区全体でも雨水利用
のトイレにはその旨
の表示を行うべきですし、これからは公共施設
の建てかえが数多く予定されておりますので、もう一段階前に進め、工事中に設置されている仮囲い
の壁面に施設
の環境配慮事項
の取り組みをＰＲできるようなボードを設置することはできないものでしょうか。
工事期間中は、施設建設終了まで現場は仮囲いで覆われ、どのような仕組みになっている
のかのぞくこともできず、かといって、でき上がっても、環境配慮された内容が目につく場所にあるとは限らず、確認できないものが多くあります。
まさにこの雨水利用
のトイレがこれに当たります。このお知らせボードから施設へ
の関心も高まり、区
の環境へ
の取り組みが理解され、区民各自
の環境配慮へ
の啓発につながります。そして、区民一人一人
の小さな行動
の積み重ねが豪雨対策へとつながります。雨水利用
の意識を醸成でき得る普及啓発
のＰＲになると思いますが、区
の考えを聞きます。
最後に、京王線沿線まちづくりについて質問します。
十一月十一日を皮切りに、京王線
の連続立体交差化事業に伴う都市計画
の変更
の説明会が始まりましたが、どの会場でも同じ内容で説明しますと
の決めから、回数を重ねていっても内容を深めていくことができない会でした。
加えて、今回
の説明会は、都市計画
の変更案
の中にある京王線
の連続立体交差化と複々線化、そして十一本
の都市高速鉄道附属街路が示され、三つ
の案について行われるものです。しかし、今回
の変更は、東京都
の都市計画審議会で審議決定されるので、東京都が主となって説明会が進められたことに加え、京王線
の構造形式に目を奪われたこともあり、世田谷区に大きくかかわってくる街路事業について詳しく聞くことはできませんでした。総じて質疑応答
の場面では終了予定時間で打ち切られ、参加した方々が十分に納得できるまで質疑することもできず、不満が残る会になっていました。そもそもまちづくりは町全体
のイメージを住民総体が共有することで進んでいくべきなのに、情報不足、説明不足
の感が否めませんでした。
今後は駅ごと
のまちづくり協議会を中心に、区民が主体となって話し合いを進め、さまざまな意見出しをされていくことと思います。生活者ネットワークから何度も求めてきたことですが、それぞれ
のまちづくり協議会で住民から出された意見を区みずからも真摯に受けとめた上で、関係事業者へつないでいく役割を担うべきです。区
の見解をお聞きします。
以上で壇上から
の質問を終わります。（拍手）
◎萩原
教育政策部長 教科「日本語」について、三点お答えいたします。
まず、現状
の課題をどうとらえているかについてでございます。
教科「日本語」
の取り組みは、昨年、青少年文化
の向上と普及に貢献したと
のことで、第四十八回久留島武彦文化賞を受賞し、また、国より、世田谷日本語教育特区が全国展開にふさわしい質
の高い施策であると認められるなど、一定
の評価をいただいているものととらえております。
一方で、取り組みを始めて三年目を迎え、教科「日本語」を子どもたちにとってより魅力
のあるものにするためには、授業
の質
の向上を図ることが最も重要な課題であると認識しております。そのためには、教員
の授業力
の向上を図るとともに、指導上参考となる資料
の提供や、学校や教員へ
の支援
の充実などが重要であると考えております。
次に、評価検証には当事者
の声を生かすべきと
のお尋ねにお答えいたします。
議員ご指摘
のとおり、教科「日本語」
の充実
のためには、児童生徒や保護者、地域
の方々
の声を受けとめることが大切であると認識しております。各区立学校では、教科「日本語」
の授業
の後で、子どもたちに無記名で感想を書かせたり、保護者対象
のアンケートを実施して、子ども
の教科「日本語」に対する関心
の度合いを
把握したりするなどして、児童生徒、保護者
の率直な声を受けとめる工夫をしております。
区教育委員会といたしましては、区立小中学校校長会や区立小学校、中学校
のＰＴＡ連合協議会と連携を図り、今後も児童生徒や保護者
の率直な声を聞き、その声も生かしながら、教科「日本語」
のさらなる充実に取り組んでまいります。
最後に、魅力ある授業を展開するため
の教員へ
の支援についてお答えいたします。
教科「日本語」
の授業をさらに魅力あるものとするためには、教員
の指導力
の向上や、教員へ
の支援
の充実などが必要であると認識しております。今年度、区立小学校、中学校
の校長会、副校長会と区教育委員会が連携し、教科「日本語」推進委員会を設置して、教科「日本語」
の充実について、校長会、副校長会とともに検討を進めております。
その一環として、小中学校
のブロックごとに、特に教科「日本語」
の授業力
の高い教員を推進リーダーとして指定して公開授業を実施したり、すべて
の区立小中学校で校内研修会に取り組んだりしております。こうした研修会に区教育委員会
の指導主事も参加して、教科「日本語」
の授業について、教員に指導や助言を行っております。
区教育委員会では、今後とも教科「日本語」
の充実に向けて、研修
の充実や指導資料
の作成、各学校
の指導体制
の充実などに引き続き取り組み、各学校や教員へ
の支援に努めてまいります。
以上でございます。
◎福田
施設営繕担当部長 私からは、公共施設工事における仮囲い
の活用についてお答えいたします。
区
の公共施設
の建設現場では、通常、町
の美観に配慮して、工事現場
の仮囲いに白色
の化粧鋼板を利用しており、地域によってはのぞき窓を設けたり、また、児童
の絵を掲示している例などもございます。砧総合支所改築工事では、子どもたちが作成したたまがわ花火大会
の絵を掲示させていただいてございます。
ご質問
の雨水利用等
の環境配慮等
の取り組み
のＰＲとして、工事現場
の仮囲い
の壁面について活用できないかということ
のご質問でございますけれども、環境啓発
の面からも一つ
の有効な手法であると考えてございます。今後、新たに行う公共施設
の整備におきましては、建設現場
の周辺状況等にもよりますが、近隣住民
の方へ
の公共工事に関する理解を深めるとともに、区
の環境配慮へ
の取り組みなど、区
の施策
のＰＲ
の視点も考慮し、関係所管と調整、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎古閑
教育環境推進担当部長 私
のほうからは、区立学校において雨水利用トイレが設置されている学校で、雨水利用
の周知
の徹底を図り、また、環境教育へつなげるべきだと
のご質問にお答えさせていただきます。
区教育委員会では、資源
の有効利用や自然エネルギー
の活用等、環境を考慮した学校づくりを進めながら、児童生徒へ
の環境教育
の推進も図っております。
雨水利用
のトイレにつきましては、これまでに区立小中学校二十一校で整備し、雨水利用
の表示を行うなど、省エネルギー、省資源
の取り組み
の周知に努めておりますが、さらに周知を徹底いたしまして、環境考慮へ
の取り組み
のＰＲに努めてまいります。
また、雨水利用を通した環境教育といたしましては、例えば学校エコライフ活動
の認定校でもございます八幡山小学校や駒沢小学校では、児童が環境を考慮した設備や取り組みを調べる中で、雨水が貯水槽に蓄えられ、トイレで利用されていること。また、水を大切に利用しなければならないことなどを学んでおります。
区教育委員会では、今後も環境を考慮した学校施設
の整備を進めながら、児童生徒が身近に資源や自然エネルギー
の有効活用など環境へ
の関心を深められる学習が進められるよう、学校と連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
◎工藤
交通政策担当部長 京王沿線まちづくりにつきまして、区
の役割についてお答え申し上げます。
京王沿線まちづくりにつきましては、各駅周辺において地元
の発意によるまちづくり協議会等が設立され、現在、まちづくり
の検討が進められているところでございます。
区では、これまで沿線街づくり通信
の発行や、沿線まちづくりオープンハウス
の開催等、今、地域でどんな計画が進み、まちづくりが行われているか等、区民
の皆様にご理解いただけるよう、きめ細かな情報提供に努めてきております。
現在、東京都、関係区市、鉄道事業者とともに、安全安心まちづくり
の実現
のため、協力して都市計画変更に向けた素案説明会を開催するなど連携して取り組んできております。
今後も地元自治体として、区民
の意見を鉄道事業者や連続立体交差事業
の事業者である東京都へ伝えてまいるとともに、協力して一体的なまちづくりを進めてまいります。
以上でございます。
◆四十五番（吉田恵子 議員） 答弁いただきました。
ほとんど教科「日本語」、雨水トイレなど同じ方向性ということで、着々と進めていただきたいということを要望しておきます。
京王線沿線まちづくりについてですが、今回
の説明会では、やはり区が一緒にという名前を連ねているにもかかわらず、説明する場面がとても少なく、街路事業について
のことはまだまだ情報が不足しております。今後もオープンハウスなどさまざまな場面で、住民
の方々に丁寧に進めていっていただきたい。合意形成、その合意度を少しでも高めてから
の事業着工というふうに、本当に丁寧に進めていただきたいと思いますが、そのオープンハウスで
の情報提供などいかがか、考え方をお伺いします。
◎工藤
交通政策担当部長 今後もまだ具体的な日時は決めておりませんけれども、今後検討しまして、情報提供に丁寧に努めていきたいと思っております。
以上です。
◆四十五番（吉田恵子 議員） 皆さんお一人お一人が暮らしている
のが世田谷区で、その世田谷区内で起こっている事業です。地元
の住民
の方々に受け入れていただかなければ、公共事業、成功とは言えません。ぜひその点、丁寧に進めていただくよう再度申し上げて、質問を終わります。
○川上和彦 議長 以上で吉田恵子議員
の質問は終わりました。
これで本日
の一般質問は終了いたします。
────────────────────
○川上和彦 議長 次に、日程第三から第九に至る七件を一括上程いたします。
〔星次長朗読〕
△日程第三 議案第百八号 世田谷区長等
の給料等に関する条例
の一部を改正する条例外議案六件
○川上和彦 議長 本七件に関し、提案理由
の説明を求めます。平谷副区長。
〔平谷副区長登壇〕
◎平谷 副区長 ただいま上程になりました議案第百八号より議案第百十四号に至る七件につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第百八号「世田谷区長等
の給料等に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、区長等
の給料
の額及び期末手当を改定するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百九号「世田谷区監査委員
の給与等に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、常勤
の監査委員
の給料
の額及び期末手当を改定するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百十号「世田谷区
教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、教育長
の給料
の額及び期末手当を改定するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百十一号「世田谷区議会議員
の議員報酬及び費用弁償等に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、区議会議員
の議員報酬
の額及び期末手当を改定するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百十二号「職員
の給与に関する条例
の一部を改正する条例」及び議案第百十三号「
幼稚園教育職員の給与に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、職員
の給与を改定するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百十四号「職員
の特殊勤務手当に関する条例
の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。
本件は、不規則勤務特殊業務手当を廃止するため、条例
の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第百八号より議案第百十四号に至る七件につきまして、よろしくご審議
のほどお願い申し上げます。
○川上和彦 議長 以上で提案理由
の説明は終わりました。
なお、本七件中、議案第百十号及び第百十二号から第百十四号まで
の四件については、地方公務員法第五条第二項
の規定により、あらかじめ人事委員会
の意見を聴取しております。お手元に配付
の資料
のとおりであります。
本七件を企画総務委員会に付託いたします。
────────────────────
○川上和彦 議長 以上をもちまして本日
の日程は終了いたしました。
なお、明二十七日は午前十時から本会議を開催いたしますので、ご参集願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十八分散会...