• "防災無線用"(/)
ツイート シェア
  1. 世田谷区議会 2007-09-18
    平成19年  9月 定例会-09月18日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-04
    平成19年  9月 定例会-09月18日-01号平成19年 9月 定例会 平成十九年第三回定例会 世田谷区議会会議録第十二号  九月十八日(火曜日)  出席議員(五十二名) 一番   大庭正明 二番   田中優子 三番   小泉たま子 四番   岸 武志 五番   桜井 稔 六番   中里光夫 七番   西村じゅんや 八番   藤井まな 九番   岡本のぶ子 十番   高久則男 十一番  青空こうじ 十二番  大場やすのぶ 十三番  村田義則 十四番  里吉ゆみ 十五番  ひうち優子
    十六番  中村公太朗 十七番  山口ひろひさ 十八番  新川勝二 十九番  下山芳男 二十番  佐藤弘人 二十一番 杉田光信 二十二番 平塚敬二 二十三番 木下泰之 二十四番 上川あや 二十五番 上杉裕之 二十六番 中塚さちよ 二十七番 あべ力也 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 山内 彰 三十番  鈴木昌二 三十一番 飯塚和道 三十二番 板井 斎 三十三番 栗林のり子 三十四番 吉田恵子 三十五番 羽田圭二 三十六番 唐沢としみ 三十七番 重政はるゆき 三十八番 風間ゆたか 三十九番 石川征男 四十番  上島よしもり 四十一番 小畑敏雄 四十二番 諸星養一 四十三番 高橋昭彦 四十四番 市川康憲 四十五番 桜井純子 四十六番 山木きょう子 四十七番 竹村津絵 四十八番 稲垣まさよし 四十九番 すがややすこ 五十番  宍戸のりお 五十一番 川上和彦 五十二番 畠山晋一  出席事務局職員 局長     長原敏夫 次長     尾﨑眞也 庶務係長   長谷川哲二 議事担当係長 星 正彦 議事担当係長 岡本守広 議事担当係長 二ノ宮真吾 議事担当係長 望月敬行 議事担当係長 渡部弘行 議事担当係長 小池 篤 調査係長   荒井洋子  出席説明員 区長     熊本哲之 副区長    平谷憲明 副区長    森下尚治 世田谷総合支所長        四元秀夫 北沢総合支所長        安水實好 玉川総合支所長        志村千昭 砧総合支所長 佐藤健二 烏山総合支所長        佐藤 洋 政策経営部長 石濱信一 地域情報政策担当部長        城倉 茂 総務部長   齋藤泰蔵 危機管理室長 萩原賢一 財務部長   阿部 修 生活文化部長 堀 恵子 環境総合対策室長        大塚保道 産業政策部長 田中 茂 清掃・リサイクル部長        堀川能男 保健福祉部長 秋山由美子 介護予防担当部長        須田成子 子ども部長  藤野智子 世田谷保健所長        上間和子 都市整備部長 金澤秀一 みどりとみず政策担当部長        井伊和子 道路整備部長 板垣正幸 交通政策担当部長        春日敏男 教育長    若井田正文 教育次長   若林謙一郎 教育改革担当部長        髙山 博 生涯学習・地域・学校連携担当部長        水戸都紀子 総務課長   河上二郎     ──────────────────── 議事日程(平成十九年九月十八日(火)午後一時開議)  第 一 議席の一部変更  第 二 代表質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、議席の指定  二、会議録署名議員の指名
     三、会期の決定  四、議員の辞職の報告  五、閉会中の常任・特別委員選任の報告  六、日程第一 議席の一部変更、表決  七、諸般の報告  八、日程第二 代表質問     ────────────────────     午後一時開会 ○大場やすのぶ 議長 ただいまから平成十九年第三回世田谷区議会定例会を開会いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 これより本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 本日の日程は、お手元に配付の議事日程のとおりであります。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 まず、去る七月五日に繰り上げ当選されました下山芳男議員の議席を、会議規則第三条第二項の規定により、十二番に指定いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   三  番 小泉たま子議員   五十 番 宍戸のりお議員 を指名いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、会期についてお諮りいたします。  本定例会の会期は本日から十月十九日までの三十二日間とすることにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大場やすのぶ 議長 ご異議なしと認めます。よって会期は三十二日間と決定いたしました。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 この際、ご報告いたします。  去る七月二日、森学議員から、今回の件の責任をとり、議員を辞職したい旨の願い出があり、地方自治法第百二十六条ただし書きの規定により、七月三日、これを許可いたしましたので、ご報告いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、閉会中の常任委員及び特別委員の選任についてご報告いたします。  下山芳男議員を、七月九日付をもって、委員会条例第五条第一項ただし書きの規定により、区民生活常任委員及び公共交通機関対策等特別委員に指名したので、ご報告いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、出席説明員に異動がありましたので、ご報告いたします。  お手元に配付の出席説明員一覧表のとおりであります。ご了承願います。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔尾﨑次長朗読〕  日程第一 議席の一部変更 ○大場やすのぶ 議長 お手元に配付してあります議席変更表のとおり、議席の一部を変更したい旨の申し出があります。  お諮りいたします。  議席変更表のとおり、議席の一部を変更することにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大場やすのぶ 議長 ご異議なしと認めます。よって議席変更表のとおり、議席の一部を変更することに決定いたしました。  ただいま決定いたしました議席に氏名標を持参の上、ご着席願います。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、区長から招集のあいさつの申し出があります。熊本区長。    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 平成十九年第三回世田谷区議会定例会開催に当たりまして、ごあいさつを申し上げます。  本年、世田谷区は区制施行七十五周年を迎えました。この節目の年に幾つかの記念事業を企画しており、既に実施したものもございます。三十回を迎え、すっかり世田谷の夏の風物詩となったふるさと区民まつりでは、子どもみこしの行進が行われました。また、四年ぶりに再開したたまがわ花火大会では、世田谷の子どもたちがデザインした子ども夢花火を初め、六千発の花火が夏の夜空を彩り、多くの人々を魅了いたしました。  来月六日には、今日の世田谷区の発展に貢献された区民の方々に敬意を表し、表彰式典を実施いたします。七十五年という節目に当たり、改めて多くの区民の皆様のご尽力に感謝いたしますとともに、今後も区政のより一層の発展に努力してまいります。  さて、第二期地方分権改革がスタートいたしました。改めて申すまでもなく、住民に最も身近な地方自治体の役割は大変重要であり、私は、各自治体が自主性、自立性を高めていくことが、あすの日本を切り開くことになると確信しております。世田谷区といたしましても、引き続き徹底した行財政改善のもと、安定した財政基盤を築き、新たな政策づくりに力を尽くしてまいります。  都区のあり方につきましては、区長会において、事務配分や移管すべき事務の選定等について検討を重ねているところでございます。分権時代にふさわしい制度改革を進めるために、世田谷区がリーダーシップを発揮するとともに、改革案を特別区側から都へ積極的に提案するなど、さらなる自治権拡充を進めてまいります。  また、世田谷区実施計画及び行政経営改革計画、教育ビジョン第二期行動計画につきましては、現在、平成二十年度から向こう四年間の計画を策定中でございます。来年度の予算編成とともに計画につきましても、区議会での活発なご議論を賜りたいと存じますので、ご協力のほどお願い申し上げます。  次に、今定例会に提案しております条例について申し上げます。  世田谷区清掃・リサイクル条例の一部を改正する条例につきましては、平成六年以来据え置きになっている事業系一般廃棄物の処理手数料の改定を行い、受益者負担の適正化と事業系一般廃棄物の削減を目指してまいります。  続いて、重点施策の進捗状況等について申し上げます。  第一点は、安全で安心なまちづくりの取り組みについてでございます。  区内の刑法犯認知件数は、昨年とことしのそれぞれ七月末までを比較しますと、侵入窃盗が三百二十一件減るなど、全体で約一二%減少しております。これも、警察署を初め区民防犯活動等のご協力の賜物と感謝申し上げます。  また、昨年に引き続き、十月十一日を世田谷区内「犯罪ゼロの日」と定め、地域の防犯活動団体、PTA、警察署などと手を携え、全区的なパトロールや啓発活動を実施し、犯罪ゼロのまち世田谷を目指してまいります。  七月に発生した新潟県中越沖地震では、改めて建築物倒壊の恐ろしさを感じました。区におきましても急遽、保健師や建築、清掃の職員を派遣し、被災地の支援を行ったところです。七月に策定した耐震改修促進計画では、住宅都市世田谷としてさらに安全性を高めるため、住宅の耐震化率の目標を国の九〇%を上回る九五%としております。地震による住宅、建築物の被害、損傷をできるだけ未然に防ぐため、支援制度をさらに充実し、耐震化促進に全力を挙げてまいります。  次に、区内のあかずの踏切解消について申し上げます。  私は、小田急線が高架化された結果、あかずの踏切が解消され、駅を挟んだ町が一つになり、これまで以上ににぎわいが生まれたように感じております。六月二十五日には、区議会や町会などの区内各団体や、京王線沿線で鉄道立体化へ向けて活動している京王線立体化推進協議会の皆様の参加をいただきまして、「第三回世田谷区開かずの踏切解消促進大会」を開催しました。この大会では、京王線について重点的に取り組むことを大会宣言として決議いたしました。これを受けまして、七月には、東京都に私みずから出向き、京王線の立体化についての要請を行ってまいりました。今後も、区議会、区民の皆様と一体となって、その実現に取り組んでまいります。  エイトライナーにつきましては、区内の南北交通の強化とともに、羽田空港方面へのアクセス強化及び環状八号線沿道地域の交通環境の改善を目指すものであり、平成十二年の運輸政策審議会の答申において、メトロセブンとともに、今後整備を検討すべき路線として位置づけられているものでございます。これまで、沿線関係六区によりさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、七月には、メトロセブン促進協議会会長の多田江戸川区長とともに国土交通省を訪問し、要望書を提出してまいりました。今後も引き続き東京都やメトロセブン促進協議会と連携し、エイトライナーの実現に向け取り組んでまいります。  第二点は、子ども施策の充実について申し上げます。  私が目指す東京で一番子育てしやすい町は、サービスの充実はもとより、一人で不安を抱え込まず、安心して子育てができること、そして、ここに住んでよかったと世田谷に愛着を持っていただけることではないかと考えております。  大蔵二丁目複合型子ども支援センターにつきましては、平成二十一年四月に、成育医療センター内に開設する予定でございます。特徴といたしましては、区内初となる二十四時間対応型の保育機能の整備、各地域に整備する病児・病後児保育のセンター機能を持つこと等が挙げられます。発達・発育センター機能につきましては、発達障害の支援のため、相談、診断、療育、地域生活支援などを行うなど、成育医療センターのご協力をいただきながら取り組んでまいります。  多機能型の子育て支援施設、子育てステーションにつきましては、在宅を含めたすべての子育て家庭に対する支援を充実するため、各地域に一カ所の整備を目標に、区内の利便性の高い駅前において整備を進めております。  このたび、三軒茶屋に、昭和女子大学と連携を図り、二番目となる「子育てステーション世田谷」を開設いたします。保育事業につきましては、現在の認証保育所、「昭和ナースリー」を拡大し、分園化して、都内で初めてとなる、認証保育所を中心とした認定子ども園を設置いたします。今後も区内大学等との連携を強化するなど、地域社会で子どもたちをはぐくむ取り組みを充実させてまいります。  三点目は、福祉施策の充実について申し上げます。  いつまでも生き生きと自分らしく暮らすことは、八十四万区民の願いであります。私は、介護保険制度や医療制度の改革の中で、区民や事業者の皆様と区が協働し、それぞれの役割を担うことが肝要であると考えております。「福祉100人委員会」は、現在、発起人会を立ち上げるなど準備に着手し、十一月の発足を目指しております。多くの皆様にご参加いただき、さらなる地域福祉向上のため、自主的団体として、福祉や介護に関する新たな施策の提案と地域活動の実践を目指してまいります。  また、六月に発足した、医師会、関係者、区との協働による医療連携推進協議会では、高齢者や家族の方から在宅医療電話相談センターにお寄せいただいた事例などを検証し、医療が必要であっても、安心して在宅生活を送ることができる仕組みづくりを検討しております。今後も、だれもが安心して暮らし続けることができる地域社会の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。  障害者の就労促進につきましては、知的障害者就労支援センター「すきっぷ」などの取り組みにより、既に大きな実績を上げているところでございます。これに加え、十月より砧地域で、ITを活用した障害者の就労移行支援事業を開始いたします。この事業は、身体障害者、知的障害者、精神障害者を対象とし、パソコン技能の習得により職域の拡大を目指すという、他でも例のない新しい取り組みでございます。今後も障害者の方々の就労促進や地域での自立を積極的に支援してまいります。  第四点は、環境の充実について申し上げます。  昭和二年から三十七年まで成城に暮らした民俗学者の柳田國男氏は、「村に住む人のほんの僅かな気持ちから、美しくもまずくもなるものだ」という考えから、地域の植樹を進めるなど、積極的にまちづくりに参加しておられたようです。繰り返し申し上げておりますが、私は、区制百周年には区内のみどり率を三三%にする、「せたがやみどり33」を実現したいと考えております。  その一環として進めておりますガーデニングコンクールには、季節を彩る緑や花による緑化、地球温暖化への緩和対策として有効な屋上緑化など、すぐれた作品の応募が多数ありました。花壇デザイン部門につきましては、優秀作三点を区役所中庭花壇として、十月一日から展示することとなっております。現在、みどりとみずの基本計画を策定中ですが、こうした皆様の思いを「みどりとみずの環境共生都市世田谷」の実現のための原動力にさせていただきたいと存じます。  次に、世田谷らしい風景づくりの推進では、平成十一年三月に風景づくり条例を制定し、区民の方々と連携した地域風景資産の選定や、国分寺崖線を水と緑の風景軸へ指定するなど、先進的に取り組んできたところです。また、より実効性のある風景づくりが可能となる、景観法に基づく景観行政団体への移行につきましては、八月には都の同意を受け、十二月には都内で初めて景観団体に移行することとなりました。これに伴い、建築物の色彩基準を定めるなど、より地域の特性に合った取り組みが可能となります。今後も区民の皆様とともに、世田谷に誇りと愛着が持てる風景づくりを進めてまいります。  ユニバーサルデザインのまちづくりでは、本年四月から施行されたユニバーサルデザイン推進条例に基づき、どこでも、だれでも、自由に、使いやすくというユニバーサルデザインの理念による生活環境の整備を総合的に進めるための推進計画を策定してまいります。この計画の策定に当たりましては、区議会のご意見はもとより、ワークショップの開催など、広く区民に意見を求め、全庁挙げて計画策定に取り組んでまいります。  第五点は、魅力的で活力あふれるまちづくりの取り組みついて申し上げます。  まず、文化・芸術振興の取り組みでは、今年度より三カ年にわたる文化・芸術振興計画を推進しております。さらに、区民の皆さんが身近なところで文化・芸術に気軽に親しむ機会をふやすため、九月から十一月の三カ月間を「世田谷芸術百華」と銘打ち、まちかどコンサート、大道芸の出前実施、商店街とのアートプロジェクトなど、二十五の文化・芸術関連事業を実施してまいります。こうした事業を通して、町のにぎわい向上と世田谷の新たな魅力づくりにつなげてまいりたいと思います。  ところで、区内には数多くの将棋のプロ棋士の方々がお住まいになっておられます。棋士の方々には、既に区民まつりや小中学生を対象とした才能の芽を育てる体験学習でご協力をいただいているところです。このたび、区制七十五周年を記念して、日本将棋連盟との共催により、十一月十日、十一日の二日間にわたり、世田谷区民会館で将棋の日のイベントを開催することとなりました。世代を超えて伝統文化に親しむ機会とするとともに、NHKの全国放送を通じ、世田谷の魅力を広く発信してまいりたいと考えております。  次に、都市農地の保全について申し上げます。  都市農業は、新鮮で安全な食べ物を提供するだけでなく、環境保全や災害時の緊急避難場所など、多面的な役割を果たしております。私は、一度失われた農地を取り戻すことは困難であり、地域資源としての農地、農業を次世代に残していくことが大切であると考えております。国においても都市農地・農業の重要性が再認識され、制度の見直しに向けた動きが見られます。区内の農地面積は約百三十一ヘクタールあり、緑を残していくために農地を保全していくことがますます重要であります。また、小学生の農業体験を拡充することで、子どもたちはもちろんのこと、保護者の方々に都市農業に対する理解を深めていただきたいと考えております。今後も区内の農地、農業を守り育て、地域の資源として維持されるよう、区内農家の方々だけでなく、八十四万区民の皆様とともに取り組んでまいります。  第六点は、教育の充実について申し上げます。  私は、教育はすべての原点であり、人としての基盤を世田谷の地でつくり出していくことが、私の目指す地域に根差した子どもの育成だと考えております。教育委員会が八月に開催した第二回世田谷区教育フォーラムでは、学校、PTAを初め地域の皆様、他自治体の方々のご参加をいただき、教科「日本語」など世田谷独自の取り組みを区内外に発信することができました。学校の耐震化につきましては、平成二十一年度中の対応完了を指示し、今般、補正予算に設計費などを計上しご提案しております。一日も早い耐震化実現に向け努力してまいります。  次に、スポーツの世田谷の実現について申し上げます。  昨年度、初めて実施いたしました「世田谷246ハーフマラソン」につきましては、本年は参加人数を拡大いたしまして、十一月十八日の日曜日に第二回大会を開催いたします。また、多摩堤通りや目黒通りを使用するなどしてコースの公道部分を拡大するとともに、スタートとゴールを同じ駒沢オリンピック公園とするなど、参加するランナーと区民の皆様が一体となり、スポーツの世田谷をさらに盛り上げる大会を目指してまいります。  国の年金制度改革によって譲渡、廃止の対象となっております東京厚生年金スポーツセンターにつきましては、私はその保全に向け全力で取り組むことをお約束し、検討を重ねてきたところでございます。今般、この施設は、スポーツの世田谷をさらに発展させ、また、災害対策の観点からも、区にとって欠かせない重要な公園施設であることから、区立の運動公園施設として存続させるため、都市計画公園事業として取得する手続を開始することといたしました。  次に、受益者負担の見直しについて申し上げます。  国、地方を通じた分権改革の中で、各自治体には、中長期の展望に立って、持続可能な安定的な経営が求められております。区では、全事業総点検を初め、四年間で百十億円の削減、五百名を超える職員数の見直しなど積極的な改革を進め、その財源を新たな施策に投じてまいりました。八十四万自治体の経営に当たりましては、厳しい財政環境のもとで、この基本姿勢を堅持していかなければなりません。  一方、今後、多くの公共施設が更新時期を迎えるとともに、サービスの需要の増大が見込まれております。こうした状況に対応するため、税による負担のバランスが適正であるかなどの視点で、区民利用施設の使用料等の見直しを行っております。区議会を初め区民の皆様のご意見をいただきながら検討を進めてまいります。  一方、債権管理重点プランに基づき、債権管理の強化も図っているところでございます。例えば国民健康保険料の収納率向上と滞納整理の強化に向けて、昨年四月に対応する組織を整備いたしましたが、収納率なども前年を上回るなど、その成果も上がっております。今後も電話催告センターやコンビニ収納の範囲拡大などさまざまな取り組みを行うとともに、財源と負担の公平性、公正性を確保するため、区民の皆様のご理解をいただきながら、各種債権の適切な管理に努めてまいります。  続いて、財政状況について申し上げます。  今定例会におきましては、平成十八年度の各会計歳入歳出決算についてご審議いただくわけでありますが、その概要について申し上げます。  最初に、一般会計の決算ですが、歳入面では、景気回復や税制改正に伴い、特別区税、特別区交付金などが大幅に増となったことなどにより、歳入総額は二千二百五十三億百八十四万円、前年度と比較して七・三%の増となりました。歳出面では、子ども施策の充実や自転車等駐車場の整備、義務教育施設整備基金への積み立てなどにより、歳出総額では二千百六十五億八千二十三万七千円、前年度比では五・一%の増となりました。また、特別区債につきましては、財政運営の健全性向上の観点から、極力発行の抑制を行うとともに、繰り上げ償還を行ったことにより、十八年度末の特別区債残高は九百九十八億四千八百万円まで縮減をいたしました。この結果、決算収支では、実質収支が八十三億二千五百八十三万四千円となっております。財政運営の健全度を示す経常収支比率は、特別区税や特別区交付金の伸びとともに、経常経費の削減に努めたことなどにより、七六・七%と大きく改善いたしました。引き続き気を緩めることなく、健全財政の維持に努めてまいります。  次に、一般会計の補正予算案について申し上げます。  このたびの補正は、複合型子ども支援センター建設など子育て支援への取り組み、区立小中学校の施設整備、その他の状況変化に速やかに対応するとともに、緑の保全と学校施設整備に係る、今後の行政需要を踏まえた基金への積み立てに要する経費を計上するものであり、歳入歳出それぞれ七十九億九百九十八万四千円を増額とするものでございます。  あわせまして、国民健康保険事業会計や介護保険事業会計などの四特別会計につきましては、決算数値の確定などにより補正を行っております。すべての会計を合わせますと八十四億六千百二十六万六千円の増額補正となっております。  今後は、区立小中学校を初め老朽化した公共施設の改築・改修経費が大きく増加する見込みの中で、これまでの安全安心まちづくりを基本に、八十四万区民がもっと暮らしやすい世田谷の実現のためにも、健全財政を堅持していく必要があると考えております。今後とも区議会を初め区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
     最後に、今定例会にご提案申し上げます案件は、世田谷区手数料条例の一部を改正する条例など、議案二十七件、認定五件、報告十八件でございます。慎重にご審議の上、速やかにご可決賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。  以上です。 ○大場やすのぶ 議長 以上で区長のあいさつは終わりました。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔尾﨑次長朗読〕  報告第三十六号 平成十八年度株式会社世田谷サービス公社の経営状況に関する書類の提出外報告十八件 ○大場やすのぶ 議長 以上で諸般の報告を終わります。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔尾﨑次長朗読〕  日程第二 代表質問 ○大場やすのぶ 議長 質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、公明党を代表して、四十三番高橋昭彦議員。    〔四十三番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆四十三番(高橋昭彦 議員) 公明党世田谷区議団を代表して、質問並びに提案をさせていただきます。  熊本区政二期目がスタートし、約四カ月が経過いたしました。私どもは、将来を見据えた時代の分岐点とも言える、極めて重要な四年間であると思っております。  それは、我が国は今、前例のない構造変化に直面しております。少子・高齢化、グローバリゼーション、有限なる地球環境の保全、安全・安心社会の再構築、まさにこの社会の劇的な構造変化を直視し、真正面から対策に踏み込まなければなりません。当然、教育や格差、セーフティーネットなどの諸問題に常に力を注ぐとともに、まさに未来に責任を持つ、全方位にわたる政策実現、三百六十度の政策実現を持って、区民にこたえなければなりません。失われた十年とも言われた九〇年代からの負の遺産を清算し、危機的であった経済を再建した我が国であります。今こそ二十一世紀世田谷の確固たる基盤をつくる四年間にしていかなければならないと強く思うものであります。  「さあ、働こう!さあ、仕事を続けよう!」とは、著名な文明史家アーノルド・トインビー博士の座右の銘です。みずから決めた目標に向かい、一歩、また一歩と着実に歩み行く意志を沸き立たせ、みずからを鼓舞する言葉であったようです。  熊本区長は四月の選挙において、「もっと世田谷の流れを変える」をスローガンに掲げ、改革を進める姿勢を明確にされました。区長の掲げる改革は、行政と区民のきずなを重視し進めていくお考えを伺っているところでありますが、行政経営の改革にあっても、この改革が区民にどのように届いているのか、区民の目線に立ち進める政策のメッセージがどのように響いているのか、まさに熊本区長のリーダーシップが最重要であります。区長のお考えを伺いたいと思います。  熊本区長の七つの約束には、子育てについては、東京で一番子育てしやすい町へ、福祉については、いつまでも自分らしく笑顔で暮らせる町へと掲げています。だれもが住みやすい世田谷区構築の上で重要なことは、いかにセーフティーネット社会を構築するかにあると私どもは考えます。  今回の参議院選挙においても、我が公明党は命のマニフェストを掲げ、ドクターヘリの配備など、命を守る政策を訴えてまいりました。私どもは、生命、生存、生活をキーワードとして、一番困っている人を守る、困っている一人を決して見逃さない、生活難民を出さないセーフティーネット社会の構築が重要であると考えています。区長の見解を伺います。  先日、東京都副知事である猪瀬直樹氏の話を伺いました。地方分権を進める上でのこれからの地方自治体。国が政府であれば、東京は首都政府であり、区は地方政府であるべきと。しかしながら、国から見ると、地方自治体は単なる団体としか見ていないと言います。世田谷区は、地方政府として、自立した先進都市として強く発信していかなければならないと思います。  今後の区政において、地方分権や地方への財源移譲、都区制度の改革、世田谷区の将来の人口推移など、将来を見据えたかじ取りが重要であります。区長の考えを伺います。  その意味から、行財政改革について質問いたします。  本年三月、夕張市が自治体としては、福岡県赤池町以来十六年ぶりに財政再建団体に指定されました。我が会派として、この八月、夕張市を視察してまいりましたが、再生への困難さと苦悩が浮き彫りにされていました。しかしながら、その困難に立ち向かおうと懸命に闘われている市民お一人お一人の確かな息吹を感じた次第であります。  夕張市が破綻した本質は、平成バブル崩壊後、政府が景気対策として、公共事業などのハード事業に乗り出し、返済分の一部は地方交付税で上乗せするからと地方の起債をあおってきたことが、結果的に負の遺産を積み上げてしまったとも言えます。  我が世田谷区においては、自主自立の精神のもと、行財政改革に不断に取り組み、基金や起債の適正な活用等を含め、より安定した財政基盤を構築することが、区長の七つの約束を実現するためにも不可欠の課題となってまいります。  そこで何点か質問いたします。  一点目は、官から民への流れという時代の要請と、その一方で公として果たさなければならない役割については、予算、人的資源を投入してでもその責任を果たしていくというその峻別を今後さらに徹底され、地方政府としてのありようを区民へお示しいただきたいと存じます。区長の見解を求めます。  二点目は、より適正な受益者負担についてです。現在、公共施設の手数料や使用料の見直しが検討されています。これまで不明確であった算定基準を見直し、活動基準原価計算等の手法を用いて、原価と利用者の偏在状況を明らかにした上での見直しは必要だと考えます。しかし、その一方で、施設の稼働率が低い、ランニングコストが過大に発生しているなど、業務が非効率に運営されているケースもあり、その点については、早急に改善を進めるのが大前提であります。使用料とともに保育料においても、より適正な受益者負担の視点からの改善について、区の見解をお伺いいたします。  三点目は、新たな財源の確保についてです。横浜市では、市が保有する資産を有効に活用し、積極的な広告事業を展開しています。広報印刷物を初めとし、有形、無形のさまざまな資産を広告媒体としているのが大きな特徴でもあり、その結果、一億円を超える広告収入料を得るなど、大きな成果を上げています。日本は、町のごみ箱一つにまで広告スペースとして売却する欧米に比べ、まだまだ拡大の余地があると思いますし、小規模施設へのネーミングライツの適用やオフィシャルドリンク制度など、新たな広告財源拡大に取り組むべきだと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  この項の最後に、出張所の窓口拡大についてお聞きいたします。  出張所が再編され三年目を迎えております。我が党では以前より、時代の変化を踏まえ、出張所改革における区民サービスの中で、本格的な土曜窓口の開設を求めてまいりました。ことし六月より出張所の評価検証の検討組織を立ち上げ、具体的検討を始めていると伺っておりますが、土曜窓口本格実施についての考えを伺います。  次に、災害に強いまちづくりについて質問いたします。  我が会派は、夕張市に続いて奥尻島へも視察に行ってまいりました。ご存じのように、平成五年七月十二日に発生した北海道西南沖地震において壊滅的な被害を受けました。当時、島の再建は絶望的と言われながら、町民の皆さんの団結とたゆまぬ努力によって復興に立ち上がり、わずか五年後には完全復興宣言をするに至った、まさに災害に強い町を基調にまちづくりを進め、さらに発展を遂げている奥尻島に多くの示唆を学んだ思いがいたしました。その中でも、災害時における地域防災力をより一層強化するため、地域に所在する事業所に対し防災協力活動を求め高めていくことが、今後の重要な施策の一つであると実感をいたしました。  そうした中、気象庁の緊急地震速報の一般提供が十月一日から始まることが注目されています。わずか数秒であっても事前に地震の発生を知ることができれば、危険を回避する可能性が広がり、防災・減災対策に大きな効果があると、各方面より期待の声が上がっています。現在、首都直下型地震、東海地震など大規模な地震発生の切迫性等が指摘される中、世田谷区は、区民の安全安心の施策として、さらなる災害対策に多角的に取り組むべきだと考えます。  そこで三点質問いたします。  一点目は、耐震助成についてです。地震の一撃で建物を倒壊させないことが命を守る上で最重要課題であることは、これまでも幾度となく申し上げてまいりました。我が党の主張により、木造住宅の無料耐震診断が行われ、その効果も上がってきていることは評価するものであります。しかしながら、その先の肝心な耐震改修が進んでいない状況です。区としてきちっと踏み込んで、目的である建物の耐震化を進めるべきであります。ご決意をお伺いします。  二点目は、緊急地震速報の活用についてです。区としてどのように活用し、区民へ周知をどのようにしていくのか検討すべきです。先ほど述べたように、この新しい防災情報は、パソコンや専用の受信装置を使用すると、テレビなどから流される情報よりも詳しく自分の居住地域の推定震度を表示し、地震が来るまでの時間をカウントダウンできるそうです。公共施設に緊急地震速報表示端末を設置することも検討すべきと考えます。区の見解をお伺いいたします。  三点目は、災害時における地域事業所間との防災協力、連携の促進についてです。近年、民間企業の社会的責任、CSR活動が重視されています。平成十七年十二月に消防庁が取りまとめた報告においては、事業所の防災協力の促進のための七つの提言が示されていました。区としても、災害発生直後の初動対応において、事業所の防災協力が実施されるために必要な体制のあり方とそれを構築するための方策、さらにはインセンティブの付与や協力促進のための仕組みの検討を重ねていくべきだと考えます。これまでの協力体制と今後の取り組みについて、区の見解をお伺いいたします。  次に、高齢者問題についてであります。  昨年四月、介護保険が改正されて以来、介護を取り巻く環境が厳しさを増しています。療養病床の再編に備え、区長は、ショートステイ、ケアハウスの整備などを早急に進め、万全な体制を構築すると決意をお述べになりましたが、例えばショートステイの確保など受け入れ先の施設が少ないとの心配もあります。国や都が手放すことを考えている公有地利用、例えば梅丘などを積極的に活用することも視野に入れ、高齢者に対する世田谷型モデル実現へ向けて、まずは全庁挙げての推進を強く要望しておきます。  ここでは、介護人材への支援のあり方についてお尋ねいたします。  改正後、介護の担い手不足が危惧されています。例えば介護報酬を見ても、一律定額制に変わったことにより、ホームヘルパーとして仕事を継続できない現実があります。ある介護事業主の方から、このままでは介護保険制度の崩壊を招きかねないほど深刻な問題である、そのことを深く認識してほしいと訴えられました。介護報酬の改善は制度にかかわる問題であり、厚い壁が存在することは事実でありますが、世田谷区としてそれを超えてこそ、先駆自治体としての存在を証明するものと考えます。介護人材への支援、取り組みに関して、区の基本的な考え方を求めます。  さて、せたがや介護支援ボランティア制度の取り組みが発表されました。介護予防と要介護・要支援高齢者への地域支えあいシステムの構築は、自治体としてのモデルケースとして、ぜひとも成功に向けて準備をされることを願うものであります。  さて、その一方、今年度予算の取り組みの中で、PASMOを活用した生涯現役プロジェクトについても、元気に、さらに活躍できる方策として期待するところでありますが、その後の検討状況が見えてまいりません。介護支援ボランティア制度との関係性も気になるところであります。その進捗状況をお尋ねいたします。  次に、障害者施策についてであります。  ここでは一点、自治体として障害者の雇用創出にどう取り組んでいかれるおつもりか、その基本的な考え方をお尋ねいたします。  障害者自立支援法の大きな目的の一つに、障害者の自立に向けた就労支援が挙げられます。我が党は、とりわけ障害者雇用に関しては、まず区が率先して雇用創出に取り組むべきと主張するものであります。正規職員への登用はもちろんのこと、外郭団体での雇用、さらには公共施設での場を提供し、喫茶コーナーなどの就労支援など、あらゆる知恵を絞り取り組むべきでありますが、いかがお考えか。  もちろん区だけでは限界があることは言うまでもないことであり、民間企業における障害者の就労支援こそが求められます。ただ、言葉だけではなく、いかにインセンティブを与えられるかもかぎとなります。その意味では、福祉部門だけでなく、産業政策部門との連携が不可欠であります。この点について、区の見解を求めます。  次に、住宅施策に関し、特に高齢者、障害者、ひとり親家庭等の、いわゆる社会的弱者への対応についてお尋ねいたします。  平成十八年から計画化されている第二次住宅整備後期方針は、同時に地域高齢者住宅計画も含んでいるわけですが、これには、高齢者を初めとする社会的弱者への住環境の整備促進に関し、数値目標が具体的に示されていないのではと危惧しております。区としての明確な目標数値と目標実現に向けた具体的な年次計画をぜひともお示しいただきたい。  次に、子ども・子育て支援について何点か質問いたします。  第一は、在宅子育ての充実であります。我が党はこれまで、在宅子育て家庭を含め、すべての子育て家庭に対する支援を充実するために、特に利便性の高い駅前に、認証保育所、一時保育、子育てひろば、発達、発育に関する相談など、多機能な子育て支援施設を持つ駅前子育てステーションの充実を求めてまいりました。  昨年秋には子育てステーション成城が開設し、さらに二十一年度までに各地域に順次整備していくと聞いておりますが、進捗状況をお聞きいたします。我が党は、さらに多くの場所で展開できるよう求めるものであります。拡充に向けてのお考えをお聞かせください。また、子育て環境整備の状況に応じて可能な範囲で、病後児保育、発達障害療育機能、在宅子育て支援交流機能などを付加することも求めておきます。  第二は、保育サービス待機児ゼロへの取り組みであります。  区は、子ども計画を前倒しし、二十一年三月までに、認可保育園の拡充や認証保育所の新設などあらゆる手法を活用して、保育サービス待機児ゼロを目指していることを大いに評価するものであります。しかしながら、我が党が主張している保育ママの拡充はここ数年ゼロであります。  区がこれまで拡充を控えてきた経緯や状況を踏まえ、子どもの定員を五名とする保育士複数制を取り入れ拡充に取り組むべきと考えます。また、これまで再三主張してきました認可保育園と認証保育所の保護者負担の差額をなくすため、認証保育所を利用している保護者への助成も実施すべきときに来ていると考えますが、あわせて見解を求めます。  第三は、インフルエンザの予防接種についてであります。  毎年、区内において、学校や保育所、幼稚園でインフルエンザの流行による学級閉鎖が繰り返されています。現在、区では高齢者への自己負担助成が行われていますが、まず予防接種の効果検証についてお聞きいたします。また、子どもを対象に助成を開始する自治体、例えば水戸市、日立市や佐世保市、十日町市などふえてまいりましたが、現状についてお聞きいたします。  第四は、妊産婦健診の無料化の拡大であります。  今年度より、里帰りの場合、また、かかりつけ医が都外であっても、前期と後期の妊婦健診が無料で受診できるようになりました。しかし、費用は一回当たり平均六千円前後で、出産までに約十五回、出産後も二回程度の健診を受けるのが一般的で、十万円近くが必要であります。  厚生労働省もこうした実態を考慮し、今年度予算で妊産婦健診への助成を含む少子化対策に充てる地方交付税を七百億円に倍増させ、市町村が実施する少子化対策事業の財源を強化したところであります。しかし、実際に何回まで無料化するかは、実施主体である市町村の判断にゆだねられているのが現状です。区の積極的な取り組みを期待するものであります。見解を伺います。  第五は、子育て世帯の住宅施策の充実であります。  昭和十六年より母子生活支援施設事業を行ってきたサンライズ世田谷が解散すると伺っております。離婚夫婦が増加する中、住宅のセーフティーネットとも言うべき母子寮の縮小は大きな打撃であります。また、平成六年から順次提供してきた子育てファミリー住宅も十年間の契約期間が終了し、子育て住宅は減るばかりであります。今後、区は低所得者世帯における住まいの支援をどのように考えるのか、お伺いいたします。  この項の最後に、子ども基金について伺います。  子ども基金は、地域の子育てを応援するものであり、今月二回目の事業募集がありました。今後、地域でともに支え合う共助の仕組みで子育てを支援する施策の象徴ともなり得るものではないかと期待が持たれます。しかし、寄附が足りないと伺っています。庁舎や区民施設等に設置されている自動販売機の売り上げの一部を基金とするなど、基金受け入れに対する取り組みも大切となります。これまでにない発想と取り組みに期待するものであります。お答えください。  次に、産業政策について質問いたします。  さきの議会でも触れましたが、地方分権の流れの中で、確固たる自立都市世田谷の構築のためにも、区民生活のレベルアップのためにも、区内産業が定着し発展することは必要不可欠であります。産業を自治体の基本に位置づけ、明確な方向を指し示すことが、産業ビジョンの意味であると考えます。  ここで、いま一度、世田谷区の産業とは何かを考えてみたいと思います。これまでの産業振興とは伝統的に、既存の商業、工業、農業をいかに活性化することができるか、また、存続するかがテーマでありました。最近は、議会の議論もあり、ブランドアップや観光にも注目されてきましたが、視点を変えてみますと、世田谷区は全国でもトップクラスの福祉の町であります。世田谷区の福祉は日本のモデルケースでもあります。保育施設や子育て施設、介護施設、介護事業、力強い民間事業者が区内のさまざまな場所で福祉事業を展開しています。世田谷区の資源は人であると言われます。人材の力によって地域福祉が向上するのとあわせ、産業政策としても福祉産業をしっかりと位置づけていく必要があると訴えるものであります。区の考えをお聞かせください。  次に、環境問題について質問いたします。  京都議定書履行達成を目指して、国の温暖化対策への取り組みが強力に推進されております。そこでは、自治体としての役割も厳しく問われています。本区の目標である、二〇一二年までに温室効果ガスを九〇年比で六%削減が果たして達成できるのでしょうか。この問題は、区長の強力なリーダーシップなしには絶対に実現不可能と考えますので、まず区長のご決意を伺います。  例えば温暖化対策への執行体制です。現在は環境総合対策室で区総体の環境について担当しており、温暖化対策を専門的に担当する組織がありません。政府に見習って、区長をトップとする世田谷区地球温暖化対策推進本部等を組織し、強力に推進すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  第二に、本年の国会で環境配慮契約法が成立いたしました。この法律は、物品やサービス等を購入する際、価格だけでなく、温室効果ガスの排出削減効果も配慮して契約することを義務づけたものです。建築物を建てる際にも、設計思想の中に当然こうした考え方が反映されなければならないと考えます。区としても、こうした法律の考え方に沿った契約のあり方が、今後は不可欠な要素になるであろうと考えますが、見解を伺います。  第三に、自転車道の有効利用についてであります。  これからの自転車対策は、活用しやすい環境づくりへ方針転換すべきことを訴えてまいりました。その中の一つが自転車走行レーンの設置であります。区も我々の主張にこたえていただき、区内二カ所で社会実験をしていただきますが、私どもの本心はツーキニスト対策であります。最近は、都心へ向けて自転車通勤する姿が大変多く見られるようになりました。通勤に自転車を使う、これほど環境に優しく理想的な移動手段はありません。しかし、都心に向かう幹線道路は国道や都道であります。警視庁も、違法駐車取り締り強化で路上駐車がなくなりつつあることから、自転車走行レーンの設置も考えられるとの判断もあるようです。区長が常々おっしゃる、世田谷から東京を変える、まさにこの課題から取り組んでいただきたいと思いますが、ご決意を伺います。  次に、みどり率三三%問題について伺います。  区長は以前答弁で、緑の保存という表現が言われていますけれども、保存だけではなくふやすべき、そして区政百年の時期を目指して、みどり率を三三%にと決意を示されました。そして緑と水のすべてのセクションを一カ所に集めたわけですが、しかし、緑をふやすには、みどりとみず政策担当部だけが頑張るのではなく、全庁挙げての取り組みが必要ではないでしょうか。  区長は招集あいさつの中で、現在、みどりとみずの基本計画を策定中であると述べており、また、緑を残していくためにも、農地を保全していくことがますます重要であるとも述べておられます。基本計画ということですから、十年程度を想定し、二十五年後のみどり33実現を意識しての総合的な計画になると考えますが、具体的な検討状況をお聞かせください。  最後に、教育問題について伺います。  初めに、ほっとスクール事業についてお尋ねいたします。  いじめ・不登校問題は、社会的問題として憂慮すべき状況が年々加速しているように思えてなりません。区の十八年度事業実績を見ますと、相談室に来室相談総件数は、過去五年間で最も多く、九百九十八件に上り、また、区立小学校の不登校児童は九十四名、中学校は二百九十六名と、この五年間、ほぼ横ばいの状況が続いております。  区はこれまで、我が党の提案で、城山、尾山台の二カ所にほっとスクールを開設し、不登校の子どもたちに一定の成果を上げていることを評価いたします。しかし、区内に二カ所になっても、城山には一時間ほどかけて通っている児童もいると聞きますし、小学生の保護者の中には、遠過ぎて通わせられないという方もいたと聞いています。ほっとスクール事業が成果を上げていることを考えますと、もっと近くにあれば、多くの子どもたちが支援を受けられる可能性が高まることと期待します。さらに地域展開を目指して、第三のほっとスクールをそろそろ検討する時期と考えますが、ご所見を伺います。  次に、高齢者を対象とした生涯学習の今後の展開について伺います。  科学技術の進歩や社会構造の変化、高齢化や自由時間の増大などに伴って、国民一人一人の自己実現を支援し、生活の豊かさを支えていくことが、活力ある社会を形成するためにも重要となっています。とりわけ団塊の世代の方々の中で生涯学習への意欲、それも、より高度化、専門化したレベルを学ぼうとする方々の占める割合が一層高まっているというアンケート結果が注目されます。  区はこれまで、市民大学や生涯大学の開設、さらには多様な区民向けの講座の開催など、全国に先駆けて、先進的な生涯学習施策を推進されてきたことを評価いたします。  私は、より専門分野の学習機会という点で、大学との連携を視野に入れてはどうかと提案させていただきます。大学では昨今、修士課程の履修や資格取得等を求める社会人を対象に、社会人向け大学院をサテライト的に開設し、大学が有する教育資源等を積極的に提供することにより、社会人の学習意欲にこたえ、社会還元していこうという新たな取り組みも顕著であると聞いております。  現に区では、社会人向け講座を対象としたリカレント学習への支援やeカレッジ等、区内大学と連携して事業を推進しており、高齢者の方々を対象として新たな事業を創設することは、それほど困難ではないと考えます。区の見解はいかがでしょうか、お聞きいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの公明党、高橋議員の代表質問にお答えさせていただきます。  初めに、改革について、区長のリーダーシップはいかにというお尋ねについてでございます。  私は、区民の生命と財産を守ることを区政の最優先課題として、安全安心まちづくりを基本に、もっと暮らしやすい世田谷を築いていくためには、たゆまぬ行財政経営改革は必要であると考えております。このため、これまでも区民の目線に立って事業の見直しを行い、それにより得た財源を、防犯対策などの安全安心まちづくりや、子ども医療費の無料化などの子ども施策などの分野に重点的に配分し、区民サービスの充実を図ってきたところでございます。  こうした改革の実現に向けては、何よりも区民の皆様にわかりやすい丁寧な説明、周知を行い、理解を得ていく必要があると考えており、今後ともこの姿勢を堅持し取り組んでまいります。  次に、セーフティーネット社会の構築についての私の見解ということでございます。  私は、いつの時代にあっても住民福祉の向上を区政の基本に、限られた財源の中で創意工夫を重ね、セーフティーネットはもとより、行政として必要なサービスを着実に提供していく必要があると考えております。  このため、平成二十年度の当初予算編成に当たっては、全庁挙げて取り組みを進める横断的取り組み項目として、安心して暮らせる福祉のまちづくりへの取り組みなどを掲げたところでございます。今後とも安全安心まちづくりを基本に、子育て、福祉を初めとする七つの約束の実現に向けて、区民の皆様のご理解とご協力のもと、全力で取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、地方政府としての区のあり方についての考え方のお尋ねでございます。
     第二期地方分権改革がスタートいたしましたが、私は、住民に最も身近な自治体の役割は大変重要であり、各自治体が自主性、自立性を高めていくことは、あすの日本を切り開くことになると確信いたしております。また、都区のあり方につきましても、現在、区長会で検討中であります。さらなる自治権拡充を目指して、世田谷区がリーダーシップを発揮し、改革案を特別区側から都へ積極的に提案するなどの取り組みを進めていかなければならないと提言いたしております。今後とも八十四万自治体の将来を見通した自主、自立に向けまして、議会の皆様方とともに努力してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、官から民へのスリムな行政の改革についてのお尋ねでございます。  私は、民間でできることは民間にという考え方のもと、これまで民間の力を積極的に活用し、区民の目線に立った行政経営の効率化を進めてまいりました。今後とも、官と民の役割分担を踏まえ、民間の方の力の活用を進めながら、行政として果たすべき役割については予算、人的資源を投入して、議員ご指摘の自立した先進都市としての責任を果たし、「いつまでも住み続けたい『魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷』」の実現に努めてまいります。  環境問題について、私の決意のほどということでございます。  環境問題につきましては、ドイツでのサミットや来年の洞爺湖サミットでは、地球温暖化防止対策が主要課題となっているところであります。区といたしましては、庁内に、副区長を委員長に、各領域の部長から成る環境共生推進会議を設置して、これまでも、省エネルギー、省資源対策など、エコライフ行動の実践等に取り組んでまいりました。今後も、私のリーダーシップのもと環境共生推進会議を活用し、全庁挙げて地球温暖化対策に取り組んでいく所存でございます。  その他の質問につきましては、所管よりご答弁いたします。  以上です。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 出張所改革に伴います土曜窓口の本格実施に関してのお尋ねでございますけれども、現在進めております評価検証作業での議論を踏まえまして、明年四月を目途に、太子堂出張所の土曜窓口の本格実施を含め、各地域一カ所の出張所におきまして土曜窓口が実施できるよう検討を進めていきたい、このように考えております。    〔森下副区長登壇〕 ◎森下 副区長 耐震改修の取り組みにつきましてご答弁を申し上げます。  近年、各地で地震が多発しておりまして、東京におきましても首都直下地震がいつ起きてもおかしくないと言われております。こうした状況から、区では、区民の生命と財産を守るため、平成十七年度から建物の耐震化の支援策を実施してまいりました。  さらに、この七月に早期に耐震化を図るため、世田谷区耐震改修促進計画を策定し、その中で、住宅の耐震化率を平成二十七年度までに九五%とする目標を掲げております。  現在は、木造住宅の耐震診断助成を拡充したこと等によりまして耐震診断が着実に実施されていることから、耐震改修の件数もふえていくことと考えておりますけれども、促進計画に掲げました目標を達成するため、これまでの木造住宅の耐震改修への支援事業の普及に努めますとともに、共同住宅等への助成策を拡充する内容を検討してまいります。  続きまして、みどり率三三%に向けての取り組みについてでございます。  みどりとみずの基本計画につきましては、三月に環境審議会に諮問させていただき、検討をお願いしてまいりました。このほど環境審議会の中間まとめが報告され、これを受け、区の素案を策定しているところでございます。その検討状況でございますが、区制百周年にみどり率三三%を実現するため、計画では十年間でふやすみどり率の目標をお示しいたします。計画実現のための具体的な施策としまして、公園整備、道路緑化、学校緑化、公共施設緑化など、区として率先して取り組むものや、区民と一緒に進める区有地の緑化施策など、新たな取り組みも提案してまいります。緑をふやすためには、今ある樹林や農地の保全も大変重要でございまして、引き続き緑の保全の施策を進めてまいります。  また、水につきましては、緑をはぐくみ、ふやすために不可欠なものでございます。地下水を涵養し、地域の水循環を回復させ、清流の復活を目指した取り組みを進めてまいります。今後、九月下旬に素案を議会にご報告し、ご議論いただく予定でございます。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 生涯学習の今後の展開に関しまして、区内大学との新たな連携についてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  最近の団塊の世代を初めとする方々の高い学習意欲は、教養を習得するための講座などの聴講にとどまらず、修士等の学位や社会的な資格を取得して、自己実現を目指す傾向にもあらわれております。区内大学におきましても、このような動向を踏まえ、社会人を対象に教育課程を設けた大学院制度の創設や、資格取得やスキルアップのための講座開設、あるいは生涯学習のための施設を設ける大学もふえております。  区教育委員会でも、社会人への門戸を広げる大学の新たな取り組みをとらえ、これまで築いてきた大学とのネットワークを活用し、高齢者を初め区民の方々の学習ニーズにこたえる新たな連携に向けて協議してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎石濱 政策経営部長 受益者負担についてのご質問がございました。  区民利用施設や体育施設等の維持管理運営経費に対する税による負担と利用者による負担の適正なバランスを確保するため、現在見直しを行っているところでございます。区では、平成十四年から施設の維持管理運営に係る行政コストを分析し、財政状況とともに、区民の皆様に公表してまいりましたが、今回の利用者負担の見直しに当たりましては、これらの分析を踏まえ、経費の現状の把握に努めたところでございます。  ご指摘のとおり、施設の有効活用と運営の効率化は重要な課題であると考えております。今後とも施設運営の効率化に努めることによりサービスの向上と経費の節減を図るとともに、施設の利用促進を図ってまいります。  次に、新たな財源確保についてのご質問がございました。  国などの補助が見直され、自治体の財政的自立が求められる中で、新たな財源の確保は重点的に取り組むべき課題の一つであると認識しております。区の資源を有効に活用した広告事業は財源確保策の一つとして有効なものと考えており、区におきましても、区民便利帳への広告掲載や証明書等の持ち帰り用に広告入り封筒を窓口に備え置くなど、一部取り組んでいるところでございます。  自治体の広告事業の取り組みといたしましては、ホームページや広報紙等の発行物への広告掲載、施設内外の壁面等への広告掲載、施設のネーミングライツの活用などの例がございます。今後、広告事業の実施につきまして検討してまいります。  以上でございます。 ◎萩原 危機管理室長 災害対策について、私からは二点お答えをさせていただきます。  まず、緊急地震速報について、区としての活用、区民への周知を検討すべきではとのお尋ねでございます。  地震の強い揺れが到達する前に揺れが来ることを知らせる緊急地震速報は、従来の震度情報等のような事後情報とは大きく異なる革新的な情報でございます。一方で、速報から強い揺れの到達時刻までが長くても数十秒と短く、揺れが速報より早く到達する場合があるほか、ごく短時間で予測するため、誤報や震度予測等の精度が十分でない場合があり得るなど、技術的限界もございます。  区としましては、緊急地震速報のこうした特性や技術的限界を区民の方々に正しくご理解いただくとともに、速報を受けた際にパニックを起こさず適切な避難行動につないでいただくよう、周知、啓発等に取り組んでまいります。また、ご提案いただきました公共施設への緊急地震速報表示端末の設置検討につきましては検討してまいります。  次に、地域の事業所との防災協力、連携についてにお答えを申し上げます。  災害時の応急対応を民間事業者と協力連携して行うことは、区民の救援や支援のためには大変重要で不可欠なことと認識しております。区では、応急物資の搬送、燃料等の供給、救出、救助、施設応急復旧など多岐の内容にわたり、災害時の協力協定を結んでおります。協定先は、本年四月一日現在、百四十七の機関、団体で、このうち九十弱が民間の事業者団体となっております。  区は、これまでも協力団体が作成した災害対応マニュアルを相互に確認したり、協力団体が主催する研修会に参加して助言を行うなど、さまざまな形で連携を図ってまいりました。今後は協力団体である事業者の方々に地域の防災訓練等への参加や協力を呼びかけるなど、より一層協力体制を高めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎秋山 保健福祉部長 介護人材への支援のあり方についてでございます。  高齢者人口の急増に伴い、住みなれた地域での在宅生活を支える介護ニーズは量的にも質的にも高まっており、介護人材の確保は、世田谷区においても重要な課題として取り組んでいるところです。報酬額の引き上げは、質の高い介護人材を確保する方策の一つではありますが、介護報酬の見直しは、国に負うところが大きいと考えております。  一方、区では、より多様化、高度化する介護ニーズに対応していくことができる、専門性を備えた介護人材を区独自に育成、確保していくため、福祉人材育成・研修センターをこの四月に開設いたしました。今後も質の高い介護人材の育成確保に向け、着実な取り組みをより一層進めてまいります。  二点目が障害者雇用創出についてでございます。現在、区の障害者の実雇用率は、自治体の法定雇用率二・一%に対して二・七五%になっております。  区が直接雇用する以外では、外郭団体が、区立特別養護老人ホームの清掃や公共施設での喫茶等の業務で、知的障害者の方を中心に百九名の方を雇用しております。  また、昨年度から、区役所内にてインターンシップとして知的障害者の方々を受け入れ、事務の職域を経験してもらうとともに、区役所職員の障害者理解を促進しております。  障害者雇用をさらに促進するには、民間事業者への働きかけが重要です。区では、ハローワークと連携して障害者就職面接会を開催するとともに、障害者雇用未達成企業などに「すきっぷ」を見学していただき、障害理解を進めています。十八年度の就職面接会では二十三名の方が雇用されました。  さらに、東京商工会議所世田谷支部や東京青年会議所などの産業界や、ハローワーク、養護学校を初め、区の産業政策部門も構成員とする障害者雇用促進協議会を設けて、障害者雇用促進のための活動を進めております。  以上でございます。 ◎須田 介護予防担当部長 私からは、PASMOを活用した生涯現役ポイントシステムの検討状況についてお答え申し上げます。  生涯現役ポイントシステムは、一定の地域貢献活動にポイントを付与し、その蓄積されたポイントを利用して別のサービスが得られる仕組みによりまして、区民の地域貢献活動への参加を促す試みです。こうしたポイントシステムでは、事業の名称いかんにかかわらず、その活動に金銭的評価でこたえる性格を持つことから、多くの区民の皆さんによって行われている地域貢献活動において、既に一定の評価体系のもとにある諸活動との関係を慎重に見きわめる必要がございます。  今般の介護支援ボランティア制度も、こうした状況を念頭に、ご案内の政策目的に沿って実現しようとするものでございます。お尋ねの生涯現役ポイントシステムは、現在、ポイント付与の対象とする地域貢献活動の特定やポイント交換の具体的仕組みなど、詳細にわたる詰めを行っているところでございます。案をまとめ次第、議会にご報告をしてまいります。 ◎金澤 都市整備部長 高齢者を初めとする社会的弱者のための住環境の整備促進についてのご質問にお答えします。  第二次住宅整備後期方針では、平成二十二年度を最終年度とする十年間の住宅整備目標を掲げ、この中で、高齢者、障害者の方々に向けた住宅供給の目標数値を、行政と民間に分け設定しております。一方、この間、住生活基本法の成立に代表されるよう、国や東京都においては、住宅整備の方針が量から質へ、ストック重視と民間市場活用へと転換するとともに、新規住宅整備に対する補助制度を見直しております。  こうした中、既存住宅のバリアフリー改修等を進め供給を図るとともに、民間と連携して推進する事業に関しては、住まいサポートセンターでの賃貸物件情報提供サービスや、高齢者等の入居を拒否しない住宅の認証制度など、新たに取り組んでおります。今後も整備目標の達成に努めてまいります。  次に、今後、区は子育て世帯を含めた低所得世帯における住まいの支援をどのように考えているかとのご質問にお答えします。  ご指摘のとおり、行政の役割は、まず所得の低い方の住宅確保を図ることにあり、そのため、区営住宅や高齢者借り上げ集合住宅などを提供しております。特に子育て世帯には、緊急性の高いひとり親家族に向け、保証会社を活用した居住支援制度等により、民間賃貸住宅への入居支援を行っております。  区は、区営住宅の整備として、都営住宅移管を積極的に進めてまいりました。取り決めにより百戸程度の住宅を対象としてきましたが、子育て世帯を含む低所得世帯への供給に向け、百戸を超える住宅移管の協議を進めてまいります。  また、公営住宅法施行令の改定により、今年度から収入超過者の家賃が段階的に引き上げられ、最長五年間で近傍同種の家賃になります。これにより退去を促し、本来入居すべき低所得世帯の入居機会を拡大してまいります。  以上でございます。 ◎藤野 子ども部長 子ども・子育て支援につきまして三点ご答弁申し上げます。  まず一点目でございます。在宅子育て支援の充実についてでございます。  大切な子育て期を心豊かに過ごすことができるよう、区は在宅子育て支援の基幹的取り組みとして子育てステーションの整備を推進しているところでございます。  昨年の成城での開設に続き、このたび世田谷地域において昭和女子大学と連携した計画がまとまり、来年四月の開設に向けて取り組むこととなりました。残る三地域につきましても調整を進めており、当初目標の平成二十一年度までに区内五地域での開設を目指し、今後、最大限努力してまいります。  なお、烏山地域につきましては、病後児保育、発達、発育に関する療育機能、子育て交流機能を併設する予定であり、今後もできる限り在宅子育て支援の機能を付加できるよう取り組んでまいります。  次に、待機児ゼロへの取り組みについてでございます。  区は、待機児解消に向け、これまで認可保育園や認証保育所の新設、拡充を初めとして、あらゆる手法を活用して全力で取り組んでまいりました。保育ママの制度は、少人数の家庭的雰囲気の中で保育するということから、希望される保護者もおりまして、国も家庭的保育のメリットに注目しているところでございます。一方、保育ママ制度は、質の確保の観点から、認可保育園などとは異なる課題も抱えております。今後も、保育ママ制度の活用も含めて、待機児ゼロに向けた取り組みを進めてまいります。  認証保育所の保育料に関しましては、ただいまのご指摘を踏まえまして、検討課題として受けとめさせていただきます。  最後に、子ども基金についてご答弁申し上げます。  子ども基金は、地域社会全体で子育てを支えあう共助による活動を支援するものとして設置したものでございます。基金による助成事業により、共助の地域活動を後押しできているものと考えております。基金をさらにふやし活用していくことが、一層旺盛な地域活動の共助の活動につながるものと考えております。今後も基金財源の充実に向けての研究など、手法の拡充に努めてまいります。  以上でございます。 ◎上間 世田谷保健所長 子ども・子育て支援について二点のご質問にお答えいたします。  初めに、インフルエンザの予防接種についてでございます。  現在、インフルエンザ予防接種は、高齢者に対しては発症防止や重症化防止の効果が確認されておりますことから、予防接種法に基づいた接種として接種勧奨を行っております。また、お尋ねの小児へのインフルエンザ予防接種につきましては、現行の方法による接種に幾つかの課題が指摘されておりますが、他の地方自治体で助成を実施しているところがあることは認識をしております。  次に、妊産婦健診の無料化の拡大についてでございます。  東京都、特別区及び市町村は、都内全域の共通した事業として実施している妊婦健康診査の公費負担のあり方について協議を進めておりますが、ただいまのご指摘を踏まえまして、世田谷区として、改めて重要課題として受けとめさせていただきます。  以上でございます。 ◎田中 産業政策部長 産業政策における福祉産業の考え方についてお答え申し上げます。  現在策定中の産業ビジョンでは、お話しのように、産業の健全な発展に裏づけられた自立都市世田谷のありようを想定してございます。今後、なお一層進展する地域社会の少子・高齢化に対しても、地域の産業が的確に対応していく必要があります。現に子育て支援や介護保険サービスなどについて、民間事業者が一定の役割を担いつつあり、また、地域の雇用創出の面でも重要な要素となっております。  事業所統計調査におきましても、全体の事業者数が減少する中で、医療福祉の分野では、事業所数、従業員数とも増加しております。区内の医療福祉サービス産業などを区の主要な産業の一つとして位置づけ、地域に良質なサービスが提供できる事業者の創業育成、また、団塊世代などの多くの地域人材がサービスの担い手となり得るよう、保健福祉領域とも連携をとりながら、産業ビジョン及び産業振興計画を策定することといたします。  以上です。 ◎阿部 財務部長 環境配慮契約につきましてお答えいたします。  ご指摘のとおり、国等が契約の当事者を決定するに当たり、価格だけでなく、温室効果ガスの排出量の削減に向けて環境負荷についても評価し、環境に配慮した契約を推進するため、本年五月、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律、いわゆる環境配慮契約法が成立いたしました。  この法律は、国等が環境性能のすぐれた製品の購入、庁舎の設計などに関して契約する場合を対象としております。温室効果ガスの削減は重要な課題であり、法律の施行に伴い、今後、国等が策定すると思われる基本方針や他の自治体の動向も踏まえながら、区といたしましても、この法律の目的に沿った契約のあり方等につき検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎山口 土木事業担当部長 私からは、環境問題に関しまして、自転車利用についてのご質問をいただきましたので、お答えいたします。  近年の自転車利用ニーズの高まりや自転車にかかわる事故の増加に伴い、歩行者、自転車の安全性の向上が求められており、本年六月には道路交通法が改正され、国土交通省並びに警察庁では、現在、自転車走行環境の整備について具体的な検討と取り組みを進めております。  また、世田谷区では、自転車走行環境社会実験として、区役所近隣の補助一五四号線並びに国道二四六号線に接続する補助二〇九号線、通称明薬通りでございますが、この二路線を対象に、十月中旬より十二月下旬まで、自転車走行レーンの社会実験を行う予定でおります。  世田谷区といたしましては、この社会実験から得られました自転車走行環境のあり方をまとめるとともに、自転車走行レーンの設置が世田谷区から国道や都道へと広まるよう、国並びに東京都に働きかけていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎髙山 教育改革担当部長 第三番目のほっとスクールの検討につきましてお答え申し上げます。  不登校の児童生徒に対し、区はこれまで、スクールカウンセラーの全校配置、メンタルフレンドの派遣、「不登校 保護者のつどい」、ほっとスクール城山・尾山台の運営などに取り組んできております。  ほっとスクールは、不登校の子どもたちの心の居場所、そして学校への復帰を支援する場として、平成七年に城山を、十四年に尾山台を開設いたしました。両施設の利用者は、昨年度、城山では延べ二十三人、尾山台では延べ十二人であり、両施設ともに、ここ数年は横ばいの状況でございます。しかし、お話にありましたとおり、通ってまいります児童生徒の住所地は全区にわたっておりまして、児童生徒によりましては、通う通室に一時間を要している状況もございます。  今後、ほっとスクールにつきましては、小中学校の不登校の児童生徒の状況等を見きわめながら、区の不登校対策全体の中で課題等を整理してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆四十三番(高橋昭彦 議員) さまざまご答弁をいただきました。  一点、再質問をさせていただきますが、保育サービス待機児ゼロを目指して、計画を前倒しして取り組んでいるということに対しては大変評価をしておるところでありますけれども、ことし四月の状況を見ますと、まだまだ厳しい、そういった状況が続いているというふうに思います。  今回から担当となりました平谷副区長は、この福祉の担当になられたわけですけれども、お聞きさせていただきますが、私どもがこれまで強く要望し、また、主張してきました保育室、保育ママ、この制度は待機児ゼロの面については大きな決め手になってくる、そういうふうにも思っています。ここの拡充、ここをどう拡充していくかということは、僕はこの待機児ゼロへの大きな道のりだというふうに思っているんですけれども、担当副区長の平谷副区長に答弁をお願いしたいと思います。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 この間申し上げておりますように、いわゆる認可保育園、認証保育所、あるいは今議員ご指摘の保育室、保育ママ、こういった受け皿があるわけでございますけれども、それぞれの施設が持ちます特性といいますか、機能といいますか、それと全体的ないわゆる保育ニーズの動向、これを見定める中で、ただいまいただきましたご指摘を受けとめまして、より一層の努力をさせていただきたい、このように考えております。 ◆四十三番(高橋昭彦 議員) 保育サービス待機児ゼロ、確実に履行していただきますように要望させていただきますとともに、さまざまな観点で質問させていただきました。この詳細については、決算特別委員会で事細かくやってまいりたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○大場やすのぶ 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。
     ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十七分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時開議 ○大場やすのぶ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  代表質問を続けます。  民主党・無所属連合を代表して、四十九番すがややすこ議員。    〔四十九番すがややすこ議員登壇〕(拍手) ◆四十九番(すがややすこ 議員) 民主党・無所属連合を代表して質問いたします。  参議院選挙を終え、参議院では与野党が逆転するという結果になりました。国会での政策論争を期待していましたが、安倍内閣では、政治と金の問題が立て続けに起こり、昨年からの相次ぐ閣僚の辞任、そして最終的には総理みずからが辞任するという、国民から見れば無責任きわまりない自民党政治に、今、国民の信頼、期待は薄れています。  年金問題では、記載ミスや登録漏れなどの過失だけでなく、社会保険庁や市町村職員の横領の発覚など、一部の役人の不正による不信感も増しています。政治に対する信頼を取り戻し、本来の政策論争へと軌道を戻さなければなりません。  さて、世田谷区政に返りまして、この第三回定例会では、平成十八年度の決算審査が含まれている中で、税金の無駄遣いがないかを厳しい目で審査し、そして世田谷の政治と行政の役割を区民に示していかなければなりません。この流れの中で、我々民主党・無所属連合に対する区民の期待は大きいものであり、世田谷区政の流れを変えていかなければならないという思いで通告いたしました内容に基づいて質問をしてまいります。  まず初めに、さらなる行政改革について取り上げます。  先ほども申し上げたように、マスコミの報道では、約三億六千万円の年金の横領問題は、社会保険庁の職員だけでなく、市区町村の職員にまで波及しているとのことです。予防型行政を掲げる世田谷区として、いち早く調査を行い、横領したという事実がなかったことが先日伝えられておりましたが、調査の方法と結果について、改めてこの場で問うておきたいと思います。  敬老の日の昨日、日本の六十五歳以上の高齢者人口は二千七百四十四万人、総人口に占める割合は二二%、人口、割合ともに過去最高になりました。ある新聞社の世論調査の回答では、政府に優先的に取り組んでほしい課題は、年金、医療などの社会保障制度改革が六三%を占めており、一連の年金問題は、多くの年金受給者だけでなく、支払う側の若者にまで不安は拡大しています。多くの国民が年金制度を理解し切れず、行政の不正や過失が明らかになるのに長い年月がかかりました。社会保険庁が引き起こした一連の問題によって、社会保険庁においては年金相談が殺到しており、対応し切れておりません。  区民の不安を少しでも取り除くために、当区でもアンケートなどにより、どれくらいの方々がどの程度年金に対して理解しているかを調査、把握するとともに、区の広報を活用して、区民に年金の制度を理解していただけるよう、行政としてきめ細かい対応をするべきではないでしょうか。例えば社会保険労務士などの力を活用し、新たに年金に関する相談窓口を開設することにより、機能していない社会保険庁窓口の補佐役となれるのではないかと考えます。見解をお聞かせください。  次に、公が行うべき事業と民間に任せられる事業について質問いたします。  これまで公が行ってきた業務を規制緩和により民間企業へ移行することがふえています。経済的な視点で見れば、大企業、大型店などに有利に働く、そして小さな専門店、個人事業主にとっては厳しい状況にあることは言うまでもありません。また、建築確認業務については、業務の効率性を求め、民間に開放しましたが、一昨年前に起こった耐震偽装事件では、最終的に国が被害者支援を行ったことで、行政が責任を負う形となっています。  現在、世田谷区でも、障害者、高齢者などの福祉施設を初め、保育園、図書館運営などさまざまな分野において、民間に運営を委託する事業は増加していますが、いま一度、公が行うべき事業と民間に任せる事業の見直しを図り、民間に委託した事業においては責任の所在を明らかにし、区民が安心して利用できる施設にしていかなければなりません。  行政が果たすべき役割ということを含め、区の見解をお聞きいたします。  このことを考えると、指定管理者制度にも触れておく必要があります。  昨年度より指定管理者制度が導入されました。公募で事業者選定した施設に関しては五年、特別な事情により公募を行わなかった施設に関しては三年で、今運営が行われているところです。三年の期間で事業者の指定を受けた施設は、来年、新たな事業者選定が行われるところであり、継続していくのか、あるいはもっと広く公募をかけなければならない事業もあるのではないか、この見きわめが必要になってきます。継続をするのであれば、制度を利用する意義が問われることにもつながります。このことからも、公が行うべき事業と民間が担える事業のすみ分けを行うことが重要になってくるわけです。  来年期限を迎える指定管理者の選定について、現時点でどのように考えるのか、お答えください。  また、指定管理者制度により公募が行われなかった事業者はほとんどが区の外郭団体です。国でも公益法人、特殊法人のあり方が課題となっており、一向に改善しない、役人の天下り先と批判の的となっていることは言うまでもありません。十三の外郭団体を抱える世田谷区においては、外郭団体改善方針を区民に示していますが、区民から見れば、区職員の天下り先というイメージもありますし、事業内容がほぼ区からの委託事業であり、自主事業による自主財源の確保などについては課題があるのが現状です。  先日、我が会派では勉強会を群馬県川場村の世田谷川場ふるさと公社が運営している施設で行ってまいりました。川場ふるさと公社は、区民の憩いの場、小学生の学校外活動の場ということを考えると、外郭団体としてこの公社が成立していなければならない理由も理解できますが、世田谷サービス公社などは外郭団体としての存在理由を区民に説明できない部分も含んでおり、ただ単に区の事業を請け負うだけでは、区側から見れば、何のための民間委託なのか、また、外郭団体から見れば、何のための株式会社なのかという疑問が残るのではないでしょうか。  株式会社であれば、自主財源確保のために他の自治体の指定管理者制度に応募することも可能です。既に東京都住宅供給公社が世田谷区に移管した公営住宅の指定管理者制度のプロポーザルに参加している例もあります。  外郭団体の組織再編、業務改善、そして解散を含めた見直しをいま一度図るべきと考えますが、見解をお聞かせください。  次に、先日、委員会報告のあった、受益者負担に伴う区民施設、保育料及び区立幼稚園の保育料の値上げについて質問いたします。  今回、区が受益者負担による利用料の値上げについて、低所得者、高齢者、障害者や子どもの育成に関して一定の配慮をしていることは評価できるものではありますが、格差社会と言われている中で、行政が配慮しなければならない方々については、引き続き区として全力で対策を講じることを求めておきます。  また、区民利用施設では、区の後援申請の手続において、対応窓口が区役所の窓口だけとなっており、区民がこのサービスを利用しにくい状況です。インターネットの利用なども含め、利用者がもっと区で行っている制度を利用しやすいような施策を図ることをあわせて求めておきます。これらについての見解をお聞かせください。  行政改革の最後の質問に、国有地、都有地の有効利用について質問いたします。  大規模な公有地、例えば都立病院の跡地や公務員宿舎、都営住宅の跡地など、区として必要だと思われる土地がありますが、これらはすべて国民の税金で賄っているものであり、世田谷区としても区民に還元すべきものであります。  しかしながら、世田谷区は土地の評価価格が高いこともあり、例えば国の公務員住宅の用地が売却される際に、マンション用地などを目的とした民間の開発会社と競合しても勝ち目がないのが現状で、区は公園整備や有用施設などの整備ができず、最終的に区民に還元されないのが現状です。  公営住宅や都営住宅の中でも比較的新しい住宅に関しては、建物を壊さず、世田谷区で有効利用できる可能性も考えられます。具体的に申し上げますと、低所得者や高齢者向けの住宅、グループホームなどに転用できるということです。  また、以前から申し上げている区立小中学校の借地料問題についても、引き続き強く交渉を進めていかなければなりません。  以上、公有地の有効利用についての区の見解を求めます。  次に、世田谷の産業振興について質問いたします。  世田谷の産業振興は、外郭団体改善方針が示される中、新たに設置された外郭団体である世田谷区産業振興公社で事業を行っておりますが、我が会派は、その存在意義を含め、この一年、さまざまな視点で注視してまいりました。なぜこれまで区の事業として行ってこれた産業振興を、区議会議員の手の及ばない外郭団体に一括して任せる必要があるのか、いまだ疑問は解決されません。  私は昨年度、産業振興公社の評議員を務めさせていただきました。また、八月に出された外郭団体改善の取り組み推進状況を拝見させていただき、これらを見る限りでは、この一年で民間の力を生かしながら財団ならではの特性を出すと区が表明していた、当初の目的が見えてこず、これまでの世田谷区の事業の延長とも言えるような事業内容でした。  先ほどの外郭団体の質問でも申し上げたように、自主財源をどのように確保していくのか、また一企業として、今後どのような事業展開を想定しているのかということについては、改めてここで見解をお聞きしておかなければなりません。区の事業の延長線上にあるものではない、外郭団体だからできることとは何なのか。具体的な事例を挙げた上で、当区として考えている課題と今後の事業展開についてご答弁をいただきたいと思います。  次に、障害者・高齢者施策について二点質問いたします。  我が会派では毎年、区内各種団体と意見交換をさせていただいていますが、ことし一番いただいたご意見は、今の障害者自立支援法のもとでは障害者の生活ができないという切実な声でした。国会では民主党が、 現行の障害者自立支援法は障害者の自立を阻害しているので、凍結すべきであると主張しておりますが、これらのことに対する国民、そして世田谷区民の選択が、最初に申し上げた、七月の参議院議員選挙における民主党の圧勝、また、四月に行われた世田谷区議会議員選挙によって、民主党・無所属連合という会派が十一名で結成できたということにあらわれており、私たちが区民の期待にこたえるためには、障害者、高齢者などの福祉施策の充実は大変重要な課題であると考えています。  障害者については、格差社会の中での一番の被害者なのではないかとも言えるような現状があり、世田谷においても一割負担の軽減策を国の方向に沿って行っていますが、それでも最低限の生活さえ脅かされているというのが、各障害者団体の方々の切実な訴えなのです。  障害者自立支援法における一割負担の軽減策の継続、また、世田谷独自の対応策を構築し、あわせて、それぞれ障害者が利用しやすいサービス提供が必要であると考えますが、見解をお聞かせください。  二点目は、各障害者施設、そして高齢者施設の絶対数をふやし、さらに地域生活支援型施設の整備を早急に行うことです。  世田谷において、これまでさまざまな方法で障害者や高齢者施設を整備してきたことは理解していますが、八十四万もの人口を持つ世田谷では、これらの施設の絶対数が少ない現状を区はどのように見ているのでしょうか。特別養護老人ホームの待機者に代表されるように、各種グループホームなどの高齢者施設、ショートステイの確保、さらには保育施設などの子どもの施設を見ても、各種施設の絶対数が足りないことは明らかであり、これらの施設を待機されている方々が限りなくゼロに近くなるよう、区としてさまざまな施策を講じなければなりません。また、障害者施設では、地域の方々とともに生活できる、地域生活支援型施設が求められているところです。  これら各施設を整備することについての区の見解をお聞かせください。  次に、世田谷のまちづくりについて三点質問いたします。  現在の世田谷区の都市計画道路は、昭和四十一年に大きな見直しが行われた以降は見直しがなされておらず、戦後直後、そして約四十年前に見直された都市計画に沿ったまちづくりや道路整備が行われているのが、現在の世田谷のまちづくりです。  昭和四十一年という年がどのような年だったか、思い出してみてください。丙午の年で、出生数が当時にしては激減し百三十六万人とは言いつつも、日本の人口推計が一億人を超えた年であり、世田谷の人口は七十四万人でした。東京オリンピックが終わった直後で、日本は高度経済成長期であり、その後、バブル時代、バブル崩壊後の不景気、そしてようやく景気が回復しつつあると言われている現在と、四十年の月日がたっています。  これからのまちづくりを進めていく上で、まずはこの古い都市計画の見直しを改めて行い、時代に即したまちづくり、道路整備を図っていく必要があると考えます。見解をお聞かせください。  また、これからのまちづくりを行う上で欠かせない重要な視点の一つに環境が挙げられます。  私たちが環境や地球資源に対して敏感にならずにはいられない出来事がこの数年で多く発生しています。ことしの三月には観測史上最も遅い初雪が降ったこと、また、八月は例年にない暑さが続き、最高気温を各地で更新したことは、皆様のご記憶にも新しいところだと思います。  また、原油が高騰し続けている影響で、ガソリン代の値上げにとどまらず、最近では菓子類の値上げにもつながっているニュースを耳にします。温暖化や資源の有効利用は、企業、また個人が意識と自覚を持って、できることから行っていかなければならないのは言うまでもありませんが、これからのまちづくりを行っていく自治体には、さらなる重責が課せられる中で、十年後、二十年後ももちろん大切ですが、百年後、二百年後を見据えた、後世に誇りの持てるまちづくりが求められます。  具体的に今考えられることとしては、緑をふやし、一人一人がCO2の削減などに取り組みやすいようなまちづくりが重要であると考えますが、世田谷区の今後のまちづくりについての見解をお聞かせください。  また、このような視点で考えますと、世田谷の南北交通が不便であることも大きな問題です。南北交通に対しては、この間、バスの整備などによって対応してきてはいますが、これは一時的な解消策で、世田谷全体、また、東京全体を考えたときの解消策ではありません。今回の熊本区長の招集あいさつの中でもありましたが、エイトライナーの整備を早急に具現化し、大量輸送のできる南北交通を整備する必要があります。  昨年六月に、私のほうからはLRTでの整備をという提案もさせていただきました。LRTの利点としては、排気ガスが出ないので、環境に優しく、建設費が地下鉄の二十分の一とも言われていますので、財政的な負担も少なく、また、地上からそのまま乗れるので、バリアフリーの視点も備えています。国内では広島や札幌が有名ですが、世界的に見ても、アメリカ、ヨーロッパ諸国やオーストラリアなどでも導入されており、二十一世紀の交通手段の大きな担い手となっていくことは間違いないでしょう。  エイトライナーのLRTでの整備には、あわせて環状道路の渋滞解消が前提となるなどの課題が区部周辺部環状公共交通導入検討調査報告でも示されており、さまざまな課題を乗り越えていかなければならないこともありますが、ここで改めて、区の見解をお聞かせいただければと思います。  次に、就学前施設について二点質問いたします。  一点目は、区内保育施設の今後の展開についてです。  私は、これまでこの議場で何度も保育サービスについて取り上げてまいりました。認可保育園の待機児の問題、保育室、保育ママと認証保育園の今後について、そして一時保育、産休明け保育、病児・病後児保育などの多様な保育について、さらには、これら施設が教育と福祉の縦割りで運営されていること、保育施設にも教育という視点を入れるべきであるということについてなどなど、小学校に上がる前の子どもが過ごす施設にはまだまださまざまな課題が取り残されているのが現状です。  区では、子ども計画や待機児解消のための前倒し計画を図り取り組んできてはいますが、待機児は減少するどころか、増加の兆しすら見られ、これまでのように、ただ単に保育施設の増設を図るだけでは問題が解決できない現状に直面しています。  在宅で子育てを行ってこられた方の中でも、機会があれば仕事をしたいという潜在的な就労意欲がある女性がふえているのは、私立幼稚園で行っている預かり保育の状況を見てもわかることです。  また、子どもを保育施設に預ける保護者の就労形態も多様化しており、土日、夜間の就労や、週に数日だけの就労、また、企業のリストラにより突然職を失った方や、突然の事故により障害を持ってしまった方など、いわゆる保育に欠ける理由が、これまで国が考えていたことからは大きくそれてしまっていることも挙げられます。  これらの変化に対し、今の認可保育園、認証保育園、保育室、保育ママという制度だけでは対応し切れない現状について考える必要があります。  本来、このことは世田谷独自では解決できない国全体の議論ではありますが、少子化が進んでいる中で、今、世田谷では子育てする家庭世代がふえており、子育て世代の家庭の状況を一番よく理解している行政である世田谷区が、今後もますます多様化する子育て世代の需要に対し、従来の制度にとらわれない柔軟な対応を行い、国や東京都に見本を示すこともできるのではないでしょうか。  四月の区長選挙で東京一子育てのしやすい町を目指すと掲げておられた、区長の見解をお聞きしたいと思います。  二点目は、区立幼稚園の今後の展開についてです。  平成十九年度スタートされた二園の認定こども園は、さまざまな逆境の中で取り組まれたことであったということですが、残りの九園についてどのような展開を図るかは、この二園を見てという方針のようです。  区立幼稚園の就園状況は、本年四月の時点で、就園率が九〇%以上の園が四園、八〇%台の園が二園、七〇%台の園が三園という状況下で、充足率を満たしていない区立幼稚園がいまだ存在し、これらの区立幼稚園をそのまま運営させるということは税金の無駄遣いにつながるのではないかということは何度も申し上げてまいりました。  区立幼稚園は何園か拝見しておりますが、建物も園庭も、とてもすばらしいものですし、今後はソフト面を充実させ、より多くの方に利用していただけるような施設としていかなければなりません。何も認定こども園のように大がかりな展開が必要と申し上げているわけではなく、例えば一部の私立幼稚園で実施している預かり保育のような仕組みを区立幼稚園にも導入し、保育サービス待機児の一時的な解消策として活用できるのではないでしょうか。このことは、先ほどから申し上げている保育制度のこととも絡んでまいりますが、当面の就学前施設の効率的な活用の面からも有効な取り組みであると考えます。区立幼稚園の預かり保育の今後の取り組みについての見解をお聞かせください。  質問項目の最後に、学校教育について四点取り上げます。  平成十八年度の決算を見ると、教育費の構成は一一・七%となっており、これは前年度と比較して三六%増とのことで、区の予算に占める教育費の構成比が上がることには歓迎するところです。しかしながら、その教育費の中身を見てみますと、学校改築・耐震工事や施設改修などのハード面の整備の経費が四九%を占めており、このことは余り歓迎すべきことではありません。  今回の補正予算でも計上されていますが、これら学校の安全性の確保に関する予算は経常的にかかる予算として確保しなければならないことは言うまでもありませんが、このことが教育の内容に関する予算の削減につながってしまっては本末転倒です。  そもそも日本の教育予算は世界的に見ても圧倒的に少なく、GDPに占める教育費の割合は、フランスが五・八%、アメリカが四・九%、イギリスが四・四%、ドイツが四・三%に対し、日本は三・五%ですので、日本の教育政策が軽んじられている現状が見られます。世田谷で育つ子どもの教育環境向上を図るため、さらなる教育予算の獲得に向けた、区の見解と対応策について質問いたします。  次に、世田谷区の小中学校の適正規模について伺います。  今、区内小中学校の生徒数の偏在化が顕著になってきています。単学級もあれば、学校施設の規模を超える大型学校もある中で、子どもの教育環境の整備という視点では、児童生徒数の適正規模を十分に考え、学区域の変更、統廃合を視野に入れ、具体的な対応策を図っていかなければなりません。区の見解をお聞かせください。  指定校変更についても取り上げます。  ことし三月の議会において、私からは指定校変更制度と学校選択制の問題点について取り上げさせていただきました。地域で子どもを育てることから、学校選択制はとらないことを掲げている世田谷区ですが、指定校変更制度については、いまだ矛盾点を感じざるを得ません。現在の指定校変更制度は、保護者や地域の風評等によって指定校変更がなされている実態があることは以前指摘したとおりですが、これは就学の際に、学校を本人または保護者の目で見て確かめるという機会が世田谷には設けられていないことも一つの要因なのではないでしょうか。  学校選択制を採用するお隣の渋谷区においては、十月、十一月ごろに、次年度就学予定の保護者を対象にした学校公開日などを設け、それぞれの家庭がそれぞれの判断によって学校を選択できる仕組みができており、このことが、私立も含め、保護者の公平な判断を促すきっかけにもつながっております。  世田谷においても、現状を踏まえ、このように就学予定の保護者を対象とした学校公開日や説明会等を設けてはいかがでしょうか。このことは、学校についての正しい理解を得られるだけでなく、就学に向けての家庭教育への意識づけにもつながることです。見解をお聞かせください  最後に、五歳児教育の無償化について提案いたします。  無償化と申し上げますと、日本ではばらまきというイメージがありますが、あくまでも教育に関しては全くそのことには該当しません。そのことは、教育はすべての原点であると言われている熊本区長ならご理解いただけるものと思います。  改めて申し上げますが、諸外国に目を向けますと、フランスの保育学校、これは日本の幼稚園に当たるものですが、ここは小学校の準備期間とはっきり位置づけられており、一般的に三歳になる年から入園が可能とされ、三歳児の一〇〇%近くの子どもが通っており、国が予算づけしているものです。  また、アメリカやカナダではキンダーガーデンといって、幼稚園と小学校一年生の特徴を備える教育システムがあり、そのクラスは小学校の中に併設されています。日本語ではよく幼稚園と訳されますが、日本の幼稚園との決定的な違いは、アメリカ、カナダのキンダーガーデンは義務教育であること、つまり教育費として、国が予算措置しているものであります。  さらに、福祉の印象が強い北欧のスウェーデンでも同様に、日本の保育園に当たる施設では五歳児の九割が通っており、管轄は教育省で、教師の資格を持った先生が保育に当たり、国の予算であることは言うまでもありません。ですから、世界的に見れば、五歳児の教育無償化については当然のことですが、国内でこの議論をすると、ばらまきと言われてしまうのが現状です。  その背景の一つに、幼稚園設立の経緯が挙げられます。世田谷で見てみますと、区立幼稚園は私立を補完する形でできたという経緯があり、その昔、幼児教育はお金持ちの子どもが受けられるものだったことが考えられます。当然のことながら、現在の保護者の幼児教育ニーズ、保育ニーズなどを見ても、幼稚園に通うことは特別なことでは全くありません。  文部科学省によると、幼稚園とは、人格の形成を目指し、幼児の主体的な活動を引き出すことによって、人間関係や表現などの発達を促す教育の場であるということが定義づけられておりますし、以前よりも子どもの発育のスピードが速くなっているということも言われております。  五歳児教育の無償化は、本来であれば国が行うべき事業です。にもかかわらず、今回このような提案をさせていただきましたのは、世田谷は幼児教育研究が進んでいたということを、以前、他自治体の公立幼稚園を視察した際に聞いたことや、保育施設でも五歳児クラスには教育の視点を取り入れていることとして、認定こども園を区立幼稚園を転換する形で行ったことなど、他自治体や国に対して誇るべき施策があるからなのです。  五歳児教育の無償化を全国に先駆け実施することで、世田谷の教育を内外にアピールするきっかけにもつながります。五歳児教育の無償化について、区の見解をお聞かせください。  以上、さまざまな要望、質問、提案をさせていただきましたが、最初に取り上げた、さらなる行政計画を行うことによって、その後に続く項目の財源は確保できるということで申し上げました。  壇上よりの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの民主党・無所属連合のすがや議員の代表質問のうち何点か、私からお答えさせていただき、あとは所管からご答弁させていただきます。  まず初めに、さらなる行政改革について、公の事業と民間に任せるべき事業の見直しについてのお尋ねについてお答えいたします。  私は、民間でできることは民間にという考えのもと、民間委託、民営化など、民間活力の活用を積極的に行い、行政経営の効率化に努めてまいりました。それと同時に、民間にゆだねた場合のサービスの質の確保、向上は、行政の責任であるという考えのもとに、保健福祉サービス向上委員会において改善等に取り組んでおります。  ご案内のとおり、私は、区民の生命と財産を守ることが区政の最優先課題であるとの考えから、福祉、教育、環境、都市づくりなど区政全般を通じて、区民の目線からの改善を総合的に展開し、行政の責任を全うしていく所存でございます。  次に、世田谷の今後のまちづくりについてのお尋ねにお答えいたします。  私は常々申し上げておりますように、世田谷区のまちづくりは、すべての区民が安全で安心して暮らせる町にすることを第一の目標として掲げております。そのため、ユニバーサルデザイン推進条例を制定するとともに、区民の生活基盤である道路の整備にも積極的に取り組んでいるところであります。
     また、地球環境も含めた環境に優しいまちづくりが、今日的にも大きな課題であると認識しております。そのため、具体的にはみどり率三三%を掲げ、緑の保全や緑化の推進などのまちづくりを積極的に進めているところでございます。  今後とも広くさまざまな区民の皆様の声に耳を傾け、もっと暮らしやすく、世田谷らしい、将来に誇れる活力あるまちづくりを進めてまいります。  いま一点、就学前保育施設のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。  私が目指す東京で一番子育てしやすい町は、安心して子育てができること、そして住んでよかったと世田谷に愛着を持っていただけることだと考えております。その一つとして、私は、ご案内の一時保育の機能を持つ子育てステーションのように、今までにない複合型施設の整備を行うなど、区民の新たなニーズにこたえる世田谷独自のサービスに、区内大学や医療機関等と連携を進め、積極的に取り組んでいるところであります。  今後とも保育ニーズの変化に即した政策展開を図り、区民の皆様が安心して子育てできる環境整備に全力を尽くしてまいります。  その他につきましては、所管よりお答えいたします。  以上です。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 外郭団体におけます組織の再編、業務改善等につきましてご答弁をさせていただきます。  区の外郭団体でありますが、ご案内のとおり、この間、社会状況の変化に即しまして、廃止、統合、再編等既に行ってきておりまして、平成十七年にはご案内の外郭団体改善方針を策定し、それぞれの団体がみずから改善計画を取りまとめ、年次計画に基づく取り組みを行うよう要請し、その進捗状況を節目ごとに、議会にご報告申し上げてきているところでございます。  例えば区の外郭団体役員ポストでございますが、この四年間に十二のポストが廃止されておりますとともに、全体のポスト数の四〇%近く、二十七のポストには民間の方等が既についておられますし、次いで区の幹部OB、派遣幹部といった割合となっているところでございます。しかしながら、今日の外郭団体には、ご指摘にもありましたように、自主自立に向けた、より一層の改善努力と競争性に打ち勝てる経営体質、経営体力の確立が求められているものと認識しております。  お話にもありました国等におけますいわゆる天下り、高額報酬と団体をやめる都度の高額退職金等とは異なる区の実態。例えば部長級退職者では、公務員時代の年収の四〇%未満、かつ退職金は支給されません。しかし、さらに区民の皆様からよく働いていると評価をいただけるよう、それぞれ各自で一層の努力でこたえていく必要があろうかと思っております。  今後とも地域経営の観点から、社会状況の変化にこたえる取り組みを積極的に進めてまいります。    〔森下副区長登壇〕 ◎森下 副区長 都市計画の見直しと時代に即したまちづくりにつきましてご答弁申し上げます。  都市計画は、健康で文化的な都市生活や機能的な都市活動を確保することを基本理念として定めるものでございまして、土地利用を示す用途地域であるとか、道路等の根幹的な都市施設につきましては、二十三区が一体となった都市計画区域におきまして、広域的な見地から定められております。また、これらの都市計画は長期的な視点で定められておりますけれども、一方では、時代の変化とともに、幾たびかの見直しも行われているところでございます。  世田谷区のまちづくりに当たりましては、区民とともに、地域の特性を考慮し、地区計画等のさまざまな計画づくりを行った上で、都市計画道路等の整備を図っております。  今後も一層地域住民の理解と協力を得ながら、時代に即応したまちづくりを進めてまいります。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 教育環境の整備、適正規模化につきましてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  最新の将来人口の推計では、世田谷区全体の児童生徒数は、今後十五年ほど増加し続け、地域によっては偏在傾向も大きくなることが見込まれております。そこで、小規模校への対応、支援だけではなく、今後ふえることが予想される大規模校について、通学区域の見直しや施設整備等対応策を検討しているところでございます。  区教育委員会では、地域に根差した魅力ある学校づくりを進めるためにも、よりよい教育環境で、子どもたちが豊かな学校生活を送ることができるよう、学校の適正規模化、適正配置に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎秋山 保健福祉部長 年金の職員による横領について、改めて問うとのご質問がございました。  国民年金制度が創設された昭和三十六年から国民年金保険料の収納事務を行っていた平成十四年三月まで、この間、職員による着服の事実はありませんでした。世田谷区では従来より、国民年金事務においては資格管理と保険料収納は別の職員が行っており、窓口で納付された保険料につきましても、毎日確認し、公金化しておりましたので、着服はできない仕組みとなっておりました。  現在は国民年金保険料の収納は行っておりませんが、国民健康保険料など、区民の方の大切な保険料を取り扱っていることを十分認識し、適正な処理を行うよう努めてまいります。  年金制度の窓口についてでございます。  年金制度は、納付してから給付を受けるまでが非常に長いことや、数度にわたる法改正のため、複雑な制度となっており、区民にとってもわかりにくく、どこにどのような相談をしていいのか困っているというのが現状であろうかと思われます。  個別の年金相談は、二十歳以降の資格や納付状況などを詳細に聞き取り、社会保険事務所への確認なども必要となることから、区での相談には限界もありますが、現在、年金の窓口では相談を受けております。また、この七月には社会保険事務所と連携して、区役所で年金相談を実施いたしました。さらに、年金のみではなく、社会保険に関する一般的な相談や就業の問題などについて、社会保険労務士による相談を総合支所などで実施しております。  また、区では年金についてのパンフレットの作成等を行い、制度の周知に努めるとともに、成人式では年金ブースを設けるなど、若い人たちへの制度理解についても努めております。  今後も引き続き窓口では相談を受けるとともに、社会保険事務所等とも連携を図りながら、より一層制度理解や相談の充実に努めてまいります。  障害者の福祉施策につきまして、数が不足している施設についてということで、障害者の地域生活型入所施設の整備についてでございます。  区では、せたがやノーマライゼーションプランや世田谷区障害福祉計画において、安心して地域で自立した生活を継続できる社会の実現を基本理念として、障害児(者)施策を推進しております。これまでも福祉作業所等の日常活動の場やグループホームなどの暮らしの場の確保に努めるとともに、住宅サポートセンターの開設による民間賃貸住宅での居住支援等に取り組んでまいりました。  また、現在、学識経験者、障害者団体代表、施設運営者などから構成される検討委員会におきまして、地域のネットワークの構築や相談機能の充実など、障害者の地域生活支援につきまして検討を行っております。  今後もグループホームなどの暮らしの場の確保など、障害者が地域で安心して生活ができるよう、障害福祉計画の実現に努めてまいります。  障害者自立支援法の一割負担の軽減策についてでございます。  国は、障害者自立支援法の施行に当たり、低所得者に配慮した月額負担上限額の設定や、ホームヘルプサービス利用料の激変緩和措置などの軽減策を講じるほか、この制度を着実に定着させるために、平成十八年十二月に利用者負担のさらなる軽減や障害者自立支援法の円滑な運営のための改善策を打ち出し、二十年度までの特別対策を実施しております。  区は、これらの改善策を受けて、利用者負担のさらなる軽減として、十九年四月から低所得者に加え、特別区民税所得割十六万円未満の一般課税世帯につきましても月額負担上限額を四分の一とする軽減策を実施しております。また、区の独自施策といたしましては、視覚障害者などへの移動支援事業におきまして同様の軽減策の実施や、障害者通所施設等への食費補助を行うことにより、障害者の地域生活を支援しております。  今後も、区では必要な人に必要なサービスをご利用いただけるよう、さまざまな軽減策の制度周知をさらに徹底させるとともに、在宅生活に基本を置き、障害者自立支援法の目的の一つである障害者就労の促進にも努めてまいります。  以上でございます。 ◎石濱 政策経営部長 指定管理者についてのご質問がございました。  指定管理者制度は、地方自治法の一部改正によりまして、公の施設の管理に関する管理委託制度が改められたことにより創設された制度でございまして、本区においては、平成十七年度から導入を始め、現在、三十条例、百七十九施設が指定管理者による管理に移行しております。  このうち、平成十八年四月から三年間の指定期間で指定管理者を導入した施設は、文化生活情報センターや特別養護老人ホームなど九十八施設あり、これらの施設の指定期間が二十一年三月で終了することとなります。  平成二十一年四月からの指定管理者の指定の手続につきましては各施設の設置条例で規定しておりますが、施設の特性や現在の指定管理者の運営実績などを評価検証しながら、指定の方法を含め検討しているところでございます。  次に、受益者負担についてのご質問がございました。  今回の利用者負担の見直しは、利用者による負担と税による負担の適正なバランスを確保することにより、区民間の負担の公平性を確保することを目的としております。利用者負担の見直しに当たりましては、敬老会館、高齢者集会所などの高齢者集会施設を引き続き無料とするとともに、保育料の見直しにつきましても、所得の低い子育て世帯に配慮しながら進めているところでございます。さらに地域コミュニティーの振興や生涯スポーツ社会の推進などの観点から、今回の改正案では、区民センター、地区会館、スポーツ施設、文化施設等につきましては、改定率の上限を二〇%にとどめているところでございます。  今後、九月二十日発行の「区のおしらせ」やホームページ等に利用者負担の改定案を掲載し、また、利用者向けのニュースを発行するなど、広く区民の皆様に利用者負担の見直しの趣旨などをご説明してまいります。  次に、公有地の有効活用についてのご質問がございました。  区内の公有地につきましては、国や都が保有する研究施設や、学校、病院、宿舎などの大規模施設の移転、廃止の動きが見られております。土地利用が更新される大規模未利用地については、公園や道路などの地域のまちづくりに資することが想定されており、総合的なまちづくりの視点から利活用の誘導等をしていくべきものと考えております。国や都などとも十分協議してまいりたいと考えております。  また、学校の改築承諾料につきましては、平成十八年四月一日に財務省の普通財産貸付事務処理要領が変更されたことで、耐震化について一定の条件を満たす学校については免除されることになりましたが、いまだ制度の抜本的解決には至っておりません。義務教育施設であります公立学校の環境整備の確保は国の責務でもあり、引き続き全国市長会を通じまして、借地料の免除とともに、その全面廃止を強く働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎田中 産業政策部長 産業政策について、産業振興公社ならではの事業、公社の課題と今後の事業展開についてお答えいたします。  産業振興公社につきましては、中小企業を取り巻く諸環境が急速に変化する中で、弾力的かつ機動的に中小企業を支援し、地域産業の活性化、ひいては活力ある地域社会の実現に寄与する仕組みとして設立されてございます。設立以来、これまでの区の産業支援施策を新たに組み立て直す作業の中で、創業相談事業、専門家のアドバイザー派遣、産業情報コーナーの設置、「世田谷みやげ」の選定、ビジネスマッチングなど、多様な事業の芽を育ててまいってきております。  一方、区内事業者の減少に起因する勤労者福祉事業の対象者の減少や、ご指摘の自主財源の問題などの課題も認識してございます。これらを踏まえまして、現在、産業ビジョン及び産業振興計画の策定に当たりまして、産業政策部と公社が共同作業を行ってございます。  ビジョンの指し示す世田谷の将来像を、産業界、大学、NPOなど、さまざまな民間の知恵や活力の積極的な誘導、活用により、公社は区と連携して、今後さまざまな事業を展開する役割を担うこととなります。  あわせて世田谷e市場の設立、観光事業の創設など、公社ならではの事業が早急に実現できるよう、産業政策部として支援してまいります。  以上です。 ◎春日 交通政策担当部長 それでは、新たな南北交通について、世田谷、東京全体を考えたエイトライナーの整備についてお答えいたします。  東京の鉄道網は、山手線を起点に、都心から放射状に発展してきた経緯がございます。このため、区部周辺部におきましては、環状方向を結ぶ公共交通が重要な課題となっております。国の運輸政策審議会答申におきましても、エイトライナーとメトロセブンから成る区部周辺部環状公共交通は、政策的に位置づけられているところでございます。  区におきましても、区内の南北交通の確保を重要な課題としてとらえ、エイトライナー構想の実現に向け、都や関係区とともに継続的に取り組んでまいりました。エイトライナーは、公共交通ネットワークの構築のみならず、二酸化炭素削減や移動のバリアフリー化などにも寄与するものと考えております。お話しのLRTにつきましては、環状八号線の交通量などを踏まえた、導入空間の確保といった一定の解決すべき課題がございます。  今後も人と環境に優しい南北公共交通の充実に向けまして、中長期的な観点から総合的な検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎若林 教育次長 教育問題について四点ご質問をいただきました。順次答弁をさせていただきます。  まず、区立幼稚園九園の今後について、預かり保育等を進めよ、こういうご質問をいただきました。  区教育委員会では、幼児期にふさわしい教育の充実に向けて、幼児教育に関する研究や、教員、保育士の資質向上に取り組んでおります。区立幼稚園では、保護者会が中心となり、施設を開放した絵本の読み聞かせや園庭遊びの活動、子ども同士、保護者同士の交流や子育て相談など、在宅子育て支援にも努めてまいりました。  一方、区立幼稚園の入園率を見てみますと、平成十一年当時に比して、このところ上昇傾向にあります。今年九月現在、三つの幼稚園では入園待機児を抱える状況も生じております。  お話しの区立幼稚園での預かり保育を行うに当たっては、幼稚園保護者の意向やニーズの把握、施設や体制の整備など、さまざまな課題を整理していく必要があるのではないかと考えております。これらの課題も含め、区教育委員会では、ことし四月にスタートした二つの認定こども園の取り組みを検証してまいりたいと存じます。  次に、教育予算についてのご質問もいただきました。  教育ビジョンを実現し、区民の信頼にこたえる質の高い教育を進めていく上からも、教育予算のあり方は大変重要な課題であると認識しております。教育予算に関して見ると、建設等の工事費を除く行政運営費が十九年度は百四十二億円余りであり、区全体の一般会計の六%強を占め、この間の厳しい財政状況の中にあっても、一定の水準を確保できているものと考えております。  一方、お話しのとおり耐震化の課題もあり、今後、区立小中学校の改築・改修工事が大幅にふえ、その経費も増加することが予想されております。限りある財源を創意工夫し効率的に使うことが重要な課題となっております。  区教育委員会では、各種事業の選択と周知を徹底するとともに、無理、無駄を省き、行政改革を進め、教育ビジョン第二期行動計画や、新たに区長から示されております家庭教育への支援などの課題を着実に実現してまいりたいと考えております。  次に、指定校変更についてのご質問もいただきました。  区教育委員会が毎年行っている小中学校児童生徒の指定校変更を含めた就学に関する事務手続は、学校教育法などの規定に基づいているものであります。その中で指定校変更については、指定校変更許可基準を設けて審査を行っております。具体的には、保護者からの申し立てがあった場合、いじめや不登校、身体的理由や家庭事情など、教育的な配慮が必要と認められる場合に指定校の変更許可を行っているものであります。  お話しのように、通学する学校の様子などを、子どもたちや保護者があらかじめよく知っておくことは大変重要なことであります。これまでも区立の小中学校が行ってきている学校公開に加え、新入学生向けの説明会なども、日程や内容を工夫し、各学校の情報を広く正確に伝える努力を行ってまいります。  次に、五歳児教育の無償化についてのご質問がございました。  これからの幼児教育、中でも五歳児教育のあり方についてご提案をいただきました。  幼児の就学前教育と義務教育のつながりという課題について、区教育委員会でも教育ビジョンの中で課題として取り上げており、幼稚園、保育園と小学校の連携に関して、現在、松丘幼稚園と松丘小学校で実践的な研究を行っております。こうした研究実績も踏まえ、今後とも充実の方策を検討してまいります。  なお、こうした取り組みは、お話しの諸外国の例と問題意識の点では相通じるところもあろうかと思います。幼児教育の無料化あるいは義務教育化等については、今後の国の動向にゆだねる課題と考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。  以上です。 ◆四十九番(すがややすこ 議員) 今ご答弁いただきまして、一点、外郭団体のことについて質問させていただきたいと思います。  人事について民間の力を活用して、役員さんとかに導入してきているということは、平谷副区長からのご答弁でもよくわかったんですけれども、産業振興公社のほうのご答弁でもあったんですが、では、自主自立に向けた自主財源の確保というところで、実際に、具体的にどのような課題を抱えていて、どのように自主財源を確保していくのかということについては、どこの分野からも明確なご答弁をいただいていないというふうに思っています。ですので、外郭団体の自主自立というのは具体的には何を目指すのかということについて、もう一度ご答弁いただきたいと思います。  というのは、結局、その指定管理者制度とかについても、やっぱり外郭団体って、区の事業を請け負っているというイメージがありますから、それ以外、じゃ、何をやっているのといったら、区の事業を請け負うだけでは、外郭団体として成立する意味が余りないと思うんですね。ですので、その自主自立という部分については大変重要な点だというふうに考えていますので、それが指定管理者制度の部分とも通じてくるというふうに考えていますので、外郭団体の自主財源の確保ということについて、もう一度ご答弁をいただきたいと思います。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 先ほど議員がおっしゃっておられましたように、指定管理者制度が入るまでの間は、我が国の法律は、地方自治体に対しましては施設管理を委託するなどの場合には、自治体が出資した団体でなきゃだめだというようなことをやっていたわけですね。それで、平成十八年の九月から全国一斉に、従来の形ではなくて、民間事業者の方も参入させた形の中で選定して、新たに指定管理者をスタートさせなさい、こういうことに移行してきたわけです。  その際、私どもが申し上げてまいったことは、少なくとも外郭団体としては、そういった時代環境の変化を踏まえて、経営の体力ですとか体質ですとか、それを民間競争力に勝ち抜けるだけのものをつくってくださいということで、改善計画をおつくりいただいて、現在改善をしているところです。  それで、今議員ご指摘の中で、実は一番難しいと思っていますのは、端的に申し上げて、自主財源といった場合には、既に民間の方がやっておられる分野に外郭団体が乗り出していって、文字どおりの競争に参入して打ち勝たない限りは自主財源はなかなか得られないだろうと。いろんな言い方はありますが、端的に申し上げれば多分そうだろうと。  そういう意味におきまして、そこまでの経営体質の改善、体力の自立というんでしょうか、これらが今後の改善計画の成果としてどこまで出てくるか。ここら辺が、そういう意味じゃ、分水嶺になってくる、こういう理解に立っております。ちょっとお答えになったかどうかわかりませんが、一番難しい課題というふうに理解しております。 ◆四十九番(すがややすこ 議員) 今の副区長のご答弁、よくわかりやすかったんですけれども、この間、八月に示された外郭団体の改善方針の推進状況というのを見てみましても、どの外郭団体も自主財源の確保が課題であるということを掲げているのですね。であれば、やはりその自主財源の確保を具体的にどのように行っていくのか。質問の中でも申し上げましたけれども、例えばサービス公社が他自治体の指定管理を請け負うとか、そういったことも考えていかなければならないのではないかというふうに考えています。  それ以外にもさまざま、例えば学校の適正規模の点ですとか、あと都市計画の部分、あと年金相談窓口、あと安心して子育ての「安心」というのは何なんだろうみたいなところで、かなりご答弁の中で疑問が残る部分があったんですけれども、決算特別委員会がありますので、そちらのほうに回しまして、私からの質問を終わります。 ○大場やすのぶ 議長 以上ですがややすこ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、日本共産党を代表して、五番桜井稔議員。    〔五番桜井稔議員登壇〕(拍手) ◆五番(桜井稔 議員) 日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。  区議会議員選挙に続いて参議院選挙でも、自民・公明政治に対して厳しい審判が下りました。私の地域の方々に話を聞いても、皆さんが喜んでおります。ある商店主は与野党逆転は本当によかったと言っていました。また、一部上場企業の役員をしていた人から手紙が届きました。共産党や社民党が議席を伸ばせなかったことは大変心細い限りですが、自公政権を追い詰め、野党が過半数を握り、これが国民のための政治を実現していく道ではないでしょうか。多くの人がこのような思いだと思います。  自民・公明政権の弱肉強食の構造改革路線が貧困と格差を拡大させました。年金制度改悪、住民税大増税の強行に続いて、消費税増税まで言い出しました。また、過去の侵略戦争に無反省のまま、戦後レジームからの脱却と言って憲法改定に突き進み、アメリカ言いなりでインド洋への自衛隊派遣を延長する自民・公明政治の危険性を見抜いて、国民はノーを突きつけました。安倍首相が政権を投げ出しましたが、この根本には自民・公明政治の行き詰まりがあることは明らかです。主権者国民が政治を動かす時代になりました。自民・公明の古い枠組みに変わる新しい政治が求められています。  翻って世田谷区政を見ると、相変わらずの旧態依然のやり方で、土木費をふやし、区民に痛みを押しつける政治が進められております。道路や二子玉川再開発、庁舎建てかえなど、土木費には巨額の税金をつぎ込む一方で、今議会では、認可保育園の保育料、区立幼稚園の保育料、施設使用料などの値上げ計画を示してきました。この結果、合計で二億八千万円の新たな負担を区民に押しつけることになります。  しかし、なぜ今負担増が必要なのでしょうか。我が党は負担増はやめるべきと考えます。  第一に、昨今の大増税や社会保障の負担増で生活は大変になっております。さらに来年以降は医療費の新たな負担がかかってきます。このときに区民への負担増は許されません。  第二に、区の財政が逼迫しているのでしょうか。今議会に打ち出されている補正予算案では七十九億円のうち七十億円を積立金としています。財政はここ数年黒字が続き、毎年積み立てを行い、基金は五百六十億円と、バブルのときの史上最高額に膨れ上がる勢いです。
     第三に、税金の使い方が問題です。道路や開発には税金を大幅にふやし、区民に負担をかける税金の使い方が逆さまです。区民への負担増は全く理由がありません。それなのに、区はなぜ今負担をふやすのか、見解を伺います。  次に、今回の値上げ計画について幾つか伺います。  その第一は、区民の声を聞かずに進めることについてです。区は、八月十五日の「区のおしらせ」に「受益者負担の見直しについて検討しています」なるものを載せ、八月三十一日までに意見を求めました。ところが、その期日の前の八月二十日に、区は具体的な値上げ幅と来年実施へ十一月議会に条例提案することを決めています。  また、九月二十日の「区のおしらせ」で、このときに決定した値上げ案を区民に示すとしています。しかし、十一月議会で区は条例提案をしようとしていますから、区民が意見を上げ、議会に請願しようとするときと同じ時期です。これでは区は区民の意見を聞いたということにならないのではないでしょうか。  十一月議会での提案はやめるべきです。再検討を求めます。見解を伺います。  第二に、今回の三億円に及ぶ負担増が区民生活にどういう影響があるのか伺います。  まず保育料などの値上げは子育て支援に逆行するものです。区はこの間、子どもの医療費無料化の拡充など、子育て家庭への経済的負担を軽減する支援策を進めてきました。区民に大変喜ばれています。しかし、今回の保育園と幼稚園の保育料値上げで一億八千万円もの負担を子育て家庭に負わせることになります。区長は子育て支援策に逆行する施策と思わないのでしょうか、見解を伺います。  また、施設使用料の値上げは住民の自主活動を圧迫するものです。ある高齢者のグループからは、週一回健康体操をやっています。高齢者ばかりですから、会費の値上げはできません。講師料もかかります。区は私たちに寝たきりになれとでも言うのでしょうか。値上げは困ります。また、別のサークルでは、絵手紙の会で利用しています。一人一回百円の参加費です。安くて気軽に使っていますが、値上げされたら参加しにくくなりますなど、住民のさまざまな自主活動への影響は大きいものがあります。  施設使用料の値上げは、住民の自主活動を圧迫すると思いますが、区の見解を伺います。  今回の値上げの趣旨に、区は、サービスの提供にかかる経費に対し、税による負担と受益者による負担との適切なバランスを確保するとしています。しかし、区の主張する適切なバランスとは何ら基準がなく、区のさじかげん一つです。今回の値上げの目的は、結局は区民への負担増だけではありませんか。値上げ計画の撤回を求めます。  我が党は、今区が行うべきこととして、区民への負担増でなく、暮らしを守る施策を拡充することを求めます。この間の増税や社会保障の改悪は、低所得者の区民に対して大きな負担を押しつけています。  私の知り合いのひとり暮らしの方は無年金で、パート収入年間百万円のみで生活しています。ところが、その方に、現在、住民税の均等割がかかり、そのため、介護保険料は第五段階で年間五万九千八百円、国保料も均等割と所得割で四万六十円です。介護保険料と国保料で一カ月分の収入が取られ、その結果、生活保護以下の生活になってしまいます。  格差が大きな社会問題になっている現在、低所得者の安心した暮らしの実現に全力を挙げることは、地方自治体の重要な課題であります。そのための施策として、我が党は、第一に、低所得者への住民税の軽減、第二に、就学援助の拡充など子育て世帯への支援、第三に、介護保険や、四月から始まる後期高齢者医療など、高齢者の負担軽減の区の積極的な取り組みを強く求めます。  区は、低所得者への負担軽減など、生活支援の拡充を行うべきです。見解を伺います。  我が党は低所得者などを対象にした区民税減税の提案を準備してまいりました。条例案へのご賛同をお願いします。  次に、暮らしが大変な方々への税金の冷酷な取り立てをやめるよう求めます。  私が相談を受けた方は、自分のやっていた事業が行き詰まるなど、その理由で区民税を滞納し、この間、区と相談して、毎月一万円程度の分割納入をして払っていました。ところが、区は、ことしの六月に生命保険があるとわかると、生命保険は財産だとして滞納支払いに差し押さえをし、解約返戻金八十万円を滞納に充ててしまいました。その方は貯金もなく、年金のみの収入で生活をしております。月四千円の生命保険料も滞ることもありましたが、保険会社に相談して払っておりました。事故や病気で入院したときに家族に迷惑をかけないようにと万が一の備え、財産などではないと、区のやっていることに怒りをあらわにしています。  区は、差し押さえをする理由として、税金が払えるのに払わないという悪質滞納者を例に挙げますが、実際は収入が少なく、分割納入をしている方にまで強引な差し押さえをしております。少しの蓄えで安心できていた気持ちさえも壊し、奈落の底に落とすように不安な日々を送らせるなど、何と冷たい区政でしょうか。  国税徴収法は、衣類、寝具、家具、台所用品など、生活に必要なものの差し押さえは禁じています。我が党は低所得者のわずかな生命保険なども差し押さえるべきでないと考えます。低所得者の生活を脅かすような冷酷な取り立てをやめるよう求めます。見解を伺います。  次に、廃プラスチックのリサイクル問題について伺います。  区は、廃プラスチックの可燃ごみ回収と焼却をモデル実施で行っていますが、来年度から全面実施を進めていくとしています。廃プラスチックは燃やすのではなく、リサイクル、資源化を進める計画を持って取り組むべきです。  これまで区は、一九九七年にリサイクル推進計画をつくり、ごみ減量・リサイクルを進めてきました。持続可能な地域社会の実現、大きくは地球環境問題の解決にと、区と区民の協力でごみ減量・リサイクルが一歩一歩取り組まれてきました。この間、区内人口はふえているにもかかわらず、ごみ収集量は、一九九七年、二十六万九千トンから、二〇〇五年、二十万五千トンと二三%減り、資源回収量は一万三千トンから五万三千トンへと四倍以上にふえてきました。  区は、さらなるごみ減量・リサイクルを目指して、区民への環境学習など意識啓発を強め、資源回収比率を高める仕組みづくりを課題としています。ごみ減量・リサイクルを前に進めることこそ今求められています。しかし、今回の区が行おうとしている廃プラスチックを可燃ごみとし焼却するやり方は、これまで築いてきた区民のごみ減量・リサイクルの努力を台なしにすることになりかねません。  ペットボトルとトレイのリサイクル計画はありますが、それ以外の廃プラスチックも焼却するのではなく、リサイクル、資源化の計画をつくるべきです。区の見解を伺います。  区の出したプラスチックの資源化拡充策に関する調査研究報告書では、廃プラスチックの圧縮・梱包・保管施設等中間処理を進めるために、業者を支援していくことを指摘しています。区は業者支援をすべきです。また、施設や土地の確保のための協力を都に求めるべきです。見解を伺います。  報告書では、廃プラスチックを可燃ごみで回収することで、ペットボトルやトレイも可燃ごみとして捨てられる懸念も指摘しています。ペットボトルとトレイのリサイクルをさらに進めるために、意識啓発や回収率を引き上げる努力を行うよう求めます。見解を伺います。  廃プラスチックリサイクルの資源化にはさまざまな問題がありますが、それを克服していく計画を区民に示してこそ、区民の理解、協力が得られると思います。区はそのためにこそ努力すべきです。  次に、住民合意のまちづくりについて伺います。  住民のまちづくりを支援し、住民の合意で、建てかえにあわせて道路の拡幅など防災まちづくりを進めてきた修復型のまちづくりが、ここに来て、道路事業優先のまちづくりに変わっています。  東京都は、密集市街地の整備を進める住宅市街地総合整備事業を、五年ごとに事業の廃止も含めて見直すとし、道路整備事業を優先するまちづくりを打ち出しています。上馬・野沢地区では、区道一三〇号線、太子堂四丁目地区では一二七号線、太子堂二・三丁目地区では三太通り、区役所北部地区では松陰通り先の道路拡幅事業を優先するとしています。  上馬・野沢の地域では、木造密集地に車も入れない狭い道路や倒壊の危険性のあるブロック塀が多く、防災上問題がある地域の解決にと、住民が二〇〇二年から話し合い、まちづくり構想案をつくりました。構想案には、道路の拡幅や住宅の耐震補強、緑をふやすなどとともに、区道一三〇号線の拡幅も入っています。しかし、その道路の沿線住民が道路拡幅に反対し、まちづくりを進めてきた方々は、地域を二分するような現在の状況は、地域のコミュニティーの形成にとって非常にマイナス、まちづくり活動にとって取り返しのつかない大きな傷跡を残すなど憂慮しております。  一方、区は、一三〇号線整備が地区計画の柱であるから、沿線の方たちの了解が得られない場合は地区計画も進められないと表明しています。そのために、まちづくりを進めてきた方々は、区と住民の板挟みに遭い、まちづくりが暗礁に乗り上げています。まちづくりを進めるべき住民の間で反目するような事態になっています。  まちづくりは、そこに住む住民の合意が大原則です。防災上安全なまちづくりの柱であるべきは住民同士の助け合いや協力です。今回の道路事業優先に変えるまちづくりは、その最も大切な住民のコミュニティーを壊していくことになっています。道路事業を強引に進めるのではなく、住民合意でまちづくりを進めるよう求めます。見解を伺います。  最後に、平和の問題で、区長の見解を伺います。  日本がアジアの国々に侵略戦争を行い、日本で三百十万人、アジアで二千万人のとうとい命が奪われ、その深い反省から、二度と戦争をしないと誓ったのが憲法九条です。しかし、安倍内閣は、憲法に象徴される戦後体制を戦後レジームからの脱却として否定し、侵略戦争は正しかった、当時の日本は美しい国だったとして、歴史認識まで変えようとしてきました。  従軍慰安婦の強制性を否定した安倍首相の発言や、ワシントンポスト紙に載った、慰安婦はみずから進んでお金をもらって売春婦をした公娼だとする自民党議員らの意見広告、教科書から沖縄戦での集団自決で日本軍の関与を削除した問題など、戦争の事実さえ変えてしまおうとしています。そのことにアジアや欧米の国々から非難の声が上がり、アメリカ下院議会では慰安婦問題で、日本政府に謝罪を求める決議が上がりました。元慰安婦の国際的な支援団体には、慰安婦の生存者が、日本軍に銃剣を突きつけられ、私たちはトラックに詰められ、家族から離れたところに連れていかれ、売春宿に入れられて一日中強姦され続けたと証言しています。  また、沖縄戦では二十万人が命を落としました。私はこの夏、沖縄の戦跡を見ました。最も激しい戦争になった沖縄南部、その一つのひめゆり跡地では、十代、二十代の女性二百人以上が亡くなりました。日本軍が住民に米軍に捕まるなと命令し、いざというときは自決せよと手りゅう弾を配り、日本軍によって壕を追い出され、砲弾飛び交う中で死んだ者や、敵にとらえられないために海に身を投げた者、手りゅう弾を胸に当て爆発させた者など、多くの村人が集団自決に追い込まれました。  ひめゆり平和祈念資料館の鎮魂の間にはひめゆり学徒の一人一人の遺影があり、写真の下に、生前の人柄、戦時中の様子などが書かれています。元気で明るく、みんなに好かれていた。だれにでも優しく思いやりがあった。本が好きで勉強熱心だったなどなど、一人一人の女子学生の生きたあかしを読み続けるうちに、なぜこの若い人らが死ななければならなかったのだろうと涙がとまらなくなりました。  文部科学省は、集団自決に軍の関与があったとする歴史教科書を検定にしない、このことに対して、沖縄の県議会、市町村議会すべてが抗議の意見書を上げました。意見書では、集団自決が日本軍の関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実と指摘しています。  区長は、区長のご家族も戦争の惨禍に遭われ、戦争のご苦労を体験しています。戦争を進めた軍隊が多くの女性や子どもを巻き込んで、多くの悲劇を生み出しました。こんな悲惨な戦争を二度と繰り返してはならないと思いますが、区長の見解を伺います。  また、沖縄戦での集団自決に軍の関与がなかったということにどう思うのか、見解を伺いまして、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの共産党、桜井議員の代表質問にお答えするわけですが、この質問の中に、私の親族の被爆のことにも触れていただいたお心遣いに感謝いたします。  この戦争に関する質問ですけれども、まさに共産党さんの専売特許のように、毎回のように私に投げかけられてきております。私はかねてから一貫して、どのような時代でも、戦争がなく、平和を築いていこうという願いを持っているのは共産党さんだけはありません。万人の願いとするところだと私は申し上げてきているわけでございます。  今後も、区議会はもちろん、八十四万区民が一緒になって、平和な世田谷を、平和な東京、日本を、世界を築いていくために努力すべく取り組んでまいる所存でございます。  以上です。その他につきましては、所管からご答弁いたします。 ◎石濱 政策経営部長 利用者負担についてのご質問がございました。  行政サービスの利用時にお支払いいただいている利用者の負担に関しましては、この間も各種手数料や道路占用料などを初め、継続的に見直しを行ってきているところでございます。施設使用料や保育料などにつきましては、公の施設への指定管理者の導入や保育園民営化等による経費削減、また、債権管理重点プランによる保育料等の収納率向上など、区として先行すべき取り組み等を経て、今回見直すこととしたところでございます。  今後、多くの公共施設が改築等の更新時期を迎えるとともに、サービス需要の増大、多様化への対応に多大な経費を要するものと想定されます。今回の見直しは、こうした中、利用者負担と税負担のバランスを考慮し、利用者に応分な負担を求め、施設を利用する区民と利用しない区民の負担の公平性の確保を目的として見直すものであります。  次に、提案時期についてのご質問がございました。  今回の見直しにつきましては、八月十五日発行の「区のおしらせ」におきまして、検討を行っている旨の周知と意見の募集を行いました。施設使用料や保育料の料金改定の考え方と料金改定額の案につきましては、九月二十日発行の「区のおしらせ」特集号やホームページ等により、広く区民の皆様に説明し、意見を求めてまいります。  また、各地域におきまして、町会、自治会や運営協議会などの団体につきまして説明を行うとともに、利用者向けのニュースなどにより、わかりやすい情報提供に努めてまいります。  今後、本定例会や決算特別委員会でご議論いただき、条例改正案につきましては第四回区議会定例会に提案させていただき、ご審議いただきたいと考えております。  次に、住民の自主活動に関するご質問がございました。  区民センター、地区会館、区民集会所などの地域密着型の施設につきましては、興行や区外在住者の利用が可能な区民会館とは異なり、地域コミュニティーの醸成を目的とした施設であるととらえております。今回の施設使用料の見直しにおきましては、このような区民の自主活動の拠点としての施設の性格を考慮し、改定率に上限を設け、二〇%までとしているところでございます。  これまでも、区では地域コミュニティーの醸成に寄与している地域団体の継続的な活動の場を確保するため、コミュニティー事業や子育て支援、高齢者支援事業を実施している地域団体などを対象に、区民利用施設の優先利用制度を拡充してまいりました。また、今回の使用料見直しと並行いたしまして、学校開放施設におきましても地域優先利用制度を導入することを検討しているところでもあり、引き続き区民の地域活動を支援してまいりたいと考えております。  次に、低所得者への支援策についてのご質問がございました。  区民税につきましては、生活困難や事業不振などによりお困りの区民の方には、納税相談で相談をお受けするとともに、個々のケースに応じて、納税の猶予や分納、減免など必要な対応をしているところでございます。  国民健康保険料につきましては、区民税と同様に納付相談を行い、一定の要件を満たす場合には保険料の減免などの対応をするとともに、十九年度の住民税改正による住民税率の一律一〇%に伴い、課税総所得金額七百万円以下の方に対しまして緩和措置を行っているところでございます。  介護保険料につきましても、一定の要件を満たす場合には、保険料減免などの対応や、六十五歳以上の低所得者の方への軽減策、税制改正に伴う激変緩和措置を実施しているところでございます。  なお、国の制度改正に伴う区民への影響を踏まえ、世田谷型福祉のまちづくりへの取り組みを一層推進してまいります。  次に、沖縄戦での集団自決についてのご質問がございました。  ご質問の沖縄戦での集団自決は、太平洋戦争が集結する間際の昭和二十年三月に沖縄諸島で起きたものであり、アメリカ軍が沖縄諸島に上陸したことを受け、多くの住民が自決という形でとうとい命を落とした悲惨な出来事として、沖縄戦の歴史に残されております。  この集団自決につきましては、軍による命令説がある一方、軍の命令はなかったとする説も出されております。軍の関与があったかなかったということに関しましては、歴史的な問題であり、申し上げる立場にはないものと考えているところでございます。  以上でございます。 ◎藤野 子ども部長 保育料についてご答弁申し上げます。  認可保育園、区立幼稚園の保育料につきましては、利用者の適正な負担や、区民と利用者の負担割合の公平性などの観点から見直しを進めているところでございます。今回の見直しに当たりましては、十九年の所得税改正の影響や、保護者の経済的な負担にも十分配慮をしているところでございます。  いずれにいたしましても、区民にとって、より子育てしやすいまちづくりを目指しまして、今後も子育て支援に全力を挙げてまいります。  以上でございます。 ◎阿部 財務部長 区民税の徴収についてお答えいたします。  特別区民税・都民税につきましては、大多数の納税者の方々から期限内に納付をしていただいております。差し押さえなどの滞納処分は、こうした方々との公平、公正の観点から、地方税法や国税徴収法に基づき適正に執行しているところです。  また、滞納処分に至る過程では、滞納者の方と十分な納税交渉や分割納付の相談などを行うなど、状況に合わせた対応をとっております。  なお、差し押さえにつきましては、滞納者の最低生活の保障などの観点から、差し押さえ禁止財産が法で定められるとともに、生活のための資金である給与や賃金、年金等については差し押さえ禁止金額が定められております。  今後とも滞納処分の執行に当たっては、個別の納税者の事情に即して適切に対応してまいります。  以上です。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 廃プラスチックのリサイクルについてのお尋ねにご答弁申し上げます。  ペットボトル、トレイ以外の廃プラスチックの資源化計画をつくるべき、中間処理業者への支援をすべき、施設や土地確保のために都に協力を求めよの三点につきましてまとめてお答えを申し上げます。  プラスチックの取り扱いにつきましては、区といたしまして、清掃・リサイクル条例や一般廃棄物処理基本計画に基づきまして、まず発生抑制、次に再使用、再生利用を図った上で、なお残るものについて熱回収するものと考えてございます。  一方、プラスチックのリサイクルに当たりましては、プラスチックの圧縮、梱包、保管が自治体の役割とされており、処理施設の確保が不可欠でございます。ペットボトル及び白色発泡トレイにつきましては、二十三区内で確保できた民間施設に区から処理を委託することにより、本年四月から、お話にございましたモデル収集に先立って、リサイクルの拡充をいたしました。  さらなる施設の確保につきましては、土地の利用条件やスペース上の制約、周辺環境や周辺住民の理解をいただくこと、用途地域上の課題等、相当な困難が伴ってまいります。また、運搬距離や受け入れ側の条件などの課題もあり、安定的な資源化ルートの確保には至っていない状況にございます。したがって、資源化拡充の具体的な計画策定も現時点では困難な状況にございます。  民間の圧縮・梱包・保管施設を含む資源化ルートの確保は各区の責任とされていることを踏まえ、今後、関係各区や、必要に応じて東京都等とも情報交換を行いながら、プラスチックの発生抑制やリサイクルの拡充に向けて、引き続き努力してまいります。  次に、ペットボトルとトレイの回収率を引き上げる努力をせよということについてお答え申し上げます。  ペットボトルや発泡トレイなどの回収につきましては、清掃・リサイクル審議会の答申にもございましたように、排出者責任と拡大生産者責任の考え方を重視いたしまして、商品を販売した店舗等での回収を優先し、可能な限り資源として有効活用することが重要であると認識をいたしております。  一方、回収に協力する店舗等が駅前等に限られ、店舗の負荷などの課題もあることから、これを補完するため、区といたしましても、本年四月から公共施設で発泡トレイの拠点回収を開始し、ペットボトルの店頭からの回収回数を拡大するとともに、集積所回収の試行を開始したところでございます。  今後も、できるだけ買ったところに戻す店舗での回収や、レジ袋の削減などの取り組みを区の広報紙等でPRし、区民の皆様にご協力をいただいて、発生抑制やリサイクルの拡充に向けた行動の促進を図ってまいります。  以上でございます。 ◎四元 世田谷総合支所長 木造住宅密集地域において、道路事業を強引に進めるのではなく、住民合意でまちづくりを進めるべきだとのお尋ねがございました。お答えいたします。  区といたしましては、防災上の危険性が高い木造住宅密集地域において、火災や震災時における円滑な消防活動が図られるとともに、避難路の確保や延焼遅延帯を形成するため、主要な道路の整備が重要と考えております。  このため、上馬・野沢地区を初めとする木造住宅密集地域におきましては、主要な道路を優先整備路線等に位置づけ、国や都の補助事業を導入しながら、建てかえにあわせて道路の拡幅等を図り、防災性の向上に努めてまいりました。  しかし、これまで進めてきた修復型のまちづくり事業では道路の拡幅等に長期間を費やしております。このようなことから、特に重要な箇所につきましては、事業区間と期間を定め、国や都の補助事業を活用しながら重点的、集中的に行う道路事業等を導入し、確実に用地の確保を図っていくことが必要と考えております。  これからも地域の方々に十分な説明を行い、特に沿道の方々につきましては、生活再建のための個別相談も行いながらきめ細かな対応を図り、ご理解をいただいたところから着実に事業を進めてまいります。  以上でございます。 ◆五番(桜井稔 議員) 先ほど区長が言いました、平和は万人の願いということはそうだと思います。こんな悲惨な戦争を二度と繰り返してはならないというのは、この議場の方の皆さんの願いだと思います。  そこで、区長にちょっと別のあれで一つお伺いしたいんですが、負担増の問題であります。区長は、実は六月の定例議会でこういうあいさつをしております。「昨年十二月から子ども医療費の無料化を中学三年生まで拡大いたしました。区民の方々からは、経済的な負担軽減だけでなく、早目に医者にかかることで病気の予防にも役立っていると大変喜んでいただいており」というあいさつであります。これはまさに今、昨年とことし、定率減税廃止で所得税や住民税の大幅値上げになりました。そういう中にあって負担軽減ということが、区長も六月議会で述べられております。  しかし、今回の認可保育園や区立幼稚園の保育料、一億八千万円でありますが、この負担をかけるということは、この区長の願い、区長の考えていることと逆行するのではないか、区長自身お答えください。    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 再質問に答えますが、いろいろありますけれども、私はご承知のように、区民の生命と財産を守ることを最優先課題として取り組んでいるということはご承知だと思います。医療問題と、今、あなたがいろいろと指摘された問題とは、私は別な問題だと受けとめて実行しているわけでございますので、ご理解いただきたいと思います。  以上です。 ◆五番(桜井稔 議員) 区長は六月議会で経済的な負担ということを、子どもの医療費無料化で位置づけて言っているんです。ですから、これが安全安心だけではなくて、区民の負担軽減になることで大変喜ばれているということを述べているんですね。それに比べて、今回の保育料や幼稚園の一億八千万円の値上げは、まさに区民に新たな負担を押しつけるということでありまして、区長の六月に言った答弁と全く逆のことではないかということを言いまして、私の質問を終わります。  以上です。
    ○大場やすのぶ 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十分休憩    ――――――――――――――――――     午後四時四十一分開議 ○大場やすのぶ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 代表質問を続けます。  生活者ネットワークを代表して、三十四番吉田恵子議員。    〔三十四番吉田恵子議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(吉田恵子 議員) 生活者ネットワークを代表して、通告に基づき、順次質問します。  まず最初に、区の財政運営について質問します。  近年、区民の生活を取り巻く環境は、急速な高齢化、少子化の進展や、地球温暖化を初めとする環境問題など、予測をはるかに超えて急激な変化を来しています。  私たち生活者ネットワークは、この間、子育て支援を初め、介護、医療に係る施策の充実、区民主体のまちづくり、男女共同参画社会の推進、リサイクル事業の拡大等を求めてきました。現行の実施計画を進める中で、いまだ解決すべき問題が山積しているというのが実感です。  今回提出された第一次補正予算の中では、トラスト基金に五十億円の基金を積みます。緑の保全に向けては、あと二十五年でみどり率を現状約二五・五%から三三%まで押し上げていく、みどり33のスタートの年です。この基金を使って土地を取得して、緑を保全することが可能になります。  厚生労働省は、来年四月から新たな高額医療・高額介護合算制度を導入し、高齢者世帯の経済的負担を軽減するため、この制度の詳細を決めました。世帯ごとの年齢や所得に応じて七段階の負担限度額を設定し、超過分は各健康保険や介護保険の財源から追加で拠出することになります。  全国に先駆けてさまざまな施策を展開し、福祉のあり方をリードしてきた世田谷区は、全国から注目を集めてきました。今後も世田谷区が進めてきた福祉の水準をしっかりと堅持していかなければなりません。  そこで区長に伺います。  来年度の平成二十年度予算はどのような方針のもと、どこに重点を置いて予算編成に当たられるのか、お聞かせください。  国会で六月十五日に成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律、財政健全化法を受けて、平成二十年度決算から四つの指標、実質赤字比率、連結赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率を監査委員の審査に付した後、議会へ報告するとともに公表することが義務づけられました。夕張市の財政破綻で、一時借入金制度を悪用した財政赤字隠しが発覚し、自治体財政の早期健全化の仕組みの必要性が大きく取りざたされた結果とも言えます。各自治体では、この四つの健全化判断比率が毎年報告され、健全化、再生、経営健全化の計画に対しては、議決という形で判断が迫られてきます。  そこで、議会報告はもちろんのこと、区民へはもっとわかりやすく、さまざまな工夫を凝らして示すべきと考えます。世田谷区では、区民との協働の観点から、多岐にわたる施策が展開されています。今後も区民とパートナーシップで区政を進めるのであれば、実施計画や予算、そして具体的な事業計画はもちろんのこと、将来までを見据えた財政状況を、今まで以上に区民へ説明していく必要があります。まさに今は情報提供にとどまらず、情報を共有するときが来ているのです。区の考えを聞きます。  次に、高齢者在宅生活への支援について質問します。  先日、区内にある特別養護老人ホーム、きたざわ苑で行われている在宅・施設相互利用の話を聞いてきました。在宅・施設相互利用とは、平成十八年四月の改正介護保険法で創設された、在宅・入所相互利用加算を使い、特別養護老人ホームの個室ベッドを複数の人で計画的に利用することで、在宅での介護を支え、在宅生活を継続することを目的にしています。そのために、在宅と施設の介護支援員が利用者に関する情報交換を十分に行うことになっています。このことにより、特別養護老人ホームが、単に入居施設としてだけではなく、在宅を支援する地域の介護の新たな拠点になり得るのです。  世田谷では、そのほかにも三百六十五日二十四時間高齢者安心コールで毎日の安心を確保し、地域支援事業の展開で健康づくり、介護予防を進め、あんしんすこやかセンターを核に、地域密着型サービスで要介護高齢者への支援をしています。  住みなれた地域で暮らし続けたいと考える高齢者の在宅生活への支援を今まで以上に充実させるために、世田谷区はどのような基本理念を持って進めていくつもりなのか、区の見解を問います。  介護保険適用の療養病床の縮小や廃止までの細かい計画が出されていない現状ではありますが、区でも、いち早く在宅医療電話相談センターを立ち上げ、その対策を始めました。また、入居施設の緩やかな使い回しを検討、実施できるように枠を広げ対応していますが、居住の拠点を在宅へとシフトしていくことが大前提になっています。要介護度の進行を抑え重度化させないで、少しでも豊かな日常生活を営んでいけるように改善していくこと、生活の質を高める、いわゆるQOL、クオリティー・オブ・ライフが求められてきます。  そして老後の最終段階となる終末期のケア、ターミナルケアの問題もあります。すべての人にとって避けられない死をどのように迎えられるかが大きな課題になっています。理想的な死とは、自宅で親しい人に見守られながら安らかな最後を迎えることです。現状、日本では八〇%を超える人が病院で亡くなっています。自宅で最後をみとってもらえた人は一三%にすぎない状況です。しかしながら、長期療養病床に入院している人の半数近くは高度の医療は必要ない状態と言われています。ここからも療養病床の再編が行われたことが理解できますが、在宅生活を支えるのにも、自宅で安らかな死を迎えるのにも、医療的な支援を位置づける必要があります。  二〇〇六年四月に在宅療養支援診療所制度が導入されましたが、普及率が低く、その医療費の面からの問題もあり、この制度はまだまだ不十分です。区としては今後、在宅医療をどのように進めていくのか、考えを聞きます。  介護の現場では人材不足が深刻な問題になっているのも周知の事実です。区でも人材確保に向け、福祉人材育成研修センターを立ち上げ動き出していますが、現場に人がふえるまでにはまだ時間がかかります。介護職離れが景気回復にあると言われていますが、これは介護職が重労働で低賃金であることに起因しています。また、都市部ではその傾向が顕著で、地域間格差が介護職員の生活そのものの維持を困難にしています。つまり、介護職が職業として成り立っていないと言っても過言ではないでしょう。  一方、都内の特養の約四分の一が赤字経営になっている原因は、人件費比率が高いことからだと報道されています。一人当たりの賃金は低いのに、法定どおりに人を配置すると施設経営は赤字になってしまう、何ともやりきれない現状です。介護職の労働環境の改善とともに、財源の確保が早急に解決すべき課題です。ただ単に介護報酬を上げるというのではなく、報酬を人件費とそれ以外とに分け、人件費を削れなくすることにより、一定の給与水準を保障するなど、新たな仕組みを入れることも一案です。  地域間格差の是正とともに、介護に携わる人たちの待遇を抜本的に考え直すためにも、現場からの声を都や国に上げていくことを求めます。区の見解を聞きます。  次に、教育ビジョン第二期行動計画について質問します。  平成十七年三月、教育ビジョンと第一期行動計画において、あらゆる分野にわたり新規事業が盛りだくさんに示されました。子ども像に「せたがやで育てる世界にはばたく子どもたち」と理想を高く掲げ、現実からかけ離れているのではと感じられました。教え育てることがメーンに押し出されていて、子どもたちがみずから育っていくことが保障されているのかが懸念され、振り返ると、たくさんの疑問、不安が思い出されます。  また、この間に約六十年ぶりに教育基本法の改正を初め教育改革関連三法が成立し、底流にある法の変更でそごや支障がないのかが心配されます。忘れてならないのが、子ども一人一人が持っている育つ力が蓄積、開花されること、義務教育九年の間、みずからが学ぶ意欲を持って過ごせること、世田谷区立の学校で過ごしたことに誇りを持てることなどです。  第一期行動計画の最終年度の本年は、今までの成果や課題を検証し、第二期行動計画に盛り込んでいかなければなりません。その際、学校現場の声をしっかりと反映させていくことも重要です。区の見解を伺います。  次に、この第二期行動計画の柱になっている地域運営学校について聞きます。  世田谷区では、平成十七年四月に、三小学校、二中学校を、平成十九年四月に、九小学校、三中学校を指定し、現在、十七校に法に基づく学校運営委員会が設置されています。各学校とも、地域や保護者の協力を得て、あいさつの励行を初め、夏休みのワークショップや各種イベントの開催に尽力されているようです。八月に私たち生活者ネットワークでは会派視察で京都市と滋賀県内を訪れ、三日間ではありましたが、数多くの事業を見聞してきました。  京都市では市立京都御池中学校を訪れ、三中学校を統合した経緯を聞いてきました。その中で、この地域運営学校の話も聞くことができました。京都はもともと長い歴史があり、町ごとのお祭りを初め、地域密着の生活が根づいているところです。そして、それぞれの町が学校を地域の拠点としてにぎわいを継続させてきた中で三校が統合されました。  開校後一年七カ月たってから、地域運営学校、コミュニティースクールの指定を受けたときに、学校協議会、けやきプロジェクトの理事会十六名がそのまま学校運営協議会を担い、けやきプロジェクト委員会の八十名は企画推進委員に位置づけ、たくさんの地域の方々が学校の運営にかかわっています。地域総がかりで十分に話し合いを進め、機が熟したのを確認した上で学校指定を受け、無理なく進めてきていました。  一方、世田谷区では、今までのまちづくりに関するワークショップや学校協議会の活動を通して、地域と学校のつながりができてきています。それらをベースに、地域の関係性ができ上がってから、自主的に手が挙がるのを待つといった姿勢が重要です。学校指定を数や期間で目標値を設定しふやしていくのではなく、慎重かつ丁寧に進めていくことが大切です。  地域運営学校がふえていけばいくほど、人材確保も課題になってきます。運営委員の任期は二年、再任が一回までなので、四年目には交代ということになります。この点も、今後大きな課題になってくるでしょう。  そこで、世田谷区ではこの地域運営学校の今後の展望をどのように描いているのか、質問します。  次に、環境政策について質問します。  今や環境政策は自治体がリードする時代です。世田谷区も都内初の景観行政団体に向けて、この八月、ようやく東京都からの同意が得られました。これまで区は、平成十一年に策定した風景づくり条例に基づき、区民との協働で地域風景資産を選定したり、区民の景観に対する意識を啓発したりして、平成十七年度からは景観行政団体に向けての準備をしてきました。  今回の同意で景観計画が策定されると、一般的には景観計画区域内ではありますが、建築物等に関する規制や誘導ができ、建築物、工作物のデザイン、色彩を規制し、基準を守らない場合は変更命令が出せることになります。今まで以上に住民参加のまちづくりが必要になり、地域ごとの景観に対する合意形成を丁寧に積み上げ、景観保全が確実に進められるルールにしていかなければなりません。  また、国分寺崖線においては、世田谷区独自の景観保全への取り組みにも大いに期待しますが、隣り合う自治体で共通のルールを作成し、景観の連続性や継続性を高めることも重要です。景観行政団体となった世田谷区が自治体間でリーダーシップを発揮し、緑の連なりである国分寺崖線の保全に取り組むことを求めます。  景観行政団体になるに当たり、区が取り組むべきことについて、区長に伺います。  八月の会派視察では、世田谷清掃工場で七月から導入、試運転を始めた、川崎重工業製のガス化溶融炉を使っている滋賀県高島市環境センターを訪れました。高島市が一号機、世田谷区は二号機となり、その規模は、高島市が三十七・五トン二基、世田谷区は百五十トン二基、同型の炉です。運行状況をモニターで確認しながら、現在の状況や今までのトラブルについて聞いてきました。  高島市では、三年間のメーカー保証期間を過ぎてすぐに大きな補修が発生し、炉内の耐火物を張りかえたそうです。何でも燃やせるというメーカーのPRがあって、ガス化溶融炉に廃プラスチックも入れていた高島市ですが、ごみの燃焼カロリーが予想以上に高くなり、炉内壁面を保護していた耐火物がはがれ落ちてしまったからだそうです。炉を安定稼働させるためには大量の薬剤を投入することになり、ランニングコストが増大していることも聞いてきました。今後同様のトラブルを避けるためには、カロリーの高くなる原因であるプラスチックを可燃ごみから除き、リサイクルに回すことが課題だと聞きました。  まして世田谷区は高島市の約四倍の大規模なガス化溶融炉を導入したのです。この点からも、世田谷区では廃プラスチックの資源化を進めるべきです。改めて区の考えを聞きます。  最後に、子育て支援について質問します。  世田谷区は、今までも多様な在宅子育て支援や保育施設整備の充実に取り組んでいますが、今はまだ道半ばです。こうしたさなかに、受益者負担の見直しという考え方で、施設使用料の見直しとともに保育料の見直しが出されました。これまでも生活者ネットワークは、子育ては社会の仕事と訴え、さまざまな子育て支援策を求めてきました。そもそも保育サービスを受ける保護者や子どもたちが受益者という考え方に立つこと自体、大いに疑問です。  区長は、東京一子育てしやすい町と、子育て支援策を政策の柱に据えているにもかかわらず、今回の保育料の見直し、実質値上げは、政策に一貫性を感じられません。子育て支援についての区長のお考えをお聞かせください。  また、子育てしやすい町であればこそ、小児救急医療についても早急に、三百六十五日二十四時間の体制を整備すべきと考えます。八月の会派視察で訪れた滋賀県草津市では、平成十八年度から開設した小児救急医療センターがあるため、市民意識調査で安心して子育てができるとの回答が出ていました。子どもの病気は油断がならず、あっという間に重篤化することが少なくありません。また、ふだんから見ている保護者だからこそ、苦しむ我が子の姿に動転してしまい、冷静な判断ができないことも多々あります。少子化が進む中、同年齢の子どもを持つ保護者のつながりも少なく、ましてや子育て経験のある保護者との交流も難しい現代社会の中で、現状の子育ては不安だらけでしょう。子どものぐあいが悪くなったとき、医療の的確な助言がもらえ、必要があればすぐに駆け込める医療機関が身近にあることは大きな安心感を生み出します。  今、区内には三カ所の初期救急診療所があり、準夜帯の対応はありますが、そこを三百六十五日二十四時間の体制に拡充すること、そして総合支所ごとに一カ所との考えで、あと二カ所の整備を進めること、いずれも一日も早く実現すべきです。今後の小児救急についての区の考えを聞きます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの生活者ネットワーク、吉田議員の代表質問にお答え申し上げます。  来年度の予算編成についてのお尋ねでございます。  平成二十年度の予算編成では、区政の諸課題への取り組みをより一層強化していくために効率的な財源配分を必要だとし、財政の健全化に努めてまいる所存でございます。中でも、各部領域を越えた、全庁で重点的に取り組んでいかなくてはならない、お話にございました緑化、みどり率の三三%の問題、また、高齢者施策、介護施策などの充実を、世田谷型福祉としてのまちづくりを進めてまいるために、庁内にその指示をいたしているところでございます。  その他につきましては、所管からご答弁いたします。  以上です。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 高齢者の在宅生活への支援に係ります基本理念に関しましてお尋ねがございました。  世田谷区は、住みなれた地域で、いつまでも安心して住み続けられる地域社会の実現を目指しまして、高齢者の尊厳の保持と自立への支援を基本理念といたしまして、在宅生活を支援するさまざまな施策を展開しているところであります。  基本理念の具体化に当たりましては、この間、介護保険制度に限りませず、予防重視の施策展開、生活の質の向上につながる介護サービスの確保、高齢者の社会参加と区民の支えあい活動への支援などを基本にいたしまして、議員のお話にございましたようなさまざまな施策に取り組んでおりまして、今後ともこの姿勢は堅持してまいります。    〔森下副区長登壇〕 ◎森下 副区長 景観行政団体になるに当たっての区の取り組みにつきましてご答弁申し上げます。  区におきましては、平成十一年に世田谷区風景づくり条例を制定し、地域風景資産の選定や界わい宣言など、区民とともに風景づくりを進め、また、国分寺崖線周辺を水と緑の風景軸として指定するなど、先進的に風景づくりを行ってまいりました。  平成十六年には景観法が施行され、区が独自に取り組んでまいりました景観に関する取り組みが、法に基づく施策として運用することが可能となりました。現在、景観行政団体となるための東京都の同意を得て、現行の風景づくり計画を法定計画とするための改定作業を進めているところでございます。  今後、区民や事業者の意見をよくお伺いし、地域の特性に合わせた良好な景観形成を図る方針を定めてまいります。また、風景づくり計画の運用に当たりましても、風景づくりの専門家を導入することなどの工夫を取り入れ、より的確な技術指導に努めてまいります。  区といたしましては、景観行政団体になることを契機に、より一層、区民の皆様と連携した風景づくりを進めてまいります。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 教育ビジョンの第二期行動計画について二点ご質問をいただきましたので、お答え申し上げます。  まず第一期の成果、課題、学校の声を第二期にどのように反映していくのかというお尋ねでございます。  区教育委員会では、平成十七年度から今年度まで教育ビジョン第一期行動計画を推進しており、地域運営学校の指定や、新しい教科「日本語」の開始、また、学校外部評価システムの構築、学校経営塾の創設など、全国的にも先進的な取り組みを進めてまいりました。  この間、学校長を初めとする教職員や、区立小学校、中学校のPTA連合協議会、また、学校協議会などからもご意見をいただきながら進めてまいりました。さらに、教育委員会幹部が学校に出向き、保護者の方々と直接意見交換を行う出前懇談会も全校で実施するなど、教育ビジョンの施策についてご意見をいただいてきたところでございます。  第二期行動計画の策定に当たりましては、校長会に参画いただくとともに、区立小学校、中学校のPTA連合協議会などからも既に幾つかご意見をいただいておりますが、今後も意見交換の機会を設けるなど、議会はもとより、多くのご意見をいただきたいと考えているところでございます。  今後ともさまざまな機会を活用し、学校、保護者、地域の方々の声を聞きながら、この三年間の成果を踏まえ第二期行動計画の策定を進め、教育ビジョンが目指す子ども像の実現に向け、質の高い世田谷区の教育を推進してまいります。  次に、地域運営学校の今後の展望についてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  区教育委員会は、地域とともに子どもを育てる教育を第一の施策として推進しており、その一環として地域運営学校を指定し、保護者や地域の方々が権限と責任とを持って学校運営に参画していただく学校づくりを進めてまいりました。  地域運営学校は、平成十七年度に五校指定いたしましたが、保護者、地域の方々のご意見が学校運営に多く取り入れられるようになった、学校の教職員と地域との結びつきが強まったなどの効果が見られたことから、平成十九年度に新たに十二校指定し、合計十七校としたところでございます。  今後も指定校での取り組みや現行の仕組み等の検証、見直しを行いながら、段階的に拡充していきたいと考えております。また、拡充に当たっては、学校と地域の希望を第一に、学校と地域の状況なども丁寧に見ながら指定してまいります。  また、九年間を見通した、世田谷らしい質の高い学校教育の推進に当たりましても、地域運営学校の特質が生かせるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎石濱 政策経営部長 財政健全化法に関してのご質問がございました。  地方公共団体の財政の健全化に関する法律におきましては、平成二十年度決算より、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率のこの四つの健全化判断指標を、監査委員の審査に付した上で、議会に報告し公表しなければならないとされております。  法の趣旨といたしましては、各地方公共団体の財政の健全性に関する指標を公表する制度を設けるとともに、健全化指標の比率に応じまして、地方公共団体みずからが自主的かつ計画的に財政健全化の措置を講じ、財政再建団体に陥ることなく、早期に是正を図ることを目的としております。  本区におきましては、これまでも企業会計手法などを用いながら、わかりやすい財政状況の公表に努めてまいりましたが、引き続き法の趣旨を踏まえ、健全財政の堅持はもちろんのこと、よりわかりやすい財政状況の公表を図ってまいります。  以上でございます。 ◎秋山 保健福祉部長 高齢者在宅生活への支援について、在宅医療をどのように進めていくかということについてのご質問をいただきました。  医療や介護が必要になっても、住みなれた地域で安心して在宅生活を続けるためには、三百六十五日二十四時間の在宅医療の体制が不可欠です。在宅療養支援診療所は、こうした体制にこたえる制度と認識をいたしております。しかし、在宅療養支援診療所の実情といたしましては、夜間の対応が必要であることなどから、診療所によりましては、多くの方を受け入れるのは困難であると聞いております。  こうした状況から、区では、区内の医師会などと医療連携推進協議会を立ち上げ、対応を検討いたしております。協議会では、在宅医療を担う診療所や病院と、二十四時間対応の訪問看護や訪問介護との連携を図ることの必要性が言われております。  こうした検討を踏まえ、看護や介護を担う人材の確保、育成や、福祉と医療の情報共有のあり方など、医療と介護が連携して提供される在宅療養支援体制の整備を進めてまいります。  人材不足で、国へ要望書を出すべきとのご質問をいただきました。  介護サービスの需要は、高齢者人口の増加等によりふえております。一方、最近の景気回復を受けて、他の産業に介護労働力が流れるとともに離職率も高くなっており、人材不足が生じているとの指摘もあります。  こうした中、この四月に立ち上げた福祉人材育成研修センターでは、未就労の有資格者も多くいる現状を踏まえ、有資格者の掘り起こしや、団塊世代など新たな福祉の担い手となる人材の発見とともに、人材確保、育成に努めております。区長会や東京都は、既に介護報酬の大都市加算の引き上げについて、国に要望書を提出しておりますので、その動向を見守ってまいりたいと思います。  小児救急医療についてでございます。
     急病や事故に遭った場合に適切な医療が受けられるよう、救急医療体制は、入院を必要としない軽症の患者に対する初期救急、入院を要する二次救急、生命危機を伴う重篤患者に対する三次救急に分類されています。区では初期救急を担っており、子ども初期救急診療所など三カ所の固定施設で準夜帯までの診療を、さらに休日の昼間は輪番も含めて十一カ所の医療機関で診療を行っています。二次救急、三次救急については東京都が担当し、三百六十五日二十四時間の体制で小児科診療を行う救急病院を確保しています。区内には成育医療センターがあるほか、周辺区にも救急病院がございます。  区といたしましては、今後も初期救急医療体制の整備の検討も含め適切な運営に努めるとともに、二次救急や三次救急の施設に軽症の患者が集中して救急医療に支障が生じることのないよう、保護者等に対し救急医療の仕組みを周知し、啓発に努めてまいります。  以上でございます。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 廃プラスチックの資源化についてのお尋ねにお答え申し上げます。  プラスチックの取り扱いにつきましては、まず発生抑制を進め、可能な限り再使用、再生利用を図った上で、なお残るものについて熱回収をするという区の方針にはいささかも変更はございません。プラスチックのリサイクルに不可欠である資源化ルートの確保につきましては、ペットボトル及び白色発泡トレイについて処理施設が確保できたことから、本年四月からリサイクルの拡充を図っているところでございますが、これ以外の品目については、現時点では資源化ルートの確保が依然困難な状況にございます。  区といたしましては、レジ袋の削減などの発生抑制に向けた行動の促進を図り、ペットボトルや白色発泡トレイのリサイクルへの取り組みを進め、さらなる減量や資源化ルートの確保に向け、引き続き努力してまいります。  以上でございます。 ◎藤野 子ども部長 子育て支援についてご答弁申し上げます。  区はこの間、増大し多様化する保育需要に応じ、認可保育園、認証保育所、病児・病後児保育施設の整備を行いますとともに、在宅子育て支援を見据えた子育てステーションの整備を図るなど、保育基盤の整備に全力で取り組んでまいりました。  今後も世田谷で安心して子育てができるよう、在宅での子育て支援も含め、さまざまな子育てニーズに対応していく必要があり、そのためには多くの経費を要するものと想定してございます。  したがいまして、税による負担と利用者による負担の適切なバランスを確保し、区民間の公平な負担を実現するために、保育料を見直す必要があると考えております。東京一子育てがしやすい町の実現に向けまして、着実に施策を進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十四番(吉田恵子 議員) 区長に二点伺います。  子育てしやすい町を実感できるように、ここで保育料を据え置くことが、区民へ明確なアピールになると思います。  また、ガス化溶融炉を踏まえたお答えがない。プラスチックの焼却が難しいというこの欠点を抱えたガス化溶融炉について、今、区長の政策手腕が求められていると思います。いかがでしょう。    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 保育料の値上げについての再質問でございますけれども、申し上げるまでもなく、税による負担と利用者による負担の適切なバランスというものが、行政にとっては必要であろうかという観点に立って、今回の保育料の見直しを行ったところでございまして、先ほども答弁がありましたとおりでございますので、その点でご理解いただきたいと思います。  以上です。リサイクルの話は、所管より述べさせます。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 プラスチックにつきましては、発生抑制、再使用、再生利用をした上で、なお残るものにつきまして熱回収を行うという、こういう基本的な区の考え方に基づきまして、事務方として最大限努力をし、資源化の道を確保していきたい。その道を開くために一歩ずつ努力していきたいというふうに考えるところでございます。  以上でございます。 ◆三十四番(吉田恵子 議員) あとは決算特別委員会の場に移して質問してまいります。ありがとうございました。 ○大場やすのぶ 議長 以上で吉田恵子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 次に、せたがや政策会議を代表して、一番大庭正明議員。    〔一番大庭正明議員登壇〕(拍手) ◆一番(大庭正明 議員) 本日最後となりましたが、せたがや政策会議を代表いたしまして質問いたします。  首都直下型地震と災害対策本部機能について伺います。  首都直下型地震については、既に三年前の代表質問で取り上げましたが、あの後、すぐに新潟県中越地震が起きまして、さらにいろいろなことがわかってまいりました。三年前の代表質問では、主に減災という考え方から質問と提言をしました。今回は、首都直下型地震が起きたその直後の区役所の初動態勢の準備はどうなっているか、そういう観点から質問します。  さて、私たちは地震というものについて、いま一度認識を新たにしなければならないと思います。大地震というのはドーンと一度だけではないということです。このことは三年前の新潟県中越地震の記録を検討してみますとよくわかります。  新潟県中越地震というのは、二〇〇四年十月二十三日土曜日の午後五時五十六分に発生したのですが、私もあの日のことは覚えております。夕飯前で、ちょうど六時から始まるテレビでも見ようとしていたときでした。東京でもかなり強い揺れだったように覚えております。このときの揺れが現地でマグニチュード六・八、震度七、これが最初の新潟県中越地震の始まりだったのです。  私たちの記憶では、この最初の揺れが新潟県中越地震だという印象が強いのですが、その後の報道で余震の怖さというものを改めて知らされました。避難所から慌てて逃げ出すシーンや、脱線した新幹線を直すところでぐらっときて、一斉に車両から離れるシーン。とりわけ忘れられないのは、地震によるがけ崩れでお母さんの運転する車が巻き込まれ、四日後に救出されたあの二歳の男の子の奇跡のシーンです。そこにおいても余震による落石を警戒する場面が全国中継されました。多くの国民が歯がゆい思いで見ていたことはまだ記憶に新しいことだと思います。このように地震には大きな余震が何回も伴うということをはっきり示したのが、三年前の新潟県中越地震です。  実はこの点が阪神・淡路大震災と大きく異なる点であります。阪神・淡路大震災では、本震の後に余震は極めて少なく、最大余震は一度しかありませんでした。それも震度四でした。このことが、その後の地震対策において、地震はドーンと一回来るものだと、知らない間に私たちの頭の中にすり込まれていたのではないでしょうか。  ちなみに、新潟県中越地震の記録によれば、夕方五時五十六分に震度七、これが最初で、そしてそのわずか三分後に震度五強の余震が襲います。さらに四分後に震度五強、続けて四分後に震度五強、そしてそのまた四分後に、今度は震度六強です。少し間を置いて二十三分後に同じく震度六強、二分後に震度五弱、さらに二十一分後に震度五弱の余震が次々と襲い続けたのです。まとめますと、最初の震度七が発生してからわずか一時間一分の間に、震度五弱が二回、震度五強が三回、震度六強が二回襲っているのです。  以上のようなことが、三年前の代表質問の後にわかったことであります。今回の質問では、このような新たな認識のもとに、想定される直下型地震が起きた際に、世田谷区の災害対策との中枢となる災害対策本部がその機能を十分果たせるのか、質問してまいりたいと思います。  申し上げるまでもなく、いざ事が起これば、世田谷区民八十四万人の安全にかかわる司令塔とも言うべき災害対策本部は第一庁舎の五階に直ちに設けられます。確かにここ何年間かかけて耐震補強工事がなされ、それなりに耐震性能は維持しております。しかし、それは倒壊をしないという程度ではないのでしょうか。その後に襲う余震の連続パンチをどこまで想定しているのでしょうか。  一方で、精神的な恐怖心というものも、実際、地震後には襲いかかることも忘れてはなりません。新潟県中越地震においても、また、ことしの七月十六日に起きた新潟県中越沖地震においても、倒壊を免れた家であっても、余震が怖くて中に入れないという被災者を数多く、報道等を通して目にしております。ここでは家は倒壊していないのです。ちゃんとあるにもかかわらず、入ることが怖くてできません。  体験した人の話では、一回目の大揺れがおさまってきたので、安心して家の中に入ろうとしたら、また大揺れしたので驚いた。さらに続いて三度目の大揺れがあった。今度は足がすくんで動けなかったという証言があります。余震が怖くて台所に入れないというのは、多くの主婦の声であります。  また、恐怖心ということについて申し上げておきますと、地震発生時に地元にいて地震を体験した人は、その後、しばらく自宅にすら入れなかったそうであります。しかし、たまたま旅行に出かけていた人は、帰宅後、すんなりと自宅に入ることができたということであります。このことは、地震の本当の怖さは揺れを直接体験した人でなければわからない。つまり体験する前と後では体の反応が変わるということであります。  さらに、新潟県中越地震を体験された人の話では、いわゆるPTSD、心的外傷後ストレス障害というのでしょうか、音に対して異常に敏感になる方がいます。次の発言は、あながち特殊な例ではないと思われます。地震後にはレストランに行く気がしません、あの調理の音や食器のガチャガチャ言う音には耐えられませんから。乾杯と、コップをカチンと合わせて出す音を聞くとぞっとします。まさに地震の被害の大きさや恐怖心の極限をうかがわせる言葉だと思います。  そこで、ここまでるる、阪神・淡路大震災に比べて、その後の新潟県中越地震の例を見ますと、どうも地震というものの認識を新たにしたほうがいいということを述べてきたのですが、そこで最初にお聞きしたいのは、第一庁舎の五階に災害対策本部を設けることは安心安全と言えるかということであります。建物がそこに倒壊しないであるということと、その中で、続く余震に耐えて、災害対策の職務に当たることは別だと思うのですが、大丈夫なのでしょうか。  ちなみに、何度も引き合いに出しますが、三年前の新潟県中越地震におきまして、震度五弱以上の余震は発生後十五日間にわたって続いております。  次に、非常用電源、第一庁舎が地震において停電したときの対応について伺います。  地震となれば停電は想定しなければならない、まず第一のことだと考えます。中央防災会議では停電の復旧については一週間ということを言っておりますが、これは恐らく最後の一軒ということであり、過去の例から考えますと、阪神・淡路大震災においても、ほぼ一日で大部分の地域は復旧しているようであります。東京電力も第一庁舎については、停電が起こっても数時間以内の復旧の確保を伝えているようであります。しかしながら、中央防災会議では、来るべき首都直下型地震については、被災地域の規模、被災人口の多さ、複雑化した都市構造等々から、これまでの経験値をはるかに超えた、質の違った対策を考えなければ対応できないとも発表しております。  そこで、当然のことですが、災害発生時の停電に備えて非常用電源が重要な役割を担ってくると思われます。電気がなければ何も仕事ができません。そこで、世田谷区の災害対策本部の自家発電装置はどのようになっているでしょうか。世田谷区の災害対策本部となる第一庁舎と第二庁舎に直下型地震等を想定した災害対策用の自家発電装置はあるのでしょうかということです。  実は第一庁舎には二つの自家発電装置があります。一つは屋上に、もう一つは地下にです。屋上に設置してあるのは、区内で夕方五時になると放送される、あの防災無線用の非常用電源、バッテリーであり、地震で停電すると自動的に電源が切りかわるシステムとなっております。その意味では災害対策用なのですが、この電源は、ほぼ防災無線回り専用の電源で、それ以外に転用できる電源ではありません。  もう一つは地下にあるのですが、これは第一庁舎の停電時用の電源であります。最初は、これが災害時の非常用電源かなと思っていたんですが、どうも話がしっくりいかない。そこでいろいろ聞いてみると、これは平常時に停電だけ起きたときの非常用電源だというのです。つまり、地震とは関係なく、東京電力の事故による停電に対するものなのです。  したがって、この地下にある自家発電装置は、地震が起きても自動的には切りかわりません。あくまでも手動で、係員がそれ相当の手順を踏まなくては発電しません。第一庁舎の地下にある非常用電源、本来は災害ということではなく、いわゆる不意の停電に備えて、あくまでも日常業務中に、ほとんど来庁者に迷惑をかけてはいけないという目的で設置されてある非常用電源、これがどれくらい地震発生時に役に立つのでしょうか。  先ほど申し上げました屋上の自家発電装置は、これは防災無線とそれに関連する機器に限定された電源ですが、屋上から地震でその装置が吹っ飛ばない限り、七十六時間もつことになっております。無論防災無線だけ使えれば、災害対策本部の仕事が進むわけではありません。  先ほどの質問を繰り返しますが、現在ある平常時用の自家発電装置、地下にあるやつが被災後うまく動くとして、どのくらい時間がもつのかということです。このもつというのは、いわゆる災害対策本部として直ちにさまざまな仕事に取りかからなくてはならないわけです。そのときに電気がなくては仕事が進みません。その意味でどれほどもつのかという質問です。  このことは、直下型地震が発生したときに一番に手を差し伸べなければならない方々、いわゆる災害弱者を救うことができるかどうかにもかかわってくる問題です。ひとり暮らしの高齢者、寝たきりの高齢者、認知症高齢者、さらに視覚、聴覚、言語等に障害のある方々、また、内部障害、肢体不自由、知的障害、精神障害等々の方々、そのほかにも、妊婦、授乳婦、乳幼児、そして日本語にふなれな外国人と、まさに地震発生と同時に危険な状態に置かれる人々がいるわけです。これらの方々は、地震発生時に自分一人では立ち向かえない人々であります。幾ら自助、共助、公助といっても、最初の自助のところで大きなハンディーを抱えているのです。  この方々に一番の責任を負っているのが、そして一刻も早く対応しなければならないのが、世田谷区の保健福祉領域の各部であります。まさに世田谷の福祉のコアの部分であります。  そこで、この首都直下型地震の直後に、保健福祉各部では災害対策本部としてどんな仕事に着手するのか、ぜひ伺いたいと思います。そして、その仕事において電気がなくてやれるのか、実際の災害対策部の仕事として、保健福祉部の初動態勢で、電気がストップしたら仕事は続けられるか、お聞きします。常識的に考えれば、パソコンやプリンター、コピー機はフル稼働しなければ仕事にならないのではないかと考えられます。  先ほどから申し上げているとおり、第一庁舎の地下にある自家発電装置はさまざまな問題があります。出力は言うに及ばず、稼働時間において重大な問題があります。それでも何とかする方法はないのか、考えられることを申し上げます。  それは、出力の問題は解決できませんが、稼働時間は燃料タンクを増設することで何とかなるのではないかということであります。そもそも問題の第一庁舎の自家発電装置の燃料タンクは九百五十リットルしかありません。九百五十リットルというのがどれほどの量なのでしょうか。例えば新宿区役所にある自家発電装置の燃料タンクは一万五千九百五十リットルあります。また、墨田区は二万リットルであります。港区では四万リットルのタンクを備えています。第一庁舎は、たったと言ったらいいのでしょうか、九百五十リットルであります。比べものにならないと思うわけです。  そこで、改めて伺いたいのですが、まず他の自治体の自家発電装置の容量はどうなっているか、いま一度確認したいと思います。それから、果たして第一庁舎の地下において燃料タンクの増設、または自家発電装置の新たな設置はできないものなのか。打開策はそれしかないと思うんですが、お答えください。  この項目の最後になりますが、災害対策本部が無事に第一庁舎に置かれ、仮に電気等の面で順調に機能したとしても、それでもなお、まだ大きな問題が残されております。それは災害対策本部の職員のための食料備蓄がなされていないということであります。数百人規模の三日分の水や食料、どこにあるんでしょうか。  さらに宿泊環境、つまり寝泊まりの場所が想定されていないということでもあります。もちろん被災者の過酷な状況を考えれば、雨風のしのげる場所で寝られればいいのかもしれませんが、水や食料ほか生活用品の備蓄がないというのでは、どうやって働けということなのでしょうか。当然第一庁舎前のセブンイレブンも物資の供給が途絶えているだろうし、出前も弁当もとることは何日間はできないのは当然です。これは大きな問題だと思われます。参集した災害対策本部職員が非常時に働ける環境は、果たして確保されていると言えるのか、お聞きします。  次に、良好な住宅環境について伺います。  区長の招集あいさつでも、区制百周年にはみどり率三三%を目指すということですが、一方で、世田谷区にあっては、ちょうどそのころに人口がピークに達するという予測数値もあるわけです。  さきの質問と重なるわけですが、区制百周年のころには首都直下型地震は起きているのでしょうか。それとも、いよいよ緊張のときを迎えているのでしょうか。良好な住宅環境に緑は不可欠ですし、また、区長自身が特に意を注いでいる都市農地の保全ですが、残された緑の資産であるということは、全区民の認識で今やなっていると思います。  ことし七月の新潟県中越沖地震においても、被災住宅の周りにあれだけの土地があることで、その後の展開が図られておりますが、ぎっしり詰まった東京では、被災した家庭から出るごみにしろ、また、震災後の一番重要なトイレの問題等、とにかくあいていている土地がないことには復興すらできない状況であります。さらには仮設住宅の問題もあろうかと思います。  そこで、良好な住宅環境にとっては緑も含めた公有地の確保ということが、より東京では重要な課題となってくるだろうと思います。  一方で、これまでの国の補助金に依存したやり方では、国の実際の借金が八百三十六兆円にもなるという状況からすれば、新たな土地取得の手法、もっと言えば、世田谷独自の資金調達の手法を考えなければならないと思いますが、見解を伺います。  以上でせたがや政策会議の壇上からの代表質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの政策会議、大庭議員の質問にお答えいたします。  いろいろと造詣深いお話を伺わせていただきまして、まさに身の締まる思いをいたしました。そうした災害が起きた節には、私は世田谷区の最高責任者として、また、災害対策本部長として、八十四万区民の先頭に立ってあらゆる政策に取り組んでいかなくてはならないという決意は持っております。  そのためには、やはり予防型の行政、ソフト面、ハード面、ご指摘いただきましたそれぞれにつきまして再度精査をいたしまして、対応できるべく、全庁挙げての取り組みをしてまいる所存でございますので、ひとつ今後ともお気づきの点がございました節には、またご指導いただければと思っております。  そのほかにつきましては、所管から答弁させていただきます。  以上です。    〔平谷副区長登壇〕 ◎平谷 副区長 緑等保全のための新たな資金調達の研究が必要ではないか、こういうご指摘をいただきました。  みどり率三三%の達成に向けましては、公共施設の屋上緑化、農地の保全等、多様な手法の組み合わせが必要となってまいりますが、当然緑地の取得も一定程度必要となりますことから、世田谷区の土地の値段、地価から考えますと、財政負担は相当なものになってくると見込まれるところでございます。  例えば緑地の取得の際には、基本的には、お話にもございましたように、国庫補助等の特定財源と特別区債を活用することを基本に進めていくこととなりますが、国の厳しい財政状況等にかんがみまして、今後、国庫補助の削減等も想定しておかなければなりません。また、資金調達の主要な手段であります起債につきましては、毎年、総務省が定めております地方債計画による制約がありまして、ここ数年、発行額が抑制されている状況にございます。  したがいまして、ご指摘にもございました世田谷独自の資金調達の方法ということに相なりますが、例えば証券化による資金調達など、新たな手法を研究していく必要があると考えております。 ◎萩原 危機管理室長 予測される首都直下地震の発生の際の災害対策本部の機能につきまして、庁舎に関連してご質問をちょうだいいたしました。私からは五点お答え申し上げます。  初めに、第一庁舎、第二庁舎に直下型地震等を想定した災害対策用の自家発電装置はあるかとのお尋ねでございます。  万一、平常時に外部からの区役所への電力の供給が停止し、庁内に停電が起きた際には、区では区民への証明書発行等の基幹業務の継続を図るために、第一庁舎、第二庁舎、いずれにも自家用発電設備を設置し、電源のバックアップ体制を整えております。なお、これらは特に災害対策用として設置したものではございません。  次に、現在ある平常時用の自家発電装置が災害時に動くとして、どのくらいの時間もつのかというお尋ねでございます。  第一庁舎につきましては、仮に夏場に空調等を稼働させ、各フロアに通常と同じ電力を供給できたと想定した場合では、三時間弱程度しか電力供給ができない状況でございます。区長室や災害対策本部がある三階と五階のフロアに集中して電力を供給した場合では、七時間程度の供給が可能でございます。第二庁舎についても同程度と予測しております。  なお、実際の災害発生時には、災害対策本部では多くのパソコン、プリンター、通信機器等の電気機器を使用して業務を行うことを前提としております。このような観点から言えば、先ほど申し上げた非常用の自家発電設備による電力供給量では、災害対策本部としての機能が大きく制約されることは予測されます。  続きまして、他の自治体の自家発電装置の容量はどのようになっているのかとのお尋ねでございます。  自家発電設備の能力の比較は、発電機容量、いわゆる出力がどれほどであるかによって異なってまいりますが、ご質問の発電機を稼働させるための灯油、軽油、重油といった燃料タンクの容量における比較では、本区の第一庁舎がご指摘のように九百五十リットル、第二庁舎が四百九十リットルでございます。他区の例では、議員ご指摘のとおり、例えば新宿が一万五千九百五十リットル、港区が四万リットル、また、目黒区は一万六千リットルと聞いております。  なお、平成二十一年三月末に完成予定の砧総合支所新庁舎に関しましては、一万リットル容量の燃料タンクを設置する予定になっております。  続きまして、燃料タンクの増設や自家発電装置の新設はできないのかということでございます。災害時において必要と考えられる自家発電能力を備える場合、砧総合支所新庁舎の燃料タンクは、ただいま申し上げましたように一万リットルでございますので、災害対策本部機能が集中する本庁舎におきましては、その数倍規模の燃料タンクが必要であることが想定されます。その場合、燃料の重さだけで数トンの荷重が新たに庁舎にかかることになります。さらに燃料を入れるタンクや発電機等を設置するためには相当のスペースが必要となることから、現状では困難と言わざるを得ません。  もともと現在設置している自家用発電設備も狭隘なスペースに設置したものでございますが、さらに新たな設備を設置する場合、消防法に基づき設置の許可を担当する消防機関としても、例えば老朽化した本建物の地下に現在の数倍の大きな燃料タンクを設けることについては、認めることは困難だと思われます。  さらに、参集した災対本部職員が非常時に働ける環境は確保されているのかとのお尋ねがございました。  職員に対しまして、非常時においても最低限の作業環境を確保することは、士気を維持しながら効果的な災害対策本部機能を保つため重要なことと認識しております。災害時の職員用非常用食料の備蓄や、職員が交代して休養や仮眠をする場の確保、その他、災害復旧業務を効果的に進めるための諸条件を整備することは、現庁舎においては難しい面がございます。  いずれにしましても、これらの課題につきましては、関係所管で積極的に解決に努めてまいります。  以上でございます。 ◎秋山 保健福祉部長 災害時、保健福祉部の初動態勢で電気がストップしたらばというご質問をいただきました。  発災直後に世田谷区災害対策本部が設置されると同時に、保健福祉部は非常配備体制として災対保健福祉部に移行いたします。そこでは、直ちに福祉施設の被災状況の把握や災害要援護者の安否確認の情報収集等に全力を注ぐことになります。安否確認は、まさに一刻を争って取り組む必要があります。この初動段階で、仮に停電によりパソコンやプリンター、コピー機、ファクスなど通信連絡機器が使用できない場合を想定しますと、災害要援護者情報の集約や二次避難所開設調整などの業務をすべて手作業で行うことになり、支障が生ずると思われます。また、電気の使用できるフロアや施設に移動して作業をすることも考えられますが、やはり効率は低下し、作業のおくれは避けられないというふうに思います。  安心して地域で住み続けられる世田谷の福祉の実現のためには、災害時にも介護や福祉サービス等を必要とする要援護者を支援し、継続してサービス等を提供できることが必要でございます。今後、保健福祉部としても、一層災害対策の検討を深めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎阿部 財務部長 第一庁舎の五階に災害対策本部を設けることは安全安心と言えるかということについてお答えいたします。  第一庁舎の建物については、大規模な地震が発生しても大きな損傷を受けないよう、耐震補強工事を行ったところです。しかしながら、ご指摘の平成十六年の新潟県中越地震のように、本震の直後、一時間内に震度五弱から震度六強の余震が立て続けに起きた場合は、災害対策本部としての機能に支障を来すことも考えられ、その場合は災害対策本部を第三庁舎のブライトホールに置くことを想定しております。  なお、砧総合支所改築後は、災害対策本部機能も十分確保し得る建物となっております。  以上です。 ◆一番(大庭正明 議員) 今の答弁を聞く限りにおいては、これは支障が起きるという表現で、非常に穏やかな表現ですけれども、述べている内容というのはショッキングな内容なわけです。これは災害対策本部の機能が要するに制約されると。制約されるという表現でしたけれども、要するに機能しないということなんですよ。  今回の質問に当たりましても、秋山部長とかほかの部長のところにも、こういう場合はどうするのか、電気が制限される場合がありますよ、停電で三時間半ぐらいしかもたないんですよ、それ以上の停電が続くと電気が来なくなりますよみたいな形で質問の通告をしたら、やはり驚いていたんですね。そういうことは考えてもいなかったと。
     これは世田谷区の災害対策上の最大の欠点なわけですよ。それで今、じゃ、タンクを増設したらどうかと言ったら、あの建物では、この建物もそうですけれども、これは四百九十リットルしかないですから、第一庁舎は九百五十リットルの建物で、何万リットル、よその区では何万リットル、今度の砧では一万リットルですけれども、設けられないというんですよ。  それほどの状況の中で、これは、我々は直下型地震に対して基本中の基本の、最初のスタートの段階で、少なくとも二十三区の中ではおくれをとるわけですよ。手作業でやることに対し支障が起きると言ったけれども、福祉なんかは手作業できませんよ、私がいろいろリサーチした段階では。区長もやっぱりこれは初めて聞かれて、とほほという感じだと思うんですよ。もう頑張ると言うしかないだろうと。私、今回いろいろ調査してみて、これはゆゆしき問題であって。  それで一点だけ、備蓄についてはないんですよね、後で答えてくださいね。食料用の備蓄はゼロなんですよ、これも驚きですよ。それは支援物資は一週間ぐらいすれば世界じゅうから来るかもしれないですけれども、発災直後の一日、二日、三日というのはほとんど孤立状態なんですよ。その中で水も食料もなく、職員が非常態勢で働くというのも、これも驚きの話であって、これはとんでもない話なんですね。一刻も早く、これはとりあえずブライトホールと言いましたけれども、ブライトホールはもっと電源がないんですよ。出力の弱いものしかなくて、もたないんですね。  ですから、これは今、実は危機管理室と十時間、二十時間近い議論を重ねた中で、どこまで明らかにできるかということは、かなりけんけんがくがくというか、議論をした中で、けんかみたいに、けんか腰で、この際、もう出すべきだと。そうしなければ、世田谷の安全は保てないということで。  今回の地震については、三十年以内に七〇%の確率ですけれども、十年以内には三〇%の確率で起きるということになっております。改めてこの認識を新たにしていただきたいということを申し上げて、最後の食料備蓄については、ないとちゃんと言ってくださいね。  以上で私の質問を終わります。 ◎萩原 危機管理室長 備蓄につきましては現在ございません。協力団体等外部からの調達を予定しているところでございます。  以上でございます。 ○大場やすのぶ 議長 以上で大庭正明議員の質問は終わりました。  これで本日の代表質問は終了いたします。     ──────────────────── ○大場やすのぶ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十九日は午前十時から本会議を開催いたしますので、ご参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十分散会...