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平成19年  3月 予算特別委員会-03月14日-03号

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  1. 世田谷区議会 2007-03-14
    平成19年  3月 予算特別委員会-03月14日-03号


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    平成19年  3月 予算特別委員会-03月14日-03号平成19年 3月 予算特別委員会 平成十九年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第三号 日 時  平成十九年三月十四日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十八名) 委員長  畠山晋一 副委員長 佐藤弘人 副委員長 吉田恵子      赤沢雅彦      石塚一信      五十畑孝司      大場康宣      上島よしもり      川上和彦      小畑敏雄      宍戸教男      下山芳男      新川勝二      鈴木昌二
         新田勝己      原田正幸      平山八郎      山内 彰      飯塚和道      板井 斎      市川康憲      岩本澈昌      栗林のり子      高橋昭彦      谷 逸子      長谷川義樹      増田信之      諸星養一      あべ力也      稲垣まさよし      桜井純子      桜井征夫      すがややすこ      竹村津絵      西崎光子      羽田圭二      山木きょう子      大庭正明      小泉たま子      田中優子      富永早苗      岸 武志      里吉ゆみ      中里光夫      下条忠雄      木下泰之      上川あや      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 渡部弘行  出席説明員   助役            平谷憲明   収入役           根岸道孝   政策経営部  部長     石濱信一          政策企画課長 金澤博志          副参事    加藤政信          行政経営担当課長                 岡田 篤          財政課長   宮崎健二          広報広聴課長 本橋安行   地域情報政策担当部          部長     梅村恒司          情報政策課長 栗原康夫          地域行政担当課長                 中田敬   研修調査室  室長     柳澤正孝          次長     平井信和   総務部    部長     齋藤泰蔵          総務課長   河上二郎          事務監察担当課長                 西澤 滋          区政情報課長 松田隆夫          人事課長   八谷直治          職員厚生課長 霜越 收   危機管理室  室長     室星計策          災害対策課長 萩原賢一          危機管理担当課長                 黒田 浄   財務部    部長     阿部 修          経理課長   宮内孝男          施設営繕課長 窪松泰幸          課税課長   杉野憲三          納税課長   工藤法夫   収入役室   副収入役   野田博二   選挙管理委員会事務局          局長     宮﨑俊和   監査事務局  局長     須田成子          次長     岡野ごんべんに念)男     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成十九年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成十九年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成十九年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第四号 平成十九年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成十九年度世田谷区中学校給食費会計予算企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○畠山晋一 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆増田信之 委員 おはようございます。それでは、公明党の質問を始めさせていただきます。  まず初めに、昨日も他会派からも話がありましたが、今回の十九年度予算は、熊本区政にとって、今期最後の予算組みとなるわけでございます。そういう見方でこの予算書並びに説明書別冊等を見せていただきました。  三ページに、十九年度当初予算における重点分野で1から8まで書かれているわけでございますけれども、これは恐らく1から8までが、今回取り組むべき、力を入れるプライオリティーだろうと思います。  そういう意味で、1に安全・安心施策の充実を入れているのは、熊本区長が、前回の選挙のときに安全安心のまちづくりをうたって当選してきて、この四年間取り組み、さらに継続して次期を目指すという、十九年度予算のあらわれだろうと。また、二番目に子育て支援、三番目に環境問題、四番目に元気高齢者対策、こうした考え方は、我が党が取り組んでいる、公明党が取り組んでいる政策と一致するものでありますので、この順番については高く評価するところであります。  しかし、この別冊の一二ページに、少し嫌みな質問で申しわけないんですけれども、この八項目の内訳というか内容が書かれているんですが、ここで、私が最初に読んだときにあれれと思ったのは、この第一の安全・安心施策の充実の中に四項目書いてあって、耐震相談、二項目めは水防対策、それから住まいサポートセンター、交通安全対策、肝心の防犯が一行も書いてないんですね。  もともとこの安心安全の柱は防犯だったのじゃないか、このように思って読み進めていくと、翌一四ページには安全パトロールとか自主防犯とか書いてあるので、考えはあると思うんですが、なぜこの一番大事な部分に、概要のところに書かれていなかったのか、簡単にご説明いただければと思います。 ◎宮崎 財政課長 今ご指摘の安全安心の関係でございますが、熊本区長就任以来、生活安全と防災の二本柱を区政の最重点課題として取り組んでいるところでございます。今お話がございましたように、別冊の方では、一四ページの方には生活安全で約百二十七億円、防災で約六十三億円と計上している内容をご紹介しているものです。  ご指摘の一二ページから一三ページの記載でございますけれども、こちらは十八年度から十九年度にかけまして大きく動きのある項目を選択させていただいております。したがいまして、ここに記載していない施策を低く位置づけているものではございません。お話がございましたように、避難所等の耐震化、水防対策、災害への備えについて大幅に拡充している項目を表記いたしておりますが、子どもや高齢者を犯罪から守る新たな事業の開始など、防犯についても一層の充実を図っているところでございます。  今後、今ご指摘の趣旨につきましては、記載の仕方につきまして改善していきたいと考えております。 ◆増田信之 委員 大きく動きのあったものを掲載したという言い方ですが、私がこれを読むと、予算の大きい順に入っているんですね。こうした問題は、予算の規模、財政当局としては、それは当然予算が一番頭にあるんでしょうけれども、予算というよりも、また内容、こういうソフト面、心の問題も含めてきちんと書かないと、やっぱり読みこなしていくときに誤解するのかなと思うので、今後とも、よろしくお願いしたいと思います。  もう一つ、財政問題で、昨日、政策経営部長から説明があったときに、予算書の三五ページの中身で、これまで五二%だった都区財調が、区の配分率が五五%に変更された云々という話がありまして、その話がきのうも出ておりました。確かに補正予算のときに説明があったように、特別区は、三位一体改革も含めて、これまで五二%だったのが五五%。それから、東京都は四八%を四五%に減らして、東京都から二十三区特別区へ三%移行したということでありました。ただ、今回のこの発表の経過を見ると、どうしても東京都が主導権を持ってやっていたように私たちは思えてならないわけです。しかし、都が主導してやったとはいえ一歩を踏み出した、これについては喜ばしいことであります。
     ただ、私が気になるのは、この増減三%のうち二%は都区財調で、三位一体改革でというふうに説明され、もう一つの一%は、都の補助金の一般財源化に手をつけた、このように聞きました。つまり、都から区へ補助金として交付されていた分を削減して財調の方で交付する、こういうことになると思うんですね。こういうことは今までなかったことだと思います。  それで、この財調の仕組みを見ますと、言い方は悪いんですけれども、どうしても配分が下町の方に厚く、世田谷区の方には余り厚くなく来ているのが今までの財調でありました。そういう意味で、都の補助金を一%削除して、それを交付金に回すということは、これは世田谷にとっては逆にマイナスになるんじゃないのかなということを心配したわけです。  今回の都補助金から財調交付金への振りかえ、これは世田谷区にとって影響がないのかどうか、今後どのような見通しを持っていらっしゃるのか、財政当局のお答えをいただきたいと思います。 ◎宮崎 財政課長 お話にございましたように、今般の決着、四五対五五で改定するということで合意をしたわけでございますけれども、お話にもありましたように、この三%のうち二%が三位一体改革への対応、残り一%は都補助金分を財調交付金に振りかえるということでございます。  区の影響でございますけれども、額にいたしまして約一五・五億円、これが振りかえということになるわけでございますが、十九年度の財調におきましては、これにつきまして全額算定ができるということの見込みが立っております。ただし、ご懸念になりました二十年度以降、いわゆる中期的に見た場合でございますけれども、お話がありましたように、都補助の仕組みから財調交付金に移行した、こういう事例がないということ。例えばこの補助金の中身が認証保育所や保育室運営等、区の子育て支援を拡充してきたわけでございますが、これらの関係に大きく影響しているということで、今後、東京都が具体的な形でどのように示してくるのか。例えば補助金の方は振りかえているわけですが、制度的には維持していくというお話もちょっといただいていまして、そのような具体策が見えていないということがあります。  また、今回、十九年度は振りかえを全額算定と申しましたが、二十年度以降については、これについてはっきりさせていないということもありまして、今後、これらの関係におきまして、世田谷区への影響という部分について具体的に十分把握していかなきゃいけないということと、私としては区民サービスへの影響のない形で留意していきたいと考えております。 ◆増田信之 委員 そういう細かいことは区民の方はわからないわけですので、ぜひ財政当局の方、よく見ていただいて、世田谷へ影響が大きく及ぼさないように、今後、東京都とも強い折衝をしていただきたいことを要望しておきたいと思います。  話は変わりますけれども、この別冊の五ページに行財政改善に取り組むとあります。議会の役目、役割というのは行政のチェックであります。税金がむだ遣いされていないか、あるいは区民生活に大事な事業に支障を来していないか、あるいは欠けている部分は取り組んでいただく、こういう要望を出すというのが議会の役割で、内容も幅広いわけであります。  その中の一つがこの行財政改善でありますけれども、行政改革あるいは行政改善の第一歩というのは職員数の見直しである、このようにも言われておりました。また、一般世間の常識以上に厚遇されている職員の優遇問題も大きな問題である、これは議会としてチェックしていくべきである、こういうことは、今までも何回も話がありました。今回、この五ページには職員費の抑制とあって、職員数百十名の削減と書かれております。特殊勤務手当の見直しとも書かれております。この資料を取り寄せさせていただきました。これを見る限り、世田谷区は、今まで非常に頑張ってやってきていたなということを感じました。  それは、私が議員になった二十年前の平成元年のころには、この表によりますと、六千二十四人の数の職員がおりました。平成十二年には清掃事業が都から区へ移管されて、そこで四百三十三名の職員が新たに移管されてふえてきているわけです。これを合計すると六千四百五十七人となるわけですけれども、実際、平成十八年度の職員数は五千四百六人。結局、この間、一千人以上、職員の削減を図っている、これがデータでわかりました。こういった点でも頑張ってやってきたのではないか、このように評価はさせていただきます。  もう一つ、今予算書にありました特殊勤務手当でありますけれども、世田谷区には以前、清掃は別にして、ざっと三十三項目の職員の特別勤務手当というのがございました。これが廃止とか、あるいは減額が図られて、この三十三項目のうち三項目が減額、二十項目が廃止、合計二十三項目について手をつけた、廃止、見直しを図ったと。残った十項目というのは、危険物取り扱いとか、あるいは有害物取り扱いとか、感染症の担当とか、こういうところが残っているだけで、こうした面でもかなり頑張ってやってきたのではないかな、このように評価できるわけであります。  その一方で心配な点もあるんですね。これは、これまでこうやって取り組んできたんですけれども、過去に懸命に頑張った部長さんが、ある日、突然にぽっくり亡くなったということがありました。もうお亡くなりになった方で、新井さんという方ですけれども、世田谷公園の放置自動車、これは本来は区の仕事ではないのに、部長みずから出ていって点検をしたり、それを報告したり、一生懸命走り回っていた方が、翌月、ぽっくり亡くなった。私たちは大変驚きました。最近では成城の出張所長が、つい先日まで、私どもと元気に対話していた方が通勤途中にぽっくり亡くなられた。こういうことを見ますと、職員に対する肉体的、精神的負担がますますふえてくるのかなと。  国は地方分権を進めています。それは地方自治体の仕事がふえるということなんです。その一方で、国は職員適正化計画を出しなさいということで、また追加でこの五年間、職員を減らしなさい、こういう命令も来ている。仕事はふえる、職員は減らすという、こういう整合性がない、そういうことを私は感じるわけですけれども、これはどこまで削減していくのか、大変心配であります。この職員の負担に対しても考慮しなくてはならないと思うんですね。  今後どのように考えて、どのように取り組んでいかれるのか、お答えがあればいただきたいと思います。 ◎八谷 人事課長 行政経営改革計画に基づきまして定員管理計画を定め、委員お話しのように、平成九年から十年間で職員を千四十九名ほど削減してまいりました。  これまで定員管理の適正化の取り組みといたしましては、大きくは官と民の役割のあり方を基本に、民営化や指定管理者制度の活用、あるいはNPOなどの地域活動団体との協働、また、OA化による事務改善や事務事業の見直しによる効率化、また、技能系職種の退職不補充というようなことで、かなりのスピードで行ってきたと思っております。  一方、毎年、子育て支援であるとか安全安心まちづくりなど、法改正に伴う新たな行政需要なども出てまいりますので、それに的確に対応していくため、重点的に人材を投入し、区民サービスの向上に努めているところでございます。  今後も定員適正化計画等に沿いまして定員の適正化に努めてまいりますが、これとあわせて新たな人事考課制度を活用しまして、職員の資質、能力、適性等を的確にとらえ、キャリアデザインや多様化するライフプランを踏まえた人材育成を通じて職員の士気を高め、職員が生き生きと意欲を持って仕事に取り組む、そういった環境整備についても配慮してまいりたい、また、組織の活性化にもつなげてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆増田信之 委員 職員を減らすなと言っているわけではないんですね。職員を心配する、職員の立場を考えるというのは、議会としてふさわしくない、チェックする立場じゃないか、こういうようなお考えの方もいるかもわかりませんけれども、職員が安心して仕事ができる、そうでなければ、区民サービスへやっぱりそごを来してしまう。区民サービスを担保するためには、職員は元気で対応していただかなくてはならない、こういう思いで話しているわけです。  例えば世田谷では出張所の改革に取り組みました。まちづくり出張所につきましては、元気高齢者対策など、保健福祉の分野の取り組みが進んでいますので、もうしばらく見守りたいなと思いますけれども、問題は拠点出張所であります。拠点出張所は忙し過ぎるという、そういうような話も聞いておりますし、区民の方が長時間待たされる、こういう話もよく耳にいたします。  そんな声を反映して、拠点出張所では現在、繁忙期には、忙しい時期にはフロアマネジャーを配置している、このようにも聞いております。しかし、よく調べますと、それはあくまで出張所の職員がフロアマネジャーとしてやっているのであって、職場の別の仕事を抱えながら案内役に立っている、これが実態なようであります。仕事を気にしながらでは本当に親切に案内できないのではないかな、このようにも考えます。  そこで、できる限り民間でできることは民間に、ボランティアで担当してもらうことはボランティアの方に、こういう利用方法もあるのではないのかな、こう思いました。  最近、銀行とか、あるいは病院に行きますと、銀行なんかは腕章を巻いた方がフロアにいるわけですね。窓口に行くと忙しいものですから、なかなか対応してもらえないんですけれども、銀行で腕章を巻いた方が何かお困りですかと声をかけてくれるんですね。それから病院に行くと、病院ボランティアという方がワッペンをつけているんですね。この方々が、病院でうろうろされている方に、あそこの窓口に行った方がいいですよと教えてくださるんですね。今、こうしたことをサービスとして、銀行でも病院でも当たり前にやっているんですね。ですから、拠点出張所でも、必ずしも案内役は正規職員でなければならないということではないんじゃないか、このように思うわけです。  以前、私も世田谷総合支所で区民の方が列をつくっている姿を見て、それで、病院や銀行では番号呼び出しのカードをとってやっていますよ、世田谷もそういうふうにしたらどうですか、こういうふうに提案したら、それはすぐに実施して、現在ではそれが当たり前のようになって、評価も高めています。  もう一方で、ことしから団塊の世代と言われる方が地域にわっと出てまいります。その方々の中には、フロアマネジャー経験者とか、接客の商売をやってきた方とか、さまざまな方が大勢いると思います。そういう人たちを利用できないのかなと。繁忙期、忙しい時期だけではなくて通年、そういう方々に拠点出張所で案内役をやっていただいたらいかがなものか、このように考えたわけです。そういう遊軍としてそこにいらっしゃれば、自分のほかの仕事を気にしながらやるのではなくて、親切に案内してもらえるのではないかな、こういうふうに思いました。  また、現在、世田谷区の職員のOBの方々が相談窓口を担当されていらっしゃるようですけれども、そうした方々にも案内役を担当していただく、これも一つの方法だろうと思います。窓口サービスの向上につながり、このためにもそうすべきではないのかなというふうに考えますけれども、お考えがあればお聞きしたいと思います。 ◎梅村 地域情報政策担当部長 お話しのとおり、混雑期の拠点出張所におきましては、フロアマネジャーを置いたり、案内窓口を設置しましてご用件をお伺いしまして、適切なご案内をするなど、より迅速でスムーズな窓口対応を図っております。もとより区政の最前線の窓口ですから、区民対応は住民サービスの基本であります。常日ごろから区民の立場に立って、安心してご利用いただけるよう努めていかなければなりません。  そういった観点から、効率的、効果的な人材の活用につきまして、ただいまお話がありました混雑期に限らずとか、また、正規職員でなくてもよいのではというご意見を踏まえまして、総合支所、地域窓口調整課など担当所管とともに、窓口サービスの向上に向けて積極的に検討してまいりたいと思います。 ◆増田信之 委員 いずれにしても、職員の方々が余裕を持って仕事ができる、それから喜びと使命感を持って仕事に対応できる、これが大事だと思うんですね。それがあってこそ、区民サービスの向上につながってくる、このように思いますので、あえてこの問題を取り上げさせていただきました。職員の意欲向上の責任というのは、やっぱり理事者の皆さん方にあると思いますので、ぜひとも取り組んだ方がよいと思いますので、申し上げておきます。  私の持ち時間がかなり詰まりましたので、一つ防犯問題について。  冒頭で予算面で触れましたけれども、世田谷区が熊本区政になってから力を入れてきたこの防犯対策、結果的に少しずつ効果があらわれてきているということは数字でわかりました。犯罪件数も減った、それから断トツで第一位、ワーストワンだった世田谷が転落をした。こうしたことでも大変喜ばしいと思います。  先日、我が党の代表質問でも述べましたけれども、東京都知事の石原さんがディーゼル排ガス規制に懸命に取り組んだと。いろんな業界の方々、トラックを使う方々が猛反対するのを押し切って、これを進めたと。その結果、毎日、山が見えるようになってきたんですね。この美しい空気に、きのうも星がすごいきれいでした。こういうような東京に空気が変わってきた。また、熊本区長が一生懸命防犯問題に取り組んできた結果、犯罪件数が減ってきた。この一人の首長のリーダーシップ、政治決断、こういうものが社会を少しずつ変えられるんだな、こういうことも証明されたと私は思っております。しかし、こうした取り組みは、特に防犯なんかは、一度やったからいいというものではなくて、継続して取り組んでいかなくてはいけない、このように思います。  そこで、我が党が提案した防犯ゼロの日、これを警察とか、あるいは町会自治会とかと協力してやったらどうかということ、早速、これは実施(「防犯なの」と呼ぶ者あり)「犯罪ゼロの日」ですね、これは早速取り組んでいただいたようであります。ただ、その結果というのを、委員会では報告があったのかもわかりませんが、どんなような状況であったのか、もう一度お聞かせいただければと思います。 ◎黒田 危機管理担当課長 議員ご指摘のとおり、区民の皆様の防犯意識の高揚を図るとともに犯罪の抑止を図るということを目的に、警察による全国地域安全運動の初日であります十月十一日に、世田谷区内「犯罪ゼロの日」として、自主防犯活動団体、区内四警察署、区が協力いたしまして、防犯のさまざまな取り組みを実施いたしました。  実施に当たりましては、町会、自治会、PTAなどの自主防犯活動団体に当日の防犯パトロールを呼びかけましたところ、百五十五団体、計三千九百七十六名の方に参加していただくとともに、各警察署でも特別警戒を実施していただきました。  また、区におきましても、区長を先頭に、区職員による成城学園前駅頭外四駅での防犯啓発チラシを配布したほか、「区のおしらせ」、ホームページ、エフエム世田谷、区広報板、防災無線、防災情報メール等により、区民の方々への防犯の周知を行ってきました。こうした取り組みによりまして、区民の防犯意識の高揚が図られたものと認識しております。  また、当日の刑法犯認知件数を見ますと二十六件と、昨年九月末現在の一日当たりの刑法犯認知件数約三十六件と比較いたしましてマイナス十件と減少しております。この点でも一定の成果があったものと考えております。  次に実施する際には、さらに多くの防犯活動団体に参加していただき、さらに防犯意識が高まるとともに犯罪の減少につながるよう、創意工夫してまいりたいと考えております。 ◆増田信之 委員 この防犯問題は、やはり警察署だけでは結果は得られないと思います。町会、自治会も今一生懸命協力してやったり、ワンワンパトロールで区民の方も参加したりしてやっているようですけれども、もっと幅広く、全区民がその意識にならないと、これは犯罪ゼロあるいは安全な町というのはできないと思います。そういう意味で、この「犯罪ゼロの日」を設けてやった結果という、これはすばらしいものですけれども、そういう意識をもっと区民の間に広めていくように、この辺の努力を、ぜひ今後とも続けていただいて、そしてこの世田谷を安心して住めるような、そういう町にぜひしていただきたい、こう思います。  若干用意していた質問ができませんでしたけれども、また時間があれば補充等でやりたいと思いますので、私の方からの質問は、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◆佐藤弘人 委員 それでは、私の方から、最初にADR法についてお伺いしたいと思います。  二〇〇四年の十二月に公布された裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律、これは通称ADR法と言うんですが、これが本年四月から本格施行されます。この法律、すなわちADRというのは、裁判によらないで、民事上の公正な第三者が関与して解決する方法のことを指していまして、その紛争の解決の手段として三つあるんですけれども、一つは、当事者が合意して選んだ第三者が強制力のある判断を下す仲裁、二点目が、同じく第三者が解決策を提示する調停、三番目が、第三者が当事者同士で話し合う場を設けるあっせんと。これは裁判によらない方法を促す法律で、裁判と比べて手続の期間が短くて、費用も割安にできるのが特徴と言われております。  四月からの法律の施行に伴って、民間事業者による紛争解決手続が国民に定着して活用されることが非常に期待されていますが、まず、この法施行に関して、区の認識を最初にお伺いしたいと思います。 ◎松田 区政情報課長 委員お話しのように、いわゆるADR法は平成十九年四月一日から施行されます。この法律は、訴訟の手続によらないで民事上の紛争を解決しようとする、紛争の当事者がその解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にして、国民の権利利益の適切な実現に資することを目的として制定されたものでございます。  このADR法の施行によりまして、紛争に係る分野について第三者の専門的な知識、見識を反映させることで、紛争の実情に即した迅速な解決を図るなど、裁判外紛争の解決手続の機能が充実されるものでございます。  紛争の当事者にとって、自分にふさわしい、また、利用しやすい手続を選択できることとなりますので、この法制度の活用により、当事者にとって満足のいく解決を得ることができるものと認識しております。 ◆佐藤弘人 委員 今答弁がありましたように、裁判所で行われる一般の民事調停とか家事調停、それから行政機関が行う仲裁、調停、あっせんの手続とか、弁護士会とか、社団法人とか、他の民間団体が行う手続もすべてこのADRに含まれるんです。  もう一度、ADRと裁判との比較をお話ししますと、紛争当事者の合意に基づく手続なので、手続の迅速化、簡易化が可能であると。それから、代理人費用を節減できるため、コストが割安である。原則非公開ですので、紛争解決の内容とか紛争そのものを秘密にできる。あとは、専門家を第三者に起用できるので、より専門的な解決が可能であるというメリットがあると言われています。  ただ、我が国では、裁判以外によるADRというのは、一部を除いて国民への定着がかなりおくれていて、十分に機能していないというのが現状なんですね。例えば日本の裁判所で行われた民事調停については、一九九六年には年間約二十六万件だったのが、二〇〇四年には四十四万件ということで、かなり急増している一方で、例えば、今言った裁判外紛争での仲裁の受理件数というのは年間わずか三十一件ということです。これは民間の事業者がこういったADRを行うという情報が不十分であったりとか、裁判と違って、本当に大丈夫なのかというふうに不安を感じること。あと、調停とかあっせんの最中に損害賠償などを請求する権利が時効を迎えて消滅するのを防ぐ、これは時効の中断効というのがあるらしいんですけれども、これがADRにはないという、法律的な環境整備がなされていないというのが、なかなか定着をしていない主な原因というふうに考えられているということです。  今後、この紛争解決の手段としては、やはりこのADRを広く活用していくことが大変重要になってくると考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎松田 区政情報課長 今お話にもございましたように、裁判所を通じて行われる訴訟とか民事調停は、法令に基づいた厳格な手続にのっとって行われまして、訴訟の場合は提訴から判決が出るまで長期間にわたるケースも少なくありません。ADR法では、こうした厳格な手続とは異なりまして、紛争当事者がふさわしい紛争解決手続を選択できるように、民間紛争解決手続の業務に認証の制度を設けまして、公正な第三者の知識、見識を生かした解決を図る仕組みとなっております。  具体的には、一定の要件を満たす民間紛争解決事業者を法務大臣が認証しまして、その認証を受けた事業者は、弁護士や弁護士法人でなくても、報酬を得て、和解の仲介の業務ができます。また、一定の条件のもとではありますが、その和解の仲介の手続における請求により、時効が中断するなどの効果が付与されることなどが法律の中で規定されております。  このようにADR法の施行によりまして、紛争当事者が安心して民間紛争解決手続を利用して和解交渉に専念できる環境が整うとともに、裁判手続と比べて、より迅速で柔軟な、利用しやすい制度となっているものと考えております。  こうしたメリットがあるADRを広く活用していくことは重要でありまして、そのためには、区民への周知等が必要であるというふうに認識しております。 ◆佐藤弘人 委員 今回の予算委員会でもそうですけれども、多重債務者のことも含めて、これからADR法というのを――裁判外紛争手続ですよね、この機能をしっかり充実させていくことで、紛争の当事者の方が解決の手段を選択するというのを、今までと違ってかなり幅も広げて、なおかつ容易にしてあげる、そして法的なトラブルの対処の窓口をしっかり広く浸透するということが最大の目的だと思うんですね。  国としても、今後、このADRの利用をしっかり促進していくために、ADRに関する内外の動向とか利用状況、そういったものを調査分析して、情報をしっかり提供することで、国民への理解に努めるということを今一応掲げているんですけれども、今答弁がありましたように、区としても区民に対してこういったことを、ぜひしっかり広く啓発、周知していただきたいなというふうに考えています。  もう一つ聞きたいんですけれども、特に今お話しさせてもらったように、民間の認証紛争解決事業者は一体どうなのかという部分があると思うんですが、これらの紹介とか連携について、この辺を区としてはどう考えているか、お伺いしたいと思います。 ◎本橋 広報広聴課長 ADR法につきましては、ことしの四月から施行ということで、まだ区民には十分伝わっていない状況があるかと思います。区といたしましては、総合支所で今実施しております法律相談ですとか区民相談、あるいは総務大臣の委嘱を受けた行政相談員によります行政相談などの際に、紛争解決の手続の手法の一つとしてご案内することも有効であると考えております。  また、相談業務の総合案内に当たりましては、ADR法につきまして「区のおしらせ」でご案内していく。その際に、民間の認証紛争解決事業者の紹介もあわせて検討してまいりたいと思っております。 ◆佐藤弘人 委員 じゃ、今の点、よろしくお願いします。  それから、もう一方で、国民と司法をつなぐ日本司法支援センター、これは法テラスと言うんですけれども、これが昨年十月からスタートしております。業務初日では、全国で約二千三百件もの相談があって、電話も含めてですけれども、法律のトラブルに直面した人たちに問題解決への道案内をしてくれる総合的な法律支援体制が――これは制度ですけれども――今注目を集めていまして、全国どこでも情報提供のサービスの電話、これは〇五七〇―〇七八三七四と、あと犯罪被害者支援のためのサービス電話、〇五七〇―〇七九七一四、これは全国どこでもこの番号で、まず電話相談ができると。特にこの情報提供については、法的トラブルを扱う機関というのは多種多様なので、さきに述べさせてもらったADRの諸機関も含めて、ここはさまざまな機関とのネットワークがかなり構築されていると。  もう一つ、この法テラスでは民事法律扶助の事業も行っていまして、民事訴訟に必要な費用を立てかえる制度も整備されている。  もう一つは、今、電話サービスもお話ししましたけれども、犯罪被害者に対する支援を重要テーマとして位置づけたことも、これは新しい手法の大きな特徴でもあるのではないかなというふうに思います。  今後、法的トラブルの増加がかなり予想されておりまして、この法テラスも時代の大きな要請にこたえる機関ということで、これからさらに充実、体制の整備が望まれてくると思います。  区としても、やはりこの法テラスをあわせて最大に活用するべきだと思います。現在、行政で行っている無料の弁護士相談もあるんですけれども、これだけではなくて、もっと総合的に、身近に司法と区民をつなぐ総合法律支援体制の構築にぜひ取り組んでいただきたいなと思っています。  例えばその手法も含めてなんですけれども、高齢者の方、障害者の方、またヤング層、外国人の方も含めて、なかなか司法のアクセス困難者と言われる方々への配慮も、これからきめ細かく周知を徹底していかなくてはいけませんし、訪問とか、出張とか、それから土日の業務とか、もしくはメールで受け付けるとか、そういったタイムリーな相談サービスの導入もぜひ検討していただきたいと思っておりますが、この点はいかがでしょうか。 ◎本橋 広報広聴課長 昨年十月に、国民の身近な法的トラブルの相談窓口といたしまして、日本司法支援センターの法テラスが開設されました。業務内容につきましては、紛争解決に役立つ法制度の紹介などの情報提供でございますとか、あるいは民事法律扶助に関すること、犯罪被害者支援、国選弁護関連業務など、多岐にわたっております。  区では現在、身近な窓口で気軽に相談ができるよう、各総合支所で相談業務を実施しておりますが、特に弁護士による法律相談は申し込み件数が大変多く、予約がとりづらいといった声も聞かれます。法律相談ができる支援体制づくりといたしましては、法テラスを紹介することも必要と思われます。  そこで、先ほど申し上げましたADR法の啓発、周知とあわせまして、体系的に「区のおしらせ」などを活用して今後周知していく。さまざまな手法によりまして相談体制の支援ができるよう、関係機関や関係所管と十分協議してまいりたい、このように考えております。 ◆佐藤弘人 委員 今言いましたADR法はなかなかご存じない方もいらっしゃいますので、この法テラスのさらなる拡充も含めた形で、多角的な総合法律支援体制をぜひ構築していただきたいと思います。  次に、プレゼンテーション能力の向上、広報広聴戦略のあり方についてちょっとお伺いをしたいと思います。  区で行われている、例えば住民への説明会とか、タウンミーティングもそうですけれども、さらには庁内会議の企画提案とか報告、それから広報の手法など、私も、以前からこのプレゼンテーション能力というのは、地方自治体の職員でも当然必須のスキルであると考えているんですね。仕事上、プレゼンの機会がないから関係ないと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんけれども、これからは、多分どんな仕事をしていても、また、どんな立場であっても、日々の仕事の中でこのプレゼンテーション能力というのは必要であると思うんです。  ただ、これはやっぱりさまざま、これまで、例えば住民説明会も含めて、どうもこちらの行政側の言いたいことを一方的に伝えることに終始しているように思えてならない場面があって、これでは、やっぱり聞き手側からすると、内容が理解できても、必ずしも賛同は得られないというような状況があると思います。同じ政策の話であっても、聞き手の立場で切り口を変えてみること、視点を変えてみることが、これは大変重要ではないかというふうに思います。  例えば生活の利便性がよくなるとか、区民へのサービスが向上するとか、健康的な環境が実現するとか、そう考えると、今までとちょっと様相の違ったプレゼンテーションになるのではないかというふうに思うんですね。  具体的なお話をすると、余り例えにならないかもわかりませんけれども、例えば自分の大切な人に誕生日とか何か記念日にプレゼントを贈るとすれば、当然相手が何を贈れば喜んでくれるだろうということも考えて、品物も吟味するでしょうし、選んだ品物をどうラッピングしてあげればいいかとか、それをどこで渡すかということ。例えば雰囲気のいいレストランを選ぶとか、相手のことを思っていろいろ考えますよね。これが、やっぱり行政としても、これから区民の皆さんに対して何か説明する、賛同を得るということに対して行うプレゼンテーションも質は同じだと私は思っているんです。ですから、区民の方が納得してくれる話をしっかり吟味して、聞き手の側にわかりやすい順番で組み立てる、あとは誠意を込めて話をする、これがもう大前提ではないかと思うんですね。結局は聞き手に対しての利益をどう語れるかというところが、このプレゼンテーションの本質だと思っているんです。  この辺の、まず区として、これまで行ってきた説明会も含めて、どういう形で臨んでこられたかという姿勢についてちょっとお伺いしたいと思います。 ◎柳澤 研修調査室長 プレゼンテーション能力向上という、職員の人材育成の観点からご答弁を申し上げます。  区としての説明会などにおける姿勢についての認識でございますけれども、各所管におきましては、事務事業を展開するに際しまして、住民説明会のみならず、区民が参加している会議体などにおきまして、区の施策をわかりやく説明し、区民の理解を求めていくことは最初の一歩でありまして、お話しのように、職員がプレゼンテーション能力を身につけることは非常に大切なことだというふうに考えております。  そのためには、聞き手である区民の立場に立って、区民生活にどう影響するのか、どう変わるのか、どうプラスになるのかといったような観点から説明すること、また、誠意を込めてわかりやすく話をすることが大切であると認識しております。 ◆佐藤弘人 委員 今お話がありましたように、これは非常に重要なことだと思うんですね。あるプレゼンテーションについての専門家の方が基本の重要事項ということで三つおっしゃっているんです。一つは、何が聞き手の利益になるのかをまず知っておくこと、それには聞き手の分析が必要である。二点目は、こちらは何のために話をするのか、そして聞き手は何のためにこちらの話を聞こうとするのか、この二つの目的を分析すること。三つ目は、場所と環境を分析することだというふうに言っています。  これはやはりいろいろな要素があって、細かいことかもわかりませんけれども、まだやっぱり実践事例の中でこのプレゼンテーションの手法、それから場所とか、その場所でのレイアウトも当然重要になってくると思いますし、どうリラックスして話ができるか、また、聞いてもらえるか、ビジュアルなどを利用するのかしないのかも含めて、これはしっかり分析して臨んでいくことが非常に肝要であるというふうに思うんですね。  私も議員として区議会に携わらせていただいて、行政の皆さんからさまざま説明とか資料をいただくことも多いんですけれども、これは区民の皆さんに対してさまざまな資料を提供する、広報するということも含めて、もっときめ細かく考えていかなくてはいけない、また、配慮していかなくてはいけない部分があると思うんですね。  あとは、具体的に言うと、例えば資料や何かはできるだけ少なくというのが基本であると思いますし、高齢の方に配慮して、字の大きさもできるだけ大き目にしておくこと。あと、やっぱり資料の主語が行政ではなくて聞く側。だから、区民になっているかどうかとか、よく言われますけれども、専門用語、お役所言葉は、これは当然禁止であると。あと、説明会を開く、意見交換会を開く、その場所の環境ですね。暑かったり寒かったり、そういったところにも十分に配慮をしていく。最後に、やっぱり説明の中ではわかりやすいようにゆっくり話していくことと、話す分量については、資料をそのまま読むのではなくて、資料の大体半分ぐらいを目安に、簡潔に説明していくということもポイントであると思いますし、最大のポイントは、やっぱり話す側の目線とか、笑顔とか、誠意というのも当然あると思うんですね。具体的なお話で申しわけないんですけれども、こういった観点ということもしっかり認識して、これから取り組んでいくべきだと考えます。  区としては、これまでこの点についてはどう取り組んできたのか、また、この辺については、これからどう考えられているのかということについてお伺いしたいと思います。 ◎平井 研修調査室次長 プレゼンテーションの目的は、説明をして、聞き手にご理解いただくこと、また、納得していただくことであると言われております。このためには、職員にはまず、プレゼンテーションに限らず、窓口応対あるいは電話応対なども含む、人と上手にコミュニケーションをすることができる能力を身につけることが重要であると考えます。その認識に立ちしまして、例えば接遇、区民応対力向上、コミュニケーションパワーアップ、プレゼンテーション、そういったコミュニケーション能力向上のためのさまざまな研修を実施しております。  研修の中では、話し方のスキルはもちろんのことといたしまして、聞き手に大きな影響を与えるのは態度や表情といった視覚から入ってくる情報、今委員お話しの最大のポイントは目線と笑顔、そういったことかと思います。また、専門用語などを使わないこと、そして何よりも聞き手の立場に立って話をするという姿勢を身につけることなどを学んでおります。  会場、レイアウトなど、プレゼンテーションを行う場の環境への配慮も含めまして、区民の立場に立ったコミュニケーション能力の向上に、今後とも取り組んでいく所存でございます。 ◆佐藤弘人 委員 今お話がありましたように、職員の方の研修の項目も多岐にわたって、なかなか重点的というところは難しいのかもわかりません。ただ、これまでは、一生懸命資料をつくっていただいて、自分なりにシミュレーションもされて、準備万端のつもりで、いざ臨まれるんですけれども、何となく緊張で顔もこわばったりとか、手も震えたりとか、なかなか目線が資料ばかりで、延々と分厚い資料を読むみたいな、区民の方からは途中でだんだんやじが飛んだり、険悪なムードになったりという場面もあったようですけれども、やっぱりこのプレゼンテーションで成功するか失敗するかというのは、これからの区政運営にとっては非常に大きなポイントだと思いますし、ここを向上させていくということが必要不可欠であるというふうに考えるんですね。  あわせて、このプレゼンテーションというのは、区の総合的な広報広聴戦略にも当然つながってくることだと思います。  この間、三月三日の区報「せたがや」ですかね、「区のおしらせ」子育て支援特集号、これは大変すばらしいと思います。私も、ヤングママさんからかなり好評だということで、とてもわかりやすく、見る側にとってのさまざまなサービスの内容とかわかりやすく出ていて、世田谷区では安心して子育てができる体制がこんなに整っていますよという心がこもっている、非常にいい資料だと思うんですね。  だから、こういったことも含めて、今のプレゼンテーション能力の個々の向上もあわせてですけれども、区としての総合的な広報広聴戦略にもしっかりつなげていただきたいと考えているんですが、この点はいかがでしょうか。 ◎本橋 広報広聴課長 広報広聴課では、「区のおしらせ」を初めといたしまして、ホームページや便利帳、エフエム世田谷など、多種多様な広報媒体によりまして、区政情報を区民の皆さんへお届けしております。しかし、広報紙など紙媒体やホームページなどの電子媒体、あるいはエフエム世田谷などの音声媒体、こういったものは、種類は違いますが、前提となります基本的な部分では、いかに興味を引いてもらい、そして何よりも区民にわかりやすくお伝えしていくかということが課題となっております。  お話にございました三月三日発行の「区のおしらせ」子育て支援特集号では、子育て支援サービスをいかに子育て世代の方に伝えていくか、こういう視点に立ちまして、紙面構成、表現方法、色使い、あるいは写真を使うのかイラストでいくのか、こういった細部に至るまで、関係所管と協議を重ねて作成しております。  今後につきましても、プレゼンテーションを意識した上で、受け取り側であります区民の立場に立ちまして、難しい内容であっても、区民の視点から、今申し上げました細部に至るまでさまざまな工夫を凝らしまして、わかりやすく伝えられる広報を心がけていきたい、このように考えております。 ◆佐藤弘人 委員 じゃ、今後の取り組みにまた期待をしていきたいと思います。  私の最後の質問ですが、入札制度について一点だけお伺いしたいと思います。  平成十八年の四月に国土交通省が、いわゆるダンピング受注に係る公共工事の品質確保及び下請業者へのしわ寄せの排除等の対策について通達を出しました。昨今、大規模工事において低入札価格調査制度対象工事の増加傾向が見受けられていますけれども、いわゆるダンピングの受注については、公共工事の品質の確保に支障を及ぼすだけではなくて、下請業者へのしわ寄せとか、労働条件の悪化とか、安全対策の不徹底等さまざま、国民の安全とか安心の確保、それから建設業の健全な発展というのを阻害するものであるという内容なんですね。  昨年の十二月には、同じく緊急公共工事品質確保対策についてという通達も出されて、具体的に入札段階を中心とした新たな対策というのを緊急的に実施していきなさいという内容です。  私としては、区としてまず大切なこととしては予定価格なんですね。予定価格というのは、あくまでも決められた積算基準の中で、その工事における材料だとか人件費も含めて算出をしていくわけで、この予定価格がしっかり精査されているのかどうか。精査をされているのであれば、私はもともと専門業界にいたのであれなんですけれども、通常、予定価格が適正であれば、決められた工事の内容で積み上げていけば、予定価格に近くなってくるんですね。ただ、何か安ければいいみたいなところで、落札率ばかり取り上げられていますけれども、私は、まずこの予定価格を、これから区としても、さらに厳正に精査をしてどう立てていくのか、この点が一番大事だと思っているんですが、まずこの点だけお伺いしたいと思います。 ◎窪松 施設営繕課長 工事予定価格の算出につきましては、設計図面、仕様書等に基づき適切な工事工期を定め、資材、労務、機器等の使用数量と、これらの単価等によって原価計算的に積み上げて積算し、適切に算出しております。単価につきましては、毎年作成されている東京都財務局の工事積算標準を参考として世田谷区の工事積算標準を設け、適正に工事予定価格を定めております。
    ◆佐藤弘人 委員 ちょっと時間がなくなっちゃって、いろいろ聞きたかったんですけれども、予定価格の精査、さらに厳正にやっていただきたいというのと、あと外郭団体への発注の部分についても、これはしっかり見ていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 ◆市川康憲 委員 予算のことからちょっとお話をさせていただきたいと思いますけれども、今年度の予算書の概要版というんですか、小冊子の方を見させていただきますと、重立った事業を中心にまとめられているという関係もあるのかもしれませんが、かなり集中的に新規事業が目についたわけなんです。  財政当局としては半年以上かけて、まず平成十九年度の経済見通しで大体マックスどのくらいの収入が見込めるのか。そこから当初予算で大体どの程度見ていくのか。こうした状況の中から恒常的に出ていく経費を除いて、それで、あと各所管からのいろんなヒアリングを通しながら、また、時代状況を見据え、また、区長の指示を受けながら新規事業を組み上げていくわけだと思うんです。  今回の平成十九年度予算を組み上げた結果から、財政当局はどういうことが見られるのか、どう評価しているのか、まず財政当局のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎宮崎 財政課長 今お話がございましたように、重点項目というところで、今回の新しい施策を含めてご紹介しているわけでございますが、そこの表示に新規という表示もさせていただいております。例年よりも若干多くなりまして、十八年度で約四十四本ぐらい新規表示したわけですが、十九年度はそれが五十六本ということで、さらに拡充等も含んで、政策的には進めていると思っております。  ご案内のとおり、編成につきましては、今、半年間というお話がございましたが、八月の下旬に区長から、予算編成にかかりましての基本的考え方ということが、庁内に依命通達として出されておりまして、その際に、新たな内容といたしまして、重点施策枠というものを組まさせていただいております。そこでは、公共施設の利便性を高める策ですとか、さらに三つの政策テーマというのが与えられておりまして、子育て支援、環境・みどり施策の充実、元気高齢者への支援、これにつきまして、該当所管のみでなく、庁内横断的に取り組むよう指示があったという経過がございます。これらのもとに、各所管の方では編成に入りまして、その意味では、新規事業が多かった理由といたしまして、区長のそのような指示があった、リーダーシップによるところかと思っております。  また、十九年度予算におきましては、各所管の方でも、いわゆる区長の方にプレゼンという形で提案をしてきたという経過もございまして、私たちの所管の方では各部の方に一定の枠を提示しているわけですが、そこから緊急性の高い課題解決に向けまして自主的に編成してきた、こういう経過もございまして、一定、所管の創意工夫が生かされているというふうにも思っております。ただ、先ほど歳入の見込みからこういうものを組み立てているというお話で、そのとおりでございますけれども、見込みを立てる上では、将来的にはまだまだ不安定な要素も多いという状況はございます。 ◆市川康憲 委員 ある意味では選択と集中ということを、我々はよく聞かされてきたわけですけれども、そうした意味では、しっかりとした予算組みになっているのかな、こんな評価をさせていただいているわけです。  その一方で、自主財源をいかに生み出していくかということから、受益者負担ということが考えられているわけですね。受益者負担の適正化についても抜本改革が急がれるという、こういう発言も聞いたことがあるんですけれども、我々区民から、納税者の側から見て、この受益者負担という考え方をしっかりと押さえておかなければいけないなと。  要するに受益者というのは、全国民が税を負担したその結果として益を受けている、私はそういう考え方をしているわけです。一歩家を出たって、道路が舗装されているわけですから、益を受けているわけで、そういう意味ではすべての国民が受益者であると。なおかつ、それに新たな負担を課すということになっていくわけですね。そうすると、本来、税を負担しているわけですから、その税によってサービスを受ける、これが受益ですよね。本来それで済めばいいんですけれども、なおかつ、それに加えて負担を求めていくということを考えていきますと、やっぱりどこかに線引きがあるのかなと。  ここまでは納税でいいですよ、ここから先は負担してください、こういう形になっていくわけなんですけれども、それぞれが税を負担している公平負担と新たにまた負担をしてもらう受益者負担の境界線、考え方、まずこれを示していただけますか。 ◎岡田 行政経営担当課長 受益者負担についてのご質問ですが、区は、道路、公園、保健福祉、環境、区民にさまざまなサービスを提供しております。このサービスの受益は、原則として区民全体に及びまして、行政サービス全体で見た場合には、委員ご指摘のとおり、すべての区民が受益者ということになろうかと思います。ただし、サービスの種類によりましては、受益が特定の区民に限定される場合もございます。こうした場合に、サービスを利用している人と利用していない方、その間で負担の公平性を確保するという観点が必要になってこようかと思います。  受益者に一定の負担をしていただく、こういった場合に、区民全体が受益者ということではなく、この方を特定の受益者というふうに考えることができるかと思います。例えば区民集会施設、あるいはスポーツ施設などの施設を利用した場合ですが、その方のみがサービスの受益者ということになりまして、このような場合に、区民負担の公平性という観点から、一定の費用負担を求めることが必要になってくるというふうに考えております。  区では、施設使用料等につきましては、料金設定に当たっての原則基準というものを定めておりまして、税負担と受益者負担の原則的な考え方を整理してございます。例えば図書館や公園といった区民一般が普遍的に利用可能な施設は全額を税で負担する。また、区民会館、葬祭施設、こういった特定の個人が利用されるものについては、維持管理経費の全額を利用者に負担していただく。また、区民集会施設など、特定の個人が利用する施設ではありますが、公共性を考慮すべき施設、こういったものにつきましては、維持管理経費の二分の一ずつを利用者と税とで負担する。このような考え方に基づきまして受益者負担をお願いしているところでございます。 ◆市川康憲 委員 おっしゃっていることはよくわかるんですね。要するに、例えば車を利用する方々がいらっしゃる。一方で車を利用しない方々もいらっしゃる。そうすると、当然駐車場が必要になる。駐車場が必要になれば、当然そこに駐車場を確保するための経費が必要になるから、車を利用する方々からは駐車料を取るということになりますよね。じゃ、世田谷区内の駐車スペースがすべてそうなっているか、無料のところもあるんじゃないか、こういう部分をどう整理するんですかということが一つありますね。それから図書館の話も出ましたけれども、じゃ、図書館も全区民が利用されているかどうか。この議論もかつてあったような感じがしますけれども、これもどうなんだろうかと。  それから、逆に諸証明の発行、発給、こういう部分については、逆にすべての区民が利用するわけですよ。しかし、お金を取っている。逆にそういう部分については取らなくてもいいんじゃないかという、私個人的な気もするんですけれども、そういうことを考えていくと、この受益者負担という考え方はしっかりとしたものを持っておかないと、なかなか納得しづらい部分があるなということがあるものですから、そういう意味で、この受益者負担ということについての考え方をしっかりとしていただきたいし、線引きもしっかりとしていただきたいな。こういうことで、今後、よく理解できるような回答をきちっとお示しいただきたいと思います。  話は変わりまして、十八年度包括外部監査結果、これが報告書としてまとめられたわけですけれども、特にサービス公社を中心に取り上げられております。その理由も書かれているわけですけれども、この中で、指摘という項目と、それから意見という形で監査結果が述べられているわけですが、この指摘と意見の違い、重さについて説明していただけますか。 ◎西澤 事務監察担当課長 意見と指摘の違いということでございますが、指摘については、ぜひ改善を進めてほしい、意見についてはできるだけせよという、そういった違いがあります。 ◆市川康憲 委員 ごめんなさい、ちょっと突然だったもので、済みません。かなりの重みの違いがあると思うんですね。  要するにこのサービス公社を取り上げた理由について、世田谷区の地方公社として、区と密接な連携をとりながら企業活動を展開し、地域社会の発展と区民福祉の向上に寄与する、このようにされていると。まさに世田谷区と密接な関係にあるサービス公社である。しかし、形態は株式会社という形態をとっている。したがって、かなりの利益を上げているという部分もあるわけですよね。  この中でおっしゃっているのは、まず随意契約の理由が不十分であるということが随所に出てくる。それから、特命随意契約であっても、同業他社からも見積もりをとるべきであるとか、履行確認が不十分である等々の指摘事項、意見がかなり明記されている。そういうことに対して、発注元である世田谷区の認識について、まずお伺いしたいと思います。 ◎宮内 経理課長 まず、ご指摘の随意契約の理由が不十分だという点でございますが、これにつきましては、随意契約といいますのは、一般的には契約の性質ですとか目的が入札に適さない場合に認められるというものでございまして、地方自治法の施行令ですとか、世田谷区の契約事務規則によって定められております。  随意契約をする場合でございますが、まずこういった事情を明らかにしまして、さらに特定の相手方との契約を前提とするという特命随意契約につきましては、他社との競争を排除するという事情を明らかにする必要があるということでございます。今般、包括外部監査のご意見を踏まえまして、契約締結の際には、特命随意契約の理由をより明確にし、より適正な契約手続の確保に努めたいというふうに考えております。  その次に、特命隋契であっても、他社から見積もりをとるべきだというご指摘でございますが、発注者である区としましては、随意契約でありましても、適正な予定価格を設定し、その金額の範囲内で契約をしているわけでございますけれども、予定価格の設定に関しましては、区の積算基準ですとか、あるいは取扱業者の見積もり価格などを参考にして設定しているものでございます。そのためにも、複数の業者から見積書をとりまして、その金額の妥当性をチェックしていくことが重要であるというふうに考えております。サービス公社との契約につきましても、このような観点から、類似事例との比較などによりまして、より客観的に価格の精査を行うべきものであるというふうに認識しております。  それから、履行確認が不十分だというご指摘でございましたが、この履行確認の部分につきましては、主に再委託した際に、再委託先の履行内容の確認が不十分だといったような内容のご指摘だというふうに理解しておりまして、特に施設の管理のような総合的な業務にあっては、多くの場合、業務の各分野において分業的な体制がとられている関係で、それぞれ個別に再委託するようなケースもございます。こういった場合につきましても、外部監査の指摘を踏まえまして、再委託先の履行内容をよりきちんと確認するなど、履行の確保の一層の改善を図っていきたいというふうに認識しております。 ◆市川康憲 委員 要するに、ある程度的確な監査が行われたのかなと。また逆に、それぞれ逆の立場から言えば、言いたいこともいろいろあるとは思いますよ。しかしながら、ある程度客観的なこうした指摘事項とか意見等でまとまってきている部分、指摘されている部分があるわけですから、それはやはり発注先、発注元としても留意すべきところはきちっと留意して、直してもらう部分についてはきちっと直していただくという、こういう姿勢で取り組んでいただきたいと思うんですね。  もう一つは、この十七年度末時点で二十六億円の利益余剰金があると。私は、先ほども申し上げましたように、まさに世田谷区とサービス公社というものは表裏一体の関係みたいな状況にあるわけで、しかも、支払うべきお金というのは全部税で支払っているわけですよね。その税が利益としてたまるということは、もともとの価格が少し高過ぎるんじゃないかなと。しかし、その一方では、株式会社だから、それは利益追求するのは当たり前じゃないかという、こういう議論もあるんですけれども、しかしながら、仕事の内容が仕事の内容だけに、そんなに余剰金というか利益を上げてはいけないのではないかなという気もするんですが、発注元の世田谷区として、この余剰金、二十六億円をどのように判断しておりますか。 ◎金澤 政策企画課長 今回の包括外部監査でございますが、これはテーマは委託契約ということになっております。とりわけその中で施設維持管理の契約ということが対象になりまして、そこにサービス公社が非常に多くあるということで、包括外部監査の中で、サービス公社のことについて六ページぐらいにわたりまして記載されております。この記載内容につきましては、地方自治法に基づきまして、毎年九月に、議会の方にもご報告している内容と同じ内容です。  ご質問の、今の二十六億円の利益剰余金というお話でございますが、内訳といたしましては、新規事業開発積立金が五億円、それから経営安定化積立金が十億円、社屋の建設積立金が一億五千万円、当期の未処分利益ということで八億七千七百万円という内訳になってございます。  それで、サービス公社は、いわゆる有力な固定資産を持っておりませんので、そういう固定資産の担保要件がございませんので、社の信用力を持つという意味での資金のストック、これによって頼らざるを得ないというようなことがございます。自己資金がなければ、例えば信用で資金を借りることができないということで、事業展望にも事欠くことになりますので、一定程度のお金というもの、内部積立というものがなければいけないと考えておりますが、多過ぎるのではないかというご指摘だと思いますので、今後ちょっと対応を考えてまいりたいと思っております。 ◆市川康憲 委員 今のご答弁の中にも、なぜ留保金が必要なのかという説明の中で信用力というお話がございましたけれども、まさに世田谷区からの仕事を九割以上いただいている会社ですから、一般企業と比べたら、それだけで物すごい信用力があるわけです。そういう意味では、信用力をつけるためのお金が必要だという、そういうことは当たらないんじゃないかな、僕はそんな気がしますよね。  それはそれとして、いずれにしても、この外部監査についての中身をもう一回きちっと精査していただいて、改善していただくべきは改善していただけるように、発注元の区からもきちっとお願いしていただきたいと思います。  あと、広報関係、ちょっとお伺いしたいと思います。  一つは、緊急時のエフエム世田谷の対応について確認をしたいんですが、三年前の九月四日の大洪水のときに、エフエム世田谷が音楽を流していたと。流していたというよりも流れていたと。防災行政無線、あれだけの大雨なので、音がひどく、防災行政無線が聞こえなかった。命からがら、もう胸まで水につかりながら逃げていった区民がいる。先日もその地域をちょっと回ったら、もう本当に世田谷区と東京都の責任のなすり合いで、私たち区民はどうすればいいのよと怒られたぐらいなんですけれども、いまだにしこりが残っちゃっているわけで、もう少し早く情報が伝われば、何とか対応することができたんじゃないか。  それからもう一つは、この前、去年でしたか、都内の大停電があったときも、これもシューシューと音がして、何も伝えてくれなかったと。要するにこのエフエム世田谷は何のために立ち上げたのかということを考えた場合に、やっぱりこの部分をしっかりとクリアしていかなければ意味がないわけです。それに対して、これが原因でした。こういうことが原因でした。ですから、こういうふうに改善しましたと。その次の段階では、シューシュー音がしたのはこういう原因でした。こういうふうに改善しました。二度とこういうことはありませんと。  三度あっては困るわけで、三度あったら、これはもう閉局するしかないなと私なんかは思っていますけれども、まずエフエムの緊急対応の部分についてどういう指導をされているんですか。 ◎本橋 広報広聴課長 災害時、あるいはああいった水防のときのエフエム世田谷の緊急時の対応でございますが、これは私どもと災害対策課、それからエフエム世田谷の三者で、それぞれ震災あるいは水害、こういった場面を想定いたしましてフローチャートをつくりまして、それぞれの時間帯によってどう動くかということで具体的な対応を考えてございます。 ◆市川康憲 委員 以上で私の質問、公明党の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○畠山晋一 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合、どうぞ。 ◆桜井純子 委員 民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質問を始めます。  まず、せたがや自治政策研究所についてお聞きします。  これまで世田谷区民連合ではシンクタンクについて質問をしてまいりました。まず、今回は一千万円かけて何がわかったのかということをお聞きしたいんですが、自治体のシンクタンクについては何冊かの本を読みましたけれども、分権の時代、自治体も独自の政策を立てていくことが重要になってくるということや、設置のあり方についても内部型や外部型があることなど、本を読んだだけでもかなりわかりました。  でも、なぜ今シンクタンクの存在意義にこだわるのかということを申し上げますと、世田谷区は、これまでの政策提案の状況というのは、各所管の中に作業部会やプロジェクトチームなどをつくって新しい政策を立案してきて、それを実現してきているということがあり、世田谷区の職員自身がそういう力を持っているということも感じるからで、今なぜシンクタンクをつくってまでやっていく必要があるのか、今のままでもいいのではないかという疑問を感じるからです。  今回つくるに当たっては、例えば庁内にプロジェクトチームをつくるという方法もあったのではないかと思いますけれども、あえて平成十八年度予算に一千万円を計上して、シンクタンクに頼んだというわけですから、それなりの結果を求められるのは当然ではないかと思います。具体的な設置のあり方というのはこの資料に書いてありましたので、この冊子を読んだので、今回の出された方向性というのはわかります。  でも、今回知りたいのは、一千万円かけたからこそ何がわかったのか、今、世田谷区に何が欠けているからこそシンクタンクをつくろうとしているのかということをお聞きしたいと思います。 ◎金澤 政策企画課長 一千万円というお話ですが、これは平成十八年度のシンクタンク研究のための委託料ということでございまして、現実的には八百万円という委託料でございました。  それで、そのシンクタンクの検討結果でございますけれども、まずシンクタンクの機能につきましては、学術的な研究を初めさまざまな機能がある中で、世田谷区の基本計画のさらなる推進を見据えまして、政策立案機能の強化の一翼を担える政策研究所というものが必要だという判断になりました。現状でも十分ではないかということでございますが、私どもとしては、一歩進んだものにしたいというふうに考えております。  今後は、この大きな目標のもと、中長期的な課題を見据えた情報の収集や分析なども行っていきながら、多様な調査研究活動を通じまして、職員の政策立案に係る能力や技能の向上も図れるような機関にしてまいりたいというふうに考えております。  また、具体的な設置方法につきましては、行政の持つ限られた資源の中での効率的展開と行政本体との一体的な運営を図る観点から、独立した財団法人系の外部設置型ではなくて、区組織の内部に設置いたしまして、既存の区組織はもとより、民間機関との連携協働を図りながら調査研究活動を進めていく、こういった方式を選んだところでございます。  所長についても触れさせていただきますが、その選任につきましては、行政法を初めとした法律の分野で活動されている、こういった有識者の登用も意味はあると思うんですが、それとは観点を変えまして、社会学という実践的なフィールドで行動される方、例えば協働なんていうことについては、社会学で一番取り上げるような現在の状況がございますが、そういった方がよろしいのではないかということで、その見識を本区の実情に生かせるのではないかという結論に至りまして、既にご報告申し上げておりますが、首都大学東京大学院の森岡教授にお願いするということになった次第でございます。 ◆桜井純子 委員 報告に書いてあることは、お読みしたのでわかっていると申し上げたと思うんです。  平成十九年度については一千九百二十一万一千円の予算を立てていますけれども、先日の私たちの会派の代表質問に対する答弁の中で、研究所として内外の信頼をかち得ていきたいという言葉がありました。今後、せたがや自治政策研究所を設置したとして、毎年数千万円の経費がかかっていくことになりますけれども、この支出についてどのように区民に理解を得ていくのか、信頼をかち得ていくのかということについてお聞きします。 ◎金澤 政策企画課長 本年度の予算は二千万円を切る千九百二十一万一千円ということで、この中には、初年度でございますので、初度調弁経費などがございます。研究所自体は区の庁舎の中にございますので、そういった経費はかかりません。  そういう状況なんですが、二千万円以下の金額ということで、我々としては、例えば横須賀市あたりですと、経常でも二千五百万円ぐらいかかっておりますが、それよりも絞ってやりたいということで、区民の目線に立った行政経営というようなことも意識しながら、こういった金額に抑えたということでございます。  テーマについては、当面は八十四万区民を擁する自治体世田谷区における区民等との協働のあり方、これを一つのキーワードといたしまして、あわせて十九年度は、現在の区民の生活に必要不可欠で、あらゆる区の領域に求められております福祉のまちづくり、こういった観点を持って対応することとしております。  具体的な内容は、所長以下決まりまして、十九年度の体制の中で詰めていくことになりますけれども、地域における課題を解決に結びつけるための政策形成に貢献できるせたがや自治政策研究所を目指しまして、区民に納得していただける政策が出せる体制、こういうものが整ってきたというふうに考えております。 ◆桜井純子 委員 なぜ二千万円以下になったかとか、二千万円以下だからという話を聞いているのではなくて、区民に対して公開性を持たせたり、どのように納得してもらうような仕組みを持っていくのかということをお聞きしたんですが、今のところ何も決まっていないということですね。一千万円かけてシンクタンクに頼んで、その中身の仕組みみたいなところまでは手をつけなかったということでいいですか。 ◎金澤 政策企画課長 私の方でご説明しているのはそうではなくて、きちっとした体制が整ってきているというふうに申し上げているところです。 ◆桜井純子 委員 せたがや自治政策研究所の詳細を見ますと、プロジェクトチームをつくって調査研究を行うと。先ほどもそういう言葉があったと思うんです。  先ほども私は触れたわけですが、今現在も各所管にプロジェクトチームなどをつくって政策立案を行っていますよね。調査研究をして政策提案とするということがシンクタンクの今後の役割になっていくようですけれども、それでは、各所管に対する予算のつけ方とか、所管の政策立案の役割などが大きく変わっていくということになるんでしょうか。 ◎金澤 政策企画課長 区全体の調査研究委託料につきましては、今回の十九年度予算の別冊の九〇ページの方に掲げさせていただいておりますけれども、恒常的な調査業務の委託、それから事業を所管する職員が直接行うものなどを精査いたしまして、社会情勢の変化に伴う区民ニーズ調査、あるいは新たな施策を展開するための市場調査等、高度な専門的な知識に基づいて、一時的かつ緊急性のある調査研究について予算計上しているところでございます。  一方、せたがや自治政策研究所は、活動の中心は政策経営部の中の政策研究担当課長を含めた六人の職員が行いまして、所長に就任される首都大学の教授の指導助言をいただきながら、民間等の力を活用した体制を構築するものでございまして、この体制の中で、各事業所管と連携いたしまして、各事業所管からのさまざまな研究依頼に基づいて、その事業所管と一緒にやるということですが、今申し上げたその一部について調査研究を行っていくということでございます。  したがいまして、今後の区の調査研究につきましては、おのおのの調査研究の内容や効果などを念頭に置きまして、事業所管職員が直接行うもの、各民間機関が持っている得意とする分野など技術や専門性などを活用することにより実施するもの、あるいは、今回新たに設置するせたがや自治政策研究所が所管部と連携して対応するもの、こういったものに分類されていくんだと思います。  いずれにいたしましても、区民ニーズに対応した施策の実施に活用できる、効率的な調査研究を全体として進めていきたい、それが重要であるというふうに考えております。 ◆桜井純子 委員 所管の役割がどういうふうに変わるのかよくわからなくて、長々とお話をされているだけだったのであれなんですが、じゃ、すごく変わる部分というのはどういうところなんですか。簡潔に言っていただけますか。 ◎金澤 政策企画課長 所管部ですと、事業執行しながら、同時に調査研究もするんですが、せたがや自治政策研究所については、それを一歩場を変えて、じっくり腰を落ちつけて研究活動をするという中身になってくると思います。 ◆桜井純子 委員 じゃ、ずっと研究している人たちができるということだということですかね。 ◎金澤 政策企画課長 内部型に持っていったのは、ただ研究だけをするというものをつくったのでは意味がないので、各所管部から出てくるテーマをより掘り下げて、それから所管部との連携をしながらやっていくというところに重点を置いておりますので、ただ研究するものをつくったものではございません。 ◆桜井純子 委員 あともう一つ気になるところが、先ほどお答えの中で職員の能力の向上ということがありましたけれども、そのことに関しては、現在では研修調査室などが行っていると思うんですが、そういう意味では、職員研修なども大きく変わっていったり、連携があったりとかいうことなんですか。 ◎金澤 政策企画課長 職員研修も非常に重要な職員の育成の手段でございます。今回は自治政策研究所につきましては、その職員に研究ということをやっていただきまして、その職員が研究を通して区にいろいろ発信する中で、世田谷区全体の研究事業の土壌、あるいは掘り下げた研究、そういうことを伝えていくことによって全体のスキルアップが図られるということでございまして、それぞれ役割分担があるんだろうと思います。 ◆桜井純子 委員 この研究所をつくることの意義というのはまだ全く納得ができないんですが、この研究所をつくって、その成果を出すということに焦るばかりに、現場の中で大切な人材というのを研究所に集中させていくようなことがあってはならないと思いますし、大事にしていただきたいのは、各所管が現場で動いているということで、研究している人の人数がふえていったり、そこの質が高まっていくということが、世田谷区の運営にすごく役立つとは私は思いません。  それでは、地域行政制度、まちづくり出張所についてお聞きします。  せたがや自治政策研究所の中にも、世田谷区における区民との協働のあり方ということをキーワードに掲げているように、世田谷区は区民との協働、区民の参加をどのように促すかということが重要なことになっていると考えます。  三層構造で区民サービスを充実しながら、地域で身近な出張所が区民と関係性を持って、これまではまちづくりを行ってきたということでしたけれども、ここ二年で、出張所の改革があったり、出張所から土木課の引き揚げがあったりと、区民にとって必要な改革じゃないんじゃないかというようなことが大きくあったということがあります。この改革については、本気で区民参加、協働を一歩も二歩も進めていこうとしているのかということに関しては、私は大きな疑問を持っています。  おととしの決算特別委員会でも、土木課のまちづくりに対する大きな役割ということは、私も意見を申し上げましたけれども、そのときには、議会の中でも反対の意見が多かったというふうに記憶しています。その中でこの改革というのを強行してきた。土木課の引き揚げもそうですし、出張所の改革も強行してきたという印象があるんですが、新たな出張所、まちづくり出張所というものに変えまして二年たって、まちづくり出張所が閑散としている状況などを見ますと、この二年で進められた組織の改革は、まちづくりにプラスに働いているとは感じられません。  地域住民とまちづくりをするために何をしてきたのか、組織改革が裏目に出ているとしか思えないというふうに思いますけれども、率直に言って、今の状況を区はどのように考えているんでしょうか。 ◎中田 地域行政担当課長 お答えいたします。  この間の出張所改革や土木等の組織改正の背景には、時代の要請といたしまして、行政運営の効率化であるとか組織のスリム化、あるいは定員適正化計画などの行政改革を推進する必要もあったということはご案内のとおりでございます。  現在、まちづくり出張所における地区課題への対応に当たりましては、総合支所や本庁との連携、相互協力のもとで進めておりますけれども、地区まちづくり支援の強化という出張所改革の理念に向けましては、今後も限られた資源を有効に活用しながら、組織総体として、さらに工夫を進める必要があると認識しております。  加えて、志を同じくする区民の皆様と手をつなぎ合って、地区まちづくりを支援する力を増強してまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井純子 委員 新たな出張所の役割というのは、区民に信頼されるコーディネート役ということがあったと思うんですけれども、今現在、本当に担えているのかということはどうなんでしょうか。 ◎中田 地域行政担当課長 一つ事例を挙げてご説明したいと思いますけれども、最近の調査の数字でございますが、身近なまちづくり推進協議会や青少年地区委員会、あるいは町会、自治会関係で、地区の拠点としてどうかかわったかという数字をご紹介申し上げますと、改革初年度の十七年度は、職員が従事したイベントや会議、二十七地区で合計約七千八百回ございます。延べ従事時間に直しますと八万二千時間、延べ従事人数にしますと約一万九千人となっております。まちづくり出張所が積極的に関与し、また、いわゆる縁の下の力持ちになっているこのようなイベントや会議に参加された区民の総数は約百五十八万人でした。十八年度につきましては、九月末までの上半期の数字ですけれども、これを単純に二倍いたしますと、十七年度と比べて若干であるが上回るというような見込みになっております。  もとより地区まちづくりは息の長い取り組みでございまして、一朝一夕に劇的な成果があらわれるとは限りませんが、今後も地道な積み重ねを重ねながら、信頼を持っていただけるような取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井純子 委員 何かいろいろ数字を言われたというのはわかりますけれども、コーディネート役としての役割はどういうふうに担えているのかという具体がちょっとよくわかりませんでした。  庁内からは、私がちょっと聞いた話ですけれども、出張所利用者人数で拠点出張所とまちづくり出張所というふうに分けたことに対して、出張所の格付をしたというふうに感じていて、職員はやる気そのものを失っているということも聞いたことがございます。まちづくり出張所に対する意義を庁内でも理解されていないのではないかと思います。庁内での理解の共有、それがなくしては改革が進められるとは思いません。こういう状況の中で、区の言う地域でのまちづくりというものも進められるわけがございませんし、区民の理解を得られるわけがないというふうに思います。  まちづくり出張所の目指す方向性を庁内で本当に共有できているのかということが疑問ですけれども、この部分が根本的な課題になっているのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎中田 地域行政担当課長 庁内の共有につきましては、まちづくり出張所は改革後、ますます重要な組織であることを事あるごとに周知し、例えばまちづくり研修などを通しまして、職員の意識やフットワークを高める取り組みを進めてまいりました。しかし、今のお話のように格下げと感じた職員がいたとしますと、これは一言で申し上げて、とても残念であるというふうに思います。一方で、ある地区からは、あの所長は命がけでやっているよというような声も聞こえてまいります。職員の思いはさまざまであろうというふうに思います。  何分にも、さきの出張所改革というのは、平成三年度から続いてきた地域行政制度に係る大規模な改革でありましたために、職員に対しても強い影響を与えたことは間違いないことだと思っておりますので、引き続き地区のコーディネーターとしての役割を一層果たしていけるように、先ほど申し上げましたような研修の充実等を図りながら、区民の皆様が気楽に出張所、まちづくり出張所にお越しいただき、良好なコミュニティーの形成に向けましてともに手を携えていただけるよう、機会あるごとに改革の意義のPR、あるいは職員の意識改革、情報の共有に努めてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。 ◆桜井純子 委員 新しい改革をするときには、改革した後に、何がだめだったのかということを早急に見直すことが大事ですし、そのことを見詰めることができていなければ、失敗の坂を転がり落ちることになりますので、これは区民生活に大変大きな影響を与える部分ですから、早急に検証していただきたいと思います。  それでは、パブリックコメント制度について質問いたします。  世田谷区は、区民参加、協働を進めるということで、基本計画にも「区民が創るまち」「協働のまちづくりの推進」という項目がございます。区民参加を保障する仕組みとして重要な制度の一つが区民意見提出手続、いわゆるパブリックコメントです。二〇〇六年四月に改正された行政手続法第四十六条に地方行政団体の措置として、法の趣旨にのっとり、パブリックコメント手続を制度化するように努力義務を課しています。行政手続法の目的は、行政運営における公正性の確保と透明性であり、他自治体のパブリックコメント条例では、それに加えて住民参加ということも目的に掲げているところがほとんどです。  世田谷区では、二〇〇五年の九月からこの制度が始まったわけですけれども、運用は区民意見提出手続で行っています。世田谷区のパブリックコメント制度はこのように基準で運営されているわけですけれども、基準というのは、区の内部で定められている手続基準ということになりまして、区の考え一つで、内容を変えることもやめることもできるということです。  パブリックコメントの大もとになる行政手続法では、まず目的を行政運営の透明性を確保することということは申し上げましたけれども、こういうふうに定めているのに、自治体が勝手に運用内容を変えることができる状態にしておくということは、目的の透明性の確保ということに照らし合わせますと不適当であると考えます。この制度が、議会の議論、議決を経ないで、区が一方的に変えることができるような不安定な状態にしておくことは、制度の趣旨には合わないと思います。  本気でこれから区民との協働を進めようと考えるならば、パブリックコメント制度というものを条例化していくことが大事だと考えますけれども、区の考えをお聞きします。 ◎本橋 広報広聴課長 区民意見提出手続、いわゆるパブリックコメントにつきましては、区民生活に大きな影響のある計画ですとか条例等の政策形成過程におきまして、区民の皆様からのご意見をいただき、その意見等に区の考え方を付して公表することを通しまして、区政の透明性の確保、あるいは区政への区民参加の促進、こういったものを図るものでございます。  これまで実施状況につきましては、実施の初年度となります昨年度、世田谷区健康づくり推進条例ですとか、あるいは世田谷区男女共同参画プランなど十一施策につきまして実施しております。また、今年度は世田谷区障害福祉計画など五つの施策について実施をしたところでございます。  こういったいただきましたご意見につきましては、例えば世田谷区災害対策条例では、ボランティアへの活動支援、落下物対策など、こういったご意見を素案に反映したり、また、条例案では定義を入れるなど、皆様からの貴重なご意見を反映しているところでございます。  ご質問の条例ということでございますが、これにつきましては行政手続法の規定というお話もございましたが、こういった政策策定あるいは計画策定に当たりましては、議会でのご議論も十分踏まえた上でということで決定しております。このパブリックコメントにつきましては、引き続き私どもは内規となります基準で考えているというような状況にございます。
    ◆桜井純子 委員 基本的なスタンスとして、パブリックコメントというものを、区民参加と協働を進める上で、区民の権利として位置づけるかどうかということになると思うんですが、その権利を保障するという観点からも、条例による制度化というものが必要だと考えます。  それでは、質問者をかわります。 ◆桜井征夫 委員 今後の財政運営についてお伺いをするわけですが、きょうは、まず起債についてお伺いいたします。  私は、これまで当区の起債に関して、早期に計画的な償還を進めるとともに、財源の積極的な基金への積み立てを行うよう、たびたび発言し求めてまいりました。平成十九年度当初予算には、今後三年間の財政見通しについて示されておりますが、それによりますと、税収等の一定の増収により、一般会計の予算規模は三%程度の伸びを見込んだ上で、今後の起債発行をこの間の七十億円発行限度から五十億円に切り下げ、一応の抑制を図ろうとしていることが理解できました。  バブル崩壊を経験して以降、起債問題は財政運営に大きな影響を及ぼす重要な問題であります。ここで、当時を思い起こしたんですけれども、きのう、自民党のある議員から当時のお話がありました。バブルのとき、ちょうど六百五十億円から六百八十億円を積み立てましたね。あの議論のときに、実は税収がどんどんふえるものですから、あれもやれ、これもやれ、あるときは財テクをやれという議論まで出たんです。それで、全国の自治体にそういうところが一、二出てきまして、それを視察に行こうという話まで出た。それを私は、それはおかしい、やるべきではないという発言をした覚えがございました。当時の理事者の聡明な判断で、やはりきちんと積み立てる。そしてその後、バブルが崩壊して、その基金を崩して計画的に、とにかく変更することなく世田谷区の事業が進捗した、こういう経緯があるんですね。  だから、起債問題というのは非常に重要なんです。今少し景気がよくなったからといって、どんどん使おう、あるいはそれを何かに投資しようという気分というのは非常に高まってきますが、後でこの問題は触れますけれども、そういうことを思い出しながら、教訓としながら、この問題についていろいろお尋ねをしたいというふうに思ったわけです。  そこで、まず確認の意味でお伺いいたしますが、特別区債の発行に当たって、平成十八年度より許可制から協議制に移行され、今後、国や都からの発行許可が出なくても、当該自治体の議会が報告を受けて、了解すれば起債ができる制度になったようですけれども、具体的には何がどのように変わったのか、まずお伺いしておきたいと思います。 ◎宮崎 財政課長 今お話がございましたように、いわゆる許可制から協議制に変わったわけでございますが、主なポイントといたしましては、都知事の同意が得られない場合でも、議会のご了承を得て、起債の発行が可能ということがございます。  事務手続の関係でございますが、こちらにつきましては、今のところ大きな相違点はないという状況でございます。さらに起債発行の、言ってみれば制度という部分については大きく変わっております。  一点目は、この協議制度の移行に伴いまして元利償還費に充てられます割合、これは指標としています実質公債費比率、こちらが新たに用いる指標になったわけですが、こちらが一八%以上になった場合には、今までどおり許可というものが必要になるということです。さらには、この比率が二五%以上になった場合には、原則として許可されないという状況が生まれてくるということです。つまり、許可制から協議制への移行によりまして、地方公共団体の自由度を高める一方で、この実質公債費比率という厳しい指標を導入することによりまして、財政状況によっては公債の発行を厳格に管理するという面がございます。 ◆桜井征夫 委員 また別の角度からちょっとお尋ねしますが、先日の経済専門誌を読みますと、夕張市の破綻が引き金となって、起債のあり方が全国の自治体に問われていると。特に国の財政状況を考えると、既に政府の補償機能は移っており、今後、自治体が借金をする場合には、よほど慎重にならざるを得ないのではないかと指摘しておりました。  たびたび発言してまいりましたように、少子・高齢社会の急速な進展に伴って、必然的に増大する福祉需要に対応した基盤整備を進めていくためにも、それに必要な財源の確保は欠かせませんが、同時に、起債も含めて健全な財政運営を維持していかなければならないという責任を負うわけでありますが、この両面をどのように成立させていくかということが、実は今求められているのではないかと思います。  本来は例外的な資金調達と位置づけられながらも、実態としては地方自治体の資金調達手段として欠かせない格好となっている地方債は、当区にとっても、今後においてもその重要性に変わりはないと思いますが、債務残高が八百兆円という国の状況を視野に入れると、特別区債の発行は、民間金融機関、つまり市場とどのように向き合っていくかということが非常に重要になってきたと思います。地方自治体は、いや応なしに市場に向き合う必要があり、民間資金への依存度を高めざるを得ません。したがって、将来にわたって市場から信任を受け続ける存在でなければならないということになるわけであります。  この点についての認識と地域金融機関との連携をどのように図っていくのか、あわせてお伺いいたしたいと思います。 ◎宮崎 財政課長 今、特別区の状況でございますが、特別区が地方債を発行する場合には、元利の支払いその他の取り扱い事務を合理的に行うという趣旨で、特別区債の信用性、流通性に関しまして統一的な処理を図る必要から、二十三区は今同一の条件ということでございます。しかしながら、二十三区におきましても財政状況に格差があるため、中期的に見れば、発行条件に差が出てくるやもしれません。その際に、地域金融機関との連携についても視野に入れておく必要があると考えております。  また、地方債の発行に当たりましては、自治体間で利率等の調達コストに差が出ることが予想されることから、引き続き財政の健全性を維持していくことが不可欠であると認識しております。  一方、区民や投資家に対しましては、今後とも財政状況等をわかりやすく開示していくよう努めていかなければならないと思っております。  なお、この間、住民参加型の市場公募債でありますせたがや区民債につきましては、地域金融機関を窓口に四回発行しておりまして、今後ともその意味での協力連携を深めてまいりたいと考えております。 ◆桜井征夫 委員 現実には、全国の自治体を見ますと六対四で、もう民間の方が多くなっているんですね。だから、非常に重要な問題と。この背景についてもお話ししたかったんですけれども、自分なりの考え方を申し上げたかったんですが、時間の制約がありますので、次の機会にして、次に移りたいと思います。  十九年度当初予算の各二十三区の状況が発表されております。この新聞報道をごらんになった方もいらっしゃると思うんですけれども、これを見ますと、各区の行政需要はさまざまあると思いますが、当区と比較した場合、財調交付金の見込みを初め、国庫や都支出金の増減が各事業予算に与える影響が大きいのではないかというふうに思われます。  一方、先日のある新聞によりますと、史上空前のバブルとの見出し――このことですがね。ここに書いてあります――で、積極予算が目立つ旨の記事が掲載されておりました。確かにある区では前年比で三七五%の増など見積もっており、当区においても八六%と、大幅に増額を見込んでいるようです。  そこで、二十三区と比較して、当区の十九年度当初予算はどこに特徴が出ているのか。また、財調交付金が大幅にふえた理由は何か。今後この新聞をごらんになって、感想も含めてお聞かせいただければありがたいんですが。 ◎宮崎 財政課長 まず、二十三区と比較した場合の世田谷区の特色ということになりますけれども、二十三区全体のお話を申し上げますと、予算規模におきましては、十九年度に向けまして前年度比でマイナスにした区が四区あるということは、逆に言いますと、世田谷を含めましてですけれども、十九区がプラスにしたということです。  それから、二十三区の前年度比の平均でございますけれども、三・九%の増という状況がございます。その中で、今お話にもございましたように、例えば都支出金や国の支出金、これらは各区の事業予算と重立って連動しますので、これを一概に比較というのは難しいのですが、先ほど起債のところで、委員の方からもお話がございましたように、この機に地方債を発行しない区というのが五区あらわれてきておりまして、今後ともこの起債抑制というのは、二十三区の大きなテーマにはなってくるというふうに思っております。  それから、歳入の中では、やはり財調交付金の部分の差がかなりあらわれてきておりまして、冒頭に他会派の方からもお話がございましたように、一番多い区で一般会計の占める割合を四六・一%まで組んでいるところや、世田谷区の場合には、これが一八%、一番低いところでは五・五%と、かなりの差が出てきているということで、この辺も、特別区全体を見ますと一つの特色になってくるということでございます。  それから、歳出の方でございますけれども、特に大きなウエートを占めます民生費を初めとしまして、土木費、教育費の動きでございますが、二十三区の平均よりは、民生、教育費につきましては、伸び率にしまして世田谷区の方が大きくなってきているという状況がございます。ただ、こちらにつきましても、各領域のところでの民生費、教育費の振り分けが各区によっても違いがありますので、その数字だけでは一概に追えないので、特色といたしましては、当区の場合にはそのような状況にあるということは思います。  それから、特別区交付金の増減のお話がございました。一番多いところで三七五%ほどふえているということで、世田谷区においても大きくふえているということでございます。  こちらにつきまして、十九年度の特別区交付金でございますけれども、平成十八年度の交付見込み額を基本にいたしまして、再三申し上げております個人住民税所得割の一〇%比例税率化、いわゆるフラット化によります影響や配分率の三%アップなどを考慮して、十八年度当初予算と比較して、当区の場合、百九十億円、八六・四%の四百十億円で見込んだところでございます。  大幅な増額の理由でございますけれども、このフラット化の変更、それから区の税収が大きく減少しているということ、これは二十三区の税収のシェアでやることになりまして、このような結果が出るわけです。さらには、十八年度の状況にさかのぼりますが、主要五課題の関係が決着しなかったということで、かなり安全に組んだということも要因として、結果として前年度比で大幅な増額となったものでございます。 ◆桜井征夫 委員 基本は特別区民税をいかにふやす政策を進めるか、区政にするかということ、財源の占める割合をふやすかということが基本だと思います。とかく起債というのは、今までもそうだし、これからも、私はその辺を注意しておきたいんですが、今お話がありましたように、これは税収が少しふえると、あれもやれ、これもやりたいというふうになるんです。悪くなると全部削る、こういうことを繰り返しては政治はよくならないんです。  そこで、福祉の問題もそうですけれども、こういう繰り返しだったということを申し上げたいんですが、要するに起債というのは、結局、利子を補てんしてくれると安易になるんですね。要するに、今までは国が面倒を見てくれるからということでやっちゃう。それがどんどん蓄積する。世田谷区はそういうことは今までなかったと思いますけれども、全国の地方自治体が窮屈で大変な思いをしているのは、もともとは日米構造協議によって、それを地方自治体に割り当てて公共事業をやらせたという国の反省が、今そのツケがここに来ているんです。そういう構造になっていますけれども、しかし、我々も、とかく起債を発行するときに非常に安易になる。これは、どうせ最終的には国が面倒を見てくれるんだからということがあったと。やはりそういうことを念頭に置きながら、起債の運用というのは非常に慎重でなければいかぬということを私は申し上げたいんです。  そのことだけ申し上げて、角度を変えてちょっとお尋ねしたいんですけれども、区長は、ここに来て道路のスピードを二倍にするとおっしゃった。きのうもどなたか発言されましたけれども、私も関心があって道路を調べたんですが、狭隘道路は全然進んでいないじゃないですか。条例をつくるときには私もかかわったから一生懸命発言をしてきたので、狭隘道路の解消のための条例づくりをしました。計画的にできてきましたけれども、進んでいないんだ。  当初、就任のときに、消防署の問題、火災の問題、事故の問題、まさに今で言う安心安全のために、そういう狭隘道路あるいは生活道路を改修する、改善をしようということだったんです。だから、私はいいことだ、必要なことだと申し上げたんです。しかし、調べてみれば進んでいない。これはやはり起債の関係があるのでしょうか、ないんでしょうか。この辺について、要因についてちょっとお尋ねしたい。 ◎宮崎 財政課長 今お尋ねの狭隘道路ですけれども、これは幅員四メートル以上に拡幅するための事業でございます。この間の狭隘道路の中でも、密集地区という形の事業の手法を変えることによりまして促進を図ってきている三宿・太子堂地区のようなところもございます。  今、起債とのかかわりということでございますけれども、こちらにつきましては、いわゆるセットバックする用地を、地権者より建てかえの際に寄附してもらいまして、区が整備するという関係から、起債と直接的にその部分が絡むわけではございません。さらに密集事業についても、現時点で起債の必要性はないと考えております。起債の関係で申し上げれば、先ほどお話がございましたように、厳格に、的確に対応していきたいというふうに考えております。 ◆桜井征夫 委員 狭隘道路そのものについては起債は関係ないでしょうけれども、要するに世田谷区の場合はまちづくりとの関係でやっていますよね。やっぱりこの問題が背景にあるということね。だから、起債は全く関係ないということではありませんけれども、今のようなお話でよくわかりますが、まちづくりの観点からも、やはりこの起債の問題は重要な問題としてとらえておく必要があるということだけ申し上げておきたいと思います。  そこで、次のテーマに一つ移りますが、職員の数を削減したということで、非常に誇ったような姿勢が見られますけれども、私が調べますと、決して減らすことがいいことだとは思いませんね。逆に臨時職員はどんどんふやしているじゃないですか。もう年々ふえて、すごいものですよ、いいんですか。ですから、減らさなければならない、減らすことが目的になってしまっていたのでは、本来の趣旨と違ってくるんですよ。  そこでお尋ねしたいんですが、非常勤職員のふえた背景は何なんでしょうか。 ◎八谷 人事課長 非常勤がふえた背景といいますか、非常勤につきましては、法律による設置を義務づけられているものから、各自治体で任意に設置できるものまで、その職種につきましては多種多様でございます。非常勤がふえた理由ということになりますと、新たな行政需要に対応していくこと、あるいは専門性のある職、そういったものについて充てる、あるいは非常勤の職にふさわしい職務内容がある、こういったこと。また、今もちょっとお話がありましたが、正規職員の代替的な部分というのもあろうかと思います。これにつきましては、育休であるとか、産休であるとか、あるいは年度途中における退職、こういったことで、職員のかわりとして活用させていただいているという部分があろうかと思います。  また、非常勤がふえた内容といたしましては、子ども、あるいは子育て支援策、こういったものの充実のために非常勤の職員を充当している。あるいはいじめ、不登校などの教育施策の充実。また、職員の事務補助等、そういった形での非常勤の方を充てるという形で導入されている、こういうことでございます。 ◆桜井征夫 委員 まだこの問題は少しやりたかったんですけれども、時間が参りましたので、この辺で打ち切りますが、将来いろんな問題が起きないように願っております。これだけ、一言だけ申し上げておきたい。  次に、一般質問で取り上げられなかった問題なんですが、先日、ドイツの保険会社から、世界で一番危険な都市として東京が挙げられております。これは非常に驚きました。これは地震が起きる可能性があるとかなんとかということも含めてもちろんなんですが、要するに企業でも生活でも直ちに再建できる能力を持っているかどうかという評価なんですね。要するに、それが能力としては非常に低いということなんです。だから、投資をする側の判断ですよね。投機、日本に投資をする場合に、投資のしがいがあるかないかという価値基準も含まれた判断なんですね。これはやっぱり非常に注目すべきことだと思う。それは、そういうことがあったということ。  一方、東京都も国も、もう既に被害想定をどんどん公表しております。一方、三年目を迎えた中越地震の被災地では、被災者の五百五十世帯の約千六百人が依然として仮設住宅にまだお住まいになっていらっしゃる。再度申し上げますけれども、説明はもう要らないと思いますが、自然災害に見舞われたら、被災された方々の生活再建、企業で言えば企業の再建、復旧をどうするかということになります。  私たちが今申し上げるのは、被災者の住民の方々の生活再建をどうするかということは一番大事なことだということを再三申し上げてきたし、経験上で申し上げているんです。必ずそうなるんですよ。なのに、なぜ条例の中に入れないんですか、再度お聞きします。 ◎萩原 災害対策課長 被災者の生活再建の重要性につきましては、区も十分認識しているところでございます。ただ、大規模地震につきましては、その被害額あるいは範囲が広範囲に及ぶことから、広域自治体との連携が欠かせません。区では、こうした重大な災害が発生した場合、東京都が設立する震災復興基金の中身との連動を図りながら、災害復興基本方針あるいは災害復興計画の中で具体化をいたしまして、迅速かつ円滑に進めてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、地震等の災害から区民の生命、財産を守るため、地域防災計画等に基づきまして予防型の災害対策への転換を図りまして、災害に強いまち世田谷をつくってまいりたいというふうに考えております。 ◆桜井征夫 委員 室長、最後に何か一言ございませんか。 ◎室星 危機管理室長 今課長が申し上げたとおりでございますけれども、災害対策、予防型災害対策にしっかりと取り組んでいきたいと思います。 ◆桜井征夫 委員 これを放っておいては予防にならないんですよ、考え方を間違わないようにしてください。ドイツの例は、もう企業に対してそういう考え方を持ち出しているんです。そのことをよく認識していただきたい。もう一度やりたいと思いますけれども、ぜひお考えいただきたい。  以上申し上げて終わります。 ○畠山晋一 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午後零時十分休憩    ──────────────────     午後一時開議 ○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合、どうぞ。 ◆すがややすこ 委員 午前中に引き続き、民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質疑を行ってまいります。  まず初めに、公共施設整備の今後のあり方について、改築とか改修というところを中心に質問いたします。  区内の公共施設を見てみますと、例えば区立の小中学校が九十五校、また、保育園が五十二園、児童館が二十五館、そして、その他高齢者施設ですとか区民集会施設、五総合支所もあるわけですけれども、大変多種多様で、またそれぞれの施設に対する区民ニーズも高いと思います。  また、これらの施設というものは、もちろん時間がたてば老朽化してくる。また、区民の方々の施設需要というのも、五十年たってくると、だんだん乖離してくるものもあるというふうに考えます。さらに、古い施設ではバリアフリーなども、これまでの各委員からの質問にもありましたように大きな課題となっています。  区は、この状況を踏まえ、平成十七年度に公共施設整備方針を打ち出したわけですけれども、この方針に基づいて、今後、区が公共施設について改築ですとか改修を行っていく上でどのように取り組んでいくのか、そこに優先順位のようなものがあるのかということについて質問いたします。 ◎金澤 政策企画課長 今日の社会状況をあらわすキーワード、これは幾つかあると思うんですが、一番大きいのはやっぱり少子・高齢化だろうと思うんですが、それと並びまして、人々の価値観の多様化ということも大きな要素ではないか、キーワードになるんじゃないかというふうに考えております。  その価値観の多様化に伴いまして行政ニーズの方も多様化してまいりますが、今お話がありましたその公共施設に対するニーズも多様化し複雑化しているということでございまして、区としては中長期的な視点に立って、そのニーズにこたえていく必要があるというふうに認識しております。  こういった状況の中で、平成十七年度に策定いたしました公共施設整備方針におきましては、中長期的な視野に立ちまして、子どもや高齢者人口の変動に代表される新たな需要につきまして、既存施設の有効活用を基本として計画的対応を進めるということにしております。  この間、区では施設の耐震化やバリアフリー化など、短期的な対応を図るものは行ってまいりましたけれども、方針に基づいた取り組みを総合的かつ確実に進めるため、中長期の視点に立ちまして、来年度より、これは予算書の別冊の方にも載せさせていただいておりますが、区内の公共施設について調査検討に着手するということでございます。  具体的には、区内全施設の利用状況等の現況について調査し、その分析結果に基づく建物の状況や運営状況などから優先的に対応すべき施設を検討し、二十年度からの公共施設整備方針に基づく取り組みとしてまとめてまいりたいと考えております。  今後も公共施設整備方針に示しました整備の方向性に基づきまして、多様化する区民ニーズ、施設ニーズに対応していきたい、こんなふうに考えております。 ◆すがややすこ 委員 今のお話ですと、基本的には今ある施設を有効活用していくということもありましたが、実際に十九年度の予算書を見てみますと、砧総合支所建てかえに約八億円、駒沢小改築に六・七億円、給田小学校に二十一億円、東深沢小学校に七億円、松沢小学校十一億円で、その他区民施設などの改修、改築で約百億円程度の予算づけが平成十九年度でされています。この百億円という予算自体、区全体の予算に与える影響というのは大変大きいというふうに思います。  したがって、先ほどもありましたけれども、中長期な見通しを持つということ、それから改修、改築の基準というのをある程度明確にしていって、区民への透明性を確保していくということ、これは大変重要だというふうに思います。区の見解をお伺いいたします。 ◎宮崎 財政課長 今、透明性というお話がございましたが、私どもの方では、この後、三カ年の財政見通し等も立てさせていただいているところです。今お話もございますように、公共施設の改築、改修の需要増大は、今後の財政運営面におきまして非常に大きな課題であるというふうに認識はしているところです。  この公共施設の改築、改修につきまして、先ほど政策企画課長の方からもご答弁申し上げていますように、基本的には既存施設の有効活用を図っていきたい、これを基軸に今後検討を進めるというふうになりますが、私どもの方でも、それにしても、やはり財政負担というところに対しましては均衡も図りながら中期的な財政見通しを立てていく、このような必要性があるというふうに考えています。  その際に、今申し上げました三カ年財政見通しの中では、平成二十一年度までに対応することとしています学校の耐震化経費、それから老朽化に伴います学校の改築経費、さらには、今お話がありました砧総合支所・区民会館の改築経費、これらにつきまして、既に財政見通しの中では織り込んだところでございます。  また、その他の公共施設につきましても、バリアフリーのお話もございましたけれども、具体的な対応を検討していくことになるわけですが、これらの結果を踏まえまして、至急財政見通しの方に反映していくということを考えております。  いずれにいたしましても、今後の改築・改修経費の財源確保の面を含めまして、他の区民サービスの実施に影響を与えることのないよう、徹底した行財政改善の取り組みを初めといたしまして、基金や起債の適正な活用を図りながら計画的に進めたいと考えております。 ◆すがややすこ 委員 今、財政課長の方からご答弁がありましたけれども、改築ということになりますと、やっぱり大規模施設では、予算的にかなり四十億円とか五十億円とかすごくかかってくるわけですよね。そういう中では、やっぱり財政見通しを立てていくということが大変重要だと思います。  先ほどもちょっと申し上げたんですが、学校改築というところも今、大変大きな予算組みがされていまして、さっき挙げたので四校あると思うんですね。これまで、十九年度で予算づけされているので四校、さらに一月には、新しく学校改築予定校ということで、教育委員会の方から新たに三校が基本構想に入るということで示されました。  その教育委員会の方からの報告では、耐震性確保の必要性ですとか老朽度、また、学校の築年度、児童生徒数の推移予測、近年の改修状況、地域バランス等を勘案していくというふうに報告があったわけですけれども、その中で挙げられている区立の芦花小学校、中学校は築四十九年ということで、烏山北小学校は築四十年ということなんですね。さらに、烏山北小学校は二年ほど前に芝生化とかもされていて、必ずしも明確な基準とか区民への透明性ということについては、やっぱり疑問を持つ点もあると思います。先ほどのご答弁がありましたとおり、今後の改築についてはしっかりと中長期的な見通しを持って、区民への透明性を確保していただきたいというふうに思います。  それからもう一つ、砧総合支所に関しては、今回予算づけがされていますけれども、建てかえられることになっています。そして、砧総合支所ももちろんその耐震性とか安全性という意味では建てかえの時期に来ているということで、私たちもこれについては賛成しているんですが、ここの本庁舎に関しては、砧よりもさらに古い建物で、区民の方にとって、決して安全かつ利用しやすい施設であるというふうには言えないと思います。  また、古くなったことにより、さまざまな問題というのも生じているわけですよね。私がここを利用させていただいていても、日常的にそこらじゅうで改修が行われていまして、その改修に費やす費用もかなりのものであるというふうに思います。古くなってきている、築四十数年たっていることに対してその弊害が出ているのであれば、それの弊害と、あと、これまで改修にかかっている予算というのをご答弁ください。 ◎河上 総務課長 ご指摘のように、本庁舎につきましては老朽化をしておりまして、特に第一庁舎につきましては建築後四十六年を経過しております。この経過によりまして、外壁、それから屋上防水、建具など、建物本体と附属設備の劣化が進行していることに伴いまして、修繕、更新のための経費などが増大する問題も生じております。  まず初めに、これまでの修繕経費でございますけれども、主な修繕だけでも、平成十七年度では第二庁舎のエレベーター改修などで約一億二千万円、それから十八年度では応急的な外壁補修工事で約五千万円、平成十九年度予算では、空調機の取りかえ、それから給排水ポンプの修理などで一億一千万円の修繕経費の予算を計上いたしております。  また、これもご指摘のとおり、本庁舎には老朽化による問題ばかりではなく、狭隘化によりまして窓口スペースや執務スペースが不足している。それから庁舎が分散化している。それからユニバーサルデザイン化、あるいは防災・災害対策機能、環境負荷低減というような面におきましての対応が十分ではないというような多くの問題点を抱えております。 ◆すがややすこ 委員 やっぱり古い施設というのは、今のユニバーサルデザインみたいな感覚とかが余りなかったりですとか、こういう区民施設というのは、区民の多くの方が利用されるわけですから、通路が狭隘化しているとかそういうことというのは、ちょっと改修とかそういうことではなかなか対応できないと思います。  今の総務課長のご答弁を聞いていますと、やっぱり主な修繕だけで、平成十七年、十八年、十九年というのを今ご提示いただきましたけれども、これだけの大きな建物を維持管理するということは、これまでも、十七年以前にも、それなりの改修費用というのがかかっていると思うんですが、そのトータル、総額がわかれば、ご答弁をお願いします。 ◎河上 総務課長 建築されまして、第一庁舎、第二庁舎を合わせまして、おおよそですけれども、四十三億円ほどかかってございます。 ◆すがややすこ 委員 これまでの改修費用総額で四十三億円ということで、やっぱり一つの庁舎が建てられるぐらいの改修費用というのがかかっているというのを大変痛感いたしました。  であるのであれば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、庁舎というのは、職員が働くというところの場としてありますが、区民の方が利用される施設というふうな視点で考えると、安全性とか利便性、こういうのはすごく重要だというふうに思います。そろそろ建てかえる時期に来ているのではないかというふうに思いますが、区のご見解をお聞かせください。 ◎河上 総務課長 庁舎整備に関する取り組みにつきましては、平成十六年度に庁内PTを設置しております。この三年で行政経営改革計画に基づきまして基礎的な調査研究に取り組んでまいりました。これまでの調査では、現在の各庁舎の現状と問題点の整理をやりましたほか、区民サービス、防災、環境、さまざまな視点から、庁舎に求められる機能、性能等の調査研究をいたしました。また、十八年度では、現庁舎の簡易建物診断を実施したほか、建てかえ手法の比較検討を行っております。  本庁の第一庁舎、第二庁舎につきましては多くの問題点を抱えておりまして、少なからず支障を来しているという状況にありますので、この庁舎整備問題については真剣に取り組まなきゃいけない重要な課題であるというふうに考えております。  いずれにしろ、庁舎の整備手法につきましては、今後とも議会と相談しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆すがややすこ 委員 地方分権・庁舎問題等対策特別委員会の方でも、たしか私の方から発言させていただいたと思うんですけれども、今回、砧総合支所で反対の方たちの声がいろいろあったりだとか、そういうこともありましたので、かなり予算が大きいということから、やっぱり改修か改築かという見きわめは大変重要だというふうに思います。  区のしっかりとしたご判断を早急に行っていくよう求めまして、次の質問に移りたいというふうに思います。  二点目に区民参加。これまで区民参加ということに対して、各議員からさまざまな視点で質問されていましたけれども、区民参加ということについては、私の方からは全体的な視点という意味で質問していきたいと思います。  区民参加については、区は基本計画の中でもその促進を述べているところでありまして、行政経営改革計画の中では、区民自治の実現に向け、透明性の向上により区政の信頼性を高めるとともに、区民の意見の把握と区政の着実な反映により区民参加を促進するというふうにしています。  そこで、基本的な質問なんですが、区は何をもって区民参加ととらえているのかをお尋ねいたします。 ◎金澤 政策企画課長 世田谷区は世田谷区でございまして、区民参加という言葉でございますが、広くは住民参加あるいは市民参加というような言葉かと存じます。区民参加は、代議制民主主義のもとで、選挙を通じた区民による住民自治を補完しまして、公共の政策立案や決定、実施に参画できる仕組みというふうに考えております。  区民参加の手法といたしまして、法律によって制度化されているもののほか、それぞれの地方の実情に応じて制度化されているもの、あるいは個別に実施しているものなど、さまざまな形があるものと認識しております。法律によって制度化されているものとしましては、請願や直接請求といったもののほか、個別の法律で利害関係者の意見提出の手続などを設けている例がございます。  世田谷区独自に条例で制度化している例といたしましては、街づくり条例に基づく地区街づくり計画の原案の提出や、地域保健福祉推進条例に基づく苦情申し立てといったようなものがございます。また、パブリックコメントの制度では、重要な施策については案の段階で公表し、幅広く区民からの意見を求めているところでございます。  このほか、審議会への区民委員の登用ですとか、タウンミーティングの開催、区民向けのシンポジウムやワークショップなど、区民が意見を述べ、これを区の施策に反映する機会にしていく、こういった取り組みもございます。
     多様に複雑化している地域社会におきまして、区政における区民参加は、区政にとって重要な課題でございまして、区としても、さらに積極的に進めなければならない課題と、かように認識をしているところでございます。 ◆すがややすこ 委員 区民参加の方法ということで、今さまざまあると思うんですね。それで、例えばパブリックコメントだとか、あと、もちろん議会の議論とかも広い意味では区民参加に入ると思います。あと審議会とかも、区民委員の登用という意味で、区民の方たちがその区の施策に対して直接意見できる仕組みというのがこの世田谷区で実際に実現されているにもかかわらず、今、区民参加ということに対して、世田谷区の区民参加が余りなされていないんじゃないかというような意見とかもすごくあると思います。  今ご答弁がありましたように、区では、これまで具体的にどのような形で行って、それが議会の議論とかパブリックコメント、審議会など、それぞれどのようにとらえて、それを実際にどのように施策に反映しているのかについて伺います。 ◎金澤 政策企画課長 先ほど申し上げた例で申し上げますと、地区街づくり計画の原案では、その後の地区街づくり計画の作成や建築制限など、強制力を持った地区計画作成の契機というふうになっておりまして、世田谷区のまちづくりの仕組みとして欠かせないものとなっております。  それから、苦情審査会に諮問された苦情は、苦情を申し立てられた方だけではなくて、利用者からのサービス改善という形で、審議会でご審議いただいて、その結果は、広く保健福祉サービス等の改善に生かされているところでございます。  それから、パブリックコメントでは、十八年度においても、自動二輪車の違法駐車等の防止に関する条例やユニバーサルデザイン推進条例の制定といった区の重要施策において案の段階で公表し、区民から提出のあった意見を検討しまして、政策への反映を図るととともに、提出のあった区民意見の状況については、「区のおしらせ」などで公表するほか、議会に報告させていただいているところでございます。  世田谷といたしましては、基本計画でも区民の目線に立った行政経営の確立を図るということでございますので、区政への区民参加を促進し、区政の透明性を向上させていくためにも、区民に対し区政に関する情報のわかりやすい提供、公開に努めるとともに、区民参加の取り組みについて、さらに充実を図ってまいりたい、かように考えております。 ◆すがややすこ 委員 区民参加ということでいろいろあるんですが、まちづくりという面においては、地権者の方たちですとか、そこにかかわっている人たちの声というのを、やっぱりすごく大きいものにとらえていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。  そういう意味では、外国とかの方ではPI協議会ということで、人たちがまちづくりをつくっていく。そこに議員とか別に入らなくて、まちづくりを地権者たちでつくっていくような制度が保障されているということもあるわけですね。区民参加ということについては、今後こういうことも視野に入れて進めていっていただきたいというふうに思います。議会との関係等もいろいろあると思うんですが、それはやっぱり今後の課題なんじゃないかなというふうに個人的には思っています。  区民参加の質問は以上にいたしまして、次に、行政経営改革の効果ということについて、最後、一点質問させていただきたいというふうに思います。  区長就任以来の四年間で百十億円の行政経営改革の効果が出ているということです。その内訳につきましては人件費の抑制というところが多くを占めているようです。人権費ということについては、先ほど桜井(征)委員からもありましたが、やっぱり派遣とかパートに対応しているという部分がすごく、区であれば非常勤とか臨時職員ということになるんでしょうけれども、そういうところで対応してしまっているという部分も少なからずあるというふうに思いますので、それを今後必要以上にすることのないようにということは求めておきたいと思います。  その人件費の抑制以外の見直しについて、それぞれの事業ごとについての効果額がわかれば教えてください。 ◎岡田 行政経営担当課長 委員ご指摘のとおり、行政改革の推進によりまして、平成十六年から十九年までの間で百十億円を超える効果を上げております。この中で職員費の抑制が最も大きな割合を占めておりますが、そのほかに内部努力、あるいは行政経営改革計画の推進、こういったことで効果額を生んできております。  行政経営改革計画に基づく取り組みによる効果額でございますが、十六億六千四百万円の効果を上げておりまして、補助金の見直し、指定管理者制度の計画的導入、外郭団体改善方針に基づく見直し、公共施設整備方針に基づく見直し、現金現物給付の見直し、こういったことで十六億六千四百万円の効果となっております。今後とも計画的に見直しを進めてまいります。 ◆すがややすこ 委員 質問を残しておりますけれども、やっぱり時間の配分は難しいなとつくづく感じました。時間がなくなっちゃったので、終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上で民主党・生活者ネット・社民党世田谷区民連合の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、せたがや政策会議、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 質問の前提として、基本的立場を明らかにいたします。私は、世田谷区の区政の方向性については、基本的には賛成をいたしております。この中で、いかに地区の力を高めていくか、また、現場の職員の方々に、いかに実力を発揮していただくか、こういうことについて質問いたしますので、厳しい指摘と思われるかもしれませんけれども、区におかれましては、しっかりと受けとめていただきたいと思います。  さらに、私は、行政は行政、議会は議会の本来の役割をしっかりと果たすこと、このことこそが大切だと考えております。その観点から質問をいたします。  まず地域行政問題について伺います。  先日の議会で、出張所での土曜日運営の試行実施について、いつ本格実施になるかとお伺いしたわけですが、明確なお答えがありませんでした。理由が全くわかりませんが、世田谷区では試行実施と本格実施は何がどのように違うのか、まずお伺いいたします。 ◎中田 地域行政担当課長 お答えいたします。  土曜日窓口は、出張所窓口として初めての取り組みであり、例えば他の区市町村に照会を要するケースなど、一部取り扱いできない事務があるため、平日とは異なり、受け付け事務を限定して実施するなどの運用を行っております。ほかにも、開設場所や開設時間、ローテーション勤務となる人員体制のあり方、施設の保安管理など諸課題があらかじめ想定され、まずは試行であることを内外にお示ししてスタートしたものでございます。  もとより必要な事業として認識しておりますので、これらの諸課題を評価検証し、必要な対応等を行った上で、本格実施として安定的な運営へ移行してまいりたい、このように考えております。 ◆小泉たま子 委員 私は、役所内部のことは内部で処理すべきであって、区民へは安心して窓口へ行っていただく、こういうことが大切なことだと思います。区は何でも試行実施とかモデル実施とか言われますけれども、なぜ区民のために必要ですから完全実施します、こう言えないのでしょうか。区民利用者の視点に立っていないと思います。これこそがよどみ、しがらみのよどみそのものだと私は思います。組織のトップの迅速な決断を望みます。  次に、転入届の処理時間問題について伺います。  これも区は誤解をしています。待ち時間を少なくしていただくということは、これは当然です。だけれども、一人一人の転入届の受け付けについてはじっくりと話を聞いていただきたいし、地区の状況も話していただきたいのです。つまり、これにじっくりと時間をかけるということなんです。なぜならば、大半の区民はそこでしか区との接点がないからです。このことを区はわかっていません。後でまちづくり出張所に行けばいい、こう言われますけれども、それなら、最初からまちづくり出張所で転入届を受ければよいのではないでしょうか。  さらに、区は昨年、込み合う時間を避けてください、こう区民に言ったわけですけれども、転入しようとしている方にはそのような情報が伝わるわけはないんです。昨年の対策は全くもって言いわけのようでした。  ことしはどのような対策がとられているのか、具体的に伺います。 ◎中田 地域行政担当課長 各所の制約がある中で、それぞれ工夫を凝らし、例えば待合スペースの拡充であるとか、番号呼び出しの発券機の有効活用、あるいは申請書を記載する台の配置場所の環境整備等々行いまして、利用者の目的別に窓口を設置するなど、円滑な受け付け事務の流れを確保いたしております。  また、委員のお話にありましたように、受け付けをしてから事務手続が完了するまでの間は、これは居住する地区を知っていただくチャンスであることも十分認識をいたしております。最近、幾つかの出張所におきましては、出入り口付近に地域情報コーナーを新設し、まちづくり出張所の管内や、町会、自治会のエリア、地区ごとの年間行事予定表、まちづくりマップ等を掲載した情報紙を配備し、まちづくり出張所の職員が情報の更新を行うなど、新たな取り組みを始めているところでございます。 ◆小泉たま子 委員 私は代表質問で地区のコミュニティーの力が落ちてきていると感じられる、こう申し上げて、区長にお考えを伺ったのですけれども、区長はお答えになられませんでした。  そこで、ここでお伺いするのですけれども、区としてまちづくり出張所を中心とした地区のコミュニティーの力が低下していないか、その評価を伺います。 ◎梅村 地域情報政策担当部長 私からは、地域コミュニティーの現状についてお話しいたします。  区民生活を取り巻く環境が変化してきている状況において、住民同士のつながりや住みよいまちづくりに向けた地域活動に熱意を持って取り組まれる区民、また、地域団体の方がおられる。具体的には、例えば船橋地区の子どもぶんか村事業や赤堤生涯学習センターでの取り組み、さらに喜多見出張所管内の区民まつりなど、大変活発な活動が多数ある一方、町会、自治会への加入率が低下傾向にあるように、区民相互や世代間交流の機会の減少や地域活動への関心の低下など、地域における活動の広がりの停滞やコミュニティーの希薄化が進んでいる部分もあると懸念しております。  そのため、地域に暮らす子どもから高齢者まで各世代の方々が地域への愛着をより一層深め、生き生きとした活動、交流が多岐に展開されるよう、まちづくり出張所では、時にみずから情報を発信したり、また、時には縁の下の力持ちとなって、地域コミュニティーの一層の活性化を図ってまいります。 ◆小泉たま子 委員 いろいろと述べられましたけれども、地区のコミュニティーの力は明らかに低下している、こう思います。その一つは、出張所へ区民が行くことが極端に少なくなったからです。閑古鳥が鳴いています。私は地区のコミュニティーは人が集まることが基本だと考えています。まちづくり出張所に区民の姿が少ないこと、これは地区の力が大幅に下がってきていることなのですけれども、そのことに区は認識がない、このことについては非常に危機的な状況に思います。  同じような質問をされた方に、同じような答弁ですね。今も二回聞きましたけれども、地区の力が低下しているということに対しては、いろんなことをやってもうまくいかないわけですから、もっと真剣に取り組んでいただきたいと思います。情報を発信するといっても、人がいなくて、情報を発信できていないんです。もっと現場を見てください、お願いいたします。  次に、政策について伺います。  このたびの自治政策研究所においては、まず福祉のまちづくりについて研究を始めるとのことです。このことについては、私は非常に違和感を持ちます。先日の一般質問で、桜井征夫議員の質問に感銘を受けました。つまり、世田谷区の福祉政策は、これまで日本をリードしてきた、こういうことですね。さらに、そのことが区民参加を得て、地域保健福祉推進条例として形づくられた、こういうことです。さらに桜井(征)議員はこう言われました。この条例に託された区民の思いを私たちは決して忘れてはならないと思います。もう実態はここまで来ているのです。条例にあらわされた区民の思いをきちんと実現していくこと、このことこそが今求められているはずです。それなのに、今、区は福祉のまちづくりの新たな研究に取りかかろうと、これは明らかにずれていると思うんです。  また、この研究所は自治体経営の基盤強化を研究する、こうもされています。先日の議会で、平谷助役はこう言われました。都区の財政の調整について、区として独自の研究成果をまとめ、改革試案を出したと。既に改革の試案ができてきています。今さら何を研究するのでしょうか。世田谷の現状は政策研究の時代ではありません。政策実践の時代に入っていると思います。このことについて、当の政策経営部門は認識がない。  熊本区長は世田谷から東京を変えると言われています。でも、改革ということはとても難しいことだと思いますけれども、それでも各自治体、これを乗り越えていかなければならないわけです。その手段にはいろいろあります。その一つに構造改革特区があります。  伺いますけれども、これまで世田谷区はどれだけこの特区に申請をしてきたのか、部別の数字を伺います。 ◎金澤 政策企画課長 部別というお話ですが、現実には今四つございます。それでご紹介申し上げます。一つは、NPO等移送協働特区です。これは保健福祉領域のものでございます。それからもう一つが、ご案内のとおり、世田谷「日本語」教育特区、これは教育委員会でございます。それからもう一つが、認知症高齢者グループホームでショートステイ等を展開できるようにすることを目的とした、認知症高齢者グループホーム短期利用事業せたがや支えあいステーション特区というものがございます。これも保健福祉領域でございます。それからもう一つはIT部門でございまして、世田谷IT人材特区というのがございます。これで、以上四つでございます。  特区認定に至らなかったケースが二つございまして、それは地域通貨事業展開というものが、残念ながら認定に至らなかったというものでございます。 ◆小泉たま子 委員 次に伺いますけれども、熊本区長は世田谷から東京を変えると言われたわけですが、この四年間、実際にはどのような項目があって、具体的にどのように都や国を動かしたのか、伺います。 ◎石濱 政策経営部長 区長は、今お話にありましたように、世田谷から東京を変えるというお考えのもとに、区政の最重要課題を安全安心まちづくりにいたしますとともに、行財政改革の推進に取り組まれております。その結果、安全安心まちづくりにつきましては、二十四時間安全安心パトロール、安全安心まちづくりカレッジなど、多くの施策を実施いたしまして、その結果、区内の犯罪認知件数が平成十四年と比べまして約一七%減少するなど、大きな成果が上がっているというふうに認識をしております。  また、行財政改革につきましては、事業の見直しや職員定数の削減等によりまして百十億円以上の経費を節減いたしまして、これを安全安心、子育て支援など、区の重点施策に投じるとともに、十八年度末の起債残高は九百九十九億円、十四年度末に比べまして四分の一の削減を行いまして、健全財政の維持に努めてきたところでございます。  さらに都区財政調整制度の改革につきましては、世田谷から東京を変えるべく、十八年度の財調協議の合意や区の配分率の引き上げに取り組むとともに、世田谷独自の改革試案を作成いたしまして、対外的にも発信を行ってきたところでございます。 ◆小泉たま子 委員 内閣府の公表資料を見ました。構造改革特区の定期的な募集は、これまで十回ありました。おおよその提案状況が公表されております。世田谷区の名前が出てくるのはそのうちの第一次と第二次の二回だけです。この二回については、内閣府の公表情報では、世田谷の取り組みとしてコミュニティー関連の特区申請が載っております。確かに当時、議会でもやりとりがありました。この二回以外は特区申請には世田谷の姿が見えません。実際には日本語特区というものがあるのですけれども、公表の資料には載っていませんでした。特区申請がすべてであるとは私は思いませんけれども、世田谷は先進自治体であるとするならば、このような取り組みの姿が最近見えない、こういうことに対して非常に残念に思うわけです。  実際、一番最近の第十回、十次の申請では、都内自治体では、千代田区、練馬区、稲城市、その前の第九次では、千代田区、杉並区、品川区、三鷹市、町田市、稲城市、第八次では、板橋区、千代田区、渋谷区、八王子市、日野市、国分寺市、稲城市、その前の第七次に至っては、千代田区、港区、墨田区、杉並区、板橋区、足立区、福生市、稲城市が申請しているわけです。この中に世田谷区の名前がありません。何回も言いますが、区長は世田谷から東京を変えると言われました。現状では特区の申請すら出ていない状況ですね。  知り合いの子どもさんが世田谷区に就職しようと、今必死に専門学校に通っているそうですけれども、先生から二十三区の話は出るものの、世田谷区の話は全く出ないそうで、非常に寂しい思いをしているという話を伺いました。それはどこに原因があるか。  私は今回の質問に向けて驚いたことがあるわけですけれども、政策経営部門の方に聞きましたら、特区申請は通るものしか出さないと言われたわけですね。もともと構造改革特区というのは、これまで各省庁が縦割りで、従来どおりの行政を続けていたところへ、そのときの総理大臣が、これでは日本が立ち行かなくなるということで、各省庁の壁を破るために、これはつくったもののはずです。ですから、普通では通らないことをこの特区申請で乗り越えていく。各自治体の創意工夫と努力、熱意、これが試されているわけです。  職員研修室長は昨日の答弁で、世田谷区の職員に求められる能力として、従来の枠にとらわれない新たな発想で地域の課題を解決していく能力、こういうふうに言われました。それなのに、世田谷区の、それも政策経営部門が通るものしか出さない、こういう消極的な姿勢をとっているということには、私はもう本当に残念でならない。  熊本区長は、失敗を恐れないで挑戦しなさい、こう言っていらっしゃいます。であるのに、区政をリードするべき政策経営部門がこんな消極的な姿勢でよいのでしょうか。最も役人らしくしてはいけない部門がお役所仕事をしている、こういうふうに見えます。私はこのところ、世田谷区は一部を除いてはほとんど新しい施策が出てこない、地域の将来像を区民に示せない、これらの原因は今申し上げたようなところにあると私は思いますが、いかがお考えか、伺います。 ◎金澤 政策企画課長 私どももその特区につきましては実態を調べさせていただきました。昨年の十一月の十二回の認定までに全国で累計九百十の特区が認定されております。二十三区で見ますと、十五区で二十七の特区が認定されております。このうち世田谷区は四つの認定を受けておりまして、数の上ではございますが、二十三区の中では一番多いという状況で、積極的に特区は利用していると思います。  それから、通るものしか出さないというのは、特区につきましては、特定の地域だけに全国一律の規制とは違う制度を認める仕組みだということなんですが、それにいたしましても、制度的に限界があるものもありまして、実際のやりとりは内閣府と具体的に、こういう特区をしたいんだけれども、どうだろうという調整の中でやっているものですから、結果として、恐らく認定されるだろうというようなものについて、じゃ、お出ししようかということであって、決して消極的というふうには考えておりません。  それから、世田谷区におきましては、本年度予算におきましても、例えば発達・発育センターの整備、有料老人ホームの空き室を活用した緊急ショートステイの実施、せたがや生涯現役ポイントシステムの創設、あるいは緑の関係の計画づくり等々、世田谷独自の施策を打ち出しているものと考えております。 ◆小泉たま子 委員 私が担当に伺いましたら、今回のこのシンクタンクは職員も望んでいる、こう言われました。よくよく考えてみますと、このシンクタンクを待ち望んでいるのは政策経営部門にほかならない、こういうことになるわけですけれども、このような状況では、自治政策研究所が機能し出したとしても、全体として区のためになるか、私は疑問です。なぜならば、福祉部門のように、先進的な施策はもう現場でつくっておられますし、そして国の施策もリードしている。一方で都区の制度改革は既にもうできていると。既に区としては改革試案も出している。そうすると、一体、政策経営部というところは何をしていただけるか、こういうことになりかねないわけですね。  ここで、今回の自治政策研究所というものがしっかりと役立つということをわかりやすく説明してください。 ◎金澤 政策企画課長 せたがや自治政策研究所は、地方分権化が進み、少子・高齢化の進展や環境問題など社会情勢が大きく変化する中で、中長期的な展望を持った戦略的な政策形成機能の強化、つまり区の組織内部の体制の強化を図ることを目指した取り組みでございます。  今回の設置は、政策企画課から一定程度独立し、しかし、十分な協働連携を図ることを基本にしておりますが、現在、政策経営部政策企画課が区の総合的な企画及び立案機能を担っている中で、庁内調整に従事する比重が高く、総合的な企画立案に当たり、十分な調査研究を行えていない現状がございます。そういったものを改善するものと受けとめております。  また、研究所に配置された職員が、これまで現場で培った発想や地域社会に根差した視点を基本に据えて、少し腰を落ちつかせた調査研究活動を経験する中で、発想の転換を図り、政策立案に係る総合的な能力を向上させる効果が期待されるというふうに考えております。  さらに、せたがや自治政策研究所に勤務する職員の意識が改革され、それが少しずつでも他の職員に広がっていくならば、ひいては区組織全体の意識が改革されていく、こういったメリットも期待できるというふうに考えております。  さらに、調査研究活動終了後、職員がその研究成果を持って事業所管に異動し、具体的な施策、事業化の推進になることも、ぜひ行っていきたいと考えております。  せたがや自治政策研究所は、研究所だけで研究をするのではなくて、あくまで各所管部との連携のもとに、所管部の研究提案を受けて一緒にやっていくということでございますので、政策経営部だけがひとり歩きするようなことではない、そうであってはならないというふうに私どもは考えております。 ◆小泉たま子 委員 次に移ります。  次に、政策評価について伺いますけれども、昨日も、午前中も活発な論議がなされたわけですけれども、全体として私は疑問を持っています。区は、まず内部評価を行えと。それで、さらにそれを外部評価する、さらに、それを今度は第三者がまた評価する、こういうことで、これはかなり問題があると思いますよ。  まず外部評価について、午前中も、区民委員や学識経験者委員に評価していただくことで信頼性、客観性を確保し、評価の質を高める、こういうふうに答弁されていますね。私、なぜ区民委員や学識経験者なら信頼できて客観的であると言えるのか、これがまたわからない。また、外部評価は直接に施策を評価するものではない、こう言われたんですね。じゃ、外部評価の指摘によって内部評価が変わって、結果として施策が変わったときに、その責任はだれがとられるのか、こういうことです。  私は、区の職員と組織に責任を持って思い切り仕事をしていただきたい、こう思っています。区は評価の質を高めれば施策の質が高まると言われましたけれども、私はそれは違うと思うんです。評価を幾らやっても、これまでの事業の見直しにはなるでしょうけれども、新しい施策は出てきません。評価をやればやるほど、職員がますます萎縮してしまいます。人の育成を考えればわかるはずですよ。育てるためには、ある程度目をつぶることも、これはもう必要なことです。  さらには、きのうは答弁の中で、行政評価を通じて区政への区民参加を促進すると言われました。また、行政評価を通じて区民と区政のコミュニケーションを高めていく、こうも言われました。私、ここまで行政評価を大切にすべきなのかと思うんです。区民が行政評価にここまで関心を払って、その上、行政とつき合うために行政評価を学ばなければいけないのか、これはおかしいと思うんです。  区民と行政との間はもっと単純な仕組みでなければならないはずです。物事は複雑にすればするほどわけがわからなくなります。どのようなやり方で成果を出すのがよいのか、こういうことは議会でじっくりとやるべきだと私は思うんです。  行政評価については、私は大胆な見直しが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ◎岡田 行政経営担当課長 行政評価についてでございますが、区の行政評価につきましては、所管の部課がみずからの取り組みを振り返って見直す、その結果を議会、区民に公表して、今後の改善に役立てる、こういったことを目的としております。  外部評価につきましては、そうした行政評価の区の中で行う評価の一環として行うもので、外部評価を今後の取り組みの改善に生かすかどうかということにつきましては、所管部課の責任で、区議会のご議論もいただきながら判断していくという形になります。  また、新しい施策の発案というお話もございました。これにつきましても、現実には各所管がそれぞれの取り組みを振り返る中で評価しながら、現場から生まれてくるものだ、このように考えております。  行政評価の進め方につきましては、今議会でさまざまなご意見をいただいております。これらを踏まえまして、区民にとってわかりやすい評価、また、区の行政経営にとってより有効な評価に向けまして、今後とも改善をしていきたい、このように考えております。 ◆小泉たま子 委員 さらに、昨日、とても気になる発言がありました。生涯学習の窓口問題について、このことに関連してどこが受けるかという窓口問題ですね。そのことについて質問されたときに、政策経営部長がシンクタンクでの将来の研究テーマの一つにしたい、こうご答弁されたんですね。私は本当にびっくりしてしまいまして、組織はその時々の状況の中で、区長が的確に決断するべきものであると思うんですね。すぐやる課も、子ども部も、区長の迅速な決断で、ここまで実績を上げてきたわけです。それを生涯学習の所管についてシンクタンクで研究する、本当にびっくりしたわけです。  先ほど構造改革特区のことを話題にしましたけれども、今回、千代田区では、社会教育、文化財保護に関する権限の区長への移管を申請しております。つまり千代田区では、区長が生涯学習に責任を持とう、こうされているわけですね。だから、他区ではこれほどまでに実際の取り組みをしているのに、世田谷区では生涯学習のあり方を将来の研究テーマとすると。私は何が悪いとは、これは申しませんけれども、世田谷区もいま少し前向きな姿勢を示していただきたいと思います。  実は、先日のテレビで、地域で福祉施策などでの人材がどんどん不足している、こういう番組がありました。区内の施設が取り上げられていたわけですけれども、人材の不足は深刻になりつつあることがよくわかりました。熊本区政になって、特に出張所見直しなどの改革によって財源を確保する中で、新たな施策に取り組んできたということ、そのことについては評価いたしますけれども、結果的に将来を担う人材が確保できなくなるのは困るわけです。  世田谷区では政策経営部という組織があって、その中に行政経営担当課がありますけれども、その人材、そういうまちづくり出張所の中で民間の活用を図っていく、こういうことについても取り組んで、これから検討課題にしていただきたい、こういうことを私は要望しておきたいと思います。  それで、私、きょういろいろと質問いたしましたけれども、私は区の職員一人一人はすばらしい人材であると本当に感じているんです。しかし、それが組織で動く段になると、どうにも区民から見ると疑問の点が出てまいります。その一つが今回の自治政策研究所なるものですけれども、何事も、とにかく複雑にしないで、基本に立ち戻って、わかりやすい行政運営をお願いしたいわけです。わかりやすい行政評価とありましたけれども、そうじゃなくて、行政の仕組みそのものを、とにかくわかりやすく区民に示していく。非常にシンプルな中で区民の力が発揮できるようにしていく。そういうことにしていただきたいと、もう強く強くいつも思っております。またここで要望させていただきます。  これで質問を終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。  ここで、しばらく休憩いたします。     午後一時五十六分休憩    ──────────────────     午後二時十分開議 ○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆里吉ゆみ 委員 私からは、昨日に引き続きまして、多重債務者問題について伺ってまいります。  国や都が幾ら解決のために方針を出しても、住民に一番身近な地方自治体が、長も含めてそれを理解して主体的に取り組まなければこの問題は解決しません。きょうは、特に区民に対応する現場の職員が、多重債務者問題の解決に向けてどのように取り組んでいくのかという問題について伺っていきたいと思います。  区がまとめました多重債務者支援に係る当面の方策に関する検討報告書を読ませていただきました。ここでは、その基本的考え方の中で、「区として多重債務者問題の解決の重要性にかんがみ、国・東京都との役割分担により、多重債務者に対し必要な支援を行うこととする」とあります。そしてその中身に入っていきますと、「税・保険料等の納付相談などを活用し、多重債務者の把握に努める」とあります。簡単に「多重債務者の把握に努める」とありますけれども、これは窓口に納付相談に来た方だけを対象にして把握するということなんでしょうか。それだったら、今までもやってきたことだと思うんですね。  今まで以上に把握することが求められていると思うんですけれども、この多重債務者の把握に努めるというのはどういうことをやろうとしているのか、今までとこれからの対応の違いも含めてお伺いします。 ◎工藤 納税課長 納税課では、これまで多重債務者に対しまして、職員個々の判断によりまして、区の弁護士相談や弁護士会などの相談を受けることを勧めている事例はございますが、今のところ納税課として統一的な対応は実施しておりません。  今後は、今回の検討報告書を受け、現在作成中の多重債務者支援マニュアルに基づきまして滞納の原因をよく把握することは、これまでと同様に実施いたしますが、そのほかにも、多重債務が原因となっている場合には、多重債務の内容を確認しながら相談シートに記入していただき、区の弁護士相談などにつなげていくよう、課内研修を実施しながら、統一的に対応していきたいというふうに考えております。 ◆里吉ゆみ 委員 区民税などの滞納で相談に来る方、窓口に来る方は、多分滞納されている方のほんの一部だと思うんですね。そこでの対応を、これから本格的にきちんと行うということも大事ですので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいんですけれども、多重債務に陥っている方は、サラ金などへの借金の返済をどうするか、このことで頭がいっぱいで、区民税などの支払いについては、特に電話が来るわけでもなければ、家まで押しかけてくるわけでもないわけですから、どうしても二の次になってしまう。こうした状況に陥っている区民に手を差し伸べて解決することが今求められていると思うんです。ですから、窓口だけで対応していては、多重債務者の把握などといっても不十分だというふうに思うんです。  今回の文書は、当面の方策に関するということで、これはまず入り口ですよということだと思うんですね。ですから、これからこの方針を実態も踏まえながら発展させていっていただきたいと思うんです。  きのうも紹介いたしましたけれども、日弁連がどうやって解決していくべきかということで、要望を国に上げています。ここで自治体に対しても述べている部分があるんですけれども、ここではこういうふうに述べています。現在、市民の公的な支払いを受ける徴収部門は個別に独立しているが、自治体内部で徴収関係部署との連絡機関を立ち上げたり、各種公租公課や公共料金が滞っている市民については、家庭訪問するなどして多重債務者を発見し援助する体制を整えるべきである、これが日弁連の要望です。これまで多重債務の方の相談などに乗ってきた、そういった経験のもとに、こういったことが解決のために必要だということで、地方自治体についても横断的な対応を求めていると思います。
     こうした方向についても検討するべきだと思いますけれども、区のお考えをお伺いしたいんですが。 ◎宮内 経理課長 ご指摘のように、このたびお出ししました支援策につきましては、当面の策という形で、今後の成り行きにつきましては、国あるいは東京都の方からも具体的な話があろうかと思います。そういったことを踏まえまして、今後やっていく中で具体的にクリアしなくちゃいけない問題等々が出てくるかと思いますので、それについては真摯に対応したいというふうに考えています。 ◆里吉ゆみ 委員 きのうもお話を出しましたけれども、今、区内ではNPO団体を立ち上げて多重債務の解決に取り組んでいる団体もあります。それから日弁連のこの提案というのは、これまで長い間、多重債務者問題に取り組んできた、そうした実績の経験の上に立ったものですから、東京都や国の方針待ちにならずに、ぜひ世田谷区としても積極的に取り組んでいただきたいということを要望しておきます。  次に、代表質問でも取り上げましたけれども、住民税の軽減制度について伺ってまいります。  昨年に引き続き、ことしも定率減税が全廃ということで、大幅な負担増になっています。区は国の悪政から住民の暮らしを守るために区民の負担軽減を行うべきだと、代表質問でも区民税の軽減を求めました。  私は、前回の決算特別委員会でもこの問題を取り上げ、前回は京都市の例を挙げて、世田谷区の区税条例を変えればできるんだ、ぜひ行うべきだということを申し上げました。そして、すぐに難しいならば、区として税金の減免などについてさまざまな角度から研究してみることは有効なことではないかとも伺いました。しかし、世田谷区として法令違反をするつもりはないと、研究を行うことさえ拒んだ、そういう答弁でした。あたかも他の自治体が違法なことをやっているかのように私は受けとめました。  一方、この間、ほかの自治体では努力が始まっています。代表質問でも取り上げました国分寺市や東京都の例などございました。東京都の例は、新聞でも報道され、きのうからも議論されているところです。こういった研究検討をすること、これが法令違反だということなんでしょうか、区の認識をもう一度お伺いします。 ◎杉野 課税課長 低所得の方への税負担の軽減につきましては、地方税法におきまして、生活保護基準を勘案いたしまして一定の所得以下の方の住民税を非課税とする、低所得者非課税の制度が設けられておるところでございます。  地方税法は、各地方団体の住民の税負担の均衡を図り、あわせて地方団体間における課税権の調整を図るものでございますので、税条例においても地方税法の枠内で規定されなければならないところでございます。したがいまして、地方税法の規定等を十分精査いたして、それに対応するということがまず求められているということでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 いろいろ議論はあると思うんですけれども、私はさまざまな角度から研究してみることは有効ではないかというふうに申し上げたんです。研究するということで、今、東京都の減税の制度はまだでき上がっているわけではありませんけれども、東京都は実施に向けて、今研究といいますか検討を始めていると思うんですが、これについても、世田谷区は法令違反だからできないという立場をとられるんでしょうか。 ◎杉野 課税課長 現在のところ、東京都の軽減措置につきましては、新聞報道の範囲でしか詳細がわかっておりませんで、今後詳細を把握した上で、どのような内容か考えていきたいと思っております。 ◆里吉ゆみ 委員 この問題は、やはり待ちの姿勢で、東京都がやるなら考えると。東京都がやっていること、国分寺で検討されていることは、本当に低所得の方の暮らしを応援しよう、支えよう、地方自治体としてできることは何だろうか、こういうことが研究されていると思うんですね。これに対しての世田谷区の姿勢は本当に冷たいと思うんですが、ちょっと具体的な話をお伺いしておきます。  国分寺で検討されている条例案は、六十五歳以上で、前年の合計所得が百二十五万円以下の方に対する非課税措置がなくなったということで、自治体独自で復活させよう、こういうものなんですけれども、これを世田谷区に置きかえるとどれぐらいの方が対象になるのか、また、影響金額は幾らぐらいになるのか、お伺いします。 ◎杉野 課税課長 老年者非課税措置の段階的な廃止ということでございますけれども、これの影響人数といたしましては約一万七百人でございます。十八年度の税収としては約二千万円の増となってございます。 ◆里吉ゆみ 委員 またもう一つ、東京都が低所得者の都民税減免について発表しました。これは新聞報道によれば、対象となるのは納税義務者の約一割、都内で六十万人、年五十億円の減税と言われています。対象は生活保護の対象となる程度の収入の者、単身者で年収百六十六万円と言われております。東京都がこの減免制度を実施した場合、区内で対象となる人数、もしくは世帯、金額がわかればお答えください。 ◎杉野 課税課長 東京都の数字をもとに計算いたしますと、世田谷区におきましては約四万人の方、金額的には約五億円ということで試算上しております。 ◆里吉ゆみ 委員 これは生活保護水準の収入の方が課税されていると。それ自体が問題だと思うんですけれども、必要最小限の生活費には税金はかけないということが本来の税金の考え方ですから、そこに対して減免しようということ、東京都が考えているのは全く納得のいく減免だと思うんですね。  でも、これは都税の分だけですから、この方は税金が全く免除されるわけじゃありません。区民税の分もありますので、そこは払わなければいけない。こういうことですから、例えば区も足並みをそろえて生活保護対象程度の人の所得割を免除する、こういうふうにした場合、区の財政的な負担は幾らぐらいになるんでしょうか。 ◎杉野 課税課長 先ほど五億円と申しましたけれども、これは区民税を同じように軽減した場合の金額でございます。ですから、五億円ということでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 先ほどからこの東京都の制度、それから国分寺の制度を紹介してまいりました。これはどちらも、国分寺は高齢者の方だけですけれども、合計所得が百二十五万円ですから、これを月に換算しますと十三万円、十四万円、これぐらいの収入の方です。そして、東京都が対応しようとしている低所得者の方というのは、生活保護の対象となる程度の収入しかない人です。こういう方を救うための独自の軽減の制度をやろうということで、さまざまな自治体で検討が始まっている。また、前回の決算特別委員会でも紹介しましたように、京都市を初め幾つかの関西の自治体を初め、日本じゅうのさまざまな自治体で税の軽減・減免制度が行われています。  改めて平谷助役にお伺いいたしますけれども、こういった動きを踏まえてさまざまな角度から研究して、できるところから実現する、こういう立場で区民税の減免について検討すべき、研究すべきだと思いますが、改めて助役の答弁を求めます。 ◎平谷 助役 今回の東京都の考え方に関しましては、昨日も熊本区長が申し上げておりますように、現段階ではまだ報道の段階ということで詳細がわかっておりませんし、改めて当然正式な説明が区にも来るだろう、そういうことですから、当面はそういった説明の中身を精査しながら確認していく、そのような趣旨で、昨日、区長はご答弁しております。 ◆里吉ゆみ 委員 ですから、その態度が、東京都がやったら考える、そういう態度ですよね。そうではなくて、地方自治体として独立した世田谷区として、区税条例を持っているわけですから、その条例を使って減免制度をつくるという研究すら行う姿勢がないということなんでしょうか。私は研究と言っているんですよ。やれということはもちろん主張しましたけれども、その前提となる税金の減免が世田谷区としてできるかどうか、研究することすらしないということなのか、お伺いします。 ◎平谷 助役 先ほど杉野が申し上げておりますように、それぞれの所管で今十分勉強しているわけですから、私どもとしては、そういった角度の中で取り組みを進めている、こういうことでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 所管で勉強しているということでしたけれども、区の姿勢が大切だと思うんですね。すぐに通るかどうか、通らないものはやらないということではなくて、先ほどほかの話でもありましたけれども、やはり区民の生活を支える地方自治体として何ができるか、ぜひ積極的に検討していただきたいと思いますし、東京都の報道が、さらに詳しい内容が出てくるまで待っているという姿勢ではなく、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  次に行きます。次は、区の広報広聴についてお伺いしていきます。  ホームページについてまずお伺いしたいんですけれども、区のサービスやさまざまな情報を入手したいと思ったときに、必要な情報を入手できるホームページは大変重宝されていると思うんですね。しかし、実際に必要な情報に行き着かないで苦労したり、ここにあるはずだと思った情報が載っていなかったり、私自身も何度も不便な思いをしてきました。もちろん当初に比べて便利になってきた部分や改善されてきた部分もあると思います。  そこで、改めてお伺いいたしますけれども、区のホームページは何のためにどのような目的でつくっているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎本橋 広報広聴課長 区のさまざまな行政情報を区民にお伝えするに当たりましては、「区のおしらせ」ですとかホームページ、あるいは担当所管が作成する発行物などにより行っております。特に区のホームページにつきましては、区の窓口や各種行政サービス、こういったものを初め、区内のイベント、公共施設の案内、あるいは図書館の資料検索、こういったものを、区民に身近な生活情報を正確に迅速に提供することを目的に開設してございます。 ◆里吉ゆみ 委員 そういう目的でつくっているのはわかっているんですけれども、実際に使われているか、事が足りているかということを考えたときに、例えば親の介護をしている方が遠くに住んでいらして、世田谷区の福祉のサービス、高齢者ひとり暮らしの方のサービスなどをホームページで調べたとしますよね。そうすると、このシルバー情報には載っているひとり暮らしの高齢者の方のサービスがホームページには載っていない、そういうことが幾つかあるんですね。  例えば、私が見たところ、ごみの高齢者等訪問収集だとか、最近、高齢者の火事が大変問題になっておりますけれども、ひとり暮らし高齢者の方のご家庭で、電磁調理器や火災報知機、自動消火装置、ガス安全システムの給付、こういうものをサービスとして世田谷区は行っているんですが、私が見た限り、こういうこともホームページの高齢者のひとり暮らしの方という欄に載っていなかったんですね。また、介護保険のページには、介護保険料や利用料の軽減制度は載っていませんでした。ですから、ホームページに本当に区民に知らせるべき情報が載っていないんじゃないかというふうに思ったんですね。  少なくともこういうシルバー情報など区の発行している冊子に載っている情報は、わかりやすくちゃんとホームページに載せる必要があると思うんですけれども、広報広聴としての見解をお伺いします。 ◎本橋 広報広聴課長 今年度からは、こうした区民に正確に迅速に情報を提供するという目的を確実に達成するために、専門的な知識を習得する必要や、専用のソフトを購入することなく、高齢者の方、あるいは障害者の方々などに配慮したホームページを作成できるシステムをつくっております。こうしたシステムに伴いまして、各課が適宜に新しい情報を入力できるように改善しております。  ホームページの運用に当たりましては、全庁的に情報入力の推進ですとか入力方法の指導を行ってまいりました。今後も年度の切りかえの時期は特に注意を払って、さまざまな機会を通して、各課に対して適時的確に情報を入力するよう働きかけてまいりたい、このように考えております。 ◆里吉ゆみ 委員 確かにホームページは適宜更新できるという利便性もあります。これは私、きょう「ひとりぐらし等のおとしよりのために」というページをプリントアウトしてきたんですが、先ほどお話ししたサービスが幾つか漏れているんですけれども、おはよう訪問は二月二十三日で受け付けは終了となりました。三月三十一日をもって廃止予定ですみたいなことは載っているんですよね。こういう情報はちゃんと載っているけれども、ほかにもあるひとり暮らしのサービスが載っていないじゃないか、こういう苦情も区民の方から寄せられました。  実際に確認しておきますけれども、保険料、利用料の減免制度なんかは、ここにちゃんと載っているんです。こういうものは載せていただけるように指導していただけるということでよろしいでしょうか、確認します。 ◎本橋 広報広聴課長 そういった個々の問題につきましては、関係所管と詰めてまいりたいと思います。 ◆里吉ゆみ 委員 それぞれの所管任せにせず、区民が知りたいと思っている情報、区の持っている情報をきちんと載せる、区民に役立つ情報をきちんと載せるということをチェックしていただきたいと思うんですね。ぜひ改善していただきたいと思います。  それからもう一つ、区が発行している広報紙ですけれども、これも大切な媒体なんですが、今、新聞講読をする方が減っているもとで、区報を届ける新たな施策が必要な時期に来ているのではないかと思います。例えば毎回でなくても全戸配布を行うとか、それから、今寝たきりの方のみ郵送サービスを行っていますけれども、希望する高齢者や低所得者にも郵送するなど、もう少し柔軟な対応をすべきだと思いますが、区の見解を伺います。 ◎本橋 広報広聴課長 「区のおしらせ」の配布につきましては、主に新聞折り込みを中心に行っていますが、新聞未講読でお読みになれない方につきまして、例えば外出が困難な方、こういった方にはご自宅に郵送サービスをしているところでございます。今後、新たな配布方法といたしまして、区内大学での配布、あるいはコンビニエンスストアを活用した配布、こういったものを拡大してまいりたい、このように考えております。 ◆里吉ゆみ 委員 区内のすべての方にきちんと見ていただけるような改善を要望して、質問を終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、世田谷改革派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 砧支所のメーン工事については二十五億二千万円で、東光・折原・石井建設共同企業体が落札をしたわけです。企画総務の委員会でかなり突っ込んだ質問をしましたけれども、どうもお答えがなかった。委員長が予算特別委員会でやってくれ、こう言ったから、やりましょう。  まずおさらいなんだけれども、これは非常に不透明だね。一般競争入札と言いながら、六つの共同企業体しか参加していないんだね。これはどういう経過でこうなったのか、区民は全くわからないと思いますよ。簡単に、簡潔に説明してもらいたい。 ◎宮内 経理課長 砧支所の改築の案件につきましては、昨年の十二月に入札参加者選定委員会を設けまして、その中で、区内事業者、区外事業者の三者によるJVを組むという要件のもとに公告したという経過がございました。 ◆下条忠雄 委員 そういうことじゃなくて、第一順位はどういう業者を、それから第二順位は、第三順位はどういうふうな業者を募集したのかということ。 ◎宮内 経理課長 第一順位につきましては、区外事業者といたしまして、共同運営の格付がAである事業者、経営事項審査の点数が千六百点以上という者で、これに該当する事業者が区外事業者として(「簡単に、簡単に」と呼ぶ者あり)はい。例えば十五社ございます。同じく第一順位につきましては、区内のAランクの事業者、全部で八社ございますが、それが第一順位になれる。第二順位につきましては、区内の格付がAの事業者、これが十九社、第三順位につきましては、区内の格付AまたはBということで、合わせて四十社、以上で結成しております。 ◆下条忠雄 委員 区民の皆さんは、これはAとかBと言ったってわからないな。  それじゃ、東光とか大明というのは二十五億円以上の大きな工事をやっているよね。それから小俣、太平、丸山、横山、この四つの業者が第一順位のときに幾らの工事をやっていたのか、幾らまでの工事を施工していたのか、それをちょっと説明してください。 ◎宮内 経理課長 まず横山でございますが、横山につきましては、平成十四年の梅丘中学校で十億三千万円余りの工事をやっております。それから太平につきましては、平成十六年の臨海部広域斎場ですが、これで二十七億二千万円余りの工事を行っております。次に、小俣につきましては、これは民間のビルの新築工事でございますが、平成十六年に四億七千万円ほどの工事を行っております。 ◆下条忠雄 委員 この四億七千万円とか、十億円とか、こういう工事を、それまでしか施工能力のない業者が何で二十五億円の工事ができるんですか。AとかBとか、いろいろごまかしを言っているけれども、そういう四億円程度の実績しかない業者がどうしてこれをできるんですか。まさにこの入札というのは全くでたらめだと思うね。全然施工能力がない業者が第一順位で参入してきているんだよ。もしこれが落札したら、この人はそれでできるのかね。 ◎宮内 経理課長 まず発注する際に、AとかBというお話がございましたけれども、公共工事に参入する事業者につきましては、建設大臣もしくは東京都知事に経営事項の審査を申し出なければなりません。その中で、その事業者の体力ですとかそういったものを判定して、その上で格付を行っています。それがまず第一点でございます。  それから、今回の二十五億円云々の工事につきましては、発注に当たりまして、まず仕様書ですとか、あるいは設計図面等を示して参加を求めております。その参加者は、その内容を踏まえてJVを結成したものと認識しておりますので、この落札者については、こういったものができるという上で応募したものと認識しております。 ◆下条忠雄 委員 押し問答になるけれども、四億円の工事しかやったことのない業者が何で二十五億円の工事ができるのよ。そんなのは、あなた、ただ参加するだけで、ほかの大きいところに落札させるためにただ出てきただけじゃないの。そんないいかげんなことでやって、きちっと競争をやっていますなんていうことは到底言えないとおれは思うよ。 ◎窪松 施設営繕課長 今回の砧支所の工事は、鉄筋コンクリート造の地下一階地上四階の建物でございまして、今回の工事の施工については、共同格付Aランクの業者であれば可能だというふうに認識しております。また、先ほど経理課長の方からも申しましたが、発注要件を仕様書等でお示しして、それに基づいて入札に参加しているので、施工能力は十分であると考えております。 ◆下条忠雄 委員 素人目に考えたって、そんな四億円しか実績がない業者が二十五億円の工事なんかできるわけがないじゃないの。これは全くでたらめだよ。だから、結局、大明か東光に落札させるために、単なる並び大名として参入してきただけでしょう。 ◎宮内 経理課長 JVの利点といいますのは、それぞれの持っている技術を相互に補完し合いながらできるという一つの大きな利点があります。それから、事業者にとりましても、単に金額だけではなくて、日々、技術革新をしているわけですから、それを踏まえて参加しているものというふうに認識しております。 ◆下条忠雄 委員 第一順位の業者は、あなたも言っているとおり、大体五五%を担当するんだ、そうでしょう。四億円しか実績がない業者が五五%の工事をやるんだよ。こんなものができるわけがないじゃないの。これは透明性も競争性も全くない、そういうふうに見るね。予定価格の問題をやろうと思ったけれども、何か押し問答になっちゃったな。時間がないからやめましょう。 ○畠山晋一 委員長 以上で世田谷改革派の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 本会議でした議論の続きなんですけれども、日経ビジネスというビジネスマン向けの雑誌があるんですが、そこで、東京物語2007/3「地域再生か分断か非文化的ドラマの舞台 下北沢」という特集があって、この中で、世田谷区長が下北沢は非常に危ないところなんだ、防災にとって危ないところなんだ、そういうことを言ったと。それについて東京消防庁に尋ねてみたら、そんなことはないという話になったと。そういう云々の記事が出ているわけですね。  そこで、下北沢というのは実際に防災上どうなのかということについてお聞きしたいんですが、いかがですか。特に下北沢の今度の地区計画を立てたエリアがありますね、そのエリアをまず頭に描いていただいて、そのブロックは危険ですか、危険じゃないですか。 ◎萩原 災害対策課長 区では、区のデータに基づき、内閣府が平成十七年一月に公表した地震防災マップというものを発行して、区民にもお配りしているわけでございますけれども、この地図によりますと、区直下でマグニチュード六・九の地震が起きた場合、区のほぼ全域において震度六の揺れが予測されるわけでございます。  下北沢駅付近で申しますと、震度六強の揺れが予測されております。この六強といいますのは、人は立っていることができない、あるいは耐震性の低い木造住宅では倒壊するものが多い、鉄筋コンクリート建築物であっても、耐震性の低い建物では倒壊するものもあるというようなことでございます。したがいまして、この下北沢駅周辺あるいは付近につきましては、この地域防災マップでは危険度は五段階にランク分けしているわけでございます。五が一番重いわけでございますが、その中の三という形で、相対的に高く、全般的に危険な地域であるというふうに認識しております。 ◆木下泰之 委員 世田谷全般で言ったら、これを見ても三というのがほぼ半分以上でしょう。だから、それは特段危険だということではなくて、平均値だということでしょう、どうですか。 ◎萩原 災害対策課長 首都直下では、もちろん区内全域に大きな揺れがあるわけでございますけれども、地震とか災害における危険度といいますのは、必ずしも一つだけの尺度ではかれるものではございません。例えば下北沢駅は交通、鉄道の結節点でございまして、一日の乗降客が十二万人を超えるということで、区内でもトップクラスの乗降客がある大きな駅でございます。また、駅かいわいは有数の繁華街でございますので、昼もそうでございますし、夜間も大勢の方が集まるということでございまして、こういうことを考え合わせますと、下北沢駅周辺の震災時における危険度は高いものと言えるというふうに考えております。 ◆木下泰之 委員 そう言ってしまったら、世田谷のすべてのところが大体そう言えるわけです。それで、下北沢について言えば、乗降客が確かに多いですよね。しかし、これは連続立交があって、それは変えるわけですよ。それから空き地も、二十メートルから三十メートルの広い空き地ができるわけでしょう。だから、今回問題になったのは、道路は補助五四号線をつくらなければ危ないんだ、つまり危ないから補助五四号線をつくるんだということを言ったがために、それに対して反論されたわけですよ。それはそうだと思いますよ。つまり、道路をつくればすべての問題が解決するということではないでしょう、いかがですか。 ◎萩原 災害対策課長 道路も、例えば火災による熱、そういった輻射熱からもある程度遠ざけるとか、あるいは避難の際のいろいろなルートですとかそういった面でも、防災面から言えば、やはり安全性を増すという要素はあろうかと思います。 ◆木下泰之 委員 そうすると、二十メートルから三十メートルの幅で二キロにわたる空間が、今度、下北沢に登場するわけですよ。それの有効利用を考えたときと、それから、いつも車が通るような二十六メートルないし、十五メートルのところもありますけれども、そういった道路と比べたらどうですか。 ◎萩原 災害対策課長 道路はいろんな側面があろうかと思います。先ほど申し上げましたけれども、下北沢駅周辺はいろいろな方がたくさん集まるということで、いざというときの避難に当たっては、細かい、いわゆる狭隘な通りもございますし、それから人口密度で申し上げますと、最新の情報では、区内の平均的な人口密度は一平米当たり大体一万四千人以上ということでございますが、この北沢出張所管内はそれを超えるような人口密集度もあるということで、道路を含めましてさまざまな面を考えて、安全対策というのは考えていくべきだと思っております。 ◆木下泰之 委員 だから、私はさまざまなことを考えないと安全性なんていうのは確保できないと思うんですよね。ただ単に避難路を用意しただけでも、それはそこに人が殺到して危ないということもあるし、ですから、防災問題というのは非常にきめ細かくやらなければいけないと思うんですよ。  それは常識ですよね。一つのことをやればすべて済むということではなくて、多角的にいろんなことをやっていかないと対応できない、それはそのとおりと考えてよろしいですね。 ◎室星 危機管理室長 おっしゃるように、災害対策は、ハード、それからソフト、それぞれ両面から行っていく必要があるということで、今課長が申し上げたのは、いわゆる広い公共空間があれば、火災の延焼防止したり、あるいは避難に非常に助かる、こういうことで、ハードな面で申し上げましたけれども、当然ソフトな面では、区民の皆さんを支援したり、あるいは訓練をやったり、災害時の避難所に必要な物資をそろえたり、こういうものもあわせて必要である、災害対策は総合的に進める必要がある、このように考えております。 ◆木下泰之 委員 それから、防災マップをずうっと眺めていて不思議だなと思ったのは、いわゆる倒壊の危険度という形だけで示しているわけね。そうすると、住宅地で割と庭が広くとってあって、戸建てが多いようなところがむしろ危険だという話になっていて、市街地が安全だみたいな形になっているのね。だから、その辺も含めて、やはりきめ細かく見ていかなければいけないのではないかというふうに私は思っております。  いずれにせよ、防災問題というのは、今もおっしゃったように総合的に見ていかなければいけないはずで、とりわけ下北沢については踏切があくということにおいて、それだけでも、今よりは危険度はずっと減ると思うんですよね。  そういうことを踏まえて、やはり冷静に見ていかないと、すごくセンセーショナルに防災のために道路が必要なんだということを言ってあおると。それが下北沢だけじゃなくて、熊本さんの政策であちらこちらでちょっと見えますので、私はそういうのはそろそろ改めて、もっと冷静、客観的に提示していただいて、東京物語2007のような批判を招かないようにしていただきたい。そのことを申し上げて、終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、庁舎のロビーの案内係についてお伺いしたいと思います。  せんだって、目のご不自由な区民の方から、本庁の来客対応のまずさについて貴重なご意見の声をいただきました。視覚障害者に給付される白いつえ、白杖を持って庁内に入ってきた方でさえ、庁内入り口に控えている庁舎案内係から何のお声がけもなく、目の不自由なご本人が不案内な庁舎の中を歩かされるというんですね。この区役所本庁舎の中には経路を示す点字ブロックの敷設もありませんし、庁舎内の各部署の位置関係を手でさわって理解できるような地図、触地図というものもございません。にもかかわらず、庁舎の入り口ロビーで不案内な方をご案内するはずの案内係からは声がけもなく、不安を抱えて庁舎の中をさまよい、目のご不自由な方が周辺の人の気配を感じて、声をかけて助力を求めるという話だったんです。こんなことでは困ってしまいます。  区は、ハード、ソフト両面から高齢者、障害者の過ごしやすい環境づくりを目指すユニバーサル条例をつくったというふうに理解しているんですけれども、区政の本丸で、来客応対を専門に行うはずのスタッフが、最もお困りの方を座視しているということでは話になりません。  調べましたところ、現在、庁舎案内係は、本庁舎の第一、第二、第三庁舎のほか、北沢、玉川の各総合支所ロビーで業務を行っているということですけれども、委託業者と契約上交わしているサービス案内の仕様書を、私すべて拝見しましたけれども、この点でのケアがすべて抜け落ちているんですね。最低限、ご本人がお手伝いを望まれるかどうか、それくらいのお声がけはしていただきたい。あともう一点、必要ならば担当課に連絡をしてつないで、担当課の職員がロビーまでお迎えに上がるくらいの配慮はあってしかるべきではないでしょうか、ご見解を伺います。 ◎河上 総務課長 ご指摘の点でございますけれども、業務委託契約の仕様書には具体的な記述はしておりませんけれども、実際には受付案内の者が、目の不自由な方が庁舎に入ってきたらお声をかけたり、場合によっては近寄ってご用向きを聞くというような対応をしておるつもりでございます。そのように指導しているつもりでございます。  それから、以前、上川委員の方からご指摘いただいた敷地内の点字ブロックのJIS規格化工事につきましては、二月末までで敷地内を完了してございます。それから、昨年暮れ、十二月十六日でございますけれども、第一庁舎、第二庁舎、第三庁舎の庁舎の入り口、ここに目の不自由な方のための誘導マットを設置いたしました。それで受付までの間というようなことで、総計で申し上げますと二十五メートル五十センチになりますけれども、このマットを敷設したということでございます。  ただ、ご指摘のような状況があったとすれば、受付の対応とすれば不適切でございますので、今後このようなことのないように、また再度指導し、そのような対応をするように確認していきたいと思っております。 ◆上川あや 委員 指導しているつもりじゃ困るんですね。この方が受付の方にお尋ねしたところ、受付の女性の方が、そういう約束にはなっていないようなことをお答えになったそうですよ。  また、新しいマットを敷かれているのは私存じています。ただ、庁舎の一階ロビーはじゅうたん敷きですよね。あのマットというのはかたい床面とマットのやわらかさのその触感の違いによって差異を識別するそうです。一階のロビーがじゅうたん敷きでは効果は薄いんですね。やっていることをよく理解してやってください。これについては改善されるかどうか見てまいりますので、また伺いたいと思います。  続きまして、広報広聴に関して一点伺います。  昨年三月の予算委員会で私からは、区のホームページにおける各種案内、各所管が発行する各種の紙媒体に、電話番号と並んでファクス番号をお問い合わせとして併記していただきたいということを申し上げました。七十歳以降の約半数は補聴器がなければ不便を来すほどの難聴になります。区の人口に当てはめて実に五万人、また、聴覚障害、音声言語機能障害に認定されている区民の方もおよそ二千人ということです。電話によるコミュニケーションが不得手な方は、実際には非常に多いということなんですね。それに対する対応を求めたんですけれども、それに対して区は、昨年五月のホームページのリニューアルにあわせた改善と説明会や紙媒体作成のマニュアルに基づく対処をお約束くださいました。  ところが、昨年七月発行の冊子、高齢者向けのシルバー情報、これは前の決算質疑でもお話ししましたけれども、高齢施策推進課ということで、七十代以上の半数の方々は不便を来すほど難聴です。ところが、この裏紙面も、中に書かれている区のサービスも、案内先はすべて電話番号だけなんですね。何で高齢施策をやる方がそういったことがわかっていないのかということで質問して、じゃ、解決が図られたのかといいますと、これがことしの二月に新しく発行されました消費生活センターだより、補聴器の広報をしっかりとしてくださいということを申し上げて、待つばかりの広報はやめてくださいということを言って、やっと補聴器のことを伝えてくれるように紙面をつくられました。ところが、この紙面の内容のお問い合わせ先も全部電話番号だけ、この消費生活センターだよりの連絡先も全部電話だけです。区はやっていることを本当にわかっているんですかね。区の対象者のことを理解していただきたいんです。  私は何もハウツーを覚えてくださいじゃないんですよ。これは皆さんお一人お一人、ここには課長さん、部長さん、助役さんがいらっしゃいますけれども、皆さんが対応する区民の方々にはどんな方々がいるのかということは、想像力をもっと働かせればわかるはずのことなんですね。皆さんも七十代以降まで長生きしたら、半分の可能性でご自身が聞こえなくなるんですよ。電話で問い合わせが難しくなるんですよ。この意識改革をしっかりやってもらいたいんですけれども、これは、だれかお答え願えませんでしょうか。 ◎本橋 広報広聴課長 区のホームページの各課作成ページや各課が発行します印刷物につきましては、課の連絡先の直通電話番号及びファクス番号をあわせて記載するよう、さまざまな機会をとらえて、これまで周知をしてまいりました。  この間、ホームページのファクス番号につきましては、担当所管に掲載を依頼し改善されております。しかしながら、今回のご指摘のように、印刷物にまだファクス番号の記載がないというようなことで、徹底し切れていない状況が見受けられました。今回のご指摘も踏まえながら、ファクス番号及び電話の直通番号の併記につきましては、印刷物あるいは刊行物をだれにどう伝えていくかという視点に立ち返って、しっかり確保を図る必要があると考えておりまして、改めまして再度、全庁的にそう徹底してまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 突然で恐縮なんですけれども、ぜひ助役か研修調査室長に、区政の意識改革をどのようにお考えになるのか、一言いただきたいんですけれども。 ◎平谷 助役 物の考え方が行動に移ると、それが意識改革だと思います。そういう意味では、さらに徹底をしていきたいというふうに思います。 ◆上川あや 委員 三回目、四回目の質問はしたくありませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
     終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は一般質問で商店街の活性化に関する質問をしましたが、本日は、最初に、税金の納付と商店街の活性化を結びつけた要望をさせていただき、次に、税金を集める上の苦労についてお聞きしたいと思います。  私は若いころ、地方で行われた歌謡ショーにたびたび出演していました。当時は今ほど娯楽がなかったので、第一部は手品、漫才、そして第二部に売れっ子の歌手が登場する歌謡ショーはとても人気があって、当時御三家の一人、船木一夫さんが出演すると、町を挙げての大イベントになりました。  このように話しますと、入場券を買うのは難しいだろうなと思いますが、値段が高いのだろうと思いますが、これが違うんですね。ほとんどの場合は入場券は非売品で、一般には販売されていないのです。そうなんです。地元商店街で一定額以上お買い物をすれば手に入る、いわば商店街の営業戦略の一つがこの歌謡ショーなんです。  今ではスタンプやポイントを集めると、好きな人と好きなときに旅行ができたり、気に入った商品を買い物できたり、お客様のハートをぎゅっとつかんだものになっています。私の妻や息子たちは、こうしたお得なサービスが大好きで、財布の中はスタンプやポイントカードでぱんぱんです。  先月、新聞に、ポイントの発行額は一兆円にも上り、今や第二の通貨と言えるほどになった、経済産業省は営業ポイントを交換する際のルールづくりに着手するという記事が出ていました。このことから、非常に多くの人がポイントを集めていることがわかります。  私はスタンプやポイントはおもしろいと思って、ちょっと調べてみたのですが、市町村合併をしない宣言で有名な、福島県の人口七千人弱の農林業を中心とした矢祭町のスタンプ会が発行するスタンプや商店街の発行する商品券で税金が納付できることがわかりました。このサービスをきっかけに、スタンプを集める人が大変ふえ、商店街の売り上げは伸びているそうです。また、役場の課長さんは、選択肢が広がったことで町民の納税意識が高まった、こういうことも言っておりました。  私は、世田谷区でも税の納付が商店街のスタンプでできればよいと思います。確かに解決しなければいけない課題はたくさんあると思います。例を挙げると、世田谷区内では約三十もの商店街がスタンプを発行しているので、その数だけスタンプの種類があって、取り扱いは大変複雑です。また、発行元の商店街は偽装防止の手だてをしなければいけません。実現すれば商店街の活性化に結びつくことは間違いありません。そこで、矢祭町のスタンプによる納税システムの調査など、世田谷区も導入に向けた研究を始められることを要望いたします。  加えて、ポイントというお得感を得られるクレジットカードを使った税金の納付についても検討されることを要望します。厚生労働省では、国民年金を二〇〇八年をめどに、クレジットカードで保険料を払えるようにするという方針を立てているので、実現は十分可能だと思います。どうぞよろしくお願いします。  次に、インターネット公売に関連した質問をします。  世田谷区がインターネットを活用して公売していることは、私たちの友達の間でも大変有名です。落札率も非常に高いと伺いました。言うまでもなく、公売を行うために、まず財産の差し押さえをしなければいけません。そこで、財産調査と差し押さえの件数についてお聞きします。昨年度の比較を交えて答えていただければいいと思います。 ◎工藤 納税課長 二月末現在の数字で比較して申し上げますと、財産調査につきましては、平成十七年度は三万八千七百四十七件でしたが、平成十八年度は五万七百七十一件となっておりまして、一万二千件以上増加しております。また、差し押さえ件数につきましては、平成十七年度は千七十四件でしたが、平成十八年度は二千三百九件となっており、二倍以上の大幅な増加となっております。 ◆青空こうじ 委員 別荘やリゾートマンションのような自宅以外の不動産を探し出すのも大変難しいと思いますが、これらの財産はどうやって見つけるのか、公の場所であれなんですが、教えていただければいいと思います。 ◎工藤 納税課長 リゾート地の不動産の発見につきましては、リゾート地の市町村から、固定資産税の滞納によりまして、現住所地である世田谷区に対して滞納者の状況調査などが送付されることによりまして発見できるケースが最も多くなっております。また、滞納者との納付相談の中で不動産を所有していることを発見できるケースもございます。 ◆青空こうじ 委員 差し押さえというとちょっとあれなんですが、差し押さえのときに、価値がわかる方が行かなきゃいけないわけですね。そういう方がちゃんとついていくんでしょうか。 ◎工藤 納税課長 不動産につきましては、鑑定士の方に、専門家の方に鑑定をお願いしているところでございます。 ◆青空こうじ 委員 最後に、インターネット公売の効果はどのような形であらわれているのか、ちょっとお伺いします。 ◎工藤 納税課長 インターネット公売につきましては、昨年五月の導入以来、これまで五回実施しております。インターネット公売につきましては全国から参加することができることから、参加者も多く、高価格で売却できる効果が出ております。きのう締め切りました第五回インターネット公売では、与論島の不動産に全国から九十二名の参加申し込みがあり、見積額七十万円に対しまして、五・二五倍の三百六十七万五千円で落札されております。また、ことし一月に実施いたしました公売では、見積額二千四百円の版画が、八・七五倍の二万一千円で売却できましたし、見積額三万二千円の指輪を八・一六倍の二十六万一千円で売却することができました。  また、インターネット公売の導入によりまして、これまで公売できなかった宝飾品とか美術品などの公売ができるようになりまして、公売できる品目が大幅に拡大しております。このことによりまして、これまでは区からの強制的な差し押さえがほとんどでしたが、インターネット公売の導入後は、滞納者との納付相談の中で公売できそうな品物を滞納者から提供していただき、提供いただいた品物を区が差し押さえをして公売にかける、どちらかというとソフトな対応ができるようになってきたという効果も出てきております。  今後も滞納者に対しましては、納付相談の中で滞納者と区が相互に協力しながら、滞納を解決していく方向を含めまして積極的に取り組んでまいります。 ◆青空こうじ 委員 滞納額が二十万円で、それ以上に売れた場合にはどうなるんでしょうか。 ◎工藤 納税課長 滞納者の方に残り分はお返しいたします。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。  以上で質問を終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時八分休憩    ──────────────────     午後三時四十分開議 ○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆原田正幸 委員 世田谷区の自治権拡充運動の歴史と展望につきましてお尋ねをいたしますが、まず歴史について、行政ではどのようにとらえていらっしゃるか、お尋ねをいたします。 ◎石濱 政策経営部長 今、特別区の自治権を拡充するための運動というものが、この間ずっと行われておりますけれども、私どもが思いますに、まず昭和二十七年に地方自治法の改正がございました。このときに区長の公選制が廃止されまして、特別区というものが都の内部的な団体に位置づけられた。こういった時点から、特別区の自治権を拡充するための運動というものが始まっていると考えております。 ◆原田正幸 委員 私は昭和五十年に区議会に出てまいりましたんですが、五十年といいますと、ちょうど下条さんと一緒でありまして、大分古くなったんでありますけれども、当時は区長公選制の復活、それから保健所の業務移管というものがありましたわけで、ちょうど大変画期的な選挙であったと思っております。また、保健所といいますと、私ども終戦後、中学一年でございましたが、電車に乗ればその電車の中に、進駐軍の命によりということでDDTがまかれておりまして、これも保健所のお仕事。それから、シラミ退治で、子どもにDDTをかけてくれたのも保健所のお仕事。結局、保健所といいますと国絡みのお仕事ということがありました。そういった大きなお仕事をなさっていた保健所が区に来たということは大変驚きでもあったんですね。そんなような時代もありました。  それ以後の動きについて、世田谷での動きはどんな様子でしょうか。 ◎石濱 政策経営部長 今お話にございましたけれども、二十七年以降の動きにつきましては、ただいまお話にございました昭和四十年に福祉事務所、まずこれが区に移管されております。また、昭和五十年は区長公選制が復活をいたしました。また、保健所が区の方に移管されております。しかし、特別区の性格というものは、まだ都の内部的な団体のままでございました。  そこで、特別区につきましては、区民の代表者や区議会の議員さんとともに、当時の自治省、あるいは国会議員さん、都知事等に、特別区制度改革、こういったものを要請するなど、さまざまな活動を行ってまいりました。  世田谷区におきましては、昭和六十一年、これは世田谷“市”実現をめざす区民の会、こういったものが発足をしております。改革の実現に向けた運動が活発に展開されるようになりまして、区民の方々や区議会、区が一体となった、こうした運動を行ってまいりまして、平成十二年四月に都区制度改革が実現した。そのときに、特別区は一般の市町村と同様に基礎的な地方公共団体に位置づけられた、こういった状況でございます。 ◆原田正幸 委員 今お話にございました昭和六十年でありますが、六十一年には世田谷“市”実現をめざす区民の会というものが幅広くつくられまして、区議会も一体になりまして、区長さんが先頭に立って政令市を目指そうという、こういう動きのうねり、高まりがあった時代でありますね。  当時の人口を見ますと、国勢調査で昭和六十年に八十一万人と、世田谷の人口が大変ふえてきた上り坂の時代であった。こういった専門の自治権拡充運動の大きな波に乗っていた次第でありますけれども、その後、バブルに入り、それが終わり、同時にまた、東京都と二十三区とのあり方といういろいろな枠組みが二十三区に厳しく出てきたと思っております。この特別区の制度改革について、これは世田谷、二十三区が大変年月、エネルギーをかけて動いてきたわけでありますが、このような動きの中で平成十二年を迎えた。自治法改正によって基礎的な自治体になった。仕事面では一人前になったと。  しかし、財政面でまだ問題が残っているというところでお尋ねをいたしますのは、いろいろな本会議の場で、あるいは昨日、本日の予算委員会の場で、これからの世田谷の自治権の展望と申しますか、これからの行き先について、行政当局はどのようなお考え、展望を持っておられるか、お尋ねをいたします。 ◎石濱 政策経営部長 今お話にございましたとおり、平成十二年の地方自治法改正に伴いまして、さまざまな事務が区の方に参りました。ただ、都区制度改革の実現によりまして、特別区の自治権は以前よりは拡充をされているわけでございますけれども、まだ十分ではないというような認識を持っているところでございます。 ◆原田正幸 委員 都区制度改革以後は、都区のあり方に関する検討会というもので、都と二十三区との間でいろいろな話し合いが進められている次第でありますけれども、五五%になったということは大変大きな努力の成果の一つではあると思うんですが、いまだに財政調整という大きな枠の中でなかなか抜け切れない。これは地道に、区長会の三部会での話し合いとか、あるいは各担当レベルでのいろいろな詰めというものが必要なんだろうと思うんですけれども、この後どのようなめどを持っていらっしゃいますか。 ◎石濱 政策経営部長 お話がございましたけれども、都区のあり方に関する検討会、これが昨年の十一月に、都区間の事務配分につきましては、都が行う必要があるとされた事務を除き、都から特別区への事務移管をさらに進めるべきであるとした取りまとめ結果を発表しているところでございます。  現在、都区間の事務配分、あるいは都区の税財政制度、また、特別区の自治に関する議論につきましては、都区のあり方検討委員会で行われております。平成二十年度末を目途に、基本的方向を確認することとなっております。また、これと並行いたしまして、特別区長会におきましても、お話にございましたけれども、大都市制度部会、税財政部会、政策課題部会の三つの専門部会が設置されまして、既に検討が始まっております。  世田谷区では、これまでも自治権の拡充を目指しまして、大都市事務をすべて特別区の事務として、また、調整税につきましてもすべて特別区税とするという内容の、地方分権時代にふさわしい世田谷区独自の改革試案を取りまとめまして、他区へ発信をしてまいりました。今後も自治権の拡充を目指した取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆原田正幸 委員 世田谷独自の改革案をつくり、また、熊本区長が区長会でもって、それをよその区にお披露目なさっていらっしゃる。それにつれて大きな動きが出てくることを願っているんでありますけれども、こういった地道な積み重ね、努力が、結局は目的達成の王道であるということは重々承知いたしております。  あわせまして、例えば最近の相模原市の例なんかを拝見いたしますと、どうもじれったいなという気も起こってくるわけでありますね。相模原の例について教えてくださいますか。 ◎石濱 政策経営部長 相模原市につきましては、市長さんが政令指定都市を目指すんだというような報道がなされてございます。相模原市は合併が進んでおりまして、面積もかなり大きくなってまいりました。人口も、それに従いましてふえてきたということで、政令指定都市を目指すということで表明なさったんだと思っております。  今後、相模原市でどういった議論がなされるか、私どもとしても、そういったものは見守っていきたいというふうに思っております。 ◆原田正幸 委員 相模原といいますと、もう何十年以来、東京都から多くの人口があちらに行きまして、郊外都市として整ってきた。しかしながら、合併なさっても人口が七十万台である。そういうことを伺いますと、地道な積み重ねをいたしながら、何か手がないものかなということを思うわけですね。  例えば行政訴訟とか不服訴訟とか、要するに、私もいっとき夢見たことが、裁判でもって何とかならないかなということを考えたわけでありますけれども、これも結局、憲法に決まっております。今、二十三区の区民は、すべて国民は法のもとで平等であらないわけですね。  だから、自治法絡みでもってがんじがらめになっている区のあり方についてショック療法的な動きが出てくるかもわからない、こんな期待を、夢を抱きながらいるわけでありますけれども、それはそれといたしまして、行政当局としては、今後とも地道な努力を積み重ねることを切に願ってまいります。  次いで、次の問題に入ります。  新年度の予算案を拝見いたしますと、特別会計が三つですね。国民健保、老人医療、介護保険、この三特別会計への一般会計からの繰出金が百九十億円に相なっておりまして、対前年比較で十七億円ふえているというように思いますが、その点は間違いありませんか。 ◎宮崎 財政課長 一般会計からの三特別会計への繰出金でございますが、今お話にございましたように、当初予算費ということで申し上げますと、十八年度で三特別会計は約百七十三億円出したわけでございます。これが当初予算です。これが十九年度の当初予算では百九十億円を上回る状況ですので、お話しのように十七億円ほどふえているという状況でございます。 ◆原田正幸 委員 特別会計への一般会計からの繰出金、反対に特別会計から言いますと、繰入金が年々歳々ふえてくるということにつきましては、この議会でも、あるいは前々からいろいろな懸念が表明されてまいりました。こういったものが背負える間はいいんでありますけれども、いつどうなるのかなという心配もあります。と同時に、こういったことができるがために、世田谷の行政水準が高く保っておられるというプラス面もあるという意見もあります。  繰出金、繰入金について、財政当局はどのように思っておりますか。 ◎宮崎 財政課長 今ご指摘がございましたように、これは年々ふえている状況でして、これは一般会計に対します区財政の影響も次第に大きくなっているという状況はございます。  具体的に繰出金の増加の要因でございますけれども、国民健康保険で申しますと、高齢者人口の増加に伴います一人当たりの医療費がふえているというのが大きな要素でございます。それから、老人保健で申しますと、公費の負担割合が変化しておりまして、区の方が徐々にふえているということでの増です。さらに介護保険で申しますと、居宅介護サービスの給付費がふえているということで、これらが増加の要因というふうに考えております。このことから、繰出金の増加を抑えるということも一つ考えなければならないことで、例えば国民健康保険で申しますと、いかに医療費を抑制するかということが肝心なのではないかと思っています。  ただ、一方的に医療費の抑制ということだけでは、もちろん自治体としてはまかりませんで、例えばそのための生活習慣病の改善ですとか、介護で申しますと介護予防、こういう予防の観点から、区民の健康増進、こういうものを積極的に図っていく必要性があるんだろうと思っております。  繰出金にはそのほかの要素といたしまして、今申し上げました自治体として負担しなきゃならないほかに、保険料の不足という部分もございます。これらにつきましては、保険料の徴収強化に今取り組んでおりますけれども、これにつきまして、さらに収納率の向上に努めていく必要性があるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、この繰出金の増加が区民サービス全体に影響を及ぼすことなく、さまざまな行政需要に今後とも対応していくためには、計画的な財政運営をやっていかなきゃならないと思っております。 ◆原田正幸 委員 ある大臣を務めた方の冗談なんでありますが、私も世田谷に行きたいよ、お願いすれば、すぐ電動のベッドが借りられる、こういう笑い話もございましたんですけれども、反面、若い世帯なんかがなかなか世田谷へ入ってこない、入れないという現実があるようであります。  例えば、平成十七年の国勢調査によりますと八十四万一千三百九十九人と、人口がまた戻ってふえてきているわけでありますけれども、やはり人口というのは区の大切な大きなファクターでありますだけに、行政水準が高いということは誇るべき長所ではあるんですが、同時にまた、例えば土地のお値段、地価、家賃、いろいろな公的なバリアが世田谷にはあると思うんですね。  ですから、人口と行政のあり方というものは大きな問題だろうと思うんですけれども、今言われましたような繰出金、繰入金の性格とか、あるいはその限度とか、行政のねらいとか、こういうようなことにいろいろと気配りをいただきたいと願っている次第でございます。  次いで、次の問題に入らせていただきますのは、これは過日来、災害要援護者支援の取り組みについてモデル実施に向けてということで、昨年の暮れ以来、議会にもお話があり、また、各町会、自治会にもお話がございましたものであります。  大地震があったときにお助けする、お手伝いをする人々への体制づくりということにつきまして、数年来、この議会でも、区として、行政として正面から取り組むべきであるという各会派からご意見がございましたところ、今度、行政としてこの問題に取り組もうということで動きが始まりました。大変結構なことであります。  新年度に向かってモデル地区を募集なさっていたようですが、その後の動きなどはいかがでしょうか。 ◎萩原 災害対策課長 災害発生当時におきましては、高齢者や障害者などのうち、みずから素早い避難ですとか判断が困難な、いわゆる災害要援護者に対しましては、地域における安否確認や避難支援等が不可欠だということでございます。  災害要援護者支援の仕組みづくりにつきましては、今委員ご指摘のとおり、昨年以来、災害対策の重要課題といたしまして総点検項目の中でも取り上げまして、保健福祉部、各総合支所、生活文化部、危機管理室が連携して取り組み、検討内容を議会にも報告したところでございます。  これらをもとにいたしまして、今委員にお示しいただきましたリーフレットに概要をまとめまして、町会、自治会、民生・児童委員協議会へ趣旨説明するとともに、地域での活動に向けた支援などにつきまして調整を進めてまいりました。それぞれの町会、自治会におきましても、熱心なご議論や総合支所との調整をいただいているところでございます。こうした取り組みを進める中で、全五地域におきまして災害要援護者支援のモデル実施に参加いただける町会、自治会がほぼ固まりまして、七つほどでございますが、三月十九日には、そのうちの複数の町会と区との間で、初めて活動に向けた協定が締結される運びとなりました。 ◆原田正幸 委員 今ご答弁で七つの町会、自治会から立候補があったとのお話で、まことに結構だと思うんであります。  ある町会では、昨年暮れの理事会、役員会に、支所の地域振興課長さんからこれのご説明をいただきました。事後、勉強会を二度いたしまして、その勉強会というのは、結局、高齢者部会というものがありましたり、防災部とか、防火部とか、そういった関連部の勉強会を二度いたしましたところ、いろいろな疑問が出たようであります。  実はその町会では、平成七年の阪神・淡路以来、いち早く自分たちでもってこういう支えあい活動をつくり上げまして、八年には、助けてほしい方が百五十人、それに対しまして、それぞれ助っ人さんをそれに倍する人数というつくりをつくった町会でありますけれども、例えば、助けてほしい人と助っ人さんとのご対面はしなかったんですね。それはどうしてかといいますと、お互いに負い目といいますか、ふだん何か気分的な問題が出はしないだろうかとか、あるいは今度のお話に対して、じゃ、どこまでと。  町会とか助っ人さんの方でするお仕事が、ここにはたくさん書いてあるんですね。果たしてこれを全部できるだろうかとか、そんな疑問が出ましたので、再度、地域振興課長さんにおいでいただいて、二度目の勉強会の後、理事会、役員会で話し合いをいたしました。つまるところは、災害要援護者支援の委員会をつくって、ここは理事が五十人でありますけれども、役員さん全員では足りないので、要するに全会員にお声をかける体制づくりをしようということで、これのための委員会をつくって、じゃ、ここへ立候補しようじゃないかと、こんな町会もあったわけでありますね。ですから、町会、自治会としてもそれぞれなりに、いろいろな覚悟をつくっていなさると思うんですね。  これに対して、今後、モデルの立候補の後、行政ではどのような動きをなさるのですか。 ◎萩原 災害対策課長 協定の締結後は、該当地区の要援護者、要介護の高齢者、障害者の方に対しまして、対象者となるご同意をいただく手順を踏みまして、その後、顔合わせなどを契機といたしまして、地域の助け合い活動が実際に動き出すこととなります。  来年度にはモデル参加された町会、自治会の活動状況を検証いたしまして、モデルというステップに続き、支援の取り組みが区内に広く普及していくように努めてまいります。あわせて、この活動は災害のことだけを考えているわけではございませんで、災害時に備えて、平常時から町会、自治会等を通じて地域のコミュニケーションが深まるよう、区としても積極的に支援してまいりたいと存じます。 ◆原田正幸 委員 この後、区内の多くの地域、町会、自治会にこういうご相談を進めていくとのことでありますだけに、この問題に対して大きな期待が区内にございますから、よろしくお願いをいたしまして、次の質問者にかわります。ありがとうございました。 ◆赤沢雅彦 委員 まず、私からは、最初に、「区のおしらせ せたがや」についてお伺いいたします。  昨今、IT環境の整備に伴い、広報媒体を取り巻く環境は大きく変化しております。パソコンの普及によりインターネットを通した情報の発信が、また手軽に、迅速に可能となっております。  一方、こうした環境の中にあっても、区のさまざまな行政情報を提供していく広報媒体の主流は、区民意識調査にありますように、今なお広報紙である「区のおしらせ せたがや」でもあると考えております。最近、政策課題ごとの特集号もきめ細かく発行され、子育て支援特集号などでは年齢別の子育て支援サービスが一覧となっていて、子育て中の保護者には大変好評だったとも聞いております。  そんな区の広報紙では、このような行政情報の発信だけでなく、一日号と十五日号では区民のさまざまな自主活動を紹介する「区民のひろば」というコーナーがあります。内容を見てみますと、スポーツの同好会などの会員募集や、お花の講習会の案内、あるいは映画や講演会の開催案内など、多岐にわたっております。  その中で、先日、ある区民の方から掲載内容についてご指摘を受けました。とある募集について、講演会の主催者が政治的な主張をしている団体ではないだろうか、こういったものを載せていいのだろうかということであります。欄外にあります掲載制限を確認したところ、当然ながら政治活動や営利行為にかかわるものは掲載不可となっておりました。確かに、単に団体の名称や講演会名だけでは、こうした掲載基準に抵触するものかどうか判断がつかないものがありますが、しかし、政治活動や営利行為にかかわるものは載せてはならないし、ごらんになった区民が誤解を招くものは排除すべきかと考えます。お考えをお聞かせください。 ◎本橋 広報広聴課長 「区のおしらせ せたがや」は、区民生活に必要な情報を広く区民に提供するとともに、区民の交流の場として、「区民のひろば」欄においてサークル活動の催し物ですとか会員募集のご案内をしております。当欄への掲載に当たりましては、掲載の統一性及び公平性の確保の観点から掲載基準を設けておりまして、委員お話しのありました政治活動、あるいは営利行為などの掲載を禁じております。こうしたことは、申し込みになる区民の方にもあらかじめ基準を示してご理解をいただいているところです。  しかしながら、基準は満たしていましても、ごらんになった方が、この内容はいかがなものかというように思われるものもありますことから、今後とも区民の方に誤解を与えないよう、掲載内容及び団体につきましては十分調査するとともに、区民の方からご指摘がございましたら、速やかに当該団体に確認をとるなどの対応をとって、一層の統一性、公平性の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆赤沢雅彦 委員 例えばの話となりますが、野球やバレエやお花の募集の中に、団体名を見てみたら、これは、もしかしたら原子力発電所の前でプラカードを持って座り込みしている団体じゃないかなとわかってしまうような団体があるのは、やはり区民の方に非常に誤解を与えると思いますので、団体名のタイトルだけではわからないということは十分わかりますが、内容に関しても、今後きちんと考えて、その辺の掲載基準等判断をしていただきたいと思います。  次に、庁舎内の掲示板に関してお伺いいたします。  庁舎内には職員周知用の職員用の掲示板が設置されています。そこに張られているものの中には、政治的な色彩の濃いポスターなどもかなり見受けられます。民間でしたら、社員用の掲示板は来客から見えにくい場所に配置してありますが、区民の往来が多い区内の場所においてこのような職員用の掲示板を置いておくことはふさわしくなく、また、「区のおしらせ」の件と同様に、区民への誤解を招くのではないでしょうか。  区民視点でのサービスを考えるなら、区としては改善すべきではないかと思いますが、区の見解をお伺いいたします。 ◎河上 総務課長 ご指摘のありましたとおり、庁舎内には、専ら区民への周知を目的とした一般用のほかに、職員への周知を目的といたしました職員用の掲示板を設置してございます。職員用の掲示板につきましては、職員団体も含めて、各種の職員向けの周知文などについて使用を許可しております。  しかし、おっしゃるとおり、あくまでも職員向けであるため、区民の皆様が多く利用されている場所に設置することが適当かどうか。また、ポスター等の内容も含めまして、今後、区民の目線で管理をしていきたいと考えております。 ◆赤沢雅彦 委員 先ほどの休み時間にもちょっと下に行ってみましたところ、教育基本法改正反対とか、憲法改正反対とかに関することが書かれたポスターが張られておりました。この辺、政治的な中立性のことも含めて、また、職員掲示板が区民の目に触れるところにあるという問題も含めてあわせて考えて、早急に改善すべき課題だと思いますので、よろしくご検討をお願い申し上げます。  次に、「せたがやコール」に関してちょっとお伺いさせていただきます。  お問い合わせセンター「せたがやコール」が昨年十一月に開設して四カ月がたちました。我が党でも北海道の札幌市の方に視察などに行き、これらの開設に当たってのいろいろな実質を見てまいりました。これまで区に問い合わせをする場合、区役所の代表電話番号を経由して所管につないでもらって、そこで回答を得るという流れでしたが、「せたがやコール」の設置により、簡易な問い合わせについては三百六十五日年中無休で、ワンストップで回答が受けられるようになり、夜間や土日しか時間がとれない方にとっても、かなり便利になったのではないかと思います。  開設前は、区のことを余り知らないオペレーターが案内するということもあり、かかってきた問い合わせに本当に正確に答えられるのだろうかという心配もございましたが、この間、円滑に運営がなされてきたものと思います。
     その「せたがやコール」が開設されて以来の実績ですが、受け付け件数やその内容、あるいはコールセンター内での完結率や設置の効果はどうなっているのでしょうか。また、三月や四月の引っ越しシーズンを迎え、各種の手続などの案内やお花見の情報など、多種多様な問い合わせが予想されますが、今後のサービス向上に向けてどのような方策を考えているのか、お伺いいたします。 ◎本橋 広報広聴課長 「せたがやコール」につきましては、黄色い電話キャラクターでおなじみになりましたが、昨年十一月に開設いたしまして四カ月が過ぎております。  この間、一日当たりのお問い合わせの件数でございますが、曜日など、あるいは時間帯などによっても異なりますけれども、平均しますと百二十件強となってございます。お問い合わせの内容につきましては、主に住民票ですとか戸籍の証明などの手続関係、あるいは届け出関連、それからイベントの内容、ごみの分別方法などとなっております。また、開設してこの間、ボロ市ですとかせたがや梅まつりなども開催されまして、今回の第三十回せたがや梅まつりにつきましては、イベントの内容に加えて梅の開花状況など、こういったものをご案内してまいりまして、大変多くの方にご利用いただいたところでございます。  また、お問い合わせセンター内での完結率、その場での回答率でございますが、おおむね八割程度となっております。どうしても転送ですとか折り返しお答えするものの中には、主に税金ですとか年金、保険といった個人情報にかかわるもの、あるいは建築、都市計画、まちづくり、道路といった、技術的、専門性の高いもの、こういったものは所管につないだりしてございます。  今後の運用に当たりましては、ワンストップサービスでお問い合わせに的確に答えていくということが、これは課題でありますので、年度の切りかわり、あるいは引っ越しシーズンというお話もございましたけれども、さまざまなお問い合わせが予想されますので、全庁を挙げましてFAQ、よくあるお問い合わせとお答えの内容点検を行うとともに、各種講座などの申し込み受け付けを行って、さらなる利用拡大とサービスの向上を目指してまいりたい、このように考えております。 ◆赤沢雅彦 委員 完結率八割というのは非常にすばらしい結果だと思います。今まで以上に区民の視点に立って、「せたがやコール」のさらなる利用促進をうまく進めてください。  次に、地域の防災力の向上と避難所の運営について伺わせていただきます。  今月六日、またインドネシアのスマトラ島で六・三の地震が発生しました。我が国も地震国と言われており、地震が日常的に発生しております。東京でも、昨年を見ましても毎月地震が発生しており、最高は震度四が記録されたということです。  区は、地震に備え、日ごろから地域の防災区民組織に対する支援を行っているようですが、先日、我が会派からもいろいろありましたとおり、買いたい防災資機材があるけれども、区に認めてもらえないというような話もあると聞いております。  そこでまず、区が防災区民組織に対して行っている支援の内容と、買うに当たって何か制約があるのか、お答えください。 ◎萩原 災害対策課長 町会、自治会を母体として結成され、地区の防災活動の中心となって活動していただいております防災区民組織は、平成十八年四月現在、区内に二百十一団体ございます。  区は各総合支所を通じまして、結成後につきましては、防災区民組織が地区や団体の実情に合わせた活動が行えるよう、世帯数に応じて、最高十三万五千円を限度として防災資機材を、毎年度、現物で供与しております。なお、防災区民組織の結成時には、区はこのほか五万円を加算するほか、バール、のこぎりなどの救出・救助用資機材も一括して配布しているところでございます。これらの防災資機材は、主に団体の日常の防災活動、あるいは発災初動期の助け合いに使用していただくためのものでございます。  なお、区は、災害時の避難所生活で欠かせない食料、生活必需品、医薬品、工具等資機材につきましても、避難所運営用倉庫や広域用防災倉庫に備蓄しているところでございます。 ◆赤沢雅彦 委員 日ごろからの支援について、よくわかりました。防災に必要な物品はどんどん便利なものが出てきますし、また、地域によって必要な要望も異なります。  実は先日、私のところに、避難所運営委員会で買いたいと考えているものがあるが、予算がついていないので買えないという意見がございました。組織的には学校協議会が中心となった防災訓練という位置づけなのでしょうが、お聞きしたいのは、資機材を与え、いろいろと援助されている、防災区民組織と学校に求めている避難所運営防災訓練の組織的な線引きと協力体制がどのような関係にあるのかということなのですが、お答えいただきたいと思います。 ◎萩原 災害対策課長 災害時に区立小学校に避難所が開設されることに備えまして、学校協議会の構成メンバーであります町会あるいは自治会、学校関係者、PTA、日赤等、地域の状況に応じまして運営体制を整えていただいております。  平常時には、各学校協議会に設けられた防災部会などを通じまして避難所の運営方法を検討しまして、その結果を個別の避難所運営マニュアルとして作成していただいております。さらにそのマニュアルに基づいて、自主的な避難所運営訓練が行われているところでございます。  避難所運営の本部組織は、名称、運営委員会あるいは運営本部など、避難所ごとに定められております。日ごろから訓練の中で防災活動に携わっておられる防災区民組織の方を中心に、その技術や技能を結集しまして相互に連携し、学校とも協力しながら、当該避難所全体を効率的、効果的に機能させるために、設営、運営、区や関係機関との連絡調整など、実践的な訓練に取り組んでいただいているところでございます。  いずれにしましても、こうした日ごろの訓練を通じて、学校協議会や各地区の防災区民組織の連携や協力体制がさらに高まるよう、総合支所を通じまして支援してまいります。 ◆赤沢雅彦 委員 連携を強めていくということ、本当にそれを進めていっていただきたいと思います。  実を申しますと、防災区民組織と学校協議会は入っているメンバーが重なっている場合が多いんですが、実質、それぞれの組織にそれぞれに出てしまっている中で、有機的に考えていない。逆に言いますと、例えば防災区民組織に与えられている資機材を避難所運営訓練のときに使うという考え方まで、まだちょっと至っていないような例もあると思います。それぞれが有機的に合流してやっていく、それぞれ個別の同じ機能を持たせた組織を二つつくるんじゃないんだよということを徹底して、日ごろ、それぞれの資機材を区の方から出している防災区民組織が避難所の方に合流して、有機的な活動ができるような流れをつくっていっていただきたいと思います。  災害からいち早く区民生活の復興を図るためには、適切な避難所の運営が必要となってきます。その意味で、避難所運営訓練がふえてきていることは非常に評価できると考えております。  重ねてちょっと伺いますが、実際に避難所が開設された場合に、その運営はどのような形で行われるのでしょうか。 ◎萩原 災害対策課長 いざ災害が発生した場合は、自助、共助の視点から、避難所運営を担っていただく地域の防災区民組織の方などが速やかに避難所に参集いたしまして、日ごろの訓練の成果を生かしまして、例えば総務情報班とか、あるいは給食、あるいは救護といった、それぞれの役割を確認しながら避難所運営本部組織を立ち上げていただきまして、運営をお願いすることとなります。  なお、区におきましても、速やかに体制を整え、地域本部長たる総合支所長が避難所の統括責任者としての役割を担い、適切な避難所運営に努めてまいります。 ◆赤沢雅彦 委員 過去の地震の例を見ますと、行政が動き出すまでは時間がかかります。地域の防災区民組織による早期の避難所開設と運営が必要であると私も考えております。  実際に避難所に関してですが、学校ごとに運営のための取り組みの進みぐあいにばらつきがあるとも聞いております。そのあたり、区はどのように考え支援を行っていっているか、お聞かせください。 ◎萩原 災害対策課長 避難所を運営するに当たっての学校との連携の仕方ですとかスタッフの確保、日ごろの訓練の内容や実績状況につきましては、地区によりさまざまな状況があろうかと存じます。区といたしましても、災害時の円滑な避難所運営に役立つよう、平常時から総合支所を中心としまして、例えば避難所の運営委員会等へ防災に係る情報提供をするとか、あるいは避難所運営訓練の企画に関する助言、あるいは当日の協力など、さまざまな支援を行っております。  今後も、このように災害への対応や避難所運営に関しまして、さらに地域全体の体制ですとか技術の向上に役立つよう、きめ細かく支援してまいります。 ◆赤沢雅彦 委員 区民の声に耳を傾けて、さらに協力体制を確固たるものにして、災害対策支援に取り組んでいただくようお願いいたします。  次に、電算システムについてお伺いさせていただきます。  高齢者の適切な医療の確保を図る観点から、昨年六月、健康保険法等の一部を改正する法律が成立し、来年四月から後期高齢者の医療制度が創設されることが決まっております。この制度では、各都道府県単位に広域連合をつくり、保険者になるということになっておりますが、東京の場合は、都内六十二の市区町村で構成する広域連合が保険者となって、七十五歳以上の方々約百万人が加入する保険制度を運営することになっているわけですから、当然大がかりな電算システムをつくっていくことになると思います。  しかし、広域連合でシステムをつくって運営するにしても、住民一人一人の被保険者資格の情報や保険料の算定基礎となる税情報は各自治体が把握しているわけですし、それも日々更新されるわけですから、綿密な連携をとらないと正しい処理ができないのではないかと思います。  実際に、住民の方々が申請書を提出したり、いろいろな相談に来られたりするのは、自分が住んでいる区の窓口であって、広域連合ではないのでしょうから、この意味でも、これらの情報を広域連合のシステムとどのように連携していくか、難しい面があると思われます。  そこで伺いますが、このような情報が正しく広域連合に伝わって、誤りなく後期高齢者医療制度が運営されるために、どのようなシステムの仕組みを検討していて、また、開発スケジュールはどうなっているのか、簡単にご説明をお願いします。 ◎栗原 情報政策課長 後期高齢者医療制度システムにつきましては、保険者である東京都後期高齢者医療広域連合と世田谷区で連携してシステムを運営していく予定でおります。  まず資格の基礎になる情報、例えば七十五歳に到達した情報や七十五歳以上の方が転入した情報につきましては毎日、世田谷区から広域連合に伝送いたします。これをもとに、広域連合では資格のデータベースをつくります。また、保険料算定の基礎になる税情報につきましても、世田谷区から広域連合に伝送し、保険料を広域連合で決定いたします。  次に、保険料を徴収するのは区の仕事というふうに決められておりますので、収納事務は区で新規に納付システムを作成し管理してまいります。また、年金から天引き処理をする方につきましては、社会保険庁などに天引き依頼をして、納入を管理していきます。  次に、スケジュールでございますが、本年の四月からシステムの作成に入りまして、九月には被保険者台帳の作成、十一月には保険料の決定をし、来年一月に年金天引きの依頼を社会保険庁にいたしまして、来年の四月から本稼働になる予定でおります。 ◆赤沢雅彦 委員 お聞きする限り、電算システム的にはかなり複雑な処理をすることになり、今や自治体の事務処理においても電算システムと切り離して考えられない時代ですが、これほど大きな医療制度の事務処理では、電算システムが正確に処理されないと事務が混乱し、住民の方々に迷惑が及ぶことになると思います。制度開始まで一年ほどしかない上に、本番用のデータベースはことしの九月から十月につくる予定となっていることで、余りにも時間がなく、電算システムがきちんと完成するのか、私はちょっと疑念に思っております。間に合わなかったときに、これはどうなるのか、本当に心配しております。  そこで伺いますが、システム導入に向けての課題はどのような問題があるのでしょうか。また、どのように対応していくのか、お答えください。 ◎栗原 情報政策課長 まずスケジュールについてでございますが、この規模の開発としまして構築期間が短過ぎるという問題があります。システムは、要件定義、設計、製造、それから試験、導入という工程を積み重ねていくことが必要ですが、最悪、試験工程がとれずに本番導入をするという可能性がございます。  次に、予定されている医療制度改革のシステムへの影響範囲が広いということが問題になります。国民健康保険、それから介護保険、老人保健、住民記録に影響する制度改正であるため、従来システムの膨大な修正作業と同時並行に後期高齢システムの導入を進める必要がありまして、システムエンジニアなどの要員確保が非常に難しい状況でございます。  また、広域連合と都下の六十二の自治体と連携するという初めてのシステムであるため、広域連合や他の自治体のおくれが世田谷区にも影響してくる危険がございます。これらに対応するため、特別区の電算主管課長会でプロジェクトチームを組み、広域連合の電算システム担当者と調整を開いたり、また、早期に作業要員を確保して、使用の始まる前から、できる限り前倒しして作業に着手するというような事前作業を進めております。  ご指摘のとおり、不十分なシステムの状態で本稼働を迎えますと、住民の方たちに大変な迷惑をおかけいたします。そのような事態にならないように、広域連合とも十分調整を図りながら進めてまいります。 ◆赤沢雅彦 委員 もちろん広域連合の方のスケジュールが非常にタイトで、実際にぶっつけ本番で、システムの実験をしないで行わなければいけないような事態になりかねないということなので、いざ本番で制度が開始されたときに混乱が起こらないように、制度を支える電算システムを頑張ってつくっていただきたいと思います。  次に、特別区職員の研修の見直しと世田谷区の研修についてお伺いさせていただきます。それと、それに関連して、特別区の共同処理について伺わせていただきます。  さきの決算特別委員会において、二十三区の職員の共同研修のあり方が大きく見直され、これまで江東区の木場にあった特別区職員研修所が旧区政会館のあった九段下に移るという話がありました。  まず最初に、共同研修が見直された理由と、どのような見直しになるのか、その内容について、また、特別区研修所の移転の時期はいつなのか、お伺いいたします。 ◎柳澤 研修調査室長 共同研修の見直しにつきましては、区政会館が九段下から飯田橋に移転したことに伴いまして、その後の九段下の旧区政会館の施設をどのように利用していくのか、また、共同研修のあり方、必要性について、区長会が助役会に検討を下命したことによります。  助役会では、各区助役へのアンケートなども踏まえ、研修は各区の責任で、各区の考え方のもとに確立することが基本であるとして、共同研修を各区の判断による選択制とすること、研修の規模の縮小、それから、特別区職員研修所を木場から旧区政会館本館に移転することなどを検討結果として取りまとめまして、昨年七月の区長会に報告して了承されたものでございます。  特別区共同研修所の移転の時期でございますが、これから旧区政会館本館の改修工事に入りまして、改修後、ことしの九月に木場から移転して、本館での研修再開は十月の予定というふうに伺っております。 ◆赤沢雅彦 委員 今後、共同研修は各区による選択制にするということでございましたが、具体的にこれまでの研修と十九年度からの共同研修はどのように変わるのか、また、各区による選択制に伴い、これまで各区で負担していた共同研修に関する負担はどうなるのか、お願いいたします。 ◎平井 研修調査室次長 共同研修がどのように変わるのかということでございますが、これまでは特別区の職員であれば、新任研修から主任主事、係長など、各職層に応じまして、特別区の研修所において研修を必ず受けなければならなかったのですが、十九年度からは職層研修は、新任、現任、係長、管理職候補者、管理職の五つに縮小されまして、なおかつ、その研修を受ける、受けないについては、各区の選択によることになりました。なお、職層研修以外のステップアップ研修や専門研修などは大きな内容の変化はございません。  また、経費負担につきましてですが、これまでは参加人数に関係なく、二十三区が均等で負担しておりましたが、今後は、管理部門の人件費や、あるいは施設の維持管理費、経費等の固定費につきましては、各区の負担は均等のままでございますが、個別の研修実施に伴って必要となる経費につきましては、各区の参加人数に応じた負担となります。 ◆赤沢雅彦 委員 特別区の研修に職員を多く送り込む区は経費が多くかかるということだと思いますが、この見直しに対する各区の対応はどうなっているのでしょうか、現時点における各区の対応をお伺いいたします。 ◎平井 研修調査室次長 世田谷区といたしましては、各職層ごとの研修につきましては、今後、基本的に区が実施し、共同研修への参加につきましては、区として共同研修のメリットがある研修を選択することにしております。具体的には、新任の前期、課務担当係長、管理職候補者、管理職の各職層研修につきましては、これまでどおり共同研修に参加いたしますが、それ以外の職層研修については、すべて区で実施することにいたします。  また、この見直しに対する各区の対応でございますが、これまでどおり特別区研修所で実施するすべての職層研修に参加する区が十四区、世田谷区と同じように、職層によって参加する研修、参加しない研修を選択する区が世田谷区を含めまして六区、また、大田、杉並、江戸川の三区につきましては、職層研修のすべてを各区で実施いたしまして、共同研修には参加しない予定であると聞いております。 ◆赤沢雅彦 委員 世田谷区の職員は世田谷区で育てていくという気概を持って、今後取り組んでいただきたいと思います。  特別区の共同研修もそうですが、平成十二年以降の特別区制度改革、地方分権改革の流れで、人事・厚生事務組合や特別区協議会といったところで二十三区の事務を共同処理していますが、ここのところ、全体の流れは、二十三区一体から各区独自の方向へという動きになっているのではないかと考えております。  先日、新聞では、荒川区独自の非常勤職員の昇進制度が報道されたり、少し前には、杉並区長が区独自で人事委員会を設ける方針を表明したという記事もありました。杉並区では、独自に人事委員会を設けることで、職員の待遇や人事制度を柔軟に運用し、地域に合った区政運営を目指すとのことです。  新聞記事にも、共通の人事委員会を離脱するには各区の議会の承認が必要とありましたが、そのようなことから、すぐには無理かと思いますが、これまで二十三区横並びであった採用や任用制度などの区の職員の人事面においても、区独自の方向を目指す区が次第に出てくるのではないかと考えております。  世田谷区として、こういった動きに対して、今後どのように対応していくのか、なかなか簡単に答えの出ない問題であるとは思いますが、どのような感想をお持ちか、お聞かせください。 ◎齋藤 総務部長 地方分権推進の流れの中で、今、全国の自治体では創意工夫を凝らして、各種独自のまちづくりに取り組んでいる、このように認識しております。  委員ご案内のとおり、特別区においては平成十二年に制度改革が実現した。そういう中で、東京都の役割分担も含めて清掃事務、それから区の責任において区民の生活に密着した事務を行う。こういう形になってきて、それが都区のあり方検討委員会に引き継がれている、こんな認識がございます。こうした改革によりまして、各区がこれまで以上に独自の政策を展開する余地が確実に広まっているということだと思います。  そこで、杉並区長のご発言でございますけれども、新聞報道をされている内容以上のものは承知してございませんが、推測する範囲内では、独自の政策を展開していく中で、優秀な人材を確保したい、こういう気持ちのあらわれではないか、このように感じております。 ◆赤沢雅彦 委員 いずれにしても、都区のあり方検討委員会で、二十三区の再編を含む都区間の新たな方向性を見出す議論が始まったことによるものと思われます。二十三区が再編されれば、採用や任用、人事委員会など、現在、共同処理している事務も、新たな自治体ごとの事務になることも考えられます。  そんな動きの中で、世田谷区としても区独自の人事委員会などについて研究していく時期が来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。短くお答えください。 ◎齋藤 総務部長 人事委員会は多様な施策を共同処理しているわけですが、ご案内のとおり、昨日、区長が、特別区の共同処理につきましては、社会状況の変化に応じて不断に見直しを行い、効率性などを十分考慮して改革に取り組んでまいるというご答弁を申し上げております。そういう意味で、今後、私どもも共同設置、また、独自設置のそれぞれのメリット、デメリットを不断に行いながら、十分検証して研究してまいりたい、こんなふうに思っております。 ◆赤沢雅彦 委員 将来に備えた研究を進めていただきたいと思います。  さて、最後に、職員の採用と昇進について何点かお伺いいたします。  二月九日の日本経済新聞の夕刊に、「自治体新卒囲い込み躍起」「民間が採用増、公務員離れ」と題する記事が載っておりました。要は、景気の回復により、各自治体において就職の説明会を本来の学年以外にもしたりというような取り組みがされているということでした。  世田谷区では、先ほどのお話のとおり、二十三区共通の人事委員会を持つということで、特別区の方で採用を行っているわけですが、応募者が減っているとも聞いております。  そこでまず、現在の状況と、既に行っているとは思いますが、優秀な人材確保のための対策について伺わせていただきます。 ◎八谷 人事課長 委員お話しのとおり、民間企業新卒採用枠の拡大等により、特別区においての受験数につきましては、平成八年度の七千九百四十一人をピークに減少傾向が続いております。十八年度は二五%減となる五千九百七十二人となりました。今後も少子化や団塊世代の大量退職、企業の業績回復に伴う採用意欲の増加により、さらなる受験者の減が見込まれます  こうした状況のもとで、特別区人事委員会では、優秀な人材確保には学生の就職活動の動きに合わせたタイミングのいい情報提供が必要である、そういった趣旨から、二十三区の合同説明会を前倒ししたり、あるいは事務職の採用フォーラムを実施し、両説明会では、また多くの学生さんに参加をしていただいている、こういったことがございます。  また、区政会館の三階ホールに各区のPRができる掲示板を設置し、対象を限定せずに、広く学生に自由に見ていただき、特別区に興味を持ってもらう機会を設けました。そこで、世田谷区では、入所一年目の若手職員の職場体験談や、今後公務員を目指す学生へのメッセージを各職員直筆で掲載などをし、大変好評をいただいたところです。  世田谷区としましても、インターンシップ等で公務員職場の経験をいただいて、やりがいのある仕事であるという理解促進、そういったことを図り、受験意欲を高め、人材確保につながるよう、効果を期待して実施しているところでございます。 ◆赤沢雅彦 委員 技術職の人材確保などでも厳しくなっていると思います。そのほか、また幹部の職員の方々、今、世田谷区やほかの区、あるいは都などにおいても管理職を希望する若手職員が少なくなっているという話を聞きました。もちろん管理職だけで仕事をしていくわけではありませんが、これからの世田谷区を支えていく柱となる管理職に、なり手がいないというのは危機的状況かと思いますので、区が今後、このようなことに関してきちんと対応していくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆上島よしもり 委員 先ほど原田委員の方から自治権拡充についてのお話がありましたが、私も昨日、同様の質問をさせていただきまして、しり切れ状態でございましたので、少し触れさせていただきたいと思います。  私は大きく二つのことを申し上げました。一つは、政令指定都市を視野に自治権拡充を進めていく当区にとって、今回の特区のあり方検討会での二十三区再編の議論のスタート、これを大きなスタートととらえるべきであるということが一つ。そして、その議論がスタートした以上どう進めるのか、具体性は別として、この議論に際し、世田谷区としての考え方を持つべきであるということ、この二つを申し上げたわけですが、区長は二十三区再編について、そういった時期に来ているということを一つ申し上げまして、あわせて二十三区全体のことも考えていかなくてはならないというご発言だったと思います。  区長というお立場で、良識あるご答弁だったと思いますが、しかし、後段の部分については、あくまで二十三区区長会に臨む姿勢を示したものでありまして、近い将来、どのような議論の方向性になっていくのかわからない中で、まず世田谷区として自治体としての見通しをどう持っているのかという前提が、やはり必要ではないかと私は思います。  仮に二十三区再編に進んでいくとした場合、世田谷区の存在価値をどのように維持向上させることができるか。他の自治体との合併が本当に必要ないと言えるのかどうか。地理的条件、地域特性、人口構成、産業構造等、区長もおっしゃっているように、政令指定都市を視野に入れながら、十年先ないしは五十年先の世田谷の町、世田谷区民の姿を想像しながら、さまざまな視点で、ベストないしはベターな見通しを構成していくことが、自治体としての当然の姿ではないかと私は思っております。  また、仮に二十三区再編へは動かないとしても――私はその考えには正直立ちませんけれども、はかり知れない変化の可能性を持った議論が始まっている中で、区民生活を防衛していくという視点で理論構築や体制づくりをしていくことも、自治体としての当然の姿であると私は思います。  いずれにしましても、そういった自立した姿勢を持っていなければ、東京都との折衝は、例えば都区制度の議論をこれまでも続けてきておりますが、こういった問題も、これまで以上に難航していくだろうと私は思います。  今後、何らかの形で研究を進めていくべきだと意見を申し上げ、また、その研究に際しては、今回、シンクタンクの設置が予算に盛り込まれておりますが、本当はこういったところを活用していくのがよいのではないかと正直思うわけです。やはり外部からの見識を活用して、より広い視野から検討を進めていく、そういったことが、これからの自治体経営に不可欠だと私自身は思いますが、身内の議論といいますか、組織の論理に固まらないようにしていただくような、そういった課題のテーマでありますので、ぜひお願いしたいと思います。  以上申し上げまして、本日の質問に入らせていただきたいと思います。  まず初めに、区長の進めてきた行政改革と今後の展開についてお伺いいたします。  我が党の代表質問でも触れましたが、熊本区長は、行財政改革を徹底して推進するという公約どおり、区長に就任されて以来、事務事業の見直し、職員定数の削減、さまざまな手当の見直しなど、着実に行財政改革を進めてまいりました。  先日、本会議において、これは他会派からの質問ではございましたが、世田谷から東京を変えると言ってきたが、どんなことを行ってきたのかというような質問がございました。熊本区長は謙遜をなさってか、おっしゃいませんでしたが、行政改革で言えば、例えば名誉昇給の廃止、これは都や他の二十三区に先駆けまして、また全国に先駆け、決断、実行をしたのでありまして、まさに世田谷から東京、日本を変えたと言い切れる事例だと、私は誇りを持っております。全国を通じてのその効果額たるや大変なものだと思いますが、こういったことも、熊本区長は決断してきたわけであります。そういった取り組みを積み重ねまして、四年間で百億円を超える経費削減を実現されたのであります。  この成果については、新しい区民ニーズに積極的に投入されたということでご答弁をいただいておりますが、はっきり申し上げまして、区民にとってなかなか見えにくいというのも事実であります。人間、削られたものというのはなかなか忘れることはできませんが、与えられたものは忘れやすい、それが人情でありまして、政治の難しいところでもあると思います。これまで予算、決算に賛成してきた議員のほとんどが、新たな行政需要にしっかり対応するために、一部の批判に耐えながら具体的な行財政改革の提案を行い、また、その改革を後押ししてきたわけであります。  その立場から、いま一度確認させていただきたいのですが、これまで四年間の行財政改革の取り組みはどのようなもので、どれぐらいの効果額を生み出したのか。そして、その捻出された財源をもってどのような施策に投じてこられたのか。これは区民にできるだけわかりやすい形でお答えいただきたいと思います。 ◎岡田 行政経営担当課長 行政改革の効果額でございますが、平成十六年度から十九年度に至る予算への反映分を集計いたしますと、行政経営改革計画の推進で十六億六千四百万円、人件費の抑制で五十五億九千四百万円、各部の内部努力によりまして二十七億九千二百万円、四年間の合計で百十億四千二百万円の経費削減を実現しております。  次に、これらの財源をどのような施策に投入してきたかということでございますが、安全安心施策では、二十四時間安全安心パトロール、小学校、幼稚園の防犯カメラの設置、子どもセーフティ計画、保育園へのオートロック設置等を行ってまいりました。  また、子ども施策では、子ども・子育て総合センターの整備、子ども初期救急診療所の開設、子ども医療費助成の中学三年生までの延長、小中学校教室へのエアコン設置等を行ってまいりました。  また、高齢者、障害者を中心とした保健福祉施策では、高齢者の二十四時間三百六十五日安全対策、障害者通所施設・デイサービスセンターの整備、区民健康情報システムの導入、こういったことを行ってまいりました。 ◆上島よしもり 委員 職員数の削減も、計画を大きく上回るスピードで見直しを図ってまいりました。また、内部努力でも二十八億円近い経費削減を生み出してきたという流れの中で、いろいろな施策を行ってきたということでございますが、これらを推進する計画である行政経営改革計画の実績、成果についてはどうだったのでしょうか。  この計画は十九年度までの三カ年を計画期間としております。それぞれの取り組みや実際の効果額なども示されておりますが、その見直し項目は百七項目と、非常に多くございます。この進捗について、区はどのようにとらえていらっしゃるのか。四年間で百十億円の経費削減を実行したとしても、それがもし手のつけやすいところばかりで計画どおりでなかったら、今後の取り組みは難しくなると思います。そんなことはなく、おおむね計画どおりで見直しが進んだと考えてよいのか、また、どの程度まで計画が実現できたのか、区としてのお考えをお伺いしたいと思います。 ◎岡田 行政経営担当課長 行政経営改革計画につきましては、今委員ご指摘のとおり百七項目ございますが、個別項目ごとの進捗管理に基づきまして計画的に取り組みを進めてまいりました。これら計画に基づく取り組みによりまして、先ほどもご答弁しましたが、四年間で百十億円以上の経費を削減し、これを重点配分することにより、さまざまな成果を上げることができた、このように認識しております。  行政経営改革とは、みずからの取り組みを不断に見直しながら継続的に改善を図るべきものでございます。こうした見直しにより、新しい施策の実施、既存施策の重点化、こういったことが可能になってまいります。
     今後、引き続き取り組みを進めるとともに、次期行政経営改革計画に向けた検討の中で、さらに課題の明確化や改善を進める仕組みづくりを図ってまいります。 ◆上島よしもり 委員 計画どおりに進んでいるということで安心いたしましたが、今回の予算で、まず私自身目についた点が、行財政改革の取り組み総額が十五億七千万円と、過去の取り組みからペースダウンしているというところであります。過去を見れば、平成十六年度で四十四億円、平成十七年度では二十五億円、そして十八年度で二十四億円と、数年間のことでございますからたまたまなのかもしれませんが、明らかに数字的にはペースダウンをしたというふうに見てとれると思います。  もちろん、できるところからどんどん進める行革にあっては、この数年間の間で社会状況が大きく変化したわけでもない中でペースダウンするのは、いわば当然かとも思いますが、これから先の自治体運営を考えたときに、少子・高齢化が進む、また、医療制度改革など生活に大きく影響を与える変化が始まっており、また、地方分権が進む中で、より国が関与を減らして、自治体での上乗せ横出しのサービスの必要性が発生してくることが予想されております。こういった時代の変化の中で即座に新たな対応をしていくためには、より一層の行財政改革の推進が求められるはずであり、むしろペースアップの必要があるのではないかと考えます。  そこで、一つお伺いしたいんですけれども、今回、十五億七千万円と、一見ペースダウンに見えるものですが、これはどのような状態であるのか、どう解釈したらいいのかというのを簡単にご説明ください。 ◎岡田 行政経営担当課長 今、委員からお話がございましたように、計画項目の中でできるものから着実に進めてきたということで、結果的に、計画当初のときに成果が大きいということになってきたということだと思います。 ◆上島よしもり 委員 そうしますと、これからのことを考えますと、やはり不断の改革というものが求められると思います。もちろん行財政改革は単なる経費削減だけでなく、区が今力を入れている借金を積極的に減らして財政構造を改善するとか、また、各施策の創意工夫により効果を上げていくということも、また事業の効率化も含めて行財政改革と言えるのだと思いますが、これからも全力で取り組んでいかなくてはならないと思います。  そこで、今やれるところからというお話で、ペースダウンの話だったと思いますが、今後の行財政改革の展望をどのようにお考えかということでお聞きしたいと思います。  私は新たな視点として、多分これまでもあった視点だと思いますが、より詳細に取り組むべき行財政改革の視点として、つまり、行政が直接行うべきであるかないか。つまり、民間事業者や地域、または区民にやっていただく、委託していただく、外部委託を進める、そういった観点というのが大変重要な、そういう判断が求められる行財政改革が一つの大きな柱になるのではないのかなと私自身は思っております。  最近では、三鷹市の方で市民に市の業務を委託するというところまで来ていると伺っておりますが、このように真に行政が行うべきかどうかということをこれから詳細に切り詰めていくことを、一つの行財政改革の方針として持っていくべきではないかと私は思っておりますが、今後の職員定数のあり方とも連動していきますし、また、産業育成や生涯現役施策への連動が期待できる取り組みだとも考えます。  総合的な行政改革を進める段階なのではないかという意味でご質問をさせていただきますが、今後の行政改革の展望をいかにお考えか、ただいまの私の考えを含めてお答えいただきたいと思います。 ◎岡田 行政経営担当課長 ご指摘のとおり、今後とも健全財政を維持するとともに、区民が成果を実感できる改革に、引き続き取り組んでいかなければならないというふうに考えております。  このためには、サービスの質の向上、迅速できめ細かい対応、実施手法の改善によるコストダウンなど、効率的で質の高い行政を確立していく必要があると考えております。従来の民間委託の手法だけではなく、民間事業者のノウハウを生かして区の事業手法を点検するなど多様な手法によって、民間の力を活用するとともに、区の職員一人一人が区民の目線に立って考え、現場から改善を図る取り組みを進めてまいります。区職員の知恵と力を合わせて、区民の皆様が実感できる質の向上を達成してまいりたい、このように考えております。 ◆上島よしもり 委員 官から民への流れという視点でお答えいただきたかったんですが、午前中にもフロアマネジャーを例に、外注という中でも区民のボランティアという形もあったり、そういうのもあるのではないかなと私自身も考えております。  また、昨年の決算特別委員会でも申し上げさせていただきましたが、区が行っているさまざまな事業の中で、私は具体的には文化事業を取り上げさせていただいたんですが、区民がもう自分で独自でやれるところまで来ている分野については、わざわざ区がすべてしつらえをやっていく必要がないというふうにも思っております。そういう意味で、官から民への流れというものを、ぜひこれからもつくっていただくよう、行政改革の中でその視点を大事にしていただきたいと思います。  そこで今、民間委託を大きく考えたときに、私、これは一つお願いしたいことなんですが、区が直営で実施していた場合は人件費の削減が行われるわけでございますが、逆に委託費がふえていく。その委託費というのは事業費の中に組み込まれていて、なかなか見えないという部分がございます。そういう意味で、平成十九年度予算案を見ても、こういった委託費がふえているという傾向の中で、コストを管理する視点をぜひ持っていただきたいと思います。  この民間活用の目的は、先ほどお話の中にも触れておりましたが、やはり民間のノウハウを生かしたサービス向上とコストの削減であるというふうに思います。単にコストを削ればいいということではありませんけれども、コストと、またあわせてサービスの向上についてどんなバランスになっているかというのがいつでもチェックできるようにしていく体制を、これから強化していく必要があると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。 ◎岡田 行政経営担当課長 区では、学校給食の民間委託、あるいは指定管理者制度の導入、区立保育園の民営化、さまざまな事業で民間活力の活用を図ってきております。  民間活用の目的としましては、今、委員からご指摘がありましたように、三点あろうかと思います。一つは、民間のノウハウを生かして区民サービスの向上を図る、二つ目は、これによって生じた人員を新規重点施策に振り向け、職員定数の削減を図る、三つ目が、コストの削減、こういうことになろうかと思います。このコストの削減という観点から、今、委員のご指摘がありましたように、人件費を含め、区が直営で実施していた場合と民間事業者が実施した場合のサービスの質やコストの点から比較検証することは重要であると認識しております。  こうした取り組みは、区が実施するサービスのコストを明らかにすることにもつながりますので、民間活用の成果が確実に上がりますよう、比較検証を実施していきたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 決算書、予算書の中でも、私は委託費というものは別で計上していくような形はとれないかなと思っておるんです。多岐にわたって、なかなか難しいと思いますが、財政当局でこういうようなつくりというのは可能かどうか、伺っておきたいと思います。 ◎宮崎 財政課長 いわゆる事業ということではなくて、大ぐくりの区全体としての集計ということでは可能でありますけれども、そこにはある程度注釈を入れないと、なかなかちょっと誤解を招くということもございますので、その辺については、改めましてちょっと検討させていただければと存じます。 ◆上島よしもり 委員 検討をぜひよろしくお願いいたします。  今、職員の人件費とは別に非常勤職員の人件費を計上されておると思うんですが、そういうのと一緒で、職員が減っている分、こういうような部分が出てきたと。その辺については、ぜひわかりやすい議論がいろいろできるように、どうかまたよろしくお願いいたします。  そこでもう一つ、民間委託を進めていく上で、きょうも午前中いろいろ議論がございました。私は、やはり人材育成という部分でちょっと聞いておきたいと思うので、お願いしたいんですが、次の時代を担う職員の育成というのが、外注がふえていくとどうなっていくのかなという不安もございます。その辺についていかがですか。 ◎八谷 人事課長 ベテランの職員が抜けた後の穴をどう埋めるか、また、若手職員の育成ということかと思いますが、若手職員への仕事のノウハウの引き継ぎは、官民を問わず大きな問題になっていると思います。世田谷区も例外ではなくて、平成十八年四月時点での職員の年齢構成を見ますと、五十歳以上が三五%となっております。具体的な人数では、今年度末を含めて向こう十年間で、千六百九十一名の方が定年を迎える、こういうことになります。  今後、さらに少子化が進みまして、民間の景気が上向くようなことがありますと、退職者すべてを新規の職員で採用する、補充するというようなことは非常に難しくなってくるのではないかと思っております。定年退職した職員の再任用制度の活用や事務事業の見直し、あるいは外部への委託化などを一層進めまして、少数精鋭主義に徹することが必要かな、こういうふうにも考えております。  そのためには職員全体のレベルアップが必要でありまして、中でも、特に若手職員の育成は欠かせない。また、専門的な分野の研修を充実するとともに、各職場における日々の仕事を通じて、先輩からの生きた指導を行い、仕事のノウハウを確実に継承していくことによって区民サービスの確保に努めていくべきだ、このように考えております。 ◆上島よしもり 委員 全体の人事政策というとらえ方をしっかりしていただいて、先ほど五十歳以上が三五%で、退職補充ということで若い職員が今抑えられている中で、人材育成を考えながら、また、これからの世田谷区役所の年齢構成というのも、十年後、二十年後、三十年後を見据えて、やはり今から計画をとっていかなくてはならないと私は思っております。ぜひその点もしっかり踏まえていただきたいと思います。  そこで、次の質問に移ります。  次は、電子自治体についてであります。  日経BP社がガバメントテクノロジーという、電子政府、電子自治体に関する雑誌を出しておりますが、ここで昨年の十一月に発表されたもので、世田谷区が全国で九位ということで、二十三区ではトップという評価をいただきました。マスコミの記事はあくまで一つの視点で書かれておりますので、信憑性というか、どこまで信じていいかわかりませんが、私は喜んでいいのではないかと思っております。  そこで一つ伺いたいんですが、この評価が高いという部分においては、電子政府世田谷推進計画を十七年度から実施しておって、この計画は、やはりその評価に大変連動しているのではないかと思っております。この三年間で進んでいる電子政府世田谷の計画もそろそろ二年目が終わろうとしておりますが、進捗状況についてお聞きしたいと思います。 ◎栗原 情報政策課長 推進計画も計画期間の三分の二を終えまして、四月から最終年を迎えようとしております。進捗状況としましては、若干おくれが出ている事業もありますが、全体的にはほぼ計画どおり進行していると言えます。とりわけ電子申請やコールセンター開設、それから地図情報の利用拡大など、区民の皆さんが直接サービスを享受できるシステムの実現に力を入れてきました。  また、情報技術の進歩は著しく、ITに対する社会の受け入れ方も日々変化していきますので、それらにおくれることなく、新しい知識を取り入れながら進めていこうとしております。十九年度は仕上げの年になりますので、進捗管理により一層力を入れて、電子政府世田谷の実現を推進してまいります。 ◆上島よしもり 委員 それで、この計画の中でとりわけ重要な事業が大型汎用機からオープン系システムへ移行するという作業です。これはレガシーシステム改革と呼ばれておりまして、現在、総務省では各自治体にこのレガシーシステム改革を呼びかけておりまして、全国の自治体は大変苦労しているというふうにも伺っております。世田谷区は人口も多く、また、大型汎用機で動かしているシステムも重要なシステムがたくさんありますから、その作業は大変だと推測いたしますが、稼働時期が少しおくれているという話も聞こえてきます。  そこで伺いますが、オープン系への移行作業の進捗状況はどうなっていらっしゃいますでしょうか。おくれている理由は何でしょうか、お聞きいたします。 ◎栗原 情報政策課長 大型汎用機を撤去しまして、すべてオープン系サーバー、これは世界的な標準仕様のシステムで動くサーバーのことでございますが、これで運用するという次期基幹システム開発につきましては、昨年七月に調達をいたしまして、予定どおり進行していまして、来年五月のゴールデンウイーク明けから稼働する予定で準備を進めてまいりました。  ところが、先ほどもお話ししました大規模な医療制度改革が来年四月から実施され、とりわけ後期高齢医療制度の導入など、国保システム、それから介護システムの大きな改修が必要な状況になりまして、このため、これらの改修につきましては開発中のパッケージソフトを大改修する必要があり、計画どおりの進行が難しくなってまいりました。  現行システムから新システムへの移行のためには最低四日以上の閉庁日が必要ということになりますので、このため、稼働時期を平成二十一年一月に延伸しまして、確実で安定した稼働を目指しております。 ◆上島よしもり 委員 外部環境の変化なので仕方がない部分はありますが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  それで、このレガシーシステム改革についていろいろな効果が想定できると思いますが、この基幹システムをオープン系に移行することによる効果、そのコスト面とか、これをきちんと上げられそうでしょうか。その点についてお聞かせください。 ◎栗原 情報政策課長 基幹システムをオープン系に移行することには次の効果がございます。  まずシステムの運用経費の削減が挙げられます。具体的には、通信回線の統合とか大型汎用機の撤去により、使用料や保守料が大幅に削減されます。また、定期的に行われるハードウエア、ソフトウエアの入れかえ経費も削減されると思われますので、大型汎用機を維持し続ける場合に比べまして、その効果は毎年四億円から五億円規模になるというふうに試算しております。  また、国際標準のシステムを導入するということで、複数のベンダー、これはソフトウエアを提供する会社ですが、このベンダーの選択が可能になりまして、調達時に競争が生まれました。システムベンダーを競争させることで、よりよいシステムを、より安い価格で調達することが可能になりました。  また、オープン系システムでは多くの業務パッケージが使用できるため、このパッケージを利用して、開発期間の短縮、それから経費の削減及び法改正対応の簡素化などの効果を上げることができます。 ◆上島よしもり 委員 たしか二十一年か二十二年からこういったスタートをするということで、今言っているような効果が大変期待されます。よろしくお願いいたします。  次に、今後、新たに力を入れていくべき部分についてお伺いいたします。  区にはすばらしい地図情報システムがございます。都市整備領域で大きな事務効果を上げていると伺っております。私は、これをもっとほかの領域にも生かすべきではないかと思っております。地図を使うと効果が上がる事務はたくさんありまして、例えば地図上の建物と居住者の情報を関連づけることで、福祉の事務や災害対策に生かせると思います。また、事務が視覚的に行えるようになるので、作業効率も上がるのではないかと思います。地図をもっとシステムに生かすということで、地図情報を全庁で効果的に、効率的に利用することを考えていただきたいと思います。  新しい分野ですので、いきなりシステム導入が無理なら、十九年度は、まずこの導入効果などの研究をしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎栗原 情報政策課長 地図情報の都市整備系以外の利用としましては、建物の号数を管理する住居表示システム、防災システム、埋蔵文化財の包蔵地紹介システムなどで使用されておりまして、効果を上げています。しかしながら、システムでの地図の扱いの技術的な問題もありまして、全庁で総合的に利用されるまでには至っておりません。  しかし、ここ数年で地図を扱う技術も進みまして、標準化もされてきていますので、全庁利用の基盤が整ってきたと感じております。特に建物と居住者をひもづけることで、災害対策、それから福祉などで効果的な業務遂行が可能になるというシステムもございますので、地図利用を進める効果は十分あると考えております。当面、地図情報を利用することで効果が上がるシステムなどを全庁的に調査、整理し、拡大について検討してまいります。 ◆上島よしもり 委員 必ず実現できると思います。しっかり検討をお願いいたします。以上で終わります。 ◆川上和彦 委員 一時間五十七分に及ぶ自民党の長編映画のような質問も、最後の私の質問で終わりとなります。答弁される理事者の方々も、本日お疲れさまでございますが、答弁ストレスもたくさんたまっておるでしょうから、私の後には質問者はおりませんので、思いのたけを答弁していただきたいというふうに思います。  それでは、まず最初に、きょうは朝からたくさん質問が出ております、この四月に開設されるせたがや自治政策研究所について質問をしてまいります。  これについては、一昨年、我が党の代表質問の中で提案をし、また、私もその決算議会の中で提案をさせていただきました。そのときのことをちょっと思い起こしますと、熊本区長が十年後の世田谷を見据えた基本計画を策定した。実際に策定をしたけれども、十年後にその計画を担えるような人材が果たしているのかというようなことを提起した記憶がございます。そんな中で、そういう人材育成ということを考えた中でのシンクタンクの必要性を提案させていただいたわけであります。  それで、いよいよこの四月からこれが進んでいくわけですけれども、実は冒頭にちょっと概要についてお聞きしようかというふうに思っておりましたが、ほかの会派からの質問の中でも、この概要については質問がありましたので、これは省かせていただきたいと思います。中身を見ますと、いろんな形のシンクタンクがあるわけですけれども、世田谷の場合は自治体内設置型というようなシンクタンクということで、これはほかの地方自治体でも幾つか同じような形があります。  そこで、私がまず質問させていただきたいのが、今まで政策経営部が中心になって、政策あるいは施策、事業を立案してきたわけであります。しかし、このシンクタンクが政策研究をし、また、これを立案していくという中で、今までの政策、施策、事業の立案のプロセスと、今回設置しようとするせたがや自治政策研究所の政策立案のプロセスの違い、そういうものをちょっと教えていただきたい。 ◎金澤 政策企画課長 これまで新規施策等の政策判断を要する重要な事案につきましては、その施策等を所管する部署が中心となってその案を取りまとめまして、区の総合的な企画及び立案機能を担う政策企画課を初め、財政課などとの調整を図りながら、協議の場での議論、決定を経まして、さらに議会の方にもお諮りを申し上げながら、その実施に至ってきたということでございます。  こうしたプロセスにおきましては、例えば各所管においては多様な日常業務や課題を抱える中で、もう少し腰を落ちつけ、時間もかけ、時代を半歩先取りした検討を進める環境が欲しい。こういった声がある一方、私ども政策企画課あるいは政経部の方につきましても、庁内調整に対する比重が高く、区の政策判断を要する総合的な企画立案に当たり、必ずしも十分な調査研究を行えていなかったのではないか、そういった思いもございます。  したがいまして、今回のせたがや自治政策研究所の取り組みにつきましては、こうした観点を十分考慮するとともに、事業所管部と十分な連携を図ることを基本にいたしまして、これまで区政の一線を担ってきた職員等を配置いたしまして、現場で培った経験や発想を生かし、また、所長に就任される首都大学東京の教授や民間の方々の指導助言もいただきながら、時代を半歩先取りした調査研究活動を展開していきたい、こういったところが従来と異なるというふうに考えております。  調査研究活動終了後は、職員がその調査研究結果を持って事業所管へ移動いたしましてその推進役になる、こういったことも考えておりまして、従来の政策形成プロセスとは異なる展開が生じるというふうに考えております。 ◆川上和彦 委員 政策立案については、今のそのような答弁のことで理解はできました。  先ほども言いましたけれども、十年後を見据えた人材育成が必要だという中で、これは過去にも私言い続けてきたんですが、よく職員の意識改革という言葉が叫ばれます。ただ、意識を変えようといってもなかなか変わらないのが人間のさがでありまして、であるならば、やっぱり人材を育成しなければいけないだろうというようなことが考えられるわけですが、では、研修調査室で人材育成をすればいいじゃないかというようなご意見もあろうかと思います。  確かに研修調査室では過去に、「知恵das」であるとか、あるいは「脱!『お役所的体質』」であるとか、「せたがや売り込み隊」というような、さまざまな取り組みをされていることは私もわかっております。ただ人材育成の観点から研修をするということではなくて、まさに人材育成をしないといけない。要するに、今言われているのが区民参加であるとか、そういうようなことはとても大切でありますけれども、そういうことを担う職員をきちっと育成していくということが、十年後、二十年後の世田谷のあり方だと思うわけであります。  例えば、十年後、ここに座っている方の半分ぐらいはもういらっしゃらない、二十年後はほとんどいらっしゃらないというような中で、ただ、世田谷区は厳然とあるわけです。そのときに、私も十年後いるかどうかわかりませんが、想像したときに、自治体のありようというのはさま変わりをしているはずです。そういうときに、その自治体経営なり自治体運営なりをしっかり担えるような人材が必要だというふうに思うわけであります。  そこで、このシンクタンク、せたがや自治政策研究所は、人材育成の観点からどのように考えて、あるいは人材育成をどのようにやっていこうというふうに思われているのか、お聞かせください。 ◎金澤 政策企画課長 お話にございましたように、職員の人材育成につきましては、研修制度を通じた対応、あるいは職場でのジョブローテーションを初めとした人事制度に基づく対応などさまざまございますが、今回のせたがや自治政策研究所の取り組みは、それとはちょっと異なった形の研究をする職員を設けるということで、新たな人材育成をしたいということでございます。  具体的には、実践と研究の融合を目指した研究所に配置された職員が少し腰を落ちつけた調査研究活動を経験する中で、発想の転換を図り、政策立案に係る総合的な能力や技量を向上させる、そういった効果が期待できると思います。  そのことが、そういう職員がいずれ異動しまして各職場に行く、あるいは各職場から自治政策研究所に来るということで、今後、研究のすそ野というものが広がっていく、そういったところがございますので、十年後を見据えたということについては、やはりこういう仕組みが必要なのではないかというふうに考えております。 ◆川上和彦 委員 先ほども、うちの上島委員の方から、官から民への流れというような話がありました。我が党はずっと官から民への流れという話をしてまいりましたけれども、まさにこの自治体シンクタンクの中では民のノウハウもしっかり入れていただいて、それをも享受できるような人材の育成をしていただきたいというふうに思います。  それで、このシンクタンクが――シンクタンクという呼び方をしますね。僕、せたがや自治政策研究所という名前は余り気に入ってないんですけれども、それはいいとして、このシンクタンクの中で調査研究もやっていくということで、今まで調査委託に、十七年度では六億五千万円ぐらいの予算をつけてやっているということですが、この一部を担うということで、当然、調査委託研究費が減ることになるということだと思います。  この際に、施策や事務事業を吟味して予算をつくっている財政当局としては、このせたがや自治政策研究所のシンクタンクについてはどのような考えをお持ちになっているか、お聞かせください。 ◎宮崎 財政課長 今般のせたがや自治政策研究所の設置につきましては、財政の立場からもかかわりをさせていただいております。  今般の部分につきましては、私どもの立場から申し上げれば、これだけの右方上がりの経済が終えんした中で、やはり新しい手法ですとか考え方、こういうものの中でいろいろな形の政策提案をいただきたいということで、今まで行革の流れの中で新しい財源を生み出して政策を立案してきたというだけでは、どうしても限界に迫っているんじゃないかという思いもございます。ただ、そういう地道な活動はもちろんのこと今後とも続けていかなければなりませんし、その新しい手法、考え方と申しますのは、今委員からもお話がございましたが、私たちではなかなか考えつかないようなものも、やはり民間の方は当然お持ちだと思っていますので、そういうところのご提案もいただきながら、引き続き新しい政策、世田谷らしい独自性を生み出すような形で寄与していけるんじゃないかというふうに思っております。 ◆川上和彦 委員 それで、実際に研究する中でさまざまな政策を立案していくわけですけれども、熊本区長も言われている現場主義という話があるように、実際にスタッフも現場に出向いて、例えばその辺の民間の感性であるとか、民間のやり方であるとか、そういうようなものを学んでいかなければいけないと思っております。これは質問にしようと思いましたが、ぜひそのような動きで、大学の研究室ではないということで、机上で調査していくというのではなくて、ぜひ現場に足を運んで、自分たちの政策として生かしてもらいたいと思います。  この質問の最後に、せたがや自治政策研究所、このシンクタンクについて、平谷助役は担当助役としてどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたい。 ◎平谷 助役 これまで世田谷区議会におかれまして、都区制度の改革ですとか、あるいは地方制度の改革というご議論が深まっていると思います。そういう意味では、ある種、時代認識というものを基本的に押さえておかないといけないのかな。  これはもう既に委員ご案内のとおり、平成の大合併ということで、全国的には三千三百の自治体がおよそ千八百ぐらいになる。そのプロセスの中で、東京都においては多摩地区に関して一定のガイドラインを出したわけですが、大きな変更にはなっていない中で、二十三区に関しましては、この間、議会でもう既にお話がありますように、たしかあれは平成十七年の三月だと思いますが、森記念財団というのが二十三区の再編、六大都市に再編成すると。これはあくまでも民間の立場の提言なわけですけれども、そういった動きがある中で、昨年の二月、国の地方制度調査会の方では、言うなれば都道府県を廃止して道州制に移行する。これは端的に申し上げますと、委員ご存じのように、都道府県廃止ということは、大量の仕事が分権化という形で区市町村におりてくる、こういう時代になりつつあるということかと思います。  そんな中で、今回、都区のあり方検討ということが始まるわけですけれども、その中でも、先ほど来出ておりますように、いわゆる大都市事務のありようですとか、あるいは区域の再編ですとかというふうな状況がある中で、熊本区長は、言うなれば都区財調改革という新しい観点からの試案をお出しになると同時に、世田谷の将来像としての政令市も視野に入れる必要がある、こういうご発言があったかと思うんです。そういう意味では、地方制度の改革と都区制度の改革の時間の目盛りが徐々にそろいつつあるステージに向かいつつあるんじゃないか。  そんな中で、今委員がおっしゃっておられますように、自治体世田谷というものが、そういった改革の中で確固たる都市経営の基本的なものを持っていく、そのときに中長期の人材育成もやっていくんだ、これが今回のシンクタンクの基本的な性格ではないかというふうに思っているところです。  ですから、そういう意味では、個々の具体の運営上のさまざまな工夫とかがあるにせよ、そういう時代の中で自治体世田谷が、将来をにらんできっちりしたものを今だから置く、これからの改革にそれで備えていく、こういう観点が必要なのかな、こんなふうに思います。 ◆川上和彦 委員 ぜひ十年後を見据えたスタートということで、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。  それでは次に、実は三月九日に閣議決定されたという報道があった地方公共団体の財政健全化法案について伺ってまいります。  先日の企画総務委員会において理事者の方から、これは口頭ではあったんですが、情報開示についての報告がありました。今後、財政指標をホームページに公表するというようなことで報告があったんですけれども、ちょっと確認しますが、財政指標という形ですが、具体的にどういうことを公表していくのか、ちょっとお聞かせいただきます。 ◎宮崎 財政課長 先日の企画総務委員会で口頭でご報告を申し上げております。これまで区では地方財政状況調査、これは決算カードというものでございますけれども、これを初めといたしまして、企業会計手法によります普通会計の財務諸表、特別会計、外郭団体の連結財務諸表などを作成しまして、積極的に財政状況の公表に努めてきたところでございます。  このたび、国の方から、今後の公会計改革や、委員、今お話がございました地方財政健全化法案、これは既に閣議決定されておりますけれども、その具体的なものを視野に入れまして、普通会計を初めといたしまして、特別会計や外郭団体等を含めた総合的な財政情報の開示を行うことになっております。  具体的な公表内容でございますけれども、従前にもやっております区の各会計におきます収支、地方債残高、繰入金。それから一部事務組合がある場合は、それの収支、地方債残高、繰入金の状況ですが、ポイントといたしましては、外郭団体におきます収支や財産、区からの財政援助、それからそこの債務残高の状況、さらには通常やっております普通会計における財政指標、この辺について、今、区のホームページにおいて公表すべく準備を進めているところでございます。 ◆川上和彦 委員 今、具体的な公表内容をお聞きしたんですけれども、この財政健全化法案の中にもさまざまなことが示されているんですが、財政悪化度を四指標で判定する。この記事の中では、隠れ債務を対象に、黒字自治体にも危機感が出ているというようなことで、この四指標というのが、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率という四項目になっています。これを判定して、第一段階が財政健全化団体というのに指定される。そうすると、自主再建を早期にやれというような指示が来る、いわゆるイエローカードというやつですね。その次に、第二段階に入ると財政再生団体というのになって、これはもうレッドカードというようなことで、国や都のさまざまな関与が入るというようなことになろうかと思います。  この記事の中にちょっと出ていまして、実は千葉県の茂原市というのがありまして、これは財政上は黒字というような状況なんですけれども、ご存じのとおり、バブル期にはゴルフ銀座といわれたようなところです。ここにある土地開発公社が不動産取得をしておりまして、この公社の負債額は、二〇〇五年度末で約百八十億円、市の標準的な財政規模を上回る規模で、非常に厳しい数値である。財政担当者は厳しい行政改革をやるしかないというようなことを言っております。  これは、夕張、夕張と、夕張がやられるわけですけれども、安心をしていると、実は黒字だと言っているけれども、連結のところを調べられると赤字になるという団体は、この千八百の全国自治体の中でも山ほどあろうかというふうに思います。  そこで、財政悪化度をはかるこの四指標を区はどのようにとらえているかということと、世田谷区がこうなった場合に一体どうなのかという部分を、わからない部分もあるかもしれませんが、わかる範囲で教えていただけますか。 ◎宮崎 財政課長 今、委員のお話にございました健全化の判断比率という四つの指標でございますが、ご紹介のとおりでございます。これにつきましては、今後、毎年議会へ報告することについて義務づけるということでございます。  法案の中では、これらの指標の一つでも一定の基準をクリアしない場合は、先ほどお話がございましたように、イエローカードとご紹介がありました財政健全化計画、さらに、レッドカードになるんでしょうか、財政再生計画という二段構えで作成、実施というようなことが規定されております。これにつきまして具体的な基準がまだ示されておりませんので、二十年度の法施行までに、国がこれの内容について設定するということが予定されているところです。  この間の報道でも、委員のご指摘にありました隠れ債務、借金、これが問題になっているところでございまして、具体的には特別会計、今、私どもの方でも四つの特別会計を持っておりますけれども、一般会計以外の特別会計や第三セクターなど、こういうところについてのものも全部幅広く財政状況を公開するということで、これらをトータルにして、今四つの仕事のご紹介がありましたが、特に赤字ですとか将来負担、こういうところで数値化していくと。  現時点では世田谷区では、例えば支払い繰り延べ等をしておりませんので、これらに係ります赤字等はないという状況と、外郭団体におきましても、ご案内のとおり、いわゆる繰越金等が発生する状況での黒字という状況でございますので、現時点ではこの指標の関係でひっかかるところはないというふうには考えております。 ◆川上和彦 委員 今の答弁の中で一部ありましたが、議会への報告という部分が出てくるわけであります。  これは朝日新聞の記事なんですけれども、例えば財政破綻した夕張もそうですが、やっぱり市議会は何をやっていたんだというような部分が非常に言われた中で、今後この法案が法制化されて、議会の役割というのが非常に大きくなってくる。この朝日新聞の記事は「決算書も読めない議員はもういらない」、こう書いてある。「今時の地方議員たるもの、財政について調査し、行政の言いなりにならずに内容を分析できなければ無価値だ。役に立たない人物は次の選挙で即刻取り換えなければならない」、こう書いてある。そのぐらい厳しい状況になってくるわけであります。  前にほかの会派の議員で、我々には決算権というのがあるんだという話がありました。そんな中で、私もその言葉を聞いたときに、まさにそのとおりだというふうに思いました。今までは我々は行政から報告を受けて、それを承認するというような形でのスタンスでありましたけれども、まさに監視というよりも、そこに踏み込まなければならない状況になっているんだというふうに思います。  そこで伺いますけれども、今般の法制化と議会の関係について今後どのようになってくるのか、ちょっと具体的に教えていただけますか。 ◎宮崎 財政課長 今般の法案では財政状況の早期チェックを目的としておりまして、毎年度決算時に、先ほどご案内の財政健全化比率を算定しまして、議会に対し、まず報告を行うということが義務づけられます。また、実際に財政が悪化した場合につきましても、現行の制度では財政再建団体の基準しかございませんが、これでは早期是正が困難だということで、先ほどの中間的な、イエローカードとおっしゃっていた部分ですけれども、算定した財政健全化比率が国の定める一定の基準以上に達した場合でも、再生段階に至る財政再生計画の手前にこの健全化計画を設けておりまして、これにつきまして、この計画について議会の議決をいただくという場合も想定しているようでございます。
     いずれにいたしましても、先ほど来申し上げております特別会計、第三セクターを含めました財政の健全度を早期にチェックする体制を整備することを目的としておりまして、日ごろから財政状況を向上させまして、再建段階に陥った後でなく、早期に財政健全化をしていくためにも、議会によるチェックというものが、今までに増して必要だということを言われております。 ◆川上和彦 委員 そこで大切になってくるのが行革だというふうに思います。ただ、行政の財政を健全化するために行革をやって、区民サービスを怠るというようなことになってはいけないと思うんです。先ほどから行革については、我が党からも質問が何点も出ていますけれども、この法案を踏まえて、この行革に対してどのように考えていこうと思っているのか、簡単でいいですので、行政経営担当課長、お願いします。 ◎岡田 行政経営担当課長 行革につきましては、先ほど来ご答弁させていただきましたが、今後も健全財政を維持するということで、今、この法案も含めて着実に進めていかなきゃいけないというふうに考えております。そういう中で、特に官から民へということで民間活力の活用が重要になってくるだろう、このように考えております。  従来の民間活用の中で問題点として指摘されておりますのは、行政内部の視点で委託する業務等、その範囲を指定するものですから、民間事業者にとってノウハウが生かしづらい、あるいは実施の効率化が図りにくいというような指摘もされております。今後の民間活用に当たりましては、行政の仕事を受託する民間事業者、あるいは区民の視点、こういったものを生かしながら、民間の力を最大限活用していきたい。そういったことで行政改革を進めていく、このように考えております。 ◆川上和彦 委員 いずれにしても、そういう厳しい状況になるということで、十九年度予算の課題の中にも外郭団体の自主性だとかというような課題がさまざまに挙げられていましたけれども、そういうところもぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。  時間がないので、次に行きます。  最後に、オウム関連について伺ってまいります。  先般、二月二十二日の日に、熊本区長初め、議長、それから特別委員会の委員長と、総務大臣、法務大臣、公安調査庁長官を訪問して要請してきたということでありますが、その要請の目的と効果について、あわせて、先日、上佑派が脱会をするということで記者会見等がありまして、新聞紙上がにぎわいましたけれども、その上佑派の動きについてお聞かせいただけますか。 ◎黒田 危機管理担当課長 最初に、要請行動でございますけれども、烏山地域にオウム真理教が大量入居して六年が経過し、現在も九十名の教団信者が入居していると。こうした状況の中で、地域住民の方は、抗議デモや署名活動、学習会など懸命な取り組みを続けておられました。また、区もこうした地域住民の方々の活動を積極的に支援してまいったところでございます。  しかし、教団はアーレフと、別団体を標榜いたしまして、依然として松本死刑囚の教義を信仰しており、実態的には何も変わっていない。また、先ごろは教団の分裂の動きが顕在化するなど、不測の事態が憂慮されているところでございます。  区といたしましては、こうした状況を踏まえて、住民の安全で安心な生活を取り戻すため、監視活動をより一層強化するとともに、オウム真理教問題の抜本的な解決に向けた対策をとるように、総務大臣、法務大臣、公安調査庁長官に対して要請行動を行ったものでございます。  次に、上佑派の現状につきましては、公安調査庁に伺った最新の状況によりますと、GSマンションに上佑派が五十名、第一サンサンマンションに反上佑派が十五名、中間派が二十五名居住しているというような状況でございます。 ◆川上和彦 委員 時間がないので、最後の一問はあれでしたけれども、これで質問を終わります。 ○畠山晋一 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○畠山晋一 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時三十八分散会...