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  1. 世田谷区議会 2005-06-10
    平成17年  6月 定例会-06月10日-03号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-04
    平成17年  6月 定例会-06月10日-03号平成17年 6月 定例会 平成十七年第二回定例会 世田谷区議会会議録第十一号 六月十日(金曜日)  出席議員(五十一名) 一番   新川勝二 二番   下山芳男 三番   赤沢雅彦 四番   稲垣まさよし 五番   すがややすこ 六番   竹村津絵 七番   吉田恵子 八番   桜井純子 九番   大場康宣 十番   新田勝己 十一番  石塚一信 十二番  羽田圭二 十三番  山木きょう子 十四番  あべ力也 十五番  桜井征夫
    十六番  西崎光子 十七番  佐藤弘人 十八番  高橋昭彦 十九番  菅沼つとむ 二十番  鈴木昌二 二十一番 原田正幸 二十二番 五十畑孝司 二十三番 里吉ゆみ 二十四番 中里光夫 二十五番 岸 武志 二十六番 山口 拓 二十七番 関口太一 二十八番 栗林のり子 二十九番 谷 逸子 三十番  岩本澈昌 三十一番 宍戸教男 三十二番 山内 彰 三十三番 平山八郎 三十四番 田中優子 三十五番 富永早苗 三十七番 上川あや 三十八番 上島よしもり 三十九番 諸星養一 四十番  飯塚和道 四十一番 市川康憲 四十二番 川上和彦 四十三番 畠山晋一 四十四番 小畑敏雄 四十五番 小泉たま子 四十六番 大庭正明 四十七番 青空こうじ 四十八番 木下泰之 四十九番 下条忠雄 五十番  長谷川義樹 五十一番 板井 斎 五十二番 増田信之  欠員(一名) 三十六番  出席事務局職員 局長     長原敏夫 次長     霜越 收 庶務係長   長谷川哲二 議事担当係長 星 正彦 議事担当係長 岡本守広 議事担当係長 秋元勝一 議事担当係長 望月敬行 議事担当係長 小池 篤 議事担当主査 渡部弘行 調査係長   荒井洋子  出席説明員 区長     熊本哲之 助役     平谷憲明 助役     山田真貴子 収入役    根岸道孝 世田谷総合支所長        石濱信一 北沢総合支所長        真野源吾 玉川総合支所長        大西哲夫 砧総合支所長 稲垣 修 烏山総合支所長        佐藤 洋 政策経営部長 西澤和夫 地域情報政策担当部長        佐藤健二 総務部長   齋藤泰蔵 危機管理室長 室星計策 財務部長   阿部 修 生活文化部長 青木俊雄 環境総合対策室長        志村千昭 産業振興部長 若林謙一郎 清掃・リサイクル部長        堀川能男 保健福祉部長 秋山由美子 子ども部長  田中 茂 世田谷保健所長        上間和子 在宅サービス部長        亀田 都 都市整備部長 株木孝男 道路整備部長 板垣正幸 教育長    若井田正文 教育次長   庄司 衞 教育改革担当部長        髙山 博 生涯学習・地域・学校連携担当部長        水戸都紀子 総務課長   河上二郎     ──────────────────── 議事日程(平成十七年六月十日(金)午前十時開議)  第 一 一般質問  第 二 議案第五十七号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例  第 三 議案第五十八号 世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例  第 四 議案第五十九号 包括外部監査契約の締結  第 五 議案第 六十 号 世田谷区立総合運動場体育館規模改修工事請負契約  第 六 議案第六十一号 仮称世田谷区立経堂図書館新築工事請負契約  第 七 議案第六十二号 世田谷区立区民斎場条例の一部を改正する条例  第 八 議案第六十三号 世田谷区立区民会館条例の一部を改正する条例
     第 九 議案第六十四号 世田谷区立区民センター条例の一部を改正する条例  第 十 議案第六十五号 世田谷区立厚生会館条例の一部を改正する条例  第十一 議案第六十六号 世田谷区立老人会館条例の一部を改正する条例  第十二 議案第六十七号 世田谷区立老人休養ホーム条例の一部を改正する条例  第十三 議案第六十八号 世田谷区立身体障害者デイサービスセンター条例の一部を改正する条例  第十四 議案第六十九号 世田谷区在宅介護支援センター条例の一部を改正する条例  第十五 議案第 七十 号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第十六 議案第七十一号 世田谷区福祉のいえ・まち推進条例の一部を改正する条例  第十七 議案第七十二号 世田谷区営住宅管理条例の一部を改正する条例  第十八 議案第七十三号 世田谷区立特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例  第十九 議案第七十四号 世田谷区立子育てファミリー借上げ住宅条例の一部を改正する条例  第二十 議案第七十五号 世田谷区立高齢者借上げ集合住宅条例の一部を改正する条例  第二十一 議案第七十六号 世田谷区自転車条例の一部を改正する条例  第二十二 議案第七十七号 世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者の指定  第二十三 議案第七十八号 特別区道路線の認定  第二十四 議案第七十九号 特別区道路線の変更  第二十五 議案第 八十 号 世田谷区立総合運動場条例の一部を改正する条例  第二十六 議案第八十一号 世田谷区立千歳温水プール条例の一部を改正する条例  第二十七 議案第八十二号 世田谷区立地域体育館地区体育室条例の一部を改正する条例  第二十八         請願の付託     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 一般質問  二、日程第二から第六 企画総務委員会付託  三、日程第七から第九 区民生活委員会付託  四、日程第十から第十四 福祉保健委員会付託  五、日程第十五から第二十四 都市整備委員会付託  六、日程第二十五から第二十七 文教委員会付託  七、日程第二十八 請願の委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔霜越次長朗読〕  日程第一 一般質問 ○菅沼つとむ 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。  一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  三番赤沢雅彦議員。    〔三番赤沢雅彦議員登壇〕(拍手) ◆三番(赤沢雅彦 議員) それでは、質問通告に従って質問を始めさせていただきます。  まず最初に、地域運営学校と学校教育に関して、何点か質問をさせていただきます。  最近は地域においても、今、政治が最も取り組まなければならない問題として、教育を挙げる方がふえているように思われます。先日、地域で防犯パトロールの責任者をやっている方と話した際にも、これからは防犯以上に教育が必要だという話をされ、意外の念を覚えたことがございます。少年犯罪の増加を受けて、防犯という意味からも教育は重要である、そのような思いも多いのだと思います。地域と保護者と行政が一体となって教育に取り組んでいく、今後は、より一層それが求められる時代だと思われます。  このような時代の中、昨年六月、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正案が成立、公布され、学校運営協議会制度の法制化が決定されました。世田谷区においても五校が地域運営学校に指定され、保護者や地域住民が一定の権限を持って学校運営に参画できるようになったことは、今後の教育の向上を考える上で大きな前進であると思います。  かつてイギリスにおいても、サッチャー首相の時代に、一九八〇年教育法、一九八八年教育改革法を制定し、学校理事会の構成員を拡大し、親や地域の代表を加えるという施策を柱とした大きな教育改革を行いました。その結果か、一九七七年には年間二十万人を超えていた少年犯罪者数は、二〇〇二年には半減して十万人となり、とある教育レポートでは、一九七六年に、ある中学校で入学者の三分の二が九九を知らなかったと報じているような教育の状態は、二〇〇〇年のOECDの十五歳を対象とした国際学力比較調査で、三十二国中、数学能力八位、科学能力四位という成績の向上が行われました。  一方、日本は、その二〇〇〇年の調査では一位だった数学能力は、二〇〇三年には六位に転落、科学は二位をキープできたものの、読解力は八位から十四位に転落しました。昨年十二月に文部科学省が世界トップレベルとは言えない状況と話したことは記憶に新しいと思います。今月八日の毎日新聞においても、私立大学一年生の一九%の語学力が中学生並みであったという衝撃的な調査結果の記事が載っております。  基礎学力の低下は技術力の低下につながります。技術立国の日本においては、それはまさに景気の低迷や国家の存亡につながる重大な事態であると私は考えております。そのようなことから考えても、地域運営学校に期待される役割は非常に大きなものであると、私などは感じております。  まず現状における地域運営学校の構想の進展ぐあいと、将来の展開に向けた区の考え方についてお聞きしたいと思います。  学校運営協議会は、今までの学校評議会とは違い、法律に基づき、学校運営、教職員人事について関与する一定の権限が付与されております。地域の代表者や生徒の保護者、学校のOB、有識者によって運営委員会が構成されると聞いておりますが、これらの方々は多くの声の代表者でならねばならないと考えます。地域の代表者、PTAの代表、学校のOBが、いかにそれぞれを代表する団体の意見を取りまとめ、反映させるかが重要となりますが、それをなすための施策と、運営委員会がしっかりとした議論ができるための学校の情報の提供をどのように考えているか。また、地域とは関係ない有識者と言われる方々が特定の主義主張を持つような偏りを持たないようにどのような選考を考えているのか、お答えいただきたいと思います。  また、我が区のことではございませんが、平成九年七月、とある自治体において、ある教師が思想的に偏った教育を行い、アメリカと日本両国の国籍を持つ生徒を著しく傷つけ、不登校、転校に追い込む事件があったと聞いております。この教師は、学校長の指導にも全く従わず、生徒の親が教育内容に言及したことを、浅はかな思い上がりと表現したプリントを配ったとさえ聞いております。この教師は減給などの処分を受けつつも、今現在までホームページ上で、みずからの教育方針を全く変えていないことを明言しております。  我が世田谷区にはこのような教師はいないと思いますが、学校運営委員会が学校長とともに運営に関して取り組む中で、学校にいるそれぞれの教師が、学校長のもと、PTA代表者を含む運営協議会で討議された内容を実現すべく真剣に動いていかなければ、地域運営学校の意味は全くないも同じになります。  組織において、リーダーがしっかりとリーダーシップをとっていくことは大きな発展をもたらします。学校におけるリーダーたる学校長のもと、教職員が一丸となっていくことでこそ、学校内における大きな改善ができるのではないでしょうか。運営委員会で取り決められた内容がしっかりと実現され、実行力を持つよう、学校長に運営委員会で決定されたことを実現させる、より強い権限と、それに伴う責任を持たせていくべきと思いますが、区はどのように考えているのでしょうか。お答えください。  さて、五月二十日の読売新聞都民版に、荒川区教育委員会が、ことし二月に区立小中学校全校で行った学力テストの結果を発表した旨の記事が載っておりました。発表は三回目となる今回においては、小中学校の算数と数学を除く各教科で各校の達成率の格差が最も縮まったということです。荒川区の教育委員会は、結果を公表することで各校が互いに意識し合い、学力の格差が徐々に縮んでおり、区全体の学力向上に効果を出していると話しているとのことでした。  さきに発言させていただいたイギリスの一九八〇年教育法でも、学校理事会の拡大とともに、地方教育当局が、親に教育内容・方法の情報を、民間会社が実施するテスト結果を含めて提供することを義務づけたと聞いております。もちろん学校での教育においてテストの成績がすべてであるとは言いません。ですが、運営委員会が適切な判断を決定していく上で、学校ごとの学力差の把握は重要なことであると思われます。  今後、地域運営学校をより有効に運営していくためには、学校ごとの学力テストの成績の公開をも考えるべきであると思いますが、教育委員会はどのように考えているのでしょうか、お答えください。  次に、個人情報保護法と地域に関して質問をさせていただきます。  五月に、日赤の社員増強運動月間として募金活動が行われておりました。この募金活動には、日赤奉仕団の方々を初め、地域の町会、自治会の皆様が協力して精力的に対応をされております。日赤の活動の基礎となる資金を集めるために、日々家庭を訪問することには敬意の気持ちを感じます。募金活動は地域における相互扶助の最たるもので、この後も、共同募金、社会福祉協議会の歳末助け合い、地域助け合い募金などの募金活動があります。  ところが、最近、募金が集めにくくなっているという声をよく耳にします。日常のあいさつが少なくなったことによる顔見知りの数の減少や、今の社会のあり方、マンションの増加などから、地域のコミュニティーが停滞していることも原因の一つではありますが、この四月より施行された個人情報保護法への関心が高まっていることという背景もあるようです。  区民の皆様が個人情報保護の取り扱いに慎重になるのは当然のことですし、よいことでありますが、名簿の使い方や使われ方で一部混乱があったようにも聞いております。私は個人情報保護法の内容が区民の皆様に理解しづらい現状があるように思えてなりません。募金を例に挙げましたが、このような地域の状況を見ると、混乱が生じるだけではなく、地域の活力の低下を招くことなどが懸念されます。個人情報保護という観点から、個人情報保護法の趣旨や内容に関して、区民の方々の理解をより深めていくための啓発活動とともに、実際に募金へ携わる方々への対応も必要です。区として個人情報保護法に関する区民への働きかけはどのような方法を考えているのでしょうか。  また、日赤、社会福祉協議会、共同募金会のそれぞれについて、個人情報保護法への対応を区より働きかけていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  以上、壇上よりの質問を終了させていただきます。(拍手) ◎水戸 生涯学習・地域・学校連携担当部長 地域運営学校と学校教育に関して、四点についてお答えいたします。  まず第一点目、現状と将来の展開に向けた区の考え方についてでございます。  地域運営学校は、今年度、小学校三校、中学校二校を指定したところです。指定した五校では、保護者や地域住民の代表による学校運営委員会を四月に設置いたしました。各学校の運営委員会では、先月、五月初旬までに第一回目の委員会を開催し、委員会の執行体制や運営の基本的な方向性を確認しております。今後は各学校において、学期に二回、年間六回以上の委員会を開催する予定です。  教育委員会では、地域運営学校の設置により、確実に地域に開かれ信頼される学校づくりが実現できるよう、今年度指定した五校に対する支援と検証、評価を重視し、その後の指定学校の拡充につなげていきたいと考えております。  次に、運営委員会において、それぞれの代表がしっかりと意見を言い、議論がしっかりとできるようにということでございます。  学校運営委員会は、保護者や地域の代表が学校運営に参画し、校長や教職員とともに、よりよい学校づくりを進める役割を担っています。そのためには、各委員が保護者や地域の代表として活発な議論を行い、地域が一体となって、学校の教育活動を充実するための取り組みを進めていくことが必要です。  そこで、教育委員会では規程等において、運営委員会が適切な活動が行えるよう、教育委員会や学校長が運営委員会に対し、必要な情報の提供や説明に努めなければならないと決めております。また、運営委員会は、会議については原則として公開することとしております。さらに会議内容や活動状況等に関し、広報紙や学校のホームページ等を通して広く情報提供に努めることとし、透明性のある運営が確保されるよう促すことが、会議の質を高めることにつながるものと考えております。  三番目に、委員に偏りがないよう、どのように選考を考えているかということでございます。  学校運営委員会は、公平、公正、中立を保った活動を行わなくてはなりません。このため、委員の選任につきましては学校ごとに、学校協議会やPTA、同窓会、学区内の幼稚園、保育園、小学校の保護者会等、地域や保護者からの推薦等により委員を選出しております。学識経験者委員につきましても、学校からの推薦を重視し選任を行っております。  なお、今回委員になっていただいた方は、一例を挙げさせていただきますと、近隣の私立高等学校の学校長、私立幼稚園の園長、また、学区内在住の医師、弁護士、大学教授など多彩な顔ぶれとなっております。いずれの方も卒業生や地域との関係が深く、人望の厚い方が委員になっていただいております。  なお、合議体としての学校運営委員会の正常な活動に協力しない委員には、教育委員会が指導を行うとともに、必要であれば委員の解任を行い、委員会の適正な活動を確保することとなっております。  四番目に、運営委員会で決定されたことを実現できるよう、学校長に強い権限と責任をということでございます。  地域運営学校にありましては、学校運営委員会と学校長や教職員の間でしっかりとした信頼関係が築かれることが必要です。そのためには、学校運営委員会と学校長や教職員の間で十分なコミュニケーションが確保されることが求められます。こうした中で、学校運営委員会の意見や要望を踏まえ、学校長が学校運営の責任者としてリーダーシップを発揮し、教職員と一体となって教育活動の充実を図っていくことが重要です。  現在、教育委員会では指定された五校の学校長による情報交換会を実施しておりますが、その中で、地域運営学校における学校長のリーダーシップのあり方についても意見交換を行っております。今後、地域運営学校の検証、評価を行う中で、学校長が学校運営委員会と良好な信頼・協力関係を形成していく上での課題や、学校運営委員会での決定事項を着実に責任を持ち、実現していくための条件等も検証していきたいと考えております。  以上でございます。 ◎髙山 教育改革担当部長 私からは、地域運営学校と学力テストについてお答えを申し上げます。  テストは本来、子どもたちが自分の学習状況を知り、今後の学習を進めるに当たっての指標とするものであるとともに、教員が指導のあり方を見直し、よりよい授業を創造し改善するための資料とすることが目的であると思います。  教育委員会といたしましては、地域運営学校の学校運営委員会の委員が授業の質や教員の指導などについても関心を持っていただき、直接授業を見たり、各学校から学力調査の結果について自校の分析結果の説明を受けたりして、お互いにさまざまな意見を出し合うことを通して、学校改善に役立てていただくことが大切であると考えております。  以上でございます。 ◎齋藤 総務部長 個人情報保護法の区民への啓発についてのお尋ねにお答えいたします。  この四月から全面的に施行された個人情報保護法は、個人情報保護の基本理念や国、地方自治体の責務、個人情報を取り扱う民間事業者の義務などを定めるとともに、個人情報の提供の対象となった本人から、その開示、訂正、利用停止などを求めることができる仕組みも定めております。区におきましても、情報公開・個人情報保護審議会の答申を受け、個人情報のより適正な管理を図るため個人情報保護条例を改正し、本年四月から施行したところでございます。  個人情報への関心が高まる中で、事業者や区民に混乱や不安を招かないためにも、法や条例の趣旨、内容、仕組みなどを正しく理解していただくことは重要なことであると認識しております。区では、法や改正条例の施行の機会をとらえ、「区のおしらせ」、産業団体や各種団体等への説明会などを通して、法や条例の趣旨の周知や啓発に努めているところでございます。  今後とも、個人情報が法や条例に沿って適正に取り扱われるよう、関係部署が連携して事業者や区民への周知に努め、その正しい理解を促してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 個人情報保護に関して、日赤への対応についてご答弁申し上げます。  日本赤十字社の災害救護活動、国際救援活動、血液事業などに必要な資金は、毎年五月に実施されます会員募集運動での会費収入で原則賄われております。この会員募集運動は、世田谷区赤十字奉仕団、あるいは町会、自治会の皆様が地区内を回りまして、日本赤十字社の趣旨に賛同される方から会費――これは私ども社費と呼んでおりますけれども、それをいただいております。  この会員募集に伴う個人情報は、日本赤十字社東京都支部が個人情報保護法に基づきまして適切に管理を行っております。さらに徹底していくために、会員募集運動にあわせまして、日赤東京都支部と改めて私ども協議をさせていただいております。会員募集運動に当たりましては、パンフレット、チラシ等の説明内容を工夫するなど、個人情報等の取り扱いについて、集める方、趣旨に賛同される方も含め、誤解や混乱を招くことのないよう、引き続き慎重に対処してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎秋山 保健福祉部長 共同募金会、それから社会福祉協議会個人情報保護法への対応の働きかけについてでございます。  赤い羽根共同募金や歳末助け合いは社会福祉事業に位置づけられておりまして、募金ボランティアと呼ばれます町会や自治会などの地域団体の役員や地域福祉推進員等の協力によって行われております。募金活動は募金ボランティアが各家庭を訪問して行われるため、募金者の住所、氏名などの個人情報を扱うこととなります。東京都共同募金会の募金事務に関するこれまでの指導は、募金者の個人情報保護という観点からは十分なものとは言えないため、共同募金会に対し、個人情報の取り扱いに関して、具体的な手順を明文化するよう要望したところでございます。共同募金会からは、早急に規定類を整備し、個人情報の保護に十分配慮した事務を進めていきたいとの回答をいただいております。  歳末助け合いを行う社会福祉協議会におきましては、ことし四月、世田谷区社会福祉協議会個人情報保護規程を施行しておりますので、名簿の取り扱いなど事務処理が、より一層適切に取り扱えるよう検討を進めているところです。募金活動を行う募金ボランティアに対しましては、今年度、事務説明会において募金者の個人情報の取り扱いについて説明をし、協力を求めてまいります。  以上でございます。 ◆三番(赤沢雅彦 議員) 地域運営学校運営委員がきっちりと自分自身で判断を下せる学校内の資料提供を要望して、終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で赤沢雅彦議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、二十七番関口太一議員。    〔二十七番関口太一議員登壇〕(拍手)
    ◆二十七番(関口太一 議員) 質問通告に従いまして、順次質問してまいります。  初めに、大井町線急行化計画に関してお尋ねいたします。  当該計画は、田園都市線の混雑率緩和のため、大井町線等を改良し、急行列車を運転させるものであります。焦点となっている大井町線は、世田谷区の玉川地域を東西に走る、町のシンボル的存在であります。特に町じゅうをゆっくりと走る路面電車のような雰囲気が地元民に愛されているのは言うまでもございません。そこに急遽持ち上がったのがこの急行化計画であり、それに伴う等々力駅の地下化計画であります。言わずもがな、この計画に対しては、安全性や利便性、そして自然に与える影響への不安と疑問の声が住民から多く上がっております。今回はこういった視点から、世田谷区の姿勢を問うてまいりたいと思います。  まず、今回の急行化計画に伴い懸念されるのが踏切対策であります。  世田谷区は昨年、「開かずの踏切」解消促進協議会を発足させ、区内の踏切解消を目指しております。しかしながら、現状では等々力駅地下化のみの計画でありますから、二つの踏切は解消されるものの、残り十四の踏切はそのまま残るという状況です。また、それら踏切のほとんどが通学路であり、かつ生活上頻繁に往来するところでありますから、急行化により列車速度が八十キロになることで、さらに住民がその安全性を不安視するのは言うまでもありません。つまり、踏切が解消されない現状の大井町線急行化計画と踏切解消を目指す世田谷区の方針との間に乖離が生じているんです。  しかしながら、区民に対して、方針と異なる状況を区として説明がなされておらず、まさに大井町線の今後が判然としないために、区民の不安は募るばかりであります。私は、現状が区の方針と異なるのであれば、区としてのその理由と善処策を区民に真摯に説明しなければならないと考えます。区の方針と当該計画との間になぜ乖離が生じて整合性が保たれていないのか、そして、今後はどうしていくのか、区の見解をお尋ねします。  さて、具体的に踏切がどうなるかという点では、等々力二号、三号のことを触れなければなりません。等々力~上野毛駅間にあるこの二つの踏切は玉川小学校の通学路であり、日ごろからのその危険性が指摘されております。今回の等々力駅地下化の後、急行が走り出してもその踏切は残る予定で、しかも、仮に連続立体交差事業により全駅地下化が目指されたとしても、この二つの踏切は解消されないとも言われております。  言いかえれば、半永久的に通学路に踏切が残り、危険がいつも潜む生活を児童と地域住民に強いることにもなりかねません。こういう区民の不安に対して、区はしっかりとその展望を示しておりません。中途半端であいまいな状態が区民の不安をさらに助長させるのであります。区の役割として、現状はこうですが、こういった方針でその危険性を和らげますだとか、あるいは鉄道業者と協議を進めて、こういう対策を講じさせますだとか、区としての姿勢を示す必要があります。住民が心配をしているこの二つの踏切はどうなるのか、区の見解をお尋ねします。  次に、等々力駅地下化によって影響が心配される地下水に関してお尋ねします。  等々力駅地下化工事の際に必要になるのが区道の使用です。区は環境審議会の答申を参考に、当該工事による地下水の問題は、一般的な工法を用いれば問題はないとの判断で、平成十四年に区道使用を許可したわけであります。しかしながら、この等々力駅の以南には、世田谷区にとってはまさに緑の生命線である等々力渓谷が広がる、まさに特殊かつ特別な地帯であります。よって、こういう特殊な地域であるからこそ、本当に一般的な工法で大丈夫なのかどうか、通常よりも細かな調査をかけた上で判断するべきではなかったのかと考えます。事実、環境審議会で等々力渓谷という言葉が一度も発せられておりません。区が平成十四年に判断をした際、等々力渓谷の影響も勘案したのかどうか、まずそのときの状況をご説明ください。  現在、こういった区民の不安の声にこたえるという観点で技術検討委員会なるものが設けられ、そこで地下水に影響を与えない工事方法が検討されております。しかし、私はこの検討委員会の位置づけが余りよく見えないんです。つまり、区は平成十四年に地下水を含めた自然環境には問題なしと判断をしたのは事実であります。そして、今でもそういった認識を当然持ってはいるが、住民の不安を少しでも和らげるため、極端に言えば、住民の不安をガス抜きするために検討委員会を設けたのか。あるいはそうではなくて、今となっては当時の判断に若干自信が持てなくなり、その安全性と、文字どおり徹底調査をするために検討委員会を設けたのか、一体どちらなのか。区はこの検討委員会をどう位置づけしているのか、お聞かせください。  次に、地域住民の意思についてお尋ねします。  今回の計画が実行されれば、町の様相が大きく変わるのは言うまでもありません。こういった計画を推し進めるのには、当然地域住民の同意が必要になります。つまりは地域住民、業者、そして行政の三位一体による事業計画でなければ、せっかくの計画が台なしになってしまいます。そういった点では、最も大切である地域住民の意思を区はどう把握しているんでしょうか。  事業者からは、等々力、尾山台、九品仏、上野毛各町会と商店会代表者によって平成八年に結成された「大井町線急行乗り入れを考える会」に対する説明で、住民の賛同を得た旨の発言がなされておりますが、果たしてそうなのか。平成十二年に出されたこの考える会の報告書には、こううたわれております。各駅、各地域の住民の総意としては、全面地下化まで急行運転並びに工事は行わないことを望む。また、考える会が行った平成九年当時のアンケート結果によれば、六割強の方々が、当該計画に関しては一部見直し、あるいは全面見直しを求めております。さらに、地域住民によって結成された大井町線とその周辺環境を愛する住民グループが昨年に行ったアンケート調査によれば、地下化工事に反対の意見は約八割にも上ります。  こういった地元住民の声は、まさに日々そこで生活をされている方々の声でもありますから、切実なる思いを感じずにはいられません。区は当該計画に対して、地元住民の意思をどう判断しているのか、その見解をお聞かせください。  当該地下化計画に対して、区の関与をどこまで及ぼせるのか、確かに議論の余地はあるんでしょう。しかしながら、地元行政という、その当事者としてどう対応していくのかを住民は注目しているんです。その住民の思いを最大限勘案した答弁を期待します。  次に、環境政策に関してお尋ねします。  世田谷区内の緑の割合、つまりは緑被率が年々下がってきております。区はみどりの基本計画を策定し、屋上緑化や壁面緑化等を進めておりますが、特に屋上緑化に関しては、屋根が土の重さに耐え得るよう補強工事を必要とするため、コストと手間がかなりかかるのが現実です。そこで、特別な補強工事等を必要としない、少量で屋上緑化を可能にする土が長崎大学で研究開発されております。中国の高冷地にある石炭を原材料としたものでありますが、実際に世田谷区内の一般家屋でも使われるなど、少しずつ認知され始めたようです。  コストを余りかけずに、既存の公共施設、中でも学校の屋上で展開できれば、教育という観点からも有効であると思われますが、いかがでしょう。区の見解をお尋ねして、壇上よりの質問を終わります。(拍手) ◎株木 都市整備部長 私からは、二点のご質問にお答えいたします。  まず、大井町線急行化計画と区の方針の整合性をどのように保つのかというご質問でございます。  交通渋滞や地域分断の原因であるピーク時一時間の間に四十分以上遮断している踏切、いわゆるあかずの踏切の早期解消は、区といたしましても率先して解決を図るべき重要な課題と認識しております。このため、昨年七月、あかずの踏切の早期解消を目指した世田谷区「開かずの踏切」解消促進協議会を発足いたしました。区内の大井町線では、九品仏一号踏切がこのあかずの踏切となっております。  一方、大井町線への急行乗り入れ計画は、田園都市線の混雑緩和を図ることが大きな目的でございまして、現在、東急電鉄によって等々力駅を地下化する計画が進められております。これにより等々力一号踏切と駅構内の踏切が解消されることになっております。しかしながら、区民生活の安全性の観点からは、そのほかの踏切解消も大切であると考えております。  区といたしましては、踏切解消を目指して、地元の町会や商店会が中心となって設立された大井町線街づくり連絡協議会と連携を図り、踏切による区民の不安が少しでも解消されるよう、まちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、屋上緑化に関しまして、新工法の導入と公共施設での展開についてのお尋ねでございます。  屋上や壁面などの建築物の緑化は、省エネルギー、ヒートアイランド現象の抑制など多様な効果があり、積極的な取り組みが必要であると考えております。区では、これまで庁舎や学校などの公共施設を初め民間建築物に対しても、平成十五年度より屋上緑化助成を始めまして、これまで三十二件に対して助成を行ってまいりました。  屋上緑化を施工するに当たりましては、建築物に直接施工する緑化であるため、荷重に関すること、排水に関すること、植物の剪定に関することなどの課題もございます。一方で屋上緑化の施工技術の研究も進み、さまざまな工法が開発されております。今後、屋上緑化を推進していく上で、施工方法や管理方法などの課題について、これまでの成果を検証し、事業に反映させてまいりたいと考えております。  また、既設の公共施設、特に学校の屋上緑化の展開でございますが、学校敷地内での緑化を推進するとともに、改築や改修の機会をとらえまして、みどりの基本条例に基づく緑化基準に基づいて進めることはもちろんのこと、自然環境、学習の場としても活用できる屋上緑化や壁面緑化の導入を、より積極的に推進するよう働きかけてまいります。  以上でございます。 ◎大西 玉川総合支所長 議員からは、五点に及ぶ質問をいただきました。多岐にわたりますので、多少ダブるかもしれませんので、ご容赦ください。  まずは等々力二号、三号踏切が残ることに対して、区民の不安にどうこたえるのかというご質問でありました。  通学路と重なる踏切は、大井町線を含め区内で三十カ所程度あると聞いております。いずれの踏切も通学時の子どもの安全の観点から十分な配慮が必要と認識しております。お話にございました踏切に関しましては、昨年、玉川小学校におきまして、学校関係者、PTAの方々、東京急行電鉄、世田谷区が出席しまして、踏切の安全性について話し合いが行われました。この中で東京急行電鉄は、急行を通すまでの間に、できるだけ多くの観点から踏切の安全対策を検討することを明らかにしております。  区といたしましては、鉄道事業者の安全対策の取り組みを見守っていくとともに、大井町線街づくり連絡協議会とも連携して、区民の皆さんとも大井町線沿線まちづくりに取り組んでまいりたいと思います。  二点目でございます。大井町線を中心としたまちづくりに、区はどういう展望をという話がございました。  大井町線沿線につきましては、都市整備方針におきまして、各駅周辺が地域生活拠点や地区生活拠点として位置づけられております。これらの生活拠点においては、地区特性に応じまして交通結節点としての機能や、人々の交流や暮らしを支える機能を充実し、地域の活性化を図ることとしております。  一方、大井町線街づくり連絡協議会では、元気ある商店街、緑豊かな商店街、水と緑の調和のとれた住んでみたいと思えるまちづくりの推進を目標に掲げまして、各駅周辺のまちづくり構想を策定することを大きな課題の一つとしております。  世田谷区といたしましては、このようなまちづくりの機運をとらえ、今年度、まちづくり調査を実施しまして、各駅周辺の町の現状と課題を整理するとともに、等々力駅周辺につきましては、協議会や区民の方々とも連携しながら、まちづくり基本方針を検討していく予定であります。  四点目でございます。道路占用許可の際に、等々力渓谷の湧水や周辺地盤への影響についてどう審査したのかという話がございました。  お話の環境審議会では、環境計画書に加えまして、地盤や地下水などの環境影響評価書の提出が世田谷区にありました。これに基づきまして、専門部会、本審議会での議論を踏まえまして、平成十五年一月に環境配慮制度の手続が終了しております。その後、等々力駅地下化に伴う道路占用につきましては、道路法と世田谷区道路占用規則に基づき許可を出しております。  なお、鉄道などにつきましては、法令に違反していない限り、道路管理者は許可を出さなければならないことになっております。しかしながら、許可に際しましては、環境への配慮につきまして環境計画書に基づいて計画を実施するとともに、地下水や地盤沈下などに影響が起こらないように施工するよう指導しております。  おしまいの質問でございます。技術検討委員会はどのような位置づけなのかというご質問でありました。  技術検討委員会につきましては、等々力渓谷や周辺地盤への影響を心配される区民の声を受けまして、熊本区長が区の環境に対する思いをみずから受けとめまして、技術検討委員会の設置を指示いたしました。私どもは、これに基づきまして東急電鉄を指導して、区で紹介した学識経験者から組織される委員会を設置させたものであります。委員会には世田谷区も委員調整役として入っておりまして、また、反対や心配をされる方々もオブザーバーとして入られております。この会は傍聴も自由であるなど、公平性、透明性のある委員会となっております。  現在、技術検討委員会におきましては、心配される方や反対住民も参加する現地調査会を開催するなど、等々力渓谷などに影響を与えない具体的な対策工法の検討をしております。今後、等々力駅地下化工事が実施された場合には、委員会は、工事中はもちろんのこと、竣工後におきましても地下水などを監視し、適切なアドバイスを行い、周辺環境に影響を与えないよう万全を尽くしていくことになっております。  最後に、地元住民の意思をどう判断しているのかというご質問でございました。これについてお答えします。  大井町線の急行計画は、田園都市線の混雑緩和を目的として実施する事業でございます。運輸政策審議会の答申にも位置づけられており、世田谷区としては、等々力渓谷などに影響がないこと、踏切遮断時間を大幅にふやさないことを前提に、広域的な視点からその必要性を認めているところであります。  住民が昨年行いましたアンケート調査につきまして、急行は要らない、等々力渓谷への影響が心配である、さらにはローカルな電車のままがよいなどの意見があることは認識しております。昨年、町会、商店会などが中心となった大井町線街づくり連絡協議会が設立されました。連絡協議会は、住んでみたいと思えるまちづくりを進めるために現在活動を行っておりまして、この二月には、計画に反対をされる方や心配する方をも含めた勉強会を行っております。  世田谷区といたしましては、区議会とも相談をさせていただきながら、協議会を初め地域住民の方々とともに、魅力ある安全で安心のまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◆二十七番(関口太一 議員) 何点か、ちょっと再質問したいんですけれども、平成十四年の環境審議会の中で、先ほど申し上げましたが、等々力渓谷という言葉は一度も発せられていないんですよね。だから、当時、この地下化計画に対して、地下水は確かに議論になっているが、等々力渓谷というところまで勘案して議論になっていないのは、これは確かなんですよ。だから、そういう等々力渓谷に対する認識が今とは違ったから技術検討委員会を設けたのなら、この検討委員会の位置づけも私はよくわかるんですが、今の答弁ではちょっとよくわからないので、もう一度改めて答弁をしてください。  もう一点、区が住民に対する説明の中で、よくわからない面が多いんですよね。この前、区長に質問書を持っていった方々がいらっしゃいましたけれども、その中で、五つのぐらいの項目を区長に直接手渡ししていますから、区長も当然わかっていると思います。それに対する答えが極めて失礼だったと。あいまいな文書一つで、項目ごとの文書にも答えられていない。区長は聞く耳を持つ区長という姿勢をやっていらっしゃるわけですから、私はそれは区長の姿勢とはどうしても理解できないんですけれども、玉川総合支所と区長との意思疎通というのはどうなっているのか、その辺を聞いて、再質問したいと思います。 ◎大西 玉川総合支所長 私の方からは、まず沿線の住民の方たちがアンケートをとりました。そのことに対しまして、区長も環境問題を大変心配されておりまして、時間をやりくりしまして、二月八日に区長と皆さんとお話しする機会を設けさせていただきました。そのときに区長も、環境問題は一朝一夕で済む問題ではない、未来にわたってやっていかなければいけない問題である、そういうことの話をされました。その部分で専門的、それから細部にわたるものについては、今までも、これからも玉川総合支所の街づくり部が窓口になるので、そこへ質問をしていただくとか、そこに相談していただくとか、そういうことでお答えを出していきたい、そういう答えを区長がお話ししたことであります。  以上です。 ◎志村 環境総合対策室長 先ほどお話がありました平成十四年の環境審議会のときに、等々力渓谷という表現が出ていなかったんじゃないかというお話についてお答え申し上げます。  あのときの環境配慮方針書というのを持っておりますが、ここには、現況から対策から、そういったものをすべて計画書に提出することになっておりますが、現況のところで認識がありまして、都内でも数少ない渓谷美を形成する等々力渓谷公園があると。谷沢川は等々力渓谷として多くの人に親しまれる空間であり、美しい景観をつくっているということで、そのときに計画書では、通水管を設け、地下水の流れを確保する。通水管設置工事の施工に際しては地下水調査を実施し、地下水の流れや水量を詳細に把握した上で、設置場所や設置方法等を決定していくという計画書が提出されておりまして、審議会では了承されたというものでございます。  以上でございます。 ◆二十七番(関口太一 議員) 今の玉川支所の答弁で言えば、区長のその聞く耳を持つという意味合いをもう少し認識しなくちゃいけない、私はそう思いますよ、住民が不安に思っているんだから。そのことを、以上伝えておきます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で関口太一議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、二番下山芳男議員。    〔二番下山芳男議員登壇〕(拍手) ◆二番(下山芳男 議員) 質問通告に従い、順次質問をいたします。  平成十七年度は、世田谷区基本計画を初め公共施設整備計画、世田谷区子ども計画、また、教育ビジョン、外郭団体改善方針など、今後の世田谷区の進むべき方向を定める多くの施策が始まります。  最初に、これからのスポーツの振興について、三点ほど質問をいたします。  世田谷区基本計画には、「地域のスポーツクラブや団体などとの連携、協力により、区民が身近な地域で気軽に生涯にわたってスポーツやレクリエーション活動に親しめる環境づくりを進めます」と書かれております。公共施設整備方針の資料によりますと、区立の屋内体育施設は六カ所あり、総合運動場体育館、尾山台地域体育館、八幡山小地域体育館、北烏山地区体育室、上馬地区体育室、そして千歳温水プールのトレーニング室の六カ所となっております。その他に区民センターにスポーツのできる施設がありますが、私は、八十二万人の区民の皆様にとって体育施設が不足していると強く感じております。  世田谷区スポーツ振興計画の地域での場の確保では、人口八十万人を有し、多くの区民が積極的にスポーツ活動を行う世田谷区の特性や、さきに示された新たな地域行政制度のあり方の考え方を踏まえると、五つの地域においても、それぞれの地域の中で拠点的な機能を果たすスポーツの場を確保していかなければならないと書かれております。  しかし、同時に、公共施設を取り巻く状況から、今後は地域体育館を単独施設として整備するのではなく、学校施設や区民利用施設を活用することにより、地域単位での拠点的な場を確保していくこととする、今後の学校改築の中で検討していくと書かれています。  私ごとで恐縮ですが、私は学生のときに杉並区で卓球教室の講師をしておりましたが、当時、杉並区には各地域にバスケットボールコートが一面とれるほどの小さな体育館が、区内に五カ所設置されていました。現在、杉並区の人口は約五十二万四千人ですが、現在でも大きな規模の体育館はありませんが、地域に根差した、地域の体育館を整備しています。例えば上井草スポーツセンター体育館、使用できる卓球台は十八台、高円寺体育館、バドミントン四面、妙正寺体育館、卓球台十二台、大宮前体育館、卓球台十二台、永福体育館は卓球台十二台、荻窪体育館、卓球台十六台の、六カ所の地域に区立の体育館が設置されて、当時よりも大分改善をされております。  また、足立区では梅田地域体育館や総合スポーツセンター体育館を初めとして合計十カ所の体育館があります。他区の体育施設を調べますと、改めて世田谷区の体育施設の少なさを実感いたします。このたびの公共施設整備方針では、原則として新規の施設の建設はしないとのことですが、明らかに不足している体育施設については、世田谷区の魅力を上げるためにも早急に検討する必要があると考えます。  屋内体育施設は、区民の健康づくり、児童生徒の体力の向上だけではなく、災害時の一時避難所としても計画的に配置することが必要であると考えますが、区のお考えをお聞きいたします。  続きまして、総合運動場体育館の改修工事中の対応について質問いたします。  通常の年でも年間を通じてほとんどの日曜日、祭日にはあきのない総合運動場体育館が、改修工事のために九月より約九カ月間使用できません。これは区内のスポーツ団体にとって非常に大きな影響を与えていると思います。区内で唯一と言っても過言ではない区立体育館を改修するための代替施設の準備が余りにもなさ過ぎると思います。厚生年金スポーツセンターの体育館の利用のための抽せん日には五十を超える団体が抽せんに訪れていますが、希望する日時を予約できる団体はわずかでしかありません。スポーツ振興財団の担当者も場の確保について一生懸命に対応されておりましたが、なかなか思うようには進んでいないのではないでしょうか。スポーツ振興財団の役割であるのかもしれませんが、教育委員会として、財団に対してどのような話を進めてきたのか、お答え願います。今後の対応についても考えをお聞かせください。  続いて、生涯学習・スポーツ課とスポーツ振興財団との役割分担について伺います。  世田谷区では昭和四十六年度に体育課が設置され、その後、平成十一年度に体育担当課に改組され、平成十五年度に生涯学習・スポーツ課となりました。また、平成十一年二月に、世田谷区における生涯スポーツ社会の実現を推進するために、スポーツ振興財団が設立されております。世田谷区のスポーツに関する振興事業、普及啓発事業、団体育成事業などと、世田谷区から受託するスポーツ及びレクリエーション事業、社会体育施設の管理運営を担っているわけです。生涯学習・スポーツ課にはスポーツ振興係がありますが、三人の職員で仕事をされているそうですが、わずか三名の担当者で、区のスポーツに対する考えをまとめ、振興、普及、そして発展させることができるのでしょうか。  私は、世田谷区の健康づくり、子どもたちの体力の低下など多くの課題のあるスポーツの普及、振興を、外郭団体にその多くを任せてしまってよいのか、疑問に思います。区の考えをお伺いいたします。  次に、これからの世田谷区の保育について伺います。  世田谷区子ども計画では、元気子どもを育てるために、在宅子育て支援、保育、幼児教育の充実など十項目の施策が示されております。区としても保育への多様なニーズにこたえるため、認証保育所の増設や、区立保育園の民営化へのスケジュールを示すなど努力をされておりますが、現実としては待機児の問題は解消されていません。また、予算委員会で他の会派からも質問がありましたが、兄弟で別々の保育園に通わなければならないなど、保育者にとって、いまだに厳しい状況もあると思います。この点についてどのように対応されるのか、伺います。  次に、世田谷区では保育室や保育ママなど、世田谷区独自の取り組みにより、地域に密着した保育サービスがあります。認証保育所が増設され、多様なニーズに対応することはよいことと思いますが、これまでの制度のよい点、改善すべき点をしっかりと検証、評価して、区民の期待にこたえる必要があると思います。保育に対してはさまざまな意見がありますが、区としては自信を持って、大きな視点に立って施策を進めていくべきと思います。また、区民の皆様への十分なわかりやすい説明が大切であると思います。区の認識についてお伺いいたします。  続きまして、残虐ゲームソフトの有害図書類指定について伺います。  五月三十日に神奈川県が、極めて残虐性が高いと判断したゲームソフトを有害図書類に指定し、十八歳未満の青少年への販売を禁止するとの新聞報道がありました。現在の小中学生にとって、テレビゲームやパソコンでの各種ゲームは遊びの中心の一つとなっているように思います。このたびのゲームソフトのほかにも、子どもたちが行っているゲームソフトの中には、人や生き物を殺す場面や、格闘をさせるなど、死をゲーム感覚でとらえてしまうなど、子どもたちによい影響を与えないゲームソフトもあるように思われます。  世田谷区としても一定の基準を定めて、ゲームソフトやテレビ番組について、保護者に対して情報を提供すべきと思います。区としての考えをお聞きいたします。  以上で壇上よりの質問を終わります。(拍手) ◎水戸 生涯学習・地域・学校連携担当部長 これからのスポーツ振興についてご質問いただきました。  まず体育施設の充実についてでございます。  教育委員会では、学校の体育施設を地域スポーツ団体等に積極的に開放し、団体への支援及び地域スポーツの振興に努めてまいりました。また、今年度は総合運動場体育館の耐震補強工事にあわせて機能の充実を図る予定です。今後につきましても、引き続き区内公共施設のさらなる有効活用等を図り、地域スポーツの振興を図ってまいります。  次に、総合運動場体育館の改修工事中の対応についてでございます。  ことし九月から予定しております総合運動場体育館の改修工事につきましては、利用の皆様に長期間にわたりご迷惑をおかけすることになりますが、何とぞご理解をお願いいたします。期間中の対応については、世田谷区スポーツ振興財団と連携を図りながら、とりわけ体育館を活用して大会等を開催する競技団体に対して事前に情報提供し、大会日程や会場の変更についてご協力をお願いしてきたところです。また、都立オリンピック公園運動場、厚生年金スポーツセンター等に優先予約のお願いをしてまいりました。今後ともスポーツ振興財団と連携を図り、改修工事期間中の必要な対応を行ってまいります。  次に、スポーツ振興財団と区教育委員会事務局との役割分担についてでございます。  世田谷区スポーツ振興財団は、区民のスポーツ・レクリエーション活動を普及振興するとともに、区民がスポーツ・レクリエーション活動を通じて心身ともに健康で豊かな生活を送ることができる、生涯スポーツ社会の形成に寄与することを目的に設立した公益法人です。したがって、スポーツ振興財団は、世田谷区のスポーツ行政を担うとともに、区民のスポーツ振興を積極的に推進していく、この二つの役割を果たしております。  一方、区教育委員会は、スポーツ振興計画を策定し、かつスポーツ振興財団との活動を通じて、事業の進捗状況の管理を行っております。今後ともスポーツ振興財団との連携を図り、区の生涯スポーツ社会の実現を目指していく所存でございます。  以上でございます。 ◎田中 子ども部長 では、私からは三点についてご答弁申し上げます。  まず保育についてでございますが、待機児が増加する中で、兄弟を別々の園に通わせなければならないという状況についてどのように考えるかということでございます。  区といたしましては、保育を必要とする人が安心してサービスを選択して利用できる環境をできるだけ早く実現していかなければなりません。しかし、区内住宅事情などの好転によりまして、なお保育サービス待機児がふえるなどの状況が起きております。  お話しの兄弟でのお申し込みにつきましては、現在、入園選考に当たって、できるだけ同一の保育園に入園できるよう配慮しているところでございますが、保育に欠ける要件のより高い方がお申し込みをされていた場合など、必ずしもご希望に沿えない状況にございます。お子様の送迎などを考えますと、同じ保育園を利用できることが保護者にとって重要でございますので、保護者の要望など選択条件をより詳しくお聞きするなど、今後、きめ細かい相談、ご案内に工夫してまいります。  次に、世田谷区の保育の全体像を示すべきということでございます。  お話しのとおり、これまで区は認可保育園に限らず、保育室、保育ママ、認証保育所など多様な保育サービス、施設を整備しながら保育需要に対応してまいりました。こうした中、ご指摘のとおり、保育ニーズは増大するばかりではなく、その内容も多様化しております。このため、区立保育園の民営化など民間の活力の活用をさらに進めながら、時代の変化に対応した新しい保育サービスの提供体制を確立してまいります。今回策定いたしました子ども計画におきましては、五年間の保育サービス施設の整備の方向性をお示しし、低年齢児から就学前の児童まで、各年齢層に応じた多様な保育サービス施設を、地域の状況に合わせながらバランスよく整備してまいります。これらの総合的な取り組みに当たりましては、ご指摘のように、区民の皆様へのご説明に努力いたしまして、世田谷の子どもたちの健全な育成を願って、待機児問題の解消と保育サービスの質の向上に全力を尽くすことといたします。  次に、残虐性の高いゲームソフトや教育的に有害と考えられるゲームソフトについてのご質問でございました。  神奈川県で始めた新たな取り組みは、従来、図書やビデオテープなどにとどまっていた不健全図書類の指定を新たにテレビゲームソフトまで、広げたということでございます。ゲームソフトが子どもに与える影響が無視できない存在になってきたものとされております。  現在、都では東京都青少年の健全な育成に関する条例によりまして、有害な情報を子どもの目に触れさせないようにするため、青少年に対する不健全な図書やビデオテープなどの販売などを規制しております。区の青少年地区委員は、平成十六年六月から都で不健全図書類に指定されたものを監視する協力員として位置づけられており、各店舗を見回り、指導などをしていただいております。  お話のゲームソフト等につきましては、どのようなものが有害であるかなど判断の難しい面もございますが、子どもの健全な育成を阻害するおそれがあるものとも受けとめております。区といたしましては、これらの課題に対しまして、都と区教育委員会と連携、協力しながら、保護者などに対する適切な情報のあり方についても検討してまいることといたします。
     以上でございます。 ◆二番(下山芳男 議員) ただいまいろいろご答弁いただいたんですが、体育館についてなんですけれども、今のお話ですと、今までどおり進めていくというようなニュアンスなんですが、やはり世田谷区の体育施設というのは、どう考えてみても不足していると思うんですよ。これは教育委員会だけの問題じゃなくて、やはり世田谷区全体の問題であると思いますので、ぜひもう一度根本的なところから考えていただいて、ぜひともやはり世田谷区の中に魅力ある町をつくるという意味でも必要な施設ではないかと思いますので、しっかりと要望をしたいと思います。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で下山芳男議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、十三番山木きょう子議員。    〔十三番山木きょう子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(山木きょう子 議員) 質問通告に従い、順次質問してまいります。  まず初めに、認知症高齢者に対する区の取り組みについて伺います。  介護保険制度改正においての柱として介護予防と認知症への対応があります。ひとり暮らしの増加などの要因もあり、八十歳以上の高齢者の約半数は認知症の傾向があると言われています。近年、認知症への取り組みが進み、従来の認識が改まる中で、国も名称を痴呆から認知症に改めました。同様に、認知症へのケアの方法も大きく変わりつつあります。その基本的な視点は、人間の尊厳を踏まえたケアの手法の確立にあります。閉じこもりで地域との関係が希薄になることにより注意能力や記憶能力が減退する、いわゆる廃用症候群としての認知症については予防的な取り組みが可能ということで、区も痴呆予防プログラムを全区的に広げています。人間の尊厳を忘れた不適切なケアは、介護される側の妄想や徘回を誘発し、周囲の理解が足りない場合は、高齢者虐待の原因ともなっていきます。  世田谷区も施設や住宅において、多くの家族や介護従事者が高齢者のケアにかかわっていますが、こうした方々が認知症についての理解を深め、本人を傷つけない、本人主体の適切なケアを行っていくことが求められます。今後の認知症ケアの向上に向けてはどのように取り組んでいくのかを伺います。  昨今、認知症の高齢者を標的にする悪徳商法がふえています。先日、埼玉県富士見市で八十歳と七十八歳の二人暮らしの姉妹が住宅改修でだまされたということがありました。三年間で五千万以上の工事を行い、貯金をすっかり引き出されてしまいました。国民生活センターによると、こういった相談は、ここ十年で三倍近くにふえています。この姉妹は自分たちが認知症であることに気づかず、民生委員が行ったときも、二人で解決ができると断っています。その後、市は成年後見人の選任を決め、業者と代金返還の話し合いを始めています。早くからこの成年後見制度を利用していれば、このような被害には至らずに救えたはずです。  世田谷区では、ひとり暮らし高齢者の数は現在約一万三千人います。在宅生活を支える地域支援事業として見守りネットワーク等の検討が始まったところですが、認知症や知的障害などで十分な判断ができない人たちの財産管理を代行する成年後見制度を、さらに充実し定着させるべきと考えます。私も昨年、第三回定例会の質問で、この制度の重要性について取り上げました。  区では十月から成年後見センターの開設を決め、制度を生かした福祉サービスを提供するとしています。認知症でなくとも、年をとると判断力は衰えます。高齢者の尊厳を大事にしながら、地域で安心して老後が送れるよう、きめ細かな援助の仕組みが必要です。このセンターの機能と役割について伺います。  今後、認知症高齢者の増加に伴って、ますますこの制度のニーズも高まってきます。後見人については現在弁護士に頼っているところが多く、担い手不足が心配されます。高齢社会の進展に伴って、後見人の人材確保は重要な課題です。今までは家族と弁護士に限られていましたが、後見人の枠も広がりました。  社会福祉士や司法書士など、また、地域の中で資格を持った人の発掘、ボランタリーの人をふやすなど、後見人候補の確保をどのように進めていくのか、伺います。  次に、ニート・フリーター対策、若者への支援について伺います。  総務省が五月三十一日に発表した、ことし四月の完全失業率は、六年四カ月ぶりの四・四%まで低下しました。全体の雇用情勢は改善を示している一方で、職探しや職業訓練もしていないニートと呼ばれる若年無業者は六十二万人とふえ続けています。社会に参画するチャンスが持てない若者たちの増加について、国は昨年十二月に、若年層の雇用対策、若者自立・挑戦プランを打ち出しましたが、最近の傾向として、若年無業者の年齢が二十五歳から三十四歳にまで上がり、二年以上の長期失業者がいて、このままでは日本経済の弱体化につながるとして、雇用政策は新たな課題を抱え、厚生労働省も対策に着手し始めました。  大きな社会問題となっているニート・フリーター問題は、決して一義的なものではなく、複合的に問題が錯綜し、根本からの見直しが必要です。世田谷区では、産業振興、教育、福祉と連携したキャリア教育推進委員会が立ち上がりました。区がことし二月に出したキャリアカウンセリング相談実施結果報告書において、三十代の相談者が一番多く、全体の三〇%が無職です。今は企業のほとんどが二十代後半で専門的能力を求めている状況で、仕事のキャリアが蓄積していない人たちの再就職は難しく、将来ニートにつながることが予測されます。卒業時の就職活動に失敗した人の中には予備軍が生まれる可能性があり、学生に対する支援は、今後も引き続きキャリアカウンセリングの重要課題としています。  ニートには精神的な医療サポートが必要な人が多く、引きこもりなど心身の問題は、ここ数年急速にふえています。最初の一歩としてキャリア相談を利用するケースも多く、相談体制については、単に職業的、支援的なものにとどまらず、心と体の成長をサポートする専門家による医療的相談や、都と区の専門的な機関との連携によるネットワーク化など、多様な体制の充実が求められますが、区の見解を伺います。  昨年、区が十六歳から十八歳を対象にした若者意識調査によると、将来やりたいことがあるが五九・九%、やりたいことを見つけたいが二六・一%でした。多くの若者が将来に夢を持ち、好奇心や価値観を早くから身につけており、これを支援する必要があります。児童生徒に対する将来の生き方や、勤労観、職業観を育てるためには、キャリア教育は重要です。文部科学省では、十七年度から中学校に五日間以上連続したインターンシップ制度を導入します。都も重点事業に位置づけ、今年度、十七区の公立中学校で実施予定です。  しかし、最大の課題は受入先の確保です。地域経済が停滞し、地元の工場、商店が減少している中で、学校周辺の商店街に頼るのには限界があります。また、大規模事業所でもリストラが進んでおり、一日程度の見学がやっとで、受け入れには消極的です。就労体験は五日間でも少ないくらいで、ドイツでは中学校二年生に三週間も義務づけています。  世田谷区では教育ビジョンにキャリア教育の推進が挙げられています。就労体験の場の確保が難しい現状で、昨年、東京都では、都庁をモデル職場として、子どもたちが幹部の背後に一日張りつき、仕事の様子を観察するジョブシャドーを実行しています。これは一日だけの実施ですが、課題である就労体験の場として、まずは区内最大の事業所である役所、また公共施設で取り組んではいかがでしょうか、見解を伺います。  フリーターが正社員になれないことの社会的影響は大きく、UFJ総研の試算では、二〇〇一年時点で税収で一・二兆円、消費額八・八兆円、貯蓄三・五兆円マイナスになります。このことからも、地域経済の活性化には大いに影響があります。活力ある社会づくりには、若者が元気であることが必須条件です。少子化の中で、本来、最も重きを置かれるべき子ども自身の育ちを支援することに余りに無策であったことが、仕事も通学もしない若年無業者の増大の一因ではないでしょうか。若者が自分の成長に責任を持つ自己決定や自己管理の力を育てる環境づくりを進めるべきで、幅広い視点での自立に向けた支援策が必要です。  平成十七年度からの世田谷区子ども計画には、初めて自立に向けた支援がうたわれています。次世代にこうした現象を生み出さないためにも、次世代の、まちづくりの人材育成といった視点で取り組むべきと考えます。具体的にどのように進めていくのか、お伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎亀田 在宅サービス部長 認知症高齢者に対する区の取り組みにつきまして、三点ほどご答弁させていただきます。  今後の認知症ケアの向上に向けてどのように取り組むのかでございますが、認知症高齢者の方が尊厳を維持しつつ地域で暮らし続けていくためには、家族の力はもちろん、周りの住民や地域に密着したサービスを提供する事業者が認知症を十分理解し、認知症ケアを標準として位置づけていくことが必要であります。しかし、現状は認知症に対する知識やケア技術が十分でないため、問題行動に振り回され、孤立し、疲れ切ってしまった家族や介護従事者が、極端な場合は虐待に走ることもあると聞いております。  認知症ケアには重要な三つの視点がございます。その人らしいあり方を大切にすること、持っている力を最大限に引き出すこと、なじみの暮らしの継続、環境や人間関係、生活の変化を最小限にすることなどでございます。区はこの三つの視点を念頭に置きまして、区民や介護従事者に対する普及啓発及びケア技術向上などの人材育成に取り組むとともに、認知症予防事業や介護保険制度改正の中で創設予定の地域密着型サービスなど、総合的な認知症ケア対策を進めてまいります。  次に、成年後見センターの機能と役割でございますが、今お話しいただきました事例がはっきり示しますように、高齢社会が進む中で、個人の財産保全は長い人生を安心して暮らす上で貴重であり、成年後見制度の普及啓発は大きな課題となっております。区は本年十月をめどに、世田谷区社会福祉協議会とともに成年後見制度の普及、拡大を目指しまして、仮称成年後見支援センターの開設を目指しております。センターの対象者としましては、判断能力の不十分な高齢者や障害者を想定いたしました法定後見、また、判断能力が衰えたときに備えまして、あらかじめ後見人候補者と後見の契約を結ぶ任意後見の方などを想定しております。  センターの機能といたしましては、専門の法律相談を初め、法定後見や区長申し立て案件の手続の支援、任意後見契約の支援などがございます。今後は、後見人の育成や区民、関係団体への啓蒙活動などを実施いたしまして、成年後見制度の普及と活用が十分果たせるよう、センターの開設に向けて努力してまいります。  三点目でございますが、不足すると予想される後見人をどう確保していくのかでございますが、ご指摘のとおり、将来、制度利用者が増大いたしまして、後見人の候補者が不足することも予測されます。そのため、仮称成年後見支援センターの機能といたしましては、後見人の発掘、育成や、それを支えるボランティアの人材育成も重視しているところでございます。さきの禁治産制度では、後見人は親族と弁護士に限られておりましたが、成年後見制度では司法書士等も後見人になることができることから、区内の関係団体等の協力が必要となっております。また、区内には税務や財産管理に関する資格や能力を有する方々も大勢いらっしゃいますので、貴重な人的財産として協力を求め、段階的な育成を図ることにより、後見人のすそ野を広げていきたいと考えております。  このため、現在、センターの設立に向けまして、弁護士や関係機関の代表者の方にも入っていただき、センター機能とともに、人材育成、後見人候補者のあり方について検討を進めているところでございます。開設に向けましては、区民の安全安心な生活を支えるため、後見人の充実や区民の理解、協力が得られるよう努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎若林 産業振興部長 ニート・フリーター対策に関し、相談体制の充実にご質問いただきました。答弁をさせていただきます。  区では、雇用に関する相談事業の一つとして、キャリアカウンセリング相談を他区に先駆けて実施しているところでございます。この中で、就職活動の方法がわからない、あるいはどんな仕事がしたいのかわからないなどといった若年層の声が多く寄せられ、ニート・フリーター問題の一端を見ることができております。お話しのニート問題には、若者の社会とのかかわりの希薄化、職業意識の欠如など、若者の心の問題が背景にあるとも思われております。  区では、産業振興、福祉や教育など、庁内関係所管から成るキャリア教育推進会議での検討協議を進めております。今後、ハローワークなどの関係機関とも連携を強化いたしまして、情報提供や啓発などさまざまな事業を強化してまいります。さらに、専門家も参加した新たな相談体制づくりについても取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◎水戸 生涯学習・地域・学校連携担当部長 ニート・フリーター対策について、キャリア教育の実践の場として、まずは区役所や公共施設などで取り組んではでございます。  子どもたちが働く意義を理解し、将来自立していくことができるよう、教育ビジョンにおいても、お話にありましたように、キャリア教育を推進することとしております。特に児童生徒が実際に職場に出向いて仕事に携わり、勤労観、職業観を学ぶ職場体験は、キャリア教育での重要な取り組みの一つでございます。そのため、職場体験の受入先の確保は大変重要な課題となります。  現在、区におきましても、保育園や児童館等の職場で職場体験の受け入れを行っておりますが、半日単位、一日単位の受け入れがほとんどでございます。今後、連続した複数日の受入先の確保を想定いたしまして、区役所及び区内の公共施設に職場体験についての理解を広げ、受入先の拡充を図ってまいりたいと思っております。  また、関係所管が構成しておりますキャリア教育推進会議も活用して、区内産業界や地域に児童生徒の職場体験に関する理解や協力を広げ、職場体験の受入先の確保に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎田中 子ども部長 子ども計画に自立に向けた支援とあるが、どのようなことかというご質問でございます。  子ども計画におきましては、子どもの成長に応じた自立支援の充実を重点的取り組みに位置づけております。次代を担う子どもの自立を支援していくためには、地域社会全体で子どもを育てていく中で、子ども自身がみずから行動できる、生きる力を尊重していくことが必要と考えます。特にお話しのとおり、若者が自分の成長に責任を持ち、自己決定や自己管理の力を育てる環境づくりが課題でございます。このようなことから、ニート・フリーター対策につきましても、幼少期から青年期までの子どもの連続した成長過程の中で、自立を目指して、社会性や協調性、自己表現力などを身につけることができるよう、年齢層に応じた施策を展開し取り組むことが重要と考えます。  今後、低年齢期、青少年期、青年期、それぞれに応じた自立支援のプログラムの実施を想定してございます。特に成年層に対しましては、自主的活動を中核とした体験型の事業を実施し、企業やNPOなどの支援をいただきながら、将来に向けた職業観の育成が可能となるよう、さらに、お話のようにまちづくりの人材育成という視点も踏まえまして、自分探し、仕事探しというテーマを念頭に、新たな施策の取り組みを進めてまいります。  以上です。 ◆十三番(山木きょう子 議員) 今ご答弁いただきまして、成年後見センターについてはできたということは評価いたします。ただ、これは本当に知られていないというのが現状でありまして、昨今の埼玉の事件のときも、早くから知っていればということが随分言われておりました。ぜひセンターができたことを、より広く区民がわかるように周知していただきたいと思います。  それから、ニート・フリーター対策のところで、やはり体験ということはすごく重要なことだと思いますので、ぜひ公的な施設を使って早いうちに取り組んでいただきたいと思います。  以上要望して、質問を終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で山木きょう子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、十五番桜井征夫議員。    〔十五番桜井征夫議員登壇〕(拍手) ◆十五番(桜井征夫 議員) 私は昨年十二月、宮城県福祉事業団船形コロニー及び社会福祉法人東北福祉会せんだんの杜を視察してまいりました。  せんだんの杜は、すべての人が一人の人間として尊重され、個性が輝く共生の地域づくりを基本理念に掲げ、日本一の福祉の町を目指そうと、桃生町と東北福祉大学が連携協力し、実践の場として、利用者主体の原則に立って進めているものであります。真に高齢者本人の立場に立ったサービスの提供を追求しながら、実践と反省、総括を繰り返し、福祉の担い手を養成、確保し、施設の改善と地域福祉推進に向かって着実な成果を上げていることや、何よりも、それまでの収容型施設運営を抜本的に見直し、脱皮を図ろうと、改革に取り組む姿勢には深い感銘を覚えました。  また、重度、最重度の知的障害者の更生施設、授産施設、宮城県船形コロニーは、さらに一歩進めて、施設の解体へと向けた具体的な取り組みが進められているもので、二〇〇二年十一月に開催された福祉セミナーにおいて解体宣言が行われ、二〇〇五年までの三カ年で百五十名を地域に移行し、二〇一〇年までに解体しようとするものであります。  今なお施設運営の改善や施設建設が言われる中、なぜ解体などということが可能だったのかといえば、それはその考え方にありました。第一に、現状の生活より安心で豊かな生活を保障すること、第二に、解体するからといって、利用者を親元に帰したり、家族に押しつけたりすることはしないこと、第三に、地域移行は福祉事業団だけでできることではなく、民間施設や市町村等の地域支援が必要であり、そうした取り組みがより充実していかなければならないということ、こうした方針に基づいて施設解体への取り組みが具体的に進められてきたのであります。  解体を進めるに当たって何を議論したかといえば、まず、今後は自分が入りたくないような施設はつくらないこと、これまでの施設が福祉職員にとっても入りたいと思えるような施設であったかどうかを考えてみること、また、自分が入所するとしたら、生涯をそこで過ごすことが可能かどうかを考えてみること、重度の障害高齢者の人たちは本当に地域で生活することは無理なのかどうかを点検すること、職員一人一人が福祉の専門家として、果たしてこれまでどうであったかを省みること等々考えてみたとのことでした。  その結果、まず当事者に対しての反省と謝罪をすることからスタートしなければならなかったこと、特に障害が重いとか軽いとか、だれがそんなことを決められるであろうかということに気づき、区別しないことを決めたということ、そして、一人一人の幸せの実現のために、その手段としての地域移行を進めることを通じて、その結果として施設が廃止されていくということでした。ここに至るまでには、それまで以上にバックアップ体制の確立が必要であり、そのための努力に一層努めたことが強調されておりました。まさに集団生活である入所施設から共同生活であるグループホームへ、そして自由な個人の生活へと移行を図り、計画は着実に推進され、見事なまでに実現されてきたのであります。自信に満ちた情熱と努力には本当に心を打たれました。福祉は人なりと、改めて教えられた思いであります。  いずれも当事者本意の福祉のあり方を追求すればするほど、地域福祉の推進以外にないことを示しております。当区が社会福祉の基礎構造改革を踏まえつつ、二十一世紀の世田谷型保健福祉システムの確立を目指してスタートしたのが二〇〇二年の四月であります。以来今日まで、果たしてこれほどまでに真摯に、しかも、情熱を傾けた精力的な取り組みが行われてきたと言えるだろうかと振り返る機会ともなりました。  当区の場合、財政難を理由として進められる国の構造改革によって国基準が設けられたことから、その範囲にとどめておけばいいという無気力と、とかく安易さに流され、当区が目指すべき方向を少しずつ見失ってきているのではないか。意欲と使命感や責任感が薄れてきているのではないか。動揺があるのではないかと危惧しています。  そうではないと言えるのなら、どのように取り組み、推進してきたのか、目指すべき目標に到達できているのかどうか、当事者の立場に立った福祉施策がどの程度のレベルまで本当に実現されているのかどうかをしっかりと指し示すとともに、当初から掲げられた三つの目標、五つの視点、七つの取り組みを検証するとともに、宮城県の実践に、今こそ学ぶ必要があるのではないかと思えてなりません。  こうした視点から、以下、当区の進捗状況についてお伺いをするものです。  まず第一に、小規模多機能ホームや地域共生ホームなど、地域の中にきめ細かく必要なサービス基盤がしっかりと整備されていなければなりませんが、具体的にどのように進められているのか、着実な進展が図られていると言えるのかどうかという点であります。  第二点は、当区の福祉施策推進のかなめとして、また、当区全体の福祉水準の向上の牽引役として重要な役割を果たしている福祉事業団や地域保健福祉推進に欠くことのできない区内民間施設との協力と連携、支援体制の確立がどのように行われているのかという点であります。  第三に、今回、地域福祉推進の中心的役割を担うことが法律で定められたことを受け、大幅な組織改革に踏み出した社会福祉協議会の対応と今後の協力、連携、支援体制に関してであります。いずれも宮城県の実例が示しているとおり、今後の地域保健福祉推進に欠くことのできない、そして、ますます重要な役割を担うべき組織であり、それだけに、財政上や効率化のみを理由とする外郭団体の見直し対象とするようなことがあっては、当区の目指す世田谷型地域保健福祉の推進はできません。この点、区はどのように認識され、今後対応していくお考えか、お伺いいたします。  ご承知のように、我が国の社会福祉は、心ある篤志家によって、また、医師を初めとする福祉従事者など多くの専門家の方々の献身と自己犠牲と、そして奉仕、そしてたゆまない研究と努力とによって支えられ、今日を迎えておりますが、それは行政による措置制度が果たした功績と同様、高く評価しなければなりません。この点、幾ら敬意を表しても過ぎることはありません。  しかし、そのことは反面、福祉を必要とした当事者にとっては意に反した強制や抑圧となって、人権が侵害され、人間としての尊厳が否定され、苦しみと悲しみと屈辱を与えてきた歴史でもあったという事実を私たちは決して忘れてはなりません。それは当区といえども例外ではありませんでした。施設からの開放の必要性を訴え続けてきたゆえんであります。当事者による自己決定、自己選択、異議申し立て権の確立が真に保障され、尊厳が守られていく社会が確立された地域社会を築き上げるためには、まず、先ほど紹介した宮城県の実践、とりわけ従事する職員の皆さんのこれまでの取り組みについての反省と謝罪の言葉を改めて思い起こし、当区の福祉施策のあり方をしっかりと検証する必要があるのではないでしょうか。  当区は、今後の福祉施策を世田谷型地域保健福祉の推進方針に基づいて、より一層目に見える形で具体的に進められ、区民同士がともに支え合う地域コミュニティーが構築され、施設収容型福祉から、真に施設からの開放へと一歩踏み出し、もはや施設を必要としない地域社会が実現され、施設解体へと進展できるよう、世田谷らしい保健福祉文化を築くことこそ、二十一世紀の当区の歩むべき道ではないかと考えます。  見事なまでに当事者の立場に寄り添った計画と実践を行っている宮城県の施設解体の実践に何を学び、何を教訓とし、区は、今後の福祉施策をどのように推進していくお考えか、将来の地域保健福祉社会をどのように構想し、目指し、実現しようとしておられるのか、基本的な考え方、姿勢をお伺いいたします。  いま一度、福祉に携わる全職員の皆さんの使命感に燃えた熱意、献身的な努力とその行政能力を信頼するとともに、さらなる奮起を期待して、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎亀田 在宅サービス部長 基礎構造改革の中で区が進めてきた地域保健福祉の推進において、脱施設化などさまざまな基盤整備が進められているかというご質問でございます。  区はこれまで、社会福祉の基礎構造改革を踏まえ、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画及びせたがやノーマライゼーションプランを策定する中で、これまでグループホームや在宅介護支援センターの整備・誘導、多様な在宅サービス施策の推進、また、総合福祉センターを中心としたネットワークづくりや五つの保健福祉センターでのケアマネジメントの取り組みなど、地域ケアや保健福祉提供体制の総合的な整備に努めてまいりました。  一方、特養ホーム入所希望者数の動向や障害者の親亡きあと施策に対する不安などを見る限りにおきましては、まだ介護を必要とする高齢者や障害者、障害児が地域で在宅生活を安心して続けるための基盤整備が必ずしも十分とは言いがたい状況にございます。  こうした状況を踏まえまして、今度策定いたします第三期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画並びに新たなせたがやノーマライゼーションプランのもとで在宅生活支援の整備目標を設定し、介護が必要な高齢者や障害者、障害児の自立支援と、住みなれた地域で安心して生活を継続できるよう基盤整備を進めてまいりたいと存じます。  以上です。 ◎秋山 保健福祉部長 社会福祉事業団や区内民間施設との協力と連携、支援体制はどのように行われているかということでございます。  これまで区は、介護保険制度や支援費制度の円滑導入に当たり、社会福祉事業団や民間社会福祉法人への支援を行い、在宅介護支援センターの整備誘導や障害者ホームヘルプサービスなど、今日の在宅生活を支える保健福祉基盤を大幅に拡充してまいりました。  一方、社会福祉の基礎構造改革の基本には、サービスの利用者と提供者の対等な関係、それから、幅広い需要にこたえる多様な主体の参入促進、それから信頼と納得が得られるサービスの質と効率性の向上などがあり、これらに的確にこたえられる社会福祉法人や社会福祉施設のあり方が強く求められております。  今後、在宅生活を支えるためには、小規模多機能やグループホームなど多様な住まいの確保とともに、利用者本意で効率的な施設経営を目指した指定管理者制度を導入してまいります。今後のさまざまな制度改革にも的確に対応できるよう、これまでの事業者への支援や指導を行うとともに、新たな事業者との協働、協力にも取り組んでまいります。  二点目が、社協をどのように位置づけ、どのように活用していくのかということでございます。  区は本年三月、地域保健医療福祉総合計画を策定いたしまして、明るい共生社会の実現を目指し、さまざまな地域活動の発展と、それを支える人材や活動などを大切に育てていくとしております。一方、社会福祉協議会は、平成十四年の社会福祉法の改正で地域福祉推進の中心的役割を担うことが明確にされました。また、本年四月、地域に根差した福祉によるまちづくりの実現に向け、さらなる充実を図ることを目的に、平成十三年度策定した新世田谷区住民活動計画を改定いたしました。さらに地域での展開を目指して、ことし四月から五つの地域で社会福祉協議会事務所を設け、区民に身近な地域に密着した活動を開始したところです。  社会福祉協議会は、地域福祉の担い手として、今後、より一層区民に身近な地区で、区民自身による地区活動が展開できるよう、区としても支援し、地域福祉を推進してまいりたいと考えております。  最後に、施設解体から、区は地域福祉をいかに推進していくのかということでございます。  現在、国においては介護保険制度や障害者自立支援法などの議論が行われており、その中で、在宅重視と地域における自立した生活の支援という方向性を鮮明にしております。宮城県船形コロニーからは、お話にありましたように、私は、どんな障害を持っていても、高齢であっても、在宅で当たり前に暮らすことができるということ、それを信念を持って進めることを改めて実践として学ばせていただいたと思っております。  区は、これまでも特別養護老人ホームなど必要な入所施設の整備とともに、在宅生活支援の充実を基本としてまいりました。在宅重視という基本を揺るがすことなく一層推進していくためには、だれもが住みなれた地域で住み続けられるよう、地域で総合的、継続的に支援を行っていく仕組みを整備していく必要があります。今後、多様な住まいの確立を図り、在宅で安心して暮らせる多様なサービスの提供とともに、区民、事業者の連携のもと、地域における見守り体制を整備し、地域福祉の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆十五番(桜井征夫 議員) 私は、今回の視察へ行って、本当に衝撃を受けました。同時に、世田谷区でもやれるな、やらなきゃいけないなと、改めて思いを強くして帰ってまいりました。誇りを持って世田谷区の福祉職の皆さんが頑張っていただきたい、このことを期待して、質問を終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で桜井征夫議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、二十二番五十畑孝司議員。    〔二十二番五十畑孝司議員登壇〕(拍手) ◆二十二番(五十畑孝司 議員) 質問通告に従い、順次質問をいたします。  今回は、禁煙対策を重点にお伺いいたします。  たばこに発がん性があることは今や常識でありまして、肺がんを初め、口腔がん、咽頭がん、膵臓がん、肝臓がん、各種がんの喫煙者による発症率は、たばこを吸わない人の一・五倍以上にもなると報告されております。もしたばこがなければ、日本で年間九万人ががんにかからずに済んだという計算になります。心筋梗塞や狭心症などの心臓病、慢性気管支炎や肺気腫などの肺疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患の誘発などを考えますと、年間十万人以上の日本人がたばこによって、みずからの生命を危険にさらしているわけでございます。また、自分のみならず、妊婦の喫煙には流産とか早産、低出生体重児の発生率の上昇も報告をされております。  これらのことを考えますと、たばこの恐ろしさは麻薬などによる薬害と何ら変わりがないものであります。たばこによる被害から命を守るためには、さらに徹底した禁煙を進めていかなければなりません。日本医師会では、たばこの消費を減少させ、青少年の喫煙を防止する最も効果的な手段である、たばこの増税を求めております。  小学生がお菓子を買う二百円から三百円程度でたばこが手に入る国は、主要先進国の中でもございません。私とすれば、せめて一箱千円以上、欧米並みに上げる必要があると考えております。千円以上であれば、大半の喫煙者は禁煙を実施するでありましょう。青少年が頻繁に購入することはできません。このことで、年間数万人の国民が、また、数百人の区民ががんにならないことを考えると、なぜ国はたばこの増税を怠っているのか、ためらっているのか、不思議でなりません。  さて、区の対策に目を向けますと、区民の生命を守る立場から、喫煙者には禁煙を、また、青少年には徹底してたばこの害を啓発しなければなりません。  そこで、まず伺いますが、喫煙者の大半は、たばこの害を認識し、健康への被害を心配して、禁煙を実施しています。しかしながら、結局は長続きせずに、また喫煙を続けているのが実態であります。保健所では、たばこの害を啓発し、禁煙を奨励していると思いますが、禁煙した区民が最後まで禁煙を続けるよう強力に指導していくことが必要ではないかと考えますが、今後の禁煙対策をどのように考え取り組まれているのか、お伺いをいたします。
     また、がん発生に伴う医療費の増を考えると、禁煙補助剤であるニコチンガムや張り薬の一定期間の支給なども有効と考えますが、これについてもお考えをお聞かせください。  次に、区の施設における禁煙についてお伺いをいたします。  ご存じのように、喫煙者のそばにいたり、喫煙者と部屋を共有している人がたばこの煙を吸わされる、いわゆる受動喫煙によっても、喫煙者と同様に健康への悪影響があることが指摘されております。国は二十一世紀における国民健康づくり運動、いわゆる「健康日本21」において、多くの人が利用する施設の管理者に受動喫煙を防止するための措置を講ずるように努力義務を課しております。  そこで、現在、区の施設で行われている分煙となるわけですが、不完全な分煙、例えば新幹線のように、車両により禁煙、喫煙を分けただけでは受動喫煙は解消されていないことがわかってまいりました。このため、長野県では、昨年の十二月より、県庁の屋内はもとより、敷地内においては屋外でも喫煙を禁止し、職員に限らず、来庁者も全くたばこを吸うことができない完全禁煙に踏み切っております。県庁職員の喫煙率が二〇%、五人に一人は喫煙者の中であっての決断であります。  そこでお伺いいたしますが、区の庁舎内では完全分煙が進んでいるようでありますが、スポーツ施設、文化施設、集合施設の状況はどのようになっているのか、また、今後も積極的に取り組んでいくお考えがあるのかないのか、お聞かせください。  次に、青少年の喫煙防止、禁煙教育についてお伺いしますが、国の研究では、中学三年生の男子のうち五・二%、高校三年生の男子では二五・九%が既に毎日喫煙をしているという調査結果があります。  喫煙率を下げていくためには、喫煙者に禁煙を求めるよりも、成人してもたばこを吸わない人をふやすことが効果的であり、そのため、小中学校での喫煙教育が大切で(「喫煙じゃない、禁煙」と呼ぶ者あり)禁煙、禁煙。失礼、喫煙と禁煙がいっぱい出てくるものだから――であるということは言うまでもありません。学校によって、敷地内を完全禁煙とする取り組みも行われているそうですが、禁煙対策の最後に、教育委員会では禁煙防止教育にどのように取り組んで(「喫煙、喫煙」と呼ぶ者あり)、喫煙だ。喫煙防止にどのように取り組んでいるのか。また、今後どのように強化していくのか、お伺いをいたします。  喫煙は個人の嗜好の問題であるとか、あるいは愛煙家との共存を図ろうなどと言われておりますが、がんの発生率が一・五倍を超えるということは、広島、長崎で一キロ以内で被爆された方のがん発生率と同じであります。私は、もはや嗜好の問題ではないと考えております。ぜひ禁煙対策に強力に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、食を通じた健康づくりについてお伺いをいたします。  さきの招集あいさつにおいて区長は、区民の健康づくりには食が重要な要素であるとの認識を示されました。私もこれまで、この壇上から何度も食の重要性を指摘し、取り組みの強化を訴えてまいりましたが、大変うれしく思っております。食に関する実施計画等がございますが、早くもスタートしたわけでありますが、生活習慣病は区民の中で確実に広がっております。ぜひ今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎上間 世田谷保健所長 禁煙対策についての三点のお尋ねでございます。  初めに、禁煙したい区民の指導にどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。  議員のご指摘のように、区民の健康増進、また、がん予防等の観点から、喫煙する人の人数を減らし、健康に与える悪影響を減らしていくことが必要です。一たん喫煙を開始すると、ニコチン依存の状態になり、禁煙することが困難になります。そして、喫煙者の七、八割が禁煙を希望しているとの調査報告がございます。このため、禁煙希望者に対する支援が重要であることは認識しております。  区では、これまでも企業健診などにおける個別の健康相談の中で禁煙支援に取り組んでまいりました。また、基本健康診査の受診者のうちで禁煙を希望する一日二十本以上喫煙する方を対象に、生活習慣改善指導として約三カ月にわたる健康ステップアップコースを実施しております。これは、喫煙状況、ニコチン依存度をチェックした後、禁煙行動目標をみずから設定していただき、三カ月間の禁煙支援を医療機関で実施するものでございます。  今後、さらに禁煙外来を実施している医療機関との連携を深めるとともに、この健康ステップアップコースの充実、また、コース修了者の継続的なフォローを行い、喫煙者の禁煙支援に取り組んでまいります。  次に、ニコチンガムや張り薬の支給による禁煙支援をしてはどうかとのお尋ねでございます。  ニコチン製剤は、いらいらして落ちつかない、集中できないなどの禁煙時の不快な離脱症状を緩和し、よりスムーズに禁煙に導く禁煙補助剤と位置づけられてございます。ニコチンガムは医師の処方せんなしに薬局で購入できる一般薬となっており、ニコチンの張り薬、いわゆるニコチンパッチは、医師の処方せん、指示により使用する医薬品となっております。一般薬のニコチンガムも、心臓病などの病気があり使用できない場合や、他の薬を服用しているときは、事前に主治医に相談することが必要となります。これらのことから、ニコチン製剤については、かかりつけ医の禁煙支援や薬局での服薬指導のもとでの使用が適当ではないかと考えております。  三点目は、区のスポーツ施設、文化施設等の受動喫煙防止対策の状況と今後の取り組みについてでございます。  平成十五年五月一日に施行されました健康増進法では、学校、体育館、病院、官公庁など多数の人が利用する施設の管理者に受動喫煙の防止対策を講ずるよう求めております。区はこの趣旨を踏まえまして、十五年八月に福祉施設の受動喫煙防止の対応方針を定めました。不特定多数の区民が利用する本所、総合支所、区民会館等については喫煙所を設置し、分煙の徹底を行い、その他、スポーツ施設、文化施設、集会室等については施設内を禁煙ということにいたしました。  現在、保健所では、世田谷区健康づくり推進会議のもとに健康づくりのためのたばこ検討部会を設置し、今後のたばこ対策について検討をしており、九月を目途に報告をまとめることとなっております。施設管理者に対しては、引き続き喫煙の健康への影響や受動喫煙についての啓発を進め、さらに民間の事業者が受動喫煙対策を含む健康づくりに取り組んでいけるように働きかけてまいりたいと存じます。  最後に、食について、健康・にぎわいフェスティバルについてのお話がございました。  議員のこれまでのお話にもありますように、食を通じた健康づくりにおける健康・にぎわいフェスティバルについて、議員もおっしゃるように、食は生活習慣病予防だけでなく、健康づくりの重要な要素でございまして、これまでも「健康せたがやプラン」に基づき、世代を通じた健康づくり、地域ぐるみの健康づくりを進めるために、食をテーマに健康づくり事業を進めてまいりました。五月十五日に健康・にぎわいフェスティバルを実施しまして、食の健康講演会、また、健康づくりの情報を見て、聞いて、体験するということで、正しい知識や最新情報に触れたり、種々な交流を通して、正しい知識、最新情報に触れていただいたというような健康・にぎわいフェスティバルを実施したところでございます。  以上でございます。 ◎髙山 教育改革担当部長 私からは、学校での喫煙防止教育についてお答えを申し上げます。  未成年者の喫煙は肺がんの発症率を高めるという研究もございまして、小学校からの喫煙防止について教育をする必要があると認識をしております。小学校におきましては、六年生の保健領域で、喫煙による影響の正しい知識や喫煙の勧誘に対する断り方などの指導をしております。  さらに中学校では、喫煙開始年齢と病気の関係などのデータをもとに、心身に与える影響や受動喫煙についても扱うことになっております。教育委員会では、教員が喫煙について専門的な知識を身につけ、学校における健康教育を推進していけるよう、本年度より健康教育推進研修を開催するなど、今後とも喫煙防止教育の推進に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆二十二番(五十畑孝司 議員) ただいま答弁いただきましたけれども、禁煙の問題と喫煙の問題、この問題については、もっと真剣に考えていただきたいと思います。  それで、この問題を質問するときに――終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で五十畑孝司議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○菅沼つとむ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十八番高橋昭彦議員。    〔十八番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆十八番(高橋昭彦 議員) 質問通告に基づき、順次質問をいたします。  まず、子育て支援について質問いたします。  先日の新聞報道にありましたが、厚生労働省が発表した昨年の人口動態統計によりますと、合計特殊出生率は一・二八九で、前年の一・二九一をわずかながら史上最低値を更新したと。日本の出生率は下げどまるのか、それともまだ低下し続けるのか、数字は分岐点にあることを示している。少子化が進めば、労働力の減少や消費の低迷など、経済活動に深刻な影響をもたらしかねない。年金を初めとする社会保障制度の持続可能性も揺らぐ。主要先進国ではイタリアの一・二四に次いで低い出生率を上向きに転じさせることができるか、官民挙げて真剣に取り組むべき課題だとありました。  まず初めに、最低値を更新した出生率に対する区の見解を伺います。  本格的な少子対策が求められています。ここでは、子育て支援、特に一人で悩むことのないよう、子育て世代を応援する子育てサロンについて取り上げます。  先日、乳幼児を持つお母さんからの話を伺いました。初めての育児、子どもに対していらいらしたり、大声を上げてしまい、その後になって自己嫌悪に陥るといったことが多々起こります。私が体調が悪いときは夕食をつくってくれる優しいだんな。しかし、ストレスがたまって診療内科に行こうかなと話すと無理解。ストレスから自殺願望や乳児虐待の可能性があることも理解してもらえず、悩むことが多かったと。そんなとき、育児交流のサロンへ。自由に親や夫、子どもの愚痴を話せるものでした。皆さんさまざまな状況で、私の話に同情してくれたり、私なんかもっと大変と言われたり、自分にとっては重大な悩みも、他人の悩みは大したことがないなと感じるのは本当だなと思いました。少し気分が楽になりましたと。  こうしたサロンやサークルは、お母さん同士がお互いの家庭の悩みを気兼ねなく相談できる場所であると同時に、子どもだけではなく、お母さんも勉強して成長する場所でもあり、貴重な存在であります。さて、世田谷区でも子育てサロンの活動を行っている団体が数多くあります。気軽に行けるサロンが近くにあることは安心感にもつながります。  そこで、現在行われている子育てサロンの実績と評価について伺います。  運営される団体の方の話を聞きますと、活動場所や開催の周知方法もさまざまですが、場所の確保や、子育て世代にお知らせをする周知の仕方で大変苦労されている方もいらっしゃいました。それは、毎月同じ時期に同じ場所で展開されてこそ存在意味があり、持続可能な環境が生まれます。こうした子育てサロンを運営される団体への活動場所の確保や周知についての区の支援策を伺います。  子育ての環境整備、安心して産み育てやすい世田谷、地域ぐるみで子どもを育てる仕組みの推進が必要です。乳児が発信する要望や感情、いわゆるベビーサインをキャッチし、子育てが楽しくなる支援を充実することが重要であると思います。子育てのベテランである地域の高齢者の方々や地域の人材、これまで子育て施策に精通し、全力を注いでこられた区の職員の力を結集し、子育て世代との交流支援に生かしていけないものかと考えます。これまでも区が進めてきた子育ての支援ですが、環境や施設の整備という横糸と、経験豊富な地域の高齢者や行政の人材の知恵という縦糸が織り合ってこそ、子育てという、強くさまざまな色合いを持つ見事な織物となると思います。子育て世代との連携について、今後の方針を伺います。  次に、高齢者の交通安全対策について質問いたします。  昨日、交通安全白書についての報道がありました。そこには、二〇〇四年の交通事故の発生件数は九十五万二千百九十一件、死傷者数は百十九万四百七十八人で、いずれも戦後最悪だったことがわかったと。一方、交通事故による死者数は過去最悪だった一九七〇年をピークに四年連続の減少であるが、死者のうち六十五歳以上の高齢者が占める割合は四一%と最も高く、二〇〇三年に続き四割を超えたと。交通事故は毎年増加傾向。特徴的なのは、高齢者の事故が毎年ふえていることにあります。都内全体に見ても、平成十二年に発生件数一万一千九百四十三件が平成十六年では一万四千三百四十四件と、実に二割増という状況にあります。世田谷区においても、平成十二年の七百二十七件に対し、平成十六年には八百六十四件と、やはり二割近い増加になっています。  現在、区では、高齢者の交通安全指導者講習会を年一回開催、秋の交通安全運動に合わせて警察と協力し、交通安全区民の集いを開催されています。また、交通安全運動でも高齢者の事故防止を毎年テーマにして、高齢者の事故防止に取り組んでいますが、なかなか増加に歯どめがかからない状況にあります。このことは、区全体で本腰を入れて高齢者の交通安全対策を考えなければ歯どめがかからないということを意味しているのではないかと思います。  高齢者の生活状況も一人一人さまざまです。在宅の方もいれば、在勤の方もいる。これまでの対応だけでは行き届かないのが現状です。そこで、福祉の分野やまちづくり活動でも、高齢者の交通安全対策に力を入れるべきと考えます。福祉領域では多くの高齢者との接点があります。既存の事業の中に交通安全の意識啓発を盛り込み、一人でも多くの高齢者の皆さんに注意を喚起していく仕組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。  一方、ことしから出張所改革が始まり、まちづくり出張所がスタートし、ますますまちづくり活動が充実していくと期待しております。このまちづくり活動の中で、高齢者の事故防止対策を組み込むことはできないものでしょうか。現在、まちづくりの主役は高齢者の方々であり、身近な町の点検や行動なども身近な方々で考える身近なまちづくり活動に、交通事故防止という視点を重要視する活動を充実することが、さらに必要と考えますが、いかがでしょうか。  最後に、道路の環境についてであります。  今、新設の道路も次々に整備され、町並みも変化するところがあります。先日、経堂五丁目から北側へ向かう恵泉裏通りと新設になった高架下側道との交差点で死亡事故がありました。高齢者の事故だったわけですが、新設の道路が開通するとともに、周辺の安全対策は欠かせないものであります。全体の交通事故件数は、世田谷区では毎年五千五百件を超えており、高齢者の事故件数を引き下げるのとあわせて、総件数も引き下げていかなければなりません。東京都の資料で見ますと、区の交通安全対策事業費は十四億円余りで、二十三区でも多い方でありますが、依然として事故は高どまり状態にあります。  区は昨年度、交通事故対策調査を行っていますが、この調査も踏まえ、交通事故防止に向けての交通安全施設整備を今後どのように進めていくのか、特に対策の必要な危険箇所に関してのスピードアップを求めるものですが、見解を伺います。  以上で壇上よりの質問とさせていただきます。(拍手) ◎田中 子ども部長 では、私から二問ご答弁申し上げます。  まず、出生率の低下に対する見解でございます。  お話にありましたように、国は、合計特殊出生率が過去最低を記録し、出生数も過去最低になったと発表いたしました。出生率の低下がこのまま続くと、現役世代の負担に頼る公的年金などの社会保障制度を大幅に見直さざるを得ないとされております。一方、世田谷区の出生率は、平成十五年十月時点で二十三区中十七番目の〇・七八という数値を記録しております。区の基本計画における人口予測によりますと微増するという乳幼児人口も、しばらく続く子育て世代の区内への転入によるものであると思われ、全体としての少子化の進行は避けられない見通しでございます。  世代構成をいびつにしてしまう少子化は、国のみならず地域社会の活力を失わせ、将来における世田谷のまちづくりに障害となり得る重大な問題と認識しております。安心して子どもを産み、子育てに夢や喜びを感じることができる、子育てに優しい世田谷を目指して世田谷区子ども計画をスタートした今、少子化についても全庁挙げて早急に取り組むべき課題であるととらえ、関係所管と十分な調整、施策の展開を進めてまいります。  次に、高齢者等子育て世代の連携ということについてご質問をいただいております。  子育てにつきまして、以前は同居の祖父母の方や多くの兄弟姉妹などから、身近なところで日々学ぶ機会に恵まれていたと思われます。しかし、子育ての孤立化など、育児書に書いていないコツや工夫を身近な人から直接伝えられないことなどが、子育て力を低下させている一因とも言われております。区といたしましても、豊かな子育て経験や知識、技術や能力を持つ高齢者の方々に、ぜひ身近な地域で支え合い、見守る子育て支援者として活躍していただきたいと思っております。また、こうした活動は、高齢者の方々にとっても生きがいにつながる面もあるのではないかと思われます。  今後は、地域にいらっしゃる経験豊富な高齢者の方々、専門家、子育て世代の保護者及び区の子どもにかかわる職員などの力が効果的に活用されるためのネットワークを形成してまいります。さらに、地域全体で子育てを担っていくために、仮称基幹型子ども家庭支援センター、地域の高齢者施設及び児童館などの児童施設を活用しながら、一緒に活動できる場を多くの地域でつくり出してまいることといたします。  以上です。 ◎秋山 保健福祉部長 子育てサロンの実績と評価ということでご質問をいただいております。  子育てサロンは、身近な地域で子育て世代を見守り、ともに育て、地域の子育て力を高めることを目的に、社会福祉協議会が自主事業として推進しております。サロンの数は着実に増加をしており、平成十四年度、三十九団体だったものが、平成十七年六月現在では六十四団体になり、活動をしております。  地域の中で子育てを担う親がお互いに顔見知りになり、悩みを打ち明けられるような関係づくりは大切なことであると考えます。特に初めてのお子さんを持つ親御さんにとっては、子育てのさまざまな不安感を解消するのにサロンが役立っていると評価をしております。現在も子育てサロンの拡充に向け、児童館や保育園と連携し、子育てサロンの周知や、立ち上げに向けた講座や交流会などを実施しているところです。  今後も高齢者サロンと子育てサロンを同時開催することで異世代間の交流を図るなど、地域での子育てを支援していきたいと考えております。  二点目が、子育てサロンの活動場所の確保や周知についてでございます。  地域の支え合い活動の場として区内に十五カ所の拠点がありますが、このほか、都営住宅集会所や地区会館などでも子育てサロンの活動を行っております。また、学校の余裕教室や学童クラブ跡ほか、町会、自治会等民間施設にも働きかけを行い、活動の場を確保しております。継続して活動を行うためには場の確保が重要ですので、今後も民間施設や公共施設の利用を積極的に進めるなどして支援してまいります。  また、周知方法として、各地域社会福祉協議会では子育てサロンマップなどのチラシを作成し、児童館や小児医療機関等へ配布するとともに、高齢者のサロンやミニデイ会場で子育てサロンスタッフ募集の呼びかけも行い、地域での子育てを推進しております。今後も地域で行っている子ども関連のイベントで参加を呼びかけるなど、一層の周知を図ってまいります。  三点目の高齢者の交通安全対策についてでございます。  高齢者に対する交通安全の意識啓発についてでございます。高齢者の交通事故は年々増加をしており、高齢者一人一人に交通安全の普及浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣づけるなど、交通事故防止の徹底を図ることが必要であると考えております。  お話にありましたように、毎年三月には高齢者クラブ連合会との協力事業として高齢者交通安全指導者講習会を実施しており、この講習会を受けた方々は、それぞれの高齢者クラブの指導者として交通安全の普及啓発に努めております。  また、各地域の高齢者クラブ協議会では、地元警察署と協力し、高齢者の交通安全講習会を年一、二回開催しており、交通安全に努めております。春や秋の交通安全週間にはポスターやチラシなどを敬老会館や高齢者集会所などの高齢者向け施設に配布するとともに、社会福祉協議会などと連携し、ふれあい・いきいきサロンなど多くの高齢者が集まる機会を利用し、地元警察の協力を得ながら交通安全の普及啓発に、今後も一層努めてまいります。  以上でございます。 ◎真野 北沢総合支所長 私からは、まちづくり出張所での高齢者交通安全対策についてのご質問にお答えします。  議員ご指摘のとおり、交通事故の死者数が減少傾向にある中、六十五歳以上の高齢者の占める割合につきましては四〇%を超えるなど、高齢者を取り巻く交通情勢はますます厳しさを増しております。高齢者の交通安全対策の充実が重要となってきております。  高齢者の交通事故減少のためには、道路交通環境の整備などとともに、高齢者への交通安全意識の普及が不可欠だと思っております。中でも、事故の多発する場所など身近な地域をよく知っていただくことは、事故防止への第一歩であると考えております。出張所での身近なまちづくり活動では安全対策の部会が多く設置されておりまして、防災、防犯、交通安全対策など、地区ごとに特色ある活動が行われております。  北沢出張所管内では、カーブミラーの点検を毎年実施しておりまして、危険箇所の認識に貢献しております。また、松原地区では町会、自治会を中心といたします支え合い活動の中で、交通安全の講話を定期的に行うなど、高齢者の方に多く聞いていただく機会を設けてございます。  区民の皆様の安全を守るためには、防犯、防災と並んで交通安全対策の取り組みも非常に重要であると認識しております。今後も身近なまちづくり活動や支え合い活動、各種イベントなど、高齢者の方々が集まるさまざまな機会を利用いたしまして、交通安全の意識啓発、普及に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎板垣 道路整備部長 私からは、交通安全施設の整備についてお答え申し上げます。  区内の交通事故につきましては、お話にありましたように、ここ数年、五千五百件を超える状況が続いておりまして、大変厳しい状況にあると認識しております。このため、区では区内の四警察署と交通安全対策連絡会を設置しまして、その中で交通事故対策についても共通の課題として議論を重ねているところでございます。  また、交通事故の減少に向けまして、昨年度、交通事故対策調査を実施いたしました。この調査結果によりますと、交差点内で施行しておりますキララ舗装や道路区画線などの交通安全施設の整備が事故の減少につながっていると確認されております。したがいまして、この調査結果を踏まえまして、どこにどのような交通安全施設が整備されれば最も有効なのかを、交通管理者である警察とも連携しながら、交通安全施設整備を一層進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆十八番(高橋昭彦 議員) ご答弁いただきました。  子育てサロンについてですけれども、六十団体を超えておりまして、ちょっと調べてみましたが、場所が確保しやすいという団体もあれば、先ほどもお話ししたとおり、ちょっとなかなか確保ができないんだというお話もありまして、同じサロンでありながら、非常に差があってはいけないというふうに思ったんですね。  それでちょっと調べましたら、地区会館なんかは優先利用をさせていただいているという、その登録団体に入っているわけですけれども、ことしになって優先利用ができなかったという話がありました。何でできないのかなと、よく聞いておりましたら、実は内規がありますよと。利用率が高くなってきたので、その内規で、それがとれなくなりましたという話が出てきたわけですね。そうしましたら、今年度になって、四月と六月と七月と、その団体の方は、実はそこがとれなかったという状況がありました。それもおかしいなと思いまして、よくよくいろいろ調べてみましたら、実は内規というものはありませんというような話になってまいりました。  一体どういうことになっているのかと、本当にその団体の方も腹立たしいというふうに言っておりましたけれども、もう少しきちっと、そういった区民利用施設というか、そういった公共施設の利用の実態をしっかり見ていただきながら、しっかりと運用をお願いしたいと思いますし、こういった団体をきちっと支援していくということは非常に大事だというふうに思うんですけれども、この内規の存在と、それが実際はなかったけれども、それが運用されていたということについての話をちょっと、生活文化部長、答弁をお願いしたいと思います。 ◎青木 生活文化部長 けやきネットに関しましては、この間、さまざま議会でもご議論いただいております。そういうことを受けまして、地域の活動団体の皆様の公共性あるいは公益性、そういったところに着目をいたしまして、今回、一定の範囲ではございますけれども、施設を優先利用できる道筋を開きました。ただいまこの趣旨が徹底していなかったというご指摘をいただきました。大変申しわけなく、おわび申し上げたいと思います。改めて支所とも連絡を十分とり合いながら、この趣旨が生きて区民の皆様にこたえられるよう、これからしっかり頑張ってまいります。  以上でございます。 ◆十八番(高橋昭彦 議員) ぜひとも、そういったボランティアの方々が一生懸命になって、区民のためにというふうにやってくださっている団体でもありますので、しっかりとよく精査して見ていただいて、優先すべきはきちっと優先し、公平にすべきは公平にする、もう一回きちっと整理をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、二十一番原田正幸議員。    〔二十一番原田正幸議員登壇〕(拍手)
    ◆二十一番(原田正幸 議員) 去る四月十六日に衆議院の憲法調査会が最終報告書を発表なされたということが新聞報道をされております。その最終報告の構成でありますが、憲法調査会の設置の経緯に始まりまして、設置の趣旨とその組織、さらに調査の経過及びその内容などとなっており、調査会における議論がいろいろと報告をされております。  憲法調査会における議論につきましては、日本国憲法の制定経緯に関しては、主権在民、基本的人権の尊重、平和主義等の諸原則を定めた点を高く評価する意見が述べられたとあります。これに対して、日本の伝統、文化等を軽視あるいは否定した側面があるのではないかなどとする意見も述べられたとあります。  また、憲法と現実との乖離、離れている点に関しましては、自衛隊に関する事柄、あるいは選挙における一票の価値の格差の問題と、十四条に定めた法のもとの平等との関係などが憲法と現実との乖離として取り上げられたと報告をされております。  また、地方自治につきましては、第八という項目におきまして、地方自治の章に関する総括的な議論については、地方自治の章の不備を指摘し、現行規定を充実させるべきであるとする意見が多く述べられた。地方自治に関して憲法に規定する事項としては、一、国と地方公共団体の基本的な権限のあり方、二、中央政府と地方政府が対等の立場に立つこと、三、公的部分が担うべき責務は、原則として市民に一番近い自治体が負うべきこと、四、地方公共団体の課税自主権などが述べられたとあります。  残念なことに、地方分権の必要性及びその課題については、新聞では省略されておりまして、わかりません。  地方公共団体のあり方については、道州制が取り上げられただけでありまして、私どもの特別区問題は取り上げられておりませんでした。  そこで事務当局にお尋ねをいたしましたところ、この報告書の本文はA4判が六七〇ページにも及ぶ膨大な資料であるとのことであります。  そこでお尋ねをいたしますのは、衆議院並びに参議院の両国会から出されました報告書の概要をどのように区当局はとらえておられるか。  さらに、二番といたしましては、地方自治の項に関するご所感をお尋ねいたしたいと存じます。  実はこの憲法調査会が発足いたしました平成十二年でありますが、私は、代議士にお願いをいたしまして意見具申をさせていただきました。それは、地方自治法に定めております第一条の三「地方公共団体の種類」といたしまして、一「地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。」、二「普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。」、三「特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合、財産区及び地方開発事業団とする。」という地方自治法第一条の三は、憲法第十四条「法の下の平等」、第一項「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」、これに違反するのではないかということを申し上げたのでありますが、残念ながら、今回の報告書には特別区問題は一言も取り上げられておりません。  元来、特別区の自治権の拡充問題につきましては、平成十二年に、長年の私ども関連ある方々の自治権確立運動が実りまして、基礎的自治体になったという自治法の改正を得たわけでありますが、こういったような地道な自治権の拡充運動が王道である、本来であるということは重々承知をいたしております。  また、現在特別区がかかわっている大きな問題といたしまして、財政自主権の確立という問題がありますが、これも区長初めご努力はいただいておりますが、二十三区の協調あるいは国、都の合意という問題が大きなハードルとなってそびえているわけであります。  そこで、私は、ショック療法といたしまして、こういった特別区の存在自体は憲法違反であるということを訴訟する、訴えるということはいかがかと考えております。これらに関しまして、ご当局のご所感をお伺いいたしたいと存じます。  次いで次の問題でありますが、六月二日、産経新聞の二面を見ましてびっくり仰天いたしましたのは、世田谷がワースト1、E区、ある区は改善されたと出ているわけであります。これは警視庁の犯罪情報マップのレポートでありまして、都内のことしの一月から四月に至る刑法犯の認知件数の市区町村別件数が一番から五十三番まで枠組みになって書かれております。そのトップは世田谷区、四千四百六十二件であり、二位がA区の三千九百九十六件、三位がE区の三千八百六十四件、ずっと下りまして、一番少ない五十三位が檜原村の一件と出ているわけであります。  区長が安心安全を第一とするということでご努力をなされ、行政も区民もいろいろな場所、場所において犯罪を少なくする努力を重ねている中で、これは一体どうしたことでありましょう。  実は、警視庁の犯罪発生マップの平成十四年版、これは世田谷区は結構赤があるわけですね。それに対しまして、これは十六年、これも警視庁の資料でありますが、赤が薄くなって、緑が多くなってきた、件数が減ってきたという、こうしたことがありながら、二十三区で前年と比べてマイナスにならなかったのは我が区だけであるとこの新聞には書かれているんですが、どうしてこういう数字が出たか。  また、こういった一覧でもって書かれるということは大変迷惑であると思うわけであります。なぜならば、世田谷区が一番人口が多いのでありますから、総件数で比べられてはこれは合理的でない。せめて人口比あるいは面積比でもってこういう数字は発表すべきであると警視庁にご進言をいただきたい、かよう念願をいたしまして、壇上からの質問、要望を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ◎西澤 政策経営部長 衆参両院憲法調査会報告書につきまして、三点にわたりご答弁を申し上げます。  まず、両報告書の概要ということでございますが、今議員の方からるるご説明があったとおりでございますけれども、憲法調査会は、日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うものとして、両院にそれぞれ憲法調査会を設置したものでございますが、平成十二年一月に招集されました第百四十七回国会以降五年にわたりまして調査活動が重ねられ、衆議院憲法調査会につきましては本年四月十五日に、また、参議院の憲法調査会につきましては本年四月二十日に、それぞれ議長に報告書を提出しております。  両院の報告書の内容でございますが、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大基本原則の維持を初めといたしまして、象徴天皇制の維持ですとか、第九条の改正をすることの必要性ですとか、知る権利などの新しい人権を憲法に明記することなど、憲法の各章にわたりさまざまな論議があったと報告をされております。  まとめられました報告書でございますが、両院とも現行憲法の条項を詳しく詳細に調査をしているものでございまして、今後、両院の報告書が憲法に関する国民的な論議に資するものになっていくと考えております。  次に、本報告におけます地方自治の項に関する所見ということでございます。  現行憲法では、地方自治について第八章として独立の章を設けまして、これに四カ条の規定を置いております。これらは戦後の地方自治の発展に大きな役割を果たしてきたものでございます。  この地方自治について、調査会においては、住民投票制の導入などの住民自治の強化、財源と権限の移譲など基礎的自治体の強化、地方分権の推進、道州制の導入、市町村合併の推進、地方財政に関する規定の必要性など、地方自治の今日的な課題を含めましてさまざまな角度から調査し、報告されております。  現行憲法が制定されました時期と今日とでは、国と地方との関係、住民自治についての地権者の意識など、さまざまな分野で変化が見られるところです。また、私ども特別区におきましても、区長公選制の復活ですとか、基礎的自治体としての事務事業の拡充など、特別区制度にはさまざまな変遷がございます。  両院の憲法調査会による地方自治に関する報告が今後の地方自治に関する憲法論議に資され、また、その中で、現在の特別区制度のあり方についても論議が深まることを期待しているところでございます。  最後に、特別地方公共団体違憲論への対処ということでございますが、特別区が特別地方公共団体に位置づけられて、一般の市と異なる制度が適用されていることに関しまして、特別区が現憲法に規定する地方公共団体に当たるかどうか、そういった問題がございます。この点につきましては、昭和三十八年の最高裁判所大法定の判決では、特別区は憲法上の地方公共団体に当たらないとされております。  この間、特別区制度につきましては、区長公選制が復活したこと、また、平成十年の地方自治法の改正で特別区は基礎的な地方公共団体と規定されたこと、また、清掃事業など事務事業移管を経まして、住民の日常生活に密接な関連を持つ公共的事務を一般の市と同様に担うことになり、特別区の自治権は大幅に拡大されてきております。しかしながら、特別区は憲法上の地方公共団体に位置づけられないという、そういった課題は残されたままでございまして、今後の憲法調査会の地方自治の報告を踏まえた上での議論に注目してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎室星 危機管理室長 それでは、私の方から、犯罪情報の件数は、件数順ではなく、人口比でただすようにというご質問にお答えをいたします。  警視庁がホームページ上で公開をしております区市町村別刑法犯認知状況は、警視庁管内の各自治体ごとに全刑法犯、ひったくり、侵入、窃盗等の犯罪ごとの項目、本年の累計、また昨年同期比、順位等が掲載をされております。なお、この順位というのは、認知件数の順に示しているというふうに伺っております。  警視庁は、公開に際しまして、それぞれの区市町村では居住人口や交通網の発展度、行政区域の広狭、繁華街の大小などによって諸条件が異なり、一律に比較をすることはできないとの見解を示されております。ちなみに全刑法犯認知件数を人口で割り返して計算をいたしますと、二十三区中十六番目となりまして、順位は低くなっております。  区といたしましては、本年一月から四月までの犯罪発生状況を真摯に受けとめまして、今後とも重点パトロールを初めとした二十四時間パトロール、防犯活動団体への支援や地域防犯リーダーの養成、区のホームページなどを活用した区民への情報提供、啓発活動等に積極的に取り組みまして、安全安心まちづくりの推進に向け、犯罪の防止に全力を尽くしてまいります。  以上でございます。 ◆二十一番(原田正幸 議員) ご答弁ありがとうございました。  終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で原田正幸議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、三十三番平山八郎議員。    〔三十三番平山八郎議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(平山八郎 議員) 質問順序を逆にして恐縮ですが、教育と日本語特区を先にやらせていただきます。昨日、自由民主党代表質問でこの問題を取り上げられましたが、補充的な意味で重ねて私からもあれこれお尋ね申し上げるわけでございます。  ところで、日本語特区を昨年受けられました。代表質問の中での答弁もありましたけれども、五月には二十名の検討委員会を設置したという報告でございますが、受けて、その後、ただそれだけだったのか、それ以外の――それ以外というのは、進捗状況の中でいろいろお仕事をされて、こんなこともやりました、特区を受けてあんなこともやりましたということがあれば、お答えいただければというふうに思うわけでございます。  美しい日本語という表題が僕はすばらしいと思うんですよ。今、自民党もそうなんですが、警備その他は機械でやれと言っていたのが、逆に今は警備員を置くようにしなさいと言う。少なくとも教育の場、学校で生命にかかわるような問題が惹起している。この世相の状況はまさに異常でありまして、学校で命が脅かされる、安全がないなんていうことは、いまだに本当に考えられないような思いであります。そうした中で美しい日本語、まさに日本の文化――あるいは世田谷の文化と言ってもいいかと思いますが――を強調していくということはすばらしいことだというふうに思っております。  この間、渋谷の地下鉄に乗りましたら、広告が出ていた。その広告が、正確に申し上げますと「弁慶で、なぎ倒すか。」「義経で、乱れ斬るか。」というんですよ。何の広告か、全く私はわかりません。こんな大きな広告にこの言葉が出ていた。議員の皆さん、伺ってわかりますか。「弁慶で、なぎ倒すか。」、これはなぎなたを持つから、これは意味がわかります。そういう意味で広告を出したかどうかわかりません。それから「義経で、乱れ斬るか。」、文法とかなんとかじゃないんですね。一体どういうことなんだろう。  言葉とか文字は時の流れと言うけれども、しかし、そればかり言ってはおられませんね。例えば、よく政治家などが「何々がア」と言うでしょう。あれは鼻濁音で「何々が」と言えばいいのに、「何々がア」と言うんだな。聞きづらいですね。  また、最近しょっちゅうアナウンサーまで使いますけれども、これはおかしいと思うんですね。例えば、何々でないですか。質問するのか、伺っているのか、物を言うのに何々でないですか、こういう話し方。アナウンサーまでが使うというんですから、日本語の乱れは甚だしい。よくぞ美しい日本語をという表題を特区にいただいたというふうに僕はほとほと感心している。  せっかく五百七十万の予算も組んでいるんですから、こうしたことで、今は六月ですから、もらったのが十一月ですから、七、八カ月過ぎているので、ただ二十名の委員会をつくりましたというだけではないだろうと思うので、ぜひ中身があったら、あるいは実践したことがあれば、お伺いさせていただきたいと思います。  日本語の問題はそのくらいにしまして、次に砧総合支所の建てかえ、これも自由民主党代表質問で出ておりますので、補充の意味でお伺いいたしますが、たまたま私はこの庁舎の建設副委員長を務めましたし、砧総合支所の建設の副委員長を務めた立場から思うと、砧総合支所の方は非常に中途半端でございました。地下は駐車場をつくったんですが、当時、社会党が真っ向から反対されて、駐車場なんか要るかといって反対された。何でといったら、排気ガスがよくないからやめろと。それで、排気ガス浄化装置をドイツからわざわざ取り寄せたんです。当時、高い金を払って。一年もたたないうちに壊れちゃったかなんか使えなくなって、日本の浄化装置をつけかえたということもありました。今あそこは駐車場があるから非常に便利にしていますよ。なかったらどうにもならないと思うんですね。  そういうことも含めて、砧総合支所の庁舎そのものが、災害とか防災とかという面では司令塔、本部にならなくてはいけない場所ですよ。一たん事があるときには、あそこが拠点になるということでありますので、もういいかげん時間がたっていますし、建てかえてもしかるべきではないか。診断に基づくと、建てかえないとだめだという診断報告もあるということでありますから、そういう意味では、もっと機能的に、OA機器でも、ITでもきちっと対応できるような設備にしていただければなと思うんです。  幸い、あそこは道路を挟んで南側に、かつてパン工場だったのを買収して、今は駐輪場になっていますが、建てかえのとき、あそこを仮庁舎にしてもいいんじゃないかというふうに思っています。伺うと、あの場所はまちづくりの用地対応で、必要とする人に分けてあげようじゃないかということも含めての用地手当てだったと伺っております。  また、ここで南側と西側に道路拡幅の用地として対応するんだということであります。きのうもお話が出ましたが、西側は特に、二メートルセットバックして成城学園の方が対応してくれるということですから、早急に少なくとも西側だけでもセットバックしたらどうかなというふうに思います。  バスが通る通らない、そういう話ではございません。バスも早く通してもらいたい。二軒とも、つりがね池の方ではバスを通してくれ、三十坪寄附するよというわけですよ。そんな思いをしていることでありますから、ともあれ、バスは抜きにして、二メートルセットバックを早急に、役所が身をもってお手本を示してもらいたいというふうに思うわけでございます。  できれば、最新機器を導入するということになると、予算も相当オーバーするのかなというふうに思いますが、これからの建物、少なくとも鉄筋コンクリートですから、百年もつ対応の仕方を考えていってもらわないと困るな。それには、この間も私はちょっと本庁の問題で申し上げましたけれども、風力とか太陽光、そういうものの設備をきちっと持ってもらいたいということをここにもお願いしておく次第でございます。  あれこれ申し上げましたが、しかるべきお返事がいただければと思うわけであります。  終わります。(拍手)    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 日本語特区につきましてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  世田谷日本語教育特区につきましては、新設する教科日本語の教育内容の検討や教材の作成を行うための検討委員会を設置し、推進体制を整えたところでございます。  第一回の検討委員会を今月下旬に開き、年内に七回の検討委員会の開催を予定しております。また、教科日本語は、中学校におきまして哲学、表現、日本文化と三つの領域に分かれますが、小学校及びこの中学校三つの領域それぞれに検討委員会の下部組織といたしまして作業部会を設置し、具体的な検討に入ってまいります。  今年度は主に中学校の哲学領域と小学校の教育内容、そして教材を主に検討し、パイロット校で検証する予定でございます。  また、来年度、平成十八年度は、中学校の、表現、日本文化領域を検討いたしますが、特に日本文化の教材づくりや実際の授業にはせたがや文化財団にもご協力をいただく予定でおります。  世田谷の子どもたちが深く考える力と自分を表現する力、そして、日本文化を理解し大切にする態度を身につけることができるよう、日本で初めての教科日本語のカリキュラムと教材を作成してまいります。  以上でございます。 ◎稲垣 砧総合支所長 私の方からは、砧総合支所の整備、それと、それに伴いまして、支所の南側にある用地についてのお尋ねでございましたので、お答え申し上げます。  まず、ただいま議員の方から建設副委員長としてのご体験を踏まえまして、貴重なご示唆に富むお話とともに、庁舎整備に当たりましてはしっかりしたものを検討せよとのお話を承っているというふうに考えております。  支所の周辺でございますが、交通環境の整備というのは非常に大きな問題でございまして、今、議員からお話がありましたとおり、支所の南側等の用地は現在自転車駐輪場として暫定利用しておりますが、これにつきましては、近くその西側部分を、それからその北側部分、支所から見ますと南側部分ですが、そこについては道路として拡幅整備していきたい、このように考えています。  ただ、支所そのものの西側部分も、あるいは南側部分も大きな問題を抱えておりますので、こういう交通環境に当たりましては、一つは庁舎整備に伴いましてそういう道路環境の整備を大きな問題として抱えております。  それからまた、今お話がございましたとおり、先般ご報告申し上げましたが、世田谷区庁舎整備調査研究報告書でも述べておりますし、また、これまでもご答弁を申し上げてきましたが、耐震補強によります防災対応機能の強化、これは大きな課題でございますので、これも解決していかなければならないものというふうにしております。  また、同報告書の中でも、種々整理、指摘されているところでございますが、省エネ等環境負荷への対応、あるいはバリアフリー、セキュリティーなどの備えも当然考えていかなければならないと思っております。さらには、IT化時代の中で経済性、効率性、こうした問題への対応も必要ではないかと思っております。  昨日もご答弁申し上げましたが、国のまちづくり交付金を活用しながら、現在、改修を含め整備手法や整備内容につきまして、お話にもございました支所南側の用地など、駅周辺の区有地も視野に入れまして多角的に検討を進めているところでございます。整備の方向が固まり次第、議会ともご相談してまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◆三十三番(平山八郎 議員) ただいま歯の治療中で聞きづらかったかと思いますが、おわび申し上げながら、質問を終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で平山八郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、十七番佐藤弘人議員。    〔十七番佐藤弘人議員登壇〕(拍手) ◆十七番(佐藤弘人 議員) それでは、初めに、チャイルドファースト、子ども優先社会についての質問並びに一歩踏み込んだ次世代支援への提案をさせていただきます。  先ほど来お話がありますように、今月一日の厚生労働省の発表によれば、二〇〇四年の合計特殊出生率は、過去最低だった前年にほぼ並ぶ一・二八九、出生者数は百十一万一千人で、四年連続で最低記録を更新する結果になりました。  少子化の問題点は、それが徐々に人口構成の変化をもたらし、その結果として逆ピラミッド型社会が形成されて、医療、年金、介護などを含む社会保障の分野において、若年層に過大な負担がかかることが予想される点にあります。このままでは、そうした高負担を避けて、有望な若者が海外へ流出してしまう、人材の空洞化が起きる可能性も指摘されています。しかし、近年においては差し迫った高齢者対策に追われて、少子化対策にまではなかなか手が回らなかったのが、国、地方自治体の実情ではないでしょうか。  公明党では、坂口前厚生労働大臣を本部長として少子対策トータルプランを策定中ですが、先進国でも群を抜く超少子化にブレーキをかけるには、思い切った改革と大幅な予算の拡充が必要だと考えます。しかし、その前に、なぜこれほどまで出生率が下がり続けているのでしょうか。  第一の原因として、女性の社会進出に伴う晩婚化と未婚化がよく話題になりますが、未婚女性の九割は結婚願望があり、そのうちの九割が子どもを産みたいと望んでいるという調査結果もあります。  では、なぜそれが実現しないのでしょうか。その理由の一つに、育児休業制度が有効に機能していないという現実があります。育児休業取得率は、就労女性では二割、非正社員は、ことし四月の改正育児・介護休業法施行まで、資格さえなかったのが実情です。さらに男性の取得率に至っては、何と一%未満です。ちなみに福祉先進国スウェーデンでは、出産、育児のための休業制度を一〇〇%の企業が導入しており、雇用形態にかかわらず、すべての雇用者が対象者になっています。取得率も女性で九〇%、男性でも八〇%が活用しているそうです。  理由の二つ目は、日本が中絶大国だということです。明らかにされているだけでも年間約三十三万人、顕在化していない分を含めると、五十万人近い生命が絶たれていると推測されています。出生者数が約百十一万人ですから、これと比較すると、驚くべき数字です。  この中絶防止策の一つとして、婚外子差別の廃絶を検討すべきだとの意見があります。先進国では婚外子差別は既に廃止されていますが、日本では出生登録や相続などでの差別が依然としてあり、一昨年、国連子ども権利委員会からも勧告を受けています。  さらに、ひとり親家庭への支援も重要な課題です。特に母子家庭平均年収は一般世帯や高齢者世帯に比べて低い水準にあります。確かに低所得者を補助する制度はありますが、その一方で、中所得者以上の母親に対しては具体的な支援策がなく、働きたいけれども、セーブしなければ補助が受けられないといった矛盾や、親の職業や所得などで支援策に差があるという問題点も指摘されています。  そこで、世田谷区子ども計画の区長のメーンメッセージ、「子どもは地域の宝です」を実現するためにも、具体的な提案を含めて、三点質問させていただきます。  一点目は、子育て家庭に対して、生活支援や就業支援、育児支援など、多角的できめ細かな施策が必要だと思いますが、安定した支援体制を今後どのように実施していくのか、区の見解をお伺いします。  二点目は、公明党の強い推進で、平成十五年八月より母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法が五年間の時限立法で施行されました。これには、一、母子家庭の母の就業支援に特別な配慮がなされなければならない。一、母子福祉団体や、母子家庭の母の福祉増進を目的とした社会福祉法人、NPO法人などへ、母子家庭の母の就業のために受注機会の増大への配慮をするとありますが、この間の区としての取り組みと、今後の支援策を具体的にご説明ください。  三点目は、子育て支援を積極的に推進するためには、民間企業への新しい育児支援型ビジネスの提案、誘導も必要だと考えます。ファッションや塾、習い事といった、一部の子ども向け事業は盛んですが、育児支援型ビジネスの需要も十分にあると思います。  第一の提案は、通勤時の育児専用車両の創設です。勤務先近くの保育施設を利用する共働きのご夫婦が、ラッシュ時でも安心して子ども連れで乗れる。さらに妊産婦の方も利用できるようにすれば、PR効果も期待できると思います。  二つ目は、保育タクシーの運行です。子育てサポーター等の資格を持つ運転手に保育施設への送迎を任せて、費用の一部を補助するシステムですが、介護タクシーの需要を考えると、可能性は十分あると思います。  三つ目は、高齢者専用、ペット優先住宅のような、子育て家庭専用の集合住宅の建設です。子育てに必要なソフトとハード面を充実させるなど、さまざまなアイデアが盛り込めると思います。以上は具体策の一部ですが、それぞれに対する区の見解をお聞かせください。  次に、子どもの心の専門医養成について、質問並びに提案をさせていただきます。  近年、子どもの心の病が深刻な社会問題になっています。多くの子どもとその家族が専門的な診療とケアを待ち望んでいるにもかかわらず、日本児童青年精神科医が認定した子どもの心の専門医は全国で百六人しかおらず、受診できる場所も余り知られていないのが実情です。  そうした中、公明党の推進によって、昨年十二月に発達障害者支援法が成立し、ことし四月から施行されました。同法には、国及び地方公共団体の責務として、一、発達障害の早期発見や支援などについて必要な措置を講じること。一、医療、保健、福祉、教育などに従事する職員について、専門的知識を有する人材の確保に努めなければならないなどが義務づけられています。  さらに、厚生労働省は三月、子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会をスタートさせました。これを機に、専門医の養成など、SOSを発する子どもと家族をしっかりとサポートする体制が整備されつつあります。  例えば二十一世紀の母子保健ビジョン、健やか親子21では、二〇一〇年までに、常勤の児童精神科医がいる児童相談所の割合を現状の七・一%から一〇〇%にする目標を掲げています。  また、昨年十二月に決定された子ども・子育て応援プランでは、今後五年間で、子どもの心の健康に関する研修を受けている小児科医、精神科医の割合を一〇〇%にすることを目指しています。心を病む子どもの治療は、本人のみならず、家族や周辺で悩む人々への援助、指導、さらには幼稚園や保育園、学校と地域の保健師などの専門員との連携が不可欠です。こうしたトータルな支援を長期間にわたって持続し、子どもを見守っていく環境を整備、強化していくことが重要です。  そこで三点質問いたします。
     一点目は、国の平成十七年度予算には発達障害に対する支援のための予算が前年度の二・八倍計上されていますが、これには乳幼児期から成人までの一環した支援を行うための発達障害者支援体制整備事業や自閉症・発達障害者支援センター運営事業が盛り込まれています。さらに、よりきめ細かな支援を実施するためには、地元自治体の役割が極めて重要であると考えますが、区の見解をお聞かせください。  二点目は、昨年十二月に改正された児童福祉法では、児童福祉司の任用資格要件が緩和され、講習会受講などの条件つきで、保健師、助産師、教員、保育士、看護師、児童指導員にも拡大されました。この制度を区の職員の方々にも活用できるよう配慮をし、子どもの心の専門員を養成すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  三点目は、子どもの心の診療は、まずは地域の小児科医や学校医らが虐待の存在や発達障害などの心の問題に気づくことから始まります。専門医や医療機関と連携する的確な対応や、臨床心理士や精神保健福祉士などとのチームワークについて、区の見解を具体的にお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 子ども部長 まず、私からは、一歩踏み込んだ次世代支援をということで、多角的できめ細かな施策、また、安定した子育て支援の体制についてのご答弁を申し上げます。  十七年度からの子ども計画におきましては、在宅子育て支援を重要な一つの柱として位置づけまして、保護者の子育てに対する総合的支援を図るために、さまざまな取り組みを進めることとしております。  具体的には、保護者の心理的負担を解消するために、保育園において子どもと保護者が一緒に生活体験できる機会を設け、子育てのノウハウや子育ての楽しさを実感できるような支援、あるいは保育士や栄養士などが子育て家庭を訪問して、必要な遊びの習得や、育児相談などの機会や場を用意することを実施いたします。さらに、身近な地域での場所、例えば児童館などで気軽に交流や情報交換ができる、子育て講座や広場事業をなお充実いたします。一方、医療費助成対象を小学校三年生までに拡大するなどの支援策も講じております。  いずれにいたしましても、子育て家庭での子育てのストレスや負担感が児童虐待を引き起こす要因ともなっていることから、安心して子育てできる環境整備に向けて努力してまいります。  次に、母子家庭への支援についての区の取り組みと、今後の支援策についてということでございます。  母子家庭、父子家庭という、いわゆるひとり親家庭の親は、子育てをすることと就業し生計を成り立たせるという二つの役割を一人の親が行わなければなりません。そのため、ひとり親になった直後から、経済的、社会的、精神的に不安定な状態に置かれがちとなり、住居、収入、養育などの面でさまざまな課題を抱えていると認識しております。  区は、これまでひとり親家庭の支援として、ひとり親医療費助成制度やひとり親ホームヘルプサービスなど、国、都と連携しながら、さまざまな施策を展開し支援を行ってまいりました。今回の子ども計画を策定する中で、母子家庭に関する特別措置法の趣旨を踏まえ、生活実態などの状況を把握するため、平成十七年三月にひとり親家庭等実態調査を実施し、ひとり親家庭への支援を計画の中に位置づけたところでございます。  今後は、母親が就労に必要な教育訓練や資格取得ヘの支援や、就業相談のサポート体制の充実など、今回の調査結果を分析し、国や都の制度を十分考慮し、より有効な手だてを検討してまいりたいと考えております。  次に、育児支援型ビジネスということをご提案いただきまして、その中で育児専用車両の創設、保育タクシーの運行についてご答弁申し上げます。  子育て支援を今後より一層充実させていくためには、行政だけではなく、育児支援を民間事業者が展開することで、多様な支援やサービスが提供されることが大切になってくると思われます。そのような中で、子育て中の方が自己の判断で、それぞれが必要なサービスを選択できるようになることが重要であると考えております。  都内の私鉄各社では、五月の連休明けから女性専用車両という動きが始まっております。妊娠中の方も,こうした車両を利用されることで、通勤の負担の緩和につながっていることとも思います。ご提案のあった育児専用車両の創設に関しましても、今後の参考とさせていただきます。  また、お話のありましたように、保育園の送迎などに利用できる保育タクシーの運行は、国においても先進事例として実証実験が行われており、現在、その検証中であると伺っております。  区といたしましても、これらの結果を踏まえ、さまざまな創意と工夫をいたしまして、子育てしやすい環境づくりに努めてまいります。  次に、子どもの心の専門医養成をというお話をいただいておりまして、まず発達障害に対する支援を実施するための区の役割についてご答弁申し上げます。  発達障害は、その障害特性から、三歳児以降において保育所や幼稚園あるいは小学校など集団生活場面で問題が表面化し発見されるという、このような状況がございます。さらに、表面化した問題が発達障害に起因しているということを保護者や障害児にかかわる機関の職員が認識できず、二次的な適応障害につながるケースも少なくないと伺っております。  一方、発達障害は、その障害認知についての歴史も浅く、支援を行う専門機関の位置づけや人材育成が未成熟であり、加えてその障害状況を理解しにくいという特性から、支援を行っていく上での多くの困難が予想されます。  これらのことから、今回、子ども計画において、配慮を要する子どもに対する継続的な個別支援体制の確立を重点的取り組みとして位置づけました。区といたしましては、発達障害を含めた障害の発見から支援につなげる総合的相談の窓口や、関係機関の職員を含めた発達障害の理解のための啓発、研修が大変重要なことと考えます。  今後、保育園などの関係機関の職員に対し適切な対応や支援を行えるよう、発達障害の理解を深める研修を実施すべく準備しているところでございます。  さらに、相談窓口が重要な役割を果たすことから、総合福祉センターなどでの取り組みを含めまして、区としての総合的相談体制のあり方について検討してまいります。  次に、児童福祉司相当の職員ということについてお話を伺ってございます。  お話のとおり、児童福祉司は、都の児童相談所に配置される職員でありまして、現在、全国に千八百十三人配置されておりますが、育児不安や児童虐待に対する相談は年々増加しておりまして、国は本年四月の政令によりまして、児童福祉司の配置基準を人口十万から十三万人から人口五万人から八万人まで、標準を見直す方針を出しております。  ご案内のとおり、都が従来受けておりました子どもに関する相談を、四月から区も受けることになりました。区では、児童相談所の経験者や心理士、保健師による虐待対策専門チームを子ども部に配置し、専門的なバックアップや研修ができる体制を強化しております。昨年より保健福祉領域に配属された職員には、児童虐待防止等対応マニュアルをもとに、児童虐待にかかわる基礎的な知識や対応について研修を行ってきております。  さらに、今後はこの虐待対策専門チームが中心となり、相談の窓口となる保健福祉センターのケースワーカーや、保育園の保育士、児童館の児童指導等の職員に対して、現況に即した対応能力等のレベルアップを図るため、仮称基幹型子ども家庭支援センターによる研修や、児童相談所と連携した事例研究などを充実させてまいります。これらの取り組みによりまして、虐待に対応する第一線の職員の能力を都の児童福祉司と同等となるよう努め、お話のような子どもの心の専門員となるよう努めてまいります。  最後に、専門医や医療機関と連携する的確な対応や、臨床心理士などとのチームワークについてご答弁申し上げます。  議員ご指摘のとおり、子どもの心の健康問題にきめ細かく対応していくためには、身近な地域において専門家の充実が急務であると認識しております。特別な支援を要する子どもには、その成長、発達を確認する健康診断や、地域の小児科医から専門医につなげる地域全体のネットワークが重要です。専門職である心理士や保健師等を配置した仮称基幹型子ども家庭支援センターを拠点とし、すくすくiネットでの実績を踏まえながらネットワークを構築いたします。  さらに、子ども計画において子育てセーフティーネットの充実を重点的取り組みに位置づけてございます。育児不安や児童虐待に対しても見守り合う地域社会を築くため、児童相談所などの関係機関と連携を図り、児童虐待予防のための地域協議会を立ち上げ、新たな世田谷型のネットワークづくりに取り組んでまいります。  一方、ことし三月に、国では子どもの心の診療に携わる医師の養成に関する検討会が立ち上がっておりまして、国の動向についても注意しつつ、当面の策として、専門医とのネットワークづくりについて努めてまいります。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 私からは、子育て家庭用の集合住宅の建設を誘導する施策についてのお尋ねにお答えいたします。  子育て世帯の増加は、地域の活性化にとりまして有益な面が多々あり、そうした世帯の増加を促していくことは大切なことであると考えております。  お話にありましたように、子育て世帯の住まいには、ハード面では健康に優しい建材等の使用、キッズルームや遊び場の確保等、ソフト面では、託児サービスや近隣の保育、医療施設との連携等といった、ソフト、ハード両面にわたる対応が求められております。  最近市場に出回る分譲マンション等には、高齢者専用や、特定の購入層に向け付加価値を高めた販売戦略をとる事業者も出てきております。こうした市場の動向に着目し、ご提案のありました民間の資本とアイデアを活用した、集合住宅における子育て家庭支援を誘導する仕組みづくりに向け検討してまいります。  以上でございます。 ◆十七番(佐藤弘人 議員) 子育て家庭専用住宅は既に町田市とか府中市、調布市で取り入れていますから、よくそれを検討していただきたいと思いますが、あと、児童福祉司については、児童福祉司相当というのはかなりあいまいになってしまうので、ぜひ何か区として独自の資格要件なり条件でも結構ですから、そういったものを設けていただいた上で、現業職の方がそういったことで取り組んで活用できるようにしていただきたいと思います。その点、子ども部長にご答弁いただいて、終わりたいと思います。 ◎田中 子ども部長 今お話し申し上げた児童福祉司は、確かに都の資格要件、都の職員でございますが、私どもこの四月から、こういう相談について基礎的自治体として受け取らせていただいた以上は、議員ご指摘のようなことを踏まえまして、そのしっかりした位置づけを区の中でやっていきたいと思います。  以上でございます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で佐藤弘人議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、二十八番栗林のり子議員。    〔二十八番栗林のり子議員登壇〕(拍手) ◆二十八番(栗林のり子 議員) 質問通告に従い、順次質問をさせていただきます。  初めに、多様な就労支援の取り組みについてであります。  働き方の多様化以外にも、急速な少子・高齢化社会という社会背景から来る日本の雇用・労働環境に大きな変化が起きています。四人に一人が非正社員、パートタイマーや派遣、契約社員など、非正規雇用者が二五%近い現状であります。この背景には、人件費削減のため、正社員をパートに置きかえる企業の動きや、勤務先に縛られるのを嫌う若者の増加、また、在宅就業やNPOなど、就業の場が広がっていることも多様化の一因に挙げられています。  また、日本の労働人口は現在約六千七百万人ですが、二〇一五年には六千六百万人に減少すると言われています。しかし、六十歳以上の人口が三百四十万人増加するのに対し、十五歳から二十九歳人口は三百四十万人減少するとの見通しです。人口構成の逆ピラミッド化に歯どめがかからない以上、意欲と能力を備えた高齢者の活用は、経済活力を維持する上で欠かせない条件となりつつあります。  その一方で、若者の雇用情勢は、もはや深刻な状況にあります。地方自治体にも、これまで以上に雇用に対する責任が高まってきているところです。若年雇用問題の現実をどうするのか、また、今後を見据え、活性化を図る高齢者の雇用対策についてどう取り組むのかが急務な課題です。  国も厚労省、経産省、文科省、内閣府が連携して、若者自立・挑戦プランを策定いたしました。職を求める若者が、カウンセリングからさまざまな情報、就職活動に関する支援を一カ所で受けられるジョブカフェ事業、職業訓練と企業実習を組み合わせる日本版デュアルシステムなどの取り組みが始まりました。そして、最終的には三百万人に達すると言われているフリーターや若年失業者のうち、百万人が職につけるようにするとの考えのようです。  また、フリーターでも失業者でもない、ニートと呼ばれる無業の若者たちへの対策も、若者人間力強化プロジェクトと名づけ打ち出していますが、根が深い問題だけに、より身近なところでのサポートが必要です。ニートは大きく四つに分類され、非行型、自己現実追求型、引きこもり型、自信喪失型があると言われています。また、就職活動をしたことがない理由の五〇%近くを占めるのが、人づき合いなど、社会生活をうまくやっていく自信がないとの回答でした。  先日、NPOや民間の力をかりてニート対策に取り組む現場を視察してきました。若年者就労基礎訓練プログラムや、また、親を対象にした親のための就職塾でした。予定を上回る大勢の参加者で、大変好評のようでした。学校に任せていれば就職ができるという時代は終わり、個々の家庭の自己責任が求められます。子どもを自立させ、就職させるための親力の向上、また、家庭のコミュニケーション能力アップがニート対策の大きなかぎと言えます。  区としても、親の意識啓発や、必要な情報交換ができるセミナーや講習会など、場を提供することが支援の一つとして必要と考えますが、見解を伺います。  また、高齢者の雇用促進も重要です。いつまでも働き続けることのできる環境設定ということから、新産業の取り組みに力を入れることが必要です。高齢者等職業安定対策基本方針も新たに策定されましたが、それだけではなく、やる気のある、活躍の場を求めている、もっと大勢の高齢者に働くきっかけを、可能性を与えて上げられるプランが必要です。  そこで、非常に参考になるのが徳島県上勝町のいろどり事業です。人口二千二百人程度の小さな町で年間販売額二億五千万円を超える事業を展開、人口の四五%が六十五歳以上の高齢者です。その方々が主役となり、この事業を推進しています。  町を元気にしたのは葉っぱビジネスです。都会の高級料理店で出すつまもの――お料理の飾りですね――だそうです。八十歳代の方がパソコンを使い、注文を受けたら、即座にかごとはさみを持って庭に出て必要分を切り取る、出荷するという手際のよさで、一人平均月収が約八十万円という、笑いがとまらないおばあちゃんたちがニュースになっていました。町が七〇%出資をし、役場の片隅にオフィスを構え、たった三人の職員でこの事業の運営を一手に引き受けているようです。  世田谷区には多彩な高齢者が大勢いらっしゃいます。世田谷ならではの高齢者向けの新事業を推進すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、不登校対策の拡充についてであります。  区は二カ所のほっとスクールや山崎中のひなぎく学級などで対応しています。それだけではフォローができないことも多いようです。  先日、不登校のお子さんを持つ母親の方々からいろんな相談を受けました。家庭の事情も複雑に絡み合っているようで、子どもだけの問題ではなく、さまざまな支援が必要と感じました。  あるお母さんは、以前は学校の空き教室で不登校の子どもを持つ親同士が話をしたり連絡をとり合うことができたが、教室不足になってからは集まる場所もない。交流の機会がなくなったとのことでした。一人で悩むことがないようにするには、同じ悩みを持つ親同士のつながりも大切です。単に不登校児の対策だけではなく、その親も含めて家庭への支援をしていただくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。  また、スクールカウンセラーが全小中学校に配置されたことは、我が会派も要望し続けていたことだけに、大変評価するところではありますが、次に取り組んでいただきたいのは内容の向上であります。単に勤務日数の問題だけではなく、親身になって応じていただけるような体制、学校との連携、カウンセラーの資質向上の研修が大切であります。  小学校は区の派遣、中学校は都の派遣と複雑のようですが、子どもたちや保護者にとっては、区であろうが、都であろうが関係ありません。スクールカウンセラーのスーパーバイザー制の導入も含め、ぜひとも質の向上に努めていただきたいと思いますが、お考えを伺います。  最後に、緑の保全に向けてのまちづくり推進についてお伺いいたします。  世界的に有名なインドの農学者で、緑の革命の父と言われているスワミナサンという方がこう言われていました。南米では先住民族のアメリカンインディアンの言葉に、森林は天を支えている。もし森林を切り倒せば、天が落ちてきて、我々は皆死んでしまう。これは樹木の伐採によって、すべての生態系が破壊される危険性をあらわした独特の表現だそうです。  世田谷区も、いよいよみどりの基本条例も定められ、一本の緑を大切にする本格的取り組みが始まりました。この条例制定を契機に、建物や道路整備、あらゆるまちづくりに反映され、条例ができてからこんなに変わったと言われる、目に見える取り組みを期待するところです。  例えば道路を整備するときも、そこにある樹木をどかすのではなく、いかに活用するか、有効利用が図れるか。樹木が植えられているところだけは部分的に道幅が狭くなっても、スピードの抑制にもなり、人に優しい道に近づきます。また、緑の比較的少ない地域ではコミュニティースペースに緑をふやす工夫など、緑を常に意識したスロータウンのまちづくりに取り組んでいただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。  また、条例の中でみどりの推進員の取り組みが挙げられておりました。地域の緑のコーディネーターとして大変重要な役目です。どのような選出方法で、いつごろスタートするのでしょうか。ぜひとも成功させていただきたい制度であります。  先日、宮崎県の綾町という町で、官と民が協定を結び、百年先を見越して、「綾の森・回廊」事業として森を保護・復元させ、そしてその周辺に緑の回廊をつくるとの紹介がありました。  世田谷区においても、回廊までは無理としても、一本の樹木から屋敷林まで、推進員と力を合わせ、区内にたくさんの緑のポイントを創出していただきたいと思います。今後のビジョンを伺いまして、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎若林 産業振興部長 多様な就労支援の取り組みについて、二点ご質問をいただきました。  まずニート予防の中で、いわゆる親に対する支援、このご質問をいただきました。  本年四月の完全失業率は六年四カ月ぶりに四・四%まで低下し、全体の雇用情勢は改善傾向を示しているにもかかわらず、五十万人ないしは六十万人台いると言われるニート層、いわゆる若年無業者は高どまり傾向を示しております。  こうした中で、区でも相談や体験、事業者支援など、さまざまな取り組みを進めておりますが、若者の社会参加の意識が低下している問題などとともに、我が子の就職に対する親のかかわり方の問題が指摘をされてきております。  区では、関係機関が連携したニート対策のさまざまな仕組みづくりを進めておりますが、あわせて、お話の親に対する支援として、同じ悩みを持つ親御さんの交流の場を設けることや、体験などの情報提供をする仕組みづくも検討してまいります。  次に、シルバー人材センターなど、いわゆる特色ある産業の育成というご質問もいただきました。  区では、高齢者への就労支援の一環として、本年五月に、六十歳以上の一般の高齢者の方々を対象とした、無料職業紹介を目的としたシルバー就業相談室を開設し、就職相談や職業紹介などを開始したところでございます。  さらに、シルバー人材センターでは会員の就業機会の確保を目指し、シルバー人材センターが独自に企業や家庭などから受託する事業が年々ふえ続けており、自主事業の拡充について努力を続けている成果があらわれているものと認識をしております。  区としては、今後とも自転車等駐車場管理業務などの事業の確保に努めるとともに、団塊の世代が定年を迎える時期に備えるためにも、シルバー人材センターの新規事業の拡充や独自事業の開発などを支援してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎髙山 教育改革担当部長 私からは、不登校対策の拡充についてでございます。  二点お尋ねがございまして、まず最初に、親を含め、家庭への支援策についてお答えを申し上げます。  不登校に悩む保護者や児童生徒への支援は大変重要であると認識しております。このため、児童生徒に対しましては、学校復帰を促すためにほっとスクールやメンタルフレンド派遣を用意し、保護者に対しましては、学校でのスクールカウンセラーや区内五カ所にある教育相談室への相談体制を整備してまいりました。しかしながら、お話にありましたように、身近に相談相手が見つからず、悩みを一人で抱えて苦しむ保護者も多く、こうした方たちからさまざまな要望が寄せられております。  そこで、不登校に悩む保護者同士のネットワーク化を図るため、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業を平成十五年度から実施しております。保護者同士がお互いに不安や悩みを話し合う機会や、経験者からの体験談を聞く集いに加え、専門家による助言や相談の会を定期的に開催することで、不登校に悩む保護者への支援の充実を図ってまいりたいと考えております。  今後は多くの方が参加しやすいように、周知方法には、「区のおしらせ」を初め区のホームページに開催案内を載せるなど、さまざまに工夫を凝らしてまいりたいと考えてございます。  次に、スクールカウンセラーの資質の向上に向けての取り組みについてお答えを申し上げます。  学校生活になじめない子どもたちへの対応として、小中学校全校にスクールカウンセラーを配置してまいりました。ご質問にもありましたように、スクールカウンセラーに対しましては、保護者から感謝の言葉とともに、カウンセラー自身の質の向上を求める要望もいただいております。  このため、小中学校のスクールカウンセラー対象の研修会を新たに設け、資質の向上はもとより、カウンセラー相互の連携や、カウンセラーと区内五カ所にある教育相談室との連携も図ってまいりたいと考えております。  さらに、今年度、教育相談専門指導員を新たに設け、カウンセラーのスーパーバイザーとしての機能を十分果たすことで、カウンセラーの質の向上に寄与するものと考えてございます。  いずれにいたしましても、スクールカウンセラーがその能力を発揮し、保護者の信頼にこたられるよう、今後とも努力をしてまいりたいと考えております。 ◎株木 都市整備部長 緑の保全に向けてのまちづくり推進について、二点のご質問にお答えいたします。  まず、みどりの基本条例から考える今後のまちづくりの方向性についてでございますが、国では昨年、景観緑三法を定めております。その中の都市緑地法では、都市公園の整備、緑化の推進、緑地の保全が一体となった総合的な施策の展開により、効果的、効率的な都市の緑の創出、保全の取り組みが整備されました。  こうした中、世田谷区では緑の生命線である国分寺崖線を初めとする緑豊かで良好な住宅環境の保全整備に向け、国分寺崖線保全整備条例、みどりの基本条例、斜面地建築物の制限条例の三条例の制定と、崖線地区を包含した水と緑の風景軸の指定を行うなどの取り組みを始めております。  特にみどりの基本条例では、住宅都市世田谷のかけがえのない財産である緑を、区民、事業者、区の総意により保全・創出に努めることを理念に、条例に基づく民間の建築行為などに対しての緑化指導では、保存樹木や保存樹林地、既存の大木を残しやすい考え方を導入いたしました。また、道路用地を取得する場合においても、既存の大木を道路区域に取り込むよう権利者と交渉するなど、区民が緑と水の豊かな世田谷で暮らしていけると実感できる、緑のまちづくりに取り組んでまいります。  次に、みどりの推進員への取り組みと地域における役割など、ビジョンについてでございますが、今回改正したみどりの基本条例では、緑を保全・創出していくために、区民と区が協働で緑をはぐくむ活動を広げていく考えから、みどりの推進員を認定し、緑の保全・創出の取り組みを行う団体や区民に支援を行っていくこととしております。  みどりの推進員及び区の役割といたしましては、みどりの推進員が居住する地域における自主的な活動につきまして、区がサポートしていく協働の形を考えております。みどりの推進員の活動内容につきましては、例えば高齢者が居住する住宅で、管理が行き届かなくなった生け垣の管理をサポートする等、身近な緑の保全・創出にかかわっていただくことを想定しております。  今後の予定といたしましては、年度内に選出方法も含めた認定制度の検討を行いまして、来年度に指定ゾーンの創出を行ってまいります。  以上でございます。 ◆二十八番(栗林のり子 議員) ご答弁ありがとうございました。特に道路と緑の問題なんですけれども、これは非常に重要なかかわり合いを持っていると思います。区役所の裏にある一五四号線でしょうか、今工事が進んでいて、旧明正高校裏の校庭を通り抜けていくというところですけれども、ここの道路のど真ん中に大きな木があります。これを残せるかどうかというのが、重要な注目すべき優しい土木行政、道路行政ができるかどうか、注目させていただいておりますので、前向きな緑を残す取り組みに期待いたしまして、以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で栗林のり子議員の質問は終わりました。
        ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、六番竹村津絵議員。    〔六番竹村津絵議員登壇〕(拍手) ◆六番(竹村津絵 議員) 通告に従いまして質問を進めてまいります。  初めに、災害時の動物対策について伺います。  会派の代表質問でも触れましたが、ことしの一月下旬、新潟県中越地震の被災地、小千谷市を視察してまいりました。市の担当によると、阪神・淡路大震災など近年の災害の教訓から、さまざまな対策がとられるようになり、心のケアなどでも、他地域からいち早く応援が入ったとのことでした。  しかしながら、その地域の特性から、特有の問題がどうしても生じるという話がとても印象的でした。小千谷市の場合は豪雪地帯ということで、仮設住宅に結露が発生し、その対策に追われたということです。  では、世田谷の特性とは何か。私は家族同様に暮らしている犬や猫の多さではないかと感じています。犬を飼っている割合を調べてみましたが、二十三区の中でも、やはり世田谷がトップでした。このところのペットブームから、飼い犬の登録件数はふえる傾向にあり、現在、三十人に一人が犬を飼っています。世帯数で割り出すと、十四軒に一匹の犬がいることになります。猫は登録制度がありませんが、犬の数倍から十倍近くいると言われています。  犬や猫も一緒に避難所に入れるのか、一時預かりをするのかなど、動物の避難計画なしでは、いざというときに大きな混乱が生じます。人の対策も十分ではないのに動物対策なんてという批判もあると聞きますが、二〇〇〇年の北海道有珠山の噴火の際には、一万六千人が避難した際に、三百匹を超える犬や猫が取り残され、その後、行政にとってその救出作業が重大な課題になったと聞いております。  また、新潟県中越地震では、犬を連れて避難所に入れないため、車の中で避難生活を送り、エコノミークラス症候群で亡くなった方がいたことは記憶に新しいことです。  世田谷区では人と動物との調和のとれた共生に関する条例が昨年四月に施行されました。災害時においても人と動物がうまく共生できれば、動物セラピーがクローズアップされているように、動物に触れることで人は大きないやしをもらいます。  近年の災害の教訓から各地で災害対策が進み、動物対策についても地域防災計画に織り込む自治体がふえ、二十三区でも既に十一区が織り込み済みです。東京都は飼い主と動物が一緒に避難する同行避難を前提とする方針を示しています。  世田谷区は災害対策総点検重点項目に災害時の動物対策を掲げましたが、具体的にどのような対策を検討していくのかを伺います。  さて、同行避難のためには、周囲とトラブルを起こさないためにも、飼い主の自助努力が第一です。ワクチン接種や日ごろのしつけはもちろんのこと、鑑札や迷子札をつけたり、ペットフードや排せつ物を始末する用品など、非常用持ち出し物品の備えも必要でしょう。  ペットブームに乗って犬を飼ったものの、適正な飼育ができていない飼い主もあるようです。適切な飼い方指導はもとより、防災計画の備えの必要性などをしっかりと飼い主に広報し、同行避難訓練なども行う必要があると考えます。地域の防災訓練も、犬や猫と一緒なら楽しいと参加者がふえ、地域のネットワークを高める効果も期待できると考えますが、計画などあるのかをお伺いいたします。  さて、過去の災害時には、幾つかの動物保護、動物愛護団体が救援活動を行っています。新潟県中越地震の際に、現地でボランティア活動を行った団体に実際に話を聞いてみたところ、行政と避難所、被災者と獣医師などの調整が困難だったとのことです。自分たちがそれらをつなぐパイプ役を担う必要性を痛感したとのことでした。実際に災害時に力を発揮できるのは、日ごろから動物に接し、訓練士などともネットワークを持ち、災害救援の経験を重ねているこうした団体です。地域防災計画に動物対策を織り込む場合、こうした活動団体ともつながりを持ち、話を聞いて、実効性あるものにするよう要望いたします。  また、獣医師会とは救護活動について協定が結ばれたと聞きますが、こうした団体やペット産業の事業者とも支援協定を結ぶことが必要と考えます。見解をお伺いいたします。  次に、世田谷の都市農地のブランド力を保ち高めるために、二点質問いたします。  有機栽培に関する関心が高まっている今、安心でおいしい野菜をつくりたいと、区民農園に応募する区民も多いと思います。先日、練馬区を訪れた際、市民農園の全区画にコンポスターが置かれているのを見ました。家庭の台所から出る野菜くずなどは大切な命の源、有機栽培のための土づくりに欠かせない貴重な素材です。  農園を借りている人が家庭で出た野菜くずや農園の雑草などから堆肥づくりを行い、化学肥料に頼らない作物をつくる。そのためにコンポスターが区民農園に置かれることは至って自然なことですが、しかし、世田谷では見たことがありません。区にはコンポスターの助成制度もあり、有機栽培をしたいという区民向けに、コンポスターを活用した有機区民農園がつくれるはずですが、区はどのように考えているのかを伺います。  さて、食の安全への意識が高まり、区も有機農業を促進させている一方で、遺伝子組み換えの技術も着々と進んでいる現状です。現在、食品としての安全性が確認されているものは大豆やナタネ、トウモロコシなど六十一品種、栽培の安全性が確認され、一般圃場で、いつでも作付可能な状態となっているものは、主食である稲を初め、小豆、トマト、キュウリ、カリフラワー、ブロッコリー、メロンもあり、七十三品種もあるのです。さらに次々と新しい品目、品種の研究も進められています。  では、実際に国内の外部の一般圃場で遺伝子組み換え作物が作付されているのかといえば、過去に四件、栽培や栽培実験が行われたり、行われようとした例がありますが、いずれも市民団体の運動で中断されています。種が飛んでほかの作物に混入したり、花粉が飛んで交雑してしまう問題の指摘がなされているのです。  このような現状で、北海道では三月の議会で、遺伝子組み換え作物の作付に対し混入や交雑防止のための対策を求める条例が可決されました。都市農地では大規模な商業ベースの作付は考えられず、条例までは必要ないと思われます。しかしながら、七十三品種もの遺伝子組み換え作物の作付が、いわばスタンバイ状態にある今、絶対に持ち込まれないとは限りません。  そこで提案したいのが、今世界的に広がりつつあるGMOフリーゾーン宣言です。これはスローライフを提唱したイタリアから始まった運動で、地域で遺伝子組み換え作物を作付しない、させないと宣言するものです。現在、イタリアの国土の八割が宣言済みで、ギリシアでは全地方政府が、オーストリアは九州のうち八州が宣言を行い、さらにイギリス、ドイツ、アメリカへとこの動きは広がっています。  日本では、十五年前から有機栽培でお米をつくっている滋賀県新旭町の針江地域が、安全な栽培方法を守りたいと、日本初のフリーゾーン宣言をしました。世田谷区でもフリーゾーン宣言をすることで、区内の都市農地を混入、交雑の被害から守ることができます。安全でおいしい地場野菜を区民に提供している世田谷の都市農地のブランド力を保ち、さらにアップさせるために、まさに区長が提唱する予防型行政そのものであると考えますが、区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎室星 危機管理室長 災害時の動物対策について、三点ほどご質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。  まず初めに、災害対策総点検ではどのような対策を検討しているのかというご質問にお答えいたします。  阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では動物の避難問題が大きく取り上げられ、動物の避難所への同行避難に対する適切な対応が課題となっております。こうした状況を踏まえ、幾つかの自治体においては、災害時における動物の同行避難等について防災計画に盛り込むなどの取り組みが始められていると聞いております。  世田谷区におきましても、現在進めております災害対策総点検の中で、災害時の動物への対応を重点項目として掲げ、災害時の避難所等における動物の適正な飼育や管理体制、避難施設の整備のあり方等について検討を行っているところでございます。  次に、同行避難訓練の計画はあるのか、こういうご質問にお答えを申し上げます。  災害時に動物に対し適切な対応を行っていくためには、飼い主の方々の日常的な動物へのしつけなど適正な飼育はもとより、区民の方々の動物に対する理解が必要であると認識しております。  世田谷区では、世田谷保健所が中心となり、獣医師会やNPOの協力を得ながら、飼い主の方々に対しペットのしつけ教室などで動物の適正飼育について啓発を行ってきているところでございます。災害時に動物に適切に対応するためには、動物の同行避難訓練については課題であると認識をしており、今後、関係所管等と検討をしてまいります。  三番目に、ペット産業などとの連携も必要だ、協力協定の締結は結べないかというご質問にお答えいたします。  新潟県中越地震の被災地では、幾つかのNPO法人が動物の健康相談や獣医師の紹介、被災動物の一時預かり施設の運営を行うなど、動物の救護や飼い主の相談等で大きな役割を果たしたと伺っております。  このような状況を踏まえ、区といたしまして、獣医師会等々のご協力をいただきながら、NPO法人やペット関係の事業者などと、災害時の具体的な動物対策に関する協定の締結について検討してまいります。  以上でございます。 ◎若林 産業振興部長 世田谷の都市農地のブランドアップについて、二点ご質問をいただきました。  まずGMO、フリーゾーン宣言というご質問をいただきました。  都市農業の特徴として、限られた農地で作物の組み合わせを工夫した少量・多品種生産や、消費地が近いことによる地産地消、直売主体による生産者の顔の見える農業などが挙げられます。住宅地の中で農業を営むということは、周辺住民との相互理解が大変重要であり、農家は周辺環境に配慮するとともに、創意工夫を凝らした農業経営に取り組んでおります。東京都の認証制度を活用し、有機農業に取り組んでいる農家もございます。  なお、東京都において遺伝子組み換え作物の栽培に関する検討委員会が設置されたと聞いておりますが、現時点で具体の対応は明らかになっておりません。今後の動向を見守りたいと考えております。  食の安全安心、あるいは食育などがうたわれる中で、区としては都市農業の特徴を生かし、区内農産物のイメージアップと消費の拡大に向け、世田谷農業のブランドアップ化に取り組んでまいります。  次に、区民農園などでのコンポスターの活用、こういうご質問もいただきました。  練馬区の例をお話しいただきました。コンポスターを置いている農園は、生産緑地である土地を農家からお借りし、比較的区画規模の大きい市民農園というふうに伺っております。なお、運営については幾つか課題がある、こういうような状況も聞いているところでございます。  現在、世田谷区の区民農園での活動で生じた、いわゆる雑草ですとか不要資材などは、各家庭に持ち帰り処理をしていただいております。ただ、野菜くずについては、ご利用いただいている区画の中で五十センチメートル以上掘って埋めることについて認めさせていただいている、こういう状況があります。ご提案のコンポスター容器の活用につきましては、日々の管理が必要であること、においや虫が発生する場合があること、また、その土地を将来所有者に返還することなどの課題があり、慎重な検討が必要と考えております。ご理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◆六番(竹村津絵 議員) それぞれご答弁いただいた中で、特に有機区民農園の件については、なかなかこれを設置するのは難しいというふうなご答弁というふうに感じましたが、ぜひ今後の課題として、これから区民の要望というのも多くなってくると思います。自分のところは有機でやっているのに、お隣からいろいろ化学肥料その他が入るという声も聞こえます。よろしくお願いいたします。 ○菅沼つとむ 議長 以上で竹村津絵議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十八分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○菅沼つとむ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 一般質問を続けます。  二十九番谷逸子議員。    〔二十九番谷逸子議員登壇〕(拍手) ◆二十九番(谷逸子 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいります。  まず最初に、栄養教諭制度についてお伺いいたします。  学校の栄養士が教員免許を取得し、食に関する指導を行う栄養教諭制度がこの四月よりスタートいたしました。制度発足の背景には、朝食をとらないなど食習慣の乱れや、肥満の増加、逆に過剰なダイエットに走る子どもの増加、食物アレルギーなど、食生活を取り巻く環境の変化があります。  こうした中で、栄養教諭は、子どもが将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事のとり方などの食の自己管理能力、望ましい食習慣を、子どもに身につけさせることを目的にしております。家庭科や保健体育の授業などで教壇にも立ち、学校給食の献立作成や衛生管理なども行うとあります。また、体験学習などで栽培した食材や地域の食材を給食に使うことで生産と食事のつながりを学ぶなど、食に関する指導と給食を一体的にとらえる教育上の効果も期待されています。  栄養教諭が担う相談、指導には、一般的な栄養指導とともに食物アレルギーがあり、子どもへの個別指導も含まれております。この点では、正しい理解に基づかない指導は、逆に健康を害しかねず、時には命にかかわることもあるだけに、間違いのない知識が必要とされます。  そこでお伺いいたします。  当区での栄養職員の配置、職務についてお伺いいたします。また、栄養教諭制度につきまして、教育長のお考えをお伺いいたします。  子どもたちの食生活の乱れはさまざまな形であらわれています。文科省が毎年実施しています学校保健統計調査によりますと、太り過ぎの子どもの割合は、二〇〇二年度、小学校五年生で一〇・一%、同年、六年で一〇・九%、中学一年、一一%、二十年前に比べますと、いずれも一・五倍を超える増加傾向にあります。  反面、若い女性のやせ願望の低年齢化も進み、厚生労働省の調査二〇〇二年によりますと、不健康にやせている女子は、中学三年で五・五%、高校三年生では一三・二%にも上っています。栄養教諭には社会背景まで含んだ幅広い理解と個別の対応が求められていると考えます。  子どもたちの食をめぐる問題が指摘されています。ふえ続ける食物アレルギーの対応も重要な課題になっています。本来ならば栄養になるべき食べ物が原因でアレルギー症状を引き起こす食物アレルギーは、適切な医療とともに、学校給食など幅広い社会的な対応が必要な疾患であることが特徴であります。  栄養教諭は、除去食や代替食の提供など個別の給食対応にもかかわることになると思いますが、医師の指示に基づいて対応するのは当然のこととして、友達と違うものを食べなくてはならない子どもの気持ちを理解し、周囲の無理解から生じる孤立、いじめなどが起こらないような配慮も必要になると考えます。大変な役割、重要な栄養教諭制度であります。  養成、研修は主に都道府県が担うことになっております。本年より導入している府県もあるわけですので、東京都に対して制度導入を強く要望し働きかけるべきではないかと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、地球温暖化対策についてお伺いいたします。  京都議定書が発効し、温室効果ガスの九〇年比六%削減へ向けて本格的に動き出しましたが、実際の排出量は八・三%の増加となり、達成には一四・三%の削減が必要であると五月末に発表があり、達成の道のりは一層険しくなったように思います。  当区でも新たな環境基本計画に基づき、区民、事業者、区の働きによる省エネルギーの目標や取り組み方針を定め、地域省エネルギービジョンを策定するとありますが、まず最初にお伺いいたします。  その中で大きな課題は家庭部門で、CO2排出量は一億六千六百万トン、産業部門の約三分の一ですが、九〇年比で二八・三%の増加。DVDやプラズマテレビ等新型家電の出現やパソコンの普及、世帯数の増加によるエネルギー効率の悪化などが原因と見られています。産業界に対しては、CO2排出量の報告を義務づける等規制が働きますが、個人の行動は把握できず、縛ることもできません。  一人一人の心がけに頼るしかないということで、環境省は異例の広報予算三十億円を投入して、この六月より集中キャンペーン、国民運動推進事業に乗り出しました。このことにより、なお一層の効果を期待するものであります。また、同じく六月より政府が進めております地球温暖化防止のための省エネ運動、「ノータイ、ノー上着」クールビズもスタートしております。  当区では、九七年より代沢地区でのモデル実験、エコライフ活動が始まり、熱心に取り組み、成果も上がっていると伺っております。地球温暖化の原因となる二酸化炭素、CO2を減らすには、個人や家庭を単位とした取り組みが大事であり、区民運動の盛り上がりが大変重要であるからです。  我が会派は、かねてより全区的な取り組みを提案してまいりました。平成十六年は五万世帯の区民の方々が取り組みをされているとのことです。私も平成十四年よりエコライフ運動について質問し提案をさせていただいております。  環境家計簿に挑戦されている方々の声に、最初は面倒だと思ったが、実は主婦にとってとてもやりがいのあるもので、環境に優しく、それは節約につながるからです。水道、ガス、光熱費の節約、むだなものは買わない、知恵を働かせて家計が助かり、持続する上での励みになります。無理をしないで、楽しみながら続けているとのことでした。  この方々が努力し、工夫しながら挑戦されている意見や報告等ができるような環境フォーラム、環境講座等の開催を提案させていただいておりますが、どのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。  また、環境基準でありますISO規格取得が、各自治体、企業等でも大幅に進んでおります。さらに家庭の中でも環境を守る行動をと、家庭版環境ISOに取り組む自治体もふえております。各総合支所ごとに環境ファミリーの認定ができるように、家庭版環境ISO取得に向けての提案をさせていただいております。  答弁に、世田谷独自の家庭版ISOの実施に向け取り組むとのことでしたが、現状についてお伺いいたします。また、子ども向け環境規格キッズ「ISO14000S」の取り組みにつきましても、あわせてお伺いいたします。  これから夏にかけて都市部の気温が異常に高くなるヒートアイランド現象への対策を強化するため、東京都は二十三区内の熱環境マップを作成しました。ヒートアイランド現象の要因であります地面の舗装状況やエアコンの排熱状況などを区域ごとに調査し、その区域にどれだけ大気熱を温める効果があるかを示しました。これに基づき、四カ所の対策推進エリアを指定、このエリアに当区は指定されていませんが、今後の取り組みについてお伺いいたします。  今、愛知万博が開催されています。奇抜な建物にも環境に優しい技術が隠し味として使用されているそうです。長久手日本館は、風を通し、日差しを和らげ、打ち水効果で、屋根の表面温度は最大約十五度下がるとのことです。さきに開催されました予算特別委員会でも紹介させていただきましたが、水は蒸発するときに気化熱を奪い、打ち水をしますと、この気化熱によって地面の熱が大気中に放出され、暑さが和らぐと言われています。  また、気温ではなく、水をまいたときの見た目の涼しさ、感触や音など、五感を通して涼しく感じさせます。おふろの残り湯、エアコンの室外機から出る水など、ヒートアイランド対策の一環として、各家庭の打ち水の実施を呼びかけてみてはいかがでしょうか。また、イベント等でも楽しみながら開催してもよいのではないかと考えますが、見解を伺います。  京都議定書の目標計画の最後に、もったいないという言葉に代表されます自然と調和した生活文化を日々の暮らしにどう生かすか、足元から見直すことを要望いたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 栄養教諭制度につきましてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  栄養教諭は、議員のお話にもありましたように、栄養や食事のとり方などについて、正しい知識に基づいてみずから判断する食の自己管理能力や望ましい食習慣を子どもたちに身につけさせるため、学校における食育の推進に中核的な役割を担う、そういう教員でございます。昨年の学校教育法一部改正を受けまして、本年四月から施行されております。  栄養教諭は、栄養と教育に関する専門性を兼ね備え、食に関する指導として、個別的な相談指導、授業における指導、食に関する学校の指導計画の作成などを行いますが、これらを学校給食の管理と一体のものとして行うことに特徴がございます。このことにより、教育上の高い相乗効果が期待され、食育の重要性から、大きな役割を担うものと期待しているところでございます。  以上でございます。 ◎髙山 教育改革担当部長 私からは、栄養教諭制度につきまして、二点お答え申し上げます。  まず栄養職員の配置、職務の現状についてでございます。  小中学校における栄養職員は、教員と同様に都の職員であり、現在、小学校及び自校方式の中学校では約二校に一人の割合で配置をしてございます。また、正規職員のいない学校には、区独自で非常勤などの栄養職員を配置しております。  主な職務内容でございますが、学校給食の管理全般、すなわち献立の作成から食材の研修、調理の指導、安全衛生管理等に加えまして、教室における栄養指導や試食会、給食材料を通じた保護者への栄養指導をしております。また、日常では、学校栄養職員が各教室を巡回し、子どもたちの反応を観察したり、声かけも行っております。学校によりましては、食育の取り組みとして生活科や総合的学習など各教科の中で、担任教諭等と連携をしながら、食の大切さや食事マナー等についての指導もしてございます。  次に、東京都に対して制度導入の要望という点についてお答えを申し上げます。  栄養教諭は、大学等で栄養及び教職に関する所定の単位を習得することにより取得できる資格でございます。一方、現職の栄養職員が栄養教諭になる場合は、一定の在職年数と教職のための講習を受講することによって資格を取得できるということでございます。  文部科学省では、今年度予算に栄養教諭育成のための講習経費、指導用資料の作成費などを計上してございまして、東京都におきましても、栄養教諭免許取得のための講習をこの八月に実施する予定でございます。  栄養教諭は東京都が配置するものでありまして、その時期は東京都の判断によりますが、食に関する指導をより充実するためにも、制度の確立と早期の配置を東京都に働きかけてまいります。  以上でございます。
    ◎志村 環境総合対策室長 私には地球温暖化対策について五問の質問をいただきましたので、お答え申し上げます。  まず初めに、地域省エネルギービジョンの策定についてでございます。  地球温暖化対策といたしましては、本年三月策定の世田谷区環境基本計画において、新エコライフ大作戦の区内全域展開を重点施策として位置づけているところでございます。その具体的取り組みの内容の一つとして地域省エネルギービジョンの策定を予定しておりますが、このビジョンの策定により、世田谷区の地域特性を考慮した、区民、事業者、区の協働の省エネルギー施策を推進していく所存でございます。  地域省エネルギービジョンでは、区民、事業者の意識調査やエネルギー消費量等の各種調査を実施し、その結果を踏まえて具体的目標を設定し、基本方針、重点行動計画等を策定していく予定でございます。  今後、学識経験者、区民、事業者等から構成される策定委員会を発足させ、さまざまな意見を幅広く取り入れながら、ビジョン策定を進めてまいりたいと考えております。  次に、エコライフの区民の意見交換、そういった取り組みのご質問と、世田谷独自の家庭版ISO、キッズISOの取り組みについて、あわせてお答え申し上げます。  平成十五年度、十六年度に、区民の皆様に省エネルギーの活動に取り組んでいただくエコライフ世田谷大作戦を展開してきたことにつきましてはご案内のとおりでございます。これはいわば世田谷区版環境家計簿の取り組みとも言えるかと存じますが、その大作戦とあわせてワークショップや実践セミナーを開催し、省エネルギー活動の普及啓発にも努めてまいりました。  昨年の十月には烏山区民センターで「せたがやエコライフDAY」を開催して、意見交換、交流の場を設けるなどの取り組みを行っております。また、ことしの三月には十回の連続セミナーの最終回としてエコライフサミットを開催し、省エネ活動に熱心に取り組んでいただいた区民や団体を区長から表彰したほか、シンポジウムで意見交換等も行ったところでございます。  今年度におきましては、セミナーの開催を初めさまざまな手法を用いて、環境に配慮した行動の普及啓発活動をより一層進めてまいりたいと考えております。十五年度、十六年度、既に多くの区民の皆様がエコライフを実践してきた現状を踏まえて、ご提案の家庭版ISOや、例えば賛同する区民のエコライフ自己宣言を募るような新たな手法も候補として考えてまいりたいと認識をいたしております。  環境教育につきましては、教育委員会におきましても、教育ビジョンの中で環境教育の推進を項目の一つに掲げており、研究指定校の設置など、さまざまな検討を進めております。今後、ご提案のキッズISO等につきましても、学校等関係機関と連携して検討してまいりたいと考えております。  次に、熱環境マップの発表がありまして、そこで世田谷区が対策推進エリアには指定されていないが、区はどんな取り組みをするかというご質問でございます。  東京都は四月に熱環境マップを公表いたしましたが、この熱環境マップとは、建物や自動車などの人工排熱や地表面の被覆の状況などから、熱負荷を地図上に示したものでございます。このマップに基づき、熱負荷の大きい地域や民間開発を誘導できる地域など、四カ所の対策推進エリアを選定されたものと伺っております。  世田谷区におきましては、熱帯夜の多く発生する地域が都心方向から拡大してきているという指摘もあり、区としてヒートアイランド対策への取り組みを進めていく必要があると認識しております。区の環境基本計画においても、施策の方向としてヒートアイランド対策への取り組みの検討を掲げているところであります。  これまでも区は、公園の新設や道路緑化などを推進するとともに、環境配慮制度に基づき、大規模開発事業の際に環境への配慮を行うよう誘導するなど、施策を進めてきております。また、屋上緑化の促進や保水性舗装の検討などを進めてきておりますが、今後、一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  最後でございますが、打ち水の実施についてというご質問でございました。  打ち水につきましては、お話のように水の気化熱で気温を下げることで、ヒートアイランドの緩和や省エネルギーの効果が見込まれるものでございます。平成十五年度よりNPO法人の呼びかけで、八月に打ち水をして真夏の温度を下げようという運動が全国的に展開され、多くの方が参加されているとも伺っております。  区におきましても、今年度、新エコライフ実践セミナーにおいて、八月に、「熱源を見つけて打ち水で冷やせ」というタイトルで、打ち水を取り上げる予定でございます。この打ち水につきましても、今後、普及啓発を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十九番(谷逸子 議員) ご答弁ありがとうございました。  環境フォーラム、環境講座でございますけれども、やはりこれからなお一層の拡大が必要かなと思っております。やはり二十人、三十人という単位ではなくて、多くの区民の方が参加できるようなフォーラム、講座をお願いしまして、質問を終わらせていただきます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で谷逸子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、四十八番木下泰之議員。    〔四十八番木下泰之議員登壇〕 ◆四十八番(木下泰之 議員) 質問通告に基づき、一般質問を行います。  最初に、小田急連立事業での高架下及び地上部分の公共利用についてお聞きいたします。  昨年六月の本会議でもこの問題を取り上げました。連続立体交差事業を律してきた建運協定の十条、細目協定十五条には、連立事業で新たにできる空間、高架事業なら高架下、地下化事業なら事業後の地上部分の扱いについて書いてあります。在来線部分の一五%分、複々線部分も含めれば七・五%の空間は公租公課分、つまり都市計画税分として複々線部分の箇所も含めて公共側が自由に使えることになっております。その余の空間については、公共側が公共計画を提示すれば優先使用権がある。これは有償ではありますが、都市計画事業を行う中で利用可能な空間ができるわけで、政府も積極利用を行うことを推奨しております。  本年二月には、世田谷区は「小田急小田原線(代々木上原駅~梅ケ丘駅)の上部利用について」なる文書を出しておりますが、駅前広場についての利用計画は一応具体的に示していますが、駅間の利用計画については四メートル幅の通路とポケットパーク、自転車保管所の設置を蓋然的に示しているだけであります。これだと、通路とポケットパーク、自転車保管所以外は小田急電鉄の利用ということになり、東京都の調査報告書に示された緑道計画さえ消えており、広大な用地をまちづくりのために積極利用するというふうには思えません。  そこでお聞きいたします。下北沢区間について、公租公課分一五%以外についての公共利用計画はあるのか否か、どのように定めたのか、利用の費用負担はどうなっているのか。小田急や東京都など関係する事業体間の協定や覚書などはあるのか否か、あるとすれば、議会に開示していただきたい。梅ケ丘以西の現事業区間において、公租公課分一五%以外について公共利用はどうなっているのか、同じく協定や覚書などはあるのか、あるとすれば、議会に開示していただきたい。また、公租公課分一五%以外の公共利用についての手続、手順を示していただきたい。  次に、下北沢の森厳寺富士塚の文化的価値と保存についてお伺いいたします。  既に三月議会に請願が出されており、都市整備委員会では継続審査となっておりますが、区長と教育長にご見解をお聞きしたいと思います。  歴史に根差さない文化などあり得ないと私は思います。世田谷には古い庚申塚や地蔵などがまだまだ各地に残っております。下北沢にも各所にあって、それが下北沢という町に厚みを持たせております。大自然の名残も含め、人間が積み重ねてきた歴史の諸相の重なりが意識できるということは、人に安心感を与え、世代を超えて人々を結びつける磁場を提供しているというふうに思います。  下北沢の森厳寺に富士塚が存在し、これが取り壊されようとするのに対して、周辺の人々がこれを守ろうと動いたことを知って、私は感動いたしました。  請願の審査に当たっては、私は富士塚や森厳寺について調べました。森厳寺は一六〇八年に家康の次男の位牌所として立てられた名刹です。江戸時代には、きゅうで有名な寺として来訪者が列をなし、門前町を形成したとされております。文献を調べていくうちに、きゅうのついでに、渋谷の円山の遊廓に遊ぶ者も多かったとも書かれております。淡島様とも呼ばれており、淡島通りはこの寺に由来しているということから、往時のにぎわいが浮かんでまいります。  森厳寺の富士塚は、江戸の後期に盛んになった富士講により江戸各地につくられたものの一つであり、三軒茶屋の山吉購の総代により、文政四年、一八二一年に築かれております。江戸での富士塚の第一号が一七七九年に築かれ、その二百年後を記念すべき一九七九年には、文化庁は都内にある富士塚のうち三つを重要文化財指定しております。規模も大きく、富士参りや大山参りの往路に位置するそのロケーションといい、その当時、もし世田谷がこの森厳寺の富士塚の存在をアピールしていたならば、重要文化財の有力な候補になったのではないでしょうか。また、江戸時代から明治にかけて、下北沢では富士講が盛んだったとも資料に伝えられております。  この富士塚についての文化的価値と保存の必要性について、区長と教育長の見解をお聞きしたいと思います。ぜひ残すべきであると思います。所有者である森厳寺さんに働きかけていただけないでしょうか。いかがでしょうか、お答えください。  区は文化振興条例を用意しようとしているということですが、習俗や民俗を含めた文化遺産の保全について特別の配慮を払う施策を用意するおつもりはないか、お聞きしておきます。  最後に、北烏山六丁目の百メートルマンションと総合設計についてお聞きします。  この問題も昨年六月十一日に本壇上で取り上げました。甲州街道超高層扇のかなめ事件として取り上げたことをご記憶だと思います。昭和大学病院が売りに出した土地を大京が買い、現在百メートルマンションを建てていますが、これは敷地が甲州街道に接道しているということが条件となって総合設計制度の緩和措置を受けて、初めて百メートルが可能となったという経緯を持っております。今ではもう百メートルは既存不適格にはなっておりますが、当時は建つことが可能になっていたわけであります。  たった四・五八平米の土地ですが、区の管理地であり、本来ならば区に移譲されるべきはずの畦畔が昭和大学病院に不当に移譲され、転売されたことにより総合設計が可能となったわけです。  ところが、昨年の質問以降、地域住民の皆様の努力もあって、この四・五八平米の、まさに扇のかなめとなった土地は、財務省が錯誤により昭和大学病院に移譲されたものと認め、土地の所有権を国に移し、世田谷に管理させるという決定を行いました。まさに扇のかなめの土地が国の所有地に移されたことにより、超高層マンション敷地の接道の根拠はなくなりました。総合設計制度の適用は誤りであることが明らかになりました。世田谷区は昨年六月十一日の段階で、知らなかったと答えておりますが、本当に知らなかったのかどうか、お聞きいたします。  接道していないことが明らかになった以上、区は総合設計制度の適用無効を東京都に対して主張すべきであります。ご所見をお伺いしたいと思います。  また、ここに至る経過を説明し、区としての責任の所在を明らかにしていただきたい。  以上、壇上からの質問といたします。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 富士塚の文化的価値と保存の必要性についてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  森厳寺では、現在、墓地の整備が進められており、この工事計画では塚の盛り土が削られると聞いております。富士塚は、議員のお話にもありましたが、江戸時代の民俗文化や歴史を検証していく上でも大切なものであると認識しております。森厳寺には保存をお願いしてまいりました経緯がございますが、現在は記録保存のための調査の実施についてご協力をお願いしているところでございます。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 私からは、小田急連立事業での高架下及び地上部分の公共利用についてのご質問にお答えいたします。  まず、梅ケ丘以西の現事業区間においての公租公課分一五%を含めた公共利用計画についてのご質問でございます。  建運協定第十条では、国または地方公共団体が高架下を利用する際には、あらかじめ鉄道事業者に協議するものとし、鉄道事業者はその業務の運営に支障がない限り協議に応ずるものとされております。小田急線の連続立体交差事業における世田谷代田駅~喜多見駅間での高架下貸付可能面積の一五%に当たる部分の公共利用につきましては、既に整備済みである自転車集積所を初め、今後整備を予定している地区会館や地域図書館等といった公共施設の計画がございます。また、高架下貸付可能面積の一五%以外の公共利用につきましては道路の一部がございます。今後は、これらの高架下利用施設の整備を進め、沿線まちづくりの推進に努めてまいります。  公共利用を行うとした場合の手続、手順についてでございますけれども、建運協定の細目では、高架下を利用する場合の使用料は、鉄道事業者が算定する貸付規則により算定するものとしてございます。ただし、高架下貸付面積の一五%に相当する部分までについては公租公課相当額と規定されております。  公共利用につきましては、区の利用方針、計画等に基づき、都市計画事業者である東京都及び鉄道事業者の小田急電鉄と協議するものであり、世田谷代田駅~喜多見駅間におきましては既に協議が整っております。また、代々木上原駅~梅ケ丘駅間におきましては、今後協議を進めてまいります。協議に当たりましては、区の財政状況をかんがみながら、より有利な条件が得られるよう、事業者との交渉を進めてまいります。  以上でございます。 ◎真野 北沢総合支所長 私からは、下北沢区間についての公租公課分、公共利用の計画について等々についてお答え申し上げます。  小田急線代々木上原~梅ケ丘区間の連続立体交差事業に伴う鉄道敷地上部、いわゆる上部利用の公共施設等の整備の計画につきましては、本年三月、区の基本的な考え方を取りまとめまして、上部利用方針としてお示ししてございます。施設整備の考え方といたしまして優先順位を定め、第一に、区が優先的に検討整備する施設として三駅の駅前広場等を示し、第二に、今後、協議検討する施設として駅間の通路等をお示ししてございます。第三に、鉄道事業者へ要望する施設として、自転車等駐車場を挙げてございます。  公租公課分一五%以外の件でございますが、区が優先的に検討整備する三駅の駅前広場等の施設面積で、既に都市側利用可能と想定される面積を上回る規模となっております。今後、この上回る分も含めまして、土地の権利形態など、より有利な条件が得られるよう、区の財政負担もかんがみながら、整備に向けて積極的に事業者と交渉を進めてまいります。  なお、今年度以降、さきの上部利用方針に基づきまして、連立事業者、施工者等との協議を開始する考えでございます。  以上でございます。 ◎水戸 生涯学習・地域・学校連携担当部長 歴史的、文化的遺産についての考え方でございます。  世田谷区では、文化財の中でも重要なものにつきましては区指定文化財として指定し、その保存に努めておりますが、現在、有形、無形合わせて六十二件の指定をいたしております。区教育委員会といたしましては、文化財を祖先の歴史的・文化的業績のかけがえのない遺産であると考え、文化財保護条例に基づいて文化財の保護に努めてまいります。  以上でございます。 ◎佐藤 烏山総合支所長 北烏山六丁目の通称百メートルマンションの用地等についてご質問がございました。  平成十二年に昭和大学が時効取得しました畦畔、これにつきましては、昨年もご答弁申し上げたように、区は関与しておりません。今回その一部につきまして所有権は、ことしの三月十一日に株式会社大京から財務省に移転されております。  これに伴いまして同日付で、区に対し財務省より当該土地の無償貸付を申請するよう依頼がございました。区は道路法第九十条二項に基づきまして、財務省に無償貸付の申請をし、ことしの三月三十日に、当該地を無償で借り入れる契約を締結しております。いずれも道路区域内の土地所有者に変更があったための手続でございますので、道路の区域や形態には全く変更はございません。また、総合設計にかかわる道路の判断につきましては、東京都が判断する問題と考えております。  以上でございます。 ◆四十八番(木下泰之 議員) まず連立事業なんですけれども、協定等の文書等はあったのかどうか、これについては答えてください。これは地下を掘るに当たっても、工事をするにしても、上の利用がきちんと決まらなければ事業はできないはずです。ですから、何らかの協定があると思いますけれども、それは下北沢区間、それから今の経堂区間、両方について協定文書等があるのかどうか、それについてはっきりしていただきたいと思います。  それから、富士塚の問題ですけれども、世田谷区は江戸の近郊農村として栄え、江戸時代に重要な役割を果たしていました。幕末には井伊直弼、吉田松陰の時代絵巻がこの地に展開されてきたことは周知のことであります。富士塚のような江戸時代の民衆信仰の遺跡を残すことは、世田谷にとっても重要なことだというふうに考えます。世田谷ブランドなどという歯の浮くようなことを言う前に、この地域に合った文化遺産を大事にしてほしい。これは区長も地域を大事にするということをおっしゃっているわけですから、ぜひこれは森厳寺に伝えていただきたいと思いますけれども、区長、いかがでしょうか。  それから、烏山の問題ですけれども、これは実は、去年答弁をいただいて、そのときにわからないとおっしゃったんですけれども、昨年の六月十日に関東財務局が、これはもう時効確認は無効であるということについて文書をつくっているんですね。世田谷区にそういったことについて情報がなかったのかどうか。それから、実は昭和三十六年には、この土地は東京都から世田谷区は区道認定道路としてもらい受けているはずです。それについての情報はきちっと押さえていたのかどうか、そのことについて教えていただきたいと思います。    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 木下議員からご指摘の富士塚の件でございますけれども、私は、この富士塚につきましては歴史的なことも言われましたけれども、民俗文化や歴史を検証する上からも大切なものだという認識をいたしております。ただ、これが指定文化財でもなく私有地になっているものですから、その所有者の了解を得なくてはならないということで、所管部も、また教育委員会も森厳寺の方にお願いをしているところでございますので、これからもお願いをし続けることは大切なことだと思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。  以上です。 ◎株木 都市整備部長 高架下利用につきましての世田谷代田駅~喜多見駅間、いわゆる経堂工区についての協定、覚書等のお尋ねでございますけれども、この区間については、十三年五月に小田急電鉄と覚書を締結してございます。それから代々木上原~梅ケ丘駅間、いわゆる下北沢工区については、これから協議をするということで、そういった協定、覚書等はございません。  以上でございます。 ◎佐藤 烏山総合支所長 畦畔の時効取得につきまして、昨年の情報はどうかということで、これは昭和大学と財務省が行ったもので、区は関与しておりません。また、昭和三十六年ですか、一括認定道路として、甲州街道から斜めに入っています道路、東京都から移管を受けておりますが、その当時の図面等には境界等は明記されておりません。  以上でございます。 ◆四十八番(木下泰之 議員) 烏山の件は、これは非常に微妙な問題なんですよね。あそこのまさに扇のかなめの土地、この土地が接道しているかどうかによって、あそこの土地に規制緩和を受けて百メートルのマンションが建ったかどうかという大きな問題です。ですから、これについては、やっぱり区としても区の所有地として管理していたわけですから、その辺についてはきちっとわかっていたはずです。精査して、もう一度きちっと、これをつまびらかにしていただきたい、そのことを約束していただきたいと思います。  それから、小田急電鉄との覚書があるというふうに、今の高架下の利用について言いましたけれども、それについてはぜひ開示していただきたい、そのことについてお答えいただきたいと思います。  それから、富士塚については、ぜひこれは区長みずから森厳寺の住職さんに頼んでいただきたいと思います。やはり下北沢にとっても、そういう江戸とのつながりを持った、そういった文化遺産があるということは、非常に若者の町と言われておりますけれども、そういう重層性が出てくるものですから、ぜひそのことをお願いしたい。お答えください。 ◎佐藤 烏山総合支所長 道路につきましては、斜めの道路を介して甲州街道に接していたわけですが、私の見解でございまして、これは東京都が判断するものでございます。したがいまして、ここで詳細についてご答弁申し上げるということはお約束できません。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 覚書の開示につきましては検討させていただきます。  以上でございます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、三十八番上島よしもり議員。    〔三十八番上島よしもり議員登壇〕(拍手) ◆三十八番(上島よしもり 議員) 新保守を結成いたしました上島でございます。我が国が依存、惰性の国家から対等、自立の国家へ変わっていくために、これからの地方自治体のあり方は大変重要です。地域の発展はもちろんでありますが、五十年後、百年後のために今何をすべきかという視点で議会活動を再出発いたします。時に意見が対立することがあるかもしれませんが、真摯な議論に努めてまいる所存です。何とぞよろしくお願いいたします。  それでは、順次質問をしてまいります。  まず初めに、安全安心の大きな要素である防犯について質問いたします。  まず、最近発表されました犯罪状況を見ますと、件数、順位が上がっております。一月から四月までの間の四千四百六十二件で第一位、これは区民に大きな不安をもたらすものでありました。もちろん先ほど他の議員の質問にもございましたが、この数字が安全安心の比較という意味で余り意味をなさないものと考えますし、過剰な動揺をもたらすものとして、私もこの順位づけに対しては、こういった発表のあり方については疑義を感じるところです。しかしながら、世田谷区広し、また人口多しといえども、件数はもとより、内容を見れば、安全安心にまだまだ課題があることは確かであります。  そこで、このように防犯件数が上がっている状況を見て、区はこれまでの取り組みをどのように評価しているのでしょうか。逆に他の区では件数も犯罪発生順位も顕著に下がっているところがございますが、その辺の分析を含め、区のご見解を伺います。  さて、安全安心のまちづくりの大きな課題、そして目標は、住民一人一人の意識や地域の連帯といった、区民の主体性による要素が最も重要であり、そういう意味では、住民の自主活動への助成策や防犯リーダーの育成など、当区も幹の部分はしっかり押さえていると思います。が、安全安心が政治の基本であるという考え方からすれば、まだまだやるべきことはあるのではないでしょうか。安全安心をうたっていながら、姿勢はまだまだ半身なのではと思えてなりません。  私はもっと全庁的な取り組みが必要であると考えます。例えば総合支所や出張所も職員一人一人が意識を持っていなければなりませんし、町に出るすべての職員が防犯に対する意識、高い姿勢というものを示していただきたいと考えております。  特にまちづくり出張所はまちづくりの情報の拠点となるはずでありまして、そこにはもちろん防犯に関する情報も集約されるべきだと思っております。しかし、町の防犯活動に参加することはありますが、そこまでの取り組みが見えてまいりません。もっときめ細やかに地元警察との連携をしていくなど、安全安心なまちづくりの仕組みづくりが必要と考えます。地域に一番身近な部署のあり方として、もっと積極的に考えていただきたいと思いますが、この点、いかにお考えか、お伺いいたします。  また、防犯はハードの面の取り組みも非常に重要であると思います。外国の取り組みでは住宅街を車が低速で走る工夫がなされております。これは車の運転手から犯行が見られるかもしれないという、犯行をちゅうちょさせるねらいがあるものでございますが、これが想像以上に効果があると報告されております。  具体的には、住宅街の車道をところどころ狭くするとか、ハンプといった、いわゆる突起物を設けたりする道路改良ですが、住宅街をスピードを出して走る車が見受けられる場所においては、交通安全対策と相まって有効と考えます。良好な住宅街が最大のブランドである世田谷区として、こういった取り組みも徐々に進めていくべきと考えますが、担当所管のお考えをお伺いいたします。  このような所管を超えてできる取り組みを進めていないことが半身の姿勢のあらわれのように思いますが、積極的なご答弁をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  今回、男女共同参画に関する区民意識調査の結果がまとめられましたが、これについて、一点のみ質問いたします。  先般発行されました区の広報ですが、表紙にこの調査の特集が組まれていまして、三つのアンケート結果が示されていました。ここの中の一つに「家庭や家族との関わり」と題して、「子どもや経済的な不安がなければ、結婚がうまくいかない場合、離婚してもかまわない?」「自分の仕事のために、女性が単身赴任するのもひとつの生き方だ?」「家族のために自分が犠牲になるのは耐えられない?」などといった設問から選ぶような形式になっております。
     今回の区民意識調査報告書の中には、その他、結婚・出産についての考え方など、ここでは詳しく紹介いたしませんが、家族観について踏み込んだ質問が幾つかございます。人の生き方や価値観はさまざまであり、この設問をすべて否定するものではありませんが、これも一方で過激なジェンダーフリー運動の流れがあった中で、行政が家族、家庭というものを軽んじているといった印象を与えてしまうのではないかと危惧をいたします。もちろんそういった意味合いのものではないと考えますが、確認のため、これらの質問の意図についてご説明いただきたいと思います。  次に、歴史教科書をめぐる問題について伺います。  文科省の教科書検定が終わって間もなく、韓国や中国の政府から日本政府に対し、教科書について抗議、批判が相次ぎました。隣国のこのような不当な干渉を心から遺憾に思うのは私だけではないと思います。  この不当性について、おおよそご理解いただけていると思いますが、まず国定教科書でない我が国の教科書制度を理解していないという点、次に、教科書の中に歴史の事実に反している記述はないという点、加えて近隣諸国条項に抵触する記述など具体的指摘がないという点であります。  さらに奇怪な事実をつけ加えれば、日中外相会談という公式な場での話ですが、教科書抗議をする李肇星外相に、町村外相が実際読まれたかどうか尋ねたところ、読んでいないとの回答が返ってきたということです。日本人の常識では考えられない対応であります。さすがにその後は教科書についての抗議は控えられましたが、とても残念でなりません。  私は、中国や韓国と真の友好を築くには、歴史認識や教育制度について確認しなければならないことがあると思いますし、私たちに仮に誤りがあれば正していくべきとも思います。しかし、まずこういった事柄を正式な国家間の外交に利用するかのような手法に対しては、お互いの未来のために、はっきりと正していく必要があると考えます。もちろんこれは政府が対応するところではありますが、区長はこの隣国の教科書に関する抗議等をどのようにお考えでしょうか。  私がなぜこのような事柄を取り上げたかと申しますと、これから教科書採択が行われる中で、他国のこのような抗議や批判をまともに受けた人たちから教育委員会への過剰な働きかけが横行し、教育委員が公平な判断がしづらい環境になってしまうことを危惧するからであります。  教科書の内容についての是非はともかく、この抗議がおかしいということを明確にしていただきたいと思います。道理を明言できる政治家として、区長のご見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 上島議員の教科書に関連してのご質問にお答えします。  ご指摘の韓国、中国の対応につきましては、これは政府の問題だと受けとめております。それはともかくとして、郷土を愛し国を思う気持ちは世界共通の願いであろうと考えています。教科書の採択に当たっては、教育委員会の権限と責任において十分な議論のもとに、世田谷区の子どもたちにとって最もふさわしい教科書はどうあるべきかを考えて採択を行うこととなっております。  歴史教科書に関しましてはさまざまな考えがあろうかと思いますが、常に冷静にとらえることも大切ではないかと考えております。  以上です。 ◎室星 危機管理室長 安全安心のまちづくりにつきまして、最近の犯罪情勢の分析も踏まえて、区の防犯に関する取り組みの評価ということでお答え申し上げます。  区といたしましても、犯罪の発生には地理的あるいは交通的な条件、またさまざまな要因があるというふうに考えておりますので、警視庁がおっしゃっておられる一律には比較できない、同様に考えているところです。  それから、区の評価でございますが、区は身近で発生する犯罪を防止し、区民の安全安心な生活環境を確保するため、重点パトロールを初めとした二十四時間パトロール、警視庁からの犯罪情報の提供、防犯活動団体への支援、防犯リーダーの育成等、さまざまな施策を展開してきております。  こうした取り組みの中で、例えば犯罪情報の提供に関しまして、区民の方からお礼の言葉をいただいたこともございます。こうした施策は、今後、必ずや防犯に効果を上げてくるものと考えております。  以上でございます。 ◎石濱 世田谷総合支所長 安全安心のまちづくりにおけますまちづくり出張所職員についてのご質問がございました。  これまで出張所では身近なまちづくり推進協議会の事務局といたしまして、地区の皆さんの主体的な活動である防犯パトロールを支援するなど、地区の安全安心のために、区民の皆様とともにさまざまな活動に取り組んでまいりました。  お話にありましたように、安全安心についての意識は職員一人一人が常に心がけなくてはならないことと認識をしております。とりわけまちづくり出張所の職員につきましては、安全安心の視点を持ちまして管内の状況把握に努めるとともに、区民に最も身近な自治体職員としまして、地区の安全安心まちづくりに果たす役割についての認識を深めてまいりたいと存じます。 ◎板垣 道路整備部長 私からは、道路改良について先進的な取り組みをすべきという点についてお答え申し上げます。  お話にありましたように、車道の一部を狭くしたりハンプを設置することは、車両のスピードを抑えることが可能でございまして、交通安全の面では有効であると考えております。しかしながら、歩道のない狭い生活道路にハンプを設ける場合、車いすの走行に支障が出るおそれがある、あるいは振動対策などの課題もございます。  いずれにしましても、区としましては、お話にありました防犯の視点に加えまして交通事故の防止という視点からも、また、生活道路での自動車速度の抑制は検討しなければならない課題であると認識しておりますので、今後とも、ご指摘のハンプに限らず区画線なども含めまして、速度抑制策について研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 男女共同参画に関する意識調査についてご答弁申し上げます。  結婚する、しないは個人の自由であるとか、子どもを持たない生き方もあるなど、結婚、出産、あるいは家族、家庭に関する考え方は多様化しているとよく言われますけれども、それでは、世田谷区の状況はどうかといいますと、十分なデータがそろっているとは必ずしも言えない状況にございます。  現時点での状況を調査する、そういうことを意図して、今回実施させていただいておりますけれども、区民の価値観や考え方の多様化の実態を十分把握し、今後の施策に参考としてまいります。具体的には、平成十九年度を初年度といたします、仮称ではございますが、次期の男女共同参画プランに反映させていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十八番(上島よしもり 議員) まず、今の男女共同参画のことですけれども、これから計画の策定に入っていく中で、誤った印象を与えたりといった表現をぜひとも避けていただきたいと思います。特段のご配慮をお願いいたします。  次に、先ほど区長からお言葉をいただきましたけれども、私も教育委員会がやはりできるだけ自然な状態で採択できる環境をつくってもらたいたい、そういうふうな願いで質問したわけでございます。ぜひその辺は努めていただきたいと思います。  もう一つ、防犯に関してなんですが、先ほど区全体の全庁的な取り組みとして、やはり意識改革というのがまた一つ大きくあると思うんですが、これをしっかり進めていくためには、例えば町に出る、町を歩いている職員が腕章をするとか、やはり安全安心に取り組んでいるという、そういう意識を持つような行動をとってもらいたいと思うんですが、その辺についていかがでしょうか。    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 この四月の組織改正におきまして、従来、この関係を危機管理室と生活文化部が分担しておりましたが、全庁的な立場から推進するために、危機管理室に統合してこの施策を推進してございます。さまざまなご意見を賜りながら、より一層頑張っていきたい、ご理解を賜りたいと思います。 ◆三十八番(上島よしもり 議員) 規範意識の低下とか、また遵法意識の低下というのが日本全体に確実に進んでおります。そういう中で、いつでも完全な体制がないという意識をしっかりと持っていただいて、これは防犯、当然その他の安全安心にかかわることを進めていただきたいんですが、特に最近ではハイテクの技術の導入等も他の自治体で進めようという動きがありますけれども、そういったことを踏まえて、今後の安全安心のまちづくりに対する、特に防犯に対する決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 ◎室星 危機管理室長 お答え申し上げます。  区といたしましては、今後とも区民の皆さんのみずからの町はみずからで守るという主体的な防犯活動を積極的に支えていくことはもとより、警察等関係機関と密接な連携を図りながら、ご質問の趣旨も踏まえまして新たな防犯技術についても研究するなど、知恵を出し工夫しながら、だれの目にも見えるような施策を展開し、犯罪の防止に全力を尽くしてまいります。  以上です。 ○菅沼つとむ 議長 以上で上島よしもり議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、一番新川勝二議員。    〔一番新川勝二議員登壇〕(拍手) ◆一番(新川勝二 議員) 質問通告の順序を一部入れかえて質問させていただきます。  初めに、トラスト協会と都市整備公社の統合、再編についてお聞きいたします。  区はその時々の社会状況を踏まえ、各種の外郭団体を設立し、新たな政策展開や重点課題の実現を図ってきましたが、近年の規制改革の急速な動きの中で、外郭団体を取り巻く環境は大きく変化してきております。  区は、外郭団体の設置者として、また多くの補助金や委託料を支出している立場から、外郭団体が今後担うべき役割を明確化し、自主財源の確保や経営の改善、効率化に向け適切に指導する必要があります。  こうした中、区は昨年、学識経験者や区民委員から成る世田谷区政策評価委員会から「外郭団体の経営と区の関与について」という報告書を受け、外郭団体改善方針をこの四月に取りまとめております。この外郭団体改善方針では、外郭団体の方向性という項目の中で、各団体ごとの事業実績や主要な事業の将来性、団体の抱える問題等を踏まえ、今後、区として期待する団体の役割や改善の方向性が示され、各団体が取り組むべき課題が明らかになっております。  昭和五十五年四月に設立されました財団法人世田谷区都市整備公社につきましては、まちづくりセンターの機能を核に、緑、まちづくり、住まいづくりに関する地域活動への支援とコーディネート機能の強化を図るために、また、平成元年十月に設立されました財団法人せたがやトラスト協会については、都市型トラスト運動のノウハウや、ボランティアネットワークとか賛助会員からの支援など、これまで培ってきたトラスト協会の財産などを活用し、世田谷の緑の保全・創出を総合的に進めるために、両財団を統合する方向で検討を行うとなっております。  そこで現在、両財団の統合に対する検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  また、統合と申しましても、両財団にとってメリットがない限り、統合は困難であると考えられます。両財団の設立趣意書の比較から、統合はふさわしくないのではないかという声も聞かれる中、統合のメリットとしてどのようなことが考えられるのでありましょうか。さらに、統合を進めるに当たり、主要な課題としてはどのようなことが考えられるんでしょうか。  このような両財団統合の話は、財団のもとで活動を続けていられる方々にも伝わっており、そうした方々からは、今後の活動に影響があるのではないかという不安の声も聞かれております。正確な情報が少ないこともあるとは思いますが、こうした方々の声を聞く機会や説明についてはどのように考えているのか、お聞かせください。  両財団の統合については、平成十八年四月を目途に検討が進められていると聞いております。今後の進め方についてお聞かせください。  次に、岩崎学生寮用地についてお聞きいたします。  本年四月、北烏山七丁目十二にある岩崎学生寮の敷地について、公有地の拡大の推進に関する法律、公拡法に基づき、土地所有者から都知事へ買収要請手続がされ、区が交渉の結果、残念ながら不調に終わったと聞いております。  烏山の当該地区は、岩崎学生寮を中心とする貴重な緑が残された場所であり、敷地内は樹木に覆われた緑豊かな環境にあります。この自然環境の保全を求め、平成十五年には一万余名もの署名、陳情が区長あてに出るなど、区民の関心も高い場所であります。近隣には二百メートルも歩けば鴨池などのある烏山寺町街、大学の運動場などもあり、一帯は閑静な第一種低層住居専用地区に指定されており、世田谷西部地域地区計画区域の中にあります。  また、この地域の地下水というのは、武蔵野台地の中でもローム層の中にある浅い地下水層で、宙水と呼ばれ、とても浅い井戸でも水を得ることができるという限られた場所であり、今では残っているところがわずかと言われます。このことは緑の保全のためには大変よい環境と言われ、貴重な場所と考えております。  今後、この土地が他の民間に売却されてしまうという最悪のストーリーも予想されますが、土地買収には相手のあることではありますが、区は乱開発をさせない強力な指導を行うとともに、区が公園として買収するなど、区民の要望に沿った動きが必要と思われますが、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。  次に、区役所周辺地区のまちづくり事業で、建てかえに対する不燃化助成についてお聞きいたします。  先月、住宅公庫が墨田区と協力して、木造住宅が密集する市街地の再開発に乗り出すとあり、狭い敷地にある老朽化した木造住宅等の建てかえ促進に、公庫が協力し建てかえ支援をするということでありました。  木造密集地域の防災化、不燃化というのは、各区においても真剣に取り組まなければならない課題であると思います。しかし、いつ起きてもおかしくないという大地震に対して、非常時には区の庁舎がその対応、対策の中心的機能を担うことになります。そのためにも、木造密集地域など周辺地域の不燃化、耐震化が必要となります。  世田谷区では、区役所周辺地区、国士舘大学一帯広域避難場所では、災害時に燃えにくい地区内避難路の確保、大火を防ぐ延焼遮断帯の形成、また地区まちづくり計画の改正を受けて、周辺不燃化による広域避難場所の機能維持を追加しまして、平成十五年七月から広域避難場所外周地区百二十メートルを助成対象としております。  しかし、不燃化を早期に進めるためには、規制策とともに誘導策が必ず必要となります。しかし、誘導策として導入されている防災生活圏促進事業は平成十九年三月をもって事業終了と聞きます。このまま防災生活圏促進事業の終了とともに誘導策を打ち切った場合には、効果が見えない中途半端な施策となってしまうと考えられます。このため、防災生活圏促進事業にかわる新たな誘導策が必要となってくると思います。  そこで、これまでの成果は上がっているのか、また、今後の取り組みはどうするのか、お伺いしたいと思います。  最後に、地域コミュニティー活性化支援事業についてお聞きします。  新たな地域行政の推進についてという中で、これからの地域行政制度のあり方として、少子・高齢化の進展や、大都市のコミュニティーの希薄化の中、より身近な地区での区民自治の充実や、区民と行政との協働の取り組みを一層促進するため、新たな出張所を中心に自主的なまちづくりやコミュニティー活動への支援を強化するとあります。  このたびの地域コミュニティー活性化支援事業では、事業支援を行うために、今年度二千七百万円の予算が計上されており、そのメニューごとに定めると、その使われ方が提示されております。先日、メニューに対するアイデア募集がされております。  しかし、実施に当たり、出張所地域を中心に、町会、自治会等で毎年継続的に実施している地域活動は対象外であり、コミュニティー活動団体に対して、同一団体の同一の活動に対しては単年度とするという考え方であります。  そこで、ぜひ検討していただきたいということは、活動を単年度支援ということではなく、継続的に支援していくことはできないのか、そういうことを考えなくてよいのか、また、八月に事業実施者の募集、十月事業実施では遅くないのか、この事業は今後とも継続して行っていけるのか、お伺いしたいと思います。  また、この事業の目指すところでありますコミュニティー活性化のためには、地区のさまざまな活動団体同士、この連携のつなぎ役が必要となってまいります。この役を果たせるのは、地区の実情を第一線で把握しているまちづくり出張所ではないかと考えております。また、先ほど触れました新たな出張所のコミュニティー活動支援の強化に期待するところも大であります。  そこでお尋ねいたしますが、まちづくり出張所のあり方とこの事業へのかかわりについてのお考えをお伺いします。  以上で壇上での質問を終わります。(拍手)    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 トラスト協会と都市整備公社の統合に関しまして、統合のメリットは何か、主要課題は何か、お答えを申し上げます。  国は昨年、景観緑三法を制定し、また、世田谷区はご案内の国分寺崖線保全整備条例、斜面地建築物の制限条例、みどりの基本条例の制定など、緑の施策、再構築に着手したところであります。  この機をとらえまして、地域の自然的環境、住まい、景観などを総合的にとらえまして、区民、事業者、行政が協働して、地域環境の保全や改善に取り組むまちづくりをさらに強化することが必要となってきております。  具体的には、両財団が有する区民等とのネットワーク、住民参加のまちづくりや自然的環境保全のノウハウ、ボランティアの皆さんや他の活動団体の皆さんの力を結集し、より幅広く大きな力が発揮できるものと考えております。  統合にかかわります主要な課題といたしましては、統合の方法、寄附行為、事業計画、財政計画、組織体制、新財団の名称等が見込まれますが、今後、両財団の評議員会、理事会等で議論が深められるものと考えておりまして、ご指摘の趣旨に沿いまして、区としても正確な情報提供、きめ細かな対応に努めてまいります。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。 ◎株木 都市整備部長 私からは、トラスト協会と都市整備公社の統合再編についての三点のご質問にお答えいたします。  まず、現在の状況についてでございますけれども、トラスト協会と都市整備公社の統合再編につきましては、お話のように、本年二月、両外郭団体に対し外郭団体改善方針に基づきまして、財団法人せたがやトラスト協会並びに財団法人世田谷区都市整備公社の改善に係る改善検討指針に沿った検討を依頼したところでございます。また、指針では、平成十八年四月を目途に両財団を統合する方向で具体的な検討を進めるとしております。  両財団におきましては、この依頼を受け、両財団の常務理事、事務局長及び都市整備部長を構成員とする財団法人せたがやトラスト協会並びに財団法人世田谷区都市整備公社の改善検討に係る協議会を四月に設置し、検討を重ねているところでございます。統合に当たりましては、それぞれの財団を解散し、新財団として発足する方法が選択肢として妥当ではないかという方向で議論している状況でございます。  次に、関係団体等の声を聞く機会や説明についてどう考えているのかとのお尋ねでございます。  両財団におきましては、定期的に毎月、区民の方々と話し合う機会を持っておりまして、その場で出された貴重なご意見等を協議会に上げ、検討を進めていく考えでございます。  また、関係団体等への説明に当たりましては、両財団で発行しております会報トラスト、まちセン新聞などを利用しまして関係団体等へ説明するよう、また、広く区民に周知するため、両財団で開設しておりますホームページを利用し、周知を図っていきたいと考えております。  最後に、今後の進め方についてでございますけれども、今後とも関係団体等のご意見、ご提案をいただきながら、本年四月に設置した、先ほど申し上げました協議会において鋭意検討を進め、必要に応じ、両財団の理事会、評議員会におきましてもご審議等をいただくとともに、区議会に対しましてもご報告をする手順で進めてまいります。  また、両財団の主務官庁でございます東京都にも随時相談し、平成十八年四月を目途に、両財団の統合、検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎石濱 世田谷総合支所長 区役所周辺地区のまちづくり事業につきましてのご質問がございました。  区役所周辺地区では、平成十年に国士舘大学一帯が広域避難場所として指定されたことを受けまして、災害時に逃げなくて済む街を目指しまして、避難場所周辺の不燃化及び安全な避難路の確保を目的に防災街区整備地区計画を策定いたしまして建築物の不燃化を図るとともに、東京都の防災生活圏促進事業を活用いたしまして、建てかえに際し、耐火建築物、準耐火建築物に助成金を交付して、不燃化を促進しております。  これらの規制及び誘導策によりまして、区役所周辺地区での不燃化促進は成果を上げておりまして、引き続き不燃化を図っていく必要があると認識しておりますが、都の防災生活圏促進事業が平成十九年三月をもって終了するため、区といたしましては、今後、地域の実情に合いました不燃化促進策を検討してまいります。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 コミュニティー支援事業について、二点お尋ねをいただきました。  初めに、継続的支援を視野に入れた取り組みが必要ではないかというご質問でございますが、本事業は、町会、自治会を初めさまざまな地域コミュニティーの活性化と、コミュニティー同士の連携につながる活動や、今まで地域のさまざまな活動に参加をしてこなかった人たちが自分も参加してみたいと思えるような魅力ある活動を発掘し支援することをねらったものでございます。  地域の活性化には、地域、地区の皆さんのさまざまなコミュニティー活動が長く安定して継続することが大切であり、地域が抱えるさまざまな事情に即した支援が必要であると考えております。数多くのアイデアや計画が寄せられ、新しい発想での活動が展開されることによりまして、地域コミュニティーの活性化や、人と人、地域活動団体同士のネットワークが毎年少しずつでも広がりを見せてくれることを期待しておりますが、この事業がより有効に生き、地域の活性化につながるよう、ご指摘の点も踏まえまして、さらに事業効果が上がるよう検討してまいります。  次に、支援の時期を柔軟にというご質問でございます。  六月一日号の「区のおしらせ」でアイデア募集の記事を掲載いたしました。受け付けや審査などの手続を考慮いたしますと、初年度でもあることから、現段階では補助金を交付できるのはおおむね十月ごろになるものと想定しております。しかしながら、一件でも多く支援し実績を上げることが、この事業の趣旨を生かすことにつながります。各地域のコミュニティー活動の実態を踏まえ、各総合支所やまちづくり出張所からも協力をいただきながら、できるだけ柔軟に対応してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎佐藤 地域情報政策担当部長 私からは、地域コミュニティー活性化支援事業につきまして、まちづくり出張所のあり方とかかわりについてお答えします。  現在、区では出張所単位に身近なまちづくり推進協議会や青少年地区委員会、ごみ減量・リサイクル推進委員会などのまちづくり組織が、安全安心、健康、福祉、子ども、青少年、生活環境など、多くの分野についてさまざまな活動を展開するとともに、小中学校単位の学校協議会への参加や連携も行っております。出張所は、こうしたさまざまな取り組みを支援するため、十を超える事務局機能を有しており、その意味では、お話にもありましたように、まちづくり出張所の果たす役割は大きいと考えます。  こうした状況を踏まえ、新たな出張所は、基本計画が示す区民主体のまちづくりと協働連携を一層進めるため、地区まちづくりの拠点としての役割を強化するものであります。
     したがいまして、地域コミュニティー活性化支援事業につきましては、区民の主体的なまちづくりへ向けての重要な支援策として、まちづくり出張所、拠点出張所とともに総合支所、本庁とも連携しながら、町会、自治会を初めさまざまな団体のつなぎ役として事業のPRを行い、事業のご利用を積極的に働きかけていきたいと考えます。  以上でございます。 ◎佐藤 烏山総合支所長 岩崎学生寮用地について、今後の見通しと保全方針のご質問をいただきました。  この用地は、北烏山七丁目におきまして財団法人岩崎育英奨学会が所有し、主として鹿児島県の学生が寄宿する寮を中心とした、約三・八ヘクタールの緑の豊かな土地でございます。  お話にございましたように、本年四月、所有者より東京都に公有地の拡大の推進に関する法律、いわゆる公拡法に基づく買い取り申出書が提出され、区は、この一部を公園用地として取得すべく、所有者側と交渉を持ちましたが、用地の切り売りには応じられないことと価格に開きがあるなどの理由から、意向に添えない旨の回答をいただいております。  今後につきましては、現在この用地が民間に売却されたという情報は得ておりませんが、幾つかの会社から区の窓口で開発の相談を受けております。こうした動きを見ながら、区としての判断をしてまいります。  岩崎学生寮とその周辺の保全方針につきましては、都市整備方針におきまして緑の拠点の形成を図るべき場所と位置づけ、基幹公園を整備することとしておりますので、多くの区民の方々の要望を念頭に、今後の状況も見定めながら、可能な限り核となるべき公園用地の確保に努めてまいります。  また、仮に事業者による開発が行われる場合には、緑の保全を図るとともに、道路の新設や拡幅及び安全な歩行者空間の創出等、事業者の協力を得るためのこの用地を対象にした整備方針を作成しており、この方針に基づき、都市計画法の開発行為の指導とあわせまして、この地域の緑豊かな環境を守っていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆一番(新川勝二 議員) いろいろご答弁いただきまして、本当にありがとうございました。  この岩崎学生寮用地につきましても、世田谷区に残されました本当に限られた大規模民有地であるというふうに思います。この買収に対しましても、後世に悔いを残さないような取り組みをぜひともお願い申し上げます。  また、地域コミュニティー活性化支援事業というのは、自主的なまちづくりに向けました重要な取り組みと考えますので、しっかりとした自立支援の仕組みづくりをお願いしたいと思います。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 議長 以上で新川勝二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、四十九番下条忠雄議員。    〔四十九番下条忠雄議員登壇〕 ◆四十九番(下条忠雄 議員) 世田谷の古紙分別回収は、世田谷リサイクル協同組合が四五・七%、そして平成十二年の清掃事業の区移管のときに東京都から押しつけられたというのかな、これは雇い上げと書くんだけれども、雇上会社、これが五四・三%行っています。  雇上会社とは、請負契約を随意で契約している、それで清掃車両の雇い上げを行っているわけだけれども、古紙回収については、一日、運転手づき車両二十台、作業員三十六名の提供を受けていて、年間の予算額は三億二千万ということであります。  ところで、このリサイクル協同組合との随契の委託契約について、私が地方自治法に違反しているんじゃないかと言ったら、平谷助役は、区内全域を対象に総合的な対応が可能である、効果的な実施体制が組める、官公需適格組合の認証を受けている、こういう点を挙げて、随意契約にしている、これはこじつけ答弁だと思うんだけれども。雇上会社との随意契約は地方自治法に違反するんじゃないかと私は思うんだけれども、どうでしょうかね。  それから、分別回収をした世田谷区の古紙、缶、瓶は、世田谷リサイクル協同組合と協定を結んでいる、ここにあるけれども。それで処分を委託しているんだけれども、古紙については、リサイクル協同組合が回収したものも、雇上会社が回収したものも、集中的にリサイクル協同組合員である株式会社中田、こういう名前の問屋へ持ち込まれて処理の上、売却されているんです。  古紙は商品だよ、市場がある。荒川区には三十社ぐらい、足立区には二十社ぐらいの古紙問屋があるというふうに聞いていますけれども、世田谷区はなぜか、このリサイクル協同組合を隠れみのにして、この株式会社中田一社だけと独占的な取引をしている。私はこの取引は、随意契約の要件である地方自治法施行令の百六十七条の二、一項のそれぞれの号に該当しない、地方自治法に違反する、こう思いますが、どうでしょうか。  今掲げた、これがリサイクル協同組合と結んだ平成十六年四月の協定書、非常に長ったらしい舌をかむような名称だから、それは言いませんけれども、内容は、古紙、缶、瓶の単価が記載されていますが、別紙に「納付金額等単価表」ということで、古紙、缶、瓶、これの単価が記載されている。  それで、古紙については、新聞、雑誌、段ボールと各品目があるんだけれども、まず新聞の一キログラム当たりの単価、売却金額、必要経費、納付金額、これが出ております。売却金額というのはメーカーに売却した金額ですよね、これが十円。それから必要経費が七円九十銭。納付金額、これは世田谷区に納められる金額は二円十銭なんです。大変これは、二円十銭なんていう金額はないと思いますな。この必要経費の算定については、必要経費と売却金額を証する書類を世田谷区に提示すれば、この表は三カ月に一遍変えられることになっているんです。要するに向こうの言いなり放題ということなんですよ。  一方、足立区では、問屋二十社と、それから回収業者四十八社が城北リサイクル協同組合というのを結成して、問屋の回収業者からの受け付け価格、これは世田谷区で言えば、今二円十銭ですよね。これを三カ月ごとに改定して、会員に知らせております。  この価格の算定方法は、昨年度までは日経新聞に掲載されている市場価格、これに連動していた。ただ、日経新聞というのは非常に簡単に書いてあるので、今年度からは「古紙ジャーナル」という、こういう専門紙の古紙の市況に掲載されている関東地区の中値、真ん中の値段で決めているとのことです。ちなみに、平成十六年四月から六月分は一キログラム当たり五・五円、十七年の四月から六月、今年度ですね、これは七円、こうなっています。  ところで、平成十六年度の世田谷区の新聞、雑誌、段ボールの分別回収の総量は三万五千八百トンです。大田だとか区境を除いて、さっきも言った中田商店というのかな、中田問屋に八八%持ち込まれているんです。  それから、ややこしくなるから雑誌と段ボールは別にして、新聞の回収量は一万四千トン、このうち八八・七%、一万二千五百トンが中田へ集中されているんです。同社がそれで売却をしている。  そういう状況の中で計算をしてみますと、世田谷区は二円十銭で売っているんです。足立区の回収業者は五円五十銭で売っている。そうすると、差額が三円四十銭だ。三円四十銭というのは大変な額です。新聞だけで平成十六年度の計算をすると、四千五百万円ぐらい世田谷区は損をしている勘定になる。世田谷リサイクル協同組合が、何かよくわかりませんけれども、不当にもうけているのではないかと。ビルが建つと言う人もいます。その点についてちゃんと答弁してください。  市場価格というのが厳然と存在しているにもかかわらず、業者の言いなりになって価格が決まっている、こんなことがあっていいはずはないんです。これはもう背任だ。回収に委託料が十二億円ぐらいかかっているんですよ。さらにこういう金がかかっている。まさに人の金だから、こんなことをやっているんだよ。答弁してください。  それから、祖師谷~成城の循環バスの問題だけれども、実験運行と本運行のバスの定員が二十六人から三十五人になったと。これは聞いたら、大きくなったそうですよ。横が五センチで、長さが七十五センチ大きくなった。それじゃ、あなた、実験運行は何だったのかということになりますよ。歩行者の安全だとか安心の確認が実験運行の目的だったんでしょう。こんなのはペテンだ。これはバス会社の利益優先をしているんだね、これは度しがたい。実験運行の目的は何だったのか、明確にしてもらいたい。  それから、七月運行は失敗に終わりましたね。住民集会で自民党の都議会議員が出ていたらしいけれども、七月三日の都議選での自民党の点数稼ぎは、残念がら失敗に終わったと思います。警視庁に言われるまでもなく、私がこの前再三言ったように、祖師谷通りは危ないんだよ。成城の方だって非常に危ないんですよ、これは住民が言っているけれども。警視庁に言われて中止せざるを得なかった。  熊本区長は聞く耳を持つとか、住民の安全安心が大事だなんて言っているけれども、どうも自民党の区議や都議、また自民党議員の選挙を丸抱えでやっている地元の商店街だとか特定の町会などの方ばかり見て七月運行を強行しようとした、これはけしからんということだと思いますよ。  そんなことで、住民の方ははしごを外されたわけで、結果責任は大きいと思います。どう責任をとるのか、ひとつそこをはっきりしてもらいたい。  時間が来た、終わりましょう。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 古紙回収につきまして三点のお尋ねをいただきましたので、お答え申し上げます。  まず一点目に、雇上清掃事業に関しまして、雇上会社との契約についてのお尋ねについてお答え申し上げます。  「雇い上げ」と書きますけれども、雇上会社と申しますのは、昭和九年に清掃事業が東京――当時、市ですね。東京都の全面直営事業になって以来、請負事業者としまして、都の実施する清掃事業のあらゆる場面に車両を提供してきました、現在五十二社の事業者のことを言います。これら事業者につきましては、事業の近代化でありますとか機械化、車両設備の増強等に努めるなど、都の施策に積極的に協力してきた経緯がございます。  それで、現在のこの雇上会社との契約につきましては、清掃事業の区への移管の際に東京都から引き継いだものでございまして、平成十二年に都と区の間で締結いたしました清掃事業の特別区移管に当たっての関係事業者に係る覚書等を踏まえまして、清掃事業の管理執行事務といたしまして集中処理をし、随意契約によって締結されております。  随意契約の理由でございますけれども、区が使用しております清掃車につきましては、区民サービスの徹底及び収集作業における安全を確保することの必要性から、区のいわゆる直営車に準じた架装基準を適用しておりまして、契約の相手方には、常にこの基準を満たしている一定の車両を保有していることを求めております。  雇上会社は、この条件を満たすとともに、長年にわたり清掃車を供給してきているという経緯があり、区が実施いたします清掃事業における作業内容を熟知しているということがございます。また、平成十二年の覚書において、過去の実績等を踏まえて業者を選定することが確認されているところでございます。  なお、この平成十二年の覚書につきましては、締結されてから五年が経過し、締結した内容に社会経済状況や各区の独自施策等適合しない部分が生じていることから、一点目としまして、清掃協議会の管理執行事務である雇上契約につきましては各区による契約に改める、二点目といたしまして、すべてのごみ種について新規参入を行うことができるとする、この二つの見直しの方向を現在決めているところでございます。  この見直しに当たりましては、これまでの経緯も踏まえ、関係事業者への適切な対応を図ることが不可欠なため、現在、関係者との協議を進めているところでございます。  次に、区が回収した古紙を一業者に集中的に卸しているということについてのお尋ねでございます。  現在、古紙の回収に当たりましては、資源分別回収事業として、回収から古紙問屋への搬入、そしてこん包等の中間処理、製紙メーカー等の再生会社への引き渡しまでの事業を委託しているところでございます。  古紙問屋の選定に当たりましては、委託先であります世田谷リサイクル協同組合におきまして、都内の交通事情を勘案した搬送時間や荷おろしの利便性などと回収効率を考慮した結果、現在は区内に一つしかない、お話の古紙問屋及び近隣の大田区、杉並区、渋谷区の古紙問屋を活用しているところでございます。現在の回収の仕組みにつきましては、事業全体としての効率性、経済性、それから安定性を考慮した仕組みでございます。  今後とも社会経済状況が変化する中で、常に市場価格を意識するとともに効率性等を考え、資源回収システムを運営してまいりたいというふうに考えております。  次に、この古紙の売り払いの際の区への納付額についてのお尋ねでございます。  現在、この納付額の算定に当たりましては、委託業者におきまして古紙が製紙メーカーに有償で売却できた場合には、売り払う際に必要となる事務費用及び混入物の除去、こん包機等によるこん包費用等、中間処理に要する費用などを必要経費として控除の上、残金が区に納付される仕組みとなっております。  具体的には、今お話にございましたように、納付金額を確定するために、新聞、雑誌など品目ごとの一キロ当たりの売却金額、必要経費、納付金額の単価を定めております。この単価につきましては、常に市場価格の動向を反映させるため、従前は三カ月単位で見直しておりましたけれども、十五年から毎月見直すということにしておりまして、委託業者に製紙メーカー等の売り払い金額や必要経費につきまして、毎月必要な報告をさせることによって確認する仕組みとなっているところでございます。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 私からは、祖師谷~成城循環バス運行の延期についての二点のご質問についてお答えいたします。  まず七月運行を強行しようとして失敗した区の責任を問うとのお尋ねでございます。  祖師谷・成城地域循環ミニバスにつきましては、本年七月の本格運行に向け、関係者や地域の皆様のご協力をいただきながら関係機関等と協議、調整し、路線の安全対策を実施してまいりましたが、本格運行に向けて、さらなる箇所の安全対策が警視庁より求められております。  また、本年二月二十三日に「祖師谷・成城地域循環ミニバス反対に関する陳情」、三月二十四日に「祖師谷・成城地域を循環するミニバスの早期促進を求める陳情」が区議会に提出され、四月十八日開催の公共交通機関対策等特別委員会におきまして、今後、警視庁や地元との調整などの区の対応を見守るとの判断がなされ、両件とも継続審査となっております。  現在、地域の皆様と安全対策について話し合いを行っており、皆様方の合意が得られるような安全対策を提案しているところでございます。今後も現在のルートで安全対策を行った上で、一日も早い運行が実施できますよう調整していきたいと存じております。  次に、実験運行と本運行のバスの大きさが違うのではないかとのお尋ねでございます。  昨年十一月に実施しました実験運行におきましては、一カ月間で約一万一千人の利用者がございましたが、この期間中に満員通過が十一回あり、多くの方々にご迷惑をおかけしました。この実験結果を踏まえまして満員通過にならない車両の導入について検討し、三十五人定員の車両導入につきまして、ことし二月三日、四日に開催されました実験運行結果の説明会にて、住民の方にご説明しております。  なお、実験運行時における車両はバリアフリー対応ではございませんでしたが、今回導入を予定しております車両はノンステップ型のバリアフリー対応となっております。  以上でございます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で下条忠雄議員の質問は終わりました。  これで一般質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時五十分休憩    ──────────────────     午後六時五分開議 ○菅沼つとむ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 △日程第二から △第六に至る五件を一括上程いたします。  〔霜越次長朗読〕 日程第二 議案第五十七号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例外議案四件 ○菅沼つとむ 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。平谷助役。    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 ただいま上程になりました議案第五十七号より議案第六十一号に至る五件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第五十七号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、戸籍の全部、個人又は一部の記録事項の証明手数料等について定めるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十八号「世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、地方税法等の改正に伴い、特別区民税の非課税の範囲を変更するとともに、特定管理株式が価値を失った場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例について定め、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第五十九号「包括外部監査契約の締結」につきましてご説明いたします。  本件は、平成十七年度に係る包括外部監査契約を締結するため、地方自治法第二百五十二条の三十六第一項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十号及び議案第六十一号の二件につきましてご説明いたします。  まず、議案第六十号につきましては、老朽化した総合運動場体育館について耐震補強やバリアフリー化などの大規模改修を行うことにより、区の社会体育施設の中核的な体育館として、その機能の充実を図るものであります。  次に、議案第六十一号につきましては、小田急線連続立体交差事業に伴う高架下における公共施設等の利用計画に基づき、地域図書館を整備するものであります。  議案第六十号及び議案第六十一号の二件の契約締結につきましては、地方自治法施行令第百六十七条第一号の規定に基づきまして、指名競争入札により実施いたしました。業者の指名に当たりましては、工事の規模、設計内容等を慎重に検討いたしまして指名を行い、入札に付しました。  その結果、議案第六十号「世田谷区立総合運動場体育館規模改修工事請負契約」は白井建設株式会社が落札し、同社と三億九万円で契約しようとするものであります。  議案第六十一号「仮称世田谷区立経堂図書館新築工事請負契約」は、小田急建設株式会社が落札し、同社と二億九千百九十万円で契約しようとするものであります。  これら二件の契約の締結につきましては、地方自治法第九十六条第一項第五号並びに「世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第二条の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第五十七号より議案第六十一号に至る五件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本五件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、 △日程第七から △第九に至る三件を一括上程いたします。  〔霜越次長朗読〕 日程第七 議案第六十二号 世田谷区立区民斎場条例の一部を改正する条例外議案二件 ○菅沼つとむ 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。山田助役。    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 ただいま上程になりました議案第六十二号「世田谷区立区民斎場条例の一部を改正する条例」、議案第六十三号「世田谷区立区民会館条例の一部を改正する条例」及び議案第六十四号「世田谷区立区民センター条例の一部を改正する条例」の三件につきましてご説明申し上げます。  本三件は、地方自治法の改正に伴い、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う業務の範囲等を定めるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。
     以上、議案第六十二号より議案第六十四号に至る三件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本三件を区民生活委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、 △日程第十から △第十四に至る五件を一括上程いたします。  〔霜越次長朗読〕 日程第十 議案第六十五号 世田谷区立厚生会館条例の一部を改正する条例外議案四件 ○菅沼つとむ 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。山田助役。    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 ただいま上程になりました議案第六十五号より議案第六十九号に至る五件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第六十五号「世田谷区立厚生会館条例の一部を改正する条例」、議案第六十六号「世田谷区立老人会館条例の一部を改正する条例」、議案第六十七号「世田谷区立老人休養ホーム条例の一部を改正する条例」及び議案第六十八号「世田谷区立身体障害者デイサービスセンター条例の一部を改正する条例」の四件につきましてご説明いたします。  本四件は、地方自治法の改正に伴い、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う業務の範囲等を定めるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第六十九号「世田谷区在宅介護支援センター条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、奥沢在宅介護支援センターの位置を変更するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第六十五号より議案第六十九号に至る五件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本五件を福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、 △日程第十五から △第二十四に至る十件を一括上程いたします。  〔霜越次長朗読〕 日程第十五 議案第七十号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例外議案九件 ○菅沼つとむ 議長 本十件に関し、提案理由の説明を求めます。平谷助役。    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 ただいま上程になりました議案第七十号より議案第七十九号に至る十件につきましてご説明申し上げます。  まず議案第七十号「世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、世田谷区立中町二丁目北公園を設置するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十一号「世田谷区福祉のいえ・まち推進条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、特別特定建築物の建築等における義務等を定め、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十二号「世田谷区営住宅管理条例の一部を改正する条例」、議案第七十三号「世田谷区立特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例」及び議案第七十五号「世田谷区立高齢者借上げ集合住宅条例の一部を改正する条例」の三件につきましてご説明いたします。  本三件は、地方自治法の改正に伴い、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う業務の範囲等を定めるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十四号「世田谷区立子育てファミリー借上げ集合住宅条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、子育てファミリー借上げ住宅の管理の委託を廃止するとともに規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十六号「世田谷区自転車条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、世田谷区立経堂北自転車等駐車場外一カ所を廃止するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十七号「世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者の指定」につきましてご説明いたします。  本件は、世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者を指定するものであります。地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十八号につきましてご説明いたします。  本件は、新たな特別区道の路線の認定に関するものであります。道路法第八条第二項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  次に、議案第七十九号につきましてご説明いたします。  本件は、特別区道の路線の変更に関するものであります。道路法第十条第三項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第七十号より議案第七十九号に至る十件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  本十件を都市整備委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、 △日程第二十五から △第二十七に至る三件を一括上程いたします。  〔霜越次長朗読〕 日程第二十五 議案第八十号 世田谷区立総合運動場条例の一部を改正する条例外議案二件 ○菅沼つとむ 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。平谷助役。    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 ただいま上程になりました議案第八十号「世田谷区立総合運動場条例の一部を改正する条例」、議案第八十一号「世田谷区立千歳温水プール条例の一部を改正する条例」及び議案第八十二号「世田谷区立地域体育館地区体育室条例の一部を改正する条例」の三件につきましてご説明申し上げます。  本三件は、地方自治法の改正に伴い、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う業務の範囲等を定めるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第八十号より議案第八十二号に至る三件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  なお、質疑についての発言時間は、議事の都合により、答弁を含めて十分以内といたします。  発言通告に基づき発言を許します。  十四番あべ力也議員。(拍手) ◆十四番(あべ力也 議員) ただいま上程になりました議案八十号と議案八十一号について質問いたします。  この議案は、指定管理者制度に伴う条例改正でありますが、先日、財団法人世田谷区スポーツ振興財団が指定管理者制度に係るプロポーザル提案書の提出を業者に求めている事実が発覚いたしました。この依頼書によりますと、対象施設は世田谷区立総合運動場と世田谷区立千歳温水プールの二施設で、一括してプロポーザルの対象としております。さらに提出期限は六月三日になっており、議会でこの二施設に関する条例改正が上程される以前に、スポーツ振興財団があたかもこの指定管理者になり、先行的に下請業者を募集するかのごときは問題であり、議会軽視だと考えます。  また、今議会初日の区民連の代表質問において、業者選定については、今後、選考委員会を設け、透明性を持ち、情報を区民に公開していくと区側は答弁をしている矢先にこのような事実がわかり、遺憾に思います。  指定管理者制度は、外郭団体と事業者が対等な立場で行えるはずであります。今回のプロポーザルへの不参加意思を表明しても、業者には不利益が生じるものではないと書いてございますけれども、事業者にプレッシャーをかけることにならないのか、疑問を感じぜずにはおりません。  そこで質問をしてまいりますが、この状況を見てどのように区側はお考えになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。今回のこのプロポーザルの手続上の問題はどこにあるのか、その問題の所在を明らかにしていただきたい。また、財団と区の役割分担はどうなっているのか、その点についても明確にしていただきたい。まず質問します。 ◎庄司 教育次長 お答え申し上げます。  今回の件は、スポーツ振興財団が将来を見通し、指定管理者制度参入に向け競争力を強化するため、かつ経営改革を行うため、マネジメントについて、シンクタンクとして業者に提案を求めたと聞いております。  あと、手続上の問題でございますが、スポーツ振興財団は指定管理者になることが前提となっているかの誤解を与える内容となっております。その点が問題点と考えております。  失礼いたしました。もう一点でございます。  財団と区の役割分担についてでございます。指定管理者制度導入に当たっては、指定管理者を決定するのは施設の設置者である教育委員会であり、スポーツ振興財団は、公募、非公募にかかわらず、指定管理者として指定を受けるために申請を行う立場でございます。  以上です。 ◆十四番(あべ力也 議員) 今回の事態が六月九日に発覚をして、教育委員会は六月九日、急遽凍結をしておりますが、このような判断をした理由はどこにあるのか、その理由を述べていただきたい。  そして、今回こういうことで、議会にも、そして区民にもこの指定管理者制度に対して疑念を抱くようなことが生じてしまったということに関して、今後の対応、それについて述べていただきたい。  そして、なぜ条例の提案の前にこういうことになったのか、その点について、しっかりと説明をしていただきたいと思います。 ◎庄司 教育次長 教育委員会としての対応でございますが、先ほども申し上げましたが、今回の件はスポーツ振興財団が指定管理者になることが前提となっているかの誤解を与える内容となっており、指定管理者制度導入についての条例改正についてのご審議をいただく段階で、そのような誤解を与えることは大きな問題があると考え、私どもとしては凍結を決定いたしたところでございます。  今後の対応についてのお尋ねでございます。  本定例会で条例改正の議決をいただいた上で、施設の性格等を慎重に見きわめ、公募とするか、非公募とするか、その後、公募、非公募にかかわらず、外部委員を加えた選定委員会で厳格な審査を行った上で指定管理者候補者を決定し、議会の議決をいただいた上で指定管理者として選定してまいります。  以上でございます。 ◆十四番(あべ力也 議員) 区民連といたしましては、この議案に関して、上程すること自体に瑕疵があるということで、今回質疑をさせていただきましたけれども、意見についてはこの席では述べられないということでありますから、委員会の中でしっかりと意見を述べさせていただきたいと思います。  質疑を終わらせていただきます。(拍手) ○菅沼つとむ 議長 以上であべ力也議員の質疑は終わりました。  これで質疑を終わります。  本三件を文教委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 次に、 △日程第二十八を上程いたします。  〔霜越次長朗読〕  日程第二十八 請願の付託 ○菅沼つとむ 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、福祉保健委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十八分散会...