• "削減提案"(/)
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  1. 世田谷区議会 1991-11-05
    平成 3年 11月 定例会−11月05日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-04
    平成 3年 11月 定例会−11月05日-01号平成 3年 11月 定例会 平成三年第四回定例会 世田谷区議会会議録 第十三号 十一月五日(火曜日)  出席議員(五十四名) 一番   南里吉彦君 二番   新田勝巳君 三番   三田真一郎君 四番   石井徳成君 五番   石塚一信君 六番   唐沢敏美君 七番   斉藤国男君 八番   高橋忍君 九番   諸星養一君 十番   薗部みどり君 十一番  飯塚和道君 十二番  土田正人君 十三番  星谷知久平君 十四番  真鍋欣之君 十五番  山内彰君
    十六番  宇田川国一君 十七番  下条忠雄君 十八番  大庭正明君 十九番  西村孝君 二十番  上地良昌君 二十一番 中嶋義雄君 二十二番 市川康憲君 二十三番 小谷勝君 二十四番 鈴木昌二君 二十五番 土橋賀君 二十六番 浜中光揚君 二十七番 内藤義雄君 二十八番 長谷川佳寿子君 二十九番 森川礼子君 三十番  森田イツ子君 三十一番 長谷川義樹君 三十二番 増田信之君 三十三番 小口義晴君 三十四番 近岡秀輔君 三十五番 宮田玲人君 三十六番 内山武次君 三十七番 山口昭君 三十八番 中村大吉君 三十九番 五十畑孝司君 四十番  東まさ君 四十一番 丸山孝夫君 四十二番 中塚護君 四十三番 和田勉君 四十四番 吉本保寿君 四十五番 小畑敏雄君 四十六番 広島文武君 四十八番 平山八郎君 四十九番 荒木義一君 五十番  原秀吉君 五十一番 笹尾淑君 五十二番 田沼繁夫君 五十三番 三田てい子君 五十四番 村田義則君 五十五番 山崎治茂君  欠席議員(一名) 四十七番 大高定左右君  出席事務局職員 局長       津吹金一郎 次長       関昌之 課長補佐     広瀬孝雄 議事主査     山田政孝 議事主査     高橋明 議事主査     安齋俊彰 議事主査     河上二郎 議事主査     吉川尚志 調査係長     本多俊一  出席説明員 区長       大場啓二君 助役       佐野公也君 助役       吉越一二君 収入役      菊池佳丈君 世田谷総合支所長 新井一郎君 北沢総合支所長  田中和男君 玉川総合支所長  成富則紀君 砧総合支所長   友保信二君 烏山総合支所長  生田歡吾君 区長室長     多賀井信雄君 企画部長     川瀬益雄君 総務部長     清水潤三君 税務経理部長   宮崎幸男君 区民部長     大島冨士男君 生活環境部長   市川一明君 産業振興部長   峯元啓光君 福祉部長     西倉義憲君 障害福祉推進室長 小畑昭君 衛生部長     工村房二君 都市整備部長   鈴木蓊君 建設部長     鈴木宣朗君 道路整備部長   森尚之君 教育長      小野原進君 学校教育部長   浜田昭吉君 企画課長     平谷憲明君 財政課長     武藤峻君 総務課長     鎌田一郎君     ──────────────── 議事日程(平成三年十一月五日(火)午後一時開議)  第一 認定第一号 平成二年度世田谷区各会計歳入歳出決算認定  第二 議案第八十四号 世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の一部を改正する条例  第三 議案第八十五号 仮称世田谷区立第二生活実習所新築工事請負契約  第四 議案第八十六号 仮称世田谷区立第二生活実習所新築電気設備工事請負契約  第五 議案第八十七号 仮称世田谷区立第二生活実習所新築機械設備工事請負契約  第六 議案第八十八号 仮称世田谷区立砧西公園覆蓋構造物等建設工事委託契約  第七 議案第八十九号 財産(ウィーン市ドゥブリング日本庭園用建物等)の無償譲渡  第八 議案第九十号 世田谷区出張所設置条例の一部を改正する条例  第九 議案第九十一号 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例  第十 議案第九十二号 世田谷区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例  第十一 議案第九十三号 世田谷区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例  第十二 議案第九十四号 世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第十三 議案第九十五号 特別区道路線の認定  第十四 議案第九十六号 特別区道路線の認定  第十五 議案第九十七号 特別区道路線の廃止     ──────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定
     三、代表質問  四、諸般の報告  五、日程第一 決算特別委員会設置、付託  六、日程第二から第七 企画総務委員会付託  七、日程第八及び第九 区民生活委員会付託  八、日程第十 福祉保健委員会付託  九、日程第十一から第十五 都市整備委員会付託     ────────────────     午前一時開会 ○議長(五十畑孝司 君) ただいまから平成三年第四回世田谷区議会定例会を開会いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) これより本日の会議を開きます。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   四  番 石井徳成君   五十二番 田沼繁夫君 を指名いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、会期についてお諮りいたします。  今次定例会の会期は本日から二十八日までの二十四日間といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(五十畑孝司 君) ご異議なしと認めます。よって会期は二十四日間と決定いたしました。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、区長から招集のあいさつの申し出があります。大場区長。    〔区長大場啓二君登壇〕(拍手) ◎区長(大場啓二 君) 平成三年第四回世田谷区議会定例会の開催に当たり、一言ごあいさつ申し上げます。  さて、統一地方選挙の執行など、年度当初から区政を取り巻く環境には、何かと慌ただしかったこともあり、二十一世紀に向けて「飛躍の時代」と位置づけました一年目も、瞬く間に半年が過ぎ去りました。また、本年は例年に比べて台風の襲来が多く、全国的にも農作物や文化財などに被害が発生するとともに、区内におきましても、河川のはんらんによる浸水などの被害が生じ、区民生活を初め、区政のいろいろな局面に影響が及んだところであります。一方、我が国の経済は、戦後最長だったイザナギ景気を上回る景気拡大が持続しているものの、緩やかな減速傾向が見られるなど、先行きの不透明感が漂い、区を取り巻く諸環境には、楽観を許さないものがございます。  しかしながら、本年は世田谷区にとって、未来に向けて大きく飛躍する節目の年であります。すなわち大都市における新しい自治の仕組みを追求する地域行政制度が発足するとともに、激動する時代に的確に対応するために、三つの新しい視点を導入した実施計画がスタートいたしました。おかげさまで、地域の実情に即したきめ細かい行政サービスの提供や、区民の皆様と共同してまちづくりを推進する地域行政制度も、議会を初めとする区民の皆様の高い自治意識とご理解に支えられ、順調に進展しております。皆様のまちづくりに対するご熱意に敬意を表するとともに、ご協力に心から感謝申し上げる次第であります。  また、現在、実施計画に計上いたしました計画事業の実現に向け、庁内を挙げて、鋭意取り組みを進めているところでありますが、昨今の区政を取り巻く課題について幾つか申し上げます。  まず、野毛大塚古墳から発掘されました文化財などについて申し上げます。  このたび、関東の中期古墳文化を代表する大型の帆立貝式前方後円墳として著名な野毛大塚古墳から、東日本では初めて甲ちゅうがセットで発見されました。地中に横たわる甲ちゅうを見るにつけ、とうとうと流れる歴史への思いが限りなく広がりを見せ、時が一瞬とまってしまったような錯覚に陥ったほどでありました。このほか、多数の武具やまが玉などの副葬品も出土し、被葬者は、南武蔵の最高首長ではないかと調査団は分析をしております。新聞を初め、多くのマスコミに報道されるとともに、考古学の分野からも高い関心が寄せられております。詳細につきましては、今後の調査に期待いたしたいと考える次第であります。  次に、仮称区立第二生活実習所の建設について申し上げます。  早いもので、「完全参加と平等」をテーマに、地球規模で障害者問題への理解を深めようとの趣旨で、国連が提唱した国際障害者年から十年が経過いたしました。世田谷区でも、障害のある方々が地域で安心して暮らしていけるよう、昭和五十八年に策定した障害者施策行動10か年計画のもとに、総合的な施策の推進に努力してまいりました。この間、家事援助サービス訪問看護事業を初めとする在宅サービスの充実を図るとともに、三宿つくしんぼホームなどの通所施設や、キタミ・クリーンファームにおける就労機会を拡充する成果を上げることができました。さらに、障害福祉の大きな課題の一つである障害の早期発見、早期療育につきましても、乳幼児育成相談事業の実績を踏まえ、平成元年には、心身障害者総合的療育システム地域リハビリテーションの充実を目指して、総合福祉センターを開設したところであります。  このように、着実に進展してまいりました世田谷区の障害福祉施策でありますが、近年、障害者や介護者の高齢化並びに障害者の増加、障害の程度の多様化、重度化などに対する施策の充実が大きな課題となってきております。とりわけ区内養護学校中途身体障害者などの状況から判断いたしますと、通所施設の整備拡充が、早急に対応しなければならない課題の一つであると考えております。このようなことから、本定例会には、弦巻二丁目に建設予定の仮称第二生活実習所工事請負契約についてお諮りしているところであります。  いずれにいたしましても、都市型福祉工場など就労機会の拡大を初め、障害福祉施策の充実には、区民の皆様の深いご理解とご協力が必要不可欠であります。今後とも、障害のある方を初め、すべての区民の皆様が住みなれた町に住み続けられるよう、力を注いでまいります。  次に、農地問題について申し上げます。  九月十日、施行されました改正地方税法及び生産緑地法により、今後、世田谷区内の農地につきましては、基本的には保全するものと宅地化するものとに分類されるとともに、新たな生産緑地につきましては、都市計画に定めることになりました。世田谷区では、これを機会に生産緑地地区のあり方を総合的に検討し、農地・緑地の保全と農業の振興を図るとともに、宅地化する農地については、道路や都市空間の確保などの都市基盤を整備し、計画的な宅地化を図ってまいりたいと考えております。このため、十一月一日、区長を本部長とする世田谷区都市農地総合対策本部を発足させたところであります。今後とも、農業従事者の意向を的確に把握するとともに、都市と調和した農業を通じて、潤いのあるまちづくりに向けて努力してまいりますので、皆様のご理解をお願い申し上げる次第であります。  次に、公園コンペの結果について申し上げます。  都市における公園は、スポーツ、レクリエーション活動など、貴重な余暇空間として利用されるとともに、防災上も重要な役割を担っております。当区としても、羽根木公園プレイパークなどを初め、特色ある公園づくりを進めているところでありますが、このたびのコンペは、公園利用者などの知恵や要望を計画段階から取り入れ、多くの区民の皆様に親しまれる公園づくりを目的として実施したものであります。  本年二月に三つの部門から成る都市の公園設計競技を発表いたしましたが、その後、全国から四百三十五点のすばらしいアイデアが寄せられました。このような試みは、既に煙突コンペで全国的な関心の高さがうかがわれておりましたが、区内のみならず、全国から斬新な発想が積極的に寄せられますことは、世田谷ならではのことと喜びにたえないところであります。  第一部門の「人工地盤上の近隣公園」並びに第二部門の「住宅地の中の公園群」は第一席入賞作品に基づき建設してまいりますが、第三部門の「公園にいかしたいアイデア」は、今後の公園づくりに幅広く活用させていただきます。今後とも都市に潤いとゆとりをもたらす施策の充実につきましては、環境問題を含む地球規模の視点から、皆様のご協力を幅広く得ながら、その推進を図ってまいります。  ところで、ウィーン市公園局がドゥブリング区内で建設を進めております日本庭園工事も、大詰めに差しかかっております。日本庭園工事に当たりましては、世田谷区は、これまでも基本構想、基本設計策定に当たっての技術指導など、側面から支援をしてきたところであります。来年五月には完成の運びとなると伺っておりますが、庭園は「世田谷公園」と命名されるとのことであります。世田谷湾に続いて、ウィーン市に世田谷の名前が冠せられますことは、世田谷区にとって非常に名誉なことであり、この喜びを胸に、今後とも世界の人々と多彩な交流を続け、親睦を深め、世界の平和に貢献してまいりたいと決意を新たにしております。このようなことから、姉妹都市交流の記念となるものとして、あずまやなどを贈ることを本定例会にご提案申し上げた次第であります。  次に、財政問題について申し上げます。  初めに、本定例会では、平成二年度の各会計歳入歳出決算についてご審議いただくわけでありますが、その概要について申し上げます。  平成二年度の我が国の経済は、経済構造調整が進展しつつある中で、内需主導型の経済成長が続き、個人消費、企業の設備投資とともに堅調に推移しており、景気の持続的拡大が図られました。この結果、平成二年度の実質経済成長率は、政府の改定見通し五・二%を大きく上回る五・七%となり、ここ数年で一番高い成長率を達成しております。こうした中で、本区の財政運営を行うに当たっては、健全財政の維持を基本とし、限られた財源の有効かつ効率的な運用に配慮しながら、実施計画を中心とした諸施策に重点的な財源を配分し、「ヒューマン都市世田谷」を目指して、その推進に全力を注いだところでございます。  この結果、平成二年度の一般会計の決算収支は、歳入総額が二千二百十八億三千余万円、歳出総額は二千百五十四億九千余万円となり、実質収支は五十九億三百余万円の黒字となっております。実質収支が黒字となりました要因といたしましては、歳入面では、ほぼ予算計上額が確保されたこと、また歳出面では、予算の執行に当たって可能な限り経費節減に努めるなど、健全財政の確保に努力した結果によるものと考えております。  次に、平成三年度の財政運営でありますが、昭和六十一年十二月に始まった今回の景気拡大が、今なお続いてはいるものの、景気判断は微妙な段階に差しかかってきたとの分析もあり、慎重な財政運営を必要とする状況にあります。したがいまして、今後とも各事業の執行に全力を挙げ、当初の計画に支障を来すことのないよう努力いたしてまいります。  また、現在、平成四年度の当初予算編成に向け、事務レベルでの作業を進めております。予算編成に当たりましては、新たな税制改正の動きやバブル経済の崩壊後の経済動向など、区財政にとって慎重な対応が求められる状況が続くものと予測されます。こうした中で、来年度の予算編成に当たっては、中長期的な視点に立った財政見通しのもと、極力財源の確保に努め、計画事業とも十分整合を図り、区民福祉のなお一層の充実のために、積極的な予算編成を行ってまいりたいと考えております。  さて、本日提案申し上げます案件は、「平成二年度世田谷区各会計歳入歳出決算認定」など十五件でございます。これらはいずれも重要な案件でございますので、何とぞ慎重ご審議の上、速やかにご可決賜りますようお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(五十畑孝司 君) 以上で区長のあいさつは終わりました。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) これより日程に先立ちまして、代表質問を行います。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、日本共産党を代表いたしまして、五十二番田沼繁夫君。    〔五十二番田沼繁夫君登壇〕(拍手) ◆五十二番(田沼繁夫 君) 日本共産党区議団を代表し、質問いたします。  さきの臨時国会で、政府自民党がねらってきた小選挙区制法案やPKO法案が国民の反対の前に、廃案や継続審査となり、海部内閣が退陣に追い込まれました。民主主義を守ろうとする勢力の大きな勝利でありました。しかし、自民党は性懲りもなく、今度はリクルートで汚れた宮澤政権を推し立て、自衛隊の海外派兵であるPKO法案について、きょうから始まる臨時国会で成立をねらっております。  宮澤氏はこの七月まで、自衛隊の海外派兵について、できないことはできないとしていたわけでありますけれども、その節操のなさは目に余ります。  PKO法案は、憲法の平和原則とは全く相入れないばかりか、政府自身が昨年は武力行使を伴うから、憲法上できないと言ってきた国連平和維持軍に、自衛隊を派遣するというものであります。さきの国会では、その正当化を図るために、武力行使と武器使用は違うとか、危険があれば日本は独自に撤退するなど、詭弁としか言いようのないへ理屈を並べましたが、自民党の中からもガラス細工と言われ、完全に言い分が崩れたものであります。  我が党は、今、日本に求められている国際貢献は、このような軍事貢献ではなく、核兵器廃絶など、軍縮にイニシアチブをとること。世界有数の経済力と科学、技術力を持つ国として、世界の災害救助や飢餓、貧困問題の救済に当たり、地球環境の改善などに役立つことだと考えるものであります。  さきの定例会前にソ連共産党が解体し、我が党は歓迎を表明しましたが、その後も大きな情勢の変化が起こっております。ブッシュ大統領が大幅な核兵器の削減を発表しました。フィリピンの上院は、アメリカへの基地の提供を拒否をする、ソ連も東欧から撤退を始めるなど、世界が大局的には、核も基地もない平和な方向へ変わろうとしていることが最大の特徴ではないでしょうか。  アメリカの核削減の提案は、戦術核兵器を中心とした従来にない大幅な削減、撤去であり、我が党は世界平和のために歓迎するものであります。このような核兵器の削減となったのは、ブッシュ大統領自身が述べたように、直接的にはソ連脅威論がなくなったこと、財政難に悩むアメリカの事情、何よりももう核兵器は要らないという世界の声の反映であります。広島の市長は、米ソはこれを契機に核兵器廃絶に向けて、引き続き努力をと述べましたが、これが世界の諸国民の願いなのではないでしょうか。  ところが、日本政府の態度は、世界の動きに逆行していると言っても過言ではありません。フィリピンが金を積まれても主権を侵害されるから基地はだめだと断ったのとは対照的に、日本の政府は、在日アメリカ軍に対し、思いやりということで四千七百億円、アメリカ兵一人当たり一千二十三万円も負担をする。核兵器についても、廃絶は究極ということで遠いかなたに追いやろうとしております。米ソの核兵器大幅削減、ソ連を中心とした軍事同盟の解体、基地撤去への世論の高揚など、今、世界は歴史の転換点にあるのではないのでしょうか。  世田谷平和都市宣言は、地球上から核兵器をなくし、戦争のない平和な世界を実現することはすべての人々の願いであると述べておりますが、区長は、今こそこの立場に立ち、日本政府はもとより、米ソを初め世界に向かって、今こそ核兵器廃絶を訴えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、ごみ問題について質問をいたします。  東京都はごみ対策の一環として、当区も含めた清掃工場の新設を打ち出すとともに、ごみ減量化行動計画をまとめました。危機的な状況のもと、こうした計画を立てることは当然なことであります。今、大事なことは、ごみ問題を一刻も早く解決してほしいという区民の期待にこたえるためにも、東京のごみ問題がなぜこれほどまでに深刻になったのか、解決の基本は何なのか、処理、処分をどうするかだけではなく、生産、流通、消費、廃棄とごみの流れを抑え、全体との関係から、ごみ問題を考えていく必要があるのではないでしょうか。  そもそも東京のごみが急増した最大の原因は、東京一極集中政策にありました。東京都自身も昨年、東京集中問題調査報告書を出し、このまま集中を続けたら、交通、ごみ問題など、危機的状況になると指摘したわけです。実際、鈴木都政の開発計画のもと、この五年間で二十三区の業務ビルの面積は三割もふえました。このオフィスビルの大量建設とOA化の進展を主な背景とし、企業からの持ち込みごみは、五年間で七十万トンの増加、全体の伸びが百万トンですから、ごみ増大の責任の大半が、東京集中のもとでの事業系のごみの増加にあることは明らかであります。今や企業ごみは、区部の一般廃棄物の三分の二、これをどれだけ抑えるかが、ごみ問題打開のかぎとなっております。  ところが、鳴り物入りでつくった都のごみ減量化計画も清掃工場の計画も、いずれも集中を是正しようという視点がなく、一極集中を続けることを前提とし、ごみがふえるのを前提にするという、こうした根本的な欠陥を持つ計画となっております。現在、都の計画している再開発は、二十三区だけでも百五十二カ所、事務所の床面積は、西暦二〇〇〇年には今と比べても三割以上ふえると予測されており、これでは幾ら東京スリムごみ問題解決と言っても、絵にかいたもちになるのではないでしょうか。  さらに、都の減量化計画の中身を見ると、瓶や缶、古紙の資源回収をするとか、清掃条例を改正するなど、三百四十項目の提案をしておりますけれども、業界に押され、瓶や缶などの再生利用の目標数値を引き下げるとか、デポジット制度を見送るなど、当初の案より後退した内容となっています。また、プラスチックについてどうするかの対策がなかったりなどの弱点を持ち、計画どおりのごみの減量は無理と言わなければなりません。  今回、自区内処理の原則が前面に出てきたことは結構ですが、清掃工場未設置の十一区のうち、新宿、台東、文京については、適地がないと見送りになりました。今月一日付の「都政新報」では、計画で最も大きな問題点は、清掃工場未設置区のうち、三区が引き続き検討となったことだ、大原則である自区内処理の一角が崩れてしまったと書いております。東京のごみ問題解決のためには、都自身がこれまでのごみ問題に対する失政の反省に立ち、ごみ問題が深刻になった原因にメスを入れること、開発を野放しにする姿勢を根本から改めることは、避けて通れない課題と考えます。  我が党は東京都に対し、一極集中の是正、企業ごみの規制と減量、リサイクルの徹底、清掃工場未設置区への工場建設の推進を強く求めますが、区長の所見と基本的な考えはいかがでしょうか。  次に、住宅対策の一層の充実をということで質問をいたします。  ことしに入って、固定資産税の評価替えによる値上げが押しつけられ、また、さきの臨時国会では、借地・借家法が改悪されるなど、ますます住みにくくなっているというのが現状であります。世田谷区は他に先駆けまして、住宅条例を制定し、数々の先駆的な施策を行ってまいりました。今後も、公共施設の建てかえに際しての合築などを含め、さまざまな住宅対策に取り組むことを予定しています。多様な方法で、住宅対策に取り組むという方向は理解するところでありますけれども、既に幾つか実践を経てきたわけで、これまでの成果を吟味することも必要なのではないでしょうか。そうすることによって、区の住宅政策の方向性が、より明確になると思うからであります。  特に私が吟味が必要だと思うのは家賃補助制度であります。後期実施計画では、今年度借り上げなどによって、直接供給するのが六十四戸、家賃補助によるものが百九十戸となっており、家賃補助制度は区の住宅政策の柱になっているわけです。この制度は、ことし高齢者を対象にしたもの、障害者とひとり親家庭を対象にしたもの、福祉施設に働く職員を対象にしたものと、三つに分かれてスタートをいたしました。  これまでの実績を見ますと、高齢者の補助制度は、今年度の予定百二十件に対し、二十五件の決定、障害者とひとり親家庭では、予定四十件に対し、決定が三件、福祉職員を対象としたものは、予定の三十件に、決定が四十八件であります。福祉職員を対象にしたものは評判がよいようですが、社会的弱者と言われる人たちを対象にしたものは、決定が予定よりかなり低いというのが現状であります。そればかりか、高齢者の家賃補助制度の応募は四十五件であり、応募そのものも低いわけです。こうした状況は、障害者、ひとり親の家賃補助制度でも共通しております。  区は、こうした状況をどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか、お考えをお示しいただきたいと思います。障害者、ひとり親の補助については都の基準のままでありまして、所得制限を緩和するなど、実態に合わせて、改善すべきことを要望するものであります。  具体的な質問に入ります。  第一は、ファミリー層にも家賃補助を拡大してほしいということであります。勤労者への家賃補助、その第一歩として、福祉職員から始まりまして、区の人口減少の中心が子育てファミリー層だということは、これまで論議されてきましたし、子育て世帯は、とりわけそこに住み続けたいという意向が強いわけですが、住宅が狭いということを最大の理由として転居をしていっております。住む権利を保障し、人口のバランスを保つ、そのためにも質のよい借り上げ住宅などの提供とともに、これが大量に建設されるまでは、速効性のある家賃補助制度を確立すべきと考えますが、いかがでしょうか。  第二は、高齢者、障害者などについては、既に住んでいるが、高家賃に苦しんでいる、こうした世帯にも補助を拡大すべきだという質問であります。区への家賃補助の問い合わせでも、家賃が高くて補助をしてほしいという相談が結構あるということですが、私も何件か相談を受けております。  成城に住む、ある八十歳近いひとり暮らしの高齢者は、家賃の更新時期になりますと、必ず私に相談をしてきます。ことしの春、三回目の相談を受けましたが、今回は五千円の値上げを言われたということであります。貯金を取り崩しての生活は大変に不安だ補助を受けられないかというものでありました。  区内の高齢者の実態調査でも、ひとり暮らし高齢者の一六%が年収百万円以下となっております。また、ひとり親家庭では、家賃の負担感について、半数以上の家庭が生活必需品を切り詰めるほど苦しい、このように答えております。ぜひとも高齢者や障害者、ひとり親家庭などについては、今住んでいるが家賃が高くて、という世帯にも補助を広げるべきだと考えます。所見を伺いたいと思います。区の一層の取り組みを期待いたしまして、次の質問に移ります。  次は、先ほど区長からもあいさつがありました、障害者施策の充実の問題で質問をいたします。  国連の国際障害者年を受け、区は世田谷区障害者施策行動10か年計画を策定いたしました。来年がその仕上げの年、最終年に当たります。大切なことは、完全参加と平等を目標としたこの計画の十年間の到達を明らかにするとともに、情勢の変化を踏まえ、今後の基本的な課題をはっきりさせることなのではないでしょうか。  この間の区の取り組みをざっと見てみますと、八十一年の障害者年には、障害者歯科診療が開設され、また、ミニハンディキャブが運行されました。福祉的就労の分野では、区立烏山福祉作業所の建設、民間との提携で岡本福祉作業ホーム、親の会との協力のもと、白梅福祉作業所、これが第五まで開設をされました。さらに、障害者緊急一時保護、三宿つくしんぼホーム、総合福祉センターの建設と数々の実績を上げてきました。同時に、この十年間の障害者をめぐる状況の変化、要望から見て、取り組まなければならない課題も多々あります。  区内の障害者をめぐる状況の変化ですが、この十年間に障害者は四千人以上ふえ、一万三千六百人となりました。脳卒中などの中途障害者が著しくふえるとともに、青鳥養護学校、光明養護学校などの卒業生は、今後も毎年五十人から六十人が予定されております。卒後対策は計画的に、また、こうした施設の建設については、昨年の玉堤の例もありますので、このような偏見から来る反対などについては、区が姿勢を確立し、手を打っていただきたいと思います。このことをまず要望しておきます。  次に、具体的な質問で伺ってまいります。まず、障害者の自立、親亡き後の問題について伺います。  障害者が生まれたときから、親は自分が亡くなった後のことを考えると、こう言いますけれども、介護者が高齢化してきた現在は、その対策も避けて通れない課題となっております。また、障害者の場合、とりわけ精薄者は、母と子が一心同体の生活となっており、成人になっても、親がいなければ何もできないというのが一般的なケースでもあります。  最近も区内の福祉作業所で、母親が入院したため、障害者の子供−−−子供といってももう成人でありますけれども、自分では何もできなくなり、作業所に来れなくなったという例が生まれております。早い時期から母と子の分離を図り、障害者の自立を図る。そのための生活寮、グループホームは、既に全国で三百カ所以上に広がっております。世田谷でも、ぜひ生活寮の設置を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  第二の質問は、福祉機器の常設展示をということであります。福祉機器は、障害者の自立を支える上で欠かすことができません。食事や排せつ、衣服の着脱など、その人に合った福祉機器は生活を豊かにします。またリフトなど補助器具を使うことによって介護の手を省いたり、介護者の腰痛を防いだりすることができるわけであります。  デンマークでは、福祉機器センターが人口二十五万に対し一カ所あり、車いすだけでも百種類、その人に合うように改良し、無料で貸し出されていると言います。東京には飯田橋にこうしたセンターがあるわけですけれども、障害者がそこまで行くのは大変であります。区でも福祉機器のセンターをつくり、障害者、高齢者が身近にこうした福祉機器を見て、相談できる体制をとれるようにしてはどうかと考えるわけでありますけれども、いかがでしょうか。  第三の質問は、福祉まちづくりの問題であります。障害者の社会参加の拡大ということで、当区では昭和五十七年に福祉のまちづくりの施設整備要綱をつくりました。こうした中で、確かに区の施設については一定の整備が進んでまいりました。しかし、一たび町に出ますと、道路など、車いすが通れなかったり、とりわけ公共的な民間の施設については、まだまだというのが率直な実感であります。  例えば駅についても、エスカレーターの設置など一部では始まりましたけれども、鉄道側の姿勢としては、どんどん進めるというのではなく、駅の改造計画に合わせてということでありまして、いつになったら障害者などが安心して利用できる駅になるか、見当もつきません。  私、この秋に区議会の海外研修に参加をさせていただきました。ベルギー、オランダなどの駅を見ましても、大変古いものでありましたけれども、どのホームにもエスカレーターが設置をされているのには感心をいたしました。区は、民間施設について、この福祉まちづくりをどのように具体化しようとしているのか、これまでの取り組みを踏まえた認識と、今後の考えを伺いたいと思います。  次に、農地、緑の保護について質問をいたします。先ほど本部が発足をしたということでありますが、具体的な問題で伺っていきたいと思います。  今、農家は、終生農業を営むことを原則とする生産緑地地区の指定を受け、農地として保全するか、あるいは宅地化するか、今その苦悩の選択に立たされております。年内には意向を固めなければならないわけですが、農協の幹部は、政令、省令で細目が決まったのが九月の十日。以前の説明と違うものもあり、一、二回の説明会ではよくわからない。短期間で戸惑っていると率直に述べておりました。農家にとって宅地並み課税になると、農地のときの百倍もの固定資産税がかかる上、これまで免除されていた相続税もかかってまいります。かといって、農地課税となる生産緑地地区の指定を受けようとすると、終生営農が原則、三十年たたなければ買い取り請求ができない。しかし、三十年先どうなるかはわからないというので、決断がつきかねるという声も少なからず出ております。  区内農地は約二百六十ヘクタール、区の総面積の五%を占めるとともに、二十三区の農地の六分の一を占めております。農民の意向調査では、生産緑地の指定を受けようという人は半数、特別の対策をとらなければ、区内農地は激減するとともに、急激な宅地化、乱開発などを招くことは必至であります。都市農業は、新鮮な野菜の供給とともに、緑のオープンスペース、都会の潤いの場を提供してきました。世田谷は環境がよいと言われてきましたが、この問題によって一気にそれが崩れかねない。世田谷の将来を大きく左右する大問題と言っても過言ではありません。法律は決まったわけですが、生産緑地地区の指定の原案をつくるのは区であります。農地を保護し、緑を守り、乱開発に歯どめをかける。まさに区の努力と知恵が今求められているのではないかと考えるわけであります。以下、二点について質問をいたします。  第一の質問は、生産緑地地区の指定についてであります。生産緑地地区は、五百平米以上の一団の土地というのが条件ですが、公道に接していない袋地の問題や区画整理内農地など、どこまで認めていくのか。駅のそばの農地を含め、制度内で最大限幅を持たせ、できるだけ生産緑地に指定すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、生産緑地の指定は農家の申請が原則ですが、待ちの姿勢ではなく、農家の悩みの相談にも乗り、指定を受けるように、積極的に働きかけていっていただきたいと思います。  第二の質問は、宅地並み課税を選択した農地については、積み立て基金も活用し、公園や公共用地として、積極的に買収ができないかということであります。区内の公園面積は二百九ヘクタール、一人当たり二・七二平米、新基本計画では三平米が目標となっており、目標達成のチャンスとして買収していただきたいと思います。  また、条件のあるところは、区民農園、子供の遊び場、苗圃などとして区に貸していただき、緑地機能、都市空間機能を維持すべきであります。これらに提供された土地は、固定資産税、都市計画税が免除になるわけですが、区全体の配置を見ながら、提供を働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
     区としての対策本部が確立されたわけですが、知恵を出し、農地、緑の保存に全力を尽くすことを期待し、次の質問に移ります。  最後に、砧一丁目へのサミット出店問題について伺います。  大店法の改悪以来、区内には大型小売店舗の出店計画がメジロ押しになっております。桜新町では、大丸ピーコック、芦花公園では伊勢丹ストアー、成城や二子玉川でも出店計画が出されており、二十三区の中でも世田谷は最も出店の多い地域の一つとなっております。このまま見過ごすなら、区内商店が大打撃を受けることは必至であります。とりわけこの中でも、環状八号線と世田谷通りがちょうど交差する砧一丁目に計画されておりますサミットストアーは、五階建てで、売場面積が七千平米、区内では高島屋、西武アムスに次ぐ大型店であり、その影響が心配をされております。  サミットの出店計画書によりますと、衣料や食料、雑貨、日用生活用品の販売で、年商が五十億円、平日の来客が三千人、夜九時まで営業、商圏は半径二キロメートルと見ております。この範囲には九つの商店街がありますが、近隣の商店街では死活問題と受けとめ、署名運動も展開をされております。ある商店主は、頭の上で爆弾をぶつけられた感じだ。これまでくらいの規模なら何とかもちこたえられたかもしれないが、今度は一網打尽だと言っておりました。  また、共通して指摘されているのは、交通渋滞が一層ひどくなるのではないかという問題であります。出店場所は、環八と世田谷通りの交差するところであり、今でも慢性的な交通渋滞となっています。ここに百十台の駐車場と三百八十五台の自転車置き場を備えた大スーパーが出店するわけですから、一層渋滞がひどくなることは火を見るより明らかであります。我が党としては、これまでも大店法の規制緩和に反対するとともに、大型小売店の出店については、厳しく規制するよう主張してまいりました。区は地域の不安をしっかりと受けとめ、区民や中小業者の立場に立って、サミット出店問題について、具体的に事に当たるべきと考えるわけでありますけれども、いかがでしょうか。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 今日、ソ連の政治情勢の変化やアメリカ及びソ連両国の大幅な核戦力の削減提案などによりまして、平和に向かって一歩前進したことは喜ばしいことであると考えております。  区では、区議会ともご相談しながら、昭和六十年八月十五日に平和都市を宣言しており、この中で平和を愛する区民の願いにこたえ、核兵器の廃絶と世界に平和の輪を広げていくことを明らかにいたしております。区では、これまでに平和の火の設置、平和映画祭の開催、平和資料展の開催などを行ってまいりました。現在は、平和記念文集の発刊準備を進めているところでございます。また昭和六十三年五月には、核兵器の廃絶と軍縮の促進を求めるアピールを国連に提起しているところでもございます。  いずれにいたしましても、このような世界の変化によっても、人類は依然、核兵器の脅威にさらされているという心理は取り除かれてはいないのでございまして、今後ともあらゆる機会をとらえ、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを訴えていきたいと考えております。ご提案の点につきましても、検討させていただきたいと考えております。  次に、ごみ問題についてでありますが、ごみ問題が象徴する身近な環境の悪化が、今や地球レベルの問題になるまでに発展していることは、広く認識されているところでございます。今日、都市社会にとって都市基盤の整備とともに、ごみ問題を含む環境対策は緊急かつ重要な問題であります。東京のごみ問題を見るとき、東京への政治経済などの一極集中が大きな原因の一つと言われております。国においてはこうした状況を解消するため、国の機関や産業の地方分散を図るなど、努力を重ねておりますが、一朝一夕に解決しないのが現実であります。住民に最も身近な基礎的自治体としては、こうした国の対応を待つのみではなく、ごみ問題を緊急の課題として対処していく必要があると考えております。  ごみ量の増加は、大量消費生活、情報化の進展により、オフィスビルから排出される事務系ごみの増加などが大きな原因と言われております。廃棄物の増大、質の多様化が進んでおりまして、収集運搬の部分では、地域に根差した省資源リサイクルや、よりきめ細かな分別収集が課題となっているところでございます。処理処分につきましては、再資源化や高度技術の活用が課題となっているところであります。このために処理処分の共同処理というものも進んできております。しかしながら、東京都の最終処分場は、平成七年度には満杯になると見込まれ、新処分場並びに清掃工場の建設が緊急の課題となっており、今日の状況を呈しているわけでございます。  清掃工場の整備計画につきましては、その策定に至る過程で、私どもといたしましても、自区内処理の原則は理解できるものの、まず未処置の区に優先して整備すべきだと、都に対して強く要望してまいってきております。区といたしましては、国、都に対して、都市構造のあり方を抜本的に再検討することを求めるとともに、当面、都、二十三区一体となって、緊急課題である清掃事業の抱える問題解決に積極的に取り組んでまいる所存でございます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 私からは、生産緑地地区の指定は、制度内で最大限幅を持たせて指定すべきではないか。また、待ちの姿勢ではなく、積極的に働きかけるべきではないかというご質問に、まずお答えを申し上げます。  生産緑地地区の指定基準策定に当たりましては、区といたしましては、法改正の趣旨を踏まえた上で、できるだけ農地所有者の意向を尊重してまいりたいと考えております。そのため、既に関係する三つの農協を会場に三回の説明会を行っております。あわせて生産緑地指定に当たっての意向調査を、区内の農業従事者を対象に実施する等、積極的な対応をいたしております。生産緑地地区を指定する基準につきましては、意向調査の結果を踏まえ、将来にわたっての世田谷区の良好な都市整備のあり方に支障を来さないよう配慮の上、定めてまいりたいと考えております。  次に、宅地並み課税を選択した場合のご質問でございました。宅地化を選択した農地につきましては、区のまちづくりの方針に基づき、計画的な宅地化や優良な賃貸住宅の供給が行われるよう努めてまいりたいと考えます。また、公園や公共施設用地として取得することも重要なことと思いますので、財源の確保を図る一方で、実施計画との整合、適正な施設の配置など、計画的な対応を行いたいと考えております。  区民農園や子供の遊び場としての借り上げ等につきましても、積極的に進める所存でございます。現在、三十三農園で、二千九百カ所余りの区民農園が、毎年二倍以上の申し込みがあることに照らしまして、借り上げを促進したいと思います。特に区民農園の借り上げに当たりましては、今後、利用面積の拡大、期間の延長、附属施設の充実等の利用形態の拡充、農園の多様化を幅広く検討してまいりたいと考えております。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 高齢者の問題、また、障害者・ひとり親の家賃補助制度についてご質問がございましたので、お答えいたします。  この制度はご案内のとおり、高齢者、障害者、ひとり親の家庭が立ち退き等の理由によりまして、住みかえを迫られた場合の緊急避難的な福祉施策として、今年度から導入したものでございます。この制度は、それぞれの対象者によって、内容が若干異なっておりまして、利用状況にも差異が生じてきております。その理由といたしましては、高齢者や障害者が新たに住居を借りることが現実の問題といたしまして、なかなか困難になってきている。また、この制度がまだ十分に浸透していないことが想定されます。いずれにいたしましても、発足して数カ月を経ただけでございますので、今後とも利用実態の推移を注意深く見守りながら、対処してまいりたい、このように考えております。  次に、家賃補助制度の拡大についてお答えをいたします。  この制度の対象者を高家賃で苦しんでいる世帯にも拡大すべきとのご指摘でございますが、確かに高家賃でお困りの方々が多数いらっしゃることは、事実として受けとめております。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、この制度は緊急避難的な福祉施策としてスタートしたものであり、かつ施行して間もないものでありますので、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。  次に、親亡き後対策ということで、障害者の自立を図るため、生活寮の設置を検討したらと、こういうご質問がございましたので、お答えいたします。  親亡き後対策につきましては、これまでも介護サービスの充実や、通所施設の整備など、総合的かつ計画的に推進をしてきたところでございます。ご指摘の生活寮につきましては、適切な指導員の確保が必要となることや、地価の高騰の中で、地域の理解を得ながら施設を整備していくことなど、今後解決していかなければならない幾つかの課題がございます。  しかしながら、生活寮は福祉作業所等に通所し、または就労している精神薄弱者に生活の場を提供しまして、日常生活に必要な援護及び指導を行うことにより、地域社会での自立生活を援助する必要な施設であると認識をしております。このため実施計画におきましても、その整備を図ることとしているところでございます。  今後とも、民間施設の借り上げや施設の複合化などの手法により、施設を確保するとともに、運営につきましても、社会福祉法人等の機能を活用するなど、多角的な検討を行ってまいりたいと考えております。 ◎都市整備部長(鈴木蓊 君) 住宅対策の一環といたしまして、ファミリー層の世帯に対します住宅対策、特に家賃補助制度についてのご質問がございました。  世田谷区では、ファミリー層向けの住宅供給手法といたしまして、民間の協力を得て実施をいたします地域特別賃貸住宅制度、このうち、B型を有効な手段と考えております。こうしたことから、現在、都市整備公社と連携をいたしまして、民間の土地所有者との間に、借り上げを前提といたしました覚書の調印を済ませまして、平成五年度に入居可能となるよう努めているところでございます。  また、区が直接供給管理を行いますA型につきましては、このたび候補地のめどがつきまして、平成六年度中の入居を目指し、その具体化に向け、努めていく所存でございます。  住宅供給を大量に促進されるまでの間、家賃補助も必要というご質問でございますが、区民の住居費の負担につきましては、公平性が保たれる、こういうことが望ましいことでございます。また、広く一般世帯を対象といたしまして、金銭によります家賃補助を主たる住宅政策とした場合は、使用家賃の高騰など、かえって賃貸住宅市場の混乱を招く恐れもございます。そこで、区といたしましては、地域特別賃貸住宅制度の活用によりまして、良質な民間賃貸住宅の供給誘導を図り、あわせまして家賃及び家賃負担の適正化に努めていきたいと考えております。  なお、ファミリー層に対しましても、地域コミュニティーの健全化を図る観点から、この地域特別賃貸住宅制度の中で、家賃の適正化に配慮した住宅供給を検討していきたいと考えております。  特に、今後の地域特別賃貸住宅制度B型の供給につきましては、民間の土地所有者のご協力を広く得るために、PR等を積極的に行いまして、供給の拡大を図る所存でございます。  以上でございます。 ◎障害福祉推進室長(小畑昭 君) 福祉機器の常設展示のお尋ねがございました。お答えいたします。  障害者にとって補装具などの福祉機器は、日常生活の上で大変重要なものと認識しております。一口に障害と申しましても、その内容と程度が一人一人異なりますので、その人に合った福祉機器を選び、その人に合わせた使い方の訓練を必要といたします。したがいまして、それぞれの専門家の指導、助言が必要でございます。  現在、東京都社会福祉総合センター福祉機器ホールで、相談とあわせて常設展示が実施されております。また、当区におきましても、現在、総合福祉センターにおきまして、定期的に福祉機器の展示であるとか、情報の紹介、あるいは専門家による相談、さらには訪問による福祉機器を使った住宅改造の相談など、きめ細かな対応に努めております。区といたしましても、今後、東京都社会福祉総合センターと連携をとりながら、障害者が身近なところで福祉機器を選んだり、また、相談を受けられるようにすることが大切であると考えております。  本年三月に報告が出されました世田谷区障害者在宅福祉サービス整備計画策定指針の中におきましても、福祉機器の展示が取り上げられております。現在、その実施に向けまして、庁内プロジェクトチームで検討を行ってております。障害者が利用しやすい立地条件や施設規模、専門相談のあり方等につきまして、今後とも十分検討してまいりたいと存じます。 ◎福祉部長(西倉義憲 君) 福祉のまちづくりにつきまして、ご質問をいただきました。  世田谷区におきましては、お話にありましたように、福祉のまちづくりを推進するために、昭和五十七年四月に、福祉のまちづくりのための施設整備要綱を策定いたしまして、区の公共施設を建設する場合に配慮することはもとより、ご指摘の民間の施設等につきましても、公共性の高い建築物につきましては、新築の届け出の際に、区の建築担当課が建築主にこの要綱を示しまして、協力を求めてまいりました。  こうした経緯の結果、区が直接建築管理する公共的建築物や道路などにつきましては、福祉的配慮をかなり取り入れてきており、また、対応がおくれがちでございました民間施設につきましても、三軒茶屋地区再開発事業等において、段差の解消、エレベーター等の設置など、積極的に福祉的配慮が取り入れられるなどに見られますように、福祉のまちづくりの理念が根差しつつあるものと認識いたしております。  区といたしましては、こうした機運の盛り上がりを機に、さらに福祉的配慮が地域に浸透してまいりますように、福祉のまちづくりのためのデザインノートを作成、配布し、PRに努めているところでございます。また、現在、制定から九年が経過いたしました福祉のまちづくりのための施設整備要綱につきましても、社会状況や区民意識の変化を踏まえ、全面的な見直し作業を行っておりますが、駅舎などの改造等に助成措置を講じるなどしながら、すべての区民がともに支え合い、触れ合いながら共存していくことが可能なように、福祉のまちづくりを進めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◎産業振興部長(峯元啓光 君) サミットの出店問題についてお答え申し上げます。  ご案内のとおり、大規模小売店舗法が本年五月に改正され、大型店の出店は緩和の方向にございます。ご質問の砧一丁目の仮称砧ショッピングセンターの出店計画につきましては、環八と世田谷通りの交差する場所に、平成五年五月に開店の予定としており、店舗面積では、区内三番目の第一種大規模小売店舗であります。  本年の四月の出店表明以来、地元及び周辺商店街、さらには周辺消費者への計画説明が実施されております。その中で、周辺商店街から店舗面積の縮小や休業日数の増加に加えまして、大店法の調整による項目とされていない、交通渋滞や排気ガス公害の解消等が要望されてきております。  区といたしましては、出店者と周辺商店街、さらには世田谷区商店街連合会との十分な話し合いの中で解決を図っていくべきものと考えておりまして、今後の経過を注意深く見守ってまいりたいと考えております。大型店の出店は、地域によりましては、中小小売商店や地域まちづくりに大きな影響を及ぼす場合がございます。区としては、地域の特性に応じました振興策としての商業活性化プランを、今年度内にもまとめまして提示し、中小小売店の支援策の拡充に努める所存でございます。 ◆五十二番(田沼繁夫 君) 今、時間もありませんが、サミット問題では注意深く見守る、こういう答弁でありました。やはり大型小売店と中小、これが商売をやってきますと、どうしても大型店が勝つことは明らかなわけであります。もっと積極的に今のそういう住民の商売の不安、それから交通の問題等、ぜひとも受けとめてもらって、区がもっと前に出て、具体的に取り組んでいただきたい。改めてこれを要望しておきます。  それから住宅については、この問題についても、三年前、四年前と大きく変わってきていると思います。特賃住宅についても、二、三年前までは私たちも、そういうふうな展開になるとは思いませんでしたけれども、世田谷区の取り組みなどによりまして、今や当たり前というふうになってきました。先ほどの家賃補助などにつきましても、ぜひとも大いに先取りをしていってほしい。そして、こういう住民の不安にこたえてほしい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(五十畑孝司 君) 以上で田沼繁夫君の質問は終わりました。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、日本社会党を代表いたしまして、六番唐沢敏美君。     〔六番唐沢敏美君登壇〕(拍手) ◆六番(唐沢敏美 君) 私は、日本社会党世田谷区議団を代表して、二十一世紀を目指す区民主体の区政運営について、基本的な諸課題を中心に、幾つかお尋ねをいたします。  今、区政を取り巻く環境は、ここ数年、目まぐるしく変化しつつあります。二十世紀も残すところ十年を切る今日、激動する国際情勢、国際社会における我が国の位置づけが問われる中で、高齢化や国際化が地域社会の現実のものとなってきています。また週休二日制の普及により、余暇社会が本格的な段階を迎えようとしています。一方、環境破壊が地球的な規模に及び、そのことが大量消費社会への反省を求め、またバブル経済の中で進んだ一連の不祥事や、東京一極集中と金余り、投機に伴う地価の高騰と住宅難などが庶民を苦しめ、次の世紀に向けた抜本的な打開策を見出すことが当面する課題となっております。  区政の将来を展望しますと、福祉関係法令の改正や、さきの地方制度調査会の答申に見られる制度改革の方向など、既に区の枠組みが基本的に大きく変わろうとしています。過去、数十年分の変化がほんの数年に凝縮していると言われる今日、ようやく策定にこぎつけつつある住宅政策やリサイクルへの着手、あるいは地域行政の本格的実施をより加速しなければなりません。こうした時代であればこそ、将来の確かな展望のもとで、大胆な区政運営を行っていく必要があると考えます。  そこで、具体的な問題に入りますが、二十一世紀に、我が国が本格的な高齢社会を迎えることから、国や都はこれに向けたさまざまな動きを見せております。世田谷区も、基本計画や実施計画に高齢社会対策を重要課題と位置づけ、福祉施策の拡充と推進に力を入れてきております。在宅サービスセンターや高齢者集合住宅等を次々と整備するなど、先駆的な試みを含めて、成果を上げていることは評価しているところであります。高齢者施策への取り組みは、個々の高齢者やその家族の問題といった狭い視点ではなく、個人を基本に、おのおのがはぐくんできた人生のキャリアを、いかに地域社会の活力として生かし、引き出し、また、それを励みとして生活に戻していくかであります。  お年寄りたちが人々との触れ合いの中で、生きる喜びを享受し、ともに胸を張って生活することが大切であり、それに見合って、区の取り組むべき施策も、幅広いニーズを視野に入れながら進めるべきは言うまでもありません。特にこれから高齢期を迎える年代の方々は、地域とのつながりが希薄で、疎外を受ける傾向が強いと言われております。ソフト、ハードの両面からの対応が何よりも大切だと思います。  このようなことを踏まえて、私は、高齢者問題とまちづくりの接点に立った視点から所見を述べ、区の考え方を伺いたいと思います。すなわち高齢社会に向け、単なる言葉の羅列ではなく、この世田谷に、老若の区別なく、生き生きと暮らせる社会づくりに、どう取り組んでいくかの姿勢が問われていると思うのであります。人口の高齢化に伴う社会における変化は、これまでに経験したことのない環境を生み出すものと見られています。まず一人一人の人生、すなわちライフサイクルにも大きな変化が必然となるでしょう。  戦前と戦後のライフサイクルとを比較してみますと、人生五十年と言われた戦前は、平均五人の子供を育て、末の子供が独立した後、残る人生は幾らもなく、子育て後、あるいは定年後、自分の生活を楽しむ期間はありませんでした。ところが、平均寿命が伸び、一九七五年には、男性七十歳、女性七十七歳と、その十五年後の一九九〇年には、平均寿命は男性約七十六歳、女性は約八十二歳にまで伸びています。まさに世界一の長寿国となった今、定年が伸びたとしても、定年後の十五年、二十年、あるいはそれ以上の時代になったわけで、定年後の、あるいは子育ての後の時間を単なる余生ではなく、第三の人生として、どのように積極的に生きるべきかが問われていることになります。そして高齢者のみではなく、社会を構成するすべての人に問われている課題でもあると言えます。  こうした状況をまちづくりの観点から見ると、どうなるでしょうか。世代を超えて温かい交流のある町、快適な生活をつくり出すために、人々の創意工夫が実践に移され、みんなが喜びをともにする、そうした地域でのさまざまなまちづくり活動の中では、高齢者も活気がみなぎるはずです。こうしたことが実現できる環境づくりこそが、今後取り組むべき方向と考えます。  そこで、質問に入ります。まず初めに、地域でのまちづくり活動の中で、とかく地域の問題に無関心になりがちな若者に、高齢者ともかかわりながら、高齢社会とのつながりを持つような機会と場をどうつくるかであります。例えば優しい町について一緒に考えるとか、今、区が挙げて取り組もうとしているリサイクルの問題について、ともに考え、行動するとか、若者のニーズと高齢者の要望を結びつけるようなイベントの工夫など、ともに生活をする、ともに生きることを互いに認識し、自立的、継続的な活動につなげるためのきっかけづくりや、仕組みづくりを考えるべきであります。高齢対策室だけで取り組むというよりも、むしろ地域全体を見渡した総合性を持った視点で、高齢者問題をクロスさせて推進していくことが求められていると考えますが、お考えをお聞かせください。  次に、勤労者に定年退職後の時間、地域とのつながりを持たせるため、企業では最近、退職準備研修などを行っていますが、区においても改めて地域に目を向け、地域活動への参加を促すような、例えばまちづくり活動準備講座のようなものを実施するとか、あるいは区民一人一人が第三の人生に、それぞれの知識や経験を生かして地域活動に取り組むことを、おのおののプログラムの中に含められるような情報を提供することなどの取り組みが必要ではないでしょうか。また、高齢者のまちづくりへの参加を考えるとき、生涯学習との関係が避けられない問題であります。高齢者も生き生きと活動できる社会をつくり出すための対策を講じるに当たり、現在、検討が始められております生涯学習の推進に、どのように関係づけて進める考えか、お尋ねをいたします。  次に、地域行政に関連して、当面の課題に対する区の考え方をお尋ねいたします。  世田谷区は、昭和五十三年、区民本位のまちづくりの実現に向けて、区政の総合的な推進を図る長期的な基本指針として、世田谷区基本構想を定め、これに基づいて、二回にわたり基本計画を策定しております。昭和六十二年に策定された新基本計画において、初めて分野別計画に加え、地域別の行政計画が示されたところであります。さらに、本年から平成六年度の四カ年にわたる、いわゆる後期実施計画では、制度的に住民参加の拡充と発展を図る視点から、全区的な地域計画などの策定がうたわれております。住民参加は、区民本位のまちづくりには欠かせないばかりか、その基本であることは、我が党がこれまでも再々指摘し、また、いろいろな提言を含めて拡充を求めてきたところであります。  住民自治の実を上げていくためには、自治を自覚する住民の拡大が必要ですし、また、区政への幅広い参加によって、より住民の立場に立った区政運営が実現していくものと考えます。住民参加それ自体も、この間さまざまな発展過程を持っていますが、現代的な意味を考えると、行政の客体にすぎなかった住民が、地域社会の主人公にふさわしい形で、責任を持って行政に主体的にかかわっていくことが、今日、最も大切な視点ではないかと思います。もちろん、住民参加と一口に言っても、その形態はさまざまであり、条例の制定、改廃の請求など、法律に基づく参加もあれば、行政が設置する各種の会議への参加も、参加の一つの形とも言えるかもしれません。  しかしながら、他方、こうした参加自体が形骸化、時には住民みずからも意欲を喪失しかねないことが一般的に指摘されており、これをどう克服していくかが自治体共通の課題とも言われております。住民の暮らしにはぐくまれたみずみずしい感性や知恵が、行政の隅々まで生かされていくような参加の形態、ありようが模索されております。  世田谷区は、この点、リレーイベントなど、全国レベルで高い評価を得た試みを進めていることは承知しておりますが、それを踏まえたシステム化は、いま一歩の感を免れなかったと思います。分権、自治と参加を標榜した総合支所のこの四月の発足により、分権的な執行体制が整備され、住民参加が身近なところで進められる条件が整ったものと、大いに期待しているところであります。地域のまちづくりを住民とともに考え、推進していく上で、地域計画の持つ意味は大きいものがあると考えます。  そこで、まず地域計画の具体的なイメージ、あるいは策定の仕組みなど、どのようなものを考えておられるのか。また、そのスケジュールや地域整備方針との関係などもあわせて、現段階での考えをお尋ねしたいと思います。  さらに、都市整備方針と地域整備方針との関係についてですが、都市整備方針はまちづくり条例に基づき、昭和六十年四月に定められており、世田谷区の将来像の実現に向けて、物的計画体系を補完するとともに、まちづくりに関する基本的、総合的な施策の骨組みを示すものであります。総合支所の発足を受けて、地域整備方針が今後つくられていくわけですが、それができ上がった際には、現在の都市整備方針はどうなるのか、なかなか難しい問題ですが、検討の状況を含めて、現状での方向があれば、お聞かせ願いたいと思います。  総合支所の発足とあわせて、出張所機能が拡充され、より便利になるとともに、地区まちづくりの機能の強化が言われております。その一環として、地区カルテを各出張所ごとに作成するという話を聞いております。地区カルテと言えば、世田谷区も、かつて地域ごとのカルテを作成した経過があったと思います。当時は、カルテづくりが住民参加の有効な手段として重視されたわけですが、主に地区や地域の公共施設の分布状況、緑の現況、あるいは福祉や環境面でのデータの整理を通じて、住民と一緒に町の現況や問題点を探り、解決の方向を見出すという手法だったと記憶をしております。あれからほぼ十年が経過した今日、一定の成果が上がった反面、実効性に難があったと、作成に参加された方から聞いたことがあります。住民とともにまちづくりを進めていく際、そうした情報の共有化が欠かせないのはもちろんですが、今後つくる地区カルテが従前のままにとどまっているようでは、率直に言って物足らないと言わざるを得ません。  二十六の出張所地区におけるカルテ作成が、真に住民参加を拡充し、行政との協働によって、まちづくりを一歩でも二歩でも前進させるような工夫が求められていると私は思います。世田谷区は、これまでも全国に先駆けた取り組みを区政の各分野で展開をしており、この点でも、世田谷方式ともいうようなスタイルを実現すべきだと思います。  そこで、今度つくる地区カルテの具体的イメージや作成の仕組みなど、まとまった考えがあれば、区の見解をお伺いいたします。  いずれにせよ、こうした計画づくりでは、住民参加とともに、職員の一層の幅広い参加が重要であると考えます。職員の多様な発想やアイデアを十分に生かし、反映できる仕組みを検討していくべきだと考えます。区においては、これまで、この点に関して一定の実績があったとは思いますが、これから先の事態は、従前の予測を超えるものがあるとも思われますので、この面でひとつ飛躍的な前進を図り、もって変化に備える必要もあるとの視点から、この点、あわせて要望としておきます。  ところで、我が国の社会経済は、先進工業国としての成長から、成熟の段階に入りつつあると言われております。成熟した社会に生活するとき、当然そこには区民の要望も多種多様なものが出てまいります。これらの要望に至る主要な要因として、まず第一に、所得水準等の向上が考えられます。所得の増大に伴う生活水準の向上は、教育、文化、スポーツ等の活動を充実、多様化、高度化させるものとなります。第二に、自由時間、余暇時間が増大してきております。民間部門での週休二日制の普及は急速なものがあり、国や自治体の実施も目前となってきております。このことにより、人々が自由に使える時間が増加し、学習活動や社会参加の機会がふえてくるものと考えます。第三には、人口構成の変化が考えられます。高齢化の進展は予想をはるかに上回るものとなってきております。  そこで、仮称文化・生活情報センターについてお伺いいたします。  この問題については、私は既に何回か触れてきております。本年三月に策定され、本年度を初年度とする向こう四年間の計画を示した世田谷区の実施計画を見ますと、主要課題計画の第二章、重要性、先駆性、象徴性による課題の最初に、この文化・生活情報センターが位置づけられております。このことは、それだけ注目され、重要な施設であるものと私たちも理解をしております。  そこで、実施計画の内容を見ますと、文化・生活情報センターは、世田谷区の新しい地域文化の創造の拠点として位置づけられ、昭和五十九年以来、各種調査、あるいは基本計画策定委員会等の検討によって、その基本的な方向が示され、既にハード面については、平成二年の三月に基本設計まで完了しているわけであります。そして、三軒茶屋再開発事業の本体工事も近く着工されるとのことであります。この間、議会に対しては、今年の二月の施設の概要や、舞台、設備等でプロポーザル技術提案方式を採用して、業者を選定していきたいということは聞いております。  いよいよ再開発事業の本体工事に着工となれば、工事期間から推測しますと、ほぼ四年後には文化・生活情報センターも完成し、オープンのときを迎えるわけですが、問題は区のねらいが真に評価され、区の中心的な発展につながるかどうかであります。区の積極的な取り組みと、区民の英知が生かされ、暮らしに、文化に、新しい時代をリードするほどの機能を本当に果たし得るか否かであります。  重要なことは、やはりその事業の内容ではないかと思います。事業内容は、運営体制等については所管で現在検討を進めていることとは思いますが、事業計画、運営方法等については直接区民に影響を与えることでもありますので、議会においても検討を進めていかなければならないものと考えております。今までに示された事業の基本プログラム、事業の骨格イメージではどんなことをやるのか、どんな形で区民が利用できるのか、イメージがわかないから、必要と感じないのが実態でもあります。もっと計画案の具体的な内容を詰めて、わかりやすい表現で、区民がどんな形で気軽に利用できるのかを、議会に示してほしいと思います。  また、開設まで約四年間という期間でありますが、この間、準備作業として、ハード面では建設の進行管理、管理運営面では財団の設立準備や各種規程の整備、財政計画その他、いろいろな準備作業があるものと思われます。これらを勘案したところの施設開設までのプログラムを明確にしてもらいたいと思います。また、準備段階での作業として、開設後の事業内容を想定して「文生かわら版」等を見てみますと、演劇工作房や「三軒茶屋の本をつくる」などを実施してきましたが、またつい先日には、三軒茶屋地域で百人前後の区民参加を得て撮影イベントをやるなど、いろいろと開館前の予備活動がされております。入れ物はつくったが、中身がついていかないなどとよく言われることがありますが、こうした予備活動を活発に行うことにより、スムーズに開館時から区民の参加が見られ、事業展開がなされるものと考えます。  そういった意味合いからも、予備活動はそれにかかわる職員にとっても、参加する区民にとっても重要なものと思います。文化・生活情報センターでの利用内容は想像できないほどの多様なものだけに、あらゆる角度から検討し、多様な内容で予備活動を展開されますことを望み、この点について伺います。  最後に、平成四年度に向けた財政問題について触れておきたいと思います。  我が国の経済は、区長の招集あいさつにもありましたように、戦後最長のイザナギ景気を超えて、景気の持続的展開が図られております。しかし一方、バブル経済の崩壊や、証券不祥事による株価の低迷などの影響を受け、設備投資の伸び悩みが生じ始めており、景気は既に後退局面に入っているとの声も強まってきております。このような状況のもとで、平成三年度、国の税収は八月末までの実績が、前年同期より落ち込みを見せる事態となっています。これは、景気の減速に伴い、法人税収が減少傾向を示しているだけでなく、バブル崩壊を反映して、有価証券取引税や印紙税が落ち込んでいるのが原因となっており、今後の補正予算において、人事院勧告による国家公務員給与の改定や台風被害対策など、追加の財政需要を必要とするなど、厳しい財政運営が見込まれているためと思われます。  平成四年度の国の予算編成の動向を見ますと、一般会計の概算要求額は、今年度の当初に比べ、八・三%増の七十六兆千八百億円程度となる中で、先ほど申し上げた法人税等税収の伸び悩みを背景に、各省庁の要求を相当絞り込み、圧縮せざるを得ないようであります。大蔵省では、財源不足を補うため、地方交付税の税率の引き下げや、財政が豊かな自治体に対する補助金削減措置の対象の拡大、さらには富裕自治体に対する消費譲与税の譲与制限の導入など、多角的な検討に入っていると聞いております。  このように、国の財源不足の地方への転嫁が、ここ数年、形を変えながらも、当然のことのように強化されてきております。これを一般化することは、自治の根幹を財政面から揺さぶる異常な措置であり、到底許されるものではありません。絶対に賛成できないことを、この機会に改めて申しておきます。  一方、都の状況を見ますと、これもバブル経済崩壊の直撃を受け、平成二年度の決算では、法人都民税、法人事業税の法人二税の大幅な減少により、財政調整基金を大きく取り崩し、財源の補てんを行っているところです。また、平成三年度の税収について、都知事みずから、予算額の確保は厳しい状況にあると認めており、先日発表された法人二税の税収見込みがそれを裏づける中身となっており、すなわち証券、金融業界の利益の減少が大きく響き、当初予算に比べ、千七百億円余の規模の減収となっております。  この法人二税の収入は、オイルショック後の昭和五十年度に一度、前年度実績を割り込んだことがありましたが、その後、平成二年度、平成元年度まで増加の一途をたどり、都の財源規模拡大の牽引車となってきたことを考えますと、事態は急変しつつあるということを言わざるを得ません。平成四年度へ向けて、都の予算要求基準を見ていくと、総合実施計画事業や住宅、環境、ごみ、交通、地域福祉などの緊急かつ重点的な事業などを除き、前年度予算額の五%減の範囲内とする、大変厳しい予算編成作業を進めているようであります。  国や都のこうした状況を念頭に、世田谷区の平成四年度予算編成をめぐる具体的な質問に入りますと、本区の収入の根幹をなす特別区民税は、ここ数年、決算で見ますと、対前年度比較で、六十二年度は一三・九%、六十三年度は一三・〇%、平成元年度は五・二%、二年度は約一〇%増となっています。元年度を除けば、二けた台の伸びを見る中で、順調な財源の確保が図られてきました。この区民税の動向が区の財政計画上、重要なポイントとなるわけですが、国や都の法人税関係の収入の悪化が進む中で、区としては四年度編成に向けた特別区民税をどのように見込んでいるのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。  次に、国において富裕団体への国庫補助金削減対策の拡大や、消費譲与税などの譲与制度などが検討され、また、都における法人都民税の減収による財政調整交付金の財政問題など、区をめぐる財政状況は予断を許さないものと考えております。現段階では、国や都の詳細な情報が十分明らかではないでしょうし、見込みは大変難しいと思いますが、国庫支出金や財政調整交付金をどのように見通しているのか、お尋ねいたします。また、現在の景気動向、あるいは国や都の歳入状況などとあわせて考えてみますと、平成四年度の区の予算編成も厳しい対応とならざるを得ないと思いますが、この点に関してお考えをお聞きいたします。  以上で私の壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) まず初めに、財政問題についてお答えいたします。  特別区民税の見通しでありますが、我が国経済は円高不況後の六十一年十二月より、内需主導型の経済成長が続きまして、個人消費、企業の設備投資が順調に推移する中で、実質経済成長率も五%前後と高い伸びを示し、景気の持続的拡大が図られてまいったわけであります。しかしながら、ここ最近の経済動向は、住宅建設の減少、自動車販売の不振、金利や経済の先行き不透明感から、設備投資の伸び悩みなど、景気の減速傾向を示しております。  平成四年度特別区民税の見通しになるわけでありますが、こうした経済情勢の中、平成三年の民間賃金の春闘妥結状況や、あるいは本年八月までの所得税源泉分の伸びなどから考えますと、普通徴収の一般分や特別徴収分は、本年度と比較いたしましても、同程度の伸びは確保できるものと考えております。一方、ここ数年、増収の大きな要因であります土地などの譲渡分は、土地取引件数が減少していることなどもございまして、これまでのような大幅な伸びは期待できないものと考えております。しかし、特別区民税は、区の歳入の根幹であり、税収の確保に向けて、一層努力してまいりたいと考えております。  続きまして、国庫補助金や財政調整交付金の見通しでありますが、国庫支出金は、昭和六十年度より国庫負担率の引き下げが行われるなど、本区にとって多大な財政負担となっております。さらに、平成四年度における国の予算編成においては、景気の減速による歳入の不足が懸念される中、富裕自治体に対する補助金削減措置の対象の拡大などが検討されているようであり、今後の国の財政状況によっては影響が出るものと考えております。  また、財政調整交付金についてでございますが、既にご承知のように、都における法人二税の落ち込みによる都の財政状況は、非常に厳しいものとなっております。特に市町村民税法人分の落ち込みによる財政調整交付金のフレームの大幅な伸びは期待できず、厳しい条件になるものと考えております。  いずれにいたしましても、国庫支出金や財政調整交付金は、区政にとりまして、いずれも基礎的な事業にかかわる財源でありまして、円滑な事業執行上、不可欠なものでございます。したがいまして、今後の関係省庁の動向を注視しながら、積極的な財源確保に努めてまいりたいと考えております。  平成四年度の予算編成に向けてでございますが、今後の景気動向や国、都の歳入状況によっては、国庫支出金、財政調整交付金などの歳入確保について、非常に不透明な点がございます。しかし、将来を見通した財政計画のもとに、安定した財政運営の維持に努めていかなければならないと考えております。基本的には後期実施計画事業を中心に、区政のこれまで積み上げられてまいりました実績を確実に継承し、さらに発展させるとともに、新たな住民ニーズや課題にこたえていく積極的な姿勢のもとで、予算編成を行っていくことが重要であると考えております。  国や都における平成四年度予算の編成方針の中で、国は経常的事業費と前年度比マイナス一〇%、都においてもマイナス五%と、厳しい姿勢で臨んでいるわけでありますが、本区といたしましても、枠配分事業とか、あるいは経常的事業について極力抑制することといたしております。また、財源の配分に当たりましては、常に新しい視点に立って施策の見直しを行い、厳しい財政状況を十分に念頭に置き、簡素で効率的な行政運営を実現する予算編成を行っていきたい、このように考えております。
       〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) まず、地域行政の本格的取り組みのうち、地域計画の策定についてお答えを申し上げます。  地域計画でございますが、基本計画の一部として位置づけてまいりたいと考えております。具体的内容といたしましては、地域の特性や将来像、主要な課題解決のための方策などを想定しております。計画の策定に当たりましては、それぞれの総合支所が原案を取りまとめ、次の基本計画の策定作業に反映させてまいりたいと考えております。  なお、総合支所におきましては、地域会議などを設けまして、幅広い地域の皆さんの参加をいただきながら、原案づくりを進めてまいります。今後は、計画策定の細かな手順、手法を詰め、できるだけ早く計画づくりに入ってまいりたいと考えております。  次に、文化・生活情報センターについてお答えを申し上げます。  まず、計画の具体的内容を早く詰めて、議会に示せというご質問でございました。文化・生活情報センターの事業の具体的な内容につきましては、現在、助役、関係部長により構成されております、文化・生活情報センター運営推進委員会及びそのもとに関係課長級職員による幹事会を組織いたしまして、具体的な計画等を広い角度から、鋭意検討を進めているところでございます。  検討項目といたしましては、劇場系の事業計画、生活工房系の事業計画、情報システム整備、組織人員計画、財政計画、財団設立、住民参加の方法など、多岐にわたっております。検討の視点の一つとして、区民参加を主体とした施設という関係から、区民の多種多様な活動、意見、要望等に柔軟に対処していかなければならないわけでございまして、計画案につきましても、これらにこたえられるような、柔軟な内容なものを盛り込んでいかなければならないと考えております。いずれにいたしましても、計画案を策定した段階で議会にもご提案申し上げ、ご意見、ご要望等をいただき、計画の作成に努めてまいりたいと考えております。  次に、開設までのプログラムでございますが、施設建設につきましては、再開発組合事業の本体工事の進捗にかかわってまいります。本体工事の建設期間につきましては、約四年の工期になろうと存じます。また、文化・生活情報センターの事業開始までのプログラムにつきましては、さきの事業計画案等を初めといたしまして、準備室の設置、財団の設立時期、職員の採用、職員の教育期間等、スケジュール化していかなければならない項目につきまして、現在、作成作業を進めておりますが、まだ確定的なものとなっておりません。これらの作業スケジュールにつきましても、事業の具体的な内容とあわせ、議会にご提示してまいりたいと考えております。  それから、予備活動を活発に行ったらどうかというご質問でございました。予備活動につきましては、開館時から区民の参加がスムーズに得られるようにとのご指摘がございましたが、昭和六十三年八月の基本計画策定委員会の提言にも、幅広い活動の形をとって、区民生活や文化活動の中へ積極的に事業を提案するワークショップという手法を最大限に、また積極的に取り入れるというふうに提案をされております。このワークショップの手法は、区民参加の一つの方法でございまして、本施設の事業展開の主要な方法の一つと考えております。今までにも演劇ワークショップ、本づくりワークショップ等、区民参加による予備活動を種々実施してまいりました。こうした予備活動を通して、区民の交流、ネットワークの輪が広がり、開館時から事業展開がスムーズに行われていくのではないかと考えております。  これからも、予備活動を積極的に行い、区民の多くの方々に参加してもらいながら、文化・生活情報センターのPR、あるいは事業内容の理解が得られるように、努力をしてまいりたいと考えております。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 高齢社会に向けて、若者を含めた生き生きとした社会づくりについて、三点ほどご質問がございましたので、お答えいたします。  まず最初に、地域でのまちづくり活動の中で、その仕組みづくりを考えたらどうかというご質問にお答えいたします。  今や人生八十年時代と言われるように、世界でも最長寿国となった我が国は、二十一世紀を目前に控え、急速に進む高齢化社会から、活力ある豊かな高齢社会へ円滑に移行していくことが重要な課題となってきております。  世田谷区におきましも、高齢社会へ向けて、若者を含めたあらゆる世代が、それぞれの役割を担っていくことが重要であろうと考えております。こうした視点から、後期実施計画では「共に生きる」を一つの視点に据え、活力ある高齢社会の実現を主要課題として取り上げ、地域における高齢者の新しい役割づくりや多世代間交流を初め、幅広い取り組みを目指してきております。また地域においては、まちづくり活動の一環として、リサイクル推進活動などが多様に展開され、活発化してきております。  今後は、ご指摘のように、高齢者も若い方々も、ともに活動できるまちづくりを目指し、種々の活動機会をとらえまして、継続的に、かつ、まとまりを持つよう高齢対策部門を初め、総合支所、生活環境、教育など、所管を超えた連携の中で、取り組みを行ってまいりたいと考えております。  次に、勤労者を取り込める生き生き社会づくりについてお答えをいたします。  サラリーマンの方々は、定年を境に、それまでの長い職業生活から引退し、一般市民として生活に入っていきます。こうした人生の大きな転換期をスムーズに乗り切ることが、高齢期の人生を充実したものにしていく上で、大変重要なことであろうと考えております。企業などにおける退職準備のためのセミナーの開催も、これらの点を踏まえたものと認識をいたしております。区におきましても、このような視点から、定年退職後の生活の安定と充実を目指す講座などを実施してきており、好評を得ております。  今後は、さらにご指摘にもございましたように、まちづくり活動に関心を持っていただけるような試みを施策に取り入れまして、一人一人が充実した高齢期の生活スタイルを形成できるよう、各種の情報を提供する努力をしてまいりたいと考えております。また、退職された方々が、これまでの経験で身につけた知識や技術などを身近な地域で発揮していただきながら、生きがいの充実が図れるような仕組みづくりの推進にも努めてまいります。  次に、生涯学習と関連づけて推進せよとのご質問でございましたので、お答えをいたします。  寿命が伸び、ライフスタイルも変化し、高齢者が余暇の時間を利用し、若い頃にはなし得なかった学習活動を通し、主体的に自己表現を図ろうという意欲も、近年、高まりつつございます。高齢社会に向けての生涯学習システムを考えるとき、高齢者が地域とのかかわりを持ち得るような学習や、交流機会の提供が必要であろうと思われます。  世田谷区におきましても、老人大学を初め、高齢者を対象とする各種の講座を高齢者の生きがい推進の観点から実施し、成果を上げてまいったところでございます。さらに、学習活動修了後の自主的な組織づくりの支援や、学習修了生が地域活動のリーダーとしての役割を担っていただけるような仕組みづくりの検討を、現在進めているところでございます。本年六月に設置いたしました世田谷区生涯学習推進懇談会には、こうした高齢社会への対応を含めて諮問しておりますので、十分関連づけたお答えがいただけるものと考えております。  当区といたしましては、この答申を踏まえまして、さらに積極的に取り組んでまいる考えでございます。 ◎都市整備部長(鈴木蓊 君) 地域整備方針と都市整備方針についてお尋ねがございました。  地域整備方針は、平成六年度の策定を目指しまして、本年度は、その指針となります策定要領を作成をしているところでございます。  また、都市整備方針との関係でございますが、都市整備方針は、お話にございましたように、世田谷区の将来目標、あるいは都市基盤づくり、さらにこれを実現するための方策の体系を定めたものでございます。これに対しまして、地域整備方針は、地域の特性を生かしまして、よりきめ細かなまちづくり、あるいは生活環境の整備を図ることを目標に、都市整備方針をさらに具体的な方向で補完するものとして、位置づけたいというふうに考えております。おおむね今後二十年の期間を見通しながら、土地利用の方針、住宅整備の方針、あるいは公共施設整備の方針等について定めるものとしております。  また、現行の都市整備方針についてでございますが、地域整備方針策定の段階で把握しました新しい状況を反映できるように、今後検討してまいります。 ◎企画部長(川瀬益雄 君) 地区カルテの具体的なイメージと手法についてお答えを申し上げます。  地域行政制度の発足に伴いまして、出張所につきましては、窓口サービスを拡大するとともに、地区カルテ作成など、まちづくりの機能を強化することといたしております。具体的なまちづくりの機能といたしましては、従来の身近なまちづくり推進員活動の実績を踏まえまして、出張所管内の住民、出張所職員、地区担当職員が協働いたしまして、地区カルテを作成していきたいと考えております。  地区カルテでございますが、地区の状況や課題を発掘いたしまして、住民と行政とが協力して、どのような課題を解決していくかをプログラム化する行動計画として作成してまいります。この作業にあわせまして、各庁内の所管が持っておりますさまざまな情報を、地区単位にまとめまして、地区情報集として出張所に提供し、活用していただきたいと考えております。  地区カルテは、ご指摘にもございましたように、従来の地区情報のまとめといった性格を超えまして、まちづくりを実践していくための住民参加、職員参加の実践記録になるように努力をしてまいりたいと考えております。 ◆六番(唐沢敏美 君) それぞれの部署から、前向きな形でご答弁いただきました。いずれも次の基本計画の下地になる、そういう基礎的な部分がおおむね入っているような質問であり、引き続き次の機会に発言をしていきたいと思います。  なお、財政問題については、国や都の状況が大変厳しいことで、その動向にもよりますが、何としても区の財源の獲得のために、あらゆる努力をしてもらいたいということと、区民ニーズも多様化してきております。また、高齢化社会に備えての区民福祉の充実のためにも、精いっぱい積極的な取り組み、予算編成に向かって努力をしていただきたいことを要望して終わります。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で唐沢敏美君の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十四分休憩    ─────────────────     午後三時三十一分開議 ○議長(五十畑孝司 君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 代表質問を続行いたします。  自由民主党を代表いたしまして、四十九番荒木義一君。    〔四十九番荒木義一君登壇〕(拍手) ◆四十九番(荒木義一 君) 質問に入ります前に、お許しをいただきまして、一言お礼を申し上げさせていただきます。  私どもの郷里、島原普賢岳災害に対しまして、議長初め議員の皆様、また区長さんを初めとする区職員の皆さん、多くの区民の皆様方から、多額の災害お見舞い金を島原市並びに深江町にお送りくださり、郷里の者として深く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。  私は、自由民主党世田谷区議団を代表し、区政の基本的な課題について、質問通告に基づきまして順次お尋ねをいたしますので、よろしくお願いをいたします。  まず、世田谷区の基本構想についてお伺いいたします。  基本構想は、全国のあらゆる自治体でも、まちづくりの基本的、総合的な指針として設けております。我が区でも、昭和五十年の都区制度の改革後、昭和五十三年六月に議決され、策定いたしております。その後、区政を取り巻く状況を見てまいりますと、地方制度調査会の答申に見られる新たな制度改革の問題や、環境問題、またリサイクル、住宅等の課題に加え、高齢化や国際化、情報化等、社会環境は確実に大きく変動しております。また、生涯学習社会、余暇社会といった社会構造の根本にかかわる変化が、今後ますます加速されていくことは間違いないことだと思っております。  翻って、世田谷区の基本構想を改めて見てみますと、やはり当時の社会状況や、区政の置かれた立場から見た指針という感じは否めません。例えば、この基本構想に基づく地域行政への取り組みが、ことしの春、実現するなど、既に具体化されているものも少なくありません。先ほど来申し上げているような今日の社会状況を踏まえ、二十一世紀をにらんだ区政の憲法、新たな基本構想が求められていると考えております。  これまでの例では、次の基本計画の策定作業が二年後ぐらいから行われるだろうと見ておりますが、基本計画の前提である世田谷区の基本構想についても、この際、見直していくべきではないだろうかと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、公共用地等に関連して、区の対応をお伺いいたします。  近年の地価高騰に伴う課題については、住宅問題等、さまざまな角度から論議が深められ、これに対する方策も図られてきております。こうした動きの中で、生産緑地法が改正され、申し出手続等、具体的な段階を迎えております。我が党は、都市農業の振興等の観点から、この課題に対して、これまでもいろいろと区の考え方を伺ってまいりましたが、いま一つの提言をいたしたいと思います。  新たな法律では、端的な言い方をするならば、営農の方々は、生産緑地の指定を受けるか、または宅地並み課税のもとで営農を続けるか、または農業はやめて他への転用を図るかなど、大きな岐路に立たされておられます。生産緑地の指定を受けるにしても、面積の上では緩和されましたが、期間は一律三十年か、代がわり等の場合のみ解除されるという厳しい条件となっております。このため、農家では営農意欲はありながらも、生産緑地の指定を受ける道を選ぶかどうか、思い悩み、考えあぐねておられるのが現状ではないかと思います。  都市農業の持つ重要性は今さら申し上げるまでもありませんが、新鮮な野菜等を供給するだけでなく、農地が、都市の緑やオープンスペースとしての役割を持ち、区民に憩いと潤いをもたらしていることを再認識し、新たな視点からの保全策が求められているものと考えます。世田谷区では、二十三区有数の都市農業を有する区であり、これまでも区民農園や世田谷ワインのブドウ栽培等、先駆的な取り組みを通して高い評価を得ていることは、私どもも十分承知をいたしております。  そこで申し上げたいのですが、後継者難等から生産緑地の指定を受けない方、こういう方々に区民農園や果樹園等の活用や拡大によって、実質的には形を変えた農業の振興や、緑の保全が図っていけないだろうかということであります。もちろん、このような方策に派生する問題もあると思いますが、生産緑地新法に対する世田谷方式による対応をぜひ考えていただきたいと思っております。都市農業が多くの役割を持つことは既に申し上げたところであり、この意味で、区民の立場から提案するものであります。区の所見をお伺いいたします。参考までに、練馬区では、この区民農園課税対象問題について検討を進めているやに伺っております。  次に、公共用地の取得についてでありますが、公共用地は、地区や地域のいろいろな施設の整備に欠かすことができません。特に我が党が強く申し上げてきた道路など、都市基盤の整備がうまくいくかどうかは、用地の取得ができるかどうかにかかっていると思います。こうした用地の取得に当たっては、遊休未利用地の見直しはもちろんでありますけれども、将来を見通した計画的な取得が大切なことは言うまでもありません。新聞報道等によれば、民間部門による各自治体への土地の売り込みが多数寄せられているという状況があります。また、生産緑地地区の指定は、自治体に対する買い取り申し出権とセットになっており、その指定そのものが、区による将来の取得を義務づける仕組みとなっております。  一方、用地の取得に当たっての財政枠は、土地開発公社や都市整備公社の借入限度額によって抑えられています。その仕組みは大変結構だと思いますけれども、自治体が買い手の状況の中で、将来展望を持った公共用地の計画的な取得を考えると、この限度額も見直すべきではないかと思いますが、区のお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。  次に、公共施設のあり方について提言をいたしたいと思います。公共施設には、集会系の施設や、福祉、生涯学習等種類も多く、機能もさまざまであります。二十一世紀に向けて、高齢化の進展や、余暇社会の到来など、施設に対する住民ニーズも大きく変わってくることは確実であります。例えば地区会館でありますけれども、相当に整備が進められてきております。これからは特別養護老人ホームや在宅サービスセンター等が一層求められる時代と言えましょう。しかし、一方で、地区会館の機能は、単に集会ができればよいといったものではありません。住民はいろいろなサークルの活用に期待をいたしております。教育施設についても、この際考えてみる必要があるのではないでしょうか。学童生徒数の減少により、空き教室があるはずであります。また、保育園にしても、園児は減少しているにもかかわらず、零歳児保育は一年も待たなければ措置されないという状況。また、給食センターについても、生徒の減少によるところの給食数の減少で、これらを埋め合わせるための老人給食に対応するなど、これらはほんの一例ですけれども、二十一世紀を展望して、公共施設のあり方や、これまでの整備方針の見直しを大胆に行うべき時期に来ていると考えます。大世田谷の将来を見据えた果敢な取り組みが求められると思いますけれども、区の見解をお伺いいたします。  ここで、まちづくりについて一言触れておきたいと思います。地域行政制度の発足に伴いまして、よりきめ細かな行政サービスと、地域に即したまちづくりの推進ということで、まちづくり計画指針を発表されました。地域行政の仕組みが変わる、この機会に、地域の特性を生かした指針づくりで、まちづくりの手がかりとしたいとのことであります。今日までも数々の実績を上げてきていられることに対しましては評価をいたします。  しかし、私どもは、まちづくりにも、防災対策にも欠かすことのできないのは、まず道路づくりではないかと考えます。さきの本会議でも、我が党の代表質問において申し上げましたとおり、本年六月示された都市計画道路の期限内完成を期すると同時に、区独自の道路整備事業についても積極的に取り組んでいただきたいと強く要望をいたします。さらには、区画整理の網をかぶっている地区においても、事業の見通しが立たない地区においては、必要に応じて独自に整備を進められるよう、強く要望をいたします。  これらの事業に取り組んでいただいている優秀なる職員の皆さん、ぜひ完成まで担当をしていただいて、自分の手で完成させるという意欲を持って当たっていただきたいと思います。  次に、区政運営に欠かせない人材確保策について、少し触れておきたいと思います。  最少の費用で最大の効果という行政の立場を、申しわけありませんけれども、人に置きかえて一言で言うならば少数精鋭とでも申しましょうか、優秀で、やる気のある人材をいかに確保するかは、大変重要な課題だと考えます。最近、東京圏では、人材確保が困難と言われております。技術職などは、各自治体や企業の採用が競合し、確保が困難ということであります。世田谷区におきましても、ことしは建築職の確保が予定数に達しなかったと聞いております。これからは専門技術職だけでなく、一般職にも及び始めていると言われております。こうした人材確保に対し、何か若年層を引きつける手法はないものでしょうか。就職先を選択する場合の判断として、今も昔も変わっていないことは住宅の確保と言われております。地方から出てきた新卒の若者にとって、住宅の確保は何よりの条件でありましょうし、特に東京圏における住宅費の高騰は、就職先選択の大きな判断要素となっているということも聞いております。  そこで、世田谷区の職員住宅の現況はいかがでございましょうか。職員住宅問題については、我が党は、防災要員の確保の視点からも、その増設と計画的配置について意見を述べてきており、今後さらに人材確保の立場からも抜本的に見直す必要があると思いますが、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、国際交流の将来の方向についてお伺いをいたします。  世田谷区は、昭和四十五年にカナダのウィニペグ市と姉妹都市の提携を行い、いち早く国際交流に取り組んでまいりました。また、ウィーン市ドゥブリング区とも提携を行い、充実した交流ができていると評価するところであります。また、英字広報や、英字のハンドブック等も発行しており、区内在住の外国の人たちにとって有用なものであると思います。今や「国際化とは」というテーマでシンポジウムも開かれ、各自治体でもそれぞれに強い取り組みを示しつつあるところですが、当区にとっても一層の積極的な取り組みを期待いたします。  先日の法務省の発表によりますと、我が国に住む外国の人は百万人を超え、百七万人という状況で、世田谷にも一万二千人の外国の人が住んでおられるようです。このような急激な増加を見ますと、これまでの実績を踏まえて、さらに新たな課題に取り組まなければならないと思います。また、世界が大きく変化する中で、世田谷区も、これまでの自治体としての枠にとらわれずに、国際社会の一員としての果たさなければならない役割があると思います。  そこで、区の実施計画の中の国際化施策の推進でありますけれども、今後の国際交流の基本的な方向についてお伺いをいたします。区内在住の外国の人たちが、この十年間で倍近くになっていると聞いております。そうした外国の人が、世田谷に住んでよかったと感じていただくためには、行政の努力も必要ですけれども、地域の中での区民との心の触れ合う交流も大切だと思います。幸い世田谷区には、海外での経験が豊富で、語学も達者な方が数多くいらっしゃいますし、現に世田谷ウィニペグ友好協会を初めとして活動していらっしゃる方たちも少なくありません。実施計画では、国際化に関する懇談会で、国際交流事業団の検討を行うようですが、事業団が柔軟な発想で区民と外国の方々との交流活動が活発に行われるような計画にしてほしいと思います。世田谷区も国際社会の一員として、大いに海外の多くの都市と交流を深めていくべきだと考えます。  具体的な例としては、放置自転車を再生してアフリカに送ったり、区内の中学校が、ミシンを海外の困ったところに送ったり、また空き缶回収の収益金を寄附するなど、大変すばらしいことが行われております。姉妹都市提携をして、ウィニペグ市とは二十年、ドゥブリング区とは五年が過ぎて、それぞれに充実した交流が行われてきていますが、最近では、海外に出かける区民の方も大変多く、また行き先も多様の状況であります。こうした時代を考えますと、二つの姉妹都市との交流をさらに充実させるとともに、ほかの都市との交流も進めていくべきでありましょう。そうした中で、もっと多くの小中学生の派遣交流を図るべきだと思いますが、区のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  ところで、ことしは災害の当たり年のような気がいたします。先ほども触れました長崎普賢岳の噴火や、フィリピンのピナツボ火山の大噴火、インドの大地震、中国の大洪水、アメリカの大火災、そして国内では台風と大雨の被害、これらの中には今世紀最大と言われるものもあるようです。今後、我が国でもどんな大災害がいつ起こるかわかりません。このような中で最も危惧いたしますことは、最近、災害に対する危機感が薄れてきているのではないかということであります。昨日ですか、一昨日ですか、発表されました、総理府の防災に関する世論調査でも、それが指摘をされております。また、過日のテレビによると、富士山の西湖の水害現場で、観光客が、一生懸命積み上げている土のうの上に上がって、Vサインをして写真を撮っている映像が報じられておりました。地震周期説も、本当は今が一番危ない時期ではないかと思う反面、防災に対する意識の方はマンネリ化というか、危機意識の風化が非常に怖いことだと思います。  例えば防災訓練にしても、実施場所や参加地域などの違いから、単純には比較できませんけれども、だんだんに参加者数の減少が目立っております。それは、訓練内容の固定化や、また参加する人たちが同じ人たちだということも言えるかもわかりません。確かに、日常生活の中で、いわゆるセーフティー機能というものが発達してきて、石油ストーブが倒れれば、自然に火が消える、ガスコンロの火が消えれば、ガスはおのずからとまるといったように、自分で気をつけていなくても、機械の方できちんと機能してくれる。この辺も一つの原因かもしれません。  区が十数年前全戸に配布しました三角バケツでありますけれども、東京都の調査の結果では、現在持っているという人たちが三四%だそうであります。さきの報道にもありましたが、今、関東大震災級の地震が東京を襲った場合、死者は九千四百人、建物の焼失二六%と報じておりますし、この中には自動車の事故は入っていないということであります。しかし、この報道が住民の一人一人の頭の中にどのような映像として映るのでしょうか。自分に置きかえてみる、こんなことはきっと他人事としか考えられないのではないかと考えます。  いずれにしましても、今後さらに世の中が便利になり、安全になれば、ますます防災の意識が薄れてまいりましょう。今後、なお一層の防災意識の高揚に十分なる意を尽くされるよう、強く要望いたします。総理府のこのたびの世論調査の中で、住民が公共団体に求める対策のまず第一は迅速な情報の提供、二番目に緊急な通信網の整備ということであります。これらについては世田谷区は万全を期していると思います。各地区に配置されている学校教育施設等を活用した防災地域の拠点づくりを考えてみてはいかがでございましょうか。  他党からも、財政問題については出されておりましたけれども、我が党も触れておきたいと思います。財政問題について質問いたしますが、平成二年度の決算の評価と、平成四年度の予算編成に向けての財政見通しと、基本的な考え方についてお伺いをいたします。  区長の招集あいさつでも触れておられましたけれども、平成二年度と昨今の経済動向について触れてみたいと思います。我が国の経済は、外需主導の成長から、内需中心の経済成長へと転換が図られ、個人消費、企業の設備投資とも順調に推移して、昭和六十二年十二月に始まった景気拡大は、ことしの九月には五十八カ月となり、戦後最大のイザナギ景気を抜き、記録を更新したということでございます。また、平成二年度の実質経済成長率は、政府の見通しを大幅に上回り、五・七%の伸びとなっております。  しかし、最近の景気の動向について見てみますと、企業の設備投資の伸び悩みや、国内における乗用車の売り上げの低迷など、景気の減速傾向があらわれてきており、法人税収が減収してきているだけでなく、有価証券取引税や、土地取引に伴う印紙税も落ち込んでおり、国が十一月一日発表しました九月分の一般会計の税収は、前年同月対比〇・九%増にとどまったとしております。この結果、ことしの四月から九月までの税収累計においては、前年同月対比二・三%のダウンということであり、国の平成三年度の歳入欠陥が懸念されております。大蔵省では、今後の税収動向によっては、昭和六十一年度の補正予算以来五年ぶりの減額補正の可能性もあると、見解を示しております。  一方、都におきましても、景気の減速傾向により、都税収入の約五〇%を占める法人二税が、平成二年度の決算で、前年度決算の実績割れとなっております。また、平成三年度における法人二税の税収は、昨年度に引き続き、前年度実績を下回り、都税全体では、当初予算と比較して約二千五百億円の減収となるのではという見方もあり、平成四年度の予算編成に向け、財政調整基金の取り崩しを初め財源確保に非常に苦心をしており、厳しい状況にあるのではとの情報も得ております。  このような国や都の状況から推測すると、今後の国や都の歳入状況によっては、補助金のカットや財政調整交付金など、我が区への大きな影響も心配され、財政見通しを慎重かつ的確に把握する必要があるのではないかと思います。  そこで、これらの諸情勢を踏まえてお尋ねいたしますが、この十一月定例会は決算議会でもありますので、まず平成二年度の決算について、一般会計では、歳入の五一%を占める特別区民税が、前年度対比九・二%増の伸びを示しております。また、歳出面では、残額は六十三億円で、執行率九七・二%となっておりまして、実質収支額は五十九億円の黒字となっており、さらに性質別構成比などの数値を見る限りでは、当区の財政運営は順調で健全な財政状況にあると思われますが、区長は、先ほどの招集あいさつでも触れられておりましたけれども、どのように評価をされているのかお伺いをいたします。  次に、平成四年度の財政見通しについてでありますけれども、新基本計画の目標達成のため努力され、順調に実施計画事業が進められていることは十分承知をいたしております。しかし、これとても財政状況が好調に推移したからでありましょう。先ほど我が国の経済動向や都の歳入状況等についても申し上げましたが、これらが当区の財政運営に及ぼす影響を懸念するものであります。また、国や都の補助金、あるいは都の法人二税の歳入がもろに関係してくる財政調整交付金など、大変厳しい状況になるのではないかと思います。これらのことが危惧に終わるならば幸いと思いますけれども、このような状況の中で、平成四年度の予算編成作業が進められていることと思いますが、平成二年度決算、さらには現在の区財政を取り巻く諸情勢を踏まえ、どのような方針で予算編成をなさるのか、基本的なお考えをお聞かせいただきたいのと同時に、経費節減に十分意を尽くしていただきたいことを強く要望をいたしまして、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 初めに、基本構想についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。  ご指摘のとおり、基本構想を策定した後、区政を取り巻く環境は大きく変化してきておりますし、当時の予測を超えた課題も出てきております。このような変化のもとで、区民の生活様式や価値観はますます多様化し、地域社会の新たなあり方が問われているところでございます。こうした状況を踏まえ、基本構想につきましては、より適切なものとなるよう見直しを行い、次の基本計画の策定作業に反映させる必要があるのではないかと思っております。  ご提案につきましては、今後、議会とも十分に相談をしながら決めてまいりたい、このように思っております。  次に、公共用地対策とまちづくりについての新生産緑地制度化における世田谷区の農業振興策についてお尋ねがございました。ご案内のとおり、改正生産緑地法が本年九月十日に施行され、平成四年中に、原則として区内農地の大部分が、保全する農地と宅地化する農地とに区分されることになりました。このため、区内の農地所有者に、法律の改正要旨の説明会を初め、農家の方々の意向について、現在、調査中でありますが、同時に今後の農地の保全策、あるいはまた都市環境や都市整備のあり方に関し、検討を加える必要があることから、去る十一月一日付で世田谷区都市農地総合対策本部を設置いたしたところでございます。  そこで、お尋ねの新生産緑地法に対する世田谷方式についてでありますが、まず基本的な考え方としては、農地の持つ緑地機能に着目するとともに、無秩序な宅地化を防ぐため、可能な限り農地を保全してまいりたいと考えております。また、農地を保全するためには、その方策として、区独自のメニューを用意する必要がございます。そこで、現在本区で取り組んでいる農業振興策を推進するため、区民農園の利用形態の見直しを初め、ドイツの町にあるような小さな休憩小屋を備えた菜園、クラインガルテンと申し上げておりますが、現在の区民農園よりも規模が大きく、周囲の環境を考慮したものでありますが、これらの新設、また福祉農園、さらにはトラスト運動の一環としての果樹園の新設など、充実策について検討いたしているところでございます。  一方、現在、区独自で農家と五年間の農地保全協定を結び、その協定に基づいて、農家の行う圃場整備や、あるいは農業機械の購入などの農業近代化事業を区が補助する登録農地制度を実施いたしておりますが、この登録農地制度についても、新たな視点に立ち、拡大の方向で見直しを行ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今回の法令の改正を契機として、去る九月に設置した学識経験者や、実際に農業を担っておられる若い農業者の方々による研究会の意見提案なども参考にしながら、農業振興対策委員会のご意見をもいただき、世田谷農業の新しいメニューについて企画、立案し、具体化してまいりたいと考えております。  続いて、財政問題について触れておきたいと思います。  まず、平成二年度決算について申し上げますが、ご指摘のとおり、平成二年度一般会計歳入歳出決算額の対前年度伸び率は、歳入で九・一%、歳出で一〇%と、前年度の増加率に比べ若干下回ったとはいえ、順調な伸びとなっております。歳入の伸びの主なものといたしましては、一つには、当区歳入の根幹をなす特別区税が、譲渡所得の伸びなどによりまして、前年度に比べ九十七億、九・二%増となっていることであります。さらに利子割交付金や、都支出金や、基金繰入金におきましても、当初見込みを上回る伸びとなっていることが大きな要因となっております。  次に、歳出決算額の増でございますが、前年度に比べ、人件費六%、行政運営費一一・四%、そして投資的経費が一〇・五%の伸びを示しております。一方、執行率につきましても、前年と同様に九七・二%となっております。歳出の主な事業といたしましては、北沢タウンホールを初め烏山総合支所、地区会館などの建設、また特別養護老人ホームや、道路、公園の用地買収などに財源の配分を行ってまいりました。  そこで、平成二年度の決算の評価でございますが、都市基盤整備事業の推進や、高齢化社会への対応など、新基本計画の主要課題の実現に向け、税や基金の繰り入れなどの財源を有効に活用し、適正な財源配分のもとに効率的な執行が図られたものと思っております。また、平成三年度につきましては、現在、予算の執行中でありますが、引き続き効率的な財政運営を図るよう努力してまいりたいと考えております。  続いて、平成四年度の予算編成についてお答え申し上げます。八月末に発表された国の一般関係予算の概算要求を見ますと、七十六兆一千七百八十億円、前年度比八・三%増となっております。しかし、税収の落ち込み懸念から、義務的経費の一律一〇%カットなどの方針を打ち出しております。また、東京都におきましても、ご案内のとおり、本年度、都税全体では、当初予算と比べて二千五百億円の減収見込みとなり、法人二税が二年連続前年度を下回るなど、近年になく厳しい財政状況となっております。都の来年度予算の編成方針を見ましても、重点課題以外の経常経費にあっては五%減と厳しい方針で臨んでおります。  そこで、当区における平成四年度の予算編成でございますが、本区歳入の根幹をなす特別区税については、国や都の税構造の違いにより、最近の経済状況を直接には受けないものと思われます。しかし、国庫支出金を初め譲与税、財政調整交付金など、今後の税収によって財源が左右される不確定なものがございます。平成四年度の財政運営は厳しい状況にあります。そこで、平成四年度財政の編成に当たりましては、こうした諸情勢を認識しながら、新基本計画の目指す目標を十分に踏まえ、実施計画事業を中心とする諸施策実現のため、重点的な財源配分を行い、住民福祉の着実な推進を図るとともに、長期的な視点に立った財政見通しのもとに健全財政の維持に努めてまいりたい、このように考えております。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 私からは、公共用地の計画的な取得ということで、土地開発公社や都市整備公社の借入限度額を見直した方がいいと思うが、見解を伺うというご質問でございました。公共用地の取得についてでございますが、公共施設の整備や道路等の基盤整備を進めていくためには、用地を計画的に確保していくことが重要な課題であるということは、ご指摘のとおりであります。数年来続きました異常な地価高騰も、ここに至りまして、ある程度落ちついた状況になっておりまして、お話にございましたように、世田谷区にも多数の売却の申し出が来ております。このような状況から、実施計画等に合わせた計画的な用地取得が従来よりできるようになってきているというふうに考えております。  また、生産緑地法の改正に伴う将来の用地取得に備える必要も生じてまいります。用地の取得に当たりましては、従来から土地開発公社や都市整備公社が重要な役割を果たしてまいったところでありますが、さらに一層の活用を図ってまいりたいと考えております。このためには、両公社の財政基盤を強化する必要があります。区財政の状況を勘案しながら、借入限度額の見直しを検討してまいりたいと思います。  それから、国際交流事業団の構想及び姉妹都市提携の拡大についてご質問がございました。区内に住む外国人の方々に、同じ区民として安心して快適な生活を営んでいただきたいということは、実施計画の目指すところであります。そのためには、行政サービスの充実に加えて、地域の中での触れ合いが大切でございます。日常生活の中で、いわばふだん着の国際交流が展開されることは、触れ合いを高めていくと考えております。また、国際化時代にふさわしい世田谷区をつくる必要があるわけですが、国際感覚にすぐれた区民を育成するためにも、地域での交流が必要でございます。行政といたしましては、地域の中で外国人との交流の機会を積極的に提供していく役割を担っているものと考えます。
     こうした考え方を基本といたしまして、幅広い市民が地域で国際交流ができるように、その活動の推進母体となる国際交流事業団を計画しております。ご指摘のように、海外の経験をお持ちの方が多く、海外で多くの人のお世話になり、そのお礼を日本でしたいというご希望の個人やグループの方々がいらっしゃいます。そうした方々が十分に活動する場を準備したいと考えております。  姉妹都市は、国際交流事業の中で最も歴史があり、自治体外交の有力な手段といたしまして既に評価されているところでございます。しかし、姉妹都市交流は、より活発な交流となるためには、内容を充実させ、交流が互いの都市にとって具体的な成果のあるものにしていく必要があると思います。ウィニペグ市との交流、ドゥブリング区との今までの交流を、より一層充実した交流にしていきたいと考えております。他の地域の都市との姉妹都市提携については、今後とも積極的な取り組みをしたいと考えております。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 防災対策につきまして二点ほどございましたので、お答えをいたします。  このたびの雲仙普賢岳の噴火災害に対しまして、まずもって島原市並びに深江町の皆様にお見舞いを申し上げます。当区におきましても、区民の方々から多くの義援金が寄せられておりますが、先日、防災課長以下職員に義援金を島原市長、深江町長に届けさせるとともに、実際の大災害への対応状況をつぶさに視察させたところでございます。  その報告によりますと、まず自然災害の恐ろしさを身をもって感じ取ったことはもちろんでございますが、やはり多くのデマやうわさが飛んだこと、予想もしなかった避難所生活の長期化等、多くの教訓を学んでまいりました。今後、これらの教訓をもとにして、当区の防災対策を見直しまして、より実践的な防災体制を早急に確立してまいりたいと考えております。  そのためには、住民の方々や職員が常日ごろから、災害の恐ろしさを含め、まず災害に対する正しい認識を持つことが何にも増して重要であることはご指摘のとおりでございます。この七月に総理府で実施され、去る三日に発表された防災に関する世論調査の中でも、災害経験者の減少とも相まって、日ごろの防災意識や災害に対する危機感が薄らぎつつあることが指摘されております。このため、区といたしましても、防災訓練や防災教室において一人でも多くの区民の方々の参加が得られるよう、住民の方々と工夫し、実施してまいるところでございます。  今後は、保育園や幼稚園、小中学校、出張所などを単位とする身近なところでの、より実践的な防災訓練の実施を初め、防災区民組織の活性化、防災知識の普及のためのパンフレットの配布などによりまして、防災意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。  また、地域の防災拠点としての学校施設の活用の問題でございますが、ご指摘にもありましたとおり、学校は地域住民にとってシンボル的な施設であるとともに、広域避難場所に継ぐ施設であると認識をいたしております。学校施設を、防災面では災害時の一時集合所として指定しておりまして、また区立の小中学校は、家を失った方々の避難所ともなります。そのうち、現在、小学校二十二校、中学校二十校に地域防災倉庫を建設し、防災用の資機材や、被災者の方々に利用していただく生活必需品等を備蓄し、災害時の学校施設の活用策を図っているところでございます。  また、学校改築指針においても、学校を、災害に強い町の一つの拠点として位置づけ、学校における地域防災機能を充実することとされております。したがいまして、ご指摘のように、災害時における区立小中学校の地域の防災拠点としての役割に一層注目いたしまして、学校や地域住民の方々の理解と協力を得ながら、地域防災倉庫の増設、防災資機材や備蓄物品の充実を今後とも図ってまいりたいと考えております。 ◎企画部長(川瀬益雄 君) 公共施設のあり方につきましてご提案をいただきました。公共施設の整備につきましては、昭和五十四年に区民利用施設の整備と有効利用方針を策定いたしまして、施設の体系と配置、ネットワークの編成、管理運営のあり方について方針を定めて、計画的に整備をしてまいりました。その後、高齢者在宅サービスセンターや特別養護老人ホーム、障害者福祉施設など、専門の目的施設の需要に対応するための施設整備も積極的に取り組んでまいりました。  しかし、今日では、ご指摘にもございましたように、土地取得の困難性などの状況の中で、施設の有効利用、複合化、合築などを含めまして、長期的展望に立った公共施設の総合的整備計画を策定する必要があると認識しております。このため、実施計画の中では、執行体制の整備に当たって、重点課題として、この課題を位置づけております。今後、積極的に取り組んでまいりたいと考えます。 ◎総務部長(清水潤三 君) 人材確保と住宅の問題について、最後にお話がございました。魅力ある政策選定と、それから、やる気を高揚する役割分担こそ、人材確保の基本であるというふうに認識をいたしております。当区の新人採用に当たりましては、このような視点に立ちまして、区政の現状のPR、それから体験案内を採用前に行っているところでございます。今後、ご指摘のあった、完成の満足を得られるような職務分担も工夫する必要があろうかと思います。  職員住宅につきましては、新規採用、それから防災要員確保、それから子育て層などにつきまして、優先順位を含めまして体系的な整備計画を確立してまいります。  さらに、世田谷区内に蓄積されております人材の発掘と活用についても、第三セクターの機能も含めまして、今後、工夫をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆四十九番(荒木義一 君) ありがとうございました。時間が参りましたので、再質問はまた決算委員会の中でさせていただきますが、どうかひとつ積極的に取り組んでいただきますことをお願いを申し上げまして、終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(五十畑孝司 君) 以上で荒木義一君の質問は終わりました。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、公明党を代表いたしまして、四十四番吉本保寿君。    〔四十四番吉本保寿君登壇〕(拍手) ◆四十四番(吉本保寿 君) 公明党を代表いたしまして、質問通告に基づき、区の行政課題について順次質問をしてまいります。  まず初めに、国公有地の活用について質問いたします。  我々は、既に四年前、区内における公有地の総点検を行い、その結果については、国並びに東京都、さらに区に対しても、有効利用の促進を強く働きかけてきたところでございます。ここ数年の異常な地価の高騰によって、今さら言うまでもなく、住民生活はその基礎から脅かされ、さらに行政にとっても、土地不足が事業執行上の最大の障害に発展いたしております。このような状況を打破して、より以上、区民生活の向上に資することのできる区の行政を達成するためには、いよいよ我々も土地問題に真正面から取り組む必要があります。この問題は、今までも重ねて申し上げたとおり、第一義的には国が責任を負うべき課題でありますが、しかし、たとえそうではあっても、我々、地方行政に携わる者として、傍観しているわけにはまいりません。  この土地問題に関しては、税制を初め、さまざまな解決の方途があると言われておりますが、ここで我々がとり得る可能的な道の一つに国公有地の活用が挙げられることは、どなたも異論のないところでありましょう。既にご存じのように、社会保険大学校跡地、衛生試験場跡地、さらに旧国鉄用地などについては、地元利用優先の方向で議論が始められております。ただ、この中で旧国鉄用地に関しては、国鉄清算事業団の最近の動きなど、いささか情報が不足しております。これまで比較的論議が進められていなかった旧国鉄用地を初めとする、これらの土地の今後の利用計画の展望について報告をいただきたいと思います。  大規模公有地の利用について述べたとき、避けて通ることのできない問題は、都立大跡地の問題であります。この問題は、最近、清掃工場の建設問題と、好むと好まざるとにかかわらず、関連して語らねばならない状況になってまいりました。このような問題の発展の仕方について、我々は強い遺憾の意を表明したいと考えているものであります。  都立大跡地の利用をどのような方向にすべきであるかとの議論をする前に、ここで一言、駒沢公園への清掃工場建設計画について申し上げたいと思います。我々は、都立大跡地の問題と清掃工場建設計画とは全く切り離された問題であるというのが基本的な認識でありますが、東京都は、言外にこの土地を取引材料にして、清掃工場建設の推進を図りたいとの意向を表明していると言っても差し支えないでありましょう。この東京都の姿勢に対し、我々は強く抗議したいのであります。また、清掃工場建設計画の発表の経緯についても、事前のマスコミへのリークの問題を初め、東京都の余りにも政治的、高踏的な姿勢が目立つのであります。つまり、東京都の今回のやり口は、世田谷区の主体性を頭から無視した短兵急なやり方であり、我々地元自治体の神経を逆なでするものと言わざるを得ません。これについて、東京都はどのように釈明するつもりか、また区はこれをどのように受けとめているのか、お聞かせを願いたいと思います。  また、清掃工場建設計画の内容についても、判断するには情報が決定的に不足しています。計画内容について、区としてはさらに研究を重ね、あくまでも区にとって、あるいはまた中長期的な住民生活向上の展望に立った判断を下すための材料を収集するため、今後さらに研究を重ねていくべきであると考えます。この問題は、ただ単なる清掃工場の建設問題にとどまらず、都区間の今後の自治権のあり方にかかわる問題であると言えます。もしも東京都が、広域行政の一環として清掃工場の建設を恣意的に決定できるというのであれば、我々は、地域に関連した行政権限を今すぐ特別区に移譲すべきであり、事は特別区制度改革の問題に直ちに発展すると強調したいのであります。特別区制度改革を中途半端な状態にしていながら、広域行政の必要性を前面に出して、地元自治体の意向を軽んずるのであれば、我々はこれを許すことはできません。  いずれにしても、今回の問題は、そうした問題をも展望した上で、区としても強力に取り組んでいただきたいことを強く要望いたします。安易な妥協や、中途半端な取り組みでは、将来に禍根を残すことになるのは必定であり、区長以下、各理事者の真剣な努力を期待するものであります。あわせて、現状における都立大跡地の活用の方向についても、改めてご答弁をいただきたいと思います。  土地問題の最後に、住宅関連の問題で、従来より主張させていただいてきた合築について申し上げたいと思います。地域特別賃貸住宅の建設が具体化し、住宅供給にも一定のめどが立ったことは大変に喜ぶべきことであります。今後は、さらに住宅整備方針の策定、さらに生産緑地の問題など、まだまだ問題は山積いたしております。そこで今回は、今後とりわけ重要になるであろう合築を積極的に推進するために、合築についての基本的な方針、あるいは指針などの策定はできないのかどうか、お尋ねするものであります。  区内のすべての公有地並びに公共施設を総点検して、住宅、あるいは公共施設を合築の手法によって供給していくことは、土地不足の折、大変に重要であります。しかし、むやみやたらに実行すればよいというものではないことは、もとより明らかであります。したがって、事前に実態の調査を行い、そして基本的な方針を策定することは、計画的で整合的、さらに効率的な行政を行う上で不可欠の要素であります。その意味で、合築の基本方針、さらには公共施設並びに住宅の合築等による整備方針を検討していただきたいと思いますが、見解をお示し願いたいと思います。  続いて、生産緑地制度の改正について質問する予定でありましたが、この件につきましては、けさから今本会議で既に他会派より出された問題でありますので、私はここでは確認の意味で何点か申し上げたいと思います。区内の農地の多くは、千平米以下のものから二千平米規模までの物件が多いとされております。これが宅地転換された場合の懸念の一つは、民間による乱開発のおそれが多分にあるということであります。この問題に対する対処については、指導、助言、誘導策など、工夫の限りを尽くしていただきたい。  次に、公有地の取得のための受け皿整備でありますが、先ほども質問にありました、これについては、なおよろしくお願いをしたいと思います。しかし、これにはおのずと財政的限界があります。したがって、生産緑地指定には、やはり弾力性を持たせることが必要であります。将来における都市整備という長い視点に立った対処が不可欠でありましょう。  さらに第三の問題は、農地の継続にも、宅地化にも踏み切れないでいる農家に対して、区は土地の有効活用について何らかの対応を迫られるはずであると思いますが、いわば中間的施策としては、区はどのようなメニューを用意できるかという点でございます。これに対して、税制上の問題があろうと思います。この税の問題をクリアし、例えば市民農園や子供農業広場、あるいは苗圃、野外教育施設等々としての活用を図るために、一定の工夫が必要であると思います。例えば、無料で貸与していただくかわりに、管理料という形で対価を支払うなどの一ひねりした工夫が必要でありましょう。区は、どのようなメニューを提示できるか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。  この問題の最後に、区長の所信表明でもありましたとおり、都市農地総合対策本部を十一月一日付で設置したわけでありますが、この対策本部の今後の活動、または方針などについて、いわばこれまでの質問を総括する意味で、それこそ総合的にお答えを願いたいと思います。  いずれにしても、この問題は、言ってみれば、これから調査、検討が進むにつれて、現段階では想像もつかないさまざまな問題が発生してくる性質の課題であると考えられます。対症療法のみにとらわれていると、事の本質を見失う可能性もあります。対策本部におかれては、どうか、より根源的で中長期的な視点に立った、つまり、あくまでも二十一世紀の世田谷のあるべき姿を展望しながら対処していただきたいことを重ねて強く要望し、次の質問に移ります。  続いて、環境問題についてお尋ねをいたします。  これまで区は、生活環境部を中心に、みずとみどりの課、環境公害課、リサイクル推進課の三課体制で環境対策に取り組んでこれらました。中でも、ことしより、リサイクルの本格的推進に向けて、モデル地区の設定、ストックヤードの設置が具体化に向けて動き出したことは、関係部局の皆様の意欲と努力の結晶であり、我々はこれを可能な限り支援し、最大限の評価を惜しまないものであります。事業の推進には粘り強く当たっていただきたいことを、まずお願いしたいのであります。  行政には、住民の意向、住民ニードに的確に対応すべき部分と、ある場合には、中長期的な事業展開の必要性を、具体的な事業の形を見せることによりまして、理解の輪を広げていかねばならない場合もあると考えます。先行事業の場合、とりわけこうした要素が強くなり、それだけ担当者のご苦労も多いわけでございますが、波濤は障害の度を増すたびに、みずから勢いを増すものであります。事業の進捗への重ねてのご努力を衷心より要望いたしたいと思っております。  また、大気と水と緑をテーマにした環境対策、さらに、ごみの減量、資源リサイクルへと事業が進展してまいりました。一定の流れが形成され、今後は目標の達成に向け、その流れを加速することが課題であります。そして我々がさらに考えなくてはならないことは、そのもう一歩先を見通すことではないか、あるいは我々を取り巻く総体としての環境、つまり都市としての世田谷区をどのようにして快適な環境の町にしていくかという、トータルな構想の具体化を目指すべきであると思うのであります。環境という視点をキーワードとして、それを通奏低音とした都市構造、都市機能、都市景観の形成を改めて見詰め直したいのであります。  後期実施計画の第五章「緑と水とうるおいのある生活環境の形成」となっております。そこではまず第一項として「住宅と住環境の整備」を頭に、これまで我々が幾度となく主張を繰り返してきた住宅対策が描かれ、その後に第二項「都市景観の創造」として、都市美啓発事業、地域の個性化、大規模開発による景観整備などが述べられ、さらに第三項では「緑と水の保全・創出」、第四項では「公園・緑地の整備」がうたわれております。一方、ページを戻して第四章では、「安全で住みよい都市づくりの推進」として、地域整備方針、地区計画、防災街づくり、再開発計画、道路整備、交通環境整備などが各事業ごとに述べられております。  それぞれの事業はそれぞれで必然性があり、整合的でもあります。ただ、思うことは、極めて当たり前ではありますが、すべては連関する問題であるという点であります。都市美、都市景観は時代の必然性として、その背景に、大気、水、緑、さらにはごみ問題を踏まえなければなりません。また、大規模再開発は、ただ単に土地の利用効率や都市機能、経済機能の側面だけでなく、都市を生かす意味での住の確保、そして都市景観、生活環境としての美しさや快適性を追求する必要があります。また、緑地・公園の確保、整備にしても、早晩、市街地再開発と関連して語らねばならない状況が想定され、防災街づくりなどは、まさに再開発や地区計画と密接に絡み、防災効果の向上のためには、緑地、オープンスペースの確保が欠かせません。考えてみれば至極当然のことであり、世田谷における行政の存在意義は、都市としての広い意味での環境の形成にほかならないと言えます。そして、その環境とは、生態系としての自然と人間、そして都市としての機能がバランスよく、調和のとれた状態でなくてはならず、都市構造そのものが、道路も、住宅も、オフィスビルも、すべて環境を基軸にして再構成されることが、中長期的に求められているのであります。さらに、そこには、やはり世田谷としての独特の表情がなくてはならないでありましょう。  いささか問題の幅を広げ過ぎたかもしれませんが、そのような環境をベースとしたトータルな街づくり、世田谷の都市としての将来構想、将来展望を切り開いていくために、再度、これまでの計画の見直し、総合化をできないか。つまり、あくまで今日的な意味合いにおける環境をキーワード、通奏低音にした総合体系づくりに着手するおつもりはないかとお尋ねしたいのであります。  世田谷区の基本計画のサブタイトルは「二十一世紀の『ヒューマン都市世田谷』の実現をめざして」となっております。「二十一世紀の」との冠がかぶせられたところに、時代の先まで見通していきたいとの行政の思いが、私には読み取れたのであります。国にあっても、エコポリス事業を想定しようとしております。エコポリス、あるいはエコシティー、そこでは環境・公害対策がすべて網羅され、しかも住宅、都市機能、都市基盤、緑地、オープンスペース、清流などがバランスよく配備された都市景観の上からも、快適で美しい町が想定できるでありましょう。我々はこれまで環境専門セクションの創設を主張し、実現していただきました。リサイクルの制度化にも一定の前進を見ているところであります。この流れの上に、今度は、二十一世紀を展望して、今現在、区が有しているすべての機能、能力を総合化して、これまで述べてきた環境都市づくり、エコポリス、エコシティーの形成に乗り出していただきたいのであります。  横浜市で過日、「芸術が都市をひらく」と題したイベントが行われました。ヨーロッパでは、歴史的深みのある都市計画の延長線上に芸術性を取り入れているようであります。まちづくり、都市計画に、彫刻家を初めとする芸術家が参画して、まことにユニークなまちづくり、再開発を進めています。そうした面では大変に後進国である日本において、環境を基軸に置いた二十一世紀を展望できる構想の具体化に、ぜひとも世田谷区が先鞭をつけていただきたい。区長のご所見をお伺いしたいと思っております。  次に、子供たちを取り巻く環境の整備という観点から、六月定例会で我が党が主張させていただいた、乳幼児医療費の負担軽減策について質問いたします。  近年、特殊平均出生率の極端な低下が問題となっております。これについては、経済条件、女性の社会進出の増大、さらに住宅問題、文明論的問題、人々の人生観の変化など、さまざまに原因が指摘されていますが、結論は一概に決定できません。私はここでは、我々がとり得る行政施策として、乳幼児医療費の問題を強調したいのであります。  ご存じのとおり、児童福祉法においては、三つの基本理念がうたわれております。いわく、児童が心身とも健やかに生まれ、育成されるように、すべての国民は努めなければならない。また二番目には、すべての児童は、同じように、その生活が保障されなければならない。また、児童の保護者、国、自治体が、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うことが明記されています。つまり児童福祉法には、保護者は当然のこととして、国も地方公共団体もともに、児童福祉に一定の責任を負うことが義務づけられているのであります。特に二番目の、すべての児童は、同じように、その生活が保障され、愛護さなければならないという点に関しては、残念ながら、現在の自治体は、全国同様の水準で施策の推進が図られているわけではありません。したがって、生まれてくる場所によって、乳児の享受できる行政サービスが異なってしまうという、少し大げさに言えば、児童福祉法にもとる状況が存在すると言ってよいでありましょう。  例えば、北海道からこの世田谷に転居した場合、それまで無料であった乳児医療費が有料になっていることに、父母が驚く局面もあり得ます。また、栃木県においては、母子健康手帳を受理した段階から、妊産婦の医療費は無料になっており、これもまた、栃木から世田谷に転居した人には、驚きを持って受けとめられるかもしれません。このように、乳児、児童の受ける行政サービスに地域的な格差があるという事態は、児童福祉法の理念にのっとる限り、早急に解消すべき課題であると言えるでしょう。出生場所の違いによって、こうした格差が生じるのでは、人々の行政に対する不信感を増進しかねません。  全国の自治体での実施例を見ますと、対象年齢、所得制限、給付制限などの角度から、さまざまなケースがあります。何らかの形で乳児医療費の無料化が実現されている自治体は、四十二道府県に上っております。大阪府下においては、豊中市を初めとして七市一町、東京都においても中野区、新宿区、清瀬市、多摩市、日野市などが単独で実施しております。さらに大宮市、和光市のように、県の施策に、さらに市としての制度を上乗せして施策を展開している自治体もあります。  実施されている制度の詳細を見ますと、一歳児未満を対象にしている県が二十七県。この中で、三分の二助成など、部分助成の自治体はたったの七県、残る二十県は全額助成をいたしております。年齢制限では、二歳児まで実施しているのが三重県。三歳児未満まで実施しているのが秋田、長野、山口、福岡、佐賀、長崎、宮崎の八県。さらに四歳児までの実施が宮城。六歳児未満までが北海道、鹿児島。小学校入学時まで実施しているのが千葉、静岡。神奈川県では中学卒業時まで対象としています。  次に、所得制限について見ますと、所得制限なしという自治体は二十三県。特に大分県においては、適用枠を通院まで広げ、初診料、往診料も含めた自己負担の完全無料化を実現し、全国トップレベルの制度を確立しました。また、母子保健の観点から、乳幼児に加えて妊産婦にも医療費の無料化を実施しているのが岩手県、栃木県、茨城県、富山県、徳島県の各県であります。特に栃木県においては、無料化措置のほか、すべての妊産婦を対象に、妊娠届の時点から出産の翌月まで、全疾病の医療費を無料化するという徹底ぶりであります。本年度予算で見ても、ゼロ歳児医療費が約七千万円なのに対し、妊産婦医療費の出費が約九千万円と上回っているようであります。全国のこうした取り組みの実情の中で、何もしていない未実施県は、東京都、大阪府、京都府、青森県、沖縄県の五都府県のみであります。大場区長は、この実態をお聞きになり、どのような感想をお持ちになるか、お尋ねをいたします。  こうした実情の中で、去る十月、新宿区は、区民の強い要望により、三歳児未満の医療費無料化を、区独自の英断でスタートさせました。新宿区の制度も、入院、通院を問わず、初診料にも適用されるなど、充実した内容となっております。現在、世田谷区の乳幼児人口は、ゼロ歳児が五千六百三十五人、一歳児が五千八百七十五人、二歳児が五千七百二十六人、三歳児五千九百九十九人。したがって、三歳児まで対象にしますと二万三千二百三十五人、五歳児まで対象とすれば、三万五千五百五十人。十月一日現在でございます。  乳幼児の減少が続くということは、近い将来の高齢者福祉を初め、地域社会そのものの健全な発展を阻害するおそれが多分にあると思われますが、大場区長、いかがでしょうか。安心して子供を産み、育てられる環境整備の一助として、一大決断をお願いするものであります。このことは、家庭への政治からの温かい思いやりであり、児童福祉法に定められた地方自治の責任を果たすことにもつながります。世田谷区政が放った一石が、東京全体の施策の向上を促し、さらに将来的には国の施策として結実させることができたならば、これに過ぐる喜びはございません。ご存じのとおり、児童手当も、全国多数の自治体での先行実施が国の制度化を促した事実もあります。区長の決断を求めるものであります。  最後に、南北交通問題であります。環八への新交通システムの導入とともに重要な課題は、バス路線問題であります。去る三月、交通環境整備室より、区内南北路線の調査報告書が発表されました。これは、区西部の南北交通に関し、問題点並びにそれに対する施策案を多角的に検討したもので、私も高く評価するものであります。区民の最も身近な交通機関であるバス路線も、近年の道路整備のおくれ等によって、区の西部、北部地域では路線整備が行えず、交通環境の水準が甚だしく乏しい地域が残されております。特に小田急線北側の祖師谷、千歳台、上祖師谷、粕谷、北烏山、南烏山、給田においては、烏山方面と成城、祖師谷方面の連絡が極めて弱く、さらに祖師谷などは全く路線から外されている状態でございます。  報告書によりますと、千歳烏山から二子玉川間の路線バス導入については、短期実施策として、現在の道路状況のもとで、既存路線を活用する第一ステージ案、次に補助二一六号線開通後、これを経由する新路線を開設する第二ステージ案の二つが提示されており、将来への期待を喚起してくれます。実現へ向けての早急な取り組みを強く要望をいたす次第でございます。  また、あわせて環状八号線沿いの対応についても検討する必要があります。環状八号線の交通渋滞は、もはや路線バス導入を物理的に不可能にする段階にまで至っております。したがって、環八の渋滞を避けるため、並行する沿道へのミニバスによる路線導入を求めたいのでありますが、いかがでしょうか。付随して、報告書でも指摘されている道路整備状況などの問題も含めて、ご答弁をいただきたいと思います。  かつて区議会への請願に端を発し、美術館の開設を契機として、東急コーチのデマンドバスを実現した経緯があります。例えば新樹苑を経て美術館へ至るような地域サービスを基本とした、施設間を結ぶ路線について、ぜひとも検討を行っていただきたいと思います。経営主体についても、もしバス事業者間の調整が困難な場合は、区営バスの運行も検討すべきでありましょう。既に練馬区では、八月より、バス事業者と提携し、補助金を支出して、バス利用不便地域へのバス路線を開設し、大変に好評を博しておるそうであります。世田谷区でも一歩踏み込んで、区民の足であるバス路線の導入策を検討すべきであると思いますが、区長のご見解はいかがでありましょうか。区長並びに理事者の積極的なご答弁を期待いたしまして、私の壇上よりの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 初めに、生産緑地制度の改正と今後の区の対応についてお答え申し上げたいと思います。  本議会の招集あいさつの中でも申し上げましたが、都市農地のあり方を総合的に検討し、農地、緑地の保全と、農業の振興を図るとともに、宅地化する農地については、道路などの都市基盤を整備し、計画的な宅地化を円滑に進めることを目的とした世田谷区都市農地総合対策本部を十一月一日に発足させたところでございます。この対策本部は、生産緑地に関する庁内の連絡会議を発展させ、充実させたものであります。対策本部では、生産緑地地区、農地の宅地化、農業振興、区民農園などに関する事項を総合的に所管し、その推進を図ることといたしております。いずれにいたしましても、農地に関するさまざまな課題に全庁を挙げて積極的に取り組み、良好な生活環境の整備促進に努めてまいる所存でございます。  続きまして、今後のまちづくりと環境対策についての中で、エコポリス、エコシティーの推進について、いわゆる生態学的まちづくりということについてお話がございました。本年四月、地域行政制度をスタートさせ、住民により身近なところで環境づくり、まちづくりが取り組めるようにいたしたわけであります。また、来年は区制がしかれて六十年という年でもございまして、自治体世田谷区もいろいろな意味で節目を迎える年になるという認識をしております。  まちづくり、環境整備の面においても、これまでの施設建設、サービスの量的充足という時代から、自然との共生、地域環境の保全という観点を十分に踏まえて仕事を進めていかなければならない時代に入ってきております。このことは、先般カナダで開かれた世界大都市サミットでも討議されまして、持続可能な開発の手法を考えていかなければならないことが確認されたところでございます。  世田谷区においても、環境配慮指針というものをつくって、環境づくりの方向づけを初め、またリサイクル推進課を発足させ、ごみ問題、リサイクル、消費生活のあり方などに対処する体制を整えてきてまいっております。これらの環境行政に加えまして、自然をつくり守っていく、水と緑についての一連の施策、さらに、今ご指摘のあった農地の保全と開発の問題、潤いのある優しいまちづくりの展開などを個別に進めるのではなく、それぞれが連携し、体系的に行われ、世田谷区としての総合的な環境がしっかりとつくられていく必要があるのは、ご指摘のとおりでございます。それぞれの事業や開発が、この地域の自然や資源を保全しつつ、これらと共存、共生して進められていくように、この基盤となる考え方、すなわち生態学的なエコロジカルな考え方に基づいた都市づくりの方向を、区民にもわかりやすい形で示していくことは、いよいよ二十一世紀に向かう自治体世田谷の務めであると言えるのではないでしょうか。  ご提案にあるような生態系としての自然と人間のあり方を踏まえ、環境をベースとしたトータルなまちづくりの将来像として、これまでの計画や事業を基礎とした環境都市づくり、すなわちエコシティーといったものに向けての検討も始めていきたいと考えています。自然と共生するまちづくりに向けて、こうした生態的、環境的な考えを諸施策のベースにしていかなければならないというふうに願うものでございます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 私からは、まず国公有地の活用についてご答弁申し上げます。  ご指摘の区内大規模国公有地につきましては、区内に残された貴重な公共の土地であると認識しております。この間、国公有地の活用につきましては、取得を含めまして、都や国鉄清算事業団と協議を進めてきております。特に区内に四カ所あります国鉄清算事業団所有地につきましては、そのすべてを取得する方向で鋭意協議を継続しております。これらの利用につきましては、高齢者の福祉施設や公園、まちづくり事業用地、あるいは文化施設など、土地の規模や形状等を考慮しながら検討を進めているところであり、都立大跡地につきましては、高齢者を含む多世代が気軽に健康づくりに活用できる施設と、青少年の交流のための宿泊可能な青少年センターの建設用地として利用する計画案の具体化を都に要望してきております。いずれにいたしましても、今後、区議会ともご相談いたしまして、国公有地の有効活用の推進に努めてまいりたいと考えております。  それから、都立大跡地の区の利用でございますが、東京都の取り組み方に納得がいかないというご意見がございました。今回の清掃工場の整備に至る経緯につきましては、例えばプレス発表等、いろいろ都の対応には、都区の信頼関係にかかわる問題が見られ、私どもといたしましても抗議してきており、この間にも清掃局長等、局の幹部が区に参りまして説明を行い、陳謝してきているところでございます。  都立大跡地と駒沢公園の清掃工場問題は、ご指摘のように、都では関連づけて考えていると私どもも理解してございます。駒沢公園の清掃工場につきましては、今回、都の計画が示されたという段階であり、その詳細な理由は、ご質問の中にありますように、まだ明らかになっておりません。私どもといたしましては、この問題を論議するためにも、ただいまご提案いただきましたようなことが必要だと考えております。今後、区議会ともご相談申し上げながら、検討、論議できる材料を収集し、研究してまいりたいというふうに思います。  それから、安易な妥協はするなというご質問でございます。今後も、地元自治体として主体性を持って取り組んでまいりたいと思います。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 生産緑地制度の改正と、今後の区の対応の中で、受け皿、メニューの問題、それから乳幼児医療の無料化の問題についてお答えいたします。  今回の生産緑地法の改正の趣旨は、三大都市圏における宅地の供給と、良好な都市環境の保全の両面にございます。中でも、生産緑地制度の指定要件が従前より大幅に緩和され、指定が受けやすくなった反面、原則として農業経営の長期的な継続が農家に課せられることになった点が特色でございます。  本区の場合、どの程度の農地が生産緑地の指定を希望するか、現在、調査中でございますけれども、約二百五十ヘクタールの農地のうち、五割から六割程度になるのではないかと推定をいたしております。この生産緑地に指定された農地については、今後、農業の継続ができなくなった場合には、区への買い取りの申し出ができるわけでございますが、このことは、公共用地が従前より取得しやすくなるという利点がございます。しかしながら、財源の問題も一方ではございます。国では、今回の法律改正に当たり、買い取り申し入れに対し円滑な対応ができるよう、地方公共団体に対し、公共用地先行取得債や、建設省での都市開発資金による対応が検討されているとのことでございます。区としても、これらを活用して、今後、公共用地として必要な農地については、財源の許す限り先行取得を行ってまいりたいと考えております。  一方、生産緑地に指定されない農地は、固定資産税や都市計画税が一挙に約百倍近くにもなりますし、宅地等に転用される可能性が高く、放置いたしますと乱開発が進み、今後のまちづくりや生活環境に大きな影響が出てまいります。そこで、このような農地を活用し、道路や公園など都市基盤の整備や、良好な住宅の供給などのほかに、お話にもございました区民農園や、将来の公共用地として区が借りる方法がございます。これらにつきましては、ご提案のような区独自の受け皿のメニューをできるだけ多く設ける必要がございます。  いずれにいたしましても、生産緑地法の改正を契機に設置いたしました都市農地総合対策本部の中で土地情報収集などを行い、農家や区民のご要望を踏まえながら、総合的なまちづくりに努力してまいりたいと考えております。  次に、乳幼児期の健康を守っていくことは重要課題として認識をしておりますが、このため区では、乳幼児期に各種健康診査を実施するなど、乳幼児の健康増進を図っているところでございます。乳幼児のいる世帯の一般的な収入から考えますと、医療費に対する負担感が大きいものと思われます。現在、区では、乳幼児の医療助成制度として、未熟児養育医療制度を実施しております。また、東京都でも養育・育成医療、小児慢性疾患、特殊疾病等の医療費の助成を行っております。  ご指摘の乳幼児医療の無料化につきましては、各種保険により、給付内容等もさまざまに異なっており、基本的には医療保険制度全体の問題として認識しておりますが、今後、十分に検討してまいりたいと考えております。 ◎都市整備部長(鈴木蓊 君) 国有地の活用に関連をいたしまして、合築による住宅整備の今後の展望についてお尋ねがございました。ご承知のとおり、世田谷区では現在、住宅委員会の意見を聞きながら住宅整備方針の策定を急いでいるところでございます。少しでも区民の住宅要望にこたえられるように、さまざまな供給手法を用いた住宅の供給を模索しているところでございます。  ご指摘のとおり、こうした供給手法の一つでございます国公有地の有効活用による関連公共施設に住宅を併設した住宅供給、すなわち合築方式につきましては、区民共有の財産であります土地の効率的な活用を図る観点からも、住宅供給の一手段として引き続き取り組んでいかなければならないというふうに考えております。合築を推進するに当たりましては、基本的な考え方として、合築のあり方、基準の策定を行い、地域の住宅立地、あるいは生活関連施設の配置状況などを配慮する必要がございます。こうした観点からも、本年度事業の一環として、現在、各種の公共施設と住宅との合築の適合性、合築に際しての基本的な考え方、こうしたものを示すためのガイドラインづくりを行っているところでございます。  これらの結果を踏まえまして、関係機関への働きかけ、あるいは連携を深めながら、合築によります住宅供給の推進に取り組んでいきたいと考えております。 ◎道路整備部長(森尚之 君) 南北交通問題についてお答え申し上げます。  まず、環状八号線沿いの道路整備状況でございますが、地区の生活の中心となります主要生活道路につきましては、希望丘土地区画整理地区や上用賀地区でわずかに進んでいる程度で、計画路線が希薄なこともございまして、立ち遅れている状況にございます。ご提案のミニバスによります、新樹苑を経て世田谷美術館へ至るルートでございますが、部分的な改良を必要としますけれども、多少迂回する形をとりますれば確保できる道路状況となっております。  次に、ミニバスの導入に関してでございますが、環状八号線沿いにつきましては、交通渋滞や並行する道路の整備状況の問題もございまして、通常の路線バスの導入が難しい地域でございます。しかしながら、ご指摘のように、交通機関利用不便地域でありますので、大規模公共施設へのアクセス、施設間の連絡、地域サービスを基本目的としたミニバス導入について調査、研究してまいりたいと存じます。  この中で、福祉バスとの連携の可能性、路線バスとしての事業採算性、ルート案、経営主体等について幅広く検討することといたしたいと考えております。  以上でございます。 ◆四十四番(吉本保寿 君) 大変ご丁寧なご答弁、ありがとうございました。おおむね了といたします。細かい点につきまして、また決算委員会等でお話をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  終わります。(拍手) ○議長(五十畑孝司 君) 以上で吉本保寿君の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。  なお、一般質問は議事の都合により、明六日の本会議で行いますので、ご了承願います。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔関次長朗読〕  報告第四十七号 議会の委任による専決処分の報告(自動車事故に係る損害賠償額の決定)外報告三件 ○議長(五十畑孝司 君) 本四件についてご質疑はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(五十畑孝司 君) ご質疑なしと認めます。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────
    ○議長(五十畑孝司 君) これより日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔関次長朗読〕  日程第一 認定第一号 平成二年度世田谷区各会計歳入歳出決算認定 ○議長(五十畑孝司 君) 本件に関し、提案理由の説明を求めます。菊池収入役。    〔収入役菊池佳丈君登壇〕 ◎収入役(菊池佳丈 君) ただいま上程されました認定第一号「平成二年度世田谷区各会計歳入歳出決算」につきまして、ご説明を申し上げます。  初めに、歳入歳出決算総括から申し上げます。お手元の決算書の一ページをお開きいただきたいと存じます。  まず、歳入決算額でございます。一般会計が二千二百十八億三千五十五万九千二百二十六円、国民健康保険事業会計が三百四億九千七百八十六万二千八百七十三円、老人保健医療会計が三百五十億四千二百六十四万三千百五十一円、中学校給食費会計が六億五千二百六十一万三千三百三十六円で、一般会計と各特別会計を合計いたしました歳入決算額は二千八百八十億二千三百六十七万八千五百八十六円でございます。  次に、歳出決算額ですが、一般会計は二千百五十四億九千二十五万三千四百四十六円、国民健康保険事業会計は三百三億四百三十四万七千三百二十八円、老人保健医療会計は三百四十七億六千七百四十三万三千九百九十九円、中学校給食費会計は六億四千九百四万一千七百九十三円でございます。一般会計と各特別会計を合計いたしました歳出決算額は二千八百十二億一千百七万六千五百六十六円でございます。  なお、歳入歳出差引残額六十八億一千二百六十万二千二十円を、平成三年度へ繰り越しいたしました。  次に、この決算総括の内訳といたしまして、各会計ごとに説明をいたします。  最初に一般会計から申し上げますので、三ページをお開き願います。  歳入決算額は二千二百十八億三千五十五万九千二百二十六円、歳出決算額は二千百五十四億九千二十五万三千四百四十六円であります。これを前年度と比較いたしますと、歳入決算額は百八十五億二千六百七十七万八千二百三十九円、九・一%の増、歳出決算額では百九十五億四千八百十八万五千七十八円、一〇%の増と相なっております。歳入決算額に対する歳出決算額の比率は九七・一%でございます。歳入歳出差引残額六十三億四千三十万五千七百八十円を平成三年度へ繰り越しいたしております。  なお、このうち翌年度へ繰り越すべき財源といたしまして、事故繰り越し四億三千六百四十七万一千三百十円が含まれておりますので、純計繰越額は五十九億三百八十三万四千四百七十円となっております。  次に、歳入についてご説明をいたします。四ページから九ページにわたりまして、歳入の決算について款別に登載いたしております。八ページの歳入合計欄をご覧いただきたいと存じます。  予算現額二千二百十七億九千四十二万九千八百二十円に対しまして、収入済額は二千二百十八億三千五十五万九千二百二十六円で、予算現額と収入済額との比較では四千十二万九千四百六円の増で、収入率は一〇〇%と相なっております。  このうち、歳入の根幹をなします特別区税の収入済額は、歳入決算額の五二・一%を占めております。増減率では前年度に対しまして九・二%の伸びとなっております。  続いて、歳出の説明に移らせていただきます。一〇ページをお開き願います。  議会費から順次款別に決算額を登載いたしております。一四ページの歳出合計欄をごらんいただきたいと存じます。  予算現額二千二百十七億九千四十二万九千八百二十円に対しまして、支出済額は二千百五十四億九千二十五万三千四百四十六円となっております。翌年度繰越額は四億三千六百四十七万一千三百十円、不用額は五十八億六千三百七十万五千六十四円で、執行率は九七・二%となっております。  次に、国民健康保険事業会計についてご説明いたします。一七ページをお開きください。  歳入決算額は三百四億九千七百八十六万二千八百七十三円で、予算現額に対しまして九五・三%の収入率となっております。  歳出決算額は三百三億四百三十四万七千三百二十八円で、予算現額に対する執行率は九四・六%となっておりまして、歳入歳出差引残額一億九千三百五十一万五千五百四十五円を平成三年度へ繰り越しいたしております。  なお、歳入歳出決算額を前年度と比較いたしますと、歳入決算額、歳出決算額ともに〇・三%の増となっております。  続きまして、老人保健医療会計について申し上げますので、二七ページをお開き願います。  歳入決算額は三百五十億四千二百六十四万三千百五十一円で、予算現額に対しまして九九・八%の収入率となっております。  歳出決算額は三百四十七億六千七百四十三万三千九百九十九円で、予算現額に対する執行率は九九%でございます。  歳入歳出差引残額二億七千五百二十万九千百五十二円は、平成三年度へ繰り越しいたしております。  なお、歳入歳出決算額を前年度と比較いたしますと、歳入決算額で八・二%、歳出決算額で七・四%の増となっております。  最後に、中学校給食費会計について申し上げますので、三三ページをお開き願います。  歳入決算額は六億五千二百六十一万三千三百三十六円で、予算現額に対しまして九二・一%の収入率となっております。  歳出決算額は六億四千九百四万一千七百九十三円で、予算現額に対しまして執行率は九一・六%となっております。  歳入歳出差引残額三百五十七万一千五百四十三円は平成三年度へ繰り越しをいたしました。  歳入歳出決算額を前年度と比較いたしますと、歳入決算額で八・二%、歳出決算額で八・三%の減となっております。  以上をもちまして、平成二年度世田谷区各会計歳入歳出決算の概要の説明を終わらせていただきます。何とぞよろしくご審議、ご検討いただきまして、ご認定を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本件を審査するため、五十名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(五十畑孝司 君) ご異議なしと認めます。よって本件については五十名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。  ただいま設置いたしました決算特別委員会の委員選任につきましては、委員会条例第五条第一項の規定により、議長より指名いたします。  お諮りいたします。  お手元に配付してあります構成表どおり指名することにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(五十畑孝司 君) ご異議なしと認めます。よって委員は構成表どおり選任することに決定いたしました。    ─────────────────     決算特別委員会構成表 荒木 義一 石井 徳成 石塚 一信 宇田川国一 内山 武次 小谷  勝 小畑 敏雄 鈴木 昌二 近岡 秀輔 土田 正人 土橋  賀 内藤 義雄 中村 大吉 南里 吉彦 新田 勝己 原  秀吉 平山 八郎 広島 文武 星谷知久平 真鍋 欣之 三田真一郎 宮田 玲人 山口  昭 山内  彰 飯塚 和道 市川 康憲 上地 良昌 小口 義晴 薗部みどり 中嶋 義雄 長谷川義樹 諸星 養一 吉本 保寿 和田  勉 笹尾  淑 田沼 繁夫 三田てい子 村田 義則 山崎 治茂 唐沢 敏美 斉藤 国男 高橋  忍 西村 孝 長谷川佳寿子 森川 礼子 森田イツ子 東  まさ 丸山 孝夫 下条 忠雄 大庭 正明    ──────────────── ○議長(五十畑孝司 君) この際、ここでしばらく休憩し、決算特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行います。  委員会は本議場において開催いたします。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時十六分休憩    ─────────────────     午後五時二十五分開議 ○議長(五十畑孝司 君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  休憩中に行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果について事務局長に報告させます。 ◎事務局長(津吹金一郎 君) ご報告いたします。  決算特別委員会委員長 平山 八郎君  同     副委員長 市川 康憲君  同     副委員長 田沼 繁夫君  以上でございます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で報告を終わります。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、 △日程第二から △第七に至る六件を一括上程いたします。  〔関次長朗読〕  日程第二 議案第八十四号 世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の一部を改正する条例外議案五件 ○議長(五十畑孝司 君) 本六件に関し、提案理由の説明を求めます。佐野助役。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第八十四号より議案第八十九号に至る六件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第八十四号「世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  現行条例で規定されている議会の議決に付すべき契約金額は、昭和五十二年に改正された以後、現在に至るまで改正されておりません。その間、経済成長とともに、区の財政規模は増大し、建設費の上昇率は、当時に比較し二倍から三倍に達しております。また、消費者物価は約一・五一倍となっております。したがいまして、こうした社会経済情勢及び行財政規模に適合するように、現行条例の議決契約金額を引き上げる必要がありますので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第八十五号より議案第八十七号に至る三件についてご説明申し上げます。  本件は、精神薄弱者のための通所施設の建設にかかわるものであります。  次に、議案第八十八号についてご説明申し上げます。  本件は、公園を造成するための人工地盤の建設にかかわるものであります。  議案第八十五号より議案第八十七号に至る三件の工事請負契約締結につきましては、地方自治法施行令第百六十七条第一号の規定に基づきまして、指名競争入札により実施いたしました。  業者の指名に当たりましては、工事の規模、施工能力、設計内容等を慎重に検討いたしまして指名を行い、入札に付しました。その結果、議案第八十五号「仮称世田谷区立第二生活実習所新築工事請負契約」は、株式会社儘田組が落札し、同社と三億八千八百三十一万円で契約しようとするものであります。  議案第八十六号「仮称世田谷区立第二生活実習所新築電気設備工事請負契約」は、春名電気工事株式会社が落札し、同社と一億九十四万円で契約しようとするものであります。  議案第八十七号「仮称世田谷区立第二生活実習所新築機械設備工事請負契約」は、大立工業株式会社が落札し、同社と一億千六百九十万五千円で契約しようとするものであります。  議案第八十八号「仮称世田谷区立砧西公園覆蓋構造物等建設工事委託契約」につきましては、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第二号の規定に基づき、小田急電鉄株式会社と九十三億三千八百二十万円で随意契約を締結するものであります。  これら四件の契約の締結につきましては、地方自治法第九十六条第一項第五号並びに「世田谷区議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第二条の規定に基づき、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第八十九号についてご説明申し上げます。  本件は、ウィーン市ドゥブリング日本庭園用建物等をウィーン市に無償で譲渡するものであります。  本件につきましては、地方自治法第九十六条第一項第六号の規定に基づき、ご提案申し上げた次第であります。
     以上、議案第八十四号より議案第八十九号に至る六件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本六件を企画総務委員会に付託いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、 △日程第八及び △第九の二件を一括上程いたします。  〔関次長朗読〕  日程第八 議案第九十号 世田谷区出張所設置条例の一部を改正する条例外議案一件 ○議長(五十畑孝司 君) 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。吉越助役。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) ただいま上程になりました議案第九十号及び議案第九十一号の二件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第九十号「世田谷区出張所設置条例の一部を改正する条例」についてご説明いたします。  本件は、松沢出張所の改築に伴い位置が変更となるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第九十一号「災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明いたします。  本件は、国において災害弔慰金の支給等に関する法律等の改正に伴い、当区におきましても災害弔慰金及び災害障害見舞金並びに災害援護資金の貸付限度額を引き上げ、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  以上、議案第九十号及び議案第九十一号の二件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を区民生活委員会に付託いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、 △日程第十を上程いたします。  〔関次長朗読〕  日程第十 議案第九十二号 世田谷区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例 ○議長(五十畑孝司 君) 本件に関し、提案理由の説明を求めます。吉越助役。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) ただいま上程になりました議案第九十二号「世田谷区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例」につきましてご説明申し上げます。  本件は、新たに世田谷区立高齢者在宅サービスセンター、デイ・ホーム太子堂を設置するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本件を福祉保健委員会に付託いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 次に、 △日程第十一から △第十五に至る五件を一括上程いたします。  〔関次長朗読〕  日程第十一 議案第九十三号 世田谷区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例外議案四件 ○議長(五十畑孝司 君) 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。佐野助役。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第九十三号より議案第九十七号に至る五件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第九十三号「世田谷区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、新たに千歳船橋北自転車等駐車場を設置するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第九十四号「世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、世田谷区立北沢一丁目小緑地を設置するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第九十五号及び議案第九十六号の二件につきましてご説明申し上げます。  本二件は、いずれも新たな特別区道の路線の認定に関するものでありまして、道路法第八条第二項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第九十七号につきましてご説明申し上げます。  本件は、特別区道の路線の廃止に関するものでありまして、道路法第十条第三項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第九十三号より議案第九十七号に至る五件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(五十畑孝司 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本五件を都市整備委員会に付託いたします。    ───────────────── ○議長(五十畑孝司 君) 以上をもちまして本日の日程はすべて終了いたしました。  なお、明六日は午前十時から本会議を開催いたしますので、ご参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十六分散会...